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【種別】 住人 【初出】 鎌池和馬スレッド35「とある魔術の禁書目録」 【元ネタ】 「■■■■教徒」=■■ 「型月~」=18禁メーカーType-Moonの事 「ジョジョ~」=ジョジョの奇妙な冒険 「スクライダー」=スクライド 「統和機構」=ブギーポップシリーズ 「エロイムヘイズ」=フレイムヘイズ(灼眼のシャナ) 「月厨」=「とある~」をType-Moonのパクリと信じて疑わない人達 「究極種党」=ガンダムSEED? 「SOS団」=涼宮ハルヒの憂鬱 【解説】 禁書スレとゆかいな仲間達ver1.00 新刊、新規参加者、住人の気まぐれで増え続ける各勢力の簡易解説(060427がver1.00) このほかに派閥分岐一覧表が存在する 現在の派閥 ◆正統派 インデックス神教 一巻以来の最古参の古株。 タイトル出演、英国製ハラペコシスターを崇拝する。 現在は出番の減少(とは言っても主人公に次ぐ多さ)により御坂御琴統一教会と聖ねーちん友の会に遅れをとっている。 御坂美琴統一教会 御坂美琴と一万人ミサカシスターズファンの連合会。 ツンデレデレデレ好きと犬娘属性野郎の吹き溜まり。 原作者の加護という究極の守りを持つため潜在ファンは非常に多い。 聖ねーちん友の会 18歳。でも頑なに20を超えていると信じるお姉さん属性ファンが渦巻く伏魔殿。 登場頻度は少ないはずなのにインデックス神教を超える熱狂ぶりを見せている。 小萌はじてぃ修道会 「当作品に登場するキャラクターはすべて18歳以上です」の禁断の誓いの元に集まった一派。 ◆異端派 一方通行女性原理主義派 鈴科百合子さんの登場を切に願う原作者泣かせの異端派、最大教主は某作家。 型月皇帝騎士団 2chでの戦い歴史の体現、スレ違いをものともせず侵攻して国を切り開く猛者たち。 ■■■■教徒 ■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■。 ◆中小勢力 妹メイド推進委員会 サブモブ一発キャラを忘れない同盟 複数の勢力が統合され出来ている ├二巻のヒロインことヘタ錬金術師の再登場を希望する会 ├黒猫のこと、忘れないでください同盟 専用のケージの中で元気にやっています ├海原とか闇咲とかアステカとか一一一とか火野とか筋肉系店長とかに萌える会 ├聖ガブリエル教会 「実在および架空の人物、団体、事件とは何の関係もありません」 ├竜神神社 妹属性と幼馴染属性と従姉妹属性と巫女属性とロリコン。二回言うと怒る者も ├ゴスロリとか人形について話をする会 看板に偽りなし、土属性を好む希少種も参加している ├オルソラ教会 実は小規模すぎてどんな人が居るかあまり良く解らないってばっちゃが言ってた ├アニェニェはドMカワイイと主張する人々 呼称通りだが稀に見飽きたと言い出す人が出没 ├委員長属性委員会 吹寄制理が一発キャラにならないよう願う組織、実際の委員長である青髪ピアスは無関係 お姉様に更なるセットオプションを加えよう友の会 □■とか発射場とか花瓶とか寮監とか糸電話とか 青髪ピアスFC チャック派と変身派の他、理想に共感した者や誘波の登場を待ち望む人間の一部が存在する 学園都市医師連盟 ナース属性や女医属性、冥土返しファンの人々 BK団 合言葉は世界を大いに盛rもとい、我らがビッグ・かまちーの為に! ◆潜在的大規模勢力 及び未確認勢力 ジョジョ紳士、スクライダー、カナミンのアニメ化を待ち望む会、統和機構、黒BK団、眼鏡愛好会、嘘同盟 コンタクトレンズ粉砕同好会、神の愛を広める集まり、大人のお姉さんスキーズ、秘密結社TS、ネタ紳士組合 徒、考察などを考える風な思考をする人々、メガネっ娘ヒロインを待ち望む会、エロイムヘイズ 18歳以上の人達 ◆要注意危険思想集団 特別高等人、鬼ヶ淵死守同盟、究極種党、最後の大隊、月厨、巫女委員会 ◆絶滅危惧団体 山百合会、5121小隊、SOS団、第7都カセン、ADAM ◆実力未知数新興団体 姫■清教会
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【種別】 魔術 【初出】 十六巻 【解説】 フィアンマが振るう強大な術式、またはその力そのもの。 非常に勘違いされがちだが、フィアンマの右肩から現れる歪な形をした第三の腕は聖なる右が空中分解した姿である。 『神の右席』としての性質が示すように、 『右方の天使』である神の如き者の力である、 どんな邪法だろうが悪法だろうが、問答無用で叩き潰し、悪魔の王を地獄の底へ縛り付け、 1000年の安息を保障した右方の力。 それら奇跡の象徴たるミカエルの『右手』を元にした命名である。 あくまで『人間』であるフィアンマには、 そのままの状態では、『右腕』の力を完璧に引き出すことは出来ない。 実際、ローマ教皇に振るった際は一振りで空中分解しそうになり、 上条当麻と対峙した際にも、 数回ほど威力を発揮しただけで自然消滅してしまうほど不安定で不完全。 フィアンマはこの力を完全に発揮するために、 その力を完璧に引き出せる『幻想殺し』 制御を司る知識を有する『禁書目録』 本物の天使を下ろした素材、『サーシャ=クロイツェフ』 を求めた。 ブリテン・ザ・ハロウィンにおける混乱を突いて禁書目録の『遠隔制御霊装』を得たことにより、 空中分解は避けられないものの、その状態で固定することが可能になった。 その後、召喚した神の力とベツレヘムの星を利用した儀式で四大の歪みを正すことでさらに強化される。 そしてベツレヘムの星における戦闘で上条の右腕を切断。 右腕の血肉を第三の腕に取り込むことで受肉し、遂に『聖なる右』は完成した。 この右腕は「倒すべき敵や試練や困難」のレベルに合わせて、 自動的に最適な出力を行う性質がある。 そのため『幻想殺し』の相殺能力すら超える莫大な力を常に生み出し続ける出力を持ちながら、 その力をフィアンマが思った通りの結果を出すために適切に行使できる。 莫大な出力と様々な力を持つ腕自体が、最適な力を自動で発揮するため、 フィアンマには戦闘で勝利するための、破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物等が必要ない。 例えば「触れれば終わる」から破壊力はいらないし、「振れば当たる」から速度はいらない。 ただ右手を振ればそれだけで勝ってしまうという、戦闘において万能と呼べるとんでもない能力。 上条は「RPGのコマンドに『倒す』がついてるようなデタラメさ」と評した。 他にも、水平方向で射線が通っていれば、 どれだけ離れていようと、途中が空中だろうと、望む距離を瞬時に移動できる。 瞬時に距離をとって攻撃を回避したり、キロ単位の超遠距離から一気に距離をつめることも可能。 他にも30~40kmもある巨大な剣を行使することが可能。 加えて『十字教的な奇跡は大抵右手をもって行われる』という繋がりから、 『神の右席』でありながら、多くの十字教的超常現象を自在に行使できる。 上条の『幻想殺し』を取り込んだ事で『聖なる右』は完成し、遂にフィアンマは『神上』に到達。 十字教のあらゆる神話を再現できるほどの一撃で、用済みとなった上条を葬ろうとしたが、 攻撃は右腕の肩口の断面から現れた「莫大な力」に真っ二つに引き裂かれた。 その後、「莫大な力」は上条の意思で食い潰され、上条の『幻想殺し』は再生した。 「必要に応じて最適な出力が出る」ということは 「敵対者のレベルに応じて出力が上下する」ということでもあり、 莫大な力を引き出そうとすれば、それに見合う「敵」が必要となる。 故にフィアンマは「第三次世界大戦」及び「それを引き起こす人の悪意」を「敵」として設定し、 戦争を煽ることで『世界を救えるほどの力』を引き出そうとした。 しかし、フィアンマの予想に反し、人の善意が悪意に勝ったことで予定の出力に至らず、上条に敗れた。 なお、フィアンマ曰く、幻想殺しと聖なる右は『似たような力』であるらしい。 ただし、フィアンマも完全に幻想殺しを理解していたわけではないらしく、 アレイスターには、 「十字教程度で幻想殺しや右手を説明しようとしたのが失敗」と批判されている。
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【種別】 人名 【元ネタ】 姓= 比売神(ひめかみ) 名= ミコアイサ 【初出】 二巻 【CV】 能登 麻美子 【概要】 初対面の上条曰く「メチャクチャ美人」な 『原石』の少女で、能力『吸血殺し』の持ち主。 京都の山村出身で能力によって吸血鬼を呼びよせてしまった事で、隣人や家族を皆殺しにしてしまった過去を持つ。 また、自身のCカップの胸を「貧相な身体」と考えている。 【人物・性格】 黒髪ロングで巫女服の、寡黙で表情が読みにくい少女。 二巻以前は巫女服を着ていたが、とある高校に転校以降は基本的に学生服着用である。 本人の趣味なだけなのかもしれないが、彼女の一種のアイデンティティになっており 制服を着ているときですら地の文で「巫女服が似合いそうな」と形容されたこともある。 魔法使いにあこがれており、スタンガンや電動ガスガンを「魔法のステッキ」、殺虫剤を「魔法のスプレー」等と称する事があった。 住所不定だったらしいが小萌先生に拾われ彼女の家に居候し、 SS一巻の時点ではとある高校の学生寮に移り住んでいる。 昼は毎日自作のお弁当を持参しており、 その腕前はなかなかのもので上条がレシピを教えてもらおうと思ったほど。 いつの間にか知り合っていた舞夏やクラスメイトの吹寄と仲が良いようだ。 その能力故か血の流れには詳しく、応急処置もお手の物。 「流れを読む」ことが得意なのか、吹寄に屋台などで混雑する大覇星祭当日の大通りを想定した助言をしたこともあった。 【作中での行動】 本編の十年ほど前に、京都の山村にて灰の中一人佇んでいるところを イギリス清教の先槍騎士団に発見される。 その後学園都市へ赴いたが、結局能力を取り除く術を見つけることができず、能力の希少性に目を付けた三沢塾によって監禁されてしまう。 そこへ吸血鬼を呼び寄せる『吸血殺し』を求めてアウレオルスが現れ、三沢塾を占拠。 彼に保護された後は、「能力を抑える(消し去る)」という自身の目的を達成するために協力関係を結んだ。 その後アウレオルスが協力関係を破棄したことで殺されかけるが、 上条の活躍もありなんとか事なきを得た。 アウレオルスの結界が失われた後は、 インデックスから歩く教会の効果の一部を持つケルト十字架を譲り受け、 その結界によって能力を抑えている。 その結果、能力を失ったと見なされたため、霧ヶ丘女学院を追い出されて上条の学校に転校した。 『超電磁砲』では第三十二話扉絵にて初登場。 その後、第四十二話では大覇星祭当日の動線を考える吹寄に付き添っていた。 【口調】 「、」が無く「。」のみ。そのため、漫画の吹き出しでも「。」が使われている。 ただしニ巻P41、P172、P173、P216にて「、」を使っている。 これがミスなのか、精神的動揺などの言外の描写なのかは不明。 例) 「私。魔法使い」 「やっぱり。君には女難の相が出ているのかも」 「小萌先生。よくもやってくれた」 【余談】 漫画版では諸々の都合でニ巻の内容がなかったことにされ、姫神は「吸血殺し」の設定がなくなり、普通の転校生になった。 漫画版の大覇星祭編ではオリアナに襲われた理由が「首に掛かったイギリス式のケルト十字」から「偶然拾ったステイルのルーン」へと変更されたが、その他の動向は原作とほぼ相違ない。 『超電磁砲』では登場しても顔が一切描かれず、冬川氏は各種コメントにてネタにすることも多い。 本編、漫画版での不遇っぷりを憐れに思ったか「謎の特別追悼企画(姫神追悼祭)」が、 2008年6月第二回『禁書目録』フェスティバルの裏でひっそりと行われた。 同時発売された原作十六巻・漫画版『禁書目録』二巻・『超電磁砲』二巻のあとがきでそれぞれの作者による姫神が描かれており、いずれも必見。 【関連】 ■■ 真・■■ 姫神さま 姫■清教会 姫神MONSTER ■■「吉野家」改変 派閥(スレ内ネタ)
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19時01分 その後、さんざんな目に遭った。 コスプレ衣装は没収された。描写不可能な形相をした白井に追い掛け回され助けを求めた他の常盤台中学生は敵に周り、上条当麻は『学舎の園』の中を走り回った。休む暇も無く、針や二〇〇〇℃を超す灼熱やカマイタチが襲ってくる。周囲はそんな光景を目のあたりにしながらもいたって驚くそぶりも見せない。つまりこれは上条当麻が起こす『普通の光景』なのだろう。常盤台中学の能力開発の優秀さ感心しつつも敵に回すとこれほど恐ろしいものはないということを上条は実感していた。 もっとも、上条当麻の敵ではないのだけれども。 命からがら逃げ出し、通学路の途中にある人気の無い公園のベンチで少年は項垂れていた。 三時間ほど走り続け、彼女たちを撒いてたどり着いた先がこの公園である。いくら体力のある年頃と言えど足に疲労を感じていた。空はすでに夜。下校時間を過ぎているので人通りは極端に少ない。携帯で時刻を確認すると十九時を過ぎている。 この状況を端的に表すとこの一言に尽きるだろう。 「…不幸だー」 不幸な少年は真っ暗な空を見上げて呟いた。夜空に輝く流れ星(実際は廃棄処分された人工衛星のデブリ)に心奪われながら、先ほど自販機で購入した缶ジュースに口をつけた。 「ぶわっ!?不味っ!」 口に広がる不快な味覚に上条は思わず吐き出した。口元を袖で拭いながら缶シュースの銘柄を見る。 「ゴホッゴホッ…んー、何々…抹茶味のサイダー!?て何だこりゃあ!?しかもホットだし!缶コーヒーを買ったはずなのに、また入れ間違いかよ!」 さらには缶の種類、サイズ、デザインの色合いも似ており、薄暗い公園で確認できなかったのも無理は無い。 ようやく訪れた静かなひと時を堪能したかった上条だが、ジュース一本でその雰囲気はものの見事に崩れ去ってしまった。カクテルバーで粗茶を飲むようなものである。 「うう、不幸すぎますー」 「不幸不幸と言っておるとまた味あわせてやるぞ?上条」 後ろからふいに声をかけられた。 振り返ろうとすると頬に暖かいものが押し付けられた。缶ジュースである。 「おしるこは嫌いか貴様?私は気に入っているのだがな」 見覚えがある。『今』の上条当麻にとってはつい最近会ったばかりだ。 「バードウェイ!?何でここに!?」 「……ふむ。私がここにいることがそんなに不思議か?」 先日帰ったばかりだろ!とは言えなかった。ここは一年後の未来。あの時から会っていないとすれば、一年ぶりの再会といえる。 しかし、上条は妙な親近感を覚えた。 高級感ある紺色のコートに白のプリーツブラウス。デザインの良い薔薇の刺繍が入った黒のストレッチベロアパンツを履いていて大人びた印象を受ける。 だが、その容姿はまるで変わっていなかった。可愛らしい容姿にひそむ鋭い目つきが。 「ひ、久しぶりだなー。突然の再開に少し驚いているだけだよ」 「ああ、それだ。それだよ。その『ヒサシブリ』という日本語を忘れてしまってな。貴様にどう話しかけようか思考を巡らせていたところだ」 「…また何かあったのか?」 外見は十二歳前後の少女とはいえ、『明け色の陽射し』のボスとして君臨する魔術師である。 この学園都市に観光目的で来日していないのは明白だ。さらに彼女ほどの実力と地位を持つ者が入ってくる事自体、ただ事ではない。 バードウェイは上条の変化を察したらしく、ニヤァ、と口を大きく引きつらせながら言った。 「なあに、大それた用事ではない。確かにここに来た目的は仕事の為だが、貴様に頼らずとも安易に完遂できるモノだ。私が貴様を訪ねたのはkotatsuをもう一度堪能しくなっただけだ。ウチにもあれを取り寄せたのだがな。アンティークが並ぶリビングでは案外つまらなくて、鬱憤晴らしに部屋ごと吹き飛ばしてしまった」 そう言って軽く舌を出すバードウェイのイタズラ心満点の笑顔に、上条当麻はギョッとした。片目を閉じながら、いつの間にか右手に持っている杖をクルクルまわしている。何かの拍子で術式が発動するかもしれない。 「そ、そうですか。今はまだコタツは出していないんでー、サヨナッ!?」 ガシイッ!襟首をつかまれた。かなり強い力で。 「貴様、どこに行く気だ?」 悪意たっぷりの笑顔を浮かべながらバードウェイは言う。 「い、いやー、カミジョーさんはただ家に帰ろうとしただけですよ?インデックスが腹を空かせてるかもしれないから、早く家に帰って夕飯の準備をしなくちゃならないのでェッ!?!」 足のつま先を踏まれた。かなり強い力で。 「それは奇遇だな。私もまだ夕食が済んでいないんだよ」 「…つまり」 「そこまで言ってもまだ分からぬか。やはり貴様は私の下僕にしてやったほうがいいな」 「…つまりつまり」 「喰わせろ」 ハイ、ワカリマシタ。 「お帰りなさいとうま(当麻)」 そこに二人のエプロン姿の美少女がいた。 上条当麻がとった行動は一つ。カバンをズリ落とした。それはもうドコかの漫画みたいに。 19時23分 バードウェイと共に見慣れない自分のアパートに戻ってきた。第七学区にある高級住宅地で十四階建の高級マンション。セキュリティの優秀性は知らないが、仄かに彩られる和風庭園を一望できる玄関があるだけでもその高級感は理解できるだろう。管理人のお姉さんも気立てがいい人で上条とバードウェイを見るなり「あららー?当麻ちゃんったらー『また』?」などと話しかけてきた。その直後にバードウェイが上条の足を踏みつけた。学生寮であれば男女揃って部屋に入ろうとしようものなら即刻先生たちに捕まり両親に知らせがいく。 しかし、上条は気にすることは無いだろうと思った。 管理人はアルコールの匂いをプンプンと発し、目の焦点が合っていないほど泥酔していた。 監視カメラを見過ごすあたりが上条らしいが、少年はそんなことを考えながらエレベーターに乗り最上階へと昇った。財布にあった二枚の黒色のカードキーを見る。一枚は玄関口を開けるカードキー。二枚目は「一四〇二号」と書かれたカードキー。上条の家である。 そして彼は見た。 エプロン姿の銀髪碧眼少女と茶髪茶眼少女が笑顔で上条を出迎えるのを。 上条の後ろに立っていたバードウェイを見るなり二人の笑顔が凍り付いたのは言うまでもないだろう。 そして今に至る。 四人用にしては比較的大きいテーブルに男一人と女三人が座り夕食を取っていた。 ハヤシライスがメインディッシュでサラダにチーズフォンデュ。加えてインデックスには蒲焼の缶詰が二パックある。 「ちょっとアンタ、食べすぎ」 「これくらい普通だよ。ね?とうま」 「あ、ああ、今日は少ない方じゃないかな」 「え!?」 「禁書目録よ。それは太るぞ」 「太らないもん!」 そんなやり取りをしながら夕食は進んでいた。上条の箸もすすんでいた。ハヤシライスもチーズフォンデュも舌をうならせる絶品だからだ。上条は三杯目に突入し、インデックスに至ってはルーを5回もつぎ足している。ハヤシライスはインデックス。チーズフォンデュとサラダは美琴が作ったらしい。しかもこのチーズ。一口食べただけでも分かるが、そこらのスーパーで売っているようなチーズは使っていない。おそらくそれに加えて美琴の腕もあるのだろう。とても美味しい。 「どうどう?とうま。美味しいでしょ、私が作ったハヤシライス!」 「ああ、美味え。インデックスが作ったとは思えないくらい…」 「ふっふ~ん。そうでしょそうでしょ。とうま、おかわりいる?」 「ああ、頼む」 得意げに話すインデックスは上機嫌で上条の食器を手に取った。 ご飯をつぎにキッチンに向かうインデックスを薄目で見ていると御坂美琴から脇腹を横から肘で小突かれた。 割と強い力で。 「いてっ、どうした?」 「…何か言うことはないの?」 インデックスとは反対に不機嫌そうな御坂美琴。 流石の上条も察することが出来た。自分の料理の評価が聞きたいのだ。 「ああ、美味いぜ。これ、チーズと牛乳の割合と加熱加減が難しいんだよな。いや、これはワインか。チーズも良いもん使ってるし、今度レクチャーしてくれよ。俺も作りてぇ。こんな美味いやつは初めてだからな」 上条の絶賛の言葉を聞いて面食らう美琴。それから少し間をおいてワザとらしく、コホンと咳をはいて、 「…フ、フン。いくら褒めたってもうお替わりは無いわよ」 「そうか。そりゃ残念だ」 なっ、と口を噤んだ美琴は顔を赤めると腕を組んでプイッと顔を背けた。 何だコイツ?と上条は美琴の挙動不審に首をかしげた。まあ、美琴がおかしいのいつものことだと考えてその疑問を放棄する。 「このチーズ、グリュイエール・アルバージュとみた」 「っ!!貴女、結構通ね…」 「もしかして一〇〇グラム八〇〇円もするあの!?」 「ああ、スイス産の安物だ」 美琴の予想以上の料理に対する入れ込みとバードウェイとの金銭感覚の違いに唖然とする上条はギギギ、と首を回して美琴の顔を見た。 赤い顔をしたまま美琴は上条の方をチラチラ見て、何かに気づいたような表情をした。 「あ、口についてるわよ」 美琴はナプキンで優しく上条の口を拭った。彼女の思わぬ行動にドキッとする上条だったが、そういう彼女の顔にも人に言えないものがある。 「…お前もついてるじゃねーか」 上条は仕返しのつもりで美琴の口元に付いている米粒を取った。 ごく自然に、それを口に含んだ。 そして気づく。 「「あ」」 事実を確認するや否や二人はみるみる顔が赤くなり、すごい勢いで顔をそらした。 恥ずかしすぎる!二人は心情まで一致した。 しかし、そんなやりとりは向かい側からは丸見えだ。 「何だそのツンデレ娘は?貴様の下僕か?」 ガチャン!とテーブルに頭をぶつける美琴。食器に直撃しなかったのは幸いだ。 そう言うバードウェイは退屈そうな顔をしていた。 「ななななな何言ってるのよアンタは!」 「図星か」 「ンなワケないでしょ!私は当麻のこ、恋人なの!」 「なら愛人の間違いだ。上条の正妻は禁書目録だろう?」 「「はぁ!?」」 ハモる上条と美琴。 「同棲しているではないか」 「ど、同棲!?」 『居候』の間違いだと上条は言いたかったが、若い男女が一緒に暮らしていること自体そのように受け取られていても不思議では無い。むしろ居候という方が異常だ。だがそんな事はお構いなしに口論はますますヒートアップしていく。 「インデックスはそっち側にとって危険なものなんでしょ?当麻はお人よしだから匿ってるだけよ!」 「何を言っている。禁書目録はイギリス清教の人間だ。上条は『枷』としての役割はあるが、安全性としては教会にいるほうがずっと高い。実際は禁書目録の意思が反映されているだけで、ここにいなければならないという適切な理由はない。そうだろう?」 少し驚いたようにインデックスは肩を震わせた。手元にあったハヤシライスを落としそうになる。上条はそれをキャッチした。 「…そうなの?アンタ」 「う、うん。それはそうだけど…で、でも私はここにいたいもん!」 「なっ!前にアンタの居候の理由を聞いた時は半信半疑で仕方無いことだと思ったけど、ここにいる理由はそれだけ!?」 「短髪には関係ないじゃん!」 「大アリよ!私は当麻の恋人なのよ!他所の女が恋人の家に住んでるなんてそんなの認められるかぁ!」 「心は私のものだ、などという勘違いは愛人にはよくあることだ」 ピタリ、と美琴の動きが止まる。 「…バードウェイ、だったけ?よっぽど死にたいらしいわね。アンタ」 「貴様こそ誰に向かって口を聞いてるつもりだ」 頭からピリピリと静電気を放つ美琴に平然と答えるバードウェイ。何故か口ごもるインデックス。 非常にまずい。 今、ここにいる御恩方を紹介しよう。 一〇万三〇〇〇冊の魔道書を保有する禁書目録―Index-Librorum-Prohibitorum。 魔術結社『明け色の陽射し』の首領であり他の魔術師を圧倒する強大な魔術師、バードウェイ。 学園都市「超能力者(レベル5)」の第一位。『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ御坂美琴。 学園都市最強の「絶対能力者(レベル6)」第一位。世界の英雄。上条当麻。 一見、女性関係のもつれによる口喧嘩だが、実際は国際問題に発展しかねない火ぶたがお茶の間のテーブルの上で切って落とされようとしている。原因は上条の女性関係という些細なものだが、古代文明の戦争なども案外似たようなものが発端なのかもしれない―――――――― などと現実逃避している上条当麻だった。 「インデックス。アンタ、覚悟しなさい」 「それはこっちのセリフだ、愛人。貴様こそ立場をわきまえてモノを言ったらどうだ」 「アンタは関係無いでしょ。部外者は黙ってなさい」 「禁書目録には借りがあるのでな。貴様が彼女に危害を加えようとするなら容赦はせんぞ。愛人」 「っ!愛人愛人って違うっつってんでしょ!」 ビリビリバチィ!と御坂美琴の頭から高電圧が放たれた。同時に電子レンジと液晶テレビから黒い煙が出る。 上条当麻以外は席を立ってお互いにらみ合っている。明るいムードから一転、いつの間にか一発触発の緊急事態に陥っていた。 どうしよう、と上条は考えていた。 事の発端はバードウェイの下僕発言でありそこからインデックスの居候の理由に矛先が向き美琴が上条の彼女であってインデックスの居候を快く思わないからでありバードウェイの愛人発言が美琴の神経を逆なでして今にも食ってかかりそうな勢いになってインデックスをかばうようにバードウェイが立ちはだかっており何でこんなことになったかというと上条当麻が御坂美琴という彼女がいながら年頃の美少女ことインデックスを家に置いているからであり、 結局、事の発端は「上条当麻」に帰結するのだ。 しかし、ここで上条が謝ったとしてもインデックスか御坂美琴の意見を聞くかで大きく事態が変わってしまう。しかし、上条はこの食事を楽しみたかった。だから何気なく呟いたのだ。 「お前ら、いいかげんにしろよ」 「っ!!!」 上条の言葉に三人の表情が凍り付いた。 あれ? と首をかしげる上条。 三人は渋々と席に着きながら、 「…そうね、ちょっとどうかしてたわ私」 「…フン、まあこれはお主の問題だ。客人の私が口を出すのはおこがましいな」 「…私はここにいたいもん」 皆、恐縮している。 一番恐縮しているのは上条当麻本人だ。 (あれー!?何で皆さんそんなにビビってんのー!?『うるさい!っていうかそもそもアンタが悪いんでしょうがあああ!』的展開を予想していたんですが!?) 「ごめんさない。インデックスがここにいる理由、前にも話し合ったもんね」 「気にしてないよ、美琴ちゃん。とうまの彼女なんだから、私のこと気にしないほうがどうかしてるもん」 「…中々、複雑な恋愛事情だな」 「……………………………………………………………この空気は一体何なんでせうか?」 「そ、そういえば、当麻。当麻は何で私の作った料理が分かったの?」 いきなりの話題転換。この暗い雰囲気を打破するために美琴があわてて上条に話題を振った。バードウェイもインデックスも苦笑している。 しかし、この期待を見事に裏切ってくれるのも他ならぬ上条当麻だ。 「んー…美琴の味がしたから、かな」 皆、絶句した。 硬直から五秒後。最初に口を開いたのはインデックスだ。 「とうま、それは一体どういう意味かな?」 「えっ!!!?い、いやそのっ!別に深いイミなんて無くってですね!?言葉のアヤというかなんというか!」 「そんなに挙動不審なのはどうしてなの!?ちゃんと説明してほしいかも!!」 怖い。向かい側の席でインデックスがとても怒ってらっしゃる。整った顔立ちをしているので余計に迫力があった。美琴は、というと上条の隣で耳まで赤くしてうつむいている。 バードウェイに目を見やると、これまた退屈そうに頬づえをついていた。 「禁書目録よ。言わずもながら分かるだろう?」 「!!!な、何を!?」 「…つまり、そういうことだ。なあ?御坂美琴嬢?」 「う、うん」 小さな声で、顔を真っ赤にした美琴はコクリと頷いた。 …短い人生だったな。 「とうまあああああ!いつ、どこで短髪に手を出したのおおおおおおっ!今日という今日はとうま殺す!カミコロス!私の腹の中で溶けちゃえええええええ!」 「では私がチョコ味にしてやろう」 「そんな魔術があんの!?っていうか皆で食事の続きをしましょうよ!結局こういうオチになるわけ!?やっぱ不幸ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」 「ちょっとー!!私の当麻に何すんのよー!!!」
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【種別】 船名 【初出】 とある魔術の禁書目録SSマーク=スペース編 【解説】 イギリス所属の世界最大の海洋資源調査船。 500m級のタンカー3隻ほどを並べ、上に巨大な鉄板を敷いたような外見。 鉄板は複数で構成されていて意図的な「隙間」を設けてあり、 傍目から見ると超巨大な釣り堀のように見える。 鉄板の上には30基以上のクレーンや採掘用資材のほか、端には小型潜水艦をぶら下げたウインチ、 ヘリポートには海賊対策のための攻撃ヘリも搭載されている。 世界最大と銘打っているが、 実際には学園都市に対する意地の面が強い。 わざわざ税金のかからないパナマとかではなくイギリス船籍で登録しているのも、 「学園都市よりすごいことをやっているんだ」という箔をつけたいだけ(パトリシア談)。 実際の採掘能力では学園都市製には遠く及ばない。 パトリシアはゲスト研究員として招かれ乗船していた。 北海の油田を探索、開発するために派遣されていたが、 採掘チームに魔術結社宵闇の出口の息がかかっている嫌疑が浮上し、 科学サイド・魔術サイド双方から問題視される。 そして双方の協議の結果、船を船員ごと沈めることで計画を頓挫させることを決定。 これを知ったバードウェイは、パトリシアを船から脱出させるためにマークを派遣した。
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【種別】 魔術・状態 【初出】 とある魔術の禁書目録 頂点決戦 【解説】 イベント『救出作戦!エンデュミオンの檻』にて登場した魔術。およびその魔術にかかった状態の者を指す。 振り仮名の如く誰かを操る魔術のようで、魔術・科学問わず多くの人間を操った。 魔術の核があると思わしき表現があり、一人に対して一つの魔術核が必要。 緩和玉というウサミミが作った玉で一定時間沈静化できるものの、根本をつぶさない限り意味はない。 エンデュミオン完成前のとある日、レディリー=タングルロードが発動させる。 ウサミミの研究所近くを封鎖して学園都市の生徒達や外部の魔術師を戦わせていた。 封鎖区域内にいたシャットアウラ=セクウェンツィアが操っていたらしく、レディリーから何らかの制御装置をもたらされていた。 事態に気づいた上条やインデックスの二人、および合流したプレイヤーやウサミミと交戦。 シャットアウラやレディリーを倒すことで順に一人ずつ解放された。 操られていた人物は把握できるだけでも、 妹達、土御門、白井、オルソラ、姫神、 海原(エツァリ?)、結標、オリアナという面子。 またこの事件の時にはマリーベート、ジェーン、メアリエの三人がステイルの指示で動いていた。 最終的には四人の活躍により操敵になっていた全員が解放された。
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【種別】 人名 【初出】 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟- 【元ネタ】 elves =elf「妖精」の複数形 【CV】 種田梨沙 【解説】 イギリス清教『必要悪の教会』に所属する魔術師の少女。 ステイル=マグヌスの弟子であり、風のエレメントを使役する魔術を得意とする。 しかし実際には自分で魔術を習得しているものの何かしら行き詰ってしまい、ルーン魔術を取り込めないか画策しており、 ステイルを師匠と呼んでいるのも尊敬ではなくバカにしているだけらしい。 ちなみにメアリエ=スピアヘッド、マリーベート=ブラックボールと共にステイルへの評価は「師匠ってば可愛い」とのこと。 劇場版でのやり取りなどを見るに、なんやかんやで信頼はしているようである。 デザイン上のモチーフは『妖精』で、それを意識した魔女服を着用している。 胸元に付けた赤い十字のブローチはイギリス清教所属の証。 エンデュミオンを巡る一件ではステイル達と共に学園都市に侵入。 「魔術・科学サイドの戦争の引き金となりかねない」と目された鳴護アリサを襲撃し、 上条当麻・インデックス両名と交戦した。 その後も同じく弟子であるメアリエ、マリーベートと共に行動し、 エンデュミオン倒壊を防ぐため基部の破壊に向かったステイルをサポートした。
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【種別】 物語・宗教・神話体系 【元ネタ】 Wikipedia - クトゥルフ神話 【初出】 間接的な初言及は一巻(関連する魔道書の名前のみ) 本格登場は『とある魔術の禁書目録SS -『必要悪の教会』特別編入試験編-』第二話 本編での直接的な初言及は創約一巻 【解説】 H.P.ラヴクラフトらによって創作された物語群。 始まりは「作家ラヴクラフトが創作した作り物(フィクション)」であったが、後世に多くの作家達が自身の物語に組み込んでいく事で、本物の神話のように振る舞うようになった。 基本的に登場する神々や怪物は「誰が戦っても負ける、特に人間では絶対に勝てないよう設定された存在」のため、 クトゥルフ系の術式は非常に強力なものとなる。 ただ、作品が「ある一つの邪神が起こす大暴れを、傍らにいる人間が巻き込まれる形で説明していく」邪神のカタログという側面を持つため、あらゆる邪神は「物語」の体裁で役割や恐怖を設計されていて、「物語性」の部分を崩されると脆いという弱点がある。 加えて「人の及ぶところにない」という大前提から、術者でも呼び出したモノを制御できないリスクがある。 【関連】 エイボンの書 輝くトラペゾヘドロン サンプル=ショゴス ネームレス 死霊術書(ネクロノミコン) 分類不能(ブランクペーパー) 目覚め待つ宵闇 ルルイエ 忘れられた神
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【種別】 超能力 【元ネタ】 Radio noise=「ラジオの雑音」 【初出】 三巻 【解説】 妹達のもつ能力。強度は異能力(レベル2)、もしくは強能力(レベル3)。 オリジナルの御坂美琴と同種の能力だが、単純な出力の差はもちろん、電磁力線を目視することも出来ない等、本家の1%の力も無い。 しかし、本家超電磁砲の十億ボルトに対し、その1%でも1000万ボルトの力を持つため、 強度自体は低いが決して侮れる能力ではない。 名前の『欠陥』というのは美琴と比べた場合に出来損ないである、ということだと思われるが、 能力者として見れば標準の域で、特に劣っているわけではない。 『超電磁砲』と同じく周囲に電磁波を発しているため、 やっぱり動物に避けられやすい。 逆に電磁場を皮膚で感知することもでき、 特定の人物の電磁場を識別し近づいてきた時に感知できる程度の精度はある。 また、『クローン体である 妹達 は同一の脳波を持つ』という点と電気操作能力を組み合わせることで、 妹達 間の脳波ネットワーク『ミサカネットワーク』を形成しており、 擬似的・限定的ではあるが精神感応及び 念話能力に近い特性も持つ。 なお、とある魔術の禁書目録ノ全テのコラムには、 『本来は強能力(レベル3)に分類されるが現象によって異能力となるケースもある。』との記述がある。
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小ネタ バス停・朝美琴「毎回、私との待ち合わせは遅れなきゃ気が済まないわけ?」上条「すまん、御坂。一応、早めに家は出たんだけど、どっかの飼い犬に追い回されちまって」美琴「野良じゃなくて?」上条「首輪してたし、多分な」美琴「犬種は」上条「……マルチーズ」美琴「はぁ。アンタって本当に」上条「御坂には悪いけど、俺の運はもう使い切ってるかも知れねぇ。天候に恵まれたからな」美琴「確かによく晴れそうね。いいわ、この天気に免じて許してあげる」上条「アリガトウゴザイマス、御坂サマ」美琴「ところで、本当に普段着で大丈夫なの? 釣りをするんでしょ」上条「ああ、流石に制服だと汚れちまうけど、動き易い格好で充分だってさ」バス車内美琴「キャンプ場の渓流釣り?」上条「施設内のスペースをレンタルしてるみたいでな。出費は痛いが、道具もそこで揃えられる」美琴「初心者には有り難いわよ。バス移動じゃ釣竿とか持ち運び難いし」上条「だな。俺はクーラーボックスだけは隣人に借りて持たされたけど」美琴「誰から?」上条「修道服を着た食欲の権化」上条「そういや御坂の私服って珍しいな」美琴「野外活動だから、おしゃれのしようもありませんけどね。……おかしくない?」上条「カミジョーさんには機能美の方がわかり易いです。活発な御坂に合ってると思うぞ」美琴「素直に喜んでいいのかしら」上条「何でだよ! ちゃんと褒めてるだろ」美琴「暗に女の子らしくないって言ってるでしょ!」 ギャーギャー第21学区美琴「このあたりは緑が多くていいわね。うん、空気がおいしい」上条「そう思ってひとつ手前のバス停で降りたんだ。少し歩くけど、構わねぇよな」美琴「むしろ気が利くじゃない。この分だと、今日のエスコートは期待できそうね」上条「アウトドアだからな。男としては、ちょっとは頼りになるところを見せねぇと」美琴「釣りは経験あるの? ってアンタ、記憶が……」上条「軽くレクチャーは受けてきた。そんな顔すんなって、せっかくの一日、気兼ねなく楽しもうぜ」美琴「そ、そうね! どんな魚が釣れるかなぁ」上条「ニジマスやアヤメだな。何匹かはその場で放してもらえるらしいぞ」美琴「餌はどうするの? 虫とか使うんだっけ。うげ、私には無理かも」上条「蛾の幼虫。苦手なのは女の子っぽいけど、うげ、って何だよ(笑)」美琴「いいでしょ別に。アンタがつけてよ! 釣れた魚は串焼きにして……」上条「あー、テレビなんかだとすげぇ旨そうだよな」 キャンプ場・昼美琴「……全然釣れない」上条「不幸なカミジョーさんはともかく、御坂センセのビギナーズラックには期待してたんだけどな」美琴「頼りになるところを見せてくれるんじゃなかったの?」上条「餌をつけるのは俺に任せろ! まあ前に言ったとおり、のんびりできれば満足なんですよ」美琴「うー。ちょろっと場所を変えてみる、向こうの岩陰とかよさそう」上条「足元に気をつけろよ。長靴履いてないんだから」美琴「平気よ。私はそこまで運動神経が鈍く……。きゃあ!」上条「――危ねぇ!」美琴「ご、ごめん。ありがと」上条「言わんこっちゃない。濡れた岩場は滑るんだって」美琴「う、うん。って、どこ触って……!」 ビリッ上条「咄嗟だったんだから仕方ないだろ。漏電はやめて、触れてるの左手……!」 フコウダー!上条「はは、久し振りにまともに喰らっちまった」美琴「本当にごめんなさい。今日は絶対、電撃は出さないって決めてたのに……」上条「そんなこと考えてたのか? いまのは俺が悪い、御坂はいつもの不幸に巻き込まれただけだ」美琴「何でアンタが慰めるのよ」上条「大丈夫だって。俺だけはお前のビリビリに耐えてみせるから」美琴「……ばか」美琴「しばらく休んでなさいよ。どうせ平日は補習漬けで疲れが溜まってるんでしょ」上条「お見通しか。そうさせてもらうかな、でも餌はどうする?」美琴「ルアーに替えてみる。えっと、それでね、釣れないのは私の生体磁場のせいだと思うのよね」上条「? ああ、魚も犬猫みたいにか」美琴「眠ってる間、右手は貸してね。釣竿は片手でも何とか……。アンタはここよ」 グイッ上条「」上条「zzz」美琴「……気持ちよさそうにしちゃって。膝枕ってそんなにいいものなのかしら」上条「zzz」美琴「結局、釣果はなしかぁ。大物を釣り上げるつもりが、ミイラ取りみたいで世話ないわ」上条「zzz」美琴「コイツは絶対、釣った魚に餌をあげないタイプよね。満たされてる私も私だけど」上条「zzz」美琴「……」上条「zzz」美琴「……」 カシャ上条「zzz」美琴「そ、そろそろ起こしますか! せっかく作ったお弁当、帰る前に食べてもらわないとね」学生寮・夜禁書「――とうま。今日は釣りに行ってたんだよね」上条「そうだぞインデックス。どうかしたか?」禁書「このめざしはさっきまで泳いでたのかな」上条「気にしちゃダメだ。ほら、俺の分もやるよ」禁書「とうまは食べないの」上条「昼飯が遅めだったからな。何かもう満たされて、胸が一杯なんだよ」終わり