約 2,161,343 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/36229.html
【検索用 まほろはしょうねんたん 登録タグ GUMI NexTone管理曲 VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 ま ユリイ・カノン 初音ミク 曲 曲ま 殿堂入り 片井雨司】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ユリイ・カノン 作曲:ユリイ・カノン 編曲:ユリイ・カノン 動画:ユリイ・カノン 絵:片井雨司 唄:初音ミク・GUMI 曲紹介 #00 ネオジャパネスク少女譚歌明るくて可愛いの作りました。昨日の明日。過去になる一秒前。 曲名:『まほろば少年譚』(まほろばしょうねんたん) ユリイ・カノン氏の7作目。 歌詞 (作者ブログより転載) いついつ出やる 籠の外 抜き足差し足じゃ おいてけぼりだ 倦まず弛まず歩けども おぼつかない足取り ないものばかりほしがって 探し疲れて続きはいつかとか でも 手をこまね つっ立っているよりはまだいいな あめ あめ 降れやもっと 蛇の目の傘さしたいの 絢爛な模様のぼんぼりたちも ただそれだけじゃ物足りないな 灯してよこころごと まどかな月がのぼる今宵は あまねく世に響くように謳え 巡るぐるり かりそめのいま 生き死になんて忘れちゃって 夢の道すがら 覚めないままで その手を取って 闇夜だって駆ける ちとせ流れても憶えていて少年の日の夢 これも誰かの掌の上 死にそうなくらい退屈な夜に 足音は言葉よりも雄弁に 躍る感情を響かせていた 今この瞬間でさえも 一秒後にはもう過去になるけど 逆らえない時の中で昨日の明日を生きる 花曇りの空だった 日に咲く暈が見たいの 息を止めても心臓は打つ 立ち止まっても地球は回る 時間は待ってくれない まどかな月がのぼる今宵は うたかたの物語を紡げ 満ちて欠ける 心模様に 字余りな思いを乗せて 命はまたたき 歌はとこしえ 未来世まで走り出せ少年よ 終わりのない永久にはない 夜明けを見ていたい あー 何回 何千 何万回と生きてみても わかんないなこの難問 解答なんて出ないや なあ「もしも」だとか空論は昨日に捨てて明日を始めようか コメント ユリイさん来たーッ! -- 名無しさん (2017-05-05 21 04 51) おどりゃんせと比較されるけど結構違うベクトルの曲だよね。好き。 -- 名無しさん (2017-05-06 07 26 33) まほろばしょうねんひょう大好き❤これからも応援します。 -- ボディーガードc (2017-05-15 22 03 25) しょうねんたん だよ -- 名無しさん (2017-05-16 21 07 17) ユリイさんの曲全部好き‼︎□ -- メデューサ (2017-05-21 13 32 03) PVサイコー! ミクもGUMIも可愛い(*^-^) -- さかちゃん (2017-06-03 20 50 12) 全てが好み!!! -- にゃお (2017-07-16 21 49 45) リズムもユリイさんの曲もいいですね。一番上の匿名さん、お疲れ様です(*´▽`*) -- なみねこ (2017-10-25 17 07 56) ユリイ·カノンさんの、曲が、大好きなんです!!!!PVも、カワイイですね!! -- 祈月 永真 (2017-12-30 11 41 56) サイコー以外言葉が出ない -- 名無しさん (2018-09-11 23 26 52) 神 -- 名無しさん (2019-08-07 09 43 41) めちゃくちゃいい!大好き! -- ねこ (2020-11-06 21 42 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/244.html
1/6 「はぁぁ・・・」 何度付いたか分からない溜息。 高校に入って付き合い始めた彼と些細な事で喧嘩してしまった。 「・・・背が低いからって、子ども扱いすることないじゃん」 わたしは背が低い。最悪小学生に見られる事もあった。 最大コンプレックスであり、引くに引けなくなった理由だ。 今日は土曜日。 いつもなら彼と出かけている時間だった。 わたしは机に突っ伏し、鳴らない携帯電話を眺めていた。 「はぁぁ・・・」 鬱だ、溜息が自然と出てくる。 『なにこのネガティブな部屋!?』 突然の声にビクッと身体を振るわせる。 部屋にはわたし一人だし、両親は朝方から出かけている。 『雨降りみたいにジメジメしてて、なにやってんだか』 空耳じゃなかった。キョロキョロと周りを見渡す。 「誰か・・・いるの?」 ”キシッ” 部屋の隅にあるベッドが軋んだ。 視線を向けるが、誰もいない・・・いや、わずかだけど布団のへこみがおかしい。 まるで、誰かが座っているかのよう。 「そこにいるの?」 『まったく子供じゃないンだから、いつまでもメソメソしない!』 子供、子供って、なんでみんな・・・。 「ちょっと、姿くらい見せたらどうなの!失礼だと思わないの!?」 親が留守でよかったと思いつつ、強い口調で問いかける。 わたしの言葉に応えるように2,3度家鳴りがする。 そして、ベッドの周りが霞んだ後、徐々に人の形が浮かび上がる。 ハッキリと分かるまでに1分も掛からなかったと思う。 そこにはベッドに腰掛けた少年がいた。 年は小学生の高学年くらい、わたしよりも頭一つ分小さく、かわいいと思える顔立ちだった。 「これで文句無い?」 少年が小首を傾げ訊いてくる。 「あ、うん・・・」 なにこの子・・・なんでほんとに出てくるのよ。 「ボクは見ての通り幽霊だから、あまり真剣に考えない方がいいよ」 幽霊?いままで生きてきて、そんなのを見た事も感じた事も無く、霊感というものはこれっぽっちも無かった。 「そこら辺ブラブラしてたんだけどさ、なんかくら~い雰囲気に引き寄せられちゃって」 落ちこんだだけで幽霊呼べるなら、そこら中、幽霊だらけだよ。 「まぁ、ヒマだからしばらく厄介になろうと思うけど・・・ねぇ、聞いてる?」 え、厄介に・・・? 「ちょっと、厄介にっていうのは取り憑くとか、そういう意味?」 少年は少し考えるように上を見上げた後、わたしに微笑む。 「そういう意味でいいよ、というかもう取り憑いたから」 「え、待ってよ、わたしに選択肢はないわけ?」 この子は悪い幽霊には見えないけど、幽霊に取り憑かれてプラスになるとは思えない。 「うん、まぁ、部屋に取り憑く事にしたからそんなに焦らなくてもいいよ」 「あまり違いが分からないんだけど・・・」 「早く出て行ってほしかったら、落ち込んでた原因をどうにかしなよ」 落ち込んでた理由・・・ああ、そうか忘れてた。 「なんなら相談に乗ってあげようか?」 少年は笑みを浮かべ訊いてきた。 この子はどう見ても子供だし、絶対面白がってる。 「いや、キミに話すと悪化しそうで怖いからいい」 わたしは疑うような視線を少年に向ける。 「ふ~ん、じゃ、別にいいよ。ずっと悩んでてくれたら、ボクも長い間居座れるから」 少年はそう言うとベッドに寝転んだ。 わたしは机に置いてある携帯電話を見つめる。 表示されている時計はもうすぐお昼を指そうとしていた。 「・・・わたしどうしたらいいんだろ」 一人で考えても答えは出そうになかった。 「いきなり言われても困るンだけど。まず、理由を言ってくれないと」 そうでした・・・。 ベッドに座る少年に彼との事を掻い摘んで話した。 特に彼の方を悪く言ったのは人として当然だろう、うん。 「なるほど、それで仲直りの機会を逃して今に至るってワケか」 少年は軽く頷き、納得したようにわたしを見る。 「バカだね」 一言、そう言った。 前言撤回、この子は悪い幽霊です。 「ボクから言わせて見れば、どっちも子供だよ」 「子供って、キミの方が子供じゃない」 少年は軽く溜息をついた。 「生まれた年を考えるとボクの方が年上なんだけど」 「え、そうなの?」 そういえば幽霊は年取らないのか、考えてなかった。 「そうなの。だから年上の意見は聞くこと」 見た目は子供なのに、なんだか複雑な気分・・・。 「あ、そうだ。ねぇ、わたしの事、お姉ちゃんって呼んでくれない?」 「はぁ?いきなりなに言ってんの? さっきも言ったけど、ボクの方が年上なんだよ」 「いいじゃん、見ため的にはわたしの方が年上だし。 お姉ちゃんって呼ばれてみたいのよ」 少年が呆れたようにわたしを見る。 「却下だ。ボクにそんな義務はない」 「え~、厄介になるんだから家賃だと思ってさ」 「却下!」 少年はわたしの提案を頑なに拒否する。 「よし、霊感のある友達に除霊方法訊くね」 わたしは机においてある携帯を取り、楽しそうに少年を見る。 「ちょっと・・・それ脅し・・・」 「やっぱり、塩とか苦手なの?」 さらに追撃を加える、わたしは決して楽しんでなどいない。 「・・・ぉ・・・ちゃん」 少年は俯き呟いた。 「ん、なに聞こえないよ?」 「お姉ちゃん!・・・これで文句無いでしょ」 「うむ、余は満足じゃ」 わたしは悔しそうにする少年に笑みを向ける。 「そんな性格だから子供だって言われるんだよ・・・」 少年は大げさに溜息をつき、わたしの方を見る。 「容姿はどうしようも無いけど、その性格をなんとかしないとダメだね」 サラリと酷いことを言うね、この子は。 「わたしだって、一応は自覚してるんだよ。 でも、なかなか直んなくてね」 性格は一朝一夕で変るものじゃないし、わたしは器用な方ではなかった。 「お姉ちゃんはなんとなく諦めてんじゃない? ずっと、そういう風に見られてたからかもしれないけどね」 「・・・そう、なのかな」 「それで自然と子供っぽく振舞ってさ、落ちこんでるんだから自業自得だよ」 思い当たる事が多すぎて言葉が痛い。 「じゃ、どうすればいいの?」 「さぁ、どうすればいいんだろうね」 少年は肩をすくめて答える。 この子に相談したわたしがバカだった。 「でも・・・」 「でも?」 わたしは少年の言葉を促す。 「諦めさえしなければ結果は付いてくるものだよ」 「要は気の持ちようって事?」 「まぁ、そんな感じだね」 ふむ、この子の言葉も最もか・・・。 「ふふ、キミに言われるとできそうな気がしてきたよ」 「単純だね、お姉ちゃん」 か、かわいくない・・・わたしは引きつった笑みを浮かべる。 「キミねぇ、もうちょっと言い方ってものが」 「これがボクの性格だよ」 少年はいたずらっぽく笑う。 子供っぽいか・・・この子見てると分かる気がする。 わたしもこんな感じなのかな。 「はぁ、わたし、なに悩んでたんだろ。キミのせいでどうでもよくなってきた」 わたしは椅子から立ち上がると、大きく伸びをする。 「一応、励まされたのかな・・・ありがとう」 「べ、べつにそんなつもりで言ったわけじゃない」 少年がそっぽ向いた。 お、以外な反応、ちょっとかわいい。 「ふふ、そんな照れることないのに」 「照れてなんかいないやい。お姉ちゃんの口からそんな言葉が出るとは思わなかっただけ!」 「失礼ね。わたしだって感謝の気持ちくらい持ってるわよ。冗談じゃなくて、ほんとに感謝してるんだよ」 「うう・・・」 少年がくすぐったそうに身もだえる。 「そ、そんな事より、彼氏の方はどうするの?」 「ああ、今のわたしじゃ立場は変らないと思うから、しばらく離れてみようと思う」 それで終わってしまうなら仕方ないよね。 「そんな事より」 「そんな事より?」 少年が訊き返す。 「お腹減ったから食べに出てくる」 「お姉ちゃん・・・」 少年が心底呆れた顔でわたしを見る。 「先は長いね」 「まぁ、いいじゃん!」 わたしは満面の笑みで返した。 わたしは自分自身が好きになれなかった。 でも、この子の言葉で変われそうな気がする。 時間はかかりそうだけど、きっと・・・。 そういえばあの子、何時帰るんだろ。 まぁ、いっか、楽しそうだし。
https://w.atwiki.jp/saigonotubasa/pages/105.html
2009/4/29 maturi 野良で横から撃ったり後ろから撃ったりと無抵抗の相手でキル稼いでも そんな経験値たまらん気もしてきた今日この頃、 ちょいとARで正面から撃ち合うように動いてみようかなぁみたいな気分です っていうか迂闊に顔出す敵をスナで殺すプレイを自重しようそうしよう あとFPS歴はペーパーマン(故サイカン)→ランドマス(ENDMASS)→AVAです! とか言うとほぼ確実に失笑されるんですが何故でしょう僕は非常に悲しいです 2009/4/28 すかいふぃっしゅ ハイパーメンテタイムだからPMやってみたら皆強すぎワロタ 2009/4/24 スカイフィッシュ 最近RMがだめだめなんですがどうしましょう・・・ 弾が全然当たりません AIM的なものもアレだと思いますが、リコイルコントロールも怪しいです 怪しいとこばかりで何からやればよいのやら・・・ とりあえず高センシ?に戻してちょっとやって行こうかな TPG持てばスコアは安定するんだけどそれじゃあなあ・・・ 2009/4/23 slv 当たり前だけど負けると悔しいと言うのを再認識 2009/4/18 スカイフィッシュ 所謂、強豪クランとやってみて思うことが AIMもそうだけどとにかく連携がしっかりしてる。 攻めの連携の仕方やカバーの早さなど見習う点が多くあってやってて楽しいです 今日はcometさんとのクラン戦でどうしようもないミスをしてしまって クラメンに迷惑をかけてしまって大変申し訳なく思います。 あのミスがなければ後一本は取れたよね・・・。今度からは絶対しないようにする(キリッ 後は・・・ 最近護衛のクラン戦(少数)も相手がいればやってますが、勝てれば面白いけど負けたら面白くないですね。 だから護衛クラン戦をやるなら絶対勝ちましょう。 そろそろPMの新しい武器出すかP90を耐久で出して欲しいなあ。 そうそう、グレのページなんかぐちゃぐちゃしてて見にくいからwiki編集に精通してる人整理お願いします!! 2009/4/12 スカイフィッシュ クラン戦で得るものがあると、勝っても負けても気持ちがいいですね。 これだからクラン戦はやめられない。 まあ勝った方が気持ちがいいのは間違いないんですが!! 今日、俺の糞スナが某SR様と無謀ながら撃ちあったわけですが 勝ち負けは置いといて、すごおおおおおく勉強になりました。 すぐにでも実践可能なテクニックっていうやつですか? そんな感じのものをたくさん学ばせてもらいました。 某SR様に感謝感謝゚・* .。..。. *・゜ヽ( ´∀`)人(´∀` )ノ・゜゚・* .。..。. * ちょっと本格的にSR練習してみようかな! クラン戦でスナやらせろ煩いかも知れないけど許してね! 2009/4/10 スカイフィッシュ slv様が更新してたけどそんなことしらないですぼくもかきたい! 最近、内戦やることが多くなって大変いいことだと思うけど 内戦やるとクラン戦ができないのが悲しい;; 内戦もいいけど、クラン戦もやろうぜ!!! 2009/4/10 slv様 最近ようやくどんな試合でもKD1は取れるようになったように感じます。 爆破で1.2安定が今後の目標ですね。 DQNだとかさんざ言われて僕のイメージが悪いので ここでそのイメージを払拭して行きたいと思います。
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/1703.html
拉麺男(ラーメンマン)誕生!!の巻 日本の空手、韓国のテコンドー、タイのキックボクシング(ムエタイ)など、世界のあらゆる武術、武道の源流が一四〇〇年の歴史をもつ中国拳法にあるといわれている。 その中国拳法の総本山が中国河南省の嵩山少林寺である。 この崇山の一角には英雄面山とよばれる高峰がそびえ、 岩壁には中国拳法史上の最強の四人の達人の顔がきざまれている。 今日はこの4人の中でも最強とうわさのたかいラーメンマンの修業時代にスポットをあてて話をすすめていきたいとおもう。 それはむかしむかしのおはなし。その頃の中国は山賊や馬賊とよばれる強盗団が横行していた。とあるこの村にも、蛇五、蛇六、蛇九の三兄弟ひきいる悪名たかき毒蛇党(コブラとう)とよばれる馬賊が猛威をふるっていた。 村人「ああ・・・毒蛇党だ・・・」 長男蛇五(ジャンゴ)、性格はいつも冷静で氷のよな男。剣の達人。 蛇六「ケケケ――――」 次男蛇六(ジャム)、性格ははげしく短気。クンフーの達人 蛇九「うお~~~!!」 三男蛇九(ジャンク)、性格は乱暴で一度狂いだすと手がつけられない。 そんな毒蛇三兄弟が次々と村人を殺していく。 蛇五「ホーレホレ、金めのものはみんなだせ」 蛇九「ゲヘヘヘ・・・はやくだした方が身のためだぜ!」 ソーメンマン「その必要はないぞ、みんな」 村人「ソ・・・ソーメンマンさん、あんた・・・」 蛇六「ん?なんだおめぇは拳法でおれたちにたちむかおーってのか。こいつは・・・おもしれぇ」 「よ―――し、ためしたい秘技もあることだし、やったろうじゃねえか!!」 蛇六がソーメンマンに向かっていく。 その様を、ソーメンマンの息子のラーメンマンが見守っていた。 しかし、蛇六とソーメンマンの間に蛇九が立ちふさがった。 ソーメンマン「ああ・・・こ・・・これでは蛇六の動きがみえん・・・ひ・・・左か、それとも右か・・・」 蛇六「秘技幻惑夢壁(げんわくむへき)!!」 蛇六が蛇九の肩を跳び越えた。 ソーメンマン「ああ、上から・・・」 蛇六「うりゃあ~~~~~~っ!!」 蛇六の蹴りがソーメンマンの腹を貫いた。 ラーメンマンが飛び出し、倒れたソーメンマンの元に駈け寄った。 ラーメンマン「お、おとうさん、死んじゃやだ――――!!」 蛇六「ケッ・・・くちほどにもねぇやっ!」 ラーメンマン「くっそ―――っ!!」 ラーメンマンが蛇六に飛びかかった。 蛇六「うわ・・・」 「そらとうちゃんの所へおくってやるぜ!」 しかし、ラーメンマンは崖の下に放り投げられた。 蛇五「よ―――し、次の村へいくぞ!」 党員たち「「「おお」」」」 毒蛇党は去って行った。 谷- ラーメンマン「ウ・・・ウーン・・・」 川のほとりで目を覚ましたラーメンマンの前に、陳という老人がいた。 陳「小僧、気がついたか」 ラーメンマン「あ・・・おじいさんがたすけてくれたの?」 陳「おまえが強運の持ち主じゃのう。岩壁の木の枝にひっかかってたすかったんじゃ。命は大切にせえよ」 ラーメンマン「ところでおじいさん、なにしてるの?」 陳「つりじゃよ」 ラーメンマン「えっ・・・つり?」 陳が川の中の魚を蹴り上げていく ラーメンマン「ああ。わわ・・・つり針もサオもつかわないで足でさかなを・・・」 「これがうわさにきく超人拳法か・・・」 陳「どれ、これくらいにしてかえるか!」 ラーメンマン「・・・・・」 陳「ところで小僧、両親のことをなんどもうわごとでいっておったが、なにかあったのか?」 ラーメンマン「ろ・・・老師、なん十万、なん百万の軍団にひとりでたちむかって勝つことができるでしょうか」 陳「できる、それは超人になることじゃ!」 ラーメンマン「で、ではわたしは、わたしは超人になれるでしょうか!?」 陳「それはだれにもわからん!」 ラーメンマン「ろ・・・老師、わたしを弟子にしてください!!」 陳が振り向き、ラーメンマンの目を見つめた。 陳(こ・・・この目、よほどのことがあったんじゃろう・・・) 「よいか、道というものは理想であり、とおくにあるものだ。したがって常に自分の道にちがづくよう努力すればよい。いいか、修行はつらいぞ!」 ラーメンマン「ハイ老師!!」 陳老師の修行寺- 陳「よいかラーメンマン、拳法は心・技・体の三つがそろってはじめてなりたつ」 「この熱湯のはいったカマの底をみなさい。ありがたいお経の札がはいっておる、ラーメンマンこれをとってもらえぬか」 ラーメンマン「は・・・はい」 ラーメンマンがカマに手をいれようとしたが・・・ ラーメンマン「あち――――」 陳「ハッハハハ。それではダメじゃラーメンマン」 陳が素早くカマに手を入れ、お札を抜き取った。 ラーメンマン「わあはやい・・・しかも水面には波ひとつたってない!」 陳「よいかラーメンマン、手のはやさだけでは札はとれん。心を集中させるのだ。もし雑念が入ると水面に波がたち大やけどをしてしまうだろう」 「この集中力が強化されるとこのような芸当もできる!!フン!」 陳が手を振ると、上に吊されていた鐘が鳴った。 ラーメンマン「ああ・・・か・・・鐘が・・・・・」 陳「この技を完全に消化すると百歩はなれた位置から敵をたおすことができることから、百歩神拳とよばれる!」 「さあ、つぎはこれをきなさい」 ラーメンマン「ハイ」 陳がラーメンマンに白い胴着を渡した。 陳「ついてきなさい」 陳も白い胴着に着替えて外に出た。 ラーメンマン「ああ、こんな所にトンネルが」 陳「よいかラーメンマン。このトンネルの中には全身にススをぬりたくった像がならべてある。人がこの中にはいると像がつぎつぎにたおれる仕組になっている。今からわしとまえとでこの中にはいり、たおれてくる像をよけながら向こう側へはしりぬける」 ラーメンマン「よーしこれならわたしにもできそうだ。なんたってすばっしっこさにかけては、だれにも負けたことはありませんから」 陳「フォフォ!それはどうかな」 ラーメンマン「今度ばかりはわたしに分がありそうですね!老師」 「よーいドン!」 陳とラーメンマンがトンネルの中に入っていった。 ラーメンマン「わあっ、うわーっ!!」 「ひぇ~~~~!!」 ラーメンマンが倒れてくる像に苦戦する中、陳は軽々と通り抜けていった。 ラーメンマン「ひゃ~~~~、まっ黒になっちゃた」 陳「おう、今でてきたのか、ラーメンマン」 ラーメンマン「ああ・・・老師が先に・・・しかも白衣はまったくよごれていない」 「・・・・・」 陳「くやしいか、こんな老いぼれに負けて・・・よいか、どんなに年をとってもすごい力がだせる。これが超人拳法じゃ。拳法は曲芸でも手品でもない。くるしい修行にうちかつさえできれば、だれでも超人になれる。わかるな、ラーメンマン」 ラーメンマン「老師、わたしはやります」 それからはラーメンマンの血のにじむような修行がはじまった。 陳老師の超人拳法には超人一〇二芸と称する各種の鍛錬法がある。 修行者はその一〇二のすべての鍛錬法を消化しなくてはならない。 しかしラーメンマンは修行にいや気がさすどころか、ますます練習熱心になりもともと素質もあったため、ラーメンマンの拳法はうではメキメキと上達していった! そして12年の月日がながれた――― 成長したラーメンマンは、あのトンネルの像をよけきって抜けた。 陳「おお・・・ようやく白衣をススでよごさないで、はしりぬけられるようになったの」 ラーメンマン「はい」 陳「よし卒業じゃ」 ラーメンマン「ええ、今な・・・なんといわれました」 陳「もうわしがおまえにおしえることはなにもない。下山してもよいぞ!」 ラーメンマン「老師、ありがとうございました」 陳「では卒業式じゃ。あの火の中の巨大なカマを・・・はこんでここまでもってきてみい」 「いっておくが力だけではもちあがらんぞ。わしのおしえた超人拳法、心・技・体が一体となったときにもちあがるのじゃ。失敗すれば大やけどをおって死ぬ」 ラーメンマン「うわ―――っ、うわ――――っ!!」 ラーメンマンがカマを持ち上げようとするも、熱くて持ち上げられなかった。 陳「ラーメンマン、心・技・体じゃぞ!」 ラーメンマン「ハッ」 ラーメンマンがカマに「中」の文字が彫られていることに気づき、その文字に額を合わせた。 ラーメンマン「うわあ~~~~、うわあ~~~~!!」 ラーメンマンはカマを持ち上げ、陳が笑った。 ラーメンマン「おお・・・」 ラーメンマンはカマを陳の前に置いた。 その額には、「中」の文字が焼き付いていた。 陳「よ――――しラーメンマンよ、おまえは今日から美来斗利偉拉麺男(ビクトリー・ラーメンマン)となのるがよい!!」 「それからおまえにこの闘龍極意書をさずける」 ラーメンマン「こ・・・これは・・・」 陳「これにはひとりで軍隊にたちむかう方法がかいてある」 ラーメンマン「老師・・・」 陳「命は大切にな!」 かくしてラーメンマンは父親の敵、毒蛇党をもとめ山をおりた。 ある村- 毒蛇党に滅ぼされたこの村で、一人の子供が泣いていた。 シューマイ「お・・おとうさん・・・シューマイはどうして生きていけばいいの・・・・」 ラーメンマン「この村もやつらのえじきになったのか・・・・」 シューマイ「だ・・・だれだ・・・」 ラーメンマン「わたしは美来斗偉拉麺男!毒蛇党をたおしにきた」 シューマイ「ええ・・・あの毒蛇党を!!正気かあんた・・・・」 ラーメンマン「正気だ。あんなカスどもの退治はひとりで充分」 シューマイ「ええ、ひ・・・ひとりでってどうやって・・・・・」 ラーメンマン「ワナをしかけて、そしてやつらを一網打尽にする」 シューマイ「え?ワナ?」 ラーメンマン「超人説法その1,戦いをするにもまず完全な準備から。少年よ、やつらは今度いつせめてくる?」 シューマイ「またすぐやってくるよ!」 ラーメンマン「ではいそがねば」 シューマイ「ぼ・・・ぼくもてつだうよ!」 ラーメンマン「これでよし」 「超人説法その2、敵を一望できる所に拠をかまえるべし!少年よ、このあたりで一番見通しのいい所は?」 シューマイ「あそこかな」 シューマイは少し離れた丘を指差した。 ラーメンマン「う―――む、絶好の場所だ!」 シューマイ「ところでなんなのそれ?」 ラーメンマン「これか。これはわたしの守り神だ」 シューマイ「守り神?」 ラーメンマン「超人説法その3、自然現象をフルに活用すること。自然現象か・・・・」 「ム!あ・・・あれは台風雲だ。それも大型・・・!!こ・・・これはつかえるぞ!!」 「よ―――し!!あの雲の大きさからみてこのあたりだろ」 ラーメンマンは地面に大きなマル印を書いた。 シューマイ「マルなんかかいて、なにすんのさ?」 ラーメンマン「数時間後、このマルがやつらを一掃してくれる!」 シューマイ「ええ!?このマルが・・・」 シューマイ「き・・・きた、毒蛇党だ!」 馬に乗った毒蛇党の軍勢が二人の前の平原に差し掛かろうとしていた。 (蛇九は巨体のせいで馬に乗れないので走ってきた) シューマイ「ほ・・・ほんとに大丈夫なの?」 ラーメンマン「わたしの作戦は完璧だ!」 蛇五「ハッハハハハハ――――ッ!!」 ラーメンマン「とうさん・・・そして老師、みていてください・・・ラーメンマン一世一代の大戦を!」 蛇九「なんだ―――っ!!」 党員たち「うわっ」「あたっ」 蛇九や党員達がラーメンマンとシューマイの彫った落とし穴にかかった。 シューマイ「やった―――っ!!」 蛇九「だれだ、こんな所に穴をあけたやつは―――!?村の連中か!?くそ―――!!」 蛇五「いいや、臆病者のやつらにはそんことはできん!!」 蛇九「じゃあ、いったいだれが・・・」 蛇五「だれかがわれら三兄弟をねらっているとしかおもえん」 蛇六「よしおまえら、われらのタテになれ―――っ!!」 蛇五「あの丘だ・・・」 毒蛇党は、毒蛇三兄弟を囲む陣形になって丘の方に向かった。 ラーメンマン「毒蛇三兄弟は警戒して護衛兵をまわりにおいた。予想どおりの行動だ・・・これで勝てる」 シューマイ「ああ・・・風が強くなってきた・・・」 ラーメンマン「ま・・まずい。風が強くなるのがおもったよりはやい。はやく三兄弟をあのマルの中へいれなくては。マルの中にはいるのは三兄弟でなければすべては水のアワ・・・」 「あと10M(メートル)・・・あと6M」 「5M、4M・・・」 毒蛇党はどんどんマルに近づいていき・・・ ラーメンマン「3M、2M、1・・・ゼロ」 「はいった―――っ!!」 三兄弟がマルの中に入ったのと同時に、台風が起こった。 党員「うわっ・・・風が・・・!」 「ひえ~~~っ」 「うわ~~~っ!!」 三兄弟を残して、党員たちが台風に吹き飛ばされていった。 蛇五「い・・・いったいどうなってるんだ!!」 シューマイ「わああ、すげえ・・・」 蛇五「こ・・これはいったいどういうことだ!!」 シューマイ「ど・・・どうして毒蛇三兄弟だけふきとばされなかったの: ラーメンマン「それはあのマルの位置がちょうど台風の目の位置だったからさ。しってるかな、台風の目の位置は・・・無風状態だということを!」 シューマイ「あ・・あなたはすごい・・・台風がくることだけでなく、台風の目の位置まで予測して戦いをいどむとは、ちょ・・・超人だ・・・!!」 ラーメンマン「ひさしぶりだな、毒蛇兄弟!」 ラーメンマンが丘から出て来た。 蛇五「お・・・おまえがわれらを・・・たったふたりで毒蛇党をおびやかすとは、おまえはなに者!?」 ラーメンマン「わすれたか、12年前を」 蛇六「き・・・きさま、あのときの・・・」 ラーメンマン「わたしは生きていた。12年間きさまらをたおすために修行してきた・・・とうさんや村の人びとの敵をうつために。そして今、その宿願がはたされるときがきた――――っ!!」 ラーメンマンは胴着を脱ぎ捨て、毒蛇三兄弟の元に飛び降りた。 ラーメンマン「そりゃ――――っ!!」 シューマイ「ああ・・・」 ラーメンマン「大車輪蹴り!!」 ラーメンマンの回転蹴りが毒蛇三兄弟に炸裂した。 蛇六「こ・・・こしゃくな――――っ!!きさまも父親の所へおくってやるぜ-―――っ!!」 蛇九「ぐわはは―――っ!!」 蛇六がラーメンマンに向かい、蛇九がラーメンマンと蛇六の間に立ちふさがった。 ラーメンマン「秘技、幻惑夢壁だな」 (みえる、蛇六のうごきが・・・) ラーメンマンは蛇九の体の向こうの蛇六の動きを見越していた。 ラーメンマン「上だ――――っ!!百歩神拳~~!!」 ラーメンマンの百歩神拳が蛇六と蛇九を真っ二つに切り裂いた。 シューマイ「ああ・・・」 蛇五「ひぇ―――、ゆるしてくれ、ラーメンマン。もう悪事ははたらかない、村人たちには償いをする」 ラーメンマン「・・・・・」 ラーメンマンは蛇五に背を向け立ち去ろうとしたが、蛇五は剣を拾い、ラーメンマンを斬ろうとしていた。 シューマイ「ラ・・、・ラーメンマン、うしろ・・・」 シューマイの言葉を聞き、ラーメンマンは飛び上がった。 蛇五「うわっ」 ラーメンマン「後方風車―――っ!!」 ラーメンマンの両足蹴りが蛇五の頭を蹴り砕いた。 ラーメンマン(シューマイのひとことがなかったら、わたしはやられていただろう・・・まだまだ武道家としては未熟・・・) 「また山にもどって修行のやりなおしだ」 胴着を拾って、去っていくラーメンマンの後ろをシューマイが追いかける。 シューマイ「ああ、ラーメンマン、まってよ!!ねえまってよ」 ラーメンマン「修行はつらうぞ、シューマイ!」 シューマイ「ハイ!お師匠さま!!」 一日師となれば終生父となす・・・(中国のことわざ) (続く)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/517.html
前ページ次ページ異世界BASARA 決闘の日から数日… 「…ぐぅ…おや…かた…さまあぁぁ…」 今日もまた、トリステイン魔法学院に朝が来る。 「おや、かた、さまあぁぁ…」 そして、朝日が昇ったその瞬間。 「うぅおやかたさまあああああぁぁぁぁぁー!!!」 男の大声が学院中に響き渡った。 「きゃあああ!」 「うおわっ!?畜生、またルイズの使い魔だな!」 「しえええええ!持病の水虫じゃあああああ!」 その声に大勢の生徒が目を覚ます、これが最近学院での悩みの種となっていた。 毎朝決まった時間、この大声が聞こえて無理やり起こされてしまうのだ。 最も、ほぼ確実に目が覚めてしまう為、寝坊する生徒がいなくなったという事実もあるが… 「…ユキムラ、もう少し静かに起きられないの?」 と、その内1つのドアが開いた。 ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…朝の大声の元、真田幸村の主人である。 「しかし!夢にお館様が出てきてはこの幸村、熱い魂を抑える事が出来ませぬ!」 「出来なくても何とかして抑えなさい!」 言い訳する幸村を一喝して部屋の中に戻るルイズ。しばらくすると、今度は洗濯物を持って出てきた。 「それじゃいつものようにお願い。いい? 絶 対 に 自分で洗おうとしない!」 「承知いたした!」 ルイズから洗濯物を受け取り、幸村は洗い場へと走り出した。 ここ最近彼と生活し、分かった事がある。 幸村は、家事が絶望的に出来ないという事だ。 1. 洗濯 「このような雑用もせねばならんとは…いや!これも使い魔としての役目!うおおおおー!」 ビリッ!! 「……あ」 「…で、私のパンツ…破っちゃったの?」 「も、申し訳ございませぬ!!この幸村、一生の不覚!!」 2. 掃除 「床にテーブル、しっかり拭きなさい」 「任せられよ!ぬおおおおおー!!」 「…?何これ…焦げ臭い…」 「うおらおらおらおらおらああぁぁー!!」 「ちょ、ちょっとユキムラ!火が!床が燃えてる!!」 3. お茶汲み (流石にお茶ぐらいなら淹れられるわよね…) 「お茶が入りましたぞ!!」 ゴボボボボボボボ 「……………」 「ルイズ殿、いかがなされた?」 「ななな何でカップに入っているのに沸騰して…(ガチャン!!)きゃあ!」 「だ、大丈夫でござるか!?」 頭が痛くなってきたので、ルイズはそこで思い出すのを止めた。 ふと、隣のキュルケの部屋から声が聞こえてくる。 「トシイエ、ちゃんと出来たらご飯多めにしてあげるわよ~」 「本当か?よーし!それがし頑張るぞおー!!」 ドアが勢いよく開き、洗濯物を持った利家が出てきた。それに続いてキュルケも出てくる。 「あら、おはようルイズ」 「お…おはようキュルケ…」 「おうルイズ殿!今日も元気か?」 出てきた2人にとりあえず挨拶するルイズ。 「じゃああたしは朝食に行ってくるわ。洗濯よろしくね」 「おう!ルイズ殿もちゃんと飯を食えよ。でなきゃ…大きくなれないぞぉ~!」 「よ、余計なお世話よ!!」 怒るルイズを尻目に、利家は洗い場へ走って行った。 当たる相手がいなくなった為、ルイズはキュルケをキッと睨みつける。 「キュルケ!あんたの使い魔、ちょっと礼儀がなってないんじゃない!?」 しかし、キュルケは何ら詫びる様子もなく、腰に手をあてている。 「あら?でも事実でしょ?あなた本当に背が低いし、それに…」 ルイズの胸に視線を移し、哀れむような目をして言った。 「胸も成長してないみたいだし…プッ」 「こ、ここここれからよ!これから大きくなるんだから!!」 その頃、学院長室では朝早くから緊張した空気が流れていた。 「…これは伝説上にしか存在しない筈の使い魔のルーンじゃぞ…本当にこれがあの男に刻まれておったのか?」 「はい!確かにこのルーンが左手に!オールド・オスマン、これは大発見ですぞ!」 ガンダールヴ…オスマンはコルベールの持ってきた古文書を見て呟いた。 始祖ブリミルの使い魔で、あらゆる武器を使いこなした「神の左手」… (そんな伝説上の使い魔を何故ミス・ヴァリエールが…) 「ミスタ・コルベール、この事は他言無用じゃ」 「よ、よろしいのですか?このような重大な事実、王室に知らせた方が…」 「ガンダールヴ、その強さは千人の軍隊に勝り、並のメイジでは歯が立たなかったとされたほどじゃ。そんな強力な者が現れたなどと知れたら、連中は戦でも起こしかねん」 オスマンはそこまで話すと、改めてコルベールを見据えて言った。 「それと、残り2人についても同じじゃ」 「え?」 「思い出してみよ。決闘の際、彼は力を発動して戦っていた……その強力な攻撃を受け止めたんじゃぞ?」 コルベールはハッとなり、決闘の様子を思い出した。 あの時…幸村は我を忘れ、ギーシュに止めを刺そうとした。 その攻撃を防いだのが前田利家と北条氏政の2人だ。 「つまり、彼らはガンダールヴに相当する実力を持っていると?」 「うむ、…恐らくな…」 前ページ次ページ異世界BASARA
https://w.atwiki.jp/bzspirit/pages/680.html
さよなら絶望先生(さよならぜつぼうせんせい)は、久米田康治による日本のギャグ漫画。また、そのアニメ化作品、OAD作品。 B zネタが登場する回が存在する。 作中に登場するB zネタ 12話「まだ開けそめし前髪の」(単行本1巻) |単行本20ページ2コマの張り紙に、「食べ合わせ注意!! 合わない例 キウイ ビーズ」と書かれている。これは、B z「愛のバクダン」がゼスプリ ゴールド・キウイのCMソングになったことを指す。 アニメ版では、張り紙には何も書かれていない。(『【俗・】さよなら絶望先生』2話「まだ明け初めし前髪の」) 「発禁抄」(単行本15巻初回限定版に付属のOAD『【獄・】さよなら絶望先生』上巻) |主人公である糸色望(いとしき のぞむ)が「世の中、常に見えない部分で激しい戦いが繰り広げられているのです!」と発言した後に、「ミエナイブブン~INVISIBLE PART~」という文字が映るが、これはB z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」のジャケットのパロディである。 原作版には登場しない。(単行本11巻 109話「発禁抄」) アニメシリーズ テレビアニメさよなら絶望先生(第一期) 【俗・】さよなら絶望先生(第二期) 【懺・】さよなら絶望先生(第三期) OAD(OVA)【獄・】さよなら絶望先生(第二・五期) 【懺・】さよなら絶望先生 番外地(第三・五期) 関連商品 コミックス 1巻 コミックス 15巻初回限定版 関連項目 大槻ケンヂ「大槻ケンヂと絶望少女達」という名義で出演声優と共に主題歌等を担当している。 かってに改蔵同じく久米田康治による漫画作品。 外部リンク 週刊少年マガジン さよなら絶望先生 スターチャイルドレコード さよなら絶望先生 アニメ公式ページ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyogokurowa/pages/171.html
◇ 会場内の中央に位置する山中。 陽光遮る深緑の中を歩む鬼が二人。 無惨と麗奈は、先の騒動の後、真っ直ぐに遺跡へと向かっていた。 基本的には、木漏れ日すら差し込まない薄暗い山林の中だというのに、万が一に備えて、無惨は番傘をさして日光を浴びぬよう徹底している。 麗奈のおかげで、日光を克服できているという仮説を立ててはいるが、確証がない以上は用心するに越したことはない。 鬼舞辻無惨は、それほどまでに疑り深く、こと自分という存在の存続に関しては、徹底的なほど慎重なのである。 「……。」 傍を歩く麗奈は、光を失った瞳のまま、ただひたすらに無惨に同行する。 彼女の中にあるのは、無惨に対する圧倒的な恐怖のみ。 逃げ出そうと思うなら、頭を吹き飛ばされた鈴仙、肉塊としたオスカーの姿が途端にフラッシュバックし、彼女を踏みとどまらせる。 今はただ無惨の機嫌を損なわないよう振る舞うしか道はないのである。 そんな二人が歩を進めていくこと数刻―――。 バチバチと枯れ枝を踏み抜く音が、南の方向から聴こえてくるかと思うと、人影が二つ此方に近づいていることに気付いた。 「つ、月彦さ――」 「黙れ」 「っ!?」 声を掛けてきた麗奈を一言で黙らせ、無惨は接近する二つの人影を凝視。 さて、どうするか……と無惨は思考する。 その気になれば、先制攻撃を仕掛けるのも訳ではないが、こればかりは、相手の出方次第である。病院や墓地近辺で交戦した連中の追手や、問答無用で襲い掛かってくるもの、邪魔をしてくるものであれば、早急に処分する。 仮に、敵意が見られない場合は、再び集団に融けこむための足掛かりとさせてもらうのも悪くはない。 すぐにでも背中から触手を射出できるよう身構えつつ、様子をうかがうと、接近する二つの影はようやくその姿を明らかにした。 「ああ、警戒しなくても良いですよ、こちらは殺し合いには乗っていないですから」 両手を高く挙げ、声を発してきたのは黒の短髪の青年。 黒いコートに身を包みつつ、如何にもこちらには敵意はありませんよといったポーズを取って近づいてくる。 そしてその隣に立つのは、麗奈と同じ年頃の少女。お下げ髪を揺らしつつ、怯えたような眼差しで無惨を見つめている。 「初めまして、俺は折原臨也と言います。 こっちは水口茉莉絵ちゃん、彼女とは数時間前に出会ったばかりですが、こうやって一緒に行動させてもらっています」 「あ、あの……水口茉莉絵です。 名簿にはなぜか私のゲームのハンドルネーム『ウィキッド』で記載されています。 よろしくお願いします……」 臨也に促されるように、茉莉絵はペコリとお辞儀をする。 和やかに挨拶をしてくる二人に対し、無惨も強張った表情を緩め、人間社会に融け込む『月彦』としての表情を繕ってみせる。 「安心しました、こんな事態ですからね……。 良からぬことをしでかす輩であれば、どのように対処すればいいのか考えてしまいました。 私は富岡義勇。慣れ親しんだものには『月彦』と通称で呼ばせております。 どうぞ私のことも『月彦』と呼んでください。 そして、こちらが―――」 『月彦』が麗奈に視線を向けると、ビクリと肩を震わせつつも、彼女は一歩前に出て自己紹介を始めた。 「こ、高坂麗奈です……。」 「月彦さんに、麗奈さんですか……。よろしくお願いいします」 そんな二人の様子をじっくりと観察しながら、臨也は笑みを浮かべる。 ―――不快だ。 無惨が、臨也に対して感じた第一印象はそれに尽きる。 敵意は感じない。しかし、その視線はどことなく此方を値踏みするかのような印象を受け、無惨は苛立ちを覚える。 だが、それでも今後のことを見据えたうえで、今は堪えるべきだと自制するのであった。 ◇ 「そうか、お前も死んだのか……」 大規模な戦闘が勃発したと一目で分かる、荒れに荒れ果てた森林地帯。 ロクロウは、ゴミのように地面に放り出されている血肉の塊の前で声を漏らした。 原型を保っていないそれが、元々自分達と敵対していた一等退魔士だったと気付けたのは、彼が生前着込んでいた聖寮の服が、血肉の中に紛れていたからであろう。 近くには、少女と思わしき首無し死体も転がっている。 恐らくは同じ者によって葬り去られたのであろう。 「殺った奴は、マギルゥを殺った奴と同じか、或いは―――」 病院を出発して遺跡を向かっていたロクロウは、道中で『闘争』の匂いをかぎつける。 しかし、辿り着いた先に、彼が求める『闘争』は既になく、惨たらしい爪痕のみがそこに取り残されていた。 下手人の心当たりは二人。垣根から聞かされたマギルゥを殺したという触手を操る怪物に、数時間前に刃を交えた角のような髪をした赤目の少年。 見聞きした情報から察するに、彼らがこちらに来て、他の参加者に襲い掛かってもおかしくはない。 「まぁ、柄ではないが、お前達の仇取ってやっても良いぜ」 ロクロウは、不敵な笑みを零しながら、二つの亡骸に語りかける。 彼は、夜叉の業魔。義憤に燃えるような漢ではない。 ただ純粋に、これだけの災害を引き起こす者との死合を行いたいという欲求が、ロクロウの胸の内にあった。 だが結果として、下手人との死合いの末、討ち取ることがあれば、その副産物として、この二人の鎮魂歌になり得るだろう。 「おっと…とにかく今はオシュトルの旦那のところに行かないとな」 いかんいかんと、寄り道をしている自分に気付いたロクロウは頭を振って踵を返し、オシュトル達が待っているであろう、遺跡の方角へと歩を進めていくのであった。 ◇ 「成る程……それは災難でしたね」 「ええ、Stork君とは上手くやっていけると思っていたのですが、残念ですよ」 溜息をつきながら、臨也は項垂れる。 今現在、臨也達一行は森の中を進みつつ、互いの情報を交換し合っていた。 臨也が、『月彦』達に話した内容はこうだ。 ―――ゲーム開始後、テレビ局でμと関わりを持つ「オスティナートの楽士」の一人Storkと出会う。 ―――その後、Storkとともに刑務所を経て、紅魔館付近でカナメという負傷した青年を発見。 ―――カナメ曰く、殺し合いに乗った金髪の青年に襲撃され、彼の仲間である二人の少女は今尚追われているとのこと。 ―――臨也は、カナメの介抱をStorkに任せて、少女たちの探索へと向かう。 ―――そこで、カナメの仲間の一人と思われる少女の焼死体を確認。更に付近の川で、意識を失っている水口茉莉絵を発見し、これを介抱。 ―――その後、Stork達を探すも合流に至らず、第二回放送で、Storkの名前が呼ばれてしまい、今に至る、と。 「でもまあ、俺なんかよりも月彦さんたちの方がもっと悲惨ですよ。 亡くなったお知り合いの皆さんの件については、心中お察します」 「お気遣い痛み入ります。」 投げかけられた同情の言葉に対し、『月彦』は頭を下げる。 心からの謝意というよりは、どことなく社交辞令的な淡白な反応だったが、臨也はそんな『月彦』の様子を黙って観察する。 ちなみに、『月彦』が臨也たちに提示した経緯は、次の通り―――。 ―――二人のスタート地点は、「高千穂リゾート」であり、そこではヴァイオレット・エヴァ―ガーデンとブローノ・ブチャラティら、他二人の参加者もいた。 ―――四人は話し合いの結果、『月彦』と麗奈組、ブチャラティとヴァイオレット組の二手に分かれ『北宇治高等学校』で合流する手筈となった。 ―――しかし、学校を目指す際中、電車の脱線を知った『月彦』達は方針を転換し、山方面へと向かう。 ―――その後テミスの放送により、麗奈は部活の先輩二人の死を知り、また道中の病院で『月彦』の使用人である累の遺体を発見した。 ―――その後、失意の最中、二人は墓地付近にて戦闘の痕跡らしきものと、参加者と思わしき二人の遺体を目撃し、今に至る、と。 「―――しかし、『月彦』さんが、冷静な方で良かったですよ」 「……はい……?」 唐突な臨也の発言に、『月彦』は顔を上げ、眉を顰める。 そんな彼に構わず、臨也は言葉を続ける。 「だってそうでしょう? 普通なら、身内が殺された上に、二つの惨殺死体を目撃したというなら、取り乱して然るべきですからね。 だけど、貴方ときたら、身内の分も含めて、冷静に遺体から首輪を回収するときている。 いやぁ、常人では中々出来ない芸当だと思いますよ」 「……私が、血も涙もない冷血漢とでも言いたいのでしょうか?」 「まさか!俺は褒めているんですよ。 貴方のような頼りになる大人が、側にいてくれているのだから、麗奈ちゃんも安心だろうなってね」 そう言って、臨也は麗奈の方へと視線を向けると、ビクリと麗奈は身体を震わせる。 その様子に目を細めた臨也は、未だ表情曇らせる『月彦』の方へと向き直る。 「しかし、最初の放送で発表された脱落者は13名か……。どうやら、俺達の予想以上に殺し合いに乗った連中は、多いかもしれませんね……。 『月彦』さんの使用人の累君を殺した奴も含めて、ね。」 情報交換の折に『月彦』に教えてもらった、第一回放送での死亡者情報を振り返りながら、臨也は呟く。 ちなみに、放送を聞きそびれた理由としては「丁度放送の死亡者発表に差し掛かった時に、川で流されている茉莉絵を発見し、人命救助を優先として放送を聞く余裕がなかった」と説明してある。 茉莉絵も気を失っていたのだから、当然聞きそびれており、二人とも第一回放送の死亡者情報が欠落していたということになっている。 「ええ、幸いなことに我々はまだ乗った側の人間に遭遇はしておりませんが、墓地近郊での遺体を鑑みるに、下手人は付近に潜んでいる可能性も否めません。 警戒するに越したことはないでしょう。」 「それは怖いですね。まあ俺の方もまだ乗った側の人間には出会ってはいないのですが……。 ああっ、そう言えば―――」 と、ここで臨也は思い出したかのように、背後を振り返ると、それまで蚊帳の外にいた茉莉絵に声をかける。 「茉莉絵ちゃんはさぁ、遭遇していたはずだよね……殺し合いに乗った殺人鬼と。 どんな奴だったか、『月彦』さん達にも説明してくれないかい? どんな凶悪な人間が、君と君の仲間を襲ったのかをさ。」 「……っ!」 瞬間、茉莉絵は目を見開くも、臨也は意に介さずねっとりとした視線で、彼女を見つめ続ける。 そんな彼に対し、茉莉絵が口を開く前に、『月彦』が割って入る。 「折原さん、少し不躾では……? 彼女も怖い思いをしてきたというのに―――」 「いえ……良いんですよ、『月彦』さん。 折原さんが無神経で、デリカシーのない、最低なろくでなしなのは今に始まったことではないので……。 お話ししますよ、私が何を体験してきたのかを……」 臨也に対して毒を吐きながら、こほんと咳払いをする茉莉絵。 「酷い言い草だなぁ」と肩をすくめる臨也を他所に、彼女は語り出す。 ―――ゲーム開始当初、茉莉絵は婦警の弓原紗季と行動を共にしていたことを。 ―――しかし、道中でドレッドヘアの危険人物・王と遭遇。紗季は彼に殺され、茉莉絵は命からがら逃げたということを。 ―――その後、逃げ込んだ会場内の施設『紅魔館』で、王と因縁のある青年カナメと霧雨魔理沙と出会うも、『紅魔館』も炎を自在に操る金髪の青年に襲撃され、茉莉絵は魔理沙に連れられ逃走したことを ―――しかし、逃走虚しく、金髪の青年に追い付かれ、魔理沙は殺害されてしまい、自分も追い詰められた末、崖から転落したということを。 時折、目に涙を滲ませながら、震える声で語った茉莉絵。 大袈裟に語るのではなく、あくまで淡々と事実だけを、弱弱しく話すその姿は、現実を粛々と受け止めた上で、それを乗り越えようとする悲壮な覚悟と、生真面目な少女の危うさを感じさせるものであった。 「……それは……大変でしたね……。 辛かったでしょうに……。」 その甲斐あってか、『月彦』も麗奈も気の毒そうな表情を浮かべ、労わるような言葉をかける。 そんな労りの言葉に、茉莉絵は涙を拭いながら、 「ありがとうございます……。でも、私は大丈夫ですから。」 と、弱弱しい笑みを返した――― (……あーうぜえええええええ!! 何だよ、このクソみてえな茶番はよぉおおおお!!) のであったが、水口茉莉絵ことウィキッドは、内心では激しい苛立ちを覚えていた。 『月彦』から掛けられた反吐が出るような薄っぺらい同情の言葉も、麗奈から向けられる憐みの眼差しも、何もかもが気に食わない。 そもそも、こんな奴ら最初から信用なんかしていない。 『月彦』は、このゲームが始まってから、麗奈を護ることに尽力していると言っているが、明らかに麗奈は挙動不審で『月彦』に対して、怯えている節がある。 同年代ということもあり、近づきやすいかと思って、麗奈に声を掛けても、彼女は常に『月彦』の顔を窺っているきらいがある。 何か弱みを握られているか、もしくは脅されているのではないだろうか。 この『月彦』という男は、どうにもきな臭いし、裏があるように思える。 そんなことは臨也だって察しているだろう。 だからこそ、彼と臨也のやり取りは、狐と狸の化かし合いのようにしか見えず、まどろっこしくて仕方がなかった。 そして、何より―――。 「改めて聞くと、本当に災難続きだったね、茉莉絵ちゃん。 まぁでも、崖から落ちた後に、俺に発見されたのは、不幸中の幸いってやつだよね。 いやぁ茉莉絵ちゃんだけでも無事で良かったよ」 (黙れボケカスクソ死ね!!) 折原臨也に対する怒りと苛立ちで腸が煮えくり返りそうであった。 全てを悟り、全て承知したうえで、敢えて知らない振りをして、白々しい態度を取っているのだからタチが悪い。 わざわざ茉莉絵の口から『月彦』達に経緯を説明するよう促してきたのは、茉莉絵がどんな反応をするのか、どんな作り話をしてやり過ごすのかを観察したかったのだろう。 茉莉絵が話をしている時の臨也は、真摯な表情を張り付けつつも、その実、瞳には子供のような好奇心を孕み、茉莉絵の表情を捉え続けていた。 それはある意味では純粋であり、ある意味において、酷く邪悪なものであると言えた。 「―――とまぁ、茉莉絵ちゃんの話した、王とかいうドレッドヘアの男と、炎を操る金髪の男は要注意だね。 あっ、そうそう……金髪といえば、シズちゃん……平和島静雄っていう金髪のバーテンダーにも気を付けたほうが良いよ。 あいつは、目につく人間を片っ端から襲い掛かる獣みたいな男だからさ。もしかしたら、既に何人もの参加者があいつに殴り殺されているかもしれない。 俺達人間にとっては害悪極まりない存在だよ。」 「そうですか、それは気を付けないといけませんね。 でも害悪といえば、折原さんも負けていないと思いますよ。 特に人を不快にさせるという点に関しては、右に出るものはいないと思います」 いつもの優等生モードで、ニコリと笑いながら、臨也への嫌悪感を顕にする茉莉絵。 「やれやれ、命の恩人に対して、酷い言いようだなぁ、茉莉絵ちゃんは……」 「助けてもらったことには感謝しています。でも折原さんは最低な人間だと思います。」 『月彦』達とのやり取りで、茉莉絵は改めて思い知った。 折原臨也という男は、害虫―――例えるならノミ蟲のような存在であると。 先の約定通り、『月彦』達との情報交換の際に、彼は茉莉絵の不利になるような情報を―――例えば、「茉莉絵がμに楽曲を提供する『オスティナートの楽士』の一員である」といった情報は、一切口外しなかった。だが同時に、茉莉絵の立場が有利になるような供述もせず、中立の立場から茉莉絵の言動の観察に徹していた。 これがこの男の性分であると割り切ってしまえば、それで済む話ではある。 しかし、だからといって、今後「君が焦る反応が見たかった」とほざいて、いつ梯子を外しにくるか分からない。 だからこそ、ノミ蟲が血を吸い尽くして、去っていく前に潰しておくに越したことはない。 用済みになった瞬間に、殺すに限る。 「―――折原さんは、茉莉絵さんに何かされましたか? 酷く嫌われているようですが……」 「さぁ…? ―――ああっ…、もしかして、ずぶ濡れになった服を乾かすため、勝手に脱がしてしまったことを根に持ってるいるかもしれませんね。 いやぁ、悪かったね、茉莉絵ちゃん。俺としたことが、年頃の女の子に対しての配慮が足りなかったよ」 「アハハハハハ……。折原さんは、いつになったら死んでくれるんですかぁ?」 表面上は、優等生モードで、愛想の良い笑顔を取り繕う茉莉絵。 しかし、積もり積もっている臨也への苛立ちと嫌悪だけは、包み隠さず表に出していくことにする。せめてもの、ささやかな抵抗と憂さ晴らしとして。 『月彦』と麗奈が若干困惑しているようにも見えるが、関係ない。 臨也も含めて、最終的には全員殺すつもりなのだから。 ◇ 『大いなる遺跡』のコンピュータルーム内。 無数の端末が並べられているその一角で、オシュトルとアリアは、眼前のディスプレイに映し出されている情報を確認している。 「ふむ……。容易く奴らのサーバに潜り込むことは出来たが、どうにも『緊急解除コード』に関する情報は見当たらないな……」 オシュトルは、サーバ側へのハッキングに成功し、サーバに置かれている情報を物色してはいるものの、用意されているのはホームページの更新の方法や運用マニュアルなど、採るに足らない情報ばかりで、目当ての首輪の解除に関する情報は今のところ確認できていない。 また、このシステム自体は完全に切り離されているものであり、ハッキングしたサーバを踏み台にしての別システムへのアクセスは出来ないようになっているようだ。 「空振り、なのかしら……?」 画面を覗き込むアリアも、状況が芳しくないことを悟る。 もしここで解除コードの情報を手に入れることが出来ていたならば、この殺し合いの打破にも大きく前進することが出来たのだが、流石にそこまで都合の良い展開にはなってくれないらしい。 「妨害行為もなかったことから、主催者は、某達のこの行動も織り込み済みってところのようだ……。 閲覧されても問題ないものだったと考えれば、あの杜撰なセキュリティも納得できるが―――」 とここで、オシュトルの手は止まる。 サーバ内の情報を読み漁っていく中で、その深層部にて「report」と名付けられた気になるディレクトリを目にしたからだ。 「……これは……?」 すかさず、そのディレクトリにアクセスをする。 するとそこには、1つの文書ファイルが保存されていた。 そしてその内容は―――。 「……これは、どう解釈すれば良いのかしら……」 「察するに、今この会場で起こっていることが纏められてあるようだ。 ここに記されている一部の参加者に、某も心当たりがある」 文書をスクロールさせながら、オシュトルとアリアは目を見合わせる。 結論として、そこに首輪に関する情報の記載はなかった。しかし、無視することの出来ない内容がそこにはあったのだ。 「―――へぇ…、君達が何を見たのか、俺も興味があるなぁ。」 「「っ!?」」 不意に部屋の入り口付近から聞こえた声に、オシュトルとアリアは驚き振り返る。 文書の内容に釘付けにされ、周囲への警戒を怠っていた二人は、第三者の接近を許す結果となってしまった。 「誰よ、あんた達」 部屋の扉付近に立っていたのは、黒コートに黒髪短髪の男。 アリアの睨みにも臆することなく、不敵な笑みを浮かべている。 また彼の背後には、三人の男女が控えている。何れもアリアとオシュトルにとっては、見ない顔であった。 「ここに来る途中、開けっ放しで放置されている大きな門があったから、多分先客がいるだろうな、とは予想していたけど、ビンゴだね。 俺は折原臨也。しがない情報屋ってやつさ。 後ろにいる三人は、右から『月彦』さん、高坂麗奈ちゃん、水口茉莉絵ちゃん―――皆、殺し合いには乗っていないから、安心していいよ。」 飄々とした態度で自己紹介する臨也。 彼に促される形で、『月彦』達も、軽く会釈をする。 「―――あんたが折原臨也ね、成程、噂通りの人間っぽいわね……」 新羅から事前に聞かされていたことを思い返しつつ、臨也の全身を舐めるように観察するアリア。 確かに、見るからに胡散臭そうで男だと感じる。 それに、どことなく危険な香りも漂ってくる―――武偵としての嗅覚がそう告げる。 「おや? 俺のことを知っているってことは、誰か俺の知り合いと会ったようだね。」 「あんたの友達だという闇医者からのタレコミよ。あんたの事『ちょっと癖のある変人の類』って言ってたわ。それにそこの二人についても、ヴァイオレットから話は聞いているわ」 「ヴァイオレットさんと、会ったんですか?」 ヴァイオレットの名前を聞いて、麗奈がアリアに問いかける。 「ええ、そうよ。さっき話した闇医者と一緒に、今は別の部屋で待機しているわ」 「ああ、新羅の奴もここにいるのか……。 ったく……、俺のことを話すなら、少しは好意的に紹介してくれたら良いのに、『変人』ときたか。 お前の方がよっぽど変人だろうに、友達甲斐のない奴め……―――まあ、いいや。」 溜息を吐きながらも、直ぐに気持ちを切り替えて、臨也はオシュトルとアリアの方に向き直る。 「情報交換といこうじゃないか。 君達が何を見知ったのか、聞かせて貰えないだろうか」 愉快そうな調子で提案してくる臨也。 オシュトルとアリアとしても断る理由もなく、新たに遭遇した四人の参加者に、自分達が目にした情報を開示するのであった――。 ◇ ―――箱庭で観測された『覚醒』事象について――― この度の箱庭での実験は、16の異なる世界線から総勢75名の参加者を選出し、厳粛なる監視の下、執り行われている。 各参加者の行動については逐次観察されているが、実験の最中、非常に興味深い変遷を遂げた参加者を複数人確認している。 当該レポートは、これらの参加者を「覚醒者」として定義の上、個体識別番号を割り当て、その覚醒の経緯について、簡易的にまとめている。 ■最初に観測された覚醒について 最初の覚醒は、当実験が始まって間もなく発生した。 覚醒者『001』は、眼前で親しき友人を別の参加者の手により殺害される。更に『001』自身も、友人を殺害した同じ参加者に銃撃される。 しかし、この時に使用された銃は、世界線Aで『特殊能力付加装置』として、用いられていた遺物。撃ち抜いた対象の霊力を操作し、"増幅"する装置。 『001』が選出された世界線Kは、霊力、魔力はおろか戦争とは無縁の世界。基本的に上述の霊力増幅の向上は見込めない。 しかしながら、ここで思いがけない偶発的な事態が発生した。 装置から放たれた弾丸は、『001』の胸元ポケットに忍ばせていた支給品である『魔石』を撃ち抜いた。 撃ち抜かれた『魔石』から溢れた魔力は、『001』の中に染み込み、更に装置から放たれた弾丸によって、その力を増幅させた。 『001』はその瞬間、世界線Kでは本来持ち得ない筈の『氷を自在に操る』異能を身につけ、襲撃者に反撃。襲撃者は負傷し、撤退を余儀なくされる。 尚、この襲撃者についても後述の痣による覚醒が観測され、覚醒者『005』となる。 ■二度目の覚醒について 本実験における二度目の覚醒は、複数の参加者間で観測された。 第一回放送前、世界線Eの鬼狩りの剣士『002』は、世界線Bの仮面の者(アクルトゥルカ)との死闘の末に、『痣』を発現。 世界線Eの鬼狩りの剣士達は、この『痣』を発現させると、戦闘力を大幅に上昇させることが可能となる。 事前に得た情報によれば、『痣』を発現させる条件は次の三つ。 ①体温が三十九度以上になること。 ②心拍数が二百を超えること。 ③揺らがぬ強い感情を抱くこと。 また、この『痣』については、1人が発現すると、それに共鳴するように、周囲の人間にも伝搬すると云う。 『002』は、仮面の者(アクルトゥルカ)相手に奮戦するも死亡。 『002』に勝利した仮面の者(アクルトゥルカ)も、第一回放送後に、世界線Lの陰陽師との戦闘において、『痣』を発現―――覚醒者『003』となる。 『003』は『痣』による身体能力の向上、そして仮面(アクルカ)の力で、陰陽師を追い詰めるも、今度は陰陽師が『痣』を発現し、覚醒者『004』となる。 『003』と『004』の戦闘は、『004』が勝利し『003』は死亡。 しかしその後、同じく『痣』を発現した覚醒者『005』が、『004』を殺害する。 『005』は世界線Hから選出された参加者であり、『痣』の発現により、『005』の繰り出すカタルシスエフェクトも強化されている。 尚、『痣』の発現は身体能力が著しく向上させる代償として、寿命が著しく縮むとされている。『005』においては、既に『痣』発現者の寿命を超過しているため、この実験下において、どれだけ長生きできるか、という項目にも焦点が当てられるかもしれない。 ■三度目の覚醒について 本実験における三度目の覚醒は、世界線Kの参加者と世界線Eの参加者の二人組に発生した。 第一回放送によって、二人の知り合いが死亡したことを知った『006』は、『死別』というトラウマをきっかけに、無意識的にμの歌声に感化されデジヘッド化。 そして鬱屈した感情を晴らすため、トランペットを演奏する。 デジヘッドの力は、周囲の者の精神に多少なりとも影響を与えると見立てられており、『006』の演奏をきっかけとして、『007』もデジヘッド化する。 『007』は鬼の首魁であり、太陽光が弱点であったが、デジヘッド化を契機として、太陽光を浴びても消滅するようなことは無くなった。 これは、『006』がデジヘッド化に伴い発現した能力で、無自覚に自身から一定範囲(距離は定かではない)内にいるデジヘッド及び、それに近しい能力を持つ者に対して回復を行うように見受けられる。 したがって『007』においては、本来備わっている鬼としての回復能力が飛躍的に向上しており、太陽光を受けても再生能力がそれを上回っている。 『006』と『007』はデジヘッドとして相互に干渉し合っているため、この状態が維持されている。仮に両者がある程度離れることがあれば、この『覚醒』は解除されると推測される。 その後、『006』と『007』は、『001』を含む三人組の参加者と遭遇。 『007』は、『001』以外の二人の参加者を無力化(内一名は殺害)し、『001』は戦場を離脱する。 さらに、一連の戦闘の中で、『007』は『006』に鬼の血を付与し、鬼化させている。 鬼化した『006』は食人衝動に駆られ、瀕死の『001』の仲間を捕食している。 尚、『006』については、鬼化した後もデジヘッドとしての回復能力も継続して発動しており、『006』自身についてもその効果により、太陽光を受けても死滅しないと推測される。 また、この『006』の回復能力については、現在のところ『006』と『007』以外には効力を発揮していない。 ■四度目の覚醒について 四度目の覚醒は、世界線Aの喰魔『008』の身に起こった。 世界線Aの別の時系列から選出された参加者及び、世界線Bの仮面の者(アクルトゥルカ)との戦闘の折、同行する世界線Jのレベル5能力者の砲撃を、業魔手で吸収した『008』は、世界線Jの能力者達が用いる演算方式を取り込む。 その後、激しい戦闘の末、窮地に陥った『008』は、取り込んだ演算方式と巡りめぐる思考の末に、自分だけの現実(パーソナルリアリティ)を見出し、世界線Jでいうところのレベル6能力者として覚醒を果たす。 覚醒した『008』の能力の出力は絶大なもので、仮面の者(アクルトゥルカ)が展開した障壁をも粉砕した。 強力無比な覚醒者の誕生を目の当たりにしたが、強制的な異界法則の行使は、『008』の本来の存在のそのものにも影響を及ぼすと考えられ、『008』そのものが別の「ナニカ」に置き換わる危険性を孕んでいるとも言える。 何れにせよ、『008』周りの動向については、より一層の観察と注視が推奨される。 ◇ オシュトルがハッキングしたシステムに保管されていた文書には、この殺し合いにおいて、観測された『覚醒』の事象について、それに至るまでの関係者の経緯などが簡潔に綴られていた。 文書の内容に何か思うところがあったのか、『月彦』、茉莉絵、麗奈の三人は、文書に目を通した後、それぞれ小難しい顔を浮かべていた。 「―――これってさぁ、誰に向けての『報告書』なんだろうね?」 沈黙が支配する空間の中、臨也だけは、口角を吊り上げながら、一同に疑問を呈した。 「―――と申されると?」 オシュトルが聞き返すと、臨也は相槌を打ちながら、言葉を続ける。 「これが会場で行われている殺し合いで発生した出来事を纏めているのは分かるんだけどさ。 報告書っていうのは、基本的に『いつ』『どこで』『誰が』とか、そういった情報を簡潔にまとめ上げて然るべきだ。 だけど、このレポートには、その辺りの肝心な情報がボカされていたり、意図的に省かれている部分が多いよね。 仮に運営の連中が、組織内で『実験』とやらの成果を記録するために、レポートを書き上げているのであれば、そこらへんはしっかりと記すべきだと俺は思うんだよね」 臨也からの指摘に、オシュトルも同意せざるをえなかった。 実験の成果物として報告書として纏めるのであれば、少なくとも名簿に載せてある参加者の名前を明記したうえで、時刻と、どのエリアで『覚醒』とやらが発生したのかを淡々と記せば良いはず。 しかし、この『レポート』には、『仮面の者(アクルトゥルカ)』など一部の参加者しか知り得ないような情報を織り交ぜた上で、敢えて不明瞭にしている箇所が多々見受けられた。 オシュトルらヤマトの住人が、『仮面の者(アクルトゥルカ)』という存在を把握しているのを鑑みるに、ここで記されているそれぞれの『世界線』とやらの参加者達が、情報を出し合えば、不明瞭な部分の答え合わせにはなりえる。 それはつまり―――。 「このレポートとやらは、我々参加者が閲覧することを想定して、我々に向けて用意されたものということか……」 「さしずめ、頑張ってハッキングを行なった人へのご褒美といったところかな? まぁ情報は不完全だけど、うまく解明できれば一部の参加者の動向も把握できるだろうから、強力なアドバンテージになるのは間違いないだろうからね。 『この情報を以って、上手く勝ち進んでください』っていう主催者からのエールってやつ?」 肩をすくめながら饒舌に語る臨也。 まるでパズルに没頭する子供のように、愉快そうな表情を浮かべている。 「とことん舐めてくれてるわね、運営の連中……」 臨也の推理に、アリアは唇を噛み締めながら呟いた。 運営の虚を突き、ゲームの根本をひっくり返せればと期待はしていたが、結局のところ、連中の掌の上で踊っていたということになる。 悔しい思いはあるが、現状ではどうすることもできない。 「後は、ゲームの核心に迫りたい俺達に対して、ご褒美の一環として、一つの回答を突きつけているとも読み取れるよね。 この殺し合いは、『覚醒者』とやらを生み出す目的の『実験』だとか、ね。 世界線Aだと、Bだとか色々考察していく余地はあるんだろうけど、まぁ詳細は新羅とヴァイオレットさんが揃ってから突き詰めていこうか。ああ、そう言えば―――」 ふと思い出したように、臨也は話題を変えた。 「運営がよこしてくれた情報と言えばさ、アリアちゃんが分解してくれたこの首輪に書かれている文面も気になるところだよね。」 机の上に置かれている解体済みの首輪を手に取り、それを眺めながら、臨也は言葉を続ける。 「これは、Stork君っていうμと面識のある参加者から聞いた話だけど、μが創り出した『メビウス』っていうのは仮想世界であって、彼女は、現実世界から招いた者に仮初の身体を与えて生活をさせていたらしい。 そこに、NPCとかいう人間もどきを作製して紛れ込ませて、人間社会ごっこを楽しんでいたようだ」 「―――何が言いたいの?」 「いやね、ほら。Stork君の話が事実だとすれば、この首輪に書かれている『仮想世界』、そして俺達が『作られた存在』っていう部分は、彼女が能力を行使すれば、可能だという話さ。 『メビウス』では都市一つと、それに相応する住人が存在していたと聞いているし、75人分の人間もどきのデータを作製することなんて訳ないじゃんないかな?」 臨也は口端を歪ませながら、一同の反応を窺う。 オシュトルとアリアは、苦汁を嘗めた表情を浮かべていた。 『月彦』は、より一層険しい表情を滲ませている 茉莉絵は、そもそも臨也と視線すら合わせようとせず、俯いたまま。 そして、麗奈はというと、アメジスト色の瞳に、不安の色を灯し、震える声で臨也へと尋ねた。 「……折原さんは、その話を信じるんですか? 私達が紛い物であると……」 「今のところは、半信半疑かな。連中が俺たちを混乱させる目的で、ブラフを流している線もなくはないし、もう少し情報が欲しいところだね。 まあ何にせよ、仮にこの殺し合いをエンターテインメントとして観察している連中がいれば、『自分たちが偽物であるかもしれない』という可能性を突きつけられたときに、どういう反応をするのかっていうのも見世物としては中々の趣だと思うけど―――」 「臨也殿―――」 オシュトルが、臨也の言葉を制する。 これ以上、一同の不安を煽るような発言を続けさせてはおけないと判断したのだろう。 事実、臨也の言葉を受けて、麗奈は激しく動揺しているように見えた。 「今この場で、そのことを論じても意味はない。 仮に我らが造り出された『偽り』だったとしても、今ここに在る我らそれぞれに意思があり、信念がある。 我らに宿るそれらは紛うことなき『本物』であると、某は思う」 「殊勝な心掛けだね、オシュトルさん。 それじゃあさ……仮に自分が歪曲された『偽物』だったと知っても、オシュトルさんは、オシュトルさんであることを貫くつもりかい?」 「…………。」 瞬間、オシュトルは心の臓を鷲掴みにされる感覚に陥った。 その問いかけは、図らずも、オシュトルのこれまでの在り方そのものに重なったからだ。 脳裏に過るのは、自身に仮面を託した親友の姿―――。 あの日から、本当の自分を殺して、偽りの仮面を被り続けてきた。 「某は、たとえ自身が『偽り』であったとしても、己を貫き通す。 それが、我が使命なれば……」 ハクは死んだ。もういない。 ここにいるのは、『偽物』のヤマト右近衛大将。 だがそれでも、自分はオシュトルで在り続けないといけない。 親友(とも)の想いを受け継いだのだから。 「うん、いい答えだ。オシュトルさんの覚悟、実に人間らしくて素晴らしいよ。 貴方とは、上手くやれそうだよ」 「―――お手柔らかに頼む……」 臨也は、オシュトルの返答に満足したのか、「うんうん」と上機嫌に肯く。 そんな臨也に対し、オシュトルは冷静な口調で返すが、その心中では―――。 (わざわざ、こちらの芯を揺さぶるような質問をぶつける…試しているのか…? 掴み所のない男だ……) 臨也に対して今後どのように接していくべきか、図りかねていた。 しかし、そんなオシュトルの胸中などいざ知らず、臨也の興味の対象は、他の人物へと移っていた。 「どうやら不安にさせちゃったみたいだね。ごめんよ、麗奈ちゃん」 「……いえ、私は……」 麗奈はビクリと肩を震わせながら、顔を伏せた。 「でも安心すると良い。オシュトルさんの言う通り、例えどんな真実が待ち受けていようとも、俺達は俺達でしかない。 他の誰でもなく、此処に在るのは、俺達なんだ。 だから、麗奈ちゃんも、自分自身の足下を見失わないようにしてね」 励ますように肩をポンと叩き、臨也は笑顔を向けるが、麗奈は俯いたままだった。 「本当に折原さんはデリカシーの欠片もない人ですね。余計なことばかり言って。 高坂さん、大丈夫ですか?」 茉莉絵は、臨也の手をバチンとはねのけて、麗奈を気遣う。 臨也はというと、赤くなった手をさすりながら、「おやおや」と呟きながら、そんな二人のやり取りに目を細めた。 『参加者の皆様方、ご機嫌よう。』 第二回放送が始まったのは、そんな時であった。 ◇ ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンは、指を動かし続ける。 新羅(クライアント)の口から発せられる、愛しきヒトへの止めどない想い―――それを手紙という形で書き綴っていく。 機械仕掛けの義手が、タイプライターを打ちこむ都度、軽快な打刻音が倉庫内に響いていく。 ヴァイオレットは、想いを綴る。 人と人とを繋ぐ言葉を紡いでいく。 彼女は自動書記人形―――人の心を汲み取り、言葉として書き起こし、それを届ける存在だ。 元々は、「愛してる」を知りたくて、彼女は自動書記人形になることを望んだ。 そして様々な「想い」に触れてきた彼女は、学んだ―――。 人には届けたい想いがある。 届かなくてもいい想いなんてない、と。 だからこそ、彼女はこうして新羅の「愛している」を手紙として綴り続ける。 新羅と彼の愛する人が再会できるように。 きっと、無事に想いを伝えられるように。と願いながら……。 『参加者の皆様方、ご機嫌よう。』 どことなく声が響き、彼女と新羅は執筆を中断し、天を見上げた。 第二回放送である。運営の女テミスは、相変わらずの調子で語り始める。 まずは、禁止エリアの発表。幸いなことに自分たちがいるエリアが禁止エリアに指定されることはなく、二人はひとまず安堵する。 しかし、本当に重要なのは次のパートだ。 『次は、お待ちかねの死亡者の発表といきましょうか。』 自分たちの預かり知らぬ場所で、一体何人の人間が命を落としたのか……。 麗奈や『月彦』、ブチャラティ、ロクロウ、早苗は無事なのか……? そんな一抹の不安を抱えつつ、彼女は耳を傾ける。 『【マリア・キャンベル】、【王】、【セルティ・ストゥルルソン】――― その瞬間、何かが音を立てて、崩れたような感覚に見舞われた。 彼女は息を呑み、傍らに佇んでいた彼を振り返ると―――。 『世界』を失った青年の姿が、そこにはあった。 ◇ テミスによる第二回放送が終わり、μの歌声が木霊するコンピュータルーム内にて。 六人の参加者の間には、鉛のように重苦しい空気が漂っていた。 (ミカヅチ……、お前も逝ったのか……) オシュトルは、目を瞑り、死亡者として発表された戦友の姿を思い浮かべる。 今でこそ陣営は違えど、彼もまた『オシュトル』や『ハク』の友人であったことには変わらない。 愚直なほどに忠義に厚く、ヤマトにその身命を捧げる彼は、殺し合いに乗ったと人伝えに聞いている。 (―――お前は、お前の信念を貫き通して、逝ったんだな……) 第一回放送から、第二回放送までに脱落した仮面の者(アクルトゥルカ)は、ミカヅチただ一人。 であれば、先程閲覧したレポートに書かれていた覚醒者『003』とは、ミカヅチのことだろう。 レポートには、彼が『痣』なるものを発現させ、その戦力を大幅に向上させ、奮戦した旨記載されていた。 そして、その『痣』なるものの発現の条件の一つは、こう記載されていた。 揺らがぬ強い感情を抱くこと、と。 オシュトルは彼の死に際に立ち会った訳ではない。 されど、彼が、護りたいもののために、限界を越え―――。 その命散らすまで戦い抜いたことは、容易に想像できた。 (全てが終わったら、またウコンたちと酒盛りをしよう。 悪いがそれまでは、そっちで暫く待っといてくれ) そう心の中で語りかけると、オシュトルはゆっくりと目を開き、一同を見回す。 皆が皆、沈黙を貫いている中、小刻みに小さな身体を揺らすものが一人。 「……アリア殿、大事ないか?……」 「……最悪の気分よ……」 アリアは俯いたまま、唇を噛み締め、拳を握りしめている。 高千穂麗とは、特別親しい間柄というわけではなかった。 しかし、あかりを通じて交流する機会は少なくなかったし、同じ武偵として、共にこの殺し合いを打破したいと思っていた。 だからこそ、彼女の脱落は、彼女にとって、とても悔く辛いものであった。 それからもう一つ―――。 先の放送によって、アリアの中では、大きな懸念事項が生まれていた。 そして、それはオシュトルも察していた。 「だけど、今は新羅のことが心配ね……」 セルティ・ストゥルルソンの脱落―――。 新羅が彼女のことをどれだけ愛しているのかは、普段の彼の言動からも明らかであった。 愛する者の喪失―――、それが彼に何を齎すかは定かではない。 しかし、それが、ろくでもないことを引き起こすであろうということだけは、確信に近い予感があった。 「うむ……まずはヴァイオレット殿と新羅殿の元へと参ろう」 と、そこで、オシュトルはチラリと、彼の友人へと視線を向けた。 月彦と麗奈、茉莉絵はそれぞれ重苦しい表情を顔に張り付けながら、オシュトルとアリアの会話に耳を傾けていたが、臨也だけはいつの間にか明後日の方向を向いていて、その表情は窺い知ることはできなかった。 何にせよ彼の協力は必要だ、とオシュトルが臨也に声を掛けようとしたその瞬間―――。 ド ゴ ン !! まるで大砲が炸裂したかのような衝撃音が鳴り響いた。 音の発生源は恐らく、新羅とヴァイオレットがいるはずの倉庫……。 その瞬間、チィッという舌打ち音が、未だ表情窺えぬ男から発せられたような気がした。 ◇ 「そうか、セルティは死んじゃったのか……」 テミスから彼女の名前が告げられた後の、新羅の第一声はそれだった。 感情のない声で呟き、特に泣いたり、怒ったりするような様子も見せず、天を仰いだまま、フラフラと歩き出した。 「……新羅様―――」 今の彼にとっては、ヴァイオレットの気遣う声も、天から降り注ぐμの歌声も、ただのノイズでしかない。 フラフラとした足取りで、しかし真っ直ぐに倉庫の中で跪き制止する巨人の元へと辿り着く。 「……っ!? 新羅様っ!!」 新羅が何をするか察したヴァイオレットは、地を蹴り、彼の元へと駆ける。 しかし、コックピットへと乗り込もうとする新羅の元へは、後一歩届かず。 彼女がアヴ・カムゥの肩口に着地した瞬間には、彼の姿は巨人の内部へと消えていく、古の兵器は稼働。 その巨腕を乱暴に払うと、ヴァイオレットの身体は呆気なく吹き飛ばされてしまった。 「……っ!!」 「ごめんね、ヴァイオレットちゃん。僕はこっち側に鞍替えすることにするよ」 空中でくるりと反転し、地面に着地し見上げてくるヴァイオレットに、新羅はあっけらかんとそう告げる。 「『どうして?』なんて野暮な事は聞かないでね? ヴァイオレットちゃんも分かってるでしょ?」 振り返ってみれば、『世界』そのものを失った青年が、最終的に行き着く先など、想像するのは難しくなかった。 それでも、ヴァイオレットが新羅のアヴ・カムゥ搭乗に対して、反応が遅れてしまったのは、新羅が、思考を切り替える時間があまりにも早かったからというのと、彼女が取るべき行動の整理に時間を掛けてしまったことにあった。 ヴァイオレットは、手紙の代筆作業を通じ、新羅のセルティに対する途方もない『想い』に触れてしまった。だからこそ、セルティの死が告知された際に、どのように新羅に接すべきかという困惑と迷いがあったのだ。そして、それが致命的な隙を生んでしまった。 「僕は優勝して、セルティを取り戻す」 「……ですが、それは……」 新羅の決意に対し、ヴァイオレットは言い返そうとするが、言葉が続かなかった。 彼女は知っているから、痛感しているから。 大事な人と会えなくなる辛さを―――。 悩めるヴァイオレット目掛けて、巨人の腕から大剣が勢いよく振り下ろされる。 身に染みついている自己防衛本能に促されるまま、彼女は後方に飛び退き、これを躱す。 凄まじい衝撃音とともに、遺跡の床は大きな亀裂が入る。 「ヴァイオレットちゃんは、元軍人だったよね? 流石にすばしっこいね、凄い身のこなしだ。 『後悔先に立たず』とはよく言ったもんだね、こうなるんだったら、もっと、ちゃんとこれの訓練しておくべきだったよ」 はははと、無機質な声とともに、斬撃が風に乗り、唸りを上げる。 そこには、一切の感情が込められていない。 新羅はヴァイオレットに特別恨みがあるわけではない。 憎しみもない、怒りもない。 ただ純粋に「セルティに再会したい」という想いを原動力として、まるで事務仕事をこなすかのように、眼前の少女の命を摘もうとする。 そんな悪意のない殺意が、乱雑に振り回され、ヴァイオレットに襲い掛かる。 ヴァイオレットは、苦汁を嘗めた表情を浮かべながら、これを回避。 一転して反撃に転じるべく、手斧を構え、アヴ・カムゥの足元へと潜り込む。 狙うは脚部の破壊---勢いそのまま手斧を叩き込むが、ガキン!という金属音が鳴り響くだけ。アヴ・カムゥの装甲には傷一つ付かない。 続けて二撃三撃と繰り出すものの、結果は同じ。 ならば狙いを変えて関節部―――。ここならば装甲は覆われていないため、攻撃は通るはず。 関節部を目掛けて、手斧を振るうヴァイオレット。 「――させないよ……」 しかし、その狙いは読まれていた。 該当箇所に刃が到達するその前に、アヴ・カムゥは蹴りを繰り出し、ヴァイオレットの華奢な身体を吹き飛ばした。 「……カハッ!!」 大砲でも直撃されたかのような威力に、肺の中の空気が全て吐き出されるような感覚を覚えつつ、ヴァイオレットは宙を舞う。 なんとか空中で体勢を立て直し、着地をするも、巨剣が彼女を両断すべく差し迫る。 間一髪、横に飛び退いてこれをやり過ごすも、巨人はその体躯に似合わぬ速度で追撃を仕掛けてくる。 ズドン!ズドン! ズドン!ズドン! 凄まじい衝撃音が遺跡中に響き続ける。 倉庫の中は、穴だらけ。瓦礫まみれ。 ズドン!ズドン! ズドン!ズドン! そんな破壊の跡を残しながら、アヴ・カムゥは執拗にヴァイオレットを追い回す。 ヴァイオレットは、一撃必殺の凶剣を紙一重で避け続ける。己が身体に染み付く戦闘経験と超人的な身体能力を以って。 「すばしっこいね、ヴァイオレットちゃん……。 こっちとしては、後がつかえているから、早めに終わらせたいんだけど、さ」 「……ッ!!」 後がつかえている――その言葉の意味は明らかだ。 新羅はヴァイオレットを殺した後に、コンピュータルームにいるオシュトルとアリアの元へと赴き、二人を殺害するつもりなのである。 「……させません!」 ―――もう誰も「いつか、きっと」を失ってほしくない。 ヴァイオレットは唇を噛み締めると、振り払われた大剣の一撃を躱す。 そして、超人的な反応速度で身を翻すと、その腕の関節部分に手斧を渾身の力で叩きつけた。 グサリと、肉を突き刺すような感触。 「ぐっ!?」 アヴ・カムゥ―――。否、新羅の口から、初めて漏れる苦悶の声。 アヴ・カムゥが受けたダメージはそのまま搭乗者にも同調される。 新羅もまた、自身の腕関節に肉を貫かれる灼熱の痛みを味わったのである。 初めて感じる神経伝達の痛み―――それにより、これまで休むことなく暴れ回っていたアヴ・カムゥの動きは静止する。 ヴァイオレットにとっては、千載一遇の好機。 彼女は素早く手斧を引き抜くと、今度は巨人の脚関節部分に向けて駆け出す ―――が。 轟ッ!! この程度の痛みでは、彼の“愛”は止まらない。止まるはずがない。 一瞬だけ静止していたアヴ・カムゥはその活動を再開。 負傷していない方の腕を稼働させ、迫るヴァイオレットに拳を振り下ろした。 「っあ……!?」 咄嵯に回避行動を取るヴァイオレットだったが、完全とはいかない。 巨人の豪腕によって、彼女の身体は吹き飛ばされ、後方の壁へと激しく打ち付けられ、その口からは血反吐を零す。 消し飛びそうになった意識を、必死になって繋ぎ止め、ヴァイオレットは立ち上がろうとするも、アヴ・カムウは大剣を掲げ、とどめを刺しに駆けてくる。 (……少佐……!!) 差し迫る死を目前にして、ヴァイオレットの脳裏に浮かんだのは、彼女に名前と「愛してる」をくれた人の後ろ姿。 ヴァイオレットは無意識のうちに、首に下げているエメラルドのブローチをぎゅっと握りしめた。 ―――刹那。 パァンッ!!!と、銃声が空間に木霊すると、ヴァイオレットにトドメを刺さんとしていた巨人は、片膝を屈した。 「……っ!?」 「そこまでよ、岸谷新羅!! これ以上の暴挙は、私が許さない!!」 膝を屈したのも束の間、アヴ・カムゥはすぐに起き上がると、背後を振り返る。 そこには拳銃片手に、アブ・カムゥを睨みつける、アリアの姿があった。 黒光りする銃口からは、硝煙が立ち昇っている。 その様子から、新羅は、今しがた膝関節に生じた灼熱は、アリアによって撃ち抜かれたものによると認識した。 「ヴァイオレット殿、此方へ!!」 「……オシュトル様……」 アヴ・カムゥとアリアが対峙している間に、オシュトルはヴァイオレットの元へと駆け寄り、彼女に肩を貸す。 ちなみに、アリアが今所持している拳銃は元々彼の支給品であった。 この倉庫に向かう途中、適材適所ということで、オシュトルはアリアにそれを託している。 「アリアちゃんに、オシュトルさんか……。 二人が来る前に、ヴァイオレットちゃんは片付けたかったんだけどなぁ」 アリアによって撃ち抜かれた膝の調子を試すように、屈伸をしながら、新羅は尚も無機質な声で呟く。 「こんな馬鹿なことを仕出かしたのは、セルティさんの為ね……?」 「うん、そうだよ」 「あんたがどれだけセルティさんの事を大事に思っていたかは知っているわ……、嫌という程聞かされたから……。 優しい人だってことも知ってる……だからこそ自分を蘇らせるために、あんたが殺人者になったって事を知ったら彼女は―――」 「無駄だよ、アリアちゃん―――」 懸命に説得を試みようとするアリアの言葉は、彼女の背後から現れた一人の男によって遮られる。 「君の言葉は決して、新羅に届かない」 折原臨也は、コートの両ポケットに手を突っ込んだまま、淡々と告げる。 「新羅にとっては、セルティと共にあることが絶対なんだよ。 逆にセルティ以外の人間に対しては、皆等しく無関心―――興味がない。 だからこそ、セルティと一緒にいる為には、他人を騙すことも、傷つけることも、殺すことも厭わないんだよね。 もっと性質(たち)が悪いことに、必要があれば、セルティにすら嘘を吐くし、傷つけるんだよ、新羅は。まったく、とんだ人格者破綻者だよ」 「っ!? 折原臨也っ!! あんたは―――」 説得を諦めろと諭してくる臨也に、アリアは激昂する。 しかし、臨也はそんな彼女を他所に、ズカズカと前進し、アヴ・カムゥの眼前に歩み寄る。 「やぁ臨也、まさか、こんなところで君と再会するとは思っていなかったよ」 「いつから、お前はロボットアニメの住人になったんだ、新羅?」 見上げる臨也。見下ろす新羅。 両者の間に流れる空気は、どことなく気安さを感じさせるものであったが、臨也がいつものように余裕ぶった笑みを浮かべることはない。 能面のように感情が読み取れない顔つきで、新羅を見上げ―――。 新羅もまたアヴ・カムゥ越し―――外からは表情窺い知れない状態にて、対峙するのであった。 ◇ 高坂麗奈は、ひたすらに混乱と恐怖の中で怯えていた。 その元凶は間違いなく、彼女の傍にいる『月彦』にあり、彼に対する絶対的恐怖により、麗奈は彼に服従せざるを得ない状況にある。 誰か助けて!と声高らかに叫びたい。 だけどそれは許されない―――。 今は元通りになっているけれども、一本ずつ折られた手の指の痛みが。 そして、壮絶な死に顔を晒したあげく、顔面を吹き飛ばされた少女の最期が。 恐怖という形で、彼女の身体に染みつき刻みこまれているから。 故に、臨也と茉莉絵の二人と出会った時も大人しくしていた。 だが、そこで麗奈は、自分の身体に刻まれた異変を改めて思い知らされる事になる。 食 べ た い 臨也と茉莉絵を見ていると無性に、そんな衝動に襲われてしまう事に……。 『月彦』に血を与えられ、鬼にされてから、身体が渇望しているのである。 人間の血肉を喰らいたいと―――。 その歪められてしまった本能を、必死に抑え込んだ。 事前に『月彦』に、「余計なことをするな、ただ私に従え」と釘を刺されていた手前、勝手な行動をするわけにもいかない。 そんな『月彦』に対する恐怖と、人間だったころの理性を以って、彼女は耐え続けた。 遺跡に到着後、オシュトルとアリアと対面した際も、彼女は思った。 食 べ た い と。 全身に流れる血潮が、植え付けられた本能が、そう訴えてくるのだ。 だからこそ、グッと堪える。 ―――我慢だ、我慢しないと……。 そう自分に言い聞かせながら、麗奈は皆と共に、オシュトルが発見したというレポートを閲覧する。 そして、その掲載内容から、主催者は、自分に覚醒者『006』という番号を割り当てていること、自分の身に何があったのかということを悟る。 『デジヘッド化』というものは良く分からないが、その発現を契機に、鬼の首魁である『007』こと『月彦』は、本来は弱点であるはずの太陽光を克服したということらしい。 自分が『月彦』に殺されずに、生かされているのは、ここに理由があると悟ると同時に、麗奈は改めて、自覚する。 ―――私は、本当に化け物になってしまったんだ……。 と。 ゾワリと、絶望が全身に駆け巡るが、それでも何とか自我を保つ。 飢えと渇きも増々ひどくなってくる。だけど耐える。 全てをかなぐり捨てて、思いっきり叫びたい。だけど耐える。 耐える。 耐える。 耐える。 ―――いつか、きっと、滝先生に振り向いてもらえるまで。 ―――私が私である限り、私は……私の心だけは『高坂麗奈』であり続けなければ、ならないのだから。 そのように心で反芻しながら、麗奈はひたすら耐えた。 そんな中、臨也は、麗奈達にとある可能性を示唆してきた。 自分たちはμで作られたデータであり、偽物にすぎない可能性があると。 ―――本当にそうだったら、ここにいる自分に滝先生が振り向いてくれることなんて絶対にない。 ―――だとすると、今ここで必死に頑張って、抗って、苦しんでいる自分はどうなる? ―――絶望のドン底に陥っても、これっぽちない希望にしがみついている自分は一体なんなんだ? そんな不安と激情を押し殺して、麗奈は臨也に問いかけた。 本当に自分たちは紛い物なのか、と。 もしかすると、ここで自分の存在を全否定されて、止めをさしてもらって楽になってしまいたいという、ある種の救いを望んでいたのかもしれない。 しかし、臨也からの口からは明瞭な答えが出ることはなく、最後には「『高坂麗奈』で在り続けろ」と唆してきた。 グサリと、心が抉られたような気がした。 勿論、麗奈の現状を知る由もない臨也からすれば、悪意のない、ただの鼓舞のつもりで言ってきただけかもしれない。 しかし、それは麗奈にとって、「もっともっと生き地獄を味わえ」と傷口に塩を塗られるような言葉であった。 その後、第二回放送が終わると、遺跡内部に凄まじい破壊音が鳴り響いた。 聞けば、別部屋で待機している参加者の恋人が、放送でその名前を告げられたと、オシュトルとアリアは、言った。 そして、その参加者は今、ヴァイオレットと一緒にいて、今の衝撃音は、恐らくは……とバツが悪そうに、一同に説明する。 オシュトル達は、切羽詰まった様子でヴァイオレット達の元へ向かおうとした。 先程までは饒舌だった臨也も、事の重大さを悟ったのか不気味なほど静かになり、彼らに帯同することになった。 だから、麗奈も、その後に続こうとする。 ―――そうだ、ここにはヴァイオレットさんがいる…… 麗奈にとって、ヴァイオレットはこの殺し合いが始まって最初に出会った人間。真摯に自分の想いにも触れてくれた、紛れもない善側の人間、心がぐちゃぐちゃに掻き乱されている麗奈にとっては、唯一の心の拠り所とも言えるかもしれない。 彼女と再会することで、自分の窮状が少しでも好転するのかもしれないかという、根拠のない期待が彼女を突き動かそうとする―――。 「いえ、我々はここで待機しましょう」 が、それも『月彦』が手で制してきて、止められてしまう。 「な、何で―――」 思わず、声を荒げそうになるが、途端に『月彦』が目を細めて、睨みつけてくる。 「……っ」 その眼光に射抜かれて、麗奈は恐怖のあまり黙ってしまう。 ―――怖い。この人に逆らうのが、何よりも、怖い。 「アリアさん達と違い、我々はただの一般人で、戦う術を知りません。 いたずらに加勢しても、皆さんの足手纏いになるだけです。 であれば、私と麗奈さん、それに……茉莉絵さんあたりはここに残っておいた方が賢明でしょう」 そのように言って、『月彦』はオシュトル達、そして、茉莉絵に視線を送る。 オシュトル達は頷き、茉莉絵も少しだけ考えた素振りをしてから、同意を示したのであった。 「―――あのぉ……高坂さん、大丈夫ですか? 先程から、顔色が優れないご様子ですが……」 オシュトル、アリア、臨也の三人の背中を見送った後、コンピュータルームに取り残されたのは、『月彦』、茉莉絵、麗奈の三人。 そんな中、ふと、茉莉絵が心配そうに麗奈の顔を覗き込んできた。 頼りの綱のヴァイオレットとの再会も絶たれてしまった手前、麗奈は動揺を隠すこともできずにいた。 「あ、ああ、うん、平気……。ちょっと疲れているだけだから……。気にしないで……」 ---駄目、これ以上私に近づかないで 辛うじて笑顔を取り繕おうとするが、上手く笑えたかどうか分からない。 そんな彼女の心境を知ってか知らずか、茉莉絵は更に距離を詰めてくる。 「高坂さん、ヴァイオレットさん達が心配なんですよね……。 私も同じ気持ちなのですが……折原さんはともかく、オシュトルさんとアリアさんは、とても強い人たちだと思います。きっと無事に帰ってきてくれますよ……。 だから、元気を出してください。ね?」 そう優しく語り掛けながら、麗奈の手を握ってくる。 その瞬間、麗奈は反射的にビクッと身体を震わせる。 ―――駄目、お願いだから、もうやめてよ。そうしないと……。 麗奈の心は既に限界を迎えていた。 自制心はもはや崩壊寸前。懸命に抑え込んでいた衝動が、今にも爆発してしまいそうになっていたのだ。 食 べ た い 目の前にいる少女を喰らい尽くしたいという欲求が溢れ出してくる。 鬼としての本能が、抑えきれないくらいに膨れ上がってくる。 その感情に負けないように必死に堪える。 だが、その均衡も長くは保たなかった。 「高坂さ---うぐっ!?」 次の瞬間、麗奈は無意識のうちに茉莉絵を抱き寄せると、その左肩に喰らい付いたのである。 ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ……。 鬼特有の発達した咬合力で、肉を噛み千切り咀躙する音が周囲に響き渡る。 「い、痛いっ!こ、高坂さ―――ひぎぃっ!」 麗奈は、まるで何かに取り憑かれたかのように、無我夢中で、茉莉絵の肩の肉を貪り、血を啜っていた。 ---ああ、美味しい 血肉が喉を通る度に、全身に活力が沸いていくような感覚を覚える。 それと同時に、今まで感じたことの無い高揚感に包まれる。 もっと味わいたい。もっと飲みたい。 もっと、もっともっと……。 そんな欲望が全身を支配する。 そして、次なる部位へと狙いを定めるべく、麗奈は茉莉絵の首筋に牙を立てようとした。 が、その瞬間---。 ヒュン! と風を切る音が轟いたかと思うと、ベチャリと肉が飛び散る音ともに、麗奈の身体は壁に叩きつけられて、床に倒れ伏していた。 一瞬何が起こったのか分からず、呆然としていたが、顔を上げるとそこには肩から触手を生やし、麗奈を睨みつける『月彦』の姿があった。 「……愚図が……。誰が食事を許可した? 私は勝手な行動をするなと言ったはずだ……。 それすら理解できないか?無能が……」 『月彦』が蔑むような目つきで見下ろしながら、麗奈に言い放つ。 ポトリポトリと、麗奈は、自分の頭から何かが滴り落ちるのを感じる。 それは麗奈の脳髄の一部。『月彦』が放った一撃により、麗奈は顔面左上部を吹き飛ばされたのである。 「……ぁ……ぅ……ぁ……っ……!!」 激痛と共に意識が覚醒する。 今の麗奈は鬼。例え頭を吹き飛ばされたとしても再生はする。 事実、欠損した頭部は再生し始めている。 それでも痛みとショックで涙が流れ、全身が震える。 そんな彼女に、『月彦』は「大人しくしていろ」と言い放ち、茉莉絵の方へと視線を向ける。 「ハァハァ……、正体現しやがったなぁ……糞共が……っ!!」 「ふん……そういうお前も姿を偽っていたと見えるが―――」 齧られた部位を手で抑え、肩で息をしながら、茉莉絵はいつのまにかその姿を変貌させていた。 そこにいるのは、お下げを靡かせた、殺し合いの場に似つかわない真面目な少女ではない。 髪はボサボサで、着込んだ制服も無駄に開けさせた『魔女』の姿がそこにはあった。 しかし、そんな茉莉絵の変貌に、『月彦』は一切動じる様子もない。 「私としては、お前の正体、お前が何を企んでいるなど、一切興味がない。 早々に実験体になってもらおう」 「何訳わかんねえこと、ほざいてやが―――!?」 『魔女』が『月彦』に飛び掛かるより先に、『月彦』は機先を制した。 目にも止まらぬ速さで動き、彼女の背後に回り込んだのである。 回避行動を取ろうとした茉莉絵だったが、それよりも先に『月彦』は彼女の首根っこを掴むと、その首筋に指を突き刺した。 ズブリ 「――あぐぅっ!!? てめえ、何をっ……!?」 「言ったはずだ、実験体になってもらうと……。お前にはこれから私の血を流し込む」 「ふざけん……あぐうっ!?」 茉莉絵が抵抗しようとするが、それを許さず、『月彦』は彼女の体内に自分の血液を送り込んでいく。 それに伴い、ビクリビクリと彼女の身体は激しく痙攣し始める。 そして数十秒ほど経過した後、『月彦』が手を離すと、茉莉絵はドサリとその場に倒れた。意識を失ってはいるものの、まだ痙攣を続けている。 そんな彼女の髪を引っ張り上げ、その身体を引き摺り、『月彦』は、未だ部屋の隅で縮こまる麗奈の元へとやって来る。 「……ぁ……ぅ……!」 弱弱しく怯える麗奈に、『月彦』は有無を言わせぬ口調で、告げる。 「―――移動する。私について来い」 それだけ言うと、『月彦』は茉莉絵を引きずりながら、コンピュータルームを出て行く。 麗奈はというと、黙って彼の後を追うことしかできなかった。 ◇ 破壊の痕跡際立つ倉庫内。 ヴァイオレットが、オシュトルが、アリアが、固唾を飲んで見守る中で、臨也と新羅の二人は対峙する。 お互いを「友人」と認める二人の間に、割り込む無粋な者はいない。 それを許せないという空気が漂っているからだ。 先程まで臨也を非難していたアリアですら、その空気を察し、口を噤んでいる。 「静雄がさ―――」 「はあ? 何でいきなりシズちゃんの名前が出てくるんだよ?」 天敵の名前を出されて、途端に眉を潜ませる臨也。 そんな彼に構わず、新羅は「まあ聞いてよ。」と話を続ける。 「静雄がさ、昔僕に言ったんだ―――。 もしも僕が『愛する人』のために人殺しをするような極悪人になったら、『俺がその女の代わりに空高くぶっ飛ばしてやるから安心しろ』ってさ」 「……それを俺に言って、新羅はどうしたいんだ?……」 「いやさぁ、折原君だったらどうするのか?って思ってさ。 現に君は今、セルティのために殺し合いに乗った僕の前にいるし」 「何だそんな事か―――。」 やれやれといった感じで肩をすくめると、臨也は呆れた表情のまま新羅に告げる。 「俺は何もしないよ、ただ見届けるだけだ。」 人間の人格というのは、周囲の環境に影響を受けながら形成されていると言われている。 周囲の環境―――それは一般的には、身近な人間「家族」や「友人」が該当されるが、折原臨也の人格に多大な影響を及ぼしたという点において、新羅は間違いなく、臨也の「友人」という括りにカテゴライズされるだろう。 しかし、二人の関係は、静雄が新羅に示したような「お前が間違った方向に進んだなら、ぶん殴ってでも更正させてやる」といった青春劇のような熱いものはない。 だからこそ、臨也は冷え切った口調で答える。 「先にセルティが死ぬことがあれば、新羅がそっち側に行くのは、分かり切っていたことだ。 新羅がそれを曲げることは万に一つもあり得ないだろ? ならば、俺は、せいぜいそれを見届けさせてもらうだけさ」 折原臨也は、人間を愛している。 様々な事象に直面したときに、人間がどんな反応をするのか、どんな行動をするのか、その果てにどのような末路を辿るのか、興味が尽きない。 だが、今回の新羅が選択した行動については、臨也にとっては全く予定調和の出来事であり、面白みの欠片も感じることはなかった。 ネタバレされている物語を見て、ワクワクできるかといえば、そうではないのと同じだ。 だから、この新羅の行動に関して、臨也が抱く感想は、「ああ、やっぱりね」という程度のものであった。 「うんうん、折原君らしいね。じゃあさ、見届けるついでに、僕に殺されてくれるのかい?」 「それは御免だね、俺はまだまだやりたいことがあるし……少なくとも、こんなつまらない場面で死にたくないからね。 ここにいる皆と一緒に抵抗はさせてもらうさ」 観察の対象として、今の新羅はこれっぽちも面白くない。 だが、彼の周囲の人間……アリア、オシュトル、ヴァイオレットが、殺し合いに乗った新羅を前に、どのような行動を取るかについては興味がある―――そういう大義名分で自分を納得させ、臨也はこの場所に来ていた。 「そうかい、じゃあこれから、僕たちは殺し合うことになるんだね」 「そういうことになるな」 「臨也」 穏やかな声が、巨人の中から発せられた。 「……なんだい?」 聞き返す臨也。 新羅はやはり穏やかな声で、その言葉を口にする。 「……じゃあね」 それが、「友人」として送られる最後の言葉。別れの言葉。 「……。」 瞬間―――。臨也は、自分の内より“何か”が込み上げてくる感覚を覚えた。 だが、それも束の間、能面の表情を保ち、一言だけ返す。 「ああ、さよならだ」 別れの挨拶を皮切りにして、殺意は芽吹き――。 全てを抹殺すべく――。 巨人は動き出すのであった。 【E-4/大いなる父の遺跡・倉庫内/日中/一日目】 【岸谷新羅@デュラララ!!】 [状態]:健康、アヴ・カムゥ搭乗中 [服装]:白衣 [装備]:まほうのたて@ドラゴンクエストビルダーズ2 [道具]:基本支給品一色、マスターキー@うたわれるもの 二人の白皇、不明支給品0~1 [思考] 基本:優勝して、セルティと一緒に帰る 0:優勝するために、まずは臨也達を殺す 1:目につく参加者を殺していく、セルティは怒るだろうなぁ…… 2:ヴァイオレットちゃんを殺したら、書きかけの手紙だけはもらっておこうかな 3;アヴ・カムゥの操縦にはもう少し慣れたい 4:桜川君の人体とブチャラティの『スタンド』に興味。ちょっと検査してみたい 5:ジオルド、流竜馬、仮面の剣士(ミカヅチ)を警戒 [備考] ※ 九郎、ジオルドと知り合いの情報を交換しました。 ※ アリア、ブチャラティと知り合いの情報を交換しました。 ※ 画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。 ※ オシュトル、ヴァイオレットと知り合いの情報を交換をしました。 ※ オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※ アヴ・カムゥの基本操縦は出来るようになりました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読みましたが、「自分たちが作られた存在」という部分については懐疑的です。 【折原臨也@デュラララ!!】 [状態]:疲労(中)、全身強打、言いようのない不快な気分 [服装]:普段の服装(濡れている) [装備]: [道具]:大量の投げナイフ@現実、病気平癒守@東方Projectシリーズ(残り利用可能回数6/10)、不明支給品0〜2 [思考] 基本:人間を観察する。 0:目の前の状況に対処。新羅を見届ける。 1:『レポート』の内容は整理したいね 2:首輪解除に向けて、首輪の緊急解除コードを探る 3:茉莉絵ちゃんを『観察』する。彼女が振りまくであろう悪意に『人間』がどのような反応をするのか、そして彼女がどのような顛末を迎えるのか、非常に興味深い 4:茉莉絵ちゃんは本当に面白い『人間』だなぁ 5:平和島静雄はこの機に殺す。 6:『月彦』さんと麗奈ちゃんを『観察』する。何を隠しているんだろうね。 7:佐々木志乃の映像を見た本人と、他の参加者の反応が楽しみ。 8:主催者連中をどのように引きずり下ろすか、考える。 何が目的なんだろうね? 9:『帰宅部』、『オスティナートの楽士』、佐々木志乃に興味。 [備考] ※ 少なくともアニメ一期以降の参戦。 ※ 志乃のあかりちゃん行為を覗きました。 ※ Storkと知り合いについて情報交換しました。 ※ Storkの擬態能力について把握しました ※ ジオルドとウィキッドの会話の内容を全て聞いていました。 ※ 無惨との情報交換で、第一回放送時の死亡者内容を把握しました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読みましたが、「自分たちが作られた存在」という部分については懐疑的です。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読みました。 【神崎・H・アリア@緋弾のアリアAA】 [状態]:疲労(中) [服装]:武偵高の制服 [装備]:竜馬の武器だらけマント@新ゲッターロボ、IMI デザートイーグル@現実 [道具]:不明支給品0~2、キースの首輪(分解済み)、キースの支給品(不明支給品0~2)、カタリナの布団@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 北宇治高等学校職員室の鍵 [思考] 基本:武偵としてこの事件を解決する。 0:新羅を止める。殺人は絶対に認めないわ 1:首輪解除に向けて、首輪の緊急解除コードを探る 2:遺跡探索の後、静雄との合流を目指して北上。最終的には池袋駅でブチャラティ達と合流する。 3:あかり、高千穂、志乃、ジョルノ、カナメ、シュカ、レイン、キースの知り合いを探す。 4:佐々木志乃が気がかり……何やってんのよ……。 5:流竜馬、仮面の剣士(ミカヅチ)を警戒 6:フレンダに合流したら、問い詰める 7:『ブチャラティ』が二人……? [備考] ※ 参戦時期は少なくとも高千穂リゾート経験後です。 ※ 九郎、新羅と知り合いの情報を交換しました。 ※ 画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。 ※ 新羅から罪歌についての概要を知りました。 ※ オシュトル、ヴァイオレットと知り合いの情報を交換をしました。 ※ オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読みましたが、「自分たちが作られた存在」という部分については懐疑的です。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読みました。 【オシュトル@うたわれるもの 二人の白皇】 [状態]:健康、疲労(小)、強い覚悟 [服装]:普段の服装 [装備]:オシュトルの仮面@うたわれるもの 二人の白皇、童磨の双扇@鬼滅の刃 [道具]:基本支給品一色、工具一式(現地調達) [思考] 基本:『オシュトル』として行動し、主催者に接触。力づくでもアンジュを蘇生させ、帰還する 0:目の前の状況に対処。最悪、新羅の殺害も辞さない。 1:首輪解除に向けて、首輪の緊急解除コードを探る 2:『レポート』の内容は整理しておきたい 3:クオン、ムネチカとも合流しておきたい 4:マロロ、ヴライを警戒 5:ゲッターロボのシミュレータについては、対応保留。流竜馬とその仲間を筆頭に適性がありそうな参加者も探しておきたい。 6:殺し合いに乗るのはあくまでも最終手段。しかし、必要であれば殺人も辞さない 7:『ブチャラティ』を名乗るものが二人いるが、果たして……。 8:誰かに伝えたい『想い』か……。 [備考] ※ 帝都決戦前からの参戦となります ※ アリア、新羅と知り合いの情報を交換をしました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読みましたが、「自分たちが作られた存在」という部分については懐疑的です。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読み、覚醒者『003』がミカヅチであることを認識しました。 【ヴァイオレット・エヴァーガーデン@ヴァイオレット・エヴァーガーデン】 [状態]:健康、全身ダメージ(中) [服装]:普段の服装 [装備]:手斧@現地調達品 [道具]:不明支給品0~2、タイプライター@ヴァイオレット・エヴァーガーデン、高坂麗奈の手紙(完成間近)、岸谷新羅の手紙(書きかけ) [思考] 基本:いつか、きっとを失わせない 0:目の前の状況に対処。新羅様……。 1:主を失ってしまったオシュトルが心配。力になってあげたい。 2:麗奈と再合流後、代筆の続きを行う 3:手紙を望む者がいれば代筆する。 4:ゲッターロボ、ですか...なんだか嫌な気配がします。 5:ブチャラティ様が二人……? [備考] ※参戦時期は11話以降です。 ※麗奈からの依頼で、滝先生への手紙を書きました。但し、まだ書きかけです。あと数行で完成します。 ※ オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※ アリア、新羅と知り合いの情報を交換をしました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読みましたが、「自分たちが作られた存在」という部分については懐疑的です。 ◇ 苛立ち、疑念、不信。 遺跡に到着してからというもの、『月彦』こと鬼舞辻無惨の胸中は、そういった負の感情が溢れ返っていた。 道中出会った臨也が、何かと馴れ馴れしい口調で、こちらを探るような言葉を向けてきたことも、彼の機嫌を損ねる一因とはなっていたが、そこはまだ我慢できる範疇だ。 しかし……。 (下女どもめが……!! 一体誰を測ろうとしているのか、弁えているのか……!!) ビキビキ―――。 思い返すだけでも、額に青筋が浮かびあがる。 主催者側が用意したとされる『レポート』の内容は、彼にとって許し難いものであった。 あの主催の女どもは、限りなく完璧に近い存在である自分を、あろうことか実験動物のように番号を割り振り、飼育日記でもつけるかのように見下し、観察しようとしているのだ。 これほどの屈辱は、彼の長きに渡る生命活動において味わったことがない。 臨也達は、自分達が主催者によって創られた存在の可能性について、言及していたが関係ない。 無惨にとっては、今ここにいる自らの存在こそが絶対であり真実なのだから。 (ただでは殺さない…然るべき粛清を貴様らにくれてやる……) 憤怒の形相を浮かべながら、無惨は遺跡の出口へと歩を進める。 彼に髪を掴まれ、ボロ人形の様に引き摺られているのは、水口茉莉絵……又の名をウィキッド。意識を失い、されるがままの状態である。 その後ろを麗奈がおずおずとついてきている。 やがて、遺跡を出て、開けた森へと差し掛かったところで―――。 「……うっ……てめぇ……!!」 無惨に引き摺られていたウィキッドが、意識を取り戻した。 「目を覚ましたか、小娘」 怒りに満ちた眼光を向けるウィキッドに対して、無惨は意にも介さず、彼女の肩口を検分。 麗奈によって、食いちぎられたはずの部位は何事もなかったかの様に再生していた。 「ふむ……そこの無能に喰われた傷は癒えている。 素体の完成というわけか」 無惨の言葉通り、水口茉莉絵ことウィキッドは生まれ変わっていた。 高坂麗奈と同様に、混入された『鬼の王』の血に見事適応し、人智を超えた存在『鬼』へと変異したのである。 しかし、何故鬼を増やすことに消極的だった無惨が、ウィキッドを鬼にしたのだろうか? それは、先にも無惨が言った通り、実験体の確保―――これに尽きる。 先のレポートの記載によれば、無惨と麗奈は鬼でありながらも、デジヘッド化に伴い、麗奈の発現した回復能力により、太陽光によるダメージを克服できているとされており、自らの身に起きた異変を完全に把握するためには、この『デジヘッド化』とやらが何なのかを洗い出していく必要があると、無惨は認識している。 しかし、その前に彼は、レポートの信憑性について改めて確信を得たかった。 既に無惨自身が実際に陽を浴びて、ダメージを受けていなかったことを鑑みるに、一見筋は通っているかのように見える。 だが、しかし。 ―――もしも、この殺し合いの会場で、参加者を照らしているあの陽光が偽物だとしたら?―――そもそも、最初から通常の鬼を死滅させるに足りない代物だとしたら? レポートに記載されている内容の前提は大きく崩れ、その信憑性は疑わしいものになる。 鬼舞辻無惨は、こと自分という存在にまつわる事柄に関しては、極めて慎重だ。 それでいて、参加者間に不信と混乱を煽るために運営側が意図的に虚偽の情報を流している可能性を臨也が示唆していたのもあってか、彼はレポートの内容に大きな不信と疑念を抱いていた。 だからこその検証。だからこその実験。 ―――この会場でも、太陽光を浴びると鬼は死滅する。 この大前提の確信を得るために、遺跡内で騒動が起こった際、『月彦』は尤もらしい進言を行い、彼女を連中から分断―――そして、新たな鬼を誕生させた。 忠実なる眷属としてではなく、使い捨ての実験体として。 全ては彼の描いた筋書き通りに、事は進み―――。 残すところは、この脆弱な生贄を陽光のもとに晒して、死滅するかどうかを確認するのみ。 「こんの――「黙れ」 ジタバタもがこうとするウィキッドの身体を、宙に放り投げると、背中から生やした触手を射出。 風を切る音とともに、その身体を串刺しにする。 「ぐっ……ああぁああっ!?」 絶叫。 血反吐をまき散らしながら、悲痛な叫び声をあげるウィキッド。 空中で串刺し状態のまま身を捩る彼女に対して、無惨は冷たい視線を浴びせながら、さらに数本の触手を伸ばして、彼女の四肢を貫かんとする―――。 「ざっけんじゃねえええぞッーーー!!」 だが、そう易々と攻撃を許さんとばかりに、ウィキッドは爆弾を顕現させると、それを無惨目掛けて投げつけた。 ドゴォン!! 爆発。 爆風が巻き起こり、周囲の木々が大きく揺れ動く。 「忌々しい……!!」 ウィキッドを拘束していた触手と、射出された触手は、爆炎によって爆ぜる。 苛立ちを募らせる無惨。 ある程度の抵抗は予想していたが、まさか異能による爆撃は想定外であった。 一方で、ウィキッドは地面に着地すると、すかさず次の攻撃へ転じるべく、腕を振るう――。 「ハァハァ……お前、私の身体に何しやがったぁああああ!?」 無数の爆弾を次々に投擲しながら、ウィキッドは吼える。 彼女も自身の身体の異変に気付いていた。 無惨に貫かれはずの傷口は、いつの間にか塞がっており、それどころか全身に力がみなぎってくる。 それはまるで、何かの細胞が増殖し、身体が作り替えられているかのような感覚。 そして、身体の奥底から湧いてくる強烈な飢餓感―――。 「てめぇが……てめぇが私をこんな風にしやがったんだろぉがあああああ!!!」 怒りと憎悪に満ちた表情を浮かべながら、ウィキッドは爆弾を次々投げつけていく。 まるで空襲のように、止めどない爆音が鳴り響き、辺り一帯が吹き飛んでいく。 魔女による爆炎は無惨にも及び、彼の身体の一部を吹き飛ばす。無論、鬼の王は、この程度の攻撃では死ぬはずがない。 欠損した部位はすぐに再生し、何事もなかったかの様に無惨は爆炎から遠ざかる。 「図に乗るなよっ、実験動物風情がぁ……!!」 悪態をつきながら、触手を以って反撃に転じる無惨。 しかし、ウィキッドは鬼化によって過剰強化された知覚を以って反応。これを爆撃を以って吹き飛ばす。 一見すると無惨にはダメージはない。しかし、ウィキッドと交戦を続ける中で、無惨の立ち振る舞いからは余裕が消えていく。 身体能力が飛躍的に向上したとはいえ、『魔女』のそれは、鬼の王に到底及ばない。無惨がその気になれば、一瞬で彼女を絶命させられるだろう。 にもかかわらず、無惨はそれを行わない。折角確保した実験素体を無碍にするわけにはいかないからだ。故に力を加減する、力余って貴重な素体を失わないためにも。 そして、無惨が攻めあぐねるのには、もう一つの理由がある。 それは―――。 (―――何だ、この女の攻撃は……) ただ爆炎に飲まれて、身体を吹き飛ばされ、焼かれるだけであれば、無惨にとっては脅威たり得ない。 威力だけであれば、産屋敷邸で喰らったあの爆撃よりもはるかに劣る。 しかし、ウィキッドの繰り出す爆撃には物理的なものではない、何か別の性質が付与されていた。攻撃を受けるたびに生じる、異質な痛み――。 それは、無惨がこれまで味わったことのない未知の苦痛であり、彼を混乱させるに足るものであった。 「おらぁッ、とっと死ねよ!!」 無惨の攻勢が緩まった隙を見て、ウィキッドの攻撃は更に苛烈なものへとなっていく。 当人達があずかり知らぬところではあるが、彼女の攻撃が無惨にもたらすものは、肉体的な損傷だけでなく、精神的な動揺を誘発させるものであった。 それは、無惨がデジヘッド化しているが故の現象―――。 μが構築したメビウスで繰り広げられる戦いは、基本的に物理干渉が発生しない、精神世界における闘争である。 『帰宅部』及び『オスティナートの楽士』の繰り出す攻撃は、元来はこの精神干渉の原則に則ったものであり、精神世界に身を投じていない者には通じず、この殺し合いの場において、メビウス以外の参加者に対しては有効打とは成り得ない。 故に、カタルシスエフェクト及び楽士の能力に対しては、主催者の計らいで、物理干渉の性質を帯びるよう調整されている。 だが、これはあくまでも付加処置であり、元来の精神干渉の性質が取り除かれたことを意味しない。 仮に、『帰宅部』や『オスティナートの楽士』以外に、メビウスの法則に則るような存在が現れることがあれば、その人物に対する攻撃は、物理面・精神面の双方から有効なものと成り得る。 故に、メビウスの法則に準ずるデジヘッドとなった無惨には、ウィキッドによる精神攻撃は有効に機能しているのだ。 「チィッ……!」 不可解な攻撃の影響により、無惨の脚が鈍る。 そして、ウィキッドの放つ爆弾を回避しきれず、無惨はその身に被弾する。 肉体はすぐに再生する、しかし、その度に走る精神への苦痛で、顔を歪める。 「きゃはははははッ!!さっきまでの威勢はどうしたんだよォオオッ!!」 『魔女』にとって、他人の不幸は蜜の味。 無惨の苦悶の表情を目にし、ウィキッドは狂喜乱舞。 彼の苦々しい顔を見るたび、愉悦と優越感に浸りながら、更に爆撃を叩き込もうとする。 しかし――。 「調子に―――」 プツン! 無惨の中で何かが切れた。 「乗るな、小娘ぇえええええええええッーーー!!」 堪忍袋の緒が切れたか。 無惨は怒号と共に、これまでとは比較にならないほどの速度で触手を射出。 「……あっ?―――」 瞬間、無数の触手がウィキッドの腕を、脚を、腹を、胸を――全身を貫いた。 「ガハッ……」 『魔女』は吐血。 無惨の触手は、ウィキッドの身体に突き刺さったまま、その動きを止める。 「はぁ……はぁ……」 無惨は肩を大きく上下させ、呼吸を整える。 もう一本の触手はウィキッドの眼前で静止しており、彼女の頭部を破壊するまでは至らなかった。 貴重な素体を無駄に殺さないため、無惨はギリギリのところで思い留まったのだった。 「ぐっ……ああぁっ……!?」 口から大量の血が溢れ出し、苦痛に顔を歪めるウィキッド。 しかし、その眼光は死んでいない。 無惨を射抜くような視線を浴びせながら、その手に爆弾を顕現させる。 「殺してやるよ……テメェだけは……絶対にぃいい!!」 「無駄だ」 無惨の触手が振われると、爆弾握るウィキッドの手は弾け飛んだ。 「ッ……!?」 「不愉快だ、何故私がお前の様な下賤な輩に時間を割かねばならない?」 「て……めえ……!!」 ウィキッドを肩から触手で貫いたまま、無惨はゆっくりと彼女の身体を運んでいく。 ウィキッドも、どうにかともがくが、脱出は叶わず。 「私の血に適合し、鬼になった者は人間を超越した力を手に入れことになる。 だが、その反面、致命的な弱点も露呈する―――」 「な、にを……ほざいて……」 苦しそうに声を漏らすウィキッドだが、無惨が彼女の言葉に耳を傾けることはない。 やがて、木漏れ日照らす場所の前へと辿り着くと、彼女の身体を陽光の下へゴミの様に放り投げた。 ウィキッドは無様に地面を転がった後、うつ伏せの状態で陽光に晒される。 「その弱点こそ、太陽光だ。貴様は精々苦しみながら死んでいけ」 これでウィキッドが死滅すれば、あのレポートの信憑性を得られる―――。 そこから先の行動方針についても、大方定まる―――。 処刑宣告とともに、無惨はウィキッドの最期の瞬間を、見届けようとする。 「……そうか、つまりは……あんたらが……あのレポートに載っていたデジヘッドってことか……」 「―――な、に……?」 目を見開く無惨。 太陽光に晒されても、ウィキッドの身体が塵芥となって消滅することはなかったのである。 傷だらけの身体で、ウィキッドは無惨の元へと地を這う。 その顔に、獰猛な笑みを張り付けて―――。 「どうやら……あんたの目論みは失敗したみたいだな……。 見てみろよ、私はまだ生きてる……」 鬼化したウィキッドが、太陽光を浴びても死滅しなかった理由―――。 それは、無惨の後方に控える高坂麗奈―――彼女の存在にある。 デジヘッド化に伴い彼女が発現させた回復能力は、同じくデジヘッド化した無惨に効力を発揮し、彼の回復能力を向上させ、太陽克服へと繋がった。 この回復能力は、無惨のみあらず、彼女の周辺一帯に展開されるが、全ての参加者が回復の恩恵を受けられる訳ではない。 回復効果は、精神干渉を経てから、肉体へと還元されるようになっている。 つまりは、デジヘッド化した無惨のように、まずはメビウスの法則に準じた媒介―――精神干渉の効果を享受するための環境が必要となる。 であれば、『オスティナートの楽士』の能力(精神干渉の力)を行使するウィキッドも例外とはならない。 彼女は楽士の能力を発現することで、意図せずして、麗奈の回復能力の恩恵を得ていたのである。 「……どういうことだ……」 しかし、無惨はそのような事実を知る由もない。 ――何故、死なない? ――奴は確かに鬼になったはず ――では、なぜ死なない? あの太陽光は贋作で、鬼を死に至らしめないということか? ――だとすれば、あの『レポート』とやらは運営の女狐どもによる罠か? ――私が太陽光を克服したというのは見せかけか? ――それとも、この娘も太陽を克服したというのか? ――まさか、竈門禰󠄀豆子のように、太陽を克服した個体だとでも言うのか? ――馬鹿な…そんな都合良く、太陽を克服する個体が生まれるものか! 混乱する無惨。 次々と疑問が浮かんでは消えていく。 そんな無惨の思考を遮るように、ウィキッドは言葉を紡いでく。 「きゃはははははっ、ざまあみろバーカ!! 私のこと『実験体』とか吐かして、勝手に見下してたけどさぁ、お前『デジヘッド』じゃん!! 良い歳こいて、自分の感情もコントロールできない洗脳人形に陥るとか、ダサすぎて鳥肌立つわぁ〜!!」 「―――っ!?」 瞬間、無惨は理解した。 この女は『デジヘッド』とやらを知る環境に身を置いていたのだと―――。 そして推測する―――鬼化したこの女が太陽光を浴びてなお、生き長らえているのも、その影響によるものであると――。 ならば話は簡単だ。 刹那。 無惨は無数の触手を放ち、地べたを這いずるウィキッドの四肢を切断する。 「があぁあッ……!?」 達磨状態になって、激痛に呻くウィキッド。 そんな彼女に、無惨は冷たく言い放つ。 「―――話せ。『デジヘッド』とは何だ?」 どちらにしろ、この女は殺す。 だがその前に、何としてでも、この女から『デジヘッド』の情報を聞き出す――。 それが今の無惨にとって、最優先事項であった。 「知っていることを全て話せ、洗いざらい全てを……。 これ以上痛い目に遭いたくなければな」 それだけ告げると触手をウィキッドの身体目掛けて、ハンマーの様に振り下ろす。 グチャリ グチャリ グチャリ 肉が弾け、骨が砕ける音が、森の中に木霊する。 無惨は、何度も触手を叩きつけ、ウィキッドの身体を破壊する。 だが、ウィキッドはというと―――。 「……きゃはははははははっ、誰が話すかよ、ワカメ頭ァッ!!」 全身から伝う激痛も何のその。 潰され、切断された身体を再生させながら、口角を吊り上げるウィキッド。 ギラついた眼差しで、無惨と、そしてその後方で、案山子のように棒立ちしている麗奈を睨みつける。 「殺してやる……!!お前ら、二人とも殺してやるからなぁ!!」 まさに不屈の殺意。 執念めいた怨恨の言葉を口にするウィキッドに、麗奈は思わず後退る。 一方、無惨はというと、全く動じる様子もない。 不快な害虫を見る様な眼差しで、ウィキッドを冷ややかに見下しつつ。 再生中の彼女の身体を再度破壊せんと、触手を振り上げた。 ――その時だった。 「―――おいおい、弱い者いじめは感心しねえな……」 二人の間に、一つの影が飛来し、両者を隔てる。 「「――っ!?」」 ザ ン ッ !! 影は勢いそのままに、無惨の触手を切り裂いた。 「――何だ、貴様は……?」 ビキビキビキ 顔面に青筋を立てながら、無惨は即座に攻撃の主へと視線を向ける。 そこに居たのは――。 「いやなに、通りすがりの"業魔"だ」 闘争の匂いに誘われ、現れた一人の漢。 その手に持つは、銀色に輝く双剣。 新たに見つけた獲物を相手に、不敵な笑みを浮かべ―――。 ロクロウ・ランゲツは戦場に降りたつのであった。 【E-4/大いなる父の遺跡・入り口付近/日中/一日目】 【ロクロウ・ランゲツ@テイルズオブベルセリア】 [状態]:健康、頬に裂傷、疲労(中)、全身ダメージ(中)、反省、感傷、無惨への興味 [服装]:いつもの服装 [装備]: オボロの双剣@うたわれるもの 二人の白皇、ロクロウの號嵐(影打ち)@テイルズ オブ ベルセリア [道具]:基本支給品一色、不明支給品0~2 チョコラータの首輪@バトルロワイアル [思考] 基本:シグレ及び主催者の打倒 0: 目の前の男(無惨)に強い興味。 1: 手に入れた首輪を『大いなる父の遺跡』にいるオシュトルの元へ届ける 2: シグレを見つけ、倒す。 3: 號嵐を譲ってくれた早苗には、必ず恩を返すつもりだが…… 4: ベルベット達は……まあ、あいつらなら大丈夫だろ 5: 殺し合いに乗るつもりはないが、強い参加者と出会えば斬り合いたいが… 6: シドー、見失ってしまったが、見つけたら斬る 7: 久美子達には悪いことしちまったなぁ…… 8: マギルゥ、まぁ、会えば仇くらい討ってはやるさ。 [備考] ※ 参戦時期は少なくともキララウス火山での決戦前からとなります。 ※ 早苗からロクロウの號嵐(影打ち)を譲り受けました。 ※ オシュトルからうたわれ世界の成り立ちについて、聞かされました。 ※ 垣根によってマギルゥの死を知りました。 【ウィキッド@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】 [状態]:鬼化、楽士の姿、両手両足欠損(再生中)、身体に無数の傷(再生中)、食人衝動(小)、疲労(極大)、カナメへの怒り(中)、無惨と麗奈への殺意(極大)、臨也への苛立ち、麗奈の回復スキルにより回復力大幅向上 [服装]:いつもの制服 [装備]: [道具]:基本支給品一色、不明支給品0~2 [思考] 基本:自らの欲望にしたがい、この殺し合いを楽しむ 0:目の前の状況への対処。 1:無惨と麗奈は絶対殺す。 2:壊しがいのある参加者を探す。特に『愛』やら『仲間』といった絆を信じる連中。 3:参加者と出会った場合の立ち回りは臨機応変に。 最終的には蹂躙して殺す。 4:金髪のお坊ちゃん君(ジオルド)は暫く泳がすつもりだが、最終的には殺す。 5:舐めた真似してくれたカナメ君には、相応の報いを与えたうえで殺してやる 6:暫くは利用していくつもりだが、臨也はやはり不快。最終的にはあのスカした表情を絶望に染め上げた上で殺す。 7:私を鬼にしただぁ?ふざけんなよ、ワカメ頭が。 [備考] ※ 王の空間転移能力と空間切断能力に有効範囲があることを理解しました。 ※ 森林地帯に紗季の支給品のデイパックと首輪が転がっております。 ※ 王とウィキッドの戦闘により、大量の爆発音が響きました。 ※ 無惨との情報交換で、第一回放送時の死亡者内容を把握しました。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読み、「自分たちが作られた存在」という可能性を認識しました。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読んでおり、覚醒者『006』は麗奈、『007』は無惨が該当すると認識しております。 【鬼舞辻無惨@鬼滅の刃】 [状態]:疲労(中)、月彦の姿、デジヘッド化(無自覚、浸食率低め)、麗奈の回復スキルにより回復力大幅向上 [服装]:ペイズリー柄の着物 [装備]:シスの番傘@うたわれるもの 二人の白皇(麗奈の支給品) [道具]:不明支給品1~3、累の首輪、鈴仙の首輪、オスカーの首輪 [思考] 基本:生き残る。手段は問わない 0:目の前の男に対処。私の邪魔をするな。 1:太陽克服のカラクリを究明するため、ウィキッドから『デジヘッド』の情報を吐かせる。 2:私は……太陽を克服したのか……? 3:麗奈は徹底的に利用する。まずはこいつの能力の詳細を確認し、太陽克服のカラクリを探る。問題ないようであれば、麗奈を吸収することも視野にいれる。 4:昼も行動するため且つ鬼殺隊牽制の意味も込めて人間の駒も手に入れる(なるべく弱い者がいい)。 5:逆らう者は殺す。なるべく目立たないように立ち回り、優勝しか手段が無くなっても構わないよう、殺せる者は密かに殺していく。 6:もっと日の光が当たらない場所を探したい。 7:鬼の配下も試しに作りたいが、呪いがかけられないことを考えるとあまり多様したくない。 8:『ディアボロ』の先程の態度が非常に不快。先程は踏みとどまったが、機を見て粛清する。よくも私に嘘をついたな。ただでは殺してやらない。 9:垣根、みぞれは殺しておきたいが、執着するほどではない。 [備考] ※参戦時期は最終決戦にて肉の鎧を纏う前後です。撃ち込まれていた薬はほとんど抜かれています。 ※『月彦』を名乗っています。 ※本名は偽名として『富岡義勇』を名乗っています。 ※ 『危険人物名簿』に記載されている参加者の顔と名前を覚えました。 ※再生能力について制限をかけられていましたが、解除されました。現在の再生能力は麗奈の回復スキル『アフィクションエクスタシー』の影響で、太陽によるダメージを克服できるレベルのものとなっております。 ※蓄積したストレスと、デジヘッド化した麗奈の演奏の影響をきっかけに、デジヘッド化しました。但し、見た目は変化しておらず、精神干渉を行うレベルに留まっております。現在は、同じくデジヘッド化した麗奈からの精神干渉の影響で、デジヘッドの状態を維持しておりますが、麗奈と離れればデジヘッド化の状態は、解除されます。 ※デジヘッド化しましたが、無惨自身が麗奈のように何かしらの特殊スキルを発動できるかについては、次回以降の書き手様にお任せいたします。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読み、「自分たちが作られた存在」という可能性を認識しました。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読み、覚醒者『006』が麗奈、『007』が無惨であることを認識しました。 【高坂麗奈@響け!ユーフォニアム】 [状態]:デジヘッド化(無自覚、浸食率低め)、鬼化、食人衝動(中)、回復スキル『アフィクションエクスタシー』発動中(無自覚)、恐怖による無惨への服従(極大) 、ウィキッドへの恐怖 [服装]:制服 [装備]: [道具]:高坂麗奈のトランペット@響け!ユーフォニアム、危険人物名簿@オリジナル [思考] 基本:殺し合いからの脱出??? 0:状況に対処。月彦さんに付いていくしかない? 1:今ここにいる私は偽物……? 2:水口さんが怖い 3:ヴァイオレットさんに会いたい 4:部の皆との合流??? 5:久美子が心配??? 6:みぞれ先輩は私を見捨てた……? 7:誰か……助けて…… [備考] ※参戦時期は全国出場決定後です。 ※『コスモダンサー』による精神干渉とあすか達の死によるトラウマの影響で、デジヘッド化しました。但し、見た目は変化しておらず、精神干渉を行うレベルに留まっております。現在は、同じくデジヘッド化した無惨からの精神干渉の影響で、デジヘッドの状態を維持しておりますが、無惨と離れればデジヘッド化の状態は、解除されます。 ※無惨の血により、鬼化しました。身体能力等は向上しております。 ※腕は切断されましたが、鬼化の影響で再生しております。 ※ 首輪の分解・解析により首輪の中身を知りました。 ※ 首輪の説明文を読み、「自分たちが作られた存在」という可能性を認識しました。 ※ 『覚醒者』について纏められたレポートを読み、覚醒者『006』が麗奈、『007』が無惨であることを認識しました。 前話 次話 Revive or Die Again(後編) 投下順 龍は吼え、影は潜む 前話 キャラクター 次話 絶対絶望少女 折原臨也 狂騒曲の終末に 絶対絶望少女 ウィキッド 狂騒曲の終末に 崩壊序曲 鬼舞辻無惨 狂騒曲の終末に 崩壊序曲 高坂麗奈 狂騒曲の終末に 最後に笑うは ロクロウ・ランゲツ 狂騒曲の終末に 例えようのない、この想いは 神崎・H・アリア 狂騒曲の終末に 例えようのない、この想いは オシュトル 狂騒曲の終末に 例えようのない、この想いは 岸谷新羅 狂騒曲の終末に 例えようのない、この想いは ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン 狂騒曲の終末に
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/13372.html
登録日:2010/03/13(土) 01 48 35 更新日:2023/08/22 Tue 14 26 52NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 オーバーロード・フュージョン グォレンダァ!! サイバー流究極奥義 ヘルカイザー 丸藤亮 未来オーバー 未来融合-フューチャー・フュージョン 遊戯王 遊戯王GX 遊戯王OCG 遊戯王OCGデッキ項目 いやだ…………オレは!!負けたくないぃぃぃ!!! お前の懐にある勝利を奪い取ってでも!オレは!!! 未来オーバーとは、遊戯王OCGの1ターンキルをコンセプトとしたデッキである。 《サイバー・ドラゴン》と不特定多数の機械族を融合することで融合召喚できる闇属性機械族の融合モンスターである《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を切り札とする。 この《キメラテック・オーバー・ドラゴン》は、融合素材にしたモンスターの数×800の攻撃力になる。 さらに、素材の枚数だけレンダァ! できる。 つまり10枚のカードを融合にすれば攻撃力は8000! ジュウレンダァ! 一撃で敵プレイヤーを粉砕だ! リスペクトなんてくそくらえ! ハッハッハッハッハッハ! とは言ったものの、普通に10枚以上のカードを使った融合を発動するのは至難の業。 そこで【未来オーバー】の名前の由来となる、《未来融合-フューチャー・フュージョン》と《オーバーロード・フュージョン》(通称バーロー)を使う。 未来融合は融合モンスターの素材となるカードをデッキから墓地に送り、2ターン後に融合召喚するという永続魔法カード。 バーローは墓地のカードを除外することで、闇属性機械族の融合モンスターを融合召喚扱いで融合召喚する通常魔法カード。 未来オーバーのギミックは、未来融合でサイドラを含めた大量の機械族を一気に墓地に送り、 バーローで墓地のモンスターを根こそぎ融合、そしてメガトン級のキメラテックを召喚してアタックというのが基本。 ただしキメラテックは召喚時に自分以外の自分フィールドのカードを全てを破壊してしまう。 TF2のバカイザーのようになりたくなければ注意だ! と、アニメ的かつロマンにあふれたデッキである。 しかし、成功率が高かったために未来融合とバーローが制限。 シンクロの煽りを受けサイドラの規制強化と向かい風ばかりであった。 それでも環境の変化によりサイドラは制限解除、 さらに《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》というフィールドや墓地でサイドラ扱いとなるカードも増えた。 未来オーバーは、サイバー流の復活とマシンナーズ関係の強力なカードともに新たな産声を上げたのである! キメラテックでダイレクトアタックするほかにも、相手のフィールドに送りつけて、相手モンスターの攻撃力の半分のダメージを与える《ミス・フォーチューン》や、 もしくは《カタパルト・タートル》などで射出するなどのバーンで1キルする方法もある。 これらの場合は融合に20枚のカードを使用し攻撃力が16000を超えれば可能になる。 普通に攻撃したほうが早くね?とは言ってはいけない バーローして除外されたカードを《次元融合》で一斉に帰還させてオーバーキルというのもできたが、次元融合が禁止になったので昔の話である (この際サイコ・ショッカーや《マジック・キャンセラー》を帰還させればほぼ勝利が確定した点も凶悪だった)。 また、機械族であるためサポートも充実しているので、それらを生かして比較的柔軟に組めるのも利点である。 ◎主なデッキの種類 ◆戦線維持とデッキ圧縮を兼ねられるガジェットシリーズを基軸にする。 名付けて【未来ガジェット】研究所! 某想定科学アドベンチャーとは勿論無関係だが、TF6スタッフレシピで公式ネタ化。コナミェ… ◆アニメと同じくサイドラを基軸にするサイバー流の切り札に ◆デコイチ、ボコイチ、《サイバー・フェニックス》、《カードガンナー》でドロー加速をして一気に手札にパーツを揃える機械ブースト型。 《ブラック・ボンバー》も採用圏内だ! ◆サイコ流のアクセントに サイコ・リターナー&サイコ・ショッカーで罠を封じ、確実にレンダァする! ◆D(ディフォーマー)のアクセントに サーチと圧縮に優れ、機械族も豊富。 敵の攻撃はグラビティ・バインド等の遅延カードで遅らせ、自分の攻撃時はオーバーの効果でそれらを墓地に送ってから攻撃! ◎弱点 ◆墓守デッキ 墓地利用が封じられるため。 ◆アンデット・ワールド 墓地が機械族ではなく、アンデット族になるため。 ◆召喚感応型カード(《奈落の落とし穴》など) 理由は言わずもがな。 ◆攻撃感応型カード(《次元幽閉》など) 理由は言わずもがな。 ◆ダメステいいですか?www 理由は(ry ○アニメ、ゲームでの活躍 アニメでは、カイザー亮こと丸藤亮がダークサイドに落ちた姿、ヘルカイザー亮が使用する。 厳密にはこのデッキというわけではないが、上記の主要カードのほとんどがヘルカイザーのものなので、 ほぼヘルカイザーのファンデッキである。 ヘルカイザーが初めてキメラテックとバーローを使用した回はファンの間では有名で、 「俺は負けたくないィィィ!」と「エヴォリューション・レザルト・バースト、グォレンダァ!」はヘルカイザーの代名詞。 ヘルカイザー自体がGXでもトップクラスの人気を誇るキャラだというのがこのデッキが人気の理由の一つでもある。 ゲーム作品でもヘルカイザー亮が使用してくるデッキの一つで、高レベル帯になると使用してくる。 タッグフォース2でのヘルカイザーはキメラテックの墓地送り効果で自滅したりで「バカイザー」などという不名誉なあだ名をつけられたが、一転してタッグフォース3では《キメラテック・オーバー・ドラゴン》、《サイバー・ツイン・ドラゴン》、《サイバー・エンド・ドラゴン》の三体をフィールドに同時に展開するなどファンとプレイヤーが涙目なことをしてくれる。 名実ともに色々なプレイヤーから愛されているデッキの一つであるといえる。 【少年、これが絶望だ】 しかし、その愛が行き過ぎたのか2012年の9月の改訂にそれは来たのだ 禁止『未来融合』 そう、禁止である… 遂に未来オーバーは息の根を止められてしまった その先に待ち受けるのは漆黒の絶望のみ 未来に希望は無いというのか… ないわけではなかった。 2017年1月づけで未来融合が制限復帰。 これにより再び構築可能になったが、未来融合の効果発動が「発動した次のスタンバイフェイズ」と大きくタイムラグを与えられたため、ギミックは構築できても実行するのは困難になった。 後に2018年1月に無制限に。 しかし禁止だった間に 融合カード無しで墓地融合できる《ABC-ドラゴン・バスター》及びそのパーツ 墓地に送られるとトークンを出せる《水晶機巧-ローズニクス》と《幻獣機オライオン》 返しのターンをほぼ確実に守れる《超電磁タートル》 等の新戦力が加わり爆発力は増している。 俺は…追記修正に飢えている… 俺は追記修正されたいぃぃぃぃぃ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 未来融合ェ… -- 名無し (2013-08-22 09 59 13) 未来融合復帰が今問題の4体の竜のせいで絶望的になっているという -- 名無しさん (2013-12-29 22 43 20) Vきゅん…? -- 名無しさん (2013-12-29 23 08 36) ↑Ⅲの間違いかね・・・? たしかⅢの中の人はデュエリストだったはずだし -- 名無しさん (2014-03-24 09 25 12) TFでカイザーが未来オーバーでデッキのモンスター全部除外してキメラテック召喚→「強制脱出装置で」をした時は笑いが止まらんかったわw -- 名無しさん (2015-02-03 22 19 42) こういう単純なパワーデッキ好き -- 名無しさん (2015-02-03 22 24 21) 未来融合でキメラテック・オーバー・ドラゴンを召喚し自分とパートナーのフィールドを破壊してタッグデュエルに敗北する高度な戦術!略して【未来オーバー】だ! -- 名無しさん (2015-02-05 21 11 37) TF6で、カード18枚で攻撃力14400が出てワンキルされた時は何も言えなかったぜ… -- 名無しさん (2015-02-05 21 50 51) エラッタされてもこのデッキの復活は難しいと思う -- 名無しさん (2016-12-21 21 15 58) どうやら復活の兆しが見えたようだぞ、サイバー流門下生の諸君 -- 名無しさん (2023-05-17 08 24 24) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/280.html
【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋- 死亡】 [残り68人]
https://w.atwiki.jp/riceofbackup/pages/37.html
※視点系頑張ります。なお、これでラストです。 『平和の光 〜 これからも… 〜』 この光はまぶしく感じる。それでも幸運だ。 幸せを感じられる思いがある。 色々な人物と会った。 狙撃兵や槍使い、大剣使い、番人…数え切れないほどの出会いがあった。 でも、にぎやかさが消える時は消えてしまう。 でも、それでもここはいつもにぎやかだ。 マ「おーい!写真撮影しようぜ!」 フ「いいな、それ!」 L「記念撮影みたいなものだな。俺は参加しよう。」 と二人がうれしそうに言う。 坊「…そうね、いい思い出になりそうね。」 ル「じゃ、みんな集まって!!!」 マ「じゃ、撮影者は…」 剣「任せろ。…氷の剣よ!」 氷の剣で人を作る。カメラは種族ので撮影だ! マ「じゃ、いいぜ。」 剣「…行くぜ。」 ル「はい、チーズ!」 カシャッ、という音と共に撮影される。 フ「古いな www 」 坊「古 www 」 マ「ちょ www 待 www 」 ル「え?」 L「…古すぎだ www 」 剣「…うくく…。」 流石に大剣使いも笑ったか。でもこれが平日なのかもしれない。 いつかは去る種族でも、今は楽しんでおこう。 そう、俺達のアルバムに載せよう。 忘れぬ為に。記憶の為に。 坊「…ねぇ、また去っていっても、また来るよね?」 マ「ああ。」 坊「それとファルコンには前に会った。」 フ「黙れ wwwww 」 坊「笑うな!」 とにかく…これが平和だな。種族の望む平和だな。 でも、まだ世界中にあふれる戦争を、止めるのか。 それはまた別の話だ。 でも、今は今の時間を刻もう。 剣「…マリオ、無理はするなよ。」 マ「大剣使い、お前もな。」 そう、これが平和だ。 マ「じゃ、買出しな!」 L「ルイージ、俺が行く。」 ル「いいですよ。僕がかい出しに向かいます。」 フ「頑張れよ。ついでに俺酒な。」 坊「じゃ、私は…秘密。買出しに向かうわ。」 これが幸せだよ―――。 ※キャラ「マリオ=マリオ」 最終話らしく終了をと。となったらマリオでしょう。 ※他キャラ「キャプテンファルコン、ミスターL、マリオ=ルイージ、カー坊・クロイツ=ミルドラース、大剣使い」 もう最終的に終わるのでフルでラストは。 カー坊そこは暴露しないと思わせたくなかったので。 これで『必殺短編集_無限大』終了です。 お疲れ様でした。 また会えましたら、その時は…会えるという光を見ましょう。