約 592,764 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/74.html
ここは職人がSSを書くため、パーツごとに分解した設定を置いています。 レゴブロックのように色々組み合わせて楽しいSSを作ってください。 ここにある設定を避けることで斬新な物語を作ることもできます 読者の方も見ていただけると参考になると思います。ついでに編集者が喜びます。 ※組み合わせによっては深刻な矛盾が生まれる場合があるので注意してください。 ここは過去の設定をまとめているだけです。ここの設定に従う必要はまったくありません 記載ルール 設定は出来るだけ具体的、かつパーツごとに分割して組み替えが効くようにしてください。出来れば反対の設定パーツも追加しましょう。 基本の文体 基本となる設定その設定から更に一歩踏み込んだ設定 ゆっくりの中身 ゆっくりの食べ物 肉食のゆっくりの食べ物と人間の関係 ゆっくりの身体的特徴 ゆっくりの大きさ ゆっくりの身体能力 ゆっくりの繁殖方法 ゆっくりのグループ構成・社会 ゆっくりの暮らし方 ゆっくりの住みか 冬の過ごし方 ゆっくりの知能や思考、行動パターン 個別の性格や特徴の設定 現在確認されているゆっくりの種類 ゆっくりの飼い方 舞台設定 ゆっくりの中身 ゆっくりの中身は基本的につぶあん、れみりゃとフランは肉まん姉妹。こしあんのゆっくりは希少、自然には存在しないとも考えられる。 食べ物によって餡を変化させることが可能。(野菜を食べさせ続けて抹茶餡など) れいむ・まりさは小豆餡、ありすはカスタード、ぱちゅりは生クリーム、ゆかりんは納豆またはナチュラルチーズなど、種によって様々。 恐怖や絶望、苦痛を与えたゆっくりはより甘く美味しくなるといわれている。人の愛情を存分に受け、苦しみを知らないゆっくりは不味い。 屠殺の直前まで最上の環境でゆっくりとさせると味に深みが出るといわれている。 赤子のゆっくりは非常に美味で、高値で取引される。逆に成熟したゆっくりはパサパサとして不味い。成熟したゆっくりの中心部の餡は特別に美味。 ゆっくりの食べ物 お菓子や甘いものを食べる。 草や花、蝶々などメルヘンっぽい物を食べる。 昆虫や肉など何でも食べる雑食。飢えに迫られれば肉親も平気で喰う。 基本的に共食いはタブー、強制的に食べさせても吐き出してしまう。吐餡の可能性あり。ゆっくりは自分たちの中身を知らないため、何らかの偶然が働かない限り共食いという発想に至らない。 虫や小さな鳥を好む肉食、その愛らしい姿と共に農家に大層愛されている。 にとりなどの水中型ゆっくりは魚を捕って食べる。 ゆっくり幽々子・レティ・れみりゃ・フランなどは他のゆっくりを食べるため、捕食種とも呼ばれる。 ごくごく一部のゆっくりは捕食種だけを食べる。捕食種捕食性種と呼ばれる。 光合成で栄養を得ているものもいる。 かまって貰うことが栄養源、他のゆっくりや人間と一緒にゆっくりすると元気になる(限度有) 噛む力の弱い赤ちゃんは親に咀嚼して貰った物を食べる。 植物性出産の赤ちゃんの最初の食べ物は、自分が実っていた茎。茎をそのままかじって食べる。 茎の中身(母体から赤ちゃんに送られていた栄養)を吸い取る。 植物性出産の赤ちゃんの最初の食べ物は、自分を覆っていた保護膜。ソフトシェル型(ゼリー等)の場合、産まれる前に保護膜をちゅるんと飲むように、膜の一部または全て食べる。膜を食べるのは覚醒後、または覚醒前(反射と同じ類)、落果前、落果後、これらの組み合わせで複数のパターンがある。 ハードシェル型の場合、産まれる前に自身が膜から出れる程度をかじって落果。落果後に膜の全てまたは一部を引き続き食べるか、落果後は食べない。 膜を食べるのは覚醒後、または覚醒前(反射と同じ類)、落果前、落果後、これらの組み合わせで複数のパターンがある。 肉食のゆっくりの食べ物と人間の関係 ゆっくりを狩る狩人種の矛先は人間にも向けられる。 ゆっくりを狩る狩人種の矛先は人間には向けられない。ゆっくり除けや狩りのために狩人種が飼われることがある。 ゆっくりを狩る狩人種の内、幽々子やレティなど大型種と捕食種捕食性種は人間を襲うこともある。 ゆっくりの身体的特徴 下膨れた顔が特徴的。鼻と耳は見当たらないが嗅覚・聴覚は正常に働いている。耳などのある種のそれは機能しているが、(中枢)餡の処理が追いつかない為に使わない事のほうが多い。 体内に嗅覚器・聴覚器にあたる部分がある。 皮全体に嗅覚器・聴覚器にあたる部分がある。 長時間水に入ると水を吸ってぶよぶよに膨張して膨らむ。水に浸かりすぎると皮が溶け、餡子が流れ出して死ぬ。 なぜか溺死しない。魚についばまれたり皮が自然にちぎれることで死に至る。 ゆっくりまりさは水上に浮かべた自分の帽子に乗り、水を渡る事が出来る。 ゆっくりにとりは自由に水中を泳ぎ回って魚を食べることが出来る。 ぴょんぴょん飛び跳ねて移動する。 ずりずりと体を地面に付けたまますり足(?)で移動する。足にあたる底面を傷つける、もしくは焼いて弾力性を奪う事で移動が出来なくなる。 弾力があって、手で押すと水風船のようにぽんぽんと跳ね返る。 もちもちしていて餡の重みがある。10メートル以上の高さから落ちるとべちゃっと潰れる。 皮はそれほど強くなく、ハンマーなどで何度か殴打すると破れてしまう。 皮はとても脆く、砂利道を歩くだけで底面から餡が漏れ出す。ちょっとした高さから落ちても絶命する。 皮はものすごく弾力があり、よく伸び、刃物を使っても破るのに苦労する、特殊な技術が必要。 生まれつき帽子やリボンなどの特徴的な飾りをつけている。飾りは食物繊維製、大体生まれたときからついている。飾りはゆっくり同士の個体識別に必要で、飾りを失ったゆっくりは群れから追い出される。死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは他のゆっくりに執拗に攻撃される。死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくり同士は攻撃することはない。 死んだゆっくりの飾りはゆっくりに対する毒性を持つ。 ゆっくりの飾りを奪った者は一生ゆっくりに付きまとわれる。 飾りは皮が変化したもの、取り外すことは出来ない。(取り外す=皮の大部分がなくなる) 飾りは体の成長と共に大きくなるので、取り外した状態で成長させると体は大きいが飾りは小さいままとなる。 治療には、オレンジジュースをかける・水で溶いた小麦粉を患部に塗る・失った餡の代わりの餡を詰めるなどの手段が有効。別のゆっくりの餡を詰めると、その餡のゆっくりの記憶や特徴などが混ざる。中身を白餡に入れ替えると清く正しい人格になる。 餓死直前まで痩せ細ると、皮がしぼみ中の餡が透けて見え、泥団子のような姿になる。 歯は飴細工製or砂糖菓子製。 歯は簡単に抜けたり折れたりするが、しばらくすると生えてくる。 一度歯を失うと、一生復活はしない。 歯が全て無くなると、うまく喋れなくなる。あごの骨が無く柔らかい饅頭なので、噛む力は強くない。 髪はセルロースで食べる事が出来る。 髪は砂糖菓子で、景気良く燃える。 ゆっくりの大きさ 赤ちゃんがピンポン玉より小さく、普通でバレーボール、母親でサッカーボール程度。 赤ちゃんがバレーボール程度で、普通で50cm程度、母親は1mを越えることも。 赤ゆと成体ゆの大きさの比は、約1 200ほど。 妊娠中の個体は子供の分だけ肥大化する。 栄養状態や突然変異によって際限なく大きくなることもある。生命活動に最低限な栄養しか与えなければ大きくならない。 ゆっくりの身体能力 人がゆっくり歩くよりまだ遅い、どうやって野生を生き抜いているか不明。飛行速度も速くない 人間の子供と同じくらい、天敵から隠れつつひっそりと暮らしている。 壁を転がることで7階と同じ高さから降りる、木に登る、野生を生きるに十分な能力。餡子の重さを利用した樹上からの奇襲で首の骨を折られる事があるため猟師はとても慎重。 場合によっては普通の人間を撃退する。 本当に弱く、『体当たり』と呼ばれる行動も、人間には全く効果がない。ただし、嚙みつき攻撃は人間でも怪我することも。 噛みつきに特化した種の場合は普通に怪我をする 内部のあんこが3割以下になると死ぬ。妊娠中などで肥大化した場合はその限りではない。 あんこを吐き出すのは死やストレスの兆候。 怒るとほほに息をため、風船のように球状にふくらんで威嚇する。自分の口で「ぷくぅぅ!」と擬音を喋りながら膨らむ。頬を押して空気を吐き出させると「ぷひゅるるるる」と擬音を喋る。 ゆっくりの繁殖方法 基本的に雌雄同体。性交時(ゆっくす、すっきりーとも言う)にはパートナーを襲う“タチ”と襲われる“ネコ”に分かれる。タチとネコのどちらが仔を成すか、どちらの種の仔になるかは様々なパターンがある。 タチネコの仔を成す側と生まれる仔のパターンは決まっている。 振動により性欲が喚起される。 体表に粘液を分泌させてお互いの体をこすり絡めあう。(ショゴス?) 両頬等、顔正面を重点的にマッサージする事で発情する。この場合、振動を加えても嘔吐するだけである。 密着状態からタチが激しく震えネコに体をぶつける。 あごの辺りにぺにぺにとまむまむがあり、タチのぺにぺにをネコのまむまむに挿入する。まむまむの皮を裏返して体外に露出する事でぺにぺにになる。 受精が完了すると悲鳴を上げて朽ち果てた後茎が生え、それに3~4匹が実る。 茎の中身は母体の中身が茎で濾過された砂糖水。 連続で性交をすると、茎に餡子を持っていかれてネコ側は朽ち果てる。 一度で15匹程度が実る。 ゆっくりお母さんをアリスが立て続けに犯して十数本の茎と50匹のゆっくり霊夢を実らせる。朽ち果てた母体の残りは、一部の昆虫のように子供たちの栄養となる。 母体が死ぬと茎に結実している子供たちも死ぬ。 性交をした両方が朽ち果て、お互い自分と同じ身をつける。雌雄同体なのでタチネコの区別は無い。 性交後、数時間や1、2日で生まれる。(早熟、クイック型) 性交後、1~2週間で生まれる。(晩成、熟成型) お互いに熟成したゆっくり同士の性交はゆっくり和やかな物でどちらも朽ちない。受精が完了すると「すっきりー!」という声を上げる。 ゆっくりお母さんから茎が生えて子供が実り、愛に包まれて成長する。 熟成が足りないゆっくりがレイプされると朽ち果ててしまう上、泥団子のような未熟児しか実らない。(オレンジジュース等の栄養を摂取させ続ける事で、朽ち果てずに出産が可能 レイプ等、愛の無い性交によって受胎した場合、親が朽ち果てて無くても子供は未熟児しか実らない。それ以前に茎が生えても直ぐに枯れる。 胎生。完全に熟成した場合は体内に妊娠して口の下の穴から吐き出すように出産する。野生では妊娠可能なほどの熟成に至ることが出来るゆっくりは珍しい。 妊娠中は怪我をしやすい 卵生。片方が小さな卵を大量に吐き出し、もう片方が粘液を吐き出し受精させる。受精後、粘液(精液)が受精膜と共に殻の役割を果たす。 受精後も殻は無く、膜しかない。鋭利なもので突付けば中身(卵黄+卵白?)が出てくる。 卵生。通常通りの性交後、胎生と同様に体内に殻を持つ卵を宿す。一定期間後卵を口の下にある穴から産卵する。壁などにくっつく粘着性の有る卵を産卵する。 壁などにくっつかない、粘着性の無い卵を産卵する。母体は数個の卵を産卵する。親は死なない。 母体は多数の卵を産卵する。親は死ぬ。親等による保温が必要。 ある一定温度が保てれば親が居なくても出生する。 分裂する。母体となるゆっくりが均等に分裂する等分裂 母体が半分位、残りを子供とし、その残りを等分裂して生まれる不等分裂 分裂によって産み出した自身と別のゆっくりの減数体を合成する化合分裂 植生型。精子を他のゆっくりの卵に植え付ける。 ウイルス型。母体のゆっくりの中で子供が形成され、ある程度成熟すると母体を突き破って出生する。母体はそれに伴い皮と僅かな餡になり、死ぬ。他のゆっくりに植え付ける。 子供は母体を食べるか食べないかは出生時の状況による。 どこからともなくやってくる、何処から来るのか誰も知らないし繁殖方法も分からない。 ゆっくりのグループ構成・社会 それぞれ同じ顔をした英雄の家に一匹づつ+数匹程度しか居ない。 ゆっくりの数は少なく霊夢・魔理沙が50匹程度、それ以外は1~2匹づつしか居ない。 害になるくらい沢山居る、最も多い種類は数千匹に到達する。彼岸では大量に生まれ大量に死ぬゆっくりの処理に死神や閻魔が頭を悩ませている。ゆっくりは一見生物のようだが、全ての生物が持つはずの魂が無い。 種類の違う友達と3~4匹の小さなグループを作る。 お母さんと赤ちゃんで構成された家族を持つ。 ゆっくり魔理沙をリーダーとした群れになって畑を荒らす。 仲間の死体を踏み越えて柵を越えるファンタズムトゥルーパーズ。 ゆっくり同士でのコミュニティを持ち、種類の違う仲間同士で協力している。 ゆっくりは妖精の一種なので、普段は妖精と一緒に暮らしている。 ゆっくりの暮らし方 普通に可愛がられている、咲夜さんがれみりゃを溺愛している。 加工場で生産されるゆっくりは幻想郷の甘味の中心となっている。繁殖力や雑食性を生かし、生きたままストレス解消器具やゴミ箱などにも加工される。 皮の高質化等の技術によって、家具や雑貨にも加工される。 加工場などは存在せず、ゆっくりは食べ物とは考えられていない。 人畜無害な草食動物、森の奥でひっそりゆっくり暮らしている。貴重な珍味と見なされて捕獲される。 子供や妖精の遊び道具。 その旺盛な繁殖力と食欲のせいで駆除される。 街にやってきて畑や家屋を荒らし回る害獣。 ゆっくりの住みか 朽ち木のうろ等を一時的な雨よけとして利用することはあっても特定の巣を持たない。 数人の種類の違う仲間といっしょに、ゆっくり出来る場所を求めて一緒に移動している。 自分で掘った穴や、岩盤の横穴に親子で一緒に住んでいる。 博霊神社、霧雨魔法店、紅魔館など同じ顔の英雄が住んでいるところに同居している。 木の上にロープを渡してハンモックにする、草の家を造るなど樹上で暮らしている。 回遊するように暮らす。 高山に暮らす。 冬の過ごし方 冬が近づくとゆっくり達は冬ごもりの準備を始める。冬を知る野生のゆっくりは秋の終りに冬ごもりのため、巣に枯葉や木の枝や小石などの資材や食料を集め始め、巣を持たない場合は他の家族の巣に居候させてもらう。逆に冬を知らないゆっくりのほとんどは冬ごもりの準備をせずに死んでしまう。ゆっくり的な考え方のため、冬ごもりの準備が遅すぎて餓死や凍死の憂き目に会うゆっくりも多い。 知能の高いぱちゅりや冬に強いれてぃか、経験豊富なゆっくりが群れにいる場合は、ほぼ問題なく群れ全員が冬を越せる。 ありすが群れにいた場合は冬にも繁殖行動を起こしてしまうことがままあり、最悪全滅してしまうこともある。 冬ごもりの間も、晴れた日には外に出て追加の資材やえさを探す。 ゆっくりブレインは冬ごもりなど考えないため、野生のゆっくりは冬を越せずに死んでしまう。幸運が重なって冬を越せたゆっくりがいても次の冬には完全に忘れているため、人に教育されたことのあるゆっくりをのぞいて野生のゆっくりに2年以上生きている個体はいない。 冬を越せないため(または冬を越す能力が無い場合)卵を産むことで春の自然孵化を待ち、成体は死に絶える。 体温の低下で強制的に冬眠状態になる。(旺盛な食欲の為、冬眠状態にならないと食料が持たない)冬眠状態の記憶は無い。ゆっくり本人はしっかりと備蓄したから越冬出来たと思い込む。 自分で習性として冬眠にはいるゆっくりがいる。おもに北方の寒い地域に多い。一度満腹になるまで食いだめし、数週間から1ヵ月ほど冬眠し、目覚めた後また食いだめを繰り返す。この方法の場合期間が同じなら消費する食糧の量は普通の冬ごもりに比べて少なくなる。このため冬の長い雪国でも冬を越せる。性質上一度目覚めるとまた食いだめしないと冬眠できないため何らかの要因で短期間に何度も起こされると餌を爆発的な勢いで消費してしまうことに。 ごく一部はエネルギーを合成できるため冬眠をしない。性質上晴れようが雪が降ろうが資材やえさの補充に出かけることがない(出かけても雪国では成果が少ない)ので、冬ごもり型に比べて巣は非常に頑丈に封鎖される。そのため、冬眠型と越冬型が一緒に冬を越そうとすると高確率で失敗する。だが冬眠型と越冬型が混在する地域では冬になる前にお互いの冬ごもりの方法を伝え合うことでうまくやりくりしている。 ゆっくりの知能や思考、行動パターン 低知能のゆっくりが「ゆっくりしていってね!」という言葉を聞くと、反射的に動きを止め同じ言葉を返す。 素直な子供のようで人を疑うことを知らず、思いやりもある。一人寂しく生きていた老人にゆっくり寄り添って彼の人生の最後を優しく看取る。 仲間の危機になると自分の身を顧みず勇敢に立ち向かう。逃げることも きれい好きで家に入る時は泥を落とし、食事はゆっくり舌ですくって汚さず食べる。 きたなく食べて散らかす ひねくれたガキのようで常に上から目線で身勝手なことばかり言う。ゆっくりしようね!という言葉とは裏腹に騒がしく、餌もものすごい速さで食い散らかす。 人間の家(または他のゆっくりの巣)に勝手に入り込み「自分の家」宣言をして居座る。本当は人間の家と認識している為、痛めつけて問いただすと泣いて謝る。 ゆっくり出来ない(自分の要求が受け入れられない)とすぐ大泣きして逃げる。相手が弱いか小数と見れば暴力に訴える。相手の実力を測るほどの知力が無いため、人間相手でもまずは襲い掛かる。 図々しく、うかつに譲歩したり優しくすると際限なく付け上がる。 下手に賢く良心を持った個体は、同属に道具扱いされたり爪弾きにされる。 人間と同レベルかそれ以上の思考能力を持つ。知恵を持つゆっくりは“長命種”と呼ばれ、常に薄笑いを浮かべ「おおこわいこわい」を口癖とする。長命種の知能も人間に比べればたかが知れている。 永遠亭の実験によって人間以上の知能を持つゆっくりが生み出された。 昨日のことさえ覚えていない動物未満の知力。危機意識が際立って鈍い。少し気持ちよい感覚を味わっただけで、目前の危機を忘れはしゃぎだす。 良いことだけを記憶し、嫌なことや悪いことはすぐに忘れてしまう。一応トラウマだけは残るため、躾にはトラウマを刻み付けてやるのが効果的。 訓練すれば二桁の足し算引き算、九九ぐらいは覚えるが割り算は覚えられない。 大人であればひらがな程度は読める。子供でも人間に訓練されれば読める。生まれたときから成体に近い知能を持つ。(あるいは成長しても知力は殆ど向上しない) ぱちゅりを母体とした赤ちゃんぱちゅりは親の知識を引き継いだ状態で産まれる。 短い妊娠期間を経て生まれた子供は、親の知識を僅かか、全く引き継げない。また、下種な部分(野生生活する上で良い判断事例)ばかり受け継ぐ。当然、下種発現が起こりやすい。更に妊娠期間が短い=親が苦労した期間が短い為、親もいざという時は見捨る。子供をゆっくりする為の、唯の"道具"や、寂しさを紛らわす為の、唯の"手段"と見ている点がある。 長い妊娠期間を経て生まれた子供は、親の知識をある程度引き継げる(胎生には劣る)。下種な部分(野生生活する上で良い判断事例)も受け継ぐが、他の情報に中和され、発現しにくい。更に妊娠期間が長い=親が苦労した期間が長い為、いざという時は親が犠牲になる事がある。 胎生は植物型より引き継げる知識の量が多い。出生時から(モノにもよるが)子供クラスの知能が有る。お腹を痛めてまで産んだ為、いざという時は親が犠牲になる事が多い。 野生のゆっくりに文字という概念はない。 ゆっくり文字というゆっくりのみに通用する文字が存在する。 個別の性格や特徴の設定 魔理沙、友達思いで行動力のあるリーダー、仲間のために自分が犠牲になることも。 魔理沙、帽子が飛ばされるとすぐ弱気になる性格。 霊夢、人を簡単に信用せず冷静に立ち振る舞いながらもみんなを陰から見守る。 霊夢、呑気な性格だがやるときは全力を出す頼れるまんじゅう。 お母さん霊夢、子供達を心の底から愛し、最後まで子供を守る優しいお母さん。 お母さん霊夢、自分が飢えるとお食べなさいをして食料に変身するお母さん。 アリス、とかいはを自称しプライドが高いが、ツンデレで面倒見もいい。 アリス、一考えてることの逆を言う習性があるようだ。 アリス、とかいはとかいはと無駄にプライドが高く、自分を他より特別な存在と思い込んでいる。 アリス、発情すると子供はおろか死体にまで性交を試みる色欲の塊。 パチュリー、病弱だが知識は他のゆっくりより高く、群れのブレーンを勤める。 パチュリー、病弱な振りをし同情を誘おうとする汚い性格。 パチュリー、チラシの類でも本と認識するらしい パチュリー、識字能力は他のゆっくりと大差は無い パチュリー、部屋に文字のある物があると、その部屋を自分のとしょかんor まどうしょと言い張って読みたがる。(体つきに主にみられる特徴) みょん、ちーんぽっ! ちぇん、わかるわかるよー ちぇん、虐待厨は死ね!に始まる罵詈雑言を浴びせかけてくる。 レミリア、うーうーとしか言えないおしゃまなお嬢様。希少種だが紅魔館付近には多く生息する。 レミリア、ぷでぃんぷでぃん煩く、困ると咲夜に助けを求める。自身を紅魔館の主と思い込んでいる。 フラン、残虐非道なハンター、獲物をなぶり殺す事を最大の快楽とする。 レティ、巨大で鈍重なハンター、素早く動く舌で器用に獲物を捕る。頬に獲物を溜める性質も。 幽々子、巨大だが俊敏なハンター、恐るべき速度で移動しながらゆっくりをむさぼり食う。 幽々子、俺の胃袋は、宇宙なんだよ… 幽々子、こぼねー ゆうか、綺麗な花が咲く所によく見られる。 のうかりん、田舎に住んでいる幽香の母親。時々収穫物を幽香に送る。 のうかりん、スレ住民にらっきょうを育てる方法を教えてくれる。 天子、ブロント様。 天子、ドM。 きめぇ丸、強いものには逆らわない、ゆっくり種が大嫌い。 きめぇ丸、突如首を高速で振動させるという奇癖を持っている。 美鈴、何かを守る習性を持つ他のゆっくりを思いやる優しいゆっくり。「じゃおおおん!」と鳴く。 美鈴、ずっと寝てばかりいる癖に報酬は要求する怠け者。 チルノ、お馬鹿だけど優しく花も育てたりするゆっくり。息は冷たく、ゆっくり程度なら凍らせられる。 チルノ、後先考えずに行動するから他の生き物に迷惑をかけるゆっくり。 神奈子、背中にオンバシラという飴を背負い、それを飛ばして攻撃する。 神奈子、しめ縄っぽいのはドーナッツ。うめぇ、めっちゃうめぇ! 諏訪湖、ゆっくりを食う帽子を被り、ゆっくりを食べさせたり自分が食べられたりしている。 現在確認されているゆっくりの種類 通常種 全ゆっくりの約8割が分類される。総じて雑食かつ、人間に姿を見られないように自身に結界を貼ってゆっくりからも人間からも見えなくしてる上種類ごとに技を1個持っている恐ろしいまんじゅうゆっくりれいむ 野生のゆっくりの3~4割がゆっくりれいむで、全ゆっくりの中で一番個体数が多い。他のゆっくりに比べて家族意識が強く、大規模な群れを作ることも多い。家族が危機に逢うと全力で助け出す。知能も呑気な割に高く併せ持ち全ゆっくりの中でも知能は最高クラス。 ゆっくり魔理沙 ゆっくりれいむ同様個体数が多い(後述する性格のためかれいむより若干個体数が少なくゆっくり魔理沙のみで群れを作ることはあまりない)通常は複数の種類のゆっくりのリーダーを務めることが多いが、一度危機が迫ると「ゆっくり突撃するよ!!!」と仲間を逃がすために自ら犠牲になることもある。その性格からか野生のゆっくりの中では生存率と知能が高く、そのために群れのリーダーを務めることが多いといわれている。その知能の高さからか一部のゆっくり魔理沙は違う種類のゆっくりを命がけで守ろうとするほどの「ゆっくり思い」になることがある。また生まれもって所持している飾りが大きな帽子なため他のゆっくりより若干雨に強い。たぶん性格の個体差が一番多い。 帽子の代わりに貝殻を被ったまりさつむりは陸上/水中両方で生活が出来、水に強く溶ける事が無い。 ゆっくりアリス 三番目に数が多いといわれるゆっくり。いつもは群れを作りたがらないがひとたび欲情すると周囲すべてのゆっくりと交尾してしまう(交尾したゆっくりから生まれたばかりのゆっくりをも襲い殺してしまうため一匹のアリスがひとつの群れを全滅させたという報告もある)ため、大人のゆっくりにはれみりゃ等の捕食種以上に恐れられている存在である、また魔理沙を好んで遅いぱちゅりやれいむは発情中でも後回しにすることが多い。知能はゆっくりれいむとほぼ同等といわれる。一部に理性で性欲を抑えれるアリスがいるが、それらは非常に頭がよく頼りになるゆっくりとして群れに招かれることがある。 ゆっくりぱちゅり 「むきゅー」という独特の鳴き声を上げる。通常種の中では一番数が少ないため希少種とされる。数の少ない理由に生まれつき喘息(あるいはそれに近い症状)を持ち、他のゆっくりに比べ運動能力が低いためである。そのためか全ゆっくり中最高の知能を持ち、ゆっくりに共通の「すぐに自分の家宣言」、「謝りはするが何が悪いのか理解しない、反省しない」や「相手の力を考えずに攻撃する」といった行動を比較的簡単にやめさせることが出来る。そのため全ゆっくり中一番ペットにしやすい またほかのゆっくりにない特徴として冬以外の季節にも梅雨や食糧不足に備えて食料を備蓄しようとする習性(その知能から考え出した生きる知恵ともいわれる)を持つが、ぱちゅりのみの群れでは病弱さからほとんど備蓄できず、備蓄してもほかのゆっくりに強奪され、複数種からなる混群ではほかのゆっくりがぱちゅりの警告を理解しないことが多く備蓄に成功している野生のゆっくりはほとんどいない。やたらと「ごほん」を欲しがり、手に入れた「ほん」を読むふりをして賢さをアピールする。その際に(手が無いから)唾液で「ほん」を汚して読みにくくする、文明の破壊者的な側面がある。 ゆっくりみょん 「ちーんぽ!!!」と独特の下品な鳴き声を放つゆっくり。通常種の中では二番目の珍しさと最強の戦闘力を持ち、それゆえの過信からか捕食種に立ち向かい返り討ちにあうことが多い。一部農家では畑を荒らすゆっくりへの対抗策としてみょんの養殖、訓練を行おうとしているが数がれいむ、魔理沙の二種にくらべて個体数が少なく、ちぇんに移動力で劣るため成功例はほとんどないが、養殖に成功した農家では毎日畑を襲うゆっくりを撃退するみょんが見られる。 ゆっくりちぇん 全ゆっくり中最小の大きさと最高の素早さ(といっても所詮はゆっくり)をもつゆっくり。「わかるよー!」「わからないよー!」などの発言をするが正確に理解していることはほとんどない。その小ささと素早さから捕食種に捕まることは少ないが他の普通種との争いに負けてそのまま死んでしまうことも多い。 捕食種 主に他のゆっくりを捕食するゆっくり 知能の低いものが多いがその多くは訓練しだいで高い知能を持つようになり、他のゆっくりを駆逐することから農家の間でペットにされることが多い。また、「ゆっくりしていってね!!!」をほとんど言わないのが特徴。ゆっくりれみりゃ 一番個体数の多い捕食種。背中に一対の羽をもち飛行が可能。おもに夜行性で巣のない普通種などを捕食する。「うー!うー!」「れみりあうー!」などの鳴き声を放つ。再生能力が異常に高く、ほとんどの怪我を数日で完治させる。 ゆっくりふらん れみりゃ同様羽をもち、全ゆっくり中最強の戦闘能力を誇り、さらに獲物をいたぶってから食べる習性をもつ残虐なゆっくり。「ゆっくりしね!」を連呼することも特徴の一つ。獲物の数が多い時などに交尾をしなくても四匹に増える(一定時間たつと最初の一匹を残して消えてしまう)習性を持つため対ゆっくり用ゆっくりとして大きな人気を持つが、少し教育を怠ると同種すら攻撃してしまうためペットとして飼っているところはほとんどない。れみりゃ同様再生能力が異常に高い。なお、ゆっくりの中では最強と言われているがその戦闘力は5~6歳の子供と同程度である。 ゆっくりれてぃ 全ゆっくり中最大の大きさを誇る。他のゆっくりが成体でせいぜいサッカーボール大なのに対し成体で雄に1メートルを超す。また、その巨体とそれに見合わない他のゆっくりと同様の移動能力を持っているため、餌がなくて餓えたり他の捕食種に捕獲されることがほとんどない全ゆっくり中最高の防御力と雨に対する適応性を持っている。加工場などで飼育されているれてぃは常にあんこを抜かれているため、手当たり次第にゆっくりを捕食するが野生のレティはあんこの量が多いためか知能、記憶容量が高めで面倒見がよく、他の捕食種とは違い自分の子供なら通常種でも食べることはせず、一家を口に入れて守りながら移動し、他の捕食種から家族を守ることある。 ゆっくりゆゆこ 他の飛行可能なゆっくりと違い羽がなくても飛行可能なゆっくり。無限の食欲を持ち、一度食事を始めると寝るか周囲にゆっくりがいなくなるまであらゆるゆっくりと周囲の小動物、植物を食い尽くす。そのため人間にとっては一番、ゆっくり達にとっては発情したアリスの次に迷惑なゆっくりである。その食慾のためか捕食種では一番数が少なく、飼育に成功した例もほとんど無い。 捕食種捕食性種 捕食種を捕食する性質を持つゆっくり(食物連鎖で言う猛禽類)。そして約半数が饅頭ではなく生体組織で形成される。その性質上、生息数が希少種・特種並に少ないので天然物を見る機会はとても少ない。これは他のゆっくりもそうで、通常種ましてや餌である捕食種でさえこの種の存在を知らないことがある。しかしながら「ゆっくり研究所生体学部」ではある特定の組み合わせで超低確率ながら突然変異によるこの種の発生が認められた。その種はどのゆっくりにも似ていないため新種とされる方針。知能や体躯は他のゆっくりより圧倒的に高く、ドスでさえ一撃でスクラップになる。(突然変異による発生種)※名称未定 研究所で発生したことから「No.1」とも呼ばれる。因みにふらんとうつほのかけ合わせ。見た目は両者の平均……だが、何故か家族を除く捕食種を駆逐する勢いで捕食した。そのため、ここに分類される 希少種 れみりゃとふらんの亜種と思われるもの、人間の子供のような胴体と四肢をもち、移動方法が跳躍から歩行に変わったこと以外に習性や戦闘力などれみりゃやふらんとの違いはない。紅魔館周辺にのみ生息し、非常に数が少ない。れみりゃには稀に怪獣の着ぐるみを着たようなのも確認にされているがそれが与えられたものなのか成長過程で形成されたものなのかは不明。 特種 他のゆっくりと大きく生態が違う、目撃例が異常に少ないなどのゆっくりはここに分類されるゆっくりにとり 非常に珍しい水生のゆっくり。おもに魚ときゅうりを主食としていることが分かっているがゆっくりの中でも動きが早く(水中でのみ魚以上に機敏に動ける)他のゆっくりと大きく異なることもあって捕獲例自体が少なくはっきりしたことは分かっていない。 ゆっくりれいせん 希少種同様胴体と四肢をもつ。「ゲラゲラゲラ」と、癪に障る笑い方をすること以外はほとんどわかっていない。 ゆっくりゆうか 非常に珍しい「人と利害対立することが少ない」ゆっくり。ゆっくり以外の生物を自ら積極的に育てようとしたという報告もあるがやはり発見例が少なく詳しいことはほとんどわかっていない。 人型のゆうかも確認されていて自ら植物を育てるなど高い知能を持つ。植物を荒らされるためか他の種を敵視していることもある。ゆうかとは別種という話もある。 きもんげ 胴体と四肢ばかりでなく、人間以上の知性と確かな人格を持つ。関西弁(あるいは広島弁)を使い、常に金儲けを考えている。加工場の社長。そもそもゆっくりではなく、鈴仙・優曇華院・イナバの裏の姿という噂もある。 ゆっくりめーりん 皮が厚く、ゆっくりの中では体が丈夫。「じゃおおん」という独特の鳴き声を発する。人語を理解できるが話すことは出来ない。おとなしく、攻撃を受けても丈夫な皮で守りに徹する。そのため通常種から愚図呼ばわりされリンチを受けることも多い。皮が厚いぶん餡が少なく低能ともいわれるが、通常種と同等以上の身体能力・知性があるともいわれる。防御本能の強さと忠実さから人間に番犬代わりに飼われることもある。 絶滅種 全てのゆっくりを捕食可能とされる。詳細は不明だが、金色で桜の髪飾りに黒髪が特徴的。一匹で増殖可能。 ゆっくりの飼い方 ごく一部にゆっくりを飼う人がいる。研究機関を除けば虐待するかペットにするかのどちらかである。 虐待するために買うのは簡単、とにかく逃げれないようにしてあとはご自由にお楽しみください。 ペットにするには「恐怖」を与えてペットにするか「愛」を与えてペットにするかのどちらかである。 ペットにするのに向いているゆっくり。ゆっくりれいむ ペットにする難易度は低、数がおおいため捕獲の時点で簡単 純真無垢、悪く言えば無防備。知能が低く愛を与えてペットにするのは少し困難。 ゆっくりまりさ ペットにする難易度は中~高、そのずる賢さから何度も生意気な口をきく、すきを見て脱走するなど恐怖を与えるにも愛を与えるにも困難が付きまとう。ごくたまにいる「仲間思い」のまりさならペットにしやすいが仲間と離れたがらない、新しい仲間が増えるのを嫌うため、仲間を失ったばかりのまりさを捕まえることができればぺっとにするのはかなり簡単。 ゆっくりありす ペットにする難易度は高 自称「とかいは」からくる無駄に高いプライドは飼い主の逆鱗を買う。中途半端に知能が高いこと、ほかのゆっくりをレイプすることもあり、ペットにしない方がいい。繁殖目的で他のゆっくりと交配させる目的で飼うには良い。 ゆっくりぱちぇ ペットにする難易度は低、知能が高く人のルールを覚えること、人とほぼ同等のコミュニケーションをとることが容易なため「愛」も「恐怖」もOKなペットにしやすいゆっくり。 ゆっくりみょん ペットにする難易度は中、ゆっくりの中では比較的恩義に厚いため自分に育てられていると納得すればすぐにペットになる。一部の個体は下ネタしか言えないが。 ゆっくりちぇん ペットにする難易度は低、数はそこそこ居る事と性格が素直な点、れいむに比べればそれなりに頭もよいし躾もし易い。愛を与えてペットにするのには最適。 ゆっくりらん ペットにする難易度は中、数は少なく他のに比べたら頭は良い。ちぇんが居ると親代わりになって育てることが分かっているのでちぇんが居ると飼いやすい。 ゆっくりれみりゃ ペットにする難易度は高、身勝手と生意気が増幅したような存在なためペットにできたという例はほとんどない。他のゆっくりを気絶させるくらいの臭気の放屁を放つ種類も確認されている。 ゆっくりふらん ペットにする難易度は高、他のゆっくりをいたぶるという性格が災いしてペットにするのはかなり困難。瀕死(再生が困難なレベル)か、生まれたばかりの状態のを保護し、他のゆっくり達に慣れさせれば群れでの飼育も可能である。知能は高めで懐けばかなり言う事を聞く。 「恐怖」を与える場合、捕獲したあとしばらく自由にさせる、すると数分で「ここは〇〇のゆっくりぷれいす(家)だよ!くそにんげんはゆっくりしてないででていってね!」「くそどれいはあまあまをはやくもってくるのぜ」と言うだろう。そしたらこのような自己中心的な言動や人の物を壊す、暴れるなどの行為をいけないことだと言い聞かせながら拷問していく。何かをを言い聞かせるときは「相手を掴んで苦しい思いをさせる」「透明な箱の中に入れるなどして隔離した状態でほかのゆっくりの無残な死にざまを見せつける」などの意識ははっきりしているが自分がいくらあがいても何も変わらない状況で行うのがベスト。これを数週間から数カ月繰り返せば従順なペットが完成する。が、知能の低さとうんうんの特性ゆえに自分の経験を忘れる。そのずる賢さで何とか反抗しようとする(おもにまりさ)。プライドの高さから怖いけど反抗する(おもにありす)などの要因で一度ペットにした後もなかなか教育を終わらせることが出来ない。また万が一ゆっくりの外出や家にほかの野生ゆっくりの侵入、接触を許すと最初は追い出そうとするがすぐにほかのゆっくりとともに行動し始める(解放されたと思い込むためか怖い飼い主からは逃げようとしない、飼い主のことすら忘れる)ため、厳重な管理が必要である。 「愛」を与える場合成功すれば飼い主、ゆっくりともに幸福を得られるがごく一部の種を除き飼い主は何度も自分の怒りに堪えなくてはならない。餌は自分と同じものか、ゆっくりフードや農場野菜がよいとされる。そしてやってはいけない事や、この家の持ち主、(農場では)野菜の育て方などをやさしく教えていくが最初はゆっくり故の傲慢さ、愚鈍さからまず理解してもらえず、飼い主の逆鱗に触れ殺されるゆっくりも多いが、プライドの高いありす、わがままな子供がさらに百倍生意気になったれみりゃ以外は期間の差こそあれ飼い主のパートナーになることが確認されている。ある農家ではれてぃ、ふらんをリーダーとした100匹規模のゆっくりの群れがゆっくりのみで(無論水路の整備などゆっくりには出来ない仕事は人間が手を貸す)農場を運営し、作物を生産していくことが可能になった例も有り(このとき生産された作物とお菓子や肉類などの等価交換を持ちかけよう)、積極的に飼い主を手伝うパートナーになってくれる。その関係を維持したまま成体になれば他のゆっくりにルールを教え、生まれた子供も飼い主の家族として暮らしてくれる。ここまで来るとゆっくりは飼い主に飾りの洗濯やさらなる飾り付け(主にまりさの帽子に刺繍をするなど)を要求してくることがあり、短時間なら飾りを取られることすら我慢することがあるという。注意点としてはここまで関係が発展したゆっくりは、野生生活ではまずあり得ない経験を繰り返すからか一方向への知能が発達し、大規模な群れでも自分の子供を理解出来るようになる。また、人間の貨幣制度にも理解を示すため、飼い主はゆっくりにお金を持たせて買い物をさせることがあるがゆっくりを見ただけで殺す人間もいるため、ペットであることをアピール出来るようにすることが重要である、殺す人間はゆっくりがうざいため殺すのがほとんどなため、ペットだとわかれば皆親切である(最近では通常ゆっくりのつけない飾りを通常の飾りのほかにつける、飾りにさらなる飾りつけをする、買い物かごに手紙を貼り付けておくなどの処置がとられることが多い)。また、飼い主への信頼にこたえるために、不法侵入してきたゆっくりの群れを追い払おうとし、死ぬまで抵抗することもあるので(特に農場で仕事するゆっくりは群れの仲間と飼い主以外に作物を取られうことを絶対に許さない)他のゆっくりとの接触には注意を払う必要がある。大規模農場では戦闘力の高いふらんやれてぃ、みょんなどを群れに混ぜ野生ゆっくりと戦わせているところもあり、撃退するたびにゆっくり達の絆も深まり、肥料も得ることが出来るため一石二鳥だという。 舞台設定 加工場 幻想郷の中にあるゆっくりを加工して甘味を作る加工場。現代人が牛や豚がどういう殺され方をされているか知らないのと同じく、幻想郷の一般人は加工場の中を知らない。現代社会にもある 大きな加工場では研究所や直営店も付属する 現代社会に何故かゆっくりがいる。細かい設定は抜き 農場 ゆっくりに集団で襲われる。持ち主が撃退や復讐に挑む。 永遠亭 日々ゆっくりに対する様々な実験が行われている。 ゆっくり虐待の設定等は東方プロジェクトのキャラクター設定を正反対にしたり、誇張したものが多いです。非公式二次創作なので本人に見られたらゆっくり実況も見られなくなるので虐待作品は作らずゆっくり達の日常くらいにしてください。(ゆっくりは人間を見ることはない、また人間もゆっくりを見られない。ゆっくり達は姿を消しながらひっそりと暮らしている)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3088.html
その7より 虐待部屋を出た男と、抱えられたれいむ。 「ゆっくりどこにいくの?」 「隣の部屋さ」 「ゆっ?」 隣の部屋? 一体、隣の部屋に何があるのだろう? 男は隣の部屋の扉の前に行くと、徐に扉を開けて、中に入った。 一緒に隣の部屋に入ったれいむは、その部屋を見て、呆気に取られた。 「ゆゆゆゆゆっ!?」 そこはれいむが虐待以外の時間を過ごしていた、あの二畳半の部屋であった。 床にはブルーシートが敷かれ、部屋の隅にはドッグフードと水の張った桶が置いてある。 そして、部屋の中心には、さっきまでれいむが包まって毛布が無造作に投げ捨てられている。 「れいむ。この部屋は誰の部屋だ?」 男がれいむに問いかける。 「ゆっ……ゆっ……」 れいむには答えられなかった。 間違いなく自分がいた部屋である。しかし、部屋なわけがなかった。 れいむの隣にある虐待部屋、そこにはありすが住んでいたはずなのである。 「れいむ、不思議だろう? なんでありすがいるはずの部屋が、虐待部屋になっているんだと思う? 一体、ありすはどこで生活していたんだろうな?」 「ゆっ……」 「まあ、答える前に次に行くか」 男はそう言うと、れいむの部屋を出て、もう一つの隣部屋に入っていった。 れいむは、その部屋にも見覚えがあった。 「ゆゆっ!! ここは!!」 「覚えているか、感心感心。その通り、この部屋はお前たちが初日に箱の中で眠っていた部屋だ」 2か月半もたってはいるが、れいむは未だこの部屋を覚えていた。 何しろこの部屋は、れいむが初めて過ごした人間の家の部屋であり、恐怖を感じた未知の空間だったからだ。 忘れたくても忘れられなかった。 しかし、やはりおかしい。 ここは本当なら、まりさが住んでいたはずである。 それなのに、机や椅子が置いてあり、棚の中には本が置かれている。 それと引き換え、ドッグフードや水の桶は置いていなかった。 まりさは以前、部屋には何もないと言っていた。 それなのにこの空間といったら、物で溢れているではないか!! 「な、なんで……!?」 ポツリと言葉が出ているれいむ。 もう訳が分からなかった。 まりさとありすはゲスでレイパーだった? でも、れいむの知っているまりさは、ゲスではなかった? 親友のありすは、とても優しかった? れいむの隣の部屋には、まりさとありすが住んでいた? 隣の部屋は、虐待部屋? 隣は、最初にれいむが来た部屋? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? どうなっている? 一体どうなっている? 男は放心しているれいむを抱えて、再び虐待部屋に戻ってきた。 れいむを床に置いて、こっちを見ろと、命令してくる。 虚ろな表情で、男を見るれいむ。 男は、ポケットに手を突っ込むと、ゴソゴソと何かを取り出してきた。 男は取り出してきたそれを、れいむの目の前に掲げた。 「ちょうちょさん?」 れいむは、初めそれが蝶々のように見えた。 しかし、目を凝らして見てみると、無機質なそれは、決して蝶々でないことが理解できた。 蝶々のような何かを見せて、いったいどうするつもりなのだろう? れいむが考えを余所に、男は真っ赤な蝶々を自分の口元に持ってくる。 そして、口を開いた。 『ゆゆっ!! まりさのおよめさんのれいむ!! なんでそんなかおしてるの?』 「!!!」 れいむは、目を見開いた。 突然、どこからか、まりさの声が聞こえてきた。 その声色は、あの優しかったまりさの声その物であった。 れいむは部屋の中を見渡した。 透明な箱の中には、ボコボコにされたゲスまりさが、弱弱しく蹲っている。 こいつが話した訳ではないだろう。 なら、いったいどこから聞こえてきたというのだ? れいむが、忙しなく体を動かしていると、再びまりさの声が聞こえてきた。 『れいむ!! まりさはここだよ!! ゆっくりりかいしてね!!』 声の聞こえる方に目を向ける。 そこにあるのは、真っ赤な蝶々に口を当てた男の姿だった。 まさか、この男が言ったのだろうか? いや、そんなはずはない!! 今のは、明らかに男の声では無かった。 れいむの愛するまりさの声だった。 だったのだが…… 『ゆゆっ!! ゆっくりまりさのことが、わかったみたいだね!! うれしいよ、れいむ!!』 確実だった。 声は男の口元からしっかり聞こえてくる。 れいむは、益々理解が出来ない。 男はその後、蝶々を口元から離すと、手の中で蝶々に何かを施した。 そして、再び口元に持ってくる。 『ありすとれいむは、いつまでもしんゆうよ!!』 「!!!」 次に男の口から飛び出してきたのは、れいむの親友のありすの声。 もう何が何だか分からない。 れいむの餡子脳は、明らかに処理能力の限界を超えていた。 「わからないよ……」 ゆっくりちぇんの様な事を呟くれいむ。 目は虚ろで、焦点が全くあっていない。 男はれいむの態度を見て、ニンマリ微笑むと、口元から蝶々を離し、れいむに顔を近づけた。 「れいむ、一体何が分からないんだ?」 「……」 「まりさとありすが、ゲスのレイパーだった事か? それとも、隣の部屋が、虐待部屋だった事か? もしくは、俺の口から、まりさとありすの声が聞こえたことか?」 「……」 「まあ全部だろうな。今から順に説明していやるよ」 「……」 「まず、お前が初めてここに来た時、出会ったまりさとありすはこの二匹だ」 男はそう言って、透明な箱をバンバン叩く。 その度に、二匹は恐怖に歪んだ表情を見せてくれる。 「さっきのこいつ等の態度と映像で気づいているだろうが、こいつ等はゲスでレイパーだ。あの日、お前が見た二匹は、全部こいつ等の演技だったんだよ。 俺はこいつ等と契約してな。報酬を与える代わりに、俺のやることに付き合えって言ったんだよ。まりさの報酬は、美ゆっくり100匹。ありすは美ゆっくりに整形してやることだ。 ま、契約といっても、守る気なんてサラサラ無かったがね。こいつ等を釣るために口から言った出まかせだ。 ちなみに、整形ってのは、言ってみれば無理やり人工的に綺麗にするような事だ。お前が見たまりさ、美ゆっくりだっただろ? あれは、俺がしてやったんだ。 まあ、俺がしたというより、金を出して専門家にしてもらったというほうが正確なのだがね。元々は十把一絡げのどこにでもいる汚いゲスまりさだったんだぜ。 全く技術の進歩ってのはすごいよな。それとも、体の構造が単純だから、そんなことも出来るのかねえ?」 「……」 「まあ、そんな訳で、こいつ等は手伝ってくれることになったんだ。田舎者のれいむを思いっきり馬鹿にしてやるって言ったら、二匹ともノリノリだったな。 心底ゲスな奴らだね。まあ、俺も他人のことは言えないんだが、ハハハ」 「……」 「で、映像で見た通り、その日こいつ等は虐待をされなかった。虐待されていたのは、お前一匹だけだったんだ。でもお前は全員虐待されたと思っただろ? なぜだ?」 「……」 「なぜなら隣の部屋にいたまりさとありすも、同じく虐待を受けたってお前に言ったもんな。だから、お前は自分だけでなく、二匹も虐待されていると思い込んだ」 「……」 「もう気づいているんじゃないか、れいむ? あの声の正体に?」 「……」 「言ってほしいか、本当の声の主を?」 「……」 「それでは言ってやろう。あの壁越しに聞こえたまりさとありすの声の正体、それはなんと……」 「俺でした〜〜〜!!!!」 「…………」 「あり? 反応が薄いな。もっと愕然とした表情を見せてくれるかと思ったんだが……まあ、良いや、続けよう。お前が壁越しに話していた二匹は、俺がこいつを使ってしていたことだ」 男はそう言って、真っ赤な蝶々をれいむの目の前に掲げてくる。 「これはな、以前香霖堂という店で手に入れた物だ。このようにダイヤルを合わせると、好きな声を出すことが出来るんだ。 『まりさのおよめさんのれいむ!! そんなかなしそうなかおをしないでね!!』 『しんゆうのれいむ!! ありすがすりすりしてあげるわ!! ゆっくりなかないでね!!』とまあ、こんな風にな」 「……」 「何でも外の世界から流れてきた本を参考に、かっぱが制作した物らしい。それを香霖堂の店主が、ツケの代わりに貰ったそうだ。 高かったんだぜ。それ以上に非売品でな。店主もこれは商品じゃないと、中々売ってくれなったんだ。しかし、俺の努力の甲斐あってな。ようやく売ってくれたんだ。 一週間毎日のように通い詰めたもんだから、向こうもいい加減嫌気がさしたんだろうな。悪いことしたよ」 「……」 「で、これを使って、二匹のふりをしていたという訳だ。両方の違う壁から声が聞こえてきただろ。それには、このスピーカーを使ったんだ」 男はポケットに手を突っ込むと、丸い物を二つ取り出し、れいむの前に置いてやった。 『ああ、ああ、聞こえますか? 聞こえますか?』 『とかいはのありすよ!! ゆっくりへんじしてね!!』 男が出した丸い物体から、声が飛び出してくる。 最初のセリフは右側の丸から、後のセリフは左側の丸から聞こえたものだ。 「これをありすのいた部屋というか、この虐待部屋の壁に貼り付けていたんだ。で、もう一つの方は、本当はまりさがいるはずだった部屋に貼り付けた。 まりさの声を出す時はこっちのスピーカーから、ありすの声を出す時は、もう一つのスピーカーから声を出していたという訳だ。 だから、お前には両壁から、声が聞こえてきたという訳だ。だいたい分かってきたろ」 「……」 「つまりだ。お前が二か月半もの間、毎日のように話をしてきた相手は、なんとこの俺だったというわけだ」 「……」 「虐待部屋とお前の部屋を往復する時、木箱にお前を詰めただろ。それはな、これを知られないためだったんだよ。隣が虐待部屋だって気付かれたら、計画がすべておジャンだからな。 最初からお前だけが、虐待されていたんだよ。架空のまりさとありすは、どこにもいなかったという訳だ」 「………………」 れいむはようやく理解できた。何もかも理解出来てしまった。 れいむは、ひたすら男の掌の中で踊っていたということが。 「ここに来てまりさに出会い、一目で惚れたよな。横から見ても、アリアリと分かったよ。でどうだ、今の気分は? 実際のまりさはゲスで、美しさも作られた物だと知ってしまった気分は? そんなゲスまりさと婚約した気分は? 悔しいかい? 悲しいかい? どうなんだい?」 「……」 「それからありすもね、本当の姿はレイパーだったんだよ。あ、ちなみにこいつの親がレイパーだってのは本当の話だぞ。 ただ、嘘だったのは、こいつがレイパーを憎んでいるって話な。こいつ自身、生粋のレイパーだから。むしろ、親以上だろって言いたくなるほどのな。 どうだい。そんなありすと親友になれて? 君たち、確か親友だよね? これからも親友でいようって約束したよね? レイパーと親友になった気持ちは? 教えてくれよ!!」 男はニヤケ顔を止めず、れいむに言ってくる。 何を馬鹿な事を言っている。 自分が大好きだったのは、あの勇敢で凛々しいまりさだ!! 自分の親友は、優しく本当の都会派であったありすだ!! 決して、この透明な箱の中で醜い姿を曝している二匹ではありはしない!! 「れいむがおよめさんになったのは、このげすまりさじゃないよ!!!! れいむのしんゆうは、こんなれいぱーありすじゃないよ!!!!」 れいむは今までも鬱憤を晴らすかのように、盛大に叫んだ。 しかし、男は一向にニヤケ面を改めようとしない。 寧ろ、男にとっては、その言葉を待っていた節すらあった。 「そうか、こいつ等は婚約者でも親友でもないか。それなら、お前の本当の婚約者と親友は、一体どこにいるんだ?」 「ゆっ!?」 「ああ、そうか。お前の本当の婚約者は俺か!! 本当の親友は俺なんだな!!」 「ち、ちがうよ!! ゆっくりごかいしないでね!!」 「誤解も何もそう言うことだろ? お前が2か月半も一緒に生活してきたまりさとありすは、全部俺の演技だったんだから」 「ぢがうよおおおおぉぉぉ――――――――!!!」 「本当にいろいろな事を話したよな。一緒に俺の悪口を言ったり、作戦会議をしたり、ここから出られたらどうするか話し合ったり」 「やめでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――!!!!」 「途中、お前の居場所が無くなってきただろ。あれはな、俺がそうなるように仕向けたんだよ。まりさとありすを演じて、お前が一匹除け者にされるようにな。お前の焦りっぷりったら、止められなかったぜ」 「いうなああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!」 「そう言えば、ありすというか、ありすを演じた俺の告白はどうだったよ? 迫真の演技だっただろ? あれでお前はまりさに告白する決意を固めたんだもんな」 「やめでええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!」 「しかもその後自分から虐待まで受けるとは。プププ、そんなにまりさと対等になりたかったのかい? その為に、怖い怖い虐待を進んで受けたのかい? 俺が相手だとも知らずに、プププ。おお、愚か愚か」 「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!!!」 「ありすを出し抜いた気分はどうだい? 優越感に浸れただろ? でも、今思えばとても恥ずかしいよね? 何しろ、俺に告白して、俺に優越感を感じているんだから」 「ゆぎゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!!!!!」 「そもそもさ、おかしいと思わないのかねえ。自分から進んで虐待を受けたがる奴なんて、いるはずがないじゃん。 家族の為ならまだしも、他ゆっくりの為に自分から進んで痛い目に会うって、いったいどんなマゾよ。 それにさ、ありすにしても変だろ。 お前のしたことって完全に裏切りじゃん。それなのに許すばかりか、いつまでも親友でいようねなんて、いったいどこの聖人君子よ。 真に都会派のありすなんて者がいたら、一遍お目にかかってみたいわ。まあ、そんなもん、いないだろうけどな」 「……もう、やめでよ」 「れいむ、お前は最高のゆっくりだったよ。お前を選んで本当に良かった。 森の中で伸び伸びと暮らし、呑気で疑うということを知らない無垢なゆっくりが、少しずつ負の感情に染まっていき、狡猾で計算高くなっていく様をしっかりと見させてもらったよ。 俺としては、お前の性格の変化によっていくつかの結末を考えていたんだが、その中でも最高に近いエンディングを見せてもらったよ。本当にお前は名タレントだった。 俺の掌の中で遊ばれているとも知らず、自分の作戦が順調に進んでいると思っている姿を見たら、途中で何度本当のことを言い出してしまいそうになったことか。 いやはや、危なかったよ。しかし、我慢したおかげで、こんなに素晴らしい喜劇を制作することが出来た。ありがとう、れいむ!!」 「……やめてよ」 「ただ、一つ失敗したのは、あのゲスとレイパーをボコボコにしてしまったことだな。本当なら、万全な姿でお前に会って欲しかったんだが。 その方が、お前にとってこみ上げるものがあるだろ。何しろ、虐待をされてるのは、正真正銘お前だけなんだから。 同じ虐待をされる仲間がいるからこそ、今まで耐えられてきたのに、実は自分だけが虐待されていると分かったら。 良ゆっくりであるお前だけが虐待されて、ゲスとレイパーはそれを見て笑ってるんだから。どうだ、想像しただけで、来るものがあるだろ?」 「……」 「しかし、こいつ等はあまりにもゲス過ぎた。俺の神経を逆なでしすぎたんだな。映像を見ればわかるだろ。じじいとか言ってくんだぞ、こいつ。 いやはや、すっかり我慢できずに、こんな姿にしちまったよ。ゲスの虐待なんて、やりすぎてもう飽き飽きなんだがね。はあ、惜しいことをした……」 「……」 「れいむ、また口が止まったぞ。会話はキャッチボールだ。お前も何か言えよ」 「……」 「おい、何か言えって」 「……ゆっくりここからだしてね」 「はあ?」 「……ゆっくり、このおうちからだしてくれるっていってたよ……ゆっくりまもってね……」 れいむはもうすべてどうでもよかった。 男の話は、しっかり理解した。自分がピエロだったことは、十分理解出来た。 もうどうでもいい。 まりさがゲスだったことも、ありすがレイパーだったことも、男がずっと自分を騙していたことも、どうでもよかった。 ただただ今はこの家を出たい。 外の空気を思いっきり吸い込みたい。 すべてを忘れたい。 れいむは、何度も「ここからだしてね」と繰り返した。 「……タレントなら、最後までしっかりと責任を持ってほしいものだがな。まあいいだろう。お前の消沈ぶりを見せられれば十分だ。家から出してやるよ」 男は虐待部屋の扉を開けると、「ついてこい」と、れいむに顎をしゃくる。 れいむは、虚ろな目をしながら、ただただ男の後に続いて行った。 男は玄関前にやってくると、ドアノブにてを掛けた。 しかし、そこでピタリと手を止めてしまう。 「れいむ、本当に帰るんだな?」 「……ゆっくりはやく、ここからだしてね」 男は「確認したぞ」と言いながら、玄関のドアを開けた。 これで帰れる。 これでこの辛い暮らしともオサラバ出来る。 森に帰ったら、すべてを忘れよう。なかったことにしよう。 そうだ、お母さんの所に帰ろう!! きっとこの悪夢は、お母さんの言葉を聞かなかった自分に天罰が下ったのだ。 これからは、お母さんの傍で、ずっとゆっくりしよう。 友達といっぱい遊ぼう。 無限の可能性を秘めた玄関のドアが開けられた。 れいむは、勢いよくそこに飛び込んでいく……が、 「ゆっ……ゆゆ………ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!!!!!」 れいむの目に真っ先に飛び込んできたのは、白だった。 見る物触る物すべて白一色に染まっていた。 それは、ゆっくりを決してゆっくりさせてくれない大自然の猛威。 一面の銀世界に、れいむは言葉を紡げなかった。 「ああ、一つ言い忘れてた。実は昨日、この冬一番の寒波が来てな。雪が積もりに積もったんだわ」 「ゆっ……」 2か月半。 れいむが男に虐待されている間に、季節はすっかり移り変わり、本格的な冬が到来した。 れいむは気付きもしなかった。 そもそも、れいむのいた部屋には窓がないし、その日を生き抜くのに精いっぱいで、そんなことに頭を回している余裕もありはしなかった。 男が巧みな話術で、それを思い出さないように仕向けていたこともある。 また、ゆっくりの巣と違い、人間の家は防寒に優れており、毛布も与えられていたため、気温の変化も気付きにくかったのだ。 「こりゃあ、雪かきが大変だな。全く嫌になるよ。森の方もさぞかしすごいことになってるだろうな。一面雪が積もって、巣の場所なんて分からないだろうね。 それに、餌はあるのかなあ? 動物も昆虫も冬眠してるだろうし、草も花も木の実だってもうあるわけないよねえ」 「ゆ……ゆ………」 「たいへんだな、れいむ。これからこんなところで生きていかなきゃならないなんて。でも、俺は応援しているよ。 ゆっくりお家を作って、ゆっくり餌を集めて、ゆっくり冬眠していってね!!」 何を馬鹿な事を言っているのだ!! こんなところで暮らせるはずがないだろう。 男の言葉通り、森は雪で埋まり、どこに巣があるかも分からない状態だろう。 今から巣を作るなんて言語道断だし、餌なんてあるはずがない。 その以前に、こんな雪の中を歩いて森に帰れるはずがない。 道中、空腹で死ぬか、寒さで凍え死ぬかが落ちだろう。 れいむは男の顔を覗き込んだ。 男はそんなれいむを見て、ニヤニヤとうすら笑いを浮かべている。 知っていたのだ。 れいむがここから出られないことを。 ここから出ても、待っているのは死だけであると。 れいむが助かる方法はただ一つ。男に助けてもらう以外、方法がないのだと。 悔しかった。 ようやく抜け出せると思っていたのに、結局最後の最後まで、男の手の上で踊っていただけの自分が。 あれほどの仕打ちをしてきた男に助けてもらえなければ、生きていくことも出来ない脆弱な自分が。 れいむは悔しかった。 それでも、れいむは死にたくなかった。 死ぬことが怖かった。 「……おにいさん。ゆっくりれりむをおうちにいれてね」 「なんだ、森に帰りたいんだろう? 遠慮するな、れいむ」 「……ゆっぐりおねがいじまず。れいむをおうぢにいれでぐだざい」 「ふーむ……ま、良いだろう。何しろ俺のお嫁さんだしな。どうだ、前に言ったろ。“まりさ”の家は、人間の家と同じくらいデカイって。 ははは、当り前だよな、俺は人間だもん。大きなお家で暮らせて嬉しいだろ。これからも精々可愛がってやるよ。なあ、れいむ」 「……ありがとう……おにいさん」 おまけ 男は里の道を歩いていた。 生活用品の買い出しと、香霖堂への贈り物を買うためである。 今回の虐待は、香霖堂の店主があれを譲ってくれなければ完成しなかった。 半ば無理やり譲ってもらったような品だ。あの店主は人が出来ているので受け取ってくれないかもしれないが、贈り物でもしないとこちらの気が済まない。 あれだけ壮大な虐待が出来たのも、すべて店主のおかげだ。受け取ってくれなければ、無理にでも置いてくるつもりだった。 男は、幼馴染がやっている和菓子屋に入っていく。 「いらっしゃい……って、なんだお前!! その格好は!!」 馴染みの店員が、男の恰好を見て唖然とする。 「ん、なんかおかしいところでもあるのか?」 「お、おかしいって、お前、寒くないのか?」 男が来ていた服。 白いシャツに、青いジャケット。水色の短パンに、極めつけは赤い蝶ネクタイ。 七五三で男の子が着るような恰好である。 格好のみならず、脛毛がとても痛々しい。 「ああ、寒い」 「寒いって……分かってて、何でそんな恰好してんだよ!? 変態か? 変態なのか? だいたいその眼鏡はなんだ、視力2.0!!」 「誰が変態だ!! 最近、ちょっとしたことにハマってたんだが、この格好のほうがやる気が出てくんだよ。 変態じゃねえよ!! 仮に変態だとしても、変態という名の探偵だ!! ちなみに眼鏡は伊達な」 「探偵って……ああ、もういいわ。お前が変人なのは、昔からだもんな」 「なんだと、この野郎!!」 「まあ、それはさて置き、いいところに来たよ。近々、お前の家に行こうと思ってたんだよ」 「用事でもあったのか?」 「この前みんなで集まってな。今度の春に合わせて、演劇でもしようと決まったんだ」 「へえ」 「でだ、お前も当然参加するだろ?」 「ああ、させてもらうよ」 男は里の劇団員の一人である。 劇団といっても本業でしているわけではなく、趣味の合う者が集まって作られたサークルである。 「ところで、どんな演目をするんだ?」 「まだ決まってないよ」 「ならゆっくりの役を取り入れたらどうだ?」 「ゆっくり? ゆっくりって、饅頭のゆっくりのことか?」 「ああ。自慢じゃないが、俺はゆっくりを演じさせたら、幻想郷一という自信があるぜ」 「……本当に自慢じゃないな」 店員は呆れているようだ。 男はとりあえず、店主への贈り物を選び包んでもらう。 「ところで練習場所はいつものところだな?」 「ああ、そうだ」 「いつから始めるんだ?」 「遅くとも来週には取りかかりたいな」 「分かった。予定をあけとくよ」 男は用事も終わったので、店を後にしようとした。 「おい」 「まだ何か用事があるのか?」 「どうでもいいが、そんな恰好で練習場所にくるなよ。みんな引いちまうぞ」 「うっせえ、俺の勝手だろ」 「バーロー」 〜fin〜 久しぶりだね、兄弟(・∀・)ノ 何が書きたかったかというと、最後のセリフを書きたかっただけである 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ ゆっくりいじめ系848 風船Ⅱ ゆっくりいじめ系849 風船Ⅲ ゆっくりいじめ系936 カルガモとゆっくり 前編 ゆっくりいじめ系937 カルガモとゆっくり 後編 ゆっくりいじめ系938 カルガモとゆっくり おまけ ゆっくりいじめ系960 ゆっくりにドラえもんの道具を与えてみた
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2225.html
※ゆっくりを野生動物として扱われるのを不快に感じる方 ※捕食種設定を不快に感じる方 ※ゆっくりの戦闘シーンを不快に感じる方 ※酷い目に遭ってしまうゆっくりがいるのを不快に感じる方 ※素晴らしい小説を求めている方 は、この小説に合いません。 申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。 それでも良ければどうぞ ミリィのゆっくり冒険記 第十二話 「ひさしぶりのあまあま~♪おいしいぞぉ~♪」 「やめてよね!れみりゃはれいむをたべないでね!」 「おちびちゃんのまえでおのこしなんておげひんなまねはしないぞぉ~♪」 「ゆっ…ゆっ…もっと…ゆっくりしたかった…」 ミリィには目の前で何が起きているのか理解できない。 まさか自分の母親が… 友達を食べるとは… ミリィには思いつきもしなかった… 「う~♪おいしかったぞぉ~♪おちびちゃんありがとうだぞぉ~♪」 そこには、れいむの皮だけが残される。 ミリィには信じられない。 目の前のぺらぺらとした皮が さっきまで一緒にゆっくりしていた れいむだなんて… 「う…うあああああああああああああ!!」 「お、おちびちゃん!?どうしたのぉ!?」 友達…まんまぁ…れいむ…食べる… 怒り、悲しみ、憎しみ…ミリィの中で色々な感情が渦巻く。 「あつい…あついのぉぉぉぉ!!」 ミリィは自身の体の変調に耐えきれず叫ぶ。 「う…あ…あ…」 あつい にくい くるしい ゆるせない たすけて れいむを まんまぁ かえして 「うあああああああああ!!」 行き場の無い感情。 ミリィの中で走り回る。 「う~!おちびちゃん!おちびちゃああああん!さくや~!さくやああ!たすけてぇ~!」 ミリィの意識はそこで途切れた。 場面が変わる ここがどこかは自分にはわからない そこで眠っているゆっくりできていないゆっくりを見つけた 自分にはそれだけで十分だった 「おちびちゃん…ふりゃあん…う~…う~…」 そのゆっくりできていないゆっくりは幸せそうに寝言を言っている。 目の前のゆっくりが誰なのかは知らない。 しかし… 目の前のゆっくりがゆっくりできていないということだけはわかった。 そのゆっくりに『せいっさい』を加える。 ゆっくりできていないのだから。 なんだか少し動きづらかったが仕方ない。 目の前の眠っているゆっくりに向かって右腕を動かす。 「う…うぁ!?」 ゆっくりできていないゆっくりが目を覚ましたようだ。 驚きの表情でこちらを見ている。 「お、おちびちゃん…!?」 黙れ 黙れ お前なんか… 「ゆっくりしねぇっ!」 その呪いの言葉と共に目の前のゆっくりに向かって腕を動かす。 目の前のゆっくりは逃げようともしない。 好都合だ。 「い…いたいぞぉ!やめてぇ~!!」 「ゆっくりしねぇっ!ゆっくりしねぇっ!ゆっくりしねぇっ!ゆっくりしねぇっ!」 なんだか楽しくなってきた。 目の前のゆっくりは最初は叫んでいたが、だんだん動かなくなってきた。 つまらない。 そろそろとどめを刺そう。 右手を空中に掲げる。 右手を掲げたことで何が起きるかなんてことはわからない。 ただ、何かが起こるという確信だけはあった。 体だけが覚えているかのように。 右手が紅く光る。 右手から紅く光る槍が現れた。 その槍を構える。 目の前のゆっくりを貫けるように。 「お…ちび…ちゃん…ふ…りゃん…」 目の前のゆっくりが何かをつぶやいているが気にしない。 狙いはターゲットの中心部分。 「ゆっくり…」 「ふ…りゃ…ん…」 「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」 そして、槍は放たれた。 そこでミリィの目が覚めた。 ミリィは全身に冷や汗をかいている。 今の夢は一体…。 いやだ…まさか…そんな… そう思いながらも、ミリィは確信を持っていた。 ミリィは自分の両手を見る。 自分は。 この手で。 母親を。 周辺を見回してみると、3匹のゆっくりが眠っているのが見えた。 辺りはもう暗かったので見えにくかったが、マーサ・レイン・メイシャで間違いなかった。 3匹を起こさないよう、慎重にその場を後にする。 今は1人になりたい気分だった。 「まんまぁ…」 ミリィは思い出す。 記憶の中にある母親との思い出を。 それはとってもゆっくり出来る思い出。 記憶にある限り、母親はずっと自分を大切にしてくれた。 自分にとっても大切な母親だったことは間違いない。 しかし、れいむを食べたことは受け入れ難かった。 同時に、自分がやってしまったことも。 捕食種と基本種。 どうしてこのような関係が生まれてしまったのだろうか。 皆でゆっくり出来ればよかったのに。 どうして同じゆっくり同士で。 どうして…。 ミリィの中でぐるぐると色々な思いが駆け巡る。 その時 「ぎゃお~♪たべちゃうぞぉ♪」 「れみりゃはゆっくりできないよ!こっちこないでね!」 「こにゃいでね!」 3種類の声がミリィの耳に届いた。 声が聞こえた方向を見てみると、胴なしれみりゃが胴なしれいむの親子を追いかけているのが見えた。 ミリィは無言のまま3匹のいる方へと歩く。 その顔は無表情のまま。 「うっう~♪…う?おっきなれみりゃ、どうしたのぉ?」 胴なしれみりゃが不思議そうな顔でミリィを見ている。 無邪気な笑顔。 しかし、その笑顔のまま親子れいむの命を奪うのだろう。 当然、ミリィにもそれは予想できた。 「れ、れみりゃがにひきぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「にひきぃぃぃぃぃ!!!」 一方で絶望的な表情をしているれいむ親子。 すっかり混乱状態に陥っていた。 ミリィは胴なしれみりゃへ無表情のまま話しかける。 その深紅の瞳には何が映っていたのか。 誰にもわからなかった。 「やめるんだぞぉ…ゆっくりを食べるゆっくりはゆっくり出来ないんだぞぉ…」 「う…?おっきなれみりゃはなにをいっているのぉ?ゆっくりをたべなきゃゆっくりできないぞぉ…」 胴なしれみりゃにはミリィの言っていることはわからない。 今までゆっくりを食べて生きてきたのだから。 ゆっくりと食べることでゆっくりしてきたのだから。 突然『お前はゆっくり出来ない』と言われても、困惑するだけだ。 自分が全否定された感覚に陥る。 れいむの親子はその場から動くことが出来ない。 2匹のれみりゃへの恐怖によってすっかり体がすくんでしまったようだ。 「他に食べられる物だってあるぞぉ…あまあまなら木の実だってあるぞぉ…」 「…う?あまあまなきのみ?」 胴なしれみりゃはその言葉に辺りを見渡す。 あまあまなれいむの親子と謎の胴付きれみりゃ、そしてどこにでもある木と草むら。 胴なしれみりゃの深紅の瞳にはそれしか映らなかった。 「ここにはあまあまなきのみなんかないぞぉ!!ゆっくりをたべなきゃゆっくりできないぞぉ!!」 胴なしれみりゃは憤慨する。 危うく目の前の胴付きれみりゃに騙されるところであった、と。 「おっきなれみりゃは…れみぃからそのゆっくりをよこどりするつもりなんだぞぉ!」 胴なしれみりゃの笑顔が怒りへと変わる。 目の前の胴付きれみりゃは、自身の獲物を横取りする敵だ。 胴なしれみりゃはそのように結論を出した。 ミリィは胴なしれみりゃを見て溜息をつく。 何故こんなことが分からないのか。 何故ゆっくりを食べるのか。 何故こんなに愚かなのか。 ミリィは完全に目の前の胴なしれみりゃを見下していた。 「う~!!」 胴なしれみりゃがミリィに体当たりを仕掛ける。 自身の体当たりに自信を持っていた胴なしれみりゃ。 何故なら、この体当たりで数々の獲物を仕留めてきたのだから。 相手が胴付きれみりゃだろうと、この体当たりなら絶対に勝てる。 そう疑うことはなかった。 実際に体当たりを仕掛けるまでは。 しかし、手ごたえはなかった。 いや、それどころか胴なしれみりゃは動けなくなってしまった。 何故なら、胴なしれみりゃの翼はミリィの手に掴まれていたからだ。 「う、うごけないんだぞぉ!?」 「…単純な動きだもの」 ほっそりとした胴体に、白くすらっとした綺麗な四肢。 顔も小さくなっており、満面の笑顔はなく深紅の瞳だけが光っている。 そしてその深紅の光は非常に鋭い。 まさに深紅の槍のようだった。 「ゆっくり出来なくなりたくなければ、ゆっくりせずにこの場から去れ」 その姿は、まさにミリィがおねーさんと慕うレミリア・スカーレットに瓜二つであった。 「う…う…う…?」 胴なしれみりゃは混乱する。 目の前の胴付きれみりゃは一体何なのか。 そう考えていると、自身の身体が解放される。 ミリィが胴なしれみりゃを掴んでいた手を離したのだ。 動ける。 飛べる。 今度こそ体当たりを仕掛けなければ。 胴なしれみりゃはあまりの混乱ぶりに判断能力を失っていた。 目の前の胴付きれみりゃがどのような存在か。 自分が勝てる相手なのか。 この胴なしれみりゃも幾つもの修羅場を潜り抜けてきたはずなのに。 無謀にも。 「う~!!」 再び体当たりを仕掛けた。 「…愚かな」 胴なしれみりゃの耳元で鋭い声が聞こえた。 「私の名前は…ミリィ」 視界に広がる深紅の槍状の光。 「ゆっくり出来ないゆっくりは排除する」 刺さるととっても痛そう。 「ゆっくり出来ない愚かなゆっくりよ」 その深紅の光は自身の目の前にある。 「去れ。三度は言わない」 今にもこっちに向かって来そう。 「もし去らないのならば…」 もしあれがこっちに少しでも向かってくれば 「ここで…」 自分は 「しね」 死ぬ。 「うっ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」 胴なしれみりゃは悲鳴を上げながら、漆黒の空へ逃げていく。 土壇場で自身の野生の本能を思い出した。 あの胴付きれみりゃには絶対に勝てない。 もしあと一秒でもあの場に留まっていれば自身は死んでいた。 最早それを疑っていなかった。 いや、そもそもあれは本当にれみりゃなのか。 胴なしれみりゃには最早何が何だか分からなかった。 とにかくこの場を離れてゆっくりしたかった。 「…ふん…」 ミリィは逃げて行くその後ろ姿にすでに興味を持っていなかった。 右手の中にある、胴なしれみりゃの眼前に突きつけていた深紅の光を消失させる。 その深紅の光はロンギヌス。 かつて自身の母親を突き刺した罪深い槍だ。 ミリィは改めてれいむ親子へ向き直る。 その顔は先程までの無表情のままだ。 しかし、この瞬間のミリィは間違いなくゆっくり出来ていた。 醜悪な捕食種の牙から今度こそれいむを守れた。 今度こそ。 そう、今度こそだ。 ミリィはその想いと達成感を胸にこの上なくゆっくり出来ていた。 「「ゆっ…!!!」」 胴なしれいむはその深紅の視線を感じて怯える。 目の前にいるのは、姿はすっかり違うがれみりゃで間違いない…はずなのだから。 れいむ親子にとってはどのれみりゃも同じだ。 自身の姿を見つければ、一直線に牙を剥いて襲いかかってくる。 それは目の前のれみりゃも変わらない。 そう思っていた。 「…れいむ」 ミリィの鋭い声が静寂に響く。 「ひゃ…っひゃい!!」 れいむはあまりの恐怖に上手く言葉にならない。 しかし、自分に対して声をかけていることはわかったので、返事だけは返す。 ミリィとしては、別に脅すつもりはなかったのだが。 「さっさと巣へ逃げなさい…もしかしたら他にも貴方を食べようとするれみりゃがいるかもしれない」 そう言うとミリィは微かに笑う。 親れいむから見れば理解不能な出来事でしかなかった。 自分達を食べないれみりゃが存在するとは思わなかったからだ。 が、これはれいむにとって千歳一隅のチャンスであることには変わりない。 「あ、ありがとう!!…え、え~と、おちびちゃん!ゆっくりせずににげるよ!!」 「ゆっくりわかっちゃよ!!」 ミリィのいる方向とは逆の方向に逃げだす。 必死に跳ねる。 あのれみりゃの気が変わったら自分達は食べられてしまうかもしれない。 親れいむはミリィの言葉を完全に信じたわけではなかった。 だから必死に逃げていた。 「れいむの…子供の方!!」 離れて行く必死に跳ねる後頭部を見据えながらミリィは叫ぶ。 「ゆっ…?」 「おちびちゃん!はやくにげるよ!」 子れいむがその声に振り返る。 親れいむが子れいむに跳ねるよう促すが、子れいむはミリィへと視線を向けたままだった。 「ママ…いえ、お母さんを大事にしてあげなさい」 ミリィは出来るだけ優しく語りかける。 やはり怯えられるのはあまりゆっくり出来ることではなかった。 子れいむは一瞬呆然とする。 何を言われたのかわからなかったようだ。 「…ゆっきゅりりょうかいしたよ!!」 子れいむは満面の笑みを浮かべてその言葉に応える。 その表情にミリィも満足げに微笑する。 「さ、おちびちゃん!ゆっくりせずににげるよ!」 「ゆっきゅりりょうかいしたよ!!」 れいむ親子の姿が段々小さくなって行く。 ミリィの瞳は、れいむ親子が見えなくなるまで視線を逸らさなかった。 れいむ親子が去るとミリィは再び一匹になった。 身体の中を駆け回る感情。 「まだだ…まだ全然足りない…」 満たされない。 ミリィの心の中はその言葉が支配していた。 そう、ミリィは満たされていなかった。 砂漠の中で遭難したかのように。 渇いていた。 心が。 「…ふふ…」 ミリィは笑う。 暗く。 静かに。 今の自分なら何でも出来る。 全ての基本種のゆっくりを救うことだって。 絶対に出来る。 そう疑っていなかった。 れいむを救うことが出来る。 まりさも救うことが出来る。 自分のやりたいことは何でも出来る。 さあ、早くこの渇きを潤しに行きたい。 ミリィの心は渇きと歓喜に震えていた。 そして、静かに笑うミリィの後ろ姿に忍び寄る3匹のゆっくりの影。 「…お姉様?」 「ミリィ…なのぜ?」 「これは…一体…?」 それはレイン・マーサ・メイシャだった。 先程の胴なしれみりゃの叫びにより起きてしまったのだった。 ミリィは振り返り、深紅の視界に3匹の姿を認める。 「…お久しぶり…で良いのかしら?」 微かに笑った。 「お、お姉様…で、いいのよね?その姿…どうしたの?」 レインが戸惑うのも無理はない。 起きたらミリィがいなくなっていて、やっと見つけたと思ったら全く違う姿に変わっていたのだから。 しばしミリィとレインは互いに見つめ合っていた。 いや、見つめ合った…と言えば語弊があった。 ミリィは明らかに睨んでいたのだから。 やがてミリィが視線を外し、ふ、と微かに笑いながら口を開く。 「私は…弱い自分を捨てたの…」 「弱い自分…?」 その言葉に食いつくメイシャ。 弱い自分とは何のことを指すのか? マーサもミリィに何かがあったことを察する。 言いようのない不安に駆られたが、相手がミリィだということを自分に言い聞かせ、勇気を持って話しかけた。 レインやメイシャにも自身の気持ちを分かってもらえたのだから。 ミリィにだって。 そう信じて。 「ミリィ…何があったのぜ?」 「…別に…いえ、貴方達にも話しておくべきなのかもしれない…」 ミリィは一瞬拒絶を仕掛けるが、思い留まる。 目の前のゆっくり達はわずかな期間とはいえ一緒に過ごしたゆっくり達だ。 話くらいはしておくべきなのだと考え直したのだ。 「愚かなゆっくり達がいたことを…」 自嘲の声が混じっていた。 「あれはまだ私が胴なしの時だった…私はママと咲夜とお姉さんと他の人達と一緒に紅魔館でゆっくりしていた…」 ミリィが淡々と話し始める。 「ある日、私は外に出たいと咲夜やママにお願いした。聞き入れてもらえなかったけどね」 一言一言、思い出すように。 「だけどそれでも出てみたかった。ママから外のお話を何度も聞いていたから」 懐かしげに。 「だから私は無理矢理外に出ることにした。ママにも咲夜にも告げずにね」 愛おしげに。 「気持ちよかった…。紅魔館の外にはこんなに広い世界が広がっているなんて思いもしなかった」 悲しそうに。 「しばらく風を感じながら飛んでいた時、地面で動く物体を見つけた」 苦しそうに。 「それが私の一番最初のゆっくりのお友達。ゆっくりれいむだった」 マーサ・メイシャ・レインの3匹は聞き入っている。 「れいむと一緒にいるととってもゆっくり出来た。初めてのお友達だったから」 ミリィの一言一言を 「しばらくゆっくりしていたら…私のママが迎えに来てくれた。私がこっそり外に出てしまったことがばれてしまったんでしょうね」 決して 「ママが来てくれたことが嬉しかった私は…ママにお友達であるれいむを紹介しようとした。ミリィの初めてのお友達だよ、ってね」 聞き漏らさぬように。 「でもね…でもね…ママは…」 ミリィが震えだす。 「ママは…」 それは怒りか、悲しみか、苦しみか。 「ママは…れいむを食べちゃった…」 ミリィ自身にもわからなかった。 メイシャは納得がいった。 ミリィが何故ゆっくりを食べることを頑なに拒むのかを。 レインは思った。 仮に自身がミリィの母親だったら、自分もそのれいむを食べていたんだろうな、と。 マーサは同情した。 そのれいむは運が悪かったんだろうな、と。 「でもね…でもね…話はこれで終わりじゃないの」 ミリィは自身の両手を見る。 ほっそりとした白い手。 「私は急に体が熱くなって…気が付いたら紅魔館にいたの。多分、咲夜か美鈴が運んでくれたんでしょうね」 ミリィの遠くを見据えているかのような瞳。 今のミリィの瞳にはそこに何が映っているのか。 何を見据えているのか。 「私は胴付きになっていた。そして、私の目の前にはママが寝ていた。多分、寝ずに見守っていてくれたんでしょうね」 「それで胴付きに?まさか…感情…?」 胴付きという言葉にメイシャが反応する。 一匹でぼそぼそと呟き始める。 ミリィはメイシャを無視して話を続ける。 「でもね…私はママが憎かった。そう、憎かった…はず…」 ここでミリィは言葉を濁す。 ミリィの中に迷いが生じたのだ。 「…うん、憎かったんだ。止まれなかった。許せなかった。お友達であるれいむを食べたママを」 レインとマーサが息を呑む。 「私は紅い槍…そう、ロンギヌスを出してね…」 ミリィは苦しそうに息を吐き出す。 「ママを…」 思い出すことさえもつらそうに。 「ママを…ロンギヌスで…」 必死に吐き出す。 「永遠にゆっくり出来なくさせてしまったの…」 ミリィの言葉に辺りが静まり返る。 マーサも。 レインも。 メイシャも。 誰も動けなかった。 それを予想していたのか、ミリィは自嘲気味にふ、と軽く笑う。 「私とママは…ゆっくり出来るゆっくりをゆっくり出来なくさせてしまった…」 ミリィの瞳に決意の色が宿る。 「だから…私は決めたの…」 ミリィは感情の全てを吐きだすかのように叫ぶ。 「ゆっくり出来るゆっくりをゆっくりさせてあげるとね!!」 ロンギヌス?・・・グングニルじゃないの? -- 名無しさん (2011-03-17 17 19 12) 突然カリスマが出てきたな。口調もゆっくりっぽく無くなったし。 しかしゆっくりさくやを探すという目的はどうなったのだろう? -- 名無しさん (2011-09-01 16 24 58) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/852.html
『真冬のゆっくり対策 5』 「「「「ゆゆゆゆゆ!!!!!!!」」」」 「「「「「ゆううううう!!!!!」」」」」 「な…どうしたの皆?」 (あーあ。やっちゃった) 「ど…どぼじでえええ!!!!」 「どすが…どすが…」 「どすがいなぐなじゃっだよおおおお!!!!」 「「どぼじでにんげんがごごにいるのおおおお!!!!!」」 「「にんげんがぜめでぎだよおおおお!!!!だずげでええ!!!!」」 「ええ!何で!!どうして!?…あ、しまった!」 「ちょっと来い!!!!」 虐待お兄ちゃんは彼女を連れて洞窟の外へ出て行った。 「ぶかぶかだったからな。避けた拍子に帽子が取れたんだ」 「ど…どうしよう…これじゃもう…」 飛び掛ってきたまりさを避けた拍子に彼女が被っていた帽子が外れてしまい彼女の正体がばれてしまったのだ。 「ん!…何か来る!隠れて」 彼らは木々の陰に隠れた。 「ゆううう!!!!!……ゆぴいいいいい!!!さぶいよおおお!!!!」 1匹のまりさが洞穴から飛び出したがあまりの寒さに洞窟に戻っていった。 「何をしてたんだ?」 「どうしよう…どさくさに紛れて村に移動したら…」 「この寒さにしかも雪じゃ村まで移動できないだろう。…と言ってられないかもな。俺貯めてあった食糧に悪戯しちゃったし」 「逃げられたら駆除ができなくなっちゃう…」 「もう火攻めでいいんじゃないですか?」 「駄目よ!!私の村で狼藉を働いておきながら軽く殺してすませるわけにはいかないわ。それに…」 「それに?」 「うぅ…」 「と…とりあえず奴らの様子を見ないと…あ、その帽子俺に貸してくれません?俺だったらまだ騙せるかもしれないです」 「わかったわ。私はここで待ってるから」 彼は帽子を被ると洞窟の中へ向かった。 数分後 「駄目だ駄目だ。あいつら警戒してやがるわ」 彼は手でバッテンマークを作りながら洞窟から出てきた。 「やっぱり駄目だったのね」 「でもほっとけない事言ってたぜ」 「何…?」 「人間に復讐したいだとよ」 「じゃあ村に…」 「多分そうしたいんだろうな。だけどこの雪と寒さじゃ無理ですよ」 「でも…」 「ヤケおこして…なんてこともあるね。それにどこか別の場所に逃げられても面白くないな」 「どうしよう…もう暗くなってきちゃった」 「あと1時間ほどが限界ですね。…何か案とか?」 「無いわ…道具も何もないし」 「とりあえず…あの穴を埋めときますか?」 「洞穴の?」 「ええ。粗くていいです。埋めるというよりは大きな雪山でも作っておきましょう。そうすればゆっくりは洞窟から出られないですよ」 「そ…そうね、何もしないよりはマシだわ」 彼らは洞窟の前に移動すると雪をひたすら洞窟の前に集めだした。 「ゆううううう!!!!!!」 「よぐぼありずを!!!!ばりざを!!!!」 途中勇敢にも巣から飛び出して襲い掛かってくるゆっくりがいたが全てシャベルで殴り殺されたり刺されたりして散っていった。 1時間後洞窟の前に大人の身長ほどの雪山が出来上がった。 「多分これで閉じ込められるでしょう」 「この山を崩すかも…」 「相当根性のあるゆっくりじゃないと無理ですよ。多分これなら…」 「私達も戻りましょう。ここは暗くなると危ないわ」 「ええ。帰って明日のこと考えましょう」 彼らは山を降りて行った。 -巣の中では- 「い…いっだいなんだったのおお!!」 「わ…わがらないよおお!!!」 彼らが外に飛び出した後洞窟の中はざわざわしていた。 「…むきゅ…みんなよくきいて…ぱちゅりーたちは…にんげんにだまされていたのよ…」 「「ゆゆ!!!」」 「どすがいたのに…なんで…」 「あれはどすじゃないわ…にんげんがへんそうしてたのよ…」 「じゃ…じゃああかちゃんがしんじゃったのも…」 「にんげんのせいよ…」 「みんながしんじゃったのも…」 「にんげんの…せいよ」 「「そ…そんなああ!!!」」 「「ゆええぇえぇん!!!!」」 「「ごべんねええ!!!!ばがなおやでごべんねえええ!!!あがじゃんゆるじでええ!!!!」」 「「ばりざぁ…ばりざあ…なにもじであげられなくでごべんねええ!!!!!」」 「「ぐ…ぐやじいよおお…」」 泣き喚くゆっくりの中で1匹のまりさが叫んだ。 「ゆるさないよ!!!いまからふくしゅうしにいくよ!!!!」 「ま…まって!!!おそとはさむくて…」 「そんなことしってるよ!!!でも…でぼごれじゃあ…あがじゃんが!!!でいぶがあ!!!」 まりさは外に飛び出した。 「ゆううう!!!!!……ゆぴいいいいい!!!さぶいよおおお!!!!」 だがすぐに引き返してしまった。 「こ…これからどうすればいいのぉ…」 「わ…わからないよ…」 「くやじいよぉ…」 ゆっくりは何か話し込んでいた。 「ゆ!だれかがくるよ!!」 「「「ゆ…ゆっくりしていってね!」」」 やってきたのは帽子を被った虐待お兄ちゃんだった。 「ゆっくりしていってね!どうしたんだい?騒がしいけど」 「すっごいおおきなまりさだよ!」 「もしかして…どすなの?」 「…ああ、私はドスだよ。ドス。昔ね、ここの辺りに住んでいたんだけど今は違うところにいてね。冬の間にみんながゆっくりできている かどうか調べて周っているんだよ」 「「「ゆぅ…??」」」 「「「ほんとうに…どすなのかな?」」」 「そういえばみんな、アレが来なかった?」 「あれって?」 「なんのこと?」 「最近人間さんがドスの帽子を被って巣の中を荒らしているって噂を聞いたんだ。ここの巣には人間さん来なかった?」 「「ゆ!!」」 「「ど…どすぅ…」」 「……はい?」 「「「「ゆえぇえん!!!!ぐやじいよおお!!!」」」」 「「「「あがじゃんがじんじゃっだよお!!!」」」」 「「「「おどもだぢがじんじゃっだよおお!!!!!」」」」 「そうかいそうかい、ちょっと遅かったね。ごめんねみんな」 どうやら彼をドスと勘違いしてくれているようだ。 「むきゅ!おもいだしたわ!!こまったことがあったらどすにたすけてもらえって。おひさまがしずむところにどすがいるってありすがいってたわ!」 このぱちゅりーはリーダーありすの妹だった。そのリーダーありすは先ほどの殺し合いで潰されて死んでしまった。 「きっとそのどすだよ!!」 「どすうう!!!!!きてくれてうれしいよお!!!!」 「どす!!まりさたちを…たすけてほしいんだぜ!!!」 「どうしたいんだい?助けるっていっても…」 「にんげんにふくしゅうしたいんだぜ!!!」 「はたけさんからおやさいさんをたくさんもっていってこのこたちをゆっくりさせてあげて!」 「れいぶはあがじゃんもまりざもなくしじゃっだんだよ!!!ぐやじいよお!!!」 「「ちょっとまって!!!!」」 先ほどのぱちゅりーとまりさが彼の目の前に現れた。ちなみにこのまりさはぱちゅりーの番である。 「どす…ほんとうにどすなの?」 「何を言ってるんだ?」 「ど…どす…おこらないできいてほしいんだぜ…」 「おぼうしさん…とってくれる?」 「「「ゆゆゆ!!!!」」」 「どうして!!!どすはどすだよお!!!!」 「そうだよ!!こんどこそほんもののどすだよお!!!!」 「わかってるんだぜ!だから…だからぼうしをとってほしいんだぜ…」 「ぼうしをとってにんげんじゃなかったら……きっとどすよ…」 「…………」 「おねがい…ぼうしさんを…」 「ふふふふ…ははは……」 「ど…どす!」 「それっ!」 彼は隠し持っていた霧吹きの中身を全てまりさにぶちまけた。 「ゆうううう!!!!なんなんだぜ!!ぺっぺっ!!!このおみずさんはなんなんだぜ!!!!!」 「むぎゅうううう!!!!」 「ぱ…ぱちゅりいいい!!!!」 霧吹きを投げ捨てるとぱちゅりーを掴み挙げた。 「な…なにするの!!」 「いやあ…君には参ったよ!!まさかばれちゃうなんてね!」 そう言うと彼は帽子を取った。 「「ゆぎゃああ!!!!にんげんだああ!!!!」」 「「こ…こわいよおおおお!!!」」 「こ…このいなかもの!いますぐぱちゅりーをはなしなさい!!!」 「ぱちぇをはなすんだぜ!!!」 「じねえ!!!じじいはゆっくりしないでじねええ!!!!」 何匹かのゆっくりが彼に体当たりを喰らわせるが彼には痛くも痒くもない。 「ははは、全然痛くないぞ」 「うるざい!!!!」 「がまんなんがずるなああ!!!じねえええ!!!!」 「ほれ!」 「ゆぎゃん!!!!」 「ゆべじ!!!」 「じゃあぱちゅりーは特別に俺がゆっくりさせてあげよう」 「む…む…ぎゅううううう…」 「それそれ!!」 彼はぱちゅりーを壁に押し当てると大根おろしを作る要領でぱちゅりーを擦り始めた。 「むぎゃああ!!!!いぎぃいいいい!!!!やべ…むぎゅううう!!!!」 「ぱ…ぱじゅりいいいい!!!!」 「いやあああ!!!!!だれがああ!!!だれがだずげであげでえええ!!!」 「ほらほら、早くしないと死んじゃうぞぉ」 「や…やべでね!!!ばじゅをはなじでねええ!!!!」 「ごの…いながもの!!!いながぼのおおお!!!!」 「じじいはゆっくりしないでじんでじまえええ!!!!」 「もうちょっと本気だしなよ……。黙ってないでぱちゅりーも少しは……あ……口が無くなっちゃってる」 ぱちゅりーは体の半分ほどを摩り下ろされ目から下が無くなっていた。 「よっと」 「ば…ばりざのおぼうじがあああ!!!」 彼はまりさの帽子を取り上げ代わりに半分だけになったぱちゅりーを被せた。 「よく似合ってるじゃん。ぱちゅまりさ…でいいかな、この帽子はいらないね。ビリビリっと」 「ゆぎゃあああ!!!!は…はなれてね!!!ぱじゅりいはまりさからはなれてええ!!!!」 ぱちゅまりさは飛び跳ねるがぱちゅりーの死骸は離れてくれなかった。壁に頭を打ちつけ何とか取り外すことができたが頭はぱちゅりーの 中身である紫餡まみれになってしまった。 「ゆああああああ…………」 ぱちゅまりさはショックで口を開けたまま動かなくなってしまった。 「よ…よぐぼばりざを!!!!!」 「ぱじゅりいとばりざのがたぎだああ!!!!じねえええ!!!」 「ははは。威勢がいいね。でもそんなことしてていいのかな?さっきのまりさはどうなってるんだろうね?」 「「ゆ?」」 「ほれ、そこで黒くなってるぞ」 「…ゆぎゃあああああ!!!!」 「どぼじで…どぼじでばりざが…あ…あ…」 「ばりざあああ!!!!いづずっぎりいじじゃっだのおおお!!!!」 「ばりざああ!!!!じんじゃだべだよおお!!!ゆっくりじでよおおお!!!!」 番まりさは体中から茎を生やして黒くなっていた。実は数十個生えているものの黒い塊で赤ゆっくりサイズには程遠い大きさだ。体中から 餡子を抜かれ既に息絶えていた。 「そ…そんなあ…」 「じっがりじでよおおお!!!ばりざああ!!!」 「どぼじでえ…どぼじでごんなごどずるのお…」 「でいぶだぢはここでゆっぐりじでだだげなのにい…」 「こんなの…とかいはじゃ…ないわ…ゆえぇえん…」 「言うだけ無駄だ。言ったところでてめえらが反省するわけないし」 彼は洞窟から出て行ってしまった。 「だめだよ…あんなにつよいんだよぉ…」 「ゆえぇえん…」 「な…なにかあるはずよ!!なにか…なにかがぁ…ゆ…ぐ…ずっ…」 ゆっくりは泣きながらこれからのことを話し合っていた。 「ゆ!!いりぐちからおとがするよ!!」 「たいへんなんだぜ!!さっきのじじいとばばあが…いりぐちをふさいじゃっでるよおお!!」 「にんげんがそこにいるんだね!!」 「あがじゃんのがだぎだあ!!!」 「ごろじでやるううう!!!!」 数匹のゆっくりが入り口に走っていった。しかし入り口から聞こえてくるのはゆっくりの悲鳴だけだった。 「ゆううううううう…」 「だべだよお…がでないよお…」 巣に残っているゆっくりは仲間の悲鳴を聞きながらただ震えることしかできなかった。 「いりぐち…ふさがれちゃったよ…」 「どうじだら…いいの」 「ゆうううう…」 -村- 「今日はこのあたりでいいだろ」 「そうだな。結構はかどったよ」 「今夜は鍋ですよ。みなさん食べていってください」 「待ってました!!」 「姉ちゃん、酒はあるかい?」 「ええ。たくさん飲んでいってください」 「いいねえ」 「そろそろ山に行った奴らも帰ってくるだろうよ。成果聞かないとな」 つづく by 虐待おにいちゃん
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/102.html
人里から遠く離れた小さな山に、多くのゆっくりが暮らす森がある。 日当たりの良い広場があり、きれいな川が流れ、木の実を付ける広葉樹で構成されており、 小鳥は囀り、げっ歯類以上の大きさの哺乳類はおらず、妖怪も人間も足を踏み入れないというそこは、ゆっくり達の理想郷であった。 そんな美しい森に、とても生存本能の強いゆっくりぱちゅりーが居た。 他のゆっくりぱちゅりーは自らの運命…先天的に病弱で、長生きする事は叶わない自らの体質を受け入れている。 だが流石にこのゆっちゅりーは格が違った。自らの運命を自らの手で(ゆっくりなので手は無いが)変えようと強く思っていた。 ある日ゆちゅりーが短時間の散歩を楽しんでいると、木の洞に詰まって身動きが取れなくなっているゆっくりまりさがいた。 ふと、ゆちゅりーの拙い思考回路があるアイデアを生み出した。 まりさ種はゆっくり達の中でも殊に活動的だ。その点では、ゆちゅりーの理想と言ってもいい。 そのゆまりさの健康で活動的な肉体を得れば、自分もああなれるのではないか。 無論、肉体を手に入れると言っても脳を移植する訳ではない。元よりゆっくりにそのような知識は無い。 あるのは本能だけ。故に、他者の肉体を得る方法はただ一つ。―――食べる事だけだ。 ゆちゅりーは虚ろな表情で、ゆっくりとゆまりさににじり寄る。 「ゆっ!たすけてくれるの!!?ゆっくりひっぱってね!!!」 「…………」 ゆちゅりーは答えない。というか、聞こえていない。今のゆちゅりーにあるのは強烈なまでの食欲だけだ。 「ど、どうしたの!!?さっさとたすけてね!!!」 「…………」 偶然にも周囲にゆっくりの姿は無い。まるでゆっくりの神があるいは悪魔がセッティングしたかのような状況である。 もうゆまりさの体温すら感じられる程に肉薄している。耳障りな雑音も聞こえない。 ぶよぶよと震える皮は美味そうとしか考えられない。 普段は友愛を喚起させられる体臭も今では食欲をそそる香りだ。 肌身離さずかぶっている帽子や、美しい金色の髪に至るまでが御馳走に見える。 そして、 「ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!や゛め゛で!!!や゛め゛でよ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 思い切り良く頬に食らいついた。その瞬間、口の中をかつて無いほどの至福が駆け抜けた。 ―――すごい。こんなにまりさがおいしいなんて。ゆめみたい。 全身が四散しそうな程衝撃的な味は、ゆちゅりーを虜にした。 一心不乱にゆまりさを喰らう。否、このゆちゅりーはゆまりさをただ食っているのではない。愛しているのだ。 今のゆちゅりーの最大限の愛情表現こそがこの共食いという最も恐るべき行為だった。 「う゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!どうじで!どうじでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 一口齧る毎に、一声絶叫される毎に、ゆちゅりーは心身共に活力に満ちて行くのを実感していた。 このような感覚は生まれて初めてだった。母の蔓に生まれ、目を覚ました時ですらここまでの爽快感は無かった。 「ぐがが……お゛ぼぉ゛……ゆ゛……ゆ゛ぐぐ……ゆ゛っぐり゛ざぜでね゛!!!!!」 それがこのゆまりさの最期の叫びだった。後はただゆまりさの残骸を余さず食う音だけが響いていた。 「むきゅぅーん……」 ゆちゅりーは涙した。一時の激欲に身を任せて友を食べてしまった自責の念で。 もう二度と自分の知らない場所にまで連れて行ってくれた相手と会えない悲しみで。 そして、身も心もかつてない程のゆっくりに満ち溢れている喜びで。 もっと。もっとこのエネルギーが欲しい。友を喪うのは悲しいけれど、それを遥かに上回る喜びが得られるのなら。 「だから……!(福山潤の声で)」 翌日の朝、ゆちゅりーは森の中を全速力で駆け回っていた。恐らくゆっくりまりさと同等の速度だろう。 ゆちゅりーは感動している。速く走れるとはこんなに素晴らしいことなのか。それもこれもまりさと一つになったお陰だ。 もっとだ。もっと食べれば、もっと生きていられる。もっとゆっくりできる。そう、食えば食う程―――強くなる。 ……新たな餌を、発見した。 数年後、そこにはかつての貧弱さなど微塵も感じさせない力強いゆっちゅりーが居た。 体躯は通常のゆっくりより一回りも二回りも大きく、その眼力に他のゆっくりはただ畏れるしかなかった。 今やゆっくりれみりゃさえもゆっちゅりーには近付かない。 ぱちゅりー種でありながら餌を横取りされたゆっくりれみりゃの群れ十匹を返り討ちにするような怪物に逆らう程、ゆっくりも馬鹿ではないのだ。 そう。今やこのゆっちゅりーはこの森に住まうゆっくり達の王なのである。 好きな時に好きなゆっくりと共にゆっくりし、好きな時に好きなゆっくりを食べる。それが王の在り方だった。 だが、王はこの生活にも飽きてきた。以前とは比較にならない位強大な生命力を得た王にとって、通常のゆっくりでは物足りないのだ。 もっと。もっと大きくて栄養のある餌が欲しい。際限無い欲望を持つという点では、人間の王とゆっくりの王は大差無かった。 決意するのに、そう時間はかからなかった。王はこの楽園を捨て、新天地へ向かう事を決意した。 大丈夫。今の自分は強い。ゆっくりれみりゃやゆっくりフランでさえ自分を恐れて近付かない程に。 どんな敵が現れようと打ち倒し、食べるだけだ。 そうして王は向かった。幻想郷の中心部にある人間の里へ。 森を出て三時間、里の外れの外れにある小さな集落を発見した。 地面にしゃがみ込み何かをしている人間が居る。第一村人発見である。王はこいつが記念すべき最初の人間だと決定した。 射程距離まで音を立てず慎重に移動する。まだだ。あと十ym(ゆっくりメートル)。あと八ym、六ym、よし今だ―――! その瞬間、人間がこちらに気付いた。だが構うものか。後は飛び掛り、組み伏せ、食い尽くすだけなのだから。だが…… 王は知らなかった。ゆっくりと人間など、同じような物だと慢心しきっていた。 世界で最も強かったのはゆっくりフランで、自分はそれ以上の生物なのだと勘違いしきっていたのだ。 そう、つまり―――ゆっくり内での序列がどうあれ、ゆっくりである限り人間の食料に過ぎない事をまるでワカっていなかった。 「ごらー!おらの畑で何しとるだァー!!」 食い物である筈の人間はそう叫ぶと、手に持った棒切れを振りかざし、王の頭に振り下ろした。 ぐしゃり。 決定的な音を、王は確かに聞いた。懐かしい感覚。自分の意識から立ち昇る死の匂い。 嫌だ。せっかく生きられるようになったんだ。こんな絶望から逃げる為に同胞まで食ったんだ。 助けて、助けて、助けてまりさ。れいむ。ありす。にとり。うどんげ。にいと。あやや。てんこ。ちぇん。さくぽ。れみりゃ。フラン。 助けろ!私は、私はお前らの王なんだぞ……!! と、ありえない光景を見た。森に居た多くの仲間達が自分を見ている。ああ、やっぱり助けに来てくれた……皆! 「たすけろ、だってさ」 「おお、いやだいやだ」 大勢の仲間が、嫌な笑顔でこちらを見ていた。 どうしてこんな顔を向けられるんだろう。 どうしてこんな事になってしまったんだろう。 わたしはただ、みんなとゆっくりしたかっただけなのに…… 「おーい母ちゃん。こんなもんが畑を荒らしとったぞー」 「あんらーお前さんそりゃ『ゆっくり』だよぉ。それを里に持っていくと高く売れるんだわー」 「へぇそうかい。そいじゃちょっくら売ってくらぁ。おぅ、種蒔きは代わりにやっといてくれよ」 「そんな事言ってまた遊んでくるんじゃないんだろうね!いやだよこの間みたいに土産とか言ってエロ同人誌五十冊も買って来るのは」 「へっへっへ、もうあんな事はしねえよぉ。んじゃ行って来る」 「全く。気を付けて行って来てなあ!最近は妖怪が出るとか言うけんねー!」 「おおう!妖怪なんざ俺のコブラツイストでボッコボコにしちゃるけん!」 「調子いい事言うんだから。妖怪になんて勝てる訳……おや、何だいこりゃあ」 彼女の足元には文字が刻まれていた。そこはかつての王が息絶えた場所だ。そこにはこう書かれていた。 「ゆっくりしていってね!!!」 DEAD END
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/181.html
「ゆっくりメダル」 [参考:ゆっくり虐待スレ3 341] ゲームセンターによくある、メダルをタイミングよく投入すると迫り出す板によって端のメダルが 押し出されて落ちるやつ。ありますよね。 あれをゆっくり達でやってみようと思います。 メダルと違って、ゆっくりを投入するタイミングはあまり問題になりません。 適当なタイミングで投入すると、投入されたゆっくりは板の上を埋め尽くすゆっくりたちの上に転 がり落ちる。そして、板が移動して隙間ができたところで、自ら転がってその隙間に落ちていきます。 つまり、メダルだとタイミングよく投入しないと隙間にメダルを落とせないのに、ゆっくりの場合 は勝手に移動してくれるわけですね。 「ゆっくりー!れいむもここでゆっくりするよ!!」 さて、もともとスペースにゆとりがなかったところに、一匹ゆっくりが増えたわけですから… 次に板が迫り出したとき、最低一匹のゆっくりが落ちることになります。 「落ちたくないよ!!ゆっくりできないよ!!」 「れいむは落ちないよ!!まりさが落ちればいいよ!!」 「ゆっくり落ちていってね!!」 端のゆっくりたちが押し合います。どうやら落ちたくないようです。 当然のことです。落ちてしまったら、もう“ゆっくりできない”のですから。 落ちた先で待ち受けるのは、ふたが開いた透明な箱。 大きさは、ちょうどゆっくり一匹分… みんな、そこに落ちたらどうなるか知っているのです。 周囲は電流が流れる鉄板で囲まれているので、逃げ場はありません。 板が迫り出して、どんどんスペースが狭くなっていきます。 それに従って、ゆっくりたちの争いも激化します。 「ゆっくりしたいよ!ここでゆっくりざぜでえ゛え゛!!!」 「ここでゆっくりするのはまりさだよ!!れいむはゆっくり落ちていってね!!」 そんな醜い争いの中、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの2匹が落とされました。 急な斜面を、2匹は必死に登ろうとします。 お互いを蹴落としながら、生まれながらの粘着力で何とか上に戻ろうと… でもぎりぎり登れない角度に設計されているので、結局2匹は箱の中に落ちていきます。 箱の大きさは、さっきも説明したとおり一匹分です。 しかし、2匹は無理やり箱に押し込められ、ふたが閉じられてしまいました。 「ぐるじい゛い゛い゛い゛い゛!!ごごがらだじでえ゛え゛え゛!!」 「ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 箱の中でも居場所をめぐって押し合う2匹。この期に及んでまだゆっくりしたいようです。 通常の半分に圧縮されたゆっくり2匹は、ベルトコンベアで運ばれていきます。 そしてほかのゆっくりたちによく見える位置に移動すると… 「びゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!!やめ゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「どおじてぞんなごどずるの゛お゛お゛お゛!!??」 「しんじゃう!!しんじゃうよぼお゛あ゛お゛お゛お゛!!!」 箱の容積はどんどん小さくなり、中のゆっくりが押しつぶされていきます。 「れいむがゆっくりできないよ!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛!!ゆ゛っくり゛してよお゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛にいさん!!ゆ゛っくり゛してない゛でたすけてあげてえ゛え゛え゛!!」 見ているゆっくりたちがわめきます。 さっきまで醜い争いを繰り広げていたゆっくりたち。 あの2匹が落ちた原因が自分達であることも忘れて、2匹を助けるよう懇願します。 箱の圧力が高くなっていくと、ゆっくりの皮が破れて中の餡子が丸見えになってしまいます。 行き場の無くなった餡子は、下の穴から漏れ出していき… 「あ………ばっ……ゆ゛っ……っぐり…!」 「ゆ゛っ……ゆ゛ゆ゛っ……ゆ゛ーーーーあぼろっれべげばへおばおあえrkごえ!!!」 目から口から裂け目から、至るとこから餡子を出して、苦しみと絶望の中でゆっくりは息絶えます。 それを見ていたほかのゆっくりたちも、次は自分がこうなるかもしれないという恐怖の中、 ゆっくりできる場所を求めて争い続けるのです。 あ、ちなみに2匹のゆっくりを落としたので、2匹の別のゆっくりが排出口から戻ってきます。 この2匹には、ガラスの向こうにいるたくさんのゆっくりがどんな目にあっているのか、わかっていないようです。 「ゆっくりしていってね!!みんなもゆっくりしていってね!!」 「みんな楽しそう!!れいむもあそこでゆっくりさせてね!!」 プレイに飽きたら、持ち帰って虐待するもよし、食すもよし、加工場に売るもよし。 楽しみ方は無限大!! 「ゆっくりメダル」でたくさんゆっくりしていってね!!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1527.html
前? この作品は以下のものを含みます。 ゆっくり対ゆっくりの構図 虐待でも愛ででもないそれは全く新しい(ry)お兄さん ドスまりさ ゆっくり改造 この作品は以下のものを含みません。 人間によるゆっくりの虐待・虐殺 愛で ギャグ ↓それでもよろしければ、お進みください。 復讐のゆっくりまりさ(後) ドスが負けた。 その事実は、群れにかつてない混乱をもたらした。 負けた? ドスが? あの強いドスが? 群れにおいて、ドスは絶対の存在だった。誰よりも大きく、誰よりも強く、誰よりも優しい。 だがその『絶対』は、たった今、崩壊したのだ。 ただ一匹の、倒れ伏したドスの前に佇む、あのまりさの手によって。 戦いの前、まりさが皆に告げたことが思い出されていく。ドスが勝っていたのであれば、考える必要もなかったはずのことだ。 ドスは本当に──ドスだったのか? 武器を使ったとはいえ、必殺のドスパークまで破られたドスは、本当に信頼に値するドスだったのか? あのまりさの言うことは、紛れもない事実だったのではないか? 『絶対』であったものが否定されたとき、その『絶対』を寄り代にしていた全ては脆く崩れていくものだ。 ドスの強さが否定された今、ドスが行っていた食料集めや教育の是非を、ゆっくり達は再び考え出した。 「ゆー! みんなー!」 そこに、ドスの家に向かっていたゆっくり達が戻ってきた。 「まりさのいっていたことはほんとうだったよ! どすはいえのおくにたくさんのごはんをためていたよ!」 「「「「ゆゆゆゆっ!!!!」」」」 まりさの言っていたことが証明された。 ゆっくり達は迷った。ドスは、まりさの言うとおりゆっくりできないゆっくりだったのかもしれないし、本当に予備の食料を溜めていただけかもしれない。 ゆっくり達はまさかドスが負けるとは思わなかったので、決闘のあとまりさの発言の真意を問い質せばよいと思っていたが、今、そのドスは動かない。 ゆっくり達は、今後のこと、何よりもまりさの扱いに悩んだ。 何故ならば、あのまりさを一度はこの群れから追い出してしまっている。 まりさの言うことが全て正しかったとして、今更どんな顔をして付き合っていけば良いというのだろう。 皆が対応に苦慮する中、何匹かの小さなゆっくり達が群れから飛び出し、結界の中に入っていった。 「ゆー! まりさはすごいんだぜ! あのどすにかったんだぜ!」 飛び出していったのは、主に群れの中でも幼いゆっくり達だった。 日ごろからドスの厳しい方針に不満を持っていたそのゆっくり達にとって、まりさは圧政からの解放をもたらした英雄のように思えたのだ。 「まりさ、れいみゅたちをたちゅけてくれちぇありがちょー!」 「まりさはすっごくつよいわ。おおきくなったら、わた、わたしをおよめさんに……!」 「まりさがいればもうこわいものなんてないんだぜ! どすよりよっぽどたよりになるんだぜ!」 口々に子ゆっくり達はまりさを囃し立てる。当のまりさはまだじっとドスのほうを見ていたが、子供達は気にしていないようだった。 一頻り騒いだ子供達が、さっと皆のほうを振り返って、言った。 「なにしてるのおかーさん! まりさはどすをやっつけたんだよ! まりさのいってることがただしいって、もうわかってるでしょ! だいじょうぶだよ! まりさがあたらしいりーだーになってくれれば、どすのときよりもっとむれはよくなるよ!」 「「「「ゆっ……」」」」 その考えは、あっという間に群れ全体に広がっていった。 そうだ。確かにまりさの言うとおり、ドスは内緒で食料を溜め込んでいた。それは皆の信頼を裏切る行為ではないのか? 悪いドスは、しかしまりさによって斃された。それは自分達にとって喜ばしい事態ではないのか? よしんばドスが悪くなかったとしても、まりさはドスに勝利を収めたゆっくりなのだ。 ならば、あのまりささえいてくれれば群れは安泰になる。逆に言えば、ドスより強いまりさに逆らうこともできやしない。 一度、ひどい勘違いから追い出してしまったが、そこは誠心誠意謝るしかない。 まりさは今も怒っているかもしれないが、群れのリーダーという立場を得られるなら、きっと許してくれるはずだ。 「「「「ゆー♪ まりさー!!!!」」」」 ゆっくり達は、まりさを讃えるべく一斉に広場の中心に殺到した。 群れのゆっくり全てが結界の中に押し込められたので、流石に手狭だったが、そんなことは誰も気にしなかった。 今はただ、群れをドスから解放してくれた英雄、まりさのことが大事だった。 皆が口々にまりさを褒め称える中、一匹の大きなまりさがまりさの前に進み出た。まりさの父だ。 「ゆ! まりさはおまえのことをごかいしていたよ! おまえはむれをどすのあっせいからときはなってくれたんだね! まりさはおまえのようなよいこどもをもってはながたかいよ! ありがとう!」 それでもまりさは父のほうを向かず、ただ潰れたドスを見ていた。 「よくもだましてくれたな!」 「おまえなんかどすじゃないよ! ほんとのことをいえば、ぜんぜんゆっくりできてなかったよ!」 「そのままゆっくりくさっちゃえ!」 複数のゆっくりがドスを取り囲んで、暴力を振るっている。内心、溜め込んでいたものがあったのだろう。 そんなまりさとドスの様子を、男は終始無言で眺めていた。 広場中からまりさコールが響く中、先程ドスの家に行っていたもの達がまりさの前に出てきた。 「まりさ! まりさのいうとおり、たくさんのごはんがあったよ! それとどすにきょうはんしゃがいたよ! さいごまでごはんをわたそうとしなかったからころしちゃった! これがそのしょうこだよ!」 そう言ってパチュリーのものと思しき髪飾りを差し出した。 他のゆっくり達はその行為を責めるどころか、むしろ褒め称えた。ゆっくり達の中では、既にドスとそれに与するものは完全に悪だった。 まりさの父が、また口を開く。 「まりさ! どすをたおしたおまえが、いまからこのむれのりーだーだよ! まりさがいてくれれば、もうこのむれにこわいものなんてないよ! どうかむれのみんなをささえてあげてね!」 強く育った息子を前にして、父は満面の笑みでそう言った。 かつてのリーダーの発言の影響は大きい。ここに正式に、まりさが群れのリーダーとなることが決定したのだ。 まりさはそこでようやく顔を上げ、 「うるさい」 父親の顔面を、丸ごと齧り取った。 ドスを倒したとき、まりさにはなんの感慨も湧かなかった。 あれほど強く、猛々しく燃え盛っていた復讐の炎は、勝利を得ると同時にまるで嘘のように消え去ってしまった。 ドスは、強かった。攻撃を受けたのは一度だけだったが、それだけで理解した。 男の教えがなければ、あっさりやられていただろうことは、まりさにも分かる。 だが倒れ伏すドスからは、あの強さは微塵も感じられない。ただの敗者でしかなかった。 こんなものを──本当に自分は望んでいたのだろうか。 ドスに復讐する、という途方もない目的を達成したというのに、嬉しくもなんともない。 ああ、そう言えば。復讐という目的はあっても、その後に何をしたいのか──全く考えていなかった。 群れを助けたいという願いはあっても、その群れに戻ろうという考えは、どうしてだか一切思いつかなかったのだ。 まりさは途方に暮れた。 まりさは、目的を喪ったのだ。 そんなとき、群れの子ゆっくり達が駆け寄ってきて、次々にまりさを褒め称えた。 やがては大人達も、口々にまりさの偉業を褒め称える。 その様子に、まりさは静かな気持ちのまま、気の狂いそうな違和感を覚えていた。 なんだ、これは。 こんなものが、勝利の末に得るものだと言うのか。 皆は、あのドスを慕っていたんじゃないのか? 騙されていたとはいえ、さっきまでリーダーと崇めていたんじゃないのか? まりさはドスを倒したあと、自分が恨まれるのではないか、と考えたことがあった。 そして、それでも良いと思ったのだ。あの悪いドスがいなくなれば、きっとまた皆、自分の力でゆっくりできるはずだと。 だが、どうだ。群れはまりさを恨むどころか、新しいリーダーとして群れに再び迎え入れようとしている。 一度は話も聞かず、強制的に群れから追い出した自分を。 父親は心底嬉しそうに、息子である自分に微笑んでいる。二ヶ月前、中心となってまりさを追い出しておきながら。 そんなことまるでなかったかのように。 一匹のゆっくりが、何か言いながらまりさのところまで駆け寄ってきた。 その口に咥えていたのは、ぱちゅりーのリボン。 見間違えるはずもない、まりさの友人で、ドスの元に通っていた、あのぱちゅりーのもの。 なんで、そんなものがここにある? 自分は何のために戦ってきたのか。群れをドスから解放するためだ。ぱちゅりーやれいむを助け出すためだ。 なら──どうしてここに、ぱちゅりーのリボンがある。 どうして、ぱちゅりーは殺されてしまった。 そしてまりさはとうとう、一つのことを確信した。 (ああ、そうか) このゆっくり達は、数日前自分が虐殺した、百二十一匹のあの群れと同じものだと。 自分にとって有益なものは全力で迎え入れ、有害なものは全力で排除しようとする。 今こうしてまりさを迎え入れようとするのは、単に自分達にとってそれが最も有益であるからに他ならない。 もしここで、まりさより強いゆっくりが現れたら、群れはわずかな時間で手の平を返すことだろう。 負けたドスにもう誰も見向きもしないように。 それは、なんという醜い生き様なのだろうか。 同じだ。 同じなのだ。 全て同じクズなのだ。 そんなもののために、自分は今まで戦ってきたのだ。 ほんの少し、皆の顔を見渡せば分かる。へつらうようにへらへらと笑うもの。畏敬するもの。純粋にまりさを讃えるもの。 それらが根ざす場所は、全て同じなのだと、まりさは理解した。 「まりさ! どすをたおしたおまえが、いまからこのむれのりーだーだよ! まりさがいてくれれば、もうこのむれにこわいものなんてないよ! どうかむれのみんなをささえてあげてね!」 父の声がする。 それを支持する皆の声がする。 その全てが、たまらなくわずらわしかった。 だから、 「うるさい」 まりさは、この醜い生き物達を皆殺しにすることに決めた。 阿鼻叫喚、とはまさにこのようなことを言うのだろう。 男の目の前で、数多のゆっくり達が泣き叫び、仲間をひき潰しながら逃げ惑っている。 それを追いかけるのは、ノミを咥えた一匹のまりさ。 まりさがノミを一振りするたびに、新しいゆっくりの屍骸がこしらえられていく。 果敢にもまりさに立ち向かおうとするゆっくりもいるにはいたが、それらは例外なく殺された。 当然だ。 ドスを倒すための武器は全て使い切ったとはいえ、二ヶ月の地獄の特訓を耐え抜いたまりさに、そこらのゆっくりなど歯が立つはずもない。 まりさは、さきほど一番に自分にすりよってきた子まりさを殺したところだった。 子まりさが仲間を囮にして逃げようとしたところ、まりさは置いていかれたほうを無視し、先に子まりさを仕留めた。 それも男が教えた戦い方だ。 置いていかれたほうは茫然自失となって隙だらけだし、置いていったほうも油断が生まれる。なら、逃げるほうを先に殺せば、より効率的だ。 早いか遅いかの違いだけで、どちらも死ぬことには変わりはないのだから。 恐らく、それほど長い時間をかけず、この群れは全滅することだろう。男はそう判断した。 「おに゛いざああああああああああああんん!!!」 「だずげでえええええええええええええ!!! ごごがらだじでええええええええええええ!!!」 ふと足元を見ると、数匹のゆっくりが涙ながらに男に助けを求めてきた。男が結界を張ったことを思い出したのだろう。 「駄目だ」 男はすげなく答えた。 「どぼじでええええええええええええええええ!!!」 「まだまりさの復讐は、終わっていない」 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。 殺す。殺してやる。ゴミクズどもめ。 お前達は一体なんだ。ドスを慕っていたんじゃないのか、仲間とゆっくりしたいんじゃないのか。 かつてのリーダーの屍体を辱め、かつての仲間を殺し、それがゆっくりするということなのか。 それを『ゆっくり』などと言うつもりなのか! まりさの心は、ドスに対するものよりも、遥かに激しい怒りに彩られていた。 或いはドスの姿に、自分がそうなったときの光景を思い浮かべたのかもしれない。 結局のところ群れるゆっくりにとって、リーダーとは都合の良い保護者であり、責任の押し付け先であるのだ。 父はそれに気づかず、群れのリーダーであることを至上の誇りとしていた。 馬鹿馬鹿しい。なんという愚かさだ。 男の手によって、高度な知能を得たからこそ、理解した。 ゆっくりは、利のみによって行動する薄汚い腐った生き物だ。少なくともまりさの中では、そう定義された。 そして何より怖ろしいことに、自分もかつてはその生き物であったのだ! 利己的なゆっくりに対する怒りが、そしてそのことに気づかなかった幼なかった自分への憤りが、まりさを凶行に走らせる。 殺してやる。殺してやる。殺してやる! お前ら全員、殺してやる! そうして一匹の子ありすに向かって振り上げたノミは、 「やべでええええええええええええええええええええええ!!!」 それとは違う、見覚えのある影によって遮られた。 「ゆっ」 短い悲鳴と重たい手ごたえ。 「れい……む?」 ノミは、まりさが最も愛したれいむの中心を、綺麗に貫いていた。 「れ、れいむっ!? れいむ、れいむ、れいむぅぅぅ!!! どぉしてえええええええ!!??」 自分のしでかしたことの恐ろしさに、まりさは慄いた。 ああ、いや、違う、違うんだ。こんなことがしたかったわけじゃない。 れいむを殺したかったわけじゃないんだ。ただ、皆が許せなかっただけで、れいむまで憎いわけじゃないんだ── 「ま……り……さ……」 「れいむぅぅぅ!!! どうじでっ、どうじで出でぎだのおぉぉぉ!!?? ああっ、餡子がっ、餡子が出ちゃううううう!!! れいぶが死んじゃうよぉぉぉぉ!!!」 どうにか餡子の流出を食い止めようとするが、しかしまりさのノミは、普通のゆっくりであったれいむを完全に貫通していた。 もう助からないことは、誰の目にも明らかだった。 「まり、さ……どう、して……」 「れいむ! しゃべらないでね! ゆっくりしてね!」 「どうして……どすを……ころし、たの……」 そんなこと、決まってるじゃないか。ドスは悪いゆっくりだった。れいむやぱちゅりーを苦しめていた。 まりさは、だから、ドスから皆を助けたかっただけなのに。 なのに、どうしてこんなことになっているんだろう。 「どすは、なにも……わるいことは、してなかったよ……。 ためこん、だ、ごはんのつかいみちは……おしえてくれなかったけど……どすは、みんなのことを、いつもしんぱいして、いたよ。 おいだされた、まりさのことだって……しんぱいしていた、んだよ」 息も絶え絶えに、それでも何か伝えなければならないと、れいむは必死に喋った。 他のゆっくり達は、二匹の様子を恐々と伺っていて、ある一定の距離から近寄る様子はなかった。 「れいむは……れいむはね。どすに、いろんなことをおしえてもらったよ……。 れいむは、ただ……まりさといっしょに、ゆっくり、したかったから……。 いろんなことを、おしえてもらって……まりさとけっこんしたとき……やくにたてたかったから。 まりさにあえなかったのは、つらかったけど……みんなで……いっしょにゆっくりしたかった、から……」 「あ、ああ、あああああああああ」 まりさの心の中を、訳の分からない嵐が吹き荒れた。 なんで、なんで、なんでこんなことになってしまった? 自分はどこかで間違ってしまったのか? れいむの願いは、かつてのまりさの願いそのものだったのに。 「もっと……ゆっくりしたかった」 そう言って、れいむは事切れた。 「れい、む……」 もう動かなくなった最愛のゆっくりを前に、まりさは項垂れてぶるぶると震えだした。 一向に動こうとしないまりさに、一匹のみょんが背後からにじり寄っていく。 そして全身全霊を込めて跳びかかり── 「ぢんっ!?」 足元から跳ね上がったノミが、顔面を真っ二つに切り裂いた。 着地と同時にみょんは絶命した。 「死ね」 まりさは言った。 「おまえら、ぜんいん、ここで死ィィィィィィィィィィィィィィねェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」 三十分後。 結界内に動くものは、もう誰もいなかった。 「…………」 男が結界を解くと、夕暮れ時の風が、甘く爛れた匂いを運んでいく。 いつの間にか空は真っ黒な雲に覆われていて、ぽつりぽつりと、雨の雫が落ち始めてきた。 男は傘を差し、餡子の海の中心で、空を見上げて動かないまりさに近づいていく。 それは二ヶ月前の森の中、一人と一匹が出会ったときとよく似ていた。 違うのは、もはやまりさが雨によって溶けることがないということだろうか。 男の手によって手を加えられ続けた結果、もはやまりさは、楽に死ねる身体ですらなくなっている。 「生きたいか?」 あのときと同じ問いを男は発した。 「死にたいよ」 まりさは答えた。 「もうまりさには、生きるりゆうがないよ。ドスは倒したけど、ぱちゅりーもしんで、れいむもころして、むれのみんなもころしてしまったよ。 もうまりさには、いくところなんてどこにもないよ」 「…………」 男は黙ってそれを聞いた。 「……知らなかったんだ」 まりさは誰に聞かせるでもなく、呟く。 「まりさたちは、あんなに汚いいきものだったんだね。あんなにみにくいいきものだったんだね。 ドスをたおせば、みんな幸せになれるって、ずっとおもってたのに。でも、そうじゃなかったよ。 今ならね、ドスのきもちがわかるよ。ドスもたぶん、たいへんだったんだ。あんないきもののあいてをして」 「…………」 「ねぇお兄さん、まりさはまちがっていたのかな。本とうは、ドスのほうが正しかったのかな」 まりさは答えがほしかった。そうだ、とも、違う、ともどちらでもいいから言ってほしかった。 だが男は言った。 「そんなこと、俺は知らない」 突き放すような冷たさだったが、むしろそれを『らしい』とまりさは思った。 男は、まりさに対して優しさを向けたことなど一度もない。逆に厳しくすることもなかった。 ただまりさの『強くなりたい』という願いを叶えるだけの存在に徹してきた。 だから今も、まりさの行動の是非に答えることはない。 だが男は、「ただ」と言葉を続ける。 「本当に、ゆっくりは醜いだけの生き物なのか?」 「ゆっ……?」 まりさはそこで初めて、男を見た。 男は言う。 「中には、お前の愛したれいむのように、本当に皆のことを考えているゆっくりもいるかもしれない。 心から群れのことを護りたいと思っているドスもいるかもしれない。 そういうやつらがいるかもしれないって、思うことくらいは、いいんじゃないか」 男なりに励まそうとしているのだろうか、とまりさは思った。 ああ、確かに、れいむは本当に美しいゆっくりだった。外見だけでなく、その心根まで。 れいむは自分が殺してしまったけれど、もし他の場所で、れいむのような良いゆっくりが困っているとしたら? 今の自分には、力がある。多くの武器を喪った今、ドス級に勝てるかは分からないが、普通のゆっくりに負ける要素などどこにもない。 普通のゆっくりの中では最強とも言えるその力を、このまま腐らせてしまっていいのだろうか。 「……お兄さん、まりさは行くよ」 「そうか」 「れいむのような良いゆっくりを、まりさはたすけるよ。そのためにたびをするよ」 「そうか」 「お兄さん。今までありがとう。そして、めいわくをかけてごめんなさい」 「お前が気にすることじゃない。俺が勝手にやったまでだ。行くというなら、それを止めもしない。 だが選別くらいはくれてやる。それにしては粗末なものだが……」 男は懐から手の平サイズの球体を取り出すと、花火を喪い、ぽっかりと空いていたまりさの左目の代わりに入れた。 そしてその上から新しい眼帯をかけ、固定してやる。 最後に、餡子に塗れたノミを綺麗に拭き取ってやる。 「ただの詰め物だから武器としては使えないが、それがないと餡子が飛び出してしまうからな。 気をつけて行けよ、まりさ」 「うん、ありがとうお兄さん。さよなら」 「ああ」 そう言って、まりさは雨の中旅立っていった。 男はその後姿が見えなくなるまで見送ると、やがて反対方向に歩き出した。 男が向かったのは、ドスの家だという洞窟だった。 あの巨体が自由に動けるだけあって相当大きい。人間が住むのにも困らないだろう。 洞窟内は土をくりぬいて幾つもの部屋に分けられていた。 それらの部屋には、おそらくドスが書いたのだろう、下手な平仮名で名前がつけられていた。 枯れ葉のベッドが並ぶ『たくじしつ』。机と椅子が拵えてある『べんきょうべや』。 更に奥に行くと、葉っぱの一枚すら落ちていないわびしい部屋がある。そこには『どすのへや』とあった。 そこを通り過ぎると、一面に柔らかな草が敷き詰められた『かいごしつ』があった。恐らく怪我をしたゆっくりを収容する場所だろう。 ある通路の奥は、掘っている途中で落盤があったのか、埋まったままだった。 もっと奥に進むと、男は巣に入って初めてゆっくり達の屍体を見つけた。 潰れたぱちゅりーや、その他数匹分の屍体のある部屋には、『とうみんようしょくりょうこ』と名前がつけられている。 部屋の中は、確かに大量の食料で溢れかえっていた。それも木の実や柔らかい木の根など、保存の効くものばかり。 「…………」 男はそこまで確認すると巣を出た。 そして巣の入り口まで差し掛かったところで、足を止めた。 「やっと来たか」 男は言う。視線の先には、潰れた身体を引きずってここまで辿り着いた、ドスまりさの姿があった。生きていたのだ。 ドスは力のない視線で男を見て、言った。 「お兄さん……どうしてまりさを、あんな子にしてしまったの……?」 「まりさがそれを望んだからだ」 「わたしは、群れの皆をゆっくりさせたかっただけなのに……」 放っておけば今にも死んでしまいそうな声で、ドスまりさは言う。だが、 「そうだろうさ」 男の答えに、ドスは劇的に反応した。 「どう、して? 知っていたの? ならどうしてあの子におしえてくれなかったの!?」 「知ったこっちゃなかったからな」 激昂するドスに対し、男はあくまで冷淡だった。 「まりさの話を聞いて、ある程度の目星はついていた。だがそんなこと、俺にはどうでも良かったんだ。 ここに来たのだって、一応それを確認するためだが、だからって何かするというわけでもない。 教えなかったことを何故と言うなら、それがまりさに対する俺の距離だったからだ」 ドスは黙って男の言葉を聞いていた。そこに、決して揺らがない何かを感じたからだ。 「言ったよな。俺はお前達の敵でも味方でもないし、まりさの敵でも味方でもないと。 俺がまりさに力を与えたのは、まりさがそれを望み、そのために努力したからだ。その努力に報いたからだ。 だが、もしまりさがなんらかの勘違いの上に動いていたとしても、それを止めるようなことはしないと決めていた。 何故ならそれは、お前自身が出した錆びだからだ。俺が関与するようなことじゃあない。──そうだろう?」 「ゆぐっ」 ドスは息を詰まらせた。思い当たるところがあったのだろう。 「あのまりさの追放がお前の意志の届かぬところで行われたのは、話を聞いていれば大体分かったよ。 まりさの話に賛同しかねた他のゆっくりが、その場でまりさを追い出したというところだろう。 それにお前、まりさを前にして少し申し訳なさそうな顔をしていたしな。 ──だが、なら何故お前はそのあとすぐ、まりさを追いかけなかった? 俺が見つけた時点で、まりさは相当衰弱していた。三日は逃げ続けていただろう。 お前がちゃんと使いを出していれば、俺に見つかる前に連れ戻すこともできただろうに」 その話は、ドスにとって完全に図星だった。 沈黙してしまったドスに、男はさらに言う。 「大方、群れの和を乱すものがいなくなるならそれでもいいと思ったんだろうがな。 ……いや、それだけじゃないか。 ドス、お前もあのれいむのこと、好きだったんじゃないか?」 ドスはびくりと身を竦ませた。それが何よりも根の深い問題だったからだろう。 男がそれを見破ったのは、先程のまりさによる群れへの虐殺の最中だった。 れいむの叫びを聞きつけたとき、ドスが僅かに身体を動かしたのに気づいたのだ。 「群れの敵で、ついでに恋敵だったから、逃がした……だがれいむの恋の相手をみすみす殺してしまうのも、後味が悪かった。 もしそうだとしたら、それが最大の間違いだったと、俺は判断する。 私情にかまける者が群れのリーダーなど務まるわけがない。連れ戻すなり確実に殺すなりするべきだった。 この結果の引き金を作ったのは他ならぬ俺自身だが、原因を作ったのはお前だよ、ドスまりさ」 「ゆ、ぅ……」 「そもそも、だ。群れの皆に巣の中で何をしていたのかも、集めた食料をどう使うか教えなかったのも、混乱を助長した要因だろう。 守秘義務とか盗難帽子とかそういう目的があったのかもしれないが、お前はまず広く情報を開示すべきだった。 最初からまりさや群れの皆にちゃんと話していれば、こんなことにはならなかったろうにな。 ちゃんと話していれば、皆お前に理解を示し、協力してくれたやつもいたかもしれないのに」 男の容赦ない言葉を受け、ドスは完全に意気消沈してしまった。 だがやがて、重たい身体をずるずると引きずって、巣の奥へと向かう。 「これからどうするんだ」 「みんなのためにのこしておいたごはんを、全部たべるよ。もうひつようのないものだから……」 「その後は?」 「…………。まりさを止めにいくよ。こうなってしまったのはわたしのせいだし、そのせきにんをとるよ。 それに何より、わたしはれいむやみんなをころしたまりさが、どうしてもゆるせないよ」 「そうか」 頷くと、男は懐から数本の薬瓶を取り出し、地面に置いた。 「それは……?」 「ゆっくり用の回復薬、みたいなものだ。あのまりさが負けたら飲ませるつもりだった。 お前の体格じゃあまり効果はないかもしれんが、餞別だと思え」 「ゆ、ありがとう。あとでのむよ……さようなら、お兄さん」 「気にするな。別に俺は、お前達に感謝されたくてやってるわけじゃない」 そしてドスまりさの姿が巣の奥に消え、見えなくなったところでぽつりと呟いた。 今まで、まりさにも一切見せなかった、微笑みを浮かべながら。 「──そうさ、俺は別にお前達に感謝されたいわけじゃない。 ただお前達が、他の何もかもをかなぐり捨てて復讐に向かう、その姿を見たいだけだから」 そして男は、新たな復讐鬼の生まれた洞窟を後にした。 「こうしてまりさは見事復讐を果たし、今も森の中を彷徨っていると、そういう話でした。めでたしめでたし」 「……お前さぁ、いつも思うけど、性格悪いよな」 夜雀の屋台で二人の男が語り合っている。 呆れた顔をしているのは虐待お兄さん。語り手となっているのは、あの男だった。 そこに、まりさやドスまりさを相手にしていたときのような冷淡さはない。 どこにでもいる普通の男の表情だった。 男はむっとした顔で虐待お兄さんに反論する。 「何を言いますか。確かに趣味ですが、社会的貢献にもなっているんですよ。 あのまりさは強さは相当ですからね。森の中のゆっくり、特に悪辣な連中ほど、あのまりさの餌食になることでしょうよ。 村を襲うような連中から真っ先に死んでいって、残るのはあのまりさが『善良』と判断したゆっくりだけです。 ほら、ちゃんと役に立ってる」 「俺が虐める分まで殺されちゃうと困るんですけど……」 得意げな男と裏腹に、虐待お兄さんははた迷惑そうだった。 「というかさ、そんなになったのは、お前がまりさを煽ったからだろ。如何にもやる気出しそうな言葉を並べ立てて。 ただ鍛えるだけだったら、途中で諦めてるぞ、普通」 「そりゃそうでしょうよ。ゆっくりは基本的に根気のない生き物ですから。 あなたほどではありませんが、ブリーダーとしてその程度のことは分かっているつもりです」 「手間隙かけすぎだろう……もう普通に虐待しろよ」 「そんなグロいこと言わないでくださいよ」 「グロいとか! どの口が! そんなことを言うのカー!」 「あひゃやめふぇくだひゃいいひゃいいひゃい」 「お客さーん、喧嘩ならよそでやってねー。鳥目にして崖から突き落とすよー」 「「スンマセン」」 店主の夜雀を前に、男二人は素直に謝った。 「しかし、そこまで復讐ってやつが好きなの?」 「ええ、とても」 虐待お兄さんの問いに、男は朗らかに答えた。 「復讐とは麻薬のようなもの、炎のようなものです。 それがある間はひたすらに強くあれますが、力の行く先をなくしてしまえば、あとはただしぼみ、抜け殻となるばかり。 俺はね、あの生きることが精一杯なゆっくり達が、身に余る憎悪を抱き、復讐の炎に身を焦がす姿を見るのが、何よりも好きなんですよ。 俺はそこに、命の輝きを見出すんです。弱い生き物が必死になる姿っていうのは、いつ見ても美しいものですよ」 「まぁそこには同意するけど……やっぱりお前、性格悪いよ」 「あなたに言われたくはないなぁ」 男二人は笑い、酒を酌み交わしていく。 虐待お兄さんの尻に敷かれたゆっくりれいむが、哀しそうに鳴き声を上げた。 あとがき 虐待でも愛ででもないそれは全く新しい(ry)お兄さんを作ろうとした結果がこれだよ! 『復讐お兄さん』というフレーズが思いついたので、それを軸に話を作っていたら何故かこんなことに……。 どう考えても汎用性のない存在です。 しかしこの話は本当になんだろう……制裁でも虐待でもないような……。 最後まで手の平で踊らされていたことに気づかなかったまりさに対する、まりさ自身は自覚できない虐待……なんでしょうか。 ともあれ、ここまで付き合ってくださった方は本当にありがとうございました。 ちなみに復讐お兄さんの設定は以下のような感じ。 種族:人間 職業:ブリーダー(本業) 村に侵入したゆっくりの駆除(副業) 性格:ド外道 趣味:ゆっくりいじり 傷ついたゆっくりを拾ってきては治療し、その復讐を手伝います。主に肉体的な強化を手段とします。 今回はドスが相手ということで、精神・肉体・武装の全ての面からまりさを強化したようです。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 ゆっくり焼き土下座(前) ゆっくり焼き土下座(中) ゆっくり焼き土下座(後) シムゆっくりちゅーとりある シムゆっくり仕様書 ゆっくりしていってね! ゆっくりマウンテン 復讐のゆっくりまりさ(前) 復讐のゆっくりまりさ(中) by 土下座衛門 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5215.html
このSSは「ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ!」の設定を 勝手に流用して書いたものです。 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2112.html ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 「養殖ゆっくり」 ゆっくりが幻想郷に現れるようになって、はや数年が経った。 ゆっくりが現れた当初から、ゆっくりによる民家襲撃や農作物窃盗が相次ぎ、 人間とゆっくりの間では争いが絶えなかった。 人間は、まず人里に近づいたゆっくりを見つけ次第叩き潰すことでゆっくりによる害を減らそうとした。 しかし、ゆっくりはすぐに増えるため、あまり効果がなかった。 潰しても、数日もすると別のゆっくりが人里への侵入を試みた。 そこで、ゆっくりの巣を探し出し、片っ端から一家を全滅させることで増えないようにしようとした。 ゆっくりの一家や番は、例えるならゆっくり製造機みたいなものである。 こいつらを一家まるごと殺してしまえば、ゆっくりの増えるペースは減ると考えられたからだ。 このやり方では、たしかに一定の効果があったが、それにも限界があった。 ゆっくりは、すぐに増えてしまうからだった。 ゆっくりは一回の生殖で、植物型妊娠・動物型妊娠問わず、最低でも3匹から5匹は子供を作る。 この時点で、すでにゆっくりは確実に増加する傾向にあることが分かるだろう。 さらに、ゆっくりは、その生活形態も様々だ。 個別に独立して暮らすものもいれば、群れを作って共同生活するものもいる。 群れの場合、一度潰せばゆっくりの害は大幅に減るが、ドスがいるような群れはやっかいだった。 逆に、独立して生活している家族や番の場合、散らばって生活しているので個々の一家は潰しやすいが、その分効果が薄く、巣を探すの手間取った。 加えて、人里から一定以上離れた場所にいるゆっくり達には殆ど手を出せなかった。 離れた場所に住むゆっくりを殺す為だけに里の外で夜を明かすのは危険だし、何より自分の畑から何日も離れるわけにはいかなかったからだ。 農耕で生活している以上、里に住む人々の大半は、畑仕事に一番時間を割かねばならなかった。 こうしてゆっくり対策に行き詰まりを感じ始めた里に人たちは、ゆっくりに詳しい者達に力を借りることを決めた。 依頼を受けたゆっくりの加工場の職員や研究者達は、効率的にゆっくりを駆除する方法を考え始めたのだった。 問題点は、以下の2つに絞られた。 ・どうやって人里から離れた場所(森の奥)にいるゆっくり達も駆除するか? (人里周辺のゆっくりだけを駆除しても、他所から他のゆっくりがやってきてしまう) ・どうやって数が多いゆっくりを一度に駆除するのか? (ちまちま殺していたら、繁殖力の高いゆっくりの数は減らない) そこで加工場の関係者達は、人工的に養殖させた「非常識なゆっくり」を大量に自然界に放流する方法を思いついた。 勿論、こんなことを春や夏や秋にやれば大変なことになるが、餌が殆ど無い冬直前にやったどうなるだろうか。 こんな計画が持ち上がったのも、研究者達の観察や実験結果により次のようなことが分かってきたからだ。 実は、ゆっくりの最大の天敵は、小動物でも人間でも妖怪でもなく、ゆっくり自身だったのだ。 たしかに、小動物・人間・妖怪はゆっくりにとって脅威となる存在だ。 本気で狙われたら、まず間違いなく殺される(or 喰われる)。 だがそれは、あくまで「狙われたら」という話であり、そんなことはあまり起こらない。 起きたとしても、ゆっくりの数を大幅に減らすほどの影響はない。 ゆっくりと生活圏がかぶっている小動物は、必ずしもゆっくりを襲うわけではない。 草食系の小動物は、まずゆっくりには手を出すことはないし、肉食系の小動物も、基本的には他の動物を狙うので、ゆっくりがターゲットになることはあまりない。 そして、人間は自分達の生活圏の外にいるゆっくりには手出しできない。 妖怪達は、食料としてゆっくりを食すことは珍しくないが、それでもゆっくりの数に殆ど影響を与えていない。 だが、他のゆっくりは違う。 生活スタイル(食べ物・居住環境・生活圏)が同じであるが故に、仲間同士であると同時に生活の糧を奪い合うライバル同士でもあるのだ。 加えて、ゆっくりという生物(食べ物か?)は基本的に自己中心的で頭が悪く、イザコザが耐えない。さらに、ゆっくりの中には「ゲス」と呼ばれる、 ゆっくりを襲うことで生活しているものや、「レイパー」と呼ばれる強姦魔もいるという。 こうした研究結果を踏まえて、ゆっくりにはゆっくりで対処する方が良いと考えられ、今回のゆっくりを養殖する実験計画が立てられたのである。 ちなみに、この方法がダメなら別の手を考える予定である。 この計画の最大の目的は、春になるまでに出来るだけ野生のゆっくりの数を減らすことだった。 とにかく、出来る限り個体数を減らし、農家にかかる負担を軽くしなければならない。 今回、ゆっくりを養殖させるにあたって、雑草や昆虫が大量に集められた。 野生にない食材を与えると、野生のゆっくりが採った餌を受け付けなくなるからだ。 それでは養殖されたゆっくりが、野生のゆっくりの餌を略奪してくれない。 さらに、養殖されたゆっくり達を「教育」する動画も製作された。 野生のゆっくり達に受け継がれている生き抜く方法とは真逆の教育を施す為だ。 他の関係者から、「もし非常識なゆっくりが越冬に成功したらどうなるのか?」という問題点も指摘された。 だが、計画を立案した研究者は自信を持って次のように答えた。 養殖場で生まれ育ったゆっくりは、自然界ではまず生き残れない。 冬以外の季節なら、自力で餌を採る方法を覚えたり、他のゆっくりと暮らし始めて生き残れるかもしれない。 仮に野生のゆっくりと暮らし始めても、自力で餌を採る大変さを理解していないから、すぐに仲違いするだろうが。 しかし、真冬ならどうだろうか。まず餌は手に入らない。人里は我々が完全に守っているから、進入することも出来ない。 おまけに、食料を食べたいだけ食べることが良いことだと教育するので、野生のゆっくりの巣を見つけ出して略奪を行っても食料はすぐに尽きるし、 最終的には共食いしつつ餓死することになる。だから、養殖ゆっくりは春までには全滅するはずだと答えた。 ゆっくりによる被害を受けていた里は、今回の実験を初めて聞いたときは随分驚いていたが、 一切お金を取らないことや、家屋に万全のゆっくり対策を施すことで了承してもらった。 ゆっくりを養殖する施設は、群れから少し離れた開けた場所につくられた。 また、養殖していることを野生のゆっくりに悟られないようにする為、 養殖場の周りを、植物で偽装した高い壁でグルリと囲んだ。そして、鍵を持った職員しか入れないようになっている。 ここで養殖して一斉に放すことになる。 本来は加工上で育てる予定だったが、ゆっくりの群れが住んでいる場所の近辺まで、大量の成長しきった養殖ゆっくりを運ぶ方法が見つからなかったので変更された。 我々は、加工所の中で育てられているゆっくり達に強制的に子供を作らせた。 そして、植物方妊娠をしている親を眠らせ、その子供を採取して隔離した。 こうすることで、他のゆっくりから教育を受けていない、何の記憶も技術も持たない赤ゆっくり(れいむ種とまりさ種)が手に入った。 全部で10匹だ。 採取した赤ゆっくり達を眠らせた状態で養殖場の中に放置した。 養殖場の中は、まだガラ~ンとしている。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりを、500匹近く収容できるように作ってあるので、仕方が無いといえば仕方が無い。 とにかく、冬直前までに相当数のゆっくりを育て上げなければならない。 ゆっくりの教育は、毎日決まった時間に映像を流す形で行われた。 朝7時になると明かりがつき、モニターに電源が入り、スピーカーから挨拶が聞こえてきた。 「やあみんな、おはよう!ゆっくりしていってね!!!」」 それを聞いた10匹のゆっくり達は一斉に、 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 と、返事を返した。 「さあみんな、ごはんだよ!ゆっくりたべていってね!!!」 そうアナウンスされると、天井に付けられた機械が、天井を所狭しと動き回りながら餌を養殖場全体にバラバラと落とした。 いずれは、養殖場いっぱいにゆっくりがひしめき合うのだから、広範囲に餌を撒かないと、餌にありつけないゆっくりが出てきてしまうからだ。 献立は毎回一緒で、甘味料と冷凍雑草と冷凍昆虫を混ぜ合わせたものだった。 基本的に、自然界で容易に手に入る、草と虫以外のものを食べさせることは許されてはいなかった。 「ゆっ!おさらさん、ゆっくりれいむのところにえさを落としてね!」「すごくゆっくりできるえささんだね」「うんめ、めっちゃうんめ!」 「くささん、むしさん、ゆっくりたべられてね!」「きかいさん、ありがとうね!」 「「「「「「むーちゃ、むーちゃ、しあわせ~!!!!」」」」」 養殖場の様々な場所に、栄養素を溶け込ませた水を出す蛇口を取り付けてあるので、 食事を終えたゆっくり達は、思う存分水分を取っていく。 「「「「「「が~ぶ、が~ぶ、しあわせ~!!!!」」」」」」 食事が終わると、今度はお勉強の時間だ。 といっても、研究所と加工場が製作した教育映像を繰り返し流し続けるだけだったが。 『腹が減ったら、他のゆっくりの巣に勝手に入って食べればいい。他のゆっくりに餌を分けない奴はゆっくり出来ない奴だ。』 「ゆっ!すってなあに!」「でもゆっくりできそうなばしょだね!」「れいむもあんなばしょがほしいよ!」 「まりさにたべものをくれないなんて、ゆっくりできないね!ぷんぷん!」 『初めて会ったゆっくりをすっきりさせてあげるのはゆっくりできること。すぐにすっきりさせてあげよう。』 「すっきりってなあに?」「なんだかすごくゆっくりできそうだよ!」 『パチュリーはずる賢い悪いゆっくりだ。ゆっくりできないから、見つけたらすぐ潰そう。』 悪そうな顔をしたパチュリーを踏み潰すイラストを流した。 「ゆっ!ゆっくりできそうにないかおだね!」「あんなのみつけたら、まりさがぎったんぎったんにしてやるんだぜ!」 『ドスは、ゆっくりしすぎで太ってる。減らしてあげれば喜ぶから、すぐに喰いつこう。』 でっぷりした大きなゆっくりを噛みちぎるイラストを流した。喰いちぎられたゆっくりはニコニコしている。 「どすはゆっくりしすぎだよ。」「だいえっとをてつだってあげなきゃね!」 『れみりゃやふらんは敵。見つけたら全力で襲い掛かろう。弱いくせに偉そうにしている。ゆっくり出来ていない。』 「へんなかおだね!」「ぜんぜんつよくなさそうだね!あんなのかんたんにつぶせるよ!」 ゆっくりを捕食する捕食種「れみりゃ」と「ふらん」。 実は、単純に力という点だけを見れば、こうした捕食種は他のゆっくりより圧倒的に上回っているわけではない。 耐久力にしても、捕食種は中華まんだ。饅頭と対して耐久力に違いはない。 基本的に、ゆっくりが捕食種に勝てない理由には、手足の有無や体格差以外にも「絶対に勝てない」という思い込みもある。 バスケットボールぐらいの大きさのゆっくりが、複数で物怖じせずに胴付き捕食種と全力で闘えば、勝算があることは加工所の実験で証明済みだ。 捕食種というのは、頭部だけの状態なら圧倒的に飛行スピードがあるの、まず他のゆっくりに負けることは無い。 しかし、胴体付きに進化すると、手足が使える反面、スピードという利点が無くなってしまううえに、動きが鈍臭くなる。 加えて、まさか他のゆっくりが襲ってくるとは思わないだろうから、隙だらけになる。 ちなみに、フランが捕食種の中でも最強なのは、「狂気」が最大の理由として考えられている。 体格や筋力が同じでも、イカれた人間と普通の人間が喧嘩をすれば、なかなか普通の人間は勝てないのと同じ理屈だ。 養殖場のゆっくり達には、複数のゆっくりがれみりゃに体当たりして容易に転ばせたうえ、踏み潰すという映像を見せた。 映像の中では、れみりゃを殺したゆっくり達が、「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!」とれみりゃを食べていた。 他にも、 『ゆっくりの巣は、木の根元や洞窟にあるぞ!』 『草や石が固まっているところが怪しいぞ!』 といった、野生のゆっくりの巣の探し方も教えた。 とにかく、こうした身勝手な行動こそが「ゆっくりできること」だと徹底的に教え込んだ。 まあ、こういうことが本来の「ゆっくりできること」なのかもしれない。野生のゆっくりは、厳しい自然環境の中で随分妥協しているけれど。 月日が経つにつれ、次第に養殖場のゆっくりの数は増えていった。 どんなに「すっきりー!」をしても。餌はすぐに降ってくるし、いつでも栄養素が溶け込んだ水を飲めたので、 ゆっくり達は思う存分子作りが出来たのである。 最初は恥ずかしがっていたゆっくり達も、養殖場の中にプライバシーなんぞ無いことを理解すると、 どこでも、子供の前でも、平気で「すっきりー!」するようになっていった。 村では、作物の収穫やゆっくり対策がほぼ終わっていた。 我々が行ったのは、強化ガラスとの交換に始まり、建物の補修、河童の少女と協力して開発したゆっくり撃退装置の設置などの各種ゆっくり対策グッズの設置だ。 ゆっくりの群れの方でも、ほとんどの家庭で餌の貯蔵が終わっていた。後は、本格的に冬が始まったら巣を塞ぐことぐらいだ。 さて、後はこいつらを放すだけか。 俺は、養殖場内のゆっくり達を睡眠ガスで眠らせると、 外に運び出した。 「よいしょっ!・・・と。結構いますね。どれぐらい増やしたんですか?」 「大体600匹ぐらいだな。まだ実験だし、そんなもんさ。けど、もうちょっと増えたらやばかったな。500匹ぐらいを想定してたから、 これ以上増えると、養殖場が維持できなくなっちまう。そうなると、俺達の仕事に『養殖ゆっくりの間引き』なんていう面倒くさい仕事が出来ちまう。」 「じゃあ、よかったすね。」 職員達はコンテナに詰められた養殖ゆっくり達を外に運び出すと、養殖場の撤去作業も開始した。 とても「ゆっくりした」ゆっくり達が一斉に開放された・・・ 群れから少し外れた場所で、一匹のゆっくりれいむが移動していた。 もうすぐ巣穴を塞ぐのだ。来年まで外に出ることは出来ない。 だから、冬篭りの前までに少しでも外の様子を見ておきたかった。 そんな時、れいむは一匹のまりさから声をかけられた。 「ゆっ!れいむ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!まりさ!ゆっくりしていってね!」 養殖場でゆっくり育てられた養殖ゆっくりは、野生ゆっくりから見て美人に見えるらしい。 すっかり気をよくしたれいむをよそに、まりさの後ろからぞろぞろと養殖ゆっくりが現れる。 「ゆぅ、なんだかさむいよ。はやくゆっくりできるところをさがそうね」 「ぽんぽんさんがすいてきたのぜ。むーしゃむーしゃしたいのぜ。」 ・ ・ ・ れいむの表情は凍りついていた。 こうして養殖ゆっくり達は次々に野生のゆっくりの群れの中心に入り込んでいった。 群れに住む野生のゆっくりたちは何事かと巣から飛び出した。 この時期に大量のゆっくりがやってくるということは、どう考えても食料や住処の略奪としか考えられなかったからだ。 だが、略奪目的にしては、やってきたゆっくりたちの顔色や肌ツヤは非常に良かった。 また、随分友好的でゆっくりとしたな態度をとっていた。 群れのゆっくりたちは次第に、 「これはもしかしたら、別の目的で群れにやってきたのかも」 とか、 「きっと冬篭り前の挨拶に来たのではないか」 と噂を始めた。ドスの元にも報告が行っていた。 そして、徐々に歓迎ムードになっていた。 だが、それから数分後、ある養殖ゆっくりの一言で状況は一変した。 「ゆっ。れいむおなかすいたよ。たべものちょうだいね。」 それを皮切りに、他のゆっくりからも食料を求める声が徐々に上がり始めた。 群れのゆっくり達は驚いた。そして、 「自分達には、あなたがたに分け与えられるような余分な食料はないこと」 と伝えたり、 「そんなに血色が良いのに、あなたたちはどうしてたべものをもっていないのか」 と質問をした。 だが、養殖ゆっくり達には、野生ゆっくりの言うことが理解できなかった。 「食べ物をくれるのはあたりまえ」「季節なんて存在しない」という環境の中で育てられた為、 「どうして食べ物をくれないのか?」「冬篭り?何それ?美味しいの?」という有様だった。 10分も経つと、群れで大騒ぎになっていた。 群れの規模は100匹前後。 しかし、やってきた養殖ゆっくりの数は100匹を優に超えていた。 群れのゆっくりは必死で養殖ゆっくりを押しとどめようとした。 ある養殖れいむが言う。 「おなかがすいたよ。たべものをゆっくりちょうだいね」 さらに養殖まりさが言う。 「たべものをださないなんてゆっくりできないね。」 「かってにもらっていくよ。」 「どいてね!はいれないよ!」 番の野生まりさと野生ありすは家の前で必死に応戦する。 「ゆ~~~!やめてね。勝手にまりさのおうちに入らないでね!でていいってね!」 「それは冬を越すのに必要な食料よ!いまたべるなんてとかいはじゃないわ!このいなかもの」 いくら押しとどめようとしたり、突き飛ばしても、次々と巣に近づく養殖ゆっくりの数にはかなわなかった。 勝手に貯蔵庫の食料に手を付ける養殖ゆっくり達。 「むーしゃむーしゃ・・・う”っべべぇ”ぇ”ぇ”ぇ”! まずっ!げろまずっ!ぺっ!ぺっ!!」 生まれて初めて甘味料のない食料を口にした野生ゆっくり達は吐き出した。 「こんなのたべものじゃないよ!あまあまじゃないよ!ほんとのたべものをかくさないでさっさとだしてね!」 甘い食料など持っていないし食べたことのない野生ゆっくり達は、自慢の保存食料をゴミのように扱われ、ショックを受けた。 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおお?」 群れで一番頭のいいパチュリー種の住む巣にも養殖ゆっくり達は押し寄せた。 「ゆっ!パチュリーがいるよ!ゆっくりしんでいってね!!」「ゆっくりできないゆっくりはしんでね!」 「むぎゅう”う”!わたしがなにをしたっていうのよおあああ!」 こうして、ゆっくりが自然界で生き抜く方法を知っている重要なぱちゅりー種は息絶えた。 ドスのいる洞穴にも養殖ゆっくりが入り込んだ。 養殖ゆっくりたちは、笑顔で挨拶する。 「ドスがいるよ!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」「ゆっくりしていってね!!!」 ドスは最初は驚くが、笑顔で挨拶を返した。 「みんな、ゆっくりしていってね!!!」 外で起きていることはまだ報告が入っていないらしい。 ぞろぞろとやってくる養殖ゆっくり達の中のある一匹が突然どすに食らいついた。 がぶ・・・ 「むーしゃむーしゃ それなりーー!」 分厚い小麦粉皮を喰いちぎって頬張る養殖ゆっくり。 一瞬何が起こったのか分からないどすの代わりに、どすの付き人をしている野生ゆっくりが叫んだ。 「どぼぢでどすのおがおだべるのおおおおお!!!どずはゆっっぐりしてるんだよおおお?ばがなの?じぬの??」 その言葉で我に返ったドスは体を壁にぶつけてそいつを潰し殺した。 「馬鹿なゆっくりはさっさと死んでいってね!」 「どぼぢでよろごんでぐれないのおおおお?ダイエッドにきょーりょくしてるでしょおお!」 理不尽な攻撃を受けていると感じた養殖ゆっくり達は、怒りに燃えてドスに攻撃した。 どすは洞窟の中で暴れようとしたが、広さも高さも足りず、ただただ噛み付き攻撃や這いずり攻撃を繰り返した。 しかし、真正面からドスの口に飛び込むものはおらず、養殖ゆっくり達は全方位から喰らいついた。 ドスは徐々にスタミナを消耗し、まるで蟻に集られる饅頭のように体の体積を減らしていった。 「もっどゆっぐりしたかったよ・・・」 こうして、群一つを潰した養殖ゆっくりによる傍若無人な振る舞いと理不尽な暴力は森の各地に住む野生ゆっくり達に広がっていった。 例えば、とある群れに属さないゆっくり一家は、苛烈な尋問の果てに皆殺しにされた。 養殖ゆっくりの集団が、けっかいで偽装された巣を見つけ、中にいた一家を強引に外に叩きだしたのである。 一家があまあまな食べ物を隠し持っているに違いないと疑ったそのグループは、執拗に尋問を行い始めた。 「あまあまさんなんてしらないよ。ゆっくりかえっていってね!」 「うそをつくななのぜ!すのなかにかくしてるのはわかってるのぜ!!!」 集団は「こーでぃねいと」された巣の中を荒らし回った。 教育であまあまの存在を信じこまされていた養殖ゆっくりの集団は、貯蔵庫の食料を掻き出し、枯葉のカーペットをひっくり返し、一夏の「おもいでのしな」をバラ撒きながら「あまあま」を探し続けた。 しかし、いくら探せどそんなものはない。 最終的に痺れを切らした集団は、一家を踏みつけ突き飛ばし餡庫のシミに変えた。 また、ある子なしの番は強引に集団でスッキリーをさせられ、茎だらけになって永遠にゆっくりした。 勿論、巣の中を滅茶苦茶に荒らされるおまけつきで。 こうして野生のゆっくり達が餡庫に変えられていくなか、空腹に耐え切れず潰れた野生ゆっくりの餡庫を貪るものも出始めた。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 極度の空腹に襲われていた養殖ゆっくり達は、同族の餡庫を貪ることにも抵抗を示さなくなっていた。 「野生のゆっくり達は、餡庫ではないあまあまを体の中に隠し持っていた」と強引に思い込み、「共喰いをしている訳ではない」と自分達を納得させたのである。 甘い食料に舌が慣れきった養殖ゆっくりは、日が経つに連れて各地の巣を血眼になって探し続けた。 執念深く巣を見つけては、中にいた種族を問わずゆっくりを引きずり出し尋問し、巣を荒らして餡庫を貪った。 とはいえ、野生ゆっくりの数が減るに連れて徐々に巣の発見率も下がり、最後の手段である同族の餡庫すら手に入りにくくなっていった。 すると、捕食種も襲撃の対象になりはじめ、洞窟に巣を作っていたれみりゃの一家も巣も襲撃を受けた。 「おぜうさまにゆっくりたべられていくんだど~♪」 養殖ゆっくり達に無防備に近づいて手を伸ばそうとしたれみりゃは、後ろから脚にタックルを喰らい、転倒した。 「おお、おそいおそい」 「おお、よわいよわい」 集団で飛び乗り喰いちぎり貪っていく。 「うっめ!めっちゃうっめ!」 「ざぐや”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!」 「ま”んま”ま”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”」 れみりゃの子供たちも母親と同じ運命を辿った。 その後、養殖ゆっくりによる巣の襲撃は続いたが、滅多に巣を見つけられなくなった。 巣を襲撃できない養殖ゆっくり達も次第に個体数を減らしていった。 養殖ゆっくり同士で共喰いを始めるものも現れた。 すっきりーをして子供を持ったものもいたが、動きが鈍くなるため共食の対象にされた。 対象にされなくとも、これから冬を迎える季節で育てられる可能性は不可能だろう。 それに間違った知識を教えこまれているため、子供への教育もできないので子孫を残せない。 1代限りの存在を許された養殖ゆっくり達は、共食と餓死を繰り返し、 雪が積もり始める頃には姿を消したのだった。 冬も終わり春がやってきた。 月日が経ってもゆっくりによる被害は報告されず、ゆ害は皆無になっていた。 この試み因る効果は数年続くことも分かり、安い初期投資で高い効果が得られることから他の地域でも導入されることになった。 こうして、毎年冬が近づくと野生のゆっくりと養殖のゆっくりによる殺し合いが森の各地で行われることになったのである。 -完- ------------------------------------------------------------- かれこれ何年ぶりの投稿でしょうか。 何年か前に途中まで書いた作品を、今日終わりまで書き足して投稿しました。 witten by 御湯栗 過去の作品 http //www26.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4035.html#id_dd2fb33a
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/647.html
饅頭に人の顔が貼り付いてるだけの物体、ゆっくり。 この謎生物がここ、幻想郷に突然現れてから久しく経つ。 最初の頃こそ、「ゆっくりしていってね!」→「ちょうきめえ!」のコンボで駆除されるだけだったが、 徐々に研究が進み、人間にとって様々な形で役立つものだという認識が広まってきた。 ゆっくりが今では生活物資の中でも重要な位置づけになりつつある。 ゆっくりの一番よく知られた用途はやはり食用。 何せ饅頭なので、少し汚れを落とすだけでそのまま食べられる。 幻想郷は甘味料を精製できる作物があまりよく育たないため、 これは本当にありがたいものであった。 次に力仕事。 ゆっくりは個体差が激しく、中には牛や馬以上に大きく力強く育つ傾向を持つ種がいるのだ。 これらの系統を幼体の頃から調教することで、家畜同様の存在として利用。 知能も比較的高いため、農作業や運送業の負担は大きく軽減された。 そして愛玩用。 見た目はそれなりに愛嬌があり、人語を解することもあってペットとしてもよく飼育されている。 中には徹底的な教育を施し、ゆっくりに秘書のような役割を担わせている人もいるくらいだ。 しかし、これらの用途に充てられるゆっくりは一握りの良質なゆっくりでおおむね足りる。 残りの、箸にも棒にもかからないようなゆっくりたちにはどのような使い道があるのか。 それを今から見て行こうと思う。 _______________________________ 昼が一年で最も長い時期、 幻想郷の森の中は大勢の人間たちで珍しく賑わっていた。 誰もがかごを担いでおり、手には長い菜ばしが握られている。 見た目にはゴミ拾いか山菜取りに来たようにしか見えない。 しかし、今の彼らの目的はそんなものではなく、ゆっくりだ。 彼らは木の根元を主に探り、それらの居場所を見つけようとしていた。 「あ、いたいた 相変わらずきめぇ外見だなあ」 ゆっくりを生け捕りに来た一人である青年が、大木の根元に空いた穴を覗き込むなり、苦笑しながらつぶやく。 もし何も知らない現代人がこれを見たら卒倒しているだろう。 穴の中には人間の生首のような物体がいくつも鎮座していた。これがゆっくりだ。 ゆっくりたちはまだこちらに危険性に気づいてない様子だ。 ゆっくりしていってね、と無邪気にこちらへ話しかけてくる。 しかし青年はそれに答えることなく、菜ばしで手早くゆっくりたちを背中のかごへ詰めていく。 さすがにゆっくりたちも騒ぎ始めるが、力の差が有りすぎて抵抗らしいことは一切出来ない。 数分もしないうちに、かごの中はゆっくりで満たされた。 傍目からは、巨大な白キノコがかごにたくさん収まっているようにも見える。 うーん大漁大漁、と彼は満足げだ。かごの中からは声が幾重にも聞こえてくる。 ふと周囲を見回すと、青年の仲間達がやはりゆっくりたちを満載したかごを背負っていた。 もう充分かね、と皆に呼びかけると、肯定だけが返事として来る。 この日のゆっくり捕りはこれで完了だ。 人里へ戻った青年たちは、休むよりも先に、とある作業場を訪れた。 里の人々からは一般にかぎ屋、たま屋と呼ばれ親しまれているところだ。 やあおつかれさん、と作業場の入り口で番をしていた壮年の男性が、ねぎらいの言葉を彼らへかける。 準備はできてるから、と続けて言われ、会釈した青年たちは作業場の奥へと進む。 一分ほど歩くと、周囲に比べてひときわ大きな建物が見えてきた。 彼らはそこへ重い扉を開いて入る。内部は上にも横にも意外なほど広く、遮蔽物も特に見当たらない。 せいぜい作業用の小道具が散らばっている程度だ。ただ大広間があるだけ。大勢が作業するための構造。 あらよっと、と青年たちはかごの中身を床にぶちまける。そこでようやく一息つく者も多い。 広間に放り出されたゆっくりたちは人間達に悪口を浴びせる。 しかし彼らはその言葉に反応せず、ただゆっくりたちの様子を眺めているだけ。 今は特にこれ以上何もされないようだとわかると、この建物を自分達のゆっくりプレイスだと宣言し、 ゆっくりたちは広間を好きに跳ね回り始める。割りと楽しそうだ。 これがゆっくりたちにとって最後の自由時間。 10分ほどそんな光景が続いていたのだが、眺めていた青年がふと口を開く。 「こいつらの中で他に回せそうなのいないな。全部こっちで使うわ」 彼らはゆっくりたちを選別していたのだ。 ゆっくりたちに好きにさせ、どんな行動をとるかを見れば、 他の役に立つかどうかはだいたい判断がついてしまう。 青年たちの捕ってきたゆっくりたちは自らの心配をまるでせず、ただ目の前の状況を自分勝手に楽しむだけ。 どんな運命が待っているか考えようともしない。 家族間のつながりも弱いらしく、他のゆっくりを心配するとかそういったそぶりもなかった。 野生育ちだけあって皮は丈夫なようだが、それだけだ。おおよそ最低品質のゆっくり。 こうしてこのゆっくりたちの運命は決まった。 彼らが一斉に動く。 飛び跳ねていたゆっくりたちは再び捕まえられ、かごの中に詰めなおされる。 また悪口が飛んでくるが、蝉の鳴き声程度にしか青年たちは感じていない。 そして作業が始まった。 手に持ったゆっくりに対して、男たちが小刀を当てる。 ゆっくりたちもおびえ、ゆっくりやめてね、などと命乞いの言葉を投げかけるが、やはり反応はない。 よし、と彼らは軽く気合を入れると、ジャガイモ剥きの要領でゆっくりたちの頭髪を剃っていく。 皮には傷をつけないよう、慎重かつ素早く行う。一匹剃り終われば、次のゆっくりをつかみ出す。 髪を剃られているゆっくりたちの悲鳴は一際大きくなるが、それは人間には無視され、 かごの中のゆっくりたちをさらに怯えさせるだけで終わる。 30分も経たずに、ゆっくりたちは全て頭髪を失い、ただの人面饅頭と成り果てる。 床に整然と並べられたそれらはいよいよもって不気味だ。 逃げ出さないような処置がなされているわけではないが、 ショックが大きいらしくどれも白目を剥いた放心状態。そんなことはおきないだろう。 ここからが難しい局面となる。 青年たちはまず手のひらサイズのゆっくりから取り掛かることにした。 ゆっくりを床に押し当て、静かに転がす。 その場で何度も回しているうちに、人面饅頭の形状が真球に近くなっていく。 何度も顔面を床へ押し付けられ、ゆっくりたちはまたくぐもった悲鳴をあげる。 彼らはお互いに手元のゆっくりの形状を確認しあい、できるだけ真球の精度を高めていった。 だいたい満足のいく程度に形状が整ったところで、催眠ガスを人面ボールに吹きつけ、仮死状態にする。 そうしてゆっくりたちはまた別の木箱に詰めなおされていく。 こうして一定の処理をなされたゆっくりたちとは別に、建物の一角ではもう一つ、別の工程が進んでいた。 こちらもゆっくりたちを用いることには変わらないが、扱いがだいぶ手荒い。 ゆっくりの中身である餡子を手で取り除き、集めているのだ。 餡子を全て失えばゆっくりたちは絶命する。やめてえ、などと悲鳴が常に絶えない。 からっぽの皮は、床へ無造作に捨てられ、頃合を見計らってゴミとして片付けられる。 まさにゆっくりたちの処刑場だ。 集められた餡子は黒色火薬などの様々な薬品と配合される。 混合された餡子は一般に和剤と呼ばれ、この作業場で製造されている製品、花火玉の部材となるのだ。 さらに混合餡子、和剤は花火玉の炸裂に用いる割薬用と爆発炎の色合いを調節する「星」用へ分けられ、 それぞれ水や糊とさらに混ぜ合わせた上で、鉄釜の中に用意されたモミ殻や砂粒へまぶされていく。 それらは少しずつまとまった形となっていき、次第に丸みを帯びる。 最終的には、火薬でできた親指サイズの玉がいくつも釜の中に鎮座することになった。 花火の核となる「星」だ。これが爆発することで夜空に花が咲く。 野生のゆっくりの多くは食べられなくはないが、無機物さえ食べる雑食のため、不純物が餡子に多く含まれており、あまり美味しくない。 一部の豊かな餌場を持つゆっくりや養殖されているものだけが食用になっている。 しかし、食用以外の用途においても、ゆっくりたちの餡子は大変便利な性質を持つ。 野生で暮らすうちにゆっくりの体内へ蓄積される様々な不純物は、集めれば化学薬品として使える濃度にまで達しているのだ。 餡子そのものも変質しているらしく、それらの薬品を安定させる基材として働いている。 幻想郷で火薬の原材料というと、厠で得られる焔硝くらいしかまとまった量が取れなかったものだが、 野生のゆっくりの餡子に含まれる薬品を使って「星」を作れば、バリエーションに富む爆発炎を持つ花火が作れるのだ。 薬品以外の不純物も、爆発炎の色に個性を与えてくれる。 そのため、安全に作業を行うという意味でも、基材である餡子ごと配合してしまうのが今の主流だ。 基材を何重にも用いて安定させているとはいえ火薬。 慎重に箱へ詰められ、作業場の庭で天日干しされる。 前述の、真球状に整えられた仮死状態のゆっくりたちも白目を剥いたまま並べられている。 正直、かなり不気味だ。 「星」は一度乾燥させれば完成というわけではない。 予定される爆発炎の大きさに合わせ、何度も和剤を塗りつけて大きさを増す必要がある。 塗りつける度に乾燥させる必要が有り、とても手間がかかるが、この手間を惜しめばあのきれいな花火は見られないのだ。 今回はあらかじめ作っておいた「星」で花火玉の製作を行うので、 真球状のゆっくりたちの乾燥を待てばいい。 このゆっくりたちは「星」を包み込む玉皮として集められたのだ。 野生のゆっくりの中でも、そこそこの強度の皮を持つ種類がこの工程に回される。 少し手を加えただけで理想的な玉皮として働いてくれるあたり、無駄が少ない物体だ。 乾燥し、皮がだいたい固まったゆっくりたちは、作業場の中へ再び戻される。 まな板の上へ無造作にあけられると、仮死状態だったゆっくりたちが意識を取り戻す。 意識を取り戻さないほうが幸せなのだが。 皮が固まっているため、ゆっくりたちはあまり口を動かせず、 それらの出す声はくぐもっていてよく理解できない。文句でも言っているのか。 青年たちが包丁を取り出すと、ゆっくりたちの玉が微動する。逃げようとしているのだろう。 だが皮が固まり動けない今、そんなことは出来るわけもない。 そして人間で言う耳のラインで、ゆっくりたちは縦へ一気に両断される。 ゆ゛ぎっ゛などと小さく悲鳴があがり、ゆっくりたちの一部はここで絶命してしまう。 野生のゆっくりは生命力が強く、餡子が完全に失われない限り、落命することはあまりないと一般に言われるが、 短時間で大量の餡子を失えばやはり死ぬ確率は高い。 仮死状態から覚めたばかりで、皮も固まり感覚が鈍っていても、この激痛は堪える。 残りの多くも口から軽く泡を吹いてだいたい気絶した。 半分に割られたゆっくりたちは、中の餡子を掻き出されていく。 そうするとゆっくりは意識を取り戻し、ゆ゛っゆ゛っと不安定な声が漏れる。 「星」が中に詰められる程度まで餡子を減らしても、大半のゆっくりたちは息があるようだ。 そして後頭部の方には、花火玉の起爆において、導火線の役割を果たす「親導」という棒が差し込まれる。 これが発射の際に外皮から引火し、中心部まで到達すれば爆発するのだ。 餡子を接着剤代わりにして、ゆっくりの中に「星」が隙間なく埋められていく。 中心部にはさらに割薬が詰め込まれる。これを和紙で固定すれば中身は大体完成だ。 こうして、二つに割られたゆっくりは再び貼り合わされ、外からも和紙が丁寧に貼られる。 顔の部分だけは和紙を貼らずに露出させたままにしておく。 生首のミイラのような物体が、無数に作成され、ゆっくり花火玉の製作はこれで一段落。 あとは出荷を待つのみだ。息のあるゆっくりたちは泣き言らしき声を延々と垂れ流している。 餡子が残ってさえいれば、何も食べなくてもゆっくりはしばらく生きていられるのだ。 今回製作された分は再び仮死状態にされ、翌週には納入されていった。 花火大会の夜。 人里の傍らを流れる大きな川の中州に、打ち上げ用の大筒がいくつも立てられていた。 周囲には打ち上げの職人達が大勢で待機し、世間話に花が咲く。 やがて箱詰めされた花火玉が到着すると、彼らは打ち上げ作業に取り掛かる。 箱の蓋を開けると、中にはゆっくり花火玉たちが、顔をこちらに向ける形で収まっていた。まだ生きている。 ゆっくりたちは仮死状態から覚め、こちらに気づくと、ゆっくりしていってね、と言葉を放つ。 今日の花火玉は元気がいいな、と打ち上げ職人達も感心した様子だ。 「今年のゆっくり花火玉はイキがいいやつばかりですからね。皆さんにはとびきりの悲鳴を聞かせられそうですよ」 花火職人である青年たちは、自信ありげに答えた。 花火玉のうちの一つを慎重に掴む。 自由にしてもらえると思ったのか、掴まれたゆっくりの顔の表情が明るいものになる。 だがそんなゆっくりを無視して彼らは大筒の中にそれを装填した。 大筒の奥からゆっくりの不思議がるような声が聞こえる。 職人達はきちんと玉が収まっているか確認し、さて、とつぶやいた後、大声を出した。 「発射いくぞーーーー!」 点火。 「ゆゆ!?」 ゆっくりたちも異変に気づく。 炒られた豆が弾けるような音が大筒の引火した導火線から聞こえてくる。 ゆっくり出してね!とゆっくりも逃げ出そうとするが、どうにもならない。 射出。 「ゆぴゅっ!?……あじゅいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」 高速で打ち出されたゆっくり花火玉は、太い白色の尾を引いて上昇。一般に昇銀竜と呼ばれる花火玉だ。 「ゆっ!?すごい!おそらがちかいよ!」 打ち出されたゆっくりは、数瞬後の自分の運命も知らず、のんきに最後の思考を行う。 発射された際に親導へ引火した火が、ゆっくり花火玉の中心部に到達した。 ゆっくりの目や口を押しのけて爆圧が開放される。 「っぶぇ!」 炸裂。 ゆっくりは爆炎の中に消えた。 夜空に一輪の花が咲く。 無数の金の火塵が尾を引いて散華し、その過程で様々に変色していった。 菊先と言われる、定番の花火だ。 おお、と川岸の観客たちから歓声があがる。その中には花火玉の製作を行った青年達もいた。 花火の出来に満足げだ。 だがゆっくりたちはそれどころではない。 仲間が打ち上げられ爆発するところを間近で見て、恐慌状態に陥っている。 発射場の周辺に漂う、爆発煙の匂いもそれを煽った。 ゆっくり花火玉の入った箱が軽く振動しはじめる。 ゆっくりたちが泣き喚いたり、逃げ出そうと体をよじっているからだ。 さすがにこれは危ないので、耐火服を着込んだ者が箱を押さえつける。 箱の中のゆっくりたちは一様に絶望の表情で染まり、悲鳴を上げ続けた。 だが、これこそ花火師たちの狙いだ。 次の花火の発射準備が進む。 いやだあ、などと掴み上げられたゆっくりたちが叫ぶが、誰も相手にしない。 そうして、次の花火が淡々と打ち上げられる。 「…………ひぎゃぁぁぁぁぁぁあああああああああ!?!」「っぷゅ!」 空にゆっくり花火玉たちの悲鳴が響き渡る。直後、爆炎が空に花開く。 夏の夜においては、これも風流の一つだ。 通常の花火玉でも、打ち上げられると独特の風切り音が聞こえるが、 ゆっくりの悲鳴はその何倍も大きい。発射場からだいぶ離れた博麗神社でも聞こえるくらいだ。 恐怖の悲鳴と、華麗な爆炎の併せ技。耳と目で楽しむ、これがゆっくり花火玉の醍醐味だ。 「おがぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああん!」「あがっ!」 「もういやだぁああ!……ぱびゃぁぁぁぁぁぁああああああっ!」「ぱじゅっ!」 「……わきゃらなぃょぉぉぉぉぉぉおおお?!」「わぎゅっ!?」 「……ちぃんぽぽぽぽっぽぽぽほっ!」「ぽりゅっぷ!」 ゆっくりたちの悲鳴が爆炎に消えるたび、たまや、かぎやなどと明るい歓声が立ち上がる。 花火大会は滞りなく進み、ゆっくり花火玉の残りもほとんどなくなった。 そこへ、大会主催者、と書かれた札を胸につけた人物が現れる。 「あ!これはこれは 鬼意山ではないですか」 鬼意山、と呼ばれた彼は、打ち上げ職人達にに軽く会釈すると、 そろそろ時間なのでラストにふさわしいやつお願いしますよ、と不敵に笑う。 「ゆぶぶ……」 鬼意山のリクエストを受け、打ち上げ職人達がリヤカーに乗せて持ち出したのは、 ドスゆっくりを原材料にした、特大の花火玉だ。 現代日本の花火玉の規格で言うと、30号の花火玉のさらに数倍はある。 当のドスゆっくりは子供のゆっくりたちが目の前で次々と星になったため、すっかり生気を失っていた。 巨大なドスゆっくり花火玉を打ち上げるには、 それに用いる筒も巨大なものとなる。もはや戦争で使われる大砲にしか見えない。 ドスゆっくりは十数人がかりで荷揚げされ、縄や台車を使われて筒のの中に収まる。 ゆっくりしね、と周囲の人間に当り散らすが、返事は一切返ってこない。 もう彼らにとっては、ゆっくりの言うことは動物の鳴き声程度にしか思えないのだ。 カエルや蝉の鳴き声に耳をすますことはあっても、返事をすることなどない。 悲鳴などあげてやるものか。それがドスゆっくりの最後の意地だった。 だが、筒に収まると同時に、大筒の周囲から職人達が退避していく。 そして、数字を数える大声が響き始める。 今までの発射過程とは違う様子に、ドス花火玉も戸惑う。 やがて、大声が0を告げると、筒の下から爆炎と轟音が飛び出す。 「ゆがぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!?!!!!?」 他の花火玉とは比較にならない高速度で、大筒ごとドスゆっくりは飛翔。 決してあげるものかと誓った悲鳴も夜空にあっさり響き渡る。 爆発の恐怖と、ゆっくりの許容限度を超えた超高速に、ドスゆっくりの精神は崩壊寸前だ。 発射煙を引きながら上昇する大筒。 やがて、大筒に封入された燃料が尽き、夜空の頂点に届いたところで、 ドスゆっくりの中心部の爆薬に火が達した。 一秒を百分割しても足りない刹那の中で、 内部からの膨大な爆圧に、ドスゆっくりの真球状の体は醜く歪み、膨張する。 その両目や歯、舌がまず吹き飛び、ほぼ同時に餡子が玉皮を突き破り飛び出す。 「げぶっ!」 その醜く歪んだ姿も、一瞬でまばゆい光の中に消えた。 花火大会最後の大花火は、昼と見まごう程の輝きと轟音を放ち、消えていく。 あまりの大音響に、窓硝子にヒビが入る家屋も出た。 だがそのことに不満を持つ者はいない。 これが今の幻想郷で生きる普通の人間達にできる、最大最強の芸術作品なのだ。 花火大会が終わり、帰路に着く人々の顔は一様に明るい表情。 その様子を眺める鬼意山と職人達も実に満足そうだ。 ゆっくりたちの破片が散らばる発射場で、 次はもっと残虐にやりたいですね!と、彼らは早くも次回大会に意欲を見せていた。 超重量の物体を打ち上げるには、通常の爆薬では無理! そう考えた職人達は、妖怪たちと協力して新しい打ち上げ方法と専用爆薬を開発した。 これは現代世界の歴史においても、ロケット打ち上げ用に使われたことがあるものだ。 そして打ち上げの必要量を用意するのに、数千、数万のゆっくりが潰されたという。 これだけの手間暇をかけてこそ、花火というものは人の心を打つひとときを提供してくれる。 クソの役にも立たないゆっくりたちであっても、このように工業製品の原材料として活躍してくれるのだ。 人間がゆっくりを真の意味で使いこなすのも、そう遠くは無いだろう。 ゆっくり花火 おしまい あとがき ここまで読んでくれた方ありがとうございます。 物語風の文章を書くのは小学生以来なので、 「へー、俺こんな文章書くんだ……」と妙に客観的な視点からの作業になりました。 もっとゆっくりをじっくり痛めつけたかったのですが、 花火が一瞬で散るものである上、花火玉の製作過程へゆっくりをどうやって組み込むかに夢中で、 そこまでなかなか気が回らないという結果に。 もっとゆっくり同士のやりとりがあったほうが、虐待にも熱が入って印象的なものになるので、 もし次があればそこを重視した話を作ってみたいです。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1252.html
このSSにはドス・まりさ、wwwを多用した台詞が含まれて居ます。 ここは加工所第7会議室 今日の議題は近頃確認された新種のゆっくりの処理法についてである。 新種のゆっくりとはそれまで確認されていた巨大ゆくっりより一回りも二周りも大きいゆっくり、ドス・ゆっくりの事である。 さて、ここで簡単にドス・ゆっくりの特徴について述べておこう。 ドス・ゆっくりという名は付いているが、今のところまりさ種のドス・ゆっくり以外確認されていない。 その為、短くドス・まりさと呼ぶのが一般的だ。 このドス・まりさ普段は森の奥の洞窟で暮らし、手下のゆっくりに自らの分の餌も集めさせ、自分は何もせずに日々惰眠をむさぼっている。 なぜ手下のゆっくりはドス・まりさの為に餌を集めるのかと言うと、ドス・まりさと暮らしている間、通常のゆっくりにはゆっくりとした生活が約束されるからだ。 しかし、ドス・まりさがやることはと言えば毎朝目を覚ましたゆっくりに朝一でご飯を探しに行くように指示を出すだけだ。 通常のゆっくりであれば目を覚ましても直ぐには動き出さず、何をするわけでも無しにゆっくりとすごすのだ。 時には日が暮れはじめるまでゆっくりし続けるゆっくりもいる。夕方に焦って餌を探しに行けばまず間違いなく夜行性のれみりあに襲われ返ってこない。 かといって何も食べなければ、一日と持たずに共食いを始める。 と言うわけで、この朝の号令係はゆっくりにとってもとても重要な役割を果たす。 この重要な役割を果たすドス・まりさは通常のゆっくりからとても尊敬されており、それゆえドス・まりさの為に一生懸命餌を集めていたのだった。 ただ搾取するだけのドス・まりさはそれゆえ通常のゆっくりではありえない巨体をしている。 そろそろ話を元に戻そう。 なぜ、このドス・まりさの処分方法が議題に挙がるのかと言うと、それはその巨体ゆえの問題だった。 加工所の職員にとっては当たり前の事だが、存分にゆっくりとしたゆっくりの餡はまずい。 甘味を失いパサパサとした食感と、なんともいえない後味の悪さをかもし出す。 存分にゆっくりとしたと言うことは、つまりゆっくりのサイズに比例して味が落ちていくと言うことだ。 あれほど巨大なドス・まりさである。その味は食べ物の域を超え、汚物のごときまずさを放つ。 とても人間の食用には使えたものではない。ではゆっくりの餌にはどうだろうかと、ゆっくりに与えてみたが、ドス・まりさの餡を食べたゆっくりは ドス・まりさと同じかそれ以上にまずい餡になってしまったのだ。 詰まるところ、このドス・まりさは煮ても焼いても食えないゆっくり。 だからといってその場に放置していけば、周囲のゆっくりにまで感染し食い物にならなくしてしまう。 まったく困ったやつだ。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 「ゆゆ?人間さんだね!ゆっくりできるひとならゆっくりしていってね!!」 「課長wwこれっすか?www」 「ああ、そうだ。だがここではやるなよ?」 「ゆゆゆ!おじさんたちはゆっくりできない感じがするよ!!とっとと出てってね!!!!」 「ゆ?ゆっくりできないひとなの?まりさ」 「そうだよ!きっとかこうじょのにんげんだよ!!!!」 「い゛い゛い゛や゛や゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!!!か゛こ゛う゛じ゛ょ゛は゛い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ!ゆっ!ゆっくり落ち着いてね!!!まりさがいるからだいじょうぶだよ!!!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛!!!は゛や゛く゛お゛っ゛ぱ゛ら゛っ゛て゛え゛え゛ぇ゛え゛え゛」 「まあ、まあ、みんな落ち着いてくれ。おじさんは君達の事をとっ捕まえたりしないよ」 「うそだよ!!!そうやってまりさたちを捕まえるつもりだよ!!!!」 「本当さ!たしかに加工所では今でも饅頭を作ってはいるが、ちゃんと小豆と小麦粉から作ってるんだ。 でも、作業者の数が足りなくてね、君達に手伝ってもらいたいんだ。もちろん手伝ってもらった分は食べ物をあげるよ。 寝るところも遊び場も雨にぬれないところに作ってあげるよ。おじさんは君立ちと共存の道を歩みたいんだ。」 「きょうぞん!!!まりさはきょうぞんしたいよ!!!!!!!」 「ゆ?????まりさ!きょうぞんってなぁに????」 「きょうぞんはきょうぞんだよ!!!!とってもゆっくりできるよ!!!!!!」 「ゆっくり!!!ゆっくりできるの!!!!!!!」 「そうだよ!!みんなでゆっくりできるよ!!!ゆっくりしようね!!!!」 「そっか!!できるんだ!ゆっくり!!!!れいむ!ゆっくりだから!!!きょうぞんとかわからないから!!!」 「そうだね!!ゆっくりしようね!!!!」 「そっかー!!ゆっくりできるんだー!!!!」 「それじゃあ、返事を聞かせてもらおうか。おじさんと一緒にくるかい?」 「「「「「「ゆっくりつれていってね!!!!!!」」」」」」」 「さあ、着いたよ。大きいまりさはちょっとそこで待っててね。他のみんなはこっちだよ。」 「「「「「ゆっ~♪ゆっ~♪ゆっ~♪」」」」」 「じゃあ、おれは小さいのを連れて行くからでかいのは任せたぞ・・・」 「りょうかいっすwww」 「頼むぞ。」 (まったく気持ちの悪いやつだ…) 「wwwwやっぱでかすぎwwwしゅうせいされるねwwwwww」 「おにいさん!まりさはひかげでゆっくりしたいよ!!ゆっくりあんないしてね!!!!」 「ふひひwwwさーせんwwwww」 「ゆ?おにいさんが持ってるそれはなに???」 「たけやりっすwwさーせんwwwいまから手品をやるっすよwwwww」 「ゆゆ!!たのしみだね!!!ゆっくりみせてね!!!!」 「まず最初にこのたけやりのなかをのぞいてくださいっすwwww」 「ゆゆ?なにがみえる!?なにがみえる!?」 「なんで二回言うのwwwなんで二回言うのwww」ブスッ 「ゆ゛ぎ゛ゅ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ま゛り゛さ゛の゛お゛め゛め゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「だいじょうぶっすよwwwこれ手品っすwwwwww こんどは反対の目でこれを除いてほしいっすwwwww」 「ゆっ…ゆっ…ゆっ…ゆっ?ほんとだ!もう痛くないよ!!!こっちは何がみえるの!!!!」 「さすが鈍痛っすねwwwサーセンwwww」ブスッ 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!や゛っ゛ぱ゛り゛い゛た゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」 「あとはゆっくり解体するっすwwwゆっくりだけにゆっくり解体wwwwうますぎ俺ワロスwwww」 「おう、そっちは済んだか」 「オワタッスwwwちゃんと地下室にオクッテオイタッスwww」 「そうか、後は下のゆっくりが処理してくれるだろ。まあ、あれだけの量だと10日はかかるか…」 加工所のそばのゆっくり処理場、ゆっくりによるゆっくりの処理場。 地下にゆっくりとゴミを一緒にいれゆっくりに処理させる施設。 この施設ではゆっくりの他に肥溜めに溜まった糞尿など有機的なものであれば何でも処分できる。 誰の手も汚さない、人にも地球にも優しい場所なのだ。 蜜柑 このSSに感想を付ける