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「あー、あいつの眼鏡好き? あれは病気よね、まったく」 珍しいことに、この女と意見が完全に一致した。 「四六時中、暇があったらあの地味女とベタベタばっかりして。 秋には泊まりに行ったりもしてたみたいだし。 ふん、今日も勉強とか言ってるけど、一体何ヤッてるのか判りゃしないわよね」 判ってはいることだけど。 その事実は、繰り返し確認する度に私をナイーブにさせる。 「エロ本だって眼鏡ものばっかりだし。 知ってる? あいつ、あたしが貸してやったノーパソで『眼鏡かけたまま■■■■■』 なんてワード入れて検索してたのよ! も~信じらんない!」 何時もは自分も乗って彼の事を悪し様に罵るのだが、彼がいない時にそれをするのは陰口のようで気が進まない。 「ふん、今時、眼鏡属性なんて珍しくもないわよ。 ツンデレ全盛の今の情勢じゃあ、時代遅れのマイナー好みと批判されても仕方ない無いけどね。 まあ、どうせあの男は、エロゲーでも眼鏡緑髪の腹黒キャラを喜々として攻略するんでしょうけど―――」 「あ、最近はそうでもないわよ」 え? 「あいつこの頃はね、エロゲーとかじゃ、黒髪ロングのスレンダーキャラを一番に攻略するのよ。 はあ、まったくわけ解んないわ、あいつの好みだけは。 ……って、何勝手に先に行ってるのよ、待ちなさいよ!」 背後の声から逃げるように、私は更に早足になる。 ―――追いつかれたくない。 「……黒髪ロングのスレンダーキャラ、ですって」 頬がだらしなく緩んでる今の顔を、こいつにだけは見られたくない。
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644 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/11(火) 17 12 36.89 ID YtE3oynDO 案外麻奈美はコンタクトに変更して振られるかもしれないなイメチェンしすぎて 646 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/11(火) 17 40 22.48 ID tlv2KCrn0 644 妙な想像した。 麻奈実「どうかな、きょうちゃん。 こんたくとに変えてみたんだけど……」 京介「麻奈実? 麻奈実、どこにいるんだ? 声だけ聞こえて聞こえるんだが」 麻奈実「え?」 桐乃「は?どこ見てんの。 麻奈実さんはあそこにいるじゃん」 京介「おお、本当だ。いたならちゃんと返事してくれよな」 眼鏡「」 麻奈実「きょうちゃん!? わたしはここだよ!? それはただの眼鏡だよ!?」 京介「だから、麻奈実だろ? 言われなくてもわかってるって。 なあ麻奈実、今から桐乃と植物園行くんだが、おまえも一緒に来るか?」 眼鏡「」 麻奈実「植物園かぁ。うん、一緒に行k」 桐乃「ふうん、用事あるんだ」 京介「用事があるなら仕方ねえな。 それじゃあ桐乃と二人で行って来るな」 桐乃「お土産は植物園専用フレームのプリクラでいいよね」 眼鏡「」 麻奈実「きょーちゃーん」 京介「分かってるって。 ハメは外さねえよ」 桐乃「じゅーでんくらいしかしないって。 それじゃあ行こっか」ギュッ 京介「じゃあな、麻奈実」ダキッ 眼鏡「」フリフリ 麻奈実「きょうちゃん! きょうちゃーん!!」 ---------------
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紅い眼鏡 ORIGINAL SOUNDTRACK The Red Spectacles 紅い眼鏡〈完全盤〉 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 紅い眼鏡〈完全盤〉(Amazon) 発売元・販売元 キングレコード株式会社 発売日 2007.10.24 価格 2667円(税抜き) 内容 映画『紅い眼鏡』より オープニング・テーマ 別れ(M-01) 映画『紅い眼鏡』より オープニング・テーマ メイン・タイトル(M-02) 機甲刑事の栄光と没落 夜行(M-04) 機甲刑事の栄光と没落 逃走(M-14A) 機甲刑事の栄光と没落 紅一とみどり(M-12) Buffoon 文明のマンボ(M-15) Buffoon C&W(M-10) Buffoon 立ち喰いそば屋(M-08) Desperate Situation 疾走(M-16) Desperate Situation Diarrhea(M-09) Desperate Situation 幻のスクリーン(M-13) 1998年6月15日 裏切り(M-10B) 1998年6月15日 宣告(M-11) 1998年6月15日 脱出(M-06) 1998年6月15日 他人の街(M-18) 魔都の終焉 雨(M-19) 魔都の終焉 少女のテーマ(M-20) 魔都の終焉 エンディング・タイトル(M-21) BONUS TRACKS なんじゃこりゃ(M-14B) BONUS TRACKS 白塗り突入(M-05) BONUS TRACKS 対話タクシーの真実(M-17) BONUS TRACKS 猫体操第二 BONUS TRACKS 紅い予告 BONUS TRACKS 遠吠え(M-03) *初収録 BONUS TRACKS The Red Spectacles -20TH EDITION- *新録曲 備考
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第一回戦第五試合 医死仮面 名前 性 魔人能力 医死仮面 男 サナティック・アスクレピオス 一∞ 女 眼鏡の王(Lord Of Glasses) 櫛故救世 女 鈴具輪久 採用する幕間SS なし 試合内容 “TRAIN‐BRAIN” 「ただいまより1回戦第5試合を開催いたします。試合会場の特急列車は世界一と名高い豪華列車・ロリエントエクスプレスを再現しております。本来行き先の無いこの列車ですが、冥府行に変更されないよう、各々方のご健闘をお祈りしております。」 斉藤窒素の美声は3選手の聴覚野に直接試合開始をアナウンスした。各選手のスタート地点は先頭車両、中央車両、最後尾車両のどれかにランダムで設定されている。横に狭く縦に長いこのステージは当然挟み撃ちを喰らう可能性のある中央車両が最も不利と言えるが、そもそも能力による有利不利の差が激しい魔人同士を戦わせるという時点で、全員に公平なセッティングは不可能と言っていい。不利なスタートとなった者は己の不運を嘆くしかない。 彼女の言葉通り、この特急列車は世界一の豪華列車、ロリエントエクスプレスの車両を模しており、その内装は非常に見事なモノだった。ロリータコンプレックスの魔人職人によって装飾の施されたこの列車で旅をした乗客は、必ず自身もロリコンに目覚めるという。 「これはいい…このコちょっと四ちゃんに似てる…」 先頭車両がスタート地点となった一∞は、天井に描かれた性の快楽を貪る幼女の絵をしばし見上げていた。幼い顔に浮かんだ淫靡な表情、触手に弄ばれる第二次性徴前の肢体を見ていると、なぜだか彼女の喘ぎ声、卑猥な水音、漂う淫臭までもが感じられ、∞の秘部もしっとりと湿り気を帯び始める。いつもは不敵な笑みを絶やさないその顔も家族が眼鏡をかけて快楽に喘ぐ様を思い浮かべ、だらしなくにやついていた。 「ん…!何をやっているんだ…ぼくは…!」 ∞が我に返ったのはその数分後で、そのときには絨毯に愛液の世界地図が描かれていた。同じ列車内には自分を狙う敵が2人いるというのに、我を忘れて自慰に耽っていたのだ。痛恨の失敗、そもそも何故自分はまだ生きているのかと思った∞だが、すぐにその理由に思い至った。 「他の2人も同じってわけか…」 「戦場で何をしていたんだ私は…」 ちょうど同じ頃、中央の車両で医死仮面も股間のプロテクター内に精液をぶちまけ、賢者モードに突入していた。今までどんな色仕掛けをされてもピクリとも反応しなかった自分が幼女の像を見ただけで自慰に耽るなど信じられないという気持ちだった。そしてこの試合の模様は中継されているという。自分は仮面をつけた状態とは言え、自慰という最も秘すべき行いを全世界へ公開したことになる。一瞬意識が遠のきかけた。しかし、ロリエントエクスプレスの魔力に当てられて尚陰茎を露出しての自慰に走らなかったのは、彼の素顔を隠すことへの執念恐るべしと言うべきであろう。 「いやあ私…嘘…一人Hするとこ…みんなに見られちゃったの…?こいしちゃんのこと想像して…ヤダもう死にたい…。」 最後尾車両の櫛故救世もまた自身の痴戯の痕跡を拭き取りながらさめざめと泣いていた。 ロリエントエクスプレスは多くのミステリー作品の題材となっているが、そこに描かれる事件の九割は乗客の幼女へのレイプである。冥府魔道を征く3魔人でさえもその魔力には抗えぬのである。 「まっ…この数分は無かったのと一緒…仕切り直しだね…。」 「大会が終わればどうせ捨てる顔だ…いいさ…私の恥では無い。医死仮面の恥だ。」 「絶対他の2人ぶっ殺す!」 瞬時に切り替える2人と八つ当たり的に決意を固める1人。本当の戦いの幕開けであった。 この試合で最も有利と言えるのは当然一∞である。元々の戦闘力は高い上、彼女の能力を活かすにはこの横に狭く縦に長い会場はうってつけである。 「他の2人はまだ索敵範囲には入っていないか…」 眼鏡サーチで前方を確認しながら∞は慎重に歩を進める。慎重ではあるが、止まるという発想は無い。この試合会場自体「待ち」の戦法には不適だし、彼女自身制圧前進が好きだった。 今のところ人間らしき熱源は確認できない。ロリエントエクスプレスの全長は400m強、先頭車両に配置された∞と中央車両に配置された医死仮面のスタート時点の距離は直線で200m。環状の線路を走っていることを計算に入れても、彼を索敵範囲に収めるためには後数十m歩く必要があった。 彼女の眼鏡レーザーは最速の即死攻撃だが、無駄撃ちによるオーバーヒートの危険を考えれば流石にハッキリと認知できる距離に入らねば使えない。治癒能力者がいると聞いているが、装備まではどうかわからない。 「(先頭からこちらへ向かってくるのが1人…出来るな…。もう1人の敵は…。)」 中央車両にいた医死仮面は隣の食堂車に移っていた。「食欲と性欲は同時に湧かない」との配慮からなのか食堂車には幼女の装飾が無い。テーブルには誰が運んだのか温かい料理が並べられ、優雅なクラシックが流れている。 床に聴診器を当て、車両の床を伝わる音に耳を澄ます。聴診器の性能と、魔人としての聴覚、医死としての集中力は走行音の中から他の車両の人間の足音すら聞き分けることを可能にしていた。 そして彼が捉えた足音はひとり分。先頭からこちらへ向かう足音、ゆっくりと歩いているが、その歩き方から何かしらの武術を極めた人間のモノであることがわかる。自身のそれとは別体系の技術だが、極めて洗練されたモノであることは、同じ達人として理解できた。しかし、違うのは暗殺者としての自身のそれのように、足音を隠そうという気はまるで感じ取れないことだ。 足音を感じ取れないもう1人。自身より後方にいるはずの敵はその場から一歩も動いていないのか、或いは自分と同じく、「暗殺者の歩法」を身につけているのか。 一∞と櫛故救世、どちらも属する組織から考えて相応の実力者なのだろうが、彼には歩き方だけでどちらがどちらか判断できるほど両者の情報は無かった。 「(どちらにしろ気にしている余裕はあまり無い。私は私の準備をするか。)」 そう言ってベルトのホルダーから別な道具を取り出す。その様も当然中継されているのだが、殆どの観戦者には、彼が何も持っていないように見えた。 「もうそろそろ敵に遭遇するころか…」 無音移動術で、櫛故救世は慎重に歩を進めていた。敵に遠くの車両の足音まで感知できるモノがいる、と想定しているわけでは無く、訓練の結果日常的な歩行もそのようになってしまっただけだ。 今のところ敵の気配は感じないが、いつ遭遇してもいいよう小太刀に手をかけておく。彼女の能力「鈴具輪久」は正直強いとは言えないが、かと言って「待ち」に適した能力でも無い。 中央車両にたどり着くが、そこにも敵はいない。幼女の装飾が目に入って、危うくまた股間に手を持っていきそうになった自分を戒めた。次の車両、食堂車の扉の前。扉に耳を当てて車内の音を聞き取ろうとするが、クラシック音楽が流れていてよくわからない。足音らしき振動が伝わるのは感じられなかった。 身を屈め、壁の陰に隠れてボタンを押すと幼女の『らめえっ』という喘ぎ声がして扉が開く。そっと中を覗き込むと、やはり敵はいない。が、 「これって…」 「2人とも…すぐ近くにいるね…1人はぼくと同じくらい…こっちが櫛故ちゃんって子かな…。もう1人が医死仮面くんか…眼鏡力は2人とも0かあ…つまんないなあ…。」 遅れて1分程後、∞も食堂車の手前に来ていた。敵の2人はとっくに索敵範囲に入っていて、櫛故救世は距離にして10m先、食堂車の真ん中辺りにいるようだ。そして、医死仮面は-車外にいた。 「(中ではそろそろ始まりそうだな…同士討ちになってくれるのが理想的だが…)」 医死仮面は食堂車の窓から脱出し、車体にへばりついていた。列車は時速150kmで走っており、当然車体にへばりつく彼はかなりの風圧にさらされているのだが、それで平然としているあたり流石は魔人である。窓から脱出する前に設置してきた小型の高感度で電子式の聴診器と内視鏡、早い話がマイクとカメラはそれぞれ車内の映像と音声を医死仮面の持つ受信機に送ってくれる。 戦闘破壊家族一家となんでも屋「封鈴花惨」、それぞれ業界では有名だが、その代表たる2名は如何なる戦いを見せてくれるのか。もちろん、医死仮面が聴診器と内視鏡を仕掛けたのは観戦などでは無く、その能力の把握のためであった。 「自分は車外にいて漁夫の利を狙おうってことかな…?あっちの子もあんなことしてるし…消極的だなあ…やっぱり戦いは攻めなきゃ楽しくないでしょ。」 「彼を仕留めるのは後にしようか」 眼鏡レーザーの出力を上げて撃てば車体を貫通し、医死仮面を殺すことも出来るだろう。しかし、車体を切断すれば脱線などの事態につながるやも知れない。眼鏡バリアーも横転する車内で身を守ることには役に立たない。 そして、救世がしている「あんなこと」というのは天井にへばりつくことであった。車両の天井はかなり高く、正面から入ってきただけでは隠れている救世の存在には気づかないであろう。動きづらい座席の陰よりも死角である頭上を狙える天井という隠れ場所は好手と言えるかも知れない。そして、自身の能力でチリンチリンと鈴の音の幻聴を聴かせ、隣の車両の敵を誘っている。 しかしそれも「眼鏡サーチ」の前には意味が無かった。∞の眼鏡には天井にヤモリのようにしがみつく彼女の熱をハッキリ捉えている。 「(来た…!)」 幼女の喘ぎ声は戦闘開始を告げる法螺貝の音色のように思われた。ドアの向こうから現れた眼鏡の王女様、一∞は恐怖を感じさせない悠々とした歩みで食堂車に入ってくる。 が、車両に入って1m程歩いたところで足を止めた。目の前に張られていた一条の死線に気づいたためだ。 それは医死仮面が食堂車の窓から出る前に張り巡らしたモノ。よく目を凝らさなければ見えない細さだが、一本でトラックを安々と持ち上げる強度のこの縫合糸。そのまま気づかずに歩けば首が飛ぶとは言わずとも致命傷を負ったかも知れない。 おや危ない、と言った笑みを浮かべて、身を低くし、糸の下をくぐる。その先に張られていた数本の死線も同じようにかわし、歩いて行く。天井にへばりつく救世には全く気づく素振りも見せず。 「…!」 しかし、その様を天井から見ている救世はある「あり得なさ」に気づいていた。そして∞が救世の真下にまで来たその瞬間、救世は確信を持って天井から離れた。その右手は得物の小太刀を抜くことはなく、代わりに、落下しながら、天井に隠れる前にテーブルから拝借していたナイフを滑らかなモーションで、前方にいるだろう姿の見えない「本物」の一∞に向かって投げた。 「…!?」 救世の真下にいた∞は当然「眼鏡イリュージョン」による幻影である。救世が天井を離れた瞬間に「眼鏡イリュージョン」を消し去り、レーザーを照射して焼き殺す。そのはずだったが、予測しない反撃に虚を突かれた形となった。レーザーの発射を中止。 「眼鏡バ…近すぎる…!」 バリアーを展開して防ぐには、既に近すぎる距離までナイフの接近を許してしまっていた。 「くっ…!」 身を躱そうとするが避けきれず、ナイフは右肋骨の辺りに突き刺さった。頭部より的として大きい胴体を狙うのは射撃でも投擲でも定石である。肺に刺さりはしなかったが、肋骨を貫かれ、重傷には違いない。 「(バレてた…でも何故…?ああ、そういうわけか…)」 片膝を突き、視線が低くなってようやく気づき、自分の迂闊さに苦笑する。 首の高さに張られた糸はフェイクに過ぎず、本命の「死線」は足元に張られていたのだ。 (ちなみに実は料理には毒が混入してある。)そして「眼鏡イリュージョン」によってそのことを認識せずに生み出した幻影の自分はその死線を素通りしていた。だから救世に気づかれたのだ。幻影だと。 一∞は目がいい。眼鏡のおかげで。しかし、なまじ目が良かったせいか、パッと見だけで物事を見通したような気になっていた。 櫛故救世は目が特にいいわけでは無いが、壁に隠れ、視線を低くしたおかげで「死線」に気づくことができた。結果的にせよ救世は「よく見ていた」のかも知れない。 そして、「眼鏡イリュージョン」を使ったことはもう1つ彼女に不幸を招くことになるが、それは少しだけ後の話である。 「曇っていたのかも知れないな…ぼくの眼鏡は…。いや、ぼくの眼が…。」 自分の眼の曇を眼鏡のせいにするなど眼鏡っこにあってはならないと彼女は自分の弱さを恥じた。しかし、そのことで彼女の眼に曇は無くなったのである。 「今度は…確実に仕留める…!」 着地し、体勢を立て直した救世。こちらは無傷であちらは重傷だが、今のナイフ投げで仕留められなかったのは痛い。恐らく相手は幻覚以外に遠距離攻撃が可能であることはさっきの戦術でわかっている。対してこちらの得物は小太刀。たまたま自分の着地点に縫合糸が張られてはいないが、向こうに辿り突くまでには幾重もの死線を超えなくてはならない。最後の得物である小太刀をもう1人敵がいる状況で投げるのはリスキー過ぎる。 ∞がレーザーを撃つために顔を上げるのと、櫛故救世が他のテーブルナイフに手を伸ばすのはほぼ同時であった。救世がナイフを投げようと投げるまいと、∞のレーザーは彼女を焼殺し、たとえナイフを投げられても予測済みの∞に当たることは無い。∞の勝利確定、のはずだった。 が、レーザーが発射される前、ナイフが救世の手を離れる前に、突然車体は大きく揺れ、そして天地は大きく傾き、今度は共に不意を突かれた2人の体は車内ではあるが宙に放り出される形となった。 特急列車は車外にいた医死仮面の手により、脱線・横転させられたのである。 「なんと試合会場の特急列車が脱線・横転しましたーッ!世界一の豪華列車(のレプリカ)が見るも無残な姿です。見た目には派手ですが、やっていることは卑劣です!医死仮面選手―ッ!!」 斉藤窒素の美声がそのように実況するのを聞きながら、卑劣と非難された医死仮面は車両の屋根に自身を固定していた安全ベルト替わりの包帯をメスで切断した。横転の際の衝撃で軽い脳震盪を起こしているが、手の動きに淀みは無い。 「馬鹿馬鹿しい。暗殺者に正々堂々とした試合を期待するのが無体というもの。」 医死仮面は天井にへばりつく救世に∞の幻影が迫る間、体を縫合糸で支えながら車体から思い切り身を乗り出し、線路脇の石を拾っていた。それも2~3kgありそうな大石を。一歩間違えば指を失いかねない、二歩間違えば時速150kmの地獄へ落ちていきかねない危険な行為だが、彼は淡々とこなしていた。 石を2つほど手に入れ、車両の屋根に登った医死仮面はそれを砲丸投げのフォームで前方に放り投げる。魔人の腕力は安々と大石を300mほど先まで運ぶ。落下したのは当然先頭車両の先の線路のレール上。ガゴンッと、大きな音が立ったが、その数秒後には列車が石に乗りあげて横転し、それより遥かに大きな轟音が響き渡ることになる。医死仮面も狙い通り脱線するかは自信を持っていなかったが、ダメ元の作戦が上手く行ったのは僥倖と言うべきだろう。 もし∞が眼鏡サーチを常時展開していたなら彼の動きを探知できただろうが、彼女は眼前の敵を仕留めるためのイリュージョンに眼鏡を用いていた。眼鏡は同時に2つの役目は果たせない。 「2人は…まだ生きているな。しかし重傷のようだ。片方は死にかけている。」 横転の際に電気系統が故障したようで、電気が消えて薄暗くなった車内だが、内視鏡が本来映しだすべき人間の体内の暗さは今の車内どころでは無い。明度は下がったが問題なく映像は送られてきており、無残な車内と、息も絶え絶えな2人の姿が映し出されていた。 触れれば切れる死線の張り巡らされた食堂車が横転して、中の人間が無事で済むはずが無い。むしろ両者とも生きている方が不思議であった。 ここまで観察した限りでは一∞の能力は幻影を見せること(「眼鏡バ…」と叫んでいたので恐らく他にも能力があるのだろう。)櫛故救世のそれは実際には鳴らない鈴の音を出す能力か。天井に昇る際全く聞こえなかった鈴の音が一∞を挑発するときだけ聞こえていた。 「さてどちらが出てくるか。出来れば両者とも車内で死んで欲しいが。」 車両から少し離れた位置で上を向いた窓に注意を向ける。脱出するとすればあそこからだろう。空気圧で毒針を射出するアスクレピオスの杖の先端を向け、更にメスを構える。 能力を探るためにカメラとマイクで戦いを観察し、自分の安全を確保した上で列車を横転させ、重傷を負った2人に更に同士討ちを期待し、それが出来なければ消耗の激しい勝者を仕留める。確かに卑劣と言える戦術だが、自身で言った通り、彼は暗殺者であり、誇り高き戦士でもエンターテイメントに徹するプロレスラーでも無いのだ。 横転した食堂車の中では、贅を尽くした料理、ワイン、それらが盛りつけられていた高級な食器、ナイフやフォーク、スプーン、飾られた花や花瓶が散乱する状態であった。列車内でありながら高級レストランのような雰囲気だった食堂車が見る影もない。 「ハーッ…!ハーッ…!医死仮面くんがやったのか…?彼のことも…ちゃんと見て無かったな…。」 ヒビの入った窓ガラスの上で、生者より死体に近そうな体を、一∞は何とか立てなおそうとしていた。しかし、全身の切り傷からの大量の出血と痛み、頭をテーブルに打ち付けたショックで意識が朦朧としている上に、眼鏡に大きくヒビが入ってしまったようで、視界はかなり悪く、上手く立つことが出来ない。彼女の愛した眼鏡の1つは、もはや使いものにならないだろう。 「ゴメンね、ゴメンねぼくのせいで…。」 目からは涙が溢れ、さらに視界がぼやける。自分のせいで死なせてしまった愛眼への別れの涙と不覚への謝罪。しかし、だから彼女も一緒に死ぬ、というわけには行かない。彼女は戦って生きねばならない。一∞は「愛するものが死んだ時には自殺しなけあなりません。」というメンタリティの持ち主では無いのである。 チリン…チリン… クラシックも止まった車内に、鈴の音が響き渡る。自分の前方数mの距離から聞こえてくるさっきと同じ音。しかし、そこには救世の姿は無い。彼女は、四つん這いになった∞の後ろで、その首筋に小太刀を突き立てんとして構えていた。右手は切断されており、失血でガクガクと震える左腕で。 自分と同年代と思しき少女を背後から突いて殺すということに、些かの罪悪感を覚えながらも、これが自分の世界であり、彼女もその住人なのだ、と自分を納得させた。覚悟を決めると腕の震えが止まる。無駄な力みが取れ、スイッチを押すかのような感覚で命を奪える、殺人者に最適な心境が完成する。そして∞の白い首筋へ、すっと小太刀を突き立てようとするが、彼女は気づいていなかった。 列車の横転で散乱した食器類、その1つであるスプーンが彼女の顔のすぐ下に落ちていることに。 そのスプーンの凸面が鏡となって自分の姿を映していたことに。 ∞の顔が鈴の音の方向でなく、そのスプーンを向いていることに。 今度は「見ていた」。不安定な視界で、しかしハッキリと。 「眼鏡レーザー・フィナーレ」 ∞の呟きと共に、ヒビだらけの眼鏡から二条のレーザーが射出される。「最終奥義」のような名前の響きとは裏腹に、それは市販のレーザーポインタと大差ない低出力だった。眼鏡の性能が大幅に落ちたせいだが、高出力のレーザーではスプーンを溶かしてしまっていただろう。 凸面で反射されたレーザーは小太刀をコンマ1秒もあれば突き立てて∞を殺していたはずの救世の目に当たり、視力を奪った。 「ううっ…」 目が眩み、隙が出来る救世。この隙が、彼女の敗北を決定づけた。 「さっき列車が横転したとき…鈴は鳴らなかった…その鈴、本当は鳴らないんだろう…?」 「眼鏡チェンジ」 ∞に奥の手を使う余裕を与えてしまったのだから。 「…!」 それまで立ち上がることすら困難であった肉体は救世に反応すら許さない疾さで反転しながら後ろに跳び、救世の顔面に裏拳を叩き込む。その際、指の背で強く目元を叩くようにする。「メガネ=カタ」の正拳突きとも言える基礎技術・「鏡割り」だが、眼鏡無しで受けた救世は眼球が脳を貫通し、頭蓋骨と皮膚を突き破って後頭部から脳漿と共に飛び出した。櫛故救世の体は壊れたフラワーロックの様な痙攣の後、その場にグシャリと崩れる。 「(一∞…!何をした…?)」 「眼鏡レーザー・フィナーレ」で相手の目を眩ませ、そしてその隙に「眼鏡チェンジ」すると、それまでの死に体が一瞬で超人的な戦闘力を発揮したのである。カメラの映像では反撃する瞬間、∞の体は消えていた。その場に自分がいても見えていたかというスピード。仮面の下のジョン・スミスの頬を冷や汗が伝う。 「生き返らせて貰ったら賞金できみに眼鏡を買ってあげる。綺麗な目を潰しちゃったお詫びに。」 死体となった櫛故救世を見下ろしてそう呟くと、外にいる医死仮面に目を向けた。壁(床)越しなので見えてはおらず体温を感知しているだけだが。 「あのとききみを真っ先に殺しておくべきだったね。今思えば。」 自身の甘さへの反省を込めて、壁の10m程先にいる目標へ狙いを定める。 「眼鏡レ…」 途中まで言ったところで、彼女はここからでは彼を仕留められないことに気づいた。仕方ない。今の自分はパワーアップしているが、肉体的には瀕死の重傷である。油断は禁物だが、それでも彼を仕留めるには外に出るリスクを侵さねばならない。 窓を破って飛び出してくる一∞の姿を確認すると、医死仮面は毒針を射出し、メスを投げた。ジャンプの最高点に達した際に心臓が来る位置を狙って。狙いには寸分の狂いも無い。が、 「眼鏡バリア」 眼鏡が生み出した空間の歪はあらゆる推進物を阻む壁となる。何かに当たったような音もせずに、針とナイフは空中で静止し、そして重力に引かれて落下した。 「(なるほど…「眼鏡バリア」か…さっきのは)」 この結果は半ば予想済みであったが、次の瞬間背筋に寒気が走った。「殺気」というものが如何なるエネルギーかはわからないが、どうやら空間の歪をも超えて届くモノらしい。熟練の暗殺者はそれを鋭敏な感覚で察知した。バリアの向こうにある自分を見つめる眼光が見えているかのように頭に浮かぶ。 「(何か来る…!)」 光線の直進を妨げる空間の歪が消えた瞬間、そこを光が疾る。医死仮面が立っていた場所に2本の線が引かれた。地面を覆う草が発火し、その線上にあった石は切断された。殺気を感じて反射的に軽身功で横に跳ばなければ彼の体は3つに分断されていただろう。マントの端に当たって火がついていたが消し止めた。 「へえ…!」 「(『眼鏡レーザー』…本来はこういう技か…!)」 何とか躱したものの、敵が圧倒的に有利なのは言うまでも無い。医死仮面は銃弾を見て楽に躱せるが、光はその100万倍の速度、そしてこの防護服も一瞬で貫通するだろう出力。 医死仮面は太陽を背に、∞は正面から太陽を見る形に立っていた。通常は不利とされる位置取りではあるが、メガネ=カタにおいてはむしろ理想とされる。言うまでもなく、最大の武器「眼鏡レーザー」を放つために。 更に数発のレーザーが立て続けに放たれるが、同じように躱して見せる。 「凄い…凄いねきみ…!」 興奮しながら言う∞だが、頭の中には何故ここまで上手く避けられるのかという疑問と、連射によってフレームがかなり熱くなっていることへの不安があった。メガネ=カタには 統計データによる弾道予測の理論があるが、完全に直進するレーザー相手にはただ避けるしか無い。無論光速であるから、発射される前に。医死仮面の軽身功は見事なモノだが、それでもスピードは今の自分の方が上だろう。 医死仮面が∞のレーザーを躱し続けられるのは救世が首を動かす際の「アンコンシャスサイン」と呼ばれるモノを観察しているためである。 アンコンシャスサイン…東洋医学で言う経絡からわかるように、人間の全身は一般の常識では想像もつかない器官同士のネットワークによってなりたっている。そのため、ある部位の筋肉を動かそうとしたとき、全く別な部位の筋肉に本人にもわからないほど小さいが、その予兆が出るのである。これをアンコンシャスサインと言い、その法則を熟知し、且つ観察力に優れた人間なら次に相手が行う動きを直前に予測できる。東洋医学を応用した中国拳法にも、この理論を活かした「體洞察の法」と呼ばれる技術があることは、洋の東西を問わず医学が行き着く先に共通点があることを示している。(民明書房刊「人体の不思議が面白いほどわかる本」より抜粋) とは言え、この回避も薄氷を踏むようなモノで、少しでも判断を誤れば死は確定する。 「どうした…もう弾切れかい…その眼鏡…?」 試合開始から初めて、医死仮面が相手に向けて声を発する。∞がレーザーを撃たなくなったことから、撃てる回数に限りがあると見越して無駄撃ちさせるための挑発だが、事務的な会話しかしない医死仮面が勝利のためとはいえこのようなことを他人に言うのは極めて稀である。 「ふふっ…さあ…そう思わせて飛び切り凄いのが来るかも知れないよ…。それより随分可愛い声してるんだね?まさか肉声じゃ無いでしょ?その仮面取って素顔を見せてごらんよ。本当の声を聞かせておくれよ。」 「(冗談じゃない。素顔を見せるくらいなら死を選ぶ)」 勿論死に顔も誰にも見せるつもりはない。そういう意味で、爆弾仕掛けのマスケラについて彼と組織の利害は一致していた。 「おや…ダンマリかい?人と話すときは眼鏡を掛けて相手の目をよく見て話すモノだよ。きみの国じゃあそう教わらないの?」 「(見ているさ…。目ならしっかりとな…)」 確かに医死仮面は眼鏡の奥の∞の瞳を注視していたが、それはレーザーの射出口、ただそういう意味での警戒に過ぎなかった。「目は口程にモノを言う」とか、そういう意味での「目」を見ることも見せることも、彼には生涯無いのであろう。 レーザーの撃ち止めが先か、自分の判断ミスが先か。我慢比べに勝負を賭けるのはかなり不安が大きい。第一彼女のレーザーの消耗限界が近いという推測も不確かなモノである。撃ってこないのはそういったミスリードのためかも知れない。 だからと言って攻めるのは更に困難である。医死仮面の持つ飛び道具はあのバリアの前では役に立たない。レーザーを躱して懐に入り、接近戦を挑むか。「ワンミニットエクスタシー」ならば接近戦で勝ちを望める。が、それには超えねばならない壁があった。 車両の上に立つ∞と地上にいる医死仮面の間には2m程の落差がある。距離を詰めるには当然跳ばねばならない。そうすれば彼女の絶好の的だろう。限界が近いという推測が当たっていても、もう一発も撃てないということはまさかあるまい。しかし…医死仮面のある推測が当たっているならば、攻めの勝算はやや大きい。 初めは固唾を飲んでこの膠着状態を見守っていた観客の中にも、それが数分続くと白ける者が出始める。 「おい戦えよ臆病者!」 ディスプレイに向かって誰かがそう叫んだ瞬間、それに応えるかのように均衡は崩れた。均衡を破ったのは医死仮面。共に不確かな根拠に基づく攻守2択だが、そんなときは攻めを選ぶのがジョン・スミスという人間だった。 「(ワンミニットエクスタシー!)」 内気功とドーピング、脳内麻薬の力によって魔人としての潜在能力を引き出し、限界を超えた身体能力と集中力を1分間のみ手に入れる。筋肉が隆起し、風の音がやけに大きく聞こえ、一瞬時間が止まったと錯覚するほどに、風で揺れる木の動きがゆっくりと見えた。 その1分の無敵時間で彼がした最初の行為は、アスクレピオスの杖の投擲であった。槍投げのようなフォームだが、ライフル弾のように回転を加えている。医神の杖は戦車の装甲も貫く魔槍と化した。 「(疾い…!)」 レーザーを躱す動きと比べても段違いの疾さで行われた投擲により、放たれた魔槍は∞を串刺しにせんと迫ってくる。 「眼鏡バリア!」 先程のメスと同様、魔槍も空間の歪に絡め取られ、停止する。眼鏡バリアは空間の歪に収まるサイズであれば、それが持つ運動エネルギー量とは無関係に停止させてしまう。 が、杖を投げた直後、医死仮面は強化された脚力で跳躍していた。衣装のマントを大きく広げ、高く高く舞い上がるその姿はまさしく鳥人であった。槍投げはフェイク、バリアを展開するのに眼鏡を使わせ、その隙の空中からの攻撃が本命。 「駄目だね!眼鏡レーザー・ウルティマ!」 斜め下からの攻撃に対して展開した空間の歪は、斜め上に放つ光線を歪めはしない。数分の間にある程度冷却された眼鏡で、最大出力のレーザーを放つ。勝利を確信した彼女の眼鏡に映ったモノは青空と、そこに浮かぶ太陽の光をマントで遮る医死仮面。 「(しまった…!)」 何故電車内から自分を撃たなかったのか。あの出力なら車体を貫通して自分を狙えただろう。彼女の眼鏡に遠方の相手も察知する機能があるらしいことは、天井にへばりついていた櫛故救世への言葉でわかっている。 彼女がレーザーを放つ際、眼鏡のレンズが光を収束していた。ならば、あれは十分な光量が無ければ威力を発揮できないのでは無いか、だから電気が消えた車内では出力が不十分だった。そうした推測を立てたのである。そしてそれは当たっていた。 眼鏡から放たれた二条のレーザーが胸に当たる。ブスブスと衣装が煙を上げ、数秒あれば医死仮面の体を貫いて殺せていたのかも知れない。がそんな余裕は当然無かった。 袖口に仕込まれた鍼を放つ。空気抵抗が極限まで小さいそれは、彼の放つ武器の中で最速であり、一∞の反応を許さずにその眼鏡のレンズ、そしてその奥の双眸を撃ち抜き、脳にまで達していた。 「ぼくの…眼鏡…」 眼鏡はおろか眼球を潰された状況で出てくる言葉が「眼鏡」、という眼鏡への執着は凄まじいが、それが∞の最後の言葉となった。3本目の鍼が眉間を撃ちぬくと、彼女はバタリと後ろに倒れた。 医死仮面は∞の死を確認すると、その後は一瞥もくれることなく自身の胸の火傷に薬を塗り始める。ジョン・スミスは誰の心にも残らないし、誰も心に残さない。彼女らと違い、死を悲しんでくれる者などいないのだろう。
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このwikiはアフィリエイト、広告収入等を目的としてコンテンツを掲載しています。 ★藤田光学(フジコンホールディングス)について説明していく。 尚、株式会社FUJIKON HOLDINGSと藤田光学株式会社(藤田光学)は令和5年に合併した。 ★企業概要 創業 1959年4月 資本金 3,500万 代表者 代表取締役社長 藤田徳之(Fujita Noriyuki/ふじたのりゆき) 本社所在地 福井県鯖江市神中町1丁目5-22 TEL 0778-52-4575 FAX 0778-52-4579 東京支社 東京都台東区上野3-22-8 新ジイドビル8階 従業員数 藤田光学 60名 フジコングループ 合計 200名 売上高 藤田光学 100億円 2021/3 フジコングループ 約200億円 2021/3 取引銀行 福邦銀行・北國銀行・福井銀行・三菱UFJ銀行・商工中金・みずほ銀行・三井住友銀行・福井信用金庫 物流センター (10,000㎡)福井県鯖江市神中町2-805-1 本部物流センター (3,300㎡)福井県福井市南居町71-1-1 テクノ物流センター (3,300㎡)福井県鯖江市吉谷町2-103-1 吉谷物流センター (2,640㎡)福井県鯖江市神中町2-3-45 神中物流センター (1,000㎡)福井県鯖江市御幸町1-301-44 御幸第1物流センター (2,815㎡)福井県鯖江市御幸町1-206-1 御幸第2物流センター (6,660㎡)千葉県柏市鷲野谷1027-13 関東物流センター(柏事業所) ★事業内容 藤田光学 眼鏡事業(フジコンホールディングス) 国内トップシェアを誇るアイウェア関連の販売 アパレル会社や眼鏡小売店、テーマパーク、ホームセンター向けに、眼鏡フレーム・サングラス・シニアグラスなど企画・提案から製造・販売までを行う。他にも自社商品の販売から、新たな商品の企画開発提案、売り場の提案などの事業を行う。老眼鏡、サングラスにおいては、国内でトップクラスのシェアを誇っており、2015年に製作した眼鏡フレームがグッドデザイン賞を受賞している老舗企業(藤田光学)だ。 他には雑貨を扱う事業も展開している。 主力事業は、眼鏡部門であり多くの関連商品を顧客に提供している。 眼鏡を通じ、人々の視る世界を変え、豊かな未来を創りたいという想いを込めて、商品を創り続けている。 ★藤田光学のブランド一覧 Blancchic(メガネ) MEN'S BA-TSU(メガネ) ocean pacific(メガネ) FORTIS(メガネ) elegante(シニアグラス) オリジナルブランドサングラス お風呂メガネ「EYE♡入浴」(機能性メガネ) 様々なブランドを展開し、各ニーズに合った眼鏡展開をしている。 ★藤田光学(フジコンホールディングス)の企業理念/想い MISSION 夢があり、向上心を高め合う職場を創り上げ、社会が必要とする商品・サービスを提供する。 VALUE お客様をはじめ、フジコンホールディングスに関わる全ての人を幸せにする。 SLOGAN 私たちの成長は、きっと「誰か」をちょっとだけ幸せにしている。 そう信じて、誰よりも「誰か」のことを考えながら私たちは人々の毎日を豊かにするアイデアを生み出しています。 多くの幸せを創る企業であることを掲げ、これからも社会が求める商品やサービスを提供してまいります。 AGENDA FOR ACTIONS 何事も挑む(CHALLENGE) 主体性をもつ(INDEPENDENCE) すぐやる、最後までやる(SPEED&ACHIEVE) ★外部リンク 藤田光学 https //www.fujikon-hd.com/ (公式HP) https //fujitaop.jbplt.jp/ (藤田光学(フジコンホールディングス)採用サイト) https //www.wantedly.com/projects/344964 (社員インタビュー)
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No.161 兵士の槍 No.370 ベビフライ No.355 ペペレポッテントー No.317 偏光眼鏡 No.1018 偏向眼鏡 No.793 変身の腕輪(女体化) No.722 変身ベルト(八頭身) No.737 変身ベルトVer V3 なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし なし 偏向眼鏡 変身音叉 音角 なし なし
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眼鏡の流れに便乗してみた。 -- どつ (2007-08-25 02 58 27) 眼鏡のズレが可愛すぎるんですが。 -- 名無しさん (2007-08-25 03 24 55) か…かわええ… -- 名無しさん (2007-08-25 09 04 33) 眼鏡にはこだわりましたよ、ええ。 というわけで、最初に作ったのがアレだったので修正。今見比べると死ねる・・・。 -- どつ (2007-08-25 09 19 32) ME☆GA☆NE へのこだわりが素敵すぐる!!1!11!1 -- 名無しさん (2007-08-25 09 32 39) めがねってわかる!すごいなー -- 名無しさん (2007-08-25 10 01 31) こいつ男だろ -- 名無しさん (2007-08-25 12 19 34) 男じゃないよ眼鏡だよ -- 名無しさん (2007-08-25 13 04 13) 眼鏡じゃないよいいんちょだよ -- 名無しさん (2007-08-25 14 05 05) おねえさんびっくりだー! -- 名無しさん (2007-08-25 15 20 40) ケミねえさん自重しなさい -- 名無しさん (2007-08-27 04 45 15) ピクロスDSのネタにさせてもらってたり。いい仕事してルナーGJ! -- 名無しさん (2007-08-27 06 50 47) 誰か下のマップ画面でアイコンフル活用して描く猛者はおらんか -- 名無しさん (2007-08-27 23 51 55) 名前 コメント
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【作品名】ソレミテ それでも霊が見てみたい 【ジャンル】ドキュメンタリー漫画 【名前】小野寺浩二 【属性】漫画家 【攻撃力】懐中電灯持った成人男性並 【防御力】成人男性並 【素早さ】成人男性並 【特殊能力】霊感0なので同行者が心霊現象に悩まされいても何も感じない 【長所】守護霊が眼鏡を掛けている 【短所】業の固まりやこの人(最高の褒め言葉) 【戦法】懐中電灯で目を眩ませて殴る vol.95参戦 vol.96 75 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/23(木) 22 03 19.06 ID eEVTzWIo (省略) 強化期間入るくらいなら簡単な奴だけでも考察しちまえ 社長考察 ざっくり言えばチャンピオンクラスの女性以上の戦闘能力 鍛えた空手家相応のカラテカよりかは上だろう 小烏ブラック>(剣の壁)社長>カラテカ 小野寺浩二考察 武器は懐中電灯 道具持ち成人男性ではマシなほうだか所詮懐中電灯 ゲーム機携帯どんぶり雪玉よりかはましだろう イワンに抵抗しているうちに薬飲まされて負けるので イワン>小野寺浩二>杉崎鍵 (省略) vol.95 720 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/21(火) 09 57 32.49 ID AdR8/zeG 716 【戦法】修正 懐中電灯で目を眩ませて殴る 眼鏡っ娘相手なら速やかに五体投地する 723 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/21(火) 12 36 54.11 ID 2msfVeAo (省略) 720 眼鏡っ娘相手に五体投地しなければいけない理由が テンプレには全くないからその修正は却下かな 738 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/21(火) 18 46 15.08 ID AdR8/zeG 723 小野寺浩二は日本の眼鏡の90%を生産する新潟県の鯖江市を『聖地』と呼ぶレベルの眼鏡っ娘好き 739 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/21(火) 19 02 22.87 ID 2msfVeAo 738 「眼鏡っ娘好き」という性格がどの程度まで心身に染み付いているかだな 「好きだから出会ったらまず五体投地するようにしている」程度なら普通に無視される 「好きすぎて意識せずとも身体が勝手に五体投地する」なら考慮されるはず 740 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2014/01/21(火) 19 07 22.88 ID AdR8/zeG 739 成る程。では五体投地は無しで
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TBSテレビ 土曜 所さんお届けモノです! 2024年4月~6月 2024年5月11日 0'30"…MIWA(美和ロック)、フランスベッド、眼鏡市場、NOVA、DAIFUKU、RIZAP 2024年5月18日 0'30"…フランスベッド、NOVA、Kao、DAIFUKU、眼鏡市場、MIWA(美和ロック) 2024年5月25日 0'30"…NOVA、Kao、MIWA(美和ロック)、フランスベッド、DAIFUKU、眼鏡市場 2024年6月1日 0'30"…フランスベッド、ザクサ液剤、NOVA、DAIFUKU、眼鏡市場、MIWA(美和ロック) 2024年6月8日 0'30"…ザクサ液剤、NOVA、DAIFUKU、フランスベッド、MIWA(美和ロック)、Leda レダグループホールディングス 2024年6月15日 0'30"…NOVA、ザクサ液剤、DAIFUKU、MIWA(美和ロック)、Leda レダグループホールディングス、フランスベッド 2024年6月22日 0'30"…DAIFUKU、ザクサ液剤、MIWA(美和ロック)、Leda レダグループホールディングス、フランスベッド、NOVA
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第一回戦第五試合 一∞ 名前 性 魔人能力 医死仮面 男 サナティック・アスクレピオス 一∞ 女 眼鏡の王(Lord Of Glasses) 櫛故救世 女 鈴具輪久 採用する幕間SS なし 試合内容 『トーナメント一回戦第五試合 医死仮面vs一∞vs櫛故救世』 がたんごとん。がたんごとん。 特急列車が線路を走る音は、思いの外に大きく響く。それは彼女にとって有利に働く環境。獲物を見つけ、すぐさま得意の隠身、無音移動。先手必勝による暗殺で仕留める計算だった。 しかし、虚空に投げかけられた言葉に、つい反応してしまった。その時点で一旦諦めざるを得ない。 「そこのきみ。取引をしようと思うんだけど、どうかな?」 声を聞いてしまったのが、櫛故救世(くしゆえ・ぐせ)の失敗だった。 失敗というのが言い過ぎなら、不運だった。 せめて一対一であったなら、最初から話を聞く事を放棄する事も出来ただろう。 問答無用で攻撃を仕掛け、戦闘に持ち込めば良かった。 だが、一回戦は三つ巴──────つまり、第三者が存在する。 第三者が存在するならば、そこには同時に戦略が存在する。 「単純な話さ。ぼくときみが手を組んで、もう一人を倒す。それから改めて決着をつける。どちらにもメリットのある、期間限定の同盟って訳だ」 耳に心地よい、悪くない話だ。ビジネスで言えばWIN-WINの関係。三つ巴で最も避けなければならないのは、一対二の状況に陥る事。その次に避けるべきなのは、一対一で敵を倒したとしても、傷を負った状態で無傷のもう一人と連戦になる事。 挙げられた提案はそのどちらも避けられる、シンプルこの上ない平凡ながらも良策だった。 だが、それだけに単純に飛びつく訳にはいかない。 「どうして、私の方をパートナーに選んだの?」 選択には理由が有る筈だ。櫛故は慎重に探りを入れる。 「理由は二つある。一つは、きみの方に先に出会ったと言う事だ。まぁ、これは理由というには弱いがね」 納得できる理由だ。必然ではなく偶然、二分の一の確率。 だが、実際のところは偶然ではない。眼鏡による熱源感知で敵二人の位置は完全に把握しており、より体温の低い方──────つまり女性である熱源に先に近付いただけだ。仮面の男の方がより熱が篭りやすく、男女差以上にそれは顕著な判断材料となった。 また、その索敵は同時に櫛故からの奇襲を防ぐ警戒装置にもなっていた。先の気付かれぬ筈の櫛故の隠身が見破られた理由でもある。 「もう一つの方が重要にして、最大の理由だ。医死仮面だったかな? 彼は鳥の仮面を常に装着しているようだ。つまり…………彼は、眼鏡を掛ける事がない。すなわち、ぼくの敵だ」 大真面目な表情で、この世の真理の如く宣言する眼鏡の少女。話の内容と表情とのあまりのギャップに、櫛故は緊迫した状況にも関わらず、思わず吹き出してしまった。 「交渉成立で、いいのかな?」 両者の間に流れた緩和した空気が、その答だった。 医死仮面(マスケラー・アスクレピオス)は孤独な男だった。敵の一人に自らと同じ暗殺者が居る事は知っていたし、列車内という閉鎖空間においてその無音の殺人術が最も警戒すべき代物だと思っていた。暗殺技術で自分が遅れを取るとは露程も思ってはいなかったが、自信と過信は全くの別物であったし、敵の過小評価はすなわち死に繋がる世界を生き抜いて来ていた。 彼は同時に、自分というものを良く知っていた。三つ巴の戦いにおいて孤立する事は何よりも危険だと当然に考えてはいたが、自らの異様な風体では交渉も捗らぬだろうし、そもそも一時の事であろうと他人に身を委ねる事など、考えるだけでも怖気が走った。 他人と交われぬ孤高は彼の弱さでもあり──────同時に強さでもあった。 最善は、相争い傷付いた敵を労なく始末する。 次善は、見つけ次第一人ずつ始末する。 最悪は、協力している二人と同時に戦い、始末する。 ──────彼は常に最悪の事態を想定して動く。楽天的な暗殺者など、地獄にしかいない。 爆走する特急列車の後部車両に転送されていた医死仮面は一旦最後尾まで索敵を行い、後顧の憂いを断った後に中央へと戻って来ていた。連結部の扉を開けば、反対側の連結部から丁度此方へ歩いてきていた、眼鏡の少女一人。不敵な笑みをにこりと浮かべると、一瞬にして床を蹴りその手に持った眼鏡を閃かせていた。 無論、医死仮面とて暗殺医術を究めし手練。開幕の一撃を難なく髑髏の杖で受け止め、軽々と弾き返す。 スピードは互角──────或いはやや不利か。だが膂力はこちらが有利。一瞬にして彼我の戦力差を冷静に分析していた。 意識するまでもない、身体に染み付いた感覚。相手の力量を測れぬ者は、自らの命脈すら測れぬが道理。 同時に浮かぶ疑問符。 初撃の一合を交わした後、即座に医死仮面は違和感を感じていた。 ──────何故、レーザーを使わなかった? 解1。間合いが遠すぎた。或いは、近すぎた。 否。遭遇時の間合いは充分な距離であり、むしろ機先を制する絶妙の攻撃手段足り得た。 解2。既に何度か発射済みで冷却時間中だった。 否。何らかの破壊音や戦闘音は一切聞こえなかった。 解3。レーザーによる列車の動力部破壊による事故を恐れた。 否。眼鏡から水平方向に飛ぶ光線は車体を壊したとしても動力部に影響を与えない。 解4。味方への誤射を恐れた。 是。乱戦での射撃は容易に側面や敵背後で同士討ちを引き起こす。 すなわち導き出される答は、「眼前の眼鏡使いは囮。本命は身を隠した暗殺者の一撃」。 想定したケースのうち、最悪のものと言えた。 だが、想定していたという事はその対応策もまた想定していたという事。 考えうる限りの最悪は、最悪足り得ない。 医死仮面はその仮面の下で、禍々しい笑みを浮かべた。 初撃の応酬後、眼鏡の少女は仮面の男がニヤリ、とほくそ笑んだように感じた。 何もかもを見透かしたような笑いはハッタリか、或いは自信の現れか。 だが、どちらにしても自分の役割に変わりはない。 攻撃は牽制に留め、防御を主眼に置く。相手の力量も相当のものだったが、そう簡単に破られる防御ではない。 後は、時機を待つだけ。 自らの武器であり、愛する道具であり、魂でもある芸術品、眼鏡。 それを指先に感じ、少女は戦いを続ける。 医死仮面は相対する眼鏡使いを正面に捉え、攻防する。仕込み杖の先端に隠した毒針で突き、メスで切り裂き、時には鍼を飛ばす。そのいずれも有効打を与えられなかったのは相手の防御技術もさることながら、医死仮面の方にも本気が無かった所為でもある。眼鏡の少女が囮役であったように、医死仮面もまた、囮を使っていた──────自分自身を。 医死仮面の攻撃に、眼鏡使いが大きく体勢を崩す。 追撃しようと手を振りかぶり、鍼を投げ付けようとする医死仮面の背後から、音もなく櫛故が小太刀を手に躍り掛る。死角からの無音の一撃。避けられよう筈もない──────。 医死仮面は背後も振り返らずに、指の力だけで正確に櫛故の眉間へと鍼を飛ばした。 何故、奇襲を見破る事が出来たのか。 先述の通り、攻撃が有る事は予想済みだった。あとは、そのタイミングと方向だけ。 医死仮面はずっと見据えていた。眼前の少女の眼鏡を──────レンズを。 鏡のように磨かれたレンズに、襲撃者が映る瞬間を。 ──────眼鏡が仇となったな、眼鏡使い。 一殺を確信し、唇を歪めた医死仮面。 だが、櫛故が構えた小太刀は敵に突き立てる為のものではなく、自己防衛の為だった。 鋭い金属音と共に弾かれる鍼。側面に大きく飛びすさる櫛故。 瞬時に攻防を切り替えて間に合うような温い攻撃ではなかった。最初から決めていなければ出来ない反応。 そう、最初から決めていなければ。 「頭の良い相手は好きだよ、此方の思考をトレースしてくれる」 ──────まさか、囮は暗殺者の方だったと言うのか!? 振り向いた医死仮面の前には、光る眼鏡を持ち上げた少女の姿。 「眼鏡ティックブラスト!!」 掛け声と共に少女の眼鏡から高出力のレーザーが発射される。 咄嗟の反応も避けきれず、医死仮面の左肩から先が瞬時に蒸発した。 たじろいだ医死仮面の眼前に、ふわりと宙を舞った黒ストッキングに包まれた足。 岩をも砕く飛び後ろ回し蹴りが仮面の男を撃ち、その身体は窓ガラスを突き破って外へ飛び出していった。 眼鏡と体術の見事なコンビネーションに、櫛故も思わず賞賛の嘆息を洩らす。 共同作業での敵撃破に、少女二人は歓喜のハイタッチ。しかし──────。 ふと湧き上がる疑問。走行する列車から振り落とされれば魔人といえども命は危うい。だが、医死仮面の仮面は本体が死亡すれば爆発する筈──────それが、音沙汰がない。 確認の為、窓に近寄る櫛故。 それがいけなかった。 「ケェェェーッ!」 怪鳥のような奇怪な雄叫びと共に、線路へ落下した筈の医死仮面は窓の外から櫛故へと飛び掛かった。片腕で、列車胴体にしがみついていたのだ。恐るべき身体能力とその執念。 死に至る程の激痛とショック、致命的な傷すら無視するのは彼の魔人能力『サナティック・アスクレピオス』──────その切り札、『ワンミニットエクスタシー』。特殊な薬物と気功、脳内麻薬。東西の神秘が合一して生み出した奇跡。そしてそれを成し得たのは彼の強靭な精神と自由への渇望──────勝利して組織から自由になるという、願い。 その埒外の奇襲には、暗殺者としてこの上もなく優秀な櫛故でさえ、反応が一瞬遅れた。 だが、その一瞬が致命的。 医死仮面の持つ鋭いメスが、少女の胸を鋭く切り裂く──────。 「………………かはっ……!」 眼鏡の少女は心臓近くを抑え、両膝をついた。 「…………どうしてっ……!?」 引き戻されかばわれる形になった櫛故は驚愕に目を見開く。その眼前でみるみるうちに紅く染まってゆく眼鏡少女の制服。 「約束したからね…………敵を倒すまでは同盟を組む、ってね……」 苦しげに呻きながらも、搾り出すように答えて微笑む。 だが、それが精一杯。立ち上がる事も出来ない。 だが、それで充分だった。櫛故の魂は熱く燃え上がった。 小太刀を構え、相対する。仮初めの相棒を傷付けた敵へ。 必ず決裂する事が定められた偽りの仲間。それでも、彼女にとっては同じだった。 愛すべき「封鈴花惨」の仲間がもし傷付けられれば、同じ感情を抱いたように。 「しゃっ!!」 痛みを感じぬ狂戦士の如く、片腕である事を物ともせずに医死仮面は再度襲来する。 身体能力と集中力が極限まで上昇したその攻撃は以前にもまして正確無比であり、鋭い一撃は櫛故の喉笛を横一文字に切り裂く──────その、直前。 リィィ…………ンッ!!! 医死仮面の耳の中、まるで直接脳の中を抉られたかのように鈴の音が轟いた。 増強された鋭敏な感覚は、雷鳴のような轟音に掻き乱される。 『鈴具輪久』──────櫛故の持つその魔人能力は、任意の場所で鈴の音を鳴らすだけの言ってしまえば「弱い」能力である。だが、使いどころと彼女の揺ぎ無い強い意志、その二つが合わされば。 列車内に、赤い血の花が咲く。 凄惨な血の噴水を噴き上げる医死仮面は、数歩後ずさり──────どう、と倒れ伏した。 「…………お見事、だね」 ふらふら、と眼鏡の少女は覚束ない足取りで立ち上がる。 医死仮面の傍から立ち上がり、振り返った櫛故へ声を掛けた。 「さて……と、同盟は解消だ。……決定戦…………を、しよう、じゃないか……」 「もう…………無理です」 櫛故は首を振る。誰の目にも明らかだった。 「おや、戦意喪失かな? それ、なら…………ぼくの、勝ち、だけれど?」 「すぐにあなたにも応急手当をします。だから降参してください」 深手とはいえ、適切な応急手当と運営側の用意した治癒能力者が居れば大事には到るまい。 理想的な展開だった。自分の隠身能力は索敵に優れる眼鏡使いには相性が悪い。だが、手傷を負った今ならそれももう必要がないだろう。 場合によっては同盟を途中で裏切り、不意を突く選択肢も考えないではなかったが、櫛故の生真面目な性格はそれを許さなかった。もし参加理由に譲れぬ理由があればそれも已む無しであったかもしれないが、たった一千万ぽっちでは彼女の芯を揺らがせる事など出来はしない。 「残念ながら、どうしても、負けられない理由があって、ね…………」 最早魔人能力を使う余力もないのか、震える手で拳を構える。 「大切な妹が、トーナメントで辱めを受けたんだ。その屈辱を──────晴らさなければならない」 自身の為ではなく、家名の為でもなく。ただ、大切な家族の無念を晴らす為──────。 「分かりました。すぐに眠らせます」 その言葉に確たる意志を感じた櫛故は説得を諦め、力ずくでの解決に出る。 急所を外し、一撃で昏倒させる。それしかない。 櫛故はゆっくりと近付き──────。 情を抱いてしまったのが、櫛故救世の失敗だった。 失敗というのが言い過ぎなら、不幸だった。 せめて殺す気であったなら、結果は全く違ったものになっていたかもしれない。 だが。 「………………え?」 弾き飛ばされた小太刀が、列車の天井に突き刺さっていた。 足を払われて床に倒れ、櫛故はそれを見上げていた。 何が起こったか分からなかった。 確かな事は。 自分の身体に馬乗りになり、少し皮肉げな緩やかな微笑を浮かべている眼鏡の少女がいた、という事だった。 「すまないね、騙すつもりはあったんだ。許して欲しい」 いけしゃあしゃあと告げる。 「そんな、あの傷で動ける筈が」 「どの傷?」 切り裂かれたセーラー服の下。刃は黒いアンダーシャツにまで達していたか、乙女の柔肌が垣間見えていた。 だが、そこまで。血で濡れた傷口がない。 そもそも、紅に染まったセーラー服さえ──────。 「迷彩…………?」 「何もないところに出すよりも、上から被せる方が分かり難いのは当然だからね」 染み出した出血は、偽り。 「まぁ、それでも危なかったのは事実だよ。眼鏡がなければ即死だったかもしれない」 胸ポケットから取り出した、予備の眼鏡。ブリッジの部分から綺麗に寸断されていた。 絶句した櫛故は、それでも何故か少し安堵した。おそらくは相棒であった少女の無事に。 暗殺者としては優しすぎる、情の厚さと駆け引きの弱さ。 それが櫛故救世を構成する、人間としての美点だった。 「さてと、ぼくとしては気が進まないのだけれど、勝負は勝負だ。勿論、君を殺すつもりはないからギブアップを取るしかないんだけれど………………」 「そう簡単に…………え?」 武器を失い圧倒的不利な体勢だが、まだ諦めはしない。 抵抗の意志を口にしようとした櫛故の目前で、わきわき、と両手が動いていた。 「こう見えてもぼくは、女の子を×××るのが得意でね」 「あ、いや、だから…………」 「安心したまえ。ぼくは家族の誰かさんと違って同性愛者って訳じゃないからね。ぼくは──────」 にっこり、と微笑みながらレンズの奥の瞳を妖しく光らせる。 「両性愛者だ」 「ひぃやぁぁぁ!?」 「もうっ……、お嫁に……いけない…………」 ぐすぐすと涙目になりながら息も絶え絶えに、何故か眼鏡を掛けられた状態で櫛故は降参させられていた。 「大丈夫、とっても可愛いよ。…………さて、と。とりあえずは一回戦突破、か」 ふぅっ、と大きな溜息。 「最初からこんな強敵ばかりなんて、先が思いやられるね…………」 その性、何処までも不敵。その心、何処までも透明な闇。誰よりも眼鏡に愛されし少女──────その名は、一∞(にのまえ・むげん)。 <了> TIPS ※眼鏡ティックブラスト……サイクロプスリスペクト。特に技名を叫ぶ意味はない。 ※×××る…………さまざまな身体の箇所の敏感な表面を指先や器具でなぞる事で予期せぬ感覚を与え、対象者の体力を奪い正常な判断を失わせる。くすぐること。