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492 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 04 19.52 ID 3qUn8.co [2/13] 京介「え?今何て言った?」 桐乃「だからぁ、またあたしの彼氏になってって言ったの」 京介「え…お、お前……それって」 桐乃「ダ、ダメかな?」 京介「ダ、ダメというか言ってる意味が……え?なに?おまえ、やっぱり俺のこと好きだったの?」 桐乃「え……あ!な、なに今回もキモい勘違いしちゃってんの?これには事情があるんだってば!」 京介「じゃあその事情ってやつを先に言えよ!いつもいつも意味深発言してドキドキさせやがって!」 桐乃「ふぅ~ん、妹に告白されてドキドキしちゃうんだ。シスコン」 ぐ…そりゃおまえは顔だけ見ればかわいいし、そんな子に上目使いで迫られたら誰だってドキドキしちまうだろうが。 くそっ、いつまでもニヤニヤしてんじゃねえぞ。 493 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 05 26.62 ID 3qUn8.co [3/13] 京介「ちっ…で、今回はどんな事情があって彼氏のふりするんだ?」 桐乃「なにその不満そうな顔。嫌なら別の人に頼むけど」 京介「不満なんてあるわけないじゃないっすか!是非、おともさせて頂きます!」 我ながらなさけねえ…。 だが、桐乃の目の前で、 「桐乃と付き合いたいってんなら、てめぇ!この俺に認めさせてみろ!」 「だが残念だったな!おまえより俺の方が桐乃を大切にする!ぜってーだ!」 なんてことを言ってしまった手前、勝手にしろよなんてことは口が裂けても言えない。 桐乃「ふん…まぁいいケド。で、今回はあたしの学校の文化祭に来てほしいの」 京介「文化祭?なんでまた」 桐乃「それを今から説明するんでしょ、ちょっと黙ってろっての」 京介「へいへい、すいませんね」 なんてかわいげのない妹だ。 黙ってればかわいいことこの上ないんだけどなぁ…もったいねえ。 桐乃「今度の文化祭で、カップルコンテストがあるんだけどそれに参加してほしいの」 京介「はぁ!?お、俺に出ろって言うのか!?」 嘘だろ?中学生でカップルコンテスト?どこの大学のイベントだよ…… 今どきの中学生は進んでるな。 桐乃「だからそう言ってんじゃん!あ、あたしだって、ほんとはあんたとなんか出たくないって!……仕方なくなんだから」 494 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 06 58.53 ID 3qUn8.co [4/13] 京介「それはわかったけどさ、なんでまた、そんなのに出るはめになったんだ?」 桐乃「えっ?」 京介「だって文化祭だろ?そういうのって、自分から立候補した奴らが出るもんなんじゃないの?他薦があったとしても断りゃいいだけだろ」 桐乃「あ…そ、それは……」 京介「なんか事情でもあんのか?」 桐乃「う…あ……それは………そ、そう!あたしってモテるじゃない?」 京介「はぁ?なんだいきなり」 桐乃「だからぁ、最近あまりにモテて困ってるから、彼氏持ちアピールして諦めてもらおうってわけ!」 京介「…それが本当だとしても、おまえ、あと半年で卒業じゃねえか。それくらい我慢できねえの?」 桐乃「う、うっさい!このままだと卒業式に告白ラッシュが待ってるのは目に見えてんじゃん! だから今のうちに予防線張っときたいの!それにあたしは付き合うなら兄貴みた…い、いや、とにかく頼んだかんね!」 京介「あ~、そういうことね」 そういうことなら最初からそう言えばいいのに。 相変わらず説明の下手なやつだ。 京介「あ、そうだ。あやせとか、あのちんちくりんにはちゃんと説明してあるんだろうな?」 ここの確認だけは絶対にやっておかねばならない。 下手したら、俺、刺されちゃうかもしれないからね。 桐乃「あやせと加奈子にはちゃんと説明してあるから大丈夫。いきなり刺されるなんてことはないって」 京介「よかった…」 でも、桐乃もあやせにそんなイメージ持ってたんだな。 あやせ…お前の友達関係ってそれでいいのか? 496 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 09 37.30 ID 3qUn8.co [5/13] 文化祭当日。 京介「で、今日はどうすればいいんだ?」 桐乃「とりあえず、例のイベントは15時からだから、それまではあたしと一緒に文化祭見て回って……」 京介「え?ちょ、ちょっと待て。15時からなの?それなら何もこんな朝一からくる必要なくね?」 桐乃「あ、あたしだっていろいろ見て回りたいんだからしょうがないじゃん!」 京介「いや、それだとしてもあやせ達と回るとかさ…もっと他にあったろ……」 桐乃「う……あ、あやせとかは店番もあるし……そ、それに一緒に見て回ってた方が男除け効果も大きいでしょ!わかったらさっさと行くよ!」 京介「お、おい!ちょっと待てって」 桐乃に手を引かれながら中学校の校門をくぐる。 なるほど、各クラスで出し物をやってるわけね。 だから店番の係とかが必要なわけだ。 京介「あれ?そういえばおまえは店番とかないの?」 桐乃「えっ?ないよ?なんか男子が代わってくれた」 御愁傷様です。 京介「それにしても……なんか、やたらと視線を感じるんだが……」 桐乃「当たり前でしょ。あたしが彼氏連れてきたから、みんなちょー驚いてんじゃん?しかもその彼氏が微妙にイケてないし」 京介「悪かったな、お前と釣り合ってなくて」 しかし……なに、この針のむしろ状態。 超アウェーなんですけど。 特に男どもの視線が痛い、こいつがモテてるっての本当だったんだな。 497 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 10 30.96 ID 3qUn8.co [6/13] 京介「最初はどこ行く?」 桐乃「はぁ?こういう場合、あんたがエスコートするのが普通じゃないの?」 京介「エスコートもなにもここはお前の学校だろうが。それに俺はパンフレットも持ってないし、どこで何をやってるのかわかんねえよ」 桐乃「ちっ……しょうがないわね。じゃあ、最初はあたしのクラスに顔出すから」 京介「え?いきなり?」 桐乃「まずは挨拶しとかないと、改めて店番代わってもらったお礼も言わなきゃなんないし」 京介「おまえ、家の外だとほんとに性格違うよな」 桐乃「なんかいった?」 京介「なんでもないっす。じゃあ早速行こうか、桐乃」 桐乃「………………キモ」 俺に名前で呼ばれたことが腹に据えかねたのか、桐乃はぷいっとそっぽをむいてしまう。 京介「…悪かったって、そんな怒るなよ」 桐乃「………別に怒ってないし」 498 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 11 27.02 ID 3qUn8.co [7/13] 桐乃「やっほーランちん。お店の方、上手くいってる?」 ランちん「あ、桐乃。大丈夫上手くいってるよ。でも、せっかく桐乃の集客力あてにしてたのに彼氏と遊んで回るとか聞いてないんだけど」 桐乃「えへへ、ごめんね」 ランちん「いいよ、そのかわりしっかり楽しんできなよ?」 桐乃「うん、ありがと」 ランちん「あ、そちらが彼氏さん?」 桐乃「う、うん。一応ね」 京介「どうも」 あぁ、どこかで見た子だと思ったら、『エタナーの箱に同人グッズ満載トラップ』の時の子じゃないか。 そういえばあのときは、あやせと加奈子とこの子の3人で遊びに来てたんだっけな。 ランちん「………………………………………桐乃のお兄さん?」 桐乃「えっ?」 京介「えっ?」 ランちん「桐乃のお兄さんですよね?一回しか会ったこと無いですけど」 桐乃!おまえ、まさかこの子に説明するの忘れてたんじゃあるまいな!? だ、だとしたらえらいことになってしまう。 ただでさえ、こいつには『挿入未遂事件(誤解だけど)』を見られてしまっているってのに、彼氏だなんて言って紹介したら………… 京介「ちょ、ちょっとこっちへ来てくれ!」 ランちん「え?ちょ、ちょっと!?」 桐乃「あ、あんた!なに、人の友達拉致ってんの!?」 499 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 12 04.49 ID 3qUn8.co [8/13] ____________________ 京介「と、まぁ、そういうわけだ」 ランちん「事情はわかりました」 桐乃「ご、ごめんね。説明するの忘れちゃってて…」 ランちん「いいのよ、しょせん私はそういう扱いなのよ」 京介「おい、どうすんだよ。この子めっちゃ傷ついてんじゃねえか」ヒソヒソ 桐乃「だ、だって、忘れてたもんはしょうがないじゃん」ヒソヒソ ランちん「……じゃあ、あたしはそろそろ戻るね」 桐乃「あ、うん、またね」 京介「…………おまえ、後でちゃんと謝っとけよ?」 桐乃「………うん」 500 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 13 29.06 ID 3qUn8.co [9/13] _____________________ 司会「さぁ!本日のメインイベント!カップルコンテストの時間がやってまいりました!」 司会「今回は現役読モが二人も参加するとあって参加辞退者が続出!最終的に読モ同士のの一騎打ちとなってしまいました!」 京介「すげえな、お前とあやせ以外にまだ読モがいんのかこの学校」 加奈子も事務所に入ってるようだが、あれは読モとは違うだろうし、桐乃かあやせみたいなのが最低もう一人はいるってことだろ? いったいどうなってんの?この学校。 司会「では早速紹介に移りましょう、エントリー№1番、高坂桐乃さん!」 名前を呼ばれると、桐乃と腕を組みながら、体育館の舞台上に設営されたステージの中央へ歩いていく。 男A「くっそ……なんであんな冴えない男が……」 男B「なんで俺は振られてあいつはOKなんだ……年上か……年上だからか」 男C「リア充爆発しろ」 やべぇ、男どもが怖すぎて、まともに前を見れねえ。 中学生に気圧されるなんて情けねぇ。 でもこいつら怖いんだもん、仕方ねえよ。 司会「ふふふ、彼氏の方は前を全く見ていませんね。もはや彼女しか目に入らないといったご様子」 おい!司会!このイベントを無事に終わらせたいなら、火に油を注ぐようなこと言うんじゃない!! 501 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 14 01.95 ID 3qUn8.co [10/13] 司会「え~、では早速、キスの方をお願いしまーす」 京介「えっ?」 司会「えっ?」 えっ?ど、どういうこと?キス?何言ってんの?この人。 司会「あれ?ちゃんと説明してあったでしょ?参加者は、彼女から彼氏の頬にキスしてもらいますって」ヒソヒソ 聞いてねえええええぞおおおおおおおお!! ど、どうするんだよ!桐乃おおおお!? 桐乃「………………仕方なくだからね」 え…まじでやるの? 俺の肩に手を回し、段々と唇を近づけてくる桐乃。 女子勢「キャ――――――!」 男子勢「くっそ…ここから無事に帰れると思うなよ」 あぁ、もうどうにでもなれ。 502 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 15 04.92 ID 3qUn8.co [11/13] ???「ちょっと待って!」 京介「えっ?」 桐乃「えっ?」 だ、誰だか知らないが助かった まじありがとう。 おかげで、公衆の面前で妹とキスなんて事態にならずにすんだぜ。 司会「おおーっと!ここでエントリー№2番、新垣あやせさんの乱入だぁー!」 京介「もう一人の読モっておまえかよ!」 っていうかあやせたん、いや、あやせさん…彼氏いたんですね………。 さよなら、マイスイートエンジェル。 あやせ「その人は私の彼氏です!桐乃には渡しません!!」 京介「は?」 桐乃「え……」 司会「これはああああああああ!略奪愛というやつなのか!それとも単に二股かああああ!?」 女子勢「キャ――――――!」 男子勢「はっはっは、今からお前を爆破してやるからそこを動くな」 ちょ、変に観衆を煽るのはやめて!刺される以上に大変なことになっちゃう!! 桐乃「あ、あやせ?一体どういうこと!?」 あやせ「実は、初めて会った時からお兄さんのことは気になってたの。桐乃がこのイベントに参加するって聞いて、それなら私もこの場を借りて告白しようと思って」 俺が今まで積み重ねてきたあやせイベントは無駄じゃなかった…無駄じゃなかったんだが告白の時と場所は選んでほしかった……。 俺が無事帰れなかったら責任とってもらうよ? 503 名前: ◆qPOxbu9P76[sage] 投稿日:2010/12/12(日) 01 15 49.96 ID 3qUn8.co [12/13] 司会「なんという修羅場……煽っといてなんですが、死人が出る前にさっさと終わらせたいと思います。では、お二人から頬にキスをどうぞ!」 桐乃「くっ…ここまで来たら負けられない!」 何に対して負けられないんだよ、おまえは! これはあくまでも彼氏のふりだろうが! あやせ「シスコンだからって諦めません!」 そんなこと大声で叫ぶんじゃない! せっかく桐乃のために彼氏のふりしてるんだから!ばれたらどうする気だ! 両側から首に手を回され、キスを迫られる俺。 司会「はい、チーズ」 京介「えっ?」 京介「黒歴史認定だろ……これ」 数日後、俺のもとに届けられた写真を見て思わず苦笑する。 桐乃の方が僅かに早く俺の頬に到達したという証拠写真。 京介「今はまだ、お前が一番ってことなのかね」 桐乃「兄貴ー!人生相談があるんだけどー!」 今日は、壁越しに俺を呼ぶ声がした。 京介「……へっ、お前が一人立ちするまでは、だからな」 桐乃「ちょっと聞いてんのー!」 京介「へいへい、今行きますよ」 おわり
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プロモカード/俺の妹がこんなに可愛いわけがない 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のプロモカード。 限定プロモカード ナンバー カード名 色 C S AP DP 入手方法 P-001 《高坂 桐乃》 黄 2 2 20 20 俺妹フェス入場特典プレメモフェスタ2010WINTER入場特典 P-002 《高坂 桐乃》 赤 4 1 40 40 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 小説第8巻特典 P-003 《高坂 桐乃》 1 2 10 20 大会プロモーションパック vol.1 P-004 《高坂 桐乃&高坂 京介》 4 1 40 40 発売記念大会参加賞 P-005 《黒猫&高坂 桐乃》 青 2 2 30 30 大会プロモーションパック vol.2 P-006 《高坂 桐乃》 黄 2 2 20 10 大会プロモーションパック vol.3 P-007 《黒猫》 青 2 2 10 20 大会プロモーションパック vol.10 P-008 《高坂 桐乃》 3 2 40 0 俺の妹がこんなに可愛いわけがないスペシャルパックBOX購入特典 P-009 《高坂 桐乃》 1 2 20 20 P-010 《高坂 桐乃》 青 2 2 30 0 発売記念大会参加賞 P-011 《高坂 桐乃》 赤 2 2 30 10 プレメモ&プリコネフェスタ2012ガンスリンガー参加賞 P-013 《黒猫》 青 2 2 30 30 発売記念大会参加賞 通常プロモカード ナンバー カード名 入手方法 01-011a 《高坂 桐乃》 プレメモフェスタ全国大会2011ファイナルミックスレギュレーション優勝賞品 01-011c 全国大会2012地区大会決勝 01-083a 《黒猫》 プレメモ&プリコネパーティー2012参加賞全国大会2012店舗予選上位賞 関連項目 カードリスト プロモカード 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 編集
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1330012485/246-254 ※10巻ネタバレを含みますので、10巻見てない方はコテハンをNGで 京介×あやせ 10巻直後より そんなあなたの事が好きです。 新垣あやせ。 俺の妹、桐乃のクラスメイト。ファションモデル仲間であり、モデルだけあって見た目は極上。 俺の好みにクリティカルヒットを生み出すオーバーキルな容姿――反面、性格に難があり、 人に手錠を掛けて火で炙るなんて事をしでかすとんでもない女。過去を思い返すと痛い目にばかり合わされていて、 彼女が包丁を持っているだけで、心が落ち着かなくなる。そういう女の子。 関係は、桐乃の友達、という桐乃を介さないと成り立たない関係、だった。 その関係が変わるだろう一言を、あやせは言った。 「……俺の事、嫌いだったんじゃないのか」 ずっとずっと、そう言っていた筈だ。 「ええ、嫌いですよ」 あやせは続けて言う。 「でも、大好きなんです」 笑顔で、こちらをしっかりと見て。 「……さっきより、大がついたな」 「あ、ほんとですね」 対して、俺はその笑顔が見られず目を逸らしてしまう。 告白されて。好きと言われて。胸は確かに高鳴る。 けど、不思議と動揺はなく、まるで想定していたかの様な。 そういう心境だった。 何より、まず俺の脳裏に浮かんだのは―― 「……桐乃ですね」 あやせは、俺の心を見透かすかのように俺を見つめる。 「桐乃との約束が、お兄さんにはありますから」 そう。俺は、桐乃と約束をしたのだ。桐乃との関係が一旦落ち着くまで、俺は新たな彼女を作らない。そう、決めた。だから―― 「そうだ。俺は桐乃と約束をしたんだ。だから、」 「付き合う事は出来ない、とあなたはそういうんですね」 「ああ、悪い……」 約束の事は誰に聞いたのかは知らないが、あやせは知っている。その事を知った上で、 思いを告げてくれたのだろうかと考えると、切ない感情が俺の胸を締め付ける。 例え付き合えなくても、と。 「そういう事だから、その気持ちは、嬉しいんだが……」 「どういう事です?」 「いや、だから、桐乃と約束があるから」 「わたしはしてませんよ?」 ん? 「わたしは、桐乃と約束をしてません。だから、わたしが誰かと付き合う事は、問題が無い筈です」 んん? 「いや待て、でも俺は約束を――」 「――なぜあなたの約束を、わたしが守る必要があるんですか?」 そう言われると、確かに無い。 ならあやせが誰と付きあおうと、いや、俺と付きあおうと問題ないのか。 いや、おかしいだろう。そうすると、俺が桐乃との約束を破ってしまう。 あれ、でもあやせは何か約束を破った事になるのか? 「な、無いな」 そう、これは俺の約束であってあやせの約束ではない。 俺にとって不都合であっても、あやせにとって不都合では無い。 あれ、待て。何かがおかしい。俺は思考を纏めようとした所で、 「そうでしょう。なら問題はありません。わたしは、あなたが好きです。 お兄さんが好きなんです。そして、わたしはあなたのそばにいたい」 畳み掛けるように、あやせは言う。 「例え、桐乃を敵に回したとしても」 それは、 「駄目だ!」 認められない。俺が、桐乃から親友を奪うなんて、そんな事は間違えている。 「……」 「あやせは、桐乃の親友だろう? そうだ。確か言っていたじゃないか」 前に黒猫との口論で。 「桐乃が嫌がっている事をするのなら、親友は失格だって――」 ――そうか、だから敵に回しても。 「――親友の座を引いても、か?」 そういう事なのか? あやせは、あくまで毅然としたまま、こちらを見続けている。 桐乃から嫌われる事を、あんなに恐れていたのに。 どういう心境の変化だ。 「いえ、違います」 あやせは、はっきりと言った。 「わたしは、桐乃の親友です。それは、変わることはないでしょう」 きっぱりと。宣言した。 「だからこそ、わたしはそれを理由に身を引いたりしません。そしてお兄さんの一番も決して渡したくありません。それが、桐乃の嫌がる事であっても」 その強い目の輝きは、誰かを思い出す。そう。かつて、妹が浮かべた光。 自分の趣味も、親友も、どちらも手に入れると言った妹の。 「わたしは、桐乃も、お兄さんも、どちらも手に入れます」 正直に言おう。 その宣言の前に、俺はどうしようもなく、惹かれてしまった。 妹との約束を、確かに破棄してしまいそうになるぐらいに。 強さ。そうか、あやせは、桐乃と同じフィールドで戦ってきたんだ。 モデルとして、時にライバルであったりした筈だ。 親友であり、戦友である彼女は、あの桐乃とタメを張れるぐらいに、理不尽で、そして、どこまでも努力家なのだろう。 そして、同時に悟った。 俺は、妹にもずっとずっと惹かれていたのだ。あの目の輝きに。 成し遂げるというその強さに。 その強さを、輝きを失わせるぐらいであれば、俺なんて幾ら罵倒されたっていい。 笑顔でいてくれるなら、それでいい。 その妹に対して抱いていた想いが、そのままあやせへと向かう。 何故、蹴られても、罵倒されても、俺はあやせの好感度が落ちなかったのか。 桐乃と似ているからだ。 好きな人、好きな事の為には努力を惜しまない。 必ず、手に入れるべきものは手に入れる。 「あやせ……」 「お兄さん……」 この時は、桐乃との約束を破棄してしまってもいい、と。 そのぐらいに心を動かせされていた。 だから、俺はあやせを見て。 そして、そこにあるヘアピンに気付いた。 桐乃から、貰ったというそのヘアピン。 それは何故、貰ったものか。 桐乃が大事にしていて、数がもう残り少ないヘアピン。 なのにそれを何故あげたのか。 それは、それは。 京介の邪魔をすんなぁっ! 「……ッ!」 慌てて、一歩引く。 今、何をしようとしていた。 あやせの肩に手を掛けて、引き寄せて。 今、何をしようとしていた、高坂京介! 「……」 静かな目で、俺を見続けるあやせ。 その視線を見ていられずに俺は、目を背ける。 「わ、悪い。やっぱ、あれだ。うん、考えさせてくれ」 この期に及んで考えさせてくれ、だなんて我ながら情けない。 思いっきり好感度を下げてしまった気がするが、それはそれで仕方ないのだろう。まだまだ、未完成な男なのだ、高坂京介という男は。 恐る恐るあやせの方を見る。 「いいですよ」 予想に反して、あやせは笑っていた。 「ふふっ、確実に断られるという状況から、考えて貰える状況まで進展したんですよ、お兄さん」 目を細めて、嬉しそうにこちらを見て、ウインクをして見せて。 「どう考えても、これはわたしの勝ちでしょう。楽しみにしていてくださいね」 そう言いながら、あやせは踵を返していく。 「わたし、桐乃に負けませんから」 次の日。 俺は風邪を引いていた。馬鹿は風邪を引かないと言われてる事から、風邪を引いた俺は決して馬鹿ではない、と言える所ではあったが、 「あんた、本当バカ? 何、あれ? ちょっと普通に引いたんですケド。何、死にたいの? 殺してあげようか?」 等と妹に罵倒されても全くもって言い返せないのが今の心境である。 何があったか、少し思い出してみよう。 あれから俺はあやせを追いかける事が出来ず、ただ呆然とそこに立ち尽くしていた。 頭の中がぐちゃぐちゃして、とても思考が纏まらず、後悔なり懺悔なり何なりで青ざめたりしながら、 しかし、心が火を付けられたように熱かった。 あやせ。見た目は、とても好みな女性。そして、性格もまた好みだったのだと気付いた、女性。 黒猫に告白された時。そしてデートを重ねた日々。その時も胸は高鳴り心は熱かった。 だが、あの時の心は暖かい、何か湯たんぽのようなそういう熱さだった。 なら今のこの燃え尽くすような熱さは何なのか。 余りに熱く、恐らく顔も真っ赤になっているだろうこの状態をどうにか脱したくて、俺はそれから家に帰り、 もう冬にもなろうという時期なのに関わらず、風呂に水を張り、そこに身を沈めた。 そこから数十分後。 寒さの余りガタガタ浴室で震えて気を失いそうになってる所を、桐乃に発見され、母親に自殺の疑いをかけられ、父親に無言でため息をつかれ、 そのまま服を着せされ、布団に連行され、気を失うようにして眠り。 今に至るという訳だ。 一晩寝た所で、寧ろより悪化していて、歩きまわる事はおろか、満足に立つことさえ出来ない状態の俺の隣で、最大ボリュームで延々と俺を罵倒し続けているのが桐乃。 流石に文句を言うだけではなく、お粥を持ってきてくれたり、額のタオルを交換してくれたりと中々甲斐甲斐しく面倒を見てくれてはいるのだが、 ここまで延々と罵倒されていると休まるものも休まらない。 「……桐乃」 「ん、何かして欲しいの? ほら言ってみ?」 黙れ、とはいえなかった。こうして俺が声をかけると直ぐに心配そうにこちらを覗きこみやがるのだ、この女は。そんな顔を向けてくる奴に、文句など言えようもない。 何より、俺自身、バカな事をまるで否定出来ない訳で。 「なんでもない」 「ん、分かった」 まるで母親のような優しい微笑みを俺に向けて、桐乃はテーブルにノートパソコンへと視線を戻す。 ノートパソコンに映しだされているのは当然、エロゲだ。 桐乃曰く、人を看病するのならこのゲームは必須というものらしく、展開としては看護師である妹が、兄を甲斐甲斐しく奉仕する作品な訳だが、間違えても病人の兄の側で妹が嬉々としてプレイするものではないと思うんだが。 そんなゲームをしながら、ブツブツ俺への文句を言いつつ、会話の端々に「菜々ちゃんかわいー!」だの「うひょー、たまんねえこれ」とか織り交ぜてくるものだから、ただの罵倒よりもどっと精神的に疲れていく訳だが。 しかしこれはこれで悪くない、なんて思うほどドMに染まった訳ではないが、まあ、こいつらしいな、と思って少し、心が暖かくなる部分もあり、とりあえず何も言うまいと思う訳だ。 「はぁはぁ、あーもう! 菜々ちゃん最高、どうやれば画面の中に入れるかな、うはっ、駄目だ、鼻血でそ、うひひ」 「やっぱ戻れてめえ!」 // 夜。 熱が大分引いてきて、自分で歩けるようには回復してきたので、桐乃を自分の部屋に帰し、一人安静してた訳だが、昼にひたすら寝ていたせいか、目が冴えてしまっていた。 とはいえ夜中なので、徘徊する訳にも行かず、PCを起動させる程の気力はなく、やる事はせいぜい、頭を使って思考する事だけだ。 そして当然考えるべき事は、昨日の事だ。 あやせ。もう昨日の事は、桐乃と話したんだろうか。その割には、桐乃に変わった所は見受けられなかった。ならまだ黙っているのか。しかし、いつかは話すのだろう。その時、桐乃はどういう反応を返すのだろうか。 怒るのだろうか、それとも――。 携帯の着信音が部屋に鳴り響く。 桐乃が取りやすい位置に置いておいてくれたので、特に動かず携帯を手に取る。 何となく予感はしていたが、あやせからのメールだった。 文面としては、昨日の事は特に触れず、桐乃から聞いたのか風邪の事を心配するメール。 結果が出てほっとしたのが今頃出たのかも知れない等と風邪の原因を推測しているが、まさかあやせとの事が原因だとは言えず、どう返したものか、と頭を悩ませていると、また着信音が鳴った。 またあやせからのメールだった。 なんだろと思い、開いてみると添付ファイルがついていた。 「ぶはっ!」 あ、あやせ、いや、てめ、俺を殺す気か、つか、なんで、えええ?! そこには、ナース姿のあやせの画像がついていた。 何故あやせがナースの服を持っているのか、そしてどういう意図でこの画像を送ってきたのか分からないが、少なくともせっかく下がりつつあった俺の体温が再び向上したのは間違いない。 別にナースフェチとかそんなんじゃないんだが、これは破壊力がありすぎる。 無意識に画像を保存してしまい、尚且つ待受にしてしまいそうになるぐらいヤバい画像だった。 「……何を考えてやがるんだ」 桐乃に負けないとは言っていたが、何、そういうバトル? こうあやせには健全な方向性で頑張って欲しかったがコスプレかよ。 桐乃も前にメイド服とか割とノリノリで着ていたが、流石にナース服は着てこなかったぜ。 いや、ナース服とメイド服と言ったら、後者の方がアブノーマルな感触はあるが……。 つか、返信しづれえ。 どう返信すればいいんだ。この最初のメールの返信で作ってた、そんな心配しなくても大丈夫、ありがとうなとかいう平凡なメールをこれに返していいのか? だからといって、ナース服、最高でした、とか返したらセクハラで訴えられそうだしな……。 「ナース服、最高でした、と」 ピ、送信。 はっ! いかん、セクハラを辞めると決意した筈なのに、ついそのまま送ってしまった! いやでも待て待て、俺は単純に褒めただけだ。セクハラじゃない。そもそも送ってきたのはあやせだ。俺が欲しかった訳じゃない。俺は悪くない筈だ。 トゥルルル。 電 話 か か っ て き た ! どうしよう、と悩んでみたが、取らないと取らないとで怒られそうだ。 俺、病人なんだぜ、なんでこんな悩ませる。 ふぅ、と息を吐き、覚悟を決めて電話に出る。 「はい、高坂です」 「わたし、あやせです。あなたの家の前にいます」 「ひぃっ!」 メリーさんかよっ! 「冗談です」 しかも冗談かよ。慌てて飛び起きて、窓を覗きにいってしまったじゃないか。 無論、ときめきとかじゃなく、恐怖ゆえの行動だ。 「ちょ、ちょっとお兄さん。なんかドタバタした音が聞こえましたけど、まさか窓に確認しにいってませんよね?」 「……月が綺麗だな」 「月が綺麗って……、あ、あれですか、そのI love youの」 「違うっ! なんでこの流れでそんなロマンチックな解釈が出来る!」 「そうですか。残念です」 しゅんとした解答が返ってくる。 ……あれ? いつもであれば、「なんて破廉恥な事を言い出すんですか、この変態!」とか続く筈なんだが。 「な、なあ、あやせ?」 「月が綺麗ですね」 ぐはっ! こ、この流れでこの台詞、だと……! 「あ、ああ。そ、それよりもあやせ?」 「わたしがお兄さんに告白してる事よりも重大な案件ですか?」 「…………」 「あ、もしかして知らないんですか。月が綺麗ですね、というのはですね。そ、その、あ、愛し」 「知ってるから! 大丈夫、知ってます!」 この女、前々から恐ろしいとは思っていたが、今、別の意味で戦慄している。 「そうですか。ところで……」 あやせは、ここで会話を一旦切り、そして真剣な口調に変わった。 「わたし、あなたの家の前にいます」 月を見ていた視点を、下げる。 暗闇。そこに携帯の明かりでぼんやりと映し出される女性の姿。 同じく、月を見上げていた視線を、こちらに向けて。 「家に、入れてくれますか?」
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音楽のバグなくならんのかな - 名無しさん 2015-09-30 04 15 07 まだあるの?chrome使ってるけどバグなんて無いよ - newspark 2015-10-01 00 39 47 TL出始めたころのBGMがかっこよかった - 名無しさん 2015-10-03 07 23 59 TLは旧BGMの方が良いなあ - 名無しさん 2015-10-03 10 35 56 初期のVQが意外と好きだった。 - 名無しさん 2015-10-09 16 46 52 チュートリアルの音楽も追加できますか? - 名無しさん 2015-10-09 16 47 58 忘れてましたので追加しました - kashkash 2015-10-09 23 01 59 ? - 名無しさん 2015-10-26 00 12 52 音楽でない(:-:) - 名無しさん 2015-10-26 00 13 42 そんなことはない - Freed9259 2015-11-13 18 54 21 タイトル、短いけど一番好き - 名無しさん 2016-08-04 21 04 38 いい曲多いねー - 名無しさん 2017-12-09 11 42 15 無音のままプレイを始めてから10~30分くらいするとBGMが流れ始めます。(火狐) - 名無しさん (2019-09-07 22 40 17)
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288544881/65-73 「はぁぅっ……ん……んっ……ひぅっ……ぁっ」 水を弾くような音が暗がりの密室空間に響き渡る。 べちべちと聞こえるそれは男と女が繋がっている証だ。 噎せかえりそうなほどの熱気に男女の交わり特有の嗅いだだけで淫気に当てられてしまいそうな香りが部屋中に充満している。 そんな空間の中、荒々しく息を上げているのは他でもない、世界一可愛気がないであろう俺の妹だ。 口の端から涎を垂らし、両の目にいっぱいの涙を湛えている。 そんな妹様は先ほどまで相変わらずの流行ファッションに身を包んでいたものの、現在はところどころを開けさせていた。 仰向け状態の俺に跨がってはその端整な顔を淫らに歪めている。 俺の胸に手をついて身体を支える桐乃は一物を下の口で咥え込み、一心不乱に腰を上下させる行為に没頭していた。 「あぅっ……ぃ、いぃのっ……おくが、すっごぃ……はぁんっ……」 ずちゅっ、ぐちゅっ。 結合部から漏れでる淫音が鼓膜から直接脳に性的興奮をもたらし、思わず桐乃の腰の動きに合わせて下から突き上げてしまう。 天を衝くかのように一物を奥へと押し込み、これでもかとばかりに桐乃を蹂躙していく。 膣内を削るように擦り上げてはカリ首に肉襞がかかるよう引き抜いて、何度も繰り返し摩擦する。 突き上げるのは俺が担当し引き抜こうとする動作は桐乃に任せていた。 締まる肉壁を押し拡げる度に乱れに乱れた表情が恍惚の色に染まる。 絶え間ない抽送によって疲れたのか桐乃はばたりと倒れ込んできた。 しかしそれでも丸みのあるその腰は上下運動を止めない。 そのうえ強引にずり上げられたブラから覗く桃色のそれを俺の胸板に擦り付けてくる。 「こすれっ、て……したもぉ、うえ、もっ……」 真正面に見える蕩けきった顔の桐乃が愛おしく思えて、そっと唇を重ねた。 すると桐乃はすかさずちゅるんと舌を俺の口に滑り込ませてくる。 一瞬で舌を捉えられ、巻き付くように絡めとられた。 仕方なくそれに応じると桐乃は「んふっ」と嬉しそうに目を細め、粘膜同士の戯れを開始する。 その反応になんとなく悔しくなった俺は桐乃の腰に手を宛がってさらに深くへと突き入れてみる。 「ッ!?……ら、らめっ、そんあ……はげ、はげし、くぅ……あぁっ、はっ、ぁ、はぁっ」 頂点まで昂りつつある性感には刺激が強すぎたのか、桐乃は全身を震わせてよがり狂う。 ズキンズキンと今はなき右足首が痛んだ気がした。 けれどそんなものは構うまいと腰の振りを激しくする。 締め付け具合にさらなるキツさが加わり一物へとしつこいぐらいに絡み付いてくる。 彷徨っていた桐乃の腕が俺の首に回され、上下する律動に連動して再び唇を交える。 ぱぁんっ、ぱぁんっと恥骨がぶつかり合うほどに深く腰を打ち付け合う。 込み上げてくる熱情。 ぞわぞわと疼き始める背中。 きゅぅっと締まりの良くなる膣内。 ビクンと震え出す一物。 もはや何もかもが限界だった。 俺は最後の力を振り絞りストロークのスピードを速め限りなく乱暴に腰を振る。 「あん、いっ、いっ、だめら、って、ば、ああっ、も、む、ムリッ」 じゅぶ、じゅぶっ、じゅぶッ! 奥へ奥へと打ち付けて最後の一撃に最奥へと腰を突き上げた。 「イけ、桐乃ッ!」 「あに、き、あっ、に、きぃぃぃぃぃぃ!」 鼓膜がビリビリするほどの嬌声を上げながら我が妹様は絶頂を迎えた。 同時に堪えきれない情欲が一物から容赦なく吐き出される。 びゅくん、びゅくんと放られた熱いモノが桐乃の意識を溶かしていく。 「……あっ、つ、ぃ……」 ――― ―― 「スマンカッタ」 思わず右足を庇いつつも土下座してしまった。 罪悪感とか倫理観についての謝罪ではない(襲い掛かってきたのは桐乃だし)。 これは、断りもなく膣内へ射精してしまったことへの土下座だった。 「……」 桐乃は腕組みをしながらそっぽを向いて押し黙る。 情事を終え互いに頭を冷やしたが、まだほんのりと赤みの残る顔で桐乃は不機嫌顔をした。 ぽそりとか細い声で桐乃は呟く。 「……別に、良かったケド」 「え?」 聞き取れずに聞き直すも「何でもないっ」と再びそっぽを向かれた。 ふむ。 それは、どういう意図の行動だろう? 考えたところで鈍い俺に答えなどわかるはずもないのだが。 ともあれ、 「あー、その」 「……何? 言いたいことはハッキリ言ってよね、この鬼畜兄貴」 鬼畜は余計だしハッキリ言うべきなのはお前だろうがと内心突っ込みつつ、包み隠さず本音を漏らす。 「さっきのお前……なんか、その、可愛かった……ぞ? エロかったし」 「!?」 目を見開き驚愕した桐乃はぴくぴくと体を震わせ、みるみる顔を赤くした。 まるで熟した林檎みたいだ。 っていうかだな、何で片足をちょん切って家に帰ってきたら妹の好感度MAX越えちゃってんの? 何で自然と肌を重ねちゃってんの? 俺は。 ……本当に俺、近親相姦上等の変態鬼畜兄貴だったんだな。 いつぞやのあやせの発言が急に現実味を帯びてきやがった。 こりゃあまずい。 既に兄妹としての一線を軽ーく飛び越しちゃってるとか非常にまずい。 殺される。 ガチで山に埋められる。 ど、どうすればいいと? 「……兄貴」 そんな俺の苦悩になど全く気付かない様子で、我が妹様は何やらかしこまって俺を見つめてくる。 熱い視線がやべぇ。 心臓高鳴って死にそう。 つい最近にも一度軽く死にかけたけどその時より今のが断然逝きそう。 助けてド〇えもん。 「ねえってば……」 「……お、おう、なんだ」 小さく息を呑む。 手に汗握るってこういうことか。 違う? いやそんなことはどうでもいいって。 今はそんなことよりも、我が妹様の雰囲気に気圧されてるこの状況をどうにかしてぇぇ! 「あたし、その…………き、だから」 「は、はい?」 「うう゛ぅ~」 唸る妹。 すうっと息を吸い、捲し立てるように桐乃は言った。 「あ、あたしはっ、あんたのことが好き! 大好き! 超好き! 愛してると言ってもいい! 別にあんたの彼女とか恋人じゃなくていいから、あんたの一番近くにいさせてほしい! わかった!?」 それはもう盛大な告白だった。 その有無を言わせぬ勢いに多少驚きつつ、ハァ、と嘆息してしまう。 呆然、とはしなかった。 だってさっきの恥態を見せられたら、なぁ? その、勘違いしてもいいのかなぁ、って思うだろ? いや、えっと、それが事実だってのは、喜ぶべきか、悲しむべきかわからんけども。 正直判断つきかねるし。 常識的には、もう道踏み外してんぜ、俺たち兄妹。 ……けど、まあ、別にそれも、悪くはねぇかなぁと思ってしまう。 だってよぅ、俺の妹は、 ――こんなに可愛いわけだから、さ。 後日談、というかその直後 「へ、返事は!? “イエス”か“はい”でッ!」 「選択肢の意味を為さないだと!?」 「もちろんオッケーでしょ違うっていうの早く応えてよ早くねえねえねえ!」 「こんな時でもテンパってんなよバカ桐乃! ……答えがノーなら、初めからお前を抱いちゃいねぇっての……バーカ」 「……あ、あ、あっ、」 「あ?」 「あ、あたしはバカじゃないっつの!」 「ぐぶぉぉっ!? な、何しやがる!?」 「ううううるしゃい!」 「……はぁ~あ、全く。 結局こんな感じなのか、俺たちって」 「……あのさ」 「あんだよ?」 「その……近いうちにもう一人、あんたのことを好きな奴が、来るから……」 「は?」 「く、詳しいことは言わない。 けど」 「?」 「そいつのことも、ちゃんと受け止めてあげてよね……あたしみたいに」 「……わかったよ。 意味はわからんが、覚悟だけは、しておく」 「……うん」 (続く?)
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まずは黒猫スレの100スレ突破、おめでとうございます!! 枯れ木も山の賑わいとばかりに、記念の一つにでもとSSを投稿させて頂きました。 このSSは『--先輩と、遊園地に行く』から話が繋がっていますが この話だけでも(私の力量不足以外では)問題なく読んで頂けると思います。 それでは少しでも楽しんで頂ければ幸いです。 ------------------------- 「瑠璃、さっきから何を読んでいるんだ?」 「私たちが今まで紡いできた『真・運命の記述』よ、京介」 いつもと変わり映えはないけれど、穏やかな休日の昼下がり。 今日は勿論大学の講義もないし、二人ともバイトの予定も入っていない。 梅雨もそろそろ明けたのか、すがすがしい青空が空一面に広がっていた。 私はお昼の片付けを終わった後、居間の机に座って 今まで書きあげてきた『真・運命の記述』をゆっくりと 読み返していたのだけれど。 同じく居間でTVを見ながらのんびりしていた京介が ふとこちらを振り返って声をかけてきた。 「え、これ全部か?」 机の上には本棚から取り出した『真・運命の記述』が 文字通り山のように積み上げられていたわ。 「ふっ、私たちの今までの『魂結の軌跡』をこの書には 刻み込んできたのだから、これくらいは当然の量よ」 「とはいえ……いったい何冊あるんだ、これ」 「さっき書きんだ分で、ちょうど99冊目が終わったところよ」 「きゅ、99冊だって!?」 心底驚いたように大声をあげる京介。 せっかく穏やかな空気に合わせて今までの思い出を振り返っていたというのに まったくいつになっても乙女心の機微がわからない残念な雄ね。 「そんなに驚くことないじゃない? 私たちが『魂の邂逅』を果たしてから一体何年たったと思っているの?」 「付き合いだしてからなら俺が高校3年の夏からだから…… 直に4年になろうってところか。いや、そりゃあ期間としては 十分あったのかもしれないけどよく書き続けたもんだと思って」 改めて感慨深げに堆く積み上げられた『真・運命の記述』を見渡す京介。 ……まあ、若干引き気味な気もするけれど その辺は本当、いい意味でも悪い意味でも正直な人よね。 「これでも私にしては少ない方だと思うわよ? 以前の『運命の記述』と違って私の願望や預言は極力省いて あなたと決めた予定や過ごした出来事を書き綴っただけなのだから」 「じゃあ俺たちのスケジュール帳兼日記みたいなもんか。 そういえば最近は『儀式』とかやってなかったもんなぁ」 だって、もう『儀式』を行う必要はなくなってしまったもの。 私の願いだけを一方的に書かざるをえなかったあの時とは違って。 ずっと離れないであなたと共に歩んでいこうって決めたその時から、ね。 「ふふっ、そうね。今はやりたいことがあれば あなたとこうしてなんでも話して決められるもの。 まあ、今日でこの99冊目もいっぱいになってしまったから ちょっと感傷的になって今まで書いてたことを見返していたのよ」 「そっか。でも改めて昔のことを見返すとなると なんだか恥ずかしい事ばかり書いてある気もするんだが……」 「何を言っているの京介」 恋人の顔をまじまじと見つめてから私は言い放った。 「あなたが恥ずかしくなかったことなんてないじゃない。ほら、こことか」 『○15年3月2日 ・同棲のお許しをもらうために京介のご両親に会いに行く 私の説明の後でも難色を示していたお母様を説得するため 京介は即座に土下座を敢行。「一生のお願いだ、お袋!」と懇願 』 「まったく、いったいあなたの一生は何度あるのかしらね?」 「ぐわああ、そ、そんなところまで書かなくてもいいだろう!?」 「だめよ。だって」 大好きな人の顔を見つめたまま、私は言葉を続ける。 「だって……すごくうれしかったんだから……」 あの時に感じた気持ちを思い出したとたん 一気に湧き上がった恥ずかしさで私の顔は赤く染まっていく。 でも、あの時と同じように、私の顔は自然とほころんで 満面の笑顔を形づくっていた。 そんな私を見て、過去の恥ずかしさに悶え苦しんでいた京介も そっかと呟きながら満足げに微笑んでくれていた。 いつだってあなたは。 どんなに傍目には、恥ずかしくて情けなくて格好悪いことだって そんな事はお構いなしに、私の、いえ、私たちのために 全力で向かっていくのだから。 そんなあなたは誰が何と言おうとも、本当に素敵で。 誰よりも格好いい自慢の彼氏なのよ? * * * しばらく私たちは『真・運命の記述』に書かれていたことを 読み返しては、その時のことを思い出して思い出を語り合った。 本当にここまでの間、いろいろなことがあったわ。 京介と付き合いだして、始めて行った遊園地のデート以来 この『真・運命の記述』を書き始めてからというもの。 「まずは私の引っ越しのことからだったわね」 「あの時は急な話でびっくりしたっけな。 まあ、あの時も瑠璃の考えはしっかり教えてもらったけど」 「ごめんなさい、今考えてみても本当、思いなおしてよかったと思うわ。 それも、みんなあなたのおかげよ、京介」 「お互い様だろう?俺も瑠璃や桐乃の気持ちに 全然気がついてやれてなかったんだから」 私の引越しが落ち着いた後、私の新居に京介と桐乃を招待して 3人で話し合うことで、桐乃の正直な気持ちを知った私たちだけど 『だけどあんたもいったでしょ? 私に本当に好きな人ができたらイヤだけど止められないって。 だってあんたも黒猫も……本当にお互い好きなんでしょ? だったら……妹として、親友としてそんな二人を止められないじゃない』 京介が誰かと付き合うのが嫌だと言ったにも関わらず 桐乃はそういって笑顔で私たちのことを認めてくれた。 多分、というより絶対無理をしているのはわかったけれど この時はお互いにそれは言わないのが礼儀というものだった。 だってきっと立場が逆だったら……私だってそうするのだから。 なんにせよ、京介と共に『理想の世界』に向けて まずは確実に一歩を踏み出せたのは大きな収穫だったわ。 「それから京介が勉強のために一人暮らしを始めたのよね」 「桐乃とのあらぬ誤解を立てられてなぁ。 まったくこんなかわいい彼女がいるのにお袋もひどい話だぜ」 「でもあながち的外れでもなかったのがさすがにご両親だったのでしょうね」 「まあおかげで勉強に集中して志望校にはこうして合格できたんだからな。 あの時は瑠璃が俺のために一生懸命世話してくれて嬉しかったよ」 「……その座を掴むまでが大変だったのだけどね。 本当あなたは誰にでも優しいから、彼女にしてみれば気が気じゃないわ」 「そんなことはないと思うんだけどなぁ。 あれが人生に1度は訪れるというモテ期ってやつだったのかもしれん」 「あなたが『俺のことを任せられるのは彼女だけだ!異論は認めん!!』 なんて絶叫したときには恥ずかしくて穴があったら入りたかったわ……」 「でもあれで皆が納得してくれたんだから正解だっただろう?」 あの後、京介のお世話を任せられたのはよかったけれど 私の家から京介のアパートまでの距離がやはりネックだった。 だけど日向が五更家の家事を率先して手伝ってくれたり、 沙織や田村先輩、それにあやせや加奈子までもが私の忙しいときには 助けてくれたりで、まわりのみんなの心づかいが本当に嬉しかった。 「それから桐乃と田村先輩の因縁を精算するべく雌雄を決したのよね」 「物騒な言い方だな、おい!4人で集まって話しただけだろう?」 「……あなたに乙女心の何たるかをわかって欲しい、 というのが無理な相談なのはわかっているけど…… あれが単なる話し合いに見えていたというのだから本当に困った雄ね」 改めて桐乃の内面に潜む問題を解決するべく、田村先輩に助力をお願いした。 田村先輩の心情を慮れば、なんて酷い女だと自分自身思ったけれど。 でも田村先輩は怒ることも皮肉一ついうこともなく笑って協力してくれた。 『黒猫さん、いいえ、瑠璃さん。京ちゃんのこと、本当によろしくね』 京介のことを長い間好きであり続けた田村先輩が、恋敵といえる私に どうしてそんなことがいえるのか私にはいまだに答えが見つからないけれど。 その申し出には勿論力強く答えを返したわ。 桐乃と田村先輩の話を聞くことで、桐乃が小さい頃から 京介に抱いていた気持ちを私たちは改めて理解した。 それを昇華しない限り私たちが『理想の世界』に至ることがないことも。 「だからあの年のクリスマスは、桐乃と兄妹水入らずで 心行くまで楽しんだのよね、京介?」 「な、なんだよ。あれは瑠璃だって承諾済みだったろう?」 「勿論よ。桐乃の心を解放しない限り、私たちの幸せもまたないのだから。 でも……私だって恋人との始めてのクリスマスに対して ……その特別な思い入れもあったのよ……察して頂戴」 「ごめんな……でもプレゼントの手編みのセーター、本当嬉しかったぜ」 「……うん。あなたのラピスラズリのペンダントも嬉しかったわ」 紆余曲折の末、京介に複雑すぎる感情を抱いた桐乃の気持ちを 真正面から受け止めようと、京介はクリスマスをはじめ 高校卒業までの間、本当の恋人のように桐乃との時間を大切にした。 私もそんな二人をなるべく邪魔しないように考えていたのだけど 『あんたや沙織もいなくちゃ始まらないでしょ?』と 誘われたときには勿論喜んで遊びにいったわ。 「翌年の春には京介は無事に大学に合格して このアパートで一人暮らしを始めることになったのよね」 「まあ、実家から通えなくはなかったけど桐乃や親父の意向もあったんだ。 ……きっと桐乃は自分を見つめなおす時間も欲しかったんだと思う」 「それはきっとあなたも同じよね?」 「まあな。でもお互いにいつかは独り立ちしなければならないだろう?」 「そうね。寂しいことではあるけれど」 私だって五更の家から出る時には寂しくて仕方がなかったけれど。 珠希が目に涙を浮かべながらも笑顔で送り出してくれたことは 今でも忘れられない私の心の支えになっているわ。 それに……たとえ距離が離れようとも心が繋がっていれば大丈夫。 私も京介もその確信があったからこそ決断できたのだしね。 * * * それからも勿論、毎日が何かのイベントさながらの 熱気と活力に溢れた忙しくて楽しい日々が続いたわ。 松戸の高校でようやく私の作った友達が 実は2歳も年上で京介の中学校時代の同級生だと知ったときは驚いたわ。 本当に私の運命は全てこの人に結びついているのかしらね。 京介と恋人になって1周年目の夏には、いつものサークルメンバーと そして冬コミ同様参加してくれたあやせとで、前の年よりさらに 賑やかになった私たちのサークルは、3回連続で完売と言う 喜ばしい記録も打ち立てられた。 それにコミケでは弁展高校のゲー研のメンバーと一緒に作成したゲームも 出すことができたわ。ストーリーを練り直した「真・強欲の迷宮」は 前作からの変化にネットでは作者が変わったとかいわれたけど失礼な話よね。 ちょっと実体験を元に恋愛要素を強めにしただけじゃない。 それからその年の夏には五更家の家族旅行と、コミケの打ち上げも兼ねて 京介、桐乃、沙織、瀬菜や真壁さん三浦さんや秋美なんかも招待して 山にキャンプに行ったわね。 瀬菜と真壁さんの想像以上のバカップル振りに皆お腹いっぱいだったけど 日向には『大丈夫、ルリ姉達も全然負けてないよ』 なんてため息混じりに言われたり、秋美は秋美で涙ながらに 『全てのリア充どもに破壊の鉄槌を!』なんて物騒な台詞を叫んでいたわ。 ……まったく誰の影響かしらね。 2度目のクリスマスでは今度こそ大好きな人と幸せを満喫できた。 京介が率先してデートコースを考えてくれたのだけど、遊園地の時のように 慣れないながらも精一杯エスコートしてくれたのが嬉しかった。 その日の最後はいつものメンバーで集まってパーティだったのだけど それが私にも京介にも一番の幸せなのだものね。 翌年。受験生になった私が志望したのは勿論京介と同じ大学だった。 お母さんと同じく、コンピュータ関連の技術を本格的に身につけておこうと 情報工学部を目指すことにしたわ。もちろん、創作によるプロデビューの夢も 捨てたわけじゃないけれど、手に職はつけておかないといけないから。 だからこの年は受験勉強と平行して創作活動も引き続き行っていたりで あまり京介やみんなと遊びに出かけたりはできなかったけれど。 あの時の京介のように、みんなが何かと私のサポートをしてくれていたわ。 いつの間にか私の周りにはこんなにも素敵な人たちが集まっている。 心の底から嬉しかったし、皆には感謝したいことばかりだった。 それもこれも……みんなあのオフ会がきっかけだったのよね。 本当、沙織には一生頭が上がらないわね。京介や桐乃と同じように あたなにもこれからもずっとその恩返しをしないといけないわね。 みんなのおかげで無事に京介と同じ大学に合格したのだけど。 それまでも何度か一人暮らしの京介のところにお邪魔しては 京介の不摂生な生活をなんとかしたかったのだけど 一向に改善しない状況に業を煮やした私は、京介と相談して この機会に同棲させてもらうことにした。 純粋に一人暮らしの資金を節約したかった……という問題もあったけれど。 私が家から離れることでお母さんの仕事量を減らさないといけなくなって 仕送りに頼るなんてこと、とてもできなかったから。 それに……出来ることならその…… もう京介と片時も離れたくなかったから…… でも、今考えても私にしてはすごい決断をしたものだわ。 私の両親は京介の人となりはもうすっかり把握していたし 日向や珠希のフォローもあってすぐに説得できたのだけど 京介のご両親は私のことを気遣ってかなかなか首を縦に振ってくれなかった。 でも最後には京介の真摯な訴えと私の決意を認めてくれたお父様が お母様の説得にあたってくれたわ。本当、京介は子供に理解ある 良いご両親をもったものだと思うし、そんなご両親になんだかんだと 信頼されている京介もやっぱり素敵よね。 そんなわけで私にとって大学生活と大好きな人との同棲生活が 一挙に始まったわけだけど……最初は慣れない生活と感覚に 文字通りに目が回りそうだった。 でも私のなけなしの勇気を振り絞って決断したことなのだから ここで泣きごとなんていおうものなら、私たちを信頼してくれた みんなを裏切ることになってしまうもの。 それこそ死に物狂いになって頑張ったわ。 そんな私を京介もずっと気を配ってくれたし 桐乃や沙織が頻繁に遊びにきてくれたりもしていたわ。 桐乃の気持ちを考えるといろいろと複雑なところもあったのでしょうけど 純粋に私のことを気遣ってくれているのが嬉しかった。 『まったくあんたはいつも自分だけで 責任感じてしょいこもうとするから無理が出てくるんだって。 ……みんなあんたたちの力になりたいって思っているんだからね。 だからいつでも頼ってよ、ルリ姉?』 照れくさそうにはにかんだ表情でそんなことを言われた私は 桐乃が妹ものに嵌る理由が少しだけ理解できてしまった気がしたわ。 まったく、今まで以上に私の心を虜にするだなんて、本当に罪な兄妹よね。 * * * 「さすがに瑠璃が大学入った後は、書いている内容が日常的になってくるな」 「それはそうでしょう、ずっとあなたと一緒に暮らしているんですもの」 逆に生活感溢れる記述が増えてくるから、思い出として振り返るような 出来事は相対的に少なくなってしまうのだけど。 それでも私の入学式に京介がちゃっかり父兄席に参加してたりとか 京介のお友達に紹介された時には私ががちがちに緊張していて 質問されたことをあることない事話してしまって京介に怒られたりとか。 京介が単位を取り損ねていた一般教養で二人で並んで講義を受けたりとか 今までサークルに入ってなかった京介と一緒にゲーム制作部に入ったりとか。 今でも当時のことを思い出せるような記述はたくさん残っているわね。 大学のことばかりではなく勿論いろんな場所にデートにもいってるわ。 夏冬のコミケは勿論、お互いの誕生日やイベントのあるような日は 率先して二人で、時には皆と出かけている。 もっとも何も書き込むような項目の無い日だって沢山あるのだけど。 お互いに講義やバイト、サークル活動なんてあった時には 朝と夜くらいしか顔を合わせないときだって少なくないわ。 でも……あなたと一緒にいられる時間さえあれば。 それは私にとっては幸せすぎる日なのだけどね? 「でもさっきもいったけど、この『真・運命の記述』に関しては あなたと話し合って決めた予定と実際の出来事に絞って書いているから」 私は机の上に開いていたノートPCの画面を京介に見せながら アプリを起動して一覧にまとめられたデータを表示する。 「日々の献立や栄養、家計とか私たちの体調管理、細かなスケジュールに 関してのことなんかはこっちのPCで集計してまとめているわ。 こういうことは専用のツールでないと状況の遷移とか把握しきれないし」 「……なあ瑠璃。俺が自己管理とかできないやつな理由がよくわかったよ」 「今更そんな泣き言を胸を張って言わないで頂戴。 ……それにこれは私が好きにやっていることだから あなたは気にしなくてもいいのよ」 結局私はこういう作業が楽しいからやっているのだしね。 このあたりはきっとお母さんの影響が大きいのでしょうね。 お父さんはどちらかというと京介に近いくらいおおらかな性格だし。 その甲斐もあって、最近京介が体調を崩したこともないし 様子を見に来た京介のご両親にも安心してもらえている。 彼女としてはちょっと誇らしいことよね。 「付き合い始めた時、瑠璃はしょっちゅう自分が彼女として 十分できているのかって心配していたけど…… こうしてお前とずっと一緒にいると俺の方が心配になってくるよ。 いつかこんなダメ彼氏に愛想を尽かすんじゃないかってな」 「ふふっ、でも、あなたがそんなダメな彼氏だからこそ 私は勇気を出してあなたと一緒に暮らす決断ができたのよ?」 昔の私なら京介にこんなことを言われたら慌てて否定したり 『こんなにしたら重い女と思われてるんじゃないかしら』なんて 思考のマイナススパイラルに陥っていたものだけど。 今ではこうして互いに弱い部分を遠慮なく見せ合えるし それに対する方法も心得ている。気持ちが通じ合っているって実感できる。 さすがに99冊分で培ってきた私たち二人の絆は伊達ではないわね。 「とはいえ、もう少し自己管理できるようになって欲しいものよね」 「へいへい、精進しますよ。ずっと瑠璃だけに面倒を かけさせてしまうわけにもいかないからな、これからは」 「これからは?」 「ああ、だって」 京介はテーブルの上に一通の封書を置いた。 「今朝届いていたんだ、内定通知。 これで無事に卒業できれば俺も来年からは社会人だからな。 もっとそれを自覚してしっかりしていかないと」 「お、おめでとう、京介!今まで就職活動を頑張ってきたかいがあったわね」 「ありがとな、瑠璃。本当、全部お前のおかげだよ。 ここんとこ慣れないスーツ着て、試験や面接受けにいって。 大学受験のときよりプレッシャーがかかって萎縮していた俺を お前が毎日を励ましてくれたからな」 京介の朗報と、そんな京介からの心からの感謝の言葉で 私は天にも昇るくらいの気持ちになっていたのだけど。 「でも、それはそうと……どうして今まで隠していたの? 今朝届いていたというならすぐに教えてくれればよかったのに」 きっとあなたのことだからなにか理由はあるのだと判っている。 でも、少しだけ寂しく思った気持ちがついつい声に出てしまったかしら。 申し訳なさそうに京介は言葉を返してくれた。 「ごめん。まあ、驚かせたかった、ってのもあったけどさ」 京介は頬を指で掻きながら、一度照れくさそうに視線をそらした。 「自分の今の気持ちを素直に伝えられるように時間が欲しかったんだ」 でもすぐに私の顔をまっすぐに見つめて。 「卒業もまだなのに気が早いのかもしれないけどさ。 でも俺たちの『真・運命の記述』もちょうど100冊目になるんだろ? だから今、瑠璃に伝えておくよ」 あなたが時折見せる、惚れ直してしまうような誠実な表情で告げた。 「瑠璃。俺が就職してからも、ずっと一緒にいて欲しい」 「……はい」 私たちの『理想の世界』に至るまでの長い道のりの間には きっとこれからもいろんなことがあって、『真・運命の記述』も 今までの量なんて取るに足りないくらいの冊数になるのでしょうけど。 今日、100冊目という節目の最初の1ページ目に記したことは その中でもきっと大切な出来事になるのでしょうね。 『○16年 7月 18日 ・京介とこれからもずっと一緒にいることを誓い合う』
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157 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 16 36 53.49 ID kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx おはよう。痛みがひいてくれたので今日も頑張れそう さあ、今日は誰に何をするんだ!? ≫160 160 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 16 43 59.89 ID 0znuGSIlo [1/4] 加奈子とデートしてキス(ディープ) 163 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 17 05 49.76 ID kUN63PsFo [14/25] 「これ、もうちょっと親しくなってからの方がいい気がするんだけど……大丈夫かな」 下手したら訴えられちゃうよね、これ。警察官の息子が前科一犯とか洒落にならないよ? しかもあいつには、俺がマネージャーやってたことばれそうなんだよね。 「まあいいや。なんかあったら全力で土下座しよう」 後のことは考えない。それが安価というものだ。 さて、今日は京介とマネージャーどっちで会う? ①京介 ②マネージャー ③いっそ正体をばらす ≫165 165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 17 07 37.43 ID l1t5lFxCo [4/10] 1 166 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 17 16 15.49 ID kUN63PsFo [15/25] 「今日も変装はやめておくか」 後はデートの内容だな。 前会った時、生意気にもエスコートがどうとか言ってたし、一応考えておいてやった方がいいんだろうな。 マネージャーとして会うなら、前のことはなかったものとして振る舞えるから考えなくてもよかったんだろうけど。 「これは安価で決めるか」 ろくに恋愛経験のない俺がいいアイデアを出せるわけないからな。 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx デートってどこ行けばいいと思う? 恋愛経験がないからさっぱりわからん なんだかこの安価がデート成功の鍵を握ってる気がするし、しっかり頼むぜ 加奈子をどこへ連れて行く? ≫169 169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 17 18 22.25 ID KF89iF1F0 川 170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 17 22 13.54 ID RJCe58pn0 川wwwwwwwwwwwwwwww 171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 17 28 40.41 ID 0znuGSIlo ≫169 成功させる気ないだろwwwwww 175 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 17 49 31.69 ID kUN63PsFo 「か……川?」 あまりにも予想外の展開だぜ。水浴びでもすりゃいいのか? これってデートとして正解なんだろうか。俺にはわからないがここは安価を信じるしかねえな。 体よく加奈子との約束をとりつけ、連れだって近場の川へとやってきた。 河川敷もあるくらい大きい川なので、川というよりも河だけどな。 今日の天候は快晴で、じりじりと肌を焼くような太陽光がさんさんと降り注いでいる。 この天気も相まってか、川岸では夏休みに入った小学生たちが楽しそうに水浴びしていた。 ちなみにどこへ連れて行くかというのは伏せて案内した。 いきなり「川へ行こうぜ!」と言っても多分納得してくれそうにない気がしたしな。 こいつの思考回路は、麻奈実寄りか桐乃寄りかで言えば、どう考えても桐乃寄りだからだ。 川に行くなんて言ったら、ふざけんなと怒られそうだったし。 「な~、今日はどこへ連れてってくれんだよ。加奈子もう疲れちゃったんですけど」 「心配すんな。もう着いたよ」 「は? 着いたって……ここ川じゃねーか!」 「おう。川だな」 「川だなじゃねーヨ! 川じゃおめーに何も奢ってもらえねーじゃん!」 やはりか。やはり、俺の誘いを簡単に受けた理由はそこにあったんだな。 「まあ、そう言うなよ。意外と面白いかもしんねーじゃねえか」 「ああん? もしかして、水着持って来いって言ったのは……」 「おまえらもあいつらにまじって泳いでみたらどうかと思ってさ」 と、俺は川岸ではしゃぐ子供たちを指さした。 「ふっ、ふざけんなてめーっ! 舐めてんの!? いくら加奈子がロリ可愛いからって舐めた口きいてっとぶっ殺すぞ!?」 「舐めてない舐めてない。ほら、行こうぜ。ただでさえくそ暑いのに怒ってたら余計暑くなるぞ」 「ひゃっほーう!」 「…………なんだかんだでノリノリじゃねえか」 「ああん? 何か言ったか?」 「いえ、何でもないっす」 川岸に腰掛けていた俺の呟きを、耳ざとく聞き取る辺り、中々油断できない。 だが加奈子もこの暑さにはイライラしていたようで、一度水に入るとそれまでの不機嫌が嘘だったかのように機嫌をV字回復させた。 今では子供に紛れてはしゃぎまわっている。 ちなみに、着替えは河川敷の隅っこ行った。 加奈子は背が低いので、俺がタオルを持っていればそれだけで即席の更衣室になる。 179 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18 10 46.08 ID kUN63PsFo 「あら、歳の離れた妹さんねえ。10歳くらい?」 はしゃぐ加奈子を眺めていると、同じく子供を見ていたおばちゃんに声をかけられた。 「ええ、そうなんですよ。まだまだ子供で」 「そこ! 聞こえてんぞ! 加奈子はこー見えても15だっつーの! あと誰が妹――わぷっ!?」 と、遠くから大声で突っ込みを入れた加奈子だったが、その声は最後まで聞こえることなく途絶えた。 「あれっ? あいつどこ行った?」 先ほどまでいたところを目で探してみるが見当たらない。 今度は範囲を広げて見回してみるがやっぱり見当たらない。 しばらく水面を探してみていると、思ったよりも下流で水しぶきが上がっているのが確認できた。 「ちょ、ちょっとあの子溺れてない!?」 俺に話しかけてきてくれたおばちゃんが叫ぶ。 「ま、まじかよ!?」 「ここ川岸近くは浅くて流れも緩いんだけど真ん中付近は深くて流れも速いのよ!」 おろおろと慌てながらも加奈子が溺れた原因を教えてくれるおばちゃん。 「あの馬鹿! ちっこいのに調子に乗るからだ!」 と、俺は悪態をつきながら川へと飛び込んだ。 「……げほっ…………げほっ」 「気が付いたわ!」 「ふう、何とか助かったか」 ため息とともに、こわばっていた全身の力が抜けたのを感じる。 「よかったわねえ、お嬢ちゃん。お兄ちゃんに感謝するのよ」 「あ…………え? 加奈子どうなったんだ?」 「溺れたお嬢ちゃんをお兄ちゃんが助けてくれたのよ。最初、呼吸してなくて一時はどうなるかと思ったわ」 「すまん。俺が目を離したのが悪かった」 「こ、子供扱いすんじゃねーヨ! ………………助けてくれて……あ、ありがとな」 「おう」 夏休み、四日目。朝パート 安価成功? 182 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 18 19 54.98 ID kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx ただいま。安価は成功?したが、危うく死者がでるところだった じゃあ次行こうか ≫184 183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/07(火) 18 24 32.61 ID 7YmQrDzDO 沙織に告白 184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 18 25 10.67 ID KF89iF1F0 あやせと麻奈実を家に呼んで一緒に飯を食べる その時に間違ったふりしてAVを流す 185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 18 25 24.52 ID Yl+7S7/AO こんにゃくを黒猫の尻の穴に詰め込む 187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 18 48 52.65 ID Wb5N9oTIO 晩飯でAV・・・これで京介の出家は決まったな。 188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 01 42.19 ID /AjnmePgo アニマルビデオかもしれないぞ 189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/06/07(火) 19 06 20.41 ID UvtxlbAT0 A=あやせ V=ビデオ かもしれない 190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 06 53.67 ID KaGfoMTAO 家出が決まったら後は戦闘機のパイロットコースであやせ、黒猫お前達が俺の翼だ!ですね、分かります。 191 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 19 20 37.51 ID kUN63PsFo 「あぶねえ! なんか色々紙一重だ!」 というか安価の前後も結構鬼畜じぇねえか!? そういうのはせめて恋人同士になってからにしてくれ! あやせと麻奈実に電話をし、うちに来てくれるように頼む。 麻奈実は当然、二つ返事で「いいよ」と言ってくれた。ついでに昼飯も作ってくれることになった。 あやせの方は、「麻奈実が昼飯作ってくれるから来ないか?」と言ったら、「それでなんで私を呼ぶんです?と」疑問に思いながらも一応了承してくれた。 「さて、これで下準備はととのったわけだが。俺、AVなんて持ってないんだよね」 秘蔵のコレクションは全部本だし、桐乃から借りてるエロゲはAVとは言えないし。 だが、安価は絶対だ。ないものは調達すればいいだけの話。 俺は麻奈実とあやせが来るまでの待ち時間を活用してレンタルビデオ屋へと走ったのだった。 「お待たせ~」 俺とあやせが食卓で待っていると、調理を終えた麻奈実が料理を運んできてくれた。 当初はあやせも手伝うと言っていたのだが、麻奈実が「いいよ~、あやせちゃんは座ってて」と言って聞かなかったので結局あやせが折れる形となった。 あと、当然ながら両親と桐乃は不在だ。ご都合主義だとかいう突っ込みはなしだぞ。 「「「いただきます」」」 俺と麻奈実とあやせと揃って食べ始める。 「うん。相変わらず美味いな」 「えへへ。ありがとう、きょうちゃん」 「礼を言うのはこっちだよ。わざわざありがとな」 「ううん。気にしないで~」 いつものホッとする味。 こういうのをお袋の味って言うんだろうなあ。 ちなみに、前回の反省を活かしてか、今回のメニューは野菜中心のヘルシーなメニューとなっていた。 これならモデル業を営むあやせでも安心して食べられるだろう。 「ほんとおいしいですよ。お姉さん」 「そう? あやせちゃんもありがと」 あやせにも褒めてもらった麻奈実は、にへら~、と微笑みを浮かべている。 特別かわいいわけじゃないが、見てて飽きないというか、いつまでも見ていられる笑顔だ。 さて、そろそろ安価を実行するのにふさわしい頃合いかな? 「黙々と食うのもあれだし、テレビでも点けるか」 もっとも、我が家ではテレビも点けずに黙々と食うのが恒例となっているんだけどね。 おもむろにリモコンを手に取り、先に“再生ボタン”を押す。 続いて、テレビの電源をONにすると―― <オ、オニイチャン! ダメダッテ! ワタシタチ、キョウダイナンダヨ!? 再生されるAV。 固まる麻奈実。 飲んでいた味噌汁を吹くあやせ。 その味噌汁を真正面から浴びる俺。 「あっちい!」 「きょ、きょうちゃん大丈夫!?」 「お、お兄さん! なんてもの見せてくれるんですか!?」 「ま、待て! 今はそれよりタオルと氷をくれ!」 192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 20 51.36 ID l1t5lFxCo 大丈夫さ。間違えたのなら仕方がない 193 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 24 16.09 ID gy4mmjzW0 AVのチョイスwwwwwwwwwwwwwwwwww 194 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 24 42.65 ID EPzfK3ntP 妹モノキタ―――――wwwwwwwwwwww あやせ阿修羅フラグww 195 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 19 34 26.63 ID n1UTDnzso よりにもよって兄妹物wwwwwwwwww 200 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 20 09 41.94 ID kUN63PsFo 着替えを終え、顔を冷やしながらあやせの説教を正座で聞く俺。 この程度で済んでいるのは、俺が着替えをしている間麻奈実があやせをなだめてくれていたからだ。 麻奈実がいなかったら俺は今頃死んでいたかもしれない。いや、割とマジで。 「桐乃に手を出したらどうなるかあれほど言いましたよね!」 「ま、待て! 桐乃には手を出してねえよ!」 「同じことです! きょ、兄妹でのいかがわしいビデオだなんて!」 「いや、あれは兄妹っていう設定なだけでほんとの兄妹じゃないぞ?」 「そんなことどうでもいいです!」 もはや俺の言葉など聞く耳もたずである。 「あ、あやせちゃん。もう許してあげよ?」 「お姉さんはいいんですか!? お兄さんがこんな変態で!」 俺の言い訳が失敗したと見るや、すかさずフォローを入れてくれる麻奈実さんまじ天使。 「ほ、ほら。きょうちゃんも男の子だし……」 「だからといって、よりにもよって兄妹でだなんて、ありえないです!」 「そ、それは……」 頑張れ麻奈実! 俺の命はおまえの説得の成否にかかっている! 「それは仕方ないんだよ。あやせちゃん」 「えっ?」 「きょうちゃんはね。妹でしかよくじょ~しない変態さんなんだって。だから仕方ないって割り切ってあげて?」 「麻奈実いい! 今おまえは最低の方向へ向かって説得を開始したぞ!?」 「あっ、そっか。……もちろん、ほんとの妹の桐乃ちゃんは大事にしてあげてるはずだからだいじょうぶだよ?」 違う! そっかじゃない! 何もわかってないよ麻奈実さん! そしてこの場合その台詞は意味合いが変わってきちゃうから駄目だって! あやせの雷が落ちるのを覚悟した俺だったが、いつまでたっても雷は落ちてこなかった。 恐る恐る目を開けてみると―― 「……お姉さんはなんでそんなにお兄さんを信じられるんですか?」 なぜか突拍子もない質問をするあやせ。 「えっ? う~ん」 頼むぜ麻奈実。ここが正念場だと思うんだ。 「……きょうちゃんだからかな」 わ、わけがわからん。 これはもう駄目かもわからんね。我が生涯は悔いだらけだ。 だが、意外なことに―― 「……そうですか」 あやせの反応は悪くなかった。 今のどこに納得する要素があったんだ? さっぱりわからん。 「今日はお姉さんに免じて許してあげます」 「お、おう」 「ですが! 次こんな真似をしたら今度は許しませんからね!」 「……はい。申し訳ありませんでした」 一応のお許しは出たものの、これからしばらくの間あやせの説教は続いたのだった。 がみがみとあやせに怒られる俺を、微笑ましそうに見ている麻奈実が印象的だった。 夏休み、四日目。昼パート 安価成功 202 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 20 14 26.47 ID kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx 安価成功したぜ! 幼馴染は許してくれたけど、妹の親友の方はブチ切れてた。当然だな! 最近安価の成功率があがってるよな。この調子でいこう ≫205 205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20 17 59.99 ID kgz/rM2Io 妹にべろちゅー 208 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20 19 35.67 ID ljBVp1wDO ≫205 アナタが神か 209 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20 19 40.59 ID n1UTDnzso ≫205 調子に乗ってる時に爆弾がww 211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20 21 04.31 ID EPzfK3ntP 妹に対する安価行為は激しいのばっかりだwwwwwwwwww 212 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 20 28 00.80 ID fNMIyj090 よーしいいぞ 214 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 20 50 41.67 ID kUN63PsFo 「ふっふっふ。以前の俺なら『絶対無理だ!』と嘆いていたことだろう」 だが、今の俺は違う。俺は学習したのだ。 時と場合によっては、合法的にちゅーができるということをな! 「はははは! 待ってろよ桐乃! まずは川へGOだ!」 「川? 行くわけないじゃん。馬鹿じゃないの? そもそも、もう夕方だし」 ……駄目だった。これで早くも計画が頓挫してしまったわけだ。 せめて加奈子の時みたいに行先を伏せるべきだった……。 残念ながら今の俺には合法的にちゅーにもっていく名案が思い付かない。 下手なことをすれば背後から感じる殺意の波動が牙をむく気がするしな。 「うーん。どうしたもんか」 ………………ピコーン! まさにそんな音が聞こえた気がしたね。 「そうだ! 何も溺れるのは川じゃなくていいんだよ!」 そう――水さえあれば人は溺れることができるのだ! 名案を閃いてしまった俺は、そのチャンスが来るまで努めて平静に今日を過ごした。 「時は来たれり」 まるで黒猫のような言い回しで自らのテンションを高めていく。 やってみて分かったが、これ、自己陶酔するにはもってこいだな。 黒猫があんななのもわかる気がするぜ。 俺はそろりそろりと階段を降りる。 そして、一階のとあるドアの前までやってきた。 「……ごくり」 いいのか? ほんとにやるのか? 俺の中の最後の良心が俺に語りかける。 いいんだ、やるんだ。なぜなら――安価は絶対なのだから。 216 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 21 00 48.59 ID kUN63PsFo なるべく音を立てないようにドアを開ける。 そして、洗面所に辿り着いた俺は、その中にあるもう一枚の扉を勢いよく開け放った。 「桐乃、すまん! ちょっと軽く溺れてくれ!」 「きゃああああああああ!」 今まさに浴槽につかろうとしていた桐乃は大声をあげ、そして―― つるっ。 「あっ」 滑った。 風呂場の壁に後頭部を打ちつけ、力なく浴槽に沈んでいく桐乃。 「うおおおおおい!? 桐乃! だ、大丈夫か!? しっかりしろ!」 慌てて桐乃を抱きかかえ、洗面所へと運ぶ。 胸部が動いているので呼吸はしているようだ。助け出したのが早かったのが幸いしたらしい。 「ぐっ…………め、目に毒だな」 俺は自分の鼻を抑えつつ、桐乃の体にタオルをかけてやった。 「おい! 何があった!」 ここで、さきほどの桐乃の叫び声を聞きつけた親父たちが駆けつけてきた。 「きょ、京介。貴様……まさか!」 「ま、待ってくれ親父! ご、誤解だって! 俺は桐乃が倒れたから助けただけだ!」 倒れた原因は俺にあるんだけどね。 ……後で桐乃には全力で謝っておこう。 「むっ……そ、そうか。でかしたぞ」 「お、おう。後、頼んでいいか?」 「あれ? あんたも怪我したの?」 「……ちょっとな」 その後を親父たちにまかせ、俺は自室へと戻った。 その日の俺は少しばかりティッシュの消費量が多かったが、これはあくまでも中々血が止まらなかっただけで深い意味はないからな! 「あ、あのさ」 「お、よくなったのか。よかったな」 その後、無事意識を回復した桐乃が俺の部屋へとやってきた。 さて土下座でもするかなと、俺が身構えた瞬間思いもよらぬ言葉が飛んできた。 「あ、ありがとね」 「へっ?」 「あたし、どうして自分が意識失ったか覚えてないんだけど……なんか、あんたが助けてくれたんだって?」 どうやら桐乃は気を失う前後の記憶がないらしい。 ホッとしたような、なんか申し訳ないような不思議な気持ちが胸に広がった。 「だ、だから……ありがと」 「お、おう」 「そ、それだけっ!」 そう言い残して桐乃は自分の部屋へと戻って行った。 「……すまんかった」 今はもう俺だけとなった部屋の中で、俺は妹の部屋に向かって頭を下げたのだった。 217 名前: ◆5yGS6snSLSFg[saga] 投稿日:2011/06/07(火) 21 03 11.21 ID kUN63PsFo 名前:兄貴[] 投稿日:2011/07/26(火) xx xx xx.xx ID xxxxxxxxx ごめん、ちゅーまでいけなかった。でも少し妹と仲良くなれた気がする おまえらありがとな! ―――――――――――――――――――――――――――― 夏休み、四日目。夕方パート 安価失敗 夏休み四日目終了 桐乃 +2 麻奈実 +1 あやせ ±0 加奈子 +3 220 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 21 08 10.78 ID 0znuGSIlo 加奈子と桐乃の好感度が順調に上がってるな 222 名前:しおり[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 21 18 33.36 ID P0iOcRxAO 四日目終了時の好感度まとめ 加奈子+4, 桐乃 +2, あやせ+2, 日向 +1, 沙織 +1, 麻奈実+1 佳乃 -1, 黒猫 -2, 堕天聖ェ…… 224 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/06/07(火) 21 28 49.45 ID qYpB/XWoo ≫222 トンデモ安価ばっかなのにほとんど上昇してる不思議
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130 名前:【SS】しすこんぶらこんぱんでみっく!?:2012/12/22(土) 11 58 45.30 ID Ge11C2MB0 クリスマス・イブの帰り道、京介と桐乃はひと山いくらのチンピラっぽい風体の連中に絡まれた。 自分が動かないと、桐乃が何か迂闊なことを口走りそうだ。京介はテンパリながらも作戦を立てる。 一瞬でも注意をひきつけることができれば、桐乃の足に追いつけるヤツはいないはずだった。 ただし、今日みたいに着飾っていなければ。 そこで京介は「ちょっと脱げ」とアイコンタクトを送ったのだが、真意が伝わりきらず「死ね」というアイコンタクトが返ってきた。 「なに、俺たち無視しちゃってんの?」 「一緒に遊ぼうよ~」 自分たちを蚊帳の外におく二人のやりとりをみて、ヤンキーたちは包囲の圧力を狭め、口々に囃し立ててくる。 自分たちに向けて伸ばされる手に京介は叫んだ。 「待て!……俺に触ると、病気が感染るぞ!」 口からでまかせに連中の動きがピタリと止まる。妹まで身を引いたことを京介は極力視界に入れないようにした。 しかし、効果は持続せず、奴らはニヤニヤ笑いながら聞いてくる。 「兄ちゃん、なんの病気だよ?」 追いつめられた京介の頭脳は時にキテレツな答えを弾き出す。この時もそうだった。 「俺の病気は……シスコンだーーっっ!!こいつは俺の妹だ!お前たちに妹はいるか? 俺に触るとシスコンが感染してクリスマスを毎年妹と過ごすことになるぞ!!」 寒い冬の空気が完全に凍った。突拍子もないことを口走った男を気持ち悪いそうに見やりながら、ヤンキーたちは こんな風 ∧,,∧ ∧,,∧ ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧ ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) | U ( ´・) (・` ) と ノ u-u (l ) ( ノu-u `u-u . `u-u になる。 「わけがわからん」 「でも、あいつらが出てきたのって……」 「確かに髪のハネは似ているな」 「髪のハネって遺伝するのか?」 「風呂上がりでも完全に一致するレベルならばあるいは」 話合いの終わった彼らは高坂兄妹に向き直った。その間に逃げればいいのに、何故か二人は律儀に待っていた。 「俺に妹はいねーし」 「つーか、俺たちが触りたいのは妹ちゃんの方だし」 「そんなの絶対おかしーし」 そういってゾンビのごとく桐乃ににじり寄る。京介は妹を身体の後ろに庇い、最終手段に訴えた。 「バーロー!こいつは俺なんかメじゃない重度のブラコンだぞ!!寄るな触るな! 触ったら血の繋がらないアニキでもラブラブになっちまうぞ!お前らの間で(瀬ハ)な関係にハッテンしちまってもいいのかっ!?」 男たちは大変気持ち悪そうな顔をして動きを止めた。普通の人間が咄嗟にこんな妄想を思いつくものだろうか。 そんな不安に駆られたのである。こうなれば京介の独壇場だ。 「いいか、良く聞け。俺のシスコンと俺の妹のブラコンは不治の病だあああああああっ!!!」 変態の放った絶叫が、ビルの谷間にこだまし、クリスマスの星空に消えていくと、ヤンキーたちも逃散した。 京介の叫びを信じたと言うよりも、こんなことを叫ぶ変態のカップルに関わりたくないと思ったのであった。 かくして脅威が消えた。「決まったぜ」と振り返る京介のドヤ顔にこぶしがメリ込む。 「あああ、あんたねぇ!何か迂闊なことを口走るんじゃないかと思っていたけど、まさかここまでとは……ッ」 桐乃の握り拳がワナワナ震える。顔を押さえながら京介は自己弁護した。 「ま、まあまあ、おかげで無事に済んだだろ?」 「っさい!あたしのブラコンは病気じゃないっつーの!……ハッ」 桐乃はあわてて口をつぐんだ。そんな妹に兄は威厳をもって鷹揚に言ってやった。 「俺のシスコンだって病気じゃねえよ」 「……病気じゃなかったらなんなの?」 ちょっと上目遣いで桐乃は問いかけた。京介はナイススマイルで即答する。 「人生、だな」 「キモ」 ブラコンはジト目で短く漏らした。高度に発達した8ビットシスコン脳で「キモ」を256通りに翻訳できるシスコンは腕をさしだす。 二人は寄り添って、同じ方向に歩き出す。 これからの人生を示すように―― ----------
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このページはこちらに移転しました 好きなもの 作詞/220スレ639 作曲/220スレ670、あしがる 好きな食べ物なんですか? 栗が好きです 大好きです 好きな動物なんですか? リスが好きです 大好きです 栗とリスが大好きさ 栗とリスが大好きさ 栗とリスが大好きさ 栗とリスが大好きさ!! 「らめぇえええええええ」 音源 好きなもの(220スレ670ver メロ入り) 好きなもの(220スレ670ver メロなし) 好きなもの(220スレ670ver 歌:夢乃サキ) 好きなもの(あしがるver)
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――――放課後 梓「純が入部して、一ヶ月たったけどどう?」 純「うーん・・・よく喋りはするけどあまりアプローチとかできてないかも・・・」 梓「そっかー。・・・・今日部活終わりに二人でどっか行けば?」 純「えぇ!?急すぎない!?」 梓「急ってもう一ヶ月も経ってるよ・・・」 純「・・・わ、分かったよ誘ってみるよ・・・」 ――――部活終了後 律「はぁー終わったぁー!!よし!じゃあ帰るか皆の衆!」 唯「うーさぶいよぉー外出たくないよぉー動きたくないよう・・・」 律「じゃあお前はずっとここにいるつもりか!・・・帰るぞー澪、ムギ!」 澪「あ、ああそうだな」 純「あ、あの!み、澪先輩!」 澪「な、なんだ純?」 純「きょ、今日これから空いてますか?」 澪「・・・あぁ、今日は特になにもないが。どうした?」 純「わ、私昨日おいしいケーキ屋さん見つけたんです!い、一緒に行きませんか!?」 澪「あ、ああ大丈夫だ。でもあとのみんなは・・・」 純「たまには二人で喋りたいこともあるんです!さ、行きましょ!」ピュー 澪「あ、お、おいまてよ純!」タッタッ 唯「仲がいいねぇー♪でもなんで二人なんだろ?私も行きたかったなぁー」 紬「たまにはベーシスト同士で話したいこともあるんじゃない?♪さ、私達も帰りましょ♪」 梓「あ、はい!(GJ私)」 唯「ほらりっちゃんも行くよー!」 律「・・・あ、ああスマンスマン!今行く!」 唯「私達も帰りどっかよってくー?」 紬「あ、いいわねそれ♪」 梓「どこにいくんですか?」 律「・・・スマン、私用事あるから帰るわ!弟がゲームしようってうるさくってさー」アハハ 唯「そうなの?じゃあ私達は楽器屋さんみて帰るからじゃーねー!」 梓「勝手に決めないでくださいよ・・・」 紬「まあ楽しかったらいいじゃない♪」 唯「そろそろピック買わないといけないんだよねー」 ワイワイガヤガヤ 律「・・・」 ――――ケーキ屋さん 澪「うむ・・・コレはなかなか美味いな」モグモグ 純「ですよね!一回だれか連れてきたかったと思ってたんですよー!」モグモグ 澪「でもなんでまた私なんだ?唯とか律の方がもっと喜んだと思うぞ?」 純「そ、それは、あのー・・・・・・そ、そう!同じベーシスト同士気が合うかなーと思ったからです!」 澪「そ、そうなのか・・・?まあ美味しかったし、きてよかったよ。ありがとうな純」 純「!ドキッ・・いえいえ!こちらこそ・・・///」 澪「ここは梓達と来たことあるのか?」 純「い、いえいえ!澪先輩が始めてです!み、澪先輩と行くためにが、頑張って探したんです・・・//(言っちゃったー!)」 澪「そっ、そうか・・・///ありがとな純」ニコッ 純「・・・///(澪先輩ズルいよぉ・・・///)」 ――――翌朝 梓「純、昨日どうだった?」 純「あー・・・澪先輩が可愛かった」 梓「・・・あーそう。で、なんかアピールできた?」 純「出来たような出来てないような・・・・・び、微妙?」 梓「微妙ってなに・・・。まあ純楽しそうみたいだったし、良かったじゃん」 梓「!・・・あ、ああ、今のでなんか楽しそうだなーってお、思ったからさ(心配でつけてたなんていえない・・・)」 純「でもありがとうね梓」 梓「な、なにが?」 純「いや、色々アドバイスなんかくれてさ、ホント助かってるよ」 梓「私はただ案を出してるだけだよー。実行するのは純だしさ」 純「・・・そう言ってくれると嬉しい」 梓「・・・・・で、告白はいつするの?」 純「えー!?梓気が早いよぉー!」 梓「でも早くしないと、三年生卒業しちゃうよ?」 純「そうだけど・・・告白とかまだ考えてないよぉー」オロオロ 梓「善は急げって言うでしょ。そんな気持ちじゃ本当に卒業しちゃうよ?」 純「・・・ま、まあ考えておくよ」 ――――部活終了後 唯「やっと一日が終わったねー」グテー 梓「まだ全然終わってないですよ・・・晩御飯も食べないんですか?」 唯「そうだね!憂がちゃんと作ってくれたんだから食べないとだね!」 紬「さあ帰りましょう?♪」 澪「そうだな。帰るか・・・(純、今日は誘ってくれないのかな・・・)」 律「あ、純!今日今から大丈夫か?」 純「あ、まあ空いてますよ?」 律「ちょっと話したいことがあるから喫茶店にでも行こうぜ?」 純「ま、まあいいですけど・・・」 律「よし!じゃみんなまた明日なー!行くぞじゅーん!」タッタッ 純「ちょ、ちょっと待ってくださーい!」タッタッ・・・ 唯「純ちゃんはモテモテだねぇ」 紬「まあ色々あるのよ♪」 梓「さ、私達も帰りましょう」 唯「そうだね!・・・さ、行こうよ澪ちゃん!」 澪「・・ん?あ、ああ行こうか。」 澪(律と純、なんの話なんだろう・・・) ――――とある喫茶店 純「で、話ってなんなんですか?」 律「あ、ああ・・・言っていいか?」 純「まあ、いいですけど・・・」 律「お前、澪のこと好きだろ?」 純「なっ・・・!!!///」カァ 律「やっぱりなー」アハハ 純「どっ・・・どうしてですか///」ドキドキ 律「お前は澪と話してる時だけ全然いつもと違うし、昨日の不自然な誘い方、誰が見たってそう思うよ」 純「う・・・///(もっと慎重に行けばよかったかも・・・)」 純「り、律先輩も好きなんですか?・・・み、澪先輩の事こと・・・」 律「ん、私はそんなんじゃねぇって!確かに澪は幼馴染で好きっちゃ好きだけどさ、恋愛的な目では見れないよ」 純「よ、良かった」ホッ 律「なんでだ?恋のライバルが減ってそんなにうれしいかー?」ニヤニヤ 純「まあそれもありますけど、私ずっと律先輩は澪先輩のこと好きだって思ってましたから」 律「ねーよ!きにすんな!・・・で、告白はしたのか?」 純「ブッ!!・・・ま、まだですよ!///」 律「じゃあいつするんだ?もう少しで私達卒業しちゃうぞ?」 純「ま、まあそうですけど・・・・・・どうしたらいいんでしょう」 律「うーん・・・・・・よし!お前明日告白しろ!」ビシッ 純「ええー!?明日ですかぁ!?」 律「大丈夫だって!最近澪といい感じだし案外行けるかもよー?」ニヤニヤ 純「そ、そうですかぁ?・・・///」 律「傍から見ればな!」アハハ 純「んー・・・・でもなんて言えばいいか・・・」ハァ 律「そんなの自分の想いを全部言えばいいんだよ!「好きです!」って!簡単だろ?」ニヤニヤ 純「は、恥ずかしいですよぉ・・・///」 律「大丈夫だって!じゃあ明日楽しみにしてるからな!」 純「え、えぇ~・・・//」 ――――翌朝 梓「えっ、告白しちゃうの!?」 純「う、うん・・・律先輩も早いほうがいい!って・・・」ハァ 梓「(昨日の話はそれだったのか・・・)まあ、いいんじゃない?きっと大丈夫だよ!」 純「梓が思うよりずっと緊張するんだよー!?」 梓「アハハ!ゴメンゴメン。でも純最近澪先輩とよく喋るし、唯先輩とかよりは緊張しないんじゃない?」 純「うぅ・・・分かんないよう・・・でも緊張はする」 キーンコーンカーンコーン 梓「じゃあ部活終わったら二人にさせてあげるから、頑張ってよ!」 純「う、うん・・・//」 ――――部活終了後 律「よーし帰るかー!」 梓「あ、そうそう律先輩澪先輩、私昨日おしゃれな服屋さん見つけたんです!一緒に行きませんか?」 唯「うん、いいねえ!私キーホルダーかいたーい!」 律「服屋にキーホルダーはないと思うぞ・・・まあ、梓が行くなら一緒に行こうかな」 紬「私も行きたいわ♪」 梓「じゃあ行きましょうか♪(みんな乗ってくれて良かった)じゃあ澪先輩、純、また明日ね」 律「明日なー!」 澪純「う、うん・・・」 バタン 澪純「・・・」 純「・・・///(やっぱり恥ずかしいよお//)」 澪「・・・皆行っちゃったな・・・(また二人きりだ・・・//)」 純「は、はい・・・//」 澪「か、帰るか!」 純「ち、ちょっと待ってください!」 澪「な、なんだ?」 純「あっ、ああああああの!わ、私!」 澪「う、うん・・・」ドキドキ 純「私・・・澪先輩のことが・・・」 澪「・・・//」ドキドキ 純「す、好きなんです!///(い、言っちゃった!////)」カァ 澪「・・・・えぇ!!?///」カァ 純「あ、ああのあの、m、もしよければ・・・お、お付き合いさせてください!」 澪「ち、ちょっとままままって///だ、だってわ、私女だし・・・//」カァ 純「やっぱりだめですか・・・?」シュン 澪「だ、ダメっていうか、ま、まさかそんなこ、こと言われるなんて思ってなかったし・・・」 純「ど、どうかよろし、しくおねがいします!」ドキドキ 澪(純は確かにいい後輩だし、同じベーシストとしてとても分かり合える存在だった・・・だけど、そんな恋愛的な目で見たこともなかったしどうすればいいんだろう・・・//でも純は勇気を出して伝えてくれたし、それに応えないといけないのかも・・・)オドオド 純「・・・じ、実は軽音部に入ったのも、澪先輩がいたからなんです・・・///」 澪「ええ!?私のせいでジャズ研まで辞めて・・・」オロオロ 純「ぜ、全然澪先輩のせいだなんて思ってませんよ!でも、澪先輩がそれだけ私の中でそれだけ大きい存在だったってことは確かです!」 澪「えっ・・・///」 純「確かに最初は同じベーシストとして、羨んだり、いつか澪先輩みたいになりたい!ってずっと思ってました」 純「でも、それがだんだん『澪先輩と一緒に演奏したいなぁ』とか『澪先輩と色んな事をして、色んな所に行きたいなぁ』なんて思ってたんです。贅沢ですよね私って」 純「でも分かったんです。これは恋だって」 澪「・・・」 純「澪先輩が嫌なら無理矢理にとは言いません。もし無理だったら、きっぱり諦めます」 純「私はただ私の想いを伝えたかったんです!それが迷惑なら謝ります・・・」 澪(純は今までこんな想いを抱いていたんだ・・・私はそんなことも知らずにずっと生活してきた・・・確かに私も純にドキッとしたこともあった・・・でもそれは恋なのかな、恋なんてしたことないから分からない・・・でも私は純の想いに応えたい・・・!) 澪「・・・よし!」 純「・・・(どうせ断られてもキッパリ諦めて軽音部を辞めるだけだ。怖くなんかない)」 澪「純、私はお前の想いに応えてみることにする。」 純「・・・・・えっ」 澪「私は正直純を恋愛対象としてみたことがなかった。でも確かに純にドキッとしたこともあった・・・//」 澪「私は純に恋をしているのかは分からない」 澪「でももしそうだとしたら勇気を出してくれた純に失礼だし、私が一番悔やむと思う。だから純、お前の気持ちに応えてみるよ。」 純「ほ・・・本当ですかあ!?」 澪「ああ。これからもよろしくな純」ニコッ 純「・・・はい///」 純(えーっ!正直断られると思ったからこの先の展開なにも考えてないよう・・・ど、どうしよう///) 純「あ・・・あの!」 澪「な、なんだ?///(恥ずかしい//)」 純「てっ、手、繋いでもいいですか!?//」カァ 澪「あっ・・///ああ!いいよ」ギュッ 純「(澪先輩の手あったかい・・・大きい・・/)」 純「あっ、あの・・・!」 澪「なんだ?」 純「これからもよろしくおねがいします!」ニコッ end ――――Another story 梓宅 梓「へぇ・・・オッケーもらったんだぁ」カチカチ 梓「ま、純にしては良くやったほうかな」パタン 梓「これからもこの関係でいてくれたらいいんだけどね」ヴーヴー 梓「ん、メールだ。『今日は楽しかったよ!今度は二人でお出かけしようね!』だって。アハッかわいいなあ『唯』は」カチカチ 終わり 戻る