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恐怖のサンタ 悪魔の囁き&コークロア編 15 ――――四月。 各地で新生活の始まる今月の初旬は、どこも忙しいものらしい。 この学校町もその例外ではなく、うちのアパートの空き室にも、何人か新しく入居者が越してきていた。 こんな都市伝説がうようよしている町によく越してくるものだ。 越してきている当人の事情は千差万別なのだろうが、少なくとも俺ならこの町を選ぼうとは思わない。 ……都市伝説退治なんて奇怪な職を生業にしている俺が思うべきことではないのかもしれないけれど。 とにかく、今は何かとこの町に不慣れな人間が多くなる。 それはつまり、この町の地理に詳しくない人間が増える事を意味するわけで。 「………………」 「――――えぐ、うぐっ」 今俺の目の前で泣いている迷子らしき少女もまた、そんな被害者なのかもしれなかった。 ********************************************* 「ええと、その、なんだ。……どうした?」 「えぐっ、うっ……」 内心びびりまくりながら少女に尋ねてみるも、返答は泣きじゃくる声のみ。 幸い平日の、それもまだ昼にもなっていないような時間だからか、周囲に人影はない。 もし仮に第三者がこの光景を見た場合、俺がこの少女を泣かせているように見える事請け負いである。 「泣いてても分からないだろ。えっとほら、どこから来たとか、どこでお母さんとはぐれたとか」 「うぐっ……えうっ……」 ……迷子の子猫を前にした犬のお巡りさんはこんな気持ちだったのだろうか。 外見から推察するに五歳くらいの年齢であろう少女は、先程から一言もまともな言葉を発していない。 やり辛い所の話ではない。正直な話、俺の方も泣きそうである。 「(イイジャネェカ。見捨テチマエヨ)」 駄目押しとばかりに、脳に俺以外の声が直接響いてくる。 普通の感性を持つ人間なら跳び上がりそうなそれは、別にテレパシストが俺に語りかけているわけでも、漫画なんかで見られる俺の分身である悪魔が語りかけているわけでもない。 「(誰カガソノ内何トカスンダロォ? テメェガ立チ去ッテモ誰モ文句ナンカ言ワネェッテ)」 そう俺を怠惰な方向へと引きずり込もうとしてくるのは、デビ田。 今学校町を騒がせている「悪魔の囁き」という都市伝説の一個体である。 俺を堕落させ、支配するはずが失敗。現在は「悪魔の囁き」の大元から役立たずの烙印を押され、いつ消されるかとびくびくしながら俺の中で生活をしている。 「(泣いてる迷子を見捨てるわけにもいかないだろ、常識的に考えて)」 「(ハッ! ンナ『常識』ノセイデテメェノ家ハ都市伝説ダラケジャネェカ、イイ加減学ビヤガレ、へたれガ)」 「(はいはい。どうせ俺はお人よしですよー)」 どうしたものかと考えながら、適当にデビ田をあしらう。 デビ田が俺の中に巣食ってから数週間。 不本意ではあるのだが、この毒舌にも大分慣れてしまった。 「……けど、どうすっかなぁ」 「えう、うぐっ……」 見捨てはしない。そう考えた後ではあるのだが、解決策が一個も思い浮かばない。 手がない訳ではない。 一応、俺は都市伝説の契約者である。 その気になればこの少女の記憶を読み取って、それを元に親御さんを探す事も出来る。 それをためらってしまうのは、やはりまだ俺の中に「倫理観」が残っているせいか。 いや、捨てるつもりは全くないのだから、それで全然構わないのだけれど。 「……うぐっ、ぐすっ……」 「あー、えっと、んー……」 泣きじゃくる少女と困惑する俺。 そんな光景はしばらくの間続いた。 【終】 前ページ次ページ連載 - 恐怖のサンタ
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「戦う漫画家達」 中央高校、漫画研究部の部員の一部は、歩きながら漫画のネタを探している 「貴様等ッッ! 何か良いネタは見つかったか?」 独特の立ち方と独特な台詞回しそう言うのは部長の新希浩彦(あらきひろひこ)。好きな漫画はジョジョの奇妙な冒険、である 「私は、まらみちゅかってにゃいぃわ」 呂律の回らない喋り方で答える彼女は部員の御佐倉 南乞(みさくら なんこつ)。好きな属性はふ●なりである(しかし作者がふ●なりに全く興味がない、というか寧ろ苦手な上、エロを書く気が全くないため、この設定が生かされることはないだろう。この学園では設定なんてなんの意味も持たない) 「相変わらず呂律が回ってナイナイナイアガラね…」 綾乃ギャグでツッコむ彼女は七森海月(なもりみつき)。好きな漫画はゆるゆり、そして本人もレズビアンである 「俺も見つかってないわ。つーか漫画描くのめんどくさい。いや寧ろ生きていくのがめんどくさい。チーズ蒸しパンになりたい」 ダルそうにぼやく彼は宙智栄昭(そらちひであき)。好きな漫画は銀魂である。甘いものとマヨネーズと辛い物が好きな生活習慣病予備軍である 「僕もまだ見つかってないよ。何か見つかるといいけど」 冷静に言う彼は大庭洋(おおばひろし)。好きな漫画はDEATHNOTEと、とっても!ラッキーマンである 「ティヒヒ、わたしもまだ見つかってないですよー」 不思議な笑い方で言う小柄な彼女は碧城優女(あおきうめ)。好きな漫画はひだまりスケッチ、好きなアニメはまどか☆マギカである 「だけどオラワクワクしてきたぞ! どんな面白ぇネタが見つかるのか!」 やけにテンションが高い彼は酉岾彰(とりやまあきら)。副部長で、好きな漫画はドラゴンボールとドクタースランプアラレちゃんである 優女「きゃあ!?」 突然優女が何者かに襲われた。赤い毛布に包まった怪しい男だ。その男の毛布に優女が包まれた 南乞「うめひゃぁん!」 しかしそんな南乞の叫びも遅く、優女は魔界に連れ去られてしまった ―魔界― 『ケケケケケケ! これでまた俺のコレクションが一つ増えた…。さぁ、俺の玩具にしてやるよ』 優女「こんなのってないよ…あんまりだよ…」 『じゃあ先ずは大人しく喰らっとけ』 そういって、どこからか取り出した刃物を投げる『赤い毛布』 優女「っ…え、えいっ!」 突然、優女の体が麺のようなもの…焼きビーフンに変わって散らばり、刃物を全てかわしてしまった 『チッ…! てめぇ契約者か…!』 優女「うん。そうだよ。『蒼樹うめの主成分は焼きビーフン』っていうの」 『くそ…だが! レッドフレイム!』 何故か『赤い毛布』の手から炎が飛び出し、優女を襲う 優女「きゃ…! うぅ…熱いよ…」 『ここは魔界だ。そして俺はここの主だ。俺は! 俺が許可した人物だけは! この世界で魔法が使えんだよ!』 ―現世― 浩彦「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 『俺は赤い毛布に包まった怪しい男を見た思ったらいきなり碧城が消えていた』 な…何を言っているのかわからねーと思うが俺も何が起きたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」 洋「まぁ、恐らく『赤い毛布』って都市伝説で、その能力で魔界に連れ去ったんだと思うけど」 彰「それならオラに任せてくれ! オラの契約都市伝説『鳥山ロード』。オラとオラの許可したものだけが通れる目的地までの道を作り出せるからな!」 『鳥山ロード』。漫画家、鳥山明は愛知から空港で出版社と原稿のやり取りをしていたわけだが、その空港への往復が不便だったため、上京を考えていた。 しかし、巨額納税者である鳥山が愛知から離れるのは困るため、とある自治団体が鳥山の自宅から空港へ直結する専用の道路を作った…そんな都市伝説である 栄昭「んじゃどうするよ。無論優女は助けるとして、あの『赤い毛布』のヤローは?」 南乞「もちろん私達のぉおお優女ひゃぁんをしゃらったんらもん。ボコボコにしゅるのぉおおよお゛お゛お゛ぉ」 海月「ちょっと何言ってるのか分からナイナイナイアガラよ…。でも決まってるわ。みつき達の仲間を傷つけた奴は一人残らず――」 海月「――罰金バッキンガムよ」 ―魔界― 優女「…でも。魔法が使えるのは貴方だけじゃないんだよ。マミさん!」 「ティロ・フィナーレ!」 優女が叫ぶと、どこからか中学生にしては胸の大きい、金髪ツインドリルの少女が現れ、『赤い毛布』をリボンで縛って巨大なマスケット銃で撃った 『かはっ…なんだ!?』 優女「ティヒヒ、知らないの?『見滝原町のモデルは群馬県』なんだよ? 」 『見滝原町のモデルは群馬県』。まど☆マギの舞台、見滝原町は現実の群馬県がモデルである、という都市伝説。 これにより優女は、まどマギに登場する魔法少女や魔女を、最大で5人まで召喚することができるのだ。しかし、ワルプルギスの夜とクリームヒルトはそれ1体までしか召喚できず、ワルプルギスは2週間に1回、クリームヒルトは1ヶ月に1回しか召喚できない。 また、女神まどかは召喚すると、戦った後酷い頭痛と疲労と筋肉痛に襲われ、2週間は寝込んでしまう。しかも、2ヶ月に1回、一人しか召喚できない。また、自分が魔法少女になることもできる 『ぐ…毛布のお陰で痛くはねぇ…。痛くはねぇけど許さねぇ! 来い!』 『赤い毛布』が叫ぶと、どこからともなく沢山の魔物がやってきて…優女に襲い掛かった 優女「っ! ほむらちゃん! 杏子ちゃん! さやかちゃん! 織莉子ちゃん! 数が多すぎる…!」 黒髪ロングの暁美ほむら、赤髪ポニテの佐倉杏子、青髪ショートの美樹さやか、銀髪ロングの美国織莉子が現れ、魔物と戦う 『ケケケケケケ! 全然足りねぇよ! このままじゃジリ貧だなぁ?』 そんなことを言いながら、瞬間移動で『赤い毛布』は優女の後ろに現れ、蹴飛ばした 優女「きゃあ!」 『ケケケ! どうやら不意打ちだと『蒼樹うめの主成分は焼きビーフン』とやらは使えねぇみたいだなぁ? じゃ、死ね』 魔法少女達が捌ききれなかった魔物たちが、怯む優女に容赦なく襲い掛かる 『ケケケケケケケ! ま、形くらいは残してやっから安心しな!』 醜く嗤いながら叫ぶ『赤い毛布』。優女は能力を発動しようとするが、間に合わない… ???「…時よ止まれ! ザ・ワールド! …そして時は動き出す」 瞬間、優女を襲っていた魔物は皆ナイフで貫かれていた 『!? チッ、仲間が来やがったか…。だが、幾らなんでもやられるのが早すぎる…!』 催眠術や超スピードなんてチャチなもんじゃ断じてねぇ早さで退治された魔物達。 結論から言ってしまえば、これをやったのは新希浩彦である。『荒木はスタンド使い』。ジョジョの作者荒木飛呂彦はスタンド使いである、という都市伝説。浩彦はこれにより、ザ・ワールドの時間停止を使って魔物を撃退したのだ 浩彦「貴様かッ? 俺達の仲間の優女を攫ったのはッ!」 彰「返答しだいでは容赦せんぞ…!」 洋「君は…僕が裁く」 海月「みつき達の優女ちゃんに酷いことしたわよね? 罰金バッキンガムされる覚悟はできてるんでしょうね?」 南乞「絶対に許しゃにゃいぃ!!」 栄昭「俺達の大切な仲間を襲う奴ぁ…黙って見過ごす訳には行かねぇ!」 とんでもなく格好良く登場する漫研部員達 優女「みんな…助けに来てくれたんだ…!」 海月「ええ! 優女ちゃん、これで安心アンコールワットよ! さぁ、みつきの胸に飛び込んでおいで!」 栄昭「やってる場合か!」 『な…なんだてめぇら…?』 あまりの濃すぎるメンバーにたじろぐ『赤い毛布』 浩彦「おっと! 自己紹介がまだだったなッ! 漫画研究部部長、『七人目のスタンド使い(ラッキーセブン)』、新希浩彦だッ!」 彰「オッス、オラ同じく副部長の酉岾彰! 『竜が如く(ドラグーンロード)』って呼ばれてるぞ!」 洋「同じく部員、『三國無双(トリプルミーニング)』の大庭洋だよ」 海月「みんなのハートにドッキューン☆ 『光の4剣士(セルフカルテット)』七森海月だぴょん♪」 「「「「…………」」」」 空気が凍った。 海月(あれー…? もしかして今のは…痛い?) 栄昭「こほん。えー…上に同じく『未来神話ジャーヴァス(フューチャーパーソン)』、宙智栄昭だ。よろしくゥ~…」 南乞「お゙ぉおォおんにゃじく、『白川三姉妹におまかせ(ミサクランゲージ)』御佐倉南乞(みしゃくらにゃんこちゅ)らよお゛お゛お゛ぉ」 優女「そして同じく、『天外魔境(チダマリスケッチスイッチ)こと碧城優女だよっ!」 『なんだ!? 最後から二番目の奴は全く聞き取れなかったぞ!? …まぁ、どうでもいいか 何人増えたところで同じことだ! ここは俺の魔界(フィールド)! 端っからてめぇらに勝ち目はねぇんだよ!』 大きく叫び、炎の魔弾を飛ばす『赤い毛布』 浩彦「『ウェザー・リポート』ッ! 天気は大雨暴風!」 突如、大雨と暴風が巻き起こり炎を消してしまった。新希浩彦の契約都市伝説、『荒木はスタンド使い』の能力である 『なっ…畜生…毛布がぬれて上手く動けねぇ…』 海月「えへへへへ、今がチャンスよ! 食らいなさい、なもブレード!」 唯の出刃包丁である 『な…な… ケケケ! 引っかかったなアホが!』 そう言うと、至近距離で毛布から棘を飛ばした 海月「きゃあ!?」 南乞「きゃぁあああ あぉ! みちゅきひゃぁん!」 『まだまだぁ! ズタズタに引き裂いてやる! 魔剣・レッドクロス!』 毛布の中から取り出した、特に何の変哲もないサーベルで海月を切り裂く『赤い毛布』 海月「きゃ、あ…」 『ケケケケケケケケケ! 一人死んだなぁ? どうだよあの痛いレズ女がやられた気分は!?』 彰「痛いレズ女…海月の…海月のことかァああああああ!!! 『鳥山ロード』!!!」 『ケケケケ…ぐはっ!』 突如、目の前に現れた彰に殴り飛ばされる『赤い毛布』。『鳥山ロード』の能力で『赤い毛布』までの自分専用の道を作ったのだ 海月「みんなー!みつきまだ死んでないよ!? なもトリプルキック!」 『グボァ!!!』 上空から突然現れた海月が『赤い毛布』にとび蹴りをした。三人で 『な…てめぇ…生きてやがったのか! …だが、確かに剣で切り裂いたはず…!』 海月「『なもりは4人いる』のよ? 一人死んだくらいじゃ死なないわ。さらに言わせてもらうとね…。みつき達は、斬ったくらいじゃ死なないわ!」 海月「「なもアタック!」」 『がはぁ!』 今度は、さっき斬られて死んだはずの海月たちが2人で『赤い毛布』に体当たりした 『な…なぜ生きてるんだ! ふざけるな! 人間の分際で…!』 海月「『なもりは分裂するクラゲ型生物』なの。じゃ、改めて名乗らせてもらうわね…」 海月A「見えざる不憫な主人公! なもレッド!」 海月K「主人公以上に主人公な影の主人公…というか光の主人公! なもイエロー!」 海月Y「クールなイエローのストッパー。なもブラック」 海月T「ブラックに憧れるガチレズ腹黒乙女! なもピンク!」 海月「…って言っても全部みつきだけど! 5人揃って…」 海月’s「「「「「ゆるゆり戦隊、なもレンジャー!!!」」」」」 後ろでカラフルな爆発は…なかった 『ふざけやがって…! 死ね!』 海月Aに向かって魔弾を飛ばす『赤い毛布』。しかし… 海月A「\アッカリーン/」 魔弾は海月Aの体をすり抜けた 『何!? コイツ攻撃が当たらないのか!?』 海月K「食らえ!」 『ぎゃあああ!!』 海月K「…安心しろ。峰打ちだ」 海月Y「倒せよ!」 『てえめぇらァ…なめやがって…! 俺は都市伝説だぞ! てめぇら人間ごときに…!』 そう叫び、今度は栄昭に炎を飛ばすが… 栄昭「よっと」 簡単に避けられてしまった 『ちっ…外したか…。ならこれで…どうだ!』 爆発する大量の魔弾を飛ばす『赤い毛布』 (ケケケ…バーカ、この魔弾はフェイクなんだよ。コイツが魔弾に気をとられてる隙に後ろから…) 栄昭「…バレバレなんだよ」 後ろから奇襲をかけようとした『赤い毛布』に、栄昭の木刀が炸裂する。『空知は未来人』の能力で未来予知をしたのだ 『がはぁ!!! て…てめぇええええええ!!! もう怒ったぞ! ここは俺の魔界! 全滅呪文をとにゃえてへぇええぇ゙やるのぉおお!!』 叫ぶ『赤い毛布』の呂律がおかしくなる 『にゃ…にゃんらこれは!? うまく喋れねぇ!』 南乞「『みしゃくら語』よお゛お゛お゛ぉ。他人のぉおお口調をみしゃくら語にしゅるのぉおおことがれきるのぉおお」 『にゃにいぃってるかわからねぇ!』 非常にシュールな会話である 洋「安心しなよ。君の言葉も聞き取れないから。じゃ…『キラー・クイーン』!」 洋の姿が浩彦そっくりになる。そして、洋の投げた岩が『赤い毛布』に当たり…爆発した 『ぁあああ あぉ゛ぁあああ あぉ゛ぁあああ あぉぁあああ あぉぁあああ あぉ゛! てめぇ…何しやがったのぉおお…』 洋「何でもかんでも人に聞こうとせず、少しは自分で考えたらどうだい?」 洋の契約都市伝説、『大葉つぐみ=ガモウひろし=鷹野常雄』。自分が見たことのある人間、及び人型都市伝説に変身し、その能力をコピーできるのだ いわばFEシリーズの『コマンド』のようなものである。ちなみにバグることはない 優女「洋さんすごい! わたしも頑張っちゃうよ! 」 そう叫ぶと、見る見るうちに優女が巨大な怪物に変身し…歩いていく 『にゃ…何らよこれは! 俺は都市伝説らぞ! 『赤いぃ毛布』らぞ! てめぇら人間にゃんかに…人間にゃんかにぃいぃぃぃっよぉおお゙いぃぃぃっよぉおお゙!』 優女「ウェヒヒヒ、『赤い毛布』さん、さよなら!」 『あ』 ぷちっ。『赤い毛布』は優女に踏み潰された。あっけない決着である 浩彦「どうやら倒したようだな。よくやったぞ碧城ッッ!」 優女「ティヒヒ、ありがとうございます」 彰「んじゃ、帰るか!」 こうして、『赤い毛布』を倒した戦う漫画家達は、『鳥山ロード』に乗って家に帰っていくのであった… 続く…
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光彦「よぅ正義、[明美(アケミ)]。元気にしていたか。」 駅から出ると、懐かしい声が聞こえる。そう、正義の父親、[黄昏光彦(ミツヒコ)]である。 正義「あ、お父さん!」 半年と軽く言うが、それも結構長い時間。正義は嬉しそうに父親に駆け寄った。 しかしいつかのように抱きつくでなく、ただ話しかけるだけ。そう、正義はもう中学生なのだ。もう子どもではない、という事らしい。 正義「お兄ちゃんとはどうだった?」 光彦「あぁ、飯は上手だったな。少なくとも、明美以上だな。」 明美「えぇ、ミツ、それは酷いんじゃない?」 大王「(いつまでこの会話は続くんだ?)」 少々長かった団欒も、ふいに正義の母の言葉で止まる。 明美「そろそろ家に行きましょうよ。足が疲れちゃった。」 光彦「まったく、親子の再会をじゃまするとは。」 明美「なによ。それなら私も裂邪と感動の再会をさせてよ。『ママぁー!』『裂邪ぁー!』って。」 正義「えー、お兄ちゃんはそんなんじゃないよ。」 約2名の笑いが起こったところで3人を、いや、【恐怖の大王】を含めて4人を乗せた車は走り出した。 大王「(思えば、俺が世界征服に乗り出せないのは、この両親の所為でもあるな。子ども思いで、明るくて。おかげで少年もこの始末か。)」 正義「そういえば、なんでお兄ちゃんは来なかったの?」 光彦「また散歩と言って出て行ったよ。よほど正義に会うのが恥ずかしいんだろうな。」 明美「いや、きっとこの綺麗な私に会うのが」 光彦「そういえば正義、学校はどうだったんだ?」 正義「楽しかったよ!あ、そういえば修学旅行のお土産まだだったね。あとで渡すよ。」 明美「もう、マサヨシまで無視?お母さん寂しいんですけどぉ。」 ―――なんだかんだで、これから正義が住む事になる家に着いた。 光彦「よし、じゃあ荷物を家に入れるか。」 正義「ねぇ、お兄ちゃん探しに行ってもいい?」 光彦「ん?別にいいが、なんでだ?」 正義「だってお土産、一緒に渡したいから。じゃあ行ってきまーす。」 明美「いってらっしゃーい。気をつけるのよ。」 光彦「(まぁ、大丈夫だろうな。)」 外へ出て少し経った頃に、大王が正義に話しかけてくる。 大王「少年。あんなやつに、プレゼントを渡すのか?」 正義「・・・別にいいじゃん。『罪を憎んで人を憎まず』って言うしさ。」 大王「煮込む煮込まないは分かったが、アメと鞭は大事だと思うぞ。俺なら良い事をしてから、だと思うが。」 正義「『悪い子だからあげない』って言っても逆に悪くなる方が多いよ。それより、『少年』って呼ぶのはもう止めてよ。」 大王「あぁ分かったよ、『少年』。」 正義「だから!もうボクは中学生だよ!子どもじゃないんだよ。」 大王「そう言っているうちは子どもだ。そうだな、俺が大人になったと認めた時に『少年』と呼ぶのを止めてやる。」 正義「うぅ、うん、分かった。でもどうやったら認めるんだよ?」 大王「無論、『幹部になったら』だ。」 正義「やっぱり大王には認めてもらわなくていい。まだ世界征服狙ってたのか。」 大王「(まったく、いつまで経っても少年は『少年』のままだな。)そういえば、何故『大王』なんだ?」 正義「え?大王は大王じゃん。」 大王「友やコインは『くん・ちゃん』付けだろ。なら俺は『大王様』、少なくとも『大王さん』じゃないのか?」 正義「えぇ、じゃあ大王が世界征服を諦めたら“バッサァァァ・・・”考えてあげても・・・。」 突如、目の前に謎の生物が現れた。都市伝説である事はすぐに分かる。 しかしゴミ袋かと思っていたら赤く光る目があり、蛾のような羽があり、さらに脚がある、というリアクションに困る姿をしているのだ。 いったい何の都市伝説なんだ?考えている暇もなく奴は急降下して攻撃をしようとしてくる。 ?都市伝説「・・・、喰、う。」 大王「・・・、戦うのみだな。」 正義「そうみたいだね。大王、いくよ!」 その言葉に反応し、大王が上空に黒雲を広げる。 大王「さて、何で行く?」 正義「んと、『槍の日』で行こう。あれなら避けられないはず。」 大王「なるほど、では行くか!」 黒雲にスパークが走り、大量の槍が降ってくる。まさに『槍の日』。しかしあの都市伝説は槍をするすると避けていく。 大王「これを避けるとは、なかなかだな。」 正義「でも、これならどう!?」 正義はおもむろに降ってくる槍の1つを手に取り、敵へと投げつける。 正義「(上に気を取られている隙に横から来る、下手に避ければ上の攻撃に当たる。これを避けられるか?)」 正義の作戦さえも、あの都市伝説は軽く避けてしまう。遂に雲の外に出てしまった。 大王「くっ!想像より速いようだな。もっと量が多ければ避けられんだろうが、修行不足か。」 不意に向こう側、おそらく槍を投げた方向から、悲鳴のような叫びが聞こえる。 大王「ん?さっきの槍が通行人にでも当たったか?」 裂邪「正義ィ!お前か!?こんな所で槍投げんな!」 その声は、どう聞いても正義の兄、裂邪の声だった。その声に正義が反応するが、 ?都市伝説「あ゛、さっきの・・・。」 正義「あ、お兄ちゃんいたのッ、って増えてるゥ?!」 声の方を向くと、裂邪の後に都市伝説と思わしきものがシェイドの他に3体ほどいた。 正確には火の玉、謎の小動物、あと正義が反応している事から、おそらくあの小学校高学年ほどの少女も都市伝説だろうか。 裂邪「無視すんな!まぁいい、そこの【モスマン】もろとも―――」 ?小動物「なぁ主、あのおっさんは誰バク?」 大王「(まさか更に契約したというのか?それともあの少女も契約者なのか?って)『おっさん』?!」 シェイド「アイツカ?【恐怖の大王】ダ。」 ?都市伝説×3「えッ!?【恐怖の大王】ッ?!」 大王の正体を知ると突然、あの3体が慌てふためきだした。何故かは黄昏兄弟とシェイド、大王も分からなかった。 大王「ん?俺はそんなに有名なのか?」 正義「コインちゃんも知ってたからね。最近生まれた都市伝説は知っている、とかかな。」 シェイド「落チ着ケ。契約者ニ恵マレズ、今デハタダノ『おっさん』ダ。」 大王「だから何故『おっさん』なんだ!?」 相手にされないのでつまらなくなったのか、急にあの【モスマン】という都市伝説が裂邪に向けて目からビームを放つ。 裂邪「あっつぅ!」 正義「お兄ちゃん!」 大王「目からビーム、か。少々厄介だな。」 モスマン「・・・、腹、減った・・・。」 裂邪「チックショウ、モスラかよ!シェイド![バク]![ウィル]!」 その命令に反応し、シェイドは長い爪のような姿に変形して裂邪の右手に付き、[バク]と呼ばれる小動物は熊ぐらい大きさのキメラのような姿に変身し、 [ウィル]と呼ばれる火の玉は急に増え、1列に連なり鞭のようになって左手に付いた。 正義「かっこいい・・・。」 大王「言うと思った。いいから戦うぞ!」 正義「分かった。大王、変身だ!」 大王「無茶を言うな!行くぞ。」 そう言うと、黒雲から剣が2本降ってくる。大王は普通に手に取り、正義は手にとってから、すぐに【モスマン】に向かって行った。 正義「てりゃあぁぁ!」 【モスマン】はゆっくりと、上へ飛翔していった。「あ。」という声は既に遅く、“ゴンッ”という鈍い音が鳴る。 向こう側からやってきた裂邪に正義がぶつかって、尻餅をついた。正義は涙目になりながら打ったところを撫でていた。 裂邪「ッつったぁ~!正義!どこ見てやがる!?」 正義「もう!策もなしに突っ込んできて!」 裂邪「バカか!俺はお前と違って大人なんだ!何の考えもなしに敵に突っ込むかバーカ!どうせお前はこの1年間なんの成長もしていないんだろ!? 俺がいなくなった後も都市伝説に説教かまして、彼女とイチャイチャしてたんだろ?!」 正義「成長したよ!もうボクは中学生だよ!?それに説教は大事な事だし、ボクには彼女なんていないし!」 大王「・・・、やっぱり、子どもだよな。特に兄の方が。」ボソッ 空腹で苛立っているのか、【モスマン】は空中からビームを乱射する。 正義と大王は修行のおかげもあって、難なく回避する。裂邪は、ふとみるとバリアで守られているようである。 大王「“チッ”便利な都市伝説だな。誰の能力だ?」 正義「あの女の子だよ。シャボン玉みたいにバリアを張ってた。」 大王「あいつも契約者か。シェイドと火の玉のを武器、そして盾付きとは豪勢だな。」 正義「ほんとだよ、いざって時に手に負えなくなりそう。でもあの子は都市伝説みたいだよ。」 大王「そうか、では4体と契約か?飲み込まれてても知らんぞ。」 裂邪はウィルを鞭のように扱うが、攻撃は一向に【モスマン】には命中しない。 こちらも策を練るが、あいにく大王は飛び道具を降らす事はできず、雷は外れた時のこちらへの被害が不安、なかなか良い手が出ない。 裂邪「―――そうだ、おいおっさん!雨降らせ!」 大王「またおっさんだと!?それが人に物を頼む態度か!」 正義「(お兄ちゃんの事だから、やはり何か手が?ここはおとなしく聞いておこうか。)大王、ここは。」 大王「・・・、仕方がないか。」 大王は上空に、太陽も隠れるほど黒雲を広げ、大量の雨を降らせる。 大王「これでお望みの量か?!」 裂邪「ウヒヒヒヒ、よくやった!ウィル!『百物語』!」 裂邪の命令に反応し、ウィルが何十体にも増え、周りに散らばり、まるで蝋燭の灯火の様になる。 ふと、少女が歌を歌いだす。おそらく『さっちゃん』であろう、おそらくそのはずだ。 ウィル「「うおぉぉぉーん!バナナ半分なんて可哀想で~い!」」 周りから鳴り響く叫びと共にウィルの炎の色が青くなる。 大王「まさか、『さっちゃん』を聞いて泣いているのではないだろうな?」 正義「あれ、寒くなってきた?あ、霧!?」 気がつくと、周りにだんだんと霧が立ち込めてきた。おそらくこれが裂邪の作戦なのであろう。 正義「この霧で視界を悪くして、隙を突く、かな?」 大王「なるほど、完敗だ。あの火の玉のに周りを冷やす能力があったのか。能力をよく理解している。」 しかし正義は霧の中を注意深く見回し、【モスマン】を探す。 正義「でも・・・、あそこか。緑色の光も見える。たぶん火の玉のやつだね。」 大王「おい、まさか横取りする気か?それは良くないんじゃないのか?」 正義「悪いけど、『同じ事』を、そう何度も繰り返させない。」 ゆっくりと放った、その言葉の重みは、誰よりも大王が知っていた。あえて黙認し、正義を【モスマン】のところへ向かわせた。 正義は駆け足で【モスマン】のところへ向かう。その姿がだいぶ見えた時、その影に跳びかかる。 正義「てぇえりゃあぁぁー!」ブン! ベシィッ! その剣を、正義は力強く、【モスマン】の頭に叩きつけた。峰打ちとでも言おうか。そのまま【モスマン】を霧の外へと弾き飛ばした。 【モスマン】は軽く気を失っているようだったが、ゆっくり起こし、そのまま説教が始まるのであった。 正義「―――だから人を食べるなんて絶対にダメ!だからといっていくら空腹でも他人の物を奪うのもダメだよ。 困っている人を助けたりしてそのお礼として食べ物を貰うんだよ。分かった?―――。」 大王「(このご時世にお礼に食事を与えてくれる、心優しい人間などいるのだろうか?)」 なにか悔しそうにしている裂邪を余所に説教は終わり、【モスマン】はフラフラと空へと戻っていった。 正義「これからは人のためにがんばるんだぞぉー!」 モスマン「分かっ、た・・・。」 正義は手を振り終えると、すぐに兄の方を向く。無論『あの悲劇』を繰り返さないためである。 あの時目を離したから、犠牲者が出た。だから次は絶対に目を離さない。それが正義の『誓い』である。 大王は、正義の気持ちや考え、今かすかに目に溜まった涙の訳は、長く共にいるためだいたい分かる。 だからこそ、その次の行動に驚かざるを得なかった。正義が、裂邪に抱きついたのである。 正義「お兄ちゃん、久しぶりぃ!」ガスッ 裂邪「“ゴキッ”おごぉ!あ・・・ばら・・・ぼね?つ・・・っか・・・足・・・痛・・・」 正義「お兄ちゃん、寂しかった?また一緒に暮らせるからね!」 シェイド「平和ダナ。」 大王「・・・?あぁ。」 大王は何故こんな事をしたか分からなかった。攻撃をするために飛びかかったのだとさえ思った。『兄だから』という理由もすぐに出たが、 なにかそれでは片付かない違和感がある。大王の疑問の回答は帰ってくる事はなく、正義は質問を投げかける。 正義「ところで、やっぱりその女の子達と契約したの?」 裂邪「・・・まぁな、『夢幻泡影四天王』、俺の世界征服のための俺の仲間だ。」 正義「まだそんな事言ってたの!?お父さんと一緒だったのに世界征服を諦めてないなんて!」 裂邪「悪いか!すぐに諦められる夢なんて見ねぇよ!俺は一生諦めない!人の夢は終わらねぇ!」 正義「最後の言葉どっかで聞いたよ?!」 やはり口喧嘩が始まった。しかし『いつも通り』ではなく、若干正義の歯切れが悪い。なにか・・・。 大王「もういいだろ、兄を見つけたんだから。親も心配するぞ?」 正義「あ、そうか。お兄ちゃん、もう帰るよ。」 裂邪「シェイド、『シャドーダイブ』で[ミナワ]達を先に俺の部屋に。」 裂邪の命令により、シェイドの能力で自分の契約している都市伝説は影の中へと溶けるように入っていった。 大王「どういう事だ?お前は帰らないのか?」 裂邪「お前らが迎えに来たんだから、俺が部屋に帰ったら不自然だろ?それに親父達にミナワ達を見られる訳にはいかんし。」 大王「ん?契約者以外でも見えるタイプなのか?」 裂邪は数分硬直し、驚いたように言葉を放つ。 裂邪「見えないやつもいるのか!?」 正義「え?う、うん。例えば幽霊系は、基本的に契約者か都市伝説の被害者にしか見えないらしいよ。」 大王「俺も見えない、はずだ。」 裂邪は何故か黙りこくっていた。考え事でもしているのだろうか。 正義「ほら、もう帰るよぉ?」 こうして、3人はゆっくりと家へ帰るのであった。 光彦「おぅ、帰ってきたか。」 正義「ただいまぁー!」ガラガラ 明美「おかえりぃ、裂邪、マサヨシ。」 裂邪「あ、母さん久しぶり。」 少々雑談があった後、正義が父親と裂邪にいつかのお土産を渡す。 正義「そしてこれが、修学旅行のお土産。水族館で買ったんだ。はい。」 そう言って、ガラスの中に白い線で作った水中生物が入っている置物を出した。父親にはイルカが、兄にはクラゲが入っているものを渡す。 光彦「ん、面白いな。何なんだこれは?」 裂邪「あら綺麗!・・・ありがとう。」 正義「ふふん。」ニコッ 光彦「ところで食い物はどこだ?クッキーとか無いのか?」 明美「もう、今いいところなのに。腐ると危ないからって買ってません。」 光彦「うっ、すまんすまん。ちょっと分からんかった。」 明美「裂邪が『ありがとう』って言ったのよ。信じられる?」ボソボソ 光彦「本当か?まいった、聞き逃したなぁ。」ボソボソ 家族が団らんしている部屋の外では、大王が考え事をしていた。何故少年とその兄の会話が変だと思えるのか?何かが違う。 本当に些細な違いだが、まるで少年らしくなく感じる。 ふと、もう1つある事に気付く。こんな事を考えているようでは世界征服なんてしていられないと。 どうやら少年の甘さがうつったようだ。ゆっくり甘さを忘れていかなければならないな。 ―――世界征服への道は遠い。 第2話「初仕事」―完― 次回予告4コマ――― ☆資料をまとめ☆ ???「『若者の骨粗しょう症に迫る』『キスをすると骨がもろくなる?』『牛乳のススメ』・・・。」 ???「おそらくこの事件によって沸いてきた記事だろうが・・・。本当にこの事件はその程度のものなのか?」 ???「何人もの人間が同じ事にあっているんだぞ。いったいどういう事なんだ?」 ―――教えてくれ 都市伝説よ――― ●謎の人物現る?!真相は、webで!(コラ では第3話に続きます。 前ページ次ページ連載 - 舞い降りた大王
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……さて どう、答えたらいいものやら 「怪奇同盟」より、避難場所として使ってもいい、と言われていた墓場 そこに入り込み、休憩をしていたのはいいのだが… …まさか、こんな話を持ちかけられるとは 「…私と契約、ですか?」 「あぁ」 「そうよ」 青年と少女が、同時に頷いてきた …確かに、自分も都市伝説である 人との契約は、可能だ だが… 「…二人とも、多重契約になるのですよ?危険すぎます」 多重契約 しかも、二人とも、属性が違いすぎる そのリスクは高い 「だから、俺たち二人が、お前と契約するんだよ。それなら、リスクを分散できるしな」 「……まさか、その前に。この馬鹿が他の都市伝説と多重契約してリスクを高めるとは思わなかったけど」 じろり 少女に睨まれて、青年はそっぽを向いている …まぁ、あの場は、そうしなければ危なかったとは言え… ……確かに、多重契約のリスクは高まっている 「…大丈夫だよ。俺は都市伝説に飲み込まれたりしない」 く、と 青年は、黒服をじっと、見つめてきた 少女もまた、黒服を見つめてくる 「……私だって、そうよ。そう簡単に、飲み込まれるもんですか」 「…ですが」 …二人が、そう言ったとしても 黒服は、契約を躊躇してしまう ……自分にとっても、それは悪い話ではない だが、しかし それによって、この二人に、都市伝説に飲み込まれるリスクを背負わせるのが、嫌だった しかし 少女も、青年も、決して引き下がろうとしてくれない 強い強い意思を持って、黒服と契約しようとしているのだ 「あなたの力になりたいのよ……あなた、今のまま「組織」にいたんじゃ危ないわ。今回の件で嫌というほどわかったでしょ?」 「俺達と契約すれば、「組織」を離れても、お前は消滅しないかもしれない。あんな「組織」とっとと見限って、俺たちと契約した方がいい」 決して引かない、強い意志 …これを前に、自分はどうすればいいのだろうか 「………」 黒服は、静かに考える …自分は、明日、Tさんの手伝いをすることになっている …「夢の国」の大元へと、殴りこむ手伝いを 二人と契約すれば、自分も何かしら、能力が付属、もしくは強化される可能性がある そうすれば…「夢の国」の大元との戦いに、自分も、少しは助力できるだろうか…? 「…わかりました」 はたして 自分などが、未来あるこの二人に、そんなリスクを背負わせてもいいものかどうか… 悩みながらも…彼は、決断した サングラスを外し…直接、二人を見つめる 「…私などと、契約して、くださいますか?」 真っ直ぐに、真っ直ぐに、青年と少女を見詰める 黒服を見つめ返したまま…青年も、少女も、同時にはっきりと頷いて その瞬間に、黒服と二人との契約は、成立した 「----っ!?」 二人に、多重契約のリスクがのしかかった事を、黒服は理解する 特に……やはり、青年の方が、その重圧に押しつぶされかけている 一つが「厨2病」と言う多重契約が成功さえすればリスクが少ない都市伝説とは言え…やはり、三つ同時は、危険すぎたか しかし、もはや契約は始まっている 止める事は、できない …契約が、終了した 少女も……青年も 人間の、ままだ …都市伝説に、呑み込まれてはいない その事実に、黒服はほっとした そして 同時に理解する 自分が、何者だったのか 同時に、青年と少女も理解する この黒服が、何者なのか 「…お前」 「…「組織」の黒服なだけじゃ、なかったのね…」 「……そのようです」 苦笑する 何故、今まで気づかなかったのか? …いや、きっと、気付くべきではなかったのだろう もし、気付いていたら、自覚していたら…自分は、「夢の国」に飲み込まれていただろうから 三人は、理解した この黒服は、「組織」の黒服であると同時に…「夢の国」の黒服であるのだと かつて、人間であった頃 彼は「夢の国の地下トンネル」と「夢の国の地下カジノ」と契約していた そんな彼の前に、正気を失った「夢の国」が現れる 彼は、「夢の国」を正気に戻そうとした 元の「夢の国」に戻そうとした 「夢の国」に飲み込まれようとしていた少女を、助けようとして …そして、失敗してしまった 二つの「夢の国」関連の都市伝説と契約していた彼 そのまま死亡しては、「夢の国」に飲み込まれる危険性があった …「夢の国の黒服」になってしまうところだった しかし、「夢の国の地下カジノ」が彼との契約を解除した事により、「夢の国」とのつながりが一つ、なくなって …彼は、「夢の国の黒服」にはならずにすんだ 代わりに、彼は「組織」の黒服へと変わり果てたのだ だが、一度は「夢の国の黒服」になりかけた そのせいで、彼は完全な「組織」の黒服ではなかった 「夢の国の黒服」が、半分混じっている だから、「組織」の端末で行方を終えない 「組織」の完全な管理下におかれていなかったのだ だからこそ…今まで、裏切り行為に近い行為を行っても、消されずにすみ続けた もし 契約前に、その事実を自覚しては…彼は、「夢の国の黒服」へと、完全に変化してしまっただろう それほどまでに、かつての彼は、「夢の国」との関わりが深かったから しかし 彼は、契約してその事実に気付いた だから、「夢の国」に飲み込まれはしない 今の彼は、二つの都市伝説が混ざり合った、非常に奇妙で、稀有な存在 「組織」の黒服であると同時に、「夢の国の黒服」と言う…非常に特殊な存在になっていた 「二人とも、大丈夫ですか?」 「問題ないわよ」 「あぁ、俺もだ」 …若干、青年の方は顔色が悪いが… どうやら、大丈夫そうである 改めて、ほっとした 「すみません…私のせいで、あなたたちに、危険なリスクを背負わせてしまって」 「謝る必要なんてないわよ。私たちがしたくて、あなたと契約したんだから」 照れ隠しするようにそっぽを向きながら、少女はそう言う あぁ、と青年も頷く 「これで、お前を少しでも危険から遠ざけられるなら、問題ねぇよ」 にんまりと 嬉しそうに、青年は笑ってきた 「これで、俺たちは運命共同体だろ?」 「…そう、言うのでしょうかね?」 苦笑する これも、契約の効果なのだろうか 幾分か残っていた疲労が、少し消えている …これならば、明日、Tさんの力になれそうだ 「…ありがとうございます」 サングラスを外した状態のまま…黒服はやんわり笑って、二人に礼を述べたのだった 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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(裂邪 ローゼ・・・ちゃん? (ローゼ またお会いできて光栄ですわ♪ いやここ暫くで会いすぎじゃね? 何?神のお導き? (ライサ ・・・お兄ちゃん、お姉様を知ってるの? (裂邪 前からお世話になっててね ところでローゼちゃん、やっぱりこの子を探しに? (ローゼ えぇ、急に行方不明になってしまって・・・ 貴方には感謝してもしきれませんわ (裂邪 いやいや、俺も偶然出会っただけだし・・・ ライサちゃん、もうローゼお姉さんを心配させちゃダメだぞ? (ライサ ごめんなさいお姉様・・・ (ローゼ いいのよ、それより無事で良かった・・・ 良い雰囲気になってきた でもここでふと気になったことがある この子・・・ライサちゃんは、黒い服を着ている ローゼちゃんと同じような、黒いスーツを (裂邪 ・・・ねぇローゼちゃん、色々聞いて悪いんだけd (ミナワ ご主人様ー! おっと、どうやらミナワ達が追いついたらしい まぁ、この人込みの中なら多少遅くても仕方ない (シェイド ・・・ム、確カ「組織」ノ・・・ (ミナワ ローゼさん! (理夢 ・・・誰だ? (ウィル 「組織」ってぇと・・・以前旦那が話してた? (裂邪 そうだお前ら初めてか この子は「組織」所属のR-No.0 (ローゼ ローゼ・ラインハルトですわ♪ (理夢 あぁあんたがそうか。俺様は理夢だ (ウィル あっしはウィルでい!以後お見知りおきを! (ローゼ ん~、4つの都市伝説との多重契約者だったんですの? (裂邪 まぁね。 違うそんなことよr (ライサ あ! ライサちゃんが何かに気づいたように、大きな声を上げた どうやらまた訊きそびれたようだ ところで何なのだろう・・・と、彼女の見ている方に目を向けると、 黒髪のロリと、緑色の髪のロリと、金髪のロリがこちらにやってきた 黒髪の子は、日天ちゃんだ (日天 ライサ! 無事だったのか!? (金髪 ふぅ、マジ安心したっつーの・・・ (緑毛 R-No.10、元気なのは良い事ですが、勝手な行動は慎むように ・・・今、ナンバーで呼んだな、確実に・・・ やっぱり「組織」の一員だったんだ しかし (裂邪 久しぶり日天ちゃん! 君達も「組織」の子!? 無意識というものは怖い 俺は金髪ロリと緑の髪のロリの手を握っていた 金髪ロリは、雰囲気的には翼の兄ちゃんと似たような感じで、アクセサリーがいっぱいついてる 緑の髪のロリは背が低めで触覚が2本立ってる。この子可愛い (金髪 な、何こいつ・・・? (緑毛 ・・・R-No.0、この男が噂の黄昏 裂邪ですか? (裂邪 そう!僕が黄昏 裂邪!名前を知ってもらえてるなんて俺感激! よかったらそこでお茶でも飲まないかな?もちろん俺が奢るからさ☆ とんとん、と肩を叩かれた 振り向くと、爽やかな笑顔を振り撒く我が愛しの嫁がいた (ミナワ ごっしゅじんさまー? (裂邪 どうしたミナワ? (ミナワ 大事なお話があるので、ちょっとこっちに来てくれませんか? (裂邪 ? あぁ、いいけど 大事な話って何だ? 色々と妄想を膨らませながら、俺はミナワに手を引かれて人気のない路地裏へ―――― ―――1分後 何が起こったのか分からなかった 分かるのは2つ 俺は今、ミナワに引きずられているということ 俺は今、俗に言う「足腰立たんように」された状態にあるということ 俺の耳の中では、未だに、『バブロッド』を振るう音と爆発音がリピートしている (裂邪 ・・・ミ・・・ナワ・・・ちゃん? (ミナワ うふっ♪ これが「愛の鞭」というものなんですね、ご主人様♪ (裂邪 ・・・違う・・・それは・・・ただの「無知」だ・・・ (シェイド ミナワ!ヨクヤッタ!! (理夢 見直したぜミナワ! (ウィル 流石ミナワの姐さんでい! ・・・何でこいつ等こんなに喜んでるの・・・? (緑毛 ・・・今の爆発・・・ただの都市伝説の能力ではありませんね (ローゼ そうでしょぉ? 多分・・・「幼気」だと思いますの そうだ、その事もずっと訊きたかったんだ というわけで、俺達は近くの食事処で飯を食べていた 何故かミナワの判断、ということで そして、財布をミナワに取られた 可愛いから許した そしてローゼちゃんによれば、 緑の髪のロリはR-No.1―六条 蓮華 金髪ロリはR-No.2―ロール・レインウォーター というらしい 名前も知れたところで、俺は早速クエスチョンタイムに移らせてもらう事にした (裂邪 ミナワちゃん、私の発言を許して下さい (ミナワ はい、許可します こうしないと喋れなくなった 可愛い、ますます可愛い (裂邪 ローゼちゃん、さっき言ってた「ヨウキ」って何? (ローゼ あぁ、「幼気」というのは――― (蓮華 お教えできません。「組織」の機密事項ですので うんうん、と横で日天ちゃんが頷いてる まぁまぁ、と蓮華ちゃんに説得を試みようとしているローゼちゃん 安心してくれ、俺は負けない (裂邪 そう硬い事言わないでくれよ蓮華ちゃん あぁそうだ、あんたら「組織」もこの『COA』で調査とかするんだろ? それに役立ちそうなアイテムあげるからさぁ (蓮華 物で釣る気ですか?良い性格とは言えませんよ (裂邪 結構レアなんだぜ? これ、マンドラゴラ 見えなかった コンマ1秒あっただろうか 俺の手元の小袋は、瞬き1つする間もなく消え失せ、 それは蓮華ちゃんの手の中に、大切そうに包まれていた (蓮華 ・・・ほ、本当にマンドラゴラなのですか? (裂邪 う、うん、まだ種だけど (蓮華 「幼気」について教えます (2+3 ハァァァァァァァァァ!? がたん、と椅子を倒しつつ、ロールちゃんと日天ちゃんが立ち上がった 何やらとても驚いている様子 (日天 バ、バカな・・・R-No.の誇る重鎮、R-No.1がこうもあっさりと・・・!? (ロール ココナッツよりも頭の硬いって言われてるのに!?マジありえないっつーの! (蓮華 ・・・聞き捨てなりませんねR-No.2。 出元は? (ロール R-No.8。 (蓮華 クスッ・・・あとでたっぷり楽しませて貰いましょうか・・・ (ローゼ 程々にね~ (理夢 ・・・おい、なんか危ない雰囲気醸し出してんぞ? だが、そこがいい コホン、と咳払いをして、くるりとこちらを見る蓮華ちゃん (蓮華 ・・・さて、「幼気」についてですが やっと来た! 俺は全神経を、左右の耳に集中させる (蓮華 「幼気」とは、その全貌は明らかになっていませんが、 我々の研究によれば、幼い子供―――特に少女に宿るとされる未知のエネルギーです (裂邪 未知の・・・? (ミナワ ど、どんなエネルギーなんですか? (蓮華 例えるなら、他人の心を揺り動かす力 例えるなら、求める物全てを手に入れようとする力 例えるなら、計画を実行したいが為に翌日の天気を変える力 (シェイド ・・・ム? (ウィル す、すいやせんがそれって・・・ (ロール ぶっちゃけ【女の子のワガママ】ってなカンジー? (裂邪 いやいやいやいやいやいやいやいや!?「ワガママ」が未知のエネルギー!? (シェイド ホゥ、ソウイウ見方モアッタカ・・・ (理夢 やっぱ「組織」ともなると考え方が違うな (裂邪 何関心してんの!? (蓮華 ・・・そして、私が現在研究しているのが、その「幼気」と都市伝説を併用することです やばい、頭がカオスになってきた 落ち着け、落ち着くんだ俺・・・ (裂邪 ・・・ワガママと都市伝説の融合、っていうこと? (蓮華 そうなりますね (裂邪 まさか、流石に在り得ないよ 都市伝説の力が自分の思い通りに捻じ曲がるなんて神でもない限り――― (シェイド イヤ、貴様ハ身ヲ持ッテ体験シテイル (裂+ミ+理+ウィ え? (シェイド ライサ、ト言ッタカ?ソノ少女ノ都市伝説・・・「マイナスイオン」デハナイカ? (ライサ あぁそう、それそれ! やっと思い出せたー! (裂邪 ハァ!?「マイナスイオン」って都市伝説だったの!? (日天 存在も効力も証明されていない疑似科学系都市伝説だ (シェイド 私ノ憶測ダガ、「マイナスイオン」ノ効果ハアクマデ『癒し』・・・ 故ニ疲労ヤ病ナドナラ、ソノ能力デ回復デキルダロウ ダガ、先程ライサガ行ナッタノハ『怪我の完治』。 契約シテ力ガ上ガッテイヨウト、ソコマデハ出来ン・・・通常、ナラ (蓮華 なかなか読みが鋭いですね R-No.10は「マイナスイオン」における『回復』のギミックを歪曲させ、 彼女のワガママで怪我の完治をすることができるようになったのです (ローゼ 因みにワタクシも使っておりますのよ~ (ロール てゆーかR-No.の上位メンバー皆使えるし もうついていけない どうにでもなってしまえ (裂邪 ・・・大体分かった。「女の子のワガママはとんでもない」ってことでOK? (ウィル 本当に分かってたんで? (裂邪 ほっとけ・・・あれ? 俺はふと、ミナワを見た (ミナワ ? ご主人様、どうかなさいましたか? (裂邪 ミナワ、お前もしかしt (蓮華 問題はそこです テーブルに身を乗り出して、蓮華ちゃんが俺に顔を近づけて言う この子危ないな、ときめいちゃったじゃないか! (裂邪 ・・・も、問題、って? (蓮華 貴方の契約している「シャボン玉」の都市伝説ですが、 さっきのは紛れもなく「破裂」のギミックを歪曲させた「幼気」の力・・・ (裂邪 やっぱり? (ミナワ え・・・ということは、今まで「替え歌」と言っていたのは・・・? (シェイド フム、歌ニ乗セテ「ワガママ」ヲ言ッテイタダケナノダロウナ (蓮華 しかし私が研究していた「幼気」はあくまで“人間”の話です 我々は既に都市伝説に飲まれていますが、元は人間でした 貴方の都市伝説はどうですか? (裂邪 ・・・ミナワ? (ミナワ えっと・・・どうなんでしょう・・・? (蓮華 純粋な、しかも少女がベースになった都市伝説で、 「幼気」が使えるという話は未だに聞いた事がありません 彼女の身の安全は保障します。是非我々に預けて、研究させて頂ければ (裂邪 断る 迷うことなく、はっきりと言い放った (裂邪 あんた等を信用してない訳じゃない だけど、俺はミナワを、1度だけ怖い目に遭わせてしまった 俺が、目を離したばっかりに・・・ もう二度と、こいつを俺の傍から離したくないんだ (ミナワ ・・・裂邪ぁ・・・ あ、また名前で呼んでくれた。よかった、夢じゃなかった (蓮華 ・・・そうでしょうね。貴方達の仲はR-No.3から嫌というほど聞きました (日天 なっ!?ちょっ、蓮華さん!? (裂邪 え~?日天ちゃん嫉妬ぉ?? (日天 嫉妬だと!?このオレが、お前なんかに!? (ミナワ ご主人様!女の子を怒らせちゃいけませんよ!? (裂邪 いやいや陰口叩いたの日天ちゃんだよ?犠牲者俺だよこの場合 (ミナワ 愛の鞭・・・『ラバブル』、もう一度見せて差し上げましょうか!? (裂邪 ヘェェェェェェェェルプ!! 今日のミナワ怖い・・・でも、まぁいっか。 新しい事も聞けたし、新しい人とも出会えたし、それに・・・ (ミナワ 何笑ってるんですかご主人様ぁ? (裂邪 え?いや、そnっておわっ!? (シェイド ミナワ、ヤルナラ今ダ (理夢 俺様達が抑えてる間に叩きのめせ! (ウィル 旦那覚悟ォ! (裂邪 お、お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 皆との絆も、より深まった気がするし ...to be Continued 前ページ次ページ連載 - 夢幻泡影
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4月某日 喫茶店 ルーモアにて 「…そうか。「日焼けマシンで人間ステーキ」の青年のアルバイト先にも、悪魔の囁き感染者はいなかったか」 「はい、今のところではありますが」 黒服とTさんは、悪魔の囁き騒動に関する事で、情報交換を行っていた 電話でも話せる事ではあるが、直接顔を合わせて情報交換を行うのが一番だ 「朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説に関しましては、まだ、正体が確定できません。いくつか、心当たりはあるのですが…」 「…怪力に高い防御力、炎と毒のブレスか……心当たりはあるが、それでだけはあってほしくない、と考えたいところだな」 Tさんの言葉に、全くです、と小さく苦笑する黒服 …「組織」内部でも、これでは、と予測は立てられ始めている…の、だが まだ、核心できるほどの情報は少ないのだ もっとも、朝比奈 秀雄の最後の都市伝説がそれであると「認めたくない」だけなのかもしれないが 何せ、それは……あまりにも、強力すぎる都市伝説だ 単体契約でも、それと契約した瞬間に飲み込まれる可能性が高い それを含めた多重契約をしているのなら……朝比奈自身の「器」は、はたしてどれだけ強大なのか それを考えるのが、恐ろしいのかもしれない 「それと…朝比奈 秀雄に、都市伝説の契約書を横流ししていました「組織」の裏切り者が、判明しました」 「…「コーラにはコカインが含まれている」の支配型の契約者が増大した原因を作った者か」 「はい…H-No.9。「病は気から」に飲み込まれた存在です。私は担当部署が違いますので詳しくは知りませんが、元々は研究班に所属していたようですね」 …「13階段」の契約者たる広瀬 辰也にとっては、因縁のある相手である事を、この黒服も把握している 彼が、今回のその事実を知ったならば…H-No.9が「組織」から離脱し、討伐対象になっている事を知ったならば…復讐の為に、先走った行動をしなければ良いのだが この黒服は、それを心配する 「それと……その、朝比奈 秀雄の目的なのですが。翼の実家の権力以外にも、狙っているものがある可能性が、出てきました」 「……それはもしや、「小瓶の魔人」か?」 Tさんの口から、「小瓶の魔人」と言う単語が出て 黒服は、思わず眉をひそめた …まさか、だが 「あぁ、朝比奈 マドカから聞いたんだ」 「…やはりですか」 彼女の軽率さに、かすかに頭痛のようなものを覚える 相手が、Tさんだから良かったものを あのような存在については、あまり口外すべきではない 「黒服さんも、それについて知っていたか」 「…日景家を訪問した際に、その小瓶を拝見しました。小瓶の中から、威圧感を感じる程の強い都市伝説の気配を感じました…あまり、長くそばにいると、その威圧感に押しつぶされるのではないかと言う錯覚を覚えましたよ」 「なるほど、本物か」 はい、と頷く黒服 …朝比奈 秀雄が、その存在を把握している可能性がある 朝比奈 マドカが、その存在を口走ってしまっている可能性が高いからだ こう言っては悪いが、彼女は後先を考えない部分がかなり、あるようだから そうじゃなくとも、酒の勢いで口走ってしまった可能性も、高い 「…Tさん、申し訳ありませんが。その事は、できればご内密に」 「あぁ、わかっている。願いをかなえる都市伝説を保有している、と言うのは………不幸を招く情報だからな」 自身も、そう言った経験をしているからだろうか 神妙な表情のTさん 「「日焼けマシンで人間ステーキ」の青年は、その情報は」 「把握しています。あの子も、朝比奈 秀雄はその小瓶も目的としている可能性が高いのでは、と言っていました」 だからこそ、翼は余計に、朝比奈 秀雄を倒さなければ、と考えている …たとえ、その命を奪う事になろうとも だが、優しい翼の心が、肉親殺しと言う業に耐えられるとは思えない ……だから いざと言う時は、自分が、翼の代わりに手を下そう 黒服は、そう決意する 「……黒服さん。背負い込みすぎないようにな」 「はい。お心遣い、ありがとうございます」 黒服の表情から、何かを感じ取ったのだろうか Tさんの言葉に、黒服は小さく苦笑して答えた さて、あと、Tさんに伝えていない情報は何であったか 黒服が、情報を整理していると …からん…ころん… 「あ、いたいた。Tさーん、黒服さーん」 「おにいちゃーん」 店内に、Tさんの契約者の舞と、リカちゃんが入ってきた そして、舞の後を付いて来るように、ゴスロリ服の少女が入り込んでくる その少女の姿に覚えがある黒服は、おや、と小さく声をあげた 「ヘンリエッタさん?」 「おぉ、D-No.962か」 「…あれ?黒服さん、知り合い?」 首を傾げた舞に、はい、と答える黒服 てとてと、舞達は黒服とTさんの席へと近づいてくる 「私の上司が担当しております、契約者さんです」 「うむ。そして、望の友達なのじゃ!」 どこか誇らしげに、ない胸をはってそう言ったヘンリエッタ ヘンリエッタの声に、Tさんが聞き覚えがあるような表情を浮かべたのだが、黒服は気づいていない 「なぁ、Tさん。あのユニコーンの兄ちゃん、やっぱり、悪魔の囁きにとり憑かれてたみたいだぞ」 「…!また、遭遇したのか?」 頷く、舞とリカちゃん 黒服も、眉を潜める 「…また、悪魔の囁きにとり憑かれている者が、現れたのですか?」 「うむ、妾が調べたのだから、間違いないのじゃ!」 再び、胸を張って言うヘンリエッタ 黒服は、難しい表情を浮かべる 「…近頃、「リア充爆発しろ」の能力によるものと思われる爆発事故が多発していまして。「組織」としては、その契約者が悪魔の囁きに騒動に関連している可能性を調べていましたが……ユニコーン、ですか」 ユニコーンは、貴重な都市伝説だ 確か、ヨーロッパでも数えるほどしかユニコーンと契約した存在はいない 後で、「薔薇十字団」に問い合わせれば、何かわかるかもしれない 新たな情報を手にして、黒服は思考をめぐらせるのだった to be … ? Tさん「コーク・ロア:お嬢さん」へ 前ページ次ページ連載 - とある組織の構成員の憂鬱
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夜の空を魔女が飛ぶ 箒にまたがる魔女一人 街を見下ろし、飛び回る 「ひっひ……相変わらず、夜もきらびやかだねぇ?」 繁華街の上空を飛びながら、魔女は1人、そう呟く 北区などはそうでもないが、この繁華街の辺りは、夜でもきらびやかで、まるで昼間のように明るく感じる …人間は文明を発達させ、夜を恐れなくなった 夜の暗闇を作り出した光で照らし、恐れなくなっていった 本当に、恐れていない? それは違う、と魔女は思う 本当に恐れていないのならば…都市伝説は、生まれやしない 人間が本能的に闇を恐れるからこそ、都市伝説は生まれ続ける 少なくとも、魔女の一撃たる彼女はそう考えていた だからこそ、夜の明るい街の上空を飛ぶのが楽しいのだ …畏怖すべき対象から目を逸らし、明るさを保つ事でそれを忘れようとしているその様子が、滑稽で仕方なくて それでも、適当に飛んで見下ろしたら、後はすぐに帰るだけだ 目撃されても面倒である ………ただ この日は、いつもと違った 迫ってきた気配に、感じた悪寒 急浮上し、超スピードで接近してきたそれを避けた まるで、竜のような巨大な生き物が、一瞬前まで魔女が飛んでいた場所を通過していく その尻尾の先では、ちろちろと赤い炎が燃えていた 「ひっひっひ……話に聞いている、カイザーとか言う都市伝説かい!」 ぐぉおおおおおおおおん!! 魔女の言葉に答えるように、竜……カイザーが吼えた 背中には、誰も乗せていない だが、カイザーの契約者は、恐らくこちらが見えている位置にいるだろう、と魔女は推理した どうやら、契約者が指示を出す必要がある都市伝説であるらしいから、相手がこちらを見えていなければ意味がない …もっとも、カイザーと契約者が視覚を共用できると言うのなら、別なのだが… おぉおおおおおん!! カイザーが吼える その口の中で、ちろちろと炎が燃えていた 「…っひっひっひぃ!まともに戦っても勝ち目はなさそうだねぇ?」 ならば まともに戦わないに、限る 魔女は、懐から小さな子瓶を取り出すと、カイザーに向かって投げつけた 炎が吐かれる直前にカイザーに当たった小瓶は、ぱりん、と割れて薬品をカイザーにぶちまける ぐぉおん!? 途惑った鳴き声をあげるカイザー 体の自由が利かなくなったのだろう、飛び方がおかしくなる 魔女が投げつけたのは、麻痺薬だ しばし、体が痺れてうまく動けない事だろう ……うっかり、地上に落ちたらどうするのか? まぁ、その時はその時だ 多分大丈夫だろう、多分 万が一の時は、「組織」がどうにかするだろうし そう、他人事のように考えながら、魔女はさっさと逃走しようとした …………しかし ぐぉおおおおおん!!と再び聞こえてきた咆哮 直後、魔女を灼熱の炎が掠った 「おぉっと!?………もう、回復したってのかい!?」 見れば、カイザーは既に体の自由を取り戻していた …おかしい いくらなんでも、早すぎる ぎらり、爪を剥き出しにして、飛び掛ってくるカイザー ひらり、ひらり アクロバティックに飛び回りながら、魔女はそれを避けて…再び、麻痺薬を投擲した ばりん!と小瓶がくだけ、薬がカイザーを襲う 再び、体の自由を奪われたカイザーだったが… …ぴろんっ♪と どこからか、電子音のような音が、響いた様な気がした どこからか現れた、小さな薬瓶 その中身が、カイザーの口に注がれて 次の瞬間、カイザーは体の自由を取り戻す!! 「っちぃ!!…ゲーム系の都市伝説、とか言ってたねぇ。まさか、ゲーム自体と連動しているのかい!?」 ゲームから生まれた都市伝説 もし、その本体が、ゲームの中に存在するとしたら? 傷ついても、毒や麻痺を喰らおうとも …ゲームの中でアイテムを使えば、回復する? 「冗談じゃないよっ!?」 ますます、自分では歯が立たない 魔女は、何とか逃げ道を確保しようとするのだが、カイザーは執拗に魔女に襲い掛かってくる 契約者を探すのだが…どこにいるのか、わからない 恐らく、繁華街のどこかのビルの屋上辺りから見ているのだろうとは思うのだが… どうする? 仲間に助けを求めるか? だが、空中にいる自分を助けられる仲間など… ………いや 「…ひっひ。いいタイミングで来てくれたねぇ?」 空が、曇りだす 雲一つなかった夜空が、暗雲で埋め尽くされていく ばちっ、ばちっ、と その雲の中で…かすかに、雷が光った 「----サンダーバード!!」 魔女の一撃の呼びかけに、答えるように カイザーに向かって、特大の雷が落とされた ばちばちと、雷がカイザーの体を焼いた 雄叫びを上げて、カイザーはビルに向かって落下していく 「……っとと!?」 雷の衝撃は、あまりにも大きくて その衝撃破に、魔女の体も吹き飛ばされた 慌てて、体勢を整える 「---っぶな……ひっひ、でも、助かったよ」 空を見上げて礼を言うと、ごろごろと雷が鳴った …とりあえず、助かったようである ほっと、息を吐いた 「わたしゃ、ただ空を飛んでいただけなのにねぇ?………問答無用とは酷い相手だよ、まったく」 ……とまれ 相手が、想像以上に厄介らしい事はわかった 恐らく、サンダーバードの雷で焼かれたとは言え……また、復活してくるだろう 魔女の一撃は、さっさと教会まで逃げ帰る事にしたのだった そして 魔女の一撃の予想は、当たっていた 「げんきのかけら」 ぴろんっ♪ 「まんたんのくすり」 ぴろろんっ♪ 黒焦げになったカイザーだったが…契約者たる竜宮がゲーム内でカイザーにアイテムを使っていくと、それに連動するように、カイザーの傷が癒えていく あっと言う間に、元の姿に戻る 「ドラゴンタイプも持ってるから、でんきタイプの攻撃にも強いんだけどなぁ……うーん、もっと気をつけないと駄目だね」 ぴこぴこ、旧式のゲームボーイを弄り、カイザーのステータスを見ながら、竜宮は考え込む 「「そらをとぶ」は秘伝技だから忘れられないとして…んー、「かえんほうしゃ」「きりさく」「はかいこうせん」じゃなくて、技を入れ替えてみようかな…?」 むむむ、と少年は1人 己の契約都市伝説の技の選択に、悩むのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
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「・・・・・・は?」 「いや・・・その・・・スマン!」 黒服は呆然とし、翼は黒服に土下座してる 中々にカオスな状況だけど仕方ないだろう 「・・・・・・」 「・・・・・・」 私が二人居るんだから 事の起こりは冬休みの最終日 翼と一緒に参加した都市伝説退治のバイト 内容はとある小学校の『写った人を引きずりこむ鏡』 本当はもっと別の都市伝説かもしれない けど、今現在の情報じゃそれ位しかわからない そんな都市伝説の鏡を壊すのが私達の仕事だった 「でも、鏡って事は非生物よね?普通に割って終りじゃないの?」 「多分それでいい筈だ・・・ただ、不気味だから誰もやりたがらないってだけだろ」 成る程ね まぁ、そのお陰で私達に仕事が回ってくるんだからありがたい事なのかもしれない 「気になるとすれば・・・『鏡を処分して来る』って言い残して出て行った教員が戻ってきた時には鏡の事を忘れてたって所か」 「・・・記憶を操作する?」 「かもしれねぇな」 そんな事を話しながら怪談を登ったその先に あった 「見た感じは普通の鏡だよなぁ?」 「でも、確かに都市伝説の気配はするわ」 今のところは何の変哲も無いただの鏡 だけど、其処からする気配は確かに都市伝説の物で・・・ 鏡に映っている私の顔が ニヤリ と笑った 「っ翼!!」 「な!?」 鏡に映る私が腕を伸ばし 鏡から生えた腕に腕を掴まれ引っ張られ引きずり込まれそうになった所で ガシィッ と翼が私のもう片方の腕を掴んだ 「翼!!」 「ちょっ!?踏ん張れ!!」 今、私は右腕を鏡に物凄い力で引っ張られ 左腕を翼に全力で引っ張られている状態で 下手するとそろそろ足が地から浮きそうな訳で そんな状態の私に踏ん張れは幾ら何でも無茶振りってそんな事言ってる場合じゃない!? このまま引きずり込まれる訳には・・・あ 「・・・翼」 「んだよ!?」 「先に謝っとく・・・買って嬉しいはないちもんめ!!」 「なぁ!?」 人間の身体にはリミッターが付いていると言う そのリミッターを外した状態が俗に言う火事場のクソ力と言う奴らしく 対象の肉体を操る事に関してはかなり強力な部類に入る『はないちもんめ』の能力なら 翼のリミッターを外す位は造作も無い ただ、絶対明日辺りに筋肉痛で苦しむだろうけど・・・翼が 何はともあれ 火事場のクソ力を発揮した翼が、物凄い勢いで私を引っ張り スポンッと言う音と共に 私達は後ろ向きに倒れた 「ったぁ・・・大丈夫か?」 「何とかね・・・」 とりあえず翼の上から退く 「成る程、確かにこの鏡さっさと処分した方が良いな・・・」 「確かに・・・あんな簡単に引きずり込めるなら、何で行方不明者が出て無いんだろう?」 「さぁな・・・ん?」 怪訝そうな翼の声 何かあった? 「なぁ・・・その右腕の・・・何だ?」 「え?」 言われて気付く そう言えばまだ、右腕を掴まれてる様な・・・「あいたたたた・・・」ん? 右側を向くと 「あれ・・・?」 「は・・・?」 私がもう一人居た 「「はぁっ!?」」 「って事があってな」 「スイマセン、全然状況が判りません」 黒服が頭を抱えながら言う そりゃそうだ、私だって全然判らないんだから 「つまり簡単に言うとね、あの鏡は『引き摺り込んだ相手に成り代わる鏡』だったのよ だから犠牲者が出ても鏡の中から偽者が出てくるから誰も行方不明者が出てなかったのよ で、今回も本当ならそこの『私』を引き摺りこんで私が成り代わる筈だったんだけど、引きずり込む所か逆に引っ張り出されちゃったからこんな愉快な事になったって訳」 得意顔で説明する私の偽者・・・何か腹立つわね 「取り合えず鏡本体は割って処分したんだけどな・・・コイツはその・・・望と同じ顔してるし退治するのは躊躇われたと言うか何と言うか・・・」 「私としては即刻処分して欲しいところだけどね」 「酷いわね?一応私は貴女なのよ?」 「同じ顔で同じ声のが目の前にいるのが凄い気持ち悪い」 不気味ってレベルじゃないわ 「黒服ぅ!!本体が苛める~!!」 がしっと半泣きで黒服に抱きつく偽者 何処からかピシッと音が鳴った 何の音かしらね? 翼、何でそんな脅えた顔してるの? 「いや・・・その・・・処分は流石に可哀相ですし、少し様子を見「何?黒服は偽者の味方なの?」いえ、味方とかでは無く」 黒服が珍しくあたふたしてる・・・本当に珍しい 「黒服って優しいよね 私、黒服のそういう所好きよ?」 黒服にしがみ付いたままそんな事をのたまう偽者に 次はブチッと音が鳴った 「黒服・・・取り合えずその子から離れましょうか「え?いや、その」良いから「・・・はい」 私から離れた黒服詰め寄る本体を他所に私は翼の隣に移動していた 「お前・・・」 「流石は私の本体、アノ位でヤキモチなんて可愛いわよねぇ?」 「わざとか、わざとなのか」 「当然でしょう?私はあの子と違って年上趣味は無いの、どちらかと言うと年下・・・ショタ派よ」 「聞いて無ぇよ・・・結局お前は何なんだ?」 「写った相手に取って代わる鏡の都市伝説が、あの子を写した事で出来上がった『写った時点での望のコピー』よ」 「・・・わかんねぇ」 「翼の頭には少し難しいかもね」 良くわからないと言った風な顔をする翼を小馬鹿にする様に言ってやると、翼は絶句した どういう因果か、折角鏡の外に出られたのだ 精々、現世を楽しませてもらうとしよう 続く? 御神楽 詩織 鏡から出て来たもう一人の望 顔も声も同じなのに名前まで同じだとややこしいので望の本名である詩織を名乗っている 望より少し素直で少し意地が悪い 身体能力も望と全く同じ 『はないちもんめ』の支配権行使だけ使える よって、望の様に金を渡した相手を新たに支配下に置く事はできないが、望が支配下に置いた相手なら操れる 後は『鏡を使った移動』 あらゆる鏡に出入りできる 都市伝説なので基本的に成長しないが、望が鏡に映る事で更新される 望とは利き腕が逆
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『もしもし!私、メリーさん!あなたの恋人になってあげるから、私と契約して、都市伝説契約者になってよ!』 「だが断る!!」 この一連の流れ、もう何度目だろうか 数えるのも馬鹿らしく、覚えてすらいない? 『どうして?こんな可愛いメリーさんが契約してあげるのに?』 「お前の姿見た事ねぇよ、声しかわかんねぇよ」 電話でしか接触してないから、姿がわからないと言うに 声的に幼女なのはわかるが……いや、声は幼女だが、実際は婆な可能性は否定できない その年齢でその声…だと、な声優さんがいらっしゃるのもまた事実 『この間、写メを送ってあげたじゃない』 「どアップすぎてどんな顔かすらわかんねぇよ」 改めて、確認してみる うん、やっぱりどアップでわからない 「っつか、メリーさんってのは、電話をかけた相手を殺すのと違うのか」 『メリーさんのお話で、メリーさんが人を殺すとは断定されてないの』 「まぁ、それはそうだが。そっからどうして俺の恋人になるとか俺が契約するとかそういう話になる」 『私は都市伝説だから、契約してくれる人が欲しいの!絆がほしいの、ぬくもりが欲しいの。存在を確立していきたいの!』 よくわからんと言うに それに、第一 「俺は女だから、幼女の恋人はいらん」 『大丈夫、メリーさんは幼女である以前に人形だから!』 「大丈夫じゃねぇよ」 『もしもし!私、メリーさん!あなたの恋人になってあげるから、私と契約して、都市伝説契約者になってよ!』 「だが断る!!」 この一連の流れ、もう何度目だろうか 数えるのも馬鹿らしく、覚えてすらいない? 『どうして?こんな可愛いメリーさんが契約してあげるのに?』 「お前の姿見た事ねぇよ、声しかわかんねぇよ」 電話でしか接触してないから、姿がわからないと言うに 声的に幼女なのはわかるが……いや、声は幼女だが、実際は婆な可能性は否定できない その年齢でその声…だと、な声優さんがいらっしゃるのもまた事実 『この間、写メを送ってあげたじゃない』 「どアップすぎてどんな顔かすらわかんねぇよ」 改めて、確認してみる うん、やっぱりどアップでわからない 「っつか、メリーさんってのは、電話をかけた相手を殺すのと違うのか」 『メリーさんのお話で、メリーさんが人を殺すとは断定されてないの』 「まぁ、それはそうだが。そっからどうして俺の恋人になるとか俺が契約するとかそういう話になる」 『私は都市伝説だから、契約してくれる人が欲しいの!絆がほしいの、ぬくもりが欲しいの。存在を確立していきたいの!』 よくわからんと言うに それに、第一 「俺は女だから、幼女の恋人はいらん」 『大丈夫、メリーさんは幼女である以前に人形だから!』 「大丈夫じゃねぇよ」 大丈夫じゃない どう考えても、大丈夫じゃない 恋人以前の問題だろうが 人形を愛する趣味はない 『えー、エロエロな事をしても問題ないのに』 「したくねぇよ。っつか、お前は女が恋人でもいいのか」 『私は男も女もどっちもいける口なの』 ぶつっ 通話を切った うん、変態だ どう考えても変態だ 都市伝説とか言っているが、もしかしたら幼女声の痴女からの電話なのかもしれない よし、非通知に……… ~♪~ 皆がいるから よっこらせっくす ~♪~ 『もしもし!私、メリーさん!突然通話を切ってくるなんて酷いわ』 どうして、勝手に通話がつながるんだよ畜生 どうなってんだ、この怪奇現象 幼女声の変態から電話がかかり始めて一週間 俺は、窓からこっちを覗いてきている人形に気付かぬふりをしながら、このやり取りを続けているのだった 終われ 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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―第16章 非難噴出雨霰― 「俺の名前はほしゅ・A・スゲナスゲ。またの名をクリスチーヌ剛田。気軽に剛田って呼んでくれて構わないぜっ!」っと、建前はこのくらいにしておいて… 「ふざけんじゃねぇっ!なんなんだよ!この名前っ!自分の名前なのに言い辛いじゃねえか!」 俺は相当怒っている。どこぞのボンクラが職務怠慢なんかしやがるからこんな変な名前を頂戴させられる羽目になったんだ! 「おーい、剛d「死ねぇ!」うおっとぉ!危ねぇじゃねえか!何すんだ!」 「今の俺は最高に「ハイ」ってやつだッ!憎きあのボンクラを倒すまでは誰も邪魔すんじゃねえっ!」 何だろう、今あいつを下手に刺激したら危険が危ないッ!俺の思考回路がそう警鐘を発している! 「まず手始めにお前からだッ!覚悟するがいいッ!」 「ちょっと待てっ!何故俺なんだ!?」 「お前だってさっき剛田って言ってただろうがッ!という訳でお前も同罪だッ!磔刑に処すッ!」 おいおい…そんな無茶な… 「死ねェッ!」 「させるかっ!」 生身で激しい殴り合いをする俺ら。…何やってるんだろう。兎に角こいつを止めなければ!かといって都市伝説の力を借りる訳にはいかない。という訳で― 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」 …俺らって一体何者なんだろう。生身でラッシュの速さ比べをする事になろうとは… それにしても、こいつを「ハイ」にしちゃ拙かった。やはり俺の思考回路は正常に機能していたようだ。 「どうしたどうしたッ!お前の力はその程度だったのか?」 くっ…俺が押されている。やはりこいつは強い! 「止めだッ!!!」 「遅いっ!」 止めの一撃を前にして俺は全人類共通対男性用最終禁断秘奥義「金的」を炸裂させた!! 「●£&$㍉㍑㌢㌧㌢㌧♪☆ω※♂~!!!!」 間髪いれずに俺は全人類対応型最終奥義「弁慶の泣き所」を食らわせた!! 「ギャース!!!」 剛田はしばらく意識を失った。その後彼がどうなったかを知る者はいないという… 「何勝手に人の事消し去ろうとしてくれてんだ!まだこの通りぴんぴんしてるっつーの!」 ―え?皆さんで考えた名前が気に入らないのかい? 「勿論だ!俺は男だっ!それなのに何が悲しくて青狸が出てくる漫画の少女漫画家を目指す女のペンネームを名のらにゃあかんのや!?」 ―剛田さん、口調口調! 「うるせえ!元はといえばお前のせいだぞ!お前が碌でも無さすぎるからこんな結果になったんだ!分かってんのか?」 ―分かりました。なら新しい名前を募集すればいいんですね? 「分かってんなら早くしやがれっ!」 ―はいはい、善処しますよ…ッタク、セッカクラクデキルトオモッタノニ… 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』