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※M1あきさんが「植物型にんっしんでゆっくりが地面から生える」というネタの絵を描い ていたのに触発されて書きました ※独自設定垂れ流し 「ねえ、わたしがもしゆっくりだったら、きっとおいしくないと思うのよ!」 いつも突飛なことを言う女だった。ゆっくり加工所の研究部門の同僚の中で一番優秀な彼 女。天才となんとかは紙一重と言うが、それを体現しているような女だった。 「だって、わたしはゆっくりが大好きで、その研究がこんなにたのしいんだもの! ゆっ くりは苦しまないとおいしくないんだから、わたしってばきっと商品にもならないぬるい 甘さになっちゃうに決まってるわ!」 いつもそんな変なことばかり言っていた。 だから、思いもしなかった。 「もし自分がゆっくりだったら、あまくないに決まっている」 そんないつもの戯れ言が、彼女から聞いた最後の言葉になるなんて。 どこにでもあるなんでもない交通事故。そんなもののせいで、彼女のばかげた言葉はもう 聞けなくなってしまったのだ。 ゆっくりたねをまいてね! 「すっきりーっ!」 研究員達が固唾をのんで見守る中、ゆっくりまりさとゆっくりれいむはすっきりーをした。 二匹のゆっくりは、土の敷かれた、動くのに不自由のない大型の水槽の中にいる。 「さて、次が問題ですね。うまくやってくれるかどうか……」 研究員の一人がつぶやく。他の研究社員達も言葉にこそ出さないものの、思いは同じだ。 やがて、れいむの頭からにょきにょきと茎が生えてくる。そしてあっという間に実ゆっく りが生った。ここまでは普通だ。 普通ではないのはその数だ。生えた茎は五本。通常の茎の倍以上に長い。 実ゆっくりの数も普通ではない。それぞれの茎に鈴なりに生った実ゆっくりは、合計五十 匹近い。その大きさも通常の実ゆっくりの半分ほどだ。 それだけでも異常だったが、またしてもおかしなことが起きる。 次の瞬間、小粒の実ゆっくり達は地に落ちたのだ。 明らかな早産だった。 だが、れいむもまりさもあわてない。 「おちびちゃんたち! ゆっくりほーりほーりしてね!」 れいむが声を上げると、まだ目も開かない実ゆっくり達は口を開き声を上げる。 「ゆっきゅち!」 「ゆっきゅち! ゆっきゅち!」 「ゆっきゅちもぎゅりゅよ!」 「ほーりほりしゅりゅよ!」 目を閉じたまま、開いた口で一斉に地面を掘り始める実ゆっくり達。ゆっくりは手足がな い為、土木作業には全く向かない。それなのにたやすく土を掘り、自らの巣を作る。 実ゆっくり達もその特質を受け継いだのか、土を掘り進み瞬く間に地の中に潜っていった 。 「ゆっくりそだってね!」 「しーしーするよ! おちびちゃんたち、ゆっくりえいようをとってね!」 実ゆっくり達が埋まっていった場所に、れいむとまりさはしーしーをかけ始めた。 すると、ぽこり、ぽこりと。実ゆっくりの埋まった場所から何かが出てきた。 芽だ。 ゆっくりがにんっしんしたときと生える茎と同じ色の芽だ。 それを見て、れいむとまりさはにっこりとほほえむ。 その様に、見守っていた研究員達も安堵の息をもらすのだった。 × × × ゆっくり加工所では、日夜研究が続けられている。 その中でももっとも重要な研究は、「高品質のゆっくりをいかに大量生産するか」だった。 一般に、ゆっくりの大量生産と言えばれいぱーありすとオレンジジュースを用いて行われ る。だがこれは手間も時間もかかる。 まずすっきりーさせる時間が必要だし、植物型のにんっしんであっても生まれ落ちるまで には一週間程度を要する。 また、植物型のにんっしんで生まれる赤ゆっくりは小さく、これを成長させるのにも時間 が必要だ。味の調整のため虐待するともなればさらに時間も手間もかかる。 それらの効率化は極限まで進められていた。だが、不況に伴う昨今のゆっくりの価格低下 の傾向から、なかなか利益が出にくくなっていた。 そこで着目されたのは、ゆっくりが植物的な性質を持つと言うことだった。 植物型にんっしんで、ゆっくりは茎をはやす。この茎を外部ではやすことはできないか、 というアプローチだった。 植物型にんっしんは、大量にゆっくりをつくるのに向いている。しかし茎が生えている間、 母体となったゆっくりは茎に栄養を吸われる――すなわち、負荷を受け続けることになる。 ゆえに、回数を重ねれば良質なゆっくりであっても餡子が劣化する。 ならば生えた時点で茎を切り取り砂糖水などで育てれば、という提案もあった。だがこの 方法ではゆっくりが「足りないゆっくり」になったり、奇形化することさえある。当然味 も落ちる。やはりある程度、少なくとも丸一日程度は母体で育てる必要があるのだ。 これは当然、量産化の妨げとなる。 だが、ある研究員は、これとまったく異なるアプローチを提案した。 × × × 「草ゆっくり、順調に育っているみたいだな」 研究所の一室。中央におかれた水槽の中は、一週間前れいむとまりさがすっきりーし、地 に落ちた実ゆっくりが自ら埋まった場所だった。 男と同僚の研究員は、その水槽を眺めていた。 そこは今や畑のようになっていた。 地面か伸びる無数の茎。青々と葉を広げ、人工灯を力一杯受け止めている。そして、その 茎の先端に実るモノは。 「ゆっ……ゆっ……」 「ゆっくちぃ……」 「ゆっくち……うまれちゃいよ……」 夢見るように目を閉じ揺れる、実ゆっくりの姿があった。 通常の実ゆっくりより一回り大きい。そのもちもちした肌は高い品質を伺わせる。 新たな植物型にんっしんのアプローチ。 それは、「草ゆっくり」だった。 通常、植物型にんっしんでは、ゆっくりは茎を生やし実ゆっくりを生らす。 この「草ゆっくり」は、実ゆっくりを植物の実と同じ役割にしたものだ。 草ゆっくりは母体から栄養をもらうのではなく、地面に落ち血に潜り、根を下ろして植物 のように自分で育つのだ。 通常の植物型にんっしんで高品質のゆっくりを生み出すには、母体となるゆっくりの栄養 摂取、健康管理など細かに管理する必要がある。 ところがこの「草ゆっくり」にそれは必要ない。 母体は実ゆっくりを蒔いた時点で出産は完了となる。植物型にんっしんに比べ、母体への 負担は非常に少なくて済む。すぐさま次のすっきりーも可能だ。その上、実ゆっくりの数 もずっと多い。 地に蒔かれた実ゆっくりは、初期には親ゆっくりのしーしーなどの甘味を要する。だがそ の後、芽さえ出れば土の養分と日の光で自ら栄養を作り出し育っていく。ゆっくりの餡子 変換能力は優れており、通常の農作物の育たないような枯れた土地でも元気に育つ。また、 通常の作物より世話もいらず、生産も楽だ。 地に生えた根、天へ伸びる茎に空へ広がる葉。それらから栄養を生みだし、実ゆっくりは 子ゆっくりほどのサイズになってから生まれ落ちる。 しかも、非常に上質なゆっくりとして生まれるのだ。 ゆっくり加工所は、新たな高品質ゆっくりの大量生産方法を手に入れたのである。 「どうやら成功のようだな……」 男のつぶやきに、同僚の研究員は満面の笑みを浮かべる。 「この実験がうまくいったらいよいよ実用化か……いや、彼女のアイディアは本当に大し たものだな」 「ああ、彼女は本当に優れた研究員だったよ……」 「惜しい人を亡くしたものだな……」 ようやく実用化までこぎ着けた草ゆっくり。だが、その発案者は不幸な交通事故で、既に この世にない。 二人の研究員の間に暗い空気が立ちこめる。 「でも、こうして彼女の実験がうまくいったのは君の頑張りのおかげだよ!」 暗い雰囲気を吹き飛ばすように、努めて明るく研究員は言った。 研究の実現は困難を極めた。だが、迷わずくじけずあきらめず、ひたすらに研究に打ち込 んだ男の頑張りがあったからこそ実現したのだ。 だが、男はその惜しみない賞賛にくすりともしない。 「別に……俺はただ、彼女の問いの答えをみつけたかっただけだ」 「問いの……答え……?」 男は答えず、研究室を去った。 × × × 男は自分用の研究室に戻っていた。 研究室の中央には、青々と生い茂る草ゆっくりがある。 「君は『自分がゆっくりだったらあまり甘くならない』と言っていたけど、どうなるだろ う」 ゆ、ゆ、と。夢見る実ゆっくりたちは、男の言葉に答えない。聞こえていたとしても、言 葉を理解するだけの知能はない。 だが、男はかまわず言葉を続ける。 「君の遺灰を蒔いた土……そこから生まれたゆっくりは、ぬるい甘さに決まっている。き っと君と同じように、しあわせそうにしているんだろうな」 ゆ、ゆ、と。実ゆっくりは揺れている。微笑む口は、男の言葉の通りしあわせに生まれて くるんだろう。 「だから俺は甘くしてやろうと思う。君は草ゆっくりばかりでなく、画期的な虐待法だっ ていくつも生み出していたからね。それを試す。全部試す。土が枯れて、本当に灰になっ てしまうまで、ね」 男が部屋の隅に視線を投げかければ、いくつもの虐待道具が用意されている。 「君と一緒に草ゆっくりを生み出したかった。君と一緒に草ゆっくりを虐待したかった。 君が生きているうちに気づけば良かった」 男の声に、実ゆっくりはゆれる。微笑みを口にたたえたまま、生まれ出るしあわせせを夢 見ながら。 「君のことが、好きだって」 男の言葉は、静かな研究室にひどくむなしく響いた。 その言葉は誰にも届かない。 実ゆっくりだけが、ゆ、ゆ、と揺れながら、男の声を聞いていた。 了 by触発あき * 過去作品 『ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口』 『ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談』 上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録 『ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!』 元ネタ:M1
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ゆっくりに関係する怖い話3話 7KB 悲劇 ギャグ 理不尽 自業自得 仲違い 誤解・妬み 自滅 希少種 現代 虐待人間 独自設定 虐待お兄さんが殺害される タイトル:虐待お兄さん連続殺人事件 作者名:蛇足あき ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺が語るのは、とある連続殺人事件についてだ 有名だから知っている奴も居るかも知れないが……ま、聞いてくれ 199X年の某県某市に、虐待お兄さんの組織があったんだ 組織っつっても、ゆっくりんぴーすのようなでかい組織じゃない ただ気があった仲間が、ただ集まっているだけ ネット上だけでしか知らないって人同士もいたから、どんな組織かは大体想像がつくだろう? 簡単に入会も脱会も出来るし、警察やらなんやらに捕まっても一網打尽とはいかない そんな組織だ ある日の事だった…… その組織に所属している虐待お兄さんがさ、希少種を手に入れたんだ 少なくとも、そのお兄さんを知っている奴からすれば、到底手に入るはずが無いゆっくりさ 仲間内に自慢してたね。そのお兄さんは 当然、仲間達はいろいろな虐待方法を提案した だけど……それが問題だったんだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『どれもこれも面白くないな』 そのゆっくりを手に入れたお兄さんは、そう言ったんだ これが、すごい腕前のお兄さんだったら、誰もが怒りながら納得しただろう だがそのお兄さんの虐待は、下手って言い方も変だけど、本当に下手だった 手加減をミスって殺すわ、いつもいつもヒャッハー!なんて叫ぶわ、虐待と言うか、ただ暴力を振るうだ けだわで、皆が皆 『お前が言うな!』 って怒ったのさ そしたらそのお兄さん、躍起になってさ 『自分だけで虐待してやる!お前達には詳細を教えないからな!』 なんて言って、帰ってしまった 残されたのは、不安がるお兄さん達 とても貴重なゆっくりが、あんな自分勝手な人間に虐待されていいのか? そもそも、普段から問題を起こすような奴が、虐待する前にポカして捕まる可能性は無いのか? 俺の方が、うまくそいつを虐待できるのに 俺が虐待したいのに お兄さん達は、全員が全員、そう思ったはずだ ま、そうなれば、次に何を起こす奴が現れるか 解るよね? そのお兄さんと近かったお兄さんが、お兄さんを殺したんだ。ゆっくりを奪ってな ええい、ややこしい ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 翌日は大変な騒ぎさ 仮にも問題を起こす虐待お兄さんとはいえ、当然ながら近所にはそれ並に顔が知れている 金品も奪われて居ない、ただ殺されただけ 手口は乱暴で、まるで殺人だけが目的だったよう 警察も本格的に捜査する事になって、周りの一般住民は、殺人犯が現れないかと不安がった そんな人達の輪の外で、ゆっくりを奪ったお兄さんは、ひたすら喜んでいたんだ 自分がこのゆっくりを虐待できる それだけが、このお兄さんにあったんだ とはいえ、そうゆっくりもしてられない 何せ色々証拠を残していたからね このまま警察に捕まったら、ゆっくりも証拠品として押収されるかもしれない 直に虐待しないと とはいえ、そうそう簡単にすばらしい虐待アイデアが沸くなんて事は無い そんな時、そのお兄さんの家に誰かが入ってきたんだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 翌日、騒ぎは更に大きくなった 近くに住んでいた虐待お兄さんが、殺されたんだ 警察が事情聴取にそのお兄さんの家を訪れた時には、既にむごたらしく殺されていた 何者かと争った形跡があり、とても自殺とは思えない死に様から、連続殺人事件と考えた 当然ながら、警察は更に本腰を入れるし、近隣住人は更に怯える でも、やっぱり1人だけ、喜んでいる虐待お兄さんが居た その虐待お兄さんを殺したお兄さん……ややこしいけど、ゆっくりを奪ったお兄さんを殺して、ゆっくり を奪ったお兄さんって事だ やっぱりややこしいな このお兄さんは、やっぱりそのゆっくりを虐待したかっただけだったんだ だから、最初のお兄さんから何とかして譲ってもらおうと……どうしても無理なら殺してでも奪おうとし ていたけど、偶々違うお兄さんが殺害して奪ったのを目撃してしまった それでこのお兄さんも、その奪ったお兄さんを殺害して、奪ったって事さ とはいえ、世間では連続殺人事件と断定されてしまった こんな時に疑われる行動をしたら、やっぱりこのゆっくりを虐待できないだろうと考えた とりあえず、ほとぼりが冷めるまでは虐待を止めようと考え、ゆっくりに餌をやって眠ったんだ そんな夜、そのお兄さんの家に、誰かが侵入した…… ま、ここまで言えば解るよな 別の虐待お兄さんが、そのゆっくりを奪って、お兄さんを殺したのさ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 結局、そのゆっくりをめぐって、あれよあれよと殺人が続いた 連鎖は止まらず、あまりにも阿呆な虐待お兄さんしかいなかったのか、次々と他の虐待お兄さんに殺され ていって、その度にゆっくりが奪われていく 警察は最初、虐待お兄さんが殺され続けた事から、ゆっくりんぴーすの過激派かと考えた とはいえ、あまりにも杜撰な殺人が続くと、証拠も次々と見つかる ルールにも気付いたって訳だ そうなると話はあっさりと片付く また奪った虐待お兄さんの家に、強制家宅捜査の令状がおりた 連続殺人犯の犯人としてね そのお兄さんの家に踏み込むと、今度は間に合ったのか、別のお兄さんがそのお兄さんを殺している最中 に出くわせた 当然、虐待お兄さん1人と警察数人じゃあどっちが強いかなんて、簡単に分かるだろう? あっさりと捕まり、ただ 『あいつを虐待させてくれ!!!』 そんな場違いな事を喚くお兄さんを、連れて行ったんだ 警察としては、このお兄さんを連続殺人犯として捕まえた なにせ世間を安心させないといけない。もう起こる筈もない殺人で、一般人を怖がらせる必要は無いから ね。最後の虐待お兄さんには悪いが、無実の罪も被って貰うって事になったのさ 弁護人も呼ばれずに、そのまま終身刑が下って、一連の殺人事件は幕を閉じました ってオチ ああ、それと。そのゆっくりだけど 警察が保護した時に、死んでしまったらしいよ 『めどい』 って言ってさ ゆっくりてるよが、次々と住処を変えさせられたんだ そりゃー、ゆっくりは出来なかっただろうね 結果的には、虐待に成功してたってオチだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 怖くない? まるで落語? そう思うのも無理は無いかもね でもね、冷静に考えてごらん? そんな考えはおかしいんだよ どうしてだって? 本気で分からないのかい? だって、この事件で死んだ人間は、両手で数え切れないんだよ? たった一匹のゆっくりを、自分で虐待したい そんな、自分勝手な感情で、仲間だった人間の家を荒らして、殺人と言う罪を犯して、殺される それを罪と認めずね そんな精神異常者の話を、笑い話に捉えてしまったのは、ちょっと常識外れじゃないかな? それにもう1つ どうして虐待お兄さん達は、てるよを手に入れたお兄さんの家が分かったと思う? 最後の警察だって、一連の事件を調査した末に、ようやく判明したんだから そんなに都合よく、てるよを虐待する前に次々と起こると思うかい? そして誰もが、犯人が分かってたのに説得も通報もしなかった…… いくら希少ゆっくりとは言っても、そんな風に虐待お兄さんを操る事はできない筈…… もしそれが出来たとしても、それなら最後までゆっくりできなかったなんて……おかしいよね? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ま、それで俺の話はおーしまい」 「はい。ありがとうございました」 さっきの話とは反対に、明るい……ってのも変だけど、話だったな しかし言われた言葉 『ちょっと常識外れじゃないかな?』 冷静に考えれば、確かにおかしいな…… いくらなんでも、人の死をコントだって思ってしまったなんて…… 「怖いお兄さん達ね……」 「怖いと言うか、閉鎖されたコミュニティが問題だったんじゃないか?」 「別に閉鎖された雰囲気は感じなかったけど……」 「まあ、怖いのはこれが自然に思うかもしれないって思った俺達の精神状態って奴だな」 「そう、本当に怖いのは人間の心の闇なのだ……」 「そんな定型句で閉めないでくれよ」 語った人が笑いながら言う 「そうですよ。まだ私も語っていませんから」 「とすると、次は君かな?」 「はい。いいですかね?」 「僕としては問題ないよ」 「同感ね……貴方は?」 「俺はもう少しだけ……」 「だな」 「じゃあ、準備をしますから少しだけ待っていてください……」 テープを変えて、新しい頁を捲る 「どうぞ」 「はい。では、語りますね」 4番目の話が、向き合った相手の口から語られる ゆっくりが不幸になった話 ゆっくりに関わって異常者になった話 今度はどっちだろう? それとも、全く別の話になるのだろうか? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「私が語るのは、とあるゆっくりの群で起こった、たたりの話です」 第4話 『ゆっくり地蔵の祟り』へと続く…… 蛇足あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る くだらなさすぎる -- 2012-07-19 23 38 12 うむ -- 2011-02-17 20 43 27
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『ゆ食世界の風景・朝食』 7KB いじめ 調理 日常模様 姉妹 現代 独自設定 シリーズ予定第一弾 特に好きなゆっくりがいる人は閲覧注意です 12作目 多くのゆっくりを出してみることに挑戦・第一弾 *注 特定の種類のゆっくりが好きな人、その種類のゆっくりが酷い目に会うのは絶対に許せない人は読まれないほうがいいです どのゆっくりも扱いはあまり変わらない予定 ゆっくりの話し方、性格、中身等については適当というかこじつけ多し 虐待と言うより捕食、制裁成分は無し ネタ被りはゴメンナサイ 続きます、たぶん パラレルワールドという言葉がある。自分が住んでいる世界以外にも、様々な世界があるという考え方だ。 そこでは魔法が存在しているかもしれないし、驚異的な化け物が存在してるかもしれない。 宇宙を駆け巡るほど発達した文化を持っているかもしれないし、未開の土地の方が多いかもしれない。 ならばゆっくりが『種類に関係なく』大量に存在している世界だって存在するだろう。 そこでは人間の主食が、そんな大量にいるゆっくり達である可能性はゼロではない。 これはそんな、人間達がほとんどゆっくりばかり食べている世界の風景である。 『ゆ食世界の風景・朝食』 朝、どこにでもある家庭で、どこにでもある朝食を用意している母親がいた。 母親が作っているのは軽めの物で、その名を 「さとり、こいし、とよひめ、よりひめ・・・よし、『姉妹盛り』の材料はちゃんと揃ってるわね」 『さ、さとりたちになにするつもりなの!こ、こころよんじゃうわよ!ゆっくりできなくさせるわよ!』 『あれ~、おねえちゃん。こいしたちのちからはにんげんさんにはきかないよ?なにいってるの~?』 『よ、よりひめたちにさわらないでね!よりひめはつよいんだよ!つきのゆっくりぷれいすでいちばんなんだからね!』 『あらあら、うそはだめよ。とよひめたちはつきになんていってないじゃない、よりひめ?』 『『なんでばらしちゃうの~!?』』 上と下の姉妹盛り、略して姉妹盛りという。この姉妹盛り、サラダと果物の盛り合わせ的な感覚で食されている。 朝食として食べられるように、その作り方は簡単なもので手間はかからない。 「ザックザックっと。切るのはこんなもんでいいわね」 『『『『いぎゃあああぁぁ!!』』』』 材料が死なないように気をつけながら適当に包丁を入れる、それだけである。 強いて他に注意点を挙げるなら、料理の基本である『材料のあんよをしっかり切っておく』くらいなものだ。 そのため姉妹盛りは、料理を覚え始めの人の練習や子供のお手伝いなどでも作られたりする。 「え~っと、ソースの元はっと・・・」 『いだい・・・さどりの”・・・ざとり”のさーどあいが・・・』 『あは・・・あははは・・・ごぶっ・・・いたいね~、ゆっくりできないよ~・・・・』 『ゆ”うぅ、よりひめはほんとうにつよいのに・・・うごければやっつけてやるのに・・・』 『ゆぶ・・・ぶふぅ・・・これはゆっくりできないわね~』 母親は次にソース作りをし始める。姉妹盛りにかけるソースは凝っている家庭だと自家製だったりする。 しかし多くの家庭で姉妹盛りにかけられるソースとは、 「よっと」 『むきゅ!?おそらをとんでるみたい!』 ぱちぇりーの生絞りクリームかけだ。 「それ、ぎゅ~っとな」 『むぎゅぶ!ぐ、ぐるじい!やめでばぢぇのながみがでち”ゃむぎゅぶぶぶぶぶぶぶぶぶ』 『ゆ”?なに!?なんなのこれ!?しみる!さとりのきずにめっちゃしみる~!!』 『あま~い!これあまあまだよ、おねえちゃん!あまあまでこいしゆっくりできるよ!』 『やめて!よりひめたちにへんなものかけないでぇ!』 『ゆわぁ~・・・これすっごくぬるぬるしてるわよ。なんだかとよひめ、ぬるぬるでゆっくりできるわ~・・・ゆふ、ゆふふふふ・・・』 「これで姉妹盛りはOKっと。さ、次はと」 姉妹盛りはこれで完成だ。しかしこれだけだとさすがに少ないので、母親は次の料理を作ることにする。 が、その前に 「オーブントースターにいちりんを入れて3分っと」 『ゆえ?なにここ?ゆゆ?いちりんのあんよさんがうごかないよ?いちりんはこんなところじゃゆっくりできないよ?』 いちりんをオーブントースターに置いてスイッチを入れる。 昔はトースターの中にゆっくり固定用の針があって多少危なかったのだが、母親が使っているのは最新機種のものだ。 特殊加工によってトースターの中はゆっくりが跳ねられない構造となっており、置くだけでゆっくりが暴れることはできなくなっている。 後はトースターが勝手にいちりんを焼いてくれるので、その間に同時進行で料理を進めるのだ。 「え~っと、冷蔵庫のこの辺に・・・」 『ゆ?ゆゆゆゆ?なに?いちりんのからだになにがおきてるの?からだがあつくなってあつあつあつあつあづづづづぅぅぅ!?』 いちりんが焼けていく匂いと声を聞きながら、母親は冷蔵庫を開けて中から次の料理で使う材料を取り出す。 「あら?『ゆ玉焼き』を作ったらうつほが無くなっちゃうわね。今日スーパー行ったときに買っておかないと」 『うにゅ?』 次に母親が作ろうとしているのは、うつほを使ったゆ玉焼きと呼ばれる料理だ。 「フライパンも十分熱したわね。よし、うつほ投入~」 『う”にゅうううぅぅぅ!!?あづい!!うつほのあんよさんがああぁ!?』 こちらも作り方はシンプルで、十分に熱したフライパンにうつほを入れるだけである。 ゆ玉焼きは手早く作れて栄養価も高いため朝食のメニューによく用いられている。また、姉妹盛りと同じく料理の練習として作られたりもする。 ただし難易度としては姉妹盛りよりも少し高めである。理由はうつほの場合はあんよの他に羽も焼かないといけないので、火加減を誤ったり時間を掛けすぎると焦げやすいのだ。 「ひっくり返して背中もジュ~っとね」 『ゆああぁぁ!うつほのはねさんが!はねさんがあづいいぃ!!』 その点、この母親の手際は上手いものだった。やりすぎて焦げないようにしつつ、かといって動いたり飛べないレベルでしっかりと焼いている。 「ほいっ完成~」 『うに”ゅぅ・・・・・・うつほのあんよさんとはねさんが・・・うつほもうゆっくりできないよお』 母親は十分に火が通ったタイミングを見計い、うつほを事前に用意しておいた皿に移していく。ゆ玉焼きもこれで完成だ。 「さて、最後は飲み物ね」 一通り朝食で食べるものを用意し終わった母親は、最後に飲み物の用意を始める。自分の分は『ゆ茶』で、子供にはお手製のジュースだ。 母親は『光のゆ茶』と書かれた箱からティーバッグを取り出すと、それをカップへと入れる。 『ゆゆ?きゅうにさにーたちをつつんでるのがうごいたよ』 『ほんとうだね、なんだろう?るなはちょっとしんぱいだよ』 『すたーたち、ここからでられるの?ゆっくりできるの?』 そしてヤカンで沸かした熱湯をそこに注ぎ込んだ。 『『『ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ!?ゆ”っぐり”でき”ない”いぃ!!』』』 ティーバッグの中身が溶けて適度な味になるまで時間が多少かかるので、その間に母親は子供の分のジュースを作り始める。作るのは健康を考えて野菜ジュースだ。 「え~っと、ここに確かっと・・・あったわ」 『げら?げらげら?』 母親はリンゴとうどんげを取り出すと、そのままうどんげの口に無理矢理リンゴを詰めていく。 「えい!えい!」 『げrむぐうう!?』 そしてリンゴが口いっぱい状態のうどんげをジューサーへ投入、ためらうことなく即スイッチをオンにした。 "ブイイイイィィィィィィン" 『むぐぅぅ!!むぐぅぅむぐうううぅうぅ!!』 スイッチが入ったことでジューサーのおろし金が回転を始め、うどんげの一部を擦り下ろし始める。さらに追い討ちをかけるように、 「よっと」 "ギャリギャリギャリギャリギャリ" 『ーーーー!ーーーーーーーーーー!!』 母親が差し込み棒状の器具を使って、うどんげを猛回転するおろし金へと押し付けた。 棒状の器具がおろし金近くまで下りた頃には、ジューサーによってうどんげとリンゴの汁が混ざった立派な野菜ジュースが出来上がる。 そしてその頃には先ほど熱湯を注いだゆ茶の方も、いい具合にティーバッグの中身が溶けてきていた。 「ミルクを入れて~っと」 母親はカップからティーバッグを取り出すと、『みま100%入りミルク』と書かれた紙パックの中身を注ぎ込む。これでゆ茶の方も完成である。 と、ちょうどその時、その家の子供が起きだしてきた。 「おはよ、お母さん」 「おはよう、朝ごはんできてるわよ」 「わ~い!いただっきま~す!」 「はいはい、慌てないで落ち着いて食べなさいよ」 それはどの家庭でも見られる、一般的な朝の風景であった。 ~ゆ食世界の風景・昼食へ続く~ 後書き つまらない、文章がへた、その他どのようなことでも構いませんので、 何か一言感想を書いていただけると筆者のモチベーションが劇的に上がりますのでよろしくお願いします 過去の作品 anko2643 ある変わったれいむのお話 anko2658 もの好きなゆっくりの日常 anko2677 アグレッシブてるよ anko2682 オーソドックスなものたち anko2704 アクティブこまち anko2711 妖精たちの幻想郷 anko2716 足りないものが多いぱちゅりー anko2823 愛するが故に anko2840 ポジティブぱるすぃ anko2858 スカーレット・チャレンジャー 前編 anko2859 スカーレット・チャレンジャー 後編
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生鯖独自仕様 初心者用復活のポーション新規キャラ作成時に1個持っています。 レベル制限なし、トレード不可のアイテムです。ご使用タイミングは各自の好みでお使いください。効果は本来の転生ポーションと同じです。間違えてご使用されても補償は出来ませんのでご了承ください。 転生時ボーナスステータスUPシステム 初級オリ防具交換人に話しかけると、チャンスコイン10枚と御まんとが貰えます。(一度、御マントを貰っている方も貰えます) 転生POTを飲むと転生コインを1枚取得できます。 チャンスコイン一枚と転生コイン一枚で、希望ステを+1出来る転生エリクサー{STR、CON、DEX、WIS、CHA}が1個貰えます。これはMAXステータスを素で35まで上げる事ができます。 INTに関してはチャンスコインを2枚と転生コイン一枚を使用する為、MAXステータスは素で30まで上げる事ができます。 チャンスコインは全てのステータスが25になってから使用して下さい。全てのステータスが25になる前に転生エリクサーを使用さたり、チャンスコインを削除されても補償はできませんので気をつけてください。 Wiz、Priの追加打撃をlv33ごとに+1するように変更(MAXの追加打撃は+30迄) チャンスコイン転生コインの使用方法 SKTのディテクターの姿をした転生エリクサー交換所に話しかけて下さい。 チャンスコイン 転生コイン 交換用選択肢 UPステータス 1 1 エンシェントグレートソード STR 1 1 エンシェントソード CON 1 1 エンシェントボウ DEX 2 1 エンシェントプレイトメイル INT 1 1 エンシェントレザーアーマー WIS 1 1 エンシェントローブ CHA それぞれを「封印を解く」にすると転生エリクサーを手に入れる事が出来ます。転生エリクサーを使用すると該当ステータスが+1UPします。 オリジナルアイテム アイテム名 red生卵 一定レベル以上のモンスターからDROPします。生卵防具に交換したり、色々と集めるとwktkします。 blue生卵 一定レベル以上のモンスターからDROPします。生卵武器に必要だったりします。 進化の実の元 5個集めるとイビルベンで進化の実と交換出来る。 3色ナマダンゴ 収集アイテム。用途は未発表です。 桃饅頭(生) 収集アイテム。他に蒸した物もあるらしい 生卵の黄身 オリジナルアロー、無限の矢筒から入手可能 火、地、水、風の欠片 上位属性グローブの材料 オリジナルMAP MAP名 レベル 移動方法 初心者狩場 50↓ 初期レベル上げ用 初心者狩場移動スクロール AnimalFriendPark 制限無し テイムするならここ! AnimalFriendParkテレポートスクロール 漢のNAMAP 60↑ オリジナルモンスター、オリBOSS配置のPT推奨MAP。漢のNAMAPテレscで飛べます 漢のNAMAPテレポートスクロール NAMAP Cave 80↓ ギランケイブベースのオリMAP。未転生PT用。単騎はまずいと思います。 Lv80未満NAMAP Cave スクロール お花見NAMAP 制限無し 漢のNAMAPとNAMAPCaveの中間的MAP。PTでも単騎でもよろしいかと お花見NAMAPテレポートスクロール WWC1F 城主クラン専用 通常よりレートUPしたボスが出ます。2Fから移動不可。 城主クラン専用 魔法仕様関連変更点 B2S、B2M 消費、回復量共に5倍 FH、NB 消費増加、威力増加 DIG MP200消費、威力増加 FS 威力減少 PE STR、DEX 時間増加 Gヘイスト ライト、シールド 各種オーラ 威力2倍 イレースマジック 精霊の玉5消費、MP25消費 エリアサイレンス 精霊の玉40消費、MP200消費、ディレイ12秒 アースバインド 精霊の玉2消費、MP25消費 カーズパラライズ 魔石30消費、MP400消費、アライメント-5000 その他変更点 変身モンスター 変身可能レベル ダーク系変身 レベル55~ シルバー系変身 レベル65~ マスター系変身 レベル75~ アーク系変身 レベル85~ エルフには弓以外の近接打撃にもレベルによる打撃ボーナスがついています。 全体チャットでお腹が空かないようになっています。 GMが発言しても、名前表示が******にならないようになっています。 傲慢の塔X1Fテレポートアミュレットがどこからでも使用出来ます。 GMショップ(SKT)帰還用scをアミュレット化して使用してもなくならないようになっています。 PT人数による経験値ボーナス、プリのPTL時の経験値ボーナス増加 カーズドブラッド、アルケミストストーンからオリアイテムの各属性の欠片がDROPします。 パンケーキ、肉等は1個食べるだけで満腹になります。 ギランUBのみ開催しています。現在は1日4回で、入場開始時間が4時、10時、16時、22時です。 4時5分、10時5分、16時5分、22時5分からUBが開始されます。 現在、4時、10時、16時、22時よりも早くUBの会場に入るとUBが正常に開始されない事があるようです。原因がよくわかっていないので、入場開始時間前にUB会場に入らないようにお願いします。 ギランUBの登場モンスターは一部変更されています。 ペット、サモン関連ドッペルボス、クーガー、上位精霊はHPとMRが増加しています。 進化の実はレベル50ノーマルペットにのみ使用可能です。 紀州犬の子犬、タイガーはレベル50ハイペット10匹でどちらか希望の1匹が貰えます。 紀州犬、タイガーは他のペットよりも大幅にHP、MPの増加が多いです。
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細かく軍隊の設定を設けることにしました。 既存の自宅世界観に付加する形のものです。 【帝国軍】【共和国軍】【航空大国軍】の三大勢力と、その他雑多な地域の軍隊があります。 ================ 【帝国軍】 帝国の保有戦力です。 帝政が敷かれており、軍の兵員の多くは徴兵により賄われております。また、貴族の権力が大きく若い貴族の子弟が高位に着くこともあります。 【共和国軍】 現在世界観の中に出しておりませんが、民衆により建てられた共和国の保有する軍隊です。 農民出身者など平民出身者による、入隊希望者によって兵員の多数が賄われております。 【航空大国軍】 航空大国が保有する軍隊です。 多民族国家で、まとまった徴兵方針など軍隊に関しても個々の属国に一任しております。 名前の通り初歩的な戦闘機などを保有しております。 ================ ちょこちょこ設定などは加筆していくつもりです。
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設定メモ ~か行~ 2008/11/15 設置 2008/12/27 氷のエレメント追加 2010/7/15 風のエレメント、雷のエレメント追加 風のエレメント 分類 エレメント関係 説明 十種類存在するエレメントの一種。気体・思考と いった事象を支えているとされる。精神のエレメ ントともされ、暗黒・聖のエレメントと何か関係 があるらしい。 備考 - 雷のエレメント 分類 エレメント関係 説明 十種類存在するエレメントの一種。電撃・伝達と いった事象を支えているとされる。伝説によると 精神と肉体を結びつける魂と関係があるらしい。 備考 - 氷のエレメント 分類 エレメント関係 説明 十種類存在するエレメントの一種。氷・冷気・闇 衰弱・秩序・停滞・沈黙といった事象を支えてい るとされる負の力。火のエレメントに弱く、水の エレメントに強い。 備考 - コピー 分類 COPY能力 説明 COPY能力の一種。「標的を模倣することで、それ が持つ性質や特殊能力をコピー能力として得る」 能力。何らかの手段で標的の情報を入手・解析し、 コピー能力を得るのが発動の流れ。 使い手によって標的の情報の入手・解析法が異な り、またコピー能力の内容も細かく変わってくる ため、100人のコピー使いがあれば100通り のコピーがあると言われる(種族の特徴として一 定水準のコピーを使える場合は別)。 出典 星のカービィシリーズのカービィの「コピー能力」、 及び星のカービィスーパーデラックスの「コピー」。 備考 カービィはその時の状態でコピーの使い勝手の差 が激しく、コピー使いとしては中の下~上の下レ ベルとされているとか。 コピー能力 分類 COPY能力関係 説明 COPY能力「コピー」により入手した仮初めのCOPY 能力。何かの性質を模倣したものと、他者のCOPY 能力そのものを模倣したもの、その他の技術・特 殊能力を模倣したものに分かれる。同じ標的にコ ピーを用いてもコピー使いによって入手できるコ ピー能力が違う事がほとんどで、特にCOPY能力そ のものを模倣した場合は大抵オリジナルと比べる と劣化したり変化したりする。まれに進化する事 もある。 あくまでも「仮初めのCOPY能力」であり、これも 個人差はあるが、大抵は時間の経過や能力者自身 への衝撃で消えてしまう。が、たくさんのコピー 使いが使う事で人々に注目され、その意識に浸透 する事で本当のCOPY能力として独立し、能力者が 発生するケースもある(ニンジャやファイター等 がこのパターンで能力者が増えたCOPY能力だとさ れる)。 出典 星のカービィシリーズのカービィの「コピー能力」。 備考 -
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ここは大延国の独自設定<人名・人種>を集約しています。 使用上の注意 ※国別・項目別に仕分けています。他国の設定については人物・用語目録から該当国家のページを開き追加してください。 ※可能な限り、作者自身で項目作成していただくようお願いします。五十音順に並んでるので、それに沿っていただけると助かります。 ※この項目は「確定事項」ではありません。利用するもしないも、設定的に齟齬が出る内容でも確定事項に反しない限り原則問題ありません。 項目凡例 【項目の名称】 項目の内容 (初出:[[初出のSS名]] または ネタ提示スレの日時・本数) 【登場済み皇帝一覧】 【≪風の騒々≫シャオフウ(かぜのそうそう しゃおふう)】 【金侍三仙 きんじさんせん 】 【金羅の落とし子?補足(金炎児、小金羅)】 【銀毛女禍】 【グアン】 【紅索子 こうさくし 】 【シェンピェンツァー】 【シキョウ】 【シャオ】 【十面大師 じゅめんだいし 】 【神槍デンホウ】 【スイメイ】 【セイラン】 【赤炎妖狐】 【テンコウ】 【天明公 てんめんこう 】 【天目道人 てんもくどうじん 】 【吐月壷 とげつこ 】 【ハンリョウ】 【緑娘子(りょくじょうし)】 【緑狸公ロコウ】 【登場済み皇帝一覧】 初代皇帝 リホウ 第2代皇帝 六合霊皇 第12代皇帝 シャオ 第13代皇帝 ロハン 第20代皇帝 白王・麒王クウエン 第36代皇帝 白王リメイ 第45代皇帝 玄王コウヒ 第56代皇帝 玄王ハクヨウ 第75代皇帝 シキョウ 第76代皇帝 シメイ 第85代皇帝 センガイ 当代皇帝 朱王クウリ 【≪風の騒々≫シャオフウ(かぜのそうそう しゃおふう)】 膝かっくんなど小さなことから、命に関わるものまで様々な『悪戯』に心血を注いだ悪仙。 元は舞芸による風精霊の使役に長けた仙人であったが、食べ物への悪戯で金羅にこっぴどくお叱りを受け、グレた。 封印指定の悪仙に認定されたもの、たび重なる食べ物への悪戯が原因である。食べ物を粗末にするものは命を粗末にするもの也、南無。 【金侍三仙 きんじさんせん 】 特に金羅のそば近くに仕えてその面倒を見る役目を負った仙人のこと 三人いる (初出:【捜魚改租に通ず】) 【金羅の落とし子?補足(金炎児、小金羅)】 自分との交わりによって金羅が子を生んでいることについて、皇帝はまったく知らされていない。 また、その子供が仙人に預けられるのは、半神ゆえ生まれながらの仙人ともいえる能力を持つ彼(彼女)を 帝位につけぬよう皇室から引き離し、十分成長するまで仙人境に隔離する目的もある。 これは歴史上唯一の「六霊大王」と伝えられる神代の皇帝が金羅と前帝の子であったことがきっかけであるらしいが、詳しい事情はさだかではない。 (出展:20110917スレ2本目など) 【銀毛女禍】 南蛮に属する羊人の仙女。召鬼と禁呪を得意とし僵尸(キョンシー)を操る。 彼女は金羅と別系統の神力を身に宿す南蛮仙人で大延の領土を虎視眈々と狙っている。 しかし、生来の面倒くさがりが祟り、飛殭(フェイキョン)どころか屍尢(シオウ)まで使える実力者のはずなのに 殆ど傷んだ屍体を使った乾屍(コンシー)の大量生産で片付けようとするのでよく失敗する。 性格は自堕落でのんびり、容姿はふわふわの銀髪に白い肌の美女。 付け加えると重度のショタコンである。 (初出:【夜を守る者】) 【グアン】 大延で笑神と呼ばれた猿人の噺家。 少年時代にただの下僕だった彼は、ある象人との出会いから数奇な運命に導かれ噺家になることになる。 彼の遺した笑いに対する考えは未だに多くの芸人たちに受け継がれている。 (初出:【紅唇小話】) 【紅索子 こうさくし 】 仙人 天目道人の弟子 年若い兎人の姿をしている 指先から赤い糸を出し、それによってさまざまな術を行使する 声を発することはなく、会話は糸で文字を書くことによって行う (初出:【捜魚改租に通ず】) 【シェンピェンツァー】 南蛮の代表的な種族である象人の女傑。 その怪力と知略で多くの大延国の兵と将を葬った。 大延の歴史書には載っていないが、少数の兵を連れて一時的にでも塞王の壁を崩して侵入を果たした数少ない南蛮人の一人。 しかし、幾人かの将を倒した後に力尽き虜囚となった後に奇妙な最後を遂げる。 性格は子供好きで優しかったと南蛮では伝えられており、南蛮では子供の守り神として崇められている。 (初出:【紅唇小話】) 【シキョウ】 大延国第75代皇帝 故人 武術の天賦の才に恵まれた努力する天才 延国全土のあらゆる武術を習得したとされる大武術家としても知られ、延国の武術史の編纂や体系化などにも尽力 85歳で亡くなるまでをひたすらに武術の研鑽に費やし、その片手間に皇帝をしていたと言われる武術馬鹿 終生の目標としてスイメイ打倒を掲げていたがついにそれは実現できなかったが スイメイを妻として三男三女をもうける 延皇帝史においては珍しい一人の妻しか持たなかった皇帝としても知られる 初出:【続・その風斯く語りけり】) 【シャオ】 大延国第12代皇帝 故人? 大延国最初の女性皇帝であり大延国を滅亡の危機に陥れた最悪の皇帝として知られる。 最愛の火精シュクユと戯れることに没頭し皇帝としての職務全てを放棄したことで延は荒れに荒れ 最終的には腹違いの兄によって皇帝の地位を奪われる。 皇帝としての地位剥奪後の彼女の消息は諸説あるが明確にそれを裏付ける証拠や文献はなく不明 初出:【その風斯く語りけり】) 【十面大師 じゅめんだいし 】 仙人 セイランの教育係を務める 変身術を得意とする 学識も深く、各方面からの信頼が厚い (初出:【瓦上公主】) 【神槍デンホウ】 永代剣聖に数えられる褐色の肌をした豚人の武人。 義に厚く情に脆かったという伝説が有名で、その中でも握り飯ひとつのお礼のために 南蛮の軍勢一万を相手にたった一人で立ち向かうというくだりはあまりにも有名。 彼の活躍をもとにした武侠小説「黒豚武伝」は古典ながら根強い人気を誇る。 (初出:20120211 2スレ目) 【スイメイ】 永代剣聖に数えられる狐人の女性剣士 大延国75代皇帝シキョウの剣の師であり後に彼の妻となり6人の子を産む シキョウの剣の師として宮廷に迎え入れられた当時彼女は齢60を越えたと自己申告していたが、その見た目は若々しくとても老境には見えなかったという シキョウが85歳で逝去するまでスイメイ自身はほとんど見た目が老いることが無かったと言われており仙人だったとも言われているが事実は不明 シキョウ亡き後は子供たちにも行き先を告げず宮廷を後にし、以後消息は不明 基本は剣士だが一度でも見た技はそのまま完全にコピーしてさらに自己流のアレンジを加えて習得し 自分が出来るのだから他人もこれくらい当たり前にできるだろうとか考えちゃう武術のナチュラルチート シキョウを唯一自分に一番近い存在として認識し、特別な存在として考えていた。 (初出:【続・その風斯く語りけり】) 【セイラン】 クウリの第三十七子 狐人 称号は吉風公主 はねっかえり 風精のテンコウを後見人として持ち、風の魔法を得意とする (初出:【瓦上公主】) 【赤炎妖狐】 大延各地に点在する緑狸公の墓碑の前に一定の周期で現れる怪異。 薄汚れた白い毛皮に赤々とした炎を纏う、みすぼらしくやつれた痩せ狐の姿をしている。 誰を傷つけるでもなく、ある時期になると夜中の墓碑の前にふらりと現れ、頭を垂れて哀れをさそう声で啼く。 ただそれだけの怪異である。 緑狸公の墓碑を参拝した者であれば誰もが噂を耳にするし、時には実際に目にすることもあるだろう。 だが、そっとしておくのだ。 緑狸公にまつわる者は、みな正しく裁かれた。 怪異の元がなんであれ、それに今一度鞭打つ資格は大延皇帝にもありはしないのだ。 (初出:【フタバ亭挿話】) 【テンコウ】 風精 セイランの後見人を務めるが、ほとんどそれらしい仕事をしない 犬のような姿で犬のように生きている 犬 (初出:【瓦上公主】) 【天明公 てんめんこう 】 観州は天明湖を統べる龍 神と称されてはいるが、その実態は妖怪の類である (初出:【捜魚改租に通ず】) 【天目道人 てんもくどうじん 】 仙人 常人の三倍ほどの目方を持つ熊人の姿をしている 賭け事を好む なお天目とは、ある種のサイコロ賭博で言う六のゾロ目のことである (初出:【捜魚改租に通ず】) 【吐月壷 とげつこ 】 仙人 天目道人の弟子 壷の中に入っており、中から出てくることはない 壷はなんでも吸い込み、あるいは何でも取り出せる力を秘めている どうでもよい事柄でも二回言う (初出:【捜魚改租に通ず】) 【ハンリョウ】 クウリの第六子 狐人 帝国の人事を掌握する吏部の長官を務める 皇族でありながら試験に通ってこの地位を得た秀才 長男の出来が悪いのが悩み (初出:【瓦上公主】) 【緑娘子(りょくじょうし)】 狸人の16才の少女で素衣仙姑を師とし、道観である千勺観に属する道士。桃剣と単音(片手操作できる銅鑼)の扱いが得意。 彼女は仙人でなく神力の殆ど使えない道士ではあるが、彼女の両親が職業道士だったためか剣技などに高い素養を持つ。 性格は真面目で非常に気が強く男勝り、容姿は狸人にしてはスラリとした体型で長い緑の髪を両側で結わえている。 黙っていれば美少女と言える部類。 (初出:【夜を守る者】) 【緑狸公ロコウ】 第12代皇帝シャオの時代、恋に狂う愚かな女帝に思慕を抱き、彼女に振り向いてもらうために 愚帝の悪政と宮廷の腐敗でガタガタの大延国を右往左往して必死に延命した狸人の官吏。 官吏としては間違いなく優秀であったのだが、結果的に彼の献身のせいで金羅の助けも望めぬまま 民草はより長期間苛政に苦しむこととなった。ロハンの決起によってシャオの罷免が決まった際には、 ロコウは積年の恨みをぶつけられ執務室が血の海と化すほどの酸鼻極まる最期を遂げたという。 (延国各地には緑狸公の墓とされる碑が複数立っているが、それは馬裂きにされた緑狸公の屍が 二度と蘇らぬようばらばらに葬られているからという説もあるほど) 後に大衆延劇で演じられる際には、女帝の無理難題に振り回される小心者として若干ユーモラスに 描写されており、また自分を捕縛せんと迫る兵士を前にガタガタ震えながらもあえて逃げようとはせず、 苛政に加担した大罪への罰を甘んじて受け入れる潔い人物として好意的に描かれることもある。 勿論別の演出脚本では、愚帝の威光をかさにきてやりたい放題する最悪の黒幕として描かれることもある。 後の評価が非常に極端な人物といえる。 また、現在大いに活躍している優秀な官吏の家系図を辿った時に不自然な空白部分の存在することが ままあるのだが、これはロコウに連なる者であることを暗に示している場合が多いとされる。 勿論、既に十分な罰を受けた先祖の罪を殊更に追求するような不心得者など今日の宮中に存在しない事は 言うまでもないことである。 (初出:20120211 2スレ目)
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『とあるまりさのスーパーノヴァ』 17KB 小ネタ ドスまりさ 独自設定 「お話」ってジャンルが欲しいと思った ※注意事項とか 虐待はないです。制裁とかもないです じゃあ愛でかと言われるとそうでもないです そもそも人間があまり出て来ません 凄まじく独自設定のドスがでてきます たぶんSFなんだと思いますが、知識がないので描写とか原理は適当です ので、フィーリングで読んでください みんな、ゆっくりしていってね! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『とあるまりさのスーパーノヴァ』 その日、まりさはドスになった。 平凡な野生の群れで、平凡なれいむとまりさの子として生を受け、 ごく平凡に育ったまりさはその日、突然ドスになったのだ。 生まれてから三ヶ月がたったころの事だった。 ドス。それはただ居るだけで、とてもゆっくりできる存在。 「まりさはドスだよ! みんな、ゆっくりしていってね!!!」 まりさはドスとしての使命を果たすべく、群れを導いていく決心を固めた。 親や、姉妹や、友人や、群れの仲間たちからの心地よい羨望のまなざしを受けながら、 まりさはドスとして群れを率いて、みんなをゆっくりさせるために奮闘した。 1年目。それは失敗に終わった。 ドスがいるという安心感から、群れのゆっくりたちは堕落し、 無計画なすっきりーによって際限なくその数を増やしていった。 そしてあとはお決まりの流れで、食料を取り尽くし、 飢え、争い、殺し合い、その果てに群れは壊滅した。 生き残ったのはドス自身と、 比較的賢い頭脳と善良な心を持つ数匹のゆっくりだけだった。 死んだゆっくりの中には、ドスの親や姉妹も含まれていた。 みんなの遺体を埋めて墓を作ったその日から、 まりさは自分のことを「まりさ」と呼ばなくなった。 まりさは、「ドス」になった。 3年後。生き残ったゆっくりたちの子孫が順調に増え続けたおかげで、 群れは再び「群れ」と言って差し支えない規模にまで戻っていた。 外敵との戦いや、群れでの狩りのルールの制定、餌場の管理、 すっきりー制限による群れのゆん口管理、群れの構成ゆん間の関係の調整…… そうした様々な経験を積んだことで、ドスにはドスの風格が漂うようになっていた。 もう二度とあんな悲劇は繰り返さない。 そんな固い決意を抱き、ドスはさらに5年、群れを円滑に運営していった。 5つ向こうの山の群れにまでその名を知られるほど、 ドスとドスの率いる群れは「とてもゆっくりしている」と評判になった。 10年目。いつになく寒い年だった。 ゆっくりたちの命を繋ぐ、大事な食料がとれなくなった。 こうした事態に備えて数年前から食料の十分な貯蔵をしていたドスの群れは、無事だった。 だが、周囲の群れはそうではなかった。 皆、飢え、多くのゆっくりが死に、多くの群れが崩壊した。 そして難民となった何百匹ものゆっくりが救いを求めてドスの群れに殺到した。 当然、それほどのゆん口を養えるだけの蓄えは、無い。 ドスは難民たちを救うことも見捨てることもできず、ジレンマに苦しんだ。 ジレンマに苦しんでいるうちに、事態は修復不可能な段階にまで進行し、 そしてその年、ドスの群れは再び壊滅した。 今度は、誰も生き残らなかった。 冬を越すことができたのは、ドスひとりだけだった。 ドスは、自分は無力なのだと、悟った。 死臭漂い、向こう数年はゆっくりが居着かないであろうその地をあとにして、ドスは旅に出た。 その先でも、ドスは様々な経験をした。 ドスを歓迎する群れ。長になってくれと懇願してくるものたち。 ドスを利用しようとする群れ。傲慢に、自分たちをゆっくりさせろと強要してくるものたち。 崩壊していく群れをいくつも見た。不屈の意志により立ち上がり、甦る群れも見た。 捕食種の群れにも立ち寄った。人間とも出会った。 旅立ちから15年がたった頃、ドスは何度目かになる自分以外のドスとの出会いを果たした。 そのドスはいくつもの群れを束ね、千ゆん以上ものゆっくりを従える偉大なるドスだった。 だが、そこにいたゆっくりたちは、皆一様にゆっくりしていなかった。 そのドスは、暴力と圧政によって群れを支配していたのだ。 ドスはドスに言った。 「こんなやり方、ゆっくりできないよ」 ドスはドスにこう答えた。 「いかにもあまあまが言いそうなことだぜ。ゆっくりがゆっくりしようとするならば、決してゆっくりして いてはいけないんだぜ。そんなことしたら、みんな永遠にゆっくりしてしまうんだぜ」 それはドスも薄々感じていたことだった。 旅の中で見てきた多くの群れが、ドスの言葉を肯定していた。 だからドスは言い返すことができなかった。 ゆっくりしようとすれば、いつか決定的にゆっくりできなくなる。 ゆっくりするのを我慢していれば、少なくともその瞬間を遠ざけることはできる。 群れをゆっくりさせるためには、みんなからゆっくりを奪わねばならない。 ドスのすべきことは、そういったことなのだろうか。 みんなをゆっくりさせるために、みんなにとってゆっくりできない存在でいなければならないのか。 「ドスの使命なんて知らないのぜ! でも、ドスはこのやり方でずっとやってきたのぜ!」 ドスと別れてからも、その言葉と群れの姿は、 ドスの心の奥に長いあいだ突き刺さって消えることがなかった。 それからもドスは旅を続け、瞬く間に100年の月日が流れた。 ドスはさらにたくさんの経験をした。 何度か定住し、小さな群れを作ったこともある。何度か、別のドスと戦ったこともあった。 人間と暮らしたこともあった。人間から追われたこともあった。 海を見た。海ドスと出会い、海を渡る術を知った。海を渡り、大陸を旅した。 人間の世界が“国”という単位で区切られていることも知った。 あれだけ強い力を持ち頭が良い人間も決して万能ではないことも、知った。 さらに100年がたった。 ドスはある土地で、大きな大きな群れを築いた。 人間のそれには当然及ばないが、ゆっくりからすれば “国”と呼んで差し支えないほどの規模を持った、 多種多様な種族からなる大きな大きな群れだった。 それは、天災によって滅びた。 さらに、100年を経た。 ドスは別の土地で、再び“国”を作った。 前よりも大きく、強固なシステムを持ち、 何匹ものドスによって運営される“国家”だった。 そしてその群れは、長であるドスを“ゆっくりできない”として追放し、 ほどなくしてあっけなく自壊して滅びた。 さらに100年。 ドスは諦めることなく、また“国”を作った。 文明と呼べるものが生まれ、人間と対等な“貿易”を行うまでに発展した。 そして、人間によって滅ぼされた。 100年。 ドスは“国”を作った。 そして、自らの手で“国”を制裁して滅ぼした。 焦土と瓦礫の山と化した土地を捨て、ドスは再び流浪の旅に出た。 山と海を越え、砂漠と氷の大地を越え、 ありとあらゆる土地を、国を、島を、大陸を、あてどなく放浪し続けた。 進んで、進み続けて、そしてついに生まれ故郷の森と再会し、世界が円環の中にあることも知った。 「ゆん。地面は本当にまあるい形をしてるんだね。──ゆっくりみたいに。ゆふふ」 様々な場所で、様々なゆっくりと、人間と、それ以外の多くのものと出会い、そして別れた。 もうこのころには、ドスは自分がただのドスではないことを理解していた。 生き物としての範疇の外へあんよを突っ込んでいる自分に気付いていた。 普通のドスは、百年も二百年も生きたりしない。だが自分はその何倍も生きている。 千年近い時を経て成長を続けた体は、普通のドスよりも遙かに大きくなっている。 これがどういうことなのかは、わからない。いかなる理由によるのかは、わからない。 いったい、なんのためなのか。 ただ普通のドスよりも大きな群れを作り、滅ぼすためか。 よりたくさんのみんなをゆっくりさせて、ひとときの夢を見せて、崩壊へ導くためか。 あるいは崩壊に抗うために、たくさんのみんなをゆっくりさせないためか。 そもそも群れを作るのは、本当にみんなをゆっくりさせるためなのか。 ドスとしての自分の「みんなをゆっくりさせたい」という欲求を満たすためではないのか。 なにも、ドスにはなにもわからなかった。 ただ、みんなが── ゆっくりだけではない、人間も、動物も、海や、森や、山が、空が、 そうした全てのものが生きて、笑って、泣いて、生まれて死んでいくのを感じることは、 とてもとてもゆっくりできた。 ただ、自分の無力さだけが、ゆっくりできなかった。 やがてドスは、とても温かい島にたどり着いた。 人間のように地図を持たないドスには、そこがどこなのか正確にはわからない。 ただ、人間に見せてもらった“まあるい世界”の模型の、 いわゆるあんよ側の場所であることは、なんとなくわかった。 そのあたりには定住するゆっくりがいなかった。人間もいなかった。 年に何度か、空を渡っていくきめぇまるや、海流に乗って移動するむらさの姿を見かけるだけ。 静かな場所だった。 ドスがドスとして振る舞う必要もない。 ドスに“ドス”を求めるものもいない。 「ここは、とってもゆっくりできるよ……」 ドスはそこで、1000年の時を過ごした。 微睡みの中にいるような、とてもゆっくりした1000年を。 やがてドスは深い眠りについた。 ある時、ふとドスが目を覚ますと、たくさんの人間の気配を感じた。 何百……何千、いや、何万もの人間たちの命の存在。 声が聞こえる。感情を感じる。笑って、泣いて、怒っている。 生まれて、生きて、死んでいく無数の人間たちの気配。 人間だけじゃない。 人間たちの間に、無数の小さな命もあった。 その中に、懐かしい声を聞く。 「ゆっくりしていってね!!」 れいむの声だ。ああ、まりさもいる。ありすも、ぱちゅりーも、他のみんなも──。 ゆっくりしていってね──!! 挨拶を返すと、それは大きなエネルギーの奔流となって ゆっくりと人間の区別もなくみんなの中を伝播して溶け込んでいった。 みんなの気持ちが、少しゆっくりする。 それを感じたドスもまた嬉しくなって、ゆっくりした気持ちになった。 ドスは自分が今どうなっているのかを理解しつつあった。 ドスは今、海の真ん中に仰向けになって島のように浮かんでいる。 その上にれいむやまりさやありすや──みんなと、人間たちがいる。 とてもとても大きくなった自分の上に、町がある。 ゆっくりしすぎた結果がこれだよ! とドスは叫びたかったが、みんなを驚かせてはいけないので こっそり「ゆふふ」とお腹の中で笑うのだった。 みんなをゆっくりさせる方法は、なにも群れを作ることだけではない。 例えば、当たり前すぎてみんなはあまり気付いていないけれど、 太陽さんや地面さんだって、みんなをゆっくりさせてくれる大事な要素のひとつだ。 ならば、自分がそういうものになるのも、いいかもしれない。そう思った。 人間たちはこの島を、まるでゆっくりのまりさのような形をしているから──と、「まりさ島」と呼んだ。 その形のせいというわけでもないのだろうが、この島の空気はとてもゆっくりとしているのだった。 穏やかな気質の住人たちと、ゆっくりしたゆっくりたちと、肥沃な大地に支えられ、 島はその歴史にひとつの争いごとも記さずにゆっくりと発展していった。 時々起こる、謎の地震に頭を悩ませながらも。 そして── 1万2000年後。 “まりさ”は人間に連れられて、まあるい地面──地球を離れて宇宙にいた。 ぶっちゃけて言えば、あれから千年くらいたって人間の文明が発展したところで、 まりさ島が本当にゆっくりのまりさであることがバレてしまったのだ。 原因は、あんまりにもゆっくりしすぎたまりさが、さらに成長してしまったせいだ。 さすがに人間も不審に思うというものだ。 今のまりさが担っている役割は、「恒星」だ。 人類の科学の発展やまりさ自身の紆余曲折を経て宇宙に出たばかりの頃は、 居住用の人工惑星という役割でたくさんの人間さんと、たくさんのゆっくりと、 その他たくさんの生き物たちを宇宙の中でゆっくりさせていた。 だがゆっくりすればゆっくりするほど大きくなるまりさは、 やがて居住に適さぬほどの重力を持つようになってしまった。 まりさの扱いに頭を悩ます人間たちに、まりさはこう言った。 「じゃあ今度はまりさ、太陽さんになるよ!!」 惑星として生き、惑星として考えるようになっていたまりさは、 恒星がいかにみんなをゆっくりさせてくれるか、 みんながゆっくりするために大切なのかをひしひしと感じていたのだ。 恒星となれば消費するエネルギーは莫大になるが、 これまでと比較にならないほどにたくさんのみんなをゆっくりさせられる。 つまり、まりさはこれまで以上にもっともっともっと、すごくゆっくりできる。 その分、まりさが生み出す成長エネルギーも莫大になり、消費するエネルギーをまかなえる。 さらに上手くすれば、そのへんにいる“野良の惑星さん”を 自分の重力でゆっくりさせてあげることもできるかもしれないのだ。 惑星をゆっくりさせるとは! それはどれほどゆっくりできることなのだろう! だが、恒星になる、ということはまりさ自身の体を燃やすということだ。 それは一度始めてしまえば、おそらく誰にも止めることができない。まりさ自身にもだ。 それでも良いのか、と人間たちはまりさに訊ねた。 「もちろんだよ! まりさは、みんなをゆっくりさせたいんだよ!」 そうしてまりさは自らをドススパークで“点火”し、 無数の、何万…何億…何兆ものドススパークが連鎖して燃え上がる巨大な熱の塊となって、 ひとつの恒星──“みんなの太陽さん”をやっている。 まりさを中心として作られた人工的な恒星系は、「まりさ恒星系」と名付けられた。 まりさ恒星系はゆっくりと“群れ”の仲間── 人間と、ゆっくりと、たくさんの生物、そして惑星──を増やして、 まりさの陽光にぽーかぽーかと抱かれながら、重力にぐーんぐーんと抱かれながら、 ゆっくりとゆっくりと、長く穏やかな歴史を刻んでいった。 それはそこに住む誰にとっても、もちろんまりさにとっても、 心の底からゆっくり出来る日々だった。 それが何万年、何十万年……と続いていった。 ──そして、100億年の時が流れた。 まりさはひとりぼっちになっていた。 すでに人類はいない。 人類の姿を最後に見たのは、もうずいぶんと昔のことだ。 滅びたわけではなかった……ように思う。 記憶がひどく曖昧だ……。 だが、別れは決して悲しいものではなかった。それは確かだ。 思い出そうとすると、ぼんやりと、ゆっくりした気持ちになるのだ。 ゆっくりたちも、大半は人類と一緒にいなくなった。 残ったものたちは……今はどうしているやら。 少なくとも、まりさにわかる範囲には、その気配は感じられない。 今やまりさのいる銀河も静かになりつつあった。 たくさんの見知った星が、永遠にゆっくりしていった。 七つ向こうの銀河がブラックホールさんに丸ごと呑み込まれた時は、とても悲しかった。 まりさの群れ──まりさの公転軌道上をぐーるぐーるしていた惑星たちは、 年月とともに膨張していくまりさの体が勝手にむーしゃむーしゃしてしまった。 その時はあんまりにも悲しくて悔しくて、1億年くらい泣いてしまった。 まりさは今、自らの体の重みによって縮みつつある。 死にゆく恒星としての正常なプロセスによってそうなっているのか、 それともみんながいなくなった寂しさからそうなってしまっているのか。 わからない。どうでもよかった。 まりさにとって確かなのは、もう間もなく自分が死ぬということだけだ。 最期の時は、もう間近にまで迫っている。 100億年……。 長かったようにも思うし、短かったようにも思う。 今はただひたすら、生まれ育った森が懐かしい。 あの、ほんの直径数センチの……2兆分の1天文単位にも満たない小さな体で、 両親と、姉妹と、友人たちと草の上を駆け回ったあの日々が。 もう一度、会いたい。 父のとってきたバッタさんを、みんなで一緒にむーしゃむーしゃしたい。 母のもみあげに優しくつつまれて、こもりうたをききながらすーやすーやしたい。 だがしかし、そうした全てのものは、もうこの時空間には存在していない。 森どころか地球そのものが、とうの昔に太陽にむーしゃむーしゃされたことだろう。 ちょうど自分が、自分の“群れ”の惑星たちを食べてしまったのと同じように。 父も母も、あのころの自分自身も、全てがあまりにも遠すぎる。 例え時をさかのぼれたとしても、100億年もの距離があるのだ。 空間的な距離だって……もう、地球のあった場所すら定かではない。 そして今の自分は、直径何百万kmもの巨体を持つ恒星だ。 もはや体の組成はゆっくりですらない。生物ですらない。 唯一残っていて同じと言えるのは、中心核にある中枢餡だけ。 帰ることなど、できないのだ。 過去とは、そういうものだ。 自嘲的な気分がそうさせるのかまりさにのし掛かる重圧は、 中枢餡を押し潰そうとする圧力の増大は、より一層加速しつつあった。 まりさの持つ膨大な質量がその強大な重力によって、 膨張する力を失った自らの体を押し潰し、 そうして圧縮され高密度になった体がさらに強い重力を生み出していくのだ。 重力が圧縮を、圧縮がさらなる重力を生み出していく。 まりさの中枢餡はもはや限界まで圧縮され、あまりにも圧縮されすぎて、 物質であることをやめる一歩手前まで来ていた。 そうしたプロセスのやがて行き着く先は──光である。 物質は物質であることをやめると、膨大な熱と光へと変わる。 まりさが“みんなの太陽さん”として生み出していたものとは少し違うが、原理は似たようなものだ。 だが今度の光は、桁が違う。 中枢餡の全てが光となり、中枢餡を失った体もそれに呑み込まれて光へと変じ、 最終的にまりさを構成する全物質は直径1光年もの巨大な光の塊へと膨れあがる。 9兆5千億キロメートル。今のまりさのサイズの、およそ百万倍。想像を絶する規模の「ぷくー」だ。 人間はそうした現象を超新星爆発と呼んでいた。 恒星が、その一生の中でもっとも強く輝く瞬間である。 まりさはその瞬間が、少し楽しみなのだった。 恒星にとって、光とは声のようなものだ。 それがもっとも強く輝くということは、もっとも遠くまで届くということだ。 遠くまで届くということは、もっとも多くのものに聞いてもらえるということだ。 まりさが未だ知らない“どこかにいる誰か”、 あるいはまりさの事を知っている“どこかにいる誰か”に、触れることができるのだ。 この広く寂しい宇宙の中で、それはとてもゆっくりできることだ。 もちろん、伝えるべき言葉は決まっている。 きっと何も考えなくたって、自分はそう叫ぶだろう。 だって自分の、まりさの、まりさたちの一番奥に刻まれているのは── (ゆふふ。楽しみだね) まりさの忍び笑いが、誰もいない空間に響いた。 ある日、まりさの中枢餡が重みに屈し、ついにその形を失った。 中枢餡の奥から膨大なエネルギーの奔流が溢れ出し、周囲を呑み込んだ。 呑み込んだ物質はさらなるエネルギーへと変換され、さらに広い範囲を呑み込んだ。 そうしてまりさの体を内側から喰い破りながら膨張の速度を速めていった。 そのエネルギーは、まりさ自身だ。 自らを縛る肉体と精神を脱ぎ捨てた、純粋なまりさそのものだ。 まりさは全てを暴食するエネルギーそのものとなり、 膨張という現象そのものとなり、灼熱そのものとなって、外側へ── 自らの体を猛然と、秒速数千キロメートルにも達する速度でむーしゃむーしゃしながら、外側へ、 ひたすらに強く、早く、熱く、激しく、外へ、外へ、外へ── 光になって── 自身の全存在が急速に拡大していくのを感じながら、まりさは叫んだ。 己の届く全ての場所に向かって。 己を見るもの全てに向かって。 願わくば……父や母や、あの森のみんなへと届くようにと祈りながら。 過去と、今と、未来と、全てのものに向けて、 ゆん生最大最期の、“ご挨拶”を── 今 みんな……ゆっくりしていってね────!! その日、まりさは光になって、宇宙の果てへ向けて旅立っていった。 その日、まりさは時の果てまで旅を続ける光になったのだ。 END ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ええ。『トップをねらえ!』とか『デモンベイン』とか大好きですよ。 いいよね、宇宙とか時空とかなんとか次元とか。 ■過去作品一覧 anko2326 朝のゴミ捨て場で anko2328 マッチ箱をポッケに入れて、公園へ anko2334 限りなく透明に近いはこ anko2400 ぱちゅりーのおめめで anko2414 ゆトンプ! 挿絵:
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『ゆ蝶の夢』 16KB 群れ 自然界 人間なし 独自設定 3作目だったかもしれない ゆ蝶の夢 長めかもしれない 続き物予定しれない 独自設定の塊 何作目とかはどうでもいいことかもしれない 大していじめない 朝起きたら、俺はゆっくりになっていた。 手をついて立ち上がろうとしたが今の俺に手はなく、足もなかった。 それでも脳が上手く働かないのか状況が把握できずに、俺は意識せずずりずり移動をしていた。 そしてたまたま水溜りに映る自分の姿を見て、最初に言ったことの確証を得たのだった。 (……なぜこんなことに?) 水溜りに映るゆっくり(自分)の姿をじっくりと観察してみる。 見たこともないゆっくり……まぁそれもそうだろうな、これは俺なんだから。 最近切ったばかりで短くなった髪に、普段かぶっていたお気に入りの帽子。 顔のパーツはすべてゆっくりのようにデフォルメされていたが、確かにそれは俺の顔……だったと思われるものだった。 ためしに手を動かしてみようと試みる。 その俺の意思を汲み取り、長めに残していたもみあげがわさわさと動いた。 先ほどまで無意識に動かしていたが、今度は意識的に足を動かしてみる。 体の底面がうねうねと動き、俺の体が意思の通りの方向へと動いた。あくまでも意思通りいってるのは方向だけだが。 (かんぜんにゆっくりになってるな、こりゃ) こんな状況なのに、不思議と危機感は全く湧いてこない。 ゆっくりになってしまったことが原因だろうか?なんだかどうとでもなりそうな気がしてしまうのだ。 とその時、突然体の奥底から虚脱感が湧きあがってきた。 その感じは人間の時は感じたことが無かった感じだったが、今の自分にはなぜだか理解できる。 (腹が、減ったな) 体からどんどん力が抜けていく感じは、このまま食べなければ死んでしまうと感じるほどのレベルだ。 しかしここは見知らぬ土地で今の俺はゆっくり。そう簡単に食べ物は手に入らないだろう。 (……物はためし、だよな) 足元に生えていた葉の広い植物に舌を伸ばし、千切ってみる。 幸い力が弱いわけではないらしく、草は簡単にプチンと千切れた。 ここから先の指標として、とりあえずこの草を食べてみることにする。 人間の頃の食事など出来ないだろうし、これが食べれないのだったら俺はこのままのたれ死ぬだけだろう。 どうせゆっくりになったのだから、ゆっくりを楽しんでみるのも悪くない気もするし。 むしゃむしゃと口の中で何度か草を噛み、そのままゆっくり飲み込む。 (んー、可もなく不可もなく……って感じかな) 旨いと叫べるほどでもないが、吐き出すほどまずくもないく、これぐらいだったら普通に食べれるレベル。 追加で二つほど千切り食べ、ついでに水溜りで喉も潤すと体から来ていた虚脱感はすぐになくなった。 たったこれだけの食事で空腹感がなくなったことに、俺は少し驚かされる。 ゆっくりが食事を100%餡子に変換出来るという話は聞いていたが、ゆっくりはかなりの量を体に取り入れる。 だからもっとたくさん食べないとダメだと思っていたのだ。 (食事量じゃなくて食事してる=ゆっくりできるってことが重要なのかもな) 「ゆゆ!?みたことないゆっくりがいるよ!?」 「ん?」 プチ考察のようなことを俺が考えていると、後ろから声がかけられた。 振り返るとそこには若干痩せ形で帽子に傷があるが、おおむね元気そうなゆっくりまりさがいた。 「ゆっくりしていってね!」 「ん、あぁ。ゆっくりしていってね」 ゆっくりというのはまず、出会い頭にこの挨拶をするとかなんとか。 面倒だったがゆっくりになっている俺が変な行動を起こして攻撃されても困る。 人間なら簡単に対処できる相手でも今の俺はゆっくりなのだから。 「ゆゆ?なんだかゆっくりしてないね……」 「ん、そうか?これでも割とゆっくりしてるんだけどな」 普通に言葉を返したが、もしかしたら口調が普通のゆっくりと違うことを言っているのかもしれない。 だが見た目がゆっくりになったからといって、俺はこれと言ってゆっくりに合わせるつもりもなかった。 というか目の前のまりさみたいなしゃべり方するならこのまま制裁でもなんでもされて死ぬ方がマシだ。 あくまでも俺は俺のままでゆっくりを楽しみたいのだ。 だがそんな俺の気持ちはいい意味でまりさに通じず、痩せまりさはゆん?ゆん?と頭を振っていた。 だが結局これと言って何も浮かばなかったのか 「みたことないゆっくりだから、ふつうとはちがうゆっくりなんだね!」 と勝手に納得してくれた。 「だけど……こんなところにひとりでいたらゆっくりできなくなっちゃうよ?」 痩せまりさの言葉に、俺は辺りを見回してみる。 今の俺にはどのぐらい背が高いのかも分からなくなった木々が、辺り一面に広がっていた。 そんな中にポツンと開けた広場のような場所。それが今いる場所だ。 確かにこの辺りは隠れる場所が少なく、外敵に狙われる可能性が高いかもしれない。 まぁゆっくりにとっての外敵など俺は知らないし、たぶん森に住むすべてが外敵なのではないかと思うのだが。 「ゆー……そうだ!まりさのむれにあんないしてあげるよ!」 俺が黙っている間に、まりさの中では勝手に『孤独でかわいそうなゆっくり像』が形成されていたらしい。 別にそのことに関してはどうでもよかったし、群れに入る方が賢い選択だろう……普通のゆっくりなら。 「俺は見ての通り普通のゆっくりじゃないが、それでも大丈夫なのか?」 「まりさのむれはすごくゆっくりしてるむれだから、ゆっくりがすこしぐらいふえてもだいじょうぶだよ!」 俺の言ってることと返答の中身がズレているような気がしたが、誇らしげに体を伸ばす痩せまりさの気持ちを無下に扱うのも悪い気がするので、とりあえずはついて行くことにした。 群れに入れようが入れまいが、とりあえずはここから移動してから考えよう。 走り(歩き?)出したまりさのあとを追い俺も跳ねた。 「むきゅ、だめよ!」 群れの大体の成体ゆっくりを集め、さらに自分の横に護衛を二人従えた長ぱちゅりーが、俺を見据えながら告げた。 そんな長ぱちゅりーに、俺を連れてきた痩せまりさは抗議を口にする。 「なんでなの、おさ!ゆっくりをひとりだけなかまはずれにしちゃかわいそうでしょ!?」 必死に訴えるまりさに対して、群れの仲間達の視線は冷たい。 まぁ主な原因としては俺の見た目にあるわけだし、だから先にそう言っておいたんだが…… 「なぁ、長さんよ」 「む、むきゅぅ!?」 突然俺が声を出したので、長ぱちゅりーはびっくりした声をあげた。 長ぱちゅりーは得体の知れないゆっくりを追い出そうとすると同時に、かなり恐れていた。 見たこともないということは、そいつがれみりゃやふらんのような捕食種でないという保証もなかったからだ。 そのことに拍車をかけるのは、そのゆっくりの表情だ。 一見ゆっくりしているように見えて、他のゆっくりにはない何か別の『光』が籠っている。 とにかくそんなわけのわからないゆっくりを群れに置くわけにはいかなかった。 「この辺に住めるような場所ないかな?この群れの狩場の範囲の外で構わないからさ」 「……むきゅ?」 長ぱちゅりーは俺の言葉に、目を丸くしている。 てっきり俺がまりさに頼み込んで群れに入れて貰おうとしていたのだろうと思っていたからだろう。 「むきゅ……?むれにはいりたいんじゃなかったのかしら?」 「出来ればそのつもりだったけど、俺がいたらゆっくり出来ないみたいだし」 そう言って俺は隣で叫んでいた痩せまりさの帽子をポンポンと叩いて告げる。 「てなわけでさ、もういいんだまりさ。これ以上するとお前までこの群れに入れなくなるぞ?いいのかそれで?」 「ゆぅ、それは……でも……」 痩せまりさ的には群れにいる自分がゆっくりしているから、群れにいないゆっくりはゆっくり出来ないものだ、と思っているのだろう。 その優しい発言に本来なら感謝するべきところなのだろうが、俺にとってはどうでもいいことだった。 せっかくゆっくりになったんだし、ひたすらゆっくり出来ればそれでいい。 まぁぶっちゃけるとゆっくりの群れなんて全く持ってゆっくり出来ないだろうしな、って本音もあった。 「まぁできれば教えて欲しいなってだけなんだ。もしそういう場所がないなら自分で探すからどの辺までが狩りの範囲なのか教えてくれ」 俺の口ぶりに、全てのゆっくりが口を閉ざしてしまった。 奇異なものを見るようなその目は、俺の外見だけを見ていた最初とは違うニュアンスを含み始めている。 「……ゆ、わかったよ!まりさがおうちによさそうなばしょをおしえるよ!」 その沈黙を破ったのは、先ほどからちらちらとこちらを見ていた痩せまりさだった。 あれだけ言っておきながら群れに入れることが出来なかったことに、責任でも感じているのだろうか? そんなこと気にする必要はないのだが、まぁ家によさそうな場所を教えてくれると言うのだから余計なことは言わずに黙っておくことにしよう。 「んじゃ、よろしく頼むよまりさ」 「ゆ!ゆっくりついてきてね!」 ぽよんぽよんと跳ねていく二匹のゆっくりの後姿を、長ぱちゅりーは眺めていた。 あのゆっくりを、本当にこのまま行かせてしまっていいのだろうか?本当にこの群れへ敵意が無いのだろうか? 「おさ、あいつをこのままいかせてしまっていいのぜ?」 長ぱちゅりーの意図をくみ取ったのか、護衛のまりさがぱちゅりーに声をかけた。 その視線はあの二匹を鋭く捉え、命令さえあればすぐに攻撃をかけれるように身構えている。 他にも数匹のゆっくりが同じように身構えているのが見える。 「……むきゅ」 本音を言えば、長ぱちゅりーもあの得体のしれないゆっくりをせいっさいっしてやりたかった。 だが……先ほど感じた恐怖感が、長ぱちゅりーの決断を鈍らせる。 群れに影響がないなら無理にせいっさいっなどせずに関わらない方がいい。 恐らく、戦いが苦手な大多数の群れのゆっくりも同意見だと長ぱちゅりーは判断した。 「むれにめいわくをかけるようなら、せいっさいっするわ。でも、おとなしくしてるならかかわらないようにしましょう」 「ゆん、そうだね」 「あんないなかもの、かかわらないほうがいいわ!」 「めいわくかけてきたらせいっさいっだねー、わかるよー」 長ぱちゅりーの予想通り、群れの大体のゆっくりは関わりたくないと思っていたらしく長ぱちゅりーに同調する意見がほとんどだ。 「……わかったのぜ」 護衛まりさは腑に落ちないが仕方ない、と言いたげに自分の家へと帰って行った。 それに合わせるように群れの面々がそれぞれ散らばっていく。 その様子に長ぱちゅりーはほっと頭を垂れる。あのまま殺気立たれていたらどうしようもなくなるところだった。 (しかし……あのまりさもよけいなことしてくれたものね、まったく) お互い関わらず、といってもやはり限界はあるだろう。いつかは接点を持たねばならぬ状況になってしまうはず。 これからを思うと、口から中身が出てしまいそうになってしまう長ぱちゅりーであった。 「ゆ!ここがおうちによさそうなばしょだよ!」 痩せまりさが連れてきてくれたそこは、大きめの木の根っこに出来た空洞だった。 入口は一つだが中はどうやら木の根で複雑に分かれているらしく、覗きこんでも奥は見えない。 一見不便そうだが、外敵の侵入時に便利という利点になってくれるはずだ。 「ふむ、なかなか悪くなさそうな場所だな。感謝するぞ、まりさ」 「いや、まりさはそんな……ほんとうはむれにいれてあげれる、はずだったんだから……」 バツが悪そうに帽子を傾けてうつむく痩せまりさだが、俺はそんなこと全く気にしていない。 むしろ巣穴を探さないといけない手間をこうして省いてくれたのだから、感謝すらしている。 「気にしないでくれ、元から分かっていたことだ。それよりも……あの群れの狩りの領域や生活範囲を教えてくれないか?被ってしまうといらぬトラブルを招いてしまうからな」 俺の問いかけに、痩せまりさは全て親身に答えてくれた。 やはり気にするなと言われても群れに入れてあげられなかったことを気にしているのだろ。 だが俺にとってはどっちでもいい。今はただ情報が欲しかった。 「ありがとう、大体のことは分かったよ」 「ゆゆ、このぐらいならお安い御用だよー」 痩せまりさがおさげで帽子を取ると、その中からよく分からない虫を一匹渡した。 どうやら生け捕りらしく、ぴくぴくと痙攣してる姿は正直かなり気持ち悪かった。 「……これは?」 大体意味は理解していたが、一応聞いてみることにする。 「これはひっこしいわいだよ!あまりとれないむしさんだからゆっくりたべてね!」 「……すまないな、まりさ。実は俺は草しか食べれないゆっくりなんだ」 とりあえずの嘘で現状を回避しておくことにする。 こういうことにしておけば今度から同じようなことも怒らないだろうし。 「ゆ!?そうだったの!?」 俺の予想よりまりさは大げさに驚き、取り出した虫を仕舞いこんだ。 恐らく希少種のゆっくりでも草だけ食べるという種類はそうそういないだろう。 というか、言っている俺自身そんなゆっくりは聞いたことがなかった。 「あまり取れない虫なら、俺の分までお前がゆっくりと味わってくれ」 「ゆゆ、わかっ「ゆっ!見つけたのぜ!」 痩せまりさの返答が、突然中断させられた。 言葉のした方を見ると、あの時群れの長の隣にいたまりさがこちらへ向かってきていた。 「こんなところにいたのぜ……探すのに苦労させられたのぜ」 このまりさは痩せまりさと口調が違った。 強きな表情と後ろに部下を連れているところを見ると、なかなか人望を持った強いまりさなのだろう。 痩せまりさがそのまりさを見て怯えているところから見ても間違いないだろ。 「そこのまりさ!ゆっくりできないゆっくりをたすけるなんてなにをかんがえてるのぜ!」 護衛まりさから飛んできた言葉に、痩せまりさがびくりと震える。 まぁゆっくりというのは集団行動出来ないことを極端に嫌う生き物だ。 ここで逆らいでもしたら、ゆっくりできなくなることは確実だ。 だからこそ 「ち、ちがうよ……ゆ、ゆっくりできないゆっくりなんかじゃないよ……」 その言葉に俺は驚かされた。その気持ちは護衛まりさも同じだったらしい。 先ほどたまたま会っただけの謎のゆっくりに、なぜここまで親身になっているのか? 俺はそのことを考えていたが、どうやら護衛まりさは自分の意見に反論したということしか考えてないらしく 「ゆがあああ!!まりさに口答えするんじゃないのぜええええ!!!」 といきなりブチ切れて痩せまりさに体当たりを仕掛けてきた。 長ぱちゅりーの前では普通のゆっくりに見えたが、本性はかなりゲスなのかもしれない。 しかし痩せまりさには少し悪いが、自分がゆっくりとしてどの程度の強さなのかということを確かめる事が出来るチャンスだ。 痩せまりさを助けてやりたい、という気持ちも0という訳ではないし。 「まりさ、少し下がっていてくれ」 「ゆ?なにを……」 痩せまりさが俺の言葉に困惑しながらも素直に後ろへ下がる。 ちなみに体当たりを仕掛けてきたといってもゆっくりのスピードなので、このぐらいの会話をする余裕はあった。 (……あまり長くないけど大丈夫かな?) 長めに残したとはいえ、大した長さのないもみあげで本当に戦えるのかが一瞬不安になる。 (まぁ、俺が雑魚ゆっくりだとしたらこの先どうせ生きていけないだろうし構わないがな) 一瞬の不安を軽く流し、目の前にまりさをもみあげで受けとえみょうと試みる。 ガシッ 「……ゆ?」 目の前にまりさのアホ面がでかでかと広がる。 まりさ自身は前に進もうとしているのだが、何かに邪魔されて進むことが出来ない。 そのまりさの勢いを止めているのは俺のもみあげだ。 (か、かるううううう!?) あまりの当たりの弱さに、つい叫びだしそうになってしまった。 あんなスピードだがゆっくり基準では速い方なのかも、と思っていが……そんなことはなかったらしい。 耐えられなかったら両方で受け止めようと思っていたが、そんな心配もいらず片方で止められてしまった。 片方で止められるなら、もしかすると…… 「……よっと」 もう片方のもみあげも使い、まりさの両頬をがっちり抱えると、そのまま持ち上げてみた。 見た目の重量感とは裏腹にその体は簡単に持ち上がり、まりさに浮遊感をもたらす。 「ゆゆ!まりさはおそらをとんでるのぜ!」 ゆっくりが空を飛んだ時の固有台詞を叫ぶ護衛まりさだったが、周りの部下ゆっくりたちはゆわわと口を呆けさせている。 それもそうだろう。目の前のゆっくりはゆっくりでありながらゆっくりを持ち上げたのだ。 そんな光景を見たこともないゆっくり達が驚くのも無理はない。 「ゆぅ!さすがさいっきょうのまりさはおそらもとべるのぜ!」 そんなことに気付いていないのは空を飛んでいると信じている当人だけであった。 流石に持ち上げただけで喜ばせるのもなんなので、そのままそのまりさを思いっきり投げ飛ばした。 「おそらをとんでええええっ……ゆべぇっ!?」 投げ出されたまりさはしばらくころころと転がり、部下たちの隣あたりの木に頭をぶつけて止まった。 本来ならそれを止めるべき部下たちは、相変わらず呆けたままだ。 「い、いぢゃいのぜ……まりさにいったいなにをしたのぜ……」 あくまでも自分の力で飛んだと思っていたまりさは、突然の痛みに襲われ困惑している。 と、そこで周りの部下たちの意識がぽつぽつと戻ってきた。 目の前に転がってきた強いはずのまりさ。そのまりさを軽々と投げ飛ばした謎のゆっくり。 まだ意識が戻りきらないそいつらに、俺はとどめの言葉を投げかけることにした。 「お前らも、やるかい?」 そういいながら、俺はもみあげを振り一歩前に踏み出した。 「「「「ゆんやあああああ!?」」」」 そんな俺の姿に、部下ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 我先にと走り出し、中にはこけながら進むゆっくりもいた。 そんな部下たちの姿に、護衛まりさはさらに困惑を深くする。 ただ一つ分かることは、目の前のやつが原因であるというただそれだけだ。 そこからくる護衛まりさの行動は一つ。 「ゆがあああ!!!しねええええ!!!」 そんな破れかぶれ気味に突っ込んできた護衛まりさに、俺は冷たい視線を向ける。 その視線は、後ろで見ていた痩せまりさが直接みなくても身震いするほどだった。 「ゆべぇええ……ゆげぶぅ……」 破れてほとんどなくなった帽子、ちぎられて短くなったおさげ、何度も叩き付けられてもう二度と跳ね回れなくなったあんよには、漏らしたうんうんとしーしーがこびりついている。 そんな到底ゆっくりできないような姿になっているのは、あの護衛まりさである。 (……少しやりすぎた……) そんなどう見てもやりすぎな護衛まりさの姿に、自分でやっといて少し引いてしまう。 あの後、何回かあしらっても「ひきょうなてでまりさをこうげきするんじゃないのぜ!このゲスゆっくり!」としつこく攻撃してきたので、少し酷めに攻撃してみたのだ。 そしたらなんだかそれが楽しくなって、どんどんやってたらこの有様だ。 途中から「やべで……ゆるじで……」などと言っていたような気がしなくもない。 「も、もうやめてあげてね……」という痩せまりさの言葉がなければ、もしかしたらもしかしていたかもしれない。 そんなボロボロの護衛まりさを、痩せまりさはよく分からない台車のようなものに乗せた。 『すぃー』という名前の人間で言う車のようなものらしい。 「本当に運ぶのか?そんなことするとお前が疑われて……」 そんな俺の言葉を遮り、まりさが答える。 「ゆ、だいじょうぶだよ!まりさがうまく説明しておくよ!」 こんなことをしたのは俺なのだから、本人がこう言う以上俺には何も言えない。 「群れの奴らから攻撃されたら、いつでも相談に来てくれよ?」 「ゆ、わかったよ!ゆっくりしていってね!」 最後に挨拶を残し、まりさはすぃーっと群れの方へ帰って行った。 あのまりさが心配だが、今群れに関わるのは得策ではない。 まぁ、たまには見回りに行って無事を確認するぐらいは……してもいいだろうか。 (はぁ……ゆっくりががゆっくりするってのも、大変だねぇ) 暮れてきた空を見上げながら、俺はゆっくりと呟いた。
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注意:独自設定+二次ネタが含まれております。年代設定は紅霧異変よりずっと前となってます。 改悪設定のせいで胸糞悪くなる可能性もあります。 「 今日は何をして過ごそうかなぁ…… 」 チルノは森にある自分の住処の前で、そうぽつりと呟いた。 青々とした葉をつけた木々の木陰から、照りつける日差しを見上げ目を細める。 氷精であるチルノは、強い日差しがあまり好きではない。外で活動するのも厭になる。 だが、だからといって家の中で一人でおとなしく過ごすというのもまた退屈である。 ( そうだ、大ちゃんの家に行って二人で涼もう! きっと喜んでくれる ) そう思い、近くに住む友人の笑顔を思い浮かべてにやにや顔になったチルノだが 木陰から出た瞬間、容赦なく照りつける強い日差しの眩しさに眉を一度ひそめて飛び立った。 「 チルノちゃん! いらっしゃい、外は暑かったでしょう? 今日はお家にずっといるのかと思ってたよ 」 「 うん、まぁね… けれど、大ちゃんも暑いだろうから二人で一緒に涼もうかなって 」 まるで、初めからそうするつもりで家を出たかのような物言いであるが、本人に他意はない。 ただ純粋に覚えていないだけである。 「 ありがとう、うれしいよ。 さ、入って入って 」 「 おじゃましまーす 」 そう言って、外の暑さから一刻も早く逃れるように、急いで家の中に入るチルノであった。 自分の能力が役立って、大好きな友達が笑顔になってくれる。 それだけでチルノは暑い中でも来てよかったと思えた。 二人は寝っ転がって、最近あった楽しい事やうれしかった事を沢山話した。 一緒に遊んだ時の楽しい事も、二人して思い出しては笑いあった。 「 …それでね、……でさー。 」 「 うんうん。 …ふふ。 」 楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。 存分に笑いあった後、少し落ち着いて過ごしていた二人であったが 夕暮れの遠くの空で突然轟音が鳴り響いたのに気づき、お互いに顔を見合わせる。 「 なんだろうね、今の音。 ちょっと見に行ってみない? 」 「 うーん… あまり気が乗らないかも。 それに外はまだ暑いよ。 大丈夫? 」 「 充分涼んだし、しばらくは平気平気! それにちょっと見に行くだけだし。 ね、行こうよ! 」 「 ……ちょっと見に行くだけだからね。 」 こうなったら、どんなに断っても無駄だという事はすでに大妖精にはわかっていた。 例えうまく断れたとしても、一人で見に行くといってすぐにでも飛んで行ってしまうだろう。 さすがにそれは心配だった。 あの音を聞いた時、何かわからないが嫌な予感がしたからだ。 「 待ってよ、チルノちゃん! 」 先に飛び出していたチルノを追って、大妖精もまた外へと出て行った。 音がした方の空へ、二人は並んで飛んでいた。 しばらく飛んではみたものの、周りの風景には特に何の異常もなく、結局先ほどの轟音がなんだったのかいまだに分からないでいた。 「 ねぇ、チルノちゃん。 そろそろ暗くなっちゃうし戻ろうよ 」 「 そうだね、戻ろうか。 ん……ちょっと待って。 あれなんだろう? 」 そう言ってチルノが指差す先、即ち進行方向から何かが飛んで来るのが大妖精にも見えた。 「 何だろう。 …人……間? 」 近づいてくるにつれ形ははっきりとし、それが人間である事は間違いないようだった。 その人間は二人に気づいたのだろう、通り過ぎることなく二人の前で停止した。 「 ようやく見つけた。 初撃の後、全然見かけなくなったから探すのに苦労したぜ 」 突然訳の分からない事を言われ、きょとんとしている二人に対しその見知らぬ人間、霧雨魔理沙は言葉を続けた。 「 新しく完成した魔法をな、ちょっと試し撃ちしてるんだ。 火力調整も兼ねてな 」 そう言うとおもむろに二人に向けて手をかざした。 その手には八卦炉が握られていた。 「 危ない、チルノちゃん! 」 咄嗟に大妖精が、まだよく状況を把握できていないチルノを強く突き飛ばした。 その直後、家で聴いたものとは比べ物にならないほどの轟音が響き、同時に眩い閃光が大妖精を包んでいった。 目の前で突然起こった出来事をようやく理解できたのは、閃光が消えた後に人間が独り言を呟いた時だった。 「 まだちょっと火力が強すぎるな…。 次は多めに抑えてみるか。」 自分がした事などさもなんでもない事のように、目の前の人間は平然としていた。 「 …ぁ、あああああああああああああああああああ!!!!! 」 「 うるさいな。 どうせ妖精はちょっとしたらまた生まれ変わるんだから、またすぐにでもお互い会えるさ。 」 たしかに妖精は早く生まれ変わるが、記憶や知識は当然死んだ時点で消去される。 また会えたとしてもそれは同じ姿をした別の存在だ。 今までともに過ごしてきた友人とはもう二度と会える事はない。 理不尽な暴力に唐突に襲われ、チルノは冷静さを失っていた。 もし冷静であったなら、人間が次弾の準備をしている間に逃げることもできたのだが。 しかし、怒りと悲しみに占められたチルノの心は、逃げるよりも反撃する事を選択した。 「 死ねええええええええええええええ!!!! 」 叫びながら氷弾を大量に撃ち放つ。 が、冷静さを失ったチルノの攻撃は易々と人間にかわされてしまう。 「 終わりか? 次はこっちの番だ。 これでどうだ、マスタースパァァァァク!! 」 大量の攻撃をした後の隙を突かれたチルノに避けることは叶わず、再び轟音が鳴り響き、閃光が暗くなり始めた空を明るく染めた。 今回は火力を抑えたせいか、一瞬で消滅させるほどの威力はなかった。 しかしそれでも妖精相手には充分な威力で、もう体は動かすことすらままならないほどにぼろぼろだった。 「 まぁこの位の威力で充分かな。 」 落ちてゆくチルノを見やり、そう言い放つとその人間は何処かへと飛び去って行った。 森の中へと落下していくチルノが、薄れゆく意識の中で思ったのは大妖精のことだった。 ( 例えお互いが覚えていなくても…生まれ変わってもまた会いたいね、大ちゃん ) ( そして今度は大ちゃんを守ってみせる。 あんな人間なんかにも…誰にも負けない…強い力が…ほ…し… ) そしてチルノは消滅した。 月日は流れ、ようやく春の陽が暖かく感じられるようになった頃。 湖のほとりで一人の氷精が何かを凍らせて遊んでいた。 それに気づいた、近くで遊んでいた妖精達のうちの一人が声をかけに近づいてゆく。 「 ねぇ、何をしてるの? 」 「 これはね、さいきょーになるための修行なの! 」 「 そっかー。 何で最強になりたいの?強さに拘る妖精って珍しいね 」 「 うーん…忘れちゃった!忘れちゃったけど大事なことなの! 」 「 ふふ、なれるといいね。応援するよ。 そういえばあなたのお名前聞いてもいい? 」 「 あたいはね、チルノっていうの。あなたの名前は? 」 「 私の名前は─── 」 少し時を遡るが、チルノ達が消えたその年の冬の真っ只中に とある森に棲む人間の住処の周りだけが豪雪に見舞われ、雪の重みで家が潰れてしまうという異変が起きていた。 かろうじて生き延びた住人は、 「 あれは絶対妖怪の仕業だ。飛び去っていく妖怪がかすかに見えたんだよ! 」 と、証言していたが異変解決のエキスパートである博麗の巫女は、 「 あんたの日頃の行いが悪いから、天罰にでも当たったんでしょうよ 」 と言って相手にしていなかったという。 END 魔理沙にこんなにも殺意が芽生えたのは初めてだ レティもっとやれ -- 名無しさん (2009-05-29 22 51 15) 魔理沙てめぇ・・・レティもっとやれ -- 名無しさん (2009-05-29 22 57 53) 魔理沙は虐められたり、虐めたりだな -- 名無しさん (2009-05-29 23 23 29) この魔理沙にはイラ付く -- 名無しさん (2009-05-30 03 52 02) 魔理沙は雪崩で死ぬべき -- 名無しさん (2009-05-30 04 01 17) 魔理沙・・・!! レティもっt(ry -- 名無しさん (2009-05-30 16 03 37) 魔 理 沙 株 大 暴 落 -- 名無しさん (2009-05-30 23 10 03) そして何故かチルノではなくレティ株急上昇 -- 名無しさん (2009-05-31 02 31 19) そしてゴミクズの魔理沙へ続く -- 名無しさん (2009-06-03 23 10 25) 霊夢が尤もすぎる -- 名無しさん (2009-08-26 22 09 59) レティもっとやれ! 魔理沙死ね。 -- 名無しさん (2009-10-06 22 40 58) この魔理沙はひどい奴だが、あっきゅんが特に妖精を憎んでるとかがなければほとんどの妖精はこんな扱いを受けているのかもな。 チルノや三月精は強力な妖精だからみんなに特別扱いされてるってだけで -- 名無しさん (2009-10-07 23 58 11) さらばゴミクズ魔理沙 -- 名無しさん (2009-10-10 10 30 14) さて魔理沙虐めSSでも書いてくるか -- 名無しさん (2009-10-14 23 33 05) 魔理沙好きだがこの魔理沙は許せねえ -- 名無しさん (2010-09-18 13 50 27) 私の名前は――――― 戦闘力53万です -- 名無しさん (2010-09-18 15 06 51) 霊夢にもそんなこと言われるなんて、魔理沙は本当にゴミクズだなぁ -- 名無しさん (2011-08-08 22 25 55) ↑霊夢は直感で悟ったんだと思うよ -- 名無しさん (2011-08-09 09 40 48) 魔理沙最低だな -- 名無しさん (2011-08-09 16 58 26) チルノうざいから魔理沙GJだわ -- 名無しさん (2012-12-26 14 53 06) なおゲームでは虐殺される模様 -- 名無しさん (2014-01-07 20 46 26) チルノさんは、大妖精さんといつまでも親友さんでいれるように願います。願わなくても大丈夫だとは思いますけどね。^^ -- 名無しさんでいい (2014-01-10 18 44 45) ベジット「攻撃って言うのはな、こうやるんだよ。ビッグ・バン!アターック!!」 魔理沙「ぬわーーーっ!!」 -- 名無しさん (2015-01-04 03 34 08) 死後1秒足らずで復活した大妖精 目に入った光景は空、そして沢山の木々 記憶が無く、森林の中で徘徊を始める しかし数秒後、彼女はまた消滅した 直接の死因は、空から降ってきた夥しい量の氷弾だった というのを幻視した -- 名のあるものなど、あんまりない! (2015-07-01 19 27 48) いいぞもっとやれ 魔理沙はとりあえずもう一回雪で家潰れて巻き込まれろ -- 名無しさん (2015-08-04 18 17 25) 原作の魔理沙はこんな感じだな。 -- 名無しさん (2015-08-10 16 14 17) ~~~~~~~~~~~~~~~~~ 愛すべきは弱ってるまりちゃんやで~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~ -- 名無しさん (2015-08-10 21 17 23) 最後の雪はチルノがしたんだよな! -- ロリこん (2018-01-14 17 04 08) 名前 コメント