約 442,125 件
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/4987.html
【名前】 邪面獣ジャグチヒルドン 【読み方】 じゃめんじゅうじゃぐちひるどん 【登場作品】 魔進戦隊キラメイジャー 【登場話】 エピソード1「魔進誕生!」 【所属】 ヨドンヘイム/ヨドン軍 【分類】 邪面獣 【闇獣】 ヒルドン 【担当邪面師】 無し 【邪面】 蛇口→ハンドルを回すと水道の水が出てくる地球の器具 【モチーフ】 蛇口、ヒル、タコ? 【詳細】 ヨドンヘイムに生息する巨獣ヒルドンに、地球の器具「蛇口」を模した邪面をかぶせた邪面獣。 ヒルドンの能力で触手を振動させることで空中を飛行し、蛇口の邪面から濁ったヘドロを排水しながらそれを媒介として生まれるベチャットを巻き散らし、周囲を汚染する事ができる。 この撒き散らしたヘドロでヨドン魔法陣を描き上げ、大軍勢で攻め込む為の侵略のゲートを開く事を目的に行動する。 上述の能力でヨドン魔法陣による侵略ゲートを開こうと目論み、地球に出現するとヘドロを撒き散らしながら破壊活動を行う。 当初は飛行形態だったが着地すると同時に人型となり、更にヘドロで汚染を進めていった。 そこへレッドキラメイストーンをキラメンタルによって魔進マッカへと形作った熱田充瑠が参戦。 逃げ遅れたクラスメイト達がジャグチヒルドンが近づくビルの屋上にいることに気がついた充瑠は、 スケッチブックへ瞬く間に「スペシャルスーパー消防車」をデザインし、 レッドキラメイストーンはそのキラメンタルに導かれて魔進ファイヤへと変形。 そして充瑠はキラメイチェンジしてキラメイレッドとなり、魔進ファイヤが伸ばしたはしごを登ってキラメイバスターでジャグチヒルドンを大きく吹き飛ばす。 が倒すまでには至らず体制を整え魔法陣を再び描き始めるが、レッドのキラメンタルによって他のキラメイストーンは、 充瑠が思い描いたイメージに沿ったキラメイ魔進へと変形。 その連続攻撃によって邪面を破壊され、触手を切り落とされた挙げ句、最期はキラメイストーンボンバーを受け爆散した。 以後、いきなり巨大で目立つ邪面獣を送り込むのはコストに見合わないため、事前に邪面師を送り込んで闇エナジーを稼がせた上でそれを元に邪面獣を地球へと移送することで、邪面師+邪面獣でトータルの被害数を増やす作戦にシフトすることになる。 なおクランチュラはジャグチヒルドンが失敗した魔法陣を用いた大規模侵攻用ゲートの作成を諦めていなかったらしく、EPISODE14にてSL邪面を使い再び「地獄環状線魔法陣大作戦」としてゲートを作ろうと試みていた。 失敗に終わってしまったが。 【余談】 前作に引き続き、第1話に巨大怪人が登場した。 「ヒルの巨獣『ヒルドン』に蛇口の仮面をかぶせた」という事で複数のヒルが寄り集まった身体に蛇口を模した頭部を持つ。 蛇口をモチーフにした怪人は『超力戦隊オーレンジャー』のジャグチャック/バラジャグチ(前作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のカリブディスマイナソーはモチーフの一部として含まれている)以来、ヒルをモチーフにした怪人は『天装戦隊ゴセイジャー』のケサランパサランのペサラン挫以来となる。 もともとのヒルドンがどういう姿なのかは不明だが、公式サイトを見る限り邪面以外はベース元と大差無い模様。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1430.html
キョン「よ、おはよう」 ハルヒ「おはよ!相変わらず朝から気合の入ってない顔してるわねえ」 キョン「普通の朝はこれが標準なんだよ」 朝倉「あらキョン君、おはよう。今日も元気そうね」 キョン「あ、ああ。おはよう」 ハルヒ(フン!イヤなヤツがきたわ。外ヅラはかわいい顔してるけど、 腹の中じゃなに考えてるかわかったもんじゃないわね。この前 私の体操服が盗られたことだって、きっとコイツの仕業に違いないわ) 朝倉「あれ、涼宮さんどうしたの?急に静かになっちゃって。気分でも悪いの?」 ハルヒ(ええそうよ。あんたのせいでね!) キョン「朝倉、コイツの面倒はオレが見るから大丈夫だ」 そういうと朝倉は目をうっすら細くして答えた。 朝倉「あらそう?じゃ、キョン君にお願いするわ」 そういうと朝倉は女子の輪の中へ戻っていった。 キョン「おいハルヒ、朝倉のことがあんまり好きじゃないのは見ててわかるんだが、 せめて朝のあいさつぐらいしたらどうだ?一応委員長だしな」 ハルヒ「関係ないわ。私はね、アイツみたいに狸の皮をかぶって本性を隠してるようなヤツが 大嫌いなのよ!有希が言ってたけど、中学時代のアイツは今から想像できないくらい 荒れてたらしいわよ。アイツ高校に入ってからずっと猫かぶりっぱなしよ」 キョン「その話が本当だとしてもだ。あいさつぐらいは別にかまわんじゃないか。 それにお前は本性を現しすぎなんだよ。もうちょっとおしとやかにしてみろ。 きっと朝倉くらい人気が出ると思うぞ」 ハルヒ「フン!アホくさい。それに前言ったでしょ!アイツ私の体操服を」 キョン「しっ!・・その話は言わないっていったろ。朝倉がやったっていう確証がないんだ。 それに今お前が朝倉とおおっぴらに対立したら、ますますクラスで孤立することになるんだぞ?」 キョンは大きくため息をついた。 キョン(なんだってコイツは社交性が皆無なんだ?) 2時間目は体育だった。女子は体育館でバスケットボール、 男子はグラウンドでトラック競技である。 キョン(ハルヒのヤツ、朝倉とケンカしなきゃいいんだが・・・) 谷口「ようキョン、どうした?恋煩いか?」 キョン「ドアホ、・・・なんでもねえよ」 谷口「ははあ・・・お前、もしかして涼宮のこと考えてたな」 キョン(ドキッ) 谷口「お前は考えてることがすぐ顔に出るからな・・・ 今朝の涼宮と朝倉、一触即発だったじゃねえか」 キョン「な、なんでそんなことお前に・・」 谷口「バーカ、よく見てりゃそんぐらいわかるんだよ。涼宮が朝倉をにらむ目は ハンパじゃねえからな」 キョン(・・・・・・) 谷口「でも朝倉と対立するのはよくねえな・・・アイツは1年のアイドルとして 名前が知られちゃいるが、本性はなかなか黒い性格してるってウワサだからな」 キョン「それ、本当か?」 谷口「ああ。朝倉と同じ中学出身のヤツに聞いたんだが、中3のときアイツと ケンカした女子がいたらしいんだ。理由まではわからんがな。 そしたら次の日から、おそらく朝倉の命令だろうな。その女子が徹底的に 無視され始めたんだとさ。かわいそうに、その子は一週間あまりで 登校拒否になったらしい」 キョン「・・・マジかよ」 谷口「さあな。オレが真相を確かめたわけじゃないから断言はできんが、 ともかく朝倉だけは敵に回さないほうがよさそうだぜ。涼宮には お前からよく言って聞かせとけよ」 キョン「・・・一応、忠告として受け取っておくよ」 一方そのころ、体育館では・・・ 現在、ハルヒ率いる赤チームと朝倉率いる青チームの試合が行われていた。 別に二人がキャプテンをつとめているわけではないが、飛びぬけて 運動能力の高い両者は試合全般にかけて活躍し通しであった。 瀬能「涼宮さんて運動神経抜群ねえ」 阪中「そうよね。ちょっと憧れちゃうのよね」 瀬能「それに、朝倉さんもすごいよね。さっきから5回連続でシュート決めてるわ」 阪中「あの二人、あんなにすごいのに運動部入ってないのよね」 朝倉(涼宮さん、さっきから少し目障りね・・・) 朝倉はすっと目を細めてハルヒを見た。それからチームメイトに耳打ちをはじめた。 現在、オフェンスはハルヒチームである。ハルヒは華麗なドリブルで 敵ディフェンスの輪をかいくぐり、ゴール近くまで進んでいた。 ボールを奪いにきたディフェンスの一人がハルヒにすかされて 大きくバランスを崩し、派手に転んだときであった。 転んだと同時に朝倉はハルヒに体当たりをかけた。 ハルヒは大きく飛ばされ、床に倒れた。 ハルヒ「いったぁ・・・」 見るとハルヒはわき腹を痛めたのか、手を当てたまま動かなかった。 朝倉「涼宮さんッ!大丈夫!」 朝倉は大げさに声を上げると、ハルヒにかけよった。 朝倉「ごめんなさいね。ちょっと力が入りすぎてしまったの。さ、手を貸すわ」 ハルヒは一瞬朝倉を睨んだが、すぐに目をそらした。 ハルヒ「・・・いいわ。自分で立てるから」 朝倉「あらそう、それなら安心したわ」 そう言いながら、再び朝倉は目を細めた。 朝倉のタックルは、直前にころんだ女子のせいで審判の目が行き届かなかったらしく、 不問とされたようだった。 その後試合は、ハルヒがわき腹を痛めたせいで思ったように攻撃ができず、 防戦一方となった。 結果的には、朝倉チームにかなりの得点差をつけられた末、ハルヒチームは敗れた。 朝倉「まったく、うまいことやってくれたわね」 鈴木「アンタのタックルもかなりえげつなかったわよ?涼宮のヤツ、 かなり痛そうにしてたわね。骨にヒビでも入ったんじゃない?」 朝倉「そのときはね、お見舞いにでも行ってあげたらいいのよ」 女子A「キャハハハ!涼宮かわいそー!」 2限終了後、朝倉たちは水のみ場で、えらくわかりやすい悪事の解説を行っていた。 長門「・・・・・そこ、使っていい?」 朝倉「あら?長門さんじゃない。こんなところに何の用?」 長門「次の時間は書道。水を汲みにきた」 朝倉「ふーん・・・あ、そうそう。あなたのサークルの団長さんね、さっきの体育の時間に ケガしちゃったみたいなの。私が心配してたって後で伝えといてちょうだい」 長門「・・・そう」 水を汲み終わった長門はすぐに教室に帰っていった。 朝倉「あいかわらず愛想のない子ねえ・・・」 鈴木「なに?あの陰気なヤツ」 朝倉「私の幼馴染よ。無表情な子だから何考えてるのかよくわからないの」 女子A「涼子、あんなのとつるんでたの?」 朝倉「ま、腐れ縁てヤツね。住んでる場所も同じマンションだし」 鈴木「・・・ふーん。アンタとは全然性格あわなさそうね」 キョン(次は数学か・・・ま、授業を聞くだけ無駄だな。それにしても、 体育が終わってからのハルヒはいつに増して不機嫌そうな顔してるな。 まさか朝倉とケンカしたんじゃ・・・) キョン「おいハルヒどうしたんだ?浮かない顔して、具合でも悪いのか?」 ハルヒ「なんでもないわ。ちょっとわき腹を痛めただけよ」 キョン「運動神経のいいお前がケガしたのか。めずらしいこともあるもんだ。 保健室には行ったのか?」 ハルヒ「たいしたことないわ。ほっときゃすぐに治るわよ」 その後ハルヒは、昼休みまでずっと不機嫌オーラを放ち続けていた。 昼休みになると、すぐに教室を出て行った。 谷口「おいキョン、どうやら2限の体育でひと悶着あったらしいぞ」 キョン「まさか、ハルヒと朝倉がケンカしたのか?そういやアイツ 体育が終わってからずっと不機嫌だったしな」 谷口「いや、ケンカってワケじゃないみたいだが、朝倉と涼宮が接触プレーしたらしいんだ」 キョン(それでアイツ、わき腹を痛めたって言ってたのか) 谷口「その接触プレーだがな。ただのハプニングじゃないらしいぞ」 キョン「どういうことだ?」 谷口「真相は不明だが、その接触プレーは朝倉が仕組んだってウワサが流れてるんだ」 キョン「おい、そりゃ本当か!」 谷口「だからウワサだって。しかし涼宮にとっちゃ、あまり状況はよくないみたいだな」 キョン(たしかに今のままでは、近いうちに大きな衝突が起きることは 火を見るより明らかだ。それにウワサが本当だとすれば、ハルヒに非はない。 一体どうすれば・・・) 谷口「ま、お前もそろそろ真剣に考えたほうがいいぞ。手遅れにならないうちにな」 なぜかこのクラスでは、オレはハルヒのお目付け役というポジションに付けられているようだ。 それというのも、オレたちが高校に入学して間もないころに、 オレはハルヒがでっちあげたSOS団などというオカルトサークルに 強制的に加入されられたからだ。 それ以来、オレは社交性0のハルヒとクラスとのパイプ役を勤めているってわけだ。 弁当を食い終わるとオレは文芸部部室に向かった。 ……表向きは文芸部であるが、その実体はハルヒが作ったSOS団などという わけのわからないサークルの巣窟となっている。 オレは部室のドアを開けると、中にいた少女に声をかけた。 キョン「よ、長門。いつもご苦労なこったな」 長門は奥の机でハードカバーの本を読んでいた。彼女はただ一人の文芸部員であったが、 ハルヒに目を付けられたのが運のつきであった。それ以来ハルヒがこの部室に居座るようになり、 文芸部は今や有名無実化していた。・・・まあ、長門にしてみればハルヒがいてもいなくても 読書できることに変わりはないのであろう。 キョン「ちょっと聞きたいことがあるんだ」 そういうと長門は本を閉じ、オレに視線を移した。 長門「なに?」 キョン「朝倉涼子・・・って知ってるだろ」 長門「私の幼馴染」 キョン「その朝倉について、詳しく教えてもらいたいんだ」 長門「なぜ?」 そういいながら長門はまっすぐにオレの目を見つめてくる。・・・うーん、なんだか居心地が悪いな。 キョン「その、うまく言えないんだが、ハルヒのヤツが朝倉と仲悪くてな。 どうにかして仲良くしてもらいたいと思ってるんだ」 長門「朝倉涼子と涼宮ハルヒの性格は水と油。仲良くするのは困難であるように思う」 それぐらいはオレにもわかるんだが。 キョン「うーん、そこをなんとかだな・・・そうそう、朝倉ってどんな性格してるんだ?」 長門「彼女の性格は表面に現れているものがすべてではない。常に本音を隠しながら 人と接している」 キョン「てことはだな。表面上は仲良く接しているように見えても、 実はソイツのことを嫌っているってこともあったりするのか?」 長門「今までの経験上、そういうことは多い」 やっぱりそうか・・・本性が黒いってウワサももしかしたら本当かもしれんな。 キョン「なんでそこまでわかるんだ?アイツはお前にだけは本音を話しているのか?」 長門「彼女は表面的には誰に対しても同じ接し方をする。・・・でも、私にはなんとなくわかる」 幼馴染だけに性格の深いとこまで理解してるってことか。 キョン「そうか・・・ありがとな、長門」 長門「気をつけて」 キョン「ん、なにがだ?」 長門「彼女は敵意を抱いた相手に、決して直接に敵意を見せるようなことはしない」 …なるほどな。こりゃハルヒでも手に負えないかもしれん。 結局その日はハルヒの機嫌が直ることはなかった。 次の日、ハルヒのことが心配だったオレは少し早めに学校に着いた。 朝倉「あら、キョン君おはよう」 キョン「あ、ああ。おはよう」 教室に入ると、なぜか朝倉がハルヒの机の上に腰かけていた。 キョン「なんでお前がハルヒの席にいるんだ?」 朝倉「あら、ちょっとぐらい貸してもらってもいいんじゃない?まだ涼宮さんきてないみたいだしね。 それより少しお話しない?」 キョン「それは別にかまわんが・・・」 オレは戸惑いつつも朝倉をの会話を楽しんでいた。しかし、やがてハルヒが 教室に来る時間となった。 ハルヒは自分の席に朝倉がいるのを一瞥すると、さっさと教室から出て行ってしまった。 朝倉「あれ、涼宮さんあわててどこ行ったのかな?トイレかな?」 キョン「・・・朝倉、お前に聞きたいことがある」 朝倉「なあに?」 彼女は目を細めて聞き返した。 キョン「お前、昨日の体育の時間にハルヒにケガさせたんだよな?」 朝倉「涼宮さんには悪いことしちゃったわね。・・・昨日から心配だったの」 キョン「そのことだがな・・・お前がわざとやったんじゃないかってウワサを聞いた。 まさかとは思うが念のため聞いておきたい。それは本当のことか?」 朝倉「・・・ひどいこというのね。私がクラスメートをわざとケガさせるように見えるの?」 朝倉は大げさに、心外だという身振りをしながらそういった。 心底、疑われたことが悲しいという表情をみせながら。 キョン「ウワサが気になったんでな。直接確認したかったんだ。・・・疑って悪かった」 朝倉「疑いが晴れたならそれでいいわ」 彼女はオレに満面の笑みを見せると、自分の席に戻っていった。 しばらくしてハルヒが戻ってくると、ほぼ同時に担任が教室に入ってきてHRとなった。 そして、1時間目の間中ずっとオレはハルヒの不機嫌オーラを背中で受け続けていた。 ハルヒ「あんた、委員長萌えだったの?」 キョン「なんのことだ?」 休み時間になると、さっそくハルヒはオレに喰ってかかってきた。 ハルヒ「さっき朝倉とうれしそうに話してたじゃないの」 キョン「別にうれしそうじゃねえよ」 ハルヒ「鼻の下伸ばしてたクセに何言ってんのよ。おかげで私が遅刻するとこだったのよ」 キョン「朝倉なんて気にせず教室に入ってきたらよかったんだよ」 ハルヒ「アイツの顔なんて見たくもないわ!」 キョン「お、おい、あんまりでかい声だすな。聞こえるだろ」 ハルヒ「知ったこっちゃないわよ!」 そういうとハルヒは、女子グループの輪の中心で微笑んでいる朝倉を睨んだ。 視線に気づいたのか、朝倉はハルヒのほうをチラっと見て、それからこのオレに 微笑みかけてきた。 ハルヒ「・・・ふーん、朝倉もまんざらじゃないみたいね。よかったじゃない!」 キョン「お前、なに勘違いしてるんだ?」 ハルヒ「フン!」 ハルヒは窓の外に目をやると、それ以上は口をきかなかった。 その後もダウナーなオーラを無差別に拡散するハルヒに耐えながら、なんとか午前の授業が終了した。 国木田「涼宮さん、今日も機嫌悪そうだったね。やっぱりウワサ本当だったのかな?」 キョン「さあな」 谷口「あの様子だとそろそろ全面戦争も近いぜ。・・・ところでお前、今朝朝倉と 仲良く話してなかったか?」 キョン「しらねーよ。向こうから話しかけてきただけだ」 谷口「涼宮を裏切ろうってのか?ま、お前がどっちにつこうが知ったこっちゃないが、 お前に見捨てられたら涼宮はこのクラスで孤立するってことは忘れるなよ」 キョン「人の話を聞かないヤツだな・・・そもそもハルヒが孤立してんのは、 アイツが自ら招いた事態じゃねえか」 谷口「あれでも中学のころに比べたらだいぶマシになってるんだぜ?・・・たしかに 朝倉がかわいいのは認めるが、安易な乗り換えはオレをはじめとする男子軍団が 黙っちゃいないぞ」 国木田「そうそう。キョンには涼宮さんがお似合いってことだよ」 勝手なことばかり言いやがって。涼宮にせよ朝倉にせよ、オレに選択権はないのか。 ……っと、こんなことコイツらに聞かれようもんなら公開処刑されかねんな。 教室で弁当を食い終わると、オレはまた部室へと向かった。 キョン「よ、長門・・・はいないみたいだな」 めずらしく今日は長門が来ていなかった。 やれやれ、ハルヒと朝倉のことを相談しようと思ったんだが。 オレはイスを引いて腰かけた。 しばらくすると部室をノックする音が聞こえた。 キョン「どうぞ、空いてますよ」 朝倉「ちょっとお邪魔するわね」 なんと、入ってきたのは朝倉だった。 キョン「こんなところまで何の用だ?・・・教室じゃ言えないようなことか?」 朝倉「あら、つれないこというのね。わざわざあなたに会いにきた女の子に対して」 朝倉は笑顔を崩さずに話を続けた。 朝倉「アナタ、長門さんに私のことを聞いたみたいね」 キョン「・・・長門がそう言ってたのか?」 朝倉「あの子はそんなおしゃべりじゃないわ。ただ昨日からのあなたを見てて そう思っただけ。影でこそこそされるのはあまり好きじゃないの」 えらくストレートにきたな。一瞬あっけにとられてしまった。 キョン「それは悪かった。じゃ、オレもストレートに言わせてもらうよ。 ・・・あまりハルヒを刺激しないでほしい」 朝倉「それこそ心外ね。私は涼宮さんと仲良くしたいと思ってるわ。 あの子、クラスで孤立気味だから・・・あなただけには心を開いてるようだけど?」 不意にそう言われて顔が赤くなってしまった。・・・コイツはなかなかの強敵だな。 オレの表情を見た朝倉は、満面の笑みで話を続けた。 今度はオレが朝倉を見つめる番だった。 朝倉「なあにキョン君?・・・そうね、もしかしたら私も彼女の気に障ることを してたのかもしれないわ。今後は気をつけるってことで、ここは納得してくれない?」 キョン「・・・わかった。くれぐれも頼む」 朝倉「あなたにここまで心配してもらえるなんて、なんだか涼宮さんがうらやましいわ。 じゃ、そろそろ私はこの辺で。あなたたちもほどほどに教室に戻るのよ?」 そういうと朝倉は教室へ帰っていった。 彼女が帰ったあと、オレは再びイスに座りなおして大きくため息をついた。 キョン「なあ長門、今の朝倉の言葉、どう思う?」 長門「なんで私に聞くの?」 キョン「いや、お前ならアイツが本心から言ったかどうかわかるかな、と思ってさ」 長門「あなたはわからないの?」 たしかに、アイツと付き合いの浅いオレでも今のセリフは本心から言ってないってことは なんとなくわかる。 しかし、今日の長門は妙に冷たい気がするな・・・ 長門「私はどちらの肩も持たない。だからあなたの味方はできない」 長門の言葉を聞いてオレは驚いた。長門がはっきりとした意思表示をするなんて、 かなりめずらしいことだからである。 ・・・まあ、考えてみればかたや幼馴染、かたやSOS団団長の揉め事だ。 どちらか片側につきたくない気持ちは察せられる。 キョン「すまなかったな長門。ま、相談ぐらいには乗ってくれよ」 そういうと長門は黙ってうなずいた。 2話
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/527.html
今日のハルヒは少し変だ。 どいつよりも一番長くハルヒと付き合ってきた俺が言うのだから間違いない。 いつもは蝉のようにうるさいハルヒが、今日は何故か静かだし、 顔もなんだか考え事をしているような顔だ。 「どうしたハルヒ。」 俺は休み時間になってからずっと窓の外を眺めているハルヒに話しかけた。 「なにがよ。」 「元気ないじゃないか。」 俺がそう言うと、ハルヒは眉と眉のあいだにしわをつくって、 「私はいつでも元気よ。」 「そうかね。そうは見えないんだがな。」 ハルヒは俺の言葉を無視し、窓の外に目をやり、 「今日も来るんでしょうね」 「どこにだ。」 「SOS団部室によ。」 いちいち聞くこともないだろうよ。 「ああ、行くよ。」 ハルヒは窓のそとにやっていた視線を俺の目に向け言った。 「絶対よ。」 今日の授業も全て終わり、俺はいつものようにSOS団部室―実際は文芸部室なのだが―に向かった。 ドアをコンコンとノックする。これもまたいつも通りだ。 「どうぞ。」 朝比奈さんの声でドアを開けると、ハルヒはもう既に団長席に座っていた。 「遅いじゃない。」 何を言ってる、いつも通りだ。 「来ようと思えばもっと早く来れるでしょう?まったく、意識が薄いのよ。 部室への集合にも罰金制度を取り入れようかしら・・・。」 なにやら不穏なことをぶつぶつ言っている。おいおい勘弁してくれ。 休日のオゴリだけでもきついのにそれに上乗せされちゃあ、たまったもんじゃねぇぜ。 「なら、明日からはもっと早く来るって約束しなさいよ。」 へいへい。だが、どうせ早く来ても俺のやることといったら古泉とのオセロぐらいしかないのだが。 「今日は負けませんよ。」 古泉は長テーブルにオセロのボードを広げて既にスタンバイOKのようだ。 お前はそう言って毎回負けるんだよなぁ。 俺と古泉がオセロをしている間、ハルヒは珍しくいつものようにパソコンをつけずに、 俺と古泉の勝負風景をじっと眺めていた。 「なぁハルヒ。」 俺は視線はオセロのボードに落としたまま言った。 「なによ。」 「見られてると非常にやりにくいのだが。」 「プロの将棋師とかはたくさんの人に注目されてる中でやるのよ? これぐらい耐えられなくてどうするのよ。」 どうもせん。大体、俺はプロじゃないし、今やってるのは将棋でもない。オセロだ。 そんなツッコミを入れつつ、俺は古泉の白を黒に変える。 「いやぁ、参りました。完敗です。」 古泉は両手をあげて言う。 「古泉くん弱いわねー。」 ハルヒはパイプ椅子から立ち上がった。何だ? 「私がやるわ。古泉くん代わって。」 マジで? 「どうぞどうぞ。でも、彼は強いですよ。」 お前が弱いだけだろうが。 ハルヒは古泉から譲りうけた席にでんと座り、 古泉はさっきまでハルヒが座っていた席に腰掛けた。 「さぁ、キョン。始めるわよ。私が黒ね!」 そう言ってハルヒはボードに一手目を置いた。 やれやれ。 結果。 俺が勝った。 「何よコレぇ!キョン!もう一回よ!」 またかよ。お前は勝てるまで続けるような気がする。 今度は俺が先手で始まった。 そして結果。 俺が勝った。 「なーにーコーレー!!なんで私が馬鹿キョンに負けるのよ!!」 毎日糞弱い古泉と鍛えているんだ。馬鹿にしないでほしい。 「もう一回よ!!」 ・・・やれやれ。 「やった、勝った!キョン、あんた大した事ないわねー。」 俺に5回も負けといてよく言えるな。 「あんたはいつも古泉君と鍛えてるでしょー?私はオセロなんて滅多にやらないもん。」 なんじゃそりゃ。小学生か。 ふと、横を見ると古泉がニヤニヤしながらこちらを見ていた。何が面白いんだ。 「古泉くん!」 「なんでしょうか?」 「他にゲーム持ってないの?なんかこう、SOS団みんなで遊べるようなもの!」 そんなにたくさんゲームを学校に持ってきてるわけないだろう。 「ありますよ。」 あるんかい。 古泉はバッグのファスナーをあけると、中からずるずるとなにか取り出した。 「何だそれは?」 古泉はニコリと笑って見せた。 「人生ゲームです。」 「人生ゲームね!面白そうじゃない!有希!みくるちゃん!あなた達も参加しなさい!」 ハルヒの顔は輝いている。朝の鬱モードはもう既にどこかに吹っ飛んでしまったらしい。 「ふぇ?」 編み物をしていた朝比奈さんは、何の話か聞いていなかったらしく、きょとんをした表情で顔を上げる。 「だから、人生ゲームよ。有希ちゃんも、ほら。」 ハルヒが言うと、長門は読んでいた本をぱたんと閉じ、すたすたと俺の横の席まで歩いてきてすとんと座った。 「始めるわよ。みくるちゃんと古泉くんも席に着きなさい。」 朝比奈さんと古泉も着席し、ゲームが始まった。 「やった、結婚よ!いいでしょ、キョン。羨ましい?」 羨ましくない。ボード上の世界で結婚してもしょうがないだろう。 「でもあんた、現実でも、結婚はおろか彼女すらできないんじゃない?」 痛いところを突くな。と、次は俺の番か。 俺は出た数だけ駒を進める。 ん?「株で1000万儲けた」、ねぇ。本当にあればいいのにな。 現実はそんなに甘くないのだよ。 最終的に勝者になったのは長門だった。 その次からハルヒ、俺、朝日奈さん、古泉の順だ。 古泉お前、全員でやってもやっぱり弱いのな。 「面白かったわ!古泉くん、明日はあのスゴロク持ってきてちょうだい!」 あの スゴロク・・・?っていうとあれか。 大晦日のときにやったSOS団オリジナルの、やたらと俺いじめのマスが多いスゴロク。 あれはもうやりたくないな・・・。 それから数十分して。 ぱたん。と、長門の本が閉じられた。 「今日は皆で帰るわよ!」 ハルヒは両手を腰に当てて、偉そうに言った。 「すまん、ハルヒ。俺は今日早めに帰って見たいドラマがあるんだ。」 「何言ってるのよ。そんなの録画しとけばよかったんじゃない。 いい、キョン?団長の命令は絶対なのよ。例外は認められないわ。」 ハルヒは眉を吊り上げながら、俺に顔をぐいっと近づけて言った。やれやれ。 帰り道、ハルヒはいつも以上にやたら活発だった。 急に競争をしようだとか、荷物持ちのじゃんけんをしようだとか小学生レベルの事を言い出したり、 どこから持ってきたのか、眼鏡を長門にかけさせて遊んだり、 朝比奈さんの胸を・・・っておい!!何をしているハルヒ!! お前がもし男だったら俺の鉄槌の拳が飛んでいたところだ。 しばらくすると、はしゃぎ疲れたらしい、歩くのがゆっくりになってきた。 「ハルヒ、お前今日はやけに元気がいいな。」 「そう?いつももこれぐらいだと思うけど。」 ハルヒは軽く息を切らしながらハイビスカススマイルで答えた。 「そうかねぇ。」 しばらくそのまま歩いていると、ハルヒは急に足を止めた。どうした? 見ると、ハルヒの顔は先程のようなスマイリーな表情ではなく、 真面目な顔になっていた。 「ねぇ皆。ちょっと聞いて欲しいんだけど・・・。」 他の奴等も足を止め、ハルヒに注目する。 「・・・・・・・・・。」 ハルヒはそのまま黙り込む。何だ、言いたい事があるなら早く言えよ。 「・・・・・・。」 ハルヒは小さく口を開いて声を発しようとしたが、すぐにやめて口を閉じた。 焦らすな。早く言え。 それからまた黙り込んだあと、急にまたさっきのようなスマイルに戻って口を開いた。 「いや、ごめん。なんでもないわ。つまらないことだから気にしないで。」 そう言うと、ハルヒはまた歩き出した。合わせて俺達も歩き出す。 ハルヒが前で歩いていた朝比奈さんのところに駆けていったのを見計らって、 古泉は俺に近づいてきて小声で言った。 「何かありますね。」 「・・・ああ。」 次の日、朝になるとハルヒはまた鬱モードに突入していた。 「よぉ。」 俺がバッグを机の上に置きながらハルヒに話しかけると、 ハルヒは挨拶を返すことなく言った。 「今日何日だっけ?」 そんなの前の黒板の日付みればいいだろ。 「3月・・・9日よね?」 ああ。 「金曜日よね?」 ああ。それがどうした。 「いや・・・、なんでもない。」 やっぱり何かあるな。昨日のハルヒも今日のハルヒも何かおかしい。 テンションも不規則に上がり下がりするし。 「ねぇキョン。」 ハルヒは顔をずいっと近づけてきた。 「今日も部室来なさいよね。」 昨日ハルヒに部室の集合に関してあーだこーだ言われたため、 今日はホームルームが終わってすぐに部室に向かった。 部室につくと、古泉がいつものニヤケ顔でパイプ椅子に座っていた。 「やぁ。」 古泉はさわやかな表情で慣れ慣れしく左手を挙げた。 「朝比奈さんはまだか。」 「えぇ。長門さんならいますけどね。」 古泉が片手で示した先には、いつも通り窓辺で本を読む長門がいた。 よくそんなに本ばかり読んで飽きないものだ。 「ところで、涼宮さんはまだでしょうか?」 「岡部に話があるんだとさ。まだ来ないと思うぞ。」 「それは都合がいいですね。話があるのですが、良いですか?」 なんだ。また何か面倒ごとに巻き込むつもりか? 「実は、昨日の夕方から夜中にかけて、大量の閉鎖空間が発生したんですよ。 はっきり申し上げますと、昨日の量は異常でした。 最近落ち着いてきたと思ってたんですがね。」 古泉はやれやれ、と肩をすくめた。 「・・・どういうことだ?」 俺は目を細めてみせる。 「わかりません。僕達の機関の調査では。」 古泉はニコニコ顔を崩さず言う。 「悩み事とかあるんじゃないでしょうか。 恋の悩みとか。ベッドの中であなたのことを考えるあまりに、 異常な量の閉鎖空間を生み出してしまった、とか。」 冗談にしては笑えないぞ古泉。 「完全に否定はできませんよ?フフフ。」 ・・・何が面白いんだ古泉。というか、何故俺なんだ。 古泉は心外そうな顔をして、 「おや?あなたもしかしてまだ・・・」 そこで言いとどまると、ニヤケ面を5割増しして言った。 「いえ、言わないでおきましょう。」 何故か古泉のニヤケが無性に憎く見えた。 「何にせよ、涼宮さんが何かに苛立っているというのは明らかです。 ただし、僕達と一緒にいるときは閉鎖空間の発生はみられないそうです。」 何に苛立っているというんだ。 「ですから、それがわからなくて困っているのです。」 昨日今日のハルヒの様子が変なのもそのせいか。 「そのようですね。ところで、昨日の話ですが。 昨日涼宮さんが言いとどまった言葉、なんだと思いますか?」 さぁな。 「僕達になにか伝えようとしていましたね。 あの表情からして、とても重要な話だと思うのですが、どうでしょう?」 知らん。 「全員に呼びかけたってことは、告白ってわけではないでしょうね。」 古泉はニヤケ顔を更に5割増する。なんだその目は。 「いえ、何でもありませんよ。フフフ。」 そう言って微笑む古泉の顔が不気味に見えて仕方が無い。 「あの涼宮さんが言いとどまった言葉、 あれが涼宮さんの苛立ちと関係があるような気がするのですが。」 さぁな。 「涼宮さんに聞いてみたら早い話ですがね。」 ハルヒが言いたくないことを無理に聞く必要も無いだろう。やめとけ。 「当然そのつもりですよ。まぁ、聞かずともいずれ彼女から話してくれるでしょう。」 そうだな。 「ヤッホー!!皆元気~?」 毎回のようにドアを蹴り破って登場した我らが団長。後ろには朝比奈さんがついている。 「みくるちゃんとそこの廊下であって、一緒に来たのよ。」 そうかい。 「さて、キョンと古泉くん。」 「なんだ。」 俺が言うと、ハルヒは少し顔をしかめ、ドアの方を指さした。 ああ、そういうことね。と、俺は朝比奈さんをちらりと見て、 ドアの元まで行き、一礼して部室を出た。遅れて古泉も。 「どうぞ」 朝比奈さんの声を確認し、ドアを開けると、意外な光景を目にした。 朝比奈さんがメイド服を着ているのはいつも通りだが、 なんとハルヒが朝比奈さんが前に着ていたナース服を着ているではないか。 「これはこれは。」 古泉も少なからず驚いているようだった。 「たまには私も着てみたわ。どう?」 ハルヒは得意気に髪を掻きあげた。 「いいんじゃないか。」 「何よ、その薄いリアクションは! もっとこう、『わー!ハルヒ可愛い!!』とかないの?」 わー。ハルヒかわいー。 「あーもう、イライラするわねー。もういいわ。」 とりあえず薄くリアクションしておいたが、内心、可愛いと思っていた。 朝比奈さんのナース姿も良かったが、ハルヒのそれもなかなかのものだ。 「僕は似合ってると思いますがね。可愛いですよ。」 「でしょ?ありがとう古泉くん。 やっぱりわかる人にはわかるのよねー。」 喜べハルヒ。その格好で秋葉原に行けば注目の的だぞ。 お前が言う わかる人 ってのもいっぱいいる。 …ところで、いきなりナース服を着だしたりだとか、 やはり最近のハルヒは変だ。 まぁいいか、楽しそうだし。教室のときのように鬱にしてるのより何倍もましだな。 「さぁ、スゴロクやるわよ、スゴロク!!古泉くん、持ってきてるでしょうね?」 げ。 「はい、もちろん。」 げげ。 古泉はバッグのファスナーを開けると、ずるずると大きな紙を取り出した。 やれやれ。 今日は日曜日、不思議探索パトロールをすることになってる日だ。 少しばかり寝坊した俺は、大急ぎで歯を磨き、髪を直し、服を着て待ち合わせ場所に走った。 他のメンバーは既に揃っている。 「遅い! 遅刻!! 罰金!!!」 このフレーズを聞くのも何回目だろう。これを聞くたびに俺の財布は打撃を受ける。 「と、言いたいところだけど、今日は私がおごるわ。」 は? 今ハルヒ何と言った?パードゥンミー?ワンモア、プリーズ? 「だから、今日は私がおごってあげるって言ってるじゃない。」 俺の耳は故障してしまったのだろうか。すまん、もう一度だけ頼む。 「今日は私のおごりよ!」 なんと。なんとなんと。思わず目眩がした。 今日は雪でも降るんじゃないか。いや、もう隕石が雨のように降ってきそうな勢いだ。 「何馬鹿なこと言ってんのよ。行くわよ、キョン。」 やはりおかしい。絶対におかしい。ハルヒがおごるなんて普通考えられない。 「キョンは何にするの?今日は高いもの頼んでもらっていいわよ!」 こんなことを言う事も、だ。どういう気の変わりようだ? 「何もないわよ。ほら、さっさと選んじゃいなさいよ。」 俺は何かハルヒの陰謀があるのではないか、と あえて高い物を選ばず、中くらいの物を注文した。 「何よ、遠慮することにないのに。」 何か怖くてな。すまん。 そして俺達は食事を済ませ、毎回恒例のくじ引きタイムに入った。 まず古泉が引く。無印。 次に朝日奈さん。無印。 次に俺。赤印 次に長門。無印。 「て、ことは私は赤ね。」 ハルヒは爪楊枝を掴んでいた手を開く。 爪楊枝の先には赤い印がはっきりと刻まれていた。 横に彼女を連れて、手を繋いで歩く。これはモテない男誰もが夢見ることだろう。 しかし、俺が手を繋ぐのではなく、手首を掴まれているのは何故だろう。 答えは簡単。連れている女が涼宮ハルヒだからだ。 「ちょっとキョン!もっとシャキシャキ歩きなさいよ! まず何処行く?デパートの食料品店で試食品でも食べ歩く? それとも、服でも買いに行こうか?今日はたくさんお金持ってきてるしね。」 どうやらこいつは 不思議 を探す気などさらさら無いらしい。 「どこでもいいぞ。お前のすきなところで。」 なんだか今日のハルヒの足取りは軽い。全身からウキウキオーラが放射されまくっている。 「あっそうだキョン!あたし観たい映画があるんだったわ! 一緒に観に行きましょう!」 映画・・・か。まぁ、このままハルヒに色々連れまわされるよりはいいだろう。 「決定ね!じゃあ行きましょう!」 俺は手首を掴まれたまま、映画館まで連れて行かされた。 なにやら甘ったるい匂いがするのは、受付の横の、なにやら色々飲食物を売ってる店のせいだろう。 「チケット2枚。」 俺がハルヒの分のチケットも買ってやっていると、ハルヒがポップコーンとコーラを持ってきて、 「はい、これ。あんたの分よ。私のおごりね。」 今日のハルヒは気前がいいな。 「それじゃあ行きましょう。早く行かないと始まっちゃうわ!」 そう言ってハルヒはまた俺の手首を掴んだ。やれやれ。 映写機がじりじりとスクリーンに映画を映し出す。 観ている内にわかったが、これは流行りの 感動モノ の映画らしい。 そして、今が一番泣き所のクライマックスのシーンだと思われるが、 どうした事か、俺の目からは涙の一滴すら落ちてこない。 もう少しピュアな心を持っていれば泣けるのだろうが、 俺の心はとっくにがさがさに荒んでいるのでな。 俺がふと横を見ると、意外な光景がそこにあった。 映画にかぶりついているハルヒの目に、若干涙が浮かんでいるではないか。 ハルヒはしきりに、服の袖で目を拭っている。 そのままハルヒはしばらくスクリーンを凝視していたが、俺の視線に気付くと、呆れ顔をつくって言った。 「何であんたこれで泣けないの?馬鹿じゃない?」 馬鹿ではないと思う。 外に出てみると、さっきは暗くてよくわからなかったが、ハルヒの目元が少し赤くなっていた。 「よかったわー、あの映画・・・。 あんなクオリティの高い映画はこの先そうそう作れないと思うわ。」 俺は全然泣けなかったけどな。 「あれで泣けないってのがおかしいのよ! あれで泣けないなんて信じられないわ。人間じゃないわ!」 おいおい、ついには人間以下かよ。 「まぁいいわ。楽しかったし。 おっと、そろそろ集合時間ね。待ち合わせ場所に急ぎましょう!」 ハルヒはそう言うと俺の手首を掴む。もうちょっと穏やかにできないのか。 せめて手を繋ぐとか。 「手、手ってあんたと?私が?」 冗談だ。本気にするなよ。 「あ、冗談ね。冗談か。 そうよね、あんたと手繋いで恋人同士だと思われたらとんでもないわよ!」 ハルヒは何故か少し動揺しながら言った。なにを焦ってんだか。 ハルヒが俺の手首を掴んでずんずんと商店街を行く。 と、ここで見慣れた二人組が目に入った。 「あ、谷口と国木田じゃねぇか。」 俺は足を止める。と、同時にハルヒも足を止めた。 「ようキョン。」 「奇遇だね、何やってたんだい、キョン。」 谷口と国木田は私服姿だ。お前等こそ男二人で何やってんだ? 「別に。ゲーセンとか行ってぶらぶらと遊んでただけさ。」 そう言うと、谷口は俺とハルヒを舐めまわすように見てきた。何だ? 「お前等は二人してデートか?いいねぇ、お熱くて。」 馬鹿言うな。これはSOS団の不思議探索パトロールだ。 「不思議探索パトロール?それって何するんだい?」 国木田の言葉に少し返答に困った。まさか 映画をみたりすること とは言えまい。 「街中で不思議な事が無いか探すんだよ。」 適当にごまかしておく。 「ふーん。変なことしてるねぇ。まぁいいや。じゃあ、僕達は行くよ。じゃあねキョン。」 「またな。」 「おう、じゃあな。あ、そうだ、待て谷口。チャック、開いてるぞ。」 「うわっマジかよ!!っていうか何で国木田教えてくれなかったんだよ!」 「え?それって新しいファッションかなんかじゃないの?」 「違ぇよ! やべーさっきこのままナンパしちまったよ。変態だと思われたかも・・・。」 「大丈夫だよ、谷口。君はもう顔が変態的だから。」 「えっ!?何それ?どういう意味!?」 「それじゃあね、キョン。」 「無視するなよ国木田!なんか今日お前悪い子だぞ!」 「じゃあな。国木田、谷口」 そう言って俺達は谷口達と別れた。 何やら後ろから「谷口ウザイ」という国木田の声が聞こえた気がするが空耳だろう。 集合場所につくと、既に他三人は揃っていた。 「ゴッメーン。遅れちゃった!」 ハルヒは右手を挙げる。 「それでは、また喫茶店に入りましょうか。」 本日2度目の喫茶店。今度もハルヒのおごりだった。 「それじゃあ、くじ引きしましょう。」 ハルヒは慣れた手つきで爪楊枝に印をつける。 まず長門が引いた。赤印。 次に俺。無印。 次に朝比奈さん。無印。やった朝日奈さんと一緒だ。 次に古泉。赤印。 「じゃ、私が無印ね。」 班分けは俺とハルヒと朝日奈さん、古泉と長門になった。 俺はいいのだが、古泉と長門は二人で話すことなどあるのだろうか、と少し心配になる。 ハルヒは今度は片手は俺の手首、もう片方の手は朝比奈さんの手首を掴んで歩き出した。 「出発よ!さて、キョン、みくるちゃん?何処に行きたい?」 俺はさっきも言っただろう、お前に任せると。 「みくるちゃんは?」 「えーっと・・・じゃあ、お茶の葉を買いに行きたいです。」 「じゃあまずはお茶の葉ね!行きましょう!」 やれやれ。 歩く事数分、茶葉の専門店みたいなところについた。 朝比奈さんは目を輝かせていたが、俺とハルヒはお茶の葉のことについてなんて全然知識ないから 店内に置かれた椅子にすわって暇を持て余していた。 朝比奈さんは店長さんとお茶の話で盛り上がっている。 少し耳を傾けてみたがさっぱりわからん。 しばらくして、 「お待たせしました。では行きましょう。」 楽しそうに駆け寄ってきた朝日奈さんは、茶葉の入った箱を抱えていた。 その後、デパートに行って試食品を食べ歩くなど地味ーなことをしたり、 ゲームセンターに行ってUFOキャッチャーを楽しんだりした。 楽しい時間は瞬く間に過ぎるもので、時刻はあっという間に集合時間前だ。 「楽しかったわー。キョンのUFOキャッチャーの腕前は意外だったわねー。」 ハルヒは俺が取ってやった熊のぬいぐるみを両手に抱えて、もこもこさせながら言った。 ゲーセンは谷口達とよく行ったからな。SOS団に入ってからは、あまり行くことも無くなったが。 「私も楽しかったです。ありがとうキョンくん」 いや、俺にお礼を言われても困るんですけど・・・。 「あ、有希!古泉くん!」 まだ集合10分前なのに、長門と古泉は既に集合場所に到着していた。 やはりやることがなかったのだろう。 そしてその日はそのまま解散することになった。 涼宮ハルヒの異変 下
https://w.atwiki.jp/gionshantveed/pages/1387.html
ドルムント共和国 Basklant Dolmnt 国歌: 主要言語 ドルムント語 首都 パカパーク 最大の都市 ザーツブルーケル 政府 議長府 国家元首の称号 最高議長 政治体制 議会制民主主義 人口 16億8000万人 主な宗教 キョワ教 通貨 建国年 1555年 加盟年 1623年(原加盟国) 領 有 母星 惑星ゲルデン 首都星 惑星ゲルデン その他惑星 - 領有星系 ゲルデン星系 ドルムント共和国(ドルムントきょうわこく、ドルムント語:Basklant Dolmnt、エルミア語:▓▓▓▓▓)、通称ドルムントは、ゲルデン宙圏の中央部に位置する議会共和制民主主義国家。首都はパカパーク、人口が最大の都市はザーツブルーケル。地上の国境および宙域が接する隣国はグロスクロイツ社会主義共和国連邦、ヴィッテンクレイル神国、ベリオン共和国、プルスティア。 ゲルデン宙圏における主要な平和主義国家の一つであり、同じ平和主義を標榜に掲げるエルミア共和国、プルスティアと友好関係であり、両国とは同盟関係を構築している。大宇宙連合会議では関係各国と友好的かつ協調的である。人口は1星系国家であるため比較的少ない。大宇宙連合会議の原加盟国の一つであり、現代においても相応の影響力を持つ。 政治に関しては穏健な保守派であり、歴史を通じてベリオン共和国に対して強硬的な態度でいることが多い。国際協定を主導しているらしい。グロスクロイツとはイデオロギーこそ異なるものの平和主義的な側面では意見が一致していることがややある。 目次 概要 歴史 政治 司法 国際関係 軍事宙軍 陸軍 地理主要都市 経済 科学技術 国民文化 教育 宗教 治安治安維持 福祉 人権 概要 ドルムント共和国は国内の社会福祉制度及び副詞産業が非常に発達しており、国民の幸福度が非常に高い。 経済力や生産力も安定しており、電力自給率も高いが、自国領内からの資源算出がほとんどなく、輸入に頼り切っている。 歴史 ドルムント公官庁テロ事件 ミラ・フローレン元帥が「くたばれ」のハンドサインでゴルギストを威嚇 ルミチャン主義が流行。ルミチャン毒電波を照射してゴルギストを洗脳することに成功。 ルミチャンゴルギストはオムニダ社専属の治験対象として活用された。 ゲルデン条約機構軍には参加せず、独自で国内のゴルギスト殲滅を行う。 政治 司法 国際関係 ドルムントはベリオン共和国やその同盟国と敵対していることを除けば、基本的には友好的な国家であり、国際社会でも信頼が厚い。 軍事 軍事力は非常に弱く、「必要最低限の軍備」と称し、宙軍両用の機兵を配備しているが、全く必要数に満ちていないと国内で議論になっている。 軍事技術先進国の一つ。エルミアの技術を共有しており、自国生産も行っている。 ドルムントでは「女性が指揮官になると優秀な遺伝子だけ生き残らせようとする思考が働いて、犠牲を厭わず男性を戦場に送り出すようになる」というデータに基づいて女性の軍志願が認められないという暗黙の了解がある。 宙軍 陸軍 地理 主要都市 経済 科学技術 国民 文化 ドルムントにはドルムント武士道が存在している。 ただし好戦的・軍国的教育ではなく、自衛のためのスペシャリストを専門で育成している模様。 教育 宗教 治安 治安維持 福祉 ドルムントが注力している社会福祉制度には以下の通り。 ドルムント武士道教育 スキル教育 大人の学び直し政策 弱者男性支援 ドルムントでは「女性に富を与えすぎると男性を捨てて不倫や散財に走り、男性に富を与えたら女性や子供に分け与え守るようになった」というデータに基づき、男性に富が自然と集まりやすいような社会福祉制度方針を採用している。 特に弱者男性への支援が篤い。 人権
https://w.atwiki.jp/gods/pages/66466.html
フジワラノヨリミチ(藤原頼通) 皇族の系譜に登場する人物。 関連: フジワラノミチナガ(2) (藤原道長、父) フジワラノカンシ (藤原寛子、娘)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/103488.html
フジワラノミチマサ(藤原道雅) 平安時代中期の公卿・歌人。 チュウコサンジュウロッカセン(中古三十六歌仙)の一。 別名: サキョウノダイブミチマサ (左京大夫道雅)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5014.html
涼宮ハルヒのOCG④ (2008/11~ ぐらいの時期だという前提でお願いします) 「えーっとね、潜水艦でキョンくんに攻撃して・・・カードを一枚伏せてわたしの番は終わりだよ。」 「違うわよ妹ちゃん、ターンエンドの前にこのカードを伏せとくの。そうすればキョンが何か出してきても一発で除外・・・」 今俺の目の前にはなぜかカードを握る我が妹と、その後ろからあーだこーだと口出ししてるハルヒがいる。長門はというと後ろの方で俺の本棚をあさっている、マンガぐらいしかないから面白くないと思うぞ長門。そして場所は俺の部屋だ。さて、何でこんな状況になったんだろうな。少し時間を遡って話していくか・・・。 朝倉との奇妙な再会の翌日、やはり朝倉は北高に転入してきた。俺のクラスではなく長門のクラスだったので大した騒ぎにはならなかったのだが、我らが団長がそんなニュースを聞き逃すわけも無く、放課後部室で朝比奈さんのお茶を飲みながら一緒にデュエルをしている(ディアボリックガイを制限解除したのは絶対にミスだ)と、ハルヒがドアを蹴っ飛ばして、 「突然転校して突然転入した、うちのクラスの元委員長にして今は有希の友達、朝倉涼子よ!今日からSOS団の一員ね!」 と、一気に朝倉の自己紹介をした。俺たちの中で一番長かったんじゃないか?まあ、俺と長門はされたことすらないような気もするが。ともあれこんな感じで朝倉も放課後の部室に姿を現わすようになり、デュエルができることが分かると、 「すごいじゃない涼子!パーミッションなんてデッキ今まで見たことなかったわ、あたしと勝負よ!勝負!」 と当然のようにデュエルを始め、俺は朝比奈さんや長門、古泉と交替で勝負したり、ウィキでカードの裁定を調べたり(ライラのカード破壊効果、対象は相手の伏せてある天罰。ライラの効果にチェーンして天罰を使用して、天罰に魔宮の賄賂をチェーンしたとき、逆順処理後ライラは守備になるか)と、だんだん日常化しつつある放課後を過ごし、金曜の放課後をむかえると 「明日は全員で駅前に集合ね!遅れたら罰金よ!」 いつもの団長の命令で解散となった。 そして不思議探索の日、俺は罰金を免れた。前代未聞のことだが、理由は朝倉と長門が二人そろって遅れてきたためだ。どうやら朝倉が長門の服を選ぶのに時間をとられたらしい。 「長門さん、せっかくのお出かけなのに制服で行こうとするから、私の服と長門さんの服をいろいろ合わせてたの、そしたら・・・」 とのことである。珍しいこともあるものだ。まあ長門の私服姿は新鮮だったし、何より俺がおごりを免れたので万々歳だ。そして午前中のクジ分けだが・・・ 「あたしは無印」 「僕は印入りですね」 「無印」 「印入りです」 となって俺の手には無印の爪楊枝があり、朝倉の手には印入りの爪楊枝があった。つまり俺・ハルヒ・長門と、朝比奈さん・古泉・朝倉となったわけだ。各々の会計を済ませ(割り勘ってのはいいね)分かれて歩き出すと、 「ねえ、今日はキョンの家行ってみない?」 とかハルヒが言い出した。こいつの発言が突発的なのはいつものことだが、なんでまた俺の家なんだ。 「なんか冬以来妹ちゃんに会ってなかったし、シャミセンも見てみたくなったから」 なんとも適当な理由だな。確か今日は両親とも妹の学級懇談会かなんかで午前中不在だったし、妹も一人での留守番を寂しがってた気もする。まあこの二人を連れてけば妹も喜ぶだろうし、あちこち連れまわされるよりはマシだが・・・ 「長門、お前はどうしたい?」 一応、見慣れない私服姿の宇宙人娘の意見も聞かなくてはならな・・ 「賛成、私も彼の自宅を訪問する。」 「決まりね」 というわけで先ほど出たばかりの俺の家へ舞い戻り、 「キョンの部屋がいいわ」 「賛成」 「わたしも~」 賛成3棄権1により俺の部屋へと入り、長門とハルヒがデュエルを始め(というかデッキ持ってきてたのか)、興味をもった妹が友達にもらったというカードを自分の部屋から持ってきて、3人で新しいデッキを構築。ルールを覚えつつの模擬戦ってことで今俺と妹+ハルヒがデュエルしていて・・・冒頭に戻るわけだ。 「裏守をリリースして邪帝召喚、効果でサブマリンロイドを除外、ダイレクトアタックで俺の勝ちだ妹よ。」 「うーキョン君つよーい。ハルにゃんくやしいよ。」 「そうよキョン、すこしは手加減しなさい!邪帝なんて壊れカード使っちゃダメよ」 ガイザレス使ってるお前に言われる筋合いはないぞ。ハルヒの教え方がいいのか、妹はルールの飲み込みが速い。カード名はまだ全然覚えてないようだが。 「一度あなたとあなたの妹だけで闘うべき」 いつのまにか後ろにいた長門が言った。そうだな、試しに一回ハルヒ抜きでやってみないか? 「そうね。一回やってみましょ。妹ちゃん、ちょっとこっちに来て、作戦会議よ!」 なにやら部屋の隅でごそごそやり始めたハルヒと妹を一瞥して、俺のベッドの上に腰掛けて珍しそうにマンガを読んでる長門を見た。 「面白いか?」 「・・・ユニーク。ただ、ラーの翼神竜は裁きの龍の完全下位に思える。」 まあそりゃそうだな。読みたきゃ借りていってもいいぞ? 「そう。」 ハルヒ達の方は終わったらしい、よし、いくぞ妹よ。 「うん。えへへ今度こそ負けないよキョンくん。」 「キョン、先攻は妹ちゃんにあげなさいよ」 ああわかってる。おれだってそのくらいのハンデはやるさ。 「じゃあわたしからね、どろー。モンスターカードを一枚セットして、カードを3枚伏せて、終わりだよ。」 3伏せとは気になるな・・・。まあいい、ドロー、俺はハーピイ・クイーンを召喚し・・ 「えーっとキョンくん、キョンくんがモンスターを召喚したときにね、この伏せたカードを発動したいの」 ・ ・・奈落の落とし穴、か。さらば俺のハーピイ。カードを一枚伏せてターンエンドだ。 「キョンくんの番がおわったときに、サイクロンを使って伏せたカードなくしちゃうね。やったーキョンくんのとこにカードなんにもなくなった!」 げ・・・。エンドサイクなんてできたのか妹よ。しかも神宣とかおいしいのを破壊するとは・・ 「いいわよ妹ちゃん!」 ハルヒが後ろでエールを送っている。くそ、忌々しいがいかんともしがたい。 「わたしの番だね、どろー。もぐらをだして、キョンくんにこーげき!カードを一枚伏せて終わりだよ。」 もぐらといってもグランモールではない。ドリルロイドである。よって俺のライフは残り6400というわけだ。俺のターン、ドロー。霊滅術師カイクウを召喚、ドリルロイドに攻撃だ。んでカードを2枚伏せてターンエンドだ。 「どろー、潜水艦をだして・・・」 おっとそうはいかん、召喚したときに激流葬を発動だ。フィールド上のモンスターを全部破壊するぜ。 「えーーつ、キョンくんずるーい。」 「キョン少しは遠慮しなさいよ。」 そうはいわれてもな、それに除外されないだけマシだと思うぞ。妹よ、ターンエンドか? 「あ、うん。」 俺のターン、ミストバレーの戦士を召喚、プレイヤーにダイレクトアタックだ。そしてカードを一枚伏せてターンエンドだ。 「うわーライフが6100になっちゃった。ハルにゃんー、大丈夫かな?」 「平気よ平気、ライフが0にならなきゃ全然問題ないわ。」 全然問題なくも無いがな、ハルヒ。800きるかきらないかってのはけっこう微妙なラインだぞ。洗脳的な意味で。 「えと、わたしの番だね、どろー。裏側でモンスターを出して、カードをもう一枚伏せておわりだよ。」 裏守か・・・。おそらくトラックロイドか何かだろうが伏せも気になるしここは普通に攻撃といこう。ミストバレーの戦士で裏守に攻撃だ。 「ひっくりかえって召喚。ひっくりかえったからメタモ・・メタモルポッドの効果をつかうね。キョンくん手札捨てて5枚引いてー。」 なんてこった。今までのデュエルであんなカードは出てきてないぜ。さてはハルヒの差し金か。仕方ない、カードを5枚ドローだ。そしてメイン2、霊滅術師カイクウを召喚。8シンクロでダークエンドドラゴンを特殊召喚。一枚伏せてターンエンドだ。 「わたしのターン。カードをひいて、伏せてあったカードを使うね。チェーン・マテリアル!手札・デッキ・墓地からトラックと新幹線ともぐらさんと戦闘機をフィールドの外に置いて、手札から線路が3本伸びてるカードを発・・・」 そうはいかん。ビークロイド・コネクション・ゾーンにチェーンして神の宣告だ。 「えーっと、キョンくんの神の宣告にね、わたしもカードを使うの、神の宣告!」 ふっ・・・それも読んでたぜ。さらにチェーンしてもう1枚神の宣告を発動だ。悪いな妹よ。そう簡単にやられはしないぜ。 「キョンくんのカードに・・チェーンして・・・魔宮の・・・・ハルにゃん、これなんて読むんだっけ??」 「わいろよ妹ちゃん!」 「そうだった。魔宮の賄賂を発動するね。」 ちょっと待て、なんで魔宮の賄賂なんていう高額カードが妹のデッキに入ってるんだ?うちにそんなカードはないぞ。というかあったら俺がデッキに入れてる。ふと視線をずらすとハルヒがニヤニヤしながらこっちを見てる。なるほど、これもハルヒの差し金か・・。 「甘いわよキョン!あたしたちがさっきの作戦会議でなんにもしてないと思ったの??」 一杯くわされたな。まあ仕方ない。逆順処理でビークロイド・コネクション・ゾーンは有効。ライフは妹が1525、俺は1600.んで、何を召喚するんだ? 「ロボット!」 スーパービークロイド・ステルスユニオンね、了解だ。だがチェーンマテリアルを使ったターンは攻撃できない。俺のターンだ、ドロー! 破壊耐性はあっても墓地へおくる効果への耐性はないぜ!ダークエンドの効果を使い・・ 「読んでたよ!てへっ! 天罰をはつどう!」 なんだって、なんか朝倉の時以上にカウンターばっかりされてるな・・・。裏側守備でモンスターをセット、ターンエンドだ。裏守なら吸収はされない、なんとか次のターンまで・・・ 「わたしのターン、ドロー。もぐら・・じゃなくてドリルロイドをしょうかん!ドリルロイドでキョンくんの裏側モンスターを攻撃!そしてステルスユニオンでキョンくんにダイレクトアタック! やったーキョンくんに初めて勝った!ハルにゃんやったよー」 「すごいわ妹ちゃん、えらいえらい。」 ハルヒと妹は手を取りあって小躍りしてる。負けた・・・なんだか普通に負けた。あんなにカウンターされるとは思ってもいなかった。正直いおう、ショックだ。 「勝負は時の運」 長門が呟くように言った。そうだな、まあこういうこともあるよな。 「そう。この漫画を借りたい。」 ん?○戯王か? 構わんが今日はこれから午後もあるのにもって歩くのは邪魔じゃないか? 「大丈夫。情報操作は得意。私の家まで転送する。」 そうか。まあそれならいいんだが。長門、最近情報操作能力の使いどころがおかしくないか? 「気のせい」 気のせいではないと思うんだが・・・まあいいか。 「おっと、もうこんな時間ね。キョン、有希、午前の部は終わりだからそろそろ出かけるわよ!」 妹とはしゃいでいたハルヒが時間に気づいていいだした。今度は俺もデッキを持っていけとのことらしい。午後もどっかでデュエルするのか? 「お邪魔しましたー。妹ちゃん、またね!」 「うん、ハルにゃん、有希ちゃん、楽しかったよ~。」 妹と別れて家をでた俺たちは(結局デュエルするためだけに俺の家に来たんだな)再集合場所の駅前へ向かった。なんか今日は一日が長いぞ。まだ半分も終わってないとか信じられん。だが・・・久々に妹があんなに喜んでいるのを見たような気がする。これもハルヒのおかげか。ありがとうな、ハルヒ。 「な、何よ急に・・・」 「なんか妹が喜んでたからさ、その礼さ。」 「ふ、ふん。あんたが普段かまってあげないからでしょ! でも・・・・・・・・・どういたしまして。」 最後の方は消え入るような声で言ったハルヒはプイと前を向いてしまった。やれやれ、午後のクジ分けはどうなるかな、少し楽しみだ。 ハルヒ+長門+妹という奇妙な組み合わせで午前中を過ごした俺達は(といってもただ決闘していただけだが……)駅前で再集合してファーストフード店で昼食をとったあと、午後の部のクジ分けをした。 「いつも爪楊枝じゃ面白くないわ!たまには変わったクジ分けをしましょ!」 というハルヒの鶴の一声によりハルヒのデッキの中から罠とモンスターを各三枚ずつ選んでテーブルの中央に置き、それぞれ引くことになった。爪楊枝と根本的には何も変わらないような気がするのは気のせいだ、多分。 「俺は剣闘獣の戦車」 「あたしはダリウスね」 「僕は剣闘獣ムルミロです」 「………次元幽閉」 「えと…魔宮の賄賂です」 「私は剣闘獣ベストロウリィね」 という結果になり(見れば見るほど剣闘獣だ。やれやれ)午後は俺・長門・朝比奈さん、ハルヒ・朝倉・古泉になった。あれ、また長門が一緒か……まあこういう日もあるだろう。 「今日中に最低1つは○ナミの不思議裁定を見つけるわよ!各自分かれて探索開始っ!」 そう宣言するや否やハルヒは朝倉の手をとってあっという間に行ってしまった。そのあとを古泉が小走りで追いかけている、ごくろうなこった。というか不思議裁定を見つけるならわざわざ街をぶらつく必要もない気もするが、ここは敢えてツッコまないでおこう、ハルヒのことだ、代わりに何を言いだすかわからん。それに今の状況は両手に花、しかも未来がらみも宇宙がらみもないときてる。この状況に文句を言ったらバチがあたるぜ。 「あのぅ………キョン君?」 俺がよからぬ妄想に入りかけたとき、朝比奈さんが声をかけてきた。なんでしょう? 「えーと、今日このあと行きたいところとか、予定とかありますかぁ?」 いえ、とくにはないですが……長門はどうだ?図書館とか行きたいか? 「今日はそれほど行きたいわけでもない。」 長門にしては曖昧な表現だ。まあ何か予定があれば合わせると考えて問題ないだろう。 「二人とも何もないのなら……鶴屋さんの家に行きませんか?」 鶴屋さんの家に行くのはバレンタイン以来か。あのときは全く大変だったな。今回は「みちる」さんも連れていく必要もなさそうだしあちこち歩き回るよりはゆっくりできそうだ。長門、どうだ? 「構わない」 ということで朝比奈さん、俺も長門も賛成です。 「よかったぁ…。じゃあ、案内しますね!」 朝比奈さんは可愛らしくうなずくと前にでて駆けていった。俺も何回か付近まで行ってるから道は知ってるんだがな。まあそこをつっこむのは野暮ってものさ。 「やあやあみくるにキョン君に有希っ子、よく来たねっ!さあさあ中へ入った入った!」 鶴屋さんの家である和風の邸宅(相変わらず広いな)の入り口につくと、朝比奈さんが連絡したらしく、ハイテンションの鶴屋さんが迎えてくれた。どうやら今日の午後は朝比奈さんと鶴屋さんは遊ぶ約束をしていたらしく、もし不思議探索があったとしてもそのメンバーも連れてくることになってたらしい。ハルヒとペアが一緒になってたらどうしたんだろうな、いやでも鶴屋さんの誘いならハルヒも応じたかもしれん。 「さぁさぁみんなこっちにょろ」 鶴屋さんが案内した先は1つの部屋だった。この屋敷は和風で統一されているのだが、この部屋は最近作ったらしく半洋風半和風といった感じだ。 「今日はここで思いっきり遊ぶっさ!」 鶴屋さんがその部屋の戸を開くと、 「うわぁ………」 「すげぇ……」 「……………驚愕」 そこには○ナミのカードゲームセンターを彷彿させるような光景が広がっていた。壁にはガラスケースに飾られた大量のカード(なんとサモプリもプリズマーもある)、部屋の中央には長テーブルと椅子、テーブルの上には印刷されたデュエルフィールド、さらにライフカウンターまでおいてある。やっぱ鶴屋さんって金持ちだったんだな……。というか親御さんはなんていってるんですか? 「なんか元々うちは○ナミの大株主だったらしくてさっ、わたしが興味もったっていったらいい機会だからって会社の人が作ってくれたんだよっ。今度ここで公認大会もやるらしいっさ!まぁカードゲームセンター鶴屋店ってとこだねっ!」 鶴屋さんはアハハと快活に笑った。ん?鶴屋さんは確か「興味をもった」っていってたな。ということは興味をもつきっかけがあったはずだ。鶴屋さんと仲のいい友達といえば……… 「鶴屋さん、こないだ遊んだときに家でデュエルやったらすごく面白がって、それからたまに一緒にやるようになったんですよ」 俺が答えに辿り着くよりも先に、朝比奈さんが答えてくれた。ううむ……たったそれだけでこんな部屋まで作ってしまうとは、ハルヒといい長門といいデュエルには何か人をひきつける魅力があるのだろうか?まぁ俺も今となっちゃ面白いが、初体験でここまでいれこんだかどうかは正直わからんな。 「キョン君、私と一緒にやらないかい?」 デッキを片手に(緑色のスリーブだ)鶴屋さんは言った。つまりデュエルやらないかい?ってことだろう。いいですよ、じゃあその奥のテーブルで…………ってちょっと待て、いつのまにか俺と鶴屋さんの間に人が割り込んでいた。ライトロード使いの宇宙人である。 「午後は私が」 とデッキ(スリーブは白だった)を片手に瞬間移動としか思えないスピードで俺と鶴屋さんの間に移動した長門は言った。あー、なんだつまり午前中はデュエルしなかったから午後はやりたいと、そういうわけか? 「そう」 といいつつ長門は首だけをこちらにむけた。 「わはは、面白いね有希っ子は!わたしはどっちでもいいにょろ?」 鶴屋さんは快活に笑って俺の判断を待っている。うーむどうしたものか。 「だめ?」 長門が数ミリ首をかしげた。その仕草は反則だぜ。分かった、先に鶴屋さんとやっててくれ。後で代われよ? 「わかった」 長門はわずかにうなずくと鶴屋さんとテーブルに向かいあって座ってデッキをきりはじめた。 「よしっ!有希っ子!じゃんけんっさ!」 ジャンケンの結果、長門が先攻になった。鶴屋さんのデッキがわかる前にデュエルが終わらなければいいのだが……。ちなみに俺も朝比奈さんもデュエルはやらずに長門VS鶴屋さんを見ている、まあSOS団の面々同士は毎日のようにやってるしな。 「私の先攻、ドロー。スタンバイフェイズ終了、メインフェイズに移行する。手札よりソーラーエクスチェンジを発動、ライトロード・ビースト ウォルフをコストにする。デッキから二枚カードをドロー、二枚墓地へ送る。」 ちなみに墓地へ落ちたのはライコウと奈落の落とし穴だ。まあ普通の落ちかただろう。 「よしっ!有希っ子!じゃんけんっさ!」 ジャンケンの結果、長門が先攻になった。鶴屋さんのデッキがわかる前にデュエルが終わらなければいいのだが……。ちなみに俺も朝比奈さんもデュエルはやらずに長門VS鶴屋さんを見ている、まあSOS団の面々同士は毎日のようにやってるしな。 「私の先攻、ドロー。スタンバイフェイズ終了、メインフェイズに移行する。手札よりソーラーエクスチェンジを発動、ライトロード・ビースト ウォルフをコストにする。デッキから二枚カードをドロー、二枚墓地へ送る。」 ちなみに墓地へ落ちたのはライコウと奈落の落とし穴だ。まあ普通の落ちかただろう。 「ライトロード・パラディン ジェインを通常召喚。ターンエンド。エンドフェイズ、ライトロード・パラディン ジェインの誘発効果 デッキからカードを二枚墓地へ送る。」 うげ…、ライロぶんまわりだな全く。というか長門、そんなにモンスター名を正確に言わなくても大丈夫だぞ、大会じゃないんだしな。いや大会でもライロのモンスター名を毎回一字一句違わずに読むやつなんてそうそういない気がする。 「そう」 長門は僅かに首肯した。 「有希っ子らしいといえばらしいんだけどねっ!私のターンっさ!ドロー。サイバードラゴンを特殊召喚。ライオウを通常召喚。サイドラでジェインに攻撃にょろ。」 「ダメージステップ、ダメージ計算時」 あーオネストか。あそこまでポーカーフェイスでいられるとなんかすごいプレッシャーだな。 「でも鶴屋さんにはあんまり効果がないような気がします」 と朝比奈さん。まぁたしかにあの年中ハイテンションの鶴屋さんにはプレッシャーを感じることなどなさそうだ。 「とくになし。ジェインは破壊。」 ……ってブラフだったのか!長門が心理作戦を使うとは驚きだ。いったい誰から習ったんだ? 「朝倉涼子に聞いた」 納得。あいつは毎回重要どころでオネストを使ってきやがる。おかげでアルテミス攻撃表示でも迂闊に攻撃できやしない。やれやれ。 「ライオウで攻撃にょろ」 「攻撃をうける」 「カードを三枚伏せてターンエンドっさ!」 鶴屋さんのデッキはまだよくわからない。場にでてるカードだけだと朝倉のパーミッションとあんまり変わらんな。 「私のターン、ドロー。スタンバイ、メイン。手札よりおろかな埋葬を発動。ウォルフを墓地に送って誘発効果発動、特殊召喚する」 「特殊召喚にチェーン!奈落の落とし穴にょろ」 「ウォルフは除外。ルミナスを通常召喚、優先権行使、手札からガロスを捨てて墓地のウォルフを特殊召喚する。」 「スルーするっさ!」 「バトルフェイズ、ウォルフでライオウに攻撃する。」 「ターンエンド。ルミナスの誘発効果発動。デッキから三枚墓地へ送る。」 うーむ、奈落にライオウにサイドラか…。鶴屋さんのデッキはメタビートか?いかんせん汎用性が高すぎるカードばかりで全然分からん。朝比奈さんは鶴屋さんとやったことあるんですよね? 「はい何回もやりましたし、実はあのデッキもわたしがアドバイスして組んだんですよ?」 なんだってー、そういや朝比奈さんはSOS団の中で唯一の古参だったんだっけ。ん?なら朝比奈さんなら鶴屋さんのデッキを知ってるはずだ。 「朝比奈さ……」 「禁則事項です☆デュエルの勝敗が出てからの方が面白いですよ。」 うっ…朝比奈さんに考えを読まれるとは………普段はドジっ娘メイドでも、時々朝比奈さん(大)の片鱗が伺えるぜ。俺としてはいつまでも可愛らしくいてほしいのだが………いやそれはそれで将来が不安か。というか将来は既定事項か。あーもうわけがわからん。 「私のターンっ、ドロー!エアーマンを召喚っ!誘発効果でデッキからアナザーネオスをサーチっさ。バトルフェイズ!エアーマンでルミナスに攻撃っさ!」 「破壊される」 「カードを二枚伏せてターンエンドにょろ」 俺と朝比奈さんが話している間にもデュエルは進んでいた。そういやハルヒ達はどこいったんだろうな?午前はただ俺の家に来て妹と遊びつつデュエルしただけで終わったんだが、午後も似たり寄ったりか?それとも○ーガやアメ○リとかのカード屋を巡ったりとか、まあそんなとこだろう。黙ってれば普通に可愛いハルヒと谷口的美的ランクAA+の朝倉、悔しいが顔はいい古泉が店内に入ってきたら客はどんな反応をするのかね。 「私のターン、スタンバイ、メイン。ウォルフをリリースしてケルビムをアドヴァンス召喚。誘発効果、コストで墓地に4枚送る。対象はサイバードラゴンと伏せカード1枚。チェーンは?」 「あるにょろーん。効果にチェーンしてスキルドレインを発動。コストでライフを1000払うっさ!」 「バトルフェイズ、エアーマンに攻撃する」 「受けるよー」 「カードを1枚セットしてターンエンド」 「私のターンっ!手札から神獣王バルバロスを通常召喚さっ!バトルフェイズっ、ケルビムに攻撃っ」 ……鶴屋さんのデッキはスキドレバロスだったらしい。やれやれなんつう高額デッキだ。 「攻撃宣言時、罠カード光の召集を発動する。」 「あちゃ~これはやばそうにょろ」 スキドレ発動下でも何故か発動できるオネスト。長門や朝倉には悪いがやっぱやっかいだと思うのは俺だけだろうか。OCG化でこんなにも強力になったカードも他にはないだろうな。というかなんでいつも闇と光が優遇されるんだ!風属性のオネストを出せ、風属性を。 「オネストを手札より捨てて効果発動。ケルビムの攻撃力を3000上昇させる。バルバロスは破壊。」 「やられたにょろ~。ターンエンド!」 デッキ的には鶴屋さんのもオネストがいてもおかしくないんだが、どうやらいなかったようだ。 「…私のターン、ドロー。裁きの龍を特殊召喚。ジェインを通常召喚。バトルフェイズ、裁きでサイバードラゴンに攻撃。」 「攻撃宣言時に次元幽閉を発動っ!」 「裁きの龍は除外。ケルビムでサイバードラゴンに攻撃。」 「破壊にょろ。ジェインの攻撃も受けるっさ。」 「ターンエンド」 うーむ。鶴屋さんの状況はかなり厳しいな…。手札にはエアーマンでサーチしたアナザーネオスがあることはわかってるんだが、長門の場にはケルビムとジェインがいる。幽閉か聖バリ、ライボルをひけばなんとかなるってとこだろう。 「私のターン!ドロー!アナザーネオスを召喚っ!ジェインに攻撃!」 「ジェインは破壊。」 「カードを一枚伏せてターンエンドっ」 お、鶴屋さんカウンター罠をひいたのか? 「ブラフかもしれないですけどね…。一応アナザーネオスは光属性だし…オネストも警戒させられますね」 え?朝比奈さん、やっぱあのデッキにオネスト入ってるんですか? 「え?えーっと………禁則事項です☆」 ………多分入ってるんだろう。やれやれ。長門は攻撃してくるかな? 私のターン、ドロー。スタンバイ、メイン。バトルフェイズ…………………………………」 あれ、珍しく長門が長考している。一枚の伏せとアナザーネオスが光属性であることが攻撃を躊躇わせているのだろうか。まあ確かにこの攻撃の後ケルビムが除去されれば、スキルドレイン発動下ではかなり危険だ。バルバロスか死者蘇生で次のターン負けることもあり得るしな。 「……………ケルビムでアナザーネオスに攻撃する。宣言時何か?」 「ないよっ!」 「ダメージステップのダメージ計算時、優先権を放棄」 「こっちからはなんにもなしっさ!」 「アナザーネオスを撃破。ターンエンド。」 「鶴屋さんなんにもなかったみたいですね……」 朝比奈さんが俺の隣で呟いた。うーむこれはいったいどうなんだろうな。 「私のターン、ドローっ!私の負けにょろ。サレンダーっさ!」 「………了承する。」 サレンダーと共に鶴屋さんが手札と伏せを公開した。伏せはサイクロン。今ひいた手札は魔宮の賄賂、持っていたのはスキルドレインのようだ。やれやれ、伏せも全部ブラフだったってことか。 「なかなか楽しかったっさ!真剣勝負は面白いにょろ。」 鶴屋さんは負けたというのに相変わらずのハイテンションだ。鶴屋さんにとっては勝敗よりもデュエルすること自体が楽しいんだろうな。 「じゃあキョンくん。お待たせっさ!私と決闘!」 そういえば最初は俺とやるはずだったな。すっかり忘れてたぜ。 「………先にやらせてくれたことを感謝する」 席を変わろうとしたとき、長門が小さく言った。そんな大したことじゃないぜ。 「…………そう」 長門は僅かに頷くとカードが展示されているガラスケースの方へ向かった。 「こっちはいつでもいいよっ!」 見ると、鶴屋さんがデッキをディールして待っていた。よし、じゃあやりましょうか。じゃんけん、ほい。俺の先攻、ドロー! ………その後もしばらく鶴屋さんの家で遊んでいると、ハルヒの再集合の電話がかかってきたので(なんか機嫌が良さそうだった、なんでだろうな)俺と長門と朝比奈さんはいつもの駅前に向かった。ちなみに鶴屋さんとの決闘は俺の3勝2敗だった。ダルシムとデスカリが結構効いた。2敗のときはバルバロスとスキルドレインでこてんぱんにやられたけどな。 傾きかけた夕日に彩られた駅前にはハルヒと朝倉と古泉が既に待っていた。古泉があまり疲れた表情をしてないところを見るとそんなにあちこち振り回されたわけでもなさそうだな。よう古泉、そっちはどうだったんだ? 「フリー対戦会に参加しましてね。流石は涼宮さん、11勝4敗という素晴らしい成績でしたよ」 まあ剣闘獣だからそう簡単には負けんだろうな。ちなみに4敗のうち1つは朝倉らしい。パーミッション恐るべしだぜ。当のハルヒは朝倉や朝比奈さん、長門と談笑していたが、どうやら終わったらしい。 「本日のSOS団の活動はここまで!解散よ!」 腰に手をあてていつもの如く宣言し、俺達はそれぞれの帰路についた。長門は朝倉と、古泉と朝比奈さんは1人で、そして俺は……………ハルヒと二人でだ。たまたま駅前からの帰り道が一緒というだけなのだが、不思議探索の後ハルヒが上機嫌の時はいつもこうして帰っている。不機嫌の時はどうかって?触らぬ神に祟りなし、というか勝手にハルヒが帰ってしまうから必然的に別行動になる。ともあれ今日はフリー対戦会でボロ勝ちしたせいかえらく上機嫌だ。 「今日の大会楽しかったわよ」 ハルヒが言った。古泉から聞いたぜ、ボロ勝ちだったらしいな。 「あたしの剣闘獣がそう簡単に負ける分けないじゃない!……涼子には負けたけど」 らしいな。ちなみに朝倉や古泉の戦績はどうだったんだ? 「涼子は7勝5敗だったわ。『大寒波それ無理。』とか言ってたわね。古泉くんはボロボロだったけど、3勝はしてたわ。しかも商品で王宮の弾圧あてたのよ!すごいわよねー」 ハルヒは嬉々として言った。随分面白そうだったんだな。今度は俺も参加してみたいものだ。 「あったりまえじゃない!6人全員で参加してSOS団の名を天下に轟かすのよ!」 そんなこんなでハルヒと俺は帰り道を話ながら帰っていった。鶴屋さんが決闘できること、デッキはスキドレバロスであること、古泉だけなんであんなにデッキ構築が滅茶苦茶なのか、とかな。 ……ちなみに新パックはSOS団で箱買いが決定した。ダークダイブボンバーが当たることを期待するぜ。 END
https://w.atwiki.jp/syakotan/pages/16.html
クラン員blog Syakotan Club(チィール(チヒロ)blog) まゆりね(まゆめblog) yery × book Vol.2(花一匁blog) なにかあったときのためのメモ日記(SirokameBlog) 忘れ物は何処ですか(わすれものblog) 情報サイト リネージュ公式 リネージュ攻略通信 したらばリネージュ相場情報
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/852.html
今俺はハルヒを膝枕している。なんでかって?そりゃあ子供の我侭を 聞けないようじゃ大人とはいえないだろう?まあ俺はまだ自分を大人だとは 思っていないし、周りもそうは思っていないだろう。ただ、3歳児から見れば 俺だって十分すぎるほど大人なのさ。ああ、説明が足りなすぎるか。つまり こういうことだ。 ハルヒは3歳児になっていた。 ことの発端は10時間程前のことだ。休日の朝8時と言えば大半の人間が 「いつ起きてもいい」という人生でもトップクラスであろう幸せを感じつつ睡眠 という行為に励んでいると思う。俺ももちろんそうである。しかし、俺の幸せは 一人の女によってアインシュタインが四則演算を解くことよりもあっさりと瓦解 された。携帯電話がけたたましい音をあげる。携帯よ、今は朝なんだ。頼むから もう少し静かにしてくれ、という俺の願いは不幸にも全く叶えられることはなく、 俺は諦めて携帯に手を伸ばした。溜息をつきながら液晶を見ると思ってたとお りの名前がそこに映し出されていた。言うまでもなくハルヒである。 「キョン!出るのが遅いわよ!」 さすがハルヒだ。休日の朝だというのにこのテンションである。しかも怒っている。 「ああ、すまない。寝てたんだ」 謝る必要性は全くないが、一応謝っておく。こうした方がこいつも大人しくなるだろう。 俺も大人になったもんだ、などと考えているとハルヒが言葉を続けていた。 「まあいいわ、それよりキョン。今日寒いと思わない?」 比較的早く怒りがおさまった--もともと怒ってなどいなかったのかもしれないが--ハルヒが そんなことを言う。 「ああ、そりゃもう12月だからな」 寒くもなるってもんさ。と言ってからもう12月なのかと考える。あと4ヶ月で朝比奈さんが 卒業か・・・あの天使に会えなくなると思うと心を通り越して心臓が直接張り裂けそうだ。 ていうか先月の初めもこんなこと考えてたよな。いや、先々月も考えていた気がする。 「・・・ということで、皆でコタツを買うことになったから・・って聞いてんの!キョン!」 ああ、まずい聞いてなかった。また怒っていらっしゃる。ここは適当に流しておいた方がいいだろう。 「いや、ちゃんと聞いてたぞ。皆でコタツを買いに行くんだろ?で?それをどこに置くんだ?」 「だから有希の家に持ってって皆でぬくぬくするって言ったじゃない。やっぱり聞いてなかったようね。 団員としての自覚が足りないわよ。キョン」 いや、もう十分すぎるくらい自覚はあるわけなんだが・・・。まあハルヒから見ればまだまだ足りないの だろう。そんなことより、今回のハルヒの提案が大して迷惑なものではなかったことに俺は安心して いた。皆でコタツを買って長門の家で暖まろうというだけである。素敵とも思える提案だ。 「すまん。これから精進する。で?何時集合だ?」 「駅前に9時よ。即行で準備しなさい。じゃあね」 と言いこちらの返事も待たずにハルヒは電話を切った。相変わらずである。結局行くんだけどな。 俺に選択肢なんて始めからないのだ。 集合場所に着くと俺以外の面々は当然のように揃っていた。やれやれ、休日だというのに ご苦労なこった。 「おはようございます。キョン君」 おはようございます。朝比奈さん。相変わらず反則的に可愛らしいですね。あなたに会えた だけでも今日ここに来た意味があるというものです。などと俺が至福を味わっていると、 「遅いわよキョン!罰として買ったコタツはあんたが運びなさい!」 俺に指をさしながらそう言うと、ハルヒは近くの電気店の方にスタスタと歩き始めた。ハルヒよ、 お前は遅れなくてもどうせ俺に運ばせる気だったろうが。 「僕も手伝いますよ」 と、いつのまにか隣に来ていた古泉が相変わらずのさわやかな笑顔で話しかけてくる。 「ああ、すまんがそうしてもらえると助かる」 いえいえ、と言う古泉に、 「そういや最近閉鎖空間はどうなってんだ?」 ふと思ったことを聞いてみる。 「閉鎖空間ですか?全くと言っていいほど現れていませんよ。一番近いので3ヶ月前です。 これは今までの最長記録です」 なるほど、あいつもかなり落ち着いてきたんだな。3ヶ月前は何で発生したんだ?何かあった のか? 「いえ、時間帯的に単なる悪夢でしょう。ふふ・・・心配ですか?涼宮さんが」 ニヤニヤしながらこちらを見る。うるせえな、ただ気になっただけだ。そんなくだらない嘘をついた 小学生を見るような目でこっちを見るな。 「やれやれ、あなたもそろそろ素直になった方がいいですよ?」 うるせえよ。そんなことより、 「長門」 俺に呼ばれて長門はいつもの無表情をこちらに向けた。 「お前コタツなんか部屋にあったら邪魔なんじゃねえのか?なんなら俺が持って帰ろうか?」 俺も部屋にコタツなんてあったら邪魔で仕方ないが、長門にだけ迷惑をかけるわけにも いかんだろう。 「・・・大丈夫」 そこで一拍置き、 「どうにでもなる」 と、長門は続けた。そうか、まあ長門のことだ。使わないときはコタツをコンパクトにするだとか、 そういう反則的なことも出来るのだろう。だったら、長門のマンションに置いておいた方がよさそうだ。 「そうか、悪いな」 「・・・いい」 そんなことを話しているうちに俺たちは電気店に着いていた。ハルヒにいたってはもう中に入って いるようで、入り口からでは姿が見えない。 「どうする?探すか?」 「いえ、その必要はないでしょう。なぜなら・・・」 「みんなー!集合よ!いいのを見つけたわ!」 見ればハルヒが電気家具売り場の方からこちらを呼んでいる。 「なるほどね」 「そういうことです」 結果的に言えば、ハルヒの選んだそれは当たりだった。値段の割にはデザインも可愛らしいし --朝比奈さんも満足気だったしな--、大きさも5人が入っても問題のなさそうなものだ った。もともとハルヒは物を選ぶセンスなどは抜群なのだ。 問題はこれを俺と古泉だけでどう運ぶのかということだったが、これは長門の力によって あっさりと解決された。長門が買ったコタツに目を向けながらなにやらぼそぼそと言うと コタツの重みが一切なくなったのである。このような光景--というか、現象というか--を 見ると、俺の周りは非現実的なもんで溢れかえっているんだなと改めて実感する。いや、 もちろんそれが嫌ってわけじゃない。むしろ楽しいと思っているほどだ。 さて、こうなってしまうと朝比奈さんでも片手で運べてしまうのだが、ハルヒの手前まさかそんな ことをするわけにもいかず、俺と古泉はわざわざ「重いものを持っています」といった表情で コタツを運ぶことになった。途中何度か、 「大丈夫?あたしも手伝ってあげようか?」 などと普段見せない優しさを見せんでもいい時に見せるハルヒの提案を、俺と古泉が笑顔で かわすという行為を繰り返しているうちに俺たちは長門のマンションに到着した。 「さあキョン!組み立てなさい!」 「へいへい」 と溜息をつきながら俺はダンボールを開け始めた。こんな扱いを受けているというのに なんでだろうね?全くいらつかないのだ。これが慣れというやつだろうか。だとしたら、 この習性は治したほうがいいのではないだろうか。などと思案している間に古泉の 手伝いもあってか、あっさりとコタツは完成した。まあ、元々組み立てるのが難しいもの でもないしな。 「よし!じゃあ有希!あれ出して」 「わかった」 と、言いながら長門は台所に向かってスタスタと歩いていった。そして数十秒で戻ってくる。 両手には大量のみかんとスナックが抱えられていた。 「おいおい、随分準備がいいな」 「まあね皆には昨日のうちに言っておいたから」 だったら俺にも言っといてくれ。その方が心の準備が出来るってもんだ。 「だって、あんたどうせ暇でしょ?だったら当日に言えば済む話じゃない」 クソ、反論できないのが歯がゆい。ハルヒの言うとおり俺の休日にSOS団がらみ以外 の予定が入ることはほとんどないからだ。谷口や国木田も、 「キョンは休日も涼宮さんと一緒なんでしょ?」 と、誤解を招きそうなことを言ってきたりで、休日に俺を誘うということもない。つまりだ、 俺の休日に予定がないのはハルヒのせいでもあるわけだ。そんなことを知ってか知らずか、 ハルヒはもぞもぞとコタツに体を押し込めながら長門がテーブルに置いたみかんに手を伸ば している。見れば俺以外はもうコタツに入っている。朝比奈さんに至っては、 「暖かいです~」 と、幸せに浸っている。となるとだ、まあここはハルヒの隣に座るのが自然だろう。いや、別に 他意はないぜ?一番近いからそこに座るだけだ。それにハルヒの隣ということを考えなければ ベストポジションだ。なんたって真正面を見れば女神が居るからな。ちなみに長門は俺から見て 右、古泉は左の位置に居る。 「ちょっと!なんであんたがあたしの隣に座るのよ!」 近かったからだ。わざわざ遠回りするのも面倒だろ。 「まあいいわ・・・。結構大きいしね、このコタツ。それにしても暖かいわね」 そうだな。たまにはこういうのもいいよな。 「幸せです~」 と朝比奈さん。本当に幸せそうだ。あなたを見てるとこっちも幸せになってきますよ。 「そうですね。たまにはこんな日があってもいいでしょう」 古泉は俺と全く同じことを考えていたようだ。やめてくれ、微妙に気持ち悪い。 「・・・ぬくぬく」 見れば長門も上機嫌そうである。もうみかんの皮が6枚ほど長門の前に転がっている。 相変わらず素晴らしい食欲だ。 「むう・・・。でもこのまま何もしないのもつまんないわね」 そうか?俺は今日はこのままぼんやりしていたいがね。 「そんなじじくさいこと言ってると早く老けちゃうわよ?」 縁起でもないことを言うな。それにお前も子供じゃないんだから、落ち着けよ。 「ふん。童心をいつまでも持つことは大事なのよ。ね?古泉君」 「ええ、僕もそう思います」 お前は黙っていろ。このイエスマンめ。 「ああ、子供といえば。あんた子供に人気あるわよね?」 ハルヒはあっさりと話を変えた。割とどうでも良かったらしい。しかし、そうは思わんがね。 人気があるといっても。すぐに思い浮かぶのは妹とミヨキチくらいなもんだ。 「ええ~、でもあたしもキョン君は子供に好かれるイメージがありますよ?」 と、朝比奈さんが言う。朝比奈さんがそう言うならそうなのかもしれんと、俺のy=xのグラフ よりも単純にできている脳は勝手に結論を出そうとしていた。 「ね?やっぱりそうよね。じゃあさ、キョン。あんたも子供が好きなの?」 なぜそうなる。 「だってやっぱり好きなものには好かれるじゃない」 「そういうもんか?」 「そういうもんよ」 「まあ、少なくとも嫌いではないな。妹も、特に3歳ぐらいのころはホントに可愛かったな」 言いながら、その時の情景を思い出す。 「ふふ」 「どうかしましたか?朝比奈さん」 「いえ・・・。きっといいお兄さんだったんだろうなあと思いまして。目に浮かびます」 もちろん今もいいお兄さんですけどね。と、朝比奈さんは付け加えた。 「あたしもそれに関しては同感ね」 おお、ハルヒに褒められるとは。これ以上光栄なことはないね。 「もうすこし感情を込めなさい。感情を」 「ばれたか」 「当たり前でしょ?ふわぁ~。なんか喋ってたら眠くなっちゃった」 「あたしもです~」 と、朝比奈さんもハルヒのあくびがうつったのか小さなあくびをした。 「眠っちゃいましょう。もう二人寝てるし、あたし達だけ起きてても仕方ないわ」 言われてからそういえば長門と古泉が全く話に参加していなかったことに気づいた -いや長門に関してはいつものことだし、古泉も一度適当な相槌を打っていた気はするが-、 半立ちになりながらコタツの左右を覗き込むと本当に二人とも寝ているようだ。二人の 寝顔を見ながら、俺はなんだか安心してしまった。この二人はSOS団のことを信頼しきっている のだ。だからこんなにぐっすり眠れるのだろう。そう思うと嬉しいというか喜ばしいというか、そんな 気分になる。 「あんたは寝ないの?」 「いや、俺はいいや」 大体二人で横になったらどっちみち俺は寝れねえよ。などという俺の思考はハルヒには届かないだろう。 「ふ~ん、じゃあみくるちゃんも寝ちゃったみたいだし。あたしも寝るわね」 正面を見ると、女神の姿が見当たらない。おそらくハルヒの言うとおり、お眠りになってしまわれたの だろう。 「お菓子、一人で全部食べちゃダメよ?」 食べねえよ。ていうか無理だ。俺はお前や長門のような何回拡張パックをダウンロードしたかわからない ような胃は持ち合わせちゃいない。 「じゃあ、おやすみ」 ハルヒはそう言いながら寝転がる。 「ああ、おやすみ」 俺はその後、何十分かはわからないが。結構長い時間ぼんやりとしていた。ただ、俺も眠かったのだろう。 頭をコタツのテーブルに突っ伏すとそのまま眠りについてしまった。今日は本当にいい日だ。おそらく面倒事も 起こらない。さっきも言ったが、こんな日があってもいい。 だが、俺のそんな思いは目覚めとともにあっさりと否定された。 「・・・起きて」 静かな、しかしどこか強制力のある声が耳元からする。 「・・・起きて」 二度目のその言葉で俺は目を覚ました。目の前に見慣れた無表情がある。長門だ。 「ああ、長門か今何時だ」 「13時」 そうか、まだ1時間しか経ってないじゃないか。だったらもう少し寝させて・・・、 「キョン!起きたのね!キョンもトランプしましょ!」 いつもの11倍ぐらい目を輝かせながらハルヒはコタツの向こう側からこちらを見ている。 しかもなぜか朝比奈さんの背中に抱きつきながら-いわゆる強制おんぶ状態だ-だ。 「おいおいなんだ?とんでもないテンションだな」 「聞いて」 長門が話しかけてくる。長門がこんなにも自ら口を開くことははっきり言って珍しいことだった。 だから、俺はなんとなく嫌な予感はしていたんだ。 「なんだ、どんな厄介ごとだ?」 「・・・おそらく涼宮ハルヒの精神は14年ほど退行している」 見ればハルヒがターゲットを朝比奈さんから、長門に変えている。長門はハルヒに背中から抱きつかれながら 無表情でそんなことを言っている。なんてシュールな絵なんだ。そしていつもながらとんでもない話だ。 「あ~、精神だけか?」 「・・・そう」 そりゃあ厄介だ。 「そう。厄介です」 と、古泉がそれに反応した。 「見た目も退行してくれていれば、もう少しやりやすかったのですが」 「ふふ・・・さっき古泉さん、涼宮さんに抱きつかれて慌ててましたもんね?」 朝比奈さんがそんなことを言う。 「いえいえ、そんなに睨まないでください。不可抗力ですよ」 古泉はパタパタと両手を振る。別に睨んでなどいない、まあ不可抗力なんだしな。 仕方のないことだ。若干もやもやするがそれは気のせいだ。 「長門よ、そのこうなった・・・」 原因は?と尋ねようとして俺はやめた。なんとなく推測出来るし、多分俺のせいだろう。 だったらそんなことをわざわざ聞く必要はない。 「いや、これは何時ごろ治るんだ?」 ハルヒは長門に抱きつきながらびょんびょん跳ねているため、長門の顔は無表情のままがくがく 揺れている。ハルヒ、やめなさい。長門の頭が取れかねん。 「確定は不可能。ただ長い時間はかからない」 そうなのか? 「・・・そんな気がする」 なるほど、それが長門の意見か。今は長門が意見を言うということもそこまで珍しいということでもない。 「僕もそう思いますよ。これは一時的なものでしょう。まあ、多少厄介ですが。みんなで遊んであげれば、 自然と元に戻るはずです」 「ああ、俺もそんな気がする」 「ただ、トリガーというかキーというか。そういうものがある可能性は否めませんが、それもおそらくは簡単に 見つかるでしょう」 言いながら、こちらを見る。期待していますよと言わんばかりだ。やれやれ、また俺が握っているのか? そのキーとやらを。 「じゃあ、今日は皆で涼宮さんと遊びましょう!ね、涼宮さん」 「うん!」 と、ハルヒが朝比奈さんの問いかけに対して明るく可愛く答えている。今のハルヒに母性本能がくすぐら れているのだろうか。朝比奈さんもまんざらでもなさそうだ。 「じゃあ、キョン!トランプ!」 太陽の笑顔をこちらに向けてトランプを手渡してくるハルヒに対して俺は、 「へいへい」 と、命令に従いトランプをシャカシャカと切り始めた。結局ハルヒの精神が幼児化したところで、俺の ポジションが変わることはないのだ。 「あ!でもトイレ行きたい。キョン!ハルヒが帰ってくるまでに配っててね!」 そう言いながらトイレの方に歩いていった。どうやら記憶はあるらしい。そりゃそうか、俺の名前も覚えてる しな。あとこの頃のハルヒは自分のことを名前で呼んでたんだな、可愛らしいこった。 「みなさん、提案があります」 と、古泉がなにやら喋りだした。 「これから多分数多くのゲームをすることになると思うのですが・・・」 そりゃそうだ、なんたって身体はそのままだからな。体力はものすごいだろう。 「ええ、ですが。そのゲームにおいてですね、涼宮さんを最下位にさせるということは出来るだけ 避けたいんです」 ああ、なるほどね。俺は古泉の言いたいことを瞬時に理解した。ほかの二人もそうだろう。 「確かにな、そんなことになったらもっと厄介なことになりそうだ」 「ええ、ただ彼女は勘がいいですからね。手加減しているのを聡られないようにしなければ いけません」 そうだな、しかしまあ骨の折れる作業だ。 「仕方ありません。それに、こういうのも楽しいでしょう。僕は嫌いじゃないですよ」 確かに退屈はしなそうだな。その時、とたとたと足音が聞こえた。どうやらハルヒが帰ってきた ようだ。 「あ!配っててくれたんだ!ありがとうキョン!」 と、俺にいつもより数割増しの笑顔を向ける。おいおい、勘弁してくれ。素直なハルヒなんて 俺の想像の範囲内には居ないんだ。俺が混乱しつつある頭を何とか正常に戻そうとしている と、あろうことかハルヒはその混乱を増幅させる行為をとりやがった。すなわち、俺の脚の間に ドスンと座ったのである。そりゃあもう堂々と、それが当たり前のように。 「おい、何をしている」 「キョン!イス代わりになって~」 ああ、うんそういうことか。でもな、朝比奈さんでもいいじゃないか。 「う~んそれでもいいんだけどさ、みくるちゃんちっちゃいんだもん」 と、言いながらこちらを見上げる。顔が近いよ、顔が。それと髪からものすごくいい匂いがする。 これはまずい、どう考えてもまずい。 「いや、でもな・・・その・・人をイス代わりにするのはあまりいいことじゃないぞ?」 俺は何とか平静を保ちながら-これは奇跡的なことだ、自分の精神力に感服するね-、 ハルヒに言い聞かす。だが、 「うう・・・キョンはいや?」 と、ハルヒに潤んだ瞳で見上げられれば「嫌だ」などと言えるわけがない。 「ええとだな・・・その・・・」 「わかった・・・。じゃあ古泉くんのところに・」 「ハルヒ!」 「ふぇ?」 「嫌じゃないぞ、全然嫌じゃない。だからここに居なさい」 もちろんこれは古泉の為だ。さっきも大分困ってたみたいだからな、そうだお前の為なんだ。 だから古泉よ、そんなニヤニヤ顔でこっちを見るな。朝比奈さんもそんなに優しい目でこちら を見ないでください。 「え・・・?うん!ありがとう、キョン!」 そう言いながら思いっきり抱きついてくる。いや、だからそういうのはまずいと言ってるだろうに。 「あ~、ハルヒよ。前を向いた方がいいぞ。トランプがしづらいからな」 「あ、うん。ごめんね」 と、素直に前を向く。かくしてようやくトランプまでこぎつけた。これからおそらく何時間も遊ぶのだ。 それが終わる頃には俺はもしかしたら、死ぬんじゃないだろうか?そんなことを俺は本気で考えて いた。 結論から言うと俺は何とか死なずにすんだ。勝因はなんといっても、 「キョンの身体かたーい」 と、言いながら朝比奈さんの方にハルヒが途中で移動してくれたことだ。それでも移動するまでは トランプのババ抜きをしている時にハルヒが最初にあがると嬉しさのあまり俺に抱きついたり、先ほども 述べたのだがハルヒからやたらいい匂いがしたりと、俺のHPはもはや限界まですり減らされていた。 途中で朝比奈さんの方に行ってくれなかったら、間違いなく命はなかっただろう。その時に若干喪失感 みたいなものを味わったが、まあそれも気のせいに違いない。 それと、古泉の言っていた懸案事項も全く問題にならなかった。なぜって?そりゃあハルヒが 何をやらしても強かったからさ。元々3歳の割には語彙が多いなとかは思っていたが、頭の 回転の良さも昔からだったらしい。結局手加減どころか本気をだしても俺達がハルヒにかなうこと はなく、終始1位と2位をハルヒと長門が取り合うという形でゲームは行われていった。ただ、途中 人生ゲームをする時は朝比奈さんに漢字や意味を聞きながらうんうんうなづいてプレイしていたから 4位になっちまったけどな。ちなみに最下位は古泉だ。もちろん、手加減などしていなかったが。 そうして楽しかった時間はあっという間に過ぎ、ハルヒの、 「ねむ~い」 の一言で4時間にも及んだゲーム大会は終わりを告げ、俺以外の4人はあっさりと眠りについて しまった。ちなみにハルヒはといえばコタツには入らず、俺に膝枕をさせながら毛布をかけて眠りこけ ている。 ここでようやく冒頭に戻る。俺はなんとなくハルヒの頭をなでていた。なあハルヒよ?楽しかったか? 今度起きたら元に戻っていてくれよ?子供のお前も好きだけど、俺はやっぱり・・・。俺がありえない 程恥ずかしいことを考えているとパチッとハルヒが目を開けた。ばっちり俺と目が合う。 「ハ・・・ハルヒ・・・?」 「ねえキョン・・・」 「うん?」 「キョンはハルヒのこと好き?」 え~とだな、このハルヒは子供の方のハルヒだよな?ああ、間違いないだろう。自分のこと「ハルヒ」 って言ってるしな。じゃあ、大丈夫だ。嘘をつく必要もない。ハルヒの頭をなでつけながら俺は出来る だけ優しい声で言った。 「ああ・・・好きだよ」 「ホント?」 「本当だ」 「元に戻っても?」 おいおい、こいつわかってやってんのか?いや、まあ大丈夫だろう。ハルヒはこれを夢と処理するはずだ。 「ああ・・・元に戻ってもだ」 「ふふ、ありがとうキョン」 と、ハルヒは更に言葉を続けた。 「あたしも・・・好きよ」 !!驚いてハルヒの方を見るが、ハルヒはもう眠ってしまっていた。いや、さすがにこの早さで寝るのは ガリレオ・ガリレイが天動説を唱えるくらいありえない。俺はおそるおそるハルヒの頬をつねってみるが、 何の反応もない。本当に眠ってしまったようだ。 「ふう」 俺はしばらく考えてから寝てしまうことにした。考え事なんてもともと俺の性分じゃないんだ。そんなもの は古泉あたりにまかせておけばいい。俺はそう決めてかかると、眠りの世界に身を委ねた。 起きると、周りにはもう朝比奈さんと古泉の姿はなかった。右の方を見ると長門がみかんをパクついて いる。お前、それ何個目だよ。 「長門、みんなは?」 「もう帰った。あなたたちもそろそろ帰った方がいい」 そうか、言われて時計を見れば確かにもう結構な時間である。これは帰った方がよさそうだ。 「ハルヒ、帰るぞ」 「ん・・・ううん」 そういいながらもそもそと起き上がる。 「え!うそ!もうこんな時間?どうして起こしてくれなかったのよ!」 どうやらもとのハルヒに戻っているようだ。なんとなくわかってたけどな、だからみんなも帰ったんだろう。 それよりお前はばっちり起きてたし、誰よりもはしゃいでいたぞ。 「いや、俺たちは全力でお前を起こそうとしたがどうしてもお前が起きなかったんだ」 「ホント?有希?」 「本当」 と、長門はゆっくり頷いた。 「そっか・・・」 なんだか少し寂しそうだ。 「すまん・・・無理矢理にでも起こせばよかったか?」 「ううん、いいのよ。ありがとね」 おいおい、元に戻っても素直なまんまか。勘弁してくれ。 「なあに変な顔してんのよ」 「いや、なんでもない」 そう言いながら、帰る準備を進める。さて、 「じゃあ、帰るか」 「そうね」 「じゃあな、長門。いろいろありがとな」 「いい」 「バイバイ有希、また来るからね」 「・・・わかった」 長門がゆっくり頷くのを確認してから俺たちはマンションのドアを閉めた。 帰り道、ハルヒがこんなことを言い出した。 「ねえキョン」 「なんだ」 「あたしね・・・変な夢を見たの」 やっぱりきたか、でもなハルヒそれは夢じゃないんだぜ。 「どんな夢だったんだ?」 なんとなく聞いてみたが、おおよそハルヒの回答は予想がついた。なんたってみんなに 甘えたおした挙句、最後には俺にあんなことを言われたんだ。ハルヒにとっては悪夢 以外の何物でもないはずだ。 「それがね」 と、ハルヒはこちらに顔を向けながら続ける。そして笑顔で顔を輝かせ、 「すっごくいい夢だったのよ!」 と、言ってのけた。おいおい、待ってくれその反応は反則だ。クソ、顔が熱い。ハルヒの 方を見れん。 「ちょっと、何で顔をそらすのよ。ていうか顔赤いわよ?キョン」 夜でもわかるくらい俺の顔は赤いのか、恥ずかしい話だ。仕方ない、喋ってごまかそう。 「あ~、ハルヒよ。俺も変な夢を見たんだ」 「へ~、どんな夢よ?」 「それがな」 俺は言葉を続ける。 「ものすごくいい夢だったんだ」 なぜか、ハルヒの顔が朱に染まった。 fin
https://w.atwiki.jp/naruhodovip/
vip成歩堂法律事務所 20xx年、VIP犯罪の増加に対応して、政府は新たな司法システム「VIP序番裁判」を導入した。 「VIP序番裁判」とは、弁護士と検事の直接対決で、わずか小一時間程度で判決を下す制度である。 たまたまスレを覗いた依頼人にかけられている疑惑を即興の《自演裁判》で議論し真相を追究する! 最後に傍聴していたビッパー達が依頼した被告人に下すのは"有罪"か"無罪"か…!?チラ裏裁判が始まる! -=ニェ=ィァ___ ≦d ・∀・) |ナルホド|__/ y lア_______|異議有りっ! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ vip成歩堂法律事務所とは 2ちゃんねるのvipでナルホドくんが暇な時に立てるスレ。 強烈な自演スレとなっている。 最近疑われる様な事件を起こした暇なVIPPERがナルホドくんに弁護を依頼し法廷が開かれる。 裁判の特徴 とにかく即興で行われる自演裁判となるので7割程の確立でgdgdになる。 裁判の時間は小一時間を目安として行われる。 基本的に 弁護士「ナルホドくん」検事「ミツルギくん」裁判長「サイバンチョ」で進行する。 他のキャラを使用し裁判への突然乱入も大歓迎のようだ。 君もここからAAをGETして参加しよう! http //gyakutenvip.nengu.jp/ http //www.geocities.jp/gyakutenvip/ (※いつも逆裁キャラでの乱入、煽り感謝してます。そのお陰でより"逆転裁判"ぽく演出されてます!) ■ 事務所の留守番電話 ■ 「…発信音の後に適当になんでもコメントすればいいんじゃないかしら?(byチヒロ) …ピー」 チヒロさんのおっぱいはおっきい -- 2012-02-18 14 33 09 異議なし! -- 2012-02-23 11 03 30 まだー? -- 2012-02-23 15 02 35 コメント すべてのコメントを見る .