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涼宮ハルヒの不覚 分割版 涼宮ハルヒの不覚1 涼宮ハルヒの不覚2 涼宮ハルヒの不覚3 涼宮ハルヒの不覚4 涼宮ハルヒの不覚5 涼宮ハルヒの不覚6
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涼宮ハルヒの軌跡 プロローグ 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 機関の決断(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 未来人たちの執着(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(中編) 涼宮ハルヒの軌跡 情報統合思念体からの独立(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(前編) 涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) 涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ -----下記のものは別の方がご厚意により作ってくれたものです----- 涼宮ハルヒの軌跡 動画(PC版) ※Divxコーデック必須
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涼宮ハルヒの感染 プロローグ? 涼宮ハルヒの感染 1.落下物? 涼宮ハルヒの感染 2.レトロウイルス? 涼宮ハルヒの感染 3.役割 涼宮ハルヒの感染 4.窮地 涼宮ハルヒの感染 5.選択 涼宮ハルヒの感染 6.《神人》 涼宮ハルヒの感染 7.回帰 涼宮ハルヒの感染 エピローグ
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今俺はハルヒを膝枕している。なんでかって?そりゃあ子供の我侭を 聞けないようじゃ大人とはいえないだろう?まあ俺はまだ自分を大人だとは 思っていないし、周りもそうは思っていないだろう。ただ、3歳児から見れば 俺だって十分すぎるほど大人なのさ。ああ、説明が足りなすぎるか。つまり こういうことだ。 ハルヒは3歳児になっていた。 ことの発端は10時間程前のことだ。休日の朝8時と言えば大半の人間が 「いつ起きてもいい」という人生でもトップクラスであろう幸せを感じつつ睡眠 という行為に励んでいると思う。俺ももちろんそうである。しかし、俺の幸せは 一人の女によってアインシュタインが四則演算を解くことよりもあっさりと瓦解 された。携帯電話がけたたましい音をあげる。携帯よ、今は朝なんだ。頼むから もう少し静かにしてくれ、という俺の願いは不幸にも全く叶えられることはなく、 俺は諦めて携帯に手を伸ばした。溜息をつきながら液晶を見ると思ってたとお りの名前がそこに映し出されていた。言うまでもなくハルヒである。 「キョン!出るのが遅いわよ!」 さすがハルヒだ。休日の朝だというのにこのテンションである。しかも怒っている。 「ああ、すまない。寝てたんだ」 謝る必要性は全くないが、一応謝っておく。こうした方がこいつも大人しくなるだろう。 俺も大人になったもんだ、などと考えているとハルヒが言葉を続けていた。 「まあいいわ、それよりキョン。今日寒いと思わない?」 比較的早く怒りがおさまった--もともと怒ってなどいなかったのかもしれないが--ハルヒが そんなことを言う。 「ああ、そりゃもう12月だからな」 寒くもなるってもんさ。と言ってからもう12月なのかと考える。あと4ヶ月で朝比奈さんが 卒業か・・・あの天使に会えなくなると思うと心を通り越して心臓が直接張り裂けそうだ。 ていうか先月の初めもこんなこと考えてたよな。いや、先々月も考えていた気がする。 「・・・ということで、皆でコタツを買うことになったから・・って聞いてんの!キョン!」 ああ、まずい聞いてなかった。また怒っていらっしゃる。ここは適当に流しておいた方がいいだろう。 「いや、ちゃんと聞いてたぞ。皆でコタツを買いに行くんだろ?で?それをどこに置くんだ?」 「だから有希の家に持ってって皆でぬくぬくするって言ったじゃない。やっぱり聞いてなかったようね。 団員としての自覚が足りないわよ。キョン」 いや、もう十分すぎるくらい自覚はあるわけなんだが・・・。まあハルヒから見ればまだまだ足りないの だろう。そんなことより、今回のハルヒの提案が大して迷惑なものではなかったことに俺は安心して いた。皆でコタツを買って長門の家で暖まろうというだけである。素敵とも思える提案だ。 「すまん。これから精進する。で?何時集合だ?」 「駅前に9時よ。即行で準備しなさい。じゃあね」 と言いこちらの返事も待たずにハルヒは電話を切った。相変わらずである。結局行くんだけどな。 俺に選択肢なんて始めからないのだ。 集合場所に着くと俺以外の面々は当然のように揃っていた。やれやれ、休日だというのに ご苦労なこった。 「おはようございます。キョン君」 おはようございます。朝比奈さん。相変わらず反則的に可愛らしいですね。あなたに会えた だけでも今日ここに来た意味があるというものです。などと俺が至福を味わっていると、 「遅いわよキョン!罰として買ったコタツはあんたが運びなさい!」 俺に指をさしながらそう言うと、ハルヒは近くの電気店の方にスタスタと歩き始めた。ハルヒよ、 お前は遅れなくてもどうせ俺に運ばせる気だったろうが。 「僕も手伝いますよ」 と、いつのまにか隣に来ていた古泉が相変わらずのさわやかな笑顔で話しかけてくる。 「ああ、すまんがそうしてもらえると助かる」 いえいえ、と言う古泉に、 「そういや最近閉鎖空間はどうなってんだ?」 ふと思ったことを聞いてみる。 「閉鎖空間ですか?全くと言っていいほど現れていませんよ。一番近いので3ヶ月前です。 これは今までの最長記録です」 なるほど、あいつもかなり落ち着いてきたんだな。3ヶ月前は何で発生したんだ?何かあった のか? 「いえ、時間帯的に単なる悪夢でしょう。ふふ・・・心配ですか?涼宮さんが」 ニヤニヤしながらこちらを見る。うるせえな、ただ気になっただけだ。そんなくだらない嘘をついた 小学生を見るような目でこっちを見るな。 「やれやれ、あなたもそろそろ素直になった方がいいですよ?」 うるせえよ。そんなことより、 「長門」 俺に呼ばれて長門はいつもの無表情をこちらに向けた。 「お前コタツなんか部屋にあったら邪魔なんじゃねえのか?なんなら俺が持って帰ろうか?」 俺も部屋にコタツなんてあったら邪魔で仕方ないが、長門にだけ迷惑をかけるわけにも いかんだろう。 「・・・大丈夫」 そこで一拍置き、 「どうにでもなる」 と、長門は続けた。そうか、まあ長門のことだ。使わないときはコタツをコンパクトにするだとか、 そういう反則的なことも出来るのだろう。だったら、長門のマンションに置いておいた方がよさそうだ。 「そうか、悪いな」 「・・・いい」 そんなことを話しているうちに俺たちは電気店に着いていた。ハルヒにいたってはもう中に入って いるようで、入り口からでは姿が見えない。 「どうする?探すか?」 「いえ、その必要はないでしょう。なぜなら・・・」 「みんなー!集合よ!いいのを見つけたわ!」 見ればハルヒが電気家具売り場の方からこちらを呼んでいる。 「なるほどね」 「そういうことです」 結果的に言えば、ハルヒの選んだそれは当たりだった。値段の割にはデザインも可愛らしいし --朝比奈さんも満足気だったしな--、大きさも5人が入っても問題のなさそうなものだ った。もともとハルヒは物を選ぶセンスなどは抜群なのだ。 問題はこれを俺と古泉だけでどう運ぶのかということだったが、これは長門の力によって あっさりと解決された。長門が買ったコタツに目を向けながらなにやらぼそぼそと言うと コタツの重みが一切なくなったのである。このような光景--というか、現象というか--を 見ると、俺の周りは非現実的なもんで溢れかえっているんだなと改めて実感する。いや、 もちろんそれが嫌ってわけじゃない。むしろ楽しいと思っているほどだ。 さて、こうなってしまうと朝比奈さんでも片手で運べてしまうのだが、ハルヒの手前まさかそんな ことをするわけにもいかず、俺と古泉はわざわざ「重いものを持っています」といった表情で コタツを運ぶことになった。途中何度か、 「大丈夫?あたしも手伝ってあげようか?」 などと普段見せない優しさを見せんでもいい時に見せるハルヒの提案を、俺と古泉が笑顔で かわすという行為を繰り返しているうちに俺たちは長門のマンションに到着した。 「さあキョン!組み立てなさい!」 「へいへい」 と溜息をつきながら俺はダンボールを開け始めた。こんな扱いを受けているというのに なんでだろうね?全くいらつかないのだ。これが慣れというやつだろうか。だとしたら、 この習性は治したほうがいいのではないだろうか。などと思案している間に古泉の 手伝いもあってか、あっさりとコタツは完成した。まあ、元々組み立てるのが難しいもの でもないしな。 「よし!じゃあ有希!あれ出して」 「わかった」 と、言いながら長門は台所に向かってスタスタと歩いていった。そして数十秒で戻ってくる。 両手には大量のみかんとスナックが抱えられていた。 「おいおい、随分準備がいいな」 「まあね皆には昨日のうちに言っておいたから」 だったら俺にも言っといてくれ。その方が心の準備が出来るってもんだ。 「だって、あんたどうせ暇でしょ?だったら当日に言えば済む話じゃない」 クソ、反論できないのが歯がゆい。ハルヒの言うとおり俺の休日にSOS団がらみ以外 の予定が入ることはほとんどないからだ。谷口や国木田も、 「キョンは休日も涼宮さんと一緒なんでしょ?」 と、誤解を招きそうなことを言ってきたりで、休日に俺を誘うということもない。つまりだ、 俺の休日に予定がないのはハルヒのせいでもあるわけだ。そんなことを知ってか知らずか、 ハルヒはもぞもぞとコタツに体を押し込めながら長門がテーブルに置いたみかんに手を伸ば している。見れば俺以外はもうコタツに入っている。朝比奈さんに至っては、 「暖かいです~」 と、幸せに浸っている。となるとだ、まあここはハルヒの隣に座るのが自然だろう。いや、別に 他意はないぜ?一番近いからそこに座るだけだ。それにハルヒの隣ということを考えなければ ベストポジションだ。なんたって真正面を見れば女神が居るからな。ちなみに長門は俺から見て 右、古泉は左の位置に居る。 「ちょっと!なんであんたがあたしの隣に座るのよ!」 近かったからだ。わざわざ遠回りするのも面倒だろ。 「まあいいわ・・・。結構大きいしね、このコタツ。それにしても暖かいわね」 そうだな。たまにはこういうのもいいよな。 「幸せです~」 と朝比奈さん。本当に幸せそうだ。あなたを見てるとこっちも幸せになってきますよ。 「そうですね。たまにはこんな日があってもいいでしょう」 古泉は俺と全く同じことを考えていたようだ。やめてくれ、微妙に気持ち悪い。 「・・・ぬくぬく」 見れば長門も上機嫌そうである。もうみかんの皮が6枚ほど長門の前に転がっている。 相変わらず素晴らしい食欲だ。 「むう・・・。でもこのまま何もしないのもつまんないわね」 そうか?俺は今日はこのままぼんやりしていたいがね。 「そんなじじくさいこと言ってると早く老けちゃうわよ?」 縁起でもないことを言うな。それにお前も子供じゃないんだから、落ち着けよ。 「ふん。童心をいつまでも持つことは大事なのよ。ね?古泉君」 「ええ、僕もそう思います」 お前は黙っていろ。このイエスマンめ。 「ああ、子供といえば。あんた子供に人気あるわよね?」 ハルヒはあっさりと話を変えた。割とどうでも良かったらしい。しかし、そうは思わんがね。 人気があるといっても。すぐに思い浮かぶのは妹とミヨキチくらいなもんだ。 「ええ~、でもあたしもキョン君は子供に好かれるイメージがありますよ?」 と、朝比奈さんが言う。朝比奈さんがそう言うならそうなのかもしれんと、俺のy=xのグラフ よりも単純にできている脳は勝手に結論を出そうとしていた。 「ね?やっぱりそうよね。じゃあさ、キョン。あんたも子供が好きなの?」 なぜそうなる。 「だってやっぱり好きなものには好かれるじゃない」 「そういうもんか?」 「そういうもんよ」 「まあ、少なくとも嫌いではないな。妹も、特に3歳ぐらいのころはホントに可愛かったな」 言いながら、その時の情景を思い出す。 「ふふ」 「どうかしましたか?朝比奈さん」 「いえ・・・。きっといいお兄さんだったんだろうなあと思いまして。目に浮かびます」 もちろん今もいいお兄さんですけどね。と、朝比奈さんは付け加えた。 「あたしもそれに関しては同感ね」 おお、ハルヒに褒められるとは。これ以上光栄なことはないね。 「もうすこし感情を込めなさい。感情を」 「ばれたか」 「当たり前でしょ?ふわぁ~。なんか喋ってたら眠くなっちゃった」 「あたしもです~」 と、朝比奈さんもハルヒのあくびがうつったのか小さなあくびをした。 「眠っちゃいましょう。もう二人寝てるし、あたし達だけ起きてても仕方ないわ」 言われてからそういえば長門と古泉が全く話に参加していなかったことに気づいた -いや長門に関してはいつものことだし、古泉も一度適当な相槌を打っていた気はするが-、 半立ちになりながらコタツの左右を覗き込むと本当に二人とも寝ているようだ。二人の 寝顔を見ながら、俺はなんだか安心してしまった。この二人はSOS団のことを信頼しきっている のだ。だからこんなにぐっすり眠れるのだろう。そう思うと嬉しいというか喜ばしいというか、そんな 気分になる。 「あんたは寝ないの?」 「いや、俺はいいや」 大体二人で横になったらどっちみち俺は寝れねえよ。などという俺の思考はハルヒには届かないだろう。 「ふ~ん、じゃあみくるちゃんも寝ちゃったみたいだし。あたしも寝るわね」 正面を見ると、女神の姿が見当たらない。おそらくハルヒの言うとおり、お眠りになってしまわれたの だろう。 「お菓子、一人で全部食べちゃダメよ?」 食べねえよ。ていうか無理だ。俺はお前や長門のような何回拡張パックをダウンロードしたかわからない ような胃は持ち合わせちゃいない。 「じゃあ、おやすみ」 ハルヒはそう言いながら寝転がる。 「ああ、おやすみ」 俺はその後、何十分かはわからないが。結構長い時間ぼんやりとしていた。ただ、俺も眠かったのだろう。 頭をコタツのテーブルに突っ伏すとそのまま眠りについてしまった。今日は本当にいい日だ。おそらく面倒事も 起こらない。さっきも言ったが、こんな日があってもいい。 だが、俺のそんな思いは目覚めとともにあっさりと否定された。 「・・・起きて」 静かな、しかしどこか強制力のある声が耳元からする。 「・・・起きて」 二度目のその言葉で俺は目を覚ました。目の前に見慣れた無表情がある。長門だ。 「ああ、長門か今何時だ」 「13時」 そうか、まだ1時間しか経ってないじゃないか。だったらもう少し寝させて・・・、 「キョン!起きたのね!キョンもトランプしましょ!」 いつもの11倍ぐらい目を輝かせながらハルヒはコタツの向こう側からこちらを見ている。 しかもなぜか朝比奈さんの背中に抱きつきながら-いわゆる強制おんぶ状態だ-だ。 「おいおいなんだ?とんでもないテンションだな」 「聞いて」 長門が話しかけてくる。長門がこんなにも自ら口を開くことははっきり言って珍しいことだった。 だから、俺はなんとなく嫌な予感はしていたんだ。 「なんだ、どんな厄介ごとだ?」 「・・・おそらく涼宮ハルヒの精神は14年ほど退行している」 見ればハルヒがターゲットを朝比奈さんから、長門に変えている。長門はハルヒに背中から抱きつかれながら 無表情でそんなことを言っている。なんてシュールな絵なんだ。そしていつもながらとんでもない話だ。 「あ~、精神だけか?」 「・・・そう」 そりゃあ厄介だ。 「そう。厄介です」 と、古泉がそれに反応した。 「見た目も退行してくれていれば、もう少しやりやすかったのですが」 「ふふ・・・さっき古泉さん、涼宮さんに抱きつかれて慌ててましたもんね?」 朝比奈さんがそんなことを言う。 「いえいえ、そんなに睨まないでください。不可抗力ですよ」 古泉はパタパタと両手を振る。別に睨んでなどいない、まあ不可抗力なんだしな。 仕方のないことだ。若干もやもやするがそれは気のせいだ。 「長門よ、そのこうなった・・・」 原因は?と尋ねようとして俺はやめた。なんとなく推測出来るし、多分俺のせいだろう。 だったらそんなことをわざわざ聞く必要はない。 「いや、これは何時ごろ治るんだ?」 ハルヒは長門に抱きつきながらびょんびょん跳ねているため、長門の顔は無表情のままがくがく 揺れている。ハルヒ、やめなさい。長門の頭が取れかねん。 「確定は不可能。ただ長い時間はかからない」 そうなのか? 「・・・そんな気がする」 なるほど、それが長門の意見か。今は長門が意見を言うということもそこまで珍しいということでもない。 「僕もそう思いますよ。これは一時的なものでしょう。まあ、多少厄介ですが。みんなで遊んであげれば、 自然と元に戻るはずです」 「ああ、俺もそんな気がする」 「ただ、トリガーというかキーというか。そういうものがある可能性は否めませんが、それもおそらくは簡単に 見つかるでしょう」 言いながら、こちらを見る。期待していますよと言わんばかりだ。やれやれ、また俺が握っているのか? そのキーとやらを。 「じゃあ、今日は皆で涼宮さんと遊びましょう!ね、涼宮さん」 「うん!」 と、ハルヒが朝比奈さんの問いかけに対して明るく可愛く答えている。今のハルヒに母性本能がくすぐら れているのだろうか。朝比奈さんもまんざらでもなさそうだ。 「じゃあ、キョン!トランプ!」 太陽の笑顔をこちらに向けてトランプを手渡してくるハルヒに対して俺は、 「へいへい」 と、命令に従いトランプをシャカシャカと切り始めた。結局ハルヒの精神が幼児化したところで、俺の ポジションが変わることはないのだ。 「あ!でもトイレ行きたい。キョン!ハルヒが帰ってくるまでに配っててね!」 そう言いながらトイレの方に歩いていった。どうやら記憶はあるらしい。そりゃそうか、俺の名前も覚えてる しな。あとこの頃のハルヒは自分のことを名前で呼んでたんだな、可愛らしいこった。 「みなさん、提案があります」 と、古泉がなにやら喋りだした。 「これから多分数多くのゲームをすることになると思うのですが・・・」 そりゃそうだ、なんたって身体はそのままだからな。体力はものすごいだろう。 「ええ、ですが。そのゲームにおいてですね、涼宮さんを最下位にさせるということは出来るだけ 避けたいんです」 ああ、なるほどね。俺は古泉の言いたいことを瞬時に理解した。ほかの二人もそうだろう。 「確かにな、そんなことになったらもっと厄介なことになりそうだ」 「ええ、ただ彼女は勘がいいですからね。手加減しているのを聡られないようにしなければ いけません」 そうだな、しかしまあ骨の折れる作業だ。 「仕方ありません。それに、こういうのも楽しいでしょう。僕は嫌いじゃないですよ」 確かに退屈はしなそうだな。その時、とたとたと足音が聞こえた。どうやらハルヒが帰ってきた ようだ。 「あ!配っててくれたんだ!ありがとうキョン!」 と、俺にいつもより数割増しの笑顔を向ける。おいおい、勘弁してくれ。素直なハルヒなんて 俺の想像の範囲内には居ないんだ。俺が混乱しつつある頭を何とか正常に戻そうとしている と、あろうことかハルヒはその混乱を増幅させる行為をとりやがった。すなわち、俺の脚の間に ドスンと座ったのである。そりゃあもう堂々と、それが当たり前のように。 「おい、何をしている」 「キョン!イス代わりになって~」 ああ、うんそういうことか。でもな、朝比奈さんでもいいじゃないか。 「う~んそれでもいいんだけどさ、みくるちゃんちっちゃいんだもん」 と、言いながらこちらを見上げる。顔が近いよ、顔が。それと髪からものすごくいい匂いがする。 これはまずい、どう考えてもまずい。 「いや、でもな・・・その・・人をイス代わりにするのはあまりいいことじゃないぞ?」 俺は何とか平静を保ちながら-これは奇跡的なことだ、自分の精神力に感服するね-、 ハルヒに言い聞かす。だが、 「うう・・・キョンはいや?」 と、ハルヒに潤んだ瞳で見上げられれば「嫌だ」などと言えるわけがない。 「ええとだな・・・その・・・」 「わかった・・・。じゃあ古泉くんのところに・」 「ハルヒ!」 「ふぇ?」 「嫌じゃないぞ、全然嫌じゃない。だからここに居なさい」 もちろんこれは古泉の為だ。さっきも大分困ってたみたいだからな、そうだお前の為なんだ。 だから古泉よ、そんなニヤニヤ顔でこっちを見るな。朝比奈さんもそんなに優しい目でこちら を見ないでください。 「え・・・?うん!ありがとう、キョン!」 そう言いながら思いっきり抱きついてくる。いや、だからそういうのはまずいと言ってるだろうに。 「あ~、ハルヒよ。前を向いた方がいいぞ。トランプがしづらいからな」 「あ、うん。ごめんね」 と、素直に前を向く。かくしてようやくトランプまでこぎつけた。これからおそらく何時間も遊ぶのだ。 それが終わる頃には俺はもしかしたら、死ぬんじゃないだろうか?そんなことを俺は本気で考えて いた。 結論から言うと俺は何とか死なずにすんだ。勝因はなんといっても、 「キョンの身体かたーい」 と、言いながら朝比奈さんの方にハルヒが途中で移動してくれたことだ。それでも移動するまでは トランプのババ抜きをしている時にハルヒが最初にあがると嬉しさのあまり俺に抱きついたり、先ほども 述べたのだがハルヒからやたらいい匂いがしたりと、俺のHPはもはや限界まですり減らされていた。 途中で朝比奈さんの方に行ってくれなかったら、間違いなく命はなかっただろう。その時に若干喪失感 みたいなものを味わったが、まあそれも気のせいに違いない。 それと、古泉の言っていた懸案事項も全く問題にならなかった。なぜって?そりゃあハルヒが 何をやらしても強かったからさ。元々3歳の割には語彙が多いなとかは思っていたが、頭の 回転の良さも昔からだったらしい。結局手加減どころか本気をだしても俺達がハルヒにかなうこと はなく、終始1位と2位をハルヒと長門が取り合うという形でゲームは行われていった。ただ、途中 人生ゲームをする時は朝比奈さんに漢字や意味を聞きながらうんうんうなづいてプレイしていたから 4位になっちまったけどな。ちなみに最下位は古泉だ。もちろん、手加減などしていなかったが。 そうして楽しかった時間はあっという間に過ぎ、ハルヒの、 「ねむ~い」 の一言で4時間にも及んだゲーム大会は終わりを告げ、俺以外の4人はあっさりと眠りについて しまった。ちなみにハルヒはといえばコタツには入らず、俺に膝枕をさせながら毛布をかけて眠りこけ ている。 ここでようやく冒頭に戻る。俺はなんとなくハルヒの頭をなでていた。なあハルヒよ?楽しかったか? 今度起きたら元に戻っていてくれよ?子供のお前も好きだけど、俺はやっぱり・・・。俺がありえない 程恥ずかしいことを考えているとパチッとハルヒが目を開けた。ばっちり俺と目が合う。 「ハ・・・ハルヒ・・・?」 「ねえキョン・・・」 「うん?」 「キョンはハルヒのこと好き?」 え~とだな、このハルヒは子供の方のハルヒだよな?ああ、間違いないだろう。自分のこと「ハルヒ」 って言ってるしな。じゃあ、大丈夫だ。嘘をつく必要もない。ハルヒの頭をなでつけながら俺は出来る だけ優しい声で言った。 「ああ・・・好きだよ」 「ホント?」 「本当だ」 「元に戻っても?」 おいおい、こいつわかってやってんのか?いや、まあ大丈夫だろう。ハルヒはこれを夢と処理するはずだ。 「ああ・・・元に戻ってもだ」 「ふふ、ありがとうキョン」 と、ハルヒは更に言葉を続けた。 「あたしも・・・好きよ」 !!驚いてハルヒの方を見るが、ハルヒはもう眠ってしまっていた。いや、さすがにこの早さで寝るのは ガリレオ・ガリレイが天動説を唱えるくらいありえない。俺はおそるおそるハルヒの頬をつねってみるが、 何の反応もない。本当に眠ってしまったようだ。 「ふう」 俺はしばらく考えてから寝てしまうことにした。考え事なんてもともと俺の性分じゃないんだ。そんなもの は古泉あたりにまかせておけばいい。俺はそう決めてかかると、眠りの世界に身を委ねた。 起きると、周りにはもう朝比奈さんと古泉の姿はなかった。右の方を見ると長門がみかんをパクついて いる。お前、それ何個目だよ。 「長門、みんなは?」 「もう帰った。あなたたちもそろそろ帰った方がいい」 そうか、言われて時計を見れば確かにもう結構な時間である。これは帰った方がよさそうだ。 「ハルヒ、帰るぞ」 「ん・・・ううん」 そういいながらもそもそと起き上がる。 「え!うそ!もうこんな時間?どうして起こしてくれなかったのよ!」 どうやらもとのハルヒに戻っているようだ。なんとなくわかってたけどな、だからみんなも帰ったんだろう。 それよりお前はばっちり起きてたし、誰よりもはしゃいでいたぞ。 「いや、俺たちは全力でお前を起こそうとしたがどうしてもお前が起きなかったんだ」 「ホント?有希?」 「本当」 と、長門はゆっくり頷いた。 「そっか・・・」 なんだか少し寂しそうだ。 「すまん・・・無理矢理にでも起こせばよかったか?」 「ううん、いいのよ。ありがとね」 おいおい、元に戻っても素直なまんまか。勘弁してくれ。 「なあに変な顔してんのよ」 「いや、なんでもない」 そう言いながら、帰る準備を進める。さて、 「じゃあ、帰るか」 「そうね」 「じゃあな、長門。いろいろありがとな」 「いい」 「バイバイ有希、また来るからね」 「・・・わかった」 長門がゆっくり頷くのを確認してから俺たちはマンションのドアを閉めた。 帰り道、ハルヒがこんなことを言い出した。 「ねえキョン」 「なんだ」 「あたしね・・・変な夢を見たの」 やっぱりきたか、でもなハルヒそれは夢じゃないんだぜ。 「どんな夢だったんだ?」 なんとなく聞いてみたが、おおよそハルヒの回答は予想がついた。なんたってみんなに 甘えたおした挙句、最後には俺にあんなことを言われたんだ。ハルヒにとっては悪夢 以外の何物でもないはずだ。 「それがね」 と、ハルヒはこちらに顔を向けながら続ける。そして笑顔で顔を輝かせ、 「すっごくいい夢だったのよ!」 と、言ってのけた。おいおい、待ってくれその反応は反則だ。クソ、顔が熱い。ハルヒの 方を見れん。 「ちょっと、何で顔をそらすのよ。ていうか顔赤いわよ?キョン」 夜でもわかるくらい俺の顔は赤いのか、恥ずかしい話だ。仕方ない、喋ってごまかそう。 「あ~、ハルヒよ。俺も変な夢を見たんだ」 「へ~、どんな夢よ?」 「それがな」 俺は言葉を続ける。 「ものすごくいい夢だったんだ」 なぜか、ハルヒの顔が朱に染まった。 fin
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暖かいまどろみの中 聞き慣れない目覚ましの音が鳴り響く キョン「ん・・・う、うるせ・・・」 ジリリリリリリ キョン「・・・・ん?クソ・・・この」 毎朝の習慣。右手を軽く伸ばす。しかし、いつもあるはずの場所に目覚まし時計がない キョン 「な、なんだ?・・・」 軽く目を開ける。目覚まし時計は、枕元の見慣れない小棚の上にあった カチッ キョン「んー?・・・・・・ぁ?」 違和感。おかしい。あきらかに。ベッドがデカいし・・・部屋も見慣れない・・・枕も2つある キョン「ここどこだ・・・」 少なくとも俺の部屋ではないことはわかる。いや、俺はいま起きるまでは何をしてたんだっけか いや、いま起きたんだから寝たんだよな・・・どこで?たしかに俺の部屋で寝たよな・・・キャトルミューティレーション? ガチャ キョン「・・・!」 ハルヒ「あ、起きた?キョン」 キョン「・・・誰ですかあなたは・・・」 いや、みりゃわかる。ハルヒだ。どう見てもハルヒ。・・・しかし、ハルヒではない。 ハルヒは・・・こんなに胸もないし・・・エプロンなんて・・・ キョン「おわわわ・・・近づくな」 ハルヒ「?」 俺の知ってるハルヒの目だ。ちょっと吊り目がちな目で見つめてくる・・・て、おい、こいつはハルヒだぞ。 ちょっとドキドキしてしまう キョン「なにを俺は」 ハルヒ「なーにぶつぶつ言ってんのよ。仕事遅れるでしょーが」 キョン「ほあ?」 ハルヒ「ほあ?じゃないでしょ。さっさと朝ごはん食べて会社行きなさい!」 か・・・かいしゃ?・・・学校じゃねーのか・・・てか、・・・これは ハルヒ「・・・・・・」 キョン「な・・・んだよ」 ハルヒ「・・・・・んー」 んんーーーーーーーーーー??これは!これはあああ!見たことあるぞ!漫画で!ドラマで!映画で!そう!キスのおねだりだ!! キョン「お、おい・・・!おまえな・・・悪ふざけも大概に」 ハルヒ「あ!パン焦げちゃう!」 ドタドタドタ ハルヒ似の人妻は、ハルヒそっくりな騒音を立てながら階段を降りていった いや、わかった。あれは、ハルヒ似でも人妻でもない。いや・・・現実を見ようか・・・あれはたしかに『人妻』のハルヒだ 暑苦しい部室だ・・・もうこれが高校時代最後の夏か・・・ キョン「・・・ふー」 古泉「キョンさん。いままで僕たちは防戦一方でした」 キョン「なんだいきなり。俺は疲れてるんだ・・・そっとしておいて・・・許可なく隣に座るな」 古泉「ははは、キョンさんの隣は涼宮さん専用でしたね失敬」 キョン「もうなにもいわん」 古泉「そうですか、助かります。では、本題に入ります」 思えば三年間。こいつはずっとこうゆう話の展開の仕方だったな 古泉「話は簡単です。キョンさんに涼宮さんの『願望』の中に入ってもらうんです」 キョン「・・・大丈夫。驚かない。」 古泉「もう、慣れたものですね。ははは」 キョン「まず、言おう。俺をハルヒの願望の中。つまり宇宙人や未来人、超能力者。いや、それだけじゃないだろ。恐竜や怪獣。スーパーヒーローにスーパーロボット はたまた・・・・とにかく、そんな中に俺をぶちこんで」 古泉「ええ・・・・それなんですがね。どうやら、最近の涼宮さんの願望に大きな変化があるようなのです」 キョン「変化・・・それ3年前も言ってただろ・・・悪い風に変化してるって」 古泉「違うみたいなんですよ、それが。涼宮さんを変えた決定的なのが」 キョン「おまえがなんでそれを知っている」 古泉「やだなぁ。僕はまだなにも言ってませんよ」 俺とハルヒが去年の冬に・・・あの日からハルヒが俺にあまり突っかかってこなくなった 古泉「で、ですね。その変化を見に行ってもらいたいんです。あ、キョンさんは、いつもどおり夜に自室で寝てるだけでいいんです 私たちが飛ばしますから」 キョン「超能力も便利になったものだな」 古泉「ははは。ええ、我々も進化してますからね」 キョン「進化じゃなくて、進歩といえ。おまえに進化されるとなんか怖い」 古泉「ははは」 ハルヒ「はい、それじゃ鞄持ったわね」 キョン「ん、ああ」 ハルヒの作った朝食は、ごく一般的とはいえ、俺には十分満足できるものだった 鞄を持ち、玄関まで行く。ハルヒは・・・マンションより一軒家がいいのか・・・それに結構大きめだな。ハルヒらしといえばハルヒらしいか 俺は心の中で笑ってしまう ハルヒ「はい、お弁当」 キョン「おう、あんがとな」 靴を履き終え、玄関のドアに手をかける ハルヒ「・・・・・」 例といえば例のごとくだが・・・ キョン「・・・・・・」 ハルヒが軽く俺のスーツを掴む キョン「・・・・・・ん」 ハルヒ「・・・ん・・あ」 長いキスだ。こんな長いキスを毎朝すんのか ハルヒ「・・・・ん・・・ん」 いや、まあ・・・決して悪い気分では・・・ キョン「・・・・んあ・・・・ん」 俺はやっぱハルヒが好きなのか ハルヒ「はい!終わりね!いつまでキスしてんの!」 キョン「う・・・」 いきなり口を離され、なんだか不憫な気持ちになってしまう ハルヒ「本当にキョンはスケベな 結婚したら少しは落ち着くかと思ったんだけどね」 キョン「あ・・・あのなぁ」 俺は玄関のドアを開け、外に足を出す ここどこなんだろうなぁ・・・ 玄関の外も見慣れない景色だ キョン「じゃ、行って来る」 ハルヒ「さっさと行きなさい!」 いってらっしゃいませご主人様とか言え・・・いや、普通はないか キョン「・・・ふー、これがハルヒの『願望』なのか」 しばらく歩くと後ろからタタタタと足音が聞こえる キョン「あ・・・弁当」 キスして忘れたよ・・・ ハルヒが弁当片手に駆けてくる 右手の人差し指を下まぶたにつけて 舌を出して・・・ベーっとしながら ハルヒ「キョン!あんたってほんとーにあたしがいなきゃダメね!アハハハ」 それは本当に楽しそうなハルヒの笑顔。無垢な子供のような、それでいて女性の優しさが溢れている この笑顔を俺は・・・叶えたい。いや、叶えられる・・・俺は、そう確信を持ったんだ 暑い・・・寝苦しい・・・ ジリリリリリリリリリリリジリリリリリリリリリリリ キョン「・・・あ・・つい・・・う、うるせ」 カチッ 俺はいつもどおりの部屋で、いつもどおりの位置の目覚ましを止めた キョン「・・・今日から夏休みだ」 プルルルルルルルルルル ピッ キョン「んあ」 ハルヒ「キョン!おきてるー!?SOS団発進よ!すぐに学校に来るように!以上」 おわり
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俺は、ハルヒの事が好きだが、告白するなんぞ出来ない…… 何故なら、俺はツンデレだと自覚している。 それなのに、いつものように生活している…… 「涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆」 今の季節は夏、俺は今、学校へ行ってる所である。 谷口「よぅ!キョン!」 声掛けるな、暑苦しい 谷口「何言ってんだ?クールな口調になってるぞ」 なってない、なってない 場所変わって、教室 入ると、ハルヒがいる かなり暇なようだ 「よぅ」 ハルヒ「あ、キョン、放課後ミーティングあるからね、遅れないように!」 「はいはい」 と、言う時に岡部が来た 放課後、俺はいそいそとSOS団部室へ行った。 入る前にノックして入るのが俺のルールだ みくる「は~い、どうぞ」 我らアイドル、朝比奈みくるの声である。 う~ん、可愛い声ですね! 入ると、朝比奈さんと古泉と長門……そして、ハルヒがいた。 古泉「こんにちは」 長門「……(ゴクリ」 みくる「こんにちは、キョン君」 ハルヒ「遅い!ミーティングするわよ!」 やれやれ……挨拶無しですか、ハルヒさん いつものようにミーティングをやり、終わった。 そして、長門が本閉じた時が帰る時間になるのだ。 帰ろうと思ったのだが…… ハルヒによって呼び出された。 ハルヒ「キョン、あんたは残って……話したい事あるの」と言われた。 このまま、帰ったら死刑にされるから仕方なく了解した。 今、部室には俺とハルヒだけだ 「……」 ハルヒ「……」 「……」 ハルヒ「…ねぇ、キョン」 「何だよ」 ハルヒ「…あたしの事どう思ってるの?」 「?俺がハルヒの事どう思ってるかってか?」 ハルヒ「…うん」 唐突過ぎて呆然してしまった。 俺が、ハルヒの事どう思ってるのかって? ハルヒ「……」 「……」 ハルヒ「……」 長い沈黙である。何分経ったが分からないぐらいだった……そして、俺は沈黙を破った 「…最初は変な奴かと思った」 ハルヒ「!?」 「しかし、俺は、お前と一緒にいると楽しいと分かった」 ハルヒ「……キョン」仕方ない、ここで告白しようか……言うんだ!俺よ! 「……ハルヒ、俺はお前の事……」 キィィィィ…… な、何だ!?この耳鳴りは!? ???「やっと、見つけたね」 この声……まさか!? ???「やっと、見つけたね」 「お前はまさか……」そう、俺を2回襲い、殺そうとした………それが 「朝倉涼子!」 朝倉「当たり、流石、キョン君ね…私の事を覚えてるなんで」 「何で…何でこんな所にいるんだ!」 朝倉「私は、キョン君と涼宮さんに会いたかったの」 ハルヒ「朝倉さん、あんた、カナダへ行ったんじゃあ……」 朝倉「お久しぶり、涼宮さん……残念だけど、カナダ行ってないし……それに」 と、部室が異空間に変わった。 朝倉「私は普通の人じゃないわ」 「!?」 おぃおぃ、マジか? 朝倉がナイフ取り出したぞ…… ハルヒ「あ、朝倉さん……」 ハルヒは、呆然してるな… ま、仕方ないだろ?誰でも信じたくない出来事で呆然するのは当たり前… じゃなくで、こういう状況はどうすんだ……気付いてくれよ、長門! 朝倉「ふふふ……どうするの?」 くっ、逃げるしかないか…… おぃ、ハル…… ハルヒ「これは、どういう事?ねぇ、キョン!」 ちっ、ハルヒが混乱に陥ってるな… 「ハルヒ!逃げるぞ!」 ハルヒ「キョン!」 俺は、ハルヒの手を捕まって部室から逃げた。 とにかく、稼ぐんだ!時間を稼ぐんだ!長門! 朝倉「逃がしはしないわ」 逃げる、逃げる、とにかく逃げる…… …おかしい、階段が見当たらんぞ……これがエンドレス廊下かぃ! 笑えないな 朝倉「そう、笑えないわ」 いつの間に!? 朝倉「今度こそ、あなたを殺して、ハルヒを目覚めて貰うわ」 くっ、ここでゲームオーバーか! 朝倉「死になさい」 朝倉のナイフを俺の方へ投げる… ???「……させはしない」 この声は! 「長門!」 長門「…遅れてゴメン」 朝倉「ふふふ、まだ現れたね、有希」 長門「あなたは、私が消したはず」 朝倉「私は諦めない主義なんでね」 長門「あなたは、前より強くなった」 前より強くなった!?と言う事は、前のようには出来ないって事か!? 長門「…そう」 冗談じゃねぇ!と言う事は、この異世界から脱出するしかないのかよ! 長門「…そう」 朝倉「脱出しても無駄、私が追っかけるわ」 長門「…一つ出来る事ある」 「それは、何だ?」 長門が言ったのは、次の事である。 朝倉を無へ帰る事 つまり朝倉と闇に包まれた世界へ行けってか…… 「で、それはまだなのか?」 長門「……もう完了した」 なるほど、長門ってなかなかの策士だ。 長門「出口を開ける」 と、長門が呪文を唱えて、何も無い空間から出口が現れた。 「行くぞ、ハルヒ」 ハルヒ「う、うん」 ハルヒを出口まで連れて行く時に、突然、キョンは腕を捕まれた 朝倉「させない」 キョン「な、放せ!」朝倉「暴れても無駄よ」 ハルヒ「キョン!」 くっ…………仕方ない… 「ハルヒ!長門!出口まで走れ!行くんだ!」 ハルヒ「で、でも!」「行くんだ!」 ハルヒ「……分かった、行こ、有希!」 と、ハルヒは、長門を連れて走った… そう、それでいい… 朝倉「何をする気?」「お前を、道連れしてやる!」 朝倉「ま、まさか!?」 周りの空間が闇に染まって来る ハルヒ「キョン!何してるの、早く!」 ハルヒ、長門…脱出したな… 長門「…キョン」 寂しがるな、長門… ハルヒ「キョン!ねぇ!」 ハルヒ…今までありがとな… 「っ!ハルヒ!お前は、俺の……」 ハルヒ「キョーンッ!」 ――恋人だ 異世界の扉が閉ざされ、元の部屋に変わった。 そして、キョンは行方不明に… キョンが消えた… あたしが好きだったキョンが消えた… 「有希!キョン救えるでしょ!」 長門「…救える確率は低い」 「そ、そんな!?」 長門「彼の事は、病気という理由しておく」 「……」 長門「…ゴメン、ゴメンなさい」 「!ゆ、有希…」 泣いてる…あんな無感情だった有希が無いてる 「あ、あんたは悪くないのよ…有希、いいの、自分で責めないで…」 長門「うん…でも、ゴメンなさい」 「いいの!二人で救う事だけ考えようよ……うっ、ううっ…」 長門「……」 お互い、抱き合って泣いた…神はあたし達を見守ってるだろうか… 次の日 岡部「えー、●●●は病気で欠席だ」 クラス一同「エェーーッ!?」 ……キョン キョンの机… キョンの置き勉… …キョン 「よぉ!」 「映画、成功しよう!」 「やれやれ…」 「SOS団の事頼むぜ」 「俺、実は…ポニーテール萌えなんだ」 「ハルヒ、それ似合ってるぞ」 「ハルヒ、ハルヒ、ハルヒ……」 会いたい、キョンに会いたい… 阪中「どうしたの?ハルヒさん……泣いてるの?」 え、泣いてる? あたしが泣いてる…… 会いたい、キョンに… 授業が終わり、放課後になり ハルヒは部室へ行き、古泉やみくるに昨日の事を伝えた。 みくる「そ、そんな…キョン君が…」 古泉「キョンさんが行方不明に…」 二人も驚いてた。仕方ない事だったのよね…いえ、仕方なくない! 長門「ゴメンなさい」 「有希は悪くないのよ、全て…あの子が悪いのよ」 長門「……」 あたしは、信じてる…キョンは今どこにいるかを! それに… 「古泉君、みくるちゃん…あんた達は、やっぱり…」 古泉「…気付いてたのですか?」 みくる「そうです、私は未来人です」 そっか…有希が宇宙人だとすれば、この人達は…と思ってたけど… あの時、キョンが必死に言ってたのはこれだったのね… 「…古泉君、みくるちゃん、有希、あたしは何者なの?」 みくる「あなたは…時間を変える能力あります」 長門「こっちは、三年前…情報を爆発させたのは…あなた」 古泉「しかし、我々…『機関』では、あなたの事を「神」だと思ってる者がいます」 つまり、あたしは何者がはっきりしてないって事ね 古泉「恐らく、そうなります」 ん?と、言う事は 「あの時…そう、キョンとあたしがいた空間はもしかして?」 古泉「空間?巨人がいっぱい出て来た空間の方ですか?」 「うん、そう」 古泉「あれは、「閉鎖空間」と言われる空間なんですよ。あなたのイライラで発生した空間です… あの巨人は「神人」と呼ばれる者なのです。アレは、あなたの不機嫌で出来た者達…あなたは夢だと思ってますが、違います。」 「え!?じゃあ…アレは…夢じゃないって事?」 古泉「えぇ、そうなります」 な、ちょ…え!?うそ!?あのキスはゆ、夢じゃないの!? 古泉「何があったか知りませんか、夢ではなく現実です。あなたの不機嫌が爆発したら…ここは無くなる可能性あります」 え?あたしの不機嫌で世界が無くなる? 「それは、世界崩壊って事なの?」 古泉「…はい」 そんな!あたしは知らないまま生きてたと言う事なの… みくる「涼宮さん、あなたは知らないまま生きて欲しいと望んで来ました…まさか、この時に告白するとは思いませんでした …すみません」 「みくるちゃん…いいの、あたしは気にしてないわ」 長門「私はあなたを守る」 「ありがとう、有希…ありがとね…」 と言いながら、あたしは、ふと、窓の方へ見た… 橙色で染まってて美しかった。 キョン、今どこにいるの… ???「うっ…こは、ど…だ…さ…い…みん…会い…い…ハ……ハル……ルヒーっ!!」 ハッ!? …ゆ、夢か… あれから、一ヵ月後…あたしは元気になって通っている。 でも、家では元気じゃない… 泣いた日だってある… 「んー?何だったのかしら?あの夢…」 時々、声が途切れて、何で言ってるのか分からなかった… なのに、どこが…懐かしい感じがしたわ… 何だったのかしら? SOS団室 「やっほー、みくるちゃん!お茶!」 みくる「は、はい…ちょっと待って下さいね」 みくるちゃんのメイド姿を見ると、嫌な夢忘れられるわ… 古泉「こんにちはー、おや?ハルヒさん、今日も大丈夫ですね」 「あったり前よ!それに比べて、キョンなんか…あ…」 古泉「…すみません」 みくる「…お茶置いときますね」 「あ、うん…」 そっか、今はキョンいないんだ…あたしって、まだ思ってるんだな… 「……キョン…」 まだだ、あたしって弱くなったな…キョンがいたら、きっと笑ってしまうよね 長門「……」 古泉「おや?長門さん、顔色が悪いですよ…大丈夫ですか?」 長門「う、うん…」 みくる「本当に大丈夫なんですか?」 長門「大丈夫」 と言って、立ち上がった。 古泉「おや、帰るんですか?」 長門「…(ゴクリ」 と、有希は歩き出した途端 「…ぁ…」 ドサッ! 有希が倒れた… 「!…有希っ!有希!有希!」 みくる「有希さん!」 古泉「保険室へ行きましょう!」 保険室 「有希、どうしたのかしら?」 みくる「そうですね…」 シャッ カーテンを開く音だ。 古泉「先生から聞きましたが…長門さんは、寝不足に疲労が溜まってたんですよ」 「寝不足と…」 みくる「疲労?」 古泉「えぇ、そうです」 「な、何で…有希が?」 古泉「…ハルヒさん、心当たりありますか?」 心当たり?……まさか… 「ずっと、キョンを探してたの?」 古泉「……」 みくる「……」 有希…有希も、まだキョンの事を… 「有希…何で、何で…あたし達と相談しなかったのよ…ズルイわよ!あたしは、団長なんだからね!…うっ、うっううっ…」 みくる「ハルヒさん…」 古泉「……」 有希は、今も寝てる…優しい天使の様に …よし、決めた! 「皆!よく聞いて!」 古泉「はい?」 みくる「何ですか?」 「あたし達と一緒にキョンを探そう!きっと、どこかにいるわ!」 みくる「涼宮さん…」 古泉「これは、良い決心ですね…僕も探しましょう」 「皆、頑張ろうね!」 長門「私は…まだ諦めてない…私も探す」 と、有希は起きてた 「有希!ちゃんと寝ないとダメよ!」 長門「大丈夫…時間を早くした…もう平気」 有希… みくる「行きましょ!」 みくるちゃん… 古泉「僕も一生懸命、探しますよ」 古泉君… ???「ハルヒっ!」 「!…え?」 周りを見ると誰もいない… どういう事?あ! (???「ここは、どこだ…寒い…皆に会いたい…ハルヒ、ハルヒ、ハルヒーっ!」) あの夢、まさか…キョン!? 皆に、夢の事を話すと 古泉「夢の中にキョンさんか?」 みくる「まさか、キョン君は…今、そこにさ迷ってるって事?」 「かもしれないわ…キョンは多分…」 長門「その可能性ある」 古泉「……」 みくる「……」 「…有希、何とか出来ないの?」 長門「ある」 古泉「え?それは…まさか?」 みくる「どういう事ですか?」 「古泉君、何か分かったの?」 古泉「…閉鎖空間へ行き、欠けた場所あれば…そこが異空間の入り口です」 欠けた場所? 「はい、例えば…そこに壁があるとすれば、閉鎖空間では壁では無くなってる…と言う事です」 つまり、あった物が無いとすれば、そこが異空間への入り口って事ね 「で、どうやって行けるの?」 古泉「ご安心を、僕の出番ですから」 古泉「ここでいいでしょう」 ここは、校庭…何でこんな所に? 「って、ここで何か出来るの?」 古泉「はい…その前に、あなたに言いたい事あります」 「何?」 古泉「僕とみくるさんに、長門さんは行けません…何故なら、あの空間はあなたの物ですからね」 「……」 古泉「一人で探せますか?」 「探せるに決まってるでしょ!」 古泉「そう聞いて、安心しましたよ…さぁ、目を瞑ってください」 目を瞑る?取りあえず、言われた通りにやるしかないわね… 古泉「失礼ですか、手を貸しますよ?」 「うん」 一歩、二歩、三歩… 古泉「目を開けて下さい」 ……ここは、閉鎖空間ね 古泉「後は、頑張って下さいね」 と言い、古泉君は消えた… …さて、キョンはどこにいるのかしら 一年五組の教室… 保健室… 食堂… トイレ… 屋上… 体育館… 色々、探したけど…見つからなかった… 「ふー…ここにも無いわね…と言う事は…SOS団室だけか…」 SOS団室のある校舎へ行き、階段に登り、到着した。 ここなら…見つかるはず…お願い! と、あたしは思いながら開けた… 何にも無い… 「う、うそでしょ…どこにも無いわよ…」 ん?何か…何か変ね… ロッカー…コスプレ服…盤ゲーム…お茶入れ…ヤカン… あ、PCが無い… 「どういう事?」 よく調べると…PCがあった机の向こうに入り口あった… 「入り口から見れば無かったのに…後ろにあったなんで…」 そう、そこが異空間への入り口… 何だが、怖い…怖くで行けないよ…キョン…あたしは本当は気が弱いのよ…キョン… 「うっ…ううっ、ひっ…怖いよぉ…」 カダンッ! 「ひっ!……な、何?」 周りを見ると、床に何か落ちてた… 「…これは…」 よく見れば、キョンの鞄だった… キョンが行方不明になって以来、鞄をおばさんや妹ちゃんに返してなかったっけ… キョン… 「ん?鞄の下に何かある…」 と、鞄の下にある物を取って見ると… 一冊のノートだった… 「何で、こんな物か?…日記?」 ノートの表面にデカデカと「日記」と書かれてあった… とにかく、開いて見る ○月○日 変わった女がクラスにいた。そいつの名は涼宮ハルヒ。 しかし、可愛かったな…ポニーテールすれば物凄く可愛いよな ○月○日 ちょっと話し掛けてみた…すぐに終わっちまった… まったくよ、こんな可愛い子がいるのに勿体無くね? ○月○日 ハルヒを観察したら、分かった…こいつ、曜日ごとに髪型を変えてるな…うむ、面白い ○月○日 SOS団か…まぁ、仕方ないか… 間違った方向へ行かなきゃいいんだがね… キョン…こんな事を日記書いてたの? ○月○日 夢を見た…ハルヒとキスする夢を…うわぁ、恥ずかしい!フロイト先生が笑ってしまうぐらい恥ずかしい… でも、味が良かったな… キョン…嬉しかったの? キョン… 最後まで読もう… ふー…次のページへ行くかな… ベラ・・・ 「ん?これは…最近の」 ふと、手が止まった… ○月○日 ハルヒを見て思った…ハルヒは確かに可愛い。 怒る顔も可愛かった…だけど、ハルヒと一緒にいるだけで楽しい… だから、俺はつい嬉しくなる…ハルヒはハルヒらしく行動してくれると俺は安心する… めちゃくちゃな行動をするハルヒが好きだ。気が強いハルヒも好きだ。 俺は、素直に「好きだ」と言えない…それでも、愛してる… ハルヒ、気付いてくれるのだろうか… キョン…あたしの事をそう思ってたの!? 「キ、キョン…あぁ、会いたい!会いたいよ!…気が強いハルヒが好き?…でも、あたしは…本当は、気が弱いのよ!」 あたしは、泣いた…物凄く泣いた…会いたくでも気が弱いまま… (キョン「ハルヒ、お前は!俺の……」) !? (――恋人だ) キョンは、こう言ってたわ…あたしを恋人してくれたんだ…あたしは、頑張るよ!いつまでも気が弱いままじゃダメだよね…キョン、待ってて!) と、あたしは異空間へ入った。 暗い… 上と下が分からない… 寒い… キョン…どこにいるの… フワッ! あたしがいた暗かった異空間が、いきなり明るくなった。 「な、何なの?」 ここは、あたしが通ってた東中… そして、今いるのは、校門の辺り… 「…!!」 「……!」 校庭の辺りに声が聞こえる… あたしは、そこへ行って見た 「あ、あれは」 そう、あたしが見たのは…中学校頃のあたしと…ジョン・スミスだった。 どうやら、線引きをやってる最中だった。 どうやら、線引きが終わったようだ 「ねぇ、あんた。宇宙人、いると思う?」 「いるんじゃねーの」 「じゃあ、未来人は?」 「まあ、いてもおかしくはないな」 「超能力者なら?」 「配り歩くほどいるだろうよ」 「異世界人は?」 「それはまだ知り合ってないな」 「ふーん」 あの男…確か… 「ま、いっか」 「それ北高の制服だよね」 「まあな」 「あんた、名前は?」 「ジョン・スミス」 ジョン・スミス!?ジョン・スミス…まさか…キョン? そうか、キョンは3年前へ行ったんだ… キョン…あたしの知ってるジョン・スミスだったんだ… その後、昔のあたしとジョン・スミスが去った後、校庭へ行った。 そっか、これを書いたのは…キョンだったんだ… ありがとう、キョン… と、その時にあたしの後ろから光が放った。 「え?」 あたしは、振り向いた その光が人の姿に変わった…そして、光が消えた。 「え?あ…」 目の前にいた…あたしの会いたい人がいた… キョン「久しぶりだな、ハルヒ」 ハルヒ「キョン!」 あたしは思わずキョンへ駆け寄り、抱き付いた… 「会いたかったよ!キョン!」 キョン「スマンな、心配掛けて…」 いいの…キョンがいたから、謝らなくでいいの! 「キョン…」 キョン「…ここは、3年前の七夕だな」 「うん」 キョン「さっき、気付いたんだろ」 「うん!」 キョン「……」 ハルヒ「……」 お互い見つめ合ったまま、動かない… キョン「ハルヒ、ただいま」 ハルヒ「おかえり、キョン」 ???「あら?いい雰囲気ね」 !?あの人が来た!?学校の屋上? と、二人は学校の屋上を見る キョン「いい加減しろ…朝倉涼子!」 朝倉「あら、張り切ってるね?キョン君」 いきなり、キョンサイドへ切り替わりまーす! 朝倉「ふふふふ…どうするの?」 ハルヒ「キョン…」 あぁ、大丈夫だ!ハルヒ、俺が守ってやるさ 「朝倉!俺は思い出したぞ」 朝倉「何を?」 「長門から聞いた事ある。この異空間は自分の意思で物を変えれると聞いた! だが、それも条件あるんだろ?」 朝倉「あら、有希ってお喋りね」 「その条件はここの異空間とはピッタリらしいな?しかも、この異空間はコンピュータ世界だろ?」 朝倉「で、それがどうしたの?まさか、物を出すとか?」 「大当たりだ。普通の人でも出せるらしいよな?だったら!」 俺がイメージした通りに物が現れた…それは銃だった。 それを取って、素早く構えた。 「もぅ、お前の思い通りはさせねぇ!そして、お前を撃つ!」 朝倉「!?」 「……」 朝倉「ふふふふ、あーっはははは…この私に何か出来るというの?」 朝倉「ふふふふ…行くよ!」 と、朝倉の手からナイフが出て来た。 「くっ!」 銃で防御する俺 ハルヒ「キョン!」 「ハルヒ!お前は隠れてろ!」 ハルヒ「う、うん」 キン! 朝倉「ハルヒを逃してどうするのよ?キョン君!」 キン! 「ハルヒは俺が守る!朝倉、お前がやってる事は間違ってる!」 キンキン! 朝倉「それがどうしたのよ!私が間違ってる?それは無いわ」 キンッ! 鍔迫り合いする両者 「それは、お前のエゴだって…分かってるのか?」 朝倉「さぁ?分からないわ」 「ふざけんな!」 と、俺は弾き返した 朝倉「私は、ふざけてないわよ?」 朝倉「あなたがいる世界はつまんないでしょ?」 「つまらくはない、むしろ、楽しいさ」 朝倉「あら?我慢してるの?」 「…俺は、ハルヒがいる世界が好きだ…だが、お前が思うような世界は欲しくない」 朝倉「あら、ハルヒ、ハルヒって言うけど、そんなに好きなの?」 と、朝倉は「やれやれ」のボースをしてる。 「確かに、好きだ…あいつは気が強くでも、本当は気が弱いところがある…それでも守りたい…」 朝倉「ふーん…」 「ハルヒはハルヒだ、お前の思うようにはさせない!」 朝倉「でも、もう遅いよね…どの道、あなたが死ぬのだから」 「それはどうかな?」 朝倉「え?影?まさか!?」 朝倉は、月の方へ振り向いた 「遅かったな……長門!」 そう、月を背景して現れた 長門「情報結合の解除を申請する」 と長門が言うと、朝倉のナイフが消えた 朝倉「そ、そんなバカな…」 説明しよう!キョンは戦略を考えていたのである! 銃を出した後、長門の事を思い浮びながら戦ったと言う事だ! 時が来たら、それを実行したのがキョンの策…流石、策士は伊達じゃないぜ! 朝倉「くっ…」 朝倉は、少しよろめく 「朝倉!お前の負けだ!」 と、銃を構えた 朝倉「くっ!これが私の負けなのね…」 「朝倉!これで…終わりだぁっ!」 と、銃の引き金を引く バァン… 朝倉「あぁ…私の…ま…けね…」 朝倉は涙の泣かしながら、結晶化になり…消えた。 「…長門、ありがとな」 長門「…(ゴクリ」 …さて、ハルヒの所へ行くか… キョン…あんたの想いは分かったよ… あたしの想い…キョンの想いは繋がってたんだね… キョン「ハルヒ!」 「キョン!…戦いは終わったの?」 キョン「あぁ、終わったよ」 「……」 あれ?何で有希がここに? 長門「私は、ここから出る…後は、あなた期待」 と言って、消えた。 あぁ、CGが何かのプログラムかな? キョン「…ハルヒ、ここで言わせて貰う」 「何?キョン」 俺の想い…まだ変わってない…今なら言える! 「ハルヒ、お前の事好きだ!付き合ってくれ!」 キョンの想い…確かに受け取ったよ…あたしの想い受け取って… 「あたしも好きだよ!あんたじゃないと…ダメなんだからね…」 ハルヒ、確かにお前の想いは受け取ったよ… 「ありがとう、ハルヒ」 ハルヒ「こっちもありがとう、キョン」 「ねぇ、キョン」 「ん?何だ?ハルヒ」 「キ、キスしてくれない?」 「…あぁ、するよ」 と、お互いの唇が重なる ハルヒは可愛い。 キョンは優しい。 何かあろうと守ってみせる。 何かあっても守りたい。 そして、俺は…それぞれの想いを今、一つになる。 そして、あたしは…それぞれの想いを今、一つになるよ。 俺は、あたしは、愛されるより愛したい。 そして、生きて行きたい。 ――永遠に エピローグ あれから、一週間後…あたしは元気に通ってる。 キョンに会いたいから楽しみに通ってる。 俺は、ハルヒに会うため楽しみに通ってる。 色々あったけど…これで、恋人同士になるな… 「おぅ、ハルヒ」 「あ、キョン」 俺は守りたい奴がいるから… あたしは会いたい人がいるから… 「おはよう!」 「おはよう!」 俺たちは あたしたちは 強い絆を結ばれているから 完
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涼宮ハルヒの邁進 プロローグ 涼宮ハルヒの邁進 その1 涼宮ハルヒの邁進 その2 涼宮ハルヒの邁進 その3 涼宮ハルヒの邁進 その4 涼宮ハルヒの邁進 その5 涼宮ハルヒの邁進 その6 涼宮ハルヒの邁進 エピローグ
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涼宮ハルヒの情熱 プロローグ 涼宮ハルヒの情熱 第1章 涼宮ハルヒの情熱 第2章 涼宮ハルヒの情熱 第3章 涼宮ハルヒの情熱 第4章 涼宮ハルヒの情熱 エピローグ
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ぽかぽかした陽気が気持ち良く感じられる春のある日。目の前をひらひら飛んでいる蝶々をボンヤリ眺めながら、おれはいつもの駅前で一人、ハルヒを待っている。二人で映画館に行くためだ。 なぜこんなことになっているか…それを今から説明しよう。 1週間と1日前、いつものように長門が本を読みふけっている横で、朝比奈さんが入れてくださったありがたーいお茶を飲みながら古泉とオセロをやっている時だ。 ハルヒが目をアンドロメダ銀河みたいにキラキラ輝かせて文芸部室-今現在、SOS団の活動場所になっているわけだが-に飛び込んできやがった。 「みんな!揃ってるわね!明日は町内探索に行くわよ!」 そりゃまた急だなお前は… 「なんだか明日は何かが起こりそうな予感がするのよね!だから明日!朝九時に北口駅前に集合ね!遅れないように。最後に遅れて来たら罰金だから!」 ハルヒはそう言い放った。最後の一文はどうやらおれに向かって言っているらしい。おれとしてはありがたくないのだがいつもそうなっているのだから仕方がない。改善しようとも思わないがな。なぜならそれがおれの日常になっていたからだ。その日、それ以外はいつも通りに一日が過ぎた。 で、その次の日。 おれは集合時間の5分前に着いたのだが、そこにはいつものようにおれ以外のSOS団が全員いた。ハルヒはプンスカ怒って 「遅い!あたしが来た時にはもう3人ともいたのよ?!団長を待たせるなんてどういうつもり?罰金!!」 そう言ってハルヒは喫茶店に向かい、おれ達もそれに従った。そうしてこの日の喫茶店がおれの奢りになったところまではいつも通りだ。 ハルヒはいつものようにアイスティーを飲みほすと爪楊枝に色を付け、くじ引きを行なった。結果はこうだ。 おれとハルヒの組 長門と朝比奈さんと古泉の組 なんとまぁ。 まさか宇宙人と未来人と超能力者が一組になるとはな…万国ビックリショーにでも出たらどうだ? なんてことを考えながらふと古泉を見ると何やらいつも以上にニヤニヤしている。…何が言いたいんだお前は その後おれ達は北、長門達は南に分かれることになった。 昨日あれほど楽しそうにしてたんだから行くあてがあるのかと思いきや、そうでもないらしく、おれ達はそこらへんをハルヒの思いつくままにブラついた。 そこで気がついたのだが、その日、ハルヒはいつも以上によく喋る。とても楽しそうなのでおれも釣られて喋ってしまう。ハルヒとこれほど喋ったの久しぶりだな。 しかし、なかなか不思議が見つからず、少々ハルヒの口数が少なくなってきた頃、それは起こった。 バイクが突っ込んできやがった-いわゆるヤンキーというやつだ-そいつがよそ見をしながら走っていたせいか、はたまたハルヒが木の影に入っていたからか、ハルヒがおれの方を向いて歩いていたからかはわからんがそいつはハルヒにまったく気付かず、ハルヒもバイクがこっちに向かっているとは気づいていないようだった。 「危ねぇ!!」 おれは気がつくとハルヒの腕を掴んで力まかせに引っ張っていた。 間一髪だ。もう少し遅れていたら…考えたくもないな。ヤンキーは振り返りもせずどっかに行ってしまった。しかし今はそんなことはどうでも良かった。おれはハルヒが助かったことに安堵を感じていて、ハルヒを抱きしめる形で道にへたり込んでいたことに気づくのに数秒かかったようだ。周りに人がいなかったのは幸いだったな。 俺達は立ち上がり、ハルヒにケガがないことを確かめた後、しばらく黙って歩いていたが、ベンチを見つけたハルヒが 「座りましょ。話したいことがあるから。」 そう言って二人で並んでベンチに座ることにした。 少しの沈黙の後、ハルヒが切り出す。 「あたし、あんたのことただの友達だと思ってた…だけどさっき助けられた時に気づいたわ。それはただの思い込みだったってことにね。ホントはあたし、あんたのことが好きだった…ただ気付かないふりをしてただけ。さっきので自分の気持ちがハッキリしたわ…あたしはキョンのことが好きなんだって。…あんたはどう?」 おれはうなだれた。 …なんてこった。我ながら情けないぜ。ハルヒに言われるまで自分の気持ちに気づけなかったとは…。 いつからだろうか、おれもハルヒが好きになっていた。 しかし付き合いたいという告白は男の方からするものだと思っていたのでおれから言うことにした。 「おれもハルヒが好きだ。お前に言われて初めて気付いたよ。…付き合ってくれ。おれがお前を守ってみせる、絶対に幸せにするから」 ハルヒは本当に嬉しそうな顔で頷いた。 ちょうど昼時になっていたのでおれ達は長門達と合流し、付き合うことになったと公言すると、古泉はわかっていたとでも言いたげなニヤケ顔で 「おめでとうございます」 とだけ言い、 朝比奈さんは少し涙目になりながら 「本当におめでとうございます!やっぱり涼宮さんにはキョン君がお似合いですね」 と言ってくれて、 長門は 「…そう」 とだけ言った。 その間ハルヒはというとおれの横に立っていただけで何も言わなかったが、どこか嬉しそうに見える。 その日はそれで解散することになった。 ところがそれからのハルヒの態度はいつもと変わらず、いつものように何日かが過ぎた。 まあそれでもいいんじゃないかとも思ったがやはり自分から告白した手前、何かしらのアクションを起こさなければと思ったおれは金曜日-つまり昨日だが-明日映画にでも行かないかと誘った。そこでおれはハルヒが昔、付き合ってフッた男について「どいつもこいつも…映画館・遊園地・スポーツ観戦…それしかないわけ?」みたいなことを不満そうに言っていたのを思い出し、失言かと思ったら以外にも 「いいわよ。」 とあっさり承諾してくれた。どうやらおれと一緒ならどこでもいいらしい…いや、そう思いたいね。 そういう訳で今こうしてここにいるわけだが…なぜおれが先に来ているのかって?答は簡単だ。男が待ち合わせに遅刻するなんてカッコ悪いことができるか?少なくともおれはできないね。だからおれは待ち合わせ時間の30分前からここにいるってわけだ。 そうこうしてるうちにハルヒが駅から出てきた。行くところは決まっていたので今日はさっそく映画館に向かうことにした。しかし、彼女と映画館に行く日が来ようとはな…しかもそれがハルヒだなんて1ヶ月前のおれは想像もしなかったよ。 話をしながら少し行くと映画館が見えて来たところで信号にひっかかった。いつもなら恨めしく思うところだが、今日は許してやろう。少し尿意を催したおれは信号が青に変わった瞬間、 「スマン、先にトイレに行ってくる」 と、ハルヒの方を向きながら走り出した。 バンッ 一瞬、何かが起こり、視界が真っ暗になった。 なんだ?何が起きた?う…全身が痛てぇ… 「キョン!キョン!」 その呼び声に再び目を開けたときには目の前にハルヒの泣き顔があり、おれは仰向けに倒れ、全身から血が流れていた。 そう、車にハネられたのだ。 「キョン!大丈夫?今救急車呼んだから!」 しかし、もう死を間近に感じていたおれは無駄であることがわかっていた。 「ハルヒ…すまねぇ…もう…無理そうだ…」 「なんでそんなこと言うの?!あたしを絶対幸せにしてくれるんじゃなかったの?!あたしを置いて死なないでよ!バカキョン!」 ハルヒはそう言いながら大粒の涙を流していた。 息絶える寸前だったおれは震える手でハルヒの手を握り、最後の一言を言うために言葉を絞り出した。 「ハルヒ…」 「な、何?」 「愛し…てる…ぞ…」 そう言っておれは意識を失った。 それからどれくらいたっただろうか…数分だったような気もするし、何年もたったような気もする。 おれは目を覚ました。そこはどうやら病院の一室のベッドの上らしかった。 なんだ?どうなってる?おれは確か車にハネられて死んだはずじゃなかったか?そう、確かにおれは死んだ。その感覚を今でも覚えいる。ならなぜおれは生きている? …わからん。とにかく今確かなことはおれが生きているってことだけだ。 何か少し体が重いと思ったらハルヒがおれの身体に頭を乗せて寝ていた。どうやら泣き寝入りをしたようで涙の跡が一筋、頬に残っている。 「…ハルヒ」 起き上がりながらそう言ってハルヒを起こした。 「…ぇ…うそ…キョン…生きてるの?…あぁ…良かった…あんたが死んだ時は…どうしようかと思ったわ…もう、あたし…」 そう言って泣きつくハルヒをおれは何も言わず抱きしめた。おれの目からも涙が溢れる。ああ…おれはまたハルヒに会えたんだ…生きているんだ…。おれ達はそのことを確かめあうように強く、しかし優しく抱きしめあっていた。 どれくらいの時間がたっただろうか…暫くハルヒとおれはそうしていた。時が永遠に止まればいいのにと強く思った。 それからハルヒはひとしきり泣き、すっかり安心したのかスースー寝息をたててまた寝てしまった。恐らくずっとおれの側にいて泣いていたんだろう…精神的疲労がたまっていたに違いない。おれはつい髪の毛を撫でた。肩にまで届くか届かないかという長さでとてもサラサラだ…よく似合っている。おれはその天使のような寝顔を見ながらこれ以上ない愛おしさを感じていた。おれにとってかけがえのない存在。そんな事を考えながら…。 その時、ハルヒが寝たのを見計らったかのように古泉と朝比奈さんと長門が入ってきた。 朝比奈さんも泣いていて、しゃくりあげながら何か言おうとしたみたいだが結局何も言わなかった。いや、言えなかったのだろう。 「いやあ…しかし驚きましたよ。まさかあなたが生きかえるとはね。」 おい古泉、なんでおれは生きてる?ハルヒがやったのか? 「おそらく。お気づきの通り、ここは機関の病院です。ここの医師達は世界でもトップレベル。その医師達が様々な検査の結果、あなたは確かに死んだと断言したんです。しかし今こうして生きている。これは涼宮さんが起こした奇跡、としか言いようがありませんね。もちろん、涼宮さんの能力でできることを奇跡と呼ぶならですが。」 やはりか。 「そうです、あなたは涼宮さんの力によって生きかえったんです。涼宮さんが最も必要な存在として。しかし、今回は世界が作り変えられることはなかった。本来なら考えられないことです。しかしそうなってくれなくて幸いでした。僕もあなたにまた会うことができたのですから。」 そう言って古泉はいつものスマイル顔になった。 続けて長門に聞いてみた。どのくらいの間おれは死んでいたんだ? 「あなたは7時間32分19秒前に生命活動を停止した。しかし3時間10分25秒前、涼宮ハルヒの環境情報改変能力によって再び生命活動を再開した。」 それだけ言って長門は黙り込んだ。 あれからまだ1日もたっていないのか…大変な1日だなまったく。おれも疲れを感じたので古泉達にそのことを伝え、眠りに着いた。 それから何日か入院した後、おれは何事もなかったかのように退院し、また普段通り学校に通うことになった。 今回は世界が作り変えられることがなかったが、おれが思うに…ハルヒにとって何にも替えられない存在がおれだったとしても、長門や古泉や朝比奈さんや鶴屋さん、その他いろいろを含めてこの世界全てが大切な存在になっているんじゃないだろうか。心の奥底ではそう思っていたのかもしれない…例え無意識であったとしても。 だからおれ達は元のままここにいるんじゃないだろうか。 そしてこれからも以前と同じように生きていくだろう。ただ一つ、おれとハルヒが付き合いながらという点を除いてな。 -Fin-
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【注意事項】 このSSは『Fate stay/night』というPCゲームとのクロスになってます。 基本的には設定を借りただけで、ハルヒのキャラ以外は登場しません。 涼宮ハルヒの聖杯~第1章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第2章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第3章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第4章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第5章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第6章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第7章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第8章~ 涼宮ハルヒの聖杯~第9章~