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「銀魂」より坂田銀時 侍の使い魔-1 第一訓 「ツンデレに悪い子はいない」 侍の使い魔-2 第二訓 「クロスオーバー物って大抵がラブコメ」 侍の使い魔-3 第三訓 「巨乳って頭悪いって言うけど漫画はそうでもないね」 侍の使い魔-4 第四訓 「メイドはやっぱしドジっ子」 侍の使い魔-5 第五訓 「ろくな出会い方をしてない人に限って後々仲良くなったりする」 侍の使い魔-6 第六訓 「人を見かけで判断するな中身を見ろ中身を」 侍の使い魔-7 第七訓 「飯作る人間と仲良くしといて損はない」 侍の使い魔-8 第八訓 「添え膳食わぬは男の恥というが食ったら恥どころかではすまない場合が多い」 侍の使い魔-9 第九訓 「高けりゃいいもんじゃないが安くても良い訳じゃないってのは大概買ってから気づく」 侍の使い魔-10第十訓 「嫌だと思ったときはまよわずNOと言え」 侍の使い魔-11第十一訓「たまには面倒事から逃げられない時もあるがそれはもうふんばるしかない 」 侍の使い魔-12第十二訓「真実って奴は案外拍子抜けするほど近くにある 」 侍の使い魔-13第十三訓「勝って兜の緒を締めろ 」 侍の使い魔-14第十四訓「人の縁はめぐりめぐるけどそれがいいものになるとは限らない 」 侍の使い魔-15第十五訓「アニメ化、ゲーム化しても原作のお気に入りのキャラが出るとは限らない」 侍の使い魔-16第十六訓「偉い人は常識とか足がかざりとかがわからない」
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兎の使い魔/Minion of Rabbit 兎の使い魔 (1)(U) クリーチャー ― 兎・式 被覆 兎の使い魔は人間でないクリーチャーによってブロックされず、人間でないクリーチャーへのブロックに参加できない。 1/1 コモン 永夜抄の各色に存在する、使い魔サイクルの青版。 サイクル共通で、人間にしかブロックされず、人間しかブロックできないという特性を持つ。 兎+被覆持ちにより部族参照カードの頭数稼ぎに良い。 参考 使い魔サイクル : 人間の使い魔 兎の使い魔 亡霊の使い魔 不死鳥の使い魔 蟲の使い魔 カードセット一覧/東方永夜抄 クリーチャー コモン 兎 対除去 式 東方永夜抄 青 2マナ
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法皇は使い魔~法皇の使い魔第二章~ 「我が名は花教院典明」 なぜ僕は生きているのかという疑問はもはや頭の中に無かった。 DIOのことだから能力は時間を止める事だけでは無いかもしれない。 殺してからも相手に死を与え続ける、そんなえげつない能力があってもおかしくは無い。 とても恐ろしい能力だ。しかし、だからこそ彼は誇り高く名乗った。 スタンドでは負けても心で負けないために。 そしてDIOの恐怖に打ち勝つために。 「ハイエロファントグリーン」 彼のスタンドが現れ臨戦態勢に入る。 するとなぜだろう、 「なに叫んでるんだ?」 「変な髪形だなあ」 「あんな服見たこと無いぞ」 見下されている感じはあれど殺意もなさそうだし、スタンドも見えていないようだ。 「カキョーイン?発音しにくいわね、何でも良いけど動かないでね」 名前を聞いてきた少女が近づいてきた。 相手がスタンド使いで無いと思って油断していたそのときだった 唇を奪われた いつもは冷静な花教院だがこのときばかりは動揺した。 髪型は独特だがイケメンといってなんら差し支えの無い彼だが、 承太郎達と出会うまで真の友達いなかったのである。彼女などいるはずが無い。 つまりファーストキスだったのである。 「な、なによ、私だって初めてなんだからね」 少女が赤面して叫んでいる。 彼はとりあえず話題を変えようとした。普段の冷静なイメージを崩したくなかったのである。 「そういえば、あなたの名はなんというのですか」 口調はあくまで冷静だった。 「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 ルイズ、自分のファーストキスを奪った相手なのか。 こんな事を考えていると急に体が熱くなっていった。 これは恥ずかしいというれぜるじゃ無い、これはもう明らかな痛みだ。 「まずい・・・意識が・・・遠・・・のい・・・て・・・いく・・・」 油断していた、キスで動揺していたとはいえこんなに簡単にやられてしまうとは・・・ 夢を見た。承太郎たちと日本へ戻る夢だ。 承太郎はいつものように静かで、ジョースターさんとアブドゥルは仲良く酒を飲み、、 ポルナレフはいつものように騒がしく、イギーもこころなしか幸せそうな顔をしていた。 そして僕は・・・ 「こ、ここはどこだッ」 いいところで夢から覚めるとそこは西洋風のベッドの上だった。 なぜ僕はこんなところにいるんだ・・・そうか、DIOの第2の能力で・・キ・・ス・・をされて・・・ 彼は少々赤面しながら彼は大体の事を思い出した。 「もう手遅れかもしれないがとにかく逃げるしかないッ ハイエロファントグリーンッ壁に穴を開けろッ エメラルドスプ・・・」 「もう起きたの?それに何叫んでるのよ」 ピンク色の髪をした少女ルイズが部屋にはいってきた。 「お、お前はッDIOのスタンドだか手下だかわからないが、 さっきのキスで君を敵と確信した、女の子だが倒させてもらおうッ、 ハイエロファントグリーン、エメラルドスプラッシュだッ」 彼のスタンドの手から宝石が放たれる。 「な、何なのよ、何で急に空中から宝石なんかが出てくるのよ?」 「何?やはり君にはハイエロファントグリーンが見えていないのか?」 そういえば彼女がDIOの仲間なら寝首をかく事だって容易だったはずなのになぜ自分を殺さなかったのか。 冷静になって考えればこちらの勘違いかもしれない。 「一応聞くが、君はDIOという男は知っているか?」 「DIO?だれよ?それと君って呼ぶのはやめなさい、使い魔のくせに無礼よ!」 「使い魔だと?いったい何なんだ?それは。」 花京院という男は冷静である。 「使い魔」と呼ばれに明らかに目下に思われているのに現状把握に努めている。 その結果ルイズから、この世界の事、使い魔とは何か、などを聞き出すことに成功した。 「つまり、僕は君、失礼、ルイズの執事となればいいのだろう? だが断るッ といいたいところだが、DIOの仲間と間違えて攻撃してしまった以上、 謝罪の気持ちの表れとして当分はルイズ、あなたの言う通りにしよう。」 もちろん、彼の心の中には、まだDIOの手下である可能性はぬぐいきれなかったが、 元の世界に帰るためにルイズの近くにいることが最善であるのも確かだ。 「それじゃこの下着洗っといてね」 早速ルイズが仕事を申し付けてくる。 それにしてもあまり親しくも無い男に下着を洗わせるのは恥ずかしくないのだろうか? 承太郎で無くてもこういうだろう。 「やれやれだ」
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女盗賊が投獄された地下の監獄。 杖もない、金属もない、身動きもとれないで脱出は不可能だと早々に決め付け、観念した女盗賊。 眠りにつこうと思っていた刹那、階段の上からコツコツと靴の音が聞こえてくる。 「『土くれ』だな」 男は低い声を出した。 「あんた、何者?」 フーケは男に問い掛ける。男は質問には答えずに 「再びアルビオンに仕える気はないか?」 「ふざけたことを言わないで、それ以上そんな話をするようなら助けに来てもらったところ悪いけど死んでもらうよ」 半透明で薄緑色のゴーレムのような物体が現れる。 「物騒だな、勘違いをするな。アルビオンの王家に仕えろと言っているのではない。あそこの王家はもうすぐ倒れる」 「バカどもがドンパチやってるらしいからね」 「その片方のバカの誘いだ。トリステイン貴族などという枠を越え、この世界を憂う貴族たちの連盟だ。目的はハルケギニアの 統一、そして最終的には『聖地』を奪還する。手始めにあそこの風石と造船技術を頂く。造船所のお上は掌握済みだ、 最後の詰めに、そしてこの先の夢をキャンバスに描くためにお前のような優秀なメイジが一人でも多く欲しい」 フーケは肩をすくめて笑う。 「バカ言わないで、夢は寝ながら描くものよ。私は貴族が嫌いだし、ハルケギニアの統一なんかには興味が無いわ」 男は更に低い声を出す。 「断っても構わん。牢獄に転がっている死体にまで頼むほど人材は足りていないわけではないからな」 フーケはため息をつく。 「なら最初からそう言いなさいよ」 「そうか、なら話は早い」 男はフーケに杖を投げつけ、衛兵から奪ったであろう鍵で扉を開け、拘束具を外す。 「好きに脱出するんだな、三日後にラ・ロシェールの『サンジェルマン』で待っている」 フーケは男に杖を向ける。 「あんた、私をバカにしてるんじゃないの?殺すなんて脅した後に杖を渡されてそのまま従うほど従順じゃないね。 『ジャッジメント』!」 フーケのスタンドが檻を破壊し、杖からは男に向かって石礫が飛ぶ。 しかし、そこに立っていた男はもう影も形もなく、今度は数人『その男』が階段から降りてくる。 「『土くれ』、なかなか頭の回転が速いが、相手の属性もクラスもわからないまま攻めるのは感心しないな」 数人の『男』が同時に同じ声を出し、エコーのように響く。男は重なり合い、一人になる。 「『偏在』かい、一瞬で消えたのは魔力温存のため当たる前に引っ込めたのかい?」 「『偏在』の部分はその通り」 「ずいぶんと余裕だね、偏在は偏在に重なれない、あんたが本体だってのはわかりきってるのにね!」 もう一度フーケは石礫を飛ばす。 今度こそ男の体を捉らえる。 そして、男の体は消える。 「なッ!これも『偏在』!?」 今度は一人増えた『男』が階段から降りてくる。 「どうだい、力の差というものがわかったかな?これで断るようでも、ここの裏に墓標くらいは立ててやる」 フーケは再度ため息をつく。 「わかったわよ、完全敗北ね。当面の間は大人しく従ってあげるわよ」 「そうか、ではラ・ロシェールでな」 男は重なり、今度こそ一人になり、そして、今度は一人も居なくなり、消えた。 * * * 「で、ワムウ、わかってるの?ふざけたことしないで大人しくしてなさいよ?」 「ああ、大体わかった。この国の姫が学校の視察に来るのか、また騒がしくなりそうだ。俺は適当なところにいる」 「そうはいかないわよ、使い魔と主人は一心同体、あんたも出ないと失礼に当たるのよ」 「面倒だな」 「だから大人しくしてなさいって言ってるのよ」 ルイズはワムウに言い聞かす。 先ほどコルベールが珍妙な格好で授業に割り込み、姫殿下が行幸されると伝えて今日の授業は中止となった。 姫殿下が通過するというだけでその街道はさながらパレードで、近隣の一般人が多く集まっていた。 王室の紋章の入ったレリーフが街道に並べられ、ユニコーンの引く馬車の中からアンリエッタ姫が手を振る。 「トリステインバンザイ!」 「アンリエッタ姫殿下バンザイ!」 「マザリーニ枢機卿バンザーイ!」 「君に会えてよかった!」 脇の民衆から歓声が沸きあがる。 馬車は魔法学院の正門をくぐり、整列した生徒が一斉に杖を掲げる。 アンリエッタ姫が馬車を降りると、歓声があがる。姫は優雅に手を振る。 ワムウが呟く。 「あれがそのアンリエッタ、か」 いつもならば姫を呼び捨てにするなんてといってすごい剣幕でまくしたてるルイズだが、ルイズはその呟きには答えなかった。 視線の先には姫の近衛兵であろう羽帽子をかぶり、グリフォンにまたがっている貴族がいた。 ワムウは鼻を鳴らし、ルイズが見とれている隙に人ごみから抜け出していった。 * * * 日も沈み、二つの月が部屋を照らす。 鍵をかけないことが暗黙の了解となっている窓が外から開き、ワムウがルイズの部屋に入ってくる。 てっきり、途中でいなくなったことについてなにか言われるとでも思っていたが、 ルイズは放心状態で入ってきたことにも気づかないようであった。 が、ワムウは気にも留めず、部屋に来る目的であった先日買った剣を拾い再度窓から出て行こうとした。 その時、ドアが規則正しくノックされる。 ルイズはハッとしたように立ち上がり、ドアを開ける。 そこには頭巾を被った少女が立っていた。 「静かに」 少女は呟き、杖を出す。 それを一振りすると光の粉が部屋に舞う。 「ディテクトマジック?」 魔法の正体にルイズが気づき、怪訝な顔をする。 「どこに耳が、目が光っているかわかりませんからね」 と頭巾の少女は返事をし、頭巾を外す。 その少女は、昼間歓迎式典を行った相手である 「お久しぶりね、ルイズ・フランソワーズ」 アンリエッタ姫であった。 彼女は感極まったようにルイズを抱きしめる。 「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!私の友達のルイズ!」 「姫殿下、こんな下賎なところにお越しになられるなんて…」 「ルイズ、そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい!あなたにまでよそよそしい態度をとられたら、私死んでしまうわ!」 「ああ、そんな姫さま…」 二人は昔話に花を咲かせる。ワムウはそれをつまらなそうに眺める。 「……忘れるわけ無いじゃない、あの頃は毎日が楽しかったわ。なんにも悩みなんてなくって」 アンリエッタはため息をつく。 「姫さま?」 「あなたが羨ましいわ、王国に生まれた姫なんて、籠の鳥も同然…飼い主の機嫌次第であっちにいったりこっちにいったり…」 憂鬱げに外の月を眺め、呟く。 「ルイズ、私結婚するのよ」 「…おめでとうございます」 アンリエッタの陰のある言葉にルイズは手放しでは喜べなかった。 「…あら、そこに立っているのはどなた?」 アンリエッタはワムウに気づき、尋ねる。 「私の使い魔です、姫さま」 アンリエッタは感嘆の声を上げる。 「すごいじゃないルイズ、こんなすごい亜人を召還したなんて!あなたって昔から変わってると思ったけれど… こんな使い魔みたことないわ!」 「そ、そんな…確かにすごいことはすごいですが私の命令に従うことなんて滅多に無くて…」 「そんな謙遜することないわよ」 「まだ数日しか立ってないのに決闘騒ぎに色々と言えない事まで…もし使い魔にするならイモリかこいつを選べと言われたら 迷わずイモリを選びますわ」 ルイズは憮然とする。それに合わせるようにアンリエッタはため息をつく。 「どうしたんですか姫さま」 先ほどからの過剰ともいえるおかしな様子にルイズが尋ねる。 「…いえ、なんでもないわ・・・ごめんなさい、あなたに相談できるようなことではないのに…」 「なんでもおっしゃってください、姫さま。そんな様子ではとんでもないお悩みを抱えているんでしょう?」 「いえ、話せません…悩みがあるなんてことは忘れてちょうだい、ルイズ」 「そんな、私を友達なんて呼んでいただいたのに、悩みを話せないのですか?」 ルイズは語勢を強める。 アンリエッタは嬉しそうに微笑む。 「嬉しいわ、ルイズ。今日初めて私を友達と呼んでくれて。わかりました、そこまで言うのなら話しましょう」 「外しても構わないか?」 ワムウは面倒ごとに巻き込まれるのは勘弁だと思い、なおかつこの姫には大してよい印象を持っていなかった上での発言だったのだが 「あら、人語も介するのね!お気遣いは嬉しいけれども使い魔と主人は一心同体、外さなくて構いませんよ」 やんわりと一蹴される。 そして、静かに話し始める。 「これから、話すことは、他言無用ですよ…私はゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったのですが…」 「ゲルマニアですって!あんな野蛮な成り上がりどもごときのうすっぺらな藁の家が深遠なる姫様の砦に踏み込んで来るのッ!」 ルイズが甲高い声をあげ、語を荒げる。 「ええ、でも仕方ないの…反乱を起こしたアルビオンの貴族がこのまま順当に王家を倒せば、トリステインに攻め込んで くるでしょう……地理上は隣接しているようなものですし、ゲルマニアの軍事力は驚異的、ガリアとは政治的主張が 似通っています…あの反乱軍は腐敗した王家を倒すのが目的だといっていますが、その建前で同じような政治形態の トリステインに攻めてくることはリンゴを幹から切ったら地面に落ちるくらい確実なの… それで、軍事的庇護を受けるためにゲルマニアと同盟を結ぶのに私が嫁ぐことは致し方ないのです……」 アンリエッタは手で顔を抑え、下に向ける。 「そうだったんですか…」 ルイズは沈んだ声で言う。 「それで、礼儀知らずのアルビオンの貴族派どもは私の婚姻を妨げるための材料を血眼になって探しているのです」 「…では、もしかして姫様の婚姻を妨げる材料があるのですね?」 ルイズはその意味を察し、尋ねる。 アンリエッタは悲しげに頷き、ひざまずき、顔を両手で覆う。 「おお、始祖ブリミルよ、この不幸な姫をお救いください…」 ルイズの顔は紅潮し、興奮した様子でまくしたてる。 「では姫さま!その婚姻を妨げる材料とはなんなのですか!」 アンリエッタは呻き声を出すように呟く。 「…私が以前したためた一通の手紙なのです…それがアルビオンの貴族派に渡れば、それをゲルマニアの皇帝に届けるでしょう」 「どんな内容なのですか?」 「それはいえません…ですが、それをゲルマニアの皇帝が読めば、この私を許さないでしょう。そうすれば婚姻は潰れ、 あのアルビオンの貴族派にトリステイン一国で立ち向かうことになります…それだけは避けなければなりません…」 ルイズはアンリエッタの手を取る。 「して、その手紙はどこにあるのですか?私、姫さまの御為とあれば鬼が島でもヒンタボ島でも夢見が島でも向かいますわ!」 「それが…現在火中にあるアルビオン王家のウェールズ皇太子が…」 「プリンス・オブ・ウェールズ?あの凛々しい皇太子様が…では、姫さま!この『土くれ』のフーケを捕らえた ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールとその使い魔にその任務、お任せください!」 「ああ、そんな無理よルイズ!現在火中であるアルビオンに赴けなんて危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」 「何をおっしゃいます! 姫さまとトリステインの危機とあらば、私見過ごすわけにはいけません!」 ルイズは強い意思を伝える。 「この私のためにそこまで言って下さるの!これが誠の忠誠と友情というものなのですね!ありがとうルイズ!」 アンリエッタは感涙したように眼を手で拭う。 ワムウが自分たちの言葉に酔っている2人の話に割り込む。 「俺も行くのか?」 「当たり前でしょ、連れて貰えないとでも思ったの?」 「断る。受身の対応者である悲劇の姫気取りの尻拭いなど俺がやるようなことではない」 ルイズは顔を紅潮させる。 「なななな、なに言ってんのよあんたは!すみません姫さま、私の教育が悪くて…」 「言った通りだ、若いとは言え姫なのだろう?心酔している者も多くいるようだしな。一国で事を構えられるだけの国力と軍事力を 整えるなり、アルビオンに介入して反乱の目を摘んでおくなり、開戦を察知して安全なうちに手紙を回収することもできた。 だが、それを怠ったのはお前の責任だ。結婚による同盟も一つの選択肢であることを割り切っているならともかく 敗戦が確実になるまで行動をおこさず、悲劇の姫を気取っているような奴にただで手を貸すほど暇でないんでな」 「ワムウッ!姫様になんたる失礼を!謝りなさい!」 「いえ、ルイズいいのです。彼の言うとおりです、これは私の責任です…ただで、とおっしゃいましたね? ならば…母君からいただいたこの『水のルビー』を差し上げましょう。どうか、ルイズをお守りください」 アンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜き、ワムウに差し出した。 「そんな姫さま、畏れ多い…」 「ワムウッ!姫殿下になにをしたァーーッ!」 ギーシュが扉を開けて現れ、ワムウを怒鳴る。 すかさずワムウが殴り飛ばし、片方の手で指輪を受け取る。 「いいだろう、この依頼引き受けた。他言無用だったな?こいつは終了まで軟禁でもしておけ、なんなら証拠も残さず食うが」 ワムウの物騒な発言と拳を意に介さず、ギーシュはアンリエッタの前にひざまずく。 「姫殿下!その任務、どうかこのギーシュ・ド・グラモンにもお申し付けください!」 「あら、グラモンといえば…ワイルドキャット……じゃなくて…西部の投手でもなくて…」 「グラモン元帥の息子です、姫殿下!」 「知ってますわよぉおお!あなたも、私の力になってくれるとおっしゃるのですか!」 「ええ、もちろんです!加えて貰えるとしたらこれはもう望外の喜びに違いありません!」 「ではお願いしますわ、ギーシュさん」 ギーシュはひざまずいたまま深く礼をする。 「では、明日の朝に出発してください。貴方たちに始祖ブリミルのご加護かありますように」 * * * ラ・ロシェールの『サンジェルマン』。 一人の男と一人の女。 「…それで、お前には『女神の杵』亭を襲ってもらう。狙いはワルドとルイズ以外…たぶんあの使い魔だけだろう、その殺害だ」 「使い魔一人殺すのに私を使うのかい?自分を過信してるわけじゃないが、随分無駄な使い方だね」 「あの使い魔を舐めるな、『ゼロの使い魔』だ、なにが起こるかわからん。それにお前一人だけではない」 「やれやれ、あんたは敵の実力を過信しすぎじゃないか?まあ、軍人なんてのはそれがお似合いなのかもしれないけどね せいぜい丘の向こうの見えない敵に怯えてな。それで、私以外に襲うのはどんな連中なんだい?」 「お前と同じ貴族くずれのメイジだ、『同じ』、な。報酬の先払い分だ」 女は報酬の袋を開け、中身の量をみて驚く。 「使い魔一人殺すのにこんなに金を積むなんて、軍人の貴族さんは違うわね」 「相方も同額だ、文句は無いだろう。それに、戦争と暗殺と人脈に金を惜しむほど馬鹿なことはない。 コストパフォーマンスを考えればお前たちの力量ではむしろ割安だ」 フーケは袋をしまい、話を再開する。 「で、その相方とはいつ落ち合えるんだい?」 「二日後の同じ時間で先ほど言った『女神の杵』亭で下見も兼ねてもらう」 「わかったわ、任務はワルドとルイズ以外の殺害ね、あんたの言うように好きなように暴れさせてもらうさ」 「暴れるだけなら相方の方が上だ、対象以外の尊き犠牲がどれくらいでるか…ああ、心が痛むな」 「心にもないことを、じゃあ私は行かせて貰うよ、ここの勘定も報酬に含めときな」 女は店を出、扉の鈴が鳴る。 残された男は呟く。 「ふむ、勘定か。やれやれ、自腹など払うのもな、俺への報酬とさせていただこうか」 男は、一瞬のうちに姿を消していた。
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「おい」 何よ。 「起きろ」 眠いわ。 「起きなさいよ」 昨日ほとんど徹夜だったじゃない。 「起きる」 ああもう…… 「あ、おはよう」 なんだか腰が痛いわ。 「よく眠れたかしら、ヴァリエール」 「なな、なんでキュルケがこんなところにいるのよ」 「ルイズオメー永久に寝てた方がよかったんじゃねえの」 「何訳わかんないこといってるのよ」 あ、 「ちょ、ちょっとした冗談よ、そろそろフーケの潜伏地点かしら?あはははは」 「「「……」」」 「大物」 「ここからは、徒歩で行きましょう」 ミス・ロングビルがそういって、全員が馬車から降りた。 うっそうとした森が広がっている。 「なんか、暗くて怖いわ……幽霊でも出そうじゃない?」 キュルケが凄くうそ臭い調子で呟いた。 「冗談でもやめて」 「やめろ俺で草を 枝を切るなあー」 「仕方ねーだろお、他に誰も武器もってきてねーんだからよお。文句ならフーケかロングビルに言え」 「なら魔法で何とかしてくれぇー、ウゲッ蟲の体液が刃にいい」 「魔法で無理に道とか開けたら気づかれちゃうわよ」 「そんなああああ」 「おあ?」 いきなり一行の視界が広がった。 かなりの広さが整地してあり、真ん中に廃屋、というか山小屋が建っている。 五人は小屋の中から見えないように、森の茂みに身を隠したままそれを見つめた。 「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」 ミス・ロングビルが廃屋を指差して言った。 人が住んでいる気配は全くない。やはり奇襲が一番だろうか? 「なあー」 セッコが何か思いついたらしい。 「その[破壊の杖]って、頑丈なもんなのか?」 ミス・ロングビルが答えた。 「秘宝ならスクウェアの固定化がされてるとは思いますが、それが何か?」 「ならよお、ここから全員で魔法かましてフーケごと消し炭にしようぜぇー」 ミス・ロングビルがひどく慌てて答える。 「フーケを殺すより、秘宝回収の方が優先なのでそれはちょっと」 「うー」 非常に不満そうだ。まあそうだろう、実際ドアから家の中に入るのは危険としか言いようがない。 ああ、そうだ。そうしよう。 「シルフィードで屋根を破壊して奇襲する」 「名案ね」 「そりゃーいいな。で、何人乗れるんだ?」 「3人」 結局、ルイズとミス・ロングビルを見張りに残して屋根を破ることになった。 「エア・カッター!」 上空から柱を切り裂く。 「今だぜえシルフィードォー!」 「きゅいきゅい!」 ドラゴンの爪が既に家からずれかけている屋根を横薙ぎに弾き飛ばした。 「あら、誰もいないわよ?」 キュルケが素っ頓狂な声を上げる。 「ロングビルもあんま信用できねーなあ」 「きゅ!」 それは、あまりに不自然で。 部屋の真ん中に堂々と置いてあった。 「破壊の杖……」 「あら、ほんとね」 「はあ?」 セッコが不思議な顔でこっちを見た。 「これはさすがに杖じゃねーだろぉ。バズーカ砲か?」 キュルケが答える。 「いや、これよ。宝物庫内を見せてもらったことがあるから間違いないわ。て言うかばずーかって何よ」 「説明は難しい、そもそもオレも詳しいわけじゃねー」 「じゃあ遠慮しとくわ」 「まー、フーケが来てもこれ撃てば楽勝だと思うぜえ」 そう言ってセッコが破壊の杖を掴み上げる。 と、使い魔のルーンが輝きはじめた。武器と親和するのだろうか? 「おああ、こりゃ駄目だあ」 セッコが心なしかがっかりしている。 「弾が入ってねえ」 弾? 「説明して」 「仕方ねーなあ、無駄に左手の力使うとなんか気分が悪くなるんだけどよお」 ルーン文字が更に光を強める。 「これは[SRAWプレデター]つーここじゃねえ世界の武器だ」 キュルケが口を挟んだ。 「杖じゃないっぽいのは理解したわ。けどダメってどういうこと?」 「これは、本来弾とセットなんだけどなあ」 「何か詰めて撃てばいいんじゃないの?」 キュルケが珍しく正当な質問をしている。 「いや、どちらかというとなあ、この武器は弾の方が本体なんだ」 「は?」 さすがに驚いた。 「こっち側はただの頑丈な筒だあ。まあ棍棒として使えば強えーかもしれねーけどよお」 「……」 「高い命中精度も。家も戦車もぶち壊す破壊力も。 起動に魔法がいらないのも。全部弾の方の能力だ」 ようやく、オスマン長老の不自然な落ち着きが理解できてしまった。 戻ったら絶対問い詰めてやる。 「どうせあのヒゲジジイは弾の方を、別の名前で保管してんじゃねえの? フーケもいねーし、これもってかえろーぜえ」 実にダルそうにセッコは[破壊の杖]もとい筒をシルフィードの背中に積んだ。 その頃、周辺警戒という名の置いてきぼりを食らったルイズは困っていた。 「ああもう、一人で小屋に近づくわけに行かないし、ミス・ロングビルは何処かに行っちゃうし……」 結局、遠くから小屋をボーっと見張ることしかできないのだった。 セッコもセッコよ、ああいうときは普通主人を立てるべきじゃないの、使い魔的に。 しかも妙にタバサに懐いてるし、キュルケじゃないだけまだマシだけど気に入らない! あ、小屋の屋根が吹っ飛んだわ。 どうも戦いは起こらなかったみたいね。見に行こう。 「きゃああああああ!」 ルイズが外で叫び声を上げてやがる。静かにしろ。 声の方を見ると、昨日のゴーレムがこっちに向かってくるところだった。 「おほほほほ、踏み潰してやるわガキども!」 「うおあ、早く飛べええ」 巨大ゴーレムに踏まれるよりわずかに早く、シルフィードが3人を乗せて離陸する。さて、ルイズをどうやって助けるか。 それよりもあのゴーレムの肩に乗ってる奴をぶっ殺してえな。 しかもやっぱフーケは女だったじゃねえか。ロングビル使えねえ。 「ちょっと降りるぜえ」 「この高さ飛び降りて大丈夫か相棒?」 「オメーを持ってりゃ余裕だ」 「レビテーションで降ろしてあげるわよ」 キュルケが言ってきた。タバサは既に何か呟いている。 「そんな暇があるなら攻撃魔法を撃ちやがれ」 そう言って飛び降りる。いつもながら[左腕の力]は頼れる。 だが、どーもこういう状況になる度、何かを忘れてる気がしてくるんだよなー。 ギーシュの時も、昨日ゴーレムを見たときもそうだった。落ちつかねえ。 ルイズが逃げずに、魔法でゴーレムを攻撃している(失敗の爆発だが)理解できねえ。敵わないなら逃げてくれ畜生。 「ああもう、どうすればいいのよ!」 「逃げるんだよぉーーーーーーー!」 「冗談じゃないわ、貴族は背を向けない!」 「馬鹿かオメー!」 ゴーレムの右腕がルイズを掴もうとしている。掴まれたら確実に死ぬなあ。 間に合うか?無理だろーなあ。 その時、上空から火の玉と竜巻が飛んできてゴーレムの腕を弾く。 「相棒!今だ!」 うるせえ、見れば分かる。 飛び込んでルイズを掴み後ろに下がる。糞、気絶してやがるじゃねえか。無茶し過ぎだ。 仕方がねえ。 「拾いやがれ畜生おおおお!」 シルフィードの影を見て、進行方向に思いっきり投げた。 「きゅい!」 拾えたみてーだ、これでまず障害を1つ排除だぜえ。ちょっと挑発してやるかあ。 「なあー、フーケよお、[土]でオレと戦おうなんて冗談だろオ?」 「はっ、負け惜しみかい?さっさと潰れな!」 あれぇ?なんかおかしいこと言ったかオレ?まあいいや。 いくらデカかろうと所詮人形だ、登ってあのクソ女をぶち殺してやる。 デルフリンガーを振り回しゴーレムの右拳を受け流す。動きは遅いがパワーがやべえ。 タバサともう一人がもうちょっと頑張ってくれればいいんだがなあ。 ルイズ達がフーケと戦っていたその頃。 これで何度目になるだろうか。ギーシュ・ド・グラモンは、実にくだらない事で始まった、あの決闘について考えを巡らせていた。 1匹目のワルキューレを素手で破壊し、その上、錬金前の石をそのままぶつける新技もかわされた。 その後の異常な動き。モンモランシーがいなければ、きっと僕は死んでいた。 それはいい、それはきっとあのセッコという平民が規格外だったんだろう。 いまさら負けたことに絶望しても仕方がないさ。 けど、けどあれは何だったんだろう? 何度考えてみても、ワルキューレ7体が潰されたことが納得いかない。 そう、7匹だ。 僕は何故、あの時7匹のワルキューレを錬金できたのだろうか? 確かに事前に1匹破壊されていたのに。途中で止めたとはいえ、更に1回錬金をしたのに。自分の成長かと思ったが、腹立たしいことに再現できない。 あの男がいたから? セッコに側にいてもらって呼んでみた、やはり8匹目は呼べない。 命の危険を感じたから? 使い魔ヴェルダンデに落ちたら死にそうな縦穴を掘ってもらい、その横で試してみる。やはり7匹止まりだ。 ダメだ、他に原因が思いつかない。 けど、この僕が一度できたことがもう一度できないなんて、そんなことがあるわけがない。大体、突然8匹呼べるようになること自体はありうる。 最初は1匹しか作れなかったのだから、今増えることはおかしくないはずなんだ。 絶対に何かあるはずだ。絶対、絶対にもっと強くなってやる。 「ねえ、タバサ、セッコって本当に人間なの?」 「人」 「じゃあ何なのよあれ!吸血鬼でももっと鈍いわよ!」 「ルーンと何か、何かは不明」 「何か、ねえ。それにしてもあのゴーレムの左腕はなんなのよ!」 「わからない、あんな動きは見た事がない」 さっきからいくら魔法を放っても、回転する左腕に受け流されてしまうのだ。 これ以上近づくわけにもいかない。 「しつこいねえ!無駄だってのに!」 敵が上と下にいるため、両方を牽制しなくてはならない。 結果割とでたらめに腕を振り回す羽目になっているのだが、実際それは十分な効果を上げていた。 左腕も大体予想通りの仕事をしてくれている。実に愉快だ。 「頭じゃねえ、足を狙いやがれ!」 言いつつ、なんとか右腕に取り付こうとする。なかなかうまくいかねえ。 「相棒、足から登ればいいんじゃねえの?」 ついにぼけたかサビ剣。 「馬鹿、足なんかに取り付いたら手に潰されるぜえ!」 「ああもういい加減に諦めなさいよ!」 弾き損ねた火球がゴーレムの右足首に直撃する。 一瞬動きが止まるが、すぐに再生すればすむことだ。 しかし、セッコにとってその一瞬は十分すぎた。 右腕にとりつき駆け上がる。 「相棒馬鹿だけどすげーなあ」 「馬鹿は余計だぜえ」 一発で首を撥ねてやるクソ女。 「油断したわくそっ、ガキの癖に!」 使い魔の男が右腕を凄い勢いで登ってくる。捕まったら確実に殺される、そんなオーラを全身から発散させながら。 だが、もっとヤバイ状況を腐るほど乗り越えてきたこの私は慌てない! 「……なあんてね」 フーケはゴーレムの右腕を、根元から切り離した。 「うおあああああああああ」 畜生、まさか切り離してくるとは思わなかったぜえ。 いや、あの再生能力を持ってすれば切り離すのが当然か。だが、腕が一本なければ足から登れるぜ! 「相棒―――!」 デルフリンガーが五月蝿い。ちょっと黙ってろ。 体勢を立て直し着地する。 「何度でも上ってやるぜフーケさんよおおおお」 「あんたの身体能力は本当に馬鹿がつくね!」 「ならいい加減に諦めやがれえ!」 「何のために」 「はあ?」 「あたしが何のために腕を切り落としたか分かるかい?」 「なに言ってやがんだあ?」 「このゴーレムはねえ、ダメージが[鈍い]のよ?すぐに[再生]するからねえ」 「それがどうしたああああ!」 「自然に、あんたが近づいて、なおかつ腕を切り落として不自然じゃあない状況!」 「なにわけわかんねーこといってやがんだああ!」 「[再生]するわよ」 「すりゃーいいじゃねえかよおお、その間に上ってぶっ殺してやるぜえ!」 「あんたごとね!!!」 「相棒、下だっ!!!」 下あ? 「オバアアアアアアアアアアアアアア!!」 まさか、そんな。オレが土ごときに! 「や、やりやがったなクソ女ああああああああ」 「負け惜しみならなんとでもお言い!」 畜生、勢いが早すぎる、すまねえサビ剣、もう持ってられねえ。 「プげッ」 「相棒ああああああああああああああ!」 乾いた音を立てて、デルフリンガーが地面に落ちた。 畜生、動けねえ……息もできねえ……なんだっけ……前もこんな…… ……おまえが行くのだセッコ、おまえの「……」がっ! なんだよ、オメー誰だ、どこに行くって言うんだあ? 「いけッ!」 しつけえなあ。動けねえって言ってんだろ? 「硬い」硬いのに沈んでいく。 そんなわけあるかよ。 「潜った」ぞッ! ああ、オレは潜り込まされてるぜ。 「地中に潜るまでもねえ」 そうか……オレは…… 「あははははは!あたしの方が一枚上手だったわね!ついでにあんた達もぶっ殺してやるわ!」 フーケが高笑いしている。畜生。 「ああ、もう終わりだわ……」 キュルケが泣きそうな顔でこっちを見る。ルイズは気絶したままだ。 シルフィードの元気がない。 「破壊の杖はある」 言い返してはみたが、この状況を何とかする術が思いつかない。 唯一ゴーレムと戦えていたセッコは、ゴーレムそのものに飲み込まれてしまった。 まだ何も、何も謎は判明してないのに。 あれ、どうしたんだろう? 「ゴーレムの様子がおかしい」 「本当ね。あの使い魔まだ生きてるのかしら?」 そんな馬鹿な。土に頭まで飲み込まれて生きている人間などいるわけがない。 「もっとしゃんとしなさいよ!あいつらに土の塊をお見舞いしてやりな!」 どうもゴーレムの動きが鈍い。魔力はまだ十分残っているというのに。 一体どうしたの、不純物が混ざったからかしら? 「勝利を確信したとき、そいつは既に負けている っつーのは誰の言葉だったかなあああ、畜生、思い出せねーぜ。オメーの言葉じゃねえのは確かだがなあー」 そんな馬鹿な。 今最も聞きたくない声が、足元から。 足元……? そんなわけがない。ここはゴーレムの肩の上だ。 きっと幻聴よ。珍しく苦戦したし。 「死ね」 違う、やはり後ろに誰かいる。 「うああああああああああああ!」 森の中にフーケの絶叫がこだまする。 そして巨大ゴーレムが崩れ落ちた。 To be continued…… 戻る< 目次 続く
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闇の使い魔 Summon 1(闇) / 400f ファミリアーの召喚 Atk=0 HP=1 闇の使い魔が対戦相手にダメージを与えた際、対戦相手の手札を1枚捨てる。 -- http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/27456/1135510382/826 参照:炎の使い魔, 水の使い魔, 風の使い魔, 光の使い魔 コメント欄 名前 コメント
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空に輝く二つの月が一本の木を照らし出している 木には一本の剣がロープで吊り下げられていた 「おーい、降ろせー」 剣が喋っている、彼(?)は魔法によって知性を得た剣‐インテリジェンスソードで銘をデルフリンガーという 何故学院の裏庭で木に吊り下げられているかというと、ルイズが鉄をも切り裂くという剣の試し切りがしたいと言い始めた為だ 昼間の武器屋での騒動の後、ルイズは店主に「貴族の使い魔を殺すなんて…」だの「事が公になれば縛り首ね…」だの 様々な文句で脅し付け、店主の持ってきた数々の剣をロハでせしめていた (ルイズが出て行く時、店主は涙目で今にも倒れそうだった、今頃枝振りのいい木でも探しているかもしれない) 「って訳だから、はい、ちょっとぶった切ってみなさい」 ルイズはデルフリンガーを指しながらディアボロに剣を渡す 「うるせー、なにがちょっとぶった切ってみなさいだ、ぶった切られた様な胸しやがって」 デルフリンガーの言葉に額に血管を浮かせながら、周りに置いていた剣を木の方に向かって投げつける 「あっごめんなさい、いや、ちょっと、やめて」 「呪うなら、その口の悪さを呪うがいいわ」 親指を下に向けて拳を振り下ろしディアボロを促す これが本当に鉄をも切り裂くというのならデルフリンガーの運命は風前の灯だが、 適当に振るわれた剣は甲高い音と共に弾かれた 「へへーん、このデルフリンガー様はな、そんななまくらに切られる様なやわな体はしてねえってんだ」 振り子の様に戻ってくるデルフリンガーをディアボロは手で止める これで急に足が動かなくなってとか何かに気をとられている内に後ろから突き刺さると言う事は無い 不意に月が翳った ディアボロが振り返ると全高30メートルはあろうかという巨大なゴーレムがこちらに迫って来ている あれが月の光を遮ったのだ 「おい、危ねえぞ」 デルフリンガーが警告を発する 確かにこのままでは踏み潰されかねない ルイズはとうに離れて此方に向かって剣を回収しろと叫んでいる 急いでこの場を離れようとした時、いつの間にか足元に転がっていた妙な形の石に足を取られ転んでしまった 倒れた後に見えたのは巨大な足の裏だった ■今回のボスの死因 巨大なゴーレムに踏み潰されて圧死 ■おまけのデルフリンガー ボスと一緒に踏まれた時にへし折れて死亡?
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風の使い魔 Summon 1(風) / 400f ファミリアーの召喚 Atk=0 HP=1 風の使い魔が対戦相手にダメージを与えた際、風の使い魔は(+1 / +0)の修正を得る。 -- http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/27456/1135510382/826 参照:炎の使い魔, 水の使い魔, 光の使い魔, 闇の使い魔 コメント欄 名前 コメント
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彼は1度死んだ。 殺されるわけがない、そう思っていた。 自分を殺せる奴はいない、その気持ちが油断を生じさせたのか 実にあっけなく、彼は死んだ・・・・ 目を開くと青空が広がっていた。 「さすがゼロのルイズ!」「平民を呼び出すなんて!」「ありえないだろ常識的に考えて」 なんだ・・・俺は死んだんじゃないのか? 「ち、ちょっと失敗しただけよ!」 ここはどこだ・・・?こいつらは・・・? 「ミスタ・コルベール!儀式を「だめです」 おい、そこの女!ここはどこだ! 「なによ!あんたが勝手に出てきたんでしょ! ほんとにもぅ・・・あんた、名前は?」 何だこいつは?人にものを頼む態度か? まぁいい・・・俺の名は、メローネだ