約 592,777 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/279.html
403 :名無したんはエロカワイイ:2008/09/13(土) 01 00 12 ID vPyZEYMF0 生物(いきもの)じゃなくて食物(たべもの)だもんな いや、ナマモノか? ================================================================ 食物でしょう。 ゆっくりの身の程 魔法の森の奥で、一人の少女がバスケット片手にきのこ取りをしていた。 黒い三角帽子に黒いエプロンスカート、波打つ金髪にちょっと勝気な瞳。 いわずと知れた霧雨魔理沙である。 「今日はなかなか実入りがいいぜ……」 フンフンと鼻歌を歌いながらバスケットを満たし、森の奥へと歩いていく。 と、いきなり横手からとげとげしい声をかけられた。 「ゆ! おねえさん、やめてね!」 「そうだよ! れいむたちのじゃまをしないでね!」 「ゆっくりとあやまってね!」 「あやまらないとひどいんだぜ!」 魔理沙は驚いて振り向いた。そこにいたのは、いくつもの饅頭たち。 いや、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの群れである。 「は……?」 魔理沙は目を点にして立ち止まる。といっても、ゆっくりの存在に驚いたからではない。 森にゆっくりが出始めてから、もうずいぶんたつので、その存在には慣れている。 驚いたのは、そのれいむとまりさたちの態度に、だった。 はっきり言って、魔法の森における魔理沙の生態的地位は―― 王。 のそれである。マスタースパークを撃つまでもなく、弾幕をほんのちょっと張るだけで、妖怪山賊の類でも逃げていく。 いわんやゆっくりにおいておや。 この森に住むゆっくりの中で、本家魔理沙の力を知らないものは、一匹たりとていないはずだった。 だが、この饅頭たちは…… 「ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ!」 「そーらよ、ゆっくちぷれいちゅだよ!」「ぷれいちゅ!」 「みんなでゆっくりキノコとりをしてるんだから、きちゃだめだぜ!」 「だめだぜ!」「らめらじぇー!」 「「「「ゆっくりあっちへいってね!!!」」」いっちぇね!」 れいむ家族もまりさ家族も、口をそろえて言う。舌足らずな赤ゆっくりだけはちょっと遅れる。 魔理沙はぽかんとそれを見つめていたが、「んー」と唸ってこめかみをぽりぽりかき、聞き返した。 「おまえら、ひょっとしてよその森から来たか?」 「ゆ? そうだよ! きょうついたばかりだよ!」 「だから、とってもつかれているんだぜ!」 「でも、こんなにきのこのいっぱいあるゆっくりプレイスをみつけられたから、ゆっくりしているよ!」 「「「「「ゆっくりしているよ!!!」」」りゅよ!」 そう言ってなんのつもりか、にゅいにゅい、と二度ほど背伸びをし、 「ひさしぶりのゆっくりだから、ゆっくりするの!」 「するの!」「ちゅるのー!」 「ゆっくりとね!!!」 そう言って、勝ち誇るようにふんぞり返った。 「はぁー……」 なんというか、ゆっくりのゆっくり宣言のフルコンボを食らった感じで、唖然とする魔理沙だった。 しばらくそうしていたが、キノコ取りをしていたことを思い出した。 で、しゃがんでそこらのキノコを、ひょいひょい、と取った。 当然、一帯をゆっくりプレイス化していたれいむたちは、激怒した様子で喚きだした。 「ゆゆゆ! れいむのゆっくりプレイスだっていったよね!」 「はやくやめてね! やめて、とらないでね! とらないでね! ゆーーーーーっ!」 「やめろっていってるんだぜ! ゆるさないんだぜ! むぅーーーーっ!」 「やっつけるんだぜ!!!」 とうとうれいむとまりさたちは魔理沙に殺到し、体当たりを始めた。それなりに重いやわらか物体が、もこんぼこんどよんぶよんと、魔理沙の肩や背に当たる。 もちろん、痛くはない。 だが、うざい。 魔理沙はため息をつき、ひとことだけ警告してやった。 「私は生き物。お前たちはそれ以下。物を食うな。わかったか?」 「ゆ? なにいってるの?」 「わけがわかんないんだぜ!」 もこんぼこんどよんぶよん。 魔理沙は決意した。 顔の前に人差し指を立てて、唱える。 「Зола для золы, пыли, пыли, бун к булочке.」 ぽっ、と爪の先に光がともった。 その指で、一頭の母れいむの額に触れる。 「ゆっくりあっちへいってね! ゆっくりしんでね! ゆっ……」 叫びながら自信満々で体当たりしていたれいむが、触れられた途端、ぽてん、と地に落ちた。 傷はない。打たれたわけでもない。病や薬に冒されたようでもない。 ただ、のたりと落ちた。 勝気だった表情はそのままだ。目もしっかりと見開かれている。ただ、その瞳にもはや光はない。プラスチック玉のように無機質に景色を映しているだけ。 バレーボールほどの丸い体が、わずかに傾き、のろのろと平らに潰れていく。 その姿に、周りのゆっくりたちが驚き、駆け寄った。 「お、おかーさんん!?」「おかしーゃぁぁん!」 「れっ、れいむ? どうしたんだぜ?」 「ゆっくりしてね、ゆっくりげんきをだしてね!」 話しかけたり、揺さぶったり、頬ずりしたり、懸命にぺろぺろとなめたり。 ゆっくりにできる、精一杯の方法で、気遣ってやる。 だが、反応はない。まったくない。悲鳴やうめき声さえも。 即死したのだろうか。そう思い込んだ子供たちが、涙を流して魔理沙を罵倒した。 「れ゛い゛む゛の゛おがーぢゃんに、なにずるのぉぉぉぉぉ!?」 「ゆっくりできないひどだね! さいていだねぇぇ!!」 「いっしょうゆっくりしないでねぇぇぇ!」 「ゆっくりごろじいぃぃぃぃぃ!!!」 「私は、人間」 我関せずとばかりにぷちぷちとキノコを取っていた魔理沙が、肩越しに言った。 「お前たちは、それ以下。――Зола для золы, пыли, пыли, бун к булочке.」 再び、指先の光。今度はゆっくりまりさに触れる。 「ゆっくりじね! ゆっくりじ……」 飛び掛る途中で触れられたまりさは、ごろごろん、と地に転がった。 その顔は、れいむと同じだ。何の表情もない無機質。いや―― ただの、有機物。 食物。 そう、饅頭であるゆっくりたちが、饅頭本来の姿に戻ったのだ。思考も運動もなく、幸福も不幸もなく、生も死もない、ただの菓子に。 それは魔法の力。正確には、魔法を打ち消す力。 「魔法使い」である魔理沙にそれができて、なんの不思議があろう? だがゆっくりにはわからない。魔法はおろか、力の差すらわからない。 おのれたちがいかに不自然な存在であるか、すら――。 「おかーしゃんたちをゆっぐりがえしでねええええ!」 「「「がえじでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」 殺到するゆっくりたちにむかって、魔理沙はくるりと振り向いた。 両手の指を花びらのように向ける。 呪文――そして光。 その瞬間、光に触れられたゆっくりたちは、啓示を受けたように悟る。 れいむたち―― まりさたち―― お ま ん じ ゅ う ? ただちに悟りは消える。 なぜなら、饅頭は悟らないから。 ただ柔らかな和菓子と化して、ぼたぼたと落ちた。 「ん~ふふ~ふふ~♪ さあ、今日はこれぐらいでいいかな。……っと、いけないいけない」 キノコ取りを終えて立ち上がった魔理沙は、周りの光景を見てつぶやいた。 八卦炉を取り出して、何もない地面に向け、発砲する。 魔砲・Fマスタースパーク。絶大な閃光があふれ、森の空が一瞬暗くなる。 後には、煙を立てるおおきな穴。 「食べ物を粗末にしちゃ、いけないからな」 転がっていたたくさんの饅頭を、足など使わず丁寧に手で穴に放り込むと、ようやく満足した様子で、少女は去っていった。 ================================================================ YT
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/603.html
とある場所、とある日。 ゆっくりまりさとゆっくりれいむが、仲良さそうにほほをくっつけてゆっくりしていた。 その顔は切なそうで嬉しそうで、どこか悟った様な風情をたたえていた。 「ゆ……そろそろれいむのばんかな」 「まりさのばんかもしれない」 顔を見合わせ、寂しそうに微笑む二匹。 「みんないなくなっちゃったね」 「うん、いないね」 ガランとした部屋を見渡す。 中には何もない。二匹以外のゆっくりは、カケラすら見当たらなかった。 元気なゆっくりちぇんは、一日前にどこかに行った。 頭の良いゆっくりぱちゅりーは、20時間ほど前に。 恥かしがりやのゆっくりみょんは、12時間ほど前に。 いつも三匹でゆっくりできていたゆっくりありすは、つい1時間ほど前に。 仲の良かったお友達。 皆が様々な方法でゆっくりできなくされ、様々な方法で殺されたのだろう。 「まりさのおかあさん、すごくゆっくりしたいいゆっくりだったね」 「れいむのおかあさんもゆっくりしてたよ」 もういない親兄弟を懐かしむ。 この二匹は友人や家族が連れ出されても騒がず、ただひっそりと二匹だけでゆっくりしていたため、ここまで持ったのだ。 「もっとゆっくりしたかったね」 「うん、ゆっくりしたかった」 だが、それももうおしまい。 不意に、ゆっくりれいむが弾かれる様に部屋から飛び出していく。 見えない手に捕まれた様にへこんだほほを、ゆっくりまりさは静かに眺めていた。 「ゆぐぐぐぐぐ! まりざぁ! ざよならぁ!」 「れいむ……」 れいむは、唐突な痛みも、これから自分の身に起こるであろう悲劇を嘆くでもなく、ただ一人残る友人との別れを惜しむ。 まりさは、そんな友人の末路を思うと、自然と涙がこぼれてきた。 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ! それでかぞくになってあかちゃんもいっしょにゆっk……」 最後まで言い終わる前に、部屋から消えるゆっくりれいむ。 ゆっくりまりさは、ただ無言ではらはらと涙を流し続けた。 ぱさりと帽子が置かれた。 「ごめんね、なにもないからこれしかおはかにできないよ」 呟いて、帽子のないゆっくりまりさは、祈る様に目を閉じた。 そこは、先ほど親友が飛び出していった場所。痕跡すらない壁を見つめ、一時の別れを惜しんだ。 「さみしくないよ、またすぐいっしょにゆっくりできるもん」 まりさは、優しく、先ほどまでと同じ調子で壁に向かってゆっくりとほほをすり寄せた。 何度もしている内に、ゆっくりまりさの熱が伝わり、壁がほのかな温かみをまとう。 冷たい壁が、ほんの僅かれいむのぬくもりを残してくれた様で、まりさは幸せな気分になった。 「まりさはちょっとだけゆっくりしてるね、またあおうね、れいむ……」 もういない友人、もうすぐ会える友人との再会を楽しみに待ちながら、ゆっくりまりさは目を閉じた。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「ゆぎゅっ!?」 突然の大声に、ゆっくりまりさは目を開いた。 見ると、知らないゆっくり達が部屋にひしめき合っている。 ――あぁ『つぎすれ』にきたんだね。 一匹のゆっくりが、まりさの方を向く。 「ゆっ? ぼうしないまりさがいるよ!」 その声を合図として、数匹のゆっくりがまりさの方を向いた。 ゆっくり達は、何が面白いのか分からないが、楽しそうに声をかけてきた。 「ぼうしないこはゆっくりできるの?」 「できるよ! こんにちは、ゆっくりしていってね!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 にこにこと声をかけてくるゆっくり達を尻目に、まりさは再び目を閉じる。 「ゆっ? ねむいの?」 「うるさくしてごめんね! ゆっくりねていってね!」 「ゆっくりべつのことあそぶよ! まりさは、またあとであそぼうね!」 ぴょんぴょんと離れていくゆっくり達。 楽しく遊ぶゆっくり達の中、不意におかしな感触に見舞われるものが一匹。 「ゆっ?! いだいよ! なにごれぇぇぇ!!!」 引きちぎられる様な痛み、吸い取られる様な感触に、ゆっくりまりさは悲鳴をあげた。 「ゆっ! なにこれ! これじゃゆっくりできないよ!」 「ゆゆっ! みょんなことしないでゆっくりしてね!」 先ほどまでまりさと一緒に遊んでいたゆっくり達は、急に顔の一部がわしづかみにされた様にへこんだ友人を前に、オロオロするばかり。 「ゆっくりたすけるよ!」 それでも、一部のゆっくりは即座に助けようと動いた。 数匹のゆっくりが、ゆっくりまりさの帽子や顔に噛み付き、何とかして元の下膨れに戻そうとする。 「「「むむむーーーーー」」」 「いだいいだいいだいいだい!!! やべでぇぇぇぇぇ!!!」 だが、それは効果がないどころか、ゆっくりまりさを弱らせるという最悪の結果を招いた。 それを見て、噛み付いていたゆっくりは口の圧力を緩める。 「ぐぐぐぐ……ゆっくりしたけっかがこれだよ!」 しゅぽんと音を立て、ゆっくりまりさは消えうせた。 「まりざぁぁぁ!!! まりざどごにいっだのぉぉぉ!!!」 「ゆっぐりでぎないよ! ごごじゃゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 「だじでぇぇぇぇぇ! おがあざんんんんん!!!」 ゆっくり達は、即座にパニックに陥る。 その様子を、帽子のないゆっくりまりさが、懐かしいものを見る目で眺めていた。 ここは、ゆっくり虐待スレの舞台裏。 虐待スレで虐待されるゆっくりは、ここから排出され、そのまま二度と戻ってこない。 今度残るゆっくりはどのゆっくりかは分からない、いやゆっくりが残るかすら分からないが、彼らはそれぞれに、それぞれの方法で殺されていく事だろう。 『おわらないゆっくり』 スレの変わり目に、こういう話はいかが? とか言って出そうと思ったけど、書き終わってみたらもう次スレ……ゆっくりした結果がこれだよ! by319 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/535.html
森の中を一匹の霊夢が上機嫌で走っていた。 「ゆっくりゆっくり♪」 訂正、何時ものようにお目出度い頭で走っていた。 「ゆっくり~していってね~♪」 この霊夢は母親なのだが、今日は久しぶりに朝からゆっくり魔理沙と遊んできたのだ。 前日に餌を大量に取っておき、二匹の少し大きな霊夢に赤ちゃん達を任せてきた。 以前も数回このようにして遊んだ事があった子供達は、特に不審にも思わないで母親を見送った。 もう直ぐ冬。 家に篭る前に、このお母さんゆっくりも羽を伸ばしたかったのだろう。 「ゆゆ!! きれーなおいけ~~!!!!」 ふと、近くに大きな池がある事に気が付いた霊夢は、少し道草していく事にした。 「ゆ~すっきり~♪」 沢山歩いて喉が渇いていたので、勢いよく水を飲んでゆく。 「ごきゅんごきゅん!!! ぷっはぁ~♪ しあわせ~~♪」 水分を補給し終え、元気いっぱいという感じでその場を後にしようとする霊夢。 しかし、水場に何かを発見すると、急いで舞い戻ってきた。 「ゆゆ!! かえるさんだ~~~♪」 そこには、葉っぱに乗ってゆっくりと池に浮かんでいるかえるの姿。 当然、そのゆっくりしている姿を、ゆっくりが放っておく訳が無い。 「ゆ♪ かえるさん♪ れいむもはっぱにのらせてね!!!」 勢いよく、かえるの乗っている葉っぱへとジャンプする霊夢。 そのまま池の中に飛び込む。 「ゆ? ゆゆ!!! なんで!!! どーじで!!! あぶぶ!!」 見た目より深い池のようで、底に体が付けない霊夢。 「かえるざんはちゃんどのってだのにーー!! だまじたの?!!!」 見る見る間に水分を吸ってふやけていく。 「あばば!!! だずけで!! まりざーーー!!! ぶぶぶぶぶ……」 「かえるざんといっしょに、ゆっぐりじだがったーーーー!!!!!」 既に崩れ落ちた眼球が捉えていたのは、のんびりと水中を泳ぐかえるだった。 ―― 「おかーしゃんおしょいねーーー?」 先ほどのゆっくり霊夢の巣の中では、二匹の子供霊夢と十匹ほどの赤ちゃん霊夢が未だ帰らぬ母親の心配をしていた。 「きっとゆっくりしてるんだよ!! れいむたちでごはんたべようね!!!」 「ゆゆ!! でももうごはんにゃいよ!!!」 母親が用意して言った食事は、普通に食べたら二日分あった。 しかし、稼がなくなった子供達は二回の食事で全て食べ終えてしまったのだ。 当然、そうなれば外へ探しに行かなければならない。 「ゆ~!! もうすぐくらくなるけど、みんなでいけばへっちゃらだね!!!」 「みんなでごはんをさがしにいこうね!!!」 「「「「ゆっくりいこうね!!!!」」」」 本人達は遠足気分で巣を後にしていった。 もう二度と、ここには戻ってこないだろうが。 「ゆっくり~♪」 「ゆゆ!! おねーちゃんおうたじょ~ず~!!」 「ゆへへ!!」 赤ちゃんの為に、歩くペースは遅いがゆっくり達は気にせずに森のなかをひた走る。 そうしていつの間にか森を抜け、たどり着いたのは洞窟。 「ゆ~おっきいね!!」 「……だれ?」 「「「ゆゆ!!」」」 どうやら中にはゆっくりがすんで居るようだ。 薄暗い外よりも暗いその中から出てきたのは、一匹のゆっくりアリスだった。 「ゆ? れーむのこども? どうしたの?」 どうやら、直ぐに交尾に進もうとはしないようだ。 「おかーしゃんがかえっちぇこないから、ごはんをさがしにきたの!!」 「そしたらここについたの!!」 「そうなの!! とっとかいはのありすが、いっしょにごはんをさがしてああげても、……いいわよ?」 恐る恐る子ゆっくり達に提案する。 勿論、子供達に断る理由はない。 「ゆ!! ありがとーーー!!!」 「いっしょにさがしてね!!!」 「!! ゆ!! まかせて!!! ありすはとってもとかいはなんだから!!」 こっちに美味しいのがある。 そう言って、子供達を山の方へ連れて行く。 急な斜面、下は川。 そんな人間でも入る事をためらうが場所の入り口まで、アリスは子供達を案内した。 「ここで、ぜんまいっていうとってもゆっくりできるおいしいたべものがとれるの!!」 勿論、これは人間の話を立ち聞きして得た知識だ。 「ほんと!! ゆっくりおいしいの?」 「れいみゅたちもたべちゃい!!!」 「じゃあ!! みんなでゆっくりさがしましょ!!!」 子供達と一緒に、ぜんまいを探し出すゆっくりアリス。 しかし、こんな時期にぜんまいなど取れるはずが無く、ゆっくり♪ という楽しそうな声が響くだけである。 「ゆ!! ゆっくり~~!!」 そんな中、一匹のゆっくりが下目掛けて転がり落ちた。 それは事故だったのだが、コロコロ転がり落ちていったその様子を見て、他のゆっくり達は何か楽しい事だと感じたらしい。 「ゆ!! れーみゅもころころすりゅ~♪」 「おねーちゃんもころころするよ!!!!」 「「「ゆっゆ♪」」」 コロコロと楽しそうに転がっていく子供達。 当然下には流れの速い川があるのだが、このゆっくり達は知るはずもない。 「ゆゆ!! これはね!! すきーっていうんだよ!! とかいはのありすはすきーもとくいなんだよ!!!」 負けじとアリスも転がり落ちる。 それに続いて、最後まで残っていた赤ちゃん霊夢も勇気を出して滑り落ちていった。 「ゆ~♪」 上機嫌で転がっているのはゆっくりアリスである。 彼女の頭の中では、この後の計画が綿密にシミュレートされていた。 この後は、みんなでゆっくりして、ゆっくりごはんを食べて、みんなでゆっくり寝よう。 そうだ、もしお母さんが帰ってこなかったらみんなでゆっくりしよう。 「ゆっゆ♪ ゆ! ゆゆゆ!!!!」 上機嫌で滑り降りていたアリスの目に坂の終わりが見えてきた。 そこでは、沢山のこゆっくりが楽しそうにはしゃいでいる。 「ゆゆ!! あっぷ!! だずげでーーー!!!」 「あがーーしゃーーん!!!」 「ゆゆ!! どげちゃうよ!! れーみゅのかっりゃだがとけじゃうよーー!!!!!」 そう見えたのはアリスだけで、本当は溺れているだけなのだが。 「ゆゆ!! れーむたち!! ありすもまぜてね!!!!!」 そんな中へ勢いよくゆっくりアリスが飛び込んでいった。 「!!! ゆ!! おぼれるよ!! はやぐきゅうじょのでんはをじでじょーだい!!!」 漸く子供達の状況を理解したが、流れの速いこの川に入った時点で運命は決まっていた。 「ゆゆ!! ながされる!! だれがだずけで!!! れーむ!! まりざーーー!!! ぱじゅりーーーー!!!!!」 ゆっくりアリス伝えに聞いた名前を連呼する、しかし助けてくれるものはいない。 「ゆぶぶ!! とげじゃうーーー!!! だずげでーーー!!!」 激しい流れで、アリスの頭から髪飾りが流れ落ちる。 「あああ!!! ありずのとがいはでこーでねーとしたかみかざりがーーーー!!」 「だれがだずけでーーー!! こまっでるありずをたずけるのはとがいはのしごとだよーーー!!!」 「……だれ……がーー!!!」 「だ……す……」 明け方。 人里の川岸には、何時ものようにゆっくりのリボンと帽子が流れ着いていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/977.html
またまた俺設定の嵐です。 しかも今回はオリキャラですorz ※この作者は本当に調子付いてます。薄ら笑いを浮かべながら鼻で笑ってあげましょう。 __________________________________________ ここから本編です。 「……………………………」 「ゼェ…ハァ……ハァ……!!」 一人の男が幻想卿の森の中を駆け抜ける。 額にはバンダナ迷彩服を着込み手には銃、そして添える様にして構えられているナイフ…。 その異様な出で立ちだけでも十分だが、その気迫溢れる顔が、彼が歴戦を戦い抜いてきた兵である事を物語っていた。 「クソッ!一体此処は何処なんだ!…大佐!大佐!!……無線も通じないか…!」 耳に装備している通信機もその役目を果たさない、彼は考えていた。 此処は何処なのか。 この森に居る異形の者達は何なのか。 何故無線が通じない。 人間、いや、少なくともまともな生物は居ないのか。 最初の考えに戻ってはその問いを頭の中で繰り返す。 延々続く思考のループに彼は喘いでいた。 暫く走る内に、男は疲弊し座り込む。ふと見ると目の前に身を隠すには丁度良さそうな洞窟が口を開けていた。 「偶然にしては、出来すぎているな。」 彼は自嘲気味に笑うと洞窟の中に歩を進めた。少し進むと開けた場所にたどり着いた。 「いよいよ偶然にしては出来すぎているぞ…。」 何はともあれ敵も居ない、尚且つ広い場所にたどり着けた事は多少なりとも彼の心を落ち着かせた。 バックパックから煙草を取り出し火をつける。 そして思い切り吸い込む。フィルターから流れてくる煙草の香りが彼の心を鎮めていく。 自分はまだ生きている。此処が何処かは以前分からないままだ。 しかし、だからと言って希望を捨てるわけにはいかない。この状況で希望を捨てる事は死と直結してしまうからだ。 とにかく、今は休もう…行動の中からしか希望は見出せない。そのために今は休むのだ。 「…………・・・・・・」 ゆっくりと眼を閉じ、男はそのまどろみに身を任せた。 数時間が経ち、明け方… 「………ス…ク…」 「………ネ……ク…」 「スネーク!!」 自分の名を呼ぶ聞きなれたその声に、彼は目を覚ます。 目の前に立ち、名を叫ぶ一人の男。凛々しい軍服に身を包みベレー帽を被っている初老の男性。 「大佐…大佐じゃないか!!どうしてアンタが此処にいるんだ!?」 「どうしてもこうしても無い!!君が此処で油を売っている間にこっちでは天使のラッパが鳴り響き、私は宇宙人と遭遇した! 彼等は実に楽しい奴らだったよ。ハッハッハッハ!!」 「大佐!何を言っているんだ!気でも違ったのか!?」 「らりるれろ!らりるれろ!らりるれろ!!」 「大佐!!大佐ァァ!!」 「うごくな。」 後頭部に突きつけられた冷たい感触が、彼の意識を一気に覚醒させた。 しまった! この一言が彼の意識を焦りと共に駆け巡る。 「おまえはゆっくりできるのか?」 「………なに?…」 焦りに飲まれて質問の意味が頭に入ってこなかった。 そして何より彼を混乱させたのは、相手の発する「声」だった。 その「声」は紛れも無い…自分の声だった。 自分の背後で自分の声に質問されている。その事実が彼を更に混乱させていた。 「もういちどいう…おまえはゆっくりできるのか…?」 声の主は苛立った様子で繰り返す。 質問の意味は理解した。 しかし、「ゆっくり」という単語がどういう事を示すのかは分からなかった。 だが、こうなった以上、相手に敵意が無い事を伝える事がベストだと、彼の歴戦の勘が語っていた。 「ああ、ゆっくりできる…」 「ほんとだな…?」 「ああ、俺はゆっくりできる…。」 後頭部から冷たい感触が離れた。 「ゆっくりしていけ。」 ソレは彼の声で囁いた。 不意にポーンと音がして彼の目の前に何かが飛んでくる。 生首だ。いや、人のソレにしては大きすぎる。そして何より、動いている。 「よくきたな、おれのゆっくりプレイスに。」 彼の声で呟くと、その生首は跳ねながら振り返った。 その顔を見て男は驚愕した。短く整った髪。額にはバンダナ。顎と思われる部位にはまばらに無精髭が生えていた。 そして気迫溢れる青い瞳…。 「これは……俺なのか………?」 そう、その顔は彼の…ソリッド・スネークのソレそのものだったのだ。 いや、正確にはそうでない。瞳は大きく口も横に大きい。そして下膨れの様な頬。 いわゆるオリジナルを悪ふざけでデフォルメしたようなフォームを取っていた。 「何なんだお前は…一体何者なんだ!?」 彼、いや、スネークが問う。 「おれか?おれはゆっくりスネーク。」 「ゆっくりスネーク…?」 フォルムだけではなく名前まで酷似しているソレは「ゆっくりスネーク」、そう名乗った。 「で、おまえの名は?なんという?」 ゆっくりスネークが今度は問う。 「俺はソリッド・スネーク。傭兵をやっている。」 今度はスネークが名を名乗る。 「どこかできいたようななまえだな。そのかおもみおぼえがあるな。」 本人は気付いて無いらしい。相手が自分に似ている事を。というよりあまり気にしていないのかもしれない。 互いに言葉が通じる事が分かるとスネークはゆっくりスネークを質問攻めにした。 此処は何処なんだ?どうすれば帰れる?なんなんだアンタ?ゆっくりとはなにか? 「ゆ!ゆぅ!そんなにいっぱい答えれな…ゴホン!…じゅんばんにいえ、いっぺんにはこたえられん。」 「あぁ、すまん、昨日から混乱していて少し取り乱した…すまない。」 「わかればいい、でなにからこたえればいいんだ?」 「そうだな、まず、なんなんだアンt(ry……。」 スネークは順番にゆっくりと質問していった。また、ゆっくりスネークもその問いにゆっくり答えていった。 此処は幻想卿という人間界とは隔絶された場所である事。 自分達はゆっくりという種族で種族ごとに異なった形をしていると言う事。 強い特徴を持った者がこっちに訪れると、その人物の影響を受けたゆっくりが何処からとも無く現れる事。 自分もその一種と言う事。 そして…此処から帰る事はまず不可能と言う事…… 「ひととおりせつめいしたが、つまりそういうことだ。」 冷静に言い放つゆっくりスネーク。 「脱出は不可能…か、厄介な所に迷い込んだもんだ。」 スネークもまた冷静だった。 意思の疎通ができる対象が出来た事が純粋に嬉しかったからのかもしれない。 だが、彼は馬鹿ではない。事態が好転したわけでは決して無い。ということをスネークは理解していた。 「しばらくはここにとどまるといい。しゅうへんはぶっそうだからな。」 「すまない、助かる。」 どうやらゆっくりスネークも状況を察してくれたらしく、暫くの間は彼の住み家であるこの洞窟に住まわせてくれるという。 スネークにとっても願ったり叶ったりである。 「ただし、なにかとてつだってもらうからな。」 「無論だ、なんでも言ってくれ。」 これから二人の奇妙な共同生活が始まるのであった。 そして、これから始まるであろうこの二人の奇妙な逃亡劇に一人設定を考え頭が沸きそうになる作者であった……。 続くといいなぁ…… いや、続き見たいです、本当に -- 名無しさん (2009-04-01 19 05 26) 幻想入りシリーズじゃ…とつっこむ -- 名無しさん (2009-04-01 19 08 17) 続き希望嬉しいです^^ 出来る限り尽力させて頂きます。 ※幻想入りでは~… 突っ込まないで上げてくださいorz 作りながら薄々思っていましたw 皆様、読んで下さって有難う御座いますorz 楽しんで頂けるように頑張ります。 -- 作者 (2009-04-01 20 15 51) 恐るべきゆっくり達計画が遂に始動したか… -- 名無しさん (2009-04-26 06 45 32) 前々からこのネタは存在してたが・・・ついにやってしまいましたかw -- 名無しさん (2009-04-27 10 27 26) ははは、やってしまいましたw 現在も先行きを考えて行き詰っています; もしかしたら…「恐るべきゆっくり計画」を本当に 拝借してしまうかもしれませんw -- 作者 (2009-04-27 17 51 37) ゆっくりスネーク何か普通にカッケェなw渋いゆっくりもまたいいものだ -- 名無しさん (2009-04-27 18 07 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1401.html
前 「ゆ…ここまでにげれば…ゆ、ゆっくりできるよ…」 ぱちゅりーを背負ったまま走り続けて息も絶え絶えのまりさはちょうどいい森の中で少し開けた草原に寝転がった。 ゴロリ、とぱちゅりーがまりさから落ちる。 ぱちゅりーはすぐさま顔を地面に押し付けた。 「…ゆ?どうしたのぱちゅりー?おなかいたいの?」 「むきゅぅううううん!こないでー」 心配して寄り添うまりさだったがぱちゅりーは頑なに動こうとしなかった。 「ぱちゅりー?どうしたの?ぱちゅりー!」 まりさは何かあったのかと思いぱちゅりーをゆすると、体力のないぱちゅりーはまりさに押されて遂に顔が上がり二匹の目が合った。 まりさはその顔を見て凍りついた。 「ぱ、ぱちゅ…ぱちゅりーのお顔がああああああああああああああ!?」 「いやああああああ見ないでまりさああああああああああああああ!!」 ぱちゅりーの顔は百足に所々食い千切られ、首のところから取れてしまった百足の首が何個も刺さったままで そこらじゅうから餡子がちょろちょろと漏れていて、二目と見れないほど醜くぐちゃぐちゃになっていた。 まりさは思わずそこから目をそむけた。 「む゛ぎゅぅ゛ぅ゛う゛う゛ん゛!む゛ぎゅぅ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛ん゛!」 大きな声を出せば危険な虫がまた襲ってくる可能性も忘れてぱちゅりーは大声でわんわんと泣き始めた。 私はなんて醜い顔をしているのだろう、こんな顔ではまりさには完全に嫌われてしまった。 そうぱちゅりーは思い、それがズキズキと痛む顔の傷よりもずっと痛かった。 流れる涙餡が傷口に入り込んで滲みるのも意に介さずにぱちゅりーは泣いた。 涙で視界が滲んで前が見えなくなるほど泣いた頃、突然口にやわらかく暖かいものが押し付けられた。 「む、むきゅ!?」 何がなんだかわからず目を白黒させるぱちゅりー。 「ゆうううううう!!ぷはぁ、ゆぅ…」 「むっきゅぅっぱはぁ!?な、ななななな何をしてるのままままありささささあ!?」 まりさがぱちゅりーに熱い口付けをしたのだ。 二人の口から唾餡の糸がたらりと伸びていた。 「まりさは!ぱちゅりーのことが!だいだいだいすきだよ! どんなお顔になっても!どんな時でも!ずーっとずーっと一緒にゆっくりしていたいの! だから、だからああああああ!!!」 「む、むきゅううううううううん!!」 まりさは顔を真っ赤にして、上擦りながらも大声で愛の告白をすると再びぱちゅりーにねっちょりとしたキスをした。 舌と舌が絡んで粘膜が激しくこすれあった。 ぱちゅりーは混乱する意識の中でただ今自分は最高に幸せだということを理解した。 もう二匹を止められるものは居ない、だんだんと理性が抑えられなくなり二匹は体をゆすり始め 「そこまでよ!」 『ゆきゅう!?』 丘の上の方からあのゆっくりれいむの一家がこちらを眺めていた。 「まだ大人じゃないのにスッキリしたらゆっくりできなくなるんだからね! じちょうしてね!!!」 『ゆ、ゆゆゆゆゆ~~』 若い二匹の交尾に対してぷんすかと怒るお母さんれいむであった。 恥ずかしいところを目撃されて二匹は顔を真っ赤にして俯いて唸っていた。 「おかあさん、まりさおねえちゃんたちなにちてたのー」 「子どもはまだ知らなくていいよ!! まったく、わかものの性の乱れにはゆっくり呆れるよ!」 普段からお母さんれいむはそういった風紀の乱れに対して心を痛めていたようだ。 「ゆゅ!?まりさ!そっちのきもちわるいのなに!?」 「ゆ!?」 ぱちゅりーの顔を見た子れいむが悲鳴をあげた。 「おかあさん!きもちわるいのがいるよ!」 「あんなのといっしょじゃゆっくりできないよ!」 「…ゅっ、むっ…ゅぅ…」 「ぱ、ぱちゅりー…!」 子ども達の言葉がぱちゅりーの心に突き刺さった。 まりさが受け入れてくれればそれでいいとはいえやはり辛かった。 ぱちゅりーは顔を子れいむ達に見せないように後ろを向いてまりさの胸に顔を埋めた。 「おかあさん!はやくあいつをやっつけ…ゆ゛ぅ!?!」 その時、パァンという音が響いて子れいむが転がった。 「ゆぅ…?お、おかあさんがぶったぁあああああああああ!!!!!」 「お、おかあしゃんどうちてこんなことするのおおおおおおおお!!?」 「ぼーりょくてきなおかあさんとはゆっくりできないよ!!!!」 子れいむ達はお母さんれいむに次々と非難の声を浴びせた。 「お だ ま り !!!!!!」 子れいむ達の罵声がさっ、と止んだ。 「ぱちゅりーはれいむ達のおともだちだよ! そのぱちゅりーをきもちわるい、やっつけようなんていうゆっくりはおかあさんの子どもじゃないよ!!」 お母さんれいむはピシャリと子れいむ達を叱りつけた。 子れいむ達はしゅんとなって俯いて黙り込んだ。 お母さんれいむは子れいむ達を睨み付けると呆然とこちらを見ているぱちゅりーの方へと近寄っていった。 「ごめんねぱちゅりー、子ども達がこわがるからお顔にこれをつけてね」 そう言って口の中から雨避けに使う大きめの葉っぱを出して舌に三つ穴を開けるとぱちゅりーの顔に貼り付けて傷が見えないようにしてくれた。 「むっきゅう…ぁ、ありがどう…ありがどぉおおお…!!!」 ぱちゅりーは葉っぱの下でわんわんと泣いた。 「それで、れいむ達もゆるいをさがしてここに着いたの?」 「そうだよ、でも虫さん達に追われてぜんぜんゆっくりできないよ! だから一緒に力をあわせてここから出ようね!」 「そうね、早くここから出ないと虫さん達におそわれてむっきゅーってなっちゃうわ」 お互いに大体の事情を話しあった結果、とにかくこの場から協力して脱出する必要があるという結論にたどり着いた。 「ゆー!もっとやすみたいよ!」 「おなかすいた!ゆっくりできないよ!」 年長三人がたどり着いた結論に子れいむ達が異議を申し立てた。 実際子れいむ達の体力はかなり厳しいところにきていた。 「むきゅ、どうしようまりさ…」 「ゆー、ゆっくり…していく?」 子れいむ達の申し出に折れそうになるまりさとぱちゅりー。 子どもにあまり無理はさせたくないというのが正直なところだった。 確かに今のところここでは虫には襲われていないのだし、少しぐらい休んでもいいのではないかという考えが頭を過ぎる。 「だめだよ!こんなところで休んでいたらゆっくりできなくなるよ!!!」 しかしお母さんれいむはそれ以上の危機が自分達に迫りつつあることを長年の経験で察していた。 「ゆ、ゅ…」 「ゆ、わかったよ、がまんするよ…」 「ゆっくりちたかったのに…」 不平を漏らしつつも母の決断に従う子れいむ達だった。 早速準備を整え出発しようとするゆっくり達。 その時、ブゥゥン、という不吉な音が辺りに響き渡った。 「ゆ、あっちからなにかくるよ?」 「ゆー、なんだろ」 「いっぱいいるよ!ゆっくりちていってね!」 それを見て無邪気に声を上げる子れいむ達。 「イナゴさんだよ!!!早く逃げて!ゆっくりできなくなるうううううう!!!」 それの恐ろしさを知っているお母さんれいむは血相を変えて叫びをあげた。 しかし狭い森の中の小さな草原である、お母さんれいむが叫んだ時には既に先頭のイナゴ達に追いつかれていた。 「いだいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「がじらないでええええ!!!れいむはおいしくないよおおおおおおおおおお!!!!」 「おかあさんたすけてええええええええええええ!!!!」 「はやく走って!小さい子はお母さんのお口の中に入ってね!」 泣きながらイナゴの群れから逃げ出すお姉さん子れいむとお母さんれいむの口に入る妹れいむ達。 まりさとぱちゅりーもお姉さんれいむを先導しながら先を急いだ。 「お、おかあさん!はやくなかにいれてね!ゆっくりできぁいよ!!!」 「ふが、ふが…!」 何分大家族である、全ての子れいむを入れる前にお母さんれいむの口がいっぱいになってしまったのだ。 「…ふがっ、ふがっ!(ゆっくり追ってきてね…!)」 お母さんれいむは苦渋の決断を下す。 ここで手をこまねいていては口の中の子れいむ達まで道連れになる。 ならばこの子れいむがなんとか一人で逃げ切れることを祈って先に進むしかないのだ。 お母さんれいむは涙を堪えながら子れいむに背を向けた。 「おかあさん!れいむのいもうとがまだのこってるよ!」 「おねえちゃん!おねえちゃぁぁあああん!!」 「れいむのいもうとがああああああああああ!!!!」 お母さんれいむの口の中の子れいむや先に進んでいた子れいむが叫んだ。 「おかあさん!おかあさんおいてかないで!!れいむをおいてかないでええええええええええええ!!!!!!! もうわがままいわないから!!ぱちゅりーのこともあやまるからあああああああああ!!!」 「ふがっ、ふがぁっ(ごめんね、ごめんねえええええ!!!)」 お母さんれいむは歯噛みしたい思いでひたすら走り出した。 もう子れいむには追いつけないだろう。 そしてイナゴから逃げ切ることも子れいむのスピードでは出来ない。 子れいむの命運は尽きたと思われた。 「ぱちゅりー!先に行ってみんなをゆっくりポイントまで連れて行って!」 「むきゅ!?何をするつもりまりさ!ま、まさか…!」 まりさのいつもの悪い癖が出たのではないかとぱちゅりーははっとした。 ぱちゅりーの思ったとおりまりさは突如反転して先頭から外れると凄まじいスピードでイナゴの群れに突っ込んだ。 「ゆっ!?」 「はやくまりさのお口に入ってね!」 その勢いでイナゴを一時的に振り払い、子れいむの傍に着地するとまりさはぺろりと子れいむを口の中に入れる。 「駄目!イナゴに囲まれてゆっくり出来ない!」 ぱちゅりーが叫ぶと同時にイナゴがまりさを囲み一斉に襲い掛かる。 「ゆっぐぉおおおおおお!どっけえええええええええ!!!」 体当たりでイナゴを振り切りながらまりさはどんどんと突き進んでいった。 仲間を思う気持ちを頼りにイナゴを蹴散らしていく雄雄しい雄姿。 その姿、まさに廃線ぶらり途中下車。 「まりさおねえちゃんすごい!」 「おかあさんよりはやーい!」 そのまますぐにお母さんれいむに追いつくとそのまま追い抜かして先頭のゆっくり達に追いついた。 「むっきゅー、流石ねまりさ!」 「ぱちゅりーも乗る?ゆっくりさせないよ!」 はっはと息を上げながらも軽口を叩いてまりさはにやりと笑う。 まったく、減らず口をよく叩くのはまりさ種の特徴とは言え 本当に困ったゆっくりだと呆れると同時にぱちゅりーは笑いがこみ上げてくる。 「むきゅ、遠慮しとくわ!」 健在をアピールするまりさの姿に必死に走っている最中で息も絶え絶え 頭がズキズキ痛くてクラクラしているにも関わらずぱちゅりーも思わず笑みをこぼした。 「ここまでくればもう大丈夫だよ!」 「みんなゆっくりしようね!」 「ふがっ、ふがっ!(ゆっくりお口から出てね!)」 ゆっくり達は森まで行き木々を障害物として利用しながらなんとかイナゴを振り切ったのだった。 「ゆー、ちぬかとおもったよ!」 「これでみんなでゆっくりできるね」 「よかったね!ゆっくりしようね!」 和気藹々とするまりさとぱちゅりーと子れいむ達。 「……い、一番おっきなれいむの子どもはどこ…?」 お母さんれいむが震えながら呟いた。 先頭グループを走っていたはずの最年長の子れいむがどこにも見当たらなかった。 「あ、あれ?おねえちゃん?おねえちゃーん!?」 「お゛ね゛え゛ぢゃんがい゛な゛い゛よ゛おおおお!!!」 「ゆ゛っぐりできな゛いいいいいいいいい!!!!!!!」 「み゛ん゛な゛でゆっぐりぢだがっだああああ!!!!!」 和気藹々とした雰囲気が一瞬で壊れ、子れいむ達の嘆きの叫びが辺りを支配した。 それとは対照的にお母さんれいむは声を殺して静に泣いていた。 「ま、まりさがもう一回もどって助けに行くよ!」 すぐに子れいむを助けに行きに飛び出そうとするまりさ。 「ま…」 「駄目だよ!どの道もう助からないよ!まりさもゆっくりできなくなるよ!」 ぱちゅりーがまりさを止めようとするよりもさらに早くお母さんれいむがまりさの前に立ちふさがった。 「どおぢでぞんなごどい゛う゛のおおお!?」 「お゛があ゛ざんのばがあああああ!!!!」 「お゛ね゛えぢゃんをだずげでよお!!!!」 「れ、れいむ!まりさは強いから大丈夫だよ! 子れいむを助けてすぐに帰ってくるよ! ゆっくりどいてえええええええええ!!!」 まりさは必死にれいむを退かして進もうとするがれいむはびくともせずその場を動かなかった。 「もうあの子は助からないの…!だから…だからせめてみんなあの子の分までゆっくりして…!」 「ゆ、ゆうう…」 涙を流して懇願するれいむの迫力に気おされるまりさ。 「まりさ、れいむが言うことが正しいよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとまりさ達を嗜めた。 ぱちゅりーにももう子れいむは助からないだろうことはわかっていた。 まりさも心の底ではわかっていたのだろう。 しかし仲間思いのまりさにはそれがどうしても認められなかったのだ。 お母さんれいむの涙を見てまりさはようやく目の前の現実を受け入れた。 「ゆぐぐぐううう…」 「お゛ねえぢゃん……」 「ごべんね…ごべんねぇ…!」 「おねえぢゃんのぶんもいっぱいいっぱいゆっくりするからね…!」 その場に居る全てのゆっくりが子れいむのために涙を流した。 涙を拭って、ゆっくり達は再びこの地獄、永夜緩居から脱出するために進み続けた。 ガサガサと枯葉の地面を踏み歩きながら森を抜ける道を探す。 「むっ、きゅっ…」 静かにただ黙々とみんなが進んでいく中で、ぱちゅりーが突然ふらついてまりさにもたれかかった。 「ゆ?大丈夫ぱちゅりー?」 「むきゅ…大丈夫だよ…まだまだ元気いっぱいだから…」 「ゆー、できればみんなゆっくり休ませてあげたいんだけど…」 そう言ってまりさは子れいむ達を見回す。 「ゅ…ゅー」 「ゅひゅー…ひっひ…ゅー」 「………っ………」 全員息も絶え絶えと言った様子だ。 しかしさっきのように虫たちに襲われた時休んでいたらひとたまりも無い。 とにかく一刻も早く永夜緩居から脱出することが最優先なのだ。 ぱちゅりーもそれを理解しているから空元気でまりさに苦笑いを返す。 「ごめんね…まりさがゆるいに行こうなんていわなかったらいまごろゆっくり出来てたのに…」 つっ、とまりさの頬を涙が伝う。 「むっきゅ、それは言わないお約束だよ」 そう言ってぱちゅりーはまりさの涙をぺろりと舐めて拭った。 その時、異変が起こった。 「ゆぅ~~!?」 段差に気付かずに子れいむが足を踏み外して転げ落ちたのだ。 「れ、れいむの赤ちゃんが!?」 慌てて下を覗き込むお母さんれいむと子れいむ達。 「ゆゆ?おそらをとんでるみたい~~~!」 しかし子れいむは不思議なことに下まで落ちずにまるで中に浮いているかのように 段差からの途中辺りから伸びていた4、50センチほどの枝と枝の間の空間で止まっている。 子れいむはそこで楽しそうにぽよんぽよんと跳ねていた。 「ゆ、おねえちゃんいいな、ずるいずるい!」 「れいむもやるー!」 ぴょんぴょんとそこに飛び込んでいく子れいむ達。 「ゆ、ゆー?」 お母さんれいむも今度は何が起こったのかわからず困惑して首をかしげている。(つまり斜めになっている) 「ごほっ、むぎゅうううん!だめええええ!ゆっぐぉほっ、ゆっぐりでぎなぐなっぢゃううう!!!」 ぱちゅりーだけが餡子を吐きながら遅すぎる静止をした。 「ぱ、ぱちゅりー?どうしたの?おなかいたいの!?」 まりさは突然餡子を吐いて叫ぶぱちゅりーを心配して傍によって背中をさすった。 「うああああああ!だずげでおがあざあああああああん!!!」 「いやあああああああ!!こないでえええええええええええ!!!」 子れいむは中に浮いていたのではない、蜘蛛の巣に引っかかっていたのだ。 人間の拳二つ分ほどもある巨大な蜘蛛が二匹、枝の影から現れた。 「い゛や゛ああああああ!れ゛い゛む゛のあがぢゃんがああああああ!!!」 お母さんれいむの叫びも空しく大蜘蛛が身動きの出来ない子れいむ達に齧りついた。 「あがっがっがっがっが…」 「ゆっ…ゆぐっ…ゆ゛…」 皮を突き破った牙から餡子に毒を混ぜられて子れいむ達はもはや喋ることもままならなくなった。 「おねえぢゃああああああああああん!!!」 「れいむの…れいむのい゛も゛う゛どがあああああああ!!!」 獲物が動けなくなったのを確認すると大蜘蛛達は子れいむを咀嚼し始めた。 皮を剥ぎ、蜘蛛の頭が餡子の中に埋まる。 くちゃりくちゃりという咀嚼音が辺りに響いた。 「うっ、ゆうう…ごめんね…ごめんね…」 お母さんれいむが耐え切れずに目を背けた。 まりさとぱちゅりーは何も出来ずにただ後ろから見ているしかなかった。 「おねえぢゃん!おねえぢゃん!」 一匹の子れいむが身を乗り出して家族の名前を呼んだ。 「むきゅ、そんなに乗り出したら危な…」 ぱちゅりーが注意を促そうとしたその時、段差に生えた枝の一本が動いた。 「ゆぎゃあああああああああ!?」 茶色の蟷螂が子れいむの頭に深々と鎌を突き立てていた。 ギロリと辺りを睨み付けると茶色い枝蟷螂は段差の下へと子れいむを連れて飛び降りていた。 「いやあああああああああ!!?」 「あ、あああああああああああ!?」 傍にいながら何も出来なかったことにお母さんれいむは歯噛みして後悔した。 「だずげでよおがあざん!れいむおねえぢゃんだぢみだぐにたべられだぐ…! ああああ!いだいいいいいいいい!おがあざん!おがあざん!みでないでだずげぎぃ!」 枝蟷螂は鎌で器用に子れいむのリボンを切り裂いた。 「あ゛!やべでええ!れ゛い゛む゛の゛!れ゛い゛む゛の゛リ゛ボン!れ゛い゛む゛のだいじなりぼんな゛のお゛!!!」 邪魔なリボンを切り裂けば次は皮、その次は中の餡子だ。 「ごめん…こんなお母さんでごめんね…もっとゆっくりさせてあげたかったよ…」 ポタリと子れいむの頭にお母さんれいむの涙が落ちた。 最後に一瞥くれてお母さんれいむはその光景から背を背けた。 「おがあざん!?どうじでぞっぢむいぢゃうの!?れ゛い゛む゛はごっぢ!ごっぢだよ゛!」 「早く行くよ、急いでここから出ないとゆっくりできなくなっちゃうから」 「ゆ!?ま、まってよおかあさん!」 「で、でもおねえちゃんが…」 「……」 生き残った子れいむ達の静止を無視してお母さんれいむは無言で進んでいった。 {お゛があざんお゛いでがないでだずげで!だずげでよ゛おお゛お゛!!! れ゛い゛む゛ゆっぐりでぎでだいどおおお!おいでがないで!おいでがないで! れ゛い゛む゛をだずげでごのま゛まぢゃれ゛い゛む゛ゆっぐりでぎないよ!! お゛があざん!お゛があざん゛ん゛んん゛ん゛ん゛ん゛んん゛ん゛ん゛!!!」 子れいむの絶叫が木霊する中、ぱちゅりーとまりさは黙ってお母さんれいむに着いていくしかなかった。 「ゅぅ…ゅぅぅぅぅ…」 「ひっく…ゅ…おねえぢゃん…ぅゅぅぅ…」 「ゅっく…ゅぇぇ…」 子れいむ達は啜り泣きながらお母さんれいむの後ろについて歩いていた。 まりさとぱちゅりーはしんがりを勤めて周りを警戒している。 「がほっ、ごほっ…むきゅぅ…」 「ほ、ほんとに大丈夫?まりさの上に乗ったらゆっくりできるよ!」 「むきゅっ、まりさだって限界でしょ 大丈夫、その気持ちだけでぱちゅりー嬉しいから」 ぱちゅりーはよろめく体でそう応えた。 実際のところぱちゅりーは限界に近い状態にあった。 百足に噛み付かれた場所はズキズキと痛んだ。 眩暈もさっきからずっと止まらない。 耳鳴りだってしている。 足の裏も枝や小石で傷だらけだ。 満身創痍に近い様態だった。 けれどここから出れればまた二人一緒にゆっくり出来る、そして大きくなったら二人で子どもを作りたい。 そして死んでいった子れいむ達の分もゆっくりさせてあげたかった。 ぱちゅりーはまりさと一緒にここを出ることを心から願った。 その願いが僅かながら歩む力をくれた。 ぱちゅりーを突き動かすのはもはや気力だけであった。 「ゆ!森を抜けるよ! もうすぐゆっくり出来るよ!」 木々の間から光が挿している。 お母さんれいむの話では出口はもうすぐのはずだった。 「ゆ!森を抜けたよ!もうすぐ! あの丘を越える前は虫さん達に襲われてなかったからあそこを越えれば大丈夫だよ!」 そこは開けた草原だった。 その先にはゆっくりにとってはそれなりに小高い丘があった。 「ゆ!あとちょっとだよ!やったねぱちゅりー!」 「むっきゅー、あそこを越えたら絶対にゆっくりやすみたおしてやるわ…」 ゆっくり達は最後の力を振り絞って歩き出した。 「もうちょっとだよ…」 「もうすぐゆっくりできるね!」 「みんなでゆっくりしようね!」 草原を進んでいる内に段々とみんなの顔に笑顔が戻ってきた。 ここを抜ければゆっくり出来るのだ、そのことがみんなに元気を与えてくれた。 その時、絶望の羽音がゆっくり達の耳に届けられた。 「い、イナゴさんだー!!!」 「いやああああああああ!!!」 「ゆっくりできないいいいいいいいいい!!!」 「急いで!もう丘は目の前だよ!」 さっきのようにお母さんれいむの口の中に子ども達が隠れる。 今度は全ての子れいむ達が入ることが出来たし喋ることも出来た。 とにかく急いで丘にまでたどり着くゆっくり達。 しかしそこからが地獄だった。 「ゆっ、ゆっ…!」 「むきゅぅっぅぅぅぅ…!」 登りはどうしてもそれまでよりスピードが落ちる。 一方イナゴは空を飛んで変わらぬスピードで追いかけてくる。 もうイナゴの軍団はすぐそこまで来ていた。 「むぎゅぅ…ま゛り゛ざ…もうぱちゅりーをお゛いでにげで…」 「何言ってるのぱちゅりー!ここを出ていっしょにゆっくりするんだよ!急いで!」 「むぎゅ…うげぇ!エロエロエロ…!」 「ぱ、ぱちゅりー!?どうしたのぱちゅりー!ぱちゅりー!」 突如、ぱちゅりーが激しく嘔吐し辺りにどろどろの餡子が飛び散った。 「む、むぎゅぅ゛…」 「ふが…ま、まさか…!」 はっと思い当たったようにお母さんれいむがぱちゅりーの顔の葉っぱを取り去った。 「ど、どうじでぱちゅりーのお顔が紫色なのおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 ぱちゅりーは顔中に紫色の斑点が浮き出ており、その表情は死相としか言いようが無い痛々しく生気の無いものだった。 最初に噛み付かれた百足の毒が全身に廻ってたのだ。 一匹なら、普通の百足ならこうはならなかっただろう。 だがここは永夜緩居なのだ。 そこは虫たちの住まう狂った世界。 諸手を挙げて誘い込まれる獲物を喜び喰らう魔境である。 「これは…もう…助からないよ…」 「うん…ぱちゅりーが…一番わかってるよ…むぎゅぇっ!ごばぁっ!」 「二人とも何をいっでいる゛の゛おおおおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?」 れいむとぱちゅりーの二匹がぱちゅりーの死を受け入れる中でまりさだけが現実を受け入れようとしなかった。 「むきゅ…ありがとうねまりさ、でもぱちゅりーは、もう駄目だからまりさには生き延びてゆっくりして欲しいの…」 足手まといとなった自分を絶対に見捨てないまりさの気持ちが嬉しかった、そんなまりさが大好きだった。 だからこそぱちゅりーは絶対にまりさには生き残ってもらいたかった。 「馬鹿なこといってないで早く行こうね!もうすぐイナゴさんが来るよ!!」 そう言ってまりさはぱちゅりーの帽子を引っ張って無理やり連れて行こうとする。 ぱちゅりーは力無い瞳でれいむの方を見つめた。 「れい…む…このままじゃみんな死…んじゃう…から…おね…がい…わか、るよね まりさ達が…ゆっくりする方法…」 「そんなの簡単だよ!まりさとぱちゅりーがあの丘を越えればいいだけだよ!」 まりさも薄々と手遅れなことを感じ取っていた。 れいむは黙って悲痛な表情でコクリと頷いた。 そして、れいむが体当たりをしてぱちゅりーは丘を転げ落ちた。 「さよなら、まりさ」 「ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 ぱちゅりーは餡子を撒き散らしながらごろごろと転がり、イナゴの群れの中に堕ちた。 「な゛に゛を゛ずるどれ゛い゛む゛うううううううううううううううううう!!!!」 「ぱちゅりーはもう駄目なんだよ!だからぱちゅりーはみんなを助けるためにああやって犠牲になったの!ああやって…!」 れいむの視線の先にはイナゴに群がられ齧り削られていくぱちゅりーの姿があった。 ああしてぱちゅりーを食べている間はイナゴの群れはこちらを追ってはこなかった。 「今助けに行くからねぱちゅりー!!!」 「駄目ぇ!!どうしてぱちゅりーがああまでして犠牲になったのかわからないの?ばかなの? まりさに助かって欲しいからだよ!お願いだからぱちゅりーの命を無駄にしないで!!」 「黙れこの豚れいむがああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」 鬼の形相となったまりさは必死に止めるお母さんれいむを突き飛ばすとイナゴの群れの中心へと ぱちゅりーの所へと転がっていった。 「どうして…どうしてぱちゅりーが命を捨てる気持ちがわからないの…! 何でまりさはぱちゅりーの気持ちを無駄にするの…! みんな命を繋ぐために生きてるのに!れいむだってぱちゅりーだって虫さんだってみんな命を繋ぐために生きてるのに! まりさああああああ!まりさは最低だよ!最低のゴミクズだよ! 死ね!まりさはそこでゴミクズらしくゆっくり死ね!!!」 お母さんれいむはぱちゅりーの命を無為にするまりさのその行為に激昂し、唾を吐きかけた。 そして丘の上を目指し振り向かずに子れいむ達を連れて登っていった。 「ぱっぢゅぃりぃー!ぱぢゅぅりぃ!!!」 どうして来てしまったのか、ぱちゅりーがもう見ることは無いと思っていたまりさの姿を見て思ったことはそれだった。 まりさはイナゴに体中を齧られながらもぱちゅりーの所へと辿り着いたのだ。 せっかくまりさだけでも助かって欲しいと思っていたのにと腹が立った。 いつもそうだ、まりさは自分の作戦を無視して勝手なことをして台無しにするのだ。 この前の蛇の時だって自分を囮にしている間に逃げれば簡単に二人で逃げ出せたのに なのにまりさが石につまづいた自分を飛び出して助けようとしたから台無しになって必死に逃げ回る羽目になったのだ。 本音を言うとそれがとても嬉しかった。 今もそれは同じだった。 ただとても悲しくもあった。 きっとまりさも自分と一緒にイナゴに食べられてしまうだろうから。 まりさには生きてその明るさと行動力でみんなを導いて欲しい、そう思っていた。 「ぱちゅりー!待ってて!絶対に絶対に絶対に助けるよ! ここから出たらね!おっきなおうちみつけようね! ゆっくりがたくさんすめてゆっくりできるおうちだよ! そこで二人でゆっくり暮らすの!冬も安心して越せるんだよ! 虫さんなんて絶対に入ってこないんだよ! ごはんはぱちゅりーが調べたばしょからまりさがいっぱいとってくるから安心だよ! 春になったらお花さんも食べようよ!こんどはかまきりさんの居ないゆっくり食べられるお花なんだよ! 夏は水浴びして!ひんやり~!してゆっくりするよ! 秋はね!秋はね!食べ物がたくさんあるからゆっくりし放題なの!! それで二人が大きくなったらたくさんたくさん子どもを作るの! ここで死んでいったみんなの分もいっぱいいっぱいゆっくりさせるの! だから!だから一緒にここを出ようよ!ぱちゅりー! ぱちゅりー!!起きて!ぱちゅりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 まりさの声を聞きながら体中を齧られて、ぱちゅりーの視界はやさしい緑で埋め尽くされた。 ありがとうやさしくてわたしのだいすきなまりさ。 もう喋る口も食べられちゃって無いけれどこれだけは言わせて まりさといっしょで本当にゆっくりできる一生だったよ。 ああ、私に群がる虫さんたち 最後に一つお願いさせて 私の体は全部あげる だからまりさを もってかないで… 永夜緩居― 二匹のゆっくり 別視点? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1415.html
「・・・よし、完成だ・・・・・!」 河城 にとりは興奮していた。 ここは河城にとりの研究室 ゆっくり加工場内支部、 不死の薬の雛形が誕生した瞬間だ。 これはにとりがれみりゃの異常な再生力に目を付け、永遠亭の蓬莱の薬に関する文献を参考にし、 ゆっくり加工場の資金協力を得てどうにか試作品完成の段階にまでこぎ付けた代物だ。 加工場側には「新種のゆっくりの開発がしたいので協力してくれ」と話を通してあるが、 それよりも研究者としての個人的な欲求を満たす為の物だった事は事実である。 しかし、その援助が無ければこうして薬が完成することは無かっただろう、 これの開発には物凄い手間とコストが掛かり、尋常ではない回数にのぼる試行錯誤の果てにようやく生み出された物であるからだ。 とはいえ、今目の前にある薬の量は梅干しの種大程度の量、 そして初物の薬ほど危険な物はそうそう無いという事をにとりはよく知っていた、 しかしここはゆっくり加工場だ、被験者は目の前に居る。 「・・・ゆっ?」 キョトンとした顔を向けるれいむ種のゆっくり、まさに適役である、 「ほら、食べてみな。」 にとりは黒光りしてドロッとした豆粒状の薬を差し出す、ペロリと舌を出すれいむ、 「にっがーい!!」 いやいやするれいむ、仕方ない、好物のいちご大福に埋め込んで少し時を置いて食べさせる。 「む-しゃ。むーしゃ。 しあわせー!!」 残さず飲み込んだようだ、とりあえずしばらくの間はゆっくりさせる事にする。 小一時間も経った頃か、 「・・・もういいかな」 にとりが呟くと、無邪気に跳ね回るれいむにつかつかと歩み寄り、両者向き合う形になる、 「ゆゆっ!?どうしたのおねーさん!」 そして頬の肉をおもむろに掴み、思い切り引きちぎる! 「ゆ゙ーーーーーっ゙っ!!」 れいむは目を白黒させながら叫んだ 「ひどい゙よおね゙え゙さん!!どゔじでこん゙なごどずる゙の゙!?」 にとりはれいむの叫びを聞き流す、 にとりはゆっくり自体は嫌いではなかった、ことにこのれいむ種は多少勝ち気だが割と素直な性格で市場でも人気が高かった。 「・・・・・加工所のゆっくりには二種類しかいない、増やすゆっくりと、食べられるゆっくりだッ・・・!」 誰に言うとも無く呟くにとり、そうこう言ってるうちにあらかた仕事は終わっていた、 そこには既に体内の8割以上の餡子を掻き出されたれいむが居た、言葉も発せずにただプルプルするのみのれいむ、 もう既に見飽きた饅頭の残骸、加工所の風物詩的な存在である、しかしその饅頭は他のそれとは違った、 傷口から覗いている中身の餡子が増えてきているのだ、それもミリミリという音が聞こえてきそうな程の早いスピードで、 そしてれいむの中が程なく餡子で満たされ、白濁食の薄皮が出現したと思ったらそれは赤みを帯びた肌色に染まっていた、 その復活劇は、理科の授業で見せられたセミの脱皮の早回し映像の如き速度で繰り広げられたのだ、 そしてそこにはその間じゅういつものポカーンとしたハテナ顔で受け入れていたれいむと、 目を見開き穴が開きそうな勢いでれいむを見守るにとりの姿。 「ゆ?? すごい!れいむいきかえってるー!!!」 れいむは興奮している、にとりはそれ以上に興奮している。 「・・・・・成功・・・した。」 そしてその日より、ゆっくり加工場にて不死身のゆっくりの研究が開始されたのであった。 ~時は流れ一ヶ月後、しなないれいむの研究は続いていた。 そしてそれによりいろいろと分かった事があった、 再生能力は研究のベースとなったれみりゃの数倍、しかし日光に弱いという性質は引き継がれていない、 強いて言えば多少日に焼け易くなった程度だという事、 他に子ゆっくりは完全に普通のゆっくりと変わらないという事、 そしてどんなに致命的な傷を負っても、体の中の一箇所にコア(核)を残して、ゆっくり再生するという事、 コアはぬめっと黒光りする梅干し大の豆粒状の物質で、ちぎっても潰しても煮ても焼いても一瞬で元通りになるという事、 コアから無尽蔵に湧き出る餡子のお陰で、動けなくなる程空腹にはならないという事、 そしてコアから湧き出た不純物ゼロの餡子は驚くほど美味だったという事だ 実験は時に壮絶であった たとえばゆっくりの苦手とする水責めの時は 「ゆっくりやめてね! ゆっごぼグびぶバリ゙ぇ゙」「ぶ゙バ゙が゙ば゙ガ゙ヷば゙が゙ぐ゙ゲ゙ダ゙が゙ば゙ぎ゙ャ゙あ゙ア゙ャ゙」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐヴ」「ぶ゙ガ゙ゲぎ゙ャ゙ア゙バ゙が゙ば゙あ゙ヷば゙が゙゙ダ゙が゙ぐば゙ャ゙」 「グぼバャてっね・・・・・・・・ゆ? すっきりー!!」 と、水没後かなりの時間を置いて、ぶにゃぶにゃの躯の中からずりゅっとつやつやしたゆっくりがもぞもぞ出てきたり、 炎の燃えさかる部屋に投げ入れた時は 「はやくたすけてね! あづい゙よ゙お゙ぼぉ゙」「ぐギャ゙あヴぁ゙ゔば゙ア゙バぶぅ゙る゙ガ゙ぎゃ゙ギャ゙が゙ゲ゙が゙グ゙イ゙ギ゙」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・ヴ・・・ゆ゙・・・」「・・・ヴ・・・っ゙ブグり゙ず゙ぁ゙え゙であ゙ヅい゙よ゙ぼオ゙お゙ぉ゙ぉ゙」 「ヴゆ゙ゆ゙ぐゆ゙・・・・・・・・ぷー? あつくなくなってるーー!!」 と、すっかり黒ずんだゆっくりの燃えカスから脱皮よろしくあたらしいゆっくりが這い出してきたり、 餡子を押し出すプレス機で潰してみた時は 「や゙め゙で! ゆ゙っ゙ぐり゙ざぜでえ゙ぇ゙ぇ゙」「ゆ゙ぶ!い゙だい゙グぎゅ゙ヴり゙ゅ゙ぶル゙あ゙・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆ゙ぐ゙・・・」「・・・ヴ・・・っ゙グぎゅ゙ヴり゙ゅ゙ぶル゙い゙だ゙あ゙ぃ゙い゙」 「いだ゙・・・ゆ゙・・・ぐ・・・・・・・・もう・・・! いたいのはやめてね・・・!!」 と、平らな薄皮を押し退けみるみる膨れ上がるゆっくりだったりと、 こんな具合でしなないれいむは物凄く苦しむが絶対に死ぬことは無く、30分もあれば蘇生するのだった、 また、仮死状態に陥る経緯(以降は死に方と表記する)によって精製される餡子の風味が違ってくるのだ、 水責めで死んだら水っぽく、焼け死んだらふかふかの、圧死なら歯応えのある餡子になっていた、 幻想郷では、恐怖や苦痛を与えたゆっくりの餡子は旨くなると言われている、 だが、死ぬ以上の苦痛を与えられた上で混じりけ無しの純度100%の餡子は、このしなないれいむからしか採れない、 にとりはこれは商売になると思った、まず加工場の責任者にこの餡を食べさせよう、 これだけ美味い餡子が出来るなら、不死のゆっくりの研究にも少なからず予算を捻出してくれるだろう。 ほどなく究極の餡子プロジェクトチームが結成された、どの死に方が旨い餡子を生み出すかを徹底的に研究するのだ、 にとりはしなないゆっくりに対する探究心を満たしたいという思いと、 あわよくば不死の薬を実用できる物にしてやろうという野望を胸に、しなないゆっくりの研究に傾倒していった。 ~そして時は流れ数ヵ月後 幻想郷において、加工所から超限定数のプレミアム漉し餡が販売されるようになっていた。 その味は、洋食派のアリスも顔を真っ赤にさせて興奮する程に美味であり、 その値段は、博麗神社の巫女の顔を真っ青にさせるのに十分の物であった。 しなないれいむが最も旨い餡子を精製させる死に方は、膨大な時間を要する手作業であった。 まずしなないれいむを1センチ四方程度分摘まみ、引きちぎる、これを、完全に均等になるまで続けるのだ、 声が出せるうちは「ゆ゙っ゙!!」 「ゆ゙っ゙!!」と声を出し、 時に「おぢさんやめてね!!」「はやくやめてね!!」と抗議する、 そのうち「い゙だい゙い゙ぃ゙」「や゙め゙でえ゙ぇ゙」と懇願し出し、そして喋ることもかなわなくなる、 これを加工所の職員が数人がかりでやる、所有時間は30分程度だ、 次にコアの含まれる部分が蘇生を開始したら、他の破片は片付けられる、 その蘇生の際に、口をひらける程度まで回復すると「い゙だい゙い゙ぃ゙」 「ゆ゙っ゙!!」 「ゆ゙っ゙!!」とわめき出す、 そしてしなないれいむが「ゆっくりなおったよ!!」などと言うまで加工所の職員にじっと見守られる、 この間も所有時間は30分程度、 そして蘇生したばかりのしなないれいむからおもむろに極上の餡子を採集する、これには10分と掛からない、 そして蘇生が終了し、しなないれいむを休憩させるまでで1セット、計3時間の採集作業、 これを一日4セット、拘束時間12時間の苦行である。 残りの12時間はしなないれいむがゆっくりできる時間だ、寝ててもいいし他のゆっくりと遊んでてもいい。 それともう一つ、にとりは不死の薬は妖怪や人間には使えない物であるという事が分かっていた、 妖怪や人間が薬を服用して死んだ場合、まず発狂するであろうからだ、 普通の妖怪や人間は、限界を超える痛みや苦痛を受けた際には意識をシャットダウンして神経がショックの直撃を避ける、 だが、あの薬はそのリミッターを効かなくするのだ、通常の妖怪や人間ならば二、三度死ねば精神崩壊は免れないだろう、 これはしなないれいむをれみりゃの体内で3日程放置した後救助するという実験の際に、しなないれいむの 「あづかっ゙たあ゙ぁ!!ピリ゙ピリ゙いだかっ゙だあぁ゙ぁ!!」という感想?で確信した事だ、 それにしても何故このゆっくりは気が触れないのか、にとりにはどうしても納得できなかった、 「まったく、ゆっくりって奴は本当に都合良くできてんな・・・。」にとりは苦笑するしかなかった。 不死身のゆっくりの研究室には既に加工所も大きな予算を割くようになっていた、 餡子の生産が追いつかないので、不死の薬を増産しようという話なのだ、 加工所に絶賛殺到中の「ええい、究極のつぶ餡はまだかーーーッ!」という問い合わせも後押しとなっている、 にとりは研究室に、しなないまりさをしなないれいむと共に住まわせるという事は既に決めていた、 そしてそれは程なく現実のものとなるだろう、 そのにとりの願いは、哀れなしなないれいむに対する同情なのか、研究者としての興味と探究心なのか・・・・・。 しかしそんな事はどうでもいいと思った、今やしなないれいむは、言わば食べられるれいむの頂点のような存在なのだから。 -完-
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3576.html
『野性のゆっくりとゆっくりしてみた』 3KB パロディ 小ネタ 群れ 誰かに似ている?うん気のせい 「ゆっくりしていってね!」 「ん?おお……ゆっくりしていってね!」 わしの趣味はときどき山のハイキングコースを歩くこと。 山の緑や川のせせらぎに心を癒されつつ、のんびり歩いてると……まあたまにこういう出会いもあるわけでな。 森の中の開けた場所に多数のゆっくりがおったわい。どうやらここで群れをなしているらしいの。 「むきゅっ!ぱちぇはぱちぇよ!にんげんのおじいさんはゆっくりできるひと?」 「たぶんゆっくりできるとおもうぞい?あいにく甘い物はもってないがの」 「ゆう……それはざんねんだけど、しかたないわね!ここはぱちゅがおさをしているむれよ!」 「ほう。ならば少しの間わしもゆっくりしていっていいかの?」 「べつにかまわないよー」 「れいむのおうたをきいてゆっくりしてね!」 「まりちゃたちの、のーびのーびたいちょうをみちぇね!」 一匹もゲス発言をする個体はいないようじゃわい。 そうとうに天然か、原種に近いか、もしくはここがよほど過ごしやすくて平和ボケしてるかのどれかかもしれんのう。 「ではゆっくりさせてもらうとするかっ!」 わしは広場の中心にある木の切り株に腰掛けるとバッグからさっき買っといた駅弁を取り出した。 食べ物と見るやモノ欲しそうな顔でわしのそばによってくるゆっくり達。 しかしわしはそんなものを気にもせずに…… 「今からわしのスーパーむーしゃむーしゃタイムが始まるぞい!がーつがーつ!これうめぇ!まじぱねぇ!!」 「ゆゆっ!?」 「にんげんさんそれなに?れいむたちにもちょうだ」 「まずは鮭!……よくまとまった味だ。やるな!これは……生姜を使ったな?タレの味をピリっと引き締め、 甘すぎず辛すぎず絶妙の味に仕上げている!」 「どぼじてむしするのおおおおおっ!?」 「ごはんさん?わかるよー!それはごはんさんなんだねー!」 「ちょうりゃいね!まりちゃにもそれちょうらいね!?まりちゃもそりぇたべちゃいよ!」 「そして次なるは……無難に卵焼きときたかっ!しかし……んっ?これはぁぁぁぁぁぁっ!!? な、なんとはんぺんをはさみこんであるとはっっっ!!おお~~っふんわりとした軽い味! 舞い上がってしまいそうだあ~~~!」 「なんりぇたべちゃうにょぉぉぉおぉっ!?」 「だ、だれとはなしているのー!?わからないよー!」 「ありすたちにもおすそわけしてちょうだい!ひとりじめはゆっくりできないわ!?」 「ゆゆぅ……おいしそうだよお……れいみゅもむーしゃむーしゃちたいよぉぉぉ……」 「おちびちゃんまっててね!おかあさんがにんげんさんにいってもらってくるからね!」 「あ、しかし!弁当の命はそのメインデッシュ!すべてはその一品で弁当の価値が決まるということを 忘れてはいかんぞっ!?」 「だからだれにむかっていってるのおおおおおおおおっ!?」 「わからない!わからないよぉぉぉ―――――っ!?」 「ゆんやああああ!それまりちゃのだよ!?まりちゃのとんかつさんりゃよ!だからたべにゃいでえええええっ!!」 「この……トンカツめがっっ!!んぐんぐ…………むっ!う、美味いぃぃぃぃっ!肉は柔らかく、 肉汁もたっぷり!そしてその衣だ!油っこさがまったくない!それゆえに! 他のおかずやごはんに油が染みて味を損なう事もないっ!」 「ひどぃぃぃぃぃっ!!ぜんぶたべちゃったぁぁぁぁぁっ!!」 「ゆっくじできにゃぃぃぃぃっ!!」 「こんにゃのってにゃいよぉぉぉぉっ!!?」 「む、むきゅ……むきゅぅぅぅぅっ!?」 「まさに弁当による、弁当のための、弁当のおかずっ!!この弁当!まさに究極なりっっ!!」 「あ、ああ……」 「おべんとうばこさん……からっぽだみょん……」 「ど、どぼじてごんなひどいごとずるのぉぉぉ……」 わしは一休みがすんで切り株から腰を上げると大きく背伸びをする。いやあ本当にゆっくりできたわい! やはり美味いものを食べるとゆっくりできるのう!だがふとゆっくり達を見ると……なんじゃ泣いてたり、 ブツブツいってたり、疲れたのかうつろな顔で地面に横たわったりと、まったくゆっくりしてないの。何故じゃ? 「まあいいわい。それじゃあ皆の衆よ達者でのう!また縁があったら会おうぞっはっはっはっ………!」 「ゆ、ゆううう……」 「も、もうにどとこないでちょうだい……!」 「まりちゃもおいしいもにょたべちゃい……くさしゃんやむししゃんはいやりゃ……」 「しゃけしゃん……たまごやきしゃん……とんかつしゃんんんん……!」 わしが去った後、群れの広場に残されたのはゆっくりできてないゆっくりばかりであったとな。 元気がないぞっお前たち!わしを見習ってゆっくりせえよ!ゆっくり、ゆっくり……ゆっくりとな♪ 「「「「「「おばえがいうなあああああああああ」」」」」」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2203.html
ゆっくりゆうぎ ある日、俺はゆっくりを放し飼いにしている庭で奇妙なゆっくりを見つけた。 「ゆっくりちからくらべしようね!そぉーれゆっくり!ゆっくり!」 そのゆっくりは額に角が生えていた。他のゆっくりを追いかけまわしている。 「ゆゆ!もっとゆっくりしてね!それじゃゆっくりできないよ!」 「なにいってるの!ちからくらべ!ちからくらべしよう!」 逃げ回るれいむに素早い動きで追いつき、激しくすーりすーりしようとする。 すりすりというよりはずりずりという感じだ。 「ゆぶっ!もっと……ゆっくり……」 「れいむはよわいね!ほらもっとゆっくりがんばってね!!」 「もうやめでええええ!!!」 「それそれ!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!!」 何この新種。 「ゆぎゅぎゅぎゅぎゅぅぅぅぅ!!!」 「はーい、そこまでー」 俺は阿鼻叫喚のるつぼと化した庭へと踏み入った。 新種は今まで絡んでいたれいむを放り出しこちらを振り向く。 「ゆっ!ほねのありそうなにんげんがきたよ!ゆうぎとちからくらべしようね!」 新種は俺の足元へ跳ねてくると、足に対して攻撃してきた。 「ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!!」 「………」 やはり所詮はゆっくり。口で言うほどの力はないのだった。 「ていっ」 足を軽く振っただけで「ゆべふっ!!」と吹き飛ぶ新種。 「なかなかやるね!おもしろくなってきたよ!ゆっくりぃぃぃ!!!」 再度飛び掛ってくる。 「なんつうか……暑苦しい奴だな……」 * * * * 「ゆうぎのなまえはゆうぎだよ!ゆっくりちからくらべするよ!」 さっきからずっとこれだ…庭のゆっくり達はおびえて物陰に隠れてしまっている。 「おにいさん!そいつをゆっくりおいだしてね!」 「ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりひとのはなしをきいてね!!」 それはお前らもだけどな。 「まあまあ、そんな事いわずに仲良くしてあげなさいよ」 俺は飛び掛ってきたゆうぎを手で掴むと、物陰で口を尖らせるゆっくりどもの方へ投げる。 「しょうぶ!しょうぶ!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!」 「ゆあああんん!!!」 半刻ほども暴れた後、ようやくゆうぎは沈静化した。 「ゆゆゆゆゆ……」 「どぼちてゆっくりざぜてくれないのぉぉぉ……」 あたりは死屍累々たる有様だ。 「いいしょうぶして、すっきりー!!」 そりゃあお前はそうだろうがね。 「まずは、ゆうぎの鼻っ柱を折ってやることが第一と考えました」 誰に説明してるんだ?俺… ともかく、ゆっくりれみりゃを檻から出し、ゆうぎと対面させてみた。 「うー☆めずらしいゆっくりだどぅ~♪たっべちゃうどぅ~♪」 ぎゃお~☆と威嚇するれみりゃ。しかし、相手の反応はいつもと違うのだった。 「ゆゆ!あいてにとってふそくはないよ!わくわくしてきたよ!! ゆっくりぃぃぃぃ!!!!」 天敵であるはずの、自分より何倍も大きい体付きのれみりゃへ突進するゆうぎ。 「あう~?おちびちゃんのぶんざいでぐれいとなおぜうさまにたてつくなんておろかだっどぅぅ~☆ おもいしらせて……うぁ?」 あ、角が刺さった。 「う゛あ゛~!!いだいどぅ~!!」 「そぉれゆっくり!ゆっくり!ゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃ!!」 れみりゃはじたばたと逃げ惑う。 「い゛だい゛の゛やぁだどぅぅーー!!」 実際の痛みはそれほどでもないのだろうが、想定外の反攻に恐慌を起こし、 まるでふらんにいじめられている時のように縮こまってしまうれみりゃ。逆にゆうぎの方は気迫充分だ。 「おっきいくせにだらしないよ!もっとゆっくりちからくらべしようね!!」 「や゛へ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛~!!」 勝負はあっけなく決した。 「う゛う゛う゛…」 「ゆうぎのかちだね!!」 「つ゛の゛つ゛の゛こ゛あ゛い゛どぅ゛……」 通常種に続いてれみりゃまでも心的外傷を負ってしまったらしい。 知り合いにはゆふらん持ちもいるが、この調子ではうっかり勝ちかねない。対面させるのはやめておこう。 「うーむ、与えられた特権的地位に安住するだけではいかんということさなぁ…」 憐れを誘うれみりゃの姿を見て、俺は無意味にそう思ったのだった。 それからどうなったのかというと。 「しょうぶ!しょうぶ!」 ゆうぎはそのまま家に定着した。 「やめてね!!ゆっくりできないよ!!」 大抵は一方的に勝負を持ちかけては周囲のゆっくりを困らせているが、 俺が相手をしてやって程よく勝負欲を発散したあとでなら、他のゆっくりとゆっくりすることもある。 俺は今まで隔離していたれみりゃも庭に放つことにした。 ゆうぎは俺に次ぐ実力者としてれみりゃを認識しているため、好んで勝負をもちかける。 そのため他のゆっくりの被害軽減に役立つのだ。 「ゆゆっ!れみりゃだ!!れみりゃしょうぶだよ!!」 「おぜうさまはいないいないだどぅぅぅ~!!」 頭をかかえて丸まり、いないふりをするれみりゃだがそんなことをしても無駄だ。 「ゆっくり!ゆっくり!」 なすすべもなくゆうぎの猛攻にさらされるれみりゃ。 「あ゛う゛ぅ゛~!!!」 「れ゛い゛む゛!!ま゛り゛さ゛ぁ゛!!た゛す゛け゛て゛ほ゛し゛い゛ん゛だどぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 通常種とれみりゃの間には、反ゆうぎ同盟とでも呼ぶべき協調体制が生まれていた。 「れいむのかわりにゆっくりあいてしてあげてね!!」 「まりさよりつよくておおきいれみりゃならだいじょうぶなのぜ!! めいしょうぶをきたいしてるのぜ!!」 この程度のものだが。っていうかまりさ煽ってんじゃねえ。 「そうだどぅ!とんでにげるっどぅ~!!れみりゃあたまいいどぅ~♪」 おお、よく気づいたぞれみりゃ。かれこれ三日も前から気づくのに期待してたんだが。 「ゆゆっ!!にげるとはひきょうだよ!!ゆっくりおりてきてね!!」 しかし心配はいらない。れみりゃを放すにあたり、敷地を覆うように網を張ってある。 いつまでも逃げ続けることはかなわないのだ。 いくらもしないうちに滞空能力の限界を迎えるれみりゃ。 「う゛ぁぁ~!う゛ぁぁ~!つかれたどぅぅぅぅ~!!」 「はやくおりてきてしょうぶしようね!!ゆっくりまってるよ!!」 泣き叫びながら懸命に翼を動かすれみりゃ。ヒャァ!たまんねぇ!これが見たくて三日も仕事休んだ甲斐があったぜ! 「や゛だどぅ!や゛た゛どぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!」 だんだん高度が落ちてくる…あ、落ちた。すかさず突進するゆうぎ。 「もうやだどぅぅぅぅーーー!!!たずげでじゃぐやぁぁ~!!!!!」 「ゆっくりぃぃぃぃぃ!!!!!」 ゆうぎの勝ち鬨が、庭に響いたのだった。 おしまい。 □ ■ □ ■ このお兄さんは虐待にも飽きてしまった”観察”お兄さんです。 あまり自分では手を下さず、勝手に面白行動を取るゆっくりを眺めて楽しむ的な。 俺も庭にゆっくり飼って隠棲したいよ… 読了ありがとうございました。 今までに書いたSSです。よかったらどうぞ 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 れみりゃ拘束虐待 無尽庭園 ゆっくりできない夜 ゆっくりぴこぴこ 何かがいる 踊り師とれみりゃ 小ネタ-瓶ゆっくり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/640.html
その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/227.html
200X年、幻想郷は餡子の波に包まれ……てはいなかった。 れいむは裂かれ、まりさは叩き潰され、あらゆるゆっくりは絶滅したかに見えた。 ――――だがしかし、ゆっくりは絶滅していなかった! 新世紀救餡主伝説 饅頭の拳 ※以上まであんまり関係無いです。 ゆっくりは労働力として使え得るのか。 多くのお兄さんとおじさんとえーりんが挑戦し、夢破れていったこの命題を解決すべく、 金とヒマを持て余したおじさんこと俺が、尊敬する聖帝様とジャコウ様とスター☆リンを範として 「ゆっくりコルホーズ」を開設したのは確か昨年の春のことだったか。 以来このゆっくりコルホーズ略してゆルホーズでは、数多くの野菜が生産され、 それ以上に無数のゆっくりの屍を積み上げてきたのである。 自由の有難みも知らず、ひびゆっくりと称し堕落した生活を送っている饅頭どもに、労働の素晴らしさを伝えるべく、 ここでは日々早朝から夕方まで、遅いときは夜を徹して徹底的に革命的労働をさせてやるのである。 一年間立派に務めあげたゆっくりには野菜を持たせて森へと帰してやり、そうでないゆっくりはまた一年間畑の世話をする作業を繰り返させてやるのである。 無論後者か途中リタイアしかいないが。 働いている間の賃金は少量の食事と俺からの無償の愛である。愛ならば仕方ないな。 しかしただ働けと言ってこのド饅頭どもが働くはずもない。 酷いときには野菜を食い荒らした後、開き直って、 「ゆゆ! ここはれいむのゆっくりプレイスだよ! ゆっくり出来ないおじさんは出て行ってね!」 などとのたまうありさまである。 このテのを一々口答えするたびに潰していてはキリが無いため、このおゆうぎもロクに出来ない 饅頭どもに、何とか農耕というものを仕込んでやる必要があった。 そこで思いついたのが、「奴隷農耕法」であった。何も一から十まで仕込んでやる必要は無い。 農法を学ぶ自由などこの駄饅頭どもには必要ない。必要な時必要に併せて、やり方を指示し、出来ないのならば仕置きしてやれば良いだけのことである。 そうやって体に直接刻みつけることで、脳?ではなく体?に覚えさせて、日々従順でロボットのような饅頭が作り上げられていくという算段である。 しかし広い農場中のたくさんのゆっくりを、人間が指導管理するというのは如何にも面倒くさい。 労働の省力化という観点からみればマイナスである。 そこで俺はゆっくりのことはゆっくりに任せれば良いという判断を下した。 ここで目を付けたのは、ゆっくりをあっさり殺してしまう、我慢弱いゆっくりれみりゃやゆっくりふらんのような捕食種では無く、 ましてや労働力と同じ種のゆっくりれいむやゆっくりまりさでは無かった。 「ゆゆゆゆゆ……づがれだああああ! ゆっぐりでぎないいいいいい!!」 一匹のゆっくりありすが、地面から生えた雑草を引き抜く仕事を放棄して、ごろんとその場に転がった。 周囲のゆっくり達はその姿を見て何か言いかけるが、すぐに黙々と土に向かい自らの作業に戻った。 起き上ったゆっくりありすは、「ゆっくりしていってね!」と叫ぶが、誰もかまってくれないのを認めると、ぷっくりと膨れ上がって怒り始めた。 「とかい派のありすを無視するなんて、みんないなかものね!」 そう言うと自分の持ち場から離れ、ゆっくりありすはゆっくりまりさの元へと近付いていく。 「まりさー! いっしょにすっきりしよー!!」 「ゆ? ありす。仕事は終わったの?」 「とかい派のありすはこんなやばんな仕事なんてしないのよ! それよりゆっぐりじようよまりざー!」 ありすはまりさへと飛びかかると、自らの頬を押し付けてずりずりと頬ずりを始めた。 「ゆぎゅうぼっ!! やめで! やめでね! お仕事をざぼったら“れんたいせきにん”で ゆっぐりできなんぼおおおおおおお!!!」 「ひがえめなどごろもがわいいよまりざぁああああああああ!!!」 「いやああああああ!! おじおぎはいやあああああああああ!!!」 「はぁはぁ! わだぢがおじおぎじてあげるよまりざあああああああああ!!!」 ありすの頬ずりは勢いを増し、火も付かんばかりである。その様を見ていた他のゆっくり達は、何かに気付いたような素振りをすると、草むしりの仕事を再開した。 無論交尾に熱中するありすとそれに襲われるまりさは気付かないが。 絶頂に達しようとするありすは、まりさに己のリビドーの猛りをぶちまけようと更に体を震わす。 「まりざ! ずっぎりずるよ! わだぢのあいをうげどめでええええ!!!」 「はなじでええ! しごどにもどおっいでえええええええeぷぎゃぁっ!!!」 急に頬の感覚を失ったありすは、目を閉じたまま目の前にいる筈のまりさに叫んだ。 「どぼじでわだぢのあいをうげどめでぐれないのおお!!? ずっぎりざぜでよおお!!!」 しかし答えは無い。いぶかしむありすが目を開けると、そこにはまりさの姿は無かった。 その姿を探して左右を見渡し、そして背後を振り返った。 「ゆゆゆ! まりさ、ここにいたんだねー! いっしょにすっきりしよー!!」 その声に答えるかのように、まりさの体が一瞬浮き上がり振り向いた。 まりさは、割れた額から餡子を垂れ流していた。 「ゆ゛ぅ゛うぅうううう!!? ま、まりざあああああああああ!!??」 「ずっぐぃり、ぢだ、げっがが、これだぼぉ……」 だらだら餡子を流しながら、その場に崩れ落ちるまりさ。 そしてその背後には、まりさをありすの方へと振り向かせたゆっくりが佇んでいた。 その姿を認めたありすは、抑えきれない劣情を発散すべくそのゆっくりへと飛びかかった。 「ゆ、この際だれでもいいからすっきりさせtゆぎゃあっ!!?」 飛びかかったありすは足で踏みつけられ、その顔が地面に押し付けられる。 さきほどちらりと見えた姿から、そのゆっくりの正体がありすにもわかってきた。 青紫色の髪の毛にカチューシャを付け、青い瞳でありすを見下すこのゆっくり種こそ、 ゆっくりさくやであり、しかもメイド服な胴体付きというレアなゆっくりであった。 ありすを踏みつけたまま、さくやはゆっくりにしては「ひんやりー♪」な目を更に冷たく光らせると、ありすに向かって口を開いた。 「おいあなた、仕事はどうしましゅたの?」 「ありすはとかい派だからあんな泥臭い仕事には耐えられないよ! それよりも、いっしょにずっぎりっあびばっ!!?」 ぐに、とありすを踏み付ける足は力を増し、ありすの頭頂部に食い込んでいく。 「もういちどだけチャンスをあげましょう。 あなたのおしごとをいってみろ」 「わ、わだぢはただすっきりじだがっだだけなのにぃいいい!!」 「そう……」 呟くと、さくやはゆっくりと足をありすの頭部から引き抜いた。ありすは許してもらえたのか、と思い、へらへらと笑いながら顔を上げた。 「とかい派のありすをけがしたんだから責任とってもらわないと……ね?」 調子に乗ったありすの顔に、驚愕、そして恐怖の色が浮かぶ。 ゆっくりさくやが右手を高々と掲げて、振り下ろした。 「わたしはサボリ魔がだいきれぇなんだ」 先ほどすっきりしようとしたありすと、そのありすに襲われたまりさ。 更に畑の同じ区域で働いていた、ゆっくりれいむとゆっくりぱちゅりーが、額の傷口から餡子を流すまりさと並ばされ、 さくやが手からぶら下げたありすへの“せいさい”を見せられようとしていた。 ありすは顔中をぼこぼこにされた上、大切な髪飾りを投げ捨てられしまった。 髪の毛を掴まれ持ち上げられているありすは、最早抵抗する気力もなくぶらぶらと揺れている。 「れいむ」 「ゆっ、……はい!」 さくやに声をかけられたれいむは、怯えた表情でさくやに答えた。 「なんでありすとまりさの交尾を止めなかったの?」 「ゆゆ、れいむは真面目に働いていtひでぶっ!」 れいむの言葉が終らないうちにさくやの蹴りが飛び、れいむの顔面に痕を残す。 「だれがおまえのことを聞いたの? どうして止めなかったっていってるの」 「ごめんなざいいい!! ありすにれいぷされそうだったからいやだったんですううう!!!」 「そう」 げし、とれいむを蹴り飛ばすと、次にさくやはぱちゅりーに向き直った。 「あなたは」 「む、むきゅー、ぱちゅりーは体が弱いから何も出来なiぱちゅりりりりーっ!!!」 右頬を張り飛ばされ、体の弱さから中身が偏ったのか、ゆちゅりーはその場に崩れ落ちた。 「石でもなんでもなげて止めなさい。 次まりさ」 しかしまりさは答えを返さず、「ゆ、ゆ、ゆ」と息をするだけである。 さくやが無言で蹴飛ばすと、まりさはぶぴゅると額から餡子を噴き出して、そのまま動かなくなった。 しばらくしてれいむとぱちゅりーが何とか起き上がると、さくやは二人の前にぼこぼこになったありすの顔を突き付けた。 ありすは二人の顔を認めると、ゆっくり何とか口を開いた。 「ゆ、ゆ、ゅ、ゆっくり、たすけ、て、」 「ゆ! ゆっくり仕事も出来ないありすが悪いんだよ!」 「むきゅー! そのままゆっくりしねばいいのよ!」 「どぼじで、ぞんな、ご、ど、いぅのぉ?」 ぐい、と持ち上げられたありすは、髪を引っ張られる痛みに少し呻くが、最早大声を出すことも出来ない。 畑じゅうのゆっくりに見えるように、さくやが高々とありすを吊り上げる。 他のゆっくり達も、なんだなんだとその姿を見ようと近付いてくる。 その姿を見たゆっくり達は悲鳴を上げようとするが、そうすればさくやにお仕置きされることがわかっているので、誰もが口を噤んだままである。 「みなさん! このゆっくりありすはあろうことか仕事中にすっきりしようとするはんかくめいてきな とろつきすとです! これからこのはんどうてきなありすのしょけいをおこないましゅ!!」 「「「「「「ゆゆゆ!!」」」」」」 さくやの言ってることは本人含め誰もわからないが、しかし「しょけい」の意味は何となくわかる。 ゆっくりさくやは、ポケットからプラスチック製の使い捨てナイフを取り出すと、ありすの額に先端を押し付けた。 「さいごに言いたいことはありましゅか?」 「ゆゆゆゅゅゅ、もっと、ゅっくり、ぢだがっだよおおおぉぉぉぉ…………」 「そう、はんせいしていればいかしてあげるつもりだったのにね」 そう言うとさくやはぶすり、と額にナイフを突き刺した。 「ゆぎぃッ!?」 「さぁ、なんぼんめにしぬかなぁ~?」 ざく、ざくとナイフは北斗七星の形をなぞるように、ありすの顔面を蹂躙する。 傷口からカスタードクリームを流すことで、ゆっくりありすの形状が崩れていく。 「もぅ、もうやめでぐだざいっ! ごめんなざいっ!! ごめんなざ、いっ!!!」 余りの痛みにありすは最後の力を振り絞って叫び身を捩るが、何もかもが遅かった。 「しねぇッ!!!」 「ずっぎりいいいいいいいいいうわらばっ!!!!」 ぶぴゅっ、と七つ目の傷から盛大にクリームを噴き出すと、ありすは皮だけになって動かなくなった。 それを投げ捨てると、さくやは居並ぶゆっくりに向かって声をかけた。 「なにをさぼっているのおまえたち!」 「ゆゆ! れーむはさぼってなんかいないよ!」 「ゆ、いそいではたらくよ!」 「れーにんのいってることはわかるーわかるよー」 「ちんぽー!!」 「むきゅー! 」 「くちごたえするまえに働けー! こころをこめて畑のおせわをしろーっ!」 「おぜうさまのために野菜をつくれーっ!!!」 その夕、ゆルホーズのゆっくり達を小屋に追い込んで閉じ込めたゆっくりさくやは、籠一杯の野菜を持って、俺の元まで来た。 「おやさいをおもちしました!」 「よし、そこに置け」 縁側に座っていた俺の隣に野菜を載せた籠が置かれた。 今日収穫されたキュウリとナスを、ゆっくり検分すると一本のキュウリに歯型が残っていた。 「おいさくや、これは何だ?」 「う! それはれいむの歯型です! あとでシメておきますのでどうkえひゃっ!」 「口答えするなタコ」 俺がチョップした頭を押さえ、口から少しわらびもちを吐きながらゆっくりさくやがその場に蹲った。 「どーしよーかなー、これいっぽんでどんだけそんがいがはっせいするのかなー? ……今日はれみりゃ無しね」 「そんなせっしょうな! どぼが、どぼがおぜうさまのおせわをさせてくだざいいいいい!!!」 だらだら目からわらびもちの涙を流しながら、さくやは俺の足にすがりついてくる。うぜぇ。 「あー、わかったわかった。ただし今日はプリンは無しね」 「でも」 「デモもストもあるか。きゅうり一本でどんだけプリンが買えると思ってんだ」 無論きゅうり一本でプリンなんぞ買えんのだが、さくやはそのまま黙ってしまった。 中途半端に頭が良いって損するからヤだねー。 もう日も沈んだ頃に、さくやを連れて家の物置の隣の小屋に行き、そのカギのかかった扉を開けた。 コンクリート打ちっぱなしの、ボロボロの毛布とぬいぐるみの転がった部屋。 その毛布に包まっていたゆっくりれみりゃが、目をこすりながら起き上った。 「うー、おはようだどぉー☆ 」 「はい! おぜうさま! おはようございましゅ!!」 転がるように部屋に入ると、ゆっくりさくやはれみりゃの世話をはじめた。 確認すると、俺は扉を閉じカギを閉めて、家へと戻った。 今日はさくやに冷蔵庫に詰まった、タダで貰った賞味期限切れのプリンを持たせていないから、 れみりゃはすぐに機嫌を損ねるに違いないが、よくもまああんな脳に蛆の沸いたような肉まんの世話を出来るものである。 俺なら「ぷっでぃーん!」とか叫んだ時点で潰してしまうが、これが種のサガってヤツだろうか。 翌日ゆルホーズを覗くと、さくやがいつもより多くゆっくりをいじめていた。 どうやられみりゃの機嫌の損ねるという俺の予想は当たっていたらしい。 「きさまらー! こころをこめてたがやさんかーっ!!」 「ゆっくり働いた結果がこれだよ!」 テーレッテー ゆルホーズから次々に収穫される野菜の数々ぅ! しかし、れみりゃのためと思い働くさくやの知らぬ間にィ! ア! れみりゃの加工所行きと新しいれみりゃ購入が決定していたのだぁ! 次回ィ、饅頭の拳! 「わたしは妹様ふらん! れいむもれみりゃも許さない!」 さくや「お前はもうただの餡子の塊に過ぎん」 ゆっくり書いた結果がこれだよ! ゆっくり十八番~ノンフライ~氏の「ゆっくり咲夜」を見て想像を膨らませた後、北斗談義してたらこんなのが思いついた。 このおじさんはジャコウみたいな卑劣なおじさんですが、どうせゆっくりさくやのゆっくり脳じゃ自分のおぜうさまが一定期間ごとに出荷されて、 その代わり新しい小さいおぜうさまが来ても気づかないので、本饅頭達は割と幸せだと思います。多分。 「汚物は消毒だ~!」とか「君たちは大事な労働力なんだ」とかも使えるね! このSSに感想を付ける