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「ちょっとギーシュ、人の使い魔の教育方針に口ださないでくれる?」 どうやら目の前の金髪の人はギーシュというらしい 「ミス・フランソワーズ、ここで人の目に付いているのが分からないのかな?」 よくよく後ろを見るとこちらを見て笑っている人たちがいる 「う・・・」 「教育をするのはかまわないが笑いものにされるのは君もよろしくないと思うのだが」 ギーシュさんがこちらに手を出す 「あ、どうも」 その手をとり立ち上がる。いい人なのかもしれない 「平民風情が貴族に手を出してもらったんだ。光栄に思うことだね」 ・・・この世界は平民とか貴族とか階級に拘り過ぎている面があると思う 同じ人間なのにこう気を使う必要があるんだろうか 「まあ使い魔探しはこれで終わらせてもらうよ。僕には僕の用事があるからね」 「別に協力してとは頼んだ覚えないけどね」 「それじゃあね。ゼロのルイズ」 「・・・ドッピオ、さっさと部屋に戻るわよ」 「・・・はい」 ゼロのルイズと呼ばれたとき、ルイズさんに怒りの表情が見えたのは気のせいではなかったと思う その後大きな食堂で食事を取った後部屋まで2人は帰ってきた 二つの月が登り日は暮れていた 部屋に入るなりルイズは指を鳴らしランプを付ける ランプに驚き珍しそうに眺めながらさっきから口を開かない少女の事を考えていた 沈黙が気まずくてたまらないため何か話しかけようとあれこれ考えているとベッドに座っていたルイズは頭を上げて言った 「うん、やっぱあんたが何だろうと関係ないわ!!」 「…いきなり何の話ですか?」 貝のように口を閉ざしていたルイズに仗助は驚く 「あんたがその…精神障害でも平民であり私の使い魔よ!!その事実は全てに優先するわ そうよ!!こいつをどうしようかなんて考える必要が無かったのよ!!」 ルイズは先程までの悩んでいた顔とは別人のように明るく楽しそうに言いうんうんと頷いた 「悩みが解消されたのはめでたいですけど、言っていることがわからないんですが・・・・・」 半分呆れ顔のドッピオをルイズはビシッと指差し叫ぶ 笑いながら何かを投げてよこしながら 「それ、よろしくね」 「わっと・・・なんですか?これ」 「洗濯物よ。洗っておいてね」 「え!!パンツもですか?」 「使い魔らしくご主人様の身の回りの世話ぐらいしなさいよ!!じゃ寝るから」 言うだけ言うとさっさとベッドに潜り込み指を鳴らし灯りを消してしまった その後ドッピオは数回言葉を交わしたが無駄だったため諦めて洗濯をすることにした とわ言ってもドッピオは洗濯と言うものを出来るかどうか不安だった 「・・・すいませーん」 道具も無い以上、出来るわけも無い 昼間の脱走のうちに見て回ったところの一つ、メイドさんたちが働いていた所についた 「・・誰かいませんかー?」 だが無人、夜も少々遅い時間に入ったためか無人だった 「・・・ちょっとだけ借りて行きまーす」 おそらく洗濯に必要と思われるものを拝借し、後は水道と思われるところに戻るだけです 「誰かいるんですか?」 「うわああ?!」 「きゃ・・?!」 無人と思ったら見回りと思われる人に見つかってしまったドッピオはつい叫んでしまいます 誰だって夜に人がいないと思っていたのにいきなり声をかけられたら驚きます ちなみにちょっとドッピオは拝借するのに罪悪感がありました。吃驚するのも当然です 一方見回りの人も驚いています。いきなり叫ばれたら誰だって驚きます 「す・・すいません!すぐに戻しますから!」 「こちらの方こそすいません!いきなり来てしまって」 ゴチンッ! 「イタっ!」 「っ・・!」 反射的に謝った二人の頭と頭がぶつかってしまいました 「・・重ね重ねすいません。僕は洗濯に必要なものを取りに来たんですけど」 「っ・・お洗濯に必要なものをですか?」 暗がりの中、よく見るとその人はメイドさんでした 「・・あの、どういう物がいいか教えてくれませんか?」 「お洗濯をですか?」 「・・・えっと道具さえ教えていただければこっちでやろうと思ってるんですけど」 「・・お洗濯の道具でしたら・・あ、これは食器用の洗剤です」 「あ、すいません・・」 「お洗濯でしたらこちらの洗剤を使ってくださるといいと思います」 こうして妙な譲り合いの会話がしばらく続きました 「いろいろ教えていただいてありがとうございます」 「あ、いえそんなに気になさらないでください」 「えっと・・・それじゃ僕はこれで!」 ドッピオは自分がいろいろ間違っているのを指摘されて恥ずかしくなっていました 少し逃げるように洗い場に行こうとしますが 「あ、あの!洗い場だったらこっちのほうが近いですよ!」 と、また指摘されてしまったのでした 「・・ありがとうございます。それではこれで」 「あまりお気になさらないでください」 近いといわれた洗い場に歩みを進めるドッピオでしたが (・・あ、名前とか聞いておいたほうが良かったかも) なんてことを考えていました 「・・ふう」 ドッピオはドッピオなりに洗濯を頑張ってみましたがやっぱり素人、洗濯物は半分も終わっていません 「・・・やり方が悪いのかな?」 洗濯板にこすって汚れを落とすのですが良く洗わないと汚れが落ちません 「・・・力を入れるとダメみたいだし」 少々力んでしまってほつれてしまった服も少しあります 「うーん、どうすればいいんですか?ボス」 左手に石をもって言ったドッピオにディアボロは (私が知っていると思うか?) と、予想どおりに答えます 「・・・あの」 と、ディアボロ以外から話しかけられました 「貴方は・・・えっと」 「シエスタです。その、お洗濯で困ってるように見えたんですけど」 事実困っていました。家事スキル0のドッピオとディアボロがやっても上手くいく訳がありません それでもディアボロよりもドッピオのほうが上手と言えば上手でした ディアボロは力を入れすぎてしまい服をほつれさせてしまうのです ドッピオは力を入れて服をダメにしてしまうのが怖いため、ゆっくり丁寧にやろうとします ですが結果として遅くなってしまいます 「シエスタさんの言うとおりです・・・ちょっと困っていまして」 「・・良かったら教えましょうか?」 「え?いいんですか?!」 「よろしければなんですけど」 「もちろん大歓迎です!」 ドッピオに洗濯物の救世主が現れました。今のドッピオには女神にも等しいでしょう 「ここはこうやったほうが早く・・・」 「じゃあこれはどうしたらいいんでしょう」 「前もって薄めた洗剤水の中に入れておけば落ちやすくなります」 「なるほど・・・」 シエスタ開催、お洗濯講座も少し立つとドッピオは家事スキル0から3くらいまであがりました ちなみに家事スキルは10まで、10基準はシエスタです (・・・ふむ) ディアボロも少々関心があったのか邪魔をせず、お洗濯講座を聞いていました 「こんな感じなんですけど・・・」 とお洗濯講座が終わるころにはもう残りの洗濯物はなくなっていました 「教えてくださってありがとうございます」 「え?」 ドッピオは感謝の表れをと思って礼をしました 「そ、そんなこれくらいで、お礼なんていいですよ」 「いえ、最初の僕と比べたら要領も分かるようになったんです シエスタさんのおかげです」 ドッピオは本当に感謝していました 「・・・お礼だけで十分ですよ。道具は私が後で戻しま「いえ、そこまで迷惑かけられません」 シエスタの言葉をさえぎってドッピオは言いました 「教えてもらった上にそこまで迷惑かけられません。 昼間とかも働いてたんですからもう寝てください」 「・・・それではお言葉に甘えさせていただきます。 あ、その前に」 「なんですか?」 「お名前を聞かせてもらってもよろしいでしょうか」 「・・ドッピオです」 「ドッピオさん、おやすみなさい」 「はい、おやすみなさい」 こうしてお洗濯によってドッピオに新しい知り合いが出来たのでした 洗濯物も干しました。後は眠るだけなのですが (ドッピオ、大丈夫か?) 「・・大丈夫です。ボス」 ドッピオは眠りの限界寸前のようでした。洗濯に時間をかけすぎたのです (・・それにしても) ドッピオは昼間に考えたことをまた考え始めました (・・・二つの月、地球とはまったく違う世界) ここでボスと一緒に静かに暮らしていく、だけどボスは野望を果たそうとするだろう (・・・ボス、ここで静かに・・・) ドッピオの意識は緩やかに落ちていった (・・・・・・) ドッピオが眠りについたとしてもそれは意識が眠りついただけであり、ディアボロ自身は起きていた もっとも表層意識にディアボロが来たわけだが (・・・ドッピオ) ドッピオの考えが頭に浮かぶ。そう、ドッピオの考えはディアボロにも分かっているのだ それをドッピオは知らない。自分の心の内にだけ留めていると思っているものもディアボロには知れている (・・・何を考えている。俺は俺の野望を果たすだけだ) 次があるか分からない。だからこそここで我が野望を果たす だがここでゆっくり暮らすのも悪くは無いと思ってしまう (・・・今は、今はここで) そう、まずは情報を集めてから そう自分に言い訳をしながら、ディアボロも眠りに入るのだった 4へ
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煙の晴れた中庭を前にしてルイズは天に向かって祈りをささげた (我等が始祖にして偉大なるブリミル、私何か悪いことを致しましたでしょうか? 今まで生きてきた中で嘘をついたことはあります、隠し事をしたこともあります ですが魔法が使えぬゼロという嘲笑に耐え、懸命に努力してきたつもりです たしかに神聖で美しく強い使い魔というのは高望みし過ぎたかもしれません、自分でもそう思います でもこれはあんまりじゃないでしょうか) 何度かの失敗の後でやっと呼び出すことに成功した自分の使い魔に視線を移す 髪の色は自分と同じピンク‐でも斑模様、服装はほぼ半裸‐三十過ぎがする格好ではない 平民という時点で問題外、外見でも不合格を宣告するには十分、駄目押しなのはその態度だ 私を、可憐でひ弱な百合の花の様な貴族の美少女を見て、怯えているとはどういうことだ 平民が突然こんな所に来れば混乱するのは無理も無いが、これはありえない 結論:これは使えない 「ミスタ・コルベール、もう一度召喚の儀式をやらせて下さい」 「ミス・ヴァリエール、それはダメだ」 あっさりと却下される 人事だと思って…、薄いの髪の毛だけではないらしい 神聖な儀式だの、伝統だの、ルールは絶対だの、再召喚が行えるのは使い魔が死んだ時だけだの、 どうでもいいことをまくし立てた挙句の果てに、時間が押しているからさっさと契約を済ませろと来た まあ確かに何時までもこうしている訳にはいかない、極めて不本意ではあるが契約を行うことにする 決してU字禿の言葉に押された訳ではない 口の中で呪文を唱えた後、怯える男に口付けをした 唇が離れた後、左手を抱えて男はのた打ち回りながら倒れた 私の唇に触れたのだから感激して涙するのが筋だろうに失礼な奴だ 刻まれたルーンを興味深そうに見ていたU字禿や私を馬鹿にしていた同輩が室内に戻ってなお、男は倒れたままだった その様を見て一人残ったルイズは声を上げる 「ほら、いつまでも寝てないでさっさと起きなさいよ」 反応がない いぶかしみながら、爪先でつついてみる ピクリとも動かない 「えっ!」 口に手をかざしてみる 息がない 「あれっ!?」 首に手を当ててみる 脈がない 「これって、つまり」 ■今回のディアボロの死因 ×ルイズにキスされたショックで死亡 ○ルーンを刻まれたショックで死亡
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「うーん……絶対捕まえてやるわ……むにゃ……」 「いい加減起きなさい、ヴァリエール」 うるさいわね、今フーケと戦っている最中よ、だいたい何でこいつが 「フーケはどこよ!他のみんなは?」 「フーケなら、あなたの横に簀巻きにされて転がってるわよ。 セッコは隅で寝てる、タバサは馬を引いてるわ」 気づいた時には、全てが終わっていた。 紆余曲折あって結局セッコが仕留めたらしい。 「わたしも、もう少し強くなれないものかしら」 「強いかどうかはあれだが、役には立ってるぜ。 おめーが見張りしてなかったら、全員ゴーレムに踏み潰されてたろうよ」 デルフリンガーが珍しく私を擁護する。 言ってくれるじゃない剣の癖に。ちょっとだけ嬉しいわ。 「そういえばミス・ロングビルはどこへ?」 「あなたの横に簀巻きにされて転がってるわよ」 「何言ってるのよツェルプストー」 ついに脳まで熱にやられたかしら。 けれど隣をよく見たら納得できた。 「ああ、そういうことだったのね」 学院長室で、オスマン氏は戻った四人を呼び報告を聞いていた。 セッコはよほど疲れていたのか全く目覚める気配がなく、仕方なくルイズの部屋に置いてきたので実質三人ではあったが。 「ふむ……ミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな…… 美人だったもので、何の疑いもせず秘書に採用してしまった」 「いったい、どこで採用されたんですか?」 側に控えていたコルベールが尋ねた。 「町の居酒屋じゃ。私は客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻を撫でてしまってな」 「で?」 「おほん。それでも怒らないので、秘書にならないかと、言ってしまった」 「なんで?」 ほんとに理解できないといった口調でコルベールが尋ねた。 オスマン氏が突然真面目な顔になる。 「おまけに、魔法も使えるというもんでな」 「それって、決定的に怪しいですよね、オールド・オスマン」 「怪しい」 「怪しいわね」 「怪しいってレベルじゃあないわ」 全員の視線が、汚い物を見るような目つきに変わりつつあるのを悟り、オスマン氏は照れたように咳払いし、話題を変えた。 「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ、[破壊の杖]を取り返してきた」 誇らしげに三人が礼をする。 「フーケは、城の衛士に引き渡した。そして[破壊の杖]は、無事に宝物庫に収まった。一件落着じゃ」 オスマン氏は、一人ずつ頭を撫でた。 「君たちの、シュヴァリエの爵位申請を、宮廷に出しておいた。 追って沙汰があるじゃろう。と言っても、ミス・タバサはすでにシュヴァリエの爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」 三人の顔が、ぱあっと輝いた。 「本当ですか?」 キュルケが、驚いた声で言った。 「ほんとじゃ、いいのじゃ、君たちは、そのぐらいのことをしたんじゃから」 その言葉に、ルイズの顔が曇る。 「オールド・オスマン。わたしは……」 オスマン氏が力強く言い返した。 「問題ない」 ルイズの表情が少し戻った。 「さてと、今日の夜は[フリッグの舞踏会]じゃ。 このとおり、[破壊の杖]も戻ってきたし、予定どおり執り行う」 キュルケの顔が更に輝いた。 「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」 「今日の舞踏会の主役は君たちじゃ。用意をしてきたまえ。 せいぜい、着飾るのじゃぞ」 三人は礼をするとドアに向かった。 タバサは、二人が出て行ったのを確認して立ち止まり、オスマン氏に向き直った。 「何か、私に聞きたいことがあるようじゃな」 タバサは頷いた。そして、無表情なりに表情を険しくする。 オスマン氏は、何か察したのかコルベールに退室を促した。 コルベールが退室したのを確認して、タバサが口を開いた。 「オールド・オスマン」 「何かね」 「セッコのルーン。単体では意味のない破壊の杖」 タバサの脳裏に、嬉々として自分を試し、死地に送り出す上司の姿がちらりと浮かんだ。どこも似たようなものか。 少し考え直しその嫌な発想を振り払う。今回は志願だし。 しかし、もし志願者が私とキュルケだけだとしたら、オスマン氏は果たして許可しただろうか? オスマン氏は、少し深刻な、何か言葉を捜しているような表情になった。 「……オレも聞きてえな、校長先生よォォォ」 地の底から響くような声がし、部屋の隅から、寝ていたはずのセッコが現れた。 手に、不思議な金属の杖のようなものを持って。 オスマン氏の顔が更に険しく真面目になり、そして口を開いた。 「順番にじゃ、ゆっくりとな。それと、分かっているとは思うが他言無用じゃ」 「「……」」 無言で頷く。 「ミス・タバサ」 頷く。 「そのルーン文字については、まだまだ謎が多いのじゃ。じゃから、今は何も言えん。 それで[破壊の杖]じゃが、確かにそれだけでは役に立たん。じゃが、これだけは言わせてくれ。 教師が生徒を信用して、悪いことでもあるのかね?」 これ以上は、話す気がなさそうだ。 「ありがとうございます、オールド・オスマン」 「すまんの、ミス・タバサ」 セッコの話も興味深い。しかしオスマン氏の視線が、“出ていかなきゃ無理にでも退室させる” 凄みを放っていたので、仕方なく礼をして部屋を出る。 フリッグの舞踏会(で出される料理)を想像すると、少し心が安らいだ。 タバサが出て行くのを確認し、ヒゲジジイがこっちに向き直り口を開いた。 「質問に答える前に、それをどうして持ってきたか聞いてもいいかのう?」 「宝物庫に入って探して来た。正しく質問に答えて貰う為によお」 鋭い目でオレを見る。 「そうではない。私が聞きたいのは場所や理由ではなく、手段じゃ」 糞、食えねえヒゲだ。 「フーケと戦ってる間に思い出した、オレは地面や壁に潜れるってな。多分[左手]とは関係ねえ」 「思い出したとな?」 「オレは、自分についての記憶があいまいなんだ。理由は知らねえ」 「なるほどの。じゃが、その力は余り人に見せん方がいいのう」 んなこたあ言われんでも分かる、基本だろうが。 「てめーボスだろう。だから教えた」 ヒゲが妙に嬉しそうだ。 「そうかそうか、では質問を聞こうかのう。できるだけ力になろう」 「校長先生よお~、[破壊の杖]とこの[弾]の使い方を知ってんのかあ?」 「ああ。それがどうかしたかね?」 「オレは多分、ここじゃねえ場所の人間だ。それはオレが昔居た所の武器だ」 ……多分な。 「本当かね?」 多分な。 「それのことを知ってんだよな?なら、オレの記憶や居た場所についての手がかりも、何か教えてもらえるんじゃねーかと思って」 ヒゲがため息をついた。 「残念だが今は無理じゃ。それを私にくれたのは、私の命の恩人じゃ。 使い方を教えてくれたのもな。だから直接は知らんのじゃよ」 当てが外れたかなあ。 「そいつはどうなったんだ?」 「死んでしまった。今から、30年も昔の話じゃ」 畜生、結局振り出しか。 「うう……」 「すまんのう。だが、これなら知っておるよ」 ヒゲが俺の左手を掴んだ。 そう知りたいわけではないが、一つずつでも疑問が解決するのは気分がいい。 「ガンダールヴの印じゃ。伝説の使い魔の印じゃよ」 「伝説ぅ?」 伝説だから光るのかあ。確かにモグラやシルフィードの印は光ってなかった。 「そうじゃ。その伝説の使い魔はありとあらゆる[武器]を使いこなしたそうじゃ。[破壊の杖]について細かく分かったのも、そのおかげじゃろう」 推測かよ。 「うー、むぅ……」 「どうしてそうなったかは分からん」 ヒゲがきっぱりと言いやがった。知ってるつって形だけじゃねえか。 結局、オレは一体何なんだ。 「力になれんですまんの。ただ、これだけは言っておく。私はおぬしの味方じゃ、ガンダールヴよ」 ヒゲはそう言うと、オレの手を強く握った。 「よくぞ、恩人の杖を取り戻してくれた。改めて礼を言うぞ」 どいつもこいつも、何であれが杖に見えるんだあ? 「わかった」 「おぬしがどういう理屈で、ここに現れたのか、どうして記憶が抜け落ちているのか、私なりに調べるつもりじゃ。でも……」 「でも?」 「何も分からんでも、恨まんでくれよ。記憶を消す魔法や壊す薬はあっても、取り戻すものは現状存在しとらんしのう」 「……」 「なあに。ここだって住めば都じゃ。嫁さんだってさがしてやる。 あと、今日は[フリッグの舞踏会]がある。まあパーティじゃな。飯もうまいぞ」 それはいい。早速食いに行こう。ルイズに怒られる気はするが、正当な報酬だ。 ヒゲの目が再び鋭くなる。 「それとな、そいつを、[弾]をちゃんと元に戻しといてくれよ。こっそりとな」 このヒゲに逆らうのはやべえ、ルイズの次ぐらいに。本能が告げてやがる。 「……わかった」 食堂の上の階が、大きなホールになっている。舞踏会はそこで行われていた。 テーブルにつき、目の前の料理を貪る。 あれ……?甘くねえのにうめえ。 何故だろう、味覚が少し回復している。 何かがオレに起こっているんだろうか? 「お前、さっきから食いすぎじゃねえのか」 背中からデルフリンガーが話しかけてきた。 「あいつに比べたら普通だぜえ」 斜め向かいに視線を向けてやった。 黒いパーティドレスを着込んだタバサが、それにも拘らずオレと変わらない勢いで料理を平らげている。化け物か。 「おでれーた……」 その時、ホールの扉に控えている呼び出しの衛士が、ルイズの到着を告げる声が聞こえた。 「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな~~~り~~~!」 随分と遅かったなあ、何やってたんだあ。まあ飯の方が大事だ。 テーブルに向き直り、食事を再開する。 少しすると、白いパーティドレスを着たルイズが声をかけてきた。 「楽しんでるみたいね」 いきなりだったのでちょっと料理がむせる。 「うおっ、おっ」 えーと、あれはどういう表現だったっけなー。 「胡麻にも衣装、じゃなくて……猫にも衣装、……は違う……うぐぐ……独楽にも衣装でもなくて、巫女の衣装……」 「何意味わかんないこと言ってるのよセッコ」 「ハハハ、[馬子にも衣装]だな、ちげえねえ相棒」 デルフリンガーが聞いてもないのに助け舟を出しやがった。知ってんだよお、ちょっと忘れてただけだあ。 「失礼ね」 「ヴぇ」 デルフリンガーが殴られる。正確に思い出せなくてよかったぜ。 「あんたもよ、セッコ」 「……いてえ」 全く、この体のどこにそんな力がありやがるんだ。 「ま、今回は許してあげるわ、セッコ、わたしと踊りなさい」 こいつ何言ってやがるんだ? 「オレはこの料理があればそれでいいんだがなあ」 「いいから」 「何でだよお、踊る相手なんていっぱいいるんじゃねえのかよ」 「あのね、ありがとう」 「はあ?」 わけがわからねえ。 「その……フーケのゴーレムに潰されそうになったとき。 助けてくれたんじゃないの?キュルケから聞いたわよ」 「それが仕事だってルイズオメーが言ったんじゃねえか」 「いいから。踊りなさい、命令よ!」 なるほど、ルイズなりの礼のつもりなのかあ。まあ腹ごなしに付き合ってみるか。 本当は飴の方が嬉しいんだけどな。 「わかった。……だがよお、オレは踊りなんてわからねえ」 「わたしに合わせてくれればすぐ慣れるわよ、あなたなら」 「わかった」 ……たまには悪くねーなあ。 そんな様子をテーブルに立てかけられたまま眺めていたデルフリンガーが呟いた。 「おでれーた!」 二つの月がホールに月明かりを送り、ロウソクと絡んで幻想的な雰囲気をつくりあげている。 「相棒!てーしたもんだ!」 踊る相棒とその主人を見つめながら、デルフリンガーはおでれーた!と繰り返した。 「主人のダンスの相手をつとめる使い魔なんて、初めて見たぜ!」 料理を胃に流し込みつつ、一部始終を見ていたタバサは思った。 使い魔的教育が一段落したら、シルフィードにダンスを教えてやろう。と。 To be continued…… 戻る< 目次 続く
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翌日 「おはよう。使い魔君」 まだ酒の影響が抜けていないドッピオに朝っぱらから爽やかな声でワルドが声をかけてきました 「どうも・・・」 適当に挨拶し切り抜けようとしますが 「つれないな、僕たちは仲間じゃないか」 まだ絡み付いてきます 「仲間と言っても僕は貴方を信用してるわけじゃありませんから」 「君はアンリエッタ姫の選んだ人材を疑ってるのかい?」 「はい」 きっぱりと答えました 「・・・そこまで信用してくれないとは思わなかったよ さすがに始祖ブリミアの伝説の使い魔ガンダルーヴ。主しか信用してくれないか」 「・・・ガンダルーヴ?」 聞きなれない単語が出てきました 「おや、知らなかったのかい?じゃあ特別に教えてあげよう ガンダルーヴはありとあらゆる武器を使いこなす使い魔だったらしい そのガンダルーヴと同じルーンを君は宿しているんだよ」 初耳でした。実際、武器を使っての戦いもなく使いこなすと言うことはなかったのですから 「へえー、それはすごいですね」 「それで・・・だ。ルイズから聞いたんだが君は何か特別な力、魔法とはまた違う力を持ってるらしいね どうだい?この先その力だけでは切り抜けられるところは狭くなっていくかもしれない 剣でも使ってみたらどうだい?そのときの手合わせくらいならしてあげてもいいが」 遠回しに手合わせを望んでいるワルドですが 「お断りします。僕にはこの力だけで十分です」 「そうかい。だけどこの先の任務を同じくする仲間の正確な実力は知っておきたい そういう意味で手合わせ、願えるかな?使い魔君」 「お断りします」 「え?」 そういってドッピオはワルドの横を通り過ぎます 「どこへ行くんだい?」 「朝食を食べに行くだけですけど。その様子だともう食べたんじゃないですか? ついてくる必要ないと思いますけど」 「いや、僕も朝食は取っていない。一緒に食べよう」 食堂にいたのは食べ終わったルイズ 食後のワインを取っているキュルケ まだ食べているタバサの三人でした ギーシュはドッピオとワルドが話している間に起きたらしく三人で食堂に行くことになりました ドッピオはどうも食欲が湧きませんでした。昨日の酒の影響です スープとサラダを注文しているところを見てワルドが 「そうか、二日酔いなんだね使い魔君 二日酔いなら良い薬がある。これを飲んで元気になるといい」 「結構です。二日酔いじゃありません」 「そ、そうか」 実際はそうなのですがそのことはなぜか言いたくなかったドッピオです どうせ二日酔いがなくなったら手合わせを申し込むのでしょう 「違うのか・・・それならいったいどうしたんだ?」 「別にどうでもありませんよ・・・」 ワルドに対して適当に答えてドッピオはサラダに手を出しました 「・・・!」 突然タバサの目が光りました 「・・・?どうかしましたか」 「・・・別に」 別にと言うタバサですがこちらの動きをずっと見ています (・・・まあ気にしても仕方ないか) そう思いサラダに口にしました ドッピオが口にしたのは普通のサラダでした ですが、はしばみ草というとてつもなく苦い植物を液状にしドレッシングとしてかけたものでした 栄養価は高いもののその苦味から人々から嫌われていますが中には愛好家もいるようです 反応を示したタバサも愛好家の一人、最近は異世界間で出回っているタバ茶という異世界の自分が作ったお茶を飲むのが趣味となっています 現在、この世界のタバサはまだ青銅会員。このはしばみ草愛好会を知ってから日が浅く入っていきなり白銀会員などになれるほど甘くない 別世界の自分を超えるために日々出回るタバ茶を研究し自分も一つ開発に成功したのです 名はまだ決まっていませんが、はしばみ草をドレッシングに混ぜることにより通常のサラダをはしばみ草風味に はしばみ草自体にかけることによりその味はさらに引き立つと言うドレッシングですが (これは・・・まだ完成していない) このドレッシングは強い味で味の上書きをさせるだけの物 理想は共鳴、はしばみ草となんらかの食材を混ぜることによる共鳴 そのための研究は毎日続いていましたが自分ひとりでは行き詰っていました (・・・協力が必要) そう。協力者、自分以外の味覚を持ったアドバイザーが必要とタバサは考えていました そこで今、目に付いたのが彼・・・ドッピオでした (彼の・・・率直な感想が必要) はしばみ草ドレッシングをかけたのは他でもないタバサでした ドッピオはそれを口にし、何度か噛み、飲み込みました 「・・・どう?」 ドッピオはサラダを一口食べた後、タバサからそう聞かれました 「え?」 「味は・・・どう思った?」 「えっとこのサラダのことですか?」 コクリと首を縦に振りました 「ドレッシングの苦味がちょっと気になりますけど美味しいと思いましたよ」 「・・・そう」 彼が言ったのはサラダに関してでした。ドレッシングは苦味が気になると言った程度 「・・・ドレッシングもそれなりに美味しい類だと思いますよ」 「本当?」 「はい」 思ったことをそのまま言ったドッピオですが 「でもこのドレッシング、何かが足りないような気がするんですよ」 「貴方もそう思う?」 「はい・・・甘みと辛みはこの味に合わないし、しょっぱいのも違うんですよね・・・ 残るのはすっぱいものなんですけど・・・酢とか入れるとどうなるんだろう」 「酢・・・それだ」 「?」 足りないと思っていたものは酸味 そう、彼が提示した酢は研究に新たな道を示すものでした (この件が落着したら早速・・・) そう考えるタバサでした
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品評会、当日 その日は朝から騒がしく、ドッピオはいつもより早く目が覚めました 「・・・会場作りか」 騒がしさの原因は品評会のステージ作りでした 席などが置かれ、ステージが作られていきます。おそらく魔法で作っているのでしょう 特別席のようなものもあります。夜に来たアンリエッタや王族の席といったところでしょうか ドッピオは自分のカードを使った手品の最終確認を行います 「・・・朝早いのね・・」 騒々しさにルイズも起きてきました。ここで着替えをさせるのはもはや日課と化しています 「ドッピオ、分かってると思うけど」 「もちろん、いいところ見せますよ」 それだけ確認するとルイズは 「そう。なら後は成功させるだけね」 そう言ってルイズは部屋から出て行きます 「あれ?どこに行くんですか」 朝食も取るにもまだ早く、食堂は開いていないはずです 「王族の人が来るから生徒一同は出迎え とりあえずアンタも来なさい。すぐに品評会は始まるから」 そう言って出て行くルイズについて行くドッピオでした 朝早いというのに廊下で人と会いました 「あら、ずいぶんと早いのね。ミス・ヴァリエール」 「そっちもね、ミス・ツェルプストー」 それだけ会話するとルイズはキュルケの横をさっさと通り抜けました 「出迎えのために生徒は集合って言っても早すぎるんじゃないかしら」 「そう?そんなに早くは無いと思うけど」 実際は早いのですがルイズは時間を見ていなかったのであまり気にしていませんでした 「まあ品評会の優勝はドッピオには悪いけど私が貰うわ」 「その吠え面、今日こそは叩きのめしてあげるわ」 ルイズとキュルケの間に火花が散ります もはや日常茶飯事のようなものなのでドッピオは遠くから見守っていました 言い合いはしばらく続きました 「・・・時間」 タバサがそう言うと言い合っていた両者は正気に戻り 「うわ・・もう並んでる。急ぐわよ!」 「どうして止めなかったのよ!ドッピオ!」 「いや・・なんか止めるのも悪い気がして」 四人は走って出迎えの場に行きました 出迎えの場に行くともう人だかりが出来ていました ザワザワと騒いでいますが王族の馬車が入ってくるとそのざわめきも静まりました そして馬車から降りてきたのは 「・・・アンリエッタさん」 アンリエッタとその御付の者たちが降りてきました 「ようこそ。トリステイン魔法学院へ」 オスマンがアンリエッタに頭を下げています その後、長ったらしい前置きを言った後 「それでは品評会を始めたいと思います!」 教師コルベールの言葉によって品評会は始まりました さまざまな使い魔たちがいろいろな芸をしていきます なかには地味なものやとても派手な芸まで 各々の使い魔の性質を示すかのような芸をしていきます 「大本命が来たわ」 ルイズの一言を聞いてから少しの間、ドラゴン、シルフィードが空を飛行します それに見とれるものが多数、その中にアンリエッタも含まれていました 「次は私たちの番ね。行くわよ!」 「はい」 ステージに上がり、あらためて人の多さを確認しました 「・・・ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 使い魔の種族は・・・・平民です」 その言葉に静かに笑うものが多数 (・・ホラ!アンタが手品をするとか言ってやんなさいよ!) (僕が言うんですか?・・・分かりました) 少し深呼吸をして 「僕の手品を見せたいと思います。まずこの手品にはカードを覚えてもらう人物が必要となります ・・・女王アンリエッタ、少し手伝ってくれませんか?」 その発言に周りがざわつきます 「わ、私ですか?」 「はい。貴女が尤も信頼できます」 「そ、それでは」 ステージにアンリエッタが上ってきます 「・・・五十二枚、ジョーカーを抜いたカードです ご自由に一枚お選びください。僕と主はそのカードを見ません」 「・・・選びました」 「それではそのカードを観衆の皆さんに見せてください 貴女と周りが証人となります」 アンリエッタはカードを見せています カードはハートの10です 「それではそのカードを戻して混ぜてしまってください」 「え?いいんですか?」 「はい」 言われたとおりに混ぜるアンリエッタ 「・・これで僕と主は選んだカードが何であるか分からなくなりました そこで我が主に直感でそのカードを選んでもらいます」 「・・・え?」 「さあ、主。どのカードか勘で選んでください」 「ええ?!ちょっと待って!私そんなの分からない・・・」 (大丈夫です。必ずルイズさんの選んだカードはアンリエッタさんの選んだカードと同じになります) ドッピオは超小声でそう言いました (本当になるんでしょうね) (はい。だから選んでください) そう受け答えして (・・・これかしら) 一つだけ間隔があいているカードを選びました そのカードは・・・ 「女王アンリエッタ。貴女の選んだカードはハートの10ですか?」 「・・・すごい、その通りです!」 子供のようにはしゃぐアンリエッタ 「もう一回やってみてもいいですか?」 「どうぞ、何度でもあててみましょう」 こうして何度か続いてその正答率は百%と取られるぐらいにドッピオとルイズはカードを当てていきました 魔法を使っているのではないかと言う疑問は平民とゼロということでありえないと思われたようです 「では、これで僕の手品を終わりにしたいと思います」 その言葉を発したと同時に惜しみない拍手が浴びせられました (成功ですね。ルイズさん) (・・・ええ) 「それでは最優秀を発表したいと思います 最優秀は・・・タバサと使い魔シルフィードです!」 周りからもれる声は当然、妥当などの声でした 「それでは次に特別優秀を発表したいと思います!」 「特別優秀?」 いつもの品評会には無い賞でした 「特別優秀はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと その使い魔、ヴィネガードッピオです!」 「え?」 「二人は前に来てください」 ルイズはその言葉についていけていませんでした 「ルイズさん?行きましょう」 ドッピオから話しかけられてようやく気を取り戻して 「私たちが賞を・・取った?」 「そうですよ。さ、行きましょう」 「ルイズ。おめでとう。それとドッピオさん。もう一度手品を見せてくださいね」 「はい。もちろんです」 「あ、あの女王アンリエッタ。この賞は一体・・・」 「本当はこの賞は品評会とは関係ないんです。 ですけど賞の授与がたまたま品評会と重なってしまったのでこのときに一緒にやろうと思って」 コホンと咳払いをしてアンリエッタは 「このたびの破壊の杖奪還の件、真に大義でした そのことを賞しシュヴァリエの爵位を貴女に与えたいと思います」 特別優秀賞、その正体はフーケを倒したことに対する賞でした 「今夜はそのことを称してささやかなパーティーをしたいと思います 本当に大義でしたよ。ルイズ」 「・・・いえ、勿体無いお言葉です」 「それでは・・・」 「あ、あのドッピオには何も無いんですか?」 「・・・・今回の件での活躍は聞きましたが、彼は貴族ではないので」 「・・そうですか」 そう言って賞の授与は終わりました アンリエッタはこの後すぐに王都に戻ることとなり、品評会は終わりを迎えました
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やぁみんな~!久しぶり~! 誰だって?ヒントは・・・不意打ちなら最強のスタンド使い。 そうだね、イルーゾォだね。・・・わかんなかった奴、鏡に気をつけとけ。 え?誰だって?『マン・イン・ザ・ミラー』の鏡のイルーゾォさ! え?変なおさげ?あの地味?・・・お前ギーシュみたいにすんぞコラ。 僕の恐ろしさがわからない人は僕のSSを読んでね! え?なんでおまえが変態にいるかって?地獄で死んでろ地味野郎?お前が死ね。 実は地獄で閻魔様にあったとき、お前らかっこよすぎだから天国ってね。ホントラッキー。 そう言えば彼女って能力者なのかね?『白黒はっきりつける程度の能力』って。 ま、そんなこんなで天国で悠々自適に暮らしてるわけだ。 で、今回はドッキリでメローネの日常を伝えてやろうと思ってね。ありがたく思え。 何でオレかって?・・・リーダーが「お前は地味だからばれないだろう」って。 うるせーよ!だれが山崎だ!好きで地味やってんじゃあねえんだよ!そもそも霊体だから関係ないだろ! 一生アイマスに金つぎ込んでろこの裸コート!! ちなみにこの放送は全天国ノーカット生中継でお送りします。 ゼロの変態番外 惑いて来たれ、地味な神隠し メローネの1日の始まりは早い。 日もあがらないうちに目を覚ます。一説によると睡眠時間は三時間らしい。 目を覚ますとメローネはニンテンドーDSを取り出した。 ・・・この世界電気無いからバッテリー切れたらやばいんじゃね? 何をやっているかと思えば萌えドリルだ。朝っぱらからこいつは・・・。 で、何でさっきからこいつはオレのかがみの胸を執拗にさわってんだ? お前こなた派だろーが!!こいつオレに気付いてんのか!?わざとか!? 三十分にわたりオレの嫁にセクハラした変態は、ご主人様に頼まれた洗濯物をしに行った。 しかしこいつのご主人様は・・・(チラッ マジではいてねぇ・・・ さて、水場についた変態はメイドさんと遭遇する。 「おはようございます、メローネさん。いつもお早いですね。」 「おはようございます、シエスタさん。まぁ、仕事がありますからね。」 談笑しながら洗濯するメローネ。なんで丁寧語なんだよ。お前が丁寧語しゃべってんの見たことねぇぞ? 洗濯が終わる頃には日が昇っていた。水を汲んで部屋に戻るメローネ。大変だね。 そしてメローネはご主人様を起こすという任務につく。 「うわぁあっ!・・・ち、ちょっと!たまにはまともな起こし方しなさいよ!!」 「普通だと起きねぇだろーが。」 いや、女の子にゆかりんファンタジアはキツイって。 ご主人様の服を着替えさせてあげるメローネ。なんで襲いかからないかが不思議だ。 そして二人はアルヴィーズの食堂へむかった。 しっかし、えらい豪華なところだな・・・ さて、メローネはここで貧相な飯を食うはずだったのだが・・・ メローネはえーと・・・ギシュー?の所へ行った。 「同志ギーシュ、おはよう。突然だが席を替わってくれないか?」 「ど、どうしたんだメローネ?」 「もちろんただとは言わない。・・・こいつをやろう。」 そういうとメローネはスクール水着を取り出した。 「モンモンに着せてあげるといい。」 「しかし・・・サイズが一回り小さいんだけど・・・」 「貴様ッ・・・バカかッ・・・!小さいから、いいんじゃあないか・・・!」 「ハッ・・・!!ありがとうメローネ!」 こうして変態は朝飯を確保した。かに見えた・・・! なんとこの男サラダを隣のガキに見えないように周りの貴族から集め出したのだ! みんな喜んで差し出すので、たちまちサラダは山盛りになった。そんなに不味いのか?隣のメガネのガキが見ている。 そして、メローネはそれを食べ始めた。普通にうまそうに食っている。 「はしばみ草のサラダはうまいがもらいすぎてしまったか・・・?」 そしてメローネは半分ほどに減った(十分多いが)を隣のガキに差し出した。 「なぁ、タバタン。もし良ければ食べてもいいぜ。」 「・・・(コクン」 ガキは無言でうなずくと、サラダを食べ始めた。 「いや~さすがにもらいすぎてしまってな。」 「ありがとう。」 こ、この男!食事を取るために席を替わってもらったんじゃあないッ! プレゼント!これのためだけに!なんと言う男だ・・・。ホントに好きっぽかったが。 しかしこのガキ、タバサだっけ?なんでこっち見てんだ?こっちみないで。 今から授業らしい。教室に着くと使い魔がメローネの周りに集まってきた。 メローネは平然と東方をやっている。なんて集中力だ・・・! 爆発が起こっても平然としてやがる・・・。 「ノォォオォォォォォウ!!」 あ、今絶対ミスった。 メローネはパソコンをしまうと教室を出た。 タバサが相変わらずこっち見ている。見えてんのか? メローネは学院長室に来ていた。 「ほっほっほ、メローネ君。よく来たの。」 「あぁ。暇つぶしだ。ところでハルナのフィギュアがあるが買うかい?」 「なんじゃと!!買う買う!300エキューだすぞ!」 「学院長!無駄遣いするとミス・ロングビルに怒られますぞ!!」 「うるさい!なんでお前がここにおるんじゃこの暇人!!」 「コルさん。ハカセのフィギュアもあるぞ。買うかい?」 「なんですと!!買いますとも!新金貨600枚だしますぞ!」 「それより爺さん。ネギま!読んだのか?本があれば一冊50で変えてやるぞ。」 「なんじゃと!!全部創ってくれ!」 「わ、わたしも!」 えーと、100エキューほどで一般市民が一年ぐらい暮らせるんだよな・・・ どんだけ金持ちだこの変態。 昼休みになるとメローネは食堂の厨房へ行った。 いつもはここで飯を恵んでもらっているらしい。金持ちが!ペッ! 厨房のコック長マルトーはえらくこの変態を気に入っているらしい。 ことあるごとに『我らの変態』と呼び、メローネとハイタッチをしていた。 飯を食った後、こいつは食堂の前で陣取り、旗を掲げた。 なんて書いてあるかわからんので、そこら辺にいたタバサに聞いてみる。 「貴方の本変えます!一冊10エキュー。」 生徒相手にもやってんのか。あれ、何でこの子オレの声が聞こえるの? そうこうしているうちにメローネは決闘を挑まれていた。ざまぁみろ!! 「よろしく・・・お願い申し上げます・・・!」 「よかろう!!来い!!同志マリコルヌ!!」 そう言うとこいつらは殴り合いを始めた!Gガンかこいつら・・・ どうやら漢レベルを上げるためとからしい。あ、デブ倒れた。 「み・・・見事だ・・・メローネ・・・」 「お前も強かったよ、同志マリコルヌ。そこでこれだ。カミナ兄貴のサングラス~! これをつけると漢レベルが3倍になるぞ!」 「なんだって!すぐ買う!200エキュー出す!」 周りの貴族達もいっせいに買い求める。 ・・・もうしらねぇ。 さて、メローネが座ると貴族達(勾玉+グラサン)が集まってくる。 「さて今日は・・・誰の話をしようか・・・?ソルベは?」 「メローネ、昨日話したよ。」 「え、じゃああと誰が・・・あ!イルーゾォの話をしよう! こいつはとにかく地味な奴でな、暗殺者としては一流だったが、かっこよく覚悟を決めたけど ダメでしたって感じで死んだんだ。いや、結構強いよ。地味だけど。 これでオレ達のチームの話はお終いだ。」 ウー・ムー・ウォー・ジンガムル・ディオボロス!!・・・出ないか。 あぁ、カオスよ。オレに力を。この変態に天罰を。 漢の説話を済ませたメローネは図書室に向かった。 そして辞典のようなものを持って、タバサの前に座った。勉強するらしい。 しかしお互いひたすら読んでるだけ。メローネが時たまタバサに質問しているが。 ・・・こいつストーカー認定してもよくね? だからこのメガネなんでこっちみてんだ!! 「・・・どうかしたか、タバタン?オレの後ろになんかいるのか?」 「・・・(コクリ」 「何もいない気がするんだが・・・念のため薙ぎ払っておくか。」 メローネのベイビィ・フェイスの腕が、油断していたオレの股間に直撃した。 図書館から二人が帰っていくのでタバサの方に憑いていく。 「なぁ、あの変態のこと、どう思ってるんだ?」 「おもしろい人。かつて私にここまで興味を示した人間はいなかった。 ・・・それに、普段は隠してるけどとても有能。一番恐ろしいタイプ。」 やたらしゃべり出したなこの女。 「あぁ、たしかにな。でもうっとうしいだろ、付きまとわれると。」 「別に。・・・少なくとも貴方よりは。」 アハハ。オレは変態以下ですかソーデスか!あれ・・・目から変な汁が。 部屋に戻った変態はベイビィ・フェイスに掃除を任せ、To laveるを読み出した。 掃除が終わった頃、ご主人様が帰ってくる。何やってたんだコイツ。 ご主人様が小言を言っているのを無視して変態はブートキャンプを始める。 あきらめてご主人様は着替えて寝る。下着をメローネに投げつけるのを忘れない。 その後、変態はブートキャンプを終えるとそのまま戦国ランスを始める。 夜も更けてきた頃、ようやく寝る変態。遅すぎだろ。 はい。変態の一日を見てきたわけですけども。・・・やっぱりただのダメ人間ですね。死ね。 四季映姫さん。こいつがきたら問答無用で地獄送りにしてください。 というか、別にオレが地味なんじゃないよね。周りが濃すぎるんだよね。 というわけで周りの濃すぎる人自重してください。 以上、最強の暗殺者、かっこいい天才イルーゾォがハルケギニアからお送りしました。 ――天国 「「「「「「イルーゾォ悲惨すぎワラタwww」」」」」」」 「ドクロちゃん。あいつが戻ってきたら撲殺しておいてくれないか?」 「はぁ~い♪リゾットのおじさま(はぁと」 途中経過 メローネ・・・新興宗教じみた集団『漢の世界』を開く。スタンド名『ベイビィ・フェイス』 ギーシュ・・・『漢の世界』に入門しているが、モンモランシーと付き合っている。 現実嫁(リアルラバー)『モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ 』 マリコルヌ・・・『漢の世界』に入門。脳内嫁(ブレインラバー)『翠星石』 ルイズ・・・一般人。最近電波慣れしてきた。 キュルケ・・・まだ一般人。 タバサ・・・イルーゾォのことは幽霊ではなく凄い地味な人だと思っていた。 モンモランシー・・・ギーシュとよりを戻した。ギーシュがスク水やブルマを着てくれとせがむので 初めは嫌々着ていたが、最近癖になった。攻め。 オスマン・・・ロングビルの尻を触る回数が減った。脳内嫁『早乙女ハルナ』 その他男子生徒・・・9割が入門。そのうち6割が脳内嫁使い。
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任務を果たし、フーケは気絶している間に校舎内にある牢の中で捕縛しておいた。 ジャッジメントを出せても、本体が動けなければ脱獄は不可能、という理由でだ。 つまり手錠でフーケを柱に固定してあるのは決してオスマンの趣味でも性癖でもない。たぶん。 「なるほど、スタンドか…」 校長室で任務を終えてきた4人の話を聞く。 「なにか心当たりでもあるんですか?」 キュルケがオールドオスマンに尋ねる。 「うむ、ないことも無いが、明言は避けておこう…じゃが、近いうちに何か伝えられるよう努力しよう。 そして、『土くれのフーケ』捕縛の功で『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。 ただし、ミス・タバサはすでに『シェヴァリエ』の爵位を持っているからにして、精霊勲章の授与の申請をしておいた」 三人の顔が輝く。タバサは無表情のままだったが。 「本当ですか!」 キュルケが声を上げる。 「ああ、本当じゃ。そして君達は今日の『フリッグの舞踏会』主役も勤めてもらう。明日からもその勢いで勉学も頼むぞ。 とにかく、我が友人の命を守ってもらったことについて、心より感謝させてもらう」 全員が感謝を言葉をオールドオスマンに投げかけ、全員が部屋から出て行こうとする。 「おっと、ミス・ヴァリエールには話があるので残ってくれないかな」 部屋を出ようとしていたルイズは怪訝な顔をしつつも、きびすを返す。 ルイズ以外は部屋から出て行き、扉が閉まる音がする。 ルイズは不安そうに尋ねる。 「も…もしかして、退学ですか…?」 オスマンは吹き出す。 「カッカッカ、そんな心配は無用じゃ。第一退学になる生徒のために爵位申請などするものか!」 ルイズの表情が和らぐ。 「話というのは、君の使い魔のことじゃ。ワムウ、と言うらしいが…彼は何者なんじゃ?」 「は、はあ…私にも少ししかわかりませんが…どうやら異世界から来たらしくて…」 その答えにオスマンは驚く。 「なんと、異世界からとな…もしかして『地球』だとか『ドイツ』などとか言っていなかったかね?」 「『ドイツ』はわかりませんが…『地球』を知らないのか、と尋ねられたことはあります」 オスマンは少し考え込む。 「実はな、あの破壊の杖も、護衛を依頼した男も異世界…つまり『地球』から来たらしいのじゃ。わしも 彼にその話を伝えておくから、君からも詳しい話を使い魔君から話を聞いておいてくれ」 「は、はい、わかりました…善処はします…」 命令をまったく聞かない使い魔を問い質すなどできるのだろうか、という思いが強いが一応承諾はする。 「そして…もう一つ…驚くと思うが…あの使い魔のルーンは始祖ブリミルの使い魔の一体、『ガンダールヴ』のものじゃ。 なんでも、どんな武器でも自在に操ると言う。この事は基本的に他言無用じゃ」 「ほ、本当ですか!」 ルイズは驚いて、過去のワムウを思い出すが武器を握っていたのは武器屋にいったときだけで、使いこなしていた描写を 思い出せない、というかない。あのボロ剣が使い手、とか言っていたような気もするがあの剣はそこまで博識には見えない。 「ああ、本当じゃ…まあこの話題はおいておいて、そろそろ君も舞踏会を楽しんでくるといい、ご苦労じゃった」 「はい、それでは」 ルイズが出て行き、扉が閉まる。 「それにしても…異世界の住民…ワムウ…超人的…男の言っていた『柱の男』そっくりじゃ……偶然とは思えんし、 もしかするとミス・ヴァリエールはわしらが思っていた以上にとんでもないものを召還してしまったんじゃろうか… まるで爆弾じゃな…ミスタ・コルベールすら相手にならない以上、湿気ってることはないようじゃしな…」 オスマンはため息をつき、窓の外の二つの月を眺めた。 * * * 「あら、退学じゃなかったの?」 律儀にルイズを待っていたキュルケとそれに付き添っていたタバサ。 「大きなお世話よ、それよりワムウしらない?」 「あら、あなた自分の使い魔も呼び出せないの?」 「呼び出せるだけのただのサラマンダーとは違いますからね」 「あら、言ってくれるわね?」 「なんたって、私の使い魔はガンダ・・・」 他言無用と言われたのを思い出して口をつぐむ。 「ガ、ガンダムなみに強いんですからね!」 その発言にキュルケが固まる。 (な、なにを言っているのこの子…?ルイズはこんなときに意味の無いことを言うような女ではない!) 「ど、どうしたのキュルケ急に黙っちゃって…?タバサ、なんで黙ったかわかる?」 (『機動戦士ガンダム並に強い』…『軌道戦士並に強い』…『軌道は強い波で戦死』…『この星の軌道が崩壊』!? そ、そうか…そういうことだったのか!!またも関わることになるというのか!!ノストラダムスの大予言!) 「私にだって…わからないことぐらい…ある……」 「そ、そう…」 そこにギーシュが入ってくる。 「やあ!フーケを倒した立役者!主役!ギーシュの登場の時間だよベイビー!」 「ねえ、ギーシュ、ワムウ知らない?」 「ワムウかい?見なかったが…そんなことより舞踏会がもうすぐ始まるよ?遅れる前に着替えてきたほうがいいんじゃ…」 ルイズは壁の時計を見る。 「あああ!もうこんな時間じゃない!ワムウとあんたのせいよ!早く着替えてこないと!」 なぜか意味もなく突き飛ばされるギーシュ。 彼はつぶやく。 「やれやれ、僕の見せ場はまだかなあ…」 * * 「ヴァリエール公爵の息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのおなーーりーーッ!」 衛士がルイズの到着を告げ、楽師が音楽を奏で始める。 周りの男が群がるが、全員断りバルコニーに行く。 「あら、ワムウあんた来てたの」 バルコニーの先の木に立っているワムウ。 「騒がしかったんでな、なんの騒ぎだこれは」 ルイズに尋ねる。 「舞踏会よ、ちょっと任務で活躍してね、私たちが主役よ」 「そうか」 「なによ、少しくらい誉めてくれたっていいじゃない」 「引き受けた役目を終えるくらい当然だ」 「言ってくれるわね、あんた、あとで部屋にちゃんと着なさいよ、話があるから」 「気が向いたらな、それよりお前は主役なら踊らないのか」 「掌を返して媚を売るような奴らしかいない間はお断りよ」 「表面しか見ないような奴など爆発させればいいだろう」 「やあルイズとその使い魔、ごきげんよう。どうだい僕と踊らないかい?」 空気を読まずにギーシュが話に割り込んで来る。 「あら、丁度いいわね、ワムウの言う通りにしてみましょうか?」 「その役目は私よ」 モンモンラシーが腕を組んでギーシュの後ろに立っていた。 「あらモンモンラシー、私もちょっと一番働いてないのに主役ぶってるのがちょっと鼻についててね… 『抜きな! どっちが速いか試してみようぜ』……ってヤツだわ」 「え…ちょっと待っ…」 「『爆風』で『発破』すると書いて『爆発』!」「ビンゴォ!舌を引きちぎった!」 ギーシュはバルコニーから吹っ飛び、墜落した。 「ひでぶッ!」 ワムウがギーシュに呟く。 「しかし人間よ、これだけは覚えておけ。人間負けてしまったら負けだ」 なぜかワムウも一発殴る。 ギーシュ――完全敗北。
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「なあ、一つお願いしたいんだが…」 アルビオンに向かうために馬に跨ろうとするルイズにギーシュが問い掛ける。 「なによ」 「僕の使い魔を連れて行きたいんだけど」 「好きにしなさいよ」 ルイズは興味を失い、再度馬に跨ろうとする。 「わかったよ、おいで!僕のヴェルダンテ!」 ギーシュが使い魔の名前を叫ぶ。 ギーシュの数歩前の土が隆起し、大きなモグラが姿を現す。 大きさは直径60サント程度だろうか。 「なにこれ、ジャイアントモール?これがあんたの使い魔?」 ルイズが尋ねる。 「そうさ、ヴェルダンテと呼んでくれ!ああ、僕の可愛いヴェルダンテよ!僕とワルキューレとヴェルダンテの 心が一つになれば僕らの正義は100万パワーさ!」 「そう、じゃあ66万パワーで妥協しなさい」 「ど、どういう意味だね、それは。使い魔を連れて行っていいと言ったんじゃないのか?」 「そんな大きなの馬のどこに積むのよ」 「決まってるさ、こう見えても地中を掘る速度は馬にも負けないんだ」 ルイズはため息をつく。 「あんた、姫様の話聞いてなかったでしょ?私たちはアルビオンに行くのよ?これ以上なにか言うなら「ひと言」につき 一発殴るわよ。「何?」って聞き返しても殴る。クシャミしても殴るッ。動かなくても殴る。あとで意味もなくまた殴る」 「ちょっと待ってくれ、最後のはなんだ最後のは」 「問答無用よ」 ギーシュに華麗に左アッパーを決めたとき、なんと使い魔のヴェルダンテがワムウに襲い掛かった。 ワムウは一応手加減しつつも反射的に殴り飛ばし、地面にモグラが転がった。 「な、何をするだァーーッ!」 「それはこっちの台詞だ、急に飛び掛かるなら殴られても仕方が無いだろう」 「うーむ、昨日アンリエッタ姫から貰った指輪に反応したんだろうね、僕のヴェルダンテは優秀な使い魔だから宝石を…」 ルイズが右頬にフックを叩き込む。 「これ以上使い魔の自慢をやるようなら大好きな使い魔と寝ててもらうわよ、急いでるんだから」 ギーシュは頬を抑えながら立ち上がる。 「ルイズ、君なんか変わったなあ…それにしても君たち、僕と使い魔になにか恨みでもあるのかね?」 「ないけどあるわ、さあそろそろ行くわよ」 やっと一行が出かけようとしたとき、朝もやの中から一頭のグリフォンが飛来する。 「やれやれ…どうやら間に合ったようだな」 グリフォンに乗った長身の男は声を漏らす。 「誰だッ!」 それにワムウが襲い掛かろうとする。 「やめてワムウッ!その人は敵じゃないわ!」 「やあ、愛しのルイズ。君の一行なかなか屈強だね、少しビビってしまったよ」 長身の男は明るく笑いながら一行に声をかける。 「お忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにはいかない。そこで、姫殿下から僕が指名されたというわけさ」 「ワルドさま…」 ルイズが声を漏らす。 ワルドはルイズに近づき、抱き抱える。 そして、二人のほうを向く。 「自己紹介が遅れたな、魔法衛士団グリフォン隊隊長、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ、よろしく頼む」 ギーシュは肩書きを聞き、肩をわなわなとふるわせる。 「あ、あのグリフォン隊の隊長だって!? ワムウはギーシュに尋ねる。 「そんなにすごいのか」 「ああ、『背中に目がある』『心臓が核鉄だ』『血管にドーピングコンソメスープが流れている』だのなんだの 言われてるぜ、半分は冗談だろうがもう半分はそうでも言わないと説明できない精鋭部隊さ。そこの隊長だったなんて…」 ワムウは姫の護衛についていることから精鋭部隊であることは察していたが、実戦でもそこまで恐れられているとは 思っていなかった。 「お褒めの言葉ありがとう、同行する仲間であるし、君たちの自己紹介もお願いできるかな?」 「ギーシュ・ド・グラモンだ、系統は土、二つ名は『青銅』です」 「ワムウだ」 ワムウは低く呟く。 「ふむ、もしかしてあのグラモン元帥の親族かい?」 「ええ、末っ子です」 「なるほど、それは心強いな、僕のは風のスクウェア、二つ名は『閃光』、よろしく頼むよ。 そして、そこのワムウくんは……どうやらメイジではないようだが…」 ワムウが答える様子が微塵もないのを察したルイズが代わりに答える。 「私の使い魔です、ワルド様」 ワルドが感嘆の声を上げる。 「使い魔とは思わなかったな、さすが僕のルイズ、こんな屈強な使い魔を召還するなんて! さすが僕のルイズだ!それにしても、なんて頼りになりそうな一行なんだ、 僕も胸を借りるつもりで同行させて貰うよ。さあ諸君、ではそろそろ出発するぞ!」 ルイズはヴァルキリー、ワムウは巨馬、ギーシュはヘイ!ヤア!という馬(名前のセンスがないとルイズにバカにされた) ワルドはここまで乗ってきたグリフォンに再度跨り、一行はまずは港町、ラ・ロシェールへ駈けていった。 * * * ラ・ロシェールまでは早馬で2日ばかり。ルイズは特技である馬術を生かし、ワムウの巨馬はなぜかスタミナ切れ知らずだったため 数時間おきに休めばワルドのグリフォンにもそれほど離されなかったが、ギーシュの馬および本体はすでに疲れきっていた。 「最後に休んでからいったいどれだけ立っているんだ…ええい!彼らの馬は化け物か!」 「私の馬もいい馬だけど、それだけじゃないわ。私のは『技術』よ、馬術には未知の部分があるわ」 「だいたい、なんで君の使い魔の馬はあんなに大きいのになんで疲れないんだね! 馬力のある馬ほどすぐ疲れるはずなんだ……『エネルギー』使うからなあ…」 「歩幅も大きいんだから大して変わらないわよ」 「いや…おかしい…これは辻褄が合わないッ!これが現実ではないッ!ほら、誰もいないはずの谷だってのに明るいし…」 「ギーシュ、しっかりしなさい」 実際にその谷は明るくなっていた。崖の上から松明が投げ込まれ、無数の矢が飛んでくる。 「奇襲だぞ、君たち!」 ワルドが叫ぶ。 ギーシュに向かってくる矢をワルドの魔法が弾く。 「た、助かった…」 しかし、息をつく暇もなく、二の矢が飛んでくる。 今度はワムウが左手でデルフリンガーを抜き、ギーシュとルイズに飛ぶ矢を弾き、右手で自分に向かってくる矢をつかむ。 「やあ相棒、やっと俺の出番が…」 二の矢が終わると、デルフをしまい、矢をもったまま右手を後方にしならせ、矢を崖の上の敵に向かって射出する。 「MOOOOOOOO!!」 数本の矢がものすごい勢いでワムウの手から崖の上まで飛んでいき、数人の体を貫いた。 「ほお、やるね」 ワルドが驚く。 一行が次の攻撃に備えていたが、急に矢の弾幕が収まる。 「だ、弾幕薄いよー、な、なにやってんだ敵さんは」 ギーシュが震える歯で強がりを言う余裕があるのは次の攻撃が来なかったからである。 竜に乗った少女が崖の上の敵に向かって小型の竜巻を放つ。 もう一人の女性が武装解除を徹底したのち、崖から転がり落とすと竜はこちらに向かって降りてきた。 「シルフィード!」 ルイズが竜の名前を叫ぶ。 竜の上からタバサとキュルケが降りてくる。 「お待たせ」 こともなげに数人の武器を剥いだキュルケが降りてくる。 「お待たせじゃないわよ!何しにきたのよ!これはお忍びの任務なのよ!」 「お忍びだなんて言ってくれなきゃわかんないわよ」 肩をすくめるポーズをとる。 「とにかく、感謝しなさいよね。危ないところを救ってあげたんだから」 ケガで抵抗の出来ない兵士に対してギーシュがいつもの尊大な態度で尋問を始める。 「子爵、こいつらはただの物盗りのようです」 「ふむ、最近は盗賊の集団化も進んでいるらしいしな、懸賞金に興味は無いし急いでいるし放っておこう。 もうすぐラ・ロシェールだ、あそこで一泊して朝一番の便でアルビオンに向かおう」 そして、彼らはもう明かりが見えてきたラ・ロシェールに向かって駆け出した。 To be continued.
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『彼』の手が、笑顔を忘れた少女の顔に触れる。 「あ……」 タバサは思わず、声を漏らした。 心臓が激しく脈打ち、顔が熱くなる。 この人のおかげで、私は今ここにいる。 『彼』は私の恩人。『彼』は私の勇者様。 『彼』との出会いが、思い出される。 トリステイン魔法学院で、ゼロのルイズとあだ名される少女が召喚したのは、メガネをかけた長身の少年だった。 「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」 そんな声の後、皆が一斉に笑った。 嘲笑の対象となった桃髪の少女は、クラスメイトたちに怒鳴り返していたが、私はそんな声を聞き流す。 平民の使い魔。 特殊な事例のため、ほんの少し気になったが、その時はまだ、私は『彼』に何の感情も抱いてはいなかった。 私が『彼』に興味を持ち始めたのは、使い魔召喚の儀式の翌日。 『彼』とギーシュ・ド・グラモンが起こした決闘騒ぎの時からだった。 香水の壜を拾ったとか、二股がばれたとか、そんなくだらない理由で始まった決闘。 私は親友のキュルケに付き合う形で、本を捲りながらその見物に混ざっていた。 とは言っても、平民と貴族の決闘など、結果はわかりきっている。 私自身、決闘に興味はなかったが、平民の『彼』が勝つことは無いだろうと思っていた。 だが『彼』は、そんな常識を、異能を持って覆した。 迫り来る青銅のゴーレム達に、『彼』はすっと手を伸ばし、短い言葉を発する。 すると一瞬の光の後、彼の腕に巨大な大砲が現れ、砲口から吐き出された鉄塊がゴーレムを一撃で蹴散らした。 杖を手放し、降参するギーシュに、彼は指でメガネの位置を直しながら、何かの数字と、自らの名を名乗った。 それから何日もしないうちに、私は『彼』のさらなる力を目の当たりにする。 決闘騒ぎから数日、巷を騒がす盗賊、土くれのフーケが学院を襲い、宝物庫から秘宝を盗み去る事件が起きた。 『彼』の主であるルイズと、私の親友のキュルケ。 この二人がフーケの討伐に立候補した。 私は友人が心配だったことと、『彼』の能力への興味から杖を掲げた。 だが、フーケ討伐は、私の想像以上に危険なものだった。 フーケの隠れ家らしい廃屋で、早々に目当ての秘宝を発見したはいいが、その直後にフーケの巨大なゴーレムに襲われ、私の魔法も、キュルケの魔法も通用しない。 だが『彼』は、スケート靴の様なもので高速移動し、ゴーレムを翻弄。 ギーシュとの戦いで見せた大砲をはじめ、人の顔を模した立方体や、いくつものブロックが連結したような武器を召喚して、巨大なゴーレムを圧倒した。 その時も、『彼』はメガネを上げながら、何かの数字と名前を名乗っていた。 『彼』の活躍は、それだけに留まらなかった。 アルビオンへの秘密任務では盗賊を蹴散らし、トリステインを裏切った、スクウェア・メイジのワルド子爵さえ倒してのけた。 タルブ戦役においては、未知の機械を操ってアルビオンの竜騎士隊を壊滅させ、アンドバリの指輪で蘇ったウェールズによるアンリエッタ誘拐事件も、『彼』の力で事なきを得た。 アルビオンからの撤退戦。 『彼』はたった一人で七万の軍勢を足止めした。 その後、しばらくの行方不明から生還。 そして、シュバリエの受勲。 まるで物語に登場する英雄のような、『彼』の活躍の数々。 私は次第に、『彼』に興味以外の感情を抱くようになっていった。 そんな折、祖国の王にして、憎き敵である叔父からの無慈悲な命令が届く。 それによる彼と敵対。 そして、任務の失敗。 私は囚われの身となった。 だが、私は『彼』に救われた。 『彼』はあの恐ろしいエルフをも退け、私と私の母を救い出してくれたのだ。 その時もまた、彼はメガネを直して、何かの数字と、自分の名前を名乗った。 そして今、私は『彼』と一緒に、キュルケの実家の一室にいる。 『彼』は私の頬に触れ、私の目を真っ直ぐに見つめながら、今まで私に好意を寄せていたことを、告白した。 メガネの奥の『彼』の知的な瞳に、私は頭がくらくらしそうだった。 嬉しさと恥かしさで顔が熱くなり、頭がとろける様な幸福を感じる。 不意に『彼』の顔が近づく。 私は『彼』に身を預け、ぎゅっと目を瞑った。 私のメガネが、外される。 私は目を瞑ったまま、『彼』の唇の感触を待った。 だが、一向にそれは訪れない。 我慢ができず、私が目を開けると『彼』は――私のメガネにキスをしていた。 それはもう、愛おしそうに。 数秒の混乱の後、私は悟った。 『彼』が見つめていたのは、私のメガネ。 『彼』が好意を寄せていたのは、私のメガネ。 『彼』が救ったのは、私のメガネ。 『彼』が告白したのも、私のメガネ。 恍惚とした表情で、私のメガネに口付ける『彼』。 耐えられなくなった私は、脱兎のごとく逃げ出しながら、人生で一番の大声で叫んだ。 「変態だーーーーーーーーー!!!!」 後ろから、『彼』の声が聞こえた。 「変態じゃない!!! キルノートンだ!! IQ179 キルノートンだ!!!」
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戦国BASARAシリーズより黒田官兵衛を召喚 第一章 召喚。不運の軍師、異世界へのいざない 暗の使い魔 プロローグ 暗の使い魔 第一話『異世界』 暗の使い魔 第二話『魔法学院外の決闘』 暗の使い魔 第三話『トリステイン魔法学院』 暗の使い魔 第四話『ゼロのルイズ』 暗の使い魔 第五話『ヴェストリ広場の戦い』 暗の使い魔 第六話『微熱のキュルケ』 暗の使い魔 第七話『魔剣とゴーレム』 暗の使い魔 第八話『ルイズの誇り』 暗の使い魔 第九話『メイド奪還戦』 暗の使い魔 第十話『モット伯邸の戦い』 暗の使い魔 第十一話『盗賊追討戦』 暗の使い魔 第十二話『動き出す物語』 第二章 繚乱!乱世より吹き荒れる風 暗の使い魔 第十三話『異国の男』 暗の使い魔 第十四話『アンリエッタ現る』 暗の使い魔 第十五話『ワルド』 暗の使い魔 第十六話『青銅新鋭戦』 暗の使い魔 第十七話『亀裂』 暗の使い魔 第十八話『ユグドラシルの攻防』 暗の使い魔 第十九話『白の国を目指せ』 暗の使い魔 第二十話『激震』 暗の使い魔 第二十一話『ニューカッスルの夜』 暗の使い魔 第二十二話『仮面の下』 暗の使い魔 第二十三話『羽虫』