約 2,839,302 件
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/440.html
六枚目:牡丹に蝶 & 七枚目:萩に猪 天香国色、百花の王。 それは多くの文人墨客に愛された、高嶺の花。 見事な牡丹を描いた水墨画、テレビではその作者の生涯を追うドキュメントをやっていたはずなのだけど。 「牡丹鍋、食べたいわね」 これぞ、リアル花より団子。色気より食い気。食いしん暴バンザイである。 「…何よ。言いたいことがあるならはっきり言いなさい」 「…牡丹繋がりにしちゃ、随分縁遠いなぁ、と」 「牡丹と食には切っても切れない関係があるのよ。お酒なら司牡丹、甘味なら牡丹餅…あ、お萩もいいわね」 「節操無いんだから、ホント…」 薄紅色の花びらを重ねて咲く様は、まさに王様の装飾。 彼女の言うように、牡丹の美しさや風格から、その名前を冠した食べ物は多い。 「郷土料理を出す料亭で、一度だけ食べたことがあったけれど…あの濃厚な味わいが忘れられないわ」 「牡丹鍋には及ばないけれど…今日は豚汁だからさ、それで、」 「御馳走様」 それで手を打って食べていかないか、と、尋ねる前に。 これもこれで、いつも通りの流れである。 ウチのソファーがお気に入りのようで、ゴロゴロとくつろぐ霧切さん。 適当にチャンネルを変えては、気に入る番組がないのか唸っている。 僕としてはさっきのドキュメンタリーでも見たいのだが、生憎現在リモコンの主は霧切さんだ。 どちらにせよ料理中だし、しばらくはテレビに霧切さんの相手を任せよう。 「そういえば…苗木が」 「へ?」 唐突に名前を呼び捨てられて、思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。 驚いて振り向けば、彼女もまた驚いたようにこちらを見ていて、それから急に吹き出した。 「ふふっ…違うの、あなたのことじゃなくて…でも、そういえばあなたも『苗木』だったわね」 「…正真正銘、本物の苗木誠だけど」 「ゴメンなさい、馬鹿にしようとしたわけじゃないのよ。昨日事務所からの帰りにね…」 彼女が言うには、よく通る商店街の花屋で、牡丹の苗木を見かけたらしい。 一緒に売られていた花瓶もきれいで、思わず衝動買いしそうになったとのことだ。 「衝動買い好きだよね、霧切さん」 「自分の欲望に正直に生きるのよ、私は」 歌うように言ったその言葉を、僕は感慨深く聞いていた。 かつて、学園に共に通っていた頃。 彼女はまるで、欲望や好奇心を押し殺したように生きていた。 見ているこっちまで息苦しくて、どうにかして素直になってほしくて。 良くも悪くも、今は見る影もない。 『もともと私生活はだらしないのよ…私は』 初めて彼女の部屋を訪れた時、少しだけ恥ずかしそうに、そう言われたのを覚えている。 『あなたは私を、その…何でも出来るような堅苦しい優等生、くらいに思っているかもしれないけど』 少しくらい欠点がある方が、親近感も湧く。 そう思っていられたのは、最初の数か月だけだったなぁ…。 「最近、仕事帰りにあなたの家に寄るのが日課になってしまっているわ…」 「夕飯作る時間もないんでしょ? 事前に連絡あれば、一人分も二人分も作るのに大差ないし」 「そうやってあなたが甘やかすから、私はどんどんつけあがるのよ…」 自覚はあるようだ。 もともとだらしない、と、彼女は言った。 公私の区別をはっきりと分けているから、悟られないだけだ、と。 それなら、だらしない一面を僕に見せてくれているということは、 僕は霧切さんの『私』の中に勘定されていると、考えてもいいのだろうか。 「ま、それならこれも…一種の特権かな、なんて」 「…特権?」 「だらしない霧切さんのお世話をさせてもらえる権利。人によってはご褒美かもね」 「……」 無言の抗議と共にソファーから飛んできたゴミを軽くかわして。 ソファーの向こう、おそらく少し拗ねている顔を想像して、思わず頬が緩む。 いつも凛として佇む彼女。 決して無理をしているワケじゃないだろうけど。 その苦労や、背負ってきた信念を、僕は知っているつもりだ。 だから僕の家に来ている時くらいは、羽を伸ばしてほしい。 大根、玉葱、人参、蒟蒻、じゃが芋に油揚げ。 奮発したバラ肉を大きく切り、沸騰させて灰汁を取ったら、隠し味の酒粕も。 豊富な具材が、栄養が、温かさが。 明日からの彼女を助けるエネルギーになってくれますように。 「それで、結局買わなかったの?」 手休めついでに、『苗木』の行方を聞いてみる。 「予算は問題なかったけれど、置く場所に困りそうだし…思い留まったわ」 「ああ…それに、出張中は手入れ出来ないしね。残念」 『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』。 牡丹は美人の形容の代表句でもある。 彼女の家に、苗木が飾られている光景を想像する。 白い部屋に美女一人、牡丹一輪。 なかなか絵になるな、と、ぼんやり感じ入っていると、 「…苗木君、お腹空いたわ」 唐突に、すたすたとジーンズ姿の霧切さんが台所に上がり、そのまま冷蔵庫を漁る。 「待って、今作ってるから」 「待てない。…あら、卵の燻製があるじゃない」 僕の言葉も待たずに、暴君はビールを片手に卵のパックを開ける。 うん、美女には違いないんだけど。 あの諺が示すような大和撫子からは、程遠い存在かもしれない。 「…『立てば酒持ち、座ればご飯、歩く我が家の女食客』ってところかな」 「…ちょっと。それ、誰のこと?」 耳疾く聞きつけた霧切さんの追及の視線を逃れつつ、僕は豚汁の味を見た。 牡丹鍋よりも、彼女は気に入ってくれるだろうか。 【続く】
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/126.html
石丸君が山田君に殺された セレスさんが仕組んだものだった そしてセレスさんは作戦が成功した後山田君を殺… そうとして逆に山田君の仕掛けたトラップによって殺された 僕たちは学級裁判でその事を突き止め山田君に投票した モノクマ「…一応言っておくけどこれまた大正解!! 今回のクロは超高校級の同人作家こと山田一二三君…」 その時、山田君はどこからか拳銃を取り出しモノクマの目を撃った 山田「…もう十分だろう? これ以上お前らの裁判ゴッコに…付き合ってやる暇は無い。」 葉隠「山田っち…どういうつもりだ?」 山田「最初からこのつもりさ…葉隠…」 大神「なぜセレスを殺した…?」 山田「…何故だか…我慢できないんだ …安広多恵子殿が自分の巣の中心で(ミルクティーを作って来い)とか (腐れラード)とか言う事が…」 とたんに山田君の顔が鳥のようになり山田君はクエェェェ…という 鳥のような声を出した 山田「一番になりたいんじゃない。ただ巣の中心にいたいだけなんだ。 葉隠康比呂殿…俺がこの巣の中心になるために…バカなてめえは実に うまく利用できたよ… テメェにジャスティスロボの衣装を着させて事件をかく乱できたし…」 葉隠「黙れコラァ!! 石丸っちとセレスっちを…そんなくだらねー動機で!! そこに目を押さえながらモノクマが立ち上がった モノクマ「まったく、実にくだらないね!! 自分以外の雛鳥を蹴落としたぐらいで…その巣が自分のものだと 安心してしまうとはね!!」 山田「な…何故そんなピンピンしてられる…確かに俺の弾は… 脳天を貫いたハズだぞ!!」 モノクマ「そう見せていた方がいいかと思ってね… 撃たれた時幸運にもまばたきをして…上手いこと弾丸をキャッチ できたんだよ。」 一同「!!!!!!!?」 霧切(いやいやいや!!!!) モノクマ「君はまるでわかっていないね!! いかに雛鳥が巣を支配してようが天敵からの侵略にはまるで 無力だと言う事を… では、張り切っていきましょう!!お仕置きターイム!!」 山田「ふっふざけるな!!せっかく俺が…」 モノクマ「こらこら!!ボス気取りのヒヨコには… 狩られる側に回ってもらいましょー!!」 そう言うやいなや大きなモノクマが山田君を巨大なライフルで撃ちぬいた 山田「クエエエエッ!!」 山田君はそう言うとその場で絶命した 僕はそれを見てこう思った 苗木(かわいそうに…モノクマと関わったばっかりに…) 終わり
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/640.html
七海「う~ん・・・むにゃむにゃ・・・・・。」 小泉「ちょっと千秋ちゃん!こんなところで寝ちゃダメだよ!?」 七海「う~んアリガト・・・・、でも眠くて眠くて・・・・。」 澪田「相変わらずのお眠っすね~?なんなら唯吹と一緒に遊んで眠気と さよならするっす!!」 七海「う~ん・・・・ごめんね?そんな気分じゃないかな?」 澪田「あ~らら、残念ッス・・・・所で千秋ちゃん?ホントによく寝るっすけど どこか気に入ってるお昼寝ポイントとかあるっすか?」 小泉「あれ?唯吹ちゃんってお昼寝なんてするの?」 澪田「いやいやしないっすけど、でもでも休憩ぐらいはさすがの唯吹でもするっすよ。 まぁ10秒も経てば全回っすけどね、イヤッホオオオオオオオオオ!!」 小泉「そんじゃ休憩に入らないでしょ?でもお昼寝できるぐらいゆっくりできる 所ならなんとなく知りたいかな?ねぇ、千秋ちゃん。どんな所があるの?」 七海「う~~~ん・・・・基本的に私はどこでも眠れるんだけど、そうだな・・・? たとえばあの公園の木陰辺りとか?」 小泉「ああ、あそこなら私も知ってる。座ってるとちょうどいい風とか吹いてきて 気持ちいいんだよね。」 澪田「ふむふむ、それからそれから?」 七海「後は図書館とかぐらいかな静かで風通しもいいし・・・・。」 澪田「図書館ならCDコーナー探しの方がバリ盛り上がるっすよ!」 小泉「はいはい、また今度は私が探してあげるから。」 七海「あ、でも最近気に入ってるところが一つあるかな?」 小泉「へ~、どんなところ?」 七海「日向くんの膝の上。」 澪田&小泉「「・・・・・・。」」ピクッ 七海「すごくあったかくてどこで寝るより安心できるし・・・・。」 小泉「・・・・へー・・・・・。」 澪田「・・・・ソウナンスカ~・・・・。」 七海「それにたまに抱きしめてくれたりするからそんな時はすごく安心して眠れるよ?」 澪田&小泉「「・・・。」」ピシッ!! 七海「ふぁ~~・・・なんだか話してたらなおさら眠くなってきちゃった・・・。」 小泉「・・・・・・・。」ゴゴゴ・・ 澪田「・・・・・・・。」ゴゴゴ・・ 七海「?二人ともたくさんフォークなんてもってどうしたの?」 澪田「・・・なんでもないっすよ。」 小泉「ゴメンネ?モウゆっくり寝てていいよ。でもコテージにはちゃんと戻ってね・・・。」 澪田「真昼ちゃん・・・・ちょっとスーパーまで付き合って欲しいッス・・・・。」 小泉「いいよ・・・ちょうど私もスーパーに用事ができたから・・・・・。」 七海「二人とも生徒手帳なんか出してどうしたの?」 澪田「ちょっと探しものっすよ・・・・。」 小泉「邪魔なアンテナを採ってこようかな~って思ってね・・・・・。」 七海「???よくわかんないけど、いってらっしゃ~い・・・・。zzz・・・・。」 ロケットパンチマーケット 日向(・・・・ゾクッ!!)とてつもない絶望を感じた・・・・ 狛枝(・・・・ゾクゾクッッッ!!!)とてつもない希望の前兆を感じ取った・・・・
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/435.html
一枚目:松に鶴 「来月までに千羽、ね…」 律義なところは苗木君の美点だけれど、行き過ぎは負担になるんじゃないか。 そんな私の懸念を余所に、また一羽作り終える。 「もっとこう…手軽なものでいいんじゃない? 手紙でも、彼女は喜んでくれると思うわ」 「手紙も書くけど…お見舞いに行けない分、せめて気持ちを送りたいな、と思ってさ」 「…まあ、お人好しなあなたらしいわね」 「手伝ってくれてる霧切さんも大概だよね」 舞園さんが倒れた、と、私がニュースで知る頃には、苗木君は既に高校次代の友人たちに話をつけていた。 過労が原因のため、命に別条はなくとも、しばらくは活動を休んで療養するそうだ。 そんな彼女を応援するための、千羽鶴。 苗木君と舞園さんの出会いに縁のある鳥だ、きっとただの千羽鶴以上に意味を持つのだろう。 作るのは主に彼だが、『希望ヶ峰学園同窓生』の名目で送るらしい。 「…どうして千羽鶴なのかしらね」 ふ、と作る手を止めて、頬杖を付いた。 「縁起が良いからじゃない? 長寿の象徴だし」 また一羽を膨らませ、作業の手を止めずに苗木君が応じる。 「縁起が良い、ね…勝手なものだわ」 嫌な音を立てて、空気が凍る。 「人間の活動で住処も命も奪ったせいで、絶滅の危機に瀕している鶴を、一方では縁起を担ぐなんて」 「……」 「これほど鶴をぞんざいに扱っておいて、仮にここで千羽鶴を折ったところで、本当に御利益はあるのかしら。甚だ疑問だわ」 最低の科白だ。 頑張っている苗木君や他の同窓生の努力を、一笑に伏すような言葉だった。 利益や縁起じゃない。 舞園さんのために鶴を折る、その行為そのものが何よりも尊く意味があるというのに。 苗木君は作業の手を止めて、困ったような笑顔を私に向ける。 「霧切さんって…時々、舞園さんの話をすると機嫌悪くなるよね」 ドキ、とする。真を突くような言葉が返ってきた。 舞園さんは、本当に友達だと思っている。 卒業後の親交も、苗木君ほどではないけれども、それなりだ。 個人的な依頼を頼まれることだってあるし、時々だけど電話で言葉を交わす日もある。 けれど、 私が家まで遊びに来ているのに、苗木君は舞園さんのために鶴を折る。 そんな彼が、少しだけ許せなくて。 構ってもらえずに拗ねる、子どものような嫉妬心だと、自分でも嫌になる。 「あの…もし無理に手伝わせてたのなら、ゴメン」 「いえ、そうじゃないのよ…ただ…」 不器用な私が作った折り鶴は、不格好にひしゃげていた。 こんな歪なもの、舞園さんには贈れない。 醜い本音と共にポケットにしまいこんで、私は席を立った。 「…意味もないことを考えすぎたみたい…風に当たってくるわ」 【続く】
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/388.html
カメラマン「はいオッケーでーす! 苗木君、お疲れ様でした!」 苗木「お疲れ様でした。ふぅ、緊張したぁ……」 カメラマン「ははは、そんなに張り詰めなくたっていいんですよ」 苗木「すみません。こんな風にメインで撮ってもらうの、初めてなもんで……あの、本当にあんな感じで大丈夫でした?」 カメラマン「ええ、格好良く撮れてますよ。任せておいて下さい」 苗木「そ、それならいいんです。それにしても僕なんかがメインって……どうも照れるなあ」 ガチャッ 霧切「遅くなってしまったわね……」 苗木「あ、霧切さん!」 霧切「待たせてしまってごめんなさい。本業の方が忙しくて……」 スタッフ「いやいや、全然大丈夫ですよ! 今日はよろしくお願いします」 霧切「ええ、よろしくお願いします。それじゃあ苗木君、早速撮ってもらいましょうか」 苗木「あ、いや、それが……」 霧切「? どうかした?」 スタッフ「苗木さんの方はもう撮影終わってるんですよ。ですから霧切さんお一人で……」 霧切「え?」 カメラマン「いやあ、格好良かったですよ苗木君! よかったら今しがた撮った分ご覧になりますか?」 霧切「……ちょっと待って。その前に確認したいことがあるわ」 スタッフ「は、はい、なんでしょう?」 霧切「今日は限定BOXのジャケットスチルの撮影で、苗木君と私がメインだと聞いているのだけれど……」 スタッフ「え、ええ。その通りですが……」 霧切「なら、どうして撮影が別々なの?」 スタッフ「ええっとですね……今回は苗木さんの横に、霧切さんの顔アップを合成するような感じで……」 霧切「意味が分からないわね。彼も私もこの場にいるのよ? 普通にツーショットを撮ればいいじゃない」 苗木「あ、あの、霧切さん……」 霧切「苗木君は黙っていて。それで、どうなの?」 スタッフ「これはデザイナーの意向ですので我々にはなんとも……」 霧切「なら、デザイナーを呼んでもらえる? 直接会って話がしたいわ」 スタッフ「そ、そう言われましても……」 カメラマン(帰りてぇ……) 霧切「呼べないというのなら、こっちにも考えがあるわよ。探偵を敵に回すということが何を意味するのか、身をもって……」 苗木「……霧切さん」 霧切「何? 黙っていてって……」 苗木「こっちに来て」 霧切「! ちょっと苗木君、引っ張らないで……」 苗木「いいから、こっち!」 霧切「な、苗木君! 離して!」 苗木「駄目だよ霧切さん、あんなこと言って困らせちゃ」 霧切「だって……納得できないもの、こんなの」 苗木「それはまあ、僕だって残念だけどさ。でも……」 霧切「今に始まったことじゃないわ。私は前からここのデザイナーに言いたいことがあったのよ」 苗木「ちょ、ちょっと! 生みの親に喧嘩を売るようなことはあんまり……」 霧切「いいえ、言わせてもらうわ。だっておかしいじゃない? 主役のあなたが、いつも隅の方に配置されているのよ?」 苗木「しょうがないよ。僕じゃ華が無いしさ」 霧切「そんなことはないし、そういう問題でもないわ」 苗木「いや、でも」 霧切「それに私も……一応ヒロインということになっているのに、毎回あなたと離れた場所だし……」 苗木「……」 霧切「ようやくあなたと私がメインのスチルと思ったら、今度は合成? 一言物申さないと気が済まないわ」 苗木「落ち着いてってば! 写真ならいつでも撮れるでしょ?」 霧切「そういうことじゃないのよ……! 私は……」 苗木「……わかった。それじゃあ、こうしよう?」 苗木「ごめんなさい、お待たせしちゃって。撮影再開してもらっていいですか?」 霧切「……」 スタッフ「こっちは問題無いですけど……あの、そちらは……」 苗木「大丈夫です。ね、霧切さん?」 霧切「……ええ。あの……」 スタッフ「は、はい?」 霧切「さっきは、すみませんでした。少し頭に血が昇ってしまって……忘れてください」 スタッフ「あ、いや……そんな、いいですよ!」 苗木「あの、カメラマンさん。ちょっと相談なんですけど」 カメラマン「ん、なんですか?」 苗木「霧切さんの撮影が終わった後で、別口で撮影をお願いしたいんですけど……撮影料は僕のギャラから出しますから」 カメラマン「こっちは構わないですけど、一体何を?」 苗木「僕と霧切さんの、その……ツーショットを」 霧切「なにもあなたが一人で撮影料を負担しなくても良かったのに……そもそも私の我侭なんだから」 苗木「いいよ、気にしなくって。いい絵が撮れたからって、料金サービスしてくれたし」 霧切「でも……」 苗木「霧切さんが機嫌直してくれたなら、僕はそれでいいんだよ」 霧切「ごめんなさい……また迷惑をかけてしまって。今思い返してみると、我ながら本当にみっともなかったわ」 苗木「それもいいって。僕もさ、本当はツーショットを撮ってもらうの期待してたから。 だからそれがこうして実現して嬉しいんだ。これも霧切さんのお陰かな?」 霧切「……そう、なのかしら」 苗木「いざ撮るとなるとちょっと照れ臭かったけどね……ま、とにかく。後はこの写真でデザインを作って、印刷業者も探して……」 霧切「私達だけの限定BOXジャケット……限定版の中の限定版ね。こんなことを考えるなんて、そっちの方がよっぽど恥ずかしいと思うけれど」 苗木「そ、そんなこと言わないでよ。僕的には会心のアイディアのつもりだったんだけど」 霧切「そこは、まあ……否定しないわ」 苗木「そうしてもらえると助かるかな……ははっ」 霧切「……苗木君」 苗木「何?」 霧切「ありがとう。今日のことも、これまでのことも。そしてこんな私だけど……これからもよろしくね」 苗木「うん。こちらこそ、よろしく」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/138.html
あれから二日経った…霧切さんとはまったく会えていない と言うより…霧切さんの姿をまったく見る事が出来ない 朝食は僕が来る頃にはすでに食べ終えてるようだった 朝食後、学園中あちこち探してるけど…未だに見つける事は出来ない …こうなった原因は間違いなく例のウソ発見器だ 「モノクマの奴…」 僕は…霧切さんの事を大切な人だと思ってる いつも冷静で殺人が起きても顔色一つ変えず、捜査をする彼女 でも…僕は何度も助けられている。今までの学級裁判だって彼女がいなかったら… それに…僕自身が…彼女を放っておけない しかしその場合、あのウソ発見器は本当の事を言うと反応すると言う事になる つまり…霧切さんは僕の事を… 「………確かめるんだ、霧切さんに会って…直接…!」 僕は霧切さんに会うために行動に出た とにかく他の皆に聞いてみよう。霧切さんがどこにいるのかを 「苗木、また霧切ちゃんを怒らせたの?」 霧切さんの事を聞くと朝比奈さんはすぐにこう聞き返してきた 「うん、ちょっとね…と言うかまたって…」 「だってそうじゃん。もしかして…怒らせたのって一昨日?」 「な、何で知ってるの?」 「普段表情を変えない霧切ちゃんがひどい顔してたよ…まったく、よっぽどひどい事したのね」 ……否定できない。でも、だからこそ… 「…霧切ちゃん、最近いろいろ調べまわってるみたいだよ」 「え?」 「本当にあちこちで見かけるから…私も今何処にいるかまったく分からないんだ」 「…そっか、ありがとう。朝比奈さん」 「ちゃんと謝って…仲直りしなさいよ!」 「うん!」 とにかく、また学園をあちこち探してみるか……… 「あれ?苗木っち、どうしたべ」 「あ、葉隠君、霧切さんがどこにいるか分からない?」 「霧切っち?う~ん、ちっと見当がつかねぇべ…探してんのか?」 「うん、ちょっとね…ここ二日間霧切さんに全然会えてなくて…」 「そりゃおかしな話だべ。苗木っちを見た時は霧切っちもそのすぐ後に見てるんだけども…」 「え?」 「まぁ、見つからないんなら仕方ねぇべ。俺の占いで霧切っちの場所を…」 「…ありがとう、葉隠君。僕もう行くね」 「え?ちょ…俺の占いで…」 手を伸ばす葉隠君を置いて僕は再び歩き出した 朝比奈さんの証言によると霧切さんは学園をあちこち移動しているらしい そして葉隠君の証言によると僕を見た時、霧切さんもすぐ後に見ているらしい ………そうか、そう言う事だったんだ 葉隠君は僕を見たすぐ後に霧切を見たと言っていた と言う事は霧切さんは僕の後をつけているんだと思う おそらく僕に会わないように僕を監視するため… 以前と違って朝食を僕より速く食べるのもそのためだろう 朝比奈さんは霧切さんをあちこちで見たと言っていた それは霧切さんを探す為に学園中のあちこちに行く僕を尾行していたから だから僕の考えが正しければ彼女は僕を尾行しているのだからある程度僕の近くにいるはずだ ……ならば僕に何かあればきっと霧切さんはすぐに駆けつけてくれるだろう それならと僕はドアを開けて自分の部屋に入る…よし…行くぞ 「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」 僕は悲鳴をあげてドタッと倒れた。 今回は我ながらいい演技だったと思う。勢いよく倒れたので結構痛いけど 倒れて気絶したふりをしていると…予想通り、彼女が部屋に入ってきた 「苗木君!?どうしたの?苗木君!?」 彼女は僕をゆさゆさ揺らす。その揺らす手を僕は掴んだ 「っ!?な、苗木君?」 「やっと捕まえたよ、霧切さん」 逃がさないように霧切さんの手をしっかり掴む 手を掴まれた霧切さんは…何とも言えない表情で僕を見ていた でも次の瞬間にはいつも見ている無表情の霧切さんになっていた 「……ごめん、騙すようなやり方をして…でもこうでもしないと霧切さんに会えなかったから…」 「…死んで欲しいくらい大嫌いな私と何か話す事でもあるの?」 「大嫌いなんかじゃないよ!僕は…この前の誤解を解きたいんだ!」 「…貴方が私を大嫌いじゃないと言うなら…私は貴方の事が大嫌いと言う事になるわよ」 「それは違うよ!霧切さん、『僕が霧切さんの事を大嫌いだ』って考えてたんでしょ?」 「……ええ、そうよ」 「つまりそれって『霧切さんが僕の事を大好き』だから出てくる台詞だよね」 「っ!?」 霧切さんは一瞬だけ目を見開き、すぐに辛そうに伏目になった 「…実際はよく分からないわ。でも…他の娘と苗木君が話していると不安になるのは本当だし、暇な時に苗木君の事を考えているのも本当…」 「霧切さん…」 「もしかしたら…自覚がないだけかもしれないわ。でも…苗木君が私の中で大きい存在なのは分かってる」 「……………」 「だからこそ…苗木君が私を大嫌いと言う事になるのよ」 「違うよ!僕は…」 「利用する価値があると判断して私に近づいた。油断させる為に私に近づいた…」 「僕はそんなつもりで霧切さんと話していたんじゃないよ!大体モノクマのウソ発見器だよ!そんな…」 「そうね、あのモノクマの用意したウソ発見器だもの。何かあるかもしれないわね。でも…」 霧切さんは掴まれていない方の手を胸の前でぎゅっと握り締めた 霧切さんが人に深入りしない、させない事を誓った、あの手袋… …きっと彼女は信じる事が未だに怖いんだ。そして信じられている事を信じきれない こうなったら…証明するんだ!僕が…霧切さんをどう思っているのかを! その為に…モノクマのウソ発見器はおかしい事を証明する! 「モノクマ!出て来い!」 「この前は僕が出たら邪険にしたくせに…苗木君は勝手だなぁ」 「モノクマ、この前のウソ発見器で僕と霧切さんに同じ質問をして欲しい」 「別にいいけど…あのウソ発見器はちゃんと動いてるよ?何も変わらないと思うけどなぁ」 「そうだね、そうかもしれない…」 僕がそう言うと霧切さんは一瞬だけ悲しそうな表情になった でもそれは一瞬の事で霧切さんはいつものような無表情に戻った 「ふ~ん、まぁボクは別にいいけどね。で、霧切さんは?こんな面倒な事やるの?」 「…ええ、構わないわ。苗木君、逃げないから手を離して」 霧切さんは一瞬だけ僕を見てモノクマにそう答えた そして僕は言われたとおり霧切さんの手を離す 「では早速…ウソ発見器ぃ~!ではまず霧切さんから行くね」 そう言ってモノクマは霧切さんにウソ発見器をつけた 「この前と同じ、質問には全ていいえで答えてください」 「分かったわ」 「では最初の質問です。霧切さんは苗木君が大嫌い?」 「いいえ」 ウソ発見器は反応しない。モノクマは質問を続ける 「次の質問です。霧切さんは苗木君が他の女の子と話していると不安になる?」 「いいえ」 (ビィー!ビィー!) 「次の質問です。霧切さんは暇な時は苗木君の事を考えてる?」 「いいえ」 (ビィー!ビィー!) 「最後の質問です。霧切さんは苗木君の事を異性として大好きである」 霧切「いいえ」 (ビビィーーー!!!) 反応は全て前回の時と同じ… 「ほらね、何にも変わらなかったじゃない」 「……ええ、そうね…」 「じゃあ次は苗木君だね」 「ああ、分かってるよ……霧切さん」 「……何かしら?」 「僕は…『霧切さんに』ちゃんと確かめてもらいたいんだ」 「…………苗木君…」 「霧切さん、ここまで言えば…分かるよね?」 「はいはい、お喋りはそこまで。苗木君も前回と同じ、質問には全ていいえで答えてね」 モノクマはウソ発見器を僕に着け、そう言った あとは霧切さんを信じるしかない… モノクマのウソ発見器がおかしい事を分かってもらうには霧切さん自身の協力が必要なんだ 「では最初の質問です。苗木君は霧切さんの事が大嫌い?」 「いいえ」 (ビィー!ビィー!) 「次の質問です。苗木君は正直霧切さんが気色悪いと思ってる?」 「いいえ」 (ビィー!ビィー!) やはりウソ発見器の反応は前回と変わらない 「やっぱり何も変わらないじゃない。もぉ~…じゃあ最後の質問ね、苗木君は霧切さんが死なないかなぁ、と思っ」 「苗木君、質問よ。舞園さんは山田君に殺されたのかしら?」 「いいえ」 (ビビィーーー!!!) ウソ発見器は強く反応した。僕は本当の事を言ったのに 「ちょ、ちょっと!何勝手に質問してるのさ!」 「私だけがいつも身につけているのはリボンだったかしら?苗木君」 「いいえ」 (ビビィーーー!!!) またもウソ発見器は強く反応する。本当の事を言った僕に 「また勝手に質問を…」 「別にいいじゃない。私が質問してはいけないなんて決まりはないわ。校則でも貴方への暴力は禁止されてるけど発言の邪魔は禁止されてないわ」 「ぐぬぬ…」 「それより…苗木君の時は本当の事を言うと反応するのね、この機械」 「あら、気づいちゃった?」 「やっぱり……僕達を騙していたんだな!?」 「騙した?変な事言わないでよ。僕にとってはちゃぁんとウソ発見器だったんだからさ!」 モノクマは腹を抱え、口を大きく開いてそう言った そんなモノクマへの僕と霧切さんの視線は冷たい 「うう、そんな目で見ないでよ…ちょっとした茶目っ気なんだからさ!じゃあね!」 そう言ってモノクマはその場から逃げ去った モノクマがいなくなり、僕は霧切さんの方へ顔を向ける 「霧切さん、その……」 「…ごめんなさい、苗木君」 「そ、そんな、別に謝らなくていいよ」 「でも、私は苗木君を信じてあげれなかったわ」 「仕方ないよ。霧切さんの事情は一応分かってるし…」 「……………」 霧切さんは申し訳なさそうに、顔を伏せてしまっていた 「……じゃあ、霧切さん。一つだけ忘れないで欲しい事があるんだ」 「え?」 「僕はずっと霧切さんの味方でいるよ。何があっても霧切さんを信じる」 「……苗木君」 「僕を信じなくても、大嫌いになってもいいよ。でも、僕は霧切さんの力になり続ける。僕の力なんて大した事ないかもしれないけど」 「……そんな事は、ないわ」 「はは、ありがとう。だからもう…そんな顔しないで欲しいんだ」 「………苗木君の癖に…生意気よ」 霧切さんはそう言うと微笑んでくれた ……ちょっとだけドキッとした 「生意気、かな?」 「生意気よ。私に『ここまで言えば分かるよね』なんて台詞まで言うし」 「あははは…」 「………苗木君」 「何?霧切さん」 「この学園の謎を解いてここから脱出したら…苗木君に私の気持ちを伝えるわ」 「え?えぇっ?」 「その…まだ…今はちゃんと言葉には出来ないのだけれど…その時までには整理をつけるわ」 霧切さんは少し恥ずかしそうに目を伏せる 頬は微妙に赤く染まっている…やばい、かわいい 「…苗木君?」 「あ、うん!何!?」 「……その時は貴方の気持ちも聞かせて欲しいの」 「…うん、分かった。僕も自分の気持ち、霧切さんに必ず伝える」 「ふふふ…」 霧切さんはいつものような不敵な笑みを浮かべる ……やっぱり霧切さんはこうでないとな あぁ~、むかつく。苗木と霧切の奴…生意気すぎ あ、霧切の奴が部屋から出てきた………うわ、何あの顔、幸せそうにしちゃって… むかつくわね、絶望させたいわぁ…あ、そうだ。霧切にはあれをプレゼントしてやろうっと それと苗木には…私自身がいろいろしてやろうっと
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/703.html
霧「……ねぇ、苗木君」 苗「うん?なに、霧切さん」 霧「……私とキスしたい?」 苗「ぶふっ!!!!な、なに、突然!?」 霧「………………」 苗「え、えっと……霧切さん?」 霧「…………舞園さんが……」 苗「う、うん。舞園さんが……?」 霧「…………『付き合い始めて結構たつのにまだキスもしてないんですか!』って……」 苗「……あ、ああ……そういうこと……」 霧「……苗木君は……したい?」 苗「……えっと……」 霧「……正直に答えて」 苗「……し、したい……です。……だけど」 霧「…………だけど……?」 苗「……そ、そんなにあせらなくてもいいかなって……僕たちのペースで……さ」 霧「……そう」 苗「……うん」 霧「…………苗木君、喉が渇いたわね」 苗「え、えぇ!?……う、うん?」 霧「…………………………」 ガサゴソ……ペキュッ……コク…コク…… 苗「……?」 霧「ぷはっ……………な、苗木君も……飲む?」 苗「…………!?い、いや、それ今霧切さんが飲んだお茶……!」 霧「苗木君………………わ、わかるでしょ?」 苗「……っ!!…………え、えっと……い、いただきます」 霧(今はこれで精いっぱいだけど……いつか……) 苗(ど、どれくらい飲めばいいんだろう……そ、それに飲んだ後どうすればいいの!? か、返す!?いやいやいやいやいや!!あ!口付ける時間長すぎて嫌われるかも!! うわああああああ!!)
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/111.html
桑田「やっぱよ、朝日奈だって!あのムチムチボディ、たまんねえっしょ!」 山田「いやいや、安弘多恵子殿のミステリアスな雰囲気…三次元にしておくにはもったいない逸材ですぞ!」 大和田「けっ、わかってねえな、テメーら…女ってのはよ、こう、守ってやりたくなるようなか弱さがな…」 苗木「み、みんな、そういう話はよくないよ…」 桑田「んだよ苗木、ノリ悪ぃな!」 葉隠「そういう苗木っちは、誰がタイプなんだべ?」 苗木「え、僕!?ぼ、僕はタイプとかそういうのは…」 石丸「隠さなくてもよいではないか、苗木君!君がいつも舞園君を目で追っているのは、周知の事実…」 苗木「わあーっ!!わぁああーーっ!!」 大和田「容赦ねぇな、兄弟…」 不二咲(な、なんか複雑…) 朝日奈「もー、男子ってばサイテー!」 大神「まあ、たまにはよいではないか…」 セレス「あの腐れラード、人前で本名を出すなとアレほど…」 江ノ島「ふーん、『人前で』、ね…」 舞園「でっ、でも、男の子なんだからしょうがないというか、よくある話題ですよね?」 霧切「……そう、ね」 舞園「…霧切さん?どうかしました?」 霧切「いえ、別に。ところで舞園さん、顔真っ赤よ」 舞園「あ、えっ!?やだ…」 十神「ふん、くだらん…帰るぞ、腐川」 腐川「は、はい…あ、あの、それで白夜様のタイプは…」 十神「…それを俺が貴様に教える義務があるのか?」 腐川「いっ、いえ…すいません」 十神「…チッ」 戦刃「…みんな楽しそうでいいなぁ」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/251.html
「ひっ、く……ママ、のおてて、こわい、よぅ…っく…」 「っ……怖くないのよ?」 まさか、こんな事になるなんて……少しばかりうたた寝したせいか… 事の発達は推測だけど、恐らく娘が寝ている私の手袋を外したのだろう。その証拠に、傍らに手袋が落ちている そして火傷の痕がある右手を見て恐怖を抱き泣いてしまった……しかし、右手の傷がこんな形で子供に知られるなんて迂闊だった。 いずれは説明するつもりだったけど、それはあくまでもこの娘が大きくなってからだ。しかし、今説明しようにも幼さ過ぎる……困った 「大丈夫だから、ね? ママの怖い所なんてないのよ?」 「ひ、ぐ…ふぇぇええっ!」 とうとう声を上げて泣いてしまった……しかも、この娘の外見が私によく似ているものだから少し宥め難い ほとほと困り果てて、どうするか悩んでいた所…後ろから優しげな声が耳に届いた 「どうしたの、響子さん? ……あぁ」 誠君……だった 泣いている娘と困惑気味の私を察したのか、柔和に微笑んだまま娘の前で屈んだ 「どうしたのかな?ん?パパに言ってごらん」 「あの、ね、マ、マのおてて、怖い、の……」 途切れ途切れに嗚咽しながらも誠君に視線を外さずに告げる その事を予感していたのか表情を崩さない誠君。それどころか、娘に笑いかけ頭を撫でつつ唇を開いた 「それは違うよ。ママのお手ては怖くなんかないよ。ママの傷はね…大切な物を守る為に出来ちゃったんだよ」 「っひ…くぅ…それ、ってわたし、も?」 「うん。そうだね……それにねこの傷のお陰でパパはママと一緒になれたんだ。だからね、君が生まれたのもこれのお陰なんだよ」 「それ、じゃ、ママのおてて、はこわく、ない、の?」 「勿論! ママのお手ては凄いだからね。ママも凄いけど」 「誠君……」 「だからね、泣いちゃだめだよ?せっかくのママ似の可愛い顔がぐしゃぐしゃだから」 「んっ…うん!」 確かにある意味この火傷で誠君と一緒になれたのかもしれない。あの日も、誠君の家に来て……それで一緒に ……私にとってこの火傷は忌々しい過去でしかなかった。しかし、思い返せば誠君と繋ぐ橋になったのかもしれない 何だか……今になって誠君も救われた気がした 私の全てを包み込んでくれたから、幸せも火傷に遮れなかったのだろう 今更だけど……ありがとね、誠君
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/666.html
セレスがソニアに紅茶を入れさせたら セレス「ソニアさん、紅茶を入れてくださる? ミルクティーをお願いしますわね。 喉がカラカラですの。急ぎで願いますわ。」 ソニア「私にお使いを頼むのですね、わかりました お使いなんて初めてだから緊張します。」 そして、数分後… ソニア「お待たせしました。」 セレス「では、頂きますわね…あら?」 セレスは手にしていたカップを、壁に向かって放り投げた! ソニア「まぁ、驚き桃の木山椒の木です!! セレスさんがヒステリーを起こしましたわ!!」 セレス「わたくし、こういうミルクティーって、嫌いなんですわ!」 ソニア「どういうことですか!?まさか…あなたのミルクじゃないと 飲めないなんて言う卑猥なことを…」 セレス「そ、そうじゃありません!! 例えば、その辺の普通の喫茶店で、紅茶を注文するとしましょう… すると、『レモンですか? ミルクですか?』 と聞かれる場合がありますわよね? そこで、わたくしはミルクティーと答えます。 すると、紅茶と共に小さな容器に入れられたミルクが運ばれて来たりするのですが… わたくしは、ミルクティーをいれる際、ミルクを早紀に入れたい派なのです。 その方が、圧倒的に香りがよろしいのです。 それに、飲む直前にレモンを入れるかなんて、調味料レベルの選択肢と変わらないじゃないですか。 そもそも、その程度をメニューの選択肢として認めていいのかも疑問ですわ。 ですから、わたくしは牛乳で紅茶を煮出す、”ロイヤルミルクティー”しか認めていませんの。」 ソニア「…あなたは、ミルクティー一つに面倒なわがままを積み込む タイプの人間らしいですね。」 セレス「面倒なのは知っていますわ… ミルクティーとロイヤルミルクティーの両方が置いてある店では、後者の方が値段が高いですからね。 きっと手間がかかるんでしょう。ですが… 手間をかけないで、何がメニューでしょう。」 ソニア「えっ?どこにメニューがあるのですか?」 セレス「いいから早く持って来い、このブタがぁぁぁ!!!」 ソニア「ま…まぁ!!これがジャパニーズ流の恐喝なのですね!! なにかの役に立ちそうですから私に教えていただけないでしょうか?」 セレス「いいですけどその前にロイヤルミルクティーを入れてきてください。」 ソニア「もちのろんです!!」 そして数日後 左右田「ソニアさーん。」 ソニア「気安く話しかけるなこのぎざっ歯がぁ!!」 左右田「ひぎゃぁぁぁ!?」