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~~しばらく経って 京太郎「うーん……」 初美「目が覚めちゃいました?」 京太郎「ああ、もう大丈夫です。動けます」 初美「そうですかー。それは何よりです」 京太郎「今何時くらいですか?」 初美「ちょうどお昼ですね。今お昼ご飯持ってきますよー」 京太郎「そんな、もう動けますから大丈夫ですよ!」 初美「……そうですかー?なら一緒に行きましょう」 ーー食堂 初美「おばちゃん、カレーくださいなー」 おばちゃん「あいよー。初美ちゃんも大変だねぇ」 初美「いえいえ、これも仕事ですから。半分好きでやってる事ですし」 京太郎「……カレー?」 ーー姫の部屋前 初美「姫様ー?お体の具合はどうですかー?」コンコン 小蒔「あたま いたい です……」グスッ 初美「調子に乗り過ぎですよー。神事にも差障ってるんじゃないですかー?」 小蒔「おっしゃる通りです……入ってきてもらっていいですよ」 ガチャッ 初美「それでは遠慮なく。京太郎さんも来てますよー」 京太郎「こんちわー……」 小蒔「えぇぇ!?居るなら居るって先に言ってくださいよぉ!」 京太郎「あの、なんかすいません」 小蒔「いえ全然!全然大丈夫ですよ!っいたた……」キーン 初美「それじゃ、これ持ってきましたから。食べましょう」 小蒔「うっ、この匂い……カレーですか!?」 初美「そうです。嫌いな人はほとんど居ないというあのカレーですよー」 小蒔「え、遠慮したいです」 初美「駄目ですよー。飲み過ぎる方がいけないんです」 京太郎「えっ、このカレーそんなにヤバイ奴なんですか」 初美「いーえ。ただ単に香辛料が多めの辛口ってだけですよー」 小蒔「辛いってレベルじゃ……!」 初美「議を言うなっ」スッ 小蒔「むっ……!?」パクッ 小蒔「かっ、からっ、辛過ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃlぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!お水!お水!」 初美「はい牛乳ですよー」 小蒔「っ!」バシッ ゴクッゴクッゴクッ…… 京太郎(めっちゃ喉鳴らしてる……そうだこれアレだ、ビールのCMだ) 小蒔「っぷはー……し、死ぬかと思いました」 初美「その様子だともう大丈夫みたいですね」 小蒔「はい。ですからこのカレーは」 初美「もったいないので全部食べてもらいますよー」 小蒔「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」 初美「まぁまぁ。牛乳のおかわりは自由ですから。それに京太郎さんも手伝ってくれますよー、多分」 京太郎「えっ!?」 小蒔「手伝ってくれるんですか……?」ウルウル 京太郎「……はい」 ~~カレー食後 小蒔「も、もふはめ……辛ひ……」 京太郎「まともに喋れなくなるかと思った……!」 初美「はい、お粗末様でしたー」 小蒔「もう辛いのは嫌です……お酒なんかもう飲みません」 京太郎(嘘だな) 初美(嘘ですねー) 初美「姫、神事の予定が詰まってますよー」 小蒔「……今日はどこでしたっけ?」 初美「種子島宇宙センターです。今度飛ばす宇宙船の安全祈願ですよ」 京太郎「へぇーっ、そういうところでも神頼みする時ってあるんですね」 小蒔「どれだけ科学が進歩しても、やっぱりどうしようもない部分はありますからね。そういう時に神頼みって便利なんですよ」フラフラ 京太郎「宇宙かぁ……」 初美「……京太郎さんも行ってみますー?多分行くだけになっちゃいますけど」 京太郎「いいんですか!?」 小蒔「もちろんですよ!是非是非、鹿児島が誇る宇宙技術の結晶を見て行ってくださいっ」 京太郎(これは……こっちに来て初めての役得かもしれない) ーー種子島宇宙センター 京太郎「すっっっっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!宇宙ステーションの日本棟の実物大があるー!」 『星はガス雲が集まって回転し、引力を増すことで段々と巨大化し形成されていくのです……』 京太郎「うわっなにこれなにこれ実験できんの!?薄墨さーん!小蒔さーん!こっちこっちー!実験できますよー!」 小蒔「ちょっと、予想以上に、テンション高い、ですね……」ゼーゼー 初美「男の人は、宇宙とか、技術に、弱いですからねー……」ゼーゼー 小蒔「まぁでも……無邪気過ぎて、ちょっとかわいいですね」 初美「お気持ちはよくわかりますー。これが母性って奴ですかねー」 京太郎「宇宙すげえええええええええええええええええええええええええええ!あっ打ち上げシアターがある!」 ーー神社 京太郎「あー楽しかったー!ホント連れてってくれてありがとうございました!」 小蒔「そ、それは何よりです……」 初美「元気ハツラツすればあんなに動けるんですね、京太郎さんって」 京太郎「宇宙かぁ、いいなぁ」 霞「麻雀にも宇宙ってあるんですよ?」 京太郎「岩戸さん!?……一体どこから」 霞「神社からです。それよりも、麻雀卓が宇宙と同一である……という話は聞いたことがありますか?」 京太郎「いえ、全然」 霞「古来、大きな自然としての宇宙観を卓上に表したのが麻雀だったって言う説もあるくらいですから。結構関係あるんですよ?」 京太郎「へぇー……じゃあ咲とかは引力でも持ってるんですかね」 小蒔「引力……?」 京太郎「あ、いえ何ていうか。あいつ嶺上開花やたら出来るじゃないですか。能力って言うのかな」 京太郎「卓が宇宙なら牌は星で、牌を引きつける人の力は引力なのかなって。……俺何言ってるんですかね」 霞「いえ、面白いと思いますよ」クスッ 京太郎「あーやべーなんか今すっごい恥ずかしいこと言っちゃった気がする!」 初美「録音はしてませんが、記憶の中にしっかりと肉声で残しましたよー。事あるごとに使わせてもらいますー」 京太郎「やめてください!お願いします!」 小蒔「卓が宇宙で牌が星なら……牌を引きつける人の力は引力なのかな、って」キリリッ 京太郎「神代さん!」 初美「あはははははははははははは!今日から京太郎さんは須賀☆→引力←☆京太郎に改名ですねー!」 霞「ええ、本当に、面白いと、思うわ……」プルプル 京太郎「言うんじゃなかった……」 初美「それじゃあ私達はもう休みますけど……勝手に引かれあったりしないで下さいねー……」プルプル 京太郎「しませんよっ!」 小蒔「い、引力……」プルプル 京太郎「ちくしょう皆して!」ダッ 京太郎(もう早く寝ちまおう……でも種子島宇宙センター、楽しかったなぁ。鹿児島に来てよかった) 小蒔「本当ですか!?」 老巫女「はい。姫をお産みになった母上様の元に現れ、母上様のお気を違えさせてしまったものと同一のものです」 老巫女「おそらくはご先祖様が過去に祓いそこなった低級の霊の寄せ集めでございましょうが、ここまで強大になっているとは」 小蒔(そんなものを……私、祓えるんでしょうか) 老巫女「姫はまだ若い御身、お世継ぎも御産みになっていらっしゃらない。無理をすることはありません。ここはこの婆に任せてください」 小蒔「どうするのですか?」 老巫女「私共梵百の器でも数百使い潰せば、封じることくらいは叶いましょう……」 小蒔「ダメです!」 老巫女「姫……」 小蒔「誰かを犠牲にした祓い方など認められません!……私がやります」 老巫女「何とお心の広い……!この婆、残り少ない命も姫のために使わせていただきます」バッ 小蒔(どれだけ怖くても、神代である私がやらなきゃ。そうですよね、母上……!) ーー客室 初美「引力太郎さーん、朝ですよー」 京太郎「そんな名前の人は居ません」 初美「あれ?思ったより気にしてます?」 京太郎「自分の黒歴史の10分の9をさんざっぱら煽られたらこうもなろう!」 初美「それは申し訳ないですー。悪かったですから朝ご飯食べに行きますよ、京太郎さん」 京太郎「……ゴチになります」ゴソッ ーー食堂 初美「というわけでご飯ですよー。はいご飯」 京太郎「随分器が大きいんですね」 初美「今日は鶏飯ですからー」 霞「あら、今日は鶏飯の日だったの」 京太郎「鶏飯?」 霞「あそこに色んな具材が乗ってるお皿がありますよね?」 京太郎「はぁ」 霞「ご飯の上に具材を好きなだけよそって、熱々の鶏がらスープをかけて食べるんですよ」 京太郎「好きなだけ!?」 初美「好きなだけですよー」 京太郎「うへぇ、朝から随分豪快っすね」 初美「ここでは朝から体力使いますからねー、しっかり食べておかないと。ほら向こうの姫なんか」 京太郎「?」チラッ 小蒔「おばちゃんおかわり下さい!」ガツガツガツガツ おばちゃん「はいはい。……ほんに小蒔ちゃんは食べるときはよーけ食べるねぇ。太るよ?」 小蒔「太りまっ……せん!カロリー使いますから!」ガツガツ 京太郎「……oh」 初美「姫様ー、京太郎さん来てますよー?」 小蒔「はっ!?」バッ 京太郎「ハハ……どうも」 小蒔「おはようございます、今日もいい天気ですね」ニッコリ 小蒔「……じゃなくって!だから先に言って下さいって言ってるじゃないですかー!」 初美「わき目も振らずに食事してたのが悪いんですよー」 小蒔「い、嫌ですねはっちゃんったら!き、今日はもうお腹いっぱいかなー!あはははは……」 京太郎「いや小蒔さん、俺に気使ってもらわないでいいっすよ?……ほら、おかわり来ましたし」 小蒔「お願いだから弁解のチャンスを下さいぃぃぃ……普段はこんなに食べないんです。でも今日は大きな神事なんですよぉ」グスッ 京太郎「神事ってそんなに体力使うんですか?」 初美「普通の人ならそこまででも無いですけど、姫は何分特別な生まれですからね。色々神経を擦り減らすというか」 京太郎「なるほど……」 小蒔「そうなんです。仕方なく食べてるんですよ」パクパク 霞「ここで耳寄り情報。小蒔ちゃんは小さい頃から鶏飯大好きなんですよ」 小蒔「霞ちゃん!確かにそうだけどこの場でそれ言ったらなんだかとっても誤解されそうですよ!?」 京太郎「ハハハ……」 小蒔「ほらぁ京太郎さんもう完全に食いしん坊さんを見る生暖かい目をしてるじゃないですか!私の事はいいですから、みなさんご飯食べてくださいっ!」 初美「……姫、鶏肉・しいたけ・紅ショウガ・海苔・ネギの黄金比って何対何でしたっけ?」 小蒔「私個人の意見としては5:2:1:1:1ですね。」キリッ 京太郎「へー」 霞「ね?本当に好きなんです。びっくりするくらい」 小蒔「スープは…………ってもうもうもう!何言わせるんですか!ごちそうさまでしたっ!」 小蒔「うわーん!」ダダダ バタンッ 京太郎「あ、行っちゃった」 おばちゃん「小蒔ちゃんは朝から元気ねぇ」 初美「それじゃあ、私達もいただきましょうか」 京太郎「そっすねー」 霞「……私は6:0:1:1:2かしら」ボソッ 京太郎「?」 霞「何でもないですよ~?」ニコッ ~~朝食終了後 京太郎「ご馳走様でした」ゲプッ 初美「お粗末さまでしたー。京太郎さん、今日はどうするんですかー?」 京太郎「うーん、特に予定無いんですよねー。ノリだけでここに来たし」 霞「それもそうですねぇ……」 初美「じゃあ観光ですねー。案内しますよー」 京太郎「お世話になってばっかりで申し訳ないっす」 霞「いいんですよ。初美ちゃん、誰かのお世話するの大好きなんですから」ヒソヒソ 京太郎「へー……」 京太郎(人は本当に見た目によらないんだなぁ……) 初美「……今失礼なこと考えませんでしたぁ?」 京太郎「いえ何も!」 初美「ならいいですけど。鹿児島城跡に行きますかー」 霞「あ、それはいいわね」パンッ 京太郎(城跡かー……) 初美「ふっ、京太郎さんの考えていることは手に取るように分かりますよー。城跡とか見ても何にもオモシロクナイと思ってますねー?」 京太郎「えっ!?」 初美「確かに普通の城ならそうでしょう。普通の人ならそうでしょう。が、しかし!私達と一緒に行く鹿児島城跡に関してはその認識、覆ることになりますよー」 京太郎「やけに自信あるんですね……」 霞「ふふふ……だって京太郎さん、男の子ですもの」 京太郎「?」 ーー鹿児島跡・黎明館 春「殿、生きて帰られよ!あなたは薩摩を……民草を治めるべきお方……!」 春「最早このような戦に加担する理はありませぬ!世が如何に変わろうと島津には島津の道というものがあることを、殿は御存知の筈でございます!」バタッ 春「ならぬっ!貴様もっ、貴様も帰るのだ!おまんらを見捨てて、おいにおめおめと逃げ帰れともんすか!」 春「殿。おいどんら誰一人として犬死するつもりなどなか。じゃっどん、例え生き残ったとしても……皆、殿が居なければこの浮世、生きる甲斐がなかとですたい!」 春「おいどんらが生きるには、まず殿に生きて帰ってもらわにゃいかんのです。わかってくんせ」 春「くっ…………必ず、必ず生きて帰れよッ!」バッ 春「…………行ったか」 春「これで一安心じゃあな。後はおいどんらの武者働きにかかっとるたい。……なぁ、ええ殿じゃったなぁ」 春「おうよ。あんなお人良しに仕えられたんは至上の誉れぞ、喜びぞ!」 春「こん捨て肝、絶対生き残らせちゃる」 春「殿をか?」 春「殿も、俺も、お前もじゃ!」 春「ハハハハッ!そがんごつ言わったらようよう死ねんなぁ!」 『射ち方ー、始めー!』 春「……死ぬなよッ!」 春「……応!」 霞「こうして、多数の討死者を出しながらも敵陣の中央を突破した島津は見事、80人の部下を連れて本国への帰還を成功させたのでした……」 京太郎「くっ……」ポロポロ 初美「いつ聞いてもいい話ですねー」ホロリ 霞「……京太郎さん?どう思いました?」 京太郎「臣下の身を案じる殿も゛、殿を守りながら゛、ざいごまでっ、いぎようどずる、臣下も゛、がっごいいど思いま゛しだ……!」ブワッ 霞「そうですね、誰一人として生きることを諦めなかったからこそ、この作戦は成功したんですものね」 春「……疲れた」ポリポリ 霞「はい、お疲れ様でした。……にしても、いつもながら迫真の演技ねぇ。不覚にも私もちょっと涙腺に来てしまったわ」グスッ 京太郎「うっ……うっ……」 初美「男の人ってホントにこういう話弱いですよねー」 霞「戦場は男の花道ですもの、今も昔もね」 春「バトルが好きなんだよね、要は」 初美「ですねー。ほら京太郎さん。ほかにも展示はありますから、次行きますよー?」 京太郎「はい゛……!」 ~~夕方 ーー神社 京太郎「いやぁ、感動した!島津すげぇ!鹿児島すげぇ!おいどん感動した!」 初美「気に入っていただけたようで何よりですよー」 霞「もう京太郎さんも立派な薩摩隼人ですね」クスッ 春「ちょっとナヨいけどね」ポリポリ 小蒔「……」フラフラ 京太郎「あ、神代さん」 霞(あら、あの歩き方は) 初美(私達が観光に行ったのを誰かから聞かされたけど自分は仕事だったししょうがないよねと思ってしゅんとしていたら部屋に置いてあった焼酎に目が留まって少しだけ手を出した、ってとこですか。治るのは早そうですけど、絡むのはヤバイですねー) 春「……戦略的撤退」バッ 初美「祖母上ー、料理手伝いますー」タタタ 霞「お守り作らなきゃ……」パタパタ 京太郎「……アレ?皆さん?」 小蒔「きょーたろーしゃぁん?ろぉーこに、いっれらんれすかぁ!?」 京太郎(酔ってる!?) 小蒔「ろこに、いっれらんれすかぁ!」ユサユサユサ 京太郎「か、鹿児島城跡に……ちょっ揺らさないで下さいヤバイヤバイマジで」 小蒔「鹿児島城跡……皆と行ったんれすかー?」 京太郎「ハ、ハイ。案内してもらいました」 小蒔「いいなぁ、いいなぁ!皆いいなぁ!さぞや楽しひったれしょーね!春ちゃん演技上手いですし……」 小蒔「わらひなんて一日中びみょーに汗臭い中れ祝詞唱えてらんれすよぉ!?きょーたろーしゃん達が観光してるあいらずーーーーーーっと!」 京太郎「お、お疲れ様です」 小蒔「みんなずるいれすぅ……ずるすぎれすよう……しょーがらいれすけどぉ……でも、わらひだって、きょーたろーしゃんと」ウルッ 京太郎(今度は泣いた!?) 小蒔「うぇぇぇぇぇぇぇ……」ポロポロ 京太郎「えーと……あっ!じゃあアレです!今から二人で散歩でも行きましょう!」 小蒔「……え?」パチクリ 京太郎「……へ?」 小蒔(京太郎さんと?私が?二人っきりで?お散歩?) 京太郎(なんでいきなり素に戻ってるんだ?) ーー神社の近く・星の見える道 京太郎「……」 小蒔「……」カァァ 京太郎・小蒔「「あのっ」」 京太郎「あ、神代さんから先に」 小蒔「京太郎さんからお先にどうぞ!私はその、お酒が抜け切っていないので……」 京太郎「そ、そうですか?えーと……今日はお疲れ様でした」 小蒔「あ、ありがとうございます。あのっ、さっきのは忘れてください!私どうしても酒癖が悪くて……飲んじゃダメだとは分かってるんですけど」グスッ 京太郎「ハハハ……分かりました。忘れます」 京太郎「……にしても、星綺麗ですねぇ」 小蒔「はいっ。実はここ、私の秘密の場所なんです」 京太郎「秘密の場所?」 小蒔「子供の頃、初めて降ろしてもらう時に怖くなって……家を逃げ出したことがあったんです」 小蒔「その時の野宿の場所だったんですよ、ここ。結局すぐ捕まっちゃったんですけど」 京太郎「へぇー……神代さんでも逃げちゃうくらい怖かったんですね」 小蒔「やっぱり自分の中に別のものが入ってくるっていうのは、今でも少し怖いです。私、あんまり我が強いほうじゃないですから」 小蒔「それからも怖い事が何回かあって、その度にここで一人で泣いてたんです」 京太郎「……でも、もう使ってないんですよね」 小蒔「霞ちゃん達が居てくれますから。でも、今日みたいに友達との時間が取れないと……やっぱり、段々疎遠になっちゃうのもしょうがないんですかね」シュン 京太郎「そんなことないですよ!」 小蒔「……え?」 京太郎「あ、えーとですね……俺も中学の時はかなり一緒に居たんだけど、部活の関係で高校の時から離れる時間が多くなった幼馴染がいて」 京太郎「でもそいつとは今でも親友っていうか……まだ惹かれあってる、って気がするんです」 小蒔「引力、ですか?」 京太郎「そうそうそれです!友達との付き合いって時間とかそういう物理的な事が重要なんじゃじゃなくて……お互いがお互いを信じる思いの強さが引力になると思うんです」 京太郎「そんでもって一旦力が働けばホラ、あの星とあの星みたいに、どんなに遠くに離れたところに居たって引力は0じゃない。ちゃんと作用するんですから!」 京太郎「だからお互いの事を信じられれば、どんなに遠くに行ってもまた惹かれ合えるかなー……と。だから永水の皆は疎遠にはならないって言うか、えーと」アタフタ 小蒔「その話……今急ごしらえで考えましたね?」クスッ 京太郎「す、すんません」 小蒔「でも、ありがとうございます。ちょっとだけ励まされました。……京太郎さんは、私との引力ーー感じてくれていますか?」 京太郎「勿論ですよ神代さん!だって……」 小蒔「小蒔、です。神代小蒔」 京太郎「え」 小蒔「出来れば……小蒔、って呼んでもらえませんか?」 京太郎「いや、それは、えーと」 小蒔「……」 京太郎「こ、小蒔……さん」 小蒔「はい、京太郎さん。私もーーあなたとの引力、感じられる気がします。これからも、末永く宜しくお願いしますね?」ニコッ 京太郎「俺が出来る限りのことはやらせていただきますっ!」 小蒔「ならーーもしも私が遠くに行って、困ってしまうことになったら、追いかけてきてくれますか?」 京太郎「そのくらいお安いご用ですよ!24時間365日電話一本で迎えに行きます」 小蒔「北海道でもですか?」 京太郎「そのくらい、電車乗り継いで行きますよ」 小蒔「遠い国でもですか?」 京太郎「パスポートとって飛行機で飛んで行きます。たぶん、他の皆も同じ事すると思いますよ」 小蒔「じゃあ、あの星でも……?」 京太郎「……星?」 小蒔「私が、天の上に登ってしまっても……会いに来てくれますか?」 京太郎「そうですね、その時は」 京太郎「……種子島からロケットにでも乗って、お迎えに行きますよ」 小蒔「京太郎さんっ!」ギュッ 京太郎「わっ!?……こ、小蒔サン?急に抱きつかれるとその、月並みですけど柔らかいモノがですね」 小蒔「まだ数日しか親しくしていないあなたにこんなこと言うのは不自然かもしれないですけど、でも……」 小蒔人の繋がりは時間じゃ決まらないって。どんなに長い間会えなくても、遠く離れても引力で繋がってるって」 小蒔「あなたがそう言ってくれたから。だから、私も言えます」 小蒔「ありがとうございます、京太郎さん。私、あなたに会えて、本当に良かった……!」 小蒔「私はもう、怖くないです。何も……」 京太郎「……?」 小蒔「……これ、受け取ってもらえますか。私が作ったお守りです……効果があるか分かりませんけど」 京太郎「いいんですか!?あ、ありがとうございます。俺、女の子からのプレゼントって貰ったことなくて」 小蒔「そうだったんですか!?」 京太郎「意外そうな顔をされるとこっちも反応に困りますよ……」 小蒔「じゃあ、私が初めて……か」 京太郎「何か言いました?」 小蒔「……何でもないですっ!」 小蒔「さ、帰りましょう京太郎さん。私達の社へ」ニコッ 京太郎「はいっ!」 ーー神社 初美「どこにほっつき歩いてたんですかー?」ゴゴゴ 小蒔「はっちゃん、これには深い訳が」 初美「許しませんよー?」 京太郎「自分が悪いんでごぜぇます!どうか、どうか姫には温情を!」 霞「はいそこまでです。……姫、今回だけですからね?」 小蒔「はぁーい……」シュン 初美「京太郎さんもですよー?一応ここの最高権力者で、私達の大事な友達なんですから。持ち逃げは困りますー」ギロッ 京太郎「すんませんでしたぁー!」 小蒔「はっちゃん様!お夕飯抜きだけはご勘弁いただけないでしょうか!今夜は神事なんです!」 京太郎「明日も観光なんです!」 小蒔「え、それって」 京太郎「小蒔さんも連れて行きます!」 小蒔「き、京太郎さんったらそんな、皆の前で」カァァ 初美「漫才はいいですから、ね?」 春「……二人とも、なんかシンクロ率上がってる?」 霞「初美ちゃん、とりあえずお夕食お出ししてあげましょう。姫の御体に差障ったら事だわ」 小蒔「霞ちゃん……!」ウルウル 霞「ただし夜遅いのでおかわりは禁止です」 小蒔「霞ちゃーーーーーーーーーーーーん!」 初美「姫様ー、京太郎さん隣ですよ隣」 小蒔「うっ……わ、分かりました」 京太郎(普段からおかわりしているのか……) ~~食後 ーー客室 京太郎「いやー相変わらず飯が美味しい!鹿児島最高!」 初美「それは何よりですよー、作った方も感慨無量と言うものです」 京太郎「……まだ居てくれるんですね」 初美「客人の方にはお付きするのが当然なのですよー」 京太郎「とは言っても、やることないでしょう?」 初美「……晩酌でもしますかー?」 京太郎「出来るんですか、むしろ」 初美「ええ。そのためのお酒も用意してありますから。……なんだかんだ、芋焼酎が恋しいのではないのですかー?」 京太郎「何故それを」 初美「芋焼酎は好き嫌いが分かれますからー。嫌いな人は最初の匂いだけでダメですし、好きな人は水と同じくらい飲みますよー」 京太郎「へぇー……じゃあ俺は」 初美「後者ですねー。焼酎飲みの資質がありますよー」 京太郎「そんな素質あるって言われても、あんまり嬉しくねぇなぁ」 初美「では準備してきますので、社の物見の所まで登っておいてくださいねー」 京太郎(ほんとに甲斐甲斐しいなぁ……嫁さんにするんならあんなタイプがいいんだろうけど) ーー物見 京太郎(ここでいいのか?) 初美「お待たせしましたー。今日は月も輝いてますし、明かりは要りませんねー」タタタ 京太郎「あ……結構量は少なそうですね」 初美「姫や霞さんみたいな飲み方は阿呆のやることです。翌日の手間を増やすのは好きじゃないんですよー」 京太郎「ですよねー。その急須みたいなのはなんですか?」 初美「これは「ヂョカ」と言ってですね、前の日に作った水割りの焼酎を入れて、温めて飲む器具です。炭火ですからちょっと高いんですよー?」カチッ 京太郎「へぇー……」 初美「この神社は風も強いですし、昼間打ち水もしていますから。夜は外に出るとひんやりするんです。そこで」 京太郎「燗にした焼酎を味わって飲む、と」 初美「そういう事です。本来これが一番おいしい飲み方なんですよー」 京太郎「聞くだけで美味しそうですもん、未成年なのに」 初美「さ、座って下さい。お酌しますよー」 京太郎「え、いいんですか?」 初美「別に酌くらい嫌がったりしませんよ、セクハラ神主でもない限りは。はい、これが猪口です」 京太郎「随分大きめっすね……わざわざありがとうございます」 初美「はいはい。では……そろそろ火を消して、と。お注ぎしますよー」トクトク 京太郎「おっとと……では、頂きます」クイッ 京太郎「っ……………………ぷはああああああああああああああああああああああああっ!」 京太郎「旨いっ!旨すぎるっ!体に沁みる!これが焼酎だったのか!俺が前飲んだものはなんだったんだ!」 初美「阿呆酒ですよー」 京太郎「しかし、アレですね。ここまで美味しいお酒があるとつまみがないのが勿体ないですね」 初美「勿論用意していますよー。出来立ての薩摩揚げです」スッ 京太郎「もう至れり尽くせりで何てコメントしていいか分からないっすよ俺」ジュルッ 初美「いいんですよー。……晩酌の時間くらい身勝手で、ワガママでいいんです。後始末は私がしますから」 京太郎「あー美味いぃぃぃぃ……手が止まらねぇ」 京太郎「お酒おかわりお願いできますかー!」 初美「勿論ですよー。ささ、どうぞどうぞ」トクトク 京太郎「さっきよりちょっと少なくありません?」 初美「二杯目は一杯目の八割。三杯目は二杯目の八割。こうしていけば飲み過ぎることはありませんよー」 京太郎「なるほど……知恵って奴ですね。……でも俺これなら何杯でもいける気がするなぁ」クイッ 初美「飲む量は私がコントロールしますから安心していいですよー」 京太郎「あー…………………………ホント、いいなぁ……鹿児島」 初美「ご満足いただけてるなら何よりですよー」 京太郎「そういえば、薄墨さんは飲まないんですか?」 初美「いえ、私は」 京太郎「どうしても飲めないって言うんじゃなかったら……俺、薄墨さんと一緒に飲みたいです。それが俺のワガママって事で……ダメっすかね?」 初美「……分かりました。おつき合いさせていただきますよー」 京太郎「じゃあ、御猪口どうぞ。ささ、飲んで飲んで」トクトク 初美「ありがとうございますー。では、遠慮なく。んっ……」クイッ 初美「…………ぷはっ。うーん、美味しすぎます。お酒は魔物ですねー」 京太郎「それじゃあ、俺にももう一杯貰えますか?」 初美「はい。では酌返し返しという事で……」トクトク 京太郎「っ…………あ~美味いぃぃぃぃぃぃぃぃ……酒に溺れる人の気持ちも分かるわ。まぁ薄墨さんが居るからその心配は無いんでしょうけど」 初美「……ふふっ」 京太郎「どうしたんですかぁ?っとと……」 初美「なんだか三々九度みたいだなー、って思ったんです」 京太郎「三々九度?」 初美「何でもありませんよー。それより京太郎さん、まだ眠くはありませんか?」 初美「もう、またそうやって周りのために嘘を吐くんですから。眠いなら眠いって、はっきり言ってくれていいんですよー」 京太郎「……薄墨さん?」 初美「京太郎さんは姫と似ています。人なのに、どこか人間離れしてるっていうか……人が良過ぎるんですよー。無理してませんかー?」 京太郎「えー?俺無理なんてしてるつもりないですけどねぇ」 初美「いいえ、無理してますよー。それがあなたなりの処世術、生き方だとしても……自分を犠牲にし続けるだなんて、それは人の身で成し得ることではありませんよー」 京太郎「そんな大層な話じゃないですよぉ、俺の事なんて」 初美「そうですねー。一般的に見れば大層な話ではないかも知れません。でも、他人のために自分を犠牲にしようとするあなたを、放っておけない人だって居るんですよー?」 京太郎「えー?でもどうするんですか、俺多分そろそろ帰っちゃいますよー?……ひっく」 初美「……ならせめて、ここに居る時だけでも。私があなたの支えになりますよー。あなたが誰かのために自分の何かを犠牲にする限り」 初美「私は、あなたの苦しみを少しでも和らげるために……あなたを支え続けます。そう決めました」 京太郎「どうして、そんな、事……」 初美「あなたの事が放っておけないからですよー。何故かは、自分でも分かりませんが」 京太郎「ぅ……」ウツラウツラ 初美「眠くなりましたか?いいですよー。ほら……私の膝が空いてますから」ポンポン 京太郎「いや、流石に、それは……Zzz」 初美「いいんです。あなたは人と人を繋ぐ事が出来る。でもそのせいで、他の人よりもずっと重い物を背負っている」 初美「私にはその重荷は背負えません。でも、あなたの心を支える事なら出来ます」 初美「だから……思いっきり甘えてくれていいんですよ、京太郎さん。それで少しでもあなたが心を癒してくれれば、私は……」ナデナデ 京太郎「Zzz……」 初美「寝ちゃってましたか。……お布団敷かないといけませんね」 初美(でもーー) 京太郎「Zzz……」 初美「今はもう少しだけ、こうさせて下さい……」 ーー神社・本殿 小蒔「それでは……祓いを始めます!」 祟り神「「「「「……」」」」」 ズズズズズズズズズズズ・・・ 小蒔(なんて瘴気……でも!) 小蒔「それでは各自祈祷をーーッ!?」 祟り神「……!」ビュンッ 小蒔(しまった!一匹、足の速いのを逃がしちゃった……!) 老巫女「姫!あれ単体ではまだ暴れますまい!今は目の前の大物にお気を集中させられよ!」 小蒔「分かっています……!ありがとう、婆」 老巫女「このような老体に労りの言葉など……恐縮の極みです」 ギーガ「ゲフーッ ゲフーッ! 食ベテヤル! 食ベテヤル! 地球上ノ 全テノ物ヲ 食ベテヤル!」 ブラック「神代小蒔!暗黒面が見たいってのはお前かァ!?」 ミサイル「グブッ! グブッ!ミサイルをしこたまぶちこんでやる!」 小蒔「あれは……ゲームの!?」 老巫女「憑き物が顕現しやすいように憑代を定めたにすぎませぬ、惑わされませぬよう」 小蒔「はい……!」バッ ブラック「おォ、祓う気かァ!そりゃあいい、じゃあお前の得意な物……麻雀で勝負させてやるよ!」 ブラック「ブラ~~~~~~~~~ック・ボンビーーーーーーーーー!」ドロォォォ 老巫女「姫っ!」 小蒔「婆、大丈夫です。私は……」スウッ 老巫女「姫……?どこに行かれるのですか?姫ーーーーーーーーーーーーっ!?」 ーー??? ミサイル「グブッ!グブッ!いいだろう、麻雀だ!麻雀だ!」 ギーガ「ゲフーッ!ゲフーッ!」 ブラック「さぁ始めようぜェ神代の巫女……親は俺様からだがな!」 小蒔(驚いたけれど、麻雀勝負という事なら……女神様を降ろせば) 小蒔(……あれ?降ろすどころか、気配さえも……) ブラック「ーー馬 鹿 が !!」 ブラック「ここは俺が作った空間だぞォ?呼ばせるわけがないだろう……そしてなァ霧島の。残念なお知らせだ」 ブラック「今までお前に味方してきた女神たちは……ぜ~~~~~~~んぶ俺様達が大事に使わせてもらうぜェ!」タンッ ブラック「嘘だと思うんなら気配を探ってみるんだな!今まで自分が頼りにしてたものが敵になるのがどんな気分か……しっかり味わえ!ブラ~~~~~~~~ック・ボンビーーーーーーー!」 ジャラララララララ…… ブラック「それじゃ、試合開始だァ!」タンッ ギーガ「ゲフーーッ!」ダァン ミサイル「グブブブブゥ!気分がいいなぁ『自動操縦』ってのは!何もしなくても勝てるのか!」 小蒔(そんな……女神様が……) ブラック「どォしたァ!?切らないんなら自動でツモ切りだァ!」ピッ 小蒔「きっ、切ります!切りますからーー」ハッ ミサイル「もうダメーーーーーーーーーーーーーーーーー!時間切れの自動切りだ!」 ギーガ「ゲフーッ!ロォォォォォォォォォォォン!」 小蒔「きゃああああああああああああああああああああああああっ!?」 ブラック「おっと言い忘れてたが……点数はそのまま魂の数値に繋がってるぞ。尽きたら死んじまうかもなァ!もっとも……」 ブラック「俺達ァ持ち過ぎなくらい魂ってのを持ってるから消える心配ないんだけどなァ!ざっと1万5000人分」 ブラック「375000000点奪い取ればお前の勝ちだ!出来れば、だがな!ブラ~ック・ボンビー!」 小蒔「そんな……こんなの、公平じゃないです!」 ジャラララララララララ・・・ ブラック「んー?聞こえんなぁ!ハハハハハハハハ!」タンッ ギーガ「ゲファファファファッファファ……誰が公平なルールでやると言った!元より力は圧倒的にわれらが上!我々はお前の殺し方に趣向を加えているに過ぎん!」ダンッ ミサイル「グブブブブ……絶望しながら死んでいけ!」 小蒔(375000000点……?そんなの、どうやって削りきれば) 小蒔「っ……」タンッ ブラック「ロォン!」 小蒔「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 小蒔(ホントに……私の魂が消えかかってる……!) ブラック「いやァ『運がいい』なァ!ハハハ!女神の力ってのは最高だ!」 ミサイル(グブブブッ!もっとも、そんなものが無くても全部一発で和了れる様に細工してあるんだがな!) ジャラララララララララ・・・ 小蒔「……」 ミサイル「どうした、戦意喪失か!?グブブブブブブッ!」 小蒔(京太郎さん……) 『もし、私が天の上に行ってしまっても……会いに来てくれますか?』 小蒔(あなたが、居てくれたから……) 小蒔(私はーーーーーーーーーー!) ギーガ「自動ツモ切りだ!早くしろ!」 タンッ・・・ ブラック「……」 ミサイル「……」 ギーガ「……」 ブラック「お、おい!誰も和了れないのか!?」 ギーガ「ゲフーッ、俺は、無理だ……」 ミサイル(ありえないっ!奴の手は全て、俺達が一発で和了れる牌の筈だ!生き残るなどと……!) 小蒔「……」 小蒔(女神様を降ろせないのなら、誰にも頼れないのなら……) 『ーー種子島からロケットにでも乗って、お迎えに行きますよ』 小蒔(私が、私自身が………………天頂へ昇る!) ーー神社 霞「婆様、小蒔ちゃん!大丈夫ですか!?あの青い光の柱は一体……?」 老巫女「おぉ、霞……!」 老巫女「なんという……なんということじゃ……この婆の力が足りぬばかりに……!」 霞「婆様……?」 老巫女「姫は……人をお捨てになられ、神になってしまわれた!」 霞「え……」 ーー宮森 塞「うわー」 豊音「どうしたのー?」 塞「予備のモノクルが全部粉々になってる……」 豊音「うわぁー……大損だねー」 塞「またバイトかぁ……やめてほしいなぁこういうの」 ーー清澄 和「あふんっ」ビクンッ 優希「!?」ビクッ 和「宮永さんのおけつ!おけつが見えるんです!あぁ、あれがそうですね、バァーって動いてます!ぷりぷりです!ぷりっぷりです!」 優希「部長!和ちゃんがおかしなことに!」 久「いつもの事でしょ。放っておきなさいな」 優希「でも、ここまでおかしくなってしまうなんて……人類は進むべき道を間違えたのかじぇ……」ガタガタ まこ「人の業が生み出したもの……和もその一つ。決して目を逸らしてはいかんのじゃな」シミジミ 咲(……?)ゾクッ ーー姫松 洋榎「なぁなぁ絹、聞いて聞いてー」ウキウキ 絹恵「どしたん?」 洋榎「さっきたこ焼き食うたらな、なんと一つの中にタコが3つ入っとってん!」 絹恵「……おめっとさんです」 洋榎「あー!今『それウキウキで言う事ちゃうやろこのノータリンのおっぺけぺーが』とか思ったな!?」 絹恵「思ってへん思ってへん。思ってへんからさっさと宿題かたしいや」ハァ ーー??? ブラック「ふ、ふん!まぁいい……」タンッ 小蒔「ロン。………………九蓮宝燈!」 ブラック「何ッ……!?」 ギーガ「!!!???」 ミサイル「やっ…………役満だとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?ありえんっ!」 ミサイル「奴の手を、人間如きの手を、怨霊である俺達がコントロールしきれていないとでも言うのか……!」 ブラック(違う……あいつは) ブラック「ーー小娘。忠告だけしておいてやる。……『それ』は人の力じゃあない……いくら勝ったところで、帰れなくなるぞ!」 小蒔「……………………」 ブラック(こいつ、もう聴覚が効かないのか……!) ジャララララララララララ・・・ 小蒔「ーーさぁ、連荘です……!」 (耳が、聞こえなくなった) (でも、怖くない) (もっと高く……) 小蒔「ーーツモ。天和……連荘です」 ギーガ「て、天和ォォォォォォーーーーーーーーーー!?」 ミサイル「ありえんっ!ありえんっ!ありえんっ!」 (汗の味が、しなくなった) (怖くない) (もっと高く……) ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「……ツモ。天和!」 ブラック「やめろ!お前、まさか……」 ブラック「人の身で、神の頂に昇ろうとしているのかッ!?」 小蒔「連荘です……!」 (匂いが、しなくなった) (怖く、ない) (もっと、もっと、もっと……!) ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「ツモ。天和!」 ギーガ「グブーッ!グブーッ!グブーッ!グブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」 (視界が、消えた) (怖く……ない) (あと、少しで……!) 小蒔「連荘、です……!」 ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「……ツモ、天和です……!」 ミサイル「やめろ!魂の数値の差を理解しているのか!?やめろォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」 小蒔「たとえ、貴方達が何点持っていようと。倒します。倒してみせます」 小蒔「私の宿命は……他の誰でもない。私が超える!」 (体の感覚が……消えた) (……でも、大丈夫) (だって、私の中にはいつだって、あなたのーーーー) (あなたがくれた暖かな思いが、たくさんあるから) (だからーーーーーーーーーーー怖くない!) 「「「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」」 ーー物見 ハリケーン『ドッドド!ドドード! ドドード! ドドー!』 ハリケーン「よう、会いたかったぜ!兄弟!」 初美「……」 ハリケーン「とりあえず眠りこけてるこの男、憑き殺しちゃっていいかぁ!?」 初美「させませんよー。……絶対に」 京太郎「Zzz……んぁ?ってうわああああああああああああああああああああああああ!?何だアンタ!?ボンビー!?」 ハリケーン「俺かぁ!?俺はハリケーン!伝説の破壊神様だよ!」ゴゥッ 京太郎「うおっ……!?」 初美「京太郎さん、本殿へ行ってください。……コイツが出たという事はきっと、姫があなたの事を待ってますー」 京太郎「え、小蒔さんが!?でもこいつは……!」 初美「……ここは私に任せてくださいですよー。さぁ、早く」 京太郎「薄墨さん……」 初美「姫みたいに下の名前で呼んでもらえると雰囲気出ますね。はっちゃんでもいいですよー」 京太郎「それ、今言うことじゃないでしょう!?」 初美「……少し、悔しかったものですからー」 京太郎「……」 初美「さ、行って下さい。男の背中を守るのは……女の仕事です!」バッ 京太郎「初美さん……俺、なんかよくわかんねーけど、行ってきます!」ダッ ハリケーン「ふんっ、ここまで来ても状況が理解できんとは……臆病な上に頭も残念なようだなぁ、兄弟の見初めた奴は!」 初美「……黙って下さい。京太郎さんは、誰かを呪う事しか出来ないあなたなんかよりずっと賢くて、強くて……優しいんですよ」 ハリケーン「ハハハ!だが俺も飛び出してきちまったせいでこのままじゃ色々と壊せないんでなぁ。兄弟の体が欲しいんだが、もらってもいいかな!?」 初美「……タダじゃあげませんよー」 ハリケーン「分かってるよぉ!俺と兄弟の仲じゃないか!ここは……兄弟の得意な麻雀で決着といこうや!」ブアッ 初美「……っ!」 ーー??? ハリケーン「そうだなぁ……二人だけだし、北と南はいらねぇか!」ゴウッ 初美「……」 初美(なるほど、そういう事ですか。こすっからい奴ですねー) ハリケーン「なぁ、始める前に言っておきたいんだがよぉ兄弟」 初美「馴れ馴れしく呼ばないで下さいー」 ハリケーン「お前は、あの男とは……いや。すべての人と関わりを持つべきじゃあないんだ。親切心で言ってるんだぜ?」 ハリケーン「お前の宿命がな、破壊の嵐を呼ぶんだよ……仲間の輪の中にお前が居るだけで、そのチームには破壊が訪れる。お前と関わった奴は遅かれ早かれ壊れるんだよ」 ハリケーン「身に覚えがねぇ訳じゃないだろう?なんたって、桃鉄の時、誰よりも仲間の心に傷をつけて優越感に浸ってたのは」 ハリケーン「兄弟!お前なんだからなぁ!いやぁ見てて楽しかったぜ、まさか姫様に暴力を振るうなんてなぁ!普段よっぽど不満が溜まってたのか、ええ!?」 初美「……っ」 ハリケーン「それだけじゃない!あの男が俺によって不幸に見舞われた時もお前は少しもあの男の事を鑑みずに、一人で嘲笑ってたじゃないか!」 ハリケーン「お前から馬鹿にされる度に硬くなっていくあの男の自嘲的な笑みの意味も分からないまま!分かろうともしないまま!お山の大将気取ってたんだろう!?」 ハリケーン「今アイツに優しくしてるのは、恋なんかじゃなくて……そういう後ろ暗い気持ちがあるからなんじゃねぇのか!?なぁ兄弟!」 ハリケーン「予言してやるよ。例えこの場面を脱したとしても、あの男が姫様に取られたら、お前はもう一度破壊の嵐を巻き起こす。その時が神代の、本当の終わりだ!」 初美「違う!私は……っ」 ハリケーン「何が違う!?何故違う!?他人を憎み、妬み、嘲り、僻み、否定し、殻に篭り、分かり合おうともせず!その末の暴走!その果ての破壊だ!最早人間の意志で止められるものじゃないんだよ!」 初美「例え、私の宿命が嵐を呼ぶものだったとしても……!私は……!」 ハリケーン「言いたい事があるんならはっきり言えってんだよ、兄弟!」 初美「私は…………そんなものに負けたりしません!宿命の殻を破って……新しい運命を、きっと掴んで見せます!」 ハリケーン「出来るのかぁ?何かを壊し続けることしかできないお前に!」 初美「だって……そんな嵐の真ん中に居た私に、傷つきながら手を差し伸べてくれた人達が居ますから。その人達の為なら、私はどんなことだってやってみせます!」 ハリケーン「……」 初美「さぁ、かかってくるといいですよー。私は、絶対に負けませんから」 ハリケーン「……」 初美「……どうしたんですかー?」 ハリケーン「……チッ。興ざめだぜ」 初美「は?」 ハリケーン「興ざめだって言ったんだよ、兄弟。堂々と惚気やがって……もうやめだ、やめやめ。弱い奴相手ってのはこれだから……力が弱いくせになまじ意志ばっかり強くて、一丁前に息は巻きやがるんだから」 ハリケーン「あーくそっ!こんなつむじ風みたいな嵐は面白くもなんともねぇ!」 初美「……意味が分からないですよー?」 ハリケーン「兄弟、歯ぁ食い縛れ!」ゴウッ 初美「きゃあっ!?」 初美「これは……」 初美(私の気が……変化してるんですかー?) (変化じゃねぇよ兄弟。進化だ) 初美「あなたは……!」 (手ぇ貸してやるよ。心配すんな、乗っ取ったりはしねぇよ。俺と兄弟の仲だからな) 初美「もしかして、あなたも……」 (……ああ。あなた『達』が正しいけどな。だから見てみたくなったんだよ、同じ宿命を持ったお前さんの行く末って奴を) 初美「……」 (さぁ、行ってやんな。兄弟の恋人は今頃、苦戦してるだろうからなぁ) 初美「恋人じゃありませんっ」 (なんだ、まだ告ってもいなかったのか?自信があるのかないのかわかんねぇな) 初美「……行きますよっ!」ビュンッ (応!思う存分嵐を巻き起こせよ、兄弟!) ーー本殿 京太郎「岩戸さんっ!」 霞「京、太郎、さん……」ポロポロ 京太郎「小蒔さんは……!?」 霞「小蒔ちゃんが、小蒔ちゃんが……」 老巫女「姫は、祟り神を祓う為に己を贄として神になられた」 京太郎「かみ、って」 老巫女「肉体は既に無い。おそらくは、自我も……」 霞「う、うぅぅ……」 ズズズズズズズズズズズ・・・ 老巫女「まだ生き残りがおったのか!?」 霞「そんなっ!」 京太郎「うわぁっ!?」ガシッ 霞「京太郎さんっ!」 京太郎「あの、岩戸さん……一つ聞いておきたいんですけど」ズルズル 霞「な、なんですかこんな時に!」 京太郎「霞さん、って呼んでもいいですか。ていうか勝手に呼ばせてもらいます」 霞「呼び方なんて……今言うことじゃないでしょう!?早くっ……私の手を掴んで!引きずり込まれてしまいますよ!?」 京太郎「じゃあ霞さん……俺、行ってきます!」 シュンッ・・・ ーー??? 京太郎「あいったたたたた……ここは……宇宙?」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッ!よく来たなすが社長!」 京太郎「ちょっおまっ……ハリケーンの次はキングボンビーさんですか!?」 キング「さぁ、麻雀だ!卓につくがいい!」 京太郎「いやちょっと待っ」 キング「待たん!俺様はとろいのが嫌いなのだ!じたばたしてもどうにもならんぞ!キ~~~~~ング・ボンビーーー!」 京太郎「待てっつってんだろうが。……小蒔さんはどこだ」 キング「あぁ、あの巫女か?ーーーー消えたよ。いやぁ危なかった、こちらも三体ほど巻き込まれちまったけどなぁ!」 京太郎「なっ……!?」 キング「さぁ、無駄話はもういいだろう?麻雀を始めよう!俺様は一人でも多くの魂を食べたいのだ!」 ジャラララララララララララ・・・ 『小蒔ちゃんが……』 『神になってしまわれた……』 京太郎(小蒔さん……まさか、本当に) キング「切りたくないのなら勝手に切らせるぞ!ほれっ!」タンッ 京太郎「なっ!?卑怯だぞてめぇ!」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッ!無気力試合をする方が悪いのだ!」 京太郎「……クソッ!」タンッ キング「それロン!跳満~~~~~~~~~~~~!」 京太郎「か…………はっ!?」ボコッ 京太郎(なんだ、これ……体に、穴が……?) キング「点数は魂の数値!それが消えた時、お前もまた消える!よかったなぁ、無の先で愛しのこまき社長にまた会えるぞ!」 京太郎「ふざっ……けんな……!」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!楽しいなぁ、いたぶるのは!」 京太郎(クソっ、跳満一発でここまで響くのか……?頭が、回らねえ) キング「回す頭もないくせに強がるなよすが社長!お前元々麻雀はどうしようもなく弱いじゃないか!」 京太郎「うるせぇっ!人のっ、モノローグを勝手に見てんじゃねぇっ!」 キング「見えてしまうのさ、俺様はそういう存在だからな!……さぁ、二局目だ!」 ジャラララララララララララ・・・ 京太郎「く、そっ……」タンッ キング「フラフラだなぁすが社長!大丈夫か!?」ダンッ ーー清澄 咲「カン!……あれ」 優希「咲ちゃんが嶺上開花を外した!?」 和「確率的には普通ですね。ですが罰としておしり触らせてさせてください」 咲「いや……これは、普通じゃないよ」 咲(この感覚は……能力は発動しているのに、牌が私より強い力の方へ引きつけられていったような感覚ーー) 京太郎(小蒔さん……) 『小蒔です。神代小蒔』 京太郎(小蒔さん……!) 『私、あなたに会えて、本当に良かった……!』 京太郎「小蒔さんっ……!」ダンッ 『私との引力ーー感じてくれていますか?』 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!泣いても喚いてもどうにもならんぞ!時は過ぎていくだけなのだ!」ダンッ 京太郎「小蒔さんっ!」 (京太郎さんーー) 京太郎「!?」 キング「ほほう、まだ自我があったか!」 (ごめんなさい。体、無くしてしまいました……) 京太郎「小蒔さん!まだ、まだそこに居るんですね!?」 (……今の私はどこにでも居て、どこにも居ません。体がありませんから) (でも、後悔してません。あなたと会えて……こんな終わりになってしまったけど。素敵な日々を過ごすことが出来ました) (だから私、信じます。あなたならきっとここから生きて帰って来れるって……私の力を使って下さい) (これで私は本当に消えてしまいますが……あなたのそばで、いつでも) 京太郎「……」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!どうしたぁ?亡き彼女からの最期のプレゼント、もらってやればいいじゃないか!」 キング(もっとも、それは俺様が生み出した幻影……本物の自我はとうの昔に宇宙の塵だがなぁ!そいつの力を使った瞬間、お前は俺様の一部になる!) キング(そっちから受け入れてもらった方が、魂の吸収が早く済むからなぁ!) 京太郎「……分かりました」 京太郎「俺も、信じます」 (京太郎さん……なら、この力を) 273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/08/10(金) 18 26 40.75 ID i3p8bisB0 京太郎「小蒔さんの体も自我もまだあるって。そう信じます」 (え……?) 京太郎「初美さんも霞さんも永水の皆も無事で、誰もこんなことの犠牲になんかなってないって。そう信じます」 (いや、ちょ) 京太郎「……そうだ!俺は信じる!小蒔さんからもらったお守りが、まだ信じてほしいって言ってるんだ!」 京太郎「小蒔さんを信じる。初美さんを信じる。永水の皆を信じる。……最後の最後まで、絶対に信じる!」 京太郎「だから、俺の引力は…………今から!!!超!!!!!!強くなる!!!!!!!!!!!!!!!」 キング「何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?」 シュウウウウウ・・・ 小蒔「えっ?えっ?えええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」ヒュー 京太郎「よ、っと」ガシッ 京太郎「約束通り迎えに来ましたよ、小蒔さん。ロケットじゃないですけど」 小蒔「京太郎さん……私、何が何だか……でも……また、会えた……」ギュッ キング「何だ貴様!後だし能力とは卑怯だぞ!」 京太郎「……能力なんかじゃねぇよ。ただ……誰かの不幸しか喜べない奴と、最後まで何かを信じられる奴じゃな……引力が違うんだよ!」 京太郎「宿命だか運命だかなんだか知らねぇが、そんなもん俺の引力で全部いい方向に持って行ってやる!」 キング「ええい、何を言っている!今は麻雀をしているんだぞ!引力とか関係ないだろうが!」 京太郎「いいや、ある!」 京太郎「信じる力で、四角い宇宙に奇跡を起こす!それが人生……それが麻雀だ!」 キング「くぅ……意味の分からんことを!」タンッ 京太郎「ロン!七対子!」 キング「なっ……!?何故和了れる!?」 京太郎「引力に決まってんだろ!さぁ、次は俺の親だ!」 ジャラララララララララララララララララララ・・・ 小蒔(凄い……牌が全部、京太郎さんのところに引き寄せられていく) キング「まっ、待て!牌が俺様の所に来ていないぞ!これでは麻雀にならん!」 京太郎「うるせぇっ!手前だってさんざっぱらイカサマ紛いのことしてたんだろうが!配牌弄ったり!」 キング「グッ……!?何故それを」 京太郎「あー!やっぱりしてたんだなこの野郎!最低だなお前!」 キング「グッ、グググ……!」 小蒔(確証があって言ったわけじゃなかったんですね) 京太郎「行くぜえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」 京太郎「大三元!四暗刻!小四喜!大四喜!字一色!緑一色!清老頭!後は、えーと」 小蒔「特定の手で成立する残りの役満は九連宝燈と大車輪と国士無双です!」 京太郎「そうそう、それ!……とにかく、全部まとめてぇ!」 キング「わっ、悪かった!もう悪いことはしないから!」 京太郎「食らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 キング「グエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ………………………!」 京太郎「ハァッ、ハァッ……」 小蒔「あの、京太郎さん」 京太郎「な、なんすか……」 小蒔「……どうやって、ここから脱出しましょう?」 京太郎「お、俺の、引力でなんとかしますよ……ハハハ、ハ……」フラッ 小蒔「だっ、大丈夫ですか!?」オロオロ 京太郎「す、すんません……ちょっと立ち眩みが……あれ?」ガクッ 小蒔「き、京太郎さん!えーと、えーと!私がまた天の頂に昇りますから!大丈夫ですよ!」 初美「それじゃあ元の木阿弥ですよー」 小蒔「はっちゃん!一体どうやって」 初美「まぁ色々と頑張りましたー。さ、鹿児島に帰りましょう姫様。皆姫様のことを待ってますよー」 小蒔「……はいっ!」 京太郎「……」チーン 初美「お疲れ様です、京太郎さん。後で一杯甘えさせてあげますよー。晩酌もおつき合いしちゃいます」クスクス 初美「……って気絶しちゃってますねー」 京太郎「……」 小蒔「……え?甘えさせ、え?」 初美「姫様、掴まって下さい!一気に帰りますよ!」 小蒔「は、はいっ!」ギュッ 初美「せー……のっ!」ドボンッ ーー本殿 小蒔「ーーーーーぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!?」ゴロンゴロン 初美「あいたたたたたた……姫様、あんまり叫ばないで下さい。京太郎さんが起きてしまいますー」ドサッ 小蒔「そ、そんなこと言ったって……!あんな乱暴な戻り方ってアリですか!?」バックンバックン 初美「帰ってこれたんだから、アリですよー」 初美(ハリケーンは……途中でどこかへ行ってしまったようですねー。またいつか、会うことになるかもしれません) 老巫女「姫!姫……よくぞご無事で」 霞「初美ちゃんも小蒔ちゃんも、よく帰って来たわね……!」グスッ 春「……この気絶してる下敷き引力男については触れない方向で?」ポリポリ 京太郎「苦しいです。評価してください。後小蒔さん顔の上からどいてください、死んでしまいます」 小蒔「あぅ、ご、ごめんなさい!」 初美「む、おいしいイベントを取られてしまいましたね。でも姫様……私は負けませんよー?」 小蒔「こちらこそ。全力以上で当たらせてもらいます!」グッ 初美「おいしいイベントは一つ盗られてしまいましたが……本当に美味しいのはこれからですよー」 京太郎「これから?」 小蒔「婆、分かっていますね。祓いの後です」 老巫女「はっ。承知いたしました」 京太郎「何があるんですか?」 春「……私に聞くより、あなたと凄く話したそうな向こうの二人に聞いた方がいいと思うよ」ポリポリ 初美「……」ウズウズ 小蒔「……」チラッチラッ 京太郎「えーと小蒔さん、初美さん。これから……何があるんですか?」 小蒔「そんなの」 初美「決まってるじゃないですかー」 「「お勤めが終わったら、宴会ですよっ!」」 前編へ|エピローグへ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1828.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341225918/ 純「衣ー、いるかー?」 衣「」ドヨーン ハギヨシ「」ペコリ 純「どうしたんだあれ?」 ハギヨシ「はい。衣様が最近毎日のように通ってらっしゃるあの場所で、藤田様とお遊びしていらっしゃったようです」 純「いつもどおりか」 ハギヨシ「はい」ニコリ 純「はぁ、藤田プロもいい大人なんだから手加減してあげてもいいのになあ」 衣「……」ギロ 純「睨むなって、可愛い顔が台無しだぞ」 衣「そのような勝利に価値などない」 純「麻雀ではその大口に実力が伴っていたから可愛くなかったが、あれに関しては大言壮語で可愛いじゃねぇか」ニシシ 衣「ぐぬぬ」 純「でも、よかったじゃねぇか」 衣「なにが?」 純「麻雀以外で、衣をこんなに熱くさせてくるものなんて今までなかっただろ?」 衣「……確かにそうかもしれない」 純「そうだよ」 衣「うん。少々癪ではあるが、その点に関しては衣もフジタに感謝しているよ」 純「そうか」 衣「そのおかげか、最近になってわかったことがある」 純「うん」 衣「世界は広い」 純「ほー」 衣「ジュンや皆にとっては当たり前のことなのかもしれないが、衣にとっては衝撃的だったのだ」 衣「衣は先の決勝戦以来、宮永咲のおかげで麻雀の呪縛から解き放たれた」 衣「それにより周囲を見渡す余裕も生まれた」 衣「いざ気付いてみれば衣の周りには楽しそうなものでいっぱいじゃないか」 衣「今まで、麻雀しかしてこなかった分これからは色んなことがやってみたい」 衣「そう思えるようになったよ」 純「感心、感心、子供は遊ぶのも仕事のうちだ。目一杯遊べ!」 衣「子供って言うな!」 純「そうやってすぐ腹を立てるあたり、お前はやっぱり子供だよ」ニヤリ 衣「ふ、ふん! もういいさっさと練習を始めるぞ!」 純「へいへい」 衣「今日こそ完膚なきまでに叩きのめしてやる。後、フジタも泣かす」 純「そういう言葉は初心者の俺に一度でも勝ってから言えよ」 衣「ククク、衣を以前までの衣といっしょと思うなよ……。ジュンがこの部屋に現れる少し前までハギヨシと共に練習していたのだ!」 純「それで?」 衣「分からないのか? お前がのうのうと過ごしていたその時に衣は黙々と練習していた。結果衣は凄く上手くなった!」 純「ほー」 衣「故に、ジュンの様な三下相手に遅れをとることなどありえない」 純「随分好き勝手言ってくれるじゃねぇか」 衣「事実だ」 純「練習して上手くなったということについては認めてやらないこともない。しかし、戦ってもいないのに俺を倒せると言い切れるんだ?」 衣「なーに、そんなこと戦ってみれば分かることだ」 純「本当に大した自信だな。いいぜ!相手になってやる」ニヤリ 衣「ふふふ、そうこなくてはな。無様に醜態を晒し泣き喚くがいい!」ニヤリ 京太郎「休日」 京太郎「それは至福の時」 京太郎「悠久の時とも思える長き戦を戦い抜いた者にしか訪れないしばしの休息」 京太郎「つまり」 京太郎「何が言いたいかと言いますと」 京太郎「久しぶりに部活含め、なにも予定のない完璧な休日ですよーっと」 京太郎「いぇーい!」 京太郎「会いたかったよー! 日曜日ちゃーーん!」 京太郎「それに比べてにっくき月曜日、お前はもう来なくていいんだよ! 今週はお前休んでていいから! なんなら来週も!」 京太郎「」ハァ 京太郎「一週間が全部日曜日になればいいのに……」ドヨーン 京太郎「いやいやいや」 京太郎「いかんいかん! せっかくの休日なのにこんなテンションでは!」 京太郎「ちょっとテンション上げて今日という日を目一杯堪能しようではないか」 京太郎「いやー、やっと休みかー」 京太郎「それに部活については今日から三日間休みらしいし久しぶりに羽が伸ばせるなー」 京太郎「全国出場が決まってからというもの、仕方ない事とはいえ休みなしで毎日部活があったからな。逆算して考えてみると1ヶ月くらい休み無かったんじゃないか?」 京太郎「全国に出場する位のチームだったらこれくらい普通のことなのかもしれないし泣き言は言ってられないんだけど……。どうしてもなあ……」 京太郎「まあ、部活動に所属している高校生にとって休日なんてあって無いようなものだろうしそこは割り切るべきだよな」 京太郎「なんにせよ、今日は休日である」 京太郎「なーにしよっかなー」 京太郎「最近色々と大変だったからな。せっかくの休みだし満喫してやる!」 京太郎「……」 京太郎「最近色々大変だったし……」 京太郎(ホントは今までのことをゆっくり考えて、自分の中できちんと結論を出すべきなんだろうけど……) 京太郎(皆の調子があれじゃあな……) 京太郎「」ハァ 京太郎「よし、気を取り直してどっか遊びにでも行きましょうかね!」 京太郎「どこに行こうか」 京太郎「買い物でも行くか?」 京太郎「でも欲しいものとか特にないんだよな」 京太郎「映画とか?」 京太郎「高校生が一人で映画てちょっと敷居が高いよな」 京太郎「うーん」 京太郎「そうだ! そういえば最近、師匠のところに行ってなかったな」 京太郎「せっかくだから師匠のところでタコス作りの練習をしようか」←奴隷脳 京太郎「このまま予定もなくダラダラとものを考えてるのも時間が勿体ないし、それでいこう!」 京太郎「べ、べつに優希の為とかそういう訳ではないし!」 京太郎「最近は料理上手の男子がモテるとか聞いたし、ほら弁当男子とか!」 京太郎「だからそういうとなんだって……。俺は誰に言い訳してるんだよ……」ズーン 京太郎「……とりあえず師匠に電話入れよう」ズーン prpr ハギヨシ「はい?」 京太郎「お久しぶりです師匠、須賀京太郎です」 ハギヨシ「これはこれは京太郎さんご無沙汰しております」 京太郎「師匠、今お時間いいですか?」 ハギヨシ「はい。大丈夫ですよ」 京太郎「久しぶりに料理てかタコス作りのの勉強がしたいのですがよろしいでしょうか?」 ハギヨシ「今日ですか?」 京太郎「あ、はい! でも明日、明後日と部活は休みなので学校が終わってからでも構いません」 ハギヨシ「いえ、別に今日でも構いませんよ。つい先ほど衣様にお暇を頂きましたので、ただもし何かあった時のために屋敷の方に待機していたいので申し訳ありませんが龍門渕邸の方まで足を運んでもらってもよろしいでしょうか?」 京太郎「勿論です。それでは今から向かいますね」 ハギヨシ「了解しました。後、今日はこちらで材料を用意しますので」 京太郎「え? でもそれはさすがに申し訳ないですよ!」 ハギヨシ「今日作ったお料理は衣様におやつとして差し出そうと思っていますので問題ないですよ」 京太郎「あ、そうなんですか! 分かりました。でも、そうなるとちょっと緊張しますね」ハハハ ハギヨシ「大丈夫ですよ。いつもの通りに作っていただければ問題ありません」クスクス 京太郎「そうですか。でも今日は一段と気合を入れて作りたいと思います! それでは今から向かいますね」 ハギヨシ「えぇ、お待ちしております」ニコリ 京太郎+ハギヨシの誰得クッキング省略 京太郎「いやー、師匠ありがとうございました。また一つ高みに登った心地です!」 ハギヨシ「いえいえこちらこそありがとうございます。おかげで予定より早くできあがりましたよ」 京太郎「確か龍門渕の大将の天江さんにお出しするんですよね? ……本当に大丈夫ですかね?」 ハギヨシ「えぇ。それはもう、大変美味しく出来ています」 京太郎「師匠がそう言うなら大丈夫なんでしょうけどやっぱりちょっと不安ですね……」 ハギヨシ「どうしてそこまで不安に感じるのでしょうか?」 京太郎「いや、だって天江さんてお嬢様じゃないですか」 ハギヨシ「はい。確かにその通りですが、それとどのような関係があるのですか?」 京太郎「これは俺の勝手なイメージですけど、お嬢様の食事てお抱えのシェフが値の張る食材を使用して作った美味しい物を食べているというイメージなんですよ。実際はそんなことないんでしょうけど、どうしても気後れしちゃって……」 ハギヨシ「衣様はそういうのを気にしないお方です。それに衣様は全ての食材に感謝を忘れないとても優しい人です。きっと美味しく食べてくれますよ」 京太郎「そうですか。そうですよね! 師匠の主である人がそんなことを気にする人ではありませんよね! 失礼しました」 ハギヨシ「いえいえ気にしないで下さい。それでは早速衣様におやつをお持ちしましょうか」ニコリ 京太郎「はい!」 移動中 ハギヨシ「」コンコン ハギヨシ「失礼します」 京太郎「失礼します」 ガチャ 衣「うわぁああああああん」グス 純「あー、もういい加減泣きやめよー衣ー」 智紀「ハギヨシお邪魔してる」ペコリ ハギヨシ「智紀様いらっしゃいませ」ペコリ 智紀「そちらの方は確か清澄の……」 京太郎「あ、はい。須賀京太郎といいます」ペコ 智紀「沢村智紀です。よろしく」ペコ 京太郎「はい。あの、これは一体どういう状態なんです?」 智紀「どうって……見ての通り」 京太郎「見ての通りと言われても……」 ハギヨシ「」ニコニコ 京太郎「師匠なんでニコニコしてるんですか? 師匠の主が泣いてるんですよ?」 智紀「いつものことだし」 ハギヨシ「はぃ」ニコニコ 京太郎「いつものことって!?」 純「ハギヨシー、見てないで助けてくれよー!」 ハギヨシ「はい」 衣「」グスグス ハギヨシ「衣様おやつをお持ちしました」 衣「……いらんもん」グスグス ハギヨシ「そうですか……。では純様と智紀様に召し上がっていただきましょうか」 衣「え」グスグス 純「え、いいの?久しぶりにハギヨシの料理が食えるぜー!」 智紀「ありがたくいただく」 ハギヨシ「そこのバスケットに入っていますので、すぐに準備します」 衣「え、え?」キョロキョロ 京太郎「師匠ェ……」 純「うわー旨そう! タコスかこれ? 大会でタコス娘のを食って以来だ」 智紀「私も久しぶり」 ハギヨシ「どうぞお召し上がりになってください」 衣「ぅーーーー」ジーー 京太郎(師匠めっちゃ見られてますよ……) ハギヨシ「」ニコニコ 衣「ぅーーーーーー」ジーー 京太郎「」ハァ 京太郎「天江さん」 衣「ん?」チラ 京太郎「食べたいならそう言わないと伝わらないですよ」 衣「……いらんもん」 京太郎「そうやって意地張ってたら、お二人に本当に全部食べられちゃうかもしれませんよ」 衣「だって……ハギヨシが」 京太郎「師匠がどうかしましたか?」 衣「あの二人にあげるって言ったもん」グス 京太郎「大丈夫ですよ。師匠は優しいですから、きちんと天江さんの分を確保しているはずです。だからちゃんと謝れば天江さんの分も出してくれますよ」 衣「……そうかな?」グス 京太郎「えぇ、きっと」ニコ 衣「うん。そうだな」ゴシゴシ 衣「ハギヨシに謝ってくる!」タッタッタ 衣「ハギヨシー!」 ハギヨシ「はい」 衣「せっかく作ってくれたのに酷いこと言ってごめんなさい。衣もおやつ食べたいです」ペコリ ハギヨシ「はい。すぐにご用意します衣様」ニコ 衣「ありがと!ハギヨシー」ギュー ハギヨシ「はい」ニコニコ 京太郎「良かったですね。天江さん」ニコ 衣「うん! ぇーっと……」 京太郎「あ、自己紹介が遅れました。清澄高校一年の須賀京太郎です。よろしくお願いします」 衣「おー清澄の男子部員だったか、私は天江衣だ。よろしくな京太郎!」 京太郎「はい」 衣「そういえばどうして京太郎がこの屋敷にいるのだ?」 京太郎「それについてはおやつを食べながらお話しましょうか」 衣「そうか、楽しみにしている! 後、私のことは衣と呼んでくれ京太郎」テクテク 京太郎「はい、衣さん」ニコ 衣「うん」ニコ 京太郎「ふぅ」 京太郎「それにしても師匠も結構やりますね。主にあのような態度で応対するなんて」 ハギヨシ「はい」 ハギヨシ「主を正しき道へと導くのも、また従者の務めです」ニコ 京太郎「さいですか」ニコ お食事中 純「へーそういう経緯だったのか」 衣「タコスはユーキの雀力の底上げのためか……」 智紀「頑張って」 京太郎「ははは、ありがとうございます」 ハギヨシ「食べ終わったようなので片付けますね」 京太郎「師匠俺も手伝いますよ」 ハギヨシ「いえ、結構ですよ。京太郎さんは休憩していて下さい」 京太郎「そういうわけにはいけませんよ」 ハギヨシ「困りましたね……。お客様に片付けを手伝わせるのは龍門渕家の恥とも言える行いになってしまいます」 京太郎「くっ、そう言われると強く出れない……」 純「かー。この男二人は女子力高いねー」 智紀「純ハーレム」ボソ 純「何か言ったか?」 智紀「いや何も……」 衣「ならば、京太郎! 衣と遊ぼう!」 京太郎「はい?」 純「おっ!それいいな」 智紀「こういうのは男の子の方が得意そう」 京太郎「え、え、何の話ですか?」 純「とりあえず遊んでやれよ」 智紀「」コクコク ハギヨシ「私からもお願いします」 京太郎「いや、別に遊ぶのはいいんだけどなにをするんですか? 麻雀?」 衣「麻雀もいいが今日は別のだ!」 京太郎「はぁ」 衣「京太郎、格ゲーしよう!」 京太郎「……格ゲーですか?」 衣「うん!」 衣「京太郎は格ゲー嫌いか?」 京太郎「いえいえそんなこと無いです。大好きなジャンルですけど」 衣「そうか!じゃあやろう!」 京太郎「分かりました。それでどのゲームをプレーするんですか?」 純「スパ4AEだ」 京太郎「王道ですね」 智紀「へー」 京太郎「なんですか?」 智紀「知ってるんだ」 京太郎「まぁ、これ目当てでゲーセン通ってましたし」 純「おっ!じゃあ結構いけるんじゃないの?」 京太郎「最近は時間なくて全然通えてなかったのでどうでしょうか」ハハハ 衣「京太郎強いのか!?」ニコ 京太郎「どうでしょうか」ニコ 衣「これは余計楽しみになってきたぞー」 京太郎「相手になるかどうか心配ですよ……」 衣「ふふふ、楽しみだ」 衣「奇幻な手合いが増えるなら衣は嬉しい」ゴゴゴ 京太郎「ははは、頑張ります」 京太郎(大丈夫かなこれ) 純「よし付いたぞー」 京太郎「あの……一つ聞いてもよかですか?」 智紀「いいよ(なんで博多弁?)」 京太郎「なんで筐体があるんすか!?」 智紀「なんでって」 純「そりゃあ」 衣「うむ」 衣「買った」 京太郎「金持ちてすげーーーーー!!」 衣「喜んでもらえてなによりだ」 京太郎「すげーすげー」キラキラ 衣「早速対戦したいのだが良いか、京太郎?」 京太郎「あ、すいません。はしゃいじゃって」 純「まぁ、普通は驚くわな」 智紀「」ウンウン 京太郎「ん?」 京太郎「あのー」 衣「どうした?」 京太郎「バージョンアップはしないんですか?」 衣「バージョンアップ……あぁ、藤田がしない方がいいと言っていたからそのままにしている」 京太郎「しない方がいい?」 衣「うん。なんでもバージョンアップ前の方がゲームバランスが良いらしいからな!」 京太郎(ん?) 衣「どうかしたのか京太郎?」 京太郎「あ、いえ、なんでも」 衣「では始めるとしよう、いくぞ! 衣の相棒よ」 京太郎「豪鬼か……」 京太郎(麻雀でも鬼のような強さを持つ衣さんだ。意外とは思わない) 京太郎「じゃあいっちょやりますかね!」 純「ベガか」 智紀「そうね」 トレーニングステージ 衣「ふふふ、京太郎手加減はしてやらんぞ」 京太郎「……望むところですよ」 ラウンド1ファイト 京太郎(様子見なんて格上がすることだ。衣さんのキャラセレクト玄人向けキャラであり、上手い人が使ったらホントにどうしようもないくらい強い豪鬼。あの自信満々な話しぶりから見るに衣さんは出来るタイプの人だ) 京太郎(ここは先制で飛びを入れて荒らしていく! 昇龍で落とされる分のリスクは覚悟の上だ!)カチャ 京太郎(波動!? 体力の少ない豪鬼でリスクを背負っていくのか?) 京太郎(なんにせよ。飛びが通ったことは大きい! きちんと大ダブニーまで入ったし、起き攻めはどうする……当て投げを狙ってみてから要所要所で変えていく)カチャ 京太郎(よし昇龍撃ってこなっかった! 小パン刻んで……グラップは無い!?)カチャ 京太郎(仕切り直しでも、良かったがこれはおいしい! 画面端は徹底的に固めていく!)カチャ 京太郎(小足がヒットしてる。読み勝った!ダブニーで締め)カチャ 京太郎(ウルコンが怖いがピヨリ値も相当だ。ここは投げとの二択で攻める!) 京太郎(固めの小足が刺さった。セビキャンできる分のゲージもあるが、次のラウンドに温存しておきたい。ピヨレ……) 京太郎(よし!ピヨった!) 京太郎(セビからの最大おいしいです!) 京太郎「よし!」 衣「」 純「」 智紀「」 京太郎(P勝ちはまぐれだ。2回戦も集中力を切らさずこのまま……) 戦闘省略! 京太郎(気づけば2連続P勝ち) 京太郎(液晶にはオールA評価で満面の笑みのベガ様、そして勝利コメントが『クズが!』どうしよういたたまれない……) 衣「」 純「」 智紀「」 京太郎(衣さんはこのゲーム初心者だったみたいです) 京太郎(空気が重いです……) 京太郎(とりあえず謝ろう) 京太郎「あ、あのーすい 衣「スゴイではないか! 京太郎!」 はい?」 衣「このゲームのキャラクターてあんなに素早く動けるんだな!」 純「ま、あれだけコテンパンにやられたら悔しさよりも尊敬が先に来るわな」 智紀「コンボ上手いね」 京太郎「あ、ありがとうございます」 純「そうだ衣、須賀にこのゲームのコツ教えてもらったらどうだ?」 智紀「いい考え」 衣「それはいい考えだぞジュン! 京太郎よいか?」 京太郎「俺が衣さんにですか?」 衣「嫌か」ウルウル 京太郎「いや、あの……」 衣「」ウルウル 京太郎「う、分かりましたよ。人にものを教えた経験なんてないんで、上手にできるかわからないですけどやれるだけのことはやります」 純「おー、頼んでみるもんだな。よかったなー衣」 衣「うん」ニコニコ 衣「京太郎もありがとう」ニコ 京太郎「……どういたしまして」 京太郎(ちょっと面倒なことになってしまったな……。ま、格ゲー人口が増えるのはありがたいことだし、この事態をいい方向に捉えよう) 衣「これで藤田をギャフンと言わすことができるぞ」ムフフ 京太郎「あ、その藤田て人に教えてもらうのはダメなんですか?」 智紀「実は一度頼んでいる」 京太郎「そうなんですか」 衣「うん。頼んだらうぃき見ろだのと訳の分からんことを言っていた」 京太郎(Wikiのことだな) 衣「衣がうぃきとはなんだ? と聞いたら『これだからゆとりはぐぐれかす』とか訳の分からん言葉を残して帰ってしまった」シュン 京太郎(これはひどい) 衣「だから藤田には頼めないのだ……」 京太郎「そうですか」 衣「うん」 京太郎「そういうことなら任せてください。力になりますよ!」 衣「よし、見てろよ藤田!ボコしてやるからなー」 京太郎「衣さんの目標は、その藤田という人に勝つということでいいですか?」 衣「うん、その通り! あいつのドヤ顔はもう見飽きたからな。そろそろ泣かす」 京太郎「そうですか。では対策を考えますのでその藤田さんが使っているキャラを教えてください」 衣「キャラか? えーっと、これだ! この青い帽子を被っているスケボー野郎だ!」 京太郎「ユンですか。なら対策は簡単で……」 衣「どうした京太郎?」 純「おい、どうした体調でも悪くなったのか?」 智紀「大丈夫?」 京太郎「あ、大丈夫です。ちょっとした考え事ですよ」アハハ 衣「そうか安心したぞ」ニコニコ 京太郎(ユン、現在のスパ4AE環境内では中堅上位に位置する(俺の主観)比較的万能なキャラ、打たれ弱いため自分のスタイルをいかに相手に押し付けていくかが重要になってくるキャラクター) 京太郎(これはあくまでも現在ではの話しだ) 京太郎(現在、衣さん達がプレーしているスパ4AEはバージョンアップ前の一つ古いタイプにあたる。この中でのユンの立ち位置はというと) 京太郎(ヤン、フェイロンと並び三強と呼ばれる強キャラである。三強の中でもユンはずば抜けて使用者が多かった。なぜか? 理由は一つ、そのお手軽さ故にである) 京太郎(他のキャラ達と比べてコンボが比較的に楽であり(0フレ無いし)各種技がなんでも揃っている。ゲージ回収能力も高い。そして軒並み技の威力が高い。以上の点からお手軽強キャラと言われ少し練習すれば、比較的簡単に勝利することができるキャラであった) 京太郎(ある人は言った。ユンは全キャラ有利だと) 京太郎(使っていて楽しいキャラではあったし、爽快感があっていいとは思う。でも今回の件では話が違う) 京太郎(なぜ藤田さんは衣さんにバージョンアップをさせなかったのだろうか?) 京太郎(この場合、圧倒的強キャラであるユンを使ってボコしたかったから。こう考えてしまっても仕方ないだろう) 京太郎(いやいやいや何を考えてるんだ。俺は……) 京太郎(あった事のない人を印象だけで悪く思うのはよくない。落ち着け)フゥ 衣「本当に大丈夫か京太郎?」 京太郎「大丈夫ですよー。早速練習をはじめましょうか」 衣「うん!」 京太郎「じゃあ。トレモをえらんでっと……」 衣「あ、そうだ。京太郎に聞きたいことがあったのだ」 京太郎「何ですか?」 衣「しょがりってなんだ?」 京太郎「え」 衣「藤田がなー。衣との対戦が終わった後にな、いつも言うんだ!」 衣「しょがりは楽しいなって」 衣「京太郎どういう意味なんだ」キラキラ 京太郎(こんな) 京太郎(こんな素直ないい人を)グッ 京太郎(初刈り) 京太郎(文字通りの意味) 京太郎("初心者狩り"という意である) 京太郎(格闘ゲームに限らず、ゲーム業界の悪しき風習である) 京太郎(藤田さんは、衣さんが強くなることを望んでいるに、その芽を潰そうとしている) 京太郎「衣さん」 京太郎(ただ衣さんをボコして悦に浸っている畜生。そういう認識になってしまっても仕方ないですよね) 衣「ん?」 京太郎(思えば、Wikiの件もはなっから教える気などなかったのかもしれない) 京太郎「格ゲー好きですか?」 京太郎(そんな畜生に) 衣「うん! 大好き!」ニコリ 京太郎(こんなに純粋に格ゲーを楽しんでくれている人の笑顔を曇らせる権利なんてない!)ギリッ 京太郎「衣さん」 京太郎「絶対に藤田さんを倒しましょう」 衣「当然だ!」ニヤ 京太郎(ゴッ倒す!!) --------------- 京太郎「果たし状ですか?」 衣「うむ」 京太郎「藤田さんにですよね……」 衣「当然」 京太郎「もう出したんですか?」 衣「ハギヨシにフジタへ渡すよう頼んできた」 京太郎「そうですか……」 衣「案ずるな京太郎、衣は以前の衣でないことはお前も知っているだろう」ククク 京太郎「それは、まぁ、はい」 衣「衣は再三にわたってフジタに辛酸を嘗めさせられてきた……」 京太郎(なんか始まった) 衣「しかし!」クワッ 衣「京太郎から様々な技を受け継いだ今の衣にとってはフジタなど路傍の石ころ同然、何も恐るるに足らん!」 衣「衣は最強だー!」ワハハ 京太郎「いやいや衣さん、ノリノリのところ悪いですけど、あなた、まだ豪鬼限定で必殺技が出せるようになっただけですよ。しかも阿修羅安定してないですし……」 衣「だって、あれボタンいっぱい押さなくちゃいけないんだもん」 京太郎「まぁ、衣さん手小さいですしね」 衣「馬鹿にするな! 衣の方がお姉さんなんだぞ!」 京太郎「あはは、すいません」 衣「誠意が感じられん!」 京太郎「そんなに怒らないでくださいよ」 衣「別に怒ってなどいない!」 京太郎(ムキになっちゃった) 衣「ふん」ツーン 京太郎「!」 京太郎「そうだ。お詫びと言ってはなんですが、これを差し上げます」 衣「む、なんだこれは?」 京太郎「ゲームパッドというものです」 衣「ゲームパッド?」 京太郎(よし! 話がそれた) 京太郎「簡単に言えば衣さんが今座っている筐体の、レバーやボタンを集約したもので筐体にコードを繋ぐことでそのゲームパッドで操作が可能になります」 (※実際の筐体ではコントローラーをぶっさしてプレイはできません) 衣「こんな小さいので豪鬼がうごくのか!?」 京太郎「家庭用ゲーム機でゲームを行う際、一般的に格ゲープレイヤーはアーケードスティックという筐体についてるような形のコントローラーでゲームをプレイするんですけど、なかには衣さんに差し上げたゲームパッドというタイプのコントローラーを使用する方達もいます。女性の人とかはとくに多いですね」 衣「へー」 京太郎「俺なりに考えた結果、衣さんはスティックよりもゲームパッドの方が良いと判断しました」 衣「確かに……、こちらの方がボタンが一箇所に密集してる分やりやすいかもしれない」 京太郎「はい。ただボタンが一箇所に密集していて入力しやすくなった分、意図していないボタンを入力してしまうということも増えると思うので、そこは注意が必要です」 衣「……京太郎ありがとう」 京太郎「はい。どういたしまして」 衣「……」 衣「」ハァ 京太郎「どうしました?」 衣「……いや、なんでもない、早速練習するとしよう。京太郎つきあってくれ」 京太郎「はい。まずはゲームパッドになれるよう豪鬼を動かしてみましょうか」 衣「心得た!」 ~しばらくして~ コンコン ハギヨシ「衣様。いらっしゃいますか?」 衣「いるぞー。入れー」ガチャガチャ ハギヨシ「失礼します」 ガチャ ハギヨシ「衣様、先ほどの果たし状の返事を藤田様から預かってきました」 衣「よこせ」 ハギヨシ「こちらになります」ヒョイ 京太郎(藤田さんも師匠に口頭で伝えればいいだけなのに、衣さんに付き合って返事を書いてくれてるところを見ると案外いい人なのかもしれないな) 衣「ご苦労様だぞ。ハギヨシ」 ハギヨシ「それでは業務のほうに戻りますので、ひとまず失礼します」シュッ 京太郎「最近師匠が突然消えるのを見ても驚かなくなってきたな……」 衣「衣はもう慣れたぞ」 京太郎「俺も毒されてきているな……」 衣「では早速内容を確認するか!」 京太郎「はい」 衣「ふむふむ」ペラ 京太郎「藤田さんはなんとおっしゃってたんですか?」 衣「なるほどー」 京太郎「衣さん?」 衣「……」 京太郎「?」 衣「詰んだ」ダラダラ 京太郎「どうしたんですか! いきなり!?」 衣「クッ、フジタの奴め……。的確に衣の弱点を突いてきた」ダラダラ 京太郎「どういうことですか?」 衣「この文を見ればわかる」ヒョイ 京太郎「どれどれ……、当日の対戦のルールが載ってますね。これが一体どうしたんですか?」 衣「京太郎、分からないのか……」 京太郎「特に問題はないと思いますよ。衣さん、一体どこが問題なんですか?」 衣「それを衣の口から言えというのか……」 京太郎「口に出すのも嫌、そんなレベルなんですか?」 衣「……問題部分を口に出すのが嫌なわけではない」 京太郎「じゃあ、なぜ?」 衣「なぜそれが問題になってしまうのか、その理由を話したくないんだ」 衣「だけど、せっかく京太郎に協力してもらって練習してきたのに今更それが水の泡になってしまっていいわけないし、衣のプライドを守るためだなんて我儘も言っていられない」 衣「だから」 衣「話すよ」ドヨーン 京太郎「衣さん……」 衣「その代わり理由は察してくれ、京太郎」 京太郎「……分かりました」 衣「うむ」 衣「衣はここを問題だと考える」ビシィ 京太郎「ここですか……」 試合方法は5vs5の団体戦で行う。一般とされる勝ち抜き戦ではなく、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将それぞれを明確に区切る。その上で先に3勝したチームの勝ちとする 京太郎「……あー」 京太郎(衣さん友達少ないもんな) 衣「……」 京太郎「……」 衣「……衣は友達が少ないしな」 京太郎(こんな時どんな顔したらいいか分からないよ) 衣「フジタは行きつけのゲーセンで幅を利かせている、格ゲー5新とかいう奴らを連れてくるみたいだ」 京太郎「5新て……」 衣「名前に騙されるな京太郎、フジタの文によると奴らはそのゲーセン内でのトップ5達らしい。油断は出来ない」 京太郎「確かに純さん達に頼むのはちょっと荷が重いかもしれませんね……」 衣「うん」 京太郎「……」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……」グスッ 京太郎「!?」 衣「……せっかく、ひっぐ、きょうたろうに、付き合ってもらったのに」グスッ 京太郎「衣さん……」 衣「ごめん、きょうたろう」グスッ 京太郎「……大丈夫です」 衣「」グスッ 京太郎「メンバーに心当たりがあります」 衣「……ほんと?」グス 京太郎「はい」ニコ 衣「……ありがと」グス 京太郎「いいんですよ」 衣「でも」 京太郎「……衣さん?」 衣「衣は京太郎に迷惑をかけてばかりだから……」 京太郎「そんなことないです」 衣「そんなことある!」 京太郎「!」ビクッ 衣「衣はあの日から今日まで京太郎に頼りっぱなしだ」 衣「それなのに衣は京太郎に何もしてあげれてない」 衣「かといって、衣が京太郎のために何かしてあげられるかといったらそうじゃない」 衣「衣は何もできない」 衣「できる事と言ったら麻雀で人を壊すことくらいだ」 衣「本当に自分が嫌になる」ギリッ 京太郎「衣さん」 京太郎「迷惑をかけることって、そんなにいけないことですか?」 衣「……いけないことだ」 京太郎「言い方を変えます」 京太郎「友達に迷惑をかけることっていけないことですか?」 衣「何を言っているのだ……」 京太郎「俺と衣さんは友達です」 衣「違う!」 衣「友とは共に助け合うものだ! こんな一方的に助けてもらっている関係を友とは言えん!」 京太郎「友達関係に損得は関係じゃないでしょう!」 京太郎「友達に迷惑かけるのなんて当たり前でしょう!」 衣「理屈では京太郎の言おうとしていることも分かるし、衣を友と呼んでくれるのは素直に嬉しいよ」 衣「でも衣はそんな関係は嫌なのだ」 衣「めんどくさい事を言っているのも自覚してる。衣のワガママが京太郎を困らせてしまってるのも知っている」 衣「でも」 衣「どうしようもなく……、ままならぬのだ」ギリ 京太郎「……」 京太郎「そうですか」 衣「すまん」 京太郎「いえ、衣さんが気持ちを打ち明けてくれたおかげで、これからどうしたらいいのかハッキリしました」 衣「……」 京太郎「衣さんにひとつだけ質問があります。答えてもらってもいいですか?」 衣「……うん」 京太郎「ありがとうございます。では早速」 京太郎「衣さんは俺のこと嫌いですか?」 衣「好きだよ」 京太郎「……」 衣「……京太郎?」 京太郎「」ハッ 京太郎「すいません。あまりにもノータイムで衝撃的な返答だったんで面食らってました」 衣「衣が京太郎のことを嫌いなわけがないだろう。こんなに衣のために親身になって接してくれる人を好きこそすれ、嫌いなわけないだろう」 京太郎「さすがに照れますね……。でも、これで俺も衣さんに自信を持っていうことができます」 京太郎「衣さん、俺も衣さんが好きです」 衣「」トクン 京太郎「衣さん、俺と親友になりましょう!」 衣「……」 衣「馬鹿なことを言うな、京太郎」 衣「衣達は友達ですらないんだ。それをいきなり親友なんて……」 京太郎「衣さん」 京太郎「親友という漢字は親と友という漢字で出来ていますよね?」 衣「それがどうした」 京太郎「親は家族ですよね。家族のような友達だから親友なんじゃないでしょうか?」 衣「何が言いたい」 京太郎「衣さん」 京太郎「家族には迷惑かけるでしょう」 京太郎「家族には迷惑もかけますし、迷惑もかけられます。そこには打算や損得勘定なんて存在しません。それが家族のスタンダードです。当たり前なんです」 京太郎「親友も家族の延長線上だと俺は考えます」 京太郎「だから、親友には迷惑かけたっていいんです」 衣「無茶苦茶だ!」 京太郎「自分でもそう思いますよ」 衣「……ならばなぜ?」 京太郎「だって、寂しいじゃないですか。俺も衣さんもお互いを気に入っているのに友達じゃないなんて」 衣「それは衣のわがままのせいであって……」 京太郎「でも俺は衣さんの『友達にはならない』という、わがままを受け入れました。全然、嫌な気持ち一つなく」 衣「うぐっ」 京太郎「自分で言うのもアレですけど、俺は聖人君主じゃなければ、仏でもないどこにでもいる高校一年の男子です。そんな俺が友人でもない人のわがままを笑ってきいてあげる。こういうことがありえるでしょうか?」 衣「……」 京太郎「ありえないですよ、普通」 京太郎「つまりですね。何が言いたいかといいますと」 京太郎「衣さん、俺はもうあなたを親友だと思っていますよ」 衣「……」 京太郎「後、それともう一つ。衣さんは俺に頼ってばかりだと悩んでいるようですが気にしないで下さい」 衣「気にするなだと……、無理に決まってるだろ! それでは仮に京太郎と衣が親友同士になれたとしても、衣はずっと引け目を感じるぞ! そんなの衣は嫌だ!」 京太郎「衣さんが引け目なんて感じなくてもいいんです」 衣「……無理だよ」 京太郎「」ハァ 京太郎「……衣さん。今から俺、恥ずかしくて寒いことを言いますが引かないでください」 衣「へ?」 京太郎「衣さんが引け目を感じなくていい理由を今から説明します……」 京太郎「」スー 京太郎「」ハー 京太郎「衣さん男ってのは単純な生き物です」 京太郎「それも思春期の男子ならなおさらです」 京太郎「年がら年中、女の子のことばっか考えています」 衣「そ、そうなのか」 京太郎「はい」 京太郎「特にかわいい女の子について考えています」 衣「……京太郎もか?」 京太郎「……はい」 衣「そうか」 京太郎「可愛い女の子と仲良くなるにはどうしたらいいのか、どうしたら可愛い女の子と色々できるか」 京太郎「そんなことばっかりですよ」 衣「色々ってなんだ?」 京太郎「……色々は色々です」 衣「そうか……、色々か……」 京太郎「はい」 衣「……」 京太郎「……」 京太郎(ま、負けないぞ) 京太郎「そんなんですから、いざ可愛い女の子と接する機会が来るとやっぱりすっごく嬉しいんです」 京太郎「思春期の男子なんて、可愛い女の子が笑ってくれるために行う努力は苦にはならない。そういう生き物なんです」 京太郎「だから俺」 京太郎「衣さんが頼ってくれると凄く嬉しいんです」 京太郎「衣さんみたいにかわいい女の子に頼ってもらえるのが、構ってもらえるのがすごく嬉しいんです!」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……い、言いたいことは分かった」カー 京太郎「……は、はぃ」カー 衣「……」 京太郎「……」 衣「」フゥ 衣「京太郎」 京太郎「……はぃ」 衣「男って馬鹿だな」 京太郎「……その通りでございます」 衣「なんか」 衣「悩んでた衣がバカみたいだな……」ズーン 京太郎「……なんかすいません」ズーン 衣「いや、おかげで吹っ切れたよ」 京太郎「変な方向にじゃないですよね……」 衣「安心しろ。おそらくいい方向だ」 京太郎「身を切ったかいがありました」アハハ 衣「そうだな」アハハ 衣「そろそろちゃんとするか」クスッ 京太郎「そうですね」クスッ 衣「京太郎」 京太郎「はい」 衣「好きだぞ」 京太郎「俺も好きです」 衣「衣と親友になってくれ」 京太郎「俺の親友になってください」 衣「よろしく親友」握手 京太郎「はい」握手 話は戻って 衣「それで京太郎」 京太郎「はい?」 衣「メンバー本当に大丈夫なのか?」 京太郎「はい。師匠に聞いてみたら龍門渕が全面協力してくれるみたいなので、問題ないですよ」 衣「龍門渕の協力が必要になる位すごい人が来るのか!?」 京太郎「あー、まあ確かに有名なプレイヤーですけどそんなに固い人ではないのでその人とのコンタクトに龍門渕の力が必要だったというわけではないです」 京太郎「単純に、他県の方なんで長野までの移動方法を龍門渕にお願いしてもらうという形になっています」 衣「他県の有名プレイヤーと知り合いって……、京太郎もしかしてお前相当すごいんじゃないか?」 京太郎「あはは、そんなことないですよ。運良く相手の方からフレンド依頼があっただけですから」 衣(言ってることはよくわからないけど多分凄いことだと思う) 衣「それで来てくれる人たちの名前は?」 京太郎「本名を意図的に隠している人もいるんで、ゲーマータグと使用キャラだけでいいなら」 衣「あー、こくにぃとかな」 京太郎「……教育に悪いもの見てるな」 京太郎「まあ、それは置いといて簡単に紹介しますと」 京太郎「一人目はkuroharaさんです。この人はリュウを使用キャラとしています」 京太郎「二人目はMakoさん。この人はフェイロンを使用キャラとしています」 京太郎「三人目はjoin-join-sethさんです。名前の通り使用キャラはセスですね」 京太郎「となっています。後、kuroharaさんとMakoさんは姉妹です」 衣「姉妹両方格ゲーが強いとか、凄いんだな」キラキラ 京太郎「はい。しかも二人ともとびっきりの美人ときてます」 衣「むっ」 京太郎「更には、たわわなお餅まで持ってるときた」 衣「」イラッ 京太郎「会うのが楽しみです」ニヤー 衣「京太郎、練習だ!」グイ 京太郎「うわぁ、衣さんいきなり引っ張らないでくださいよ!」 衣「さっさと行くぞ!」グイ 京太郎「わ、わかりましたから、引っ張らないでくださいー」 衣「フフフ、今夜は寝かさないぞ京太郎」 京太郎「え?」 衣「フジタの他にも倒すべき相手が出来たからな」ボソ 京太郎「はぃ?」 衣「なんでもない! 早速勝負だ京太郎、時間は有限だ!」 京太郎「徹夜は勘弁してくださーーい!」 その後 衣は21時には就寝し、京太郎はハギヨシに車で我が家まで送ってもらった。 終わり おまけ 衣「話を蒸し返して悪いが」 衣「結局、衣が京太郎に何もしてあげられないという問題が解決してないわけだが」 京太郎「それについては問題ないですよ」 京太郎「衣さんに何を頼むかについては、もう決めてますから」 衣「なに!? 京太郎、なんでも言ってくれ! 衣にできることならなんだってするから!」 京太郎「今ここでは言いませんよ。もう少ししたらお願いすることになりますから」ニコリ 衣「……なんかうやむやにして誤魔化してないか」 京太郎「いえいえ、そんなことありませんよ。ちゃんと考えてますよ。それと、衣さん女性があんまり『なんでもする』なんて言わないほうがいいですよ」 衣「ん? なぜだ? 衣は京太郎の頼みならなんでもしてあげられるぞ」 京太郎「……衣さんわざとやってないですよね?」 衣「なにがだ?」 京太郎(この歳になっても無垢なる魔性を維持し続ける逸材がいるとは……。まったくしょうがk) 京太郎「いかんいかんいかん」ブンブン 衣「ヘッドバンギング?」 京太郎「とにかく、そういうことはあまり口にしないよう気をつけてください」 衣「……うん。京太郎が言うなら気をつける」ニコ 京太郎「……ころたんイェイ」ボソ 衣「え?」 京太郎「なんでもないです」 本当に終わり だんだんとその片鱗を見せ始めた京太郎が紳士として完全変態するのは、また別の話
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―麻雀部部室― 今日も部室にはお馴染みの6人。 てかこの光景、前も見たような気がするな。何故だろう。 美幸「今日は皆で裸でおしくらまんじゅうするよっ!」 ……はい? いや、おしくらまんじゅうっていうのはさ。 寒いときに皆で体を寄せ合い、体を温める為にすることだと思うんだけど。 冷静になって考えてほしい。 今は夏だ。 暑い暑い夏だ。 そんな時におしくらまんじゅうとは。 ちょっと常軌を逸しているな。 よし、ちょっと反論するか。 京太郎「あの……」 梢「いい案ですね、さっそくやりましょう」 澄子「夏に裸でおしくらまんじゅうですか、面白そうです」 友香「早くやるんでー!」 莉子「み、みんながやるなら……私も……」 おいおい、マジかよ。 美幸「みんな、ありがとー!」 美幸「で、須賀くんもやるよね、もちろん」 京太郎「え、俺は」 美幸「やるよね」 あの、笑顔なのはいいですけど。 目が笑っていないのは大丈夫なんですかね……。 京太郎「あ、はい、やります」 くそ、気迫に押されてしまった。 まあ、適当にやっておくか。 はい、お決まりのように6人全員全裸です。 なんか今更全裸になられてもねぇ。 最初は興奮してたのかもしれないけど。 もう今はあまり何も感じなくなったな。 いや、別に俺が男としての本能を失ったわけじゃないぞ。 ただ、あまりにも日常的だとありがたみが薄れるんだよなぁ……。 おっと、早速始めるようだな。 美幸「ようし、じゃあ須賀くんを中央に」 美幸「私たちがその周りを囲むよ!」 ほう、俺が真ん中なのか。 言われるがまま、5人に囲まれる。 何か嫌な感じだ。 美幸「それじゃあ始めるよ」 椿野先輩の合図と同時に5人が一気に体を寄せ合ってくる。 何だ、こう、意外と悪くないな。 椿野先輩のスタイルの良い体。 依藤先輩の汗に濡れた体。 古塚部長のイメージとは違う幼い体。 友香の豊満な体。この5人の中で唯一の巨乳だろう。 莉子のまだ幼さが残る体。 様々な体が俺の体に押し付けられてくる。 俺も皆も汗かきまくりっす。はい。 美幸「須賀くん、温かい?」 澄子「気持ちいいですよね?」 梢「もっと楽しみましょう?」 友香「京太郎……いい気持ち……」 莉子「す、須賀さんが喜んでいるのなら私も頑張りますっ」 ああ、いい気分だ。 でも。 次の瞬間、事態が一変する。 そこまで5人は程よい強さで押し合ってきた。 しかし、急にその強さが段違いに強くなった。 もはやこれはおしくらまんじゅうではない。 痛い、体が痛い。 京太郎「あ……あの……みなさん」 京太郎「いきなり……ど、どうしたんですか……」 言葉を発するのも苦しい。 美幸「ふふふ」 澄子「ふふっ」 梢「うふふ」 友香「ふふふ」 莉子「うふふ」 み、みんなどうしたんだ一体。 押してくる強さがどんどん増していく。 不味い、このままじゃ……。 つ、潰れる……。 グシャッ 気づくとそこはいつもの部室。 ……夢か。夢だったのか。 良かった。 ふと見上げると、心配そうな表情の椿野先輩。 美幸「大丈夫、須賀くん?」 美幸「すごいうなされてたけど、何か変な夢でも見てたの?」 京太郎「は、はい……まあそんなとこです」 美幸「どんな夢だったの?」 京太郎「え、いや……それはですね……」 美幸「?、まあいいんだけどさ」 美幸「それより早く帰ろうよーもー!」 美幸「須賀くんが起きるまでずっと待ってたんだからー!」 京太郎「あ、そうですね……帰りましょう」 カン!
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1355149267/ 咲「むぅ…京ちゃんにはこの素晴らしさが分らないの?」 京太郎「ぜーんぜんわかりませーん」 咲「キィイ!!最初は興味のなかった京ちゃんがハギヨシさんのテクで無理やり」 咲「イカされてそこから京ちゃんもハギヨシさんの事が気になっていくんだよ」 京太郎「そもそも俺ホモじゃないし」 咲「口ではそう言っていても下の口は正直ですね展開キタよ!!」 京太郎「それこそねーよ。それにお前前はハギ京の純愛こそ至高って言ってただろ」 咲「//でも最近は無理やりもいいかなーって」 京太郎「節操ねーな」 咲「龍門さんのお屋敷へ修行に出る京ちゃん…」 咲「でもある時ミスをしてしまって怒った龍門さんの命令でハギヨシさんに犯される京ちゃん」 咲「その時は憎むんだけど。ある晩ハギヨシさんのテクを思い出して自分を慰める京ちゃん」 咲「そして始まる恋…キャアアアア!!キマシタワー」 京太郎「やっぱりねーよ」 京太郎「そもそも龍門渕に修行なんか行かないし」 京太郎「まあハギヨシさんにはタコスの作り方を習ってるけど」 咲「!!それはフラグだよ!!京ちゃん!!」 京太郎「お前は何でもフラグにするな」ポカッ 咲「うう…痛いよ…京ちゃん」 京太郎「知るか」 咲「あ!それはそれとして明日の休み京ちゃん何か用事ある?」 京太郎「明日?家でダラダラするという重要な使命がある」 咲「無いんだね!!じゃあした一緒に来てよ」 京太郎「無視かよ…どこに行くんだ?」 咲「ハギ京の妄想力を高めるためにデートスポット周りをしたいの」 京太郎「一人で行け」 咲「何言ってるの!!ハギ京の妄想なのに京ちゃんが行かなくてどうするの!!」 京太郎「すっげー行きたくない」 咲「お願いだよー」 京太郎「はあ…分ったよ」 咲「やった!!明日の9時に駅前でね!!」 京太郎「はあ…気が重い」 咲「京ちゃーーーーん!!!こっちこっち」 京太郎「…おお…朝から元気ですね…」 咲「当然でしょって!!何で京ちゃん制服なの!!何でおめかししてないの!!?」 京太郎「擦る必要ないからって…何でお前はそんなに気合入った服着てるんだよ」 咲「今日はハギヨシさんになりきろうと思ったの!!なのに京ちゃんは!!」 京太郎「とりあえずどこに行くんだ?」 咲「えっと…おしゃれなカフェとか?」 京太郎「何で疑問形なんだよ…まあいいけど」 咲「このケーキ美味しいよ!京ちゃん」 京太郎「そうですねー」 咲「むぅ…何でそんな投げやりなの」 京太郎「そしゃもう幼馴染の腐った妄想に付き合わされているからですよー」 咲「腐ってないもん!美しいもん!真実の愛だもん!!」 京太郎「はいはい」 咲「ふん!!もういいよ!!」バクバク 京太郎「そんなに食ったら太るぞ」 咲「残念でしたー私は太らない性質なんだよ!!」 京太郎「胸がか…」 咲「キィイイイイイ!!!!乙女に向かってそんな事言うなんて!!」 京太郎「今日はハギヨシさんなんじゃないのか?」 咲「そ、そうだった」 京太郎「で・妄想の方は捗りましたか?」 咲「そうだねーやっぱりケーキの食べさせ合いはやりたいよねー」 咲「ハギヨシさんの突き出したフォークから一口食べる京ちゃん…」 咲「食べた後間接キスしちゃった//って赤面する京ちゃん…」 咲「キャアアアアア!!キタよ!!!!!!」 京太郎「さいですか」 京太郎「あ…咲頬っぺたにクリーム付いてるぞ」 咲「え?どこ?」 京太郎「ここだよ」ヒョイパク 咲「////な、何してるの京ちゃん!!!」 京太郎「クリーム取ったんだけど」 咲「だだだだって…いいいいいま…食べた///」 京太郎「妄想が捗るだろ?」 咲「そそそうだよね///」 咲「さて次に行くよ」 京太郎「おー」 咲「また投げやりな声出して!」 京太郎「さっきのケーキ俺の奢りだったからな…」 咲「ふーんだ!私に変なことした罰だよ//」 京太郎「へいへい」 咲「じゃあ次は…えーっと…あの」 京太郎「考えてなかったのか」 咲「!!しょうがないよ!!デートなんかしたことなかったんだから!!」 京太郎「じゃあ今日が初めてか」 咲「///ち、ちがうよ!!今日はハギ京の妄想強化のためだよ!!」 京太郎「じゃあそこら辺ブラブラするか」 咲「そ、そうだね」 咲「ふぅーむなるほどなるほどなるほどー」 京太郎「妄想は捗りますか?」 咲「や、やっぱりこういう大通りは…どちらからともなく手をつなぐのが良いよね//」 咲『京太郎君寒くはないですか? す、少し//』 咲『それはいけません』ギュッ 咲『は、ハギヨシさん//』 咲「キャアアア!!!ハギヨシさん大胆!!!!」 京太郎「へー」 京太郎「こんな風にか?」ギュッ 咲「ひゃう!!きょ、京ちゃん//」 京太郎「あーハギヨシさんの手は暖かいなー(棒」 咲「!!私は咲だもん!!!京ちゃんの馬鹿!!」 京太郎「今日はハギヨシさんなんだろ?」 咲「そ、それはそうだけど…」 咲「見て見てあのウサギの人形可愛いよ」 京太郎「俺にそんなファンシーな趣味はないぞ」 咲「あ…そ、そうじゃないよ!!わt…ハギヨシさんの趣味だよ!!!」 京太郎「あの人にそんな趣味なさそうだけど」 咲「チチチ…分ってないなあ京ちゃんは…ああいう完璧な人に限って」 咲「こういう趣味があるもんなんだよ」 咲「和ちゃんのエトペンを直したりしてたでしょ」 咲「実はハギヨシさんの部屋は可愛い人形だらけなんだよ」 京太郎「そんなもんかなー」 咲「たくさんの人形に囲まれながら行為に及ぶ京ちゃんとハギヨシさん…//」 咲『だ、だめですよ…//ハギヨシさん…汚れちゃいます…//』 咲『構いませんよ…もっと素晴らしいものが手に入ったのですから』 咲『そ、それって//』 咲『君ですよ…京太郎君』 咲『は、ハギヨシさん//』 咲「うはああああああ!!!!!みなぎってきたよ!!!」 京太郎「それは良かったですねー」 咲「もう!!ちゃんと聞いてよ!!それで…そのあと」 京太郎「あーこれ下さい」 デネデネ キョウチャンハ ハギヨシサンノアイブニミヲマカセテ 京太郎「包装してください」 フタリハエイエンノアイヲチカウノ// アレ?キョウチャン…? 京太郎「まだやってたのか咲」 咲「んもう!!折角いいところだったのにどこに行ってたの!!」 咲「京ちゃんとハギヨシさんが永遠の愛を誓ってキスをするのn…」 京太郎「あー分った分った。お詫びにこれやるよ」 咲「え?これなに・…ってさっきの人形…」 京太郎「欲しかったんだろ?」 咲「//う、うn…って違うよ!!ハギヨシさんの趣味だよ!!!」 京太郎「じゃあいらなかったか?返品して来よう」 咲「だ、駄目!!!一度貰ったんだから私の物だよ!!」 咲「そ、それに//…これを見ながら妄想するから!!」 京太郎「さいですか」 咲「ふん!!………………アリガト」 京太郎「ん?何か言ったか?」 咲「何も言ってなよーだ!!」ベー 京太郎「昼飯はマクダナルドでいいよな?」 咲「うん」 京太郎「結構いけるな」モグモグ 咲「ホントだねー」モグモグ 咲「あ!!またビビッときたよ!!!」 咲「ハギヨシさんって龍門さんの執事だからこんなところ来たことないでしょう?」 京太郎「多分な。あの人なら超高級ハンバーガーとか作りそうだし」 咲「そこだよ!!今まで行ったことのなかったところに来る二人」 咲『すいません…ハギヨシさん…こんなところに連れてきてしまって』 咲『構いませんよ』 咲『で、でもこんなところ…ハギヨシさんの口に合わないんじゃ…』 咲『んふ…京太郎君と一緒ならこのハンバーガもどんな高級料理にも勝るものに見えますよ』 咲『ハギヨシさん//』 咲「くううううううう!!!最高!!!!!! 京太郎「すいませんーダブルバーガーもう一つ」 咲「って!!また聞いてないし!!!」 咲「もう!京ちゃんの未来の予想図なんだから真面目に聞いてよね!!」 京太郎「はいはい」 咲「さっきから空返事ばっかりだよ!!」 京太郎「また口にケチャップ付いてるぞ」フキフキ 咲「」カァア// 咲「京ちゃんはまた!!//」 京太郎「で次はどこ行くんだ」 咲「えっ…んーと」 京太郎「やっぱり喪女だな…咲は」 咲「!!!もう!!失礼だよ!!!京ちゃん!!!」 咲「次は服を見に行くの!」 京太郎「へいへい」 咲「ここだよ!和ちゃんや国広さんにお勧めされたお店」 京太郎「…へへえ…大丈夫かよ」 咲「ねえ京ちゃんどれがいいと思う?」 京太郎「咲ならなんでも似合うんじゃねーの」 咲「//…じゃあちょっと試着するから待っててね」 咲「ど、どうかな//に、似合う?」 京太郎「おお…似合ってるぞ。でも和や国広さんとは違う服なんだな」 咲「カァア!!!京ちゃんの変態!!!スケベ!!!」 京太郎「でもさ…この店女向けだよな」 京太郎「幾らなんでも俺とハギヨシさんが来る店じゃないよな」 咲「…バカ」 京太郎「どうした?」 咲「なんでもないよ!!!京ちゃんが受けだから女装するの!!!」 京太郎「ブフッ!!お、俺はそこまで変態じゃねー!!」 咲「で、でも結構いけそうだよ…京ちゃん線細いし…//」 咲『は、ハギヨシさん//恥ずかしいです…//』 咲『んふ…そんなことありませんよ…よくお似合いです』クチュ 咲『あっ…//そ、そんなところ…』 咲『おやおや…大きくなってますよ…京太郎君』 咲『い、いや…//言わないでください//』 咲「すごい来てるよ!!!!!」 京太郎「店の中で大声を出すな」ポカッ 咲「あう…」 京太郎「じゃあ行くか」 咲「う、うん…でもいいの?服なんか買ってもらって?」 京太郎「清澄がインハイに出場したお祝いということで」 京太郎「俺はあんまり役に立てなかったからな…」 咲「ううん!!!そんなことないよ!!」 咲「部長も染谷先輩も優希ちゃんも和ちゃんも私も京ちゃんには感謝してるよ!!」 咲「雑用を文句の一つも言わずにやってくれてありがたいって」 咲「京ちゃんは縁の下の力持ちだよ!!」 京太郎「はは…ありがとうな咲」ポンポン 咲「ううっ…//」 咲「さてそろそろ夜になってきたよ…」 京太郎「じゃあ帰るか。お疲れ様」 咲「何で!!ここからが本番だよ!!!」 咲「日も暮れてきて、雪も降りだしたある日…」 咲「手を繋ぎながら二人は歩いている…」 咲『は、ハギヨシさん帰らなくて大丈夫なんですか//』 咲『んふ…透華様や衣様からたまにはゆっくりしてきなさいとお休みをいいただきまして』 咲『京太郎君は大丈夫なんですか?』 咲『ハギヨシさんと一緒ならどこへだって//』 咲「そして二人は手を取り合いながら歓楽街を進んでいく…」 京太郎「ホットコーヒー二つ」 咲「二人の進む先に現れたのは煌びやかなネオン輝く欲望のお城…」 咲「そう…ら//ラブホテル//…」 京太郎「何でそこだけ恥ずかしがるんだよ」 咲「もう夜も遅い…どちらともなく相手の手をとり中へ消えていく…」 咲「そう…二人は結ばれるんだよ…」 京太郎「お前の妄想ではもう100回は結ばれてるけどな」 咲「もう!!横槍を入れないで」 咲「中に入った京ちゃんはそのあまりの豪華さに驚くんだよ…」 咲『ハギヨシさん//…お、俺こんな豪華なところじゃ落ち着かないです』 咲『大丈夫ですよ…どんなところだろうと私たち二人の愛の巣です…』 咲『あっ…//』 咲「そう言うとハギヨシさんは豪華なベットに京ちゃんを押し倒すんだよっ…//」 咲「そして部屋の中に漂う豪華な香りとハギヨシさんの臭いで理性を失った京ちゃんは…//」 京太郎「さっきから豪華豪華しか言ってないな」 咲「んもう!!しょうがないでしょ!!入ったことなんてないんだから!!」 京太郎「じゃあ…入ってみるか?」 咲「え…//」 咲「ななななな何言ってるのかななな!!!!」 京太郎「これもハギ京のためだろ?」 咲「あうううう!!!ででででもこればっかりは!!!!////」 咲「………で、でも京ちゃんとなら……」 京太郎「なんてな!!」 咲「へっ?…」 京太郎「流石に妄想に付き合うって言ってもそこまではしないよ」 京太郎「そもそも今日制服着てるからな」 咲「むうう!!!京ちゃんの馬鹿!!!おっぱいに挟まれて死ね!!」 咲「ハギヨシさんの上で腹上死しろ!!!!」ダッ 京太郎「あ…咲」 京太郎「ってな事があったんですよ」 京太郎「あの後咲を追いかけたら泣き出して警察に事情聞かれるわ」 京太郎「罰だって高い飯奢らされるは大変でしたよ」 久「うわ…悲惨ね…」 京太郎「でしょう?」 久「…咲がよ」 まこ「この色ボケ男にはきついお仕置きが必要じゃけえ」 優希「いいいいいぬうううううう!!!!そこに直るじぇ!!!!」 久「あとで永水の大将にお仕置きしてもらいましょう」 カン
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玄「ブラジャーって凄いよね」 京太郎「どうしたんですか急に?」 京太郎「確かにすばらですが」 玄「だってよく考えてみてよ」 玄「ブラジャーは常におもちを包んでいるんだよ?」 京太郎「なっ…!?つまり、ブラジャーは」 京太郎「女性のおもちを常に揉んでいる…!?」 玄「しかも直にだよ!」 京太郎「なんという…」 京太郎「生まれ変わったら…」 玄「ブラジャーになりたいなぁ」
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251 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 22 31 13.92 ID cAY1eo6Fo 【実況席】 裕子「白熱した副将戦が終了致しました」 裕子「トップはまたも変わらず須賀らぶです。中堅戦で削らましたが、20900点を稼ぎ171300点としました」 裕子「2位は最下位から一気に返り咲いた千里山。船久保選手が+36700点を稼ぎ、一位の須賀らぶとは65400点差です」 裕子「3位は2位から転落した姫松。愛宕絹恵選手が削られ、2位の千里山とは29600点差です」 裕子「4位は阿知賀。鷺森灼選手が大きく削られてしまい、一気に離されてしまいました」 裕子「それでは戒能プロ、この副将戦の解説をお願いします」 良子「オーケー。では1位の須賀らぶの対木もこ選手から」 良子「彼女は2回振込みが有りましたが、和了りは跳満チートイ跳満満貫とかなりの高火力でした」 良子「中堅戦で縮められたリードをまた引き離しましたし、結果はグッドだと思います」 裕子「それでは2位の千里山の船久保浩子選手はいかがでしたでしょうか?」 良子「彼女の場合はデータに裏打ちされた緻密的な麻雀だけでなく、相手を引っ掛けるテクニックも見せ付けました」 良子「36700点を稼ぎ出した事も含め、パーフェクトな結果でしたね」 253 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 22 50 37.46 ID cAY1eo6Fo 良子「3位になってしまった姫松の愛宕絹恵選手ですが、実力そのものは悪く有りませんでした」 良子「しかし、やはり相手の方が一枚上手でしたね」 裕子「手元の資料によると、千里山の船久保選手とは従姉妹同士らしいのですがその辺りも関係有ったのでしょうか?」 良子「手の内を知られていると言うのは有ったかもしれませんが、それはお互いでしょう」 裕子「なるほど……」 良子「でも流石従姉妹ですね。洋榎選手よりも二人の方が姉妹に見えました」 裕子「確かに似てましたね」 良子「まぁ私とハルと違って有る部分は決定的に違いますけど」 裕子「え?」 良子「……ソーリー。失言でした」 裕子「は、はぁ……」 裕子「では4位の阿知賀の鷺森選手ですが、かなり厳しい結果になりましたが……」 良子「そうですね……。彼女は実力のある選手なのですが、聴牌すら出来ない局がかなり有りましたね」 良子「更に聴牌した局でも待ちが裏目に出てしまい、放銃を繰り返してしまいました」 良子「どんな実力の有る選手でも時にこのような事態が起こりうるのが、麻雀のフィアーな所でしょう」 裕子「なるほど……。ありがとうございました」 裕子「それではCMを挟んで、大将戦の選手を解説して頂きます」 258 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23 03 37.66 ID cAY1eo6Fo 【チーム阿知賀】 灼「……」グッ 灼「私……なんで……頑張ったのに――」ポロポロ 晴絵「……やっぱりここに居たか」 灼「!」 灼「ハルちゃん……」 灼「私……私!!」ダッ 晴絵「待ちな、灼!」グッ 灼「でも!!」 晴絵「皆に会い難いのは分かるけど、逃げちゃ駄目だ」 晴絵「……今逃げたら私と同じになってしまう」 晴絵「アンタにはそうなって欲しくないんだよ」 灼「……ハルちゃん」 259 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23 17 32.84 ID cAY1eo6Fo 玄「そうだよ、灼ちゃん」 憧「なかなか帰ってこないから心配したんだから」 穏乃「大丈夫ですか?」 宥「灼ちゃん……」 灼「みんな……。私、また同じ事を……」ポロポロ 灼「ハルちゃんの――みんなの頑張り、全部無駄にしちゃった……」 灼「私、みんなに何て謝れば良いの?ううん、謝っても許されないと思――」ギュッ 穏乃「……良いんですよ灼さん」 灼「……穏乃?」 穏乃「誰も灼さんを責めたりなんかしません。だって一番傷付いてるのが灼さんだって分かってますから」 穏乃「それに灼さんが今まで一生懸命、頑張ってきた事知ってます」 灼「でも勝たなきゃ意味が無――」 穏乃「そんな事は有りません!」 穏乃「確かに勝つ事は大事ですけど、それだけが全てじゃないはずです!」 穏乃「この大会の為に皆で喜んだ事、悲しんだ事、楽しんだ事、その全てが重要なんですから」 穏乃「だから泣かないで下さい。そしてお願いですから、自分を責めないで下さい」 灼「穏乃……」 266 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23 34 38.85 ID cAY1eo6Fo 憧「そうそう。しずにしては良い事言うわね」 憧「……アンタ本当にしず?」 穏乃「ひどっ!?人がすっごい真剣なのに!」 宥「でも穏乃ちゃんの言うとおりだよ?私達が経験してきた事、全部があったかい思い出なんだから」 玄「それに同じくらい失点した私を灼ちゃんは責めなかったよね?ありがとう」 灼「宥さん、玄……」 晴絵「なぁ灼、アンタにはこんなに良い仲間が居るんだ。それを忘れちゃいけない」 晴絵「……確かにアンタが失点した事は事実だし、1位との差が大きく開いたのも事実だ」 晴絵「でもその事実はアンタだけのものじゃない、チーム皆のものだ」 晴絵「だから最後まで皆で一緒に観戦しよう、な?」 灼「……うん」 271 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23 44 02.20 ID cAY1eo6Fo アナウンス『まもなく決勝トーナメントDブロック大将戦が始まります』 アナウンス『選手の方は対局ルームへお集まり下さい』 穏乃「ようし!私の出番だー!!」 憧「あ、待ったしず!」 穏乃「何だよ。早く行かないと……」 憧「その前にちょっとこっち来なさい」グイッ 穏乃「え?何?ちょっ、憧、待って――」 【数分後】 憧「……うむ」 ──── __ ─ 、 / `>、 ヘ / \ヘ / ∧ ヽヘ /,イ / / / ∨ | | ∧ ', // / / / ∨ j, | l! } l / ′ ムム / } ト 〈! イ | | { l! | 八' { ' ` | / !| /j /メ ′ | 八 {|! ! | ,r_芋ミ !',r示/ミ' ! / ′ 〉!.〉 乂' ト } ん ;ハ,' / / | /' 〃 、_! 乂_ソ 乂__,ソ,jイ /` } | / ノ l ハ |! ,,,,, ' ,,,,, / ゙ ノ ''! | / / |! ! ∧ ー─, / /'' /j | / // | ヘ ! .、 ゝ - ,イ/ / / ,' | // ,/' ∧ | '> <ノ\/ / / ' r 、 r,_. 〃 ,/ ,r七´ ̄' / ヘ ,r<´/ ,/'' / / / j ! /ノ } / / ! 〈. 〈 /⌒、 / `ヽ、' / { .{/ / / /) ./ / j ィ7`ヽ',Y /,∧,ノ / \ / | / / ,// / / ! { `-/´⌒} \ ヽ ヘ (--`ヽ Y{ / |〈! ノ-{ / / } ,人__ ,,,)〈' ∧ ノ ! ′ .! 乂 / { ゝ イ) / / / 、 \ ヘ ノ l ! `| ゝ- ' ´ ./ 〈 穏乃「うぅ……何だかふわふわする」 278 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/17(月) 23 52 00.79 ID cAY1eo6Fo 穏乃「なんで制服着なきゃいけないのさー」ブーブー 憧「千里山の江口セーラ見た?あの人普段、学ランとかなんだけど試合ではちゃんと制服着てたでしょ?」 穏乃「確かに……」 憧「だからアンタもちゃんと制服来なさいって事」 穏乃「はーい」 穏乃「でも憧」 憧「何?」 穏乃「私のジャージじゃ短くない?」 . ´ ̄ ̄` / \ , ゚。 / | | .| ^ヽ | | i トA ∧⌒ト iミ | ト、 |. 八| 从笊 | ィ筏㍉| 「 Y. | | | | // l ∧ ヒト | ヒソ | |ノ| |八 | | // | |八/// u.jノ∨ .レ‐ .、\. // | |r‐|\ -‐ // | // i 、\. 〃 | |{ 八 l 爪「 _/ | l |ヽ \\ /' 乂} 、! | / / / | ‘, \\ /' ∧ ヽ、 |/ / / ハ ‘, \\ // / ∧ i∨ / / / ハ| ‘, \\ / / / / } l | { { / ハ | | ヽ ヽ. / / / /| ! |八 ∨ ハ ノ | i i / i / / | ! | } ′ ハ 〉 | | i | 八 | ./ / .八 | ! ∨ } ′ ハ \/| | } ノ \ | | / ヽ! ∨} ′ ハ ヽ / ノ. \ { ! ∨ / ハ /V | { / | // ヽ 憧「だ、大丈夫よ!……多分」 283 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/18(火) 00 06 18.38 ID idopzi3Xo 憧「と、とにかくアンタはそれで頑張ってきなさい!」 穏乃「りょーかい!」 玄「穏乃ちゃん……」ギュッ 玄「迷惑かもしれないけど、少しでも力になれたら良いなって」 穏乃「玄さん……」 宥「私も」ギュッ 宥「頑張って。穏乃ちゃん」 穏乃「はい!」 灼「穏乃……」 穏乃「灼さん……」 灼「今はただ、頑張ってほしいとだけしか私には言えない……」ギュッ 穏乃「任せてください!」 憧「しず」 憧「ま、私から言う事は何もないわ。いつも通りやんなさい」ヒラヒラ 穏乃「……ありがと」 晴絵「しず、アンタの全てをぶつけてきな!」 ___ _ >  ̄  ̄ ー.、 / / / \ / ´\ / / ∧ \ / / 7 / / / / V ヽ ヽ / / \ i ! ハハ \/ハ! V }} ヽ / { ヽ ヽ ! ハ /r‐r示ミ` { __レ‐ j ハ / 、 V V ん/ハ zzレイ ハ}. / ∧ /⌒V ./ 弋/ソ ん i 〉レ ノ ハ / ∧ヽ l ! ヽヽ 辷/ ハレ レ / / \ヽ.! l `ヽヽ' | / / // ヽ ! ! { ̄ ァ / ! / / _ / / rハ { _ / ィj j / / / ヽ` ーく ヽ { - _ < l /´ / / / i ヽ '\ ∧_ 〃. _ / / } \ / 〉{く} ‐、 ノ ̄ / / ノ r‐ヽo Y∧〉 ハ. / / // ! . V/ ⌒ ┐ / ,′∠ ―へ // レ .┬く . / / ′ \ ヽ 〃 く . . 小 . Y }' イ ┬ 、 ー-V \ /oハ . ! │ / ‐┘ j , } / / 、 o! ノ―'j / / ヽ / ∠ィ ̄ / / 、 / / } 穏乃「はい!!」 338 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/18(火) 23 47 41.53 ID idopzi3Xo 【チーム千里山】 浩子「ただいまです」 雅枝「おかえりさんさんさんころり~♪」 セーラ「お帰りー」 浩子「あれ?おば――監督。来てはったんですか?」 雅枝「他の所見て、ここが最後や」 雅枝「それにしても、よう頑張ったな」 浩子「差は全然縮められませんでしたけどね」 セーラ「すまんな。俺がもっと頑張っとったら違ったんやろうけど……」 浩子「それは言いっこなしですわ。どんな事が起こるのか分からへんのが麻雀ですし」 浩子「でも洋榎ちゃんは活躍してはりましたよ」 雅枝「……分かっとったけど敵にしたらえげつないなぁ、あの子はホンマ」 セーラ「でも自慢の娘なんでしょ?」 雅枝「アホいえ」 雅枝「まぁ……あの子にしてはそこそこやったんとちゃうか」 浩子(照れ隠しですね) セーラ(照れ隠しやな) 347 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 00 07 31.27 ID kKNmaukwo 浩子「それで清水谷先輩は……」 セーラ「ああ竜華なら泉が引き剥がしに成功して、直接向かってるはずや」 セーラ「んで泉はそのまま怜ん所や」 浩子「ええんですか?江口先輩は行かんでも」 セーラ「ええって。泉が側におるやったら大丈夫やろうし」 浩子「それならええんですけど……」 浩子「せやけど、どうなりますかね?大将戦」 浩子「正直姫松はデータが有りますけど、阿知賀と須賀らぶは監督から渡されたデータのみでよう分かりませんし」 浩子「と言うか渡された牌譜は、役満役満ツモ役満役満でまったく役に立たへんし」 浩子「……ホンマなんですか、これ?」 雅枝「なんや、浩子は私を疑うんか?」 浩子「疑ってはいませんけど、これ見て信じろっちゅう方が無理ですわ」 雅枝「まーせやろなー。ウチでも絹恵と二人で見たのに洋榎が全然信じへんかったし」 雅枝「……でも事実なんや」ハァ 浩子「……まぁどちらにしても、自分の目で見られるんやから本当かどうか分かりますけど」 雅枝「驚いて腰抜かさんといてや?私は介抱できへんで?」 浩子「大丈夫です」 浩子(……もし、おばちゃんの言う事が本当なら――) 浩子(――この試合、とんでもない事になるかもしれへん) 351 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 00 24 42.18 ID kKNmaukwo 【チーム姫松】 恭子「お帰り絹ちゃん」 漫「お帰りなさい」 郁乃「お帰りやで~」 由子「お帰りなさいなのよー」 洋榎「……」 絹恵「すみません……3位に転落した上差を広げらてしまいました」 恭子「大きなミスは無かったし、結果は仕方あらへんよ」 漫「元はといえば私が先鋒で失点したせいやし……」 由子「そんな事言うたら私が一番……」 郁乃「と、とにかく終わってしまった事は仕方あらへんって~」アセアセ 郁乃「な?洋榎ちゃん」 絹恵「ごめん……お姉ちゃん」 洋榎「……絹。うちからは頑張ったなとかようやったとかは言われへん」 絹恵「……」 洋榎「でも――」 洋榎「――ご苦労さん」 絹恵「お姉ちゃん……」ウルッ 356 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 00 47 29.17 ID kKNmaukwo 洋榎「ま、そう言う訳やから後は全部大将の恭子に任そうや」 洋榎「……正直、ここから大逆転一位で勝てるなんてジャン○みたいな展開になるなんてだーれも思てへん」 洋榎「でも確率はゼロ%って訳やないやろ?恭子」 恭子「当然や。負ける思うて対局するもんはいーひんよ?」 恭子「……相手が格上やろうと、一年生やろうと、素人同然やろうとやることは同じやし」 恭子「凡人には凡人のやり方が有るって事を見せるつもりです」 洋榎「ちゅう訳や。ここまで来たんや、後は皆で恭子を応援するで!」 由子「おー!」 郁乃「ふぁいとや~」 漫「はい!」 絹恵「頑張ってください」 恭子「ありがとう。やるだけやってくるわ」 洋榎「恭子」 恭子「……洋榎」 洋榎「期待しとるで――“大将”さん」 恭子「……うん」 洋榎「負けたら代行に改造してもらうからな!」 郁乃「え!してええの?」 恭子「駄目です!ってか洋榎もそれはアカンって!」 洋榎「あはは……。ま、頑張ってきーや!」 恭子「はぁ……行って来ます」 洋榎(……ただ気になるんやなぁ) 洋榎(オカンと絹が合宿から帰ってきた直後に言っとった、“須賀っちに気つけろ”って言葉が) 洋榎(確かに前にやったとき、強いとは思ったけどそんな気つけるほどやなかったし……) 洋榎(……もし本当やったら、この大将戦。大荒れになるかもしれへんな) 360 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 01 01 07.88 ID kKNmaukwo 【チーム須賀らぶ】 もこ「……我、戦場より帰還せり」 憩「お帰りですーぅ♪」 いちご「もこちゃん、よう頑張ったなぁ」 数絵「……ありがとう。対木さん」 絃「お帰りなさい」 京太郎「お帰り。やっぱすげーなもこは」 もこ「……これぐらい我が力《フォース》にかかれば容易い事///」 いちご「あ、照れとる照れとる」 もこ「……でもメガネ妖怪には負けた」 京太郎「メガネ妖怪?」 京太郎「……ああ船久保さんか」 京太郎「ってメガネは分かるが、なんで妖怪?」 もこ「……時々妖怪みたいな顔してた」 京太郎「そんな馬鹿な。別に普通だったけど」 もこ「間違いない。アレは確かに電脳の海に潜む妖怪」 366 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 01 22 54.89 ID kKNmaukwo 京太郎「よく分からんが、人の事を妖怪呼ばわりは駄目だぞ?」 もこ「……京太郎が言うなら」 京太郎「ま、とにかく。いよいよ俺の出番って訳だ!」 憩「大丈夫京ちん?体調は悪ない?」 いちご「対局ルームへの行き方は分かっとる?」 数絵「ハンカチは持った?」 もこ「……闇の力は十分か?」 絃「えっと……一人で行けますか?」 京太郎「俺は子供じゃねー!!」 憩「ふふふ。分かってますよーぅ」 いちご「緊張してへんかなーと思ったんじゃが……」 数絵「どうやら杞憂だったみたいね」 もこ「……」コクコク 絃「えっと……そう言う事みたいです」 京太郎「はぁ……」 京太郎「ま、ありがとう。少しほぐれたよ」 368 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/03/19(水) 01 51 32.03 ID kKNmaukwo 京太郎「……正直言うと結構緊張してたんだよ」 京太郎「だって公式戦デビューが決勝トーナメントだぜ?緊張するなって方が無理だろ」 憩「ま、せやねー」 いちご「このまま京ちゃん出んまま終わるかと、ちょっと思っとったけん」 数絵「……良かったのか悪かったか」 もこ「……でもいつかは通る道」 絃「そうですね。それに京太郎さんならきっと大丈夫でしょうし」 京太郎「そうでしょうか?」 京太郎「まぁ、みんなのおかげでリードは十分有るし余程の事が無い限りは大丈夫だとは思うけど」 憩「油断したら駄目ですよーぅ」 いちご「そうやね。何が起こるか分からんのが麻雀やし」 京太郎「分かってますって。皆の為にも頑張ってくるからさ!」 憩「頑張るのはええけど、一番は麻雀を楽しむ事ですよーぅ♪」 いちご「そうじゃよ?勝っても負けてもそれが一番大切じゃ」 数絵「……そうね。京は大丈夫だと思うけど、私みたいな事にならない為にも」 もこ「……汝に闇の祝福を」 絃「頑張ってきてください。お帰りをお待ちしてます」 京太郎「……ありがとう皆」 京太郎「それじゃ――」 / , / / / / | | . . . / / / ' | | | | i| | . イ ' /| /| l | | | | l| | |// / | | { ' . | | } | l| | { ' 〃 | | | | ト, /| /| /| ' ∧|/ / .' , ' Ⅵ |_'. | | | | l | ' }/ }/ / .イ `\{/ / / / / { | Ⅵ≧!、,| | 、 | _/ム斗七 / . / }' ' ,イ / | { 从 | イ { しメ∧ l Ⅵ イ { し刈 `ヽ' ' }/' / /イ Ⅵ . Ⅵ Vzり \ 、 } / Vzり }/ // | 从 | \ ∨/ , / _∨∧ . ` \ , _ノ> 、_ , <//////{/{{`∧ 、 / }}//////> 、´//////////// l| ,∧ _ ∧ ||///////////>/////////////从 { 、 _ ィ -vノ ' } /'//////////////////////////{/∧ l\ ー=≦__ , ´ /' / イ∧//////////////////////////|//∧ . \ / / /'////}///////////// 京太郎「――行って来ます!!」 <<前に戻る|6月へ|次に進む>>
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京太郎「海」 京太郎「それは数多の生命の源」 京太郎「人は皆それを前にするとつい童心に帰ってしまう」 ゆみ「ど、どうしたんだ急に…」ドンビキ 京太郎「要はですよ」 京太郎「はしゃぎましょうっ!」 京太郎「いやっふーーーーーーーーぅ!!」ドビュン ゆみ「あ、おい!」 ゆみ「少しくらいは準備運動をだな―――」 京太郎「はぅ!?」ビキ 京太郎「いててててて」 ゆみ「ああ、ほら言わんこっちゃない…」 京太郎「や、マジで!痛いですよこれ!」ゴロゴロ ゆみ「どれ、貸してみろ」グイ 京太郎「いちちちちち」 ゆみ「まぁ我慢しろ」グイ 京太郎「ちょーちょーマジで痛いですって――」 京太郎「あっ…」 ゆみ「どうだ?落ちついてきたか?」 京太郎「は、はい…なんとか」 ゆみ「うむ、これに懲りたらしっかりと準備運動をしてだな――」 京太郎「いゃっほーーーーーーーー!!」ドビュン 京太郎「ほぅ!?」ビキ 京太郎「こむら返ったああああああああああああ」ドタバタ ゆみ「少しは懲りろよ!」
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―――ラジオ局 良子「今週も『のーうぇいらじお』の時間だ。メインパーソナリティの戒能良子と」 京太郎「アシスタントの須賀京太郎でお送りします」 良子「ふと思ったんだが京太郎は学校なんかでこのラジオの話とかするのか?」 京太郎「あー、最初の2.3週はそうでしたねー。今じゃ皆全然来にしてないすけど」 良子「そんなものか」 京太郎「そんなものですねー」 良子「よし、それじゃあ今日もお便りのコーナーに行こうじゃないか」 京太郎「了解です。ってあれ、スタッフさん早くお便りの箱を……」 京太郎「はい、ありがとうございます。先週はホントすみませんでしたって!」 良子「なんだ、まだ怒ってたのか」 京太郎「そりゃそうでしょうよ……」 良子「ま、とりあえずお便りを読んでくれ」 京太郎「了解です!」 京太郎「えー、RNりさっちさんからのお便りです」 『怒ってないのに怒っているように見られることが多いです! 解説も口下手で上手く行きません! どうしたら良いでしょうか教えて下さい! あと戒能プロと仕事するのを楽しみにしてます』 京太郎「だそうです。というかこの番組異様にどっかで聞いたことあるような感じのお便り来ません?」 良子「気のせいだろう」 京太郎「気のせいですか」 良子「ああ。それでお便りの方だが……」 良子「質問の方はもう、笑顔を意識するとか、ありきたりなことしか言えないな」 良子「それと一緒に仕事をできるのは私も楽しみにしてます、とだけ」 良子「よし、次のお便りだ」 京太郎「やっぱり気のせいじゃ――」 良子「次」 京太郎「はい」 ――― ―― ― 理沙「……笑顔、こんな感じかな」ニコォ みさき「なんだか怖いですね」 理沙「ひどい」プクー みさき「そっちのほうがいいんじゃないですか?」 理沙「……そう///」プク
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某所 京太郎「……」ボー 照「……食べる?」 京太郎「ありがとうございます」 照「今日はご旅行ですか?」 京太郎「あ、いえね……田舎の喧噪に疲れて」ポリポリ 照「?」ポリポリ 京太郎「あ、意味わかりませんよね、すみません。ただ、人ゴミならバレないかなって」 照「よかったら話聞くよ」ポリポリ 京太郎「良いんですか? ならこれでもつまみながら」 照「そ○の華…好き」 京太郎「途中でつまんでたんで、残りコレだけしかないんですけどね。で、話しいいですか?」 照「はむ、ぱりっ、うまっ」 京太郎「まあ勝手に話しますね」 京太郎「俺の友達づきあい……まあ、俺の言い方が悪いせいもあるんですけどね、実は」 照「あ、クレープ屋さん。買いにいこっと」 京太郎「あ、あの、話聞いてくれるんじゃ」 照「・・・」ゴクン 京太郎「ないんですか?」 照「1枚くれただけで調子に乗るな」 京太郎「え」 照「聞いてほしければ箱ごと要求する。じゃ」 京太郎「そんな、最後の一枚だったのに」 照「クレープ屋さん、待って~」 京太郎「……メゲるわ」 終わり? 番外編 大阪 セーラ「ほいっ!」ヒョイッ 京太郎「お~!!」パチパチパチ セーラ「どや? 上手いもんやろ」 京太郎「見事なヘラ捌きですね」 セーラ「そやろ~」 京太郎(あの合同練習で咲と対局して1位になったご褒美、セーラが大阪来いって言ったのは驚いたけど……) セーラ「もいっちょ!」クルッ 京太郎「お見事(タコ焼きの次はお好み焼。だなんてな)」 セーラ「なんやニヤニヤして」 京太郎「ああ、セーラ楽しそうだなって」 セーラ「楽しいで。デートやしな」 京太郎「おもち!?」 漫「ひっ」ビク 京太郎「あ、すみません(エプロンからでもわかる、でっかい、でっかいぞ!)」 セーラ(ええ感じやったのに)プク 京太郎「あ、すみません。デートって話しの続きですけど」 セーラ「ご褒美デートや。ええやろ?」 京太郎「まああの時のセーラは格好よかったし、いいですよ」 セーラ「よっしゃ! あ、焼けたで。あーん」 京太郎「恥ずかしいですって」 セーラ「かまへんかまへん」つ 京太郎「~~、あ~」 漫「あ、あの」 セーラ「なんや、注文したモンなら全部きたで」 漫「千里山女子の、江口セーラさんですよね?」 セーラ「そやで。サインなら帰りにな。今はダメやで」 漫「そ、その……彼氏おったんですね。意外ですわ」 セーラ「彼氏? ちゃうちゃう、友達や」 京太郎「ええ。良き友人です」 漫「と、友達?」 セーラ「今は、な。いずれは付き合うかもしれへんで―」 京太郎「あははは」 セーラ「そや! こいつのことどう思う?」 漫「え、この男のことですか?」 セーラ「ええ男やろ?」 京太郎「あんま褒めないでくださいよ。それにセーラの方がカッコいいじゃないっすか」 セーラ「お似合いってわけか? よっしゃ、付き合おうやないか!」 京太郎「その返答はまだ……」 セーラ「なんや、あん時ん事、まだ怒ってるんかい」 京太郎「当たり前でしょ」 セーラ「ぶーぶー! あん時『好きにしてください』って言ったやん」 京太郎「……失言でした」 セーラ「ま、お互い様ってことで。ほら、仲直りのお好み焼きや」 漫「あ、あの」 セーラ「あ、そやそや。で、どない思う? あ、京太郎は彼女しっとるやろ?」 京太郎「え、っと、VTRでは」 セーラ「姫松のおっぱい爆弾や」 漫「だ、誰がおっぱい爆弾ですか!! 上重漫ですから!」 セーラ「まあまあ。で、どない思うんや?」 漫「そうですね……」 漫(優しそうな人やし) 漫「格好ええと思いますわ」 セーラ「そやろそやろ!」ズイッ 漫「わっ」 セーラ「見る目あるわ―。ほら座って座って」 漫「え、でも手伝いのとちゅうやし」 「かまへんでー」 漫「お、おかん…なら、失礼します」 「はい、友人サービスや」 セーラ「わっ、おおきに」 京太郎「すみません、初対面なのに」ペコリ 「お代は漫のお小遣いから差し引くから、痛くもかゆくもないで―」 漫「酷い!!(けど……)」 セーラ「さあ焼くで―」 漫「ちょ、待ってください!」 京太郎「上重さん?」 漫「コホン、ここはお好み焼屋の看板娘、上重漫に」 セーラ「おっぱい爆弾に?」 漫「おまかせあれ……って、だからおっぱい爆弾じゃありませんから!」 京太郎(揺れた!) 漫「京太郎くんも、よ~く見てるんやで♪」 A85 京太郎「はい!」 セーラ「おもろいやん。お好み焼マスターである俺に喧嘩売るなんてなあ」 漫(京太郎君の名字しらんから名前呼びやけど……軽い女思われてへんよね?) 京太郎(大きい……) セーラ「顔!」ツネリッ 京太郎「いたたたた」 セーラ(ふっくら感を残すため、空気をより多く含むよう縦に数回) 漫(むっ……基礎は出来てるかもしれませんけど、この技は真似出来んで!) 京太郎「は、8の字に」 漫「8の字に生地を混ぜることで空気をより含んで、美味しいんやで」 京太郎「へー、すげ、良いもん見ました」 漫「そ、そやろ!」 セーラ「ちっ、けどな……問題は焼き方や」 京太郎「楽しみだなー」 ~~~~~ セーラ「出来た!!」 漫「出来ました!!」 京太郎「厚みが」 漫「漫画みたいやろ?」 京太郎「ええ。俺の知ってるのって、セーラさんのを食べるまで多少べたっとした」 漫「中もほら」 フワッ 京太郎「熱気!」 548 名前: ◆mZ6amyHZWj3X[saga] 投稿日:2015/06/29(月) 20 48 10.98 ID F0z1nWXe0 [10/36] セーラ「お、俺のだって」 京太郎「じゃあ、セーラのから頂きます」 セーラ「上等や!」 京太郎「…美味しい!」 セーラ「当たり前や!」 京太郎「ふんわりして、キャぺツも海老も、めっちゃ美味い」 漫「わ、私んも」つ 京太郎「頂きます」 漫「ど、どう?」ドキドキ 京太郎「……」 セーラ「黙るっちゅうことは、決まりやな」 漫「そ、そんなぁ」 京太郎「漫さんの方が、美味しいです」 セーラ「なんやて!?」 漫「!」パァァ 京太郎「厚み、味、同じ生地なのに……なんだろう、上手く言葉にできないけどセーラより」 セーラ「そんなに違うんか?」 京太郎「食べてみたらわかりますよ。あーん」 セーラ「あー、もぐっ。……確かに美味いわ」 漫「や、やりました!」ギュッ! 京太郎「!?」 セーラ「な、なにしてんねん!」 漫「す、すんません。ちょっとはしゃいじゃって」 セーラ「たくっ、京太郎! 何嬉しそうにしてんねん!」 京太郎「う、嬉しそうなんて」 セーラ「ほら、食ったしもう行くで」 京太郎「行くってもうちょっとゆっくり」 セーラ「デートはココだけやないんやで」 京太郎「わかりました。ごちそうさまでした。いくらですか?」 漫(も、もう行くんやな) 漫「お、お代はええです!」 京太郎「それじゃあ商売」 漫「そ、その代わり、また来て!」 京太郎「また?」 漫「お、お代はその時に貰いますわ!」 京太郎「えっと」 セーラ「ええんやないか? 次に来るええきっかけになるやろ」 京太郎「じゃあ、お願いします」 漫「はいっ!(次に会う時、おめかしせんと!!)」 セーラ「ま、そん時は俺もリベンジに来るわ」 漫(さっきの勝負が裏目に出てもうた……) セーラ「勝負やで」 漫「で、でも次も良い所を見せれば京太郎だって私に」 セーラ「心の声漏れてるで」 漫「はうぁ///」 京太郎「えっと、本当にお金は」 漫「ええですええです。その代わり、絶対来て、な」 京太郎「はい! 指きりしましょう」 漫「う、うん///」 京太郎「ゆーびきーり~~以下省略」 セーラ「さー、場所変えるでー」 京太郎「ごちそうさまでした。また会いましょう」 漫「京太郎くん……」ドキドキ 江口家 京太郎「せ、セーラ」 セーラ「なんや、もう限界かい」 京太郎「い、いや、もう無理だろ」 セーラ「だらしないなあ……」 京太郎「まじもう」 セーラ「次焼けたで―」 京太郎「お好み焼きはもう」 セーラ「打倒おっぱい爆弾や!」 京太郎「だからって」 セーラ「腹いっぱいになったんなら、運動でもする?」 京太郎「アレは嫌ですよ」 セーラ「結構楽しいのに……」 京太郎「咲みたいなことを。愛宕監督怒りますよ」 セーラ「監督といえば、最近俺ら見て怯えるんや」 京太郎「買い出し中に何したんですか……」 セーラ「ちょっとした女の子だけの授業や」 京太郎(絶対嘘だ) セーラ「まあその事は置いといて、ほらほら、美少女のアーンやで」 京太郎「……あー」 セーラ「あ、そや。今日泊まるやろ?」 京太郎「ああ、泊まる時は愛宕監督が家に来いって言ってたんで、そっちに泊まります」 セーラ「なんやて!?」 京太郎「不祥事対策言ってましたよ」 セーラ「くっ……せやけど、監督だって娘が」 京太郎「親の目を光らせるって言ってました」 セーラ「くっそぉ」 京太郎「あと防犯ブザーも」 セーラ「小学生か!!」 京太郎「まあそう言う訳なんで」 セーラ「ま、いずれ京太郎は俺と一緒に住むことになるけどな―」 京太郎「……期待しないで待ってますよ」 セーラ「おっ! 好意的発言!」 京太郎「嫌いだったら家になんて来るわけないでしょ」 セーラ「デレ来た―!!」 京太郎「うわっ、覆いかぶさるな」 セーラ「おっと、まずいまずい。合意、あくまで合意で、やしな」 京太郎「はぁ、心臓に悪い」 セーラ「すまんすまん。あ、ほらもうすぐ焼けるで」 京太郎「もう食べれません……そうだ」 セーラ「なんや?」 京太郎「セーラ、あーん」つ セーラ「なななあ」 京太郎「俺はもう腹いっぱいだから、食べさせてやるよ。あーん」 セーラ「……あー」 京太郎「召し上がれ」 セーラ「…」 京太郎「どうだ?」 セーラ「自分が作ったんやし、美味いに決まってるやん」 京太郎「ドンドン食えよ。あーん」 セーラ「あー///」 京太郎「たくさんあるからな」ニコニコ セーラ(けどまあ、これはこれで) 京太郎「嬉しそうだね、セーラ」 セーラ「当たり前やん」ニコッ セーラ(結構ええもんやな) セーラ「あ、そや。腹一杯になったら、して欲しいことあんねんけど……」 京太郎「なんですか?」 セーラ「めっちゃ幸せなことやで」 京太郎「?」 セーラ「膝枕、して?」 京太郎「まあ、それくらいなら」 セーラ「わーい!」ゴロン 京太郎(可愛らしい要求で助かった)ナデナデ セーラ「♪♪」 愛宕さん家 雅枝「お、よく来たな」 京太郎「こんばんは」 雅枝「疲れてへん? 道中無事やった?」 京太郎「無事ですよ。それに今日泊めていただくなんて、御迷惑じゃ?俺は別にビジネスホテルでも」 雅枝「それはあかん。襲われたらどうすんのや」 京太郎「あはは……(少しやつれているような、気のせいか?)」 雅枝「ほら玄関に突っ立ってないで、入り入り」 京太郎「お邪魔します」 「あー! オカンが男連れ込んでるで!!」 雅枝「……アホいるけど気にせんどいてな」 「辛辣!!」 京太郎「アホって……あはは」 「で、誰やあんた。オカンの浮気相手か? にしても若いなぁ」 京太郎「浮気相手って」 「うちと同い年くらいやない?」 「お姉ちゃんうるさいって……誰!?」 京太郎「ほ、ホットパンツ!?」 「きゃっ///」 雅枝「絹、まただらしない格好して」 絹恵「お、オカン! なんで男の子が」 雅枝「今日泊めるいうたやん」 絹恵「冗談じゃ無かったん?」 雅枝「当たり前やろ」 洋榎「ふーん、で、どない関係なんや?」 雅枝「ま、私の義理の息子みたいな感じやな」 洋榎「義理?」 雅枝「それだけほっとけない男っちゅうわけや」 洋榎「ふーん、うちは洋榎や! よろしゅう頼むで」 京太郎「清澄の須賀京太郎です」 洋榎「清澄って、久の所か!」 京太郎「そうですよ」 洋榎「男子部員がおったとは」 京太郎「あはは、いたんですよ」 雅枝「それより絹、いつまでそんな恰好でおるんや?」 絹恵「き、着替えてくる!」 洋榎(うちのお気に入りのキャミ、絹が着たせいでまた伸びとるんやろなあ) 雅枝「手出すんやないで」 洋榎「そやで! いくらうちが大阪1の美少女いうても」 雅枝「アホ。洋榎に言ってるんやで」 洋榎「ずこっ。おかん、普通逆やろ!」 雅枝「須賀に手、出したら怒るで」 洋榎「んなあほな。この男なんて……」 雅枝(洋榎はまとものようやな) 洋榎「って、よく見たらイケメンやんけ!! 歓迎するで!」 B74 大好きとまではいかないが、好き 雅枝「……あかんかった」 洋榎「背もあるし、ルックスもまあ上々で」 雅枝「出さんとは思うけど、手だけは出したらあかんで。子供を預かって、傷ものにしました。なんて言ってみい。嫌われるどころの騒ぎやないで」 洋榎「わ、わかったで」 京太郎「今日1日と言っても夜だけど、お世話になります」 洋榎「こんなイケメンやったら、朝から来れば大阪ぎょーさん案内したるのに、もったいないわあ」 京太郎「あはは。でもここに来る前に、漫さんやセーラさんに世話になったんで」 洋榎「なんやて―!? せやけど、あとひっかけの洋榎とは」 雅枝「洋榎、少しうるさいで。あと京太郎、部屋案内するわ。ついてき」 京太郎「わかりました。じゃあ洋榎さん、また」ペコリ 洋榎「……ボケ拾ってや」ガクッ 雅枝「客間好きに使ってや。それと飯出来てるけど、どないする?」 洋榎「オカンの唐揚げは絶品やで!」 京太郎「じゃあせっかくなんで、いただきます」 雅枝「決まりや。食卓はこっちやで」 洋榎「なあなあ、麻雀出来るん?」 京太郎「それなりに、でも初心者ですよ」 洋榎「じゃあうちが」 雅枝「洋榎、絹呼んできて」 洋榎「はーい」 絹恵の部屋 洋榎「絹-、ご飯食べるでー」 絹恵「いまいくー!」 洋榎「うちにイケメンが来るなんて、驚いたでほんま」 絹恵「お姉ちゃん?」 洋榎「絹も見たやろ?」 絹恵「まあ、ちらっと」 洋榎「なんか男来ると家が華やかになるな―」 絹恵「お姉ちゃんってば、はしゃいで……」 絹恵(でも……) 絹恵「お姉ちゃんの、言う通りかもしれへんな」 洋榎「そやろそやろ!!」 絹恵「ご飯食べよ!」 洋榎「そやな!」 絹恵「この格好、へんやないよね」 洋榎「でも絹、随分セクシーな格好やん。須賀おるからか?」 絹恵「あ、暑いからや」 洋榎「さっきとあんまり格好変わってない気がするんやけど」 絹恵「気のせいや、ほらいこいこ」 A81 一目ぼれ。大好き 雅枝「絹、着替えたんとちゃうんか」 絹恵「着替えたで? これおニューや」 雅枝(まさか……) 絹恵「あ、須賀君やね。絹恵や、よろしくね」 京太郎「須賀京太郎です。お世話になります」 洋榎「オカンの唐揚げ美味いやろ」 雅枝「足りんかったら、また揚げるから遠慮せんで食べや」 京太郎「箸が止まらないっすね」 絹恵「ごはんおかわりいる? 男の子やし、いっぱい食べるやろ?」 京太郎「あー、頂きます(昼にあんだけ食ったのに、腹が減るのは唐揚げが美味いからだろうか)」 絹恵「たっくさん食べてな」ニコニコ 雅枝「須賀ってなんかスポーツやってたん?」 京太郎「ハンドボールをちょっと」 雅枝「へー」モグモグ 絹恵「ハンドボール!?」 京太郎「ええ、中学の時に」 絹恵「私サッカーやってたんやで! ゴールキーパーや!」 京太郎「キーパーですか、結構きつくないっすか?」 絹恵「まあ一瞬の判断が大切やしな。みんなの指示もしないとダメやし」 キャッキャ スポーツ談義に花を咲かせる二人であった。 絹恵「こんな偶然あるんやなあ」ニコニコ 京太郎「ですね」ニコニコ 洋榎(くそー、スポーツわからんから混じれんやないか) 絹恵「沢山食べる男の子って、ご飯の作りがいありそうやな~」 京太郎「あはは、料理するんですか?」 絹恵「するで(これから)」 雅枝(皿洗いしかせんやろ……) 絹恵「須賀君のお嫁さんは、やりがいありそうやわ~」 洋榎「そやな~。漫才のイロハ叩き込んだるで」 雅枝(コレ確信した。娘二人落ちてるわ) 洋榎「そういやおとん、この事知ってるん?」 雅枝「連絡はしてあるから、知ってるはずやで。須賀と会うのは初めてやけどな」 洋榎「ふーん」モグモグ 雅枝「まあ仕事遅くなるから先に飯食べてろってメールあったけど」 「ただいまー」 洋榎「お、噂をすれば」 雅枝「なんや、早いやん」 「たっだいまーやで」 京太郎「あ、お邪魔してます」 父「おー、君が須賀君か―」 絹恵「お帰り」 洋榎「お帰りさんさん~」 父「ころり~」 京太郎「仲いいですね」 父「そやろ~そやろ~。やらんで~」 絹恵「そんな!」 洋榎「それはあかんで!」 父「な、なんや!?」 雅枝「さっさと着替えて、はよ飯食べろや」 父「雅枝!?」 雅枝「唐揚げ冷めるやろ」 父「はーい」 父 D56 普通のおっちゃん。京太郎のことは好きでも嫌いでもない。娘、嫁は大好き 食事も終わり 父「須賀君、風呂空いたで」 京太郎「あ、俺は最後で」 父「あかんあかん。客人に最後の風呂なんて失礼やろ」 京太郎「でも」 洋榎「ま、おとんが先入ってもうたけどな」 京太郎「それは普通だと思いますが」 絹恵「風呂の栓抜く?」 父「ちょ、今日えらく辛辣やん」 雅枝「恋する乙女やからや」 父「なんやて~」 父「須賀君、娘はやらんで。おっちゃんの目が黒いうちは絶対にな」 洋・絹「「」」 父(一度言ってみたかったんや。決まったで。) 父「欲しければこの父を倒し、屍を―」 絹恵「わかったで」レガース装着 洋榎「しゃあないな。絹は後ろからや」 父「ちょ、ま」 「クロスボンバー!!」 父「あー!!」 京太郎「止めないで良いんですか? 絹恵さんにいたってはハイキックを」 雅枝「いつものことや。じゃれ合えておとんも喜んでるやろ」 京太郎(大阪ってすごいなあ) 絹恵「じゃ、ふろの栓抜いてくるわ」 洋榎「そやな」 雅枝「あほ、お湯もったいないやろ」コツン 洋榎「あう」 絹恵「きゃっ」 雅枝「須賀、風呂入ってええで」 京太郎「えっと、じゃあ」 雅枝「遠慮せんと。あるもん好きに使ってええで」 京太郎「わかりました」 父「しょ、少年……」 京太郎「だ、大丈夫ですか?」 父「せ、洗濯ものは見たらアカン、で」 京太郎「洗濯物?」 洋榎「あ、使いたかったら使ってええで―」 絹恵「お姉ちゃん! あ、でも……もし必要なら///」 雅枝「発情猫は皿でも洗ってこんかい」 絹恵「オカン冷たい……」 洋榎「冷たいのは水だけで十分やで」 ~~~~ 風呂 絹恵「お背中、流しに」 京太郎「なんでくるんですか」 絹恵「節約や節約。オカンも勿体ない言ってたやん?」 自身のバスタオルに手をかけ、一糸まとわぬ姿になろうとした絹恵であった 京太郎「雅枝さーん!」 雅枝「……なにしてんねん、はぁ」 絹恵「あー、きょうたろー」 雅枝に引っ張られ退場する絹恵。 京太郎「バスタオル巻いてたおかげで助かった……けどちらっと」ギンギン 洋榎「背中流しにきたで―」 京太郎「せめてタオルを巻け―!!」 洋榎「まあまあ」 父「流石にアカンやろ、洋榎」 洋榎「あーん……」 父に引っ張られ退場する洋榎であった。 京太郎「はぁ、冷水でも浴びて落ち着くか」 ガララ 雅枝「須賀、さっきはすまんかった。あ、あと石鹸切れてたっておとんが」 京太郎「……」 雅枝「……」 京太郎「」ギンギン 雅枝「……すまん。けど、恥じるモンやないで。立派やと思う、ホンマや」 ガララ、ピシャッ 京太郎「見られた……」シクシク 雅枝「で、デカイ(な、何言ってるんや、私)」ドキドキ 絹恵「オカンずるい!」 洋榎「オカン!!」 雅枝「う、うっさい!!」 父「そんなにでかいんか。どれどれ」 「「「おとん!」」」 父「冗談やんけ……」 就寝時 京太郎「おやすみなさい。布団までわざわざ、ありがとうございます」 雅枝「ええんやええんや」 父「おっちゃんも早いからもう寝るで―おやすみー」 洋榎「うちもや」 絹恵「わ、私も」 雅枝「洋榎と絹恵は客間から出るんや」 洋榎「須賀の裸見た癖に」 雅枝「関係ないやろ。それに、あんたらの寝る場所は私らの寝室や」 絹恵「嫌や! 今さら子供みたいなこと」 父「それに客間には須賀の分しか布団ないやろ」 洋榎「そこはまあ、川の字に」 雅枝「なら家族水入らずでええな」 絹恵「お姉ちゃんのバカ」 雅枝「絹だって見張らんと、大人の真似事する気やろ」 洋榎「いややなあ」 絹恵「ちょっとプロレスごっこを」 父「回収」 父が脇に洋榎と絹恵を抱え、寝室へと 雅枝「須賀は安心して眠りや」 雅枝も京太郎の頭を撫で微笑むと、寝室へ戻って行った。 京太郎「は、はい」 翌日 京太郎「お世話になりました」 雅枝「よく眠れたか?」 京太郎「はい。おかげさまで」 雅枝「ほっ……」 絹恵「また来るやろ?」 洋榎「もう一泊せえへん?」 京太郎「あ、いえ。大阪への用事も果たしましたから」 洋榎「残念やな。でも連絡先交換したし、また話ししよな」 絹恵「こ、今度私も長野遊びに行くで!」 雅枝「寝込み襲おうとする娘には、許さんけどな」 絹恵「おかん!」 雅枝「トイレ行く言って、客間行こうとしたのは誰や?」 絹恵「くっ」 雅枝「で、京太郎はどやって帰るんや」 京太郎「実は……」 雅枝「なんや?」 ハギヨシ「お迎えにあがりました」 京太郎「萩原さん」 ハギヨシ「お車はあちらに」 京太郎「ありがとうございます」 ハギヨシ「では、失礼します」 京太郎「お世話になりました」 ハギヨシ「あちらにお車を」 愛宕家「……」ポカーン 絹恵「お、オカン」 洋榎「京太郎って何もんなんや?」 雅枝「も、モテるのは間違いないで」 「京太郎様!!」 京太郎「透華さん、お久しぶりです」 透華「本当ですわ」 ハギヨシ「卓は役に立ちましたか?」 京太郎「はい。その節は本当に助かりました」 ハギヨシ「いえいえ」 透華「それに京太郎様が大阪にいらっしゃるなんて」 京太郎「それはこっちも驚きです」 透華「こちらの会合も先日終わったので、一緒に帰れたことを嬉しく思いますわ」ピトッ 京太郎「と、透華さん?」 透華「京太郎様」 ハギヨシ「お嬢様、須賀君が困惑しておられます」 透華「も、申し訳ありません。私とした事が」 京太郎「い、いえ。迷惑なんて」 透華「そういえば、大阪では何を?」 京太郎「お世話になった人がいたので、お礼に」 透華「まあ、京太郎様は義理を重んじるのですね。素敵ですわ」 京太郎「いや、そこまでとは」 ハギヨシ「そうだ須賀君、長野に帰るついでに龍門渕家へ寄って行きませんか?」 透華(ナイス、ナイスよハギヨシ!) 京太郎「えっと」 透華「せっかく会ったのですから」 京太郎「(乗せてくれた恩もあるし)じゃあ少しだけお世話に」 透華(よしですわ)グッ! 長野(龍門渕)へ向かいます。
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特別編 side臨海 京太郎と明華が付き合ってます ◎月☆日 朝、目が覚めたら目の前に明華がいた いや、何してるんだよ 合鍵はもらったってドヤ顔してたけど、いいのかうちの両親 今日から両親が泊まりの出張だかでいないから来たらしい まぁ、俺も嬉しいからいいか 朝食を二人分作ったが、自分が作るより美味いのが気に入らないのか少し明華が拗ねていたので、食べさせてやったら素直になった 口移しは少しやりすぎたか? それからはしばらくネト麻しながら過ごしたが、途中から2人で脱衣麻雀になった 明華も明らかにわざと、誘うように脱いでいくからその期待に応えてやった 動けなくなるまでは失敗だったかもしれない でも明華が幸せそうだからいいか 明華が起きてからは家まで送っていった まだ動けなかったからおぶっていったが、背中の感触がすばら それを察したのか、直に触ってるのに、と呆れたように明華が言ってきた 直でも背中越しでも好きなんだ。明華のだから、と言ったら静かになった ほとんど明華と過ごしただけだったが、いい一日だった 明華「…………」ダラダラ 智葉「ほう、これはどういうことかな?」 ハオ「2人の爛れた日常ですね」 ネリー「大人だねー」 ダヴァン「普段敬語でさん付けの京太郎が呼び捨てデスネー」 智葉「とりあえず、京太郎も説教だな」 明華「……言い訳はしません、というかできませんけど、ひとついいですか?」 智葉「なんだ?」 明華「避妊はしてます」キリッ 智葉「当然だこの阿呆!!」 怒られたりからかわれたりつつ、祝福されました カンッ!!