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前ページ次ページアクマがこんにちわ 「あ゛ーーーーーーーー!?」 ズドン!と地面を揺るがすような音が響いた。 ルイズは草原の一角にできた人型の穴を見て、口をあんぐりと開いて固まっている。 キュルケはわざとらしく手で顔を覆い、あちゃぁと呟いた。 そしてタバサは、シルフィードの背から地面を見下ろして「失敗」と呟いた。 時刻は夕方……高度100メイルから落下した人修羅は、地面の中でモグラの気持ちを味わっていた。 ■■■ 「いやぁ土の上に落ちるなら痛くないと思ったけど、けっこう痛いね」 地面にできた穴から、人修羅がはい上がると、そんなことを呟いてルイズ達を呆れさせた。 「無茶するわね、それで『レビテーション』は使えた?」 地面に座っている人修羅に向かって、キュルケが中腰になり質問すると、人修羅は両手を左右に開いて首を振った。 「ぜーんぜん駄目。タバサさんに教えて貰ったけど、いまいち魔力…精神力の流れが掴めないんだ。再現はできてるはずなんだけど、上手くいかないんだよ」 ちなみに今、人修羅は召喚された時と同じ姿でいる、服はシルフィードの背から飛び降りる前にタバサに預けていた。 地面に降りてきたシルフィードが、きゅいきゅいと鳴きながら尻尾を人修羅に向ける、人修羅は尻尾にぶら下げられた上着を手に取ると、立ち上がって身体の埃を落とし、服を羽織った。 「ねえ、そこまでして、空を飛びたいの?」 「飛びたい」「飛びたいわよ」 キュルケの問いかけに、人修羅とルイズがそろって答えた。 「そこまで言うなら止めないけど、ルイズ、あんたが真似したら死んじゃうわよ」 そう言いながらキュルケは人修羅を指さした、ルイズはむっとした顔になると、多少ムキになって反論する。 「いくら私でもこんな無茶しないわよ!」 「ははは、俺だってこんな無茶他人にさせたくないよ。……ああ、そうだ、今日はありがとうタバサさん、それとシルフィード」 人修羅が頭をぽりぽりと掻きつつ呟くと、シルフィードはきゅいと鳴いて返事をする、タバサは無言のまま顔を俯かせたが、十秒ほど経過したところで顔を上げて人修羅の眼をまっすぐに見つめた。 「べつにいい。その代わり、後で私の質問にも答えて」 「いいよ」 人修羅があっけからかんとした表情で答える、が、内心ではタバサの態度と言葉を分析していた。 タバサの気配はとても”重い”、小柄な身体とおとなしい性格からは想像も出来ないほど混沌としたものを腹に抱えている。 理不尽な目に遭いながらも、それを少しずつ受け入れて生きようとする人間の力、それがタバサからは人一倍強く感じられた。 だが、それを聞くのは後だ、今は日課となっているルイズの魔法練習をしなければ…… ■■■ 「さーて、んじゃ練習やろっか」 「うん」 人修羅がルイズの隣に立つと、ルイズはおもむろに懐から杖を取り出し、虚空に向けた。 「あ、その前に…せっかくだからタバサさんとキュルケさんにも手伝って欲しいんだけど」 「私にも?あら、ツェルプストーはヴァリエールの仇敵ですのよ?」 そう言って笑みを浮かべるキュルケ、ルイズは少しむっとした表情になったが、それをタバサが制してくれた。 「手伝う。何をすればいい?」 「魔法を唱えて欲しいんだ、簡単な奴でいいから、できるだけゆっくり、しっかりとした発音で」 人修羅の言葉を聞いて、タバサがうなずく。 杖の頭を草原に向けながらタバサは精神を集中させた。 「………ラナ・デル・ウインデ」 タバサがゆっくりと、正確な発音で呪文を唱えると、ドン!と音が響き、草原に土煙が上がった。 空気の固まりをぶつける『エア・ハンマー』が直撃した場所は、草花が飛び散り直径1メイルほどの地肌が見えていた。 「もう一度、こんどはそよ風を起こしてくれないかな?」 タバサはこくりとうなずいて、もう一度呪文を詠唱した。 「ウインデ」 ふわりと風が舞う、土埃はタバサの作り出した風に運ばれ、まるで霧散するように消えていった。 「ありがとう。だいたい音の流れは分かった」 人修羅はお礼とばかりにタバサの頭をなでる。 タバサは突然のことで何の反応もしていないが、シルフィードはその様子を見て羨ましそうにしていた。 「ちょっと、何が分かったのよ」 ルイズが人修羅の背中を杖で突っつく、どこかその口調が不機嫌そうなので、キュルケは内心で『あれは嫉妬ね』と考えつつにやにやと笑みを浮かべた。 「ああ、大僧正って仲間から魔法のコツを教わったことがあってさ、それを活かしてみようと思ってね」 「ダイソウジョウ?あなたの仲間も不思議な名前してるのね」 ルイズが思ったことをずばずばと言う、しかし、考えてみれば役職や官位がそのまま名前になっているようなものだ、人修羅は苦笑しつつ答えた。 「ハルケギニアだと…枢機卿とか、それぐらいの意味になるんじゃないかな」 「枢機卿? それで、その、ダイソウジョウって枢機卿は何を教えてくれたのよ」 「微妙に意味が食い違ってるけど、まあいいか……とりあえず話を進めよう。まずはさっきの呪文を思い出してくれ、ラナ・デル・ウインデ」 「ラナ・デル・ウインデ。エアハンマーのルーンでしょう」 「風を起こす呪文『ウインデ』が後に来てるよね。これはおそらく、最初に風を起こしてからハンマーのように固めるのでなく、ハンマーのような固まりをイメージしてからそこに風を当てはめているんだと思う」 「…?」 「オスマン先生から聞いたんだけど、虚無の魔法って詠唱にものすごく時間がかかったらしいんだ。ならそれに習って、詠唱に時間をかけてみたら良いんじゃないかな」 「時間をかけて…か、ゆっくり唱えればいいのね」 「いや、時間をかけるだけじゃだめだ、試しに『ラナ・デル』だけ唱えてみてくれないか」 「わかったわ」 ルイズが杖の感触を確かめ、草原に生える適当な草にねらいを定める、距離は約3メイルとごく近いが、ルイズの起こす爆発は狙いが定まらずどこに暴発するのか分からない。 キュルケとタバサは、あらかじめ十歩ほど後ろに下がって巻き添えを回避しようとしていた。 「ラナ・デル………………………………」 「何も起こらないわね?」 キュルケがタバサの隣で、いぶかしげに呟いた。タバサはその言葉に反応することなくじっとルイズの方を見ている。 「ルイズさん、それじゃ、『ラナ』で空気の壁を。『デル』でその壁が球体になるようにイメージして、もういちど唱えてくれないか」 ルイズはこくりとうなずくと、杖をしっかりと握り直して、呪文を唱えた。 「ラナ……デル……」 「もう一度」 「ラナ…デル…」 「もう一度!」 「ラナ・デル」 「もっと堅く、集中して!」 「ラナ・デル」 「まだまだ!」 「ラナ!デル!」 「詠唱しろ!」 「ラナ!デル!」 ルイズがひときわ強く呪文を詠唱した時、ルイズの身体から人修羅だけに見えるエネルギーが発散された。 そのエネルギーはルイズの杖が指し示す場所固まり、ほんの一瞬だけ空気をそこに閉じこめた。 「はぁッ、はぁ、はぁ…何、今の、なんか、今、身体から」 未体験の感覚に驚いたルイズは、身体を震わせて人修羅の顔を見あげた。 「落ち着いて、今のが魔法の感覚さ、身体から放たれた魔法の力が、目的の場所で再集結したんだ」 「確かに、自分にあった系統魔法を唱えると、身体の中を通り抜けるような心地よさを感じるって聞いたことがあるけど、今のは……身体から何かが出ていく感じだったわ」 話を聞いていたキュルケがあ、と声を上げた。 「あっ、じゃあ、ルーンを詠唱しても爆発しないのは、風系統がルイズの魔法って事なの?」 「違うと思う。あれはただ、魔法が放たれていないだけ。彼はきっと狙いを定めるために余分な詠唱を繰り返させて、イメージを作ろうとしている」 タバサが呟くと、人修羅がにこりと笑った。 「タバサさんの言ったとおりだ。じゃあ、今度こそ成功させよう。『ラナ・デル』を繰り返して、風を閉じこめる球体をイメージするんだ。俺が「いい」と言ったら『ラナ・デル・ウインデ』と全部詠唱をして」 「わっ、わかった、わ」 肩で息をしていたルイズがうなずく。 ルイズは集中力を高めるべく深呼吸を数回繰り返してから、杖を握りしめ、草原の一点に杖を向けた。 「ラナ・デル…ラナ・デル…ラナ・デル…ラナ・デル…ラナ・デル…」 ルイズが詠唱を繰り返す、その隣で人修羅は、ルイズの身体を流れるエネルギーを感じ取ろうと神経を集中させていた。 キュルケも、タバサも、ルイズの姿に釘付けになっている。 いつもならルイズを馬鹿にするキュルケだが、今日ばかりはそんな気も起きない、キュルケにしては珍しく知的好奇心が優先されているらしい。 「もっと、ラナで壁を作り、デルで幾重にも重ねるんだ」 「ラナ・デル・ラナ・デル・ラナ・デル・ラナ・デル・ラナ・デル…」 「渦巻きのように、風の流れをイメージするんだ、杖の指し示す場所がその中心になるように……」 ルイズの身体の中に流れるエネルギーは、巨石に囲まれた谷間を流れる水のように、あるところでは緩やかに、あるところでは勢いよく流れていた。 だが、呪文の詠唱を何度も何度も繰り返すうちに、身体の中に浸透したリズムがエネルギーを淀みなく流転させていた。 「…よし!」 「ラナ・デル・ウインデ!」 ズドォン…と、爆音が響く。 その音はルイズが起こした爆発が原因だと、だれもが理解していた。 しかし、草原に空いた穴は爆発で地面が吹き飛んだ訳ではなかった、空中に現れた爆発、そのエネルギーが四方八方に散らばらず、地面に向けて叩きつけられた。 タバサの放ったエア・ハンマーよりも貫通力に優れた、一点集中の爆風が地面に穴を開けたと言えるだろう。 「やった! ちゃんと狙い通りでき たわ よ」 ルイズは喜びの声を上げて、その場で飛び跳ねた、くるりと振り向いてキュルケ達に目を向け、さぁどんなものだと思ったところで…意識がとぎれた。 力を失って地面に倒れ込みそうになったルイズを、人修羅が抱きかかえる。 「気絶しちゃったの?」 キュルケが近づき、ルイズの頬を人差し指でぷにぷにと突いた。 「こんな方法で魔法を使った事なんて、今まで無かっただろうし、一気に精神力を消費したんだろう。気絶も仕方ないよ」 そう言うと人修羅はルイズを両手で抱き上げた、俗に言うお姫様だっこという奴だ。 「さて、今日のところは戻ろう」 人修羅が歩き出そうとすると、タバサがくいくいと人修羅の袖を引き、杖でシルフィードを指した。 「乗って。シルフィードの方が早い」 ■■■ タバサの協力で難なくルイズを運んだ人修羅は、ルイズを部屋に寝かせると部屋を出た。 学院長室にいるであろうオールド・オスマンに話をすべく、本塔へと向かう。 本塔の入り口にさしかかったところで、夕食の後片付けを終えたシエスタが人修羅の姿を見つけた。 「あ、人修羅さん…」 そのとき、シエスタの表情には躊躇いか困惑が浮かんでいた。 「シエスタ?どうしたの」 「いえ…あの、何かありましたか?」 「いや厨房じゃないんだ、ちょっと学院長に報告することがあってさ」 「そうでしたか…」 シエスタは両手を腰の前で組み、何かを言いたそうにもじもじしていたが、すぐに「失礼します」と言って立ち去ってしまった。 「……なんかあったのかな」 人修羅は腑に落ちないものを感じながらも、とりあえずは今日の練習でルイズが使った魔法について、オスマン先生に報告すべく本塔の階段を上っていった。 螺旋階段を上り、学院長室の前に立つと、中からゴシャッと頭蓋骨が粉砕骨折するような音が聞こえてきた。 嫌な予感で冷や汗を垂らしつつ、学院長室の扉をノックする。 「人修羅です。ちょっとお話が」 すると、がたごとと音が聞こえてきた、慌てて家具の位置を直すような音だ。 「開いておるよ、入ってきなさい」 「失礼します」 扉を開け、学院長室の中を見渡しても特に変わったところはない。 ロングビルさんの椅子が粉々に砕けていても、いつものことだから気にすることはない しかもその破片が学院長の机の上に散乱していても気にすることはない。 オスマン先生の使い魔、モートソグニルが鳥かごに閉じこめられ、助けてくれと視線で訴えかけてくるが気にしない。 大丈夫なのかこの学院… 「今日はどうしたかね?何か新しいことでもあったかの」 オスマン先生が机に肘をつきながら聞いてくる、頬の内側でも切ったのだろうか、少し喋りづらそうだった。 「それなんですけど、ルイズさんの魔法のことでちょっと」 「ふぅむ…ミス・ロングビル、今日はもう休んでよろしい」 「はい」 ロングビルが羽ペンのような形をした杖を振ると、宙に浮いていた鳥かごはぽん、と音を立てて消滅した。 中から飛び出したモートソグニルが慌てて学院長の机に飛び乗り、怖いものから身を隠すように机の下へと隠れていった。 「懲りないですねー」 「ふぉっほっほ、何のことかワシさっぱりわからんぞい」 ■■■ 「うぅん…あれ…部屋?」 ルイズは、学院の生徒ほとんどが寝静まる夜遅くになって、フッと目を覚ました。 ベッドから身体を起こし、月明かりの中で部屋を見渡したが、人修羅の姿はない。 時計を見て今が深夜であることを確認し、おもむろにベッドから降りて服を脱いだ、身体が少し埃っぽい気がしたので、風呂に入るため着替えを手に持って部屋を出る。 寮塔の螺旋階段を下りて外に出る、とぼとぼと本塔に向かって歩いていくと、本塔の脇から勝手口の開く音がした。 「?」 こんな時間に誰だろう、もしかして人修羅かと思ったルイズは、勝手口の方に足を向けたが、そこには人修羅ではなく一人のメイドの姿があった。 「あっ…何かご用でしょうか?」 「別に用って訳じゃないわよ。ねえ、ところで人修羅見なかった?ああ、人修羅っていうのは…」 「はい、全身に入れ墨の入った方ですね。今はミスタ・コルベールの研究室のあたりで、入浴中だと思います」 「入浴って、なんでそんなところで入ってるのよ…」 「あの、貴族様の浴場も使用許可は下りているそうなんですが、香りが強すぎるとかで敬遠していらっしゃいます。大鍋を利用して東方の”ゴエモン=ブロ”というお風呂を再現したとかで、いつもはそちらで汚れを落としているとか…」 「ふぅん…」 ルイズは、自分の知らない人修羅の話をするメイドを、じっと見つめた。 ハルケギニアの月明かりは、人修羅が人間だった頃に居た地球と比べ、かなり明るい。 目の前のメイドの顔立ちも、胸の大きさもしっかりと確認することが出来た。 「あなた、ずいぶん人修羅のこと詳しいのね」 「いえ、私だけではないです。人修羅様は厨房では珍しい東方の料理法など、いろんなお話を聞かせてくださいますから。マルトーさんをはじめとして厨房の皆にも気を遣ってくださいますし…」 「…あいつ、そんなことしてたんだ。私にはそんな話してくれないのに」 「あの、失礼を承知でお伺いしますが、ミス・ヴァリエールでいらっしゃいますよね。人修羅様は、ミス・ヴァリエールのことをよく気にしていました」 メイドの言葉に、ルイズが首をかしげる。 「どういう事?」 「…あの、私がこんなことを言うのは、恐れ多いのですが…」 「かまわないわ。……もしかして、私のことを『ゼロ』って言うとか、そんな話?」 「いえ!そうじゃないんです。人修羅様は、これまでも何度か、魔法でスープを引っかけられたり、パンを地面に落とされたりしていました。でもミス・ヴァリエールに迷惑がかかると言って、じっと我慢されて……」 「……そんな、そんなこと、わたし一言も聞いてないわよ!それに、あいつ、すごく強いって、ドラゴンにも負けないって、オールド・オスマンも言ってたのに!」 「自分が仕返しをしたら、ご主人様が悪く言われるからって……」 ルイズの表情に、言いようのない怒りと哀しみが浮かんだ。 頭の中は『なぜ?』という疑問で埋まっている。 なぜそこまで低姿勢なのか、なぜそこまで私を気にしているのか、ルイズにはまったく理解できなかった。 子供の頃から魔法が失敗続きで、使用人にまで馬鹿にされていたルイズだが、一人だけ庇ってくれる人がいた、それは姉のカトレアである。 カトレアは病弱で、ヴァリエール領から外に出るのは禁じられていた、しかしその優しい心とおっとりとした性格、細かい気配りは皆の信頼を集めており、ルイズを庇うカトレアを攻撃するものなど一人もいなかった。 しかし人修羅は違う、ルイズのためだと言って理不尽な虐めにも耐え、しかもルイズの前ではそんなことを気にする様子もない。 なぜそこまでしているのか? ルイズにはそれがどうしても理解できなかった。 「……わかったわ。改めてあなたの名前を聞きたいのだけど」 ルイズは唇をぎゅっとかみしめると、キッと鋭い視線でメイドを射抜いた。 「わ、私はシエスタと申します」 「シエスタ。よく話してくれたわね。これから人修羅にも聞きに行くわ。シエスタもついて来てちょうだい」 「はい…」 ■■■ そのころ人修羅は、コルベール先生の研究室脇に設置した五右衛門風呂に浸かっていた。 「ゆーげーがーてんじょかーらーぽたりとせなーかにー……あっ、これ天井ないや」 直径1.8メイル、深さ50サント程の大鍋を取り囲むように、高さ3メイルほどの煉瓦の壁が作られている。これはコルベールが練金したものだった。 人修羅はその見返りとして、メギドの石やアギの石などのマジックアイテム開発に協力している。 湿気がたまるのは良くないと考えて、あえて天井を作らずにいたが、これがなかかなか露天風呂の風味があって気分がいい。 「ちょっと人修羅!入るわよ!」 と、そこに突然カーテン状の入り口をめくりあげて、ルイズが入ってきた。 「うおおおおおおおお!?」 「きゃあああああああ!?」 「……(ぽっ)」 叫ぶルイズの後ろで、シエスタが顔を赤らめた気がするがあまり気にしてはいけない。 「なんだなんだ!何かあったのかね!」 慌ててパジャマ姿のコルベール先生が研究室から出てくる、と、そこには着替えを手にしたルイズと、風呂に入っている人修羅。 顔を赤らめつつも、ちらちらと湯船の中に視線を向けるシエスタ。 「ミス・ヴァリエール。その、メイジと使い魔は一心同体と言うが、しかし風呂までは……」 「ちちちちがいます!違いますってば!」 「いやそれぐらいの年頃なら恥ずかしがることも無いのです。ただ、あまり羽目を外されては」 「だから!違うんです!ひひひ人修羅も何か言いなさいよ!」 「ルイズさん、覗き?」 ルイズの爆発が爆発した。 ■■■ 「ひでえ目にあった」 ルイズが咄嗟に起こした爆発で湯船は空高く吹き飛び、たっぷり十秒間ほど滞空してから逆さまになって魔法学院の外へと落下した。 おかげでコルベール先生の研究室も被害を被ったが、自分の勘違いもあるので仕方ないと笑って許してくれたそうだ。 とりあえず鍋は無事だったので、研究室脇に立てかけておいた。 煉瓦の残骸はコルベール先生が片づけてくれたらしい……ますます頭が上がらないな。 それにしても、かなり大きな音がしたはずなのに誰も起きてこないってどういう事だろう…正門前にいる衛兵も来なかったし。 コルベール先生は『ミス・ヴァリエールの魔法で慣れているのでしょう』と言っていたが、それはそれで問題があるような気がする。 場所は変わって、人気のない本塔の食堂前。 ルイズは人修羅に指を突きつけて怒りをあらわにしている。 その隣ではシエスタがルイズと人修羅を交互に見て、気まずそうにしていた。 「あんたのせいよ!ああもう恥ずかしい…」 ぷりぷりと頬をふくらませて、人修羅を睨むルイズ。 恥ずかしさを誤魔化すために怒るなんて子供みたいで可愛いなあと思いつつ、人修羅は頭を掻いた。 「ごめん、冗談が過ぎた。…ところでなんか用があったんじゃないの?」 「あ、そうだったわ…シエスタから聞いたんだけど、あんた、変な嫌がらせされてるって本当?」 「……」 ふっ、と人修羅から表情が消えた、その空気の変化にルイズだけでなくシエスタもがとまどう。 「シエスタ、話しちゃったの?」 「は、はい、申し訳ございません」 「いや……いいんだ」 人修羅の顔を走る黒いラインが、うっすらと緑色に発光している。 その表情からは何を思っているのか想像できない、想像できないからこそ、ルイズは人修羅が何を考えているのか知りたかった。 「本当だったのね。 ……ねえ、どうして?どうして何も言ってくれないの?私は、私はあんたのご主人様なのよ、それなのに何で私を頼らないのよ、私ってそんなに頼りないの?」 ルイズの言葉は、まるで泣くのを我慢する子供のように震えていた。 両手をぐっと握りしめて、悔しそうに人修羅の顔を見上げた。 人修羅は、ルイズから目をそらさずにいた、それどころか殺気の混じるような厳しい視線をルイズに向け、静かに口を開いた。 「…俺が仕返しをしても意味は無い。俺は、ルイズさんがメイジとして認められた時こそ、彼らを見返したことになると思っている」 「わたし、が?」 「そうだ。こそくな手で、嫌がらせしかできない連中なんて、眼中に無い。まずはルイズさんが自分に自信を持つことなんだ。 それに俺が仕返しをしたらどうなる?この学院なんて消し飛ぶぞ、世話になった人達まで巻き込んで仕返しをするなんて、それが貴族の、いや人間のすることだと思うか?」 「そうだけど……でも…私に一言ぐらい言ってくれたって」 そっと、ルイズの肩に手を置く。 「そうやって俺のことを気にしてくれるのはとても嬉しい。けれども使い魔とメイジは一心同体と言っていただろう? ルイズさんだって今までいろんな陰口に耐えてきた……なら俺も耐えるさ。そして一緒にあいつらを見返してやろう」 「………………」 ルイズは、ぽかんと口を半開きにしたまま、静かに頷いた。 その表情には躊躇いが浮かんでいた、今までルイズにこんな事を言った人は居ない。 優しい姉カトレアも、あこがれの婚約者ワルド子爵も、父も母も、使用人も、誰も…… 情けないとか、悔しいとかではなく、あえて言うならカルチャーショックだろうか、ルイズは人修羅の言葉を聞いて、責任感や虚栄心などの余計な力がすべて抜けていくような気がしていた。 「シエスタ、ごめんな。夜までつきあわせちゃったみたいで。ルイズさんは俺が連れて行くから」 二人の様子を見ていたシエスタに人修羅が声をかける、シエスタは少し驚いたような表情で、慌てて頭を下げた。 「申し訳ございません、ミス・ヴァリエールに黙っていたことも、人修羅さんに口止めされていたことを喋ってしまったこともお詫び致します」 「しょうがないよ」 人修羅がそう言ってはにかむと、ルイズもまた顔を上げてシエスタの方を振り向いた。 「シエスタ。よく教えてくれたわ。貴方にも感謝しておかないとね」 ルイズは心の中で、シエスタに少しだけ嫉妬した、きっとシエスタは人修羅のことを凄く心配していたのだろう。 だから口止めされていたことを、わざわざ私に喋ったのではないか…… 人修羅はとても慕われている、畏怖されることと慕われることは貴族として基本中の基本であり、同時にルイズにとって憧れでもあった。 「いえ。私たちも人修羅さん…人修羅様にお世話になっています。メイジの方々に頼むような力仕事に協力して頂いたり、珍しい東方のお話なども聞かせてくださいました。何かの形で恩返しをしたいと思って…」 申し訳なさそうに呟くシエスタに向かって、ルイズが微笑む。 「ありがと」 「えっ」 ルイズの呟きは、シエスタにとって意外なものだったのか、思わず聞き返しそうになった。 「……何でもないわよ、さ、もう遅くなっちゃったけどお風呂に入るわ。貴方も早く寝なさい、メイドって大変なんでしょ?」 「はい、では…お休みなさいませ。失礼をばいたします」 シエスタは深々と頭を下げると、宿舎へと戻っていった。 「まったくルイズさんは恥ずかしがり屋だなあ」 「な、何よ、いいじゃない別に…それより人修羅!今度から何かあったら私に言いなさいよね! 魔法を使いこなしてギッタンギッタンに見返してやるわ!」 「それ見返しじゃなくて仕返し」 ■■■ 部屋に戻ったシエスタは、同室の仲間に気取られないように、ベッドの中で涙を流した。 ベッドの脇には、シエスタの荷物がバッグに詰められている。 明日からは魔法学院でなく、彼女はモット伯という貴族の元で働くことになっていた。 前ページ次ページアクマがこんにちわ
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん 「貴方達!無断で学院を抜け出すなどして!!駄目ではありませんか!」 ハルケギニア大陸のトリステイン王国。 その一角にある森の真ん中に出来た空き地でコルベールが正座しているルイズ達に説教していた。 右から順にルイズ、キュルケ、タバサと並び顔を地面の方に向けてジッとこらえている。 先ほどコルベールが怒り出して説教を初めてから五分くらい経過していた。 親からの折檻をまともに受けたことがない貴族の子ども達にはかなり辛い物である。 その様子を霊夢とシルフィードは小屋の傍でじっと見ていた。 霊夢は学院の生徒ではないため折檻されることは免れている。タバサの使い魔でもあるシルフィードも同じだ。 彼女は隣にいるシルフィードを背もたれ代わりにし、じっと説教に耐えるルイズ達を見ていた。 やがてコルベールの説教は開始から六分経過というところで終了に至った。 やっと解放された三人は大きく深呼吸をし、肩の力を抜いた。 「さてと…次にあなたに質問ですが…一体ここで何をしていたのですか?」 コルベールは霊夢の方に顔を向けると質問を投げかけてきた。 「ちょっとした調べ物よ。あぁ、情報を持ってきたのはそこのキュルケね。」 霊夢はキュルケを指さしながらそう言うとコルベールはキョトンとした顔になった。 ◆ 「つまり…。あなた達は暇でしょうがないから宝探しにやってきたと?」 「そ、そうですミスタ・コルベール…」 小屋の入り口でルイズから詳しい話を聞き、コルベールは暗い小屋の中を見渡す。 確かにこの様な暗い場所ならちょっとやそっとの場所に隠したら並大抵には見つからないだろう。 「しかしあなた達の宝探しは見逃せませんな。どうして無断でこんな事をしたのです?」 「そ、その…この地図に書かれている宝はなんでも凄い力を持っているそうで…。」 キュルケはそう言うと懐にしまっていた地図を取り出しコルベールに見せた。 コルベールは地図を受け取るとそれを広げ、詳細を確認する。 「……ふむぅ、その者が望んだ場所へ行けるマジックアイテムとな。私も少し見てみたい気もする。 確かに小さい頃にこういう事をしていれば将来のためになるかもしれない。だが、そういうのは休みの日などにしなさい。わかりましたか?」 ルイズ達は「ハイ」と呟き項垂れてしまった。コルベールはそれを見た後小屋の中へと入っていった。 霊夢はとりあえずもう一度小屋の中に入ろうとしたとき、中からコルベールの叫び声が上がった。 叫び声を聞いたルイズ達は小屋の中に入った。するとそこには腰を抜かし尻もちをついているコルベールがそこにいた。 「どうしたの、足に古釘が刺さった?」 本当なら冗談ではすまない事を霊夢が言うとコルベールは机に置かれているモノを指さした。 「あ…あ、あ、あなた達…これを何処で?」 机の上には黒光りする箱が置かれており、言いようのない重厚感を醸し出していた。 箱を見た霊夢はあぁ、これ?と言い、説明した。 「さっき床下からそれを見つけたのよ。早速開けようと思った矢先アンタが来て…。」 霊夢の言葉を聞きコルベールは大きなため息をついた。 「い、いや…開けていないのですね…良かったぁ~。」 「一体この中に何が入っているのよ?よっぽど大事そうな物に見えるけど。」 霊夢が興味深そうにそう言うと机の方に近づき、箱のフタを思いっきり開けた。 中に入っていたのはこれまた霊夢やルイズ達が見たことのない奇妙な代物であった。 それは緑色の円柱であった。材質は金属類に見える。 幻想郷には時折外の世界から流れてくる物もある、以前には白黒のボールなんかもあった。 しかし今目の前にある筒は霊夢が生まれてこの方見たことがない物である。 「これは一体何なの?」 霊夢の質問にコルベールは破壊の杖をあちこち調べながら答えた。 「マジックアイテムの一種で、『破壊の杖』と呼ばれる物です…。でも、まさか私の生徒がとっくに見つけていたなんて…。」 コルベールはそう言うと安堵の表所を浮かべた。 それに異常がないことを確認すると、すぐさま蓋を閉め、コルベールは『破壊の杖』が入った箱を腋に抱えた。 大事そうに抱えているコルベールを見て、入り口の方でジッとしていたキュルケが口を開いた。 「ミスタ・コルベールはどうしてそんな物を探していたんですか?」 「これは仕事ですよ?決してサボりではありません。というかまだあなた達はいたんですか?早く帰りなさい!」 タバサはともかくとしてキュルケとルイズはそれに不満なのか、あう~と呻き、コルベールに食い下がった。 「あう~、でもレイムが―――イタッ!?。」 駄々をこねる傍に寄ってきた霊夢がルイズの頭を引っぱたいた。 「先生が言ってるんだからアンタたちは帰りなさい。後は私一人で探すから地図は置いていってよね。」 「あ…アンタ、部屋を貸してあげてるのによく私の頭を――――」 ド ゴ ォ ォ ォ ン ! ! ! ! ! 突如外の方からもの凄い音が聞こえてきた。 小屋の外近くにいたルイズ達は思わず声を上げ、コルベールに声を掛けた。 「み、ミスタ・コルベール!外に巨大な…ゴーレムが!?」 それを聞いたコルベールは窓から外の様子を見た。 外には30メイルもの大きさを誇るゴーレムが馬車の荷車部分をまるで玩具のように片手で掴んでいた。 「なんだと…いかん、あそこはミス・ロングビルがいた場所じゃないか!!」 コルベールがそう叫ぶとゴーレムがこちらの方に顔を向け、手に持った荷車を投げつけてきた。 咄嗟に霊夢は近くにいたルイズの腰を掴み、小屋の外へと勢いよく飛び出した。 コルベールもタバサとキュルケに急いで出るように指示し、自身もマジックアイテムが入った箱を抱え、急いで小屋から出た。 投げられた荷車は見事小屋に激突、勢いもあってか凄まじい音を立てて小屋は倒壊した。 咄嗟に身を伏せたコルベール、キュルケ、タバサ達は体の上に材木や泥土が降り積もるだけで済んだ。 最も悲惨な目にあったのは霊夢に掴まれていたルイズだった。 空中へと逃げたた霊夢はルイズを掴んだまま飛んでくる障害物を華麗にかわした。 霊夢は平気であったがしかしルイズはそうもいかなかった。 「ちょっ…!?落ちるっ……てうわぁ!!」 ルイズがもう少し年をとってれば後日、腰痛と関節痛で悩んでいただろう。それほど激しい動きであった。 障害物の波が終わった後、霊夢は腰を掴んでいた両手をパッと離した。 解放されたルイズは地面に横たわった。 「もう、二度とこんなのは御免だわ…。」 その後立ち上がったコルベール達が心配そうな顔で二人の方へと近づいた。 「二人とも、大丈夫か!?」 「えぇ、全然余裕よ。けど…あっちのデカ物は逃がしてくれそうにないわね。」 霊夢はそう言うと背負っていた筒を地面に下ろし、左手で懐に入っている札を取りだして後ろを振り返る。 後ろではあの荷車を投げたゴーレムが大きな地響きをたててこちらに近づいてきていた。 先程の攻撃から考えればあのゴーレムのパワーは凄まじいであろう。 「全く…一体誰があんなのを作ったのよ?」 「あれは恐らく、土くれのフーケの仕業に違いない。」 霊夢の言葉にコルベールが即座に答えた。 「フーケぇ…誰それ?」 聞いた事のない名前を聞き、霊夢はコルベールの方へ顔を向けた。 「トリステインを差騒がせている盗賊さ。風の噂ではかなりの土の使い手だと聞いたが…噂通りとはこういうのを言うのだろうな。」 「要は物盗りって事?それならあの大きさはどうなのかしらねぇ?」 霊夢が暢気そうに呟くとコルベールも今まで下げていた杖をゴーレムの方へと向け、手の中に汗が溜まるのを感じた。 キュルケとタバサも杖を取り出しゴーレムの方へと向けようとするが前にいるコルベールに制止される。 「ミス・タバサ。君の使い魔でミス・ツェルプストーを連れて学院へ戻りなさい。そしてすぐに学院長に救援をよこしてもらうよう、頼んでくれ。」 その言葉を聞き、タバサは数秒間考えた後、コクリと頷くと口笛を吹いた。 口笛を聞き、上空に避難していたシルフィードが鳴き声を上げタバサ達の許へと降りてきた。 素早く背に跨ったタバサを見て、キュルケはゴーレムとシルフィード両方を見比べ、結果シルフィードの背に跨ることを選んだ。 それを見たコルベールは頷くと、ゴーレムを鋭い目で凝視している逃げるようにも言った。 「レイム、君もミス・ヴァリエールと一緒に逃げてください。ゴーレムは私が引きつける。」 しかし霊夢は首を横に振ると一歩前へと歩み出た。 「そうしたい所だけど今回はそうもいかないわ、だってそのフーケとやらが…」 そう呟くと霊夢は後ろにある潰れてしまっている小屋を頭の中で思い浮かべる。 「折角の手がかりを潰してくれたのよ。」 霊夢はそう言うとコルベールが制止する前に飛び上がり、ゴーレムの方へと向かっていった。 突如前に出てきた霊夢を敵と認識したゴーレムは右の拳を素早く振り下ろした。 「単純な攻撃だわ、性能はあのギーシュとかいうのが出してたのと大差ないわね。」 その攻撃を横へ飛んで避けた霊夢は余裕満々にそう言うと持っていた札を空振りしたゴーレムの右手へと投げた。 一直線に飛んでいく札はゴーレムの腕に着弾したと同時に大きく爆ぜ、それが一気に連続して続いた。 攻撃をまともに食らった右腕はしかし、大したダメージはなかったがまだ霊夢の攻撃は終わっていない。 次に左手に持った札を扇状に飛ばし、ゴーレムの胴体に直撃させる、がこれもまた大した効果は得られていなかった。 「でも防御力は並じゃないかぁ……よし。」 ならばと霊夢はゴーレムの顔付近にまで一気に飛んでいくと一枚のカードを懐から取り出した。 それは『スペルカード』と呼ばれる物で、幻想郷での決闘ルール「スペルカードルール」に用いる技や契約書の総称である。 主に『弾幕ごっこ』という人妖同士の決闘で使われる物だ。ちなみに霊夢自身もこのスペルカードには一枚噛んでいる。 だがそれはあくまで幻想郷の中でのルール、ここハルケギニアではスペルカードは必要のない物だ。 しかし霊夢は、あくまでスペルカードルールに従いフーケのゴーレムを倒すと心の中で決めた。 最も霊夢自身、まさかこんな異世界で使う羽目になるとは思ってもいなかったが…。 ―霊符― ―――『夢想妙珠』― それを発動したと同時に霊夢の周りに赤、青、緑、黄色といった様々な色をした大きな光弾が現れた。 地上にいた二人はその光景に目を丸くした。 「み、ミスタ・コルベール…!あれは一体なんですか!?」 ルイズは色とりどりの光弾に釘付けになりながらもコルベールに聞いてみた。 「わからん、あんなのは今まで見たことがない!あれは先住魔法とでも…?」 コルベール自身もあの様な魔法は見たことが無く、適当にそう答えることしかできなかった。 そして、今まさに飛ばんとしているシルフィードの背に跨ったタバサとキュルケも目を丸くしていた。 「た、タバサ…アレ見てみなさいよ。」 タバサはずれた眼鏡を直すことも忘れ、未知の力に驚愕していた。 今まで多くの強敵と裏で戦ってきたタバサではあるがあのような力は見たことがなかった。 出現した夢想妙球はふわっとした感じで浮きつつも、素早くゴーレムの所へ突っ込んでいった。 避ける暇もなく、一発二発と色鮮やかな光弾がゴーレムに直撃し、ものスゴイ砂塵を巻き起こした。 その砂塵は全てゴーレムの体を構成している岩が、破壊力抜群の光弾によって砕けて出来たモノである。 霊夢が手に持っていたスペルカードを懐にしまい直した後、砂塵が風に吹かれて空へと舞い上がっていく。しかし―― 「ん…――――――っ!?」 突如ボロボロの巨大な右腕が霊夢を掴んだのだ。 砂塵が完全になくなった後にあったのは、体中がボロボロになったゴーレムが健全として立っている。 少し足りなかったと霊夢が思っていると、ゴーレムの体が盛り上がり傷つけられた部分が直っていく。 (コイツ…自己再生とはまた…。) 自己再生自体は基本珍しくもない、それなりに力のある妖怪なら造作ないことである。 やがて数秒も経たぬうちにゴーレムの体は無想妙珠を喰らう前の状態になり、霊夢を掴んでいる右手を思いっきり振り上げる。 その次にこの無機物の塊が何をするのかすぐに断定した霊夢は少しだけ目を丸くする。 「あちゃ~、ここから思いっきり叩きつけられたら流石にやばいわね。」 暢気そうにそう呟いた直後、霊夢を掴んでいたゴーレムの右手の甲を巨大な氷の矢が切り裂いた。 突然の攻撃にゴーレムは咄嗟に右手の力を緩めてしまい、霊夢はすぐに脱出した。 どうやら先程氷の矢を放ったのは、目の前にいるシルフィードの背に乗ったタバサであった。 彼女は霊夢が脱出したのを確認すると此方の方へ近づいてくるゴーレムの右手に遠慮のない弾幕を浴びせる。 弾幕と言ってもただ単に氷の矢――ウィンディ・アイシクルを多数出現させて飛ばすだけである。 ただそれでも効果があり、ゴーレムの右手は氷の矢に切り裂かれ、あっという間にボロボロになってしまった。 だがそれもつかの間であり、ゴーレムの右手はまたもや再生をし始めている。それを見たタバサは顔を微妙に顰めた。 それを横で見ていた霊夢も同時に顔を顰めている。 「キリがない…。あの光の弾よりも更に威力の高い攻撃が必要…あなた、もう一度打てる?」 ふと、タバサがそう呟き霊夢の方へと顔を向けた。 さしずめ先程のスペルカードよりも威力の高いものを期待しているのだろう。 「そうねぇ…、確かにまだ強力なのがまだあるけど使うのは少し勿体ないし…ちょっとアレを試しに使ってみようかしら?」 霊夢が苦笑しつつもそうぼやくと地上に置いてきた黒筒を思い浮かべる。 どうして「アレ」がこんな異世界にあるのかはよく知らないが丁度良い。 今すぐにでも使えるし、何より神社に置きっぱなしにしているのよりずっと良い物なので持ってきた甲斐があった。 「ちょっと置いてきた自分の武器を取ってくるから、アンタ達はあれを足止めしてくれない?」 霊夢はキュルケ達の方へと顔を向け、ゴーレムを指さしながら言った。 キュルケはあの巨体を見て一瞬だけ嫌そうな顔をするが杖をゴーレムの方に向けた。 「う~ん、しょうがないわね。一分だけよ?」 「もう魔力の残りがない、なるべく急いで。」 続いてタバサも下ろしていた杖をゴーレムの方に向け詠唱を開始する。 そんな二人に霊夢は軽く手を振ると急いでコルベールとルイズが居る場所へとすっ飛んでいった。 「おぉレイム、良く無事だった!」 地上へと降りてきた霊夢を見て少し安心しているコルベールを無視し、 彼女は先程の黒筒の中に入っている「アレ」を取り出そうとして、いまこの場に残っている後一人がいないことに気が付いた。 「あれ?ルイズは何処言ったの?」 コルベールも霊夢の言葉でそれに気づき、辺りを見回した。 そして自分の足下にあった箱の中身が消えているのに気が付き、更にルイズが今どこにいるのか知った。 「え…?…おぉっ!?大変だ、ミス・ヴァリエールがあんな所に!」 「ハァー…ちょっとアイツ、何やってるのよ?」 「何をしているんですか、ミス・ヴァリエール!こっちへ戻ってきなさい!!」 阿呆としか思えないその行動に霊夢は戦いの場にも拘わらずため息をついて呆れた。 一方のコルベールは暢気な霊夢とは反対に声を荒げ叫ぶ。 コルベールが指さした先にいたのは、ゴーレムの足下で学院の財宝である『破壊の杖』をブンブンと振り回しているルイズがいた。 一方のルイズは、いつ踏みつぶされるかも知れない恐怖をこらえて一生懸命『破壊の杖』を振り回していた。 「この…この!名前に杖が付いているならちゃんと魔法を出しなさいよコレ!」 ルイズは先程の霊夢のスペルやタバサ達の戦いを見て、自分も杖を手に戦おうとした。 しかし、さきほど小屋から脱出した際に何処かへ吹っ飛んでしまったのかルイズの手元には無かった。 仕方なく、先程コルベールが言っていた『破壊の杖』を無断で拝借し、危険を承知でゴーレムの足下までやってきたのである。 いつもなら魔法の代わりに爆発したりするのだが、今回はそれすら起こらない。 だがルイズは諦めず、壊れたように詠唱を続け破壊の杖を振り回す。 「なんで…なんで何も起こらないのよぉ!!」 やがて堪忍袋の緒が切れたのか、ルイズは涙目になりながら破壊の杖を荒々しく足下に投げ捨てた。 ルイズは嗚咽を漏らしながら、その場にペタリと座り込んでしまった。 (結局、私はゼロのルイズなの…?結局は……。) 「もう駄目…魔力が無い。」 「こっちもそろそろ終わりそうね…たくっ!あの紅白は何やってるの…?」 タバサとキュルケの力もほぼ無いに等しく、ゴーレムは殆ど無傷であった。 二人の攻撃は凄まじかったがゴーレムの再生能力はそれらを全て凌駕している。 当然空中で戦っている為、今ルイズが何処にいるのか知らない。 魔力が切れるのを待っていたのか、ゴーレムはシルフィードをその手で執拗につかみ取ろうとし始めた。 「シルフィード、離脱して。」 主の命令にシルフィードは素直に従い、素早くその場から離脱した。 やっと安全になったと思い、杖を戻したキュルケは地上にいるゴーレムの足下を見て驚いた。 なんとそこにあのルイズが杖みたいな物を足下に置いて蹲っていたのだから。 上空にいる二人もそれに気づいた時、ゴーレムもやっとこさ足下にいたルイズに気づいたのか、片足をゆっくりとあげ始めた。 だれがどう見てもゴーレムがルイズを踏みつぶそうとしているのは明確である。 コルベールは杖を向け詠唱しようとする。が、間に合いそうにもない。 キュルケも残り僅かの魔力を振り絞りなんとかルイズが逃げれる時間を作ろうとしているがゴーレムの動きは速かった。 ブォン!と風の切る音と共に上げられていた大きな足を地面にいるルイズ目がけて勢いよく下ろした。 轟音、衝撃と共に大きな土埃が辺りに飛び散り、土埃の所為でコルベールは詠唱を中止し、ローブで己の身をかばった。 間に合わなかった!!――――彼が強くそう思ったとき、ふと何かが落ちてきた。 コルベールの頭に直撃したソレは、先程横にいた少女が持っていた『黒筒』だったらしい。 大した痛みがなかったのはその『筒』に『中身』が入っていなかったからだ。というよりその中身も大して重くはないが。 そして、その筒を背負っていた少女も何処へと消えていた。 ルイズは、ゴーレムに踏みつぶされる瞬間に閉じていた目をゆっくりと開けた。 顔を伏せていた所為かまず最初に見えたのは粗い土であった。 ゴーレムが右の足を上げた時、ルイズはやろうと思えば逃げられていたのではあるが腰が抜けてしまっていた。 蛇に睨まれた蛙の如く動けなかった彼女は踏みつぶされる直前に目をつぶり、天国に逝けるよう始祖に祈った。 しかし、自分は生きているようだ。なんせ体は重いし、それに妙に暑いのでどうやら死に神の鎌からは逃げられたらしい。 ルイズはゆっくりと顔を上げ、自分に背中を見せていた相手を見て驚いた。 滑らかな黒のロングヘアー、一見すると大きな蝶にも見えてしまう赤リボン。 脇部分を露出させた大胆な紅白色の異国風の服を着た少女…。それは間違いなく博麗霊夢その人であった。 「全く、アンタが一番役に立たないんだから先に逃げなさいよ…。おかげで余計なことをする羽目になったわ。」 前にいる霊夢は面倒くさそうにそう言った。 ルイズは立ち上がり、辺りを見回してみると青い障壁がゴーレムの足を食い止めていた。 「あ、有り難う…ってあら?」 霊夢にお礼を言おうとしたルイズは彼女が左手に何かを持っている事に気が付いた。 「それって……杖なの?」 そう、霊夢は左手に「杖」を持っていた。 しかし、それはルイズが見たこともない一風変わった「杖」だった。 霊夢の慎重よりも長く、細い「杖」は黒一色に塗られ、綺麗な光沢を放っている。そして一番の特徴とも言えるのがその杖の先端部分だった。 先端には薄い純銀の板の装飾が施されており、太陽の光に反射してキラキラと光り輝いていた。 それは、このハルケギニアには無い装飾で、「紙垂」と呼ばれる物であった。 ルイズは何故かは知らないが思わずそれに目を奪われてしまった。どこか神聖な雰囲気を漂わせるそれに。 そんなルイズに気づいた霊夢がその「杖」の柄で彼女の額をトンッ!と勢いよく小突いた。 「イタッ!」 脊椎反射でルイズは額を抑えながら後ずさった。 「何ぼーっとしてるのよ。さっさと逃げてくれない?じゃないとアンタも平気で巻き込むわよ?」 霊夢は左手に持った杖…否。「御幣」をゴーレムの方に突きつけると、未だに痛がっているルイズにそう言った。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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『今日も朝からのんびりと』 その二年生の春の儀式、ルイズが呼び出したのはサンショウウオに見えなくも無い青い生き物だった。 ただ何故か笑顔だ。 ひたすらに笑顔だ。 何でか知らないがずっとニコニコしている。 土煙に巻き込まれてもニコニコ、キスされてもニコニコ、ルーンが刻まれて熱くてもニコニコ。 「まあ、とにかくよろしくね」 「ナノッ」 その青い小さな生き物は、耳にも手にも見える何かを上げて返事をした。 パタパタと目にも似た模様の書かれた黒い尻尾が揺れた。 ナノちゃんと呼ばれるようになったその青い生き物は、非常に微妙な使い魔だった。 基本的に行動しない、基本的に出歩かない、基本的に何もしない。 視界の共有はできたが何故か常にルイズのそばにいるので意味が無い。 秘薬の材料といってもそもそも外に出ようとしない。 主を守る? このサイズじゃ絶対無理だ。 スリスリと笑顔で甘えてくるナノを撫でながら、ルイズはまあいいやとベッドに横になった。 「別に強くなくてもいいもんね~ナノちゃん」 「ナノ~」 ああ、何でこんなにかわいいんだろう? なんて素敵な抱き心地なんだろう? 抱きしめるともっちりとした感触とむにゅっという感じの音がする。 あまえる、という技でなんだか心の和むルイズはナノを抱きしめて床についた。 だがしかしその先入観は、ある日唐突に覆った。 その日ルイズは因縁をつけられていた。 どこにでもあるねたみや嫉みといったもので、その悪意がたまたま彼女に向いただけだ。 ルイズはねちねちと嫌味を言われていた。 やれ魔法が使えないくせに、やれ先輩への態度ってものが。 しかしぶっちゃけルイズは一切話を聞いていなかった。 腕に抱いたナノとのその日の予定を考えていただけだった。 その態度が気に喰わなかったのだろう、因縁をつけていた少女の一人が彼女に手を上げた。 「人の話を聞きなさい!」 パシンと、ナノがその軽い一撃を受ける。 「ああ! 何するの!」 直後、パアンと音がして、その少女は何かに叩かれるように顔をそらして転げた。 何が起こったのかわからない、そんな顔でルイズも少女のその取り巻きたちも呆然としている。 「ナノ~」 そんな中でナノだけが、叩かれたところを痛そうに抑えてルイズに頬を擦り付けていた。 その妙な現象は良く起こるようになった。 ルイズは嫌がらせを受けることが多い。 魔法がいかに危険かを理解できないものに魔法で嫌がらせを受けることが多いのだ。 彼らは皆家柄がさほど良くはない下級貴族の子弟であったから。 だがナノを召喚して以来それら嫌がらせはだんだんと減っていく傾向にあった。 理由は不思議なものだが、行った嫌がらせが二倍になって返ってくるからだ。 レビテーションで浮かせてこかしてひざを傷つければ何故かひざの骨が割れ、軽くエア・ハンマーを当てれば何かに打ち据えられて吹き飛ばされる。 まるで守り神のごときそれに、手を出すものは減っていった。 それでも例外はいるもので、好みが唯一共通したクックベリーパイの焼き立てをメイドにもらってナノと食べていたルイズの耳に、変な声が飛び込んでくる。 「君のおかげで二人のレディが傷ついた! どうしてくれるんだ!」 色男、参上。 話を聞くと、どうやら二股がばれた八つ当たりらしい。 そのあまりにあほらしい理由での八つ当たりに、ルイズは呆れつつも弁護に向かう。 だって怒られているのはクックベリーパイをもらったメイドなのだから。 「止めなさいギーシュ。元はといえばあんたの二股が原因でしょうが。メイドに八つ当たりなんてみっともないわ」 「何だと、いいか僕は、って何だ、ゼロのルイズじゃないか。魔法が使えないからって平民の肩を持つのかい?」 「何だって構わないわ。あんたがみっともないのは間違いないもの」 「ふん、ゼロがよくもまあ大きな口を叩くもんだ。流石は何もできない使い魔を呼ぶだけはあるな」 プチッと、ルイズの頭で何かが切れた。 轟音を上げてギーシュの横のサラダボウルが爆発する。 「今なんていったのかしら、ギーシュ?」 蝋燭たてが爆発する。 「今私のかわいいナノをなんて?」 デザートのトレーが爆発する。 「耳が悪くなったのよねきっと。もう一度だけ聞いてあげる」 皿の山が粉みじんに消し飛ぶ。 「さっきなんていったのギーシュ?」 「き、君の使い魔がなにもできないって言ったんだよ」 チマッター! ギーシュは心の中で叫んだ。 本当なら(君の使い魔はかわいいねといったんだよ)と用意していたセリフを言うはずが、思わず本音が出てしまったのだ。 「……表に出なさい。粉々に吹き飛ばしてあげる」 そのときナノは相変わらず笑顔のまま、クックベリーパイを食べていた。 回りの女の子たちがその抜群のさわり心地に自分の分を与えながら撫で回している。 自分より大きなサイズのパイを口に放り込むそのしぐさに、女生徒たちは和んでいた。 何もできない? これだけかわいければ良いじゃないか! だがギーシュとルイズの騒動が食堂から広場へ移ったとき、ナノはパイを放すと跳ねながら広場へ消えた。 決闘騒ぎはルイズの圧勝だった。 無論誰も知らないことだが虚無の属性を持つルイズの爆発は、基本的に先住魔法以外で防御できない。 七体のワルキューレのうち六体は“錬金”の魔法で見事に粉々に粉砕された。 「まだやるのかしらギーシュ?」 「……いや、正直ここまでとは。そうだね、流石にここは僕の」 青銅の槍が、ルイズの眼前に飛来した。 男は侯爵家の次男坊だった。 男は魔法至上主義者であったし、貴族こそが、という選民思想の持ち主であった。 まあそれだけなら他の貴族も大差はあるまいが、彼はあまりに極端だった。 彼の中で魔法が使えないものは人間ではなかったのだ。 だからこそ彼は、魔法が使えないルイズが自分より上の地位の家の出だということが気に入らなかった。 わざと距離をとり、あえて青銅で作り上げた槍をルイズに飛ばす。 うまくいけば気に入らない後輩ごとルイズを始末できる。 そうほくそ笑む彼に、死や命といったことへの敬意はなかった。 ルイズは眼前の青銅の槍を妙に冷静な目で眺めていた。 時間が何故か遅く感じられる。 ルイズはギーシュという人間をある程度はわかっているつもりだ。 少なくとも貴族の女性に全力で手を上げたりはしない。 だからこれが、誰かがドサクサ紛れに放ったものだろうというのはわかっていた。 彼女の脳裏に浮かんだのは、やはり嫌われていたのか、というむなしさだけだった。 ギーシュは驚きの目で青銅の槍を見ていた。 無論自分の作ったものではないし、少なくとも自分は女性に対して殺傷力のある一手は打たない。 それだけがグラモン家の出来損ないといわれた自分の、グラモンの名への誇りだったのだから。 間に合うかはわからない、それでもギーシュはその青銅の槍を分解すべく錬金の魔法を唱えた。 結論から言うとギーシュは間に合わなかった。 錬金を唱え終わるのは槍が到達するより遅かったし、ルイズには回避する余裕はなかった。 間に合ったのは、ルイズの使い魔ただ一匹。 その柔らかい体を、重たい青銅の槍が襲った。 男は予想外のことに眉をしかめながらも、少なくとも使い魔を排除できただろうことにほくそ笑んだ。 その下腹を熱が襲うまでは。 ポヨンとナノが地面に落ちる。 呆然とするルイズの前で、ナノは何事もなかったかのように起き上がった。 少し赤くなった腹部を撫でながら、ナノはルイズにすがりつく。 「ナノ~」 「ナノちゃん? あれ、何で……」 杖を収めたギーシュが近づいてくる。 「ルイズ、先に言っておくがあれは僕じゃない」 「そのくらいわかってるわ」 「そうか、ならいい。この決闘は僕の負けだ。しかしすごいな君の使い魔は。あれを喰らって赤くなるだけとは」 「ほんと、私も驚いてるわ」 「があああああ!」 生徒たちの後ろで汚い悲鳴が上がった。 ざわめきだす人ごみを掻き分けると、そこには“鋼の槍”で貫かれた男が一人。 腹から血を流してうめいている。 「どういうこと?」 「……予想なら立てられるが、正直納得したくないな」 「何よ?」 自慢の金髪を掻きながら、ギーシュは推論を述べる。 「“返した”んだ、君の使い魔は。おそらくさっきの青銅の槍はこいつの仕業だろう。それを君の使い魔が“返した”、僕はそう思う」 「“返した”って、さっきのは青銅の槍よ?」 「ああ、そこがすごいんだ。おそらくその子は自分が喰らったダメージを、そのまま何倍かにして返したんだろう」 「だから上位の鋼の槍が……」 「ああ。しかし魔法の構成ごと返すとは……その子は何なんだろうね?」 うめいていた男がこちらをにらみつけてくる。 「どうしましょ?」 「誇り高き決闘を汚した男だ。それに女性に迷いなく殺意を向けた。放っておけばいいさ」 土くれのフーケという盗賊がいる。 貴族ばかりをターゲットに暴れまわる盗賊だ。 平民からはヒーローのように噂されるその盗賊が、学園から秘宝を盗み出した。 盗まれたものは『孵らずの卵』 奪還を志願したのはルイズ、キュルケ、タバサ、そしてギーシュの四人だった。 戦況は著しく最悪だった。 卵を奪還したまでは良いが直後にゴーレムに襲われた面々は、今まさに逃げ惑っていた。 ルイズは卵を抱え、ナノを頭にしがみつかせたまま一生懸命走って逃げる。 腕の中でプルプル震えるその卵をしっかり抱きしめながら、ルイズはただ逃げ惑っていた。 だが悲しいかな30メイルと1.5メイルの差は大きい。 ルイズを大きな影が覆った。 トンッと何かがルイズを押す。 透明の板のようなものに影から押し出されたルイズの真後ろに、ゴーレムの腕は振り下ろされた。 首にしがみついていたはずの重みはない。 「やだ、やだ、やだよ、ナノちゃん、ナノちゃん!」 ゆっくりと持ち上げられた腕の下、青い塊が地面に埋まっていた。 「ナノちゃあん!」 「ナノ?」 普通に生きていた。 唖然とするルイズたちとフーケの前で、ナノを覆っていた光がはじける。 ナノの眼前に固まったそれから生えた虚像の腕が、ゴーレムの腕を粉々に破壊した。 「嘘だろ!?」 思わず金切り声を上げるフーケ、その声の中でナノがぶるぶると震えだす。 伸びる体長、膨れ上がるからだ、位置を変えて垂れ下がる腕っぽい耳、それぞれ二つに分かれ四本になる足。 振るえが納まったとき、そこには大きくなってまるで外見の違う、だがその顔と体色からナノだと一目でわかる生物がいた。 「ナノ、ちゃん?」 「ソーナンス!」 ぴしっと敬礼するように、進化したナノは答えた。 「このお! 脅かすんじゃないよ!」 再構築され振るわれるゴーレムの巨腕、だがしかし鋼に錬金されたそれは、ナノの紙のようにペラペラな腕で防がれていた。 「うそお!」 「あの重さを!?」 「ソーナンス!」 地面にめり込んで踏ん張る四本の足で、はるかに質量の大きな一撃を平然と受け止めるナノ。 ならば次の一撃とゴーレムが腕を振りかぶった瞬間、ナノの眼前から突如出現した巨大な腕が、今度は腕だけでなくゴーレムそのものを粉砕した。 「きゃあああ!」 フーケはそのまま落下、ぴょんと飛び跳ねてきたナノに飛び乗られ意識を失った。 「しっかしミス・ロングビルが正体だったとはね」 帰りの馬車の中、ルイズたちは縛り上げたフーケことロングビルを見張りながら談笑していた。 ちなみに御者をしているのはナノだったりする。 「この卵の孵し方ねえ。確か十年以上前からこのままなんだろう?」 ルイズの抱える卵を見ながらギーシュはぼやく。 「腐るどころか死ぬこともなく卵のままの生き物ねぇ。タバサは何か知ってる?」 「聞いたこともない」 「そうよねぇ「ね、ねえ」何よ?」 ルイズの腕の中でピシピシ音を立ててヒビが入っていく卵。 「か、孵りそうなんだけど……」 全員が、縛られたロングビルさえもが息を飲んで見守る中、卵はとうとう割れて砕けた。 「なのぉ?」 ナノとそっくりの、しかし召喚されたときよりずっと幼い感じのする、ピンク色に輝く生き物がいた。 「……ナノちゃんの卵だったの?」 「かわいい……」 「なぁの?」 きゅっ、とピンクの色の生き物はルイズに抱きついた。 ヴァリエール家のお屋敷の森は、危ないから入っちゃダメなそーなの。 珍しい生き物がいるけど、間違えても捕まえようなんて考えちゃダメなそーなの。 沢山いるかもしれないけど、何があっても攻撃なんてしちゃダメなそーなの。 全部倍になって返ってくるんだそーなの。 へえ、そーなんすか。
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はじめに この講座は千葉大学CRSの新入生のために作製されたサイトです。 AVRを用いて、マイコンプログラミングを行います。 スライド資料について 講座で使用したスライド資料はCRSのドライブにアップロードされています。 「マイコン講座2015」で検索してください。
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 ルイズが始祖の祈祷書に浮かび上がった内容を読んでいる間、当麻は残りの竜騎兵を倒していた。 二十いるアルビオンの竜騎士隊も、シルフィードと当麻の連携により無惨にも全滅と化した。 天下無双と謳われたアルビオンの竜騎士でも、韻竜と竜王の前には歯が立たない。 残るは本家、絶対に忘れることのない、アルビオンへと上陸するさいに見かけたあの巨大戦艦。その船の下では、港町ラ・ロシェールが攻撃を受けている。 「あれを倒さなきゃ、どうやら終わらないようだな」 しかし、どうすればあれを倒せるのだろうか? こちらの武器は竜王の顎一つのみ。今までは同じ大きさでの戦いであったが、今回のはスケールが違う。 そんな状況での当麻の策は、敵艦に乗り込んで内部から破壊するという、シンプルな案であった。いや、それ以外にいい方法が浮かばなかった。 当麻達が潜り込もうと、近付いたその時、 敵の艦隊の右舷側がフラッシュのように光った。 瞬間、シルフィードが再び直角に移動方向を変えた。 当麻達がいた場所に無数の鉛の弾が通過する。シルフィードの咄嗟の判断がなければ、今頃死んでいたに違いない。 心臓の鼓動が大きくなる。ここにきて、生死の境にいるのだと実感した。 ちっ、と当麻は舌打ちをする。どうやら敵はこちらの存在をちゃんと認識しているようだ。 一拍置いて、再び鉛の弾が当麻達目がけて発射される。 しかし、シルフィードの持つ速さを利用し、避ける事だけに集中すれば、なんとかやり過ごせる。 やり過ごせるのだが、それだけだ。目標である敵艦に乗り込む行為をする為の手札が圧倒的に不足していた。 (何か……) 歯を食いしばり、シルフィードが懸命に自分達の寿命を伸ばしている間にも、必死に考えを巡らす。 (何か、こっちの手数を増やす、何かがあれば!!) ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ 以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す。 初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン』 ドクン! とルイズの鼓動が一段と大きくなった。そしてエクスプロージョンの呪文が浮かび上がる。 あまりの急展開にルイズは思わず笑いそうになる。 ここまで読めるなら、読み手として文字が読めるのなら、きっとこの呪文の効力が発揮されるのではないか? だって、今まで失敗だと思われた魔法は毎回爆発していたのだ。では、なんで毎回爆発していたのか? 失敗して爆発した例が他にあったのだろうか? それが四系統に属さない『虚無』の力であったら? 当麻が以前いった通り、本当に自分には隠された力があったのならば? これほど笑ってしまう話、ルイズには体験した事がなかった。 「ねえ、この指輪を使って初めて読めるなんてどこのパズルよ。あんたもヌケてるのね」 自分にもあったのだ。この戦況を変える事のできる切り札が。 熱していた頭の中が、ゆっくりと、ゆっくりと冷めていく。心拍数、血液循環、筋肉、骨、体のありとあらゆる組織が落ち着きを取り戻す。 エクスプロージョンという名の呪文のルーンが、すらすらと頭の中に入ってくる。 まるで、それを望んでいたかのように、それを待ち侘びていたかのように、理解していく。 ここまできたら、やろう。いや、やらなければならない。 今もどこかでこの戦争の行方を心配している姫様の為に。 こんな自分を守ってくれる、大切な大切な使い魔の為に。 そして、今まで秘められた力に気がつかなかった自分の為に。 さぁ、始めよう。 この日、この時、この場所で、新たに生まれた物語を。 ―――ゼロのルイズの物語を!! 上下左右と激しく動くシルフィードの体の上で、ルイズは腰をあげた。 「ととっ」 「なっ……おい、ルイズ?」 両手を広げて、バランスを取りながら、当麻の横を通り過ぎる。 そして当麻の開いた足の間にある小さな空間にちょこっと座り込んだ。 驚く当麻に対して、ルイズは半信半疑のような口調で応えた。 「あのね……もしかしたらわたし、選ばれちゃったかもしれない。多分、だけど」 「はい?」 「いいから、あの巨大戦艦に近づけて。このまま何もしないよりは試した方がマシだし、ほかにあの戦艦をやっつける方法はなさそうだし……。 ま、やるしかないのよね。わかった。とりあえずやってみるわ。やってみましょう」 ルイズの独り言のような口調に、当麻は唖然とした。しかし、わかった事はある。 ルイズにはこの戦いを終わらせる方法を持っているのだと。 「なんつーかよくわからんけど、とりあえず近づければいいんだな!?」 「そうよ! 早くやる!」 当麻は竜王の顎を封印した。こいつの能力が幻想殺しも受け継いでいる為、いざ呪文を発動した時打ち消してしまったら元も子もない。 といっても…… 砲撃。砲撃の嵐であった。 ある一定の距離以上に近づいたら、鉛の弾が襲いかかってくる。 左舷ではラ・ロシェールへと砲撃が行われている。よって左から攻めても無理。 そして当麻の視界には、艦の真下にすら大砲が装備されていた。つまり下からも無理である。 「そう言われても……穴がないぞ!?」 「それをなんとかするのがあんたの仕事!」 んな無茶な!? と泣きたくなるが、なんとかしなきゃ始まらないのだ。 (左、下、右がダメなら……ッ!) 残すは上しかない。当麻はシルフィードに命じて、高度をさらに上げた。 『レキシントン』号の甲板が見える。そしてそこには先程散々苦しめられた大砲が一つもなかった。 おそらく、ここならば安全に事を運べる場所であろう。 ルイズは立ち上がる。主役の登場と言わんばかりのように。 「わたしが合図するまで、ここを回ってて」 ルイズは目を閉じ、最後の祈りを込めた。大きく息を吸い込んでゆっくりと吐き出す。 再び目を開き、始祖の祈祷書にかかれた文字を詠み始める。 ゆっくりだが、確実に間違いのないように紡がれる。 これでなんとかなるか? と当麻が安心したその時、 ゾクリ、と背中を悪寒が駆け抜ける。 バッ、と振り返る。そこには、烈風のように迫り来るワルドの姿があった。 完璧に虚を突かれた。 「くっそ……!?」 回避すべきか? 否、ルイズが呪文に集中しているのだ。邪魔するわけにもいかない。 そもそも向こうは最高速度、逃げ切れるわけがないので却下。 ならば、迎撃するしかない。幸いな事にブレスを吐いてくる様子はなく、ワルドが風の槍を片手に持っているだけである。 あれで、自分達を串刺しにするのであろう。 敵の攻撃を防ぎ、尚且つ相手を一撃で倒す。どこかミスったら全てが水の泡となる。一度っきりのチャンスである。 残り数百メートル。人間の脚力でさえ数十秒足らずでたどり着く距離。 「これで終わりだ!!」 「う……ォぉぉぉおおおおお!!」 これしかなかった。限りなく成功率の低い奥の手。 当麻は立ち上がり、恐怖に怯える事なく、平常心を保ちながら、 文字通り飛んだ。 右手を前に突き出し、ワルドの風の槍を大気へと還元する。そして、そのままワルドの乗る風竜へとダイビングした。 誰もがやろうとは思わない。上空三千メイルで、迫り来る竜に飛び乗るなど不可能に等しい。 それでも、少年はやり遂げた。奇跡でも偶然でもなんであろうと、少年の命は、まだ続いている。 常識はずれともいえる当麻の行動にワルドは驚愕を覚えた。 その驚愕が、当麻に時間を与える。 「とりあえずあんたは『フライ』があるよな?」 ワルドははっとなり、杖を振ろうとしたが、 「空の旅を満喫してくれ」 当麻の拳の方が先に振り抜かれた。 呪文を詠唱する度、言葉を紡ぐ度、リズムがルイズの中を循環する。どこか懐かしく感じてしまうリズムだ。 それが長ければ長くなる程、強くうねっていく。自分の世界に閉じこもり、辺りの雑音は耳に入らない。 体の中で、何かが精製され、それが場所を求めて回転していく感じ。 誰かがそんな事を言っていた。 そうだ。自分の系統を唱える時に感じるであろうこれ。 だとしたら、この感覚がそうなのだろうか? 裏側の自分が表に出たような気分をルイズは覚えた。 体の中のに、波がどんどん大きくなってきて、外求めて暴れだす。 当麻がルーンの力によって従えた風竜から再びシルフィードへと乗り移る。 ルイズが足でトン、とシルフィードを叩いた。それが合図となり、『レキシントン』号目がけて急降下を始める。 目をさらに大きく開いて、タイミングを間違えぬよう細心の注意を払う。 『虚無』と呼ばれる伝説の系統。 あの破壊の本から放たれたような威力をもっているのだろうか? それは誰も知らないし、自分も知らない。 伝説の彼方にある魔法を現代へと持ち込んだのだから。 長い長い詠唱を終え、呪文が完成した。 その瞬間、全てを理解した。 このまま放てば、全ての人を巻き込む。間違いなくほとんどの人間が死ぬに違いない。 一瞬だけ悩んだ。殺すべきか否か。 しかし、答えは決まっていた。自分の視界一面に広がっている戦艦『レキシントン』号。 この戦いを終わらせる為、杖を振り下ろした。 同時、光の球があらわれた。太陽のような眩しさをもつ球は、膨れ上がる。 そして……、包んだ。 上空にある、全ての艦隊を包み込む。 それだけでは終わらない。さらに膨れ上がって、見るもの全ての視界を覆い尽くした。 誰もが目を焼いてしまうと思い、つむってしまう程光り輝くそれ。 そして……、光が晴れた後、上空の艦隊全てが炎によって包まれていた。 ルイズは力尽きたのか、体を当麻に預けた。当麻も全てが終わったのだと思い、力が抜けた。 下では、トリステイン軍がアルビオン軍に突撃をかましていた。上空からの支援を失ったアルビオン軍は、勢いにのったトリステイン軍には立ち向かえない様子であった。 もう、ルイズ達のやるべき仕事は終わったんだ。 「今日は……疲れたわ」 なにかをやり遂げたような、満足感が伴った感じだった。 「ああ……そうだな」 当麻もまた同じである。 「早く降りましょ」 ルイズの提案に、当麻は無言で返す。シルフィードがゆっくりと高度を下げていった。 シエスタは、弟たちを連れておそるおそる森からでた。トリステイン軍が、アルビオン軍を撃退したという噂が森に避難していた村人の間に伝わったのだ。 確かに草原にはアルビオン兵の姿はない。あったとしても、それは投降してきた兵である。 先程まで続いていた轟音が嘘であるかのように静かだ。 上からばっさばっさと羽を羽ばたかせる音が聞こえてきた。 思わず見上げる。 願っていた少年がそこにはいた。 ヒーローのような少年がそこにはいた。 約束を守ってくれた少年がそこにはいた。 シエスタは嬉しさのあまり涙を零し、駆け寄った。 ようやく太陽が、オレンジ色へと変わっていった。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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プロフィール 名前 イコーネ(いこーね) ヤバッキオ(やばっきお) 出身地 テキサス 誕生日 1875年06月09日 (30歳) 職業 賞金稼ぎ 眼の色 青(ワイプ前:白) 髪の色 銀 身長 185cm 体重 80kg プレイヤー かんせる 告知等 X 配信場所 YouTube / Twitch - 目次を開く 目次 基本情報 エピソード(概要) エピソード(詳細) アーカイブ アーカイブ(ピックアップ) 人間関係 その他 基本情報 RP&キャラメイクの元ネタはジョジョ第五部のレオーネ・アバッキオ。 銀の長髪だが不自然に揺れ動きハゲ散らかってしまうので普段は帽子を被っている。 【ikorne yabbakio】の綴りになっているため【イコーネ・ヤッバキオ】だが本人が気が付いているか不明。→10日目で気がつく。 伊達男というより……傾奇者?? 強制瞑想多め エピソード(概要) 関連事件の概要です。 - 「ハワード対立編」開く ハワード対立編 ・バレンタイン銃殺窃盗事件(自作自演事件) 1905年5月25日 深夜26 00頃(26日2時) VALENTINEで銃殺されて100$窃盗された事件。 被害者はルベウス・アルマント。 証言として黒い服の女性に銃を突きつけられて「おまえが銃を持っていないのが悪いんだ」と捨て台詞を吐かれて撃たれたらしい。 その状況からルイ・ブラックが容疑者として挙げられた。 幸いにも同時刻に保安官たちと談笑していたため、すぐに疑いは晴れた。 ……が、この事件が起こる前にBLACKWATERでハワードから悪い事をしたくなったら情報を提供しますよと声をかけられたこと、犯行者メンバーとガンスミスのハワードが一緒にいたのを目撃していた。 『この事件の発案もしくはメンバーにハワードがいたのではないか』と疑う。 ルイを、大事な友人を陥れようとしたのではないか。 そんな想いで事件を探り始める。 ・ガンスミス脅迫事件 1905年5月26日 被害者はハワード BLACKWATERで、ガンスミスのハワードにイコーネヤバッキオが銃を突き付けて尋問を行った事件。 地道な聞き取りの結果、ルイが容疑者とされた事件は被害者と加害者側による自作自演事件だった。 山師の鉱石がガンスミスに売れず、ガンスミスも銃が売れないため、皆が銃を所持するように事件を起こしたと供述したらしい。 今回、黒い女性という背格好を似せて商売敵のルイやキャリコを狙った犯行ではないのか……俺の仲間に手出しするなら警告しようとハワードに立ち向かう。 尋問中、通報を受けてラウラ署長が駆けつけるが、隠れていた協力者のお陰で有利に脅迫を続行した。 明確な答えを避けているような回答なハワード。ラウラ署長から昨日の自作自演事件で犯行を行ったメンバーはなんの咎めもなく釈放されている事実が判明する。 これ以上は聞き出せないと撤退する道すがら、事情を知らずにアビンタ署長とドロシーに職質されそうになった。協力者を巻き込まないために逃走する。 ・エニーアブルッチ演説銃殺事件 1905年5月28日 21時頃 VALENTINEで元保安官エニーアブルッチが演説を開催。 その最中、何者かに弓矢で狙撃される。 エニーは演説で自身の経歴を交えつつ、理不尽な解雇によると市民に訴えかけた。 保安官が疑いをかけたら証拠がなくても、日々が脅かされるかもしれない!と語っていた最中に弓矢で撃たれる。 撃ったのはサイモンという目撃で捜索が始まる。慌ただしくなる保安官は、サイモンとエニーが演説前に喋っていたため自作自演だと決めつけてしまう。 これには市民も演説でエニーが伝えたかった保安官の決めつけで捜査する不信感が一時的に上がる。一旦冷静になれと保安官に促し、保安官とエニーは和解した。 ※サイモンは逃走途中で、ガンスミスのレオンと弟子ラビットに出くわす。ラビットを人質に逃げようとするが、レオンに返り討ちされ、川に捨てられる。医者のシシリアに拾われて保安官に突き出された。 ・ガンスミス経済戦争 市民のライフル所持解禁情報が入ってくる。 弟子のルイを泣く泣く解雇したキャリコ。 ルイの悔し泣きに動かされた仲間がハワード(ガンスミス)に一矢報いたいと動き始める。 それぞれの想いを胸に山師、ガンスミスそして商人を巻き込んだ経済戦争に発展する。 ・ブラックウォーター不審者事件 1905年6月3日21時50分頃 BLACKWATERで怪しげな仮面をつけた2名がうろつく。 ハワードの店を何やら物色していたが、住民の素早い判断で避難と保安官へ通報を行う。 一人は「遊んでいた」と供述するエニーだったが、もう一人は暗闇に姿を消すのだった。 - 「デート編」開く デート編 ・第一回合コン LOVE HUNT 1905年6月8日 「ラブハント」主催:メイ・リー 場所はローズ近郊の迎賓館で男女5名ずつの合コン(観覧自由)が開催された。 ここから様々な恋愛模様が発生していく??? ☆ヤバッキオとプリンセスベリーは6/10にデート予定。 ☆蒼羽はタチバナホリス[研修医]にアタックしていたが……。 合コン後の深夜アネスバーグで泥酔のホリスがいたとかなんとか?? ☆エニーとムサーシーは連絡先を交換したが果たして。 ・大人なデート 1905年6月10日 22時 SAINT DENISの服屋前で待ち合わせする男女。 - 「」開く 「」 エピソード(詳細) 2024年 - 開く + 05月 05月 + 05/20 1日目「生変」開く 05/20 1日目「生変」 ・「生変」 BLACKWATERの港に佇む男がひとり。 荒野の伊達男、イコーネ・ヤバッキオ。 独りで生きてきて流れ着いたこの街で、新たな物語が幕を開ける。 身分証明書を発行し、職業と馬の購入を考える。 馬の状況を聞くと、$300が相場で所有で1時間ごとに$0.5の牛舎代がかかるらしい。 手持ちの$69ではとても養いきれないため購入を見送る。 まずは配送業務を行いながら、様々な方に情報収集しつつ稼ぎ方を検討する。 ギャンブル狂いで市長に捕まりBLACKWATERの保安官署長に就任した[[ラウラブラッドキャッツ にお小遣いをもらった。 ・トレジャーハンターヤバッキオ ショベルを買い、使い道わからないながら、墓荒らし宝探し(トレジャーハント)でひとときスリルを味わう。VALENTINEにはまだ保安官署長が居ないことを聞き、スリリングなトレジャーハンティングに魅了されていく。 真面目で品行方正な市民を応援しつつ保安官が派遣されてないうちに己の使命を語り出す。 この手が赤く悪に染まろうとも、尊い市民のために力をふるうギャングスターとしての理想、そしてギャングスターのキングを夢見る。 そんな男は力強くシャベルをふるうのだった。 トレジャーハントで得た宝物の鑑定をしてもらう…が、心無きに買い叩かれてしまう。すこし肩を落としながら、心無きから馬を強奪借りて国を散策し始める。 ・いないからやるんだろうがッ 銀行でダイナマイトが設置できる場所を発見する。 SAINT DENISで銀行強盗ができるかダイナマイトを設置しようとするが、世界の保安官(鯖ログイン)が少ないため設置できないという。 力があるものから奪い、弱き者に与える…とギャングスタ―の目標を唱えつつ、早くいたずらしたいと心が漏れる。 各街を駆け回り、再びトレジャーハンティングを画策する。 VALENTINEの人々に情報収集を装い、保安官が近くにいないことを確認してトレジャーハントを実施する。BLACKWATER勤務の保安官がVALENTINEに駆け付けるまで時間がかかることを予想し、両町でトレジャーハントを行う。 ・墓荒らし Chloe Crawfordとの会話の中で「早く保安官さんに就任してほしいですね」と言うと、街中で「保安官いませんかーー?」と言いつつ、墓に走っていく人を見たという。堂々とした墓荒らしに怖いわとこぼされる。手口があまりにもヤバッキオと似ているため妖精たちは見られたかと緊張が走る。 しかし話を続けると、男女の複数人で墓荒らしを行っていたようだった。 ・山師になる BLACKWATERにて、ガンスミスのハワードに素材を集めて銃を作成依頼したドラゴ・ゴートフィッシュ(賞金稼ぎ)に出会う。また再会した際は一緒に仕事をしようと声をかけてもらえる。 銃を早く所持するためにも職業を山師になり、素材を集めようと考える。 鉱山の街ANNESBURGに向かうため、配送業で移動しながら VALENTINE(トレハンしつつ) →STRAWBERRY(木材集めつつ) →BLACKWATER(トレハンしつつ) →ANNESBURG(鉱石取ろう)に向かう予定を立てる。 その日はVALENTINEで休憩するのだった。 + 05/21 2日目「住処」開く 05/21 2日目「住処」 ・「住処」 今日とて起きてすぐにトレジャーハンティングを行う…が、スコップが手から外れない歪みが発生し、[[johnny 保安官に職質される。保安官の状況的にピリついているため、職質されないためにも歪みを直すため瞑想をおすすめされる。 今日は馬と銃を手に入れたい目標をたて行動する。 STRAWBERRYでヴィクトル・F・シュタインに山師ショップを教えてもらう。 妖精と雑談しながら木を切り出す。 馬を購入し、HENESYと名付ける。 次の目標は銃と、できれば居住地域を決めて銀行強盗もしたいと意欲を出す。 BLACKWATERのガンスミス、ハワードに銃を作ってもらえるか相談するが、銃の資材が追いつかないくらい足りず、お金だけでは販売できないと断られる。仕方なしにANNESBURGで炭鉱を行う。 世界は徐々に電報や新聞など出来なかったことが出来るように増えていく。 ANNESBURGに戻ってガンスミスの[[キャリコ にリボルバーに必要な資材やお金について話を聞く。ハワードよりも良心的な提案にひかれ、キャリコに作ってもらおうと決意する。 真面目な仕事人ローラ・トルティーヤから鉱石を購入する。山師仲間とのんびりと鉱石を掘る。 ・いたずらっ子集合 お金を稼ぐために犯罪をたくらむ一緒にいる鬼灯ポンとLuiの話を聞く。 ガンスミスのキャリコとLuiに銃を作ってもらう。 手持ちの金が足りなかったが、借金200$カスタムで名前HIROHIKOⅡを手に入れる。 借金返済のため配送業を請け負う。配送をBLACKWATERまで鬼灯ポンとLuiで行う。鬼灯ポンたちに墓荒らしトレジャーハントの方法を教える。保安官の通報がどのように行われているか確認もできた。 ・VALENTINE VALENTINEに立ち寄り、VALENTINEの伝統名物「泥んこ遊び」を行う…と運悪く重症を負う。ANNESBURGの保安官殺しの噂話を横目に、銀行に侵入する方法を見せる。 ANNESBURGに向かう道中、犯罪に手を染める準備できるかと問うと、二人はいい笑顔を返してくれた。 ANNESBURGには保安官志望の沖田春一郎と出会う。沖田保安官、と妙にしっくりくる。アジデス・ブラックは山師をやめようとしていたが、銃の作製まで頑張るといいと励ます。 [[ジェイムズ・サンダース から銀行強盗の噂話情報を引き出しつつ、明日に期待を含ませるのだった。 + 05/22 3日目「職安」開く 05/22 3日目「職安」 ・「職安」 まずは銀行強盗ができるのか、保安官の体制確認(墓荒らし)の確認を行いたいとANNESBURGからVALENTINEに向かう。 VALENTINEで銀行強盗ができるか確認する。すると、保安官の数は問題なかったようだが、ダイナマイトとマッチ(ライターじゃだめ)が必要だった。 マッチがどこで入手できるか考えながら、馬の装備を購入するため移動する。 馬の装備を整える。サドルバックに 見られてはまずいもの大事な物を入れる。 街に入ったら緊張感が走るような存在になりたいと、ギャングとして認識されたい意欲をのぞかせる。 BLACKWATERで、現実"頭皮"など世間話をしながら夜になるのを待ち、 墓荒らしトレジャーハンティングに勤しむ。 RHODESに立ち寄るが、炭鉱夫たちが行商人と値段交渉しているのを横目にSAINT DENISに向かう。 配送業に手こずる沖田春一郎を助ける。どうやら無事に保安官になったが、歪みが発生して制服に着替えられないらしい。故郷でも似たような仕事をしていたため保安官を志望したという。 U・フェイクマンに世界の状況を動かすため犯罪を行わないか?と……保安官の沖田春一郎の前で提案される。手を組む必要性は感じていないと断る。 フェイクマンに断りつつも、悪役になるかーと一人思案する。 ・電話の流儀 保安事務所などに電話が設置され、保安官以外も利用可能と説明を受ける。 早速、電話を試してみる。……1$かかるイタズラ電話が始まる。※別にいたずら電話まとめます。 鬼灯ポンを誘ってVALENTINEにむかう。 VALENTINEのガンスミスとANNESBURGの炭鉱夫が喧嘩してVALENTINEは資源が枯渇状況な話、キャリコさんがガンスミスを辞めると発言したこと、馬車強盗ができるようになったなどの世間話をする。 VALENTINEでシューティングゲームで発砲の通報が出て保安官のポルナレフ斉藤が駆け寄ってくる。ゲームで発砲していただけと納得して貰うが、やり取りに多少のへっぽこさを感じてしまうのだった。 ヴィクトルおじいちゃんがイタズラ電話をかけてないかと尋ねられているところに出くわす。どうやらイタズラ電話でおじいちゃんの名前が上がっているらしい。 VALENTINEで白々しく電話のかけ方を聞く。BLACKWATERにかけるがきれるRHODESにかける。 二人に立ち会って欲しかったが、残念なことに二人とも離れてしまい種明かし出来なかった。 調教師パブロ・リカソに馬を預ける。 鬼灯ポンにLui(ルイ)から電報が届き、ANNESBURGに向かう。 ・ド天然保安官の誕生立ち会い 髭が特徴的な大男、桂・ダゴーンに出会う。 彼は保安官の面接に来たというが、天然なのか会話がうまく噛み合わない。 初日だという桂・ダゴーンにANNESBURGの住人は色々と世話を焼いていく。 合間にイタズラ電話を仕掛ける。 [[ライジン署長 による桂ダゴーンの面接を聞く。 天然マイペース加減にANNESBURGの住人に 笑われ心配されつつ、保安官に任命される……が直後、桂ダゴーンがANNESBURGのシシリア医師を筋肉の使い方を誤って絞殺してしまう。保安官就任から殺害が早すぎて解雇されそうになる(よりにもよってANNESBURGの大事な医師)。 そんな新米保安官と友好を深め、ANNESBURG(別名RAINBOW WATER)の水を飲む方法などを教えるのだった。 ・お試し馬車強盗 何事もお試しで馬車強盗の手はずを準備し始める。 丁度良く、調教師から馬の調教が終わったと連絡を受けてRHODESに馬を受け取りに行く。 馬車強盗を企てていたサイモンと合流し、馬車強盗を試してみることにする。着替えるために立ち寄ったSAINT DENISの服屋でフェイクマン(アノニマ)と謎の男に出会う。 お互いの幸運を願いつつ別れる 馬車強盗の情報(ミッション受託)を聞き、場所はRHODESの北あたりに位置する場所であった。保安官が駆け付けた際の対応を軽く話しつつ、襲撃ポイントに急ぐ。 対象の馬車を発見し、心無きを銃で撃っていると保安官が駆け付けてくる。駆け付ける速さに驚きつつ、馬車にダイナマイトを仕掛け………爆破に手間取る。馬車を爆破できたが、火が強くなかなか近づけない。 もう一人の保安官が駆けよってくるのが見え、すぐさま馬を呼び寄せサイモンを乗せて逃げようとする。しかし投げ縄にサイモンが囚われてしまう。助けたかったが、人質を取られた状態では分が悪すぎるため逃走する。 ・再チャレンジ 釈放されたサイモンとBLACKWATERで再会する。4人で反省会を行う。 反省を活かしてもう一回馬車を襲撃したいと意気込む。 馬車強盗で馬が歪みにより負傷してしまう。嘆きつつも手際よく連携して進めて馬車強盗が成功する。保安官の来る兆しはなく、そのまま盗品を売り飛ばす。報酬はすべて罰金が科されたサイモンに渡す。 成功した反省会を行う。馬車強盗のうまみが少ないと感じる。ハイリスク・ハイリターンではない。ハイリターンになるよう神様に少し祈るのだった。 + 05/24 4日目「地道」開く 05/24 4日目「地道」 ・「地道」 上映外の探鉱で宝石が売れるようになり小金持ちになる。馬を復活させてから上映開始。 BLACKWATERのハワードに買い取ってもらいつつ、キャリコに240$の返済するお金が用意できた。 SAINT DENISに行く予定が、RHODESの配送業を選んていた。RHODESに向かう途中でルイとポン出会う。 ポンの運転にハラハラしつつRHODESの配送を完了し、もう乗りたくないとこぼすのだった。 キャリコへの借金は弟子のルイが預かってくれることになった。 RHODESの賑わいに驚いていると、事件があったらしい。ナチャーヒコルが美人局させてその相手が殺人を犯したようだった。 痴情のもつれ程度に話を流し、ルイから別の話題「保安官に強い恨みを持つ人が協力してくれ」という悪い保安官の話に興味持つ。 ・証拠不十分な馬車強盗容疑 談笑しつつ歩いていると、Johnny保安官から参考人として呼ばれる。3人で保安官事務所に入ると、閉じ込められ、昨日の馬車強盗の容疑をかけられる。 突然の切り出しに驚きつつ、なぜ容疑にかけられているか冷静に話を進めていく。 馬車強盗を起こして捕まえたサイモンが出した協力者は、同じ時間帯に別の場所で保安官に捕まってアリバイがあった。そして、その犯罪者からヤバッキオたちの名前が挙げられたため疑いをかけられているらしい。 MAGENT Aabinta署長も同席しつつ話が進められていく。 犯罪者の話を真に受けることや疑いだけで拘束された事の理不尽さに憤慨し、証言が弱い事や話のほつれ等で口論に勝ち、解放される。 ・ぶらり街散策 BLACKWATERでスジモンド・ヴェガス(缶詰おじさん、サーモンドバンデラス)に漁船をおすすめし、購入に立ち会う。 BG(馬車強盗)の場所を確認するが、わからずにVALENTINEに向かう。建物が少し透けている様子のおかしいVALENTINEで鬼ごっこする。 本日のイタズラ電話を行う。※参照:アーカイブ(ピックアップ)のイタズラ電話 ランダム配送を行ってみる(バンホーン) ランダム配送を続けて行う(STRAWBERRY) STRAWBERRYの川でポンが流される事故が発生。いっポン釣りで助ける。 そろそろ船が買えそうになるため、もう一踏ん張りとランダム配送でBLACKWATERからSAINT DENISを目指すが、強制瞑想に入ってしまい、ミッション失敗する。 この日は何度も強制瞑想に入ってしまうため、早めに就寝することになった。 + 05/25 5日目「購買」開く 05/25 5日目「購買」 ・「購買」 ルイから『ローズに来て』と電報が届き、SAINT DENIS経由でRHODESに向かう。 ダーティーワーク用(ギャングスター計画)に、船を購入したいと考える。 蒼羽快斗とポルナレフ斉藤、保安官に就任したエニーに出会う。 ・忙しい1日の始まり ガンスミスのキャリコから銃の相場について伺う。 ガンスミスの2人(キャリコとルイ)から話があると言われ、馬車で移動しSAINT DENISのキャリコの隠れ家バーで話を行う。 キャリコから保安官が銃のシリアルナンバーを調べまくろうとしている、また弾痕(撃たれた人)の血液サンプルとかで犯人の特定もできるようになるのではないかと話し始める。保安から弾薬サンプルもキャリコに渡されたようだ。 キャリコとしては銃のシリアルナンバーを消すサービスを行おうとしていることろだった(ただし300$かかる)。ガンスミスは表だって犯罪に与する販売は出来ないため、仲介役をしてくれないかというお願いだった。 ただ保安官がなぜそこまでしてシリアルナンバーを欲しているのかは不明。考えられるとすれば、エッグが人の銃で殺害した事件で、保安官が誰の銃だったか探していたくらい。 本当にシリアルナンバーを消す事業が必要なのか確認をする。罪として武器の押収をされるのは馬車強盗(重罪)だが現行犯逮捕が基本で、そこからの捜査は疑わしい人を炙り出して注視するくらいである。 犯罪時に銃痕から武器のシリアルナンバーから個人特定が判明することにはなっていない。 まーさかこの時代に魔法のような弾痕か弾丸からシリアルナンバーが特定できるような技術者がいるとは思えない!と笑い合う。 個人的には技術に頼らず地道な捜査をしてほしいと願う。 武器を奪ったらシリアルナンバーの変更もできるが、高額。 現状、白市民から銃を奪うのは恨みを買いすぎてしまう。今後、ギャング同士ならありえると考察する。 この話は、もう一人アノニマに話をしているらしい。 懸念する点は武器が売れないとガンスミスは食っていけない。そして犯罪するにも保安官の数も少なく、大半の白市民は生きるのに精一杯なスローライフ状態であること。 今はカスタムでガンスミスは生活している。シリアルナンバーや武器の転売はもっと先の話になると予想し、話は保留とする。 保安官への雑談になると時給77$の噂があり、馬も武器ダブルアクション、ライフルボルトアクション式も支給されている。 謎の技術に頼る前に自分たちで聞き込みや対策など捜査してほしいと呆れる。 ガンスミスのキャリコ、元炭鉱夫のサニー(今は耕作人)や元炭鉱夫たちがRHODESに移住したためとても賑わっているようだ。 ポンの心配をするルイからそばにいてほしいと頼まれるが、ポン自身が自分の身を守れるようにいけないこと、自分に仲間が増えて守らなくては行けないときポンより仲間を優先してしまうこと、もしくはポンが腹をくくる時が必要だと諭す。 ・密会 23時半に密会を行いたい人がいるとルイから相談され、了承する。まだ時間があると思い、その前に蒸気船を購入し、RHODESからBLACKWATERを目指す。 ラウラ署長に船を披露する。 「イコーネさん、いつも格好いいけど2割増で格好いい!」 ハワードから犯罪を考えているなら助言できるような意味深げなことを言われる。いやいや、全く考えてませんよ~と国営のガンスミスにしては不用心で不思議だと思いながら離れる。 密会の時間をルイが間違えていた。ルイを叱りつつ、急いで密会場所に向かう。 密会相手(ネタバレ)から保安官の恨みについて聞く。 保安官がたるんでいると考え、手伝ってやらんこともないと返答する。 また遭遇する機会が少ないだけで、犯罪は行われているらしい。確証は無いがマメコメ姉妹と、エッグ、ナチャーヒコルが繋がっているのではないかと推測される。 二万五千ドルの家を目標に共同貯金を開始する。 しばらくはRHODESに滞在することに決める。 エニー保安官が62歳と判明する。 アグネス・モモは保安官を辞めていた。 ポマードを手に入れ、街の男たちで遊ぶ。 本日のイタズラ電話を行う。※参照:アーカイブ(ピックアップ)のイタズラ電話 ポンとルイを乗せて船を楽しむ。 三人のテンションが上がりすぎてしまい、タイ〇ニックごっこしているうちに筋肉の暴走でポンが水死してしまう。 悲しみに暮れつつ、大いなる力によってポンの時間を巻き戻してもらう。 ・事件の香り BLACKWATERでラウラ署長にライフルを自慢される。 保安官にライフルが支給されたらしい。 むさしたちが事件を起こす噂を聞く。 断片的な話からRHODESで事件を起こすらしく、先回りして待ち伏せる。 アジデス・ブラックとルイ・ブラックが出会う。 ファミリーネームが同じことで遠い親戚なのかもしれないと思案する。 RHODESの保安官署長に男だけで風呂に行かないかと誘われて、近くの川辺に男だけで向かう。ばしゃばしゃと水辺で遊ぶ男たち。 署長から船に乗りたいと申し出があり快諾する…が、ムサシたちが犯行を起こすかもしれないため少し時間を待ってもらう。 なかなか現れず、世界が瞑想に入る30分前を切る。 もう今日は起こさないんじゃないかと諦め、RHODESから水辺の船に向かって移動しているとき、VALENTINE保安事務所からアノニマが推理ショーを始めるから来てくれと電話がかかってきたと話がでる。同じタイミングでルイから電報で「保安官とバレンタインに行ってくる」とメッセージが届く。 何か事件が起こっているようだと進路を変えてVALENTINEに向かう。 VALENTINEに到着すると、暗い表情をしたルイがいた。ポルナレフ斉藤から「ルイ殿は巻き込まれただけでござる。拙者といたから潔白でござる。」と端的に説明される。 ルイとポンから事件のあらましを聞く。 VALENTINEで人を銃殺して100$奪って逃げた殺人事件が発生していた。 目撃証言で、黒い服を着た女が「お前が銃を持っていないのが悪いんだ」と捨て台詞を吐いて逃げたらしい。 その情報を元にアノニマは「ガンスミスのルイである可能性が高い!」と推理してしまい、ルイが呼び出されたらしい。 ヤバッキオが街に到着するころには、ルイは潔白が証明され、加害者と被害者はなんと自作自演で事件を起こした事件だったと判明した。 犯人の目的は山師が鉱石がガンスミスに売れず、ガンスミスは銃が売れないからだと説明したため市民に危機感を持って銃が売れるように犯行を起こしたらしい。 もしも大勢の保安官が一緒にいない状況であったならばそのまま犯人にされていた可能性もあった。それだけ背格好を似せられて犯行を起こすとなると、本当の目的は「商売敵のガンスミスであるルイをつぶすこと」ではないかと考える。 BLACKWATERでハワードから犯罪の甘言をささやかれたこと…犯人たちがハワードの常連であること…会話などが繋がっていく。 そしてアノニマのへたくそな推理によって人伝な話は広がってしまっていく。それは伝言ゲームよりも複雑で、好奇心や憶測によって正しい情報がそぎ落とされていく。 よりにもよってルイに、俺たちの仲間に何者かが罪をかぶせようとした。 事件を起こした犯人よりももっと悪質な、背後に誘導もしくは指示した人物がいると考え、そして決意する。 ―――必ず落し前を付けさせる。 明日は事件の捜査を行う。 + 05/26 6日目「落前」開く 05/26 6日目「落前」 鉱山で一人、鉱石を掘っていたヤバッキオは本日の予定を語る。 昨日起こった殺人事件で、お世話になっているルイ・ブラックに殺人の濡れ衣が着せられそうになった。それを暴いて、落とし前をつけたい。 俺の仲間に手を出したやつは痛い目を見る、と思い知らせなければならないと決意を語る。 まずは聞き込み調査で情報収集を行う。 事件の詳細を知ってそうな人物は7人。 保安官ジョニー・ドッコム 保安官マジェンダ・アビンタ 保安官ポルナレフ斎藤 ステラ・ナナペチーノ メディック・シシリア ルベウス・アドマント アルセーヌ・ファウス まずはRHODESに常駐している保安官に情報を聞きに行く。 昨日何が起こったのか。 事件でなぜルイが疑われたのか。 RHODESに到着し、エニー保安官に他の保安官を見ていないか、そしてジョニーやアビンタの所在を聞くと、二人ともBLACKWATERに向かったらしい。 ・親方心 キャリコに鉄を買い取ってもらうと、キャリコから話があると連れられる。ルイ(弟子)が容疑者になった昨日の事件について訊かれる。 疑われたこと以上のことは事件について知らず、今から調査予定のことを話す。そして……推測としてある線を話す。 黒い服を着た女性が「おまえが銃を持っていないのが悪いんだ」と犯人の特徴がはっきりしていること。 これは特徴を誰かに罪をなすり付けようとした犯行ではないか。そしてその特徴に当てはまるルイが疑われたこと。 また事件発生前、ポンに「これから悪いことをするから手伝ってくれないか」と声をかけてきた連中に、ハワードがいた。 それらを踏まえると、ハワードは武器が売れないため裏で糸を引いていたのではないか、そして成功したならば商売敵のガンスミスが一人消えることを考えたのではないか。 聞き込みの結果が、もしそうであるならば誘拐して話を聞く予定と話す。 そのため保安官に聞き、情報の裏取りをする予定とキャリコに伝える。 キャリコから、情報として事件に居合わせたフェイクマンの話を始める。フェイクマンは推理をして犯人扱いしてしまったことにルイに謝りたいと保安官に伝えているらしい。……がまだ表れないようだ。 弟子として預かっている以上、独り立ちするまではしっかり面倒をみたい。 また弟子に対して「遊ぶなら別の顔を作りなさい(ガンスミスとは別の格好を覚えなさい)」とため息交じりにこぼすのだった。 フェイクマンはさて置き、もし誘拐するときに必要な人材を必要なため、手伝える人材がいれば紹介してほしい(報酬つき)とキャリコに尋ねる。 キャリコとしては2人良い候補いるが、日程によると返答される。今夜決行するという決意に、「もうすこしのんびりと、焦りすぎていないかい?」と心配されるのだった。 ・聞き込み調査 被害者の証言を聞けないか駆け回る。 船に乗りたいというエニー保安官だが、途中で仕事が入ってしまったらしい。狩人のリツカを船に誘う。道すがらリツカさんの狩人の夢を聞く。 前日に乗り捨てた場所のフィッシャー係留場所に停めた船が、なぜかブレイスウェイト係留場所に泊まっていることが判明する。少し道を引き返して船を確認する。 リツカと船に乗ってBLACKWATERを目指し、リツカはSTRAWBERRYに向かうと伝説の動物を狩るため駆け出し別れる。 BLACKWATERで事件にかかわったであろう保安官の行方を尋ねるが見当たらない。 各地域の保安官事務所に電話をかけて、保安官がいるか確認しようと電話をかける。RHODESは不通。VALENTINEはエニー保安官に繋がったが周りにはポルナレフ斉藤保安官しかいないと告げられる。もう一度RHODESに電話をかけるとジョニーに繋がり、事件の詳細を聞きたいと告げて再度船でRHODESに向かう。 ・調査難航 マゼンタ保安官に世話になっているルイが疑われた事件の話を聞きたいと尋ねる。マゼンタ保安官は事件未解決な点と、ルイの潔白は証明されており疑いをかけたやつも謝りたいと反省している。そして捜査内容は保安官同士でしか共有できないと断られる。 ルイに出会い、事件に関わった内容を聞く。 かなりうる覚えで、レスバナナ?という女が殺されたときに黒い服の女がいたということで疑いをかけられたらしい。 この話はフェイクマンから聞いたそうだ。 ひとまず殺された本人に話を伺いたいと、誰が被害者で「黒い女」と証言したのか聞き込みを続ける。 ルイとポンはBLACKWATERに遊びに行くらしく見送る。 協力者(ネタバレ)に電報で情報収集を依頼する。 フェイクマンにも聞き取りを行いたいと考え、電話を各地にかけるがANNESBURGもVALENTINEも電話がつながらない。 キャリコもガンスミスの会議でBLACKWATERに向かうというため見送る。 BLACKWATERにも電話してみるが誰も出ない。 再度VALENTINEに電話してみるが…不在となんとも今日は運が悪いらしい。 仕方なしに、BLACKWATERに向かうことにする。 色々と聞き込みをした中で出てきた内容も、各証言の矛盾点からやはり商売敵の線が濃いんじゃないかと疑念を強くする。 ・いつものじゃれつき 雪が舞い始めたため冬用のコートを買う。 BLACKWATERでポンとルイに出会い、街中で鬼ごっこをする。 鬼ごっこにも飽きて、3人でランダム配送をVALENTINEまで行おうとするが、強制瞑想で失敗する。 ・深まる疑念 VALENTINEで医師のシシリアに事件の話を聞く。しかし、おかしな点だらけのため、もしやシシリアも犯行グループの仲間だったのではと、新たに疑念が増える。 協力者(ネタバレ)から保安官情報として仕入れた事件の話を聞く。 保安官側で事件の実行犯として認識しているのは4人。女性3人の男性1人。 ステラ・ナナペチーノ トキシクナ・ムサーシー クライス(殺された人)?るべうす? ニックジャガー 男が殺されて100$奪われたけど、それは犯行側とグルだと自作自演の銃殺事件ですと犯人側が吐いたらしい。 理由として炭鉱で山師が掘ってガンスミスに渡しても、ガンスミスが銃が売れないから在庫が余ってきている。こういう事件を起こしたらみんな銃を買い求めるんじゃないか。そうすれば山師も儲かる、ガンスミスも儲かるという犯行目的があったらしい。 ちなみに犯行役はムサーシーで黒い服を着たらしい。 ニックジャガーとデートしたポンから聞いた話。 ガンスミスが銃売れない、儲けないから鉱石も買い取りが低いからと同じようなことを言っていた。 それならガンスミスも関係あるの?と聞くと否定されたようだった。 補足として、保安官事務所で探偵ごっこすると息巻いたのが、フェイクマンとシシリアだったらしい。 相手もガンスミスのためか、確信のある情報が得られない。 犯行を起こしたグループが武器が売れないからで動くとは思えない。 だからこそ、ハワードが繋がっているかいないか確認したい 。 最終手段、ハワードに銃を突きつけて、話を聞きたい。 ただ1人では暴れられたときに対処できないため、誘導する場所に一人待機してほしい。変装して名前も隠し、捕まらなければバレないだろうということで、協力者(ネタバレ)が危険を冒して加わってくれることになった。 ガンスミスの会議後にやりたいと計画を動かす。 シシリアが保安官のポルナレフ斉藤に事件の被害者を知りたがっていると伝えたらしく、ルベウスさんという人が被害者だったことを告げられる。 やはり、BLACKWATERにたむろしている連中だとわかり、さらに疑念が深まる。 ・事件の真相に近づけ BLACKWATERに向かう。 ルイに事件が解決したら、黒い服の女性に変装していたムサーシーに報復していいか尋ねられ、短絡的な考えを諭す。一次の感情でガンスミスの立場を危うくするな、今後のチームに影響を及ぼすことを考えて行動するようになだめる。 そして今回の件はルイ達は関わらないよう、遊んでいなさいと伝える。 ハワードの姿を確認する。 BLACKWATERの外れの建物に協力者(ネタバレ)に待機して貰う。 NICOLE WISTERIAと話していたハワードを連れ出す。 ガンスミスの会議の話を聞きつつ、外れへと誘導する。 「動くな」 ハワードに銃を突きつけ、YES/NOと答えるように前置きをして尋問を始める。 今から上げる人物と関わりがあるか まずはステラ・ナナペチーノ 『はい』 ニック・ジャガー 『…どうなんだろう、いたという感じ』 ルベウス・アドマント 『はい』 トキシクナ・ムサーシー 『YES』 アルセーヌ・ファースト 『?…NO』 アンリアル・フェイクマン 『一瞬でも喋ったことがあるならYESですよね?それならYES』 ガンスミスとして困っていることをそいつ等に話したか 『YES』 そいつらに悪知恵を貸したか 『…悪知恵というか、犯罪者が増えたほうがみんなが銃を買いたくなるのではと考えを話した』 それは貸したになるのでは…? 『それは…でも会う人全員に話している話なんで』 昨日の夜2時頃、ルベウス・アドマントが殺されたという事件があった 何者かに銃殺されて、そいつは「おまえが武器を持っていないのが悪いんだ」と捨て台詞を吐いて100$抜いた黒い服を着た女性がいたそうだ この話を知っていたか? 『いやーRHODESで事件があったことはきいたんですけどね、そんな細かい話は聞いてないですね』 その事件がRHODESで起きたとは言っていないが、なぜRHODESだと思った? 『RHODESで黒い服のやつが暴れたという話で、ルベウスアドマントであるかとかは知らないです』 ルベウスアドマントは被害者だ 『そうですね、襲われたってうっすら聞きました』 誰から聞いたんだ 『誰だっけ…あっ!ステラだ』 この4人と結託していなければ問題ないだか、もし結託しているようなら容赦はしない。 『ルベウスとムサーシーは山師で僕のところまでわざわざ持ってきてる山師なだけです』 問答を続けていく中で、変装とは一言も言っていないはずが黒い服に変装したと話始めるハワードに疑問を持ち追及する。 それに対してハワードは、墓掘りに行く人で黒い服に変装してから行く人が多いからそう捉えたと主張する。 ―――「手を上げろ」 ラウラ保安官が銃口を向けて乱入してくる。 緊迫の中、協力者の二人作戦が功を奏す。 ラウラ保安官は銃を仕舞い、話を聞きたいと経緯を聞かれる。 事実が知りたくてハワードに話を聞いていると答える。 ちょうどいいので、ラウラ保安官署長から昨日の事件の話を聞くことにする。 ラウラ保安官曰く、バレンタインで起こった銃殺事件は自作自演でお咎めなしで釈放されていた。いくら自作自演でも人の命が軽視されすぎているので罰則は必要だと思ったが、別のものが対応で厳重注意でことを納めてしまった。 最後にハワードに協力したか確認するが、本当にないと主張される。 質問を切り上げて馬で逃げる。 ・職質逃亡 逃亡をしつつ、協力者と話をしていると、保安官のマジェンダ、ドロシーに声をかけられてしまう。 保安官が馬を降りたタイミングで逃げるが、馬の体力がなく川で上流に向かって逃げようとするが、転倒し流される。 協力者とはぐれ、保安官とのどきどきのかくれんぼが始まる。 巻いたと確認し、エメラルド牧場で仲間を待つことにする。 尋問時にハワードが事件場所をRHODESと言ったことで、黒寄りのグレーと考察する。相手方の出方も伺いながら楽しそうにこれからどうなっていくか独り言ちる。 ・深まる事件の謎 仲間を待つが、暇でRHODESまで偵察に向かう。 運良く街中を抜けて配送ミッションを達成する。 身を潜めながらキャリコに現状報告を行う。 ハワードは最後まで関係者とは知り合いではあるけども俺は関わっていない、ガンスミスの苦しい現状はみんなに言っていると主張された。 ただ気になる点がいくつかあり、黒めに思っていると話す。 ひとつめ、 VALENTINEで事件が起きたのに、ハワードはRHODESで事件が起きたとステラナナペチーノから聞いたと答えたこと。 推測、RHODESで事件を起こそうとしたが何らかの理由(保安官が多かったなど)で計画を変更してVALENTINEで犯行を行ったのではないか。 そして計画しか知らなかったハワードはRHODESと答えたのではないか。 ふたつめ、 犯人が女性という不審点。 女性で黒い服という特定の人に向けるような事件の犯人像は、ルイに向けたんじゃないかと問い詰めたが、初日以外面識がないと答えられた。 ガンスミス全体を考えて動くよりも、特定の誰かに罪をなすりつけるようなことを、もしそういう意図があるのだとしたら今度は動くぞと忠告してきた。 逃げる途中にマジェンタ保安官とドロシー保安官に撃たれながら協力者とはぐれてしまったため、これから合流予定と締めくくる。 ガンスミスの会議状況をきくが、あまり芳しくないようだった。 キャリコから別件で、もしもチビたちが野菜泥棒をしようと企んでいたら止めてほしいとお願いされる。 農作物が盗まれたらしく、農家がぴりぴりしているらしい。 ・仲間を守るため SAINT DENISに向かうと3人がすでに待っていた。 協力者が保安官側にバレてないことを確認し、安堵を漏らす。 自身が指名手配されるとしたら「脅迫」「職務執行妨害」くらいの罪であるため、協力者が捕まる方が今後に支障が出るとこぼす。 協力者はBLACKWATERで保安官会議に呼ばれているため着替えて向かうといって離れる。 ルイとポンに話をする。 ハワードは関わっていないというが、かなり計画について知っていたのではないかと伝える。 ルイとポンは止めていたけど止められなくてごめんねと言われ、どういうことか確認する。 初っ端から女性(ニコル)が「ハワードさんが遠くに連れて行かれた!保安官を呼ばないと!」と走り回っていたから引き止めていたらしい。 それでポンとルイは詰められていたらしい。 今回、俺は仲間を守るために行動する。 きっと明日から指名手配になるが、相手にもしっかりと落し前をつけさせようと誓うと、ルイが涙ぐむ。 涙ぐむルイに動揺しつつ、その日は解散し、眠るのだった。 + 05/27 7日目「正義」開く 05/27 7日目「正義」 ANNESBURGで目覚める。 いろんなことに決着をつけたいと考え、今日はおそらくいろんなことが起こりそうだと予感する。 イコーネ・ヤバッキオの正義とはなんなのか。 公務執行妨害などでしょっ引かれるかもしれないが、理論整然と話をするだけだと悠然と構える。 ただ現状の情報確認(指名手配されているか)を行いたいと考え、まずは協力者に電報を送る。 RHODESの船着き場付近の屋敷で釣りをしながら待ち合わせする。 ・協力者 協力者の服装の変わりように驚く。 あの後、保安官会議に赴いた協力者は、保安官に尋問されてクビされたと話し始めた。 勤務態度を建前にしてクビにされたが、件のガンスミス脅迫事件の容疑者で実質状況判断でクビにされたと思われる。 口を割らず証拠不十分で問題ないはずだった。しかし、保安官側から信用を得られず、所轄の勤務地にいないという職務怠慢を理由に解雇されたそうだ。 その場にいた保安官はラウラ、アビンタ、ジョニー、ナムディ、ドロシーそれから市長に詰められていたらしい。 やはり脅迫のときに連れて行くべきではなかったと反省し、協力者に謝罪をする。 これからどうするつもりか尋ねる。 協力者改め、エニーアブルッチは「白市民に対して保安官の対応について訴えかける」演説を行う予定と、更に保安官に対して正義感を燃やしていた。 念のためポンとルイに関して話題でなかった確認をすると、聞かれなかったらしい。また指名手配の状況は聞き出せなかったらしい。 次の行動として、自首するのもいいのではないかと勧められるが、保安官に保安官の仕事をしてほしい願望もこぼす。 エニーは保安官が白市民に対してしっかりと働きいてほしい、そうでなければ白市民に不信感を持ってほしいようだ。 話は自作自演事件と脅迫時に判明した事実について、実行犯とハワードは繋がっていると考察する。 ラウラ署長の介入で聞き出せてしまった、保安官が自作自演事件を許してしまっていることにも納得できていない。 もし自分たちの利己で事件を起こすのであれば、誰かにヘイト(的が絞れる)が向くような格好は避けるのではないか。 黒い服の女性と指定することで、連想するのは限られてくる。 今日はそこを詰めたい、そうすれば保安官も再捜査するのではないか。 あと気になるのはVALENTINEで起きた事件なのに、RHODESで起きたとハワードが言ったこと この事件を聞いたのはステラナナペチーノの名前が挙がったが、その人物は実行犯グループのメンバーであり、場所もVALENTINEで起こしたことをRHODESで誤認するはずがない。 実行場所を変更したのは保安官が多かったからではないか。 実際、事件直前のRHODESでステラがニックジャガーを探していた。 それはやはり計画を立てた側にいたのではないかと考えるのであった。 もう誰かに容疑をかけようとした意図があったとしか思えない。 エニーと共に、それについての落とし前をつけてもらうと闘志を燃やす。 エニーは演説を行うと今日は各地を歩くと言い、今日接触を少なくしようとお互いの健闘を祈って解散する。 このままRHODESに向かうか、と向かうとRHODESに保安官がいなかった。 職務怠慢でクビにされたエニーに同情する。 ・取り調べ アビンタ署長に「昨日、なぜ静止命令を無視した」と声をかけられる。 何も抵抗しないと色々話そうと自ら保安官所に赴く。 アビンタ署長は律儀に鍵を閉めるがいいかと確認をとりつつも、昨日の件について取り調べが始まる。 先に昨日のことで指名手配かけられていないらしい。 拍子抜けしつつ、アビンタ保安官に自身の犯行理由を伝える。 アビンタ署長は犯行理由について納得しつつ、次に事件を起こしたら容赦しないと警告される。 それがお前の正義だろう、俺の信念に従って正義を貫くと返す。 お互いに正義について語る。 ・初の観光列車旅 鉄道員スカイハートマンに汽車でVALENTINEまで移動する。 保安官を撃ったという誤情報が回っているため、どんな反応になるか楽しみにする。 VALENTINEでアノニマとセンリウー、シシリアなど…泥んこ遊びに興じる。 ドラゴやアンナに商人の状況をきくと今も忙しく飛び回っているようだ。 突如、VALENTINEで銃声が鳴り響く。明日の射撃大会(レオンスターク主催)のため練習する人がいるため今日は銃声が多いようだ。 ちなみにドラゴと、マジェンタ保安官が好成績らしい。 SAINT DENISに観光列車が出る話をきき、リツカとシシリアとSAINT DENISに向かう。シシリアに本気で捕まらないよう心配される。 シオンに観光列車代を払う。 初めてニックジャガーに出会う。 観光列車に乗り、途中エニーが悲鳴を上げて転落する事故等を目撃しつつ、絶景に感動する。 ポンと合流し、RHODESに戻ってくる。 リツカとポンで船でBLACKWATERに向かう。 (ヤバッキオウォーターパラダイス(ださい)) マメコメがまた悪巧みをしているらしい SAINT DENISでなにか起こるかもしれないと見学にいくことにする。 その他、悪いことをしそうな人物を挙げていくエッグマンやサイモン、フェイクマン……それから野菜泥棒の犯人情報を知っていたら500$と、民事バウンティが発生しているらしい。 RHODESで保安官にSAINT DENISで事件が起こるかもしれないと伝える。 サニーモンタナにモモ窃盗(野菜泥棒)の内容を聞く。 初めて窃盗の詳細を聞き、内容に驚きを隠せない。 サニーたちは1日商人に200個まで卸して約200$を従業員5人でようやく分けている状況で、無秩序に市場に400個も流されてしまうと、市場価値が乱れるのを心配しているようだ。 今日はキャリコにもルイにも会わないなぁとこぼす。 ・ガンスミス経済 キャリコに話を聞く ルイの状況を話される。 BLACKWATERにいただけで、真っ黒として次はないと保安官に勧告された。 そしてキャリコは保安官に疑わしいやつを雇っているのは危険ではないかと暗に解雇を勧められて、泣く泣く表向き円満退職でルイを解雇した。そして今後、後ろめたいことをする奴にはルイを通すようお願いしてあるようだ。 店に顔出すときは顔と名前を変えて来いと伝えたが……全然伝わってないようなのでもう一度伝えるらしい。 当座の後ろ向きの受付としてはSAINT DENISの武器屋の上に構えろという話でまとまっている。 またキャリコが今日舞い込んできた噂話を相談される。 「山師たちがガンスミスが鉄余っていて買わない」「キャリコさんは安く買い叩いて販売しているからたらふく蓄えている」「他のガンスミスも安く買い叩いているが、私のところに来れば高めに買い取る」という噂話が出回っていると、VALENTINEのレオンから聞かされたらしい。 その噂話に慌てて炭鉱山ANNESBURGに顔を出して話を聞いてその場にいる山師に噂の否定と「売ってください」とお願いをしてきた。 また昨日のガンスミスの会議内容もひどかった。 ハワードの提案として、商人が発注制で届けてくれるのであれば販売価格を均一に合わせないかという内容。そうすれば(一番コストがかかるところに経費を合わせられ)販売する銃をどこに行っても同じ価格で買えるようにできる。 レオンさんが反論で、販売価格差があってもいいのではないかと応じなかった。 ガンスミス間で決まっていたのは、原価に対して国から言われている利益率を基準で運用している。そこを統一させる必要性があまりない。 レオンが折れてくれないからか、ハワードがスコープ等をクソ安く売るぞと脅しを入れたらしい。ただ普通に国に怒られる発言でキャリコは大丈夫か心配になってしまったようだ。 昨日の会議の直後にヤバッキオが脅したことが効いたのではないか。今日、マジェンタ保安官に説明するまではヤバッキオとエニーとルイとポンに黒く見られていたぱず。おそらくハワードはヤバッキオの周りにいるやつはヤバイ奴として、保安官や町の白市民がヘイトを向いているうちに噂話を吹聴したのではないか。 ガンスミスの会議様子と、噂話の速さからそう考察する二人。 ハワードに弟子がついたらしい。 それから一般市民にもライフルが解禁になる話があるようだ。 その話的に鉄のインゴットを手持ちに一番持っているガンスミスがライフルをたくさん作ってくれて売れるだろう。 鉄の供給と需要があっていない中、高めに買いますよという噂や、競合他社の風評被害もある中で一番特をするのはだれかと考えたらハワードになる。 どこまであっているかわからないが ハワードの矛盾点として、 銃が売れず、鉄が買い取れないと言う割には鉄のレートを上げて買い取るというのはおかしい。 本当は金を持っているのではないか。 ライフル解禁の販売スタートダッシュで差をつけるためにライバルを減らす動きをしているのではないか。 それで効果がないとわかればまた同じように誰かに罪をなすりつけるような動きをするだろうと予想する。 その時は俺の正義の範疇で動くとキャリコに宣言する。 ただ今回、ルイはガンスミスの職を追われているためまだ終われない。 ガンスミスの経済戦争に関われないことに歯がゆさをこぼすと、キャリコは専属山師として動いてくれても歓迎だよとニッコリしてくれる。 提案としてヤバッキオが炭鉱に籠もりながら他の山師から買い付けて、キャリコに持っていく 話もする。 SAINT DENISに人が多くて驚く中、ポンとルイと合流する。 ルイからANNESBURGでRHODESは鉄が安くて有名の話が出回っていると話される。キャリコとしては否定しに行ったが遅かったかと項垂れる。 今回はやられてしまったが、借りの返し方はいくらでもある。 また撃つこともあるかもしれない。ルイとポンは口が回らないから矢面に立つなと、今は我慢しろと言い聞かせる。 もし行動するとしたら人数不足な部分がある…とこぼしているとサイモンに出会い、事件の話をする。二つ返事で、もしもの場合は力を貸してくれると言われる。 今回のルイがガンスミスとして職を追われてしまったことを まずは耐えろとルイに伝える。そしてルイへの謝罪をする。 別件でエッグは麻薬売買を始めて、マメコメを使っているらしい。 エニーに情報共有する。 エニーは明日21時から演説をVALENTINEで行うらしい。 そのまま22時から射撃大会があるためちょうどいいと納得する(エニーは設定したあとに知ったらしく苦笑い)。 ルイの現状を伝えると、衝撃のあまり声を無くす。 エニーは絶対勝とうと決意を声を震わせながらつぶやくのだった。 ガンスミスの経済戦争に突入する。 + 05/28 8日目「大会」開く 05/28 8日目「大会」 ANNESBURGで山師の一仕事を終え、21時までにVALENTINEに向かいたいと急ぐ(電報は無視する)。 エニーの演説を見届けたい。そして22時から射撃大会で優勝はドラコだろうとあたりをつける。 また国の御触れで会社が設立できるようになったらしい。 VALENTINEに到着すると、たくさんの人がエニーの話を聞きに集まっていた。演説前にポルナレフ斉藤と雑談していると、発砲事件があったらしく離れる。 ・元保安官のエニー大演説 エニーの演説が始まる。 保安官について語る前に、退役軍人としてこの国に来てまずは賞金稼ぎとして人助けを行っていたところから保安官になった理由を話す。 そして今回クビになった理由は、職務怠慢という理由だった。だが、他の保安官の中にもギャンブルに興じるものや、危険な地帯よりも街の軽犯罪に銃を向ける始末なのにそいつらは許されている。 おそらく職務怠慢だけでなく、タイミング良く、ある事件が絡んでいると考えを伝える。それは確実な証拠なく、状況だけで俺を疑ったようだった。 今回はそれを聞いて保安官に不信感を持ってほしいわけでなく、そういう事実があるということを伝えたかったと話をする。 突然、エニーが倒れる。 銃声ではなかったため、弓矢で撃たれたらしい。 教会の上に保安官の格好した人がいたという証言がでつつ、ポルナレフ斉藤が、別の保安官に見張りを頼んだだけと弁明する。 その見張りからサイモンが撃つのを見たと証言が出る。 保安官たちは自作自演と話し、解散を促される。 どういったところで自作自演と判断したのか追求すると、ポルナレフ斉藤からまずエニーとサイモンが演説前に一緒にいたからと話される。それはエニーの演説を聞いていたのかと問いかける。エニーはパッと見の状況だけで、調べずに捕まえるのは問題があるんじゃないかと伝えたかったのではないのか。他の市民からも決めつけが早くないかと疑問視する。 別に結果としてサイモンとエニーの自作自演だとしても、証拠がない状態でそれを言ってしまうのは市民にとって不信感に繋がる。間違ってないがやり方だと伝える。 署長が「この街で殺人を犯すやつは縛り首だ!!」と激昂している。 まずはサイモンを捕まえる判断をしようと署長を説得するポルナレフ斉藤。その流れで自作自演と疑われたことにエニーがキレる。 間に立ってまずは落ち着いて話を整理しようと促し、ポルナレフ斉藤とエニーは謝罪し合う。 エイブラムス署長(保安官)は双眼鏡で教会の上で見ていたらサイモンが撃ったのを確認したが、素早く逃げられてしまった。 そしてエイブラムスは「VALENTINEで問題を起こすな!サイモンを捕まえてこの町の絞首台に立たせてやる!」と息巻く。 市民は保安官の熱量に圧倒されて解散する。 包帯をシシリアから購入していると、シシリアが死亡通知で「サイモン」の名前が挙がり治療しに向かっていく。 サイモンが捕まったらしいと話が上がる……が、ガンスミスのレオンの弟子(ラビット)を人質にしようとして逆にレオンに返り討ちされたらしい。 そしてサイモンをどこかに運んでいったと目撃情報が寄せられる。保安官事務所に運び込まれていないため、どこに行ったんだと皆で探し始める。 ポルナレフ斉藤はだいぶ気を落とし、励ましているところにサイモンの追加情報が入る。なんとレオンがサイモンを川に流したらしい。 サイモンの身の振り方を案じていると、サイモンを抱えたシシリアとすれ違う。サイモンに助けてくれ!と懇願されるが微笑み見送る。 そうして彼はあっけなく捕まったのだった。 ・VALENTINE第一回射撃大会 連続で様々な事件が発生したが、射撃大会の説明を受ける。 集まった人の中に自作自演の犯行グループのニック・ジャガーを見かける。ルイは謝罪がないと憤慨する。そして実行犯の奴らと顔を合わせたくないと街を離れる。 ルイの気持ちも考えつつ、実行犯も謝りたくても謝れない状況ではないかと思案する。 射撃大会が始まり、わいわいと賑やかに盛り上がっていく。 ・ライフルの一般販売前 まだ大会開催の時間があるため、その間に配送しようと考える。 街を離れようとするとキャリコから話があると声を掛けられる。キャリコはハマルも呼び、馬車移動しながら物騒になっていく現状を憂う話をする。 機嫌の悪いスジモンドヴェガス(缶詰おじさん)が現れる。 彼はニックジャガーに殺され、さらに賞金稼ぎをクビになったらしい。詳しい話を聞くため缶詰購入の話を持ち掛けつつ、経緯を伺う。だが単純にニックジャガーが殺されて警告の意味を込めて一発発砲したら保安官に逮捕されて職剥奪されたらしい。 手元にある缶詰を売ってもらい、その代金でブラックジャックをするが負けてしまったようで飛び出していくのであった。 一連の流れに笑いつつ、ニックジャガーのやばさを共有する。もしかしてら桃泥棒も…?と猟奇的な彼女の行動に警戒するのだった。 今は白市民として犯罪を犯さずに経済戦争で勝つ、と皆の目標意識を統一させる。 また悩みの種として自分たちに野菜泥棒の嫌疑もかかっているらしい。 保安官を首になったタイミングでサニーはエニーを疑っていた。一応、エニーがサニーに直接話をして演説のことを含めて疑いを薄めてくれたようだ。 今後の行動として、SAINT DENISの武器屋2階の準備も進めたい。 そして俺達は自分たちの道理と正義に基づいて悪にもなれる キャリコからライフル解禁日は日付は言えないが、かなり近い日だと伝えられる。また明日から上質鉄を100個程度必要だと考えていると共有される。 キャリコに鉄を売る(商人よりも安い買取価格だが)ことで、キャリコに鉄を集めようと山師たちは鉄を掘ることで応援しようと考えた。 ふと気が付くと、射撃大会の最終時刻5分前で泣く泣く再チャレンジをあきらめるのだった。 ・鉄の行方 早速、ANNESBURGで鉄をポンと共に掘りに行く。 鉱山にルベウス(上映外)と出会い、鉄インゴットを買い取ると伝えるが、商人に1500卸す約束をしていると断られる。 頑張ってくれと穴に戻る彼を励ましつつ、思案する。その鉄の量はライフル1本に必要な数で、なぜその数がするっと出てきたのか。本当に商人のドラコかアンナに渡しているか。事実確認を行う必要性が発生する。 同じく鉱山でサイモンに出くわし、鉄の卸先について話を聞く。 サイモンは鉄のほとんどをドラコに卸しているという。ただ商人がいないこともあるのでその時は旅をしながら三人のガンスミスに均等になるよう売っているらしい(小悪党なのに平等で律儀)。 ドラコに買いたいものがあると電報を出してひとまずRHODESに向かう。 途中、盗賊に襲われていたアシデスブラックを拾う。 漁業会社が立ち上がる話があり、ライスウォーターに会いたいらしい。 忙しそうにしているキャリコに商人に買えているか確認すると、気を使ってあまり買ってないらしい。 また後で話そうと一旦別れる。 国からの電報で船の修理が完了したため、BLACKWATERに向かうことにする。 BLACKWATERで国に出した船の修理を受け取る。 船の名はノーチラス号。おそらくこの世界で一番最初に蒸気船を買ったのは俺だと豪語する。 服屋にハワードらしき人影を見て、ポンに偵察に行かせる。 ノアシルバーとハワードさんが弟子の着替えを待っているところだったらしい。 何度か電報の行き違いが発生しつつ、商人ドラコが待っててくれているVALENTINEに急いで向かう。 アグネスモモは世界を転々と旅しているらしい。 途中、ヴィクトルシュタインと馬車が衝突し、なんと盗賊に襲撃されて死んでしまう。医者を待つというシュタイン爺を残し、VALENTINEに向かう。 ドラコと話ができる。 鉱石を山師から買い取っているが、最低限の在庫のみ抱えているようだ。ガンスミスから発注があればすぐに卸せるぐらいのつもりらしい。 もうすこし踏み込んで誰がどのくらい買っているか聞くが、顧客情報だと濁されてしまう。 VALENTINEのレオン(ガンスミス)に話をきく まずは射撃大会の主催をねぎらう。射撃大会の結果はドラゴ735ポイント,サニー745ポイントで、優勝サニーだったそうだ。 レオンさんは仲の良い山師を優先的に購入しているため、商人には200個ほど発注しているらしい。 鉱山でルベウスと話した数にズレがあると疑問を抱く。 もしやドラコもハワードに肩入れしているのかと不安視する。 もう一度、ルイたちと合流する。 ルイはサイモンから『明日の21時にVALENTINEに近づかないでね、抗争に巻き込まれるかも』という電報が届いた。 エニーはキャリコからの伝言を預かっていたため内容を確認する。商人として在庫として鉄のインゴットを貯めているらしい。 ただ数に大きな差がある。今後、多少ドラコの動きに注意するようにしようと話し合う。 ガンスミスを表向きクビになったルイが暇だと嘆く。 ヴィクトルから馬の蹄の手入れの仕方を聞かれる。調教師から道具が購入可能になった事実に驚きつつ手入れの仕方について説明する。 またヴィクトルから悪いことしているなら混ぜてほしいようなことを聞かれる。否定しつつなぜ悪いことに興味があるのか聞くと、カジノ経営に興味があるらしい。少しアノニマに手伝ってもらっているようだった。 もしアノニマとうまくいかないようならば手を貸すと伝え別れる。 そしてさっそく調教師パブロから蹄研ぎを購入する。 船の合鍵をポンとルイに渡したかったが、今は渡せないようだった。 ジャックダニエルが山師の組合で自警団を作りたいという噂も聞く。一度話をしてみようと相談し、エニーに託す。 明日以降も情報の裏撮りをしつつ、山師として鉄を掘る決意をするのだった。 + 05/29 9日目「平素」開く 05/29 9日目「平素」 今日もANNESBURGから始まる。 上映外で1500個の鉄鉱石を掘ったと妖精に成果を自慢するのだった。 タナクスユーシャ(医者ANNESBURG) タチバナホリス(医者RHODES) プリンセスベリー(キャリコの弟子) オルタサクリファイス(医者ANNESBURG) に出会い雑談する。 蒼羽の話が上がる。蒼羽という男はタチバナホリスに粘着気味らしい。ストーカーにはどうすれば撃退できるか相談しながら、3人とともにRHODESを目指す。 本日の予定を話す。基本的にはチルデーとし、一つだけキャリコにガンスミス経済戦争の何を持って勝利とするか確認したいとこぼす。 ・経済戦争の決着点確認 キャリコがRHODESに帰ってきて話をする。 経済戦争の勝ちの基準は、キャリコとして何本売れたか、売上の単純明快な決着をつけたいと話が出る。 ヤバッキオとして今回、ルイの一件もあるため、圧倒的な差をつけて勝利した。そして決着としてハワードからライフルを購入して最後「事件に関わってないのか」確認し返答によっては撃って終わると決意を話す。 前回のガンスミス会議では、ハワード10〜15本前後、レオン3〜5本売れていると出たらしい。 レオンは「VALENTINEでは人が立ち寄るがすぐにまた別の場所に行ってしまう街で固定客がつかない」と頭を悩ませているようだ。 そしてキャリコは18本くらい売れていたためハワードといい勝負。 キャリコの価格設定は地元に優しい価格帯を目指していることもあり、今回のライフルも1580$で考えているようだ。最強のライフルでも2000$あれば買えるように準備を進めたいと意気込んでいる。 別件で、ヤバッキオたちの中で、サイモンの立ち位置を聞かれる。 正直にサイモンとの関わりは薄いと返答する。 キャリコはもしかすると最近発生している山師狩りはヤツではないかと疑っているようだ。 最近のサイモンの動きはやたら反感を買う行動が多い。キャリコの不安として、サイモンが仲間だとしたら方々にやばくないかと心配してくれたようだ。 再度自分の正義について話す。 自分たちの仲間に間接的にでも危害を加えた場合や、道理に反したやつに対して何かやる。それに対しての犯罪の有無は厭わない心構えで、無闇に人を傷つけることはないと宣言する。 サイモンは情報交換や時折悪いことに付き合うくらいで、常に一緒にいるわけではないと安心させる。 サイモンがVALENTINEで事件を起こす理由をキャリコに話していたらしい。 ちょうど21時頃に行うと話していたといったところで時刻を見ると21時を回っていた。急いで二人でVALENTINEに向かう。 静けさにあるVALENTINEでエッグギャンブラスに出会う。 サイモンがレオンにぶち殺されたらしい(返り討ちか?)その状況をエニーと蒼羽は屋根上で実況解説をしていたようだ 1 00 00-?あたり? 簡単にエニーからあらましを聞く。 昨日、エニーが撃たれたあとにサイモンとレオンの間にいざこざがあった。 それはレオンの弟子ピーターに手を出そうとして返り討ちにあった件。その後、その報復でサイモンがピーターを川に流したそうだ。そして更にそれの因縁でレオンは先ほどサイモンを殺したそうだ。 ただ、別の要件でサイモンはVALENTINEに訪れたようで、本来やりたかったこととは異なるらしい。噂によるとマメコメ姉妹とやり合うつもりだったのではないかと締めくくられる。 サイモンは因縁製造機か、と皆で呆れる。 サイモンが暴れ終わって(?)いるなら仕方ないとRHODESに戻る。 エニーからアノニマがもしかすると俺たちと衝突するかもしれないという情報が入る。いつも行動をともにしているメンバーに、サイモンだと勘違いされているらしい。そしてアノニマの仲間が、アノニマの眼の前でサイモンに襲われたそうだ。今のところアノニマの構成員はセンリーしかわかっていない。 また今日もカツアゲ騒ぎ(山師狩り)がBLACKWATERであったらしい、もしかするとアノニマの一味かもしれないため気を付けようと話す。 アノニマたちはカジノ船のために資金をためているようだ。 共同口座の資金が週末にはおそらく4000$に届くだろう。試算でライフル2本買える。また最終ハワードに対しての制裁方法を伝える。 サイモンは大きな犯罪を起こすときに手伝ってもらう要員でしかない。 先ほどキャリコにサイモンについて聞かれていたのはアノニマからサイモンの情報を聞かれていたためのようだ。サイモンが仲間であるなら伝える情報を整理しようとしてくれていたらしい。 キャリコは自分の目の前ですれ違ってほしくないと、手の回しようはあるから衝突しないでくれと懇願される。 それなら任せるとアノニマの一件はあちらが手を出してこない限り様子見する。 ちらりと見かけた蒼羽について気になり聞いてみる。 彼は情報屋として動いているらしい。どこのグループにも属さずふらふらしているようだ。 ・イコーネ恋愛センター開業 1 43 16 恋愛模様を聞きに行こう!が始まる。 ポンと一緒に、BLACKWATERやRHODESで恋愛聞き込みを行う※アーカイブ(ピックアップ)に「イコーネ恋愛センター」としてまとめます。 3 34 50 BLACKWATER目指す。 ・ニックジャガーとヴェガス 3 52 10 エニーからニックジャガーについて話を聞く。 焦っているニックに出会い、ニックにヴェガスを殺した理由を聞いたところ、ギャンブルに負けてから記憶がないと言うらしい。またなぜ焦っている理由をきくと、先ほど馬車で人を轢いてしまった。誰を轢いたのか聞くとその「ヴェガス」だったらしい。 「ヴェガスが銃を撃っているところに出くわして馬車で轢いて逃げてきたんです」と語る彼女にリア狂人だと震える。 マメコメが悪さをしたが、仲間がいないと嘆いているらしい。エッグが仲間じゃないのかと問うが違うようだ。 VALENTINEに向かう。 アノニマが射撃練習場で攻略していた。かなり分析家の一面もあるようだ。 署長とカスタム銃の談義に花が咲く。 RHODESに向かい、のんびりできた一日だと満足するのだった。 + 05/31 10日目「刺激」開く 05/31 10日目「刺激」 毎度おなじみANNESBURGから上映開始。 サイモンとエニーにさっそく声を掛けられ、商人との交易状況について情報を共有する。 サイモンは最近保安官に身に覚えのない罪も被せられて炭鉱に籠もった生活を送っていた。またサイモンが一人でいるため報復されにくく襲われるらしい。 最近の事件で黒いおじさんの保安官襲撃事件、グラッドの存在など情報を共有する。また噂程度だが、ライフルの販売で狩人しか買えなくなるのではという話が出ているようだ。お互い何か進展があったら共有する約束をし、ヤバッキオはRHODESに向かう。 ・ニックジャガーの片鱗 RHODES町中に気球があり、近づくとニックジャガーが乗っていた。 頑張って飛ばそうとしていると言う彼女にアドバイスをする……と突然、超低空飛行でRHODESの街を駆け抜けていく。 ニックジャガーについて共通認識で『ヤバイ奴』となってきていた。馬車も暴走的で轢かれるため要注意と呼び掛けられる。 今日はBLACKWATERで22時から芸術品のお披露目(馬)があるらしい。 ヴィオレッタリツカと共に、BLACKWATERを目指す。狩人の現状を聞くと、多くの狩人はSTRAWBERRYを拠点としているため、ヤバッキオとは出会いにくくなっているようだ。 BLACKWATERに到着すると、何やら気球がおかしな挙動をして建物に突き刺さっていた。ニックジャガーの気球だった。そのためか、お披露目会も少々遅れて開始されるようだ。 ・新しい交流 BLACKWATERの街を駆けていると、新規住民のオストティーチ(VALENTINEの医師配属らしい)と、 sophaGraceに出会う。2人は幼馴染で今日国に到着したようだ。 国民登録とお披露目会があると案内する。 お披露目会が始まる。調教師パブロ・リカソが綺麗な毛並みの馬を披露される。まだ子馬で乗馬できない。しかし馬の交配に成功したようだ。これからの事業拡大にも期待する。 手紙を無視された!とプンプンのポンと合流する。 デラゴージャス(BLACKWATERの医者)と挨拶する。 VALENTINEに向かうが、馬車を壊してしまったためSTRAWBERRYに向かう。 医者の集団に出会う ナーディヤコルバート オルタサクリファイス ネクターベッシュ タナクスユーシャ ツワモノの狩人が多く、なかなか負傷しないため医者泣かせらしい。 気球が乗れるようになったため、乗り場について確認する。 気球に乗り、RHODESに到着する。ガンスミスたちは不在で少し前にSAINT DENISに向かったらしい。 汽車でSAINT DENISに向かう。 キャリコに出会い、鉄を買い取れるか確認するとRHODESの店に戻らないと所持金が無いという事でRHODESに引き返す。 ライフルの噂話を確認すると、ひとまず狩人しかライフルを購入制限する話は立ち消えたらしい。ほっと胸をなでおろし、ライフルの購入に向けて仕事を進めると伝えるのだった。 ・合コンのお誘い ブラックウォーターに向かう途中、狩人の集団に遭遇する。 その中にステラナナペチーノがいたため例の自作自演事件の話をきく。ステラはムサーシーから声かけられたため詳しく知らないと申し訳なさそうだった。 ステラナナペチーノとメイリーから合コンの男性側幹事をお願いされる。 あまり乗り気ではなかったが、女性側参加者予定でステラナナペチーノ、メイリー(女子側幹事)、月垣レイそしてムサーシーが参加すると聞き、事件について話せるかもしれないと引き受ける。 今日の残り時間は合コンのメンツを決めていきたい、ネタキャラで固めたいと悪いことを考える。 ブラックウォーターに船が無事に停泊していた。 RHODESまで向かい、ついでにと迎賓館で合コンができるか確認する。ちょうどよい部屋を見つけてここにしようと決意するのだった。 VALENTINEの射撃場でアノニマに出会い、合コンに誘う。 ランダム配送を受注し、頭を撃ち抜かれて国初の頭蘇生で100$以上かかった。 盗賊団への報復で殲滅する勢いでランダム配送を狂ったように行うのだった。 - 06月 06月 + 06/02 11日目「長物」開く 06/02 11日目「長物」 ・「長物」 珍しくRHODESから上映開始。 1日ぶりの街の人々に挨拶してキャリコに話をきく。 一般市民へのライフル販売が解禁され、ドラコとポンにライフルが2本売れた。ライフル解禁により、各ガンスミスから鉄の需要が高まり、商人からの鉄の供給が間に合ってないようだ。 また山師組合の情報をエニーに確認するように言われる。 キャリコからのお使いで鉄を上鉄を作り替えに行く。 エニーを誘ってANNESBURGに向かう。 行くすがらエニーと状況について話す。 ハワードが何本売っているのかわからないが、現状キャリコは2本売れている。また購入した商人のドラゴは公平性を保つためか買っていないと周囲に言っていると予想する。 山師組合の実態については、会長を名乗るダック爺が起きてないのか、会えていないと嘆くエニー。副組合長がルベウスで、ハワードが直接鉱山に取りに来ていることからハワード側は鉄を持っていないのではないかと思案する。 他のライフル所有者としてエッグギャンブラスがライフルを買ったというが使ったところはみていない エニーはハワードと普通に会話できる関係を築けているというが、なかなかポロッと情報をこぼさないらしい。 ANNESBURGに着くと、話に上がっていたルベウスに出会う。 1日どのくらい掘るか聞くとルベウスは6〜8時間掘って鉄インゴット60個前後という(600)。 お互い探るような、それでいて雑談して分かれる。 鉄鉱石3000個をルベウスが採掘していることに危機感を覚える。 本日の目標は、情報収集と合コンの日取りを決めたいと考える。 一旦、エニーと別行動にする。 キャリコの鉄を上鉄に変えてRHODESに戻る道中で、ルベウスがどこまでハワードと繋がっているか思案する。 明日でガンスミス経済戦争を終わらせたいと意気込む。 キャリコに上鉄を渡す。 ルイが久しぶりに起きてきた。とても元気が良かった。 キャリコから念願のライフルを買う。 ガンスミスとして資金状況は大丈夫なのか心配するとギリギリらしい。 またキャリコは保安官の監視がキツくなったとこぼし、秘密の場所で0時に会う約束をする。 RHODESに保安官が4人いて随分と厳重だなと、驚くとアビンタ署長は黒いおじさんに殺されたらしい。 カッパマンを合コンに呼びたいと伝える。 ANNESBURGに向かう。 偶然、ステラナナペチーノに会え、相談したかった合コンの日取りを相談する。メイリーの電報もタイミングよく返答があり、6/8土曜に合コンの日程が決まる。 ステラマシューがANNESBURGで酒場を開きたい夢を語る。 ・秘密の会議 ルイがガンスミスに復帰できたと報告を受ける。保安官たちに「もう悪さはしませーん」と宣誓したらしい。 キャリコたちと、秘密の場所で落ち合う。 まずはドラゴの「買ってない」嘘については、襲われて取られないよう自衛、サイモンも買うとは言ったが一旦取られる可能性で購入を見送ったらしい。 商人のドラゴがルベウスから買っている鉄の量は今日300だったらしい。今日、ルベウスが600作っていたため、残りの300個が行方不明。恐らくハワードに売っているのではないか。 組合を名乗るなら平等に納品してほしいと嘆くのだった。 ただハワードに鉄を買い取れるだけの資金力があるのか疑問に思うのだった。 ハワードの動きを探りたくて仕方ないヤバッキオ。 確実に情報が欲しいと言いつつ、煽って引き出せないか実力行使したくて仕方ない様子に笑われつつ、今日はSTRAWBERRYの狩人に聞き込みを行うことを計画する。 キャリコが保安官の監視がきつくなった件 保安官の一部から忠告を受けた。一緒に馬車で移動しているだけでも黒出ししようとしていたらしい。 なんでもありかと呆れる。 ハワードとの決着をつける件、実行するならほかの介入が挟まれないように行いたい。おそらくハワードの店に入っただけで通報され、保安官が突入してくる事態を避けたい。 それで正直に言えよって話をする それで吐かなかったら信用するってわけね いや撃って逃げる なんでだよw 最悪それで捕まっても良いかなw それなら逃走経路等を考えないと…と心配そうなキャリコに一発なら死なないだろうと高を括る。 ただ前回よりもかなりリスクが高いことにはかわりない。 (足音らしき音にエニーが周囲を警戒する) また引っかかりを感じたガンスミス関連で、裏撮りはできていない情報として銃のメンテナンスを国税でしてもらっているとニコルが言っていた話があった。 おそらく保安官の銃メンテナンスのことを指しているとみている。その他に国で雇われているのは医師だが、医師は保安官や狩人などに同行してもらうことが多いため銃のメンテナンスがほとんど必要ない。 キャリコとレオンには銃メンテナンスを国税で行う話が来てない。 一度、アビンタ署長がキャリコに安くしてくれないかという相談はあった。 保安官の懐事情としてキツイらしいが、軽犯罪ぐらいの世の中でバランスが崩れるだろうと断ったらしい。 そしてハワードにも問いただしたがしていないと否定された。 ただ話をしてくれたニコルはBLACKWATERを拠点とする狩人で、そんな話が出るのは怪しさがあると感じているのだった キャリコは疑いすぎるかもしれないがBLACKWATERから何かが起こっているようにしか見えないと溢す。 ルイから明日ムサーシーに会いに行く宣言を受ける。 銃を持たずに殺し無しで話をしてくる。その護衛にエニーが着いていきたいと心配で言うが来なくていいって!と断られる。 ヤバッキオはステラナナペチーノからムサーシーが発案としか聞いていない情報を共有する。もしルイがムサーシーから情報を聞き出せるようならば、それに越したことはない。 ムサーシーとルイの会話の後に、ハワードに会いに行く段取りにしたいと考えるのだった。 保安官の姿が見え、一斉に散り散りに身を隠す。 なぜ来たのかと考える 一つ、沖田にヤバッキオがアネスの北に行くと言ったこと 二つ、表に馬がおいてあること 「誰の?」「……俺のうまだ」「徹底しなさいよアンタ!」 表に再度保安官が見えたため、エニーとヤバッキオで対応する。 ポルナレフ斉藤は指名手配のヴェガスを追ってきて、馬があったため周囲を捜査していたそうだ。 別荘として合コンの話をしていたと言い訳をする。 雑談をしていると、ANNESBURGで黒いおじさんが発砲事件を起こしたらしいため、ポルナレフ斉藤はANNESBURGに戻っていった。 キャリコはもう少しいい場所を見つけるとボヤく。 ヤバッキオは保安官の頭は目の前の事件でいっぱいになっているだろうし、問題行動を起こしているわけでもないと余裕をかます。 ANNESBURGからSTRAWBERRYを目指す。 沖田も馬車に同乗する。 沖田からANNESBURGで今日は事件が何にもなくて暇だと言われる(ポルナレフ斉藤…?) STRAWBERRYにはあまり人がいなかった。 アスカさんに出会うがあまり欲しい情報はなかった。 BLACKWATERでハワードの姿を探すがいなかった。 ハワードの店で明日の計画の打ち合わせをする(大胆です)。 RHODESに帰ってくる。 明日への計画を胸に、街で遊んで眠りにつく。 - 06/03 12日目「信念」開く 06/03 12日目「信念」※未編集 ※このページに事件の裏側を載せるか迷いました。 でも私はこれがRPの醍醐味であるから、このページを読んでくれる人に面白いと思ってもらえるよう書きました。あと6日目以降を先にはよ書けやと思うかもしれんけど、結果によっては書き方どうするかと悩んでたんだよ! + 【非推奨】盛大な事件のネタバレ(妖精の独り言) ・盛大な事件のネタバレ(妖精の独り言) ハワード、本当に事件と無関係です。 タイミングと誰かを想っての行動って怖いですね。 誰かを想って行動するとき、いろんなことを考えて受け取らないと不利益が出たときにどうなるのか。その先まで考えてから受け取るほうがいいですね。 そしてこちらサイドはどう情報収集してもハワードが黒く見えるのに確証がない(当たり前、無関係だから)。 連絡の掛け違えや行き違いもすごいけれど、道で神的なすれ違いがおこった事もすごい、あそこで出会っていれば…ここで話していれば…という醍醐味いっぱいの緊張感あるRPでした。上映同時進行で観てニヤニヤ楽しみました。(ヤバッキオ視点(Twitch))(Howard視点(Twitch)) これから先、どうなるのか。根幹は変わっていないため、ハワードはわだかまり解消と思ってまた商売に熱を入れて誤解されやすい行動を取るでしょうし、ヤバッキオは今回のケリついたけど、今度尻尾を出した時はその時だ、と思っているのがいいですね。 頭が良いと相手も頭良いと思ってしまう疑り深い現象ですね。これからも楽しみです♫ 個人的にドロシーさんが成長されていたのが株爆上がりましたね。決めつけで入っていきがちな彼女だったのに、しっかりと話を聞く体勢になりました。彼女の上映を観ない間に何があったのか。どんなきっかけだったんだろう、と考えてました。ご活躍期待してます! ‐K.M. 2024年6月7日にて外部から意見することをご容赦願います。 ハワード氏の事件関与についてはハワード氏の上映5日目をご覧頂くと無関係ではないということが分かります。 ヤバッキオ氏が考えていた内容でないものの、事の発端に寄与していると言って過言ではありません。 それを見た上でヤバッキオ氏の最初の尋問、12日目の問答をご覧頂くとハワード氏に対する見方が変わってくると 思います。 自作自演事件を起こすに至る動機を考えても単純な善悪では判断できないことですが、ヤバッキオ氏の行動原理はシンプルです。 ボタンの掛け違いとは言えど妖精の私からすると最後の問答は正直に話して欲しかったと思っています。 いずれにせよヤバッキオ氏達がその証拠を掴めなかった時点でレドスト世界上ではハワード氏は関与なしとなってしまいましたが... こちら他の妖精の方々もご覧になられる記事であると思ったため記載させて頂きました。 K.M.様の上記記事に関してはご自身の判断で維持及び修正をして頂ければと思います。 改めて外部からの追記失礼致しました。 -NUM NUM様ありがとうございます。 すべての上映を追えている訳ではない為、ありがとうございます。 (え…そうするとハワードさん、脅迫時にはぐらかしたのは世界的にまずかったのでは?!こっわ) 修正を入れる予定です。ただ時間がかかることご容赦くださいませ。K.M. これにて第1部閉幕! + 悲しいお知らせ お知らせ この方のページを主に編集している妖精からおそらく悲しいお知らせ 編集が追い付かないため、苦渋の決断でこの日から何日か飛ばします。 私も本当は合コンやデート、拳闘大会を詳しく描きたい…! 2倍速で見れなかったところ追っているけど現実まとまった時間が確保厳しいね! もし箇条書きでも書けるよ!私のおすすめ書いてもいいかな?という妖精さんはどしどし書いてください。もしくは私の文章もおかしいなと感じるところは修正入れてくださると嬉しいです。 よろしくお願いします。 妖精K.M.(2024-06-23,21 32 41) + 06/04 13日目「安息」開く 06/04 13日目「安息」 山師の会社設立前会合 1h20m00s(23時頃) 山師とガンスミス、商人の会合がBLACKWATERで行われる。 形骸化していた山師組合を廃して会社に興すため、卸先の各職業に説明と意見交換(?)を実施する話し合いが開催された。 イコーネ・ヤバッキオは5本の指に入るくらいには採掘していると思われる。しかし会合に呼ばれなかった。そもそもどんな会社になるのか、また毎度荒れると噂のガンスミスたちの様子も気になり傍聴する。 なかなか癖のあるお爺さんたちに会議は大いに荒れる。 商人側からの恩情もあり、持ち帰りの課題ありで設立に向けて話が向う様子だった。(かなり大人な対応。しかしその後、街で詰められるサイモンがいたとかいなかったとか…?) 《出席者》 職業 参加者 備考 商人 ドラゴ ゴートフィッシュ アンナ シャノワール 山師 サイモン ボリバル 代表 ダック ジャニエル ヴィクトル・F シュタイン ガンスミス(VALENTINE) レオン・スターク ラビット・パーカー 弟子 ガンスミス(BLACKWATER) ハワード アール オリバー ヴェール 弟子 ガンスミス(RHODES) キャリコ ルイ ブラック 弟子 プリンセス・ベリー 弟子 ANNESBURGにBARがオープン (0時) ANNESBURGに憩いの場が誕生する。 1日の疲れを癒してほしいという店長ステラ・マシューのBARができる。まだビールは入荷出来なかったと言うが、ワインで初日オープンのお祝いを行った。 人との交流もできる場になるいい初日開店だった。 カマラの添い寝サービス 3h29m00s(時) RHODESでカマラ ゴールデンハンドが男性向けの添い寝サービスを開始(?) たくさんの男性が癒されていた。 - 06/07 14日目「会社」開く 06/07 14日目「会社」※未編集 06/08 15日目「合コン」※未編集 - 開く 06/09 16日目「拳闘」※未編集 - 開く 06/10 17日目「上映」※未編集 - 開く 06/11 18日目「会議」※未編集 - 開く 06/14 19日目「会議」※未編集 - 開く 06/16 20日目「出勤→会議」※未編集 - 開く ※色々あったから早めに共有しようとすると口調が崩れる。また再編集します。妖精K.M. (夢の世界で1日瞑想したら色々起こっててモー大変!) ニックジャガーイベントがあると聞いてSAINT DENISに行ったの。そしたら大量のニックジャガーがいるじゃない!慌ててドレスコードに着替えて参加したわ!ニックヤバーすぐに飽きてたわ! 謎の発光物体を見たわ……あれはなんだったの?? ヤバッキオがいない間1日に、エニーがBLACKWATERで人質を取って……殺人を起こしたようなの。びっくりしちゃった! エニーの犯罪でガンスミスのルイは保安官に「仲良くしていると頭の硬い人に警戒されちゃうよ」と言われてぷんぷん。もしものときはよく口が立つヤバッキオが弁護士として裁判を起こしちゃうから!覚悟なさい! 山師の社員会議前にBLACKWATERでのんびりしてたら、発砲オンが聞こえて向かったらポンちゃんが捕縛されてて頭真っ白になっちゃった。ロンちゃんとポンちゃんの喧嘩は知ってたけど、そんな大馬鹿なことして。どうしてヤバッキオやエニーに相談してくれなかったの…?とにかく無事に開放してくれたけど……無闇に銃を向けたらメッ!したわ!だって仲間でしょ??誰かに向ける時は一緒よ 山師会社の従業員会議をANNESBURGで開催したの。妖精眠くて寝ちゃったから内容知らないけど、みんな頑張ってるから大丈夫だよね。 色々起こりすぎーーー!! 06/17 21日目「荒くれ」※未編集 - 開く そうね、チルって感じね!のんびりといろんなことを進めて機が熟すのを待ってるわ。楽しみね! 昨日の炭鉱従業員会議でヤバッキオは外交担当になったみたい!悪い笑い声で威圧しないか心配ね。 23時からガンスミスと社長含めて定例会を行ったわ。穏やかな会議だったわ。 情報収集でたくさん人と関わったわ……一人『名前を声に出してはいけない』住人がやってきて市長に連れて行かれたわ。短い時間だったけどありがとう(?) エニーのこと、ポンちゃんのこと、そして炭鉱会社の営業のこと。たくさん心配ごとは尽きないわ。頑張ってイタズラ心を抑えてほしいところね! 06/18 22日目「役付社員」※未編集 - 開く 妖精、帰りが遅くなっちゃっただから途中情報だよ! 炭鉱会社のため交渉周りを任されたから張り切って行動してた。やっぱり目標とか使命があると上映も楽しいね! 炭鉱会社の次期社長、ダッグ爺ちゃまの行動が読めないわね……社員に黙って鉄鉱石でのギャンブル計画???福利厚生の内部流通にするにしてもあまり社員や会社にメリット難いと思うのだけどどういう計画なのかしら。これからの調査たのしみ! 22時に原因不明でサーバーダウン!ショックな人続出で気持ちを落ち着かせるためにアモングアスが開催されたの!とても楽しかった!!妖精ポイントとして、間違った推理で敵に踊らされ判明したときの悔しそうな姿がとっっっても素敵だった!! 次は金曜よー! 06/ 23日目「」 - 開く 06/ 24日目「」 - 開く 06/ 25日目「」 - 開く 06/ 「」 - 開く 06/ 「」 - 開く 06/ 「」 - 開く 06/ 「」 - 開く - 07月 07月 07/dd 「」 - 開く ・「」 07/dd 「」 - 開く アーカイブ Twitchのアーカイブは一定期間後削除されてしまうため、気になる上映はお早めにご視聴ください。 他プラットフォームでアーカイブが残るかは上映主次第です。 2024年 + 「1~10日目」開く 1~10日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 1 5/20 レドスト1日目「生変」 Twitch 未 ・「生変」 ・トレジャーハンターヤバッキオ 00h40m00s 保安官サービス? 00h48m33s ・いないからやるんだろうがッ 01h32m55s メが苗字 01h54m11s ・墓荒らし 02h42m10s 会話だけなら02h51m25sから ♪墓の日 03h01m49s ・山師になる 03h15m42s 2 5/21 レドスト2日目「住処」 Twitch 未 ・「住処」 でかめブロッコリーwww 00h20m10s 上から???下ですよ 02h04m06s やましぃー 03h23m54s 銀行強盗…? 03h29m52s やましぃ山師なんで! 03h51m14s 鬼灯ポンに掘られるヤバッキオ 03h59m05s ルビーの指輪でルビーを引当てる鬼灯ポン 04h01m07s シュタインさんの生い立ち 04h05m03s ヤバシ 04h06m56s ・いたずらっ子集合 05h53m23s 微笑ましいひと時 06h25m02s ♪順序の歌Verガンスミス 07h13m40s ・VALENTINE 08h10m00s 泥んこ遊び死すぎた 08h13m05s 3 5/22 レドスト3日目「職安」 Twitch 未 ・「職安」 ・電話の流儀 02h12m23s ・ド天然保安官の誕生立ち会い 03h15m20s ・お試し馬車強盗 04h20m00s 初めての馬車強盗 05h33m47s ・再チャレンジ 06h17m29s 2度目の馬車強盗 07h00m00s 馬車強盗成功 07h02m08s 休 5/23 ※木曜の休息 4 5/24 レドスト4日目「地道」 Twitch 未 ・「地道」 ・証拠不十分な馬車強盗容疑 00h41m0s ・ぶらり街散策 01h4m30s ♪真っ赤なお鼻の~ 02h27m1s 5 5/25 レドスト5日目「購買」 Twitch 未 ・「購買」 ・忙しい1日の始まり 00h13m3s ・密会 00h56m18s ♪風に乗ってどこまでも~ 01h40m50s 自演殺害事件の直前に実行犯とハワードが合流する瞬間を目撃するヤバッキオ達 3h47m28s 「そんなつもりはなかった」などと供述しており 03h19m04s ・事件の香り 03h43m00s きもーーーい( ;∀;) 04h19m04s 6 5/26 レドスト6日目「落前」 Twitch 未 「落前」 分数 ・親方心 00h14m44s ・聞き込み調査 00h28m35s ・調査難航 01h10m32s ♪走る走る俺達♪カツラずれても構わない 01h26m27s ・いつものじゃれつき 01h48m45s コートをディスったため、ポンたちにボコボコにされるヤバッキオ 02h00m07s 降りるの手こずるルイちゃんw 02h07m49s 奪えないwwwwww 02h18m23s お転婆娘たちに手を焼くおじッキオ 02h19m7s ・深まる疑念 02h31m27s 情報の裏取り 02h42m50s ・事件の真相に近づけ 02h54m0s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (1) 導入 03h11m31s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (2) 関連人物の名前の確認 03h12m20s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (3) 「実行犯に悪知恵を貸したか?」→ ハワードは明確な回答を避ける 03h13m14s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (4) 何故か事件がローズで起こったと思っているハワード 03h13m51s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (5) ハワードは事件がローズで起こったとステラ・ナナペチーノから聞いた 03h15m00s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (6) ハワードは結託して「誰かに不利益を被らせようとしたこと」を否定する 03h17m33s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (7) 被害を受けた人物はルイ・ブラック 03h20m37s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (8) 用意していた作戦が刺さる 03h22m07s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (9) 自作自演の犯人達はお咎め無しになった 03h25m35s ヤバッキオがハワードを問い詰めるシーン (10) ハワードは「ルイを狙ったこと」を再度否定する 03h27m37s 最後に格好がつかない男たち 03h30m28s ・職質逃亡 03h33m4s ・深まる事件の謎 04h3m26s ・仲間を守るため 04h27m26s 7 5/27 レドスト7日目「正義」 Twitch 未 「正義」 ・協力者 0h27m36s ・取り調べ 0h57m5s ・観光列車 1h22m55s 月が綺麗ですね 2h13m3s 汽車から落ちるエニーとリツカ 02h56m14s 動物じゃないです 03h19m49s ポンちゃんの爆弾発言 3h40m29s ポンちゃん子持ち説 4h8m42s エニーアブルッチの真似←「きっもwww」 4h10m6s ポンちゃんのやさしさ 4h10m50s 何を言っているかわからないがパパパッ♪ 4h13m48s 馬車に轢かれるポルナレフ 04h41m32s ・ガンスミス経済 4h56m00s ポルちゃん、ポンだけじゃなかったの?涙 4h54m30s 登場のタイミングばっちりなサイモン・ボリバル 5h30m24s 泣いちゃった…!動揺 5h52m31s (上映外)ヤバッキオとかんせる 5h56m34s 電報でしゅ(ルイには来ず) 5h59m14s 熱い漢エニー・アブルッチ 06h19m17s 8 5/28 レドスト8日目「大会」 Twitch 未 「大会」 ・元保安官のエニー大演説 0h13m45s 熱い漢エイブラムス 0h37m6s バレンタイン愛が強すぎるエイブラムス保安官 0h37m42s サイモンの身を案じるw 0h47m8s サイモン「たすけて~( ;∀;)」 0h49m42s ポルナレフ斉藤の正義への悩み…? 0h52m3s 孫のポンだよ! 0h55m51s ・VALENTINE第一回射撃大会 0h59m00s 弓を引いている理由…? 1h4m5s ヤァーッ!●ぃかわ…? 1h39m20s ・ライフルの一般販売前 2h10m25s ヤバッポン誕生 2h34m40s ・鉄の行方 3h19m0s やぁ、こんにちは 03h24m33s ♪Romanticが止まらない(ジェネレーションギャップ) 3h58m44s 低音ボイスのポンちゃん 04h03m53s ポン語 04h10m52s 情報量が多い 04h13m02s 馬車衝突事故からの…不運すぎるw 4h13m20s ンマリン「お兄ちゃんのために」 5h37m24s 9 5/29 レドスト9日目「平素」 Twitch 未 「平素」 蒼羽の粘着(タチバナ証言) 0h9m13s 大事な電話をwww 1h5m21s ♪雨は夜更け過ぎに~ 1h27m11s フォクシー反抗期らしい(1) 1h38m50s フォクシー反抗期(2) 1h39m11s ポンちゃんの恋愛事情…ポンちゃん??? 1h48m5s チンピク 1h50m0s 船の出し入れwww 2h7m14s サイモンに報復について教育する 2h59m7s 保安官カッパマンの仕事ぶり(税金がこいつに入るのか…) 3h6m50s アノニマを合コンに誘う 4h24m19s 晴れ時々配送馬車が降るでしょう 04h35m20s 休 5/30 ※木曜の休息 10 5/31 レドスト10日目「刺激」 Twitch 未 「刺激」 サイモンかわいいなw 00h09m13s 気球の暴走…?(1) 0h26m41s 気球の暴走…?(2) 0h27m38s 気球の暴走…?(3) 0h46m48s 謎の衝突事故 02h27m28s おすすめ! 減給宣告 2h43m12s 合コン会場を荒らし尽くすポン 03h34m13s 悪戯が別の人に影響するwww 3h41m12s 轢き逃げ(加害側) 4h7m2s 頭を打ち抜かれて100$治療 4h20m13s 姉にお金をせびるポン 04h26m57s ヴァレンタインの住民を巻き込むヤバッキオ 04h41m25s + 「11~15日目」開く 11~15日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 11 6/1 ※配信お休み 12 6/2 レドスト11日目「長物」 Twitch 未 ・「長物」 たっだいまァ~!おっかえりィ! 0h40m4s 暫定人気カッパマン 0h58m0s これだけの人数居るのに無視されるwww 1h3m59s 不可抗力 01h54m07s 公開合コンの反対(ステラ) 2h5m0s ・秘密の会議 2h16m49s かすかな足音? 2h35m20s 退役軍人の勘 2h42m0s 銃感覚的にドロシー当ててこないからbyエニー 2h37m25s 沖田保安官が身体を張るwww 3h5m22s ポン滑り落ちるw 3h8m34s 挨拶のないことに小言w 3h34m38s ポンちゃん、おじさんたちをよろしくね… 3h56m50s V字肩車 3h59m8s アビンタ署長をハズカシめるポンちゃん 4h0m52s 喫煙ポンちゃん 4h8m47s アビンタ署長、犬に負ける 4h20m10s 13 6/3 レドスト12日目「信念」 Twitch 未 ・「信念」 (メタ発言) 0h13m1s すぅっっごいなぁコレ/// 0h21m29s 安西先生不在(ジェネレーションギャップ) 0h22m51s エッグの新しい銃の名前 0h31m28s エニーの交友関係w 0h33m6s オリバーとベリーの馬相乗り 0h34m47s ゴールデンフィッシュのスカ 0h35m48s 記憶を消す(殴り合い) 0h44m26s 匠の技で!なんということでしょう! 1h11m49s 保安官の暴走w 1h27m22s 飛ぶことを途中放棄した電報鷹 3h11m18s イイ話ダッタナー 3h54m27s 心の代弁(このおじさんたちヤダなぁ) 4h9m54s 無職中のニックジャガー 4h26m30s 助走をつけたポン選手…落ちた!! 4h31m12s エニーの垂直飛び(イルカと同等www) 4h38m25s 合コン名「LoveHunt」決定の瞬間 4h48m40s ハワードとの和解 5h17m34s いろんなところで物語が進む 5h32m20s お肉だけど肉じゃないw 5h48m9s 14 6/4 レドスト13日目「安息」 Twitch 未 ・「安息」 BECAUSE I LOVE YOU 0h37m35s ホリスちゃんのガチの「え?」 0h39m44s 純朴な保安官にアドバイスをするヤバッキオ 0h40m54s 乙女のキスは大事よ…? 0h43m24s 「サイモンは馬(と)鹿だよぉ~」 0h49m24s 地獄絵図 0h57m43s メンズエステ????? 3h29m46s 幽体離脱ゥ 3h30m1s メンズにサービスするエステ(略してメンズエステ) 3h31m6s アルセーヌさんの新ファッション 3h33m46s ●ン●ンドー69 3h52m44s キャリコさんがかわいいw 3h47m37s 歪みの蜃気楼w 4h2m8s いつからローズこんなになったんだよw 4h10m50s ハマルの悲鳴(ハマルがハメルに) 4h14m48s 休 6/5 ※水曜の休息 休 6/6 ※木曜の休息 15 6/7 レドスト14日目「会社」 Twitch 未 ・「会社」 駄々こね手前のヤバッキオ 0h5m39s 社長の言葉より鉱石販売価格のほうが大事 1h7m50s 鉱業会社入社式 1h10m20s 衝撃掲示板の反応(鬼灯姉妹) 1h41m54s 指名240分1000$ 1h52m1s レドスト14.5日目「会社」 Twitch 未 ・「会社」 メイとステラに詰め寄られるヤバッキオ 00h20m18s ヤバッキオとポンのベアナックル対決 1h41m28s 16 6/8 レドスト15日目「合コン」 Twitch 未 ・合コン レドスト15.5日目「合コン」 Twitch 未 ・合コン 上映機の不調で3分割 レドスト15.5日目「合コン」 Twitch 未 ・合コン タイトル 分数 - 「16~20日目」開く 16~20日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 17 6/9 レドスト16日目「拳闘」 Twitch 未 ・「拳闘」 レドスト16.5日目「ちる」 Twitch 未 ・「ちる」 18 6/10 レドスト17日目「上映」 Twitch 未 ・「上映」 サイモンwwwwww 2h33m29s 狂犬ニック・ジャガーの口コミ情報 3h3m50s わぁあああ 8h53m11s 野生の市長 10h2m12s ライジンを崖から突き落とす市長 10h7m16s 謎の人物 10h35m50s 19 6/11 レドスト18日目「会議」 Twitch 未 「・会議」 焼きポルナレフ 0h32m49s 崖から落ちるエニー 2h25m55s 再び崖から落ちるエニー 2h30m15s 休 6/12 ※水曜の休息 休 6/13 ※木曜の休息 20 6/14 レドスト19日目「会議」 Twitch 未 ・「会議」 イケメン・エニー 2h55m45s 21 6/15 ※上映お休み 22 6/16 レドスト20日目「出勤→会議」 Twitch 未 ・「出勤→会議」 ニック・ジャガーフェス 1h14m36s 謎の物体X 1h39m19s 神隠しに遭うエッグ 1h43m18s 神隠しから帰還したエッグ 1h48m22s 歪んで全力で助けを求めるヤバッキオ 3h17m51s n m/d レドストN日目「」 Twich 未 タイトル 分数 タイトル 分数 - 「21~25日目」開く 21~25日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 23 6/17 レドスト21日目「荒くれ」 Twitch 未 ・「荒くれ」 ジャンプする馬車 2h31m47s エニー・ア*ルッチ 3h19m0s 24 6/18 レドスト22日目「役付社員」 Twitch 未 ・「役付社員」 ※22時にサバーダウン参加者の消化不良によるアモアス開催 休 6/19 ※水曜の休息 休 6/20 ※木曜の休息 休 6/21 ※臨時の休息 ※サーバー復旧中(休息延長) 休 6/22 ※臨時の休息 ※サーバー復旧中(休息延長) 休 6/23 ※臨時の休息 ※サーバー復旧中(休息延長) 休 6/24 ※臨時の休息 ※サーバー復旧中(休息延長) 休 6/25 ※臨時の休息 ※サーバー復旧中(休息延長) 休 6/26 ※水曜の休息 休 6/27 ※木曜の休息 25 6/28 レドスト23日目「自分は何者か」 Twitch 未 ・自分は何者か 26 6/29 レドスト24日目「ワークとライフ」 Twitch 未 ・ワークとライフ 27 6/30 レドスト25日目「詰みまでの盤面」 Twitch 未 ・詰みまでの盤面 タイトル 分数 - 「26~30日目」開く 26~30日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 28 7/1 レドスト26日目「炙り出し」 Twitch 未 ・炙り出し 29 7/2 レドスト27日目「キス裁判原告カマラの弁護人」 Twitch 未 ・キス裁判原告カマラの弁護人 休 7/3 ※水曜の休息 休 7/4 ※木曜の休息 30 7/5 レドスト28日目「キス裁判当日」 Twitch 未 ・キス裁判当日 31 7/6 レドスト29日目「粛々と」 Twitch 未 ・粛々と 32 7/7 タイトル Twitch 未 ・ n / タイトル Twitch 未 ・ タイトル 分数 タイトル 分数 - 「31~35日目」開く 31~35日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 31 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 32 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 33 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 34 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 休 / ※水曜の休息? 休 / ※木曜の休息 35 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 n / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 + 「36~40日目」開く 36~40日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 36 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 37 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 38 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 39 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 40 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 n / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 + 「41~45日目」開く 41~45日目 鯖日数 配信日 配信タイトル アーカイブ アーカイブ Twitchクリップ おおよそ分数 備考 41 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 42 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 43 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 44 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 45 / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 n / タイトル Twitch 未 タイトル 分数 タイトル 分数 アーカイブ(ピックアップ) ※まとめで手一杯な妖精が切り抜きしやすいようにまとめた涙ぐましいピックアップ。ぜひ切り抜き動画にご活用いただけたら教えて下さい。 - イタズラ電話集 ・イタズラ電話集 日付 分数(時間) 相手先 相手上映先 相手分数 切り抜き 備考 日付 分数(時間) 相手先 相手上映先 相手分数 切り抜き 備考 5/22(3日目) 2h12m20s(21 42) BLACKWATER保安官事務所 ラウラ署長 Twitch3.5日目 0h15m30s 未 2h15m15s(21 45) VALENTINE保安官事務所 ステラ・マシュー Twitch3日目 6h16m22s 切り抜き? 2h18m19s(21 48) RHODES保安官事務所 ナムディン YouTube3日目 3h45m00s 未 3h19m21s(22 49) VALENTINE保安事務所 レオン・スターク 未 ※配信外 5/24(4日目) 1h45m15s(00 45) BLACKWATER保安事務所 アグネス・モモ Twitch3日目 2h56m35s 未 日付は越えて5/25 5/25(5日目) 3h06m28s(00 59) VALENTINE保安事務所 レオンスターク 未 ※配信外 5/29(9日目) 1h05m19s(21 30) RHODES保安官事務所 ドロシー・ホワイト ※Twitch9日目 不明 未 ※サブスクライバー限定 6/4(13日目) 3h06m05s(00 36) VALENTINE保安事務所 エイブラムス署長 未 日付超えて6/5 3h09m00s(00 39) BLACKWATER保安事務所 ジャックダニエル 未 逆に驚かされる / / / / ※相手上映先のURLはちょうどその時点で貼り付けているから、そのまま観れるはず。 - イコーネ恋愛センター ・イコーネ恋愛センター みんな大好き色恋話を情報提供で5$支払っている。 助手はポン。女性陣から話を引き出して共有してくれる。 日付 分数 情報提供者 対象者 情報詳細 切り抜き 備考 日付 分数 情報提供者 対象者 情報詳細 切り抜き 備考 5/29(9日目) 1h35m21s クロエとシシリア アビンタ署長とカマラ 二人で船デートをしたらしい。アビンタ署長は照れ屋さん。 未デートの様子①(カマラ視点)デートの様子②(カマラ視点) 1h37m26s クロエとシシリア カマラとレオン 夜のプロレスを誘っていた 未 1h40m10s クロエとシシリア ドラコとアンナ 射撃大会の景品で1位になったらアンナにプレゼントしたいと話していた結果サニーに敗れて2位で大変悔しがっていた。 未 もしかしてサニーも…? 1h41m1s クロエとシシリア 蒼羽とタチバナ 蒼羽がタチバナを追いかけている。ローズで居留守されていることを知りショックを受けてクロエに相談に来た。 未 1h54m18s ナナブラック アビンタ署長とニコル ブラックウォーターの崖で二人湖を眺めていた 未 1h55m34s ナナブラック パブロ 女性に色々手を出しているのではないか(疑念) 未 1h58m14s アグネスモモ ※逃亡 未 2h53m50s タチバナホリス サキンとリツカ 紳士的なサキンさんにつんけんしちゃうリツカさん 未 2h55m30s ドラコ ドラコとアンナ 直に射撃大会の景品について聞く 未 3h17m12s ジュリエッタナナリ パブロとアグネス 新しい事業を始めて、喧嘩した話。パブロから仲直りの相談をきく。電報が返ってこないと悲しんでいた。二人でブラックジャックで仲直りしたようだった。 未 6/2(11日目) 0h43m28s ジュリエッタナナリ リカソとモモ お披露目会が終わり、次の仕事も一緒にやっていきたいと考えるリカソとその話を振られるのを逃げているのかギャンブルにお金を溶かすモモ(お披露目会の開催に立ち会えなかった自暴自棄か?) 未 0h54m45s ホリス 蒼羽とホリス 最近の蒼羽は推してダメなら引いてみろなのか、話しかけてもくれない状況。知り合い関係からすこし遠くなりそうで悲しそうなホリス。 未 1h0m43s プリンセスベリー リカソとモモ モモちゃん怒ってます「報連相がない」 未 1h1m33s モモとヴェガス 賞金首となったヴェガスと行動を共にしている目撃情報。危険な男にひかれてしまったのか…? 未 6/7(14日目) 2h37m37s ホリス 蒼羽とホリス ホリスからヤバッキオに明日の合コン時の写真が欲しいとお願いされる。蒼羽と気球でデートをして、今度船に乗せてくれる約束をしているようで、合コンに行くことにもやもやしているようだ。 未 すぐさま情報共有2h40m12s 2h42m51s ルイ ベリー 夜な夜なBLACKWATERに着替えて男に会いに行っている。師匠と姉弟子は反対している。 未 未 /(日目) 未 /(日目) 未 /(日目) 未 未 未 未 人間関係 - 開く ※妖精からの印象なため、イコーネ・ヤバッキオ(上映主)本人から否定される表現もあります。 鬼灯ポン お転婆娘その1 山師仲間 「お小遣いちょーだい!」 パパ呼びからおじさん呼びに変わりつつある 時折服装を真似され、孫の『ズッキーニ・ヤバッポン』を自称する ルイ・ブラック お転婆娘その2 ガンスミス、キャリコの弟子 「もう悪さはしませーん!」 明るくハキハキしている…若干血の気が盛んで引き金に手をかけようとしがちでハラハラする。 キャリコ 国営ガンスミス(ANNESBURGからRHODESに移転) 「もう少しゆっくりしてもいいんじゃないかい?」 銃を初めて作ってくれたため贔屓にしている。 エニー・アブルッチ 賞金稼ぎ→保安官(クビ)→山師 縁あって一緒に過ごすことが多くなる。 サイモン 山師仲間(6/~鉱山会社立ち上げで社長になった) 「この(ピー)がッ!やだやだあ゙ー」 憎めない あほのこ小悪党 ハワード 国営ガンスミス(BLACKWATER) 油断できない相手と考え、一度銃を突き付けた(脅迫事件) プリンセス・ベリー ハマル キャリコの信頼厚い山師仲間 その他 IF_SIDE(ワイプ前の記憶) - 開く 良く使っている言葉 【クリップ】俺の妖精さんたち 上映をみているリスナー 【レドストまとめウィキ】レドストの専門用語 歪み 妖精界で言うバグ 瞑想 妖精界で言う再起動 貫通 別の世界(?)のお話 「何を言っているかわからないと思うが」 なぜかわかりやすいたとえ話 - 開く 上映についてお願い事項 【クリップ】有志の切り抜き作成について(2024年4月29日時点) 切り抜き作成は配信者のTwitchURLを併記してほしい 注意事項 鳩禁止/指示コメ禁止 配信者情報 RolePlay(以後RP)をより再現するため、誰が中の人(配信者)かの情報をあまり知りたくない。 + RPの楽しみ方(初心者向け) RPの楽しみ方(初心者向け) 「RPの配信はどんな感じで聞けばいいのかわからない💦」という意見があったので、勝手に私なりの楽しみ方をお伝えします。 基本的な感覚 ヒューマンドラマがリアルタイムで上映されている感覚です。 キャラクターと配信者本人は切り離すこと! すべてロールプレイで起こったフィクションです。角度が違えば正義は一つではありません。そして情報もそれぞれ異なります。 キャラクターは失敗したり成功しながら成長していきます。 感情的に指摘したくても深呼吸して、様子を見ましょう。本当に深刻な問題ならば配信者たちも黙っていることは無いのですから任せてみましょう。 結末を急がない! 誰も結末は予想できません、だからこそ面白い! 決まった台本がない、作者もいない全てのプレイヤーが主人公で、リスナーも舞台を創り上げています。 みんなで楽しむために 物語の主人公がピンチなとき、あなたは主人公が知らない重要な情報を知っていたら伝えますか? もし伝えてしまうようならコメントは控えたほうが良いかもしれません。 じゃあ何コメントすれば良いんだ!?と思う方もいるかもしれません。ご安心ください。あくまでも行動を決めるのはプレイヤー(配信者)です。 ネタバレ情報以外ならウェルカムだと思います。 基準としては 誰もが知っていて良い情報は◯ 例:ゲーム上の不具合が修正されてプレイヤーが快適になる情報 他のプレイヤーの進捗状況や事件の犯人などのネタバレなどは✕ 例:伝書鳩行為(通称、鳩)や指示コメント 良かれと思ってしたことが、プレイヤーの面白さを半減させてしまうこともあるので気をつけましょう。 私の楽しみ方 最後に、私個人の楽しみ方を載せます。 楽しみ方も人それぞれだと思うので、自分が楽しく過ごせるやり方を模索してみてください。 ①1人のキャラクターを追う その人のヒューマンドラマを追う形です。 一緒に悩みながら喜びや悲しみを分かち合います。 ②役職や組織で追う 例えば保安官の組織を俯瞰して追う形です。 何人か同職者をピックアップしてその仕事状況を追っかけます。仲間の一体感が楽しいです。 ③各役職で追う 保安官や医者、狩人、山師、ガンスミスなど様々な職業だったり、組織の中から1人ずつ選んで追いかける方法。各職業の苦悩や思惑が見れて面白いです。 ④情報屋や商人を追う 一つの地域にとどまらない人のほうが、日々新しい情報に触れられます。世界観を楽しみやすいかもしれません。 私は基本的に③方式の多窓で視聴しています。 最大5人。2人までならコメントもしますが、3人以上になると知り得た情報がどこだったか不安になるのでコメント気をつけてます。 メイン→イコーネヤバッキオ 情報屋→蒼羽快斗、エニーアブルッチ 保安官→沖田春一郎、鬼灯ロン、桂ダゴーン、ポルナレフ斉藤 その他→キャリコ(ガンスミス)、アジデスブラック(山師→漁師)、フォクシーコンコン(狩人)、サイモン(愛すべき小悪党)、フェイクマン(道化師)、市長 のんびりとしたところから、急に事件となると緊迫したり声が大きくなったりするので、その時はそこの枠を観ている間は他をミュートにして、落ち着いてきたなと思ったらまた他の枠の音量を戻してます。 多重音声です。全部聞き取らなくて良いんです。意外と入ってくるものです。 もっと大雑把に! ハラハラドキドキのアクションが好きで 事件を追いたいなら、保安官やギャング、医者(事件や事故で救難信号の名前が出るため) ミステリードラマ好きで 駆け引きと事件の予兆を感じたいなら、ガンスミスや情報屋 日常系の何気ないひとときが好きで のんびりスローライフを感じたいなら、狩人や商人、農業、医者 そして!今ならなんと!世界の発展途上なので! 実は市長の視聴が熱い!!! (すみません言いたかっただけです殴らないで) かなー?今段階の所感としては 今後、悪役となる人たちには盛大な拍手を!! 誰だってヘイトを買うのは怖い。 悪役は他の役目より頭も心も使います。 だからこそ勇猛果敢な人に拍手です!! まとめ 後追いでも楽しいけど、リアルタイムのハラハラしたりだらっとしたり一体感が楽しいと私は思うよ! 視聴方法に正解はないと思うから、どんどん色んな配信者さんを見ると新しい出会いがあると思います! あとはクリップ作ったり、見たり、切り抜き作成したり、面白ポイントをまとめ記事に書いたり……配信者さんと面白かったー!と共有できるのも楽しいね! ちょっとだけでもRP楽しみ方が伝わると良いな 楽しみましょう! 熱くなって長くなってごめんよー ※この説明が使えると思ったら使ってくださいな。K.M. + 【募集】編集妖精←開いてね 【募集】編集妖精 主に編集している妖精からお願い。 上映主は忙しくておそらく編集しないだろう……うーん面白い方だから応援したいね、そうだ!途中からでも追えるように編集するか。でも文章苦手なので、校正してくれる方大募集中。たすけてー( ;ヮ;) -妖精K.M. わぁ( ;ヮ;)一人じゃなかった!編集してくれる人ありがとうだよ!私が勝手に始めたのに書式を統一してくれて細かいところまで( ;∀;)ありがとう(2024-05-30,10 00 18) 添削まで回らないいいいいだれかぁあああああ文章修正してくれてもいいよおおおおお(2024-06-12,21 03 09) 妖精、自信なくした…。更新、おそくなる。(2024-06-20,21 25 50) コピー用の更新日時→(2024-07-07,14 17 24) 🔝ページTOPへ
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「──────削除」 瀕死の連合軍の兵士に止めを刺そうとしていたアルビアン軍の兵士が、いきなり、胸を押さえながら倒れた。 「──────削除」 ドラゴンにまたがり、連合軍の兵士と空中で魔法のぶつけ合いをしていたアルビアン軍の兵士が、急にぐったりとして動かなくなった。 「──────削除」 地上で前線の指揮を執っていたアルビオン軍の部隊長の一人であろう男が、突然、杖を握りながら地面に前のめりになり、ぴくりともしなくなった。 「次、あれ! 次、あれ! 次! 次! 次!」 「削除! 削除! 削除! 削除! 削除! 削除!」 ルイズは己の使い魔とともに、ドラゴンに乗って戦場の上を飛び回っていた。 ときに上空数百メイルで行われている空中戦の合間を縫いながら旋回し、ときに地上スレスレまで低空飛行を行い、まさに縦横無尽であった。 使い魔は黒いノートを片手にルイズに指示された方向を凝視したのち、そのノートにひたすらペンを走らせていた。 一方、ルイズは時々飛んでくるアイスやファイアなどの魔法を、自分の爆発魔法で相殺していった。 「魅上、次はあれ──」 「久しぶりだな、ルイズ」 ルイズは、連合軍の兵士が一塊りになっている所に向けて呪文の詠唱を始めたアルビオン軍の兵士に目星をつけた。 そして、使い魔に指示を出そうとしていた矢先、ルイズたちの前に、グリフォンと風竜に乗った羽帽子と口髭が凛々しい長髪の男が現れた。 「ワルド様! いえ、ワルド!!」 「こんなところで再会するとはな」 その男は、風系統のスクウェアメイジで、トリステイン王国に三つある魔法衛士隊の1つ「グリフォン隊」の隊長であるワルドであった。 ルイズの許婚でもあった。しかし、少し前にアルビオンでルイズと結婚式を挙げていた最中、ルイズに拒絶され、逆上。 殺害を試みたものの、その場にいたウェールズ王子の活躍により失敗に終わった。以来、姿をくらましていた。 「魅上、目の前の男よ!」 「ルイズ! 仰せの通りに!」 ルイズの言葉に呼応し使い魔はそう叫び、ワルドを一瞥したあと、手持ちの黒いノートに 〈 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド 〉 と、書き込んだ。 「なんだい? その平民の使い魔が何かしてくれるっていうのかい?」 「ええ、そうよ」 ワルドは、何故ルイズがまるで己の勝利が確定しているかのようにそう言ったのか理解できなかった。 平民の使い魔が、貴族にかなうものか。はったりに決まってる──── 少し動揺しながらも、しばらく考え込んだのち、そう結論付けた。 「ふん、杖もなしにか。仮に何か特別な能力を持っていようとも……もう遅い! ルイズ、これで君とはお別れだ!」 ワルドはそう宣言し杖をルイズたちに向け、ルイズたちを葬り去るため呪文の詠唱に入った。 このときワルドは、自分が考え込んでいる間、ルイズたちが杖も構えず何かを喋っていたことには気づけなかった。 「ワルドの名前を書いてから何秒たった?」 「…………35 36 37 38」 「39」 「ワルド、私の勝ちよ!」 「40!」 ルイズの使い魔がそう叫ぶと、ワルドは詠唱を完了することができなくなった。 なぜなら、ワルドの心臓は止まってしまったからだ。 「うぐっ……な、ぜ……だ…………」 ワルドは、そう呟き、絶命した。 『DEATH NOTE』より「魅上照」を召喚
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん ゴンドアはトリステイン王国の領地内にある町でも、特に目立たない中規模な町だ。 最も近いラ・ロシェールからは徒歩で二時間、トリスタニアから行けば馬で行っても一日半近くは掛かる。 比較的平らな土地の上にはトリスタニアの三分の一程度の市街地と国軍の小さな砦があるだけだ。 強いて言えばそこから徒歩二時間もしない場所に『風石』を採掘できる鉱山があり、町に住む男たちの大半はそこで働いている。 若い者も力仕事ができる者は皆鉱山へ行くので、王都や地方都市へ出稼ぎに行く若者は比較的少ないと言っていいだろう。 採掘された『風石』はそのまま輸出されたり、町の加工場で削ってちょっとした民芸品として売られていたりもする。 『風石』は加工しだいによっては神秘的な緑色の光りを放つ事もあり、お土産としての人気はあった。 また知ってのとおり、『風石』は船や一部のマジック・アイテムを動かす素材としても使われているので、町の経済は富んでいると言っていいだろう。 その為『風石』の買い付けに来る商人は後を絶たず、国内外の貴族たちもラ・ロシェールか王都へ行くついでに足を運ぶことも多い。 王都や外国で流行っている類の品物も、港町と王都の間に位置しているおかげでそれなりに流通はしている。 王都トリスタニアと港町ラ・ロシェールの板挟みである事、『風石』の鉱脈に恵まれた事。 この二つがあるおかげで、ゴンドアという町は若者が少ない寂しい町にならずに済んでいるのだ。 だがしかし、その町は未だかつて経験した事のない危機に晒されていた。 疫病が蔓延したワケでもなく、ましてやドラゴンやオーク鬼などといった『生きた災害』と言われる幻獣や亜人達が襲撃したワケでもない。 それは遥か上空、白い雲とどこまでも続く青い空の中に浮かぶ゙白の国゙からやっきてた艦隊。 今や神聖アルビオン共和国からの使いと名乗る暴虐なる軍勢が、この平和な町に攻め込もうとしていたのである。 その日、時間は既に深夜だというのに町は日中以上の喧騒に包まれていた。 普段ならば賭場の店主ですら店じまいして寝ているというのに、街の至る所で大勢の人々が走り回っている。 無論その中にはこの町に住んでいる人間はおらず、奇妙な事に彼らよりも軍人達の方が多かった。 町の砦で働いている地元出身国軍兵士から遠い地方から来た者もいれば、王軍所属の若い貴族達もいる。 彼らは皆必死な表情を浮かべており、肌から滲み出る汗などものともせずに走り回っていた。 事が起こったのはその日の昼過ぎであっただろうか。 町の人々が未明に聞こえてきた大砲の音で何だ何だと目を覚ましてから、数時間がたった頃。 夜明けの砲撃は、きっと親善訪問に来てるアルビオン艦隊への礼砲だろうと朝食をつつきながら話している最中であった。 そのアルビオン艦隊を迎えに行っていたトリステイン艦隊が、急に町の方へ飛んできたのである。 町の者たちは皆驚いてか、食べていた朝食を後に家を飛び出したり窓から身を乗り出すなどして上空を通り過ぎていく艦隊に目をやった。 やがて艦隊は町のはずれにある草原で一旦停止した後に、その内一隻の小型艦が町の上空を飛び続けながら人々に説明をし出した。 曰く、親善訪問の為にやってきたアルビオン艦隊が我々を不意打ちしようとしてきた事。 幸いにも、偶然現地で訓練中であった国軍が新しく配備された対艦砲でもって援護してくれたといゔ幸運゙があった事。 その国軍の訓練を監査中であった王軍が、アルビオンに不可侵条約の意思なしと判断してアルビオンとの戦闘を開始した事。 敵となったアルビオン艦隊は予期せぬ地上からの砲撃により浮き足立っており、戦況は我が方に傾きつつあるという朗報。 そして我が艦隊は態勢を整え直すために暫しここで浮遊しているが、この町にまで戦闘が広がる可能性ば限りなく低い゙という報せ。 拡声用のマジックアイテムで伝えられる事実に、町の人々はどう反応していいのか当初は困惑していた。 無理もないだろう。何せアルビオンとはつい最近に不可侵条約を結んだばかりだと知っていたからだ。 アルビオンから来る商人達も皆「戦争にはならんさ!」と屈託ない笑みを浮かべながら言ってくれたというのに…。 とはいえ、一度始まった戦というものは止めようが無いという事は多くの人が知っていた。 過ぎたことを悔いるよりも、今できる事を思う。それが鉱山での採掘と『風石』の加工で鍛えられた人々の考えであった。 ならば善は急げと言わんばかりに町中の倉庫で眠っている『風石』を掻き集めて、この町へ来るであろう゛客゙を待つ事にした。 街のはずれに停泊する艦隊、そしてその艦を動かす為には大量の『風石』が必要なのである。 当然停泊したトリステイン艦隊を指揮する空海軍の使いがやってきて、『風石』の交渉にやってきた。 そこから先はとんとん拍子に進み、現金払いと小切手の半々で軍が購入した『風石』の輸送で町は朝から忙しくなった。 『風石』を満載した馬車が町の通りを占有し、ついでと言わんばかりにパンや干し肉にチーズといった食料まで売り始める商魂逞しい者までいた。 輸送や交渉の為に町へやってくる水兵や貴族の下士官たちは気前よく金を払い、焼きたてのパンやチーズを買っていった。 そんな風にして平時は静かであるこの町の朝は、トリステイン艦隊という思わぬ客のおかげでお祭り騒ぎとなっていた。 だがしかし、そんな嬉しくも美味しい祭りの気分はラ・ロシェールから撤退してきた国軍と王軍がやってきた事で一変した。 もうすぐ昼に差しかかろうとしている時間帯――――突如として二群の部隊が慌ただしい様子で町へと入ってきたのである。 朝の艦隊に続くようにして入ってきた彼らに町の人々はおろか、町にいた空海軍の者たちまで何だ何だと驚いた。 何せ殆ど無傷の王軍や国軍の兵士たちが、恐怖に染まった顔を冷や汗で濡らしながら町へと入ってきたのだから。 彼らが乗っている馬や幻獣達は何と対峙したのか、今にも町人や水兵たちに襲い掛からんばかりに興奮しきっている。 空海軍の兵士たちはもしやアルビオンに艦隊に押し負けられたのかと訝しんだが、それは違った。 否、正確に言えば半分は正解しており――――もう半分は外れだったのである。 それを彼らに教えてくれたのは、撤退してきた騎馬隊の中に混じっていた王軍のオリヴィエ・ド・ポワチエ大佐であった。 「おい、君!すまぬが、トリステイン艦隊はどこで一時停泊しているか?」 「え…?じ、自分でありますか?」 「当たり前だ、私の目の前でサンドイッチを大事そうに持ったまま呆然としておるのは君だけだぞ」 大軍を率いてきた彼は、町の入口で軽食を摂っていた水兵の一人に声を掛けたのである。 水兵はいきなりやってきて声を掛けてきた王軍の将校に「し、失礼しました!」と急ぎ敬礼すると、何用でありましょうかと聞いた。 ポワチエは当初それを言うのに躊躇したものの、周りにいた将校たちに目配せをしてから水兵にこう伝えた。 「至急艦隊指揮官のラ・ラメー侯爵に伝えてくれ!…アルビオン艦隊は未知の怪物を投入! 国軍と我が王軍は防戦に失敗、ラ・ロシェールとタルブ村の避難民を連れてこの町にまで後退してきたと伝えろ!」 ―――そして時間は今に戻る。 陸上部隊が避難民を連れて町へ来てから今に至るまでも、騒ぎは続いている。 しかしそれはお祭り騒ぎの様な嬉々とした雰囲気は無く、明日にも世界が滅びそうな切羽詰まった緊張感が漂っていた。 この町を抜ければ、後は王都トリスタニアへと直行する一本道。遮る山や森すらも無い整備された街道しかない。 だからこそ、ここで迫りくるアルビオン艦隊と奴らがけしかけたであろう゛怪物゛を食い止めなければならなかった。 「町の人間は残らず鉱山に避難させろ!歩けない者は誰かがおぶってやるんだ!」 「通りという通りにはバリケードを設置するんだ、早くしろ急げ!」 「……って、おいバカ!ゲルマニアがくれた対艦砲は敵艦隊から見えない場所に置けと言っただろうが!?」 「よし、掻き集めた『風石』と黒色火薬はトリステイン艦隊が駐留している場所へ運べ、鉱山の向こう側だ!」 深夜にも関わらず大勢の士官たちが大声で指示を出し、部下たちはそれに従って迅速に動いていた。 ある王軍の貴族下士官は魔法でもって町の通りに木材と石を混ぜた土のバリケードを作り出し、封鎖作業に取り掛かっている。 また別のところでは、これまた王軍に所属する若い貴族士官が民家に残っていた老夫婦を優しく諭しては、避難するように指示していた。 国軍の平民兵士たちも通りに並ぶ建物の中に一旦分解した中型のバリスタを運び入れて、慣れた手つきで組み立てている。 この中型バリスタは数本の矢を一度に発射する事ができるので、これ数台を屋内に設置すればそれだけでも簡単な要塞ができあがる。 町の住人の避難に合わせて、町そのものを一個の防衛施設として改造するのは容易ではない。 更に前進してくるかもしれない敵を迎え撃つために、戦力の何割かを町の入口に配置しているのだ。 元々はラ・ロシェールで足止めしつつ増援を待つという予定であった為に国軍、王軍、そして空海軍共に連れてきた戦力は少ない。 その結果、昼頃から始めて日付を跨いだ今になっても町の要塞化はようやく三部の二が終わったところである。 今敵が進攻してきた場合、この町で防衛線を行うのは極めて難しいという状況に変わりは無かった。 しかし、始祖ブリミルは彼らに祝福をもたらしてくれたのであろうか。 この様な危機的な状況の中、今日の昼過ぎに出動した王都からの増援部隊が遂に到着したのである。 新しい隊長の元に復活したグリフォン隊を含めた魔法衛士隊と、霧が薄まった事で到着の早まった竜騎士隊を含めた第一軍。 接近戦に特化した槍型の杖で武装した騎馬隊と、金で雇った傭兵たちと共に前進する前衛貴族部隊からなる第二軍。 貴族の比率がガリアに次いで多いトリステイン王軍ならではの増援に、町で籠城に備えていた者たちは歓喜の声を上げた。 だが、彼らが何よりも喜んだ原因はその軍勢を率いて出陣してきだ彼女゙がいたからであろう。 百合の国たるトリステイン王国に相応しき人物、先王が残した花も恥じらう麗しき王女。 そして本来ならば、二日後に迫った隣国ゲルマニアの皇帝と結婚する筈であった花嫁。 その゛彼女゛、アンリエッタ王女殿下が自ら部隊を率いてこの町を守りにやってきたのだ。 トリステイン王国を守る軍人ならば、彼女の姿を見て喜ばぬ者が奇異な目で見られる程であった。 ゴンドアからほんの少し離れた場所にある名も無き小高い丘。 そこで王都から出て、この町に集結しようとしている王軍を見つめるアンリエッタの姿があった。 彼女は今、民衆の前で見せるドレス姿ではなく慣れぬ軍服を身にまとい、気高き乙女しか乗せぬと言われるユニコーンに跨っている。 夜風ではためく紫のマントには金糸で縫われたユニコーンと水晶の紋章。それは間違いなく王女である事の証であった。 「殿下、遅れていた後続が順次到着中との事。このままいけば、夜明けの直前に全部隊の合流は無事終わるでしょう」 そんな時、黒毛の馬の乗ったマザリーニ枢機卿が、護衛の騎士達を伴って定期報告の為にやってくる。 人を使えばいいのに、彼直々にやってきたから無下にはできまいとアンリエッタは枢機卿の方へとその顔を向けた。 「…そうですか。到着してきた者たちはどうしていますか?」 軍服を身に付けた今の彼女に相応しいとも言える、何処か物憂げさと緊張感が混ざり合った表情を端正な顔に浮かべている。 まるで充分に悩みぬいた挙句に決めた自分の選択を、後になって本当に良かったのかと悩んでいるかのように。 マザリーニ自身はその表情の原因が何なのか大体わかってはいたが、あえてそれには触れることは避けようと思っていた。 「はっ!到着した部隊は町の中央に着き次第補給部隊から水を貰い、十分な休息をとるようにとの命令を出しております」 「わかりました。…それで、ラ・ロシェールとタルブ村を襲ったといゔ怪物゙の事は何か…」 アンリエッタからの了承とそれに続くようにして、先に展開していた地上勢力を追い出しだ怪物゛の事について聞いてみた。 彼女からの質問に待っていたと言わんばかりに彼はコクリと頷いて、スラスラとセリフを暗記したかのように喋り出す。 「現在は部隊と共に限界まで前線に留まり続けたポワチエ大佐を含む何人かの将校から情報を得ており、 それを元にイメージ図と対策法を考えていますが、何分全く遭遇したことのない未知なる相手との事で…む?」 町の中央で作戦会議の準備をしているであろう将校たちに代わって、申し訳なさそうに説明する枢機卿。 「いえ、無理もないでしょう…。むしろ、避難民をよくここまで連れて来れたと賞賛するべきでしょうね」 そんな彼の言葉を遮るように右手を顔のところまで上げたアンリエッタはそう言うと、また町の方へと視線を戻した。 町から王都へと続く街道には、出発が遅れた後続の部隊が次々と息せき切って入ってくる。 要塞化の作業に勤しんでいた兵士たちはアンリエッタに率いられてきた彼らを見て、口々に「王女殿下万歳!」と叫んでいく。 そんな兵士たちの歓声を聞いていると、マザリーニは自分の目を嬉しそうに細めていく。 本当ならばもしもの事を考えて、アンリエッタだけでもゲルマニアへ送り届けるつもりだったのだ。 ルイズ達がタルブへ向けて出発してから一時間後、タルブを放棄してゴンドアに最終防衛線を張ったという報告が届けられのである。 ラ・ロシェールどころかタルブ村まで破れては、王都までの道を遮るのはそのゴンドアという町一つしかない。 大した防衛設備が無いこの町ではアルビオンを足止めする事は難しいと、宮廷の貴族たちはそう結論づけたのである 勿論国中の国軍に出動命令を出したのは良いものの、全軍が揃うまでには最低でも四日はかかるという始末。 同盟を結ぶであろうゲルマニアも、援軍は一週間待ってほしいという回答を送ってきたのである。 故にアルビオンの魔の手が王都に戦火の嵐を巻き起こす前に、アンリエッタをゲルマニアへ移送しようと考えていたのだ。 だがしかし…彼女はそれを、あともう少しで移送の準備が済もうとしているところで反対した。 ウェールズの形見である『風のルビー』を嵌めた彼女は、自らの勇気を振り絞って叫んだのである。 ―――――私は…やはり私は王都に、いえこの国に残された人々を置いてゲルマニアへは行けませぬ! ―――――せめて我が国を侵略しようとするアルビオン艦隊と、奴らが放っだ怪物゛を駆逐してから皇帝の許へ嫁ぎます! アンリエッタは迫りくる敵に怯えていた宮廷の貴族達に向けて宣言し、自ら軍を率いて前線へ赴く事を決意したのである。 無論宮廷の貴族達は反対したものの、アンリエッタはその意見を自分の怒りの感情で封殺させた。 ――――――私はトリステイン王国の王女!貴方達宮廷貴族にとってお飾りであっても、この国の要たる者! ―――――――もしも私の意思で決めた出陣を食い止めようものならば、それ相応の覚悟はできているでしょうね? いつもの彼女からは考えられない静かに燃える炎の様な言葉に、枢機卿含めその場にいた宮廷貴族たちは何も言えなくなってしまった。 一方で将軍や魔法衛士隊の隊長達は、やる気を見せてくれたアンリエッタに士気を昂ぶらせて付いてきてくれたのである。 そんな彼女の怒りに火をつけたのは、ルイズと共にタルブへと向かったあの紅白の少女の言葉であった。 ―――――ルイズは自分なりに悩んで決めたっていうのに、アンタはただ状況に流されてるだけじゃないの。 悪いのは自分だって思い込んでるだけで、他の事は全部他人任せにしてジーッとしてただけじゃない。 ウェールズの事が悲しいんなら、ちょっとはレコンなんちゃらとかいう連中に怒りの鉄槌でも鉄拳でもぶつけてみなさい ―――最後はアンタの好きに決めなさい 今思い出せば随分腹の立つ言葉を好き放題に言って、会議室から立ち去って行ったあの少女に惹かれたワケではない。 ウェールズ皇子を殺し、あまつさえ今度はラ・ロシェールとタルブ村にも牙を向けたアルビオンと彼女の言葉を思い出して、アンリエッタは遂に゙キレ゙たのである。 アルビオンにここまで攻め込まれる口実を作ったのは自分であり、そしてそれを止める義務を持っているのも自分なのだ。 この国を旅立つ前に自分が種を蒔き、それから芽吹いた肉食植物を絶対に根絶やしにしなければならない。 トリステイン王国という大事な百合畑を命に代えてでも守り、侵略者の打倒をこの国で行う最後の罪滅ぼしとする為に。 そして今。前線にいる者たちの喜び振りを見れば、彼女の選択は正しかったのだとマザリーニはそう思えて仕方が無かった。 「殿下。貴女がこうして出陣したおかげでほら、兵士たちは皆戦意を取り戻しております」 「上手いお世辞を申しますね?私がいなくともあれ程の大増援を見れば、誰だって喜ぶものですよ」 つい本心から出てしまったマザリーニの言葉を無意識に世辞と受け取ってしまったのか、アンリエッタはその口を滑らせてしまう。 言い終えた直後で、ハッと気まずい表情を浮かべたものの一方のマザリーニはただただ苦笑いしているだけであった。 「……すいません、つい」 「なに、この老骨の身には慣れた事です。ただ、そう御自身の事を貶すのは良くありませぬぞ」 将兵達が見ておりますゆえ。最後にそう付け加えて、彼は後ろで控えている騎士達を横目で一瞥してみせる。 彼らは王女殿下と枢機卿のやりとりをじっと見つめながらも、不届き者が現れぬよう周囲にも気を配っていた。 勤勉かつ忠実な彼らの姿を同じく見つめながら、ふとアンリエッタはその口を開く。 「それにしても、人はほんの一押しの怒りだけでここまで来れるものなのですね…。 アルビオン王家の仇であるアルビオン共和国からの刺客を討ち果たすためとはいえ、私がこれ程の軍勢を率いたなんて…」 彼女は眼下に街道を行進していく将兵たちの列を見ながら、不安な雰囲気を見せる言葉を漏らす。 出陣する直前の苛烈さは大分大人しくなっており、いつもの優しいアンリエッタに戻りつつあった。 「お言葉ですが殿下、ここにいる将校たちは皆殿下同様アルビオンを討つが為に集結した勇敢な者達ばかりです。 例え殿下の命令で傷つき斃れたとしても…、彼らは貴女と共に戦えたことを誇りに思いながら死んでいくのだと思います」 そんな彼女を勇気づけるかのようにマザリーニが言うと、彼の後ろにいる二人の護衛がウンウンと頷いた。 枢機卿の慰めるかのような言葉にアンリエッタは口をつぐんでしまうと何かを言いたそうなもどかしい表情を浮かべている。 彼女の顔を見て何か自分にだけ言いたい事があると察したのであろうマザリーニは、自分の馬を彼女の傍へと近づけさせた。 幻獣の中でも一際目立つユニコーンと、一目で上等だと分かる黒毛の軍馬が横一列に並ぶ光景というものは中々珍しいモノだ。 そう思っていそうな護衛たちの視線を背後から感じつつも、隣へ来てくれたマザリーニの近くで彼女はポツリポツリと喋り出す。 「確かに私はウェールズ様を…アルビオン王家を滅ぼしたクロムウェル一派に報復したいという気持ちはあります。 けれども…やはり私の一時の恋から生まれたと言える争いに、大勢の人々がこれから死ぬと思うとどうも不安になってしまうのです…」 今の自分の複雑な心境を、隣にいる自分にだけ聞こえるように告白し終えた彼女をマザリーニは真剣な眼差しで見つめている。 王女の言葉にマザリーニは少し困った様な表情を浮かべながらも、ふと少しだけ考えてみた。 確かに彼女のいう事にも一理あるであろう。 レコン・キスタがウェールズとアンリエッタの関係を知っていたからこそ、あのタイミングで彼らは王政府打倒を掲げたのかもしれない。 アンリエッタの嫁入りを条件に、軍事同盟を結ぼうとしたゲルマニアの皇帝を激怒させる恋文を手に入れる為に…。 貴族派の自分たちにとって目の上のタンコブと化した王政府を倒せるうえに、小国のトリステインを孤立化させれるという一石二鳥の計画。 結果的には奴らの作戦はミス・ヴァリエールとその使い魔である少女の活躍によって、見事に頓挫する事となった。 それでも彼女は思っているのだろう。王族である自分が最初から叶わぬ恋を抱かなければ、この様な一連の事件は起きなかったのではと。 成程、確かに一理はあるだろう。 …あるのだろうが、やはりこの人はまだまだお若いからこそ、そういう風に考えてしまうのかもしれない。 「ふむ、成程。つまりは、自分が過去に抱いた恋心が全ての原因と…そう思っていらっしゃるのですな?」 「えぇ、私が実らぬ恋人に手紙など認めなければ、今頃アルビオン王家の方々も死なずに済んだのではと、そう思ってしまって…」 三十年近くも政治にその体と時間を費やしてきた彼の目には、今の自分がどう映っているのだろうか? 不思議とそんな事が気になってしまったアンリエッタに向けて、語りかける様にしてマザリーニが喋り出した。 「殿下…―――――殿下は、今日の天気がこれからどういう風になるか知っておりますか?」 「――――――…はぁ?」 彼が呟いた直後、その言葉に反応するのにほんの二秒程度の時間が必要であった。 全く脈絡も無く、急に明日の天気が気になった彼にアンリエッタは目を丸くして首も傾げてしまう。 後ろにいる騎士達も姫が首を傾げた事に気が付いたのか、何だ何だと言いたげに互いの目を見合っている。 「天気…ですか?」 「えぇ、そうです。日を跨いでしまいましたし、明日はちゃんと朝日が出るのかどうか気になってしまいましてな」 本気で天気の事を気にしているかのようなマザリーニに、アンリエッタはどう答えていいのか分からなかった。 何せこの様な事態を生んだのが自分なのではないかと話している最中に、狂ったのかと思えてしまう程別の話題を持ち出してきたのだ。 ここはふざけないで下さい!と怒るべきなのか、それとも困惑しつつも適当に明日の天気を言えばいいのだろうか? 目を丸くし、困惑を隠しきれぬ表情でアンリエッタが悩んでいる最中に、それはやってきた。 「―――…殿下!アンリエッタ王女殿下はこちらにおりまするか!!」 突如彼女たちの背後からそんな事を叫びつつ、グリフォンに跨った魔法衛士グリフォン隊の隊員が来たのは。 その叫び声に思わず考え込んでいたアンリエッタが後ろを振り返ると、グリフォン隊の者はすぐ近くにまで来ていた。 鷲の頭と翼に前足、獅子の体と後ろ脚という厳つい幻獣が足音を立ててこちらへ走ってくる姿は、中々怖ろしいモノである。 「そこのグリフォン隊の者、殿下に対し何用か?」 一体何事かと背後の護衛達が乗っている馬で道を塞ぐと、若い隊員とグリフォンの前に立ちふさがった。 自分よりもわずかに体格が大きい立派な軍馬二頭を前にして、乗り手と同じく青さが残るグリフォンは思わずその足を止めてしまう。 騎士たちと比べればまだまだ子供であるグリフォン隊の隊員は、突然止まった相棒からずり落ちそうになるのを何とか堪えていた。 「いかに伝える事があるとはいえ、幻獣に跨ったまま突っ込んでいれば大惨事になっていたぞ!」 「…、ッ申し訳ない。実は至急殿下に伝えたい事があるのだが…よろしいか!」 入隊して間もないであろう彼は護衛の騎士からの注意に対し素直に謝ると、次いで早口に捲し立てる。 隊員の要求に二人の騎士はコクリと頷いて、前方を塞いでいた自分の馬を後ろへと下がらせた。 素直に道を開けてくれた事にホッとしつつも、ずり落ちるようにして相棒のグリフォンから降りた隊員は早足でアンリエッタの傍へと向かう。 彼の焦った表情からは、何となくではあるが良い報せではないという気がしてならなかった。 「一体どうしたのですか?そんなに慌てて…」 「は、はい…!実は先ほど、タルブ村の方からやってきたという少女一名と数名の将兵が…救援を求めて…」 「…!詳しく話して貰えますか?」 ゙タルブ村゙―――。その単語を聞いて眉が無意識に動いたアンリエッタは、隊員に話を続けるよう要求する。 彼が言うには、今から十五分ほど前に撤退して無防備状態であるタルブ村の方角から数名の男女がやってきたのだという。 タルブ村の者は少女一人だけで、後は国軍の女兵士一名と同じく国軍の平民下士官二名、そして王軍の貴族下士官一名の計五名。 当初は敵の間諜かと疑っていたが、直後にタルブ村で防衛線を張っていた兵士と貴族士官たちの証言で彼らが本物だと判明した。 村人である少女が言うには件の『怪物』を避ける為に遠回りになる山道を通るために、案内役として兵士たちを先導したのだという。 余談ではあるが…少女の名はシエスタと言い、これは先に避難させられていた両親が彼女と再会した時に判明した。 そして彼女についてきた兵士たちの証言によると、タルブ村領主の屋敷の地下には未だ多くの人が取り残されているのだという。 隣町まで歩けない女子供に領主であるアストン伯を含めた年寄りが、当時見張りとして残っていた国軍、王軍の混成部隊と共に籠城している。 食料や水はあるものの何時『怪物』たちに気付かれるともしれぬ為に、すぐにでも救助部隊の編成をして欲しいと乞うているとのこと。 そこまで報告した後、若い隊員は一呼吸を置いて最後に報告すべき事を口に出した。 「そして…現在彼らと共にあのヴァリエール家の次女、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ様もいるとの事! 偶然にもタルブ村へ旅行で訪れている最中に、不幸にも今回の戦闘に巻き込まれてしまったようです! 幼少から続く持病のせいで容態は悪く、彼女の健康も考慮して一刻も速い救助部隊の編成と派遣を願う!との事です!」 ようやく報告を終えた隊員が顔を上げると同時に、アンリエッタはふとタルブ村の方角へと顔を向ける。 その顔にはアルビオンに対する敵意をより一層滲ませると同時に、方角の先にいるであろう幼馴染の事を思い出していた。 「ルイズ…もう少しだけ待っていて頂戴!」 誰にも聞こえない程度の声量で一人呟くと枢機卿の方へと顔を向け、すぐに命令を下した。 「マザリーニ枢機卿、すぐに救助部隊の編成を!」 ――――――気のせいだろうか、頭が痛い。 突如乱入してきた謎の女に対する自分の叫びから始まった戦いの最中、霊夢はそんな事を考えていた。 銀色の軽快な体で槍を振り回してくるリザードマンモドキのキメラを相手するのに集中しながらも、頭の中で疼くような痛みに悩まされている。 しかし戦いに支障がある程と言われればそうでもなく、かといって無視しながら戦えると言われればそれは嘘になってしまう。 後頭部の内側、自分の心臓と同じく弱点である頭から伝わってくる痛みは、彼女の神経を静かに逆撫でていく。 (別段痛くも無く、けれど無視するにはどうにも鬱陶しい…。ホント、イヤになるわね…) 心の中で呟きながらも前方のキメラを片付けようとしたとき、ふと頭上から漂ってくる殺気に思わずその場から後ろへと下がった。 瞬間、体内の『風石』で浮遊していた別の一匹が投げつけてきた槍が、先ほどまで霊夢の立っていた場所へと突き刺さる。 コイツらをけしかけたシェフィールドという女が言うように、兵器として造られているおかげで随分小賢しい連携をしてくる。 軽く舌打ちしながらも、右手に握ったお札を一枚上空へ投げつけるが、それはあっさりとかわされてしまう。 まるで釣り糸で引っ張られるかのように後ろへと下がったキメラの動きは、さながら操り人形の様な不気味さを醸し出している。 「テキトーに造られた化け物のクセに、ちょこまかと動くんじゃないわ…よッ!」 語尾を荒げつつも、間髪入れずに取り出した数枚のお札を一気に投げつけ、今度こそは上空のキメラに命中する。 防御力が低そうな白銀の鎧に貼り付いたお札が一瞬の間を置いて、キメラごと巻き込む程の凶悪な霊力を放出した。 哀れ上空のキメラは断末魔を上げる間もなく体の三分の二を失い、細かい肉片となって地面へと落ちていく。 「これで六匹目――――んでアンタで、七匹目ッ!!」 仲間の肉片で視界を遮られたキメラが足を止めた所を狙って、すかさずお札を取り出して投げつける。 先ほど投げたのと違い、霊夢の手から離れたソレは紙の媒体からお札の形をした青い霊力の固まりへと変異する。 そしてキメラの肉片を避けるようにして緩やかなカーブを描き、青いお札――ホーミングアミュレットがキメラの横っ腹を貫いた。 やられたキメラは咄嗟に金切り声を上げたものの、自分が攻撃を受けたという認識をした直後に体の内側から青い光が迸る。 体内に入り込んだアミュレットが霊夢の意思に従って暴走し、キメラの肉体は破片一つ残らず青い霊力に飲み込まれていった。 話の通じぬ妖怪や人外には一切容赦せず、通じても容赦する気のない霊夢らしい攻撃である。 七匹目まで始末し終えた彼女は一息ついてから再び身構えると、背中に担いだデルフが急に口笛を吹いた。 『ヒュゥー!やるねぇ、伊達にガンダールヴとして召喚されてないだけの事はあるよ!』 「そりゃ…どうも、うれしくて溜め息が出ちゃいそうだわ」 半ば無理矢理に使い魔となった身としてはあまり嬉しくない褒められ方ではあったが、とりあえず返事だけはしておくことにした。 先ほど数えたとおり今ので七匹始末したものの、残念な事に倒した直後から同じような奴が何処からともなくやってくるのだ。 それを証明するかのように、霊夢が倒したばかりの二匹の穴を埋めるようにして上空から新しい二匹が着地してきている。 彼女を含めて、今この場で戦っている四人のトータルを合わせれば最初のを含めて十五匹倒してはいるが、一向に減る気配はない。 今回の元凶であろうシェフィールドの言っていた事が正しければ、そう遠くない何処かに奴らの補充分の源が何処かにある筈なのだ。 本当ならコイツらを相手にするよりも先にそちらを潰す方がいいのだが、残念な事に今の霊夢にはそれが難しかった。 その理由らしいモノを上げれば、四つほどあると言えばある。 一つ目は、今彼女たちと戦っているキメラ―――ラピッドが思いの外手強いという事であろうか。 霊夢の経験から言えば、単体では大したことは無いものの数が揃えば脅威となる部類の相手であった。 体を覆っている鎧は薄く、デルフ曰く『体内の『風石』で飛ぶために鎧も体も軽くしてやがる』との事らしいがそれは間違ってないと思う。 現に今に至るまでの霊夢は何回かコイツラを蹴飛ばしてはいるが、体が紙細工なのかと思ったくらいに吹っ飛んだのである。 最もそれで与えられるダメージなど殆ど無傷に等しいものであり、時には体の中の『風石』を使ってそのまま飛び上がる奴もいた。 また『風石』で浮遊しているおかげか、浮いている間の直角的で非生物じみた動きに彼女は不気味さを覚えていた。 少なくと彼女がこれまで戦って相手や、この世界で戦ったキメラ達も含めてこの様な奇怪な動きをする相手はいなかった。 手に持っている槍もどこで槍術を学んできたのか、少なくとも無視できない程度のレベルだった。 振り回したり突いてきたりするのはもちろんの事、時にはジャベリンとして思いっきり投げてくる事さえあるのだ。 しかも宙に浮いている奴もここぞばかりに投げてくるということもあって、頭上と地上で二匹のラピッドを相手にせざるを得なかった。 背中にある羽根状の薄い六枚羽根みたいなモノは武器なのかどうなのか、それは未だに分からない。 デルフが言うにはあれも『風石』で浮かんでおり、本体に埋め込まれているモノと連動しているのだという。 だからアレも武器の一つだと霊夢は思ってはいた。少なくともコイツらを彩る飾りとしてはあまりにも無骨である。 更に言えば、知性の無さそうな怪物のクセにやたらとチームワークが良い。 最初、霊夢はこいつらの囲いから出ようとしたものの上空で待機しているのと地上のヤツらが、一斉に襲い掛かってきたのだ。 結果的に奴らの包囲からは逃れられなかったうえ、一度に四体ものラピッドを相手をする羽目になってしまった。 その後次々と来る敵の増援に痺れを切らした彼女は、瞬間移動で包囲から出ようと考えたがすぐにそれはダメだと悟った。 学院での戦いで使った瞬間移動は範囲が狭いうえに連発もできないので、逆に窮地に陥る可能性が高かったのである。 幸い、動きが気持ち悪い事と無尽蔵に飛んでくる事以外を除けば博麗の巫女である霊夢の敵ではなかった。 ――――――彼女の体調が万全であったのであらば。 「……ウ、クッ!」 一息ついてまた戦いを再開しようとしたとき、頭の中で疼いている痛みが彼女の痛覚を刺激する。 まるで俺を忘れるなと囁いているかのように、先程から彼女を悩ます軽い頭痛が一瞬だけ鋭利な刃物の様に痛みを増す。 その痛みのせいで体の力がフワリと抜け落ち、不甲斐ないと思いつつもその場で片膝をついてしまう。 『おいおい大丈夫か?さっきオレっちに訴えてきた頭痛はまだ痛むのかよ?』 「――――…ッあぁもう、さっきから何なのよこの頭痛は…?」 心配してくれるデルフの言葉に、霊夢は痛む頭を手で押さえながらもそれを紛らわすかのように呻く。 二つ目にこの頭痛であった。戦いに集中できないレベルでも無視するにしても少し難しい中途半端な頭の痛み。 まるで頭の中に文鎮でも仕込まれたかのようにズーンと頭が少しだけ重たく感じられてしまい、そのせいで霊夢自身上手く戦えないでいるのだ。 急に現れたこの痛みに最初は顔を顰めつつも無視していたのだが、時折今みたいにその痛みが激しい自己主張をしてくるのである。 そのせいで命に関わるような事にはまだあっていないものの、本調子で戦えない事自体が彼女にとって大きなストレスとなっていた。 本当ならどこか一息つける場所で休みたいのではあるが、生憎そんな暇すら許されないという状況である。 「…こんな奴ら。私の頭痛でもなけりゃ、一掃してやれるっていうのに…」 「そんな事を言える余裕があるんなら、まだまだ大丈夫だと私は思うぜ?」 悔しそうに呟いた霊夢の背後から、茶化すようにして魔理沙が言葉を返してきた。 ある意味ルイズ達と比べてこの場を走り回っているであろう彼女は右手にミニ八卦炉を持ち、左手には箒を握っている。 魔理沙が長年連れているであろう無機質な相棒たちは、複数のラピッドを相手に彼女を大立ち回りの舞台で踊らせていた。 ミニ八卦炉から発射されるレーザーが相手の体を鎧ごと貫き、見た目以上に硬くて痛い箒は体の軽い奴らを吹き飛ばしていく。 そして彼女が服の至る所に隠しているであろゔ瓶に詰めた魔法゙という三つの武器で、既に三匹のキメラ達を葬っている。 霊夢が倒した数の約半分にしか達していないものの、彼女やルイズと比べて激しく動き回っているのにも関わらずその顔には快活な笑みが浮かんでいた。 まるでアスリートが自分の好きなスポーツに打ち込んだ後の様な笑顔に、霊夢は思わず顔を顰めてしまう。 「アンタ…人が頭痛で苦しんでいるっていうのに、随分と楽しそうじゃないのさ?」 「そりゃまぁ、萃香が起こした異変の時みたいに地上で暴れまわるのは久しぶりだしな!」 楽しさ二倍ってヤツだよ!最後にそう付け加えながら、上空から突撃してきた一体のラピッドに向けてミニ八卦炉を向けた。 既に黒い八角形の炉の中でチャージされていた彼女の魔力が、直線形の太いレーザーとして勢いよく発射される。 ご丁寧に真っ直ぐ突っ込んできた相手は霊夢のお札と比べてあまりにも速い攻撃に対処しきれず、そのまま上半身をレーザ―で消し飛ばされてしまう。 残った下半身は突撃時の勢いを残したまま地面に激突し、血をまき散らしながらあらぬ方向へ激しくバウンドしていった。 「良し!これで五体目…っていうか、コイツらどんだけ用意されてるんだよ」 ひとまず目の前の危機を追い払ったところで顔の汗を拭いながら、背後の霊夢に向けて言う。 どうやら自分と同じく、どこからともなく湧いてくるキメラ達にキリが無いと判断したのだろうか。 そう思った霊夢はしかし、「そんなの知るワケないでしょ?」とぷっきらぼうに返しながらようやっとその腰を上げた。 「ただ、あのシェフィールドっていう奴の言った事が正しかったら、どこかにコイツらを送り出してる所か何かがあるはずよ」 「…?確か、゙鳥かご゛だっけか、そんな名前だったような…。けれど、それをどうやって探す気なんだって話だ」 『少なくとも、コイツらの包囲を脱しなきゃならんが、生憎それは無理そうだねえ』 霊夢の言葉に魔理沙が頭上キメラ達にレーザーで牽制しつつそう返し、ついでデルフも呟いてくる。 黒白と一本の言葉に霊夢は苛立ちを覚えつつも、左手に持つ御幣へと自らの霊力を注いでいく。 「そんなに無理無理言うんなら…ちょっとは手を動かせ…てのッ!!」 そして上空から投げつけてきたラピッドの槍に向けて、霊夢は勢いよく御幣の先端を突き出した。 彼女の霊力を注がれた御幣の先についた紙垂代わりの薄い銀板が、シャララと音を立てながら青白く発光していく。 直後。その銀板を中心に小さな結界が展開し、迫ってきた槍を投げ返すようにして弾き飛ばしたのである。 刺されば確実に致命傷となっていたであろう槍は大きく回転しながら、暗い森の中へとその姿を消した。 「お見事!本調子が出ないとか何だ言って、本当は手でも抜いてるんじゃないのか?」 真後ろで嬉しそうに叫んだ魔理沙の黄色い声が痛む頭の中で響き渡り、霊夢の顔をますます険しくさせる。 思わず魔理沙の形をした悪魔たちが、自分の頭の中で暴れまわってるのを想像してしまい、ついつい彼女自身も声を張り上げてしまう。 「えぇいもう…、一々真後ろで叫ばないでよ!こっちはたたでさえ頭が痛いんだから!」 そんな事を言いながら、ほんの一瞬だけ背後の魔法使いを睨んでやろうと振り返ろうとしたとき…デルフが怒鳴り声を上げた。 『おい、気をつけろッ!!゙羽根゙を飛ばしてきやがったぞ!』 よそ見しようとした自分への注意とも取れるその怒鳴りに、思わず視線を戻した彼女は思わず面喰ってしまった。 背中と背中を向け合っていた魔理沙もそちらへと視線を移し、同時に絶句する.。 その゙羽根゙を飛ばしてきたのは、先ほど霊夢に槍を弾かれた上空のラピッドであった。 唯一の武器だったであろう槍を失い、少しだけなら大丈夫だろうと霊夢が視線を外した隙にソレを飛ばしてきたのである。 いつの間にか地上に降り立ち、背中に内蔵された大きな『風石』と連動して自分の背後で浮遊する、六枚の羽根状の゙武器゙。 『風石』の力で緑色に輝く羽根の形をしたソレが風を切りながら回転し、目を見張って驚く霊夢と魔理沙に迫りつつあった。 「げッ、マジかよ!」 「クッ!」 凶悪な緑の光を放ちながら迫りくる刃に、思わずたじろいぐ二人の姿は珍しい光景であろう。 避ける暇が無いと判断したのか、魔理沙より先にその凶器の直撃を喰らうであろう霊夢が咄嗟の即席結界を張る。 録に霊力など込めておらず、完全に防ぎきるとは思えない御粗末な代物ではあったが、それなりに効果はあったようだ。 次々と飛んでくるブーメランは結界に当たるとその軌道を変えて、二人と一本の周りを音を立てて通り過ぎていく。 しかし丁度五本目を防ぎきった所で粉々に砕け散り、不幸にも最後の六本目が彼女と魔理沙へその牙を剥いた。 「うぁッ…!」 「れ…痛ッ!?」 『風石』の持つ力で回転する刃は結界を張っていた霊夢の左肩を勢いよく掠り、彼女の血をまき散らしながら回転を続けていく。 直撃とはいかないものの傷口から伝わる激しそのい痛みに慣れていないせいか、その口から呻き声を漏らしてしまう。 そんな霊夢に思わず声を掛けようとした魔理沙も、彼女の血を飛ばしながら回転凶器に右手の甲を思いっきり切り裂かれた。 「イテテ、ってうわ…、マジかこれ?スゲー痛いうえに見た目もエグイな…」 持っていたミニ八卦炉を思わず落としてしまうが、それにも構わず一瞬で血まみれの切創が出来た右手に彼女はその顔を真っ青にする。 それでもまだまだ余裕は捨てきれないのか、青い顔に苦笑いを浮かべつつも出血する傷口を見ながら呟いた。 「コイツぅ…よくもやってくれるじゃないの?」 『全く、手ひどくやってくれたもんだぜ!』 一方の霊夢は運よく掠り傷ですんだのではあるが、先ほどの頭痛と重なってしまいまたもや片膝をついてしまっている。 心なしか呼吸も荒くなっており、素人目に見ても限界が近くなっている事が察せられる程疲弊していた。 唯一無傷であったデルフはそんな二人を心配しつつも、相手のまさかな攻撃方法にある種の感心を感じていた。 一方で見事攻撃に成功したラピッドはというと、その背中に収まっている『風石』を力強く発光させている。 次は何をしてくるのか…?左肩の傷口を押さえつつ様子を見守っていると、ふとその背後からさっき聞いたばかりの音が聞こえてきた。 鋭い刃物を勢いよく振った時に聞こえてくるあの独特の風を切り裂く音、おもわず霊夢が後ろを振り返つた時―――魔理沙が叫び声を上げる。 「わっ、畜生!また戻ってきやがったぞ!?」 黒白の言うとおり、背後を振り返った霊夢の目にはあの六枚の羽根がUターンして戻って来るのが見えた。 今や凶悪に見える緑色の光を纏って、再び彼女たちを切り裂かんと悪魔の刃が迫ろうとしている。 「人が怪我してるってのに…!ちょっとは休ませろよな!?」 魔理沙が話の通じぬキメラ相手にそんな無茶ことを言いながらも、切創の付いた右手で地面のミニ八卦炉を拾おうとする。 対する霊夢も、今度は撃ち落としてやらんと左肩の傷を今は無視して懐からお札を取り出そうとした。 そしてラピッドのブーメランも、今度こそ二人の息の根を止めてみせると言わんばかりにその回転を強めて近づいてくる。 本物の殺し合いに慣れぬ幻想郷の少女二人と、人を殺すためだけに造られた怪物の飛び道具六枚。 決して相容れぬであろう対決、その雌雄は決したのは―――――― 「『ファイアー・ボール』ッ!」 ――――突如双方の間に割り込むかのように入ってきたルイズの魔法であった。 凄まじい閃光が二人と六本の間で走り、直後にそれが強力な爆風と黒煙と貸して霊夢達ごと周囲を包み込む。 本来なら゙火゙系統の攻撃魔法なのであるが、ルイズが唱えてしまえば広範囲かつ中々凶悪な爆発魔法へと変わってしまうのである。 「!?、ちょ、うわっ…ぷ!」 「る、ルイズおま…うわッ!ゲホッ!!」 激しい爆音を耳にしながら黒煙に包まれた二人は悲鳴を上げる間もなく煙に包まれ、咄嗟に目を瞑りつつも激しく咳き込んでしまう。 彼女たちを切り裂こうとしたラピッドのブーメランは爆風の煽りで槍と同様、六本それぞれがあらぬ方向へと飛んで消え去っていく。 最後の攻撃手段を吹き飛ばされたキメラは驚いたと言いたげに身を怯ませた直後、再びルイズが呪文を詠唱した。 「『エア・ハンマー』!」 勢いよく叫んだ彼女は右手握った杖を怯んだキメラの方へと振り下ろした瞬間、ソイツの足元が大きな音と共に爆ぜる。 ゛風゛系統の呪文であり、本当ならば魔法で固めた空気を不可視の槌として使う呪文だ。 しかし、それもルイズが唱えてしまえば槌にしてしまう空気ごと吹き飛ばしかねない爆発魔法となるのだ。 哀れルイズの爆発を足元で喰らったキメラは、口から黒煙を吐きだしながら力なくその場で倒れ伏してしまう。 背中で光っていた『風石』は完全に砕け散っており、武器も無い今の状態では起き上がっても脅威にはならないだろう。 最も、それは全身煤だらけでボロボロとなったソイツにまだ立ち上がって戦える気力があるかどうかの話だが。 「うわぁ~…霊夢も霊夢だが、ルイズもルイズで色々と酷いなぁ?」 魔理沙は自分と霊夢に不意打ちを喰わせてきたキメラが、ルイズの魔法であっという間にボロ雑巾と化した事に同情心すら抱きかけてしまう。 「それ、数分程前のアンタに掛けてやりたい言葉だよ」 『まぁアレだな?ここは三人とも色々アレって事で済ませとこうぜ?』 「アンタ達!何こんな状況で暢気なやり取りできるのよ!?」 そんな彼女に霊夢とデルフがささやかな突っ込みを入れていると、自分たちを援護してくれたルイズが傍へと駆け寄ってきた。 ルイズもまた他の二人と同じく無傷というワケでもなく、魔法学院の制服やマントには幾つもの切れ込みが入ってボロボロになっている。 その切れ込みから覗く肌にも赤い筋が残っており、場所によっては少しだけ出血が続いているような箇所すら見受けられた。 しかしそんな彼女の顔は緊張した表情を浮かべてはいたが、決して自分たちを囲うキメラに恐怖しているというワケではなかった。 近づいてきた彼女は魔理沙の右手にできた切創を見て、その目を見開いた。 「ちょっとマリサ!その右手の傷って大丈夫なの…!?」 「よぉルイズ。大丈夫だぜ、問題ない!―――――…って言いたいところなんだが、生憎物凄く痛いぜ…」 本当ならここで格好よく大丈夫とか言いたかったものの、体は痛みに対しては正直過ぎた。 右手の切創は最初見た時と比べより出血の量が増えており、ポタリポタリと指と指の合間や先っぽから血が遠慮なく垂れ落ちていく。 痛みも切られたばかりの時と比べジンジンと頭の奥にまで響くほど激しくなっており、心なしか魔理沙自身の顔色も若干悪くなっている。 ルイズはそんな魔法使いの右手の状態を見て一瞬顔を真っ青にしてしまうが、気を取り直すように首を横に振ると右手の杖を腰に差し、 空いたその手で王宮を出る際に持ってきていた肩掛け鞄を開き、その中身を必死に漁り始めた。 「もう!秘薬はそんなに持ってきてないんだから、気をつけなさいよね?」 そんな事をぶつくさ言いながら持ってきていた水の秘薬と包帯を取り出した彼女は、素早く魔理沙の応急処置を始めていく。 「そりゃまぁ、避けれるなら避けてたが…。ていうかコレくらい、包帯巻いてくれるだけで大丈夫だと思うんだが」 『当たり前だろ。娘っ子の秘薬が無けりゃあ、今頃出血多量で一大事だったぜ?』 一方の魔理沙はこういう生傷には慣れていないのか、止血しておけば大丈夫とでも言いたげな言葉に流石のデルフも呆れている。 幻想郷の弾幕ごっこでは体が傷つく事はあっても、今の様に大きくて後々命に係わるような傷ができるという事はそうそう無い。 言葉が通じぬ妖怪を退治する事もある霊夢はまだしも、基本戦いは弾幕ごっこである魔理沙にとって命のやり取りというものは少しだけ漠然とした存在であった。 だからこそ真剣な表情でキメラと戦っていた他の二人と違って、彼女だけは快活な笑みを浮かべていたのである。 暢気な黒白の態度にため息をつきたくなりつつも、ルイズはタオルを使って傷口周りの血を拭いていく。 その間にも霊夢は近づいて来ようとしているキメラ達に、お札と針を交互に使って牽制したり撃ち落としたりしていた。 針で目を潰し、その隙に投げたお札で一匹始末して更に近づいてくる別の個体には最初からお札の集中攻撃で距離を取らせる。 本来ならばこういう時を狙って一斉攻撃してきそうなもりであるが、生憎キメラ達はもゔ一人゙いる相手にも攻撃しなくてはならない。 その為霊夢が相手するのは二、三匹程度であり、その程度ならば魔理沙の応急処置が済むまで守る事など朝飯前であった。 (確かアイツは素手だったけど…大丈夫かしらね?) 接触してきたシェフィールドと自分たちの間に割って入ってきたあの巫女モドキは、今は自分たちの見えない場所で戦っていた。 ここからではあまり見えない森の中から、キメラ達が持っている槍で風を切る音と霊力で青く光る彼女の拳の光が見えている。 補充されて来るキメラ達の何匹かが彼女のいるであろう場所へ飛んで行っているので、まだ生きているのだろう。 「ちょっと、ちゃっちゃと済ませないよ。ソイツの応急処置に時間なんて掛からないでしょうに」 「分かってるって!…ホラ歯ァ食いしばりなさいよ?染みるから」 そんな事を思いつつ、魔理沙の手の甲に付いた血の汚れを拭っているルイズに声を掛けつつ、上空から降りてくるキメラ一体に牽制の針を投げつけた。 一方のルイズも荒い言葉で返しつつ、患者の手に付いた血を粗方噴き終えたところでようやく水の秘薬を塗れるようになった。 手のひらサイズの壺に入った軟膏にも見えるソレを一掬いすると、痛々しい傷口へと遠慮なく塗り始めた。 「おぉ頼む…ぜッ!?うわっ、ちょ…ヒャア!?痛いイタイ痛いッて!」 わざわざ薬まで塗ってくれるルイズに感謝の意を込めた言葉を言いきろうとしたところで、彼女は悲鳴を上げる。 右手の甲にできた一直線上の傷口を包み隠すように塗られた秘薬は、魔理沙自身が想定していた以上に染みる代物であった。 塗られた直後はヒンヤリとした冷気を感じ、それが一瞬で頭の奥に響くほどの熱いとも例えられる痛みに変わったのである。 水の秘薬は軟膏の中に入っている『水精霊の涙』と呼ばれる貴重なマジックアイテムが、塗られた個所の傷口を僅かな時間で直していく。 それ故に傷口に染みた際の痛みも半端なく、それを予想できなかった魔理沙は情けない悲鳴を上げてしまったのだ。 「我慢しなさいって!最初は痛いけどすぐに傷口が塞がって痛みも消えるから」 「イヤイヤイヤ…ッ!これはちょっと…何かに傷口を深く焼かれてるような…イデデデッ!」 秘薬を塗り終え、傷が開かないよう包帯を巻き始めたルイズの叱咤に、魔理沙は目の端に涙を浮かべながら呻いている。 滅多に見れないであろうその霧雨魔理沙の珍しい顔を見た霊夢、こんな状況なのにも関わらずニヤリとしてしまう。 「ほ~、ほ~…。いつもは粋がってる魔理沙さんも、中々可愛い表情を見せてくれるじゃないの」 明らかな嫌味とも取れる霊夢の言葉に、恨めしそうな顔をした魔理沙が「そ、そりゃどうも…!」と咄嗟に返事をする。 そんな二人のやり取りを目にして呆れつつも、黒白の右手に包帯を巻き終えたルイズは今まで援護してくれた霊夢に「終わったわよ!」と告げた。 自分の右手に包帯が巻かれた事の安堵感と、傷口が軟膏で痛むという二つの思いを感じつつも魔理沙はルイズに礼を述べた。 「おぉイテェ~…!応急処置ありがとなルイズ、でも今度からはもうちょっと優し目で頼むぜ」 「そんな事言える余裕があるんなら、軽く避けて反撃するくらいの事はしてほしいものね」 「まぁまぁそう言うなよ。それに、お前さんの爆発魔法の威力の程も見れたし、私として怪我の功名ってヤツだよ」 右手を摩りながら立ち上がった魔理沙が口にした゛爆発魔法゛という言葉に、ルイズがキッと目を鋭くする。 正直言って、この様な状況下においてルイズの『失敗魔法』は本人の予想以上にその効力を発揮していた。 彼女自身は掛けに近い感覚でキメラに杖をふるい呪文を唱えるものの、それ等は威力に差があるものの全て爆発する魔法に変わってしまう。 しかしその爆発はこれまでの失敗魔法同様何もない空間が突然爆ぜるのでキメラ達も急には動けず、犠牲になっている。 ルイズとしては、この二人に守られてばかりではなくこうして共に戦えるという事に不満は無かった。しかし… 「爆発魔法…ね、確かにそりゃアンタの言うとおりだし…ぶっちゃけ今は役に立ってくれてるけど…けれど」 「けれど?」 「やっぱりどんなスペル唱えても爆発しちゃうより、普通の魔法を使ってみたいのよねぇ…」 ルイズの悲痛な言葉を魔理沙はいまいち理解してないのか「まぁまぁ、そう卑屈になるなって…」とやる気のないフォローをしている。 そんな二人のやりとりを見て何をやっているのかと溜め息をつきそうになった霊夢であったが、敵はそれすら許してはくれなかった。 『三人とも、敵は待ってちゃくれないぜ!――――…今度は上から一体、あのブーメランを出してくるぞ!』 デルフの叫びに霊夢達が頭上を仰ぐと、彼の言うとおり上にいるラピッドが背中の『風石』を強く輝かせて背中の羽根を飛ばそうとしていた。 「…舐められたモンね。まさか私相手にさっきの攻撃がまた通じるとでも思ってるワケ?」 一度目ならまだしも、二度目の攻撃を喰らってやる程お人好しではない霊夢は、左手の御幣をキメラへと向けて霊力を溜め始める。 今度は相手の攻撃を防ぐ結界ではなく、その攻撃ごと相手を葬る為の霊力を放とうとした、その直前であった。 「そ…りゃあッ!」 どこからか聞こえてきた威勢の良い女の掛け声と共に、闇夜でよく見えぬ木立の中から物凄い勢いで一体のラピッドが吹っ飛んできた。 その影は霊夢達の頭上で攻撃を行おうとしたキメラを丁度良く巻き込み、軽い金属同士が勢いを付けてぶつかりあった時の様な甲高く激しい音が周囲に響き渡る。 あと少しで羽を飛ばせたラピッドはぶつかってきた仲間のせいで大きくバランスを崩し、同時に発射した六枚の凶器はあらぬ方向へ飛んでいく。 周囲の木々や同じラピッドたちにその羽根が次々と刺さっていくが、幸いにも丁度真下にいたルイズたちはその無差別攻撃からは免れていた。 「わ…っ!?」 秘薬と包帯を手早く鞄にしまい込んだルイズはキメラ同士が頭上で激しくぶつかり合う音と、すぐ近くの地面に刺さった羽根に身を竦ませる。 何時やられてもおかしくなかった応急処置が終わって安堵した瞬間の出来事であったが故に、ついつい気が抜けてしまっていたのだろう。 彼女に右手の怪我を処置してもらった魔理沙も目を見開いて驚きつつ、「おぉ…!?激しいぜ!」と苦笑いを見せている。 一方の霊夢は二匹仲良く揉みくちゃになりながら、木立の中へ消えていくキメラ達を一瞥してから、キッとある場所を睨み付ける。 それは吹っ飛ばされたキメラがいたであろう場所。あのキメラを威勢よく投げ飛ばしたであろう声の主がいる木立の中を。 「全く、どこの誰かは知らないけれど…援護する気があるなら、もっとマシな方法を選びなさいよ?」 下手すればルイズの努力が水の泡と化していたであろう事を考えながら、霊夢はその木立の方へと話しかける。 彼女の言葉にようやくミニ八卦炉を拾えた魔理沙と、右手に杖を握り直したルイズもそちらの方へと視線を向けた。 周囲に浮かぶキメラ達に警戒しつつもすぐ近くの木立を三人が見つめていると、キメラを投げ飛ばしたであろゔ彼女゛の声が聞こえてきた。 「…そりゃ悪かったわね?何せ、急に向かってきたもんだから投げるしかなかったのよ…!」 そう言って三人の前に現れたのは、突然ルイズ達とシェフィールドの前に現れた謎の巫女モドキ―――ハクレイであった。 長い黒髪と紅い巫女装束、そして霊夢のソレと酷似している服と別離した白い袖という衣出立ちは、確かにそう言われてもおかしくない。 そんな彼女は今、先ほどまでいたであろう木立から抜け出すようにして三人の前に走ってくると、そこでバッと身を翻した。 「たくっ…!コイツら以外としつこいわねぇ!」 そう呟きながら三人に背中を見せたハクレイは、次に彼女たちを庇うような形で拳を構えて見せた。 左手を前に突き出し、右手は腰に触れるか触れないかの位置で止めて先ほどまで自分がいた場所を警戒している。 一体何事かとルイズ達が思った直後、その彼女を追いかける様にして二体のラピッド達が飛びかかってきた。 四人に突き刺すようにして槍を向けてくる相手に対し、ルイズたちが行動を起こす前に先に構えていたハクレイが動く。 「せいッ、…ハァッ!」 腰の横で止めていた右手の拳に霊力を溜めると、彼女を槍で突こうとしたラピッドの胴へと勢いよく右アッパーを叩き込んだのだ。 丁度相手の頭上から攻撃しようとしたソイツはものの見事に彼女の青い拳を喰らい、その体がイヤな音を立てて鎧ごとへの字に曲がっていく。 見事なアッパーカットを喰らったキメラはその口から黒色の血反吐をぶちまけると、そのままぐったりとして動かなくなる。 攻撃を当てたハクレイはそのまま左足で地面を蹴ると、右の拳で貫いたキメラごとジャンプして一気に二匹目のラピッドへと近づいた。 一方の二匹目は、やられた仲間を持ったままこちらへ飛んでくる相手を両断しようとしているのか、両手に持った槍を思いっきり振り上げようとする。 だがそれを読んでいたのか、ハクレイはキメラを持ち上げている右手を少し引いて、一気にそれを前へと突き出す。 すると胴に刺さっていた彼女の右手がスッポリと抜けて、突き上げられたラピッドの体は勢いを付けて槍を振り上げた仲間と激突したのである。 折角攻撃をしようとした所でやられた仲間と衝突したキメラは大きくバランスを崩し、槍を振り上げたままその場で固まってしまう。 その隙を狙って作り上げたハクレイは左手に霊力を注ぎ、青色に光るする左の拳でもって二匹目の頬を殴りつけた。 頭部を覆う鎧が大きく凹み、その内側にある顔の骨が折れていく不吉で乾いた音が、彼女の耳に入ってくる。 それを気にすることなく左手に更なる力を込めていき、そして一気に殴りぬけた! 「吹ッ飛べ!!」 そんな叫びと共に左フックで殴り飛ばされたキメラは先にやられた仲間と共に、錐揉みしながら木立の方へと飛んでいく。 皮肉にも先程自分たちが出てきた所へと戻っていくとは、彼らの少ない理性では到底考えられなかった事であろう。 仲間がやられた事で補充として前へ出ようとしたもう一匹を弾き飛ばしながら、二匹のキメラは仲良く闇の中へと消えていった。 無事に二匹、余計に一匹殴り飛ばしたハクレイは地面に着地するとふぅと一息ついて右の袖で顔の汗を拭った。 魔理沙はそれを見ておぉ…っ!と声を上げたが、霊夢だけは彼女の手を包む霊力を見て顔を顰めている。 あの荒く、まるで鋸のような相手の体をズタズタに切り裂くかのような霊力で包まれた拳の一撃は、さぞや痛いであろう。 (あんなので殴られるくらいなら、本物の鋸で切られた方が…いや、どっちもどっちか。…でも、あの攻撃の仕方) そんな事を考えつつも、彼女はあの巫女もどきの攻撃にどこか見覚えがあった事を思い出す。 忘れもしない丁度二週間前近くの事。アンリエッタの結婚式だからと言って、ルイズが服を買ってくれたあの日。 ガンダールヴのルーンに導かれるようにして出会った。自分と瓜二つの恰好をした少女との戦い…。 そしてあの姿、紅い巫女装束に黒髪。―――――霊夢は二度も見ていたのだ、同じ姿をした女性を。 ガンダールヴのルーンに導かれるようにしてレストランを出る直前に、そして自分の偽物と相打った直後の夢の中で―――― 「………ッ」 チクリ、と後頭部の内側から微かな痛みを感じてしまう。 どうしてか知らないが、この女がやってきて一緒に戦い始めてから頭痛が起き始めた様な気がする。 気のせいと言われればそうなのかも知れないが、直前まで何とも無かった事を考えればそれはあり得ない様な気がした。 少なくとも今自分の体を襲う頭痛の原因に、後ろにいる巫女モドキの存在が関与しているのかもれしない。 そんな不確かな事を思いつつも、自分の気持ちなど微塵も知らない彼女に対して霊夢は身勝手な不満を抱いていた。 「全く、アンタは本当に何なのよ?」 「―――…?」 顔を顰めた霊夢の呟きが聞こえたのか、顔を拭っていたハクレイはキョトンとした表情を彼女の方へと向けた。 彼女がここを離れられない三つ目の理由、それは謎の巫女もどきことハクレイの存在である。 自分とよく似た巫女装束の姿をした彼女の存在が引っ掛って、仕方がないのである。 ド派手な登場でシェフィールドを逃がしてしまって霊夢に怒鳴られた後、彼女も流されるようにして三人と戦うことになった。 最初は突如現れた彼女に対してルイズが何者かと聞いてみたのが、あっさりと自分の素性を話してくれた。 曰く、自分は記憶喪失で何処で生まれたのかも分からず、名前すら知らないという事。 そしてこの村から少し離れた川でボーっとしているところを、カトレアと名乗る女性と出会い、色々あって彼女に保護してもらった事。 今は目の前の屋敷の地下で、村の人たちと一緒に避難している彼女を助ける為に外で戦っているという事を、ハクレイは手短に話してくれた。 それを聞いたルイズは、ここへ来る動機となった女性の名前を耳にしてキメラに魔法を放つのを忘れて彼女の掴みかかった。 「カトレア…?それじゃあやっぱり、ちぃ姉さまはあそこにいるのね!?」 「うわっ…ちょ!ま、まぁそうだけど…ちょっと危ない、危ない!」 戦いの最中にも関わらず詰め寄ってきたルイズに慌てつつも、ハクレイは話を続けていった。 隠れている最中に容態が悪化したカトレアの薬を取りに行く際に、屋敷から出て助けを呼びに行く者たちと一緒に地下を出た事。 彼らを見送った後、薬を手にしたところまでは良かったが屋敷内部にいたキメラ達に見つかって止むを得ず戦う羽目になったのだという。 その時はすぐに蹴散らしたが、待っていましたと言わんばかりに他の連中もやってきて戻ろうにも戻れなくなってしまい、 同行してくれていたカトレア御付の貴族たちに薬を渡して、彼女自身が囮役として屋敷の外に出てキメラ達と戦いつつも逃げていたらしい。 数時間掛けて奴らを撒いたのは良かったが屋敷周辺には奴らがいて戻れず、仕方なく隠れていたという。 それから今に至るまでハクレイは彼女自身の戦い方もあって三人とは距離をとっていたものの、キメラを相手に共闘する事となった。 ルイズ達は近づいてくる敵を魔法やお札といった飛び道具で撃ち落とし、ハクレイが少し離れた場所で拳を振るう。 そんな風に戦って約十五分、二十体近くを倒してはいるが未だに終わりは見えてこないという状況であった。 「それにしても、殴れど蹴れども幾らでも湧いてくるわねコイツラは…」 「やっぱりあのシェフィールドっていう女を黙らせるか、何処かでコイツラを保管してる場所か何かを潰さなきゃダメみたいね」 「アイツラの動きからしてそう遠くはないだろうけど、離れたら離れたであの屋敷に手を出すだろうし…」 息を整えつつも三人の傍へと寄ってきたハクレイと霊夢が、周囲にいる敵を睨みつつも何とか打開策を見つけようとしている。 自分たちの周りを囲うキメラ共は最初こそ無秩序に突撃して来たものの、倒した数が増えるごとに一体ごとの動きが慎重になっている。 恐らくは何処か自あの分たちの見えない所から、あのシェフィールドが操っているのかもしれないが断定することはできない。 「全く、今回の化け物といいあの女といい…良く分からない連中と戦ってばかりな気がするわね」 「それには概ね同意しますけど。個人的に一番得体が知れないのはアンタだと断言しておくわ」 ハクレイの愚痴に対し霊夢が言葉を返しながらも懐から新しいお札を取り出し、いつでも戦えるようにと態勢を整える。 霊夢としてはその見た目からして怪しいとは思っていたものの、ひとまずは信じられる味方として共に戦っているという状況だった。 一方のハクレイは霊夢の姿を見ても特に何も感じてはいないようだが、少なくとも無関心というワケではないらしい。 自分たちを囲っているキメラ達を睨みつつも、時折彼女の強い視線がチラチラと横目で見ている程度ではあったが。 とにもかくにも、今この状況を打開しない以上詳しいことは聞けないと理解しているからこそ、二人は肩を並べて戦っているのである。 そんな二人のやり取りを耳にしていたルイズは、身長と胸囲に差があり過ぎるもののどこか霊夢と似通っていると思った。 服装にも微妙な違いがあるものの、霊夢の来ている巫女装束と意匠が似ていて…言ってはなんだが、まるでそう―――゙親子゙の様な…。 「…って私、何を考えてるのよこんな時に」 「ん、どうしたルイズ?頭に毛虫でも乗っかったのか?」 首を横に振って頭の中の思考を払おうとした所で、それに気づいた魔理沙が声を掛けてくる。 包帯を巻いた右手は少し痛々しいものの秘薬が効いているのか、苦も無く動かしている所を見れば痛みが治まったのであろう。 自分が持ってきた道具が無駄じゃなかったことを確信しつつも、ルイズは彼女の言葉に「何でもないわよ」と言ってから耳打ちで言葉を続ける。 「ただちょっと…あの女の人の姿が、ちょっとだけアイツに似てるって思っただけよ」 「あぁ~、確かにそうだな。まぁ巫女さんの姿だから似ててもしょうがないと思うぜ、そこは」 自分の疑問に対して、やや適当な感じで魔理沙がそう答えた事にルイズは「そこが疑問なのよ!」とやや怒りつつ喋り続ける。 「そのアンタんとこの巫女装束を着た彼女が、ハルケギニアにいるって事事態おかしいと思わないの?」 「え?…あ、確かにそうか!ここって私とアイツにとっちゃあ異世界だもんな、バリバリ西洋の」 一瞬だけ怪訝になりつつ、すぐに明るい表情になった魔理沙の言葉に霊夢も「あっ」と言葉が出て思い出す。 確かにルイズ魔理沙の言うとおりだ。ここはハルケギニア、東洋の文化など全く見えてこない西洋感溢れる異世界。 本来なら目の前の巫女モドキが来ているような和風の巫女装束など、お目に掛かる事など無い筈なのである。 それを今更ながら理解した霊夢と魔理沙の二人は、場違いな服を着たハクレイの方を見遣る。 一方のハクレイもルイズの言葉を聞いて「そうなの?」と自分の事にも関わらず、首を軽く傾げながら言う。 周囲を囲うキメラにも警戒しなければいけないため彼女の顔は見れないが、その口調からは本当に不思議がっているのが分かった。 「え?…ま、まぁそうだけど…ていうか、アンタ自身の事なのにそのアンタが不思議そうに聞いてどうするのよ?」 「さっきも言ったけど私は何も覚えてないから、こんな姿をしてる理由も思い出せないのよ」 あぁそうか、さっきそんな事言ってたわね。戦いながら聞いていた彼女のいきさつを思い出して、ルイズ達は納得する。 けれどもそれはそれで謎がさらに深まってしまい、彼女自身の存在がより不鮮明になってしまう事となった。 しかし、だからといって今共に戦っている彼女に杖を向けるという事にはならない。 ひとまずはそう納得したルイズは杖を握る右手に更に力を込めて言った。 「だけど、今はそんな事を知る前にちぃ姉様やタルブ村の人たちがいる屋敷を守らないと…それが先決よ!」 「だな。確かに怪しいっちゃ怪しいが、だからといって敵を増やしても良いことは何もないぜ」 ルイズの言葉に魔理沙も同意し、霊夢も「そりゃそうね」と呟きながら御幣を遠くから睨むキメラ達の方へと向ける。 そして黒白に怪しいと言われたハクレイも、その三人と背中を合わすようにして静かに拳を構えて見せる。 遠くから様子を見守っていたラピッド達も再び動き出そうとしているのか、彼女たちの周りにいる数体が姿勢を低くしている。 恐らくあの姿勢から飛び上がるつもりだろうか?軽い想像を頭の中でしつつも霊夢は突き出した御幣に霊力を注ごうとした―――その時だった。 「………ん?――――何だ、急に肌寒くなってきたような…」 彼女の後ろでミニ八卦炉を構えていた魔理沙が、唐突にそんな言葉を口から出してきたのは。 突然何を言い出すのか?そう言いたかったルイズもまた、彼女と同様にブラウス越しの肌が冷たい空気に触れるのを感じた。 二人の言葉にハクレイも周囲の空気が冷たくなり始めたのに気づき、もしやキメラ達の仕業かと辺りを見回してみる。 だが不思議な事にキメラ達もその動きを止めており、姿勢を低くしていた奴らも腰を上げてキョロキョロと頭を動かしていた。 「アイツらも止まってる?ってことは、あのシェフィールドっていうヤツが何かを仕掛けたってワケじゃあなさそうだけど…ねぇれ…あれ?」 彼女に続いてキメラの異常に気が付いたルイズがそう言いながら霊夢にも話を振ろうとした時に、ようやく気が付く。 自分たちと同じく空気の異変に気付いたであろう彼女は、それまでキメラを睨んでいた目を頭上の空へと向けている事に。 一体どうしたのかとルイズが訝しんでいる一方で、霊夢は周囲に漂い始めたこの冷気に覚えがあった事を思い出していた。 かつて地上より遠く離れた雲の中、まるで御伽噺に出てくるような空に浮かぶ巨大大陸で体験した様々な出来事。 まだ幻想郷から紫が迎えに来る前に、帰る手がかりがないかとあのアンリエッタが持ってきた幻想郷録起を頼りに訪れた『白の国』 途中入った森の中の村に泊まり、色々あって行先が同じだったルイズと合流し裏口から入ったニューカッスル城。 アルビオン王党派最後の砦の中で、彼女は感じていたのである、肌を容赦なく刺してくるかのような冷気を。 そして知っていた。ルイズの護衛として同行し、まんまと王党派の中に紛れ込むことのできたあの男が放つ、この冷気の゙正体゙を。 (この冷気は間違いない、この空気が漂いだしてすぐに…あの後…ッ!) 目を見開き、あの時の出来事が脳裏を駆け巡っていく中で霊夢は思い出す。あの男の一言を。 ―――――何、君には永遠の眠りをあげようと思ってね そんな気取った言葉を放つ男には撃てそうにもない苛烈な雷撃に、間違いなく自分は追いつめられていたのだ。 自身の゛遍在゙を用いて一度は襲い掛かってきた、『閃光』の二つ名を持つ男に。 『…………ッ!!?クソ、やべェ!お前ら、その場に伏せろ!!』 そこまで思い出したところで、目を見開いた霊夢が他の三人へと顔を向けようとした直後。 不思議とそれまで黙り込んでいたデルフが、まるで堰を切ったかのような怒声で叫んだのである。 今まで黙っていたかと思えば急に怒鳴ったインテリジェンスソードにルイズ達三人が目を丸くした直後、霊夢が動いた。 突然叫んだデルフの言葉を一瞬理解できず驚いていたルイズの体を、腰に抱きつくような感じで地面に押し倒したのである。 「え、わ…っちょ!何すんのよイキナリ!?」 「えぇ…?おいおいお前ら、急に盛るのはナシ…ィグエェッ!!」 突然の霊夢の行動にルイズは赤面しながらも怒り、魔理沙はそれを茶化そうとしたものの上手くいかなかった。 ちょうど彼女の傍にいたハクレイに、後ろから勢いよく袖首を引っ張られて地面に倒されたからである。 ハクレイもハクレイで最初こそ唐突に叫んだ剣に驚いたものの、自分と似た姿をした少女の行動に何かイヤなモノを感じたのだ。 だからこそそれに倣うような形で近くにいた黒白の少女を地面を伏せさせたものの、少々強引過ぎたと伏せさせた後で思った。 しかし、結果的にデルフの叫びと二人の巫女がとった行動はこの場に居た四人を救う結果となる。 ルイズと魔理沙が無理やり地面に伏せさせられた直後、周囲に漂っていた冷気が更にその冷たさを増した。――――瞬間! 先ほどまで霊夢が凝視していた上空から眩い閃光と共に、空気が弾け飛ぶ激しい音と共に無数の雷撃が周囲に炸裂したのである。 「!?キャア…!」 霊夢に押し倒されて赤面していた顔を一変、真っ青にさせたルイズが悲鳴を上げる。 一方でその彼女を押し倒した霊夢は霊力を溜めていた御幣を頭上に掲げると、その先端部から再び結界を展開させた。 今度は即席ではなく、あらかじめ攻撃用に練っていた霊力であった為に守りは強固であり、こちらへと落ちてくる雷撃を弾いていく。 結界に弾かれる度に上空からの雷は激しい閃光と音と共に別方向に飛んでいき、その先にあった一本の木に命中する。 弾かれた雷撃が直撃した木は、轟音と共にあっさりと折れ曲がるとそのまま勢いよく燃え始めた。 アストン伯の屋敷にも雷が直撃し、まだ割れていない窓ガラスが割れて甲高い音と共に屋敷の外へ飛んでいく。 しっかりと整備された屋敷の芝生や周囲に散乱していたキメラの破片や放棄されたトリステイン軍の装備品も上空からの閃光で吹き飛ばされていく。 その中にはここへ来た時にルイズたちが見つけた王軍騎士達のマントもあり、それらは全て激しい雷撃で呆気なく消し炭と化していった。 そして当然、彼女たちを数の力で包囲していたキメラ達にも雷撃は容赦しなかった。 上空から走ってくる閃光は容赦なく奴らの体を鎧ごと貫き、目にもとまらぬ速さで黒焦げになったトカゲの丸焼きへと変えていく。 体をほぼ金属で覆っている事もあり、どんなに動き回っても時間稼ぎにすらならない。 中には無謀にも『風石』の力で飛び上がろうとした奴もいたが、所詮は無駄なあがきであった。 結果。自分たちの頭上で激しい音と共に閃光が奔った直後、トカゲの丸焦げ焼きが落ちてきた事に魔理沙は素っ頓狂な声を上げた。 「うぉわっ!…な、何だぜコレ!?一体全体、何が起こってるんだぜ…!?」 動揺のせいか変な語尾がついた彼女の言葉に答える者は誰もおらず、四人中三人は顔を地面へ向けている。 ただ一人、結界を張っている霊夢だけは霊力を結界へ補充しつつも、その目で闇夜の空を睨み付けていた。 『『ライトニング・クラウド』…!こいつはおでれーたぜ…まさかこのご時世に、ここまで使いこなせるヤツがいたとはな!』 デルフの言葉に、この雷撃が魔法だと察していたルイズはハッとした表情を浮かべた。 ライトニング・クラウド――――人口の雲を造り出し、それに冷気を流し込む事で強力な雷撃を発生させる魔法。 強力な魔法が多い゛風゛系統の中でも特に殺傷能力に秀で、詠唱者に要求される技術も高い上級スペル。 それをここまで凶悪で無差別な殺戮を行える程の魔法に変えられるメイジは、ルイズの中では少なくとも二人だけ知っていた。 一人目は我がヴァリエール家の母親。泣く子も黙るどころか踵を返して逃げ始める゙烈風゙の二つ名を持つ武人。 そして二人目はそのヴァリエール家と領地が近く付き合いもあり、かつては自分の婿と呼ばれ、裏切り者となった男――――ー そこまで思い出した時、それまで周囲を攻撃し続けていた雷撃がピタリと止んだのである。 最後の一撃がついでと言わんばかりに一匹だけ残っていたキメラを黒焦げにした後、その空から何も降ってこなくなった。 まるで最初から雷撃など無かったと言わんばかりの様に静まり返った空と、それとは反対に惨憺たる傷跡をつけられた大地。 ルイズ達四人以外を除き、周囲にいたラピッド達は文字通り全ての個体が黒く焦がされ、沈黙させられている。 治まったか…?誰ともなくそう思った時、雷撃が牙を剥かなかった木立の中から、あのシェフィールドが怒鳴り声を上げた。 『私゙たぢを裏切るつもりかい!?―――――ワルド子爵…ッ!』 恐らく安全圏から今までの戦いを眺めていたであろう彼女の言葉は、怒り一色に染まっている。 「ワルド子爵ですって…!?」 彼女が口にした聞き覚えのある名前に、ルイズが目を丸くして立ち上がってしまう。 同じく地面に伏せていた霊夢が貼っていた結界の外へと上半身が出てしまった直後、今度は彼女の周囲を風が包み込んだのである。 ウェーブの掛かったピンクブロンドが揺れ、ボロボロになったマントが風でバタバタと音を立てた時、彼女を見上げていた霊夢は気づいた。 ルイズの頭上。先程『ライニング・クラウド』が飛んできた上空から一つの大きな影が近づいて来ようとこている事に。 「…!ルイズッ…」 「え、あ、わ…ちょ―――キャアッ!!」 その叫びが届いた直前、意図的な風に体を包み込まれたルイズの身体が宙へと持ち上がる。 まるで目に見えぬ巨人の手に捕まれたかのように、彼女がどんなにもがいてもその拘束から逃れられない。 急いで御幣の柄を地面に勢いよく刺し、空いた左手でルイズを掴もうとした霊夢であったが、それは無駄な努力に終わってしまう。 空中でもがくルイズが、こちらへと左手を差し伸べてきた霊夢に右手を差し出そうとした瞬間。 腰を上げた霊夢が出し抜かれてたまるかと言わんばかりの顔で持って、ルイズの右手を掴もうとした直前。 雷撃が収まり、周囲の状況を確認していた魔理沙が宙に浮かぶルイズの頭上から迫る巨大な影に気付いた時。 頭を上げて状況を把握し、これは良くないと認識したハクレイが動き出そうとする前に。 そして想定していたシナリオへ土足で踏み込み、大事な゙主役゙を攫おうとする不届き者にシェフィールドが手を打つ寸前に―――。 「――――…ッアァ!!」 「ルイズッ!」 霊夢が手を掴もうとしたルイズは、物凄い突風と共に降下してきた黒い風竜の手に掴まれてしまう。 咄嗟に右手のお札を放とうとするものの、それを察知した竜は地面に降り立つことなく森の中へと飛び去っていく。 あっという間に遠くなっていくピンクブロンドの髪と同時に、彼女の目に゙その男゙が後ろを振り向く姿が映り込む。 かつてニューカッスル城で自分を追いつめてくれた、魔法衛士隊の一つグリフォン隊の元隊長だった男。 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵が浮かべた大胆不敵な笑みを、霊夢の赤みがかった黒い瞳は見逃さなかった。 油断した…!苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべた霊夢は、地面に刺していた御幣を引き抜いて立ち上がる。 あの竜に乗っていた男…見間違いでなければかつて自分を二度も襲ってきたワルド子爵だと思い出していた。 ニューカッスル城で痛めつけてやった筈なのだが、どうやらアイツ自身はまだまだ諦めてはいないようだった。 ルイズを攫ったのも返して欲しくば追いかけて来い!という意味なのだろうが、それにしてもどうしてここにいるのだろうか…? 一瞬だけそんな疑問を感じた彼女は、すぐにワルドがレコン・キスタのスパイだったという事を思い出す。 そしてあの男は、その気になれば自分やルイズのような少女の命に手を掛ける事すら躊躇しないという事も。 スカートに付いた土埃を払いつつ、頭の中をフルで動かしている霊夢に腰を上げた魔理沙が捲し立ててくる。 「お、おいおいッ霊夢!ルイズの奴が竜に攫われちまったぞ…!?ていうか、背中に誰か乗ってたような…」 「そんくらい、分かってるわよ。とりあえず乗ってた男を止めて痛めつけないと、ルイズの身に何が起こるか分かったもんじゃないわ」 魔理沙の言葉にそう返しながらも、霊夢はワルドが操る竜が飛んで行った林道を一瞥しつつも周囲の様子を探ってみる。 周囲を囲っていたキメラ達は既に全滅しており、幸いにも行く手を阻む障害は存在していない。 辺りに敵がいない事と、どこへ行けばいいかの確認を終えた彼女はソッと魔理沙に耳打ちする。 「魔理沙、アンタが先行してあの竜を止めてきて頂戴。私もすぐに追いつくから」 「分かった、分かったが…でもどうするよ?あのシェフィールドとかいうおばさんが私達を見逃してくれると思うか?」 『失礼な事言うもんじゃないよ!このガキ!』 「うぉっ…!失敬、聞こえてたか。じゃあ次言う時は、大声にしておくよ」 霊夢の提案に魔理沙は顔を顰めつつもそう言うと声が聞こえていたのか、闇の中からシェフィールドの怒鳴り声が聞こえてくる。 まさか聞こえていたとは思わなかった魔理沙が身を竦ませながらも尚も口を止めない所を見た霊夢は、そう簡単に逃がしてくれそうにないという確信を抱く。 それと同時に、先ほどのセリフとキメラを倒したのがワルドだと思い出した彼女は、闇の中にいるシェフィールドへと質問を飛ばした。 「さっきの攻撃…まさかとは思うけど最初からルイズを攫う為に計画してたワケじゃないわよね?」 『当たり前に決まっているじゃないの?全くあの子爵め、どういうつもりなんだいッ!!折角竜騎士の地位を授けてやったというのに!』 竜騎士…?アルビオン?ということは、ワルドは今回侵攻してきたアルビオン艦隊と共にやってきたのだろうか? 怒り散らすシェフィールドの返事を聞いた霊夢は、あのワルドがどうしてこんな所にいるのかを理解した。 まずワルドとシェフィールドは、今艦隊を率いてやってきているレコン・キスタという組織の仲間として繋がっでいだという事。 そしてどういう事か、本当なら介入してくる事の無かったワルドの乱入によりルイズが攫われてしまった。 今やるべきことは、あの邪魔をされて激怒しているシェフィールドの目を掻い潜ってワルドの手からルイズを助けに行かねばならない。 幸いにもキメラはルイズを攫う直前に『ライトニング・クラウド』のおかげで全滅している為逃げる事は苦ではない。 だがしかし、ルイズを助けにここを離れた場合…彼女の姉を含めてまだ多くの人がいる屋敷を見捨てる事にも繋がる。 残念な事だが。キメラを操る闇の中の女がわざわざ屋敷に手を出さずに待ってくれるとは思えなかった。 少しだけ俯いて考えた後、霊夢はスッと顔を上げて闇の中にいるシェフィールドへ声を掛けた。 「ねぇ、少し聞きたいんだけど。もし私と魔理沙がここから消えたら、あの屋敷はどうするのかしら?」 霊夢はすぐ傍にあるアストン伯の屋敷を指さしながら訊いてみると、彼女は『簡単なコトさ!』と叫んでから喋り出した。 『アンタ達が尻尾撒いて逃げるようなら、あそこに隠れている連中は私の憂さ晴らしで皆殺しにしてやるだけさ。もう釣り餌としての価値はないからねぇ』 「別に逃げるつもりはないんだどさ―、やる事と言う事が過激なんじゃないの?」 あぁ、やっぱり思った通りだ。予想できていた霊夢は溜め息をつき、魔理沙は゛釣り餌゛や゛憂さ晴らし゛という言葉を聞いて目を丸くしている。 キメラをけしかけてくる時点で、おかしな人間だとは思っていたのだがまさかそこまで多くの人をぞんざいに扱えるとは思っていなかったのだ。 そして、あの屋敷を守る為に自分たちより前に戦っていたであろうハクレイは信じられないと言いたげな目でシェフィールドの話を聞いていた。 三人中二人が似たような反応を見せたのを確認してから、霊夢はまたも口を開いた。 「…ちょっとルイズを助けて戻ってくるまで待ってて―――って言っても、通じないわよね?」 『―――アンタ、それは正気で言っているのかしら?だとしたら…随分巫山戯た言い訳だねぇ!』 思いっきりバカにしてるかのような嘲笑と共にそう言った直後、再び上空から銀色の影が三つ落ちてくる。 さっきここにいた奴らを全滅させたばかりだというのに、もう新しいラピッドが霊夢達の前に立ちはだかってきた。 キメラ達は地面に倒れた黒焦げの仲間たちを踏み潰しつつ、手に持った槍の刃先を向けてこちらに近づいてくる。 「クソっ、次から次へと…厄介事が文字通り空から舞い降りてきやがるぜ!」 悪態をついた魔理沙がミニ八卦炉を構え、それに霊夢も続こうとした直前…二人の前にハクレイの背中が立ちはだかった。 突然の事に二人が軽く驚いていると、仁王立ちになったハクレイが「早く行って」と霊夢達に言った。 「コイツラとシェフィールドとかいうヤツは私が相手をするから、アンタ達はあのルイズって子を助けに行きなさい」 「……良いの?アンタとアイツラの相性、どうみても悪いような気がするんだけど」 殿と屋敷の守りを引き受けてくれるハクレイに対して、霊夢は彼女とキメラを見比べながら真顔で言う。 彼女の言うとおり。相手は『風石』の力で自由に地上と空中を行き来する上に、飛び道具まで持っている。 それに対してハクレイ自身の武器は自分の手足だけという純粋な格闘家的戦法しか取れず、どう考えても相性が悪いとしか言いようがない。 先ほどの様に相手から近づけば話は別だが、あのキメラ達相手に同じ戦法が何度も通用するとは思えなかった。 だが当の本人もそれを理解したうえでここに残ると宣言したのであろう、心配を装ってくれる霊夢に「心配ないわよ」と素っ気なく返す。 「何もかも忘れて、得体の知れない私に手を差し伸べてくれたカトレアや、 何の罪もなくただ避難している人々にも、奴らが容赦なく手を出そうというのなら…、 それをしでかそうとした事を悔いるまで私は絶対に負けるつもりはないし、死ぬつもりもないわ」 黒みがかった赤い瞳でキメラ達を睨み付け、ゆっくりと拳を構え始めたハクレイは言った。 その後姿から漂う雰囲気と言葉に二人が何も言えずにいると、黙って聞いていたシェフィールドが甲高い笑い声を上げ始める。 まるで彼女の語った言葉を駄洒落か何かと勘違いしているかのような、腹を抱えている程の潔い笑いであった。 「ッハハハハ!こいつは傑作だねぇ。わざわざその程度の事で、死地に飛び込んできたっていうの? だったら教えてあげるよ。この私を怒らせ事に対する、死や屈する事よりも辛い…後悔ってヤツをさぁ…ッ!!」 最後まで笑いと憤怒が詰まったその言葉と共に、槍を構えていた三体のラピッドが一斉に飛びかかってきた。 銀色に光る槍と真っ赤な口の中を見せて向かってくるキメラ達に、霊夢と魔理沙はそれぞれり獲物を反射的に構える。 しかし、奴らが三人の方へと落ちてくる前に既に準備ができていたハクレイが急に右足で地面を踏んだのである。 唐突な行為に霊夢が一瞬怪訝な表情を浮かべたものの、その行動に理由があった事を即座に知る事となった。 分厚く、蹴られたら痛いと分かるブーツに自分の霊力を纏わせた彼女のストンプは、地面を爆ぜさせたのである。 緑の芝生が土と共に宙を舞い、ほんのわずかではあるが突撃しようとしたキメラ達の前に土の障壁を作り上げた。 結果、突撃しようとした敵はあと一歩という所で動きをとめてしまい、結果的にそれが霊夢達を動かすキッカケとなった。 「ッ!魔理沙、行くわよ!」 わざわざキメラを止めてくれたハクレイに行けとも言われていないし、目配せもされていない。 けれども彼女が取ってくれた行動で察した霊夢は、隣で目を丸くする魔理沙に声を掛けつつその体を浮かばせた。 地面から一メイル程度浮いているだけではあったものの、速く移動するのにはうってつけの飛び方である。 彼女は林道の方へと体を向けると重心をそちらの方へと向けて、超低空高速飛行で進みだす。 「……!!わ、分かったぜ!」 声を掛けられた魔理沙もハッとした表情で頷くと、左手で持っていた箒に急いで腰かける。 一瞬自分の力で浮きつつも箒に腰かけたところで、ふと言い残したことがあったのかハクレイの方へと顔を向けて一言述べた。 「悪いな、名無しの巫女さん。これで死んじまったらアンタのお墓に花の一本でも添えといてやるよ」 何やら縁起でもない事を彼女に伝え終えた魔理沙は、すでに林道へと入っている霊夢の後を追い始める。 霊夢と比べ速さには自信があった魔理沙らしく、箒に腰かける後姿はあっというまに闇夜の中へ消えていった。 ハクレイがキメラを足止めしてほんの十秒後、彼女たちは無事にここから抜け出せることができた。 突如やってきてルイズを攫っていったワルドに追いついて、とっちめる為に。 魔理沙の言葉を聞いた後、今更になって後ろを振り返った彼女は顔を顰めながら先ほどの言葉を思い出していた。 「…花一本て―――――…ガッ!?」 それは無事に二人を林道を向かわせる事ができた彼女の、唯一の油断と言っても良かった。 一瞬だけ振り返った直後、彼女の腰部分に一匹のラピッドが抱きつくような形でタックルをしてきたのである。 回避も間に合わず、諸に直撃を喰らった彼女は肺の中の空気が全て出て行ってしまったかのよう苦しさを味わいつつも、地面に倒されてしまう。 仰向けになった彼女が空っぽになった肺へ急いで酸素を取り入れつつも、何とかして腰に抱きついたキメラを引き剥がそうとした。 しかしそれを実行へ移す前に、芝生に付いていた白い袖目がけて左右のラピッド二体が何の躊躇いもなく槍で串刺しにする。 「えっ、ちょ…うわっ!」 鋭く鈍い音と共に文字通り地面へ釘づけけとなった袖に拘束されるような形で、ハクレイは身動きを封じられてしまう。 唯一足だけは動かせたものの奴らもそれを理解しているのか、タックルしてきたのも含めて三匹はその場からすっと後ろへ下がった。 蹴飛ばすこともできず、一瞬の隙を突かれて地面へ釘付けにされたハクレイはバツの悪そうな表情を浮かべて呟く。 「…あちゃー、言った傍からしくじったわねぇ」 「ふふ…何だい?大見得切った割には、随分な御姿じゃないの」 彼女が呟いた直後、すぐ近くからシェフィールドが面白おかしいモノを見るかのような口調でなじってきた。 今まで闇の中から耳にしていたその声は、今度はやけにハッキリと聞こえている。 今は近くにいるのか?ハクレイがそう思った直後、すぐ目の前の闇から滲み出るようにして黒いローブ姿のシェフィールドがとうとう姿を現した。 水に濡れた鴉の羽根の様な長い黒髪に死人の様な白い顔に微笑みを浮かべて、地面に倒れたハクレイを見下ろしている。 嘲笑っているとも取れるその笑みからは、少なくとも友好的とはとても思えぬ念が込められていた。 「うーん、実にいいモノねぇ。私の計画を散々無茶苦茶にしてくれた奴を、地面に釘付けにするってのは…」 周囲にキメラを侍らせている彼女は一人楽しそうにつぶやきながら、相手をまじまじと睨み付けている。 対してハクレイの方もこれからどうしようかと考えつつも、時間稼ぎのつもりで何か言おうとその口を開く。 「そうかしら?わざわざ槍で地面に張り付けにされてる身としては、あまりいい気分はしないんだけどね」 「アンタの意見なんか別に聞いてもいないよ。それに、平静を装っていられるのも今の内さ」 ハクレイの言葉に対してキッパリと言い放ったシェフィールドは彼女の傍へ近づくと、ジッと彼女の顔を見つめてきた。 近づけば近づくほど白く見える顔からは人間らしさが見えて来ず、彼女という一個人を不気味な存在に仕立てている。 そしてその目は、まるでこれから面白いショーが始まる事を心待ちにしているかのような子供が見せる目つきをしていた。 この様な状況では場違いとも思える目つきをしているシェフィールドを見て、ハクレイの体は言い様のない不安で強張っていく。 何だか分からないが…とにかく、何かイヤな事が起こる予感がする…! 心の中でそんな気持ちを抱いた彼女の心を読んだかのように、突如シェフィールドが小さく笑った。 「ふふ…アンタ、さっき言ってたわよね?あそこの屋敷に隠れてる連中には、絶対に手を出させないって」 「…!それがどうかしたのかしら?」 自分の顔を覗き込む彼女の口から起こり得るであろう出た言葉から、ハクレイは怪訝な表情を浮かべつつも察していた。 丁寧に作り上げた計画を無茶苦茶にされたという彼女の、それをぶち壊した自分に対する憎しみは並々ならぬモノに違いない。 だとすればそれに対しての゙報復措置゙は既に思いついており、今はそれを実行に移そうとしている直前なのだ。 そしてシェフィールドは、ハクレイがその゛報復措置゙の内容を察している事に気づいていた。 何が可笑しいのか、強張っているハクレイの顔を覗き込みながらも、シェフィールドは冷たく嗤う。 自分の――ひいては我が主が指すゲーム盤を乱した者は、例え誰であろうともそれ相応の代償を払う必要があるのだ。 そんな思いを氷の様に冷たい笑みから漂わせながら、シェフィールドは口を開いた。 「アンタは理解しているんだろ?―――無駄になっだ釣り餌゙は、水槽の魚にあげてやるべきだって。 丁度今、私の周りには飼っている魚たちがお腹を空かしているだろうから…きっと喜んで食べてくれるだろうねぇ」 「――――アンタ…ッソレ本気で言ってるワケ!?」 とうとう、彼女の口から出てしまった恐ろしい話を耳にして、ハクレイはその目をカッと見開いて叫ぶ。 彼女の赤い瞳からはこれから怒るであろう惨劇を何とか止めようとする必死さと、自分への憎しみがこもっている。 「ハァ…―――本気も本気よ?じゃなければ、私の怒りは収まりがつかないのよ」 それに気づいたシェフィールドは、堪らないと言いたげに肩を震わせながら恍惚に染まった溜め息をつきながらそう言う。 そこまで言った所で、ハクレイは袖に刺さった槍を何とか引き抜こうともがき始める。 しかし思っていた以上に深く刺さっている槍はビクともせず、逆に彼女の体力をジリジリと奪っていく。 ヤケクソ気味に自由な両足を動かすものの何の解決にもならず、ブーツが空しく空気を切っているだけであった。 ―――――これだ、これこそ今の私が望む最高の展開だ。 目の前でジタバタと暴れているハクレイを見ながら、シェフィールドは内心で歪んだ笑みを浮かべていた。 こうやって最後まで抗う彼女の目の前で、守ろうとした者達に無残な結末を迎えさせる。 屋敷の地下に隠れている連中は、さぞや耳に心地よい悲鳴を上げながらキメラ達に殺される事だろう。 そうして思う存分に絶望した所で抗うコイツも八つ裂きにし、そして私を裏切ったあの子爵も始末する。 そこまですれば我が主のゲーム盤は元に戻る。異端で不要な駒どもは粉々に砕いて燃やして捨てるのが相応しい。 「我が主のゲーム盤に横槍を入れた者は、皆等しく死すべき存在よ。女子供が相手だろうとね?」 キメラ達を動かす前に一言つぶやいたシェフィールドが、自分を睨み付けるハクレイの顔に触れる。 それ自体は単に彼女へ送る最期のスキンシップのつもりであり、他意は無かった。 だが、それが彼女と――――そしてハクレイが今置かれている状況を一変させうる引き金となった。 「…?――――――な…ッ!?」 シェフィールドの白い指がハクレイの顔に触れた直後、驚きを隠せぬような声と共にその指がピクリと揺れ動いた。 まるで今触ったモノが触れる事すら危険な毒物だと気づいた時の様な、明らかな動揺が見て取れる動き。 それに気づいたハクレイがシェフィールドの方へと顔を向けた時、彼女の表情がいつの間にか一変している事に気が付いた。 それまで笑みを浮かべていた顔は驚愕に染まり、不思議な事に彼女の額が青く発光している。 額の光を目を凝らして見てみると、どことなく何かの文字にも見えるのだが前髪で隠れていて良く分からない。 一体どうしたのかと訝しもうとしたとき、カッと目を見開いたシェフィールドが「あり得ない!」と叫びながら後ずさり始める。 額を光らせ、動揺を隠しきれぬ顔で後ろへと下がる彼女は張り付けにされているハクレイを見ながら、ぶつぶつ喋り出した。 「そんなバカな事…あり得ないわ。……――――には、そんな能力なんて無い筈なのに――――」 ついさっきまで自分を嘲笑っていた女が、今度は一転して狼狽えている光景にはある種の異様さが漂っている。 そんな思いを浮かべながらただ黙って見ているしかなかったハクレイに向けて、シェフィールドは一言だけ呟いた。 「一体、お前の身体に何があったというんだい?――――゛見本゛」 ――――――…見本? 彼女の口から出た一つの何気ない単語にしかし、ハクレイの心は酷く揺れ動いた。 まるで今の今まで忘れていたかった事を思い出してしまった時の様な、思わず呻きたくなってしまう程の動揺。 それを今まさに感じているハクレイは、自分の心臓の鼓動が早鐘の様に鳴りはじめた事に気が付く。 「゙見本゛―――――…って、アンタ一体…何を言ってるのよ?」 頭の中で直接響く鼓動の音に消えてしまう程の小さく掠れた声で、彼女は呟いた。 ハクレイに殿を任せて、霊夢と魔理沙の二人が林道に沿って飛び始めてから早五分。 未だルイズを攫って行ったワルドと彼が操る風竜の姿は見えず、ひとまず二人は道なりに飛ぶしかなかった。 アストン伯の屋敷からタルブ村へと続く林道もまた、その前にいた山道と同じく整備されている。 馬車が走っても車輪が岩で壊れないよう大きめの石は殆ど除去され、緩やかなカーブを描く平らな道がどこまでも続いている。 道の幅は十二メイル程で、両端には飛んでいる二人を生け捕りにしようとするかのように鬱蒼とした木立しか見えない。 二人は闇に慣れた目で木立に突っ込まないよう気を付けながら、ルイズの姿を探していた。 こういう時の灯りではあるのだが、先ほどの戦いで失ったカンテラが自分たちが持ってきていた唯一の灯だった。 一応闇に慣れたとはいえ、あった方が良いか?と問われれば当然あった方が良いと答えていたであろう。 しかし無いモノは無く。止むを得ず二人は暗い闇に包まれた道をただひたすらに飛んでいた。 霧が薄まったとはいえ月は顔を出しておらず、頭上の空には星の光とは思えぬ人口の光が幾つも見える。 林道に入って少ししてから見えたそれ等の光は、よくよく見てみれば巨大な船に取り付けられているものだと分かった。 恐らく、あれが今トリステインを侵略しようとしているアルビオンの艦隊なのだろう。時折敵の竜騎士らしきシルエットも見ていた。 だとすれば敵の集団かキメラの群れが自分たちのすぐ近くにいてもおかしくはないし、それと戦う暇など勿論ない。 故に二人はこうして、森の外から飛び上がろうとせず渋々といった表情でルイズを探していた。 「なぁ、ホントにあの巫女モドキさん一人にしておいても良かったのかよ?」 先頭を進む魔理沙が、腰かけている箒にゆっくりとカーブを掛けさせながら後ろを飛ぶ霊夢に話しかけた。 「……?何よ、アンタらしくないわねぇ。もしかして、去り際に行った自分の言葉に罪悪感でも持ったの?」 「まさか。ただ、いつもはああいうのに疑いを掛けるようなお前さんがアイツの肩を持つのはおかしいと思ってな」 霊夢の言葉にそう返してから、黒白は箒に微調整を掛けつつ自分がよく知る巫女さんがどんな返事をするのか期待していた。 てっきり適当な事を言うと思っていた彼女はしかし、五秒ほど経っても霊夢が言葉をよこさない事に気付くと怪訝な表情を浮かべる。 「………?霊夢?」 思わず待ちきれなくなった魔理沙が彼女の名を呼ぶと、少し悩んだ様な表情をした霊夢がポツリと口を開く。 「んぅ~…―――何でなの、かしらねぇ?イマイチ良く分からないわ」 「おいおい、らしくないな。何時ものお前さんならその場で物事をスッパリ考えて、キッパリ決めてるっていうのにさ」 「…こう見えても色々と悩んでるんのよ?まぁ、弾幕はパワーとか決めつけているアンタよりかは悩んでる回数は多いわ」 「お、言ってくれるなぁ~。月が見えない夜には気を付けておけよ?」 「アンタの場合存在そのものが賑やかなんだから、月が無くても平気だわ」 まるで博麗神社の縁側でしているようないつもの会話を、二人にとっての異世界であるハルケギニアの暗い林道でする。 今自分たちが置かれている状況を理解しているとは思えない光景であったが、ふと先行していた魔理沙が何かを発見した。 林道に沿って飛び始めてから更に十分が経過したところだろうが。 ようやく出口が見えてきて、タルブ村が見えてくるだろうという所で魔理沙が声を上げた。 「ん?……あっ、おい霊夢!いたぞッ、アッチだ!」 双方ともに自分のペースで進んでいた為に林道を先に魔理沙の呼びかけで、霊夢は少しスピードを上げる。 最後のゆるいカーブを曲がり切ったところで、周囲の闇とは違う魔法使いの黒い背中が見えたのでその場で急ブレーキを掛けて止まる。 靴先が少しだけ地面を蹴る同時に着地し、箒をその場で浮遊させて止まっている魔理沙の傍に寄っていく。 彼女の視線の先、林道出てすぐ近くにできている広場のような草地のど真ん中に、ルイズが倒れていた。 うつ伏せの状態で倒れている彼女は気でも失っているのか、体が微かに上下している意外動きを見せない。 周囲には上空の艦隊以外目立つモノは無く、不思議な事に彼女を攫って行ったワルドや風竜の姿はどこにも見当たらなかった。 何処かで自分たちが来るのを待ち伏せているのだろうが、それにしても罠としてはあまりにも分かりやすい。 「…ご丁寧に気まで失わせて放置してるぜ?どう思うよ」 「ん~確かに、トラップにしちゃ分かりやすいけど。あれじゃああからさま過ぎて近づきにくいわね~」 「とりあえずサッと近づいて助けるか?まぁ何が起こるのか察せるけどな」 「丁度良いところに人柱役の魔法使いが一人いるから、何が起こるか試せるわね」 「それは残念。私は『魔法使い』ではなく『普通の魔法使い』だから、人柱役にはなれませぬで候」 二人の少女が林道とタルブ村の境界線に立って、うつ伏せになって倒れている貴族の少女をどうするか話し合う。 周囲の状況から浮きすぎている会話を聞いていてもたってもいられなくなったのか、それに待ったをかける゛物゛がいた。 『おいおいお前ら、そんな半ば喧嘩腰な会話してる暇があんなら少し周りでも警戒でもしろよ』 「うわっ!」 霊夢が背中に担いでいたデルフが、今まで黙っていた分も合わせるかのようにしていきなり喋ってきた。 相も変わらず錆びついた刀身を少しだけ覗かせてダミ声喋る姿は、やはりというかどうも゛歳をとり過ぎた剣゛という表現がしっくりくる。 当然その声を間近で聞いた一応の持ち主はそれに身を竦めて驚き、次に恨めしそうに背中のインテリジェンスソードを睨み付けた。 「ちょっとデルフ、喋る時くらい何か合図でもしてから話してよね。一々驚いてたら寿命が縮むじゃないの」 「おぉ、そりゃいいな。デルフ、人間五十年と言う言葉があるから後五十回は驚かせ」 『んな事できるワケねーだろうが。…それはさておき、これからあそこで伸びてる娘っ子はどうするつもりなんだ?』 霧を掴もうとするかの如く途方もない二人の会話にピリオドを打ちつつ、デルフはいま差し掛かっている問題に話題をシフトさせた。 まぁコイツの言う事も確かか。そう思った霊夢も気を取り直して、ここから十メイル先で倒れているルイズを凝視する。 まずもって相手の罠だという認識の上で考えれば、阿呆みたいに近づけば確実に良くない事が起こるだろう。 「う~ん、アイツに声を掛けて起きてくれればいいんだけど…おーい!ルイズー!」 試しに自分の声で彼女を起こしてみようと聞こえる範囲で呼びかけてみるが、ルイズは微動だにせず倒れたまま。 ルイズの事だから眠っている可能性は低いかもしれないが、ひよっとすると魔法で眠らされているかもしれない。 そんな彼女の思考を読み取ったのか、霊夢が呼びかけて少ししてからデルフがカチャカチャとハバキの部分を動かしながら喋り出す。 『ありゃ恐らく魔法で眠らされてるなぁ。でなけりゃ呼びかけても目を覚まさないってのにも道理が付く』 「そういや、確か風系統の魔法か何かにそういうのがあったよな?確か『スリープ・クラウド』っていうのが」 『それだな。魔法から生み出せる特殊な雲で、上位のクラスが唱えたらドラゴンも一発で眠っちまうんだ。後は朝までスーヤスヤよ』 デルフの言う魔法に心あたりのあった魔理沙が、見事その呪文の名前を言い当ててみせる。 二人のやり取りを何となく見ていた霊夢はふと、黒白の頭上に何かがある事に気が付く。 闇夜のせいでその輪郭は曖昧ではあるが、まるで人の頭一つ分は覆い隠せそうな青白い雲が浮かんでいる。 不思議な雲は時折僅かに縮んだり大きくなったとまるで生き物用に動きながら浮遊していた。 「――――ねぇ魔理沙、その頭上の雲って…」 「ん?何だ霊夢。頭上の…って――――うぉわっ!?」 突然の指摘に魔理沙が頭上を見ようとした直前、その青白い雲がストンと彼女の頭に覆い被さってきた。 いきなり頭上から降ってきて自分の視界を隠してきた雲に魔理沙は思わず驚き、その場で大声を出してしまう。 まるで雲彼女の頭がそのまま青白い雲になってしまったような錯覚を霊夢が覚えていた時、デルフが声を上げた。 『―――ッ!不味いぞレイム、そいつがさっき言ってた眠りの雲だ!』 「何ですって?ということは…ちょっと、魔理沙ッ」 デルフの言葉に霊夢が声を掛けたときには遅く、雲が消えたと同時に魔理沙の体が崩れ落ちる。 まるで長時間張りつめていた緊張という名の糸が切れて崩れ落ちるかのように、彼女は仰向けになって地面へと倒れた。 事態が悪化したことに気付いた霊夢が急いで駆け寄ってみると、黒白の魔法使いは目をつぶって安らかに眠り始めている。 「ちょ…魔理沙、ナニ寝てるのよ?起きなさいって、この!」 急いで叩き起こそうと頬を叩いてみるが、まるで睡眠薬でも盛られたかのように起きる素振りを見せない。 「無駄だ。『スリープ・クラウド』で眠らされたら、その程度では起きはしないさ」 「―――…!」 そんな時であった。ルイズが倒れている方向から、あの男の声が聞こえてきたのは。 アルビオンでウェールズを殺し、ルイズを裏切り…そして自分に手痛い仕打ちをしてくれたあの男の声が。 地面に倒れ伏した魔理沙の方を見ていた霊夢がハッとした表情を浮かべて、すぐさま顔を上げる。 先程まで眠りに伏したルイズしか倒れていなかった場所、朝日や月が出ていればタルブ村と広大なブドウ畑が一望できていたであろう広場。 そこに黒い羽帽子に、金糸で縫われたグリフォンの刺繍が輝く黒マントに身を包んだ貴族の男が立っていた。 帽子のつばで顔を隠している男は、自身の存在が霊夢に気付いたことを知るのを待っていたかのように、自らの顔を上げた。 年の頃は二十代半ばといってもいいが、それを感じさせない口ひげのせいで三十代にも見えてしまう。 だが顔そのものはハルケギニアの基準では十分に美しく、かっこよさも兼ねている美形であった。 黙っていても平民の町娘や貴族の御令嬢まで声を掛けてくれるようなそんな男が、ジッと霊夢を睨み付けている。 まるで猛禽類の様に鋭く凶暴さが垣間見えるその瞳で、異世界からやってきた巫女さんを見つめていた。 マントの内側に自らの両手を隠し、これからの一手を読まれぬようにとその体を微動だにさせずに立ち続ける姿は獲物の出方を窺う鷹そのもの。 そんな相手に睨まれながらも霊夢は決してたじろぐことなく、男もまた自分よりも年下の少女を互いに゙敵゙として見つめ合っていた。 かつて二人はアルビオンにて戦い、結果として両者は勝ち星と負け星を一つずつ所有し合う事となったのだから。 「まさかとは思ってたけど、やっぱりアンタだったようね…ワルド」 「貴様とルイズたちに出会えた事は偶然だったが、これも始祖の定めというモノかな?―――ハクレイレイム」 眠りに落ちた魔理沙を足元に放置したままの霊夢の言葉に、ワルドはそう言ってマントから勢いよく右手を出した。 そしてその手で黒く光るレイピア型の杖を腰から抜き放つと、目にもとまらぬ速さで霊夢に突きつける。 流石魔法衛士隊の隊長にまで上り詰めた男。その一挙一動には、まるで隙というモノが見えない。 霊夢もワルドの動きに倣って身構えようとした直前、突拍子も無く彼女の体を風の壁とも言える程の突風が襲い掛かった。 「うわっ!?…っとと!」 突然の突風に彼女は驚いたものの、何とか両足を地に着けて堪えて見せる。 思わず両腕で顔を隠し、赤いリボンが風に煽られ揺れる音が耳に響く中でデルフが声を上げた。 『今のは風系統の初歩『ウインド』だな。けどあの野郎が放ったレベルのは、久しぶりに見たぜ…ッ!』 「つまり私は舐められてるって事?全く大したヤツじゃないの……って、わっ!」 デルフの助言にそう返しながらチラリと前を窺った瞬間、霊夢は思わず素っ頓狂な叫び声を上げてしまう。 彼女が突風で顔を隠していた間を使って、ワルドが一気に距離を詰めようと飛びかかってきたのである。 「随分とヒマそうじゃないかッ!」 まるで地上の獲物襲い掛かる猛禽のように、頭上から杖を振り上げて迫りくるワルド。 デルフと話していた自分を馬鹿にするかの彼の言葉に霊夢は舌打ちしつつも、懐から取り出したお札を右手で投げつけた。 ありがたいお言葉と霊力が込められた三枚の札はしかし、無情にも頭上のワルドに命中することは無かった。 もうすぐで当たろうとした直前に、本物のレイピアに当たる刀身の部分が光り輝く刃―――『ブレイド』と化した杖でもってお札を切り裂いたのだ。 哀れ六枚の紙くずとなったソレを見た彼女は目を見開きつつも、左手だけで持っていた御幣を両手持ちへと変えて後ろへと下がる。 その直後に先程まで彼女が立っていた場所のすぐ近くにワルドが降り立ち、次に息つく暇もなく霊夢へ切りかかっていく。 霊夢もまた攻めに来るワルドの動きを止める為に、敢えて横一文字の形に突き出した御幣でもって相手を迎え撃った。 瞬間、二人の少女が眠り落ちた空間に激しく甲高い音が響き渡った。 凶暴な目つきをした男が放つ魔法の刃と、異世界からの少女が張った結界に包まれた一振りの棒が激突している。 レイピア型の杖を包む緑色に光るワルドの『ブレイド』は、霊夢が御幣に張った青い結界と鍔迫り合いを起こしたのだ。 両者互いに地面に食い込まんばかりに足を踏ん張り、今にも押し返さんとしていた。 魔力と霊力。常人ならざる者たちの力のぶつけ合いは、周囲にこれでもかと凄まじい威圧感を放出させている。 「ッ!いきなりご挨拶な事ね?攻撃してくるんならちゃんと声掛けの、一つでもしろっての…ッ!」 「それは失礼。何せニューカッスル城にいた時の借りがあったものでね。それを返したまでの事さ」 「言って、くれるじゃないのぉッ」 霊夢は奇襲を仕掛けてきたワルドを睨み付けながらも、ローファーを履いた両足に力を込めてワルドの攻撃を防いでいた。 一方のワルドは必死に鍔迫り合っている霊夢を見下ろしながらも、杖を持つ手により一層の力を込めて御幣ごと叩ききろうとしている。 結界を張った御幣自体はしっかりと盾の役目を果たしており、ワルドの魔力で形作られた『ブレイド』を押しとどめている。 しかし魔法衛士隊の者として心身共に戦士として鍛え上げられた男に、自分は押されているのだと霊夢は自覚せざるを得なかった。 幻想郷では話の通じぬ妖怪相手には本気で挑むものの、これまで人や話の分かる人外とは弾幕ごっこで勝敗をつけてきた霊夢と、 片や魔法衛士隊の隊長としてこれまで数々の訓練と実戦経験を積み、必要とあらば殺人すらも躊躇しないワルド。 決められたルールの範囲内か自分より格下の相手と戦ってきた少女と、目まぐるしく状況が変化する戦場や何でもありな組手で場数を踏んできた男。 ワルドは知っていた。この様な状況下で、次はどういう一手を打てばいいのか。 相手の少女よりも長い人生の中で戦ってきた彼はそれを多くの先輩や敵達から受け、そして学んできた。 「――――ふん、やはり俺の考えは間違ってなかったな」 瞬きする事すら許されぬ状況の中で、霊夢と睨み合っていたワルドがポツリ呟いた。 その自信満々な言い方に相手をしていた彼女はそれが気に食わず「何がッ?」とすかさず言葉を返す。 『ブレイド』の扱いに長けたワルドの腕力に押されつつも、下手に動けばバッサリやられてしまうという状態に置かれている。 元々魔理沙やルイズと比べて体力の少ない霊夢にとって、今の様な鍔迫り合いを長引かせる気は無かった。 それでも宙に浮いたり他の武器やスペルカードを取り出す…などの隙を見せる事ができず両者互いに硬直状態となっている。 だからこそ自分と比べて余裕満々な男の言葉に苛立った彼女は、ついついそれに反応してしまう。 ワルドの狙いはそこにあったのだ。 飛び道具での戦いを得意とする少女を、自分の得意分野である白兵戦に持ち込めたのだから。 「ある意味ではルイズよりも苛烈なお前ならば、こうして喰らいついてきてくれるッ…とな!」 怒りに満ちた霊夢の瞳を見つめながらそう言いきった直後、ワルドは彼女の方へ掛けていた力を全て『抜いた』。 まるで憑き物がとれたかのように霊夢の御幣と対峙していた杖から魔力が抜け、緑の刃がフッと消え去る。 それと同時に、しっかりと杖を構えていた彼は背中から地面へ倒れるようにして素早く後ろへ下がったのだ。 一歩、二歩、三歩と早歩きのように足を後方へ動かして下がり出した彼の行動は、対峙していた霊夢にも影響を及ぼす。 「なっ――――うわ…っ!?」 直前までワルドと鍔迫り合いをしていた彼女は彼の突然の後退に、体が自然と前のめりになってしまう。 御幣を両手で持って『ブレイド』を防いでいたがゆえに、対峙していた側が急にいなくなった事で体のバランスを大きく欠いてしまったのである。 結果、御幣を前に向けた姿勢のまま前方に倒れかけた霊夢は、後ろへ下がって態勢を整えたワルドに大きな隙を見せる事となってしまった。 「白兵戦には、こういう駆け引きもあるッ!」 無防備に自分の方へ寄ってくる霊夢に教えるような口調でそう言うともう一歩下がり、そこから流れるようにして回し蹴りを叩き込む。 鍛え抜かれた足から放たれる技が彼女の脇腹に直撃し、その体が僅かに横へと曲がった。 「――――…」 直撃を喰らった霊夢は目を見開き、声にならない悲鳴を上げると同時に突然の息苦しさが彼女を襲う。 肺の中から空気が…!そう思った時には体が宙を舞い、そしてうつ伏せの状態で草地へと叩きつけられた。 左手から離れた御幣がクルクルと回転しながら夜空へと飛び上がってから、持ち主から五メイルも離れた地面に突き刺さる。 地面から生える背の低すぎる植物たちが露わになっている肌に触れて、僅かな痛みとむず痒さを伝えてくる。 しかしそれ以上に苦しかったのは、蹴られた衝撃で口から飛び出ていった空気を求めて、体が警報を鳴らしていた事であった。 「―――…ッハァ!ンッ…!クハッ…ッア!」 空いてしまった左手で胸を掻き毟るように押さえながら、何とか体の中に酸素を取り入れようとする。 無意識に目の端から涙が零れ落ちていくが、それを拭う暇がない程に体が酸素を欲していた。 体を丸くさせて必死に肩で呼吸する今の彼女の姿を見れば、幻想郷の住人ならば誰もが驚いていた事であろう。 『おいレイム、しっかりしろ!』 流石のデルフも普段の彼女からは想像もつかない姿に、思わず叫び声を上げる。 その声の出所が剣だと気付いたワルドは、ほぅ…と感慨深そうに息を漏らすと気さくな言葉を掛けた。 「成程。先ほどから聞こえていたダミ声はそれだったか。確か、インテリジェンスソード…とでも言えば良かったかな?」 口調そのものは、街角で友人と気軽な世間話しをしているかのような雰囲気が滲み出ている。 しかしそれを口にしているワルド本人は杖の先を蹲る霊夢へ向けて、彼女が次にどう動くのかを見極めている。 顔もまた真剣そのものであり、弱りつつある獲物に近づく猛獣のように慎重にかつ確実に勝てるよう注意を払っていた。 「しかし悲しきかな、そんな大きな剣は君の背中には不釣り合いに見える。何故君はそんなものを背負っているんだ」 「ゲホ…!ケホッ…悪い、けど…―――乙女の横っ腹に蹴りを、喰らわす奴…には…ゴホ、教えられないわね…」 大の大人が持つには丁度良いデルフのサイズとその持ち主を見比べながら、彼は疑問を口にする。 その合間に咳き込みつつも、必死に呼吸したかいもあってようやく落ち着きつつあった霊夢は、怒りを滲ませながら言った。 蹴られた横腹はまだ痛むものの、肺の中に空気が戻ってきた事である程度喋れるほどの余裕は取り戻せていた。 こちらの様子を窺うワルドを睨み付けつつ、手放してしまった御幣が丁度右斜めの所に突き刺さっているのを確認する。 紙垂代わりの薄い銀板がチラチラと鈍く輝いているのは、まるで持ち主にここだここだと告げているかのようだ。 しかし今の彼女にはそれを取に行ける程の余裕は無く、かといって今対峙している相手は生半可な奴ではないとも理解していた。 (コイツ相手には普通のお札や針じゃ対処できそうにないし、かといってスペルカードは…諸刃の剣ね) この男は強い。単にメイジとしての実力もそうだが、それを凌駕する程に人間としての強さも兼ね備えている。 既に二回も戦っているが、相手は確実にこちらの動きをしっかりと学んで、今の戦いに臨んできていた。 だとすれば、これまでの戦い方では今の相手に勝てるかどうか分からない。無論、勝つ気で戦うのが彼女であった。 しかしその可能性は良くて五分五分。目の前にいる男は、自分と同じ種族とどう戦えば良いのか知っている。 妖怪退治を主として来た霊夢は、その人間と戦い゙仕留める゛という事に関しては良くも悪くも素人であった。 魔理沙や咲夜の様な人間とは常にスペルカードで勝ち星を取ってきたが、それ以上の事まではしていない。 人間を守り、妖怪を退治して幻想郷の均衡を守る博麗の巫女としては、当然の事であろう。 しかし逆に言えば、妖怪ば仕留め゙られるものの彼女は自らの手で人の命を゛仕留め゙た事はないのだ。 それはつまり、スペルカードを一切用いない人間同士による真剣な殺し合い。 互いに自らの命を賭けて勝負し、激しい攻撃の末にどちらかが勝利し、どちらかが命を落とす。 スペルカードという安全なルールの中で戦ってきた霊夢にとって、目の前にいる男との相性は悪すぎたのである。 色んな意味で一期一会な雑魚妖怪達には有効である攻撃は、人間が相手となると事情が違ってくる。 知り合いでもある人型の妖怪や人間たち―――この男も含めて、一度見られてしまうとその゛パターン゙を読まれてしまう。 無論読まれたとしても避けれる程の実力が無ければ意味は無いのだが、運悪くワルドにはそれを避ける程の実力があった。 だから霊夢は今の相手にはお札や針は効き目が薄いと判断し、スペルカードによる弾幕は危険と安全の隣りあわせと判断したのだ。 (スペールカードなら多少は安全と思うけど…こういう殺し合いの場だと近づかれたら―――死ぬわね) 今まで編み出してきた結界やお札を併用した弾幕ならば、ごり押しで倒せる可能性はある。 しかし最悪そのパターンを読まれて回避され、近づかれでもしたらそれで御終い。文字通りのあの世行きなのだ。 御幣が手元にあればそれと手持ちの武器で何とかイケる気もするが、生憎それは五メイルも離れた所にある。 今立ち上がって瞬間移動なり飛んで取りに行けば、それを察しているであろうワルドの思う壺だろう。 ならば今の彼女は、ワルドと言う名のグリフォンによって隅に追いやられた猫なのだろうか? 抵抗力もできず、ただただ威嚇しつつも自分より大きい幻獣に身を縮ませるか弱い哺乳類なのだろうか? ――――――否、それは違う。彼女は持っていた、今の自分に残されている最後の『切り札』とも言えるモノが。 幻想郷から遥々このハルケギニアに召喚され、ルイズによって左手の甲に刻まれた『神の左手』と人々に語り継がれる使い魔のルーン。 六千年前に降臨した始祖ブリミルの使い魔の一人であり、ありとあらゆる武器、兵器を使いこなしたと言われる『ガンダールヴ』。 そのルーンこそが。今の霊夢が考えうる最後の切り札にして、今の状況を打開できる能力。 「使う事はまずないだろうと思ってたけど…、使わないと流石に不味いわよね…うん」 「……?一体何をするつもりだ?」 軽くため息をつきながら一人呟いた彼女に、ワルドは首を傾げた。 そんな彼を余所に霊夢は痛む蹴られた左の横腹を右手で押さえつつも、ゆっくりと立ち上がる。 痛みが引いたとは言え完全に消えたワケでもなく、ズキズキと滲む痛みに霊夢は顔を顰めながら苦言を呟く。 「イテテ…アンタねぇ、蹴るなら蹴るでもうちょっと手加減の一つでもしなさいよ」 「それは失礼。魔法衛士隊の組手は常に本気を出すのが鉄則だったのねでね」 少女の言葉にワルドは肩を軽く竦めつつも、動き出した相手に向ける杖を決して下げはしない。 まぁ当然かと霊夢は思いつつ、ようやく立ち上がれた彼女はふぅと一息ついてから再び身構えて見せた。 左横腹を押さえていた右手を離し、左手を右肩の方へスッと上げると丁度肩の後ろにあったデルフの柄を握りしめた。 錆び錆びの刀身に相応しい年季の入ったそれを霊夢の柔らかい手が触れたところで、デルフが話しかけてくる。 『……やるか?』 「手持ちじゃあ倒せるにしても危険だし、何より長物も使ってみたいしね」 今の自分には二つの行動を意味するような彼の言い方に、霊夢はそう答える。 相手が背負っている剣の柄を握ったのを見計らうかのように、ワルドは改めて杖を握りつめると呪文を唱え出した。 本当ならばいつでも仕留められたというのに、自分が再び態勢を整えるのを待っていてくれたのだろうか? 「だとしたら、随分律儀な事ね。……なら、そのお返しは倍にして返してやるわ」 決して隙を見せず、けれども自分を舐めているかのような態度を見せるワルドに贈るかのように霊夢は一人呟く。 そして柄を握る左手に力を入れると、錆びた刀身と鞘が擦れ合う音と共にインテリジェンスソードを勢いよく引き抜いた。 「ほう…随分と年季の入った骨董品じゃないか。売れそうにないがね?」 呪文を唱えていたワルドは、霊夢が抜き放った剣を見て、珍しいモノを見るかのような目で感想を述べた。 耳に障る音と共に鞘から出たデルフの刀身は、鍔から刃先にまでびっしりと黒い錆びに覆われている。 全体の形は霊夢の良く知る太刀に似ている片刃で、贔屓目に見ても彼女の様な少女が振るえる代物とは思えない。 しかし、そんな思い代物を今は左手一つで握りしめ、鞘から抜き放ったのは間違いなく目の前にいる少女であった。 「奇遇じゃない。私もコイツの全体を見たのは久しぶりだけど…やっぱりタダでも引き取ってくれそうにないわねぇ」 『うっせぇ!オレっちにだって色々あるんだよ、馬鹿にするんじゃねぇ!』 ワルドの感想に追随するかのように霊夢がそう言うと、流石のデルフも突っ込まざるを得なかった。 錆びついた身本隊に相応しいダミ声で怒鳴るインテリジェンスソードに、ワルドは嘲笑を浮かべながら口を開く。 「まぁどっちにしろ、私はこの前の借りを返す事も含めて―――全力で戦わせて貰うぞ!」 その言葉と共にワルドが杖を振り上げると、彼の目の前に風で出来た刃―――『エア・カッター』が出現した。 緑色に光るソレは出てきた一瞬だけその場で制止した後、かなりのスピードでもって霊夢とデルフに襲い掛かってくる。 まるで先ほど戦っていたシェフィールドのキメラを彷彿とさせるような攻撃である。ただし一度に出せる枚数はあちらの方が上だったが。 しかしあれから感じられる魔力と殺気は本物である。直撃しようものならサラシに張っている結界符など一発で消し飛んでしまうだろう。 幸い避ける事は造作もない程真っ直ぐに飛んできてくれる為、さっそく横へ飛ぼうとした矢先にデルフが叫び声を上げた。 『避けるなレイム!オレっちでエア・カッターを受け止めるんだ!!』 「はぁっ!?冗談じゃないわよ、あんなの受け止めたらアンタの方が負けて…」 『どっちにしろここで避けたら奴は撃ち続けてくるッ!いいからオレっちを信じろ!』 受け続けてくるのなら避けに避けて錆び錆びの刀身で斬りつけてやるのだが、妙に熱いデルフの言葉に霊夢はデルフの刀身を前へ向ける。 確証そのものは無かった。だが今まで聞いた事の無いようなデルフの言い方に彼女の勘が働いた。 (まぁどっちにしろ結界符はあるし、何かあった時は大丈夫よね…?) 先程の御幣とは違いデルフの柄を両手で持ち、迫り来る三枚の風の刃を待ち受ける。 それを見たワルドは、普通ならば気が狂っているとしか思えない霊夢の行動を見てバカな…と目を見開いていた。 「何をするつもりだハクレイレイム!そんなボロボロの剣で私の『エア・カッター』を防ぐつもりなのか…!?」 ふざけた真似を!―――最後に言おうとした一言を口に出す前に、その『エア・カッター』を受け止めるデルフが怒鳴り声をあげる。 『うるせぇっ!オレっちの事散々骨董品だのボロボロだの言いやがってぇ!こうなりゃ、トコトンやってやるぜ!』 「いやぁでもアンタ、ワルドの言う事も一理ある…って、―――――うわっ!?」 剣にしては怒りぼっく饒舌なデルフの吐露に霊夢が突っ込もうとした直前、ワルドの『エア・カッター』が彼の刀身と激突した。 純粋で鋭利な魔力の塊と錆びた刀がぶつかりあい、金切り声の様な音を立てて風の刃がデルフに食い込んでいく。 一見すればデルフの錆びた刀身を、『エア・カッター』の魔力が削り取っているかのように見えていた。 「デルフ…!って、ちょ…本当に―――」 ―――本当に大丈夫なの!?霊夢がそう叫ぼうとした矢先、驚くべき光景を二人は目にした。 一度に三枚もの『エア・カッター』を受け止めていたデルフの刀身が、急に光り輝き始めたのである。 まるで水平線の彼方から顔を出す太陽の様に眩しい光に、霊夢とワルドは思わず目をそむけそうになってしまう。 しかし、そんな二人の目を逸らさせまいと思っているのか、デルフは間髪入れず更なる驚愕の主観を彼女たちに見せつける。 光り出した自分の刀身と真っ向からぶつかり合っていた風の刃を、まるで吸い込むようにして吸収してしまったのだ。 「な、何だと…!?私の『エア・カッター』が!」 『へっへぇ、お生憎様だな?悪いがお前さんの魔法は美味しく頂いておくぜ』 目を見開いて驚くワルドに向けてデルフは得意気にそう言った瞬間、その刀身は光り輝くのをやめた。 光が収まった後、デルフを見続けていた霊夢とワルドは彼の変化に気が付く。 ついさっきまで見るに堪えない黒錆に覆われていた刀身は、闇夜の中で光り輝くほどに研ぎ澄まされていた。 まるでワルドの魔力を文字どおり゙喰らい゙、自らの糧としたかのように活き活きとした雰囲気を放っている。 「デルフ…アンタ、これ」 磨き抜かれた刀身に映り込む自分の顔を見つめながら、霊夢は驚きを隠せないでいた。 刀身はもちろんの事、鍔や自身が握りしめている柄も先程とは一変して新品と言わんばかりの状態になっている。 動揺を隠せぬ彼女の言葉に、デルフは綺麗になったハバキを動かしながら小恥ずかしそうに喋り出した。 『いやぁ~…なに、お前さんがオレっちで戦ってくれるというからついつい錆を取っちまったよ。 何せお前さんはあの『ガンダールヴ』なんだ。お前さんがオレっちで戦ってくれるというのなら、そりゃ本気にもなるさ。 まぁさっきの『エア・カッター』みたいな魔法はオレっちなら吸収できる。それだけは覚えといてくれよな?』 ―――『エア・カッター』が刀身に飲み込まれたのはそれだったのか。霊夢は先ほどの光景を思い浮かべて納得した。 成程、そんな能力とあの鋭利な魔力を取り込めるというのなら受け止めろと強く自分に言ってきたのも理由が付く。 けれどそういう事はあらかじめ言っておいて欲しいものだ。 「あんたねぇ…そういう事ができるなら最初に言っておいてくれない?全く…受け止めろとか言われた時は気でも狂ったのかと…」 『悪い悪い、何せオレっちを使ってくれるとは思ってなかったんでね』 何処か開き直ったように謝るデルフに顔を顰めつつも、霊夢はふと自分の左手のルーンを見遣る。 手の甲に刻まれた『ガンダールヴ』のルーンは、まるで錆を取り払ったデルフと歩調を合わせるかのように輝き始めていた。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~第4話 もう1組の主従~ ハルケギニアの竜の中に、古代から伝説として詠われる種族が存在する。その種族は言語感覚に 優れ、知能は通常の竜はおろか人間さえ上回り、先住魔法の名で知られる精霊の力を操り、強力な 息吹を武器とし、大空を疾風のごとく飛翔する。 その強力な種族を韻竜といい、その中で風と深く関わる眷族は風韻竜と呼ばれた。 「そして、その一員が、このイルククゥなのね! きゅい!」 魔法学院の片隅で、齢約200歳――人間でいえば10歳前後――である竜の少女、イルククゥは、 自らを召喚した桃色がかったブロンドの少女、ルイズにそう名乗る。その召喚者は半ば呆然とした 表情でイルククゥを見上げていると、やがて我に返ったらしく口を動かしはじめた。 「まさか、貴方が韻竜だなんて思わなかったわ……」 信じ難いとばかりにルイズが言う。 「きっとそうだと思ったから、黙ってただの風竜のふりをしてたの! だって、ルイズ様ったら 風竜を呼んだと思っただけで泣いて喜んでるんですもの!」 風韻竜が人間に劣るなどとはこれっぽっちも思っていないが、一応は使い魔となったのだし 相手のことは様付けしておく。 「これで、わたしが風竜どころか風韻竜だなんて判ったら、嬉しがりすぎで死んじゃうかも しれなかったわ! この風韻竜の機転と心遣いに、感謝するがいいのね!」 初めて一族から暮らす巣の外に出てきたことと、初めて人間と会話していることの興奮から、 イルククゥは口も軽く言葉を吐き出していく。普通の竜ならばこんな風にぺらぺらと喋ることなど 不可能だが、韻竜である彼女には雑作もないこと。それにイルククゥは年頃の少女らしくお喋りな 気質なのだ。 「なんだか微妙に偉そうな態度が気になるけど、それにしても驚いたわ」 イルククゥが1人言葉を続ける中で、ルイズは少し落ち着いたらしい声をだす。 「韻竜は、もう絶滅したっていわれているのに」 「きゅい! それは違うのね。わたしたちは、人間の目から離れた場所に巣を作って、そこで 暮らしているの」 ルイズの言葉に、イルククゥは召喚される直前までいた場所を思い出す。 彼女たちの一族は、俗世間から遠く離れた場所で、修道僧のように毎日大いなる意思への祈りを 捧げ続けるという、なんとも退屈な暮らしを続けていた。父曰く、自分たちのような古い一族は あらゆる危険から離れて長生きすることが世界への恩返しなのだというが、巣の外へ出ることも 許されない生活なんて幼いイルククゥには窮屈すぎる。 だからこそ、イルククゥはルイズが開いた召喚のゲートに、迷わず飛び込んだのだ。偉大なる 古代の眷族たる自分を召喚するのだから、さぞや強力な魔法使いなのだろう、その人物から様々な ことを学べば、一族に新たな知識をもたらせるだろう、そんな期待を胸に。 ゲートの主が思ったよりも頼りな気な少女だったということは少々期待外れだったし、偉大なる 風韻竜の自分をただの風竜呼ばわりしたことには多少怒りを覚えたが、自分に抱きつきながら涙を 流す姿を見ては、とても刺激するような真似はできなかった。 それに、ルイズの容姿が人並み外れて整った、可憐な容姿であることも大きい。ウェーブ気味で、 桃色がかったブロンドの綺麗な長い髪。小柄でほっそりした、柔らかそうな体。勝ち気そうな鳶色の 双眸を持つ、あどけなくも高貴さを感じさせる顔立ち。竜の目から見ても、ルイズは美しいと認める ことができた。イルククゥも女の子、可愛いものには弱いのだ。人間の少女が愛らしい猫や犬に頬を 緩めるように、異種族であっても、むしろ異種族だからこそか、可愛いものは可愛いと感じてしまう ものらしい。 一方、ルイズはイルククゥの言葉に1つ頷くと、なにやら顔を笑みで彩りだす。 「私が、風竜どころか風韻竜を召喚するなんて」 小さな呟き、それを皮切りに、自信に満ちた声が放たれていく。 「そうね、そうよね! とうとう努力が実ったんだわ! 私だってヴァリエール公爵家の娘なんです もの、いつか大成するって信じてたわ!」 満面の笑みで、ルイズは自分の召喚の結果に、再度の喜びを露わにした。ほんの少しだけ、また 目に涙を見せながら。 「見てなさいよ、あいつら! なんたって風韻竜を使い魔にしたんだから! これでもうゼロだ なんて呼ばせないわ!」 「ゼロってなに?」 「なんでもないの! もう関係ないんだから! きっと、この調子で私はどんどん才能を開花させて いくわ!」 言いながら、ルイズは腰に手を当てて薄い胸を張った。 それにしても、先程は泣いて喜んだと思ったら、今度はこの自信たっぷりの様子。愛らしい外見の 割に、結構調子に乗り易いタイプなのかもしれない。 もっとも、お調子者なのはイルククゥも同じなので、似た者主従といえるのだが。 それはともかく、自分を召喚したことでこれほど喜んでくれるルイズに、イルククゥは好印象を 抱いた。 「きゅい! そんなに喜ばれると、わたしも嬉しくなってくるわ! きゅいきゅい!」 歌う様な調子で言いながら、イルククゥはあることを思い出した。 「きゅい! でも、ルイズ様! これだけは覚えておいてほしいのね!」 「? どうしたの?」 「あのヘンテコ! あの気持ち悪いのには、近づいちゃダメなのね!」 イルククゥの言葉に、ルイズは首を傾げるばかりだ。そこでイルククゥも記憶をたどり、補足の 言葉を重ねる。 「ほら、あの青い髪のちびっこ! あの子の召喚したのの1匹なのね!」 「青い髪……ああ、あの子、タバサっていったかしら」 「そうなのね、って、ありゃん? ルイズ様あの子のこと知らないの?」 同じ魔法学院のクラスメイトだということなのに、よく知らなそうな様子に疑問符を浮かべる。 「去年は別のクラスだったし、あの子目立つタイプじゃないから」 ルイズは説明しながら、それにツェルプストーとよく一緒にいるし、とよく判らないことを言って 眉をしかめた。 「それで、あの子がどうかしたの?」 聞き返す召喚者に、若干苛立ちながらイルククゥは繰り返す。 「だから! あの子が召喚したヘンテコ! 3体も召喚されてたけど、その中で1番気持ち悪いの!」 「ああ、あの気味の悪い仮面のこと?」 イルククゥはこくこくと頷いた。 「そうそう、そいつ! あれには近づかない方がいいのね、というか絶対近づいちゃダメなのね!」 「う、うん。まあ、あんなのに近寄りたくはないけど」 鼻息荒く迫れば、ルイズがやや(?)怯んだ様子で応える。 「でも、なんでそこまで念を押すのよ?」 不思議そうな顔で尋ねてくるルイズ。それに一瞬イルククゥの方がきょとんとするが、すぐに 人間は精霊の声が聞こえないことを思い出した。 「あのヘンテコ、絶対危険なのね! だって、あいつが出てきた途端、周り中の精霊たちが一斉に 警戒しだしたんだもの!」 「精霊が警戒? そんなことってあるの?」 どうやら韻竜が精霊の声を聞ける種族であることは理解しているらしい。召喚者の博識ぶりに 嬉しくなるが、今はおいておく。 「今まではそんなこと1度もなかったし、お父様もお母様も長老様たちも、誰もそんなことが あるなんて言ってなかったのね。だから、そんな事態を引き起こすあいつは、絶対に危ない奴 なのね!」 語気も強く、力説してみせた。あんな者に、この愛らしい召喚者を会わせるわけにはいかない。 あの時の精霊たちの声、あんな怯えを含んだ声なんて、聞いたことがなかった。第一、あの 仮面の姿自体も気に入らない。繰り返すが、イルククゥは女の子。可愛いものは好きだが、不気味な ものは嫌いなのだ。まずは外見で第一印象が決まることは、どの種族もあまり変わりがない。 「えーっくし!」 「どうしたの、ムジュラの仮面?」 突然奇妙な声を上げるムジュラの仮面に、ナビィが驚いた。 「いや、なにか急にくしゃみが……」 ムジュラの仮面が戸惑った風で言うと、今度は才人が訝しむ。 「鼻も口もないくせに、どこでくしゃみ出すんだ?」 「いや、オレもこれまでこんなことはなかったんだが……」 そして、ムジュラの仮面は体ごと首を傾げ、周りの者たちも合わせる様に首を捻るのだった。 「そう、判ったわ。元々そうするつもりはなかったけど、あの仮面には近づかないようにする」 シルフィードの警戒心が伝わったのか、ルイズは先程よりもはっきりと約束してくれた。それに 安堵の息をつくと、今度はルイズが表情を引き締めて口を開く。 「でも、私の言うことも聞いてちょうだい」 「? なんなのね」 聞き返すと、ルイズは周囲を見回して、人目があるかどうかを確認した。今更という気がするの だが。やや呆れ気味に見ていると、ルイズはイルククゥに近づき顔を下げさせる。 「今日から、人前で言葉を話すのはダメだからね」 そして、声をひそめて耳打ちされた言葉に、激昂する。 「何を言い出すのね、この桃色娘は! 偉大なる風韻竜であるこのわたしに、いつまでもおバカな 風竜なんかのふりをしていろっていうの!」 唾と一緒に抗議の声を飛ばした。今日はルイズが落ち着いてからということで我慢したが、 これから毎日会話してはいけないなど冗談ではない。その怒りのままに、イルククゥは文句の 言葉を放っていく。その声の風圧に吹き飛ばされそうになりながらも、ルイズは長い髪を抑えつつ 言葉を続けた。 「お願い、聞き分けて! 韻竜種は絶滅していると思われてるし、もし貴方のことが知れたら きっと大変なことになるわ!」 「大変なことって、どんなことなのね」 まだ憮然としながらも、少し声を抑えてイルククゥは聞いてみる。その質問に、ルイズが 溜息混じりで説明を始めた。 「きっと、アカデミー(魔法研究所)が研究のためだっていって、貴方を連れていっちゃうで しょうね。もしそうなったら、きっと連日連夜実験材料にされて、挙句の果てには体を バラバラに……」 ルイズの語る内容に、イルククゥは慄然とする。 「こわい!」 たかだか言葉を喋るか喋らないか程度のことで、そんなことになり得るとは思いもよらなかった。 恐怖の声を上げるイルククゥに、ルイズは頷く。 「そう、恐いことになっちゃうのよ。私もそんなことにならない様させたいけど、アカデミーは 王立機関だからヴァリエール家でも流石にどうにもできないし、それに万一エレオノール姉さまに 知れようものなら……」 そこまで言うと、突然ルイズは身を震わせ始める。 「きゅい?」 それに怪訝としていると、ルイズの口からなにやら言葉が漏れていることに気が付いた。 「ごめんなさい姉さまでもイルククゥはせっかく召喚できた私の使い魔なんですだから 取らないで……」 「きゅ、きゅい……?」 自分の鱗のように顔を青くしながらぶつぶつと呟くその姿に、イルククゥは我知れず 後ずさった。その距離、約3メイル程。先程のエレオノール姉さまなる人物に、よほどなにか あるのだろうか。 「貴族の義務は判っていますですけどおねがいです連れていかないでああごめんなさいほっぺた つねらないで顔ふまないでごめんなさい母さまへの報告だけは堪忍して……」 「あ、あの……、ルイズ様……?」 憑かれたように独り言を続けるその様は正直不気味この上ないが、イルククゥは思い切って 声を掛けてみた。そこで、やっと正気に戻ったらしいルイズが咳払いをする。顔色はまだ 真っ青なままだ。 「と、とにかく、喋ったら大変なことになるから、他の人には喋っているところを見られない ようにしなきゃダメなんだからね!」 びしっと指を突きつけてくるルイズに、イルククゥは勢いよく首を上下させた。先程の尋常で ない、むしろなさすぎるルイズの様子に、すっかり不安が伝染してしまったのである。 そこで、ルイズが何か思いついたような顔をした。 「そうか、それなら名前も変えた方がいいかもしれないわね」 「きゅい? 名前?」 「ええ。イルククゥって可愛い名前だと思うけど、私が思いつくような名前じゃないし、なんで そんな名前にしたかって聞かれたら答えられないもの。もし聞いてきたのが姉さまだったり したら……」 そこまで言って、また何処か遠い所に行ってしまいそうになりかけるルイズに、イルククゥは 慌ててブレーキを掛けさせる。 「そ、そういうことだから、人前ではなにか別の名前で呼んだ方がいいと思うのよ」 言うが早いか、ルイズは唇辺りに指を当て、考え込み始めた。 「風韻竜なんだから、風に関する名前の方がいいわよね、それに女の子だし、可愛い名前に しなきゃ」 眉根を寄せて、可愛らしく唸るルイズ。それを見ていると、自然と胸が温かくなってきた。 使い魔となった自分の身を案じてくれ、自分の名前を一所懸命に考えてくれている。そのことに、 イルククゥはルイズの優しい心根を感じずにはいられなかった。 そして、やがてルイズは結論が出たらしく、両の手を打ち鳴らす。 「うん、決めた! シルフィードっていうのはどう?」 「シルフィード?」 聞き返すと、ルイズは笑顔で頷いた。 「物語に出てくる、風の妖精の名前よ。どうかしら?」 ――シルフィード…… ルイズが考えてくれた名前を反芻していると、心が感激に染まっていくのが判る。 「素敵な名前ね! きゅいきゅい! 可愛くて綺麗な名前! 新しいなーまーえー!」 跳びはねたい様な喜びを歌声で表してみれば、ルイズの方もますます顔をほころばせていった。 「ふふ、気に入ってくれたみたいね」 「ええ、とっても! どうもありがとう、ルイズ様!」 感謝の言葉を告げながら召喚者、否、主人であるルイズに鼻先をすりよせる。 「も、もう、使い魔が勝手にご主人様に顔を近づけるなんて、本当は不敬なんだからね」 口ではそんなことを言っているが、その紅潮した頬と緩んだ口許を見れば、照れ隠しである ことは見え見えだ。そんな主の子どもっぽい愛らしさにイルククゥ、否、シルフィードの中で ルイズへの愛おしさが募っていった。 「でも、あのヘンテコには絶対近づいちゃいけないのね!」 だからこそ、あの奇妙な仮面に対しては、釘をしっかり刺しておく。 そして、実のところその考えは決して的外れのものではなかった。 ハルケギニアに生息する幻獣と、ハイラル、タルミナ等でモンスターと総称される魔物や魔族。 姿形に関しては大差が無くもないのだが、この両者はある一点において大きく異なっている。 それは、幻獣が生態系に則った存在であるのに対し、モンスターはこの世のルールの乱れから 生まれ出るものであるということだ。 世界のルールの乱れ、例えば世の平和が脅かされる時、そこにモンスターの生まれる余地が 生じる。生まれたモンスターたちはその凶暴性のままに世を乱し、それが更にモンスターを 生む。その歪んだ生態故に、モンスターは世界の理法を司る精霊たちとは敵対関係にあった。 普通、幻獣は精霊と戦おうなどとは思わないし、中には韻竜のようにその力を借りるものさえ いる。しかし、モンスターはそうではない。例を挙げるなら、ハイラルではナビィの故郷である 森を守護してきた精霊デクの樹が魔物に呪い殺されたし、それとは別の時代に空の精霊ヴァルーや 水の精霊ジャブー等が魔物に脅かされ、また別の時代にはフィローネ、オルディンといった光の 精霊たちが魔物に力を封じられている。そして、当の奇妙な仮面、ムジュラの仮面自身もまた、 邪気と魔力が健在の頃はタルミナの四方を護っていた守護神たちを呪って魔獣に変えた上、精霊の 眷族である大妖精を――殺したわけではないが――ばらばらに引き裂いていた。 世界に仇なし、時として精霊さえも手にかける魔性の命、それを魔物や魔族と呼ぶのだ。 そんな異世界の存在の生態をシルフィードたちが知る由はないが、それでもシルフィードはあの 仮面に対しては最大限の警戒をしておくよう、心に決めていた。 と、そこでシルフィードのお腹がくぐもった音を鳴らす。 「きゅい、ルイズ様、わたしお腹がすいた、お腹がすいた、お腹がすいた!」 「そうね、そういえば、召喚してからまだご飯あげてなかったっけ」 思い出したようにルイズは言うと、踵を返してシルフィードを招いた。 「じゃあ、いらっしゃい。厨房の場所を教えるから、貴方が来たらご飯をもらえるように 言いつけておくわ」 「きゅい! ごはんごはん!」 喜ぶシルフィードに、ルイズは少し眼を厳しくさせる。 「でも、約束ちゃんと判ってるわね?」 「きゅい! きゅいきゅい!」 喋ってはいけないことを覚えていることを示すように、シルフィードは竜の泣き声で応えた。 その態度に満足したらしいルイズは、シルフィードを厨房に連れていき食事を与えてくれる。 その食事の美味しさに、シルフィードは思わず感涙してしまった。巣では調理という概念が なかったため、貴族用の食事を作るコックたちの料理は新鮮な驚きと喜びに満ち溢れていた。 そして、そんな食事を与えてくれた主のことが、ますます好きになっていく。舌鼓を打ちながら、 イルククゥ改めシルフィードとなった風韻竜の少女は、新たな絆の証である使い魔のルーンを 見つめるのだった。 その左前足の甲に浮かんだルーンが何を意味し、自分を召喚した少女がどういうメイジなのか、 何も知らないままに。 ~続く~ 前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち
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前ページ次ページ使い魔のカービィ ギーシュとの決闘から数日後の朝。 カービィはベッドの中で惰眠を貪っていた。 基本的に、カービィがルイズよりも早く起きるということはない。 いつも先に起きたルイズがカービィを起こし、一緒に朝食へ行くというのがパターン化していた。 「カービィ! 起きなさい!」 今朝もやはりその繰り返しで、ルイズがカービィの被っていた布団を引き剥がした。 「ぽょぉ………」 眠い目を擦りながらゆっくりと起き上がるカービィ。 余談だが、前にこの光景を見たキュルケが「使い魔としての職務怠慢ね、どっちが主人だか分からないわ」と皮肉っていたが、ルイズは大して気に留めなかった。 何故ならば、大当たりなこの使い魔を、ルイズは周りが気にならないほど溺愛していたのだ。 優しさ、珍しさ、特殊能力、そして強さまで兼ね備えた使い魔を、どうしてルイズが卑下に出来ようか。 幼さを差し引いても、確実にトップクラスの価値がカービィにはあるのだ。 そういったことから、ルイズは溺愛するだけでなく、同時にカービィを誇らしくも思っていた。 そのためどうしてもカービィには甘くなってしまう節があり、自身が打ち立てた教育方針などとうの昔に忘れ去っていた。 ……話しを戻そう。 ルイズはカービィをベッドから下ろすと、しゃがんで目線の高さを近づけた。 その顔はどこか嬉しそうである。 「カービィ、今日は街に行くわよ」 「ぽょ?」 ルイズの提案に、カービィは大きく首を傾げた。 今日は虚無の曜日、週に一度だけ来る休みの日だ。 ルイズは今日がカービィと更に絆を深めるための良い機会だと思い、街へ買い物に繰り出そうとしていた。 しかし、街へ行くのは何もカービィとの絆を深めるためだけではない。 先日のギーシュの決闘以来、ルイズはカービィの能力を『剣を吸い込むと剣士になれる』という限定的なものだと誤認していた。(あながち間違いではないが) そのためカービィ専用の剣を買い与え、いつでも力を遺憾なく発揮出来るようにしようとしていたのだ。 ――しかし、ルイズは気付いていない。 決闘の時カービィが吸い込んだ剣がそのまま彼の腹の中にあることを。 そしてカービィは今まで、吸い込んだ物を吐き出した事があまりないことを。 総じてカービィ専用の剣に大金を注ぎ込んだ場合大損する可能性があるのだが、ルイズは知る由もなかった―― そんなこんなで寝ぼけ眼のカービィを連れて部屋を出たルイズは、まずシエスタの所へ向かった。 平民の常識や物の価格の相場が分かっている彼女に買い物の付き添いを頼むためだ。 決闘以来変わったことは、ルイズからカービィへの評価だけではない。 ルイズとシエスタの仲にも変化が生じていた。 一般的な『貴族』と『使用人』の関係でしかなかった2人だが、この数日で急激に親好が深まっている。 身分云々の問題はあれど、両者はお互いを『良い友人』と認め合っていた。 そんなルイズの頼みをシエスタが断る筈もなく、二つ返事で快く了承していた。 こうして買い物支度を整えたルイズ一行は、一路街へ向かって借りた馬を走らせた。 そして走行すること数時間。 一行は目的地――王都トリステイン城下町へ到着した。 乗ってきた馬を駅に預け、街への入り門を潜る。 その先の光景に、カービィは目を見張った。 「ぽよぉーー!」 白い町並みはたくさんの人が行き交い、道の両端には数々の店が軒を連ねている。 店だけでなく屋台や露天商も見受けられ、ププビレッジよりも賑わいがあった。 流石は王家のお膝元である。 ルイズは財布をシエスタに預け、これから先の予定を確認し始めた。 「とにかく、まずは武器屋ね。たしか武器屋は……」 「ぽよぉっ!」 「? カービィ?」 ルイズが急に大声を出したカービィの方を見ると、ある一点を見つめて固まっている。 顔を見合わせる2人を余所に、カービィは走り出した。 「ぽよー♪」 「あっ、ちょっとカービィ!」 止めようとルイズが手を伸ばすがかわされる。 残された2人は仕方なく跡を追った。 が、カービィは案外あっさりと野菜の店の前で立ち止まった。 走るまでもなく2人は追いつき、ルイズがカービィを抱き上げる。 「一体どうしたっていうのよ?」 「スイカ♪ スイカ♪」 「スイカ?」 そう、スイカだ。 店の軒先にはたくさんのスイカが並んでいた。 カービィはそれを一生懸命指している。 「もしかして、スイカが好きだったんですか?」 「ぽよっ♪」 カービィはこの世界に来て以来、大好物のスイカを食べていなかった。 前の世界ではそれこそ毎日食べていた物を急に食べれなくなったのだから、少し寂しい思いをしていた。 「1個どうです? お安くしときやすぜ?」 いつの間に出てきたのか、営業スマイルを浮かべた店主がそこにいた。 『まあ、1個くらいなら』と思い、ルイズはスイカを選び始める。 「じゃあ、この一番大きいの」 「あ、待って下さい」 シエスタがルイズを制し、一歩前に出る。 そしてスイカを1つ1つ軽く叩き始めた。 その様子にルイズは頭の上に幾つも『?』を浮かべる。 「何してるの?」 「音ですいかの善し悪しを見極めてるんです………これをください」 「はいよ、毎度あり!」 ルイズにはどれも同じ音に聞こえたが、シエスタには違いが分かったようだ。 満足したような表情で、選び抜いたスイカを購入していた。 「どうぞ、カービィさん」 「ぽよおぉー♪」 「随分詳しいわね?」 「父から教えてもらったんです。他にも買い物の豆知識は色々と」 「へぇ。今度、私にも教えてくれる?」 「ええ、ルイズ様なら喜んで」 微笑み合う2人。 その横で、カービィがスイカを丸呑みにしていた。 「ん~、なんかいいのがないわね」 寄り道はあったが、武器屋にやって来たルイズ達はカービィ専用の剣を見定めていた。 しかし素人しかいない一行に剣のことなど分かるはずもなく、とりあえず店主に見繕ってもらった品々を眺めていた。 「なら、これなんてどうです? この長さではうちで一番の業ものでさあ。なにせこれを鍛えたのはかの高名な錬金魔術師のシュペー郷で、魔法が掛かっているから鉄さえ一刀両断。武器としても装飾としても一流の品でして」 そう言って店主が手に取ったのは数字の『Ⅰ』を思わせるデザインのショートソードだった。 随所に豪華な宝石があしらわれ、鍔は黄金で出来ている。 ルイズは店主のセールストークと剣の美しさにすっかり魅入っていた。 「いいわね、お幾ら?」 「へい、新金貨で千五百になります」 次の瞬間張り手を食らったように正気に戻されてしまった。 「し、新金貨千五百っ!?」 「立派な屋敷が買えるじゃない!」 ルイズとシエスタは財布の中身を再確認し、頭を抱えた。 財布の中身……新金貨百枚。 新金貨千五百などとてもじゃないが手が届かない。 「弱ったわね……新金貨百枚しか持ってないわ」 「ルイズ様、とりあえずそれで買える剣を買うしか……」 「惜しいけどそうするしかないわね……まあ、剣なら何でもいいわけだし」 「『剣なら何でもいい』だぁ? ふざけんな! んな所持者のことも考えない買い方すんならとっとと出てけ! てめぇに武器を買う資格はねぇ!」 苦々しい表情で財布と相談していた2人と遊んでいたカービィの元へ、どこからともなく怒鳴り声が飛んできた。 「ななななな、なんですって!? 貴族に向かってなんて口の利き方なの!?」 ボロクソに言われたルイズはその声の主にキレ、睨みを利かせて周りを見回した。 しかし、声はせども姿は見えず。 彼女の周りには相変わらず数々の武器が鎮座しているだけだった。 「誰もいない……?」 「やいデル公! お客様に向かってなんて物言いだ!」 「ぽよーーー♪」 「うわっ! な、何しやがる!」 店主が剣の山に向かって怒鳴りつけると同時に、カービィが数ある剣の内の1本を手に取り嬉しそうに店内を駆け回った。 シエスタはカービィが何をしているのか疑問に思っていたが、ルイズはそれを見てふと思い出した。 魔法で作られた『喋る剣』という物が存在することを。 「あれって……インテリジェンスソード?」 「へい。どうにも口が悪くて全く売れず、逆にお客様に喧嘩を売る始末。誰が考えたんでしょうねぇ、喋る魔剣なんて……」 「ぽよよいぽよよい♪」「おいっ! おもちゃじゃねぇんだ! そんな風に振り回すんじゃ……ん?」 自分を振り回して遊んでいるカービィに一発怒鳴ってやろうとした剣だが、カービィに『何か』を感じ取った。 剣を振り回していたカービィも、急に喋らなくなったため不思議そうな顔をしている。 しばらくの沈黙の後、剣が何かを見切ったように喋り始めた。 「……おでれーた。てめぇ、そのナリで『使い手』かよ」 「ぽよ?」 「『使い手』? 何よそれ?」 「んなこたぁどうでもいい。とにかくてめぇら、俺を買え」 「はぁ!? なんであんたみたいな口の悪い剣を買わなきゃいけないのよ!」 「ほぉー、そうかい。でもこいつは俺を気に入ったみたいだぜ?」 剣は勝ち誇ったような声でルイズに高圧的な態度を取る。 否定したいルイズだったが、カービィの嬉しそうな表情を見ると言葉が詰まった。 甘やかしの影響がこんな所に出るとは、何がどう転ぶかわからないものだ。 「えと……あの剣はお幾らですか?」 とにかく値段だけでも知ろうと、店主に訪ねるシエスタ。 その問いに店主は即答した。 「あれなら新金貨100で結構でさ」 「えっ、随分お安いんですね」 「サービスですよ。こっちとしても客に因縁付けるようなオンボロを引き取って貰えて清々出来ますからね」 店主の言葉になるほど頷くシエスタとルイズ。 しかし 「でも、この長さじゃカービィに持たせるのは無理ね」 「ちょ、ちょっと待ってくれよ! こいつだってこんなに俺のこと気に入ってんだろ!?」 ルイズの一言に剣の声に焦りが混じり始める。 その後も剣の説得と悪態は続いたが、ことごとくルイズは却下した。 このままでは本当に不味いと剣が感じ始めた頃、意外な場所から助け舟が出た。 「あの、でしたら私が背負いましょうか?」 ルイズと剣が言い争う横で、シエスタがそっと手を挙げる。 「えっ?」 「そりゃあいい! 必要な時、丸っころにはオメェさんから俺を渡してもらえばいいしな!」 しめたとばかりに剣が話し出す。 ルイズはそれを叱咤して制止させた。 「大丈夫? ボロなのに意外と重いわよ?」 「普段から掃除や洗濯で足腰は鍛えてますから、大丈夫です」 シエスタの言葉にルイズは考え込んだ。 その間にも剣の熱い視線(のような念)が突き刺さる。 しばらく悩み……ルイズは遂に押し負けた。 「はぁ……分かったわよ、買うわ」 「毎度あり! 今鞘をご用意しますぜ!」 そう言うと、店主は再び店の奥へ消えた。 ルイズは未だに納得していないが、仕方なく観念したようだ。 剣の方に向き直って話し掛ける。 「あんた、名前は? まさかデル公なわけないでしょ?」 「当たり前だ! 俺はインテリジェンスソードのデルフリンガー。デルフでいいぜ。よろしくな、娘っこ達、それに相棒!」 「ぽよっ♪」 カービィはデルフを掲げると、また振り回して遊び始めた。――一方、トリステイン魔法学院の宝物庫入口の前。 宝物庫の扉を触りながら、苦々しい表情を浮かべる人物がいた。 オールド・オスマンの秘書、ミス・ロングビルである。 彼女は宝のリストを作ると偽り、この場所でコルベールから宝物庫と宝について説明を受けた処だった。 「まったく……固定化は強力だわ、厚さ5メイルの壁を使ってるわ、こんな設計をした奴は馬鹿だね、賊泣かせにも程があるよ」 今まで何度か『錬金』を試してきたが、結果はいつも同じ。 かすり傷がつく程度で、壁を破るなど夢のまた夢だった。 「あのツルっ禿……『物理衝撃が弱点』? こんなトンデモ設計じゃそんな理論何の意味もないじゃないかい」 色仕掛けを使いコルベールから色々情報を仕入れたが、『固定化』と『5メイルの壁』を突破する術までは聞き出すことができなかった。 『物理衝撃が弱点』というのも、コルベールの予想に過ぎないことから信憑性は微妙だ。 難攻不落とも言える宝物庫に、ミス・ロングビルは頭痛がしそうだった。 しかし、コルベールの情報の中に、そんな頭痛を吹き飛ばしてくれそうな物が1つだけ存在した。 それは『煌めきの星』という、つい最近宝物庫に入れられたマジックアイテムの情報だった。 コルベールが言うには膨大な力を秘めており、宝石とは違った美しい輝きを放っているらしい。 誰も使い方が分からないにも関わらず、この秘宝を欲しがる貴族は引く手数多だそうだ。 「『煌めきの星』ねぇ……こりゃイイコト聞いた」 先程までの苦悶の表情が一変。 口元はつり上がり、女狐のようにずる賢い『怪盗』がそこにいた。 前ページ次ページ使い魔のカービィ