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第3回カート王決定戦 開幕戦 名前 成績 1st 2st 3st ニヤニヤさん 117 35 53 29 カノさん 97 36 23 38 ポニョーポニョさん 95 28 30 37 るんさん 90 26 21 43 れいむさん 83 37 20 26 KOHさん 38 13 18 7 かみよ 25 6 17 2 だいくん 19 7 6 6
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俺は一匹のゆっくりを飼っていた。とても可愛らしいゆっくりれいむだった。 過去形なのは別に死んだわけではない。今でも元気に一緒に暮らしている。 「ゆゆーん。お兄さんれいむお腹空いちゃったよ。可愛いれいむの為に早くごはんさんを用意してね!」 腹を空かせたと言って俺にご飯をねだるれいむを、俺は憂鬱な気分で見る。 そこには珍しい胴付きのれいむが立っていた。俺が雑誌で応募して見事一等の景品で当てて飼いゆになったれいむだ。 しかしその姿は見事に丸々と肥えている。自慢のすばらしい腋は腕と体の肉で今ではほぼくっついている。 顔もすっきりと整っていた昔と違い、普通のゆっくり以上の下膨れとなってひどいものだ。 しなやかですべすべだった脚線美は、膨れ上がり足の隙間がない。 何より酷いのはその腹回りだ。自慢の巫女服からはみ出しており、おっさんのビール腹のようにぽっこりしている。 こうなった原因は俺がつい可愛がり美味い物やおかしを大量にあげてしまったせいだ。 加えて仕事が忙しく、家を空けがちにしてしまい一人きりの寂しさによるストレスでれいむはおやつをドカ食いしていた。 その結果がこれだよ!最初はちょっとむちむちしていて可愛いと言っていたらここまで太ってしまった。 「何お兄さん。可愛いれいむに見とれてるの?ゆふふ、可愛くてごめんねぇ~!」 俺が見つめているのは勘違いしたのか、れいむはいやんいやんと体をくねくねさせる。 昔なら見とれていたが、今では無駄な贅肉がぷるぷる震えて嫌でも現実を再確認させてくれる。 「れいむ、ごはんはさっき食べただろ?それにおやつも食べたばかりじゃないか。」 「あれっぽちじゃ全然足らないよ!可愛いれいむのためにお兄さんは早くごはんさんを用意してね!」 デザート付きの食事に加えて、おやつも食ったのにまだ食うのかよ! 内心怒りも湧いてくるがこれも原因は全部俺のせいだ、だがここでただ食事を用意してはまだ太ってしまう。 「それなられいむ、一緒に公園に遊びに行こうか。体を動かした方がもっとごはんさんも美味しくなるぞ。」 「それもそうだね!じゃあお兄さん、早くれいむを公園に運んでね!」 自分で歩けよ!と言いたくなるが、ここでれいむを叱ってはあの煩い金切り声で泣くだろう。 壁の薄いこのアパートではお隣に迷惑をかけることになる。しかたなく俺は公園まで重いれいむをおんぶして公園に向かった。 近いはずの公園なのに、れいむは背負っていたこともありとんでもなく疲れた・・・。 「お兄さんはだらしないね!もっと運動しなきゃ駄目だよ!」 お前が言うなよ。まぁここで少しでも運動してくれれば痩せて俺も助かるのだが。 「ゆふぅー、太陽さんはぽかぽかしてて気持ちいいね!れいむは日向ぼっこするよ!」 そう言ってれいむのやつはベンチに座ってゆっくりとくつろぎ始める。 その手には家から持ってきたクッキーの袋が握られており、次々と美味そうにクッキーを口に運んでいく。 「お兄さんもクッキーを食べようね!このクッキーはすごく美味しいんだよ!」 こうやって偶に可愛いところを見せてくるのが汚いんだよな。 見た目も性格もどこに出しても恥ずかしいほどにでいぶ化してるが、こうやって昔みたいな可愛さを出すから困る。 もしかしたら俺のことをおちびちゃんとでも思っているのか。 「なんだかあまあまのにおいがするよ!まりちゃにもそのクッキーさんをすこしわけてね!」 クッキーの匂いに惹かれてきたのか、何処かの飼いゆっくりである子まりさが寄ってきた。 お帽子には銀バッジが輝いており、飼い主にも愛されているのかその体は非常に綺麗だ。 「れいむのクッキーを盗ろうとするなんてとんでもないゲスだね!れいむがせいっさいするよ!」 「ゆびゃああああああ!まりちゃのおかおがああああああ!おねえさんたすけてえええええ!」 いきなりまりさの顔にトゥーキックをかますれいむ。 蹴られたまりさは悲鳴をあげながら広場の方に転がって行った。 「駄目だろれいむ!あのまりさはただクッキーを分けてほしかっただけなのに!」 「何言ってるのお兄さん!あのまりさはクッキーを盗もうとしたゲスなんだよ!ゲスはせいっさいされて当然だよ!」 俺が叱りつけても自分のとんでもない理論で反省をしないれいむ。 そうしているとまりさの飼い主であろうか、まりさを抱えた女性が近付いてきた。 「なんてことしてくれるんですか!?うちのまりさは何もしてないのにいきなり蹴るなんて!」 すごい剣幕で怒鳴る女性に、俺はひたすら謝り続けた。どう考えてもこちらが悪いのだから。 「悪いのはそのれいむのクッキーを盗ろうとしたゲスだよ!だからお兄さんはババアに謝らくてもいいんだよ!」 火に油を注ぐようなことを言うれいむに、女性がさらに喚くことになった。 れいむを黙らせて、結局俺はまりさの治療費と謝罪を繰り返しなんとかこの一件は解決できた。 これ以上何かしでかさないうちに、俺はすぐにれいむを背負って家に帰ることにする。 「まったくお兄さんは情けないね!あんなババアにぺこぺこするなんてれいむ恥ずかしいよ!」 俺の苦労を知らずにそんなことを言うれいむに一瞬ビキィッとなるが、、れいむがこうなったのは俺が原因なのだ。 それに普通のれいむではなくこいつは胴付きであり、めったに飼えないゆっくりなのだから捨てるのももったいない。 溜息を吐きながら新聞を読んでいると、ある部分に俺の目をくぎ付けになる。 「これだ!これでまたれいむが元に戻るぞ!」 俺が見たのはゆっくりを躾けるためのゆっくりセンターの広告であった。 俺はすぐに電話をかけ、さっそく話を聞くために次の休日にゆっくりセンターへ行くことにした。 れいむと共に俺がゆっくりセンターへ来ると職員の男性に個室へと連れて行かれた。 机と椅子以外には何も無い殺風景な部屋だ。 「お電話ではあまり詳しいことは聞けませんでしたが、まずどうしてれいむちゃんがこうなったか、 飼い主である貴方から説明してもらえますか?」 俺がこれまでの経緯とれいむが公園で飼いゆを傷つけたことを話すと、職員は苦笑いでこちらを見ている。 「れいむちゃんにも責任がありますが、やはり一番の原因は飼い主である貴方にありますよ。 正直胴付きででいぶになったなんて、私たちでも初耳ですからね。」 返す言葉も無い、しかも胴付きのでいぶを初めて育ててしまったという不名誉な事実まで分かってしまった。 恥ずかしさで俯く俺に、れいむが声をかける。 「お兄さんどうしたの?落ち込んでるなら可愛いれいむをみてゆっくりしてね!」 「優しいですねれいむちゃんは。これならまだ更生の余地がありますよ。」 その言葉に俺は希望を持つ。見た目はまだしもでいぶ状態から抜け出すことが出来るかもしれないのだから。 俺が更生の依頼をしようとする前に、職員は俺の言葉を遮るように言葉を放つ。 「ただし!またでいぶになっても困るので飼い主である貴方もここゆっくりセンターで勉強してもらいます。 せっかく元に戻っても、またでいぶになったら意味がありませんからね。」 そう言うと職員は書類を取り出し俺にれいむの更生計画について話す。 プランとしては俺とれいむがこのゆっくりセンターで二泊三日で泊まり込み、更生をするといった内容だ。 本来なら一か月のプランもあったが、社会人である俺にはそこまで長期休暇は取ることは難しい。 そこでスパルタ教育ではあるが、この二泊三日でなんとかするのだ。 俺はさっそく書類にサインをしてこの合宿の準備のために家に戻った。 ぐずったれいむがお腹が空いたと騒ぐので、途中でタイ焼きを買わされたがこんなわがままともおさらばだ。 れいむには美容のためだと言って誤魔化しこの更生教育に参加させることにする。 あの可愛らしいれいむを取り戻すために俺も心を鬼にするぞ! 「私が教育教官のゆうかである!これかられいむには立派な飼いゆっくりになるための教育を受けてもらう! 口で『ゆっくりしていってね!!!』て言う前に『わかりました!!!』と言え!」 合宿初日、ゆっくりセンターの運動場で俺とれいむを待っていたのは胴付きのゆうかだった。 凄みのある声でれいむに向けて大声で怒鳴りつける。 「偉そうにしないでね!れいむは偉大な金バッジなんだよ!バッジも無いゆうかがれいむに命令しないでね!」 反抗したれいむに向けてゆうかがゆっくりしつけ棒で顔を叩くと、痛みに慣れていないれいむは激痛で声も出せずに地面で悶えている。 「誰が喋っていいと言った!喋っていいのはゆうかの質問に答えるときだけよ!」 あまりの迫力にさすがの俺もちょっと怖い。躊躇いながらも俺はゆうかに質問する。 「なあゆうか、これはちょっとやりすぎなんじゃないかな?れいむが可哀想なんだが・・・」 「痛くなければ覚えませんお兄さん。それに今回はスパルタ教育だから厳しくいかないと駄目なんです。」 れいむと喋るときと違い、穏やかに答えるゆうかに驚く。よく考えれば甘やかしてこうなったんだ。 俺もついれいむを心配してしまったが、ここは心を鬼にしないと。 「早く立ちなさいれいむ!それともまた痛い目にあいたいの!あと返事は『分かりました!!!』よ。」 「わかりました!」 「ふざけるな!もっと大きな声で!ぺにぺに切り取ってでいぶの家系を断ち切るわよ!」 「わかりました!!!」 涙目で大きな返事を返すれいむ。もはや逆らおうとする気力はないのか、ゆうかの言うことを素直に聞いている。 満足したのかゆうかはさっそく本日の訓練内容を言う。 「今日やるのはでいぶの体力をつける為に運動場を歩いてもらうわ!ゆっくりでいいから最後まで歩くこと! お兄さんはれいむの手をつないで疲れたれいむを励ましながら一緒に歩いていってください。」 そう言われた俺はれいむの手をつなぎゆっくりと運動場を歩くことになった。 歩く速さもゆっくりであり、昔一緒に散歩していたときが思い出される。 後ろからは距離を空けてゆうかが一緒にしっかりと付いてくる。 「もう疲れたよ!お兄さんは可愛いれいむをおんぶしてね!」 歩いて十分もしてないうちにれいむが弱音を吐いてくる。 正直もうちょっと期待していたのだが、近頃は外にもいかずゴロゴロしていたのだから体力がないのも仕方ない。 「れいむがんばろうな、これも昔みたいに綺麗になるためだから。」 「何言ってるの!?れいむは今の方がずっと綺麗だよ!お兄さんは早くれいむをおんぶしてね!」 文句を言って座り込むれいむに、追いついたゆうかがその頭に拳骨を落とす。 頭を押さえて痛がっているれいむにゆうかが怒鳴る。 「誰が休んでいいと言った!お兄さんはすぃーじゃないんだから自分の足でちゃんと歩きなさい!」 「わかりました!!!」 再び拳骨を握りしめるゆうかを見て慌てて返事をしてまた歩き出したれいむ。 引っ張られてよろけるが何とか踏ん張ってれいむと一緒に歩き続ける。 「ただ歩いているだけじゃつまらないから、一緒にお歌を歌うわよれいむ!」 「れいむはお歌さんは大好きだよ!早く歌おうね!」 「良い子ね。それじゃあ私が歌うからその後に続いて歌ってね。」 咳払いをしてからゆうかは大きな声でお歌を歌い始める。 「ありすがまりさにす~りすり!」 「ありすがまりさにす~りすり!」 「ありすがまりさにこういった~!」 「ありすがまりさにこういった~!」 「れいぽぉ!れいぽぉ!」 とんでもない歌詞に思わず吹き出してしまう俺とれいむを見てゆうかは不思議そうにする。 「何してるのれいむ?はやくお歌を歌いなさい。」 「どうしてそんなお歌を歌うのおおおおおお!れいむはもっと楽しいお歌が歌いたいよおおおおお!」 その返事としてゆうかはまたれいむの顔をしつけ棒で叩き、痛みに泣きだすれいむをゆうかが睨みつける。 「誰がれいむの好みを聞いた!ここではゆうかの言うことを聞くのよ!分かったらちゃんと歌いなさい!」 「わかりました!!!れいぽぉ!れいぽぉ!」 正直さすがに恥ずかしかったがれいむも歌っているのだから俺も歌わざるを得ない。 こうして途中に休憩を挟みながらもれいむは四時間ほど歩き続けることに成功した。 疲労困憊のれいむにゆうかは今までと違い優しい声をかける。 「よく頑張ったわねれいむ。今からお風呂とご飯さんだからもうちょっと頑張るのよ。」 「ご飯さんなんだね!ゆっくりしないで早く食べたいよ!」 さっきまでの疲れは何処へやら、れいむは元気よく立ち上がりゆっくりセンターに走りだす。 しかし足がもつれて顔から地面にぶつかった。 「慌てるからよ。まずはお風呂で汗を流してからご飯さんを食べましょう。」 ゆうかは優しくれいむを立ち上がらせると、仲良く手をつないでゆっくりセンター内にある大浴場に向かう。 中々有名な所らしく、わざわざ風呂の為だけにここにくる人もいるようである。 もちろん人間も入ることもでき、ゆっくりと一緒に仲良く入浴することができる。 ゆうかの裸を期待して誘ったがやんわりと断られた、畜生・・・。 「れいむの髪はとても綺麗ね。」 「そうでしょう!れいむの髪の毛さんはすごくきれいなんだよ!」 「今日は沢山汗を掻いたからちゃんと洗わないと。」 「ゆぎゃあああああああ!シャンプーさんがおめめに入っていたいいいいいいい!」 「ちょっとれいむ!?暴れないで。ってそんなとこ触っちゃ駄目!」 男湯でのんびり浸かりながら隣から聞こえる声に聴き耳を立てる。 どうやら暴れたれいむがゆうかの大事な所を触っているのか、ゆうかは何とも言えない艶っぽい声を出している。 心身ともにすっきりした俺は一足先に食堂で待つことにした。 「それじゃあれいむ、いただきますをしてご飯さんを食べましょうか。」 「ゆっくりいただきます!」 きちんといただきますの挨拶をした後でものすごい勢いで食事を始めるれいむ。 動いた後の食事は美味いのか、いつもよりも多く食べている。 「なあこんなに食べて大丈夫なのか?」 「大丈夫ですよ、たくさん運動して食べたならうんうんさんもたくさん出て太るどころか痩せるんです。」 俺の質問にはっきりと答えるゆうかには感心するが、食事中にうんうんはないだろう。 まあゆうかのうんうんなら喜んで食うけどな!? 「ゆふぅー、たくさん食べてれいむは満足だよ!れいむのスーパーすやすやタイム始まるよ!」 「誰が寝て良いと言った!次はお部屋でお勉強さんの時間よ!」 疲れていることもあって昼寝をしようとするれいむに、再び鬼教官モードになったゆうかの怒声が飛ぶ。 今までの優しいゆうかからまた恐ろしいゆうかになったことに驚いたのか、れいむは怯えながらゆうかに声をかける。 「ゆ、ゆうか。そんなに怒るとゆっくりできないよ!一緒にお昼寝してゆっくりしようね!」 「何か勘違いしてるようねれいむ、私がゆっくりできるのはれいむが立派な飼いゆっくりになることなの。 わかったらすぐにお勉強の準備をするように!」 「わかりました!!!」 食堂から移動してゆうかに連れてこられたのは最初の日に来たような机と椅子しかない殺風景な部屋だ。 ただし窓にはブラインドが下げられ、壁にはスクリーンが用意されていた。 ゆうかが機材を準備し終えると電気を消し、部屋は真っ暗になった。 「これから見るのは飼いゆっくりのマナー教材ビデオよ!居眠りしないでちゃんと見るように!」 そう言ってれいむの隣に座り一緒にビデオを見るゆうか。 内容はいたって普通の飼いゆのマナーについてが分かるものだ。 食事中はしあわせーと言ってはいけない、人間さんに逆らってはいけない、野良ゆとのすっきりーや、飼い主の許可なく 番とすっきりーして赤ちゃんを作ってはいけないと基本中の基本が流される。 「ゆぴ~。れいむもう食べられないよ~。」 いつの間にか眠っていたのか、夢の中で何か食べているのか幸せそうに寝言を言っているれいむ。 それを見たゆうかはれいむを殴ることもなく何やら変な機械を取り出している。 「お兄さん、少しれいむを押さえいてくれますか?」 ゆうかに言われて俺はれいむの体を押さえつける。 その間にゆうかは取り出した機械をれいむの顔に取り付け外れないよう、固定をしている。 さすがに気づいたのか気持ち良さそうに寝ていたれいむが目を覚ました。 「なにこれ!なんだかゆっくりできないよ!」 「お勉強中に寝るようなれいむには罰を与える!今からは野良ゆの凄絶な虐待映像を見てもらうわ!」 そう言ってゆうかは今までのマナー教材ビデオを入れ替え、新しくビデオを入れる。 「やべでええええええええ!もうずっぎりじだぐないいいいいいいい!」 「おめめがみえないよおおおおおお!おかあしゃんたちゅけてえええええええ!」 「おにいさんやめてえええええ!そこはゆうかのはずかしいところ!」 「しにたくない!まだしにたくないよおおおおお!」 「どぼぢでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!」 「あんよざんうごいでね!はやぐじないどれみりゃにだべられるよ!」 無理やりレイパーにすっきりされ続けるれいむ。アマギりされて親に助けを求める赤れいむ。 じわじわと潰されていき死の恐怖に怯えるれいむ。可愛い我が子を目の前で一匹残らず殺されたれいむ。 あんよを焼かれてれみりゃの前に放置されたれいむ。見事にれいむ尽くしの虐待映像だった。 途中に胴付きゆうかがHENTAIにまむまむを舐められていたが、あれは何だ?気のせいかこのゆうかに似てたような? 「怖いよおおおおお!おめめさんどぼぢでとじられないのおおおおお!」 映像を見まいと目を瞑ろうとするが、ゆうかに取り付けられた機械のせいで瞼を固定されている。 こんなことしたら目が乾燥して危ないんじゃないのか。 「大丈夫です、一定時間おきに目薬さんをしますから体に影響はありません。 こうやって虐待映像を見ることで人間に逆らわないようにするのが目的ですから。」 もう教育じゃなくて洗脳の類ではないのかと疑問に思うがこれもしかたない。 れいむを元に戻すため俺は心を鬼にしたのだからな!こうして三時間ほどビデオを見せられたれいむは、 神経がすり減ったのか食事もあまり摂らずにすぐに寝てしまった。 二日目の朝は最初の日の様にまた運動場を歩き続けた。 多少は慣れたのかれいむの足取りも比較的軽くなっているようだ。 二時間ほど歩き続けて朝食を食べた後に、ゆうかは俺たちを室内運動場へと連れていった。 「これよりれいむには野良ゆっくり百人組み手をしてもらう!ルールは簡単、出てくるゆっくりをすべて動けなくすれば終了よ!」 「わかりました!!!れいむに任せれば汚い野良なんていちころだよ!」 最初に出てきたのはまだ成体にもなっていない、ぱちゅりーであった。 当然胴付きであるれいむが負けるはずもなくあっさりとぱちゅりーを足で潰した。 「ゆっふん!やっぱりれいむは強いね!」 「なあゆうか、これって何の意味があるんだ?ただれいむを増長させてるだけじゃないのか?」 「最初は誰でも勝てる相手をわざと出すんですよ。段々と相手も強くなっていきますし、何より疲れてきますから。 お兄さんにはれいむがやられそうになったら助けてあげてください。そうして飼い主さんへの感謝を身につけさせるんです。」 なるほどそういうことなのかとれいむの方に目を向けると、結構な数を潰したのか床が餡子やクリームだらけになっている。 しかし、好調そうな様子も半分ほどの数まで達するとその顔には疲労が浮かんできた。 さらに相手も成体になっており、その相手も狩りがうまいまりさや木の枝で武装したみょんに変化している。 「びっぐまらぺにす!」 「ゆぎゃあああ!れいむのきれいなあんよがああああ!」 ふらついてよろけている所に、みょんが口にくわえた木の枝でれいむの足に突き刺す。 悲鳴をあげて倒れるれいむに向けて、みょんは容赦なく木の枝でれいむの体をめった刺しにして穴を開けていく。 「お兄さん!れいむを助けてあげてください!」 ゆうかに言われて俺はすぐさまれいむを助けに走り、執拗にれいむを刺しているみょんを蹴りつける。 「ますたーべーしょん!」 「ゆわああああん!お兄さんありがとおおおおおおお!」 卑猥な言葉で断末魔をあげたみょん。 れいむが泣きながら俺に感謝の言葉を口に出すのに驚いた、今までならもっと早く助けてね!と言っていたものなのに。 さすがに命の危険を感じていたのか、顔を涙でぐしょぐしょにしながら礼を言うようになるとは。 「れいむ!これでわかったでしょう、私たちゆっくりはどうやっても人間さんには勝てないの。 だから人間さんには逆らうようなことはしては駄目。理解した?」 「理解しました!!!もう人間さんには逆らいません!!!」 そうして俺はゆうかに指示されながられいむの体を治療をしていく。 これもいざという時に応急処置のしかたを学ぶためである。 治療と言ってもゆっくりであるので、小麦粉をオレンジジュースで溶かし傷口に塗りこんで傷口を塞ぐ程度だ。 「どうだれいむ?もう痛くないかな。」 「お兄さんありがとう!もうれいむは痛くないよ!」 笑顔で俺に礼を言う姿に不覚にも目頭が熱くなってしまった。 こんな笑顔で礼を言われたのは随分久しぶりのような気がしてしまい、少しづつではあるがれいむの性格は改善されているようだ。 「傷は治ったようねれいむ。じゃあ百人組み手の続きをするわよ!」 「ゆっぐりでぎないいいいいいいい!もう痛いのはいやだよおおおおおおおお!」 泣きながら文句を言うがゆうかにしつけ棒で叩かれると、嫌々ながらも続きを開始するれいむ。 その後も何度か俺が助ける場面があったが、れいむはこの百人組み手を終わらせることができた。 最後の方では胴付きのふらんやれみりゃが出てきたが、ぼろぼろになりながらもれいむの顔はどこかさっぱりしているように俺は思えた。 「頑張ったわねれいむ。それじゃあまた一緒にお風呂に入りましょうか。」 「今日はお兄さんと一緒にお風呂に入るよ!ゆうかも一緒に入ろうね!」 れいむの申し出もあり俺はれいむとゆうかと一緒に風呂に入ることになった。 少し細くなったれいむの体と、着痩せしていたゆうかのすばらしい体はまさに眼福である。 この世の天国を味わい、昼食を食べ終わると昨日と同じ飼いゆのマナーを守るためにビデオを見始める。 「ゆふぅーゆふぅー。ゆ!寝てなんてないよ!ちょっとおめめを瞑ってただけだよ!」 疲れが出てきているのか、何度か舟を漕ぐれいむ。 しかし懸命に眠らないように自分を奮い立たせるため頬を抓っている。 いつもならそのまま熟睡するというのに必死に睡魔と闘うれいむ。 何度か眠ってしまうことがあったが、そのたびにゆうかに拳骨をもらいなんとかビデオを見続けることが出来た。 最後にちょっとしたテストが出題されたが、れいむは七割程度の正解率を達成した。 二日目の訓練も終わり、ゆっくりセンターで用意されている個室で眠っている時にれいむが俺の布団にやってきた。 「ねぇお兄さん、一緒にお布団さんで寝ちゃ駄目かな?」 こいつ俺を誘っているのか?そういえば太ってからはまったく夜のスキンシップをしていなかったな。 まだ太っているがこれぐらいならまだ許容範囲の太さだからな。 「いいぞ、れいむは頑張ってるからご褒美だ。」 「ありがとうお兄さん!」 そう言って嬉しそうに俺の布団に潜り込んでくるれいむの為に、俺は少し布団からはみ出さざるを得ないがしかたない。 さっそくれいむとのスキンシップを始めようとした時に、れいむが神妙そうに話しかけてきた。 「お兄さんごめんね、今までれいむは迷惑をかけちゃったみたいで。」 れいむのふとましい体に伸ばしかけた手を止める。なんだかそんな雰囲気ではなさそうだからだ。 「ここでお勉強してから、れいむは駄目な飼いゆっくりだってことが分かったよ。 お兄さんをゆっくりさせないで我ままばかり言ってごめんなさい。」 よく見たられいむは体を震わせながら謝っていた。 たった二日ばかりでの生活ででいぶとなっていた自分の行動を振り返って反省しているのだ。 見た目はまだ太っているが、中身はもう昔のれいむになっている。 「気にしなくていいぞれいむ。原因は俺にもあったんだから、今日はもうゆっくり寝るぞ。」 臨戦態勢だった俺のオンバシラも反省してしまっている。 俺がれいむの頭を撫でてやるとれいむは嬉しそうにして、寝息をたてはじめた。 最後は一体どんなことをするのか、そんなことを考えながら俺もゆっくりと眠った。 合宿最後の日の朝は以前と同じように運動場をれいむと一緒に歩いた。 体力もつき無駄な贅肉も減ったのか、歩くペースも速くなってきている。 楽しそうに歌を歌いながら歩き続け、良い汗をかいて食堂へと向かう。 朝食を食べ終えるとゆうかはそこで本日最後になる訓練内容を言う。 「それでは今日の訓練内容を言うわ!れいむにやってもらうのは一人でお買いものよ!」 「わかりました!!!れいむはお買い物をやり遂げるよ!!!」 ゆうかがれいむに詳しく説明を始める。内容は近くにあるスーパーで指定された物を買ってくるというものだ。 地図とお金をれいむに渡して、俺達はれいむをゆっくりセンターの入口まで見送った。 「それではお兄さん、れいむに気付かれないように後をつけますよ。」 そうしてゆうかと共に気付かれない様にれいむの後をつける。 れいむは迷うことなくスーパーにたどり着くことができ、店へと入っていく。 「いらっしゃ、またゆっくりかああああああああああああああああああ!!!」 とても友好的とは思えない挨拶でれいむを迎える店員のおじさん。 れいむを確認するやそれまでの営業スマイルから、鬼のような形相へと変化する。 「お前も私の店を荒らしに来たんだな!」 「違うよ!れいむはお買い物に来ただけだよ!」 「そういってやってきたゆっくり共は店を荒らして、代金にゴミや小銭を出してきたんだ!ここは私の大事な店だぞ! いいか!私の店を荒らすゆっくりは希少種や胴付きであろうと、絶対に許さなあああああああああああああああああああい!」 どうやら今まで相当ゆっくりに煮え湯を飲まされてきたのか、おじさんは怒声をあげている。 まあ気持ちも分からないでもないが、うちのれいむを傷つけるなら俺も絶対に許さない! 「お兄さん落ち着いてください!これはテストですからお兄さんが出て行っちゃ駄目です!」 俺を止めようとゆうかが必死になだめてくるがあの様子じゃどう考えてもれいむが危ない。 「すみません、シャンプーの場所が分からないんですが。」 「申し訳ありません!すぐにお持ちします!」 お客に尋ねられて見事な営業スマイルに変化するおじさんの顔。 どうやったらあんなに表情を変えられるんだよと思う中で、れいむを置いてシャンプーを取りに店の奥へと消えてしまう。 「早くお買い物をすませるよ!」 買い物リストを確認して、れいむもまた店の奥へと進んでいく。 店の中ということもあり俺達はあまり近くに行けない。 心配しながらも、れいむは買い物カゴに指定された商品を入れていく。 「これで最後だね!早くしないとまたあの恐いおじさんが来ちゃうよ!」 どうやら買い物リストの品物を揃えたのか、安堵の表情を浮かべているれいむ。 このまま何事もなく店から出ることが出来ればいいのだが。 「ここにいたかゆっくりめ!」 レジへと向かっているれいむの前にさっきの店員が買い物カートに乗って、すごいスピードでれいむを跳ね飛ばした。 吹っ飛ばされたれいむは空中でトリプルアクセルを決めるが、顔面から地面に着地してしまった。 とっさに買い物カゴは脇に避けて商品は無事だったが、れいむは口から餡子を吐いてしまっている。 「もう我慢できない!試験だろうとこのままじゃれいむが危ない!」 「大丈夫ですお兄さん!だからもう少しだけ我慢してください!」 とっさに飛び出そうとする俺を引きとめるゆうかだが、このままではどう考えても俺のれいむが殺される。 現に店員はれいむに向ってまた買い物カートを発進させている。 「店長すみません。店の裏に野良ゆっくり達が集まってゴミ箱を荒らそうとしてるんですが。」 「何だと!?忌々しいゆっくりめ!私が今すぐ駆除してやる!」 どうやら都合良く野良が来てくれたようだであり、店長はすぐに買い物カートに乗って行ってしまった。 店長に声をかけた店員は、俺の方を向くと大丈夫ですよとジェスチャーをしてくれた。 「ちゃんとお店には連絡はしているんです。あの店長さん以外にはさりげなく助けてくれるようにお願いしてますから。」 そういうことか。だがあの店長が一番危ない気がするんだが、あれじゃあ手助けしてはくれないよな。 れいむの方を見ると、緊急用に渡してあったオレンジジュースを飲んでなんとか立ち上がったようだ。 よろけながらも必死にレジへと向かうれいむ。 「早くしてね!?早くしないと怖いおじさんが来ちゃうよ!」 さっきの恐怖からか、レジのお姉さんに頼み込むれいむ。 代金を払おうとするときに慌てていたのか、れいむは財布からお金を落としてしまった。 拾おうと慌てる中であの店長がやってきた。 「もう逃がさんぞ!さっきのゆっくりのように駆除してやる!」 「ゆわああああああああああああああああああ!!!」 さっきの恐怖からか、おそろしーしーを少し漏らしてしまうれいむ。 鬼の形相の店長がれいむにゆっくりと近づいていく。 「すみませーん。レジまだですかー?」 「失礼しましたお客様!六番レジへどうぞ!」 れいむを潰そうとしていた店長だったが、客に言われて離れたレジへと向かってしまった。 店長がいなくなり落ち着いてれいむは金を拾うと、すぐさま代金を支払って店の外へと出ていく。 しかしすぐに戻って来て、代金を払ったレジの前まで来ると持っていたハンカチで床をふきだした。 「お姉さんごめんなさい!れいむ怖くてしーしーしちゃって。ちゃんと綺麗にするからちょっと待ってね!」 「大丈夫よ。そういうことは私達の仕事だから。」 笑顔でレジ打ちのお姉さんがそう言ってれいむを気遣う。 あまり長くいられるとまた店長の目に止まってしまうからと考えたのだろう。 れいむはお姉さんに何度もお礼を言ってまた店を出て行った。 「すみません家のれいむが粗相をしちゃって。」 「構いませんよ、店長が悪いのはいつものことですから。早く戻ってあげてれいむちゃんを元気づけてください。」 いつか買い物に来て店の売上に貢献しないとな。しかしあの店長がいるかられいむと一緒じゃ無理だろうな。 「大丈夫ですよお兄さん。店長さんはこんどお店の都合で外国さんにあるショッピングモールのスーパーに異動して、 新しく店長さんになるみたいですからここにはいません。」 成るほどそれなられいむと一緒に来られるな。 あの店長も外国ならゆっくりになんて振り回されないで、平和に営業が出来るだろうから本人にも嬉しいことだろう。 俺とゆうかは急いでゆっくりセンターに走ると、れいむが帰ってくるのをゆっくりと待つことにした。 しかし、予想していたよりもれいむが帰ってくるのが遅い。どこかで事故にでもあったのか? そんな不安の中でれいむは買い物袋とは別に何か箱を持って帰ってきた。 「今帰ってきました!!!」 「遅いわよれいむ!さっそくだけど買ってきた品物を見せてもらうわ!」 そう言ってれいむが買ってきたものをチェックするゆうか。 オレンジジュース、小麦粉、餡子、月刊ゆん楽天胴付きと完璧である。 「れいむ、このケーキさんは何?こんな物を買ってくるように指示した覚えはないわよ!」 「ゆ!それは・・・。」 「口ごもらない!どういうわけかちゃんと説明しなさい!」 「わかりました!!!」 涙ぐみながらもれいむはゆうかと俺にケーキを買ってきた理由は話し始めた。 今日が最後の日ということもあり、れいむはお世話になったゆうかにケーキをプレゼントしようとしたのだ。 確かに余計な物を買うなと言われていたが、それでもれいむはゆうかにお礼をしたくこのケーキを買ってきたらしい。 はたしてゆうかはどんな判断をするのか、俺はハラハラしながらゆうかが口を開くのを待つ。 「よくわかったわれいむ、でもこれは駄目なことよ?もし飼い主さんの言うことを聞かないで大変なことになったら、 貴方はその責任を取ることが出来るの?」 「できません・・・。」 ゆうかの質問にこれまでゆっくりセンターで学んだ経験かられいむは言い訳をしないで素直に答えた。 昔なら自分の正当性を声を荒げていただろうが、今はきちんと考えて正しい答えを言っている。 「いいれいむ?私たちが良かれと思ってしたことが人間さんにはひどいことにもなるのよ。 ケーキを買ったお金も飼い主さんが出してくれたお金で、貴方が好きに使って良いわけじゃないの。」 懇々とれいむに何故悪いことなのかを理解させるゆうかと、れいむはそれは理解した上で涙ぐみながら肯いている。 俺はれいむを庇ってやりたかったが、ゆうかの言うことは正論であり庇うことは出来ない。 「私にお礼をしようとしてくれたことはありがたいわ。でも私はここのゆっくりだからプレゼントは受け取っちゃ駄目なの。 だからこのケーキさんは貴方とお兄さんが今日のお祝に食べなさい。」 その言葉に俺とれいむはゆうかを見つめる。お祝ということは・・・ 「これにてれいむの矯正教育を修了するものとする!貴方は今日から真の金バッジよ。」 そう言ってゆうかはれいむのお飾りであるリボンに初日に預けた金バッジを優しくつけた。 れいむは感動のあまりに人目も憚らずにわんわんと泣き始める。 「そんなに泣いたら駄目よれいむ。」 「だっでえええええ!でいぶうれじぐでなみだがどまらないよおおおおおおお!」 鼻水まで出して顔を汚すれいむをゆうかはハンカチで奇麗に拭いてやっている。 俺まで貰い泣きしてしまい涙が出てきてしまった。 「お兄さんまで泣かないでください。今日はれいむをたくさん褒めてあげてくださいね。」 ゆうかに言われるまでもなく俺はれいむを褒めてやりたい気分だ。 俺のせいで歪んでしまったれいむが昔のように素直になってくれたのだから。 俺とれいむはゆっくりセンターの人々に何度もお礼を述べて家へと帰った。 あれかられいむは性格だけでなく見た目も昔に戻った。食生活の改善もあるが毎朝俺と一緒に軽いジョギングを始めたからだ。 美しい腋も見えるようになり、どこに出しても恥ずかしくない美ゆっくりとなった。 そんなれいむの誕生日パーティーを俺は祝うことにした。 「ほられいむ、今日はれいむの誕生日パーティーだ!プレゼントのお賽銭箱とごちそうだぞ。」 「お兄さんありがとう!れいむ本当に嬉しいよ!」 いつもの夕食と違い今夜は豪勢な食事であり、俺とれいむは仲良く平らげて一緒の布団で寝ることにした。 明日が休みということもあり、いつもよりハッスルしてしまった俺達はその日は遅くまで起きており情熱的な夜を過ごした。 れいむの柔らかい体を触りながら目を覚ますと、俺は寝ぼけた目を擦りれいむを見る。 「ゆふん、お兄さんそんなとこ触っちゃ駄目だよ・・・。」 そんな可愛らしい寝言を言っているれいむを見て癒される俺だが、少しづつ頭がはっきりしだすと信じられない現実が襲ってきた。 れいむが太っている。それもぽっちゃりというレベルでなく、でいぶだった頃の体型にだ。 「お兄さんおはよう!昨日のお兄さんはすごかったね、れいむびっくりしちゃったよ。」 顔を赤らめて体を揺するれいむの体は贅肉がぷるぷると震えている。 贅沢な肉と書いて贅肉。食べてはみたいが、体についてしまえばそれはただの脂肪である。 「どうしたのお兄さん?もしかしてれいむに見とれちゃってるの。」 いやんいやんと体をくねらせるれいむのその姿に、俺の口からはやり場のない怒りが出てきてしまう。 「ふざけんなああああああああああああああああああ!何で一回飯食っただけでこうなるんだあああああああああああ! リバウンドってレベルじゃねえぞぉ!」 「ゆひぃ!?お兄さん静かにしてね!まだお隣さんはすーやすーやしてるんだよ!」 そう言って俺をなだめようとするれいむだが、俺の怒りは収まらない。 何でせっかく綺麗になったれいむがまた昔のでいぶになってるんだよ! おやつ食わせてもちょっとしたごちそうでも太らなかったのに、何で一回の高カロリーメニューでこうなるんだ!? 俺の怒りの雄叫びはお隣さんが怒鳴りこんでくるまで止まらなかった。 おまけ 夜の大運動会始まるよー! 「ゆひぃ・・・、お兄さんのダイエット計画は厳しいよ。早くすーやすーやしてゆっくりしたいよ・・・。」 「残念だったなれいむ!夜はまた俺のスペシャルコースだ!カロリーを消費するためのプロレスごっこだ!」 「ゆぎぃ!お兄さん痛いよ!早くれいむの体を離してね!あとそんなところに顔を埋めないで!」 「まだまだぁ!こんどは四十八のHENTAI技ゆっくりマテマティカだぁ!」 「お股がさけるうううううううううううううううううう!!!」 「これで最後だれいむ!禁断奥義ときめきメモリアル!」 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶ!」 満身創痍のれいむにリップロックを決めるお兄さん。呼吸が出来ずに気絶してしまったれいむを確認して、 強制運動させてカロリーを消費させたとお兄さんは大満足である。 早く元のれいむに戻らないかと期待していたお兄さんだったが、こんどはストレスによってれいむが激やせしてしまい、 またゆっくりセンターのお世話になるはめになったのだった。
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・ホラー要素あり ・餡子ンペ作品 「れいむのごはんさんをよごどりずるげずはじねぇぇぇ!!」 「ゆぶぅぅぅぅぅぅ!!」 ボン!! 「ゆっぐじ…」 どこにでもあるゆっくりのお家に悲鳴が響き渡る。 どこにでもいる丸く太ったれいむは元々そこに住んでいたまりさにご飯を返せと訳の分からない 事を言って奪おうとしたのだ。 まりさも必死に抵抗したが体格差を覆す事が出来ず、そのまま殺されてしまった。。 「ゆふぅ…かわいいれいむのすまーとなからださんがよごれちゃったよ!! まったくげすはさいごまでめいわくばっかりかけるからいやだよ!!」 このれいむはこの近辺で有名なゆっくりでなんでもかんでも自分の都合のよい風に解釈し 自分に異を唱えようものならその場で制裁という名の処刑をするいわゆる「でいぶ」なのだ。 「ゆんゆん、れいむのごはんさんをかってにとるからこんなめにあうんだよ!! ゆっくりはんっせいしてね!!む~しゃ、む~しゃしあわせぇぇぇぇぇ!!」 死体に言っても無意味なのが分からないのか、れいむはそうまりさの死体に言い放つと 蓄えてあった食糧を食べ始めた。 このまりさは狩りの腕が非常に良かった事もあってかその量も並みのゆっくりと比べても 非常に多いものだった。 1時間かけてまりさが蓄えた食糧を食べつくしたれいむはさらに醜く膨れ上がった腹を 満足げに見ながらその場で眠りに付いた。 「もうおなかいっぱいだよ!!れいむはす~やす~やするね!!かわいくってごめんね!! す~や、す~や」 一瞬で寝てしまっていた。 夢の中、れいむは遠い道の先に自分への献上品と勝手に判断した大量のあまあまを見つけていた。 「ゆ!!あれはかわいいれいむへのけんっじょうひんだね!!いっぱいむ~しゃむ~しゃしてあげるね!!」 そういきこんだれいむは重い体を引きずるように移動を開始した。 「まっででねぇぇ!!だっぐざんむ~じゃむ~じゃじであげるがらねぇぇぇぇ!!」 今れいむの頭の中には山のように積まれたあまあまを頭からかぶりつくかわいらしい自分の姿 しかなかった。 だが、その行くてをさえぎるように頭上から何かが降ってきた。 「ゆぴぃ!!」 れいむはさっとその場で立ち止まり難を逃れた。 その物体は丸くてとても大きい何かにしか見えなかった。 だがれいむには自分の覇道(笑)を邪魔するものにしか見えなかった。 「じゃまずるなぁぁぁぁぁぁ!!どげぇぇぇぇぇぇぇ!!」 だが謎の物体は動きもしない。 れいむは怒りながら体当たりを仕掛けた。 「どげぇぇぇぇぇ!!でいぶのじゃまをずるげずはじねぇぇぇぇっぇえ!!」 ゆっくりかどうかなどまるで分かっていないのにもかかわらず、れいむは咆える。 何度も、何度も!! だが謎の物体は動かないどころかびくともしなかった。 「ゆはぁぁぁぁ…ゆはぁぁぁぁ…」 「……」 「ゆ?」 疲れて呼吸を整えていたれいむは謎の物体から妙な声が聞こえたのを感じとった れいむは耳を澄ましてその声を聞いた。 「…アトミッカ…」 因果応報 れいむは奇妙な夢から目を覚ますとまずは朝の挨拶をした 「ゆっくりしていってね!!」 やはり朝の挨拶は良い物だ。それにしてもなかなか住みやすいお家だ。 しばらくの間れいむのお家にしてやろう。 れいむはそう考えながら家からでた。 さっそくれいむのご飯を回収にいかないといけないからだ。 「ゆんゆん♪きょうはどれいたちがどれだけかわいいれいむにけんっじょうするかたのしみだよ!!」 頭の中で勝手にそんな事を考えながられいむは重い体を器用に使いながら跳ねた しばらく跳ねているとれいむはまりさとちぇんを見つけた。 どうやら一緒に狩りをしているようだ。 口が大きく膨らんでいる、どうやらなかなか大量らしい。 ゆふふ、今日もれいむへのけんっじょう品を集めて結構なことだよ!! おいしくれいむがたべてあげるね!! そう考えたれいむは二匹の前に現れた 「れいむへのけんっじょうひんだね!!かくさなくてもいいよ!!いますぐむ~しゃむ~しゃしたい からよこしてね!!いますぐだよ!!」 まりさとちぇんはしばらくれいむの顔をポカーンとみていたが、 我慢が出来なくなってきたのかでかい口を開けて笑い始めた。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 「わ、わか、わからゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 突然訳も分からずに笑いだすまりさとちぇんにれいむは怒った。 明らかに自分の顔を見て笑っていると分かったからだ。 「なにどれいのぶんざいでわらっでいるのぉぉぉぉぉ!!ばがなのぉぉぉぉ!!じぬのぉぉぉぉ!!」 ひとしきり笑いに笑いまくった二匹はどうにか呼吸を整えてれいむの問いに答えた。。 だが顔はまだ笑っていた 「ゆひゃひゃひゃ…だってねぇゆひゃひゃひゃ!!」 「わかるよーわかるよーゆひゃひゃひゃひゃ!!」 「「おかおがへんだもん!!」」 「ゆぐぐぐぐぐ!!れいむのおかおはへんじゃないぃぃぃぃぃ!!げずはじねぇぇぇぇぇ!!」 自分の顔を罵倒されたれいむは怒り狂ってちぇんの顔に思いっきり噛みついた 「わがらぁ!!…ゆ…ゆ…ゆ…ゆ」 顔を噛みつかれたちぇんは顔の半分を持っていかれてしまった。 痙攣が始まってる上に中身のチョコレートが流れ出ている。もう助からないだろう 「ゆ…ゆわぁぁぁぁぁぁ!!だれがだずげでぇぇぇぇぇ!!」 まりさは怯えてれいむから逆方向へ逃げようとしたが、決断するのが遅すぎた。 「ゆ…どぼじででいぶがばりざのうえにのっでるのぉぉぉぉぉ!!」 「げずはじねぇぇぇぇぇ!!」 れいむがまりさの上にのしかかり身動きを封じた。まりさは逃げ出すのが遅すぎたのだ。 れいむは怒りに身を任せ、まりさの上で飛び跳ね始めた。 「ゆぶぅ!!ゆべぇ!!ゆげぇ!!」 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!ぇぇぇぇぇぇ」 「ゆぼがぁぁぁぁぁぁぁ…」 れいむの飛び跳ね攻撃に必死に耐えていたまりさだったが耐えきれなくなり、中身を吐きだして ついにその場で永遠にゆっくりした。 ゲス共を殺したれいむはスッキリーしたかのような顔で一息入れた。 「ゆふぅ、まったくげすはこれだからこまるよ!!かわいいれいむにたいしてへんなかおだなんて!! しんでとうっぜんだね!!でもね!!れいむはとってもやさしいからなかみはちゃんと れいむのごはんさんにしてあげるね!!かんしゃしてね!!」 そういうとれいむはちぇんとまりさを食べ始め、そこらへんに転がった二匹の狩りの成果も 食べ始めた。 「む~しゃむ~しゃ、しあわせぇぇぇ!!ゆふぅ、おなかいっぱいたべたらのどがかわいちゃったよ!! かわいいれいむがはいっぱいごーくごーくしにいくよ!!」 ひとしきり暴れたれいむは咽が乾いたと言い、川に向かう事にした。 20分後… 「ゆふ、ようやくついたよ!!いっぱいごーくごーくするよ!!みりょくてきでごめんね(ウインク)」 書いている作者が吐き気を催す程の破壊力を秘めたウインクをどこのだれかにむけてやったれいむは 川にようやくたどり着いた。 重い体を引きずりながら川のほとりに近づき、おもいっきりごーくごーくしようと顔を 水面に近づけたその時であった。 れいむは自分の顔の異変に気付いた。 「ゆえぇ!?だれだぁぁぁでいぶにごんないだずらをじだげずはぁぁぁぁぁ!! ぜいざいじでやるぅぅぅぅぅ!!どっどどごいぃぃぃぃぃぃ!!」 れいむは顔に落書きされている事に気付いた。真っ黒な字でれいむには全く分からない何かが 書かれていた。 「ぢぐじょうどごだぁぁぁぁ!!がわいいでいぶのおがおをよごじだづみはおぼいぞぉぉぉぉ!!」 顔には「3」と書かれていた。 結局あれから怒り狂いながら犯人を捜した。 あやしいと思ったゆっくりはせいっさいし、笑ったゆっくりはみんなせいっさいした。 この日だけで10匹は殺したと思う。 これが群れだったらその場で群れのゆっくりから制裁されていただろうがあいにくこの付近は 群れが形成されておらず、弱肉強食の世界をなしていた。 体が比較的大きい傾向にあるでいぶにとってはここはとても都合が良い所だった。 でなければここまで好き勝手出来ないだろう。 結局この日は犯人を見つけることが出来なかったでいぶは元まりさのお家まで戻り、 寝ることにした。 「ゆっくりできないやつのせいでゆっくりできなかったよ!! おひさまがのぼったらぜったいにせいっさいだよ!!…すぴーすぴー!!」 あっと言う間に眠れるその図太い神経はなんともうらやましい限りだ。 夢の中…れいむは犯ゆっくりを追い詰めていた。 「ゆっふっふっふっふ、ついにおいつめたよ!!かわいいれいむのおかおにいたっずらするなんて なんてげすなの!!たっぷりこうかいしてね!!」 犯ゆっくりは必死に命乞いをしてきた。だがれいむにとっては最初からそんな言い訳をしても 許す気などさらさらなく、その場で制裁するつもりだった。 「ゆっくりしねぇぇぇぇぇ!!」 ブチュン!! れいむが大きな体を振るわせのしかかった。犯ゆっくりの体はれいむの体に耐えきれるはずがなく 何の抵抗も出来ないままそのまま潰れてしまった。 「ゆっゆっゆっゆ!!れいむのおかおをよごすからこんなことになるんだよ!!ゆっくり… ゆゆぅぅぅぅぅぅぅ!!」 れいむは目の前で起こった現象に驚いた。 潰した犯ゆっくりの体が分裂し、分裂したかと思うと犯ゆっくりが倍以上の数になって復活した。 どの犯ゆっくりも必死に謝り、命乞いをした。 「ゆん!!ぞんなごどでがわいいでいぶがうげだぐるじみがわがるのぉぉぉぉぉ!! どれだげいのじごいをじでもむだだよぉぉぉぉぉ!!じねぇぇぇぇぇ!!」 れいむは怒り狂いながら犯ゆっくりを潰し始めた。 必死に命乞いをするもの。必死に逃げようとするもの。必死に母親に助けを求めるもの。 一切の区別をすることなくれいむは潰し回った。 全ては自分のゆっくりをぶち壊したゲスを制裁するため!! 怒り狂いながら潰し回り、ついに最後の一匹になった 「さいごはおまえだよぉぉぉぉ!!ざあじねぇぇぇぇぇ!!」 れいむが最後の一匹を潰そうと助走を付けたその時である。 行く手を阻むかのように大きくて黒い物体がうっすらと現れた。 「ゆべぇ!!」 助走をつけたれいむは急にとまることが出来ずその物体にぶつかった。 一体何にぶつかったのか?普通ならそう思うところだが怒り狂っているれいむにはそんなことはどうでもいい 大事な事は、この物体がれいむの邪魔をしたことだ。 さらに怒ったれいむはこの謎の物体に抗議の声を上げる 「じゃまをずるなぁぁぁぁぁぁ!!おばえもぜいっざいじでやるぅぅぅぅぅぅ!!」 「…カ…」 「なにいっでいるぅぅぅぅぅぅ!!ばっぎりいえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「…ツカ…」 「だがらばっぎりどぉぉぉぉぉ」 「アトフツカ」 「なにがあとふつかだぁぁぁぁぁぁぁ!!」 れいむはここで目を覚ました。顔は寝起きも相まってか怒り狂った顔になっていた。 だが意識がはっきりするにつれてそれが夢だった事を悟るとれいむの怒りは収まってきた。 「ゆぅぅ…ゆめさん?ゆっくりできないゆめさんだったよ!! ゆっくりすーやすーやできなかったからげすがりだよ!!ついでにいっぱいむ~しゃむ~しゃするよ!!」 れいむはさっきの光景が夢であると理解するとまりさのお家だったお家から飛び出した。 その顔は今日はどんなおいしいごはんさんを食べようか?どんな懲らしめ方をしようかな?と 考えている顔だった。 れいむは気付いていなかったが、顔の文字は「2」になっていた… 「ゆふぅー、すっきりー!!」 日が暮れた頃、れいむは近くを通ったゆっくりに因縁をつけてはゲスとみなして制裁した。 どのゆっくりもれいむがどんなゆっくりか知っていたのか食べ物を差し出して 見逃してもらおうと必死に命乞いをしたがれいむは一切聞き入れず、制裁の名の元に 殺していった。 赤ゆっくりも、子ゆっくりも、希少種も… 日が暮れるまで食い、殺し、まさしくやりたい放題の限りを尽くしたれいむはさすがに疲れ 近くにできたれいむの新しい新居に行くことにした。 もちろん、それは元いたゆっくりをこれから殺して手に入れるのだが…。 れいむは手ごろなお家を見つけるとそのお家の扉に体当たりを仕掛けた。 ドン!!がらがらがらがら…「ゆぅぅぅぅぅ!!なんなのぉぉぉおぉぉぉ!!」 れいむは扉が壊れ中に入れる状態になった事を確認すると、誰の許可も求めずに ずかずかと入り込んだ。 中にはゆっくりがいるようだがれいむにとってはなんら問題はない。 今からこのお家はれいむのお家だ。そこに居座っているのはゲスだ!! れいむのお家を奪おうとするゲスは制裁だ。 れいむの頭の中にはこれから何をするか、どうすればよいかという具体的な案が出来上がっていた。 だがその予定は完全に潰れてしまった 「でいぶのおうちにないってきてなにいっでいるんだごのげずがぁぁぁ!!」 「ぞれはおばえだごのへんながおのでいぶがぁぁぁぁぁ!!」 「べんながおなのはおばえだろうがぁぁぁぁぁ!!」 先住者はれいむと同じくでいぶであった。だがただのでいぶではない。 顔に「1」と書かれたいたずら書きがあったのだ。 顔の中央を走るように書かれた「1」。顔全体にうつるように書かれた「2」 二匹は互いの暴言をくり返しながら互いに体当たりし合った。 普通なら体が一回りや二周り小さいゆっくりが殺されるのだがこの二匹の場合 図体、知能までほぼ互角。 こういう戦いの場合先に手を出した方が負けと言われているが二匹はそんなのお構いなしに 互いを攻撃し合った。 ほぼ同じタイミングで攻撃し、同じタイミングで少し休み、同じタイミングで攻撃を再開した。 こんな不毛な攻防がしばらく続いた。 戦いが始まって一時間後… 日が沈み辺りが暗くなるであろうという時に二匹の顔に変化が起こった。 「ゆひゃひゃひゃひゃ!!げずのがおをゆがんできたよ!!ゆっくりみじめになってね!!」 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!げずのゆがみにゆがみきったおかおさんが さらにゆがみきってきたよ!!ゆひゃひゃひゃひゃ!!」 侵入してきたれいむは元いたゲスの顔に書かれていた落書きが「0」に変わったのをみてあざけ笑った。 一方の元々いたれいむも侵入してきたれいむの顔の落書きが「2」から「1」に変わった事を あざけわらった。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃ…ゆ?」 笑い転げていた「0」れいむが「1」れいむの後ろをまじまじと見て、咆えた。 「だれだおばえはぁぁぁぁ!!おばえだな!!でいぶのすーぱーすーやすーやたいむのじゃまをした くろいくろいさんは!!ゆっぐりじねぇぇぇぇぇ!!」 「0」れいむはれいむを無視し、いきなり後ろにいる何かに攻撃を始めた。 驚いたれいむは後ろを振り返る。だがそこには何もなく、ただ壁だけが映っていた。 「じねぇぇぇぇぇぇ!!なにがあといちにちだぁぁぁぁ!!じねぇぇぇぇぇ!!」 「0」れいむはひたすら咆えるがれいむはこいつは頭がおかしくなったと思い、 「0」れいむの後ろに回り込み、一気にとどめを刺そうとした 「そろ~り!!そろ~り!!」 だがそんな間抜けな奇襲作戦が成果を上げる事がなかった。 「ゆ!?ゆぼぉぉぉぉぉぉぉぉ…」 突如「0」れいむの動きがまるで石にでもなったかの様に止まったのだ。 急に動かなくなったかと思われた「0」れいむは突如醜い贅肉の体を左右に振り、必死に何かから逃げだそうとした がそんなことしても無駄だといわんばかりに「0」れいむの体がふと宙に浮き、 ものすごい勢いで巣の外へと連れ出された。 何が起こっているか分からなかったれいむだったが自分のすーぱーせいっさいタイムを邪魔された と考え、邪魔したやつをとっちめてやるときめ、後を追いかけることにした。 だが…それはれいむに深い恐怖を与えることとなった。 れいむは重い体を引きずりながら後を必死に追いかける。 そして目に映る距離にまで追いついたれいむの眼に信じられない光景が飛び込んできた。 「ゆごぉ!!ゆぶぇ!!ゆ!」 宙を浮いていた「0」れいむが見えない何かによって近くの木に叩きつけられていたのだ。 一度や二度どころでなく、何度も何度も。 「0」れいむは餡子を吐きながら短い悲鳴を上げていた。 「ゆぶげぇ!!…ゆぅ…ゆぅ…」 叩きつけるような動作が終わり、「0」れいむはようやく苦痛から解放された。 だが全身アザだらけでほとんど虫の息の状態になっていた。 よくもかわいいれいむにこんなひどい事をしたなこのクズめ!!制裁してやる!! 「0」れいむはそう考えてながら反撃をせんと揉み上げに力を入れ始めた。 だが復讐するチャンス来なかった… 「ゆぅ…ゆぅ…ゆ?…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!でいぶさまをどうするきだごのげずめぇぇぇぇぇ!!」 「0」れいむが急に叫んだ。れいむは最初は良く分からなかったがだんだん時が立つにつれて 何が起こったか少しずつ理解した。 「0」れいむの体が…少しずつ消えていっているのだ。 れいむには何が起こっているのかさっぱり分からなかった。 だが、れいむの餡子脳が理解を超えるような事が起こっていると理解したれいむは 恐怖心からいつのまにかしーしーを漏らしてしまった。 「な…なんだごれはぁぁぁぁぁ!!ゆっぐりりかいでぎないぃぃぃぃぃ!! だれがぜづめいじろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 れいむは叫ぶが、今目の前に起こっている事が分かる者など、この場にいるはずがない。 そうこうしている間に「0」れいむの体は順調に消えていった。 「でいぶはだべぼのじゃないぞぉぉぉぉぉ!!ばなぜ!!めいれいだぁぁぁ!!ばなぜぇぇぇぇ!!」 だが必死の声もむなしく、「0」れいむの体は完全に消えた。 れいむは「0」れいむがいた所に行き、どこに行ったか調べようとしたが出来なかった。 宙から赤い…たくさんの眼が現れたからだ。 「ゆわぁぁぁぁぁ!!」 赤い目は皆れいむを見つめていた。そしてどこからか声が聞こえてきた。 その声は、れいむの夢に出てきた声と全く同じだった。 「…アトイチニチ…」 翌日… 「ゆぶぅ…ゆぶぅ…ゆぶぅ…ゆぶぅ…」 れいむは「0」れいむのお家の扉に強力な結界を施していた。 家の前にとても重そうな石を置き、その周りにそう簡単に入ってこれないように 木や葉っぱを覆い、自分でもほれぼれするような結界を施していく。 昨日のあの出来事を見て、れいむは自分の身を守る事にしたのだ。 もちろん本当は奴隷どもにやらせたいのだが、あいつらときたられいむの命令を聞くどころか おちびちゃんの仇などと言ってれいむを制裁しようとしてきたのだ。 もちろんその場で一切の例外なく皆殺しにしてやったが… しょうがないので自分で結界を作ることにしたのだった。 「ゆぶぅ…ゆぶぅ…なんでかわいいれいむがこんなによごれないといけないのぉぉぉ!!」 れいむは一人そう愚痴るが気にかける者など誰もいなかった。 必死になって結界をつくり、家に今まで殺したゆっくりから奪ってきた武器を壁に並べ、れいむは迎え撃つ 準備を整えていった。 「ゆっふっふっふ!!でいぶをゆっくりさせないげすはみんなせいっさいだよ!! たっぷりくるしめてころしてやるぅぅぅぅぅぅ!!」 れいむの意気込みは十分な物だった。 そして日が沈み始めた… れいむはそろそろだと勘で感じ、武器の棒を咥えた。 一体何がどのようにしてくるか分からない…だがここまでれいむを怒らせたのだ!! 奴隷にする程度では事足りぬ…たっぷりお仕置きをしてやる!! しぬまでボロ雑巾のように扱ってやる!! れいむはそう考えながら昨日の正体不明のゆっくりできない奴が来るのを待った。 …時間がコクコクと流れる… れいむの顔に書かれた「1」が「0」に変わった。 そろそろ来るはずだとれいむは気を引き締め、棒をさらに深く咥え直した。 ズズズズズズズズ… 後ろから何かが這うような音が聞こえる…。 れいむはゆっくりと後ろを振り返ろうとした。だが… ブン!!ドグシャア!! れいむの体は正体不明の敵に思いっきり結界目掛けて叩きつけられた。 結界はれいむが突っ込んだせいもあってか一瞬にして木と石の山に変わってしまった。 れいむは結界を崩され、外に放り出されていた。 「ゆ、ゆぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 れいむは一瞬にして結界が施されたお家と武器を失った。 ばかな!!れいむの結界はかんっぺきだったはずだ。なのになんであんなにかんたんに破られるのだ!! ありえない!!ここは一時戦略的撤退をするしかない!! そう判断したれいむは森の奥深くへ逃げ込もうとした。 が、無駄だった 「ゆぶえぇ!!」 れいむは何か巨大な物に掴まれ、身動きが取れなくなった。 「ゆぎぎぎぎぎぎ!!でいぶをばなぜぇぇぇぇぇ!!ごのぐずがぁぁぁぁぁ!!…ゆひぃ!!」 怒りのあまり咆哮しながられいむは今自分を掴んでいる者の方に顔を向けた。 そのまま顔にしーしーをかけて緩んだすきに逃げだしてやる!! そう考えたれいむだったが、そいつの顔を見るや否やそんな気があっという間に吹き飛んでしまった。 あまりにもあり得ない光景が映っていたからだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!な…なんなのこれぇぇぇぇぇぇ!!」 それは、れいむの夢に出てきた黒い物体だった。今までシルエットしか分からなかったが 今はっきりと姿が見えた。 黒くて細長い巨体に腕が生えていた。分かりやすく言うとまるで手が生えたおたまじゃくしのようだった。 だがそんな姿はどうだっていい。問題はその顔だ。 れいむ、まりさ、ありす、ちぇん、みょんと言った基本種。 果てはゆうか、きめぇ丸、てんこ、といった希少種まで。 様々なゆっくりの顔が浮かんでいた。一つや二つではない、おそらく…たくさんだ!! どの顔もゆっくりしたものではなかった。 怒り、苦しみ、悲しみ、嘆き…それぞれ顔が違うがどのゆっくりもそんな顔をしながられいむを見ていた。 眼を真っ赤にしながら、怪物は叫ぶ 『じねぇぇぇぇぇぇぇ!!』 顔の部分に浮かんだ無数のゆっくり達が一斉に叫んだ。 れいむは恐怖心から全く身動きが取れなくなった。いや、おそらく今のれいむは金縛りにかかっている のかもしれない。 どちらにせよ怪物にはそっちの方が好都合だったのかもしれない。 怪物がそのおおきな口をにやりと歪ませると腕をふるった。 「ゆべぇ!!ゆぶぅ!!ゆぼぉぉぉ!!」 怪物がれいむを掴んでいる腕をふるい、近くの木にあてるように腕を振るった。 手加減をしているためか、れいむ自体は外見こそはボロボロになってきたが 吐いてる餡子自体は少なかった。 しばらく木にぶつけられ、れいむの体はボロボロになりほとんど虫の息になっていった。 「ゆぅ…ゆぅ…ゆぅ…ゆぅ…」 れいむの醜い贅肉はあっちこっちに黒い痣が出来、不敵な笑みをうかげていたあの顔は いまでは見るにたえない程さらに醜い顔になっていた。 怪物はその様を確認すると木に叩きつけるのをやめ、大きな口を上げた 『ゆっぐりいだだぎばずぅぅぅぅぅぅ!!』 顔のゆっくり達が一斉に叫ぶ。 れいむの体はゆっくりと怪物の口に近づいていき、そしてあんよが口の中に入った。 ガブリ!! 口が一回閉じられた。れいむのあんよはれいむ自身とお別れをした。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!なにをずるぅぅぅぅぅぅぅ!!でいぶのあんよをばらばらにずるなぁぁぁx!!」 れいむは痛みのあまりに声を上げる。だがここから不思議な事が起こった。 普通足を食いちぎられたのなら足の感覚はなくなるものだ。 だが、れいむには何故か感じたのだ。自分のあんよが怪物の口の中で、噛みちぎられ、 ばらばらになっている痛みを、ほんのわずかな餡子からでも感じた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁx!!あぁぁぁぁぁぁぁ!!やべろぉぉぉぉぉぉ!!やべろぉぉぉぉぉ!!」 だが、怪物は止まらない。今度はまむまむが食いちぎられ、怪物の口の中でばらばらになっていく。 「ゆぼぉぉぉぉぉぉぉ!!うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 必死に悲鳴を上げるも結局は無駄だ。 そしてゆっくと食べ続けられ、れいむはもう目玉から上しか残っていなかった。 だが不思議と生きていた。ただし、死んだ方がマシともいえる激痛がれいむをおそっていた。 体はバラバラにされていても、その餡子の一片に至るまでれいむを容赦なく襲っていた。 「ゆ…ゆ…ゆ…ゆ…」 もう痛みのあまりに声も碌に上げることができなくなっていた。 だがそれでも死んでいなかった。いや、死ねなかったのだ。 最後に怪物は大きな口を大きく歪ませた。それはお楽しみの時間がやってきたといわんばかりの 顔だった。 「ゆ…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁっぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 れいむは完全に怪物の口の中におさまった。 真っ白い歯がれいむを押し潰す。目玉も、皮も、餡子も。 だが目玉を押し潰されてもはっきり周りの光景が見える。だだ痛みがれいむを襲う。 怪物の口の中は真っ暗だった。何も映っていない。だが自分には目玉があるという感触が伝わってくる。 痛くて痛くて仕方ない!!はやく永遠にゆっくりしたい!!だけど死ねない!! れいむが一体何をやったというの!!はやくかわいれいむをここから救って!! れいむは必死に祈るもその声は届かない。 必死に祈っていると、目の前に光が見えてきた。 まるで救いの光であるかの様な光だった。 れいむのバラバラになったパーツはそっちに引きつけられていった。 れいむはこれで自分は救われた!!これで天国でとてもゆっくりできる!! そう思い、目を閉じた…。 「ゆ?」 れいむが目を開けると、そこには三日前に新しく手に入れた自分のすみかと同じ光景が広がっていた。 壁の傷、大きさ、何から何まで完全に同じだった。 「ゆふぅ…ゆめだったんだね!!まったくゆっくりできないゆめさんだったね!!」 れいむはほっと溜息をすると、三日前まで積み重なっていたはずの食糧に口を伸ばそうとした。 だが… 「ゆ?うごけないぃぃぃぃぃぃ!!どぼじでぇぇぇぇぇ!!」 れいむは自分の体が動かない事に気が付いた。 舌を動かそうとした、あんよを動かそうとした。だが体は自分の意思に反した動きをしていた。 「ゆぐぅぅぅぅ!!そっちじゃないぃぃぃぃ!!どぼじででいぶがごんなごどじなぎゃいけないのぉぉぉ!!」 れいむが自分の体に抵抗しているその時であった グシャ!!グシャ!! 誰かがお家の前の結界を破ろうとしていた。なんだと思いれいむは目をそっちに向けた。 「ゆふぅ…なかなかいいおうちだね!!ここをれいむのおうちにするよ!!」 そこへ入ってきたのは一匹のれいむだった。だがれいむはこのれいむを知っていた。 あれは…自分だ!! ここでれいむはなぜあそこに自分がいるのだと分かるとじゃあ今いる自分は?と思い 目だけで体を見回した。 金色の髪の毛、黒いお帽子、そしておさげ…れいむはまりさになっていた 「いったいどうゆうごどぉぉぉぉぉおぉぉ!!」 れいむは叫んだ。だが入ってきた自分はそんなことなどお構いなしに食糧の方に目を向けていた 「…こんなところにあったよ…でいぶのごばんざぁぁぁぁぁぁん!! なにがっでによごどりじでいるんだごのげずがぁぁぁぁぁx!!」 「なにいっでるのぉぉぉぉぉぉ!!これはもともとおうちにあったやつでしょぉぉぉぉぉ!!」 れいむは叫んだ。だが自分はそんな事などしるかと言わんばかりの顔で不敵な笑顔を見せた。 あの顔をれいむは知っている…あの顔をするのは…せいっさいの時だけだ。。 れいむはこれから自分が何をするか理解し逃げようとしたが、体がいうことを聞いてくれない。 自分は少し後ろに体を下がらせると助走をつけ、大きくジャンプした。 「れいむのごはんさんをよごどりずるげずはじねぇぇぇ!!」 「ゆぶぅぅぅぅぅぅ!!」 ボン!! 「ゆっぐじ…」 れいむの体は自分の重みに耐えきれず、弾けとんだ。 普通ならここで永遠にゆっくりしているはずだった。だが、何故かれいむは死んでいなかった。 体がはじけ飛び、体の餡子のほとんどが失われたにも関わらず目が見えるし、痛みも感じるのだ。 そう、まりさが死に至った時の痛みが… ゆぎゃぁぁぁぁぁっぁぁ!!どぼじでえいえんにゆっぐりじないのぉぉぉぉおぉx!! れいむは動かない口で叫んだ。自分で叫んでいるという感触はあるが声は出ない。 「ゆふぅ…かわいいれいむのすまーとなからださんがよごれちゃったよ!! まったくげすはさいごまでめいわくばっかりかけるからいやだよ!!」 自分はそういうとこっちにゆっくりやってきた。 機能を停止しているはずの目玉がれいむにそう教えた。 「ゆんゆん、れいむのごはんさんをかってにとるからこんなめにあうんだよ!! ゆっくりはんっせいしてね!!む~しゃ、む~しゃしあわせぇぇぇぇぇ!!」 自分がれいむを食べ始めた。 れいむは何の抵抗も出来ないまま自分に食べられていく。その皮も…餡子も… 普通ならもう永遠にゆっくりして痛みを感じる暇もないのだが、今のれいむには 皮が細かく砕かれていく痛み、餡子が自分に消化される痛み、目玉が潰される痛み… あらゆる痛みがれいむを容赦なく襲う。 いぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!あっぁぁあぁっぁぁぁぁぁぁぁ!! れいむは狂ったかの様に叫んだ。そして完全に食べられ、また真っ暗な世界に放り込まれた。 痛みに苦しんでいると、暗い空間に光が入ってきた。 「もうおなかいっぱいだよ!!れいむはす~やす~やするね!!かわいくってごめんね!! す~や、す~や」 れいむを食べた自分がそう言ったと同時に、れいむは光に吸い込まれた。 この後れいむは通りすがりのちぇんになった。 あまりの面白い顔をした自分を笑ったがために殺されて食べられた。 次はお散歩していた子れいむになった。 いらいらしていた自分に訳の分からない因縁を付けられ、制裁の名の元に潰された。 その次は狩りをしていたありすになった。 自分の食糧を横取りするなと言われ、必死に説明しようとしたが結局殺された。 これを10回、いや百回を繰り返した頃、れいむは自分が今まで他のゆっくりに何をしてきたかを 理解した。 全ては自分のゆっくりの名の元に、自分は自分の行う事を正義とみなし、他のゆっくりを 理不尽な理由で殺してきたのだ。 自分のご飯だとみなしたものをたべるのを邪魔するゆっくりは殺した 自分を笑ったという理由で殺した。 自分の行く道を邪魔したという理由で殺した時もあった 全ては自分の我儘からだという事を今になって悟ったのだ 101回目…ぱちゅりーの姿になった時にれいむは涙を流しながら謝った 「むきゅあぁぁぁぁ!!ごべんなざいぃぃぃぃぃ!! がっでにごはんさんをうばってごべんなざいぃぃぃ!! がっでにおうじぜんげんをじでごべんなざいぃぃぃぃぃ!! ゆっくりのゆっぐりをうばっでごべんなざいぃぃぃぃぃぃ!!」 ぱちゅりーの姿でれいむは号泣しながら謝る。顔以外は全く動かない体で必死に謝る。 だが、今更遅いのだ…因果応報…自分の犯した罪は必ず報いとなって帰ってくるのだ。 ばぎばぎ!! 「ゆゆ~ん、なかなかのゆっくりぷれいすだね!!ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!!」 自分がお家の結界を破って侵入してきた。 「や…やめてね!!やめてね!!」 「ゆあぁぁん!?れいむのおうちをよこどりするのぉぉぉぉぉぉ!! よこどりするげずはじねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ブチュン!! れいむを食った怪物がどこかも分からない空間をゆらりゆらりと泳いでいる。 正面から見るとあらゆるゆっくりの顔がまるで獲物を狙うハンターのような顔をしながら右、左を 見つけていた。。 だが良く見ると怪物の背中にも顔があった。一つや二つではない、無数にその顔があった。 …みんなでいぶだった。 どの顔も真っ黒い物体からそういうふうに掘ったかのような感じだった。 どのでいぶも涙を流し、顔を歪め、わずかに空いた口から何か喋っていた。 「…ご…なざ…い」 「ごは…さん…どっで…ごべん…ざい」 「ごろじ…でごべん…ざい」 どのでいぶも今まで犯してきた罪を謝罪するかの様にただただ呟き続けていた。 ぼごぼご!!ぼおぼご!! 怪物の背中のわずかな隙間から何かがせり出してきた。 そのせり出してきたものは最初は唯のこぶのように見えたが時間がたつにつれはっきりとした 形を作り出していった。 それは、さっき食べられたれいむだった。 せり出すのが終わったれいむの口からわずかな隙間が生じ、そこから声が聞こえてきた。 ごめんなさい…と この怪物は一体何なのか…それは誰にも分からない。 ただ、これは推測だが…おそらくこの怪物はでいぶによって理不尽な理由で殺された ゆっくり達の無念の魂が集まって生まれたものなのではないか? よくよくその無数にある正面の顔を見るとちょんといた れいむに家と食糧を奪われたまりさ… れいむを笑ったという理由から殺されたちぇんとまりさ… お散歩していただけなのに因縁をかけられ殺されたれいむ一家… あのれいむに殺されたゆっくりが全てここにいた…。 おそらくこの怪物はこの世にいるでいぶを全て殺さない限り消えないだろう。 だがゆっくりの数が増えるほどでいぶは更に増えていく。 ゆっくりが絶滅でもしない限り、怪物に食われたでいぶ達は死ぬことすら許さずに 自分に殺され続けるのだ。 「いやぁぁぁぁぁっぁぁぁ!!おねがいでずぅぅぅぅ!!もうごろざないでぇぇぇぇぇ!!」 「ゆっふん!!でいぶのごばんをうばったげずはじねぇぇぇぇぇっぇぇ!!」 ブチュン!! どことも分からない空間で、れいむは餡子を散らす…。際限なく…。 でいぶの地獄はまだ終わらない…
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とある都市の一角にあるペットショップ。 やや古びた建物であるが内装は綺麗で、清潔感がある。ゆっくり専門のお店であるが、 一見するとどこにでもあるごく普通のペットショップだ。にもかかわらず、ペットショップへ入っていく人の数は多い。 そして、入店する人々の身なりもよい。それなりに高価なゆっくりをおいているお店なのだろう。 ショーウィンドウを覘いていた一人の少女が店員に問いかける。 「店員さん。このれいむの値札のところについている、お花のマークは一体何なの?」と。 店員は少女と同じ目線になるようにしゃがんで言う。 「これはね、菊の花なんだよ。この子達が飼い主さんをどれだけゆっくりさせられるのかを表しているんだ。 この子はね、みんなをとってもゆっくりさせられるゆっくりだよ。」 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!」 「へぇ~!確かにこのれいむはなかなかかわいいね!」 「ゆっくりありがとう!おねえさんもすてきだよ!ゆっくりー!」 ゆっくりは生き物である。機械のように正確なデータを取れるわけではない。 ましてや感覚的な指標である、【ゆっくりしている】なんてものを計ることは不可能である。 これは実験的に得られたデータではもちろんない。 では、この菊の花は何を示しているのだろうか? ふかふかのベットで横たわっているれいむ。こいつとは6年の付き合いだ。 初任給で買ったはじめてのゆっくり。育て方がよく分からず、たびたび辛い思いをさせた俺に、文句も言わず優しい笑顔見せたれいむ。 その目がもう開くことはない。視覚を維持する力を既に失っているのだ。 俺はれいむの頭を撫でる。俺達とれいむは最期まで繋がっているということをれいむに伝えたいから。 れいむの長女であり、わさわさしたもみ上げが特徴的な通称わされいむが、れいむの頬へしきりにすーりすーりを繰り返している。 どんなゆっくりであっても、すーりすーりをすれば心があったかくなる。 しかし、わされいむの目からは涙が止まらない。これから起こることを考えれば当然だ。 いくら理屈を聞いたって、感情で生きているゆっくりが溢れ出る悲しみを抑えることなんてできないのだ。 「ゆぐっ・・・ゆぐぅ・・・お゛かぁじゃぁぁぁん・・・」 「なかないでね・・・おちびちゃん・・・。れいむはゆっくりしているよ・・・」 「れ゛いむ゛はおぢびちゃんじゃな゛いよ!れいむはおかあさんだよ!ふたりのおちびちゃんもいるよ!!!」 「おかあさんからみるとね・・・おちびちゃんはいつでもおちびちゃんなんだよ・・・。 おちびちゃん・・・。こどもたちをりっぱなかいゆっくりにそだてるんだよ・・・」 「ゆ゛っぐちわがったよ゛!!!」 「それとね・・・おにいさんに・・・ゆっくりしてもらうんだよ・・・」 「も゛ちろんだよ!!!れい゛むはかい゛ゆっぐりだよ!!かいぬ゛しのおに゛い゛さんをゆっぐり゛させるのは、とうっぜんのぎむさんだよ!!!」 「ゆふふ・・・。おにいさん・・・」 「どうした、れいむ。」 「おちびちゃんをよろしくね・・・」 「もちろんだ。安心してくれ。」 「ゆふふふ・・・。おにいさん、ゆっくりありがとう・・・それとね・・・」 「いままでれいむといっしょにいてくれてありがとう・・・。 おにいさんのかいゆっくりで、れいむはとってもしあわせだったよ!・・・」 「俺もれいむみたいなゆっくりと過ごせて本当に良かったと思っているよ」 「ゆっくりうれしいよぉ・・・。こんどうまれるときもおにいさんにゆっくりあえたらいいなぁ」 「会えるさ、俺達なら。そんときもれいむをゆっくりさせてやるよ!」 「ゆっくりきたいしてるよぉ・・・。それじゃあ・・・おにいさん・・・」 「ああ」 「もっと・・・ゆっくり・・・することは・・・ないよ・・・・」 「・・・さようなら、れいむ。」 長い静寂が訪れる。ここにいる者が皆、れいむの死を受け入れようとしている。 「おがぁじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!」 わされいむが泣き叫ぶ。2匹の赤ゆが見ているのもお構いなしだ。れいむと離れるのが嫌で唯一里子に出さなかったれいむの子供だ。 れいむに対する思いは誰よりも強いのだろう。泣きじゃくるわされいむをそっとしておいてやり、俺はある場所に連絡をする。れいむの最期の晴れ舞台のために。 れいむの遺体を頑丈な木箱に安置する。もちろんれいむの遺体が傷まないように綿を敷き詰めて。これはれいむの棺となるものだから。 ―翌日・午後15時ごろ れいむを入れた木箱を家の前に現れた、ゆっくり専用の霊柩車、通称【れいうーしゃ】に載せる。 れいうーしゃの速さは人間がゆっくり走る程度なので、俺はわされいむと赤ゆっくり達を抱えてとある建物へ向かう。 看板には「ゆっくりとむらっていってね」という文字が書かれている。そう、ここは葬儀場だ。それもゆっくり専用の。 建物の中に入ったら、わされいむ達を控え室において、俺は葬儀屋の人と打ち合わせを行う。 今までゆっくりさせてくれたれいむのためにも入念に打ち合わせを行う。そうだ、俺達とれいむの最期の大仕事だ。 ―午後17時ごろ 参列者が集まってくる。里子に出したれいむの子供達とその番、もちろん飼い主の方々もいっしょだ。 つややかな毛並みが印象的なまりさがぽいんぽいんと跳ねてくる。喪服を来た女性がまりさの後を追うように近づいてくる。 「おにいさん!おひさしぶりだぜ!おかあさんがえいえんにゆっくりしちゃってまりさもかなしいけど、 おにいさんとすごせておかあさんはしあわせーっ!だったとおもうから、まりさはなかないんだぜ!!!」 「そうか・・・。相変わらず元気だなぁ、まりさ。お姉さんには迷惑かけてないか?」 「も・・・もちろんだぜ!!!まりさはきんばっじもとれたかいゆっくりなんだぜ!!!おにいさんもしってるはずだぜ!!!ほんとうだぜ!!!」 「まぁ、まりさが根はいいやつだってことは知ってるさ。それより向こうで番と子供達が待ってるぞ。行かなくていいのか?」 「だぜ!?うっかりしてたのぜ!!!ありがとうなのぜ!おにいさん!!!じゃあむこうにいってるのぜ!!!」 「ああ、じゃあちょっとだけ待っててくれよ。」 心配そうに俺達の方を見ていたありすとその子供達。彼女達はまりさの番のありすとその子供達である。 ありすは飼いゆっくりコンテストで優勝したことがあるほどの美ゆっくりで、 まりさとありすが番になることを報告しに来たときのまりさの鼻の下の伸び具合(鼻なんてゆっくりにはないが)がとても印象的だったことを覚えている。 見たところ夫婦円満で、非常にゆっくりしていると傍からみてもよくわかる。彼女達の努力もあるが、今俺の目の前にいる女性の教育が功を奏しているのだろう。 「お久しぶりですね」 「ええ、まりさのけっこんしき以来ですね。」 「まりさ、迷惑かけていませんか?さっきちょっと怪しい素振りを見せたので」 「いいえ、まりさちゃんはいい子ですよ。ただ、昨日れいむちゃんが永遠にゆっくりしたという話をまりさにしたら、ずっとふさぎ込んじゃって・・・。 今は何とか持ち直したのですけど、寝るときにかなしーしーをしたりして・・・」 「ああ、まりさってショックなことがあるといつもそうでしたから。うちにいたときはれいむが慰めて初めてかなしーしーが止まったんですよ。 成体になってからは全然しなくなったって聞いたんですけど、昔のことを思い出したんですかねぇ・・・。」 「かもしれなせんねぇ・・・。れいむちゃん本当にいいゆっくりだったんですね。」 「そう言って頂けるとれいむも天国で喜んでくれると思います。」 「ふふふ・・・。じゃあ、まりさちゃんのところに行ってきますね」 「それでは、また」 れいむの子供は3匹いる。我が家で飼っているわされいむ。今喪服の女性が飼っているまりさ。どちらも 新しい家族を持っている。そして、わされいむの番はちぇんであるが、けっこんっしてもなお、飼い主の人がちぇんを飼いたいと 言うことでわされいむとは別居している。ただし、毎週会っているのでれいむもちぇんも子供達も幸せそうだ。 もう一匹の子供はれいむ種だ。しかし、れいむ種であることは彼女にとって苦痛だった。 彼女は生まれながらにして子を成す能力を持たない。 ぺにぺにを使ってもも、まむまむ使っても、すーりすーりを行っても、何をしたっておちびちゃんは生まれなかった。 れいむ種は子育てを生き甲斐にして日々を過ごす。己のアイデンティティを喪失した日々はどれだけ苦痛なのか? 赤ゆっくりから子ゆっくりになる頃、里子に出す前に連れて行った健康診断で、その事実は判明した。 長女であった心優しい彼女は、その日から妹達に当り散らす乱暴な姉へと豹変した。 乱暴にもみ上げを振り回し、妹達に八つ当たりで何度もぷくーっをしていた。 れいむはもちろん止めた。子ゆっくりごときの力では成体であったれいむには逆らえない。 押さえつけられてもなお彼女は暴れる。「どうしてこんなことするの?」というれいむの問いに対して、彼女―ふくれいむは 「おま゛えがこんにゃふうに゛うんだがらだぁぁぁぁ!!!げずなばばぁはじねぇぇぇ!!!」 と酷く罵った。そのとき偶然帰宅した俺が見た、あのれいむの悲しそうな表情は決して忘れることはないだろう。 何度も癇癪を起こすふくれいむと、れいむは何度も向き合った。どれだけ罵倒されても。どれだけ暴力を受けても。 ふくれいむも結局里子に出したのだが、最後までれいむはふくれいむのことを心配していた。 彼女の飼い主には連絡をした。飼い主の方は行くつもりだが、ふくれいむが葬式に来るかは彼女次第だと、彼は言っていた。 ふくれいむは来てくれるのだろうか? クイクイ ズボンの裾を誰かが引っ張る。若干力加減が分かってないこの引っ張り方は・・・ 「ひさしぶりだよ・・・おかあさんのおにいさん・・・。」 「ふくれいむ・・・。元気だったか?」 「いまのおにいさんはとってもゆっくりしてるから、れいむはとってもゆっくりしてるよ。」 れいむは元気といったが表情は曇っている。そういえばさっきれいむのことを・・・ 「なぁ、ふくれいむ。いまおかあさんっていったよな?」 「ゆっくりいったよ・・・。」 ふくれいむは里子に出す最後の日もれいむのことをばばあと罵っていた。そんなふくれいむが無き母のことを呼んだ。 「・・・・・・母親のこと、もういいのか?」 「・・・いいもなにも・・・。れいむがまちがっていたんだよ・・・。 おにいさんからきいたよ。おちびちゃんをうめないでゆっくりしてないゆっくりだったれいむのことを おにいさんにひきとってもらうために、おかあさんがなんどもなんども、おかあさんのおにいさんとたのみにいったことを。」 「おにいさんからきいたよ。いつだっておかあさんはれいむのことをきにかけてくれていたって・・・。 な゛のに・・・なの゛に゛・・・。れ゛いむ゛は・・・れ゛いむ゛は゛・・・!!!」 下唇を噛み、必死に涙を堪えるふくれいむ。後悔の念がひしひしと伝わってくる。 そうだ、誰だって喧嘩別れはしたくない。 「ふくれいむ」 「・・・ゆ?」 「安心しろ。ふくれいむのかあちゃんはいつだってふくれいむを信じていたよ。 れいむはな、お前をゲスなのかと疑った俺に対してこう言ったんだ。『おちびちゃんにひどいことしないでね! おちびちゃんもすきでああなったわけじゃないからね!!!きっと、ゆっくりできなくてつらくなったんだよ!!!れいむがはげましてあげるから おちびちゃんとれいむのことをしんじてね!!!おねがいします!おにいさん!!!』ってね。 どんなにお前が罵倒しても、れいむにはそれが祈りの声に聞こえた。 どんなに暴力で訴えようとも、れいむはそれがSOSだと感じ取った。いつだってれいむはお前の苦しみを分かろうとしていたよ。」 「そして、今やっと気持ちの整理が付いたわけだ。ゆん生最大といってもいい難題に立ち向かった娘を、れいむはきっとあの世で誇っているだろうな」 「ゆん・・・・。あじがどう・・・おかあじゃんのおに゛いざん・・・」 「どういたしまして」 「じゃあ、れいむはおにいざんのところにいぐね・・・」 れいむはのそのそと這って進む。跳ねるような気分ではないのだろう。 さて、そろそろ始まるな。 ―午後18時頃 ちぇんの飼い主が葬儀の10分前に到着した。忙しい方なので来れたことが奇跡だった。 葬儀は家族葬であり、あまり大きな部屋を使うことはない。人間が4人。ゆっくりが9匹とごく少数で行われるためだ。 祭壇が既に出来上がっている。れいむの遺影の周りには菊の花が添えられている。ゆっくりは花が大好きだ。れいむも喜んでくれるだろう。 れいむが生前好きであったお菓子がいくつも並べられている。俺が御供えしたものの他にもいくつかれいむの大好物がある。 オレンジジュース、コーンフレーク、ショートケーキ、ノースマンなど色々なものがある。 立てられた線香からはいい匂いがする。用いられる線香は一般的に使われる杉線香ではなく、甘い匂いのする匂い線香である。 ゆっくりは一般的に杉線香の匂いを好まないためである。彼らの世界観に合わせてあまあまの香りが充満していた。 葬儀に参った人、ゆっくりは皆着席している。 司会のゆっくりしょうが、厳かな雰囲気の中の開式の辞を始める。 「ただいまより、ゆっくりれいむさんのごそうぎっをはじめさせていただきます!」 「では、どっきょうっ!をはじめたいとおもいますっ!どうし、びゃくれんさまおねがいします!!!」 「なむさん!ではゆっくりどっきょうっ!をはじめます!なむさん!」 ゆっくりとお経を唱えるびゃくれん。お経とは言うものの、びゃくれんの読むお経は人間の葬式で読まれるお経ではない。 漢字だらけの意味のつながりがよく分からない呪文を聞いたところで、ゆっくり達が安心してあの世に行ける訳じゃない。 それぐらいならば、ゆっくりの分かる言葉を、ゆっくりが有難がるびゃくれんにゆっくり出来るように読んでもらったほうがいい。 そういった考えで、ゆっくりのための読経は生まれた。あまあま、ゆっくりぷれいす、けっかいっ、しんっこんっなど ゆっくり達がよく聞く言葉で、そのお経は書き綴られていた。俺には全く意味の分からない言葉だが、れいむがあの世でゆっくりするためのものなので気にしない。 じっと座り、お経を聞いていたわされいむが、ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・と泣き出した。 れいむの遺影を見て、悲しみがこみ上げてきたのだろう。何も言わずハンカチを差し出す。わされいむはハンカチに顔を埋める。 葬儀をちゃんと終わらせるため、この雰囲気を壊さないため、ゆっくりという空気を読めない種族であるにもかかわらず、わされいむは必死に耐えていた。 長い読経が終わる。 お経を読み終えたびゃくれんはこちらを向いて、位牌を持ち、装重な雰囲気を出しながら言う。 「ゆっくりれいむさんのかいっみょう!はたくっさん!ぼせいゆっくりれいむながながです!なむさん!」 かいっみょう。これはいわゆる戒名のことを指す。ゆっくりにも死後の名前をつけようということらしい。 「このたくっさん!というぶぶんは、かいぬしさんをたくっさんゆっくりさせることができたといういみです。なむさん!」 もちろんだ。れいむは俺に多くのことを残してくれた。感謝してもし足りない。 「このぼせいというぶぶんは、おちびちゃんたちのことをだいいちにかんがえた、しんのぼせいをもったゆっくりであるといういみです。なむさん!」 れいむの子供たちが頷く。彼女達皆がれいむの愛に包まれて健やかに育った。 「ゆっくりれいむというぶぶんはれいむさんがゆっくりれいむであったことのしょうめいです。なむさん!」 「そして、ながながというのはれいむさんはながくいき、おおくのものたちとであい、おおくのしあわせーっをもたらしたゆっくりであるといういみです。なむさん!」 ここにいる皆が全て頷く。そうだ、れいむがいなかったら俺達は全くの他人、他ゆんであった。れいむはみんなと繋がっている。 これが最後の作業になる。 れいむとお別れしなければならない。 木箱の棺に入れられたれいむをみんなでのぞき込む。 幸せそうに笑っているれいむはもう二度と動くことはない。受け入れたはずの現実は、俺をしつこく攻め立てる。 動悸が早くなる。焦点が合わなくなる。今になってれいむを失った悲しさがどんどんどんどん溢れ出てくる。 気分が悪くなり、しゃがんだ俺をわされいむが涙を溜めた双眸で、必死に曲線を描いて笑顔を作る。 まりさも俺のことを心配そうに見つめる。ふくれいむはじっと俺のほうを見て、コクリ頷く。 わされいむは言う。 「おにいさん、ゆっくりおかあさんをみおくろう」 れいむの面影がある、れいむの子供達の母への愛と強い意志を目の当たりにして、 「そうだな、ゆっくり・・・そしてしっかりと見送ろう」 この葬式においての遺体の処理方法は食葬である。 れいむの体を毟り、饅頭となったれいむを食す。食したら少しずつ棺の中に清められた餡子を詰めていく。 葬儀に参加したもの全員でれいむを食べ、れいむを思い出し、れいむを忘れないように心に刻む。 「む゛ーちゃ!む゛ーちゃ!」 「むーぢゃ゛!むーぢゃ゛!」 「むーじゃ!!むーじゃ!!」 れいむの餡子を食べる子供達は誰も幸せとは言わない。 母の一部を少しでも感じ取れるように必死で喰らう。最期の繋がりを逃さないように。 俺もれいむを喰らう。一口、二口とれいむを口に含むたび、楽しかった思い出、辛かった思い出、れいむと過ごした日々が浮かび上がる。 飼育ケースから初めて出たれいむに、ボールを与えたときのこと。 何時に無くはしゃぐれいむを見て、つい調子に乗った俺がれいむをボールに乗せて怪我をさせてしまったこと。 生まれて初めての他ゆんに緊張しているれいむをリラックスさせようと、キタキタ踊りを踊ったら場が白けてしまい逆効果だったこと。 でも、その話題のおかげでれいむはけっこんっ!することができたんだ。 我が家で行われたけっこんっしきの事は今でも忘れない。近所の飼いゆっくりを入れるだけ入れて、やったから、足の踏み場もなくなってたな。 れいむと番のまりさにナイフを持たせて、れいむとまりさを持ち上げて巨大ケーキを切ったのもいい思い出だ。 後で、実際には俺が切ったんじゃねえかという近所のぱちゅりーの指摘で、ショックを受けていた2匹の顔は本当に良い表情だった。 れいむ達の子供が生まれるときのことも忘れてないぞ。れいむが必死に息んでいたのに俺とまりさはずっと狼狽していたな。 れいむが赤ちゃんを受け止めてって俺らに言ったとき、テンパった俺達は何をしたんだっけ? 確か、おれはキャッチャーミットを持ってバッチコーイ!とかいった気がする。 まりさの方はゆっくりうけとめるのぜ!!!って言いながらティーカップを持ってきていた気がする。 何もあんな時にボケなくてもいいが、思い返せば本当に笑えるなぁ 子供達が生まれてすぐに、侵入してきた野良ゆっくりと戦って、まりさが永遠にゆっくりしちゃったことがあったな。 三日三晩悩んだれいむが俺に告げた言葉の重さが今になってやっと分かる 『れいむはしんぐるまさーじゃないよ!えいえんにゆっくりするまでまりさのつまだよ!!! それにれいむはおちびちゃんをひとりでそだてないよ!!!おにいさんといっしょにがんばるよ!!!よろしくおねがいします、おにいさん!!!』 母性の塊であるれいむ種が、一緒に育てるという言葉を発するということはどれくらいの重みをもっているのか。 れいむの子供達の生き様を見た今ならわかる。れいむは俺が思っている以上に俺を信頼していた。 俺もれいむが思っている以上にれいむを信じていたつもりだ。 れいむの体がリボンと中枢餡のみとなる。棺の中は餡子で満たされている。 「では、親族のゆっくりの方は前へいらしてください」 係りのゆっくりしょうが、れいむの子供達の前に三分割した中枢餡をおく。 別れの言葉を告げながら、中枢餡を食らっていく。 「おがぁじゃぁぁぁぁぁん!!!れいむ゛がんばるよぉぉぉぉ!!!」 「り゛っぱなおっとになるんだぜぇぇぇ!!!おどうざんみだいになる゛がらきたいじてぼしいんだぜぇぇ!!!」 「おがぁじゃんごべんねぇぇぇ!!!!れい゛む゛ぜっだい゛じあわ゛ぜになるよぉぉぉぉ!!!」 中枢餡を食べ終えた子供達は涙を流し叫び続ける。我慢し続けた思いが全て放たれる。 誰もそれを咎めない、最後はゆっくりなりの弔い方をしても別に構わないだろう。 「おにいさん、棺の中にこの花を」 しょうから渡されたのは紅色の菊、白色の菊の2輪であった。 れいむのリボンを棺のなかで敷き詰められた餡子の上におく。 棺の前に立ち、紅白の菊を棺の餡子に差し込んでいく。これが俺がする、飼いゆっくりとしてのれいむの弔い方だ。 れいうーしゃが現れる。建物に隣接している霊園にれいむの棺を送り届けるためだ。れいうーしゃにれいむの棺を渡す。 れいむだったものはもうリボンしか入っていないが、それでもれいむの棺だ。 俺達はれいうーしゃの後についていく。 れいむの墓に棺を入れる。棺はゆっくりの大きさに合わせたものであるので、お墓にある空洞に棺を入れる。 棺を入れたら空洞に蓋をする。これでれいむは安らかに眠れる。 ふくれいむはつぶやく 「おかあさん、ゆっくりねむってね・・・。」 今まで本当にありがとう。れいむのことは死ぬまで・・・、いや死んでも忘れないよ。 これからはれいむの家族と、俺のことを見守っていてくれ。 さようなら。 <おまけ> 「せんぱーい!知ってるっすか?知ってるっすか?」 「君のテンションが高い理由なら知らないよ。」 「ちがうっす!人気のあのペットショップのことっす。あの菊の花のマークがついてるっていうやつっす。」 「まぁ、一応はね。」 「友達のなかで話題になってるんっすよ!是非知りたいっす!」 「ふーん、あそこねぇ。いいとこだけど学生が行くようなとこじゃないよ。 ゆっくりの品質に関してはかなり上質なものばかり売ってるし。」 「自分は別にゆっくりを飼おうと思っているわけじゃないっす!あのマークがなんなのか知りたいだけっす!」 「はいはい、仕方ないなぁ。あのマークは餡統の良さを表しているんだよ。」 「餡統の良さを表すのに菊のマーク?なんか変っすね?」 「あの菊の花のマークはね、その餡統のゆっくり達に対して行われた葬儀の回数を表しているんだ。 ペットの葬式ってのはお金がかかるだろう?それを敢えてやってもらえるようなゆっくりは、飼い主をゆっくりさせたといっても過言ではない。 そういう判断から葬式の数を餡統の指標として使っているんだ。」 「ふーん・・それって当てになるんだかわかんないっすよね?」 「まあね。普通の餡統表も当てにならないから、人によってはこっちを重視するんだよ。」 「そんなもんっすかねぇ。」 「そんなもんだよ。人は歴史をありがたがるから」 <あとがき> 前回は愛でよりHENTAIが前面に出てしまったので今回はちゃんとした愛で作品です。 にしても真面目な物語を書くのは意外と難しいですね。ところどころボケやギャグを入れたくなる衝動に駆られました。 今作品に関係ない話ですが、 のすたるじあき様、挿絵ありがとうございました。 かわいいみすちーの絵も含めてとてもゆっくりさせていただきました。ありがとうございます! 後書きはこれくらいにして・・・ 以上シリアスを書くと筆が遅くなるドナルドあきでした。 菊の花言葉は・・・? 過去作 anko1066 ゆくドナルド anko1166 ゆくドナルド2 anko1304 れいむと・・・ anko1384 豆れみりゃとこうまかん anko1395 ゆくドナルド3 anko1404 お前のゆん生30点 anko1432 幸福マスベ 挿絵:車田あき
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「やめろぉぉ!くそにんげん!きたないてで、れいむにさわらないでね!」 れいむは公園で得意のお歌(笑)を歌っていた所を男に捕らえられた。 れいむは作業服を着た男の手の中で必死に暴れる。 しかし所詮はゆっくりの抵抗、男は鼻歌交じりで回収車に向かう。 「ゆぎぎ…はなしをきけーくそにんげん!れいむはおこるとこわいんだよ!!」 「大分活きの良いゲスだな……とりあえず、これ確保かな?」 「ゆっがぁぁぁぁ!いだいなれいむを、げすあつかいしないでねぇぇぇぇぇ!!」 回収車の中では薄汚れた様々な野良ゆっくり達がひしめき合っていた。 そんな様子をれいむは男の手の中で眺める。 「なんなのぉぉぉぉ?!もしかして、かこうじょさんなのぉぉぉぉ?!どぼじでぇぇぇ?!」 「れいむはしんぐる(以下略」 「ぱちゅはこうえんのけんじゃ(以下略」 「いやぁぁぁぁ!わから(以下略」 「まりさはつよ(以下略」 各種それぞれお決まりのセリフを吐きながら必死に飛び跳ねたり、金網に体当たりしていた。 当然れいむは加工所が何なのかは知らない。 しかしそれが「ゆっくりできない場所」である事は理解できていた。 れいむは更に必死にもがいた。 ところがれいむは金網には入れられず、透明なケースに入れられた。 れいむはこの状況をアホなりに考える。 流石の餡子脳でも扱いが違うことに気が付いたれいむは更に態度がでかくなる。 「ゆ~っぷぷぷぷ!おぉ、あわれあわれ!みにくいのらどもが、たくさんつかまっているよ! かこうじょで、せいぜいゆっくりできなくなってね!れいむはいだいな、かいゆっくりになるよ!!」 「ゆぎぎぎぎ…」 「むぎゅぅぅぅぅ!!」 「わがらないよぉぉぉぉ!!」 「ゆっがぁぁぁぁ!!」 自分も捕まっている上に汚い野良だという事を棚に上げて、散々金網の野良達を見下していた。 「ゆっぷぷ~♪のらがくじょされるのは、ゆっくりできるよ!せんべつに、えらばれたれいむが、おうたをうたってあげるよ、、 ゆっくりかんしゃして、しんでいってね!……ゆぼぇ~~~~~♪」 お歌という名の公害を撒き散らすれいむ。 しかしそんなれいむを止められる者は誰も居なかった。 金網の中の面々はただ悔しそうにするだけだった。 それから金網の方にはどんどんゆっくりが追加されていった。 れいむはすっかり上機嫌で歌い続けた。 「ゆわっほ~~い♪まりさはおそらをとんでますのぜ~~♪」 「まったくこのバカまりさは…にんげんさんにつかまっただけでしょ?」 「お前らもここに入っていろ、喧嘩しないで仲良くしろよ?」 「ぼぇ~~~♪…ゆん?なんなの?このきたないのらは?…れいむとおなじでえらばれたの?」 「まりさはまりななのぜ~♪よろしくなのぜ~♪」 「きたないのはおたがいさまよ!」 男がれいむの入っていた透明ケースに追加でまりさとありすを入れた。 まりさは状況が良く解っていない様なおバカで、ありすは突っ込み役のようだった。 番かどうかは解らないが、れいむには同じように択ばれたゆっくりが居るのが気に入らなかった。 「ゆむむ…!れいむはおんりーわんで、なんばーわんだよ!ゆっくりりかいてね!」 「ゆふふ~ん♪おりわーの、なぼぼーなのぜ?ゆっくりりかいしたのぜ~♪」 「はいはいゆっくりしていってね!………つかれるわ…」 それかられいむは箱の同居人には関心を示さずに、金網の中のゆっくり達を眺め哀れんだ。 「ゆふふ…また、ばかなまりさがつかまったよ!いいきみだね!とくべつなれいむをみてしっとしてね!」 またゆっくりが運ばれてきた、今度はまりさの親子だった。 浮かない顔の親まりさとは対照的に、子まりさは興味深そうに周りを見渡していた。 まりさ親子はれいむ達と同じく透明ケースに入れられた。 「なんなの?まりさたちも、えらばれたゆっくりだったの?でも、きたないまりさたちは、れいむのそばにこないでね!」 「ゆゆ!しんいりさんなのぜ~♪よろしくなのぜ~♪ゆっくりしていくのぜ!」 「ゆふふふ…けっこうとかいはなまりさね!このあほまりさとは、おおちがいね」 「どおしてそんなこというのぜぇぇぇぇぇ?!」 れいむは追加されたまりさ親子も気に入らなかった。 どうしてこんな薄汚いゆっくり達が自分と同格に扱われるのか不思議で仕方なかった。 「おちびちゃん、おとうさんのいったとおりなのぜ?まりさたちはえらばれたのぜ!」 「ゆーん♪さすがおとーしゃんだね!まりしゃたちが、ゆっくちしていたごほうびなのじぇ?」 「…そ、そうなのぜ!だから、これからもっとゆっくりするのぜ!」 「ゆっくちー♪」 まりさはそう言いってはいたが、あまり喜んではいなかった。 子まりさの方は父の言葉を聞いて嬉しそうに体を揺らしていた。 れいむはそんな親子を面白くなさそうに眺めていた。 「ゆわぁぁぁぁぁ!なにするのぉぉぉぉぉ?!あめさんは、ゆっくりできないでしょぉぉぉぉ?!」 加工所に運び込まれたれいむ達は金網のゆっくり達と分けられ、程よい暖かさの水で洗浄された。 しかしれいむは雨だと思い、必死に喚き散らした。 濡れた体を丁寧に乾かされたれいむ達は、再度透明なケースに入れらた。 そしてケースはカートに乗せられ、そのまま何処かへ運ばれて行く。 「このくそにんげんども!れいむはえらばれた、えりーとなゆっくりだよ!こんどぶれいなまねをしたら、 せいさいしてあげるよ!れいむをおこらせるとこわいんだよ!!」 れいむは作業服姿の人間に罵声を浴びせる。 だが、人間達は特に気にする様子もなかった。 れいむは人間達が自分のことを恐れているのだと勘違いしていた。 「ゆふふ!れいむのおそろしさをわかったんだね!かしこいどれいたちだね!!きにいったよ!」 しばらくすると、ゆっくり達を乗せたカートが大きな扉の前で止まる。 この先には自分の為の素晴らしいゆっくりプレイスがあるのだと、信じて疑わないれいむだった。 ゆっくりと扉が開かれると、そこには目が痛くなるほど真っ白い部屋が広がっていた。 中には白い服を着た人間が居て、れいむ達を品定めするかの様にに眺めていた。 「ゆふふ!これがれいむのどれいなんだね!さすがれいむは、えらばれたゆっくりだね!」 「ゆふふ~ん?まっしろなにんげんさんなのぜ~♪」 「しろはせいけつでいいわね、とかいはなかんじよ!ゆっくりできるわ」 「ゆわーい!にんげんしゃんこんにちはー♪ゆっくりしていってね!」 「ゆぅ…にんげんさん…よろしくなのぜ……ゆっくりしていってね」 白服の人間はゆっくりの多様な反応に満足したようにニコニコ笑っていた。 「ゆふふん!やいくそどれい!れいむさまが、いだいなかいゆっくりになってあげるから、たくさんかんしゃしてね!」 傲慢な態度を見せるれいむだったが、それを見た白服は嬉しそうに目を細めたのだった。 そんな白服の様子に、れいむは満足そうに憎たらしい笑みを浮かべた。 そしてこう考えた。 この人間はれいむをゆっくりさせる為だけに現れた奴隷だと。 白服の人間は、まりさ親子、れいむ、アホまりさとありす、といった感じで透明ケースにゆっくり達を入れる蓋をした。 ゆっくりの入ったケースは棚に収められると、敷居をされお互いのケースが見えない様になった。 「なんなのこれは?れいむはこんなせまいところには、はいりたくないよ!」 れいむはそう騒いだが、白服の人間はニコニコ笑っているだけで取り合おうとはしなかった。 そんな人間の様子にれいむは怒り出し、透明な壁に体当たりをしたり、うんうんやしーしーを撒き散らした。 「ゆゆ?…くさぁぁぁい!どおしてこんなところに、うんうんやしーしーがあるのぉぉぉ?! やい!くそどれい!さっさとこれをかたづけろぉぉぉぉ!!れいむがゆっくりできないでしょぉぉぉぉぉ!!」 だか、白服の人間はそんな様子に気が付きもせず、何処かへ行ってしまったのだった。 れいむは大いに怒り狂ったが、やはり箱の中が臭いのか隅っこに行ってじっとしていた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!でも、もっとおいしいものがたべたいよ!たくさんでいいよ!」 この部屋にれいむが運び込まれて数日たった。 このれいむは片親がゲスだった為、れいむ自身も勘違いゲスにはなっていたが、 野良生まれの野良育ち、そんなれいむには多少甘い物なら何でもご馳走に思えたのだ。 だが、欲張りなれいむはさらに甘い物を要求する、これは貧しい野良時代の反動なのかもしれない。 普通なら当然こんな要求は通らないはずだったのだが、 白服の人間は少し考えてから何処かへ行くと、何かを持って再び現れた。 手に持っていたそれを、れいむの目の前に投げ入れると、すぐにケースに蓋をしてれいむの行動を観察する白服。 れいむは少し戸惑ったが、甘い匂いに誘われて白服が持ってきた物を口にする。 「ゆん?なんなのこれは?……むーしゃ、むーしゃ………し、し、し、しあわせぇぇぇぇぇぇぇ!!」 それはれいむが今まで味わった事がないあまあまだった。 れいむの価値観がひっくり返るほどの甘みが口の中いっぱいに広がっていく。 あまりの幸福感におもわず、うれしーしーしてしまうれいむだった。 しかし、そんな事にも気が付かないほど、この甘さに酔いしれていた。 そんなれいむの様子に満足したのか、白服はニコニコ顔で去っていった。 ここに来てからの生活はそう悪いものではなかった、むしろ今までの野良生活から考えたら天と地ほどの差があるだろう。 ご飯は一日三食与えられ、定期的に体を洗ってもらえた。 体を洗う習慣のなかったれいむは最初抵抗はしたが、より綺麗になれると人間に言われれば上機嫌で体を洗わせた。 寝床にはふかふかのタオルも用意され、水もいつも新鮮な物を用意してもらった。 うんうん、しーしー場もちゃんと用意されてはいたが、野良生活の長いれいむは気が向いた場所で垂れ流していた。 その度に白服がそれらを毎日綺麗にし、ちゃんと教えた場所にしろと言うのだが、 増徴したれいむが、奴隷だと思っている人間の言う事など聞くはずもなかった。 その上白服がそれらを毎日綺麗にしてくれるので、更に調子に乗り出したのだった。 「ゆふふ…すばらしいどれいだよ!うすぎたないどれいにんげんは、いっしょうれいむのうんうんをそうじしてね!」 れいむは得意そうにニヤつくと、誰に言うでもなくそう呟いた。 そんなれいむには、どうしても許せない事があった。 それは毎日の様に白服が自分の体を隅々まで見回す事だった。 「ゆゆ?!おそらをとんでるみたー………なにしてるの?くそどれいがぁぁぁぁ!!きたないてでれいむをさわらないでね!」 白服に持ち上げられ、お決まりのセリフを言いかけるが、すぐに白服に罵声を浴びせる。 普段従順な奴隷が唯一れいむの言う事を聞かない時間であった。 れいむは必死に体を動かし、白服の手から逃れようとする。 ブリブリと醜く動き回るれいむだが、所詮ゆっくりの抵抗。 白服はれいむを調べ上げると箱に戻した。 箱に戻されたれいむは毎日の様に罵声を浴びせ続けたが、白服は一向にそれを止めようとはしなかった。 賢いゆっくりならば、毎日の不満が溜まりそうではあるのだが、 このれいむは嫌な記憶をうんうんと一緒に排泄してしまっているので、毎回のように同じ反応を示した。 そんな様子をひそかに笑う白服だった。 れいむがここに連れて来られて数日たった。 何時しかその体は「でいぶ」と呼ばれるには十分なほど膨れ上がっていた。 人間が毎日の様に極上のあまあまをれいむに与えたせいもあるが、 元々このれいむは体を動かすのが好きではなかった。 箱はれいむが動き回るには十分な広さではあったのだが、 狩をする必要のない今となっては積極的に動き回ろうと思わなかった。 そんなれいむがする事といえば白服に文句をたれるか、お歌と言う名の騒音を撒き散らすくらいだった。 「やい!くそどれい!れいむが、かれいにうんうんするよ!しっかりかたづけておいてね!」 「くそどれい!このあまあまにはもうあきたよ!もっとおいしいものをもってきてね!たくさんでいいよ!!」 「れいむが、うつくしいおうたをうたうよ!どれいはびせいによって、しなないようにちゅういしてね!」 今日もれいむは好き放題にゆっくり暮らしていた。 それから更に数日後。 「おい!くそどれい!きょうはなんだか、れいむのうつくしいあにゃるがむずむずするよ!さっさとなんとかしてね!」 れいむがそう言うと、白服はれいむのあにゃるの方を調べ始める。 「ゆん!どこみてるの?このくそどれいは!ゆふん♪…れいむのあにゃるに、きやすくさわらないでね!」 無茶苦茶なれいむの要求ではあるが、白服は顔色も変えずにれいむを調べていた。 白服は何かに気が付いた様子ではあったが、特に何もせずにれいむをケースに戻した。 「やい!くそどれい!れいむはあにゃるがむずむずしているんだよ!ゆっくりりかいしてね!!」 だが、白服はそんなれいむに答える事もなくどこかに行ってしまった。 結局れいむは一日中不満を喚き散らしていた。 その日を境にれいむは白服に体の不調を訴え始めた。 「おい!くそどれい!きょうはあんよもむずむずしてるよ!なんとかしないとおこるよ!このままだとゆっくりできないよ!」 そんなれいむを無視するかのように、白服は淡々とれいむを調べると何もしないでれいむをケースに戻した。 れいむはそんな態度に痺れを切らし、大声で怒鳴り転げ回っていた。 更にれいむの体調不良は進行していった。 れいむがその朝起きると、口の周りにむず痒さをおぼえた。 あまりの不快感に口の方に目をやると、口の周りに黒い物が広がっていた。 「ゆ?!…………………………なんなのこれはぁぁぁぁぁぁ?!」 れいむは一瞬の思考停止ののち、大声で叫ぶのだった。 「おい!くそどれい!これはどういうことなの?このまっくろさんはなんなのぉぉぉ?!」 その日あまあまを持ってきた白服にれいむは怒鳴り散らした。 しかし白服は特に何も答えないですぐ何処かに行ってしまった。 「くそどれい!れいむのはなしをきけぇぇぇぇぇぇ!!」 れいむの叫びは空しくケースに響き渡るのみだった。 れいむはその日の昼を待たずに、ケースごと部屋から運び出された。 れいむは箱の中で喚き散らしていたが、白服は気にする様子もなくれいむを運んでいった。 しばらくすると、別の部屋の前にれいむは運ばれていた。 扉が開くとそこには、今までれいむが居た部屋と同じような白い部屋になっていた。 ただ、何か様子が違っていた。 だが、れいむはそれに気がつけるほど頭は良くなかった。 「くそどれい!どおしてれいむのめいれいをきかないの?!れいむはおこっているんだよ!!」 れいむはケースから出された途端に大声を上げる。 もっとも、今まで喚き散らしてはいたのだが、ケースのせいで声が聞こえていないだけなのだが。 白服はそんなれいむを嬉しそうに眺めていた。 「相変わらず元気がいいね…」 白服の人間が嬉しそうにそう呟く。 「なにをわらっているのぉぉぉぉ?!」 「はっはっは!これが笑わずに居られると思うのか?やっと教授の許可が出たんだ!」 「なにいってるのぉぉぉぉぉ?!」 「あぁ、餡子脳のれいむちゃんにも解るように教えてやるか…簡単に言うとな、お前はもう要らないゆっくりなんだよ。 でだ、俺が要らないれいむを引き取らせてもらったんだ。俺の飼いゆっくりになれたんだよ!」 「なにいってるのぉぉぉぉ?!れいむはもとからかいゆっくりでしょぉぉぉぉ!!」 白服は更に面白そうに笑い出す。 「そうだったな…れいむちゃんはここで飼われてるんだと思っていたっけ、はっはっは!」 「なにがおかしいのぉぉぉぉぉぉぉ?!」 「お前の世話をしていると色々とストレスが溜まってね…仕事とはいえ流石に精神衛生に良くないんだよ。 そういう訳でな…これからお前は俺がしっかり面倒見てあげるよ、良かったね♪」 「まずはそのカビを綺麗にしないとね…」 そう言うと白服はナイフを取り出し、押さえ付けていたれいむの体に押し当てる。 金属の冷たさに一瞬体が反応するれいむ。 「ゆがぁぁぁ!はなせ!くそどれい!れいむのいうことがきけないのぉぉぉぉぉぉ!!」 「カビを放って置いたら、そのまま死んじゃうよ。それじゃ面白くないだろ?」 そう言うと白服はカビの生えたれいむの皮をナイフで切り取っていく。 「ゆぎゃぁぁぁ!なにじてるのぉぉぉぉぉ!!がぎぎぎぎ!」 白服はれいむの悲鳴を聞くと、満足したように笑みを浮かべる。 「ゆぎゃ!ごぎゃ!ががががが…」 白服はまるでりんごの皮でも剥くかのように、カビの生えたれいむの皮を剥いていく。 カビが達してない内部の皮は残している為、餡が漏れ出すような事もなく、 れいむは苦しみだけを与えられていた。 「ぎやい!ゆぎゃい!やべろぉぉぉぉ!ゆびびび!れいむのびはだがががが…」 「こんなにカビが生えていたら、美肌もなにもないだろう?まあ、れいむちゃんの肌は、はじめから汚いけどね…」 「ゆぎがぎ!れいむのおはだは…ゆびゃぎぃぃぃぃぃ!」 れいむは涙と涎を撒き散らしながら、必死に身をよじる。 だが、白服はそんな事も関係なしに手際よく皮を剥いていった。 「ゆびぃ…ゆびぃ…ゆびぃ………どれいのくせに、れいむをおこらせたね!こうかいさせてあげるよ!」 皮むきが終り、ようやく開放されたれいむがプクーっと膨れ上がった。 だが、そんな事で白服が怯えるはずもなく、白服はその手に持ったナイフを膨れたれいむの頬に突き刺した。 「ふしゅぎゃぁぁぁぁ!がはがへがほ……」 れいむは萎みながら、白目を剥いて涙としーしーを撒き散らした。 「はっはっは!汚ねえな…じゃあ、次はカビが生えてこないように消毒しようね」 白服はガスコンロに火をつけた。 その手には、頭を鷲づかみされたれいむが必死にあんよをブリブリ動かしていた。 「はなせぇぇ!くそどれい!きたないてでれいむにさわるなぁぁぁ!!」 「やっぱりそのくらい元気が無いと面白くないね、でも俺の手はれいむちゃんの体より綺麗だよ」 そう言い終わると白服はガスコンロの火にれいむのあんよを近づけていった。 「れいむのめいれいをき………ゆぼぁぁぁぁぁ!あづいぃぃぃぃ!なんなのこれはぁぁぁぁ!!」 れいむは火の熱さから逃れようと必死にあんよを動かした。 だが、そんなれいむのあんよを火は容赦なく焦がしていった。 「ゆじゅうぅぅぅぅぅ!あぎゃぎゃががが………れいむのじまんのあんよがぁぁぁ!!」 れいむの涙や汗が体を伝って火に落ちていく。 火はそんな水分では消えるはずもなく、一瞬で蒸発していく。 部屋の中には甘く焦げた匂いが充満していった。 しばらくして、れいむは火から開放された。 あんよは黒く焦げ、だらしなく舌を出して白目を剥いたれいむは銀色のトレイに乗せられた。 白服はそんな姿のれいむの頭にオレンジジュースをたっぷり掛けていった。 オレンジジュースである程度痛みが取れたのか、れいむの表情に変化が現れる。 「ゆひーゆひー……くそどれいがぁぁぁ!れいむからうけたおんをわすれたのぉぉぉぉ?!」 「はて?何かあったっけ?ストレスならかなり溜まったけどね」 「なにいってるのぉぉぉ!!れいむのうつくしいおうたを、きかせてあげたでしょぉぉぉぉぉ!!」 「あぁ、あれか…雑音が聞こえてきたらすぐに音声切ってたからな…」 「れいむのおうたはざつおんじゃないでしょぉぉぉぉぉぉぉ!! 『ボスッ!』 ゆぎゃぶ!」 白服は思わずれいむを拳で殴った、殴られたれいむの頬は大きく変形する。 「ゆっぎぃぃ!なにする…ゆぎゃん!…ゆびょぶ!…ゆげっ!…ぶぎょ!…げぶ!…やべ…ごぼ…」 白服が容赦なくれいむを殴り続ける。 れいむはその度に呻き声をあげ、体を変形させていった。 「ゆぎが…いだ…びぎぎ…がが……ご…ごご…」 「おっと、少しやりすぎたかな…今日はこの位にしておくか、簡単に死なれたら面白くないからな」 そう言うと白服はれいむにオレンジジュースをたっぷり掛ける。 「それじゃあ、また明日な。たっぷり苦しんでいってくれ、れいむちゃん」 白服は部屋の明かりを消して去っていった。 「ぎぎ…ぎ…くそどれいが………」 れいむは暗くなった部屋でそう呟くと、トレイに零れたジュースを舌で舐め取った。 「ゆっぎぃぃぃ!くそどれい!れいむはおなかがへったよ!いつまでまたせるの?たくさんあまあまをちょうだいね!!」 翌日、白服が部屋に入って明かりを点けると、途端に騒ぎ出すれいむ。 昨日の事をすっかり忘れているのか、未だにその態度は傲慢なままである。 白服はそんなれいむを嬉しそうに眺めた。 「いやー流石だね、一度染み付いたゲス根性は中々衰えないね。まあそのくらいじゃないと、こっちも張り合いがないよ!」 そう言うと白服はゴム手袋を着け、持ってきたビニール袋の中身をれいむの前に広げた。 「ゆがぁぁぁ!くさいでしょぉぉぉぉ!!なんなのこれはぁぁぁぁ?!」 「れいむちゃんの為に持ってきた生ゴミさんだよ、お腹が空いているんでしょ?沢山食べてね!」 「こんなもの、たべられるわけないでしょぉぉぉぉ?!」 「黙って食え!!」 「ゆぼふっ!」 白服は文句を言うれいむの頭を一発殴った。 れいむは頭を陥没させ、舌を噛んでしまった。 その痛みに思わず泣きしーしーを漏らすれいむ。 白服はそんなれいむの口を無理やり抉じ開けると、生ゴミを無理やり押し込めていった。 「ふがぁぁ!ごぼべげごぼっ!はへほぉぉ!ぐぼごぼごご!ぐえぼもも…くはいよぉぉぉ!」 れいむは必死に身を捩り抵抗するが、生ゴミはどんどん口に押し込まれていった。 舌で押し返そうともしたが、舌を噛んだせいで上手く動かせなかった。 結局れいむは男の用意した生ゴミを全部口に入れられた。 白服はれいむの口をガムテープで塞ぐと部屋を出て行った。 れいむは部屋で一人、涙と変な汗をかいて苦しんでいた。 「ふむ…やっぱりあにゃるが焦げて上手く機能してないのか、あれだけ食べた割にはうんうんしてないな」 部屋に戻ってきた白服は、無紋の表情で睨むれいむを見るとそう呟いた。 今まで面倒を見てきただけあって、れいむがどれ位のうんうんを排出するのか解っていたのだ。 白服はナイフでれいむの額の皮を四角く切り取った。 れいむは口を塞がれていたので悲鳴を上げることは出来なかったが、痛みに身を捩りナイフを目で追いながら泣いていた。 「はははっ、れいむちゃんは可愛いね。わざわざ額を切り取られると事を眺めるなんてね」 白服はさらに、れいむの焦げたあにゃるを四角く切り取ると、そこに先程切り取った額の皮を貼り付けた。 オレンジジュースで溶いた小麦粉をその上から丁寧に塗って傷を塞いであにゃる周りの修復は終わった。 「それじゃあ、これから新しいあにゃるを着けてあげるよ。ゆっくり感謝してね!」 白服は冷蔵庫からタッパーを取り出すと、れいむにその中身を見せた。 「これは君と同じれいむ種のあにゃる部分の皮だよ、処分されるれいむから拝借したんだよ」 白服はその皮を適度な大きさに切り取ると、れいむの餡がむき出しになった額に貼り付けた。 れいむは泣きながら目を白黒させて、額の新あにゃるを眺めていた。 白服は満足したように部屋を去り、その日は二度と戻って来なかった。 翌日、白服が部屋に入るとれいむの姿を見て驚いた。 昨日取り付けた額のあにゃるが正常に機能しているらしく、れいむの顔は自分のうんうんに塗れていた。 「これは面白いな、博士が喜びそうだな。流石いい加減な構造の不思議饅頭だ」 白服は汚れたれいむを見て大笑いしていた。 れいむはそんな白服をただ睨みつけるしかなかった。 「いいね!その強気な態度、気に入ったよ!今日もたっぷり可愛がってあげるよ」 白服はれいむの口に張られていたガムテープを強引に剥がした。 「ゆびゃいぶ!…くそどれいがぁぁ!きれいなれいむが、うんうんでよごれちゃったでしょぉぉぉ!! さっさとうんうんをかたずけてね!くさくてゆっくりできないよ!それとあまあまもってきてね!」 ガムテープが剥がされると、早速騒ぎ出すれいむ。 未だに白服を奴隷だと思っているので、強気な態度は相変わらずだった。 「うんうんとあまあまの問題を一片に処理してあげるよ」 そう言うと白服は、ゴム手袋を着けた手でうんうんを集めだす。 ある程度集められたうんうんは、れいむの口に無理やり押し込められていった。 「ふごもご!やめろくそどれい!ごぼげぇ!うんうんはゆっくりできないでしょぉぉぉ!!」 「貴重なあまあまだよ、たっぷり食べてね!」 「ゆぼげぇ!もぐげぼむももむ!やべ…ゆげ…たすけ…もごぐぐ…」 うんうんを口いっぱいに押し込められたれいむは、再度口にガムテープを張られた。 うんうんの臭いと不快感に涙と汗を流しながら、れいむは小刻みに震えていた。 れいむはその日から、毎日の様に額から流れ出るうんうんを食べさせられた。 それからも、毎日白服はれいむを弄って楽しんだ。 針を体中に刺され、片目を抉り取られ食わされ、殴られ… それでも死ぬ事は許されなかった。 白服が丁寧にれいむの傷を治す為、れいむは生き長らえていた。 そんな状況に置かれても、依然れいむの態度は変わらなかった。 白服はそんなれいむの様子が堪らなく面白かった。 そして、なんとしてでもれいむの心を折ってやりたかった。 その日、白服はある事を思いつき、れいむに目隠しをした。 「ゆっがぁぁ!なんなのこれは!おい!くそどれい!これじゃ、なにもみえないでしょぉぉぉ!!」 そんな様子を面白そうに眺める白服。 白服はれいむの顔にある物を押し当てた。 「ゆん?なんなのこれ………くっさいぃぃぃぃぃ!はやくこれをどかせぇぇぇ!ゆっくりできないでしょぉぉぉぉ!!」 れいむの顔に押し当てられたそれからは、凄まじいほどの悪臭がした。 そんな様子を面白がって、白服はそれをれいむの体に這わせていく。 「ゆげぇぇぇ!やめろっていってるでしょぉぉぉ!!むのうなくそどれいは、れいむのいうことをきけぇぇぇ!!」 「はっはっは!そんなに嫌なら自分で何とかすれば良いだろう?それが出来ればだけどね」 「ゆっぎぃぃぃぃぃ!れいむをなめるなぁぁぁぁ!……くざいぃぃぃぃぃぃ!!」 れいむは必死に身を捩って抵抗するが、当然そんな事は無意味であった。 だがれいむは馬鹿にされた怒りから、どうやっても白服を見返してやろうと必死で空っぽの頭を絞った。 そしてある事を思いつき、じっとその機会を伺った。 「はっはっは!やっぱりれいむちゃんは無能だね!無能はこのまま苦しんでいってね!」 「ゆぐぬぬぬぬ…………いまだよ!」 白服が臭いの元のそれを、れいむの口の周りに持ってきたその時である。 れいむはチャンスとばかりに、器用にそれを舌で掴んだ。 それは簡単に白服から奪い取れると、れいむは臭いを我慢して口に含んだ。 日ごろから臭い物を口に入れられていたれいむは、この程度の物なら平気で口にする事が出来た。 「れいむをくるしめた、このくさくささんは、せいさいしてあげるよ!」 臭いの元のそれを口に含みながら、起用に喋るれいむ。 れいむはそれを歯で噛み、すり潰していった。 「いたいでしょ?くるしいでしょ?あまやってもゆるさないよ!もーぐ、もーぐ…」 れいむは得意そうにそれを噛んでいき、しばらくするとそれを吐き出した。 「ゆふふ!いいきみだよ!くそどれいはれいむにあやまってね!れいむはむのうじゃないよ!!」 そんなれいむの様子を楽しそうに眺める白服。 「いやいや…れいむちゃんはすごいね、面白かったよ」 白服はれいむの目隠しを取る。 れいむは自信たっぷりに白服を見てニヤついた。 「れいむのおそろしさが、りかいできた?くそどれいは、にどとれいむをばかにしないでね!!」 「はっはっは!そんな事より、今吐き出した物を見てくれよ!」 「ゆん?なにいって…………………ゆ?………………ゆがぁぁぁぁぁぁぁ!!」 れいむは自分が吐き出した物を見た瞬間、それが何なのか解らなかった。 そしてしばらく思考した後、ようやく自分が吐き出した物が何なのか理解した。 「れいむのおりぼんざんがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!どぼじでぇぇぇぇぇ!!」 大分形も変化してはいたが、その赤い色の塊は紛れも無くれいむのリボンだった。 れいむは残っている方の目から大量に涙を流した。 そして、その目で白服を睨みつけた。 「くそどれいぃぃぃ!どぼじでごんなごどするのぉぉぉぉ!!よくもれいむのおりぼんさんをぉぉぉぉぉ!!」 「何言ってるんだ?れいむちゃんが自分でやったんだろ?よくそのリボンの臭いを嗅いでみなよ」 「だまれぇぇぇ!おまえがやったんだぁぁぁぁ!!はやくもとにもどせぇぇぇぇ!!」 「俺のせいにするなって……ほら、ここに引っかかってるよ」 「がぁぁぁぁぁぁ…………ゆ?!」 白服はれいむの歯に引っかかっていたリボンの破片を取ると、それをれいむに見せてやった。 れいむはしばらく固まっていたが、突然狂ったように叫びだした。 「うぞだぁぁぁぁぁ!うぞだぁぁぁぁぁぁ!うぞだぁぁぁぁぁ!うぞだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「あーこれは五月蝿いな……おい!黙れよ!」 「うぞだぁぁぁぁ 『ドフッ!』 ゆげっ!…ゆごぅ!…ゆぎゃん!…ゆばぃ!げぶっ!…ごぶっ!…ごぼっ!…」 白服はしばらくれいむを殴り続けた。 れいむの顔はボコボコに腫れ上がり、餡子を口から吐き出した。 白服はそれをすぐに口に戻すと、また殴り続けた。 「…ぎぎ…ぎ…が…が…ゆげ……うぞ…だ…ぼ……ごご……ぐ…ぐぐ…」 しばらくして、れいむが大人しくなったが、顔は原型を留めないほどグチャグチャになっており、 歯もボロボロに掛け落ちて、生きているのがやっとの状態だった。 白服はれいむにオレンジジュースを掛けると、部屋を後にした。 その日を境にれいむは壊れてしまった。 何をされてもブツブツと、聞えないほどの声で何かを呟くだけになってしまった。 「こうなると面白くないな…心を折るつもりが壊してしまったか…結構加減が難しいな…… まあ、これは処分で良いな…丁度あの親子の処分が明日だったし…まあ、レポート書いて教授に提出しておくか」 れいむは焼却処分される最中も、叫び声を上げる事無く燃えていった。 完 徒然あき
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前 4匹になった一家は、ようやく地上がはっきり見える距離まで降りて来た。 気圧が戻り、パンパンに膨らんだ風船も少し緩くなっている。 「じめんがみえてきちゃよ!!」 子まりさが歓声を上げる。 かなり流されて来たらしく、全く見覚えのない場所であるが、まずは地面に降りるということがなによりも先決だ。 近くには湖や池といった危険なものも見受けられないし、ここまま行けば無事に降り立つことができるだろう。 残り約百メートル。一家はこのその瞬間を待ちわびていた。 しかし、降りる寸前、突然一家の前に突風が吹き荒れる。 「ゆ―――!!! ながされるよおおぉぉ――――!!!」 そのまま行けば上手く地面に降り付けただろうが、いきなりの風で落下コースがずれてしまった。 そして、新たな落下場所は、運悪く大きな木の中腹だった。 木の枝や夏の青葉がハンモックに絡みつき、一家は身動きが取れなくなってしまう。 「ゆゆっ!!! こんなところじゃ、ゆっくりできないよ!!!」 れいむは体を揺さぶって、木からハンモックを外そうとした。 しかし、動けば動くほど、枝がハンモックに絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。 ようやく地面にたどり着けたというのに、最後の最後でケチがついてしまった。 れいむ一匹ならいつでもハンモックから出られるが、地面まで5mはあり、さすがにジャンプして降りるには少々分が悪すぎる。 どうすればいいのだと、れいむは餡子を捻り出す。 一方、大人のれいむとは対照的に、落ち着きのない子ゆっくり達は、早く地面に降りたくて風船の中から抜け出そうともがいていた。 しかし、それがいけなかった。 末っ子れいむが暴れたため、運悪く風船が鋭い枝に当たってしまった。 パーン!! 多少伸びているとはいえ、風船は風船。 割れた風船から末っ子れいむが投げ出される。 「ゆっ?」 それが末っ子れいむの最後の言葉だった。 水溜りでもあれば、あるいは腐葉土にでも落ちればどうにかなったかもしれないが、あいにく落ちた場所は、固く大きな石の上だった。 皮の柔らかい末っ子れいむは、痛みを感じる間もなく、「ぷちゅ」と餡子を弾かせ、絶命した。 「ゆああああぁぁぁぁぁ―――――――!!!! あがぢゃあああああんんん―――――!!!!!」 「まりざ(れいぶ)のいもうどがあああぁぁぁぁ――――――!!!!」 末っ子れいむの最期を目の当たりにし、残った3匹は絶叫を轟かせる。 今までも姉妹の最期を目撃していたものの、死の瞬間を目撃したわけではなく、間接的に死んだと感じただけであった。 よって悲しくもダメージはそれほど大きくなかったが、今回の末っ子れいむの死に様は、一家に死の恐怖を与えるには十分すぎた。 「うごかないでね!! おちたらしんじゃうからね!! ゆっくりうごかないでね!!」 れいむは上を見上げ、子れいむと子まりさに叫ぶ。 2匹も末っ子れいむの死に様をまざまざと見せつけられれば、れいむに言われずとも動くつもりはない。 落ち着きなく飛び跳ねていた体を抑え込み、体を縮めている。 しかし、所詮は風船。 ほんの少しの風でも不安定に揺れ動き、一家を絶望の中へと誘い込もうとする。 「おかあしゃん!! こわいよおおぉぉ―――!!!」 「もうやだよ!! はやくたしゅけてええぇぇぇ――――!!!!」 2匹は泣きながられいむに助けを求めるも、れいむにも助ける手段に窮していた。 枝を伝って子ゆっくりの元に行こうとするも、木がざわめき、風船も揺れ動いてしまう。 いつ末っ子れいむの二の舞になってしまうかしれたもんじゃない。 しかし、運命の女神はゆっくりがお嫌いなのか、れいむが手をこまねいていると、一陣の風が風船に襲いかかる。 その結果は言うまでもないだろう。 「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ――――――!!!!!!」 女神の怒りに触れたのは子れいむだった。 枝に当たった風船が破裂し、断末魔の叫びを上げ、下に落ちていく……が、子れいむが落ちた場所は、運が良いのか固い地面ではなかった。 「ゆ!? たちゅかった!!」 柔らかい何かが緩衝材となって、子れいむの落下の衝撃を吸収してくれたのだ。 しかし、落ちた場所はある意味、地面より最悪な場所だった。 「ゆゆっ!? とりしゃんがいっぱいいりゅよ!!」 子れいむが落ちた場所。それは、この木の一角に陣取った鳥の巣だった。 うまく緩衝材となってくれたのは、巣の中にいた羽根の生えそろっていない雛だ。 見たところ親鳥の姿はない。おそらく餌の調達にでも行っているのだろう。 雛たちは寝ていたが、子れいむが落ちたのを切っ掛けに、起きてしまったようだ。 そして、お腹がすいたのかピーピー喉を鳴らしている。 「ゆ!! うるちゃいよ!!」 突然鳴き出した雛に驚き、文句をいう子れいむ。 しかし、この場でそんなことを言っては、自殺行為に等しい。 目の前に旨そうなマンマがあると知った雛たちは、一斉に子れいむに群がりかかる。 「や、やめでええぇぇぇ――――!!! れいみゅはたべもにょじゃないよおおぉぉぉ――――!!!!」 子れいむは何とか逃げようとするも、狭い巣の中で逃げる場所があるはずもなく、対抗しようにもミニトマトほどしかない体で、数匹の雛に敵うわけもない。 「いじゃいよおおぉぉぉ―――――!!! たべにゃいでええぇぇぇ――――!!! おがあしゃあああん、だじゅげでええぇぇぇぇ―――――!!!」 「やめでええぇぇぇ――――!!! れいむのこどもをだべないでええええぇぇぇぇ――――――!!!!」 れいむは子れいむを助けようと、枝を伝って、巣に向かう。 その上では、子まりさの風船が揺れて、いつ枝にぶつかって割れるか分からないが、れいむはそんなことを気にしていられない。 まずは現在進行形で危険が迫っている子れいむが最優先だ。 と言っても、不安定な足場でなかなか思うように進むことが出来ない。 そんなれいむがまごついてるうちに、子れいむは体を雛たちに啄ばまれ、哀れ数匹の餌となってこの世を去った。 「なんでれいむのこどもをたべちゃうのおおおぉぉぉ―――――!!!」 ようやく巣に辿り着くも、時すでに遅し。 れいむは、クチバシを餡で濡らした雛に向かって絶叫する。 しかし、それが雛に通じるわけもなく、雛はれいむの巨体に脅えピーピー鳴き叫んでいる。 れいむは、子供の敵とばかりに雛を攻撃しようとした……瞬間、れいむの目の前を何かが風を切って通り過ぎた。 親鳥だ。 餌を取って戻ってきた親鳥が、子供の危険信号を察知し、全力で飛んできたのだ。 「ゆゆっ!! じゃましないでね!! れいむのこどもをたべたわるいとりさんにおしおきするんだから!!」 邪魔するなと言って、はいそうですねと言うはずもなく、親鳥はれいむにクチバシや羽を使って攻撃する。 「い、いだいよおおおぉぉぉ―――――!! ゆっぐりやめでええぇぇぇぇ―――――!!」 足場が悪く、親鳥の攻撃に何も出来ないれいむ。 さすがに大きさの違いから、子れいむのように食べられることはないが、チクチクとクチバシが当り、体中に瞬間的な激痛が何度も走る。 堪らず親鳥の攻撃から逃げるように体を捻るが、それがいけなかった。 足場の悪い枝の上で不用意に体を動かせばそうなるのは自明の理。 足を滑らせ、れいむは真っ逆さまに地面にダイブしていった。 「ゆびゃ!!」 ベシャリと生々しい音をたてて、地面をキスするれいむ。 さすがに子ゆっくりとは違い、皮が厚いため即死はしないものの、衝撃で口から結構な量の餡子を放出し、足に当たる部分も割れてグシャグシャになっている。 「おかあしゃあああああんん―――――――!!!!」 そんなれいむの様子を見て、木の上にいた子まりさが大声で呼びかける。 母親への気遣いは実に尊いが、ここで大声を出すには、あまりに状況が悪すぎた。 子まりさの声に親鳥が反応し、外敵は排除すべしとすぐさま風船に飛びかかる。 「や、やめでえええぇぇぇぇ―――――!!! れいぶのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――――!!!!」 ボロボロの体で地面からその様子を見ていたれいむが、親鳥に懇願する。 自分のほうがおいしい。だから自分を食べてくれ。子まりさだけは何とか助けてくれ。 れいむは必死で親鳥に念を送る。 無論、言葉が通じる筈もなく、親鳥は子まりさの入った風船をクチバシでつつく。 高い音を立てて風船が割れ、外に投げ出される子まりさ。 親鳥はそんな子まりさを空中で上手にキャッチすると、雛鳥の待っている巣に持ち帰った。 「やだああぁぁぁ―――――!!! まりちゃ、ちにだくないよおおぉぉぉ―――――!!!」 子れいむの最期を見ていた子まりさが、すぐに自分に訪れるであろう未来を想像し、親鳥のクチバシの中から脱出しようと藻掻いている。 しかし、それで脱出できるはずもなく、親鳥は首をのばした雛たちに子まりさを差し出した。 「ゆぎいいいいぃぃぃいぃ―――――!!!!! いぢゃいいぢゃいいぢゃいだいいぢゃいいだい………!!!!!」 「あがぢゃああああああんんん―――――――――――!!!!」 まだ体が弱く、一気に食べられない雛たちは、チビチビと残酷な食べ方で、子まりさを咀嚼していく。 柔らかい皮は破れ、神経の通った餡を、じっくりねっとり掻き乱していく。 唇が啄ばまれ、遂に言葉さえ発することの出来なくなった子まりさは、「ふうちぇんにのっちゃけっかがこりぇだよ!!」と、薄れる餡子脳の中で感じ、最期を行った。 「あ……ああ………ああぁぁ……れいむのあかちゃんが……あかちゃんが……みんなしんじゃった……」 地面から子まりさの最期を看取ったれいむが、声にならない声で言葉を紡ぐ。 親鳥は、すぐにれいむが動けないことを理解したのか、次のターゲットとしてれいむに狙いを定めた。 小さなクチバシで、口や割れた足から漏れ出した餡子を拾っては、雛鳥に持っていく。 すでに餡子は体外に出ているため、れいむに痛みは感じない。 すべての子ゆっくり達を失ったれいむは、生きがいを無くしたというように、焦点の合わない視線で親鳥の行動を見つめていた。 さすがにバレーボール大のれいむ1匹は一度の食事に多すぎたのか、親鳥は何回か巣とれいむを往復すると、巣から出てこなくなった。 お腹いっぱいになった巣の中では、親鳥が雛鳥に歌を教えているのか、ピーピーと家族で合唱をしている。 そんな親鳥の行動を見て、そういえば自分も子ゆっくり達に同じことをしてあげたなと、虚ろな表情で、そんなことを考えた。 そもそもなんで? どうして? どうして、こんなことになった? 自分たちは何も悪いことはしていないはずだ!! それなのに、なんでこんなにも酷い目に逢わなければならない? 最愛のまりさが死んでしまった後も、れいむは必死で子育てに励んできた。 雛鳥のように、ご飯を与えたら大喜びしてくれた。 お歌を歌ってあげたら、もう一回歌ってと何度もせがまれた。 夜寝るとき、家族全員で寄り添って寝た。 赤ちゃんたちもれいむの期待にこたえて、ちょっと生意気だけど、素直ですくすくと育ってくれた。 これからも、あの鳥の一家のように、家族仲よく平和に暮らしていくはずだった。 なのに、何でこんなことになった? どこで道を外してしまったのだ? 人間に会ったから? あのおじさんに出会ったから? あのおじさんに会わなければ、れいむたちは風船に乗ることはなかった。 風船に乗ってしまったから、れいむたちはこんな目に会ったのだ。 でも、おじさんは、ちゃんと待ってろと言ったのだ。そんなおじさんを待たないで勝手に飛んでいったのは自分たちだ。 それじゃあ、初めに飛ぼうといった(子)まりさが悪いの? いや、確かにおじさんを待たないで飛ぼうと言ったのは子供たちだけど、最終的に決断を下したのは自分自身だ。 風船を飛ばすことが出来たのは自分だけだし、ちゃんとおじさんを待つように説得することは出来たはずだ。 あれ!? てことは、れいむのせい? れいむが子供たちにいい顔しようとして、おじさんの言うこと聞かなかったから、こんな目に会ったの? れいむのせいで、子供たちが死んじゃったってこと? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむの…………… 「ゆふ……ゆふふ………ゆふふふふふ…………ゆはははははは………ゆははははははははははははははははははははは…………!!!!!」 れいむは、何か思いついたように笑いだす。 狂ったように、笑い続ける。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃ……!!! そうだよ!! れいむが!! れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ゆひひひひひひひひひひ……!!!」 足はもう使い物にならない物の、体全体に力をいれ、れいむはゴロリと仰向けになる。 さっきまで、あんなに晴れていた空が急に曇りがかってきた。 夏の風物詩、夕立が近いのだろう。 「れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ころしたんだ!! ころしたんだ!!」 誰に言うでもなく、れいむは大声を張り上げる。 自分の馬鹿さ加減を呪うかのように。 自分を罵倒するかのように。 目に大粒の涙を浮かべながら、れいむは大声を張り上げる。 そんなれいむが気になったのか、真上で合唱していた鳥の一家が歌を止め、親鳥が巣から顔を覗かせる。 狂ったように叫び続けるれいむが、何かしてくるのではと警戒したのだろう。 しかし、やはりれいむが動けないことを確認するや、親鳥はすぐに首をひっこめた。 餌に構っている暇はないとでも言うかのように…… しばらくれいむが叫び続けていると、れいむの涙を隠してくれるかのように、空から水滴が落ちてきた。 夕立が来たのだ。 初めこそ、パラパラと小粒の雨が降っていたものの、夏の夕立ちは一気に大量に降ることが多い。 すぐに、涙をかき消すほどの激しい雨が、れいむに降り注ぐ。 耐水性の弱いゆっくりが雨を浴び続けることは自殺することに等しいが、足の割れたれいむは動くことが出来なく、雨を避けることが出来ない。 最も、もしれいむが健常でも、今の状態では雨を避ける行動を起こしたかは分からない。 口や割れた足に雨が降り注ぎ、れいむの体内から餡子を否応なく奪い去っていくも、れいむは一切恐怖を感じていないような晴れ晴れとした表情をしていた。 「ゆふふふふふふふ……!! れいむが!! れいむが!! あかちゃんを!! あかちゃんたちをぉぉ!! ゆははははははははh……!!!!」 目を見開き、どこか壊れたような表情で空を見上げ、訳の分からないことを口走る。 それは、夕立が完全にれいむの体を溶かすまで、延々と続いていた…… ~fin~ 今まで他のSSの執筆にかかりきりでしたが、恥ずかしながら虐スレに戻ってまいりましたーww いずれ、先に落ちていった子ゆっくり達の末路も書きたいな。 でもその前に、いい加減「とかいは(笑)ありす」を完成させるぞおおぉぉぉ――――!!! 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ このSSに感想を付ける
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前 4匹になった一家は、ようやく地上がはっきり見える距離まで降りて来た。 気圧が戻り、パンパンに膨らんだ風船も少し緩くなっている。 「じめんがみえてきちゃよ!!」 子まりさが歓声を上げる。 かなり流されて来たらしく、全く見覚えのない場所であるが、まずは地面に降りるということがなによりも先決だ。 近くには湖や池といった危険なものも見受けられないし、ここまま行けば無事に降り立つことができるだろう。 残り約百メートル。一家はこのその瞬間を待ちわびていた。 しかし、降りる寸前、突然一家の前に突風が吹き荒れる。 「ゆ―――!!! ながされるよおおぉぉ――――!!!」 そのまま行けば上手く地面に降り付けただろうが、いきなりの風で落下コースがずれてしまった。 そして、新たな落下場所は、運悪く大きな木の中腹だった。 木の枝や夏の青葉がハンモックに絡みつき、一家は身動きが取れなくなってしまう。 「ゆゆっ!!! こんなところじゃ、ゆっくりできないよ!!!」 れいむは体を揺さぶって、木からハンモックを外そうとした。 しかし、動けば動くほど、枝がハンモックに絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。 ようやく地面にたどり着けたというのに、最後の最後でケチがついてしまった。 れいむ一匹ならいつでもハンモックから出られるが、地面まで5mはあり、さすがにジャンプして降りるには少々分が悪すぎる。 どうすればいいのだと、れいむは餡子を捻り出す。 一方、大人のれいむとは対照的に、落ち着きのない子ゆっくり達は、早く地面に降りたくて風船の中から抜け出そうともがいていた。 しかし、それがいけなかった。 末っ子れいむが暴れたため、運悪く風船が鋭い枝に当たってしまった。 パーン!! 多少伸びているとはいえ、風船は風船。 割れた風船から末っ子れいむが投げ出される。 「ゆっ?」 それが末っ子れいむの最後の言葉だった。 水溜りでもあれば、あるいは腐葉土にでも落ちればどうにかなったかもしれないが、あいにく落ちた場所は、固く大きな石の上だった。 皮の柔らかい末っ子れいむは、痛みを感じる間もなく、「ぷちゅ」と餡子を弾かせ、絶命した。 「ゆああああぁぁぁぁぁ―――――――!!!! あがぢゃあああああんんん―――――!!!!!」 「まりざ(れいぶ)のいもうどがあああぁぁぁぁ――――――!!!!」 末っ子れいむの最期を目の当たりにし、残った3匹は絶叫を轟かせる。 今までも姉妹の最期を目撃していたものの、死の瞬間を目撃したわけではなく、間接的に死んだと感じただけであった。 よって悲しくもダメージはそれほど大きくなかったが、今回の末っ子れいむの死に様は、一家に死の恐怖を与えるには十分すぎた。 「うごかないでね!! おちたらしんじゃうからね!! ゆっくりうごかないでね!!」 れいむは上を見上げ、子れいむと子まりさに叫ぶ。 2匹も末っ子れいむの死に様をまざまざと見せつけられれば、れいむに言われずとも動くつもりはない。 落ち着きなく飛び跳ねていた体を抑え込み、体を縮めている。 しかし、所詮は風船。 ほんの少しの風でも不安定に揺れ動き、一家を絶望の中へと誘い込もうとする。 「おかあしゃん!! こわいよおおぉぉ―――!!!」 「もうやだよ!! はやくたしゅけてええぇぇぇ――――!!!!」 2匹は泣きながられいむに助けを求めるも、れいむにも助ける手段に窮していた。 枝を伝って子ゆっくりの元に行こうとするも、木がざわめき、風船も揺れ動いてしまう。 いつ末っ子れいむの二の舞になってしまうかしれたもんじゃない。 しかし、運命の女神はゆっくりがお嫌いなのか、れいむが手をこまねいていると、一陣の風が風船に襲いかかる。 その結果は言うまでもないだろう。 「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ――――――!!!!!!」 女神の怒りに触れたのは子れいむだった。 枝に当たった風船が破裂し、断末魔の叫びを上げ、下に落ちていく……が、子れいむが落ちた場所は、運が良いのか固い地面ではなかった。 「ゆ!? たちゅかった!!」 柔らかい何かが緩衝材となって、子れいむの落下の衝撃を吸収してくれたのだ。 しかし、落ちた場所はある意味、地面より最悪な場所だった。 「ゆゆっ!? とりしゃんがいっぱいいりゅよ!!」 子れいむが落ちた場所。それは、この木の一角に陣取った鳥の巣だった。 うまく緩衝材となってくれたのは、巣の中にいた羽根の生えそろっていない雛だ。 見たところ親鳥の姿はない。おそらく餌の調達にでも行っているのだろう。 雛たちは寝ていたが、子れいむが落ちたのを切っ掛けに、起きてしまったようだ。 そして、お腹がすいたのかピーピー喉を鳴らしている。 「ゆ!! うるちゃいよ!!」 突然鳴き出した雛に驚き、文句をいう子れいむ。 しかし、この場でそんなことを言っては、自殺行為に等しい。 目の前に旨そうなマンマがあると知った雛たちは、一斉に子れいむに群がりかかる。 「や、やめでええぇぇぇ――――!!! れいみゅはたべもにょじゃないよおおぉぉぉ――――!!!!」 子れいむは何とか逃げようとするも、狭い巣の中で逃げる場所があるはずもなく、対抗しようにもミニトマトほどしかない体で、数匹の雛に敵うわけもない。 「いじゃいよおおぉぉぉ―――――!!! たべにゃいでええぇぇぇ――――!!! おがあしゃあああん、だじゅげでええぇぇぇぇ―――――!!!」 「やめでええぇぇぇ――――!!! れいむのこどもをだべないでええええぇぇぇぇ――――――!!!!」 れいむは子れいむを助けようと、枝を伝って、巣に向かう。 その上では、子まりさの風船が揺れて、いつ枝にぶつかって割れるか分からないが、れいむはそんなことを気にしていられない。 まずは現在進行形で危険が迫っている子れいむが最優先だ。 と言っても、不安定な足場でなかなか思うように進むことが出来ない。 そんなれいむがまごついてるうちに、子れいむは体を雛たちに啄ばまれ、哀れ数匹の餌となってこの世を去った。 「なんでれいむのこどもをたべちゃうのおおおぉぉぉ―――――!!!」 ようやく巣に辿り着くも、時すでに遅し。 れいむは、クチバシを餡で濡らした雛に向かって絶叫する。 しかし、それが雛に通じるわけもなく、雛はれいむの巨体に脅えピーピー鳴き叫んでいる。 れいむは、子供の敵とばかりに雛を攻撃しようとした……瞬間、れいむの目の前を何かが風を切って通り過ぎた。 親鳥だ。 餌を取って戻ってきた親鳥が、子供の危険信号を察知し、全力で飛んできたのだ。 「ゆゆっ!! じゃましないでね!! れいむのこどもをたべたわるいとりさんにおしおきするんだから!!」 邪魔するなと言って、はいそうですねと言うはずもなく、親鳥はれいむにクチバシや羽を使って攻撃する。 「い、いだいよおおおぉぉぉ―――――!! ゆっぐりやめでええぇぇぇぇ―――――!!」 足場が悪く、親鳥の攻撃に何も出来ないれいむ。 さすがに大きさの違いから、子れいむのように食べられることはないが、チクチクとクチバシが当り、体中に瞬間的な激痛が何度も走る。 堪らず親鳥の攻撃から逃げるように体を捻るが、それがいけなかった。 足場の悪い枝の上で不用意に体を動かせばそうなるのは自明の理。 足を滑らせ、れいむは真っ逆さまに地面にダイブしていった。 「ゆびゃ!!」 ベシャリと生々しい音をたてて、地面をキスするれいむ。 さすがに子ゆっくりとは違い、皮が厚いため即死はしないものの、衝撃で口から結構な量の餡子を放出し、足に当たる部分も割れてグシャグシャになっている。 「おかあしゃあああああんん―――――――!!!!」 そんなれいむの様子を見て、木の上にいた子まりさが大声で呼びかける。 母親への気遣いは実に尊いが、ここで大声を出すには、あまりに状況が悪すぎた。 子まりさの声に親鳥が反応し、外敵は排除すべしとすぐさま風船に飛びかかる。 「や、やめでえええぇぇぇぇ―――――!!! れいぶのほうがおいじいよおおぉぉぉ―――――!!!!」 ボロボロの体で地面からその様子を見ていたれいむが、親鳥に懇願する。 自分のほうがおいしい。だから自分を食べてくれ。子まりさだけは何とか助けてくれ。 れいむは必死で親鳥に念を送る。 無論、言葉が通じる筈もなく、親鳥は子まりさの入った風船をクチバシでつつく。 高い音を立てて風船が割れ、外に投げ出される子まりさ。 親鳥はそんな子まりさを空中で上手にキャッチすると、雛鳥の待っている巣に持ち帰った。 「やだああぁぁぁ―――――!!! まりちゃ、ちにだくないよおおぉぉぉ―――――!!!」 子れいむの最期を見ていた子まりさが、すぐに自分に訪れるであろう未来を想像し、親鳥のクチバシの中から脱出しようと藻掻いている。 しかし、それで脱出できるはずもなく、親鳥は首をのばした雛たちに子まりさを差し出した。 「ゆぎいいいいぃぃぃいぃ―――――!!!!! いぢゃいいぢゃいいぢゃいだいいぢゃいいだい………!!!!!」 「あがぢゃああああああんんん―――――――――――!!!!」 まだ体が弱く、一気に食べられない雛たちは、チビチビと残酷な食べ方で、子まりさを咀嚼していく。 柔らかい皮は破れ、神経の通った餡を、じっくりねっとり掻き乱していく。 唇が啄ばまれ、遂に言葉さえ発することの出来なくなった子まりさは、「ふうちぇんにのっちゃけっかがこりぇだよ!!」と、薄れる餡子脳の中で感じ、最期を行った。 「あ……ああ………ああぁぁ……れいむのあかちゃんが……あかちゃんが……みんなしんじゃった……」 地面から子まりさの最期を看取ったれいむが、声にならない声で言葉を紡ぐ。 親鳥は、すぐにれいむが動けないことを理解したのか、次のターゲットとしてれいむに狙いを定めた。 小さなクチバシで、口や割れた足から漏れ出した餡子を拾っては、雛鳥に持っていく。 すでに餡子は体外に出ているため、れいむに痛みは感じない。 すべての子ゆっくり達を失ったれいむは、生きがいを無くしたというように、焦点の合わない視線で親鳥の行動を見つめていた。 さすがにバレーボール大のれいむ1匹は一度の食事に多すぎたのか、親鳥は何回か巣とれいむを往復すると、巣から出てこなくなった。 お腹いっぱいになった巣の中では、親鳥が雛鳥に歌を教えているのか、ピーピーと家族で合唱をしている。 そんな親鳥の行動を見て、そういえば自分も子ゆっくり達に同じことをしてあげたなと、虚ろな表情で、そんなことを考えた。 そもそもなんで? どうして? どうして、こんなことになった? 自分たちは何も悪いことはしていないはずだ!! それなのに、なんでこんなにも酷い目に逢わなければならない? 最愛のまりさが死んでしまった後も、れいむは必死で子育てに励んできた。 雛鳥のように、ご飯を与えたら大喜びしてくれた。 お歌を歌ってあげたら、もう一回歌ってと何度もせがまれた。 夜寝るとき、家族全員で寄り添って寝た。 赤ちゃんたちもれいむの期待にこたえて、ちょっと生意気だけど、素直ですくすくと育ってくれた。 これからも、あの鳥の一家のように、家族仲よく平和に暮らしていくはずだった。 なのに、何でこんなことになった? どこで道を外してしまったのだ? 人間に会ったから? あのおじさんに出会ったから? あのおじさんに会わなければ、れいむたちは風船に乗ることはなかった。 風船に乗ってしまったから、れいむたちはこんな目に会ったのだ。 でも、おじさんは、ちゃんと待ってろと言ったのだ。そんなおじさんを待たないで勝手に飛んでいったのは自分たちだ。 それじゃあ、初めに飛ぼうといった(子)まりさが悪いの? いや、確かにおじさんを待たないで飛ぼうと言ったのは子供たちだけど、最終的に決断を下したのは自分自身だ。 風船を飛ばすことが出来たのは自分だけだし、ちゃんとおじさんを待つように説得することは出来たはずだ。 あれ!? てことは、れいむのせい? れいむが子供たちにいい顔しようとして、おじさんの言うこと聞かなかったから、こんな目に会ったの? れいむのせいで、子供たちが死んじゃったってこと? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむのせい? れいむの…………… 「ゆふ……ゆふふ………ゆふふふふふ…………ゆはははははは………ゆははははははははははははははははははははは…………!!!!!」 れいむは、何か思いついたように笑いだす。 狂ったように、笑い続ける。 「ゆひゃひゃひゃひゃひゃ……!!! そうだよ!! れいむが!! れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ゆひひひひひひひひひひ……!!!」 足はもう使い物にならない物の、体全体に力をいれ、れいむはゴロリと仰向けになる。 さっきまで、あんなに晴れていた空が急に曇りがかってきた。 夏の風物詩、夕立が近いのだろう。 「れいむが!! れいむが、あかちゃんたちをころしたんだ!! ころしたんだ!! ころしたんだ!!」 誰に言うでもなく、れいむは大声を張り上げる。 自分の馬鹿さ加減を呪うかのように。 自分を罵倒するかのように。 目に大粒の涙を浮かべながら、れいむは大声を張り上げる。 そんなれいむが気になったのか、真上で合唱していた鳥の一家が歌を止め、親鳥が巣から顔を覗かせる。 狂ったように叫び続けるれいむが、何かしてくるのではと警戒したのだろう。 しかし、やはりれいむが動けないことを確認するや、親鳥はすぐに首をひっこめた。 餌に構っている暇はないとでも言うかのように…… しばらくれいむが叫び続けていると、れいむの涙を隠してくれるかのように、空から水滴が落ちてきた。 夕立が来たのだ。 初めこそ、パラパラと小粒の雨が降っていたものの、夏の夕立ちは一気に大量に降ることが多い。 すぐに、涙をかき消すほどの激しい雨が、れいむに降り注ぐ。 耐水性の弱いゆっくりが雨を浴び続けることは自殺することに等しいが、足の割れたれいむは動くことが出来なく、雨を避けることが出来ない。 最も、もしれいむが健常でも、今の状態では雨を避ける行動を起こしたかは分からない。 口や割れた足に雨が降り注ぎ、れいむの体内から餡子を否応なく奪い去っていくも、れいむは一切恐怖を感じていないような晴れ晴れとした表情をしていた。 「ゆふふふふふふふ……!! れいむが!! れいむが!! あかちゃんを!! あかちゃんたちをぉぉ!! ゆははははははははh……!!!!」 目を見開き、どこか壊れたような表情で空を見上げ、訳の分からないことを口走る。 それは、夕立が完全にれいむの体を溶かすまで、延々と続いていた…… ~fin~ 今まで他のSSの執筆にかかりきりでしたが、恥ずかしながら虐スレに戻ってまいりましたーww いずれ、先に落ちていった子ゆっくり達の末路も書きたいな。 でもその前に、いい加減「とかいは(笑)ありす」を完成させるぞおおぉぉぉ――――!!! 今まで書いたもの ゆっくりいじめ系435 とかいは(笑)ありす ゆっくりいじめ系452 表札 ゆっくりいじめ系478 ゆっくりいじり(視姦) ゆっくりいじめ系551 チェンジリング前 ゆっくりいじめ系552 チェンジリング中 ゆっくりいじめ系614 チェンジリング後① ゆっくりいじめ系615 チェンジリング後② ゆっくりいじめ系657 いい夢みれただろ?前編 ゆっくりいじめ系658 いい夢みれただろ?後編 ゆっくりいじめ系712 ゆっくりですれ違った男女の悲しい愛の物語 ゆっくりいじめ系744 風船Ⅰ このSSに感想を付ける
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手近なもので 11KB 『手近なもので』 一、 出張から帰宅した僕が部屋の扉を開けると、やたらと部屋の中が荒らされていた。空き巣被害 にでもあったのだろうか…などと考えながら、慎重に奥へと進む。 「おぉ…これはこれは…」 僕が目にしたものは、バスケットボールぐらいのサイズの成体ゆっくりれいむ。…と、それに 寄りかかる格好で寝息を立てているソフトボールぐらいの子ゆっくりれいむ。更に卓球のピンポ ン玉くらいの赤ゆっくりれいむ。 「ほうほう…親ゆが一匹に、子ゆが二匹、赤ゆが三匹でございますか…仲良くお眠りになってい らっしゃる…」 寝ている分には、五千歩譲って寝顔“だけ”は“そこそこ”かわいい。ふと窓を見るとガラス が割れており、そこに成体ゆっくりまりさが横たわっていた。…窓を割ったときに、誤ってガラ スに顔を突っ込んだらしい。 「それはともかく、れいむ種だけってのは何故なんでしょうねぇ…」 僕はとりあえずガラスに顔を埋めぴくりともしないまりさを蹴ってベランダに放り出すとカー テンを閉めた。明日は修理をしなければならない…。 「…ゆぴー…ゆぴー……っ…んゆ?」 まりさを蹴ったときの音で親れいむの目が覚めたようだ。寝ぼけ眼でしばらく僕のほうを見て いたが、何を血迷ったのか口の中に空気をため威嚇してきた。そして、 「ゆっ!にんげんs」 「人間さん!ここはれいむたちのお家だよっ!ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!それ かあまあまさんちょうだいねっ!…でしょう?」 「ゆ…」 「まぁ、ゆっくりしていきなよ」 僕の意外な一言に親れいむは、“我、事を成し遂げたり!”と言わんばかりのニヤけ顔で、 「ゆっふぅ!それじゃあにんげんさん、かわいいれいむたちのためにあまあm」 僕は手近なところに立てかけてあったモップを手にすると、先端部分を外した。無視されてい るのが気に入らないのか親れいむはしきに僕の足元でぴょんぴょん跳ねている。そんなれいむを 踏みつけた。 「ぎゅぶぅ…っ!に…にんげ…さ…やべで…ね…れいむの…かわいい…おがおに…」 「ここにいるのはいいけど、とりあえず散らかした部屋を掃除しないと、ね?」 そう言って僕は親れいむを踏みつけたまま、器用に後ろを向かせるとむき出しのあにゃるにモ ップの先端を押し込んだ。 「ゆっぼおおぉっ?!」 まだ少しぐらつきがあったので可能な限り奥へ奥へとねじ込んだ。 「ゆぎゃああああ!!!いだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!!!」 この親れいむが特殊な性癖の持ち主で良かった…などと思いながらあにゃるにモップの柄が突 っ込まれた状態の親れいむの顔を床に押し付ける。 「ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶ…」 そして、こぼされたジュースやこのゆっくりたちのあんよについていた泥で汚された床にモッ プがけを行った。前後に動かすたびにあにゃるに痛みが走るのか、汚い尻をびくんびくんと震わ せながら親れいむは床の泥や埃をその“可愛い顔”で拭っていった。 「ゆふっ…!お…おがーしゃあああん!!!!」 一匹の子れいむが目覚めた。それを合図に一斉に起き出す饅頭たち。僕はモップを持ち上げ、 親れいむの顔を見せてやった。自慢の可愛いお顔は泥まみれな上に、涎や涙でぐちゃぐちゃだ。 そんな親れいむを見せられた子れいむ二匹は顔をぷくーっと膨らませて、 「ゆっくりおかーさんにひどいことしないでねっ!!!!」 「ゆっくりやめてあげてねっ!おかーさんいやがってるよ!!!!」 赤れいむたちはただただ泣きながら、“ゆんやあああ”などと言っている。僕はそれらを無視 して掃除を続けた。たまに子れいむが体当たりをしかけてくるが、それさえも無視。ある程度、 床の汚れが目立たなくなった時点で僕は親れいむのあにゃるから柄を引っこ抜き、透明な箱に投 げ込んで蓋をした。 恐らくはあにゃるの奥を突き破り、体内の餡子ごと蹂躙されていたであろう親れいむは白目を 向いて涙を流し、痙攣を起こしていた。赤れいむたちが箱に近寄り声をかけるが反応しない。子 れいむは僕に対して抗議を続けた。 「どぼじでごんなごどずるの゛お゛お゛お゛お゛??!!!」 「れいむたち、おうちでごはんさんたべてねんねしてただけなのにぃぃぃぃ!!!」 近所迷惑になりそうだったので、僕は棚の上に置いてあったガムテープを取り出すと、子れい の一匹を持ち上げ、丁寧にぐるぐる巻きにしていった。あんよから口にかけて完全に密閉された 子れいむを床に捨てる。うまく着地できず、またあんよもガムテープが貼られているため身動き すら取れない。目より上を残してあるのはせめてもの慈悲だ。そう呼べるかわわからないけれど。 「んー!!!んゆううう!!!!!」 溢れだした大粒の涙は頬からガムテープへと伝っていく。揉み上げを振り回し、必死にガムテ ープを剥がそうとするが無駄な努力である。もう一匹の子れいむはしきりにガムテ子れいむの周 りをうろうろするだけだ。 ふと、目線を下に向けると目に涙をためながら小さな小さな体で必死に威嚇をしている赤れい むの姿があった。 「おきゃーしゃんとおねーしゃんにひどいことすりゅにんげんしゃんはちねっ!!!」 勇敢な赤れいむだ。自然の中で育てばいい群れのリーダーになれたかも知れない。しかしここ は自然の中ではない。僕の部屋だ。勇敢なその行動もここでは愚行に過ぎない。 今度は赤れいむを摘み上げる。重力から解放されて、“おしょらを(ry”とか言ってくるか とも思ったが、頬を膨らませたまま僕を睨みつけるだけだ。…本当に惜しい逸材だったのかも知 れない。 僕は押しピンを取り出すと、赤れいむの目の前に持って来た。赤れいむは震えながら、 「しょ…しょれで…れいみゅに…なにしゅりゅの…?」 「ふふ…何されると思う?本当はわかってるんでしょう…?」 「と…とげとげしゃんは…ゆっくちできにゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!!!!!」 赤れいむのあんよに押しピンを思い切り刺し込んだ。揉み上げがざわっと逆立ち、赤れいむの 顔から大量の汗が噴き出す。歯をくいしばり耐える様は赤ゆ界のカリスマになれる器を感じさせ た。 「いちゃぁ…いぃ…!ぎぴいいいいっ!!!!」 二本目の押しピンが刺される。思わずしーしーが噴き出る。そのしーしー穴に三本目の押しピ ンを刺した。 「ゆびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 一メートル四方のコタツの上で繰り広げられる惨劇にすっかり怯えた無傷の饅頭たちは、親れ いむの入った箱の壁に身を押しつけ、互いに寄り添い僕と赤れいむの方を見ていた。動けないガ ムテ子れいむは涙を流しながらカサコソカサコソ…と音を立て揺れているのみ。 そうこうしているうちに、赤れいむのあんよは押しピンで覆い隠されてしまった。その状態で コタツの上に放置する。 「いちゃい…いちゃいよぅ…にんげんしゃ…おにぇがいしましゅぅ…これを…とっちぇぇ…」 痛みに身を捩ると、体内に侵入済みの無数の押しピンが餡子を刺激する。その痛みは想像に難 くない。力なく僕を見上げる押しピン赤れいむは、 「どぉちて…れいみゅ…こんにゃ…」 「ちょろちょろと目障りだったからね。動けなくさせようと思って。あんよを焼いても良かった けど、ガス代もったいないし、なにより炭になったあんよ見たらもう諦めがついちゃうだろ? それに比べてその状態ならまだ抜いてもらえさえすればまた歩けるようになる。全てはキミの 行動次第さ」 ゆぅ…と俯き、もう動こうともしない赤れいむ。本当にこれは賢い個体のようだ。でも賢い饅 頭なんて認めたくないので、僕は赤れいむの頭に手を載せ負荷をかけた。 「いぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛い゛よ゛ぉぉぉぉぉ!!!やめちぇ!!やめちぇええぇえ!!!」 汗と涙と涎でぐちゃぐちゃになり、顔を真っ赤にして泣き続ける赤れいむ。その様子を姉妹た ちは声も出さずに泣きながら見ていた。 二、 ガムテ子れいむと押しピン赤れいむを仲良くコタツの上に並べる。 「ちびちゃあああああああああああああん!!!!!!!」 親れいむは箱の中で目覚めてからというもの、酷い目に合わされた自分の子供を見て絶叫し続 けている。 「どぼじでぞんなごどずる゛の゛お゛お゛お゛?!」 「暇だから」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅぅうぅぅぅっ??!!!」 仲良く並んでぼろぼろと泣き続けるのを見ていた子れいむは歯をカチカチと鳴らしている。僕 はなんとなくそのカチカチという音が気になったので、子れいむの髪をつかんで持ち上げた。ビ チビチ…と、何本か髪の毛がちぎれる音がした。 「ゆびいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 散々、姉妹の苦しむ姿を見てきた子れいむは既に恐怖のあまりしーしーを垂れ流している。 「その歯、うるさいから取ろうか」 僕はラジオペンチを子れいむの口の中に無理やり突っ込もうとしたが、さすがの饅頭も必死の 抵抗だ。僕はれいむの両方揉み上げを両足で踏みつけ固定し、左手で無理やり口を開けさせる。 そしてラジオペンチで子れいむの歯を一本つかんだ。子れいむは僕のほうを見てただただ泣いて いる。閉じることのできない口から涎が滴り落ちる。 「ゆぎゅびあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」 ゴリゴリッ…という音と共に子れいむの前歯が引き抜かれる。見開いた目は今にも飛び出さん ばかりだ。揉み上げは踏まれて動かないので下あごの辺りを床に何度も打ちつけ、暴れる。抜く のに意外と力が必要だったので、今度はハンマーを取り出しまた子れいむの口を押し広げた。そ して、歯に向かって振り下ろす。 「ぎっぴいいいいいぃぃっっ!!!????」 数本の歯が同時に折られ、子れいむの体中を激痛が駆け巡る。僕はそれを何度も何度も繰り返 し、ついに子れいむの歯は一本もなくなってしまった。痛みにのたうちまわっていた子れいむは やがてぴくぴくと痙攣を起こし始め、動かなくなった。 「おでがいじばずう゛う゛う゛う゛う゛!!!もう…も゛う゛やべでぐだざい゛い゛い゛!!!」 痛めつけられる我が子を見て耐えられなくなったのか、親れいむは箱の中から必死の懇願を続 ける。 当然無視して、箱の近くの残り二匹だけとなってしまった無傷の赤れいむの一匹をつまむ。親 れいむと残された赤れいむは不安そうに、僕と僕の指先でもがいている赤れいむを見上げている。 かまぼこの板に赤れいむの揉み上げを釘で打ち付け固定すると、次に輪ゴムを取り出す。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」 輪ゴムをかまぼこの板に引っ掛ける。そして、赤れいむの目の前で輪ゴムを伸ばしていく。最 初は軽く。離す。 「ゆびゃあ゛あ゛あ゛あ゛っ??!!!!」 勢いをつけて輪ゴムが赤れいむの顔の中心に深々とめり込んだ。輪ゴムが当たった部分だけ真 っ赤だ。喉が潰れるのではないかと思うほどに絶叫する赤れいむ。他の姉妹同様、涙と冷や汗、 涎、おまけにしーしーを加えべしゃべしゃだ。 「いちゃあああああい!!いちゃいよぉぉぉぉぉ!!!だじゅげでぇ!!もうやぢゃあああ!!」 僕は今度は赤れいむの目を狙って、さっきの三倍近く輪ゴムを引き延ばして…手を離した。 「ひぎぃっ!!!!」 次の悲鳴は短かった。声を上げることもできなかったようだ。それもそうだろう。今の衝撃で 両目は潰れていたし、目と目の間の皮を輪ゴムが突き破り、餡子が露出している。 「あ…あ…あぁ…」 「ごめん。死んじゃった」 「ゆっぐり…じね゛え゛え゛え゛!!!!!!!」 親れいむの呪詛を浴びながらも僕は、最後の赤れいむをその手にかける。掃除機の先端部を外 して赤れいむに押し当て…スイッチオン。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ…」 若干、赤れいむの直径のほうが掃除機の吸い込み口の直径に勝っているので、すぐには吸い込 まれない。中身と皮が掃除機の奥へ奥へと引っ張られているので顔はとても面白いことになって いた。親れいむは憎悪の眼差しを僕に向けていた。 今度は赤れいむの顔の正面から掃除機を押しつけたら、目玉が吸い込まれていったらしい。掃 除機をどかしたら、綺麗に両目が抉れていた。真っ暗で怖いのか少しも動こうとしない。 「じねっ!!!!じね゛っ!!!!じね゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 あんまりうるさいので僕は親れいむを箱から取り出す。暴れに暴れる親れいむだったが、そん なことは気にも留めず、光を失いおろおろしている赤れいむに親れいむを叩きつけた。親れいむ の長い悲鳴と、赤れいむの短い悲鳴が気色悪い二重奏を奏でる。破れた皮から餡子が飛び散って おり、それが親れいむの顔にべったりとついている。 「ゆ…ゆげぇ…ゆげぇ゛え゛え゛え゛ぇ゛???!!!!!!」 他の姉妹たちも同様にこの親れいむハンマーで一匹ずつ潰していった。親れいむは涙を流しな がら震えている。痛みも悲しみも全部合わせた涙だ。 「ちび…ちゃん…れいむの…ちびちゃぁん…」 僕は饅頭の皮を掴んではゴミ袋の中に入れる、という作業に移っていた。親れいむはそれを見 てももう何も言ってはこなかった。最後に、もう一度、親れいむのあにゃるにモップの柄をぶち 込み、飛び散った餡子を綺麗に拭き取っていった。 最後に自分の子供の餡子まみれになった親れいむをゴミ袋の中に投げ込み、丁寧に踏みつけて 絶命させた。ちなみにゴミ袋越しに親れいむを踏みつけ、中身の餡子がじわりと流れ出していく のを足の裏で感じていたが…悪くない感触だった。 金曜日になったらゴミを出そう。 三、 後日、その話を友人にすると、笑いながら 「ひでぇなお前。そこまでるするかよ」 と言ってきたので僕は爽やかな笑顔で答えた。 「ゆっくりを苛めるのに理由がいるかい…?」 と。 「苛めじゃねぇ。虐殺だろうが」 友人は腹を抱えて笑っていた。 後日…、適当に捕まえて嬲り殺しにする予定だった別のれいむ種の話によると、あのまりさ と僕が潰して遊んだれいむ親子とは無関係だったらしい。つまり、家に侵入しようとして自滅 したところに、あのれいむ親子が通りかかり僕の家に入ってきたと。 「おしえてあげたんだからあまあまちょうだいねっ!」 と言われたので、潰してさしあげた。 終わり *駄文、失礼しました。 余白あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まりさは犠牲になったのだ… -- 2010-10-24 02 49 03 すごくおもしろかったです あんよにピン刺すところがとても好きです 子ゆの目玉にも刺す描写も見てみたいです -- 2010-10-10 21 55 12 まりさwwww SSが始まる前に死んでしまうとは何ごとじゃ -- 2010-09-19 18 55 41 駄文だなんて・・・とてもゆっくりできるいい話ですよ。 -- 2010-09-04 10 38 33 もっと虐殺してください。 -- 2010-07-11 06 06 42
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『平日のおやつ』 9KB 愛で 虐待 平日だっておやつを食べる *ゆっくりは死にません、歯切れが悪くってごめんなさい *三作品目です、前回の続きみたいな感じです~、それでもよければどうぞ *でも別に前作を読まなくっても問題ないです 『れいむ。あなた可愛いわね~』 このれいむは、お姉さんに買われて一週間目の飼いゆっくりだ ペットショップで銅バッジ、しかも成体のれいむはなかなか買い手がつかず、 先日の半額セールでやっと飼いゆっくりになることができたばかりだった 「ゆっ、ありがとうおねえさん!れいむはかわいいよ!」 銀バッジが取れるほどの知能はないが、元気がありゲス化もしていない普通のれいむだった だが、 『本当にかわいいわ、食べちゃいたいぐらい』 「ゆゆっ?おねえさん、なんだかおめめがこわいよ!」 (はしたないとは思うんだけど、そろそろ限界ね。よし、私は十分我慢したわ!) そう、お姉さんがれいむを買ったのは、決して愛でるためではなかったのだった 平日のおやつ まずは下ごしらえをする お姉さんは手慣れた様子でれいむの体より少し小さめの箱にぎゅうぎゅうと押し込んで動きを止める 『あのね、れいむ。ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら?』 「やめてね、おねえさんなにするの!?これじゃれいむうごけないよ!?やめてね!」 『あー、叫ばないで壁薄いんだから!ちょっと静かにしてよ』 お姉さんはれいむの口をガムテープでふさいでしまう れいむはまだもごもごと何か叫ぼうとしているが、それを無視してお姉さんは深呼吸をしている 『一度言ってみたかったのよね~、えっと、ゴホン れいむ、おねえさんにあまあまちょうだいね!』 満面の笑みでお決まりのセリフを口にした後、お姉さんは顔を真っ赤にしながら後悔した 『……やばい、恥ずかしい。』 「んんんん?(おねえさんなにいってるの?)」 『ちょ、れいむ止めて、そんな目で見ないでぇ!』 れいむの視線を遮るように手で顔を隠して身悶えるお姉さんが落ち着いたのは、それから約3分後のことだった 一人暮らしで彼氏もいない、ストレスの多い生活を送っているおねえさんをれいむは憐れんだが、今はとりあえず助けてほしかった 閑話休題 『というわけで、、言ってなかったけど私ゆっくりを食べるのが大好きなの!』 もがいても疲れるだけだと悟ったれいむは、目に恐怖をにじませながらおねえさんを見つめ返す お姉さんは今までに飼ったゆっくり達と、その思い出を楽しそうに説明してくれた お姉さんにとっては美味しかったスイーツの話なのかもしれなかったが、れいむにとっては恐ろしい拷問のような時間だった なんとか恐ろしーしーだけは我慢していたれいむだったが、もうその目からはとめどなく涙があふれていた 『はぁ、私なにゆっくりに説明してるんだろう。まあいいわ~とりあえず、れいむには私に食べられてもらうわよ?』 「んんんん!んんん!んんんんー!」 『あら嫌?でもごめんねー、私がれいむを買ったのはそのためなの。付き合ってくれないのなら捨てちゃうしかないんだけどなー』 目を潤ませていやいやと首を振っていたれいむだが、うつむいて何かを考え始める (のらはゆっくりできないよ、でも、むーしゃむーしゃされるのはもっとゆっくりできない……) 「んんーんーんんー!」 『ああごめんね、このままじゃ喋れないよね?』 べりべりとガムテープをはがされて、ヒリヒリする口の痛みを我慢しながられいむは訴えた 「ねえ、おねえさん、おねえさんはあまあまさんがほしいんだよね たしかちかくにこんびにさんがあるから、そこであまあまさんをかってきてれいむといっしょにたべるっていうのは?」 『嫌よ、わたしはゆっくりが食べたいの☆』 あっさりと笑顔で却下される 「ゆゆゆぅ、ゆぅぐぅうううう、ゆわぁーん!れいむ、しにたくないよぉ!でものらもゆっくりできないぃぃ! れいむあまあまじゃないよぉ!むーしゃむーしゃしないでよぉ!どおすればいいのぉ!?」 とうとう泣き出してしまうれいむ そんなれいむに優しく微笑みかけ頭をなでながら、お姉さんは言った 『大丈夫よ、もしもれいむが美味しかったら、絶対に死なせたりしないから』 れいむが泣き止むのを待ってから、お姉さんはれいむにルールを説明した 一つ、傷は必ず治療する 一つ、お飾りには手を出さない 一つ、オレンジジュースを使わなければいけないような致命傷は与えない 一つ、おやつの時間以外は今まで通り普通にペットとして飼う 『あと、できれば暴れたり泣き叫んだりしないでほしいけど、さすがにそこまでは要求しないわ』 むしろ全力でもがいてね☆その方が私がゆっくりできるから そういって笑うお姉さんの顔は言葉の意味はともかくとっても優しそうで、れいむはとうとう首を縦に振ってしまった れいむの合意が得られるや否や、お姉さんは嬉しそうに台所から箸を持ってきた 準備は万端である 『えへへ、いままで全部手づかみだったから、こうやってお箸を使うと緊張するなぁ、えいっ!』 お姉さんはれいむの右頬に箸を突き刺し、ぐりぐりと一口分切り取った ペットショップ育ちのれいむは特に餡子が出てしまうほどの喧嘩をしたこともなく、生まれて初めての激痛に目を向いて耐えるしかなかった ガムテープでふさがれた口の中で、砂糖菓子の歯が欠けてしまうほどに歯を食いしばっている その様子を見ながら一口目をゆっくりと味わっていたお姉さんの顔に、綺麗な笑顔が咲いた 『れいむ、あなた、合格!』 もう一度右頬に箸を伸ばすお姉さんの手を、れいむは絶望的な気持ちで見つめている ぐりっ、ぐりっ、ぐりっ 自分の中の餡子が空気に触れる痛み、傷口を箸に抉られる痛み、皮が少しずつ千切られる痛み もう耐えられない!見開いた目玉がグリンと裏返り、とうとうれいむが気絶してから、 様子を観察しながらパクパクとれいむを食べていたお姉さんの箸が止まる 『お箸じゃ10口が限界かー、でもこれならダイエットにはちょうどいいかもね。』 食べたりない気持ちを堪えつつ、お姉さんはれいむの頬に水に溶いた小麦粉を塗りたくっていった 『れいむ、おはよう!そろそろ起きてね~』 次の日の朝、れいむは昨夜の悪夢なんてなかったかのようなお姉さんの優しい声に起こされた 『ご飯はいつものところにあるからね、ラジオのスイッチは修理しておいたから、ボールはまた今度ね』 お姉さんは早口でいつものようにれいむに注意を与えると 『じゃあいってきますー』と、 れいむの「行ってらっしゃい」を聞く間もなく慌ただしく仕事へ出かけて行った あまりにもいつも通りの朝だったため、れいむは昨日の夜の出来事は夢だったのだと思おうとした しかし、柔らかいタオルの寝床から動こうとすると、右頬が引きつるように痛んだ その事実に泣きそうになりながら、れいむは空腹を訴える体の為に今日のご飯を食べることにした 『いっただっきま~す』 昨日抉られたばかりの右頬を、畳にこすり付けられるように固定されて、れいむはすでに涙目になってしまっている 今日のお姉さんは、横倒しにしたれいむを太ももに挟んで固定しながら、手に持ったスプーンをれいむの左頬につきたてた 『うーん、意外と弾力があるのねぇ』 しかしスプーンではなかなか饅頭の皮が破れず、れいむは体中の餡子を捏ねくりかき回されるような圧力を感じて吐きそうになっていた お姉さんはれいむを挟んだ足を動かすのがめんどくさいらしく、刺さらないスプーンで何度も頬を抉ろうとしている れいむの頬の皮がゆるゆるになってとうとう破れ目ができた頃には、 中枢餡を揺さぶられ続けたれいむは口の中に湧き上がってくる餡子を飲み込むことに必死になっていた スプーンにすくって一口、昨日よりも少しだけ美味しくなった餡子に満足しつつ、お姉さんは足の間のれいむを楽しむ 昨日と違い一口分の餡子が多いためか、5口程度でお姉さんは満足して今日のおやつの時間は終了した ごく稀に、お姉さんはれいむを朝の散歩に連れて行ってくれたりする 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくりはねるよ!」 『れいむったら、そんなに走ると転んじゃうわよ?』 普段は部屋から出られないので、れいむは散歩の時間が大好きだった お姉さんの朝ごはんを買いにスーパーへ行くだけの短い道のりだが、途中には小さな公園がある 「ゆぷぷぷぷっ、なんなのぜ?あのゆっくり」 「ほんと、れいむのほうがだんっ!ぜんっ!びゆっくりだよぉ~?」 「かいゆっくりのくせに、いなかものなすがたね?」 「……ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 『もうれいむ、待ってってば~』 リードはつけられていなかったが、れいむは「のらはゆっくりできない」と教育されていたため逃げ出そうとしたことはなかった だから今日も、お姉さんはれいむの後ろを歩いて付いてくる 頑張って跳ねたが、お姉さんは歩いて後ろからついてくる スーパーについたお姉さんはニコニコしながられいむの為にクッキーとオレンジジュースを買ってくれた 頬が再生していないれいむは、怯えたような目でお姉さんの手に持ったストローを見つめている お姉さんも少し不安げな様子で、れいむの目にゆっくりとストローを近づけていく 『やたっ!刺さった!』 目の中に刺さったストローがぐりぐりと動かされ、れいむは自分の目がドロドロぐちゃぐちゃと形を失っていくのを感じていた 溢れてくる涙さえ目玉を崩す速度を速めるばかりだった 夢中になってストローを動かしていたお姉さんだが、れいむの涙が枯れかけた頃にようやくその手を止めた 『いただきます』 ずずずずずずずずずずずずっ まるでシェイクを飲んでいるような音を立てながら、ストローがれいむのおめめを吸い上げていく 瞼を閉じられないように張り付けられたセロテープを憎みながら、れいむは残った目からお姉さんの顔を見つめていた その後、寒天を流し込まれて瞼をセロテープで閉じられたれいむは、眼窩の異物感になかなか寝つけなかった お姉さんは時々とても早く仕事から帰ってくることがある そんな時はとてもれいむに優しくしてくれて、一緒にボールで遊んでくれたり本を読んでくれたりする 今日も早めに帰ってきたお姉さんは、れいむにお土産をくれた 『はいこれ、治りが遅いみたいだからね~』 それは、コンビニで買ってきたのであろうまだ温かいあんまんだった 自分の為にお茶を入れたお姉さんはれいむを膝に乗せて、優しくなでながら自分の分のあんまんを食べ始める れいむも夢中になってあんまんを貪った 『ほら、口のまわり汚れちゃってるわよ?そんなに焦って食べなくっても取ったりしないって』 お姉さんは優しくれいむの口の周りを拭ってくれる れいむは何も言わずに、あんまんを食べていた ガラスの冷たい感触に震えながら、れいむは窓に押しつけられていた 夜だったため、鏡のように少しだけ後ろのお姉さんの姿が見えた お姉さんは、その手にフォークを持っていた れいむはギュッと目を強くつぶると、もう何も感じまいとした しかし、ぷすっと体に冷たい金属が刺さり自分の背中の皮と餡子をごっそりと持って行かれる感覚に、体を震わせて涙を流さずにはいられなかった 歪な凸凹の再生しかかった頬の上を涙が流れて畳の上に小さなシミを作っていく 『………』 お姉さんの顔は、真剣そのもので冷たく、とても怖かった 「ねぇ、おねえさん」 『なあに、れいむったら真剣な顔しちゃって。わたしもう会社いかなきゃいけないから夜にしてねー?』 ばたん 今日もお姉さんはれいむに朝ごはんをくれて、慌ただしく出かけて行ってしまう れいむは閉まったドアを見つめながら、今日も口の中で「おたべなさい」と呟いてみる しばらくして、れいむはくるりと振り返って部屋の中に戻っていく だんだんと豪華になっていく朝ご飯を食べるために そしていつか、お姉さんに食べきってもらうために 過去作 anko4450 『大好き実ゆ』 anko4159 『深夜のおやつ』
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『伝わらない声』 俺は一匹のゆっくりれいむを飼っている。 元々野生のれいむで仕事の帰りに森の近くで出会った。 人懐っこい性格で見知らぬ俺に遊んで欲しそうにするので気まぐれに付き合ってあげた。 遊びといっても適当に指と追いかけっこさせたり高い高いしてあげただけだが、それでも十分楽しんでくれていた。 それからしばらく仕事帰りにそのれいむと戯れる日が続いた。 しかしあるとき、俺が家に帰ろうとすると寂しそうにするものだからついついお持ち帰りしたわけだ。 今では我が家のペットだ。 独り身の寂しさを紛らわしてくれる癒し系。 部屋に柵で囲った場所を作り、そこをれいむの部屋にしてある。 自由に家の中を動かれると色々と危険があるので俺が家にいないときはその中に居てもらっている。 朝、俺が仕事に出かける前にれいむを起こし、朝と昼の食事を柵の中に入れる。 「れいむ朝だぞー」 「ゆっ…ゆっくりしていってね!!!」 れいむは割と遅起きだ。俺が声をかけるまで眠っている。 そのくせ早寝だったりするので一匹だったら一日の半分は寝て過ごしていそうだ。 「朝ごはんだぞ。こっちはお昼だから後で食べろよ」 「ゆ!」 俺に向かって一言鳴くと朝ごはん用のお皿に近づいて食事を始める。 ゆっくりは「ゆっくりしていってね」以外はほとんど人間語で喋らない。 後は「ゆっくり」とか「ゆ~」「ゆっ」といった鳴き声だ。 ああ、ちなみに断末魔は「ゆっくりしたけっかがこれだよ」と言うらしい。聞いたことはないが。 「ゆっくり! ゆっ! ゆっくりー!!」 食事を終えた後のれいむは俺に向かって激しく鳴いてくる。 きっと朝一の運動を兼ねて遊びたいのだろう。 しかし俺も仕事があるのでそういうわけにもいかない。 「ごめんなれいむ。また俺が帰ってきてから遊ぼうな」 「ゆ、ゆっくりぃぃぃ!!!」 残念そうを通り越して悲しそうにれいむは鳴いた。随分と懐かれたものだ。 れいむの頭を少し撫でまわすと俺は仕事に出かけた。 れいむはおうちに帰りたかった。 ある日出会った優しいお兄さんはれいむと遊んでくれた。 もっと遊びたいと言ったらこのおうちに招待してお兄さんは美味しい食べ物を御馳走してくれた。 ご馳走の後は見たことのない物で遊んでくれた。 気付いたら外は真っ暗だったけどお兄さんはお泊まりさせてくれたし、フカフカの寝床を用意してくれた。 噂には聞いていたけど人間さんのおうちはすごくゆっくり出来た。 でもれいむはここでずっと暮らすつもりはなかった。 れいむには家族がいる。お母さんとお姉ちゃん、妹もいる。 それに友達だってたくさんいる。 だかられいむは何度も「そろそろおうちかえるね!!」とお兄さんに伝えた。 なのにお兄さんは「ああ、ゆっくりしていってね」と返事するだけ。 何日経ってもこのおうちから出してくれなかった。 れいむは事あるごとにお兄さんに外に出してと頼んだけどいつも話をそらされる。 いつもお兄さんとの会話は成り立っていなかった。 だがそれは当然だった。 そもそも人間にはゆっくりの言葉が分からない。 ゆっくりは人間の言葉を喋っているつもりだが、実際は喋れていない。 「そろそろおうちかえるね!!」と声に出したつもりが「ゆっくりしていってね!!!」と声に出していたわけだ。 ゆっくりは人間の言葉を理解できる。 さらにゆっくり同士の会話は人間語に翻訳されて聞こえる。 だからこそゆっくりは自分もちゃんと話せていると思い込んでいた。 れいむも当然そのように考えていた。 でも少なくともお兄さんには言葉が通じていない。 通じると言えば「ゆっくりしていってね」ぐらいのものだ。 しかしそれだけ伝わってもれいむはおうちに帰れない。 家族にも友達にも会えやしない。 「おにーさん! おかあさんにあいたいよ! もうおうちにかえして!!」 さっきの朝ごはんの後にもそう叫んだのにそれは伝わらなかった。 それどころか何を聞き間違えたのか、 「ごめんなれいむ。また俺が帰ってきてから遊ぼうな」 なんて言ってれいむの頭を撫でるだけだった。 「おうぢにがえじでええええ!!!」 れいむは泣き叫んだが、お兄さんはおうちの外へ行ってしまった。 お兄さんは外に出かけると日が暮れるまで帰って来ない。 れいむの一番嫌いな孤独な時間が始まる。 お兄さんは言葉が通じない人だけど一緒に遊んでくれる。 遊んでいればおうちに帰りたい気持ちも紛らわすことができる。 でも狭い柵の中、一人で出来ることなんて限られていた。 お兄さんが布と綿で作ってくれたボールで遊ぶのには飽きた。 柵の中を駆け回っても風景が変わるわけでもないのでつまらない。 だからこの時間が嫌いだった。 それにやることがないと楽しかった記憶が自然に頭に浮かんでくる。 お母さんにお歌を教えてもらって家族みんなで歌ったこと。 お姉ちゃんまりさの帽子に乗って川を渡ったこと。 妹の前で虫を捕まえて「おねーちゃんすごいよ!」と褒められたこと。 友達と一緒に広い野原を跳ねまわったこと。 そのどれもが懐かしい。 れいむは気付けば涙を流していた。 実に一週間、家族と会っていない。 それどころか同じゆっくりとも会っていない。 寂しくなって当然だった。 「みんなにあいたいよぉ…」 れいむの細い声は誰もいない部屋に響く。 それがますますれいむを寂しくさせた。 美味しい食べ物、フカフカの寝床、安全なおうち。 野生に生きてきたゆっくりからすればかなりの好条件が揃ったおうち。 なのにまるでゆっくり出来なかった。 れいむは自分より二回りぐらい小さなボールに頬を擦りつける。 仲間じゃないと分かっていても丸っこく柔らかい物に身を寄せたかった。 「いっしょにゆっくりしようね」 ボールに話しかけるが返事はあるわけもない。 空しくなったれいむはボールを向こうへと転がす。 「ひとりじゃゆっくりできないよ…」 れいむは天井を見上げる。 その様子はさながら囚人のようであった。 昼。 お腹が空いてきたのでお兄さんの用意してくれたお昼のご飯を食べる。 飼いゆっくり用のご飯らしく、甘くて美味しい。 むしゃむしゃ… 黙って食べる。 幸せじゃないので「しあわせー」なんて言えなかった。 舌がとろけるほど美味しいご飯なのにどこか味気なく感じる。 「みんなといっしょにしあわせーしたいよ」 そういえば友達と冒険したときに食べた木の実は美味しかった。 味は今思えば微妙だったけど満たされるものがあった。 楽しくないと美味しい食べ物も美味しく感じられないと、れいむは子供ながらにして悟った。 午後。 食事を終えるとますますやることがない。 れいむはただボーッとするだけ。部屋は静寂に包まれる。 音と言えば自身の出す音と、たまに聞こえる鳥の声ぐらいのもの。 世界に自分しかいないような感覚がれいむを襲う。 「ゆー、ゆっゆっゆ…ゆゆ~」 怖くなったれいむは歌い出す。 しかしそれも疲れるので長くは続かない。 みんなで歌った時はこんなすぐに疲れなかったのに。 実際のところ、みんなで歌ってれば途中で適度に休めるから疲れにくいだけだったりする。 でもこの場合は楽しくないのが一番の疲れる原因だった。 後の時間は柵の中を転がったりボールで遊んだりといつもの遊びで過ごす。 いい加減飽きているので楽しくは無いが、寂しさをちょっとでも紛らわせる。 ただそれだけの行為。 れいむはそうして一日のほとんどを抜け殻のようにして過ごす。 暗くなる頃にようやく飼い主が帰ってくる。 「ただいま。帰ったぞれいむー」 「ゆっくりしていってね!!!」 れいむは元気に帰ってきたお兄さんにおかえりの挨拶をする。 寂しかっただけにお兄さんが帰ってくるのは素直に嬉しかった。 「お腹は減ってるか? すぐに作ってやるからな」 「ゆっくりまつよ!!」 お兄さんにおうちに帰してとお願いするのはご飯を食べてからだ。 なのでお兄さんが料理を作ってる間は大人しく待つことにした。 「ほら、出来たぞ。卵焼きだ」 「ゆゆっ、おいしそうだよ! ありがとうおにーさん!!」 お礼を言うが人間には「ゆゆ~ん! ゆっくりー!!」ぐらいにしか聞こえていない。 それでもれいむが喜んでいることはちゃんと分かるようだ。 「ははは、砂糖を入れたから甘くておいしいぞー」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 やっぱり誰かと食べるご飯は美味しかった。 ちなみにれいむはお兄さんの事が嫌いというわけではない。むしろ好きだ。 後は話を聞いてくれさえすればもっと好きになれるのに。 夕食後はお兄さんと遊ぶ時間だ。 柵から出してもらってお兄さんと向き合う。 れいむにとっては貴重なお願いの時間だ。 「おにーさん! れいむをおうちにかえしてね!! ゆっくりみんなにあいたいよ!!」 「はいはい、今日はこれで遊ぼうな」 「ゆゆー! ゆっくりちがうよ!!」 「お前これ好きだもんな。ほれほれ」 「れいむのはなしをゆっくりきいてってー!!」 お兄さんに向って何度もお願いするが、お兄さんは猫じゃらしをれいむの目の前で揺らしてくる。 れいむはそれを追いかけながらもお兄さんにお願いする。 でも聞いてくれない。 だったら遊ばないで体で示せばいいのにと思うかもしれないが、 目の前で猫じゃらしをチラつかせられるとついつい遊んでしまうのだ。 「ゆーっ! あしたになったらそとにだしてね!」 「ああ、次はボールで遊ぼうか」 「ゆっくりちがうよぉ!!」 結局こうしてれいむのお願いはお兄さんに通じなかった。 しばらく遊んだあと柵の中に戻されておやすみの時間になる。 「あしたはおうちにかえしてね」 「おやすみれいむ」 しばらくして部屋の灯りが消えた。 暗闇で何も見えなくなると急激に眠くなる。 いつか分かってくれるといいな。 そう考えながられいむは眠りについた。 れいむが人間のペットにされてからまだ一週間。 これから数ヶ月の時をここで過ごすことになるとはまだ思っていなかった。 れいむを飼ってから約半年。 最近、いや二か月ほど前からどうもれいむに元気がない。 「れいむ遊ぼうな。今日は俺の上に登るか?」 お兄さん登りと名付けた遊びで、れいむに俺の体を登らせるのだ。 これが案外楽しいらしい。 足から肩に飛び乗ったり、頭の上に乗ったりと大はしゃぎだった。 でも最近は乗り気じゃないようで俺が手を差し出すなどしない限りは飛び乗ってこなかった。 それだけではなく料理を食べても嬉しそうに「ゆーん、ゆーん、ゆゆゆー!!」なんて鳴かなくなった。 今はもそもそと黙って食べる。 行儀がいいとも言えるけどむしゃむしゃ元気に食べてくれた方が飼い主としては嬉しい。 (老化でもしたのか? でもそんなの聞いたことないぞ) れいむは最初は子供サイズだったが、今は大人のゆっくりに成長している。 見たことは無いが、ゆっくりは育てればもっと大きく育つらしい。 噂によると2mぐらい、さらには10mサイズもいるとか。 だとすると老化は考えにくい。 体は綺麗でハリもある。病気とも思えない。 精神的なものなのだろうか。 「森に帰してみるか…?」 「ゆゆっ!!」 ふと何気なしに呟いた言葉にれいむは激しく反応した。 「ゆっくりー! ゆゆゆっ!!! ゆーっ!!」 目をキラキラさせて胡坐をかいた俺の足に体を擦りつけてくる。 それから俺を見上げて激しく鳴いてくる。 もしやビンゴだったか? というかよくよく考えればこいつは野生のゆっくりだった。 だとすると当然家族や知り合いもいただろう。 「ああ、なんてこった」 半年の間そんな大事なことに気付かなかったとは。馬鹿だ俺は。 仲間がいなくて寂しい思いをさせてしまっていたんだ。 俺はれいむの頭に手をポンと乗せる。 「ゆーん! ゆーん!」 「ごめんな。れいむごめん」 「ゆっくりしていってね!!!」 謝る俺に「きにしないでね!」とでも言うように笑顔を向けて鳴いてくる。 優しいやつだ。本当はもっと飼っていたい。 でもこれ以上俺の我が侭で飼い続けるわけにはいかない。 やっぱり同じゆっくり同士が一番なんだから。 「明日、森に帰ろうな。今日はもう暗いし」 「ゆっ!!」 その夜俺とれいむはいつもより長く遊んだ。 寝る時も俺はれいむが寝るまで傍にいた。 翌朝。 お兄さんの声でれいむは目を覚ました。 「ゆっくりしていってね!!!」 れいむは元気に朝の挨拶をする。 こんなに気持ちのよい挨拶は久しぶりだった。 それもそのはず、昨夜お兄さんがとうとうれいむのお願いに気付いてくれたのだから。 そして今日、れいむは森のおうちに帰れる。 「よし、それじゃあ行こうか」 お兄さんの用意してくれたバスケットにれいむは収まる。 森まではお兄さんが運んでくれると言うので好意に甘えることにした。 懐かしい森への道をバスケットに乗って移動する。 お兄さんの話に相槌を打ちながられいむは久しぶりの故郷を思い返す。 優しいお母さんは元気かな。 お姉ちゃんはもう結婚したかな。 妹はそろそろ大人かな。甘え癖は抜けたかな。 友達はみんなゆっくりしているかな。 帰ったらまずは家族とあってスリスリしていっぱいお話ししよう。 明日は友達と会ってみんなで遊びに出かけよう。 そうだ。優しいお兄さんと人間のおうちのお話をしよう。 みんな羨ましがるかな。 でもれいむはみんなといるのが一番幸せだよって言っちゃおうかな。 だって本当にそう思ってるもん。 「着いた。ここでお別れだな」 「ゆっ!!」 森の入口、れいむとお兄さんが出会った場所に着いた。 懐かしい匂いがする。 れいむはバスケットから飛び降りるとお兄さんに振り替える。 「おにいさんありがとう!! いやなこともあったけどれいむたのしかったよ!!!」 「本当にごめんな。さ、仲間の所に戻って元気な姿を見せてやるんだ」 「ゆっくりわかったよ!! おにいさん、またあったらいっしょにあそぼうね!!」 お兄さんが手を振っている。 れいむはちょっと泣きそうになったけど堪えて森の中へと駆けていった。 おうちの場所は覚えている。 ずっと帰りたいと夢に思い描いていた場所だ。忘れようはずがない。 倒れた大木に出来た大きな空洞。そこがれいむ家族のおうちだ。 「ゆっくりかえったよ!!!」 おうちに入ると開口一番そう叫ぶ。 しかし中にいたゆっくり達の反応はれいむの期待とは違った。 「ゆ…? だれなの?」 「ここはまりさたちのおうちだよ!!」 「おうちをまちがえたの? でもここのゆっくりじゃないよね?」 「ゆ? ゆゆ、ゆ??」 れいむのおうちにいたのはれいむ種とまりさ種の家族。 でも見たことのないゆっくりだった。 「ゆっくりたってないででてってね!!」 「そうだよ! しつれいなれいむはゆっくりでてってね!!」 「ゆ、ごめんね! ゆっくりごめんね!」 訳も分からず責められ、れいむは取りあえずおうちから外に出た。 もしかして本当に家を間違えた? でもこの辺に倒れた大木なんて他にはない。 それに枝の形や入口の穴の形も記憶のそれと同じだ。 「ゆーん…」 れいむは友達のおうちを見に行くことにした。 しかし友達は誰一人見つからなかった。 それどころか知ってるゆっくりが一人もいなかった。 もしかして引っ越したのかと思ったけどこんなゆっくりプレイスから引っ越すなど考えづらい。 れいむは考える。 しばらくして一つの結論に至った。 「みんな、あのゆっくりにおいだされたんだね」 あの見知らぬゆっくりの群れがれいむの群れを追い出してここに居座った。 追い出されただけならまだいい。でも最悪殺されたのかも知れない。 そう考えると今ここにいるゆっくり達が憎くなった。 ようやく会えると思った家族、友達。 温厚でのんびり屋のれいむだったが大事なもの全てを奪ったゆっくり達を憎まずにはいられなかった。 れいむは自分のおうちに向かう。 ちょうどおうちの入口付近でおうちを奪った家族が集まって遊んでいた。 みんな幸せそうに笑顔を振りまいている。 泥棒のくせに。 「ゆゆ~!」 「ゆー、まってよ~!!」 追いかけっこする子ゆっくり。 れいむはその子ゆっくりの前に立ちはだかる。 「ゆっ、おねーちゃんもあそぶ?」 「ゆっくりあそぼうね!!」 さっきは巣の奥に居てれいむを見てなかったのだろう。 初めて見るゆっくりであるれいむに無邪気に遊ぼうと誘ってくる。 れいむは一緒に遊びたくなってしまう。 でも今はそんな呑気な事していられない。 「みんなはいつからこのおうちにいたの?」 「うまれたときからだよ!」 「このおうちはね! むかしからまりさたちのおうちだってきいたよ!!」 「そうなんだ」 昔から住んでるなんて酷い嘘だ。 この子たちはきっと親に騙されてるんだ。可哀想に。 「ゆっ、さっきのしらないれいむだね!」 「れいむたちのこどもになんのようなの!!」 れいむの元にその子供達の親がやってきた。 明らかにれいむを怪しんでいた。 でもちょうど良かった。この親に本当のことを聞けばいい。 「このおうちはいつうばったの?」 「なにいってるの! うばってなんかないよ! ここはずっとまえかられいむたちのおうちだよ!!」 「そうだよ! へんなれいむだね!!」 親まで嘘を言う。 本気でここに昔から住んでいると思い込んでいるのかもしれないが。 「ここはれいむのおうちだよ! おかあさんとおねえちゃんといもうとをどうしたの!!」 でも本気でそう思い込んでいるとしても元からいたれいむの家族は知ってるはずだ。 忘れたんだとしたら、もう許せない。 「しらないよ! わけのわからないこというね! ゆっくりできてないよ!!」 「そうだよ! まりさたちはここでずっとくらしてたんだよ!!」 「ゆっくり、しんでね」 「ゆ?」 「なにをいって…ゆぶっ!?」 「ゆっくりしんでね!!!」 れいむは怒りに身を任せて親まりさに体当たりした。 不意を突かれた親まりさは軽く吹き飛んで仰向けに倒れた。 「いだいいぃぃぃ!!!」 「まりさになにするの!! ひどいよあやまってね!!」 「あやまるのはそっちのほうだよ!! れいむのかぞくとおうちをかえして!!」 「だからなにいっでるのおおおお!!!」 れいむは続いて親れいむに飛びかかる。 親れいむもまたれいむの体当たりで吹き飛んでおうちの中に転がっていった。 れいむはそれを追いかける。 それに気付いた親まりさはおうちの入口近くにいる子供達に向かって叫ぶ。 「おちびちゃんにげてえええええ!!!」 その親の言葉に突然のことで固まっていた子供達は蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げた。 何も考えないで逃げるので親れいむを追うれいむに吹き飛ばされる子供もいた。 れいむは吹き飛んだ子供に構わずおうちの中に侵入した。 そして起き上がろうとする親れいむに圧し掛かった。 「ゆ、ぐ…ぐるじいよ。い"だいよ"」 「しつもんにこたえてね!! ここにいたみんなはどうしたの!?」 「じらないよ"っ! ここにはれいむだぢがむがじがらいだよぉぉ!!」 「うそいわないでね!! だったらなんでれいむのかぞくもともだちもいないの!!」 「じらないよぉぉぉ!!!」 まだ白を切るつもりのようだ。 れいむは何度と飛び跳ねて親れいむを何度もプレスする。 「ぎゅっ、ぐっ、ぎゃべっ!! やべ、でぇっ!!」 親れいむは潰されるたびに苦しそうな声をあげる。 十数回潰した所で餡子を吐き始めた。 でもれいむは止まらない。 「いたいのがいやならはやくいってね!!」 「ゆ"、ぶ、ぶ、ぶぶぺっ……」 「ゆ?」 親れいむはそれから声を出さなくなった。 れいむがちょっと退けて親れいむを見ると死んでいた。 餡子を吐きだし、目も片方地面に転がっている。 家族について聞く前に死んでしまった。 「ゆっくりいわないからだよ」 悪いのは自分じゃない。 この親れいむが嘘をついたり、大事なことを忘れてるからいけないんだ。 情報を聞き出す前に死んだのは残念だけどまだ親まりさが残ってる。 れいむはおうちの外に出て親まりさの姿を探す。 でも見つからなかった。 その代わり、たくさんのゆっくりがおうちの周りに集まっていた。 「でてきたよ!!」 「ゆっくりできないれいむがでてきたよ!!」 「れいむは、れいむはどうしたの!! なんでおまえがでてくるの!!」 「むきゅ、かえりちでよごれてるわ。もしかすると…」 「ゆうううう!! れいむをがえじでえええ!!」 泣き叫ぶ親まりさ。 でもこれは自業自得というもの。 れいむの心が痛むことは無かった。 それよりも群れを奪ったゆっくり達に囲まれたこの状況はゆっくり出来ない。 きっとあのまりさの家族が助けを呼んだのだろう。 「ゆっくりごろしはゆっくりできないよ!!」 「へいわにくらしてただけなのに! あのれいむはゆっくりしてないね!!」 「あんなれいむゆっくりさせるわけにはいかないね!!」 「ゆっ! みんなでいしをなげるよ!!」 『ゆーっ!!!』 れいむを囲うゆっくり達が一斉に石を飛ばしてきた。 大人のゆっくりも子供も、赤ちゃんまでも石を飛ばしてくる。 れいむはそれを必死に避けようと駆ける。 群れのみんなもこうやって攻撃されて追い出されたんだと考えると逃げるのは何だか悔しかった。 でもこの状況ではそうも言ってられないしどうすることも出来ない。 「ゆっくりやめてね! れいむはわるいれいむじゃないよ!!」 「ばかいわないでね!! まりさのれいむをころしたくせに!!」 「ゆっ! ひとのおうちをうばおうとしたわるいれいむはしんでね!!」 「ひどいげすれいむだね!!」 れいむは石だけでなく罵声も飛ばされる。 体も心も傷付けられる。 すでにれいむの体には何度も石をぶつけられて傷が出来ている。 体の動きも徐々に鈍くなっている。 このまま倒れてしまえばゆっくり出来なくなる。 この包囲から抜け出さないと…! 「ゆっくりどいてね!!」 れいむはようやくれいむを囲うゆっくり達の元まで辿りついた。 その勢いで体当たりして道を切り開こうとする。 だが―― 「させないよ!!」 「ゆぎっ」 だが、れいむは逆に跳ね返された。 数匹の大人ゆっくりによる体当たりで弾き返されたのだ。 「みんな! いまだよ!!」 「ゆー!!」 「ゆっくりしねぇ!!!」 「ゆっ、ゆぐっ、ゆ、やめ、やめで!!! いだい!!!」 怯んだれいむにゆっくり達が次々と体当たりを仕掛ける。 体勢を立て直す前に次のゆっくりが攻撃してくるのでれいむは逃げることが出来ない。 動くこともままならないままれいむはボロボロにされていく。 もう逃げ切ることは出来そうになかった。 れいむは涙を流しながら憎きゆっくり達にリンチされた。 「ゆ"、ゆ"…ゆ"ふ"」 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「おばかなれいむはそのまましんでね!!」 たった数分でれいむはボロ雑巾のようにされ、地面に這いつくばっていた。 もう自力では動けそうにない。 片目はどっかに転がって行ってしまった。 大事なリボンは破られて目の前に散らばっている。 そして… 「まりさのれいむをかえしてね!!」 「……」 あの親まりさが近づいてきた。 でもれいむは反応しない。出来ない。 「おまえがあらわれなかったらゆっくりくらせたのに。 おまえのせいでまりさのこどもたちはおかあさんをなくしたんだよ」 「……」 親まりさの声が遠のく。 れいむはそのまま静かに死を迎えようとしていた。 悪いのは群れを追い出したこいつらなのに。 どうしてれいむが悪者にされてるの。 この世の理不尽をれいむは呪う。 なんでお兄さんの元に残らなかったのかな。 こうなるって分かってればお兄さんとずっとゆっくり暮したと思うのに。 なんで? どうして? ぐちゃ 直後、れいむの意識は闇へと消えた。 れいむの上には涙を流すまりさ。 理不尽に妻を奪われた可哀想なまりさだ。 れいむの不幸は長く群れを離れたことだった。 人間に飼われていた半年という時間は長すぎた。 半年といえば野生に生きるゆっくりが3~5回は世代交代するほどの時間なのだ。 大抵のゆっくりは1~2ヶ月で何らかの理由によって死亡する。 外敵に襲われたり、子を作って黒ずんで死んだり、変な物を食べて死んだりと様々だ。 れいむは外敵もなく、食事も安全で美味しいものを食べてきたからこそ長生きした。 だけど家族も友達も何らかの理由でとっくに死んでいた。 そしてれいむの群れにいた見知らぬゆっくりの群れはその子孫だった。 れいむが殺したれいむはれいむの妹のひ孫。 れいむを殺したまりさはれいむの友達のひ孫の子だった。 哀れなれいむはそれに知らずに群れの仲間を奪われたと誤解して群れの仲間を殺した。 そして罪のない仲間を殺された恨みにより、群れの仲間に殺された。 せめてゆっくりの言葉が人間に通じさえすればこんな事にならなかった。 家族とも友達とも会えたし、お兄さんと再び遊ぶことも出来た。 早死にしたとしてもれいむは幸せだったのかも知れない。 でもそんなifは存在しない。 その結果が今の無残に潰れた姿。 れいむは家族と再会することなく命を散らせた。 終 by 赤福 このSSに感想を付ける