約 579,013 件
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/89.html
ドルマゲス追跡時以来、久しぶりにベルガラックを訪ねた一行は、成り行きでギャリング家の家督騒動に首を突っ込んでしまっていた。 一行はギャリング兄妹からひと通りの依頼内容を聞き屋敷を出た後、その依頼をどう受けるかについての相談を町はずれですることにした。 「ユッケを嫌っているわけじゃないけど、護衛するなら私はフォーグがいいな」 口火を切ったのはゼシカだった。それにすかさずククールが茶々を入れる。 「さてはゼシカ、ユッケちゃんがオレに惚れたらヤバいって思ったんだろ?」 「何を馬鹿なこと言ってんの?」 負けず劣らず、ゼシカの応酬も素早いものだった。 ゼシカは片手を腰にあて、もう片方の手の人差し指をククールの鼻先に突きつけて話を続けた。 「だってユッケはベルガラックで一番のお嬢様でしょ?街の人たちから見て得体の知れない一行よりは部下をつけた方がいいんじゃないかって思っただけよ」 「おいおい、まるでオレらが悪い虫みたいな言い方だな」 「「オレに惚れたら」なんて言ってるんだから、どこから見ても悪い虫じゃない」 「そんなのアッシはどっちでもいいでげすよ」 色々な意味で馬鹿馬鹿しい、といった空気を漂わせるヤンガスの冷めた一言が割り込んだおかげで、ゼシカとククールの妙なやりとりは一旦止められた。 「オレは断然ユッケちゃんだね。エイトも護衛をするならユッケがいいよな?」 全くもう人の話を全っ然聞いてないんだから…と言いたげに、ゼシカは冷ややかな視線でククールを見ながら肩を落とす。 ククールに意見を求められたエイトはその様子を見ながら暫く考え、口を開いた。 「ゼシカの話も分からないでもないんだけどさ。部下の人たちと僕たちを比べたら、多分僕たちの方が戦力的に勝ってると思うんだ」 「闇の遺跡での事を考えりゃ、確かにそうでげすな」 うんうん、と、ヤンガスが頷く。 「で、僕たちがユッケさんの護衛をすれば、フォーグさん側との戦力バランスが五分に近づくと思うんだ」 「二人の勝負の為に、できるだけフェアな環境を作ろうってことね?」 「うん、そういう事。それでいいかな、みんな?」 「兄貴の言う事に間違いはねえでげすから、アッシは賛成でがすよ」 ヤンガスがそう言う中、ククールは無言でエイトの側に歩み寄り、その正面に立つと両手でエイトの肩をガッシリと掴む。 「うむ。見事な騎士の選択だ。やっぱ女のコを守ってこその騎士だぜ」 そう言いながらバシバシとエイトの肩を叩き始めた。 「騎士は関係ないでしょ、騎士は!」 やたらと嬉しそうな様子のククールを呆れ顔で見ながらゼシカは言った。 「騎士なら男女の別なく守るもんでしょ?普通」 「イヤだね。フォーグに誓願立てたわけじゃあるめーし」 「ほらやっぱり!結局ユッケとお近づきになりたいだけ……」 何故か言葉は途中で途切れ、ゼシカは黙り込んでしまった。 「あれ?どうかしたのゼシカ?」 ゼシカはククールの言葉の中にあった、聞いたことのない言い回しが気になって仕方がなかった。 気になったら確かめなければ気がすまないのがゼシカの性分だ。 しかし言葉の主であるククールに聞くのが癪だと思ったゼシカは、エイトの呼び掛けをこれ幸いにとエイトに向かってその疑問を投げ掛けた。 「ねえエイト……「誓願立てる」って、何?」 「ああ」 エイトは柔らかい笑みを見せながら話し始めた。 「騎士が主君に忠誠を誓うことを、誓願を立てるって言うんだよ」 「ふうん」 ゼシカは瞳を丸くしてエイトの説明に耳を傾ける。ククールの不純な動機のことはすっかり蚊帳の外となってしまっていた。 「僕も近衛兵に登用して戴いた時にやったんだよ。玉座の間で、大勢の見届け人がいる前で、正装して」 「へえぇ、なんかかっこいいね……」 今まで旅をしてきた中で三つの国の玉座の間に入る機会に恵まれたゼシカは、エイトの語る儀式の様子を脳裏に思い描いていた。 茨に覆われてはいたものの、トロデーン城の玉座の間は吹き抜けになった高い天井と大きなシャンデリアと広さが印象的で、その豪華さは三国の中で文句なく一番だった。 そこを舞台に行われた王室の儀式は、さぞかし盛大で荘厳なものだったのだろう……。 丸くなっていたゼシカの瞳は、いつの間にかうっとりとした状態に変わっていた。 「端から見りゃかっこいいかもしれねぇけどよ?当の本人は必死なんだぜ」 だよな!と、ククールが再びエイトの肩を叩きながら言った。 「作法間違えてねぇか、セリフ間違えねぇか、ってな」 「そうなんだよねー」 頬を掻き、苦笑いをしながらエイトが頷く。 やけに具体的なククールの言葉を聞いて、ゼシカは現実に引き戻された。 そしてハッとする。 「ええっ!?もしかしてククールもやったの?その儀式」 「当たり前だろ!失礼な…。オレだって騎士のはしくれだぜ」 大袈裟に仰け反り本気で驚くゼシカの側にククールは歩み寄り、話を続けた。 「マイエラ修道院のは、聖堂騎士団の指輪を授かる儀式でもあったけどな」 「そんな大事な指輪を、あんたってばホイホイと他人に渡したのね」 「ちゃんと戻ってきたんだからいいじゃねーか」 にやりと笑い、そう言いながらククールは右手でゼシカの右手を取る。 「指輪ならいらないわよ?」 「違うって!話のついでに誓いの言葉、聞いてみないか?」 一度首をもたげてしまったゼシカの興味は治まらなかった。 「うん……折角だから聞いてみようかな」 ゼシカの回答を得たククールは目をつぶり、深呼吸をする。 「では、リクエストにお応えして…」 一言、また一言と、異様ともいえる間隔を空けながらククールは誓いの言葉を綴っていった。 「平和な時、いくさの時、生きる時も、死す時も」 ゼシカはその様子を見て素直に感心していた。 (ふうん…。普段ふざけてばかりいるけど、やることはちゃんとやってきたんだ、ククールってば) 「この時より以後、主君が我を解きたもうまで」 マイエラ修道院のどの場所で儀式は行われたのだろう? 入ってすぐの広間だろうか?それとも噴水のある中庭だろうか? 「神の腕(かいな)に我が魂が抱かれるまで」 (うわぁ…これ、すごくかっこいい………) 聞き慣れない文体であることも手伝って、ゼシカは再び夢心地となりつつあった。 ふっ、と不意に右手が僅かに下へ引かれたことでゼシカは我に返り、ククールの姿を見て唖然としてしまった。 先程まで立っていたはずのククールが跪いているではないか! その姿だけでも衝撃的であったのに、続くククールの言葉と行動はゼシカに更なる衝撃を与えた。 「我が主君、ゼシカに忠誠を誓います」 そんな言葉を言われた後、手の甲に恭しく口づけをされてしまっては、ゼシカは顔を引きつらせ赤面するより他はなかった。 「…以上が騎士側の一連の流れ、さ」 立ち上がってさらりと言ってのけるククールを見て、ゼシカは何か言いたげに口をパクパクとさせていたが、全く言葉にならない。 成り行きとはいえ自分から希望した状態なので、文句の言い様もなかった。 「ほんとは最初っから跪くんだけどな。でもそうしてたらゼシカ、多分最後まで聞けなかっただろ?」 ククールはいつものように、にやりと笑いながら言う。 「………もうっ!!」 ゼシカは地団駄を踏むと、くるりと三人に背を向けた。 「もう……恥ずかしすぎてみんなの顔見てられないじゃない!!」 そう言い放つと脱兎の如くその場から駆け出して行ってしまった。 「気が強くても、あれで根は純情な娘っ子だ。からかうのも程々にしといたらどうでげす?」 呆れた口調のヤンガスに、ククールは彼方にあるゼシカの後ろ姿を見つめたままポツリと言った。 「別にからかったつもりじゃないんだけどな」 一旦言葉を途切った後、振り返ったククールは努めて軽薄な口調で続けた。 「あーそうそう。今の見届け人はお前らってことで、よろしくな」 「ええーっ!!?」 「ななっ!?どうしたんでげす兄貴!?」 ヤンガスはエイトの今までにない驚き様に驚いただけだったが、エイトは別の理由で心底驚いていた。 「そ…それって、その…言葉は変だけど二股になるんじゃ?」 「言うにことかいて二股かよ!…人聞きの悪い」 予期せぬ言葉に噴き出した後、ククールは真顔でエイトの疑惑を否定した。 「オレが請願を立てたオディロ院長は召されてしまったんだから、さっきまでオレはフリーだったんだぜ?」 「あ、そうか。そういう事になるのか」 エイトは拍子抜けするほどあっさりと納得する。 肝が据わっているのか深く考えていないのか、そのあっけらかんとした表情からはどちらとも伺い知ることはできなかった。 二人のやり取りでようやく状況を把握できたヤンガスは、深くため息をつく。 「なるほど。ゼシカの姉ちゃんと同じく、アッシも一生縁がないと思ってた事を背負い込まされたわけでがすな…」 そう言って途方に暮れるヤンガスの肩を、エイトはポンポンと叩いて慰めた。 「さてっと!頃合いを見計らって我が主君殿のご機嫌を伺わないとな」 「夕暮れ前にはギャリング家にご挨拶に行きたいから、それまでに頼むよククール」 了解、と手で返事をしながら、ククールはゼシカの走り去った方角へと向かった。 (やっぱ主君側の言葉までは説明できなかったか……) 儀式の続き。 主君が騎士に下賜する言葉は、ククールの記憶では確かこういうものだった。 「そなたの誓いをこの胸にとどめ、その働きに報いを与えよう」 「忠誠には愛。武勇には栄誉。不忠には復讐で報いよう」 歩きながらククールは苦笑する。 (不忠には………多分メラゾーマだよな、ゼシカの場合……) ~ 終 ~
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/505.html
「い、いやっ、ククールやだ、やだや…、ちょっ…」「ヤダってゼシカ嘘つくなよ…もう限界だろ…」「おねがい…ッ おねがいだから、だめ、まって…ッ、いれないで、まっ…」「んなの…、無理だって…ッ!!」「いや、やだ、あ、あ、あ、…………~~~ッッッ!!!!!!」ゼシカの声にならない叫びが尾を引いた。夜も更けた宿の調理場を借りて、まだ眠くないからと2人でココアを飲みながら話し込んでいた。決してそんなつもりはなかったのに、成り行きでいつのまにかこんなことになってしまった。はじめて結ばれてから、まだ数えるほど。慣れないどころかこのテの知識が徹底的に皆無だったゼシカにとって、一回一回のセックスでなされる全ての行為がはじめてで、あまりにも衝撃的なことばかり。その一つ一つを丁寧に、優しく、そしてそれはもう楽しんで教え込んでいるククールは、「恥ずかしくて、信じられなくて、でも、したくないわけじゃない」はじめての性に翻弄されまくっているゼシカにもうメロメロであった。メロメロゆえに抑えが効かない。挿れないでと言われれば挿れてしまう、若い下半身。あんな愛撫も、こんなプレイも、まだまだ一向に慣れそうにない幼い精神とエロい身体。そんな現状でこの夜2人は、調理場の机にうつ伏せての、後ろからのセックスにふけっていた。なるべく気を付けたが、若干汚してしまった調理場を何事もなかったように片してから、ククールはゼシカを抱き上げて部屋に帰った。そういえばお互いの部屋以外でしたのは初めてだ。こんなイケナイことしてる自分たちを誰かに見られたらどうする?誰か来るかもしれない、誰か聞いてるかもしれない…そんな風に責めれば責めるほど、やっぱりゼシカの身体は敏感に反応した。うんうんいい調子だ…ククールが悦に入りながら一人コクコクと頷いていると、ベッドに降ろしたゼシカがハァッ…と、明らかに震えながら深い息を吐きだしたので、ククールは驚いて自分もベッドに腰掛けうつむいた顔をのぞきこんだ。「どうした?寒いか?」ゼシカは腕を交差するようにして自身を抱きしめながら小さく首を横に振る。「震えてる。……さっきのか?痛かった?もしかして」髪やひたいに何度も優しく口付けながら尋ねると、ゼシカが再び否定するように首を振る。「ちが、う…。…ごめんなさい、大丈夫…」「嘘つくなよ。どうした?言って」どう見てもいつもの行為のあととは違う。慣れない快楽に翻弄されて茫然自失になっても、こんな…どちらかと言えば怯えているような反応を見せたことなんてなかった。怯えている?何に?オレに?「ごめん…怖かった?あんなとこでするの、もうイヤ?」大切に大切にゼシカの小さな体を抱きよせて腕の中におさめると、ゼシカもそっと身体をあずけてくる。しばらくそのままでお互いの体温を交換していた。ゼシカが落ち着くのを、じっと待つ。やがてゼシカがククールの胸の中で、くぐもった声で呟いた。 「―――こわかった…の」「うん…なにが?」「…わたし、やだって…言ったのに…」そう言われて、ククールは記憶をたどる。実際あの極限の興奮状態のさなか、覚えていないことも色々ある。やだって、…あれか。 「挿れないで、って?」途端、カアッ!!と一気にゼシカが全身を朱に染めた。ククールはククールで、まさにその時のことを思い出し、イヤらしい笑みが押さえられない。「だってお前、仕方ねぇじゃん。あそこまでやっといて挿れるのはナシなんて、絶対無理…」「ちがうっ!!そうじゃなくて…」「多分気付かれてねぇから大丈夫だよ、宿主じいさんばあさんだったから」「ちがうったら!あ…っ。……………それもだけど、でも、そうじゃなくて」ゼシカはククールの腕の中から抜け出し、背中を向けてぺたりと座りこんでしまう。「…こわかったのよ…」「だから何がだよ。言ってくんないとヤダって言ってもまたやっちゃうぞ」わざと意地悪な響きでそう言って先を促すが、それでもゼシカはしばらく黙ったままだった。告げるのに相当の勇気を要するようだ。ククールはぼんやりとそれを待ちながら、彼女の少し乱れたツインテールとうなじ、薄いシルクの寝着にうつる無防備な艶めかしい身体のラインを眺めやって、あーもっかいヤりてーなぁ などと考えていた。「………………ククが、したい…なら、私も、する…けど」しぼりだされるような小さな声。「ホントは…いや… ………。 ……………………。 …………………………………………ぅ」「え?」「…………………………………………ぅしろからは…」一瞬 呆然としたのち、ククールは あぁ、と納得する。自室以外は初めてだったが、そういえばバックでしたのも初めてだった。しかもベッドの上じゃなく机で立った状態で…という、いささかアクロバティックな。「ゼシカはバックいや?」「ばっく…」「あぁ、後ろからするの」「い、イヤっていうか…」耳まで真っ赤にさせて、ゼシカは一生懸命答える。「……ククールの顔が、見えないのが…不安で…。なんにも掴めないし、なんだかもう… どこかに放り出されちゃいそうな気がして…怖かったの…」普段、ゼシカは快感に耐えきれなくなると、精一杯の力をこめてククールの背に腕を回す。完全に余裕がなくなると、知らずに爪を立て、ククールの背に何度か傷をつけたこともある。大きな声が抑えきれそうにない時は、最初にククールがそうしていいと言ったように、彼の肩を噛んで必死に耐えた。でも、今日みたいな態勢では、そのどれもができなかったのだ。わななく指先は必死に机の端を掴んで、でもその頼りなさは、襲い来る感覚を何も軽減してはくれなかった。耳に直接吹き込まれるのは荒い息遣いだけで、今自分にこんなことをしているのが誰なのか、何度もわからなくなった。そして、声も…。 ククールはハッとして唐突に気づき、慌ててゼシカの腕を手に取った。そこにはやっぱり傷が。もしかしなくてもゼシカが自分でつけた噛み痕が、わずかに血をにじませている。「うわ…っ、ごめんゼシカ、マジごめん。気付かなかった…」「だ、大丈夫よこれは。それより私こそごめんね、私、いつもククールにこんな」「背中のひっかき傷と噛み跡は、男の勲章。それよかお前にこんな痕残させるとかありえねぇ」口づけて、舌を這わせながら、ククールは呪文を唱えてその傷を消し去る。「…そうだな…。こんなことになるなら、もうバックはしないでおくよ」「あっ、でも、でもね、いいの、私、ククールがしたいなら、私、別に…」「我慢するなって言ってるだろ。あれは成り行きで後ろからになっただけで、別にどうしても そうしたいわけじゃねぇよ。オレだってゼシカの可愛い顔見ながらしたいし」「…うん…」手を差し伸ばしてもう一度抱き合う。「怖かったか…ごめんな」改めて謝る。順調に教え込んできたつもりだったが、本当にまだ慣れてないんだな、と思う。身体ばかり成熟していて快楽に貪欲なのに、心はまだまだ付いていけず混乱しているのだろう。かわいそうに悪いことをした、と思う反面、その二面性のなんと魅力的なことか。「でもさ、ゼシカ…ちゃんとイったよな?」怖かったのならイケなかったのでは、と思いついて、いや確かにイっていた、と思いおこす。腕の中でゼシカは顔をあげることができず、小さく頷いただけだ。怯えてはいても、身体が委縮してしまったわけではなかったのだろう。…というかククールの記憶では、むしろいつもより感じていたような。いつもより若干乱れていたような。(…てことはやっぱりゼシカって天性のマゾヒストかもな)心は嫌がっているのに、強引にされてしまったことで身体はより感じて達してしまうのだ。ついでにあのシチュエーションにも、本人の意思を置いて、身体はかなり反応していた。そんな自分に戸惑っている、未だ純情以外のなにものでもない無垢なゼシカに、イヤ、やめて、恥ずかしい、と言われれば言われるほど、ククールもまた、己の中の何かが目覚めていくのに気づかないふりはできなかった。(オレも自分がこんなサドだとは知らなかったぜ)実際 彼女の泣き顔は媚薬だ。昼間に見たらみっともなく狼狽するしかないが、ベッドの中で流されるゼシカの涙は、もっと幾らでも泣かせてみたいという思いにさせられる。 (――――――でも、まだ、もうちょっとは自重しないとな)ゼシカの中の性の気質は、まだ芽生え始めたばかりだ。たやすく摘み取ってしまっても、乱暴に踏み荒らしてしまってもいけない。ゆっくりと、丁寧に育てていかなくては。…彼女自身は気づかないようなやり方で、少しずつ少しずつ、いつかオレのサディスティックな欲のすべてを、壊れずに受け入れられるようになるまで。「……クク?」ハッとして我に返ると、ゼシカが心配そうな顔で見上げていた。己の意識の底にある昏い願望がバレないように、咄嗟に笑顔を取り繕う。…とりあえずは。「じゃあゼシカ。明日は対面座位でしような♪多分ゼシカがいちばん好きな体位じゃないかと思うし」「たいめざ…何、それ…。また私、そんなのわかんないよ…」「いーのいーのゼシカはわかんなくて。オレが全部教えてやるんだから」そう、オレが。オレだけが。自分の胸に寄り添って眠るゼシカを見つめながら、ククールは己にそう誓った。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/432.html
☆ポルトリンクの船着場のベンチに腰掛けて、ゼシカはボンヤリと海を眺めていた。船が着く時分に仕事の手を止め港まで散歩に出ることは、既に生活のリズムになってしまっている。降りてくる人々の中に、無意識に銀髪を探すことも、だ。あの男はルーラが使える。キメラのつばさだってある。初めての土地ではないのだから、なにも船で来なくてもいいのだ。分かってる、そんなの。ゼシカは心の中で呟く。来る気になればいくらでも方法はある。…そう、来る気に、なれば。分かってた、そんな男だって。そんな男だと分かってるのに、待ってしまう。期待してしまう。逢いたくて、逢いたくて、壊れてしまいそうな自分にゼシカは気付いてしまった。トローデンでの別れ際、その男は真顔でゼシカに聞いた。逢いに行ってもいいか、と。あまりの真剣さに気後れしたゼシカは思わず、一体何しに来るのよ!と、つい切り返してしまった。その男は表情を変えずに…いや、なおさら表情を引き締めて、用がなきゃ逢いに行っちゃダメか?と聞いて、左手で、ゼシカの右手を取った。咄嗟に、メラを打つのを防いだのだと思ったゼシカは、捕らえられた右手に恭しく口付けられて驚きのあまり動けなくなった。愛してる、ゼシカ。二人で暮らそう。まるで呪文の詠唱の様に想いを込められたその台詞に、吸い込まれそうな美しい瞳に、長い間保ってきた均衡は、観念するように崩れ落ちた。一度だけ交わしたキス。なんか緊張した、と笑ったククールの笑顔がゼシカの心に焼き付いて離れない。身の回りの整理をして、すぐに行く、とその男は言った。ゼシカの時間は…それから止まってしまった。すぐに来るはずだった男、ククールは、2ヶ月経った今も、今日も、現れない。ポルトリンクの海は、小春日和の空の下、ゼシカの心を映し出すように、押しては、返した。「…ナーン…ニャーン」ゼシカがはっと我に返ったのは、鳴き声と同時に、ブーツに何かが擦りつけられたからだった。「…あら…猫」ベンチに座るゼシカの足首の辺りに、白っぽい猫が寄り添っている。ちょっと見ただけでも、とても綺麗な猫だった。「…ナーン」「よしよし、どこの子かしら?」ゼシカは身を乗り出して頭を撫でた。すると白猫は目を細めて指先を舐めた。「うふふ…あら。あなた白じゃないのね。銀色だわ」首を伸ばして舐める仕草に、陽の光がキラキラと躍った。かつて、毎日の様にその耀きに目を細めていたことがゼシカの胸をかすめ、チリと痛む。「…おいで」痛みを振り払うように両手を猫の前脚の脇に差し込み、抱き上げた。…え……?「ククール…」ゼシカと、猫は長い間見つめ合っていた。ククールの瞳がゼシカを見つめていた。深い、でも澄んだ、吸い込まれそうに美しいサファイアの碧。「ニャーゴ…」まるで案ずるかの様な鳴き声にハッとした。瞬きをすることすらも忘れていたゼシカは、まぶたを閉じた時、こぼれ落ちた涙に自分で驚いた。「…びっくりした…。あなた…ククールみたいだわ」猫相手に、まるでククールと再会したかの様な錯覚を起こしたことにゼシカは呆れる。「まったく…私も重症ね。あいつのせいでいい迷惑だわ」猫はなぜか目を逸らし、ナーォ、と鳴いた。「はい、どうぞ」扉を開けてゼシカは猫を床におろした。猫はキョロキョロと部屋を見回している。猫を抱いて、ねえ、この子の飼い主知らない?、と街中を歩き回る羽目になったのゼシカは、風の向きがすっかり変わり、そろそろ街灯に光が宿りはじめる頃に家に戻った。ポルトリンクの小さな一軒家に住むゼシカに、母親も理解を示していた。熱心に海運業の仕事を勉強する様子に、もう子供ではないと感じてくれたのか、止めても無駄だと思ったのか。数回使用人を手伝いに寄越したが、意外と家事にマメなゼシカに不要と判断したらしく、ここ最近は誰も来ない。結婚の話になると喧嘩になるのは相変わらずだが。「ミルク、飲むかしら…」ゼシカは指先をミルクに浸して猫の鼻先に近付けた。猫は匂いも嗅がずにペロリと舐めた。「あ、大丈夫みたいね」嬉しくなったゼシカは皿にミルクを注ぐ。「んもぅ…こっちよ」皿のミルクに見向きもせず、指先を舐め続ける猫にゼシカは笑う。無理やりミルクに向わせると、猫は仕方なしにミルクを飲みはじめた。その様子が余りにもつまらなそうで、ゼシカは笑いが止まらなかった。ゼシカは食事の支度を始めたが、ふと猫の姿が見えないことに気付いた。「あら?猫ちゃん、どこ行ったの?」探すと猫は部屋を次々と興味深そうに見て回っていた。閉まっている扉の前では、碧い瞳でゼシカを見上げて、ナォン、とドアを開けさせた。「だめよ、ここは寝室なんだから」「ナァン」「入りたいの?仕方ないわね。でもベッドに上がっちゃだめよ、お風呂に入ってからね」「ニャ」言い付けどおりベッドには上がらない猫を見て、会話が成り立っている様で可笑しかった。ゼシカはやおら猫を抱き上げ、その美しい瞳を覗き込んだ。「綺麗な目の色ね…ホントにククールみたい…。でもククールって付けるとややこしいし…」そこまで言って、ゼシカの表情が曇る。「…別にいっか。どうせあいつはもう…」来ないわよね、という言葉は飲み込む。俯いて黙り込んだゼシカの頬を、猫が伸び上がってザラリと舐める。「…うふふ…慰めてくれるの?」笑ったはずなのに、猫には雨粒がパラリと降り注いだ。「ナォーン」「ごめんね…私、どうしたのかしら」ゼシカは猫を抱いたまま座り込んでしまった。両手で顔を覆ってすすり泣き始めたゼシカに、猫は体を摺りつけ続けた。「ひくっ…クール…ククール…どうして…ひくっ…来てくれ…ないの…?」泣き続けるゼシカを猫は心配そうに見上げて、ニャーン、と鳴いた。「ごめんね、お腹空いたわよね?」やがて落ち着いたゼシカは、猫を愛しげに撫でて聞いた。「…あなたのこと、ククって呼んでいい?…あのね、私の好きな人、ククールって言うの。彼も私のこと好きだって言ってくれて…でもね…気が変わっちゃったみたい」「…ナーン」「あなた、ククールに似てるわ。でもククールって付けたら…もう会えなくなりそうな気がするの…。だからね、悪いけどククでいい?」「ニャーン」「いい?ありがと。いい子ね、クク」ゼシカはククをそっと抱き締めて、また、少し泣いた。ゼシカとククの暮らしは、そんな風に始まった。 ぬくもりの正体2
https://w.atwiki.jp/kkjs/
ククール×ゼシカ@Wiki ※最近手をつけていられなくてwikiの更新を大分長い間ストップさせてしまっていてすみません。 素晴らしい作品は今もククゼシスレに続々と投下されているので、少しずつまた保管を再開していけたらと思っています。 2011.11.01 wiki管理人 ここはDQ8のククールとゼシカのカップリングを推すまとめサイトです。 2ちゃんねるのスレを中心にまとめております。 現行スレはhttp //find.2ch.net/?STR=%A5%AF%A5%AF%A1%BC%A5%EB%A1%DF%A5%BC%A5%B7%A5%AB COUNT=50 TYPE=TITLE BBS=ALLから検索できます。 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || クク×ゼシ Λ_Λ いいですね。 || \ (゚ー゚*) ||________⊂⊂ | ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄| ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | | ~(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ ~(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ は~い、先生。 ~(_( )~(_( )~(_ ( ) ~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ 過去ログ ククール×ゼシカでカプばな~ 【カリスマ】ククール×ゼシカ2【お色気】 【ハニー】ククール×ゼシカ 3【……バカ!】 【君を守るよ】ククール×ゼシカ 4【はいはい】 【みわくの眼差し】ククール×ゼシカ 5【愛のムチ】 【復活】ククール×ゼシカを推すスレ ククール×ゼシカを推すスレPart6 【水風船】ククール×ゼシカ8【うぬぼれ屋さん】 【落ち込むなよ】ククール×ゼシカ9【うん…】 【ブラコン】ククール×ゼシカ10【カップル】 【不良騎士】ククール×ゼシカ11【強気お嬢】... 【ハニー】ククール×ゼシカ12【バニー】... 【魅惑の青】ククール×ゼシカ13【情熱の赤】... 過去ログ全て見れるようになりました。 (携帯の方は1~5のログは閲覧できません。) サイト名 URL 管理人へのご意見・ご要望はこちらからお願いいたします。 - - -
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/346.html
雑談スレ13-17の関連SS ゼシカはきょとんとしている。 思わず口走った己の言動を反芻して頭を抱えたくなったククールをよそに、 ふいにゼシカはツイと目線を下に逸らした。 「…いいよ…そんなこと言わないで」 その悲しげな表情。 「だって男の人って…そうなんでしょ?……………………な、中に…したいんでしょ?」 徐々に赤らんでいく頬に、性懲りもなく再び反応しそうになるククールの下半身。 「その方が好きなんでしょ?…な、ナマ、とか、そういうの…」 「あーーーーーっっ!!!!!!!もういいわかったゼシカオレが悪かった!!」 恥ずかしさのあまりどんどん声をひそませていく小さな体を、ククールは思わず抱き締めた。 「わざとじゃねぇんだ、マジで。ゼシカのこと大事にしたいのに、さっきは歯止めがきかなかった。 マジごめん。だからお前がそんな気を使う必要なんてねぇから」 つけてないのをわかっていたくせにせめて外どころか思い切り中に出してしまった自分が、 今さらながらに情けなくて涙が出そうだ。 それなのにゼシカの方が、声をつまらせて泣きそうに言う。 「…だって…私、なんにもできないから…ククールは慣れてるから…きっと… つまんないよね?私、ほんとに、なんにも知らないし、なんにもできないから…」 ―――――そも。 大事な目的をもって旅をしている最中に、理性が崩壊して手を出してしまったのは自分なわけで。 ゼシカの方も受け入れてくれたからよかったものの、その時点で二度と触れることさえ 許されなくなってもおかしくなかったのだ。 しかもある程度の反省も口先だけで、それ以降なんだかんだと言いながらも彼女が自分を 受け入れてくれるものだから、何度となく…わりと強引にヤってしまったことは否定できない。 それはひとえに若さゆえで。 それ以上に、どうしようもなくゼシカが好きで。 こんな自分の抑えきれない愛情と欲望を、必死で受け止めようとしてくれる彼女が愛しくて。 気付けば彼女の優しさに甘え、ただ自分の心と体が満たされていくことだけに捉われていた。 ゼシカはこんなにもオレとのセックスに応えようと悩んでいてくれたのに。 (しかも悩んだ結果が、生&中出しOKなんて…あり得ないぜ…ゼシカ) こんなにウブで純粋で純情なコに、なんつう危険な爆弾発言をさせてるんだオレは。最低。 「あぁもう…ホント、すいませんでした」 謝るしかなかった。 「だから頼むから、そんなのが愛情表現だなんて勘違いしないでくれよ。そんなのゼシカ自身を 犠牲にしてるだけだろ?そんなことじゃねぇよ、オレが求めてるのは…。 …………ゼシカがいてくれるだけでいいんだ。こうして時々抱きしめ合えればそれでいいんだ」 「だって…いつもいつも、私、してもらうばっかりじゃない…私ばっかり、いつも…」 体を離して、口ごもってしまったゼシカの顔をのぞきこむと、今度こそ顔をトマトのようにしている。 簡単に言葉の先が思いついたククールは、思わずニヤけた。 「…自分ばっかりキモチイイ思いしてるって?」 耳元で囁くと、ゼシカはギュッと目をつぶってククールの腕の中で身を縮こませた。 「そんなわけねぇじゃん。ゼシカが気持ちいい時は、オレもそれ以上に気持ちいいんだぜ?」 「……ホント?」 「教えてやろうか?」 「い…いいっ!」 シーツで隠されている彼女の胸にわざと卑猥な手つきで触れようとすると、 すぐさま身をひるがえして背中を向けてしまった。あまりの可愛さにクスリと笑みがこぼれる。 下ろされている髪の毛が、首筋で分かれてうなじを垣間見せている。 前ばかり隠すことに必死で、後ろ姿は何ひとつその美しい体を隠すものはない。 ククールが吸い寄せられるように肩に口づけると、ゼシカがそっと振り返った。 「――-わたし、ククールに返せてる?」 「溢れるくらい」 甘噛みするように歯を立てると、ゼシカの顔が切なげに歪められる。 「…ねぇ、アレって、本気?」 「あれ?」 「お嫁さんにって」 自分で言った途端、ゼシカが吹き出した。 ククールはいい雰囲気に持ち込んだところを邪魔されて、大変不機嫌に顔を上げた。 「本気だよ。冗談でも言わねぇよそんなこと。もしさっきので取り返しつかないことになってたら、 お前が嫌がったって責任取るからな。覚えとけよ」 「!ヤ、ちょ…ッ、ア…」 肩から首筋に移った唇と、素早く背後からもぐりこんだ手の平が全身をまさぐりはじめて、 ゼシカはそれに答えることができなかった。 またもいささか強引にコトに及んでしまったククールだが、今度はちゃんと付けることを忘れなかった。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/95.html
魔法の鏡に魔力を宿す方法を求めて船で各地を巡り、一行が偶然足を踏み入れた洞窟。 そこで何気なく探索を始めたのが間違いだった。 いや、何気なくではない。確固たる理由があった。 船から降り立った時、目の届く範囲に樽があったからだ。 冒険者の性癖というやつで、未知の場所で樽や壷を見ると投げ割りたくなる衝動はどうにも抑え難い。 好奇心が身を滅ぼすとは、よく言ったものだ。 そこに出現した魔物は、圧倒的な強さで仲間たちを蹂躙した。 先手を取られ、繰り出された連続攻撃は何度撃ち込まれたかも今となっては定かではない。 懸命の回復もまるで追い付かず、一人、また一人と斃され、あっという間にククール唯一人となってしまった。 もう一度撃ち込まれたら確実に自分も後を追うことになるだろう。 口惜しいが、自分の技量では目の前の脅威を退けることなど到底不可能だ。 ならば、取るべき手段はひとつ……。 万にひとつの望みを賭けた、格上の敵からの逃走が成功した。 辺りを見回し魔物を振り切ったことを確認すると、ククールは乱れた息を整え呟いた。 「ふう。ククール様一世一代の大博打、成功…っと」 いつもの癖でこんな時でも軽口めいた言い回しだったが、それに応える声は今は無い。 ククールは斃れた仲間たちの元で簡易結界を張った。とりあえずこれで魔物の襲撃は回避することができる。 しかし、少しでも移動すればこの結界は解けてしまう。 折角逃げおおせたのだ。ここは歩く以外の方法での脱出を模索するのが賢明というものだろう。 ルーラには同等の効果があるキメラの翼というアイテムがある一方で、リレミトにはそれが無い。 ククールはその理不尽さに不満を抱きつつ、自らの負った傷はそのままの状態で横たわるゼシカに対してザオラルを唱えた。 「……しくじったか」 ゼシカは微動だにしなかった。 もう一度。 しかし、またしても望む効果は得られなかった。 ザオラルは被術者との相性も成功率に関係するのだろうか? ならば……、と、リレミトを習得しているもう一人であるエイトに対して唱えてみたが、こちらも失敗する。 その後もククールはゼシカとエイトに対して交互にザオラルを唱え続けたが、遂に一度も成功することなく魔力が尽きてしまった。 「逃げた時に運を使い果たしたってか?ったく、冗談じゃねえぜ」 ククールは舌打ちをしてその場に腰を下ろした。 魔法の聖水はあっただろうか?と、道具袋を確認してみたが、雑多なものが多すぎてなかなかそれらしいものは見当たらない。 そんな状態で道具袋と格闘しているうちに、ククールはサザンビークでエイトが買っていた珍しいアイテムのことをふと思い出した。 それは、世界樹の葉。 とても貴重な物で、使うとザオリクの効果があるという。 「前衛が持ってても倒れちゃったら意味が無いから、ゼシカかククールが持っててくれるかな?」 「ああ、オレはザオラルがあるから、ゼシカ頼むわ」 そんなやり取りをしてゼシカに預けられたはずだった。 「悪いなゼシカ、ちょっと荷物を見させて貰うぜ」 もの言わぬゼシカに向かって律義に断りを入れてから、ククールはゼシカの荷物を調べ始めた。 ほどなくして世界樹の葉は見つかったが、それを手にしたククールは新たな問題に直面する。 サザンビークでゼシカに世界樹の葉を預けることにした後、売り子から説明を受けているゼシカたちから少し離れて、ククールは売店の近くを通りかかった踊り子に視線を投げ掛けたりしていたのだ。 つまりはこういう事である。 「……使い方分からねぇ」 しかし、いくら考えても分からないものは分からない。 正しい使い方が煎じるにしろ練るにしろ、葉そのものを余すところ無く服用すれば恐らくは効果が得られるだろう。 「ま、サラダの野菜だと思えばいいだろ」 そんな訳の分からない理論を振りかざし、ククールは今一度世界樹の葉を見た。 さて。どうやって口にさせる? 「手っ取り早い方法はこれだよな」 ククールは手袋を外し、膝の上にハンカチを広げると世界樹の葉を可能な限り細かく千切り始める。 やがてこんもりとした薬味の山が出来た。しばらくそれを眺めたククールは、ハンカチを地面に置き直すと山を三等分にした。 ククールはその山の三分の一をこぼさないように注意しながら口に含み、小脇から水筒を取り出し、栓を外して水を口に含んだ。 そしてエイトには目もくれずにゼシカを抱き起こし、首の後ろに手をあてがって頭を仰け反らせる。 しかし思ったほど口が開かなかったので、空いているもう片方の手をゼシカの唇にあてがい、ちょうど良い加減に口を開かせてからゆっくりと慎重に唇を重ねた。 残りの二山も同様にしてゼシカに飲み込ませ、失敗なく作業を終えられたことにククールは安堵した。 あとは効果が現れるのを待つだけだ。 ククールは未だ昏睡状態のゼシカを抱き直して仰け反らせていた頭を立て直し、口角に残っていた水滴を指で拭おうとした。 が、頬のところでその手は止まり、頬から耳にかけてを愛おしむように包み込む形に変わる。 (……このくらいは、いいだろう?) ククールは唇を寄せてその水滴を吸い取ると、続けてほんの少しの間だけ再び唇を重ねた。 世界樹の葉の効果はその後すぐに現れ、ゼシカは意識を取り戻した。 「私、やられちゃってたのね……」 ゼシカは起き上がって辺りを見回し、傍らに斃れたままのエイトとヤンガスの姿を認め眉をひそめる。 「でもあの魔物の群れからは逃げられたのね。凄いわ」 「ああ。なんたってオレには幸運の女神がついてるからな」 ククールはそう言ってにやりと笑った。 「でもMPが尽きちまってたもんで、悪いとは思ったがゼシカの荷物から世界樹の葉を出させてもらって使ったぜ」 「悪いだなんて…。いいわよ緊急事態だったんだから」 ゼシカは傷だらけのククールを見て、改めてよく助かったものだと感心していた。 「で、話は後だ。とりあえずリレミト頼む。ここはヤバすぎるし、こいつらも早く蘇生しないと」 「分かったわ。ククールの怪我も治さない……と…!?」 ゼシカはククールの顔を見た途端に目を見開いて絶句し、真っ赤になるとくるりと背を向けてしまった。 「ん?オレの顔に何か付いてたか?」 (つ…付いてるも何も………口許に……緑……葉っぱのかけら……!!) 背を向けて小刻みに震えるゼシカの様子を案じてククールは呼び掛けた。 「どうしたゼシカ?大丈夫か?」 その震える肩に手をかけると、ゼシカは雷に打たれたように跳ね上がった。 「なっ、何でもないわ!何でもないの!!リレミト!!!」 ~ 終 ~
https://w.atwiki.jp/shfiguarts/pages/771.html
ゼシカ・ウォン 商品画像 情報 登場作品:アクエリオンEVOL 定価:4,200円 発売日:2012年08月25日(土) 再販日: 商品全高:約150mm フィギュアーツZERO カノジョたちがカワイイ理由 付属品 その他:台座 キャラクター概要 商品解説 良い点 悪い点 不具合情報 関連商品 ミコノ・スズシロ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/521.html
潮時・翌朝の時系列のククゼシ ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※ 「…それより、“変なの”じゃなくて、気持ちいい、だろ?またお前は隠す。ほら、言ってみ」「…ッ…」「言えって。言わないともう舐めてやらねぇぞ」ゼシカは口を結んで、必死で首を振り拒否する。ゼシカにとって、性的な快感は未だに恥ずべき感覚だ。素直に言葉に出して認めることは、罪を告白することにあまりに似ていた。罪――隠しておきたい秘密。快楽の懺悔を強要するのが、恋に堕落した僧侶というのも皮肉な話で。「…ったく、この強情。………………こんな濡らしといて」いつの間にかスカートの中に潜んだ指が、下着の上から「濡れた」場所を縦になぞる。ゼシカは声にならない息をのみこんで咄嗟に両足を閉じるが、ククールの身体に阻まれてかなわない。強情なゼシカに対するお仕置きなのか、ククールはニヤリと嫌な笑みを浮かべ、「確かにゼシカは恥ずかしいくらい胸、弱いよな。敏感すぎだし、エロすぎ」「やっ、――やだやだっ、そんな、コト…ッあっ、あ、ん…」下の縦筋をいじくるだけいじくって乱れさせたあと、唐突にそこから指を退く。「…もしかしてゼシカって胸だけでイケる?試してみようか」一瞬その意味を捉えかね、すぐにゼシカの顔が朱に染まった。限界ギリギリの羞恥に身を竦ませるほど悶える。即座に色付いた先端をキツくつままれ、もう片方を音を立てて吸われ、ゼシカは怯えにも似た声を上げてククールの肩を必死で押し返す。「ひぁあっ!…ッや、だっ!やめて、やめてクク…ッ、ぅ、あ…っ」「ホントやらしーな。オレにいじってほしいみたいに立たせちゃって」「く、ぅう…ッッ!!!!」ゼシカの脳内がぐるぐる回る。かろうじて保ててきた精神がもう少しで焼き切れる。…壊れる。これは覚えのある感覚。この屈辱の瞬間さえ乗り越えれば、あとは何も考えなくていい。恥辱と、恍惚。拒絶と、切望の狭間で、ゼシカは早く、と叫んでいた。壊してほしいのは―――理性。 「―――ゼシカ、逃げるなって言ってるだろ。今イったら、今夜はもうこれでお終いにするぞ」そしてククールが、そんなゼシカの「逃げ」をわからないはずもなく、それを許すはずもなく。唐突にククールはゼシカの身体から全てを離した。ぬくもりと快感を与える全てを。まさにただベッドの上に放り出された格好のゼシカは、荒い息を吐いてわけもわからず首を振る。いきなり遮断された快楽は浅ましく続きを期待して、ゼシカの全身を濡らし続ける。ククールはそんなゼシカに跨り、悦楽に堕ちかけているそのエロティックな表情を眺め、耳元に囁いた。「オレにどうして欲しいのかちゃんと言えたら、ゼシカが望んだとおりにしてあげるよ」「…どう、して、ほし…?」「どこを触ってほしい?」「…ッ」夢から覚めたようにハッとして、真っ赤なままでぷるぷると首を振り返答を拒否するが、「言わないと本当にもう何もしない」ククールの瞳が冷たい光を放ってゼシカを射るように見る。ゼシカは、怯えた。「そ…っ、そんな、の、わかんな…」「わかってるくせにウソつかねぇの」「ウソじゃない…ッッ!!」「ふぅん」ククールはゼシカと視線を合わせたままわざとゆっくり身体を起こし、四つん這いになると、次に何が起こるのか恐々としている不安げな表情を悠然と見下ろし。「じゃ、今日はここで終わりな」にっこりと。有無を言わさぬ圧力の笑顔。ゼシカはようやくククールの意図と、自分の置かれた状況を理解する。ここで終わりということは、つまり……「―――ずっ…、ずる…!!」「ずるい?何が?お前さっきからやだやだヤメテってずっと言ってたじゃん。お望みどおり、全部やめたぜ?…ココ舐めるのも、ココいじるのも」そっと羽根が落ちるほどの軽さで、ふるり と揺れるゼシカの胸に触れ、スカートをまくりあげた状態でピッタリと閉じられている太ももを辿り、際どいラインを指でひっかく。ビクンと敏感に反応する身体に、ゼシカは全身を朱に染め、ククールはほくそ笑んだ。最初から勝負ですらなく、これは仕掛けられた罠だ。今さら気づいてもどうにもならない。ゼシカは胸元で拳を握り締めながら、歯ぎしりしそうなほどに歯を食いしばった。(…ずるい、悔しい…!!こんなの、ずるい…)どんなに強がってみせても、ここまで登りつめた身体をどう治めればいいのかなんて、ゼシカには見当もつかない。ククールはここで行為を中断したってきっと困らないんだ。ここで終わって、困るのは自分だけ。官能の直中に置き去りにされたこの熱い身体を持て余して長い夜を一人でどう過ごせばいいのか、考えることすらできない。最初から選択肢はなかった。この熱を解放する方法を…ゼシカは一つしか知らないのだから。ゼシカは目尻に涙を湛えてククールを見上げ、「ひどいよ……っ」虚勢も張れなくなった、それは心底からの本音だった。ゼシカはこんなククールを知らなかった。こんな風に楽しげに、自分をいじめるククールを。「……お前が悪い」そしてこんな風にゼシカをいじめて楽しんでいる自分を、ククール自身も知らなかった。そう、ゼシカが悪い。オレにこうさせているのは、間違いなくお前だ、と。 「……言えよ、どうしてほしい?」溜まった涙を舐め取り、耳に息を吹きかける。それだけでゼシカは震える。「それともこのまま朝まで一人で悶えてるか?」「……ッッ!!」「一人で気持ちよくなるやり方も、お望みなら教えてやるぜ?オレに見られながらやってみる? ゼシカはエロいから、もしかしたらハマっちゃうかもな。それはそれで見てみたいけど」「ぅ、…ヤ、だ、もぅ…ッ」ゼシカの表情はククールの言葉を浴びるたび恥辱に歪み、そこに嫌悪はなく、あるのは、むしろ。(…興奮、してる。オレも、ゼシカも)ククールはゾクゾクと背中を這いあがる戦慄のような感覚に、口角を釣り上げた。「…ゼシカ」「…ッ、……!――……………あつ、いの…あつくて、…変…の…っ」「うん。……どこが?」「ん…っ」ゼシカは足をすり合わせ、無意識に自分でそこを刺激した。下着の冷たさが羞恥を煽る。ククールの好奇に似た視線が楽しげに、残酷に自分を見下ろし、その視線にまたそこが熱くなる。無意識にきゅううと締め付けると、じんじんという痛みにも似た感覚が下肢全体を襲った。「おねがい…ね…さわって…?」「うん、触るよ。どこを?」最後までククールは意地悪な笑みを絶やさない。ゼシカは泣きながら決心して身を起こし、ククールの手を自分の下肢に震えながらそっと導いた。といっても乱れたスカートの裾の中に招き入れるだけだ。しかも肌に直接触れさせることもできなくて、布の中で彼の手を空に浮かせたまま固まってしまう。それが本当の精一杯。恥ずかしくて顔をあげられないゼシカは、震えながら黙って次の展開を待った。お願いだからこれ以上イジめないでと心の中で叫びつつ。ククールの小さな笑いが聞こえた気がした瞬間、ゼシカの指が逆に握り返され、スカートの中で蠢いた。「あっ!」「……あぁもう、お前ホントかわいすぎ」ククールの長い指に重ねられたゼシカの細い指が、下着の上から濡れた箇所に喰い込まされる。咄嗟にゼシカはククールにしがみついて悲鳴をあげた。「やあッ!!」「教えてやるよ。さっき言ってたろ?ゼシカが気持ちいいと、なんでオレも気持ちいいのか」「ひ、ぁ、ああっ」指を取られたままゼシカはゆっくりと押し倒される。ククールは彼女と自分の手を、下着の中に滑り込ませた。指先が柔らかく熱い肉に触れ、それが自分の恥部だと理解した瞬間、ゼシカは衝撃に身を竦ませた。「イヤッやめてやだ!!!!」「…濡れてんの、わかるだろ?」「やめておねが、い…ッ!!!!」「これはゼシカが気持ちいいと出てくるやらしー汁のせい。エロければエロいほどどんどん出てくる」「や、や、あ…っ」「ゼシカはやらしいコだから、胸だけでもうこんなに濡らしてる」「あっ、あっ…やだ、やだククール…やだ」ククールは嫌がるゼシカの耳元に執拗に囁きながら、指を動かし入口をくつろげて弄ぶ。もちろん彼女の指を操り、退けようと抗う手を押さえつけ、その蕩けきった淫らな感触を無理やり実感させながら。 「…ゼシカ」ククールはこの箱入りには早すぎたかと刺激的すぎた行為を今さらちょっぴり後悔しつつも、あまりの羞恥に錯乱して泣きじゃくるゼシカに優しく口づけ、その緊張を和らげようと試みた。「落ち着いて。大丈夫、怖くないから」「…ぅ、やだ、もう…ッひ、うぅ…」「どんなにゼシカの身体がオレを気持ちよくしてくれてるのか、知ってほしいだけだよ」「恥ずか、しぃ…っ。もうやだ…」「ゼシカ、目開けて」「恥ずかしいよ…もうやだぁ…」目尻や額や頬に何度も繰り返しキスを落として、よしよしとなだめ続ける。涙を堪えながらゼシカがようやくククールを見上げると、慈しむような優しい口づけが口唇に落とされた。翻弄するばかりの激しいキスは強引に性感を呼び起こすためでしかないが、口唇をはみ、舌もじゃれあうように重ね合わせるだけの長く優しいキスは、全ての警戒心をゼシカから奪ってしまうある意味危険な代物だ。それはこの世でただ一人、ククールにしか使えないスキル。ククールはもちろんそのことを知っていて実に効果的に使用するが、ゼシカはスキルの存在そのものに気づいていないので、ククールにばかり一方的に便利な技だったりする。目論見通り、ゼシカは徐々に体の力を抜かれ、うっとりと口付けに酔いしれはじめた。ククールは慎重に様子をうかがいつつ、口唇を合わせたままそっと、彼女の下腹部で重ね合わせたお互いの指を、濡れた裂け目の中に侵入させた… ※開発未満1※・※開発未満2※・※開発未満3※・※開発未満4※・※開発未満5※・※開発未満6※
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/30.html
「あ…ククール…だめだってばぁ……」 「なーんで?オレのこと…嫌いか?」 「違うよぉ…でも……誰かに見られちゃうよぉ……」 メタル狩りが終わって宿屋に移動中のゼシカは急に隣を歩くククールに町の城壁に押し付けられた。そしてククール の手はゼシカの服の中へと入れられ胸を弄っている。ゼシカも急な事でわけもわからずククールにされるが ままになっていた。 「やあぁ…ククール……後で…宿屋に着いてからじゃだめなのぉ?…ああ…っん…」 「ダメー。」 ククールはゼシカの天使のローブの裾を捲り上げた。冒険用のベージュのブラが露になる。 「やっぱゼシカはピンクの方が似合うぜ。この色は似合わないかもな。」 「だめだよぉ…見られちゃう……」 「大丈夫だって…オレが隠しといてやるから…」 ククールはブラを上にずらすと露になったゼシカの胸にしゃぶりついた。もう片方の胸もククールは手のひら 全体で隠すように揉みあげる。 「っぁん…だめ…やだぁ……あん…」 「はは、ゼシカの乳首おっきくなってるぜ?感じてるんだろ?」 「…っん……だって…ククールが…やぁん……」 ククールは乳首に舌を這わしたままゼシカのローブの中に手を入れた。そのまま太股を伝い這い上がって いく。 「ゼシカ…大きい声出すなよ。」 「だったらこんなとこで…あんっ」 ククールの指がゼシカのショーツの上からアソコに触れた。割れ目の間をショーツの上から激しく擦って 刺激を与える。薄っすらとショーツが湿り気を帯びてきた。 「っあん……やだぁ…ああん…ククール…だめ…やぁっ…はあん……」 「本当に嫌か?結構気持ちよさそうになってるんだけど。」 ククールの手がゼシカのショーツの端を掴んで膝まで引きずり降ろした。そして愛液が溢れだしているアソコ に指をあてるとゆっくりと擦りはじめた。 「あん……だめだよぉ…っん…いやぁ……ああんっ……」 ククールの肩をつかんで押し寄せる快感に浸るゼシカ。目がとろ~んとしてきて呼吸も荒くなってきている。 ククールは指を愛液で濡らすとアソコにあてがってからゆっくりと挿入した。 「…っんん…あ……っん……やぁ……」 「ゼシカ…声出してもいいぜ…」 「…あん……人がきちゃう…っん…もん……っゃん…」 指を締めつけるゼシカの膣内をククールは激しく突き上げた。その刺激でゼシカの身体が壁際で反り返る。 クチュックチュッっという愛液が指と絡む卑猥な音と共にククールの手が溢れだす愛液でぐちょぐちょに なってきた。 「ククール…装備汚れちゃうよぉ…あんっ…やあぁぁ……」 「そっか…まだ冒険用の装備なんだよな…。」 ククールはゼシカの胸から口を離すと身を屈めて天使のローブの中を確認した。もうアソコから太股にかけては 愛液でビショビショになっているが天使のローブは裾の方が少し濡れているがそれほど目立つ程で はない。 「大丈夫みたいだな。あいつとヤンガスが戻る前に…」 ククールはローブの中に手を入れるとたっぷりと濡れたアソコに指を挿入した。 「ああ…っん……ククール…っん…こんなとこじゃやだぁ……あん…」 「ゼシカこんなに濡れてるのに嫌なのか?うそついちゃだめだ。」 ククールは壁に手をつくと激しくゼシカの膣内を突き上げた。誰も居ない路地の片隅にククールの指とゼシカの愛液が 絡む音が響き渡る。 「あ、ああん…ククール…あ…ん……やあ…」 人に見られるかもしれないという恐怖と興奮からゼシカは早くも達しそうになってきた。自然と自ら 腰を動かし快感を求めだした。 「ああん…もうイっちゃうよぉ…やああん…っあん…あん…あん…」 「ゼシカ…可愛いぜ…」 ククールが更に指の動きを早めると同時にゼシカはククールにギュッと抱きついた。 「やあ…もう…イクぅ…ああん…イクのぉ…やあぁ……ああん…っん!」 ククールはゼシカの膣内からドロッと温かい粘液が溢れ出すのを感じた。急いでローブの中に頭を入れて アソコから溢れている愛液を舌で舐め取った。 「んー…ちょっと汚れたかな…」 「ククール…どうしてこんなことするのぉ…?」 急に町中で犯されわけのわからないゼシカは再び立ち上がったククールに問い掛けた。まだククールの口 の周りにはゼシカの愛液がついてイヤラシク濡れている。 「ねえ…ククールってばぁ…。そうしてこんなことしたのぉ?」 ククールは今までとまるで違う笑顔でゼシカを見た。 「あ?冗談だって!ゼシカびっくりしたか?」 「え?冗談だったのぉ?」 「当たり前だろ、こんなとこで本気でするわけないじゃん!」 「なぁんだぁ、冗談かぁ。あたしびっくりしちゃったぁ。」 「ゼシカ早く行かないとあいつとヤンガス待ってるぜ、きっと。」 「うん!今いくぅ!」 すでに先を歩き出しているククールのもとにゼシカは嬉しそうに駆けていった。 (もう…ククールってばびっくりしちゃったよぉ…。でも…装備どうしよぉ…)
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/519.html
人気のない路地裏。店と店の間の狭い狭い空間。通りかかっただけでは、人がなんとか通れるくらいの隙間がそこにあることすら気付かないだろう。しかもかなり奥まで入り込むと、汚れた板や壊れた木材などが歩道をゆく者の視線を遮り、その先は完全に死角のスペースとなる。ククールはいつからこんな場所があることを知っていたのだろう?それとも偶然?ただの買い出しのはずだった。ククールいわくデートがてらの。気付いた時にはゼシカはそこにひきずりこまれ、逃げ場を失っていた。お互いの身体をかなり密着させないといけないほどの狭いスペース。汚れた壁に押し付けられ、なにごとかと見上げたククールの目には、すでに欲情が燃え上がっていた。いきなりのキスがうっとりするほど優しかったから、それを許可してしまったのがそもそものミス。調子にのった…のか、それともそれこそ計画通りだったのか。当然ながらククールの要求はそれだけでは納まらず、抵抗する間もあればこそ、たちまち彼の手はゼシカの身体中を撫で回しはじめ、いつの間にやらしんぴのビスチェは中途半端に乱され、脱がされていた。強引に剥き出しにされた両の乳房が布からはみ出し、超ミニスカートから伸びる眩しいニーハイの足元で、引きずり落とされた下着がくしゃくしゃになっている。ゼシカは始終抵抗した。ククールの指先が背中のラインを縦にくすぐる。胸の先端を唾液でベトベトになるほどなぶり噛みついて、残った指先はあってなきような短いスカートの裾から太ももを辿り、否応なしに濡れ始めた割れ目をからかうようになぞっている。噛みしめた唇の隙間から思わず恥ずかしい声が出ても、それでも理性だけはなんとか保った。だってこんなところで。数メートル先で雑踏を行き交う大勢の人たちの喧騒が聞こえるのに。こんなところでスルなんて…!「ぁふ…っ、は…っ、あ、アッ、ダメ…バカ…!」「…誰もこんなとこでオレ達がセックスしてるなんて思わねぇって。こんなすぐ誰かに見られちまうような 普通じゃないとこでさ…」ククールは知っている。ゼシカが羞恥に悦ぶことを。だからわざとそんな言い方をする。「仮に見つかったって…我慢できずにこんな場所でヤっちゃうほど、ゼシカは淫乱なんだって思われるだけだ」「ち…っ、がう…っ」ゼシカの腕が弱弱しく、自分の股間にある彼の手を押しのけようとする。その瞬間ククールは一番長い指を、収縮を繰り返すそこにいきなり突き入れた。指は卑猥な音すら響かせ、やわらかいその内へなんの抗いもなくスムーズに飲み込まれていく。「――ッッッ!!!アッ、…ハ…ッ…いや…!」「すんごい濡れてんな…」「もう…ダメ…これいじょ…っ、あっ!そこイヤ!んん…っ」「ココ触っちゃイヤ…?ゼシカがいちばん可愛く喘ぐとこなのに」ゼシカは全身を震わせながら、なんとか快感をやり過ごそうと口唇を噛んで耐えた。いちばん弱い一点を親指で刺激されて、頭の中が吹っ飛びそうになる。もう理性は風前のともしび。 本当は信じられないほど興奮しているのを自覚している。真昼間の街中。行き交う大勢の人との間にろくな隔たりもないこんな場所で、胸もアソコもさらけ出して、いやらしいことをして、興奮している。もう身も世もなく声を上げて、啼いて、泣いて、没頭してしまいたかった。そんなことを考えてしまうほど確かに自分は淫乱で、どんなに嫌がってみせたってククールにはお見通しなのだ…「あっ、あっ、あ…っ、もうダメ…やめ、てよ…っ」ゼシカは恥ずかしさのあまり両手で顔を覆って、泣きじゃくりながら懇願した。3本に増えた指を容易に銜えこんでビクビクと腰を跳ねさせて悶えているくせに、まだ言うか、とさすがのククールも不満気に眉をひそませる。「めちゃくちゃ気持ちいいんだろ?なに意地になってんだよ、ホントにやめていいのか?」「やめ…、だっ…、……だって…こんな…」「挿れてほしくないのかよ、コレ…」すっかり開ききって蜜をしたたらせるそこに、ズボンの中で熱く張りつめている塊をグリグリと押し付け、ゼシカの入口を何度もくつろげる。切望しているその存在を誇張されて、ゼシカはよだれを垂らすように自分の中からドクリと何かが溢れ出したのを感じた。欲しい。助けて…死んじゃいそう…「…ッ、もって…な」「え?」「もって…ない、でしょ…っ、つけなきゃ…ダ…」そう。恋に溺れて、セックスに溺れて、現実を見失うようなことだけはやめようと約束した。大切なかたき討ちの旅。世界を救う旅。世界は2人だけのものじゃない。大切な仲間との旅。お互い気持ちを隠すことはもうできなかった。しかし、最低限の節度を、ケジメを、と。ゼシカは訴えた。本当はしたい。それはもう否定しない。でも、それだけは譲れない。流されちゃダメ…―――ふいにククールがニヤリと笑ったので、ゼシカはぎょっとした。「…持ってる」ズボンのポケットから出されてきた薄いビニールに、うそ、と口唇だけで呟く。ククールの勝ち誇った笑みに呆然とする…「つけるならいいんだよな?お前そう言ったよな?」「い…っ、いつから…、アンタ…ッ、なんで…!?」「さぁなぁ。…それじゃ、お許しも出たことだし…」いつのまにか際どい部分に擦りつけられている生身のソレを握らされ、ゼシカは思わず悲鳴をあげた。「ゼシカがつけてよ。だってゼシカのお願いだもんな?」「い、イヤよッッ!!!!!!バカッッ!!!!!!!」「それじゃあ挿れてやれねぇなぁ」「イヤよ…そんなの…バカ…ッ。……いじわる…」「“イヤ”って、どっちの意味で?」顔を真っ赤にさせ涙を浮かべてうつむくゼシカがあまりにも可愛くて、もっといじめたくなるのをククールはなんとか自重する。口で封を切り中身を取り出すと、震える小さな手に自分の手を重ね、隆起しているそこに触れさせた。彼女の指を操るようにして、「必需品」のアイテムを2人で一緒に装着する。まさに「セックスをするための準備」を自らの手で彼のそこに施す、という倒錯的な行為にゼシカの息はますますあがった。私はなんてはしたないことを、という自嘲と羞恥の入り混じった困惑と手にした熱い存在を欲してやまない欲望がぐちゃぐちゃになって、思考を侵していく。そして、羞恥に身悶えながらもゼシカのつたない指先は自分の怒張にからみついたままで、その幼さと卑猥さのアンバランスに、ククールの最後の理性も気前よくどこかに吹っ飛んで行った。 「…ッ…ゼシカ…叫ぶなよ」ククールの余裕のない声が耳元でして、ゼシカはハッと我に返った。―――そういえば。そういえば、こんな狭い場所でどうやってするの?寝転がれるスペースなんかもちろんない。後ろから…も、自分が下半身を付き出せるほどの幅がない。密着したこの態勢から動きようがない。戸惑いながらククールを見上げた瞬間彼の手が片方の太ももを胸に突くほど高く持ち上げて、ゼシカは目を見張った。「えっ!?…ッ!!い、いや!ウソ…!!」「なにが…」「こ、こんなままで…っ!?む、無理よ…立ってなんて…」ゼシカの訴えにククールはそういやはじめてか、と呟き、しかしかまわず腰を押し進めた。先端が入口をくすぐり、わざと敏感な突起を弄ぶ。「あぅ…っ!ん、んん…ッッ…やだ、イヤだやめて…」「大丈夫だから。絶対支えててやるからオレにしがみついてろ」「イヤ…ッ!!こわい…ッッ!!」「怖くない怖くない」ズル、と自分の中に分け入ってくるモノを眼下で驚愕の思いで見つめながら、ゼシカは必死で首を振った。「…ホラ…ちゃんと入るだろ?」「あ…あ…あ…ア…っ!!は…っ」ゼシカは目を見開いたままククールの背にしがみつき、少しずつ、徐々に全長が埋め込まれていくのを嫌というほど実感する。真横から侵入してくるよく知っているはずのソレがいつもとは違う角度でゼシカの性感帯を擦りあげ、目眩がするほどの悦楽をもたらす。ここまでなんとか(若干とはいえ)抑えてきた嬌声が、もうこらえきれないことを悟る。雑踏から奥まった場所。か細い喘ぎなら届かなくても、悲鳴のように叫べば側を通りかかった人の耳にはきっと聞こえてしまう…「く、クク…!!動か…な、で…っ……ッ、こえ、が…」「……バカ。動くに決まってんだろ…ッ」腰ごと抱えあげた足を揺さぶり、ククールもゼシカも強烈な快楽に苦痛のような表情を浮かべた。ゼシカは口唇を噛みしめ、出かかった大声を無理やり飲み込む。目尻に涙をためて堪えているその表情はなんとも扇情的で嗜虐心を煽るが、ゼシカのそんな顔を誰かに見られて嫌なのは間違いなく、声を抑えるなとうかつに言うわけにもいかない。ククールは汗のにじんだ額をゼシカの額にコツンと合わせ、優しく微笑んだ。「…ゼシカ。叫びそうだったらオレの肩噛んで。遠慮しなくていいから」躊躇したが逆らえる術もなく、ゼシカは荒い息のまま喘ぎなのか返事なのかわからない声を漏らした。とろんと とろけた瞳で、上着を脱いだ、ククールの肩にシャツごとカプリと噛みつく。湿った吐息が肩や首筋に注がれ、ゾクリとククールは背筋を震わせた。唐突に腰を揺すぶりあげ、最奥まで自身を突き入れる。「―――ッッ!!!!ア、アァ…ッンンン…!!!!」途端にゼシカは苦しそうなうめき声をあげ、ククールの肩に思い切り歯を立てた。そして爪を。その痛みが、いっそうククールの動きを激しくする。ゼシカの止まらない涙がククールの肩を濡らす。ククールも、ゼシカの肩に噛みついた。快楽の声を抑えるためではなく、所有の証として。昼日なかの街中の路地で、カリスマとおいろけというエロスのスキルを極めた男女がセックスに酔いしれていることに気づいた者がいたのかどうかは、定かではない。