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BACK INDEX NEXT 611 名前: 妖杜伝奇譚『‡』 ◆NN1orQGDus [sage] 投稿日: 2008/09/22(月) 22 45 27 ID aTaAF3kl 第2話 『路地裏の交錯』 ◆ 「変なのに付き合ったから遅くなったじゃんかー」 深都姫は頬を膨らませる。 折角倭斗と二人っきり――デートらしき物が出来たというのに、二人の闖入者のせいでグダグダになってしまったのでご機嫌ナナメなのだ。 「言うな。俺だって後悔してる」 倭斗は特殊な嗜好の人間が持つ特有の毒気に当てられた頭を振り、ある種の妄想を抱く輩は度し難い、と内心で呟く。 「お前は、あんな風になるなよ」 膨らんだままの深都姫の頬をつついた刹那、大気の鳴動を感じた。 魔の波動が大気を揺るがしたのだ。 それもこれ見よがしに誇示しているのか、隠そうとはしていない。否、隠そうとしていても隠し切れないのか。 深都姫もそれに気づいたのか、眉をひそめている。 「どうするの?」 「此処まで露骨だと……釣りだな。しかも釣り針が見えてやがる」 波動の先を手繰ると、そこは“彼女”を祓ったあの路地裏だ。 「するっとスルーする訳には……行かないよね」 「ああ。アレを放っておいたらまずいな」 倭斗は嘆息し、深都姫を見る。深都姫もまた、倭斗を見る。 二人の視線は絡み合い、お互いの意思を確認して頷いた。 二人は雑踏の人混みを縫うように駆け出す。行き交う人々は闇に紛れた悪の存在を知らずにいる。 倭斗はそれが気にくわないが、それも仕方のないことだとも思う。 人は自分の手の届かない場所については無関心なのだ。 自分は人よりも手が届く場所が広い。放っておければ良いのだが、それが出来ない自分は相当な貧乏性だな、と一人ごちる。 いつの間にやら深都姫が先行している。彼女は仕方なく退魔師をやっている自分よりも正義心が強い。 それは立派なのだが、年相応の幸せを掴んで欲しいと倭斗は思っている。 そんなもどかしい心を持ちつつ深都姫に並ぶと、件の路地裏に勢い良く飛び込んだ。 ◆ 「がぁぁぁーーーーーっ!!」 路地裏には大小二つの人影があった。双方とも、魔の波動……妖気を発散している。それも、強く濃密に。 つまり、夜の住人である。 小さい影が唸り声を挙げつつ、地を踏みつけている。 その振動は大したことはないのだが、地団駄を踏むたびに熱気を帯びた濃厚な魔の波動を発散している。 「いい加減にしないと呼びもしないお客さんが……って、もう来てるな」 大きい影が溜め息を吐きつつ諦め顔で倭斗と深都姫を一瞥する。 「アンタたち……何者!?」 深都姫の鋭い声が路地裏に広がる。 「ふん……自分の名を名乗らずに他人に強要する、か。なかなかのアティテュードだ」 嘲笑にて返されると、深都姫は気色ばむが倭斗に制止される。 「汚ない油をぶちまけられたら放っておけないタチでね。……つか、煽ってんの、オマエラ」 倭斗は冷笑で応じ、鋭利な刃物のような視線で二人を射る。 「うだうだ五月蝿い! 私は……九蓮宝燈の一人! 世界の果てでこの世を呪う……」 「そんな珍妙な名前を勝手につけるんじゃない! それに仲間は九人もいない! ……連れが失礼したな。俺はジン。こっちはメストだ」 ジンは名乗りながらも地団駄を踏み続けるメストをさえぎり、倭斗と深都姫を圧するように、静かに告げる。 「へえ、そいつは結構。生憎と俺達はお前らみたいな夜の住人に名乗る名を持ち合わせてないんだ……悪いね」 倭斗はそう言い放つと、メストを見て目を丸くする。 「おい、深都姫。向こうにお前と同じスケールのがいるぞ」 「倭斗のバカァッ! 私の方が大きいもん!」 倭斗の軽口に深都姫が反応し、ポカポカと叩き始める。 「ちょい待ち。私が、この私が……そんな毛も生えてなさそうなちびすけと同サイズ? ……訂正を要求する」 「へん! 私はまだ成長途中だもんね!」 「はっ! 夢を見たって無駄よ? 絶壁は絶壁のままが運命なのさ」 「そっちこそえぐれてるくせにっ!」 鬼気を揺らめかせながら、深都姫とメストは対峙する。互いに胸を張り、互いに相手を威嚇するように体を大きく見せようとしている。 ジンは小さな二人のやり取りに苦味の交じった笑みを浮かべると肩を竦める。 「どうする? お互いの連れがこんな風だが……殺り合うかね?」 「残念だけど、殺り合う空気じゃないな。」 倭斗は唇を歪ませると、深都姫の襟首を引く。ジンも同様にメストをたしなめる。 「放せ、ジン! このメストさんは小娘に粉かけられて黙ってるようなチンケな根性してないんだ!」 「なにおぅっ! 私だって!」 未だに言い合う二人を無視し、ジンと倭斗は互いに相好を崩す。 「名前を聞いておこうか。俺は菅原倭斗。……覚えておけ、お前ら夜の住人を狩る者だ」 「顔に似合わず鼻息が荒いな。俺は夜の住人のジン。四暗刻単騎って組織のの一人だ」 ◆ 倭斗は未だに怒りが収まらない深都姫の手を引き往来の雑踏に紛れる。 「なんで逃げるのよ! あんなヤツらやっつけちゃえばいいのに!」 「彼処で戦ったら被害がでかいだろ。それにアイツらは……特にあのジンって奴は相当やりそうだ」 倭斗の唇が歪に歪むと、深都姫はそれを見咎める。 「倭斗、笑ってるけど……楽しいの?」 「笑ってる? 俺が? 気のせいだろ」 でも、と言いかけて深都姫は慄然とした。倭斗は確かに笑っていた。陰惨な笑みを浮かべ、その瞳は渇望にも似た光を湛えている。 「ねえ、大丈夫だよね? 倭斗、別人みたい……」 「平気さ。俺は……俺のままさ」 倭斗はぼんやりと輝く蒼い月を見上げ、深都姫の手を軽く握った。 ◆ 路地裏に残る夜の住人は寂寞の闇に紛れている。 「メスト、少しは頭が冷えたか」 「まあね。それにしてもあのちびすけ……」 メストが収まらない怒りの握り拳に力を込めると、青白い炎に似た燐気が立ち上る。 「お前の悪い癖だな。頭に血が昇ると猪突猛進になる」 ジンは溜め息混じりにメストの肩に手を置いた。 「……わかってる。私が怒ってるのはちびっこのせいじゃない」 「じゃあ、なんで怒ってる」 「夜の住人の存在を忘れた人間は腐りきってる。恐れる事を忘れて増長する人間は……嫌い」 「だったら思い出させてやれば良いだけだ。人を喰らう夜の住人の恐ろしさをな」 ジンの乾いた声が路地裏に静かに木霊すると陽炎の様に揺らめくメストの殺気は揺らいで薄くなっていく。 「俺達四暗刻単騎はこの世を呪うために集った。そうだろ」 力強いジンの言葉に、メストは目を閉じて満天の星屑を仰ぐ。 「そうだったね。……憎悪の炎で焼き尽くす為に、ね」 夜の住人達は不穏な妖気の残滓を残しつつ黒檀の闇に溶けるように消えて行った。 ――To be continued on the next time. BACK INDEX NEXT
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松島 検索対象:作家別テキストファイル(『青空文庫 全』2007.10) 検索文字:松[島嶋] ※「松島」「松嶋」を含む行頭を一部表示。 泉鏡花 灯明之巻 「いや、今朝は松島から。」 …… 泉鏡花 神鷺之巻 「おたずね、ごもっともです。——少し気取るようだけれど、ちょっと柄にない松島見物という不了簡《ふりょうけん》を起して……その帰り道なんです。——先祖の墓参りというと殊勝ですが、それなら、行きみちにすべき筈です。関屋ま …… 泉鏡花 醜婦を呵す 男子の、花を美とし、雪を美とし、月を美とし、杖を携へて、瓢《へう》を荷《にな》ひて、赤壁《せきへき》に賦《ふ》し、松島に吟ずるは、畢竟《ひつきやう》するに未《いま》だ美人を得ざるものか、或《あるひ》は恋に失望した …… 岩野泡鳴 神秘的半獣主義 僕がはじめて直觀といふことに思ひ付いた當座、松島の大仰寺へ登つて獨禪を試みたことがあるが、ずツと跡になつてから、人の云ふ坐禪はどう云ふ工合のものかを知りたいと思つて、江州の紅葉の名所、永源寺を訪ふ …… 岡本綺堂 半七捕物帳 33 旅絵師 旅絵師も自分のゆく先を話した。かの芭蕉の「奥の細道」をたどって高館《たかだち》の旧跡や松島塩釜の名所を見物しながら奥州諸国を遍歴したい宿願で、三日前のゆうぐれに江戸を発足《ほっそく》して、路草を食いな …… 岡本綺堂 綺堂むかし語り 仙台《せんだい》の名産のうちに五色筆《ごしきふで》というのがある。宮城野《みやぎの》の萩、末の松山《まつやま》の松、実方《さねかた》中将の墓に生《お》うる片葉の薄《すすき》、野田《のだ》の玉川《たまがわ》の …… 岡本綺堂 鰻に呪われた男 わたくしの家で平素から御懇意にしている、松島さんという家《うち》の息子さんが一年志願兵の少尉で出征しまして、負傷のために満洲の戦地から後送されて、ここの温泉で療養中でありましたので、わたくしの家からも誰か一 …… 尾崎紅葉 硯友社の沿革 (例)遊[#二]松島[#一]記 …… 織田作之助 わが町 他吉の俥のあとからよちよち随いて来る君枝の姿を見て、彼女はむかし松島の大火事で死なしたひとり娘の歳もやはりこれくらいであったと、新派劇めいた感涙を催し、盗んで逃げたい想いにかられるくらい、君枝がいとおしかった。夜 …… 折口信夫 稲むらの蔭にて にお……………………信州全体・羽前荘内・陸前松島附近 …… 北村透谷 三日幻境 狂ひに狂ひし頑癖も稍《やゝ》静まりて、茲年《ことし》人間生活の五合目の中阪にたゆたひつゝ、そゞろに旧事を追想し、帰心矢の如しと言ひたげなるこの幻境に再遊の心は、この春松島に遊びし時より衷裡《ちゆうり》を離れず。幸に …… 幸田露伴 突貫紀行 十九日、夜来の大雨ようよう勢衰《いきおいおとろ》えたるに、今日は待ちに待ちたる松島見んとて勇気も日頃にましぬ。いでやと毛布《ケット》深くかぶりて、えいさえいさと高城にさしかかれば早や海原《うなばら》も見ゆるに、ひた …… 小島烏水 天竜川 湯島大屈曲をしてからは、松島から中部《なかつぺ》まで、直下といつてもよかつた、東岸には中部の大村があつて、水楊は河原に、青々と茂つてゐる、裸体に炎天よけの絲楯《いとだて》を衣た人足が、筏を結んでゐる、白壁の土蔵が見え …… 小林多喜二 蟹工船 最初「実写」だった。宮城、松島、江ノ島、京都……が、ガタピシャガタピシャと写って行った。時々切れた。急に写真が二、三枚ダブって、目まいでもしたように入り乱れたかと思うと、瞬間消えて、パッと白い幕になった。 …… 坂口安吾 わが戦争に対処せる工夫の数々 私が新潟にゐる期間、もう秋になつてから、檀一雄がやつてきた。ちやうど大詔奉戴日《たいしようほうたいび》といふ禁酒の日だから仕方がない、こゝならいつでも酒があるといふ親類の病院で酒を強奪して、海へ …… 坂口安吾 明治開化 安吾捕物 その八 時計館の秘密 瑞巌寺の岸へつけ、一力は松島の漁師に後事を託し、正二郎を残して去った。そこで正二郎は首尾よくイタチ組から離れることができた。さッそく塩竈へとって返して、造り酒屋の聟におさまったのである。 …… 三遊亭円朝 菊模様皿山奇談 医「貴方は何ですかえ、松島見物にお出《いで》になった事がありますかえ」 …… 島崎藤村 北村透谷の短き一生 透谷君がよく引っ越して歩いた事は、已に私は話した事があるから、知っている読者もあるであろうと思うが、一時高輪の東禅寺の境内を借りて住んでいた事があって、彼処《そこ》で娘のふさ子さんが生れた。彼処に一人食客 …… 島崎藤村 夜明け前 02 第一部下 「さようでございます。」と降蔵は同国生まれの仲間の者だけを数えて見せた。「わたくし同様のものは、下諏訪《しもすわ》の宿から一人《ひとり》、佐久郡の無宿の雲助が一人、和田の宿から一人、松本から一人、それ …… 島崎藤村 家 1 (上巻) 東京で送った二年——殊《こと》にその間の冬休を三吉叔父と一緒に仙台で暮したことは、正太に取って忘れられなかった。東京から押掛けて行くと、丁度叔父は旅舎《やどや》の裏二階に下宿していて、相携えて人を訪ねたり、 …… 島崎藤村 山陰土産 無數の島々から成る眺めの好い場所といふと、人はよく松島あたりを比較に持ち出す。この比較は浦富には當てはまらない。松島はあの通り岸から離れた島々のおもしろさであるのに、私達がこゝに見つけるものはむしろ岸に倚り添ふ島 …… 島崎藤村 若菜集 松島|瑞巌寺《ずいがんじ》に遊び葡萄《ぶどう》 …… 島崎藤村 藤村詩抄 島崎藤村自選 松島瑞巖寺に遊びて …… 鈴木行三 菊模様皿山奇談 医「貴方は何ですかえ、松島見物にお出《いで》になった事がありますかえ」 …… 相馬愛蔵 私の小売商道 なお遠く旅行して見聞をひろめ、また大いに旅の興味を感得せしめる必要もあって、西は京大阪、東は仙台松島くらいまでは、多数がすでに見物済みとなっているが、これより遠くの旅行はちょっとむずかしいので、毎年春秋二回、古 …… 田沢稲舟 五大堂 はれて妹背となる日をば、むなしくこゝに松島の観月楼上、三階の端いと近く立いでゝ、糸子は四方をながめながら「ほんとにどうもいゝ景色ですね、これにまさるところは日本にはありますまいね」寝ころんで居た今宮もおきてきて、糸子 …… 田山花袋 道綱の母 かの女はたまさかに來るその手紙を唯一の戀人か何ぞのやうにして待つた。またその來た手紙は、何遍も何遍も出して來ては讀むので皺にされたり汚れたりするのであつたが、しかしそれを丁寧に疊んで、一つ一つ來た日をかきつけて、 …… 太宰治 惜別 それまで田舎の小さい城下町しか知らなかった私は、生れて初めて大都会らしいものを見て、それだけでも既に興奮していたのに、この全市にみなぎる異常の活況に接して、少しも勉強に手がつかず、毎日そわそわ仙台の街を歩きまわってばか …… 辻村もと子 早春箋 まづまづ安着いたしましたこと、ご安心あそばして下さいませ。二日二晩も汽車や船にのりづめでは、臟腑がごちやごちやになつてしまふだらうにと、お母さまはおつしやつて不安さうになさいましたけれど、おもひのほかなんともないも …… 徳冨健次郎 みみずのたはこと 茶の後、直ぐ川を渡って針葉樹林の生態《せいたい》を見に行く。濶《はば》五|間《けん》程の急流に、楢《なら》の大木が倒れて自然に橋をなして居る。幹を踏み、梢《こずえ》を踏み、終に枝を踏む軽業《かるわざ》、 …… 徳冨蘆花 みみずのたはこと 茶の後、直ぐ川を渡って針葉樹林の生態《せいたい》を見に行く。濶《はば》五|間《けん》程の急流に、楢《なら》の大木が倒れて自然に橋をなして居る。幹を踏み、梢《こずえ》を踏み、終に枝を踏む軽業《かるわざ》、幸 …… 徳冨蘆花 熊の足跡 明方にはまたぽつ/\降つて居たが、朝食を食ふと止むだ。小舟で釣に出かける。汽車の通ふセバツトの鐵橋の邊《あたり》に來ると、また一しきりざあと雨が來た。鐵橋の蔭に舟を寄せて雨宿りする間もなく、雨は最早過ぎて了うた。此 …… 富田木歩 小さな旅 姉も妹も帰ったので別れを告げて俥上の人となった。晩春の墨田川を眺めるために俥は堤へ上った。その辺にまだ妹が彳んでいるものと思って四顧したけれども見えない。夜のお稽古にでも行ってしまったのであろう。何となくもの淋しさ …… 直木三十五 死までを語る 水道が引けたり、電燈がついたりしたのも、その頃であるから、市内電車など無論ない。築港、松島間に一線あるきり——私の家は、大阪の東の端近く、学校は市内を離れて、西の方までが、田圃の中、二里以上三里近くもあろう …… 長塚節 旅の日記 其日は後に雨が止んだ。降るだけ降つた雨は地上の草木に濕ひを殘して心持よく晴れた。汽船は定刻に先つて港へついて靜かに煙を吐いて居る。昨日から待つて居た乘客はごや/\と渚に集つた。空は一杯に晴れて日がきら/\と射して居る …… 長塚節 鉛筆日抄 松島の村から東へ海について行く。此れは東名《とうな》の濱へ出るには一番近い道なので其代りには非常に難澁だといふことである。磯崎から海と離れて丘へ出た。丘をおりるとすぐに思ひ掛けぬ小さな入江の汀になつた。青田があつて蘆 …… 長塚節 長塚節句集 一九〇六(明治三十九)年 七月、「炭焼の娘」を「馬酔木」に発表。八〜九月、松島、山形、新潟、佐渡などを約四〇日間旅する。 …… 長塚節 長塚節歌集 2 中 三日、御嶽より松島村に下る途上 中里介山 大菩薩峠 29 年魚市の巻 「そうですね、なんにしても東北の北陬《ほくすう》ですから、さのみ名所、名物といってはござらん、まあ、陸前の松島まで参らなければ」 …… 中里介山 大菩薩峠 31 勿来の巻 駒井に暇を告げる時は、香取鹿島から、水郷にしばしの放浪を試み、数日にして帰るべきを約して出て来た身なのです。それが、鹿島の浦で興をそそられて、奥州松島を志し、「勿来」の関まで来てしまったことが、我なが …… 中里介山 大菩薩峠 32 弁信の巻 それというのは、小名浜までは白雲先生一人旅であったが、あれから道づれが出来たことになっている。一人旅としての目的は陸前の松島へ行くことに間違いなかったが、二人連れとなってから誘惑を蒙《こうむ》ったも …… 中里介山 大菩薩峠 33 不破の関の巻 磐城平《いわきだいら》方面から、海岸線を一直線に仙台領に着した七兵衛は、松島も、塩釜もさて置いて、まず目的地の石巻《いしのまき》の港へ、一足飛びに到着して見ました。 …… 中里介山 大菩薩峠 34 白雲の巻 福島の家老に杉妻栄翁という知人があって、これをたずねてみると、この人は藩の政治になかなか勢力ある一人ではあったが、またよく一芸一能を愛することを知るの人でしたから、白雲のために、その家がよい足がかりと …… 中里介山 大菩薩峠 37 恐山の巻 その一石は、いま現にほぼ証跡をつきとめ得たらしいところのマドロスと、兵部の娘を取押えんがためでありました。目下、松島湾の月ノ浦に碇泊しているところの駒井甚三郎創案建造の蒸気船、無名丸から脱走して来たと …… 中里介山 大菩薩峠 38 農奴の巻 それはさて置き、船はグングン松島湾をあとにして、早くも大海原へと乗り出してしまいました。いずれへ行く目的かはわからないにしても、その針路の向うところによって見ると、北を指している。 …… 中里介山 大菩薩峠 39 京の夢おう坂の夢の巻 読者の便宜のためというよりは、書く人の記憶の集中のために、まず地点を陸中の国、釜石の港に置きましょう。人間のことを語るには、まず地理を調べてかかるのが本格です。陸中の釜石の港に、今、駒井甚三郎 …… 中里介山 大菩薩峠 41 椰子林の巻 甲州の山で泣いた月、松島の浜の悩ましい月も思い出の月ではあるけれど、この豪壮で、そうして奥に限りのない広さから来る言いようのない淋しさに似た心地、それが何とも言えない。 …… 野口米次郎 能楽論 天には寂しく光る秋の月が懸つてゐる。彼等は『羨ましくも澄む月の出汐をいざや汲まうよ』と渚に近寄る。彼等は自分等の浅ましい姿が、月夜の水に映るのを見て恥ぢる。然し眼前の麗はしい景色から、彼等は喜ばしい慰藉を感ずるであ …… 林不忘 丹下左膳 01 乾雲坤竜の巻 「へえ。実はその、松島——へえ、松島見物でございます。松島やああ松島や松島や……」 …… 樋口一葉 琴の音 頃は神無月はつ霜この頃ぞ降りて、紅葉の上に照る月の、誰が砥《(と)》にかけて磨《(みが)》きいだしけん、老女が化粧《(けはひ)》のたとへは凄し、天下一面くもりなき影の、照らすらん大廈《(たいか)》も高楼も、破屋《わら …… 正岡子規 墨汁一滴 自庭妹郷至松島途中 南方熊楠 きのふけふの草花 さて松嶋の雲居は、盗人に取られた残つた金を渡しに立ちかへつたといふから、右の金源三の一条は塵添埃嚢鈔七巻二章にあると、出処までも教えおく。 …… 紫式部 源氏物語 12 須磨 松島のあまの苫屋《とまや》もいかならん須磨の浦人しほたるる頃《ころ》 ……} 紫式部 源氏物語 40 夕霧二 「馴《な》るる身を恨みんよりは松島のあまの衣にたちやかへまし …… 森鴎外 伊沢蘭軒 石田梧堂、名は道《だう》、字《あざな》は士道と註してある。秋田の人であらう。茶山集甲子の詩に「題文晁画山為石子道」の七律、丁丑の詩に「次梧堂見寄詩韻兼呈混外上人」の七絶、庚辰の詩に「題石子道蔵松島図」の七古がある。 …… 森鴎外 安井夫人 そのまたつぎの年に、仲平は麻布長坂《あざぶながさか》裏通りに移った。牛込から古家を持って来て建てさせたのである。それへ引き越すとすぐに仲平は松島まで観風旅行をした。浅葱織色木綿《あさぎおりいろもめん》の打裂羽織《ぶっ …… 山路愛山 明治文学史 吾人をして正直に曰《い》はしめば、世若し福沢君の説教をのみ聞きたらんには、此世に棲息するに足らざる者也。彼れの宗教は詮じ来れば処世の一術に過ぎず。印度《インド》の古先生が王位を棄て、妻子と絶ちて、樹下石上に露宿し …… 横光利一 琵琶湖 私の友人の永井龍男君は江戸つ子で三十近くまで東京から外へ出たこととてない人であるが、この人が初めて関西へ来て、奈良京都大阪と廻つたことがあつた。常人以上に勘のよく利く永井君のことなので、私は彼が帰つてから、関西の印象 …… 与謝野晶子 源氏物語 12 須磨 松島のあまの苫屋《とまや》もいかならん須磨の浦人しほたるる頃《ころ》 …… 与謝野晶子 源氏物語 40 夕霧二 「馴《な》るる身を恨みんよりは松島のあまの衣にたちやかへまし …… 検索結果:416件。 うち、人名・他の地名の分を除外。 公開:2011.3.29 八面玲瓏。 しだひろし/PoorBook G3'99 翻訳・朗読・転載は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. カウンタ: - 名前 コメント
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地獄だ。これ以上の地獄はないと、遠坂凛は心の底からそう思う。 体を循環する血液と言う血液が丸ごと溶けた鉛に置き換わってしまったかのように身体はただただ重く、疾走の息継ぎで酷使した喉は乾いて裂けるような痛みを伝えてくる。 何か考えなければならないと頭では分かっているが、考えれば考えるほど胸の奥で暴れている心臓が鼓動を強めて凛を追い詰めるのだった。 人気のない路地裏に入り込み、凛は歩調を緩めてようやっと少し体力を回復する。 ――兎にも角にも、先ずはこれから何処に向かうかを明確化しなければ。 衣服の調達には、一応成功した。外面を取り繕う認識阻害の魔術の恩恵もあって、これで少しは人目に付いても問題なくなる。 だからと言って、凛は呑気に大手を振って久方振りの娑婆を満喫するような阿呆ではない。そも、新国立競技場のあの惨状を前にしても尚その近辺に留まれる等、とんでもない胆の座りようだ。在り方としては、最早自殺に近い。 恐ろしい戦いだった。聖杯戦争を侮っていた訳では絶対にないが、それでも、あの戦いは凄まじいの一言に尽きた。 どこもかしもも神秘で満ちている、神話の大戦めいた光景が彼処にはあった。 並のサーヴァントであれば最低でも三度は死んでいるような傷を負って尚、知ったことかと暴れ回る黄金の英雄。 奇矯な歌を響かせて敵の動きを止め、止まっている間に撃ち込むと言う恐るべき戦法を駆使した艦装の少女。 深淵に繋がる闇の湖面を形成し、激烈なる大戦争を事実上終結させた魔王の如き少年。 凛が集中して観察していた面子だけでも、これなのだ。にも関わらずあの場には、少なく見積もってもその倍ほどのサーヴァントが揃っていた。セオリー通りの聖杯戦争ではまずお目にかかれない光景だったと言える。虚無の湖面により全員が散開したように思われるが、この近くに残留している者もまだ多く居るだろう。お尋ね者の身としては、そういう意味でもとてもじゃないが長居したいとは思えない。 ――では、何処へ向かう? それが問題だった。何だかずっと前のことに感じられるが、そもそも自分は漸く見つけた新たな拠点を早々に後にし、新たな"最低限、家の体裁を保った"拠点を探すべく動いていた所だったのだ。其処まで思い返すと、今後の方針は自ずと浮かび上がってくる。 "出来るだけ競技場から距離を取りつつ、新しく拠点に出来そうな場所に当たりを付ける事……ね" 忌まわしい偽物に罪を被せ、少なくとも聖杯戦争に噛んでいる人間からの関心を反らす目論見は失敗に終わった。 凛とて、全部が全部上手く行くと思っていた訳ではないが、彼処まで何もかも上手く行かないと一周回って可笑しくなってくる。凛はあの競技場で無駄な徒労と心労を背負わされただけで、何一つ現状を変える事が出来なかった。貴重な時間と魔力を使って、無駄に疲れに行ったような物だ。 そう考えると元凶の偽黒贄、ひいてはそれを生み出したステージ襲撃の首謀者に八つ当たりじみた怒りが沸々と湧き上がってくる。お前達さえ居なければと、そう思わずにはいられない。感情の薪を燃やした所でどうにもならないとは分かっていても、割り切れるかどうかはまた別の話である。 無論、何時までも終わった事を引き摺っていても仕方のない事。失敗は素直に失敗と受け止めた上で、これからその損した分をどうやって挽回していくかが肝要だ。 其処で凛は、行動の方針を元に戻す事が一番だろうと判断した。触手遣いのマスターとの戦闘もあった以上、何処かで暫く身体を休めつつ魔力の回復に努めたい。その為にも、やはり拠点……最悪そうとまでは行かずとも、人目を凌げ、腰を落ち着けられる場所は確保しておきたかった。 「浮かぬ顔ですなあ」 まるで他人事のように、凛から一歩引いた位置で、気怠げな瞳のバーサーカー……黒贄礼太郎がへらへら笑っていた。 その緊張感も責任感も皆無と言った振る舞いに、凛はもう怒りすら湧いてこない。いや、事実、彼にとっては他人事のような物なのだろう。不死の性質を持ち、聖杯戦争にも凛程の執着はない異端のサーヴァント。規格外の狂化ランクをあてがわれるのも頷ける、狂気の権化。彼にも自分の怒りや焦りを共有して欲しいなどとは、今や凛は全く思っていなかった。それは無駄な事で、疲れるだけだと遅まきながら理解したからである。 「……最低限、気だけは張っておきなさい。それとなるべくなら、私の盾になるような感じで歩いて。もう大分離れたとは思うけど、サーヴァントにしてみればこのくらいの距離、殆ど無いも同然だろうから」 あの状況で自分達を追い掛けてくる程余裕のある主従が居たかは定かではないが、警戒するに越した事はない。内に居たサーヴァントでなくとも、外で虎視眈々と待ち受けていた輩が居ないとも限らないのだ。黒贄にアサシンの襲撃を予見するなんて働きは期待していないが、正面戦闘と耐久競争に於いてだけは、この狂戦士はまさに天下一品の怪物だ。肉盾として活用すれば、実質絶無に近い消耗で得意の真っ向勝負に持ち込める。 其処まで考えて、凛は足を一瞬止め、乾いた唇を血が出そうなくらい噛み締めた。 後ろを歩いていた黒贄の歩みが予期せず追い付いて、彼も足を止める。殺人鬼は今、凛の隣に居た。「どうしたのですかな?」と問い掛けてくる黒贄に、凛は「何でもない」とぶっきらぼうにそう返す。此処で要らぬ追及を掛けてこない、掛けようという気にならない所だけは、今の凛にとっては少しだけ都合が良かった。 "……慣れたわね。色々と" 遠坂凛と言う魔術師は、超を付けてもいいくらい優秀な人物だ。 冬木の御三家が一角である遠坂の姓を持つ時点で、家柄が重視される魔術師の世界では誰もが無視出来ない。その上凛は自分の才能に驕って研鑽を怠るでもなく、自分の身に流れる血統に誇りと責任を持ち、より素晴らしい魔術師になるべく前進を続ける模範的な性分の持ち主でもあった。 異世界の 新宿 で行う聖杯戦争と言う舞台設定には、簡単に慣れる事が出来た。然し彼女は――この街に招かれたマスターの中でも一二を争う位に、兎に角運がなかった。戦力面以外は最悪の一言に尽きる殺人鬼のバーサーカーを引き当てた挙句、何一つ自分の思い通りに行かない。聖杯戦争に於いて忌避される民間への露出と不要な殺戮を、出だしから己のサーヴァントの手で行われてしまった。 血と臓物の臭いが常に隣り合わせの、想像していたのとは全く別な意味で過酷過ぎる聖杯戦争。 事実常人なら、最初の大虐殺の時点で精神を病み、首を括っていてもおかしくはないだろう。 然し遠坂凛は優秀だった。聖杯を獲らねばならないと言う想いも人一倍強く、故にその感情を支柱にして、壊れかけの精神を繋ぎ止める事が出来た。そして、それだけではない。時間は大分掛かったし失敗も山ほどしたが、凛はこの血腥い現状に段々自分が順応し始めているのを感じていた。 素直に喜べる事では、無いだろう。それは裏を返せば、真っ当な人間の範疇から現在進行系でどんどん逸脱していることの証左に他ならない。魔術師の中には世間一般に人でなしと呼ばれるような人間も決して少なくはないが、それでも黒贄レベルの凶行に及ぶ者はまず居ない。そういう意味では今の凛は、魔術師基準でも"異常"な精神に成長しつつあるのだった。 ああ、どうしてこんな事になってしまったのだろう。 忘れもしないあの時――今思えば明らかに曰く付きの代物だった――最上のサファイアに手を掛けさえしなければ、自分はこんな冗談みたいな世界に迷い込むは無かったのだろうか。きっと、そうに違いない。何故なら今も手元にある"これ"はサファイア仕立ての宝石細工等ではなく、契約者の鍵。 新宿 と言うワンダーランドで執り行われる、聖杯戦争と言う名のティーパーティーへの招待状。 数百万ぽっちでこんな上物を買えるなんてと喜んでいた自分を殴り飛ばし、ありったけのガンドで蜂の巣にしてやりたい。あの時、凛は"買った"のではない。"売った"のだ。たった数百万円ぽっちで、凛は自分の未来を悪魔に売り渡してしまったのだ。契約者の鍵と言う、代金を受け取って。 『人殺し!!』 走馬灯のように、脳裏に甦る声がある。 『あなたのせいで、皆死んだ! あなたさえ来なければ、皆で楽しく、素晴らしくライブが終われた筈なのに!! 辛かったトレーニングが実を結んだんだって笑いあえたのに!!』 あの時、凛は違うと言った。事実として、それは正しい。 悲痛に叫びながら滂沱の涙を流す少女の仲間達を殺したのは黒贄礼太郎を騙った何某かであって、遠坂凛はあの一件に関しては被害者だった。其処については、何の間違いもない。だが、ああ。それがどうしたと言うのだろう。 本物の黒贄が殺した人間の家族や友人が凛を見たとしても、きっと同じ反応をした筈だ。 要は橘ありすは、そう言った人達の代弁者でもあった。何十、下手をすれば百にも届くような人間が、この世界の何処かで遠坂凛と言う人間……もとい殺人鬼に対して、彼女と同じ感情を抱いている。母を、父を、姉を、兄を、弟を、妹を、祖父を、祖母を、友を、恩師を、返せと哀しみに震えている。 人間は、人の事を声から忘れていくと言う。 なのに凛は、あの時の少女の声を今も頭の中で再生する事が出来る。 それ程までに深く、橘ありすの訴えは凛の心に突き刺さった。返しの付いた針のように、それが抜ける気配もない。 それが抜けた時が、遠坂凛が完全に戻れなくなる時だ。人倫の外にある、人でなしの精神性を手に入れる時だ。そうはなりたくないと、凛はまだ辛うじてそう思う。 そんな事を考えながら歩いていると――どん、と何かにぶつかった。 「痛ってえな! てめえ、どこ見て歩いてやがんだ!?」 人だった。ガタイのいい、凛よりも背の高い男。男とは言っても、歳は凛より下だろう。背は高いが、顔立ちと声の調子を聞く感じは、精々中学生くらいと思われる。 いきなり声を荒げた彼に驚いた様子で、後ろを歩いていた取り巻きらしい少年の一人が彼を止めに掛かった。 「とと、すいません! おい寺坂あ、気持ちは分かるけど誰彼構わず喧嘩売んのは止めろって!!」 「うるっせーぞ村松ゥ! 俺ぁな、今虫の居所が悪いんだよ!!」 ……凛の抱いたイメージは、"典型的な不良学生"だった。親か、或いは学校か。どちらかは分からないが、今の現状に強い不満なり劣等感なりを抱いているのだろう。そのストレスを不良行為で発散する、テンプレートじみた思春期の子供。それは合っていたが、然し厳密には違っていた。 彼らは、黒贄の殺戮とはまた別な、 新宿 を襲った災禍に依って友人を奪われた被害者であった。 時は遡る事数時間前。何ら変哲のない住宅街の一角が、黄金の極光で無惨に焼き尽くされた。犠牲者の数はとんでもない人数に達しており、その中に、少年達がよくつるんでいる友人も含まれていたのだ。正確な安否を確認したくても、爆心地の周辺が警察に封鎖されているからどうにもならない。 やり場のない怒りと遣る瀬無さを抱えながら当てもなくぶらついている時に、彼らはこうして凛と遭遇するに至ったのだった。認識阻害の魔術が掛かっている為、一目見られただけで素性が割れるような事はない。――ない、が。 「はは、謝る事はありませんよ。どうかお気になさらず」 「いや、ホントすんません! ……って、あれ? アンタ、確か――」 何か言いかけた、村松と呼ばれた少年の首が、一瞬にして百八十度回転した。 激昂する事も忘れて、何が何だか分からないと言った顔で、寺坂少年が「あ?」と呟く。次の瞬間には、二人の後ろ側にいた、やはり彼の取り巻きの一人なのだろう少女の頭がスイカのように潰されて、残った少女の首から下がハンマーのようになって寺坂の頭部をやはり果実のように粉砕した。 此処まで、僅か四秒程だ。凶行を終えた黒贄は血塗れ姿で凛へと振り返り、その顔を見て「むむ?」と呟く。 「おや、ひょっとして拙かったでしょうか? 先程工面してやると言われた分を、今殺させて戴いたのですが」 遠坂凛には、少年達に警告する事が出来た筈だ。何を言っているのかと言われてでも、逃げろと口にする事が出来た。 まず人は通らないだろうと思っていた薄暗い路地裏で誰かと遭遇するなんて思わなかった――そうだとしても、やはり警告する事は出来た筈だ。然し凛は、そうしなかった。"殺人鬼・遠坂凛"の動向が早速漏れてしまうのと、少年達の命。それを天秤に掛けた結果、凛は前者の方を重視したのだ。 此処が人気のない路地裏である事。少年達が少数である事。 そして――先程競技場で、その場凌ぎの口約束とは言え、黒贄に"後で人命を工面してやる"と発言した事。後々変な場面でその約束を履行されるよりかは、何かと都合が良い今この時に済ませてくれた方が幾らかマシだ。そんな、凡そ真っ当な良心を持つ人間とは思えない考えの下に、凛は三人の中学生を犠牲にしたのだった。 「……行くわよ」 擦り切れそうな精神を爆速で摩耗させながら、遠坂凛は往く。もう戻れない、"人殺し"の道を、着々と。 その事を、他ならぬ凛当人も実感していた。だって今、中学生達が目の前で殺された時、凛はこう思ったのだ。 自分の行いを嫌悪するよりも先に。仕方のない事だと自分に言い聞かせるよりも先に。 ――ああ、代えたばかりの服が汚れなくて良かったな……と。 【霞ヶ丘町方面(路地裏)/1日目 午後3:30】 【遠坂凛@Fate/stay night】 [状態]精神的疲労(極大)、肉体的ダメージ(小→中)、魔力消費(中)、疲労(大)、額に傷、絶望(中) [令呪]残り二画 [契約者の鍵]有 [装備]いつもの服装(血濡れ)→現在は島村卯月@アイドルマスター シンデレラガールズの学校指定制服を着用しております [道具]魔力の籠った宝石複数(現在3つ) [所持金]遠坂邸に置いてきたのでほとんどない [思考・状況] 基本行動方針:生き延びる 1.バーサーカー(黒贄)になんとか動いてもらう 2.バーサーカー(黒贄)しか頼ることができない 3.聖杯戦争には勝ちたいけど… 4.今は新国立競技場から逃走 5.それと並行して、新たな拠点にも当たりをつけておきたい [備考] 遠坂凛とセリュー・ユビキタスの討伐クエストを認識しました 豪邸には床が埋め尽くされるほどの数の死体があります 魔力の籠った宝石の多くは豪邸のどこかにしまってあります。 精神が崩壊しかけています(現在聖杯戦争に生き残ると言う気力のみで食いつないでる状態) 英純恋子&アサシン(レイン・ポゥ)の主従を認識しました。 バーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)が 新宿 衛生病院で宝具を放った時の轟音を聞きました 今回の聖杯戦争が聖杯ではなく、アカシックレコードに纏わる操作権を求めて争うそれであると理解しました 新国立競技場で新たに、ライダー(大杉栄光)の存在を認知しました。後でバーサーカー(黒贄礼太郎)から詳細に誰がいたか教えられるかもしれません あかりが触手を操る人物である事を知りました 現在黒贄を連れて新国立競技場から距離を取っています。何処に移動するかは次の書き手様にお任せします 【バーサーカー(黒贄礼太郎)@殺人鬼探偵】 [状態]健康 [装備]『狂気な凶器の箱』 [道具]『狂気な凶器の箱』で出た凶器 [所持金]貧困律でマスターに影響を与える可能性あり [思考・状況] 基本行動方針:殺人する 1.殺人する 2.聖杯を調査する 3.凛さんを護衛する 4.護衛は苦手なんですが… 5.そそられる方が多いですなぁ 6.幽霊は 本当に 無理なんです [備考] 不定期に周辺のNPCを殺害してその死体を持って帰ってきてました アサシン(レイン・ポゥ)をそそる相手と認識しました 百合子(リリス)とルイ・サイファーが人間以外の種族である事を理解しました 現在の死亡回数は『2』です 自身が吹っ飛ばした、美城に変身したアサシン(ベルク・カッツェ)がサーヴァントである事に気付いていません ライダー(大杉栄光)が未だに幽霊ではないかと思っています 時系列順 Back 自由を! Next 修羅の道行 投下順 Back 波紋戦士暗殺計画 Next 流星 影を切り裂いて ←Back Character name Next→ 48 明日晴れるかな 遠坂凛 60 第一回<新宿>殺人鬼王決定戦 バーサーカー(黒贄礼太郎)
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450 :ナイ神父MK-2:2016/02/29(月) 00 00 41 日蘭世界 44年ゲート編 その5 ソ連参戦まで 1945年2月のヤルタ会談にてソ連はアメリカからの援助の継続を条件に日本への宣戦布告を承諾、同年翌月には侵攻の為の準備を 完了し、日本に対して日ソ中立条約を破棄して宣戦布告を行った。そしてそれと同時に満州へ対して国境側に集結させていた 部隊を進め奇襲によって準備が整う前に防衛線を突破して侵攻を成功させようとしたのだが、それが間違いだったと知るのは 戦闘を開始して直ぐのことであった。 満州防衛戦 宣戦布告と同時に国境を越えて進んでいた部隊は比較的旧式の多い部隊であり、そんな旧式兵器部隊の一員となっていたT-26と その乗員たちの前に現れた物は、彼らを驚愕させるには十分すぎる物であった 「前方に居るのは日本の戦車か?」 「気を付けろ、最近日本の連中がアメリカの戦車を奪って部隊を作ってるみたいだからな」 「いやアレは駆逐戦車みた・・・お、おい!あれ!」 「どうし・・・」 その言葉を言い切る前にT-26はその装甲を正面から破られ、操縦士を貫通して燃料タンクに着弾車体を爆発四散させた。 彼らが最後に見た戦車の正体はISU-152本来であれば欧州でドイツ相手にその猛威を振るっている筈の最新式の自走砲である、その他にも周囲を見渡せば ソ連軍の乗ったKV-85を日本兵の乗ったIS-3が攻撃していたり、日本の記章を付けたT-34がソ連のT-34を撃破するなどの光景が其処彼処で見られていた 一見するとソ連の精鋭が離反部隊を粛清しているかの様な有様では有ったが、攻撃されているのは列記としたソ連兵であり防衛しているのは 日本陸軍であった。 大陸日本が元の世界から史実の日本に提供したソ連戦車群はこの世界に置いてソ連兵に対する死神と成って襲い掛かっていた。そして、それでも進軍しようとする ソ連兵の前に現れてのたのは、大陸側から齎されたもう一つの死神であった。 「誰でも良い対空砲でアイツを叩き落せ!」 「無茶だ!下手に撃てばさっきの自走砲の二の舞だぞ!」 「くそ、又一両やられた小口径じゃまともに装甲を通らない!」 「ヤバイこっちにく・・・」 射程内に収めた兵士や戦車を次々にスクラップと挽肉に変えながら大陸日本産の攻撃回転翼機「桜花」は攻撃の手を休めずに次の部隊に機関砲を掃射していく そして、その威力は実際に攻撃を行っている史実日本兵からしても凄まじい物であり、乗員の二人も余裕そうに軽口を叩いていた。 「この機体凄いな・・・」 「ああ、実際に納入されて訓練してる間は使えるか心配だったが面白い様に歩兵が狩れるな」 「これも向こうの日本が来てくれたお陰だな」 「しかし、良い物をくれるのは良いんだが可笑しなものまで持ってくるんだよな・・・」 「ああ、あれか、俺はいいと思ったんだがな絵で書かれている分使いやすいし描いてあるのは女だから 男もついつい目で追っちまうだろ?」 「それはそうなんだがな、なんかこう気恥ずかしいというか軍人としてああいう物に現を抜かすの如何かと思うんだよな」 「まあ、説明書の類までああいう絵なのは少し問題だと思うが、向こうには向こうの考えがあるんだろ それより次はあの戦車だ」 「なんだかなあ・・・」 451 :ナイ神父MK-2:2016/02/29(月) 00 01 14 大陸側から持ち込まれた桜花の説明書が所謂萌え絵で手順の絵が描かれていた事に愚痴りながらも攻撃は止めない二人であったが この後多数のソ連戦車を撃破した事で史実では生まれなかったエースパイッととして名を残していくことになる。 ソ連の焦りとドイツ建て直し ソ連の満州戦線が鉄板に置いたバターの如く溶けている頃、ソ連のシベリア鉄道とウラル工業地帯にはそれぞれ日本の富嶽と芙蓉 が派遣され、それぞれ報復爆撃を開始していた高度12000mを優に超える高さからの攻撃はソ連の航空機では対ソすることが出来ず 仮に届いたとしても速度が追いつかないといった自体が多発し、結果的にシベリア鉄道はモスクワ付近まで終点を物理的に縮められて ソ連の極東方面への援軍や支援を大いに遅れさせ、ウラル工業地帯への気化燃料爆弾と地中貫通弾の投下に寄って工場の土台や地下倉庫 に至るまで破壊されたソ連は生産能力を大きく下げることと成る。 当初は多数の犠牲を出しても最終的に数による圧殺が出来ると考えていたソ連はバターか砂の城の如く崩されていく自国の極東方面軍に危機感 を覚え、急いで援軍を送ろうとしていた、しかし、輸送の為出発した列車は富嶽の爆撃によって欧州側から引き抜いた主力と物資を巻き込んで シベリアの大地の肥やしとなり終点が欧州に近くまで後退したことによって長い距離を陸路による移動で送るしかなくなっていた。 ソ連の主力が盛大に爆発し、更に多数の部隊を欧州から抜かれたことはドイツにとってチャンスとなり廃墟となったポーランドに強固な防衛線を 構築しなおしたドイツ軍は残り少ない戦力を上陸した連合軍へと割り当て連合軍に対抗、この際にアメリカ軍が日本の西進を恐れて本土防衛や ハワイ防衛の為に戦力を戻していたことが災いして敗退を重ね、4月には完全にフランスを奪還されてイタリア半島を除く欧州本土からたたき出されている。 尚、日本の活躍によって齎されたこの勝利はドイツで大きく取り上げられ、ヒトラーも大絶賛して士気が上がったと言う副次効果を出した。 樺太占領とソ連太平洋艦隊の受難 陸での防衛がほぼ完全に防衛に成功したと判断した日本軍は訓練を終了したサウスダコタ級とヨークタウン級をウラジオストク派遣しソ連の太平洋に置ける戦力の撃滅を 目指して進軍を開始した、これをスパイによって把握したソ連軍であったが、現在のソ連の太平洋艦隊に日本に対抗できる戦力は存在せず、止むを得ず大型艦を中心として 脱出作戦を決行するが、周辺に待ち構えていた大陸日本の吾妻型や潜水艦部隊、初春型によって多数が沈められ港湾内で砲撃に遭った戦力も含めて約7割近い艦艇が沈められ 戦艦による砲撃と空爆によってウラジオストクの造船能力と港湾機能に致命的なダメージを受けている。 その後日本軍は本土から陸軍戦力を抽出し、数少ない揚陸艦である神州丸とあきつ丸も動員して樺太占領作戦を実行、艦隊からの砲撃と上陸したきた日本の攻撃により 戦のないソ連軍は完全に士気が崩壊して部隊の政治仕官達が自殺をした後、多数が降伏することとなり比較的軽い被害によって占領することに成功している。 侵攻部隊の全滅と樺太占領、ウラジオストクの壊滅により極東戦線は援軍到着後に完全に膠着するも、今度は主力を多数失った欧州方面で連合を叩きだしたドイツ軍が英米に 宛てていた戦力を東部に回して逆襲を開始、最終的にウクライナまで戦線が後退している。また、この満州攻略の失敗とドイツ逆襲のに対する防衛の失敗ウラジオストクの 被害の責任を追及された多数の人間がスターリンによって粛清され、唯でさえ減っていたソ連の高官が更に減るのはそう時間のかかることではなかった。
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土曜日、早朝。 白井黒子は悶々としていた。 ついでに彼女は今、床に転がって天井を見ている状態である。(早く、行かなければ。)しかし電撃で痺れた体は腕を少し動かすのがせいぜいという状態で復活には暫くかかるものと思われた。 (お姉さまったら……………このお返しは遊園地とやらでたっぷりさせてもらいますの!) 約15分前。 まだ夜も明け切らぬうちから御坂美琴はベッドを抜け出しドアへと向かう。 (黒子に見つかっちゃぁシャレにならないからねぇ~。)一応外出時は寮監の目もあるため制服を着ていき上条の家に向かう途中(のホテル)で服を着替える必要がある。 さらに黒子にばれないためにも早め(それにしても早すぎな気がするが………)に、出かけようとしたのだが………………。 「お姉さま、何をしてらっしゃいますの?」美琴はおそるおそる振り返る。 そこには夜叉がいた。 もしくは目を充血させて今にも飛びかからんとする獣にも見えた。 「く、黒子起こしちゃった?ごめんね~。」「ごまかされても無駄です。」そういって黒子は手帳を広げる。 「そっ、それ私の手帳じゃん!」「今日のスケジュールについてるハートと『遊園地』とは何ですの?」 「なっ何でもないわよ!」「察するに『か』の字さんとのデート!ですわね?」 黒子はベットから立ち上がる。 「そのような不純異性交遊はジャッジメントとして許しませんの!!!」美琴はただならぬ殺気を感じた。しかしここは何があっても出かけねばならない。 (ゴメン、黒子!)「ふぎゃああああああ!!!!」 そうして今に至る。 (今頃、お姉さまはあのクソガキの所でしょうか、クソッ!!!)彼女らしからぬ悪態を心の中でつぶやく黒子であった。 上条当麻は現在幸せであった。 「おおっ、食費が半分どころか1/3で済んでる!!!!!」貧乏学生にとってこれはかなりうれしい。 理由は単純で、暴食シスターが2週間ほどいないからである。あのシスターがいるだけで食費は倍と言わず膨れあがる。 そんなこんなでのんびりと朝食を終えてゆっくりしていた上条さんの部屋のインターホンが鳴った。 「ハイハーイ、今行きま~す。」こんな朝早くから誰だ?土御門のやつか?今日は忙しいから勘弁しろよ~。と思いつつあけると。 「おっはよ~。」そこには本日が忙しい理由の張本人がいた。 「はやっ!!今、朝の10時だぞ!!」「あれー、おっかしいなぁ~。これでも時間調整したんだけど。」 「ま、まあ入れよ。」「お邪魔しま~す。」 「にしても早すぎじゃねーか」「………かなぁ?」 「早すぎ!………ってイヤ、前言撤回!そんなに落ち込む所じゃないぞ美琴!!」「迷惑だった?」 「違うって!」「………………たから。」 「え?なに美琴?聞こえ………」「当麻とのデート、楽しみだったから………。」そういうと俯いて黙り込んでしまう美琴。 こういう時どうすればいいのかは旗男のDNAが考えずとも教えてくれる。 当麻は美琴を抱きしめる。 「わわわわ!」「うれしいよ。楽しみにしてくれるなんて。」 「う、うん」抱き合う格好になってる二人。目が合う。そして………チュッ △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「「おお~!カミや~ん!!!!!!!」」 ここは向かいの青ピ宅。今の声は彼と土御門のものである。 「ラブラブでんがな~。」「にゃー。彼処まで行くと見てるこっちが気恥ずかしいぜい。」 「二人とも止めなよー。」ザザッ カーテンが閉められる。 「何すんの白雪はん。」「にゃー、良いとこだってのにー。」 「男二人して見るもんじゃありませんー。」 この3人が此処にいる理由。 ①土御門が上条さん宅をのぞくために青ピの所へきた。 ②土御門と遊園地へ遊びに行くことになってた白雪が舞夏に言われてここにきた。 「土御門くーん?デートのお誘いかと思ってたのに、あの二人を尾けるためだったんだー。」「ちっ、ちがうにゃ白雪、偶然だ偶然!って青ピは何にやにやしてるんだにゃー!?」 「二人とも青いなー思うて。」「「何勘違いしてるんだー!?」」 「そういう○○君(青ピの本名)だって白井さんとできてるらしいじゃーん。」「ちっ、ちがいまっせ白雪はん、あんなサディスティックな人うちがイヤや!!って聞いてー!!!」 聞いてなりふりをする土白に呼びかける青ピ。 「ところで青髪ピアスくーん?件の白井さんはどーしたにゃー??」「いや、電話してんけどな、『体が痺れてちょっとかかりますの』って言われてん。どしたんやろか?」 バダム!! 青ピの部屋のドアが開け放たれた。 「お、遅れて申し訳ありませんの。○○さん…………あら。」他の二人に気がついた。 「あらー、白井さんておめかしするとめっちゃ美人だー。」白雪が言う。 「いや!おめかししたとかでは無く!!いつもからこうですの!!」「にゃー………説得力無いぜい。」 実際、黒子は結構おめかししていた。女心に疎い馬鹿二人もあまりの変貌に見とれてしまっていた。 「それで、あの二人はどうしてますの?」そういわれて我に返る二人。 「「しまった!もういないでー(にゃー)!!」」 「じゃー私らも行こーかー?」「ですわね。さあそこの殿方二人、なに慌ててますの。レディをエスコートするんですからもう少し落ち着いてくださいな。」 かくて3カップルが第7学区にある遊園地へと向かう。 だが、『そこ』へ向かうのは彼ら6人だけではなかった。 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「むっ!彼らに動きがありました!とミサカ10032号は緊急報告し、全ミサカへ作戦行動の開始をお願いします。」「「「ラジャー!!」」」 「止めときなよってミサカはミサカはつぶやいてみ………」「「「子供は黙ってなさい!!!」」」 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「彼らが動き出しました建宮さん!」「よし、我らも追うのよな!」 こうして約60名(流石にすべてのミサカを動員するのは不可能だった)の人間が同じ遊園地へ向かいチケット売り場の人間に(どうして今日はこんなに連続して人が来るんだろう?)と不審がられる事となった。 上琴+追跡部隊が遊園地に入る数十分前、一方通行と打ち止めはというと 「どこか遊びに行こー、ってミサカはミサカは寝ているあなたに攻撃をしかけてみたりー」 「うるせェな。黄泉川や芳川に連れて行ってもらえばいいだろ」 「あの二人は今いないのでありまーす、ってミサカはミサカはあなたに連れて行ってもらう方向に誘導してみたりー」 現在黄泉川はアンチスキル、芳川は就活である。 (うぜェーなー。だけど温泉旅行からどこにも行ってねェから、遊びに行きたくもなるだろ) 「ったく……どこ行きてェンだ?」 結局許可を出した。こういうのは後々うるさくなるものである。 「やったー!ってミサカはミサカは喜びをかみしめてみたり!どうせなら遊園地にいきたい、ってミサカはミサカはあの人達が向かっている場所を提案してみたり!」 「あの人達って……はァー。見たいのは分かるが、他に行くとこねェのか?」 「あの二人だけじゃなく3人全員が女の子を連れてるよ、ってミサカはミサカはいつもと違うというところを説明してみたり」 「ほォー……。まァ、相手は大体予想できるがな」 デルタフォース全員が出動と聞いて少し興味がわいていた。 「行くか。別にこのまま寝ておくのも癪だしな」 「やったー!ってミサカはミサカは喜びをかみしめてみたり!ってさっきと同じセリフだなってミサカはミサカは自分に幻滅してみたり!」 かくしてこの二人もデルタフォースがいる遊園地に向かうこととなった。
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【マウサツ秋祭り】完全版 2006年10月11日 ●祭りの前夜 秋も深まりを見せ始めたマウサツの街であったが、その日ばかりは街中が真夏に戻ったかのような錯覚すら覚える熱気に溢れた夜を迎えていた。 そう、明日はいよいよ待ちに待ったマウサツ秋祭りの日。 この年に1度の晴れの日に向けて、期待に胸を膨らませて 眠れない夜を過ごす者、出し物の用意に余念のない者、 そして露店の準備に勤しむ者。其々の思いが交錯する中、マウサツの夜は更けて行き……。「ようやく完成したのですわ♪」「いや、ホントに助かったよ」「お蔭で、どうにか間に合ったぜ」 完成したばかりの神輿を前にして、ほうと一息吐きながらにっこりと微笑む君の帰る場所はこの腕の中だよ・ヒィオ(a18338)に、神輿造りを手伝って もらっていた職人たちが労いの声を掛ける。「我ながらいい出来栄えだぜ。これもヒィオ嬢ちゃんのお蔭だな!」「そ、そんな……」 年配の職人からの労いの言葉に照れ気味のヒィオ。 妥協を許さぬ職人たちの仕事であっただけに、作業は少し遅れ気味で あったのだが、ヒィオの協力もあってその出来栄えは申し分のないものであった。「力仕事は拙者に任せるでござるよ」 櫓敷設の手伝いに来ていた剣豪を目指す南国の侍・ムサシ(a44107)も 地元の者たちに混じっての作業に没頭している1人で。「武士さま、次はこちらを手伝ってくださいませんか?」「うむ、お任せあれ!」「その次はこっちに来てくだされー」 現場では力仕事に事欠かないらしく、夜が更けるまでムサシはあちこちに引っ張りだこであったと言う。「何か出来ればお手伝いしますね、自分も」 などと言いつつ街中を巡っていた気ままな銀の風の術士・ユーリア(a00185)や――。「皆さん忙しそうですねー」「晴れの日ですから」 と、お茶を飲んでいた直撃スパナ姫・カヤ(a13733)や ヒトの武人・カティ(a90054)なども何時しか作業に借出されたりして……。 街中の喧騒は、まだまだ遅くまで続くようである。 別の場所では、間近に迫ったお祭りの本番に行う諸々の雑務の向けての準備に 精力的に動く護衛士たちの姿があった。「うむ、これでどうにか体裁も整ったでござろ」「はい、これなら申し分ないですね」 満足げに頷く旅の医師・イエモ(a24574)の声に風来の冒険者・ルーク(a06668)が 賛意を示す。お祭り開催時に不可欠な様々な雑事の活動の拠点として位置付けられた 詰め所兼休憩所は、当日の利便性なども考慮して、街中の商家の一角を 間借りして設けられていた。 「こちらの準備も整いましたし、後は明日を待つばかりですね」 無表情にそう語る隠逸花・カルマ(a31235)であったが、よく見ればどこか 楽しげな雰囲気を隠せないでいたり。 とは言え、お祭りの本番では詰め所や休憩所としての役割以外にも怪我人の治療や迷子の保護など、この場所の持つ役割は多岐に亘る為、その準備には苦労する事となっていた。「いやいや、まだ準備は途中でござるよ。ほれ、向こうをご覧ぜよ」 イエモが告げるように、その苦労はまだ終わった訳ではなく――。「見回りなどに使う街中の見取り図の手配は終わっています?」「あー、それならこっちに用意してあるみたいだよっ!」 詰め所の中を甲斐甲斐しく動き回る春時雨・チハル(a43479) の声に 手伝いに来ていた愛と情熱の獅子妃・メルティナ(a08360)が答え返す。「……忙しそうだね」「俺たちも手伝うとしようか」 そんな会話を交わしながら作業を手伝いに向かうカルマとルーク。「あっ、いい所に! ちょうど人手が――」「ボクの方にも助っ人欲しいー!!」 空いてる手は、暫くなさそうな雰囲気である。 一方、露店が建ち並ぶ縁日では、お祭り本番に向けての準備で大忙しであった。「特に喧嘩が起きたりしなくてよかったですね」「ああ。事前に集ってもらった甲斐はあったと言うものだな」 露店の主たちに区割りの説明を終えた武士見習い・シロウ(a26228)が 洩らした安堵の声に、しかし、刀将・コジュウロウ(a34599)は苦笑交じりに答え返す。 まあ、事前の会合であれだけ揉めに揉めたのだから、此処に来てあの騒動を 繰り返されては困ると言うのがコジュウロウの本音であろう。「はい、手配されていた食材はこちらですわ」 そんな中、星舞い落ちる夜・マイヤ(a28554)もまた、露店を開く者たちへの 食材や品物の手配に忙しく動き回っていた。「ウチが頼んでいた品はどこだい?」「ええと、これですね。頑張ってください♪」 笑顔でにこやかに対応するマイヤだが、まだまだ忙しい時間は続きそうだ。「この位で良いかなっと……」「ふむ、随分と持ち込んだのだな」 露店に用意した食材をどさどさと持ち込む侍魂・トト(a09356)に剣を極めし戦乙女・ティーザ(a14734)が少し呆れたような口調で声を掛けるが無理もあるまい。これらの品の半分以上は、わざわざランドアースより 持ち込んだものなのだ。「折角のお祭りなのに、手を抜く訳には行かないぜ!」 事無げに語るトトだが、ゲート転送を利してランドアースより持ち込める品の量は さほど多くはない。これだけの量ともなれば、マウサツとランドアースとの間をいったい何度行き来した 事か……。「その情熱に免じて、焼きソバ作りはトトに任せるとしようか」「おう、任せとけ♪ ……って、ティーザは何を作る気なんだ?」 以前より、お祭りの際には何か料理を振舞うと言っていたティーザの言葉に、トトはふと疑念の声を上げる。ここまで来て何も作らないという事はあるまい。 だが、役者はティーザの方が一枚も二枚も上手であるようで――。「それは出来上がってからのお楽しみだ」 にっと笑ってみせて、それ以上の事は語らないティーザであった。 「シンノスケ! 商工会の者にこれを届けて参れっ!!」「はっ!!」「して、土蔵の手配はどうなった!?」「それは、充分な数を確保出来るかと」「それは重畳。今年は中々作柄も良いゆえ、例年以上に準備致しておくようにな」 嵐のような忙しさとはまさにこの事であろう。 クラノスケを中心としたマウサツ武士団の面々は、祭りの準備はもちろんの事、マウサツの街に訪れる人々の確認に管理、届けられた年貢への対応や作柄に 付いての調査など、それこそ寝る間を惜しんで諸々の作業に追われていた。「クラノスケさん、こっち終わりましたが……」 武士たちに混じってその手伝いをしていたらでぃかる悪なーす・ユイリン(a13853)がクラノスケに作業の終了を報告する。割り振られていたのは比較的簡単な作業で あったとは言え、疲労の色は隠せないでいる。「ユイリン殿か、忝い」 労いの声を掛けるクラノスケであったが、ふと何かを思いついたかのように ユイリンに声を掛ける。「そちらの作業が終わったばかりで相済まぬが、こちらの書状をサコン殿に 届けてはもらえぬか? 特に急ぎの用ではござらぬが、お頼み申す」「えっ? は、はいっ♪」 先程までの疲労はどこへやら、物凄い速さで部屋を後にするユイリン。マウサツの知恵袋クラノスケ。人使いの巧さも特筆物であるらしい。 「残念です……」「仕方ありませんわ」 武闘大会中止を知らせる立て札を前に残念そうな声を上げる渡る世間は鬼ばかり・セイル(a11395)にドリアッドの舞踏家・エレナ(a06559)が 声を掛ける。お祭りの余興の1つにと開催が予定されていたのだが、諸々の事情で開催が取り止めになってしまったのである。「クラノスケさんの助言に従って、賭けの準備も整えていたのですがね……」 色々と手配をしていただけに天に抗う誓約者・トワイライト(a43304)が大きな溜息を吐くのも仕方あるまい。「でもまあ、折角ですし気を取り直してお祭りを楽しみましょう」「……そうですね」 ぽんと手を1つ叩いて何事もなかったかのように笑顔で告げるエレナに、 他の2人も賛意を示して。 「甘いヤマモモいっぱい採れたぞー! ご馳走の足しにするのだー!」 元気いっぱいに街中を走り回っているのはたぬころりん・マアヤ(a30403)。振る舞い用のヤマモモを両手いっぱいに抱えてご機嫌な様子。 祭りの前日とあってか、マウサツの街中には気の早い多くの人で溢れかえっている。 慣れた感じの地元の者たちだけではなく、物見遊山な雰囲気で珍しげな視線を周囲に投げ掛けている者や、仲睦まじく散策を楽しんでいる親子連れなど、数多くの人々が街中を行き来している。 そんな人々の様子を見ている者たちの1人に銀ギツネの・ルナール(a05781)がいた。「さてと、アルガからの移民の皆さんはどれだけ来てくれますか……」 過日、ルナールは移民たちが入植した集落へと出向いて、マウサツでのお祭りの開催を知らせいていたのだ。「みんなで楽しんでもらえると良いわね」 そんな独り言が街中の喧騒の中に紛れて行き……。 祭り前夜の宵は、にぎやかに、しかしゆっくりと更けて行くのであった。 ●開幕! マウサツ秋祭り♪ 賑やかな祭囃子が其処彼処で鳴り響く中、色とりどりの晴れ着に身を包んだ 者たちが楽しげな様子で祭り一色となったマウサツの街中を行き交う。 今日はマウサツの秋祭りの日。秋の豊穣な実りを願い、あるいは感謝して。その恵みを、そして喜びを、皆で分かち合える事を祈願する晴れの日の慶事。 ある者は、日頃の憂さを晴らすべく、そして今だけは全ての柵を忘れて楽しい時を 過ごそうとして。またある者は、皆と共に今日と言う日を迎えられた事の喜びを 噛み締めながら、そしてこの後も幸福に包まれた日々を過ごせる事を願う為に。 其々の思いを乗せて、マウサツの秋を彩る風物詩の要とも言える秋祭りは、無事に開幕を迎えようとしていた。 中でも縁日の屋台や露店が所狭しと建ち並ぶ大通りは、早くも大勢の 見物客などで賑わいを見せ始めていて――。「赤っ、リンゴアメみつけたら教えるんだぞっ!!」『コケー』 マアヤなどは早速とばかりにペットの鶏を引き連れ(頭に載せ?)て、お目当てのリンゴ飴探しに奔走していたり。 マアヤお目当てのリンゴ飴売りの屋台の他にも、お祭りに因んだ縁起物を 売る店や、簪や帯止めなどの華美な装飾品を店先に並べている露店、 甘酒や団子などを道行く人々に勧める屋台など、縁日ならではの多種多様な 出店が祭り見物に訪れた人々を待っていた。「さあ、ガンガン焼いてガンガン売るぞ~!」 そんな喧騒の最中、大張り切りで焼きソバ作りに勤しんでいるトトの屋台の周りには、楓華列島には無い食材をふんだんに用いている物珍しさも手伝ってか、 大勢のマウサツっ子たちが屋台を取り囲んで、焼きソバが出来上がるのを 今や遅しと待ちわびている。「さて……では、私も一つ腕をふるって見せるとしようか」 トトに負けてはいられないとばかりに、ティーザも腕まくりをしながら、 なにやら調理の準備に取り掛かりだして。「さぁさぁ、寄っていらっしゃい見ていらっしゃい!」 露店の一角では、ルナールが店先に品物を並べながら他州各地から 交易で仕入れて来た特産品のお披露目を始めようとしていた。 これらの屋台や露店では、マウサツの街ではすっかり顔馴染みとなっている 護衛士たちが一枚咬んでいると言う事もあって、祭り見物に訪れた者たちからの 関心も高く、その周囲には物見遊山な人集りが出来ていた。 その盛況ぶりに触発されてか、他の屋台の主たちも商売に熱を入れ始めた 様子で……。「よっ、にーちゃん! ウチの焼き栗はマウサツ一の美味さだよッ!」「なんの、こっちの石焼マウサツ芋の方が甘くて美味いってばよ!!」「其処の小粋な小町姉さん! この櫛とか似合いそうだよ。試しに見て 行かないかい?」「いえいえ、お嬢さんの美しい髪には、こちらの簪の方が良く映えるかと……」「さあさあ、美味しいイカ焼きだよっ!」 其処彼処で上がる屋台や露店からの威勢の良い掛け声に煽られて、 道行く人たちの熱気は否が応にも高まって行く。 今年の縁日も大勢の人で賑わいそうである。 しかし、多くの人が集まると言う事は、それだけ多くの事件や問題も抱え込むと 言う事でもあり、華やかなお祭り囃子の影では、そうした対策に奔走している 者たちの姿があった。「うむうむ、中々の盛況ぶりでござるな」 巡回警備の任に就いているイエモは、お祭り気分を満喫しながらも周囲の様子に 目を配っていて。同じく巡回警備をしているコジュウロウも、何か揉め事は 起きていないかと目を光らせている。「特に異常なし、だな……」 とは言っても、今の時間から揉め事が起きているようでは、今後が思いやられる のも事実であり、とりあえずは何事も起きていない事に胸を 撫で下ろすコジュウロウであった。「何か困った事があったら俺に声を掛けてくださいね」「ああ、そん時には遠慮なく頼むよ」 戦神の末裔・ゼン(a05345)は、見廻りをしながらお祭りの準備の時に知り合った 屋台や露店の者たちに声を掛けて。「こういう場所にも目を光らせておかないと……」 屋台の裏側を覗き込みながらシロウが独り言ちる。露店などの売り上げを狙う不埒者がいないとも限らない。念には念を入れての見廻りに余念のない シロウだった。 「……問題なしだな」 日常からの逃亡者・カッセル(a16822)も人気のない場所を重点的に巡回していた。今の所は何も起きていないようだが油断は禁物。治安が悪くなるのは 夜からなのだから。 しかし、小さなトラブルは至る所で起きているようで。「さあ、こちらで少し休んでいてください」「すいませんのう……」 人込みに酔ってか気分を悪くしていた老爺を、ルークが詰め所兼休憩所へと 連れ込む。見れば同様に体調を崩した者や怪我をした者などが休んでいたり。「どうかな?」「軽い貧血みたいね。特に治療の必要はないかな」 心配そうに問い掛けるルークに診察を終えたユイリンが大丈夫と頷いてみせる。この程度ならば、少し横にでもなっていれば直ぐに回復するだろう。「怪我人です……診てあげて」 そう言ってカルマが足に怪我をしているらしい若い娘を抱えて運び込む。晴れ着を着込んだその足元には、背の高い駒下駄が履かれていて。「捻挫ね。だけど、これはちょっとひどいかな……」 直ぐにその娘を診察したユイリンは、痛々しく腫れ上がっている足首に眉を顰める。痛みの為か、それとも折角のお祭りの日に歩けないほどの怪我をしてしまった事に打ちひしがれてか、娘の目からは大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちている。「治療、してあげて……」 カルマの声に頷きながらユイリンは娘にアビリティを用いての治療を施す。怪我が重かったと言う事もあるが、折角の年に1度のお祭りの日にこのまま 歩けないと言うのは、流石に不憫と言う気持ちもあっての事だろう。「しかし、思っていた以上に盛況ですわね」「うん。物凄い人出みたいだから仕方ないのかも」 そんな仲間たちの様子を見ながら、交代に備えて待機していたチハルの 苦笑交じりの声に、チラリと外の様子を伺っていた若葉の射手・フィンフ(a19327)が 答え返す。「う……確かに普段の数倍じゃ利かない位の人出かも」「でしょ?」 フィンフの言葉に釣られて詰め所の外に視線を向けたチハルの声が思わず 上ずる。此処はしっかりと身体を休めて、自分たちの出番に備えていた方が得策のようである。「どうしたの? お父さんかお母さんと逸れちゃったのかな?」「うん……いつのまにか……ひっく……お母さんがいなくなってて……ぐすっ……」 1人きりで泣いていた少女に目線を合わせるようにしゃがみながらメルティナが 優しげな声を掛ける。どうやらこの幼い少女は、母親と逸れて迷子になってしまったらしい。 メルティナは近くの露店の主に、迷子を捜している母親がいたら事前にチラシで知らせていた迷子預かり所の方を教えるように事伝ると、少女を迷子預かり所で待機しているマイヤの下へと連れて行く。「あら、メルティナさん……その子、迷子ですか?」「お母さんと逸れちゃったらしいの」 メルティナは手短に事情をマイヤに伝えると、子供用にと用意してあった椅子へと 少女を座らせる。「もう大丈夫だから、お姉ちゃんと少しの間遊ぼっか?」「……うん」 優しく微笑むマイヤに泣き愚図っていた少女もやや落ち着きを取り戻したのか、 素直な様子を見せて。「お母さんすぐ迎えに来るからね」「ありがとうお姉ちゃん」 そう言って再び巡回に戻るメルティナに少女は精一杯のお礼の言葉を告げる。メルティナは照れ笑いしながら、少女に小さく手を振って見せつつその場を後に するのだった。 警備と言えば、流石にお祭りの当日と言う事もあって、マウサツの街への人の 出入りは何時にも増して多く、街の出入り口は大勢の人波で混雑していた。 その煽りをもろに受けて、入り口付近でお祭りの案内役を買って出ていた心に星を持つ男・マイティ(a15944)はてんやわんやの大忙し!?「ねえねえお兄ちゃん、お面はどこで売ってるの?」「お面は大通りに入って直ぐのお店で売ってるんだよ」「お兄ちゃんありがとう~♪」「ねえ兄さん、お神輿はどこに行けば見えるんだい?」「ええと、確か今はあちらの通りの辺りを練り歩いている筈……」「奉納舞いがあるって聞いたんだけど……」「誰か手伝いに来てくれぇ~」 ……ご健闘を心から祈ります。(合掌) 一方、マウサツにあるもう1つの『出入り口』にも来客があり――。「マウサツの秋祭りにようこそですわ♪」「この度はわざわざのお誘いありがとうございます」 にっこりと微笑みながら告げるエレナに、『社』から姿を現した 若いエルフの武士が隙のない動作で一礼する。武士の名はケイイチロウ。若輩ながらミナモ武士団の重鎮の1人でもあり、先のマウサツ遠征に 参加していた縁などもあって、今回の訪問となっていた。 政治的な色合いを薄くした事もあって、他にも少なからずのミナモ武士たちがマウサツへと訪れており、名目上ケイイチロウがその統括役となっていた。「私がご案内しますので、皆さん、ゆっくりと楽しんでくださいね」「ご配慮の程、痛み入ります」 気さくな雰囲気のエレナとは対照的に、ケイイチロウを始めとした ミナモ武士たちの表情や反応はやや固い。その裏には、今だリョクバ州に 滞在し続けている3人のドリアッド様たちに起因する問題などがあったりも するのだが、それはまた別のお話で。 ミナモ武士たちはエレナの案内の下、祭りの喧騒に包まれているマウサツの街へと 繰り出すのであった。 「ワッショイ! ワッショイ!」 楽しげな声を上げてお神輿を担ぐヒィオ。神輿作りの職人たちからの 口添えもあって、神輿練りの担ぎ手に参加したいと言うヒィオの願いは 快く受け入れられた。「む、流石は武士さまだな。神輿担ぎも中々堂に入ったモンじゃねえか」「ありがとうございますですの~♪」 力強さの中にも華やいだ雰囲気を醸し出しているヒィオは、早くも 他の担ぎ手たちとも馴染んで来た様子で。「ようし、このまま通りを突っ切るぞッ!!」「「「おおうっ!!!」」」「はいですの~!」 賑やかな神輿練りは、まだまだ続く様子である。 飛び入りと言えば……。「手が足りないようならお手伝いするよ~」「自分も料理はそれなりに出来ます」 笑顔のヒーロー・リュウ(a36407)や常磐の盾・ユーク(a28359)のように 屋台や露店の手伝いに借り出されている者たちもいて。「おう、それじゃあ頼むとするか」「こっちも手伝っておくれよ」 どうやら何処彼処も人手が足りない様子であるのだった。 中には、トワイライトのように折角の準備が水泡と帰した者たちもいたが……。「色々と準備していたものが、ふいになると言う事は存外良くある事でござるよ。あまり気に病まずに、お祭りを楽しまれては如何でござるかな?」「そうですね。たまにはゆっくりとお祭りを楽しむのもいいですか……」 色々と助言を受けていたクラノスケからの深みのある言葉に、トワイライトの気も 少しは晴れたようであった。 ●実況!? マウサツ秋祭り☆ 秋祭りが行われているマウサツの街には、マウサツ領内の各地より大勢の 見物客が訪れ、大変な賑わいを見せています。ジリュウとの確執や アルガ領からの撤退など、この所他国との関係が微妙な状況となっている マウサツですが、それを吹き飛ばすかのような熱気を其処彼処から感じる事が出来ますね。 聞けば、アルガ領からマウサツへと移住してきた方々も多く参加しているとの事で、今年は例年にも増して盛大なお祭りとなりそうです。 まずは、屋台や露店の建ち並ぶ縁日ですが……おや、人集りが出来ている 一角がありますね。気のせいか香ばしい匂いも……。では、そちらの方に向かってみましょう。(誰?)「よーし、ソース焼きソバ一丁上がりっ♪」 人集りの正体は、どうやらこちらのトトさんが腕を振るう焼きソバの屋台 目当てのお客さんのようですね。この香ばしい匂いとランドアース大陸の材料をふんだんに使っていると言う 物珍しさとが相俟って、人気屋台の1つとなっているようです。「おや、これは中々食欲を誘う香りですね。私にも戴けますか?」「あいよ、いらっしゃい! 沢山食べて売り上げに貢献しておくれ♪」 おっと、祭り見物に繰り出していたトツカサの王子将軍・ジンオウ(a90299)さんもこちらのソース焼きソバに舌鼓を打っているようです。中にはマヨダクを頼むディープなお客さんもいるようで、中々の盛況ぶり。「……む、やや、ジンオウ様発見! ジンオウ様、こんばんわー!」「今晩はです。マアヤさんもお祭り見物に来られたのですか?」 戦利品(?)のリンゴ飴を両手に携えてマアヤさんがジンオウさんに挨拶に 来られたようですね。色々と積もる話もあるようですから、次の屋台を訪問してみましょう。 こちらの屋台にも多くの方が集っているようですね。何を作っているのでしょうか?「さて……少々時間がかかったが、その分味は保証しよう。『たこ焼き』の完成だ!」 会心の笑みを浮かべながらティーザさんが完成させたのは、たこ焼きのようです。早速、私も1つ……ほほう、これはアツアツで美味しいですね。失礼して、もう1つ……ん? んんん~~~ッ!!?「実は2種類あってな。片方は具が蛸のみの普通のもの。もう片方は…… いわゆる遊び感覚だな。何が入っているかは食べてからの楽しみ、とでも」 テ、ティーザさん……そう言う大事な事は先に……。(ばたり) えー、少しハプニングがあったようですね。他の露店などでも動きが あるようですので、一旦そちらの担当者に実況役を移す事にしましょう。 はいは~い、こちらは縁日の中でも露店が集っている地区で~すv(だから誰?) 露店では主に装飾品や縁起物など色々な品物が売られていま~す。中には、変わったものを売っているお店もあったりするんですよ~?「ここにある品物は、ミナモ国やアイオサガ国から買い付けてきた品物よ。 無理に買えとは言わないわ。ただ足を止め、ジックリと他州・他国の職人たちの 技術や伝統に触れてくれて頂戴な!」 え~と、こちらではルナールさんが威勢の良い掛け声で各地の特産品を 紹介していま~す。こちらマウサツではあまり見る事が出来ない品々を前に、見物人の皆さんの注目が集っているみたいですね~。 先程までは、ミナモ武士団の皆さんもこちらの露店に訪れて、ミナモの国の 特産品などの説明をされていたのですよ~☆「うーん、うーん……狐の面を買おうかどうか……。鬼の面なら持ってるんですが、 アレは節分用ですし……」 こちらのお面売りの露店の店先では、マウサツの護衛士のシロウさんが 狐のお面を買うか買うまいかと悩んでいるようです~♪ そう言えば、他にも護衛士の皆さんが縁日に来ているようですので、 そちらの様子を追ってみましょう~。「今のところ迷子もトラブルも無いし……焼きソバ買おうかな?」 巡回中のメルティナさんは、少し休憩を取って焼きソバを買う予定のようで~す。塩とソースどちらが好みなんでしょうか~?「人手は足りてるみたいだし、ちょっと見て回ろうかな♪」「ふーむ、今のところ問題は起きていないようだな。もう一回りして何も無ければ、ちと出店でも見て回るか」 露店のお手伝いや警備などをしていたリュウさんやコジュウロウさんも、そろそろ休憩を取られて縁日巡りに行かれるようですね~。どのようなお店に向かわれるのか、少~し気になりま~す☆「あ、こっちの屋台も美味しそう。色々あって迷っちゃうなぁ……」 食べ物片手にぶらぶらと屋台&露店巡り中の真っ最中なのはユーリアさんで~す。折角のお祭りなのですから、たっぷりと堪能&満喫してくださいね~。「皆さん、楽しまれていますか?」「おやおや、これは護衛士さま……」「ええ、見ての通り存分に楽しんでいます」 ルークさんは楽しげに談笑されている方々の輪に入って行かれたようですよ~。護衛士の皆さんとお話をしてみたいと思われている人は案外多いと思われますので、色々とお話をしてあげてくださいね~♪ あっ、どうやらそろそろ時間のようです~。(一瞬、視線を脇に移して)「うむうむ、善哉善哉……」 それでは、イカ焼きを堪能しながら次の屋台を物色中のイエモさんを見送りながら、この辺りで実況を終わらせて戴きま~す♪(結局誰よ!?) えー、実況ご苦労様でした。色々と予想外の事件(?)なども起きているようですが、縁日の方は盛り上がっているようですね。 さて、このお祭りを裏で支えている護衛士の皆さんの詰め所兼休憩所の方と繋がるようですので、そちらの様子を伺ってみましょう。もう、大丈夫ですかー?(謎問) はい、ご心配なく大丈夫です。(お、復活!?) こちら、詰め所兼休憩所では、先程から保護している迷子や人込みで 気分が悪くなった方、怪我をされた方などへの対応で、休む間すらない程の 大忙しとなっているようです。「お仕事中の皆さん、ご苦労さまです。差し入れの品をお持ちしましたので、 皆さんでお食べになってくださいね」 おや、サコンさんから屋台で売っている食べ物を差し入れに来たようです。リンゴ飴や焼きソバ、イカ焼きにお団子……う、先ほど私も戴きました ロシ●ンたこ焼きもあるようです。(汗)「……あら、サコンさん。おいしそうですね……もう、一回りしてきたんですか?」「いえ、裏方で頑張られている皆さんにもお祭りの雰囲気を少しでも楽しんで 戴ければと思いまして、差し入れを……。おや?」 続けて詰め所に入って来たユイリンさんの声に笑顔で答えていたサコンさんですが、後ろにいる猫尻尾の子供に気が付いたようです。どうやら、膝に怪我をしているよう ですね。「ああ、転んだ子らしくて……」 そのままユイリンさんが怪我の手当てをするようです。邪魔にならないように 別の場所を見てみる事にしましょう。 先ほども話題に上がりましたが、こちらの詰め所にはお祭りの最中に親御さんと はぐれてしまった迷子も預かられています。そちらの様子ですが……。「お母様とはぐれたのね? じゃあ、ここで待ちましょうね」 どうやらマイヤさんが浴衣姿になって、迷子たちを安心させるように頭を 優しく撫でたりしていますね。他の方々も親身になって対応をしているようですし、迷子の子供たちにこれ以上の不安を与えないように気を配られている様子です。「お母さん、迷子預かり所はこちらですよ」「は、はい……」 外回りに出ていたフィンフさんが案内して来た女性は、迷子たちの お母さんの1人のようですね。預かり所の中を不安げに見回していますが……あっ、お子さんがいたようです。「みっちゃん! ああ、みっちゃん……ごめんね、怖かったよね」「ううん。お姉ちゃんたちがいてくれたから、みっちゃんこわくなかったよ?」「お母さんが来てくれてよかったね、みっちゃん」 ううっ、よかった……本当によかったです!(貰い泣き!?) 他の迷子のお母さんやお父さんたちも早く迎えに来てあげて欲しいですね。詰め所兼休憩所からの実況は以上です。(ところで誰?) 実況、ご苦労様でした。そろそろ時間もなくなって参りました。 これからのお祭りの行事予定ですが、夕方から川縁で灯明行列が始まり、 それに伴いまして提灯流しも始まります。「『灯明行列』!? それは素敵ですのv それでは、提灯を持って出かけましょう♪」 ……ヒィオさんも頑張ってくださいね?(汗) さて、あなたが、そして私がこの提灯に託して流す願いは、 一体どのようなものなのでしょうか? 私の願いは――(時間切れ!?) ●提灯流し~祭りの後に 秋の夜を彩る虫の音が響く川面を照らす灯明行列の提灯の明かり。 その幻想的な光の織り成す光景は、しかし、賑やかな祭りの終わりを否が応にも 連想させる為か、何処か物悲しくて。 深々と深まる宵闇の中で、1つ、また1つと提灯が流れて行く。 川面を流れる無数の明かりに込められた人々の願いは、悠久の流れに乗って……。「…………」 人に混じり、目を閉じて何かを熱心に願うユイリン。「…………」 ミナモの武士たちと共に願い事を提灯に託すエレナ。「…………」 緩やかに流れ落ちる提灯の明かりを見送るルナール。 其々の願いを乗せて、幾つかの希望を載せて。提灯は流れ行く。「私も買っとくんだったなぁ……」 そんな光景を木陰からこっそり眺めていたユーリアであったが……。「お姉ちゃん、はい♪」「えっ!?」 幼い少年がユーリアにそっと持っていた提灯を差し出す。「提灯、持ってないんでしょ? だから、はい♪」「だってこれは……」「もらってやってくださいな」 突然の出来事に戸惑いの色を隠せないユーリアに、少年の母親らしき女性が 苦笑を浮かべながら声を掛ける。「でも、この提灯を私がもらっちゃったら、この子の願い事が……」「いいんですよ。だってこの子の願い事は――」 ユーリアの言葉を遮るように、優しげな視線を向けながら微笑む母親の言葉に こくんと頷き返すと、少年は元気な声を上げる。「うん。ボクはほんの少しでもいいから、武士さまや護衛士さまたちのお役に 立ちたかったんだ。お姉ちゃん、護衛士さまでしょ? だったら、この提灯を 使ってくれたらボクの願い事は叶うんだよっ♪」「……判った。ありがとうね」 屈託のない笑顔を向けてもう1度差し出された提灯をユーリアは受け取って……。 祭りの熱気と余韻を残しつつ、秋の夜は深々と更けて行く。 年に1度限りのマウサツの秋祭りは、こうして幕を閉じたのである。 願わくば来年も――いや、これから先もずっとこのお祭りが続けられますように。 【END】
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土曜日、早朝。 白井黒子は悶々としていた。 ついでに彼女は今、床に転がって天井を見ている状態である。(早く、行かなければ。)しかし電撃で痺れた体は腕を少し動かすのがせいぜいという状態で復活には暫くかかるものと思われた。 (お姉さまったら……………このお返しは遊園地とやらでたっぷりさせてもらいますの!) 約15分前。 まだ夜も明け切らぬうちから御坂美琴はベッドを抜け出しドアへと向かう。 (黒子に見つかっちゃぁシャレにならないからねぇ~。)一応外出時は寮監の目もあるため制服を着ていき上条の家に向かう途中(のホテル)で服を着替える必要がある。 さらに黒子にばれないためにも早め(それにしても早すぎな気がするが………)に、出かけようとしたのだが………………。 「お姉さま、何をしてらっしゃいますの?」美琴はおそるおそる振り返る。 そこには夜叉がいた。 もしくは目を充血させて今にも飛びかからんとする獣にも見えた。 「く、黒子起こしちゃった?ごめんね~。」「ごまかされても無駄です。」そういって黒子は手帳を広げる。 「そっ、それ私の手帳じゃん!」「今日のスケジュールについてるハートと『遊園地』とは何ですの?」 「なっ何でもないわよ!」「察するに『か』の字さんとのデート!ですわね?」 黒子はベットから立ち上がる。 「そのような不純異性交遊はジャッジメントとして許しませんの!!!」美琴はただならぬ殺気を感じた。しかしここは何があっても出かけねばならない。 (ゴメン、黒子!)「ふぎゃああああああ!!!!」 そうして今に至る。 (今頃、お姉さまはあのクソガキの所でしょうか、クソッ!!!)彼女らしからぬ悪態を心の中でつぶやく黒子であった。 上条当麻は現在幸せであった。 「おおっ、食費が半分どころか1/3で済んでる!!!!!」貧乏学生にとってこれはかなりうれしい。 理由は単純で、暴食シスターが2週間ほどいないからである。あのシスターがいるだけで食費は倍と言わず膨れあがる。 そんなこんなでのんびりと朝食を終えてゆっくりしていた上条さんの部屋のインターホンが鳴った。 「ハイハーイ、今行きま~す。」こんな朝早くから誰だ?土御門のやつか?今日は忙しいから勘弁しろよ~。と思いつつあけると。 「おっはよ~。」そこには本日が忙しい理由の張本人がいた。 「はやっ!!今、朝の10時だぞ!!」「あれー、おっかしいなぁ~。これでも時間調整したんだけど。」 「ま、まあ入れよ。」「お邪魔しま~す。」 「にしても早すぎじゃねーか」「………かなぁ?」 「早すぎ!………ってイヤ、前言撤回!そんなに落ち込む所じゃないぞ美琴!!」「迷惑だった?」 「違うって!」「………………たから。」 「え?なに美琴?聞こえ………」「当麻とのデート、楽しみだったから………。」そういうと俯いて黙り込んでしまう美琴。 こういう時どうすればいいのかは旗男のDNAが考えずとも教えてくれる。 当麻は美琴を抱きしめる。 「わわわわ!」「うれしいよ。楽しみにしてくれるなんて。」 「う、うん」抱き合う格好になってる二人。目が合う。そして………チュッ △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「「おお~!カミや~ん!!!!!!!」」 ここは向かいの青ピ宅。今の声は彼と土御門のものである。 「ラブラブでんがな~。」「にゃー。彼処まで行くと見てるこっちが気恥ずかしいぜい。」 「二人とも止めなよー。」ザザッ カーテンが閉められる。 「何すんの白雪はん。」「にゃー、良いとこだってのにー。」 「男二人して見るもんじゃありませんー。」 この3人が此処にいる理由。 ①土御門が上条さん宅をのぞくために青ピの所へきた。 ②土御門と遊園地へ遊びに行くことになってた白雪が舞夏に言われてここにきた。 「土御門くーん?デートのお誘いかと思ってたのに、あの二人を尾けるためだったんだー。」「ちっ、ちがうにゃ白雪、偶然だ偶然!って青ピは何にやにやしてるんだにゃー!?」 「二人とも青いなー思うて。」「「何勘違いしてるんだー!?」」 「そういう○○君(青ピの本名)だって白井さんとできてるらしいじゃーん。」「ちっ、ちがいまっせ白雪はん、あんなサディスティックな人うちがイヤや!!って聞いてー!!!」 聞いてなりふりをする土白に呼びかける青ピ。 「ところで青髪ピアスくーん?件の白井さんはどーしたにゃー??」「いや、電話してんけどな、『体が痺れてちょっとかかりますの』って言われてん。どしたんやろか?」 バダム!! 青ピの部屋のドアが開け放たれた。 「お、遅れて申し訳ありませんの。○○さん…………あら。」他の二人に気がついた。 「あらー、白井さんておめかしするとめっちゃ美人だー。」白雪が言う。 「いや!おめかししたとかでは無く!!いつもからこうですの!!」「にゃー………説得力無いぜい。」 実際、黒子は結構おめかししていた。女心に疎い馬鹿二人もあまりの変貌に見とれてしまっていた。 「それで、あの二人はどうしてますの?」そういわれて我に返る二人。 「「しまった!もういないでー(にゃー)!!」」 「じゃー私らも行こーかー?」「ですわね。さあそこの殿方二人、なに慌ててますの。レディをエスコートするんですからもう少し落ち着いてくださいな。」 かくて3カップルが第7学区にある遊園地へと向かう。 だが、『そこ』へ向かうのは彼ら6人だけではなかった。 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「むっ!彼らに動きがありました!とミサカ10032号は緊急報告し、全ミサカへ作戦行動の開始をお願いします。」「「「ラジャー!!」」」 「止めときなよってミサカはミサカはつぶやいてみ………」「「「子供は黙ってなさい!!!」」」 △△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△ 「彼らが動き出しました建宮さん!」「よし、我らも追うのよな!」 こうして約60名(流石にすべてのミサカを動員するのは不可能だった)の人間が同じ遊園地へ向かいチケット売り場の人間に(どうして今日はこんなに連続して人が来るんだろう?)と不審がられる事となった。 上琴+追跡部隊が遊園地に入る数十分前、一方通行と打ち止めはというと 「どこか遊びに行こー、ってミサカはミサカは寝ているあなたに攻撃をしかけてみたりー」 「うるせェな。黄泉川や芳川に連れて行ってもらえばいいだろ」 「あの二人は今いないのでありまーす、ってミサカはミサカはあなたに連れて行ってもらう方向に誘導してみたりー」 現在黄泉川はアンチスキル、芳川は就活である。 (うぜェーなー。だけど温泉旅行からどこにも行ってねェから、遊びに行きたくもなるだろ) 「ったく……どこ行きてェンだ?」 結局許可を出した。こういうのは後々うるさくなるものである。 「やったー!ってミサカはミサカは喜びをかみしめてみたり!どうせなら遊園地にいきたい、ってミサカはミサカはあの人達が向かっている場所を提案してみたり!」 「あの人達って……はァー。見たいのは分かるが、他に行くとこねェのか?」 「あの二人だけじゃなく3人全員が女の子を連れてるよ、ってミサカはミサカはいつもと違うというところを説明してみたり」 「ほォー……。まァ、相手は大体予想できるがな」 デルタフォース全員が出動と聞いて少し興味がわいていた。 「行くか。別にこのまま寝ておくのも癪だしな」 「やったー!ってミサカはミサカは喜びをかみしめてみたり!ってさっきと同じセリフだなってミサカはミサカは自分に幻滅してみたり!」 かくしてこの二人もデルタフォースがいる遊園地に向かうこととなった。
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疲れた顔に足を引きずって。 照り返す夕日に顔をしかめて。 行こうか。 戻ろうか。 悩みはするけど、しばらくすれば歩き出す背中。 そうだ行かねばならぬ。 何はなくとも生きて行くのだ。 僕らはどうせ、拾った命だ。 ここに置いてくよ、なけなしの── ◆ そう遠くない内に地獄の如き様相を呈する未来が確定している場──それが、見滝原という街である。 其処彼処で殺人事件が発生し、彼方此方にサーヴァントという名の魔人が跋扈しているのだ。 そんな、魔戦の舞台と化しつつある恐るべき場であっても、千翼にとっては心安らぐべき所であった。 何せ、この世界には『アマゾン』という存在がいない。 己が狩っていた怪物も、己を狩ろうとしていた組織もいないのだ。 だからこそ千翼は、記憶を封印されている間、NPCとしての生活を送る事が出来たのである。 彼が、ただの人間として生きる──それは何と幸福な、夢みたいな事であろうか。 だが夢はいつか醒めるもの。 記憶は封じる事が出来ても、アマゾンの特性である食人衝動を封じる事は出来ない。 見滝原に呼ばれてから一日も経たない内にその衝動を自覚した途端、彼の記憶にかけられた封印は解かれ、マスターとして聖杯戦争に参加するに至ったのである──夜。 月明かりが見滝原を照らす夜。 都心から離れた郊外に位置する廃屋にて。 「聖杯戦争が始まるまで、あともう少し。闘いはすぐそこだ。──いや、もう既に始まっているのかもしれないね」 現在見滝原を騒がせている数々の怪事件──ウワサを思い出しながらそう語るのは、千翼が召喚したサーヴァント、バーサーカーであった。 狂戦士のクラスであるとは思えないほどに、彼の話し方は理知的なそれである。 「準備は出来ているかな? マスター」 「…………」 バーサーカーの問いに対し、千翼はズズズッと音を鳴らしながらチューブ型の栄養食品を一気に吸っただけだった。 聖杯戦争のマスターに選ばれたという事実にまだ困惑しているというのに、戦う準備など完了しているわけがない。 確かな願いを持つ他のマスター達を斃し、彼らの願いを踏み躙る覚悟など、まだ決まっているはずがないのだ。 それでも。 「……俺は戦う」 未だ迷いがありながらも、彼の根本的な方針は定まっていた。 マスターとして覚醒した今、元の世界の記憶ははっきりと思い出せる。 千翼がいた世界は、彼が生きるにはあまりにも向いていない世界だった──いや。 人喰いの怪物であるどころか、人を怪物(アマゾン)へと変える特殊な細胞を持つ千翼の生存が受け入れられる世界など、平行世界中を見回しても存在しないだろう。 それこそ聖杯にでも願わない限り、彼の存在が祝福と共に受け入れられる現実など絶対にありえないのだ──いや、もしかすれば聖杯に願ったって叶わないかもしれない。 それでも、千翼が戦う意思を持っているのは── 「元の世界に戻るために──イユと共に生きる為に」 大切な彼女にまた会いたい。 共に生きたい。 そんなささやかな、しかし切実な願いを胸に、前に進もうとする。 「…………」 ──もうトーカにあえないのか ──退かない 前に進む 百足みたいに そんなマスターの姿に、バーサーカーはかつての自分を重ねた。 腕と脚を失い、絶体絶命の窮地に陥ってなお、大切な彼女の為に前に進まんとした、かつての自分を。 「……わかった」 千翼の言葉を受け、バーサーカーは頷く。 「君の思いはわかったよ、マスター。その思いに応えて、僕は誓おう。君を、元の世界に必ず返すと」 君を、生かすと──と。 絶対の意志をもって、そう告げた。 ああ──だが、バーサーカーよ。 金木研よ。 悲劇の舞台で踊る事を宿命付けられし演者よ。 お前は気づいているだろうか。 ──何処かから、百足が這う音が聞こえたことに。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 金木研@東京喰種 【属性】 混沌・中庸 【ステータス】 筋力C 耐久A 敏捷B+ 魔力D 幸運E 宝具D 【クラススキル】 狂化 E++++ 理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。 金木研は通常時は狂化の恩恵を受けないが、その代わりに正常な思考力を保つ。 ダメージを負うごとに幸運判定を行い、失敗すると魔力と幸運を除くステータスが上昇する代わりに、理性が消失し暴走する。 【保有スキル】 喰種 EX 種を喰らう種。人類の天敵。霊長の捕食者。 人肉を喰らう事で魔力が回復し、ステータスが上昇する。 ランクはバーサーカーが希少な隻眼の喰種である事から特異性のEXを意味する。 このスキルは『人を喰らう』という点を見れば、『対人類』と言い換えられるかもしれない──あるいは『獣の権能』とも。 戦闘続行 A+ 往生際が悪い。 このランクにまでなると、霊核を完全に破壊されても判定次第では戦闘が続行可能になる。 いかなる負傷を受けたとしても、護るべきものがある限りバーサーカーは退かない。百足みたいに前に進む。 単独行動 C+++ マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。 バーサーカーは生前から多くの仲間に支えられて行動していたが、それと同じくらい単独での行動にも慣れていたため、下記の宝具の機能低下に伴い獲得した。 通常時だとCランク相当だが、下記のスキルで姿が変化した後はプラス値分上昇する。プラス値発揮後の数値を見るならば、単独行動のウルトラ上位互換のスキルにも匹敵する効果を有する。 喰竜変生 EX 変化スキルの最高位。あるいは赫者の究極体。もしくは『こうりゅうぎ』とも。 発動する事で己を竜へと変じさせ、多重のバフを獲得する。 肉体ステータスも全てが最大まで上昇するが、それに伴い狂化スキルも一気に上昇し理性を失う。 竜と化し、圧倒的な力を備えたバーサーカーの姿は大災害としか形容できない。 このように、実に強力なスキルだが、その分発動に必要な魔力量は凄まじく、令呪によるバックアップ、あるいは複数のサーヴァントを短時間で一気に喰らう必要がある。 【宝具】 『黒山羊(ゴート)』 ランク D 種別 対軍宝具 レンジ - 最大捕捉 - 隻眼の王が率いる喰種と人間の集団組織を召喚する宝具──だったが、金木研のバーサーカーとしての召喚に伴い、隻眼の王の側面よりも、東京を脅かした竜としての側面が強調された状態となった為、召喚は現在発動不可能となっている。 【weapon】 赫子 【サーヴァントとしての願い】 マスターを助けたい。 【人物背景】 彼を召喚するには、特別な触媒も資格も必要ない。 ただ求められる事。それがバーサーカーが召喚されるたった一つの条件である。 ステータスが高く、話が通じるタイプのバーサーカーである金木研は当たりの部類のサーヴァントと言える──だが。 だが、彼が登場し、関わる事になった物語が辿る結末は、悲劇に他ならないだろう。 【マスター】 千翼@仮面ライダーアマゾンズ 【能力技能】 アマゾン ネオアマゾンズドライバーを用いる事で仮面ライダーアマゾンネオへと変身できる。 また、極限まで追い詰められる事で、オリジナル態へと変化する。 【人物背景】 人の世に生まれるべきではなかった怪物。 【願い】 大切な人と共に生きたい、という誰もが持つ根本的にして本能的な欲求こそが、彼の切なる願いである。 万能の願望器を用いれば、その願いが祝福とともに叶えられる未来もあり得なくはないだろう。
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前:二部/010 次:二部/012 028 研究所にはすぐついた。 「こんなとこにあったのか、見逃してたな。」 大きい反逆者は言う。 そう、ここは普段は気づけない。ない。いや、認識しようとしないといったほうが良いのだろう。別にここに特別な仕掛けがある訳じゃない。皆が無意識に認識しないのだ。 例えば、鹿のように 例えば、うさぎのように 例えば、ネズミのように 野生の本能とも言うべき力が生物には備わっている。それは、自分を守るために必要なものであり、それのおかげで生物は生き長らえる。そして、あまりに強大すぎる危険を目の前にしたとき、本能は訴える。 《こっちは駄目だ!》 《止めろ!》 それは、知覚できない本能ゆえ…それを避けていたことにすら気づけない……。 俺は、これでも結構な修羅場をくぐり抜けてきた。 ………だからこそわかる。 俺はここで死ぬ そこには、普段見てきた研究所よりも少し寂れた研究所があるだけ………それなのに………!!!!! 前に進む足は重く、頭に針を差し込まれたかのような頭痛がおき、肺に穴があいたように呼吸しづらい。 《生きたい》 俺は本能を殺した。 029 しばらく進むと少し開けた部屋に出た。 「何もないじゃん〜!」 小さい方がいう。 「実はこの下に……」 そう言いながら床の隙間に指をいれ隠し通路の戸を開ける。 「これはわかんないな」 声を無視して進む。 隠し通路を進んだ先には………《死》………大間があり………《死…ぬ》そこには一つの影がいて………《やだ》……… 「カナ…エ…?」 その声を聞いた影がこちらを向…い…《止めろ!!!!!!》……て 俺は…死んだ。 030 西の海の岸にを前にしてヴィクターは元気だった。 「まだ海水浴には早い時期だぞぅ! ここから本当に泳ぐかいカズマくん?」 「さっきまで倒れてたのに元気なやつだな。流石に泳ぐのは辛いから…」 ……感覚を集中させる。イメージを強く持つ。その妄想が現実であるかのように…。 次の瞬間、目の眩むようなまばゆい光に包まれて船が現れた。 「船をリアルブートさせた。これで濡れることはないだろう」 「おぉ、素晴らしい……アヒルさんボートだ」 確かにその船はアヒルの形をした船であった。 「手漕ぎボートにするか?俺の能力では有機物が作れないんだ。つまりモーターボート本体は作れても燃料が作れない。動力元としては足漕ぎのほうが良いと思ったのだが」 「だからってアヒルにしなくてもいいではないかっ?」 「それは…そっちのほうがイメージしやすかったんだ!」 「わかったわかったからさ」 ニヤニヤ顔をやめてほしいね。 そんな下らないことを話してるうち船に乗りそのうち向こう岸が見えてきた。 「思ったより近いんだな。最西端とか言ったから、結構時間がかかるのかと思っていたよ。」 俺達が船を漕いでいたのは、およそ一時間ほど、その距離は十数キロと言ったところか。 「ハハハ、まさか大洋越えとでも考えていたのか?それでよくこんなアヒルさんボートで渡ろうと思ったな‼」 何だか、最近ヴィクターによくからかわれている気がする。いや、最初からだったか。 「うっさいなぁ、別にいいだろうが‼」 あー、何だか感情的になってしまうな。まぁいいか、その方がコイツとは過ごしやすそうだし。 そうこうしている内に対岸が近づいてきた。 「そろそろ着くぞ。"双月の牢"、だったか。そこはすぐ近くなんだよな?」 さっきまでのやりとりのせいか、若干不機嫌そうにヴィクターに聞く。 「おぅ、その通りだっ。というかもう見えているぞ。そこに地面が隆起して岩山のようになってるところがあるだろう?こちらから入口は見えんが、そこに洞窟がある。その中だ」 確かにそこには岩山のようなのが見える。彼処にアトル達が居るのだろう。俺達を呼び戻すのだから、何かネオの事でわかったのか、若しくは今後の展望でも話し合うのか。まぁ、いずれにせよ、何か進展があって欲しいが。 「ヨシッ、着いたぞッ」 船底が柔らかな砂泥を擦って乗り上げるのを確かめて、ボートから降りる。勿論、船は回収する。リアルブートさせた物を常に維持させておくにも、体力を使ってしまうからだ。 「じゃぁ、行くかっ」 調子を整えるようにそう言って、俺達は歩き出した。 031 アトルから双月の牢に戻ってくるように連絡があった、とカズマから聞いた。 「一段落ついたから」だそうだ。"一段落"と言うのは、おそらくカナエの事だろう。ということは、ピュアライズは成功したということだろうか。ただ、戻って来いというのは、一体どういうことだ。何かあったのか、又は何かネオについて進展があったのだろうか。 双月の牢へと着実に足を進めて行く。あと十分と経たずに到着するだろう。 まぁ、会ったらわかるか、もうすぐだ。 あまり考えていても仕方がない、と割り切って俺は前方に見える洞窟の入口へと足を進めた。 「おい、ヴィクター、双月の牢ってどんなとこなんだ?名前の通り、牢屋か何かか?」 歩いていると、カズマが話しかけてきた。そういえば、カズマには双月の牢やアトル達の行動については、何も言ってなかったな。ピュアライズの件は、カナエと仲良くやっているように見えたから、あえて言わないようにしていたが。 「フッ。牢屋か、面白い事を言うな。しかし、残念ながらそれは不正解だッ。まぁ、無い頭に説明してもわからんだろうから、自分の目で確かめるんだな‼」 うむ、我ながらベストな返しだったと思う。カズマ君は、こちらを睨みつけているように見えるが、気にしないのだ。 「お前、何か俺のことからかってんのか?ちょっと怒っちゃいそうなんだけど、俺」 と少しキレ気味にカズマ君が言っている様だが、まぁ気に留めることはない。 「ハハハ、大丈夫だッ、カズマに負ける程、ヘッポコではないぞぉ」 カズマの顔がみるみる赤くなって行くのが分かるが、大丈夫だろう。そんな事をしている内に洞窟の入り口まで来た。 「着いたぞ、この中が待ち合わせの場所、双月の牢だッ」 さっきから一段と不機嫌そうになったカズマへそう告げる。 「ハハハ、まぁそうカリカリするな、さっきは、あんな風に言ったが、実際言葉では説明できるような場所ではないのだ、双月の牢は。」 少し意味を飲み込めない、というような表情をカズマは浮かべる。 暗い洞窟の中へドンドンと進んでいくと、その空間は現れた。 「ここが双月の牢だ。綺麗だろ?」 そこに広がる空間にカズマは驚きを隠せないようだった。まぁ、そうだろう。俺が初めて来た時も、そんな感じだった。人工的に造られた月とそれに対を成すように水面に映るもう一つの月、それらが放つ淡い光が映し出す幻想的な空間。とても、言葉では説明しきれない、そう言う場所なのだ、双月の牢は。 見惚れているのは後にして、辺りを見渡す。そして、すぐにおかしいことに気がついた。 「アトル達が、居ないぞッ‼」 「何言ってるんだ。そんな事は見ればわかる。きっとまだ来てないだけだろ。」 「そんなはずはないッ。よく考えてみろ。我々は最西端の地からこの極東の牢に来たのだ。順当に来たならば、我々よりも時間がかかるというのはありえないだろう。」 「…なら面倒事に巻き込まれたと見るべきか。」 ハヤトはあれでいて適当な性格だが、アトルは時間や約束といったことを重んじる奴だ。 アトルがついていながら、待ち合わせの地になかなか来ないということは無いだろう。何かしらのトラブルに巻き込まれたに違いない。 「探しに行くか?」 カズマが言う。 「…いや、ここで待つ。」 アトルとハヤトならば心配するまでもないだろう。 前:二部/010 次:二部/012
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佐倉杏子スレ避難所16 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/8286/1408000433/ 173 名前:†[sage] 投稿日:2015/01/08(木) 01 25 42 ID tS2Pum/Y0 184 名前:†[sage] 投稿日:2015/01/10(土) 00 28 54 ID 64bbhXhY0 343 名前:†[sage] 投稿日:2015/05/03(日) 00 28 25 ID r2HiK3tk0 349 名前:†[sage] 投稿日:2015/05/04(月) 00 12 20 ID pvg8/4aA0 173 名前:†[sage] 投稿日:2015/01/08(木) 01 25 42 ID tS2Pum/Y0 僕は不節制が祟り悪しき瘴気に犯されたの 現代科学の賜物のお陰で辛うじて一命は取り留めたの さりとて躯を内から蝕む焔魔は死の円舞曲を奏でるの 我が躯も負けじと聖なる閃光で邪なる熱に応戦するの 其処では総力戦が繰り広げられるの そんなわけで僕は魘されるの かくの如き哀れなる僕を杏子ちゃんは看護してくれたの! 「風邪なんて珍しいな!」 濡れたタオルで僕の額をペチペチする杏子ちゃん ちゃんと絞りきってない所為かビタンビタンと張り付くの でも案外これが気持ち良かったりするの 「早く治せよー」 杏子ちゃんはとても優しくて、まるで聖女みたいなの 「でもインフェルノなんとかじゃなくてよかったじゃん あれ罹ると厄介なんだよな」 インフルエンザだね杏子ちゃん! 罹った状態で電車に乗るのはある意味バイオテロみたいなものだからね! そういえば流石に魔法少女な杏子ちゃんは風邪ひかないね 「あんたみたいにヤワじゃねーかrヘクチッ」 リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「…」 … リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「へへっ!」 風邪移したら悪いから僕から離れていた方がいいよ 「平気だって!たまにあんだろ?風邪でもなんでもないのにクシャミとかセキが出ることって」 「それにひとりぼっちは寂しいもんな、一緒にいてやるよ」 杏子ちゃん… 一人で寝るのが嫌なんだね! 「茶化すなよバカ!」 ごめんね杏子ちゃん、でもありがとね!! 一応念には念を入れて僕と杏子ちゃんはマスクをつけたの マスクごしならいいよね? 僕と杏子ちゃんは薄い紙を隔てて唇を重ね合わせたの コメント 184 名前:†[sage] 投稿日:2015/01/10(土) 00 28 54 ID 64bbhXhY0 大規模な鯖落ちだね杏子ちゃん 僕の予想だとWWW(ワールドスリー)が絡んでるね! 「そんなことよりあたしの鯖缶知らね?」 食べたよ リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「!?」 小腹が減っちゃって…ごめんねティヒッ!! お詫びとしてウニ缶買ってきたよ 「ウニ…」 鯖と雲丹だったら雲丹の方が格上だよ わらしべ長者でやったね杏子ちゃん! 「まぁいいや、缶切り貸してくれよ」 Here you are. リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「Thank you.」 How do you like it? リノ(! > ~<ノリ「うぅ」 LOLOLOLOL リノ(! #゚ ヮ゚ノリ「笑うな!」 ごめんね杏子ちゃん リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「鯖缶返して」 だから食べちゃったって! でも代わりにパイナップルの輪切りの缶詰をあげるよ リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「先にそっちくれよ!」パシッ ごめんね、でも雲丹を食べて微妙な顔をするであろう杏子ちゃんを見たかったの!ティヒッ 「あとそれやめて」 うん… 杏子ちゃんがナビだったら強そうだね 「なんだよいきなり」 ほら、今サイバーバトルが盛んなみたいだからね! 色的に杏子ちゃんはブルースだね! 「本当に色だけじゃねーか!それにあたしの武器槍だし」 じゃあ既存のキャラに無理矢理当て嵌めないでもいいよね ランスマン…杏子ちゃんはマンじゃないし…うーん キョーコチャンってのはどうかな? 「なら普通にキョーコでよくね?」 杏子ちゃんったらロールちゃんポジションを狙ってるんだね!杏子ちゃんったら乙女! 「べ、別にそういうわけじゃねーし!!」 その夜杏子ちゃんとトランスミッションしてプログラムアドバンスしたのでした…/// コメント 343 名前:†[sage] 投稿日:2015/05/03(日) 00 28 25 ID r2HiK3tk0 5月3日! ようやく祝日だよ杏子ちゃん 憲法記念日だよ! でも日曜日と祝日が被ってしまったということになるの だけど心配しないで 大丈夫だよ杏子ちゃん 振替休日という形で6日はお休みになるんだよ やったね杏子ちゃん! って言ってもゴールデンウィークなんてないって人もいるんだけどね シュヴァルツ企業は怖いね杏子ちゃん! どうでもいいけど日本では今日が憲法記念日だけど、 ポーランドでも5月3日が憲法記念日なんだって 因みにポーランドの首都はワルシャワだよ! ワルシャワ条約機構で有名だね杏子ちゃん NATOに対抗したものと言われるけど1991年に解体しちゃったんだって 杏子ちゃんはNATTO好きかな? 因みにポーランドは料理がけっこう豊富らしいよ ポーランド固有の料理は少ないみたいだけど美味しければいいよね ゴールデンウィーク! でもゴールデンウィークって言葉を使わない団体もあるみたいだよ 「じゃあなんて呼ぶんだよ?」 春の大型連休だって! 一週間より休みが長くなる時が多く、ウィークなんてそんなの絶対おかしいよ! 外来語や片仮名語はイヤ! 休暇が取れない人から「何がゴールデンだ畜生!」という抗議が来る! こんな理由からNHKはゴールデンウィークという表現を避けているとか 「ただの言いがかりじゃねーか…」 因みにNHKは何の略か分かるかな? 「日本放送協会だろ?」 ぶっぶー!正解は「にぼしが(N)ほしい(H)杏子ちゃん(K)」 リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「…」 ごめんなさい… はい、にぼし リノ(! ゚ ヮ゚ノリ「ポリポリ…」 リノ(! ; ヮ;ノリ「にがい…」 現在日本国憲法は第103条まであるみたいなの だから今日寝る前には、103回杏子ちゃんの名前を読んで頭を撫でてあげることにするの コメント 349 名前:†[sage] 投稿日:2015/05/04(月) 00 12 20 ID pvg8/4aA0 みどりの日 今は5月4日だけど、ちょっと前までは4月29日だったんだよ 『自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ』 これがみどりの日の趣旨なんだってね 因みにグリーン・ディというバンドとは関係ないよ 勿論だけどカビ撒き散らすけっこう強いスタンドとも関係ないよ 杏子ちゃんがスタンド使いだったらどんなスタンドを使うんだろうね? 斬りつけた相手に幻覚を見せる変幻自在の槍とかかな? それとも槍を見せた相手に幻覚を見せるとかがいいかな? どっちにしろ杏子ちゃんのスタンドなら強そうだね! 因みに僕はスタンドバイユーだよ杏子ちゃん! お国が自然に親しめって言うからお外に出たの 有名なこの公園ならいっぱい自然に親しめるね! なんて思ったのが間違いだったの! 何処も彼処も人が多すぎて自然に親しむ時間なんてないの 杏子ちゃんも人込みはお好きではない様子 ゴールデンウィークっていいことばかりじゃないんだね杏子ちゃん! お家でもやしでも栽培してた方がよかったね杏子ちゃん 「もやしもいいけどプチトマトとかもいいな」 見た目が綺麗だもんね杏子ちゃん 杏子ちゃんはトマト好きなの? 「おう好きだぞ」 塩振っても美味しいからねトマトは 「砂糖を振っても美味いみたいだな」 ドレッシングを振っても大丈夫だよ杏子ちゃん 「はちみつは?」 それはちょっと… 「そっか…」 人混みにさよならバイバイするの せめてのみどりの日要素として近所のせせらぎのある公園にやってきたの 木々に囲まれたところで焼き鳥を食べると落ち着くね杏子ちゃん 鳩が何とも言えない表情でこっちを見ているよ あ、食うかいしちゃダメだからね杏子ちゃん 動物にエサをあげる杏子ちゃんは可愛いけど、迷惑になっちゃうことがあるからね でもシュンとしないで杏子ちゃん その代わりに僕が杏子ちゃんに食べ物を挙げるからね! コメント