約 592,757 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2717.html
山の食料が足らず、里に下りてきたゆっくりまりさとゆっくりれいむが人間にとっ捕まり、晒し者にされていた。 博麗神社の素敵な巫女、博麗霊夢が捕り物の応援に駆けつけ、この減らず口だけは一人前のカスどもを率先して拷問、もとい虐待した。 手加減はされているものの、手酷く殴られたために痣に塗れ、口からは少量とはいえ餡を吐き、中を傷つけぬようしかも歪に皮を剥がれ、挙句に目を刳り貫かれて完全に盲にされてしまった。髪飾りは仲間が認識できるよう残されていたが、どう見ても原型が留められていない。 余りの激痛に耐えられず、金切り声を上げていた口も、歯を麻酔なしで全て抜かれた挙句、舌まで抜かれ、しまいに不要だろうと言わんばかりに縫い付けられてしまっていた。 そして田んぼの中の案山子を掛けていた棒に2匹は吊るし上げられ、将に鳥の餌にならんとする一歩手前であった。 村の衆は一応あの2匹から聴取できているため、もはや生かしておく必要はなかった。だが、霊夢のたっての希望であの醜い不快なる化物を晒し上げ、仲間に見せつけることとなったためだ。 さて、親の帰りが遅く迎えに来た子ゆっくりれいむはこの風景を見て余りのことに失禁してしまった。 すぐに助けようとしたが、運命のいたずらか、ゆっくりの跳躍力で届くはずのない位置に2匹はいた。そして幾ら飛びついても届かぬことにジレンマを感じつつ、それでも諦めない。しがない餡子脳は己の限界に気づかない。否、気づけない。そして別の解決手段も生み出さない。生み出せない。 そのうち夜が更け、疲れ果てたれいむは安全な場所に隠れいつしか眠りこけた。 夜半時、バサバサという音と声に鳴らぬ断末魔がしじまに飲み込まれていった。 朝方、目を覚ましたゆっくりれいむはあの2匹がくくりつけられていた棒に居ないことに気がついた。 きっとにげだせたにちがいない。そう思って、ゆっくりしていってねと喜びの声を上げる。だが当然そこには誰もいない。 隠れん坊しているんだと単純な餡子脳で判断し、そこら辺を跳び回っていた。 「どぼじてみづがらなびのおおおおおおお??????!!!!!!」 昼になっても見つけることができず、空腹と苛立ちが交錯し、絶望の悲鳴を上げる。 当たり前だ。棒の根元をよく見るとまりさの帽子とれいむの髪飾りが落ちていることに気がつく筈。だが所詮はゆっくり。そこまで知恵は回らん。 余りの空腹に耐えかね捜索を諦め、目についた母屋の方へ向かう。だがそこが地獄の一丁目だとは露も知らぬ哀れな饅頭であった。 軒先にぴょんと上がり、中に誰も居ないことを認め、嬉しそうに入っていく。窓が不自然に開いていることを不審とも思わず、純真なことである。 さて思い通りに事が進み、それなりに食料があることがわかるといつものように、 「ゆゆっ!!ここはれいむのゆっくりプレイスだね。ゆっくりしていくよ!!!」 とほざきよる。 勿論賢いものなら、開城の計であることがわかる筈。勿論真に罠も仕掛けられているという点で本家とは異なるが。 早速に餌を漁るゆっくりれいむ。食事には毒は入っておらず、大好きな甘い菓子類ばかりであった。 「あまあまおいしい!しあわせ」 次から次へと手をつける。疲れた体と本来の旺盛なる食欲がそれを増長する。 「むうしゃ!むうしゃ!しあわせ!!」 だが生物の最も大きい隙というのは食事時と睡眠時にある。 れいむは食事に夢中で背後の人影に気づかず、なお食い続ける。 蓋し、こんなことばかりやっているから、余程賢い群れでない限り、冬を越せないのだと霊夢は忍び足で近づきながら考える。 そして見事ゆっくりれいむは霊夢の手で捕獲されるに至った。 しかし、ゆっくりれいむは何もわかっていない。 にへら顔で 「おねえさん!ゆっくりしていってねええええええ!!!!」 菓子を補給できたため満腹感と元々の尊大さが手伝って、いつも以上に無防備である。 この鬼巫女の恐ろしさがイマイチ理解できていない。望むべくもないが。 さて、悪意たっぷりの優しい笑顔で霊夢は 「ゆっくりしていくね」 と返す。 にぱあと笑うゆっくり。霊夢の嗜虐心が鎌首を擡げる笑顔だ。 どうやって料理してあげようかしら、とどす黒く渦巻く巫女の心。 取り敢えず頬を引っ張ってみる。よく伸びるものね、もう少し強くしてみようかしら。 霊夢は先程より強く引っ張る。すると、 「びだっだだだだだだ!!!!びだいいいいいいい!!!!」 まるでこの世のものとは思えぬ醜い面で悲鳴を上げるれいむ。 眼球が飛び出んばかりに瞼がかっと見開き、舌を突き出している。まるで漫画だ。 「あら、ごめんね。ちょっとやりすぎたみたい」 何の悪びれもなくサラっと言う。さすが鬼巫女。スキマの嫁。 「れいむをいじめるおねえさんとゆっくりできないね!!ゆっくりしね!!」 定型文句を吐き罵るが、霊夢は屈するはずがない。 「あんた、自分の立場わかってんの?ここはあんたのうちじゃないの。」 「れいむがはじめにみつけたからここはれいむのゆっくりプレイスだよ。おねえさんこそひとのおうちにかってにあがってきてなにをいうの。ばかなの?しぬの?」 地雷を踏んでしまった。怒らせてはならぬ人を怒らせるとどうなるかということが考えられぬゆっくりこそ死ぬべきである。 「そう、それじゃ身の程というものを嫌という程叩き込んであげる。」 「ゆっ?おねえさん、なにするの?どうしてれいむをおなべにいれようとするの?ゆっくりやめてね!!」 だが動き出した歯車を止めるには歯車を破壊するより術がない。非力のゆっくりには霊夢は倒せない。如何なる妖怪をも屈して来た巫女に敵う筈がない。 「ゆっゆゆゆううううううううううううううううう!!!」 なんということか。霊夢は火にかけた油にゆっくりの足をつけた。しかもゆっくりちょっとずつ。 「でいぶのあんよがあああああああああああ!!!!」 薄汚い饅頭がさらに薄汚くなっている。自分の足と称するものが揚げ饅になったのがそんなに苦痛なのか。そもそも人間はゆっくりをまともに相手することが苦痛であるのだが。 涙と鼻水と餡でぐしょぐしょになるれいむ。霊夢の責苦は続く。 「あんたはさっきいい思いできたでしょう?甘いものたくさん食べられて。今度は私がいい思いさせてもらわよ。」 「ゆっ?な、なにいっているのおねえさん。ばかじゃないの。しぬのおおおおおおおおおおお!!!!!いだいいだい、ごめんなじゃあああああああああいいい」 言いたいことはそれだけかと言わんばかりに齧る。歯型がくっきりと残る傷口。良質の甘いものを過剰摂取したため皮と餡が肥大化していて大変お得である。容量があってなかなか楽しく虐め殺せそうね。 たとえ子ゆっくりであってもまともに躾けられていない場合は、下種同然である。 霊夢の体罰は恐ろしかった。親と同等、否それ以上に激しく責め立てる。さすがはスキマの嫁。だが今回は目を残し、口も元のままに置いていた。そして何のためか浣腸や肛門拡張等に重点を置いていた。 その答えは近いうちにわかった。村の衆にも手伝ってもらい、レイパーありすが集められた。そして傷つき息も絶え絶えの状態に、外道が襲いかかる。 「でいぶううううう!!!!かわいいいいよおおおおおお!!!!たっぶりがわいがっであげるううううううううう。」 「ゆうう、こないでね。ありすはゆっくりかえってねえええええええええ!!!!!!いやあああああああ、こないでええええ。ぐえええええ、ぎじょぐわるいいいいいいいいいいいいい!!!!おねさああああん、だずげでえええええええええ!!!!!」 おお、凄惨。凄惨。 おぞましいうえに気色悪いことこの上なし。 「いいんですか?あのゆっくり死んじゃいますよ。」 「大丈夫よ。あのゆっくりありすをすっきりさせるつもりも毛頭ないから。まあ見ててよ。」 顔が上気し、愈々達しようとするレイパー。れいむの状態は非常に筆舌しがたくなっている。口に出すと口が腐り落ちそうだ。そして我慢しきれなくなった別のありすもさらに興奮して襲いかかる。 「でいぶううううう!!とかいはのわたしのぺにぺにもいれてあげるよおおおおお!!!こっちのあなもつがわぜでねええええええええ!!!!うひょおおおおおおおぎもぢいいいいいいいい!!!!!」 「ぶぎゃああああああああ!!!!にほんはやめでえええええ!!!さげじゃうううううう」 「もがまんでぎないいいいい!!!ありすのまむまむにも」 だんだんカオスになっていく同種同士でもやり始めた段階で終わっている。 「そろそろいくからねええええ!!!!しっかりうけとめてねえええええええ!!!!」 「いやああああああああ!!!!ずっぎりいやああああああああ!!!!」 「ゆううううううっ、ひでぶ」 何たる外道。否、外道の中の外道。達する寸前で霊夢の拳がレイパーありすを叩き潰す。 間一髪で助かったと思いきや、霊夢が冷たく言い放つ。 「これで終わりじゃないわよ。あんたにはここにいるありす全員の相手してもらうんだから。」 まさに地獄。繰り返される強姦と殺戮。れいむが犯される度に、ありすも死ぬ。 「ごごじゃゆっぐりでぎないよおおおおおおお。おうぢにがえじでええええええ。おうぢがえりだいいいいいいいい」 泣き叫んでもここは鬼畜の巣。責苦は永遠に続く。 「どうもありがとうございました。いやあこのあたりのレイパーありすが減って大助かりです。飼いゆっくりの被害も少なくなりました。」 村の住人からお礼を言われる霊夢。 「いいのよ。私への報酬が約定通り頂けたら幾らでもお手伝いするから。」 「いや、しかし毒を以て毒を制す。ゆっくり対策にはゆっくりが一番ですな。」 「そうね。もっとうまい活用を考えておくわ。」 「ゆっくりしていってね...ゆっくりしていってね...ゆっくり...」 「霊夢さん、そいつ壊れちゃいましたね。」 「いいのよ。風呂焚きの燃料に使うから。」 そう言って霊夢は博麗神社に向かい、里を後にした。 あのゆっくりは今夜の風呂の薪になったと泊まりに来た紫が証言している。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/164.html
「ホホホホ....よくぞいらっしゃいました。さて今日はどんなご用件で?ああ?猟ゆっくりをご覧になりたいと承知しました。ではこちらへ」 私はある興味深い話を聞いて里にほど近い廃農場を改築してできたゆっくりの養成所に来ていた。 「ここ最近ゆっくりの駆除数は多くなってますが、ゆっくり全体で見れば統計上減るどころかむしろ増えてるのが現状です なにしろあれはゴキb・・・失礼雑草のようなものですからねホホホホ...それはともかく減らないのは駆除の仕方に問題があるからなのです。 臭いものは元から断つのが一番。巣を見つけてコロニーごと叩きつぶすのが最も効果的と言うわけですなホホホホ.... しかし人間では隠れたゆっくりの巣を見つけるのは難しい。そこでわたくしめはゆっくりにやらせてみればと思いついたのです つまりはコペルニクス的思考転換と・・・オホン、まぁ毒を以て毒を制すと言う訳ですな」 歩きながらの男の説明終わったあたりでガラスの向こうに厩舎らしき場所にいくつもの鉄柵の囲いがいくつもある場所にきた 「ここは未来の生まれたばかりの猟ゆっくりの卵たちを育てる場所でございます。猟ゆっくりというのは若いうちから育てないといけません。 ま、当然ですな…躯が大きくなると態度も大きくなって育てるのも難しいですからなホホホホ....」 一つ囲いの中には大体5~6匹のちびゆっくり達が居る。まだビー玉大から野球ボール程の大きさの様々の子ゆっくりが飼育されている 「ゆっ!」 「ゆ~ゆゆ~♪」 まだまだ子供なのでどれも元気に跳ねまわったり、歌ったり、仲間同士で追いかけっこっしたり藁の上で飛び跳ねたりして遊んでいる。 「猟ゆっくりと言うのは全てのゆっくりがなれるものでは有りません。ここは適性があるかどうかを調べる場でもあるのです。おや… そろそろ時間の様ですな」 案内をしている男がそう言うと厩舎内のベルが鳴り始めた。すると周囲のゆっくり達が急に騒ぎ始めゆっくり達の大合唱が始まった 「ゆ!ゴハン~!」 「おなかしゅいたよ!はやくれいむにごはんをちょうだいね!」 白衣を着た男達がバケツを抱えてやってきた。男たちは囲いの前に立つと餌をエサ入れに流し込む。よく観察してみると小さいゆっくりの 囲いには大量の餌を入れているが、比較的育っている子ゆっくりの方にはその半分かそれ以下しか入れていない。明らかに囲いの中の ゆっくり達の十分の量なエサではない。どういう訳か尋ねてみる 「ホホホ...よくぞお気づきになられました。これも適性を図るプロセスの一つなのです。まぁこちらをご覧ください」 私は案内役に促され今白衣の男が給餌している一つの囲いを覗く。中では3匹の子ゆっくりれいむと2匹のゆっくりまりさ達がエサ台の前に集まっていた。 「ゆ!きょうはきのうよりごはんがすくないよ!おじさんごはんもっとちょうだい!」 一匹の子れいむが声を上げる。しかし白衣の男は次の囲いの給餌に行って既に居ない 5匹はゆーゆーと不満の声を上げていたが 「だいじょうぶだよ。わければみんなたべれるよ」 と5匹の中で2番目に大きいれいむが提案する 「みんなでいっちょでたべればおいちいよ!」 「そうだね!」 と嬉しそうに飛び跳ねながら口々に声を上げる3匹のれいむとまりさ 「そんなのぜったいやだよ!おっきなまりさはわけたらまんぞくできないよ。」 一番大きいまりさが異を唱えた 「ねんちょうしゃのいうことはぜったいだよ!」 それに3番目に大きいれいむが一番大きいまりさの横で援護する。こいつはどうも一番大きい奴の側らしい 「でもみんなでわけないとゆっくりできないよ!」 「そうだよ!」 口ぐちと非難をあげる3匹 「ちっちゃいくせなまいきだよ!まりさをうやまわないれいむはしね!」 そう言うとガキ大将は他の3匹を跳ね飛ばす。 「ゆぎゃっ!」 「い゛た゛い゛よぉぉぉ!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅ」 3匹と言えど体格差ではまりさには足元に及ばず成す術もない 「おねえちゃんのいうこときけないけっかがそれだよ!」 と言ってガキ大将の側についてた腰ぎんちゃくのれいむが跳ね飛ばされて動けないゆっくり達の傍で芥悪態を付く 結局餌はガキ大将まりさが総取りし、そのおこぼれを腰ぎんちゃくのれいむが食べていた 「ハフッハフッ!めっちゃうめ!」 「しあわせ~♪」 「おなかすいたよぉ~…」 「ずるいよぉ~…」 「ゅぅ…」 残る3匹はおこぼれすら貰えずその様子を見て愚痴ることしかできなかった。しかし空腹に耐えられず敷いてある稲藁を力なく 食み始めた 「さてお客様ここで一つクイズです。この5匹の中猟ゆっくりの適性があるのはどれだと思いますか?」 私はおそらく一番大きいゆっくりまりさでないかと答えた 「なるほど…ホホホ、それでは選別を行いますのでしばしお待ちください」 案内役はジェスチャーで指示を出すと、一人の白衣の男が今みていたゆっくり達の囲いにやってきた。 「ゆ?おじさんこんどはでざーと?はやくだしてね!」 ガキ大将まりさは開口一番生意気な口を叩く。白衣の男は何かを取り出す 「じらさないでまりさのためにはやくちょうだいね!」 白衣の男は表情一つ変えず何かをまりさの口に素早く突き出す そばで大きな口を開けて餌をねだる口には餌の代わりに尖った鋭い棒が刺さる 「げぶぁッ!」 後頭部に突如風穴を開けられるガキ大将まりさ 「どぉぼでぃでぇぎょんぼどずるのぉ...」 ガキ大将まりさにさした棒を引き抜き何度も突くのが繰り返される 「ゆ゛…ふ゛り…たか…よ」 何かを言い残し息絶えるガキ大将まりさ 「ざまぁだね!」 「いじわるなまりさしんでね!」 それを見たガキ大将に跳ね飛ばされてた3匹のゆっくりは嬉々として飛び跳ねる 「ホホホホ....お客様残念ですが不正解です。あのゆっくりまりさは体格や強さなどは申し分ありませんが、猟ゆっくりに求められるのは、 他の猟ゆっくりとの協調性と主人への忠誠心。 ゆっくり狩りというのはゆっくりの集団を追い込み仕留めるのを目的しております。 単独では難しいので普通はチームを組むのが基本です、お山の大将など必要ありません。強さなどは二の次…そんなものは訓練次第でどうでもなります。無論同族食いする様なのはNGですぞ。例えば10匹の群れを追うのに1匹に食いついて9匹を逃すようなのを猟ゆっくりとは言えませんからねホホホホ....。 それと人を小馬鹿にするようなことを堂々と言うゆっくりが主人の言う事など聞くはずありませんからねぇ。当然ダメ おっと何時までもここで時間を取ってたら昼になってしまいますな。それでは次に参りましょう、ホホホホ....」 案内役は私を次の部屋へ案内する。次は猟ゆっくりに選ばれた奴らが野生のゆっくりの巣の追跡や集団を追い込む 訓練が見れるらしい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/626.html
「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」 もはや幻想郷の名物と化したその言葉を聞いた刹那、俺は目の前に居た“それら”のうち小さい奴を一つだけ乱暴に掴み、 力任せに玄関の戸を開けると、勢いよく外へと飛び出してとっぷりと日も暮れて闇の色に染まってゆく秋の空を仰いだ。 「いちゃいよ!やめちぇ!ゆっきゅりやめちぇね!?」 「ゆーっ!おにーさん、れいむのかわいいあかちゃんになにするの!?」 「やめるんだぜ!あかちゃんがいたがってるんだぜ!」 「「「「ゆっきゅりやめちぇね!」」」」 俺の手の中で喚いているのは先ほど掴んだもの・・・俗に“ゆっくり”と呼ばれる生首型餡子生命体の赤ちゃんだ。 そして、俺を追いかけて外に飛び出してきたその赤ちゃんの親や姉妹もまた空気を口内に溜めてぷくぅっと膨らんだ姿で足元で喚き散らしている。 が、俺はそいつらの言葉に耳を貸すことなくおもむろに振りかぶると、手の中の赤れいむを家の屋根めがけて放り投げた。 「そぉい!!」 「わーい、おしょらをとんでりゅみちゃーい!」 放物線を描く軌道で放り投げられた赤れいむは満面の笑みを浮かべて浮遊感を楽しんでいる。 その表情からは落下時のことを考えているとは到底思えず、ただ今現在の浮遊感と疾走感に酔いしれるばかり。 しかも本人どころか足元の両親でさえも「れいむも!れいむもおそらをゆっくりとばせてね!」などと言っている。 どうやらこいつらには屋根に激突した赤れいむが「ゆぇーん!ゆえーん!」と泣いているのは全く聞こえていないらしい。 「よし、じゃあ・・・まずは赤ちゃん達からだ」 「わぁい!おにーしゃん、れいみゅからなげちぇね!」 「ゆゆっ!まりちゃがしゃきだよ!」 「じゅるいよ!れいみゅもはやきゅおしょらをとびちゃいよ!」 俺の言葉をきっかけに赤ゆっくり達は我先にと元気いっぱいに自己主張し、やがて順番をめぐって喧嘩を始めてしまった。 喧嘩から真っ先に脱落したのはれいむ種の2匹で、勝ち残ったまりさ種の2匹は一番最初にお空を飛ぶ権利をめぐってまだ争っている。 が、いちいち順番が決まるのを待つのも億劫なので、俺はさっさと喧嘩の疲れを癒すために頬を寄せ合っている赤れいむの片割れを掴むと、 さっきと同じように振りかぶり、きっちりと屋根に乗るように加減して赤れいむを放り投げた。 「れいみゅおしょらをとんでりゅよ~!」 「「ゆゆっ!れいみゅ、じゅるいよ!」」 「ちゅぎはれいみゅだよ!」 さっき投げた赤れいむが屋根に着地する前に、足元に居たもう一匹の赤れいむを掴むと再び勢い良く放り投げる。 すると、後に放り投げられた赤れいむは不運にも前の赤れいむが着地する際に顔面から落下して痛い目に遭うのを空中で目の当たりにしてしまった。 「ゆえーん!いぢゃいよおおおお!」 「ゆゆっ!いちゃいのはやだよ!?」 しかし、れみりゃのように空を飛べるわけでもない赤れいむが空中で方向転換することなんて当然ながら不可能。 先に飛んだ2匹の赤れいむが「ゆっぐ・・・ゆぐぅ・・・」などと泣きじゃくるのを見ながら、自分の身に起きることを想像して恐怖におののくことしか出来ない。 僅かな時間だが赤れいむ自身にとっては永遠とも思えるような長い時間引きつった表情のまま宙を舞った後、地球の物理法則に従って眼下に広がる屋根へと落下し、 目玉や餡子がはじけ飛びそうなほどの衝撃がありもしない鼻から後頭部へと突き抜け、じんじんと餡子内に響くような痛みを残していった。 「ゆぎゅん!!?」 想像を絶する痛みに赤れいむはしばし動くことはおろか、呻くことも出来ずにぴくぴくと小さな体を痙攣させる。 その傍らでは先に飛んだ赤れいむ2匹が痙攣している彼女を気遣う素振りも見せず、ただ口々に自分自身がどれだけ痛い目に遭ったのかを泣き声によって語っていた。 一方、最初の赤ゆっくりと違ってこちらから見える場所に落ちたためにそんなものを見せ付けられ、あるいは聞かされてしまってはたまったものじゃないのはまだ下にいる両親と2匹の赤まりさ。 特にさっきの喧嘩に勝って先に飛ぶことになってしまった赤まりさは既に俺の手の中にいて、何とか抜け出そうと必死にもがきながら何やら叫んでいる。 うざいので足元で我が子を助けるべき必死に体当たりを敢行している親ともども、その叫びを無視してさっさと放り投げる。 「ゆきゃああああああ!?おきゃーしゃん、たしゅけでええええええええ!!」 「でいぶのあがぢゃんがあああああああ!?」 「まりさああああああああ!?」 赤まりさは近所迷惑な助けを求める叫び声を撒き散らしながら弧を描いて屋根へと飛んでいくが、両親にそれを止める手立てはない。 それでも両親は天高く舞う我がからぽかん子を目で追いかけているが、そんなものは気休めにさえならないわけで。 やがて、べちゃ!っという若干汚らしい音を立てて赤まりさも屋根に激突した。 さっきの赤れいむ同様にしばらくは静かだったがやがて泣き始め、先に屋根に放り投げられた3匹と一緒に泣き声の四重奏を奏で始めた。 「あかぢゃんだちがあああああ!まりぢゃあああ!どほぢよ・・・・・・どほぢでにげるのおおおおおお!?」 「そろーり・・・そろーり・・・ゆっ!?」 「しょろーり・・・しょろーり・・・ゆゆっ!?」 どうやら人間相手に何も出来ないことを悟った親まりさと赤まりさは尻尾を巻いて逃げるつもりだったらしい。 その事実を目の当たりにした親れいむは「どうしてそんなことするのっ!」だの、「れいむのあかちゃんかわいくないのっ!」などと憤りを露わにしているが、 自力で助けることは不可能な上に、家屋侵入したゆっくりは愛でお兄さんも修繕費などを請求されたくないため助けてくれないので実際のところはまりさの判断が正しい。 とは言え、俺は人間であり、ゆっくりが生き延びるための手助けをする理由もないので・・・ 「そうか、まりさはゲスまりさなんだな。仲間を平気で見捨てるゲスはこの村では加工所に提供することになっているんだが、どうしようか?」 「ゆゆっ!かこうじょいやだよっ!!」 「まりちゃゆっくちちちゃいよ!!」 「だったらあかちゃんをゆっくりたすけてね!!」 う~ん、自分は何もせずにつがいに赤ちゃんを助けろと要求するれいむの方がよっぽどゲスのような気がする。 もっとも、そんなことを懇切丁寧に指摘する必要も義理も無いので、俺はさっさと親まりさを両手で掴むと、屋根めがけて放り投げた。 まりさは俺の手の中で「おにーさん、やめてね!ゆっくりやめてね!」と涙ながらに懇願し、赤まりさは「やめちぇね!おきゃーしゃんをなげにゃいでね!」と泣いていたが、 その傍らでれいむは「おにーさん、ゆっくりしないでさっさとなげてね!」とどこか嫌らしい笑みを浮かべながらふんぞり返っていた。 「ゆぎゅううううううううう!?」 「おきゃああああしゃああああん!?」 「おお、ぶさいくぶさいく・・・・・・ゆぅ?」 もちろん、言われるまでもなく放り投げてやると親まりさは赤ゆっくり達以上に必死の形相を作って絶叫しながら宙を舞う。 その様子をのん気に眺める間もなく俺は親れいむを両手で掴むと、続けざまにまりさと同じ投法で屋根めがけて思いっきり放り投げた。 どうやら自分は大丈夫だと思っていたらしい親れいむはぽかんと口を開いたどこか間抜けな表情を浮かべて首をかしげていたが、宙を舞う瞬間には親まりさと同じ表情になっていた。 「ゆうううううううううううう!?」 「おきゃああああしゃああああん!?」 その間にも親まりさは屋根へと落下し、そして激突すると体を(ゆっくりなりに)ピンっと伸ばしたような妙な姿勢で硬直し、その状態から身じろき一つしない。 気を失っているらしく、後頭部からは少量ながらも餡子が漏れ出している。彼女が意識を取り戻して「ゆぎぃいいい!いぢゃいいい!」などと泣き出したのは親れいむが屋根に激突した直後。 その上、健気にも自分が投げられたときには笑っていた親れいむをつがいとして気遣い、傍に寄り添って頬ずりをしながら「で、でいぶ・・・だいじょうぶ?」などと言っている。 見てみればそうやって寄り添う夫婦の周りに屋根に放り投げられた赤ゆっくり達が集まってその比較的大きな体に顔をうずめて泣いていた。 「ゆえーん、ゆえーん・・・」 ゆっくり一家の様子を眺めていた俺が足元を見るとその泣き声の主のまだ一匹だけ放り投げていないゆっくりまりさの赤ちゃんが、逃げようともせずに泣きじゃくっていた。 どこか哀れみを誘う光景ではあるが、ここは無慈悲に徹してさっさと赤まりさを掴むと、屋根の上のゆっくり家族の傍へと放り投げた。 宙を舞いながら「ゆきゃあああああああああ!」などと叫びつつ恐怖に満ちた表情を浮かべる赤まりさは、やがて親れいむの隣に落下した。 こうして、屋根の上のゆっくり一家のゆっくり出来ない日々が始まった。 1日目 「「「「おきゃーしゃん、おなかしゅいたよ!」」」」 昨日、男性の手によって屋根の上に放り投げられてから15時間以上が経過しており、この台詞も既に4回は口にしていた。 当然のことながら何度その言葉を口にしたところで食べ物は出てこないどころか、両親は食べ物を取りに行こうとする気配すら見せない。 「ゆっ!まりさ、れいむもおなかすいたよ!ゆっくりたべものをとってきてね!」 「ゆゆっ!?そんなのできないよ!」 親れいむも食べ物を取りに行こうとしない親まりさに抗議するが、彼女は一向に動こうとはしなかった。 「「「「ゆえーん、おなきゃしゅいたよおおおお!!」」」」 「あかちゃんたちがおなかすかせてるんだよ!どうしてたべものをとりにいかないの!?」 「こんなたかいとこからおちたらしんじゃうよ!」 今度は赤ちゃんを引き合いに出して親まりさに詰め寄る親れいむは目を少し吊り上げ、ぷくぅっと頬を膨らませている。 だが、どんな風に詰め寄られようと、どんなに泣きつかれようとゆうに4m以上の高さのある屋根の上から飛び降りればただではすまないし、 よしんば着地できても屋根の上に戻ることが出来ないため、結局何をどうやっても八方塞りにしかならないのだ。 しかし、お腹の空いた赤ちゃん達にはそんな事は理解出来ず、またパートナーのれいむは母性の強いれいむ種ゆえに泣きじゃくる我が子を前に冷静さを失っている。 そんな訳で傾斜のせいで非常に危険な屋根の上の、数少なく、なおかつ狭い平らな場所で親まりさは四面楚歌の状況にただひたすら耐えていた。 「「「「おかーしゃん、おにゃかしゅいたよー!」」」」 「ごめんね、あかちゃんたち。まりさがのろまなせいでたべものがないんだよ!」 「「ゆええええん、おにゃかしゅいたよおおおおお!」」 「「ゆっくちできにゃいよおおおおおお!」」 「ゆゆっ!そんなにいうなられいむがとりにいけばいいでしょ!なんでまりさだけのせいなの!?」 「れいむはあかちゃんといっしょにいなくちゃいけないんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 まりさの抗議に母れいむは悪びれる様子もなくそう言い返すと、赤ちゃん達に頬ずりをし始める。 「あかちゃんのせわならまりさもできるよ!」と反論するが、赤ちゃん達に一斉に「ゆっくちさしぇてくれにゃいおかーしゃんなんてきりゃいだよ!」と罵られ、 更に親れいむが「ほらね!まりさはごはんをあつめるしかできないんだよ!」と何か非常に不愉快な笑みを浮かべつつ赤ちゃんの言葉に便乗した。 もっとも、まりさが「ゆっくりさせてくれないもの」と認識されているのはれいむが上手いこと餌集めの役目を全てまりさに押し付けたからなのだが。 「どほぢでそんなごどいうのおおおおおお!?」 「いわれたくなかったらごはんをもってきてね!」 「だがらだがぐでむりなんだよおおおおおお!?」 「「「「おきゃーしゃんのばきゃあああああああああ!」」」」 もう何度目になるかもわからない集中砲火を前に、親まりさは涙目になるがどうしようもないのでさっきと同じように怒りが収まるまでただ耐え続ける。 が、さっきまでと違って赤ちゃんの空腹が限界近くに達していたらしく、容赦ない言葉の集中砲火は一向に止む気配を見せない。 「おきゃーしゃんのばきゃ!」 「きゅじゅ!」 「にょろま!」 「やきゅたたじょ!」 「ゆっくちできにゃいおきゃーしゃんにゃんてだいきりゃいだよ!」 「はやきゅおはんしゃがしにいっちぇね!」 「おはんをしゃがしゃないおきゃーしゃんなんておきゃーしゃんじゃないよ!」 「ゆっくちできにゃいよ!」 「「「「ゆっくちちたいよー!!」」」」 本来、赤ちゃんゆっくりにこんな語彙はないのだが、若干ゲス資質の高い母れいむが散々まりさを罵り倒した結果、こんな言葉を吐くようになってしまったのだ。 当の親れいむは体力の消耗を抑えるためにまりさを罵るのを赤ちゃん達に任せているらしく、「そうだよ!もっといってね!」などと言葉少なに赤ちゃん達をあおり続けている。 赤ちゃん達が疲れても、どれだけ涙ながらに「やめてい!」と言っても止むことのない罵詈雑言がどうしようもないほどに親まりさを傷つける。 やがて、その家族からの無慈悲な仕打ちに耐えかねた親まりさは・・・ 「もうやだ!おうちかえる!・・・・・・・・・ゆぎゅううううううう、ゆげえ!!?」 泣き叫びながら屋根の傾斜を滑り落ちるように飛び跳ね、4m以上も下にある地面へと落ちていった。 2日目 「「「「おきゃーしゃん・・・おにゃかしゅいたよおー・・・」」」」 泣きじゃくる体力もなくなった赤ちゃん達はそう呟き、親れいむにご飯を催促するが、屋根の上にいる以上餌を探しに行くことは不可能。 今まで屋根から落ちたっきり、恐らく潰れてしまったであろうまりさを悪役に仕立て上げて赤ちゃん達の気を紛らわせていたがそれももはや限界に来ていた。 何度か道を通りかかる人間に「れいむたちをゆっくりたすけてね!」と言ってみたものの、信じられないことに人間はこんなに可愛いれいむを平気で見捨てて行く。 そんな調子で何の打開策も見出せないまま、赤ちゃん達の体力はもはや相当危険なところまで来ていた。 「ゆゆっ!ゆっくりだまってね!れいむもおなかすてるんだよ!」 「ゆぅ~・・・おこらないでね、ゆっくちできにゃいよ・・・」 「ゆっくちちたいよ~・・・」 「おきゃーしゃん、ゆっくちしゃせてよ・・・」 「ゆぅ・・・もうひちょりにおきゃーしゃんのほうがゆっくちできちゃよ・・・」 口々に文句をたれる赤ゆっくり達の最後の一言で怒りが頂天に達したれいむはその場でどんどんと跳躍を繰り返す。 心の中は自分よりずっとグズで、のろまで、せっかく自分が見つけてきたおうちを人間に乗っ取られたあのまりさ以下と言われたことで煮えくり返っていた。 実際にはこのおうちは本来人間のものだし、れいむだって人間に敵わなかったのだがそんなことを冷静に内省するつもりは微塵もなく、その怒りを我が子にぶつけた。 「ごちゃごちゃうるさいよ!なにもかもまりさがわるいんだよ!」 「「「「ゆ、ゆっ!?」」」」 「なんなの!どうしてもんくばっかりいうの!?ここはたかいんだよ!おちたらしぬんだよ!ゆっくりできないんだよ!」 「おきゃーしゃん、きょうわいよ・・・」 「ゆっくちちてよ~・・・」 「ゆっくりできるわけないでしょ!おまえたちがいなければおおきなおうちをさがさなくてもよかったんだよ!」 「ゆぅ~・・・」 「おまえたちがうまれたからおおきなおうちをさがさなくちゃならなくなったんだよ!おまえたちのせいなんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「これじゃゆっくちできにゃいよ~・・・」 「あたりまえでしょ!あんなのろまのこどもにゆっくりするしかくなんてないよ!」 「どほぢでそんなこというのぉー!」 「おまえたちがぐずでのろまでゆっくりできないからだよ!」 「「「「ゆえーん・・・ゆえーん・・・」」」」 「なくのはやめてね!れいむがゆっくりできないよ!!」 怒りに我を忘れた母親に罵り倒らせ、悲しみのあまりに力なく泣く赤ゆっくり達。 しかし、今の親れいむには「あかちゃん、なかないでね!す~りす~り」などとやるような精神的余裕はない。 それどころか、何も出来ないくせに自分勝手なことを喚き散らす赤ゆっくり達が自分のゆっくりを妨げる害悪のようにさえ思える。 そして、親れいむは昨日はまりさに散々子どもを云々と言っていたことも忘れて、近くにいた赤まりさを踏み潰した。 「ゆきゅう!?・・・もっと、ゆっくちちちゃかっちゃよ・・・」 蚊の泣くような踏み潰された赤まりさの断末魔。 しかし、愛する母親に目の前で姉妹をつぶされた他の赤ちゃん達には耳元でダイナマイトを発破されたかのような轟音にも等しく、 あっという間に踏み潰された赤まりさの恐怖と絶望が他の赤ちゃん達にも伝染した。 「おきゃーしゃん、なにしてりゅるのおおおおお!!」 「れいみゅのいもうちょがあああああああああああ!!」 「ゆっくちできにゃいよおおおおおお!」 赤ちゃん達は目の前の死の脅威に空腹も忘れて泣きじゃくるが、親れいむはそんな彼女たちをぎろりと睨みつけ、こう一喝した。 「うるさいよ!ゆっくりできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「きょわいよおおおおおおお!?」 「ま、まりしゃ、あぶにゃ・・・!?」 「まりしゃあああああああああ!!」 母親への恐怖が我慢の限界に達したのは目の前で同じ姿の姉妹を潰された赤まりさ。 ただ、目の前のゆっくり出来ないものから逃げ出したい一心で彼女は平坦場所から飛び出し、躓いて転倒すると、 饅頭ゆえの丸い体で屋根の傾斜をごろんごろんとゆっくり転げ落ちていき、昨日親まりさが消えていった屋根の下へと落ちていった。 「ゆゆっ?!ま、まりさがおちちゃったよ!?」 どうやらその光景を目の当たりにしたことと、赤ちゃん達が文句をたれるのを止めたおかげで我に返った親れいむは何故か飛び降りた我が子の安否を気遣う。 勿論、自分が赤まりさを潰したから恐怖に駆られたという発想は無いらしく、そもそも赤まりさを潰したことを覚えているかどうかさえ怪しい。 そんな親れいむはふと足元を見て、潰れた我が子を視界に収めると・・・ 「あかちゃんたち、きょうがこれをたべるよ!」 と、全く悪びれる様子も、同族食いへの嫌悪感を示すことも無く、いけしゃあしゃあとそんなことを言ってのけた。 確かに死んだ同族を食べることは割とよくある事なのだが、自分で殺した我が子を平然と食べようと提案するのはやはり異常としか言いようが無かった。 3日目 「「おきゃーしゃん、おなきゃがしゅいたよ!」」 昨日の一件でまりさ種の赤ちゃんは全滅しているので、昨日食べた姉妹の亡骸から得た栄養を使って元気良くその言葉を口にするのは赤れいむ2匹。 とは言え、先日の母親の恐ろしい姿をしっかり記憶しているので、あの時のようにあまりしつこく催促したり、無意味に罵倒したりはせず、 どうしても我慢できないほどの空腹感が襲ってきたときだけ、ただ本能に従ってその言葉を口にしていた。 もっとも、親れいむにだって屋根の上に放置されたこの状況を打開するすべはないのだから、回数が減ったところで不愉快なことに変わりは無いのだが。 「ゆぅ・・・おなかがすいたよ・・・これじゃゆっくりできないよ!」 それに、何よりも一番空腹を感じているのは体格が3匹の中ではずば抜けて大きく、その分だけ大食いな親れいむ自身だ。 今までずっと我慢してきたがいい加減我慢の限界も近づいてきていて、あと少しでゆっくり出来なくなりそうな状態。 そういうわけで彼女は頭の中で自分がゆっくりするために我が子を食べることを画策していた。 「おなかがすいたんならゆっくりねむってね!」 「ゆぅ・・・ゆっくちりかいちたよ・・・」 「おきゃーしゃん、こもりうちゃうちゃって!」 「そんなのつかれるだけだよ!ゆっくりおねんねしてね!」 そんな親れいむの腹のうちを知る由も無い赤れいむ達は親れいむに促されるがままに空腹を紛らわせるために眠りにつく。 一方、親れいむは我が子がちゃんと眠りにつくまでじっくりとその様子を観察し続け、ゆっくりとチャンスの到来を伺っている。 そうして機を伺うこと27分、赤れいむが2匹ともゆぅゆぅという寝息が、千載一遇のチャンスの到来をれいむに告げた。 「そろーり・・・そろーり・・・」 何の必要も無い擬音をわざわざ口にしながらおもむろに子ども達に近づく親れいむ。 昨日食べた赤まりさのとろけるように繊細で柔らかい皮の舌触りと、やや控えめな甘さの餡子の風味を思い出すその表情は緩みきっていて、 ゆひひ・・・と品の無い笑みを浮かべる口元からはぽたぽたと涎が滴り落ちている。 そうして、1匹の赤れいむに皮と皮が触れそうな距離まで近づき、正面から食べるのは気が引けたのか背後に回りこんだところで・・・ 「ゆっくりいただきま~す!」 と、またしても何の必要も無いのに元気良く叫ぶと、思いきり良く赤れいむの後頭部を食いちぎった。 「ゆきぃいいいいいいいいいいいいい!?」 「む~しゃ、む~しゃ・・・しあわせ~!」 「ゆぅ・・・?ゆっ!おきゃーしゃん、なにちてりゅの!?」 突然の出来事に目を覚ました赤れいむは後頭部をかじられたことには気づかないものの、餡子を駆け巡る強烈な痛みと喪失感で金切り声を上げ、 つられて目を覚ましてしまったもう一匹の赤れいむは自分と同じ姿の親れいむが、自分と同じ姿をした姉妹を捕食する凄惨な光景を目の当たりにして泣き叫ぶ。 しかし、親れいむは2匹の様子などお構い無しに、昨日の姉妹を食べる光景を見せ付けられた恐怖と、その怖いものとずっと一緒にいる恐怖からか、 赤れいむの赤まりさより濃厚な甘みを堪能し、空腹が満たされる喜びと、今まで食べたことの無い美味しさに感動して涙を流していた。 「む~しゃむ~しゃ、すごくゆっくりできたよ!」 「ゆきゅぅ・・・お、おにぇーちゃんが・・・」 「ゆふぅ・・・すごくゆっくりできるよ!」 「れ、れいみゅ、おきゃーしゃんとはゆっくちできにゃいよ!!」 まりさが食べられて、れいむも食べられて、最後に残ったのは自分だけになった赤れいむは「次は自分だ」と言うことを本能的に理解し、屋根の上で唯一平らな場所から飛び出した。 そして、親まりさや子れいむと同じようにゆっくりにとっては奈落の底にも等しい遥か(と言っても4m程度)下の地面へと真っ逆さまに落ちていった。 「ゆゆっ!?れいむのあかちゃ~~~~~~~~~ん!!!」 その自殺行為にも等しい我が子の常軌を逸した突然の行動を眺めながら叫ぶ親れいむ。 こうして、最後の一匹になってしまった親れいむはほぼ全て自分の責任であることにも気づかずに、ただ静かにすすり泣いて夜を明かした。 4日目 「ゆぅ~・・・でいぶのあがぢゃん・・・どほぢであんなごど・・・」 親れいむは昨日の最後のゆっくり出来ない生活に耐えられなかった(と言う理由にれいむの中ではなっている)我が子の自殺の後からずっと悲しんでいた。 一体、どうしてこんなゆっくり出来ない状況になってしまったんだろうか? ほんの3日、4日前までは凄くゆっくり出来ていたはずなのに・・・気がつけば餌もない場所で孤独に耐える生活を強いられている。 「ゆぅ・・・おなかがすいたよ!」 一体、誰のせいでこんなにゆっくり出来ない生活をする羽目になったのだろうか? そうだ、あの人間のせいだ。れいむのおうちに勝手に上がりこんできてこんなところにれいむ達を放り投げた人間が悪いんだ。 それから、まりさのせいだ。れいむがおうちを見つけてあげたのに人間にも勝てないで、あまつさえれいむを見捨てようとしたあの愚図が悪いんだ。 ああ、美味しいご飯が食べたい。 「ゆうぅ・・・さぶいよ!ここじゃゆっくりできないよ!」 それだけじゃない、赤ちゃん達のせいでもある。どうして自分を置いてあんな自殺行為に走ったんだろうか。 ゆっくり出来なくて辛いのはわかるけれど、こんなにゆっくり出来るお母さんがいるのに・・・あまりにも堪え性がなさ過ぎる。 それに、そもそも赤ちゃん達が生まれなければ人里に下りてくる必要も無かったんだ。 ぽんぽんがペコペコだよ! 「ゆぅ・・・どほぢででいぶがゆっぐぢでぎないのぉおおおおお・・・・!」 どうして何も悪いことをしていない自分がこんな酷い目に遭うんだろうか? どうしてこんなに可愛いれいむがこんな酷い目に遭うんだろうか? どうしてこんなにお腹が空いているのに美味しいものを食べてゆっくり出来ないのだろうか? 気がつけばれいむの悲しみは我が子を失ったことから自分が理不尽な仕打ちを受けていることにすり変わっていた。 5日目 「ゆぅ・・・おなかがすいたよ・・・」 もう台詞の最後に「!」をつける余裕も無いれいむは虚ろな眼差しで曇り空を見上げ、きょろきょろと何かを探していた。 彼女の探しているもの、それはうーぱっくと呼ばれるゆっくりに対して好意的な飛行能力を有するゆっくりれみりゃの亜種だ。 そいつの力さえ借りることが出来れば何とかここから脱出して森に帰ることが出来るはず。 「ゆぅ・・・うーぱっくさん、ゆっくりしすぎだよ・・・」 どうしてこんなに可愛い自分がずっとゆっくりれいむのところに来てねとお願いしているのに平気で待たせられるのだろうか? 本当に皆してゆっくりし過ぎだよ。可愛いれいむはこんなにもゆっくり出来ない思いをしているのに。 自分のあまりの不遇を考えると思わず涙がこぼれる。 「・・・どほぢでみんなれいぶをいじべるのぉ・・・・」 美味しいご飯をゆっくり食べたい。 暖かい藁や葉っぱの上でゆっくり眠りたい。 風も雨もしのげるおうちの中でゆっくりしたい。 森の中でゆっくりかくれんぼがしたい。 広い原っぱでゆっくりかけっこがしたい。 ああ、何でもいいからゆっくりしたい。 「ゆっくりしたいよ・・・」 酷い空腹感のせいか、昨日のように誰かに不満をぶつけることも無い。 仕方なく眠りにつこうとするが、お腹が空きすぎて全く眠ることができなかった。 「ゆえーん・・・だれがぁ、たしゅげでよぉ・・・」 6日目 「ゆぎぃいいいいいいい!?あめさんなんでふってくるのおおおおおおお!?」 不運にも普段なら日が昇りはじめる頃にゆっくりにとって最も恐ろしいものの一つと言える雨が降って来た。 ゆっくり達が雨を苦手とする理由・・・それは小麦粉で出来た皮が一定量以上の水分を吸うとふやけて、やがては溶けてしまうから。 だから、ゆっくりは雨の日には基本的に外に出ずに巣の中ですごすのだが、屋根の上には雨から体を守るものがどこにもない。 まさに“詰んだ”に等しいほどの窮地に陥っていると言っても過言ではないのだ。 「ゆぅぅぅうう・・・あめさん、ゆっくりやんでね!おねがいだからゆっくりやんでね!」 そう言いながら必死にぴょこぴょこと跳ねるが雨は一向に止む気配を見せない。 それどころか、徐々に雨足が強くなっていき、ポタポタとまばらに降っていた雨がやがて地面や屋根を激しく打ち付ける大雨になってゆく。 れいむが何度「おねがいだよ、ゆっくりやんでね!」とか「あめさん、いじわるしないでよ!」と言ったところで何の意味も無い。 気がついたときにはザァーザァーという雨音が家屋の中にいても聞こえてくるほどの大雨になっていた。 「どほぢであべさんいぢわるずるのおおおおおお!?」 徐々に溶けてゆく皮と雨水のせいで良く見えないが、何処にも逃げ道の無いれいむはぼろぼろと大粒の涙を零しながら天に向かってほえる。 しかし、何を叫んでも返事が返ってくることなどありえず、その声は雨音にかき消されて誰の耳にも届かなかった。 しばらくそうやっていると、自分の体がかなり不自由になってしまっていることに気づく。 足元に出来た水溜りには黒い何かがにじんでいて、れいむにはそれが自分の中に詰まっていたものだとすぐに理解できた。 「ゆうううううう!れいむのあんこさん、でていかないでね!」 雨に流されて屋根から滑り落ちていく黒いそれを拾うために、れいむはぬれて普段よりずっと滑りやすくなっている屋根の傾斜へ思いっきり良く跳躍し、 足を滑らせるとそのまま今まで地面へ落ちて行ったゆっくり達と同様にごろんごろんと屋根を転がり、やがて4m以上も下の地面へと叩きつけられた。 雨でふやけた体で地に落ちたれいむは、それでもなお雨宿りできる場所を求めて、本当なら自分のものだったはずの人間の家の軒下へと這いずっていく。 しかし、彼女の歩みは唐突に止まった。体力が尽きたわけではなく視線の先に、人間の家の中にあったものを見て衝撃を受けたからだ。 「れいみゅ!おにーしゃんがおもちゃをくれちゃよ!」 「ゆゆっ!まりしゃいいな~!れいみゅもおもちゃほちいよ!」 「ふたりとも、なかよくいっしょにゆっくりあそぶんだよ!」 「「ゆっくちりかいちたよ!」」 視線の先にあったもの・・・それは地面に落ちて死んだはずの2匹の赤ちゃんがタンバリンを取り合い、それを人間の膝の上でまりさが見守っている光景だった。 人間の、あの日、自分達を屋根の上に放り投げた男の膝の上に座っているまりさの足に当たる部分には包帯が巻かれているがそれ以外は健康そのものだ。 満面の笑みを浮かべて男性に話しかけてはテーブルの上のクッキーを食べさせてもらい、向かいの人間の女性の膝の上にいるゆっくりありすと楽しそうに談笑していた。 「ど、どういうことなのおおおおおお・・・!?」 訳がわからない。本当に訳がわからない。 どうしてまりさが生きているの? どうして赤ちゃん達が生きているの? どうしてその人間と一緒にいるの? どうしてそんなありすと楽しそうにしているの? どうして美味しそうなお菓子を食べているの? どうして人間からおもちゃを貰っているの? どうして・・・・・・・・・ どうして・・・・・・ どうして・・・ ・・・どうしてれいむはそこにいないの? まりさはれいむが屋根の上でお腹を空かせている時に美味しそうなものをたくさん食べていたの? まりさはれいむが屋根の上で寒い思いをしている時にあったかいおうちの中でゆっくりしていたの? まりさはれいむが赤ちゃんを食べていた時に赤ちゃんと一緒に人間のご飯を食べていたの? まりさはれいむがひとりで寂しい思いをしている時にそこにいるありすとすっきりしていたの? まりさはれいむが雨に打たれて死にそうな時にどうしてそんなにゆっくりしているの? そこまで考えたところでれいむの意識は唐突に現実へと引き戻された。 相変わらず降りしきる雨。その雨足はあいかわらず激しく、強くれいむの皮を容赦なく打ち付けていた。 しばらく一人で変な問答をしている間に大分雨にやられてしまったれいむはもはや動くこともままならない。 ただじっと、近くて遠い家の中のゆっくりした光景を眺めながら、体から餡子が漏れ出す感触に怯えながら、れいむは立った一言・・・ 「もっと、ゆっくり・・・したかったよ・・・」 と雨音にかき消されて誰の耳にも届かないような小さな声で呟いた。 ‐‐‐後書きというか能書き‐‐‐ 殺したりせず虐待の労力を最小限度に済ませる方法を考えていた最中に浮かんだネタです。 「ゆっくりプレイス」宣言すらさせずに制裁へと移行するお兄さんマジ外道? ゲス 嫌われがちだけど、こいつらも必要あって存在してるんじゃないかと思う。 考えてみれば、人間に群れが襲われたときゲスがいなければ群れはほぼ100%壊滅するけど、ゲスがいればゲスが生き残る分で98%くらいになるかもしれないわけで。 作中でのれいむの子どもを食ってでもうーぱっくが来るまで生き延びるって判断は屋根の上だけの状況を見ればわりと真っ当な判断じゃないかと。 まりさと赤ちゃん達 作中の男性は虐待お兄さんではありあせん。したがって彼がれいむ達を屋根に放り投げたのは制裁のため。 何の被害も無ければ山に捨て置くだけなのですが、家の中でれいむ達を見かけた時点で窓を破られたと判断し制裁。 しかし、後で家の中を見てみると特に荒らされた形跡も無く、玄関から入ったことが判明したので「やりすぎたな」と後悔。 その後、庭で屋根から落ちて大怪我をして、気を失っていたまりさを発見し、保護する。 彼女の治療をお願いした近くのゆっくり愛好家の女性が美人だったので、下心むんむんにまりさを飼うことに。 さらに、まりさが目を覚ます前に赤まりさが落ちて(体重の軽さのおかげで軽傷)きて母れいむの凶行を知らされる。 近所の大工にでも一家を助けてもらおうかと考えていたが、更に赤れいむが落ちてきて母れいむが子どもを全滅させたことを知る。 そして、同族殺しを犯した以上れいむを助けるわけには行かないというまりさの主張を採用して放置決定。 そんな経緯で最後の場面に至ったんじゃないかと思います。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/854.html
『真冬のゆっくり対策 4』 「そんなに高く積み上げることはないわ。そう…それくらいの高さで充分でしょ」 「レンガの壁ですか…ちょっと見た目は悪いですけどゆっくりが入ってくるよりはマシですね」 「遠くからだと畑が見えるが近くに来ると畑に入れない…いいですね」 「1ヶ所だけ小さな穴開けてもいいですか?」 「ええ?どうしてですか?」 「いやぁ…ゆっくりを罠にはめたくてねえ…ちょっと俺もあっちなもんでね」 「いいですけどあちこちに作らないでくださいね。あと罠に嵌らないでくださいね」 「自分で作った罠に嵌るなんてまるで餡子脳じゃないですか」 「終わった人こっち手伝ってくださあい」 「今行きま~す!」 「どうですか」 「こっちは順調よ。そっちはうまくいった?」 「今頃茎を生やしていると思いますよ」 「じゃあそっち行きましょう」 彼らが戻ってみるとゆっくりはみな茎を生やして大騒ぎだった。彼らは陰から隠れて覗いてみた。 「どぼじででいぶのあだまにあがじゃんがでぎでるのおおおおお!!!!」 「なんでばりざのあだまにありずがいるんだぜえええ!!!!ばりざのおくざんはでいぶなのにいいい!!!」 「ぢぇんはずっぎりいいいじでないよおおおお!!!!わがならないよおおお!!!!!」 「ばりざのうわぎものおおおお!!!!!どぼじでぱじぇのあがじゃんがいるのおおお!!!!!」 「でいぶだっでどぼじでありずのあがじゃんがいるのおおおお!!!!!」 「なんでええええ!!!!!すっきりしちゃだめだっでどすとやくぞくじだでしょおおおおお!!!!!」 「(凄いわね)」 「(まだまだ。これからですよ)」 「どうじでみんなずっぎりいじじゃっだのおお!!!!!????」 元リーダーのありすが泣きながらやってきた。 「でいぶはずりずりじでないよおおお!!!!!」 「ぱじぇもしてないわよおおお!!!!」 「あ…あじず!!!!あじずだっで!!あじずだっでえええええ!!!!」 「な…なによ…わたしがなんだって?……すっきりしてないわよ!」 「じゃあどぼじであでぃずのあだまにあがじゃんがいるのおおおお!!!!!!」 「そんな!……ゆげええええ!!!!どぼじでえ!!!どぼじであがじゃんがいるのおおおおお!!!!!???」 「ゆ!まりさのあたまがへんなんだぜ!!…ゆがああああああ!!!!なんであがじゃんがいるのおお!!!!????」 「れ…れいむ!!おちびちゃんのあたまからなにか…ど…どぼじでえええ!!!!」 「なんだがへんだよおおお!!!!!ゆっぐりできないよおおお!!!!」 「おちびじゃんいづずっぎりいじじゃっだのおお!!ゆっぐりできないでじょおおお!!!」 「で…でいぶのあだまにあがじゃんができでるよおお!!ばりざすっぎりじでないよおお!!!!」 彼が霧吹きを噴いた辺り一面にいたゆっくりと騒ぎを聞きつけてやってきたゆっくりはみな頭から茎を生やしていた。 さらに 「もっど…ゆっぐりじだがっだ…」 「もうだめよ…むぎゅうううう」 「でいぶううう!!!!ばじゅりいいい!!!!!じっがりじd…ゆう"う"う"う…」 元々この辺りにいたゆっくりは更に茎を生やし黒い塊と化してしまった。このゆっくり達は彼が直接薬を噴きかけたゆっくりである。 「(す…凄いわ。ここまで効果があるなんて)」 「(半分くらいばら撒いたからな。精子餡をここまで濃縮するのが大変だったよ。結構コストがかかるんです)」 「(あの空間にいるゆっくりは皆妊娠してしまうの?)」 「(100%ではないです。直接噴きかけられたゆっくりは100%妊娠しますけどね)」 「(凄いものを作りましたね。そろそろ行きますか)」 「(見る限りそろそろ薬が切れますね。じゃあ俺が先行きます。呼んだら来て下さい)」 彼は陰から飛び出した。 「ん~うわっ!!!何だこれ!」 「で…でいぶううう!!!ち…ちがうのよ!!!これは!!!!」 「どうしてすっきりしちゃったんだよ!駄目じゃないか」 「しんじでええ!!!!でいぶはすりすりなんかじでないよおお!!!」 「まりさもだよお!!ありすもぱちぇもだれもすりすりじてないよおお!!」 「おい、ドス!早く来てくれ!!大変なことになったぞ!!」 「何よ…さっきから騒がしいわね……。な…何よこれ!!!!?」 「どす!!ちがうわ!!!ありすはすっきりーなんてしてないわ!ほんとよ!!しんじてえ!!!」 「しんじでぐだざいい!!!このごはすっぎりいなんてじてません!!」 「ここにきたらあかちゃんだはえでぎだんですうう!!!!」 「貴方達一体何を言っているの?」 「「「「ゆ!」」」」 「すっきりしてないのに妊娠したですって?ここに来たら赤ちゃんができたですって?」 「ほ…ほんとうだよぉ…」 「れいむうそついてないよぉ…」 「そんなわけないでしょ!!じゃあなんでドスには赤ちゃんができてないの?」 「「「「ゆゆ!!!!」」」」 「大きいれいむだって赤ちゃんいないでしょ!!!!」 「ほれ、何も生えてないだろ」 「「「ゆう…」」」 「なんでぇ…なんでれいむたちだけなの…」 「わからないよぉ…」 「ちょっと待ってろ」 彼は奥の方で震えながらこっちをみていたれいむを持ってきた。 「いやだああ!!れいむはあがじゃんほじぐないよおお!!」 れいむが地面に置かれた。 「………。ほれ見てみろ。この子は赤ちゃんを生やしていないぞ」 「ほ…ほんとうだあ…よかったあ…ゆっくりできるよぉ」 「れいむ、ありがとう。あっちでゆっくりしてていいよ」 「これで分かったわね」 「ゆう"う"うう…」 「れいむたち…どうなっちゃうのお…」 「そこのまりさ!」 「は…はい!!!」 「私との約束は何だっけ?」 「す…すっきりーしちゃだめだって…」 「そうだよねえ。さっき約束したもんね。じゃあ約束破ったらどうなるんだっけ?」 「ゆ…ゆ…」 「忘れたの?忘れたんだったら…」 「ゆ!…いいばず!いいばずがらあ!!…やくそくやぶったら…しけいかここからでていくんだよね…」 「そうね。だったら貴方達、分かるわよね」 「そ…ぞんなあ…」 「ぼっど…ゆっぐりじだいよおお…」 「あがじゃんじんじゃっだのにぃ…でいぶまでじんじゃうのいやだよぉ…」 「どがいはじゃなぐでいいでずがらぁ…ゆるじでえ…」 「ずっぎりいじでないよお…じんじでよお…」 「どす…おねがい…しんじでぐだざい…ありずだちはぁ…ずっぎりいなんでじでn…」 「黙りなさい!!!!」 「「ゆぅぅぅぅ!!!!」」 「「「ゆぴいいい!!!!」」」 「さっきレイプした赤ちゃんだって死刑にされたのよ!!そうだわ、温情で目を潰したら許してあげたんだけど…」 「おめめを!…おめめをつぶじぢゃっだらあ!!!!」 「だ…だべだよおお!!!おべべをつぶじじゃっだらゆっぐりでぎなくなっじゃうよおお!!!!」 「いいじゃない。目が見えなくなったらすっきりなんてしなくなるでしょ。その場から動かないでゆっくりすればいいじゃない」 「ひ…ひどいよおおおお!!!!」 「おがじいよ!!!!どずは…どずはぞんなごどいわないよおお!!!!」 「あら?ドスの言うことがきけないって言うの?ふぅん…だったら…この巣ごと火の海にしちゃおうかしら」 「だ…だべだよ!!どずは…どずだよぉ…」 「ご…ごべんなざあい!!!ゆるじでえ…」 「どず!!れ…でいぶをゆるじでぐだざい!!どすはどすです!!!だがら…だがらああ…」 「時間を無駄にしたくないわ」 彼女はれいむを持ち上げた。 「ゆ…ゆるじでええ!!!!ごべんなざい!!!ごべんなざい!!どすはどずでずうう!!!でいぶがばぢがっでまじだああ!!!」 「特別に貴方は生かしてあげるわ。ただし…」 「ゆっくりさせてください!!ゆっぐりいいいい!!!」 「貴方の目は頂くわよ」 彼女は木の枝でれいむの目を突き刺した。 「ゆぎゃああああ!!!!ゆぎぇええええ!!!!!」 「じっとしてなさい」 「いやじゃああ!!!いやじゃあああああああ!!!!いじゃいいいいい!!!!!おべべがああ!!!!おべべがああああ!!!」 「や…やべでぐだざいいいい!!!!ばりざのだいぜつなでいぶなんでずうううう!!!!」 「あら?代わりに貴方が目をくれるの?」 「ゆ!!…で…でいぶうううう…ごべんねえ…なにもでぎなぐでごべんねええ…」 「ですって。れいむ、我慢なさい。もう片方やったらお仕舞いよ」 「ゆ…ゆるじでえええええ!!!!!ゆびぇええええ!!!!おべべえええ!!!ぐらいよおおおお!!!!いじゃいよおおお!!!」 「はいっ。お仕舞いよ。よく我慢したわね」 彼女はれいむを地面に置いた。 「で…でいぶううう!!!じっがりずるんだぜえ!!!!ごれで…ごれでゆっぐりできるよ!!!ばりざが…ばりざが…」 「ゆぅ~っくりぃ~ゆぅ~っくりぃ…ゆっくりちていちぇねえ~ゆゆゆゆ~ん」 「でいぶう!!でいぶううう!!!じっがりじでえええ!!!!ばりざがゆっぐりさせてあげるがらああ!!ぼどにぼどっでよおお!!」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆ…ゆっへへへへへへえええええええ」 「ゆぎゃああああ!!!!でいぶがああ!!!でいぶううううう!!!」 「あら壊れちゃったみたいね。…さあみんなどうするの?」 「こ…こわいよおおお…」 「ずっぎりいじでない…じでないよ…」 「じにだぐない…ゆっぐりじだいよぉ…」 「じゃあ仕方ないわね」 「「「ゆ!」」」 「おっと、許さないわよ。そうだわ、今から貴方達殺し合いをしなさい」 「「「ゆううう!!!!!」」」 「「でぎないよおお!!!ぞんなごど」 「最後に残った子は何もしないで生かせてあげるわ。赤ちゃんも産ませてあげるよ」 「そ…そんな…できないよ…そんなこと…」 「れ…れいむ…いやだよぉ…」 誰も他のゆっくりを殺そうとはしなかった。今日までずっと仲良くやってきた仲間達…殺すことなんてできなかった。 「ゆ…ゆっくりじないでじねえええ!!!!」 「ゆべ!!!なにずるのおおお!!!!ばりざあああ!!!」 「ばりざは!!!ばりざのでいぶはあがじゃんをうんでじんだんだよ!!!あがじゃんもれいぷされでじんじゃっだよ!!!」 「やべでえ!!!!いだいいい!!!!!」 「だがら!!!ばりざは!!!ばりざはゆっくりずるんだよ!!!みんなのぶんまで!!!だがらじね!!!じねええ!!!」 まりさが狂ったように隣にいたれいむを潰し始めた。そこから地獄が始まった。 「れ…れいむはゆっくりするんだよ!!!あかちゃんもいっしょに!!!!だから…ぱちぇはゆっくりしないでじねえ!!」 「とかいは…とかいはあああ!!!!!」 「むぎゅうむぎゅうう!!!!!じねえええ!!じねええええ!!!」 「やべでえええ!!!!びんなぼどにぼどっでよおおおお!!!!!」 「ざっぎまであんなにゆっぐりじでだのにいいい!!!!」 「じね!じね!じねえ!!!!」 「(すごいですね…)」 「(あんなに仲良かったのにね)」 「(いえ、貴方のことなんですが…)」 「(貴方だって同じ穴のムジナよ。見てて楽しいでしょ)」 「(虐待お姉さんをはじめて見ましたよ)」 「(あら…2匹だけ残ったわ。もうお仕舞いね)」 「ば…ばりざあああ!!!!よぐもありずをおお!!!!おばえなんがじんでじばえええ!!!!」 「うるさい!!!!まりさはいぎのごっでゆっぐりするんだ!!!!おばえごぞじんでじまえええ!!!」 残ったのはまりさが2匹。仲良しだった2匹は般若の如き顔をして対峙している。頭の上の赤ゆっくりも怒った顔をしているように見える。 「「じねえええええ!!!!」」 2匹は体をぶつけ合った。相手を罵りながらぶつかり合う。 「じねえええ!!!!さっざとじねえええ!!!」 「おばえごぞおおお!!!!ありずのがだぎいいい!!!!」 ありすの番であろうまりさが相手まりさの底を食い千切った。 「ゆぎゃああああ!!!!ばりざのあんよがあああ!!!!よぐぼお…よぐぼやっだなあああ!!!!!」 相手まりさは目を噛み付き返した。 「ぎゃああああ!!!!おべべがあ!!!!」 必死に相手まりさを振り払おうとするが底から餡子がどんどん漏れていくのもお構いなく噛み付いたまま離れなかった。 「はなれろおおおお!!!!!ばりざがらはなれでろおおおお!!!!!」 「ゆう"う"ううううう!!!!!!ぎぎぎぎぎいいいいいい!!!!」 やがて相手まりさは動かなくなってしまった。ゆっくりは餡子を半分以上外に出してしまうと死んでしまう。まりさもそうだったのだろう。 「なんでええ!!!なんではなれないのおおお!!!!!はなれろおおおお!!!!ばりざがらはなれでえええええ!!!!」 狂ったように生き残ったまりさが暴れるが死んだまりさは離れてくれない。そして 「ぼっど……ゆ…っぐ…り……」 最後の1匹だったまりさも死んでしまった。そのデスマスクはこの世のものとは思えないほど酷かった。 「(あら、全滅してくれたわね)」 「(でもいいもの見せてもらいましたよ)」 「さ~て…みんな、出てきてちょうだい!」 「ゆ…ゆう…」 「こ…こわい…よお…」 「心配しないで、掟を破ってすっきりーしちゃった悪いゆっくりはみんないなくなったよ。これでみんなゆっくりできるね!」 その時だった。 「…ゆ…ゆ…ゆっくりできないどすは…しねえ!!!!」 まりさが彼女に飛び掛った。 「あら……。うふふ。何してるの?当たらないわよ」 彼女は軽く避けてみせた。 「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆ!!!!」」」 「「「「「ゆううううううう!!!!!!」」」」 つづく by 虐待おにいちゃん
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/209.html
それからというもの、来る日も来る日も赤ゆっくりを殺しつづけた。 生まれた赤ゆっくりを殺し、胎児を引きずり出して殺した。 眠っている間に薬物注射を行い、胎児を殺して死産させることもあった。 そのたびにれいむ共は喉も裂けよと悲鳴を奏で、 いまでは俺に対する口調も懇願調に統一されていた。 殺しつづける日々が一週間を数えたころ、 俺はある事実を確認した。 れいむ共が赤ゆっくりを隠している。 赤ゆっくりを奪い去られながら懇願しつづけるれいむ共の中、 一匹だけなにも言わず、ぷくうと膨れている子れいむがいた。 れいむ共の懇願も、その日は単調で芝居がかっており、 誰が見ても一目瞭然だった。 もっとも察する以前に、れいむ共の行動は監視カメラで逐一把握できている。 今回は、常時チェックしてくれている使用人が教えてくれた。 「何か隠してないか?」 びくり、と膨れているれいむが反応して後ずさりする。 他のゆっくりが途端に挙動不審になって飛び跳ねだした。 「ゆゆゆっ!!かくしてません!!なにもかくしてませんん!!」 「それよりあかちゃんかえしてください!!おねがいします!!」 「あかちゃんかえしてください!!おねがいします!!」 初日に失敗してから、なんの進歩もしていない。 とはいえ人間に置き換えたとしても、抗う術のない条件下、 無駄な努力とは知りつつあがこうとする気持ちはわからなくもない。 それとも本気で成功すると思っているのかもしれないが。 残念なのは、あまりに演技が下手すぎることだ。 園児でももう少しうまくやる。 「そうか」 俺は、あえて知らないふりをすることにした。 「ゆゆぅ!!そうです!!なにもいません!!」 「あかちゃんかえしてください!!おねがいします!!」 その日は通常通り、奪った赤ゆっくりを傷めつけて殺した。 わが子を殺されるたびに上がる親どもの悲鳴は、さすがに演技ではない。 一匹だけ、膨れている子れいむは、涙を流しながらも声をあげなかった。 子供が隠されているのを知りながら、俺は部屋を出ていった。 これは使えると考えたのだ。 こいつらに与える苦痛は、そろそろ次の段階に入ってもいいだろう。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅりちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅりちちぇいっちぇね!!」 俺が扉を閉めた直後、子供を隠していた子れいむが口を開けた。 口の中から出てきたのは、二匹の赤ゆっくり。 れいむ種とまりさ種が一匹ずつだった。 「ゆゆっ、おきゃーしゃんのおくちのなきゃ、ゆっきゅりできちゃよ!」 「あっちゃかかっちゃよ!!またいれちぇね!!」 「ゆっ……おちびちゃんたち、ゆっくりしてねええ!!」 四匹の成体れいむ共が赤ゆっくりを囲んで心からの笑みを浮かべる。 つい今しがたまで、目の前で子供を殺されていたれいむ共。 無事に済んでいる子供たちへの愛もひとしおだろう。 赤ゆっくり共は、親の口の中にいたため、 何が起きていたのかはわからないようだ。 親たちも、事実をひた隠しにしているらしい。 「おきゃあしゃんたち、ないちぇるの?ゆっくちちちぇいっちぇね!!」 「どうしちゃの?なにきゃあっちゃの?」 「ゆゆっ!なにもないよ!きにしないでゆっくりしていってね!!」 「おちびちゃんたち、だいじょうぶ?いたいところない?」 「どきょもいちゃくにゃいよ!!」 「ゆっきゅりできちぇるよ~♪」 「それじゃあ、ゆっくりできるおうたをうたおうね!!」 「ゆゆっ!うたっちぇ!!」 「おきゃあしゃんのおうちゃ、ゆっきゅりできりゅからだいしゅき~♪」 「ゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 成体れいむ四匹で、恐ろしい溺愛ぶりだった。 その姿を、俺は今ビデオカメラを通して見ていた。 見ながら、更なる苦痛を親共に与える構想を練る。 この愛をじっくり熟成していこう。 より濃い子殺しのために。 さらに一週間、殺し続ける日々を重ねた。 親れいむ共は同じ手口を重ね、必死でより多くの子供を助けようとしていたが、 最初の二匹以外の赤ゆっくり共は避けつつ、他の子は全て引きずり出した。 「なにもがぐじでまぜええええん!!ざわらだいでえええ!!」 「ゆぶ!ゆぶぶううう!ぶうううううう!!」 「また隠してるな。全部出せ」 ぱんぱんに膨らんだれいむの頬を、両側からかしわ手で挟み叩く。 「ゆぶびゅうううう!!」 「ゆぴゅっ!ゆ?おにーちゃんゆっきゅりできりゅひちょ?」 「ああああああおぢびじゃんにげでええええええ!!!」 ぼひゅ、と吐き出される赤ゆっくり共を片端から捕まえ、 その眼を爪楊枝でえぐり出す。 「ゆぎゃがああああああああああだいいいいいいいいいい!!!」 「あがぢゃああんんん!!あがぢゃああああんんん!!!」 その日も、あの二匹の赤ゆっくり以外は全て潰した。 一匹だけ箱の隅に引っこんで頬を膨らませている子れいむだけは、 毎回わざと気付かないふりをする。 ゆっくり共は、本気で俺をだませていると思っているだろう。 唯一残された子供である赤ゆっくり二匹に対する親れいむ共の溺愛は、 当然ながらますます濃くなり、わがまま放題に甘やかして育てていた。 「ゆっ!おきゃーしゃんしゅべりだいになっちぇね!!」 「わかったよ!ゆっくりすべってね!!」 「ゆゆぅ~♪ゆっきゅり~♪」 身重の体を苦労して斜めに傾ける子れいむの上を、 二匹の赤ゆっくりが滑っていく。 「もっちょ!もっちょ!」 「おなきゃしゅいちゃ!もっちょたべちゃい!!」 「ゆゆ、じゃあおかあさんのぶんをたべてね!」 「おかあさんのぶんもたべていいよ!」 「ゆっきゅりいただきまちゅ!!」 「む~ちゃ、む~ちゃ………ちあわちぇー!!」 れいむ共に毎日与えている、なけなしの餌。 四匹分にも足りないようなその餌を、 れいむ共は苦労して赤ゆっくりに分け与えていた。 甘やかされた赤ゆっくり共は、足りないと言ってはお代わりを要求し、 親れいむ共は自分の取り分を惜しげもなく与えた。 礼も言わず、当然のように赤ゆっくり共は食べ散らかし、 そんな二匹の姿を親れいむ共は文句も言わずに微笑んで眺めていた。 「ゆぅ~……ゆっくりしたおちびちゃんたちだね……」 「がんばっておちびちゃんたちだけはまもろうね……」 頃合いだ。 俺は準備にかかった。 ある日、俺はその部屋に入った。 親れいむ共がすぐに並び、壁を作って二匹の赤ゆっくりを隠す。 「おちびちゃんはゆっくりしないでかくれてね!!」 こちらにしてみれば丸聞こえなのだが、うまく隠しおおせているようだ。 「おねがいします!!あかちゃんはたすけてください!!」 なにか叫んでいるが無視する。 俺は箱に入れて連れてきた子ゆっくり共をその部屋に放した。 十匹近くいるゆっくり共は、れいむ種とまりさ種が入り混じっている。 「ゆゆっ!!ここはまりさのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!」 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!!」 思い思いに勝手にわめき始める子ゆっくり共。 こいつらはこのれいむ共とは無関係で、人に慣れたゆっくりだった。 続いて、さまざまな遊具を運び込む。 ゆっくり用の滑り台、クッション、ブランコ、シーソー。 「ゆゆぅ!!とってもゆっくりできるよおぉ~~♪」 「はやくあそびたいんだぜぇ~~!!」 子ゆっくり共は興奮して飛び跳ねだす。 「思う存分遊んでいいぞ」 「ゆわぁ~い!!」 クッションで飛び跳ね、滑り台に上り、めいめい自由に遊び始めた。 一体何が起こったのかわからない様子で呆然としている親れいむ共の隙をつき、 赤ゆっくり二匹を口に含んでいた子れいむの頬にかしわ手を叩きつける。 「ゆぶぇっ!!」 「ゆあああああぁぁぁぁぁ!!!?」 大切に大切に育てていた二匹が、ついに白日のもとにさらされた。 絶望の叫びを上げ、親れいむ共は涙を流して懇願してきた。 「だずげでぐだざいいいいいいい!!おでがいじばずううううう!!」 「ごのごだぢだげは!!ごのごだぢだげはああああ!!!」 「ぼんどうにだいぜつな、ゆっぐりじだごだぢなんでずううううう!!!」 「ゆゆぅ~?おきゃあしゃん?」 「おにーちゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 「おぢびぢゃあああああん!!!」 俺はそれきり、箱の中のれいむ共を無視して背を向け、 子ゆっくり共の面倒を見はじめた。 口から吐き出させられただけで、 赤ゆっくりには何も手を出す様子がない俺を見て、助けられたと勘違いしたらしい。 親れいむ共が涙ながらに感謝しはじめた。 「ありがどうございばずううううう!!」 「でいぶのあがじゃんだずげでぐれでありがどうううううう!!!」 「おきゃあしゃんどうちたの?」 それから、子ゆっくり共は思うさま遊び続けた。 仲間たちと遊具で楽しげに遊びまわる子ゆっくり共を、 強化ガラスの壁を通して、赤れいむと赤まりさは食い入るように見つめていた。 「ゆぅ~~……あのこちゃち、とっちぇもゆっきゅりしちぇるよ!」 「まりしゃもゆっきゅりしちゃいよ!!まりしゃもまぜちぇ!!」 ガラスに頬を押しつけて訴えてくる赤ゆっくり二匹は、しかし無視されつづけた。 一匹の子ゆっくりが空腹を訴えてくる。 「おにいさん、おなかがすいたよ!!あまあまたべたいよ!!」 「よし」 俺はすぐに大皿を出し、その上にプリンを沢山並べてやった。 「仲良く分けろよ」 「ゆっくりいぃ~!!いただきますうう!!」 「む~しゃ、む~しゃ!!しあわせえぇ~~!!」 「ゆゆぅうううう~~~~!!」 「たべちゃい!!たべちゃい!!まりしゃもたべちゃいいいい!!」 赤れいむと赤まりさが涎を飛び散らせて飛び跳ねる。 「おきゃあしゃん!!あのあみゃあみゃすっごくゆっきゅりしちぇるよ!!」 「きゃわいいれいみゅにもあのあみゃあみゃちょうだいね!!」 「まりしゃもあっちにつれちぇっちぇね!!」 振り返りもせずに、プリンを凝視したまま背中越しに親に命令する赤れいむ共。 「ゆゆぅ……」 要求してもいいものか、俺の顔色を窺う親れいむ。 俺は視線を合せなかった。 不穏な雰囲気を読み取ったのか、親れいむは赤ゆっくり共に言い渡した。 「ゆっ!だめだよ!!ゆっくりできないよ!!」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!!?」 これまで一度も要求を拒否されたことがなかった赤れいむと赤まりさは、 今初めてたしなめられ、火がついたように抗議しだした。 「きゃわいいれいみゅがゆっきゅりしちゃいといっちぇるんだよぉぉぉ!!? なにいっちぇるのぉぉぉぉ!!!」 「にゃんでぇぇぇ!!? にゃんでまりしゃはあみゃあみゃちゃべらりぇないのぉぉぉぉ!!?」 おろおろと互いの顔を見合わせる子れいむ共だったが、 親れいむは毅然として言い放った。 「だめだよ!!あのおにいさんにつかまったらゆっくりできなくなるよ!! ゆっくりりかいして、ここでじっとしててね!!」 さすがにあれだけ子供を殺されたせいで、 親れいむの警戒心は十二分に育まれたようだ。 固い表情で赤れいむ共を諭す。 「どぼじでじょんなごじょいうどおぉぉぉぉ!!!?」 親の気遣いなど伝わるはずもなく、赤れいむ共が絶叫した。 赤れいむ共が羨ましげに見つめる中、子ゆっくり共はさらにゆっくりする。 「うまっ、うまっ、うっめまじうっめ!!これうっめ!ぱねぇ!!」 「む~しゃむ~しゃむ~しゃ、ししししあわしぇええええ~~~♪」 はちみつをたっぷりかけたホットケーキと、 大皿いっぱいのイチゴケーキをほおばりながら、子ゆっくり共は嬉しさに転げ回る。 「ようし、高い高いしてやるぞ」 俺はクリームでべたべたの子ゆっくり共を手に取り、 二匹ずつ上げ下げしてやった。 高い高いの大好きなゆっくり共にはこたえられない遊びだ。 「ゆゆぅぅ~~~~♪おそらをとんでるみたいぃ~~~~♪」 「とっっってもゆっくりしてるよぉぉぉぉ~~~~~♪」 子ゆっくり共は大いにはしゃぎ、 順番待ちの連中が飛び跳ねながら「はやく!はやく!」と催促している。 「おにいいいいちゃあああああんん!! れいみゅもたきゃいたきゃいしちぇぇえええええ!!」 「まりしゃもゆっきゅりしちゃいよぉおおおおおおおおお!!!」 赤れいむ共は泣き喚きながらガラスに体当たりを繰り返している。 「ゆゆぅ……おちびちゃんたち、がまんしてね!」 「ゆっ、そうだ!おかあさんとゆっくりできるおうたをうたおうね!!」 「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪」 「うるちゃああああああい!!!」 赤まりさが叫んだ。 「まりしゃをゆっきゅりさしぇないおきゃーしゃんはだまれえええ!!」 「にゃんでれいみゅをいじめりゅのぉおおおお!!? れいみゅのこちょがきりゃいになっちゃのおおおおお!!!?」 「ゆゆ!そんなことないよ!! おかあさんたちはおちびちゃんたちがだいすきだよ!?」 「だったりゃしゃっしゃとあっちへちゅれてきぇえええ!!」 「だ、だめだよ!おにいさんはゆっくりできないんだよ!!」 「わけわきゃんないよぉおおおお!! まりしゃをゆっきゅりさしぇないくしょれいみゅどもはちねぇえええ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉおおおお!!?」 もはやお母さんではなく糞れいむ呼ばわりされた親れいむ共は、 涙を流しながら絶叫した。 「どぼじでわがっでぐれだいどおおおぉぉぉ!!? おにいざんにづがまっだらゆっぐりでぎないのぉおおおお!!」 「おにーしゃんたしゅけちぇぇええ!! こにょくしょれいみゅどもがまりしゃたちをいじめりゅううぅぅ!!」 「たすけちぇえええ!!たしゅけちぇえええ!!ゆっきゅりさしぇちぇぇぇぇ!!」 「おぢびじゃああああん!!ぞんだごどいわだいでえええええええ!!!」 親れいむ共は悲しみのあまりに突っ伏している。 幸福な家庭はすでになかった。 甘やかされきった赤れいむと赤まりさにとって、 ゆっくりさせてくれない母親に存在意義はないようだ。 さっきから無視しつづけている俺に向かって、母親から助けてくれと要求している。 「こっちに来たいか?」 そこで、俺は初めて話しかけた。 「ゆゆっ!!きゃわいいれいみゅをそっちにつれてっちぇにぇ!!」 「はやきゅしちぇにぇ!!ぐじゅはきりゃいだよ!!」 「おにいざんにぞんなごどいっぢゃだべええええ!!」 「ゆっきゅりできにゃいおきゃあしゃんはちんでにぇ!!」 「ゆわああぁぁああん!!」 「こっちに来たら歓迎するよ。 ただし、お母さんが許してくれたらね」 「ゆゆ!?ほんちょう!?」 「本当だとも。 君たちはお母さんの大切な子供なんだから、勝手に連れてくることはできないな」 俺の言葉を聞き、赤れいむと赤まりさが母親のほうを向く。 「きいちゃ!?きゃんげいしちぇくれりゅっていっちぇるよ!!」 「おきゃあしゃんははやきゅゆるしちぇにぇ!!」 胸を張って命令する二匹。 「だべえええええ!!いっぢゃだべえええええ!!」 「ゆっぐりでぎないよおおおおお!!」 「ゆぎぃいいいいいいいい!!!?」 「にゃにいっちぇりゅのおおおおおお!!? ゆっきゅりできにゃいよおおおおおお!!!」 互いに同じ事を言い合い怒鳴り合う親子に、俺は念を押す。 「お母さんが許してくれたら、いつでも来ていいよ。 みんなと一緒に、たっぷりゆっくりしようね!」 「ほらああああああああ!!!ゆっきゅりしちゃいいいいいいいい!!!」 「ゆっきゅりさしぇりょおおおおおお!!!」 「だべなのおおおおおお!!わがっでよおおおおおお!!!」 たっぷり二時間、赤ゆっくり二匹は泣き喚いた。 「ゆっぎゅりじぢゃいいいいいいいい!!!ゆわぁぁああああん!!!」 「いえええええええええ!!!!ゆっぎゅりじでいいっでいえええええええ!!! ぐぞれいみゅどもおおおおおおおおおおおおーーー!!!」 「ごんにゃのおがあじゃんじゃないいいいいいいい!! おがあじゃんはゆっぎゅりざじぇでぐれりゅううううううう!!!」 涙と涎としーしーを撒き散らしながら床を転げ回る赤れいむ、 憎悪と殺意をあらわにして母親に噛みつく赤まりさ。 親れいむ共はほとほと疲れきっていた。 宥め、怒り、聡し、乞い、どれだけ言っても赤ゆっくり共は耳を貸さなかった。 悲しげに目を伏せ、黙って子供たちの叫び声を聞きながらしゃくりあげている。 あれほど可愛がっていた子供にここまで憎まれるのはやはり耐えられないのだろう。 本来、普通のゆっくりならば、 ここまでわがまま放題を言われれば愛想をつかして捨てるだろう。 しかし、何度も何度もさんざん子供を殺され続け、 ようやく守り通したたった二匹の、念願の子供たちだった。 愛想をつかすなんて考えられない、大事な大事な可愛い子供たちなのだ。 親れいむの執着は想像もできないものだろう。 「ゆゆっ?このれいむたちどうしたの?ゆっくりしてないよ?」 こちら側の子ゆっくりが、数匹不思議そうにガラス箱の中を覗いている。 俺は教えてやった。 「あのおちびちゃん達が君たちとゆっくりしたがってるんだけど、 お母さんが行かせてくれないんだよ」 「ゆゆっ、そんなのひどいよ!!ゆっくりできないよ!!」 「あかちゃんこっちにこさせてあげてね!!」 「みんな、あのおちびちゃんがこっちに来たら仲良くしてくれるかな?」 「もちろんだよ!!あかちゃんかわいいね!!」 「いっしょにゆっくりしようね!!」 「するううぅ!!ゆっくりしたいいいいいい!!」 赤れいむと赤まりさがガラス壁に頬を押しつけて叫んだ。 向こう側の子ゆっくりと、ガラス越しにすーりすーりをし始める赤れいむ。 「ゆぅ……ゆぅぅぅ……」 親れいむ共はたしかに揺れていた。 ほとほと疲れていたことに加えて、期待のほうが膨らみはじめていた。 もしかしたらお兄さんは許してくれたのではないか。 これほどゆっくりした子たち、優しい言葉。 お兄さんは「大切な子供」だと言ってくれた。 今までの愚行を反省して、ようやく自分たちをゆっくりさせる気になったのだろうか。 子供をゆっくりさせてあげたい。 たっぷりゆっくりさせて喜ばせ、またお母さんと慕ってほしい。 れいむ共の心情はそんなところだろう、くっきりと顔に浮かんでいた。 その時、赤まりさが母親たちのところに這いずっていって言った。 「ほんちょのおきゃあしゃんにあわせちぇにぇ」 「ゆっ……おちびちゃあああああん!!? れいむがおちびちゃんのおかあさんなのよおおおおお!!」 「うちょいわにゃいでにぇ。 おきゃあしゃんならゆっきゅりさしぇちぇくりぇるよ。 おまえちゃちがにしぇもにょなにょはよきゅわかっちゃよ。 いいきゃら、はやきゅほんちょのおきゃあしゃんにあわしぇちぇ」 「ぞ、ぞんにゃごど………いわだいでぇ……おでがいだがらぁ……」 「おにぇがいだきゃら、まりしゃをゆっきゅりさしぇちぇくれりゅ、 ほんちょのおきゃあしゃんにあわしぇちぇにぇ。 まりしゃ、しゃびちいよ」 赤まりさの視線は、よそよそしく冷たかった。 その眼が見ているものは、もはや母親ではなく、 母親のふりをした得体の知れない別のなにかだった。 「ゆぅうううううう!!ゆぅうううううう!!!」 目をぎゅっとつぶり、声を押し殺して泣く親れいむ共。 限界が来ているのがわかった。 「ゆっぐりざぜであげでねええええええ!!!」 ついに、あの子れいむが叫んだ。 いつも二匹を口に含んで守っていた子れいむだった。 「ゆっ、ゆっぐりざぜであげでぇええええ!!」 「おぢびじゃんおでがいじばずぅううううう!!」 全員が堰を切ったように叫び始める。 「本当にいいのかい?」 俺は念を押した。 「この子たちをゆっくりさせてあげられるなんて嬉しいけど、 本当に僕に、この子たちを預けてくれるのかい?」 「ばいいいぃぃ……ひっぐ、うっぐ……ゆっぐり、ざぜであげで……」 「おぢびぢゃんだぢ……たっぷり、ゆっぐりじでいいがらね……」 「大切な子供たちなんだろう?そばに置いておきたくないかい? いまならまだ取り消せるよ?」 「どりげざないよ……ばやぐ、ゆっぐりざぜであげでね……」 「考えなおすなら今だよ? 今考えなおせば、この子は、お母さんのそばにいられるんだけど」 「ゆっぐ……ぞ、ぞれより……ぞっぢでゆっぐりざぜであげでぇ…」 「わかった」 俺は二匹の赤ゆっくりをそっと手に取り、箱から取り出した。 「ゆゆぅ~♪おしょらをちょんでるみちゃいぃ~~!!」 きらきらと目を輝かせる赤れいむと赤まりさ。 親れいむ共が目を潤ませ、微笑みながら見送る。 「おちびちゃんたち……たっぷり、たっぷりゆっくりするんだよ…… れいむがおかあさんだからね……ゆっくりしていってねぇ……」 「よし、では始めよう」 言うが早いか、俺は子ゆっくり共を籠に詰めると、 遊具や食べ物と一緒に、カートに載せてさっさと部屋から出してしまう。 残ったのは二匹の赤れいむと赤まりさだけだった。 「ゆっ?」 そして、部屋の外から俺は新しい箱を持ってくると、 赤ゆっくり共の目の前に中身を広げた。 親れいむ共の顔色がみるみるうちに青ざめる。 「おぢびぢゃんにげでえええええええええええええええええ!!!!!」 続く 選択肢 投票 しあわせー! (1) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5451.html
ゆっくりは善良ゲス構わず消えるよ!気をつけてね! あと荒らしさんはゆっくりしないで帰って寝てね! ある日、一つのゆっくりが目を覚ました。黒い長髪に、桜の形をしたおかざりを付けた美しいゆっくりだ。起き上がり、「ゆ~」と鳴き声(?)をあげながら歩き出した。歩いていると、れいむに出会った。 「ゆ!?見たことないゆっくりだよ!それよりかわいいれいむにあまあまをけんじょうしてね!いますぐっかつすぐでいいy」 次の瞬間、れいむの顔は半分消えていた。 桜のゆっくりはそれを食べ、そして二つに増えた!ウワキモッ!こうして、桜のゆっくりたち...いや、「絶滅種」たちは歩き出した。 さて、歩き出したはいいけど、此奴ら何処に行くんだ? おっ、れいむとまりさの巣だ。また食べるのかな。 まりさ「ゆ?ここはまりさとれいむのゆっくりプレイスな のぜ!さっさと立ち去るのぜ!あとあm」 …うん そうなるよね。 お、中かられいむ...とあと赤ゆも出てきた。 れいむ「あまあま!あまあまがおちてるy 赤「あみゃあm あー、やっぱり。つか今こいつらまりさの死体をあまあまって言ってたな。やっぱり餡子脳だ。 あ、れいむが生きてる。 れいむ「どぼして...こん...」ムシャムシャ 絶滅種「ゆ~」 現在絶滅種数 3ゆ その後も、絶滅種は順調にムシャムシャしていった.... れいむ「れいむはしんぐるまざーなんdムシャムシャ まりさ「えいっゆんのまりささまにkムシャムシャ ありす「いなかものyムシャムシャ ぱちゅりー「エレエレ(死) きめえ丸「おお やばい やばい」(逃げた) そんなことをやっていると、なんと人間さんが絶滅種を見つけてしまいました。 「お、見たことないゆっくりがいる」 「何だろう」 「あ!れいむ、ご挨拶したいの?」 れいむ「そうだよ!下ろしてね!(降) ゆっくりしていってね⭐ まぁ…その後はお察し下さい。 当然れいむは跡形塵芥の残さずムシャリされた訳で、絶滅種はいつの間にか帰ってしまいました。 「そんな...れいむ...」 加工場さんも存在を知り、研究の為に一匹つかまえる事に成功しました。やっぱり加工場ってすごいね! 研究その1 他のゆっくりと一緒に過ごさせる。 れいむ 食った まりさ 食った ありす 食った ぱちゅ 食った ちぇん 粉々にした後食った みょん 壁に投げ飛ばした後、おろしにして食った さなえ 食った(不味そうな顔) ちるの 食った ゆゆこ くわれそうになりながら食った こいし 中枢餡を砕いたのち食った なんか今後の展開が予想出来たので実験その1終了 実験その2 すっきりー!はする? A ムリ 実験その3 じゃアンプルは? A 別に何とも無かった 実験その4 知能は? A 高2並な模様 実験その5 足焼きしたら? A 直った 実験その6 ヒャッハー!血祭りに上げてやるう! A 倒しても倒してもしななかった これは長持ち 実験その7 中枢餡は? A 無い 実験その8 おかざり没収 A 生えた その後も加工場のモヒカンによる実験は続く... まぁそれはともかく残された絶滅種は高2の頭脳をひねって考えました... A 「れいむ種を拉致して食料を生産して数を増やしたらいいと思います」 B 「よっしゃ採用」 C 「でも生産には場所が必要じゃない?」 A 「良いアイデア思いついたわ」 ... ある日、絶滅種は森に行きました。 森には群れって言うのが居ますね。 そう。群れを使うのです。 れいむ「ゆっくりのひ~まったりのひ~」 まりさ「すーやすーやするのぜ!」 ぱちゅ「みんなゆっくりしてるわね♪」 れいむ「ゆっくりのひ...見たことないゆっくりだよ!ぱちぇしらない?」 ぱちぇ「むきゅ...しらないゆっくりね...」 れいむ「ゆっくりしていっt ぎゃぁぁぁぁぁ!れいむのみわくのおかおがぁ! えれえれ すーやすーy(パク) 「...れいむ種は全部で10匹か、まぁ多い方だろう」 「でもでかい群れだったな、いつの間にか俺ら30匹くらいになってるし。」 「でもこれであんこ生産が出来るな!」 「オレンジジュースは愛護派の人に10Lかって貰ったし。 」 「あの人、俺らが捕食者って知らないんだろうな」 … れいむ「ゆんやぁぁぁぁ!もうすっきりしたくなぃぃぃ!」 ありす「つんでれさんねぇぇぇ!」 れいむ「おたべなしゃっ!おたべなしぁぁ!」 「どんどん饅頭が出てくるな」 「俺らも食べ続けてたら100匹超したし。」 「でもあとオレンジジュースも残り少ないぞ?」 「大丈夫だろ。どうせれいむだし。」 れいむ「どぼしてそんなこといヴのぉぉ」 六日後、絶滅種は街におりました。 れいむが死んだからです。-(死因・オレンジ切れ) 156匹のゆっくりの大行列は街ゆく人々を驚かせました。 「みてみてー!ゆっくりがたくさん!」 「新種かしらね...」 「ヒャッハー!殺し放題だぁ!」 なんか気づいたら149匹になってましたが、歩いているとさなえに出会いました さなえ「ゆるさなえ!」 れいむ「もっと...ゆっくり...したかった...」 「...」 「...」 「...」 さなえ「あら?ゆっくりしていって下さいね!」 頭には、黒いバッチが輝いている。 「...(何だこいつ)...」×149 黒いバッチとの邂逅!運命やいかに! ────加工場──────────── 「博士、博士。新種です。」 一つのゆっくりは、そう告げた。 かたえのゆっくりは静かに応えた。 「待っていたよ、セフィローツト。 あるいは、絶滅種。」 今も加工場では実験が続けられていた。 オレンジジュースは 効果アリ。 その瞳は、闇を映す。 紅く染まった髪。 貼り付けられた仏のような笑み。 その姿は、かつての絶滅種とは 違う姿「セフィローツト」? さなえ「こんにちは!」 絶滅種は反応に困っていた。 うぐいすあんは好きではない。 食えと言われれば食うが、好き好んで食べたくはない。 ほんとうに反応に困っていた。 このイレギュラァなオーラが何なのか、本当に分からない。 絶滅種たちは、「恐怖」を知った。 つづく
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3102.html
虐待描写無し・俺設定 適当にちょこちょこと書いていたのですが、捨てるにはもったいなので纏めてみました。 完成度低い上に数値等は適当です。 設定を考える遊びの延長で作成された文章です。内容を他者に強要するものではありません。 俺設定満載、他の作者様の設定も参考にさせていただきました。 ゆっくり解体新書 0.はじめに 幻想郷に突如現れた謎の物体ゆっくりも、すでに幻想郷に広く浸透し受け入れられた様に思われる。 しかし、その数の多さに比例して多くの人のゆっくりに対する認識は、動く饅頭だとか畑を荒らす害獣程度のものであり、その詳しい生態等はあまり知られていない。 私がこの報告書を作成しようと思った切っ掛けは、ゆっくりがどの様なものかということを、広く幻想郷の住人に知らしめたいと思ったからである。 また、この報告書の公開を持って、多くの資料や意見を寄せていただいた、ゆっくり研究者のみなさん、八意永林氏および稗田阿求氏に対する謝意と代えさせていただきたい。 1.ゆっくりとは何か まず、ゆっくりとは何かを考えてみたい。 ゆっくりは饅頭やそれに類似する甘味類であるが、まるで生き物のように活動し、人語を解し、食事をし、排泄をする(一部排泄を行わないゆっくりも確認されている)。その生殖は植物のようであり、また哺乳類のようで有るかと思えば卵生のゆっくりを見ることもできる。 現在幻想郷で主流となっている学説では、ゆっくりは饅頭妖精や饅頭妖怪と言われているが、妖精にしてはその生態は生々しすぎ、妖怪にしては妖気のかけらも無く脆弱すぎる。 幻想郷における始めのゆっくりは、博麗神社のゆっくりれいむと言われているが、調査によると人里離れた森の深部に博麗神社のゆっくり発見以前のゆっくりの痕跡を認めることができるという。 ゆっくりの発見当初、ゆっくりは「ゆっくりしていってね!」の言葉しか発しなかったといわれているが、その住処を人里近くに移し人と接触するにつれて、いつのまにか人語を話すようになったとも言われているし、はじめから人語を話していたとも言われている。 ゆっくりが確認されてから数年後にはドス級の存在が確認されたが、あれほどの巨体にもかかわらず、それまで人妖含めて誰一人その存在を目にした者がいなかったというのも解せない話である。 ここまでゆっくりについて述べた事柄が殆んど想定となっているのは、ゆっくりを調べるにつれてその存在がますます曖昧模糊としたものとなり、確信を持って断定できる自信がなくなってしまったからである。ゆっくりについての真実を知っている者がいるとすれば、あの境界を操る大妖ぐらいしかいないのでは無いだろうか? しかし、近年その大妖を模したゆっくりが発見され、その説も怪しくなってしまっている。(自分の姿を模したゆっくりがいることを大妖が容認するとは思えない) ここまでくると、最早ゆっくりはゆっくりであるとしかいえなくなってしまうが、それでは真実を目指す研究の徒としてどうかと思うので、現時点で最大公約数的に判明している事を纏めたいと思う。 2.ゆっくりの構造 幻想郷の饅頭妖精(妖怪?)であるゆっくりは、種類の差はあるがおおむね甘味類でその体が構成されている。 ゆっくりの体は文字通り甘味類でできているが、ゆっくりが生きていれば、よほど劣悪な環境に無い限り痛むことが無い。 ゆっくりの体組織はゆっくりの死後、またはゆっくりより長時間離れると、ごく普通の甘味としての性質になってしまう。 一例を挙げると、ゆっくりの髪の毛は飴細工で出来ており、ゆっくりに生えているときは人間の髪の毛と同じような質感を維持しているが、切除後ゆっくりからはなして一晩ほど放置しておくと、普通の飴細工となってしまう。 れいむ種のリボンや、まりさ種の帽子などは赤ゆっくりのころから身に着けており、成長とともに大きくなっていく。 しかし、帽子やリボンなどの髪飾りを、ゆっくりから放しておくと、ゆっくりが成長しても大きくなることが無い。 なぜこのような現象が起こるかについては色々と議論されているが、一説としてはゆっくりはその餡子からゆっくりの形態形成場のようなものを展開しているという説がある。その為に、ゆっくりはゆっくりとしての形態を保っていられるが、その形態形成場の範囲からはずれると、現実の法則に従いただの甘味になってしまうと考えられている。 この形態形成場説は未だ何も確証の取れていない推論の類であるが、脆弱な体構造のゆっくりが椎の実などの木の実を砕く咬筋力を持つこと、飴細工の歯で地面を掘って巣を作れること、それだけの力がありながら人間やある程度の大きさの動物に対してはその力が十分に発揮できていないことを説明できる。 つまり、ゆっくりの餡子から発せられる形態形成場よりも弱いもの――木の実、草花、昆虫など――にたいしては本来の体組織以上の性能を発揮するが、それよりも魔力、霊力、気力などが大きなものに対しては体構造本来の強度しか発揮できなくなってしまうと考えられるからだ。 代表的なゆっくりである「れいむ」種を例に挙げると、その体組織は次のようになる。 2.1 ゆっくりれいむの体組織 皮膚: ゆっくりれいむの皮膚は体の表面を覆う表皮と、その下の筋肉と同様の働きをする真皮に分かれてる。 表皮は体を汚れや水などから守る働きをしているが、しょせんゆっくりであるのでそれほど強度は無い。 ゆっくりの真皮は餅またはそれに類似する物で出来ており、その柔軟性と弾力性により体を構成する餡子を包み込んでいる。ゆっくりは体内に体を支える骨や筋などを持たずに、真皮によりその形容を保っている。真皮は筋肉のような役割もしており、真皮の伸縮によりゆっくりは跳ねたりして行動する。 ゆっくりの皮膚の厚さは、概ねその体長の一割程度である。 髪の毛: ゆっくりれいむ髪の毛は飴細工で出来ている。 髪は切断すると一定の長さまで再生するが、それ以上伸びることは無い。 毛根部分を焼却処理すると生えてこなくなるが、むしりとった程度では傷が癒えしばらくすると再び髪が生えることがある。 ごく一部において、髪を触手のように使用するゆっくりの存在も確認されている。 歯 ゆっくりの歯は飴細工でできている。 ゆっくりは雑食性であり、草の茎や木の実なども食べるため、その歯は飴とはいえそれなりの硬度を持っている。 また、ゆっくりの歯は赤ゆっくりのころから永久歯であり、一度失った歯が再生することは無い。 成体のゆっくりの場合、栗や椎の実程度の木の実ならばその皮を噛み砕くことが可能であるため、人が噛みつかれた場合に怪我をする恐れがある。乳幼児の指などは下手をすると切断される恐れがあるために注意が必要である。 舌 ゆっくりの舌は、弾力性のある求肥のような物でできている。 ゆっくりはその顔だけの生首のような体形のために舌が器用に動き、ある程度手のような役割をはたしている。 眼球: ゆっくりの眼球は寒天または葛餅のようなもので出来ている。 眼球内部にはゲル状のシロップがつまっている。 髪飾り: れいむ種のリボンはでんぷん質の繊維で出来ている。髪飾りのレース部分は飴細工であることが多い。 餡: 餡子はゆっくりの脳髄であり内臓器官である。 ゆっくりは餡子が無くならなければ死ぬことは無いと言われているが、大量の餡子を失うと死に至る。 生存に必要な最低限の餡子量は、おおよそ全体の1/3程度といわれている。 また、餡子が失われなくても、極端な温度変化によりゆっくりは死亡することが確認されている。 一例を挙げると、高温の蒸篭で蒸し上げた場合(絶妙な温度管理によって生きたまま蒸し上げる手法も存在する)、焼き上げられて餡子が高温になった場合、極低温の環境にて餡子が凍結した場合などがある。 ゆっくりには中枢餡と呼ばれるものが存在し、バスケットボール大のゆっくりのだと、大体ピンポン玉程度の大きさの密度の濃い餡が存在する。 中枢餡はゆっくりにとって重要な器官であり、中枢餡が傷ついた場合、回復後にも何らかの障害が残る恐れがある。 赤ゆっくりの場合は体内の餡子の大部分が中枢餡で占められているために、外傷などによる餡子流出に非常に弱い。また、栄養を蓄える餡子の量が少ないために頻繁な食事が必要となっている。 中枢餡の大きさは赤ゆっくりから成長するにつれてその体長に対する比率が小さくなっていく。たとえば、直径二十五センチの成ゆっくりの中枢餡は直径四センチほどだが、三メートルのドス級の場合だと中枢餡の直径は三十センチ程になる。 ゆっくりの餡子を入れ替える実験を行った記録によると、餡の種類によって性格などに変化が現れるとなっている。 他のゆっくりの餡子を移植した場合、少量であれば母体となるゆっくりに吸収され問題ないが、量が多いと記憶の混濁等の影響が現れる。また、中枢餡ごと移植された場合は一体のゆっくりに複数の意識が存在することになる。 ゆっくりの餡密度は、赤ゆっくりのころが一番大きく、大きく育つにつれて小さくなっていく。 成体のゆっくりの餡がぱさぱさしているのはこのためである。 中枢餡の密度は成長度合いに限らず一定である。 餡密度 g/1000cm3 赤ゆっくり(植物型) 1200 赤ゆっくり(胎生型) 1100 幼ゆっくり 900 小ゆっくり 800 成体ゆっくり 700〜600 大ゆっくり 〜 ドス級 600〜 中枢餡 1200 一般的な成体サイズ(バスケットボール大)のゆっくりの場合、その重さはおおよそ四〇〇〇グラム程度となる。 3.ゆっくりの体格および身体能力 3.1 体格 直径(mm) 通称・備考 赤ゆっくり(植物型) 25〜40 プチトマトサイズ 赤ゆっくり(胎生型) 40〜65 ピンポン玉、テニスボール 幼ゆっくり 65〜100 野球ボール、ソフトボール 子ゆっくり 100〜180 ソフトボール、ハンドボール 成体ゆっくり 180〜250 バレーボール、バスケットボール 大ゆっくり 〜 ドス級 3000〜7000 (1) 赤ゆっくり 赤ゆっくりの大きさは、植物型出産、胎生型出産により異なる。 成体サイズのゆっくりが植物型出産をした場合は、だいたいプチトマト程度(25-30mm)の大きさの赤ゆっくりが六〜十数匹生まれる。 大型のゆっくりが植物型出産をした場合、体格に比例して茎も太くなるためにピンポン玉サイズまで育つ場合がある。 成体サイズのゆっくりが胎生型出産をした場合は、ピンポン玉からテニスボール程度の大きさの赤ゆっくりが三,四匹生まれる。 胎生型出産は、成体でもバスケットボール程度まで育った個体で無いと行われることが少ない。 (2) 幼ゆっくり 幼ゆっくりは誕生してからある程度育ったゆっくりである。 植物型出産の場合は二週間程度、胎生型出産の場合は一週間程度で幼ゆっくりに成長する。 幼ゆっくりになると、巣から外に出て巣の近くで外界のことを学び始める。 赤ちゃん言葉は残るが、ある程度発音もしっかりしてくる。 (3) 子ゆっくり 誕生から一,二ヶ月でソフトボール程度の子ゆっくりへと成長する。 言葉もはっきり発音できるようになり、親ゆっくりに着いて巣から離れた狩場まで狩をしに出かけるようになる。 子ゆっくりサイズまでの成長速度は非常に速いが、これから成体ゆっくりまでの成長は緩やかなものになる。 (4) 成体ゆっくり 誕生から六〜八ヶ月で成体サイズのゆっくりへと成長する。 成体サイズになると、すっきりーをしてにんしんっしても餡子を吸われて命を落とす危険性が少なくなる。 (5) 大ゆっくり 成体サイズまで育ったゆっくりが恵まれた環境下で数年生きると、一般の成体サイズを超えた大ゆっくりに成長することがある。 大ゆっくりはドス級と違い普通のゆっくりなので、ドス級のように急激な身体能力の上昇は無く、マスタースパークなどの特殊能力を使用することもできない。 (6) ドス級 ドス級のゆっくりの発生条件は未だに解明されていない。 ゆっくりの中にある一定の割合でドス級に進化する因子をもったゆっくりが誕生し、なんらかの切っ掛けによりそれが覚醒してドス級に進化すると言われている。 ドス級になると、一般のゆっくりよりも格段に生命力、身体能力が上昇する。 また、マスタースパーク、ゆっくりオーラなどの特殊能力を使用できるようになる。 3.2 身体能力 ゆっくりの身体能力は一般に思われているよりもかなり高い。ゆっくりの主な移動方法は、這うと跳ねるの二つである。 生れ落ちた赤ゆっくりは、初めのうちは這うことしかできないが、親の指導により植物型出産の場合で2、3日、胎生型出産の場合は大体その日のうちに跳ねるという動作が可能になる。 植物型出産のゆっくりが跳ねるのに時間がかかるのは、誕生まで頭頂部で茎にぶら下がっていたために、足となる体の下部がしっかりと発達していないためである。誕生後に這って動くことにより下面部が刺激され足として発達し、跳ねることが可能になる。 出産時に親が死亡した場合など、稀に跳ねることができない個体が見られるが、成長する段階で他のゆっくりの跳ねる様子などを参考にして自ら跳ねる事を覚えていく。しかし、親のいない赤ゆっくりが群れに属していない場合、無事に成長できる可能性は殆んど無い。 ゆっくりに身体能力は種族によって差があり、各種族ごとの成体の平均的な身体能力は下記のようになる。 最大跳躍力(垂直)cm (水平)cm 巡航移動速度※1 持久力(分)※2 れいむ 60 80 1.5Km/h 10 まりさ 70 100 1.8Km/h 15 ぱちゅりー 40 60 1.0Km/h 5 ありす※3 60 80 1.5Km/h 15 ちぇん 80 140 2.5Km/h 10 みょん 70 120 2.2Km/h 15 ※1 最大速度は約二倍となる ※2 巡航速度で平地を連続して移動できる時間 ※3 発情時のアリスは一時的に身体能力が上昇し、同程度の大きさの固体であればまりさを上回る。 基本的に、最も平均的な能力を持つのがれいむ種となり、まりさ種はその上位互換的な能力値である。 ぱちゅりー種は身体能力が最も低く、体力的にはまりさ種の半分程度しかない。 ちぇん種は成長した成体でも体格がバレーボール程度だが、身体能力が高くなっている。 みょん種は跳躍力や移動速度がちぇん種に劣るが、持久力が勝っている。 ゆっくりは持久力が総じて低く、ある程度連続して移動をした場合、五〜十分程度の休憩が必要となる。 それ以上の運動を強制的に継続させると、足部の弾力性が無くなり跳ねることができなくなったり、餡子を吐いてしまったりする。 大サイズのゆっくりの跳躍力は、餡子の重さと筋肉となる皮の厚さのバランスにより成体のゆっくりとそれほど変わらない。 しかし、ドス級となるとその身体能力は劇的に向上する。 これは、ドス級となることにより一段階上位の種として進化し、餡子力により発せられる形態形成場が強化されるためと思われる。 参考までに、四メートルサイズのドスまりさの身体能力を下記に示す。 最大跳躍力(垂直)cm (水平)cm 巡航移動速度 持久力(分) ドスまりさ 600 800 18Km/h 60 4. ゆっくりの生殖 ゆっくりの代表的な出産方法には、頭頂部付近から発生する茎にまるで実がなるように赤ゆっくりが実る植物型と、体内である程度の大きさまで成長させる胎生型がある。また、極まれに卵生型の出産を行う個体も確認されている。 ゆっくりの生殖行為(すっきりー)に関しても複数の方法が存在し、体を摺り寄せることにより精子餡のやり取りを行う「すりすり型」、ぺにぺにと呼ばれる男性器に相当するものを、まむまむと呼ばれる女性器に相当する器官に挿入し精子餡の受餡を行う「ぺいまむ型」がある。卵生の場合は前にあげた二つの方法のほかに、母体となるゆっくりが産卵した卵に対して父親役のゆっくりが精子餡をかけて受餡させる方法、「たまたま型」が確認されている。 4.1 ゆっくりの生殖器 ゆっくりは雌雄同体であり、「ぺにぺに」と「まむまむ」と呼ばれる生殖器官を持っている。 「ぺにぺに」と「まむまむ」は同一の器官であり、ゆっくりのあごに当たる部分に存在する。通常時は皮膚がぴったりと合わさって隠れているため判別することは困難である。。 「まむまむ」は膣にあたる器官で、交尾時にぺにぺにを受け入れて交尾を行う。交尾時に事前にすりすり等の性的刺激をうけ興奮すると、入り口が開き潤滑剤に相当する粘液を分泌する。体組織が何らかの甘味で構成されているゆっくりらしく、この粘液は成分的には葛湯のようなものである。 「ぺにぺに」は雄役のゆっくりの「まむまむ」が体外へ勃起することにより発生する器官である。交尾時に雄役のゆっくりは「まむまむ」に「ぺにぺに」を挿入し、雌役のゆっくりにたいして精子案を受餡させる。一般的な成体のゆっくりでぺにぺにの大きさは根元の直径20mm、長さ50mm程度の円すい形の物体である。 受餡が可能な器官としては「すりすり型」交尾のときに一時的に精子餡を透過しやすい構造に変化する頬部分や、通常には排泄器官として使用される「あにゃる」などがあるが、便宜上こちらは生殖器として分類しないことにする。 4.2 ゆっくりの交尾 (1) すりすり型 すりすり型の交尾は成体となりまだ間もない個体や未成熟な個体で多く見られる。 多くの場合は親愛の表現である頬を摺り寄せる行為(すりすり)がそのまま生殖行為に発展した場合に行われることが多い。 すりすりを行い性的興奮が高まると、ゆっくりは潤滑剤となる粘液を体から分泌する。さらに、その分泌物と頬への刺激が引き金となり頬の対組織の一部が精子餡を透過しやすい構造に変化する。 性的興奮が高まり、「すっきりー」の絶頂とともに雄役の頬部分から精子餡が分泌され、雌役の頬部分を通して受精が行われる。 このときにどちらが雄役でどちらが雌役になるかは、そのときのゆっくり同士の精神状態により決定すると考えられる。まれに、普段の生活の役割において、雄役、雌役の区別がはっきりとついていない場合や、両方のゆっくりが「にんしんっ」を望んだ場合に、両方同時に「にんしんっ」する例が報告されている。 (2) ぺにまむ型 ぺにまむ型の交尾は、雄役のぺにぺにを雌役のまむまむに挿入して射餡することにより精子餡を受餡(にんしんっ)させる方法である。ぺにまむ型の交尾は成熟した成体の交尾においてよく見られる。 一般的にぺにまむ型交尾は、愛し合った番の場合は向かい合ってお互いに性感を高めあい行われるが、ぺにぺにをあにゃるに挿入する形で行われることもある。後者の方法は無理やりすっきりーを行うレイプの場合に多く見られる方法である。 4.3 ゆっくりの出産 (1) 植物型 植物型のにんしんっは、母体が完全に成熟した成体で無い場合や、生息環境が厳しい場合などに行われる。 また、すりすり型の交尾をした場合は、ほぼ100%近く植物型のにんしんっとなる。 植物方妊娠は、妊娠期間が短いために妊娠中に外敵の脅威に襲われる可能性が少なく、母体となったゆっくりも出産後直ぐに餌集めなどが行うことができる。また、多くの赤ゆっくりを生むことで成体まで育つ確立を上げていると考えられる。 植物型の場合、受餡後暫くすると頭頂部から1,2本の茎が生え、その茎に赤ゆっくりが6〜十数匹果実のように実る。 赤ゆっくりは大体1〜3日で誕生し、その大きさはプチトマト程度である。 赤ゆっくりが生まれた後、頭頂部の茎は自然に根元から外れ、それが赤ゆっくりの最初の食事となる。 この茎を最初に口にすることにより、赤ゆっくりは免疫等を身につけると考えられている。 生まれたばかりの赤ゆっくりは、茎を噛み砕けない場合があり、その場合は親が噛み砕いてペースト状にして赤ゆっくりに与えることになる。 (2)胎生型 完全に成熟した成体ゆっくりは、胎生型のにんしんっを行うことができる。 胎生型のにんしんっはぺにまむ型の交尾によって妊娠が可能である。 胎生型の妊娠期間は、大体十四日ほどであり、母体となったゆっくりはその間は巣穴で安静にする必要がある。 そのために、周囲の豊富な餌場があり、片親でも妊娠中の餌集めが十分に可能な場合に胎生型妊娠が行われる。 胎生型妊娠の赤ゆっくりの数は三,四匹であり、その大きさはテニスボールほどになる。 赤ゆっくりは母体の体内にいる間に、母体を通じて免疫等を獲得する。 また、ある程度育った状態で生まれる為に、短い期間で巣の外に出る事が可能である。 (3) 卵生型(たまたま) たまたま型の出産は、片親または両親の生存が難しい場合、山岳地などで冬季の餌が確保できない場合などに稀に見ることができる。 たまたま型の出産方法は多くの卵を出産する魚類型と、少数の卵を出産する爬虫類型があるが、どちらも報告例が少なく正確な情報は判明していない。 (3-1) 魚類型 雄役、雌役のゆっくりが互いにすりすりを行い性感を高めていく、通常のすりすりが三分から五分程度であるのに対して、この行為は三十分から二時間もの長い間継続して行われる。このすりすりは、すっきりーするためのものではなく、雄役は大量の精子餡を、雌役は大量の卵を体内に生産するためのものである。 じゅうぶんにすりすりし、体内に精子餡と卵を蓄えたゆっくりは、すっきりーの掛け声とともにまず雌役のまむまむから大量の小豆の様な卵を産卵する。続いて、雄役のぺにぺにから産卵された卵に対して大量の精子餡が振り掛けられることにより受餡を行う。 交尾を終えたゆっくりは、その生命力を精子餡と卵の製造に使い果たして死亡する。 受餡した卵は、冬の間に死亡した卵を栄養として吸収し、その数を減らしながらだんだんと大きくなっていく。 最終的にピンポンだまより一回り大きい卵が、多いときは十数個程度生き残り、春の訪れとともに赤ゆっくりが誕生する。 赤ゆっくりの最初の食事は、残された親ゆっくりの死体となる。 (3-2) 爬虫類型 爬虫類型出産の交尾は、胎生型と同じくぺにまむ型の交尾によって受餡が行われる。 受餡から二、三日程で、ピンポン玉大の卵を五〜六個出産する。 爬虫類型の卵はゴムのような弾力性のがあり、海亀の卵に良く似ている。 卵は親ゆっくりが抱卵をする場合は三,四日程度、越冬する場合は外気温がある程度上がると孵化する。 5 ゆっくりの生態 ここでは、ゆっくりの生態に関して一般的な事例を紹介する。 各種別の典型的な特徴や、ゆっくりの生活に関して解説する。 5.1 各種ゆっくりの特徴 (1) まりさ種 まりさ種はゆっくりの中でもその個体数が多く、全体の3割程度をまりさ種が占めている。 ゆっくりの中では身体能力が高く、群れなどではリーダー的役割に収まっていることが多い。 まりさ種の一番の特徴は、被っている黒い三角帽子にある。 帽子の中に食料などを入れて持ち運んだり、赤ゆっくりや幼ゆっくりなどを中に入れて移動することが可能である。 また、帽子を水面に浮かべその上に乗ることにより、流れの緩い川などを渡ることが可能である。 一般的な性格 責任感が強く、男性的役割を果たすことが多い。 下種 語尾が「だぜ」となることが多い。 自己中心的な性格をしており、自分のゆっくりの為に他のゆっくりを犠牲にすることを厭わない。 それには、自分のつがいや子供もふくまれる。 (2) れいむ種 れいむ種はまりさ種と同程度に個体数が多い。 身体能力は一般的で、取り立てて特徴といったものはない。 一般的な性格 母性が強く、女性的役割を果たすことが多い。 下種 自分の子供などを理由に、つがいや他のゆっくりに不当な要求をすることがある。 自分と自分の子供のゆっくりの為に他のゆっくりを犠牲にすることを厭わない。 自分の子供が思い通りに育たない場合に、躾と称して虐待を加えることがある。 (3) ありす種 れいむ種、まりさ種に続いて個体数が多い。 ありす種に関しては異常発情状態のありすが取り沙汰される事がおおいが、本来は理知的で賢いゆっくりである。 ありす種の巣は、他のゆっくりの巣に比べるときれいに整頓されていることが多く、花を飾るなどの行動も見られる。 ありす種の特徴としては、都会派と称したありす種独特の感性と、天邪鬼的な言動がある。 一般的な性格 理知的で姉的役割を果たすことが多い。 下種 異常発情状態となると、目に付くゆっくりに対して見境なくすっきりーを強要するようになる。 対象となるゆっくりは特にまりさ種を好むようだが、症状が進むと自らの子供に対しても欲情をするようになる。 異常発情状態のありす種は身体能力が向上し、相手をすっきり殺すまですっきりーを強要することも多い。 (4) ぱちゅりー種 ぱちゅりー種は身体能力が脆弱で生命力も弱いため個体数が少ない。 ぱちゅりー種は知能が高いことが多く、群れのリーダーの補佐的役割を果たすことが多い。 また、薬草などの知識を持っている個体は医者的役割をする場合がある。 「むきゅ」と泣き声を上げる。 一般的な性格 ゆっくりの中では知能が高く、群れの管理などをしていることが多い。 一方で、群れに不利益をもたらすゆっくりを切り捨てるなどの非常な面も持っている。 本などの文字が書かれた印刷物に強い関心を示す。 下種 親や群れの指導者的ゆっくりからの知識の継承を受けなかったぱちゅりーは下種化することがある。 自分知能が高いことを鼻に掛けて他のゆっくりを見下すことがある。 しかし、知識が継承されていないぱちゅりーの場合はただの自意識過剰となり、間違った指示により群れなどを危険にさらすことがある。 (5) ちぇん種 ちぇん種は他のゆっくりと違い猫耳と二本の尻尾を持っている。 体格は他のゆっくりより一回り小さいが、そのかわり身体能力が高い。 ちぇん種はらん種に懐くように種族として刷り込みが行われているようである。 「わかるよー」「わからないよー」の言葉を発するが、実際に分かっているのかはあやしい。 一般的な性格 素直な性格で、他のゆっくりに対して従属的な立場にいることが多い。 下種 ちぇん種が率先して下種な行動をすることは少ないようである。 他種の下種なゆっくりに追従していることが多い。 (6) みょん種 みょん種は身体能力が高いが個体数が少ないため、群れの用心棒的存在であることが多い。 ゆっくりみょんは常に棒状の武器を携帯しており、それを器用に使いこなして狩や戦闘を行う。 みょん種に関しては、「ちーんぽ」などの男性器を呼称する言葉しか喋れないものと、語尾が「みょん」となるものが確認されている。 どちらのゆっくりみょんも不思議なことに、他のゆっくりとの会話が成立しているらしい。 一般的な性格 信義に厚く仲間思いの個体が多い。 下種 みょん種は力を信条とすることが多いので、辻斬りのようなことを常習するものが発生することがある。 5.3 ゆっくりと四季 (1) 春 ゆっくりにとって春は、生命の謳歌を楽しむ季節であり、また恋の季節でもある。 長い越冬を終えたゆっくりは、辛く厳しい冬を越えたことを喜び、春の恵みをその腹いっぱいに収める。 巣立ちをしたゆっくりはパートナーを探し、子どもが独り立ちした親ゆっくりは次の子どもをその身に宿す。 ゆっくりには発情期が無く通年発情可能であるが、越冬の間すっきりーできなかった反動で春ににんしんっするつがいが多い。 梅雨の季節になると、巣穴の雨対策の不備により巣が水没したり、雨が降り続き巣の中で餓死したりして少なくないゆっりが命を落とす。 (2) 夏 夏になると春に生まれた赤ゆっくりも大きくなり、家族で狩りをおこなう姿などを見ることができるようになる。 夏は草花の成長も早く、昆虫類も豊富なために、ゆっくりたちは十分にゆっくりとした生活を満喫する。 しかし、夕立の季節でもあるので、巣から離れたゆっくりが突然の豪雨により命を落とすことも多い。 (3) 秋 ゆっくりにとって秋は、秋の恵みを楽しむと共に、冬篭りの為の食料を備蓄する季節である。 草、花、昆虫、木の実、果物などの食料を巣の備蓄庫一杯になるまで集めて越冬の準備をする。 ゆっくりには食糧の備蓄に関する知恵があり、水気の多い痛みやすいものを日々の食料にして、日持ちの良い木の実や干した草などを越冬用に備蓄するようである。 初秋の台風により、巣が水没したりして少なくないゆっくりが死亡する。 (4) 冬 ゆっくりにとって冬は巣篭もりの季節である。 この頃になると、春に生まれた子ゆっくりはバレーボール程度まで成長しており、ほとんど成体サイズとなっている。 越冬を経験して無事に春を迎えることができれば、子ゆっくりは一人前として独り立ちするために巣を出て行くことになる。 (まれに、大きな巣がある場合は複数世帯が同居している場合もある) 越冬に関しては「5.4 ゆっくりの越冬」を参照願いたい。 5.4 ゆっくりの越冬 ゆっくりは冬になると巣に篭って越冬を行う。 巣篭もりの次期は、大雪から冬至の雪が降り始めるころに始まり、啓蟄の頃までとなる。 ゆっくりの越冬方法には巣篭もり型と冬眠型があり、冬眠型は比較的気温の低い地域に見ることができる。 どちらの越冬方法でも、食料の備蓄が足り無かったり、雪の重さに耐え切れずに巣が崩落したり、巣の作りに問題があり凍死したりと、越冬の成功率は一般的なゆっくりで平均六割程度となっている。 越冬の失敗には、下記の様な要因が挙げられる。 越冬の失敗例 - 食料の備蓄が足りない。 - 食料消費の配分を考えずに食料が足りなくなる。 - すっきりーしてしまい、子供が生まれて食料が足りなくなる。 - 長期間狭い巣の中で生活することによるストレスから、喧嘩などを行い自滅する。 - 雪の重さに耐えられず巣が崩落する。 - 巣の造りに問題があり、凍死する。 - れてぃ種に襲われる (1)巣篭もり型 巣篭もり型の越冬は冬の間に気温が氷点下を越えることが少ない地域で行われることが多い。 ゆっくりは冬の間、溜め込んだ食料を少しずつ消費しながら春を待つことになる。 巣篭もり型での越冬の失敗要因は、巣の中で生活を行うために、喧嘩、すっきりー、食料の不足などが上位として挙げられる。 メリットとしては、巣の入り口に穴があいた場合など、不測の事態に対処することが可能である事があげられる。 また、比較的幼いゆっくりでも親ゆっくりが面倒を見ることにより越冬可能である。 (2)冬眠型 冬眠型の越冬は気温が氷点下以下になることが多い地域で行われることが多い。 また、越冬に十分な食料が集まらなかった場合に、食料の消費量を減らすために冬眠を行う場合もある。 ゆっくりは秋の間に収集した食料を大量に摂取して栄養を備蓄し、巣の中に詰め込んだ藁や枯葉などに包まれて冬眠して春を待つことになる。 冬眠の途中で何度が目を覚まし、備蓄した食糧を食べて再び眠りにつく。 冬眠型の場合、子ゆっくりより小さいゆっくりでは栄養の備蓄を十分に行えないことと、餡子の容量が少ないため気温の低下に対する耐性が低くいため、越冬の確立率が低くなる。 また、何らかの事故により巣の入り口に穴が開いてしまい、そのまま全員が凍死する事もある。 各越冬方法の特徴 巣篭もり型 冬眠型 地域 比較的気温の高い地域 比較的気温の低い地域 食糧消費 大 小 ストレスによる自滅 大 小 不測の事態 対処可能 対処は難しい ゆっくりの大きさ 特になし 子ゆっくり未満では難しい 6 おわりに 以上でゆっくりに関する報告を終わらせていただく。 現在この文章を執筆している間にも、ゆっくりたちの新たな生態の発見例が私の元には届いている。 今回の報告書では説明しきれない内容も多数あるのだが、機会があれば次回の報告書に記載したいと思う。 きわめて曖昧で中途半端な内容になってしまった事をお詫びしたい。 それでは、みなさんがこの報告書を役立てていただけることを願っている。 おまけーね ■「文々。新聞」より抜粋。 記者「本日は、ゆっくり解体新書の著者の方にお話をお聞きしたいと思います」 よろしくおねがいします。 記者「執筆に当たって、苦労された点などはあるでしょうか?」 そうですね……ゆっくりというのは本当にでたらめな存在でして、その生態を調べて原稿に纏めると、次の日にはまた違った目撃例が発見されたりするんですよ。 記者「それは大変そうですね」 ええ、書いても書いても新しい事実が出てきて、ちっとも原稿が完成しないんですよね。 いったい何度原稿を破り捨てたか分かりませんね。 記者「そうなると、ストレスなどもかなり溜まったのではないでしょうか?」 一時期は胃に穴が開くかと思いましたが、執筆協力者から良いストレス解消法を教えていただいたのでなんとかなりました。 記者「なるほど、それはいったいどの様な解消法でしょうか?」 まぁ、ゆっくりで溜まったストレスはゆっくりで解消すると言えばよいでしょうか――ヒャハ 記者「……えーと、その協力者とはどなたですか?」 情報源の秘匿として、黙秘させていただきます。 記者「話は変わりますが、その腰に下げている物は何でしょうか?」 これですか? これは玄翁ですね。なかなかの一品ですよ。 記者「そうですか――とりあえず、何に使うかは聞かないでおきますね」 実に手に馴染みます。 記者「それでは、本日はありがとうございました」 おわり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4102.html
『なつかしのゆっくりあそび』 夏、日差しが降り注ぐ森の中で少年たちは何かを探していた。 「たっちゃん! そっちもいねーのか?」 1人の少年が声を声をあげた。 「いねーなあ・・・ あー、早くやりてえ・・・」 この2人の少年は古くからの友達で家も近く良く遊ぶ。 そして今日も夏休み真っ最中と言う事で遊んでいるのだ。 そしてしばらく、さきほどのたっちゃんと言われる少年が何かを見つけた。 「おーい! ヒロ! 巣穴だ!」 「よっしゃあ!」 たっちゃんに呼ばれたヒロは切り株の下にあるらしき巣穴に近寄る。 ヒロがたどり着くと、たっちゃんはもともと持っていた水筒を取り出した。 「ヒロ いくぞーw!・・・」 こぽこぽこぽ… そんな可愛らしい音を立てながら水は巣の中に入っていく。 「つめだいいいいいいい!!! おみずさんはこないでねえええええ!!」 1匹のゆっくりれいむが出てきた。 「ほい!」 そして、網で捕まった。 「れいむをだしてね!! ばかなにんげんはれいむをさっさとだしてね!!!」 ソフトボールほどの大きさの饅頭が虫かごの中で何か言っている。 しかし、その声は届いてはいないようだ。 「れいむ種かよー、水上まりさの的当てゲームがよかったんだけどなあ・・・」 「まりさは昨日やっただろ、まりサッカーを そういやー昨日のまりさの顔最高だったよなw 『・・・ぶぶ・・び・・べぶば・・・ばび・・・』とか言って 何言ってんのかわかんねーのw マジ傑作だったわw」 「今日は虫眼鏡で焼こうぜ!」 「いいねー、最高!」 そうしているうちに、人気の無い原っぱに着いた。 そして、たっちゃんが奥の使われていないプレハブ小屋から 古いちゃぶ台を日の当たる場所へ持ってくる。どうやら秘密基地らしい。 ヒロがれいむを取り出すと、 ちゃぶ台の上でれいむを手をチョキの形にし、押さえつけた。 「きやすくれいむをさわらないでね!! れいむはせいじゅんなんだよ!!! じじいにさわられるとけがれるよ!!!」 どうやら、「じじい」の意味を分ってないらしい。 「じじいとかw、だったらお前もババアw」 「「バ・バ・ア! バ・バ・ア! バ・バ・ア! バ・バ・ア!」」 少年たちはババアコールを連発した。 スキマは現れることは無かった。 「うるざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」 ババアコールが終わった後、たっちゃんは虫眼鏡を取り出した。 「俺の指も焼くなよw」 「大丈夫だよ、何回目だと思ってんだ。」 そして、たっちゃんはヒロのチョキの形になっている指の間のあたりに 虫眼鏡のピントを合わせ始めた。 「なにしてるの? ばかなの? へんなしゅうきょうなの?」 最初は余裕をこいていたれいむだが、腹の辺りに違和感を感じ始めた。 「ゆゆゆ・・・! あついよ! やめてね!! あづい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「うけるw 『あづいいいいい』 だってw」 「今度はぺにまむ焼こうぜw」 ヒロはれいむを引っくり返し、逆立ちのようなポーズにさせた。 「焼っきまーすw」 「ゆ゛! やめでえ゛え゛え゛え゛!! あ゛がぢゃん゛う゛み゛だい゛んでずッ!!!」 「へえーw まんじゅうごときが「あかちゃん産みたーい」だってよw」 「ふーんw べつに俺たち関係ないし、産みたきゃ産めば?w」 時間が経つに連れ、れいむのぺにまむは焦げ臭くなっていく。 「ぴい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! ぢぬう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 「あー かわいそうにw あかちゃん(笑)産めないねw」 「やべえw ゆっくり最高w マジ、ウケるwww」 焼く作業が一通り終わると、虫眼鏡を置いたたっちゃんは 先ほどのプレハブ小屋から爆竹を取り出してきた。 「やっぱ最後はゆ爆でしょw」 「今度は俺にやらせてくれよw!」 ヒロはれいむを掴み、爆竹を頭に突き立てた。 「いぴゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛ッ!!!」 そして、マッチを擦り導火線に引火した。 「おりゃっw」 れいむは弧を描きながら飛んでいく・・・ 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛・・・・・」 「びぃッ!」 弾け飛んだ。 「やべえwwwwうけるwww」 2人の少年が指を指しながら笑っている。 「びぃッ~wwww」 「やめろw 真似すんなw」 「ゆっくり遊び最高w もっとやろうぜw」 なつかしのゆっくりあそび、最近は見ませんね・・・ 私も小さい頃は、よくゆっくりで遊んだものです。 完 あとがき 2作目 なぜか子ども達が後半になるにつれDQNになっていく・・・。 作者 きよ このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2893.html
その6より れいむは朝早く目が覚めた。 今日が来るのを待ち切れず、興奮のあまり、目を覚ましてしまったのだ。 遠足前の子供のようである。 お腹がすいたので、もうこれも食べることも無くなるのだなと、感慨深げにドッグフードに口をつける。 「む〜しゃむ〜しゃ、しあわせ〜〜♪♪」 ここにきて、初めての「しあわせ〜〜」である。 どんなに美味しくても、虐待の後に食べたり、負い目を感じながら食べても、全然幸せになれなかった。 やっぱり「しあわせ〜〜」が出来ると、一日の気分がいい。 その後、れいむは嬉しさを堪え切れず、部屋の中を行ったり来たりしていた。 早くお兄さんが来ないかな? まだかなあ? いつもなら男が来なければ良いのにと思うのに、解放されると分かった途端、現金なものである。 しかし、男は中々やってきてくれない。 無理はない。まだ早朝、夜が明けたばかりなのだから。 試しにまりさとありすに声をかけてみる。 しかし、二匹とも寝ているのか、ちっとも返事を返してくれなかった。 話し相手が居ないのは残念だが、無理やり起こすのは可哀そうだ。 それに、ゆっくりにとって、ゆっくりしすぎることは悪いことではない。むしろステータスだ。 そんなゆっくり出来てるまりさと、これから一生ゆっくり出来ると考えるだけで、体が熱くなってくる。 れいむは無意識のうちに壁に寄り添い、上下に体を擦りつける。 次第に興奮が高まってくるれいむ。 もしかしたら、今日にでもまりさといっしょにスッキリを……と、ここにきて、れいむは火照る体を無理やり押さえつけた。 気分が高まってしまい、うっかりと一匹スッキリをしてしまうところだった。 そんなことをしなくても、これからはいつでもまりさと一緒にスッキリをすることが出来る。 こんなところで一匹で寂しくしていることはない。 れいむは、高まる興奮を無理やり押さえつけるため、毛布に包まり目を閉じた。 一匹で起きているから、抑えきれないのだ。 男が来るまで、二度寝するに限る。 初めは興奮してなかなか寝付けないれいむだったが、元々昨夜は十分な睡眠が取れていなかったのだ。 れいむは、すぐに夢の中へと吸い込まれていった。 「おきろ、れいむ」 誰かのれいむを呼ぶ声によって、れいむは目を覚ました。 毛布からモゾモゾ出てきて、声の主を確認する。 それは、今まで虐待を繰り返し、今日ここから出してくれるといった男であった。 男は部屋を開けて、れいむの部屋に入っていた。 「ゆっ!! ゆっくりおはよう!! おにいさん!!」 「ゆっくりおはよう。呑気だな、敵である俺に挨拶をするなんざ……」 「ゆゆっ!! そうだったよ!! れいむ、ゆっくりまちがえたよ!! ゆっくりおはようしないでね!! おにいさん!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男は、れいむを適当にあしらう。 「さてと、れいむ。今日は何の日か覚えているな?」 「ゆっ!! おぼえてるよ!! れいむたちが、おそとにでられるひだよ!!」 「そうだな。今日はお前をここから解放してやる日だ。ただし、出る前にやってもらうことがある」 「ゆゆっ!!」 れいむは焦った。 すんなり出してもらえると思っていたのだ。 もしかしたら、出るために条件でも出されるのだろうか? それとも、出る前に虐待をさせるのだろうか? しかし、そんなれいむの不安そうな表情にピンと来たのか、男は「安心しろ」と言葉をかける。 「今日お前を虐待する気はない。ただ、外に出る前にやってもらうことはあるがな」 「やってもらうこと?」 「ああ。まあ、それは後で教えよう。問い合えずこの箱の中に入れ?」 そう言って男は、いつも虐待部屋とこの部屋を渡るときに使っていた木箱を、れいむの前に置いてくる。 「ゆぅぅ……」 木箱を見せられて怖気づくれいむ。 虐待はしないと言っていたが、やはりこれを見せつけられると、不安が押し寄せてくる。 しかし、男に逆らいでもしたら、折角出られるチャンスを不意にしてしまうだろう。 れいむは仕方なく木箱の中に入った。 男は木箱の蓋を閉めると、「どっこらせ」と掛け声をかけて、れいむを持ち上げ運び出した。 そして、目的の部屋に連れて来ると、れいむを木箱から出してやった。 部屋を見渡し、青ざめるれいむ。 そこかしこに散らばている虐待道具。 あの悪夢のような動く絵を見せる箱。 そこは、もう二度と来たくないと思っていた虐待部屋であった。 「な、なんでここにくるのおおおぉぉぉぉ―――――――!!!! もうぎゃくだいはじないっでいっでだのにいいいぃぃぃぃ――――――――――!!!」 れいむは男に向かって叫ぶ。 男は、そんなれいむを宥めるように、淡々と説明を告げてくる。 「落ち着け、れいむ。さっきも言ったが、今日は虐待はしない。ここに連れてきたのは、まりさとありすに会わせるためだ」 「ゆゆっ!!」 そう言えば、まりさとありすにまだ会っていなかった。すっかりと失念していた。 「ゆっくりはやく、まりさとありすにあわせてね!!」 「今連れてくる。ここで待ってろ」 男はれいむを置いて、部屋を出ていった。 早くまりさに会いたい。早くありすの顔を見たい。 れいむは、落ち着かなかった。 数分後、男は両脇に何かを抱えて、部屋に戻ってきた。 何かと言うのは、男が抱えているのが、真っ黒な布を被せてあり、四角い形をしているので分からなかったのだ。 しかし、れいむにはピンときた。 形からして、男が持っているのは箱。その中に、まりさとありすが入っているに違いない。 箱が布を被っている理由は分からないが、れいむは気にしなかった。 男がれいむの目の前に、二つの箱を置く。 そして、れいむに目を向けた。 「れいむ。この中に、まりさとありす入っている」 「ゆっくりしっていたよ!!」 「今から会わせてやろう。お前が待ちに待った瞬間だ」 男はそう言って、両箱の布に手をかけた。 「この布を取れば、お前は二匹に会うことが出来る。心の準備はいいか?」 「ゆっ!! ゆっくりはやくあわせてね!!」 「準備はいいようだな。それじゃあ、2か月半ぶりにご対面だ。ごかいちょう――――――――――――!!!!」 男は勢いよく布を持ち上げた。 れいむは初めて会って以来、久しぶりに二匹の顔を見ることが出来た。 待ちに待った瞬間だった。 だったのだが…… 「…………ゆっ!? ゆゆっ!? ゆ……ゆゆ………ゆぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!」 そこにいたのは、確かにまりさとありすだった。 しかし、透明な箱の中に入っていた二匹は、れいむの記憶にあった面影がほとんど残っていないほど凄惨なものだった。 これが本当に、あのまりさとありすなのか? 二匹の髪は、無理やりむしり取られたような跡がたくさんあり、所々禿げあがっていた。 まりさなど、毛より地肌の部分が多いくらいであった。 もっちりと張りのあった皮は見る影もなく、皺々でかさかさ。 余りに乾燥しすぎていて、所々ヒビ割れを起こしている。 両者とも片目が抉り取られており、その部分はポッカリと空洞が出来ていた。 歯も無理やり抜き取られたようなところが、たくさん見える。 足に当たる底辺は、焼かれてしまったのだろうか? 真っ黒になって、もう使い物になりそうもない。 もはやまりさとありすの面影など、殆ど残っていなかった。 美ゆっくりであったまりさも形無しである。 それでいて、れいむがすぐに二匹だと気づいた理由。 それは、帽子とカチューシャのおかげであった。 体は凄惨な状態でありながら、二匹の帽子とカチューシャは、れいむが初めて会った時の状態そのままであった。 ゆっくりは、飾りで相手を特定する。 一切無駄な皺のない帽子、光沢を放つカチューシャ。 それは、間違いなく二匹の付けていた物であった。 れいむは、二匹のあまりの状態に、アングリと口を開けたまま放心した。 その様子を見た男が、面白そうに声をかけてくる。 「どうだ、れいむ。久しぶりに会った感想は?」 「な、な、な、な、なんでえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――!!!!!」 「なんでって何がだ?」 「なんでまりざがごんなめにあっでるのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――――!!!!!」 「こんな目にと言われてもなあ……二か月半ずっと繰り返してきたことだし」 二か月半繰り返してきた? あり得ない。あり得るわけがない!! 確かに虐待は受けてきた。しかし、三匹とも同じ虐待を受けてきたのだ。 それなのに、れいむは殆ど傷がなく、まりさとありすはこうもボロボロになっているのだ? 「どうやら、訳が分からないことだらけのようだな。ま、取り敢えず、まりさとありすを起こしてやろう」 男は透明な箱の蓋をあけて、まりさとありすを思いっきり拳を叩きつける。 辛そうな表情で寝ていた二匹は、それによっていきなり目を覚ます。 「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――――!!!!!」 「ゆぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!!」 断末魔の様な悲鳴を上げながら、無理やり覚醒させられる二匹。 しかし、男は起きたにもかかわらず、面白そうに二匹を殴り続けた。 「やめでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!!」 「ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!!!!」 二匹の必死の懇願に、男はようやく暴力を働くのを止めてくれた。 そして、二匹に向かって、口を開く。 「お前たち、目の前を見てみろ。お前たちが会いたがっていたれいむが、すぐ目の前にいるぞ」 男はそう言って、れいむを指差した。 二匹はびっくりしたような表情で、男の指す方に目を向ける。 「遠慮なく語り合え。俺は一切手を出さん」 れいむは、変わりに変わってしまった二匹のことを見てるのが辛く、つい目を背けてしまいそうになった。 しかし、それでも何とか勇気を振り絞って、二匹から目を離さなかった。 例え、姿は変わってしまっても、まりさはれいむの婚約者である。 どんなに変わってしまっても、れいむはまりさを愛していた。 そして、ありすは親友である。 自分を恨むどころか逆に祝福して貰い、その後も親友でいてくれると誓ったありすである。 二匹がいなければ、れいむはここまで生きていられなかっただろう。 心が折れていただろう。 目を背けられす筈がなかった。 「まりざっ!! ありずっ!! じっがりじでええぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!」 れいむは、心の底から呼びかけた。 しかし、れいむに帰ってきたのは、思いもよらない罵声であった。 「れいむ―――――――――!!!! きざまのぜいでえええぇぇぇぇぇ――――――――!!!! きざまのぜいでええぇぇぇぇぇぇ――――――――!!!!」 「じねええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!!! れいむうううううううううぅぅぅぅぅ―――――――――――!!!!」 「ばりざざまが、ごんなめにあうのは、きざまのせいだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!!!!」 「どがいはのびぼうをがえぜえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――!!!!」 「ゆっ!! ま、まりさ!? ありす!?」 なぜ自分が罵声を受けるのか分からないれいむは、二匹のあまりの様子に困惑した。 自分はまりさの妻なのだ。なのに、なぜ罵倒される? ありすは親友のはずだ。なのに、ありすもれいむを責めてくる。 しかも、れいむのせいとはどういう意味だ? 都会派の美貌を奪ったのは、れいむだというのか? 訳が分からなった。 「ま、まりさ!! ゆっくりちゃんとみてね!! れいむだよ!! まりさのおよめさんのれいむだよ!! ありす!! ゆっくりれいむのこえをきいてね!! ありすのだいしんゆうのれいむだよ!!」 考えに考えた末、二匹は勘違いをしているという結論に至った。 れいむと出会ったのは、初日だけだ。 もしかしたら顔を忘れてしまったのかもしれない。 片目では、うまく見えないのかもしれない。 でも、れいむの声を聞けば、ゆっくり理解してくれる。何しろ、毎日のように壁越しに語り合ったのだから。 しかし、れいむの希望はまたしても打ち砕かれた。 「だれがおよめざんだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!!!! きざまのようなきだないゆっぐりが、まりざざまのおよめざんなわげ、ないだろおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――!!!!」 「どかいはのありずが、おまえのじんゆうなわげないでじょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!! いながものはじねえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!! ずっきりざぜろおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――――――――!!!!!!」 れいむは耳を疑った。 一体二匹とも何を言っているのだ。 れいむはまりさのお嫁さんではないか!! れいむのプロポーズを受けてくれたではないか!! ありすはれいむの親友でしょ!! 田舎者なんて、一度も言われたことないよ!! それに、スッキリさせろって、そんなレイパーみたいなこと言わないでよ!! れいむの知っている二匹は、決してこんなことを言うゆっくりではなかった。 男に無理やり言わされているのだろうか? いや、れいむがこの身に受ける呪詛にも似た言葉は、間違いなく真実であると語っている。 二匹は心の底から、れいむを憎んでいる。 となると、二匹はもしかしたら偽物……!! 「おにいさん!! このまりさとありすはにせものだね!! ゆっくりほんとうの、まりさとありすをかえしてね!!」 れいむは男に振り向き叫んだ。 こいつ等が偽物であると確信した理由。それは帽子である。 前述の通り、ゆっくりは飾りで個体識別を図る。 二匹はこれでもかというほどボロボロにされているのに、何故か飾りだけは新品同様である。 最初から不自然だと思ったが、偽物なら納得が出来る。 大方、男がボコボコにした偽物に、本当のまりさとありすの飾りを付けたのだろう。 だから、目の前にいるのは二匹だと感じても、その正体は偽物なのだ。 「なぜ、偽物だと思う?」 「かんたんだよ!! ぼうしだけきれいだよ!! きっとにせものに、まりさのぼうしとありすのかちゅーしゃをつけたんでしょ!!」 「ほう、そこに気付くか。やはり、お前は頭がいいな」 男は感心したような表情を見せる。 れいむは確信した。やはり、自分の考えは正しかったと。 「ゆっくりはやく、ほんとうのまりさたちをつれてきてね!!」 れいむを男を急かす。 こんな偽物に合わせていったい何を企んでいたのかは知らないが、もう種はお見通しだ。 しかし、男はれいむの言葉を聞かなかった。 未だにギャアギャアとれいむを罵倒している二匹の顔面に、思いっきりパンチを叩きこむ。 静かになった二匹を見て満足した男は、部屋の隅にある虐待道具置き場に近づいていく。 そして、ある道具を引っ張り出してきた。 「ゆうううぅぅぅ!!!!! きょうはぎゃくたいしないっていったでしょおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!!!!」 「安心しろ。虐待の為に出したわけじゃない」 れいむを怯えさせた物。 それは、かつて幾度となくゆっくりの凄惨な虐待風景を見せつけた悪魔の箱、“てれびじょん”と“べーた”であった。 男はそれに一本のテープを挿入し、れいむに見ろと命令をしてくる。 拒むれいむだが、「虐待されたいのか?」という男の一言に、聞かざるを得なかった。 仕方なく、映像に目を向けるれいむ。 「ゆゆっ!! まりさ!!」 そこに映っているのは、虐待風景ではなかった。 しかも、れいむが愛した本当のまりさが映っている。 映像は男がまりさを抱えて知らない部屋に入ってくるところからスタートする。 まりさは男に抱えられたまま、泣き続けている。 見ている方が気の毒なほどの泣きっぷりだ。 しかし、次の瞬間、「まりさ、もういいぞ」と男が声をかけると、いきなりまりさは泣きやんだ。 『ゆゆっ!! まったく、なきつかれたんだぜ!!』 『みごとな演技だったぞ、まりさ』 『あたりまえなんだぜ!! まりさはめいじょゆうなんだぜ!! なきまねくらいかんたんなんだぜ!!』 『おお、怖い怖い』 『それにしても、あのれいむのかおったらなかったんだぜ!! かんぜんに、まりささまにほれていたんだぜ!! みのほどをしれなんだぜ!! このまりささまが、あんなきたないゆっくりをあいてにするわけないんだぜ!! ばかなゆっくりはこれだからこまるんだぜ!!』 『まったくその通りだな。ははは!!』 『ゆっへっへっへっへっへ!!』 『取り敢えずありすがくるまで、菓子でも食ってろ』 『ゆっ!! わかったんだぜ!! むーしゃむーしゃ、しあわせ〜〜〜♪♪』 ……自分はいったい何を見ているのだろう? 箱に映されているのは、見間違いようのないまりさその物であった。 美ゆっくりであるのは間違いない。その美しさは、紛れもなく本物だ。 しかし、れいむの知っているまりさとは、明らかに別物であった。 まりさはあんな嫌な目をしていない。 まりさは、決して「だぜ」なんて、不良言葉を使わない。 まりさは、あんな汚らしい笑い方をしない。 まりさなわけが……まりさなわけがない……… その後、映像に砂嵐が出た後、場面が切り替わった。 そして、男がありすを抱えて、部屋に入ってくるシーンが映される。 ありすもまりさ同様泣いていた。 しかし、男が言葉をかけると、これまたまりさ同様、ピタッと泣きやんでしまった。 『ゆう!! なきすぎて、かおがめちゃくちゃになってしまったわ!!』 『済まなかったな、ありす』 『まったくよ!! とかいはのありすに、こんなえんぎをさせておいて、やすくすむとはおもわないことね!!』 『へいへい、分かってるよ。報酬はしっかりと払ってやる』 『ちゃんと、そこのまりさのように、きれいにしてくれるんでしょうね!!』 『してやるとも。安心しろ』 『おい、じじい!! まりささまのほうしゅうも、わすれるんじゃないんだぜ!!』 『分かってる。お前は、美ゆっくり100匹だったな。しかし、そんなにゆっくりを集めてどうするんだ?』 『ゆっへっへ!! きれいでかわいいまりささまの、すっきりよういんにしてやるんだぜ!! えらばれたゆっくりも、こうえいなんだぜ!!』 『まりさばっかりずるいわ!! ありすにもゆっくりをいっぱいよこしなさい!!』 『はあ? お前の報酬は、美ゆっくりに整形することじゃなかったのか?』 『とかいはのありすに、あれだけのえんぎをさせておいて、それだけですむとおもわないことね!! それだけじゃ、だいじょゆうのありすにはすくなすぎるわ!!』 『お前もゆっくり100匹かよ。そんなに集めてどうする……って、聞くまでもなかったな。お前レイパーだもんな』 『そんなねもはもないことをいわないでちょうだい!!』 『いや、根も葉もあるだろ』 『とかいはのありすがあいしてあげてるのよ!! あいては、ゆっくりかんどうするにきまってるわ!!』 『正しくレイパーの言葉だな……』 『それにしても、あのへやにいたれいむ、いなかくさいったらなかったわ!!』 『ゆっへっへ!! あのれいむ、このまりささまに、ほれてたんだぜ!! まったくばかなれいむなんだぜ!!』 『だいたいいなかれいむのくせになまいきなのよ!! このとかいはのありすに、がっかりしたようなかおをしたのよ!! いなかもののれいむのくせに!!』 『ほんとうのこというなだぜ!! あんまりいってやったら、かわいそうなんだぜ!! ゆっひっひ!!』 『ゆっくりはやく、いなかもののれいむが、がっかりするところをみたいわ!! だまされてるともしらないで、どんなかおをするのかしら!!』 『おい、じじい!! まりささまにも、れいむのはずかしいすがたをみせるんだぜ!! おもいっきりばかにしてやるんだぜ!!』 『ああ、見せてやるとも。お前らには、重要な役割が残っているんだからな』 またもや映し出されるのは、あり得ない映像。 そこの出てきたのは、れいむの親友であるはずのありすであった。 しかし、ありすでは無かった。 ありすは優しく、他者を思いやるゆっくりであった。 なのに画面の中のありすには、そんな姿は微塵も見られなかった。 田舎者と何度も口にしたことも引っ掛かる。ありすは、田舎者などと滅多に他者を馬鹿にしたりはしなかった。 何よりもおかしいのは、レイパーの件。 ありすはレイパーを憎んでいるはずだ。 なのに、そのありすが率先してレイパーの発言をしているとは、いったいどういうことなのだろう? まりさの顔をした誰かと、ありすの顔をした誰かが、画面の中でれいむを馬鹿にしている。 れいむにはそう感じられた。 次に、画面の中の男の顔が大きくなった。アップ撮影に切り替わったらしい。 男は画面の中で『コホン』と一度咳払いをすると、カメラ目線で、淡々と事の次第を説明してきた。 『ああ、れいむに告げる。あ、いや、その前に、まだ家の出来ていないれいむにと言わないとな。自分のことだと分からないと困るしな。 家の出来ていないれいむの為に、この映像を用意する。れいむ、初めに言っておこう。この映像は、すべて真実である。 俺の虐待が成功したなら、お前はきっとこの映像が信じられないだろう。しかし、くどいようだが、映像は真実である。 これを撮ったのは、森からお前を連れてきたその日である。おそらくその時のことは、よく覚えているだろう。 お前の前に、まりさとありすが違う部屋に連れていかれたはずだ。最初の映像は、連れていかれた後の光景である。 実はまりさもありすも、その日は虐待されなかったのだ。虐待されたのは、おまえだけだ。と言っても、お前を虐待するのは今からだがな。その証拠がこれである』 そう言って、男が映像の中から消えると、突然、画面が揺らぎだした。 男がカメラを抱えて、まりさとありすにレンズを向ける。 そこには、口元にお菓子のカスをベタベタ付けた二匹が、ふてぶてしい表情で写っていた。 『お前たち、れいむに一言何かコメントしろ』 『ゆっへっへ!! ばかなれいむにおしえてやるぜ!! さっきのはぜんぶえんぎなんだぜ!! ばかなれいむは、ゆっくりだまされたんだぜ!! それから、れいむはきもちわるいんだぜ!! まりささまがかわいいからって、もうそうはたいがいにするんだぜ!! それじゃあ、れいむ!! じじいにいじめられて、ゆっくりしぬんだぜ!!』 『れいむ!! あなたってほんとうにいなかものね!! からだには、つちがいっぱいついているし、とってもくさかったわ!! とかいはのありすとは、ぜんぜんつりあわないわね!! あなたなんて、すっきりさせてあげるのもごめんよ!! ゆっくりしんでちょうだいね!!」 『と、こう言う訳だ』 再び男が画面に映る。 『初日、お前が虐待されている間、こいつらは見ての通り、とてもゆっくりしていたのだよ。残念だったねえ、れいむ。 でも、がっかりする必要はないよ。何しろ、君にとっては、三匹全員が虐待されているのと変わりないのだから。 君はこれから、俺によって三匹全員が虐待されたと思い込むはずなのだから。あ、でも、この映像を見ている時は、それを知っちゃうんだよね。ご愁傷様、れいむ!!』 男は、そこで映像を止めた。 そして、れいむに振り向き、一言呟いた。 「という訳だ、れいむ」 「……」 れいむには、訳が分からなかった。 一体、何がどういうことなのだ? れいむの婚約者のまりさが、あのゲスまりさ? れいむの親友のありすが、あのレイパーありす? それじゃあ、そこでボロボロにされている二匹は、本物のまりさとありすってこと? れいむはずっと騙されていたってこと? 最初から騙されていたってこと? でも、それじゃあ毎日れいむとお喋りしていたのは、いったい誰? それに、なんでまりさとありすが、ボロボロにされているの? 何もかもが、れいむの理解の範疇を超えていた。 「ふむ、だいぶ状況が分かってきたようだな。いや、逆か。情報が整理しきれなくて、混乱しているか。なら、そろそろ種をお見せしよう」 男はれいむの前に行くと、れいむに手を伸ばし、自分の脇に抱え込んだ。 「ゆ、ゆっくりやめてね!! れいむをゆっくりおろしてね!!」 「安心しろ、今日は苛めないって言ったろ。お前にすべて教えてやるよ。すべてな」 男はそう言って、部屋の扉を出た。 その8へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/373.html
森から山から大量のゆっくり達をトラックに積める。 「おじさん!!どこにいくの!?」 「ここはくらいよ!!あくるくしてよ!!」 「まりさたちをゆっくりだしてね!!!」 トラックからはゆっくりたちの声が耐えない。 本当、近所迷惑この上無い。 俺はゆっくりを無視しトラックを走らせた。 「お、来たか」 暫くしてゆっくりを乗せたトラックは馬鹿でかい、しかし人通りは無いホテルに到着した。 「随分と早かったじゃないか。3時間も前だぞ?」 その男は随分と驚いていたようだ。 「ええ、準備の時間等を考えるとこのくらいが良いかと・・・悪いことをしたでしょうか・・・」 「いやむしろ好都合だよ。礼としてとっておきたまえ」 俺は封筒を渡される。中には随分と入っているようだ。 「あの・・・申し訳ありませんが、これはお返しします」 「何?」 「その代わり、私もこのイベント、ご一緒してもいいでしょうか?」 男はくすりと笑い、 「構わんよ。しかしその服装ではなんだ、ちゃんとした服を用意してあげるから来なさい、ゆっくり達は部下に運ばせよう」 「あ・・・ありがとうございます!」 俺はトラックから自分の荷物を下ろすと男についていった。 「遅くなりました、着慣れない服だったので・・・」 「ん、大丈夫だ、まだ開催まで時間はある。ゆっくりしていくといい」 見ると舞台の準備は既に終わっているようだ。周りの席にはいかにも富豪な御方がワイン片手に悠々としている。 「しかし・・・いいんですか。俺みたいなのが特等席だなんて・・・」 男はふふっと笑い、 「いや、君みたいなのだからこそ、だ。君はこの方々とはきっと話が合わないだろう、私なりの配慮だ」 「はぁ・・・ありがとうございます」 男なりの配慮。 確かに富豪の人と俺の生活はかけ離れているだろうし、会話の内容もかみ合わないに決まってる。 俺は素直に男の配慮が嬉しかった。 「よし、ではそろそろ始めようか・・・」 そう言うと男は立ち上がり、マイクを手に取る。 「えー皆様、本日は貴重な時間を割いて本会場へ御来場いただき、誠にありがとうございます。」 周りの人々は軽く会釈する。どうやらこの男、相当上の立場の人間のようだ。その後も暫く男の挨拶は続く。 「では、これよりゆっくり競馬を始めます」 その宣言を合図に俺の下の階、1階ホールの上に設けられた大きい台の上にゆっくりが投下されていく。 「ゆゆ!!?やっとあかるくなったよ!!!」 「ゆ!!!?おじさん、おばさんたちだぁれ?ゆっくりできる?」 「ここひろーい!!ここをれいむたちのおうちにしようよ!!」 「そうするー!ここならゆっくりできるね!!」 一気に会場が騒がしくなる。俺は顔をしかめるが、他の人は平然としている。前々から行っているためもう平気なのだろうか。 「えー、まずは聞けゆっくり達。お前達には今から少しお遊びをしてもらう。」 男がそう言うとゆっくり達は更にさわがしくなる。 「ゆ!?いまからあそぶの?」 「ゆっくりあそぼうね!!」 男は騒々しいゆっくりたちの声を軽く流して説明に入った。 「いいかよく聞けゆっくり達よ。今からお前達に向こうの台まで渡ってもらう。奥のゴールまで辿り着けば美味しいお菓子をやろう」 ゆっくり達の前には板があった。板といってもそれなりの強度はあるようだが。 「ゆゆぅ!!?おかし!まりさおかしたべたい!」 「れいむたちもたべたい!おじさんゆっくりたべさせてね!」 「ゅー♪」 ゆっくり達はお菓子という単語を聞いた途端全員が満面の笑みでこちらを見てきた。 目の前にある恐怖を知りもせずに。 「ほう、元気なゆっくり達だな。この板は1匹ずつしか渡れないくらいしか幅が無い。慎重にいくことだな。」 「「おかしおかしー♪」」 中の二匹は威勢よく橋を渡っていく。 「ゆ!?ずるいよ!おかしをひとりじめしようとしてもだめだからね!!」 それに伴い4,5匹も橋を渡る。 更にそれに伴って全てのゆっくりが橋をわたりそうだが、その前に事は起こった。 「ゅ”っ!!?」 先頭のゆっくりまりさが板から転落する。 「ゆぅっ!!?まりさ・・・!?」 その板から下までは20m。人間が落ちても打ち所が悪ければ重傷を負う可能性もある高さだ。 当然、饅頭であるゆっくりが落ちた先に待っている運命は――― ベチョッ 「まりざぁああぁああ!!!」 潰れるしかない。人間のように「打ち所が良ければ助かる」なんてことはない。ゆっくりは全てが急所なのだ。 そして潰れたまりさを見て他のゆっくりも泣き喚く。 「まりざあぁぁああ”あ”あ”!!!しんぢゃいやあぁあああ!!」 「なんでおぢだのぉおおぉおおぉぉぉ!!!!」 しかしその中の一匹が違う言葉で泣き喚いた。 「あんな”ふう”になりだぐない!!ここからもどるよ!!!!」 板に乗ってしまっていたゆっくりだった。一度渡った板からさっきまでいた所に戻ると言い出したのだ。 「ゆゆっ!!そうだね!おちなきゃいいんだもんね!!!!」 他の板を渡ったゆっくりも賛同して引き返そうとする。 しかし、ゆっくりは人間のように二本足があるわけではない。 ゆっくりの方向転換は最低でも自分の体のもう一つ分くらいのスペースが横に無いと成し得ない。 それを考えずに方向転換しようとしたゆっくりは、 「ゅっ!!!」 落下。 1匹を残して板を渡った他のゆっくりは、全て落下してしまった。 「どおじでもどれn」 「どおじでおぢd」 悲鳴は途中でかき消される。全て言う前に落ちて潰れてしまった。 「うひゃー、すごいですねこれ。やっぱりゆっくりって馬鹿ですね」 俺はこれほど愉快なことは無かった。 前々からゆっくりは気に入らない所があったし。 「なぁに、こんなのは序の口。これから更に面白くなるさ。」 板に残ったのは1匹だけ。その1匹は地に着いたまま方向転換するのではなく、一回飛んで半回転するという技を成し得た。 「ゆ!!これでゆっくりもどれるね!!」 なかなか頭がいいのかもしれん。このゆっくり。 そしてそのゆっくりはゆっくりと元いた場所へと戻った。 「おじさん!!!そんなところでみてないでさっさとたすけてね!」」 「そーだそーだ!おうちかえる!!」 「はやくおかしちょうだいね!!!」 台に残ったゆっくりたちはさまざまな文句を浴びせてくる。 しかし男は笑っている。嘲笑という笑いを。 「おいおい・・・、何故渡らない?後ろの恐怖に気が付かないのか・・・?」 「ゆっ・・・?」 「おい、カーテンを開けろ」 男がそう言うと係員の黒服がゆっくりたちの後ろにあるカーテンを開く。 そこには柵で遮られたゆっくりゃの大群が涎を垂らして待っていた。 「うー♪たーべちゃーうぞー♪」 「うびゃあぁあぁあああぁぁあ!!!おがああぁああざぁあああん!!!」 「その柵が開くのは今から25分後!あちら側に辿り着けばお前らをゆっくりゃから隔離してやる。渡り着いた者はお菓子を食べられる。渡らない者はゆっくりゃに食べられる。」 そして最後に男は力強く言い放つ。 「放たれよっ・・・・・・・・・!勇ましいゆっくりたちの道・・・・・・・・・!Brave men roadへ・・・・!」 男の一言はほとんど届かなかった。 ほとんどのゆっくりは泣き喚いていて話を聞くどころではなかった。 一部「ざわ・・・ざわ・・・」などと意味の分からない言葉を放つゆっくりもいたが。 「いやぁあああ!!わたりたくない!!でもたべられだぐないぃいいいぃいい!!!!」 「それは無理だ。お前らに残された運命は渡って食べるか、渡って落ちるか、渡らず食べられるか、この3択しかない。」 「ならわだるぅ!!だべられだぐなぃいいぃい!!」 「いや"あ”ぁ”ぁ”あ”あ”!!!!!!」 ほとんどのゆっくりは泣く泣く板を渡っていく。 勿論そこからこぼれて落ちてしまったりバランスを崩して落ちてしまうゆっくりが少しずつ出てきた。 俺達側の人間はそれを肴にしワインを飲んでいた。 しかし、台の上に4匹ゆっくりが残っていた。 「おじさん」 その中の一匹が男に冷静な口調で話しかけてきた。 「・・・なんだ」 「このおあそび・・・そこのいたをのぼれとはいってないよね」 その発言に他の3匹も頷く。 何を言い出すんだ、このゆっくりたちは。 「・・・ああ。向こうの台まで辿り着きさえすればOKだ。問題ない」 ああっ・・・!!! なるほど、確かにそうだ・・・!!! さっきの説明でも男は『そこにある板を渡れ』とは言っていない・・・っ!!! そのゆっくりに負けた感じがして俺は猛烈に腹が立った。 しかし、周りに向こうまでたどり着けるような足場は無いように思えた。 しかし、その4匹はとんでもない足場を渡っていった・・・!!! ざわ・・・ざわざわ・・・ざわぁ・・・ざわ・・・ざわ・・・ 次回、『襲撃』・・・・・・・・・っ!!! _____________________________________________________ あとがき なんかもう色々とごめん お詫びのワンシーン 「おじさんたちとはゆっくりできないよ!ゆっくりしね!!!」 「おお、こわいこわい。しかし人間様に逆らうゆっくりには仕置きが必要だ・・・」 「ゆっ!!?なにするの!?ゆっくりはなしてね!」 「ふふふ・・・ゆっくりよ、これを見るがいい」 「これなぁに!!?とってもあつそうだよ!!さっさとれいむをはなしてね!!!」 「はなしてやるとも、そぉい」 「ゆ”っ!!?あついあつい!!ごごぢがうよ”ぉおぉおぉお!!!」 「さぁそこに顔をつけろ!!!そしてごめんなさいと10回言え!!!そうすれば助けてやる!!」 「ぎゅうぅううぅううぅぅぅうう!!!・・・!!!???--っ!!っー!!!!」 「まぁつけたらつけたで顔が焼け付いちゃって何も言えなくなるけどね」 さーせん このSSに感想を付ける