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今までずっと探していた相手は、意外なほどに呆気なく見つかった。 公園に入ってからすぐに辺りを見渡せる場所まで移動し、この場所で佇む千早を見つけたのだ。 しかし、 ――酷い。 会場を飛び出しておよそ30分、たったそれだけの時間で目に見えて様子が変わっていた。 生気がなく、視線は虚ろ。目尻には溜まった涙がこぼれ落ちそうになっている。 「来てくれたんですか」 まるで他人事のような態度。ついさっきまで静かな活気を湛えていたアイドルと同一人物だとは思えないほどだった。 「携帯だけ残して勝手にいなくなったんだ、」 「……見たんですか?」 何を、ということは分かりきっていた。 開きっぱなしになった携帯に表示されたメール、長い文章の随所に書かれた謝罪と弁解の言葉、 そして……『離婚』という文字。 どう答えていいのか分からず黙り込んでしまい、結局その態度が答えとなってしまった。 「昔は、仲が良かったんです」 目を伏せながら千早は語りだす。誰にというわけでもなく、自分自身にも言い聞かせているような口調だった。 「父も母も、私も『あの子』も、けして裕福ではなかったけどみんな笑っていて……」 何かを思い出したのか千早の口元に小さな笑みが浮かんだ。しかし、今はそれすらも痛々しく感じてしまう。 「それがあの日を境に壊れてしまって、それからずっと……期待なんてしていなかったのに、こうなることは分かっ ていたじゃずなのに、なんでこんなショック……」 もう、見ていられなかった。このままでは自分で自分を傷つけていくだけになってしまう。 「千早、とにかく戻ろう。美希もプロデューサーも心配してる」 できるだけ優しく言ったつもりだったが、千早は首を横に振った。 「もう戻れません。私は自分で自分の居場所をなくしてしまったんです。今さら顔向けなんて、できるはずが……」 「本当にそう思ってるのか?」 「え?」 ゆっくりと歩み寄り、携帯を差し出す。千早は呆然としながらこちらを見つめていたが、やがておずおずと携帯 を手に取った。 「繋がって……?」 画面の『通話中』の文字を見て戸惑っている千早に、電話に出るよう促す。 「……もしもし?」 『え? あ、ウソッ!? も、もしもし千早ちゃん!?』 「春香?」 ……近くにいるとはいえ、声がこっちにまで聞こえてきた。 千早の携帯に電話がかかってきたのは公園に入ってすぐだった。出ていいものか悩んだ末に思い切って出て みたのだが、 ――なんでアンタが出てんのよ、このバカ! と怒鳴られて二重の意味で驚かされた。 それからずっと携帯は繋いだまま、千早の元へと向かったのだった。 『えっと、その、あぁもう何を言ったらいいんだろ私……』 「お、落ち着いて春香」 『う、うん。分かった。すーはー、すーはー、ってあぁ伊織っ!?』 『なに呑気に深呼吸してるのよ!? こんなときまで抜けてるんじゃないわよ!』 今度は伊織の声が聞こえてきた。そういえば今日はみんなオフだったかと今さらながら思い出す。 『千早聞こえてる!? 何やってんのよ! 本番直前ですっぽかすなんてアイドルの風上にも置けないわ!』 「伊織……」 『いい? 悔しいけど私は千早の歌は認めてたのよ、この私がよ!? 理由があったにしても許せないわよこんな こと!』 さすがにこの言い分はどうかとは思ったが、千早を見ると先ほどよりも少し顔色はよくなったようだ。 ――毒も強すぎれば薬になるんだっけか? いや何か違う気もするけど。 『む~、いおりんばっかズルイよ~!』 『そーだそーだー!』 『って、近づきすぎよアンタたち!』 『千早お姉ちゃん聞こえてる~?』 『だいじょぶ? 凹んでない? いつものムスっとしてて優しい千早お姉ちゃんに戻ってよ~』 「亜美、真美……」 今度は双子まで乱入してきた。すでに収集がつかないレベルになりつつある予感がしたが、とりあえずまだ 様子を見ることにする。 『いい加減に離れなさ……ひゃあっ!?』 『はわっ!? 携帯が飛んできましたっ!?』 「その声、やよい?」 『あっ、はい! その、千早さん、元気出してください! 私もみんなも千早さんの歌が大好きですから!』 『そうそう! ボクたちが応援してるから!』 『あの、その……が、ガンバです! ファイトです!』 携帯が次々に回されているのか、真に雪歩の声まで聞こえてきた。 『待ちなさいよ! まだ言いたいことがあるんだから!』 『そ、そうですよぉ! 私だってまだ何も言ってな……ひゃあっ!?』 どんがらがっしゃーん! という音に千早が驚いて目を見開いた。どうやらまた春香が転んだらしい。 『はいはい、みんな落ち着きなさい! まったく……千早、私』 「律子……」 『いろいろ言いたいことはあるけど、ひとまず無事で何よりだわ』 少しだけ意外だった。伊織ほどとは言わないが、それでも怒り心頭だと思っていたのに。 『これからどうするのかは分からないけど、ちゃんとこっちに帰ってきなさいよ』 「でも、私は」 『いいから戻ってきなさい! 事務所の仲間にこんなに心配させたんだから、面と向かって文句の一つくらいは 言わせなさいよ』 ――仲間。 その言葉を聞いた瞬間、千早の身体がわずかに震えた。 『――もしもし? 千早ちゃん?』 「あずさ、さん……」 戸惑い混じりの声だった。それもそうだろう、自分を除けば千早の事情に触れた唯一の人なのだから。 『もう言いたいことはみんなにほとんど言われてしまったけど、』 そこで言葉が一瞬途切れ、そして告げられる。 『――まだ、歌を歌える?』 千早の顔を見た。 そこには先ほどまであった陰りはなく、目には輝きが戻り、 「はい……!」 力強く、彼女は頷いた。 『……うん、もう大丈夫みたいね。それじゃあみんな、最後に千早ちゃんに言いたいことはあるかしら?』 『はいっ! はいっ! はーいっ!』 『ちょっと! 春香は下がってなさいよ!』 『亜美たちもまだ話したーい!』 ――おいおい。 『あらあら、大変ねぇ。それじゃあみんなで言いましょうか。せーの、』 不意のかけ声で、受話器の向こうで皆それぞれ言いたいことを口々に叫んだ。 様々な言葉がないまぜになっていたが、どれも意味は同じだった。 千早、がんばって。 直接ではないが確かに聞こえた。 ――千早の、仲間たちの声が。 「……ありがとう、みんな」 そう言って彼女は通話を終え、抱きしめるように携帯を胸に抱えた。 数秒だけ待って、千早に声をかける。 「千早、行けるか?」 俯いていた顔が上がる。目尻に少し涙が浮かんだ、しかし決意に満ちた瞳を持って。 「はい!」 力強い返事に頷きを返し、すぐに自分の携帯をプロデューサーへと繋いだ。 「千早! シン君!」 タクシーを捕まえ、特急でライブ会場まで戻ると入り口でプロデューサーが叫んでいた。 「プロデューサー、時間は!?」 「ギリギリだ、あと10分しかない!」 10分、つまりこのままステージに立たなければ間に合わないということになる。 徒歩であの公園まで歩き通した千早の衣装は多少ではあるが汚れがつき、メイクも涙で崩れかかっている。 どう考えても時間が足りない、しかし千早は自信に満ちた声で言い放った。 「大丈夫です。私には、何よりも誇れるものがありますから」 プロデューサーは驚いた顔で千早を見つめたが、すぐに表情を引き締めた。 「よし、とにかく急ごう。美希が待ってる。俺はディレクターに報告してくるから、あとのことは頼むよシン君」 「分かりました!」 駆け出した千早の背中を追いかけようとして立ち止まり、もう一度プロデューサーの方を向く。 「プロデューサー、さっきはありがとうございました」 事務所のみんなからの電話、それはプロデューサーの指示だったのだ。 一人よりもみんながいい、そんなことを言ったらしい。 「たいしたことはしてないさ、みんなに比べればね。急ごう!」 「はい!」 こうして、それぞれが成すべきことを行うために走り出していた。 関係者用の通路を抜けてステージ脇に辿り着きました。 だけど、美希の姿が見えません。 辺りを見渡して、見つけました。機材の陰に隠れるようにうずくまった姿勢で。 「美希……?」 声をかけると、ハッと顔が上がりました。呆然とした顔でこちらを見つめて、緊張が切れたように表情が崩れました。 「千早さんっ!」 そのままこちらに抱きついてきて、ついには泣き出してしまいました。 「寂しかった、寂しかったの……!」 どうしていいのか分からなかったけれど、これが私が犯してしまった罪だということを身をもって思い知ったので す。彼女のことを見捨てかけた、私に対する罪の重みを。 「……ごめんなさい」 そう言うしかない私に、美希はそのまま首を横に振ります。 「謝らなくていいの! 安心しただけだから」 一番迷惑をかけてしまった美希ですら、私のことを許してくれました。 ……さらに申し訳なさが大きくなってしまったけど、心の中で美希に、そしてみんなに対して感謝しました。 私には、かけがえのない仲間がいる。そして支えてくれる人たちがいる。 もう、一人じゃない。 そのことがとても嬉しかった。だから私は、歌でその償いをしたい。 ――いえ、償いではありません。私は、かけがえのない人たちのための翼になりたい。 「千早! 美希!……って、どうした!? またなんかあったのか!?」 化粧道具一式を抱え込んだマネージャーが――メイクをしなおすということではなく、崩れたメイクを落とす ためでしょう――こちらを見てうろたえていました。 「いえ、大丈夫ですから。ほら美希」 「うん……」 やんわりと美希を離して涙を拭う。美希のメイクもすでに崩れていて、どうやら二人揃ってほとんどノーメイクで 行かなければならなくなったようです。 とりあえずメイクを落として、ファンデーションだけはなんとか間に合わせることができました。 予定通りなら、あと3分で私たちの出番です。 「美希、打ち合わせもできなかったけど……大丈夫?」 「うん! 大丈夫だよ、千早さんと一緒だもん!」 美希の言葉に私のやる気もさらに上がっていきます。これならば最高の結果を出せるかもしれません。 ……そして、私たちの出番がやってきました。 「千早! 美希!」 ステージへと向かう途中で振り向くと、マネージャーが右手の親指を立てていました。 私も、そして美希も頷きでそれに答えて、ステージへと足を踏み出しました。 ――さぁ! 次の曲は待ちに待った期待の新人です! 今回初めてのデュオ、そして初めての曲ということで 期待の高さは今回の秋スペ屈指と言えるでしょう! ――それでは早速歌っていただきましょう! ナムコエンジェルM Cで、 『relations』! 如月千早-09へ戻る 如月千早-11へ進む 目次へ
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同名アイドル [アーリーサマーバカンス]如月千早+データ プロフィール セリフ集 セリフ集(第3回ドリームLIVEフェスティバル ライバルユニット) [部分編集] 同名アイドル 如月千早 [孤高の歌姫]如月千早 [制服]如月千早 [ステージ衣装]如月千早+ [瑠璃の歌姫]如月千早 [スクーリッシュガール]如月千早+ [部分編集] [アーリーサマーバカンス]如月千早+ データ [アーリーサマーバカンス]如月千早+ 属性 クール レア度 Sレア+ Lv上限 70 親愛上限 300 Lv1攻撃値 2620(1コスト比238.2) Lv1守備値 2420(1コスト比220) 最大攻撃値 7533(1コスト比684.8) 最大守備値 6958(1コスト比632.5) コスト 11 移籍金 15,825マニー 特技 南国の歌声(全タイプの攻守 大アップ) 入手 CM放映記念キャンペーン 第2弾(2013/06/20~2013/06/28) [部分編集] プロフィール アイドル名 [アーリーサマーバカンス]如月千早+ フリガナ きさらぎちはや 年齢 16 身長 162cm 体重 41kg B-W-H 72-55-78 誕生日 2月25日 星座 魚座 血液型 A型 利き手 右 出身地 765プロダクション 趣味 音楽鑑賞(クラシック)、トレーニング CV 今井麻美 [部分編集] セリフ集 セリフ 内容 プロフィールコメント 「私が狭量なのは自覚していますが、それでも今日の撮影は春香1人で良かったのではないかと…いえ、ここまで来て言うことではないですね。覚悟を決めます。……くっ」 親愛度UPコメント 表示 「○○プロデューサー、私の笑顔がヘンじゃないか見てください」 親愛度MAXコメント 表示 「○○プロデューサー、私、少しだけですけど歌以外の仕事にも意味があるように思えてきました。…不思議ですね。ふふっ!」 リーダーコメント 「歌なら…負けません!」 あいさつ 「緊張してきました…」 あいさつ 「自然な笑顔…どうしたら…」 あいさつ 「春香と一緒だから、心強いです」 あいさつ 「○○プロデューサー、ちょっと発声練習を…え、関係ない?」 あいさつ 表示 「○○プロデューサーの顔を見ていたら、少し落ち着きました」 仕事終了時 「やるからにはベストを尽くします」 仕事終了時 「少しだけ…慣れてきたような」 仕事終了時 「春香に助けてもらいました」 仕事終了時 「○○プロデューサー、私、上手く笑えてましたか?」 仕事終了時 表示 「○○プロデューサーと春香のおかげで乗り切れました」 [部分編集] セリフ集(第3回ドリームLIVEフェスティバル ライバルユニット) 765エンジェルス 春香・千早(メンバー:如月千早/天海春香) セリフ 内容 出現時 「この世に楽園ってあると思いますか?もしあるとしたら…」 Live開始時 「あるとしたら、その場所は…」 勝利 「楽園とは、ここかもしれません。歌とファンと仲間がいる場所…」 引き分け 「すみません、感傷的になってしまって。物思いの季節ですね」 敗北 「私たちがつくらないといけないんですよね。私たち…アイドルが」
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■Latitude 10 について 調査したことのまとめ Dell Latitude 10の機能等について調査したことのまとめページです。 ◆Windows 10 Home (ver1511) の適用について Dell公式ではWindows10には非対応となっており、自己責任でのインストールとなりますが、 何点かに注意すれば利用は可能です。詳しくはまとめページを参照してください。 ◆Windows 8.1の適用について 何点かの注意点があります。まとめページを参照してください。 ■Dell Latitude 10 概要 公式スペック :http //www.dell.com/jp/business/p/latitude-10-tablet/pd CloverTrail Atom搭載の典型的な構成の10.1インチ Windows 8 タブレットPC。 特徴としてWACOM製デジタイザーを搭載する。(上位構成のみ) 公式サイトではわかりにくいが、54,980円~の上位構成と、49,980円~のessentialsの2種が存在する。 特徴的な点を下にまとめる。 Latitude 10 Latitude 10 essentials CPU Intel Atom Z2760 (1.8GHz) メモリ 2GB 画面 10.1インチ 1366 * 768 ゴリラガラス・5点タッチ SSD 64GB eMMC / 128GB eMMC (BTOオプション) ポート等 フルサイズUSBポートx 1 フルサイズSDカードリーダ x 1 バッテリー 2セル / 4セル(オプション) -交換可能 2セル - 交換不可能 ペン入力 Wacom feel it(ペン自体はオプション) 1024段階筆圧検知・ Tablet API対応 非対応 外部出力 ミニHDMI なし USB充電 マイクロUSBポートで充電可 なし 背面カメラ 8Mピクセル・LEDフラッシュ 8Mピクセル 前面カメラ 2Mピクセル 2Mピクセル ■Wacomデジタイザー搭載 ( essentialsを除く) Wacom製の電磁誘導ペンに対応。詳細はこちらのページを。 ■バッテリー交換対応 ( essentialsを除く ) スレート型タブレットPCにしては珍しく、バッテリーが取り外し・交換可能となっている。 2セルでおおよそ6~8時間の稼働が可能。2セル+4セルによる運用で18~24時間の稼働が可能になる。 2セル/4セルバッテリーは電話・サポートチャットから追加購入可能。 ※Dell Latitude 10向けインケースは4セルバッテリー着用事には使用できない模様。 ■ATOM Z2760は想像以上の快適さ Web閲覧、メール作成、地図閲覧などありがちな操作で重さを感じることはほとんどない。 フルHD動画も問題なく再生可能。.
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高木達が発掘したジェダイ・マスター。 青いライトセイバーを順手で持ち、構えは正眼。 セイバーの技術は高木にも匹敵する程だが、フォースには重きを置いておらず、また精神面に弱さを持つ。 フォースは、セイバー戦で重要になる直近の先読みに優れる。 高い集中力によって、相手のわずかな動作や筋肉の緊張からも先を読む。 一人称:私 呼称表:律子、亜美/真美、春香、高槻さん、美希、あずささん、水瀬さん、真、萩原さん、四条さん、我那覇さん、マスターP、マスター高木、マスター音無、黒井 ※ 「マスター音無」について小鳥さん本人は嫌がっていますが 尊敬するマスターの一人として、千早はマスター付けにこだわっています。 セイバーのヒルト(柄)は本家EP4のルーク。
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――やった。 月に向かって拳を掲げる。すでに毎日通うようになった事務所の屋上に寝転がりながら、シンは誇らしさで胸を 満たしていた。 秋スペは三日後の生放送、すでに本番に向けての準備はあらかた済ませ――合格を前提に事前に進めてい たのだから侮れないプロデューサーだである――、残る三日は無理のない程度に反復練習をするだけとなって いた。あとはただ、本番での自分の役目を果たすだけである。 「……ん?」 ポケットの中で微細な振動する携帯を引っ張り出す。点滅するランプがメールの着信を伝えていた。 「こんな時間に誰が……え、千早?」 意外な名前を目にして思わず驚きの声を上げ、メールを開く。どうやら自分とプロデューサーに宛てたものらし かった。 件名:千早です 夜分遅くにすいません。 今日のオーディション、どうだったでしょうか? 私としては今までに培ってきたものをすべてとまでは言いませんが発揮できたと思います。 それは一緒に踊り、歌った美希も同じだと感じました。 もちろんそれは私が感じただけのことで、まだまだ至らないところもあるかもしれません。 三日後の本番は今日以上の成果を出せるようがんばっていきたいと思ってます。 最後に、今日という日を迎えられたのもずっと私たちを支えてくれたプロデューサーとマネージャーのおかげで す。もちろん他のみんなにも感謝していますが、とりあえずは秋スペのオーディション合格という結果を得られた ことに感謝しています。 本当にありがとうございました。三日後の本番もよろしくお願いします。 ……千早らしい、真面目な文だった 「しかしなんかこう、身体がむず痒くなってくるな……」 正直なところ、千早が言うほどに大したことをしたという実感がないので妙な居心地の悪さを感じてしまった。けっ して悪い気はしないのだが、過大評価をされているような感覚に戸惑ってしまっている。 ――まぁ、いいか。 最初はどうなることかと思った今回の件だったが、いざ蓋を開けてみれば紆余曲折はあったもののここまで辿り 着けたのだ。 あとは本番を残すのみ、オーディションの様子を思い出しても当日は最高の結果を出せるだろうということに 何の疑いもなかった。 「って、さすがにそれは楽観しすぎか。とにかく自分の仕事だけはこなさなきゃな」 すっかり千早と美希を信じきっている自分がいることに苦笑し、軽く頬を叩いて気合を入れる。 さてどう返すかな、とメール画面の返信ボタンを押してから考え始めた。 メールを送信してからしばらくして、ほとんど同じタイミングで二つのメールが返ってきました。 プロデューサーと、マネージャー。どちらも今回の合格をもう一度祝いながら三日後に備えて体調に気をつけ るようにという内容でした。 「……本当に、合格したのよね」 気持ちに余裕ができてメールを見てから、今さらのように確かな実感を得られました。もちろんこれで気を抜くよ うなことはないけれど、それでも今日だけはこの結果を素直に喜びたいという欲求に従うことにしました。 「あら、もう一通……?」 再び鳴った着信音に携帯を開くと、意外な人からのメールが着ていました。 件名:一緒にガンバロ→ 千早さん、お疲れ様。ミキだよ→ 今日はすっごくキンチョーしたね! 始まるまで心臓がドキドキしっぱなしでもうミキ駄目かと思ったよ。 でも千早さんがあのとき手を握ってくれたおかげでいつもどおり踊ることができたよ。 これっていいパートナ→になれたってことなのかな? もしそうならとってもいいカンジだと思うな。 3日後はとうとう本番だね! まだちょっとだけ不安だけど、千早さんと一緒ならミキいーっぱいガンバれるよ。 ミキ少し前までずっとラクしようとしてなまけたりサボってばっかりだったけど、もうそんなこと考えていられないも んね。ハニーやマネージャー、他のみんなから応援されっぱなしだし。ゼッタイに成功させなくちゃみんなに 合わせる顔がなくなっちゃうから。 でもそれよりも、千早さんの歌をミキが台無しにしちゃうのはゼッタイにイヤだから。 なんかヘンな話になっちゃったね、せっかく合格したのにゴメンなさい。 とにかく一緒にガンバロ→ね! 「美希……」 本当に美希は変わった。今までは目も当てられないくらいにやる気がなくて、それでもやるべきことはしっかり やっていて、最近では歌もずいぶん上達していた。 私の方こそ、美希の足を引っ張らないようにしなくてはいけないのに…… 私は「ありがとう、お互いにがんばりましょう」と短い文を返しました。 ベッドの上で仰向けになって、三日後の来るべき日に想いを馳せる。 ――成功させる。マネージャーやプロデューサー、美希……みんなのためにも。 大丈夫、私たちの実力ならできる。 今はまだようやく二人で一人前だけれど、私の歌と美希のダンスが実力通りに発揮できたなら必ず。 そんなことを考えながら、ゆっくりと目を閉じました。 まどろみに落ちていく中、そういえば今日はいつもより家が静かだったということに気付きました。 ――『秋の大感謝祭スペシャル』当日。 情けないことにその場の空気に頭から呑まれていた。 大気の震動が身体に伝わる、 充満した熱気に目眩すら覚える、 そして何より、会場に渦巻く感情の波に心が震えていた。 「……これが、トップアイドルの世界」 ステージの脇から少し様子を覗いただけでこの様だ。あの人波の中に入れば、そしてこのステージの上に立て ば、いったいどれほどのものになるのか。 「こりゃなかなか厳しい順番だね、人気グループの前後に挟まれるとは」 「なんかマズイんですか?」 背後で愚痴るプロデューサーに問いかけるが、う~んとしばらく呻いた後、 「いや、好きにやらせてみよう」 どこか意地の悪そうな笑顔で返事が返ってきた。 「せっかくの大舞台だ、気を使う必要もないだろう。存分に新曲を披露させてもらおうじゃないか」 自信たっぷりにそう言い放つプロデューサーに内心舌を巻きつつ、しかしその自信に共感していた。どうもこの プロデューサーに良くも悪くも毒されてきているらしい。 「ハニー! 様子はどう?」 突然、プロデューサーとの間に美希が割り込んできた。衣装は今回のイベントに合わせて用意された新しいも のなのだが、すでに着こなしているようだった。すでにメイクまで済ませているらしい。 「まぁ特に問題はないよ。出番は次の次だけど大丈夫か?」 「とーぜん! いつもよりぐっすり眠ったからもう絶好調ってカンジかな」 「……眠れたのか、俺はあまり寝付けなかったってのに」 図太い神経を持った――そしてまだ自分を押しのけてプロデューサーにくっついている――アイドルを半目で 睨みつつ、ふとあることに気付いた。 「あれ、千早は?」 「ん? 千早さんならまだ控え室だよ。準備はもう済んでるけど、もう少しだけ集中したいんだって」 あぁ、と納得した。千早なら確かにステージに上がる直前までコンディションを整えるだろう。 「……あまり緊張してないといいけどね。シン君、少し様子を見に行ってくれないか?」 「俺がですか?」 「大丈夫、準備はもう済んでるらしいからいつものアクシデントは起きないよ」 「まぁそれは……って何言ってるんですか!?」 何故か二人からニヤニヤという視線を向けられた。 ――なんかムカつく。 「行ってきます!」 床を踏み鳴らしながらステージから離れる。あまりの扱いに憤りを感じつつ、 ……いやまぁ、確かに着替えに出くわしてしまうことは多いけどさ。 二人が見えなくなったところで大きく溜息を吐き、肩を落としながら控え室へと足を向けた。 何度目かの深呼吸の後、閉じていた瞼を開ける。 目の前の大きな鏡に映った自分の鏡像を見て、少しだけ顔が赤くなってしまいました。 露出の激しい、だけど動きやすい衣装。歌を歌うためだとはいえ、このような衣装を着ることにはまだ慣れてい ないです。さっき美希の衣装を見た後ではなおさらに……くっ。 だけど、ふと過去を振り返ってみると以前よりも抵抗は感じません。いずれどんな衣装でもステージに立つ度に 着こなすことができるのかも、と想像したところで少しだけ悪寒を感じました。 ――何? どんな衣装でもいいのかい? じゃあこのネコ耳と肉球、シッポのセットはどうだ!? ――ふむ、それもいいかもしれないが……ここはひとつチャイナ服というのはどうだろう? ――む、確かに社長のアイディアも捨てがたいですね。じゃあ今回はチャイナにネコセットだ! ――ならばよし! 「……ありえる。簡単に想像できてしまうのが恐ろしいわ」 何しろ真っ先に高槻さんにブルマを履かせようとしたプロデューサーとスクール水着を着せようとした社長です。 あの二人が揃ってコーディネイトをすることになったら、考えるだけで恐ろしいことに…… 「って、いけないいけない。また集中し直さないと」 また深呼吸を繰り替えして気を落ち着かせます。 気持ちと時間に余裕があるのはいいけど、それで気が抜けてしまっては元も子もありません。 予定通りならあと二組のアイドルの曲とトーク分の時間はあるはず。私には十分すぎるほどの時間です。 「――よし、あとはもう一度頭の中でシュミレーションを……」 そう考えたところで、聞きなれた携帯の着信音が響きました。 「私の? 電源を切ってなかったのかしら」 とにかく鳴ったものは仕方がありません。携帯を開くと、1件のメールが届いていました。 「いったい誰が……」 不思議に思いながらメールを開いて、 ――その送り主と内容に、私の意識は白い闇に包まれました。 「な、な、な……あった、765プロダクション」 千早がいる控え室の前に立ち、少しだけ咳払いをしてドアを数回ノックする。 「千早? シンだけど、入ってもいいか?」 しかし返事が返ってこない。集中しすぎて聞こえなかったのかもしれないと今度は少しだけ強くドアを叩いてみ るが、それでも反応はない。 「千早、いるのか? 入るぞ」 数秒だけ返事を待ち、返ってこないことを確認してゆっくりとドアノブを回す。 鍵はかかっていないようだったが、ついいつものアクシデントを思い出して慎重になってしまう。 「いない……?」 部屋の中を見渡してみても千早の姿は見えない。入れ違いになったか、と考えたところで床に落ちている開い たままの携帯電話が目に入った。 ――これって、確か千早の…… 拾い上げてみると、画面にメールが表示されたままだった。 ……ざっとその文面を読み上げ、 「千早!」 気付けば控え室を飛び出していた。 如月千早-07へ戻る 如月千早-09へ進む 目次へ
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如月千早(16才)の誕生日を記念して、麻雀大会を開催いたします。 期 間 <予選> 2011年 2月19日(土)0:00 ~ 2月23日(水)24:00 <本戦> 2011年 2月25日(金)0:00 ~ 24:00 形 式 四人打ち東南・赤あり 拡張ルール 開始点数 72000 トップ必要点数 83000 清算原点 83000 場 所 http //tenhou.net/0/?19780638 ルール 一半荘の勝ち点+72を出した者は無条件本戦出場。 +72達成者が4の倍数人にならない場合は残りは一半荘での高得点者から補充する。 本戦は資格者同士で最初の半荘2試合、合計得点トップの者が優勝。 本戦開催日は誕生日当日の2/25。 2試合打ち終わった者は以後打ち子として参戦する(2試合未達成者優先) <本戦出場者> ノヘルドーラ、hua@、siun、生3つ、Sawanova、Gouki、ten、ether1、サムチャイ、アオキP、ごじゃっぺ☆、tiba (敬称略) 参加条件 [IRC :wide系 #架空戦記麻雀倶楽部]に接続していること アイドル対抗戦獲得ポイント +72賞 3pt 本戦1位 4pt 本戦2位 3pt 本戦3位 2pt 本戦4位 1pt 注意事項:個人を露骨に押し上げるような闘牌は無効と致します。 【+72賞】(最終) プレイヤー名 担当アイドル ノヘルドーラ 【菊地真】 hua@ 【萩原雪歩】 siun 【萩原雪歩】 生3つ 【天海春香】 Sawanova 【秋月律子】 Gouki 【双海亜美・真美】 ten 【無所属】 ether1 【菊地真】 サムチャイ 【Jupiter】 アオキP 【双海亜美・真美】 ごじゃっぺ☆ 【如月千早】 tiba 【水瀬伊織】 【】 【予選一試合得点上位者】(最終) 得点 プレイヤー名 担当アイドル +130 らんせるさん 【無所属】 +115 みなせん 【水瀬伊織】 +95 (。・x・。) 【萩原雪歩】 【】 【本戦得点順位】 順位 得点 プレイヤー名 担当アイドル 1位 +78 hua@ 【萩原雪歩】 2位 +67 生3つ 【天海春香】 3位 +27 siun 【萩原雪歩】 4位 +24 アオキP 【双海亜美・真美】 5位 +16 ごじゃっぺ☆ 【如月千早】 5位 +16 Sawanova 【秋月律子】 7位 +9 ten 【無所属】 8位 -25 ノヘルドーラ 【菊地真】 9位 -46 tiba 【水瀬伊織】 10位 -72 サムチャイ 【Jupiter】 11位 -91 ether1 【菊地真】 12位 Gouki 【双海亜美・真美】
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GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE TRANCE Attitude Y Co. 145 881 47%(2010-02-04) 攻略・コメント ハード推奨。ラストは皿も厳しく見切るのも難しい。道中はひたすら1→3→1+5→3…が続くが冷静に。 -- 名無しさん (2008-02-23 00 19 44) 穴V35と構成が似ている -- 名無しさん (2008-02-23 00 24 53) 左鏡で↑の繰り返し地帯が内寄りになって見やすいが、無理皿がひどい。そこだけが無理!って人は左鏡HARDでおそらく逃げ切れる -- 名無しさん (2009-10-09 12 29 18) 2009-01-04現在、いつの間にかクリアレートが40台に。ノマゲ挑戦で落とされた人が多かったのか・・・? -- 名無しさん (2010-01-05 02 37 01) ↑リーグモードのせいとか? -- 名無しさん (2010-01-05 09 59 19) クリア出来ないなら放置して☆10をやった方がいい。これだけ点滅だったので放置して色々やってたら、白ランプ余裕になった。 -- 名無しさん (2010-02-13 20 45 54) 上の方に同意!☆10をとりあえず全部やったら余裕で白ついた! -- 名無しさん (2010-05-29 19 24 22) 八段〜九段取り立てぐらいで白安定なら1曲目に選べばいいじゃない。BPMが遅く誤魔化しが効かないので、左手薬指の練習になる。正規で練習出来るので事故死の心配も少ない。 -- 名無しさん (2010-06-04 16 22 47) 1P側の1→3→1+5→3では7が来ないので、1+Sを小指と中指で取り、そのまま親人中で押す手もあり。 -- 名無しさん (2010-12-23 02 27 25) フルコン粘着してたら正規癖ついて試しに逆正規にしたら繋がった。 両側隣接皿なので正規か逆正規しか選択肢がないのが辛い。 -- 名無しさん (2012-05-16 17 46 37) ☆9でノマゲ埋めをしていたらこいつが最後に残った。ラス殺しもさる事ながら、道中にも5鍵時代のOVERDOSER (Driving Dub mix)みたいなのを片手でやらされるので、キツイしハマるとゲージも持って行かれるので危険度が高い。☆10に昇格した方が良い。 -- 名無しさん (2015-07-13 01 38 08) 隣接がうっとうしい。かと思って正規では同時押しが難しいので、どさくさにランダムとフリップでムリヤリ当たりを。それぐらい☆9ではムズいほう。 -- 名無しさん (2016-05-30 13 58 59) 出来る出来ないは個人差だろうけど、☆9穴の中では5本の指に入っても可笑しくない。↑にも書いてあるとおり、1+5→3が繰返しで来る 隣接皿だけで落ちる人が多数居るくらいだ。 -- 名無しさん (2016-05-31 15 57 52) 個人的には☆9穴では、これとボザネ!?穴で1・2位を争うくらいの最強候補と言っても可笑しくないわ。仮に次回で☆10に上がったとしても強い方。 -- 名無しさん (2016-06-01 15 23 32) 左S乱でなんとかノマゲ取れました。個人的にはこのオプションは非推奨かと思いますので、上にも書いてあるように白逃げ推奨です。 -- 名無しさん (2016-07-01 06 57 55) 白逃げしやすいから☆9に居座ってるようなもん。ノマゲ基準にするなら普通に☆10 -- 名無しさん (2016-07-01 16 01 06) 最近難易度の微動も直近のシリーズ曲ばっかりで少なくなってきてるので、ハピスカからずっと☆9のこれが今さら☆10に上がるとも思えないけどね。私も☆9出来ない曲多いが、これは何度かやってるうちにHARD行けましたよ。だから☆10は行かないと見てるが。 -- 名無しさん (2016-07-01 19 14 30) ↑失礼。ハピスカで☆8、DistorteDで☆9。ここから現在のcopulaまで11作連続で☆9 -- 名無しさん (2016-07-01 19 17 11) 今のプレミアムで保証つきなら安定しにくいので3曲目には地雷だけど、3曲目以外で特攻なら十分オススメかと。カギは隣接以上に3単発と15同時の繰り返しみたいなとこをどう攻めるかではないかな。別にこの曲は☆8当時でも今の☆9でも最強と思ったことは一度もない。個人差といってしまえばそれまで。 -- 名無しさん (2017-01-03 21 32 52) 最強はないけどこれが☆9もないわ ☆10やってたらメインフレーズの15,3は勝手に指が動くようになったがラス殺しが酷い ノマゲ基準なら10・2は確実にあるよこれ -- 名無しさん (2017-01-04 00 29 52) ☆9非適正の私ですらクリアはHARD含めて数回は出来てるからこれが☆10とも思えないが。正規系での配置はムリなので、ムリヤリRANDOM使ってではあるが。もち無理皿上等で。 -- 名無しさん (2017-01-05 06 14 50) ☆9の中ではVOXANEと1・2位を争うくらいの最強候補。↑2の意見にも同意しかねる。個人的には10.5くらい。 -- 名無しさん (2017-12-08 13 35 34) あくまでHARD難易度は詐称ではない。 -- 名無しさん (2017-12-10 01 07 42) ノマゲやエクハは地雷と思ってもいい。終盤からラストが☆10下~中位相当 -- 名無しさん (2017-12-10 01 09 28) 左乱でエクハ。無理皿でも左の皿135の細かい動きが崩れれば地力でねじ伏せられる。 -- 名無しさん (2018-02-11 20 34 09) ひたすら両側に出てくる15,3,15,3は右側は簡単だが左は挑戦レベルでは驚異的な取り辛さ ☆9埋めの段階だと高確率で道中とラス殺しでボッコボコにされるので大人しく☆10埋めを推奨 -- 名無しさん (2018-02-13 21 11 17) 正直言ってこれが白点くぐらいの地力になったら☆10でも何曲か白くなってるだろと思っちゃうので☆10でもいいと思うんだよなぁ -- 名無しさん (2019-11-24 01 50 24) まあ露骨に詐称クラスだけど昇格しないせいで存在感がデカイってのもいいじゃない 道中めっちゃ押しづらいのに隣接皿あったり逃げ道ふさいでくるのが嫌らしい ただこの白鍵盤の繰り返しは叩けると上のレベルで役立つので是非正規で埋めたい譜面 -- 名無しさん (2019-11-24 03 18 36) スコア狙いはS乱で皿ガン無視で。後々取れそうな皿と無理な皿の見極めができるようになると心強くなる -- 名無しさん (2021-01-09 15 36 40) 久々にやってみたけど相変わらず酷い詐称 1pが死ぬほど取りづらい配置なのに隣接皿で逃げ道塞いで来るのはほんとに酷い -- 名無しさん (2023-03-09 03 23 11) 左(両)乱当たり待ちがこの上なく有効 R乱は大体いいことないと思うので非推奨 26→4とか来たら正規よりやばい -- 名無しさん (2023-04-16 17 18 51) 名前 コメント
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Latitude 10の動作についての動画へリンク ■ペイントツール類 Clip Studio Paint Ex ComicStudio 4.0 ComicStudio 4.0 MS Paint ■ゲーム類 DELL Latitude 10 で 東方神霊廟を動かしてみた Dell Latitude 10 で ウィッチズガーデン[体験版] を動かしてみた
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夢を見ました。 春香たちと出会う前、自分の歌をさらに高みへと鍛え上げるために765プロダクションの事務所へと足を踏み 入れたあの日。 それまでの私は家にまるで温かみを感じなくて、夜になって両親が帰ってきても喧嘩ばかりして、自分の家のはずなのに自分の居場所がなくて……ずっと、抜け殻のように生きてました。 唯一、すでに果たせなくなってしまった約束のために独学で歌の技術を身に付け、ただそれだけを生きること の糧にして日々を過ごしてきました。 それから何年か経ったある日、相も変わらず激しく言い争う両親から逃げて自分の部屋に駆け込むと、どこから か歌が聞こえてきたのです。 技術も何もない稚拙な歌。でも私はそれを聞いて、昔は自分もこんな風に歌っていたということを思い出しました。 ――ただ一人のために、ひたすらに。 運命というのは不思議なもので、ちょうどその頃に765プロダクションのアイドル候補生募集の広告を見ました。 そして、自分でも不思議なほどにすんなりとアイドルになることを目指し始めたのです。 本音を言うと、少しだけ怖かったです。 でも、迷っているうちに自分がどんどん沈んでいってもう二度と這い上がれなくなるような気がして、両親に何も 相談せずに応募してしまいました。 初めて事務所を見たときは不安だったけど、今まで培ってきた自分なりの歌を信じて、私はアイドルとしての 第一歩……いえ、アイドルの世界への入り口に立つ資格を得ました。 事後承諾の形になったけど、母は私がアイドルになることに歓迎こそしなくても反対もしませんでした。でも 父は、最後まで私の話を聞こうともしませんでした。 そうして私は、私なりの歌を歌うためにアイドルになりました。 ……かつての想いを遂げるために。忘れることのできない過去に縛られて。 秋スペのオーディションまで、残り一週間となっていた。 日々行ってきたレッスンの成果が出始めてるのか、歌とダンスの合わせも徐々に良くなっていっている。 千早のダンスの上達が心配されていたのだが、だんだん調子が出てきたのかなんとか美希に付いていける 程度にはなっていた――本人曰く「このダンスだけです」とのことだったが――。 そして今日、心強い助っ人が現れたのだった。 「あれ? 今日はいつもの人いないの?」 早朝、レッスンスタジオに足を踏み入れた美希の第一声がそれだった。ちなみに『いつもの人』とは先にスタジ オ入りしているはずのダンスレッスン講師のことだ。 「プロデューサー、これはいったい?」 千早の疑問はもっともだ。マネージャーである自分ですら今日何か特別なことをするとは聞いていなかった。 「ふっふっふ……今日は特別なゲストを呼んでるのだ! 二人とも、入ってきていいぞ」 プロデューサーがそう言い終えると同時に、スタジオの扉が開かれた。 「おはようございます~」 「へっへー、おはようございますっ!」 「あずささんに真? なんでここに」 予想外だった私服姿の二人の登場に思わずプロデューサーへと目を向けた。 「今日から一週間は他のみんなの表現を学んでもらうよ。一緒にレッスンしながらね」 突然の予定変更に美希と千早は顔を見合わせた。それもそのはずだ、自分ですらまだまだダンスのレッスンを 積んでいくものだと思っていたのだから。 「今日からは歌とダンスの合わせのみに専念する。昨日までやってきたのと同じね」 「みんなで……ですか?」 そういうこと、とプロデューサーは軽く笑いながらスタジオから出て行った。どうやら本当に四人だけでやらせる つもりらしい。 その背中を追おうとして、一度千早たちの方を振り向く。 「先に始めといてくれ。すぐ戻るから」 そう告げて今度こそプロデューサーを追いかける。 「よーし! それじゃあジャンジャンバリバリ行ってみよう!」 「さっすが真くん、カッコいいね!」 「う……や、やっぱりプリプリでフワフワな感じで行こう!」 「それは今回の曲のイメージとは合わないと思うけど」 「うふふ、とりあえず曲を流すわね~」 背中に楽しげな声を受けながら、扉を閉じた。 「プロデューサー!」 「ん? どうかしたのかい?」 どこかに連絡しようとしていたのか、携帯を片手にプロデューサーがこちらを振り向いた。 「どうかした、じゃないですよ。どういうことですか今日のレッスン」 「さっき伝えたとおりだけど」 「それに納得がいかないから聞いてるんです!」 まるで他人事のような態度に我知らず声を荒げてしまう。そんな自分を見たからかプロデューサーは頭をかき ながら少し考え込むように俯き、意を決したように顔を上げた。 「はっきり言おう、もう俺たちができることはないよ」 その一言に、すでに熱くなっていた頭が沸点を越えた。 「そんな無責任なっ……!?」 そう叫びかけたところで、目の前に人差し指を突き出されて出鼻を挫かれる。指の向こうでプロデューサーが 真剣な表情をしているのが見えた。 「勘違いしないでくれ。あの二人はもう俺がアドバイスしなくてもいいレベルになったってことだよ」 「はぁ?」 二度目の不意打ちに怒気は一気に引いていった。それに入れ替わるように疑問が湧いてくる。 「だって、まだ一週間あるじゃないですか?」 「一週間も、だね。今の美希と千早なら歌とダンスの合わせにそう時間もかからないだろうし」 「ならなんで……」 プロデューサーはこちらに突きつけた指を引っ込め、淡々と説明を始める。 「余裕がありすぎると焦ってしまう子もいるんだ。本当にこのままでいいのか、もっと上達できるんじゃないか、って ね。そういう子は本番にうまく実力を発揮できなくなってしまうことが多いんだ」 真っ先に千早の顔が思い浮かんだ。彼女の場合、少しでも時間があればレッスンに打ち込んでいるのでプロ デューサーの言う焦りからの無茶をしてしまうのは十分に考えられることだった。 「かといって、もうレッスンの必要はないと直接言うこともできない。今の今まで張り詰めさせていた緊張を解いてしまうと反動からやる気が削がれてしまうこともあるからね」 「だから、レッスンの代わりにみんなで歌とダンスを合わせることにした……?」 「自然体で歌と踊りを合わせるためのリラックスも兼ねてね。納得してくれたかな?」 ……言いたいことは分かった。筋も通っていると思うし、反論するようなことは何もない。 だけど、 「なんか、落ち着かないです」 「まぁ気持ちは分かるよ、俺も最初はそうだったし。とにかく、今はオーディションまで二人を信じてみようじゃないか」 さぁ戻った戻った、と追い返される。仕方なくスタジオへの道を辿る途中、自分の中にモヤモヤした感情がある ことに気付いてしまった。 ――信じたいのは、俺も同じはずなのに…… プロデューサーから何度も信じろと言われたはずなのに。不安なのか、それとも誰かを信じるということに躊躇 があるからなのか、考えれば考えるほどにその不鮮明な感情が広がっていく感じがした。 曲が終ってそれぞれ息を整えた後、どこを改善するべきかを四人で話し合うことになりました。 「う~ん、ボクはサビに入る前のパートは動きをもっと鋭くしたほうがいいと思うなぁ」 「鋭くって、こんなカンジ?」 「そうじゃなくて、こう……ビシッ! ってさ」 ダンスは美希と真が、歌は私とあずささんが主に案を出し合うという図式が最初から出来上がっていました。 二人ともプロデューサーからある程度は私たちがどれだけできるかを聞いているようで、過度な修正はしない 方針のようです。私にとっても美希にとっても、無理なく直せる程度の意見が次々と出てきました。 「二番の入りはおとなし目にするといいかもしれないわね~。せつなさを込めたほうが歌詞ともマッチするだろうし。 ちょっと歌ってみるわね~」 そう言って紡がれた旋律は、あずささんの言ったとおりにこの歌の良さを引き出せていました。 そして同時に、私の胸に懐かしい想いが蘇ってきたのです。 ――いつか見た夢の中でも聞こえてきたあの歌、私がここにいるきっかけになった歌。 あずささんの歌はとは似ても似つかないはずなのにどこか同じもののように思えて、 そして……今の私にはその響きを表現することができないことに気付いてしまいました。 どうして? 私はずっとこんな歌を歌うためにこの道を選んだのに。 私にはあの約束を果たせないということ? それとも、その約束があるから? 「――千早さん?」 「えっ?」 声に驚いて前を見ると、美希がすぐそばまで顔を寄せていました。文字通り目と鼻の先にいたのに気が付かな いなんて…… 「大丈夫? ひょっとして疲れが溜まってるのかしら?」 「千早。オーディションも近いし、辛いならあまり無理しないほうがいいよ」 いけない、このままじゃレッスンに支障が出てしまう。早く調子を戻さないと。 「あの、大丈夫で……」 「てりゃー!」 私が言い終える前に、突然美希が抱きついてきました。頭を胸に埋められるように抱え込まれたせいで息が できなくなり、直に感じる弾力にわずかながら理不尽な怒りが……くっ。 「ちょ、ちょっと美希!?」 なんとか真に助けられて事なきを得たのだけど、軽く咳き込む私の前に美希が仁王立ちしていました。 「美希……?」 「も~! 千早さんさっきからちっとも楽しそうにしてないよ!」 「あ……」 ――楽しんでやったほうがきっとうまくいく。 少し前に彼女に言われたことを思い出す。 「楽しく、やろ?」 そう言いながら微笑む彼女を見て、私は今の悩みをしばらく置いておくことにしました。 それからのレッスンはいろんな意見が飛び交って、少しだけ心の晴れた私にはいつも以上に充実したように 感じられました。 ただ、その最中に、 ――『彼』ならどうするんだろう? どう思うんだろう? そんな荒唐無稽な疑問が浮かんでは消えていったのが少しだけ気になりました。 事務所の屋上、手すりに寄りかかりながら月を見上げる。 薄い雲が被さって輪郭がぼやけたその姿は、さながら今の自分の心情を表しているようだった。 「……空気読んでるなぁお前」 呆れたように呟いたところで何か反応があるわけでもない。最近こんなことをしている自分は異常なんじゃない かとすら思うこともある。 結局、自分の中にある感情は分からずじまいだった。今日は特に影響があったわけではないのだが、明日 以降に何か起こるのかもしれない。よりにもよってこの時期にこんな問題を抱え込んでしまうとは。 「――マネージャー?」 下から届いた声に視線を下げる。雑居ビルの入り口近くでこちらを見上げる千早の姿が見えた。 「そんなところで何してるんですか?」 「何って……反省会、みたいなもんかな」 我ながら怪しいと思いながらもそう言う他なかった。まさか月の相棒に愚痴っていると言えるはずもない。 「反省会、ですか」 「あぁ、といっても千早たちに何か問題があったわけじゃないから。別に気にしなくていい」 はぁ、という声を聞く前に再び月を見る。途切れた雲の隙間から月が顔を覗かせていた。 ――あぁ、そうか。 少しだけ見えてきた気がした。 要するに、自分は恐れているのだ。信じることを、裏切られることを。 だから自然と壁を作ってしまう。これ以上自分の中に入ってこられないように。これ以上自分の心が傷つかない ように。 なんて自分勝手な感情だろう。自分をさらけ出せずに誰かを信じ、誰かの信を得ようとしていたなんて。 「……なぁ、千早」 「はい?」 「俺さ、千早の歌好きみたいだ」 視線を下げる。突然のことで千早は呆気に取られていたようだが、何故か急に顔を真っ赤にした。 「い、いきなり何を言い出すんですか?」 「いやさ、そう考えるともっと秋スペを成功させたくなってきた」 おそらくはそれが答え。正答とまではいかないかもしれないが、少なくとも今ここにある感情は確かに。 「がんばろうな、千早と美希ならきっと最高のステージにできるから」 「……そうですね。元からそのつもりでしたけど、期待に応えようと思います」 そう言って千早は少しだけ笑った。心なしかいつもより調子がよさそうだった。 「それじゃ、また明日」 「はい、またレッスン場で」 屋上と道路、傍から見ればおかしい会話だったかもしれないが、実際の距離よりも少しだけ近づけたような気がした。 ――そして一週間後、『秋の大感謝祭スペシャル』のオーディションが開かれた。 如月千早-05へ戻る 如月千早-07へ進む 目次へ
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オーディションは何度か経験していて、決して初めてというわけではなかった。 ――なのに、 「…………なんだ、この数?」 衝撃だった。圧倒だった。 それ以外の言葉が出てこないほどに意識が吹っ飛ばされていた。 『秋の大感謝祭スペシャル』オーディション会場は、無数の人でごった返しになっていた。 「う~ん、俺も見学がてら来たことはあったけど……今回は特に活気があるなぁ」 「やっぱり秋スペだからですか?」 「それもある。まぁ他に挙げるとするなら、彼らが全般的にブームを煽り立ててるっていうのもあるかな」 そう言ってプロデューサーは目立たないように人差し指をある人物に向けた。指先の延長を視線で辿ると、 会場全体をざっと見回しながらメモ帳にペンを走らせている男がいた。 「芸能記者だね、他にも何人かいる。さしずめ今の段階から見所がありそうなアイドルをチェックしてるってところ かな」 ……言われてみれば、あきらかにアイドルやプロダクション関係者ではない人間が混ざっていた。これほど 大規模なイベントとなれば自ずと注目度も高くなるということか。 「ま、これだけいろんなアイドルが集まれば当然だろうけどね。ほらあそこの四人、AoA sを出したところの新人だよ」 「あ、知ってます。確かStrikerSって名前でしたよね」 「よく勉強してるじゃないか。で、あっちの女の子たちはShuffle!!、あっちはOGガールズ、どれも最近知名度を 上げてきているユニットだ」 どの名前もどこかで聞いたことがあるものばかりだった。つまりはそれだけ競争率が跳ね上がる、ということだ。 最近よく話題になっているとはいえ、千早と美希のデュオがどれだけ通用するのか…… ――いや、信じろ。信じるんだ。 これまでの日々を思い出す。一ヶ月にも満たない間だったが、いろんなことがあった。 なかなか上手く進まないレッスン、危うく大惨事になりなねなかった事故、事情はよくは分からないが そして今、この秋スペに臨む二人のアイドルがいた。 「……大丈夫ですよね」 「当然だ」 自信たっぷりにそう言い切るプロデューサーの表情にも、わずかながら緊張が見えていた。 「――それでは参加者の方はステージの方へ移動してください」 場内のアナウンスを受けて、アイドル達はそれぞれに割り振られた番号のステージへと移動を始めた。その中 に青いと黄緑のジャージを着た千早と美希の姿を見つける。 ――頑張ってくれ、二人とも。 既に万事手は尽くし、自分に残された役目はこのこの軌跡を見届けることのみとなった。 オーディションが始まる直前の緊張からか、背中に嫌な汗が浮かんできました。 レッスンの時にも使っている着慣れたはずのジャージにすら妙な違和感があります。 周りを見渡せば他の事務所のアイドルばかり、プロデューサーとマネージャーも今は傍にいません。隣には 美希もいるのに、なぜか孤立しているような気分になってます。 ――こんな状態で、上手く歌うことができるの? 自分にそう問いかけても答えは返ってきません。それどころか、あれだけレッスンを積んだダンスをここで失敗し てしまったら、歌とダンスのどちらも満足に表現できずにオーディションが終わってしまったら、途中で審査員の 人が飽きて帰ってしまったら、自分の失敗で美希に迷惑をかけてしまったら…… そんな不安ばかりが自分の中でどんどん大きくなっていきました。 「……千早さん」 よくない考えが頭の中で渦巻いていると、美希が私の手を握ってきました。 「美希?」 励ましてくれているのかしら? そんな考えが浮かんですぐにそれが違うことに気付きました。 小さくではあるけれど、確かに美希の手は震えていた。そっと顔を窺ってみると、少しだけ額に汗が浮かんで いました。 ――あの美希が、緊張している。 それが分かった瞬間私の心に小波が立ち、そしてすぐさま収まりました。 不安になっている場合じゃない。二人揃ってこんなことで躓いている場合じゃない。 ここは確かに大舞台、だけどけっして到達点じゃない。 私たち765プロのアイドルの、プロデューサーたちと目指しているトップアイドルの道の通過点なのだから。 ……瞳を閉じ小さく深呼吸をして、今回の話を受けた頃まで記憶を遡らせます。 少し不安そうな顔をしながらも今回の話を持ってきて、今日まで真剣にレッスンに取り組んでくれたプロデュー サーがいました。 最初はやる気がまるで見えなかったけど、あの事故を境に驚くほど実力を伸ばした美希がいました。こうして 振り返ってみると総合的なレッスンの量は美希のほうが私よりもずっと上で、私が沈んでいるときには励まされるこ とも多かったように思います。 あずささんや真、私たちを気遣い支えてくれた仲間たちがいました。レッスンでは歌とダンスをよりよくするため に一緒に意見を出し合ったりもしました。 そしてプロデューサーと一緒に支えてくれて、私の歌を好きだと言ってくれた人がいました。 ……私たちは、多くの人に支えられてここまでやってこれた。 今までやってきたレッスンを思い起こして、私は美希の手を強く握りました。 「あ……」 不安に揺れていた美希の目に少しだけ安堵の色が広がりました。 ――大丈夫、私たちならやれる。 言葉は必要なく、目と目が逢うだけで私の考えは伝わったようです。美希の瞳にいつもの輝きが戻っていました。 「――えー、大変お待たせいたしました。これより審査の方にに移ります」 審査員の一人がマイクを片手にそう告げた瞬間、会場全体に緊張が走りました。私たちの、そしてここに集まっ たすべてのアイドルたちの運命が決まる時が来たのです。 「と、その前に……72番のペア、みんなを代表して何か一言お願いします」 72番、それは私たちの番号。突然のことで一瞬悩みましたが、美希ともう一度目を合わせてお互いに頷いた後、 声高に宣言しました。 「絶対に合格してみせます!」 「絶対に合格してみせるの!」 私と美希の声が重なりました。しばらくの間会場は静寂に包まれて、どこからか小さく笑う声が聞こえてきました。 「……なるほど、自信と気力は十分なようですね。本番を楽しみにしています」 そう言って、審査員の人は小さく微笑みました。 自信はある、気力もある。 今までの日々が糧となって私の内側に溢れてきました。 合格しないはずがない、そんなことまで胸を張って思えるほどに。 「それじゃあ1分後に審査を始めます。皆さん頑張ってください」 ――いよいよ、始まる。 「いくわよ、美希」 「うん、千早さんもね」 1分という時間もかからずに、私達は心身ともにコンディションを整えました。 「……まったく、少しだけ焦ったじゃないか」 隣でプロデューサーが大きく息を吐いた。どうやら想定してなかったことらしい。 「まぁ二人ともよく答えてくれたよ。テンションもいい感じに上がってる」 ステージ上で待機している二人を見る。すでに準備ができているのか、周りから浮いているほどに落ち着いた 表情で待機していた。 その姿を見て思う。 ――みんな……強いんだな。 千早も、美希も、プロデューサーも、 自分にはない強さを持っていることに、わずかな羨望も込めて。 ……会場に曲が流れ始める。 その一挙一動を見逃さないために、他の一切から意識を絶った。 こうして9月某日、 765プロダクションは、『秋の大感謝祭スペシャル』の出演枠を手に入れた。 如月千早-06へ戻る 如月千早-08へ進む 目次へ