約 8,429 件
https://w.atwiki.jp/ml-story/pages/284.html
MILLION LIVE WORKING☆~神vs魔!ホーリーナイトラウンド&激動!アイドル警察24時~Day1 Day2 Day3 Day4 原作イベント その他イベント開催期間 前後のイベントコミュ MILLION LIVE WORKING☆~神vs魔!ホーリーナイトラウンド&激動!アイドル警察24時~ Day1 話数 タイトル 登場アイドル 第1話 豪華2本立て! ドラマスペシャル 箱崎星梨花、双海亜美、野々原茜 第2話 動き出した悪魔達 菊地真、野々原茜、福田のり子 第3話 蹂躙された地上 菊地真、野々原茜、福田のり子 第4話 天使達の進攻 箱崎星梨花、天空橋朋花、双海亜美 第5話 戦いの犠牲 中谷育、天空橋朋花、菊地真 Day2 話数 タイトル 登場アイドル 第6話 本当にやるべきこと 萩原雪歩、中谷育 第7話 ガブリエルの覚悟 萩原雪歩、天空橋朋花、菊地真 第8話 下された罰 萩原雪歩、中谷育 第9話 涙の理由 萩原雪歩、天空橋朋花、菊地真 Day3 話数 タイトル 登場アイドル 第10話 撮影スタート! 北上麗花、望月杏奈、二階堂千鶴 第11話 迷子を捜して…… 周防桃子、望月杏奈、三浦あずさ 第12話 セレブ警官のお手柄 周防桃子、二階堂千鶴、三浦あずさ 第13話 プロの賢明な判断 周防桃子、北上麗花、三浦あずさ 第14話 本庁の警視 周防桃子、最上静香、三浦あずさ Day4 話数 タイトル 登場アイドル 第15話 サイバー刑事MKB 周防桃子、真壁瑞希、三浦あずさ 第16話 お騒がせコンビの実力 周防桃子、最上静香、三浦あずさ 第17話 クランクアップ! 周防桃子、三浦あずさ 第18話 みんなで一緒に 周防桃子、真壁瑞希、三浦あずさ 第19話 警察官のお仕事と、アイドルのお仕事 田中琴葉 原作イベント 神vs魔!ホーリーナイトラウンド(ミリオンライブWikiへ飛びます) 激動!アイドル警察24時(ミリオンライブWikiへ飛びます) 【復刻】激動!アイドル警察24時(ミリオンライブWikiへ飛びます) その他 イベント開催期間 2020年11月27日~2020年11月30日 前後のイベントコミュ 前:Legit Crossover 次:NO CURRY NO LIFE(カプリコーン) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/655.html
前へ もぉ軍団御用達のカフェ。 今日もいつものように角のテーブルを確保する。 いつもこの時間に席を取っておくように熊井ちゃんに言われている。 それが僕の役目なのだそうだ(当たり前のようにそう指示された)。 だが、こうやって毎回テーブルを押さえておいても、結局もぉ軍団の人は誰もやってこないということもある。 というかむしろ、いくら待ってても誰も来ないという日の方がずっと多い。 最初は、人に席を取らせておいて誰も来ないとはなんて軍団だ! と憤ったりもしたけれど。 熊井ちゃん曰く、そういうものなんだそうだ(全く悪びれることなくそう言われた)。 だが、それにも慣れた。 もぉ軍団の人たちが来ない日、僕はそれなりにこのカフェで有意義な時間を過ごしているのだ。 学校帰りにこのカフェで過ごすこの時間は、今では僕の生活パターンの中で結構楽しみな時間になっている。 評判の美味しいカフェラテを飲みながら、落ち着いて読書をしたり勉強をしたりすることのできるこの時間。 ひょっとしたら、むしろ軍団の人たちが来ない方が素敵な時間の過ごし方が出来ているのではないかとry 時間が経っても熊井ちゃんたちはやって来なかった。 今日も誰も来ないみたいだな。よしよし、落ち着いて読書できる。 よけいな邪魔も入らず優雅な時間を過ごすことが出来そうだ。 そう思ってくつろいでいたら、今日は珍しく軍団の人がやってきた。 ドアを開けて入ってきた小柄なその人は、店内を一瞥すると迷わず僕の取っていたテーブルに歩いてきた。 やってきたのは、なんと軍団長様じゃないですか。 いつも来る人といえば熊井ちゃんばかりだったので、桃子さん一人で来るのは初めてだ。 そういえば、もぉ軍団の人たちって言っても軍団の人が勢揃いしたことって無いんだな。 梨沙子ちゃん。彼女が全然来ないから。 いちばん彼女に来て欲しいのになあ。というか、来て欲しいと僕が積極的に思ってるのは彼女だけry それに比べて熊井ちゃんのよく来ること。よっぽどヒマなんだろうな。 閑話休題。 やって来たのは、桃子さんだった。 「よっ!少年」 僕の前に座ると、ココアを注文した桃子さん。 「桃子さん、おひとりなんですか?」 「うん、大学の帰りだから」 「大学の? ひょっとして合格発表・・・」 合格発表のその帰り? 暗い顔をしてるわけじゃないから、いい結果だったんだろうけど、何となくストレートに聞きづらい。 そんなことを脳裏に思い浮かべながら緊張気味に言いかけた僕に、桃子さんは噴き出しそうになりながら答えてくれた。 「あはは、違うよ。わたしは推薦入学だから。学園の系列大学のね、今日はガイダンスだったんだ」 あの学園の系列大学に推薦で進学なんて、薄々感じていたけど桃子さんって本当に優秀なんだ。 「春から大学生なんですね。おめでとうございます!!」 「ありがと」 見事大学生になれるっていうのに、桃子さんは飄々としてるなあ。 桃子さんのその雰囲気からは、“大学とは、入ることが目的なのではない。入ってから何をするかが大事なんだ”って感じが漂っている。 かっこいいなあ。急に桃子さんが大人っぽく見えた。 桃子さん、大学生かあ。 大学か。 僕もそろそろ進路のことも考えないといけないのかなあ。 「桃子さんは大学では何を専攻なさるんですか」 「教職課程を取るつもり。教育学部だからね。小学校の先生になりたいなと思ってぇ」 桃子さんが学校の先生・・・ ただでさえ少子化が問題になってるのに、日本の未来は大丈夫なんだろうか・・・ なんて一瞬思ってしまったけれど、決してそれを顔には出さなかった。 未来の日本というテーマに思いをめぐらせていた僕。 桃子さんの言葉で我に返った。 「少年、なに読んでるの?」 僕の読んでいた本に桃子さんが興味を示されたようです。 「これですか。“こころ”です」 「なーんだ、真面目な本だったか。つまんないの。ふーん、夏目漱石なんて読むんだ」 「日本文学の名作はひととおり読んでおこうと思って。勉強にもなるし」 「意外と勉強熱心なんだね。そっちの本はなに?」 桃子さんがテーブルに積んである文庫本を手にとって表紙を一瞥する。 「舞姫、ねえ・・・」 桃子さんの顔が苦笑いになる。何がおかしいんだろう。 「少年、これ題名だけでこの本を選んだでしょ」 「えっ? なんで分かったんですか?」 「そりゃ、わかるっつーの」 少年が期待しているような物語じゃないと思うけど、なんて桃子さんはつぶやきながら更に文庫本を手に取った。 「こっちは何? 源氏物語? 古典も読んでるんだ」 「何か参考になるかなと思って。千年も前の話ですけどね」 「参考にするって、何を?」 「光源氏の、、、いや、別に何でもないです」 源氏物語を読んでそのストーリー(次々と現れる美女!)を参考に妄想するのに最近ちょっとハマってるのは内緒。 そんな僕をニヤニヤとした顔で見る桃子さん。全てを見透かしているようなその眼差し。 舞ちゃんや栞菜ちゃんとはまた違う、桃子さんのやり方で心の底まで読み取られそう。 何て言うか桃子さん、この人はまあ何ともカンの鋭い人だな、って感じがするもん。 「いやその、今度映画化されるんで面白そうだから見に行こうと思ってるんです。その前に原作もしっかり読んでおこうかなあと」 「源氏物語、映画化するんだ」 「えぇ、キャストが何とも豪華なんですよ。これは絶対見に行きたいなと」 「映画見るの好きなの?」 「はい、映画見るのは大好きです。初めてのデートではまず映画を一緒に見に行こうと決めt 「そっか、源氏物語ね。チェックしておくよウフフフ」 ちょっと・・・最後まで言わせてください。僕の舞ちゃんとの初デート大作戦を最後まd 「この文庫本の表紙が光源氏役の人?」 「そうです。カッコイイですよねー、この役者さん」 「そっかぁ。こういう男性が好みなんだ、少年は」 好みって・・・ちょっと使う言葉がおかしくないですか? 「くまいちょーの言ってた通りだねウフフフ」 ?? なんだろ?また熊井ちゃんが何か変なこと言ってたのか。 もういちいち気にしていたらキリがないから、彼女が何て言ったのかは気にしないけどさ。 「そっか。少年そんなに映画好きなら、じゃあ今度もぉ軍団でも映画見に行くけど一緒に行く? ホラー映画だけど」 「いや・・その・・・みなさんの邪魔をしたら悪いので遠慮しておきますね」 「なんでさー? 遠慮なんかしなくていいのに」 女の子と映画を見に行くのって僕の夢なんです。きっといつかは舞ちゃんと・・・ それなのに、初めて映画を一緒に見に行くその相手がもぉ軍団の人達って。何かトラウマになる出来事でも起きたらどうしてくれるんだ。 「わかった! ホラー映画、苦手なんでしょ」 「違いますよ(本当はそれも図星なんだけど)。ホラーならゾン○デオは見に行こうと思ってますけど。これもキャストが魅力的だから。みなさんは何を見に行くんですか?」 「王様○ーム。面白そうでしょ。ゴメ○ナサイも見たかったんだけど」 カバンから映画のパンフレットを取り出して見せてくれる桃子さん。 このタイトル聞いたことある。携帯小説で有名なやつか。 あんまり興味なかったんだけど、パンフレットを見たら主演の子がとてもかわいい。あ、このメガネの子もいいなあ。 この手の映画は出演している役者さん目当てで見に行っても面白いのかも。 カワイイ子がたくさん出てるみたいだし、見に行ってみようかな。 でも、見に行くなら一人で見に行こうっと。 ホラー映画見てビビってるところをもぉ軍団の人達に見られたら確実に笑いものにされるだろうから。 そう、一緒に見に行ったら、桃子さんにはビビってるのを見抜かれて、さんざんからかわれるだろう。そして熊井ちゃんからはトドメの一撃をry そんな展開になるのがはっきりと目に見えるよ。 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/zairin/pages/339.html
名 前:笹暮 小波(ささくれ こなみ) 通 称:小波 仇 名:コナミ 年 齢:23才 登場作品:神魂合体ゴーダンナー!! 趣 味:特になし 好きな物:特になし 搭乗機体:特になし 誕 生 日:1月9日 備 考 ダンナーベース所属のオペレーター。桃子とコンビを組む。 桃子へのツッコミを担当しており、口調などに少し子供っぽい所がある。 原作終了の数年後には、桃子と共に女性型ロボット「オペレタイガー」のパイロットになっている。 157cm・B84‐W56‐H83と桃子に比べれば小柄だが、キムタカ補正で巨乳に見える。
https://w.atwiki.jp/cf_alpha/pages/16.html
CLARKE 自己紹介 Berryz&℃愛してまつ(´;ω;) ↑重要 武器 Main Weapon G-AK AN94 桃子ヒップアタック Sub Weapon USP P228 周辺機器 mouse IE3.0復刻版(400dpi) mousepad DHARMAPOINT Tactical Pad SOFT TYPE keyboard BELKIN ゲームパッド n52te - トーナメント・エディション F8GFPC200qe headset 何か知らないでつ^q^ 設定 resolution 800x600 照準 3 緑 Sensitivity 13~18 Zoom Sensitivity 40 名言 「ひっでぶ~♪」by 桃子の夫 「ゲスト戦しようぜ!」 「UZIなら余裕で勝てた」 「きんてねんぞ!」 追記 上田桃子の画像を使用していますが私の桃子は嗣永桃子だからね!!☆モ CrossFireにて右に出る者はいないと言われているほどBerryz&℃-uteを愛しているらしい。 俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
https://w.atwiki.jp/ivdd/pages/963.html
竹内亮 監督 谷桃子「月刊 谷桃子」 出演者 谷桃子 メーカー イーネット・フロンティア 発売日 2008/6/25 通販 Amazon.co.jp DMM
https://w.atwiki.jp/girlfriendline/pages/2423.html
出会い う~ん、どこなのかな~ …ひゃあっ?急に声を出すと、びっくりしちゃいますよ~…脚?わたしの脚に何か…裏側に…?あやや、こんなところに貼ってありました~ マイページ 通常 せ、先輩、どこ見てるんですか~!え? ほえ?後ろに何かついてますか~? あやや、こんなところのいたんですね~ わわ、先輩!取るのは自分でやります~! 今度は間違えないように渡さないと。 日直 登校 朝 えへへ、先輩と一緒なら探し物も楽しい…かもです♪ ユズちゃんも可愛いって言ってたシールなんですよ~ 笛ラムネを食べて一度落ち着きましょー ピィ~ピィ~♪ 探してない所ですか?えっと…靴の裏!ありません~ こんなに探しても見つからないのは、どうしてでしょう? 昼 ゴチッ。う~ うつむいてたら頭をぶつけちゃいました~ ス、スカートをめくるんですか?!…え、シール? さすが先輩!必ず見つけてくれると信じてましたぁ~ こんなところにいたんじゃ、わからないはずですね~ こういうのをことわざで確か…灯台…なんでしたっけ? 夜 はわ~ やっぱり先輩は目の付け所が違いますよねぇ~ 探し物のコツは、意外な場所を探す、ですね! 先輩が見つけてくれて、宝物がもっと宝物になりました♪ 先輩が優しいのは…わたしだから…ですか? 先輩のおかげでスッキリ眠れそうです~ むにゃ… アルバイト 先輩と働いてると、楽しくて時間があっという間に過ぎちゃいます~ 好感度レベルアップ 好感度MAX …これは、貼られたわけじゃなくて、どこかでくっついたんですよね~凪子ちゃん先輩とは、まだ会ってませんし…はい、どこかお出かけ中みたいですね~一緒に貼ってたらよかったんですけど、わたしが遅くなっちゃったので…でも、これで全部見つかりましたからね~ 後で皆そろった時に、一緒に貼り直します。…その前に、先輩も何か貼りませんか~? デート 約束 先輩のお電話だったら、いつでも大歓迎ですよ~ たくさんお話しましょうね~♪先輩と一緒なら、どこでもいいですよ~ 行ったら、きっと楽しいと思います。わかりました、空けておきますね~ えへへ、先輩との約束、楽しみだな~♪ 当日 先輩お待たせしましたぁ~ 先輩に見せたいシールがあったんですけど見当たらなくて…探してたら遅くなっちゃいました~ …見つけた場所ですか?それが意外な所に… ボス戦 開始 あや?なんで、わたしの後ろにくるくる回り込むんですかぁ?はわわ、やめてくださ~い。 勝利 敗北 バトル 開始 意外な所に勝つ方法ありです~ 声援 勝利 さすがは先輩です~ 先輩の弱点は探しても見つからないですね。 あやや…あっという間すぎて、先輩が勝つところを見逃してしまいましたぁ… 敗北 あやや、先輩が負けちゃうなんて…意外なところに弱点があったんですね~ 後ろも注意しなくちゃダメですよ~?次は頑張りましょ~ タッチボーナス ひゃあっ?
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1739.html
I hope so... ◆hqt46RawAo /I hope so... 少女は徐々に感覚を取り戻していく。 すると包み込まれているような感覚にふと違和感を覚えた。 現在進行形で与えられている、この温もりはなんだろう。 今の自分に、こんな優しい感覚が得られるわけ無いのに。 そんなふうに芽生えた疑問が、少女――東横桃子にとっては目覚めの切符となった。 『――――』 どこからか、歌が聞こえる。 『教科書で重たい鞄 日々が詰まった携帯電話』 まどろむ意識の中に、小さな声が聞こえてくる。 『これが今の私自身のようで そうでないようで』 深い泥の底で眠る桃子をゆっくりと引っ張り上げるように。 その歌が意識に浸透する。 「…………んっ……」 桃子はぼんやりとした意識のままで、目蓋を薄く開いていく。 ぼやけた視界。世界が輪郭を失っていた。 脳が上手く回転しない、自分が何をするべきか、この歌がなんなのか。 早く考えなくてはならない筈なのに、意識はとろんとしたままで。 『いつかはなれるのかな 夢に見た素敵な女性』 聞こえてくる歌だけが、淀む意識にじわりと染み渡る。 視界に色を与え、感覚を一つまた一つと取り戻させるように。 その音を追うように、桃子は未だに霞んだままの視線を動かしていった。 「…………あ……れ……?」 徐々に実態を取り戻す、世界の姿。 桃子は最初、まだ夢を見ているのだろうと思った。 そうでなければ、こんな光景はありえない。 だだっ広い部屋。廃墟のような場所。僅かに家具屋の名残を残す空間の壁際。 そこで桃子は寝かされていた。 身体を預けているものは、ボロボロでありながらも間違いなくベッドと呼ばれるもので。 桃子の身にかけられている物は、そのベッドと同じくらいくたびれた毛布。 そして何よりも、横たわっていた桃子の傍らで、アンティーク椅子に座って窓の外を眺めていた人物は紛れもない、 「澪……さん……?」 離別を告げたはずの、秋山澪だったのだから。 桃子が寝ていたベッドに負けず劣らずボロボロな骨董品の椅子。 そこに座っている澪は、いつか桃子が手渡したあのベースを抱えていた。 傍らの桃子の目覚めにはまだ気がつかない様子で、開け放たれた窓の外へと視線を流している。 よく見れば手元も小刻みに動き、ベースの弦を弾いていた。 そして、もっとよく見れば口元も小さく動いて。 『光る遥かな一番星 早足に帰り道』 ようやく明らかになる旋律の原点に、瞠目する。 何もかもが違って見えていた。 そこにいる少女姿は、桃子が知る秋山澪とはまるで違っていた。 小さな声で歌い続ける澪。その姿に何故だか桃子は見入ってしまう。 別人のような彼女の姿に、視線が釘付けになる。 『だけど本当は帰れない 知ってる 未来へ行くだけ』 桃子の知る。オドオドと慌てふためくだけの、心弱い彼女はそこにいなかった。 悲痛な覚悟と共に、傷だらけで泣きながら、無理して強い自分を作って進む少女でもない。 見たことも無い、自然体の振る舞いと憂いを帯びた瞳。そして不安の無い毅然とした表情。 埃や血で汚れた黒髪と傷だらけの制服姿に、『綺麗』という表現が当てはまるのは何故だろう。 そこには今までに無い力強さと、輝きがあった。 桃子はこの時初めて、桃子自身の中の澪のイメージと、憂や唯が話していた澪のイメージが合致したような気がしていた。 「だけど本当は帰れない」 澪は不意にベースの旋律を止めて、その言葉をもう一度なぞる。 瞳の憂いがいっそう濃くなったように見えた。 窓の外を見ていながら、違うものを見ているように。 「……………」 そこで澪の視線がすっと動き、ようやく桃子の視線と交差する。 「…………あ」 次の瞬間には、もう元の澪に戻ってしまっていた。 桃子のよく知る彼女。 照れたような顔で視線を逸らしつつ、ベースを傍らのソファに置いて、 「お、おは……よう……」 そんな、たどたどしい挨拶を告げるような。 ■ ■ ■ 時間の経過と共に、桃子にもこれが現実であることが理解できていた。 そして同時に、状況がいかに異常であるかも実感していた。 いくら記憶を掘り返してみても、 ルルーシュを裏切り、ショッピングセンターを目指して歩き出してからのことが思い出せない。 おそらく体力の限界に達して倒れたのだろうとは思い至るのだが。 「なんで、澪さんがここにいるんすか……?」 それが分らない。まるで道理が繋がらない。 何故澪がここに居るのか? 何故己がここに居るのか? 黒の騎士団に追いつかれたのだろうかと考え、だとしてもおかしいと思いなおす。 東横桃子は裏切り者だ。考えるだけでなく遂に実行に移したのだ。忘れもしない。 ルルーシュを撃ち、平沢憂と銃口をむけ合い。同盟相手の秋山澪すら欺いた。 そんな自分がなぜこの状況で介抱などされているのか。 意識がはっきりとした事によって、脳裏で連鎖爆発のように湧き上がる疑問符と警戒心。 急激な緊張が全身を駆け巡る。 こんな事をしている場合ではない。のうのうと寝ている場合ではない。 ささくれ立つ意識に突き動かされた桃子は両手に力を込め、ベッドから身体を起こそうとして。 「待てモモ! お前まだ……!」 「っ……ぁあぁッ!?」 まるで電流のように全身で弾けた激痛によって、身を跳ねさせていた。 「……ぐ……痛ッ……ぁ……」 絶望的な心地で息を吐く。 なんとか上半身を起こすことは出来た。 しかしそれが限界だった。限界だと確信してしまった。 これ以上の動きは無理なのだと。 証明するように、体にかけられていた毛布が落ちた。 「…………な」 毛布の下にあった身体は服を着ていない。 桃子が自分で脱いだ覚えもなし、誰かが脱がせたのだろう。 けれどそれは重要ではなく、問題はその体の惨状にあった。 「は、ははっ……そういえば、そっすよね」 笑うしかない。 思い出させられた、怪我のことを。 左腕の火傷は悪化の一途を辿っていた。痛みを通り越して感覚すら曖昧になっている。 右肩の裂傷も未だに痛みが引き切らない。両腕、少なくとも左腕はもうまともに機能すまい。 両足は深刻な傷こそ負っていないものの、 ここに至るまでに挫いたのだろう、片足が腫れ上がっていて俊敏な動きなど望むべくも無い。 こんな体で、この先どうやって戦っていけばいいのだろう。 まして、既に敵対した勢力に捕まってしまっているとすれば、状況は剣呑極まりないというのに。 「……ここ、どこっすか?」 桃子は目の前の少女を睨みつける。 狙いはなんだ? 生かしておく理由はなんだ? 何も分らず、抵抗する術もなく、けれど桃子には諦めるという発想は浮かばない。 「ショッピングセンター、だよ」 対する澪は、最大限の警戒を注ぐ目線を真っ直ぐに受け止め、 じっと桃子を見返していた。 言葉を選んでいるようにも見える。 桃子は一旦澪から視線を切り、毛布を身体に巻きつけながら周囲を見渡した。 ぐるりと辺りに目を配り、何か有効な物は無いかと思考を働かせる。 この場所でいったい何が起こったのか、転がされた家具や壁紙はズタズタに切り裂かれており、あげく天井まで破損している。 まるで建物の内側で竜巻でも発生したかのような有様だ。 とはいえ、ざっと見回した結果。 窓からの景色と高度から、ショッピングセンターの内部であるという澪の言葉はある程度信用できる。 しかし、そこまで考えたときに、桃子の中に見過ごせない疑問が増えていた。 「他の……」 「いないよ」 桃子の思考を読んだように、澪が口を開く。 けれどそれは、いつもの調子とは少し違っていて、桃子の視線は半強制的に澪の瞳に戻される。 「ルルーシュさんも、憂ちゃんも、式も、デュオも、ここにはいない」 普段のように目を伏せたりせず、彼女は毅然と、真っ直ぐにこちらを見据えながら―― 「私とモモの二人だけだ。 これ、私が一人で決めて、勝手にやってることだから」 そんな、不可解なことを言ったのだ。 「…………え?」 「そういうことだ。そして、もう私があの人たちを仲間と呼ぶことはない」 ――そう、考えてみれば、やはり不自然だったのだ。 ここに至って桃子を利用しようなど、最早ルルーシュと言えど考えないだろう。 わざわざ裏切り者を追って介抱するような無駄、あの男は実行すまい。 しかも今や桃子の機能は大きく減衰している。ただの死に損ないの危険要素だ。 ルルーシュが知れば間違いなく『利用』以前に『処理』にかかるだろう。 セイバーや五飛を顔色一つ変えず死に追いやった手腕を忘れはしない。 桃子にははっきりと断言できた。 黒の騎士団には桃子を助け、生かしておく理由がない。 となると、澪の言葉通り、黒の騎士団はここにいない。 この不可解な状況は秋山澪の独断、という事になる、のだが。 「なに……考えてんすか……?」 それは、より不気味な事態だった。 なぜなら澪の言葉を全て額面通りに受け取ればつまり、 秋山澪はこの瞬間、桃子と同じ立場――裏切り者――になっている、ということになるのだから。 「何を……馬鹿なこと……」 「そ、馬鹿やったんだ。私は」 真顔で断言する澪に、桃子は動揺を隠せなかった。 事実ならば目の前の存在はあまりに愚か過ぎて、馬鹿らしすぎて。 「発信機も潰した。 そろそろあっちも、私が離れた事を知る頃だと思う。 これを証明なんて……出来ないな。でも、私がここにいる理由なんて他にないだろ?」 こんな無駄を、こんな愚かを、ルルーシュ・ランペルージは許すまい、絶対に。 ゆえに彼女が言うように、状況がこんなふうになっている理由は他に無い。 秋山澪はあの集団を裏切ることを選択した。 「じゃあ……つまり、澪さんは自分からルルさんや憂ちゃんを切った……ってことっすか?」 だが信じられるわけが無い、そんな不条理を。 「澪さんは頭がおかしくなったんすか? じ、自分が今どれほど馬鹿なことやってるか、分かって言ってるんすか……?」 澪には桃子と違い、 裏切らなくてはならない切迫した理由など無かったはずなのに。 「マトモな計算が出来れば、決まりきった選択じゃないっすか。 私とルルさん。どっち選ぶかなんて。 それに澪さんは見てるはずっすよ? 私の身体の状態だって……!」 かたや策を常備した男が先導する、武装豊富、人員豊富、戦力豊富で移動手段にも恵まれた黒の騎士団。 かたや片腕を駄目にして、身体は既にボロボロで、ステルスも満足に出来るか怪しい状態の東横桃子ただ一人。 どちらを取るか。馬鹿でも分る二択問題。 それに澪は不正解を叩き出したのだから。多少、頭を疑ってもおかしく無いだろう。 「全部、承知してる」 「じゃあどうして!? 私はこのざまで、澪さんには裏切る理由なんて一つも無くて! 何より向こうには憂ちゃんだって居るじゃないっすか!? なのに――」 秋山澪の心が、桃子にはまるで理解できなかった。 道を別った筈だろう。『さよなら』を告げたはずだろう。 なのに何故、追いかけたりしたんだ、と。いつの間にか声を荒げていた。 「……ッ……」 激昂は痛みに変わり、自らに跳ね返る。 気が高ぶっているのは不気味な状況と、体の状態を知った事による強烈な危機感によるものか。 桃子は痛む腕を押えつつ、蟠る苛立ちをぶつけるように澪へと鋭い視線を投げた。 対して澪は、 「……理由なら、あるよ」 空を仰ぐように視線を逸らし、ぽつりと呟いた。 それは小さく、けれど強い感情の込められた声だった。 「そう言うと思ってたからさ……。 どう説明しようかって、ずっと考えてたんだけど」 いっこうに警戒を緩和させないどころか強める桃子に苦笑いを浮かべ、 言葉を捜すように紡いでいく。 「とりあえず、お前やルルーシュが得意な損得勘定じゃないよ。これは……」 「じゃあ……いったいなん……」 そこで、すっと苦笑いを消した澪は椅子から立ち上がり。 一歩踏み込んで、 桃子の両肩を、傷を気遣いながらもしっかりと掴んで、じっと目を見つめる。 急に身を乗り出して見つめてきた澪に、桃子は口をつぐんで身を硬くするものの、 じっと注がれる真剣な視線をつい、見つめ返していた。 シンと冷えていく空気のなか。 澪はすっと、空気を吸い込んで。 「私には、お前が必要だから。ただ、それだけなんだ」 まるで告白でもするかのように、言い切った。 「――」 「――」 しばし、沈黙。 「…………は?」 しかし全く、全然意味が分らなかった。 桃子は疑念を通り越して、完全に言葉を失ってしまう。 目が点になるとはこのことか。 しかも、キョトンとする桃子をよそに、澪は勝手に慌てていた。 「ん、あ、あれ……? なんか違うなこの言い回し。 ええっと……ちょ、ごめん今のなしっ!」 「なしって……。なんなんすか、ほんとに……」 わたわたと取り乱した澪から、桃子もため息混じりに目を逸らす。 しかし何故だろうか、毒気を抜かれれている己を自覚していた。 澪自身にすら意図せぬ形で彼女のペースに巻き込まれていないだろうか、とも思う。 こんなことは今まで無かった。 桃子が澪を自分のペースに巻き込んで、上手く使おうとしたことは何度かあったけれど。 今みたいに澪に心を振り回されるようなことは無かった。 桃子は毛布の内側、適当な処置をしていたはずの傷口へと『新しく巻きなおされていた包帯』に触れながら、 椅子に座りなおして息を整えている澪をちらりと見やる。 この少女は何を考えているのだろう。桃子にはいよいよ本格的に分らない。 けれどなぜか、訝しむような感情は浮かばなくなっていた。 なんとなく今のやりとりで、目の前の少女が間違いなく桃子の知る『秋山澪』なのだろうと思えたから。 外面を繕って、でも本当は怖がりで、ずっと無理をしている彼女。 桃子には思いもつかない、きっと理解の及ばない理屈があろうとも、あくまで彼女が考えた事だと言うのなら。 脅威は無いのではないか。そんなふうに思えていた。 そして、しばらくお互い黙ったまま、静寂の時間をすごした後である。 「ゴメン、こんなの慣れてないし、やっぱり上手くは言えないけどさ。 ちょっとだけ……長い話を聞いてもらっていいか……?」 ようやく澪が言葉を発した。 桃子はそれに答えないが、元より選択肢など無いだろう、と。 無言の肯定を視線で示していた。 「ありがとう」 澪は椅子に深く腰掛け、思案するように天井を見上げる。 その目に、熱が灯る。 桃子はそのとき不意に、一つの予感を得ていた。 多分、これより語られるのはきっと、 とても平凡で、そして目の前の少女にとって、一番大切な物語なのだろう、と。 「――私には、一つだけ夢があったんだ」 ■ ■ ■ 語られたのはなんのことは無い、ただの何気ない日常だった。 友人と出会い、共に交流して絆を深め合う。 ただそれだけの当たり前の日々。けれど輝いていただろう世界。 少なくともそれを語る澪の表情は、これまで彼女が見せたどの表情よりも明るく楽しげだった。 ただの思い出話。 そう語った澪の前置きに偽りは無く。 記憶をなぞるように、少女は個人的な話を続けていく。 友人を一人、また一人と語りながら。 平等に、優劣のつけられない宝物なのだと澪は言った。 「楽しかったんだ……」 毎日がカラフルで、決して彼女を飽きさせない。 それまでの人生が退屈だったわけでは無いけれど、高校生活は別格だったと言う。 桃子も同じような思いを知っていた。 忘れはしない。確かに高校生活は別格だった。 桃子の全てが一変したのも、澪と同じような時期であった。 「でも、楽しい思い出はここまで」 展開は一変する。 ずっと続いていくはずだった日常は非日常へと急転していく。 ここからは誰もが知っている物語。 秋山澪にとっての悲劇の始まりだった。 最初に死んだのは後輩だった。 次に死んだのは親友だった。 狂気の果てに殺されたという友人。 桃子も現場に居合わせていた、少女の死。 そして、何かを捨てていた誰かのこと。 ありきたりな、宝石のような日常は、あっけなく砕かれた。 「私には、一つだけ夢があったんだ」 子供じみた夢だけど、と澪は笑う。 「軽音部に入ったばかりの頃、律のやつがホワイトボードに『めざせ武道館!!』 なんて、書きこんでさ」 思い起こせばちっぽけで、現実感もあったもんじゃなくて。 遠く離れすぎている、だけど確かに、そこにあった夢の欠片。 「でも私の夢は、気が付けば終わっていた……」 叶える前に、噛み締める暇もなく。 「……だから澪さんは戦っていたんすか?」 自然と、桃子は尋ねていた。 思い返してみれば、澪に戦う理由を聞いたのはこれが初めてだった。 最初に会ったときも、同盟を結んだ時も、お互いに語ることは無かった。 知る必要も無いことだと断じていた。 「違うよ、そんな理由じゃない」 澪は首を振る。 「私はみんなの為に戦ってなんか、ないよ。 こんなこと、誰も望まない」 窓から吹き込んできた海風が、澪の黒髪を揺らしている。 「私は自分のために殺した。 誰かのせいとか、誰かの為じゃなくて。 身勝手に、皆に生きてて欲しいと思うから、人を殺したんだ」 実体の無い『魔法』に縋るほどに、欲しい物があった。 誰かを殺してでも、取り戻したい夢があるのだと。 「そして、まだ私は止まる気なんて無い 誰になんと言われようとも、やり遂げるまでは進み続ける。そう決めたんだ」 『戦い続ける』と、少女は相貌で戦意を告げる。 「言い切るよ。私の目的は優勝だ。 私の起源は『畏怖』と『逃避』の二つ。 それでも、色々回り道をしたけれど、もう迷わない」 もう一度、古い椅子から立ち上がる。 「集団から離れた時に持っていいた装備。 福路美穂子を殺した後に奪ったディパック」 ディパックをひっくり返して武装を床にぶちまける。 更に、内の一つ、片手に握ったコントローラーのようなものを操作して。 「そして機動兵器、ヴィンセント」 次の瞬間、澪が眺めていた窓の向こう。 甲高い駆動音と共に、金色の機動兵器が現れる。 風圧でカーテンと、澪の黒髪が激しくはためき、流れ。 「これが今の私の全戦力。手札の全てだ」 そうして、秋山澪は手を差し出した。 「契約をしよう、東横桃子」 桃子はその手をじっと見つめながら、続く言葉を待つ。 「私は全てを背負って行く。罪も痛みも、捨てたりしない。全部持っていく。 そうじゃないと私は、どこにもいけないまま身動きが取れなくなってしまうんだ。 だから……私はいま『進む』為に、お前を選ぶよ、モモ。 騙し合いも、化かし合いも、もういらない。 もしもお前がこの手を取ってくれるなら――私はお前を全力で信頼する。 私とお前、最後の二人になるまでは、一方的に味方だと思い続ける」 お前がどう思おうとも、と澪は告げた。 共に戦い、共に生き残り、そして最後の二人になった時、死力を尽くして殺し合おう。 それは淀みなく、まっすぐな契約。 見つめ返して、桃子は一言だけ問うた。 「それ……もしも憂ちゃんと戦う事になったら、どうするつもりっすか?」 その言葉。 陥穽を突くであろう指摘にも、 「その時は、戦うだけだ」 最後まで、秋山澪は揺らぐことが無かった。 ■ ■ ■ 「…………はぁ……」 ショッピングセンターの廊下の壁に背をついて、私は一つ息を吐く。 緊張から解放された安堵。 次に進む為の新たな緊張感を取り戻す為の禊。 色々な意味を兼ねた一息だと思う。 モモは『少し一人で考えさせて欲しい』と言った。 だから私はこうして、家具屋の外で彼女の答えを待っている。 「これから、どうなるのかな……」 この道を進むと決めたけれど、先のことに対する不安は尽きない。 そもそもモモが私との共闘を断った場合とか考えてなくて。 やれやれ、我ながら馬鹿なことをしてるよな。苦笑いばかり浮かんでくる。 「でもま……いいか」 だけど今はそれでいいと思えた。 迷った結果、私が選んだのはすべての手札をモモに明かすことだった。 偽らず、『思い』、『目的』、『戦う手段』、『起源』すらも、全て彼女に明かした。 これは一種の賭け。 ハイリスクーローリターンの、だけど私にとっては大きな意味を持つ。 負ければ私はこれ以降たった一人で戦う事になるし、 勝ったところでモモの言う通り戦力的に弱小のまま変わらない。 不安が尽きない事態は、なに一つ好転しないのだ。 「でもその時は、その時だ」 だけど、どうなろうと、やることは変わらない。 私は諦めるつもりも無い。 そして少なくともこの選択に、何一つ後悔は無いのだから―― 『―――では、これより――』 「ああ、そっか。もうそんな時間なのか」 不意に、耳に届く声。定時放送。 この殺し合いに、一つの区切りをつける鐘の音が鳴っている。 声は無機質な少女の声から、重苦しい男の声に変わっていた。 色々なことを考えるのは後回しにして。今だけ、私は自己に埋没する。 『死』を想う。 「そっか、死んだのか」 どこまでも澄んでいた、蒼の瞳を想起する。 私はいま、当たり前の死を聞いた。 私が無残にも、容赦無く摘み取った命の名前を告げられた。 「そっか……死んだのか、二人とも」 一人の少年と一人の少女が織り成した、力強いあの言葉を思い出す。 私はいま、壊した心の死を聞いた。 それはかつての希望の光。 なのに、私自身が黒で塗りつぶした、正義の味方達の終焉。 「ああ――」 背中を付けた壁の冷たさで、全部誤魔化してしまおうとして、やっぱり出来なくて。 私の頬を何か熱いものがつたっていく。 しょっぱい物が頬の傷口を抉り、痛みを刻み込んでいく。 その行為がいったいどれほど罪深いか、私は理解しているつもりだ。 この期に及んで壊したものを尊ぶなんて、なにより卑怯者のする事だ。 「……ふ…………ははっ……」 だから私は嗤う。 小さく、薄く、ぎこちなく、それでも嗤った。 『ざまあみろ』と。『私の勝ちだ』と。『これが理想に溺れた者達の末路なのだ』と。 そうやって嗤って。 せめて、散っていった彼や彼女達が、私を悪だと断じる事が出来るように。 決して、私を哀れむことなど無いように。 「……ふっ……うっ……くくっ……」 そうやって、砕け散りそうな自分を保っていた。 泣き笑いの私は、背中に新たな重圧を感じ取る。 いま、背負うものが増えたのだと、私はそう思うのだ。 のしかかる重圧こそが、今ここに秋山澪を立たせているから。 ああ、だから私はいま、こんなにも不確かなものに縋っているのか。 ■ ■ ■ 「…………はぁ……」 澪さんが部屋を出て行って暫く後、私は一つ息を吐きました。 緊張感から解放された安堵。 思考を次に進める為の禊。 色んな意味が含まれた一息だったと思うっす。 難儀しながらも着替えを済ませてから、目に留まった椅子に腰掛けました。 先ほどまで澪さんが座っていた椅子。 ぎしっと嫌な音を鳴らしながらも、私の体重を支えています。 私はそこから彼女が見ていたモノを追うように、窓の外を眺めました。 「やっぱり……綺麗っすね……」 窓の外では朝日が昇っていました。 そういえば、ちょうど一日前っすね。 先輩の死を聞かされたのも、こんな朝でした。 そして今は―― 「そっか、あなたも……」 鳴り響く放送で、先輩を殺した人の死を、聞いていました。 「浅上……藤乃……」 始めて、意志を込めて、その人の名前を口にします。 私から先輩を奪った人。 彼女には言い尽くせないほどの思いが在ったはずなのに。 溜め込んでいた全てを吐き出すつもりで呟いたその名前には、もうなんの熱も存在しませんでした。 確かに、在った筈っす。 胸の奥で滾り沸き立つような狂熱。 それはもしかすると恋慕にも近い情の塊。 溜め込んで、溜め込んで、決して表には出てこないように押さえつけていたモノ。 だけど、彼女が死んだと聞かされた瞬間、すっと身体から抜け出してしまって。 それはあまりにも唐突で、アッサリで。 私は虚無感にも似た心の空洞を感じました。 「変っすね」 もしかすると、浅上藤乃は私の中でその実、大きな核を為していたのかもしれません。 先輩を失った世界で、先輩を奪った人に会うこと、それをわたしは何かの糧にしていたのかも。 そう思うと、急に全てが色あせていくようでした。 結局、私が何をしたかったのか、自分でも良く分りません。 彼女に会うことが出来ればハッキリとしたんでしょうかね。 でももうこれは考えても意味の無いことで。 今ハッキリと言える事はきっと、これで良かったんだってことっす。 これでいい。 私が先輩以外の思いに囚われるなんて、あっちゃいけないことっすから。 だからきっと、これでよかったんすよ。 今の私が考えるべきは、ただ前を見据えて行くこと。 私の戦いは、まだ何も終わっていません。 そう思えるんすよ。 だって、私がこれまで見てきたのは、浅上藤乃一人だけじゃないっすから。 あの朝に出合った、一人の男の人の姿。 終わる事も出来ない夢の果てまで、戦い続けた人がいました。 そしていま、この瞬間。 壁の向こうには、終わってしまった夢を未だにみっとも無く追い続ける人がいます。 「本当に……不器用な人ばかりっすね……」 その人たちに負けたくない。 そう思えるんすよ。 だから、先輩。 私は絶対に、立ち止まったりしないっすよ。 ■ ■ ■ 「モモ、入るぞ」 意を決してドアを開ける。 再び家具屋に踏み込んだ澪が見たものは、 相も変わらずガラリとした、誰もいない店内。 そして、消えた武装の数々だった。 「…………」 どうやら賭けは負け。という事のようだ。 澪はがっくりと肩を落としながらも、 どこかさっぱりとした表情で、もう一度椅子に腰掛けようとして。 「あの、重いっす……」 そこに座っていた桃子の膝の上に、腰を下ろしていた。 「……うわぁっ!」 跳ねるように椅子から離れる。 「あ、あのなぁモモ、居るなら居るって言えよ……」 「ごめんなさい。ちょっと考え事してたっす。 あ、そうそう出しっぱなしの武器とかは全部ディパックに片付けたっすよ」 「ん……そうか……」 自分の位置を奪われていた澪は、周囲に目を配った後、 先ほどまで桃子がいたベッドに腰掛けた。 「それで……答えは聞かせてくれるか……?」 「はい、でもその前に……」 何だろう、と疑問符を浮かべる澪に桃子は言った。 「私からも、ちょっとだけ長い話を聞いてもらってもいいっすか……?」 それは澪にとって何よりも求めていた答えだった。 「ああ、聞かせてくれ」 窓から流れてくる風を浴びながら、桃子は語り始めた。 「――私にも、一つだけ夢があったんすよ……」 ■ ■ ■ 語られたものは澪とは正反対の日常だった。 一人で過ごし続ける人生。 特異な体質を抱えた少女の、孤独な世界。 語る少女の表情には辛みや痛みはなく、諦観があった。 「そんな時に、突然現れたのが先輩でした」 けれどそんな桃子の人生を一変させた人物がいた――加治木ゆみ。 澪もその名前だけは知っている。 名簿に記された名前の一つ、そして既に死んでいる人間だ。 「彼女がわたしに夢を与えてくれたんすよ。 全国に行くっていう――そしてもう一つ……私だけの目標も」 彼女に出会い、桃子は変わったと言う。 桃子曰く、『この世に存在しなかったわたしを見つけてくれた人』。 初めて自分の存在を求めてもらえた瞬間。 嬉しかった。涙が出るほどに、心が震えたのだと。 存在する理由が与えられたのだと、桃子は語った。 「だから私の目的は先輩の蘇生。ま、優勝っすね。 ついでに起源は『孤独』。 私はもう、先輩以外は何も要らない」 必要なものはただ一つ。 だから、あなたの心はいらないと。 「そっか……」 「はい。澪さんの信用なんて、私には全く必要ないっす」 きっぱりと言い切って、椅子から立ち上がる。 「それでも力をくれると言うなら……」 そして、今度は桃子が澪へと手を差し出した。 「いいっすよ。結びましょう、その契約」 信頼なんて要らない。情なんて要らない。 少なくとも私は絶対に渡さない。 だけど力は欲しいのだと。 そんな身勝手な言葉を告げながら。 「私を信頼したいのなら、勝手にすればいいっすよ。 何の責任も持ちませんし。 最後の二人になるとか、私は特に関係なく裏切っちゃうんで」 それでもいいんすか? と、桃子は薄く笑った。 「ああ、好きにしろよ。私は私の好きにする。 もちろん、簡単に殺されてなんかやらないけどな」 澪も笑い返して、その手をとった。 結局この形になっている。逆転されている。 やっぱり主導権は握れないんだな、と苦笑いを止められない。 だから代わりに、澪からも一言言ってやろうと思った。 「それじゃ、私が殺すまではよろしくな。モモ」 「ええ、あなたが死んでしまうまでは、せいぜい頑張って下さい。澪さん」 秋山澪の事情を明かして。東横桃子の事情を知って。 澪には一つだけ分ったことがある。 と言っても、これは至極当たり前のことだけど。 秋山澪と東横桃子の二人は、最終的には殺しあうしかない関係だ。 この問答はそれを再確認し合っただけなのだ。 それでも、と澪は思う。 確かに得たものがあった。 やっぱり、この選択は間違ってなかったのだと確信できた。 この少女と共に戦う道を選んで良かったと。 なぜなら今この時、澪の胸の中に暖かいものがある。 それは勝手な自己満足のようなものだ。 ここに自分と似たような事情で戦う者がいる。 決して共存できない夢を持ちながらも、同じような思いを抱えて生きている。 共に戦うことが出来る。 それは何よりも澪を勇気付けてくれるのだ。 いいじゃないか。ギブアンドテイクだ。 澪は心の上で、桃子と共に戦いたいと思っている。 桃子は力の上で、澪を利用したいと思っている。 お互いがお互いに欲しいものを提供できるのだから。 「契約完了だ」 繋がれた手を軽く振る。 『殺したくない』だなんて、今更考えるのは相手にも失礼だろうと思う。 けれどもし、両立する目的を持っていたならばきっと、『頑張れ』って、言っていただろう。 秋山澪はいまだ、そんな甘いことを考えながら。 それでも、どこか吹っ切れたような笑顔を浮かべていた。 ■ ■ ■ こうして、私達は行動を開始しました。 と言っても、主に動くのは澪さんのお仕事で、 怪我人の私は暫く家具屋の中で待機っすけどね。 私も澪さんも発信機を潰したとは言え、通信機はまだ持ってるわけで。 これを使えば連絡は取り合えるっす。 とはいえ私も手持ち無沙汰っすから。 「んっと、どれどれ……」 こうしてベッドにねっころがりながら、お勉強の時間っす。 「まあ、分っちゃいましたけど、普通にむずかしそうっすね……」 ナイトメアフレームのカタログ。 澪さんにお願いして、見せてもらってます。 今の私の状態を差し引いても、使いこなすのは難しい。分ってるっすけど。 例え使いこなすことが出来なくても、戦略に組み込むことは可能なはず。 戦力として多大な力を持つことだけは間違いないっすからね。 私達は、所詮ただの女子高生二人組。 普通に力勝負したところでまず勝てない。 だから使えるものは、精一杯応用して戦いを有利に進めないと。 澪さんが福路美穂子から奪ったペリカとわたしが黒の騎士団から奪取したペリカ。 合わせて五億を超える膨大な戦力資金。これらを使いこなして戦うこと。 今の私達には、もうそれしかないっすから。 と、そこでふと、自分の思考の違和感に気がつきます。 「……『私達』……っすか……」 なぜだか笑いがこみ上げてきて、考えが止まってしまいます。 「まだ、そんな事が言えるなんて」 もう全部捨てた筈でした。 意図せず築いてた絆を全部砕いて、信頼なんて裏切って。 私は、孤独に戻った筈なのに。 たった一人の道を行くのだと、思っていたのに。 「可笑しいっすね」 どうしてか、まだ続いています。 なんだか奇妙な事に、わたしはまだ人と繋がっています。 本当に……不思議っすよ。 『私には、お前が必要だから』 こんなわたしを未だに求める人がいる。 まったくもって、呆れるくらい馬鹿な人。 何をどう考えたらそんな判断が出来るのか。 やっぱり理解できません。 「せっかく振り切ったのに。ほんと、物好きな人っすね」 でも、まあいいか。なんて今の私には思えてしまえて。 先輩を取り戻す為に力が必要なことは確かっす。 利用させてくれるなら徹底的に使わせてもらおうじゃないっすか。 「それに……」 それに悔しながら、認めなくちゃいけないみたいっすよ。 求められる。必要とされる。 この感覚はやっぱり悪くない。 嫌いじゃない。 わたしが本当に求めるものは、あの人じゃないけれど。 『―――おまえの起源は“孤独”だ。東横桃子』 あの時、押し付けるように突きつけられたその定め。 反感を覚えたことも、また確かっすから。 「もう少しだけ……もう少しだけっすよ」 少しだけ、続けてみます。 あと少しだけ。 そう遠く無い未来に、私が彼女を殺すまで―― 【E-1 ショッピングセンター/二日目/朝】 【秋山澪@けいおん!】 [状態]:両頬に刀傷、全身に擦り傷 [服装]:桜ヶ丘女子高校の制服 [装備]:田井中律のドラムスティック、通信機@コードギアス [道具]:FENDER JAPAN JB62/LH/3TS Jazz Bass@けいおん! 、中務正宗@現実 ディパック(一億ペリカ引換券×2、二億一千ペリカ、他諸々詰め込んだ) [思考] 基本:もう一度、軽音部の皆と会うために全力で戦う。 0:戦う為の準備を始める。 1:自分の目的を果たす。 2:最後の二人になるまでは桃子と協力する。 [備考] ※ショッピングセンター付近に、ヴィンセントが止めてあります。 【東横桃子@咲-Saki-】 [状態]:右肩口に裂傷(処置済)、左腕に大火傷(処置済)、右頬に切り傷 [服装]:鶴賀学園女子制服(冬服) [装備]:FN ブローニング・ハイパワー(弾数14/15/予備30発)@現実、通信機@コードギアス [道具]:小型ビームサイズ@オリジナル 、七天七刀@とある魔術の禁書目録、莫耶干将@Fate/stay night おくりびと表示端末、ディパック(五億ペリカ、首輪×4、他諸々詰めた) [思考] 基本:加治木ゆみを蘇生させる。もう、人を殺すことを厭わない 0:戦う為の準備を始める。 1:自分の目的を果たす。 2:優勝する為に、澪と協力する。 [備考] ※なんらかのギアスを仕込まれました。(現在未発動) 時系列順で読む Back 優&愛(後編) Next 前夜祭の黒騎士たち 投下順で読む Back 優&愛(後編) Next 前夜祭の黒騎士たち 288 GEASS;HEAD END 『再開』 秋山澪 わたしとあなたは友達じゃないけど 288 GEASS;HEAD END 『再開』 東横桃子 わたしとあなたは友達じゃないけど
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/915.html
前へ 部室のあるサークル棟までは結構距離がある。 そんな学内を桃子さんを隣りにして歩いていく。 一緒に歩いているとは言っても、この人は決して歩調を合わせたりはせず、気ままに立ち止まって周りを見回したり、そうかと思ったらおもむろにスキップし始めたり。 「あれが僕らの学部棟です。サークル棟はここから反対に図書館の前を通って真っ直ぐ行ったところです」 桃子さんの、そのぷりぷりとした歩き方。 エキセントリックな人だよ、本当に。 でも、そんな桃子さんと一緒に学内を歩くこのとき、僕は正直かなりウキウキとした気分になっていた。 だって、何だかんだ言って、桃子さんってその、やっぱりかわいいから。 そんな人を横にキャンパスを歩くのってさ・・・・ 高まるんだよね。 だから今僕はけっこう嬉しかったりして。 「ふーん、ここがくまいちょーの舞台となるキャンパスかぁ」 恐ろしいことを言わないでください。 「くまいちょーのryって・・・ でも確かにそうなのかもしれないです。早くもその名を学内に轟かせてるし」 「もうそんなに有名なんだw さすがだねーw」 「今も学食にも顔を出さないで、どこで何をしてるんだか。また何か問題を起こしてなければいいけど」 「くまいちょー、忙しいんだね」 「えぇ、なんか毎日飛び回ってますよ。何をしているのかよく分からないことが多いですけどね」 「張り切ってるねー。まぁ、毎年恒例のアレだね。くまいちょー、毎年この季節になると張り切っちゃうからw」 「えぇ、そうですね。もうちょっとして春が終われば落ち着いてくれることでしょう」 だといいんですけどね・・・ 「ここがサークル棟です。軍団の部室は、この5階になります」 「へー、いかにもって感じだね。見て見て。中庭に七輪でサンマを焼いてる人がいるよw」 「昼食を自炊してるんでしょう。この建物には色々な人がいますから」 「学園の大学とはだいぶ雰囲気が違うなあw」 「そうなんですか? まぁここには変わってる人が多いとはいっても、ダントツなのは熊井ちゃんry 雑然としているこのサークル棟に全く似合わないそのピンク色の人がブリブリと階段を上っていく。 なかなかシュールな光景だ。 しかし桃子さん、そのミニスカート姿で前を歩かれると・・・ み、見えそう・・・ 非常に高度な葛藤と戦いつつ階段を上りきり、そこから暗い廊下をすすんでその真ん中あたり右側にあるドアを開ける。 昨日からもぉ軍団の部室となったこの部屋。 そこにあった、いかにも座り心地のよさそうな長いソファーに身を投げ出したかと思うと、そこにちょこんと座る桃子さん。 その(コンパクトな)脚を投げ出すように伸ばし、その膝にこれまた伸ばした手を置いて周りを見回している姿がとても可愛らしく・・・ ・・・って、あれ? なんだこのソファーは? 昨日は無かったぞ、こんな立派な備品。どうしたんだろう、これ。 頭の中に疑問が浮かんでいる僕の耳に、桃子さんの声が入ってくる。 「ふーん、ここがもぉ軍団の部室ね。なかなか立派なものじゃない」 「熊井ちゃんが不法占拠しちゃったんですけどね」 「もともとはどこのサークルの部屋だったの」 「この間仕切りで仕切ってある向こう側は、今でもそのサークルの部屋ですよ。アイドル研究会です」 「アイドル研究会?」 ソファーを立った桃子さん、今度は座椅子の上に立ち上がり、間仕切りに手を掛けて上から覗き込もうとした。 目の前の光景。そう、いま桃子さんはミニスカート姿なのだ。 その彼女が椅子の上で背伸びをして、つま先立ちで向こう側を覗き込んでいる。 今度こそ、その光景に思わず見入ってしまいそうに・・・ 「誰もいないや。つまんないの」 どんな人たちなのか見てみたかったのに、なんて言って笑う桃子さん。 でも、このサークルの部長さんは、そうあの桃ヲタさんだ。 うーむ。会ったりしたらどうなるのか見てみたい気もするが、非常に危険だ。このピンクの人達は僕にとって警戒対象・・・ 「なるほど、いかにもアイドル研究会!って感じの部屋だねー。こういうのは梨沙子の得意分野じゃない?」 普段の物静かで理性的な梨沙子ちゃんしか知らなければ、彼女がこんなヲタ部屋を見たりしたら「あばば、ギャフン」と逃げ出すに違いないと思うだろう。 ところが、もぉ軍団でこの部屋に一番ハマりそうなのが、実はその梨沙子ちゃんなんだから、世の中わからないものだ。 彼女のあの雅さんへの熱狂度合いを見る限り、梨沙子ちゃんならこの部屋の雰囲気にも十分に馴染めると思われる。 いや、それどころか、あっという間にこの部屋のヌシ的ポジションになってしまうんじゃないか? ヲタモードの時のりーちゃんって、とにかくすごいから。 「見て見て。色々なポスターが貼ってあるよ」 そう言って桃子さんが急に振り向いてきた。 おっと、、、僕は慌てて居住まいを正す。 危ない、危ない、、、 ←(何が?)。 僕を見下ろしている桃子さんの、無邪気で楽しそうなその表情。 この人、(見た目は)本当にカワイイな。 ・・・ゴホン。 でも、貼ってあるよって言われても、僕の位置からはもちろん衝立の向こう側のポスターなんか見えないですよ、桃子さん。 部屋の半分を占拠されたアイドル研究会。 備品の整理ももうついたみたいで。 もぉ軍団のムチャ振りを受け入れて落ち着いてくれたことにホッと安心を覚え、どのような感じになったのかな?と、僕もちょっと覗き込んでみた。 おー、大量のグッズ類や本・DVDも壁面一杯に使ってしっかりと収納し直されている。 うまいもんだw ヲタという人種は結構マメな性格の人が多いのかな。 そこに貼ってある一枚のポスターが、僕の目に入ってきた。 あ、僕が好きな5人組アイドルグループのポスター。 その端っこに立っているメンバー。似てるよなぁ。 舞ちゃん・・・・・ 今朝から僕の心を重くしていた苦悩をまた思い出してしまい、思わず顔を伏せてしまう。 だから、そのとき桃子さんがとっても楽しそうな表情を浮かべたのには気付かなかったのだ。 心が沈んでいきそうになった僕の耳に、桃子さんの声が入ってくる。 不意に語りかけられた軍団長の言葉。それは予想外の言葉で、そして、その声はとても柔らかいものだった。 「何か悩みがあるならもぉに話してごらん?」 俯いていた顔をあげると、小首を傾げて覗き込むように僕を見ている桃子さんと目が合った。 その黒く円らな瞳に、意識が吸い込まれそうに・・・ 「舞ちゃんのこと、何かあったの?」 「な、な、な、なんでそれを・・・・ 何で舞ちゃんのことを考えてたって分かったんですか!?」 僕の叫ぶような声を聞いた桃子さんが苦笑する。 「だって、いま呟いてたじゃない。『所詮は男と女・・・ そうか、舞ちゃん!!』って」 また無意識に口に出していたのか僕は。 そんな核心的なことをハッキリと。よりによってこの桃子さんの前で。 「何が“そうか、舞ちゃん!”なの? 何を思いついたのか、その言葉の続きを教えて?」 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/million_live10000000/pages/194.html
亜利沙 はぁ~、番宣のお仕事、やっと終わりました~!お腹がすいてふらふらです…。 桃子 スタッフの差し入れ、桃子達が食べていいよね?…じゃこのお寿司?聞いたことないけど…。 亜利沙 いっただっきまーす!…ほげっ!?なんだかコレ、すっぱいです…。も、もしかして、腐ってたり…? 桃子 亜利沙さんて、味覚が子どもなんだね。桃子は全然平気だけど。…、…やっぱり、ちょっとキツイかも…。 ひなた あたしは好きだよぉ。ばあちゃんがよく、なれ鮨作ってくれてたんだべさ。思い出すねぇ…。 戻る
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/7820.html
憧「聞いてよモモ! 京太郎ったらまた~」 桃子「うんうん」 憧「ダメって言ってるのに止めてくれなくて~」 桃子「激しかったっすね」 憧「それでちょっと危ないかなって日だったんだけど、京太郎がどうしてもっていうから~」 桃子「差し入れしといて良かったっす」 憧「見て見て! 可愛いでしょ♪ ふふっ、赤ちゃんってすごいの。こんなに愛おしくってもう~」 桃子「知ってるっすよ、全部。 ぜ ん ぶ 」 カンッ