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技名 EMPEROR/宇宙遊泳やまびこ返し 演技者 EMPEROR/宇宙遊泳やまびこ返し 出典 - 説明 宇宙遊泳の最後をやまびこ返しにして決めます。 備考 私のやまびこ返し単独のやり方は宇宙遊泳等からのやまびこ返しには振り出し方が違うので100%の適用は出来ません。そのままの流れを大切にしてください。その上で動きを最小限に抑えるということを意識することについては適用できると思います。 宇宙遊泳、やまびこ返しのやり方についてはタグをたどってください。 タグ やまびこ返し 宇宙遊泳 コメント 名前
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206 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 713b-6tyc)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 01 04.15 ID CzaVnnIs0 [1/5] 長文なんだけど、報告いい? 207 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 807b-oK17)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 01 53.61 ID 5+B1N1ou0 [1/2] どうぞどうぞ 208 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 713b-6tyc)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 05 13.47 ID CzaVnnIs0 [2/5] 少し前に鳥取で困ったちゃんになりかけたやつを更生させた話。 うちの鳥取はクトゥルフとSWぐらいしかやらない偏った卓なんだけど、 そこでPLの1人(Aとする)が、「クトゥルフでもSWみたいに継続キャラ使いたい」 って言いだした。 別にルール的には問題ないし、いいよってことにして、Aも最初のうちはうちの 鳥取の単発セッションで生き残ったキャラを使ってた。 でもそのうち、他のコンペとかで生き残ったキャラってことで、 アーティファクトとか呪文とかを覚えてるキャラを持ってくるようになった。 それでもシナリオに影響なさそうなキャラばかりだったので認めてたら、 先日、俺がつくったシナリオのラスボスに設定してた神話生物の 退散呪文を覚えているキャラとぶつかった。こっちがAにだけこっそり、 「実はシナリオにこいつが出てくる話だから、 悪いけど今回は使えないことにしてくれないか」と打ち明けても、 「PCの持つ能力はこれまでの冒険で得た血肉なんだから認めろ。 使えないなら今回は参加しない。」と強情に譲らない。 Aに抜けられると人数的に厳しいから、仕方なくその日は認めて、 結局シナリオ上でのその退散呪文を習得するまでの過程をすっ飛ばして PCたち生存という形でセッションは終わった。 それ以降も、ミ=ゴの噴霧器やイス人の電気銃、 他のGMがつくった?オリジナルアーティファクトなんかをもって来られて 辟易してた。 209 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 713b-6tyc)[] 投稿日:2016/08/02(火) 23 06 22.28 ID CzaVnnIs0 [3/5] そこで今度は仕返しに、AがGMの時にこっちの秘蔵っ子を出すことにした。 もちろんほかのPLには根回し済み。その日Aが出してきたのは、 「旅行から帰る途中に事故で立ち往生したPCたちが怪しい館に招かれる」 という筋のもの。事前のハンドアウトで、各PC一人くらいなら同行者いてもOK とのことだった。そこで俺は、「とある事件にかかわり傷心の探偵PC」と、 「それに同行する居候の少女NPC」を出して、 事件の関係で引き取ったが、一人で家に残しとくと不安だからついて来る ということにした。 210 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 713b-6tyc)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 09 01.29 ID CzaVnnIs0 [4/5] で、オチはこのNPCが、別の知り合い達とのオンセで1年くらいかけてやった キャンペーンのメインヒロインで、正体が 「悪の魔術師がとあるアイテムを手に入れるために作った人造ショゴスだが、 探偵の友人(NPC)の命がけの活躍で魔術師の手を逃れ、 PCたちとのふれあいの中で感情を持ち、人の側に立って魔術師の野望を打ち砕くために戦ったのち 、現在は人間の姿をとって、仲間たちと平和な暮らしを謳歌している。」 というもの。当然データはめちゃくちゃ強く作ってあって、 Aの出してきた蛇人間をバッタバッタとなぎ倒してあっさりシナリオクリアになった。 Aは当然文句を言ってきたが、「これは知り合いの卓で一年かけて~」とか「こんな冒険が~」 とわざと長ったらしくエピソードを話して、 「これはこのPCが苦難を乗り越えて得た血肉のようなものです」といって無理やり通した。 で終わったあと、こっちから言いだして、 「今後継続PC使うときには事前にコンセンサス取って、 GMが拒否ったら素直に従う」というルールを作った。 それ以降しっかりAも相談してくれるようになって うちの鳥取は今日も平和なのでした。 この話の困ったちゃんは別のキャンペーンで「もうPCとして使わないから」 とPL・GM双方で合意したうえで奇跡的に生き残ったヒロインNPCを こんなところで復讐に使い、こんな長文報告をあげた私ということで。 211 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW e27b-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 13 32.73 ID B3Kvw1Yu0 [1/2] 乙 厨返し自体は微妙なところだがそれで結果的にAが脱困して全て丸く収まったならいいのかな Aが根に持ってないかだけ心配 その場では従って数カ月後とかにやり返してくる困も過去報告にいたし 212 名前:ゲーム好き名無しさん (スプッッ Sdc8-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 16 55.42 ID LA05ZhFQd 因果応報って奴だな おつおつ 213 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 807b-oK17)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 17 40.52 ID 5+B1N1ou0 [2/2] これくらい綺麗収まってくれる困ばっかりならいいのになあ 214 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 713b-6tyc)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 21 29.93 ID CzaVnnIs0 [5/5] その心配はないと思う。 Aもネットの記事かなんかにかぶれてただけみたいで、 実際やられたらすごいいやだったみたいで反省してたし、 それからアーティファクト・呪文ありのレギュの卓も開かれるようになって 喜んでたよ。ただ単に一般人以外のキャラもやりたかっただけだったみたい。 215 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW e27b-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/08/02(火) 23 22 46.23 ID B3Kvw1Yu0 [2/2] 214 なら良かった 216 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW cd83-xRNj)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 00 02 35.54 ID 1sKxoK980 そういうのやりたいなら比叡山とか黄昏の天使とかやればいいのにな 217 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 7c5b-xRNj)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 00 31 38.40 ID BhCrZqQH0 [1/3] 厚生させたって聞いて警戒したが、まあ綺麗に収まってるようでよかった たまにほら、報告者が奴隷を作ってた報告が… ぶっちゃけそんなの継続じゃなくても当たり前では?って思うが 事前にPCをKPGMがチェックして許可をだす うちでもCoC継続キャラは多いけど、呪文持ちって危ないから「そのキャラは今回禁止」と不許可にすることは多いな 「そのキャラが出せるシナリオを今度やるから今回はだめだ」って話したり、「その呪文AFを使用しないと確約するなら良いよ」ってOK出すこともあるけど 218 名前:ゲーム好き名無しさん (アウアウ Sa01-n5Ub)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 00 37 08.95 ID W7MAqF4da 212 困果応報に空目した 219 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ b740-oK17)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 02 21 18.52 ID A+OBVhuX0 一番最初の時点で「正体を探る」という方向性にすればよかったんじゃねーかなとは思うが(たまたま持っていた何かがクリティカルするという結末は怪奇ものとしては多分アリだろう) まー後知恵だわな 220 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 72cc-oK17)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 03 28 00.63 ID KCdgtXzg0 困果応報…困行為をすると巡り巡って自分が困行為の被害を受けること。 しかし困果応報を大義名分として報復に困行為を行うと常厨困当になることもあるため注意。 221 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 34ce-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 05 55 41.81 ID xG2kh0Wi0 だからSAN値回復のために変な言葉作るなってあれほどー 223 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイW 7f8b-xRNj)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 06 59 21.12 ID gZmR2MMg0 GMが拒否したキャラをごり押しでイラっとしたが、それが如何にNGなことか身を以て理解できたようでスッキリした。 乙。 224 名前:ゲーム好き名無しさん (スッップ Sdb8-EaMp)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 07 16 48.96 ID FPFdkMyGd 217 俺も警戒した お互いこのスレの毒気にやられているんだろうなw 227 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 757b-YHiW)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 10 13 44.67 ID jcSS5RQ80 [1/7] ただでさえ「自分が参加してない(把握してない)セッションでやけに強力な報酬を獲得したキャラクター」を持ち込みされても 対応しきれないことが多いし行為自体が充分に迷惑行為だからな DQN返しでも身をもって理解してくれたなら何よりだろ 228 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 9c9d-0Q/d)[sage] 投稿日:2016/08/03(水) 11 31 54.04 ID TT3eA7qZ0 ていうか今時「コンベで貰った○○持込み」な報告が来るとは思わなかったわw スレ440
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符の参「追儺返しブラックホール」 No.2005 符の参「追儺返しブラックホール」 スペルカード 攻撃3 迎撃2 命中4 集中 条件:萃香 萃香 呪力3 [戦闘フェイズ]常時 このスペルでの戦闘中、リーダーすべては「回避-1」を得る。 [戦闘フェイズ]呪力1 このスペルで戦闘を行っている場合、フェイズ終了時まで、相手の戦闘中のスペルは「攻撃-1」「迎撃-1」を得る。 (フェイズにつき1回まで使用可能) イラスト:草凪きこく 考察 考察の入力。必須ではない。
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第21話「蟻群矜持《ボトムスピリット》」 第七学区 物々しい雰囲気が漂う地下街入口。地下の暗闇へと繋がる階段は警備員によって封鎖され、いくつもの車両が集まっていた。丁度、昼休みの時間帯ということもあって、近くの学校の教師や生徒、ショップの店員などが野次馬となって集まる。 「なんの騒ぎだ?」 「なんか能力者が暴れたらしいぜ。ゲーセンが吹っ飛んだってさ」 「おいおい。ここ始業式の日にも似たようなことあっただろ。またかよ…」 野次馬の口から飛び交う事件の憶測、治安への不安、警備員の不手際に対する不満などが零れる。中には面白がって写真撮影する者もいるがすぐに警備員に止められる。 野次馬の中に紛れ、事件の当事者であった迫華は入口を封鎖する警備員たちをじっと見つめていた。 テロ対策の警戒態勢。重武装の警備員と警備ロボット、駆動鎧が格納されている輸送車も確認できる。 そして、入口に停まる2台の救急車。封鎖する警備員とロボットの隙間から担架に乗せられて救急車へと運ばれるユマと智暁の姿も確認できた。二人とも包帯を巻かれ、救急隊員が付き添っていた。智暁の方は深刻な状態なのか、ユマよりも多くの隊員が付き添っている。 (ヤベぇ…ガチでヤベぇよ。武装班連れてあいつらを取り戻そうと思ったら…何で警備員の対応がこんなに早いんだよ!) 9月1日、イギリス清教の魔術師シェリー=クロムウェルがこの地下街で学園都市とイギリス清教の間で戦争を起こすために事件を起こした。表向きには能力者の暴走として片づけられたが、非常用シャッターが多くの学生をテロリストのいる地下街に閉じ込めてしまうなどの問題が浮き彫りになり、これを機に地下街で警備網が強化された。この迅速な対応もその一環である。 (他の出入口も全て封鎖されちゃったし、これでもしあのクソアマが私らのことでも話したら…) 迫華が怒れる女王蟻を頭に浮かべる。恐怖の権化、この世の全ての暴力、その象徴ともいえる本気で怒った樫閑など、怒鳴り散らされるだけで寿命が10年縮む。それを想像するだけで迫華は身震いが止まらない。 (殺される…絶対に殺される!!) ピリリリリリリリリリ!! 「ひぅ!!」 突如、迫華のケータイが鳴り響き、驚いて彼女は飛び上がった。一瞬で暴騰した心拍数を抑え、震える手で恐る恐るケータイをポケットから出す。 着信:お嬢 (あ、これ死んだ☆) もう目の前が真っ暗になり、同時に彼女の全てが真っ白に燃え尽きた。彼女に思考する余地などない。今から怒れる女王蟻に滅ぼされるこの身体と頭脳で何かをしたところで意味などないからだ。 それでもケータイを開いて電話に出る意志は残っていた。無意識の行動と言うべきか、樫閑の“教育”によって身体に刷り込まれた行動だ。 「は、はい。舘皮です」 『樫閑よ。大体の話は倫理と参ノ宮から聞いたわ。とりあえず、今は二人の回収は諦めて撤退しなさい』 迫華は唖然とした。てっきり、怒れる女王蟻によって罵詈雑言を浴びせかけられるのかと思ったが、電話の向こうの樫閑は淡々と冷静に指令を下していた。 (良かった~制裁はナシだ~!) 地獄から天国へと引き上げられた気分だ。両の目尻から大粒の涙があふれ出す。九死に一生を得た。地獄に垂らされた蜘蛛の糸を掴んだカンダタのような気持ちだ。 「お嬢…。今、あのクソアマと小動物が大ケガで病院に搬送されたんですが…もし私らのことを喋ったら…」 「その心配は無いわ。私達のことを喋るのは彼女にとってもデメリットだし、彼女が持っている偽装IDは完成度が高いわ。立場が被害者ならIDが入念に調べられることはまずないし、口からボロを出すほど彼女も愚かじゃない。精神系能力者を使われることもないでしょう。智暁ちゃんの方もね」 「そ、それもそうっすね」 「二人のことは私の方でどうにかするわ。距離的にも搬送される病院は冥土返しの病院でしょう。分かったならそこから撤退。第五学区のアジトに帰還して」 「了解っす」 そう言って、迫華は意気揚々と電話を切り、人混みを掻き分けて参ノ宮の車へと戻っていった。 地下街の中、警備員が警戒しながらゆっくりと進む。壁に身体を密着させ、常に複数人で前後左右を警戒する。ちょっとしたゴミクズ一つにも注意深い。非難した客から相手は念動力系で瓦礫を射出する能力者だと判明している。射出する速度によってはそこら中に散らばるゴミ、石ころ、空き缶などの“ありとあらゆる固体”が弾丸並の速度で襲いかかるかもしれない。防護服に身を包んでも一切の油断が出来ず、疑心暗鬼に近い心理状態での警戒態勢だ。 能力者との戦闘とはそれくらい非常識なのだ。 「本部。こちら破多野。第二出入口から西側大通りまで異常なし」 警備員の波多野二海は数人の部下を引き連れ、地下街を進んでいた。全ての出入口から警備員を投入するローラー作戦だ。 『こちら本部、了解。もうすぐ他の出入口から入った連中とエンカウントする。敵と間違えて撃つなよ?』 「超絶分かってるって」 二海は気軽に答え、再び周囲を警戒しながら地下街を進む。もうすぐ戦場となったゲームセンターが見えるはずだ。 角を曲がり、別の地下大通りへと出た二海達の視界には原型を留めないほど破壊され尽くしたゲームセンターと周辺のショップ。監視カメラも1つ残らず破壊していることから周到さが窺える。そして、地下鉄へと繋がる巨大な穴がポッカリと開いていた。強い酸か何かで溶かされたかのようだ。 「クソ!またか!!本部!ターゲットは床を溶かして地下鉄へと逃走!」 『本部、了解。そっちには既に別動隊を派遣している。君達は他のチームと合流後、地下街のローラー作戦を継続。地下鉄に逃げたと思わせる為のフェイクの可能性もある。警戒を怠るな』 「了解」 薄暗く電気の明かりがほとんど届かない薄暗い地下鉄の線路。その線路を沿うように血痕がポタポタと落ち、道を作っていた。その血痕を辿った先には… (クソッ…何でだ…。何で俺はこうも無力なんだ…。何がイルミナティの殲滅だ。双鴉道化を殺すだ。ディアスの足取りすら掴めなくてこのザマじゃねえか…) 流れ出る血を布で押さえ、別のショップから盗んだタオルで右腕をきつく縛り、これ以上の失血を防ぐ。左腕と口で結んだため、結びが甘くて血が停まる様子は無い。 (失血が酷い…このままだと…) 足取りがおぼつかなくなる。景色が揺れ動き、意識が朦朧となる。血が抜け過ぎて頭もろくに回らない。元々暗いせいもあって視界がぼやける。 耳に届く駆ける足音。ぶ厚い軍用ブーツ、底面の硬質ラバーと線路がぶつかり合う音だ。同時に聞こえるガチャガチャと揺れる金属音。それが大量に聞こえ、刻一刻と香ヶ瀬に近付いて行く。 「動くな!」 地下鉄へと派遣された警備員の別動隊がライトと銃口を香ヶ瀬に向ける。前方に6人。武装した警備ロボット4台、脚部にローラーを装着した高機動型駆動鎧が1体、が後方からも遅れて同じくらいの人数が向かって来ているのが音で分かる。 白色のライトで視界を真っ白に潰され、香ヶ瀬は思わず手で目を隠す。 「警備員(アンチスキル)だ!武器を捨て、両手を頭の後ろにやれ!」 香ヶ瀬にはもう考える余力もなかった。抵抗するか、お縄につくか、そんな選択肢が頭に浮かぶ余裕もない。血が足りなくて脳が上手く回らず、腕の痛みすら感じない。そこに立ち続けるので必死だった。 (俺は…終わるのか?ここで…?こんなところで…?姉さんを元に戻すことも、イルミナティに復讐することも出来ずに… ―――――終わらせない。こんなところで俺の復讐を終わらせてたまるか!!!!) 香ヶ瀬は左手に握った槍で地面をつくと、周囲の地面や壁から天津甕星の魔術で大量のコンクリート塊を抜き出した。無理やり引っこ抜いたことでコンクリート塊があった場所の周辺にヒビが入り、そこから崩れて更に瓦礫が産出される。 だが、遅い。天津甕星には隕石の形成から攻撃までのタイムラグが存在する。既に丁度いいサイズが存在するならまだしも今回は一から作っている。時間がかかるのだ。その隙を警備員が逃すはずもなかった。 「抵抗を確認!撃て!」 指揮官のその一言で、前方の警備員の銃から弾丸が放たれた。銃口から微かに出るマズルフラッシュと硝煙。地下鉄の線路という密閉された空間で多数の銃声が響き渡った。 * * * * 第八学区の組濱衿栖の住居。少女趣味なヒラヒラフリフリだらけの豪華絢爛な部屋で衿栖はノートパソコンの画面と睨めっこを繰り広げていた。大量に並ぶ生徒名簿、生徒の名前、住所、能力、レベルetcが記載されており、普通なら書庫《バンク》かその生徒が所属する学校の教職員用端末でしか閲覧することは出来ない。そんな機密事項を彼女は複数の学校から集め、その中から高レベルの精神感応・念話能力《テレパス》の能力者をリストアップして一つのフォルダにまとめる。 (これほどのリストをすぐに集めてくるなんてね。さすが希河ちゃん!映倫中学に忍ばせた甲斐があったね) 彼女は今、桐野律子と共同て新たな絶対能力者開発計画の準備を進めていた。研究所と薬品は揃えた。後は人材だ。レベル6となる能力者とその“踏み台たち”。衿栖の役割はレベル6となる能力者の方だ。 「ふぅ~。疲れちゃった。高レベルの念話能力者なんてたくさんいるっつーの!こんなのからどれを選べば…」 衿栖はマウスを操作して画面をスクロールし、まとめたリストの人物・能力・能力の概要を眺めていく。 (枝先絆理《エダサキ バンリ》。念話能力。幻生のクソジジイがやった暴走能力の法則解析用誘爆実験の被験者だったからちょっと期待しちゃったけど、レベルは話にならないわね。 春上衿衣《ハルウエ エリイ》。レベル2の精神感応。特定条件下、枝先絆理からの念話だけはレベル評価以上の数値を発揮する…世にも珍しい相互能力(カップリングキャパシティ)。個人的に興味はあるけどレベル6候補の基準を満たしていないし、手を出そうとしたら常盤台の超電磁砲が出しゃばりそうで怖いね。 毒島帆露。大衆念話。レベル4。大多数の人間とのテレパスを可能とする能力者。木原故頼に投与されたキャパジエリンの後遺症で能力はレベル3相当まで下がっている。まぁ、それでも条件は満たしているんだけど、軍隊蟻が周囲をうろついているんだよね…。あれに動かれると私達の用意した“手駒達”でも対処出来ない・・・) 選択肢はたくさんあっても選択そのものに多大なリスクを背負っている。すぐに見つかりそうで中々見つからないレベル6候補。やはり、どこかでリスクを背負わなければならないのか。安全確実にレベル6を作って金儲けなんてのは夢のまた夢で、どこかで危険な選択をしなければならない時があるのだろうか。そう思いながら衿栖は半ば諦め気味で画面をスクロールしていく。 マウスを操作する衿栖の指がピタッと止まった。彼女は椅子から身を乗り出し、まじまじと顔をパソコン画面に近付ける。 風川正美 念力制御(テレパーシー) レベル3 同系統の能力者との念話を可能とする。 (ん?) 衿栖は正美のデータに違和感を感じた。何がどう怪しいのか上手く説明できなかったが、自分の脳の奥底で警鐘が鳴っていた。 更に彼女のことを詳しく調べ上げる。能力のことだけではなく、彼女の経歴、人格、人間関係、学校の成績、桐野律子の忠実な部下であり、スパイ目的で映倫中学に教師として入れさせた希河鎌にも連絡して詳しく調べさせた。 【名前】風川正美 【経歴】今から10年前、置き去りの一人として置き去り保護施設「太陽の園」に預けられる。太陽の園で過ごしながら、第四学区の小学校へと通う。人見知りが激しく、人付き合いが苦手な性格、あまり目立たない子だったと当時の園の職員は語っている。 今から1年前、帰宅途中のところを無能力者狩りとスキルアウトの抗争に巻き込まれ、無能力者狩りが放った攻撃で脳を物理的に損傷。これまでの記憶を失うことになる。この損傷が原因なのか、入院生活の間に今までレベル1だった彼女の能力はレベル3近くまで成長。脳の損傷による能力の成長という希少なケースの研究のために研究所を転々とした。彼女の研究には当時、大型化の兆しがあったブラックウィザードも関わっており、研究価値なしと見なされた彼女は一時期はブラックウィザードに身を置いていた。 その後、諸々の経緯があってブラックウィザードが壊滅。置き去り保護を掲げる学園都市公認団体「チャイルドデバッカー」の支援のもと、映倫中学の生徒として日常に戻った。 その後、2代目東雲真慈を名乗る男による脅迫もあったが、彼女の監視・護衛を務めていた神谷稜によって事件は解決している。 神谷稜とは恋仲であり、転校当初は監視・護衛のために寮が神谷稜と同室という異例の処置がとられており、現在も続いている。教師の中には男女を同室にする学校側の対応を非難する声も挙がっているが、現在のところ校長からの返答は無い。 【能力】彼女の能力「念動制御《テレパーシー》」は同じ能力(念話能力・精神感応)の相手なら直接脳内で会話ができるが、別系統の能力者や無能力者との意思疎通は不可能。また、同系統でも意志疎通レベルは相手の能力者のレベルに依存する。 相手の脳に干渉できるため相手の演算を乱すことができるが集中力の持続が必要となる。 「おかしい…」 衿栖の口から疑問が零れた。 (彼女の能力が不自然過ぎる。学園都市での念話使いはよくある能力の一つ。だけど、意志疎通の手段は能力者ごとに異なり千差万別。他の能力者との差別化のために情報伝達手段は記載されているはず…。それなのに彼女の能力説明欄には何も書かれていない。不明なら不明でそう書かれるはずなのに…。それと“同系統の能力者限定”ってのも気になる。もし私の仮説が正しければ彼女の能力の本質は――――) 違和感だらけの能力説明、どこかで見たことのある顔、衿栖の記憶にある過去の実験、推測される彼女の能力の本質。神谷稜と一緒に行動させた学校側の措置。その全てがパズルのピースのように噛み合い、彼女は答えを導き出した。 「ああ…。なるほど、こんなところに居たんだ♪“お人形さん”♪」 * * * * 学園都市第二学区。 周囲をグルリと壁で囲まれた、まるで学園都市の縮小版のような学区だ。この厚い壁の中には警備員・風紀委員の訓練場、兵器の実験施設など、学園都市の治安維持に関わる施設が集合した学区であり、そのセキリュティは第二三学区ほどではないが、かなり厳重なものとなってる。 他にも自動車関連学校のために用意された実験用サーキット、爆発物の実験場なども存在し、騒音の出る実験はここで行われている。学区を囲む壁には逆位相の音波を放出して騒音を低減するスピーカーが備え付けられている。 隣接している第十学区からでもその壁を窺うことは出来る。 学園都市で最も治安の悪い第十学区。他の学区では敬遠される原子力関連の施設、少年院、墓地などが集まり、人々が敬遠するのを良いことにここを根城とするスキルアウトが多い。その中でもストレンジと呼ばれる地域はスキルアウトの聖地のような扱いを受けており、夏に警備員による大規模な制圧作戦が行われたにもかかわらず、今でもそこを根城にしようとするスキルアウトが多い。治安維持関連の集まりである第二学区、スキルアウトの聖地がある第十学区、真逆で相反する学区が隣接しているのは非常に興味深い。 とある4階建ての研究施設の屋上。第十学区にあるものでは比較的大きく、かつては何かしらの実験施設であったことが窺えるが、今となっては無人である。 研究施設の屋上にあるヘリポート。一人のサラリーマン風の男、尼乃昂焚が屋上に立ち、頻りに腕時計で時間を確認していた。 「そろそろ時間の筈だが…」 誰かと待ち合わせしているようだが、その相手は一向に現れない。 微かにヘリコプターのプロペラとエンジン音が鳴り響く。昂焚は相手が来たと思って空を見上げるが、白昼であるにも関わらずヘリの機影は確認できない。しかし、音は段々と大きくなり近付いてくるのが分かる。 突然、ドッと昂焚に突風が襲いかかり、身を飛ばされそうなのを屈んで耐える。鼓膜が破られそうなほど五月蝿くエンジン音が鳴り響く。音や風圧からして目の前にヘリがあるはずだが、全く見えない。聴覚と触覚による情報と視覚情報の差異はとても不思議な感覚であり、本来そうあるべきものがそうではない感覚は多少気味が悪かった。 ヘリのランディングギアが接地し、ヘリのエンジン音、プロペラ音が段々と小さくなる。それと同時に風も止んできた。 着陸が完了した途端、景色に滲むように重厚な汎用ヘリコプターが現れた。Mi-24ハインドの系列の機体だ。対地攻撃もさることながら物資や人員の輸送を目的としたヘリである。容量拡大を目的とした太く長い胴体、階差のある複座式のコックピット。前端には20mmの機銃、一対の翼にはミサイルランチャーが搭載されている。これといって特別な武装は見受けられないごく普通の軍仕様の汎用ヘリコプターだ。 しかし、その装甲には大量の魔法陣が描かれており、先ほどまでの光学迷彩もこの魔術によるものだと思われる。陣からは太陽、太陽神を意味する文字や記号が見受けられることから、魔術で太陽光を屈折させ、光学迷彩を実現しているものだと推測できる。 「よぅ。待たせたな」 危険な匂いを漂わせる爬虫類の様な目をした30代後半の男がヘリから降りた。 左目に大きな傷を持ち、無造作に伸びた黒髪をゴムで後ろに結んでいる。 ここは戦場でないというのに、迷彩色の服にタクティカルベストを着用し、「戦場の最前線でなら違和感のない」格好をしている。胸に数多くの勲章を付けているが、これらは自らの手で討ち取った兵士の勲章や階級証を剥ぎ取ったものである。 とにかく敵意と警戒心を抱かざるを得ない格好をしている。 ヴィルジール=ブラッドコード イルミナティの幹部の一人であり、欧州・中東・アフリカで事業を展開する傭兵会社ヴィルジールセキリュティ社の社長でもある。 「悪いが、こっちはあまり時間が無いんでな。世間話は抜きだ」 「ああ。そうだな。見たところ、この光学迷彩の魔術の使用条件は太陽光の入射角で決まっているみたいだ」 (おいおい。この数秒でこの魔術の性質と弱点を見抜いたのかよ。知識量半端ねぇ…) 「とりあえず、お前が頼んだ霊装と弾丸は持って来たぜ」 そう言って、ヴィルジールはヘリの中から人間が丸々一人入るサイズのケースを取り出した。昂焚が愛用している棺桶トランクと同等のサイズだ。 昂焚は屈んでトランクを開けて中身を確認する。 「ああ。確かに受け取った。発注通りだ。ところで、そっちの艦隊の準備は出来ているか?」 「ああ。問題無い。北極海に展開させているウチの艦隊からも『異常なし』としか来ていない。あと星喰い神の弓矢《ニョータ=リサーシチーニ》を搭載したタイコンデロガ級ミサイル駆逐艦も日本のEEZ(排他的経済水域)のギリギリラインで待機させている。今すぐにでも計画の発動は可能な状態にしているが、米軍第七艦隊の目を掻い潜っていられるのも時間の問題だ。遅くても今夜中には矢を放って、撤退したい。あれを沈められたらウチは財政難だ」 「今夜9時に計画を発動させる予定だ。問題無いか?」 「ギリギリでちょっと苦しいところだが、仕方ない。遅くても10時までには計画を始めろ」 「分かった。ご苦労だったな。後は暴れるなり逃げるなり好きにしろ」 「ああ。俺らは俺らで目的がある。そっちに専念させてもらう」 そう言うとヴィルジールは再びヘリに乗り込んだ。太陽光が屈折することでヘリが背景に溶け込むようにフェードアウトし、再び光学迷彩を展開させて飛び去っていった。 昂焚はヘリポートでそれを見届けた。 * * * * 第五学区 とある廃工場 四方をビルに囲まれ都合よく隠れた開発予定地区の廃工場。かつて寅栄瀧麻がリーダーで軍隊蟻創設時から使い続けてきた集合場所だ。軍隊蟻の創設の宣言の時から何か重要なことを決める時はアジトではなくここに集まっていた。 40人近い多くの軍隊蟻メンバーがぞろぞろと集まる。人数からして武装が認められたメンバー達だろう。全員が深刻な面持ちで鉄骨の上に座る樫閑を見つめていた。 樫閑はスマホに耳を当て、何者かと電話の最中だった。 「そう…ついに動いたのね。分かった。早急に準備させるわ。放課後までには間に合わせる」 樫閑は電話を切った。それを狙ったかのようにタイミング良く迫華と参ノ宮、2人の男性メンバーが到着した。入り組んだ裏道に参ノ宮のワゴンは入れないので、近くの駐車場に停めて徒歩で来た。 物々しい雰囲気が漂う。こんなのは慣れていたが、樫閑の表情はこれまでの集会で見せたものとは違い、より一層に深刻だった。迫華たちはユマたちを襲撃した犯人への仕返しのつもりで武装班を集めたと一瞬思ったが、すぐにその考えは払拭した。 「これで…全員揃ったわね」 重苦しい声と共に樫閑が立ちあがる。メンバー全員が固唾を呑む。廃工場内は静まり返り、静かに吹く風の音だけが聞こえ、それすらも五月蝿く感じた。 樫閑は少し長い呼吸をし、語り始めた。 「6月の事件で寅栄と仰羽の二人が捕まってから、リーダーを失った私たち軍隊蟻は幾度となく壊滅の危機に晒された。その度に交渉、武装、恐喝、癒着を繰り返し、企業や研究所、工場、果てには学校や風紀委員、警備員相手に飴と鞭を使い分けて危機を逃れてきた。軍隊蟻の名の通りに私たちは武装の強化を繰り返し、もはやスキルアウトとは呼べないレベルの力を手に入れた。力を持ち過ぎて学園都市に潰されるか、力を持たずして他の勢力に潰されるか。そのデッドラインを見極めながら私たちは成長し、力を欲し続けた。寅栄と仰羽、他の拘留されたメンバーを不当な拘留延長から取り戻し、軍隊蟻を“本来あるべき姿”のためにだ」 樫閑の突然の演説にメンバー達は動揺する。いつもは冷静に目的と作戦内容を伝えるだけだった集会が樫閑の演説という過去回想から始まったからだ。異例の事態だ。 「だけど、その戦いも今回で終わる。泣いても笑ってもこれが私たちの最後の戦いになる」 “最後の戦い”このワードがメンバー達の脳に引っかかる。そして、男性メンバーの一人が問いかけた。 「“最後の戦い”って…。お嬢。それは…」 「そのままの意味よ。今日、私は学園都市統括理事会直轄の武装組織…暗部組織と言った方が良いわね。そこに所属する男と“契約”を結んだ。いや、契約というよりも統括理事会からの“脅迫”ね」 統括理事会、暗部組織、契約。どれか一つだけでも集会所が騒然となるワードだ。そんなものを3つも立て続けに口に出されては動揺を隠すことも出来ない。そして、予想外に大きな事態であることにメンバー達も気付いた。 「今、この学園都市には第三次世界大戦直後の混乱に乗じて外部の能力者集団が大量に入り込んでいる。事を大きくしたくない学園都市は警備員や風紀委員、公認の治安維持部隊を使う訳にも行かない。そこで暗部組織と非正規の武装組織である私たちに白羽の矢が立った。拘留されているメンバーの即時釈放を条件にね」 「おい。外部の能力者って…まさか…」 樫閑に最も近い位置に立っていた狼棺の発言だ。彼と同様に心当たりのある人間は他にも数名いた。迫華と参ノ宮なんてついさっきまで一緒にいたのだ。考えないはずがなかった。 「ええ。貴方達の考えている通り、外部の能力者集団ってのは私達が管理下に置いていたユマ・ヴェンチェス・バルムブロジオと同類の“魔術師”よ。ブラックウィザード残党を一瞬で殲滅して“巻き添え”程度で界刺得世を潰した彼女のような存在と戦うことになるわ。一人一人の力が学園都市の超能力者(レベル5)に匹敵するわね」 「レ…超能力者(レベル5)!?」 メンバー達が騒然とする。超能力者がどれほどヤバい存在かは知っている。6月の事件で「八人目の超能力者《ナンバーエイト》」の候補だった四方神茜と交戦し、勝利を収めた経験はあるが非常に苦しい戦いであり、その時の主戦力だった仰羽啓靖はいない。あの時から軍隊蟻の武装は大幅に進化したが、無能力者やレベルの低い能力者に刻まれた高位能力者への畏怖の念は未だに残っていた。 「悪いけど、6月の一件みたいに『逃げる』なんて選択肢は無いわよ。大量の兵器、軍隊蟻の存在そのものを人質に取られていて、私達の命も統括理事会に握られている」 「要は『戦わねえと殺す』ってか」 「そうよ。学園都市が私達に与えた選択肢はシンプルに2つ」 Yes(利用価値のある駒として戦うか) or Die(利用価値なしとして殺されるか) 「今までとは桁違い、全盛期のブラックウィザードが屁でも無いくらいの強敵になる。下手を打てば、ここにいる全員が死ぬことになるわ。勝手に巻き込んで悪いけど、覚悟して命を私に預けてちょうだい」 返答は無い。全員が俯いて口を閉ざした。沈黙だけが集会所の空間を支配し、風の音だけが聞こえる。樫閑は数十人ものメンバー達の沈黙の返答に不安を感じ、自らのリーダーとしての責務に押しつぶされそうになっていた。 「お嬢…、一つ質問いいッスか?」 メンバーの一人、神平 魅辻 《カミダイラ ミツジ》が口を開いた。中一とは思えない大柄な体格に黄色いバンダナが特徴の男だ。 「俺らのこの戦いって、学園都市からの依頼ってことで良いッスよね?」 「そうよ…表沙汰には出来ないものだけど」 「だったら人払いとか情報操作とか、その辺りのサポートも入るんスよね?」 「大抵のことはね。向こうも魔術師集団の排除を何よりも優先したいみたいだからね。この街だと統括理事会がガス爆発と言えば核爆発だってガス爆発になるわ」 神平が肩を震わせ、そして大きく口を開けて笑い始めた。 「んふふふふふふふ!アッハハハハハハハハハ!!聞いたか!?!お嬢が渾身のダジャレだぜ!核爆発がガス爆発だってよ!それって要するにそれくらい情報操作してやるってことだろ!“学園都市公認”で大暴れ出来るんだぜ!!こんな絶好のチャンスねぇだろ!」 神平の発言にメンバー達が付いて行けず、全員が唖然としていた。彼は基本的に大胆不敵な言動が多かったが、今回はあまりにもぶっ飛んでいた。場の空気を盛り上げようとする空元気にも見えた。しかし、その大胆不敵さに樫閑は救われ、他のメンバー達も奮い立たされる。中学一年生の彼がここで頑張っているのに年上の自分たちが何もしないわけにはいかないというプライドからだった。 「ククク…。神平にしちゃあ、良いこと言うじゃねえか」 「そうだな。学園都市公認でドンパチ出来るんだ。倉庫で眠っていたあいつらを堂々と動かす日が来たってことじゃねえか」 「そりゃ最高だ。ついでに寅栄さん達を取り戻せるんだろ?一石二鳥って奴じゃねえか。あれの操縦って、俺がして良いんだよな?」 「なぁ、瀬那。“あれ”を使った新しいラブラブ走法を思いついたんだが、やってみないか?」 「勿論よ。愛琉。ぶっつけ本番だけど悪くないわ」 「柚歩姉さん。ごめん。僕死ぬかもしれないけど、それでも逃げたくないんだ。逃げてばかりじゃ自分の存在価値が分からないから」 「ヒャッハー!!見敵必殺!敵勢殲滅!魔術師が何だ!超能力者が何だ!俺らの通った跡には草木一本生えちゃいねえんだよ!!」 「もし死にそうになったら逃げる準備もしとけよ。逃走経路は俺が確保しておいてやる」 神平を皮切りに他のメンバー達も自らを鼓舞し、次々と口を開いては戦う意思を見せる。誰も逃げようとはしない。軍隊蟻のリーダーとしては理想だった。しかし、樫閑恋嬢としては複雑な思いだった。 樫閑は唖然とする。逃げる者がいるのかと思っていた。嘆く者が出て来ると思っていた。こんな戦いに巻き込んだ自分は糾弾されるんじゃないかと思っていた。みんな、自分を気遣って本心を押し殺しているんじゃないかと邪推する。 「寅栄たちを取り戻すためには学園都市を脅すぐらいの力が必要だ」――――そんな強迫観念に囚われ、ブラックウィザード壊滅後も必要以上の武装化を推し進めた自分が招いたようなものだ。自分は責められて然るべき存在なのだ。 「この馬鹿野郎共が!!」 樫閑が一喝を入れる。彼女の渾身の叫びが全員の時間が止める。 「あんたら状況が分かってんのか!?相手は超能力者と同等だろうが!!中にはそれ以上の災害レベルの奴だっているのよ!!何でそんなに平気なんだ!何で笑っていられるんだよ!!真剣に考えろよ!必死に悩んだ私が馬鹿みたいじゃないか!!」 糾弾して欲しかった。力を求め過ぎて軍隊蟻の本質を捻じ曲げた自分を、力を手に入れ過ぎて組織を存続の危機に立たせた自分を、リーダー“代理”を名乗り、リーダーとしての責務から逃げていた自分を、責めて欲しかった。気遣って有耶無耶にするぐらいならいっそのこと全てをぶち壊すぐらいに本音を吐きだして欲しかった。 樫閑はとにかく叫んだ。これがどれほど危険な任務か。こんな事態を招いたのは誰なのか。責任を追及すべきなのは誰なのか。罪に必要なのは罰だ。力を欲するあまり軍隊蟻の在り方を捻じ曲げ、危機に追い込んだ自分には相応の罰が必要だと。この組織を、彼らを死の淵に追いやった自分が出来るせめてもの償いだ。そう、喉が潰れそうなほど叫んだ。 樫閑の本心、軍隊蟻の怒れる女王蟻ではなく、まだ16歳の女子高生の心が雪崩のように吐露されていく。 「ガタガタ喚いてんじゃねえ!!」 狼棺が手を伸ばして樫閑の前髪を掴んだ。そして、むしり取る勢いで彼女の頭を引っ張り上げる。 「でも…」 「でももクソもねえ!俺らだって“これ”が必死に考えた結果なんだよ!アンタに比べりゃ単純な思考回路かもしれねえけど、俺らなりに考えて、アンタを信じて“一緒に行く”って決めたんだ!アンタに引っ張られて死の淵に来たんじゃねえ!俺達の意志で一緒に来たんだ!リーダーだからって何でもかんでも責任背負わせて、こうなった事態を全部リーダーに押し付けて断罪するのが“筋違い”だってのは分かってんだよ!確かに死ぬのや嫌だし、恐ぇよ!見ろよ!俺の足を!ビビって小鹿みたいに震えているぜ!けど、戦うか死ぬしかねえなら戦うしかないだろ!?だったら単純じゃねえか!Yes or DieでYesを選ぶくらい単純だ! 戦って!勝って!寅栄さん達を取り戻して、また軍隊蟻として活動する! それを実現するためにはアンタが必要なんだよ!俺達を動かす女王蟻(ヘッド)はアンタしかいねえんだよ!いつも通り命令しろよ!俺達はどうすれば良い!?どう戦えば良い!?肝心な時に軍師様が泣き喚いてちゃ勝てる戦いも勝てねぇだろうが!!」 狼棺の叫び、それは軍隊蟻メンバーの総意にも等しかった。樫閑は圧倒された。軍隊蟻は自分だけのものじゃない。頭脳である自分がいて、身体となるみんながいる。それらの全てが揃って、軍隊蟻は初めて機能する。一蓮托生とはこのことなのかと。 「そうね…。まさか、アンタに諭されるとは思わなかった。少し取り乱して悪かったわ」 (いや、少しってレベルじゃなかったぞ…) 樫閑は狼棺を手で突っぱねて、自分の足で立ち上がる。 さっきまで泣き喚いていた女子高生の姿はない。そこには確固たる決意を持った軍神の姿だった。 「さっきも言ったけど、これが最後の戦い!軍隊蟻の死力を尽くした総力戦になる!費用や予算なんて考えるな!全ての武器弾薬をこの戦いで使い果たせ!」 「Yes sir!!」 * * * * 第七学区のとある高校の1年生の教室。 その日の授業が終わり、帰りのHRの真っ最中だ。真面目に先生の話を聞く者もいれば、HRが終わるのを今か今かと待ち続ける生徒もいる。きっと頭の中ではゲーセンに寄ろうとか、宿題がダルいとか、そんな各々の放課後の過ごし方を考えているのであろう。 HRを担当しているのは緑川に匹敵する無差別級ゴリラ体格の教師だ。アクの強い洋ゲーに出てくる悪党みたいな顔をしている。彼は災誤《サイゴ》という生活指導教員である。 本来、このクラスは月詠小萌が受け持っているクラスなのだが、現在、彼女は不在で代わりの黄泉川愛穂も警備員として出動しているため不在。周りに廻って災誤が代理としてHRを受け持っている。 地下街での事件、その注意喚起のせいで長かったHRが終わり、生徒達が荷物をまとめて教室を出て行こうとする。しかし、和気藹藹としたごく普通の放課後の教室は一人の男の襲来によって戦慄に塗りつぶされた。 「あらぁ~♪みんな、帰るのは待ってちょうだ~い❤」 全身筋肉武装のホモ教師、アーロン=アボットの襲来だ。 彼の襲来で男子生徒は騒然とし、臨戦態勢に入る。 「背後を取られるな!ケツを隠せ!(性的な意味で)掘られるぞ!」 「青髪ピアス!上条は!?上条はいないのか!?こう言う時の上条当麻だろ!」 「あかんて!カミやん今日もおらへんでー!土御門くんもおらんし、小萌先生の補習も中止になるし、今日は厄日やー!」 名前の通り、染めた青い髪にピアスを付けた長身の生徒が頭を悩ませて机に突っ伏せる。 「あー!もう!五月蝿い!」 騒然とする男子生徒をクラスメイトの吹寄制理《フキヨセ セイリ》が一喝する。 長い黒髪に広いデコ、男ならば確実に胸に視線がいくほどのスタイルを持った「美人だけど色気のない鉄壁の委員長」だ。 「吹寄大先生!あれは『男に穴があれば棒を突っ込む』という意志に手足が生えたような――――――ガフッ! 吹寄は辞書で青ピの頭にチョップを喰らわせて、彼を黙らせた。 「すみません。アボット先生。ウチのクラスのバカ共がうるさくて」 「良いのよ。男の子は元気な方が好みだわ。相変わらず活気のあるクラスねぇ。でも残念。今日は女の子の方に用があるの」 そう言うと、アーロンは舐めるようにクラスを見渡す。 「あれ?姫神秋沙ちゃんはどこかしら?」 「先生。目の前の席に居ます」 アーロンのすぐ目の前の席、そこに姫神が座っていた。 真っ直ぐと重力に従って下へと伸びる長い黒髪、寡黙で表情が読みにくく、身も心も自己主張が乏しい少女だ。性格と容姿のせいか、よく影が薄いと言われている。 「あら、ごめんなさい」 アーロンが目の前の姫神に気付かなかったのはアーロンの身長が高過ぎて、目の前の姫神が死角に居たからだ。決して、希薄な存在感のせいではない。 「いえ。大丈夫です。それよりも用事って何ですか?」 「貴方にお客様が来ているの。一緒に応接室まで来てくれないかしら?」 「大丈夫です」 そう言うと姫神は立ち上がり、荷物を学生鞄に入れるとアーロンに付いて行き、教室を出て行った。 アーロンが廊下を歩くと男は必ず壁に背を向けて彼を避ける。その隣には姫神が歩いており、アーロンは彼女を談話室へ誘導すると同時に彼女を視界から外さないようにしていた。応接室はすぐそこにあり、会話する暇もなく応接室の目の前へと着いていた。 「ところで。お客様ってどんな人ですか?」 「可愛いわ。可愛らしくて、ちょっと困ったお客さんなの♪」 そう言うとアーロンは応接室の扉を開けた。 「失礼します」と一言入れて姫神が入り、その後にアーロンが入って扉を閉めた。 そして、彼は姫神の背後で含みのある笑みを浮かべながら、扉に鍵をかけた。
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747 名前: ◆3nzBVhbxqo [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 22 46 38.75 ID 3a3nQvDm0 情報収集の話もあったんで、苦い話を一つ。 大学のサークルでの話。 システムはソード・ワールド2.0。 俺はGMで困はPCの一人でOB。 ある貴族の娘からの依頼で、父親の様子がおかしい、愛人を作ってから様子がおかしくなった。 という導入の話をやった。 シティ・アドベンチャーになれてないので、事故が怖くて俺は情報を箇条書きの項目として提示した。 FEARゲーかシノビガミっぽいといえばいいだろうか。 規定のサイクル内で情報を集めていくとい感じだ。 愛人は黒という情報が出た、しかもリャナンシーアサシンである。 その情報を1巡目で掴んだPC達だが、そのうち一人が突撃を主張しだした。 他のPC達は、まだ情報不足だ、敵について全然わかってない、と言って反対していたし、 俺もここで突撃かまされたらバッドエンド確定なんで止めようとしたんだが、 先輩風吹かせまくって結局突撃とあいなった。 リャナンシーアサシン自体、PCたちにとってはきつい相手ではなかったので、楽に殺すことはできた。 貴族の娘が依頼終了と判断して報酬を払うということになった。 最悪のバッドエンドだなー、どうしようかなーと迷っていたのだが 「なんだ、平坦でつまんねーシナリオだな。もっとどんでん返しとか用意しろよ」 などと困が言ったので、バッドエンドに対する迷いは吹っ飛んだ。 748 名前: ◆3nzBVhbxqo [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 22 47 35.30 ID 3a3nQvDm0 結論だけ言えば、数日後、PC達はハイレブナントとして蛮族の下僕となった。 困はともかく他のPL達は予想がついていたようだ。 事件の真相を書いてしまえば、領主は最初から黒であり、リャナンシーに操られてなどいなかった。 ヴァンパイア化の儀式を行なっていたが、大詰めというところで領主の娘がおかしいと思いだした。 もともとリャナンシーアサシンは、別のノスフェラトゥから目眩ましのために借りてきた。 などの設定は色々あったのだが、結局ネタばらしで話すことになった。 儀式は完全に成功し、ヴァンパイアノワール(レベル23)が誕生となった。 予定では普通に行けばヴァンパイアリリィ(レベル17)、悪くてもヴァンパイアローズ(レベル19)、 ヴァンパイアノワールについては半分冗談として設定していたボスだった。 困がキレ、もめにもめたんだが、このことが他の良識あるOBの耳に入ったらしく、その後この困が顔を出すことはなくなった。 情報は項目として提示しても集めようとしなければ意味がないということで。 あと、強いボスでPCを蹂躙するのが少しだけ楽しかった。 困以外のPLにはこの真相はなかなか好評だった。 以上、報告終了。 750 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/02(木) 22 51 16.03 ID O24krhRC0 報告乙乙 ノワールさんは強かったんや 他のPLの評判が悪くなく困排除に成功と苦い話に見えなかった俺は 困スレに毒されているのだろうか 751 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/02(木) 22 55 50.09 ID 7l9+9ZLTP 困ったちゃんはいてもみんなハッピーエンドだとやっぱりいいな 755 名前: ◆3nzBVhbxqo [sage] 投稿日:2012/08/02(木) 23 07 20.94 ID 3a3nQvDm0 750 その発想はなかったなあ。 リャナンシーアサシンはそこまで苦労しないってレベルまで育てた環境だったからなあ。 GMとしてもそのキャラ達に愛着はあったから。 それと渾身のネタを空撃ちしてしまったというのも、ね。 ただ、750のように考えると少し元気でた。 ありがとう。 758 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/02(木) 23 11 42.79 ID 86o5CJhLO 736 マジでテンプレポンコツだなw 一回ハブれば楽になるのに。 どうせ何も出来ないよ、そんなポンコツ。 747 困ってなさそうな上に、新しい喜びに目覚めかけてるw 776 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 00 15.53 ID Zr8alMHQ0 775 おかしい人の行動が理解できるわけが 777 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 07 04.13 ID pc707o6L0 747-748 リャナンシーアサシンって一日ごとに他者の記憶や能力を奪って行くんだぜ 潜伏が確認できた時点で裏取りとか後に廻して本人を叩くのは当然の行動だと思うがね 真相にたどり着くのはPLの脳内当てLVがかなり高くないと無理にに見えるんだけど 778 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 09 32.12 ID 8eRtdYyY0 他のPCが止めてる時点でちゃんと伏線があった+時間に余裕があったんだろう 少なくとも困一人だけが突撃を主張してる時点で当てはまらん 779 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 13 08.28 ID /OB14d0j0 777 報告をとりあえず信じるなら ・調べられる事柄を項目にして明示(メタ的には「まだわかってない情報」があるのを暗に提示) ・他のPCがまだ情報不足であると静止している。ついでにGMも(どんなふうにかは不明だが)おそらくメタ的に静止している これやってて脳内当てとか言われるとちょっとどうしようもない つーか情報が項目化されてるのにたまさか一個当たりの情報選んだら真相分かって後は戦うだけ、ってその方がクソだと俺は思うかなー 780 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 24 48.33 ID cmNd5IZ/O 一巡調べたって書いてるし、人数分は調べてるだろうな 調査一巡で1日経過とかなら、俺も未開示情報は置いといて即突撃を主張するなぁ 失敗だったのは領主の異変の原因がリャナンシーのみと思い込んで調査を打ち切った点であって、突撃そのものはベストな選択にみえる 781 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 26 58.87 ID vpZtzKWc0 PC ID pc707o6L0 携帯 ID cmNd5IZ/O 俺用メモ 782 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 41 48.97 ID fuJ4eJnh0 ついでにメタ読みするなら、 「モンスターレベルとパーティ平均レベルから推定してリャナンシーアサシンで終わりなハズがない」とかな。 他のPCが止めたのはこの辺の理由もありそうだ。 783 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 46 21.79 ID 8zwIdyyc0 まあ別に見えてる敵をとっとと倒しちまうのも悪くない それから家捜しするなり拷問するなりして情報探せば良いし 問題はそこで依頼終了としてしまった事で 突入した事じゃない 784 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 00 51 12.99 ID HW1q33p10 777 他のPC達は、まだ情報不足だ、敵について全然わかってない、と言って反対していたし 先輩風吹かせまくって結局突撃とあいなった。 「なんだ、平坦でつまんねーシナリオだな。もっとどんでん返しとか用意しろよ」 困はともかく他のPL達は予想がついていたようだ。 というところから他のPLはGMの懐中を知っていたが、困OBの知能レベルが極端に低かったんだろう 785 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 01 17 05.39 ID cmNd5IZ/O 在校生間でのお約束がOBに伝わってないだけだろ 事件が終わってないと予想出来てるのに、アクションをおこさない他PLの方がヤバイわ 結局突撃を遅らせる順当な理由は出てないし 786 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 01 24 31.76 ID +eapC7NS0 さあどちら側で主張の軸が何か分からなくなって参りました 787 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 02 25 40.05 ID +t3GB2So0 その辺はまあ報告にある困ったちゃんがキレなきゃ 「不幸な事故だったね」で済むところじゃねーの? 788 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 03 00 18.49 ID /OB14d0j0 785 敵を確定するには情報が足りず、突撃して成功するとも限らない これって順当な理由になんねーかなぁw 「一巡目で」って書いてあるから一巡目の途中なのかも終わり際なのかも、そもそも1順がどれぐらいのゲーム内時間かも分からんから 「突撃しないとヤバイ」かどうかも分からんし。報告の内容だと 789 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 03 23 37.70 ID HW1q33p10 785 いやだからさ、GMがリャナンシーを「押し」に使ったんだろ。 ・領主と愛人の行状を調べろ ・調べると領主の方が怪しい ・しかし愛人はリャナンシーだった ・であればなぜリャナンシーが領主に取り入っているのか素早く真相を究明しないといけない… というのが筋書きだろう、まあリャナンシーは領主が用意した目くらましのようだからもう1手2手は必要だろうが そこで愛人を殺せば解決すると思っている方が脳筋困だろ 790 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 07 54 41.05 ID cmNd5IZ/O 788 敵はリャナンシーアサシンでPCなら余裕 789 だからアサシン排除後も捜査続行しろと最初から 一体どんな理由で゙突撃したらバッドエンド確定゙なのかさっぱり分からん 791 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 08 08 26.88 ID gLVVBBXxO リャナンシーを泳がせておかないと黒幕の情報が手に入らないとか?>突撃即バッド 792 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 08 19 33.35 ID gLVVBBXxO 単純に「リャナンシーを速攻で退治した後調査続行」って展開が報告者の想定になかったとか 793 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 08 44 29.94 ID EXLiP+cK0 790 >だからアサシン排除後も捜査続行しろと最初から 元の報告で ”困が先輩風吹かせまくった結果突撃になった”とあるので PL「まだ何かありそうだから調べましょう」 困「アサシン排除したんだから依頼達成だろ!報告に行くぞ!」 PL「いや、でも」 困「先輩に逆らうのか!?」 とゴリ押ししたとエスパー。 794 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 08 48 06.57 ID 0XD3TUPx0 9Ac+zyiW0 795 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 08 50 24.59 ID 12F8py2O0 777-792 ああ、目の前で 747-748の報告の卓が再現されてる感じがする。 役回り的に 777の人がOB(困)か。 801 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 11 34 38.44 ID K59XWMbI0 「なんだ、平坦でつまんねーシナリオだな。もっとどんでん返しとか用意しろよ」 この台詞を見た感じ、この先輩とやらはアサシン倒した後で唐突に黒幕が出てきて、 「ふははー、まさかそいつを倒すとはー、いいだろう、この私が相手になってやるー」みたいなのを 期待してたんだろうか… 804 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 26 01.43 ID MOmYDr/GO 802 「これ以上調査しなくてもいいの?」とさんざん警告してシナリオ通りに進行したんだから厨返しじゃないんじゃね? 805 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 29 39.95 ID yAzidc1v0 804 愛人は黒という情報が出た、しかもリャナンシーアサシンである。 その情報を1巡目で掴んだPC達だが、そのうち一人が突撃を主張しだした。 他のPC達は、まだ情報不足だ、敵について全然わかってない、と言って反対していたし、 俺もここで突撃かまされたらバッドエンド確定なんで止めようとしたんだが、 先輩風吹かせまくって結局突撃とあいなった。 との記述もあるしな 806 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 30 50.65 ID 8zwIdyyc0 803 ひとまず目の前の脅威を排除したが まだ裏がありそうなので調査を続けますって報告したら良いだけじゃね? そこで依頼人が、いやリャナンシー倒したならもう依頼終わり!調査なんてしなくていい! とか言い出して強引に終了させたなら、そりゃGMがバッドエンドにしたがってるだけだからPCはどうしようもないけど。 807 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 31 08.04 ID 2Lx2hzYYO 結論だけと省略されてる部分で、儀式完遂までPCたちは何してたんだろな 808 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 31 24.03 ID kWTb6smJO 強行突撃を一人しか主張してない辺り、「強行突撃は解決にならない」事はそれまでの情報収集で明らかになっていたと見るべきじゃないかな。 むしろそれが無ければ強行突撃が一つの正解であるってのは、ここでも数人が認めてるし。 より積極的に言えば、「強行突撃は状況を悪化させる」事が明らかになっていたんじゃない? 具体的には、例えば「領主が元々黒である」可能性が既に示唆されていたとか。 だって、そうじゃないと愛人=怪物が明らかになっているのに、「まだ敵について何も解っていない」ってPLの発言と矛盾するでしょ。 「領主は白」がPL共通認識なら、とりあえず手先ぶっ殺してから考えようって選択肢も当然出るはずだよ。 だって、依頼は「父が愛人出来てからおかしい。なんとかしろ」なんだからさ。 そもそも、黒幕がいるのが明らかなのに手先をぶっ殺したらバッドエンドに直行ってのがアリかナシかは、これはシナリオによるとしか。 ただ傍証として、「他のPLは全員反対した」「ネタばらしは好評だった」からすると、このシナリオ的にはアリだったんだろうね。 809 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 38 18.37 ID 7q7Nj9uy0 >ここで突撃かまされたらバッドエンド確定 これがどういう意味かによるな。 「突撃かまして調査を打ち切ったらバッドエンド確定」なのか 「リャナンシーに突撃した時点でバッドエンド確定」なのか 前者なら問題ないけど後者の場合GMも困ったちゃんになると思う。 リャナンシーは時間経過で状況を悪化させる事が多い魔物だから、たとえ黒幕の存在が考えられるとしても 放置して調査を続行する場合と、リャナンシーにカチこんでから尋問&調査続行する場合どちらも一長一短あるもの。 811 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 40 31.69 ID /OB14d0j0 そりゃ本来あったはずのシナリオをなかったコトにして 「悪のリャナンシーアサシンは滅びました。正気に戻った領主は娘と幸せに暮らしましためでたしめでたし」 とすることは出来るだろうさ。GMだし 812 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 42 44.61 ID yAzidc1v0 810 そこは厨返しでなく、実際に起きてバッドエンド直行のシナリオ破綻に対する 救済策とるかどうかだと思うよ。PLの態度が悪い時まで救済するいわれはないんだし その水準まで厨返し扱いはさすがにどうかと思うな。少なくとも他の参加者から 不平なかったんだし 813 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 53 46.07 ID kWTb6smJO 素直によめば、予想外のバッドエンド確定ルート選択したから迷っただけで、PLの可愛くない発言でその迷いを振り切っただけでしょ。 依頼人が「娘」である以上、「領主は元々黒でした」の証拠固めは「手先をぶっ殺すまで」にしないとってのは、これはアリなんじゃないかな。 だからPLは一人除いて反対したんでしょ。 「愛人のせいでおかしくなった」と思ってる「娘」が依頼人である以上は、愛人ぶっ殺したらそれ以上調査出来なくなる可能性は当然考えるべき。 だって依頼人に、「愛人のせいじゃなくて領主(父親)が元々怪しい」って納得させなきゃ調査出来ないんだから。 ……そこはまぁ、「実はまだ黒幕がいるんです」って誤魔化して依頼人を説得すべきかもしれないけど。 報告者が迷ったのは、実はその辺りじゃないかと推察してる。 「まだ調査する?」って、GMから持ちかけるかどうか。 これってシナリオぶっちゃけとほぼ同義だから、GMは迷うよな。 814 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 54 18.30 ID 2Lx2hzYYO 812 冗談半分でも用意をしてたんだから、シナリオは破綻してないと思う 815 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 12 56 01.73 ID yAzidc1v0 814 そうだね、バッドエンドへ向かう暴走行為と書くべきだったな。PLが不適切な選択肢 選び続けたらシナリオ失敗になるのも当然のマスタリングだね 832 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2012/08/03(金) 14 32 33.52 ID fuJ4eJnh0 シナリオ失敗の原因になったこと自体は困要員ではない。多分。 ・先輩風吹かして皆の反対を押し切ったこと ・その結果のバッドエンドに対してキレたこと この2点がアウト。 スレ334
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モクドラF 探偵が早すぎる 春のトリック返し 共通事項 放送時間…木曜23 59~24 54 備考 N COMPLETE ネットセールス + ... 共通事項 絨毯の上にカラー表記 固定スポンサー KIRIN(キリンビール) アサヒビール(PTかHH) 2022年4月14日 ♯1(新) 前半 1’00”…KIRIN(0’30”扱い・キリンビバレッジ0’30” + キリンビール0’30”) 0’30”…アサヒビール(PT)、SUNTORY(HH) 2022年4月21日 ♯2 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、NTT docomo、FUJIFILM、アサヒビール(HH) 2022年4月28日 ♯3 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、KDDI(PT)、アサヒビール(PT)、SUNTORY(HH) 2022年5月5日 ♯4 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、宝島社、アサヒビール(PT)、SUNTORY(HH) 2022年5月12日 ♯5 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、Flavor Life、アサヒビール(PT)、TOYO TIRES(HH) 2022年5月19日 ♯62022年5月26日 ♯7 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、KURE(PT)、アサヒビール(PT)、SUNTORY(HH) 2022年6月2日 ♯8 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、M(McDonald s)、アサヒビール(PT)、TOYO TIRES(HH) 2022年6月9日 ♯9 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、LION(PT)、アサヒビール(PT)、TOYO TIRES(HH) 2022年6月16日 ♯10(終) 前半 0’30”…KIRIN(キリンビール)、TOYO TIRES(PT)、アサヒビール(PT)、SUNTORY(HH)
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ここでの格付けの定義 大どんでん返しのあるSF小説作品に対して、意外性の高い順に、格付けを行う。また、非SF作品が実はSFであるというネタバレになる場合は、実はSFだったというオチがあるアニメ漫画や小説に載せること。 格付け表 A (予測が不可能) アイ アム レジェンド 宇宙消失 新世界より 星を継ぐもの B (予測の難しい展開がある) ハイぺリオン(の没落) 宇宙戦争 禁じられた惑星 猿の惑星 月の裏側 2001年宇宙の旅 2010年 万物理論 マイナス・ゼロ c (伏線などで予測可能) アルジャーノンに花束を エンディミオン (の覚醒) 消えた子供たち 死者の代弁者 ドゥームズデイ ブック 夏への扉 幼年期の終わり 補足 誤字、脱字があったら修正をします。他の作品も追加してください。
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少年御手洗と六人の可哀想な少女 ◆j1I31zelYA 「――分かったわ。デパートに向かいましょう」 御坂美琴がそう決定をくだすと、相馬光子と吉川ちなつは、ほっとして肩の力を抜いた。 吉川ちなつの安堵は、単純に『休息場所が決まった』という安堵。 相馬光子の安堵は、『御手洗清志を籠絡するに当たって、有利になった』という安堵。 「その前に、このラジカセは黙らせておいた方がいいわよね」 相も変わらず荒野の真ん中で『ゆっりゆっらっらっらっらゆるゆり(ry』と歌い続けるラジカセを『じろり』と睨む。 バチン! 美琴が指先で軽く触れると、どこかの回線がショートしたような音がはじける。それきりラジカセは静かになった。 「手品、ですか?」 不思議そうに、ちなつが尋ねた。 「ああ、これ? 私は、『学園都市』の学生でね……要するに、こういう電気製品の扱いには強いのよ」 両腕は少年を背負っていてふさがっているので、ラジカセはその場に放り捨てて歩きだす。 ものすごくおおざっぱな説明に、ちなつは分かったような分からないような、という顔をしている。 詳しく説明しないのは、先に移動してしまいたい、という理由がひとつ。 もうひとつは、詳しく説明すると、御坂美琴が、『単独で軍隊と渡り合えるレベルの超能力者』だと明かすことになるから。 べつだん、隠すつもりなはない。しかし、今説明すると『じゃあ病院に行っても大丈夫なんじゃ……』という切り返しをされるかもしれず、 そうなると、遠まわしな言い方で『あなたたちがいなければ病院に向かうところだった』と教えなければならなくなる。 なるほど、本来の美琴にはそれだけの力がある。 しかし、怪我人をのぞいた3人の中で、戦力らしい戦力が御琴しかいないのは問題だった。 美琴の能力は基本的に、周囲を巻き込みやすい。 普段は電撃を集束させる為にゲーセンのコインを使っているのだが、それを身体から直接放電するとなると、背負っている怪我人をも巻き込みかねない。 かといって、それほど体力があるようには見えないちなつや光子に、彼女たちより体格の大きい男子を担がせて移動するのも、負担が少ないとはいえない。 2人の体力を消費させるだけでなく、有事の際に素早く避難させることが困難になる。 少なくとも現時点では、殺し合いに乗った人間の集まりそうな場所に向かうのは、賢明ではないと言えた。 それに、物資のありそうなデパートならば、いつものコインの代用になる金属を、調達することができるかもしれない。 (どうにかして私の『能力』で首輪を解除したいところだけど……まずは、眼の前のことから片付けて行くしかないわね) 誰かを守ることにためらいはないが、それでも美琴一人が守りきれる人間には限りがある。 まとわりつく焦燥を振り払うように、美琴はずり落ちかけた少年の体を背負いなおした。 ◆ 未明にさしかかったデパートは、本来の開店時刻でもないのに、煌々と全ての窓に照明をつけていた。 無数のガラス窓から漏れるLED照明が、デパート横に大きく設けられた駐車場にも届く。 一台の高級車がその駐車場に停まると、バタンバタンと乱暴な音を立てて、運転席と助手席、後部座席のドアを開けた。 降り立ったのは、園崎魅音、相沢雅、式波・アスカ・ラングレーの三人。 三人は目的地であるデパートをまぶしそうに見上げると、すぐさま『それ』に目をとめた。 白亜の壁面に貼りついた、大きな垂れ布に。 「何。この意味不明で集客力に欠ける宣伝文句は?」 アスカのコメントはきわめて辛らつなものだったが、この時ばかりはほかの二人も同意見だった。 『終末記念セール・中学校フェア、全国の学生服揃い踏み』 『歳末』の誤字かとも思ったが、おおきな垂れ布にはデカデカと『終末』と書かれていた。 殺し合いと『終末』をかけているのだとしたら、悪趣味というレベルじゃない。 そして、そのキャッチコピーの後半の趣旨は、デパートの洋服売り場で明らかになる。 全て、制服。 学ラン、ブレザー、セーラー服、イートンスーツ、ワンピース。 色とりどり、形も様々なフォーマルウエアが、フロア一帯を占拠していた。 どこでも見かけるオーソドックスな学ランから、派手な赤色のボレロまで。 よくよく見れば、見覚えのあるデザインもちらほら目にとまる。 雅が通っていた私立吉祥学苑のブレザーや、アスカが着ている第壱中学の制服もある。 あたかも、日本中の学校の制服が集められているようだった。 服吊りの一台ごとに、制服の学校名を記したネームプレートが架かる。 常盤台附属中学。城岩中学。青春学園。七森中学。氷帝学園。 他にも、不動峰中学。繚乱家政女学校。忌野中学。聖ルーチア学園。神戸市立第二中学。関所中学。邪馬台中学。山吹中学。鬼ヶ島学園。長点上機学園……とにかく、名前も知らない中学校がたくさん。 3階から6階にかけての衣類売り場は、丸ごと制服で埋め尽くされていた。 「うーん、メイド服のフェアだったらおじさん大喜びするとこなんだけど。いったい、どういう層を相手にしてるんだろうね」 「さぁ……」 興味深そうに歩きまわる魅音と、呆れたように返答する雅。 ともかく2人は、ランジェリーショップで下着類をカバンに詰め、制服を選びにかかった。 これだけのフロアを借り切って学生服『だけ』を売る意図は理解できないものの、とにかく替えの服に困らないのは有難かった。 どんな衣服であれ、魅音たちが着ている、浴衣に白装束の取り合わせよりはよほどマシに見えたこともある。 一方、アスカはというと、 「あたしは下の中央管理室にいるわ。監視カメラがあるから、誰かデパートに来たらすぐ分かるだろうし」 ランジェリーショップに入るより前、2人に提案した。 「それもそうだね。じゃあ、アスカにお願いしようかな」 「じゃ、あんたのトランシーバーもらってくわよ」 同意を待たずに、魅音のディパックから最後の支給品を持ち出していく。 何かあったらそれで連絡する、ということなのだろうか。 悪いね、と声をかける魅音に答えず、さっさとエスカレーターを降りていった。 なにアイツ、という顔をした雅を魅音がなだめる。 高慢とも取れる一方的さだったが、『信用できない』という態度を隠そうとしなかった当初と比べれば、だいぶ軟化した方だろう。 見張りを買って出てくれたことから、協力してくれる意思もあるはず。 それに、真っ先に監視カメラによる見張りを思いつくあたり、頼れる人物であることも間違いない。 こうして、魅音たちは2人でじっくりと制服選びをするに至った。 「どうせだから、普段は着ないようなのを選びたいかな。ウチの学校、ブレザーだったからそれ以外で」 「うーん。うちはド田舎の学校だから、制服ってだけで、けっこう新鮮かな。 服装の規定はなかったけど、前の学校の制服着て通ってる子はいたし」 普段は――スカートを改造こそすれ――おしゃれの手段としては考えない制服だけれど、ここまで豊富なデザインがずらりと並べば、やはり『選ぶ楽しみ』は味わえる。 最終的に雅が選んだのは、『七森中学』という学校の、スカートとセーラー服が一帯になった制服だった。 魅音の方は、東京の私立中学の区画で、長いこと立ち止まっている。 視線の先を見れば、青いセーラー服に白い襟、赤いタイを蝶ネクタイのように結んだ、なかなか可愛らしいデザインだった。 可愛い制服を眼の前に、渋い顔で葛藤する魅音。 雅は、すぐさま葛藤の正体を察した。なので、近くまで行って助け舟を出す。 「へえー、園崎はそれにするんだ? いいんじゃない、似合いそう」 「そ、そうかな。ちょっと可愛すぎるっていうか、おじさんのキャラじゃないっていうか……」 案の定、雅が予想した通りのことで悩んでいたらしい魅音。 「そんなことないって。この区画の制服の中じゃ地味な方だし。 だいたい、制服は皆が着るものなんだから、可愛すぎるも何もないわよ」 強気で保証すると、園崎は「そうかな……じゃあ、そうしようかな」と恥ずかしそうに乗り気になる。 女の子同士の会話なら、女友達ばかりとつるんでいる雅の方が慣れていた。 制服が決まったところで、下着入りのカバンを抱えて試着室にイン。 カーテンを閉めると、長時間の乗車でしわだらけの浴衣をするりと脱ぐ。 ディパックを開けて、替えの下着を手早く身につけた。 「そういえばさ、園崎」 「どーしたの、雅?」 雅は着替えながら、隣の試着室へと話を振る。 最初は『雅ちゃん』と呼んでいた魅音だったが、気づけば呼び捨てするようになっていた。 田舎育ちだということも関係しているのか、人懐っこさなら魅音の方が上だった。 「このデパートもそうなんだけど……『学生』っていうのには意味があるのかな?」 「ん……どういうこと?」 セーラー服にするりと袖を通す。 着なれていない新品の制服が、サラサラと肌に触れた。 「ほら、私も園崎もクラスの仲間が呼ばれてるし、式波だって、見たとこあたしたちと同じか少し下ぐらいでしょ? それに式波を襲った2人組だって中学生だったって言うし」 「あー、言われてみれば。51人の内、もう13人の名前が分かってるんだ。 ……うん、その全員が中学生っていうのは、こりゃ多すぎるね」 そこに来て、会場のデパートに展示された『学生服』のフェアだ。 『学生』という括りに何らかの意味があると、否が応にも連想される。 「仮に『中学生』を基準に参加者を集めたとして……どうしてなんだろう」 「う~ん。大人より学生の方が拉致しやすいから、とか?」 「でもわたしたち、どっちも『気が付いたらあそこにいました』って感じだったよ。あんな簡単に攫えるなら、相手が大人でも変わらないんじゃないかな」 『中学生』が重要らしいと考察できたものの、それ以上の発展は望めなかった。 例えば何かの儀式として殺し合いを開いたとして、その対象が『中学生』でなければならない理由など思いつくはずがない。 もやもやと悩みながら、2人は試着室を出て、 『すぐ降りてきて。侵入者よ』 アスカの切羽詰まった声が、魅音の持つトランシーバーから聞こえた。 ◆ 高層ビルの中央管理室は、通常は地上に通じる階か、その直下階、直上階にある。 このデパートも例にもれず、2階の『STAFF ONLY』な空間に、防犯装置を全て取り仕切っている区画があった。 監視率の隣には台所つきの仮眠室もあり、防犯会社の人間が止まり込みできる仕組みになっている。 こういう空間なら、作戦会議を行うにも、仮眠をとるにも、侵入者を見張るにも、同行者を見張るにも、全てに最適と言えた。 「ずいぶん楽しそうじゃない」 ずらしと並んだブラウン管を前にして、アスカは呆れたと言わんばかりに呟いた。 監視カメラが写す映像のひとつには、明るい顔で制服の比べっこをしている、アスカの同行者たち。 監視カメラからは、声までは聞き取れない。 でも、どういう話をしているのか、予想はつく。 こういう顔で、黄色い声でおしゃべりに興じる女の子は、あの東京の中学校にもいた。 アスカからすれば、何が楽しいのか分からない、低俗でありきたりな会話だった。 例えば、ファッションの話とか。 あるいは最近発売したCDの話とか。 もしかしたら、気になる男の子の話とか。 要するに、変わり映えしない話。 「くっだらない……」 自分の考えもなく、ただ『女の子はそうするものだから』という大衆思考に流されて、没個性な会話に興じる女の子。 自分の生活や人類が、『誰か』に守られているなんて考えもしない――せいぜい英雄扱いして騒ぐだけで、危機意識や意見を持たない――平和ボケした連中。 やっぱり、こいつらなんかよりあたしの方が、生き残るべき人間なんだ。 その考えを、アスカは確かなものとする。 制服をあれこれ見比べていた少女たちは、ようやっと試着室で着替えを始めた。 アスカもその間に、『手当て』を始める。 トランシーバーとともに持ち込んだ救急箱を開けた。使えそうな薬品と包帯、そして仮眠室のダンボールで作った添え木を取り出す。 もともと、救急箱を支給されたのは相沢雅で、着替えを探す前に手当てを申し出たのが園崎魅音だった。 自分でできるからとすっぱり断り、救急箱だけを借り受けた。 その言葉の通り、応急処置は迅速に完了する。 傷薬のいくつかは見たことのない薬品だったけれど、効果のほどは確かだった。 チューブ状の容器に入っていたジェルを塗るだけで、急速に左腕の痣が冷却される。 簡単な添え木をして包帯で固定すると、アスカは監視カメラに視線を戻した。 見張りを買って出たのは、決して仲間意識からの行動ではない。 デパートを訪れる誰かが現れたときにいち早く察知できるし、その後の行動で主導権を握ることができる。 侵入者が不審人物だった場合は、トランシーバーで魅音たちに指示をして迎撃に向かわせる。 監視カメラを見て敵の動きを伝えると言えば、アスカがリーダーシップを取ることは容易い。 仮に魅音たちの手には負えないような手練れだったとしても、魅音たちを盾にして、アスカが逃げる時間を稼ぐことぐらいはできるだろう。 そう、魅音と雅は、あくまでアスカの『駒』として利用させてもらう。 少々頼りない人材ではあるが、車内で簡単に情報交換したところ、魅音には合気道の心得があり、また銃器の扱いも教わっているとのことだった。 あの綾波レイよりは、幾分かマシな駒になるだろう。 「…………来た!」 主に1階の正面入り口を警戒していたアスカは、自動ドアを通過する複数の人影を即座に発見した。 3人――違う、4人。1人は背負われている。 欧打されたような傷だらけの少年を背負い、怯えた様子も見せずに先頭を歩くのは、勝ち気そうな茶髪の少女。 その少女のすぐ後ろから、不安そうにきょろきょろする少女が2人。 その内の1人、桃色の髪をした少女は、なれない手つきで釘バットを抱きしめている。 握っているというより、抱きしめているという格好が近い。 自衛のつもりらしいが、見るからに怯えているのにぶっそうな形の武器を持っているせいで、ホラー映画に似たそら恐ろしさがある。 乗っている人間、ではなさそうだ。 少なくとも、茶髪の少女はほぼ間違いなく乗っていない。 警戒心の強いアスカでも、それぐらいの想像はつく。 怪我人を背負った少女が1人と、その少女の背後に隠れるようにしている少女が2人。 どう見ても、“リーダーシップのある少女”と、“保護された怯える少女たち”と、“同じく保護された怪我人”という関係だった。 つまり、強者1人と、足手まとい3人。 殺し合いに乗った人間が、足手まといばかり3人も抱え込むはずはない。 アスカが綾波レイに持ちかけたような同盟関係でもなければ、園崎魅音らに対するような利用関係ではありえない構図。 少なくとも、他の参加者を見つけしだい殺していくというタイプではないだろう。 魅音らは、ちょうど着替えを終えたところだった。トランシーバーで呼ぶ。 『すぐ降りてきて。侵入者よ。怪我人を連れた四人組』 接触は、魅音たちに任せることにした。 万が一という可能性もあるし、相手方の警戒を解くには、お人好しの魅音の方がいい。 ◆ 殺し合いに乗っていない人間が、七人も集まった。 そのことに一同は安堵し、デパートの2階廊下は、ほっとした空気につつまれつつあった。 「いやー、あなたたちが乗ってない人で良かったわ。いくら私でも、怪我人かかえて複数の人に襲われたら、ちょっとやりにくいしね」 「おじさんたちも安心したよ。一気に仲間が増えるとはね。これはかなりさい先いいんじゃないかな」 「そうね。乗ってる人は少数派なんじゃないかって気がしてきた……うん、そっちはそうして怪我人がいるんだし、こっちもこっちで、一人襲われたんだけど」 廊下で穏当に鉢合わせし、簡単に名乗り合う。遅れてやってきたアスカがそれに合流。 そして一通りの名乗りを終えると、既に会話は雑談に移行しつつある。 何せ、4人もの集団で行動している上に、1人は怪我人だ。 これで『乗っていない』と言えば、よほどの人間でない限りは信じるだろう。 しかも、吉川ちなつ、相馬光子と名乗った両名のスカートは、黄色っぽい染みでじっとり濡れそぼっている。 どうしてそうなったのかは分からないが、殺し合いの恐怖からそうなったことは簡単に想像できる。 そんな少女たちを見て、魅音と雅は、いたたまれないなと思った。 そんな少女たちを見て、アスカは、汚いものを見たと不快な気分になった。 その次にアスカが思ったのは、『大人数だと、やりにくくなるな』ということ。 『集団にまぎれこむ』という方法は、当面を生き延びる上では有効だ。 しかし、あまり肥大化した集団は、動きが鈍重になる。特に足手まといが多いようでは、なおさらアスカが駒を動かす上で、邪魔になる。 アスカとしては、自分がリーダーシップを取って、他の参加者を駒や盾として使う関係がベスト。 他の人間は信用しない。自分の力で勝ち上がる。 足手まといを抱えれば、どうしても『足手まといに合わせて動く』格好になってしまう。 何よりアスカは、強者に媚びをうって、庇護されて生きるタイプの人間が、大嫌いだった。 そういう連中は、あの“えこひいき”や“七光り、そして小うるさい学校のクラスメイトたちを思い出させる。 削れるものなら、削りたい。 でも、今この場で同行を断っても、取り合われるはずはないだろう。正当な理由がない。 だから、最低限のクレームだけはつけておく。 「念の為聞いておくけど、ここでゆっくり手当する余裕はあるの? まさか、あんたたちを襲った奴が、この近くにいるなんてことはないわよね」 失禁した2人の少女と怪我人。そして、怪我人さえいなければ、アスカたちを撃退する自信があるらしい御坂美琴。 他の3人が襲われているところを、御坂美琴が助けた。アスカはそんな状況を想像していた。 しかし、美琴の答えは違った。 「その心配はないわ。この人を見つけた時、襲った奴はもういなくなってたから。 広い砂地の真ん中で倒れてたから、間違いないわよ」 少年が1人で気絶していたところを拾った。 美琴の話は、つまりそういうことらしい。 そういうこと、か。 削るべき理由が――あった。 アスカは、管理室から持ちだしてきた救急箱を見下ろす。 これを、美琴たちに使わせるわけにはいかなくなった。 「あんたたち……バカァ?」 今までで一番の軽蔑と呆れをこめて、アスカは4人組に言った。 「どうしてそんな奴を助けようと思ったのよ。そいつ、殺し合いに乗った奴に決まってるじゃない」 温かかった場の空気が、さっと冷たくなった。 美琴は、見ないようにしていたものを見せられた苦い表情。 ちなつと光子の2人は、何かの間違いで毒蛇に触ってしまったような表情をつくる。 反論したのは、雅だった。 「どういうことよ。この人は殺し合いに乗った奴に襲われて、それで怪我して倒れてたんでしょ?」 「じゃあ聞くけど、乗った奴に襲われたのに、どうしてそいつは生きてるの? 見たとこ、そいつ死ぬような傷じゃないわよね。気絶するほどボコボコにされたのに、殺されずに済んでる。 殺そうとした人間のすることじゃないわ。つまり、襲われた側じゃなくて、襲って撃退された側ってことでしょ」 「ちょっと……それだけで決め付けることないんじゃないの。殺されかけたけど、どうにか逃げ切って、そこで倒れたのかもしれないじゃない」 反論したのは美琴だった。しかし、代らず表情は苦い。 やはり、この少女は他の2人とは違う。 早計に決めつけてはならないとする冷静さがあるし、すぐにアスカの指摘を正しいと認める頭もある。 「ふーん。血だらけで気絶するほどだったのに、走って敵を振り切る余裕はあったってわけ。身を隠す場所もない砂場で。 殺し合いに乗ってないヤツを襲って返り討ちにされたと考えた方が、よっぽど自然じゃない」 少年は火種だ。この場で殺すことは無理でも、いずれ排除しなければ。 アスカに、『殺し合いに乗っている少年と手を組む』という選択肢はなかった。 その場合、少年が殺し合いに乗ったことを暴露する必要はない。 魅音たちに仲間の振りをする一方で、少年が目覚めたら『乗っている』という秘密を共有し、利用することになる。 殺し合いに乗っているのはアスカも同じなのだから、互いに弱みを握りあうことになる。 それでは、アスカがコウモリになってしまう。 他の参加者は、盾や隠れ蓑として利用するもの。 その『駒』相手に、人によって態度を変えたり、対等の同盟を結ぶという発想がなかった。 アスカのプライドとエリート意識が、それを許さなかった。 そういう自分の切り売りこそ、アスカが嫌悪する行為なのだから。 「治療なんてすることないわよ。回復したらいつ寝首をかかれるか、知れたもんじゃないわ。 殺すのは無理だとしても、拘束しておきましょう」 誰もアスカに反論できなくなったのを見て、アスカはトドメをさすように突きつけた。 「ダメだわ、そんなの」 反論したのは、御坂美琴ではなかった。 その後ろにいた少女――相馬光子。 「こんなに傷だらけになってる人を拘束するなんて、ダメよ」 名前を名乗った時のしおらしい自己紹介が嘘のように、はっきりとした声を出す。 「何よそれ。こいつが起きた時に、あたしたちを襲わない保障はあるの? こいつは間違いなく、一度は人を殺そうとしたのよ」 「そんなの、証拠がないじゃない! それに、たとえ殺し合いに乗った人だとしても……どうしようもない理由があって、仕方なくそうしたのかもしれないわ。 きっと説得の余地だってあるわよ」 美琴とちなつも、意外そうに光子を見ている。 相馬光子は、誰がどう見ても、心の底から真剣に少年を庇おうとしていた。 「ずいぶん幼稚な考えね。日本人は平和ボケして頭がお花畑だっていうのは、本当だったのかしら」 「できるわよ。一度殺すのに失敗したなら、この人だって皆殺しは難しいって分かるはずでしょう?」 「あのねぇ……一度殺人を決意した奴が、そんな簡単に意見を変えるはずないでしょ。犯罪心理学を知らないの」 光子はとうとう、少年と美琴を庇うように前に進み出て叫んだ。 「私だって! ……一度は、殺し合いに乗りかけたもの。あんまり怖かったから。 でも、御坂さんに叱られて、ちゃんと目を覚ますことができたわ! だから、私が説得する。私、この人の気持ちが分かると思う」 殺し合いに乗りかけた、という言葉に魅音と雅が目を見開く。 まさか、という顔。しかし、決して不快なものを見る眼ではない。 アスカは眉をひそめる。こちらは、不快なものを見る眼。 「どういうことよ。つまりあんたも信用でき――」 「そこまでよ」 パン! と乾いた音。 美琴が、少年を背負ったまま手を打ち鳴らした。 話がこじれる前に、口論のジャッジを告げる。 「もし目覚めたこの人が暴れたら、私が止めるわ。それじゃダメ?」 「何の根拠があって止められるって言い切れるのよ」 「私、『学園都市』の“電撃使い(エレクトロマスター)”だから。スタンガンの代わりぐらいはできるわよ」 「エレクトロマスター? 何なのよ、それは。電気の技師か何か?」 「あの、御坂さんが強いのは本当です! その力で私を助けてくれましたから」 吉川ちなつも援護射撃を始めた。 こうなっては、大勢は決している。 雅と魅音も、慌てて仲裁に入った。 「式波も、そんな神経質にならなくていいんじゃない? いくら男子だからって、六対一なら襲いかかったりしないわよ」 「ごめんね、相馬さん。この子、さっき殺し合いに乗った人に襲われた分、警戒してるだけだからさ。分かってあげて」 こうなってしまっては、もう火種を潰すことはできない。 ……リーダーシップを取ることが、できなくなった。 アスカは内心で、ギリギリと歯噛みする。 そんな内心を知らず、美琴がまとめに入った。 「目覚めた時に問いただすのは必要だろうけど、まずは、落ちついてからにしない? ほら、相馬さんたちもまずは洋服売り場に用があるだろうし……」 「あの……御坂さん、この人も上に運んでもらえませんか? 私が説得するって言ったし、この人が目覚めた時、そばにいたいから」 「いいわよ。じゃあ、今後の相談は、着替えと手当が終わってからにしましょう」 場の主導権は、完全に美琴に移っている。 そうなるように仕向けたのは、相馬光子だ。 (何なのよ、こいつら……) 気に入らなかった。 御坂美琴と、相馬光子。 相馬光子のお花畑理論も反吐が出そうだったけれど、より切実な脅威は御坂美琴にあった。 リーダーシップがあるだけでなく、戦闘力も高いらしい。 だから、短時間の間に、頼りになる格好ができつつある。 このままでは、集団を駒として動かすことが、難しくなる。 無能な駒も苛立たしいが、有能な敵はそれ以上に厄介だ。 確実なやり方で、陥れるか、排除するかしなければ。 綾波レイと越前リョーマにしたように誤報を撒くというのも手だが、それでは時間がかかり過ぎる。 天使メールは、定時の放送前に一回しか送れない。 第一放送が終わってから天使メールを送ったとして、御坂という少女の悪評が触れまわるのは第二放送以降。 それでは遅い。 (どうにかして、あの女を排除する機をうかがった方がいいわね……できれば、園崎たちにばれないような方法で) アスカは自覚していない。 直接邪魔された相馬光子よりも、間に入った御坂美琴に感じる憎悪。その本質に。 それは、『アスカの方が生き残るべき人間なんだ』という自己正当化を、揺るがしうる存在だからだということ。 ◆ (演技やポーズなら、あそこまで必死に庇ったりできないわよね) 美琴は相馬光子への信頼度を、格段に上げていた。 初対面の人間に、殺し合いに乗っていたことを自ら明かした。 そうまでして、殺し合いに乗ったかもしれない少年を庇おうとしたのだ。 他者を蹴落とそうとする考えを持つ人間に、できることではない。 だからこそ、美琴は考えていた。 今の仲間は信用できる。 正直、アスカという少女の言動には苛立ったけれど、園崎魅音らがいさめてくれると期待したい。 山積みになった問題が、ひとつ、解決した。 だから、ここで一つ、脱出に向けて次のステップに進みたい。 首輪解除の為に、あることを試してみたい。 信頼と拠点を得た美琴は、そのことを考える。 それは、己の『電撃使い(エレクトロマスター)』としての能力を、首輪解除に役立てること。 電撃を支配できる御坂美琴は、あらゆる電子計算機に強い。 世界最先端の技術力を持つ、学園都市のセキュリティさえも突破できる。 いきなり首輪の解除を試みるのはリスキーだとしても、首輪の機能を動かしている『セキュリティ』へのハッキングは試したかった。 いや、首輪に限らずとも、この殺し合いを企画した連中が、自らのデータをどこかに保存している可能性はある。 そして仮に保存場所があるとすれば、堅固なトラップや錠で守られているだろう。 そこに侵入できる能力を持った人間は、限られている。 ただ、メインコンピュータに侵入するといっても、道具も何もなしにできるわけではなかった。 どこかのコンピュータからデータを盗み見るには、盗んだデータをアウトプットする端末が必要になる。 つまり、情報端末。できればパソコンが欲しかった。 支給品の携帯はネットワークに繋がっていないし、何より閲覧できる容量に限りがある。 学校。 確実にパソコンがあるだろう施設。 そこが、次に立ち寄りたいと思っている場所だった。 (ぞろぞろと大勢で学校に行っても却って危ないし、今の相馬さんなら、吉川さんと別行動させても大丈夫そうね) ちゃんと情報交換をしたら、チーム分けを提案してもいいかもしれない。 美琴は、デパートに向かう前より、いく分か前向きな気持ちを手に入れていた。 ◆ 相馬光子は、苛立っていた。 藪をつついて蛇を出すような真似をした、アスカという少女に苛立っていた。 相馬光子には、プライドはなかった。 いや、ひとつだけプライドはある。 それは、『奪う側に回ってみせる』というプライド。 そのプライドを守る為なら、彼女は手段を選ばない。 だから、怪我をした少年には『恩』を売っておく。 彼が目覚めた時に、『拘束されようとしていたあなたを助けたのは私だ』と言えるように。 救急箱が持ちだされたことで、光子は少年の治療阻止を断念した。 少年が回復する見込みができた。つまり、光子は別の要素で、少年より優位に立たなければならない。 その為に『借り』という形で、少年の情に訴えておきたかった。 それに、少年が拘束されると困るのは、何より光子だった。 あの場にいた7人の中で、男性は気絶した少年しかいない。 だから、少年を籠絡させて、集団を切り崩す時に役立てたい。 相馬光子にとっても大人数の集団は厄介だった。 光子の特技である情に訴えるという手段は、集団が大きくなり、人間関係が複雑になると、どうしても効果が薄れてしまう。 隠れ蓑にする上では便利だけれど、下手にぬるま湯が続いてしまうと、優勝に向けて動き出すタイミングを御失う。 それに、もしこの集団が終盤まで生き残ったとしたら、この集団の中で殺し合いに発展するかもしれない。 そんな乱戦になれば、光子の生存率はぐっと下がる。 どうにかして、この集団を切り崩す方法を考えないと。 相馬光子の知謀は、その問題に対して真剣に取り組んでいた。 【F-5/デパート 2F中央管理室/一日目・早朝】 【式波・アスカ・ラングレー@エヴァンゲリオン新劇場版】 [状態] 左腕に亀裂骨折(処置済み) [装備] 青酸カリ付き特殊警棒@バトルロワイアル、『天使メール』に関するメモ@GTO 、トランシーバー(片方)@現実 [道具] 基本支給品一式 、フレンダのツールナイフとテープ式導火線@とある科学の超電磁砲 基本行動方針 エヴァンゲリオンパイロットとして、どんな手を使っても生還する。他の連中は知らない 1:相馬光子らの着替えが終わったら、情報交換。(越前、綾波の誤報を撒く) 2:御坂美琴のグループは、どうにかして排除したい。 3:魅音、雅を盾に立ち回る。 4:他の参加者は信用しない。1人でもやっていける。 [備考] 参戦時期は、第7使徒との交戦以降、海洋研究施設に社会見学に行くより以前。 【相沢雅@GTO】 [状態] 健康 [装備] 七森中学の制服@現地調達、 [道具] 基本支給品一式、不明支給品×0~2、剃刀@現地調達、濡れた制服、浴衣@現地調達 基本行動方針 みんなを助けたい 1:相馬光子らの着替えが終わったら、情報交換。 2:デパートで物資を調達する。 3:クラスメイトと合流。今までのことを許してもらう。 [備考] ※23巻、登校直後からの参戦です。 【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】 [状態] 健康 [装備] 青春学園の女子用制服@現地調達、トランシーバー(片方)@現実 [道具] 狂言誘拐セット@GTO 、濡れた私服 基本行動方針 みんなで殺し合いから脱出 1:相馬光子らの着替えが終わったら、情報交換。 2:デパートで物資を調達する 3:部活動メンバー、詩音と合流。 [備考] ※『罪滅ぼし編』、少なくともゴミ山での告白以降からの参戦です。(具体的な参戦時期と竜宮レナに対する認識は、次以降の書き手さんに任せます) ※内山田教頭のクレスタGTOがデパートの駐車場に駐車しています。 【F-5/デパート 4F 洋服売り場/一日目・早朝】 【御手洗清志@幽遊白書】 [状態]:左手首から出血(血液300ml消費)、全身打撲、気絶 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(ペットボトル全て消費)、不明支給品(0~2)、鉄矢20本@とある科学の超電磁砲 基本行動方針:人間を皆殺し。『神の力』はあまり信用していないが、手に入ればその力で人を滅ぼす。 1:やはり水が欲しい。ペットボトルだけじゃ足りないことを痛感。 2:エリア西部を中心に参加者を狩る。第二放送の時間に、ロベルトと中学校で待ち合わせ。 3:皆殺し。ただしロベルト・ハイドンと佐野清一郎は後回しにする。 [備考] ※参戦時期は、桑原に会いに行く直前です。 ※ロベルトから植木、佐野のことを簡単に聞きました。 【御坂美琴@とある科学の超電磁砲】 [状態]:健康 [装備]:風紀委員の救急箱@とある科学の超電磁砲 [道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3、ナイフ、スタンガン 基本行動方針:仲間と一緒に生きて帰る。人殺しはさせない 1:御手洗らの手当てが終わったら、情報交換と今後の相談 2:学校行きを提案したい 3:佐天さんと初春さんを探す。黒子はしばらくは大丈夫でしょ 【吉川ちなつ@ゆるゆり】 [状態]:健康、スカートと下着が濡れている [装備]:釘バット@GTO [道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2 基本行動方針:皆と一緒に帰る。 1:着替える。 それが終わったら、皆で話し合い。 2:相馬さんはもう信用していいんだよね… 【相馬光子@バトル・ロワイアル】 [状態]:健康、スカートと下着が濡れている [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~1(武器じゃない) 基本行動方針:どんな手を使っても生き残る。 1:着替えた後に今後の相談。 2:集団を崩壊させたい。その為にも御手洗を籠絡して手駒にしたい。 3:美琴を殺す隙が見つかるまでは仲間のフリを続ける。 【特定小電力トランシーバー@現実】 園崎魅音に支給。 二機一組み。 受信距離は最大で500メートル。(周囲の環境によって変化) 【釘バット@GTO】 吉川ちなつに支給。 3年4組生徒の村井国男が、母親の再婚(勘違い)を阻止する為に、夜なべして制作した釘バット。 【風紀委員(ジャッジメント)の救急箱@とある科学の超電磁砲】 相沢雅に支給。 風紀委員の任務中にしばしば名誉の負傷を負う白井黒子がお世話になっている救急箱。 中には『冥土返し(ヘブンキャンセラー)』の異名を持つ医療研究者が開発した医療キットも入っており、市販の救急セットより治癒力がはるかに高い。 【七森中学の制服@ゆるゆり】 相沢雅がデパートで現地調達。 デパートで販売されていた制服の一つ。七森中学は女子高なので、制服は女子用のみ。 えんじ色のワンピースと、セーラー服が一体になったようなデザイン。 【青春学園の制服(女子)@テニスの王子様】 園崎魅音がデパートで現地調達。 青いセーラー服とスカートに、リボンの形をしたタイ。 女子がほとんどいない作品にも関わらず、女子用の制服は無駄に可愛い。 ちなみに、アニメと原作で色や細かいデザインが違う。(アニメはうす緑。原作は青) Back World Embryo 投下順 Next Smile Back バトロワの王子様 時系列順 Next Smile \アッカヤ~ン/\みずのなかにいる/ 御手洗清志 不自由なEmotion \アッカヤ~ン/\みずのなかにいる/ 御坂美琴 不自由なEmotion \アッカヤ~ン/\みずのなかにいる/ 吉川ちなつ 不自由なEmotion \アッカヤ~ン/\みずのなかにいる/ 相馬光子 不自由なEmotion アンダースタンド 式波・アスカ・ラングレー 不自由なEmotion アンダースタンド 園崎魅音 不自由なEmotion アンダースタンド 相沢雅 不自由なEmotion
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《猫の恩返し(F1-014)》 アクションカード レベル1/青/G4000 【妖怪】/【化け猫】 リンクフレーム なし 《自》このカードがアクションゾーンに置かれた時、 相手のレベル4以下のプログレスを1枚選び、手札に戻す。 その姿はあの雨の日に助けた猫そのものだった……大きさ以外は。 illust カジミヤ プレリュードブックで登場のレベル1の青色のアクションカード。 収録 プレリュードブック F1-014 F
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くまちょむ(服部氏)がミスケン氏の動画を研究していた際に発見した積み方を、Kuroro氏が命名した連鎖。 連鎖をショートカットしてつなげることも出来るので、速攻などで潰されにくい。 下の図の場合だと、緑→赤→青ではなく、緑→青としてもつなげることができる。(1連鎖減ってしまう) 後折りが一般的で、ちぎらないために作られた形。 以上のことから無理して(ちぎって)まで組む必要はない。 関連項目 潰し ちぎり