約 4,922,113 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/56980.html
【検索用 まいかいすきなひとにこいひとかいるのやめてほしいとおもいます 登録タグ お前は知りすぎたP ま 曲 曲ま 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:お前は知りすぎたP 作曲:お前は知りすぎたP 編曲:お前は知りすぎたP 唄:鏡音レン ミクちゃん絵 紫崎狂歌(Twitter) 曲紹介 でもねそんなやさしくしてくれるような人は そうもちろん俺以外にもやさしくしてる だから 曲名:『毎回好きな人に恋人がいるのやめてほしいと思います』(まいかいすきなひとにこいひとかいるのやめてほしいとおもいます) 友人にグラコロと引き換えに機材を借りたとのこと エピソードは実体験とのこと お前は知りすぎたPの2作目 ハードボカロ曲投稿祭 投稿曲 歌詞 好きな人に毎回恋人がいるのやめてほしいと思います さぁさぁ いつもいつでも 私は好きになる人がいて そういうやつは大概恋人がいるよ まずは小学校のときに 好きになった女の子をからかわれてさ べ、別に好きとかそんなんじゃねぇし って言ったときの思い出を返してくれ 恋人いるじゃねぇか でもそんなことがあっても 俺はどうしようもなくてさ 中学校のときに 俺は お、俺 君のこと好きなんだ ってちょっと優しくされただけで 好きになったりもしました でもね そんなやさしくしてくれるような人は そう もちろん 俺以外にも やさしくしてる だから すでに恋人がいるんです だから だだだん だから こんなことが起こっていいのでしょうか? 高校のとき バレンタインに チョコもらった うれしくて声かけたら 恋人いた あああああああああああ コメント ただ、刺さる -- 名無しさん (2023-11-12 22 53 52) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/japan_dorama/pages/4276.html
amazonで探す @楽天で #好きな人がいること を探す! 月21フジ 2016.07.11~2016.09.19 8.9% 公式HP wikipedia 前 ラヴソング 次 カインとアベル Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 最高の再会、最低の出会い 2016/07/11 10.1% 2 最高のご褒美 2016/07/18 10.4% 3 好きです 2016/07/25 8.7% 4 つのる想い 2016/08/01 9.5% 5 告白 2016/08/08 8.4% 6 彼の真実 2016/08/15 8.3% 7 君の傍にいたい 2016/08/29 8.2% 8 運命の夜 2016/09/05 7.7% 9 KISS 2016/09/12 9.4% 10 それだけ。 2016/09/19 8.4%
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/576.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/783-801 暗闇はやっぱり苦手…いつも、わたしの忘れた記憶を呼び起こさせる……… 『さようなら』とメールした後、それでもわたしは更に、闇を求めて目を閉じた。 「お母さん、わたしね………」 『あやせ、あなたは良い子でしょう、何で言う事が聞けないの? わたしはあなたをそんな子に育てた覚えはありません』 「………でも、わたし」 お母さんの悲しそうな顔、いけない 「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさい」 お母さんを悲しませたらいけない、いけない 『あやせは本当に良い子ね、お母さんとても嬉しいわ』 おもちゃもいらない、お菓子もいらない、おねだりなんてしないもん 「バイエル、弾ける様になったの」 「先生がね、新垣さんは頑張り屋さんだって褒めてくれたの」 「お父さんがプレゼントしてくれたご本、もう全部読んだよ」 だから 今度、お父さんとお母さん……わたしを動物園に連れて行って…… 「お父さん、お仕事頑張ってください。ちゃんと、わたし、お留守番出来るから」 わがまま言わない……… 絶対、わたし……泣かない…… 『新垣さん、一緒に帰らない?』 「え?」 髪を染めてる女の子、不良だ!仲良くしちゃいけない 『あやせちゃんに一目置いてんだよね、あたしって。あん(た)あやせちゃんに 勝手に親近感抱いてるって言うかさ、ぶっちゃけ迷惑だった?』 …………… 『ほら、あやせ、こうすると美人度上がるっしょ?あやせは黒髪が綺麗だし、スタイル も良いから、絶対に似合うと思ったんだよね、ほんとバッチリ。それにさ、メイクだけじゃなくて、 服もピッタリじゃん。まぁその服あたしのだけどね、にゃはは』 「桐乃さん、有り難う」 『ちょっとぉ、どんだけ他人行儀、あんた?うちら、もう親友でしょ!』 「う、うん……あ、ありがとう、桐乃」 『って何で(驚)?せっかくメイクしたのにさ………。あ~じゃぁさ、ほら、ほら、 やり方教えてあげるから自分でやってみぃ、ね?』 本当に、本当に、ありがとう桐乃 「お母さん、わたし、モデルのお仕事したいの!」 お母さんの悲しそうな顔…… それでも……わたしは 「学業と両立させます。ちゃんと責任感を持って一生懸命に頑張るから。 だからお父さん、お母さん認めてください!」 『やったじゃん!あやせ。まぁこれからはライバルだから、敵同士…だかんね! な~んてね………冗談、冗談、心配いらないって、全部、あたしに任せとけって!』 ライバル……なんて、敵同士なんて絶対にならない、なる筈ないよ、桐乃 でも 『俺は高坂京介------そっちは?』 『あやせ、結婚してくれ』 『------冗談だと分かっててもさ、ほんとごめんな』 「-----いってらっしゃい、お兄さん」 さようなら、お兄さん 『あやせ、、、、これが本当のあたしなの』 「お兄さん、わたし、桐乃よりも可愛くないですか? 桐乃よりもわたし魅力ない、、、ですか? わたしなんかじゃ桐乃よりも…すき…になれないですか?」 『俺が見た中で、あやせのウエディングドレスが一番似合ってたし、一番綺麗だ』 『あんた、、、あたしの気持ち知ってる癖に、、何でこんな酷い事すんの? うちら、ずっと一番の友達だったのに!!絶交した時、京介が仲直りさせてくれた時、 約束したでしょ、それなのに、、、裏切ってさ、あたしの気持ち裏切って!!!』 『あやせちゃん、しっかり、きょうちゃんを捕まえててあげなさい。 わたしね、あやせちゃんなら、きょうちゃんと一緒に幸せになれると思ってるんだ。 きっとね、わたしって、きょうちゃんが黒猫さんとお付き合いした時に、あの時に 応援してしまったから、多分………あの時点で、もう』 『自分の心に言い訳しすぎて、その言い訳に結局、自分自身が説得されちゃった。 誰かを好きって気持ちにも賞味期限があるんだ、きっと。 だから、わたしはずっと勇気がなかった、情けないよね、め! だよ。 だから、あやせちゃんは、こんなお姉ちゃんになっちゃ、ダメだよぉ? だから、あやせちゃんは今の自分の気持ちを、ちゃんと大切にしてあげなさい』 『よし、じゃぁ付き合うか。何か照れくさいな……ってこれじゃダメだ! 俺の馬鹿!、馬鹿!、馬鹿!大切な事を忘れるなんて本当に、情けねぇ。 え?あ~こっちの事だよ、気にするなって。 別に、おまえにSMプレイを強要してるわけじゃねぇって、おい! 彼氏に向かって初めて言う台詞がそれかよ! あ?……い…き』 『なり、、お、おまえ…滅茶苦茶、大胆だな……全然嫌じゃねぇけど。 えっと………………何だっけ?あ、そうだ! 俺ら、付き合うって決めた以上は、俺はずっとおまえの彼氏でいるつもりだからな! でも俺は、自分で言うのもなんだが、ヘタレのシスコンで、致命的に鈍いときてる。 だ、だから自虐プレイじゃないんだって(汗) こんな俺だけどよ、あやせの為にもっと、ちゃんとした立派な彼氏になるから! あやせを必ず幸せにするから、だからさ……何だ…とにかく、これからよろしくな』 『あやせ好き、あやせ愛してる、俺はあやせのものだ』 『ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ』 『あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。 いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ』 *** *** *** 「はぁはぁ」 俺は息をきらせて、走っていた。 ついさっき、俺が感傷的に、色々な事を追憶していた時に、加奈子から電話があったの だが……… 『京介、ひっさしぶり!じゃーん』 「よぉ、本当に久しぶりだな、元気してたか?」 『京介、誰か男紹介してくれよぉー。加奈子にはいつも超お世話になってんだろお? だから、少なくとも、おまえよりもイケメン限定で!』 「おいおい、いきなり何を言い出してるんだ、おまえ…訳分からん奴だな」 『ばっくれんなよ。ネタはちゃんと上がってるんだっつーの。 しかも、加奈子をダシに使いやがって、おまえらどんだけお盛んなんだョ(笑)』 加奈子は、俺とあやせが付き合った事を最初から知っている。 そして、一番最初に祝福してくれたのも加奈子だった。 こいつは案外(と言うと悪いが)良い奴で、今回の件で分かる通り、あやせとも仲が良いし、 桐乃ともちゃんと今まで通りに付き合ってるらしい。 加奈子が俺の存在をどういう形で捉えてるのかは分からないが…あやせがどれほど 加奈子のお陰で救われたのかは容易に想像出来る。 「へ?」 『おいおい、もうとぼけんなって。しっかし、あやせがねー意外過ぎるつーか、 イヤ、意外なのは京介の方か。イヤ、セクハラマネージャーだからむしろ当然だナ』 どうやら、加奈子の話を聞く限りでは、あやせは親に、今夜は加奈子の家に泊まると 言って嘘をつき、その口裏を加奈子に合わせて欲しいと頼んだ(命令した)らしい。 考えてみれば、あやせはまだ高校生なのだ。門限ってものがある。愚かにも、俺は 桐乃と喧嘩して、妹を家に残し、自分が頭を冷やしに外に出てきた感覚で考えていた。 「……………………まぁーな」 『ったく、頼んだ本人の携帯には繋がらないしよぉー。とにかくちゃんと誤魔化した かんな。京介が伝えとけよ。いちゃつきやがって、幸せを加奈子にもお裾分けしろっ』 「本当にいつも有り難うな。おまえにゃ、マジで感謝してっからよ」 どう考えても、そんな素敵な夜になるとは思えないのだが……加奈子に余計な心配を かけたくはないから、こう言うしかなかった。 何であやせの奴は、俺に『さようなら』とメールした癖に、門限の時間になっても、 帰宅しなかったんだ? あやせの携帯にかけたが、当然繋がらない。 『このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、 本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん』 さっき、部屋であやせが言っていた言葉を思い出す。 俺が勝手に信じていただけで、あやせは本当に、俺に見捨てられたと思っていたのか? とにかく俺は急いで部屋に戻ると、ドアを開けたのだが………… 多少は、期待していた俺の希望は見事に裏切られ、部屋の照明は消えたままで、 辺りはしんと静まりかえっていた。 当然、あやせも、あやせの靴や大きなバックや歯ブラシなんかも……ここにあやせが 実存した事を本質的に証明するものは、何ひとつ残っていなかった。 俺がプレゼントしたチョーカーを除いては……。 あいつは本当に………親にも、加奈子にも嘘をついて何処かに行ってしまった。 俺は無意識に、そのチョーカーをポケットに突っ込むと、部屋を飛び出した。 あやせが行きそうな所を考えながら走り出したのだが全くと言って良いほど 検討がつかなかった。 あやせの知り合いに確認しようにも、そんな人物は誰一人、思い浮かばない。 俺はあやせの事が、性格云々じゃなくて………本当に何も分かってなかった。 分からないなんてレベルじゃない、あいつの事を何も知らなかったんだ。 加奈子に何度も連絡しようかどうか迷ったが、多分それは余計な心配をかけるだけで 何の解決にもならないと直感して辞めた。 あやせが言った通り、刹那的にでも抱いてやれば良かったんだ。 あいつに、ちゃんと捕まえててやるなんて偉そうな事を言って、結局心どころか あいつの身体さえ……掴み損ねて、あやせは消えた。 さっき誘惑してきた時のあやせが思い浮かぶ。 あの目も眩みそうな美貌で、理性さえ麻痺させる媚態に満ちたあやせの顔と あいつと喧嘩した時、他の男の話をして俺を嫉妬で狂わせようとした時の声が 頭の中で共鳴して、どんどん悪い事を、嫌な事を、最悪の事を考えそうになる。 俺はなるべく別の事を考えようとして、結局さっきの追憶の続きをはじめた。 麻奈実が学校を休んだ時、桐乃が突然留学してしまった時、黒猫が俺に 別れを告げて転校してしまった時……… 麻奈実の時は、桐乃に相談したんだった。 桐乃が留学した時は、黒猫が色々気を遣ってくれた。 黒猫が失踪した時は、麻奈実に相談しようとして結局、桐乃に助けられた。 俺はあいつらの為にいつも頑張ってきたつもりだったけど、実はあいつらに いつも助けられていたんだ。 俺は、誰にかけるのかも分からず、ポケットの中の携帯を掴もうとした………… 多分掴んでいれば、また泣き言を言った筈だ、いつもの様に………間違いなく。 でも携帯の代わりに俺が掴んだのは偶然にも、チョーカーだった。 無意識に、あやせが持って行ってしまった手錠の代わりに、右の手首にチョーカーを巻く。 俺は頭の中で何度も反芻する 麻奈実が居なくなった時、麻奈実を信じて自分で行動してたら? 桐乃が留学した時に、桐乃を信じて自分で行動してたら? 黒猫が失踪した時に、黒猫を信じて自分で行動してたら? チョーカーを眺めながら、あやせが握っていてくれた右手を思いっきり握りしめると 微かに温もりを感じる。 あいつは言った 『わたしは………自分から……居なくなったり……しない』 と……。 あやせが消えた今こそ、あいつを信じるんだ。もうあの時とは違う。 あやせの為に、追憶した過去の為にも……今度こそ、絶対に失うわけにはいかない。 それは奇跡や宿命なんて大げさなものではない………とても静かで、優しくて、 暖かい予感みたいなもの、俺があやせを好きになった理由そのものなのだ。 もう二度と戻らない(戻れない)"もしも"が、俺の中で本当に過去のものになった事を その瞬間に実感した。 その事実は俺をとても切なく、悲しい気持ちにさせたが、立ち止まってるつもりは もう無かった。 だから…………俺は静かに歩き出した。 *** *** *** どれくらい時間が経ったのだろう……わたしは目を閉じたまま眠っていた。 『おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ』 『さようなら』と自分でメールした癖に、京介さんの言葉が頭の中を何度も過ぎる そして、その思い出が強烈に、わたしの後ろ髪を引く。 悲しいと吠える癖に、構って貰うと尻尾を振ってしまう、まるで寂しがり屋の犬みたいに。 それが漠然と思い浮かんだ、自分のイメージ。京介さんに手錠をされてエッチな事を された時、チョーカーをプレゼントされた時から、、、あの時も全然嫌じゃなかった。 そして、わたしは………。 わたしがもっと素直で良い子なら、お兄さんは頭を撫でてくれたのかな? 「………ワ…………ン…」とかすれた小さな声を出して苦笑した。 "猫"なら、彼女はきまぐれだったのかな?と何の意味も無く、、ふと考える。 それにやっぱり猫の方が可愛い気がして、ちょっぴり嫉妬………したけど……… 今日一日……彼女と電話で話していた時の京介さんの顔が一番楽しそうだった。 そして、それはわたしが好きな京介さんの顔だった。 わたしは 幼い頃に、飼っていた青い小鳥の事を思い出す。 あの時、桐乃の手を強く掴んだ事を思い出す。 あの時、京介さんの腕を指が食い込むほど握りしめた事を思い出す。 好きという感情が抑えられない、失う事を恐れて自分から壊してしまいそうになる…… 小鳥を籠から出して逃がした様に、 桐乃の趣味を認めて自分の友情を押しつけるのを辞めたように、 だから、今度は、京介さんを自由にしてあげよう………… もう、こんなわたしの事なんて、どんなに嫌らわれて、拒否されて、振られても、 きっとわたしは京介さんに対して、感謝以外の感情は、何も残らないのだから。 だから、なるべく笑って、さよならしよう…わたしの大切な人をこれ以上傷つけない為に。 京介さんとの思い出があれば、沢山泣いても、きっといつかは笑顔になれるから……… でも……突然、眩しい光に照らされる。唖然としていた、わたしを大きな手が引き寄せる。 まるで、光そのものが強い意思を持っていると錯覚をするほど、優しくて、確かな温もりが わたしの身体を、優しく包み込んだ。 「……………やっと捕まえた」とクローゼットのドアの先から声が聞こえた。 『どうして………?』と言おうとしたが、強引に……今までに無いほど…強引に…… 抱き寄せられて、口を塞がれた。 ついさっき決心した事を言おうとしたけど、彼の本気の力で押さえつけられた わたしは何も出来なかった。 お互いの歯が何度かぶつかるほど激しく口唇を押しつけられる、わたしの舌が 何度も貪られる……唾液も、吐息も…わたしの全部が京介さんに吸い取られてしまう。 身体が熱くなって、意識が麻痺してきたわたしは、吸い取られた言葉の事も忘れて、 危うく、自分から京介さんを何度も求めようとしてしまった……。 どれくらいの時間が経ったのか、やっと押さえつけていた手を緩めてくれて、 唇を強引にわたしに押しつけるのも辞めてくれたのだけど(でも唇同士はふれたままで) 腰に手を回されて、半ば強引に京介さんの膝の上に座らされた。 だから京介さんの声は音と言うよりも、触れたままの、唇から振動で伝わる。 「俺はおまえの言いたいことが分かってるつもりだ。でもそれだけはダメだ。 その代わり、おまえがして欲しい事なら、"儀式"でも何でもしてやる! もうカッコつけるのは辞めた……からさ」 あんなに我が侭を言って、いつも困らせて…だからこんな風になる事を………… 期待なんてしてなかった、でも京介さんはわたしを見つけてくれた。 そして、ここまで言ってくれてるのに……こんなに求めてくれてるのに………… "でも"わたしは……。 「最初は、同情で付き合った癖に!本当のわたしの事はずっと、見て無かった癖にっ! さっきだって、わたしを見捨てた癖に!だからもう遅い、、全部、遅いんだから!!!」 まだ足りない、やっぱり足りない………いくら求めても、求めれば、求めるほど カラカラに渇いて、余計に欲しくなって…………際限がどうしてもない…………だから そう思った時、そう言おうとした時、わたしの渇いた心を、わたしの頬を雫が濡らした。 京介さんは何も言わず、音も立てず静かに泣いていた。 ただ、わたしに触れたままの唇が微かに震えだして、その震えは段々大きくなって ついには肩まで揺らしながら、号泣した。 男の人がこんな風に、人前で泣くなんて、信じられなかった。 沈黙した嗚咽は、わたしから完全に言葉を奪って、ただ彼を何とかし(てあげ)たい と思う動機と暖かい涙を、わたしに与えた。 同時に、わたしは京介さんのしょんぼりした背中が好きだった記憶が蘇る。 ヘタレでも、情けなくても、シスコンでも……鈍くても、エッチで浮気性でも それでも構わない…だから、わたしは別に、欲くて、求めてただけじゃない……… 不器用で歪な、"まごころ"だけど………あなたに、ずっと、ずっとあげたかった。 *** *** *** 俺は何で泣いてるんだろう?原因も分からず、ただ羞恥心もプライドも無く、 俺はあやせの前で、嗚咽していた。 桐乃の前で何度か泣いた事が微かに頭を過ぎったけれど、もうそれが理由で今のこの涙を 止める事は、どうしても出来なかった。 あやせは何も言わなかった。ずっと黙って、ただ俺の背中をさすってくれていた。 それでも泣きやまない俺に対して、彼女は…………… 「ちゅっ……ぺろ……レロ…むちゅ…ベロ……」 最初はキスされているのかと思ったが……そうじゃなかった。 あやせは、唇を押しつけると舌を出して、俺の頬を、頬に流れた涙の雫を舐めだした。 必死に、何度も、何度も、何度も…………滑稽な筈なのに、俺の胸は熱くなり…… ますます涙が止まらなくなったが、それでもあやせは、俺の頬が全部あやせの唾液に 変わるまで、決して辞めなかった。 俺はやっと「ありがとう」と言い、あやせの髪と頬を横から撫でた。 「京介さん、それ好き…だ、だから、もっと………してっ………く…ださい」 さっきは、桐乃にするみたいに頭を撫でる事をあれほど拒絶したのだが、今回は 何故か、ごく自然にあやせに触れる事が出来たし、彼女の嬉しそうな笑顔を見て…… 俺の変な拘りが、このあやせの笑顔を曇らせてたのかも知れないと反省した。 「俺はあやせとずっと一緒に居たい。もう理屈も理由もないんだ。だから……さ……」 「ねぇ、京介さん、何でわたしがクローゼットの中にいるって分かったんですか?」 「本当に何の理屈も理由もない。ただ居て欲しいと………信じただけだ。 まぁ………鈍い俺だから何度か回り道したし、おまえを随分待たせちゃったけどな」 「わたしを信じてたのに、さっきは何で泣いたの?結局、振られると思って悲しくなった んでしょ?本当に信頼してたら……」 「麻奈実がさ、さっき話してた赤城と付き合う事になりそうなんだ。 そして俺の妹とはちゃんと良い兄貴になるって話してきた。 黒猫とも、ちゃんとある約束している。 俺には本当にあやせしか居なくなった。 だから泣いたのかは分からないけどさ………こんな話って、やっぱ俺って情けないよな」 「そうですね、凄くみっともなくて、情けないから、ほっとけなくなっちゃいました…… ………わたし」 「実際、不安だったのかもな。おまえの言う様に、最初は、あやせが危なっかしくて 心配で付き合う事にした。そして、俺の勝手なイメージでおまえの事を見てた。 さっき、おまえを捜し回って、走り回ったけど、でも俺はあやせの事を何も 知らなかったって痛感させられた。 だからおまえに、見た目だけとか、身体だけでも良いって言われた時に……… 俺は何も言えなくて、ちゃんと反論も出来なくて、あやせを余計に傷つけた。 だからその事については謝るよ。変に誤魔化したり、カッコつけたりして、すまなかった」 「でもさっきは見捨てたわけじゃない、おまえを信じてたつもりだったんだ」 これだけの事を言う為に、本当に、随分遠回りしたが、やっと言えて良かった。 「そんなに、わたしを信じてるなら、わたしのコトがちゃんと分かってるって言うなら、 わたしが今して欲しいコ・ト・…当ててください。当ったら仲直りしましょう、ね?」 ウインクして、魅惑的な顔になったあやせが、挑発する様に俺にクイズを出した。 俺はさっきしたみたいに強引にキスする、もう自分が風邪だった事なんてすっかり 忘れていた。理屈も、理由も、クイズも関係なく……純粋にしたいから、した。 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレですね。 やっぱり……わたし達って相性悪いのかなぁ。残念です…ねぇ、京介さん?」」 こいつがずっと"京介さん"としか呼ばない事に違和感を感じた。 "儀式"なのかとも考えたが、俺に髪を撫でられている、あやせにはもうそんな気配は 微塵も感じられなかった。本当にただ、ただ美しい俺の彼女だった。 「んじゃ、また尻ぶった叩くか……アレはあやせのお気に入りだからな」 やっと余裕が出てきた俺は、何とか冗談を言ったつもりだったのだが…… 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレ」 冗談とも本気とも取れぬ態度に対して、いささか俺の理性は、失われ始めて…… やっぱりあやせの言う様に、俺らが変態なのは、間違いないのかも知れない。 変な性癖に目覚めないか心配した将来の不安は、既にリアルな懸念に変わっていた。 「もう本当に強情ですね、京介さんの、、が、わたしにずぅっと当たってるのにっ! それとも処女厨なのは…………冗談だった事が、実は的を射てましたか? はぁ~でも、良いんです……それでもわたしの気持ちは変わりませんから。 あなたがどんな変態でも、応える自信……わたしにはちゃんとありますからっ!」 こいつが何を言ってるのか皆目検討はつかないが、何か相当ヤバイ匂いがするのは 確実に分かった。 「あ、あのさ、、おまえがもう"儀式"を求めてないのは、何となく分かるんだけど それって結局どういう事だったのか、教えてくれないか? それが分からないと、ちゃんとクイズに答えられないと言うか……」 『…桐…………3つ……の……処女………………』と耳打ちされた。 「ははは……あ、あやせさん、そんなの、おかしいですよ!って言うかさ。 キ○ガイみたいなフリをするのは、もう良いからね!だ、だ、だから本当の事を言おうぜ。 俺ら、ちゃんとした恋人だろ?全く……冗談ばっかり、どっちが変態だよ、もう(戦慄)」 あやせは無言で、さっき隠れていたクローゼットから、最近よく持ち歩いている 大きなバックを取り出すと、おもむろに俺に中身を見せる。 ………メイド服、ブラウンのウッグ、眼鏡があった(様な気がするだけの事にしておく) 「もし、わたしが無理やり儀式実行したら、京介さんは、わたしの事が嫌いになって 逃げ出して、わたしの事を捨てましたか?正直に言ってくださいね? わたし……絶対に、もうどんな些細な嘘も、誤魔化しも、許すつもりないから……」 「一回全力で逃げ出して、それでもおまえがやるって言うなら付き合ってやったと思う。 あやせは困ったちゃんなのは分かってるけど、同情以外の感情があるのは今なら分かる。 ぶっちゃけおまえが、NTRの話しなくなったのは儀式とか言い出してからだもんな。 おまえと別れるくらいなら、おまえが他の男の話をするくらいなら、もう超変態で あやせと一緒に何処までも堕ちるやるさ」 半分は本気で、半分賭けで………俺はそう言った。 さっきみたいに、いくら諭してもダメなんだ、あやせを全部受け入れて、もしこいつが 傷つくなら、俺も一緒に痛みを感じてやる。 俺の彼女が堕天使で、地獄の案内人………だとしても、もう離れるつもりはない。 もう、絶対にあやせを一人にはしないって決めたんだ。 でも同時に、『とても静かで、優しくて、暖かい予感みたいなもの』を今なら 信じられる気がした。 「ふふ、京介さん……良いコ・ト・しましょう?もうしちゃいましょう……ねっ?」 そう言った時のあやせの笑顔は純真で、清純で、純粋でとても気高く感じられて、 本当に天使を見たら、こんな気分になるのかもなと俺は、不思議な感慨に耽った。 どうやら、何とか………賭けには勝てたらしい。 何でこいつは、あんな悪魔の発想する癖に……こんなに可愛く笑えるんだよ、全く。 「本当に、儀式はもう良いのか?」 「儀式ならもう終わりました。魔法ならちゃんと、京介さんにかけられちゃった…から」 こっちだって、ずっと魔法も、あやせ菌にもかかりっぱなしだったんだ。 でもあやせには伝わってなかった。だからこれからは、今からはもう照れは捨てて 全部あやせの望み通りにしてやろう。 誰かに聞かれて見られたら恥ずかしくて、死にたくなる様な事でも平気でやってやるさ。 「そっか…………分かった。で、おまえのお気に入りの手錠はどうする?」 あ~ついに、こいつとするんだなと考えると緊張で声は上ずるし、さっきは別れるか どうかの瀬戸際だったのに、今はあやせが目を潤ませて、頬を高揚させてる姿を見ると、 更に俺に胸や臀部を押しつけてる状況を鑑みると、自然の摂理で当然痛いほど硬くなる。 「もう!お兄さ…(ん)…あっ、京介さんは…本当に、何も分かってないんですねっ!」 そういう事か…全く、、、何でそんなに俺に魅惑の魔法を重ねがけしようとするんだ? 「可良いな、あやせは…良いんだぜ?おまえが癖で言ってしまう"お兄さん"のままでさ。 おまえしか見てないんだから………今更、何ズレた心配してるんだよ、ったく」 「……ご、ごめんなさい……で、でも、でも……………」 「手錠はプレイで使うなら良いけど(もう立派な変態だ)、今は必要ないで良いんだな? 心はちゃんと繋がってる。今は…身体は身体同士で繋がりたい、、、で合ってるか?」 恥ずかしそうに、ぎこちなく、でもしっかりとあやせはコクリと肯いた。 こんな最高に可愛い彼女が相手なんだから、今だけは、俺も全力で"男"にならなきゃな。 俺はキスしながら、あやせをお姫様だっこしてベットに運ぶ。 何でだろう、あやせの裸なら本当に何度も、何度も見た筈だが……… DVD事件の時は、自分で全裸になってたし(長時間クローゼットでそのままだった) あやせの部屋ではいきなり下半身を脱がせたのに、今は服を着たままのあやせを 目の前にしているだけで、今までと比べものにならないくらい興奮して、緊張して 完全硬直しちまった、やっぱ情けねぇ………。 自称"男"改め、単なる童貞小僧に成り下がった俺は、キョトンとした表情で見ていた あやせに 「ふふ、良いですよ…ほら…………ボク………お姉さんとエッチなお勉強しましょう? ほらぁ……こっちにおいで」 と誘われた。
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/161.html
917. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 12 00.60 ID sXuewvQo 「あ、そう言えば京介氏、拙者と付き合って欲しいでござる」 俺達がいつもの4人で集まって遊んでいると、何の脈絡もなく唐突に沙織がそう切り出した。 「は?」 いきなり何言ってんだおまえは!? なんでそんな“明日ちょっと買い物付き合って”みたいな軽いノリなんだよ! 「ちょ、ちょっとあんた何言ってんの!?ふざけんじゃないっての!」 「わ、わわわわ、私の妖気にあてられて気でも狂ったのかしら?」 そしておまえらは怒りすぎ 慌てすぎだ。ちょっと落ち着け。 なんでおまえらが俺以上に反応してんだよ。 「あの…駄目ですか?」 いつのまにか眼鏡を外し、真っすぐに俺を見つめてくる沙織。 両手は胸の前で組まれており、祈るようなポーズで俺の返事をまっている。 おい…こんな時に眼鏡を外すんじゃない! 「いや……いくらなんでも突然すぎるだろ…一体どうしたんだよ」 返事をごまかしつつ、沙織の腹の内を探る。 すると、沙織は何かに気付いたような顔をして、 「あ……これは失敬。拙者ともあろうものが少しテンパっていたようでござる。経過を省いて結論だけ伝えてしまうとは」 沙織は片手で頬をかきつつ、申し訳ないと謝る。 それにしてもこいつがテンパるだと?珍しいこともあるもんだ。 「実は……最近ちょっと困ったことに巻き込まれておりまして、京介氏のお力を是非お借りしたいのです」 あぁ、なるほど。ようやく話が見えてきた。 付き合ってくれってのは力をかしてくれって意味か。俺、完全に勘違いしちゃってたよ。 それなら“買い物に付き合って”みたいなノリだったのにも納得だ。 918. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 13 14.59 ID sXuewvQo 「わかった。俺でよければ付き合うよ」 「ほんとですか?ありがとうございます京介さん!」 だけどあの沙織がテンパるような事態って……一体どんなやばい事件に巻き込まれてるんだ? あれから数日後、俺は真新しいスーツに身を包み、地図を頼りにとあるホテルまでやってきた。 「高坂京介様ですね、お待ちしておりました。お嬢様からお話は伺っております」 「はぁ、どうもっす」 ホテルのロビーに入ると、槇島家のメイドさんらしき人が声をかけてきた。どうやら俺を待っていたようだ。 っていうかリアルにメイドさんなんているんだな。俺は秋葉原でしか見たことないよ。 メイドさんに連れられ最上階のレストランへと辿り着く。 「本日貸し切り?」 え?貸し切り?入っちゃって大丈夫なの? 「ふふ、大丈夫ですよ。貸し切っておられるのは槇島家ですから」 困惑顔の俺を見て、クスリと笑うメイドさん。 やべ、超恥ずかしい。でも俺達一般人にとって貸し切りなんてのは無縁のものなんだからしょうがない。 「お嬢様はあちらで既にお待ちです」 メイドさんに促されレストラン内の一角を見やる。 すると外の景色を眺めている沙織の姿を確認できた。 恐らくあの席が最も展望がよく、このレストランでも特等席にあたるのだろう。 919. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 14 51.40 ID sXuewvQo 「あの…高坂様」 沙織のもとへ歩いて行こうとするとメイドさんが俺を呼び止めた。 「はい?なんでしょう?」 「お嬢様のこと、よろしくお願いいたします」 そう言って深々と頭を下げるメイドさん。 ここまで心配してもらえるのも、ひとえに沙織や沙織の両親の人徳ゆえだろう。 「はい。うまくやれるかはわからないけど…精一杯がんばりますよ」 ――――――――――― 「で、力をかして欲しいって俺はいったい何をすればいいんだ?」 「はい、それなんでござるが…」 沙織が言うには、なんでも以前お見合いした相手がなかなか諦めてくれないんだそうだ。 「一度はお断りしたのですがなかなか納得していただけなくて…」 「キモッ、まるっきりストーカーじゃん」 見ず知らずの相手をばっさりと切り捨てる桐乃。 だが、今回ばかりは俺も同意見だ。 「仕方ない、今回だけは兄貴貸してあげる。」 おい、なんで俺がおまえの持ち物っぽくなってるんだよ。 まあ、いいや。 「それで?俺はお見合いの場に殴り込めばいいのか?」 「そ、それはダメでござる!相手はお父様の取引先のご子息ですからできるだけ穏便に……」 まじか…やりにくいな……。 ってことはあれだろ?以前俺が親父に対してやったような説教はできないってことだろ? 「じゃあ一体どうするんだ?」 「拙者の彼氏役として同席していただければそれで大丈夫です。 さすがに相手の方も拙者に彼氏がいれば諦めてくれるでしょう。この役、京介氏にお願いしても?」 920. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 16 00.47 ID sXuewvQo 普段あれだけ世話になってる沙織からのお願いだ、断れるわけがないだろう? それでなくても友達が困ってるんだ。助けないわけにはいかないさ。 俺は一も二もなく了承したよ。 「おう、まかせろ」 俺が了承してから沙織が桐乃と黒猫とにしきりに謝っていのが印象的だった。 なんでそいつらに謝ってるんだ?謝るべきは俺じゃないの? いや、別に謝ってほしいわけじゃないんだけどさ。 ―――――――――――― 「よう沙織」 「こんばんは京介さん、お待ちしておりました。こちらにどうぞ」 そう言って自分の隣の席を指し示す沙織。 今日の沙織はいつものグルグル眼鏡を外し、ドレスに身を包んでいる。 くっ…これはやばい。なにこの破壊力。 こんなにかわいけりゃ相手が諦めきれないのも無理ねえよ。 これで眼鏡でもかけようものなら俺だってストーカーしちゃうぜ。あのぐるぐる眼鏡のことじゃないよ? 「京介さん?」 棒立ちになっている俺を心配したのか沙織がこちらを見上ていた。 ぐ…これはやばい。普段こいつの上目使いなんて全く見ないもんだから耐性がついてない分さらにやばい。 まぁ、例の眼鏡のせいでどのみち目は見えないんだけどさ。 「お、おう。わりぃわりぃ」 席に着いて相手の到着を待つ。 沙織によると、相手との約束の時間は21時らしい。 今の時刻は20時30分。一応早めに着いておいた方がいいだろうということでこの時間にやってきたわけだ。 「ところで沙織、沙織のご両親は?」 見渡したところ俺達の他に誰かがいる気配はない。 「なにぶん忙しい方たちですから」 そう言って微笑む沙織はどこか寂しげだった。 ……お金持ちはお金持ちなりの苦労があるのかもしれねえな。 「そっか。大変なんだな、おまえも」 こいつがなにかと俺達の世話を焼いてくれるのは、沙織自身が寂しかったってのもあったのかもしれない。 921. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 17 27.08 ID sXuewvQo 「ふふふ、最近はそうでもないんですよ?これもきりりんさんや黒猫さん、そして京介さん…あなた達のおかげです」 「そっか、そりゃあ……よかった」 沙織との会話も盛り上がってきた頃、噂のお相手が到着した。 「もういらしてたんですね。お待たせしてしまったようで申し訳ありません」 あれ?なんかいい奴っぽくない?しかもやたらイケメンだし。年は20歳くらいか? そういえば金持ちってやたらイケメン多い気がするんだけど気のせいかな。…今なんの関係もないけど。 「……そちらが例のお相手ですか?」 「はい。私が想いを寄せている高坂さんです」 「初めまして。高坂京介です」 「初めまして高坂君。僕は城戸星矢」 そう言うと星矢は右手を差し出してきた。俺も右手を差出し握手をかわす。 しかし、星矢ってすげえ名前だな。そのうちペガサス流星拳とか放ちかねない名前だ。 「ははは、父が聖闘士星矢の大ファンでね。この名前もそのせいさ」 なるほど、フェイトさんみたいなもんか。 …はっきり言って第一印象は悪くない。人柄は良さそうだし、なによりイケメンだしな。 沙織はこいつのどこが駄目だったんだろう。 「さて、沙織さん。この際ですから単刀直入に申し上げます。僕はやはりあなたを諦めることはできそうにない」 「…どうしてですか?」 そりゃそうだよな。 俺もここにくるまでは、内心相手のことをストーカーまがいの野郎だと思ってた。 だけど、そうじゃなかった。俺の人を見る目を信じるならばこいつはそんな男じゃない。 少しばかりの化粧とドレスで着飾った沙織を見たら大半の男はそうなっちまうよ。 それくらい今日の沙織は美しくて、男を惑わせる魅力を持っているように見えた。 「以前僕はこう言いましたね。あなたが連れてくる相手が僕以上の人間であれば、僕以上にあなたを幸せにできる人間であれば素直に諦めると」 そんなこと言ってたなんて聞いてねえぞ!? 沙織!これはどう考えても人選ミスだろ!? 「はい、確かにおっしゃいました」 だが、沙織は少しも動じる様子はない。 922. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 18 55.80 ID sXuewvQo 「彼を馬鹿にするつもりは毛頭ありませんが、僕にもプライドがある。そこらの男には負けていないという自負も」 星矢は、ギリと拳を握りしめた。 そりゃそうだろう。沙織が自分以上の人間として連れてきたのが俺みたいな凡人じゃ、怒りたくもなるってもんだ。 「何故ですか!?僕のどこが彼より劣るというんです!?そこの地味目の男のどこが僕より勝っているというんですか!?」 「お黙りなさい!!」 「え?」 「え……」 星矢も俺同様に呆気にとられているようで、目を丸くして沙織を見つめていた。 「この方は私が選んだ方です!その彼を貶めるような物言いは私が許しません!」 ちょ、ちょっと沙織!?いくらなんでもキレすぎだろ!? っていうかおまえがキレるとこなんて初めて見たわ! 「あ………」 星矢も自分が言ってしまったことを理解したのか、何かに気付いたような表情を見せた。 「すみません、高坂君。とても失礼なことを……」 自分に非があると理解すれば年下のはずの俺にも素直に頭をさげる。 やっぱり俺の人を見る目は間違ってなかった。こいつは本当にいい奴なのだ。 ただ、沙織がそれを狂わせるような魅力を持ってたってだけでさ。 「あ、頭を上げてください!そもそも別に俺は怒ってないし、あなたが言ってることって事実っすから!」 「でも、ようやくわかりました」 「え?」 頭を上げた星矢は妙にさっぱりした顔をしていた。 「貶められたのが僕であれば沙織さんは今ほど怒ってはくれなかったでしょう。沙織さんがあんなに怒ったのはあなたが貶められたからです」 「は、はぁ……」 こいつは一体何を言ってるんだ?確かに今の状況はそうだけどさ。 単純に現状確認してるだけなのか? 「ふっ、その様子だとよくわかってないようですね。……人間、好きな人と結ばれるのが一番幸せってことですよ」 「き、城戸さん!?」 「ははは。では、僕はこれで失礼します。沙織さん、今までご迷惑をおかけしてすいませんでした。 923. ◆qPOxbu9P76 2011/01/02(日) 01 20 33.96 ID sXuewvQo そう言って沙織に頭を下げる星矢。 そして星矢は俺の方を振り向くと、 「高坂君、僕が言えた義理ではないけれど…沙織さんをよろしくお願いしますね」 そんな言葉を残して去って行った。 「終わった……のか?」 「はい、お疲れ様でした京介さん」 はぁ〜〜超緊張した………。 やっぱり上流階級の人間と話すってのはそれだけで緊張するもんだな。 もうしばらくこんなマネは遠慮したい。 「でも、なんであいつは諦めたんだろ?」 緊張が解け、リラックスしてきたせいか頭がさっきの言葉の意味を考え出す。 『人間、好きな人と結ばれるのが一番幸せってことですよ』 「ま、まさか……沙織?」 ありえるか?こんな綺麗なお嬢様が? 沙織の方を振り返ると何やらうつむきがちになって申し訳なさそうな顔をしていた。 俯いている人間の顔がなぜ見えるかって? ははは、そんな野暮なこと聞くなよ。 「あ、あれ?どうしたんだ沙織?」 「あ、あの実は、両親にも同じ言い訳を使っちゃってて……」 「え?」 ってことはまさか…… 「もう少し……私にお付き合い頂いても?」 くそっ!こうなったらとことんやってやるよ!! 「まかせろ!どこまででも付いてってやるぜ!」 「ありがとうございます!大好きです京介さん!!」 「ぐお、お、重い!いきなり抱き着かないでくれ!俺にも心の準備ってもんがあああ!?」 バターン おわり
https://w.atwiki.jp/orenoimoutoga/pages/126.html
そんなことしねーよ! バッと振り返る 「愛の証」どこまで本気なのか メールの違和感 壁越しのお喋りの判別 そんなことしねーよ! たとえば将来……俺に彼女ができたりしたら、麻奈実を避けるようになったりするのだろうか? そんなことしねーよ!と、今の俺は思った。(p123) シンプルな死亡フラグなのだが、一度の死亡フラグを二度回収すると誰が予測できただろうか バッと振り返る p366でせいせいするなどと語っているが、声をかけられたときの反応がどう見ても嫌々の対応ではない。 体は正直だな(ゲス顔) 「愛の証」どこまで本気なのか 演技で言っているのか、本気で言っているのか、境界が曖昧になってくる。(p357) ウソなんかじゃねえ(p358) 「どの辺まで本心なわけ?」「ど、どうでもいいだろ」(p367) 嘘だと確定させる要素は存在しないどころか、ヤバいところが強調表示になっている。 桐乃の告白キャンセル法も「と言うとでも思ったァ?」であるため、嘘とは言っていない。 メールの違和感 妄想/新垣あやせを参照 壁越しのお喋りの判別 加奈子 「うそだぁ~、じゃーケータイ見してみ?」 加奈子 「……やっぱアヤシイ~。……桐乃ぉ……いい加減白状したらぁ~?」 加奈子 「もう、とぼけて! ねえ、ねえってばあ! 桐乃ぉ~~、相手はどんな男なのぉっ?」 加奈子 「うそだあ! 信じらんないよ! 絶対男だって! いいじゃん別に、誰も友達の彼氏取ったりしないからさあ。ね? あたしたちだけに、こっそり教えてよ~う」 加奈子 「えー? だって桐乃、ガッコーですっごいモテるじゃん、男の子たちからさー」 加奈子 「だって最近おかしーじゃん、桐乃!」 友達A。 ランちん 「そうそう! すっごい変ーっ!」 友達B。 加奈子 「最近いきなり付き合い悪くなったしぃ~、ガッコでもこそこそメールしてるみたいだしぃ~」 コミック版では語尾の延ばしをなくしてあやせの台詞にしている。 ランちん 「あ、あたし電話してるとこ見た! なんか痴話喧嘩してるような感じだった!」 ランちん 「うん、なんかぁ、すっごい怒鳴ってるんだけどぉ、でも、それなのになんか嬉しそうなの。そんで電話切ったあと、にやにやしてんの。絶対彼氏でしょアレぇ――」 加奈子 「だよねー?」 加奈子 「あ、ホラあ。思い当たることあったんでしょ?」 加奈子 「ふーん? あくまで彼氏なんていないってゆーんだあ、桐乃は?」 加奈子 「じゃー最近のおかしな行動について、セートーなリユーを説明してよ」 京介の反応から発言のほとんどが加奈子。 加奈子 「えーそんなぁ……アタシらは桐乃のことを心配してぇ……いたた、叩かないでよ桐乃ぉ~」 加奈子 「やぁだぁ~、も~っ。痛いってばっ♡」 加奈子 「そんなぁ~」 あやせ 「ま、まぁまぁ……桐乃、そのへんでやめときなよ。ほら、この子も反省してるし……ね?」 また別の声。=ここまであやせの台詞なし。 あやせ 「そうそう。ところでさ。桐乃って、お兄さんいたんだね? 知らなかったよ」 あやせ 「なんでそこで嫌そうな顔するの。優しそうな人じゃない?」 あやせ 「そ、そんなことないと思うけど…………たぶん」 ランちん?加奈子? 「あたしも見た見た。チラッとだけど。なんかぁ、桐乃にぜんっぜん似てなかったよね?」 京介がクソガキと言ってるので加奈子の可能性もあり。コミック版ではランちん。 ランちん 「むしろ地味っていうかぁ――」 加奈子 「あはは、言えてる言えてるーっ。なんていったらいっかなぁ……あ、アレアレ。十年後とかぁ、フッツーにしょぼい中小企業とかに勤めて、課長とかやってそうじゃね?」 ランちん 「うっわビミョー……でも分かる。あの顔はそんな感じだった」 加奈子 「あれ? 桐乃ぉ……なに黙り込んでんの?」 なお1階は 加奈子・あやせ・ランちん 「「「キャ――――――――――――――ッ!?」」」 あやせ 「き、桐乃……?」 加奈子 「うっわ~……ちょっとコレは引くよ~~ぅ?」 意見・批判等 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/kaito0321/pages/18.html
ここでは個人的に好きな曲を載せたいと思います。 載せて欲しい曲があるときは、コメントとかに書いてね。 まずはYELL思い出の曲で 聞くと、小学校6年生の頃を思い出して、泣きそうになっちゃいます。 オススメNO,1です。 今日聞いていいなとおもった(1月17日) コレは最近結構聞いたり、歌ったりしてます。 飽きてきた感じもしますが、結構元気もらってます。 ノリノリで歌うと楽しいでしょう。 あと、ファンモンのDJ?みたいな人面白いよね。 ヒルクライム春夏秋 なんか、好き。 なんか、卒団式のスピーチでBGMで流れてた(´・ω・`) まぁ好きw なんかいいね☆ あっちゃんせんたーなんですけどー。 大島優子が好きな人はこちらをドウゾ。 仮面ライダー電王の主題歌にもなった有名な曲です。 ↑の曲のピアノ演奏です。 なんか和む感じがする。 え?ギターも欲しいって? わかったよ、じゃあ載せとくよ。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 いきものががりって(笑) -- shiro (2011-01-01 01 09 05 RAD、バンプおすすめだぜ★ミ -- しょこ (2011-01-02 12 47 13) 10年桜か言い訳maybe -- 焼きクマ (2011-01-02 20 24 57) がおすすめ -- 焼きクマ (2011-01-02 20 25 12) あっちゃんかわいい・・・・! -- しょこ (2011-01-03 12 47 00) ビギナーか会いたかったがオススメだなあぁ? -- 管理人様 (2011-01-05 21 02 19) それと、俺趣味いいね☆ -- 管理人様 (2011-01-05 21 02 48) ここにのってるの全部好き!おすすめは大声ダイヤモンドか湘南 -- るんと (2011-01-06 15 51 08) 全部めっちゃいいやんw あと、ヒルクライムは全部いいよww -- 革命 (2011-01-07 23 21 57) 俺ベストセレクションだからね☆ -- 管理人 (2011-01-12 22 20 47) ありがとうなんとなく好き -- ラッキー (2011-01-28 21 21 36) 学校で聞いたよね -- 魁斗 (2011-01-28 23 32 18) 俺がコメントするまでずいぶん月日が空いてた -- るんと (2011-05-04 21 13 02) だねw -- かいと (2011-05-06 21 38 02) 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/666.html
369 名前: ◆36m41V4qpU [sage] 投稿日: 2013/04/16(火) 俺の妹である桐乃がエロアニメのDVDを偶然落っことしたのが、 俺が経験した一連の物語が始まるキッカケだった。 あれから俺の人生、エロアニメやらエロゲー抜きには語れない っつっても 過言じゃない(のかも知れない) そう―――今の俺がこんな風に存在するのも (幾分大げさな言い方を許して貰えるなら) エロゲーやらアニメとは切っても切れないと思うのだ。 それは、妹やヲタ関係で知り合った仲間だけの話ではない。 俺の彼女『あやせ』とも少なからず 『エロアニメ・ゲーム』には因縁めいたモノ を感じざるを得ないのだ。 何故なら、俺とあやせの関係を確実に変化させたキッカケは やっぱり『エロアニメ・ゲーム』だったから。 あのコミケの時に偶然出会わなければ、今の俺らは居なかったと思う。 そして、その影響は今も……………… 「この浮気者っ!!!!」 「いやだからな、あやせたん―――俺の話をちょっと聞いてくれ」 「問答無用っ! わ、わたしの身体を弄んだ癖にっ! あ、あんなコトや―――そ、そんなコトまでさせてた癖にッ! こんな身体にした癖に――こんなわ・た・し・させた癖にぃい!!!」 「いや――いや、あやせ自身心と身体は歓喜してた………よ?結構」 「強姦は親告罪 強姦は親告罪 強姦は親告罪(15回連続)」 「ま、待て 待て!だからご、合意の上だっただろ?」 「た、例え………法には問えなくたって、 あなたを社会的に抹殺することは出来るンですからっ!」 「ちょっとだから話を聞け」 俺はあやせに首に装備されている ―――例の"チョーカー"に指を触れると、更に軽く引っ張った。 「わ、わたしがドMだから、また強引にお尻叩いて言いなりにさせるのね どうせ、またいじわるするんだ――性的虐待するつもりなんだ、へ、変態!」 なんつー恐ろしい台詞を言う様になったんだ、俺の彼女は としかし罵詈雑言を爆発させてるのに ―――あやせはチョーカーを自分で外す いい加減、俺も気付き始める(と言うか流石に色々学んだ) 例えば―――俺らみたいに彼氏彼女が喧嘩し始めるとする。 そういう時は(主に)女の子の方から、仲直りのキッカケになる 分かり易いサインらしき"何か"を出してるもんなのだ。 それをスルーしなきゃ、大事にはならない。 「んじゃ――ご希望通りぶっ叩くから、こっちに来いよ」 「ふんっ、す、好きにすればイイじゃない ――わたしに拒否権なんて無いんでしょ!」 あの日(あれから結構時間が経ったと思うが)から、 あやせは時々敬語をやめて、俺とタメ口で話す様になった で、ついでに――― 「京介のサディスト、DV男、リョナ族、本物の鬼畜」 ―――みたく俺のコトを『京介』って呼び捨てにするようになった。 こういう状況じゃなきゃ、あやせの言葉の響きに浸って居られるのだが、 今は流石にそういう場合ではない。 あやせは俺を罵倒しながら、(その言葉に大いに矛盾して)行動では 俺の膝の上に自ら乗っかった。 しかもご丁寧な事に わざわざ俺があやせの尻を叩きやすい様に もしくは、これ見よがしに自分の形の良い尻を思いっきり突き出す。 でも俺はもちろん叩いたりはしない(一回ゆっくり撫でたけど) そのままあやせを―――俺の太ももに、乗せたまま起きあがらせて あやせの黒髪を、左右・両方・横から・優しく撫でてやった。 ―――これが俺の彼女の最近のお気に入りらしい (エッチモードが発動する時は、大抵このパターンからの始動が多い) そして俺はこの状況であやせの目を、しっかり見つめて話し始める 「ゲームはゲーム、現実は現実だぞ? 全く別モノなんだから、ごっちゃにするなよな。 現実の彼女が、二次のゲームにそんなに目くじら立てないでくれよ?」 「普通のゲームならまだ許せるけど――認められるけど だからって、何でエッチなゲームを わたしが認めなくちゃ、いけない(んです)のよッ?!!」 説明しよう――― 『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』 俺らが喧嘩する元凶になったゲームソフト 前回の『ラブタッチ』から満を持して発売されたのだが、続編で まさかの全年齢版から、敢えて成人指定版へパワーアップしたのが 『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』なのである。 ―――俺は例によって桐乃のお勧めでプレイしようしていた のだが……………… それはさておき、本当に中の人(声)が同じだったら、 俺だって絶対に買うと思うほど、前のソフトに俺はハマった。 確か前は、桐乃とあやせを仲直りさせようとしていたが 今は俺の彼女あやせたんが、烈火の如くプリプリ怒ってるわけだ 「なぁ………あやせたんさァ あんまし嫉妬深いってのも、彼氏から言わせて貰うと 彼女としてどうかと思うんだけどな」 「ふんっ!(プイ)」 あやせが思いっきり右に顔を逸らしたので、 また両サイドの髪を撫でて、正面に視線を合わせようとすると――― 「べー(ぷい)」 ―――舌を出して、今度は左を向いて避けられた。 「あのね、ゲームやアニメは俺の妹や俺の友達との大切な絆なんだ。 あやせも知ってるだろうけど、俺は親父と殴り合っても認めさせたんだぜ? だから全部が――全部、いかがわしいモノじゃねぇんだ。 も、もちろん、別におまえも好きになれとは言わないけどさ」 「…………」 「それに自慢じゃねぇが、桐乃に勧められてやったゲームやアニメを オカズにソロプレイなんてしたことはないぞ! ジャパニメーションはもっと高貴で神聖、セレスティアルでディグニティなんだ。 エロゲーとアニメは文化なんだ――ミームなんだよ、あやせ」 俺は声を大にして言った。 なぜならば、この点が曖昧だったり少しでも疑われたりすれば ―――どう考えても、問題が解決する可能性は一㍉も残らないからだ。 「何をカッコつけてるンです? 京介さ(ん)のオカズは、眼鏡・巨乳のエッチなDVDと本だっただけでしょう」 「だから………約束通り処分しただろ?」 「………」 「俺が約束破って、エロDVDやネットのエロサイトを閲覧してたか?」 大学生にもなって自分のパソコンを フィルタリングされている男 一人暮らしの部屋のベットの下の 段ボールには何も入ってない男 俺の名は――高坂京介 「そ、それは………そうだけど」 俺の説得がどうやら功を奏したらしい。 そりゃそうだろう ―――あやせは自分でドMで俺の良いなりと言った。 でもそれを言うなら、俺も負けず劣らずあやせの言いなりなんだ。 俺らのS気とM気ってお互いに多分、絶妙に方向が違うだけなんだな。 (だからきっと相性が良くて上手く行く(と俺は信じてる)) 「だったら良いよな?」 「もうっ………か、勝手にすればいいよっ!」 「ありがとう、あやせたん」 あやせの気が変わらない内に、さっさと電源オン 「ぐ………うぅうぅぅ」 「おまえ、なんつー顔してるんだよ?!」 「………………イヤ、イヤ、イ ヤ」 「あの………?」 「わたしのコトは気にしないで、好きにやってっ!」 好きにやれと言われてるのに、 あやせのもの凄い握力に掌握されて、俺の手は指一本動かせなかった。 「な、何で5秒間隔で、気分変えるんだよ? つーか、言ってることとやってることが―――」 「―――わ、わかりました。もう分かったって言ってるでしょ!」 「さーて、じゃぁ誰にしようかな」 『誰を選びますか?』 誰にするかとは、まず最初に誰に話しかけるか………だ 今回はバージョンアップしてキャラも増えていた。 絶対ヒロイン 黒髪の美少女 『藤崎あやか』 その双子の妹 茶髪の美少女 『藤崎きりか』 ナイスボディ ショートの綺麗なお姉さん 『田宮まみな』 深淵の果てからの使者 謎の美少女 『極聖天のルイ』 「………う~ん こりゃ可愛い子ばっかで、マジ誰にするか迷うぜ」 こういうのって最初が肝心だからな 第一印象って大切なんだ 本当に――本当に、第一印象って大切なんだぜ? 「……………………………………………………………… ……………………………………………………………… ………………………………やっぱりぃイヤャァアァ!」 「―――ゲホ」 背後から側頭部に肘打ちと手刀の二連撃を喰らって ダウンした所に、後頭部を踏み砕かれて俺は卒倒した。 「あっ、あいつゲーム持って行きやがった」 つーか、ゲームの女の子と一言も口聞いてないよ?俺 何となく桐乃の気分が分かった気がする俺だった。 それでも桐乃相手だと多少は遠慮してたあやせが俺が相手だと ○グネスばりに検閲が厳しい。 しっかし………ま~たこのパターンかよ。 これからどうしたもんか……な 三日後 メールしても電話しても返事が無く音信不通 心配になってあやせの実家まで行ったが、 美人のママさんと怖いお父さんに色々言われたが(別れろとかはでない) 結局、本人には会えずじまい あやせたん――――最近はあんま嫉妬しないと思ってたんだがな どうやって彼女の機嫌を直すか? を考えながら、大学から帰宅して、自分の部屋のドアを開けると――― ベットの上に、ちょこんとあやせたんが鎮座してた。 ―――うぉ、ビックリした 「あの……………あやせさん? まだ怒ってたりなんかしちゃったり……なんかしたりなんかしたりする? 俺は謝ろうと思って、何度か連絡してたんだけどさ」 俺は幾分用心しながら、あやせに訊いた。 あやせは、首を振った。 ―――あれ? 結構ニコニコしてるぞ 「この前はごめんなさい。ねっ? わたしの方こそ大人気なかったから、ホントにごめんなさい」 「いやいや、良いんだよ」 何も事件やらハプニングが起きずにコトが収まって良かったと 俺は思ったのだが――― 「だから、今日は京介に自由にゲームして欲しいと思ってるの、わたし」 「う、うん?」 ………何か物分かりが良すぎて怖い。 非常事態に用心しながら、俺はあやせの出方を見ようとする ―――っ!!! あやせがおもむろに鞄から取り出したのは、 包丁――などでは無く (最近はそんな恐怖は感じてないから、俺っビビらなかったもんね!) で取り出したのは ―――フリップボード?? クイズ番組とかで、解答する時に出すみたいなヤツだった。 「なに………それ?」 意味が分からん 「はい………ゲームスタートだぞ♪」 あやせたんは手書きで 『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』 の"タイトル画面"を描いていた 何だ、この手作り感バリバリ満載の ――何か本物買って貰えないウチの子が親から手作りで作って 貰った みたいな悲壮感があるゲームは?! 「あやせ………どういうことなの?」 次のフリップを掲げるあやせ 『誰を選びますか?』 『 黒髪の少女 あやか 双子の妹 きりか ショートのお姉さん まみな 謎の少女 ルイ 』 「何………これ?」 フリップを改めて強調する俺の彼女 『『誰にしますか?』』 「んじゃ……"まみな"でお願い」 再び、何故かフリップを掲げる俺の彼女 『『誰にしますか?』』 「いや、だからまみな………で」 「……………………………………………… ………………………………………………… 誰にしま―――誰にする?京介(きょ・う・す・け・)♪」」 「おいおい、口で言っちゃってるじゃん! だから―――巨乳のまみ……」 「―――わかりました…もうぉわかったっ!!! わたし、ちょっと豊胸施術してきますからっ! 髪切って、眼鏡かけてきますからっ、それまで待っててくれる?! 少しだけ 待・って・て・貰・え・ま・す・か・?!!!」 「うっ、うそ、ウソ、嘘―――お、俺はあやかオンリー厨だぜ!」 何、このゲーム こわーい 「オッス あやせだよ♪」 暫く気を取り直す時間を取ってから あやせが元気よく言った。 「え? あやせなの?」 「え? あ、ああ………オッス あやかだよ♪」 「いや、おまえは どう考えても、あやせたんだろ?」 「だっ、だから………わ、わたしがキャラになってあげます ゲームの内容自体は、ちゃんと頭に叩き込んできたからっ 大丈夫だよ、てへ♪」 「へ?」 「わたしでゲームをシミレーションすれば、 桐乃達と会話する時も話題は完璧だぞ、エヘン♪」 『藤崎あやか』のデフォルトの絵である 例の敬礼みたいな決めポーズであやせは言った。 「あ?あ、ああ そ、そうだね……あ、安心だ……たしかに安心……か?」 「何ですっ?そ、その冷たい目はッ?!」 「い、いえ別に………それで俺はどうすれば?」 「で、では、さっそく告白の場面からやりましょう♪」 またフリップボードを掲げるあやせ 『わたしに好きって言いなさい』 「俺……あやせが好きだよ (俺の口が、この言葉の並びに馴れきって、もはやこの名前しか出てこない)」 『好き』と『あやせ』が対の枕詞の関係になるほど 俺はこの言葉を言ってたのか――と俺はこの時改めて気付いた。 「え?………うんっ! わたしも京介が 好き――好き、大ァ好きぃっ!」 結果 あやせに―――息がつまるほど抱きつかれました。 「な、何だ?………これ おいおい、もはやゲーム関係ないぞ」 「――はっ?あっ!ああ ちょ、ちょっと気分が上がったから、えっと………気を取り直して」 「やっぱさ、普通にゲームはゲームで割り切った方が―――」 「―――う、うるさい! わたし………ちゃんと考えてきてるンだからっ! 本当に――本当に凄い、"取っておき"を考えてるんだからっ! 二次元のゲームなんかより凄いんだから………黙ってプレイする!」 「まぁ………おまえがそう言うなら」 色々アレだけど、確かに一生懸命さは伝わる。 あやせはまた鞄から何か取り出す 「はい、これ!」 「なに、これ?」 だって………ペンを渡されても 「ふふっ♪ どうぞ、触ってくだ――さぁ、お触りなさい、遠慮なく!」 あやせは魅惑的な顔で、 肢体と胸を―――さっきの決めポーズから更に強調しながら言った。 「へ?」 『ラブ・タッチ・パネル』とフリップボード それでも流石に、俺が躊躇していると 「ねぇ~早くし・て・?」 強引に俺が握っているペンを、 あやせのグロスでぷっくりとした柔らかい唇に 無理矢理当てさせられる。 「お、おう!分かった」 彼女がここまでやってるのに ノリが悪くて雰囲気をぶち壊したら情けないもんな ってコトで俺は腹を決めると、心眼を捉えるかの如く目標を 一気に突く そうだ、俺は狼だ 血に飢えた狼なんだ 狼の牙が―――俺の『牙突』が炸裂する! 「ポチっとな―――」 「―――あっ、あん♪ ってぇ………な、何でいきなり、おっぱいな………の!?」 「いや、だってこういうのでは基本プレイだから」 「ちょっとぉ………良いですか、ねぇイイかな? 京介がそんな童貞くさい行動ばっかりを取ってると、 ゲームでも―――リアルでも女の子に引かれちゃう………よ?」 『惹かれる?』 フリップボードに、ちょうど握ってるペンを走らせ書いてみる 「イヤイヤ………字が違うし」 「まぁ、何にせよリアルの彼女はおまえだから、な? それは別に違わないよな?」 「ふーん?そっかァそうなんだぁ ………ふふ、うんっ!それは間違ってない」 笑ってはる―――笑ってはるわ まっ、リアルの彼女の好感度は高いに越したことはねぇけど 「ま、まずはキスの場面からや、やってみま(しょ)――やってみて?♪」 「うん……わ、わかった」 「ペンで撫でて、お、女の子をその気にさせるんで(す)―――させて?」 「へいへい………あー可愛い、可愛いな」 何か―――もはやこれはコントだよな だって………ちょっと想像してみて欲しい どう考えたって、笑いを堪えるのに必死になるだろう、コレ 「全然(ぜ・ん・ぜ・んっ・)気持ちが入ってないじゃないですか!!!! どうしたんですか!!!!?」 「いや、でもゲームだから言えると言うか 目の前に、生身の彼女居るのに、ペンでなで回してもギャグと言うか」 「はっ? そんな舐めた気分で、適当にプレイするなら よくもゲームが絆とか文化だなんて言えましたね!!!」 「わかったよ! その代わし、後でどうなっても俺は知らねぇぞ?」 「アハハ……そんな拙いペン捌きで、心配するなんて凄く滑稽だと思う 反対のコトを懸念した方がイイんじゃないの………かな?ボク♪」 魅惑的にいやらしく、そして俺のプライドを嘲笑 ―――二重の意味で、挑発された俺は おまえの弱いところは大体知ってるだぞ的な 俺のペン捌きであやせを責め始める。 「っ………た、大したコト………はぅ………あん……っ…な……ない ん?(ビクっ)あっ……ゃ……んっ………全然たいし……あっあん♪」 本当に簡単に拍子抜けする。 あやせの身体は、ペンが触れば何処でも ―――否、触らないでかざすだけでも ―――否、かざさずにペンをずっと止めたままでさえ ―――否、もはやペンの存在――不在に何の関係なく 感じるようだった。 「え、エッチぃ………同じ………所ばっかり………でも………イイっ してぇ………でもぉ………しなくてっ………も………イイっ……っ」 没★・入★・感★・ 「な……なんでも………し……てイイ……きょうなら…何でもイイのおぉ」 ―――我忘れて一気にプレイ感覚の様相を呈してくる 俺が一心不乱にペンを振り回していると ………あやせたん、何故か服を脱ぎ始めた 「えっ?」 「これはエッチな……ゲームだからァ…わたし………脱ぐの…ほら……ねっ♪」 一糸まとわぬ姿 まさに天衣無縫―――本当に天使か天女かと見まごう ―――でも 普段の清廉な表情は媚態に満ち、上品な顔は涎まで垂らし 何処までも透き通った白い肌は、夕陽の様に紅く――赤く高揚し 長い手足は、だらしなく意思を失ったように脱力し 普段は姿勢のよい美しい身体も、不意に痙攣し始めて 俺が執拗にペンでなで回すと 「っ………あっ………ひっ…あん……あ………アァ……あぅ」 一目で興奮と熱の源のような大きく張った胸をこれ見よがしに、 不自然なほど俺に強調し――触れられること(触れられないこと)期待して 激しく貪欲に求め 「もっと………して………いじわる………し………て……」 魅惑する様にくびれた腰をくねらせて 誘惑する様に例の如く臀部をフリフリさせて 「ほらっ………ほらァ………ココっ……にぃ……欲し…ぃ……してして?」 あやせは解放的に嬉々として、全てを露わに 俺が思わず躊躇うほど、全てをさらけだした 何か普段より―――すげぇエロい つーか、普通に触りたい………んだが ――――――このゲーム、メチャクチャ凄かった と思ってたら 流石は、最強に気が合う理想的なカップル?の俺らである 「ねぇ、京介………ペンじゃなくて、普通にして………くれ…ない……の?」 そう言われたら、俺はペンと理性は明後日に放り投げるしかない でも、いざ触ろうとしたら―――止められる あやせたん ―――ついに焦らしプレイをも完全にラーニングしてしまったのかよ! 最期のフリップボード 『京介くんと結婚したいな』 「おっ、おう………………け、結婚しよう」 「声が小さい!! もっと心を込めてっ!」 「あ・や・せ・結婚しよう!!!!」 「うん………早くしよう♪」 ―――で 普通にベットに行って 「あっ♪…きょう好き………もっとしてぇ………あっ……ぁ…あん」 「あやせ………たん…あやせ………お、俺………もう………イキそう」 「ダメっ………もし先に…イったら………後、三回………追加……」 「が、我慢………しま…い?―――あっ、あやせ………おまえぇ?」 「ふっ♪………やっぱり………ダ~メ………五回に追加…… ………あっ…ん……させる……からっ……それまではダメぇ……… わたしぃ……ゲイムクリア……させなっ………いから……許さな…い ………ずっとっ………ずっと………一緒………もう終わらせな……いっ」 結局、普通に(普段より何倍も萌え(燃え)気味に)やった(やられた) 「ったく、何だよ! ゲームがもはや関係なくなってるじゃねぇか!結局」 「じ、自分が一番楽しんでた………癖に」 「そりゃ、そうだろうよ おまえに誘惑されたら全自動発情システムは起動するさ でもこれだと、いつもの俺らじゃん?」 でも俺らの夜の関係って、立場がまた――また再々逆転しちゃってるな。 別に良いのだが ―――つーか、俺らカップル もう後戻り出来ないだろうなぁ (別に全然良いけどさ) 「うぅぅ………だ、だけどやっぱり、他の女の子を 京介には見せたくないもん、ぜ、絶対に見せたくないのっ!」 俺はこいつの強情さに ―――少し感動して、同時に胸がほっこりしちまった。 この期に及んで、まだ俺がゲームする事に納得出来ないって 俺はあやせにどれだけ、深く思われてるのだろう? でも―――今はこの思いに浸ってる場合じゃないな。 「俺、ちょっと思ったんだが 今のあやせたんだと……… 俺の――俺らの子供が何となく気の毒になるぜ 特に子供が男の子の場合だけど」 「…………な、何を意味不明な話をして ――はっ!え?」 「あやせたん、絶対に最高のママァンになると思うんだがなぁ」 「べ、べ、別にそんなコト言われても嬉しくなんて」 「嬉しくないのか、じゃぁ―――さっきの話はなし」 「ふっふん! こ、こ、今回だけですよ 今回は………しょ、しょうがありません わたしが監視してる時に限り、許してあ・げ・る・」 やっと俺は(ゲームの?――じゃなくてリアルのゲームの) 『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』のゲーム画面の女の子と 会話することが出来た(挨拶だけど) もちろん、あやかちゃんオンリー あやかちゃんの好感度だけが異常に上がるわ――上がる ベットの上で、あやせを膝に乗せたまま後ろから抱っこして 真剣に俺がプレイしてると 『えー?何で常にデートで植物園なんです??』 『あ~ダメ、あやかちゃんが可哀相!』 『あー女心全く分かってない、理解してないっ こ、これだから終身名誉童貞の京介くんは本当に、もうっ』 『まったくぅ、どんだけ女心に無頓着なンです?あなたって』 結構な機嫌の悪さでダメ出しの連続攻撃 『あーあ、わたしってやっぱりぃ甘やかし過ぎちゃってる? だから、ダメ男にさせちゃってるの………かな? でも――でも、コレってこれちょっとだけ参考になるかも? ふふん♪』 相変わらずの猛毒舌のあやせたんだったが 「あー、もう見てられない。わたしにもちょっとやらせてっ!」 その後は、やっと(あやせが主にプレイだから) 他のキャラと話すのも許可されましたとさ 「え??……キャー、す、凄い………エッチです、これ」 「お、おう、何か色々ヤバイな」 「えっ?えぇぇ? な、何であやかちゃんが違う男の人に――あっ!!!」 「あやせたん……ちょおま、何を――何を選んだ?!」 あやかちゃんヤンデレNTRルートになってたよ(汗) そうやって、途中から俺ら二人で キャッキャ言いながら 結構楽しんでゲームした。 俺はしみじみ思った 妹とエロゲーするのは、悪くない 女友達とエロゲーするのも、悪くない そして彼女とエロゲーするのだって、案外悪くない? ちょっとくらいなら ―――こういう話題も時々だったらイイのかもな、きっと まっ! わざわざ あやせがコミケ行ったり、何かしらのコスプレとかして 欲しい願望なんて一㍉も無いのだ。 あやせにディープなヲタになられても、俺的には対応に苦慮して 困るだけだろう。 最初に出会った時 お嬢様の美少女 桐乃のヲタバレで ヤンデレの暴力女 付き合う様になって 健気で優しい(かなり)エッチな彼女 今は ??? あやせは色々変わったけど、変わらない部分ももちろんある。 尻をぶっ叩いて、ペンであやせの身体中を弄くり回してる 俺が偉そうに言うのは滑稽だけど ―――――あやせには、自然なあやせのままで居て欲しい。 物分かりがもの凄く悪く我が侭なあやせたんでも、 俺は大好きなんだからさ。 一通り『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』を終えると 俺の膝の上で、あやせたんがプルプルと身を震わせて、 俺に猛獣の如く襲いかかった。 「な、なんで結果が、きりかと結婚エンドになってるんですかっ?! こ、この浮気者っ!」 パチン!(最大撃ビンタ) 「痛ってぇだろ、あやせたん 理由なら簡単だろ? それは、おまえが――― ………」 俺には、このフラグがちゃんと見えたから――― 『……… ―――『きりか』にばっか話かけてるからだろ?!』 と言うとしたが ―――結局、最期まで言うのは辞める 「ねぇ、京介―――わたしの好感度、 あなたの選択で、だだ下がりだけど一体どうするつ・も・り・?」 と手に握っていた『もっとっ ラブ×2★ラブタッチ』本体を放り投げて 俺の膝の上で、身体の向きを背中から俺の正面に向き直して 下から見上(下げ)げて―――甘える(恫喝する)ように言った。 「あやせたんのご機嫌が早く直るように、 出来るだけハードに、俺があやせさんに"ラブタッチ"させて 頂きます!」 と男らしく?宣言しては みたものの……… この好感度のパラメーターなら、 かなり簡単に上がるのを、俺はすでに知っている。 タイトル 信じて待った俺のあやせたんが携帯美少女ゲーム(本人役)に ドハマリしてしまい、逆セクハラしてくるようになるのは 往々にしてよくあること おわり
https://w.atwiki.jp/rihito/pages/61.html
世界のこと まぁKOCとか現実世界にかぶってんじゃんってのはともかくとして。 舞台となる大陸をアークティカ大陸とする。他の大陸があることは判明しているが、交流はない。 大まかに分けて、東部をアーモリカ地方、西部をアヴァロン地方、南部をパルティア地方、北部をロディニア地方と呼ぶ。 大陸内の一部の国家を紹介。 セザンヌ帝国 アヴァロン地方でもっとも大きな版図を持つ帝政国家。 アルカディア アヴァロン地方に存在した国。現在はセザンヌの属領となっている。 遼帝国 アーモリカ地方の大半を占める帝政国家。 ナジア・スー パルティア地方の国家。熱帯地方で、古くから亜人種が多く住まう。 倭国 アーモリカ地方に位置する島国。 ロベールランド アヴァロン地方に位置する島国。理人の出身地。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/575.html
http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/783-801 暗闇はやっぱり苦手…いつも、わたしの忘れた記憶を呼び起こさせる……… 『さようなら』とメールした後、それでもわたしは更に、闇を求めて目を閉じた。 「お母さん、わたしね………」 『あやせ、あなたは良い子でしょう、何で言う事が聞けないの? わたしはあなたをそんな子に育てた覚えはありません』 「………でも、わたし」 お母さんの悲しそうな顔、いけない 「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさい」 お母さんを悲しませたらいけない、いけない 『あやせは本当に良い子ね、お母さんとても嬉しいわ』 おもちゃもいらない、お菓子もいらない、おねだりなんてしないもん 「バイエル、弾ける様になったの」 「先生がね、新垣さんは頑張り屋さんだって褒めてくれたの」 「お父さんがプレゼントしてくれたご本、もう全部読んだよ」 だから 今度、お父さんとお母さん……わたしを動物園に連れて行って…… 「お父さん、お仕事頑張ってください。ちゃんと、わたし、お留守番出来るから」 わがまま言わない……… 絶対、わたし……泣かない…… 『新垣さん、一緒に帰らない?』 「え?」 髪を染めてる女の子、不良だ!仲良くしちゃいけない 『あやせちゃんに一目置いてんだよね、あたしって。あん(た)あやせちゃんに 勝手に親近感抱いてるって言うかさ、ぶっちゃけ迷惑だった?』 …………… 『ほら、あやせ、こうすると美人度上がるっしょ?あやせは黒髪が綺麗だし、スタイル も良いから、絶対に似合うと思ったんだよね、ほんとバッチリ。それにさ、メイクだけじゃなくて、 服もピッタリじゃん。まぁその服あたしのだけどね、にゃはは』 「桐乃さん、有り難う」 『ちょっとぉ、どんだけ他人行儀、あんた?うちら、もう親友でしょ!』 「う、うん……あ、ありがとう、桐乃」 『って何で(驚)?せっかくメイクしたのにさ………。あ~じゃぁさ、ほら、ほら、 やり方教えてあげるから自分でやってみぃ、ね?』 本当に、本当に、ありがとう桐乃 「お母さん、わたし、モデルのお仕事したいの!」 お母さんの悲しそうな顔…… それでも……わたしは 「学業と両立させます。ちゃんと責任感を持って一生懸命に頑張るから。 だからお父さん、お母さん認めてください!」 『やったじゃん!あやせ。まぁこれからはライバルだから、敵同士…だかんね! な~んてね………冗談、冗談、心配いらないって、全部、あたしに任せとけって!』 ライバル……なんて、敵同士なんて絶対にならない、なる筈ないよ、桐乃 でも 『俺は高坂京介------そっちは?』 『あやせ、結婚してくれ』 『------冗談だと分かっててもさ、ほんとごめんな』 「-----いってらっしゃい、お兄さん」 さようなら、お兄さん 『あやせ、、、、これが本当のあたしなの』 「お兄さん、わたし、桐乃よりも可愛くないですか? 桐乃よりもわたし魅力ない、、、ですか? わたしなんかじゃ桐乃よりも…すき…になれないですか?」 『俺が見た中で、あやせのウエディングドレスが一番似合ってたし、一番綺麗だ』 『あんた、、、あたしの気持ち知ってる癖に、、何でこんな酷い事すんの? うちら、ずっと一番の友達だったのに!!絶交した時、京介が仲直りさせてくれた時、 約束したでしょ、それなのに、、、裏切ってさ、あたしの気持ち裏切って!!!』 『あやせちゃん、しっかり、きょうちゃんを捕まえててあげなさい。 わたしね、あやせちゃんなら、きょうちゃんと一緒に幸せになれると思ってるんだ。 きっとね、わたしって、きょうちゃんが黒猫さんとお付き合いした時に、あの時に 応援してしまったから、多分………あの時点で、もう』 『自分の心に言い訳しすぎて、その言い訳に結局、自分自身が説得されちゃった。 誰かを好きって気持ちにも賞味期限があるんだ、きっと。 だから、わたしはずっと勇気がなかった、情けないよね、め! だよ。 だから、あやせちゃんは、こんなお姉ちゃんになっちゃ、ダメだよぉ? だから、あやせちゃんは今の自分の気持ちを、ちゃんと大切にしてあげなさい』 『よし、じゃぁ付き合うか。何か照れくさいな……ってこれじゃダメだ! 俺の馬鹿!、馬鹿!、馬鹿!大切な事を忘れるなんて本当に、情けねぇ。 え?あ~こっちの事だよ、気にするなって。 別に、おまえにSMプレイを強要してるわけじゃねぇって、おい! 彼氏に向かって初めて言う台詞がそれかよ! あ?……い…き』 『なり、、お、おまえ…滅茶苦茶、大胆だな……全然嫌じゃねぇけど。 えっと………………何だっけ?あ、そうだ! 俺ら、付き合うって決めた以上は、俺はずっとおまえの彼氏でいるつもりだからな! でも俺は、自分で言うのもなんだが、ヘタレのシスコンで、致命的に鈍いときてる。 だ、だから自虐プレイじゃないんだって(汗) こんな俺だけどよ、あやせの為にもっと、ちゃんとした立派な彼氏になるから! あやせを必ず幸せにするから、だからさ……何だ…とにかく、これからよろしくな』 『あやせ好き、あやせ愛してる、俺はあやせのものだ』 『ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ』 『あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。 いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ』 *** *** *** 「はぁはぁ」 俺は息をきらせて、走っていた。 ついさっき、俺が感傷的に、色々な事を追憶していた時に、加奈子から電話があったの だが……… 『京介、ひっさしぶり!じゃーん』 「よぉ、本当に久しぶりだな、元気してたか?」 『京介、誰か男紹介してくれよぉー。加奈子にはいつも超お世話になってんだろお? だから、少なくとも、おまえよりもイケメン限定で!』 「おいおい、いきなり何を言い出してるんだ、おまえ…訳分からん奴だな」 『ばっくれんなよ。ネタはちゃんと上がってるんだっつーの。 しかも、加奈子をダシに使いやがって、おまえらどんだけお盛んなんだョ(笑)』 加奈子は、俺とあやせが付き合った事を最初から知っている。 そして、一番最初に祝福してくれたのも加奈子だった。 こいつは案外(と言うと悪いが)良い奴で、今回の件で分かる通り、あやせとも仲が良いし、 桐乃ともちゃんと今まで通りに付き合ってるらしい。 加奈子が俺の存在をどういう形で捉えてるのかは分からないが…あやせがどれほど 加奈子のお陰で救われたのかは容易に想像出来る。 「へ?」 『おいおい、もうとぼけんなって。しっかし、あやせがねー意外過ぎるつーか、 イヤ、意外なのは京介の方か。イヤ、セクハラマネージャーだからむしろ当然だナ』 どうやら、加奈子の話を聞く限りでは、あやせは親に、今夜は加奈子の家に泊まると 言って嘘をつき、その口裏を加奈子に合わせて欲しいと頼んだ(命令した)らしい。 考えてみれば、あやせはまだ高校生なのだ。門限ってものがある。愚かにも、俺は 桐乃と喧嘩して、妹を家に残し、自分が頭を冷やしに外に出てきた感覚で考えていた。 「……………………まぁーな」 『ったく、頼んだ本人の携帯には繋がらないしよぉー。とにかくちゃんと誤魔化した かんな。京介が伝えとけよ。いちゃつきやがって、幸せを加奈子にもお裾分けしろっ』 「本当にいつも有り難うな。おまえにゃ、マジで感謝してっからよ」 どう考えても、そんな素敵な夜になるとは思えないのだが……加奈子に余計な心配を かけたくはないから、こう言うしかなかった。 何であやせの奴は、俺に『さようなら』とメールした癖に、門限の時間になっても、 帰宅しなかったんだ? あやせの携帯にかけたが、当然繋がらない。 『このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、 本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん』 さっき、部屋であやせが言っていた言葉を思い出す。 俺が勝手に信じていただけで、あやせは本当に、俺に見捨てられたと思っていたのか? とにかく俺は急いで部屋に戻ると、ドアを開けたのだが………… 多少は、期待していた俺の希望は見事に裏切られ、部屋の照明は消えたままで、 辺りはしんと静まりかえっていた。 当然、あやせも、あやせの靴や大きなバックや歯ブラシなんかも……ここにあやせが 実存した事を本質的に証明するものは、何ひとつ残っていなかった。 俺がプレゼントしたチョーカーを除いては……。 あいつは本当に………親にも、加奈子にも嘘をついて何処かに行ってしまった。 俺は無意識に、そのチョーカーをポケットに突っ込むと、部屋を飛び出した。 あやせが行きそうな所を考えながら走り出したのだが全くと言って良いほど 検討がつかなかった。 あやせの知り合いに確認しようにも、そんな人物は誰一人、思い浮かばない。 俺はあやせの事が、性格云々じゃなくて………本当に何も分かってなかった。 分からないなんてレベルじゃない、あいつの事を何も知らなかったんだ。 加奈子に何度も連絡しようかどうか迷ったが、多分それは余計な心配をかけるだけで 何の解決にもならないと直感して辞めた。 あやせが言った通り、刹那的にでも抱いてやれば良かったんだ。 あいつに、ちゃんと捕まえててやるなんて偉そうな事を言って、結局心どころか あいつの身体さえ……掴み損ねて、あやせは消えた。 さっき誘惑してきた時のあやせが思い浮かぶ。 あの目も眩みそうな美貌で、理性さえ麻痺させる媚態に満ちたあやせの顔と あいつと喧嘩した時、他の男の話をして俺を嫉妬で狂わせようとした時の声が 頭の中で共鳴して、どんどん悪い事を、嫌な事を、最悪の事を考えそうになる。 俺はなるべく別の事を考えようとして、結局さっきの追憶の続きをはじめた。 麻奈実が学校を休んだ時、桐乃が突然留学してしまった時、黒猫が俺に 別れを告げて転校してしまった時……… 麻奈実の時は、桐乃に相談したんだった。 桐乃が留学した時は、黒猫が色々気を遣ってくれた。 黒猫が失踪した時は、麻奈実に相談しようとして結局、桐乃に助けられた。 俺はあいつらの為にいつも頑張ってきたつもりだったけど、実はあいつらに いつも助けられていたんだ。 俺は、誰にかけるのかも分からず、ポケットの中の携帯を掴もうとした………… 多分掴んでいれば、また泣き言を言った筈だ、いつもの様に………間違いなく。 でも携帯の代わりに俺が掴んだのは偶然にも、チョーカーだった。 無意識に、あやせが持って行ってしまった手錠の代わりに、右の手首にチョーカーを巻く。 俺は頭の中で何度も反芻する 麻奈実が居なくなった時、麻奈実を信じて自分で行動してたら? 桐乃が留学した時に、桐乃を信じて自分で行動してたら? 黒猫が失踪した時に、黒猫を信じて自分で行動してたら? チョーカーを眺めながら、あやせが握っていてくれた右手を思いっきり握りしめると 微かに温もりを感じる。 あいつは言った 『わたしは………自分から……居なくなったり……しない』 と……。 あやせが消えた今こそ、あいつを信じるんだ。もうあの時とは違う。 あやせの為に、追憶した過去の為にも……今度こそ、絶対に失うわけにはいかない。 それは奇跡や宿命なんて大げさなものではない………とても静かで、優しくて、 暖かい予感みたいなもの、俺があやせを好きになった理由そのものなのだ。 もう二度と戻らない(戻れない)"もしも"が、俺の中で本当に過去のものになった事を その瞬間に実感した。 その事実は俺をとても切なく、悲しい気持ちにさせたが、立ち止まってるつもりは もう無かった。 だから…………俺は静かに歩き出した。 *** *** *** どれくらい時間が経ったのだろう……わたしは目を閉じたまま眠っていた。 『おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ』 『さようなら』と自分でメールした癖に、京介さんの言葉が頭の中を何度も過ぎる そして、その思い出が強烈に、わたしの後ろ髪を引く。 悲しいと吠える癖に、構って貰うと尻尾を振ってしまう、まるで寂しがり屋の犬みたいに。 それが漠然と思い浮かんだ、自分のイメージ。京介さんに手錠をされてエッチな事を された時、チョーカーをプレゼントされた時から、、、あの時も全然嫌じゃなかった。 そして、わたしは………。 わたしがもっと素直で良い子なら、お兄さんは頭を撫でてくれたのかな? 「………ワ…………ン…」とかすれた小さな声を出して苦笑した。 "猫"なら、彼女はきまぐれだったのかな?と何の意味も無く、、ふと考える。 それにやっぱり猫の方が可愛い気がして、ちょっぴり嫉妬………したけど……… 今日一日……彼女と電話で話していた時の京介さんの顔が一番楽しそうだった。 そして、それはわたしが好きな京介さんの顔だった。 わたしは 幼い頃に、飼っていた青い小鳥の事を思い出す。 あの時、桐乃の手を強く掴んだ事を思い出す。 あの時、京介さんの腕を指が食い込むほど握りしめた事を思い出す。 好きという感情が抑えられない、失う事を恐れて自分から壊してしまいそうになる…… 小鳥を籠から出して逃がした様に、 桐乃の趣味を認めて自分の友情を押しつけるのを辞めたように、 だから、今度は、京介さんを自由にしてあげよう………… もう、こんなわたしの事なんて、どんなに嫌らわれて、拒否されて、振られても、 きっとわたしは京介さんに対して、感謝以外の感情は、何も残らないのだから。 だから、なるべく笑って、さよならしよう…わたしの大切な人をこれ以上傷つけない為に。 京介さんとの思い出があれば、沢山泣いても、きっといつかは笑顔になれるから……… でも……突然、眩しい光に照らされる。唖然としていた、わたしを大きな手が引き寄せる。 まるで、光そのものが強い意思を持っていると錯覚をするほど、優しくて、確かな温もりが わたしの身体を、優しく包み込んだ。 「……………やっと捕まえた」とクローゼットのドアの先から声が聞こえた。 『どうして………?』と言おうとしたが、強引に……今までに無いほど…強引に…… 抱き寄せられて、口を塞がれた。 ついさっき決心した事を言おうとしたけど、彼の本気の力で押さえつけられた わたしは何も出来なかった。 お互いの歯が何度かぶつかるほど激しく口唇を押しつけられる、わたしの舌が 何度も貪られる……唾液も、吐息も…わたしの全部が京介さんに吸い取られてしまう。 身体が熱くなって、意識が麻痺してきたわたしは、吸い取られた言葉の事も忘れて、 危うく、自分から京介さんを何度も求めようとしてしまった……。 どれくらいの時間が経ったのか、やっと押さえつけていた手を緩めてくれて、 唇を強引にわたしに押しつけるのも辞めてくれたのだけど(でも唇同士はふれたままで) 腰に手を回されて、半ば強引に京介さんの膝の上に座らされた。 だから京介さんの声は音と言うよりも、触れたままの、唇から振動で伝わる。 「俺はおまえの言いたいことが分かってるつもりだ。でもそれだけはダメだ。 その代わり、おまえがして欲しい事なら、"儀式"でも何でもしてやる! もうカッコつけるのは辞めた……からさ」 あんなに我が侭を言って、いつも困らせて…だからこんな風になる事を………… 期待なんてしてなかった、でも京介さんはわたしを見つけてくれた。 そして、ここまで言ってくれてるのに……こんなに求めてくれてるのに………… "でも"わたしは……。 「最初は、同情で付き合った癖に!本当のわたしの事はずっと、見て無かった癖にっ! さっきだって、わたしを見捨てた癖に!だからもう遅い、、全部、遅いんだから!!!」 まだ足りない、やっぱり足りない………いくら求めても、求めれば、求めるほど カラカラに渇いて、余計に欲しくなって…………際限が無なんてない…………だから そう思った時、そう言おうとした時、わたしの渇いた心を、わたしの頬を雫が濡らした。 京介さんは何も言わず、音も立てず静かに泣いていた。 ただ、わたしに触れたままの唇が微かに震えだして、その震えは段々大きくなって ついには肩まで揺らしながら、号泣した。 男の人がこんな風に、人前で泣くなんて、信じられなかった。 沈黙した嗚咽は、わたしから完全に言葉を奪って、ただ彼を何とかし(てあげ)たい と思う動機と暖かい涙を、わたしに与えた。 同時に、わたしは京介さんのしょんぼりした背中が好きだった記憶が蘇る。 ヘタレでも、情けなくても、シスコンでも……鈍くても、エッチで浮気性でも それでも構わない…だから、わたしは別に、欲くて、求めてただけじゃない……… 不器用で歪な、"まごころ"だけど………あなたに、ずっと、ずっとあげたかった。 *** *** *** 俺は何で泣いてるんだろう?原因も分からず、ただ羞恥心もプライドも無く、 俺はあやせの前で、嗚咽していた。 桐乃の前で何度か泣いた事が微かに頭を過ぎったけれど、もうそれが理由で今のこの涙を 止める事は、どうしても出来なかった。 あやせは何も言わなかった。ずっと黙って、ただ俺の背中をさすってくれていた。 それでも泣きやまない俺に対して、彼女は…………… 「ちゅっ……ぺろ……レロ…むちゅ…ベロ……」 最初はキスされているのかと思ったが……そうじゃなかった。 あやせは、唇を押しつけると舌を出して、俺の頬を、頬に流れた涙の雫を舐めだした。 必死に、何度も、何度も、何度も…………滑稽な筈なのに、俺の胸は熱くなり…… ますます涙が止まらなくなったが、それでもあやせは、俺の頬が全部あやせの唾液に 変わるまで、決して辞めなかった。 俺はやっと「ありがとう」と言い、あやせの髪と頬を横から撫でた。 「京介さん、それ好き…だ、だから、もっと………してっ………く…ださい」 さっきは、桐乃にするみたいに頭を撫でる事をあれほど拒絶したのだが、今回は 何故か、ごく自然にあやせに触れる事が出来たし、彼女の嬉しそうな笑顔を見て…… 俺の変な拘りが、このあやせの笑顔を曇らせてたのかも知れないと反省した。 「俺はあやせとずっと一緒に居たい。もう理屈も理由もないんだ。だから……さ……」 「ねぇ、京介さん、何でわたしがクローゼットの中にいるって分かったんですか?」 「本当に何の理屈も理由もない。ただ居て欲しいと………信じただけだ。 まぁ………鈍い俺だから何度か回り道したし、おまえを随分待たせちゃったけどな」 「わたしを信じてたのに、さっきは何で泣いたの?結局、振られると思って悲しくなった んでしょ?本当に信頼してたら……」 「麻奈実がさ、さっき話してた赤城と付き合う事になりそうなんだ。 そして俺の妹とはちゃんと良い兄貴になるって話してきた。 黒猫とも、ちゃんとある約束している。 俺には本当にあやせしか居なくなった。 だから泣いたのかは分からないけどさ………こんな話って、やっぱ俺って情けないよな」 「そうですね、凄くみっともなくて、情けないから、ほっとけなくなっちゃいました…… ………わたし」 「実際、不安だったのかもな。おまえの言う様に、最初は、あやせが危なっかしくて 心配で付き合う事にした。そして、俺の勝手なイメージでおまえの事を見てた。 さっき、おまえを捜し回って、走り回ったけど、でも俺はあやせの事を何も 知らなかったって痛感させられた。 だからおまえに、見た目だけとか、身体だけでも良いって言われた時に……… 俺は何も言えなくて、ちゃんと反論も出来なくて、あやせを余計に傷つけた。 だからその事については謝るよ。変に誤魔化したり、カッコつけたりして、すまなかった」 「でもさっきは見捨てたわけじゃない、おまえを信じてたつもりだったんだ」 これだけの事を言う為に、本当に、随分遠回りしたが、やっと言えて良かった。 「そんなに、わたしを信じてるなら、わたしのコトがちゃんと分かってるって言うなら、 わたしが今して欲しいコ・ト・…当ててください。当ったら仲直りしましょう、ね?」 ウインクして、魅惑的な顔になったあやせが、挑発する様に俺にクイズを出した。 俺はさっきしたみたいに強引にキスする、もう自分が風邪だった事なんてすっかり 忘れていた。理屈も、理由も、クイズも関係なく……純粋にしたいから、した。 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレですね。 やっぱり……わたし達って相性悪いのかなぁ。残念です…ねぇ、京介さん?」」 こいつがずっと"京介さん"としか呼ばない事に違和感を感じた。 "儀式"なのかとも考えたが、俺に髪を撫でられている、あやせにはもうそんな気配は 微塵も感じられなかった。本当にただ、ただ美しい俺の彼女だった。 「んじゃ、また尻ぶった叩くか……アレはあやせのお気に入りだからな」 やっと余裕が出てきた俺は、何とか冗談を言ったつもりだったのだが…… 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレ」 冗談とも本気とも取れぬ態度に対して、いささか俺の理性は、失われ始めて…… やっぱりあやせの言う様に、俺らが変態なのは、間違いないのかも知れない。 変な性癖に目覚めないか心配した将来の不安は、既にリアルな懸念に変わっていた。 「もう本当に強情ですね、京介さんの、、が、わたしにずぅっと当たってるのにっ! それとも処女厨なのは…………冗談だった事が、実は的を射てましたか? はぁ~でも、良いんです……それでもわたしの気持ちは変わりませんから。 あなたがどんな変態でも、応える自信……わたしにはちゃんとありますからっ!」 こいつが何を言ってるのか皆目検討はつかないが、何か相当ヤバイ匂いがするのは 確実に分かった。 「あ、あのさ、、おまえがもう"儀式"を求めてないのは、何となく分かるんだけど それって結局どういう事だったのか、教えてくれないか? それが分からないと、ちゃんとクイズに答えられないと言うか……」 『…桐…………3つ……の……処女………………』と耳打ちされた。 「ははは……あ、あやせさん、そんなの、おかしいですよ!って言うかさ。 キ○ガイみたいなフリをするのは、もう良いからね!だ、だ、だから本当の事を言おうぜ。 俺ら、ちゃんとした恋人だろ?全く……冗談ばっかり、どっちが変態だよ、もう(戦慄)」 あやせは無言で、さっき隠れていたクローゼットから、最近よく持ち歩いている 大きなバックを取り出すと、おもむろに俺に中身を見せる。 ………メイド服、ブラウンのウッグ、眼鏡があった(様な気がするだけの事にしておく) 「もし、わたしが無理やり儀式実行したら、京介さんは、わたしの事が嫌いになって 逃げ出して、わたしの事を捨てましたか?正直に言ってくださいね? わたし……絶対に、もうどんな些細な嘘も、誤魔化しも、許すつもりないから……」 「一回全力で逃げ出して、それでもおまえがやるって言うなら付き合ってやったと思う。 あやせは困ったちゃんなのは分かってるけど、同情以外の感情があるのは今なら分かる。 ぶっちゃけおまえが、NTRの話しなくなったのは儀式とか言い出してからだもんな。 おまえと別れるくらいなら、おまえが他の男の話をするくらいなら、もう超変態で あやせと一緒に何処までも堕ちるやるさ」 半分は本気で、半分賭けで………俺はそう言った。 さっきみたいに、いくら諭してもダメなんだ、あやせを全部受け入れて、もしこいつが 傷つくなら、俺も一緒に痛みを感じてやる。 俺の彼女が堕天使で、地獄の案内人………だとしても、もう離れるつもりはない。 もう、絶対にあやせを一人にはしないって決めたんだ。 でも同時に、『とても静かで、優しくて、暖かい予感みたいなもの』を今なら 信じられる気がした。 「ふふ、京介さん……良いコ・ト・しましょう?もうしちゃいましょう……ねっ?」 そう言った時のあやせの笑顔は純真で、清純で、純粋でとても気高く感じられて、 本当に天使を見たら、こんな気分になるのかもなと俺は、不思議な感慨に耽った。 どうやら、何とか………賭けには勝てたらしい。 何でこいつは、あんな悪魔の発想する癖に……こんなに可愛く笑えるんだよ、全く。 「本当に、儀式はもう良いのか?」 「儀式ならもう終わりました。魔法ならちゃんと、京介さんにかけられちゃった…から」 こっちだって、ずっと魔法も、あやせ菌にもかかりっぱなしだったんだ。 でもあやせには伝わってなかった。だからこれからは、今からはもう照れは捨てて 全部あやせの望み通りにしてやろう。 誰かに聞かれて見られたら恥ずかしくて、死にたくなる様な事でも平気でやってやるさ。 「そっか…………分かった。で、おまえのお気に入りの手錠はどうする?」 あ~ついに、こいつとするんだなと考えると緊張で声は上ずるし、さっきは別れるか どうかの瀬戸際だったのに、今はあやせが目を潤ませて、頬を高揚させてる姿を見ると、 更に俺に胸や臀部を押しつけてる状況を鑑みると、自然の摂理で当然痛いほど硬くなる。 「もう!お兄さ…(ん)…あっ、京介さんは…本当に、何も分かってないんですねっ!」 そういう事か…全く、、、何でそんなに俺に魅惑の魔法を重ねがけしようとするんだ? 「可良いな、あやせは…良いんだぜ?おまえが癖で言ってしまう"お兄さん"のままでさ。 おまえしか見てないんだから………今更、何ズレた心配してるんだよ、ったく」 「……ご、ごめんなさい……で、でも、でも……………」 「手錠はプレイで使うなら良いけど(もう立派な変態だ)、今は必要ないで良いんだな? 心はちゃんと繋がってる。今は…身体は身体同士で繋がりたい、、、で合ってるか?」 恥ずかしそうに、ぎこちなく、でもしっかりとあやせはコクリと肯いた。 こんな最高に可愛い彼女が相手なんだから、今だけは、俺も全力で"男"にならなきゃな。 俺はキスしながら、あやせをお姫様だっこしてベットに運ぶ。 何でだろう、あやせの裸なら本当に何度も、何度も見た筈だが……… DVD事件の時は、自分で全裸になってたし(長時間クローゼットでそのままだった) あやせの部屋ではいきなり下半身を脱がせたのに、今は服を着たままのあやせを 目の前にしているだけで、今までと比べものにならないくらい興奮して、緊張して 完全硬直しちまった、やっぱ情けねぇ………。 自称"男"改め、単なる童貞小僧に成り下がった俺は、キョトンとした表情で見ていた あやせに 「ふふ、良いですよ…ほら…………ボク………お姉さんとエッチなお勉強しましょう? ほらぁ……こっちにおいで」 と誘われた。
https://w.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/222.html
663 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 37 17.66 ID 2tKPpHsAO [4/10] あやせ「こんにちは、お兄さん。」 京介「おう、あやせ待たせたな」 俺は今 いつもの公園にいる。いつもどうりあやせからお呼び出しがかかったからだ。 いつもならただの人生相談だろうが今日は違う(と思う) 何故なら今日は2月14日、俗に言うバレンタインだ。 バレンタインに女の子から呼び出しなんてお前、告白以外にありえないだろ。 あやせ「何ニヤニヤしてるですかお兄さん…気持ち悪いです」 京介「いやー、これからあやせに告白されるかと思うと自然と笑みが」 あやせ「な、何が告白ですか!変態!」 京介「えっ?違うの?」 あやせ「違います!今日はバレンタインなので今まで桐乃のことで相談にのってもらったお礼をしようと思って」 京介「そんな照れなくても大丈夫だあやせ、俺の答えはもう決まってる」 あやせ「感謝の気持ちが薄れて来ました…もう帰ろうかな」 京介「すまん。俺が悪かった。今までバレンタインなんて麻奈美位しかくれなかったから舞上がっちゃって」 あやせ「はぁ…では、どうぞ」 京介「あ、ありがとな…って」 あやせが手に持っていたチョコはなんと… 京介「チ○ルチョコじゃねーか!!」 664 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 39 56.42 ID 2tKPpHsAO [5/10] あやせ「安くて種類も豊富で美味しいですよ。お好きなをお一つどうぞ」 京介「しかも一個だけかよ!」 酷くない!?俺への感謝ってその程度なの!?確かに事あるごとにセクハラしたりしてるけど あやせ「まあ、冗談はさておき、お兄さん度々ありがとうございました。コレは感謝の気持ちです」 そう言うと、あやせは可愛らしくラッピングされた箱を差し出した 京介「ああ、ありがとうあやせ。またいつでも頼ってくれよ」 京介「ところであやせ、このチョコに毒とか入ってないよな…?」 あやせ「…ウフフ、お兄さんたら、そんなこと…有るわけないじゃないですか…」 あやせさん…?目が笑ってないですよ? あやせ「そんなことよりお兄さん、早速お願いなんですが、コレを桐乃に渡して下さい。」 京介「ん?何だこれ随分でかい袋だな」 あやせ「友チョコって聞いたことありません?桐乃からは学校でもらったんですけど、私のは大きくて」 京介「確かに、なんでこんなにでかいんだ?たかだかチョコだろ?」 あやせ「私が桐乃の為に作ったチョコケーキですから」 京介「ケーキかよ!」 桐乃の奴とんでもなく愛されてんだな… 665 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 40 58.83 ID 2tKPpHsAO [6/10] あやせ「お兄さん…もしそれを落としたりでもしたら…」 京介「わ、分かってるって!こいつはちゃんと渡すよ」 分かったからその怖い目をやめて下さいあやせさま! あやせ「…お兄さんのチョコも私の手作りなんですよ?」 京介「へっ?そうなの?」 あやせ「ええ、桐乃のついでですけど」 京介「ついででも嬉しいよ。桐乃の分も含めてありがとな、あやせ」 あやせ「いえ、それでは、さよならお兄さん」 京介「ああ、またなあやせ」 あやせからチョコを貰い、上機嫌で家に帰る。 しかし俺は知るよしもなかった、家ではとある人物がとんでもないチョコを作って待っていることを… 666 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 42 09.13 ID 2tKPpHsAO [7/10] 京介「ただいま~」 形式的にあいさつをする俺。靴があるから桐乃も帰ってるみたいだな 京介「お~い、きr」 ちょっと待てよ、なんだこの異臭は… 京介「リビングの方だな… 桐乃?いるのか?」 確かに桐乃は居たが、ソファで寝てやがった。何故かエプロンを付けて 京介「おい桐乃起きろ」 桐乃「ふぁ…あれ?あんた帰ってきたの?」 京介「ああ、たった今な。それよりなんだこの妙なニオイは、お前が変なモン作ったのか?」 桐乃「変なモンとか言うな!たくっ、今何時?」 京介「あん?5時30分位だな」 桐乃「じゃあもういいか… あんたちょっとそこに居て」 京介「はぁ?なんだそりゃ」 桐乃「良いから!え~と何処だっけ…あ、あった」 なんだってんだうちの妹様は、ニオイのこともまだ説明がないし 桐乃「はい、コレ」 京介「へ?は?」 桐乃「だから!チョコ!あげるって言ってんの!」 京介「な、なんで…」 桐乃「な、なんだって、別に良いでしょ。ただアンタみたいな地味顔じゃあ地味子位からしかチョコもらえないだろうと思って…」 667 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 43 33.13 ID 2tKPpHsAO [8/10] 京介「ほっとけ!それに今あやせからもらってきたばかりだ!」 桐乃「あやせから…?毒でも入ってんじゃないの?」 京介「おまっ、親友だろ…」 俺も同じ事思ったけどさ 桐乃「そ、そんなことはどうでも良くて…だからあの時と同じで…」 京介「あの時?」 桐乃「だから!感謝してるって言ってんの!それでちょうどバレンタインだからそのお礼にチョコってこと!」 京介「あ、 成る程あの時ってのはそう言うことか」 つまり秋葉でのパーティーのことか。 桐乃「ふ、ふん。シスコンのアンタには妹の手作りチョコなんて発狂ものなんじゃないの なんで上向いて目とじてんのよ?」 京介「べ、別に何でもねーよ!それよりチョコ食べて良いか?」 桐乃「あ、はい。見た目は悪いけど中はまあイケるから。あんたみたいに」 京介「ほっとけ、頂きます。」 バク モグモグ 京介「うん、うん…う…ん…」 桐乃「どーよ?最高でしょ?」 なんかものすごく辛かったり、酸っぱかったり、極端に甘かっり、口ん中ジャリジャリする。が、今は味なんて些細な問題だ 京介「あ、ああ!流石桐乃だ!」 668 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/13(日) 17 44 57.03 ID 2tKPpHsAO [9/10] 桐乃「でっしょ~!エヘヘ~、何回も作り直したし幾つか出来たうちの一番良いやつなんだから!」 一番良いのがコレなのか… 京介「そうか、ありがとな桐乃」 桐乃「その代わりホワイトデーにはとびっきりのお返し寄越しなさいよね!」 京介「ハイハイ」 そんなことだと思ったよ。適当に返事をして、桐乃にあやせのケーキを渡して部屋に戻った。 そこで俺の意識は途切れた。次に目覚めたのは病院のベットで、お袋がいた。 お袋の話によると、俺は自室で泡を吹いて倒れていたのを夕飯に呼びにきた桐乃に発見されたらしい。 桐乃は本当にあやせが毒を盛ったのかと思ったらしいが、 俺は恐怖3割勿体なさ7割であやせチョコはまだ食べていなかったので原因は明白である。 あえては言わんけどな おわり