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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361979886/ 京太郎「ぎゃ、逆転だ!やったぁぁぁ!!!」 透華「ぃ、いま、のは」 智紀「は、早い、そんな大物を」 ハギヨシ「お見事です」 京太郎「いままでのツケなのかなー!?やっべちょーうれしー」にやにや 一「……いままでからは考えられないくらいすごい引きだったね」 純「あぁ、そう、だな」 衣「……京太郎」 京太郎「ん、なんですか?」 衣「新月の夜に、龍門渕に来てくれ」 京太郎「へ?」 衣「京太郎の力、衣が見定めよう」 京太郎「うぇ?え?えぇ?」 その夜 京太郎(なんなんだ、新月の夜にって一番近くても二十日も先じゃないか) 京太郎(その日は…土曜か。学校はやすみだけど、うーん) 衣(京太郎は、衣と真逆なのだ) 衣(麻雀を素直に楽しんでいるのに、牌に恐れられている京太郎) 衣(素直に楽しめていなかったのに、牌に愛された衣) 衣(わかったよ、京太郎。私たちが拮抗する訳が) 衣(衣が月に引かれ宙を舞うなら、お前は月に見放され闇を這う。) 衣(いままで対局した時、いずれも満月、十日夜の月。衣よりだ) 衣(闇に染まった夜、引く力がない夜。お前はどうなる?) 某日ー清澄高校 月齢ー満月 京太郎「うーん…」カチカチ 京太郎「ダメだな。てんでバラバラだ」 優希「どうだー犬ー……うっわ、こりゃーひどいぜ」 京太郎「おかしいよなー、何しても裏目になるし」 咲「カン!カン!カン!カン!」 まこ「その表情、見切った!!」ピキーン 和「SOA!」ドッギャアーーーーン 久「そんなんじゃ、だ・め♪」スパァァン! 京太郎「あっちはあっちで魔界と化してるし」 優希「今日は優希ちゃんも調子がいいじぇ。京太郎が悪いの吸い取ってるのかもなー!」ケラケラ 京太郎「んなことあってたまるかってーの」 衣「……」タンッ 純(何か、今日は不思議な気分だな) 透華(柔らかな光に包まれて、登っていくような) 一「……あ、あれ?ツモ」 透華「え?」 衣「……」スゥ チャラ 一「あ、うん。僕の親番だね」カチャカチャ 透華「衣?」 衣「……不思議な気分だ、いつもよりもどこか清々しい」 衣「自らの技で道を切り開くというのは」 そして 新月の夜 ハギヨシ「夜中にすいません」 京太郎「ハハハ、抜け出すの大変でした」 ハギヨシ「何かあったら責任はとりましょう。では、どうぞ」 京太郎「あれ?部屋の明かり、ついてないんじゃ……たしか部室って言ってたよな、でも……まぁいいか」 京太郎「失礼します」ギィィィ 衣「待っていたぞ京太郎」 京太郎「あ、衣さん。なんでそんなロウソクだけで?」 衣「雰囲気だ」キリッ 京太郎「雰囲気って……なんすかそれ」 透華「っ……」 一「暗くて見えにくいなぁ……明かりつけようよー」 衣「いいだろう偶には。さて、京太郎。対面に座って欲しい」 京太郎「はいはい、よっこらせっと」 一「じじくさ」 京太郎「や、やかましい!……コホンッで、なんのようで、こんな夜中に?」 衣「四人で雀卓についたのだ、やる事は一つだろう」 京太郎「……え、麻雀?」 衣「打ってみたいんだ。本物のお前と」 京太郎「で、でもおれ、毎回本気で打ってきましたけど」 衣「わかってる、それでも、だ。」 透華「……須賀君、早く、始めましょう」 京太郎「え?え?わ、わかりました」 一(なんかへーんな雰囲気。衣も事情説明してくれないしー) 東一局 親ー透華 京太郎「…お」 衣(やはり、配牌がいいか京太郎) 衣(今や深淵たる闇の世界ではお前が唯一の動くもの、王だ。牌はそれに従う。それに比べて……) 透華(手牌が、重い) 一(うわー、清一とかの大化けはあるけど、おっもいなぁ) 透華「で、では」タンッ 衣「っ」 衣(重い闇が牌に絡みついている。引くのも一苦労だ。どれ) 衣(くっ、どうにも、活かしにくい)タンッ 一「うっわー」タンッ 京太郎「ー♪」タンッ ー ーー ーーー 衣(この手牌、マンズで染めて大きくなりそうだがまだまだ先だ。それじゃだめだ) 京太郎「来た!ツモ!」 衣(このノロマな様では京太郎に追いつけない) 京太郎「ツモチャンタ中ドラ2、満貫」 透華(薄い待ちを当たり前のように……) 一「うわ、調子良さそうだね」 京太郎「あぁ、幸先いいなー俺」 衣(京太郎は気がついていない。自分の異常さに。そのままではやがて、まことの闇に呑まれる) 衣(力に酔うのは衣だけで十分だ!) 東4局 親番ー衣 衣(ここまでは、京太郎が軽いアガりを織り交ぜる他、一が混一をアガった。連荘なしのまま、衣の親番) 衣(一気に巻き返す!) 衣「ポン」 京太郎「あ、はい(白を鳴かれた、早上がりの連荘?)」 衣「チー」 京太郎(今度はソウズ…混一?) 衣「チー」 京太郎(三フーロー、今度はピンズ。鳴き三色?手が悪いのか) 透華(何をする気なのでしょう、衣。気を失う前に早くして欲しい、ものです、わ) 京太郎(234の三色…その辺りは絶対にきれないな、それはブラフで白のみもあり得る、警戒を)タンッ 衣「カン!」 京太郎「!!」 衣(さぁ、これで自分を見つめろ京太郎) 衣(自らの異質さには、自分で気がつくしかないのだ!) 衣「ツモ、嶺上開花三色白、新ドラは……白!親跳の責任払い18000!!」 京太郎「っ」 衣「逆転トップだ、京太郎」 京太郎「やっぱ、衣さん強いや」 衣「うむ、たくさん練習したからな。透華や一、純や智紀。全員一緒に強くなって、今の衣がいる」 京太郎「ハハハ……そういえば、満月に近いほど強いとか聞きました。本当ですか?」 衣「本当だ……だから今日なんかは、ダメなんだ、本当は」 衣「でも、普段より弱くても、麻雀は楽しい」 京太郎「俺は、勝てないのかな」 衣「む?」 京太郎「そりゃあ、まだまだ練習不足なのはわかる。龍門渕の皆さんや、清澄のみんなは、俺よりずっとずっと練習して、今がある」 京太郎「でも……衣さんは今日本気ではあっても全力じゃない。俺は調子がいい、なのに負ける」 京太郎「そんなの、かっこ悪いじゃないか」 衣「京太郎?」 京太郎「負けたくない……!負けたくない!」ゴッッ!!! 衣「っ!?」 衣(これは、悪運……) 透華(な、なんですの、これ。黒い渦が、周りに……) 一「お、落ち着きなよ……あれ?寒気して来た」ブルッ 衣「…そうか」 衣(京太郎は、月が満ちる時に地にいた。月に引き上げられて幸運が空に登るなら、悪運はどうなる?地に溜まる) 京太郎「衣さん、連荘ですね…サイ、お願いします」 衣(それを京太郎はひたすら溜め込んで来た。それを今吐き出したのだ。 悪運は打ち捨てられ、勝利への渇望という仮初めの意思を持ち、暴れまわる) 衣(その標的は…衣達だ) 衣「ぐっ(配牌がひどい、これでどう戦う!?)」 京太郎「……」ユラァ ダンッ 衣(京太郎はこんな牌を渡されて、振り込まず上がりを目指していたのか)タンッ 透華「うぅっ」タン 京太郎「ロン」 透華「ぁっ」 京太郎「断ヤオ三暗刻、3900の一本場は4200」 透華「ぐ、ぅ」チャリ 一「は、早いなぁ」 衣(次が、一の親番……だが) 京太郎「カン」 衣(暗カンでドラが丸乗り……!) 京太郎「……ツモ、断ヤオドラ4、満貫」 一「う、親かぶりかぁ……」チャリ 衣(まずい!京太郎の親番だ!) 京太郎「俺の、親……ですね」 京太郎「…勝つんだ、勝つんだ。勝てるはずだ」ブツブツ 衣(止める、絶対に止める!) 透華(……ヘタレてる場合じゃない!衣に協力して、なんとか須賀君を) 一「ブ、ブツブツ怖いよ」タンッ 京太郎「リーチ」 一「うわ、ダブリー!?」 透華(っ、振り込むわけには)タンッ 衣(く、スジも安牌もない)タンッ 京太郎「ロン」 衣「ぐっ」 京太郎「ダブリー一発断ヤオドラ2、親跳ね18000」 衣「ここまでできるか……!」 衣(まずい!この高火力では次で飛ばされるかもしれん!) 京太郎「一本場……」 衣(ダメだ、新月じゃ所詮衣はこんなものか?) 衣(……違う!京太郎は満月の最も力の出ない日、衣と渡り合っていた。なら逆もしかりだ!) 衣「さぁ、次いくぞ!!」 透華「ロン、発のみ1000。一本場は1300」 衣「うむ」チャラ 一「あ、ロン。タンピンドラ1、3900」 透華「はい」チャリ 衣(なんか普通に流れたぁぁぁ!!) 京太郎「ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない」 一(こわぁぁぁぁああ!!) 透華「あぁ、闇が一層濃くなって……」 衣(と、ともかく、衣の親でオーラスだ!なんとか、京太郎の目を覚まさせる一撃を……まて) 衣(考えてもいなかった。これで京太郎の闇を屠らばどうなる) 衣(衣を光とするなら京太郎は闇。 再現なく、闇が溜まれば溜まるほど強くなるが、その身を破滅に陥れてゆく。 なんせ悪運だ。貯めていいものであるわけない。しかし) 衣(これで力を失えば京太郎はどうなる。確かに、極端な悪運はなくなるかもしれん、しかし極端に強い事も、なくなる) 衣「…自分一人じゃ、決められないか」 衣「京太郎、一つ聞きたい事がある」 京太郎「なんですか」 衣「麻雀をして来た中で、一番嬉しかったことはなんだ」 京太郎「いちばん、うれしかったこと……」 京太郎『ロ、ロン、国士無双!』 京太郎「始めて、役満をアガった時、いや」 京太郎『こ、これでいいのかな?えと、ロン、た、断ヤオトイトイ』 京太郎「始めて、自分の力でアガったとき、かな」 衣「そうか」 衣「麻雀、楽しいか?」 京太郎「はい、楽しいです」 衣「そうか。京太郎」 京太郎「なんですか」 衣「今、麻雀楽しいか?」 京太郎「あまり」 衣「そうか、衣もだよ」 衣「明日日曜日だったな、今日は泊まっていけ。明日、たくさん麻雀打とう」 衣「すまない」 京太郎「」タンッ 衣「ロン。大三元」 しんえんあるきのきょうたろうにかった! やみのちからはきえさっ……た? 翌日 京太郎「!」 京太郎「ここは、何処だっけ」 京太郎「あ、そうか。たしか昨日は龍門渕によりに呼ばれて」 京太郎「思い出せない」 コンコンッ 京太郎「あ、はい」 ハギヨシ「失礼いたします。お目覚めになられましたか。衣様がお呼びです、準備ができたらおこしください」 京太郎「失礼しまーす」 衣「お、来たか京太郎」 一「おはよ、ふぁーあ……」 透華「一、はしたないですわ!」 京太郎「あの、昨日俺寝ちゃったみたいで、すいません」 衣「なに、気にするな……京太郎」 京太郎「はい」 衣「麻雀をしよう」 衣「京太郎の親だな」 京太郎「なんだろう、デジャヴを感じる。じゃあいきます…ね…」 衣「……?どうしたんだ?牌を握って固まって」 京太郎「俺は」 衣「?」 京太郎「俺は、負けたくないぃぃぃぃぃぃい!!!」 衣「えっ」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343884611/ 京太郎「俺もっと麻雀が上手くなりたいんです。」 ハギヨシ「確かに私は一流の執事ですが麻雀までは……わかりました、衣様に頼んでみます。」 京太郎「嫌です‼ハギヨシさんじゃ無いとダメなんです‼」 ハギヨシ「!?」 ハギヨシ「それはどういう意味で…?」 京太郎「言葉の通りです。ハギヨシさんじゃ無いとダメなんです。」 ハギヨシ「いやしかし私は麻雀は不得手で…」 京太郎「それでも構いません。俺ハギヨシさんとヤりたいんです。」 ハギヨシ「そこまで言うのなら…わかりました。私で良ければお相手いたしましょう。」 京太郎「優しくお願いしますね…///」 ハギヨシ「そ、それでどの辺りをお教えすればよろしいのですか?」 京太郎「ええとですね…この場合どの牌を捨てた方が良いですかね?」 ハギヨシ(良かった普通の質問だ…) ハギヨシ「その場合はですね…発が残り1枚なので、諦めて捨てた方がいいですかね。」 京太郎「なるほど‼それじゃここは?」ナデナデ 京太郎はハギヨシの股関を撫で始めた。 ハギヨシ「ちょっ何を…///」 京太郎「ふふ…かわいいですよ。ハギヨシさん…」ナデナデ ハギヨシ「や、やめてください…」 京太郎「そんな事言ってる癖して体は正直なんですね。」ナデナデ ハギヨシ「あ…////はああ…///」ビクッ 京太郎「ふふっ…こんなに大きくしちゃって…このままじゃ辛いですよね。抜いてあげましょうか…?」 ハギヨシ「じょ、冗談はよして下さい京太郎様…。流石にこれ以上は許しませんよ…?」 ハギヨシ「それにこの事を貴方のご学友に知られたら貴方もタダじゃ済みませんよね?」 京太郎「ああ…咲の事ですか?咲ならさっきから俺らをカメラ撮影してるじゃないですか。」 咲「京ちゃん…早く続き見せて…///」ハアハア ハギヨシ「」 京太郎「さあ続けましょうか…」 ハギヨシ「…私はやるとは言ってません。」 京太郎「え?今なんて?」 ハギヨシ「私はこんな事したくはありませんし、そんな趣味もありません。」 咲「ツンデレだね///ハギヨシさん可愛い///」 ハギヨシ(クソッ…なんでこんな事に…。一体どうすれば…。) 衣「ハギヨシー?何をしてるんだー?」 ハギヨシ(こ、衣様!?) 京太郎「子供は見ちゃダメだぞー。」 咲「衣ちゃーん一緒に見ようよ‼」 衣「子供じゃない!衣だ‼というか何故男同士でいちゃついているんだ。」 ハギヨシ「ご、誤解です!京太郎様が急に私の股間を…」 京太郎「そーなんだよー急にハギヨシさんが股間を俺に触らせてきたんだよー。」 ハギヨシ「ちょっと何を…」 咲「ハギヨシさん気持ち良さそうだったよ‼」 衣「ふーん…そうなのか…」 ハギヨシ「誤解ですうううううううう‼‼」 衣「同性愛者。全人口の5%はそうだと聞いていたがまさかこんな近くにいたとはな。あ、好きにしていいけど部屋は汚すなよ。」 京太郎&咲「はーい」 ハギヨシ「絶望した…」 京太郎「さあ、続きを…」 ハギヨシ「…もう好きにして下さい…」 咲「やったね京ちゃん!」 京太郎「じゃあ始めようか。」 京太郎は無数の麻雀牌から東を一枚取り出した。 ハギヨシ「え…何ですかそr」 次の瞬間京太郎はハギヨシのアナルに東を突き刺した。 ハギヨシ「はいいいいいいいいいいい??」 東は見事にハギヨシの奥まで入っていった 京太郎「よっしゃあああああああ ‼‼次イイイイイイ‼‼」 咲「はい京ちゃん!今度はリーチ棒だよ‼」 京太郎「よっしゃあああああああ‼‼イくぜええええええ‼‼」 ハギヨシ「やめてえええええ‼‼」 リーチ棒も難なくハギヨシの中ひ入っていった 京太郎「よっしゃあああ‼」 咲「振り込めば跳満確定だね‼」 京太郎「裏が乗れば倍満だぜ‼今度は積み棒イくぜえええ‼」 ハギヨシ「もういやだああああ‼」 積み棒もすぐにハギヨシの中へ吸い込まれていった。 京太郎「すげえよ‼ハギヨシさん‼」 咲「麻雀って楽しいね‼京ちゃん‼」 ハギヨシ「もう…限界…」 京太郎「ラストだ‼もう一回東行くぜええ‼」 ハギヨシ「やめて…‼もう…トンじゃうううううううう‼‼」ビクビクビクン 次の日 衣「気安く触るなこの同性愛者。」 京太郎「また一緒に麻雀ヤりましょうね」 咲「昨日のビデオ一つにつき500円で売れたよ!麻雀って本当楽しいね!」 ハギヨシ「…………死にたい」 完
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あらすじ:女子がIH優勝後なんやかんやで居場所が無くなり学校に行かなくなって引き籠り数年後 TV「今年の新人王は高卒1年目の宮永選手に決まりました」 京太郎(咲のやつ…) 京太郎(それに引き換え俺はなんだ…) 京太郎(高校も中退で、引き籠って…いや、考えても無駄か…) 京太郎(どうせ俺には何もできやしない、こうやって親のスネをかじるくらいしか…) ピンポーン 京太郎「チッ」 京太郎(誰だよ…)ガチャ 咲「こんにちは京ちゃん」 京太郎「咲…」 京太郎(ヤベ)ガチャン! 咲「ちょ!京ちゃん!?開けてよ!せめて話だけでも!」 京太郎「うるせぇ!いまさら新人王様が俺なんかに何の様だってんだよぉ!」 咲「違うよ…そんなんじゃ…」 京太郎「はっどうせ可哀想だとかって俺を見下して優越感に浸りに来たんだろぉが」 咲「いいから聞いて!」 京太郎「なっ…」 咲「京ちゃんだってこのままでいいなんて思っていないでしょ?」 咲「でもやっぱり中卒引き籠りニートが就ける職なんてなかなかない…」 京太郎(何も言い返せねぇ…) 咲「だからね!私のところに来ない?」 京太郎(は?) 咲「最近何かと仕事が来てて私じゃ管理仕切れないの…」 咲「それでその辺のスケジュールを管理する人を探していて…」 咲「どうせだったら知ってる人の方がいいし」 咲「私の…」 咲「マネージャーになってくれないかな!私が養ってあげるから!」 京太郎「んな戯言を!いいから帰れ!」 京太郎(んなもん男としてのプライドが…) 咲「今男のプライドがとか考えたでしょ!」 咲「いいもん、私は何度でも来るからね!」 咲「今日のところはこれで失礼するね」 咲「それじゃあ」スタスタ 京太郎(はぁ…) 京太郎(なんだよ、養うって…第一そんなもん、プライドが…) 京太郎(それに心の片隅で”それでもいいかも”だなんて思ってるのがムカつく…) 続きますん
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ゆみ「……なあ、普段世話になっている京太郎に何か礼をしたいのだが……何がいいんだろうか」 始まりはこの一言だった 智美「ワハハ。ゆみちんがそういうこと言うとはなー」 ゆみ「茶化すなよ。世話になっているのは事実だろう」 桃子「確かに京太郎には先輩どころか私達全員世話になっていると言っていいっすからねー」 佳織「いっそ麻雀部みんなで何かお礼しませんか?」 睦月「うむ、それがいいな」 智美「ワハハ。じゃあ、何する?京太郎が喜ぶようなことか?」 佳織「うーん……分からない」 智美「ドライブでも連れていくかー?」 ゆみ「却下」 桃子「私は先輩に抱きついてたっすけど……いっそドライブで抱きつかせてたらいいんじゃないっすか?」 睦月「京太郎の性格から抱きついてくるか?」 佳織「むしろ、私が抱きつきそう……」 智美(ワハハ。多分喜ぶぞー。言わないけどなー) 睦月「うむ……このカードを」 桃子「むっちゃん先輩、こないだ京太郎からカード貰ってたっすよね?」 智美「ワハハ。レアカードだーってはしゃいでたよなー」 ゆみ「記憶が正しければ、京太郎は津山よりレアなカードばかり当ててたな」 睦月「……さあ、どうしましょうか」 佳織(諦めた……) 桃子「私がこのステルスを利用して普段の京太郎の手伝いを…」 ゆみ「手伝うようなことあったか?」 智美「ワハハ。掃除とか完璧だよなー」 佳織「雑用もなんかすぐ終わらせるよねー」 睦月「この間なんて弁当自作してきたな。アレおいしかったな」 桃子「…………」 ゆみ「しれっと消えようとするな」 智美「ワハハ。仕方ないな、久しぶりに部長らしく決めるか」 ゆみ「お前は普段から部長らしくしろよ……」 智美「ワハハ。まず皆でな……」 翌日 京太郎「今日は俺だけ後で来いって……なんなんだろな」 ガラッ 京太郎「ちわーっす」 5人「お帰りなさいませご主人様」 京太郎「……はい?」 智美「ワハハ。どうだー?」メイド服 睦月「インパクトはあったな」メイド服 ゆみ「ああ……これ、少しスカート短すぎないか?」メイド服 佳織「私のは、なんか胸が……」メイド服 桃子「むむ……これは恥ずかしいっす」メイド服 京太郎「なんでみんなメイド服なんですか!?」 智美「ワハハ。京太郎がメイド好きだって聞いたからな?」 京太郎「そ、そんなこと……」 智美「ほほう……さらにここに猫耳がある」 京太郎「!?」 智美「これを……ゆみちんにつける」 ゆみ「は?ちょっと待てなんで私だ!?」猫耳メイド 智美「ワハハ。似合ってるぞ?」 ゆみ「こ、こんなもの私に……」 桃子「先輩が言いだしっぺっすからね。京太郎に何かしてあげようって」 ゆみ「くっ……」 智美「ワハハ。さあゆみちん。京太郎をご主人様と呼ぶんだ」 ゆみ「……ご、ご主人様?」赤面&上目遣い 京太郎「……すいません、写真取っていいですか?」 ゆみ「やめろ!!」 その後、京太郎に喜んでもらうということで、たまにメイド服を来ていたとか なお、1人だけ猫耳が付いていたとか カンッ!!
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次話 京太郎インタビュー 西田「うーん……原村和さんのインタビューに成功したのはいいけど、必要最低限って感じだからもうちょっと何か欲しいところね。 チャンプの妹である宮永咲さんに取材出来たら良かったのだけど……ってあれは」 咲「京ちゃーん。これから部活ー?」 京太郎「あー、いや先に購買でシャーペンの芯買ってくるわ。ついでになんかあるか?」 咲「んー。それじゃあ……」 西田「すみませーん!」 咲「ひぇっ!?」 京太郎「ん?」 西田「少しお話いいですかー!?」 咲「あわわ、き、記者の人だ! ごめん京ちゃん後でね!」ビュー 京太郎「あ、おい! ……行っちまった」 西田「あら、逃げられちゃった」 京太郎「すいません、何か咲に用ですか?」 西田「ええ。清澄高校麻雀部のインタビューとして、あの子にもお話聞きたかったのだけど……あの様子じゃ無理そうね」 京太郎「そうっすねー。あいつ結構人見知りなんで、そういうのは無理かなって」 西田「姉妹でも、似ない所は似ないのね……」 京太郎「はい?」 西田「こっちの話。申し遅れました。私、西田といいます。よろしくね」 京太郎「あ、須賀です。よろしくっす」 西田「須賀君。君は彼女と仲良いの?」 京太郎「? ええ、まぁ」 西田「もしかして、彼氏……だったり?」 京太郎「いやいや、そういうのじゃないっすよ」 西田「あらそう。仲良さそうだったからつい」 京太郎「よく言われますけどね。それじゃ、俺もそろそろ行きますね」 西田「……あ、ちょっと待って」 京太郎「?」 西田「さっき清澄高校麻雀部のインタビューをしたいって言ったじゃない?」 京太郎「ええ、はい。咲にも話聞きたいって」 西田「良ければ、君の話も聞かせてもらえないかな?」 京太郎「お、俺っすかぁ?」 西田「ええ。選手達と関わりある、選手でない人の意見っていうのも、結構ネタになるからね。一応撮影はさせてもらうけど、そんなに時間は取らせないし、退屈もさせないから」 京太郎「んー……。まいっか。部長に遅れる連絡だけさせてもらっていいですか?」 西田「ありがと」 それじゃあ改めて、お名前から。 京太郎「清澄高校一年、須賀京太郎です。よろしくお願いしまーす」 清澄高校麻雀部とは、どういう関係で? 京太郎「関係っつーか、一応部員です。俺も」 一応、と言うと? 京太郎「いやー、他のみんなは大会に出て全国へー、とかってレベルなんですけど、俺だけ初心者なんですよね。高校に入ってから初めたばっかで」 周りは経験者ばかり? 京太郎「そうですね。と言っても、部員は大会に出た5人と俺の合計6人なんす。ハーレムってやつですよハーレムははは」 あまり嬉しそうではありませんね。 京太郎「……いや、部活で他が女の子だけって、どーしたって異物感出ますよねって話です……」 部室にいると気まずい? 京太郎「気まずいかって言われるとそーでもないんですよ。やっぱり女子だから男子だからで気を遣わなきゃいけない事はあるんですけど、そういう壁をお構い無しに仲良くなる奴もいますし、みんな良い人ですしね」 特に仲のいい部員といえば? 京太郎「やっぱ咲とタコス……あー、優希ですね。片岡優希。さっき言ったお構い無しの奴です」 同学年ですと原村和さんもいらっしゃいますが、そちらとは? 京太郎「仲が悪い、って訳じゃないですよ? ただ、和は二人よか真面目なんで、男女は適切な距離感を保つべきって考えがあるんでしょうね。二人と比べたら距離はあるかなって」 ガードが堅いと。 京太郎「そう………いや、あれで無防備な所もあるんで、身持ちが固いって言うべきかな。うん」 片岡優希さんは男女垣根無い方だそうですね。 京太郎「良い言い方をすればそうですねー。お子ちゃまとも言えますけど」 宮永咲さんは、そうではない? 京太郎「男女どちらとも人見知りするって意味なら、垣根無いとも言えますけどね。学校の友達は部内にしかいないみたいですから」 宮永さんとは、どのように仲良くなったのでしょうか? 京太郎「どのように、かー……。えーとですね、咲とは中学の時に同じクラスだったんですよ」 高校の部活以前に交流があった? 京太郎「そうですね。で、クラス委員を男女一人ずつ出さなきゃいけないってなった時に、ほぼ押し付けられる形で俺と一緒にクラス委員になったのが咲だったんですよ。俺は面倒だけどまあいっかーってノリだったけど、あいつは多分嫌だけど嫌って言って話し合いにもつれ込む方が嫌って感じでしたね」 その頃の宮永さんは、どんな人でした? 京太郎「ぼっちなのは変わらないんですけど、あの頃は人見知りってより、誰とも関わりたくないって言いたげなぼっちでしたね。委員で最初話しかけた時も挨拶だったかをボソッと喋るくらいで、暗いなーとか冷たい奴だなーとか思いましたし」 そこからどうやって仲良くなったのでしょうか? 京太郎「それが聞いてくださいよ! クラス委員の最初の仕事で、誰々の席がどことかの掲示を作るんですけど、出来た紙を先生に見せてくるつってさっさと教室を出て、しばらくしても戻ってこなかったんですよね」 その間、須賀さんは待ってた? 京太郎「掲示を貼るまでが仕事なんで、先に帰られるとは思わなかったですしね。で、暇潰しに携帯弄ってたら、先生が教室に来て「まだ出来ないのか?」って言うんすよ。あいつが行った筈って言ったら、いや来てないって」 入れ違いになってた? 京太郎「どころか咲の奴、校舎内で迷子になってたんですよ!」 迷子。 京太郎「信じられます!? 入学して一週間足らずとはいえ、一緒に行くと言った俺に「別にいいです」と言っておきながら! その棟の一階にある職員室までに辿り着けず! 俺と先生が探しに行って見つけたのが別の棟の3階ですよ!? しかも見つけた時にはトイレが限界近くて、涙目でプルップルしてやがったんすよ!」 京太郎「目視出来る距離にあった女子トイレに案内され、駆け込んで行く姿を見て、俺は確信しましたね。「ああ、こいつはポンコツだな」と」 ポンコツ、ですか。 京太郎「ええ。それからというものの、日常のあらゆる所でそのポンコツぶりを遺憾なく発揮して、クラスでの立ち位置は「一人になりたいぼっち」から「クールぶりたいポンコツ」に変わっていきました」 いわゆるマスコット枠、みたいなものですか? 京太郎「そんな感じですねー。それで、そのポンコツをからかいつつ話してたらいつの間にやら、という風に」 宮永さんはその頃、麻雀では 京太郎「あ、中学の時には麻雀やってなかったですあいつ」 やっていない? 京太郎「ええ。どうやら小学生の頃までに家族麻雀でやってたぐらいで、中学の時にはそういう話全くしてなかったです。俺もその頃はハンド部で、麻雀とか全然でしたし」 それで、団体戦の大将を任されている? 京太郎「びっくら、ですよねー。俺もまさかカモだと思って麻雀部に連れてきたポンコツが、麻雀では魔王に変身するとは」 魔王ですか。 京太郎「俺が勝手に呼んでるだけですけどね。あいつ麻雀やってる時、時たまスゲー形相というか、黒いプレッシャーぽいのが出るんすよ。部長とかは俺が気付いてるより多めにそういうの感じてるみたいです。それがもう魔王! って感じで」 萎縮してしまう? 京太郎「んー。そうなった時には「うわ怖っ」ってなるんですけど、「でもこいつポンコツだしなぁ」って考えると冷めた目になりますね」 麻雀をしている時と、していない時のギャップをどう思う? 京太郎「ギャップと言われても、みんなそういうもんじゃないですか? 咲のは極端な方だと思いますけど、俺だって家族と接する時と友達と接する時で違いはありますし。なんならもっと変わる人もいますしね」 現在の宮永さんを見てどう思いますか? 京太郎「俺以外にも友達出来てるし、前より明るくなったし、熱中するものが出来たしで、良い変化だと思います」 では、最後に何か一言。 京太郎「清澄はレディースランチが美味いですよ」 咲「ちょっと京ちゃん! これどういうこと!?」 京太郎「ん? ああ、この記事この前のインタビューの」 咲「私の中学時代の黒歴史が暴露されてるし、「ポンコツ魔王」とか呼ばれてるんだけど!? これ京ちゃんの仕業でしょ!? なんでこんなことするの!?」 京太郎「だってお前がポンコツなのは今でも変わりないし、魔王っぽいのは事実だし」 咲「ひどい!」 京太郎「ひどくない!」 久「和のでっかい写真のページに、事細かに書いてあるわねー。大将、宮永咲の素顔って」 和「何故か須賀君の顔写真付きですね。目線に黒線が入ってますけど」 優希「京太郎、お前ついに……」 京太郎「ついにってなんだよ! 容疑者の供述とかじゃねーんだよ!」 咲「話終わってないよ! どうしてくれるの!? 私全国の場でこれ読んだ人に「あ、ポンコツの人だ」とか「魔王の人だ」って思われるんだよ!?」 京太郎「逆に聞くけどお前、麻雀してない時でポンコツじゃない時あるか?」 咲「あるよ! なんかこう……京ちゃんより国語の成績良いとか!」 久「語る所がそれの時点でもうポンコツよね」 優希「しかも理数系はのどちゃんの半分以下だじぇ」 和「体育だと何もないところでずっこける運動音痴ですし」 京太郎「な? 咲。お前は誰もが認めるポンコツなんだよ」 咲「むきー!」 久「けど須賀君。今回はいいけど、メディアの場であんまりうちの情報ベラベラと喋らないようにね。ただでさえノーマークだった清澄が県大会優勝して注目を浴びてるんだし」 京太郎「大丈夫ですって。俺相手にそう何回も取材なんて来ないですし」 ガチャ まこ「おーい京太郎ー。前回のインタビューが好評だったから、おんしにまた取材したいと記者の人が来とるんじゃが」 京太郎「あるぇ?」 カン 次話
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智美「ううぅ~、う~……」 ゆみ「蒲原、そこ間違ってるぞ。ああ、そっちもだな」 智美「ゆみちん、もう少し休憩時間が欲しいぞー」 ゆみ「甘えるな。一時間おきに十分も作ってあるんだからもう少し頑張れ」 智美「あーうー……」 ゆみ「ハァ……卒業目前にして補習テスト受けなきゃいけないのは誰なんだ」 智美「ワハハ、私だなー」 ゆみ「わかってるじゃないか」 智美「頭では理解してるんだけどなー」 ゆみ「まったく、しょうのない奴だな。…………五分だけ息抜きの時間に使っていいぞ」 智美「わーい、ゆみちんは優しいなー」 智美「――――――――はぁ……」 ゆみ「珍しいな、蒲原がため息なんて」 智美「いやなー、もうすぐ……ほら、アレがあるじゃないか、二月のメインイベントの――」 ゆみ「ああ、大学入試の試験日か」 智美「違うぞー。受験生だから違わなくもないけど、そうじゃないなー」 ゆみ「じゃあなんだ、節分か」 智美「太巻き美味しいよなー……そっちでもないぞ」 ゆみ「ハァ……バレンタインデーか。それで?どうやってチョコを渡すかどうかで悩んでいるのか」 智美「…………ウン」 ゆみ「何か問題でもあるのか?」 智美「須賀君にチョコを渡すとして、その後どうするかだなー。結局、ずっと昔に会ったことあるって話せてないし……」 ゆみ「向こうは完全に忘れてるっぽいと話してたな、そういえば」 智美「何度か会ってるけど、いつも麻雀の話だけで終わっちゃうんだー」 ゆみ「…………彼の麻雀好きはもう麻雀狂いの域までいってしまったか」 智美「で、でも私は諦めないぞー。ちゃんとバレンタインにチョコ渡して、子供の時に会ってること思い出してもらうんだ!」 ゆみ「まあ、頑張れ。――――それじゃ、休憩時間は終わりだ。受験の最後の追い込み、気張っていくぞ」 智美「ワ、ワハハー……大学受験なんかに負けないぞ、私はー」 そしてバレンタイン当日―――― 智美「大学受験には勝てなかったぞー……」(ズゥン 京太郎「ハ、ハハ……お疲れ様です」 智美「いや、まだ結果が出るまで勝負はわからないから、うん」 京太郎「まあ確かに、勝負は裏ドラをめくるまでわからないですからね」 智美「そう都合よく裏ドラが乗ることなんて、あまりないと思うけど……」 京太郎「気合があれば、オーラスで裏ドラ五枚ぐらい乗るもんですよ!」 智美「それは……なんていうか、麻雀の神様的なものが憑いてくれてるなー」 京太郎「もしそうなら嬉しいことこの上ないですけどね。あ、それで蒲原さん、今日はなんの用事ですか?」 智美「お、おぉ、うっかりしてたー、今日はコレ渡そうと思って会いにきたんだ」 京太郎「なんですか?」 智美「ワハハ、今日はバレンタインだからなー。須賀君にチョコをプレゼントだ!」 京太郎「おー、マジですかありがとうございます!」 智美「喜んでもらえてこっちも嬉しいぞー。そ、それでな須賀君、実は聞いてほしいことが――――」 京太郎「あ、そうだ蒲原さん、この後時間ありますか?」 智美「へ?」 京太郎「受験、お疲れさまでしたってことで、よければ今からどこか遊びにいきません?」 智美「え、い、いいのかー?」 京太郎「ええ!蒲原さんが嫌じゃなければ!」 智美「ワハハ、嫌なんてこと絶対にないぞ!いいぞ、どこに遊びにいこうかー!」 京太郎「そんなの決まってるじゃないですか――――!!」 ――――後日 ゆみ「で、それからどうなったんだ?」 睦月「今の須賀さんの状態から考えると、雀荘に行くぐらいしか思いつかないですけど」 佳織「そうだよね~」 桃子「と見せかけて、まさかまさかのホテルなんていうのもありっすけどね。元部長さん、意外と好きな人に押されると何でも言うこと聞いちゃいそうですし」 睦月(それは東横さんも似たようなものなんじゃ……) 佳織「ね、ね、智美ちゃん、それで一緒にどこに遊びに行ったの?」 智美「――――す、須賀君のお友達って、すごく麻雀強い人ばかりなんだなー」(カタカタ ゆみ「蒲原が笑ってない……だと……」 智美「すごくおっきな料亭に連れてってもらってなー?美味しいご飯食べさせてもらった後、みんなで打ったんだけどなー……」(ポロポロ… 佳織「わわわっ、智美ちゃん!?智美ちゃん、しっかりしてよ~!?」 桃子「一体どんな人外魔境に連れてかれたんすかねー……」 睦月「私、部長の心が折れるところ初めて見ました……」 <Prrrrrrr… ゆみ「ん?蒲原、携帯が鳴ってるぞ」 智美「ホントだ……グスッ、ちょっとゴメンなー」(ピッ ゆみ「……しかし、須賀君にも困ったものだな」 桃子「最初にどんな人か聞いた時は、おもち狂いの変態さんだったはずなんすけど」 佳織「清澄の人に聞いたけど、麻雀強くなる毎におもちって口にしなくなっていったみたいだよー」 睦月「余計なものが禊がれて、雀士としての純度を上げていってるんですね……。さすがゴッドハンドです、カードの引き当てだけじゃなくて麻雀まで極めようとするなんて!」 桃子「むっちゃん先輩の麻雀せんべいカード好きは筋金入りっすね……」 智美「ワ、ワハハッ、ホントかー?じゃあ次のお休みの日、ドライブに行こうな!」 佳織「智美ちゃん、すごく楽しそうにお話してるなー。あんな風に笑う智美ちゃん、私あんまり見たことないよ」 ゆみ「…………とりあえず蒲原は幸せそうにしてるし、しばらくは見守る方向でいいんじゃないかな」 桃子「そおっすねー。あ、でも私的に先輩にはもっとガツガツ来てほしいっすけど」 睦月「変わらないね、東横さんは……」 ゆみ「対応に困るよ……」 智美「ううん、気にしないでいいぞー。須賀君を乗せてドライブするの、私大好きだからなー!じゃ、じゃあ、今度の休み楽しみにしてるから!」 ゆみ「まあ、最後の手段として……私たちが蒲原の想いを成就する手伝いをすればいいさ」 桃子「そうっすね」 睦月「部長、とてもイイ人だから幸せになってほしいですしね」 佳織「そうだよねー」 蒲原智美編……カン!
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~~しばらく経って 京太郎「うーん……」 初美「目が覚めちゃいました?」 京太郎「ああ、もう大丈夫です。動けます」 初美「そうですかー。それは何よりです」 京太郎「今何時くらいですか?」 初美「ちょうどお昼ですね。今お昼ご飯持ってきますよー」 京太郎「そんな、もう動けますから大丈夫ですよ!」 初美「……そうですかー?なら一緒に行きましょう」 ーー食堂 初美「おばちゃん、カレーくださいなー」 おばちゃん「あいよー。初美ちゃんも大変だねぇ」 初美「いえいえ、これも仕事ですから。半分好きでやってる事ですし」 京太郎「……カレー?」 ーー姫の部屋前 初美「姫様ー?お体の具合はどうですかー?」コンコン 小蒔「あたま いたい です……」グスッ 初美「調子に乗り過ぎですよー。神事にも差障ってるんじゃないですかー?」 小蒔「おっしゃる通りです……入ってきてもらっていいですよ」 ガチャッ 初美「それでは遠慮なく。京太郎さんも来てますよー」 京太郎「こんちわー……」 小蒔「えぇぇ!?居るなら居るって先に言ってくださいよぉ!」 京太郎「あの、なんかすいません」 小蒔「いえ全然!全然大丈夫ですよ!っいたた……」キーン 初美「それじゃ、これ持ってきましたから。食べましょう」 小蒔「うっ、この匂い……カレーですか!?」 初美「そうです。嫌いな人はほとんど居ないというあのカレーですよー」 小蒔「え、遠慮したいです」 初美「駄目ですよー。飲み過ぎる方がいけないんです」 京太郎「えっ、このカレーそんなにヤバイ奴なんですか」 初美「いーえ。ただ単に香辛料が多めの辛口ってだけですよー」 小蒔「辛いってレベルじゃ……!」 初美「議を言うなっ」スッ 小蒔「むっ……!?」パクッ 小蒔「かっ、からっ、辛過ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃlぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!お水!お水!」 初美「はい牛乳ですよー」 小蒔「っ!」バシッ ゴクッゴクッゴクッ…… 京太郎(めっちゃ喉鳴らしてる……そうだこれアレだ、ビールのCMだ) 小蒔「っぷはー……し、死ぬかと思いました」 初美「その様子だともう大丈夫みたいですね」 小蒔「はい。ですからこのカレーは」 初美「もったいないので全部食べてもらいますよー」 小蒔「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」 初美「まぁまぁ。牛乳のおかわりは自由ですから。それに京太郎さんも手伝ってくれますよー、多分」 京太郎「えっ!?」 小蒔「手伝ってくれるんですか……?」ウルウル 京太郎「……はい」 ~~カレー食後 小蒔「も、もふはめ……辛ひ……」 京太郎「まともに喋れなくなるかと思った……!」 初美「はい、お粗末様でしたー」 小蒔「もう辛いのは嫌です……お酒なんかもう飲みません」 京太郎(嘘だな) 初美(嘘ですねー) 初美「姫、神事の予定が詰まってますよー」 小蒔「……今日はどこでしたっけ?」 初美「種子島宇宙センターです。今度飛ばす宇宙船の安全祈願ですよ」 京太郎「へぇーっ、そういうところでも神頼みする時ってあるんですね」 小蒔「どれだけ科学が進歩しても、やっぱりどうしようもない部分はありますからね。そういう時に神頼みって便利なんですよ」フラフラ 京太郎「宇宙かぁ……」 初美「……京太郎さんも行ってみますー?多分行くだけになっちゃいますけど」 京太郎「いいんですか!?」 小蒔「もちろんですよ!是非是非、鹿児島が誇る宇宙技術の結晶を見て行ってくださいっ」 京太郎(これは……こっちに来て初めての役得かもしれない) ーー種子島宇宙センター 京太郎「すっっっっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!宇宙ステーションの日本棟の実物大があるー!」 『星はガス雲が集まって回転し、引力を増すことで段々と巨大化し形成されていくのです……』 京太郎「うわっなにこれなにこれ実験できんの!?薄墨さーん!小蒔さーん!こっちこっちー!実験できますよー!」 小蒔「ちょっと、予想以上に、テンション高い、ですね……」ゼーゼー 初美「男の人は、宇宙とか、技術に、弱いですからねー……」ゼーゼー 小蒔「まぁでも……無邪気過ぎて、ちょっとかわいいですね」 初美「お気持ちはよくわかりますー。これが母性って奴ですかねー」 京太郎「宇宙すげえええええええええええええええええええええええええええ!あっ打ち上げシアターがある!」 ーー神社 京太郎「あー楽しかったー!ホント連れてってくれてありがとうございました!」 小蒔「そ、それは何よりです……」 初美「元気ハツラツすればあんなに動けるんですね、京太郎さんって」 京太郎「宇宙かぁ、いいなぁ」 霞「麻雀にも宇宙ってあるんですよ?」 京太郎「岩戸さん!?……一体どこから」 霞「神社からです。それよりも、麻雀卓が宇宙と同一である……という話は聞いたことがありますか?」 京太郎「いえ、全然」 霞「古来、大きな自然としての宇宙観を卓上に表したのが麻雀だったって言う説もあるくらいですから。結構関係あるんですよ?」 京太郎「へぇー……じゃあ咲とかは引力でも持ってるんですかね」 小蒔「引力……?」 京太郎「あ、いえ何ていうか。あいつ嶺上開花やたら出来るじゃないですか。能力って言うのかな」 京太郎「卓が宇宙なら牌は星で、牌を引きつける人の力は引力なのかなって。……俺何言ってるんですかね」 霞「いえ、面白いと思いますよ」クスッ 京太郎「あーやべーなんか今すっごい恥ずかしいこと言っちゃった気がする!」 初美「録音はしてませんが、記憶の中にしっかりと肉声で残しましたよー。事あるごとに使わせてもらいますー」 京太郎「やめてください!お願いします!」 小蒔「卓が宇宙で牌が星なら……牌を引きつける人の力は引力なのかな、って」キリリッ 京太郎「神代さん!」 初美「あはははははははははははは!今日から京太郎さんは須賀☆→引力←☆京太郎に改名ですねー!」 霞「ええ、本当に、面白いと、思うわ……」プルプル 京太郎「言うんじゃなかった……」 初美「それじゃあ私達はもう休みますけど……勝手に引かれあったりしないで下さいねー……」プルプル 京太郎「しませんよっ!」 小蒔「い、引力……」プルプル 京太郎「ちくしょう皆して!」ダッ 京太郎(もう早く寝ちまおう……でも種子島宇宙センター、楽しかったなぁ。鹿児島に来てよかった) 小蒔「本当ですか!?」 老巫女「はい。姫をお産みになった母上様の元に現れ、母上様のお気を違えさせてしまったものと同一のものです」 老巫女「おそらくはご先祖様が過去に祓いそこなった低級の霊の寄せ集めでございましょうが、ここまで強大になっているとは」 小蒔(そんなものを……私、祓えるんでしょうか) 老巫女「姫はまだ若い御身、お世継ぎも御産みになっていらっしゃらない。無理をすることはありません。ここはこの婆に任せてください」 小蒔「どうするのですか?」 老巫女「私共梵百の器でも数百使い潰せば、封じることくらいは叶いましょう……」 小蒔「ダメです!」 老巫女「姫……」 小蒔「誰かを犠牲にした祓い方など認められません!……私がやります」 老巫女「何とお心の広い……!この婆、残り少ない命も姫のために使わせていただきます」バッ 小蒔(どれだけ怖くても、神代である私がやらなきゃ。そうですよね、母上……!) ーー客室 初美「引力太郎さーん、朝ですよー」 京太郎「そんな名前の人は居ません」 初美「あれ?思ったより気にしてます?」 京太郎「自分の黒歴史の10分の9をさんざっぱら煽られたらこうもなろう!」 初美「それは申し訳ないですー。悪かったですから朝ご飯食べに行きますよ、京太郎さん」 京太郎「……ゴチになります」ゴソッ ーー食堂 初美「というわけでご飯ですよー。はいご飯」 京太郎「随分器が大きいんですね」 初美「今日は鶏飯ですからー」 霞「あら、今日は鶏飯の日だったの」 京太郎「鶏飯?」 霞「あそこに色んな具材が乗ってるお皿がありますよね?」 京太郎「はぁ」 霞「ご飯の上に具材を好きなだけよそって、熱々の鶏がらスープをかけて食べるんですよ」 京太郎「好きなだけ!?」 初美「好きなだけですよー」 京太郎「うへぇ、朝から随分豪快っすね」 初美「ここでは朝から体力使いますからねー、しっかり食べておかないと。ほら向こうの姫なんか」 京太郎「?」チラッ 小蒔「おばちゃんおかわり下さい!」ガツガツガツガツ おばちゃん「はいはい。……ほんに小蒔ちゃんは食べるときはよーけ食べるねぇ。太るよ?」 小蒔「太りまっ……せん!カロリー使いますから!」ガツガツ 京太郎「……oh」 初美「姫様ー、京太郎さん来てますよー?」 小蒔「はっ!?」バッ 京太郎「ハハ……どうも」 小蒔「おはようございます、今日もいい天気ですね」ニッコリ 小蒔「……じゃなくって!だから先に言って下さいって言ってるじゃないですかー!」 初美「わき目も振らずに食事してたのが悪いんですよー」 小蒔「い、嫌ですねはっちゃんったら!き、今日はもうお腹いっぱいかなー!あはははは……」 京太郎「いや小蒔さん、俺に気使ってもらわないでいいっすよ?……ほら、おかわり来ましたし」 小蒔「お願いだから弁解のチャンスを下さいぃぃぃ……普段はこんなに食べないんです。でも今日は大きな神事なんですよぉ」グスッ 京太郎「神事ってそんなに体力使うんですか?」 初美「普通の人ならそこまででも無いですけど、姫は何分特別な生まれですからね。色々神経を擦り減らすというか」 京太郎「なるほど……」 小蒔「そうなんです。仕方なく食べてるんですよ」パクパク 霞「ここで耳寄り情報。小蒔ちゃんは小さい頃から鶏飯大好きなんですよ」 小蒔「霞ちゃん!確かにそうだけどこの場でそれ言ったらなんだかとっても誤解されそうですよ!?」 京太郎「ハハハ……」 小蒔「ほらぁ京太郎さんもう完全に食いしん坊さんを見る生暖かい目をしてるじゃないですか!私の事はいいですから、みなさんご飯食べてくださいっ!」 初美「……姫、鶏肉・しいたけ・紅ショウガ・海苔・ネギの黄金比って何対何でしたっけ?」 小蒔「私個人の意見としては5:2:1:1:1ですね。」キリッ 京太郎「へー」 霞「ね?本当に好きなんです。びっくりするくらい」 小蒔「スープは…………ってもうもうもう!何言わせるんですか!ごちそうさまでしたっ!」 小蒔「うわーん!」ダダダ バタンッ 京太郎「あ、行っちゃった」 おばちゃん「小蒔ちゃんは朝から元気ねぇ」 初美「それじゃあ、私達もいただきましょうか」 京太郎「そっすねー」 霞「……私は6:0:1:1:2かしら」ボソッ 京太郎「?」 霞「何でもないですよ~?」ニコッ ~~朝食終了後 京太郎「ご馳走様でした」ゲプッ 初美「お粗末さまでしたー。京太郎さん、今日はどうするんですかー?」 京太郎「うーん、特に予定無いんですよねー。ノリだけでここに来たし」 霞「それもそうですねぇ……」 初美「じゃあ観光ですねー。案内しますよー」 京太郎「お世話になってばっかりで申し訳ないっす」 霞「いいんですよ。初美ちゃん、誰かのお世話するの大好きなんですから」ヒソヒソ 京太郎「へー……」 京太郎(人は本当に見た目によらないんだなぁ……) 初美「……今失礼なこと考えませんでしたぁ?」 京太郎「いえ何も!」 初美「ならいいですけど。鹿児島城跡に行きますかー」 霞「あ、それはいいわね」パンッ 京太郎(城跡かー……) 初美「ふっ、京太郎さんの考えていることは手に取るように分かりますよー。城跡とか見ても何にもオモシロクナイと思ってますねー?」 京太郎「えっ!?」 初美「確かに普通の城ならそうでしょう。普通の人ならそうでしょう。が、しかし!私達と一緒に行く鹿児島城跡に関してはその認識、覆ることになりますよー」 京太郎「やけに自信あるんですね……」 霞「ふふふ……だって京太郎さん、男の子ですもの」 京太郎「?」 ーー鹿児島跡・黎明館 春「殿、生きて帰られよ!あなたは薩摩を……民草を治めるべきお方……!」 春「最早このような戦に加担する理はありませぬ!世が如何に変わろうと島津には島津の道というものがあることを、殿は御存知の筈でございます!」バタッ 春「ならぬっ!貴様もっ、貴様も帰るのだ!おまんらを見捨てて、おいにおめおめと逃げ帰れともんすか!」 春「殿。おいどんら誰一人として犬死するつもりなどなか。じゃっどん、例え生き残ったとしても……皆、殿が居なければこの浮世、生きる甲斐がなかとですたい!」 春「おいどんらが生きるには、まず殿に生きて帰ってもらわにゃいかんのです。わかってくんせ」 春「くっ…………必ず、必ず生きて帰れよッ!」バッ 春「…………行ったか」 春「これで一安心じゃあな。後はおいどんらの武者働きにかかっとるたい。……なぁ、ええ殿じゃったなぁ」 春「おうよ。あんなお人良しに仕えられたんは至上の誉れぞ、喜びぞ!」 春「こん捨て肝、絶対生き残らせちゃる」 春「殿をか?」 春「殿も、俺も、お前もじゃ!」 春「ハハハハッ!そがんごつ言わったらようよう死ねんなぁ!」 『射ち方ー、始めー!』 春「……死ぬなよッ!」 春「……応!」 霞「こうして、多数の討死者を出しながらも敵陣の中央を突破した島津は見事、80人の部下を連れて本国への帰還を成功させたのでした……」 京太郎「くっ……」ポロポロ 初美「いつ聞いてもいい話ですねー」ホロリ 霞「……京太郎さん?どう思いました?」 京太郎「臣下の身を案じる殿も゛、殿を守りながら゛、ざいごまでっ、いぎようどずる、臣下も゛、がっごいいど思いま゛しだ……!」ブワッ 霞「そうですね、誰一人として生きることを諦めなかったからこそ、この作戦は成功したんですものね」 春「……疲れた」ポリポリ 霞「はい、お疲れ様でした。……にしても、いつもながら迫真の演技ねぇ。不覚にも私もちょっと涙腺に来てしまったわ」グスッ 京太郎「うっ……うっ……」 初美「男の人ってホントにこういう話弱いですよねー」 霞「戦場は男の花道ですもの、今も昔もね」 春「バトルが好きなんだよね、要は」 初美「ですねー。ほら京太郎さん。ほかにも展示はありますから、次行きますよー?」 京太郎「はい゛……!」 ~~夕方 ーー神社 京太郎「いやぁ、感動した!島津すげぇ!鹿児島すげぇ!おいどん感動した!」 初美「気に入っていただけたようで何よりですよー」 霞「もう京太郎さんも立派な薩摩隼人ですね」クスッ 春「ちょっとナヨいけどね」ポリポリ 小蒔「……」フラフラ 京太郎「あ、神代さん」 霞(あら、あの歩き方は) 初美(私達が観光に行ったのを誰かから聞かされたけど自分は仕事だったししょうがないよねと思ってしゅんとしていたら部屋に置いてあった焼酎に目が留まって少しだけ手を出した、ってとこですか。治るのは早そうですけど、絡むのはヤバイですねー) 春「……戦略的撤退」バッ 初美「祖母上ー、料理手伝いますー」タタタ 霞「お守り作らなきゃ……」パタパタ 京太郎「……アレ?皆さん?」 小蒔「きょーたろーしゃぁん?ろぉーこに、いっれらんれすかぁ!?」 京太郎(酔ってる!?) 小蒔「ろこに、いっれらんれすかぁ!」ユサユサユサ 京太郎「か、鹿児島城跡に……ちょっ揺らさないで下さいヤバイヤバイマジで」 小蒔「鹿児島城跡……皆と行ったんれすかー?」 京太郎「ハ、ハイ。案内してもらいました」 小蒔「いいなぁ、いいなぁ!皆いいなぁ!さぞや楽しひったれしょーね!春ちゃん演技上手いですし……」 小蒔「わらひなんて一日中びみょーに汗臭い中れ祝詞唱えてらんれすよぉ!?きょーたろーしゃん達が観光してるあいらずーーーーーーっと!」 京太郎「お、お疲れ様です」 小蒔「みんなずるいれすぅ……ずるすぎれすよう……しょーがらいれすけどぉ……でも、わらひだって、きょーたろーしゃんと」ウルッ 京太郎(今度は泣いた!?) 小蒔「うぇぇぇぇぇぇぇ……」ポロポロ 京太郎「えーと……あっ!じゃあアレです!今から二人で散歩でも行きましょう!」 小蒔「……え?」パチクリ 京太郎「……へ?」 小蒔(京太郎さんと?私が?二人っきりで?お散歩?) 京太郎(なんでいきなり素に戻ってるんだ?) ーー神社の近く・星の見える道 京太郎「……」 小蒔「……」カァァ 京太郎・小蒔「「あのっ」」 京太郎「あ、神代さんから先に」 小蒔「京太郎さんからお先にどうぞ!私はその、お酒が抜け切っていないので……」 京太郎「そ、そうですか?えーと……今日はお疲れ様でした」 小蒔「あ、ありがとうございます。あのっ、さっきのは忘れてください!私どうしても酒癖が悪くて……飲んじゃダメだとは分かってるんですけど」グスッ 京太郎「ハハハ……分かりました。忘れます」 京太郎「……にしても、星綺麗ですねぇ」 小蒔「はいっ。実はここ、私の秘密の場所なんです」 京太郎「秘密の場所?」 小蒔「子供の頃、初めて降ろしてもらう時に怖くなって……家を逃げ出したことがあったんです」 小蒔「その時の野宿の場所だったんですよ、ここ。結局すぐ捕まっちゃったんですけど」 京太郎「へぇー……神代さんでも逃げちゃうくらい怖かったんですね」 小蒔「やっぱり自分の中に別のものが入ってくるっていうのは、今でも少し怖いです。私、あんまり我が強いほうじゃないですから」 小蒔「それからも怖い事が何回かあって、その度にここで一人で泣いてたんです」 京太郎「……でも、もう使ってないんですよね」 小蒔「霞ちゃん達が居てくれますから。でも、今日みたいに友達との時間が取れないと……やっぱり、段々疎遠になっちゃうのもしょうがないんですかね」シュン 京太郎「そんなことないですよ!」 小蒔「……え?」 京太郎「あ、えーとですね……俺も中学の時はかなり一緒に居たんだけど、部活の関係で高校の時から離れる時間が多くなった幼馴染がいて」 京太郎「でもそいつとは今でも親友っていうか……まだ惹かれあってる、って気がするんです」 小蒔「引力、ですか?」 京太郎「そうそうそれです!友達との付き合いって時間とかそういう物理的な事が重要なんじゃじゃなくて……お互いがお互いを信じる思いの強さが引力になると思うんです」 京太郎「そんでもって一旦力が働けばホラ、あの星とあの星みたいに、どんなに遠くに離れたところに居たって引力は0じゃない。ちゃんと作用するんですから!」 京太郎「だからお互いの事を信じられれば、どんなに遠くに行ってもまた惹かれ合えるかなー……と。だから永水の皆は疎遠にはならないって言うか、えーと」アタフタ 小蒔「その話……今急ごしらえで考えましたね?」クスッ 京太郎「す、すんません」 小蒔「でも、ありがとうございます。ちょっとだけ励まされました。……京太郎さんは、私との引力ーー感じてくれていますか?」 京太郎「勿論ですよ神代さん!だって……」 小蒔「小蒔、です。神代小蒔」 京太郎「え」 小蒔「出来れば……小蒔、って呼んでもらえませんか?」 京太郎「いや、それは、えーと」 小蒔「……」 京太郎「こ、小蒔……さん」 小蒔「はい、京太郎さん。私もーーあなたとの引力、感じられる気がします。これからも、末永く宜しくお願いしますね?」ニコッ 京太郎「俺が出来る限りのことはやらせていただきますっ!」 小蒔「ならーーもしも私が遠くに行って、困ってしまうことになったら、追いかけてきてくれますか?」 京太郎「そのくらいお安いご用ですよ!24時間365日電話一本で迎えに行きます」 小蒔「北海道でもですか?」 京太郎「そのくらい、電車乗り継いで行きますよ」 小蒔「遠い国でもですか?」 京太郎「パスポートとって飛行機で飛んで行きます。たぶん、他の皆も同じ事すると思いますよ」 小蒔「じゃあ、あの星でも……?」 京太郎「……星?」 小蒔「私が、天の上に登ってしまっても……会いに来てくれますか?」 京太郎「そうですね、その時は」 京太郎「……種子島からロケットにでも乗って、お迎えに行きますよ」 小蒔「京太郎さんっ!」ギュッ 京太郎「わっ!?……こ、小蒔サン?急に抱きつかれるとその、月並みですけど柔らかいモノがですね」 小蒔「まだ数日しか親しくしていないあなたにこんなこと言うのは不自然かもしれないですけど、でも……」 小蒔人の繋がりは時間じゃ決まらないって。どんなに長い間会えなくても、遠く離れても引力で繋がってるって」 小蒔「あなたがそう言ってくれたから。だから、私も言えます」 小蒔「ありがとうございます、京太郎さん。私、あなたに会えて、本当に良かった……!」 小蒔「私はもう、怖くないです。何も……」 京太郎「……?」 小蒔「……これ、受け取ってもらえますか。私が作ったお守りです……効果があるか分かりませんけど」 京太郎「いいんですか!?あ、ありがとうございます。俺、女の子からのプレゼントって貰ったことなくて」 小蒔「そうだったんですか!?」 京太郎「意外そうな顔をされるとこっちも反応に困りますよ……」 小蒔「じゃあ、私が初めて……か」 京太郎「何か言いました?」 小蒔「……何でもないですっ!」 小蒔「さ、帰りましょう京太郎さん。私達の社へ」ニコッ 京太郎「はいっ!」 ーー神社 初美「どこにほっつき歩いてたんですかー?」ゴゴゴ 小蒔「はっちゃん、これには深い訳が」 初美「許しませんよー?」 京太郎「自分が悪いんでごぜぇます!どうか、どうか姫には温情を!」 霞「はいそこまでです。……姫、今回だけですからね?」 小蒔「はぁーい……」シュン 初美「京太郎さんもですよー?一応ここの最高権力者で、私達の大事な友達なんですから。持ち逃げは困りますー」ギロッ 京太郎「すんませんでしたぁー!」 小蒔「はっちゃん様!お夕飯抜きだけはご勘弁いただけないでしょうか!今夜は神事なんです!」 京太郎「明日も観光なんです!」 小蒔「え、それって」 京太郎「小蒔さんも連れて行きます!」 小蒔「き、京太郎さんったらそんな、皆の前で」カァァ 初美「漫才はいいですから、ね?」 春「……二人とも、なんかシンクロ率上がってる?」 霞「初美ちゃん、とりあえずお夕食お出ししてあげましょう。姫の御体に差障ったら事だわ」 小蒔「霞ちゃん……!」ウルウル 霞「ただし夜遅いのでおかわりは禁止です」 小蒔「霞ちゃーーーーーーーーーーーーん!」 初美「姫様ー、京太郎さん隣ですよ隣」 小蒔「うっ……わ、分かりました」 京太郎(普段からおかわりしているのか……) ~~食後 ーー客室 京太郎「いやー相変わらず飯が美味しい!鹿児島最高!」 初美「それは何よりですよー、作った方も感慨無量と言うものです」 京太郎「……まだ居てくれるんですね」 初美「客人の方にはお付きするのが当然なのですよー」 京太郎「とは言っても、やることないでしょう?」 初美「……晩酌でもしますかー?」 京太郎「出来るんですか、むしろ」 初美「ええ。そのためのお酒も用意してありますから。……なんだかんだ、芋焼酎が恋しいのではないのですかー?」 京太郎「何故それを」 初美「芋焼酎は好き嫌いが分かれますからー。嫌いな人は最初の匂いだけでダメですし、好きな人は水と同じくらい飲みますよー」 京太郎「へぇー……じゃあ俺は」 初美「後者ですねー。焼酎飲みの資質がありますよー」 京太郎「そんな素質あるって言われても、あんまり嬉しくねぇなぁ」 初美「では準備してきますので、社の物見の所まで登っておいてくださいねー」 京太郎(ほんとに甲斐甲斐しいなぁ……嫁さんにするんならあんなタイプがいいんだろうけど) ーー物見 京太郎(ここでいいのか?) 初美「お待たせしましたー。今日は月も輝いてますし、明かりは要りませんねー」タタタ 京太郎「あ……結構量は少なそうですね」 初美「姫や霞さんみたいな飲み方は阿呆のやることです。翌日の手間を増やすのは好きじゃないんですよー」 京太郎「ですよねー。その急須みたいなのはなんですか?」 初美「これは「ヂョカ」と言ってですね、前の日に作った水割りの焼酎を入れて、温めて飲む器具です。炭火ですからちょっと高いんですよー?」カチッ 京太郎「へぇー……」 初美「この神社は風も強いですし、昼間打ち水もしていますから。夜は外に出るとひんやりするんです。そこで」 京太郎「燗にした焼酎を味わって飲む、と」 初美「そういう事です。本来これが一番おいしい飲み方なんですよー」 京太郎「聞くだけで美味しそうですもん、未成年なのに」 初美「さ、座って下さい。お酌しますよー」 京太郎「え、いいんですか?」 初美「別に酌くらい嫌がったりしませんよ、セクハラ神主でもない限りは。はい、これが猪口です」 京太郎「随分大きめっすね……わざわざありがとうございます」 初美「はいはい。では……そろそろ火を消して、と。お注ぎしますよー」トクトク 京太郎「おっとと……では、頂きます」クイッ 京太郎「っ……………………ぷはああああああああああああああああああああああああっ!」 京太郎「旨いっ!旨すぎるっ!体に沁みる!これが焼酎だったのか!俺が前飲んだものはなんだったんだ!」 初美「阿呆酒ですよー」 京太郎「しかし、アレですね。ここまで美味しいお酒があるとつまみがないのが勿体ないですね」 初美「勿論用意していますよー。出来立ての薩摩揚げです」スッ 京太郎「もう至れり尽くせりで何てコメントしていいか分からないっすよ俺」ジュルッ 初美「いいんですよー。……晩酌の時間くらい身勝手で、ワガママでいいんです。後始末は私がしますから」 京太郎「あー美味いぃぃぃぃ……手が止まらねぇ」 京太郎「お酒おかわりお願いできますかー!」 初美「勿論ですよー。ささ、どうぞどうぞ」トクトク 京太郎「さっきよりちょっと少なくありません?」 初美「二杯目は一杯目の八割。三杯目は二杯目の八割。こうしていけば飲み過ぎることはありませんよー」 京太郎「なるほど……知恵って奴ですね。……でも俺これなら何杯でもいける気がするなぁ」クイッ 初美「飲む量は私がコントロールしますから安心していいですよー」 京太郎「あー…………………………ホント、いいなぁ……鹿児島」 初美「ご満足いただけてるなら何よりですよー」 京太郎「そういえば、薄墨さんは飲まないんですか?」 初美「いえ、私は」 京太郎「どうしても飲めないって言うんじゃなかったら……俺、薄墨さんと一緒に飲みたいです。それが俺のワガママって事で……ダメっすかね?」 初美「……分かりました。おつき合いさせていただきますよー」 京太郎「じゃあ、御猪口どうぞ。ささ、飲んで飲んで」トクトク 初美「ありがとうございますー。では、遠慮なく。んっ……」クイッ 初美「…………ぷはっ。うーん、美味しすぎます。お酒は魔物ですねー」 京太郎「それじゃあ、俺にももう一杯貰えますか?」 初美「はい。では酌返し返しという事で……」トクトク 京太郎「っ…………あ~美味いぃぃぃぃぃぃぃぃ……酒に溺れる人の気持ちも分かるわ。まぁ薄墨さんが居るからその心配は無いんでしょうけど」 初美「……ふふっ」 京太郎「どうしたんですかぁ?っとと……」 初美「なんだか三々九度みたいだなー、って思ったんです」 京太郎「三々九度?」 初美「何でもありませんよー。それより京太郎さん、まだ眠くはありませんか?」 初美「もう、またそうやって周りのために嘘を吐くんですから。眠いなら眠いって、はっきり言ってくれていいんですよー」 京太郎「……薄墨さん?」 初美「京太郎さんは姫と似ています。人なのに、どこか人間離れしてるっていうか……人が良過ぎるんですよー。無理してませんかー?」 京太郎「えー?俺無理なんてしてるつもりないですけどねぇ」 初美「いいえ、無理してますよー。それがあなたなりの処世術、生き方だとしても……自分を犠牲にし続けるだなんて、それは人の身で成し得ることではありませんよー」 京太郎「そんな大層な話じゃないですよぉ、俺の事なんて」 初美「そうですねー。一般的に見れば大層な話ではないかも知れません。でも、他人のために自分を犠牲にしようとするあなたを、放っておけない人だって居るんですよー?」 京太郎「えー?でもどうするんですか、俺多分そろそろ帰っちゃいますよー?……ひっく」 初美「……ならせめて、ここに居る時だけでも。私があなたの支えになりますよー。あなたが誰かのために自分の何かを犠牲にする限り」 初美「私は、あなたの苦しみを少しでも和らげるために……あなたを支え続けます。そう決めました」 京太郎「どうして、そんな、事……」 初美「あなたの事が放っておけないからですよー。何故かは、自分でも分かりませんが」 京太郎「ぅ……」ウツラウツラ 初美「眠くなりましたか?いいですよー。ほら……私の膝が空いてますから」ポンポン 京太郎「いや、流石に、それは……Zzz」 初美「いいんです。あなたは人と人を繋ぐ事が出来る。でもそのせいで、他の人よりもずっと重い物を背負っている」 初美「私にはその重荷は背負えません。でも、あなたの心を支える事なら出来ます」 初美「だから……思いっきり甘えてくれていいんですよ、京太郎さん。それで少しでもあなたが心を癒してくれれば、私は……」ナデナデ 京太郎「Zzz……」 初美「寝ちゃってましたか。……お布団敷かないといけませんね」 初美(でもーー) 京太郎「Zzz……」 初美「今はもう少しだけ、こうさせて下さい……」 ーー神社・本殿 小蒔「それでは……祓いを始めます!」 祟り神「「「「「……」」」」」 ズズズズズズズズズズズ・・・ 小蒔(なんて瘴気……でも!) 小蒔「それでは各自祈祷をーーッ!?」 祟り神「……!」ビュンッ 小蒔(しまった!一匹、足の速いのを逃がしちゃった……!) 老巫女「姫!あれ単体ではまだ暴れますまい!今は目の前の大物にお気を集中させられよ!」 小蒔「分かっています……!ありがとう、婆」 老巫女「このような老体に労りの言葉など……恐縮の極みです」 ギーガ「ゲフーッ ゲフーッ! 食ベテヤル! 食ベテヤル! 地球上ノ 全テノ物ヲ 食ベテヤル!」 ブラック「神代小蒔!暗黒面が見たいってのはお前かァ!?」 ミサイル「グブッ! グブッ!ミサイルをしこたまぶちこんでやる!」 小蒔「あれは……ゲームの!?」 老巫女「憑き物が顕現しやすいように憑代を定めたにすぎませぬ、惑わされませぬよう」 小蒔「はい……!」バッ ブラック「おォ、祓う気かァ!そりゃあいい、じゃあお前の得意な物……麻雀で勝負させてやるよ!」 ブラック「ブラ~~~~~~~~~ック・ボンビーーーーーーーーー!」ドロォォォ 老巫女「姫っ!」 小蒔「婆、大丈夫です。私は……」スウッ 老巫女「姫……?どこに行かれるのですか?姫ーーーーーーーーーーーーっ!?」 ーー??? ミサイル「グブッ!グブッ!いいだろう、麻雀だ!麻雀だ!」 ギーガ「ゲフーッ!ゲフーッ!」 ブラック「さぁ始めようぜェ神代の巫女……親は俺様からだがな!」 小蒔(驚いたけれど、麻雀勝負という事なら……女神様を降ろせば) 小蒔(……あれ?降ろすどころか、気配さえも……) ブラック「ーー馬 鹿 が !!」 ブラック「ここは俺が作った空間だぞォ?呼ばせるわけがないだろう……そしてなァ霧島の。残念なお知らせだ」 ブラック「今までお前に味方してきた女神たちは……ぜ~~~~~~~んぶ俺様達が大事に使わせてもらうぜェ!」タンッ ブラック「嘘だと思うんなら気配を探ってみるんだな!今まで自分が頼りにしてたものが敵になるのがどんな気分か……しっかり味わえ!ブラ~~~~~~~~ック・ボンビーーーーーーー!」 ジャラララララララ…… ブラック「それじゃ、試合開始だァ!」タンッ ギーガ「ゲフーーッ!」ダァン ミサイル「グブブブブゥ!気分がいいなぁ『自動操縦』ってのは!何もしなくても勝てるのか!」 小蒔(そんな……女神様が……) ブラック「どォしたァ!?切らないんなら自動でツモ切りだァ!」ピッ 小蒔「きっ、切ります!切りますからーー」ハッ ミサイル「もうダメーーーーーーーーーーーーーーーーー!時間切れの自動切りだ!」 ギーガ「ゲフーッ!ロォォォォォォォォォォォン!」 小蒔「きゃああああああああああああああああああああああああっ!?」 ブラック「おっと言い忘れてたが……点数はそのまま魂の数値に繋がってるぞ。尽きたら死んじまうかもなァ!もっとも……」 ブラック「俺達ァ持ち過ぎなくらい魂ってのを持ってるから消える心配ないんだけどなァ!ざっと1万5000人分」 ブラック「375000000点奪い取ればお前の勝ちだ!出来れば、だがな!ブラ~ック・ボンビー!」 小蒔「そんな……こんなの、公平じゃないです!」 ジャラララララララララ・・・ ブラック「んー?聞こえんなぁ!ハハハハハハハハ!」タンッ ギーガ「ゲファファファファッファファ……誰が公平なルールでやると言った!元より力は圧倒的にわれらが上!我々はお前の殺し方に趣向を加えているに過ぎん!」ダンッ ミサイル「グブブブブ……絶望しながら死んでいけ!」 小蒔(375000000点……?そんなの、どうやって削りきれば) 小蒔「っ……」タンッ ブラック「ロォン!」 小蒔「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 小蒔(ホントに……私の魂が消えかかってる……!) ブラック「いやァ『運がいい』なァ!ハハハ!女神の力ってのは最高だ!」 ミサイル(グブブブッ!もっとも、そんなものが無くても全部一発で和了れる様に細工してあるんだがな!) ジャラララララララララ・・・ 小蒔「……」 ミサイル「どうした、戦意喪失か!?グブブブブブブッ!」 小蒔(京太郎さん……) 『もし、私が天の上に行ってしまっても……会いに来てくれますか?』 小蒔(あなたが、居てくれたから……) 小蒔(私はーーーーーーーーーー!) ギーガ「自動ツモ切りだ!早くしろ!」 タンッ・・・ ブラック「……」 ミサイル「……」 ギーガ「……」 ブラック「お、おい!誰も和了れないのか!?」 ギーガ「ゲフーッ、俺は、無理だ……」 ミサイル(ありえないっ!奴の手は全て、俺達が一発で和了れる牌の筈だ!生き残るなどと……!) 小蒔「……」 小蒔(女神様を降ろせないのなら、誰にも頼れないのなら……) 『ーー種子島からロケットにでも乗って、お迎えに行きますよ』 小蒔(私が、私自身が………………天頂へ昇る!) ーー神社 霞「婆様、小蒔ちゃん!大丈夫ですか!?あの青い光の柱は一体……?」 老巫女「おぉ、霞……!」 老巫女「なんという……なんということじゃ……この婆の力が足りぬばかりに……!」 霞「婆様……?」 老巫女「姫は……人をお捨てになられ、神になってしまわれた!」 霞「え……」 ーー宮森 塞「うわー」 豊音「どうしたのー?」 塞「予備のモノクルが全部粉々になってる……」 豊音「うわぁー……大損だねー」 塞「またバイトかぁ……やめてほしいなぁこういうの」 ーー清澄 和「あふんっ」ビクンッ 優希「!?」ビクッ 和「宮永さんのおけつ!おけつが見えるんです!あぁ、あれがそうですね、バァーって動いてます!ぷりぷりです!ぷりっぷりです!」 優希「部長!和ちゃんがおかしなことに!」 久「いつもの事でしょ。放っておきなさいな」 優希「でも、ここまでおかしくなってしまうなんて……人類は進むべき道を間違えたのかじぇ……」ガタガタ まこ「人の業が生み出したもの……和もその一つ。決して目を逸らしてはいかんのじゃな」シミジミ 咲(……?)ゾクッ ーー姫松 洋榎「なぁなぁ絹、聞いて聞いてー」ウキウキ 絹恵「どしたん?」 洋榎「さっきたこ焼き食うたらな、なんと一つの中にタコが3つ入っとってん!」 絹恵「……おめっとさんです」 洋榎「あー!今『それウキウキで言う事ちゃうやろこのノータリンのおっぺけぺーが』とか思ったな!?」 絹恵「思ってへん思ってへん。思ってへんからさっさと宿題かたしいや」ハァ ーー??? ブラック「ふ、ふん!まぁいい……」タンッ 小蒔「ロン。………………九蓮宝燈!」 ブラック「何ッ……!?」 ギーガ「!!!???」 ミサイル「やっ…………役満だとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?ありえんっ!」 ミサイル「奴の手を、人間如きの手を、怨霊である俺達がコントロールしきれていないとでも言うのか……!」 ブラック(違う……あいつは) ブラック「ーー小娘。忠告だけしておいてやる。……『それ』は人の力じゃあない……いくら勝ったところで、帰れなくなるぞ!」 小蒔「……………………」 ブラック(こいつ、もう聴覚が効かないのか……!) ジャララララララララララ・・・ 小蒔「ーーさぁ、連荘です……!」 (耳が、聞こえなくなった) (でも、怖くない) (もっと高く……) 小蒔「ーーツモ。天和……連荘です」 ギーガ「て、天和ォォォォォォーーーーーーーーーー!?」 ミサイル「ありえんっ!ありえんっ!ありえんっ!」 (汗の味が、しなくなった) (怖くない) (もっと高く……) ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「……ツモ。天和!」 ブラック「やめろ!お前、まさか……」 ブラック「人の身で、神の頂に昇ろうとしているのかッ!?」 小蒔「連荘です……!」 (匂いが、しなくなった) (怖く、ない) (もっと、もっと、もっと……!) ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「ツモ。天和!」 ギーガ「グブーッ!グブーッ!グブーッ!グブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」 (視界が、消えた) (怖く……ない) (あと、少しで……!) 小蒔「連荘、です……!」 ジャラララララララララララ・・・ 小蒔「……ツモ、天和です……!」 ミサイル「やめろ!魂の数値の差を理解しているのか!?やめろォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」 小蒔「たとえ、貴方達が何点持っていようと。倒します。倒してみせます」 小蒔「私の宿命は……他の誰でもない。私が超える!」 (体の感覚が……消えた) (……でも、大丈夫) (だって、私の中にはいつだって、あなたのーーーー) (あなたがくれた暖かな思いが、たくさんあるから) (だからーーーーーーーーーーー怖くない!) 「「「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」」 ーー物見 ハリケーン『ドッドド!ドドード! ドドード! ドドー!』 ハリケーン「よう、会いたかったぜ!兄弟!」 初美「……」 ハリケーン「とりあえず眠りこけてるこの男、憑き殺しちゃっていいかぁ!?」 初美「させませんよー。……絶対に」 京太郎「Zzz……んぁ?ってうわああああああああああああああああああああああああ!?何だアンタ!?ボンビー!?」 ハリケーン「俺かぁ!?俺はハリケーン!伝説の破壊神様だよ!」ゴゥッ 京太郎「うおっ……!?」 初美「京太郎さん、本殿へ行ってください。……コイツが出たという事はきっと、姫があなたの事を待ってますー」 京太郎「え、小蒔さんが!?でもこいつは……!」 初美「……ここは私に任せてくださいですよー。さぁ、早く」 京太郎「薄墨さん……」 初美「姫みたいに下の名前で呼んでもらえると雰囲気出ますね。はっちゃんでもいいですよー」 京太郎「それ、今言うことじゃないでしょう!?」 初美「……少し、悔しかったものですからー」 京太郎「……」 初美「さ、行って下さい。男の背中を守るのは……女の仕事です!」バッ 京太郎「初美さん……俺、なんかよくわかんねーけど、行ってきます!」ダッ ハリケーン「ふんっ、ここまで来ても状況が理解できんとは……臆病な上に頭も残念なようだなぁ、兄弟の見初めた奴は!」 初美「……黙って下さい。京太郎さんは、誰かを呪う事しか出来ないあなたなんかよりずっと賢くて、強くて……優しいんですよ」 ハリケーン「ハハハ!だが俺も飛び出してきちまったせいでこのままじゃ色々と壊せないんでなぁ。兄弟の体が欲しいんだが、もらってもいいかな!?」 初美「……タダじゃあげませんよー」 ハリケーン「分かってるよぉ!俺と兄弟の仲じゃないか!ここは……兄弟の得意な麻雀で決着といこうや!」ブアッ 初美「……っ!」 ーー??? ハリケーン「そうだなぁ……二人だけだし、北と南はいらねぇか!」ゴウッ 初美「……」 初美(なるほど、そういう事ですか。こすっからい奴ですねー) ハリケーン「なぁ、始める前に言っておきたいんだがよぉ兄弟」 初美「馴れ馴れしく呼ばないで下さいー」 ハリケーン「お前は、あの男とは……いや。すべての人と関わりを持つべきじゃあないんだ。親切心で言ってるんだぜ?」 ハリケーン「お前の宿命がな、破壊の嵐を呼ぶんだよ……仲間の輪の中にお前が居るだけで、そのチームには破壊が訪れる。お前と関わった奴は遅かれ早かれ壊れるんだよ」 ハリケーン「身に覚えがねぇ訳じゃないだろう?なんたって、桃鉄の時、誰よりも仲間の心に傷をつけて優越感に浸ってたのは」 ハリケーン「兄弟!お前なんだからなぁ!いやぁ見てて楽しかったぜ、まさか姫様に暴力を振るうなんてなぁ!普段よっぽど不満が溜まってたのか、ええ!?」 初美「……っ」 ハリケーン「それだけじゃない!あの男が俺によって不幸に見舞われた時もお前は少しもあの男の事を鑑みずに、一人で嘲笑ってたじゃないか!」 ハリケーン「お前から馬鹿にされる度に硬くなっていくあの男の自嘲的な笑みの意味も分からないまま!分かろうともしないまま!お山の大将気取ってたんだろう!?」 ハリケーン「今アイツに優しくしてるのは、恋なんかじゃなくて……そういう後ろ暗い気持ちがあるからなんじゃねぇのか!?なぁ兄弟!」 ハリケーン「予言してやるよ。例えこの場面を脱したとしても、あの男が姫様に取られたら、お前はもう一度破壊の嵐を巻き起こす。その時が神代の、本当の終わりだ!」 初美「違う!私は……っ」 ハリケーン「何が違う!?何故違う!?他人を憎み、妬み、嘲り、僻み、否定し、殻に篭り、分かり合おうともせず!その末の暴走!その果ての破壊だ!最早人間の意志で止められるものじゃないんだよ!」 初美「例え、私の宿命が嵐を呼ぶものだったとしても……!私は……!」 ハリケーン「言いたい事があるんならはっきり言えってんだよ、兄弟!」 初美「私は…………そんなものに負けたりしません!宿命の殻を破って……新しい運命を、きっと掴んで見せます!」 ハリケーン「出来るのかぁ?何かを壊し続けることしかできないお前に!」 初美「だって……そんな嵐の真ん中に居た私に、傷つきながら手を差し伸べてくれた人達が居ますから。その人達の為なら、私はどんなことだってやってみせます!」 ハリケーン「……」 初美「さぁ、かかってくるといいですよー。私は、絶対に負けませんから」 ハリケーン「……」 初美「……どうしたんですかー?」 ハリケーン「……チッ。興ざめだぜ」 初美「は?」 ハリケーン「興ざめだって言ったんだよ、兄弟。堂々と惚気やがって……もうやめだ、やめやめ。弱い奴相手ってのはこれだから……力が弱いくせになまじ意志ばっかり強くて、一丁前に息は巻きやがるんだから」 ハリケーン「あーくそっ!こんなつむじ風みたいな嵐は面白くもなんともねぇ!」 初美「……意味が分からないですよー?」 ハリケーン「兄弟、歯ぁ食い縛れ!」ゴウッ 初美「きゃあっ!?」 初美「これは……」 初美(私の気が……変化してるんですかー?) (変化じゃねぇよ兄弟。進化だ) 初美「あなたは……!」 (手ぇ貸してやるよ。心配すんな、乗っ取ったりはしねぇよ。俺と兄弟の仲だからな) 初美「もしかして、あなたも……」 (……ああ。あなた『達』が正しいけどな。だから見てみたくなったんだよ、同じ宿命を持ったお前さんの行く末って奴を) 初美「……」 (さぁ、行ってやんな。兄弟の恋人は今頃、苦戦してるだろうからなぁ) 初美「恋人じゃありませんっ」 (なんだ、まだ告ってもいなかったのか?自信があるのかないのかわかんねぇな) 初美「……行きますよっ!」ビュンッ (応!思う存分嵐を巻き起こせよ、兄弟!) ーー本殿 京太郎「岩戸さんっ!」 霞「京、太郎、さん……」ポロポロ 京太郎「小蒔さんは……!?」 霞「小蒔ちゃんが、小蒔ちゃんが……」 老巫女「姫は、祟り神を祓う為に己を贄として神になられた」 京太郎「かみ、って」 老巫女「肉体は既に無い。おそらくは、自我も……」 霞「う、うぅぅ……」 ズズズズズズズズズズズ・・・ 老巫女「まだ生き残りがおったのか!?」 霞「そんなっ!」 京太郎「うわぁっ!?」ガシッ 霞「京太郎さんっ!」 京太郎「あの、岩戸さん……一つ聞いておきたいんですけど」ズルズル 霞「な、なんですかこんな時に!」 京太郎「霞さん、って呼んでもいいですか。ていうか勝手に呼ばせてもらいます」 霞「呼び方なんて……今言うことじゃないでしょう!?早くっ……私の手を掴んで!引きずり込まれてしまいますよ!?」 京太郎「じゃあ霞さん……俺、行ってきます!」 シュンッ・・・ ーー??? 京太郎「あいったたたたた……ここは……宇宙?」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッ!よく来たなすが社長!」 京太郎「ちょっおまっ……ハリケーンの次はキングボンビーさんですか!?」 キング「さぁ、麻雀だ!卓につくがいい!」 京太郎「いやちょっと待っ」 キング「待たん!俺様はとろいのが嫌いなのだ!じたばたしてもどうにもならんぞ!キ~~~~~ング・ボンビーーー!」 京太郎「待てっつってんだろうが。……小蒔さんはどこだ」 キング「あぁ、あの巫女か?ーーーー消えたよ。いやぁ危なかった、こちらも三体ほど巻き込まれちまったけどなぁ!」 京太郎「なっ……!?」 キング「さぁ、無駄話はもういいだろう?麻雀を始めよう!俺様は一人でも多くの魂を食べたいのだ!」 ジャラララララララララララ・・・ 『小蒔ちゃんが……』 『神になってしまわれた……』 京太郎(小蒔さん……まさか、本当に) キング「切りたくないのなら勝手に切らせるぞ!ほれっ!」タンッ 京太郎「なっ!?卑怯だぞてめぇ!」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッ!無気力試合をする方が悪いのだ!」 京太郎「……クソッ!」タンッ キング「それロン!跳満~~~~~~~~~~~~!」 京太郎「か…………はっ!?」ボコッ 京太郎(なんだ、これ……体に、穴が……?) キング「点数は魂の数値!それが消えた時、お前もまた消える!よかったなぁ、無の先で愛しのこまき社長にまた会えるぞ!」 京太郎「ふざっ……けんな……!」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!楽しいなぁ、いたぶるのは!」 京太郎(クソっ、跳満一発でここまで響くのか……?頭が、回らねえ) キング「回す頭もないくせに強がるなよすが社長!お前元々麻雀はどうしようもなく弱いじゃないか!」 京太郎「うるせぇっ!人のっ、モノローグを勝手に見てんじゃねぇっ!」 キング「見えてしまうのさ、俺様はそういう存在だからな!……さぁ、二局目だ!」 ジャラララララララララララ・・・ 京太郎「く、そっ……」タンッ キング「フラフラだなぁすが社長!大丈夫か!?」ダンッ ーー清澄 咲「カン!……あれ」 優希「咲ちゃんが嶺上開花を外した!?」 和「確率的には普通ですね。ですが罰としておしり触らせてさせてください」 咲「いや……これは、普通じゃないよ」 咲(この感覚は……能力は発動しているのに、牌が私より強い力の方へ引きつけられていったような感覚ーー) 京太郎(小蒔さん……) 『小蒔です。神代小蒔』 京太郎(小蒔さん……!) 『私、あなたに会えて、本当に良かった……!』 京太郎「小蒔さんっ……!」ダンッ 『私との引力ーー感じてくれていますか?』 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!泣いても喚いてもどうにもならんぞ!時は過ぎていくだけなのだ!」ダンッ 京太郎「小蒔さんっ!」 (京太郎さんーー) 京太郎「!?」 キング「ほほう、まだ自我があったか!」 (ごめんなさい。体、無くしてしまいました……) 京太郎「小蒔さん!まだ、まだそこに居るんですね!?」 (……今の私はどこにでも居て、どこにも居ません。体がありませんから) (でも、後悔してません。あなたと会えて……こんな終わりになってしまったけど。素敵な日々を過ごすことが出来ました) (だから私、信じます。あなたならきっとここから生きて帰って来れるって……私の力を使って下さい) (これで私は本当に消えてしまいますが……あなたのそばで、いつでも) 京太郎「……」 キング「グェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッ!どうしたぁ?亡き彼女からの最期のプレゼント、もらってやればいいじゃないか!」 キング(もっとも、それは俺様が生み出した幻影……本物の自我はとうの昔に宇宙の塵だがなぁ!そいつの力を使った瞬間、お前は俺様の一部になる!) キング(そっちから受け入れてもらった方が、魂の吸収が早く済むからなぁ!) 京太郎「……分かりました」 京太郎「俺も、信じます」 (京太郎さん……なら、この力を) 273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [saga]:2012/08/10(金) 18 26 40.75 ID i3p8bisB0 京太郎「小蒔さんの体も自我もまだあるって。そう信じます」 (え……?) 京太郎「初美さんも霞さんも永水の皆も無事で、誰もこんなことの犠牲になんかなってないって。そう信じます」 (いや、ちょ) 京太郎「……そうだ!俺は信じる!小蒔さんからもらったお守りが、まだ信じてほしいって言ってるんだ!」 京太郎「小蒔さんを信じる。初美さんを信じる。永水の皆を信じる。……最後の最後まで、絶対に信じる!」 京太郎「だから、俺の引力は…………今から!!!超!!!!!!強くなる!!!!!!!!!!!!!!!」 キング「何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?」 シュウウウウウ・・・ 小蒔「えっ?えっ?えええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」ヒュー 京太郎「よ、っと」ガシッ 京太郎「約束通り迎えに来ましたよ、小蒔さん。ロケットじゃないですけど」 小蒔「京太郎さん……私、何が何だか……でも……また、会えた……」ギュッ キング「何だ貴様!後だし能力とは卑怯だぞ!」 京太郎「……能力なんかじゃねぇよ。ただ……誰かの不幸しか喜べない奴と、最後まで何かを信じられる奴じゃな……引力が違うんだよ!」 京太郎「宿命だか運命だかなんだか知らねぇが、そんなもん俺の引力で全部いい方向に持って行ってやる!」 キング「ええい、何を言っている!今は麻雀をしているんだぞ!引力とか関係ないだろうが!」 京太郎「いいや、ある!」 京太郎「信じる力で、四角い宇宙に奇跡を起こす!それが人生……それが麻雀だ!」 キング「くぅ……意味の分からんことを!」タンッ 京太郎「ロン!七対子!」 キング「なっ……!?何故和了れる!?」 京太郎「引力に決まってんだろ!さぁ、次は俺の親だ!」 ジャラララララララララララララララララララ・・・ 小蒔(凄い……牌が全部、京太郎さんのところに引き寄せられていく) キング「まっ、待て!牌が俺様の所に来ていないぞ!これでは麻雀にならん!」 京太郎「うるせぇっ!手前だってさんざっぱらイカサマ紛いのことしてたんだろうが!配牌弄ったり!」 キング「グッ……!?何故それを」 京太郎「あー!やっぱりしてたんだなこの野郎!最低だなお前!」 キング「グッ、グググ……!」 小蒔(確証があって言ったわけじゃなかったんですね) 京太郎「行くぜえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」 京太郎「大三元!四暗刻!小四喜!大四喜!字一色!緑一色!清老頭!後は、えーと」 小蒔「特定の手で成立する残りの役満は九連宝燈と大車輪と国士無双です!」 京太郎「そうそう、それ!……とにかく、全部まとめてぇ!」 キング「わっ、悪かった!もう悪いことはしないから!」 京太郎「食らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 キング「グエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ………………………!」 京太郎「ハァッ、ハァッ……」 小蒔「あの、京太郎さん」 京太郎「な、なんすか……」 小蒔「……どうやって、ここから脱出しましょう?」 京太郎「お、俺の、引力でなんとかしますよ……ハハハ、ハ……」フラッ 小蒔「だっ、大丈夫ですか!?」オロオロ 京太郎「す、すんません……ちょっと立ち眩みが……あれ?」ガクッ 小蒔「き、京太郎さん!えーと、えーと!私がまた天の頂に昇りますから!大丈夫ですよ!」 初美「それじゃあ元の木阿弥ですよー」 小蒔「はっちゃん!一体どうやって」 初美「まぁ色々と頑張りましたー。さ、鹿児島に帰りましょう姫様。皆姫様のことを待ってますよー」 小蒔「……はいっ!」 京太郎「……」チーン 初美「お疲れ様です、京太郎さん。後で一杯甘えさせてあげますよー。晩酌もおつき合いしちゃいます」クスクス 初美「……って気絶しちゃってますねー」 京太郎「……」 小蒔「……え?甘えさせ、え?」 初美「姫様、掴まって下さい!一気に帰りますよ!」 小蒔「は、はいっ!」ギュッ 初美「せー……のっ!」ドボンッ ーー本殿 小蒔「ーーーーーぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!?」ゴロンゴロン 初美「あいたたたたたた……姫様、あんまり叫ばないで下さい。京太郎さんが起きてしまいますー」ドサッ 小蒔「そ、そんなこと言ったって……!あんな乱暴な戻り方ってアリですか!?」バックンバックン 初美「帰ってこれたんだから、アリですよー」 初美(ハリケーンは……途中でどこかへ行ってしまったようですねー。またいつか、会うことになるかもしれません) 老巫女「姫!姫……よくぞご無事で」 霞「初美ちゃんも小蒔ちゃんも、よく帰って来たわね……!」グスッ 春「……この気絶してる下敷き引力男については触れない方向で?」ポリポリ 京太郎「苦しいです。評価してください。後小蒔さん顔の上からどいてください、死んでしまいます」 小蒔「あぅ、ご、ごめんなさい!」 初美「む、おいしいイベントを取られてしまいましたね。でも姫様……私は負けませんよー?」 小蒔「こちらこそ。全力以上で当たらせてもらいます!」グッ 初美「おいしいイベントは一つ盗られてしまいましたが……本当に美味しいのはこれからですよー」 京太郎「これから?」 小蒔「婆、分かっていますね。祓いの後です」 老巫女「はっ。承知いたしました」 京太郎「何があるんですか?」 春「……私に聞くより、あなたと凄く話したそうな向こうの二人に聞いた方がいいと思うよ」ポリポリ 初美「……」ウズウズ 小蒔「……」チラッチラッ 京太郎「えーと小蒔さん、初美さん。これから……何があるんですか?」 小蒔「そんなの」 初美「決まってるじゃないですかー」 「「お勤めが終わったら、宴会ですよっ!」」 前編へ|エピローグへ
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第十九章【すばらっ! 大好きなお姉ちゃん!】 アフター 京太郎「しっかし、なんでいきなり花田さんをお姉ちゃんだなんて」ウーン 煌「ふふ、気になりますか?」 京太郎「あ、はい。どうしてかなーって」 煌「その理由を知りたければ、実際にお姉ちゃんって呼べばいいんですよ」フフフ 京太郎「ええっ!? で、でも」 煌「嫌、ですか?」ウルウル 京太郎「そんなことはありません!!」キリッ 煌「じゃあ、お願いしますね♪」ニッコリ 京太郎「は、はい。じゃあ」ドキドキ 煌「……」ゴクッ 京太郎「き、煌お、お姉ちゃんっ」キャルンッ 煌「」 透華「」 一「」 衣「」 智紀「」 純「」ジュンッ ト -ァ /,、く ∠/(o_ハ V,、__〈〉〈〉 , 、∠、く_ Vハ (oノ__ `´ 〈 辷'-、 `¨^}ノ_ ⌒)) ,≠´ `ヽ /. \_ . ∧ マ ``丶、 // 、 / ' / W*、 \ ,′ | \| ∨ | } i i \ }\. ,.≠ { | | ∧| i i /| /| i|!| ヽ / .. / ; W ∧ / ヽ }从,x=≠≪jノリ j / } ,, ゙ / V V ,z==ミ、 'ブ ノ},灯‐く ,.≠´ /. / { ;/ ヽ ぅ*イ ,ノ ハ 弋辷ソ .!' < / i 乂 i{ 〉^ヾ 弋辷ソ /// ! < / ! ≧=‐-‐ ヤ_,,゙ , /// ′ j''′`¨¨¨¨´ ‘ ; /\_゚ r  ̄, ′ |. \ _;; *''´ ゝ. 、__/ / __人,r-、 , ‐- 、. `¨⌒ ` .,_, イ__ `Y´\ ヽ/ / `ヽ ハ] _少゙ \ _____ | ' , `〈_,/ / } __/ `7V¬ i `ヽ { ∨_,z / , ´ | o / ' , o / ' , A / / \/\_/\/ |\ /} / \ {___} / ', |  ̄ ̄i| / Y i ´ 厶=-‐/ | xく/\ ∨ i | ∨'///,/ } / \/\ | || } ̄ ̄| / / \/\ | | | j / / 煌「はいっ!! 私が煌お姉ちゃんです!!」キラキラ 京太郎「は、恥ずかしいぃ……//」カァァ こんなお姉ちゃんが、欲しかったなぁ……
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341225918/ 純「衣ー、いるかー?」 衣「」ドヨーン ハギヨシ「」ペコリ 純「どうしたんだあれ?」 ハギヨシ「はい。衣様が最近毎日のように通ってらっしゃるあの場所で、藤田様とお遊びしていらっしゃったようです」 純「いつもどおりか」 ハギヨシ「はい」ニコリ 純「はぁ、藤田プロもいい大人なんだから手加減してあげてもいいのになあ」 衣「……」ギロ 純「睨むなって、可愛い顔が台無しだぞ」 衣「そのような勝利に価値などない」 純「麻雀ではその大口に実力が伴っていたから可愛くなかったが、あれに関しては大言壮語で可愛いじゃねぇか」ニシシ 衣「ぐぬぬ」 純「でも、よかったじゃねぇか」 衣「なにが?」 純「麻雀以外で、衣をこんなに熱くさせてくるものなんて今までなかっただろ?」 衣「……確かにそうかもしれない」 純「そうだよ」 衣「うん。少々癪ではあるが、その点に関しては衣もフジタに感謝しているよ」 純「そうか」 衣「そのおかげか、最近になってわかったことがある」 純「うん」 衣「世界は広い」 純「ほー」 衣「ジュンや皆にとっては当たり前のことなのかもしれないが、衣にとっては衝撃的だったのだ」 衣「衣は先の決勝戦以来、宮永咲のおかげで麻雀の呪縛から解き放たれた」 衣「それにより周囲を見渡す余裕も生まれた」 衣「いざ気付いてみれば衣の周りには楽しそうなものでいっぱいじゃないか」 衣「今まで、麻雀しかしてこなかった分これからは色んなことがやってみたい」 衣「そう思えるようになったよ」 純「感心、感心、子供は遊ぶのも仕事のうちだ。目一杯遊べ!」 衣「子供って言うな!」 純「そうやってすぐ腹を立てるあたり、お前はやっぱり子供だよ」ニヤリ 衣「ふ、ふん! もういいさっさと練習を始めるぞ!」 純「へいへい」 衣「今日こそ完膚なきまでに叩きのめしてやる。後、フジタも泣かす」 純「そういう言葉は初心者の俺に一度でも勝ってから言えよ」 衣「ククク、衣を以前までの衣といっしょと思うなよ……。ジュンがこの部屋に現れる少し前までハギヨシと共に練習していたのだ!」 純「それで?」 衣「分からないのか? お前がのうのうと過ごしていたその時に衣は黙々と練習していた。結果衣は凄く上手くなった!」 純「ほー」 衣「故に、ジュンの様な三下相手に遅れをとることなどありえない」 純「随分好き勝手言ってくれるじゃねぇか」 衣「事実だ」 純「練習して上手くなったということについては認めてやらないこともない。しかし、戦ってもいないのに俺を倒せると言い切れるんだ?」 衣「なーに、そんなこと戦ってみれば分かることだ」 純「本当に大した自信だな。いいぜ!相手になってやる」ニヤリ 衣「ふふふ、そうこなくてはな。無様に醜態を晒し泣き喚くがいい!」ニヤリ 京太郎「休日」 京太郎「それは至福の時」 京太郎「悠久の時とも思える長き戦を戦い抜いた者にしか訪れないしばしの休息」 京太郎「つまり」 京太郎「何が言いたいかと言いますと」 京太郎「久しぶりに部活含め、なにも予定のない完璧な休日ですよーっと」 京太郎「いぇーい!」 京太郎「会いたかったよー! 日曜日ちゃーーん!」 京太郎「それに比べてにっくき月曜日、お前はもう来なくていいんだよ! 今週はお前休んでていいから! なんなら来週も!」 京太郎「」ハァ 京太郎「一週間が全部日曜日になればいいのに……」ドヨーン 京太郎「いやいやいや」 京太郎「いかんいかん! せっかくの休日なのにこんなテンションでは!」 京太郎「ちょっとテンション上げて今日という日を目一杯堪能しようではないか」 京太郎「いやー、やっと休みかー」 京太郎「それに部活については今日から三日間休みらしいし久しぶりに羽が伸ばせるなー」 京太郎「全国出場が決まってからというもの、仕方ない事とはいえ休みなしで毎日部活があったからな。逆算して考えてみると1ヶ月くらい休み無かったんじゃないか?」 京太郎「全国に出場する位のチームだったらこれくらい普通のことなのかもしれないし泣き言は言ってられないんだけど……。どうしてもなあ……」 京太郎「まあ、部活動に所属している高校生にとって休日なんてあって無いようなものだろうしそこは割り切るべきだよな」 京太郎「なんにせよ、今日は休日である」 京太郎「なーにしよっかなー」 京太郎「最近色々と大変だったからな。せっかくの休みだし満喫してやる!」 京太郎「……」 京太郎「最近色々大変だったし……」 京太郎(ホントは今までのことをゆっくり考えて、自分の中できちんと結論を出すべきなんだろうけど……) 京太郎(皆の調子があれじゃあな……) 京太郎「」ハァ 京太郎「よし、気を取り直してどっか遊びにでも行きましょうかね!」 京太郎「どこに行こうか」 京太郎「買い物でも行くか?」 京太郎「でも欲しいものとか特にないんだよな」 京太郎「映画とか?」 京太郎「高校生が一人で映画てちょっと敷居が高いよな」 京太郎「うーん」 京太郎「そうだ! そういえば最近、師匠のところに行ってなかったな」 京太郎「せっかくだから師匠のところでタコス作りの練習をしようか」←奴隷脳 京太郎「このまま予定もなくダラダラとものを考えてるのも時間が勿体ないし、それでいこう!」 京太郎「べ、べつに優希の為とかそういう訳ではないし!」 京太郎「最近は料理上手の男子がモテるとか聞いたし、ほら弁当男子とか!」 京太郎「だからそういうとなんだって……。俺は誰に言い訳してるんだよ……」ズーン 京太郎「……とりあえず師匠に電話入れよう」ズーン prpr ハギヨシ「はい?」 京太郎「お久しぶりです師匠、須賀京太郎です」 ハギヨシ「これはこれは京太郎さんご無沙汰しております」 京太郎「師匠、今お時間いいですか?」 ハギヨシ「はい。大丈夫ですよ」 京太郎「久しぶりに料理てかタコス作りのの勉強がしたいのですがよろしいでしょうか?」 ハギヨシ「今日ですか?」 京太郎「あ、はい! でも明日、明後日と部活は休みなので学校が終わってからでも構いません」 ハギヨシ「いえ、別に今日でも構いませんよ。つい先ほど衣様にお暇を頂きましたので、ただもし何かあった時のために屋敷の方に待機していたいので申し訳ありませんが龍門渕邸の方まで足を運んでもらってもよろしいでしょうか?」 京太郎「勿論です。それでは今から向かいますね」 ハギヨシ「了解しました。後、今日はこちらで材料を用意しますので」 京太郎「え? でもそれはさすがに申し訳ないですよ!」 ハギヨシ「今日作ったお料理は衣様におやつとして差し出そうと思っていますので問題ないですよ」 京太郎「あ、そうなんですか! 分かりました。でも、そうなるとちょっと緊張しますね」ハハハ ハギヨシ「大丈夫ですよ。いつもの通りに作っていただければ問題ありません」クスクス 京太郎「そうですか。でも今日は一段と気合を入れて作りたいと思います! それでは今から向かいますね」 ハギヨシ「えぇ、お待ちしております」ニコリ 京太郎+ハギヨシの誰得クッキング省略 京太郎「いやー、師匠ありがとうございました。また一つ高みに登った心地です!」 ハギヨシ「いえいえこちらこそありがとうございます。おかげで予定より早くできあがりましたよ」 京太郎「確か龍門渕の大将の天江さんにお出しするんですよね? ……本当に大丈夫ですかね?」 ハギヨシ「えぇ。それはもう、大変美味しく出来ています」 京太郎「師匠がそう言うなら大丈夫なんでしょうけどやっぱりちょっと不安ですね……」 ハギヨシ「どうしてそこまで不安に感じるのでしょうか?」 京太郎「いや、だって天江さんてお嬢様じゃないですか」 ハギヨシ「はい。確かにその通りですが、それとどのような関係があるのですか?」 京太郎「これは俺の勝手なイメージですけど、お嬢様の食事てお抱えのシェフが値の張る食材を使用して作った美味しい物を食べているというイメージなんですよ。実際はそんなことないんでしょうけど、どうしても気後れしちゃって……」 ハギヨシ「衣様はそういうのを気にしないお方です。それに衣様は全ての食材に感謝を忘れないとても優しい人です。きっと美味しく食べてくれますよ」 京太郎「そうですか。そうですよね! 師匠の主である人がそんなことを気にする人ではありませんよね! 失礼しました」 ハギヨシ「いえいえ気にしないで下さい。それでは早速衣様におやつをお持ちしましょうか」ニコリ 京太郎「はい!」 移動中 ハギヨシ「」コンコン ハギヨシ「失礼します」 京太郎「失礼します」 ガチャ 衣「うわぁああああああん」グス 純「あー、もういい加減泣きやめよー衣ー」 智紀「ハギヨシお邪魔してる」ペコリ ハギヨシ「智紀様いらっしゃいませ」ペコリ 智紀「そちらの方は確か清澄の……」 京太郎「あ、はい。須賀京太郎といいます」ペコ 智紀「沢村智紀です。よろしく」ペコ 京太郎「はい。あの、これは一体どういう状態なんです?」 智紀「どうって……見ての通り」 京太郎「見ての通りと言われても……」 ハギヨシ「」ニコニコ 京太郎「師匠なんでニコニコしてるんですか? 師匠の主が泣いてるんですよ?」 智紀「いつものことだし」 ハギヨシ「はぃ」ニコニコ 京太郎「いつものことって!?」 純「ハギヨシー、見てないで助けてくれよー!」 ハギヨシ「はい」 衣「」グスグス ハギヨシ「衣様おやつをお持ちしました」 衣「……いらんもん」グスグス ハギヨシ「そうですか……。では純様と智紀様に召し上がっていただきましょうか」 衣「え」グスグス 純「え、いいの?久しぶりにハギヨシの料理が食えるぜー!」 智紀「ありがたくいただく」 ハギヨシ「そこのバスケットに入っていますので、すぐに準備します」 衣「え、え?」キョロキョロ 京太郎「師匠ェ……」 純「うわー旨そう! タコスかこれ? 大会でタコス娘のを食って以来だ」 智紀「私も久しぶり」 ハギヨシ「どうぞお召し上がりになってください」 衣「ぅーーーー」ジーー 京太郎(師匠めっちゃ見られてますよ……) ハギヨシ「」ニコニコ 衣「ぅーーーーーー」ジーー 京太郎「」ハァ 京太郎「天江さん」 衣「ん?」チラ 京太郎「食べたいならそう言わないと伝わらないですよ」 衣「……いらんもん」 京太郎「そうやって意地張ってたら、お二人に本当に全部食べられちゃうかもしれませんよ」 衣「だって……ハギヨシが」 京太郎「師匠がどうかしましたか?」 衣「あの二人にあげるって言ったもん」グス 京太郎「大丈夫ですよ。師匠は優しいですから、きちんと天江さんの分を確保しているはずです。だからちゃんと謝れば天江さんの分も出してくれますよ」 衣「……そうかな?」グス 京太郎「えぇ、きっと」ニコ 衣「うん。そうだな」ゴシゴシ 衣「ハギヨシに謝ってくる!」タッタッタ 衣「ハギヨシー!」 ハギヨシ「はい」 衣「せっかく作ってくれたのに酷いこと言ってごめんなさい。衣もおやつ食べたいです」ペコリ ハギヨシ「はい。すぐにご用意します衣様」ニコ 衣「ありがと!ハギヨシー」ギュー ハギヨシ「はい」ニコニコ 京太郎「良かったですね。天江さん」ニコ 衣「うん! ぇーっと……」 京太郎「あ、自己紹介が遅れました。清澄高校一年の須賀京太郎です。よろしくお願いします」 衣「おー清澄の男子部員だったか、私は天江衣だ。よろしくな京太郎!」 京太郎「はい」 衣「そういえばどうして京太郎がこの屋敷にいるのだ?」 京太郎「それについてはおやつを食べながらお話しましょうか」 衣「そうか、楽しみにしている! 後、私のことは衣と呼んでくれ京太郎」テクテク 京太郎「はい、衣さん」ニコ 衣「うん」ニコ 京太郎「ふぅ」 京太郎「それにしても師匠も結構やりますね。主にあのような態度で応対するなんて」 ハギヨシ「はい」 ハギヨシ「主を正しき道へと導くのも、また従者の務めです」ニコ 京太郎「さいですか」ニコ お食事中 純「へーそういう経緯だったのか」 衣「タコスはユーキの雀力の底上げのためか……」 智紀「頑張って」 京太郎「ははは、ありがとうございます」 ハギヨシ「食べ終わったようなので片付けますね」 京太郎「師匠俺も手伝いますよ」 ハギヨシ「いえ、結構ですよ。京太郎さんは休憩していて下さい」 京太郎「そういうわけにはいけませんよ」 ハギヨシ「困りましたね……。お客様に片付けを手伝わせるのは龍門渕家の恥とも言える行いになってしまいます」 京太郎「くっ、そう言われると強く出れない……」 純「かー。この男二人は女子力高いねー」 智紀「純ハーレム」ボソ 純「何か言ったか?」 智紀「いや何も……」 衣「ならば、京太郎! 衣と遊ぼう!」 京太郎「はい?」 純「おっ!それいいな」 智紀「こういうのは男の子の方が得意そう」 京太郎「え、え、何の話ですか?」 純「とりあえず遊んでやれよ」 智紀「」コクコク ハギヨシ「私からもお願いします」 京太郎「いや、別に遊ぶのはいいんだけどなにをするんですか? 麻雀?」 衣「麻雀もいいが今日は別のだ!」 京太郎「はぁ」 衣「京太郎、格ゲーしよう!」 京太郎「……格ゲーですか?」 衣「うん!」 衣「京太郎は格ゲー嫌いか?」 京太郎「いえいえそんなこと無いです。大好きなジャンルですけど」 衣「そうか!じゃあやろう!」 京太郎「分かりました。それでどのゲームをプレーするんですか?」 純「スパ4AEだ」 京太郎「王道ですね」 智紀「へー」 京太郎「なんですか?」 智紀「知ってるんだ」 京太郎「まぁ、これ目当てでゲーセン通ってましたし」 純「おっ!じゃあ結構いけるんじゃないの?」 京太郎「最近は時間なくて全然通えてなかったのでどうでしょうか」ハハハ 衣「京太郎強いのか!?」ニコ 京太郎「どうでしょうか」ニコ 衣「これは余計楽しみになってきたぞー」 京太郎「相手になるかどうか心配ですよ……」 衣「ふふふ、楽しみだ」 衣「奇幻な手合いが増えるなら衣は嬉しい」ゴゴゴ 京太郎「ははは、頑張ります」 京太郎(大丈夫かなこれ) 純「よし付いたぞー」 京太郎「あの……一つ聞いてもよかですか?」 智紀「いいよ(なんで博多弁?)」 京太郎「なんで筐体があるんすか!?」 智紀「なんでって」 純「そりゃあ」 衣「うむ」 衣「買った」 京太郎「金持ちてすげーーーーー!!」 衣「喜んでもらえてなによりだ」 京太郎「すげーすげー」キラキラ 衣「早速対戦したいのだが良いか、京太郎?」 京太郎「あ、すいません。はしゃいじゃって」 純「まぁ、普通は驚くわな」 智紀「」ウンウン 京太郎「ん?」 京太郎「あのー」 衣「どうした?」 京太郎「バージョンアップはしないんですか?」 衣「バージョンアップ……あぁ、藤田がしない方がいいと言っていたからそのままにしている」 京太郎「しない方がいい?」 衣「うん。なんでもバージョンアップ前の方がゲームバランスが良いらしいからな!」 京太郎(ん?) 衣「どうかしたのか京太郎?」 京太郎「あ、いえ、なんでも」 衣「では始めるとしよう、いくぞ! 衣の相棒よ」 京太郎「豪鬼か……」 京太郎(麻雀でも鬼のような強さを持つ衣さんだ。意外とは思わない) 京太郎「じゃあいっちょやりますかね!」 純「ベガか」 智紀「そうね」 トレーニングステージ 衣「ふふふ、京太郎手加減はしてやらんぞ」 京太郎「……望むところですよ」 ラウンド1ファイト 京太郎(様子見なんて格上がすることだ。衣さんのキャラセレクト玄人向けキャラであり、上手い人が使ったらホントにどうしようもないくらい強い豪鬼。あの自信満々な話しぶりから見るに衣さんは出来るタイプの人だ) 京太郎(ここは先制で飛びを入れて荒らしていく! 昇龍で落とされる分のリスクは覚悟の上だ!)カチャ 京太郎(波動!? 体力の少ない豪鬼でリスクを背負っていくのか?) 京太郎(なんにせよ。飛びが通ったことは大きい! きちんと大ダブニーまで入ったし、起き攻めはどうする……当て投げを狙ってみてから要所要所で変えていく)カチャ 京太郎(よし昇龍撃ってこなっかった! 小パン刻んで……グラップは無い!?)カチャ 京太郎(仕切り直しでも、良かったがこれはおいしい! 画面端は徹底的に固めていく!)カチャ 京太郎(小足がヒットしてる。読み勝った!ダブニーで締め)カチャ 京太郎(ウルコンが怖いがピヨリ値も相当だ。ここは投げとの二択で攻める!) 京太郎(固めの小足が刺さった。セビキャンできる分のゲージもあるが、次のラウンドに温存しておきたい。ピヨレ……) 京太郎(よし!ピヨった!) 京太郎(セビからの最大おいしいです!) 京太郎「よし!」 衣「」 純「」 智紀「」 京太郎(P勝ちはまぐれだ。2回戦も集中力を切らさずこのまま……) 戦闘省略! 京太郎(気づけば2連続P勝ち) 京太郎(液晶にはオールA評価で満面の笑みのベガ様、そして勝利コメントが『クズが!』どうしよういたたまれない……) 衣「」 純「」 智紀「」 京太郎(衣さんはこのゲーム初心者だったみたいです) 京太郎(空気が重いです……) 京太郎(とりあえず謝ろう) 京太郎「あ、あのーすい 衣「スゴイではないか! 京太郎!」 はい?」 衣「このゲームのキャラクターてあんなに素早く動けるんだな!」 純「ま、あれだけコテンパンにやられたら悔しさよりも尊敬が先に来るわな」 智紀「コンボ上手いね」 京太郎「あ、ありがとうございます」 純「そうだ衣、須賀にこのゲームのコツ教えてもらったらどうだ?」 智紀「いい考え」 衣「それはいい考えだぞジュン! 京太郎よいか?」 京太郎「俺が衣さんにですか?」 衣「嫌か」ウルウル 京太郎「いや、あの……」 衣「」ウルウル 京太郎「う、分かりましたよ。人にものを教えた経験なんてないんで、上手にできるかわからないですけどやれるだけのことはやります」 純「おー、頼んでみるもんだな。よかったなー衣」 衣「うん」ニコニコ 衣「京太郎もありがとう」ニコ 京太郎「……どういたしまして」 京太郎(ちょっと面倒なことになってしまったな……。ま、格ゲー人口が増えるのはありがたいことだし、この事態をいい方向に捉えよう) 衣「これで藤田をギャフンと言わすことができるぞ」ムフフ 京太郎「あ、その藤田て人に教えてもらうのはダメなんですか?」 智紀「実は一度頼んでいる」 京太郎「そうなんですか」 衣「うん。頼んだらうぃき見ろだのと訳の分からんことを言っていた」 京太郎(Wikiのことだな) 衣「衣がうぃきとはなんだ? と聞いたら『これだからゆとりはぐぐれかす』とか訳の分からん言葉を残して帰ってしまった」シュン 京太郎(これはひどい) 衣「だから藤田には頼めないのだ……」 京太郎「そうですか」 衣「うん」 京太郎「そういうことなら任せてください。力になりますよ!」 衣「よし、見てろよ藤田!ボコしてやるからなー」 京太郎「衣さんの目標は、その藤田という人に勝つということでいいですか?」 衣「うん、その通り! あいつのドヤ顔はもう見飽きたからな。そろそろ泣かす」 京太郎「そうですか。では対策を考えますのでその藤田さんが使っているキャラを教えてください」 衣「キャラか? えーっと、これだ! この青い帽子を被っているスケボー野郎だ!」 京太郎「ユンですか。なら対策は簡単で……」 衣「どうした京太郎?」 純「おい、どうした体調でも悪くなったのか?」 智紀「大丈夫?」 京太郎「あ、大丈夫です。ちょっとした考え事ですよ」アハハ 衣「そうか安心したぞ」ニコニコ 京太郎(ユン、現在のスパ4AE環境内では中堅上位に位置する(俺の主観)比較的万能なキャラ、打たれ弱いため自分のスタイルをいかに相手に押し付けていくかが重要になってくるキャラクター) 京太郎(これはあくまでも現在ではの話しだ) 京太郎(現在、衣さん達がプレーしているスパ4AEはバージョンアップ前の一つ古いタイプにあたる。この中でのユンの立ち位置はというと) 京太郎(ヤン、フェイロンと並び三強と呼ばれる強キャラである。三強の中でもユンはずば抜けて使用者が多かった。なぜか? 理由は一つ、そのお手軽さ故にである) 京太郎(他のキャラ達と比べてコンボが比較的に楽であり(0フレ無いし)各種技がなんでも揃っている。ゲージ回収能力も高い。そして軒並み技の威力が高い。以上の点からお手軽強キャラと言われ少し練習すれば、比較的簡単に勝利することができるキャラであった) 京太郎(ある人は言った。ユンは全キャラ有利だと) 京太郎(使っていて楽しいキャラではあったし、爽快感があっていいとは思う。でも今回の件では話が違う) 京太郎(なぜ藤田さんは衣さんにバージョンアップをさせなかったのだろうか?) 京太郎(この場合、圧倒的強キャラであるユンを使ってボコしたかったから。こう考えてしまっても仕方ないだろう) 京太郎(いやいやいや何を考えてるんだ。俺は……) 京太郎(あった事のない人を印象だけで悪く思うのはよくない。落ち着け)フゥ 衣「本当に大丈夫か京太郎?」 京太郎「大丈夫ですよー。早速練習をはじめましょうか」 衣「うん!」 京太郎「じゃあ。トレモをえらんでっと……」 衣「あ、そうだ。京太郎に聞きたいことがあったのだ」 京太郎「何ですか?」 衣「しょがりってなんだ?」 京太郎「え」 衣「藤田がなー。衣との対戦が終わった後にな、いつも言うんだ!」 衣「しょがりは楽しいなって」 衣「京太郎どういう意味なんだ」キラキラ 京太郎(こんな) 京太郎(こんな素直ないい人を)グッ 京太郎(初刈り) 京太郎(文字通りの意味) 京太郎("初心者狩り"という意である) 京太郎(格闘ゲームに限らず、ゲーム業界の悪しき風習である) 京太郎(藤田さんは、衣さんが強くなることを望んでいるに、その芽を潰そうとしている) 京太郎「衣さん」 京太郎(ただ衣さんをボコして悦に浸っている畜生。そういう認識になってしまっても仕方ないですよね) 衣「ん?」 京太郎(思えば、Wikiの件もはなっから教える気などなかったのかもしれない) 京太郎「格ゲー好きですか?」 京太郎(そんな畜生に) 衣「うん! 大好き!」ニコリ 京太郎(こんなに純粋に格ゲーを楽しんでくれている人の笑顔を曇らせる権利なんてない!)ギリッ 京太郎「衣さん」 京太郎「絶対に藤田さんを倒しましょう」 衣「当然だ!」ニヤ 京太郎(ゴッ倒す!!) --------------- 京太郎「果たし状ですか?」 衣「うむ」 京太郎「藤田さんにですよね……」 衣「当然」 京太郎「もう出したんですか?」 衣「ハギヨシにフジタへ渡すよう頼んできた」 京太郎「そうですか……」 衣「案ずるな京太郎、衣は以前の衣でないことはお前も知っているだろう」ククク 京太郎「それは、まぁ、はい」 衣「衣は再三にわたってフジタに辛酸を嘗めさせられてきた……」 京太郎(なんか始まった) 衣「しかし!」クワッ 衣「京太郎から様々な技を受け継いだ今の衣にとってはフジタなど路傍の石ころ同然、何も恐るるに足らん!」 衣「衣は最強だー!」ワハハ 京太郎「いやいや衣さん、ノリノリのところ悪いですけど、あなた、まだ豪鬼限定で必殺技が出せるようになっただけですよ。しかも阿修羅安定してないですし……」 衣「だって、あれボタンいっぱい押さなくちゃいけないんだもん」 京太郎「まぁ、衣さん手小さいですしね」 衣「馬鹿にするな! 衣の方がお姉さんなんだぞ!」 京太郎「あはは、すいません」 衣「誠意が感じられん!」 京太郎「そんなに怒らないでくださいよ」 衣「別に怒ってなどいない!」 京太郎(ムキになっちゃった) 衣「ふん」ツーン 京太郎「!」 京太郎「そうだ。お詫びと言ってはなんですが、これを差し上げます」 衣「む、なんだこれは?」 京太郎「ゲームパッドというものです」 衣「ゲームパッド?」 京太郎(よし! 話がそれた) 京太郎「簡単に言えば衣さんが今座っている筐体の、レバーやボタンを集約したもので筐体にコードを繋ぐことでそのゲームパッドで操作が可能になります」 (※実際の筐体ではコントローラーをぶっさしてプレイはできません) 衣「こんな小さいので豪鬼がうごくのか!?」 京太郎「家庭用ゲーム機でゲームを行う際、一般的に格ゲープレイヤーはアーケードスティックという筐体についてるような形のコントローラーでゲームをプレイするんですけど、なかには衣さんに差し上げたゲームパッドというタイプのコントローラーを使用する方達もいます。女性の人とかはとくに多いですね」 衣「へー」 京太郎「俺なりに考えた結果、衣さんはスティックよりもゲームパッドの方が良いと判断しました」 衣「確かに……、こちらの方がボタンが一箇所に密集してる分やりやすいかもしれない」 京太郎「はい。ただボタンが一箇所に密集していて入力しやすくなった分、意図していないボタンを入力してしまうということも増えると思うので、そこは注意が必要です」 衣「……京太郎ありがとう」 京太郎「はい。どういたしまして」 衣「……」 衣「」ハァ 京太郎「どうしました?」 衣「……いや、なんでもない、早速練習するとしよう。京太郎つきあってくれ」 京太郎「はい。まずはゲームパッドになれるよう豪鬼を動かしてみましょうか」 衣「心得た!」 ~しばらくして~ コンコン ハギヨシ「衣様。いらっしゃいますか?」 衣「いるぞー。入れー」ガチャガチャ ハギヨシ「失礼します」 ガチャ ハギヨシ「衣様、先ほどの果たし状の返事を藤田様から預かってきました」 衣「よこせ」 ハギヨシ「こちらになります」ヒョイ 京太郎(藤田さんも師匠に口頭で伝えればいいだけなのに、衣さんに付き合って返事を書いてくれてるところを見ると案外いい人なのかもしれないな) 衣「ご苦労様だぞ。ハギヨシ」 ハギヨシ「それでは業務のほうに戻りますので、ひとまず失礼します」シュッ 京太郎「最近師匠が突然消えるのを見ても驚かなくなってきたな……」 衣「衣はもう慣れたぞ」 京太郎「俺も毒されてきているな……」 衣「では早速内容を確認するか!」 京太郎「はい」 衣「ふむふむ」ペラ 京太郎「藤田さんはなんとおっしゃってたんですか?」 衣「なるほどー」 京太郎「衣さん?」 衣「……」 京太郎「?」 衣「詰んだ」ダラダラ 京太郎「どうしたんですか! いきなり!?」 衣「クッ、フジタの奴め……。的確に衣の弱点を突いてきた」ダラダラ 京太郎「どういうことですか?」 衣「この文を見ればわかる」ヒョイ 京太郎「どれどれ……、当日の対戦のルールが載ってますね。これが一体どうしたんですか?」 衣「京太郎、分からないのか……」 京太郎「特に問題はないと思いますよ。衣さん、一体どこが問題なんですか?」 衣「それを衣の口から言えというのか……」 京太郎「口に出すのも嫌、そんなレベルなんですか?」 衣「……問題部分を口に出すのが嫌なわけではない」 京太郎「じゃあ、なぜ?」 衣「なぜそれが問題になってしまうのか、その理由を話したくないんだ」 衣「だけど、せっかく京太郎に協力してもらって練習してきたのに今更それが水の泡になってしまっていいわけないし、衣のプライドを守るためだなんて我儘も言っていられない」 衣「だから」 衣「話すよ」ドヨーン 京太郎「衣さん……」 衣「その代わり理由は察してくれ、京太郎」 京太郎「……分かりました」 衣「うむ」 衣「衣はここを問題だと考える」ビシィ 京太郎「ここですか……」 試合方法は5vs5の団体戦で行う。一般とされる勝ち抜き戦ではなく、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将それぞれを明確に区切る。その上で先に3勝したチームの勝ちとする 京太郎「……あー」 京太郎(衣さん友達少ないもんな) 衣「……」 京太郎「……」 衣「……衣は友達が少ないしな」 京太郎(こんな時どんな顔したらいいか分からないよ) 衣「フジタは行きつけのゲーセンで幅を利かせている、格ゲー5新とかいう奴らを連れてくるみたいだ」 京太郎「5新て……」 衣「名前に騙されるな京太郎、フジタの文によると奴らはそのゲーセン内でのトップ5達らしい。油断は出来ない」 京太郎「確かに純さん達に頼むのはちょっと荷が重いかもしれませんね……」 衣「うん」 京太郎「……」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……」グスッ 京太郎「!?」 衣「……せっかく、ひっぐ、きょうたろうに、付き合ってもらったのに」グスッ 京太郎「衣さん……」 衣「ごめん、きょうたろう」グスッ 京太郎「……大丈夫です」 衣「」グスッ 京太郎「メンバーに心当たりがあります」 衣「……ほんと?」グス 京太郎「はい」ニコ 衣「……ありがと」グス 京太郎「いいんですよ」 衣「でも」 京太郎「……衣さん?」 衣「衣は京太郎に迷惑をかけてばかりだから……」 京太郎「そんなことないです」 衣「そんなことある!」 京太郎「!」ビクッ 衣「衣はあの日から今日まで京太郎に頼りっぱなしだ」 衣「それなのに衣は京太郎に何もしてあげれてない」 衣「かといって、衣が京太郎のために何かしてあげられるかといったらそうじゃない」 衣「衣は何もできない」 衣「できる事と言ったら麻雀で人を壊すことくらいだ」 衣「本当に自分が嫌になる」ギリッ 京太郎「衣さん」 京太郎「迷惑をかけることって、そんなにいけないことですか?」 衣「……いけないことだ」 京太郎「言い方を変えます」 京太郎「友達に迷惑をかけることっていけないことですか?」 衣「何を言っているのだ……」 京太郎「俺と衣さんは友達です」 衣「違う!」 衣「友とは共に助け合うものだ! こんな一方的に助けてもらっている関係を友とは言えん!」 京太郎「友達関係に損得は関係じゃないでしょう!」 京太郎「友達に迷惑かけるのなんて当たり前でしょう!」 衣「理屈では京太郎の言おうとしていることも分かるし、衣を友と呼んでくれるのは素直に嬉しいよ」 衣「でも衣はそんな関係は嫌なのだ」 衣「めんどくさい事を言っているのも自覚してる。衣のワガママが京太郎を困らせてしまってるのも知っている」 衣「でも」 衣「どうしようもなく……、ままならぬのだ」ギリ 京太郎「……」 京太郎「そうですか」 衣「すまん」 京太郎「いえ、衣さんが気持ちを打ち明けてくれたおかげで、これからどうしたらいいのかハッキリしました」 衣「……」 京太郎「衣さんにひとつだけ質問があります。答えてもらってもいいですか?」 衣「……うん」 京太郎「ありがとうございます。では早速」 京太郎「衣さんは俺のこと嫌いですか?」 衣「好きだよ」 京太郎「……」 衣「……京太郎?」 京太郎「」ハッ 京太郎「すいません。あまりにもノータイムで衝撃的な返答だったんで面食らってました」 衣「衣が京太郎のことを嫌いなわけがないだろう。こんなに衣のために親身になって接してくれる人を好きこそすれ、嫌いなわけないだろう」 京太郎「さすがに照れますね……。でも、これで俺も衣さんに自信を持っていうことができます」 京太郎「衣さん、俺も衣さんが好きです」 衣「」トクン 京太郎「衣さん、俺と親友になりましょう!」 衣「……」 衣「馬鹿なことを言うな、京太郎」 衣「衣達は友達ですらないんだ。それをいきなり親友なんて……」 京太郎「衣さん」 京太郎「親友という漢字は親と友という漢字で出来ていますよね?」 衣「それがどうした」 京太郎「親は家族ですよね。家族のような友達だから親友なんじゃないでしょうか?」 衣「何が言いたい」 京太郎「衣さん」 京太郎「家族には迷惑かけるでしょう」 京太郎「家族には迷惑もかけますし、迷惑もかけられます。そこには打算や損得勘定なんて存在しません。それが家族のスタンダードです。当たり前なんです」 京太郎「親友も家族の延長線上だと俺は考えます」 京太郎「だから、親友には迷惑かけたっていいんです」 衣「無茶苦茶だ!」 京太郎「自分でもそう思いますよ」 衣「……ならばなぜ?」 京太郎「だって、寂しいじゃないですか。俺も衣さんもお互いを気に入っているのに友達じゃないなんて」 衣「それは衣のわがままのせいであって……」 京太郎「でも俺は衣さんの『友達にはならない』という、わがままを受け入れました。全然、嫌な気持ち一つなく」 衣「うぐっ」 京太郎「自分で言うのもアレですけど、俺は聖人君主じゃなければ、仏でもないどこにでもいる高校一年の男子です。そんな俺が友人でもない人のわがままを笑ってきいてあげる。こういうことがありえるでしょうか?」 衣「……」 京太郎「ありえないですよ、普通」 京太郎「つまりですね。何が言いたいかといいますと」 京太郎「衣さん、俺はもうあなたを親友だと思っていますよ」 衣「……」 京太郎「後、それともう一つ。衣さんは俺に頼ってばかりだと悩んでいるようですが気にしないで下さい」 衣「気にするなだと……、無理に決まってるだろ! それでは仮に京太郎と衣が親友同士になれたとしても、衣はずっと引け目を感じるぞ! そんなの衣は嫌だ!」 京太郎「衣さんが引け目なんて感じなくてもいいんです」 衣「……無理だよ」 京太郎「」ハァ 京太郎「……衣さん。今から俺、恥ずかしくて寒いことを言いますが引かないでください」 衣「へ?」 京太郎「衣さんが引け目を感じなくていい理由を今から説明します……」 京太郎「」スー 京太郎「」ハー 京太郎「衣さん男ってのは単純な生き物です」 京太郎「それも思春期の男子ならなおさらです」 京太郎「年がら年中、女の子のことばっか考えています」 衣「そ、そうなのか」 京太郎「はい」 京太郎「特にかわいい女の子について考えています」 衣「……京太郎もか?」 京太郎「……はい」 衣「そうか」 京太郎「可愛い女の子と仲良くなるにはどうしたらいいのか、どうしたら可愛い女の子と色々できるか」 京太郎「そんなことばっかりですよ」 衣「色々ってなんだ?」 京太郎「……色々は色々です」 衣「そうか……、色々か……」 京太郎「はい」 衣「……」 京太郎「……」 京太郎(ま、負けないぞ) 京太郎「そんなんですから、いざ可愛い女の子と接する機会が来るとやっぱりすっごく嬉しいんです」 京太郎「思春期の男子なんて、可愛い女の子が笑ってくれるために行う努力は苦にはならない。そういう生き物なんです」 京太郎「だから俺」 京太郎「衣さんが頼ってくれると凄く嬉しいんです」 京太郎「衣さんみたいにかわいい女の子に頼ってもらえるのが、構ってもらえるのがすごく嬉しいんです!」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……」 京太郎「……」 衣「……い、言いたいことは分かった」カー 京太郎「……は、はぃ」カー 衣「……」 京太郎「……」 衣「」フゥ 衣「京太郎」 京太郎「……はぃ」 衣「男って馬鹿だな」 京太郎「……その通りでございます」 衣「なんか」 衣「悩んでた衣がバカみたいだな……」ズーン 京太郎「……なんかすいません」ズーン 衣「いや、おかげで吹っ切れたよ」 京太郎「変な方向にじゃないですよね……」 衣「安心しろ。おそらくいい方向だ」 京太郎「身を切ったかいがありました」アハハ 衣「そうだな」アハハ 衣「そろそろちゃんとするか」クスッ 京太郎「そうですね」クスッ 衣「京太郎」 京太郎「はい」 衣「好きだぞ」 京太郎「俺も好きです」 衣「衣と親友になってくれ」 京太郎「俺の親友になってください」 衣「よろしく親友」握手 京太郎「はい」握手 話は戻って 衣「それで京太郎」 京太郎「はい?」 衣「メンバー本当に大丈夫なのか?」 京太郎「はい。師匠に聞いてみたら龍門渕が全面協力してくれるみたいなので、問題ないですよ」 衣「龍門渕の協力が必要になる位すごい人が来るのか!?」 京太郎「あー、まあ確かに有名なプレイヤーですけどそんなに固い人ではないのでその人とのコンタクトに龍門渕の力が必要だったというわけではないです」 京太郎「単純に、他県の方なんで長野までの移動方法を龍門渕にお願いしてもらうという形になっています」 衣「他県の有名プレイヤーと知り合いって……、京太郎もしかしてお前相当すごいんじゃないか?」 京太郎「あはは、そんなことないですよ。運良く相手の方からフレンド依頼があっただけですから」 衣(言ってることはよくわからないけど多分凄いことだと思う) 衣「それで来てくれる人たちの名前は?」 京太郎「本名を意図的に隠している人もいるんで、ゲーマータグと使用キャラだけでいいなら」 衣「あー、こくにぃとかな」 京太郎「……教育に悪いもの見てるな」 京太郎「まあ、それは置いといて簡単に紹介しますと」 京太郎「一人目はkuroharaさんです。この人はリュウを使用キャラとしています」 京太郎「二人目はMakoさん。この人はフェイロンを使用キャラとしています」 京太郎「三人目はjoin-join-sethさんです。名前の通り使用キャラはセスですね」 京太郎「となっています。後、kuroharaさんとMakoさんは姉妹です」 衣「姉妹両方格ゲーが強いとか、凄いんだな」キラキラ 京太郎「はい。しかも二人ともとびっきりの美人ときてます」 衣「むっ」 京太郎「更には、たわわなお餅まで持ってるときた」 衣「」イラッ 京太郎「会うのが楽しみです」ニヤー 衣「京太郎、練習だ!」グイ 京太郎「うわぁ、衣さんいきなり引っ張らないでくださいよ!」 衣「さっさと行くぞ!」グイ 京太郎「わ、わかりましたから、引っ張らないでくださいー」 衣「フフフ、今夜は寝かさないぞ京太郎」 京太郎「え?」 衣「フジタの他にも倒すべき相手が出来たからな」ボソ 京太郎「はぃ?」 衣「なんでもない! 早速勝負だ京太郎、時間は有限だ!」 京太郎「徹夜は勘弁してくださーーい!」 その後 衣は21時には就寝し、京太郎はハギヨシに車で我が家まで送ってもらった。 終わり おまけ 衣「話を蒸し返して悪いが」 衣「結局、衣が京太郎に何もしてあげられないという問題が解決してないわけだが」 京太郎「それについては問題ないですよ」 京太郎「衣さんに何を頼むかについては、もう決めてますから」 衣「なに!? 京太郎、なんでも言ってくれ! 衣にできることならなんだってするから!」 京太郎「今ここでは言いませんよ。もう少ししたらお願いすることになりますから」ニコリ 衣「……なんかうやむやにして誤魔化してないか」 京太郎「いえいえ、そんなことありませんよ。ちゃんと考えてますよ。それと、衣さん女性があんまり『なんでもする』なんて言わないほうがいいですよ」 衣「ん? なぜだ? 衣は京太郎の頼みならなんでもしてあげられるぞ」 京太郎「……衣さんわざとやってないですよね?」 衣「なにがだ?」 京太郎(この歳になっても無垢なる魔性を維持し続ける逸材がいるとは……。まったくしょうがk) 京太郎「いかんいかんいかん」ブンブン 衣「ヘッドバンギング?」 京太郎「とにかく、そういうことはあまり口にしないよう気をつけてください」 衣「……うん。京太郎が言うなら気をつける」ニコ 京太郎「……ころたんイェイ」ボソ 衣「え?」 京太郎「なんでもないです」 本当に終わり だんだんとその片鱗を見せ始めた京太郎が紳士として完全変態するのは、また別の話
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/557.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343541215/ 京太郎「え、朝食は俺の仕事だしいいのに……」 小蒔「いえ、毎回京太郎さんにまかせるというのも悪いです」 京太郎「といってもなぁ……俺の仕事減っちまうしなぁ」 小蒔「ぶぅ」プクー 京太郎「わ、わかったわかった……怒らないでくれ」 小蒔「それで、味見をしていただきたいのですが……」 京太郎「ん、お安い御用だ」 小蒔「ドキドキ」 京太郎「うん、うまいな」 小蒔「わぁ、よかった~」 京太郎「で、今までにどれだけ失敗したんだ?」 小蒔「……言いませんよ?」 京太郎「あはは…わりぃ」 初美「ご飯まだですかー?」 京太郎「ん、今運ぶよー」 初美「あれ、もうできてるんですねー」 京太郎「あぁ、小蒔が作ってくれた」 初美「ぇ゛」 小蒔「初美ちゃん?」 京太郎「ちょ、今回はうまくできてるから!」 初美「京太郎のお墨付きなら安心ですねー」 小蒔「どれだけ信用されてないんでしょう……私」 京太郎「失敗してばっかだからなぁ……はは」 小蒔「でも、今日こそは!」 初美「今日は姫様が作ったみたいです……」 巴「これは、覚悟したほうがいいのかな……?」 霞「あら……」 春「食べられれば、それで」 京太郎「なに話してんだお前ら」 霞「あら?意外と形になってるわ」 巴「これ、姫様が作ったんですか?」 春「京太郎が作ってたりして…」 小蒔「もー!」 京太郎「とりあえず食べてみろよ」 霞「そうね」 一同「いただきます」 初美「ん、いけますねこれ」 春「ん」 霞「今までに失敗してたのが嘘見たいね」 小蒔「私だって、やるときはやるんですよー」 巴「姫様、もしかして寝てたり……」 小蒔「なんでそうなるんですか!!」 ギャーギャー 京太郎(卵焼きがこんなに綺麗にできてるとは……感動したなぁ) 初美「で、姫様」 小蒔「?」 初美「何時起きだったんですかー?」ニヤニヤ 小蒔「うぐ…」 小蒔「よ……四時起き……です……」 初美「三時間もかかったんですか……」 霞「頑張り屋さんですものね」 巴「犠牲になった食材たち……ごめんなさい」 小蒔「しっ、失敗は……そんなに……」 春「いつもよりは少なそうだけど……」 小蒔「そうです!いつもよりは!」 霞「失敗したのには変わりないのよね?」クス 小蒔「はぅ……」 京太郎(お、この魚焼き加減ばっちり) 京太郎「ふー、食った食った」 霞「悪くなかったですね」 初美「ですねー」 春「うん」 小蒔「えっへん!」 巴「後片付け、してきますね」 霞「お願いしますね」 京太郎「おっと、もうこんな時間か……」 京太郎「んじゃ、ちょっといってくる」 初美「また修行ですかー」 小蒔「お父様曰く、能力はあるけど使いこなせていないとか……」 霞「ここにきてもう2年になるというのに……」 春「大変そう」 初美「雑用ならなんでもこなせそうなんですけどねー」 霞「でも、立派な後継になってもらわないと困りますからねぇ」 霞「そういえば」 初美「?」 小蒔「なにかありましたか?」 霞「いえ、ここ最近は京太郎もずっとあれだし息抜きとか必要なんじゃないかしら……」 春「一理ある」 小蒔「そうですね……」 初美「かといって、遊びに行くところも……」 霞「そうだったわね…」 巴「なんの話をしてるんですか」 小蒔「京太郎さんにも息抜きが必要なのでは?と話してました」 巴「なるほど」 霞「ここはやはりカラダでご奉仕を」 巴「すぐシモにもっていくな、エロBBA」スパーン 霞「良い案だと思ったのだけれど」 巴「さすがにやめてください、死なれたら困るでしょう」 小蒔「こまりますね……」 初美「こまりますよー」 巴「ほら」 霞「仕方ないわ……別のを考えましょう」 初美「あついですよねー最近……」 小蒔「もう夏ですから……」 霞「そうだ、プールへ行きましょう!」 巴「このあたりにあったっけ」 春「市内にはない」 初美「私は川で遊んでましたよー……」 霞「あら……そうだったの……」 霞「川で泳ぐっていうのもなんだかいやね」 巴「同感ですね」 初美「え……?」 巴「はっちゃんは他の子に混ざっても大丈夫でしょうけど……」 初美「え、いや……」 霞「そうねぇ……そこに混ざるっていうのは恥ずかしいわ」 初美「あの、ちょっとまって……」 小蒔「流石に、厳しいです……」 初美「この二年間で中学3年くらいの身体に成長しましたよ!?」 巴「まだギリギリセーフじゃない……」 初美「ぐぬぬ」 霞「じゃあ、明日プールにいきましょう!」 巴「隣の市までいくんですか……?」 霞「ええ、それと今日水着を買いにいきましょう!」 初美「急ですねー……」 春「私は構わない」ポリ 小蒔「私も、それで構いません!」 霞「決まりねー」パンッ 巴「あれ、私の意見は?」 霞「え、いくんでしょ?」 巴「……まぁ」 霞「じゃ、早速いきましょうか」 巴「ほんと急だなぁ……」 霞「いいじゃなーい、レッツゴー」 初美「おー」 霞「というわけで着きました」 小蒔「電車使いましたけど……」 春「致し方ない」 霞「じゃぁ、水着は各自て選ぶとして」 巴「集合場所はどこにしましょう」 霞「ここでいいんじゃないかしら……」 小蒔(水着ですか……) 小蒔(さすがに19にもなってスク水はダメですよね……) 小蒔「うーん……」 小蒔(かといって、サイズが合うものがらあるのかもわかりません……) 小蒔「ううー」 小蒔「はぁ、悩んでいても始まらないですね」 小蒔「サイズがあっていればそれにしましょうか」 小蒔「……」 妄想 京太郎「おー、みんな水着似合ってるなぁ」 京太郎「小蒔はどんな感じだ?」 小蒔「その、変かもしれないのですが……」 京太郎「あ……ごめん……」 小蒔「ううっ」 妄想終了 小蒔「だめですだめですっ……」 小蒔「可愛いのを選ばないと!」 小蒔「あ……これぴったりですね」 小蒔「……」キョロキョロ 小蒔「試着してみましょう」 初美「ふふん」 初美「なんとわたくし、しーかっぷに成長してしまいました」 初美「巫女福も新しいのに変えてもらいましたからねー」 初美「大人な水着をきちゃいますよー」 巴「飾り気のないのでいいわよね……」 巴「黒、は私に合わなさそう」 巴「あえて赤色……?」 巴「似合わない似合わない!」 巴「むむむ……」 巴「これでいいか」 霞「この日のために用意しておいた特注品……うふふ」 霞「あの、あれありますか?」 「あ、あれ……ですか?」 霞「そう、あれ」 「えーと……お名前は」 霞「石戸霞よ」 「あーはい、はいー」 「なるほどなるほどー」 「これですね?」ドヤッ 霞「ええ、ありがとう」 霞「ふふふ、この特注水着で京太郎もイチコロよ」 霞「この、ひもの水着で……ふふっ」 小蒔「よし……これなら……!」 巴「ん、これくらいのでいいか」 巴「別にアピールなんてするわけじゃないんだし」テレテレ 初美「サイズよし、見栄えよし、これでいきますよー」 春「みんな遅いなぁ……」 小蒔「買いましたよ、みなさん」 霞「私もバッチリよー」 巴「私も」 初美「明日が楽しみですよー」 春「みんな遅い」 巴「春ちゃんが早すぎるの……」 霞「あ、お父様には許可をとってあるのかしら?」 小蒔「ええ、でる前に」 霞「準備がいいわねー」 小蒔「えへへ」 初美「あとは京太郎にはなすだけですねー」 春「その必要はないんじゃない?」 霞「そうね」 巴「まさかのドッキリ……?」 霞「どんな反応するか見たいじゃない」 初美「一理ありますねー」 巴「あ、それはたしかに……」 霞「じゃあ、明日ね」 巴「そうですね」 小蒔「ええ……!」 初美「んー、わかんねー」 小蒔「!?」 初美「そうですねー」 春「とりあえず、京太郎帰ってくるの待とうか」 霞「そうねー……」 京太郎「ふぁ~、しんどー」 小蒔「おかえりなさい」ニコッ 京太郎「あぁ、ただいま」 小蒔「先にご飯でいいですか?」 京太郎「あー、みんな集まってると思うけどわりぃ……汗臭いだろうから風呂先がいいな」 小蒔「わかりました」 霞「小蒔ちゃんもらしくなったわねー」 巴「つい最近まではあたふたしてばかりだったのに」 初美「感慨深いですよー」 春「感動した」 小蒔「そこ!なにいってるんですか!」 京太郎「あはは」 小蒔(そういえば、京太郎さんは明日なにもありませんよね?)モクモク 小蒔「あ、そういえば明日は休みだったりしませんか?」 京太郎「あぁ、そうだな……休みだ」 巴(休みって知ってましたよね……?)チラッ 霞(そういえば聞いてなかったわー)チラッ 巴「おいおい……」 小蒔「そ、そうですか……よかったです」 京太郎「……?」 京太郎「なにかあるのか?」 小蒔「い、いえ!こちらの話ですので……」 京太郎「そうか」 京太郎「ふー、ご馳走様」 霞「お粗末様です」 京太郎「霞の料理は安定感があるなー」 霞「ありがとうございます」 小蒔「む」 京太郎「あぁ、朝の小蒔の料理も美味かったって」 小蒔「えへへ」テレテレ 巴(思わず真顔に…) 初美(平常心ですよー) 京太郎「疲れたし、今日は寝るなー」 霞「はい」 春「おやすみ」 初美「おやすみなさいですよー」 巴「おやすみなさいー」 小蒔「おやすみなさい」 霞「さて、明日は何時からいきましょうか?」 春「マカのロン開店凸」 巴「まぁ、長く遊びたいですからねぇ……」 春「そゆこと」 初美「いつプールにいくというんですかー?」 霞「着くまで言わないという手もあるわね」 霞「それと、明日も車でいいかしら?」 初美「い、異論はないですけど……」 巴(免許とってからやけに乗りたがるんだよなぁあの人……)ハァ 霞「あぁ、忘れてた」ガサゴソ 霞「勝手に京太郎の水着買ってきたわー」 小蒔「サイズは大丈夫なんですか……?」 霞「ええ、ちゃんと測ってますから」 巴「やだこわい」 霞「ん?」 巴「はい」 春「それじゃ、朝一に着くように計算して……それでここをでれば大丈夫ね」 初美「そうですね……」 初美(アシがそれを除くと電車しかないので腹くくりましょう……) 霞「じゃ、みなさんおやすみなさい」 京太郎「んー!いい朝だー!」 京太郎「おはよう日本!おはよう永水!!」 霞「朝から元気ねぇ……」 春「あ、京太郎……今日は出かけるから」 京太郎「へっ?……わかった」 霞「峠を通るから……血が騒ぐわねぇ」 春「……」 京太郎「お、おう……?」 霞「クラッチ引いてここでハンドル切るっ!!そしてサイド!!」ギャギャギャ 京太郎「ちょっ、安全運転しろや!」 春初小「め、めがまわる……」 霞「大丈夫大丈夫」 京太郎「ちょ、手ェ離すな!」 霞「ここは体重移動した後はベタ踏みで曲がるのよー」 京太郎「前向けよー!!」 霞「うふふ、攻めるわよー」 巴「はぁ、これだから……」 京太郎「はー、死ぬかとおもった……」 春初小「きゅう……」 霞「まぁ、まだ時間はあるから……」 京太郎「ん、そういえばどこに……」 京太郎「……」 京太郎「プール?」 霞「ピンポーン」 京太郎「出かけるってそういう……」 巴「はい……開店までは時間ありますから、この三人もそれまでに起きるとは思いますけど……」 小蒔「ううー、ひどい目にあいましたー」 初美「峠とかもういやです……」 春「はぁ……まだ帰りがあるなんて……」 京太郎「ひぃ」ゾクッ 霞「あ、今のうちに……京太郎の水着です」 京太郎「あ、あったのか……」 霞「ええ」ニコッ 巴「そろそろ入りましょう」 霞「そうねー」 京太郎(五人の水着か……ふむ) 京太郎(霞さんとか大胆なの選んでそうだよなぁ) 京太郎「ふひひ」 京太郎「さて、とりあえず着替えて中で待つか……ん?」 京太郎「oh...ブーメラン……」 京太郎「しかもぴったり……」 京太郎「……」 京太郎「気にしたら負けだな」 京太郎「ふー、ここんとこあついからなー」 京太郎「プールは助かるわ」 京太郎「だいぶ経ったし、そろそろかな……」 初美「一番乗りですよー」 京太郎「お、おお?初美か」 初美「どうですか、可愛いでしょう?」 京太郎「まぁ……」 京太郎「ふむ……」 京太郎「あれ、ポニーテールなんだな」 初美「左右で結うと泳ぐ時、邪魔なので……」 京太郎「なるほどな……」 京太郎(水色の水着にパレオを巻いて……最近主張し始めた胸とかを見てもただの中学生か高校生だな……) 京太郎「うむ、(外見相応で)似合ってるな」 初美「当たり前なのですよー」 京太郎「でも、ポニーテールだと特徴がなくなるぞ」 初美「う、うるさいですよっ」 巴「うーん……」 京太郎「お、今度は巴か」 巴「やっぱりメガネかけて持ってくれば良かったかしら……」 京太郎(ほー、ふちの赤い白かー)ジー 京太郎(メガネとったギャップもあって可愛らしい……) 京太郎「そうだな、しいていえばインフィ……」 初美「それ以上はだめですー!」 京太郎「うわっとと……なんだよいきなり」 初美「いけない匂いがしましたので」 京太郎「は、はぁ?まぁ……素材もいいからか綺麗だな」 巴「ひぇ……?」ボフン 初美「……爆発しましたよー」 小蒔「うう……恥ずかしい……」 京太郎「今度は小蒔か……ぶふっ」 初美「黒の水着とは大胆ですね……」 小蒔「あ、あの……あまり見ないでいただけると……」モジモジ 京太郎「なるほど、黒か……」 京太郎(でかい胸を覆う布のボリューム、そしてなによりムチムチのお尻を隠しきれない布っ!!) 京太郎(普段見せないギャップも素晴らしいな……!) 京太郎「満点ッ!!」 小蒔「あっ、ありがとうございます?」 京太郎「うむ、いいものを見させてもらいました」 京太郎「いやー、みんなレベル高いなー」 巴「そ、そんなこと……」テレテレ 初美「えへへー」 小蒔「も、もう……口がうまいですね……」 京太郎「で、後二人か……」 春「次は私」 京太郎「おお……水着がよく似合う!」 京太郎「ん?なんか文字が書いてあるけど……」 京太郎「黒……、糖……」 京太郎「黒糖……?」 春「うん」ニコッ 京太郎「あ、あー……春らしい……」 春「でしょう?」 春「つい、買っちゃった」 京太郎「さ、さいですか……」 霞「ふぅ、水着を着るのも時間がかかるわー」 京太郎「あぁ、霞さ……」 京太郎「」 巴「」 春「」 初美「」 小蒔「」 霞「私のすごさに言葉もないのかしら」 京太郎「い、いや……なんですかその水着は……」 霞「なにって……ひもの水着よ?」 京太郎「」 巴「」 初美「」 春「」 小蒔「」 京太郎「その……」 京太郎「趣味の悪そうなプリントは」 霞「趣味の悪そうってなによ……干物だけど」 京太郎「いやぁ……人は予想を超えてくるんだなーって、改めて感じまして」 初美「これはちょっとババくさいっていうか……」 巴「引きますね……」 小蒔「私もちょっと……」 霞「え?結構いいデザインだと思うのだけど……」 京太郎「干物水着……ですか……まぁ、うーん」 京太郎「まぁ……テンションは下がりましたけどとりあえず泳ぎますか……」 巴「そうねー……」 バシャバシャ 霞「う、受けなかった……」ドヨーン 小蒔「霞のちゃん、元気だしてください!」 小蒔「ネタが受けなかったからっていって泳がないんですか!?」 霞「そ、それは来た意味ないわね……」 小蒔「だから、泳ぎましょう!」 霞「え、ええ……」 霞「京太郎は……あら?」 小蒔「み、見失っちゃいましたね……」 一方その頃 巴「……」スイー 京太郎「……」スイー 巴「あ、行き止まり……」 京太郎「みんなは……」 京太郎「あ、ここはみんながいた場所の死角なのか……」 巴「何時の間にか泳いできちゃいましたね……」 巴「……」 巴「えいっ」フニッ 京太郎「どわっ!?」 巴「京太郎さんのここ、反応しましたね?」 京太郎「ちょっ…おま……」 巴「うふふ」 巴「最近はそういうこともしてなかったし、ムラムラしてるんじゃ……?」 巴「ですから……口でしてあげます」 京太郎「……」ゴクリ 京太郎「ふう……」 巴「ごちそうさまです」 京太郎「こんなところでやらなくてもいいのに……」 巴「えへへ」 京太郎「はぁ……こんなところで抜かれるとは……ん」 初美「……」ジー 初美「……」スイー 京太郎「見てたのかー(棒)」 初美「ッ」ビクッ 初美「……」スイー 初美「私にも権利はあるはずですよー」ジトー 京太郎「お、お前もか……」 初美「んくっ……」コクンッ 初美「ふん」スイー 京太郎「まるで何事もなかったかのように……」 京太郎「いやはや、ここにくる目的は息抜きのためだったんじゃないのかあ……?」 京太郎「息抜き……抜き……んん?」 春「正解」 京太郎「」 春「ふふ」ニコッ 京太郎「あー……きっつい」 春「まだ、二人残ってるけど……」 京太郎「う……」 春「ふふ、じゃ、またあとで」 京太郎「はぁ……あと二人か……」 小蒔「あ、みつけましたよ京太郎さん」 京太郎「今度は小蒔か……ふぅ」 小蒔「……?」 京太郎「あぁいや、なんでもないさ」 小蒔「そ、そうですか……」 京太郎「で、なんだ?」 小蒔「な、流れるプールがあちらにあるらしいので行ってみたいなぁなんて……」 京太郎「へぇー、そんなのがあったのか……」 小蒔「だ、だめですか?」 京太郎「いこうか」 小蒔「はいっ」 京太郎「ここ、結構急流だなぁ」 小蒔「そ、そですね……わぷ」 京太郎「もしかして、足ついてない?」 小蒔「い、いえ……ちょ、とは……」 京太郎「場所変えるか、ここだと深すぎるし」 小蒔「は、はい……」 京太郎「うわっ急に流れが……」 小蒔「んー!」バシャバシャ 京太郎「ちょ、おおおい!!」 京太郎「流されてる!」 京太郎「あぁもう!」バシャバシャ 小蒔「足が……つかな……うぷっ」 京太郎(どうして深いところに……) 小蒔「わっぷ……げ、限界で……」 京太郎「よし、捕まえた」ガシッ 京太郎「もう大丈夫……で、す」 京太郎(あれ?小蒔が着けていたものがなんで俺の手に……)アセアセ 小蒔「……?」 小蒔「ぴゃ……」カアア 小蒔「ーーーッ!!」ギュウウ 京太郎(生乳が押し付けられて……) 京太郎「とりあえず!これつけて!!」 小蒔「は、はひ……」 京太郎「あの、その……さっきはごめんなさい」 小蒔「いえ……流された私が悪いですから……」 京太郎「いえ、俺がもうちょっと注意してれば……」 小蒔「それはたしかに……」ジトー 京太郎「うぐ……」 京太郎「はぁ……」 小蒔「はぁ……」 小蒔「なんかどっと疲れました……」 京太郎「ですねぇ……」 霞「あらあら、お二人さん……お疲れかしら?」 京太郎「干物……」 霞「……」イラッ 京太郎「なんでもないです……」 小蒔「喧嘩はやめてくださいね?」 霞「わかってるわよー」 京太郎「で、なんのようですか」 霞「京太郎と泳ぎたくてきたんだけど……迷惑だったかしら?」 京太郎「干物じゃなければ喜んでお受けしたんですけどねぇ」 霞「あら……不評?」 霞「しょうがないわ……脱ぎましょうこれ」スッ 京太郎「おまっ……周り見ろー!」 霞「えーだって」 京太郎「だってじゃない!ついていけばいいんだろ!」 霞「理解が早くて助かるわ」 京太郎「はぁ……」 小蒔「じゃ、私はみんなとあそんでます」 京太郎「ん、わかった」 小蒔「ふぅ、おや…あれは」 「ねぇお姉さんたち、俺たちと遊ばん?」 「退屈させないからさー」 巴「いや、あのですね……」 初美「私たち子持ちですよー?」 「ぇ゛……」 「この年でもう子どもとか……おい、いこうぜ」 「あぁ……」 小蒔「……変な方でしたね」 初美「そうですねー」 巴「まぁ……すぐ諦めてくれるからいいですが」 春「だねぇ」 小蒔「あはは……」 京太郎「で、どこいくんですか」 霞「え、特に考えてなかったけど……?」 京太郎「うぉぉい」 霞「てへへのペロンッ」 京太郎「……」 霞「やっぱり京太郎はロリコ……」 京太郎「なにいってるんですか」 霞「とりあえず、泳ぎましょうか」 京太郎「そ、そうですね……」 ーーーーー ーー 初美「ふぃー、たのしかったですよー」 春「気分転換になった」 京太郎「今日は暑かったからな、水が気持ちよかったぜ」 霞「あ、みんな」 小蒔「?」 巴「ぁ゛……」 霞「帰るまでが遠足なのよ?」 巴「もー、安全運転してくださーい……」 霞「のぼりも違った楽しみがあるのよね」ギャギャギャ 京太郎「ちょ、スピード落としてください!」 霞「だめよ、ここはフルアクセルで曲がらないと!」 霞「ギアを二速まで落としてハンドル目一杯切ってサイドォ!」 京太郎「」 巴「あぁ……のぼりはスピードでGがきつい……うぷっ」 智美「ワハハー、あの車踏めてるなぁー」 ゆみ「どうする?」 智美「うち落とせばいいんだろ?」 カン!