約 193,929 件
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1111.html
佐々木VS長門 ふとしたきっかけで佐々木を伴って、長門宅での食事に招かれたのだが・・・・・・。 俺は今、長門の部屋のコタツで独り、台所に立つ二人をぼんやりと眺めていた。 「わたしがやる」 無表情な長門の声にはどこか、強い意思が含まれているようだった。 「いえ、私も手伝います。手持ち無沙汰にコタツに入っているだけだと、どうも悪い気がしちゃって」 笑顔で長門に対峙する佐々木の声からは、対女子用の柔らかい女の子口調だったが、何となく硬質な 毅然とした印象を受ける。 「気にしなくていい」 「ううん。そっちこそ気を遣わなくていいのよ?私、こう見えて結構料理得意なんだから。」 一歩も譲らない二人。かれこれ三十分になる。俺の腹の虫も、大概鳴き疲れてきた。 全く、なんなんだろうね。この妙に意固地な二人は。 「ねぇキョン。僕のコックとしての腕前が中々のものなのは、君もよく知っているだろう」 なぜ俺に話を振る 「・・・・・・」 そして長門、なぜ俺を見つめる。心なしか瞳の奥に冷たい光を感じるのだが、気のせいか。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1250.html
第52話 バカは風邪をひかない キョン「ふぇっくし! あー、クソ。風邪ひいたかなぁ……ゴホゴホ」 長門「毎晩、夜中に裸で外に出るからそういうことになる」 キョン「やってねーよ! ってお前また……」 長門「早く開けて。寒い」コンコン キョン「いつも勝手に窓から俺の部屋に上がりこむなと言ってるだろうが」 長門「毎回窓を割られないだけありがたいと思うべき」 キョン「そんなヤツいないだろ……」 長門「実は身近にいる」 ~~その頃生徒会室では~~ 会長「へっくし!」 喜緑「あ、会長風邪ですか?」 会長「いや、なんかいきなりクシャミが出た」 喜緑「こういうときは裸で暖めあうのがいいんですよね!。とりゃっ!」ガバッ 会長「それは雪山で遭難したときだろうが」 喜緑「会長の風邪ならわたしに好きなだけうつしていいですよ~」 会長「無理だろ、なんとかは風邪をひかないというしな」 喜緑「愛は風邪をひかない、ですね。だからわたしの愛で治してあげます」 会長「本当に風邪をひきそうだからやめてくれ」 喜緑「手始めとしてまず一緒に風邪をひきましょう。さっ、会長も脱いで脱いで~」 会長「だーっ! やめたまえ!」 ~~再びキョンの家~~ キョン「うー、寒気がする」ブルブル 長門「寝てて。わたしが何か食べられそうなものを作る」 キョン「いいのか?」 長門「スッポンと、うなぎと、にんにくと、赤マムシのエキスと……」 キョン「そんなやたらと精のつく食べ物はいらん」 長門「それならわたしの力で治すしかない」 キョン「お前、そんなことできるのか?」 長門「まずは風邪の予防接種注射を」 キョン「もう遅い」 長門「じゃあ上着を脱いで。聴診器で調べる」 キョン「本当にわかるのか? お前」 長門「……心臓の音がしない。お亡くなりになりました」 キョン「するだろ!」 長門「でもドクッドクッってエッチな音がしてるだけ」 キョン「それが心臓音だ」 長門「あー、これが……どおりでときどき不整脈になるのか……」 キョン「冗談でもやめてくれ」 長門「えーと、あなたの病気はガンです。お薬飲んでお大事にしてください」 キョン「勝手に人をガンにするな!」 長門「情報操作は得意」 キョン「やるなよ! マジで頼むから!」 長門「そろそろお医者さんごっこも飽きてきた」 キョン「……お前の宇宙的パワーに期待した俺がバカだったよ。ゴホッ」 長門「わたしの力で即座に治すこともできる」 キョン「それができるならすぐやれよ」 長門「ただし2分の1の確率で死ぬ」 キョン「それは嫌だな……」 長門「逆に考えるんだ。2分の1で回復すると」 キョン「寝てれば100%治るから」 長門「それにしてもあなたが風邪をひくなんて」 キョン「意外だったか?」 長門「風邪をひかないように、毎晩あなたの部屋の窓を開けて換気しておいたのになぜ……」 キョン「この風邪はお前のせいかっ! ゴホッゴホッ」 ~~次の日~~ 長門「風邪は治った?」 キョン「ああ、なんとか治ったよ」 長門「それもこれも昨日のお医者さんごっこのおかげ。わたしに感謝すべき」 キョン「ば、ばか! その話をするな!」 ハルヒ「へー、あんた昨日学校サボってそんなことしてたんだぁ……」 長門「服を脱がしたり体を触ったりしただけ、気にしないで。いつものこと」 ハルヒ「……へぇ~」ゴゴゴゴゴゴゴ キョン「ああぁぁぁ……いつものパターンか……」 ~バカは死んでも治らない~ 完 第53話 嫉妬するバカ みくる「長門さん、ここにお茶置いときますね、 今度は少しぬるめに入れときましたから、早めに飲んでくださいね」 長門「朝比奈みくる」 みくる「は、はいっ」ビクッ 長門「やっと二人きりになった……」 みくる「ビクゥ……な、何かご用ですかぁ……?」 長門「……見て」 みくる「うわっ! なんですかその胸!」 長門「思いっきり大きくしてみた」 みくる「なんかものすごくバランス悪いですよ……」 長門「情報操作は得意」 みくる「パットを大量に詰めるのは情報操作じゃないと思います」 長門「あなたの胸囲より2センチ大きくしてみた。かわいい?」 みくる「うーん……かわいいとかよりもちょっと変ですよぉ……」 長門「乳がでかいと言うこともでかくなる、か……」 みくる「そ、そそそそそういうことじゃないですっ! 長門さんは元のままですごくかわいいって言いたかったんです。ほ、ほんとです!」 長門「そんなこと言われなくても、自分がかわいいことはわかっている」 みくる「はぁ、すいませんでしたぁ……」 長門「ふぅ、胸が大きいと肩が凝る」 みくる「もうパット外したらどうですか」 長門「そうやってすぐわたしを出し抜こうとする……」 みくる「ご、ごめんなさいぃっ」 長門「む、これはすごい発見。机の上に胸を置くと楽。ノーベル賞もの」 みくる「ノーベル賞はないと思いますよ。みんな結構やってるし……」 長門「あなたのいう『みんな』にはわたしが含まれていないのはどういう意図?」 みくる「そんなつもりじゃなかったですぅ……ごめんなさいぃ」 長門「別にうらやましくなんかない」 みくる「そ、そうですか……」 長門「別にうらやましくなんかない」 みくる「わかりましたから繰り返さないでくださいよぅ……」 長門「あ……パットが取れない」 みくる「あー、ブラに無理矢理パットを詰めるからですよ~」 長門「ううぅ、このままじゃ一生SOS団のマスコットキャラとして定着してしまう」 みくる「むしろどこかでそれを望んでいませんか?」 長門「そんなはずはない。わたしはあなたのように涼宮ハルヒにいじくられるキャラではない」 みくる「じゃあ、なぜこのブラが接着剤で接合されているんでしょうか」 長門「ブラとプラモデルを間違えただけ」 みくる「だけってレベルじゃねえぞですぅ……」 みくる「はい、取れましたよ」 長門「ふぅ……やっと肩の荷が下りた」 みくる「もう変な遊びしないでくださいね」 長門「ズズズ……お茶が冷めてる。ぬるいお茶を出すのが未来流の作法か……」 みくる「はいはい、すぐ入れなおしますよぉ……」 長門「胸が大きいとその分脳に血が回らないというから仕方ない」 みくる.。oO(ま、まだ言ってる~) 長門「でも……わたしはこの大きさなのに……頭が悪いのはなぜ?」 みくる「そ、そんなことないですよ~、長門さんはえーっと……そんなことないですよ~」 長門「……そう」 みくる「……う」 長門「そうか、わたしの胸は遠近法で小さいように見えてたけど、実は超巨乳だったということか。わーい」 みくる「うわぁ……バカだぁ……」 ~もし長門が巨乳だったら~ おわり ~~~~~~~ このフラッシュが元ネタのおまけです。 長門おっぱい http //www.youtube.com/watch?v=BIAsKQqwZo0 嫉妬するバカver1.1(53話のおまけ) 長門「……わたしはこの大きさでとても満足している。ペタペタ」 みくる「突然なんですか」 長門「気にしないで。あなたに話しかけているわけではない。独り言」 みくる「はぁ……」 長門「わたしの胸は決して小さすぎると言うほどのものではない。ペタペタ」 みくる「……」 長門「ごく平均的。一般的な高校生一年生はこんなもの」 みくる「……」 長門「乳のでかい人間は人の話をシカトする法則」 みくる「え、いや、独り言って……そ、そうですよね。長門さんはそんなに小さくないですよね」 長門「あなたのように胸が重いと動きづらくなる」 みくる「そ、そうですか」 長門「服もサイズが合わなくて大変」 みくる「でも長門さん、いつも休日でも制服着てますよね……」 長門「……ぐす」 みくる「あわわわ、ご、ごめんなさい。泣かないで」 長門「胸が大きいと肩が凝る」 みくる「そ、そうです、そうです、肩が凝るんですよ。た、大変だなぁ~」 長門「胸が大きいと年を取った時に垂れる」 みくる「そ、そうなんだぁ、う、うわぁ嫌だなぁ~」 長門「最近は貧乳ブーム。胸の大きさは必ずしもアドバンテージではない」 みくる「そ、そうですよ~、胸が大きいからって嫌がる男性もいるみたいですし……」 長門「……下手な同情をしろとは言っていない」 みくる「ひぃぃぃ! 長門さん怖いぃ……」 第54話 クリスマス・バカ 喜緑「かーいちょ~」ズドドドドドドド 会長「……」サッ 喜緑「ズデン!ドカッゴロゴロゴロゴロー!!ザクッ!!ピュー あ~ん、かわさないでくださいよ~」 会長「毎回、君の突進で突き飛ばされてケガをしているわけにはいかないんでな」 喜緑「そのあと、いつも治療してあげてるじゃないですか」 会長「ケガで動けない私にナース服で迫ってくるのは治療のつもりだったのか。てっきり嫌がらせかと思ってたぞ」 喜緑「だって、会長がお医者さんごっこしようっていうんですもの」 会長「言ってない!」 喜緑「真偽のほどはあとで体で確かめあうとして……会長、今夜はお暇ですか?」 会長「今日はクリスマス・イブだからな。絶対言ってくると思ってたぞ……」 喜緑「そんな……ホテルのスウィートまでとっててくれたなんて」 会長「勘違いするな。今年のイブは私は忙しいのだ」 喜緑「そうですよね! わたしと一緒に過ごさないといけないんですもの」 会長「違う。君と遊んでいる暇は無いと言ったんだ」 喜緑「そんな……会長がわたし以外の女と過ごすなんて……」 会長「ああ、そうだ。そうだから構わないでくれたまえ」 喜緑「やだもう冗談ですよ~、会長ったらご冗談がお上手なんだから~。」 会長「私は嘘などつかない。冗談は嫌いなたちでね」 喜緑「あ~、わかった~、お母さんを女に入れちゃダメですよ~。当然わたしも家族の一員として……」 会長「違う。君と同じくらいの年頃の女の子と二人で過ごす予定なのだ」 喜緑「会長すいません、情報の伝達にそごうが発生したみたいなんですけど~」 会長「していない。君が感じたままの通りそのままの意味だ」 喜緑「え? そ、そそ、そうだったんですか……」 会長「ああ、だから君も仲のいい友達とでもクリスマスを祝いたまえ」 喜緑「あ、そ、そうですね~、あはは、そういえばそんなこと言ってました~、バカだから忘れてました」 会長「そうか、ではお互いメリークリマスだな」 喜緑「は~い、よいお年を~」 喜緑「ただいま……」 朝倉「ゲリークリスマース!」パーン 長門「めくります」ピラッ 喜緑「……」 朝倉「あら? どうしたの? なんか自販機の下に10円落としたような暗い顔してるけど」 喜緑「なんでもない」 長門「今日は星矢。楽しむべき」 朝倉「性夜でしょ。もっと盛り上がらないとお隣さんからの苦情が来ないじゃなーい」 喜緑「ごめん……」 朝倉「それより見てみてー、わたし達からのクリスマスプレゼントー!」 長門「大きなつづら。きっといいもの」 喜緑「あ、ありがとう……でもわたし何にも用意できなかったんだけど」 朝倉「いいから開けてみて開けてみて」 喜緑「え、でも……」 長門「いいから。あなたが確実に喜ぶものが入っている」 喜緑「……」ガサゴソ 喜緑「………!!! え……、え……、嘘……、そんな……いいの?これ……」 長門「いつもいい子にしているあなたへサンタさんからのプレゼント」 喜緑「う、うぅ……あ、ありがとう、ありがとう有希、涼子……」 朝倉「いいってことよ、ね?有希?」 長門「こんなことくらい晩飯前」 朝倉「あら、用意したのはわたしなのよ?」 喜緑「ありがとうサンタさん、これからもわたしはいい子でいます。本当に……」 会長「……ふがむぐ……むぐー!(こらー!これはどういうことだー!縄をほどけー!)」 喜緑「うふふ、ダメですよ。ケーキは後ですからね」 会長「むぐーむぐー!(どういうことだね、朝倉くん! 話が違うー)」 朝倉「プレゼントが暴れださないように手錠もしないとね」カチャリ 長門「それより早くご飯ー」 喜緑「じゃあ、あらためまして」 長門・朝倉・喜緑「メリー・クリトリス!」チーン 会長「むぐー!(こらー!この縄ほどけー!しかもてめえらそんな言葉綺麗にハモってんじゃねー!)」 めがーっさクリスマス アンドハッピニョロイヤー! ~HAPPY END~ 第55話 妹はバカじゃない 長門「あれ? 彼はいないの?」ガラッ キョン妹「あー、有希だー。こんにちは」 長門「とても礼儀正しい。彼の妹にしてはよくしつけが行き届いている」 妹「でも有希はしつけが悪いんだね~、窓から入ってきちゃダメだよー」 長門「わたしはいいの。彼はどこ?」 妹「あー、キョン君はねー。今お風呂入ってるところー」 長門「あなたは一緒に入らないの?」 妹「うんー、前は一緒に入ってたんだけどね~、なんかねぇ、最近キョン君が入りたくないって言うから」 長門「それはかわいそう。きっと女としての魅力を感じなくなったせい」 妹「えー、そうだったんだぁ……ヒドイなぁ~」 長門「最後に一緒に入ったのはいつ?」 妹「んー、一年くらい前だったかな~」 長門「中3まで一緒だったのね。ちょっと待ってて、今メモを取る」 妹「うっわぁ~、準備周到だねぇ~」 長門「それで彼のおちんちんはどんな感じだったか思い出せる?」 妹「えーっとね~」 ~~マッガーレを聞きながらお待ちください~~●<マッガーレ!!~ 長門「いいことを聞いた。とてもためになった」 妹「有希、鼻血ふきなよー」 長門「いい子のあなたにいいこと教えてあげる」 妹「なになにー?」 長門「彼のベッドの下には……このようなものが隠されている」 妹「あー、エッチな本でしょー?知ってるよそんなのー」 長門「……知っていたとは……うかつ」 妹「うかつなのはキョンくんじゃない? ねえ、このお姉さんは何してるの? なんで裸なの?」 長門「そういう質問は彼にしてあげるととても喜ぶ。覚えていて」 妹「わ~、そうなんだ~」 キョン「何してやがるんだコラー!」ガチャッ 長門「ッチ! さらばだ」ピュー! 妹「わぁ~、有希忍者みたーい」 ハルヒ「お前も窓から入ってきたようなヤツとまともに対話するな」 妹「ねえ、キョン君、このお姉さんたちは何してるの? なんで裸なの?」 ~それはね、お前を食べるためさー!~ 完 第56話 バカ人生 古泉「今日は人生ゲームを持ってきました」 キョン「おー、懐かしいな。これっていろんなバージョンがあるんだよな」 長門「……チラッ」 古泉「これは昭和おもひで劇場バージョンといって結構高くてレアなヤツなんですよ。ようやく入手できました」 長門「……チラチラッ」 古泉「……えーと、(……彼女も誘ってあげたらどうですか?)」ヒソヒソ キョン「(えー、でもあいつにルールとか教えるのは大変だぞ……)」ヒソヒソ 長門「じー……」 古泉「(ほら、とうとう効果音を声に出し始めました。ああなるとウザいこと極まりないですよ)」ヒソヒソ キョン「(仕方ねえなぁ……) な、なあ、長門も一緒にボードゲームしないか? 二人でやるより三人のほうが楽しいと思うんだ」 長門「坊主とゲイ夢? ああ、なるほどそういう趣味……」 古泉「違いますよ、長門さん。なんで僕の方を見るとすぐにゲイを発想するんですか?」 長門「いい。二人の恋路を邪魔するなんてとてもわたしにはできない」 キョン「じゃあ、お前はやらなくていいよ」 長門「……え」 古泉「(ちょ、ちょっと……いいんですか?)」ヒソヒソ キョン「(いいよいいよ。あいつがやりたくないって言ってるんだし、無理に誘うことは無いだろ)」ヒソヒソ 長門「………ポロッ…ポロッ」プルプル キョン「(う、うわ……泣き声をこらえながら涙流して泣いてる)」 古泉「(一番堪える泣き方ですね)」 キョン「(そんなにやりたいなら素直になればいいのに……)」 長門「………ポロポロポロ」プルプル キョン「長門、お願いだから一緒にやってくれよ、な?」 長門「……グス。……いい。わたしはどうせもう邪魔だから」 古泉「僕からもお願いします。僕たちは長門さんと一緒に遊びたいんです」 長門「……どうしてもっていうなら……グス。仕方が無い。暇つぶしに付き合ってあげなくも無い」 キョン「もうちょっと素直になれって」 長門「……プン」 古泉「ではまずルールを説明しますね」 長門「ルールとは、英語で規則という意味。それくらいはわたしでもわかる」 古泉「そうでしたね。ではこのゲームにおけるルールを説明しますね」 長門「人生ゲームというくらいだから、スタートはマンションの一室に転送されるところから始まる」 古泉「そんな始まり方は長門さんだけです。とりあえずこのゲームではこの『ふりだし』というところから始まります」 長門「もろ出し……たしかにあなたたちはそこから始まったかもしれないけどわたしは……」 古泉「これは『スタート』だと思ってください。ここからスゴロクのように始まっていきます」 長門「宿六のように始まると」 古泉「スゴロクです」 キョン「あくまで長門のボケを冷静に対処してるな……」 古泉「最初の所持金は10000です。ここからボードの指示に従ってお金が増減します」 長門「……わたし今日7円しかもってない。困る」 古泉「ええ、ですからこれは架空のお金です」 長門「カカロット……貧乏そう」 古泉「違います。悟空のお金じゃありません。仮想の金銭です」 長門「南無阿弥陀仏……」 古泉「火葬じゃありません」 長門「この中央のルー大柴みたいのは何に使うの?」 古泉「ルーレットですよ。ここで出た数字の分だけ進むことが出来ます」 長門「ブーン、ワープで~」 古泉「ワープはダメです。ちゃんとマス目を一歩ずつ進んでください」 古泉「それからプレイヤーはみんな職業につかなくてはならないんですが、 大きく分けて2通りあります。専門職かサラリーマンです。 専門職はギャンブル性が高く、サラリーマンは手堅く安定しています」 長門「職業に宇宙人製アンドロイドがない……」 古泉「残念ながらそれはありません。ですがどちらかというと専門職になるんじゃないでしょうか」 長門「そう。それで職についたらどうすればいいの?」 古泉「そしたら給料日のマスに止まるごとに職ごとに決められたお給料をもらいます。 マス目の指示に従ってスゴロクを進めていき、最後に全員がゴールした時点で最も所持金の多い人が勝ちです」 長門「理解した。……もう一回最初から説明が必要だということを」 古泉「はぁ……」 キョン「次からメモしろよ」 長門「一回聞けばわかる」 キョン「わかってないから問題なんだろ!」 古泉「ではもう一度ルールを説明します」 長門「ルールくらい知ってる。カレーを作るとき入れる」 古泉「それはルーですね。僕が言ってるのは……」 …… … キーンコーンカーンコーン 古泉「下校時間が来てしまったようです……」 キョン「結局遊べなかった……」 長門「それもまた人生」 ~人生すなわちそれゲーム~ by竹田翔●<マッガーレ ─ 完 ─ ~~~~~~~~ 56話おまけ キョン「ほら、何してるんだ。早く帰るぞ」 長門「じゃんけん」 キョン「はぁ?」 長門「じゃんけんぽん」 キョン「え……あ、ぽん」 長門「勝った。パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」 古泉「これはまた懐かしい遊びですね」 長門「途中までこれで帰る」 古泉「僕もご一緒しますよ」 キョン「えぇー……これで帰るってどんだけ時間がかかるんだよ……」 長門「文句いう人は入れてあげない。古泉一樹と帰るからいい」 キョン「あ、ちょ、ちょっと待てよ。やらないとは言ってないぜ?」 長門「グ・リ・コ・ー・ゲ・ン」 キョン「そんなんありかよ~。そこは普通グリコじゃないのか?」 長門「そこはゲームだから言い出したもん勝ち」 おしまい 第57話 アホバカ日誌 キョン「あ、コホン。長門、チケットあるんだけど今度の日曜一緒に映画に行かないか?」 長門「ゲイ画?」 キョン「ほんとゲイ好きだなお前……。映画だよ映画。ムービー」 長門「ムーミン谷は今冬眠中」 キョン「映画だっつの。普通の映画」 長門「理解した。B級映画」 キョン「先を読みしすぎだ……。たしかにB級っぽい雰囲気の映画だけどさ……」 長門「あなたがピンク映画以外に興味があるとは」 キョン「観た事ねえぞ、そんなもん」 長門「……もしかしてこれってデートに誘ってるつもり?」 キョン「う、うるせー、ほっとけ。行きたくないんならいいんだぜ」 長門「行く行く。女房を質に入れてでも行く」 キョン「えらく古い慣用句知ってるな、お前」 ~~日曜日~~ キョン「あー、ごめんごめん。待った?」 長門「遅い、罰金」 キョン「ハルヒみたいな言い方だな」 長門「あなたの好みに合わせてみた」 キョン「そんな好みはねえよ。いつも通りにしてろって。そ、その方がいいからさ」 長門「……なぜそこで照れる?」 キョン「さ、さぁ、映画館に行こうぜっ! 今日は俺のおごりだぞっ!」 長門「?」 長門「映画といえばやっぱり煎餅。バリバリ」 キョン「そんな音の出る物食うな。ポップコーンやるからこれにしてろ」 長門「モグモグ。ところでこれはどんな映画?」 キョン「ああ、これは高校生同士の青春を描く純愛映画だって聞いたけど」 チャラリラリラリン~ キョン「お、始まった」 ジャンジャジャーン デンデロデロデロ~ン ──ウホ泉一樹の冒険episode83── 主演:ウホ泉一樹 キョン「ぶほぁっ!」 長門「ほう……これが青春純愛映画。興味深い」 キョン「な、なんだこりゃぁー!」 ウ……ウ、ウ・ウ・ウホウホ・ウホホホン♪ ウ・ウ・ウホウホ・ウ・ホホンホン♪ てれってれってれっててててんてん♪ 素直にウホと~い~え~な~い君も~ アナルを出して~ ゲイのまじな~い テドドンビーム ぶっかけてあげるわ~♪ キョン「帰ろう」 長門「待って。何かおかしい」 キョン「おかしいのはこの映画だ。んん!? なんだ!? 椅子が離れない! クソ! どうなってやがる!」 長門「何者かによって椅子に特殊な情報操作がなされている。 この映画が終わるまで席を立てないようになっている」 キョン「な、なんだってー!!」 ~~~~~~●<アッー ウホ泉「うー、アナルアナル」 今アナルを求めて全力疾走している僕は高校に通うごく一般的な超能力者。 ただ、しいて違うところをあげるとすれば、 男のケツに興味があるってことかな~。名前はウホ泉一樹。 そんなわけで僕はとある高校生を尾行しているのだ きよん「ふんふふーん」 ウホ泉「うほっ、いいアナル……」 アッー>●~~~~~~ キョン「お、俺が出てる! しかも古泉にアナルを狙われている! な、なぜ!?」 長門「あなたにこんな趣味が……」 キョン「違う! 俺はこんなの出た覚えはねえんだ!」 長門「シッ! ここからがいいところ……ゴクリ」 キョン「頼む……そんな真剣に見ないでくれ……」 ~~~~~~●<この映画は『機関』の提供でお送りします。 ウホ泉「どうして僕はアナルにしか興味が無いんだろう……」 きよん「おかしくねえって」 ウホ泉「きよんたん!?」 きよん「誰だってそんな気分になることはあるさ。みんな口には出さないだけだ」 ウホ泉「そうかな……。でもうちの学校にはなぜかアナルに棒を差し込む部活もないし、 他の男の子達はみんな同性に興味が無いみたいなんだ。 僕は男達が裸で互いの汗を舐めあうような、ごく当たり前の高校生活が送りたかっただけなのに……。 どこかで間違っていたのかな……」 きよん「なかったら作ればいいんだぜ」 ウホ泉「ウホ?」 きよん「部活だよ! アナル部!」 ウホ泉「そ、そんな手が……」 きよん「まず俺は部室を確保するからお前は男達を洗脳してくれ」 ウホ泉「うほほーん!」 明日の暮らしとアナルを見つめる。『機関』>●~~~~~~ キョン「最初にお前が言ってたゲイ画がまさか現実になるなんて……」 朝倉「気に入ってくれたかしら?」 キョン「あ、朝倉!? まさかお前がこの映画を……!」 朝倉「だってあなたの観ようとしてた純愛映画って本当につまらないんですもの。 高校生同士が付き合ってチューしてラブラブ……。退屈すぎて呆れたわ」 キョン「それがいいんじゃねえか! わざとそういう映画を選らんだんだよ!」 長門「なぜ?」 キョン「え、い、いや……その……」 朝倉「そんな映画で長門さんを退屈させるわけにはいかないでしょ」 長門「感謝する」 キョン「俺はこの映画が非常に苦痛なんだが」 朝倉「長門さんが面白ければあなたはどうでもいいわ」 長門「朝倉GJ」 キョン「てめぇ……。それよりこれはどうやって作ったんだよ。なんで俺が出てるんだ」 朝倉「結構作るの大変だったのよ。特に合成CG、合成音声、 映像特殊加工を施すのに本当に苦労したんだから。主に山根君が」 キョン「ほとんど人に作らせたのかよ。ひでぇな」 朝倉「ちなみにこの映画は3時間びっちりあるから最後まで見てね」 キョン「長すぎる……」 ~~~3時間後…… きよん「ウホ泉、お前は知らないだろうけど、実は男はみんなすべからくホモなんだ。 いろんなヤツが実はお前のアナルを気にしている。 世界はお前のケツを中心に動いていたといってもいい。お前のケツも動いていたしな。 みんな、お前のアナルを特別な存在だと考えていて、実際そのように行動していた。 お前が知らないだけで、ホモの嫌いな女子なんて存在しないんだよ」 ウホ泉「うほほほーん!」 きよん「ウホ泉……俺実はアナル萌えなんだ。 いつだったかのお前のお尻に刺さったにんじんはとっても似合っていたぞ」 ウホ泉「アッーーーー!!」 ~~Fin~~ キョン「や、やっと終わった……」 長門「待って。またなんか始まった」 ジャーンジャジャジャジャーン!! ──尻をたずねて3000里── 主演:ウホ泉一樹 キョンたん 監督:喜緑江美里 キョン「二本立てかよ!」 長門「お得」 このあと実は3本立てであることに気づくのは3時間後のことだったとさっ。 めがっさめがっさ 第58話 ご飯もまともに作れないバカ 喜緑「今日はわたしの料理当番ね」 朝倉「あ、わたしは今日外食する予定だからいいわ」 長門「わたしは月食だからいい」 喜緑「ダメよ二人とも。逃げようったってそうはいかないわ」 長門「そもそも料理当番などというものは存在しない」 朝倉「いつもわたしが作ることになってるじゃない」 喜緑「なんとなく作ってみたくなったのよ」 朝倉「なんとなくで死にたくはないんだけど」 喜緑「わたしだって本気だせばおいしい料理の一つくらい作れるって~」 長門「チョコレート作るときに洗剤混ぜた女が何をいうか」 喜緑「あ、あれはわざとだも~ん」 朝倉「余計たちが悪いわ」 長門「とにかくいらない」 喜緑「うん、それ無理」 朝倉「人のセリフとらないで」 喜緑「試食係は必要でしょ。それがあなた達がここにいる理由。信じて」 長門「人のセリフとるな」 喜緑「何言ってもだ~め。この部屋はわたしの情報制御空間なの! ジャーン!」シャキーン 朝倉「やられたわ……。最初からわたし達に選択権を与える気はなかったみたいね」 長門「喜緑江美里空間……黄緑色でキモイ」 喜緑「大丈夫よ。この料理本のレシピどおりに作るから。きっとうまくいくわ」 長門「それ、料理の本じゃなくてサバイバル本」 喜緑「同じようなものじゃない」 朝倉「全然違うわよ……」 喜緑「えーと、弱火で10分ってことは……強火で2分くらいでいいわね」 朝倉「そういうものじゃないでしょ。そのくらいわからないの?」 長門「ええ? そうなの?」 喜緑「いいのいいの。胃に入っちゃえば結局おんなじだから」 朝倉「次からあなたの分のご飯は全部生で出すわよ……」 喜緑「毎日お刺身ばんざい!」 長門「いいなぁ……」 喜緑「あとは……えーとお肉を200g……『g』ってなに?」 朝倉「グラムでしょ」 長門「ガンダムに決まってる」 喜緑「有希の言うことを信じるわ。200ガンダムね」ボチャンボチャン 朝倉「有希のバカ! もう既に肉じゃない何かを入れてるじゃない!」 長門「だってつい……」 喜緑「つっくりましょ~つっくりましょ~、なになになに~がでっきるかな~」ボチャンボチャン 長門「今入れたぬめぬめした紫色の物体はなに?」 朝倉「なんだろう……。あめふらし? 少なくとも食べられそうなものじゃないわね……」 喜緑「あれ? これなんだろ? えーい、入れちゃえ。迷ったら前に進むのよ」ドボドボドボ 朝倉「前を見て進んでよね……」 長門「進化の可能性も何もあったものじゃない」 喜緑「んっふふー、あとは仕上げに●●●●●を入れて完成っとー」 朝倉「ついに伏字を入れ始めた……((;゚Д゚)ガクガクブルブル」 長門「終わった……」 喜緑「出来ました~」 朝倉「うわっ! 臭っ!」 喜緑「ダメよ~、ちゃんと鼻センしないと食べられたものじゃないから」 朝倉「そんなもの出さないでよ」 長門「そもそもその料理は何?」 喜緑「何だろう……。ねえ、何に見える?」 朝倉「せめて自分で把握してよね……」 喜緑「ピキーン!! 食らい~やがれー!ビュン!」 朝倉「料理を投げないでよ!」 長門「ダメ、口をあけたら……」 朝倉「ドカッ ふぐっ! んがっぐっぐー!」バタリ 長門「あ……朝倉涼子……」 喜緑「まずは一人……ふふふ」 長門「まさかあなたは最初からこのようになることを知って……」 喜緑「そんなことないわよ、きっとおいしいんだから」 長門「一口くらい味見をしてから言え」 喜緑「あ! UFOだ!」 長門「え!? どこどこ!? 宇宙人どこ!?」 喜緑「隙あり!ヒョイ」 長門「……うかつ」ドサッ 喜緑「おわった……ついに完成したわ。えーっと……肉じゃが? そういうことにしておくわ」 ~~~次の日~~~ 喜緑「か~いちょう! 今日の家庭科で作ったお料理食べてくださ~い」 会長「いらん。それに今日は君のクラスは家庭科の授業などなかったはずだろ」 喜緑「会長ったらそんなことまで……わたしのことはなんでも知ってるんですね」 会長「そうじゃないといつ殺されるかわかったものじゃないからな」 喜緑「いいから一口だけでも食べてくださいよ~」 会長「本当にいらん。どんな毒を入れられるかわかったものじゃないからな」 喜緑「あ……そうですか……。そこまで信用されて無いんじゃしょうがないですよね……」 会長「信用しろという方が無理が無いかね?」 喜緑「せっかく会長のためだけに頑張って作ったのになぁ……。ジワ」 会長「な、泣いても無駄だからな!」 喜緑「あはは、わたしきっと将来だんなさんにも手料理食べてもらえないんだろうな……グス」 会長「あー、もうわかったわかった。食べればいいんだろ食べれば」 喜緑「じゃあ、この肉じゃがらしき物、絶対おいしいんで食べてくださいっ」 会長「らしき物という発言が気になるが……どれ、一口もらおうか」 喜緑「わ~い(ふふっ、これを食べて気を失った会長を保健室に連れ込んであれやこれや……)」 会長「モグモグ……うむ、うまいうまい」 喜緑「え……普通に食べてる……」 会長「ん? どうかしたかね?」 喜緑「い、いいえ~。あ、あれぇ……おっかしいなぁ……一日置いたら変化したのかな?……パクッ」 会長「うん? 喜緑くん? どうしたんだね? 急に顔色が……」 喜緑「……うぐぅ」バタリ 会長「喜緑くん!? おーい、喜緑くん! うわっ、目を開けたまま気絶してる! 衛生兵ー! 衛生兵ー!」 ~生徒会会長の舌はメガトン級のバカ~ ~~~●<わかめ!~~ 58話おまけ 喜緑「会長、わたし決めました」 会長「おお、そうか。やっと辞表を出してくれるのか」 喜緑「いやーん、会長ったらいじわるぅ~」ポカポカ 会長「ははは、いつでも辞めていいんだぞ~」 喜緑「わたし、お料理教室に通うことにしました」 会長「ほほう、適当主義の君にしては感心だな」 喜緑「わたしの手料理を残さずに食べてくれたのは会長が初めてです。 それからわたし、お料理を作ることの喜びに目覚めました」 会長「食わなきゃ殺す勢いなんだから仕方ないだろ」 喜緑「いえ、本当は食わせてころ……いや、なんでもないです」 会長「何をする気だったんだ……」 喜緑「今度はちゃんとした肉じゃがを作りますね」 会長「ちょ、ちょっと待て! じゃあ、あの肉じゃがはなんだったのかね!?」 喜緑「もっとわたしのお料理がうまくなるまで、他の子の手料理食べちゃダメですよ」 会長「そんなこと言われなくとも……」 喜緑「え?」 会長「私に手料理を作ってくれるのは君しかおらんだろう」 喜緑「えっへへー」 あー、もう見てらんないにょろ…… 第59話 バカチタレ! 長門「わたしは実は天才だった」 キョン「どうした急に? バカが進行したか?」 長門「金持ちになった」 キョン「な、なんだって!? どこからかっぱらってきたんだよ。返してきなさい!」 長門「盗んでいない。ちゃんと稼いだ」 キョン「どうやって稼いだんだよ」 長門「10万の元手を10倍以上に増やした」 キョン「ほう。いくらになったかわかるのか?」 長門「……ニ万五千円くらい?」 キョン「減ってるじゃねえか! 10万の10倍なら100万だろ」 長門「1+1が200になるプロレスラー特有の計算法を使った。10倍だぞ10倍!」 キョン「それ100倍だろ」 長門「とにかくその10万円を使って、まず最初に宝くじを買った」 キョン「ギャンブルじゃねえか。ちっともまともじゃねえよ」 長門「なんとこれが大当たり。100万円になった」 キョン「す、すげーな」 長門「普段の行いがよかったから。神様はきちんとわたしを見てる」 キョン「神様はいないってこったな」 長門「こうして手に入れたお金は次の投資先へとつぎ込んだ」 キョン「次はなんだ?」 長門「競馬」 キョン「文字通り馬鹿か」 長門「大丈夫、絶対鉄板の馬券を買った」 キョン「そんなものあるかよ……」 長門「予想は見事に的中、これがその証拠」 キョン「おお! 当たってる!、中山9レース、有馬記念。ディープインパクト複勝」 長門「これで元手を増やして次に向かったのは……」 キョン「一円も増えてねえから!1.0倍だ!」 長門「今度は株を購入してみることにした」 キョン「まさか野菜の蕪を買ったなんて、バカなこと言わないよな」 長門「そこまでバカじゃない」 キョン「そうか、すまん」 長門「わたしが買ったのは切り株」 キョン「前言撤回」 長門「100万円全部つぎ込んだ」 キョン「どんだけの切り株だよ!」 長門「10年後には立派な大木となってさらに10倍の資産に……」 キョン「ならねえよ!」 キョン「ところで元手の10万はどこからもってきたんだよ」 長門「心配ない。すぐに返す(10年後)」 キョン「俺の貯金通帳がー!!」 ~株上がれー~ 完 第6部最終回 第60話 もし長門がバカだったら・改 長門「大変なことが起きた」 キョン「なんだ」 長門「2006年になったばかりだと思っていたのに、もう年末」 キョン「遅すぎる」 長門「そんなことはどうでもいい」 キョン「本当にどうでもいいのか?」 長門「突然わたしが犬になってしまった」 キョン「また前の猫語のときみたいに俺を騙そうっていうのか……もう騙されねえぞ」 長門「前のときは嘘だったけど、今回は本当。見て」ピョコン キョン「おわっ! 頭に犬耳が生えてる! 触ってもいいか?」 長門「一回100万円」 キョン「たけーよ」 長門「わたしが払う」 キョン「本当にいいのかそれで?」 長門「……今日は特別無料サービス」 キョン「す、すごい……本物だ……。本当に犬耳が生えてる」 長門「あぁん……くすぐったいにゃん」 キョン「それは猫だろ」 長門「飛べない犬はただの犬だ」 キョン「それは豚」 長門「そこは『このメスブタめ』と突っ込んでほしかった……衰えたか」 キョン「俺はお前専属のツッコミ役じゃねえ」 長門「どうしよう」 キョン「どうしようって言われてもな……」 長門「とりあえずこれからどうやって過ごそう」 キョン「せっかくだからしばらく犬みたいに過ごしてみたらどうだ?」 長門「じゃあ、さっそく。お手」 キョン「ワン。ポン ……って違う。それは俺のセリフだ」 長門「だってあなたのあだ名は犬の鳴き声っぽい」 キョン「キャンじゃねえ!」 長門「ちんちん出して」 キョン「そんな芸は犬でもやらんわ」 長門「そんなこといったら犬に失礼」 キョン「俺には失礼じゃないのかよ!」 長門「どうやらこの病気はどんどん進行しているよう。 徐々に体が犬の物へと変わっていく。このままではあと数時間で完全な犬になってしまう」 キョン「おいおい、ふざけてる場合じゃないんじゃないか」 長門「このまま行くといつの日にか叶姉妹のようなスタイルに……」 キョン「ならんならん」 長門「……また犬化が進んだ。今度は体毛が大量に生えてきた」 キョン「そうか? さっきとあんまり変わって無いように見えるが」 長門「股の辺りに黒いちぢれ毛が生えてきた」 キョン「それ違う」 長門「疑うなら見せるけど?」 キョン「見せるな」 長門「うれしい。だって今までずっとツルツルだったから」 キョン「そんなこと俺に告白するなよ」 長門「これでわたしも大人っ!」 キョン「もっと女子高生らしい恥じらいというものを持て」 長門「これからは堂々とAVを借りられる」 キョン「ダメだから! そういう基準じゃないから!」 長門「と、そんなこんなでふざけているうちに……」 キョン「どうした?」 長門「シッポも生えてきた」ピョコ キョン「あ~あ……今回は本当にヤバイな……」 長門「このまま本当に犬になったらどうしよう……」 キョン「ならないようになんとかすることを考えようぜ」 長門「もしそうなったらあなたの家で飼ってくれる?」 キョン「いやぁ、うちはもうシャミセンがいるからなぁ。無理だろうな……」 長門「……くぅ~ん。シューン」 キョン「そんなに落ち込むなって(あぁぁ! くそぅ! かわいいなぁもう!)」 長門「どうする? アイフル」 キョン「いや、だから飼えないって」 キョン「とにかくハルヒにこんなところ見つからないようにしないとな」 長門「そう。もし見つかった日には、見世物として全国を行脚する毎日……」パタパタ キョン「なぜそこでうれしそうにシッポを振る?」 長門「どうせわたしはどこかの知らない男性に拾われて、 毎晩体に塗られたバターを舐めさせられるような生活に身を落とすだろう……」 キョン「すぐバター犬を想像するな」 長門「そんな生活だけは……嫌」パタパタ キョン「だからシッポを振るな」 長門「そうならないようにわたしを飼ってワン」パタパタ キョン「とりあえず今は最後まで諦めずに、元に戻ることを考えようぜ」 長門「わかった。今から隣の家の犬に挨拶してくるワン」 キョン「だから今からうちで飼われる準備をするな」 ~~1時間後~~ 長門(犬)「ハッハッハッ!ワンワン!」 キョン「うわっ! ついに完全に犬になっちまった」 長門(犬)「まだぎりぎりで言葉が通じるワン」 キョン「あぁぁぁ……お前がこのまま完全な犬になっちまったらどうすりゃいいんだ……」 長門(犬)「大丈夫。これからは『もし長門が犬だったら』で続けるから。 会話もワンワンだけでいいから、作者もとても楽そうだと喜んでいるワン」 キョン「タイトルの心配してるんじゃねえよ!」 長門(犬)「犬になっても知能はたいして変わらないワン。 どうせやることといったらあなたと遊ぶことくらいだワン」 キョン「お前はそれでいいのか?」 長門(犬)「わたしは構わない。涼宮ハルヒの観察なんてわたし以外でも出来る」 キョン「そういうものじゃないだろ……やっぱりそれはまずい」 長門(犬)「わたしが死んでも代わりはいるもの」 キョン「長門……」 長門(犬)「今のセリフが言えてとても幸せ」 キョン「そういえば綾波オタクだったなお前」 長門(犬)「わたしは一生あなたに飼われる人生でもいい。あなたさえ迷惑でなければ……」 キョン「長門……俺はそんなの嫌だ。 お前はペットなんかじゃない。俺にとって大切な…… 大切な仲間なんだ。友達なんだ。お前はやっぱりお前しかいないんだよ。 代用品なんかじゃきかない。唯一無二の存在なんだ。 ペットなんかにできるかよ!」 長門(犬)「そう。やっぱり元に戻った方がいい?」 キョン「当たり前だろ。でもその方法がわからないんじゃ……」 長門(犬)「……本当は原因も戻し方もわかってた」 キョン「な、なんだって!? お前俺のことからかってるのか!?」 長門(犬)「あなたが飼ってくれないなら戻るしかない。ちぇ~」 キョン「ちぇ~じゃない」 長門(犬)「原因は阪中の飼っていたルソーの逆恨み。あいつの霊に取り憑かれたワン」 キョン「それって……逆恨みじゃねえだろ。お前が殺したんじゃねえか」 長門(犬)「そうともいう。とにかくいち早くなんとかしないとワン」 キョン「どうすりゃいいんだ?」 長門(犬)「朝比奈みくるをここに呼んで。彼女の協力が必要だワン」 ~~~ みくる「それで……どうしてわたしは巫女さん衣装なんですかぁ~?」 長門(犬)「特に意味は無いワン。ちょっとその格好が見たかっただけ。もう帰っていいワン」 みくる「ひどっ!」 キョン「犬になっても性格は変わらんな、お前……」 長門(犬)「情報操作開始。パーソナルネーム長門有希(犬)の構成情報の変更を申請する。 ウー、ワンワワワン、ワオーンワンワンワンワワワン」 キョン「犬語でいいのかよ」 長門(犬)「今のはでたらめ。犬語とかそんなもの信じてるのは、よっぽどのバカワン」 キョン「急いでるんだろ! 早くやれって!」 長門(犬)「だって、お股の毛がまた無くなるの嫌なんだもん……」 キョン「そんなこと気にすんな!」 ~~●<アオーン、ウホホーン~ 長門「……うまくいった」 キョン「おお! 元に戻ったー! 耳もシッポもなくなったー!」 みくる「よかったですね~長門さん」 長門「めでたしめでたし。そしてまたツルツル……」 キョン「それでルソーの霊はどうなったんだ? ちゃんと成仏したのか?」 長門「もう大丈夫。二度と他の人間へ憑依したりはしない」 キョン「そうか……。でも今回の原因はお前にあるんだぞ。 一番かわいそうなのはルソーなんだからな。あとでちゃんとルソーのお墓参りしろよ」 長門「安心して。ルソーはちゃんとあなたに乗り移った」 キョン(犬)「てんめえぇぇぇぇ! 適当な仕事してるんじゃねえワオーン!!」 長門「ちんちん出して」 ~~忠犬バカ公~~ ──完── 第6部 もし長門がバカだったら・改 おしまい 第7部へつづく
https://w.atwiki.jp/gbeginner/pages/109.html
アスキーアート 2chでの歴史 Goluahでの歴史 ダウンロード 基本データ オプション 解説性能 戦術 コンボ基本コンボ 元ネタ アスキーアート ⌒ヽ / / _ノ ∠_____________ / .| /\ \ | .\ \ \ | ○ / \ \ \ | / / / \ \ \ , "⌒ヽ / /// ./ / .\ \ \ i .i ./ ./\\\ / /_ .\ \ \ .ヽ、_ノ / / .\\ ./ /^ `ヽ \ \ \ .| / \ \\ .イ fノノリ)ハ ../ \ \ \ | / \ \\ リ(l|゚ -゚ノlリ / \ \ \ .| / o .\ \\ ⊂ノ / \ \ \ | / "⌒ヽ . \\ / \ \ \| / i i \\ ○ _\ \/|/ ○ ヽ _.ノ .\ \\ _,. - ''",, -  ̄ \ \\_,. - ''",. - '' o \ \\ ''  ̄ヘ _ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○ \ \\//。 \ ・・・ゆき? ゚ o 。 .\ \/ | 。  ̄ ̄ ̄ \_________ 2chでの歴史 ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」を初め、ハルヒシリーズを通して登場するキャラクター。 情報統合思念体に作られた対有機生命体コンタクトインターフェイスらしいが、簡単にいうと宇宙人である。 その無口さと、ふいに見せる感情からか、コアな人気を誇る。 ちなみに物語の冒頭ではメガネをかけているが、某男子高校生の一言によりメガネを外している。 もちろんその人気は2chとて例外ではなく。このようにAA化される。 が、原作の無口な長門と違って、たまにぶち切れたり頬を赤くするなど、原作にない表情を見せる。 Goluahでの歴史 2009年6月6日、カ作◆f3tJq98yY6氏によって公開。 MUGEN等では、裸眼の長門が公開されているが、Goluah!!においては眼鏡をかけている。 尚、眼鏡はカラーをpal3に設定することで外すことができる。 眼鏡属性にとっては蛇足な設定である。 ダウンロード Goluah☆Justice 基本データ HP 前ダッシュ 後ダッシュ 空中ダッシュ ゲージ 備考 1200 ワープ ワープ - 2ゲージ ダッシュ中無敵あり チェーンコンボは存在しない。そのかわりに、特定の技をヒットさせた後、他の技でキャンセルできるガトリングキャンセルが存在する。 立ち攻撃系統を当てた後は、ジャンプでキャンセルすることができる。 オプション 項目 ポイント 解説 N.CRACKER. 8 「N.CRACKER.」が使えるようになります GUARD CANCEL 8 「ガードキャンセル」が使えるようになります N.S.F. 8 「N.STEP.」中にフェイントが出来ます。FEINT LESSとの併用不可 N.STEP.+ 8 「N.STEP.(C)」が使えるようになります KAKUSEI 8 覚醒技が使えるようになります TENSION GAUGE 8 特定の行動をすることによってゲージが上がるようになります。ただし、ガード、喰らい中にゲージが上がらなくなります FEINT LESS -4 フェイントが使えなくなります。N.S.F.との併用不可 合計 20 - 解説 性能 攻撃力はかなり低く、リーチも短い為、一見して相手に近づき難そうだが、 コンボが繋げやすく、移動手段、回避手段が多彩な為、そんなに難しいことではない。 また、一部の技はフェイントが可能で、相手を翻弄することも可能。 体力も高いので、攻めるには十分である。 不安な点は斜めジャンプの横移動の少なさ。飛び込みからの攻めは激しく苦手。 なお、通常技のキャンセルは特定の技から特定の技にしか繋がらない 「ガトリングコンビネーションシステム」となっているため下記参照のこと。 地上立A→屈A→立B→屈B→立C→3C(途中飛ばし可) 立Aor屈Aor立Bor屈B→2C 立C→6B 空中JA→JB→JC(途中飛ばし可) JAorJB→J2B 戦術 間合いを取りつつ、相手の隙を伺いながらカウンターを狙うのがよりベター。 相手のダウンを奪いしだい、→+BやN.STEP.で上下段の選択をさせて、そこからコンボを決めるのが効率的。 また、画面端に追いやられたときは起き上がり等に無敵時間の長いN.F.F.C.を出すのが有効。 コンボ 基本コンボ 立B→立C→N.B.I.G.(A or D)→各種追い討ち 屈B→屈C→立C→N.STEP.(B)→N.X.W.H. 空中A→空中B→↓+B→空中B→着地orジャンプキャンセル→空中A→空中B→空中CorN.F.J.→(空中C後)→N.D.C. 元ネタ 技名 元技 元キャラ モチーフ - 涼宮ハルヒの憂鬱 長門有希 N.B.F. ポチョムキンバスター GG ポチョムキン N.D.C. 直下型ダンディー GG スレイヤー N.E.W. 永遠の翼 GG スレイヤー N.F.F.C. フルール・フリーズ・クルールー メルブラ レン
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/5622.html
『長門の湯』 なに、給湯器が壊れたから風呂には入れないだって。 なんてことだ、一日の疲れを癒すべくささやかな楽しみにしていた風呂に入れないとは、許しがたい暴挙だ、責任者、出て来い! と、ぼやいたところでどうしようもないが、ぼやかせてくれ。 「キョンくーん、行こうよー」 しかも、妹を連れて銭湯に行け、とは、うちの親も無茶なことをいう。なんだかんだ言ってもあの妹だって、すでに男湯には入れないような年頃だから、なにも俺が連れて行くこともなかろうに。 まぁ、いいか。たまには銭湯の大きな湯船にゆっくりつかるのもいいだろう。 そういえば、銭湯などというものには長らく行ったことがなかった。昔行ったはずの近所の銭湯も当然のように廃業して今はマンションが建っている。 しかたなく俺は、初めて銭湯に行くことにやたらとうきうきしている妹を連れて少し離れたところで今も営業をしている銭湯に向かってチャリンコを転がしている。 「キョンくん、まだぁ?」 「もう少しだから。黙ってついてきなさい」 思ったより遠い。これだと帰り道は湯冷めに注意しないといけないな、などと考えながら、ふと前の交差点で信号待ちをしている見慣れた制服の後姿が目に留まった。 その小柄な姿の隣に自転車を止め、俺は片足を地面に下ろして話しかけた。 「よぉ、長門。買い物か?」 もはや見間違うこともないその姿は、SOS団の貴重な戦力である究極の無口キャラ、長門有希であった。 俺の呼びかけに黙って振り向くと、わずかに首を傾けて挨拶をしてくれた。 「あ、有希ちゃんだー」 追いついた俺の妹の呼びかけに対しても同じように無表情で答えるアンドロイド。 あれ、二人でどうしたの? と、でもいいたげな漆黒の瞳の輝きを感じた俺は、 「いやー、うちの給湯器が壊れてな、風呂に入れないもんだから、銭湯に行くところさ」 「そうなの、銭湯、銭湯! あたしはじめてー、有希ちゃんも一緒に行かなぁーい?」 無邪気に答える妹のはじけるような笑顔を不思議そうに見つめていた長門は、何を思ったのかポツリと言った。 「一緒には行かない。しかし、わたしのうちのお風呂を使ってくれてもいい」 「なに?」 「え、有希ちゃんちのお風呂? 行ってもいいの?」 「いい。問題ない」 「行く行くー、キョンくん、行ってもいいでしょ?」 「ちょっと待てよ、長門、それはちょっと……」 「困ったときはお互い様、遠慮は無用」 いや、お互い様ではなくて、知り合ってからこの方、ほぼ一方的に俺が世話になりっぱなしのような気がするのだが。 「いや、あのな、長門……」 「そうだ、有希ちゃん、一緒に入ろうよ、お風呂、背中、流しっこしよう」 それになんだ、お前は銭湯に行きたかったのではないのか? 二人に軽く無視された俺は、楽しそうに長門に話しかける妹の声を聞きながら、青に変わった信号を受けて、横断歩道を並んで渡り始めた大小二つの後姿を追いかけていくしかなかった。 自転車を押しながらなので、思ったより時間がかかった。素直に銭湯に行った方が手っ取り早いのに、と思いつつも、俺たちはお馴染みのリビングに通された。 「すぐに沸かすからしばらく待って」 そういい残して消えていく長門は、心なしか少し照れているように見えたのだが気のせいに違いない。 「へー、あたし有希ちゃんちはじめてー。なーんにもないんだね」 コタツ机の一辺に座った妹はきょろきょろと室内を見回している。 妹には、この殺風景な部屋はどう映るんだろうか。俺も初めて来たときは目が点になったものだ、しかもその後、延々と電波な話を聞かされたしな。 この後の成り行きを危惧しながら、ふぅ、と溜息をついたところで、長門がお茶とジュースをお盆に載せてリビングに戻ってきた。 「お茶、どうぞ」 「すまないな、長門。妹のせいで変なことになっちまって」 「気にすることはない」 「有希ちゃん、テレビ見ないの?」 「見ない」 「ふーん、普段何してるの?」 「本を読んでいる」 「楽しい?」 「楽しい。本はいい」 「どんな本読んでるの?」 「なんでも」 無邪気に続く妹の質問攻めに、表情一つ変えることなく淡々と答え続ける有機アンドロイドに俺は今更のように感心することしきりだった。それにしてもだ、俺の妹に指摘されるまでもなく、そろそろテレビのひとつぐらいは置いてもよかろうに。統合思念体も金がないわけではあるまい。 ピピピ、ピピピ 微妙に不毛な長門と妹の禅問答を遮る様に、風呂が沸いたことを告げるアラームがなった。長門もそれを待っていたかのように振り返って俺に言った。 「沸いた。わたしは最後に入るから、お二人からお先にどうぞ」 「えー、有希ちゃんも一緒に入ろうよ」 「おいおい、こらこら、それは……」 と、言いかけた俺が全てを言い終わらぬうちに、 「わかった、では少し狭いかもしれないが三人一緒に」 「わーい、一緒に入った方が、ガスも電気も無駄にならないからエコなんだよー」 何のためらいもなくすっと立ち上がる二人を目の前にして、俺は、 「だから、待てって、長門。三人一緒はないだろ、それはいかん」 「なぜ? わたしは別にかまわない」 「あたしもいいよー」 こいつらは何を言っているんだ? 妹と一緒に入ることは百歩、いや千歩ぐらい譲る必要はあるかも知れないが、何歩譲ろうが長門と一緒に風呂に入るわけにはいかない。いくら宇宙人製のアンドロイドとはいえ、一応は年頃の同級生の男女なんだから。 「通常の男子高校生は、同年代の女性の体躯に興味を持っているはず。せっかくの機会なので観察してもいい」 「な、なんだって? 何を言っているんだ、お前」 「あなたは、あなたのベッドのマットレスの下に潜ませている数冊の雑誌で女性の特徴について研究している」 すました様子で軽く首を傾げた長門は、パチパチと瞬きをして俺のことを見つめている。 「な、な、なんだとぉ、お、お前、何でそれを知っている?」 思わぬ長門の攻撃にしどろもどろの俺……。 「当たった? カマを賭けただけ」 や、やられた。確かに谷口から回ってきた数冊のその手の雑誌がベッドの下に隠されている。それにしてもだ、妹の前で何を言い出すのだ、このアンドロイドは……。 唖然として二の句を継げない俺を追い立てるように、長門は、 「知的な好奇心を満たすために行動することは、科学を探求する上で必要なこと。是非、二次元ではなく三次元の世界で研究を継続して欲しい」 「いや、だから、別に好奇心とかそういうものでは……」 「有希ちゃん、もうほっといて二人で入ろう」 さらに何か言いたそうな長門の手を強引に引っ張って、妹たちはリビングを出て行った。ありがとう、妹よ、兄の窮地を救ってくれて……。 それにしても長門のやつ、なかなか妙なことをしてくれるじゃないか。自律進化の可能性だって? もう十分進化しているんじゃないのか、長門自身は……。 そんなことをぼんやり考えながらリビングで一人、お茶を静かに飲んでいた。 そう、長門が言うように、俺だって健康な男子高校生さ。 扉の向こうの浴室から、少しばかりのエコーとともにかすかに耳に届く妹の笑い声と長門の冷静な受け答えが聞こえてきて、俺の頭の中には湯気とともにいろいろな妄想が渦巻いて仕方なかった。 やはり、長門にはテレビを買うように言っておこう。テレビでも見て気を紛らわせないことには、この状況は如何ともしがたい。 ふと気がつくと、浴室の扉が開くような音に続いて衣擦れの音が聞こえている。どうやら二人は風呂を出たようだ。 すぐに妹がリビングに飛び込んできた。着ている服は来たときとは変わらない。そもそもチャリンコで銭湯に行く予定だったから、下着以外は特に着替えは持ってきていないからな。 「気持ちよかったよー、キョンくん」 まだ少し湿っている髪を白いバスタオルで拭きながら、妹は俺の隣で立っている。 「そうか、よかったな」 「あのね、有希ちゃんねー……」 と、妹が何か言いかけたところで、長門もリビングに登場した。 妹と同じようにバスタオルで髪を軽く拭きつつ、タンクトップとショートパンツからは少し上気してうすピンクに染まった有機アンドロイドのしなやかな四肢がすらりと伸びて輝いている。 その姿に一瞬どぎまぎした俺は、その動揺をごまかすためにも妹に話しかけた。 「ざ、残念だったな。銭湯なら、フルーツ牛乳が飲めたのに」 「あ、そうか。忘れてたー」 片目を閉じて、しまったー、という表情の妹に対して、 「大丈夫、フルーツ牛乳は用意している」 長門はそれだけいうと、頭の上のバスタオルを手で押さえながらキッチンの方に消えていった。 そして長門が戻ってきたときには、薄いオレンジ色の液体が入った牛乳ビンを片方の手に持っていた。反対側の手に持つビンはどうやら普通の牛乳のようだった。 「どうぞ」 と言って差し出されたビンには『フルーツ牛乳』の文字が見えた。受け取った妹は珍しそうにそのビンを眺めている。 「よくそんなものが自宅の冷蔵庫にあるんだな、長門」 長門は、自分の分の牛乳のふたを開けながら、小さく首肯した。 いまどき、牛乳瓶にはいったフルーツ牛乳など手に入れるのも至難の技のような気がするのだが、そこは情報統合思念体の力の見せ所ということか。それにしても、もう少し建設的な用途に使ったほうがいいだろうに、思念体も案外ヒマなのかもしれない。 「ふた、開かないよー」 妹は、ビンの口の紙のふたで苦労をしているようだ。気をつけないと指突っ込むぞー、と思った矢先、 バチュッ、 と湿っぽい音とともに、あまい香りの液体が少しばかり飛び散った。 「きゃー、やっちゃったー」 突っ込んだ指先をひらひらさせながら、飛び散ったフルーツ牛乳を眺めていた妹のやつは、すぐに指をぺろぺろとなめて、「ごめんなさーい」とだけは言った。 長門は飲みかけの牛乳ビンを俺に手渡すと、キッチンに雑巾を取りにいったようだ。 「こらー、気をつけないとだめだろ」 「えへっ、だってこのフタ、開けにくいだもん。給食の時もときどき失敗する子いるんだよ」 まぁ、確かにそうだったかも知れないないな。 小さく肩をすくめた妹は、手に持ったフルーツ牛乳のビンを俺に見せるようにかざして、 「おいしいよ、これ」 といって、残りを一気に飲み干した。 フルーツ牛乳の騒動が一段落したところで、 「じゃあ、すまないが俺も風呂、入らしてもらうわ」 「どうぞ。お湯は残しておいてかまわない。後で洗濯に使うから」 長門の人間的な言葉に感心しながら、俺はリビングを後にして洗面・脱衣場に向かった。 一番生活感があふれるであろう洗面所にさえ特に何もなく殺風景なのはもはや驚くには値しないな。 服を脱ぎながら、鏡の周りを見渡しても、泡のハンドソープのボトルが置いてあるぐらいだ。コップや歯ブラシなどはおそらく棚の中にでもしまってあるのだろう。 床の上の脱衣かごには真新しい白いバスタオルがきちんとたたまれて入れられている。俺は、そのかごの中に脱いだ服と着替えに持ってきた下着を入れると風呂場に入った。 浴室内も新築マンションのモデルルームのようにピカピカだった。長門がここで暮らしだして三年は経過しているはずだ。普通なら多少の汚れや黒ずみなんかがあっても普通なのだが、そんなものはこれっぽっちも感じられない。 一度、うちの風呂も長門に掃除してもらうと新品同様まできれいにしてくれるのではないかな。 そんなことを考えながら、湯船でのんびりとさせてもらっていると、脱衣場に人影が動くのが見えた。おやっ、と身構えると、ドアが開いて長門が首を突っ込んできた。 「湯加減はどう?」 俺は、湯船の中で思わず体をこわばらせながら、 「お、おう、いい感じだ、ありがとう」 「背中、流す?」 「え、え、いや、それは……」 「さっきも言った、遠慮は無用」 「だから、それはいいって。気持ちだけでいいよ、ありがとう」 「そう? 必要ならそこの呼び出しボタンを押せばいい。では」 かちゃん、とドアの音がして長門は引っ込んだ。 俺は長門が指差した給湯リモコンのパネルにある「呼び出し」ボタンを眺めながら、思わず押してしまいそうになる衝動を抑えているうちに、のぼせる一歩手前までいってしまった。 やっとの思いで風呂場を出てやや足元をふらふらさせながら、リビングに戻った時には、すでに四十五分も経過していた。リビングでは長門と妹がトランプをして遊んでいた。 「キョンくん遅かったねー、何してたの?」 「……ん、いや、ちょっとな、考え事を……」 「何か飲む?」 手にしたトランプをテーブルに置き、すっと立ち上がった長門の問いに対して、 「すまん、冷たいものが欲しいのだが」 「少し待って……」 キッチンに引っ込んだ長門は、俺の予想通りコーヒー牛乳を持ってきてくれた。俺は、よく冷えたビンを右手に持ち、左手を腰に当てて一気に飲み干した。 うまい、うますぎる。 少しのぼせかけの体によく冷えたコーヒー牛乳が一気に沁みわたって行くのがこれほどよくわかったのは初めてだ。実に心地よい。そしてやっと一息つくことができた。 その後しばらく三人でババ抜きなどで遊ばせてもらった上に、帰り際に長門は、お土産にと、フルーツ牛乳とコーヒー牛乳を一本ずつ持たせてくれた。 「世話になったな、すまない」 「気にすることはない。いつでも歓迎する」 「また来るね、有希ちゃん」 そういい残して、俺と妹が長門のマンションを後にした時には、家を出てから二時間も経過していた。いったい何時間銭湯に行っていたんだと、お袋にどやされるだろうな。しかし風呂上りに長門のリビングでくつろいだおかげで、帰り道で湯冷めすることを心配する必要はなくなった。 家に帰ってみると、ちょうどガス屋が壊れた給湯器を修理し終えて変えるところだった。ということは、明日からはまた我が家の風呂に入れると言うことだ。よかった、よかった。 俺は、長門にもらった二つの味の牛乳ビンを冷蔵庫にしまいながら、もう長門の家の風呂に入れてもらうことはないだろうな、と考えていた。少しばかり残念な気がしないではない。 が、それはともかく――。 いい湯だったよ、長門、ありがとう。 Fin.
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5247.html
『長門の湯』 なに、給湯器が壊れたから風呂には入れないだって。 なんてことだ、一日の疲れを癒すべくささやかな楽しみにしていた風呂に入れないとは、許しがたい暴挙だ、責任者、出て来い! と、ぼやいたところでどうしようもないが、ぼやかせてくれ。 「キョンくーん、行こうよー」 しかも、妹を連れて銭湯に行け、とは、うちの親も無茶なことをいう。なんだかんだ言ってもあの妹だって、すでに男湯には入れないような年頃だから、なにも俺が連れて行くこともなかろうに。 まぁ、いいか。たまには銭湯の大きな湯船にゆっくりつかるのもいいだろう。 そういえば、銭湯などというものには長らく行ったことがなかった。昔行ったはずの近所の銭湯も当然のように廃業して今はマンションが建っている。 しかたなく俺は、初めて銭湯に行くことにやたらとうきうきしている妹を連れて少し離れたところで今も営業をしている銭湯に向かってチャリンコを転がしている。 「キョンくん、まだぁ?」 「もう少しだから。黙ってついてきなさい」 思ったより遠い。これだと帰り道は湯冷めに注意しないといけないな、などと考えながら、ふと前の交差点で信号待ちをしている見慣れた制服の後姿が目に留まった。 その小柄な姿の隣に自転車を止め、俺は片足を地面に下ろして話しかけた。 「よぉ、長門。買い物か?」 もはや見間違うこともないその姿は、SOS団の貴重な戦力である究極の無口キャラ、長門有希であった。 俺の呼びかけに黙って振り向くと、わずかに首を傾けて挨拶をしてくれた。 「あ、有希ちゃんだー」 追いついた俺の妹の呼びかけに対しても同じように無表情で答えるアンドロイド。 あれ、二人でどうしたの? と、でもいいたげな漆黒の瞳の輝きを感じた俺は、 「いやー、うちの給湯器が壊れてな、風呂に入れないもんだから、銭湯に行くところさ」 「そうなの、銭湯、銭湯! あたしはじめてー、有希ちゃんも一緒に行かなぁーい?」 無邪気に答える妹のはじけるような笑顔を不思議そうに見つめていた長門は、何を思ったのかポツリと言った。 「一緒には行かない。しかし、わたしのうちのお風呂を使ってくれてもいい」 「なに?」 「え、有希ちゃんちのお風呂? 行ってもいいの?」 「いい。問題ない」 「行く行くー、キョンくん、行ってもいいでしょ?」 「ちょっと待てよ、長門、それはちょっと……」 「困ったときはお互い様、遠慮は無用」 いや、お互い様ではなくて、知り合ってからこの方、ほぼ一方的に俺が世話になりっぱなしのような気がするのだが。 「いや、あのな、長門……」 「そうだ、有希ちゃん、一緒に入ろうよ、お風呂、背中、流しっこしよう」 それになんだ、お前は銭湯に行きたかったのではないのか? 二人に軽く無視された俺は、楽しそうに長門に話しかける妹の声を聞きながら、青に変わった信号を受けて、横断歩道を並んで渡り始めた大小二つの後姿を追いかけていくしかなかった。 自転車を押しながらなので、思ったより時間がかかった。素直に銭湯に行った方が手っ取り早いのに、と思いつつも、俺たちはお馴染みのリビングに通された。 「すぐに沸かすからしばらく待って」 そういい残して消えていく長門は、心なしか少し照れているように見えたのだが気のせいに違いない。 「へー、あたし有希ちゃんちはじめてー。なーんにもないんだね」 コタツ机の一辺に座った妹はきょろきょろと室内を見回している。 妹には、この殺風景な部屋はどう映るんだろうか。俺も初めて来たときは目が点になったものだ、しかもその後、延々と電波な話を聞かされたしな。 この後の成り行きを危惧しながら、ふぅ、と溜息をついたところで、長門がお茶とジュースをお盆に載せてリビングに戻ってきた。 「お茶、どうぞ」 「すまないな、長門。妹のせいで変なことになっちまって」 「気にすることはない」 「有希ちゃん、テレビ見ないの?」 「見ない」 「ふーん、普段何してるの?」 「本を読んでいる」 「楽しい?」 「楽しい。本はいい」 「どんな本読んでるの?」 「なんでも」 無邪気に続く妹の質問攻めに、表情一つ変えることなく淡々と答え続ける有機アンドロイドに俺は今更のように感心することしきりだった。それにしてもだ、俺の妹に指摘されるまでもなく、そろそろテレビのひとつぐらいは置いてもよかろうに。統合思念体も金がないわけではあるまい。 ピピピ、ピピピ 微妙に不毛な長門と妹の禅問答を遮る様に、風呂が沸いたことを告げるアラームがなった。長門もそれを待っていたかのように振り返って俺に言った。 「沸いた。わたしは最後に入るから、お二人からお先にどうぞ」 「えー、有希ちゃんも一緒に入ろうよ」 「おいおい、こらこら、それは……」 と、言いかけた俺が全てを言い終わらぬうちに、 「わかった、では少し狭いかもしれないが三人一緒に」 「わーい、一緒に入った方が、ガスも電気も無駄にならないからエコなんだよー」 何のためらいもなくすっと立ち上がる二人を目の前にして、俺は、 「だから、待てって、長門。三人一緒はないだろ、それはいかん」 「なぜ? わたしは別にかまわない」 「あたしもいいよー」 こいつらは何を言っているんだ? 妹と一緒に入ることは百歩、いや千歩ぐらい譲る必要はあるかも知れないが、何歩譲ろうが長門と一緒に風呂に入るわけにはいかない。いくら宇宙人製のアンドロイドとはいえ、一応は年頃の同級生の男女なんだから。 「通常の男子高校生は、同年代の女性の体躯に興味を持っているはず。せっかくの機会なので観察してもいい」 「な、なんだって? 何を言っているんだ、お前」 「あなたは、あなたのベッドのマットレスの下に潜ませている数冊の雑誌で女性の特徴について研究している」 すました様子で軽く首を傾げた長門は、パチパチと瞬きをして俺のことを見つめている。 「な、な、なんだとぉ、お、お前、何でそれを知っている?」 思わぬ長門の攻撃にしどろもどろの俺……。 「当たった? カマを賭けただけ」 や、やられた。確かに谷口から回ってきた数冊のその手の雑誌がベッドの下に隠されている。それにしてもだ、妹の前で何を言い出すのだ、このアンドロイドは……。 唖然として二の句を継げない俺を追い立てるように、長門は、 「知的な好奇心を満たすために行動することは、科学を探求する上で必要なこと。是非、二次元ではなく三次元の世界で研究を継続して欲しい」 「いや、だから、別に好奇心とかそういうものでは……」 「有希ちゃん、もうほっといて二人で入ろう」 さらに何か言いたそうな長門の手を強引に引っ張って、妹たちはリビングを出て行った。ありがとう、妹よ、兄の窮地を救ってくれて……。 それにしても長門のやつ、なかなか妙なことをしてくれるじゃないか。自律進化の可能性だって? もう十分進化しているんじゃないのか、長門自身は……。 そんなことをぼんやり考えながらリビングで一人、お茶を静かに飲んでいた。 そう、長門が言うように、俺だって健康な男子高校生さ。 扉の向こうの浴室から、少しばかりのエコーとともにかすかに耳に届く妹の笑い声と長門の冷静な受け答えが聞こえてきて、俺の頭の中には湯気とともにいろいろな妄想が渦巻いて仕方なかった。 やはり、長門にはテレビを買うように言っておこう。テレビでも見て気を紛らわせないことには、この状況は如何ともしがたい。 ふと気がつくと、浴室の扉が開くような音に続いて衣擦れの音が聞こえている。どうやら二人は風呂を出たようだ。 すぐに妹がリビングに飛び込んできた。着ている服は来たときとは変わらない。そもそもチャリンコで銭湯に行く予定だったから、下着以外は特に着替えは持ってきていないからな。 「気持ちよかったよー、キョンくん」 まだ少し湿っている髪を白いバスタオルで拭きながら、妹は俺の隣で立っている。 「そうか、よかったな」 「あのね、有希ちゃんねー……」 と、妹が何か言いかけたところで、長門もリビングに登場した。 妹と同じようにバスタオルで髪を軽く拭きつつ、タンクトップとショートパンツからは少し上気してうすピンクに染まった有機アンドロイドのしなやかな四肢がすらりと伸びて輝いている。 その姿に一瞬どぎまぎした俺は、その動揺をごまかすためにも妹に話しかけた。 「ざ、残念だったな。銭湯なら、フルーツ牛乳が飲めたのに」 「あ、そうか。忘れてたー」 片目を閉じて、しまったー、という表情の妹に対して、 「大丈夫、フルーツ牛乳は用意している」 長門はそれだけいうと、頭の上のバスタオルを手で押さえながらキッチンの方に消えていった。 そして長門が戻ってきたときには、薄いオレンジ色の液体が入った牛乳ビンを片方の手に持っていた。反対側の手に持つビンはどうやら普通の牛乳のようだった。 「どうぞ」 と言って差し出されたビンには『フルーツ牛乳』の文字が見えた。受け取った妹は珍しそうにそのビンを眺めている。 「よくそんなものが自宅の冷蔵庫にあるんだな、長門」 長門は、自分の分の牛乳のふたを開けながら、小さく首肯した。 いまどき、牛乳瓶にはいったフルーツ牛乳など手に入れるのも至難の技のような気がするのだが、そこは情報統合思念体の力の見せ所ということか。それにしても、もう少し建設的な用途に使ったほうがいいだろうに、思念体も案外ヒマなのかもしれない。 「ふた、開かないよー」 妹は、ビンの口の紙のふたで苦労をしているようだ。気をつけないと指突っ込むぞー、と思った矢先、 バチュッ、 と湿っぽい音とともに、あまい香りの液体が少しばかり飛び散った。 「きゃー、やっちゃったー」 突っ込んだ指先をひらひらさせながら、飛び散ったフルーツ牛乳を眺めていた妹のやつは、すぐに指をぺろぺろとなめて、「ごめんなさーい」とだけは言った。 長門は飲みかけの牛乳ビンを俺に手渡すと、キッチンに雑巾を取りにいったようだ。 「こらー、気をつけないとだめだろ」 「えへっ、だってこのフタ、開けにくいだもん。給食の時もときどき失敗する子いるんだよ」 まぁ、確かにそうだったかも知れないないな。 小さく肩をすくめた妹は、手に持ったフルーツ牛乳のビンを俺に見せるようにかざして、 「おいしいよ、これ」 といって、残りを一気に飲み干した。 フルーツ牛乳の騒動が一段落したところで、 「じゃあ、すまないが俺も風呂、入らしてもらうわ」 「どうぞ。お湯は残しておいてかまわない。後で洗濯に使うから」 長門の人間的な言葉に感心しながら、俺はリビングを後にして洗面・脱衣場に向かった。 一番生活感があふれるであろう洗面所にさえ特に何もなく殺風景なのはもはや驚くには値しないな。 服を脱ぎながら、鏡の周りを見渡しても、泡のハンドソープのボトルが置いてあるぐらいだ。コップや歯ブラシなどはおそらく棚の中にでもしまってあるのだろう。 床の上の脱衣かごには真新しい白いバスタオルがきちんとたたまれて入れられている。俺は、そのかごの中に脱いだ服と着替えに持ってきた下着を入れると風呂場に入った。 浴室内も新築マンションのモデルルームのようにピカピカだった。長門がここで暮らしだして三年は経過しているはずだ。普通なら多少の汚れや黒ずみなんかがあっても普通なのだが、そんなものはこれっぽっちも感じられない。 一度、うちの風呂も長門に掃除してもらうと新品同様まできれいにしてくれるのではないかな。 そんなことを考えながら、湯船でのんびりとさせてもらっていると、脱衣場に人影が動くのが見えた。おやっ、と身構えると、ドアが開いて長門が首を突っ込んできた。 「湯加減はどう?」 俺は、湯船の中で思わず体をこわばらせながら、 「お、おう、いい感じだ、ありがとう」 「背中、流す?」 「え、え、いや、それは……」 「さっきも言った、遠慮は無用」 「だから、それはいいって。気持ちだけでいいよ、ありがとう」 「そう? 必要ならそこの呼び出しボタンを押せばいい。では」 かちゃん、とドアの音がして長門は引っ込んだ。 俺は長門が指差した給湯リモコンのパネルにある「呼び出し」ボタンを眺めながら、思わず押してしまいそうになる衝動を抑えているうちに、のぼせる一歩手前までいってしまった。 やっとの思いで風呂場を出てやや足元をふらふらさせながら、リビングに戻った時には、すでに四十五分も経過していた。リビングでは長門と妹がトランプをして遊んでいた。 「キョンくん遅かったねー、何してたの?」 「……ん、いや、ちょっとな、考え事を……」 「何か飲む?」 手にしたトランプをテーブルに置き、すっと立ち上がった長門の問いに対して、 「すまん、冷たいものが欲しいのだが」 「少し待って……」 キッチンに引っ込んだ長門は、俺の予想通りコーヒー牛乳を持ってきてくれた。俺は、よく冷えたビンを右手に持ち、左手を腰に当てて一気に飲み干した。 うまい、うますぎる。 少しのぼせかけの体によく冷えたコーヒー牛乳が一気に沁みわたって行くのがこれほどよくわかったのは初めてだ。実に心地よい。そしてやっと一息つくことができた。 その後しばらく三人でババ抜きなどで遊ばせてもらった上に、帰り際に長門は、お土産にと、フルーツ牛乳とコーヒー牛乳を一本ずつ持たせてくれた。 「世話になったな、すまない」 「気にすることはない。いつでも歓迎する」 「また来るね、有希ちゃん」 そういい残して、俺と妹が長門のマンションを後にした時には、家を出てから二時間も経過していた。いったい何時間銭湯に行っていたんだと、お袋にどやされるだろうな。しかし風呂上りに長門のリビングでくつろいだおかげで、帰り道で湯冷めすることを心配する必要はなくなった。 家に帰ってみると、ちょうどガス屋が壊れた給湯器を修理し終えて変えるところだった。ということは、明日からはまた我が家の風呂に入れると言うことだ。よかった、よかった。 俺は、長門にもらった二つの味の牛乳ビンを冷蔵庫にしまいながら、もう長門の家の風呂に入れてもらうことはないだろうな、と考えていた。少しばかり残念な気がしないではない。 が、それはともかく――。 いい湯だったよ、長門、ありがとう。 Fin.
https://w.atwiki.jp/numasei/pages/1106.html
ポッチャマ、ちこっしー、おでんくんの仲良し(?)トリオ。 沼に出現するカオスなやつら。 それぞれシンオウ、ジョウト、ホウエンの御三家である。 3バカとくくられてはいるが、おでんくんは特におバカな行動はしない。かわいそう。 ポッチャマ:言わずと知れた汚いペンギン。ドM。 尻にネギを突っ込んでいたり、変態して奇怪な姿になったりする。 昔は嘴が幅広で、もっとかわいい顔をしていた。 ちこっしー:ふなっしーの要素を取り込んだチコリータ。うるさい。 ポッチャマ同様に変形する。 実は新参。 おでんくん:巻き込まれたかわいそうなアチャモ。貴重なツッコミ役。 昔は顔が横長であり、分身して火炎放射でポッチャマを燃やしたりしていた。 原型(?)では全員♂だったが、擬人化に伴い♀に設定変更された。 ポッチャマはエンペルトにワープ進化する。
https://w.atwiki.jp/pinon/pages/7.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/machamacha/pages/15.html
ここにはまちゃラジで発言されたバカなことを記録していきます。 「第一ドール水銀燈」の「第」を「弟」と呼ぶ。 発言者:まちゃ バカ選手権の少しにそう読んだらしい。 このエピソードにより、第1回バカ選手権を制覇した。 のんこショック 発言者:まちゃ 意味はわからないけど、バカな用語らしい。 (まちゃ曰く、のんこがショック、らしい) 12時間ラジオのバカ選手権にて。 かすかべさま 発言者:まちゃ 「日下部 みさお」→「かすかべみさお」→「春日部操」→「かすかべさま」 まちゃがくさかべをかすかべと読み間違えて、それをネタに春日部操と書かれたレスを「かすかべさま」と読んだ。 ちなみにこれに付随して、ロマンティスト団員の「日下部=くさかべとかバカwwww」というレスを生んだ。 24時間ラジオにて。 ケホン 発言者:なすもん(長門) 「基本」のこと。かつぜつが悪くて…そう聞こえる。 24時間ラジオにて。 まちゃカンパニー 発言者:ロマンティスト団員 ラーメン屋「二郎」の社訓がすごいと話している際に書かれたレス。 1.まちゃカンパニー 社訓:みんなもっとバカになれ 2.まちゃカンパニー 事業内容:バカの派遣業務 あなたの会社にバカを入れませんか?職場の雰囲気が明るくなること間違いなし。 だまされたと思って一人依頼してみてください。きっとだまされます♪ バカバカ詐欺とも言う。 24時間ラジオにて。 タンクトップでいいな、この時代。 発言者:まちゃ 熱くて「タンクトップでいいな、今日」というところを「タンクトップでいいな、この時代」とスケールの大きなことを言った。 100人凸を待つラジオの打ち上げラジオにて 1+1=3 発言者:まちゃ 1と1の間には愛がある。1と1を男と女と考えてくれ。ほら1+1は2以上になるだろ? 100人凸を待つラジオの打ち上げラジオにて 駐車場禁止 発言者:まちゃ 「㋨」を見て、道路標識であることはわかったまちゃが言った。「これ駐車場禁止だろ!?」。 ちなみにまちゃは学科試験100点らしいぜwww 100人凸を待つラジオの打ち上げラジオにて レスを送る 発言者:まちゃ レスを読むを間違えて。どこに送るのだろう? 恐らくその直前に来たチャットを返そうとしたのと、レスを読もうと思ったのが混ざったと思われる。 まちゃとなすもんの声まね色物ラジオにて バリバリのリーゼントかつら(まちゃ) 発言者:ロマンティスト団員 【セット内容】 ・バリバリのリーゼントかつら 【素材】 ・頭皮:ソフトビニール100% ・毛髪:ポリプロピレン100% 【サイズ】 男女兼用 ※ビニール開封後の商品は、 不良品の場合を除き、返品・交換ができません。 (ご不明な点は、お気軽にお問い合わせ下さい) 行ってらっしゃい 発言者:まちゃ まちゃがちょっと席を外す際に「その間にレス読んでおきますね」と言ってくれた他のDJさんに対してまちゃが「行ってらっしゃい」と返した。 行ってくるのはまちゃなのに…。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】にて お帰り 発言者:まちゃ デフォ、デフォ、デフォ。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】にて 股間性 発言者:めろこ 互換性の聞き間違い。エロい。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】にて かつおぶり 発言者:まさ(まちゃの間違い) 鰹(かつお)鰤(ぶり)を読んで。イントネーションは「ひさしぶりー」と同じ。 使用例:どうも~、かつおぶり~。 (注)めろこさんとのコラボの回はかつおぶり~から始まり、おっつツーおっツーおっぱんつーで終わるらしい。 うん、それブリ! 発言者:誰だっけ? 「うん、それ無理」のブリバージョン。朝倉さんの声で言うとなお良し。 使用例:A「それかつおじゃね?」 B「うん、それブリ!」 エロは正義 発言者:なすもん エロは正義!もはや説明は不要だろ? 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】(エロラジオ)にて ホモは正義だって言ってんだろ! 発言者:めろこ 「シャア×アムロwwwめろこさんのハートをズキュン!ですねwww」のレスを受けての発言。 エロは正義のめろこバージョン。強く断定するのがポイント。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】(エロラジオ)にて 百合も正義 発言者:めろこ めろこさんがなすもんを食べたという内容のレスによる。 百合は正義、百合はジャスティス、百合は俺の人生らしい。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みたいな】(エロラジオ)にて マチャボリック 発言者:ゆずき 落ちる際にまちゃが「まっちゃりとした無茶振りで」と言ったのを「まっちゃりとしたメタボリック」と聞き間違えて。 まちゃはメタボリックではありません。さらにレスによりメタボリックがマチャボリックになった。 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みた(エロラジオ)にて 遊びだよ 発言者:まちゃ めろこさんのことは遊びだった。 めろこさんの膝枕を「それは勘弁な」と言ったまちゃに対して、めろこさんの「ひどい、ひどいわぁ!まちゃさん、わたしのことは遊びだったの!?」に、まちゃがあっさりと「遊びだよ」と答えた。めろこのガラスのハートが砕け散った。めろこショック! 【声真似】ハルヒ・ギアスときどきひぐらし【みた(エロラジオ)にて 募る 発言者:まちゃ 【普通の読み】つのる、【まちゃ読み】ほうむる。「る」はあってる! そして読み方に悩むまちゃに対して、みんなが「つのるじゃないですか?」とチャットを送るwww 最初はちゃんと読んだのにwww ⑨が一人で女声練習したり緑川したり小野したり凸を待っ(黒歴史歌録放送)にて 今日体調悪いので「体操」していいですか? 発言者:まちゃ 7/11体調が悪くて会社を早退してラジオをしていたまちゃが打ち明けた。 会社で先輩に「今日体調悪いので「早退」していいですか?」と言うべきところを「今日体調悪いので「体操」していいですか?」と言ったらしい。 先輩の反応「すればいいじゃん…」その時まちゃは思った、先輩冷たい…。 まちゃが凸をまっちゃうらじおにて お前以外とラジオやりたくないんだよ 発言者:まちゃ 8/2ツッキーとのラジオ中に、最近なかなかラジオをしない理由として。ツッキーは時間あるけど、まちゃがなかなか時間あわないらしい。 お前のことが好きだとか、お前はどう思ってるとか、バカップル並のいちゃいちゃ具合でツッキーを困らせた。 まちゃ&ツッキー悩み相談にて ...
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1202.html
俺は駅前で待っていた。 長門を、俺の想い人を… 長門の超人的(正確には宇宙人的だが)能力が世間にばれたのは、約一ヶ月前のことだった… 例の一件で長門を消却しようとしていた情報統合思念体は、ハルヒによって消滅させられ長門は普通の女の子になったかに思われた。 しかし、そうはならなかった。情報統合思念体は消滅したが、長門個人の能力は失われなかったのだ。 俺は長門に対し能力は使わないように注意をしていた。 しかし、あの日……俺と長門が二人で市内散策をしていた時である。 向こうから俺にむかって猛スピードで走ってくる車… はねられる!俺がそう思った時……長門はためらいもなく能力を使った。俺のために…… 運悪くその近くにはカメラを持った人物がいて、長門はその瞬間を撮られてしまった……… そして、その映像はその日の夕方に全世界に流された。 前の長門なら簡単なことだったろう。世界の人々に対して情報操作をすることは… しかし今はできない。能力制限がある 問題が起こったのはその一週間後だった・・・ 第三次世界対戦… そう…長門の能力に目がつけられるのに時間はかからなかった……… 「私は戦争に向かうように言われた…行かなくてはならない」 長門は突然俺に言い放った 「は?冗談だろ?」 「冗談ではない、行かなくてはならない。私が行かなくてはいずれこの町にも火種がくる」 「お前はそれでいいのか?」 「……いい」 「そうか……」 はじめは長門なら大丈夫だろうと思っていた。しかし相手は仮にも最新の技術を駆使した兵器… 長門はいつもひどく傷つき帰ってきた… 「長門!!大丈夫か?!」 「……少し…きつい…」 長門がきついというのだ。相当なもんだ。 「もうやめろよ!」 「できない」 長門は行く… 戦争がはじまりしばらくたった…戦況は良くも悪くもない。つまり、長門がいかなければ終わりだ…… いつしか長門につけられた名…最終兵器。 「くそったれ!!」 俺は激しい怒りを感じた。 「長門は物でも兵器でもねぇ!ただの女の子なんだ!!」 この国の奴らは腐ってやがる。 このままじゃ長門は……… 俺は決心した・・・ 長門とどこか遠くに…… ここ数日はハルヒの力が働くのを待っていたのだ。 しかし、古泉は 「涼宮さんの能力は失われました。おそらくもう戻らないでしょう。」 俺は絶望した。だからこの結論にいたった・・・ 数日して長門が帰ってきた。 いつものように傷つき、いつものように帰ってくる… そんな長門を見ている俺自身も疲れていた。俺は提案する。 「長門。一緒に逃げよう」 「え?」 「この国の奴らに利用させられてるだけなんだお前は。いつかきっと死んじまう」 「…でも」 「俺は傷つき、苦しんでいるお前をこれ以上見たくないんだよ!!だから、一緒に逃げよう!どこか遠くへ!誰もこない場所へ!」 「………涼宮ハルヒ達は?」 「あぁ…あいつらは…」 ――――― 「ハルヒ、古泉、朝比奈さん。長門と一緒にどこか遠くへ、誰もこない場所へ逃げよう」 「…キョンでも」 「俺はもう長門だけが傷つき、苦しんでいるのは見たくないんだ!長門はSOS団、団員だろ?!助けてやるのが団長の役目だろ!!」 「でもね…キョン。この国の人達は有希のおかげで生きているのよ。それを私達だけで決めちゃだめなんじゃない?」 「こんな国の奴らなんかしるか!長門を一人戦場に向かわせて、あげくのはてに長門を最終兵器なんてよびやがる!そんな奴らを助ける必要なんかない!!」 「しかし、逃げ切れるとは思いません。現状維持が得策かと。」 なんなんだ? 「そうですね。よく考えて…キョンくん」 なんで賛成しないんだ? 「お前らは長門を助けたくないのか?」 「だからね、キョン」 「助けたいのか、助けたくないのか言え!!」 「……そりゃ助けたいわよ!でも…」 「もういい!!」 うんざりだ。まさかこいつらまで・・・ 裏切られた… 何がSOS団だ。くそっ・・・ 「お前らの言いたいことはわかった」 俺は部室を後にした…… ――――― 「あいつらは、お前の為にいろいろやってるんだよ。だからまだ一緒にはいけない」 「……そう」 長門にはわかっていたんだろう。あいつらが此処にいない本当の理由を…その表情は触れたら壊れてしまいそうだった。 長門をそっと抱きしめる 「長門。俺がお前を守ってやる。絶対に。だから一緒に行こう」 少し間をあけ長門は口をあけた 「………わかった」 そうして俺は駅前で待っている。 長門とは一度わかれ、出発する準備をしてからここにきた。 長門もそろそろくるころだろう。俺は待っている……」 長門はこない。もう決めてあった時間はとうに過ぎている。 何かあったのか? いや、ちょっと遅れているだけだろう。考え過ぎだ。 俺は待つ。長門の幸せを求め、ただ待つ… ついに日本にまで爆撃がきていたとも知らずに………
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1252.html
第81話 バカの葉ラプソディ2 会長「ほら、喜緑くん、ちゃんとこの笹を支えててくれたまえ」 喜緑「笹を支える……会長それ、この世で最も面白いギャグですね」 会長「偶然だ。クスリとも笑ってないくせになんでもかんでも褒めるんじゃない」 喜緑「ところでどうしてわたし達が七夕の笹を校門に飾らないといけないんですか?」 会長「もうすぐ七夕だから笹を飾る。これも生徒会の大事な仕事だ」 喜緑「えー、なんでわたし達が生徒会なんかの仕事をしなければいけないんですか~?」 会長「……。君は自分の役職がわかっているのかね?」 喜緑「え……会長の彼女……それと涼宮ハルヒの様子を見たり見なかったり」 会長「違う! ふざけるのもほどほどにしたまえ!」 喜緑「ごめんなさい……そんな怒られるとは思ってなかったです」 会長「まったく……」 喜緑「会長の許婚として恥ずかしい勘違いでした」 会長「違うっつってんだろー!!」 喜緑「会長。言葉遣い、言葉遣い。まがりなりにも優等生なんだから」 会長「うぐぐ、……まあいい。それより君はこの七夕の意味がわかっているのかね?」 喜緑「もちろん知ってますよ」 会長「じゃあ、そもそも七夕とはどういう意味なのかわかるかね?」 喜緑「ぶっちゃけ織姫と彦星がセックスする日です」 会長「話を省きすぎだ!」 喜緑「わかってますよ~。この笹に願い事を書いた短冊を吊るすんですよね」 会長「じゃあ、なぜ醤油を持ってるのだね?」 喜緑「いや、それ、いつ食べるのかなーって」 会長「短冊は食べ物じゃない!」 喜緑「へぇ~、そうなんですかぁ……で、終わったら最後に食べるんですよね」 会長「だから食べないって言ってるだろ」 喜緑「パンダだって食べてるじゃないですか」 会長「あれが食べてるのは笹だろう」 喜緑「わたしにこんな笹を食えというんですか!? ひどすぎませんか!? う、うぅ」 会長「ひどいのは君の思考回路だ」 喜緑「じゃあ、さっそくこの辺りの短冊から、ムシャムシャ」 会長「た、食べるんじゃない! 人の話を聞け! コラッ! 吐き出しなさい!」 喜緑「あ、会長大変です!」 会長「そんなもの食ってる君の状況のほうがよっぽど大変だ」 喜緑「偶然にも今食べようとしていたのが会長の書いた短冊だったようで。なになに……えーっと」 会長「わー、読むな読むなってば!」 『喜緑くんと二人で無事に生徒会を運営していけますように』 喜緑「会長、これ……」 会長「……質問は一切受け付けない」 喜緑「喜緑くんと……で……に……を……。漢字が多すぎます」 会長「読めねえのかよ!」 喜緑「胃の中に入れば同じですよ。ムシャムシャ」 むしろそこは読んでほしかったにょろ~ん 第82話 バカ空間 ───話は遡って5月の連休明け。 キョン「こ、これは……」 ──世界が灰色に染まっていた。 古泉「次元断層の隙間、我々の世界とは隔絶された『閉鎖空間』です。 キョン「閉鎖空間……」 古泉「半径はおよそ5キロメートル。通常、物理的な手段では、出入りできません」 長門「こんばんは」 古泉「こんばんは長門さん。……ってどうやってここに入ったんですか!」 キョン「普通に歩いてたな」 長門「学校帰りに間違えて来てしまったわけではない」 古泉「全然学校近くないのによくこんなところ間違って来れますね」 長門「そこは努力と才能でカバー」 キョン「もっと違うところをカバーしろ」 ズズーン! メキメキ…… 古泉「あ、神人が……」 キョン「ゲ、こ、古泉……ありゃなんだ」 古泉「僕達はあれを《神人》と呼んでいます」 長門「なるほどビンビン。大きいから」 古泉「いいえ、神人です。涼宮さんのイライラが具現化したものだ思われます」 長門「イラストを具現化……勝った!」 古泉「誰と勝負してるんですか……。とにかくあれをなんとかしないといけません」 キョン「あの赤いのは?」 古泉「あれは僕の仲間です。さて、僕も行かなくては……」 長門「わたしも行く」 古泉「ええぇぇ!? い、いや結構ですよ。僕達でなんとかしますから」 長門「あいつと戦ってみたい」 古泉「遊びじゃないんです。すぐすみますからここで待っててもらえませんか?」 長門「いやいやいやぁぁ! 戦うのぉ! わたしも行くのぉ~!」 古泉「でも……」 長門「ぐす……ひぐ、ひぐ。わたしを、わたしをバカにしてるんだ~。ゔわ゙ぁぁん! びえぇぇぇん! やぁだぁぁぁ! いぐうぅのおぉ!」 キョン「いいから連れてってやれよ。どうするのか見ものだぜ。 あと、このままの長門を置いてかれても俺が困る」 古泉「仕方ありませんね……じゃあ、僕にしっかり掴まっててくださいね」 長門「待って。戦いの前に精神統一をする」 古泉「急いでくださいね」 長門「急いだら精神統一できないかもしれない。 そうすればあの巨人を倒すことが出来なくなる可能性がある。あなたはそれで……」 古泉「いいですから、何も言わずにやってください!」 長門「……できた。精神が極限まで高まった」 古泉「では行きますよ」 長門「待って」 古泉「今度はなんですか」 長門「靴紐の確認」 古泉「長門さんはローファーですから確認はいらないと思いますよ。では行きますね」 長門「待って」 古泉「まだですか?」 長門「軽く運動して体をほぐしてから。オイッチニーサンシー」 古泉「超能力で戦うからそんなのいらないんですが……」 長門「海を舐めるな。そういう油断が心臓麻痺を引き起こす」 古泉「海じゃないです。もうストレッチはいいですか? 行きますよ?」 長門「待って」 古泉「まだ何かやり残してましたか」 長門「相手のデータを調べる。敵を尻、己を知れば百戦にしてあやうからず」 古泉「いや、今の状況が既にあやういんです。早く行かせてください」 長門「……わかった。あの巨人は通称《神人》と呼ばれる存在。 涼宮ハルヒのストレスが具現化されたものであのままにしておくと世界が閉鎖空間に飲み込まれる」 古泉「だからさっきそう言ったじゃないですか! 本当にもういいですね!? 行きますよ!?」 長門「待って」 古泉「……まぁだあるんですか? いい加減早くしないと間に合わなくなるんですが」 長門「今日の占いを見てから」 古泉「そ、そんなのどうでもいいでしょー!」 長門「そんなの!? そんなのというたかおぬし!」 古泉「え、いや……おぬしって……」 長門「まあ、わたしも占いなんて信じていない。気分の問題」 古泉「だったら見なくてもいいじゃないですか……」 キョン「古泉……なんかお前の仲間とやらの赤い玉がどんどん倒されているような気がするんだが」 古泉「ゲゲッ! は、早くいかないととんでもないことに! 長門さん急いでください!」 長門「でた。今日の運勢は小吉。争いごとは控えたほうがいと出た。微妙……さて、どうするか」 古泉「だぁぁぁ! 小吉どころか僕は凶ですよ! 行きましょ? ね?」 長門「大丈夫、安心して」 古泉「本当に大丈夫なんですか?」 長門「もう邪魔はしない、やっぱり1人で行ってきて」 古泉「最初からそうさせてくれえぇぇ!」 長門「ガンバ、ガンバ。ガンバと仲間たちー」 キョン「古泉……」 世界は無事に崩壊しましたとさ。 めがっさめがっさ 第83話 携帯バカ キョン「ふっふふーん」 朝倉「あら、今日はなんか機嫌がよさそうね。どうしたの?」 キョン「ああ、昨日新しい携帯買ったんだよ。それでさっそくテレビを見てるところなんだ」 朝倉「ふーん、キョンくんって集団で男に犯されるのが趣味だったんだ」 キョン「ゲイ隊じゃねえよ。携帯電話だ」 朝倉「携帯電話? なんで電話でテレビが見れるの?」 キョン「ああ、今の機種はそういう機能がついてるんだぜ」 朝倉「すごいわねー、最新の携帯電話って。通話も出来るんだー」 キョン「通話が出来なかった電話は過去に一台もねえよ!」 朝倉「そうでもないわよ。見てよわたしの携帯。全然使えないんだから」 キョン「……それはただの羊羹だ……。お前それ携帯のつもりだったのか」 朝倉「うそ! わたし時代に取り残されてる!? やだ恥ずかしい!」 キョン「いや、そもそも時代と一度もリンクしてないから」 朝倉「耳に当てると波の音が聞こえるの……。ぐちゅー、って。気持ち悪いわぁ……」 キョン「お前の想像してる海はどこの世界の海だ」 朝倉「わたしも買っちゃおうかな。携帯電話」 キョン「そうしたほうがいいんじゃないか? 羊羹使うわけにはいかないだろ」 朝倉「すいませーん、携帯ひとつくださーい」 キョン「待て。八百屋で何を買う気だ」 朝倉「今度の携帯重いわぁ……」 キョン「大根だもんな」 朝倉「でもストラップ付なのよ?」 キョン「それはカブだ」 朝倉「真の携帯はどこへ……」 キョン「携帯ショップに行けって」 朝倉「すいませーん、ここって携帯置いてませんか?」 キョン「だから豆腐屋で聞くなって!」 ~次の日~ 朝倉「じゃーん、見て! わたしも携帯新しくしてみたの!」 キョン「へぇ~。いいじゃないか。よく買えたな」 朝倉「でしょ? 今度の携帯はネットも出来るし、テレビも見れちゃうのよ。 さらに殴れば人だって殺せちゃうんだから」 キョン「そりゃお前の力で殴ればなんだって殺せるわな」 朝倉「やだぁ! そんなことないわよ~。ビュン!!」 キョン「ぐあぁ! ガッ!!」ドサッ ハルヒ「うわぁぁー! キ、キョンー! どうしたの!?」 朝倉「さっそく携帯の新機能発揮ね!」 ハルヒ「そんな機能聞いたことないわよ!」 朝倉「涼宮さんも携帯持ってるでしょ!? わたしのメルアド教えてあげるね」 ハルヒ「い、いいわよ。そんなの、や、やめて!」 朝倉「遠慮しないで! ビュン!!」 ハルヒ「ちょ! ぐはっ! ガッ!!」ドサッ 朝倉「ふふふ、すごい強いわ! 携帯って! 自分が何してたんだかすっかり忘れちゃったけど携帯っていいわぁ~」 朝倉「ああ、さっそく誰かに電話したりメールしたり(殴ったり)してみたいわ~」 山根「よかったら僕のメルアド教えましょうか?」 朝倉「あ、うん。教えて。ちょうど2ちゃんに繋いでたところだから」 山根「ちょ! ……いきなり人のを晒すのはやめてください!」 朝倉「携帯ってたのしいね!」 携帯が買えてよかったね! めがっさめがっさ。 第84話 携帯バカ2 キョン「あー、いってー。やばかった……。朝倉に携帯持たせちゃ駄目だな」 長門「同意、彼女は小物とナイフの区別がつかない高性能バックアップだから」 キョン「長門、お前は携帯持ってないのか?」 長門「この星における情報連絡手段は原始的でとても非効率な手段。必要ない」 キョン「そんなこといったってなかったらお前と連絡取れないじゃないか。買えよ」 長門「いらない」 キョン「あ、わかった。お前電話かける相手もいないんだろ」 長門「くっ!!」 キョン「ん? どうした?」 長門「……」プルプルプル キョン「え? ま、まさか本当にそうだった?」 長門「……いるもん。電話する相手くらいいるもん!」プルプル キョン「そうか、じゃあ携帯くらい買わないとな」 長門「か、買ってくる!ダッ」ピュー キョン「そんな別に焦らなくても……」 ~携帯ショップ~ 長門「これください」 店員「あ、はい、こちらの携帯ですね」 長門「じゃあ」 店員「ちょ、ちょっと待ってください。展示品を持っていかないでください」 長門「なぜ? これは0円と書いてある」 店員「まあ、そうですけど携帯は登録しないと使えませんのでこちらで登録してもらえませんか? それと0円と書いてはありますが、お金は掛かりますので」 長門「どうして?」 店員「ええと、携帯自体はタダですけど、登録するのにお金がかかるんですよ。そういうものなので……」 長門「詐欺だ」 店員「ええ、ですからここに書いてあるとおりですね」 長門「詐欺だ。結婚詐欺」 店員「け、結婚はしてないですが」 長門「じゃあ、結婚して。すぐ離婚するから」 店員「そっちが詐欺じゃないですか」 長門「そんなのどうでもいい! 携帯売るのか売らないのかはっきりしろ!!」ダンッ!! 店員「売りますからとっとと帰ってくださいね」 ~~~ 長門「電話……」 朝倉「あら、長門さんも携帯買ったの?」 長門「番号教えるからかけて」 朝倉「ごめんなさいね、あれから人を殴りすぎちゃって壊れちゃってね。修理中なの」 長門「……そう」 朝倉「また直ったら一緒に殴りっこしようね」 長門「するかバカ」 ~~~ 長門「電話……」 ハルヒ「あら、有希もようやく携帯買ったんだ」 長門「これわたしの番号……かけて」 ハルヒ「はい、プルル…プツッ。これで着信に番号出たでしょ」 長門「え、違う、話しが……」 ハルヒ「話し? 話しがあるならここで言いなさいよ。目の前にいるんだし」 長門「違う。……もういい。ダッ」ピュー ハルヒ「なによ……。やっぱ変な子……」 ~~~ 長門「電話……」 みくる「あ、長門さんも携帯買ったんですね~」 長門「これわたしの番号……かけて」 みくる「はいはい。プルルルプルルル……」 長門「……」 みくる「あれ? 長門さん……。携帯鳴ってないようですけどこれって……」 <はい、翔●組> 長門「広域指定暴力団。もちろん逆探知済み。気をつけて……」 みくる「ひ、ひどっ!」 長門「もういい……満足。ダッ」ピュー みくる「あ、あの長門さんの番号は……」 <なんじゃ、おりゃー! 名前名乗らんかいー!> みくる「ひ、ひぃぃぃ! 禁則事項ですー」 <はぁ!? なめとんのかわれえぇ!> ~~~ 長門「電話……」 古泉「おや、長門さん。あなたが携帯を持ってるとは珍しいですね」 長門「わたしの番号……かけて」 古泉「はいはい。これでいいですか? プルルルプルルル」 長門「……」 古泉「あの……これはどこに繋がってるんですか?」 <俺だ……条件を聞こうか> 長門「G。それ以上は言えない」 古泉「どうしてそんな番号しってるんですか……」 長門「ターゲットは彼のアナル。報酬は300万ドル」 古泉「な、何を言ってるんですか!?」 長門「頑張って……」ピュー 古泉「な、何をですかー!」 ~~~ 長門「……。かける相手がいない……」 キョン「お、長門ー。携帯買ったのか。早かったなー」 長門「電話……」 キョン「あ、うん。俺の番号これな」 長門「プルルルプルルル。出て」 キョン「え? 出るのか? 通話料掛かるぞ?」 長門「いい。出て」 キョン「はい、もしもし」 長門「……もしもし」 キョン「目の前にいるんだが何か言いたいことでもあるのか?」 長門「これから電話してもいい?」 キョン「今電話してるじゃねーか」 長門「そう、わたしにはちゃんと電話する相手がいる」 キョン「ああ、そうだな。いるな」 長門「まいったか」 キョン「はいはい。わかったよ」 ~~~ <だからてめえは誰なんだよ! あぁ!?> みくる「ええと、ラーメン一つ」 <なめとんのかわれぇぇ!> みくる「ひぃぃ! すいませんでしたぁ!」 古泉くんがその後どうなったかは神のみぞ知るだぞっ! 第85話 バカちゃんと僕 長門「あなたに聞きたい事がある」 キョン「なんだ」 長門「2ちゃんねるの閉鎖騒動は何回目?」 キョン「さあな」 長門「そんなことはどうでもいい」 キョン「ああ、まったくどうでもいいな」 長門「赤ちゃんってどこから来るの?」 キョン「ぶはっ! え、えーっと……赤ちゃんはね、コウノトリが運んで来るんだよ~」 長門「なるほど、子供にはそういってごまかせと、ネットに書いてあったとおり」 キョン「知ってるなら聞くな」 長門「でも具体的にどうすると出来るとはどこにも書いていなかった」 キョン「まあ、そういうものだろ」 長門「なぜ?」 キョン「書かなくたってわかるからだ」 長門「でもわたしはわからない。書かれていないとわからない。ニホンゴワカラナーイ」 キョン「お前あんだけ下ネタ好きなのになんで知らないんだよ」 長門「わたしが下ネタなんて口にした覚えは無い。おまんこ」 キョン「なんの脈略もなく下ネタを言うな。せめて伏字を使ってくれ」 長門「どうすれば赤ちゃんが生まれるのか教えて」 キョン「教えてったってな……」 長門「できれば実演して。生でゴムなしで」 キョン「無理だ。お前絶対わかってて言ってるだろ」 長門「できるの? じゃあ亀みたいに涙流しながらポコポコ生んでるところ見せて」 キョン「人の話を聞け、 無 理 だ 。ついでに俺は男だから卵は産まない。女でも産まないが」 長門「あなたの股にある亀はまだ母なる海を知らない……かわいそう」 キョン「ほっとけ」 長門「ガイルでハメばかりするくせに現実ではハメられない……」 キョン「してねえよ! それはお前だろ!」 長門「子供はかわいい。あなたみたいに汚れていない」 キョン「お前みたいにひねくれていないもんな」 長門「だから子供欲しい」 キョン「お前にはまだ早いだろ。いろいろと」 長門「あなたと作りたい……。あなたと二人ならうまくやれると思う。ね?」 キョン「ドキッ!! な、なんだよ、そんな潤んだ目で見るなよ」 長門「子供は嫌い? わたしは好き……ね?」 キョン「い、いや。俺もす、好き、好きだけどさ……ドキドキ」 長門「そう、よかった。じゃあ一緒に作ろう」 キョン「お、俺たちまだ高校生だろ? だから……まず練習を兼ねてだな……その」 長門「あなたの家で作るの? それともわたしの家?」 キョン「え? ほ、本気か?」 長門「どちらでもいいならわたしの家で。来て」ぐいっ キョン「わ、ひ、ひっぱるなよ!」 ~~長門のマンション708号室~~ 長門「適当に座って」 キョン「かばんの置き…置く場所がわからなくて……ドキドキ」 長門「まずわたしがサーバー借りてくるからあなたは管理人になって」 キョン「2ちゃんねるを作るって言った覚えはねえ!」 長門「子供(厨房)大好き」 子供が生まれたら名前は「ひろゆき」にするといいにょろ~。 長門裕之の出~来上がりっ! 第86話 ハカセとバカセ 少年「あ、どうもこんにちは」 キョン「あ、君は……。あの亀のときの」 長門「こんな年端もいかない子供にまで毒牙を……」 キョン「違う。この子はハルヒがよく勉強を教えている子で、前にちょっと知り合ったんだよ」 ハカセ「はい、この節はお世話になりました。亀もおかげで元気に暮らしています」 キョン「そうか、よかった」 長門「彼の亀はもっと元気。まるでスッポンのごとき暴れぶり」 キョン「子供に変なことを吹き込むな」 ハカセ「あの……こちらの方は」 長門「浮気相手」 キョン「違う。まあ、同じ部員ってところだよ」 長門「一つ屋根の下」 ハカセ「とっても仲がよろしそうですね」 キョン「勘違いするなよ。それとハルヒにはこのことは言わないでくれよ」 ハカセ「わかりました。涼宮お姉さんには言いません」 長門「わたしは長門お姉さま」 ハカセ「はい、長門お姉さまですね」 キョン「長門の方が実年齢下だろうが……」 長門「あなたはよくできてる。20年後にはわたしに追いつくことが出来るかもしれない」 ハカセ「ありがとうございます」 キョン「今の時点でとっくに追い越してるぜ。この子はすごい頭いいんだぞ」 長門「……。じゃあ、あなたは赤ちゃんがどこから来るか知ってる?」 ハカセ「はぁ?」 キョン「おい、子供に変なことを教えるな」 長門「コウノトリが運んでくる」 キョン.。oO(ほっ……俺の言った事を信じてるな) ハカセ「そうですか。どうするとコウノトリがやってくるんですか?」 長門「その10ヶ月前にセックスする必要がある」 キョン「コウノトリ関係ねえ!」 長門「勉強がはかどらない時は亀をいじめるといい」 ハカセ「ええ!? そ、そんなことできません!」 長門「わたしが言っている亀はあの亀ではない。比喩的表現でおちんちんの事を指す」 キョン「コラッ! モロ発言するな!」 長門「こすると亀が恩返し。白や黄色の舞踊り」 キョン「黄色はないだろ」 長門「たまに黄色くなる」 キョン「なんで知ってんだよ」 ハカセ「はぁ……ためになります。たまに黄色……とφ(。。)メモメモ」 長門「早速帰って家で試すといい」 キョン「いいのかなぁ……」 この日教わったことが、後々の時間移動研究の大きな礎に繋がったという事実は、 一切なかったにょろーん 第87話 バカ音放送 会長「えー、今日の昼の特別放送は生徒会からお送りいたします。 お送りするのは私生徒会長と、生徒会副会長……」 喜緑「の方はちょっとお休みなので、代わりに書記のわたくし喜緑江美里がお送りいたしまーす」 会長「ちょ、ちょっと待て。さっきまで隣にいた副会長をどこへやった!?」 喜緑「急におなかが痛くなったとかで……大丈夫です。単なる下剤ですから」 会長「自分の犯行ばらすなよ」 喜緑「それより会長、放送始まっちゃってますよ」 会長「え、あ、仕方ない私一人でなんとかするか」 喜緑「会長頑張ってー! カッコイー!」 会長「頼むから静かにしててくれたまえ。えー、今日の特別放送は、次期の生徒会選挙の……」 喜緑「はい、まずは最初のおはがきはラジオネーム『趣味はナイフ集め』さんからのお便りです」 会長「こら! 何をしているんだ!」 喜緑「ちょっとー、今ハガキ読んでるんだから邪魔しないでくださいよー」 会長「あ、す、すまん……」 喜緑「えっと、最近わたしは気になる男の子がいます。でも、その男の子はわたしの方を ちっとも見てくれません。どうしたらいいでしょうか。ということなんですけれども」 会長「……って、違う! 思わず全部聞いてしまったではないか。勝手にわたしの放送を 乗っ取らないでくれたまえ!」 喜緑「えーと、もうそういう場合はね、放課後教室に呼び出して見るのはどうでしょうか。 言うこと聞かなかったらブスッと刺しちゃえばいいんじゃないかなっ」 会長「話を聞け! 話を!」 喜緑「えー、そんなゲジゲジ眉毛さんからのリクエストで、『小指でぎゅっ!』」 会長「ラジオネーム変えるなよ……」 ~~小指でぎゅっ終了~~ 喜緑「はいっ、まあまあの曲でしたね。ボーカルと作詞作曲以外は良かったんじゃないでしょうか」 キョン「全部じゃねーか!」 喜緑「あ、今回のゲストがちょうど今お越しになりました。1年5組の通称キョン君でーす」 キョン「あ、どーも。なんかお呼ばれしちゃったようで」 喜緑「では、次のおはがきはラジオネーム『無口な文学美少女』さんからのお便りです」 キョン「あいつか……」 喜緑「えっと、わたしはバカなのでよく忘れ物をするのですが、忘れ物をしないようにするには どうすればいいんでしょうかー、ということなんですけれども」 キョン「メモに書くとかしたらいいんじゃないのか」 喜緑「そうですね~、でもよくそのメモ自体をなくしちゃうんですよねー」 キョン「あとは手のひらにかくとか」 喜緑「そうですね、でもきっと手に書いたことも忘れてしまうんですよねー」 キョン「バカすぎだろ。じゃあ、誰かに持ってこさせるとか」 喜緑「あ、それはいい方法ですね。それなら忘れ物しないと思いますよー。カレー大好きさんも早く キョンくんを落として持ってこさせればいいと思いますよー」 キョン「だからラジオネーム変えんなって」 喜緑「そんな長門さんのリクエスト曲で『雪、無音、マクベにて。』 ……はキャンセルしてわたしの新曲『fixed mind』」 キョン「リクエスト意味ねえ……」 ~fixed mind放送中~ 会長「むぐー、むぐー」 キョン「なんか、さっきからこの人暴れてるんですがいいんですか?」 喜緑「もー、会長、せっかく全身縛ってあげてるんですからおとなしくしててくださいよー」 キョン「本当にこの会長はこんなことされるのが好きなんですか?」 喜緑「はいっ、もちろんです。会長はドMですから!」 会長「むぐー!!」 キョン「まあ、世の中いろんな趣味の人がいるからなぁ……」 会長「むぐぐぐーー!」 喜緑「あらあら、会長ったら泣くほど喜んじゃって」 キョン「これも愛の形かなぁ」 ~fixed mind終了~ 喜緑「はい、いかがでしたかー。わたしの新曲ー」 キョン「いい曲なんじゃないかな」 喜緑「ですよねー。オリコン1位間違いなし! といった感じでしょうかね?」 キョン「いや、それはさす……」 喜緑「はいっ、次のおはがき」 キョン「話振ったんなら聞けよ!」 喜緑「えー、ラジオネーム『WAWAWA』さんからのお便りです」 キョン「それよりいつこんなの募集してたんですか」 喜緑「えっと、僕はバカなのでよく忘れ物をするのですが、忘れ物をしないようにするには どうすればいいんでしょうかー、ということなんですけれども」 キョン「さっきと同じじゃねえか!」 喜緑「んー、それはねぇ、男の子の体はねぇー、そのくらいの年になるとエッチな夢を見たときに 白いおしっこが出ちゃうことがたまにあるのよねー。だから君のそれは決して病気じゃないですよー」 キョン「質問の内容違います」 喜緑「はいっ、そんな谷口くんのリクエスト曲は『COOL EDICION』ということで、 『ハレ晴れ』のわたしバージョンでいかせてもらいまーす」 キョン「あんたが好き勝手やってるだけやないかい」 喜緑「ナゾナゾ~みたいに~ 地球儀を~解き明かしたら♪」 キョン「生で歌うんかい!」 ~ちゃららーん~ 喜緑「どうでしたか? わたしのハレ晴れもなかなかいい線いってるんではないでしょうか」 キョン「んー、そうですね。でも歌詞をちょっと変えす……」 喜緑「はいっ、それでは今週はここまで。また来週をお楽しみにー」 キョン「だから聞く気ないなら話振るな!」 喜緑「はい、オンエアー終了でーす。お疲れ様でしたー」 会長「むぐー……」 キョン「あ、会長おつかれさまー」 会長「むぐぐー! むぐぐー!」 おはがき読んでもらえなかったにょろーん…… 第88話 バカの輪 古泉「ここがこうだから……ほっと、あれ、どうやるんだったかな……」カチャカチャ 長門「古泉一樹……ここはオナニーをする場所ではない。股間をいじるのは家でやれ」 古泉「違いますよ。これは知恵の輪ですよ」 長門「その輪にちんこを通す。ちんの輪。下品、変態、最低」 古泉「下品なのはあなただけです。これはですね、ここにある輪っかをうまく外すという遊びなんです」 長門「理解した。外した後お尻に刺す。下品、変態、最高」 古泉「刺しません」 長門「そもそもこんなの無理」 古泉「いえいえ、これはちゃんと正しいやり方でやれば外れるんですよ」 長門「やってみる。貸して」 古泉「壊さないでくださいよ」 長門「カチャカチャ……」 古泉「どうですか? できそうですか?」 長門「知恵を絞ればなんとか壊せそう」 古泉「壊さないでください!」 長門「だって……外の輪の方が小さいのはどうみてもおかしい。外れっこない」 古泉「ですからそこに知恵を絞るんです」 長門「情報連結の解除を申請する」 古泉「ずるはやめてください」 長門「じゃあ、熱で溶かすしかない」 古泉「溶かしません」 長門「朝倉涼子を召喚する」 古泉「切断しないでください」 長門「むぅ~~~……」カチャカチャ 古泉「ヒントは捻りを加えることです。真っ直ぐ引っ張るだけでは外れません」 長門「わかった。あなたのベルトを外す」カチャカチャ 古泉「捻りすぎです。どうしてそれで外れると思うんですか」 長門「股間も捻ればいいの? グイグイ」 古泉「だから僕をいじくるのはやめてください!」 長門「コラッ! なんか硬くなってきたせいでもう捻れない!」 古泉「ちょ、いい加減にしてください!」 長門「あんまり考えすぎたから熱が出てきた……知恵熱」 古泉「知恵熱はそういう熱じゃありません」 長門「はっ! この熱で溶かせば!」ペチペチ 古泉「どんだけの熱を出すつもりですか」 長門「あ……」ポロリ 古泉「おや? 適当に振ってたら外れてしまったようですね」 長門「みたか、これがわたしの実力だぁー」 古泉「はいはい、じゃあ今度はこの2つの輪っかをハメられますか?」 長門「女とハメたこともないヤツに言われたくない」 古泉「ほっといてください。いいから知恵の輪直してくださいよ」 長門「情報連結の解除を申請し、朝倉涼子を呼んで熱で溶かす」 古泉「だから今度は外すんじゃなくてハメるんですってば!」 長門「も、もう一度とか無理……」プルプル 古泉「そんなこといわずに、元に戻す方が簡単ですから」 長門「いぃやだぁぁ! もうつまんーなーい~!」ブンブン 古泉「ちょ、な、何をするんですかー!」 長門「いやいやいやぁ! もう考えるのやだぁー!! ていやぁぁ!! ブスッ!!」 古泉「ぎやぁぁぁ! し、尻にぃ知恵の輪がぁぁぁ!!」 長門「ゔわ゙ぁぁぁん! ハガー!!」ピュー 古泉「ちょ、ちょっと! 僕の尻は放置ですか? バカはどっちだー!」 ~~~ 古泉「いたたたた……ぬ、抜けないぞこれ……ふんっ、ふんっ!」 キョン「古泉……。部室はオナニーをする場所じゃないぞ」 古泉「……しくしく」 第89話 ご奉仕バカ ハルヒ「ボランティアをやるわよ!」 キョン「なんだよ急に」 ハルヒ「我がSOS団もたまには社会貢献しないといけないと思うのよね~」 長門「そんなことしなくてもボラくらいその辺の川で釣れる」 キョン「違うぞ、ボランティアは空き缶拾ったり、人の手伝いを無償でしたりすることだ」 長門「知ってた。そのお礼にもらえるボラの煮付けのことをボランティアという。長門書房より抜粋」 キョン「だからお礼なんてもらえないんだってば。それがボランティア」 長門「じゃあ、なんでそんなことをする」 ハルヒ「いいことをすると気持ちがいいからよ!」 長門「なるほど、確かに『いいこと』をすると気持ちいい」 ハルヒ「でしょー? 有希もだんだんわかってきたじゃない」 キョン「長門の言ってる意味は違うと思うんだが……」 ハルヒ「じゃあボランティアやるならどれがいい? この中から選ばせてあげるわ!」 長門「このカレーの大食いがやりたい」 キョン「そんなのはどこにもないぞ。この川の清掃ってのがいいんじゃないか? 近いし」 長門「あなたは人の皮より自分の皮をきちんと掃除すべき」 キョン「毎日きちんと洗ってるわい!」 ハルヒ「皮なんて切っちゃいなさいよ。今の包茎手術は痛くないらしいわよ」 キョン「ちょ、お前他人事だと思って……」 長門「いい医者を紹介する。朝倉涼子とあなたの妹。好きなほうを選んで」 キョン「どっちも医者じゃねえ!」 長門「だからこそ無料でできる。これぞボランティア」 ハルヒ「うーん、どうする?」 キョン「どうするじゃねえ! この川の清掃でお願いします。ほんとにお願いします」 ハルヒ「じゃあ、このボランティアをしにしゅっぱーつ!」 長門「ボラを釣る竿は?」 キョン「いらん!」 ~~近所の川~~ ハルヒ「はぁ~、疲れるわ。ほんとになんでこんなにゴミが落ちてるのかしらね、この川は!」 キョン「壊れた自転車やパソコンまで落ちてたな。ほんとすげえゴミの量だ」 長門「エロ本は落ちていなかった」 キョン「いちいち報告せんでよろしい」 長門「でもこんなものが落ちていた。よく伸びるゴムのおもちゃ。ビヨーン」 ハルヒ「うわっ、コンドーム……」 キョン「しかも使用済みかよ……」 長門「混同夢? 使い方を教えて」 キョン「無理だ。そんなもの近づけるな」 長門「……たしかに無理。あなたのサイズよりずっと大きいLLサイズ」 キョン「使い方わかってるじゃねーか! いいからそんなもの捨てなさい」 長門「それを捨てるなんてとんでもない!」 キョン「ドラクエかよ」 長門「そもそも今日はゴミを拾いに来ている。捨てに来たのではない」 ハルヒ「それもそうね。キョンはそのゴミをちゃんと責任もって持って帰ること。いいわね?」 キョン「ええ~!? 俺が拾ったんじゃなくて長門が拾ったんだぞ!?」 長門「わたしの拾ったゴミで溢れかえるあなたの部屋。 俄 然 や る 気 ア ッ プ」 キョン「あ、待て!」 長門「……ドドドドドド」 ハルヒ「ほらね? この方が有希が頑張るじゃない」 キョン「そうは言ってもこいつだしなあ。何をもってくるやら……」 ~一時間後~ 長門「これだけ拾った」ドッサリ キョン「うわっ、ほんとに大量に拾ってきやがった」 長門「ビニール袋と空き缶と傘と車のタイヤと生ゴミ」ドサドサドサドサ キョン「うぅ……。こんなにたくさん。それにしてもくっせー……」 長門「それとボラ。いっぱい取れた」ピチピチ キョン「それゴミじゃないと思うな」 長門「それと大量の増えるわかめとそこに添付されていた生徒会長宛てのラブレター」 キョン「捨てた人がわかりやすいなぁ……」 長門「それとこんな公序良俗に反するエッチな本まで大量に。しかもビニールに入ったままの美本」 キョン「そ、それは仕方ないなー、ゴミだしなー、も、持って帰らないとなー」 長門「……よく考えたらこんなキレイな物はゴミではない。落し物。交番に預けてくる」 キョン「ちょ、ちょっと待ってー!」 長門「あと生き物まで捨てられていた、飼い主のモラルが問われる」 シャミセン「ミャア~」 キョン「うちの猫を家から拾ってくんな! どんだけ遠くまで探しに行ってんだお前は」 ハルヒ「……」 キョン「なんだよ、ハルヒ。さっきからずっとこっち見て」 ハルヒ「な、なんでもないわよ! いい? 有希が拾ったゴミは、 『どんなものでも』ちゃんと家まで持って帰るのよ! これは団長命令なんだからね!」 キョン「マジかよ……。このわかめも?」 ハルヒ「そうよ! 家で処分しなさいよ!」 キョン「ええぇ~」 長門「……ニヤリ」 長門「……最後に大きいゴミを拾った」 キョン「やめてくれ、ほんとに大きいのはもう勘弁してくれ……」 長門「これ」 キョン「んなっ……!」 ハルヒ「……何よ」 キョン「……何やってんだ、ハルヒ」 ハルヒ「見てわからない? わたしはダンボールに入ったゴミなのよ」 長門「そこに落ちていた。捨て宮ハルヒ」 キョン「お、お前……」 ハルヒ「ちゃ、ちゃんと家まで持って帰りなさいよ!」 キョン「……へいへい」 長門「おかしい……エラーが蓄積。なぜ?」 ちゃんと萌えるゴミに分別するんだにょろーん。へっへっへー。 なーんつってっ! なーんつってっ! だんだんあたしもオヤジっぽくなってきたにょろー! 第9部最終話 第90話 カラオケバカ一代 ハルヒ「今日はカラオケにいくわよ!」 キョン「長門も行くか?」 長門「これ。食べて」 キョン「……ほう、これは。モグモグ。中までしっかりカラッと揚がっている……。 う・ま・い・ぞー!……ってこれはから揚げ! 俺が言ってるのはカラオケ!」 ハルヒ「あんたも有希の影響で相当バカになってるわね」 キョン「カラオケボックスだよ。知らないのか?」 長門「知ってる。車がエンジンもかかって無いのに上下に動いている不思議現象のこと」 キョン「カーセックスじゃねえ!」 ハルヒ「なんで有希の言ってることがそんなにわかるの……」 長門「あなたとは北京原人だから」 キョン「以心伝心だろ」 ハルヒ「十分伝わってるわね」 長門「ところでその棺桶チップスって何? おいしい? カレー味?」 キョン「カラオケボックスは歌を歌うところだ」 長門「歌は得意。音楽の成績で2をもらったことが過去に一回ある」 キョン「それって得意のうちに入らないと思うんだが」 長門「とにかく歌は得意。ブヒブヒ」 キョン「それは歌じゃなくてブタだ」 ハルヒ「はいはい、いちいちツッコミいれてないでさっさと行くわよ」 長門「わあーい⊂ニニニニ( ^ω^)ニニニ⊃ブーン」 キョン「待て待てー⊂ニニニニ( ^ω^)ニニニ⊃ブーン」 ハルヒ「はぁ……キョンがだんだんバカになってく……」 ~カラオケボックス到着~ ハルヒ「さあ、じゃんじゃん歌うわよ! どんどん曲を入れなさい。こういうのは早いもの勝ちだからね! じゃあ、さっそく一曲目はわたしから~『Godknows……』! 乾いた心で駆け抜ける~♪」 キョン「よーし、俺も歌うぞー」 長門「……どうすれば曲を登録できるのかわからない」 キョン「ん? ああ、ここはアナログ式だったな。リモコンの使い方わかんないのか?」 長門「ロリコン?」 キョン「ちげーよ。リモートコントローラー……って、絶対『妹』を連想するだろお前」 長門「やっぱりロリコン……」 キョン「違う!」 ハルヒ「じゃあ、二曲目~『Lostmymusic』! 星空見上げ~ わたしだけの~♪」 長門「好きな番号を選んでもエラーが出る。なぜ?」 キョン「違うって。だからぁ、ここから好きな『歌』を選んでその『番号』をここに入力するの!」 長門「世界不思議発見は野々村真がバカすぎて嫌い」 キョン「坂東じゃない、番号。番号は数字。この数字をだな……」 長門「立てスージ。やっぱりロリコンか……」 キョン「俺はロリコン属性はねえって言ってるだろ」 長門「そんなことはいい。さっさと歌を歌えるようにしてロリコン」 キョン「だからこのロリコンを使って登録しないとダメなんだって」 ハルヒ「さー、じゃんじゃんいくわよ~『冒険でしょでしょ?』! 答えはいつもわたしの胸に~♪」 長門「えいっ! ピッ」 キョン「入力できたか?」 長門「できた。たぶんすぐに店員がコーラを持ってくる」 キョン「飲み物の注文なんていいからさっさと曲を入力しろって!」 ハルヒ「ノってきたわー『ハレ晴れユカイ』! なぞなぞ~みたいに~♪」 キョン「もういい、俺が入力してやるから歌いたい曲を選べ」 長門「これ」 キョン「……チャダ。これは曲名じゃなくて歌手名だ。しかもこんなん無理だろ」 長門「なんでもいい。わたしはどんなでも歌える」 キョン「嘘つけ。じゃあ、この『雪、無音、窓辺にて。』を入れとくぞ」 長門「すごい……本当に言わなくても伝わるなんて。北京原人」 キョン「お前の考えてることはだいたいわかるからな」 ……… …… … ハルヒ「ふぅ、だいたい持ち歌全部歌ったわ~」 キョン「お、ようやく長門の登録した曲の番が回ってきたぞ」 長門「うまく言語化できない。歌詞の伝達に音痴が発生するかもしれない。でも…聞いて」 トゥルルルル…… ハルヒ「はい」 店員「あのー、そろそろ終わりですけど、延長しますか?」 ハルヒ「あ、もう終わりでー。あー、いっぱい歌ったわー。かえろかえろー」 キョン「え……まだ長門の歌が……」 長門「……禁じられたワードをつぶやけば延長」 ハルヒ「ダメよ。延長はしないわ。もう時間も遅くなるし、延長料金払うお金もないんだからね」 長門「動かされたわたしの未来……」 ~~~ キョン「ごめんな、結局歌えなくて」 長門「いい。それでも楽しかった」 キョン「そんなやせ我慢するなって」 長門「ううん、楽しい……あなたとずっと話せたから」 キョン「……たまにそうやってシリアスになるなよ……ドキッとするだろ」 長門「あなたも結局歌えなかった。だから同じ。自分があなたと同じだと嬉しい。なぜ?」 キョン「んー……なんでだろうなぁ……俺も結構楽しかったなぁ」 長門「こんなこともわからないなんて……バカ……」 キョン「ん? なんか言った?」 長門「何も」 あれ? 途中で作品が変わってるにょろ…… おかしいにょろーん…… もし長門がバカだったら第9部 終わり 第10部へつづく