約 109,467 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2931.html
「あんた誰?」 ルイズは愕然としていた。聖獣や幻獣を呼び出すはずのサモン・サーヴァントで、よりにもよって人間の男を召喚してしまったのだ。身長は自分よりも少し高いだろうか。少し長めの茶色の髪と、不思議な眼をした少年だった。 周りでは、事態を分かり始めた生徒達から笑い声が聞こえ始めていた。 「おい!ルイズ!人間の使い魔なんて聞いた事ないぞ!」 「さすがはゼロのルイズね!アハハッ!」 「しかも見たところ平民ときたもんだ!笑うしかないだろう?」 笑い声が増えていく。ルイズは顔を真っ赤にしながらコルベールに怒鳴った。 「ミスタ・コルベール!もう一度召喚させてください!」 コルベールと呼ばれた、頭の禿げが妙に目立つ男が表れた。 「それは無理だ。ミス ヴァリエール。伝統であるとともにこれは神聖な儀式だ。二度は許可できない。彼を使い魔にしたまえ。」 「そんな…」 ルイズは落胆し、がっくりと肩を落とし溜め息をついた。 早瀬浩一は混乱していた。 わけが分からない。ここはどこだ!? 俺はさっき、JUDA本社の屋上で城崎を護るためにラインバレルを呼んだはずだ…。なのになぜ!?つか、こいつら誰だよ!? 浩一の前には女の子がいた。桃色がかかったブロンドの髪と、鳶色の瞳が特徴的な背の低い可愛い女の子だった。 彼女は禿げたおっさんと口論をしていた。 「そんな…」 肩を落とし溜め息をつきながら彼女が近付いてきた。 「あんた、名前は?」 「は、早瀬浩一…、つかどうなってんの?城崎は?アルマ達はどこにいったんだよ!」 「…ハァ?ワケ分からない事言わないで頂戴。」 「それはこっちの台詞だ!!一体俺はどうなってんだ!?」 「うっさいわね!ちょっと黙って!!………あと感謝してよね、貴族にこんなことされるなんて、平民のアンタじゃ一生ありえないんだから」 「(…は?)」 彼女は顔を真っ赤にしながら自分に杖を向け、 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ!」 と唱えた後、ゆっくりと唇を近付けた。 「ちょっ、えっ、」 抵抗する間も無く、ソレは自分の唇と重なった。 「(ン――――――!?)」 あまりの出来事に唖然としていると少女は禿げさんに終了の旨を伝えた。 「コントラクト・サーヴァントはできたようだね。」「はい…」 「それは相手が平民だったから成功できたんだろ!」「そうそう。じゃなきゃ契約できるわけないよ」 契約?コントラクトなんとか?こいつらは何を言っているんだ?それゆりどうなってんだ? などと一人状況を認識しようとしていた浩一の腕に痛みが走る 「っぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!熱い!!」 すると左手の甲に不思議な痣ができる。 「うっさいわね。使い魔のルーンが刻まれてるだけよ!おとなしくして。」 「おや?珍しい形のルーンですね。メモをとらせてもらうよ。」 禿げたおっさんが呑気にメモをとっている内に、浩一はルーン顕現の痛みに耐えられずにあっさりと意識を投げ出した。 鉄の使い魔法 第二話 契約 「俺は――」 俺はルイズに説明した。 俺は多分この世界の人間じゃないこと。 俺は元の世界で、マキナという巨大な力で加藤機関という悪と戦っていたこと。仲間の事、地球はこちらの世界とは全然色んな事が違うって事。 「…マジ?」 「大マジだよ!だから早く元の世界に戻してくれ!」「無理よ」 「なんで!?勝手に呼んどいてそれはないだろ!責任とれよ!」 浩一は怒鳴った。今のJUDAでまともに戦えるマキナはラインバレルだけだ。俺がいなくちゃ城崎や森次さんに迷惑がかかる。 「じゃあアンタ死ぬ?」 「は?」 「主と使い魔の関係は、どちらかが死ななきゃ解消されないの。だから諦めて。」 「そんな…」 「仕方ないじゃない。わたしだって人間の使い魔なんて欲しくなかったわよ。それと、早くベッドからどいて。わたしが寝れないでしょ。」 浩一がベッドから降りたのを確認するやいなや、ルイズは何を思ったのか服を脱ぎ始めた。 「え…ちょ…ルイズ何やってんだよ!」 「何って着替えよ。別に使い魔に見に見られたぐらいどうって事ないでしょ。」 彼女からブラウスとスカートがふわりとはずれる。ほっそりとした肢体は今下着しかつけていない。 たまらず浩一は顔を真っ赤にしながら部屋から飛び出してしまった。基本的にウブなのだ彼は 「なんなのよ…まったく」 彼女は、明日の朝自分を起こす事と、衣服の洗濯をするようにという指示を書いた置き手紙をドアに張り付け、ベッドに潜り込んだ。 鉄の使い魔 第三話 自らの世界 部屋を飛び出した浩一は庭に出ていた。 「ラインバレルを呼べば通信が使えるかもしれないしね…」 ニヤリと笑みが溢れる。こんな変な世界には居たくない。早く地球に帰りたい。 彼は昂ぶる気持ちを抑えながら叫んだ。 「っ来い!ラインバレル!」 その言葉に応じ、白い巨躯がその場に顕現する!…………はずだった。 「っあれ?来い!ラインバレル!」 繰り返される言葉に反応は無い。浩一は焦った。 「来い!っ来いよ!迎えに来いよ!ラインバレルッ!!」 浩一の虚しい叫びが夜空に広がる。 その叫びに応えるモノは無かった。 「別世界には来れないってのかよ……、俺はここにいるしかないのか……。」 元の世界に戻るための鍵を失った浩一は絶望した。 外の寒さが体を舐めていく。 部屋に帰ろう。明日になればルイズよりすごい魔法使いなら俺を帰してくれるかもしれない。 そんな有り得ない希望にすがりながら彼はその場を後にした。 部屋のドアに貼られた手紙により、さらにその絶望が深くなる事も知らずに 鉄の使い魔 第四話 軽い絶望 番外編 浩一が先程から口にしているマキナと呼ばれる兵器の説明をしよう。 浩一達の住む世界に突如として表れた12体の巨大兵器、それがマキナ。 マキナと呼ばれる巨大な人型兵器は、単体では人間に危害を加える事ができない。 兵器として、いや人を殺すためにマキナは要因《ファクター》を必要とする。 言うなればファクターはマキナにとっての引き金だ。ラインバレルのファクターに選ばれたのが早瀬浩一だった。 今浩一が行おうとしていたのはラインバレルの召喚だ。 マキナとファクターの間には特殊なフィールドが存在している。 そのフィールドを経由することによりマキナはファクターの召喚に応じ、ファクターの下に瞬時に転移することが可能になる。 だがそれは元の世界でのは話。 ハルキゲニアでの召喚に足りないモノを少年はまだ気付いていない 鉄の使い魔 第4,5話 力の実態
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/678.html
浴室用洗剤の泡と共に浴槽の水垢をシャワーの水で簡単に濯いでパネルの"湯はり"ボタンを押したらお風呂の準備は完了した。 後はお風呂が沸くまで待つだけとネクタイを緩めながらリビングに戻ると、響子さんが二人掛けのソファを独占するように横になっていた。 「あっ、ごめんなさい……。こんな行儀の悪い格好で」 「いいよ、そのまま足伸ばしてて。お仕事お疲れさま」 「あなたの方もお疲れ様」 申し訳なさそうに肘掛の部分に乗せていた足をどかそうとしたので、やんわりと止めておく。 長時間の運転で足が張っているのだろう。 少しでも早くその痛みから解放できるようにするのが支えるパートナーの務め。 お風呂が沸くまでのしばしの間、フローリングの床に座って待つくらい何のそのだ。 ~ キリキス vol.1 ~ 「響子さんの運転、隣で見ていたけどカッコよかったよ?」 「どういたしまして。久しぶりの運転に加え、左ハンドルではなかったから緊張したわ」 「けれどさ、いつ運転免許なんて取っていたの?」 「それは……日本に来日する前にハワイで取得したのよ」 「えっ、ハワイで?」 「当時ハワイ州は市民権を持てば短期間で自動車免許を取得できたの。筆記試験に合格すればすぐに仮免許が、一般道路での試験をクリアすれば直ちに発行してくれるわ」 「へぇ、そうなんだ……」 "自動車での尾行・追跡・逃走は探偵業には欠かせないじゃない――?"という理由に納得する。 ふと、目の前にある響子さんの脚に目が行く。 ほぼ一日中ペダル操作を行っていたことでいつもと違う足回りになっていることに気づく。 「ねぇ、響子さん……。ちょっと揉んでいいかな?」 「えっ……? い、いきなり何を言い出すの誠君?」 「あっ、ごめん。言い方が悪かったね、脚のことを言っているの」 「私の脚……?」 「うん。脚が張ってて何だか辛そうだから、揉んで少しでも疲れを取ってあげようと思ってさ。……ダメ、かな?」 「もう……。そんな顔で頼まれたら私が断れないじゃない……。いいわ、あなたの好きにして」 「ありがとう」 そう言って響子さんは両足をソファの肘掛け部分から僕の近くに下ろした。 まずは左右のふくらはぎの硬さを触って確かめてみる。 ――うん、右の方が左より若干硬いな。 次は左足の膝裏に両手を添え、親指でゆっくりと3回圧してみる。 「……っ」 「ごめん、痛かった?」 「……大丈夫。平気よ」 同じように右足の膝裏に手を這わせて、親指で3回圧す。 左足に比べて若干硬いので圧す時間は気持ち長めに。 今度は足首を圧す。足首の内側に出っ張っている骨とアキレス腱の間を3回。 それを左右2セットずつ行ったら両手で足首を掴んだまま、膝下まで引上げる。 最後に両足のふくらはぎの硬さを比較するため、もう一度触って確かめる。 ――うんうん。 クニクニと揉んで弾力具合を確かめてみると、マッサージする前と比べたら幾分か柔らかくなった感じがする。 「それで、整体師さん……。あなたの診療はこれで終わりかしら?」 「うん。後はお風呂に入って体全体の血の巡りを良くしよう」 「……ありがとう、誠君」 「どういたしまして」 そう言ってクスクス笑うと僕の息が脚にかかってくすぐったかったのか、彼女の足がピクリと震えた。 そんなリアクションを見て、僕の中に芽生えるイジワル精神がムクムクと湧き上がった。 彼女の右太股の内側を添えるように触れ、太股の外側にそっと唇を寄せてみる。 そして羽で撫でるかのようにそっとキスをしてみる――。 「……誠君?」 訝しげな呼び声に下から窺うように彼女と視線を合わせる。 「ダメ、かな……?」 「もう……」 先程と同じような確認を行うと、諦めにも似たような響きの溜め息が響子さんの口から漏れた。 それを僕は許可と受け取り、彼女の太股にキスの雨を降らせる行為に没頭した――。 舌でチロチロとゆっくりと丁寧に舐め、太股から脛へと降りていく。 時折ワザと音を立てるようにキスもしてみる。 ただの口づけ。 接吻。 キス。 幾度となく彼女と重ねた行為だというのに――。 普段触れたことのない箇所に唇が触れただけでこんなにも愛しくてたまらなくなってしまう。 僕の頭は既に霞がかって熱くなってしまう。 でも、やめられない――! 「……今度は私の番ね」 「えっ? ……うわっ!」 足の甲へのキスに没頭していたら、頭の上から響子さんの声が聞こえる。 "私の番――?"なんて疑問に思っていたら僕の体は素早くひっくり返された。 "パカー"と恥ずかしい姿の僕に響子さんが覆いかぶさる。 「ちょっと、響子さん?」 「あなたも甘んじて受けて……。いいわね?」 そう言って僕の右足の靴下をスルスルと脱がす。 そして僕の裸足に響子さんは顔を寄せてきて――。 「……っ、ぁぁあっ!」 「……フフッ」 僕のリアクションがご満悦のようで、彼女の目尻が緩む。 そして一指し指、中指と順番にキスをしてくる。 「ん、あっ、んくぅ、きょ、きょうこさ……ふぁっ!?」 あまりの恥ずかしさに目を瞑るのが拙かった。 今度は指と指の間を這うように舌先でなぞられる。 猫が皿のミルクを舐めるようにチロチロと――! 「や、やめてよ、響子さんってば!」 僕の悲鳴に似た叫びでピタリと止まる足の愛撫。 安堵の溜め息と同時に目を開けると、どこか不満そうな瞳で響子さんは僕を見つめている。 「あー、その、なんていうか、ほら……僕の足って汚いでしょ? 靴下の臭いとかも残ってさ」 「……あなたにされた行為をそのままお返ししただけじゃない。そもそも私達はそれ以上恥ずかしい箇所に触れた後もキスをするでしょう?」 「いや、確かにエッチの時にお互いのを舐めっこした後にキスはするけどさ……。あれは気持ちが昂ぶってたまらなくなるっていう「そもそも、この行為が汚いって言うならば……」 僕の反論を遮るように響子さんが二の句を告げようとした時、お湯が沸いたことを告げるアラーム音がリビングに響く。 「綺麗に洗い流せばいいじゃない?」 僕の手を取って起き上がらせてくる。 そして響子さんはその手を離さず浴室へと歩くのだった。 その行動でようやく気づいた。 僕だけじゃなく、響子さんも蕩けていたんだって――。 お互いスイッチが入っているだけに、これが只の入浴だけでは済まないことはわかっていた。 「ねぇ、響子さん。晩御飯はこの際だから手っ取り早くカップ麺でいいよね……?」
https://w.atwiki.jp/dora-eroparo/pages/122.html
こげ茶色のショートヘア。外側にはねている髪が、地面に足をつくたびにふるふるとゆれる。 洞沢希美香は足取りも軽く、笹本邸に向かっていた。 陽の光を受けると、わずかに青みが見える純黒色の髪。長い髪が風を受け、優雅にふわりと流れる。 綾城藍はいつものようにのんびりと、笹本邸に向かっていた。 「あ、藍さん!おはようございますですっ!」 「あ、希美香さん。おはようございます」 偶然藍と出会い、満面の笑顔でぶんっと頭を下げる希美香。 お辞儀で風を切る人間を初めて見た藍は、驚きながら自分も斜め45度で頭を下げた。 「今日は楽しそうですね、希美香さん」 「わかりますですか?えへへ、夕貴センパイのおかげですよー」 藍の表情にも微笑が出る。ああ、うまく行ったんだ、と。 「でも……ちょっと、センパイには……迷惑かけちゃいましたですけど」 でも希美香は力なく、苦い微笑みを浮かべる。 「いえ、大丈夫ですよ」 「?」 不思議に思い、明るく言った藍を見つめ返す希美香。 「夕貴さんは、どんな苦労をしてもどんな目に遭っても、迷惑とは思ってないはずですよ?」 藍はしっかりと確信を持って言った。 「……そういう人ですから」 「ああー、なんだか、わかる気がします……でも、甘えちゃいそうで怖いですね」 フフ、と笑いながら、藍は希美香と共に笹本家の門を開けた。 夕貴の両隣に藍と希美香3人並んでの、華やかな空気が周りにまでふりまかれそうな登校風景。 「あの、センパイ。お怪我の具合、どうですか?」 心配そうに希美香が訊ねてくる。 「怪我?」 藍は初耳だ。 夕貴は笑いながら手の平の巨大絆創膏を2人に見せた。 「ほら、包帯巻くまでもない軽い怪我だよ。心配いらないから、希美香ちゃん笑って笑って」 ぷにぷにと希美香のほっぺたをつつくと、照れながらとびきりの笑顔を見せてくれる。 「まさか……もしかして……」 藍が夕貴に視線を送ると、夕貴は気まずそうに頬をかいた。 「えーっと……あ、あはは。またやっちゃった。カッターナイフをね」 「……まさかとは思いましたけど、本当にそうだったんですか」 「?」 頭の上にクエスチョンマークを浮かべる希美香。 その希美香には藍が答えた。盛大に溜め息をつきつつ。 「夕貴さんは前にも刃物を素手で掴んだ事があるんです」 「ええっ!?」 深い溜め息をつきながら、藍は夕貴にだけ聞こえるように囁く。 「『がん錠』とか使おうとは思わなかったんですか?」 「あ、あはは。そこまで考える余裕なかったよ」 ……まったく、この人は……まあ、そんな所が好きなんですけどね。 藍は頬を染めて夕貴の袖をつまんだ。 学校では特に面白い事も起こらなかった。 夕貴がまた『モーテン星』やら『スケスケ望遠鏡』やらを使って女の子に悪戯した以外は。 そして放課後。 3人揃って下校し、今夜の夕食もまた綾城家に集まる約束をして別れた。 希美香はバイトがあるし、藍は藍で何か……ひみつ道具を使った事を企んでいるらしい。 「ふぃー、ただいまっと」 誰もいない家の玄関に鞄を放り投げ、靴も脱ぎっぱなしで自分の部屋に行く夕貴。 どうせまた鞄も靴も使うんだし。 ぼふっとベッドに倒れこんで、夕貴はうつ伏せのまましばらくじっとしていた。 今夜も、父も母もいない。 社会的に考えて、誰か世話しに来る人間がいてもいいのに。 父方の祖父母も母方の祖父母も健在らしいのに、あたしは顔すら思い出せない。 何か、子供にはわからない事があったのかも知れない。 今はもう、ずいぶん大人の事情も理解できるけど……何があったかなんて、調べる気もしない。 うちの親とその親の間に何があろうと、今のあたしには関係ない。 別に、寂しくもないし。 藍がいるし綾城兄……彼方がいる。 うちの親だって、何かあった時には頼れる親だ。正直、恵まれてると思うよ。 「何やってんだかな、あたし」 どうでもいい事を考えた。何か道具でも出して気分変えよう。 ポケットの中に適当に手をつっこんでみる。何が出るかは運任せ。 「……絨毯?」 グルメテーブルかけとかかな? 夕貴はその布状のものを引っ張り出した。 床に広がったそれの中央には魔方陣が描かれており、夕貴は怪訝な顔をする。 こんな道具、あったか?魔界大冒険じゃあるまいし…… と、周りがいきなり暗くなる。 「あ」 思い出した。 確かこれは『デビルカード』の…… ぽむ。 やたらと軽快な、と言うか間抜けな音を立てて、それは現れた。 「やあやあこんにちは、キミが新しい契約主かな?」 煙の中の悪魔を凝視する夕貴。 …………。 ………………可愛い。 明るい紫色のツインテールっ!スク水かと見間違うような薄地の黒レオタードっ! 14歳くらいの顔立ちにロリータボディっ!黒のロンググローブにハイニーソっ! 吊り目垂れ眉ってのもあたしの好みにストライクだし、 「おまけに無い胸を強調するように巻かれた革バンドが背徳的であたしの情欲を煽るっ!」 「ど、どこ見てんのー!」 悪魔っ娘は両手で胸を隠した。 「んで、早速だけどコレいらない?」 「いらない」 即答0.2秒。悪魔っ娘がデビルカードを取り出す間もない早業。 多少気勢を削がれたが、それでも交渉を続ける健気な娘。 「……せ、せめて説明だけでも……」 「ひとふり300円、使うごとに1㍉身長が縮むんでしょ。必要ないもん」 「それなら!」 ニヤリと笑みを浮かべながらカードをひとふりする。500円玉が3枚出た。 「ひとふり1500円!1万5千円出してもたった1㎝しか」 「いらないってば」 即答マイナス1.0秒。 「そこをなんとか……悪魔企業も不況で、ボクもこの仕事精一杯頑張ってるんだよ~」 夕貴の目の前でその悪魔っ娘はカーペットに額をすりつけんばかりに頭を下げた。 「置いとくだけでもいいから、どーかお願いっ!」 魔方陣の中から洗剤だのゴミ袋だのトイレットペーパーだのを引っ張り出してくる。 さすがに多少哀れだが、セールスを何度も断ってきた夕貴の心は揺らがない。 「もーボクにできる事ならなんでもするから!しっかりサービスするからさあ!」 「ほう」 キラリ。 そのセリフを聞いた夕貴の目が光った。 ……揺らいだとも言う。 まあ……物騒な道具も、人権のない女の子1人と引き換えなら悪くない契約かもしれない。 次話に続く 戻る 小説保管庫へ戻る
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1940.html
「そういえば、あなた名前は?」 召喚した少女を連れて自分の部屋に戻ってきたルイズは、ドアを閉めて大きく伸びをすると、少女に向き直った。 儀式を失敗し続けたせいで疲れきっていたため、すぐにでも寝たかったが、やっぱり名前ぐらいは聞いておくことにしたのだ。 「・・・なまえ?」 少女は澄んだ瞳でルイズを見つめている。 「いくら平民でも、名前ぐらいある・・・わよね?」 一応“使い魔”なので、ルイズが自分で名づければいいのだが、本名も知っておくにこしたことはない。 呼びやすいものならそのまま使えばいいし。 「グゥです」 「グゥ?一応聞くけど、それってあだ名とか二つ名じゃなくて、本名?」 「はい」 “グゥ”がにっこりと笑って返事をする。 ルイズは何故かその笑顔にドキッとした。 ちょ、調子狂うわね・・・ 変わった名前、語呂はともかく二文字って短すぎない?平民だから? 「わたしはルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。ルイズって呼んでくれていいわよ、グゥ。 あなたはわたしの使い魔として“サモン・サーヴァント”で呼ばれたの。 今日からはここ、トリステイン魔法学院女子寮のこの部屋があなたの家よ」 「ルイズ・ド・ラ・・・ヴァリエール・・・・・・ルイズ・・・・・・よろしく、ね」 「ええ、よろしく」 ルイズは改めてグゥを眺めた。どう見ても子供だ。おガキ様だ。しかも平民の。 それにしてもいきなり召喚されたというのに、そのはにかんだような笑顔からは悪意も動揺も感じられない。 実は凄く剛胆な性格なのかもしれない。 そしてやたら可愛い、まあ可愛いのはもちろんいいんだけど。 この子、使い魔としては何ができるのかしら? 使い魔になれば普通、ちょっとした集中で視聴覚等の共有ができる(と教わった)が、少なくとも今は全くできない。 秘薬とかの材料を集めてくるとか・・・集め・・・あつ・・・。 いくらなんでもそれは無理がある。 そして、使い魔は主人を守ると聞く。 現状どちらかと言えば、ルイズの方がグゥを守らないとまずそうな雰囲気である。 ならわたしの身の回りの世話でもさせてみようか。 ちゃんとできるのかしら?この子、10歳?それとも9歳なの?うう・・・。 ・・・明日以降、ゆっくり考えよう。 ルイズはとりあえず考えることを放棄してグゥに声をかけた。 「今日はもう疲れたし、寝ましょうか。このベッド一応ダブルだし、わたしの隣でいいわよ。 そうそう、わたしより早く起きたら、起こしてね。じゃ、おやすみ」 「はい、おやすみなさい」 相変わらずの笑顔で頷いたグゥは、すぐに軽い音を立ててベッドに滑り込んだ。 ルイズもパジャマに着替え、それに続いた。 翌朝。 誰かがルイズの頭をぺしぺし叩いている。 「うーん、何よ、もう朝?っていうか誰?」 そういえば、昨日使い魔を召喚したんだっけ、なんかやたら可愛い子を。 「ふぁあ、おはよう、グゥ・・・」 「おはよう・・・」 背後から子供にしては妙に低い、呟くような声がする。 グゥってこんな声だったかしら? 「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!あ、ああああああ、あんた誰よ!」 ルイズが振り返ると、そこにはなんとハの字眉に三白眼で、その上強烈な威圧感を全身から発する謎の子供が立っていた。 「グゥだが」 そそそそんなわけあるか、昨日の子とは何もかもが違う。 それ以前にこいつどこから入ってきたの?ねえここの警備ってザル!? 「いやあんたマジで誰!グゥはどこ行ったの!ねえ!ねえってばあああああ!」 ルイズは絶叫した。 途端、部屋のドアが猛烈な勢いで開き、燃えるような赤い髪の女が飛び込んできた。 「ルイズあなたねえ、何早朝から叫び声上げてんのよ!迷惑にも程があるわ!」 「なな、何でキュルケがわたしの部屋に?」 「自分のその小さな胸に聞いてみなさいよ。それより何、どうしたの?」 「小さなって失礼ね!あんたのが無駄に大き・・・」 はっ、今はこいつの軽口にかまっている暇はないんだわ。少しでも情報を。 「わわわわたしの召喚した使い魔がいないのよ!」 「何を言っているの?あなたが昨日召喚した子はそこに居るじゃない。 いくら平民を召喚したからって、現実逃避はよくないわ“ゼロのルイズ”?」 ルイズの頬が怒りで朱に染まった。 「あんたこそ何言ってるのよ、“これ”と昨日呼んだ子は全ッ然!何ひとつ一致してないわ!!!」 キュルケがかわいそうなものを眺めるような表情でルイズを見つめる。 「じゃあ、あなたの言うところの昨日召喚した使い魔ってどんなのよ?」 「えーと、肌が白くって」 「白いわね、透けるみたいに」 「あんまり見ない顔でー」 「そうね、少なくともトリステイン人じゃないわね」 「小柄で痩せてる・・・」 「小柄で痩せてるわよ?いい加減現実を見なさい」 ああ・・・でも違う・・・違うのよ・・・ ルイズが頭を抱えてうずくまる。キュルケは溜め息をついた。 そのとき、キュルケは昨日ルイズが召喚したという少女がドアの外、自分の背後を興味深そうに見つめていることに気づいた。 そこには、キュルケの使い魔である幻獣サラマンダーが待機している。 「あなた、お名前は?」 「・・・グゥです」 「ふうん、変わった名前ね。わたしは“微熱のキュルケ”。グゥちゃん、わたしのフレイムが気に入ったの?」 グゥはこくこくと頷く。 「もしかしてあなた、主人よりものを見る目あるんじゃない? この子は火竜山脈のサラマンダー。強いし、高いのよ」 「・・・すごいですね」 「・・・すごいわよ。さて、ルイズも静かになったみたいだし、わたしはもう少し寝るわ、お先に失礼。またね」 キュルケはひらひらと手を振ると、パタンとドアを閉め自室に戻っていった。 「さよなら」 グゥも手を振った。しかし。 「ふぅ」 グゥがいきなり溜め息をつき、無愛想に戻る。 そのやりとりを呆然と眺めていたルイズは開いた口がふさがらない。 「あなたが確かにグゥだってことはわかったわ」 「・・・」 それが判ったところで、神経をすり減らすような無言の威圧感が軽減されるわけではまったくなかったが。 使い魔として何ができるか以前に、どうコミュニケーションを取るかということが当面の課題となりそうである。 「ね、ねえ、なんで顔・・・変わるの?」 グゥの変貌度たるや、水+風の魔法“フェイス・チェンジ”に匹敵する。 しかし、少なくともルイズにとっては魔法を使っているように感じなかった。 「これ?」 再びグゥの顔が愛想のいい美少女に変化する。 「そう!それよ!」 「特技。・・・営業用?」 瞬時に顔を戻したグゥがぽつりと呟いた。 「そ、そう。あんまりにも怪しいから、できるだけやらないでね・・・」 起き抜けにひどい精神ダメージを受けたルイズには、そう言うのが精一杯だった。
https://w.atwiki.jp/runner7novel/pages/231.html
カーテンの隙間から漏れる朝の日差しに目を覚ました。 時刻はまだ6時前。まだ寝たいと訴える上体を無理やり起こして、あくびを一つした。 「…ねみぃ…」 重いまぶたを一度閉じながら、後頭部を掻きむしる。 そして辺りを見ると、ほとんどが寝ているが、哲也と大輔は居なかった。 眠気覚ましに、水道へと向かい、顔を洗った。 少しさっぱりしたが、まだ眠い。少し外を歩くか。 外に出て、最初に聞いた音はスイング音。 そこには汗を流しながら、一心不乱にスイングをする大輔だった。 「おぅ英雄か」 ここで大輔は、俺に気付き、素振りをする手を止めた。 「おはよ。朝っぱらから張り切ってんなぁ」 「無性に素振りをしたくなっただけだ」 そう大輔は言うと、再び素振りを始める。 俺は縁石に座り、その大輔の素振りを見つめる。 斎京学館の良ちんのスイングには、美しさが感じられる。来た球を弾き返すイメージだ。 対して大輔のスイングには、荒々しさが感じられる。来た球を破壊するイメージ。 両方とも超高校級の4番だが、スイングは正反対だ。 なるほど、スイング1つも奥が深いものだ。 そういえば良ちんで思い出したが、昨日の斎京学館の試合は、3対0で斎京学館が勝利した。 相手の丘山南は、毎年ベスト8に顔を出すような、県内強豪校で、今年のエースの野中はプロ注目投手。そんな投手から3点を取った斎京学館。 守ってはエース川端が、相手打線を寄せ付けない、散発4安打の完封勝利だった。 まぁ次の相手も、県内では強豪の分類に入る丘山二宮なのだが…。 「あれ? 英雄じゃん。おはよう」 ふと哲也が笑顔で俺に挨拶した。 少し額に汗掻いてるから、軽く走ってたのかもしれないな。 んで哲也の手にはバット。こいつも素振りをするようだ。 「おぅ哲也。おはよ。今から素振りか?」 「うん、この前の試合で英雄に続けなかったからね」 などと言いながら、素振りを始めようとする哲也。 こいつに最初から打撃を求めていない。 「素振りじゃなくて、俺の球を少し捕ってくれないか? 指先の感覚が正常か確かめておきたい」 「えっ? うん分かった! じゃあミット取ってくるね。英雄の分も持ってくるよ」 「おぅ、んじゃちょっと準備運動してるよ」 などと会話をしてから、俺はブルペンへと向かい、準備運動をする。 筋肉痛は無いし、体は軽い。疲れは無いな。 「はい、英雄!」 哲也がミットを渡してくる。ちょうど準備運動も終えたので、俺達はブルペンへと入った。 最初の10球は、哲也を立たせての、フォームの確認をしながら、ゆっくりと投げる。 乾いたミット音が、朝の校舎に鳴り響く。 「じゃあ英雄。そろそろ座るよ」 「おぅ」 ここで哲也が座る。 この後、全ての球種を1球1球、確認しながら投げる。 15球投げて、朝の投球練習から上がった。 その後、6時半に全員が起床。 朝飯を食べてから、7時半から30分間、アップし、キャッチボール、トスバッティングまでする。 その後8時15分から軽いミーティング後、バスに乗って丘山スタジアムへ。 到着したのは9時半。すでに第一試合が始まっている。 丘山東商業 対 佐々岡工業の試合のあと、我が校が試合をする。 とりあえず球場近くでアップや柔軟をして、試合を待ち望む。 「トイレ行ってくる」 試合を待っている間に、俺はひと言言ってトイレへと向かった。 「ふぅ~」 トイレから出て、手を洗った際についた水をユニフォームの尻の部分で拭く。 いやぁ~試合前のしょんべんは良いものだね。いやまったく。 「あれ? 沙希じゃん」 「えっ? あっ英雄」 偶然トイレの前の道を歩いていた沙希を呼び止める。 まぁ偶然会ったし、会話でもするか。 「今日も応援かぁ~こんな暑い中、ご苦労さんです」 「英雄たちのほうが暑いでしょう? 試合するんだから」 などと沙希は言って、溜め息を吐いた。 正直な話、試合をしている方が集中して、暑さを忘れられると思う。観戦のほうがよっぽど暑い気がするけど…。 「佐倉と、山口さんじゃねぇか」 沙希と話していると、目の前に久遠が現れた。 中学の頃とは、顔付きが変わったが、あのうぜぇ笑い顔は変わっていないようだ。 「おぅ久遠! 久しぶりだなぁ。龍獄でエースやってんだろう? 今日はよろしくな!」 とりあえず久しぶりの戦友に挨拶する。 今日戦う相手だが、フレンドリーに接する俺、優しすぎる。 「あぁよろしくなぁ佐倉」 目を見開き、うぜぇ笑みを浮かべる久遠。 …うん、他はうざく無いのに、あの笑い顔だけはうざいな。 「そうだ佐倉、お前に言いたい事があるんだ?」 「あぁん?」 自分のチームに戻ろうと思ったところで、久遠に呼び止められる。 「今日の試合で、俺が勝ったらさぁ山口さんと付き合っていいか?」 「…はぁ?」 なに言ってんのこいつ? 「ちょっと加瀬君! ふざけた事言わないで! 英雄、行こう!」 沙希が俺の腕を引っ張り、この場から立ち去りたがっている。まぁそらそうだ。正直キモいもん。 だが、俺を馬鹿にするような笑みを浮かべる久遠を見て、なんか無性に腹が立った。 俺はその沙希の手を振りほどき、久遠と向き合った。 「どうだい佐倉? その方が、お前も余計にやる気になるだろう?」 「あぁ良いぜ」 「ちょっと英雄!」 俺の言葉に、沙希が戸惑う。久遠の顔はさらにうざったい笑顔になる。 「そうこなくちゃ! お手並み拝見と行こうか!」 「お前、お手並み拝見の意味知ってて使ってんのか? 中学の頃、お前より馬鹿だった俺でも知ってんだぜ? もうちょい使い方も学習しろよ」 お手並み拝見とは、格上が格下相手に言う言葉だ。 なので、こいつが使うと意味が違ってくる。 久遠の顔から笑顔が消えた。 「久遠、てめぇと沙希を付き合せねぇよ。お前らはここで負けんだからな」 ジッと俺は久遠の顔を睨みつける。 舌打ちを漏らす久遠。 「っち! 見てろ佐倉! 中学の頃の俺と一緒だと思ったら間違いだからな!」 そう捨て台詞を吐いて立ち去る久遠。 それ、どう聞いても負け犬のセリフじゃねぇか。 「馬鹿英雄! なんであんな約束すんのさ!」 どうやら沙希は、俺の勝手の行動にお怒りのようだ。 「別に俺らが勝つんだから、あんな約束しても別に平気だろう?」 俺は歩きながら、そう言って溜め息を吐いた。 「任せとけ沙希。俺が、久遠なんかに負けるわけがねぇよ」 そうひと言、こっちを向いた沙希に言った。 沙希は「…うん」と言いながら小さく頷いた。 余計に負けられない試合になったなぁ。まっいっか。ついでだついで。 ≪前 HOME 次≫
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/719.html
1―1 それから5ヶ月後、少女――泉こなたはアウレ町を歩いていた アウレ町は彼女と彼女の父が住む町。道が石畳で舗装されており、近くの集落の中では一番大きな場所だ 彼女は今、町の図書館を目指して歩いている 彼女の目当ては図書館が貯蔵している魔導書にある 彼女は基本的に勉強が大の苦手だが、魔導書に書かれている文字『魔導言語』を学ぶのは好きな様子 毎日と言っていいほど図書館を訪れていた 「ふふふ、館長さん、今日は封書を読ませてくれるって話だし、楽しみだな~」 彼女は鼻歌を歌いながら道を歩いていく。何が書かれているか気になって仕方がない 封書を早く読みたいがために、足速に通りを歩く 町の武器屋を通り過ぎたあと、近道のために裏路地へと入る 「きゃ!!」 「うわ!!」 裏路地に入ろうとした直前、その裏路地から女の子が出てきた 避けることは出来ず、こなたは女の子とぶつかってしまった こなたはよろめきながらもなんとか倒れることは阻止できた これは彼女が古武術という昔から伝わる武術を習っていた賜物である しかし、ぶつかった女の子はそういうわけにもいかず、石畳に尻餅をついてしまった 「いたた……」 「ごめんね。大丈夫?」 女の子は薄紫色の髪を左右でツインテールにしていて、腰には鞘を差している こなたは女の子に手を差し出すが、その手は払いのけられ、女の子は立ち上がりながらこちらを睨み付けてきた 「あんた、何処見て歩いてんのよ!!」 「ごめんごめん、急いでてさ~」 「……あんた、謝る気ある?」 「あるよ~」 言葉だけで悪びれる素振りも見せないこなたに女の子は大きな溜め息をついた 「……まあいいわ。ところで、『そうじろう』って人はどこに住んでるかわかる?」 「ああ、それなら……」 こなたは裏路地から出て、家々の間にある大きな家を指差した 「あの青い屋根の家に住んでるよ。結構大きいから、すぐにわかると思う」 「わかった、ありがとね」 女の子は裏路地を出て、こなたが指差した方へ歩いていった 「……ん?」 ふと地面を見てみると、そこには光るものがあった それを拾い上げてみると、どうやらそれはロケットペンダントのようだ 「しまった、ぶつかった時に落としちゃったのか……」 女の子が駆けていった方を見るが、もうその姿は見えなくなっていた 「……ま、いっか。家に来てるんだし、帰ってきたら渡してあげよ」 そう言って、こなたはロケットペンダントの中身を見る 中央に先ほどの女の子がいて、両脇に二人の少女がたたずんでいる その中の三人は、笑顔でこちらを向いていた
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/191.html
266 :胡桃に酒?1アルラン :2009/01/15(木) 15 04 51 ID /YLybNhY 初めましてです。いきなりランカ片思い風味の、アルランです。 思いっきり俺主観のランカなので、広い心でよろしくお願いします。 美星学園の履修方法が分からんので、俺都合です。 ※エロありません、すんません。 アルトを探して食堂に行ったランカは、見つけると「アルトくん!」と弾んだ声で駆け寄った。 「アルトくん、履修票もう出した?」 今日、美星学園の生徒たちは、後期の履修届けを出すためだけに登校している。 「いや、まだだ」 もう決めたけど、とアルトは登録カードをひらひらさせた。 「ほんと。どれにしたの?見せてっ」 ランカは覗き込んだ。選択科目は出来るだけアルトと同じ授業を取りたいと思っている。 「パイロットコースは履修科目があらかた決まってるからな。 お前はもう決めたのかよ?」 ううん、まだ、と答えながらランカはアルトの履修予定科目に眼を走らせる。 「航空宇宙制御工学・・・飛行力学・・・宇宙電波工学、どれも難しそう」 「必修なんだよ。ま、お前には縁のない科目だ」 「・・・これ、あたしも取ろうかな」 はあ?とアルトが聞き返す。 「選択科目。アルトくんと同じにしたいし」 いそいそと登録票に書き込むランカに、アルトは「ばか」と言った。 「応用科目もあるんだぞ、今更取ったってお前が付いていけるもんか」 「大丈夫、頑張るもん」 「あのな、他の頑張れ。芸能コースの映像学とか、芸術学とか、色々あるだろ」 「それはそれで取ってるよ。選択科目は自由でしょ、アルトくんと一緒の受ける」 鼻を膨らませて言うランカを、アルトは困惑して見返した。 「それに、パイロットコースのシェリルさんもアルトくんと同じ履修科目なんだよね・・・? ずるいよ、シェリルさんばっかり。あたしだって、アルトくんと同じ勉強がしたい」 真剣に言い募るランカを見下ろしながら、アルトは理解に苦しんだ。 「ずるい?お前の言ってることが分からん。俺と同じ授業取って何か変わるのか」 「変わるよ!全然違うよ」 どう違うのかを言葉にすれば、逆にアルトを怒らせることになりそうだと ランカにも分かったので、口にはしなかった。片思いの女の子が披露できる恋の利点なんて、 かなしくて話せたものじゃなかった。 「お前は学校に何しに来ているんだ」 「それは・・・、ア、アルトくんに会うために、来てるよ」 スカートの裾をいじりながら、もじもじと言うランカを、奇妙なものでも見るようにアルトは眺めた。 一世一代の告白をやってのけた気分のランカは、誇らしげに上気した顔で前方を見ている。 「じゃあ、もう目的は達成したな」 「それだけじゃないよ、もっと一緒にいる時間を増やしたい。だから、同じ科目を・・・」 それ以上恥ずかしい台詞がランカの口から出てくる前に、アルトは急いでさえぎった。 「いや、分からん。なんでそんな無駄な時間を過ごせるんだ? 自分に必要な知識や経験を積む時間が、目の前に用意されてるんだ。それをお前は・・・」 俺と一緒にいたいが為に、という言葉は自分で言うのもナニなのでアルトは省いた。 「・・・棒に振るんだな」 真っ当なことを言われて、ランカは返答に詰まった。 理屈じゃないのだ。例えば、今こうしてアルトと喋っているこの時間は、 ランカの人生を構築する上で必要不可欠な、あらゆる経験値と引き換えにしても、 お釣りがくるくらいだった。それがアルトには分からない。こういうランカの行動理念は、 いつも「バカ」とか「変」とかいう言葉で片付けられた。 「だって、アルトくんが好きなんだもん」 そう囁かれて、アルトはカッと顔に血が上った。こんなこと、よく恥ずかしげもなく言えるなこいつ、 と動悸がするやら照れくさいやらで、それを隠そうとしたため余計に眉間のしわを刻むことになり、 ランカにはそれが怒った表情に見え、おののいた。 恋愛で極端に視野が狭くなっている状態のランカの価値観を、 アルトにはとうてい分かるはずもなかった。また、ランカもただただ必死な面持ちで アルトを見つめることしか出来ず、お互いの間に妙な空気が流れた。 「・・・バカバカらしい、勝手にしろ」 アルトが溜め息と共につぶやいて、「はい・・・」とランカがうなだれた。 「くだらん」と続けて言われて、くだらなくなんかないよ、と口をとがらせた。 今度のことだって、何も勢いで決めたことでは無かった。 留年の危険性と、アルトと一緒にいる時間を天秤にかけ、一昼夜悩んでランカが出した答えだ。 それを、想い人は「くだらない」の一言で一蹴出来る。 片思いって辛いなあ、とランカは思うのだった。 「言っておくが、単位落としてもしらんからな」 少々冷たいアルトの言い方に、ランカは虚勢を張る。 「大丈夫だよ、ちゃんとついていくから」 「ノートみせろ、とか言うなよ。俺は助けないぞ」 「う・・・、いいもん」 「おまえ、当てにしてただろ」 アルトに白い眼で見られて、慌てて言い返した。 「しっ、してないよ!」 本当は、ノートの見せ合いっこや、勉強教えてもらったりの甘い時間をちょっぴり期待していた。 ともあれ、アルトの授業カリキュラムに合わせることは、成功したのだ。 ランカの気分は、浮上した。浮上した拍子に「シェリルさんに負けたくないもんね」 と鼻息と共に独り言も洩らしてしまった。 シェリルにねぇ、と聴くつもりもなかった独り言まで聴いてしまったアルトは首を振った。 シェリルに負けたくないんなら、他にもっと別のやりかたがあるだろうと思う。 張り合う方法を間違えている。 アルトの疑問符はもっともだった。ランカの愛情表現は、相手にどうすれば好いてもらえるかと いうことより、自分がどうしたいか、を常として行動された。 それが、吉と出る時もあれば、凶と出る時もある。 「お前はさ、お前にしか出来ねーことで、輝いてりゃいいのにな」 立ち上がりざま、アルトが頭にぽん、と手を置いた。 頭に手を置いてもらったので、思わぬラッキーイベントにランカはびっくりしてアルトを見上げる。 「履修するからには、ちゃんとやれよ。シェリルはああ見えて頭がいいし、 たまにしか来ねーけど、やることはやってるぜ。真剣に取り組んでる。 不純な動機で受けて、後で後悔するようじゃあいつには勝てないぞ」 言ってからはっとしたアルトは、変な意味に気取られなかったかとランカを見た。 「そうだよね・・・」と、ランカは再び、単純にしょぼくれている。 アルトは急いで咳払いして、取り成すように付け加えておいた。 「別に、お前が勝とうが負けようが、俺は知ったこっちゃないがな」 そうだよね・・・、と両手で頬杖をしたランカは窓の外を見ながら、はぁ~と溜め息をついた。 終 ※続きは5-359
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/2074.html
ハルヒの世界改変により、俺のジョン・スミスは役立たずとなった。 正確には、使用は出来る。ただ。相手を一方的にしないといけないらしい。 つまりは、そういう事だ。まだ未だ来ぬのジョン・スミスだが……さすがに禁欲に彼は怒っていた。 お前ら野郎なら分かるよな?野郎なら出さないと落ち着かない事もある、と。 一ヶ月以上禁欲を強いられ、俺は朝比奈さんや長門を押し倒したわけだが…… 『ふええ!レイプは禁則事項です!……あ、あの、だからコンドームを……。あ、服は脱ぎますから、ちょっと待っていてくださいね? あの!初めてですから優しく……あれ?キョンくん?』 『強度の発情を確認。朝倉涼子なら自由に使って構わない。嫌なら私でも……』 『な、長門さん!ま、まぁ有機生命体の生殖活動に興味がないわけでないし、吝かでな……キョンくん?キョンく~ん?』 『んっふ……まさかあなたが……。幾ばくの驚愕はありますが、あなたが求めるならば僕がお相手……って、何故スルーしますか?!えらくマジですよ?』 と、まぁ……こんな感じだ。 ハルヒの馬鹿は何だ?俺に力づくで抱かれたいという事か?!晴れない思いのまま団活は終わった。 「……と、まぁ……相談する相手を間違えていないかい?キョン。」 「すまん……だが頼れる人間は、最早お前しか。」 全く面白愉快な。佐々木はそう言うと溜め息をついた。 「一応言っておくが、僕を抱こうとしても彼女らと同じ結果になるよ?キミからのone way trafficにはならない。」 「一方通行か。言い得て妙だな。」 欲望のアクセルレーションにはならんがな。 「まぁ、涼宮さんの考えの大体の予測はつくが。親友、僕を信用出来るかい?」 「無論だ。」 佐々木は、やや頬を染めると俺の手を引いて佐々木の自宅へ連れて行った。 「以降は禁則事項だ。見たいというなら、僕を盛大に褒めて讃えろ。そうする事により禁則は緩くなる。これは既定事項だ。」 結果のみ書く。俺は佐々木に攻められた。 佐々木の推論によれば『欲望の向かうベクトル』の違いのようだ。つまりは『好きに攻めたい』というなんともな理由だ。 「多分、自分の『されたい』という願望の投影をキミにしたんじゃないかい?事実、それの時はキミの……も、役に立ったわけだしね。」 「迷惑な。」 二重の意味でスッキリした。だか、何か色々大切なものを無くした気がする……。 後日、ハルヒに同様の目に遭わされ、佐々木の名前を呼んでしまい…ハルヒが色々とまずい事になったのは、また別の話だ。 END
https://w.atwiki.jp/madougakuin/pages/102.html
. 「ねぇファウスト、ごはん食べてる?」 「…………」 「昨日は何時間寝たの?」 「…………」 「……お風呂、入った?」 「…………」 何を訊いても返事はない。 相変わらず蝋燭だけしか光源のない中、机に向かって、古い書物の細かくて難解な文字を追っては顎に手を添えたままぶつぶつと何かを呟いている。 霊薬を作るために材料を採集した帰り、少し覗いてみれば、案の定、これだ。目の下の濃い隈。蝋人形のように悪い顔色。明らかに何日も櫛を通していない、ボサボサの、髪。 メムは呆れてふぅと溜め息を吐く。 それから、暫く考える。どうしてやるべきか。食事は作って置いておけば食べるだろう。睡眠も事切れて、まぁ、つまり気を失ってとるという可能性はある。 しかし、風呂は。 (どうしよう……なんて言って入らせよう。くさいよ、とか、汚いよ、とか? でもファウスト、そもそも耳に入ってないしなぁ……ううん……) 小さく唸って悩む。ファウストはそれでもメムに気づいた様子がない。いや、もしかしたら気づいているのに放っておいても構わないだろうと判断したのかもしれない。彼にとっては死霊術がいついかなるときも最優先なのだ。 ……そう思うと、なんだか段々腹が立ってきた。 メムはむっとした表情を浮かべながら胸に抱いていた霊薬の材料を選別する。確かこれとこれとこれの組み合わせなら、大した設備がなくても簡単に作れるはず。そのまま調理台へ向かうと鍋に火をくべ、混ぜ合わせて煮立ててからちょうどよい熱さにまで下げる。 出来上がった赤色の霊薬を、メムはコップに入れてひとおもいに、煽った。 「……ファーウースートーっ!」 そして、怒気を孕んだ声で名を呼びながらファウストに近づき、彼がようやく気づいて振り返ったところを、 ガシッ。 「おわっ――――」 引っ掴んで、頭の上に持ち上げる。 「ちょ、待て落ち着けメム、ていうかお前また筋力増強剤!!」 騒ぐファウストを無視して風呂場に進んでいくメム。空の浴槽に彼を投げ捨てると間髪いれずに無理やり薄汚れた服を脱がしにかかる。 「こっこらてめっ、いい加減それやめろもっと恥じらいってもんをだな!!!」 「なに言ってるのファウストがいつまで経ってもお風呂入らないのが悪いんじゃない!! わたしのせいじゃないんだからねっ」 流石に下着は脱がさないが、その状態で頭からシャワーを浴びせてやる。汚い下着ごときれいになれば良いんだ。そう心の中で罵りながら、仕方なく風呂の用意をし始めたファウストを見届けて風呂場に背を向け、服の袖をまくりあげる。 「ああ、もう。ファウストが上がるまでにご飯を作らなきゃ!」 .
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1475.html
アムロ「はあ・・・・」 ロラン「どうしたんですか兄さん。溜め息なんて、らしくありませんよ?」 アムロ「いや、今日は僕にとって天中殺だったなあ、ってね」 ロラン「何かあったんですか?」 アムロ「・・・昼頃だったか、いきなり後ろから『だ~れだ☆』なんて抱きつかれたんだ。直ぐに誰か見当はついた、『ベルトーチカだろ』なんてアダルチックなハグをしたんだ・・・・・クェスだった」 ロラン「・・・うあ」 アムロ「生まれて初めて『変態!』って言われた・・・」 ロラン「兄さん・・・」 アムロ「公園のベンチで軽く凹んでると、視界にミニスカ履いた生足が飛び込んできて、『アムロさん?』と声掛けてきた・・・」 ロラン「・・・・」 アムロ「チェーンだとNTの勘で判断して彼女の腰を掴んで柔らかいお腹に顔を押し付けたんだ・・・・メイリンだった」 ロラン「普段そんなことしてるんですか?」 アムロ「最近あの二人の声おんなじなんだよ・・・コホン、で、『キャ~~~ッ!!』なんてマジもんの悲鳴あげながら走り去ったメイリンを追いかける気力も無いところに」 ロラン「まだあるんですか」 アムロ「遠目に特徴的な髪型が見えて思わずガバッと抱きついて『クスコた~ん!!』てやったら」 ロラン「ハマーンさんだったと」 アムロ「いやもう効いた効いた。ブライトの修正なんてめじゃない。思わず新しい世界にイキかけたよ」 ロラン「兄さん・・・(涙)」 マイ「う~ん」 シロー「15年振りだな、アムロ兄さんが白眼で体操座りしながら惚けてるの」 ロラン「そっとしておいてあげて下さい、兄さんは今ハートブレイクなんですから」 69 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/06(土) 21 17 26 ID ??? ユウ「…………」 シロー「ユウさん!?どうしたんですか?」 ユウ「…………」 シロー「アムロ兄さんですか?その……今……死んでて。」 ユウ「…………」 シロー「あ、はい…兄さ~~ん」 アムロ「やぁ、しろーにゆうさんじゃないか。なんだい?」 (声に抑揚がなく、白目) ユウ「…………」 アムロ「何っ!?猥褻行為で連行!?」 シロー「に、兄さん……きっとあれですよ……」 ユウ「…………」 アムロ「く、クェスとハマーン先生が被害届けを……?な、なんて事だ……」 ユウ「…………」 シロー「あ…に…兄さ~ん……連れていかれちゃった……」 ロラン「良い薬ですよ……最近調子に乗ってましたからね……」 ジュドー「うひょぉ、ローラちゃんこわ~~い」 ロラン「ギロッ」 ジュドー「すみませんでした、ロラン兄さん」 シロー「……ま、良いか…」