約 7,374 件
https://w.atwiki.jp/indexorichara/pages/525.html
1月10日、冬休みも終わり、3学期始まりの日だ。 「おはよう!みんな!いい正月だったか?」 クラスの生徒のうち稜と狐月以外のせいとは、雄介の質問に反応していたが、二人だけは机の上で突っ伏しになっていた。 「あれ?お前ら二人はどうしたんだ?」 「風紀委員は休みだろうと稼動してました…」 「休みなく…」 「…そ、そうか」 そんな二人も始業式に参加し、学校も終わった。 下校途中にて… 稜は、正美と一緒に帰っていた。 「稜、本当に大丈夫?」 「ああ、また明日から普通授業なんだ、気持ち切り替えねぇとな」 「そうだね!」 そんな時… 「よぉ!兄ちゃんたち!サボり?」 二人は、5人の不良グループに囲まれた。 「映倫もとんだ不良生徒持ってやがんなぁ」 「今日始業式なんだけど?」 「あっそぉ?じゃあさ…俺たちに金貸してくんない?」 「…『いやだ』て、言ったら?」 「きゃ!稜!!」 「正美!!」 正美はグループの一人に羽交い絞めにされ、ナイフを顔の近くに突き付けられた。 「お前の可愛い彼女の顔に…傷がついちゃうぜぇ?」 「ふ~ん…でもあんたらも…カツアゲするやつ間違えたな…」 「何言って…!?」 稜は腕章を腕に着けた。 「風紀委員だ!恐喝罪で、お前ら全員務所ぶち込むぞ!」 「おい…こっちには人質が…ひぃ!!」 稜は閃光真剣を鞭のように振るい、正美に突き付けられていたナイフを、吹っ飛ばした。 「やべぇぞ!こいつ…おい!逃げるぞ!!」 「待ってくれよぉ!!!」 不良のグループは走ってどこかへ去っていった。 「大丈夫か?」 「うん!平気!」 そんなやり取りをしている二人を一人の男が見ていた。 「…バカバカしい…」 男は、吐き捨てるようにそう呟いてどこかへ行った。 翌日、映倫中にて… 「今日から授業かぁ~」 「そうだね」 二人は仲良く横に並んで廊下を歩いていた。 「ねぇ、稜」 「ん?」 「どうしてここでは手を繋がないの?」 「はぁ…いや~なやつに間を通られて嫌な目で見られるからな…あ、前見ろ?俺の言った意味が解るから」 「え?」 正美は、稜の言われたとおり、前を見た。 すると手を繋いで歩いている、前方のカップルの間を一人の男性教師が通り過ぎて行った。 そして… 「私の目の前で不埒な行為はやめなさい…」 そう言うと男性教師はどこかへ行った。 「ひどい…」 「生徒のほとんどから嫌われている『キツネ』に睨まれるんだよな…俺もあいつだけは嫌いだ…」 『キツネ』と呼ばれているその教師の名前は希河 鎌(きかわ れん)、顔の見た目からそう言われているのだった。 「でも、校則に『恋愛禁止』なんて無いよね…」 「あいつが勝手にそうしているだけだ…」 「それに教師からも嫌われているらしい。」 「マジか…って、狐月!?」 「おはようございます。神谷君。」 「お~お、相変わらず挨拶だけは他人行儀だな」 「ヤッホ~稜!」 「麻美?お前らまさか…くっついたのか?」 「はい。」 麻美は狐月の腕に抱きついていた。 「ほ~…よかったな」 こうして四人は教室に入った。 そして1時間目の休み時間のときだった… 「神谷君に風川さん」 「はい?」 「なんでしょう?希河先生」 「応接室に来てくれますね?」 二人は応接室に連れて行かれた。 「話とは?」 「…不埒な行為をやめて欲しい」 「いやです…」 「わたしも、先生のご都合のために、稜と別れるのはいやです!」 「本当にいやなのですか?…なら私の前でそれを証明してください」 「はい!…ん…」 「な!?」 正美は稜に、キスをした。 「…これで…いいですか?行こう、正美」 「うん!失礼しました!」 二人は応接室を出て行った。 「そうですか…なら、いいでしょう…」 鎌は不敵な笑みを浮かべた。 そして昼休みにて… 「あ!」 「どうした?」 「弁当忘れちゃた…」 「マジ?」 「うん…お昼買ってくる」 「お、おう」 正美は昼食を買うため、食堂へ向かった。 「これで間に合うかな…ん?」 「風川さん、ちょっといいですか?」 「これを買ったらいいですよ?」 正美はパンを買っていると、鎌に捉まった。 応接室にて… 「わたしになんのようですか?」 「フッ…簡単な頼みです…神谷君と別れてください」 「いやです!」 「そうですか…彼の荷物になっていると知っていてもですか?」 「え…」 鎌の質問に正美は目を丸くした。 「君が彼のそば居ることにより…彼は思うように犯人を捕まえることができない…」 「そんなこと…」 「では昨日、なぜ彼はあの不良たちを追わなかったのですか?」 「それは…」 「君が近くに居たからです!君が彼の邪魔をしているんです」 「そんな…」 「別れますか?」 「稜はそんな事言いません!!」 「そうですか…ではいいことを教えてあげましょう」 「え…」 「君が彼と別れないのであれば、彼の点数を0にしましょう」 「え?やめてください!」 「では、別れてくれますね?」 「はい…」 「それでは、今日の放課後屋上で別れてもらいます、私が隠れて見届けます」 「失礼しました…」 正美は応接室を出ると、人気の無い理科室へ入った。 「稜…わたしどうしよう…いやだよ…別れるなんていやだよ…」 正美は一人しゃがみこみ泣き出した。 そしてそのまま午後の授業には現れなかった。 放課後にて… 稜は、教室で正美を待っていた。 「神谷君、そろそろ出ないと遅刻になってしまうぞ。」 「ああ」 「そんなに心配?」 「当たり前だろ…ん?メール?正美から!?」 そのメールには『屋上で待っています』とだけしか書いてなかった。 「どう言うこと?」 「行けば分る先に行っててくれ…」 「わかった。」 稜は、屋上へ向かった。 屋上にて… 「正美!お前今まで何やってたんだよ!!来ねぇと思ったらこんなところに呼び出して…」 「話があるの…」 「?」 「…別れよう?」 「…お前…それ本気か?…冗談だろ?…」 「ごめん…『別れたい』…これがわたしの本心なの…だから…さよなら…」 「…」 そう言うと、正美は、屋上から出て行った。 稜はその後姿を、ただ呆然と、見詰めることしかできなかった。 下駄箱にて… 「これで、稜の点数を保障してくれるんですね?」 「ええ」 「…」 正美は無言で学校を後にした。 「ごめんね…稜…」 正美はそう呟くと涙を流していた。 END
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/306.html
true tears SS第二十三弾 雪が降らなくなる前に 中編 比呂美と眞一郎は一緒に帰る約束をしている。 あさみがささやかな復讐を果たし、朋与が妖怪と呼ばれた恨みを晴らす。 さらなる奇跡を比呂美は願い、さらにちゃんと眞一郎はしようとする。 前作の続きです。 true tears SS第二十二弾 雪が降らなくなる前に 前編 http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/287.html true tears SS第十一弾 ふたりの竹林の先には http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/96.html true tears SS第二十弾 コーヒーに想いを込めて http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/245.html true tears SS第二十一弾 ブリダ・イコンとシ・チュー http //www39.atwiki.jp/true_tears/pages/275.html 六時間目が終わると誰もが部活や帰宅する準備をし始める。 終わりのホームルームは担任が伝達事項やプリントを配るだけで、あまりすることがない。 誰もが机の上に鞄やコートを乗せている。 ふと比呂美を見ると、同じようにしていて背筋を伸ばしている。 授業中に何度も眺めていたが、あの朝以後にこちらを向かなかった。 全員が起立してから一礼をして放課後になったので、俺はコートを着てから鞄を握る。 「謎は解けたか?」 三代吉が心配そうに囁いた。 「今日も奇跡もわからない」 授業中も考えていたが、これという決定打がなかった。 「優等生と劣等生の俺らとは思考回路が違うんだ。謝るしかないな」 「目的地に着くまでに探ってみるよ。比呂美と叶えたいこともあるし」 俺の願いは下校中には無理だと諦めている。 「まあ、がんばってこいや」 俺が歩き出すと、三代吉に背中を叩かれた。 比呂美は立ちながら自分の席で表情が固いまま待っていて、そばには黒部さんもいる。 「麦端の花形とミス麦端のカップルだね、お似合いだよ」 あさみさんが寄って来て無邪気に祝福してくれた。 「ミス麦端?」 俺は疑問を口にした。 「それはね、比呂美が……」 「あさみ、眞一郎くんに変なことを吹き込まないで!」 比呂美に中断されたあさみさんは慌てて見渡してから、黒部さんの後ろに隠れる。 「怖いよ、褒めているだけなのに、また比呂美に睨まれた。 仲上くんの踊りのときだって、夜はなかなか眠れなかった」 顔だけ出してきっちりと主張だけはしていた。 祭りの翌日に俺の席には男女が十人くらい囲っていた。 そのときに三代吉の弁である思い詰めた顔で比呂美の部屋に誘われたのだ。 「そのとき私は見ていないのよね。あさみから聞かされたけど」 「朋与には報告しておかないと」 舌を出してからにんまりとすると、比呂美は瞳を左右に動かしている。 「さて私は仲上くんに言わせてもらうわ。封印された妖怪って誰のこと?」 比呂美が停学中に黒部さんはノートを取らないで寝ていた。 俺は比呂美にノートを貸してあげたときに喩えたのだ。 「比呂美、あれはまずいだろ。受け取ってくれないから言っただけなのに」 「だっておもしろかったから、言っちゃった……」 我に返ったように笑顔で右に首を傾けた。 「つまり仲上くんは私を出しにしていたのね」 「その前に黒部さんが授業をしっかりと聞いておけば良かったのでは?」 「あさみのを写すからいいの」 「朋与には無条件で貸すよ。情報提供者だからね」 そんな遣り取りを比呂美は無言で眺めている。 「というわけで仲上くんには比呂美にあだ名を付けて。もちろんわかっているよね」 瞼を閉じて微笑むのが感情を読ませてくれない。 親友でありながら比呂美に嘘をつかれたので、俺に仕返しをして欲しいのだろう。 最初に浮かんだのは、誰もが思いそうな花であったが、やめておく。 もう一つは比呂美らしいきれいな花だったが、保留する。 「不発弾。地面に埋まっているから、知らない間に爆発しそうで。 でも発見したら爆発しないように取り除きたいなと」 仲上家に比呂美がいるときに出会えたら歓喜と恐怖がつねにあった。 ただ挨拶するだけでも比呂美を傷つけないように配慮はしていた。 「眞一郎くんはそう思っていたのね」 前髪を垂らして俯いている比呂美の声質は無機的であった。 「私もさっき地雷を踏んじゃったよ」 「あさみのはわざとでしょ。余計なことを言ったくせに」 「だって言いたかったから」 唇を尖らせてまったく反省していない。 「比呂美は浮き沈みが激しいから、冷や冷やさせられて頭を冷やされたわ」 「朋与が冷やすのは肝で、私が冷やすのは頭のようね」 比呂美は即座に述べてから、わざわざ後ろの扉のほうから出て行った。 「甘く囁いて比呂美を照れさせてくれると思っていたのに」 黒部さんは腕を組んで不平を洩らした。 「黒部さんを妖怪と呼んでおきながら、比呂美だけきれいに喩えるのはどうかと思った」 「でも不発弾を放置せずに取り除くというのは、良い心掛けかも。 夜の電話で愚痴をこぼされるだろうな」 黒部さんは比呂美が去った扉を見つめている。開いたままで教室にいる人数も少ない。 「また迷惑を掛けてしまって」 「愚痴られるだけましよ。つらいときには何も言ってもらえないし、訊かなかったし」 比呂美も俺が三代吉に相談できないように耐えていたのだろう。 「最近は明るくなっているわ。今朝だって、自然に仲上くんを誘えたとね」 黒部さんが登校してきたときに微笑を浮かべていたのは、俺のことを話題にしていたようだ。 「やっぱりふたりはお似合いだよ。仲上くんにアタックしようかなと思っていたのに」 あさみさんは後ろ手にしたまま顔を近づけてきた。 「そんなことを言われても……」 慣れない場面で言葉が続けられないが、あさみさんは身体を起こす。 「ほんの少しでも悩んでくれただけでも嬉しい。 仲上くんの人気は上がってきているよ。がんばってね」 「校門を出るとふたりきりの世界だからね」 ふたりに見送られてから俺は後ろの扉をめざす。 あまり交流のないふたりと接していると長話になってしまった。 これから比呂美を探すが、発見できなければ比呂美の部屋の前で何時間でも待とう。 合鍵を渡されているけれど、断りもなく中には入れない。 廊下に出ると扉のすぐそばの壁に寄り掛かっている人がいる。 「ミス麦端を知りませんか?」 平然と訊いてみると、きょとんとしていたのに左の人差し指を向ける。 「階段のほうにいるのかも」 「ありがとう」 俺は頭を下げてから歩き出す。 「置いてかないで」 比呂美は右横に来て頬を膨らませている。 「ミス麦端って何?」 「あさみが勝手に言っていることなの。 たまに私の下駄箱に手紙が入っているのを見つけられたから。 全部、断っているので安心して欲しい」 比呂美は教えるのをためらってから、視線を合わせてきた。 「信じている」 普通に考えれば比呂美はかなりもてるだろう。 もし全校生徒でミス麦端の無記名投票があれば、上位に入選するのは予測できる。 最初に浮かんだ高嶺の花を封印しておいて良かった。 あさみさんは俺が麦端の花形になったためか、比呂美と対等に思ってくれていたからだ。 「眞一郎くんもすごいよ。 私が登校しているときに他校の女の子まで踊りを褒めていた。 だから恋敵が増えて欲しくなくて眞一郎くんを部屋に誘ってしまったの。 また爆発してしまったよね」 落ち込んでしまった比呂美と並んで階段を降りている。 「制服姿だと俺とはわからなかったみたい。あの衣装があるからかもしれない」 「花形衣装のおかげにしないで」 比呂美の眼差しは強くても、口元は緩んでいる。 「本当は水仙だと喩えたかったんだ。 雪が降っていても水辺で凛と白くきれいに咲いているから」 雪が好きになってくれるように願いを込めていた。 比呂美は立ち尽くしたまま呟く。 「ナルキッソス……、自己陶酔……、そして……」 ナルキッソスは他人を愛せなくなり、水辺に映る自分を好きになってしまって死んでしまう。 ここが学校でなければ抱き締めてでも否定していた。 むしろ逃避行や昨晩の竹林のように態度で示すのはありきたりだ。 俺は比呂美のそばに戻って耳元で囁く。 「もう少し慎重に検討して選ぶべきだった」 「眞一郎くんが考えてくれたのに、欠点しか思えなくて」 左右に首を振ってくれていても俯いている。 「俺のことを比呂美が喩えて欲しい」 比呂美は見開いてから俺のほうを向く。 「考えてみる。変なのでも怒らないでね」 「爆発しないから」 「すぐそんなことを言うし」 比呂美が素早く階段を降りて行く。俺も同じようにしつつ、比呂美の下駄箱を窺う。 「今日は入っていないわよ。入れられないようにしてくれないと」 俺の行動を読まれてしまい釘を刺されてしまった。 「俺のところにもない」 「そういうので争いたくない」 俺たちは靴を履き替えて、外に出て並んで歩いている。 校内で比呂美の顔を遠慮なく眺められるのは、白昼夢のようだ。 横目で俺を見てから、比呂美はゆっくりと喩え始める。 「屋根の上の猫。私よりも高いところにいるんだけど、私が困ると降りて来てくれる。 私が高い屋根に上がれると、眞一郎くんはさらに高い屋根にいるの。 でもいつか同じ屋根にいて、穏やかに過ごすの」 幼い頃の祭りでの竹林と似たようなものだろう。 比呂美を驚かせたくて先に行ってしまった。 俺は比呂美を見つけると竹林の傾斜から滑り降りた。 そうでもしないと比呂美の笑顔を取り戻せないと思っていたが、逆に泣かせてしまった。 幼い俺は比呂美を任されても何をすればいいかわからなかったからだ。 「最近は比呂美のほうが猫のように去って行っている。 俺のほうが追い駆けていないか? さっきのはわざわざ後ろの扉から出てから壁に寄り掛かっていた。 まるで猫が振り返るように」 俺の指摘に比呂美はそっぽを向く。 「でもなかなか来てくれないし。何を話していたの?」 「戻ってくれば良かったのに」 「できるはずがないでしょ」 かすかに声を荒げる比呂美は今朝のむくれっ面になっている。 もうすぐ校内ではなくなり、やっと校門を抜けた。 俺は左手で比呂美の右手に触れる。 「ごまかさないでよ……」 覇気がなく地面に視線を落としている。 「黒部さんとあさみさんに比呂美のことを教えてもらっていただけさ。 一度は起きた奇跡を望んでいると言われたけど、よくわからない」 比呂美が軽々しく奇跡を求めるのも不可解だし、奇跡的な出来事に身に覚えがない。 「今日も起きればいいと願っているの。 今日がダメなら、また明日。春になるまでに時間がないけど」 比呂美が空を仰いでいて今朝よりも曇っている。 「また明日も一緒にいよう。比呂美の部活があるなら待っているよ。 絵本の題材を探すためにも図書室で過ごしているから」 今まであまり本を読む機会が少なかったかもしれない。 水仙のときも一瞬でナルキッソスを思い出せなかったのは失態だ。 「でも今日がいいな。先に進みたいから。 私が行きたい場所はわかった?」 暖かな明るさを帯びた比呂美が問うた。 「ごめん、授業中もずっと考えていたけど、一つに絞れなかった。 比呂美と行きたいところは、いっぱいあるから」 「朋与に言われたの。曖昧な単語では伝わりにくいって。 でもわかってもらえたら嬉しいし、わかってくれなくてもいいの。 そのときに眞一郎くんがどう反応してくれるか楽しめれば」 まったく翳りがなく比呂美は俺を責めようとはしないようだ。 今までと違って幅広く受け入れてくれるようだ。 「クイズみたいでおもしろいよ。発想力を鍛えるみたいで。 愛ちゃんと三代吉がいつか店に来て欲しいって。 公民館でのことを愛ちゃんは気にしていないようだ。 あのふたりは祝い酒でも悔やみ酒でもコーラを飲んでいるらしい」 比呂美の手を握るのを強める。 店には一緒に行くのだから少しでも比呂美の励みになるようにだ。 「でもコーラを私は飲めないわ。微炭酸のファンタやキリンレモンぐらいしか。 できればオレンジジュースのほうがいいな」 「健康的だな」 「眞一郎くんもコーラばかり飲まないでね」 「俺もオレンジジュースにするから」 「うん」 比呂美の進む方向に合わせてはいるが、俺の通学路を辿っているだけだ。 いつもの長い坂を下っている。 「坊ちゃん、お熱いですね、手まで握っちゃって」 踊りを教えてもらった中年男の能登さんが、自転車で通り過ぎようとしていた。 「俺たち、付き合っているから」 以前のように何も言えずにいたのと違っているのを示したかった。 能登さんは急ブレーキで自転車を止めてから振り返る。 「そうだったんすか。この前、理恵子さんはかなり驚いていたけど、良かったですね」 一言を残してから、すぐに自転車をこいで去って行く。 「おばさんと何かあったのかな?」 不安げで見つめてくる比呂美は、さっきの宣言ついて感想がない。 「よくわからない。能登さんは人付き合いが広そうだから、お袋と話す機会はあるだろうし」 踊り場にお袋が来ているのを知らないから、判断材料がない。 だが俺に関係することだからこそ能登さんは伝えようとしたのだろう。 あとがき あさみは髪の毛の色を変えられそうな口調で、かわいらしく明るいようにしてみました。 眞一郎母の理恵子は似たような性格だったかもしれません。 比呂美と眞一郎は物や言葉に想いを託していますが、まだうまくできていません。 いつかお互いが納得できるようになればいいのですが。 次回は、『雪が降らなくなる前に 後編』。 比呂美は目的地に到着して、雪が好きだった理由を明かします。 比呂美はさらなるアプローチを仕掛けますが、眞一郎にも計画があります。 眞一郎父は博、眞一郎母は理恵子、比呂美父は貫太郎、比呂美母は千草。
https://w.atwiki.jp/zeturin/pages/796.html
応援バナー 目次 応援バナー 【時事】ニュース炎の孕ませおっぱい乳同級生 RSS炎の孕ませおっぱい乳同級生 口コミ炎の孕ませおっぱい乳同級生 【参考】ジャンルリスト 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース 炎の孕ませおっぱい乳同級生 gnewプラグインエラー「炎の孕ませおっぱい乳同級生」は見つからないか、接続エラーです。 RSS 炎の孕ませおっぱい乳同級生 gnewプラグインエラー「炎の孕ませおっぱい乳同級生」は見つからないか、接続エラーです。 口コミ 炎の孕ませおっぱい乳同級生 #bf 【参考】 ジャンルリスト ※過度なネタバレを回避するため、細かいシュエーションなどについては空欄にしています。 △ ツインテ 〇 ストレート ボブカット △ ポニテ 〇 ショートカット 二つわけ ドリル 三つ編み サイドテール お下げ ◎ おっぱい 横乳 谷間 下乳 谷間ホール ネクパイ ◎ 巨乳 △ 貧乳 腋 鎖骨 うなじ 尻 脚 ふくらはぎ ふともも 体臭 よだれ 涙目 鼻水 方言 声 おもらし 汗 ☓ ヤンデレ ツンデレ クーデレ 不思議 電波 厨二病 邪気眼 世間知らず 天然 お嬢様 熱血 家庭的 地味 おっとり 引っ込み思案 ☓ クズ ☓ ゲス 腹黒 毒婦 肉食 草食 コミュ障 ドヤ顔 ゲス顔 ☓ アヘ顔 ☓ ラリ顔 トロ顔 泣き顔 号泣 ☓ 男泣き 嘘泣き ジブリ泣き 上目使い ジト目 見下し ☓ 白目 仁王立ち ガイナ立ち ジョジョ立ち カトキ立ち 安彦立ち ☓ Wピース 雌豹のポーズ めがね マスク 帽子 カチューシャ ネコ耳 イヌ耳 ウサ耳 ヘルメット マフラー 靴 軍靴 サンダル △ パンスト 靴下 ガーターベルト ニーソ パンツ 女児パンツ 縞パン くまパン 白パンツ 黒パンツ ☓ ふんどし ブラジャー シミーズ ネグリジェ ☓ さらし 〇 水着 スク水 ローレグワンピ ハイレグワンピ パレオ ビキニ レオタード ブルマ ジャージ ジーンズ ホットパンツ スパッツ(レギンス) スカート 〇 ミニスカート ロングスカート タートルネック セーター Yシャツ Tシャツ ポロシャツ アロハシャツ 和服 浴衣 袴 ラバー(革フェチ) 剃毛 生理用品 処女 生理中 妊婦 搾乳 〇 母乳 百合 ホモ △ 性転換 女装 男装 ふたなり 障害(知的) 障害(身体) 乳幼児 △ ロリータ ☓ ショタ 熟女 老婆 合法ロリ 童顔 ロリ巨乳 オネショタ ホモショタ ロリショタ 女性少女愛 ケモショタ ケモロリ 家族 夫婦 実母/息子 娘/実父 妹/兄 姉/弟 双子 祖父/孫娘 △ 幼馴染 義母 義父 義姉/義弟 義妹/義兄 叔母/甥 叔父/姪 従兄妹 従姉弟 セーラー服 ブレザー ミッション系 ジャンバースカート 看護学生 幼稚園児 小学生(低学年) 小学生(高学年) 中学生 高校生 大学生 ◎ 女子校生 ☓ 女教師 チアガール 社交ダンス 新体操 △ スケート 陸上 水泳 馬術 剣道 弓道 △ フェンシング △ プロレス 薙刀 射撃 柔道 △ テニス ラクロス ゴルフ △ バレーボール ソフトボール バスケ サッカー 卓球 △ ビーチバレー 応援団 登山 放送 新聞 写真 演劇 漫画 文芸 美術 合唱 軽音 ブラスバンド ロックバンド 茶道 料理 科学 △ 風紀委員 図書委員 保険委員 生徒会 厚生委員 巫女 尼(女僧) シスター アイドル ナース 女医 博士 主婦 人妻 団地妻 未亡人 家事手伝い △ メイド ウェイトレス △ コンビニ店員 OL 秘書 女社長 SP 婦警 刑事 怪盗 スパイ くノ一 変身ヒロイン 魔法少女 魔法使い 僧侶 賢者 戦士 狂戦士 騎士 聖騎士 黒騎士 天馬騎士 竜騎士 狩人 格闘家 ネズミ ネコ イヌ △ キツネ ヒツジ ウシ ウマ ヒョウ ウサギ ☓ 触手 ☓ 植物 ☓ 虫 人魚 天使 悪魔 女神 天女 仙女 妖怪 △ 雪女 九尾狐 座敷童 精霊 妖精 エルフ 幽霊 英霊 未来人 宇宙人 古代人 異界人 メカ少女 サイボーグ アンドロイド サンタガール カウガール バニーガール ◎ セクハラ イチャイチャ 〇 ハーレム ストリップ のぞき 盗撮 見てるだけ 視姦 ☓ SM ☓ ソフトSM ☓ 鼻フック スパンキング 拘束 ☓ 拷問 ☓ 内臓系 ☓ 切断 ☓ 眼球 ☓ 食人 言葉責め 罵倒 洗脳 催眠 ☓ 薬物 ☓ 麻薬 睡眠薬 自白剤 媚薬 精力剤 避妊薬 排卵誘発剤 ☓ デブ専 ペイント 軟体 露出 チラリズム パンチラ ブラチラ スカート捲り たくしあげ セルフスカート捲り 誘惑 挑発 咥えゴム 掴みシーツ だいしゅきホールド 股に手 ペッティング アナルセックス 浣腸 ☓ スカトロ大(食べる) ☓ スカトロ大(見る) ☓ スカトロ小(飲む) スカトロ小(見る) ぶっかけ 顔射 オーラルセックス ☓ セルフフェラ イラマチオ ☓ 食ザー フェラチオ 口内射精 精飲 ごっくん クンニスリング 69 パイズリ 潮吹き 射精管理 逆レイプ 尿道責め 多人数 ☓ 3P(男2・女1) 3P(男1・女2) ☓ 輪姦 ☓ スワッピング ☓ 乱交 ピグマリオンコンプレックス 異物挿入 青姦 カーセックス 強姦 ☓ 産卵 ☓ 脳姦 ☓ 死姦 オナホール オナニー バイブ ローター 亀甲縛り ☓ 三角木馬 正常位 後背位 騎乗位 座位 立位 駅弁 まんぐり返し 松葉崩し ◎ 孕ませ 種付け 子作り 腹ボテ ◎ 着衣H 股布ずらし ずらし挿入 パンツ下ろし 片足パンツ ◎ 処女狩り ◎ 断面描写 ハメ撮り キスハメ 正月 初詣 餅つき 成人式 節分 バレンタイン 雛祭り ホワイトデー 春一番 卒業式 春休み お花見 入学式 オリエンテーリング 身体測定 GW 母の日 父の日 梅雨 夏休み 海水浴 夏合宿 夕立 お盆 肝試し 縁日 敬老の日 運動会 学校見学 文化祭 ハロウィン 大掃除 冬休み クリスマス 修学旅行 林間学校 臨海学校 スキー教室 お泊り 勉強会 〇 現代 △ 異世界 未来 異星 過去 昭和(戦後) 昭和(戦中) 昭和(戦前) 大正 明治 幕末 江戸(後期) 江戸(中期) 江戸(初期) 戦国時代 室町時代 鎌倉時代 平安時代 古墳時代 弥生時代 縄文時代 原始時代 古代文明 アメリカ 中国 △ ヨーロッパ オリエント アラブ インド 一軒家 アパート マンション 団地 自室 居間 風呂 トイレ 台所 寝室 納戸 玄関 蔵 庭 校舎 校庭 下駄箱 ロッカー 更衣室 プール 体育館倉庫 体育館 道場 屋上 教室 廊下 階段 踊り場 図書館 保健室 職員室 準備室 ホテル 公園 海岸 電車 バス タクシー 戦車 船舶 航空機 宇宙船 ヘリコプター 展望台 病院 診察室 病室 手術室 早朝 朝食 朝練 登校 昼 昼食 昼下がり お茶会 夕方 下校 夕食 夜 夜食 深夜 小説 ラノベ エッセイ 絵本 漫画 アニメ 特撮 実写 舞台 漫才 コント 落語 ミュージカル 歌舞伎 狂言 能 人形劇 人形浄瑠璃 クレイアニメ 3Dアニメ ジャズ ロック ポップス キャラソン ラジオドラマ RPG ARPG SRPG TRPG シューティング アクションシューティング 弾幕シューティング 横スクロールシューティング 格闘 対戦格闘 無双 育成シミレーション △ 恋愛シミレーション 経営シミレーション 戦略シミレーション アドベンチャー 推理アドベンチャー ボードゲーム カードゲーム ◎ 抜きゲー 〇 シーン回想 〇 CG鑑賞 〇 BGM鑑賞 〇 セーブ 〇 ロード 〇 クイックセーブ 〇 クイックロード 〇 文章スキップ ボイス付 イラスト カード ポスター 抱き枕 クッション シーツ おっぱいマウスパッド 缶バッチ タペストリー クリアファイル マウスパッド フィギュア ねんどロイド アクションドール 着せ替え人形 プラモデル 模型 ジオラマ 和風 洋風 中華 アメリカン エスニック クラシック モダン エキセントリック サイケデリック △ 萌え △ コミカル コメディー ホラー スリラー ミステリー パンキッシュ エレガント △ ラブラブ シリアス 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/SQUEEZ ★★★★ ブランド 参考/ゆいび ★★★ 原画・キャラデザ 参考/伊藤海 ★★★ シナリオ 参考/原野伊瀬 ★★★ 参考/骸坊主 ★★★ 参考/abc-dex ★★★ BGM 参考/ミシェル・ドゥ・ラ・ファージュ ★★★★ 登場人物 参考/恵美野 ましろ ★★★★ 参考/小町 美冬 ★★★★ 参考/芹沢 寧 ★★★★ 参考/宗本 みのり ★★★★ 参考/音羽 奏 ★★★★ 参考/法嬢寺 睦美 ★★★★ 参考/愛武 恋 ★★★★ 参考/伊豆苗 芽依理 ★★★★ 参考/遠山 明日香 ★★★★ 参考/海老原 舞 ★★★★ 参考/恵美野 左近 ★★★★ 参考/遠山 雛子 ★★★★ タグ 作品 最終更新日時 2013-04-30 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4462.html
「物質、エネルギー、そして情報。これが、宇宙を構成する三つの要素」 「情報統合思念体って、どういうものだと思ってる?遠い宇宙の果てのはてにある、銀河みたいな星の固まり?それとも、宇宙に漂う、 何か大きなクラゲみたいなもの?」 「どっちも外れね。情報統合思念体は、この宇宙を構成する情報全て。全宇宙の情報が、時に秩序を形成し、 時に無秩序に増殖する。そして、それらを認識する情報。これが情報統合思念体。率直にいえば、この宇宙全体が統合思念体なのよ。 もちろん、あなたも私も思念体の一部。でも安心して、あなたが自分の体の細胞の1つを認識できないように、 思念体もあなたのことなんか全然気にしていないから。」 俺と朝倉は、今カラオケボックスのベンチシート席に居る。最近のカラオケボックスでは、少人数の客はこうしたベンチシートルーム、 3人掛けくらいのベンチ1台に向かい合うようにマシンが設置された小部屋に案内されるようになっている。今日は団のメンバー抜きでの 朝倉との二人連れであり、世間一般的に見ればまあ非常に羨まれるべきシチュエーションなんであるが、やはり一度なりとも刃物で殺され かかった相手というものはなかなかその恐怖を体が忘れづらい。あと、朝倉、普通に会話するだけなら別にマイク使う必要ないだろ。 事の発端はこうである。 朝倉とSOS団の『懇談会』以来、一段とその頻度、クオリティともに激しさを増した長門のレッスンのせいか、俺は最近思い出し笑い、 思い付き笑いを所わきまえず非常に頻繁に繰り返すような状態になってしまい、だんだんクラスでも浮いた存在になってしまってきている。 最近では谷口も挨拶を一拍置いてから返すようになってきているし、国木田は弁当を別のクラスで喰うようになった。笑いさざめくクラスの ドアを開けて教室に入ると、今まで談笑していた生徒全員が一斉に俺の事を注視する、と言ったことも1度や2度ではない。 ハルヒは一人 「なんか、最近のキョンちょっとオモシロイわ!何ていうかほら、バガボンドの最初の頃に出てきた『不動さま』みたい!」 と盛り上がっているが、うん、まあ、ホントはあんまりおもしろい状態でもないんだろ。俺も自分でわかるからさ… そんな孤独と焦燥のさ中にあって、再びクラスの中心人物に返り咲いた朝倉が 「キョン君、今日放課後空いてる?空いてるなら、ちょっと付き合って欲しいんだけどな♪」 と聞えよがしに話しかけてきてくれた時、俺は1も2もなく飛びついてしまった。誰だってそうだよな? そして、放課後俺は口早にハルヒに団活を休む旨を告げると、下駄箱で待ち合わせした朝倉に手を引かれる様にこのカラオケボックスまで来たという訳だ。 「でもね、涼宮さんは別。あなただって、突然自分の体の一部がチクッと痛んだりしたら、何かな、って思うでしょう? 思念体もそう思ったの。いつもどおりに生活していたら、体の一部が変におかしい。何だろう?と思って立ち止まり、調子がおかしい 箇所をしげしげと見ている。調子がおかしい箇所が涼宮さん。それを見つめている目や、触って調べたりしている指が私たち。」 「そういう訳で派遣されてる私たちなんだけど、まあ、私たちだって完璧ではないわけなのよ。同じ宇宙の構成物なんだしね。 目だって指だって病気になるしケガもする。変なものを見ちゃったり、触っちゃったりしたら。」 そう言って、にじり寄ってくる朝倉。 「涼宮さんみたいな強い存在のそばにいたら、私達端末も影響を受けちゃうのよ。本来の機能からエラーを起こして、 自分で勝手に情報を紡いでいくようになるの…あなた達の体でいったら、ガン細胞ね。心でいったら、何かしら…」 朝倉の顔が近い。つぶらな瞳が、俺を真正面から捕えて離さない。 「いっそ、本人に聞くのが一番早いかも♪」 個室のドアが勢いよく開く。廊下の蛍光灯のまばゆい光を逆光に、小柄なシルエットが目に飛び込む。 『…二人とも、表に出ろ』 長門がいた。いつも通りの、高熱に燃える炎のような青白い表情で。 ------------------------------------------------------------------ 俺達がカラオケボックスにいる間に表は小雨になっており、長門は自分で持ってきたであろうビニール傘を差し、 俺は頑強に拒みはしたものの朝倉の持っていた折り畳み傘に結局引っ張り込まれてしまい、先を行く長門の2メートル ほど後ろを2人でついて行っている。 駅前から離れ、踏切を渡りやや閑静なあたりに差し掛かる。 「この前のカラオケでのキョン君の歌。あれ、歌じゃないわ。心の悲鳴よ。キョン君の。」 朝倉が足を止め、長門に声をかける。 「わかってると思うんだけど、最近のキョン君、ちょっともう限界よ。ここまで彼を追い詰めて、何をしたいの?」 長門も足を止め、傘を片手に雨の中、背中で朝倉の言葉を聞いている。 『…獣は、追い詰められた時に一番良い声で鳴く。赤子の声が一番心を打つのは、その母親を呼んで泣き叫ぶとき。』 『歌は、惚気話でもなければ、自慢話でもない。人間の、泣き声。叶わぬ望みが心に叫ばせるもの』 振り向きもせず答える長門。 『だから、人は歌に心をふるわせる。人が、人の泣き声を聞き過ごせぬよう、人の心は、歌にとらえられる』 「なかなか言うじゃない… …まるで、人間にでもなったみたいに。」 口角を上げて、朝倉が答える。 「でも、長門さん、わかってるかしら?私達、端末よ。そんな感傷、本来の機能にはないの。エラーが溜まりすぎちゃったのね。 システムの処理の、暴走。人によっては、こういう風にも、言うかしら」 「『精神病みたいな、もの』、って」 ビニール傘が転がる。 振り向いた長門の顔。いつも通りの、軽く結んだ唇、澄み切った黒い瞳。その瞳の縁から、小雨に打たれた顔の頬を二筋の流れが伝っている。 「観測用端末の更新が発令されたわ。長門さん、あなたはもうとっくに暴走状態。思念体への報告すら満足に行っていない。 私が来たのは、バックアップのためじゃない。あなたと交代して、私が涼宮ハルヒを観測するの。」 「あなたはもう、観測を行える状態じゃない。復旧すらおぼつかないエラーの蓄積状態で、観測対象の周囲にすら影響を働きかけて きている。これはもう、思念体による観測活動継続の為の、除去の対象。つまり---」 朝倉が傘を手放した。 「パーソナルネーム長門有希を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除します。」
https://w.atwiki.jp/doroboumama/pages/1281.html
サイズアウト奥 458 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 00 21 27 ID ZMjaTP+9 文章苦手なんで読みにくかったらごめんなさい。 娘の服を衣替えしたらサイズアウトしたものがたくさんでた。 両家にとって初孫な上に、恥ずかしながら私も旦那も第一子フィーバーで 必要以上に買い揃えた結果、タグがついているまま状態のものや着せようと 洗ったまま着せる機会がなかったものも多数。 自己嫌悪に陥りながらも整理した結果、頂き物は次の子や親戚用に取っておく事にし 他にちょっとした染みがあるもの、綺麗だけど数回は着用したと思われるもの、 タグ着きや未使用と思われるものの3つに分けて大き目の紙袋に入れておいた。 捨てるにはもったいないので、お下がりをもらってもらえそうな人を知り合いで 探したけどうちの子より大きかったり性別が違ったりでいなかったので、 市の育児センターに譲る旨の張り紙をした。 すぐに連絡があったので、引き渡しの日に出かける前にタグ付きと数回着用分を 玄関の下駄箱の上に出しておいた。 出かける直前に回覧板が来たり、電話が来たりでバタバタしていて約束の時間に 遅れそうになったので慌てて向かい、確認の為に袋を開けてみてびっくり。 両方の袋共に1/3くらいなくなってる。玄関の上に出したときは確かにあったのに。 その時は相手に言ってもなんだし、喜んでくれたのに微妙にしょんぼりしつつ終了した。 一応家に戻ってから探してみたけど、なくなった服は見つからなかった。 袋を玄関に置いてから出かけるまで、回覧板が来るまでは施錠がしてあったので 回覧板を持ってきた奥さんが怪しいと思ってしまいモヤモヤしていたんだけど 今日旦那が帰ってくるなり「隣の奥さんとは距離を置いたほうがいい」と言い出した。 旦那は小児科医なんだけど、今日患者さんで隣の子(男の子)が来たらしい。 それで、服をめくった時に洗濯タグに娘の名前のはんこが押してあったと。 娘の服には目立つ色で名前と模様のはんこが押してあります。 最初は隣の子ってわからなかったけど、後で住所確認してわかったみたい。 職業がばれるとややこしい事になるので、旦那の職業はひた隠しにしているし 勤務医だからわからなかったんだと思う。帰宅遅いしあまり顔合わさないし。 問い詰めると色々こちらにも不利益が出るのでしないけど、子供が可哀想だ 469 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 07 13 47 ID KfvHY+Nh 458 隣人が泥棒って怖い。 玄関に置いてある小物(特にスワロフスキーなどw)も、気をつけたほうがいいよ。 おそらく日ごろから、 458さんのお子さんの服を良い物を着せている、 と思っていたんだと思う。 隣りだと難しいだろうけれど、極力接触しないようにね。 471 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 07 49 12 ID LDZ9oPjH 458乙 旦那さんの職業バレが怖いのは解るけど、窃盗犯を放置するのもどうなんだろう 他にも被害者がいるんじゃない? あるいは、これから被害者が出る可能性もあるし 届けを出す出さないは別にして、警察に、こういう場合なんとか 職業バレせずに、取り締まる方法がないか相談だけでも してみたらどうだろう? 相談だけなら旦那さんの職業を言う必要はないでしょ? 483 :458:2008/05/28(水) 08 58 11 ID ZMjaTP+9 458です。昨晩はあの後ウッカリ寝てしまって書き逃げになりすみません。 出かけようと玄関に出たら隣の奥さんが回覧板を持ってくる→受け取る瞬間電話 →隣の奥さん「電話出ちゃってー。じゃあうちはこれで。」と言う→お言葉に甘えて、と 一旦電話に出る為奥に戻る。→電話は1,2分で終わって玄関戻ったらいなかった。 そのまますぐ出かけたので、目を離した時間は殆どなかったと思います。 その時間で大体二袋分併せて20着程の服を袋なしで持ち帰ったと思われるので すごいなぁと変に関心してしまいました。 今後の対応ですが、473さんの内容に近い状態にして行こうと思っています。 それと、両家実家から送られてくる無農薬野菜や季節の果物はお隣にはおすそ分け しない事にします。 ヘタレですが、旦那を巻き込んで万が一職業がばれるとまた引越しになるのは嫌なので。 (以前職業がばれて24時間関係なしの凸があり、夫婦共にとても消耗しました) 492 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 09 35 25 ID EojiCObz 医療関係者は職業バレするとほんとに休めないからな… 小児科医なんて近所の非常識ママどころか、その友人まで凸して来るだろう。 モンペが「友人(事実無根)なんだから治療費まけて」とかもあるし。 COで済むならそれがいいよね。 458乙… 497 :458:2008/05/28(水) 10 43 26 ID ZMjaTP+9 回覧板が来たときの電話はお隣とは関係ないものでした。 お隣には、最初からお下がりの事は聞いていません。 中古品に抵抗が有る方もいらっしゃいますし、性別も違うのでいらない場合 余計に気を遣わせてしまうかも?と思ったので。 支援センターでの募集も、相手から問い合わせがありこちらがokするまでは 個人情報は漏れないはずなので、玄関に置いてあるのを見て衝動的にやったんじゃ ないかと思います。 最後に言い訳になりますが、前回職業がばれた時持ち家でした。 一生の買い物だからと計画から建築まで3年かけて建てて2年も住まずに 引っ越す事になりました。 大型犬がいる関係上、賃貸は無理だったので今回も持ち家です。 地方なのでまだなんとかなっているものの、さすがにまた引越しは金銭的にも 精神的にも無理です。 499 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 10 51 30 ID IRe0hHgh 458 なんというか…お疲れさま。 子持ちとしては凸したい気持ちもわからなくはないけど、 普通は自制して病院行くよな。 黙っているのは正解だよ。 自分を守るのが第一。 458とその家族が穏やかに暮らせますように。 503 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 11 02 45 ID qjLM2EUX 497 うわー・・たまたま隣奥が泥だったというより、 職業がばれただけでせっかくの家を手放して引っ越しというほうがズンと重かった。 非常識な人間が増殖する一方だと思うと、本当に胸が苦しくなるよ。 次のお話→467
https://w.atwiki.jp/kazu392h/pages/1349.html
autolinkTOP>【り】>リモコン下駄 リモコン下駄 (りもこんげた) 分類2【物】 ジャンル5【その他・作品・番組】 ゲゲゲの鬼太郎ホームページ http //www.toei-anim.co.jp/tv/kitaro/ ゲゲゲの鬼太郎の妖力で自由に飛ばせる2個ひと組の下駄。 『霊毛ちゃんちゃんこ』と『髪の毛針』に並ぶ鬼太郎のメジャーな3大武器の一つ。 一見便利そうだけど、飛び道具髪としてそんなに破壊力があるように見えないし、髪の毛針同様によくかわされてなかなか当たらない。 登録日 2008/12/30 【り】一覧 理解 六道衆 リストバンド リスペクト リセット 理想 立秋 立冬 リップサービス リニューアル リプトン リブロース リブリー リメイク リモコン下駄 略奪願望 流星人間ゾーン 流行語大賞 両手に花 料理 両立 リリアンの由真 林威助 リング【りんぐ】 リングにかけろ リント【りんと】 臨・兵・闘・者・階・陣・列・在・前 ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動
https://w.atwiki.jp/viprenraku/pages/230.html
シナリオ 7月23日(月曜日)・そのA10 繋ぎ止めたいから 真緒 「ひどい雨だな……」[pcm] 書類仕事の手を止め、窓の外を眺める。[pcm] ついさっきまでは小雨だったのに、気がつけば滝のような雨になっていた。[pcm] 激しく地面や屋根に打ち付ける音にふと、遠い昔を思い出す。[pcm] そう、莉緒と初めて逢った日もたしかこんな日で──[pcm] 莉緒「真緒くん!!」[pcm] 真緒「莉緒?」[pcm] 呼び声に振り返ると莉緒がいた。[pcm] 雨に打たれてここまできたのか、全身ずぶ濡れだ。[pcm] 真緒「ずぶ濡れじゃないか。いったいどう」[pcm] 莉緒「真緒くん!!」[pcm] ★7/23--スチル3 雨が降ってる、場所は教室、莉緒は制服 水に濡れたせいで大混乱 構図は~なんでしょうwとにかく莉緒が必死に真緒に抱きついてる感じであれば ○狙い・・ずぶ濡れになった莉緒が取り乱してる、水が嫌いなんだーと ○時間・・昼下がり ○場所・・学園教室、外は大雨なので教室は暗い ○人物・・真緒と莉緒 ○服装・・真緒はワイシャツ・莉緒は制服 ○表情・・出来れば泣き顔、その顔をベースに怒、哀 ○構図・・効果的な構図とかわかりますんw必死で抱きつく莉緒っていう感じであればw ○シナリオ実例・・以下 言い終える間もなく莉緒が抱きついてくる。[pcm] ほんの数秒ぼくの胸に顔をうずめ、それからゆっくりとあげた顔は 雨と涙に濡れていた。[pcm] 真緒「莉緒? どうしたんだ?」[pcm] 莉緒「どこにもいかないで!!」[pcm] 真緒(……んん?)[pcm] 真緒「おい莉緒?」[pcm] 莉緒「お願いだから!!」[pcm] 体を震わせ、ぼくのシャツを強く握り締める莉緒。[pcm] 莉緒「お願い、お願いだから……」[pcm] ……いったい何を言っているのか分からない。[pcm] とにかく……落ち着かせよう。[pcm] 真緒「……うん、大丈夫だよ。ぼくはどこにも行かないって」[pcm] 莉緒「………」[pcm] シャツを握る力が弱くなったのは、ぼくの言葉に安心したからだろうか。[pcm] 真緒「少しは落ち着いたか?」[pcm] 莉緒「………」[pcm] 真緒「……ま、大丈夫かな」[pcm] 莉緒「………」[pcm] 真緒「でもビックリしたぞ。何かあったのか?」[pcm] 莉緒「………」[pcm] 莉緒は答えなかった。[pcm] 何かあったのは間違いないだろうけど、今は言いたくないって所か。[pcm] 無理に聞く必要もないから、また改めて聞いてあげよう。[pcm] 真緒「まぁとにかく、早く帰って着替えなきゃな。ずぶ濡れだぞ」[pcm] 莉緒「!!」[pcm] 真緒「……あれ? お前、傘はどうしたんだ? もしかして傘を忘れた?」[pcm] と言いながら莉緒の席を見てみるが、傘は無い。[pcm] 普通に考えて傘なら下駄箱の所だよな。[pcm] というか、莉緒は常に傘を持ってるわけだから、寮にでも忘れたんだろう。[pcm] で、雨が降る前に帰ろうとして、雨が降ってきたと。[pcm] 真緒 「莉緒、職員室に余ってる傘があるから、それ借りて帰ればいいよ」 莉緒「………」[pcm] 真緒「とにかく風邪ひくから、早く帰って風呂にでも入れ。な?」[pcm] 莉緒「いや!!」[pcm] 真緒「嫌って言ってもだな」[pcm] 莉緒「いや!!」[pcm] ……寮に帰りたくないのか?[lr] 寮の誰かと喧嘩でも?[pcm] ……考えにくいな。[lr] 莉緒がこんなになるまでの喧嘩なんて。[pcm] 真緒「……莉緒、寮に帰ってから話をしよう。なんなら送っていくしさ」[pcm] 莉緒「どこにも行かないって言った!!」[pcm] 真緒「……莉緒?」[pcm] 莉緒「どうして帰れなんて言うのよ!!」[pcm] 真緒「いや、だって寮に帰らないと」[pcm] 莉緒「……嘘よ、嘘よ」[pcm] 真緒「嘘も何も、このままじゃ風邪ひくぞ」[pcm] 莉緒「私がこんなだから……濡れたから……だから」[pcm] 真緒「……莉緒?」[pcm] 真緒(さっきからいったい何を)[pcm] 真緒(自分を見失ってる?)[pcm] 真緒(……理由がよく分からないけど)[pcm] 真緒(とにかく莉緒を寮に帰らせないと)[pcm] 莉緒「どこにも行かないって言うなら……」[pcm] 莉緒「ここで私を抱いてよ!!」[pcm] 真緒「だ、抱く!?」[pcm] 莉緒「早く抱いてよ!! 私の事可愛いって言ったじゃない!!」[pcm] 真緒「莉緒」[pcm] 莉緒「早く抱いてよ!!」[pcm] ……普通じゃない。[lr] いったい何があったのか知らないが、莉緒がこんなになるなんてよほどの事だ。[pcm] 真緒「落ち着け莉緒!」[pcm] 莉緒「嫌よ!! 嫌よ!!」[pcm] 必死でシャツにしがみついてくる。[lr] 離そうとしてもあまりの力に引き離せない。[pcm] 真緒「莉緒! 落ち着け!」[pcm] 莉緒「早く私を抱いてよ! 真緒くん!!」[pcm] 莉緒「ねぇ! 早く!」[pcm] 莉緒「私を抱いてくれたら、もうどこにも行かないよね? ね?」[pcm] 真緒(いったい何を……)[pcm] 真緒(いや、そんな事よりも)[pcm] これしか思いつかなかった。[lr] 出来るならこんな事はしたくなかった。[pcm] 莉緒「………」[pcm] 叩かれた右の頬を押さえるために、莉緒は手を離した。[pcm] 正気に戻ったのか驚いているのか分からないが、莉緒は呆然としている。[pcm] 莉緒「……あたしを抱いてくれないの?」[pcm] 真緒「……無理だよ。とにかく、少し落ち着こう」[pcm] 莉緒「な、なんで……? なんでなの??」[pcm] 真緒「………」[pcm] 莉緒「いや……いやぁああああああああああああああああ」[pcm] 真緒「莉緒!!」[pcm] 雨の音よりも大きな叫びをあげた後、 莉緒はそのまま床に崩れ落ちた。[pcm] すぐに抱き寄せ呼びかけてみるが反応はない。[lr] たぶん意識を失ったんだろう。[pcm] 事切れたかのような莉緒を前にぼくは、何も出来ずにただ考えていた。 突然ずぶ濡れで現われたかと思うと、抱いてくれだなんて……[pcm] いったい何があって、どういうつもりであんな事を……[pcm] だけどいくら考えても分かるはずもなく……[pcm] 真緒「莉緒……」[pcm] Back ↑ Next
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/184.html
今日も無事全ての授業が終了した。 「んー!やっと終わた~」と、伸びをするなた。 そして、すかさず現れる紫髪双尾のお姉ちゃん 「よっ。帰ろう~」柊かがみ。 「やあやあ揃いましたな。さて、本日のこれからの予定なのですが、またカラオケというのは如何でしょう?」 こなたは鞄からカラオケ屋のタダ券を取り出した。 「お父さんに貰ってね。各々、返答はいかに!?」 「またぁ?…ん~、まぁ良いわよ?特に予定とかないしね、ね、つかさ」 「…」 返事がない。まるで(ry 「つかさ?」かがみが覗き込むが 「私、いかない…」その顔、鬼の如く憤怒に満ちていた。 「私、こなちゃんなんかとは絶対いかない!」 そう言ってつかさは教室から出ていってしまった。 「あっ、つかさ…、あんた、ちゃんと謝ったの!?」 「…ま…だ…」 あの日、あの時、あの場所で、こなたが邪魔をしなければ つかさはずっといつまでも…後の歌忘れた。 「もう!はい!これ!早く電話して謝る!」かがみは自分の携帯を取り出し、こなたに促した。 「う…うん」チュルルルル…チュルルルル…ガチャ 『あ、お姉ちゃん?』 「つ、つかさ?あたし、こな」 ガチャ…ツーツーツー。 「かがみん…」 「もう!貸して!……何?繋がらないじゃない?圏外?…着信…拒否?」 ツーツーツー 「もう、こなちゃんの事なんか知らないんだから。いっつも私の邪魔ばかりしてさ!こなちゃんのくせにこなちゃんのくせにこなちゃんのくせに!」 ピッ!叩くようにつかさは電源ボタンを押した。 「どうしよう…拒否にしたらお姉ちゃんと連絡できないや…。そうだ、メールで…う~ん…これで…よし!」 送信→→→受信、ピロリロリん♪ 一方、まだ教室内のこなかが。 「あ、メール…つかさからだ…何何?」 「え?つかさから?何だって?」身を乗り出して覗き見るこなた。 「ちょ!こら、覗くな!!」「…何これ?暗号?全部絵文字じゃん…」 文字、ではなく絵の羅列、それはすでに言葉ではなかった。まさに暗号。 「うわぁ~、凄い怒ってるわ、つかさ。あんた、かなりヤバイわよ」「読めるんだ…かがみん…」 つかさメールの解読、かがみに備わった特殊能力であった。 「とりあえずつかさは家に帰るって。あと二人でカラオケ行ってって…」 「んじゃ、カラオケ、行きますか」「馬鹿!つかさに謝るの!はっきり言ってあんたの立ち位置微妙よ?最悪仲直りできないかもね」 「え゛?そんなに怒ってるの?」「爆発寸前よ!」 かがみは再びつかさに電話したが、つかさがそれに出ることはなかった。 下駄箱につかさの靴はなかった。 「かがみ…あたし、走って探してくるよ…」 こなたの顔がいつになく険しい。 「走ってって…私はどうするのよ?」 「一人でカラオケとか…嘘嘘ごめん。つかさ怒らせちゃったのあたしだしさ かがみは先に帰っててよ…見付かったら連絡するから…」 こなたの顔は少し青ざめていた。 「馬鹿、私もいくわよ、あんたの足には敵わないかもしれないけどね」 「…うん、ごめん、かがみ」「私に謝らないでよ」 二人はダッシュで学校を後にした。 流石こなた、かがみとの差は歴然であった。 快速を続けるこなたと息切れのかがみ、まるで別の生物であった。 「あれ?…ちょ、かがみ」と、遠くのかがみに合図を送るこなた。 「はぁ…はぁ…」かがみは息をするのもやっと、それを受け取れど返せなかった。 こなたの指差す先には、黄色いリボンがひょこひょことうごめいていた。 それがある店に入って行く。 「かがみ、つかさ、ゲーセンに入って行ったよ?」 ようやくこなたに追い付いたかがみ。 「ゲ、ゲーゼン?」 尾行を開始する二人。 つかさはある対戦格ゲーの匡体の前にいた。それにお金を入れるつかさ。 荒々しい技で相手を痛めつけていく、のかと思いや、パターンが読まれ、あっさりKO。 バン!とコントロラーに手を叩き付け、つかさはその場を後にした。 つかさの次なる標的はパンチングマシーン。 人気アニメ「がんばれ元気」仕様で、若者に大人気の台だった。 チャリンと小銭が吸い込まれていく。 殴るやつがひょこっと起き上がり、渾身の力で殴りかかるつかさ。 起きては殴り、起きては殴りの繰り返し…全身全霊を込めた重撃の評価は…平均以下、下の下だった。 はぁ、と息を漏らすつかさ。籠の鞄を持とうとすると、傍らに見知らぬ少年が立っていた。 髪を染め、顔のいたる所ピアスをつけた少年。 少年はつかさの肩に手をかけ、そっとつかさの唇を奪ってしまった。 つかさも嫌がるそぶりを見せず、両手を少年の首に回している。 「ちょっとあんたぁ!!」堪えきれず、かがみが飛び出して行った。 「何やってんのよ!?あんた達!つかさ!あんたね!…あ、あれ?」 二人を引き裂いて初めて気が付いた。 この子、つかさじゃない… 「ごごごごごごめんなさい!」 顔を真っ赤にして謝るかがみ。 けっ!てな感じでつかさ風の女の子と少年は去っていった。 「…こぉなぁたぁ…どう言う事よ…」 「あ、ははははは…人違いだったみたいだね…あははははは」 「もう、大恥かいちゃったじゃない!」 足早にゲーゼンを出た二人。 「いやはや、まさか偽つかさがいたとはね…すびばせんでした」 「まったく!…あ」 出た先でかがみはある視線に気が付いた。 隣の書店の袋を抱えた女の子がこっちを見ている。 「お姉ちゃん?…あっ…」視線を反らす女の子。 この声、この顔。間違いない。 「つかさぁ、良かったぁ、見付かって…。探したんだよ?」 ぐわし!と、つかさの肩を抱くかがみ。 「え?カラオケ行ったんじゃないの…?」 「つかさ置いて行くわけないでしょ!?それに」 突き刺さるかがみの視線。 言葉はないが、電波は伝わる。 『コナタ ツカサ ニ アヤマレ』受信完了。 こなたはつかさに歩み寄るが、つかさの視線は下にあった。 「つかさ…」つかさは答えない。 「つかさ、あの時はごめん。調子に乗りすぎたよ。 あたしすぐ暴走しちゃうからさ…あの時もつかさを応援してたつもりだったんだけど なんか、自分の事しか考えてなかった…かも…ごめん。て、いつもだよね。…ごめん、つかさ」 無言のつかさ。 「こいつも悪気があったわけじゃないんだし…つかさ、許してあげてよ」 かがみの助け船。 「…」変わらず無言、でも表情が次第に変わっていく。 「うん…うん!その変わり…」 ついに和解。その変わり、つかさはある条件を出してきた。 これからみんなでカラオケに行く事+こなた自重しる。 「よぉし。今日は宇宙刑事ギャバン、歌っちゃうぞ~」 「あはははは…はは(こなちゃん…わかってくれたのかな…)」 ー繋がった?心ー完ー
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1164.html
長門がいなくなって数日経ったが気になることがある。 手紙の最後の言葉・・・。”新しいインターフェースとコンタクトをとって” 結果から言えば呆気なくどういうことなのか判明した。 俺にとっていつも通りではない文芸部室で古泉とオセロでやっていた時。 いつも通りの勢いでドアが開いた。 「みんな~!まった~?」 「今日は紹介したい子がいるのよ~!その名は!」 「長門有希でーす!今日転校してきたばかりだけど面白そうだからこの部に入ろうと思ってまーす。」 「古泉君の次にまたもや謎の転校生よ!」 な、長門!?いや、どう考えても違うだろ。見た目はもしかしたら長門かもしれないが。中身がおかしいって。 「あっ、キョンくーん。会いたかった~!」 こ、こら。抱きつくな! 「キョンその娘と知り合いなの?」 「えっと・・・まぁ遠い親戚みたいなのかな・・・。」 「ふーん。」 どうなってんだながと!?それにそのテンションは・・・。 「細かいことはあとあと!終わってから帰る振りしたらまた文芸部室に戻ってきてね!」 その後の長門はハルヒと部活動終了までずっと話をしていた。 全員部室から出て行ったところを見計らって再度部室に入る。 長門は折畳式テーブルの前に立っている。 「で、お前は本当に長門有希なのか?」 「確かに長門有希だよ!でも正確には新しい長門有希だけどね。」 「それはどういうことなんだ?」 「以前の長門有希と同じところは外見と蓄積されたデータと能力そのたもろもろなんだけどぉ。 精神だけはまるっきり別ていうか、以前の長門有希だとなぜかエラーとかバグがいっぱい発生してたんだよね。 だから以前の長門有希のデータから有機生m・・・人間と一番触れ合いやすいと思われる形で再構築されたのが あたしなの。だから、長門有希であって長門有希ではないの。」 「それなら新しいインターフェースってのはお前で良いのか?」 「まぁそういうとなんだけどね。暗くなってきたからそろそろ帰りましょ!」 そんなこんなで今、長門に腕を抱かれながら帰宅中。 あの~あたってるんですけど~・・・。 「あててんのよ!」 はぁ、そうですか。 「なに~?やっぱりこうされるんならみくるちゃんとか涼宮さんがいいの~?」 いや、そういうわけでは。 「じゃぁ、いいでしょ!」 途中の分かれ道でやっと離れることができた。あぁ・・・でもあの感触も・・・ ってなに考えてんだ俺は!! 先が思いやられるぜ・・・。 学校に来て放課後まで一気に時間がすっ飛んだかと思うほど今日ほど時間の感覚が無い日はないだろう。 下らん授業中の様子がどうだなんてことはだれもが気にすることじゃないと思うが唯一言える事はなぜか いつもより教師どもの下らん世間話が多かったことだろう。 まぁおかげで早々に朝比奈さんのいるであろう文芸部室兼SOS団部室へ向かうことができるがな。 文芸部室前。いつもの朝比奈ボイスを期待にドアをノックする 「は~い、どうz」 「キョーンくん待ってたよぉ!」 ドアを開けようと手をノブに伸ばしたとたんドアが開けられ何かが押し倒して・・・いや、体当たりしてきた。 「おっそいよキョンくん。待ちくたびれたー」 俺じゃなかったらいったいどうするつもりだったのだろうか。 「わざわざノックしてくれるなんてキョンくんだけでしょぉ~」 ああ、そういえば前の長門の記憶は引き継がれるのか・・・。 「あ、あの!キョンくん。何をしておられるんで・・・」 え?朝比奈さん・・・って長門!早くどいてくれ! ・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ ・・ 「キョンくんお茶ですぅ。」 朝比奈さんありがとうございます。 「みくるちゃんあたしのもお願しま~す」 「はいはい」 「また新しく買ってみたお茶なんでけどどうでしょうか・・・?うまく煎れれてればいいんですが・・・。」 「もちろんおいしいですよ。」 「よかったぁ!」 何度か行っている気がするが朝比奈さんが煎れれば下水の水だってアルプスの天然水以上だ! ・・・ 「ねぇ、なんでキョンくんはいつもみくるちゃんとか涼宮さんばっかり見てるの?」 「長門・・・?」 「みくるちゃんはずるいよ。キョンくんと仲良くなんかしちゃいけないのに。」 「長門。」 「なんでみくるちゃんは「長門!!!」 椅子を後ろに蹴り倒して立ち上がっていた。頭に上っていたちが一気に落ちていく。 何で長門がこんなことを言い始めたのだろうか・・・。 「すまん。頭を冷やしてくる。」 そんなことを俺は言っていた。本当はその場からすぐに逃げたいだけだった。 翌日から長門とはほとんど口をきかなかった。 だが、ある日。下駄箱に手紙が入ってた。”放課後、部活が終わったらまた文芸部室に来て。” 長門からだった。これは俺からも誤るチャンスだろうと思った。 微妙に悪い空気の中で部活動終了後。また文芸部室へと戻ってくる。 「長門・・・。」 「あのね・・・もうすぐお別れなの・・・。」 何を唐突に!? 「本当はあたしは人とうまく触れ合えるように作られたテスト用のインターフェースなの。うまくいったら 観測とテストを継続できたんだけど・・・キョンくん怒らせちゃったから・・・。失敗なの。」 「あれは俺がいけなかった。長門が何を考えていたのか分からなかった。つい頭に血が上って・・・」 「だったら・・・なんで?・・・なんであたしをもっと見てくれないの?」 俺の前にいる彼女の目に光る粒が浮かぶ。 長門・・・すまなかった・・・。 そういいながら俺は長門を抱いていた。 「キョンくんの匂い・・・。ありがとう・・・。でも、もう消えちゃうの。」 下を見るともう長門の足が光の粒となって消えかかっていた。あの時のあいつと同じように・・・。 「長門!!!!」 「最後に一つだけお願いしても・・・いい?」 「ああ・・・。」 長門は目を瞑って少し背伸びした。 俺は黙ってその柔らかな口に重ねる・・・ ・・・何かがあたるような感触は無かった・・・ 俺は・・・俺は2回も長門を・・・。 「わたしはここにいる。」 長門!? 俺のorz体制前に長門がいた。昔の・・・長門だ・・・。 「どういうことだ!?」 「テスト用が失敗という結果になった。そのため元のデータにより復元された私がいる。」 そうか・・・長門は無事だったのか・・・。 「貴方のために・・・もう少し笑えるようにする。」 そう言った長門は薄く微笑を浮かべていた・・・。その笑い顔にはハイテンションな長門の名残があった ように思える。 あんなハイテンションな長門もよかったかな・・・。 ---fin---
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4773.html
「物質、エネルギー、そして情報。これが、宇宙を構成する三つの要素」 「情報統合思念体って、どういうものだと思ってる?遠い宇宙の果てのはてにある、銀河みたいな星の固まり?それとも、宇宙に漂う、 何か大きなクラゲみたいなもの?」 「どっちも外れね。情報統合思念体は、この宇宙を構成する情報全て。全宇宙の情報が、時に秩序を形成し、 時に無秩序に増殖する。そして、それらを認識する情報。これが情報統合思念体。率直にいえば、この宇宙全体が統合思念体なのよ。 もちろん、あなたも私も思念体の一部。でも安心して、あなたが自分の体の細胞の1つを認識できないように、 思念体もあなたのことなんか全然気にしていないから。」 俺と朝倉は、今カラオケボックスのベンチシート席に居る。最近のカラオケボックスでは、少人数の客はこうしたベンチシートルーム、 3人掛けくらいのベンチ1台に向かい合うようにマシンが設置された小部屋に案内されるようになっている。今日は団のメンバー抜きでの 朝倉との二人連れであり、世間一般的に見ればまあ非常に羨まれるべきシチュエーションなんであるが、やはり一度なりとも刃物で殺され かかった相手というものはなかなかその恐怖を体が忘れづらい。あと、朝倉、普通に会話するだけなら別にマイク使う必要ないだろ。 事の発端はこうである。 朝倉とSOS団の『懇談会』以来、一段とその頻度、クオリティともに激しさを増した長門のレッスンのせいか、俺は最近思い出し笑い、 思い付き笑いを所わきまえず非常に頻繁に繰り返すような状態になってしまい、だんだんクラスでも浮いた存在になってしまってきている。 最近では谷口も挨拶を一拍置いてから返すようになってきているし、国木田は弁当を別のクラスで喰うようになった。笑いさざめくクラスの ドアを開けて教室に入ると、今まで談笑していた生徒全員が一斉に俺の事を注視する、と言ったことも1度や2度ではない。 ハルヒは一人 「なんか、最近のキョンちょっとオモシロイわ!何ていうかほら、バガボンドの最初の頃に出てきた『不動さま』みたい!」 と盛り上がっているが、うん、まあ、ホントはあんまりおもしろい状態でもないんだろ。俺も自分でわかるからさ… そんな孤独と焦燥のさ中にあって、再びクラスの中心人物に返り咲いた朝倉が 「キョン君、今日放課後空いてる?空いてるなら、ちょっと付き合って欲しいんだけどな♪」 と聞えよがしに話しかけてきてくれた時、俺は1も2もなく飛びついてしまった。誰だってそうだよな? そして、放課後俺は口早にハルヒに団活を休む旨を告げると、下駄箱で待ち合わせした朝倉に手を引かれる様にこのカラオケボックスまで来たという訳だ。 「でもね、涼宮さんは別。あなただって、突然自分の体の一部がチクッと痛んだりしたら、何かな、って思うでしょう? 思念体もそう思ったの。いつもどおりに生活していたら、体の一部が変におかしい。何だろう?と思って立ち止まり、調子がおかしい 箇所をしげしげと見ている。調子がおかしい箇所が涼宮さん。それを見つめている目や、触って調べたりしている指が私たち。」 「そういう訳で派遣されてる私たちなんだけど、まあ、私たちだって完璧ではないわけなのよ。同じ宇宙の構成物なんだしね。 目だって指だって病気になるしケガもする。変なものを見ちゃったり、触っちゃったりしたら。」 そう言って、にじり寄ってくる朝倉。 「涼宮さんみたいな強い存在のそばにいたら、私達端末も影響を受けちゃうのよ。本来の機能からエラーを起こして、 自分で勝手に情報を紡いでいくようになるの…あなた達の体でいったら、ガン細胞ね。心でいったら、何かしら…」 朝倉の顔が近い。つぶらな瞳が、俺を真正面から捕えて離さない。 「いっそ、本人に聞くのが一番早いかも♪」 個室のドアが勢いよく開く。廊下の蛍光灯のまばゆい光を逆光に、小柄なシルエットが目に飛び込む。 『…二人とも、表に出ろ』 長門がいた。いつも通りの、高熱に燃える炎のような青白い表情で。 ------------------------------------------------------------------ 俺達がカラオケボックスにいる間に表は小雨になっており、長門は自分で持ってきたであろうビニール傘を差し、 俺は頑強に拒みはしたものの朝倉の持っていた折り畳み傘に結局引っ張り込まれてしまい、先を行く長門の2メートル ほど後ろを2人でついて行っている。 駅前から離れ、踏切を渡りやや閑静なあたりに差し掛かる。 「この前のカラオケでのキョン君の歌。あれ、歌じゃないわ。心の悲鳴よ。キョン君の。」 朝倉が足を止め、長門に声をかける。 「わかってると思うんだけど、最近のキョン君、ちょっともう限界よ。ここまで彼を追い詰めて、何をしたいの?」 長門も足を止め、傘を片手に雨の中、背中で朝倉の言葉を聞いている。 『…獣は、追い詰められた時に一番良い声で鳴く。赤子の声が一番心を打つのは、その母親を呼んで泣き叫ぶとき。』 『歌は、惚気話でもなければ、自慢話でもない。人間の、泣き声。叶わぬ望みが心に叫ばせるもの』 振り向きもせず答える長門。 『だから、人は歌に心をふるわせる。人が、人の泣き声を聞き過ごせぬよう、人の心は、歌にとらえられる』 「なかなか言うじゃない… …まるで、人間にでもなったみたいに。」 口角を上げて、朝倉が答える。 「でも、長門さん、わかってるかしら?私達、端末よ。そんな感傷、本来の機能にはないの。エラーが溜まりすぎちゃったのね。 システムの処理の、暴走。人によっては、こういう風にも、言うかしら」 「『精神病みたいな、もの』、って」 ビニール傘が転がる。 振り向いた長門の顔。いつも通りの、軽く結んだ唇、澄み切った黒い瞳。その瞳の縁から、小雨に打たれた顔の頬を二筋の流れが伝っている。 「観測用端末の更新が発令されたわ。長門さん、あなたはもうとっくに暴走状態。思念体への報告すら満足に行っていない。 私が来たのは、バックアップのためじゃない。あなたと交代して、私が涼宮ハルヒを観測するの。」 「あなたはもう、観測を行える状態じゃない。復旧すらおぼつかないエラーの蓄積状態で、観測対象の周囲にすら影響を働きかけて きている。これはもう、思念体による観測活動継続の為の、除去の対象。つまり---」 朝倉が傘を手放した。 「パーソナルネーム長門有希を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除します。」