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【大好きな絵】 【作品名】メトロポリタン美術館 【名前】大好きな絵 ttp //goronka.tirirenge.com/works/w_MetropolitanBijutsukan.html 【備考】主人公の女の子を閉じ込めてしまった 【名前】大好きな絵 【大きさ】人間よりだいぶ大きい絵 【攻撃力】近くを通った女子を閉じ込めて絵の一部にしてしまった。 相手を閉じ込めるのは一瞬のうちに完了。絵の一部にするまで数秒。 【防御力】大きさ相応の絵程度か 【素早さ】移動不能。 【長所】 閉じ込める能力 【短所】 相当近くに来ないと閉じ込めるのは無理そう 8スレ目 570 名前:格無しさん[age] 投稿日:2007/10/19(金) 00 51 27 大好きな絵 近接1m未満の封印能力として扱う。 ○>挑戦者>ゼブラヘッド>川島清志郎>バリグザー:閉じ込め勝ち ×>狩山狂輔>北山>老:射程外から攻撃負け 老>大好きな絵>挑戦者
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最近のこと 特に何もないや。 お酒少しづつ飲んでるとか。 たまたま入った美容院が良くなかったとか。 何やってもダメとか。 そんなのいつも通り。 もう何も期待しない。 プライベート
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/783-801 暗闇はやっぱり苦手…いつも、わたしの忘れた記憶を呼び起こさせる……… 『さようなら』とメールした後、それでもわたしは更に、闇を求めて目を閉じた。 「お母さん、わたしね………」 『あやせ、あなたは良い子でしょう、何で言う事が聞けないの? わたしはあなたをそんな子に育てた覚えはありません』 「………でも、わたし」 お母さんの悲しそうな顔、いけない 「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさい」 お母さんを悲しませたらいけない、いけない 『あやせは本当に良い子ね、お母さんとても嬉しいわ』 おもちゃもいらない、お菓子もいらない、おねだりなんてしないもん 「バイエル、弾ける様になったの」 「先生がね、新垣さんは頑張り屋さんだって褒めてくれたの」 「お父さんがプレゼントしてくれたご本、もう全部読んだよ」 だから 今度、お父さんとお母さん……わたしを動物園に連れて行って…… 「お父さん、お仕事頑張ってください。ちゃんと、わたし、お留守番出来るから」 わがまま言わない……… 絶対、わたし……泣かない…… 『新垣さん、一緒に帰らない?』 「え?」 髪を染めてる女の子、不良だ!仲良くしちゃいけない 『あやせちゃんに一目置いてんだよね、あたしって。あん(た)あやせちゃんに 勝手に親近感抱いてるって言うかさ、ぶっちゃけ迷惑だった?』 …………… 『ほら、あやせ、こうすると美人度上がるっしょ?あやせは黒髪が綺麗だし、スタイル も良いから、絶対に似合うと思ったんだよね、ほんとバッチリ。それにさ、メイクだけじゃなくて、 服もピッタリじゃん。まぁその服あたしのだけどね、にゃはは』 「桐乃さん、有り難う」 『ちょっとぉ、どんだけ他人行儀、あんた?うちら、もう親友でしょ!』 「う、うん……あ、ありがとう、桐乃」 『って何で(驚)?せっかくメイクしたのにさ………。あ~じゃぁさ、ほら、ほら、 やり方教えてあげるから自分でやってみぃ、ね?』 本当に、本当に、ありがとう桐乃 「お母さん、わたし、モデルのお仕事したいの!」 お母さんの悲しそうな顔…… それでも……わたしは 「学業と両立させます。ちゃんと責任感を持って一生懸命に頑張るから。 だからお父さん、お母さん認めてください!」 『やったじゃん!あやせ。まぁこれからはライバルだから、敵同士…だかんね! な~んてね………冗談、冗談、心配いらないって、全部、あたしに任せとけって!』 ライバル……なんて、敵同士なんて絶対にならない、なる筈ないよ、桐乃 でも 『俺は高坂京介------そっちは?』 『あやせ、結婚してくれ』 『------冗談だと分かっててもさ、ほんとごめんな』 「-----いってらっしゃい、お兄さん」 さようなら、お兄さん 『あやせ、、、、これが本当のあたしなの』 「お兄さん、わたし、桐乃よりも可愛くないですか? 桐乃よりもわたし魅力ない、、、ですか? わたしなんかじゃ桐乃よりも…すき…になれないですか?」 『俺が見た中で、あやせのウエディングドレスが一番似合ってたし、一番綺麗だ』 『あんた、、、あたしの気持ち知ってる癖に、、何でこんな酷い事すんの? うちら、ずっと一番の友達だったのに!!絶交した時、京介が仲直りさせてくれた時、 約束したでしょ、それなのに、、、裏切ってさ、あたしの気持ち裏切って!!!』 『あやせちゃん、しっかり、きょうちゃんを捕まえててあげなさい。 わたしね、あやせちゃんなら、きょうちゃんと一緒に幸せになれると思ってるんだ。 きっとね、わたしって、きょうちゃんが黒猫さんとお付き合いした時に、あの時に 応援してしまったから、多分………あの時点で、もう』 『自分の心に言い訳しすぎて、その言い訳に結局、自分自身が説得されちゃった。 誰かを好きって気持ちにも賞味期限があるんだ、きっと。 だから、わたしはずっと勇気がなかった、情けないよね、め! だよ。 だから、あやせちゃんは、こんなお姉ちゃんになっちゃ、ダメだよぉ? だから、あやせちゃんは今の自分の気持ちを、ちゃんと大切にしてあげなさい』 『よし、じゃぁ付き合うか。何か照れくさいな……ってこれじゃダメだ! 俺の馬鹿!、馬鹿!、馬鹿!大切な事を忘れるなんて本当に、情けねぇ。 え?あ~こっちの事だよ、気にするなって。 別に、おまえにSMプレイを強要してるわけじゃねぇって、おい! 彼氏に向かって初めて言う台詞がそれかよ! あ?……い…き』 『なり、、お、おまえ…滅茶苦茶、大胆だな……全然嫌じゃねぇけど。 えっと………………何だっけ?あ、そうだ! 俺ら、付き合うって決めた以上は、俺はずっとおまえの彼氏でいるつもりだからな! でも俺は、自分で言うのもなんだが、ヘタレのシスコンで、致命的に鈍いときてる。 だ、だから自虐プレイじゃないんだって(汗) こんな俺だけどよ、あやせの為にもっと、ちゃんとした立派な彼氏になるから! あやせを必ず幸せにするから、だからさ……何だ…とにかく、これからよろしくな』 『あやせ好き、あやせ愛してる、俺はあやせのものだ』 『ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ』 『あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。 いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ』 *** *** *** 「はぁはぁ」 俺は息をきらせて、走っていた。 ついさっき、俺が感傷的に、色々な事を追憶していた時に、加奈子から電話があったの だが……… 『京介、ひっさしぶり!じゃーん』 「よぉ、本当に久しぶりだな、元気してたか?」 『京介、誰か男紹介してくれよぉー。加奈子にはいつも超お世話になってんだろお? だから、少なくとも、おまえよりもイケメン限定で!』 「おいおい、いきなり何を言い出してるんだ、おまえ…訳分からん奴だな」 『ばっくれんなよ。ネタはちゃんと上がってるんだっつーの。 しかも、加奈子をダシに使いやがって、おまえらどんだけお盛んなんだョ(笑)』 加奈子は、俺とあやせが付き合った事を最初から知っている。 そして、一番最初に祝福してくれたのも加奈子だった。 こいつは案外(と言うと悪いが)良い奴で、今回の件で分かる通り、あやせとも仲が良いし、 桐乃ともちゃんと今まで通りに付き合ってるらしい。 加奈子が俺の存在をどういう形で捉えてるのかは分からないが…あやせがどれほど 加奈子のお陰で救われたのかは容易に想像出来る。 「へ?」 『おいおい、もうとぼけんなって。しっかし、あやせがねー意外過ぎるつーか、 イヤ、意外なのは京介の方か。イヤ、セクハラマネージャーだからむしろ当然だナ』 どうやら、加奈子の話を聞く限りでは、あやせは親に、今夜は加奈子の家に泊まると 言って嘘をつき、その口裏を加奈子に合わせて欲しいと頼んだ(命令した)らしい。 考えてみれば、あやせはまだ高校生なのだ。門限ってものがある。愚かにも、俺は 桐乃と喧嘩して、妹を家に残し、自分が頭を冷やしに外に出てきた感覚で考えていた。 「……………………まぁーな」 『ったく、頼んだ本人の携帯には繋がらないしよぉー。とにかくちゃんと誤魔化した かんな。京介が伝えとけよ。いちゃつきやがって、幸せを加奈子にもお裾分けしろっ』 「本当にいつも有り難うな。おまえにゃ、マジで感謝してっからよ」 どう考えても、そんな素敵な夜になるとは思えないのだが……加奈子に余計な心配を かけたくはないから、こう言うしかなかった。 何であやせの奴は、俺に『さようなら』とメールした癖に、門限の時間になっても、 帰宅しなかったんだ? あやせの携帯にかけたが、当然繋がらない。 『このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、 本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん』 さっき、部屋であやせが言っていた言葉を思い出す。 俺が勝手に信じていただけで、あやせは本当に、俺に見捨てられたと思っていたのか? とにかく俺は急いで部屋に戻ると、ドアを開けたのだが………… 多少は、期待していた俺の希望は見事に裏切られ、部屋の照明は消えたままで、 辺りはしんと静まりかえっていた。 当然、あやせも、あやせの靴や大きなバックや歯ブラシなんかも……ここにあやせが 実存した事を本質的に証明するものは、何ひとつ残っていなかった。 俺がプレゼントしたチョーカーを除いては……。 あいつは本当に………親にも、加奈子にも嘘をついて何処かに行ってしまった。 俺は無意識に、そのチョーカーをポケットに突っ込むと、部屋を飛び出した。 あやせが行きそうな所を考えながら走り出したのだが全くと言って良いほど 検討がつかなかった。 あやせの知り合いに確認しようにも、そんな人物は誰一人、思い浮かばない。 俺はあやせの事が、性格云々じゃなくて………本当に何も分かってなかった。 分からないなんてレベルじゃない、あいつの事を何も知らなかったんだ。 加奈子に何度も連絡しようかどうか迷ったが、多分それは余計な心配をかけるだけで 何の解決にもならないと直感して辞めた。 あやせが言った通り、刹那的にでも抱いてやれば良かったんだ。 あいつに、ちゃんと捕まえててやるなんて偉そうな事を言って、結局心どころか あいつの身体さえ……掴み損ねて、あやせは消えた。 さっき誘惑してきた時のあやせが思い浮かぶ。 あの目も眩みそうな美貌で、理性さえ麻痺させる媚態に満ちたあやせの顔と あいつと喧嘩した時、他の男の話をして俺を嫉妬で狂わせようとした時の声が 頭の中で共鳴して、どんどん悪い事を、嫌な事を、最悪の事を考えそうになる。 俺はなるべく別の事を考えようとして、結局さっきの追憶の続きをはじめた。 麻奈実が学校を休んだ時、桐乃が突然留学してしまった時、黒猫が俺に 別れを告げて転校してしまった時……… 麻奈実の時は、桐乃に相談したんだった。 桐乃が留学した時は、黒猫が色々気を遣ってくれた。 黒猫が失踪した時は、麻奈実に相談しようとして結局、桐乃に助けられた。 俺はあいつらの為にいつも頑張ってきたつもりだったけど、実はあいつらに いつも助けられていたんだ。 俺は、誰にかけるのかも分からず、ポケットの中の携帯を掴もうとした………… 多分掴んでいれば、また泣き言を言った筈だ、いつもの様に………間違いなく。 でも携帯の代わりに俺が掴んだのは偶然にも、チョーカーだった。 無意識に、あやせが持って行ってしまった手錠の代わりに、右の手首にチョーカーを巻く。 俺は頭の中で何度も反芻する 麻奈実が居なくなった時、麻奈実を信じて自分で行動してたら? 桐乃が留学した時に、桐乃を信じて自分で行動してたら? 黒猫が失踪した時に、黒猫を信じて自分で行動してたら? チョーカーを眺めながら、あやせが握っていてくれた右手を思いっきり握りしめると 微かに温もりを感じる。 あいつは言った 『わたしは………自分から……居なくなったり……しない』 と……。 あやせが消えた今こそ、あいつを信じるんだ。もうあの時とは違う。 あやせの為に、追憶した過去の為にも……今度こそ、絶対に失うわけにはいかない。 それは奇跡や宿命なんて大げさなものではない………とても静かで、優しくて、 暖かい予感みたいなもの、俺があやせを好きになった理由そのものなのだ。 もう二度と戻らない(戻れない)"もしも"が、俺の中で本当に過去のものになった事を その瞬間に実感した。 その事実は俺をとても切なく、悲しい気持ちにさせたが、立ち止まってるつもりは もう無かった。 だから…………俺は静かに歩き出した。 *** *** *** どれくらい時間が経ったのだろう……わたしは目を閉じたまま眠っていた。 『おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ』 『さようなら』と自分でメールした癖に、京介さんの言葉が頭の中を何度も過ぎる そして、その思い出が強烈に、わたしの後ろ髪を引く。 悲しいと吠える癖に、構って貰うと尻尾を振ってしまう、まるで寂しがり屋の犬みたいに。 それが漠然と思い浮かんだ、自分のイメージ。京介さんに手錠をされてエッチな事を された時、チョーカーをプレゼントされた時から、、、あの時も全然嫌じゃなかった。 そして、わたしは………。 わたしがもっと素直で良い子なら、お兄さんは頭を撫でてくれたのかな? 「………ワ…………ン…」とかすれた小さな声を出して苦笑した。 "猫"なら、彼女はきまぐれだったのかな?と何の意味も無く、、ふと考える。 それにやっぱり猫の方が可愛い気がして、ちょっぴり嫉妬………したけど……… 今日一日……彼女と電話で話していた時の京介さんの顔が一番楽しそうだった。 そして、それはわたしが好きな京介さんの顔だった。 わたしは 幼い頃に、飼っていた青い小鳥の事を思い出す。 あの時、桐乃の手を強く掴んだ事を思い出す。 あの時、京介さんの腕を指が食い込むほど握りしめた事を思い出す。 好きという感情が抑えられない、失う事を恐れて自分から壊してしまいそうになる…… 小鳥を籠から出して逃がした様に、 桐乃の趣味を認めて自分の友情を押しつけるのを辞めたように、 だから、今度は、京介さんを自由にしてあげよう………… もう、こんなわたしの事なんて、どんなに嫌らわれて、拒否されて、振られても、 きっとわたしは京介さんに対して、感謝以外の感情は、何も残らないのだから。 だから、なるべく笑って、さよならしよう…わたしの大切な人をこれ以上傷つけない為に。 京介さんとの思い出があれば、沢山泣いても、きっといつかは笑顔になれるから……… でも……突然、眩しい光に照らされる。唖然としていた、わたしを大きな手が引き寄せる。 まるで、光そのものが強い意思を持っていると錯覚をするほど、優しくて、確かな温もりが わたしの身体を、優しく包み込んだ。 「……………やっと捕まえた」とクローゼットのドアの先から声が聞こえた。 『どうして………?』と言おうとしたが、強引に……今までに無いほど…強引に…… 抱き寄せられて、口を塞がれた。 ついさっき決心した事を言おうとしたけど、彼の本気の力で押さえつけられた わたしは何も出来なかった。 お互いの歯が何度かぶつかるほど激しく口唇を押しつけられる、わたしの舌が 何度も貪られる……唾液も、吐息も…わたしの全部が京介さんに吸い取られてしまう。 身体が熱くなって、意識が麻痺してきたわたしは、吸い取られた言葉の事も忘れて、 危うく、自分から京介さんを何度も求めようとしてしまった……。 どれくらいの時間が経ったのか、やっと押さえつけていた手を緩めてくれて、 唇を強引にわたしに押しつけるのも辞めてくれたのだけど(でも唇同士はふれたままで) 腰に手を回されて、半ば強引に京介さんの膝の上に座らされた。 だから京介さんの声は音と言うよりも、触れたままの、唇から振動で伝わる。 「俺はおまえの言いたいことが分かってるつもりだ。でもそれだけはダメだ。 その代わり、おまえがして欲しい事なら、"儀式"でも何でもしてやる! もうカッコつけるのは辞めた……からさ」 あんなに我が侭を言って、いつも困らせて…だからこんな風になる事を………… 期待なんてしてなかった、でも京介さんはわたしを見つけてくれた。 そして、ここまで言ってくれてるのに……こんなに求めてくれてるのに………… "でも"わたしは……。 「最初は、同情で付き合った癖に!本当のわたしの事はずっと、見て無かった癖にっ! さっきだって、わたしを見捨てた癖に!だからもう遅い、、全部、遅いんだから!!!」 まだ足りない、やっぱり足りない………いくら求めても、求めれば、求めるほど カラカラに渇いて、余計に欲しくなって…………際限がどうしてもない…………だから そう思った時、そう言おうとした時、わたしの渇いた心を、わたしの頬を雫が濡らした。 京介さんは何も言わず、音も立てず静かに泣いていた。 ただ、わたしに触れたままの唇が微かに震えだして、その震えは段々大きくなって ついには肩まで揺らしながら、号泣した。 男の人がこんな風に、人前で泣くなんて、信じられなかった。 沈黙した嗚咽は、わたしから完全に言葉を奪って、ただ彼を何とかし(てあげ)たい と思う動機と暖かい涙を、わたしに与えた。 同時に、わたしは京介さんのしょんぼりした背中が好きだった記憶が蘇る。 ヘタレでも、情けなくても、シスコンでも……鈍くても、エッチで浮気性でも それでも構わない…だから、わたしは別に、欲くて、求めてただけじゃない……… 不器用で歪な、"まごころ"だけど………あなたに、ずっと、ずっとあげたかった。 *** *** *** 俺は何で泣いてるんだろう?原因も分からず、ただ羞恥心もプライドも無く、 俺はあやせの前で、嗚咽していた。 桐乃の前で何度か泣いた事が微かに頭を過ぎったけれど、もうそれが理由で今のこの涙を 止める事は、どうしても出来なかった。 あやせは何も言わなかった。ずっと黙って、ただ俺の背中をさすってくれていた。 それでも泣きやまない俺に対して、彼女は…………… 「ちゅっ……ぺろ……レロ…むちゅ…ベロ……」 最初はキスされているのかと思ったが……そうじゃなかった。 あやせは、唇を押しつけると舌を出して、俺の頬を、頬に流れた涙の雫を舐めだした。 必死に、何度も、何度も、何度も…………滑稽な筈なのに、俺の胸は熱くなり…… ますます涙が止まらなくなったが、それでもあやせは、俺の頬が全部あやせの唾液に 変わるまで、決して辞めなかった。 俺はやっと「ありがとう」と言い、あやせの髪と頬を横から撫でた。 「京介さん、それ好き…だ、だから、もっと………してっ………く…ださい」 さっきは、桐乃にするみたいに頭を撫でる事をあれほど拒絶したのだが、今回は 何故か、ごく自然にあやせに触れる事が出来たし、彼女の嬉しそうな笑顔を見て…… 俺の変な拘りが、このあやせの笑顔を曇らせてたのかも知れないと反省した。 「俺はあやせとずっと一緒に居たい。もう理屈も理由もないんだ。だから……さ……」 「ねぇ、京介さん、何でわたしがクローゼットの中にいるって分かったんですか?」 「本当に何の理屈も理由もない。ただ居て欲しいと………信じただけだ。 まぁ………鈍い俺だから何度か回り道したし、おまえを随分待たせちゃったけどな」 「わたしを信じてたのに、さっきは何で泣いたの?結局、振られると思って悲しくなった んでしょ?本当に信頼してたら……」 「麻奈実がさ、さっき話してた赤城と付き合う事になりそうなんだ。 そして俺の妹とはちゃんと良い兄貴になるって話してきた。 黒猫とも、ちゃんとある約束している。 俺には本当にあやせしか居なくなった。 だから泣いたのかは分からないけどさ………こんな話って、やっぱ俺って情けないよな」 「そうですね、凄くみっともなくて、情けないから、ほっとけなくなっちゃいました…… ………わたし」 「実際、不安だったのかもな。おまえの言う様に、最初は、あやせが危なっかしくて 心配で付き合う事にした。そして、俺の勝手なイメージでおまえの事を見てた。 さっき、おまえを捜し回って、走り回ったけど、でも俺はあやせの事を何も 知らなかったって痛感させられた。 だからおまえに、見た目だけとか、身体だけでも良いって言われた時に……… 俺は何も言えなくて、ちゃんと反論も出来なくて、あやせを余計に傷つけた。 だからその事については謝るよ。変に誤魔化したり、カッコつけたりして、すまなかった」 「でもさっきは見捨てたわけじゃない、おまえを信じてたつもりだったんだ」 これだけの事を言う為に、本当に、随分遠回りしたが、やっと言えて良かった。 「そんなに、わたしを信じてるなら、わたしのコトがちゃんと分かってるって言うなら、 わたしが今して欲しいコ・ト・…当ててください。当ったら仲直りしましょう、ね?」 ウインクして、魅惑的な顔になったあやせが、挑発する様に俺にクイズを出した。 俺はさっきしたみたいに強引にキスする、もう自分が風邪だった事なんてすっかり 忘れていた。理屈も、理由も、クイズも関係なく……純粋にしたいから、した。 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレですね。 やっぱり……わたし達って相性悪いのかなぁ。残念です…ねぇ、京介さん?」」 こいつがずっと"京介さん"としか呼ばない事に違和感を感じた。 "儀式"なのかとも考えたが、俺に髪を撫でられている、あやせにはもうそんな気配は 微塵も感じられなかった。本当にただ、ただ美しい俺の彼女だった。 「んじゃ、また尻ぶった叩くか……アレはあやせのお気に入りだからな」 やっと余裕が出てきた俺は、何とか冗談を言ったつもりだったのだが…… 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレ」 冗談とも本気とも取れぬ態度に対して、いささか俺の理性は、失われ始めて…… やっぱりあやせの言う様に、俺らが変態なのは、間違いないのかも知れない。 変な性癖に目覚めないか心配した将来の不安は、既にリアルな懸念に変わっていた。 「もう本当に強情ですね、京介さんの、、が、わたしにずぅっと当たってるのにっ! それとも処女厨なのは…………冗談だった事が、実は的を射てましたか? はぁ~でも、良いんです……それでもわたしの気持ちは変わりませんから。 あなたがどんな変態でも、応える自信……わたしにはちゃんとありますからっ!」 こいつが何を言ってるのか皆目検討はつかないが、何か相当ヤバイ匂いがするのは 確実に分かった。 「あ、あのさ、、おまえがもう"儀式"を求めてないのは、何となく分かるんだけど それって結局どういう事だったのか、教えてくれないか? それが分からないと、ちゃんとクイズに答えられないと言うか……」 『…桐…………3つ……の……処女………………』と耳打ちされた。 「ははは……あ、あやせさん、そんなの、おかしいですよ!って言うかさ。 キ○ガイみたいなフリをするのは、もう良いからね!だ、だ、だから本当の事を言おうぜ。 俺ら、ちゃんとした恋人だろ?全く……冗談ばっかり、どっちが変態だよ、もう(戦慄)」 あやせは無言で、さっき隠れていたクローゼットから、最近よく持ち歩いている 大きなバックを取り出すと、おもむろに俺に中身を見せる。 ………メイド服、ブラウンのウッグ、眼鏡があった(様な気がするだけの事にしておく) 「もし、わたしが無理やり儀式実行したら、京介さんは、わたしの事が嫌いになって 逃げ出して、わたしの事を捨てましたか?正直に言ってくださいね? わたし……絶対に、もうどんな些細な嘘も、誤魔化しも、許すつもりないから……」 「一回全力で逃げ出して、それでもおまえがやるって言うなら付き合ってやったと思う。 あやせは困ったちゃんなのは分かってるけど、同情以外の感情があるのは今なら分かる。 ぶっちゃけおまえが、NTRの話しなくなったのは儀式とか言い出してからだもんな。 おまえと別れるくらいなら、おまえが他の男の話をするくらいなら、もう超変態で あやせと一緒に何処までも堕ちるやるさ」 半分は本気で、半分賭けで………俺はそう言った。 さっきみたいに、いくら諭してもダメなんだ、あやせを全部受け入れて、もしこいつが 傷つくなら、俺も一緒に痛みを感じてやる。 俺の彼女が堕天使で、地獄の案内人………だとしても、もう離れるつもりはない。 もう、絶対にあやせを一人にはしないって決めたんだ。 でも同時に、『とても静かで、優しくて、暖かい予感みたいなもの』を今なら 信じられる気がした。 「ふふ、京介さん……良いコ・ト・しましょう?もうしちゃいましょう……ねっ?」 そう言った時のあやせの笑顔は純真で、清純で、純粋でとても気高く感じられて、 本当に天使を見たら、こんな気分になるのかもなと俺は、不思議な感慨に耽った。 どうやら、何とか………賭けには勝てたらしい。 何でこいつは、あんな悪魔の発想する癖に……こんなに可愛く笑えるんだよ、全く。 「本当に、儀式はもう良いのか?」 「儀式ならもう終わりました。魔法ならちゃんと、京介さんにかけられちゃった…から」 こっちだって、ずっと魔法も、あやせ菌にもかかりっぱなしだったんだ。 でもあやせには伝わってなかった。だからこれからは、今からはもう照れは捨てて 全部あやせの望み通りにしてやろう。 誰かに聞かれて見られたら恥ずかしくて、死にたくなる様な事でも平気でやってやるさ。 「そっか…………分かった。で、おまえのお気に入りの手錠はどうする?」 あ~ついに、こいつとするんだなと考えると緊張で声は上ずるし、さっきは別れるか どうかの瀬戸際だったのに、今はあやせが目を潤ませて、頬を高揚させてる姿を見ると、 更に俺に胸や臀部を押しつけてる状況を鑑みると、自然の摂理で当然痛いほど硬くなる。 「もう!お兄さ…(ん)…あっ、京介さんは…本当に、何も分かってないんですねっ!」 そういう事か…全く、、、何でそんなに俺に魅惑の魔法を重ねがけしようとするんだ? 「可良いな、あやせは…良いんだぜ?おまえが癖で言ってしまう"お兄さん"のままでさ。 おまえしか見てないんだから………今更、何ズレた心配してるんだよ、ったく」 「……ご、ごめんなさい……で、でも、でも……………」 「手錠はプレイで使うなら良いけど(もう立派な変態だ)、今は必要ないで良いんだな? 心はちゃんと繋がってる。今は…身体は身体同士で繋がりたい、、、で合ってるか?」 恥ずかしそうに、ぎこちなく、でもしっかりとあやせはコクリと肯いた。 こんな最高に可愛い彼女が相手なんだから、今だけは、俺も全力で"男"にならなきゃな。 俺はキスしながら、あやせをお姫様だっこしてベットに運ぶ。 何でだろう、あやせの裸なら本当に何度も、何度も見た筈だが……… DVD事件の時は、自分で全裸になってたし(長時間クローゼットでそのままだった) あやせの部屋ではいきなり下半身を脱がせたのに、今は服を着たままのあやせを 目の前にしているだけで、今までと比べものにならないくらい興奮して、緊張して 完全硬直しちまった、やっぱ情けねぇ………。 自称"男"改め、単なる童貞小僧に成り下がった俺は、キョトンとした表情で見ていた あやせに 「ふふ、良いですよ…ほら…………ボク………お姉さんとエッチなお勉強しましょう? ほらぁ……こっちにおいで」 と誘われた。
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 発売日:4月26日 ◆SDキャラによるショートムービー(脚本 伏見つかさ) ◆ギャルゲー風特典映像 ◆かんざきひろ描き下ろし4面デジパック仕様 ◆特製PETスリーブケース ◆スーパーピクチャーレーベル 2013年4月放送開始。俺の妹がこんなに可愛いわけがないの続編。2017年4月26日、Blu-rayBOXが発売。 http //www.oreimo-anime.com/index.html 監督 神戸洋行 原作 伏見つかさ キャラクター原案 かんざきひろ シリーズ構成 倉田英之 キャラクターデザイン 織田広之 総作画監督 石田可奈、川上哲也、渡邊敬介 プロップデザイン・美術設定 石本剛啓 美術監督 岡本好司 色彩設計 末永康子 撮影監督 設楽希 CG監督 秋元央 2Dデザイン 加藤千恵 特殊効果 安部貴俊 編集 肥田文 音響監督 本山哲 録音・調整 立花康夫 録音助手 松田悟 効果 山谷尚人 音楽 神前暁 アニメーション制作 A-1 pictures 脚本 倉田英之 伏見つかさ 絵コンテ 神戸洋行 山田弘和 斉藤哲人 ふかざわまなぶ 吉田隆彦 林博基 田口智久 及川啓 小野学 喜多幡徹 演出 神戸洋行 西片康人 山田弘和 千葉大輔 大泉武蔵 吉田隆彦 宇都宮正記 町谷俊輔 高島大輔 作画監督 織田広之 石田可奈 川上哲也 渡邊敬介 ジミー・ストーン 藤本さとる サトウミチオ 徳田賢朗 洪錫杓 飯飼一幸 堀井伸雄 後藤望 森川侑紀 戸谷賢都 米澤優 容洪 中原久文 近藤優次 松本朋之 徳田大貴 野田康行 谷川亮介 鎌田均 保村成 松田剛吏 横井将史 ■関連タイトル 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 1【完全生産限定版】 アニメ『俺の妹。』がこんなに丸裸なわけがない。 キューポッシュ 黒猫 グリフォン 高坂桐乃~ネコミミver.~ 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』高坂桐乃 TRUE END ver. PS3 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 ハッピーエンド HDコンプ! BOX クレイズ 高坂桐乃 寝姿Ver. 1/8スケール レジカラット塗装済みキット OPテーマ ClariS/reunion 期間生産限定アニメ盤 EDテーマ集 ~俺の妹がこんなに可愛いわけがないComplete Collection+~俺妹コンプ+! 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 カレンダー2013年 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』とやり直す中学英語 ぺたん娘 黒猫 夏コミver. コトブキヤ 黒猫 -memories夏コミ- 1/8スケール PVC塗装済み完成品 ねんどろいど 星くず★うぃっち メルル コトブキヤ 黒猫 ・・なわけがないver. 1/7スケール PVC塗装済み完成品 コトブキヤ 高坂桐乃 ・・なわけがないver. 1/7スケールPVC塗装済み完成品 キューポッシュ 高坂桐乃 PSP 俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない 初回特装版 アニメムック「俺の妹」がこんなに丸裸なわけがない 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」ドラマCD figma 高坂桐乃 コトブキヤ 黒猫 1/8スケール PVC塗装済み完成品 フィギュア・ホビー:俺の妹がこんなに可愛いわけがない 原作小説 伏見つかさ/俺の妹がこんなに可愛いわけがない
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「苗木君、恋してる?」 窓の外に広がる景色を眺めながら、霧切さんは唐突にそう切り出した。 「こい?」 僕はただオウム返しに呟き返す。 「そう、恋愛の、恋」 今度は真っ直ぐ僕の方を見ながら再びそう問いかけた。 明日のテストが心配だったから居残っただけだったはずなのに、何だろう、この雰囲気は。 放課後の教室。 教室を出て行くみんなをよそに、霧切さんは僕の席にやってきた。 いつも通り探偵助手のお誘いだろうか。 流石にテスト前だからと断ろうとしたところで、彼女は僕の前――朝比奈さんの席に座った。 「苗木君、勉強していくの?」 「え、ああ、うん……」 帰り支度をしていなかったことから察したのか、予想外の質問にちょっと慌ててしまう。 「だから、今日は――」 「私も一緒にしても構わない?」 捜査の誘いを断ろうとしたところで、予想外の方向からパンチが飛んできた。 僕の知ってる霧切さんは、自分からそんなことを言うキャラじゃない。 でも、流石にそんなこと言えないので、とりあえず、目を白黒させてみた。 「今は何をやっているの?」 「え、古文の復習だけど……」 ちょうど良かったわ、と言いながら、霧切さんは朝比奈さんの机の向きを変え、僕の机と合わせる。 周りを見ると、既にみんなそれぞれ教室を出て行ったようだ。 「……ひとつ、良い?」 鞄からノートなどを取り出す霧切さんに問いかける。 「何でまた、霧切さんが僕なんかと勉強を?」 霧切さんは、無言で古文のノートを差し出す。 中を開いてみると――所々空いているページがあった。 「捜査の所為で何度か授業に出そびれたのよ。あなたが教えてくれないかしら?」 こうして、不思議な二人っきりの勉強会が始まった。 「恋、って言われても……」 いきなり何を訊くんだ、この人は。 ここまでの勉強会はいたって普通だった。 霧切さんの古文力は至って優秀で(僕が教えるまでもないくらいに)、僕が「好きだ」などと囁いたわけじゃないし、古文の内容が愛を綴ったものだったということもない。 だから、僕には何でこんな話になったか理解できない。 「【質問の意図】が……」 とりあえず、普通に返すことにする。 霧切さんはため息を吐いた。 「(言弾:恋話)それは違うわ」 「えっ?」 普段の表情から一瞬で鋭い視線に変え、僕に向ける。 「舞園さんや江ノ島さんが言っていたわ。男子も女子も高校生なら一つや二つする、って」 何か予想外のところでゲームの要素を無理やり取り込まれた気がするが、僕が論破されたのは事実だ。 「霧切さんも、舞園さんたちとそういう話するんだ」 僕がそう返すと、霧切さんの顔が一瞬だけ赤く染まった。 「た、たまたまそういう機会があったのよ。同じクラス男子と付き合うなら誰か、ってね」 赤面した霧切さんも可愛いな、なんて思いつつも、女子たちがどんな話をしたのかが気になった。 「まあ、今現在、私が訊きたいのはそんなところじゃないわ」 しかし、すぐに机に両肘を立てて組み、口元を隠す霧切さん。 その表情はどこか作ったように無表情だ。 「恋の話、だっけ」 「そう、苗木君は誰が好きなの?」 何故、誰かが好きということは確定なんですか。 「ここには色んな人がいるじゃない。これで好きな人がいなかったら、苗木君は間違いなくイ●ポよ。専門医に相談することをお勧めするわ」 確かに個性的なメンバーだということは認める。それ以前に、その表現はどーなんですか。 不名誉な称号を頂きたくないので、ここは真面目に考えることにする。 「私の勘は【舞園さん】か【朝比奈さん】ね。守りたくなるような女子は人気がある、って言ってたわ」 確かに、彼女達は守ってやりたくなる。 舞園さんは何てったって超高校級のアイドルだし、朝比奈さんは天然なところがあって危なっかしい。 「一方、頼れるって意味で【セレスさん】や【大神さん】、【戦刃さん】も捨てがたいんじゃないかしら?」 セレスさんは時々恐ろしいまでのキャラでみんなを引っ張ってくれるし、大神さんや戦刃さんは体力面でも本当に頼りになる。 「【江ノ島さん】や【腐川さん】だってファンクラブがある程の人気だって聞いたわ」 今時、ファンクラブなんてあるんですか? まあ、確かに江ノ島さんはカリスマモデルだし、腐川さんも喋らなければ十分可愛いだろう。 「誰なのかしら、苗木君の【好きな人】は?」 だけど……どうもピンとこない。 彼女達は、何処か遠いのだ。 超高校級の彼女たちと、極々普通の高校生である僕。 「……眩しいんだよね」 「……そう」 僕には、ちょっと眩しすぎる。 僕はこれまで、普通の人生しか送ってこなかった。 それを知って彼女達がどう思うのかが、怖いのだ。 退屈だと思われるか、無駄だと思われるか、残念だと思われるか。 「そうね、でも、彼女達は問題なく受け入れてくれると思うわ」 そういって、霧切さんも苦笑いを浮かべる。 この展開は考えていなかったのだろう。珍しくちょっと焦った様子だ。 そういえば、霧切さんは彼女自身を選択肢に入れなかった。 いつも通り一歩引いたところから僕たちを見てるのだろうか。 「霧切さんは、何で僕の好きな人を知りたいの?」 「そ、それは……今後、私の捜査を手伝ってくれるあなたの好きな人が、犯人に狙われないとも限らないからよ」 論破するまでもなく、霧切さんの言葉は嘘だと分かった。 声は震えていたし、目は逸らしている。 そんな彼女が愛おしいと思ったのは、いつからだろうか。 霧切さんの捜査を手伝っているとき? 霧切さんとよく話すようになったとき? 霧切さんと初めて話したとき? 霧切さんを初めて見たとき? 分からない、でも、いつの間にか僕は――。 (“言弾:霧切さん”を入手しました) 「僕が一番好きな人は――」 それは何処からきた感情だろうか。 羨望か、連帯感か。 「【好きな人】は?」 そうじゃない。 もっと、言葉では言い表せない何かから生まれた感情だ。 長く伸びた髪とワンポイントの三つ編み、瞳に真実を見つめる光を溜め、手には悲しい思い出を手袋で封じ込んでいる、一番僕を必要としてくれる女の子。 「(言弾:霧切さん)――霧切さんかも、しれない」 好きという感情がこれで正しいのなら、僕は彼女が好きなのだろう。 一方の霧切さんは、一瞬、ぽかんとした後、凄く困ったような表情を浮かべた。 「そういう冗談はよろしくないわ、苗木君」 「いや、冗談じゃないんだよね」 今の一言で動揺したのが手に取るように分かった。 いつもは見られない一面、といった感じか。 なるほど、先人の言うとおり、それには恋するだけの魅力がある。 困った表情に若干の笑みが混じる。どうやら僕は嫌われてはいなかったようだ。 「いや、でも、そんな……」 照れているのだろう、だんだんとその顔に朱が差してくる。 「予想外だった?」 「ええ、完全にね」 どこか嬉しそうに彼女は答えた。 「私も、苗木君は嫌いじゃないわ。むしろ好意を持っていると言って良いかもしれない」 だけど、と彼女は少し表情を強張らせて続ける。 「あなたには、私よりも舞園さんたちを好きになって欲しいわ」 「え?」 「彼女たちは、それぞれの夢に向かって全力で進んでいる。そして、彼女達には支えが必要なのよ」 何故だろう。 何故この人は、ここまで自分を追い詰められるのだろう。 「苗木君、ここまで言えば分かるわね?」 何故もっと、自分の幸せを望まないのだろう……。 「ごめんなさい、変なことを訊いて。私、そろそろ帰るわ」 霧切さんは、そう言ってそそくさと勉強道具をしまい始める。 焦っているのだろう。手が若干震えている。 僕は彼女に何も声をかけなかった。いや、かけられなかったのだ。 何と言えば良いのか分からなかった。 否定すればいいのか、肯定すれば良いのか、でも――。 そう考えているうちに、霧切さんは鞄に勉強道具をしまい終えていた。 「また明日、苗木君」 それだけ言って、逃げるように教室を出て行ってしまう。 彼女が見えなくなってから、大きくため息を吐いて椅子にもたれかかった。 窓の外はいつの間にかザアザアと雨が降り始めていた。 そういえば、天気予報が嵐が来ると告げていたはずだ。成る程、みんながそそくさと帰るわけだ。 僕は霧切さんを――。 ・追う ・追わない
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ついさっき降りだした雨が、早くも道路を黒く染め尽くそうとしている。 朝の予報は50%。念のために傘を用意してきて正解だったようだ。 それにしても…… 「あのなぁ、この間も何の備えも無しに風邪引いてただろ。すこしは懲りろよ」 なかば濡れ鼠で駆け込んできたお馬鹿に呆れ果て、自然に溜め息も出る。 当の本人はというと、まだ乱れた息を整えつつ、さすがに決まりが悪そうな顔をのぞかせた。 「こんな急に強くなるなんて思わなくってさ。でもほら、あれ。水も滴る」 「ハイハイ、いい女いい女」 さしあたって俺が羽織ってきたウインドブレーカーを渡す。 洒落っけのない、機能一点張りの雨具だが、この際文句は言わせない。 「いいよ別に。アタシもう濡れてんじゃん。一緒に傘に入れてくれるだけでいいって」 「つべこべ言わずに着とけっつーの。解ってないなら教えてやる。加奈子、おまえ制服透けてんだよ…」 「うぇ?」 指摘を受けてやや間の抜けた声をあげ、悠長に視線を下へ―― 「!!!や、ちょ、わたっ」 途端、狼狽もあらわに差し出した雨具を引っ被る。 可哀想なくらい紅潮した加奈子は慌てて辺りを見回した。 「遅いっての。まぁ仕方ない、出るぞ。ウチ寄ってけよ」 席に沈みかけるのを見かね、手を取って店を後にする。 こりゃ今日の買い物は中止だな。 「大体だ。なんで桐乃やあやせ他の友達に頼んで傘に入れてもらうとか、俺を呼ぶとかしなかったし」 雨粒は重くこそないものの、まとわりつくように降りつける。 「だから何度も言わせるなってば。これだけ強くなる前に着けると思ったの」 「はぁ……わからねえな、まったく」 そうまでして傘をささずに雨ん中を走る理由でもあったのかと穿った見方をしたくもなる。 「仕事のときは全然躊躇いなく使い走りにしてたろうが。今となっちゃ俺はマネージャーじゃないけどな。こんな急な雨の日ぐらい、呼ばれれば迎えに行くさ。変な遠慮しやがって」 説教めいた言い方になるが、ちゃんと体を大事にしてほしい。 俺にかまけてて風邪を引くのが続いたりしたら、親御さんに申し訳が立たない。 とにかく早いところ濡れた服を替えさせなきゃな。 加奈子のうなじを伝う雨を拭い、後先考えろよと改めて言い含める。 「あんがと」と礼を言って笑いかける加奈子が、なんだか…妙に、色っぽく見えて。 いかんいかん、何を血迷ってるんだ俺! またエロゲーによくあるようなシチュだなとか、しょうもない思考に身を任せる。 そうやって、寄り添い歩く加奈子を変に意識しちまう自分を棚上げないとならなかった。 「ただいま」 「お邪魔しまーす」 誰も不在だったが習慣的に挨拶をして、転がり込むような勢いで玄関に上がる。 お袋も出払っていた。特に予定は聞いてねーけど俺たち同様この雨で足止めでもくってんのかね。 そんなのはいいとして……雨水を吸った靴を脱ぎ捨て、靴下を丸め、直ちにタオルを調達する。 「ホラ使えよ」 「あ、サンキュ。ちょい待ち」 戻るとちょうど貸していたウインドブレーカーを靴箱脇の雨具かけに掛けようとしていた。 せ、背が足りてねえでやんの…。 四苦八苦する加奈子からそれを奪い、無造作に雨具かけへ。 「無理に紐んところ引っ掛けなくてもいいんだって。こんなんで」 言いつつ、持ってきたタオルに務めを果たさせるべく差し出す。 ようやく濡れた髪や服を拭きはじめた加奈子の様子を眺めていると、何ちゅーか、こう…… 改めて思うわけ。あんまりな格好だなと。 メルルのコスプレだって露出の点では十分にアレだが、濡れ透けってやつは一味も二味も違う。 なにせ発育途上の加奈子がエロく見えるぐらいだ。 一刻も早く家へ連れ帰ろうってあの場の判断は、我ながら的確だった。 「うん?いま何か言った?」 やべ。独り言になってたか 「いや、お前でもそんなあられもない格好してると思ったより目の毒だなぁ、とか」 結構はずかしいセリフ言ってるのが自覚されて、つい苦笑混じりになる。 しかし加奈子からは想定外のリアクションが。 「……何言ってんのか意味がよくわかんない」 嗚呼! なんておばかなこ!! 普段は気にならないんで忘れがちだが、俺の好いた子、来栖加奈子はちょっと頭が弱い。 や、単に語彙が貧弱なだけか? だと思いたいもんだ。 「つまり、そんな微妙にエロい格好で待ち合わせの店に来たのに呆れてたんだよ。今更だが無頓着すぎだろ」 「エロいかな……そっかぁ」 「いや、なんでそこでテレテレすんの。恥じ入るとか悔やむとかないんかいっ」 ニヘラ~っと笑う加奈子。駄目だコイツはやく何とかしないと…。 「だってさ。京介って何かにつけて加奈子のこと色気なしだのチンチクリンだの、こき下ろしてきたじゃん」 「そうだっけか」 なるべく本音がストレートに出ないよう自制してたつもりだが。 「言ってたって。それが今日、ついに。くぅ……ざまぁ見ろって感じ?」 さいですか。 「まぁ俺としちゃ、むやみに今みたいな格好にならないよう気をつけてくれさえすればいいが」 「わかったよ。エロい格好するのは二人きりの時だけな」 何がわかったんだオマエはー!!? どこからそんな超解釈につながった! 全力でツッコミたい衝動と、それに伴う頭痛に襲われる俺。 対して加奈子は上機嫌で、水を吸った制服を絞りながらニヤニヤしていた。 理解に苦しむんだぜ。 こんな短いやり取りでやけに疲れてしまった。 とはいえ当初の課題を放り出すわけにはいかない。 まずは風呂に湯を張る準備だな。あとは―― 「そのままじゃ冷えるだろ。何か着るもん用意するから、タオル巻いて待っとけ」 「はーい」 ぴらぴらと手を振る加奈子を尻目に、さてどうしたもんかと悩みながら階段を上がる。 桐乃の服を貸すのが妥当だろうに、本人もお袋も居ないんじゃな… 俺が手ずから妹の部屋の衣装箪笥を開けて、ってのは正直後が恐ろしい。 となると、この場は俺の部屋着を貸すしかない。サイズが合わないのは我慢してもらおう。 適当に見繕って、急ぎリビングへ入る。 「待たせた、持ってきたぞ。ってなんで既に脱いでるかなお前は……」 「ん~?」 加奈子のやつ、さっき俺の言ったとおり「タオルを巻いて」服を脱いでいる。 正確にはもう靴下まで脱ぐとこか。 普通靴下が先じゃね?とか、あー水着に着替えるときの要領かとか、そんなちゃちな(ry 「はぁ……着替え持ってきてからにしろよ…」 「濡れた服着たまま拭いても気持ち悪ぃの。いいじゃん」 「お前んちなら、それで何の問題もないんだろうがな」 「ここだと問題アリ?」 聞いてくる加奈子が天然なのか調子こいてんのかイマイチ判然としない。 「家の住人が目のやり場に困ってるだろ」 「そんな気にすんなって。大丈夫。下は脱いでないから」 「そりゃ、見ればわかる」 フリル付きかー… 回れ右をして、入って来たときより迅速にリビングを離脱した。 「まったく。そんなに俺に道を踏み外させたいのか、あいつは」 本人の耳に届かないのをいいことに、つい本心を洩らしてしまう。 ブツクサとこぼしつつ浴槽にスポンジを走らせ続ける。 風呂掃除を頼まれるより早くやるのは初めてじゃねーか? 出来るなら、この泡もろともに自分の煩悩もさっぱりと流してしまいたい。切実な願いだ。 多分、加奈子の言動に含むところは無いだろう。俺への挑発だとかは。 自尊心の固まりな我が妹様じゃあるまいし、悪戯心で性的なからかいをするタイプにゃ見えない。 年こそ同じでも子供の無邪気さなんだろう。 そう結論づけて、ようやく落ち着きを取り戻そうとしていた。 「何なら京介も一緒に入る?」 「」 ぉぃ、こいつガチかよ。 風呂が炊けたから入って来るよう奨めると、返ってきたのがこの言葉。 参ったね、どうにも。 「ンなわけいくか。サッサと行けっつの」 「え~、なんで~」 もうヤダこの子…… ここでしょーもない冗談に付き合ってちゃ急いだ意味がない。 「問答無用」 「へ?」 咄嗟に反応できなかった加奈子をひょいと持ち上げ、有無を言わさず脱衣所へ運んでやった。 この間約十秒。 加奈子は状況の変化についてこれてないらしく、二の句が継げないでいる。 「いいか、大分冷えちまってんだろうからシッカリ浸かって温まれよ。湯船で100数えろ。200でもいい。濡らした制服は乾かしとく。上がるときはちゃんと替えの服着て来い。着ないで出てきたらもっかい風呂に放り込むぞ。じゃぁ、ゆっくりしていってね!」 「う、うん…いただきます」 なかなか乾かないな。 洗濯機に入れて脱水までしてやるべきだったか。 でも、ああ言った手前、風呂上がりの加奈子と御対面なんてしたら俺的にアウトだし…… あーでもないこーでもないと散漫になりつつ、時折制服の向きを変えドライヤーで送風する。 と、そこへ、ペタペタと足音が聞こえてきた。加奈子が戻ってきたようだ。 スリッパも用意しとけばよかったな。気付かなかった。うーむ… 「ただいまー」 「おう、おかえり。って言うのかこういう場合」 「ヘン?なら、いいお湯でした。」 「どういたしまして」 ふぃ~と息を吐き、胸元をパタパタとやる加奈子。 おこちゃまめ…… ドライヤーをそこらに置いて冷蔵庫の扉に手をかける。 「何か飲むか。つっても今は牛乳と麦茶しかないけどよ」 「牛乳のがいい」 「ほいきた」 適当なコップに注いで渡すと、加奈子、らっぱ飲み。 豪快なやつ。 いっそ清々しささえ覚えるが、風呂上がりにしては色気を感じさせないな。 さっきのあれは、やはり気の迷いだったんだろう。 ついでなので俺も麦茶を飲むことにした。 「ところでさ」 「んー?」 「京介は風呂入んないの。せっかく沸かしたのに」 「後でいいや。こっちは別に濡れてもないし。それに覗かれても困るしな」 「の、のぞかねーよっ」 ははっ、赤くなってやがる。 俺だってやられっ放しでいるほどお人好しじゃないってこった。 雨は一向に止む気配がうかがえない。 天気予報によると、今日はこのまま夜まで降り続くっぽかった。どこ行ったんだ50%は。 晴れ間がみえたら速攻自転車で送ってってやる心積もりだったが、どうやら望み薄か。 こちらの心配をよそに加奈子は寝転がってくつろいでいる。 まぁ、へたにじゃれられるよりかは全然いいわ。 石鹸のいい匂いが間近でするとかヤバいもん。 「……なー」 いつの間にかこちらを向いていた加奈子がぞんざいに呼びかけてくる。 「ん、どした? 腹でも減ったか?」 「違うし。しかめっ面して、なに考え込んでんだろって」 「そ、そんなにだったか」 「皺よせてたじゃん。こーんな」 言って、むすっとした顔を作って見せた。 コイツのこんな表情はちょっとウケる。 「いや、雨やまねーなって、そんだけさ。おまえ帰るタイミング無くしたら困るだろ」 「特に用事ないし困んないけど」 「って割には、手持ち無沙汰そうにしてんじゃねーの」 何をするでもなく、取りあえずつけてみたテレビを見たり、携帯をいじったり。 これぞ暇スタイルという感ありあり。 「遊べるもんも大して無くて悪ぃとは思ってるが」 かといって、ここでシスカリを出すのは如何なものか。 暇つぶしに適当ではあるかもしれないが……何か違う、不適当な気がする。その選択肢はナシだ。 それから俺たちは。 有り体に言って、ダラダラ時を過ごした。 俺はともかく加奈子はいい加減に退屈になってきたんじゃなかろうか。ばか正直に聞いてみる。 「そうでもねーよ? 気にしすぎ気にしすぎ」 答えてのそのそとこちらへ来ると、何とも自然な動作で寄りかかってきた。 「ん~……」 犬か。お前は。 さすがにド直球で突っ込むのは迷い、でもって、こんな緩いのも悪かないと思えてしまう俺である。 「加奈子、お前さぁ」 「なーにー」 「こう言っちゃなんだが、結構、キャラ違ってきてね?」 「ふぇ……キャラとかいきなり言われても」 それもそうか。 「ホラ、知り合った当初のとんがった印象からすると、こんなベタベタなのとか想像つかねぇし」 「要するに、らしくないってワケ?」 「や、そこまでは……言ってない」 いまも加奈子は俺の腕に体を預けていて、その表情は窺い知れないが。 特に機嫌を損ねた様子でもなく続ける。 「らしいとか、らしくないとか、言えるほど京介が加奈子のこと詳しくもないでしょ。ってね」 もっともだ。 加奈子と個人的に親しくなったのはここ2ヶ月ばかりだし、 それ以前は桐乃やあやせを介してほんの何回か会ったに過ぎない。 あれだけ生意気で小憎たらしく思っていたコイツを、憎からず思えるようにもなった。 こういうケースこそ奇遇ってやつなんだろうな。 「それに、言う通り加奈子のキャラが変わったんならさ。それってアンタのせいじゃん」 「俺のか」 「うん。京介のお陰で、アタシってば、こんなになっちゃった」 俺の正面に回って抱き着いてくる。 ヤバイ、加奈子ヤバイ。マジでヤバイ。 「はふ……幸せ……」 そんな呟きが耳をくすぐり、急激に膨れ上がった照れ臭さに衝き動かされて、つい思ってもない言葉を口にした。 「引っ付いてるだけで幸せとか、安上がりでいいな」 うわ、なに言っちゃってんの俺。台無しだろ色々と。 台詞と裏腹に内心動揺の荒波にぐらついているところ、加奈子がクスリと微笑って言う。 「わかんないよ? そのうち高くつくかもだかんね。今から覚悟しといたら?」 ―――――――――――― ―――――――― ―――― ようやく雨足が弱まり、加奈子を送って帰すことにする。 「結局やまないでやんの。あーあ、買いもの楽しみにしてたのに」 「仕方ないだろ。買いものは明日でも明後日でも付き合ってやるよ」 「ん、あんがと」 「そういやぁ昨夜から随分気にかけてたみたいだが、何がお目当てだったんだ」 「うわ…それ本気で言ってる?」 さっきとは打って変わったジト目で睨めつけられる。 な、なんだよ。具体的に何買いに行くとか聞いてないのにわかるかっての。 俺の心を読み取ったようにわざとらしく嘆息して加奈子が言う。 「ハイハイ、考えてみ? 今日は何の日」 「何の日て、普通の月曜日じゃないのか。なんかあったっけ…」 「曜日はいいから」 「2月の13日――ああ」 「そ、そゆこと」 なるほど。今更ながら納得がいった。これは鈍いと呆れられて当然だ。 「でも明日は仕事の関係で時間食っちゃう予定でさ、今日は降ってほしくなかったなぁ……」 まあまあと、ややブルー入った加奈子を宥めつつ。俺の脳裏にある閃きが走る。 男子たるもの、バレンタインの存在そのものを忘れたりはしないものだ。 乾かしていた制服をバッグに詰めて持ち出せるようにする。 「あれ、ソレまだ乾ききってなかったんだ」 「いや。乾いてるけどな。外は冷えるかもだし、いま着てるパーカーのままで帰った方がいいんじゃないか」 とかなんとか、あくまでさりげなく誘導してみる。 気付いてくれるなよ。悪意はないからな… 「いいの? じゃぁ借りてくわ」 「おー。俺の私服だから好みにあうかはわからんが、着て外歩けないほどダサくはねーだろ」 「ま、ね。ダボついてるのがちょっとみっともないけど、表歩けなくはない」 言って加奈子、袖口から指だけちょいと覗かせた状態で、くるりと綺麗に一回転して見せる。 「へへっ。何かこういうの、恋人っぽい感じじゃね?」 やたら様になっていて、不覚にも一瞬目を奪われた。 そうだな、認めてやれないじゃないが 「こだわりますね」 「そりゃ、こだわってんよ」 軽口を交わしながら玄関へ。 直後、忘れ物を口実に屋内に戻る。ブツを回収、懐に忍ばせて…… 「よし!いっちょう出掛けるとするか」 「なんでそんな気合い入ってるかな」 傘立てに手を伸ばし、親父が持っていかなかったビッグサイズのそれを広げる。 「相合い傘」 「アンタだって十分ベタじゃない」 「喜べ、公然とくっついてられるぞ」 「……うへぇ」 扉をくぐり、加奈子の肩を引き寄せざま、そのフードにサッとブツを潜ませた。 ご存じの通り日本におけるその風習はまだ新しく、製菓会社の陰謀などと揶揄されることもしばしばである。 それはそうと俺は本家のならいに従いたい。 つまり、親愛の情を込めて贈るのに男女の別はなくてもいいだろうと。 こいつが帰宅してどの時点で気付くか、最悪潰したり溶かしたりしてから発覚するかもしれないが。 その時の反応を密かな楽しみに、加奈子と並び歩き出す。
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桐乃「…あいつがいなくなった。」 あやせ「えっ?」 桐乃「京す…兄貴が家を出ていったの。」イラッ あやせ「お兄さんが? どうして?」 桐乃「受験勉強に集中するため、ってお母さんが言ってた。」イラッイラッ あやせ(桐乃が朝から不機嫌なのはそういう事なんだ…) 桐乃「お父さんからも、一切連絡も接触もしてはいけないって何度も釘を刺された!」イラッイラッ あやせ「連絡も接触も…って」 桐乃「どこに引越したかすら教えてもらえないのが、むかつく!」バンバンッ あやせ(重症だー!!) 桐乃「携帯に連絡いれても着拒されて…何考えてんの、あいつはっ!!」ガンガンッ あやせ「だったら、メールなら何とかなるんじゃ?」 桐乃「メールしたら、『お前のためだ、すまない。』って返信されてそれっきり…」ショボーン あやせ「あれ、受験勉強なのに、桐乃のためって理由は、おかしくない?」 桐乃「そう、そうなの! 絶対に何か裏がある…!!」ギリィ あやせ「うーん、もしかして…」 桐乃「何!? あやせは、何か知ってるの!?」ガクガク あやせ「い、いや知ってる、と、いうよりは、とりあえず、揺らすの、止めよ!?」 桐乃「はっ!? そ、そうね…で、あやせはどう思う?」 あやせ「受験勉強、っていうは建前な気がする。わたしも調べてみるから、ね?」 - 放課後 - あやせ(何となく理由は分かるんだけど…はっきりさせておきたいなぁ…こーゆうときは…) プルルッ 麻奈美「はい、麻奈美です。どうしたの、あやせちゃん?」 あやせ「あ、お姉さん。お忙しいところすみません、実は折り入ってご相談したい事が…」 麻奈美「んー…もしかして、きょうちゃんの事かな?」 あやせ「…はい、その通りです…お姉さんなら、何かご存知ではないかと。」 麻奈美「うん、きょうちゃんのお母さんから事情は聞いてるよー。」 あやせ「その事情、教えていただく訳には…」 麻奈美「うーん、あやせちゃんならいいかなぁ…みんな、特に桐乃ちゃんには内緒だよ?」 あやせ「はい、桐乃に隠し事は後ろめたいですが、お姉さんの言う事でしたら、必ず内緒に。」 麻奈美「きょうちゃんのお母さんね、きょうちゃんと桐乃ちゃんの仲を疑ってるみたいなの。」 あやせ「(やっぱり…)そうでしたか…。でも、兄妹の仲がいいのは別に…?」 麻奈美「それがね、きょうちゃんが桐乃ちゃんに手を出したと思われてるみたいで?」 あやせ「なっ!?(あのシスコンの変態っ!!!)」メキィ 麻奈美「きょうちゃんのお母さんが心配して、事前に隔離したみたいなの。」 あやせ「そ、そういう事でしたか…色んな意味で安心しました。」ホッ 麻奈美「あやせちゃんも心配、なんだね。きょうちゃん最近もてもてだし~。」 あやせ「そそそ、そんな事はっ! わたしは、桐乃の事が心配でっ!」アセアセッ 麻奈美「んー、実はね? わたし、きょうちゃんの引越し先、知ってるよ。」 あやせ「えっ!?」 麻奈美「今日も、晩御飯を作りにいってあげる予定です。」 あやせ「きょ、『今日も』って!?」 麻奈美「合鍵、預かってるんだぁ。あ、きょうちゃんのお母さんからだけどね?」 あやせ「ご、ご両親も公認なんですかーっ!?」オロオロッ 麻奈美「あ、えっとね、餓死しないようによろしくって…」テレッテレッ あやせ「…その、お姉さんさえよければ、お付き合いさせていただいても、よろしいでしょうか…?」 麻奈美「んー、あやせちゃんなら…いいよ。一緒に行こうか?」 あやせ「はいっ! 是非、お願いしますっ!!」 あやせ(桐乃に内緒というのは心苦しいですが、事態が事態ですからね…) 麻奈美「あ、あやせちゃん~。こっちこっち~。」 あやせ「お姉さん、お待たせいたしましたっ。」 麻奈美「きょうちゃん、まだかなぁ。今日は赤城くんのところ寄るって言ってたし。」ピンポーン あやせ「いない、みたいですね、お兄さん?」 麻奈美「じゃあ先にご飯だけ作っておこうかな。」ガチャリ あやせ「ほんとに合鍵、お持ちなんですね…」 麻奈美「嘘はつかないよー。あやせちゃんも手伝ってね。きょうちゃんも喜ぶよー。」 あやせ「そんなっ…わたし、お兄さんに…酷い事、してますし…」 麻奈美「そんなの、きょうちゃんは気にしないよ、きっと。」 あやせ「そうですかねっ…そう、ですよねっ。」 京介(よくぞ死守してくれた赤城。いつぞやのDVDと交換条件だったが仕方ないっ!) 京介「あれっ、何故部屋に灯りが…また麻奈美のやつかなぁ…ありがたいけど。」ガチャ 麻奈美「おかえりなさい、きょうちゃん。ご飯、作って待ってたよー。」 京介「ただいま。麻奈美、そんな毎日こなくても俺は餓死したりしないぞ…って、ん?」 あやせ「お、おかえりなさい。お兄さん…///」 京介「ただいま、って! どうして、あやせがここに! 俺はまだ何もしていないぞっ!!」 あやせ「お兄さん、どうしてそんなに怯えるんですかっ…///」 麻奈美「きょうちゃん、今日のご飯はあやせちゃんも手伝ってくれたんだよー。」 あやせ「///」 麻奈美「ほら、早く食べよ? 後『まだ』って何か気になるから聞かせてね?」ニコニコ 京介「…事情はまあ、大体分かった。桐乃が荒れるのも無理はない。」 あやせ「それで、ここの事は桐乃には当面秘密に?」 京介「そうしないと、必ず桐乃がきて、趣味ぶっちゃけて好き放題するから、頼む。」 麻奈美「知ってるのはわたしとあやせちゃんだけだからね。それで『まだ』って何?」ニコニコ 京介「うっ、それは、だなぁ…麻奈美さん、最近キツいっすね?」 あやせ「秘密の件は分かりました。それで、『まだ』って何ですか、お兄さん?」ニコニコ 京介「今日のご飯はとてもおいしかったです。二人ともありがとうな。」 麻奈美「うん、ありがとう。だから『まだ』って何かな?」ニコニコ あやせ「お兄さんのためにがんばったんだから当然です。ところで『まだ』とは?」ニコニコ 京介「ごめんさない、言いますから、二人共、その怖い笑顔は止めてくださいっ!!」ドゲザァ!! あやせ「この、紙袋の中身、ですか?」 京介「はい、親友の赤城に預かっていただいていたモノにございます。」 麻奈美「でも、中身は別に…? ファッション雑誌とノートパソコン?」 京介「はい、何とか半ば強制的に家を追い出される前に避難させたものです。」 あやせ「あ、このファッション雑誌…お兄さんたら、もう…///」 麻奈美「あやせちゃん、知ってるの?」 あやせ「はい、わたしと桐乃がモデルしてるファッション雑誌なんですよ。」 麻奈美「へー、どれどれ。わぁ、ほんとだ。二人共綺麗だねー。憧れちゃうなー。」 京介「麻奈美さんは季節による部分的な増減が激し…ごふっ!!」 麻奈美「もー、きょうちゃんたら、あやせちゃんの前でそんな事言ったらだめー。」 京介「…だからって手加減なしの拳はねぇよ、拳は…」 あやせ「あ、新しいのもありますね。最近は桐乃、モデル活動休止してるのに…」 麻奈美「あれ、よく見たら、雑誌は全部、付箋が付いてるよ? どれどれ…」 京介「や、やめてくださ…ごふっ…麻奈美さん、マジ痛ェ!!」 あやせ「…気のせいか、わたしが載ってるページばかりのような…///」 京介「それは多分、あやせのファンだという赤城が…」 麻奈美「きょうちゃん…『随分』と使い込まれた付箋だね?」ゴゴゴゴゴ… 京介「それは多分、赤城が勝手に…いやすいませんでした麻奈美さん。もう拳は止めてください。」 あやせ「あの、お兄さん…一つお願いがあるんですけど、いいですか?」 京介「はい、言い訳すると命に関わりそうなので、何でも聞かせていただきます。」 あやせ「すいません、その無理言って…///」 京介「合鍵一つで秘密が守られるなら、命に比べれば安いもんだよ。」 あやせ「それに、家まで送ってもらって…お兄さん、受験勉強もあるのに…///」 京介「夜、暗い中、女の子一人で帰す方が危ないだろう。麻奈美も送っていったし。」 あやせ「あのですね、お兄さん…だったら、もうちょっとだけお願いが…///」 ギュッ あやせ「危ないから、手、繋いでてください…///」 京介「あ、あやせさん? 急に何、どうしたの!?」 ギュゥッ あやせ「(もう、鈍感ですね…お兄さんは…)///」 京介「じゃあ、玄関で転んだりするなよ?」 あやせ「家の前まで送ってもらったのに、そんな事しませんっ///」 京介「じゃあ、またな?」 あやせ「はい、また…です…///」 あやせ(お兄さんと、手、繋いじゃったっ…♪)ゴロゴロ あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロ あやせ母「あやせ? 何、ぬいぐるみ抱えてベッドで悶えてるの…?」 あやせ「はっ…!? いや、これはその、仲直りできたのが嬉しくて、つい…///」 あやせ母「嬉しいのは、分かったから、早くお風呂入って…って聞いてないわね…」 あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ - 翌日 - あやせ「おはよー、桐乃…って今日は元気だね?」 桐乃「んふふーっ、分かるぅ? 今日のあたしは絶好調よっ!」ニコニコ あやせ「昨日はあんなに調子(というか機嫌)悪そうだったのに?」 桐乃「ようやく、あいつから連絡があった。確かにこれなら親にバレにくい。」ニコニコ あやせ「お兄さんと、話できたんだ?」 桐乃「オンライン対戦ゲームのチャットでね、『待たせてすまなかったな』、って♪」ニヤニヤ あやせ(ああ、それでノートパソコンだったんだ。) 桐乃「でも、どこに引越ししたかまでは約束もあるから教えられないって…」ショボーン あやせ(お兄さんも、桐乃の事、気にしてくれてたみたいですし…報告しておこうかな?) 桐乃「後、気のせいか、あいつの周りに女の匂いがする…!!」キッ あやせ「…! 桐乃、どうしてそう思うの…?」 桐乃「今まで、ずっとデフォのキャラ使ってたのに、急にエディタキャラ使ってきた!」プンスカ あやせ「桐乃、それがどうして、お兄さんの話に?」 桐乃「あいつの趣味で、黒髪ロングに眼鏡まで装備して、ちょー気合入ってたしっ!!」ギリィ あやせ(黒髪ロングに…眼鏡ね、ふむふむ…早速、眼鏡は調達しましょうか。) 桐乃「しかも、ちょーやり込んでて、コテンパンにされたしっ!! 今度は負けないっ!」バンバン あやせ(何だか怒ってるようだけど、嬉しそうだし…これはこれで…) 桐乃「む、眼鏡が気になって見逃しそうだったけど、あやせに似てた気がする…かな?」ボソボソ あやせ(…! それは聞き捨てならないよ、桐乃…///) あやせ「…という訳で、桐乃はそれなりに満足してました。嫉妬もすごかったですけど。」 京介「事情はまあ分かったが、何故、今日もあやせが俺の部屋にいる?」 あやせ「お姉さんに聞いたら、今日は来れない、という事でしたので…///」 京介「いや、それは答えになってないだろう!?」 あやせ「眼鏡がお好きらしいので、伊達ですけど、かけてみました…///」 京介「確かに眼鏡は好きだが、あやせだと、反則すぎるくらい似合うなっ、畜生っ!」パシャ あやせ「いきなり何をっ!!」 京介「貴重な、可愛い眼鏡あやせを秘蔵のコレクションとするため、素早く写メに記録した。」 あやせ「っ! 可愛、い、なんて…そんな急に…じゃあ部屋にいるときは常備しますね///」 京介「…あの、あやせさん? いつもなら、こう冷めた目で見下してる所ですよ?」 あやせ「あっ、えっと、こほん。今日はお兄さんに聞きたい事があって来ました。」 京介「条件反射で正座して土下座できる体勢になってる、この俺の習性が恨めしいよ。」 あやせ「返答如何によっては、色々と不都合なイベントが発生しますので、そのおつもりで。」 京介「それはもう脅迫ですよね!?」 あやせ「お兄さんがゲームで使われてたキャラのモデルって誰、ですか?」 京介「はい?」 あやせ「ですから、誰がモデルですか、と聞いてるんです。もしかして、泥棒猫ですか?」ジトーッ 京介「泥棒猫って、その元後輩の、黒ね…いや五更の事かっ!? ち、違うぞ!?」 あやせ「そうですか。で、誰なんですか?」ジトーッ 京介「本人を目の前にして言うのも何だが、あやせさまです、すいませんでしたぁっ!!」ドゲザァ 京介(ああ、死んだね、もう死んだね。覚悟完了。すまん、桐乃…ってあれ?) あやせ「そ、そうですか。わたしが、モデル、なんですね…///」 京介「あ、あれ?」 あやせ「じゃあ、今日のわたしなんか、もうばっちりですよね…///」 京介「はい、文句つけたら神様に怒られると思います。」キリッ あやせ「今日のご飯は、お姉さんにお聞きしていた、お兄さんの好物にしますね…///」タタタッ 京介「あの、あやせさん?」 あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」 京介(どこかで見た事ある雰囲気だけど、触れないでおこう…) あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」 京介「ごちそうさまでした。」 あやせ「こちらこそ、お粗末様でした。」 京介「すげーうまかった。」 あやせ「その、喜んでいただけたなら充分です…///」テレテレッ 京介「こんなに美人で、可愛くて、料理もできるなら、すぐにでもお嫁にいけそーだな。」 あやせ「…!」ツツツッ 京介「あの、あやせさん!? さっきから、すごく、そのですね…っ!」 あやせ「その、何ですか…? ///」ピトッ 京介「桐乃に見られたら、何を言われるかと思うと…でも、今のあやせはすごく、可愛い。」 あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」ギューッ 京介「ほら、あんまり遅くなると親御さんが心配するから、今日は帰ろう、な?」 あやせ「も、もうちょっとだけですからっ♪」ギューッ 京介「もうちょっとだけ、って言いながらもう一時間は抱きつかれてるぞっ、俺はっ!」 あやせ「し、仕方ありませんね…じゃあ『今日は』これで満足して、帰ります…///」 京介「やっと、帰る気になってくれたか…一応、これでも受験生なんで…」 あやせ「じゃあ、その、無理にとは言いませんが…一つ欲しいものが…///」 京介「た、高いモノは勘弁してください、あやせさまっ!」 あやせ「その、お兄さんのお古のワイシャツを…///」 京介「えっ?」 あやせ「後、今日は、腕組ませてください、ね…///」 京介「どうしてこーなった…」 あやせ「お姉さんとは、もっとすごい事、毎日してるって聞きましたよ?」 京介「その情報源はどこだ…?」 あやせ「えーと、先日、お姉さんの家にお泊りさせていただきまして。」 京介「田村さん家の方々かぁっ!! 信じるなよ、事実を誇張した捏造だからなっ!!」 あやせ「でも、お姉さんと同じ部屋でお泊り、したんですよね?///」ツネッ 京介「そんな可愛い顔して照れても、痛ェもんは痛ェ!!」 あやせ「じゃあ、こうします♪///」ギュー 京介「両腕を絡ませてきて、どうするつもりだっ!!」 あやせ「わたしがドキドキした分、お兄さんにもドキドキしてもらいます♪」ギュー あやせ(とりあえず、お兄さんのお宝アイテムをゲットしてしまった訳ですが。) あやせ(そういえば、この大きなクマさんのぬいぐるみにはまだ名前をつけてませんでしたね…) あやせ(…せっかくだし、モノは試しという事で、よいしょ、よいしょ…) あやせ(できましたっ、ワイシャツのサイズが少々大きいですが、お兄さんのですし♪) あやせ「今日から、このクマさんは『きょうすけ』さんにしましょう☆ミ」ギューッ あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←ありったけの知識を総動員して妄想中。 あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン あやせ「はっ! わたしは今、何を…///」 あやせ「…きょ、きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン あやせ(少女マンガの知識しかないわたしには、もうこれが限界~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン - 翌日 - あやせ「き、桐乃に…相談したい事がっ!」 桐乃「どーしたの、あやせ…そんなものすごい形相でっ!」 あやせ「桐乃の趣味の領分だから、こんなの桐乃にしか頼めないのっ!」ゴニョゴニョ 桐乃「あたしの趣味とな! それなら放課後とかの方が…教室ではさすがに…」ゴニョゴニョ あやせ「その、かなり切実なので、じっくりとご相談させていただきたいのです。」ゴニョゴニョ 桐乃「帰りにどこか、という訳にもいかないし、ウチにくる?」ゴニョゴニョ あやせ「是非、お願いいたします。」ゴニョゴニョ 桐乃「では、そーゆー事で。わたしもちょうど、あやせに相談したい事が。内密に。」ゴニョゴニョ あやせ「では、その件も含めてというのはどうかな?」ゴニョゴニョ - 放課後、高坂家 桐乃の部屋 - あやせ「実はですね、わたしもオンライン対戦ゲームに興味を持ちまして。」モジモジ 桐乃「ついに、あやせも分かってくれたのねっ!!」ガシッ あやせ「桐乃っ、落ち着いて! その、食べず嫌いは良くない、と。」ワタワタ 桐乃「その考えだけでも充分よ、あやせ。分かった、まずはやってみよー。」ソワソワ あやせ「やってみよー。」ワクワクドキドキ 桐乃「ところでわたしの相談なんだけどね…あやせ、地味子…麻奈美と仲いいよね?」 あやせ(…! まさか気がついた!?) 桐乃「お母さんが地味子に電話してるの、聞いちゃって。その、バカ兄貴の世話焼いてる、とか…」シュン… あやせ(わたしの事までは、まだバレていないようだけど…?)ドキドキ 桐乃「もしかして、地味子はバカ兄貴の住んでる所、知ってるのかなぁって。」グスッ あやせ「あのね、それならお姉さんに聞いてみたよ。学校で様子見て、連絡してるんだって。」アセッアセッ 桐乃「そう、なの…ありがと、あやせ。少しだけ安心した。」 あやせ(事前にお姉さん達と打ち合わせしてなければ、今のは避けられなかったーっ!!)アセッアセッ 桐乃「あやせ、また新しい情報があったら教えてねっ!」 あやせ「大切な桐乃のためだから、ね。できるだけ、がんばってみる。」 桐乃「こーゆー時、黒猫が転校しなければ…貴重な情報源がっ!」 あやせ「黒猫って、お兄さんの彼女を詐称した泥棒猫の事?」ムッ 桐乃「詐称した、とゆーか、一時期、確かにバカ兄貴の彼女だった訳で…それに友達だし…」モジモジ あやせ(桐乃の友達をあんまり悪くいうのもなんですし、この話題はここまでにして…) 『いえにかえるんだな。おまえにも、おにぃちゃんがいるのだろう』 桐乃「…その、あやせ、さん? すごくお上手ですね?」ワナワナッ あやせ「や、これは本当に初めてだし、そのまさか、こんなにおもしろいとは…」 桐乃「ノーハンデ同キャラ対決で、もうわたしの腕に追いついてるなんて!?」 あやせ「こう、動かすだけなら、そんなにも難しくないというか…ね?」 桐乃「あやせ、センスあるよ。すっごい悔しいけど。」フルフルッ あやせ「でも、これ、そのエッチなゲームなんだよね…?///」 桐乃「ゲームとしてはどっちの目的でも遊べるけど、わたしは可愛い絵が好きだから☆ミ」 あやせ「でも、こうやって人と遊ぶ分には、それ程…」 桐乃「とりあえず、明日にでもコレ買ってきて、あやせもオンラインデビューしようか?」ニヤッ あやせ「オンラインデビュー?」 桐乃「そうそう。そうすれば、わざわざウチに来なくても一緒に遊べるし、ね、ね?」 あやせ(ん、つまり表に裏に、お兄さんに群がる女の人を監視できますね?)キュピーン 桐乃「それに、あやせの腕なら、すぐに黒猫とだってやれるよ、だから、ねっ?」 あやせ(泥棒猫も正面から叩き潰せるチャンスですか…ふふっ、うふふふふ…)ニヤリ あやせ「分かったわ、桐乃。桐乃の言う通りにする…けど、これって18禁、だよね?」 桐乃「大丈夫、手配ならもう済ませたわ。」 あやせ「早いし! しかもさすが、ネット通販…明日には届くって…」 桐乃「エロゲーデビューする親友への、わたしからのプレゼントよ。感動した?」キリッ あやせ(嬉しいけど、そこには感動できないよ、桐乃…) - 翌日の放課後、高坂家 桐乃の部屋 - 桐乃「ふっふっふ。さあ、あやせ、パソコンはもってきた?」 あやせ「ノートパソコンだけど、大丈夫だよね?」 桐乃「バカ兄貴も同じようなの使ってるから、それは大丈夫。さあインスコしちゃおうねー。」ムフフ あやせ「うーん、結構時間かかるんだね。それにエッチなのはゲームで躊躇してるのもあるし。」 桐乃「ここまできて文句言わなーい。それに、別に見たくなければスキップできるから。」 あやせ「確かに絵は可愛いよね…」 桐乃「そうそう、リプレイも見れるんだ。あいつとの対戦リプレイ見る?」 あやせ「桐乃とお兄さんの? それは見てみたいかも(主に私がモデルのキャラが)。」ワクワク 桐乃「あいつのキャラ、眼鏡なかったら、あやせそっくり。性癖でキャラ作るとかキモっ!」イラッ あやせ(…なるほど、お兄さんが土下座したのも分かる。わたしに似てるなぁ…でも、ね?) あやせ「気のせいとは思えない程、露出度高くない? 後、桐乃の方も、桐乃そっくり…」 桐乃「あー、えっとね、こーゆーの作るのが得意な知り合いにいてね?」 あやせ(ん、この露出度の高いコスチューム、見覚えがあるような、ないような…?) あやせ「もしかして、わたしに似てるのってEXタナトスだっけ…メルル、だったかな?」 桐乃「ほほう、あやせも『星くず☆うぃっちメルル』をご存知かね、ん?」キュピーン あやせ(桐乃の前で、コスプレする寸前まで覚悟を決めてた、とは言えない…!)タジタジ あやせ「き、桐乃、何か変な事、考えてない?」ジリジリッ 桐乃「あやせも『星くず☆うぃっちメルル』を一気見して、一緒に感動しよっ!」キリッ あやせ(結局、その日はゲーム云々よりも桐乃のメルル講座&鑑賞会に費やされたのでした…) 京介「…で、何が悲しくて、受験生の俺が、あやせとエロゲーの協力プレイをせにゃならんのだ?」 あやせ「桐乃から『週末までにキャンペーンモードをクリア』するよう宿題が、と説明を…」 京介「確かに協力プレイでレベル上げしないと面倒だしなぁ…」 あやせ「一人で黙々やってもクリアできないから、頼んでるんじゃないですかぁ…///」 京介「まあ、わざわざ麻奈美と二人で晩飯作りに来てくれてる分くらいは手伝うよ。」 あやせ「ちゃんとクリアできたら、きちんと別のお礼を差し上げますから、ね?」 京介「参考までに、どんな人参か教えてもらえると、やる気の意味でありがたい。」 あやせ「わたしと桐乃の、雑誌に載った写真の元データ、と言ったら?」 京介「全身全霊を尽くして、あやせさまの課題攻略につきあう所存だ。」 麻奈美「きょうちゃん、優しいねー。」ニコニコ あやせ(わざとパソコンはお兄さんの部屋に置いてきましたし、明日も口実は充分ですね♪) あやせ(それに、毎回、腕組んで、ちゃんと家まで送ってくれるし♪) あやせ(セクハラもしてこないし、もう『きょうすけ』さんって呼びたい♪) あやせ(クマさんじゃなくて、お兄さんを『きょうすけ』さんって呼びたい♪) あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←桐乃から渡された薄い本の知識を総動員して妄想中。 あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン あやせ「…きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン あやせ(桐乃に押し付け、もとい、借りた薄い本…同人誌がいけないのよー!) あやせ(タナトスだっけ、が…エッチな事、されてるのを厳選してる桐乃ぉ…絶対ワザとだった!) あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー! - 翌日の放課後 - 桐乃「あやせ、最近、悩み事ない? 時々、思い出したように真っ赤になってるけど?」ジー あやせ「それは、桐乃が…っ! 桐乃がわたしに、あの、薄い本なんて渡すからっ!」ゴニョゴニョ 桐乃「気に入ってもらえたようね。うへへ、ようこそ、あやせ。こちら側の世界へ。」ゴニョゴニョ、ニヤニヤ あやせ「ううっ。もう少ししたら『宿題』終わりそうだから、対戦、できるからね?」ゴニョゴニョ 桐乃「その時は、前みたいに、手加減しないからね(…手加減してないけど)?」ゴニョゴニョ あやせ「ところで桐乃。風の噂で聞いたけど…お兄さん、シスコン勝負に負けたとか?」ゴニョゴニョ 桐乃「…! どこから、そんな最高機密情報をっ!」ゴニョゴニョ あやせ「桐乃が、お兄さんに、ほっぺにちゅーしてあげたら勝ってたとか?」ゴニョゴニョ 桐乃「あ、あ、あやせっ! 一体、どこまで知ってるの…!!」アセアセッ あやせ(桐乃が、どこまでお兄さん、いえ京介さんに迫ったかは分かりましたっ!) あやせ(噂の泥棒猫も、京介さんに、ほっぺにちゅーまでした不届き者っ!) あやせ(お泊りっこしてたお姉さんには敵わないまでも、桐乃と泥棒猫には負けられないっ!) あやせ「…これでっ! ふぅ、やっと『宿題』終わりましたぁ…」グッタリ 京介「これで、桐乃もあやせも喜んでくれるなら一石二鳥だ。がんばったな、あやせ。」 あやせ「じゃあ、その…がんばったご褒美、もらっちゃいますね。ちゅっ☆ミ」 京介「な、何をっ! 今の不意打ちだろっ! 俺の初めてをだなっ!」ワタワタ あやせ「わたしも…初めて、でしたから、良かった。京介さん…///」モジモジ 京介「あやせ、お願いがあるんだが…不意打ちじゃなくて、もう一回、してくれ。」 あやせ「はい、お兄さん、じゃなくて…京介さん…ちゅっ☆ミ」ギューッ 麻奈実「ごめんねぇ、スーパー混んでて…あれ、どうしたの二人共?」ガチャッ 京介「いや、やっと桐乃の『宿題』をあやせが終わらせて一安心してたところだ。」アセアセッ あやせ「はい…京介さんの、おかげです。あの、これお約束のデータです。」モジモジ 麻奈実「むふふぅ、『京介さん』ですかぁ。ふぅん。」ニヤニヤ 京介「あの、麻奈実さん? 何ですか、その妬ましそうな羨ましそうな顔は?」 麻奈実「わたしも、きょうちゃんの事、『京介さん』か『あなた』って呼ぼうかなって。」 京介「なんで!? 急にそんな話に飛躍しちゃう訳!? ねぇ!?」 麻奈実「だって、あやせちゃん、うっとりしてて、すごい幸せそうだもん…」ジーッ 京介「ちょっとまって、ねぇ!? おーい、あやせー!? 戻ってこーい!!」 あやせ「うふふ…京介さん…きょーすけさぁん…すぅっ…はぁっ…」ギューッ、ウットリ、クンカクンカ あやせ「お、お恥ずかしいところをお見せいたしまして、申し訳ありません…」モジモジ 京介「いや、とりあえず現実に戻ってきてくれて助かった。」 麻奈実「はい、『あなた』☆ミ ご飯ですよ♪」 京介「麻奈実…もう少し歳を考えて、言葉は使った方が、ごふぅっ…っ!!」ビクンビクン 麻奈実「だめだよー、きょうちゃん。わたしだってぴちぴちなんですからねー!?」ニコニコプンスカ あやせ「ああっ、京介さんっ!? 今のはさすがのわたしも…」タジタジ 京介「麻奈実さん、お願いだから、その怖い笑顔はやめてー!?」 麻奈実「あやせちゃんも、今日はきょうちゃんの味方かなー?」ニコニコニコニコ あやせ「味方もなにも、わたしの素敵なお兄さんとお姉さんなんですからー!?」 あやせ(目の前の惨劇をわたしは見なかった事にした。) あやせ「あの、大丈夫ですか? 京介、さん…///」テレテレッ 京介「麻奈実にぽかぽかされてるのは慣れてるが、マウントでごっすごっす殴られるのは初めてだ。」 あやせ「やっぱり、お姉さんも、京介さんの事、大好きなんですよ…」ギューッ 京介「今日は初体験がたくさんあって大変だった。特に、あやせのは効いた。」 あやせ「あの、それはどういう…(ちゅっ)んっ…」ポワーン、ウットリ 京介「その、なんだ。年下にされてばっかりというのは気に入らん///」 あやせ「あ、あの! 不意打ちは卑怯だと思うんです、京介さぁん…」ポワーン 京介「じゃ、やり直し、する?」 あやせ「も、もうすぐ家ですから、その、是非、今、お願いします…っ!」テレテレッ 京介「じゃあ、あやせ。少しだけ、背伸びして…ちゅっ☆ミ」ギューッ あやせ『あややん:色々あって、やっとオンラインにデビューです。』 桐乃『きりりん:まってたよーぉwww早速、対戦しよっか、あややーん☆ミ』 あやせ『あややん:えっと、桐乃…だよね?』 桐乃『きりりん:もっちろん、きりりんがあたし、桐乃って携帯で伝えたじゃん?』 あやせ『あややん:ところでその、ハンドルネーム?で呼び合った方がいいのかな?』 桐乃『きりりん:そっちの方がお互い気にならないからねー。』 あやせ『あややん:では、きりりん。早速、お手合わせをお願いね?』 桐乃『きりりん:うっへへっ、しっかりカモらせてもらうよーwwwあややーんwww』 あやせ(京介さんと、二人でがんばった成果、桐乃に全力でぶつけますっ!!!) 桐乃『きりりん:あたしの輝かしい勝率のために、敗北の味を思い知れっ、あややんっ!!!』 『いえにかえるんだな。おまえにも、おにぃちゃんがいるのだろう』 桐乃『きりりん:ねぇ…あややん? どこでそんなに強くなったの、ねぇ…?』 あやせ『あややん:それは黙秘を行使させて…これまで色々とあったのよ…』 桐乃『きりりん:でも、一勝もできないなんて…しかも、後一押しで負けるのが悔しいっ!』 あやせ『あややん:でも、きりりんだって、本気だったから悔しいんでしょ?』 桐乃『きりりん:そう、そうなのよっ! 悔しい…けど、友達と本気で遊べるのがすっごく楽しい!』 あやせ『あややん:きりりんが楽しいんだったら、必死に宿題こなした甲斐があったわ。』 桐乃『きりりん:んー、何だろうなー、あややんの攻め方、誰かに似てる気がする。』 桐乃『きりりん:黒猫でもないし、沙織とも違うし…うーん?』 あやせ『あややん:ほら、今日はもう遅いし、わたし寝るねっ! また明日っ!』アセアセッ あやせ(ふぅ、危ないところでした。練習相手が京介さん、でしたからね。) あやせ(とにかく、今日の事を思い出すと…顔が真っ赤になる…キスしたしっ!)テレテレッ あやせ「よし、このモヤモヤを吹き飛ばすためにも、いつもの日課を…っ!」 あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー! チュッチュッ! - 同時刻 高坂家 京介の部屋 - 桐乃「京介ぇ…どこいったのよぉ…寂しい時くらい傍にいてよぉ…」グスッグスッ 桐乃「まだ、このベッド…京介の匂いがするぅ…///」クンカクンカ! 桐乃「あやせも、次は負けないかんねっ!」クンカクンカ! 桐乃「明日は休みだし、今日はこのまま、京介のベッドで寝ようかな…///」クンカクンカ 桐乃(京介分、補充ぅ…)スヤスヤ - 翌日 - 京介「親父に模試の結果を見せに来ただけで、何故俺はこんなのを見なければならんのだ!?」 桐乃「うへへ…みやびちゃん、きりのおにぃちゃんのとこおいでぇ…」ムニャムニャスヤスヤ 京介(おねぇちゃん、じゃなくて、おにぃちゃん、かよ!?) 京介(しかも何故、俺の部屋で、桐乃が怪しい寝言を、幸せそうに言ってる状況が分からん!!) 京介(親父への報告は済んだし、何も見なかった事にして、さっさと逃げよう、そうしよう!) 桐乃「ん、きょーすけぇ…さみしーよぉ…」グスッ 京介「…あーもう! 仕方ねぇーなぁ! 起きるまでだからなっ!」 京介(とはいえ、昨日あやせと色々あったせいで、ニヤニヤして、ほとんど寝れてないしなー)ウトウト 京介(麻奈実にやられた所も痛ェし…ちょっとだけ付き合ってやるか…)ウトウト 桐乃「う、うーん…何かいい夢見たような気がする…うへへ…」ボケー 京介(ん、桐乃、起きたのか?)ウトウト 桐乃「よぉしっ、少し充電できた気がす…るっ、て、京介!?」 京介(お前のエネルギー源は妹モノのエロゲーだろ…)ウトウト 桐乃「なんで、ここに京介が…しかも寝てるっぽいし…チャンス?」 京介(チャンスってなんだよ…)ウトウト 桐乃「京介分、充電開始ぃ…///」ギュッ、クンカクンカ、スハースハー! 京介「桐乃っ、おまっ、何をやって! 目ェ覚めたじゃな…もうちょっとだけだぞ…」ナデナデ 桐乃「チッ、そのまま寝てればいいのにぃ…じゃあ、フルチャージしたいなぁ…」グスッ 京介「すまんが元気の源であるエロゲーなら一人でやってくれ。」ナデナデ 桐乃「もう、空気読めないヤツっ…おはよう、京介。ちゅっ。///」 京介「黒猫といい、お前といい、どうしてそういう不意打ちしてきやがるんだ…」ナデナデ 桐乃「エロ猫はほっぺだったんでしょ、同じとこはヤだから、あたしはおでこっ…ちゅっ。///」 京介「言いたい事は分かったから、今はお袋がドアを開けない事を祈れ。」ナデナデ 桐乃「それってさぁ…もっと、すごい事してもいいって事?」ニヤニヤ 京介「お前のすごい事は、俺の想像の域にないから、困…んんっ!!」 桐乃(ちゅーっ。)←唇から急速充電開始!! … ←急速充電中。 桐乃「ぷはっ…京介分、充電完了ぉ…後、遅くなったけど、おかえり、京介…///」 京介「おおお、おう、ただいま。桐乃。」ナデナデ 桐乃「へ、部屋で着替えてくるから、それまで帰んないでよねっ!!///」テレテレッ 京介「お袋が晩飯くらい食ってけ、って言ってたから、それは安心しろ。」 桐乃「じゃあ、ソッコーで着替えてくるっ!!///」ダダダッ 京介「リビングで待ってるからなー。」 桐乃(えへへへぇ…京介と、キス、しちゃったょぉっ!!!///)デレデレ 桐乃(ああ、今のあたし、ちょーキモい!! ニヤニヤが止まらないっ!!///)デレデレ 桐乃(『ただいま、桐乃。』キリッ(乙女補正有)、だってさーっ!!///)クネクネデレデレ 桐乃(しまったなぁ、写メでも撮っておくべきだった…)ガックシ 桐乃(後で、も一回、言ってもらって録音するか動画にしておこ。///)ウヘヘヘ 京介「そうだ。今日は自宅だって、麻奈実とあやせにメールだけしとこ。」ポチポチ、ピローン あやせ(ううっ、ほとんど眠れませんでした…///) あやせ(今までは、クマさんのきょうすけさんで落ち着いたというのに…///)クンカクンカ あやせ(わたしから仕掛けておきながら、あの生の感触は卑怯ですっ!///) あやせ(まだ、デートもしてないのに、キス、しちゃったし…) あやせ(! そうだ、お休みなんだし、デート…にお誘いしてっ!) あやせ(…待って待って。キスはもうしちゃったし、後はその…///)ピローン あやせ(あ! 京介さんからのメールっ! …そっか、今日は自宅かぁ…)ショボーン あやせ(自宅…桐乃に薄い本を返す名目で自宅訪問! これはいい手です!)バタバタッ 桐乃「黒猫には教えておこっかな、京介が帰ってきてるって。」ポチポチ、ピローン 黒猫(やっと出番…主役は最後に登場するものだわ。待ってなさい、京介。)ルンルン♪ あやせ「深呼吸、深呼吸…よしっ!」ピンポーン 桐乃「はーい、黒猫、早かったじゃ…って、あやせ?」 あやせ「ゴメンね、桐乃。いきなりで。その、借りてた本、返しに…///」 桐乃「あ、そーゆー事なら。せっかくだし上がって上がって。後ろのエロ猫も。」 黒猫「…お邪魔します。」 桐乃「二人共、あたしの部屋でいいかな? 今、バカ兄貴、自分の部屋で寝てるから。」 黒猫「…そう、それはいい事を聞いたわ。」スタスタ、ガチャ、バタン 桐乃「あんのエロ猫ぉっ!!」 あやせ「この泥棒猫っ!!」ドタドタドタドタッ! 黒猫「…うふふ、今日こそ『契り』を…京介…」ドキドキ 桐乃「エロ猫ぉっ!! ナチュラルに添い寝しようとすんなぁっ!!」 あやせ(どうしてこんな事に…京介さんの部屋で、お互いを牽制しあう状況に…) 麻奈実「あれ、みんなも、きょうちゃんに会いに来たんだ、もてもてだねぇ。」 あやせ「お姉さん! どうしてここに!?」 麻奈実「きょうちゃんのお母さんにね、お呼ばれしたのー。はい、ウチの和菓子。」 あやせ「と、とりあえず、桐乃…借りてた本を…///」 桐乃「んふっ♪ その様子だとお楽しみいただけたようですなぁ、あやせさま♪」ニヤニヤ 黒猫「…桐乃、あなた、普通の人に何を押し付けたの?」 桐乃「ん? メルルのタナトス陵辱本。ハードなやつ。ほら、あやせ、似てるっしょ?」キリッ 麻奈実「りょーじょく、って入浴の事だっけ?」 あやせ「お姉さん、この話はここまででっ!!!」アワアワッ 桐乃「しっかし、よくこの状況で寝てられるわね、このバカ兄貴は。」イラッ 黒猫「ここは運命の人である私が、目覚めのキスを…」スック あやせ「ま、待ちなさい、この泥棒猫っ!!」 麻奈実「みんな、きょうちゃんの事、大好きなんだねぇ。」ニコニコ 「「「///」」」 桐乃「な、何よ、みんなして、その反応は…あやせ、まで…? ま た か!」ムカァッ 黒猫「仕方ないわね、ここは京介を賭けて勝負しましょうか、正々堂々と。」 麻奈実「勝負はいいけど、きょうちゃんを景品にしちゃだめだよー?」 あやせ「そうですよ、きょ…お兄さんはモノじゃないんですから!」 黒猫「…勝負する事はいいのね。じゃあ勝者の特典はどうするの?」 桐乃「じゃあ、兄貴の引越し先を教えてもらう、というのは?」ウヘヘ 黒猫「勝者の名前付きで愛の言葉を囁いてもらって録音する、のはどうかしら?」ドキドキ 麻奈実「きょうちゃんと一日デート、お泊り付きってどうかなー?」ニコニコ 「「「その勝負乗った!!!!!」」」 あやせ「…こほん、落ち着きましょう。全部やってもらえばいいじゃないですか。」テレテレッ 黒猫「異論はないわ。むしろ素晴らしい提案よ。」 桐乃「い、いいじゃない。その代わり、敗者は手出し無用、アリバイ工作にも協力する事。」 麻奈実「でも、げぇむだと黒猫さんが圧勝だよねぇ。」 あやせ「だったら、トランプとか、どうでしょう? シンプルにババ抜きとか。」 黒猫「この私が、そんな単純なゲームで引けを取るとでも? 受けましょう。」 京介「ふぁぁっ…なんだこの状況は。誰か、分かりやすく説明してくれ。」ボケー 桐乃「ようやく起きたわね、バカ兄貴。あんた、今日の景品よ。」フフンッ 京介「ゴメン、桐乃。何を言ってるのか全く分からない。」ボケー あやせ「これから、わたし達四人で、ババ抜き一本勝負をします。」モジモジ 黒猫「勝者には、京介の引越し先を知る権利が与えられるわ。」モジモジ 京介「はい?」 桐乃「後、勝者の名前付きで、愛の言葉を囁いて、録音するのよ…///」テレテレッ 京介「そんなにお前は俺の黒歴史を増やしたいのか!」 麻奈実「勝者には、『きょうちゃんと一日デート、お泊り付き』が贈呈されるんだよー。」ニコニコ 京介「誰が何言ったか知らんが、最後のは絶対に麻奈実が言っただろー!?」 京介(だいたいババァ抜きなら真っ先に麻奈実が脱落するだ…)ゾクゾクッ!!! 麻奈実「…きょうちゃん…今のは『本気』で、怒ってもいいかな!?」ニコニコ、メキィ 京介「まだ何も言ってないけど、何だか申し訳ございませんでしたー!!」ドゲザァッ!! 麻奈実「きょうちゃん、『何』が言いたかったのかな!?」ゴゴゴゴゴ 京介「あ、あの、麻奈実さん!? ごめんなさい、許してぇー!?」 - しばらく残虐なシーンが続くので、和やかな映像でもご想像ください - 桐乃(黒猫はプレッシャーに弱い。あやせは普段から表情をよく見てる。となれば…) 黒猫(桐乃は分かりやすいからいいとして、後の二人は強敵ね…) あやせ(桐乃は敵ではないわ。泥棒猫も心理戦には弱いらしい。となると…) 麻奈実「さあ、きょうちゃんも、大人しくなったし- 始めましょうか。」ニコッ 桐乃(席は時計回りにあたし、黒猫、地味子、あやせ。妥当なところだけど…)スッ 黒猫(桐乃から引いて、ベルフェゴールに手札を渡す…やっかいな位置だわ。)スッ、ポイッ 麻奈実(黒猫さんは素直ないいコだけど、あやせちゃんは強敵ね。色々な意味で。)スッ、ポイッ あやせ(…最悪の位置ですよ、ここ。お姉さん、絶対に本気だし…)スッ、ポイッ 桐乃(くっ、あやせ、もしかしてあたしの手が見えてるの!?)スッ、ワナワナ… 黒猫(まずは手札を減らさないと。ジョーカーなんて後からでも分かるわ。)スッ、ポイッ 麻奈実(序盤は気にせず引いていきましょうねー。)スッ、ポイッ あやせ(わたしが問題とするのはお姉さんだけで、よさそうですね。)スッ、ポイッ 桐乃(…!! あ、あやせぇ…ちょっとくらい協力してよぉ…)スッ、フルフルッ… 「「「桐乃、オワタwww」」」 桐乃(あたしが不甲斐無いばかりに、あやせの手札が後一枚に…!)スッ、ポイッ 黒猫(おかしいわね、誰もジョーカーを持ってる気配がない…)スッ 麻奈実「んー、そろそろわたし、『9』が欲しいなぁ。」ニコニコ 黒猫(…!)ビクンッ 麻奈実「あ、これかなー? ありがとー。わたしも後二枚だよー。」スッ、ポイッ あやせ(間違いない! ジョーカーは最初からお姉さんが持ってたんだ!) 麻奈実「はい、あやせちゃんが引く番だよー。」ニコニコ あやせ「くっ、なんてプレッシャー…これが年の功なの…」タジタジ 麻奈実「あやせちゃん? 心の声が聞こえてるよー?」ゴゴゴゴゴ あやせ(ひぃっ!? わたしとした事が…強敵をラスボスにしてしまったー!?)アワアワッ 麻奈実「はい、あやせちゃん? 引いて?」ゴゴゴゴゴ あやせ(どっち!? どっちがいいの!? ババ抜きで命の危機なんて初めてだよー!) あやせ「こっち!? …いや、こっちかな!?」オロオロ 黒猫「これがベルフェゴールの真の姿…なんて恐ろしい!!」ナムナム 桐乃「あやせ、何かごめん…お見舞いにはちゃんといくから。」ナムナム あやせ(もう何もかも終わった事にされてるしー! 誰か助けてー!?)オロオロオロオロ あやせ「もう覚悟を決めて…こっちに…!?」チラッ あやせ(京介さんが首を振ってる…お姉さんの手札が見えてるんだ…! 信じます!)ゴクッ あやせ「えい、こちらにしますっ! …ふぅ、揃いました…わたしの、勝ちです。」ポイッ、ホッ 麻奈実「うー、残念。わたしは二番かなぁ…」ショボーン 桐乃「もう地味子とか、言いません。麻奈実お姉さん。最下位として土下座でお許しを…」ペコペコ 黒猫「はい、麻奈実お姉さん。もうベルフェゴールとか言いません。許してください。」ペコペコ 京介(唯我独尊の二人が麻奈実に土下座するのも、何かシュールだな…) 麻奈実「もぅ、二人共、その辺りで、ね? ところで、あやせちゃん?」ジロリ あやせ「は、はいっ!? なんでしょう、お姉さん!?」ビクビクッ 麻奈実「最後、ちょっとだけ、目線が泳いでたよね? あれは何かなー?」ニコニコ あやせ「ぐっ、それは、そのぉ恐怖、じゃなくて、そのですねぇ…///」 麻奈実「あやせちゃんは悪くないよ。ね、きょーぉちゃーん!?」ニコニコ、ギロッ 京介「あ、あの、麻奈実さ…もう、何も聞いてくれそうにないですよね、今!?」 - 残虐なシーンですので、桐乃と黒猫とあやせのムフフなシーンでも妄想してください - 京介「いいか、俺が身を以って示したが、麻奈実だけは怒らせたらダメだぞ…」 「「「はい、麻奈実お姉さんには決して逆らいません。」」」ガクブル 麻奈実「もー、こんな事するのは、きょうちゃんだけだから、ね?」ニコニコ 京介「その笑顔は確かに本物だけど、誤解して怯えてるのは、俺じゃないからなっ!」 麻奈実「そんな事ないよねー?」ニッコリ 「「「はい、麻奈実お姉さんの仰る通りです。」」」ガクブル 麻奈実「勝ちたかったんだけど、それが残念…はい、あやせちゃん、景品どうぞー。」 あやせ「あ…ええと、その、お兄さん。不束者ですが、よろしくお願いします…///」 京介「どうしてそうなるっ!?」 あやせ「その、じゃあ、お兄さんと皆さんに、お願いがあります…///」 <さるさんしてました。ご支援に感謝です。> あやせ「お兄さんの住んでる場所はいいので、わたしにもちゃんと『名前』で呼ばせてください…///」モジモジ 桐乃「…どうなのよ、京介。」ムカッ 黒猫「…どうなの、京介。」ムスッ 京介「いやまあ、それくらいなら(って桐乃と黒猫の機嫌が滅茶苦茶悪いじゃねーか…)。」 あやせ「だったら皆さんの前でも、『京介さん』、って呼ばせてくださいね…///」テレテレッ あやせ「後ですね、みんなにも『参加賞』で、『愛の言葉』の録音を贈呈してください…///」 京介「俺の黒歴史が1ページじゃなくて4ページ増えるんですね。分かります。」 あやせ「後、デートなんですけど…急ですが、明日でもいいですか?」ジーッ 京介「それは構わないんだが、俺、完全に景品になってますよね?」 あやせ「京介さんには、わたしとのデートが『参加賞』、です。ダメ、ですか…///」ジーッ、モジモジ 京介「桐乃と黒猫を黙らせるためとはいえ、黒歴史が増えた事には変わりない…」シクシク あやせ「みんな喜んでたし…明日のデートの邪魔はしないって約束させましたし…///」 京介「それにしても、やりすぎじゃないか? 俺の部屋に鍵つけたのは?」 あやせ「桐乃はとにかく、泥棒猫はナチュラルに京介さんの部屋に入っていきました。」ジロッ あやせ「それに、桐乃のご両親も、京介さんの部屋に鍵つけるのに賛成してくれました。」 京介「あやせが『夜な夜な桐乃が俺の部屋でいかがわしい事に耽ってる、かも』とか言うからだろ。」 あやせ「桐乃がすごく慌ててましたから、想像でも捏造ではなく、客観的事実だと思います。」 京介「まあその騒動のドサクサに紛れて、こうやって、あやせを家まで送ってる訳だし。」 あやせ「でも、もう家…着いちゃいますよ、京介さん…さよならとおやすみのキス…///」テレテレッ 京介「じゃ、また明日。実はもう今から、すごく楽しみにしてる。」チュッ - その夜 - 桐乃「あやせの巧妙な策略によって、京介の部屋に入れなくなったのは痛い…」ショボボボーン 桐乃「しかし、咄嗟に京介のパンツだけは確保しておいたっ、あたし偉いっ!」クンカクンカ! 桐乃「京介もたまには帰ってくるっていうし、それまでは『愛の囁き』とこれで!」クンカクンカ! 黒猫「ふふふ…『愛の囁き』…私が『高坂瑠璃』に生まれ変わる日も遠くないわね…」 黒猫「…!!」ギューッ、ゴロゴロゴロゴロッ! ←都合のいい未来予想図を激しく妄想中。 珠希「ねえさま、どうかしたんですかー?」 日向「る、ルリ姉…たまちゃんは、今こっちにきちゃだめー。とっても危ないからねー。」ホロリッ 麻奈実「きょーぉちゃーん♪ 『愛の囁き』、これ、すごいよぉ♪」ゴロゴロゴロゴロ 麻奈実「これからは毎晩、これ聞いて『きょうちゃん(枕)』とで、快眠間違いなしだよー♪」 - 翌日 - あやせ「ぉ…ください。もぉ、お寝坊さんです、京介さんは…///」クンカクンカ! スーハー! チュッ 京介「うわっ! …なんだ、あやせか…一瞬、また昨日の悪い夢かと…」 あやせ「せっかく、おはようのキスだったのに…朝御飯もできてますよっ。」プンプン 京介「いや、あやせだと思ったら、安心した、というか朝から幸せになった。」 あやせ「そうですか、それは…よかったです。わたしも幸せですよ…///」テレテレッ 京介「それに、あやせの服、すっごく似合ってる。あやせらしくて、可愛い。」 あやせ「わたしも、その、初めてのデートですから、張り切りすぎて。」 京介「それに、あんな起こし方だったら、毎日でもお願いしたいくらいだ。」 あやせ「はい、では毎日でも。でも、『悪い夢』の話を聞いてから、ですよ?」ニコニコ あやせ「なるほど、桐乃がそんな『充電』を…わたしも何かで『京介さん分』を毎日補充しないと。」ムムム 京介「毎日て…ところで、あいつらが後をつけてきたりとか、そういう心配は?」 あやせ「桐乃と泥棒猫は、昨日の『愛の囁き』と引き換えに田村屋で労働してます。」 京介「…あいつらは、もう二度と麻奈実に逆らおうなどと思わないだろう。」ナムナム あやせ「そんな訳ですので、心置きなくデートを楽しみましょう♪」ルンルン 京介「ついでなんだが、外に出た途端、何故、急にいつもと違う眼鏡と帽子なんだ?」 あやせ「その、クラスメイトにみつかったりすると恥ずかしいので…」ギュッ 京介「すごい納得した。ちみみに今、俺がその状況に直面しているところだ。」 あやせ「え?」 赤城「…高坂? お前、田村さんはどーした。シスコンの分際で、いつもお前ばかり…」 京介「まあ落ち着け、赤城。俺は別にシスコンではない。妹が可愛いとは思うがな。」 赤城「シスコンではないだと、高坂…語るに落ちたな! その携帯のプリクラは何だ!?」 京介「ぐぅ!? この最悪の状況で、最も痛いところ的確に突いてきやがった!?」 あやせ「京介さん、プリクラって、桐乃との…あれ、ですか!?」ツネッツネッ 京介「痛ぃ!? あやせさん、今のは全く手加減してないですよねぇ!?」 赤城「ん、今、すごく気になる名前を、高坂が呼んだ気がするのだが…?」 京介「気のせいだ。ところで赤城、ものは相談だが…例のDVD、譲ってもいい。」 赤城「例の、とは先日、ようやく俺の手元に渡された、例のヤツか?」 京介「その通りだ。今見た事を忘れるなら、全ての所有権を赤城、お前に譲る。」 赤城「…そうか。高坂、分かった。俺は何も見なかった。行くがいい、親友よ。」 京介「ふぅ、開始早々危ないところだったが、単純なヤツで助か…って痛ェ!?」 あやせ「京介さん、携帯。見せてください…ね?///」ギューッ、ツネッツネッ 京介「あやせさん、可愛くおねだりしても痛ェもんは痛ぇ! 見せるからやめてー!?」 あやせ「むっ、確かに例のプリクラですね…羨ましい(ボソッ)…待受画面はっと…」パカッ 京介「そこまでチェックしないでー!?」 あやせ「桐乃とわたしの水着グラビアの…これは…嬉しい、です…///」 京介「あの、あやせ…どうしたの、顔真っ赤にして?」 あやせ「な、何でもありませんっ。さ、行きましょう、京介さんっ♪」ルンルンッ 京介(あやせ『も』写ってたグラビアだったので、命拾いしたようだな…) 京介「じゃあ、改めて、デートを楽しむとするか。」 京介「とりあえず、街中まで出てきたものの…まあ定番は映画、かな?」 京介(…と、同じ事を言って桐乃に怒られたのを急に思い出した…) あやせ「何か、おもしろそうなもの、上映してますか?」 京介「最近、話題の恋愛映画やってるはずだ。朝一番なら混んでなさそうだし。」 あやせ「恋愛映画って…視たいですけど、いつもは友達同士だと入りにくくて…」 京介「あやせ。今日はデートなんだろ? 視たいなら、行こう。」 あやせ「はいっ、でも…京介さんは、わたしと、視ても大丈夫なんですか?」ジーッ 京介「そんな上目遣いしなくても大丈夫だ。俺はあやせとだから、視たいんだ。」 あやせ「わたしと、一緒だから、ですか?」キョトン 京介「だって、デートって『彼女』とするもんだろ? それって、あやせじゃないか。」 あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪) 京介「あやせ、随分ご機嫌だな? そんなにおもしろかったのか?」 あやせ「はいっ、でも…京介さんと、一緒に視たから、嬉しかったんですっ♪」ギュッ、ピトッ 京介「お、おい、あやせっ! そんなにぴったりされると、だなぁ。」 あやせ「そんなにぴったりされると、何ですか?」ピトーッ、ジーッ 京介「すごく、ドキドキする。いつも、家に送ってる時とは全然違う意味で…///」ドキドキ あやせ「今までは、そんなにドキドキしてくれなかった、と?」 京介「ドキドキするっていうより、ちゃんと家までお送りしないとって使命感がだな。」 あやせ「じゃあ、今はどうしてドキドキしてくれるんですか?///」ドキドキ 京介「そんなの、可愛い彼女に腕組まれて、寄り添われてるからに、決まってるだろ。」 京介「軽くランチだけ取ろうか? 調べたんだけど、ちょっと裏にいい場所がある。」 あやせ「ファーストフードとか、ファミレスとかでも京介さんと一緒なら…///」デレデレ 京介「でも、あやせ。出発する時に知り合いに見つかると恥ずかしいって言ってたろ?」 あやせ「はい、それは…そうですけど…///」モジモジ 京介「表通りだと、どこも目立つ。それに、あやせとはゆっくり食事したいから。」 あやせ「出発早々、お知り合いに会ったばかりですしね…」 京介「俺も、つい最近、見つけたばかりなんだけど、値段以上の価値はある。」 あやせ「あ、ここですか? ケーキ屋さんの裏に併設されてる喫茶店?」 京介「表がケーキ屋で女の子ばっかりだけど、裏の喫茶店は静かな雰囲気だよ。」カランカランッ あやせ「…何だか、すごく、いい雰囲気ですね。表とは全然違います。」 京介「じゃあ、ここでいい? 席は見ての通り空いてるし。」 あやせ「せっかくの、京介さんのおすすめですから、わたしはいいですよ。」 京介「でも、あやせがどんなの好きか先に聞いておけば良かった。」 あやせ「突然のご褒美デート、ですから…でも、この雰囲気は好きです。」 … あやせ「…すごく、おいしかったです。デザートなんか、もう特に。」 京介「表のケーキ屋さんの職人がね、趣味でやってるお店らしくてさ。」 あやせ「あ、それで…でも、何だか凝ってた割にはお安かったような。」 京介「趣味でお金取るつもりはないんだってさ。ゆっくり過ごしてくれって。」 あやせ「じゃあ、もうちょっとゆっくりお話してたかったかも、です。」 京介「また、今度来ればいいさ。あやせが来たいなら何度でも付き合うから。」 あやせ「はいっ、その時は、京介さんの話、たくさん聞きたいですっ♪」 京介「俺の話なんて、平々凡々としたようなものしかないぞ?」 あやせ「わたしが聞くのは、桐乃とお姉さんから聞く話ばかりですから…」 京介「分かった。そんなの、あやせが聞きたい時にいつでも話してやる。約束だ。」 あやせ「はいっ、約束、です♪」ニコニコ 京介「あやせ、すまん。今の笑顔は、最高に可愛かった。」 あやせ「な、何を、ととと、突然に言うんですか!? 京介さんっ!」ギューッ、ピトッ 京介「そうやって腕組んできて、顔伏せて真っ赤になってるあやせも、可愛い。」 あやせ(くぅーっ…幸せすぎて、顔が上げられませんー!!///)ギューッ 京介「ところで、あやせ。さっきの笑顔、もう一回見せてくれる自信ある?」 あやせ「さっきのって、最高に可愛いって言ってくれたのですか。一応、モデルですし…」 京介「じゃあ、俺の恥ずかしいけど大切な想い出のために、後でもう一度だけ、頼む。」 あやせ「恥ずかしい想い出って…何なんですか?」ジーッ 京介「その、あやせが羨ましそうに見てたプリクラをだな…」 あやせ「ラブラブツーショットプリクラですか!? それは魅力的なお誘いですね…///」テレテレッ 京介「モデルの、じゃなくて、さっき女の子のあやせが見せてくれた、自然な笑顔がいい。」 あやせ(なんて高難易度で、とても断れない要求を、してくるんですかー///)ポワワーン 京介「えっと、あやせさん? その、恥ずかしいなら別に無理しなくても。」 あやせ「いえっ! 是非っ! 今すぐに行きましょうっ!!!」ズルズル あやせ(勢いでカップル御用達のプリクラに突入したのはいいけれど…) あやせ「何だか、閉鎖空間なのに、とてもドキドキしますね…///」ドキドキ 京介「俺は過去の痛ましい記憶しかない。でも、あやせとなら、ちょっと違うかな?」 あやせ「その、違うのって、お聞きしてもいいですか?」ドキドキ 京介「やっぱり、大切な女の子と一緒だと、優しい気持ちになれる。」 あやせ「…!!」キューンッ 京介「だから、恥ずかしいっていうのはなくて…あやせさん?」 あやせ「じゃあ、早速、撮りましょうっ…///」チャリンチャリン あやせ(フレームはもちろんハートで…文字もわたしが書いちゃいましょう///) あやせ(後は、そう! 自然な笑顔ですっ///) あやせ「あの、京介さん…その、撮影ボタンを押す前にお願いしたい事が///」 京介「ここまで来たら引き返せないし、あやせのお願いなら。」 あやせ「さっきの、『大切な女の子』って、ボタン押す前に言っていただけませんか///」 京介「それくらいだったら。でも、最高の笑顔で頼む。」 あやせ「じゃあ、その、お願いします///」 京介「あやせは俺の、大切な女の子だよ。」 あやせ「…!!」キューンッ、ギュッ、ポチッ、パシャッ 京介「…はい、あやせ。半分コ。」 あやせ「あ、ごめんなさいっ! 今、眼鏡、かけてませんでした…」ションボリ 京介「いや、あやせの、こんな素敵な笑顔なんて見たことないよ。これでいい。」 あやせ(これは…京介さんもすごく優しい顔だし、わたしも…いつもと違う笑顔だ…///) 京介「えーっと、あやせが不満なら、撮り直す?」 あやせ「いえっ、とんでもない、です…これ、わたしの宝物にします。」ギュッ 京介「デートだから、何かプレゼントの一つでもしてやれればいいんだけど…」 あやせ「もう、もらいましたよ。それも、たくさんです。」 京介「俺、あやせに何かしてやれたかな?」 あやせ「それはもう。プリクラもそうですけど、わたしを『大切な女の子』って。」 京介「でも、それって『彼女』なんだから、当たり前じゃないか。」 あやせ「…彼女って!!」キューンッ 京介「あやせは、俺にとって、もう特別で、大切な女の子なんだ。」 あやせ「いつも歩いてる街なのに、今日は全然違って見えます。」ギューッ 京介「俺もそんな気分。隣にあやせがいてくれるだけで、今は幸せだ。」 あやせ「最初は恥ずかしかったんですけど、もう嬉しさの方がすごくて…///」 京介「あやせの初デートで、そんなに喜んでもらえたなら俺も満足だ。」 あやせ「…もしかして京介さん、何か忘れていませんか?」 京介「いや、そろそろいい時間だし、ちゃんとあやせは家まで送るぞ?」 あやせ「忘れてる、というか勝手に決まった事だから覚えてないですね、きっと。」 京介「まてまて。黒歴史のような愛の囁きも、こんな楽しいデートもしたし。」 あやせ「…デートは、京介さんのお泊り付き、までが条件ですよ…///」モジモジ 京介「…ちょっとまって。ねぇ、それは絶対条件なんですか!?」 あやせ「残念ながら、証拠写真を撮って、悔しがらせるまでがお勤めです。」 京介「だいたい、お泊りって麻奈実の家じゃあるまいし、どーするの…」 あやせ「そういえば、まだ、ちゃんと、その件はお話してませんでしたね。」 京介「いや、お話も何も、そもそもお泊りなんて、麻奈実さんの冗談だと。」 あやせ「実は、今週末、両親が不在なんです。今、家はわたし一人でして。」 京介「あやせの家、そーゆーのは心配しそうなのになぁ。」 あやせ「そこで、友達と一緒に留守番をするという条件で、妥協してもらいました。」 京介「桐乃辺りが、適任じゃないのか? ゲームも一緒にできるしさ。」 あやせ「でも、タイミングよく、素敵な『彼氏』ができましたので…///」モジモジ あやせ「だから、デートも今日がって…京介さん、ダメ、ですか?」ギュッ、ジーッ 京介(あやせに、あんな上目遣いで見つめられて、断れるハズがないっ…!!) 京介「ごちそうさまでした。いつも食事に関しては申し訳なく思っております。」 あやせ「わたしは、もう、京介さんのお嫁さんのつもりですから…///」ゴニョゴニョ あやせ「あの、お風呂も沸いてますから、お先にどうぞ。」 京介「いや、そんな替えの服とかパジャマもないし…」 あやせ「お姉さんにお願いして、『きょうちゃんセット』をお借りしてきてます。」 京介「なんて準備のいいというか、計画的というか。」 あやせ「アリバイ工作に対する全面協力も勝利者特典でしたので。」 京介「では、お断りしても堂々巡りしそうなので、ありがたく。」 あやせ(ふふふ、これはまだ第一のトラップ…///)ポワワーン 京介「あー、なんか広い湯船も久し振りだなぁ…」ノビノビー あやせ「…京介、さん…お背中流しに、きました…///」ガラッ 京介「まってまって! それは聞いてない! 不意打ちすぎるっ!」 あやせ「だ、大丈夫ですよ…わたしは、京介さんの彼女、ですから…///」チャプン、ピトッ 京介「年頃の女の子が、そんな格好で、けしからんですよっ!」アセッアセッ あやせ「お風呂にタオルとかつけるのも無作法だと思います…///」ギューッ あやせ「それにお姉さんとは、一緒にお風呂入ってたんですよね?」ジーッ 京介「麻奈実ぃっ! あやせに何を吹き込んだんだぁっ!」 あやせ「その、わたしとは、嫌でしたか?」ジーッ 京介「…嫌どころか嬉しいから、理性さんが負けそうで困ってる…」 あやせ「だったら、理性さんはどうやったら、負けてくれますか?」モジモジ 京介「あやせ、今日は、その、どうしてそんなに積極的なの…焦ってるというか。」 あやせ「だって、わたしはいつも、京介さんに酷い事してばかりで…」 あやせ「桐乃やお姉さんみたいに傍にずっといてあげられないし…」 あやせ「泥棒猫みたいに、学校の後輩でもなくて…その…///」ブクブク 京介「気持ちはよく分かった。あやせ、焦らなくていいから。」 あやせ「はい、今はそれで充分です…ところでその、お腹に何か…」カァッ 京介「申し訳ありません。理性さんが負けそうな、ギリギリのところなんです。」 あやせ(…どーして、今、私は桐乃に借りた薄い本を思い出しちゃうかなっ!!) あやせ「京介さんの言葉と、お風呂で、のぼせちゃいそう、です…」ポワワーン あやせ(危うくわたしが陥落しそうでしたが、まだ第二のトラップが…///)ポワワーン あやせ「京介さん、今日はわたしの部屋で寝てくださいね?」ジーッ 京介「だから、今のあやせに、そんな目で見られたら、断れないんだってばっ!!」 あやせ「では、早速。明日も早いですし、ね。」パタパタ、ガチャン 京介「あの、あやせ、さん? いつものあやせさんの部屋、ですよね?」 あやせ「はい。あ、でも一つだけ違いますよ。ほら、これです。」 京介「クマのぬいぐるみ…見覚えのあるワイシャツですね?」 あやせ「このコは『きょうすけさん』という名前で、毎日、一緒に寝ています。」 京介「それも、麻奈実から聞いた話じゃないでしょうね、あやせさん?」 あやせ「お姉さんのはただの抱き枕ですが、わたしのは京介さんの代わりです。」キリッ 京介「すいません、何を言ってるのか、さっぱり分からないんですが。」 あやせ「目の前に、本物の京介さんがいるのに、代わりが必要でしょうか?」 京介「つまり、同じベッドであやせと一緒に寝ろ、とそういう訳ですね。」 あやせ「最近の京介さんは、モノ分かりが早くて助かります///」テレテレッ 京介「まてっ! さっきのお風呂で、あやせの言う通りにしたじゃないか!」 あやせ「はい、身体の隅々まで洗いっこしましたね///」 京介「理性さんが負けなかったら危ういところだったんだぞっ!」 あやせ「ですから、遠慮なく、お隣へどうぞ。」ポンポン 京介「うっ、仕方ない…じゃ、お邪魔します…」モゾモゾ あやせ(ふふふ…今度こそ、その理性さんに負けてもらいますよ…///)モゾモゾ あやせ「京介さん~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー! 京介「あやせ、お前は毎晩クマのぬいぐるみとこんな事してるのか…」 あやせ「桐乃に借りた薄い本のおかげで、わたしも勉強しましたから///」ギューッ 京介「桐乃の薄い本って、ほぼ妹モノかメルルのハードなエロ同人誌じゃねぇかっ!」 あやせ「桐乃厳選、タナトス陵辱本ですから、安心してください…///」 京介(桐乃、お前はとんでもない化け物を生み出しているぞ…!!) あやせ「ところで京介さん、気づきませんか…///」 京介「あやせがクマのぬいぐるみに欲情してるのは、よく分かった。」 あやせ「わたし、今…裸、なんですよ…///」ギューッ、ガチャリ 京介「この慣れた金属の感触は、手錠ですよねー…って片手だけ?」 あやせ「もう一方は、わたしの手の方に…ほら、お揃いですよ?」チラッ 京介「もう絶対逃がすつもりなんて、ないですよね、あやせさん?」 あやせ「そうではなくて、怖いんです…だから、安心、させてください。」 京介「あやせは、俺の大切な女の子だ。大好きだよ。」 あやせ「はい、わたしも京介さんの事が、大好き、です。」 あやせ「だから、わたしからのプレゼント、受け取って、ください…///」モゾモゾ 京介「あやせっ! それはダメっ! 落ち着けっ! 服脱がさないでー!?」 あやせ「もう、抱きついても、キスしても、京介さん分が足りないんです…」 あやせ「それに大好きって言ってくれましたし、気持ちは問題ないですよね?」 あやせ「だから、後は…わたしを、京介さんのモノに、して欲しいんです…」クチュリ… 京介「マウントを取られて初めて気がついたんだが…準備万端ですね。」 あやせ「京介さんも、お風呂からずっと、かちかち、ですよ…」ヌギヌギ、ボロン 京介「だから、理性さんとずっと俺は戦い続けてるんだって…んんっ!」チュッーッ あやせ「んんっ…こーゆー激しいキスもいいけど、やっぱり京介さんが欲しい…」 あやせ「京介さんと一つになりたいから、理性さんは、いい加減、負けてください。」クチュ あやせ「んっ…先っぽだけ、入りましたから、後は、わたしが腰を落としていけば…」クチュリ 京介「あやせに、そんな可愛い顔で言われると、とても抵抗できない…」 あやせ「初めて、だから、そのゆっくり…やりますね…」ズッズッ 京介「俺も初めてだけど、あやせのためにも、最後の砦だけは、何としても守りたい…」 あやせ「じゃあ京介さんに魔法の言葉を。わたし、今日、『安全日』ですからっ。んんっ!」ズズッ あやせ「んんんんっ!!!!」ビクンビクンッ 京介「おい、あやせ! そんな急にしたら…その、痛いんじゃないのか!?」 あやせ「んっ…ちゃんと京介さんと一つになれましたし、今のは、その…」 あやせ「すごくお腹が熱くなって…とっても気持ちよかったんです…///」 京介「通りで…俺も、実はすごく危ないところだった…」 あやせ「だから、京介さんも気持ちよくなって、ください。」 あやせ「その、男の人は…出さないと溜まっちゃうんですよ、ね?」 あやせ「ですから、今日はいっぱい、わたしの中に、出してください…///」ズズッ、クネクネッ 京介「もう降参するからっ! 理性さん、さようなら…うっ…ふぅっ。」ビクンビクンッ あやせ「あっ…京介さんので、お腹の中あったかぁい…クセになりそう…」ポワワーン 京介「…で、結局一晩中繋がったままっていうのはどうなんだ?」 あやせ「京介さんだって、二回目からはすごかったじゃないですかぁ…///」 京介「何回したか、数えてられないくらい、あやせが可愛いのが悪い。」 あやせ「うぅっ/// あ、そうだ。お泊りの証拠を収めないと♪」パシャ 京介「ちょっとまて。今の写メを、何に使うつもりだ?」 あやせ「ちゃんとお泊りの証拠を、敗者達に示す約束なんですよ♪」 京介「あやせ…裸で幸せそうに抱き合ってる写メは、さすがにマズいぞ?」 あやせ「…はっ! 桐乃もですが、お姉さんが見たらと思うと…」ガクブル 京介「構図は一緒でも構わないから、せめて服だけは着て、取り直してくれ!」 あやせ「お互い、命の危険がありますからね…では、改めて。」パシャ - 朝、桐乃の教室 - 桐乃「…で、この一つのベッドで幸せそうにしてる二人が証拠、だと…」フルフルッ あやせ「それは約束だから…桐乃には、これを特別に。」ピローン 桐乃「おおっ!? 何、この幸せそうなあいつの寝顔は!? お宝じゃん!?」ウヘヘ あやせ「入手ルートは極秘なので、そのつもりで、ね?」 あやせ(今朝、わたしのベッドで仮眠してた京介さんを撮ったモノとは言えない…) 桐乃「証拠の方は黒猫にも送ってやるとして、お宝の方は秘蔵コレクションだわ♪」ウヘヘ - 同時刻、京介の教室 - 麻奈実「きょーぉちゃーん、とりあえず屋上、いこうか?」ニコニコ 京介「…うん、なんとなく覚悟はしてた。」シクシク あやせ「なんといいますか、お勤めご苦労様でした。」 京介「麻奈実が屋上で本性を剥き出しにしたときは死んだと思った。」 あやせ「でも、わたしは心が広い女ですから。」 京介「ほほう、命に直結しそうな話題なので正座で拝聴しよう。」 あやせ「桐乃の『京介分補充』や、お姉さんとのスキンシップは黙認します。」 あやせ「ですが、それより先については、一切認めません。」 京介「心が広い、とか言いながら、可愛い顔して、割と狭いな、あやせの心。」 あやせ「ちなみに昨晩のような『京介さん分補充』についてはわたし限定です///」テレテレッ 京介「…あくまで、例え話なんだが、もし今の基準を超えるような事があったら…?」 あやせ「もちろん、例え誰であろうとも相手を-『ブチころします』よ?」ニッコリ fin.
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273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 18 19 33.41 ID r5QPj1QS0 270 大介「桐乃がくれたネクタイと、京介が初めてくれたネクタイ、 どちらを付けていくべきか…… やはり桐乃の……いや、しかしこちらは京介が初めて俺にくれたネクタイだぞ? …………よし」 大介「すまん、出なければ行けなくなった」 佳乃「せっかくの父の日なのに残念ね」 大介「遅くなる。 夕食は食べていてくれ」 佳乃「せっかくあなたが好きなカレーを予定してたのに…… あら?そのネクタイ…… うふふ、さっそく付けてるのね」 大介「む……べ、別に他意はない」ムス 佳乃「はいはい。 よく似合ってるわよ」 大介「そうか」 桐乃「あれ、お父さんでかけるの?」 大介「ああ。今日中には帰れんかも知れん」 桐乃「父の日なのに大変だね。 あれ? そのネクタイ……京介がお父さんにプレゼントしたヤツ?」 大介「そ、そうだ」 桐乃「ふ~ん…… あたしのより京介のを選ぶんだ」ジトー 大介「そ、それはだな……!」 桐乃「でも、これでお揃いになったね」ツマミ 大介「む。桐乃、そのネクタイは……」 桐乃「ついでにって京介に貰ったの。 ペアルックだね、お父さん」 大介(娘とペアルック! そういうのもあるのか!) 京介「あれ、親父? 出かけるのか?」 大介「ああ。 ん?おまえ、そのネクタイは」 京介「これか? 親父に買ったヤツが気に入ったから、自分の分も買ったんだ。 んで、ためしに付けてみたところ」 桐乃「ためしに付けてみたって…… もう、ネクタイ曲がってるし」キュッ 京介「おお、すまん。 っておまえもそのネクタイをつけてるのな」 桐乃「これは―! その、あんたにしてはセンスが良かったから、つい、付けてみちゃっただけ、ていうか……」 佳乃「あなた、子供二人とペアルックになった気分はどう?」ニヤニヤ 大介「む……」 佳乃「ところで京介。 お母さんにはないのかしら?」 京介「あ。 ……今度買ってくるよ」 佳乃「そう? 催促したわけじゃないけど、お願いね」ニコ 京介「はいよ」ハァ 大介「む、もうこんな時間か。 それじゃあ俺は行ってくる」 佳京桐「「「いってらっしゃい」」」 大介(せっかくの休日がパーになったが……これはこれでいい一日だ) 282 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/31(木) 23 57 20.13 ID VeTrQZR0P 277 将来的にはこうなるんだろうかね 桐乃「ちょっと、京介ネクタイ曲がってるよ」キュッ 京介「悪い。ありがとな桐乃」 桐乃「どういたしまして――っていうかよく考えてみたら毎朝じゃん。 もしかしてアンタわざとやってたりしない?」 京介「(目を逸らしつつ)そ、そろそろ時間だな。 準備は出来てるし、俺も出るわ」 桐乃「ったくもう。――京介」 京介「な、なんだ?」 桐乃「忘れ物」 京介「ん? 鞄は持ったし、財布、携帯もちゃんと――」 桐乃「――ん」 京介「――――」 桐乃「あたしのじゅうでん、忘れてる」 京介「――へいへい。それじゃあ……」チュッ 京介「んじゃ、いってきます」 桐乃「ん。いってらっしゃい」 涼介「(相変わらず親父達はなかいいなあ)」モグモグ 優乃「(お母さん達、絶対あたし達がいること忘れてるわよね。お父さんのばーか!)」カチャカチャ ----------
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1 紬と菖 2013/10/04 http //jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/otaku/14921/1380816324/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 紬「ひぃやぁぇぁぁっ!?!?」 はないだろww -- (名無しさん) 2015-07-03 22 42 43 これは意外な組み合わせの様で案外しっくりくるね 素晴らしい -- (名無しさん) 2013-10-07 23 20 54 アヤメイトとしては菖SS増えて欲しい -- (名無しさん) 2013-10-07 17 13 15 もう鈍感だな~ あやめちゃ~ん! -- (聡) 2013-10-06 21 21 03 いいぞもっとやれ -- (モップ) 2013-10-06 14 35 10 素晴らしかったです。早く続きが読みたいです。 -- (名無しさん) 2013-10-06 09 57 46 えぇっこれで終わり!? ここからを確かみてみたかったぜ… -- (名無しさん) 2013-10-05 19 58 26 ぐいぐい行くなーこの子 -- (名無しさん) 2013-10-05 19 03 10 菖好きだー -- (名無しさん) 2013-10-05 18 16 14
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そんなことしねーよ! バッと振り返る 「愛の証」どこまで本気なのか メールの違和感 壁越しのお喋りの判別 そんなことしねーよ! たとえば将来……俺に彼女ができたりしたら、麻奈実を避けるようになったりするのだろうか? そんなことしねーよ!と、今の俺は思った。(p123) シンプルな死亡フラグなのだが、一度の死亡フラグを二度回収すると誰が予測できただろうか バッと振り返る p366でせいせいするなどと語っているが、声をかけられたときの反応がどう見ても嫌々の対応ではない。 体は正直だな(ゲス顔) 「愛の証」どこまで本気なのか 演技で言っているのか、本気で言っているのか、境界が曖昧になってくる。(p357) ウソなんかじゃねえ(p358) 「どの辺まで本心なわけ?」「ど、どうでもいいだろ」(p367) 嘘だと確定させる要素は存在しないどころか、ヤバいところが強調表示になっている。 桐乃の告白キャンセル法も「と言うとでも思ったァ?」であるため、嘘とは言っていない。 メールの違和感 妄想/新垣あやせを参照 壁越しのお喋りの判別 加奈子 「うそだぁ~、じゃーケータイ見してみ?」 加奈子 「……やっぱアヤシイ~。……桐乃ぉ……いい加減白状したらぁ~?」 加奈子 「もう、とぼけて! ねえ、ねえってばあ! 桐乃ぉ~~、相手はどんな男なのぉっ?」 加奈子 「うそだあ! 信じらんないよ! 絶対男だって! いいじゃん別に、誰も友達の彼氏取ったりしないからさあ。ね? あたしたちだけに、こっそり教えてよ~う」 加奈子 「えー? だって桐乃、ガッコーですっごいモテるじゃん、男の子たちからさー」 加奈子 「だって最近おかしーじゃん、桐乃!」 友達A。 ランちん 「そうそう! すっごい変ーっ!」 友達B。 加奈子 「最近いきなり付き合い悪くなったしぃ~、ガッコでもこそこそメールしてるみたいだしぃ~」 コミック版では語尾の延ばしをなくしてあやせの台詞にしている。 ランちん 「あ、あたし電話してるとこ見た! なんか痴話喧嘩してるような感じだった!」 ランちん 「うん、なんかぁ、すっごい怒鳴ってるんだけどぉ、でも、それなのになんか嬉しそうなの。そんで電話切ったあと、にやにやしてんの。絶対彼氏でしょアレぇ――」 加奈子 「だよねー?」 加奈子 「あ、ホラあ。思い当たることあったんでしょ?」 加奈子 「ふーん? あくまで彼氏なんていないってゆーんだあ、桐乃は?」 加奈子 「じゃー最近のおかしな行動について、セートーなリユーを説明してよ」 京介の反応から発言のほとんどが加奈子。 加奈子 「えーそんなぁ……アタシらは桐乃のことを心配してぇ……いたた、叩かないでよ桐乃ぉ~」 加奈子 「やぁだぁ~、も~っ。痛いってばっ♡」 加奈子 「そんなぁ~」 あやせ 「ま、まぁまぁ……桐乃、そのへんでやめときなよ。ほら、この子も反省してるし……ね?」 また別の声。=ここまであやせの台詞なし。 あやせ 「そうそう。ところでさ。桐乃って、お兄さんいたんだね? 知らなかったよ」 あやせ 「なんでそこで嫌そうな顔するの。優しそうな人じゃない?」 あやせ 「そ、そんなことないと思うけど…………たぶん」 ランちん?加奈子? 「あたしも見た見た。チラッとだけど。なんかぁ、桐乃にぜんっぜん似てなかったよね?」 京介がクソガキと言ってるので加奈子の可能性もあり。コミック版ではランちん。 ランちん 「むしろ地味っていうかぁ――」 加奈子 「あはは、言えてる言えてるーっ。なんていったらいっかなぁ……あ、アレアレ。十年後とかぁ、フッツーにしょぼい中小企業とかに勤めて、課長とかやってそうじゃね?」 ランちん 「うっわビミョー……でも分かる。あの顔はそんな感じだった」 加奈子 「あれ? 桐乃ぉ……なに黙り込んでんの?」 なお1階は 加奈子・あやせ・ランちん 「「「キャ――――――――――――――ッ!?」」」 あやせ 「き、桐乃……?」 加奈子 「うっわ~……ちょっとコレは引くよ~~ぅ?」 意見・批判等 名前 コメント すべてのコメントを見る