約 135,423 件
https://w.atwiki.jp/hengokurowa/pages/38.html
「どうしてこんな事に…」 紅の月が照らす平安京の一画。 錆びた遊具がポツポツと配置されている公園で、一人の少女が憂鬱気な声を漏らした。 塗装の剥がれ掛かったベンチにちょこんと座る少女の名は酢乙女あい。 ふたば幼稚園に転園して来たお金持ちのお嬢様である。 普段は幼稚園児らしからぬ大人びた一面を多く見せている彼女だが、やはりまだ5歳の女の子。 大の大人であっても震え上がりそうな事態に直面し、動揺を隠せずにいた。 これが悪い夢や悪趣味なドッキリなどなら、どんなに良かっただろうか。 けれど、夢と言うには肌に感じる夜風の冷たさと、自分がいる街から感じる異様な気配はリアリティが有り過ぎる。 ドッキリと言うには、殺された少女のから漂ってきた血の臭いと人々の悲鳴や怒声は、決してお芝居などでは無いように思えた。 「しん様…あい、とっても怖いですわ……」 自身が愛してやまない野原しんのすけなら、こんな状況でもマイペースに、漢らしく行動するのだろう。 叶うならば今すぐ自分の傍に駆け付けて欲しい。 だけど、大好きな彼まで巻き込まれて欲しくはない。 俯くあいの心の中で、二つの反する思いがグルグルと渦巻く。 「ねぇ、大丈夫?」 ふと、誰かが声を掛けて来た。 はっと顔を上げると、目に入ったのはあいよりもずっと年上の人物。 橙色の肌に縞模様のツノが入ったような頭髪。 額と頬に施された白いタトゥーという奇妙な外見の少女だった。 警戒と困惑の混じったあいの視線を受けた少女は、相手を怖がらせないようにか両手を上げ、笑顔で口を開いた。 「あー、突然話しかけてごめんなさい。驚いたわよね。でも、私はあなたを傷つけるつもりなんてないわ」 ○●○ 悪逆非道な少女達への怒りはあった。 だけど驚きは無かった。 高潔と謳われたジェダイですら時を経てその在り方を歪め、自らの過ちを認められない傲慢な存在に成り下がる。 強さと優しさを兼ね備えた、「フォースにバランスをもたらす者」ですら暗黒面の誘惑には抗えなかった。 だからそう。 殺し合いを開いた彼女達もまた、本当の正しさを見失った者なのだろうと思った。 だからと言って、殺し合いを見過ごせるかどうかは別問題だ。 ジェダイオーダーは滅びたが、それは自分が戦いを放棄する理由にはならない。 殺し合いの目的が何なのかは分からないし、銀河帝国が関係しているかどうか知る由もないけれど。 (アナキン…。それでも私は、私の信じるものの為に戦う。力を持たない人たちが虐げられるなら、私はそれを止めたい) その信念は今も昔も変わらない。 腰に差した、嘗て誰よりも尊敬した師匠の武器をに一瞬だけ視線を向けると、再度少女へと話しかけた。 【酢乙女あい@クレヨンしんちゃん】 [状態]:健康、不安 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:どうしましょう… 1:目の前の女の人と話をする? [備考] ※参戦時期はしんのすけに惚れて以降のどこか。 【アソーカ・タノ@STAR WARS】 [状態]:健康 [装備]:アナキンのライトセーバー@STAR WARS [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:殺し合いを止める。 1:目の前の少女を保護する。その為にまず警戒心を解きたい [備考] ※参戦時期はクローン・ウォーズ ファイナルシーズン終了後。 【アナキンのライトセーバー@STAR WARS】 アナキン・スカイウォーカーがクローン戦争中に組み立てた二本目のライトセーバー。 青いカイバー・クリスタルを内蔵している。 後に彼の息子であるルーク・スカイウォーカー、そしてパルパティーンの孫であるレイの手に渡った。
https://w.atwiki.jp/potekodevil/pages/51.html
唐突に物語ははじまr Al「要らないことばかり言うからだろ」 R「やだぁもう!いらないお世話だって奥さん!」 Al「(うざい)」 R「そりゃぁね、今は大好きなお父様がいるから情報がいらないってことになったのか!ザンネンザンネン」 Al「うん、よくわかってるね」 R「今じゃお前のこと一番知ってるのわちきじゃね?(悪戯な笑み」 Al「言い方が気持ち悪い」 R「でたでた!」 Al「・・・((豚を見る目((」 R「まあ、お前があの方のところへ行ってよかったよ敵がいなくなって今じゃわちきが独占できてるしィ」 Al「敵?」 R「あー、敵じゃなかったね!sorry!ただの邪魔だったわ」 Al「そう・・・」 R「あれ、どうしたんですか~?」 Al「・・・」 R「いい案だろ?!軍神独占する邪魔さえしなきゃわちきだって天空神独占の邪魔しないし~」 Al「キミが軍神を独占する理由は何」 R「それを答えてボクになんのメリットが(アルちゃんの口調真似」 Al「メリットなんて必要ないだろ」 R「いらない情報ですが?まさに貴女様が求めてない!(大げさに言う」 Al「求めてんだよ、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと言え」 R「ヒャー怖い!2個あるんだなこれが。ラーヴァナとして独占か、魔王としての独占か。どっちがいい?どっちかしか答えないゾ☆」 Al「キミにまかせるよ」 R「じゃあ、答えない!その答え方だと求めてなさそうだしィ」 Al「言えっていってるんだよ」 R「願いが甘いナァ、言葉も汚いし吸血鬼って高貴って聞くけど偽者かね?」 Al「高貴?キミの言ってる高貴な人ってすごいね豚にもやさしいんだ」 R「あれ、惨めで残念なアルrげふんげふんマザコンに優しい高貴な天空神いなかったっけ?あれは高貴じゃないのかにゃあ? Al「高貴にきまってるだろ、何言ってるの?」 R「なんかもう、理由なんてよくね?お前インドラのこと必要なさそうだし。過去に散々遊んだから飽きたろ?」 Al「必要はないけど興味はある、好奇心だよ」 R「あれ、興味、好奇心なんかあったんだ?」 Al「悪い?」 R「母親以外無関心、だと思ってたよ成長したねぇ今更!じゃあ、そのお祝いで喋ってやるかな~じゃあ、魔王として。 軍神、あいつ強いから1に暴れさせない、2に利用、3にわちきの玩具の為 だねいらない情報だったろ?」 Al「だね、思っていた以上にどうでもよかった」 R「だろ?魔王なんてパパの言うこと聞かないといけないし、ラーマ追いかけてくるし疲れるし(小声」 Al「(なんかしょぼいな)」 R「でも、その反面かすみが拒むから楽しいし、アイラーも嫉妬するから面白いし、もともと好意寄せてたやつがだんだん離れていくのがいっちばん面白いね!」 Al「ちょっと悪趣味だ」 R「よく言われるが、お前から言われると思わなかったね」 Al「・・・・・」 R「え、何?お前また狙うの?やめとけー」 AL「・・・」 R「冗談はここまでにして。んで、本当はなんなの?何したいの?」 Al「さぁ。」 R「捻くれもんに戻ったな」 Al「それが?」 R「まあ、いいや。せっかくキューピット役でもしてやろうかなーとか思ったけど本当に興味ないらしい」 Al「うん、大きなお世話ってやつだね」 R「ウィッス。んじゃ邪魔しないでね」 Al「やだ」 R「邪魔しないでね」 Al「いやだ」 R「わちきがいやだ」 Al「ボクも嫌だ」 R「わちきのインドラなんだけど・・・」
https://w.atwiki.jp/inougakuentoshi/pages/352.html
【名前】 宮藤 正治郎(くどう しょうじろう) 【性別】 男 【学年・職業】 高等部一年 16歳 【容姿】 色白の肌にもさもさとした黒い癖っ毛と黒縁の伊達眼鏡が特徴。 身長は160cm代後半。細身でナヨっとした身体の所謂モヤシ。 憑依時は髪の一房が白く染まり、表情は『デスペラード』由来の凶悪なものとなる。 制服はキッチリ着てはいないが極端に着崩してるわけでもない、楽なスタイル。 【性格】 気弱で押しに弱く、流されやすい性質。正義感はあるので、悪事は止めようとする。 オタク。 【能力】 『デスペラード』 黒いモヤ。普段は煙の様に周囲を漂うだけで物理的に何かに干渉する事も出来ず、強い風が吹けば流されるようなか細い存在。 寄り集まって密度を増し、ボールペン程度の太さをした2m程度の一本の触手めいた形態になる事が可能。この状態でなら物に触れる事も出来るようになる。 基本的には白蛇の中に収まっているが、自由に出たり入ったり出来るらしく、宮藤の中に『潜り込む』事で彼の身体を乗っ取る事も。 ただし憑依し操れるのは命の無い死体か、宮藤の身体のみ。 『レッド・リアリティ』 無意識に発動している能力。彼は能力由来の事象などの影響を受けやすく、また人ならざるものの依り代になりやすい。 分かりやすく言えば、とりあえず霊などにとても憑かれやすい。心霊スポットに行くのはかなり危険。 本人に自覚はなく、宮藤自身は自分の事をただの無能力者と思っている。 【概要】 普通に平穏に暮らしたいと思い、日々を慎ましやかに生きようとしている少年。 普通の学校に入学した早々起きたとある事故をきっかけに能力に覚醒(したという事にして)、学園都市に編入してきた。 ゲームも漫画もアニメも映画も好きな広く浅いタイプのインドア派オタク。運動神経も貧弱なもの。 それでも出来れば他人とは悪い関係を築きたくなく、話には合わせようとするし催しなんかも結構参加してる方。 オタク趣味全開の話だけは『デスペラード』とも話がそこそこ合うらしい。 +... 【名前】 デスペラード 【性別】 男 【学年・職業】 不明 【容姿】 不定形の黒いモヤ。たまにサーチライトめいた丸く赤い二つの光を覗かせる。 現在は主に二十cmほどの白蛇の身体に取り憑き、宮藤の首元に巻きついたり服の中に忍んだりして行動を共にしている。 【性格】 喜怒哀楽がコロコロ入れ替わる皮肉屋。悪辣で傲岸不遜、享楽主義者で刹那主義者、死と暴力と楽しい事を好むまごう事なき狂人。 人格は破綻しているが基本的に自分のルールに従う事を是としており、仲間意識の芽生えた相手には友人として殺しは抜きで接する。 【能力】 上記参照。 戦闘に関しては素人ではない。 戦う際には宮藤の身体を乗っ取り、脳のリミット外れた身体能力と痛みを認識出来ない状態で暴れ回る 様々な体術を取り入れた残虐な喧嘩殺法で戦う他にも、刃物や銃、鈍器など一般的な得物からビール瓶、鉛筆などその場にあるものまで大概は武器として使える。 ただし、憑依先たる宮藤の身体が元々の彼の肉体に比べてあまりにも貧弱なため、本来の戦闘力を発揮出来ていない。精々喧嘩のそこそこ強い一般人程度。 【概要】 とある事故を経て宮藤正治郎の精神に寄生してしまった何者か。 多元宇宙論だとか第四の壁とかを真面目に主張する、自称世界線彷徨えるキュートな傭兵。ここは自分のいるべき場所ではないと思っている。 分裂気味のその人格はすっかり磨耗しきっている。主張される正義を嘲り、皮肉と悪趣味なジョークに塗れた世界を嗤い、忌まわしく悍ましい己を呪い憎む狂人。 現在のままならない状況や根っからの傭兵気質に合わさり、戦いに悦びを見出すのではなく殺す事に愉しみを感じるタイプなので、利益の無い無用な戦いは避けたがる。 割とナード気質なところがあり、夜毎宮藤の身体を使って趣味のテレビ鑑賞やゲーム、SNSなどに勤しんでいる。 趣味と知識はかなり偏っており、纏まらない話し方と合わさり遠い昔に出会った一人の少年の人格に多大な影響を与えた。 余談 +... 日常でしか使わないつもりで作ったキャラ。見た目はペルソナ5の主人公をもっと貧相にしたので想像してください。 本格的に動かそうと思ったのは映画のヴェノムを観てから。なのであの辺がモチーフと言えばモチーフ。 頭の中に変なのが入ってもそれ自体にはそこまで動じてない辺り多分黒塚よりもずっとメンタル強いですね。 グッバイ宮藤正治郎。 デスペラードについてはノーコメントです。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18811.html
* * * 町に到着した。 この町は夜であるにも関わらず、明りが消えていない。 眠らない町、とも呼ばれているこの町には 私の勤めている配達屋の総合機関の施設がある。 その施設の扉の前で、私は和ちゃんに配達屋専用のパスを渡された。 これがあると、通常では馬鹿みたいに金のかかる交通機関を 無料で利用できるのだ。 配達屋が唯一持っている特権だ。 「いい? 途中までは馬車と汽車を利用すれば行けるけど、 この町を過ぎると自分の足だけが頼りになる。 食料は手前の町で調達、あとは自分の努力次第よ。 とはいっても、手前の町から歩いて半日程度、あんたなら行けるでしょうね」 と、和ちゃんが地図を片手に色々注意していた気がするが、 特に気にすることもない。私はマイペースを貫けばいいだけだ。 「……聞いてないわね。 まあ、いいわ。あとはこれ、持っていきなさい」 私が受け取ったのは、何かが包まれた紙。 中にはサンドイッチが入っていた。 「憂があんたのために作ってくれたのよ。 今日のぶんの食事は、それで済ませなさい」 「わあ~……。ありがとうって、憂に伝えといて」 わかった、と言う代わりに和ちゃんは背中越しに手を振りながら、 施設の中に入って行ってしまった。 もう少しお見送りしてほしかったのが、正直な気持ちだけれど。 「……さて、行こうか唯」 「ダメだよギー太、まだ喋っちゃ。ここじゃ人目が多すぎるよ」 ギー太もしまった、と思ったのだろうか、すぐに黙る。 周りを見てみるが、気付いた人はいないらしい。 喋るギターを珍しがるのは、当然のこと。 だが、私は興味本位でギー太に触れられるのが嫌なのだ。 なので人目につくところでギー太とは会話しない。 ギー太もそれを理解して、出来るだけ喋らないようにはしている。 このことを知っているのは、私と憂と和ちゃんだけだ。 * * * 町を後にし、馬車に乗り込んだ。 私の身体は馬車の振動に合わせて揺れている。 ここはまだいいが、この先舗装されてない道では揺れが酷くなるだろう。 今のうちにブランチとしての食事は済ませておく。 私は受け取ったサンドイッチの半分を頬張った。 同乗者はいなかった。 少し移動するのにも大金が必要とされているのだから、 一般人が利用できないわけで、当然のことだが、 ギー太に話し掛けるには丁度よい。 「ギー太」 「どうしたんだい、唯」 「澪ちゃんの手紙をりっちゃんが受け取らない理由、 気にならない?」 「おや、キミは他人の私的領域に踏み込むほど、 悪趣味だっただろうか」 「ギー太の口の悪さには負けるよ」 さて、冗談の言い合いはここまでにして。 真剣に考えよう。 幸い、馬車に乗っていられる時間は長い。 馬車がダメなら、汽車に乗りながらも考えればいい。 汽車はさっさと目的地に着いてしまうけれど。 * * * しばらく考えてみた結果、いくつかわかったことがある。 まず一つ目に、“最後のメッセージ”の意味。 今まで五十通以上の手紙を送ったが、これ以降は送らないという意味だろう。 二つ目。どうしても伝えたい言葉は、 今回のメッセージに入っていないということ。 確かに澪ちゃんは“それだけ”と言っていた。 ここからは妥協が読み取れる。 恐らく本当に伝えたい言葉は、 この手紙の中で散々書かれたものなのだろう。 答えはやたら重い鞄の中を見れば、 すぐにわかるだろうが……。流石に、それをするのは憚られる。 予想される言葉は“会いたい”だろうか。 三つ目。これは推測でしかないが、 澪ちゃんはりっちゃんと何らかのトラブルを抱え込んでいる。 もっとも、それがどんなものなのかは想像がつかない。 「分かりきった答えばかりだ」 「ギー太、それこそ分かりきった評価じゃない?」 珍しくギー太が口を噤んだ。 ……口なんてあるんだろうか。 さて、これはどうも答えは簡単に出そうにない。 りっちゃん本人の境遇を理解しないと、 本質は見えてこないのではないだろうか。 そう思っていると、馬車の揺れが酷くなった。 私は座っていた椅子から飛ばされ、床に顔から落ちた。 * * * 次に利用する汽車の駅前で、馬車を降りる。 人は疎らで、特に多くもない。雪も無く、岩肌が露出している。 先程私を床に叩き付けた地面は、やはり塗装されていなかった。 すっかり空の太陽は頂点に達していた。 もうそんな時間だったとは。 次の汽車が出るまで三十分ほど時間があるので、 私は近くのベンチに腰を下ろした。 「ところで唯。一つ、気になるモノがあるんだけど」 「何?」 ギー太が唐突に話し掛けてきた。 前触れのない会話なんてザラなんだから、 唐突なのは珍しいことでもないけど。 「キミは鞄を受け取る前に、 ちょっとした配達物が追加されなかったかな?」 「えー?」 覚えていない。……というと、嘘になる。 これだからギー太は憎たらしくて、意地悪なのだ。 「……冗談だ。何か貰わなかったか?」 「この小袋だね」 あくまで配達物ではない、個人的に貰った物なのだ。 もしかしたら、りっちゃんに渡してしまうかもしれない。 そんな感じの貰い物なのだから、別に配達物ではない。断じて。 「中身は何か、わかるかい」 「……ギー太はさ、さっき私が悪趣味って言ったよね。 もしかして私を悪趣味にしているのは、ギー太なんじゃない?」 「うーん、僕にその自覚は無いよ。 僕がしているのは、キミが見落としている点を指摘しているぐらいだ」 上手いこと逃げおって。 ただ、まあ、私も気にならないことでもない。 試しに“貰った”(これを強調することに意味がある)小袋を揺らしてみる。 中からはさらさらした音が聞こえる。 細かい粒子状の物体が、この袋の中に入っていると推測された。 候補としては、一体何があるだろうか。 例えば砂とかどうだろう。 「この砂を持っていると幸福が舞い降りてきます」みたいな。 無いか。 「ギー太は何だと思う?」 「小麦粉じゃないかな」 「……金輪際ギー太の弦は変えなくてもいいかなと思ってるけど、いい?」 「冗談に決まってるじゃないか、冗談だ」 全く。触った感触は粒々しているというのに。 小麦粉だったら、もう少し固まってしまっているはずだ。 * * * 私たちはやっと来た汽車に乗り込んだ。 結局、その中身に明確な答えは出せずにいた。 最後の最後でりっちゃんに渡した時に見せてもらえばいいだろうか。 「あら、唯ちゃん?」 不意に、座る私を呼ぶ声が聞こえた。 声のする方を見ると、そこには私のよく知る顔がいた。 「おお、お久しぶりだね~! ムギちゃん!」 「ええ、お久しぶり。元気でやってる?」 「うん!」 琴吹紬ちゃん。通称ムギちゃん。 学生時代の親友の一人だ。 外見は学生時代より大人っぽく、きりっとした顔立ちになっている。 世間知らずな節があったムギちゃんも、今では立派な大人の一人ということだ。 「唯ちゃんは今、何をやっているの?」 「配達だよ。澪ちゃんから、りっちゃんへのお届けもの」 「まあまあ! 今日は本当に懐かしい名前が沢山聞けて、幸せね!」 ただ、内面は相変わらず可愛いままだった。 私はそれが半分嬉しくて、半分の半分くらい悲しかった。 残りの半分の半分は、よくわからない。 ムギちゃんは私の正面の席に座った。 私から見て右側の窓の外に、ムギちゃんは釘付けのようだった。 「わあ……。なんか、ただの岩肌なんだけど、 こうして見てみると圧巻ね。どうせならお花畑の方が良いんだけど」 とムギちゃんはクスクス笑いながら言った。 私はそれを真似するように笑った。お花畑は、まだ見えない。 「私ね、汽車に一人で乗るのは初めてなの。 ……あっ、でも唯ちゃんと一緒ね。これじゃまだ初めてにならないわ」 「そんなに一人で乗りたいの?」 「うーん、別に特別望んではいないの。 誰かが一緒に乗ってくれるのなら、それだけで有難いわ」 と言った後、ムギちゃんは一呼吸置いて、 「でも、ただ見えているだけじゃ、悔しいじゃない?」 * * * 汽車は揺れる。塗装されていない道にも 線路は走っているので、馬車に比べれば酷い揺れは無い。 ふと、ムギちゃんなら、何かわかるのではないかという 期待が芽生えた。 「ところでムギちゃん、ちょっとこれ見てくれる?」 私は澪ちゃんから貰った小袋を渡した。 「澪ちゃんから貰った物なんだけど、 中身を見ないで中身を当ててみてくれる?」 「ふふ、難しい問題ね。 これは……何かしら、粒状のものが沢山入っているわね」 始めは、私と同じ見解。私が期待するのは、この先だ。 「ううん……。あっ」 「何か気づいたの?」 「もしかしてこれ、花の種じゃないの?」 私ははっとした。そうだ、花の種。まさにその感触だったのだ。 「そうだよ、きっと! 凄い、私が見つけられなかった答えを、もう見つけちゃった!」 「そ、そんな大したことじゃないわ。ただ偶然思いついただけだし、 本当にそうだとは限らないし……」 思い出せば、澪ちゃんの家では花が育てられていた。 それを考慮すれば、小袋の中身は花の種であるという線が濃厚だろう。 ムギちゃんはあっという間に答えを出してしまった。 これは汽車を降りた途端にギー太に悪態を吐かれそうだ。 「あら、もうこんなところまで。 ごめんなさい唯ちゃん、私、次の駅で降りなくちゃ」 「あっ、そうなんだ。もうちょっとお話ししていたかったのにね」 「ええ、残念。今度また会いましょ」 汽車は駅に到着した。ムギちゃんは胸の前で、小さく手を振りながら下車していった。 窓から見ると、駅のホームからこちらに手を振るムギちゃんが見えた。 こちらも振り返す。汽笛が鳴り、汽車は出発した。 そういえば、もう少しでお花畑に到着することを言い損ねていた。 * * * 終点。私はここでついに下車をした。 ここからは、自分の足のみが頼りとなる。 ムギちゃんと別れた直後、車内でサンドイッチを口にしたので、 お腹は空いていない。 空気は暖かい。 駅の周りには、先程の一面岩肌とは対極的に 花畑が広がっていた。 花畑の間に整備されている道が敷かれている。 ただ道幅が狭いせいで、馬車などは走れない。 故に自分の足のみが頼りとなるのだ。 汽車を利用する人は多くなくとも、ここは人が集まっていた。 何故だろうと思っていると、なるほど近くにレストランがある。 外装も内装もセンスがある。内装は窓から覗ける範囲でしかないが。 きっと味も最高の質なのだろう。 とはいえ、先程言ったように、私のお腹は空いていない。 少々後ろ髪を引かれながら、私は道幅の狭い道を進んでいった。 * * * 「唯、思ったより呆気なく答えは出たようだね」 ギー太が周りに誰もいないことを確認し、喋りだした。 この後は想像通りの悪口が聞けることだろう。 「残念ながら、ずっと小袋を持っていたキミよりも 初めて渡された彼女の方が早くね」 ほら。 「でもねギー太。小麦粉よりはマシだよ」 「それは冗談だと言っただろう? キミは冗談と本気も見分けられないのかい?」 「面白くない冗談は、ただの間違えよりも恥ずかしいと思うけどね」 「……キミも言うようになってきたじゃないか、唯」 「信頼関係が築かれただけだよ、お互いに」 私たちはー、見えないけど強固な絆で繋がっているのですー。 心の中で繰り返し言ってみるが、どうやっても棒読みになってしまう。 決して信頼関係が無いわけではないのに。何故だろう。 * * * 町に着いた。目的の町はさらに南にある。 そこへは明日向かう予定だ。今日はこの町で宿をとる。 一部屋だけ空いている小さな宿を見つけたので、 そこに泊まることにした。 配達屋は、交通費は免除されるのだが、 残念ながら宿代や食事代は自腹になってしまう。 なので、この宿が安かったのは有難かった。 部屋の中で少し硬いベッドに寝転がりながら、 ギー太に話し掛けた。 「ねえギー太。私、ちょっと怖いかも」 「怖い? 一体、なにが怖いんだい?」 「りっちゃんの気持ちを知るのが。 もし、りっちゃんが澪ちゃんのことを嫌いになっていたら……」 「さっきまで欲しがってた答えを、今度は怖がる。 随分気紛れな性格なもんだね」 それもそうだね、と私は返事をする。笑いながら言えていただろうか。 勝手なこととはわかっていても、やはり怖い。 けれどこれは仕事にも関わること、解決しなくてはいけないのだ。 「あーあ、ギー太が全然優しくない。 もう寝よっかなー」 「僕が優しいことと、寝ることに何の繋がりが?」 「どちらも私が望むことなんだよ」 「If you run after two hares, you will catch neither...だよ。 僕は、どちらかを選んだ方がいいと思うけれど」 この、けちんぼギー太。もう知らない。 私は枕に顔を沈め、そのまま眠りに入った。 この後、私は本当に眠ってしまったので知らない。 だが、確かにギー太はこう言ったのだという。 「……僕はこれでも感謝しているんだよ、唯」 9
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/3151.html
登録タグ G フォビック 危険度2 画像検索 虫 非常識 画像検索すると部屋の画像がヒットするのだが、画像を拡大してみると壁紙の模様が全てゴキブリで出来ているため虫が苦手な人は注意、出るのはこれだけではなくカーペットの模様がゴキブリのバージョンやバスルームの部屋の模様がゴキブリなどの画像もヒットするため検索する際は注意、しかも通常検索でも問題の画像が上部にヒットするため注意。 ちなみにこの画像は海外の企業の広告であり、この企業はゴキブリホイホイのような商品を販売している。 分類:フォビック、非常識 危険度:2 コメント 説明文拝読しただけでゾッとしました・・・。 -- れいやん (2019-05-11 06 21 06) どこやねんって拡大したらなるほどってなる。本物かな? -- ミジンコ (2019-05-11 16 30 19) oh... -- 太鼓 (2019-05-11 18 10 14) 出てくる画像の関連画像には普通にゴキブリが -- 名無しさん (2019-05-11 21 10 40) ↑大きく写ってるものもあるので注意 -- 名無しさん (2019-05-11 21 11 30) "TEAM"じゃなくて"THEM"では? -- 名無しさん (2019-05-11 21 19 29) 四角くて小さいのは卵…? -- 名無しさん (2019-05-16 19 33 33) うん、"THEM"だね。ゴキブリどうこうよりもこういう集合しててよく見ると細部が細かくゾワゾワしてるのはビクッとするね。一斉に動き出したら悲鳴あげそうだ。 -- 名無しさん (2019-05-19 09 48 39) かなりの恐怖とともにワードの意味が分かるって感じ、悪趣味だという点に目を瞑れば宣伝としては過剰なくらいに効果的だな -- 名無しさん (2019-05-21 21 12 49) ここまで来るとアートだな。 -- 名無しさん (2019-05-22 02 34 31) 少し記事を変えました -- 田中君 (2019-05-22 03 57 59) これは知ってる…だまし絵でも結構あちこちで採り上げられてて有名なヤツ -- 名無しさん (2019-05-22 11 33 56) 訳 奴らを家に住まわせるな -- 名無しさん (2019-05-22 16 12 26) 絶対に住みたくない -- 名無しさん (2019-08-20 12 53 05) 6年くらい前やったと思うけど、この画像をまとめサイトで見た時に何が怖いのかよく分からんなって思って、画像開いて拡大したら数秒後にジェフの画像に変わって心臓が止まりかけた -- 名無しさん (2019-08-20 22 11 57) 住まわせるなったって、いつの間にかいるんだよ! -- 白紙 (2019-08-30 01 23 28) 直訳して「奴らを家に住まわせるな」この画面で言われても、、、 -- 久遠の光 (2019-09-05 21 23 28) 住まわせるなと広告で見たならッ!その時スデに連中はそこにいるんだッ! -- 呂布 (2019-09-06 12 19 39) 自分的には危険度4 -- 74さん (2020-05-06 16 58 39) 意味が分かると怖い画像に載っていました。 -- インド人 (2020-06-27 01 29 04) ↑ 2 同感します。 私のトラウマの一つです -- applepie (2021-02-04 11 06 54) うわぁ... -- ゲーム太郎 (2021-05-25 18 10 06) 猫の近くに… -- ぴぇー (2021-05-25 18 33 35) …吐きそう… -- そるが (2021-08-22 08 50 00) 虫嫌いにとっては地獄絵図な🏠が -- 名無しさん (2021-09-04 16 05 11) ↑7 -- たこ (2023-04-14 22 37 44) 俺も -- たこ (2023-04-14 22 37 58) G「もちろん俺等は抵抗するで。は ん し ょ く で 」 -- 名無しさん (2024-02-22 14 10 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/5052.html
「困りましたね……」 誰も居なくなった主催本部にてノーベンバーは溜息を着いていた。 「置いてけぼりをくらったばかりか、まさかリストラまでされるとは……」 ふと手元を見る。そこには真の主催者達が残した手紙があった。 『今まで、よく働いてくれたから、お前は特別に何もお咎め無しで主催辞めていいよ。てかこれからは俺達の時代だから辞めろ。真の主催者達より』 「……。どうしたものですかね……。まあ他の主催幹部に比べれば、マシなんでしょうが……。 それにしても、今まで働いた分の給料が2000円は安過ぎでしょう」 ノーベンバーは頭を抱える。元の世界に帰ろうとも思ったが、何か転送装置がぶっ壊れてるし参加者として行動するのも気が乗らない。 「はぁ…仕方ありません。今まで安全な場所に居た、ツケが回ってきたのでしょう。参加者として行動する事にしますか……」 そう考えるとノーベンバーは身支度を始めた。 この先、殺し合いに乗ったマーダー等と様々な危険が待ち受けている。備えは憂い無しという奴だ。 「……これは酷い。2000円と煙草3箱しか残ってない……」 しかし主催本部には、ノーベンバーの対価の煙草と2000円しか残されていなかった。 「これはもう駄目かも知れませんね」 その時であった。悪趣味な車が物凄い速さで、主催本部の壁をぶち破って突っ込んで来た。 「ああ……。また世界を縮めてしまった……」 「ストレイトクーガー……。まさか、こんな所で会うとは思いませんでしたよ」 「ん?その声はのーれんばーか!」 「ノーベンバーですよ……」 車から降りて来たのはもの凄いテンションの高く世界最速の男、ストレイトクーガー。 「いやぁ探したぞ!何せお前を見つけるのに世界を50週はしたからな……」 「それで何の用です?」 「スクライドの映画が、また近いうちにやるだろう?だからその宣伝を手伝ってくれ!」 「何故、私が……?」 「カズヤと劉鳳は死んじまったからな……そのかわりだ。いいだろう?同じゲームに出演した仲じゃないか?それに、お前だってDTBの宣伝をすれば3期が来るかも知れんぞ!」 「3期が来ても、私は出演しないと思いますがね……。1期で死んでますし」 いきなりスクライドの宣伝をしろと言われ困惑するノーベンバー。 「それにな、あんぱーさんだってDTBの宣伝を手伝うかわりに俺の宣伝を手伝うと言っているぞ!」 「あんぱーじゃなくてアンバーですよ……」 「私はあんぱーでも無ければ、アンバーでも無い。C.C.だ!」 「?変な事をいいますねアンバー……。それにしてもピザ臭っ」 「だから人違いに気付け!」 「まぁいいでしょう。私も同行しますよ。やる事もありませんしね」 「よし!また仲間が増えたな!」 こうしてノーベンバーはクーガー達と同行する事となった。 【三日目・00時40分/アメリカ】 【ストレイト・クーガー@スクライド】 【状態】健康 【装備】ラディカルグッドスピード 【道具】支給品一式 【思考】 基本:世界を縮めつつスクライドの宣伝をする 1:女性はエスコートする 2:カズマ……劉鳳…… ※今までとは別人です ※C.C.をアンバーと勘違いしています 【ノーベンバー11@DARKER THAN BLACK -黒の契約者-】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】2000円、煙草3箱 【思考】 1:生き残る 2:クーガーに着いていく 3:3期は……無いでしょうね…… ※主催をリストラされました。 ※C.C.をアンバーと勘違いしています 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】大量のピザ 【思考】 1:ルルーシュが居れば合流 2:クーガーに着いていく 3:何故人違いに気付かない…… 4:一応ギアスの宣伝もしとくか
https://w.atwiki.jp/miyabi733/pages/407.html
《Alter・Zeit(アルター・ツァイト)/》 アイコン ゲスト(緑) 年齢 外見20程度 性別 女性ベース 出身 不明 種族 アンドロイド・型番『Alter』オリジナル 身長/体重 161/※黒く塗りつぶされている※ 誕生日/血液型 製造日不明/人工の為何でも輸血可能 特技 あやとりは楽しい 趣味 って何? 容姿 緑髪のゴスロリの女 性格 落ち着きがある/未知の事柄に興味津々 癖 糸があればあやとりしてる 好きな人 ちょっと興味ないかな 好きな物 すき焼きのしらたき・機械のパーツ・過去 嫌いな人 どうでもいいかな・・・ 嫌いな物 悪趣味な黄金色 3サイズ 中ぐらい/普通/普通 武器 BattleStyle Physical参照 能力 Incerta・Tempus 二つ名 再構築されし可能性の分岐 近頃の悩み 知識量が足りない 本質 空気・無・探究心 Profile 虚空の神の手により、存在しているがいないも同然だった『 』が再構築された者。 アンドロイド・型番『Alter』のオリジナルであり、戦闘を目的に作られている。 容姿は緑髪のゴスロリ、少々目つきが悪く、いつも半目。 過去が好きであり、どういったものを見てきたのかに対して強い好奇心を持つ。 それだけでなく、全体的に知識が不足しており、未知に大しては強い探究心を持っている。 不足している理由は虚空の神の手によって再構築された際に抜け落ちたのが理由である。 再構築される以前の記憶は殆ど無いが、虚空の神の姿はしっかりと記憶している。 BattleStyle Physical アンドロイドらしく、体に多数の兵器が組み込まれている。 状況に応じ、その兵器を使い分け、戦う。 身体能力もかなり高く、戦闘センスは相当なもの。 加えて能力「Incerta・Tempus」はその兵器と相性が良く、能力自体も強い為に総合して戦闘能力は高い。 武装『右腕』 指先:(文字通り)ハンドガン、指の数×銃口、よって同時に五回射撃可能、威力は余り無いが癖が無く使いやすい。 掌:ミサイル、単純な高火力兵器、一発ずつしか撃てない、再装填には自らの余剰エネルギーを使って生成する為に時間がかかる。 武装『左腕』 掌:プラズマ砲、チャージ式で段階に応じて威力等が変化、まんまカービィのプラズマ、チャージは意外と隙が多いがビーム兵器に次ぐ威力。 手首(中折れ式):高エネルギービーム兵器、スペースガン寄りの外観をしてる、一発逆転の可能性がある威力、当たれば強い。 能力『Incerta・Tempus』 その能力は時間の逆行、確定している時間を逆さに再生し、可能性を不確実なものへと分岐させる。 対象は範囲指定で自分だけでなく他人、更に『技』も逆行させる事が可能、世界全体を逆行する事もできる、がそれは消耗が激しい。 逆行した場合の記憶の引継ぎは自分のみで、他人は逆行した事も分からずその時の状態にまで戻される。 発動は念じるだけであり、効果は『範囲指定』のものである為に発動までのラグで対象に範囲外に出られると効果が発揮されない。 ので、動き回る相手には偏差で発動する事が好ましい、能力の視認性は全く無いので相手からはどこからどこまでが『範囲』なのか見る事はできない。 能力の使用方法は自らの技を『逆行』させて同じ範囲を再び走らせる他に、生命の危機を感じた場合めいいっぱい自分の時を『逆行』させて数日前まで戻る事もある。 Skill 身体能力『S』 流石は戦闘目的、と言ったところか、かなりの身体能力を誇る。 兵器及び能力を使用せずに素手で猛獣を倒せる程度には強い。 兵器適正『A+』 自らの兵器の使い方を理解し、より良く使う為の技術と知識。 狙いがぶれずに、落ち着いて標的を狙うだけの技がある。 手先の器用さ『A』 あやとりがかなり上手で、その影響か手先が器用。 適当なパーツがあれば組み合わせて何かを作れたりもする。 未知への興味『S+』 未知の事柄に対する強い興味と好奇心。 かなりの怖いもの知らず。 関連ページ 関連イラスト 容姿 +... キャラクター紹介|キャラクター紹介 【ゲスト】 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/masayoshizard/pages/156.html
第20話 「偽・聖杯戦争2」 「話をしよう」 そう言って黒服の男、大天使ルシフェルは、パチンと指を鳴らす。 「何の話かな……俺はこう見えても忙しい身なんだ。手短に頼むよ」 (……俺は八神とかいう魔術師に殺された筈なんだが……。 聖杯戦争で死んだ魔術師の魂は聖杯へと取り込まれると聞いた事があるが……ここは聖杯の中か?) ルシフェルに相対するように立っていたのは、スーツの上に黒のロングコートを羽織った東雲 漸次。 天津における聖杯戦争でその命を散らした魔術医である。 彼は、眼の前に立つルシフェルを胡散臭そうに見つめると、今の状況を思い浮かべる。 「――あれは今から36万……いや、1万4000年前か」 「ぬおっ!?」 漸次が思考の海へと足を浸けた……そんな一瞬の間にルシフェルが目の前に迫っていた。 その瞬間移動とも取れるルシフェルの動きに、漸次は驚きを隠す事ができず仰け反ってしまった。 「おっとすまない。君にとっては明日の事だったか」 「お前……魔術師……いや、そんな気配ではない。 むしろ、人間離れした厳格な気配を感じる……英霊か? いや、英霊以外に考えられない。 俺は、東雲漸次……元セイバーのマスターであり、医者を生業としている魔術師だ。 これは俺の単なる好奇心なのだが……貴方の真名を聞かせて貰えないか?」 「ルシフェル」 「ルシフェル……それは神話でよく耳にする名だ。 大天使ルシフェルか、堕天した後の魔王ルシフェルか……そんな事は俺にとってどうでも良い事だ」 漸次は、不敵に笑い胸元のポケットを探る。 だが、彼のお目当てである常備してる筈の煙草がない事を悟ると、溜息をついた。 「俺はこう見えても錬金魔術を身に着けていてね。 人体錬成でもなんでもござれ――他人(ヒト)はそんな俺をこう噂するんだが……。 噂には尾ひれがついて死者蘇生まで出来るとかなんとか……まあ、死んだ人間なんて蘇生出来ないがね。 だが、そんな俺も煙草だけは錬成出来ない……愛娘の手前、止めようとは思っているんだがね。 仕事の時なんかは特に止められないんだ……そんな優柔不断だから、煙草に関しては錬成できないと俺は思ってるんだが……」 煙草が見つからない――そんな手持無沙汰な様子を見せながら、漸次は苦笑いを浮かべる。 「って、どうでもいい話だったね。すまないね」 そして、彼は笑い飛ばした。 「そんな様子で大丈夫か?」 ルシフェルは、ひょうひょうとした態度で漸次の顔を覗き込む。 「ああ、大丈夫だ。問題ないさ。ところでルシフェルさん。 貴方は、これからどうするんだい? 殺しあえ、等と言われたが……これは聖杯戦争の一環なのだろうかね。 だとすると、随分と悪趣味なものだな……この島には俺達と同じ境遇の人間が50人はいる……まあ、聖杯戦争自体趣味の良いものではないが」 漸次は、足元の石を拾い上げるとそれを再び足元に落とした。 意味のない行為であったが、手持無沙汰だった彼はそうやって気を紛らわす。 「人が持つ唯一絶対の力、それは自らの意思で進むべき道を選択する事だ。 おまえは常に人にとって最良の未来を思い、自由に選択していけ」 ルシフェルは、両手をポケットに入れたまま呟いた。 だが、漸次はその言葉に深く聞き入っていた。 そして、二人の間に沈黙が訪れる。 だが、気まずい雰囲気ではない。 沈黙が終わったのちには、漸次は何かを決意し、ルシフェルはそれを待つかのような穏やかな表情をしていたのだった。 「そう……だな。 俺は医者だ。傷ついた人や病に苦しむ人を放っておけなくてこういう道へと進んだんだ。 俺が聖杯に願ったのは、この世のありとあらゆる病を失くすことだった……その道は絶たれてしまったが。 だけど、潰えたわけではない。俺は俺の救える範囲でいい。傷ついた人間を助けたい。守りたいんだ!!」 熱く語る漸次。 そんな彼にルシフェルは優しく微笑みかける。 「さあ、行こう」 「おお!」 漸次は手持ち無沙汰だった拳を力強く握り頷いた。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4457.html
【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者潜り込む】 -大河達が猿回しと戦っている中、別地点では烏龍達が暗躍していた- ~地下下水道~ マンホールを開け下水道を迷わず突き進む東風とその後ろをついて行く烏龍 「凄いな豆腐…お前こんな道を知ってるのカ?」 「まぁな…昔に下水管の仕事もしてたからな」 「さながらマ○オみたいネ…キノコ食べたらでかくなるかナ?」 「いや、ならねぇよ…っと着いたか」 曲がり角を曲がった所で二人の前に重厚な扉が立ちふさがる 「オイ豆腐~これじゃ通れないじゃないカ」 「まぁ、待てよ…おーい富士見、キョン居るんだろ~?」 そう東風が叫ぶとコンクリにヒビが入り床から 「呼ばれて飛び出て~!」 「じゃじゃじゃ…じゃん…」 二人の人間が現れてポーズを取っている。 「えーと東風…いつの間に彼女出来たネ?」 「生憎だが地面から出てくる彼女は無ぇよ…コイツらは俺の契約都市伝説だ」 「私はゾンビの富士見宜しくねっ!」 「キョンシー…のキョン…」 対象的な死体コンビがポカーンとした烏龍に自己紹介をする。 「とりあえず二人共…仕事だ。その扉の先と此処を繋ぐ穴を掘って欲しい」 「アイアイサーだよ!」 「了解…」 先ほど出てきた割れ目に戻り土を掘り進める二人…そして慣れているのか少ししか経たない間に簡易トンネルが出来上がる 「お~この短時間で凄いネ!」 「アイツ等は疲れ知らずだからな…さて行くぞ」 トンネルを通り抜けてその先のへと進む四人 ギギギ… 「ん、何の音アル…」 「風の音とかじゃないか?」 周りを見渡すと有るのは趣味の悪い石像、段ボールや電源パネルがあるだけで特に変な部分は無い 「そうですよ~御主人早く行きましょ~」 「………静かに」 富士見が急かすが、その時キョンが小さく呟いた ガサッ…ギギ…ギッ 「そこアルっ!」 音の出所に燃える鴉を飛ばす烏龍 「熱っ!」 「居た……敵」 「チッ…バレちまったか。それならいっそ派手に殺らせてもらうぜぇ!行けっ…ガーゴイル」 燃え尽きた段ボールから迷彩柄の服を来た男が現れ号令と共に悪趣味な石像…ガーゴイルが動き出した。 ギギギ…ギガガッ 「地下にまで見張りが居たのかよ…」 台座から飛び立つ数体のガーゴイルを見ながら四人が身構える 「フッフッフ…俺の冴え渡る勘に捕まった不運を嘆くんだなぁっ!」 (警備がダルいから猿に任せてサボってただなんて口が裂けても言えねぇぜ…フゥ) 「不運扱いとか冴え渡る勘とか…アイツ死亡フラグ建てまくりだよね~御主人」 「言ってやるな…その通り何だからよ」 ギギガッ…ムシ…ガギッ…スルナ 富士見と東風を二体のガーゴイルが鋭い石の鉤爪が襲う 「あー…多分硬いから俺がやるわ…富士見はサポート頼む」 「アイサ~…よっと」 わざと鉤爪に突き刺さりに行く富士見 グジュ…という音の後にガーゴイルの高度が富士見の重みで下がる 「さぁ蕩ける程に…燃えあがれ」 ガーゴイルが富士見を振り落とす頃には既に禍々しい炎が眼前に広がっていて… 「ちょっと御主人、火はダメって毎回言ってるじゃんか!」 後に残ったのはチョコレートみたく融けた石像と頬を膨らませる富士見だけであった。 「なっ…何なんだよアイツら、桁が違いすぎるガーゴイル一旦逃げるぞ」 だがその号令に応答は無い…代わりに聞こえたのは 「お兄さん無駄だヨ。あの石鳥なら烏龍が焼いて、壊して、崩したからナ…んじゃナ不運な人?」 鴉の鳴き声と燃え盛る炎の音が聞こえ、黒い足が見えただけだった。 「あひゃ!?…ひでぶっ」 壁に男がめり込み砕けた石像が光となる 「ったく…無駄にロスタイム取っちまったぜ…はぁ」 「休まずさっさと行くね豆腐っ、アカネが待ってるヨ!」 溜め息をつきながら座り込む東風だったが、すぐに烏龍に急かされ立ち上がる 「はいはい…ちょっと貧血気味なんだから休ませてくれよな」 業務用エレベーターに乗り込む三人をキョンシーらしくジャンプで追いかけながらキョンがぽつりと呟く 「……出番無かった」 【何でも屋ミルク・クロウ…奪還者潜り込む】 (続く) 前ページ次ページ連載 - 何でも屋ミルク・クロウ
https://w.atwiki.jp/yuri-mari/pages/52.html
04:一真はアイスピックで氷を削っていた。 ガッシュ、ガッシュ、ガッシュ。 それが手頃なサイズになるとグラスに移し、そこへ酒を注いでいく。 「悪いな」 「いえ」 10:男爵はそれを受け取ると、ちびちびと舐めるように味わい始める。 「……」 「……」 そこは、寂れた酒場だった。 酒があり、電気や水道も通っている。 拠点に選ぶには十分過ぎる好条件の場所だ。 「……」 「……」 会話もなく、手持ち無沙汰な一真はアイスピックでガッシュガッシュとロックアイスを削り始める。 「……」 「……」 カラン、とグラスの中で氷が鳴った。 味わいのある音だが、学ランを着た中学生と三十路の男しかいない酒場では味わいも何もない。 ただ、そこには沈黙があった。 見る者にとっては重い、だとか気不味い、だとかの形容詞がつくであろう。 「……飲まないのか?」 「ああ、はい。ウィスキーボンボンすら無理なんで」 「……そうか」 「……」 「……」 男爵はちびちびと酒を舐めながら、チーズたらを食べる。 「……」 「……」 酒場には家電類の稼働音と、一真が氷を削る音と、グラスと氷がぶつかる音だけ。 「男爵さんは」 「うん?」 「武器は、何を支給されたんですか?」 「原子力空母と搭載機および乗員一式」 「……えーっと、それは凄いですね」 「凄いは凄いが、現在日本海上を漂ってるらしい。ここは山の中で、連絡手段は何もない」 「……つまり、何もないのと同じってことですか?」 「そうでなきゃ、此処に来て火炎瓶なんか作ってないな」 男爵が視線を向けた先には、九十度以上の酒を選りすぐって作った火炎瓶が幾つも置いてあった。 「男爵さんは、人狼が来たらそれで戦うんですよね」 「どうするかな。メンドイ。一真、お前が戦え」 「ええ……?」 そう言われて、一真は困惑する。 「だって、相手は伯爵だぞ。面倒だろ」 「え? 伯爵さんが人狼なんですか?」 「名簿を良く見てみろ」 「あれ、名簿なんてありましたか?」 「教室に置いてあっただろ。ほら」 一真は、差し出されたそれを見る。 「良く見てみろ。こんなもん、humaを殺すのは伯爵しかいないだろ」 「そうですか……? 一応AICEさんからはんぐりさんまで可能性はあると思いますが」 「いや、どう考えても伯爵だろ。番号近いし。こんなもん伯爵がやったに決まってる」 「そうですか……」 男爵さんがそう言うのなら、そうなのかも知れない。 伯爵さんには気を付けよう。一真はそう思い、アイスピックで氷を砕く。 「おい一真、ちょっと伯爵殺して来てくれ」 「ええ……?」 「火炎瓶を投げるなり、アイスピックで一突きするなり、方法は何でもいい」 「でも、村人だったらどうするんですか」 「奴が人狼なら、humaから奪った村人カードを持ってるはずだ。殺してからゆっくりと確かめればいい」 「いや、伯爵さんが村人でも、村人カードは出て来ますよね」 「そんなのは些細なことだ。と言うかこんなもん、伯爵が人狼じゃない訳ないだろ。humaが死んでるんだから」 「はあ……」 そして話すことがなくなったのか、再び酒場は静かな音に包まれた。 【残り17人】 「しかし、こういう格好をしてると、若返った気がしますな」 「そうですか。正直私は、余りそういう趣味はないのですが」 11:提督と05:xiwongが並んで歩いていた。 提督の手には猟銃、xiwongさんの手にはポンプ式のショットガンが握られている。 「それにしてもまさか、こんなことになるなんて。世の中は不思議なことでいっぱいですな」 「そうですね。私もまさか、こんな悪趣味な催しに巻き込まれるとは思いませんでした」 二人は慎重に長銃を構え、森の中を歩いて行く。 ふと、視界に光る何かが入った。 「今、何か……」 「誰かいますね」 xiwongは提督を手で制して、軽く地面に伏せる。 「二人、人がいるのかな」 「euroさまと、yorozuyaさまですね。二人とも人狼、と言う確率は低いと思います。カードを出して、接触してみましょうか」 「そうですな」 提督とxiwongは村人と書かれたカードを取り出すと、慎重に二人へと近付いて行った。 【残り17人】