約 1,871,618 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/331.html
第二話『甘ったれた世界』 男の朝は早い。 まだ夜も明けきらぬうちに、リンゴォは目を覚ました。 朝に起こせと言われたが、まだ起こすような時間でもあるまい。 ルイズはまだ爆睡している。よく言えば平和そうに、悪く言ってしまうと、マヌケに。 リンゴォは素直に、マヌケだな、と思った。 昨夜渡された服を引っ掴むと、リンゴォは部屋を出た。 洗濯をするのなら早いほうが良いし、その為にはこの部屋ではどうにもならない。 どこで洗濯できるのかは知らないが、その辺をうろつけば見つかるだろう。 ついでに自分の服も洗濯しようと考えて、自分には代えの服が無い事に気がついた。 まあ、どうでもいいことだ。 それらしい場所は、すぐに見つかった。 うまい具合に洗濯板も桶もある。見つけたのはそれだけではなかった。 まだ薄暗い中、一人の少女がシーツか何かを洗っていた。 およそ貴族のやる仕事ではないから、使用人か何かだろう。 かまわず近づいていくと、向こうもこちらの姿を認めたらしく、動きを止めた。 見たこともない男(どう見ても貴族ではない)が薄暗い中こんな所をうろついている。 彼女は不審の色を顕わにしたが、思い当たる節があったのか、声をかけてきた。 「お…おはようございます。あの、もしかして、ひょっとすると 貴方はミス・ヴァリエールの使い魔で平民の…えぇと……」 「…他にそういうのがいるのかは知らないが…確かに、オレの雇い主はそのヴァリエールだ。 名は…リンゴォ・ロードアゲイン」 「リンゴォさんですか! わたし、ここで住み込みで働かせてもらっている、 シエスタといいます。あ、わたしは貴方と同じく、平民です」 何が『同じく』なのか、最後の一言に意味はあるのか、そう考えたが、 リンゴォにはどうでもよかった。 「ああ、すまないが、ここで洗濯してもいいか?」 「洗濯? 構いませんけど…あの、その服は……」 少しづつ日が差し始め、リンゴォの手に持っている服がはっきりと確認できるようになる。 どう見ても、男のものではない。というか、女物のパンティがはっきり見える。 「これか? さっき言った、俺の雇い主のものだ。なんでも、これが俺の仕事らしい」 「ええ…それはなんとなく理解できますけど……」 けど、の後少しだけシエスタは黙っていたが―― 「…『それ』、そのまま持って来たんですか……」 おそらく誰にも出会う事はなかったろうが、女性の下着をもって歩き回る男の姿は―― 「あ、あの! 洗濯板はそこにあるのをご自由に使ってください! それから、何かわからない事がありましたら、何でも訊いて下さい!」 シエスタは、何も言わない事にした。 それから少しの間、二人はその場で洗濯をしていた。 気を遣っているのかシエスタが色々と話しかけてくる。 リンゴォはそれを適当に受け流す。 「あの…そういえばさっき、ミス・ヴァリエールのことを『雇い主』だと 仰っていましたが……。いくら人間とはいえ、やはり使い魔なのですから、 自分の主人をそんな風に呼ぶべきではないと思います。それに……」 「平民が貴族の方を呼び捨てにするというのも……」 リンゴォは黙ったままパンティを洗っている。 その沈黙にシエスタは耐えられなかったらしい。 「…あの……もし、ご気分を害してしまったのならすみません」 「いや…別にオレにはどうでもいい事だ」 二人は、ほぼ同時に洗濯を終わらせた。 「あの、なんでしたら、その洗濯物もわたしが干しておきましょうか?」 「ああ…そうしてくれるとありがたい」 自分の洗濯物とリンゴォの洗濯物をまとめると、彼女はそうだ、とつぶやいた。 「洗濯物が多い日は大変でしょうから、よければ今度からこれを使って下さい」 と、リンゴォに持っていた袋を手渡した。 「あぁ、すまない」 「いえ…平民同士、困った時はお互い様です。では、わたしはこれで」 シエスタは洗濯物を抱えてどこかへと行ってしまった。 リンゴォは先ほど、ありがたい、と口にしたが、別に心底そう思ったわけではない。 誰もがそうするように、ただの社交辞令だ。 リンゴォが本当に感謝の意を示すのは、彼が認めた男だけだ。 ルイズの部屋へ帰る道すがら、リンゴォは一人思う。 この世界は、貴族も平民も、あんな奴らばかりなのだろうか? ここでは貴族も平民も、この『学院』とやらに飼われている。 その事を理解している分シエスタはルイズよりマシと言えたが、 その事を理解している分だけシエスタは卑屈だった。 それが余計にリンゴォを不快にさせた。 リンゴォがこの世界でまともに出会った人間は、ルイズとシエスタの二人だけだったが、 それだけで彼がこの世界を判断するには十分な材料だった。 (だが、それもどうでもいいことだ……) こんな世界でも、牙を砥いでいる人間はいる筈だ。 こんな世界だからこそ、その牙はより強く光り輝く。 彼の興味は、其処にしかなかった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4868.html
前ページ次ページアクマがこんにちわ 「おはよーございまーす」 「…ああ、人修羅かあ。今準備するからちょっと待ってくれ」 「はーい」 朝、いつものようにルイズを起こして着替えさせ、身だしなみを整える。 その後すぐ人修羅とルイズの二人は並んで歩き、朝食を食べに行く。 ルイズは食堂へ、人修羅は厨房へ。 いつもの朝、いつもの朝食、いつも気を遣ってくれるシエスタに挨拶される。 ……ところが、今日はシエスタの姿が見えなかった。 「マルトーさん、シエスタが居ないみたいだけど、どうしたの?」 食事を終えた人修羅が、マルトーに質問すると、マルトーは包丁を手入れしつつ答えた。 「いや、ちょっと風邪ひいちまったみたいなんだ」 「風邪?」 「厨房で風邪を流行らせるわけには、いかねえからなあ、しばらくシエスタはお休みだ」 「そうですか…お大事にと伝えてください」 「おう」 勝手口から本塔の外に出たところで、ふと気づく。 「そういえば今日は、みんな元気ないな…後でシエスタのお見舞いにでも行くか」 朝食を終えた人修羅は、用事があるとルイズに言って、学院長室への長い階段を上がっていった。 昨日、ルイズの魔法について少しだけ話をしたが、その時は後日改めて研究をするという事で話がまとまったので、それについて具体的な話を聞こうと思っていたのだ。 「あら?人修羅さん、学院長室に何かご用ですか?」 階段を上る途中で、学院長の秘書ロングビルに声をかけられた。 「あ、ロングビルさん、おはようございます。ちょっとルイズさんの魔法について方針とか聞いていなかったんで、聞きに行こうと思ってたんですよ」 「そうでしたか、実は今日、朝からオールド・オスマンは外出しているんですよ」 「え、そうでしたか…じゃあ仕方ないですね。授業にでも出ることにします」 踵を返し、階段を下りようとしたところで、後ろからロングビルに声をかけられた。 「人修羅さん、折角ですから、少しお話でもしませんか?」 「へ?」 気の抜けた返事をする人修羅を見て、ロングビルはついつい微笑みを漏らした。 ■■■ 人修羅とロングビルはアウストリの広場に移動すると、適当なベンチを見つけてそこに座った。 「人修羅さんはミスタ・コルベールと協力してマジックアイテムを開発していると聞きましたが、トリステインで見かけるアイテムと大きく異なるとか…」 「アイテムっすか…ううん、まあ見て貰った方が早いかな…」 そう言いつつポケットから宝石のようなものを取り出し、ロングビルに渡す、それは透明度の高い水色の結晶体で、大きさは小豆ほどであったが、手にしてみるとその異質さが伝わってきた。 水色の結晶体に触れているだけで、まるで落雷を目の当たりにしたかのような驚きがわき上がってきた。 「こ、これは?」 「ナルカミから生まれた放電体の結晶です。偶然作れただけなんで、威力はそれほどでもないんですけど」 「放電体?」 「カミナリですよ」 「なるほど…これはどうやって使うものなのですか?」 「うーん、昔アギの石は…ああ、アギっていうのは炎の魔法なんですけど、魔法が結晶化したアイテムがあるんです。それを使うときは燃やす範囲を念じて投げつけるだけで発動してました」 「へえ…それはまた凄いですわね。でも、暴発してしまうことは無いんですか?」 「その結晶はマカラカーンといって、魔法を反射する魔法を応用して封じてあるんですよ。敵意とか攻撃意図を鍵にして解放されるんで、暴発はほとんど無いはずです」 「そんな魔法もあるんですか…って、ちょっと待ってください、魔法を反射…って、弾くのとは違うのですか?」 人修羅のさりげない説明にとんでもない言葉が混じっていたのに気づき、ロングビルは額に冷や汗を流しつつ質問した。 「……この世界には無いんですか?魔法とか、物理攻撃の反射って」 ロングビルは手に持った結晶と人修羅の顔を交互に見ると、小声で呟いた。 「風や水で障壁を作ったり、練金で防御壁を作り出すことはありますけど……跳ね返してしまうなんて聞いたこともありませんわ」 人修羅は天を見上げ、そうだったのかーと呟いて顔を手で覆う。 「さっきの話、まだオスマン先生にも言って無いんで、他の人にも言わないで貰えますか……」 「え、ええ。それにしても、人修羅さんのいた国ではとんでもない魔法が使われているんですね」 「一般の人はそんな魔法が存在すること自体知らないですよ。僕ぁたまたま知っちゃっただけですし」 「それでもこういったアイテムを作れるのですから、凄いと思いますよ」 にっこりと笑うロングビルを見て、人修羅はちょっとだけ頬が熱くなる気がした。 ここで大僧正がいたら『煩悩即菩提じゃ』とか言い出すに違いない。 人修羅はふと思い立つと、ポケットの中をまさぐって緑色の結晶体を出し、ロングビルの持っている水色の結晶体と取り替えた。 「これは?」 ロングビルが結晶を見つめながら質問した、結晶はサファイヤのように鈍く透き通っており、陽光に照らされ光を反射している。 「ホントはメディアラハンを入れたかったけど……魔法を付与する技術がまだよく分からないんで効果はディア数回分しか無いと思います。杖の代わりにこの結晶を握って、適当なルーンを唱えると、多少の怪我ならすぐに治りますよ」 「怪我を?治す?……この結晶でですか?」 「ええ。使い切るとただの結晶に戻っちゃいますけどね。片腕を切断したぐらいなら五回は治療できると思いますよ」 さりげなく出てきた”片腕を切断”という言葉に、ロングビルは背筋を震わせた。 人修羅は他人に危害を加えるのをよしとしない、それはここ数日間の監視でなんとなく感じていた事だが、その割にはその能力や、想定している”危機”が危険すぎる気がした。 「…あの、失礼ですが、人修羅さんはいままでどんな生き方を…いえ、どんな戦いをしていたんですか?」 好奇心、怖い物見たさを押さえきれなかったロングビルに、人修羅は困ったような、どこか寂しそうな笑みを返した。 「………数え切れないぐらい戦って、大怪我することもあったけど…。仲魔に助けられてどうにか生きていられたんです」 「仲間ですか」 「ええ、頼もしい連中でしたよ」 そう呟く人修羅の笑みは、どこか寂しそうで、しかし今までで一番のいい笑顔だった。 ロングビルはふと考える、人修羅の力をすべて知っているわけではないが、数々の魔法に、火竜を上回るブレス、そして魔法の反射など、とてもハルケギニアの常識では考えられない能力を持っている。 そんな人修羅に頼りにされる仲間達とはいったいどんな存在なのだろうか。 「シエスタ?」 考え込んでいたロングビルの隣で、人修羅が声を上げた。 ふと顔を上げると、シエスタらしき人物が正門前の馬車に乗り込もうとしていた。 シエスタの服装は魔法学院で見かけるメイド服ではなく、白いシャツに長いスカートの私服姿で、しかも乗り込もうとしている馬車は平民の使うものとは思えない程重厚感のある黒塗りの馬車だった。 ちらりと人修羅の方を見たシエスタは、そのまま顔をうつむかせて、まるで逃げるように馬車の中に入っていった。 「…風邪じゃなかったのかな」 人修羅が呟く。 「風邪?」 「朝、マルトーさんが、シエスタは風邪で休んでるとか言ってたんですけど…あんな馬車に乗って、どうしたんだろう」 「ああ、そういうことですか……そういえばあの馬車の紋章はモット伯のものですわね」 「モット伯?」 「ええ、この間、王宮の勅使として魔法学院に来訪されたのですけど…でも生徒と一緒に授業を受けていたら、ご存じないのも仕方ありませんよね」 「そりゃそうですけど、どうしてシエスタが…?何かあったのかな」 人修羅が腕を組んで考え込んでいると、ロングビルが小声で囁くように、その疑問に答えた。 「…実は、モット伯が来訪されたときに、あのシエスタというメイドが配膳を担当したのですけど…その時、粗相をしてしまったんです」 「粗相って…食器を割ったとか?」 「ええ、その時は気にしないと言っていましたが……その後でモット伯の部下が、メイドにちゃんとした接客を教えるからシエスタ数日差し出すようにと、料理長に言ったそうです」 「…なんだって」 周囲の空気が、一瞬で下がったような気がした。 人修羅の顔を見たロングビルは、その青白い瞳が一瞬だけ金色に見えたような気がしたが、人修羅が馬車の方を向いたので確認はできない。 人修羅とロングビルの目の前で、がらがらがらと音を鳴らして馬車が遠ざかっていく。 ふわりとロングビルの隣で風が動いた、いつの間にか座っていたはずの人修羅の姿が無い。 驚いて周囲を見渡すと、本塔の入り口から中へと入っていく人修羅の姿が見えた。 「いつのまに…!」 ロングビルは躓きそうになりながらも、あわてて人修羅の後を追った。 ■■■ 食堂では、既に昼食の準備が始まっていた、フォーク、ナイフ、スプーン、小皿などがメイドやボーイ達の手で並べられていく。 人修羅は奥の給仕口から厨房の中を見た、厨房ではコック達が昼食の準備に忙しそうだ。 厨房の奥を見ると、ソースの味を確認しているマルトーの姿があった、人修羅は声をかけるべきかどうか迷ったが、マルトーの方が人修羅の姿に気づいたらしく手招きをしてきた。 マルトーは調味料の並ぶ棚の前に移動すると、人修羅を見てただならぬ気配を感じたのか、体をぶるっと震わせた。 「時間を取らせちゃいますけど、いいんですか」 「ああ、俺が確認するところは一応済ませたからな…ところで、どうしたんだ」 「シエスタは、どうしたんですか」 「あ、ああ、シエスタは風邪で…」 「馬車に乗って、出かけていったのに?」 「うっ……」 返答に詰まるマルトーを見て、人修羅は悲しそうに目を細めた。 それだけでマルトーの心に深い罪悪感が生まれる、人修羅に隠し事をしていいはずがないと、心理的な圧迫感を感じた。 「口止め、されてるのか…いや、されてるんですか」 「…すまん、シエスタに頼まれただけじゃない。おまえさんには知られたくなかったんだ」 「いったい、どうして?」 マルトーは観念したのか、シエスタの身に何が起こったのかを小声で喋り始めた。 シエスタが連れて行かれた理由はロングビルの説明と差はなかった、しかしモット伯という人物の評判に話が及ぶと、マルトーは心底から申し訳なさそうに顔に皺を寄せた。 「……それで、モット伯爵ってヤツなんだが、これが、平民の女を囲うのが趣味だって言われててな…」 「囲うって…マルトーさん、そんな所にシエスタを行かせたのか…!?」 「俺だって逆らったさ!だけど俺は平民だ、魔法学院の中だけならオールド・オスマンが便宜を図ってくれる。 でもそれ以外の場所じゃ俺たちの命なんてあって無いようなもんなんだ! それに、シエスタも俺たちに迷惑をかけまいとして、一人でさっさとモット伯の別荘に行くと約束をしちまった。どうしょうもねぇんだ…」 人修羅とマルトーは顔をうつむかせた、マルトーの両手は力強く握りしめられるのでもなく、力なくぶら下がるのでもなく、やり場のない怒りが彼の手を震えさせるのみであった。 「オールド・オスマンは、このことを知ってるのか?」 「知ってる。今日は王宮に呼ばれてるんで、旧知の学者連中に会って、モット伯を小突く算段を取り付けてやるとか言ってくれたが……それが効を奏するには三日はかかるだろうってな……」 「そうか…」 思わず両手に力が入る、人修羅はキッと顔をあげると、無言のまま早足で勝手口から外へと出て行った。 ■■■ 「あら? 人修羅ったら、居ないと思ったらあんな所に…」 午前中の授業を終えたルイズは、一度寮塔に戻って人修羅を呼ぼうとした、しかし寮の中にも居ないので、どこにいったのかしらと首をかしげた。 外に出て本塔に向かうと、魔法学院の正門に立つ人修羅の後ろ姿が見えた、ルイズ早歩きで人修羅の近くに寄ると、少しきつめに声をかけた。 「人修羅! 何やってるのよこんな所で」 「…あ、ああ。ルイズさんか、いや、ちょっとね」 「ちょっと何よ。何か珍しい物でも見つけたの?勉強熱心なのはいいけど、あまり物珍しそうにしないでよね、田舎物だと思われるわよ」 「ああ…ごめん。ちょっと考えることがあってさ。昼食、俺はいいから、先に行ってよ」 いつもと違い、どこか遠くを気にするような人修羅の仕草、それが何かを隠しているのだとルイズには感じられた。 しかし、それを今追求する気にはなれない、ホームシックにでもかかっているのだろうかと無理矢理結論づけて、昼食を食べに本塔へと戻っていった。 しかし人修羅は、ルイズが昼食を食べ終わってもまだ正門の前に立ち、外を見続けていた。 「ねえ、彼はどうしたのよ」 ルイズが昼食を食べ終わり、席を立とうとしたところキュルケに声をかけられた。 離れた席に座っていたはずのキュルケが、わざわざルイズの側に来るなんてロクでもないことに決まっている、そう思いこんで不機嫌な態度のまま返事をした。 「何の事よ、ツェルプストー」 「さっきからフレイムが人修羅の側にいるのよ、学院の正門前よ。他の使い間も集まってるみたいだけど……あんたご飯抜きにでもしたの?」 「へっ? どういうことよ、それ」 「直接見てくればいいじゃない。ずっと正門前にいるわよ」 「………」 ルイズもさすがに何かおかしいと感じ取ったのか、少々乱暴に立ち上がると、そそくさと食堂から出て行った。 「それにしても、人修羅って不思議よねえ、使い魔にまで心配されるなんて」 正門前に走り寄るルイズを迎えたのは、キュルケのフレイムやタバサのシルフィードをはじめとする使い魔達だった。 「なっ、なんなのよこれー!」 驚いたルイズがたまらず声をあげると、使い間達と人修羅が一斉にルイズの方を向いた。 「あれ?ルイズさん、どうしたの?」 「何のんきにしてるのよ!」 「いや別にのんきにしてるわけじゃ…」 人修羅に詰め寄ろうとしたルイズは、おろおろと両手を前に突き出した人修羅を見て、はぁーとため息をついた。 「なんでこんなに沢山使い魔が集まってるのよ」 「あー……なんか心配してくれたみたいで、追い返すのも悪いかなあと思ってさ」 「心配? …やっぱりあんた何か隠してるんじゃないの」 「ううんけっしてぜったいほんとうにそんなことはないよ」 「棒読みよ」 「…」 ルイズは一呼吸置いてから、ぐっと胸を張り人修羅を見上げた。 周囲の使い魔達の視線に負けぬよう体に力を入れ、両手を腰に当てて精一杯体を大きく見せる。 「私はねっ、あなたのご主人様なのよ!メイジと使い魔は一心同体なの!だから困ったことがあるなら私に言いなさいよ!……それとも、私が頼りないって言いたいの?」 拗ねたような目で人修羅を見る、すると人修羅は困ったように頭をかいて、ごめん、と頭を下げた。 「ごめん。確かにその通りだ。ルイズさんにはちゃんと話すべきだった。…悩みがあるんだ、聞いてもらえるかい?」 「さ、最初からそう言えばいいのよ。でもここじゃ落ち着かないわね。部屋に戻りましょ」 「午後の授業は?」 「使い魔の世話もメイジの大事な役目よ。だからちょっとぐらい大丈夫……だと思うわ」ルイズは人修羅の手を取って、寮塔へと歩き出した。 人修羅は後ろを振り向いて、自分を気遣ってくれた使い魔達に手を振り、小声でありがとうと礼を言う、すると使い魔達はそれぞれが小さな声で鳴き、いつもの寝床へと戻っていった。 ■■■ 「シエスタって…あのメイドね。彼女がモット伯の別荘に連れて行かれたって言うのね」 「ああ。ルイズさんもモット伯の評判は聞いてるの?」 「それは、少しは聞いてるけど……良い評判なんて無いわよ」 ルイズは、午後の授業を欠席して人修羅の話を聞いていた。 人修羅はマルトーとロングビルから聞いた話をルイズに伝えた、シエスタが粗相をしたのを理由にして 、平民の女を囲うことで有名なモット伯の別荘に連れて行かれてしまったと言ったとことで、ルイズの表情に嫌悪感と悲壮感が浮かんだ。 「ねえ…どうしてそんなにシエスタのことを気にかけるの?」 ルイズは、心のどこかで嫉妬のようなものを感じ、思わずこんな質問をしてしまった。 それに自分で気づいているのか、少し罪悪感めいたものを感じてしまったが、口から言葉が出てしまった以上は覆せない。 しばらくの沈黙の後、人修羅が呟いた。 「…何十年も前に、俺の居た世界で戦争があった。物資の不足は略奪や強姦、奴隷売買も公然のものとされた。そんな中で率先して体を売り、強姦の被害を減らそうとした女達が居たんだ」 「………」 ごくり、とルイズがつばを飲み込んだ。 「ある人はそれを尊いと言い、ある人は彼女らの名誉のため口をつぐんだ。だがある人は汚いと言って女達を蔑んだ。 ……仲魔の一人にシヴァって奴がいた、そいつは破壊を司る司祭でね(ホントは神様だけど)。 体を売らなければ生きられない人、自分の手足を切り落として哀れみを誘い恵みを乞う人にも、この現状を、世界の仕組みを破壊してくれと信仰されていたって聞いたよ」 「またある国では娼婦が格上の男を狙って、魅力や教養を高め、自分の地位を向上させようと躍起になっていた。 その中には慈愛に満ちた人もいれば、権力欲に取り憑かれ毒殺を繰り返す人もいた」 「ある人は自信の誇りにかけて身を犠牲にし、ある人はよいよい生活のために体を道具として使いこなす。 ……以前、ルイズさんは貴族について、魔法が使えるか否かでなく、生き方とかが貴族を現すとか、そんな話をしてくれたよね? シエスタは立派だと思う。ある意味、貴族でなくても貴族を手本にして、立派に生きてる」 ルイズの向かい側に座る人修羅の瞳が、黄金色に輝く。 「ルイズさん、俺は厨房の皆に、特にシエスタにも世話になった。だから俺はシエスタを助け出したい。 ……でも俺は破壊することしかできない、トリスタニアなら5分とかけずに焦土にできると思っている。 モット伯の別荘がどれほどの規模か知らないが、跡形もなく吹き飛ばす自信もある。 またはその力を使ってモット伯を脅迫してもいい。 けれどもそれをしたら、ルイズさんにもシエスタにも、よくしてくれた人達全員に迷惑がかかる!俺はどうしたらいいんだ!? もしかして身を売る事なんてよくあることで、俺の考えていることは場違いなお節介なのか? それとも平民の扱いなんてそういうものだとして、納得すればいいのか!俺は!」 ぶわりと周囲に風が舞う、人修羅の体から放出された魔力が赤黒い風となる。 「きょ、脅迫なんて駄目だけど、人修羅の考えは間違ってないわよ、私だって、そんな横暴は許したくないわよ!」 恐ろしいまでの力に気圧されながらも、ルイズは必死に腹に力を入れて、人修羅に言い返した。 「……すまん。いや、ごめん。八つ当たりになっちまった…」 人修羅はテーブルに肘を突いて、俯かせた顔を両手で隠した。 その様子を見て少し落ち着いたのか、ルイズは自分の心臓がバクバクと大きな音を立てているのに気づいた。 あまりの緊張で忘れていた呼吸を再開し、息を整えると、顔を隠したままじっと動かない人修羅を見つめた。 「ねえ、人修羅。ねえってば」 人修羅は手を下ろし、ルイズの顔を見つめた。 「今からモット伯の別荘に行くわよ。シエスタは私が個人的に雇う約束をしてる、変な手出しをしたら許さないわ」 「え…」 これには人修羅も絶句した、シエスタを雇うなんて話は聞いたこともない、ましてやルイズがそこまでしてシエスタを助ける義理など無いはずだ。 なぜ?という疑問が顔に出たのか、ルイズは驚いている人修羅の顔を見て、ふんと鼻を鳴らし顔を背けた。 「べ、べつにあんたのためじゃないわよ、あんたに執事をやらせるのに、先生が必要でしょ!ああもう、とっとと行くわよ!馬を借りるわ!」 勢いよく立ち上がってそう宣言すると、ルイズは一目散に部屋から飛び出ていった。 人修羅は驚きと、悦びの混じった表情で呆気にとられていたが、すぐに気を取り直し、出遅れた時間を取り戻そうと、窓から飛び降りてルイズの後を追った。 ■■■ ……さてそんな気合いを入れた二人は、番兵から別荘の位置を聞き、馬を走らせ、あれよあれよという間にモット伯の別荘に到着してしまった。 ルイズはモット伯について、いくつかの噂を聞いている。 その中でも特に印象に残ったのが、長女エレオノール姉の結婚相手としてモット伯の名前が出た時のことだ。 母は『みっともない』と言い、父は『……』無言で顔をしかめ、エレオノールは『最低だ』と掃いて捨てた。 魔法学院に来てからも何度か噂を耳にしたが、そのどれもが『女好き』とか『平民に手を出し過ぎる』といった内容だった。 二人がモット伯の別荘にたどり着き、驚くほどすんなりと中に通されると、その噂が的を射ていたと嫌と言うほど納得できた。 別荘の外を警護するのは、無骨なプレートメイルに身を包み、槍を持った衛兵、そして犬型のガーゴイル。 しかし中に入ってみれば、案内役のメイドさんは胸元が大きく開いた服を着ており、スカートもギリギリまで短い。 応接間に通されると、給仕のメイドはレースのタイツをはいて、両脇に大きなスリットの入ったスカートを着用していた。 人修羅はそれを見て「チャ、チャイナドレス…」と言っていたが、ルイズには何のことだかさっぱり分からない。 しばらく待っていると、応接室の扉が開かれ、右手と頭に包帯を巻いたシエスタが姿を現した。 「シエスタ!?どうしたんだ、いや、大丈夫だったのか?」 人修羅が立ち上がり、シエスタに近づく。 「は、はい、私は大丈夫です…あの、お二人とも、どうしてこちらに…?」 「あなたを連れ戻しに来たんだけど……」 「えっ、では、迎えに来てくださったんですか」 「そうなんだけど…」 ルイズがどうしたものかと困っていると、扉からもう一人の人物が応接間へと入ってきた。 「やあこれは公爵家のご息女ではございませんか、わざわざこのような田舎の別荘にまでお越しいただけるとは、幸いですなあ」 微妙に先端がカールした口ひげ、整髪剤で整えられたてかてかの髪、姿を現したのはモット伯その人だった。 「わざわざこのメイドを迎えに来たそうですが…?」 「え、ええ。そのメイドは私が個人的に雇う約束をしておりましたの。それなのに突然モット伯の別荘に向かったと聞いて驚きましたわ」 人修羅はいつもと違うルイズの口調に驚きつつ、シエスタの手を引いてモット伯から距離を取った。 「そうでしたか!いやあこれは大変なことをしました、実は別荘に来るまでの間、馬車が暴れ牛に衝突したようなのです。 その衝撃でこのメイド…ええとシエスタでしたな。 彼女は頭と手を打ち付けてしまいまして。これから魔法学院に送り返すところだったのですよ!」 「はあ」 「いやまったく残念ですが、怪我した少女をいたぶるような趣味はありませんからなあ、それにヴァリエール家で雇われるのでしたら私が手出しするのもちと厄介です」 「はあ…」 ルイズはモット伯の饒舌さに驚き、呆れていた。 一念発起してシエスタを助けに来たのはいいが、なぜか肩すかしを食らった気がする。 そんなルイズを無視して、モット伯は人修羅とシエスタに向き直った。 「おお、ところで…気絶したシエスタが、ヒトシュラとか呼んでいましたが、先ほどから手を繋いでいるのを見ると君がヒトシュラですかな」 「えっ、はい、そうですけど」 指摘され、慌ててシエスタの手を離した人修羅だが、シエスタはどこか残念そうな視線を、ルイズはちょっと不機嫌そうな視線を向けてくるので、微妙に居心地が悪い。 「なんと!魔法学院で変わった使い魔が召還されたと聞きましたが、まさか君がそうなのかね!」 「ええ、まあ一応…」 モット伯のテンションについていけない人修羅は、ほんのちょっと後ずさりつつ答えた。 「なるほど、亜人か東方の人間かと噂になっていたが、ミス・ヴァリエールの従者を務めるとは、これは驚かされた! 友好の証に握手を!」 そう言うとモット伯は手を差し出した、人修羅も仕方なく手を差し出すと、モット伯は人修羅の手を両手でがしっと掴み込む、政治家らしく迫力のある握手の仕方だった。 「何!東方の交易品には私も興味があるのでな、何かおもしろいものがあれば教えてくたまえ!ハハハ!」 モット伯は最後までテンションの高いまま、応接室を出て行った。 後に残された人修羅と、シエスタと、ルイズの三人は交互に顔を見合わせる。 「……帰りましょう」 ルイズが力なく呟いた。 ■■■ モット伯の別荘、その二階の窓からは、魔法学院に帰ろうとする三人の姿が見下ろせた。 シエスタとルイズがそれぞれ馬に乗り、人修羅がシエスタの乗る馬を引く、シエスタの怪我を案じてのことだろう。 時刻はもう夕方にさしかかっており、魔法学院に到着する頃には夜になるだろうが、人修羅という存在が近くにいれば誰も手を出せないはずだ。 モット伯はそれを見届けるとカーテンを閉じ、振り返る、するとそこには王宮に向かったはずのオールド・オスマンがメイドに囲まれてにこにこと微笑んでいた。 そのすぐ隣のソファには、ロングビルがやたら露出度の高い服を着たメイドにお酌をされ、少し戸惑ったような表情を見せている。 「モット君。『水』のトライアングルとして、政治屋としても意見を聞きたい。人修羅君はどうかね」 グラスを片手にオールド・オスマンが呟くと、モット伯はオスマンの向かいの席に座り、メイドからグラスを手渡されつつ返答した。 「握手して水の流れを探ってみましたが、深すぎる。ラグドリアン湖のように透明ですがいかんせん深すぎて全貌を探れません。 ディティクト・マジックを使って探ろうとすれば、かえってその深さに飲み込まれるでしょう。味方なら守護神、敵ならばまさしく悪魔ですな」 きっぱりと言い切るモット伯の眼光は、先程とは違って鋭く、そして獣じみている。 「それほどかね」 「それほどです。政治家としては……そうですな、王宮の者達にしてみれば東方の話題など与太話に過ぎません。 必要最低限の報告をするのみで、後は伏せておきましょう、事が起こってからでは遅すぎると非難する者などいやしませんよ。 あるとすれば、そういったヤジの得意な者達がよけいな事を起こすのです。 こちらから何もしなければ、人修羅君も王宮も特に動こうとはしないでしょう」 オールド・オスマンはひげを撫でつつ、ふむとうなった。 そもそも今回の騒動は、オールド・オスマンがモット伯と共に計画した、自作自演の劇であった。 シエスタが粗相をしたというのも、実は魔法を使っている、その時点からシエスタ誘拐騒動は始まっていたのだ。 途中、馬車を転ばせるというのはやりすぎだと思ったが、シエスタに何の手出しもせず魔法学院に返すのは不自然過ぎる。 そのた、なるべく怪我をしないように転ばせたのだが、その調節にはとても苦労した。 「そうじゃのう。モートソグニルが人修羅君とミス・ヴァリエールの会話を聞いていたが、人修羅君は争いを必要以上に恐れておる。 自分と周囲に危害が及べば、なりふりかまわず動くじゃろうが…その時が来ないとも限らん。 彼に必要なのは友人じゃな、仲間のため、友のため、恩のため。 そういった価値観が彼の大部分を占めておるのじゃろう、ミス・ロングビルや、君の見立てではどうかな」 いきなり話を振られれたロングビルは、え…と困り顔になったが、気を取り直してオスマンに向き直り口を開いた。 「危険はないと思いますわ。料理長のマルトーに詰め寄った時も暴力的ではありませんでしたし、むしろ自分の無力を嘆いているような気がします」 「うむ…ミス・ロングビル。君さえ良ければ、これからも彼らの力になってやってくれんか? 君は貴族の立場を剥奪された、じゃからこそ貴族の傲慢さをよく知っておるじゃろう、彼らを無用の争いに巻き込まぬためにも、悪意のない第三者になってはくれんか」 「…いつまで魔法学院にいられるか分かりませんが、可能な限り助力致しますわ。その代わりセクハラは止めてくださいね」 「つれないのう」 ロングビルとオスマンのやりとりを聞いてたモット伯は、ハハハと笑い出した。 手近な所にいたメイドを抱き寄せると、隣に座らせて髪の毛を撫でる。 「オスマン先生は未だにセクハラ癖が抜けませんか!さすがですな、女は後腐れ無く買うに限ると言っていたのに、その反面スリルを求めてセクハラを止めぬとは、流石は我が恩師!」 ロングビルがハァ?とでも言いたげな顔でオスマンとモット伯を見比べる、どうやらこの二人にはただのコネではなく、深い繋がりがあるらしい。 「オールド・オスマン。どういうことですか?」 「い、いや……ちょっと説明しづらいんじゃが」 「ならば私の口からご説明致しましょう。私もあの頃は魔法学院の、一介の学生に過ぎませんでした。ところがある日私は同級生の手によって悪名をとどろかせる羽目になったのです。 曰く、『寝小便のモット』と!!これには参りました、確かに私は寝小便でハルケギニア全図を書き上げておりましたがが故意ではありません、しかもそれを二つ名にされるなどあまりにも屈辱的! 私は寮塔に引きこもり授業に出ぬ日が続きました……しかし、そこにオールド・オスマンが現れて私にこう助言して下さったのです!『逆に考えるんだ、本気の寝小便などこの程度ではない』と! それを聞いた私の心に、雷のような衝撃が走りました、そして私は決意したのです!『波涛のモット』と名乗ることを! それからは世界が180度変わりました、寝小便で作り上げた水の鞭を操り決闘に挑み、50戦50勝39不戦勝を誇るに至りました!! しかし強すぎる存在は皆から敬遠されるもの……私の周りには女性など誰も近づきませんでした、そこで私はオールド・オスマンに習い、平民も貴族も分け隔て無く、綺麗な女性ならオールオッケーな態度でエロに挑んだのです! その結果私は平民の女を囲っていると噂されましたが、何そんなものは気になりません。私は彼女らの奉仕を受ける代わりに教育を施します、もう何人もが卒業して、ゲルマニアやガリアの商業地域で働いております。 田舎で子供達に文字を教えているという手紙も届きます、それもこれもエロのおかげ!エロはすばらしい!MOTTOMOTTO!」 演説を続けるモット伯から目をそらし、ロングビルはオールド・オスマンを睨み付けた。 「最低…」 「そ、そんな目で見んでくれ。ワシだってモット君がこんなになるなんて予想してなかったんだもん…」 ふと、モット伯の隣にいるメイドを見る、彼女は嬉しそうな笑顔でモット伯に身を寄せている。 後ろに控える猫耳をつけたメイドやウサギ耳をつけたメイドも『また病気が始まりましたわ』とか『いつものことですから』とか、苦笑いを浮かべている。 だが誰一人として嫌そうな気配は無い、モット伯という人物は、方法こそアレだが、ちゃんとメイド達から慕われているらしい。 (…化け物じみたお人好しの使い魔、王宮の勅使は変態。こんなので大丈夫かね、トリステインは) 口から飛び出しそうな呟きを、ロングビルはワインと共に飲み込んだ。 前ページ次ページアクマがこんにちわ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8021.html
前ページ次ページTALES OF ZERO 第七話B 王都トリスタニア ~才人とトリスタニア~ 此処でクラース達から視点を移して…トリスタニアの街中を歩く一人の少女の姿があった 桃色かかったプラチナブロンドに、魔法学院の制服を着た少女が大通りを歩いている 「ほら、さっさと歩きなさい!!」 それは、ルイズだった…誰が見ても不機嫌そうな顔をして叫んでいる その後ろには、物珍しそうに辺りを見回す才人の姿があった 「へぇ、此処が王都か…色々と賑やかだよな。」 目の前の光景から、以前アーチェにアルヴァニスタの都へ連れて行って貰った事を思い出す あそこに負けない位活気がある街並みで、道端でも様々な物が売り買いされている あれは何だろう、これは…等と見ていると、突然耳を引っ張られた 「イテテテテ!?」 「余所見しないの!!あんたは荷物係なんだから、そんな事してる暇はないの!!!」 解った、と思いっきり引っ張られながら耳元で叫ばれたので、耳の奥でルイズの声が反響する ようやく離された耳を撫でながら、才人はルイズを睨んだ 「いてぇじゃねぇか…何だよ、クラースさんとキュルケの事、まだ怒ってるのかよ。」 「当然よ。クラース先生とあの女がで、ででで、デートなんて……。」 「仕方ないだろ、そうでもしないとあの指輪貸してくれねぇって言ってるんだし。」 もうこれで何度目だよ、とルイズの癇癪に才人はうんざりするしかなかった クラースがキュルケと出掛けた後、才人もルイズに連れられてこのトリスタニアにやってきた 本人は買い物だと言っていたが、キュルケと出掛けたクラースの事が気になるのだろう 現にさっきからきょろきょろと、彼等がいないかその姿を探している 「それに、俺に八つ当たりするのも止めて欲しいんだけどな。」 此処に来るまで、何度苛立ちをぶつけられた事か…それにしても、彼女の苛立ちは尋常ではない 「(怒りっぽいからって、こりゃ異常すぎるだろ……まさか、こいつ。)」 口は災いの元だと言う事を学べないのか…才人は思った事を口にした 「もしかしてお前……クラースさんに惚れてるとか?」 返事は返ってこなかった…帰ってきたのはルイズの鉄拳だった 顔にめり込む勢いだったので倒れそうになったが、何とか踏ん張る 「そんなわけないでしょ!?あのツェルプストーの女と先生が一緒ってのが気に食わないだけよ!!」 「さ、さいですか……まぁ、クラースさんにはミラルドさんがいるし、変な事にはならないって。」 鼻を抑えながら才人がそう答える中、ふとルイズは気になった よく二人の使い魔の会話に出てくる、ミラルドという女性に 「ねぇ、サイト…クラース先生の奥さんって、どんな人?」 「ミラルドさん?そうだな……簡単に言えば、美人で優しい人だな。」 「美人で…優しい?」 「ああ。クラースさんに召喚されてから色々世話になってさ……。」 才人は語った…ミラルドの事を アセリアの事を色々教えてくれたり、おいしい料理を作ってくれたり それに、不安になった時には優しく抱きしめてくれた事…そんな事を話した 「ふーん……何か聞いてても、良い人だって思うわ。」 「だろ?きっと俺とクラースさんが急にいなくなったから…心配してるだろうなぁ。」 才人は空を見上げ、ミラルドやアーチェ、ユークリッド村の人々の事を思い浮かべた そして、地球にいる両親や友達の事も… 「サイト……。」 そんな才人の姿を見て、ルイズは二人を呼び出してしまった事を少し後悔した そして今更だが気付かされた…彼等にも彼等の生活があったんだという事を 「(でも…仕方ないじゃない、あんた達がゲートを潜ってこっちに着ちゃったんだから。)」 召喚した使い魔を戻す魔法なんてない…ルイズにはどうにも出来ない問題だ だんだんと胸の奥がもやもやしてきたので、それを払うべく声をあげた 「ほ、ほら、ぐずぐずしないで…さっさと買い物に行くわよ。」 「何だよ、人が感傷に浸ってるのに…つめたい奴だな。」 才人の言葉に、ルイズは反論しなかった…今だけはやめておこうと思ったからだ ルイズが歩き出すと才人もその後に続き、二人は通りを歩いていくのだった 「これとこれ…あとこれもお願いするわ。」 「ありがとうございます。」 トリスタニアのとある店で、ルイズは買い物を終わらせて店を後にする そんなルイズの後を、彼女の買った物を両手で持つ才人が後を追う 「えっと、次は向こうにあるお店にいって……。」 「おいおい、まだ買うつもりかよ。」 才人が悲鳴に近い声で訴える…既に彼の手には十分すぎる程の荷物があった なのに、彼女はまだ買うつもりでいるのだから当然の訴えだ 「当然よ、女の子には必要な物が沢山あるんだから…本当、荷物係がいて助かるわ。」 「…鬼だ、俺の目の前には鬼がいる。」 可愛らしい顔をしていはいるが、根は酷い鬼が…ぶつぶつと文句を呟く そんな才人を面倒臭そうに見ると、仕方ないとばかりに口を開いた 「ほら、後で何か美味しいもの食べさせてあげるから…頑張りなさいよ。」 「えっ、マジで!?」 此処に来て楽しみと言えるのが食事くらいなので、才人の顔は一気に明るくなる だから、ルイズの「単純…」という声も聞こえなかった 「解ったらさっさと行くわよ。」 「ああ。でも、此処って人の通りが激しいから……。」 才人の言うとおり、狭い通りを大勢の人が行き交いしているので歩きにくい そんな才人の苦労を知ってか知らずか、ルイズはどんどん先へ行く 「おーい、ルイズー、待ってくれよ…うわっ!?」 「きゃっ!?」 ルイズに追いつこうとした時、才人は通行人の一人と真正面からぶつかってしまった 手に持っていた荷物がバラけ、才人は仰向けに倒れる 「(いてぇ、思いっきり倒れた……ん?)」 起き上がろうとしたが、顔に妙な弾力間がある事に気付いた 柔らかい、そして視界が暗い…そう思っていると声が聞こえてきた 「ごめんなさい…大丈夫?」 視界が明るくなったと同時に、目の前に女性の顔が見えた 相手は白のワンピースを着た綺麗な女性だった…それに胸もある その胸が自分の顔を覆っていたと知り、才人は顔を赤らめた 「い、いや、こっちこそすんません。ぶつかっちゃって…。」 「ティアお姉ちゃん、大丈夫?」 隣から、彼女の連れらしい少女が心配そうに覗き込んでくる 「ニナ…私は大丈夫。でも、この人が…。」 「お、俺は大丈夫です。この通り、全然平気ですから…ハハハ。」 そう言うと、才人は起き上がってバラけてしまった荷物を拾い始めた ティアと呼ばれた女性も手伝ってくれ、荷物はすぐに集まった 「ありがとうございます、拾うの手伝って貰って。」 「そんなに沢山の荷物を持って大変ね。おつかいでも頼まれてるの?」 「ええ、ちょっと買い物に付き合わされてね…大変ですよ、もう。」 笑いながらティアの返事に受け答えする才人…その視線は終始彼女の胸に向けられていた そんな事に気付かない彼女は、才人に微笑を返してくれる 「じゃあ、私達はこれで…おつかい、頑張ってね。」 「はい、そちらも気をつけて。」 ティアは連れの少女と共にその場を後にし、やがて人混みの中へと消えた 二人が見えなくなるまで手を振った後、才人は自分の顔に手をやる 「(ティアさん、だっけ……凄くでかい胸してたよなぁ。)」 彼女の胸の感触が残る顔を撫でる才人…周囲の人がいぶかしむ位、にやけながら あのメロンみたいな大きい胸の感触を知る事が出来たので、此処に来たのも悪くはなかった 「さて、と…ルイズ、次は何処に………ルイズ?」 辺りを見回してみると、見知らぬ通行人ばかりでルイズの姿は見えない 何度かルイズの名を呼んでみるが、返事は返ってこなかった 「ひょっとして……はぐれた?」 それに気付いた時…才人は途方にくれるしかなかった 「はぁ…どうすっかなぁ。」 ルイズを探し、荷物を両手で抱えながら才人はトリスタニアを歩き回った 知らない道をぐるぐる回った結果、今では路地裏にたどり着いてしまう始末だ 「こんな所にあいつが来るわけねぇよなぁ…戻るか。」 しかし、帰ろうにも入り組んだ路地裏からはそう簡単には出られなかった 「えーと、確かこっち…いや、あっちだったか?」 右に左に、前に後ろに… あちこっち歩き回っても、中々大通りに出る事は出来ない 「やべぇ、マジでやべぇ…このままだとルイズに会うどころか帰れなくなるぞ。」 だんだんと彼の中に危機感が募っていく…そんな時だった 「や、止めてください。」 向こうの方から、嫌がる女性の声が聞こえてきた それも、何処かで聞いた事のある声…気になった才人は先へ進んでみた 「止めてくださいって言われて止める奴なんていないだろ?」 「だからよ姉ちゃん、俺達と楽しい事しようぜ。」 すると、柄の悪い男達が数人、若い女性を取り囲んでいた 男達に取り囲まれ、困惑するその女性には見覚えがあった 良く見てみると…普段着を着ているが、間違いなくシエスタだった 「シエスタ!?」 「あっ……さ、才人さん。」 才人の声を聞いて、シエスタが此方に振り向いた 当然、彼女を取り囲んでいる男達も才人の方を振り向く 「んん、何だお前…こいつのツレか。」 「えーと…まあ、そんな感じ。そんな事よりシエスタを離してやれよ、嫌がってるじゃないか。」 才人の言葉に男達は顔を見合わせ、やがて大声で笑い出した まあ、この手の人間が素直に話を聞くとは思っていなかったが 「馬鹿かお前、んなの聞くわけないだろうが……おい。」 リーダーらしき男の声に、仲間の一人が近づいてきた 懐からナイフを取り出したので、思わず才人は後ずさる 「えっ、ちょっと……いきなり刃物出すなんてありかよ。」 そうは言っても相手はやる気のようで、ナイフを此方に向かって突き出してきた 咄嗟にその一撃を避けるが、相手は続けてもう一撃繰り出してくる 「くっ…この!!」 「うわっ!?」 後でルイズに怒られる事を覚悟しつつ、荷物を暴漢に向かって投げつけた 顔にぶつかって一瞬怯んだ隙をついて、男の急所を蹴り上げる 「ぐふっ!?」 男の急所は共通…それをよく知っている才人の一撃を受け、相手はその場に蹲った その手から零れ落ちたナイフを、反射的に手に取る 「野郎、抵抗する気か……お前等、やっちまえ!!!」 リーダーの言葉に、男達は一斉に得物であるナイフを取り出した そして、これまた一斉に才人に向かって襲い掛かる 「何でこうなっちまうんだよ…くそ、やるしかないよな。」 ナイフを手に構える才人…その時、左手のガンダールヴのルーンが輝きだした 相手は五人…けれど、才人は怯まずに相手に向かっていった 「でりゃ!!」 まずは一人目…思いっきりナイフを振って相手の手から弾き飛ばす 顔面にパンチを叩き込んで、地面に沈めた 「たあっ!!」 二人目と三人目は攻撃をしゃがんで避け、足払いを掛けた バランスを崩した二人は、重なり合って倒れる 「これで、どうだ!!」 残った二人も、すれ違いにナイフの柄を首筋に当てて沈黙させた 僅か数秒足らずで、才人は全員を倒してしまった 「俺って…実は凄くね?」 得意げになる才人…これも、ガンダールヴの恩恵故であった このままいけるかもと思ったが、そんな彼の快進撃もそこまでだった 「おい、お前…それ以上動くんじゃねぇ。」 何故なら、相手がシエスタの首筋にナイフをかざしていたからだ 「シエスタ……くそ、定番過ぎる卑怯さだぞ。」 「まさか、ガキ一人に皆やられちまうとはな…おら、全員起きろ!!」 リーダーの一喝に、倒れた全員がふらつきながらも立ち上がった 相手はシエスタの首筋にナイフをつけたまま、ゆっくりと近づいてくる 「さあ、ナイフを捨てな…でねぇと、この姉ちゃんの首から血が噴出すぜ?」 「さ、才人さん……。」 相手は脅しではない事を証明する為、ナイフでシエスタの首の皮を一枚切った 切った箇所から赤い血が流れ、痛みと恐怖から彼女の顔が歪む 「解ったらさっさとナイフを捨てろ、今度は本当にやっちまうぞ。」 「お前……解ったよ。」 いくらガンダールヴの力で強化されたとはいえ、この位置から突っ込んでも間に合わない 相手の指示通り、才人は手に持っていたナイフを捨てた 「そうだ、それで良い…おい、お前等、たっぷりとお返ししてやれ。」 周囲の男達が手をボキボキ鳴らしながら、ゆっくりと近づいてくる あれだけやったのだから、タダですむわけがない やられる…恐怖のあまり、才人は目を瞑った ……… だが……数秒が過ぎ、十数秒が過ぎても相手が殴りかかってこない 「(あれ…全然来ないぞ、どうしたんだ?)」 「おい、もう固まってなくて良いぞ。」 疑問を浮かべる才人に、男達とは違う若い男性の声が聞こえてきた 恐る恐る目を開けると、自分を取り囲んでいた男達が再び地面に沈んでいた 「えっ、なんだ、一体何が……。」 「才人さん!!」 目の前の光景に戸惑っていると、シエスタが抱きついてきた 一体何があったんだ…と彼女に尋ねようとした時、再度声が聞こえた 「危なかったな、お二人さん?」 声の方を向くと、その先には髪の長い男性が立っていた…手には刀を吊るした紐が握られている その足元には、何故かキセルを加えた犬までいた 犬は男達のリーダーを踏みつけている…奴も気絶しているらしい 「えっと…あなたが助けてくれたんですか?」 「話は後だ。此処はこいつ等の縄張りだからな…すぐに他の奴等が来るぞ。」 その言葉に、慌てて才人は散らばった荷物を回収する そしてシエスタと共に、青年に連れられて路地裏を後にした ……………… 「ここまでくれば、後は大丈夫だろ。」 追っ手が来ていないのを確認しながら、青年はそう答える 彼の案内により、才人とシエスタは無事大通りへと出る事が出来た 「あの…ありがとうございます、俺達を助けてくれて。」 「別に…仕事でたまたま通りかかっちまっただけだからな、礼なんていらねぇよ。」 才人の感謝の言葉に、青年はそう答える その隣で「わん!!」と、犬も軽く吼えた 「何にせよ、裏通りにはああいう輩が多いからな…今度からは注意しろよ。」 いくぞ、ラピード…彼は連れの犬の名を呼び、その場から立ち去っていく 「本当に、ありがとうございました。」 とシエスタが言うと、彼は後ろ向きのまま手を振り、やがて見えなくなった 二人は彼の姿が見えなくなった後、落ち着ける場所を探してその場から歩き始めた 「私、今日非番だったんです。それで、王都に買い物に着たんですけど…。」 「その途中で、あいつ等に絡まれたってわけだ。」 昼前の噴水広場にて…… ベンチに腰を掛けて、才人とシエスタはそこで落ち着き、話をしていた 「裏通りに引き込まれた時は、私もう駄目かと思いました。でも、才人さんが来てくれたから…。」 「いや、結局俺もさっきの人に助けられたから…。」 助けに行ったつもりが助けられて……ちょっと間抜けだと思った でも、二人とも無事だったのでよしとしよう 「あの犬さん、凄かったんですよ。暴漢達を反撃する間も与えずに一瞬で倒しちゃったんです。」 「へぇ、そうなんだ……って犬!?」 「はい、才人さんの周りの人を倒したのが犬さんで、私を捕まえていた人を倒したのがあの人です。」 あの犬が…確かに普通の犬とは少し違うようだったが、まさかそれ程とは というより、犬に助けられてしまうなんて… 「そうか……俺って、犬より弱いんだな。」 「し、仕方ないですよ、私人質になってたんですから…それに、最初は凄かったじゃないですか。」 「そ、そう…かな?」 「はい。あの時の才人さん…とても格好良かったです。」 シエスタのフォローに、才人も少しは気が楽になった しかし、持っている荷物を見て大事な事を思い出した 「あっ、それよりも…ルイズの事、どうすっかなー。」 「ミス・ヴァリエールがどうかしたんですか?」 「いや、今日はルイズと買い物に来たんだけど…あいつとはぐれたんだ。」 どうしよう…と、ルイズが何処にいるのかと才人は頭を悩ませる 下手に動き回ればまた迷うだろうし、一旦街の入り口まで戻ろうか… 「よぉ、お二人さん…何か悩んでんのか?」 そんな時、二人に元気よく声を掛けてくる男が現れた 服装は先程の男同様、この辺では見ない服装で、胸当てを着用している 「え、えっと…悩んでると言えば悩んでるんですけど…。」 「悩んでるんだったら、少し占いで見てもらったらどうだ?すぐそこでやってんだけど…。」 どうやら、男は客寄せの為に自分達を呼んでいるらしい だが、こういう勧誘は怪しいものなので、すぐに返事は出せなかった 「ん、何だ…俺の事信用出来ないってか?」 「いや、そんな事は……。」 そうは言っても、歯切れの悪い言い方がそれを肯定している 「ん~、まぁそうだよな……じゃあ、これが俺の証明って事で。」 男は少し考えた後、二人の目の前にスッと拳を突き出した 何をするんだろう…そう思って二人が見ていると、彼の拳から花が出てきた 「わぁ、綺麗な花ですね…それに見た事ないです。」 「これは東の方に咲くティートレーイの花って言うんだ、一つあんた達にあげるぜ。」 男から花を受け取り、シエスタと才人は再度彼の顔をのぞく 彼は満面の笑みを浮かべており、何だか信じられそうになった 「じゃあ……ちょっとだけ、占って貰っても良いですか?」 「よし、来た。あいつの占いは五つ星だからな、期待しても良いぜ。」 話が決まり、男は占い師の所まで案内しようとする が、その前に大事な事があったと、二人に振り返る 「自己紹介がまだだったな…俺はティトレイって言うんだ、よろしくな。」 男…ティトレイが自身の名を名乗り、才人は横目で先程貰った花を見る これ、自分の名前をつけてんのか…面白い人だな 「わたしはシエスタです、よろしくお願いします。」 「あっ…お、俺は平賀才人…才人って言います、よろしく。」 挨拶が終わると、二人はティトレイに連れられてその場を後にする その後、クラース達が此処へやって来るのだが、二人がそれを知る事はなかった ティトレイに連れられて、二人は件の占い師の所へとやってきた 簡易的なテーブルに白いテーブルクロスが掛けられ、椅子には女性が座っている 黒髪の美女…彼女が占いをするらしいが、彼女はカードを見ていた 「おーい、ヒルダーーー、客連れて来たぜ。」 「ああ、ティトレイ…何処に行ってるのかと思えば。」 ティトレイに呼ばれた女性は顔をあげ、三人に振り向く ヒルダと呼ばれたこの占い師は占いをしていたらしい、彼女のカードを覗き込んだ 「また俺達の今後を占ってたのか……で、どうだった?」 「そうね、この前と同じよ…今は時が来るのを待つしかないわ。」 「そうか…まあ、果報は寝て待てって言うしな。」 うんうんと頷くティトレイ…その間に、ヒルダはカードを整理する それを終えると、今度はシエスタと才人へ視線を向ける 「それで…占って欲しいのはそこの二人?」 「ああ、ヒラガサイトにシエスタ…何か悩んでるみたいだったから連れてきた。」 ふーん、と占い師のヒルダはじっと二人の顔を見つめる 「確かに、色々と悩んでそうね……で、貴方達は何を占って欲しいの?」 「え、えっと……私の仕事の運勢とか占ってもらって良いですか?」 「俺はルイズ…はぐれた奴がいるんだけど、そいつが何処にいるとか占えます?」 「それだけ?」 二人がそれぞれ占って欲しい事を言うが、ヒルダは納得した様子ではない その言葉の意味が解らない二人に、ヒルダは微笑する 「歳若い二人が一緒に占って欲しいと言えば、恋愛運だと思ったのだけど……。」 「ええっ、そんな…私とサイトさんは別にそんな関係じゃ…。」 少し顔を赤らめながら、シエスタは自分達の関係を否定する 彼女の態度を見れば、少しは脈有りだと思うのだが… 「そうですよ。俺なんか、シエスタには勿体ないくらいですから。」 鈍感な才人はそれに全く気がつかなかった…その時、シエスタは少し残念そうな顔をしていた 「まあ、そう言うならいいけど…で、どちらから占うの?」 「そうだな……シエスタ、先に占ってもらったら?」 「えっ、良いんですか?なら、私から……。」 才人の勧めでシエスタが最初という事になり、椅子に腰掛けた ヒルダは持っているカードを使って占いを始める…絵柄は見た事のないものだった 途中色々と質問され、それに答えながら占いは行われていき…… 「結果が出たわ…正直に言うと、このまま仕事を続ければ貴方にとって良くない事が起こるわね。」 結果は思わしくないものだった…それを聞いて、才人はヒルダに向かって怒鳴った 「そんな、どうして!?シエスタは何時もちゃんと仕事してるのに……。」 「そこまでは私にも解らないわ…心当たりは彼女自身が良く知ってるみたいだけど。」 その言葉に才人がシエスタを見ると、彼女は思いつめた表情をしていた それに結果を聞いてもそれ程驚かない…何処か納得しているようでもある 「シエスタ…学院で何かあったのか?」 「それは…いえ、何でもありません。何も…ないんです。」 だが、彼女は何も言おうとしなかった…後の事を考えれば、言えなかった これではあんまりだと思ったティトレイは、ヒルダに尋ねる 「なあ、ヒルダ…どうにか出来ないのか?」 「そうね、気休め程度だけど……宝石が貴方のラッキーアイテムかしらね。」 「宝石?」 「そう、それを身に着けていれば厄災から持ち主を守ってくれるわ。」 完全な保障は出来ないけどね、とヒルダは付け加える 「宝石か……そう言えば、確か…。」 才人はポケットに手を突っ込み、ごそごそとある物を探す すぐにそれは見つかり、ポケットから取り出したそれをシエスタに渡した シエスタが受け取って確認すると、瞳くらいの大きさの黒い宝石だった 「これは?」 「ブラックオニキス、前にクラースさんから貰った奴だけど…シエスタにあげるよ。」 「そ、そんな…頂けません、こんな高価な物…。」 慌ててシエスタはブラックオニキスを返そうとするが、才人はそれを拒んだ 「シエスタには会った時から世話になってるからさ…お礼の意味も込めてって事で。」 と言っても、貰い物なので有難みないかもしれないけど… 「でも……。」 「良いんじゃないかしら。貴方の事を大切に思う人からの物の方が、効果があるかもしれないわよ。」 「ほら、占い師のお姉さんもこう言ってるし…な。」 シエスタはヒルダ、ティトレイ、才人と見て最後にブラックオニキスを見た 黒の宝石を愛おしそうに指で撫でた後、ギュッと握り締める 「サイトさん……解りました、大事にしますね。」 ありがとうございます、とシエスタは笑顔で感謝する これで、シエスタの事は上手くいったと思いたい 「さて、と…じゃあ次は俺の番だな。人を探しているんですけど……。」 「サイト~~~~~~!!!!」 占いを始めようとした矢先、聞き覚えのある声が聞こえてきた 才人が振り向くと、ルイズが此方に走ってくるのが見えた 「あれ、ミス・ヴァリエールじゃないですか?」 「サイトが探してる女の子か…良かったな、占う前に見つかって。」 ティトレイは喜んでいるが、才人は全然喜んでなかった 何故なら、向かってくる彼女の表情が、自分の無事を安堵しているようには見えなかったからだ 「この…馬鹿犬!!!」 その証拠に、才人に向かって飛び膝蹴りを喰らわせようとした 喰らっては大変と、その一撃を避ける 「避けんな。」 「避けるわ、んなの!!」 「あんたって奴は…勝手にいなくなったと思ったら、女の子と一緒にいるなんて…。」 「仕方ないだろ、お前がさっさと行っちまうんだから…それに…。」 「ああ~~~!!!」 弁解の途中でルイズが大きな声を出したので、思わず才人は竦む 彼女が驚いたのは、才人が持っている袋が幾つか汚れていたからだった 「あんた、私の買った物をそんなにボロボロにして…。」 「そ、それは俺の命が危なかったから仕方なく…。」 「言い訳すんな!!」 「はぐぅ!?」 話も碌に聞かず、ルイズは才人の急所を蹴り上げる 不意を付かれてその一撃に才人は膝をつく 「馬鹿、この馬鹿!!」 「げふっ、ま、待てルイ…ぐほっ!?」 「み、ミス・ヴァリエール、落ち着いてください。」 足で散々踏まれまくる才人は弁明の余地なく、地面に沈んだ シエスタは何とかルイズを落ち着かせようとするが、あたふたするばかりだ 「何だか騒がしい連中だな…ま、これで一件落着って事で良いのか?」 「良いんじゃない?」 隣で様子を見るティトレイとヒルダの言葉は、騒がしい三人には聞こえなかった 「全く…理由があったならちゃんと言いなさいよね。」 ヒルダとティトレイと別れ、才人達は道を歩いていた あれから何とかルイズを宥める事に成功し、事情を話して納得させる事が出来た だが、その頃には才人は体中をあちこち痛める辛い思いをする事となったが 「お前が素直に人の話を聞いた事があるのかよ。」 「過ぎた事を何度も言わないでよ、男らしくないわね。」 じゃあ、お前は女らしくねぇよ…と言おうと思ったが、止めておいた 口は災いの元というのを、そろそろ学習しなければならない 「それにしても…何であんたまで付いてくるの?」 ルイズのその言葉は、才人の隣を歩くシエスタに向けられたものだった 別に一緒に行こうとも言っていないのに、彼女は自分達に付いてきた 「だって、サイトさんは命の恩人ですから…お礼がしたいんです。」 「ふーん…まあ、良いんじゃないの。」 特に興味もなさそうに告げると、ルイズはそっぽを向く しかし、横目でチラッと二人の様子を見ていた 「ああ、腹減ったな…そういや、今朝はあんまり食べれなかったし。」 「だったら、あそこで何か買います?美味しそうな果物が並んでますよ。」 「おっ、本当だな。」 黒髪の少年と少女…傍から見れば、お似合いのカップルとも言える 別に使い魔の少年が誰と付き合おうと構わない…キュルケ以外なら 構わない…筈なのだが 「(妙にイライラするのは何でなのよ。)」 あの二人を見ていると、そんな気分になってくる 別に彼等は自分にとって、何も悪い事はしていない筈… 「(……ああ、解ったわ。きっとこれは…。)」 その理由が解ったと思ったルイズは、二人に近づく そして、シエスタが買ってくれた果物を頬張る才人の耳を引っ張った 「イテテテテ、何すんだよ!?」 「使い魔が主人を放っておいたら駄目でしょ、あんたは荷物持ちとして連れて来たんだから。」 そう、自分がイラついていたのはこいつが使い魔としての責務をしていないから… 実際、こうやって諌めた事でルイズの中で気分が落ち着いた 「解った!?」 「わ、解った…解ったって!?」 しぶしぶ了承する才人の声を聞き、解れば良いのよとルイズは耳を引っ張るのを止める 耳を押さえる才人をシエスタが心配するが、ルイズは気にせず先に行く 「(全く、あいつは本当に使い魔らしくないわね…今一度、ビシッと教育する必要があるわ。)」 今度はそれに必要な物を買いましょ…と碌に前を見ずに考えていた だから、ルイズは前から来る人に気付かずにぶつかってしまった 「イタッ!?」 そのショックで地面に思いっきり尻餅をついてしまう それに気付いた才人とシエスタが、後ろから駆け寄ってくる 「ルイズ、大丈夫か?」 「大丈夫じゃないわよ、思いっきり地面にお尻をぶつけちゃったわ。」 イタタ…と地面にぶつけたお尻を擦りながら、ぶつかった相手を見上げた 「おっと、失礼した…大丈夫かな、貴族のお嬢さん。」 ぶつかった相手の男は丁寧にルイズに謝る よく見ると、相手は三人組で、男二人に女一人の組み合わせである それぞれ武器を持っている事から、相手は傭兵のようだ 「あんた達、傭兵?次からはちゃんと前見て歩きなさいよね。」 「お前…兄貴に向かって生意気でヤンス。」 余所見していたのはあんただろうに…と、太っちょの男は憤慨する だが、そんな彼を男は制止させる。 「まあ、待てジョン…此処で貴族と問題を起こしたら面倒だ。」 「それは…そうでヤンスが。」 彼の言葉に、太っちょの男はそれ以上言う事なく黙った 「仲間が失礼した…我々は漆黒の翼という者、以後お見知りおきを。」 男は礼儀正しく、ルイズに向かってお辞儀した 「漆黒の翼?漆黒の翼って何なんですか?」 「おお、良くぞ聞いてくれたな少年!!」 聞いたこともない単語に、才人が疑問を相手に投げかける すると、待っていましたと言わんばかりに叫んだ男は仲間二人に向かって振り向く 「ジョン、ミリー、例のヤツをやるぞ。」 「解ったでヤンス、兄貴。」 「ええ、こんな街中で……仕方ないわね。」 太っちょの男は即座に、女性のほうは少し困惑しつつも了承する そして、彼等は独特のポーズと共に自己紹介を始めた 「私は音速の貴公子、グリッド!!」 リーダーらしく、格好良いポーズを決めるグリッド 剣を引き抜き、頭上高く掲げる 「おいらは大食らいのジョン、でヤンス!!」 力自慢である事を示すようにポーズを決めるジョン その体格に似合った斧を、背中に担いでいる 「私は疾風のミリー!!」 自身の愛らしさと疾風を表現したポーズを決めるミリー 二本のナイフを、クルクルと手の内で玩ぶ 三者三様に、それぞれポーズを決めながら名乗りを上げ、最後の締めへと入る 「「「我等三人、人呼んで最強の傭兵集団…漆黒の翼!!!」」」 決まった…我等の勇姿は深く彼等の胸に刻まれたに違いない そう思っているグリッドに対し、才人達の反応は… 「へー、そうなんだ…で、知ってるか、ルイズ、シエスタ?」 「全然知らないわ。」 「私も…聞いた事ありません。」 「馬鹿なぁ!?」 三者のコメントに崩れ落ちるグリッド、そんな彼をジョンが心配する 「兄貴、大丈夫でヤンスか?」 「大丈夫だ、ジョン…少しばかり、眩暈がしただけだ。」 弟分に支えられ、何とか立ち上がるグリッド しかし、表情はまだショックの後が残っている 「グリッド、私達まだそれらしい活躍してないじゃない。知られてないのも当たり前よ。」 「まあ、それはそうなんだが…漆黒の翼と言えば、色々と有名だろ?」 「私達『は』、まだそんなに有名じゃないでしょうが。」 ベシっと、ミリーの突っ込みがグリッドに入る 彼は頬を人差し指で掻いた後、改めて三人に振り返った 「…まぁ、そういう訳で。今後活躍を予定している漆黒の翼をよろしく頼む。」 では…と、グリッドは一足早くその場を去っていく 他の二人も、グリッドの後を追いかけていった 「…何だったんだ、あれ。」 「さあ…でも、もうあいつ等と会う事なんてないでしょ。」 「それより、早く行きませんか?周囲の視線が…。」 シエスタの言うとおり、周囲の人々の怪しんでいる視線が集中してくる そういう事で落ち着くと、三人は再び歩きだした この時、彼等とは長く関わっていく事になるとは誰も思わなかった 『腹は減っては…』 才人「やっぱ王都ってだけあって広いよなー、広いから迷子になったけど。」 ルイズ「もう二度と迷子になんかならないでよね、アンタを探すの大変だったんだから。」 才人「それは悪かったって…で、これからどうするんだ?」 ルイズ「そうね…そろそろ昼頃だし、何処かで食事にでもしたいわ。」 才人「そいつは賛成だ、俺もう腹減ったし…さっきの約束、守ってくれよな。」 ルイズ「約束…ああ、あれね、一応守ってはあげるわよ。」 才人「一応って…まあ、早くどっかで飯食いたいなぁ。」 『ルーンの秘密』 シエスタ「それにしても、あの時の才人さん凄かったです。」 ルイズ「あの時って…ああ、暴漢に絡まれたっていう…。」 シエスタ「はい。あの時才人さんはナイフを巧みに使って相手を倒したんです。」 才人「でも、結局は俺も助けられたけどな…あの長髪の人と犬にさ。」 ルイズ「ふーん…ギーシュの時もそうだけど、あんたって本当は剣士なの?」 才人「いや、俺剣なんて使った事ないし…自分でもどうしてあんな風に動けたのか…。」 ルイズ「………もしかしたら、契約のせいかもしれないわね。」 才人「契約?」 ルイズ「使い魔を召喚して契約を交わすと、使い魔には特殊能力が宿る事があるのよ。」 ルイズ「例えば、猫の場合だと猫が喋れるようになるとか。」 才人「へぇ…じゃあ、俺が剣を使えるようになったのもルイズとの契約のお陰ってわけか。」 ルイズ「そう言う事…まぁ、あんたは先生のおまけだったからそれくらいあった方が良いかもね。」 才人「おまけっていうな…見てろよ、何時かお前をギャフンって言わせてみせるからな。」 ルイズ「はいはい、期待しないで待ってるわ。」 『伝説の傭兵』 才人「さっき会った漆黒の翼って人達…傭兵ってあんな面白い人達ばかりなのか?」 ルイズ「そんなわけないでしょ、傭兵なんて金にしか目のない奴等ばかりよ。」 ルイズ「おまけに、自分の身が危なくなったらさっさと逃げちゃうらしいし。」 才人「ふーん…傭兵って格好良い職業だと思ってたけどな。」 シエスタ「でも…確か何十年か前に客員剣士として招かれた傭兵がいるって話がありますよ。」 才人「客員剣士?」 ルイズ「それは私も母様から聞いた事があるわ…剣と魔法に卓越した、凄い人がいたって。」 ルイズ「でも、私は母様の話でも信じられないわ…傭兵が陛下直々に招かれたなんて。」 シエスタ「殆ど伝説のような物ですからね…当時を知る人しかその傭兵の存在を知りませんから。」 才人「伝説の傭兵ってわけか…だったら、俺もそんな傭兵みたいに伝説の一つでも残して…。」 ルイズ「調子に乗るんじゃないわよ、この馬鹿。」 才人「イタタタ、冗談、冗談だから…そんなに耳引っ張んなって!?」 『才人からのプレゼント』 シエスタ「♪」 ルイズ「どうしたのよ、あんた…宝石を見つめてにやにやと。」 シエスタ「あっ、ミス・ヴァリエール…これ、才人さんからプレゼントして貰ったものなんです。」 ルイズ「サイト…から?」 シエスタ「はい、本当はミスタ・レスターから頂いたそうなんですけど…。」 ルイズ「ふーん…良かったじゃない、プレゼントなんかもらえて。」 シエスタ「はい…今後の事で色々と不安だったんですけど、これのお陰で大丈夫そうです。」 シエスタ「私、頑張ります…この先、何があっても。」 ルイズ「………。」 才人「ルイズー、そんな所でボーっと突っ立ってるとまたはぐれるぞ。」 ルイズ「サイト……ふんっ!!」 才人「ぐえっ…い、いきなり何すんだよ!?」 ルイズ「………何となく。」 才人「何となくって…ちょ、おい、待てよ、コラ!!!」 「なぁ…そろそろ昼飯にしようぜ。」 漆黒の翼の面々と別れ、更に歩いた頃に才人がルイズに尋ねる 街に着てから色んな事があったので、お腹はすっかり減っていた 「そうね…確かにお腹も空いてきたから、何処かで昼食を取りたいわね。」 ルイズにもそれには賛成で、何処か良い店はないだろうかと探してみる 貴族に相応しい、品位ある店を…… 「きゃっ!?」 その時、風が通り過ぎたような感覚をルイズは感じた スカートが捲れそうになり、両手でそれを押さえつける 「何、今の…風が通り過ぎたかと思ったけど。」 「あの子が走っていったみたいですよ、ほら。」 シエスタの言葉に前を見るが、その先には通行人が数人見えるばかり 子どもの姿は影も形もなかった 「あの子って誰よ?そんな子いないじゃない。」 「いえ、今さっき男の子が走っていったんですけど…もう見えなくなっていますね。」 「男の子がねぇ…ルイズのスカートでも捲ったのか?」 才人が、男の子が去ったという先を見つめていると、後ろから騒がしい幾つもの足音が聞こえてきた ルイズとシエスタが後ろを振り返ると、大勢の男達が此方に向かって走ってきていた 誰もが我先にと、一生懸命走っている 「な、何よあれ!?」 「きゃあ!?」 彼等の尋常ではない様子に、ルイズとシエスタは道の端へと飛びのいた 「えっ、どうし……ぎゃあああっ!?」 唯一逃げるタイミングを逃した才人は、走ってくる集団に飲み込まれてしまった 彼等が去った後、そこには背中に幾つもの足跡を残した才人がうつ伏せで倒れていた 「才人さん、大丈夫ですか!?」 「ううっ…大丈夫じゃあ、ないかも…。」 「ちょっと、大丈夫!?」 背中に幾つもの足跡を残す才人にシエスタだけではなく、ルイズも駆け寄ってくる 心配してくれてるのか…と思ったが、彼女は才人が持っていた荷物を拾い上げる 「ああ、良かった…こっちは無事みたいね。」 「おい、少しは俺の事も心配しろよ!!」 ルイズが心配したのは買った品物だけ、才人は眼中になかった そんな時、一人のおじさんが後ろからよろよろと歩いてきた 「ふぅ、ふぅ、ふぅ…駄目だ、全然追いつけねぇ。こりゃこのレース負けだな。」 肩で息をする状態で独り言を呟くと、それがルイズの耳に入った ルイズは壁にもたれかかって休もうとするおじさんへと近づく 「あんた、さっきの一団と関係ありそうね…あれは一体何なの?」 「き、貴族様…え、えっとですね、今レースをやっていましてね。一着でゴールしたら賞金が出るんですよ。」 相手が少女とはいえ貴族なので、おじさんはおどおどしながら答える 「ふーん、レースねぇ……行くわよ、才人。」 「ん、何処に?」 「決まってるでしょ、そのレースの開催者に文句言ってやるのよ。もう少しで私の買い物が台無しになる所だったってね」 「…俺の事は範疇にないんだな、やっぱ。」 解っていた事だが…この様子では昼食はもう少しお預けになりそうだ おじさんにそのレースの開催場所を詳しく教えてもらい、ずんずんとルイズは歩いていく 諦めてその後に才人は続き、シエスタも一緒になってその場所へと向かった 前ページ次ページTALES OF ZERO
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/11712.html
FFO Replay Version 2.1 冥加//昏睡//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-小野塚 小町- Kamo009//east end girl//博麗 霊夢-博麗 霊夢-博麗 霊夢-紅 美鈴- 賽が投げられて、Kamo009の先攻になりました。 Kamo009の呪力は今1 (+1)です。 Kamo009 ではー 冥加 b 冥加 流石に厳しいw #配置:《夢符「二重結界」》 オートドローがスキップされました。 Turn 2 - 冥加//体力21( 19) 呪力1( 1) 手札6( 5) 山34( 34) スペル0( 1) タイマー00 03(00 12) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 Turn 3 - Kamo009//体力19( 21) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 13(00 09) シーン なし #配置:《夢符「二重結界」》 オートドローがスキップされました。 Turn 4 - 冥加//体力21( 19) 呪力3( 3) 手札6( 5) 山33( 33) スペル1( 2) タイマー00 09(00 20) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Turn 5 - Kamo009//体力19( 21) 呪力6( 3) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 22(00 12) シーン なし #配置:《霊符「夢想封印 集」》 オートドローがスキップされました。 Turn 6 - 冥加//体力21( 19) 呪力6( 6) 手札6( 5) 山32( 32) スペル2( 3) タイマー00 12(00 30) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 Turn 7 - Kamo009//体力19( 21) 呪力10( 6) 手札6( 6) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー00 31(00 45) シーン なし #配置:《霊符「夢想封印 集」》 オートドローがスキップされました。 Turn 8 - 冥加//体力21( 19) 呪力10( 10) 手札6( 5) 山31( 31) スペル3( 4) タイマー00 46(00 43) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ//香霖堂// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Turn 9 - Kamo009//体力19( 21) 呪力15( 6) 手札6( 6) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー00 45(00 54) シーン なし #配置:《神技「八方鬼縛陣」》 ↑起動:《神技「八方鬼縛陣」》 Kamo009は《天賦の才》を手札からKamo009のリーダーに配置しました。 オートドローがスキップされました。 Turn 10 - 冥加//体力21( 19) 呪力10( 8) 手札6( 4) 山30( 30) スペル4( 5) タイマー00 53(01 00) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩符「極彩颱風」//シエスタ//香霖堂//肉弾戦// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《神技「八方鬼縛陣」》 - Kamo009 Kamo009は《博麗 霊夢》の1番目の特殊能力を使いました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 2 【回避】 - Kamo009 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《彩符「極彩颱風」》を場から手札に置きました。 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 シーン(冥加):《香霖堂》 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 11 - Kamo009//体力19( 19) 呪力9( 3) 手札6( 5) 山28( 29) スペル5( 5) タイマー01 13(02 26) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《神技「八方鬼縛陣」》 vs 《彩華「虹色太極拳」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - dmg 0 3 dmg - 冥加 ↑起動:《神技「八方鬼縛陣」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 12 - 冥加//体力16( 19) 呪力9( 4) 手札6( 6) 山28( 28) スペル5( 5) タイマー02 29(01 43) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//連環撃//彩符「極彩颱風」//紅砲// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 13 - Kamo009//体力19( 16) 呪力9( 5) 手札8( 6) 山26( 27) スペル5( 6) タイマー01 38(03 02) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《神技「八方鬼縛陣」》 vs 《彩華「虹色太極拳」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - dmg 0 【回避】 - 冥加 #配置:《神霊「夢想封印 瞬」》 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 14 - 冥加//体力16( 19) 呪力6( 6) 手札7( 7) 山26( 26) スペル6( 6) タイマー03 02(02 14) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//連環撃//彩符「極彩颱風」//紅砲//EXアタック// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《夢符「二重結界」》 - Kamo009 ★戦闘結果:冥加 - 【回避】 2 dmg - Kamo009 冥加の体力が+1 (17) - 彩華「虹色太極拳」 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《連環撃》を冥加の《彩符「極彩颱風」》に配置しました。 冥加は《紅砲》を冥加の《彩華「虹色太極拳」》に配置しました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 15 - Kamo009//体力17( 17) 呪力13( 2) 手札9( 5) 山24( 25) スペル6( 7) タイマー02 14(03 43) シーン 香霖堂 #配置:《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 ↑起動:《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 16 - 冥加//体力17( 17) 呪力9( 5) 手札6( 8) 山24( 24) スペル7( 7) タイマー03 37(02 35) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//EXアタック//肉弾戦//彩符「極彩颱風」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《神霊「夢想封印 瞬」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《彩符「極彩颱風」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 17 - Kamo009//体力17( 17) 呪力12( 5) 手札9( 6) 山22( 23) スペル7( 8) タイマー02 30(04 01) シーン 香霖堂 Kamo009は《夢戦「幻想之月」》を手札から捨て札に置きました。 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 冥加の呪力が+1 (4) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(冥加):《EXアタック》 イベント(Kamo009):《パターン避け》 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 2 dmg - 冥加 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 18 - 冥加//体力15( 17) 呪力10( 8) 手札6( 7) 山22( 22) スペル8( 7) タイマー04 17(03 23) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//紅砲//彩符「極彩颱風」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 - Kamo009 Kamo009は《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》を手札から捨て札に置きました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 3 【回避】 - Kamo009 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《紅砲》を冥加の《彩符「極彩颱風」》に配置しました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 19 - Kamo009//体力17( 12) 呪力12( 4) 手札8( 5) 山20( 21) スペル7( 9) タイマー03 32(04 49) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《霊符「夢想封印 散」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (3) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 20 - 冥加//体力11( 17) 呪力10( 12) 手札6( 7) 山20( 20) スペル9( 7) タイマー04 49(03 59) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 21 - Kamo009//体力17( 11) 呪力18( 6) 手札9( 6) 山18( 19) スペル7( 10) タイマー03 53(05 08) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《神技「八方鬼縛陣」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (5) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 #配置:《大結界「博麗弾幕結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 22 - 冥加//体力10( 17) 呪力13( 18) 手札7( 7) 山18( 18) スペル10( 8) タイマー05 04(04 25) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//霊符「古き自縛霊の目覚め」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 23 - Kamo009//体力17( 10) 呪力25( 9) 手札9( 7) 山16( 17) スペル8( 11) タイマー04 18(05 20) シーン 香霖堂 イベント(Kamo009):《直感》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 直感 Kamo009は山札を丸ごと見ました。 Kamo009は山札からカードを 1 枚引き出し、シャッフルの後それを山札の一番上に置きました。 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 24 - 冥加//体力9( 17) 呪力17( 22) 手札8( 8) 山16( 15) スペル11( 8) タイマー05 28(04 57) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//霊符「古き自縛霊の目覚め」//幻符「華想夢葛」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《大結界「博麗弾幕結界」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 冥加は《幻符「華想夢葛」》を手札から捨て札に置きました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 25 - Kamo009//体力17( 9) 呪力29( 13) 手札9( 7) 山13( 15) スペル8( 12) タイマー04 47(06 18) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《悪戯》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (12) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 26 - 冥加//体力8( 17) 呪力22( 29) 手札8( 8) 山14( 13) スペル12( 8) タイマー06 08(05 25) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//肉弾戦//連環撃// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《夢符「二重結界」》を手札から捨て札に置きました。 イベント(冥加):《シエスタ》 冥加の体力が+5 (13) - シエスタ 冥加は《彩翔「飛花落葉」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 27 - Kamo009//体力17( 13) 呪力36( 9) 手札9( 6) 山11( 13) スペル8( 13) タイマー05 17(06 34) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《森羅結界》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 #配置:《神霊「夢想封印 瞬」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 28 - 冥加//体力12( 17) 呪力18( 36) 手札7( 7) 山12( 11) スペル13( 9) タイマー06 23(06 09) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//肉弾戦//連環撃//紅砲//幻符「華想夢葛」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩符「極彩颱風」》 vs 《夢符「二重結界」》 - Kamo009 冥加の呪力が+1 (17) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 0 4 dmg - Kamo009 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 29 - Kamo009//体力13( 12) 呪力45( 9) 手札9( 7) 山9( 11) スペル9( 14) タイマー06 09(07 05) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《神技「八方鬼縛陣」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 30 - 冥加//体力11( 13) 呪力19( 44) 手札8( 8) 山10( 9) スペル14( 9) タイマー06 48(06 58) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//肉弾戦//連環撃//紅砲//幻符「華想夢葛」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩符「極彩颱風」》 vs 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 - Kamo009 Kamo009は《無重力》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (18) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(Kamo009):《無重力》 ★戦闘結果:冥加 - 【回避】 【回避】 - Kamo009 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 31 - Kamo009//体力13( 11) 呪力47( 1) 手札8( 5) 山7( 9) スペル9( 15) タイマー07 03(07 49) シーン 香霖堂 イベント(Kamo009):《昔のことは気にせず》 冥加は《神霊「夢想封印 瞬」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《夢戦「幻想之月」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《パターン避け》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《霊符「夢想封印 散」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《神技「八方鬼縛陣」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《直感》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《天賦の才》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《大結界「博麗弾幕結界」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《悪戯》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《夢符「二重結界」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《森羅結界》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《神技「八方鬼縛陣」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無重力》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無重力》を捨て札から山札の一番上に置きました。 Kamo009は捨て札からカードを全部、山札の上に置きました。 Kamo009は山札をシャッフルしました。 冥加 終わった・・・これは終わった・・・ 冥加 投了でいいですか? Kamo009 おkっすー 冥加 有難うございました。 Kamo009 ありがとうございましたー Kamo009 なんか冥加さんなら Kamo009 昔入れてそうで怖くて直感で昔を持ってくるという 冥加 命中補正はEXアタックと肉弾戦しかなく、昔も入ってない体たらくなのでw Kamo009 チキンっぷり Kamo009 なるほど Kamo009 んでは戻りましょかー 冥加 乙でしたノシ Kamo009 ノシ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7960.html
前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 「ふっ……来たようだね」 もはや見物人すらいなくなり閑散としたヴェストリの広場での真ん中で佇んでいたギーシュは、背中越しに語りかけた。 マントを翻して振り向き、手にした剣を肩に担ぐ男――柊を見据える。 『待たせちまったな』 「いいや、待たせたのは僕のほうさ……」 「……おい」 最後の小さな声をスルーしてギーシュはニヒルに笑みを浮かべると、手にした造花の薔薇を彼に突きつけた。 柊は生ぬるい視線でそれを見やると、溜息をついて視線を反らす。 「あの日の約束を果たしに来たよ」 『あんな約束を律儀に覚えてるなんざ、馬鹿は直らなかったみてえだな』 どこか自嘲じみたその声にギーシュは軽く髪を掻き揚げ、鋭く柊を見据えると薔薇の杖を振るった。 振り落ちる七枚の花弁が青銅のゴーレムとなって立ち上がり、かったるそうにしている柊に各々の武器を突きつける。 「馬鹿はお互い様さ……今のキミを見たら彼女は一体何と言うだろうね」 『何も言わねえさ。アイツはもう何も言う事はできねえ……』 「ならば僕は彼女の遺した言葉に報いよう! かつてキミを愛した彼女のために!」 「待てやコラッ!?」 我慢できなくなって柊は叫んだ。 「彼女って誰だよ! 意味のわかんねえシナリオ展開してんじゃねえぞ!」 しかしそれを意にも介さず彼の手にした魔剣――デルフリンガーが急かすように喚く。 『ほら相棒、構えて構えて! 若気の至りをこじらせたような煮え台詞吐き出してッ!』 「ふざけんな!? なんで俺がお前等の寸劇に付き合わなきゃなんねーんだよっ!?」 苛立ち紛れに地面を蹴った柊にギーシュはやれやれと肩竦めながら口を開いた。 「代わり映えしない毎日に適度な刺激を加えただけじゃないか」 『そうそう。せっかく俺と小僧で考えてやったのにノリの悪い相棒だぜ』 「お前等いつの間に……てか、代わり映えしないのはお前がいっつも一方的にやられてるからだろうが! こんな小芝居考えてねえで捻りの効いた技の一つでも考えろ!」 「何を言ってるんだね! ちゃんと考えているよ!」 「あぁんッ!?」 唸る柊を前にギーシュは何故か不敵な笑みを浮かべて拳を握り締めた。 「燃えるシチュエーションでの弱者逆転率は100%と古来から決まっている! いわゆるフラグという奴だ!」 『その通り! 恐らくやられる直前に小僧が執心のあのドリル娘が「ギーシュ、負けないで」とかそんなカットインが……』 「それだ! 完璧だよデルフリンガー! もう何がなんだかわからないがとにかく負ける気がしないね!」 盛り上がる二人に柊は肩を落とすと、面倒くさそうにデルフリンガーを構えてから吐き捨てた。 「……わかった。もういいからさっさとかかって来い。フラグごとへし折ってやるよ」 「よく言った! 今日という日を明日の伝説にしてあげるよ!」 待ってましたと言わんばかりにギーシュが叫び、七体のワルキューレが一気呵成に柊に殺到した。 ※ ※ ※ フリッグの舞踏会から二週間ほどが経ち、フーケやら何やらの騒動も学院の日常に埋没したある虚無の曜日。 ルイズとエリスの二人がいつものようにアルヴィーズの食堂で朝食を取っていると、やはりいつものように柊が一人遅れて食堂に姿を現した。 柊達が召喚されて以来日課のように続けられている行為であり、最初の頃は露骨に顔を顰めていた生徒達ももはや気にする仕草もない。 ルイズ達のテーブルに歩み寄り椅子にやや乱暴な動作で腰を下ろした柊にルイズは恒例の嘆息を漏らした。 「……毎度の事ながら、よく飽きないわね」 「俺は正直飽きがきてんだけど、ギーシュの奴がつっかかってくるんだよ」 眉を小さく顰めて漏らした柊の態度に少し違和感を覚えたルイズだったが、彼女は軽く頭を振った後頬杖をついて柊を見つめる。 「まあ歯牙にもかけられてないのに懲りずに挑み続ける根性だけは認めてやってもいいけど……そういえば何回目だっけ?」 「……」 すると柊は何故かぐっと唇を噛み締めた。 ルイズが怪訝そうに眉を潜めると、唐突に食堂の扉が派手に開かれその向こうからギーシュが現れた。 「お答えしよう!」 戦いの激しさ(やられっぷり)を物語るようにボロボロになっているギーシュはしかし何故か異常にハイテンションでつかつかとルイズ達に歩み寄り、天を仰ぐように両手を開いた後更に言葉を続ける。 「初めて決闘をした時から数えて今日で二十七回目だ! ちなみに戦績はヒイラギの二十六勝さ!」 「……?」 ギーシュの吐き出した台詞を理解するのにルイズは少しだけ時間がかかった。 彼の不可解な態度もそうだが、それ以上に不可解な台詞を吐き出したような気がする。 「二十七回やって二十六回ヒイラギが勝った、って………一回負けたのっ!?」 「くっ……!」 思わず叫んでしまったルイズの声に柊が顔を歪めて呻き、拳をテーブルに叩き付けた。 「そのとーり!! 本日二十七回目の決闘において遂にこの僕、ギーシュ・ド・グラモンが勝利を収めたという訳さあ!! やはりフラグは偉大だね!!」 高らかに叫んだギーシュの宣言に食堂の生徒達がざわっと声を上げた。 驚愕と疑惑の声が食堂を駆け巡り、その喧騒の中心にいるギーシュが心地良さそうにうんうんと頷く。 ルイズは呆然として肩を震わせている柊を凝視した。 「え……何? ギャグ?」 「何を言ってるんだい、僕等はいつだって真剣勝負さ! なあヒイラギ?」 「……ッ!!」 爽やかに語りかけるギーシュと対照的に柊はぎりぎりと歯を食いしばり、拳を握り締めている。 激しく悔しそうな顔を見る限り、冗談ではないようだ。 「スクウェアの杖を斬ったりフーケを倒したりしてるのにドットのギーシュに負けるとか……」 「……うるせえな! 七対一だぞ、二十何回もやってりゃ一回ぐらいまかり間違うだろぉ!?」 我慢しきれなくなったのか、柊は立ち上がってルイズに詰め寄った。 「他所の世界じゃ三十六分の一かもしれねえけど、こっちじゃ最悪六分の一で酷い事になっちゃったりするんだよ! ヒーラーの回復魔法でうっかり殺されかけたりもするんだよっ!?」 「メタな事言うのやめなさい!」 声を荒らげて憤る柊だったが、横からギーシュが軽く肩を叩いて宥めるように口を開いた。 「落ち着けよヒイラギ。まあね、キミもね? フーケを捕まえたりと色々頑張ってるけど、やはり本物の貴族との壁は厚かったという事さ……!」 「……てめえ、もういっぺんヴェストリの広場に来いや。ボコボコにしてやるよ」 胸倉を捕まえ殺気すらも漂わせて唸る柊に、しかしギーシュは全く動じる事なく軽く笑って髪をかきあげた。 「あっと、再戦はやぶさかじゃないが生憎これからモンモランシーに勝利の報告をしなきゃいけないんでね。その後ならいつでも相手になってあげよう」 そして彼は柊の腕を払って素早く距離を取ると、愕然としている周囲の生徒達を睥睨するように一回転すると踊るように入り口に向かって歩き出した。 「それでは諸君、引き続き歓談を楽しんでくれたまえ。ごきげんよう! あーははははは!!」 耳障りな高笑いを上げながら立ち去っていくギーシュを拳を震わせたまま見送った後、柊は再び椅子に座り込んで行き場のない拳をテーブルに叩きつける。 「くそ、くそっ! 一回勝ったからっていい気になりやがって……!」 「……信じらんない」 罪のないテーブルを殴り続ける柊を半眼で眺めながら、ルイズは大きく溜息をついた。 柊の力量は何度も眼にしているので決闘ごっこで負けたところで幻滅するという事はさすがにないが、それでもギーシュなどに足を掬われ悔しがっているこの姿をみるといくらかがっかりしてしまう。 やはり自分を護ってくれる騎士は完全無欠であって欲しいのだ。 (……騎士って何よ) 妙な思考に行き当たって思わずルイズは顔を歪めてしまった。 柊は騎士ではなく使い魔――でもない、ゲボクだ。 舞踏会でしでかした失態は気の迷いでしかない。そういえばお酒もそれなりに入っていた。 つまりそういう事なのだ。 必死に自分を納得させ、それでも何となく納得できずにルイズは柊から眼をそらした。 そこで視界に入ったのは、先程の喧騒など我関せずといった風にテーブルに座ってO-PHONEを見つめているエリスだった。 「……ねえ、ヒイラギ」 「あぁ? なんだよ」 テーブルを叩くのをやめて突っ伏している柊の袖を引いて、ルイズは彼に呟くように声をかける。 「……あの子、どうにかして」 「あの子? エリスか? ……って」 柊は頭を上げてエリスに視線を移すと、小さく呻いて渋い顔を浮かべた。 フリッグの舞踏会以来、エリスは時間があるとああしてO-PHONEを眺めているのだ。 とはいえ別段普段の仕事をおろそかにしている訳ではない。 ルイズの世話も給仕の仕事もキッチリとこなした上でその余暇にこうしているので、ルイズとしてもあまり強気に出ることが出来ないのだろう。 柊はルイズに顔を寄せてやはり囁くように言葉を返す。 「お前がなんとかしろよ。アイツのご主人様なんだからよ」 「言ったけどこれだけは聞いてくれないのよ。それに何か怖いし……あんた、あの子の先輩なんだから言ってやんなさい」 ルイズに肘でつつかれると、柊は大きく息を吐いて頭をかき、エリスに声をかけた。 「なあ、エリス」 「……あ、先輩。おはようございます」 「おう、おはよう」 まるで今までのギーシュとのやりとりがなかったかのような態度で挨拶するエリスに柊は僅かに視線をさまよわせ、そしておずおずと切り出した。 「あのさあ、エリス。『ソレ』、頼むから消してくれねえか……」 O-PHONEを指差して言う柊に、エリスはにっこりと満面の笑みを浮かべて、返した。 「嫌です」 エリスが見ているのはO-PHONEの待ち受け画面――フリッグの舞踏会の時に撮った画像だ。 中央に所在無さげに立ち竦む柊と、その両脇に満面の笑顔のエリスといまいち何をしているのかわかっていない表情のルイズ。 ルイズがコモンスペルを使えるようになった事で場は一時騒然としたが、再開されて後にエリスは柊と踊ることに成功したのである。 しかも希少極まったこのチャンスにおいてエリスは一切の抜かりがなかった。 記念という事でこうして思い出を形に残したのである。 ちなみに撮影はコルベール。彼はこの機能に興味津々で舞踏会が終わるや否や柊を自分の研究室に拉致していった。 ……ともかく、そんな訳でエリスが見つめているその画像はこの先あるかないかという程の大事な思い出なのであった。 もっとも柊にとっては正直一刻も早く消し去りたい記憶なのだが。 「あっ、それじゃそろそろお仕事に行ってきますね」 エリスは時間を確認するとおもむろに立ち上がり、意気揚々とアルヴィーズの食堂を後にしようとした。 訴えを一刀両断された柊は肩を落としたまま彼女を見送ろうとしたが、はたと気付いてエリスに声をかける。 「あ、ちょっと待ったエリス」 「はい?」 振り返って首を傾げる彼女を確認してから、柊は隣にいるルイズに視線を移して口を開く。 「ルイズ。お前、今日は虚無の曜日だから特にする事はないよな?」 「……まあ取り立てて急ぐ用事はないけど」 図書室に行って異世界に渡る方法を探そうとしていた……とは口に出来なかった。 柊やエリスをファー・ジ・アースに返すというだけではなく病気の姉を治療できる可能性がある、という名実伴った理由もあるのだが面と向かってそれを言うのは何か気恥ずかしい。 ルイズの返事に柊は一つ頷くと、改めて二人を見やってから切り出した。 「二人に頼みたい事があるんだ」 ※ ※ ※ 約20分後。 ルイズの部屋の中は非常に重たい空気が流れていた。 椅子に座って足を組んでいるルイズと、その後ろに控えるように経つ柊。 そしてテーブルを挟んで対面には、ルイズと正対する形で黒髪のメイドが椅子に座っていた。 ちなみにエリスは彼女をここに案内した後、彼女の仕事を代わりに請け負っているため部屋にはいない。 「なんで呼ばれたのかはわかってるわよね。えぇと……」 あまり気乗りしない風にルイズがまず口を開き、途中で口を噤んで眉を寄せた。 給仕の名前なんていちいち覚えていないので言葉に詰まってしまったのだ。 するとそれを察したのか当のメイドが小さい声で漏らした。 「シエスタと申します」 「そう、シエスタっていうの」 ルイズに名を呼ばれシエスタは派手に肩を揺らし、顔を俯けた。 見るからに怯えた表情のシエスタは僅かに震えながらじっと目の前に置かれた紅茶を凝視し、時折盗み見るようにちらちらとルイズとその脇にいる柊に視線を送る。 そんな彼女の態度を受けて柊は小さく溜息をつくと、宥めるように声をかけた。 「こんな形で呼び出してすまねえと思ってる。けど、話だけでも聞いてくれねえか?」 初対面の時から柊を避けまくっているシエスタの事は以前から気にはかけていたのだ。 これまでに何度か彼女と話をしようと試みた事もあるが、彼女は柊を見たとたん遮二無二に逃げ出して話を聞いてくれもしないのだ。 無論柊が本気になれば逃げ出すシエスタを捕まえることなど造作もないが、実力行使して無理矢理話を聞きだすというのもためらわれる。 そんな訳でこうしてルイズ達に頼んで呼び出してもらったという訳だ。 「一応確認するけど、初めて会ったのは俺が使用人宿舎に泊まった時でいいんだよな?」 「……はい」 「……会ったことはないけど予言とか古文書だとか知っていた……ってのもないよな?」 「こ、古文書……? いえ、それもないです……」 びくびくと応えるシエスタに柊は首を捻るしかない。 全く知らない相手なのにいきなり逃げ出して避け続けるなんて一体どういう事なのか。 そこまで怖がられるような顔つきはしていないとは思うのだが。 渋面を作る柊をちらちらと見やりながら、シエスタは言葉を選ぶようにして喋り始めた。 「その、ヒイラギさんみたいな人に会うのは初めてで、まさかそんな人が本当にいるとは思わなかったから、その、どうしていいかわからなくって……」 「そんな人? どういうことだ?」 「それは、そのぅ……」 問われてシエスタは当の柊ではなく、何故か正面にいるルイズに眼を向けた。 窺うような視線を向けられて彼女は首を傾げたが、シエスタは顔を再び俯けて視線を反らすと再び口を開く。 「……あるお方に言われたんです。ヒイラギさんのようなヒトとは折り合いが悪いからあまり関わって欲しくないと……」 「あるお方? そいつが俺を知ってたのか?」 「いえ、別にヒイラギさん個人ではなくてヒイラギさん"のような"ヒトです」 「……悪い、意味がちょっとわかんねえ。俺みたい、ってなんなんだ」 するとシエスタは顔を上げて、まるで観察すように彼を凝視して言った。 「だって、ヒイラギさんは普通の人とは違いますよね? 雰囲気って言うか、纏ってる空気が違うって言うか……」 「……」 そこまで言われてようやく柊は一つの可能性に思い至った。 普通の人とは違う、というのは当たっている。何しろ柊はこの世界の住人ではない異邦者だ。 しかしシエスタは同じ異邦者であるエリスとは普通に接している。 エリスと柊の違う点。柊だけが違うという、『纏っている空気』。 それはつまり―― 「もしかして月衣の事か?」 「カグヤ? なんですそれ?」 「……ウィザードって知ってるか?」 「魔法使い(ウィザード)? メイジとは違うんですか?」 本当に意味がわからないと言った風に首を傾げるシエスタを見て、柊は拳を額に当てて唸ってしまった。 他に考えられる線がないのでおそらく予想は当たっているだろうが、彼女にはその手の知識が全くないようだ。 しかし彼女に知識がないという事もウィザードを察する事ができるというのもさほど深刻な問題ではない。 いわゆる霊感が高いとか勘が鋭いとかそういった類の人間は知識や力がなくとも何となく見抜いてしまう事がファー・ジ・アースでも稀にあるのだ。 柊は気を取り直してシエスタに向き直ると、彼にとって問題となりうる事について尋ねた。 「その、俺みたいなのに近づくなって言った『あるお方』って誰なんだ?」 「……!」 途端、シエスタの表情が強張った。 健康的な顔が青白くなり、明らかに動揺して視線をせわしくなく彷徨わせる。 「それは、その……」 彼女は口ごもりながら柊から視線を外し……再びルイズを見やった。 舞台を整えたはしたものの話の内容的には完全に蚊帳の外だったので頬杖をつきながら二人の動向を見やっていたルイズだったが、シエスタに眼を向けられて僅かに眉を潜め首を捻る。 するとシエスタは顔を俯けてしまった。ちらちらと上目遣いで様子を窺ってくる彼女の態度に、ルイズは少しいらついて口を開いた。 「……何よ。わたしがどうかしたの?」 「! も、申し訳ありません! その、あの……!」 慌てて叫んでテーブルに額をぶつけそうな勢いで頭を下げるシエスタを見てルイズは溜息をつく。 彼女は腕を組んでシエスタを見下ろすと、努めて威圧的に語りかけた。 「もう逃げられないんだから、包み隠さず全部話しなさい」 「……っ」 ルイズの声にシエスタの身体がびくりと震えた。 しばしの沈黙の後、彼女は囁くように漏らした。 「……モリガミ様です」 「モリガミ様?」 「はい。私の故郷……タルブ村で祀られている、村の護神様です……」 言い終えた途端、シエスタは唐突に立ち上がった。 テーブルに身を乗り出して呆気に取られているルイズに詰め寄ると、今にも泣きそうな顔で訴える。 「で、でも! だからって始祖ブリミルをないがしろにしている訳ではないんです! 本当です! ですから……!」 必死に懇願するシエスタを見やってルイズは小さく息を吐き、軽く手を振って見せた。 「田舎の土着信仰にまで目くじら立てるほどブリミルは狭量じゃないわよ。だから落ち着きなさい」 ロマリアにいる聖堂騎士などであればわからないが、少なくともルイズ自身はそこまで排他的になるほど熱心な信仰心があるわけではない。 その言葉にシエスタは気が抜けたように椅子に座り込み、心から安堵の表情を浮かばせた息を吐いた。 視線を落とした先にある紅茶に眼を留めて、ルイズに促されてそれに口をつける。 一息入れて落ち着いたのを見計らうと、改めてルイズはふうと息を漏らし半眼でシエスタを眺めた。 「……で、その護神様だっけ? それにヒイラギに近づくなって言われたの?」 「……はい。近づくな、とまでは言われませんでしたが、あまり関わって欲しくないと……」 「はあ。カミサマにねえ」 俄然話が胡散臭くなってきた。 異世界から来た柊達は千歩ほど譲るとしても、まさかメイドからそんな妄言が飛び出てくるとは思わなかったのだ。 まさかこのシエスタも異世界の人間とか言うオチなのだろうか。 ちらりと横目で柊を見てみると、やはりというか彼が神妙な顔つきで顎に手を添え何事かを思案している。 ルイズは再び溜息をついてシエスタに向き直った。 「もしかして神託でも受けたっていうの? 貴女、護神様っていうのに仕える神官だか巫女だかってお話なの?」 「いえ、護神様が村に降りた当時はそんな感じだったそうですけど、今ではもう全然普通の家です。それと、神託ではなくって護神様に直接そう言われたんです。 あの方……護神様は本当にタルブ村に『いる』んです」 ――約百年ほど前の話。 当時のタルブ村は創始以来類を見ないほどの凶作に見舞われていたという。 土地は干からび水は枯れ果て風も乾き、その日食べるものすらまともに用意できない。 その惨状に村人達は見切りをつけて村を離れ、土地を耕す者が減って恵みの兆しは更に遠ざかるという悪循環に陥っていた。 僅かな村人が村の終焉をただ待つばかりだったその時、一人の旅人がふらりと訪れた。 旅人は村の惨状を大いに哀れみ、小高い丘にて『神』を降ろした。 神の施した恩恵は大地をあまねく包み、枯れ果てたその村に豊穣をもたらした。 村人達は大いに喜び、旅人を称えて村に向かい入れ、神を降ろしたその丘に社を建ててこれを祀った。 土地を離れていた者達も次第に戻り、村はかつての活気を取り戻した。 「……まあ、説話としてはよくある話ね。で、その社に護神様が住んでる、と?」 「はい。騒ぎにならぬようお隠れになられていたそうですが、私が偶然護神様の住まわれてる『場所』に紛れ込んでしまって……」 「……はあ」 ルイズはとろんとした目つきで答えた。 社とやらに住んでいるなら誰にだってわかるものだろうに。 そして実際に神が住んでいるとなれば噂にならない訳がない。 どうにもこうにも胡散臭い話だったが、当のシエスタは至って真面目な表情だった。 ルイズは話に付き合うのを放棄した。 「ちょっとヒイラギ。この子と話したいって言ったのアンタでしょ。いつまでわたしに話させるのよ」 「ん、あぁ……」 相変わらず神妙な顔つき――幾分厳しさが増している――で柊は答えると、シエスタを見やった。 すると彼女は柊が尋ねるより先に彼に向かって尋ねた。 「ヒイラギさん。『サロウォン』って方、ご存知ですか」 「サロウォン……」 「さっきの話の、村を訪れた旅人……それが私のご先祖様で、サロウォンという名前だそうです。護神様はヒイラギさんのような人はサロウォンと同郷だって」 「……まあ、同郷っちゃあ同郷だな」 柊は目に見えて渋い顔で答えるしかなった。 ――偉大なる魔術師、サロウォン。 その強大な魔力は果てがなく、裏界に存在する侵魔の王、魔王達をすら数多従えたという。 彼の残した魔術書『小さな鍵』は近年に発見され、『侵魔召喚師』と分類されるウィザード達が用いる召喚術の礎になっている。 百年前なら年代が違うので本人ではないだろうが(その転生者という可能性もあるが)、いずれにせよその『サロウォン』がこの世界で神を降ろしたのは事実なようだ。 サロウォンを名乗る柊の同郷の人間……ウィザード。 彼が降ろしたという神。 そしてその神はウィザード達とは折り合いが悪いらしい。 もはや疑いようもなく、魔王である。 しかもそれが本当に『神』であるとしたら、裏界の序列第三位である公爵級以上――すなわち侵魔の中でも上から数えるほどの強力な魔王だ。 「……シエスタ」 「はい」 「これから一緒にそのタルブ村って所に連れてってくれねえか」 「「えぇっ!?」」 柊の提案にルイズとシエスタは同時に声を上げた。 特にシエスタは椅子を蹴倒すように立ち上がると、慌てふためいて悲鳴のような声を搾り出す。 「そんな、困ります! ヒイラギさん達にとっては折り合い……仲が悪い相手なのかもしれませんけど、私――タルブ村の皆にとってあの方は大事な護り神なんです! だから、お願いですから、そっとしてあげて下さい……!」 今にも手と膝を床につけて頼み込まんばかりのシエスタに彼は軽く頭をかくと、彼女を真っ直ぐに見据えて口を開いた。 「すまねえ、でも聞いちまった以上は放っておくことはできねえんだ。それに――多分シエスタが心配してるような事にはならないから」 「え、っ……本当、ですか」 柊は不安を露にして覗き込んでくるシエスタの瞳を正面から受け止めて大きく頷いた。 「向こうから手を出してきた時は荒事になるかもしれねえが、こっちからは絶対手を出さない。約束する」 魔王がこの世界に召喚されている、というのは確かに放っておけない事実なのだが、今回の件に限って言えばファー・ジ・アースの事情とは少々違っている。 なにしろその魔王が召喚されたのは百年前。 もしソイツが世界を滅ぼすだとか支配するだとかいう事を企んでいたとしたら、もうとっくに手遅れになっているはずだ。 今現在においてハルケギニアが存続し世界レベルでは一応の平穏が保たれ、その魔王の存在が明らかになっていない時点でそういった類の危険性はあまり高くないと言ってよかった。 「頼む。確認したいだけなんだ」 言って柊は頭を下げた。 シエスタはしばし柊をじっと見つめ……やがて肩を落として漏らすように言った。 「……わかりました。護神様と話をするだけなら……」 「本当か? すまねえ、ありがとな」 頭を上げて安堵の息を漏らした柊を見て、シエスタは小さく苦笑を閃かせた。 それまで見せた事のない彼女の柔らかい表情を見て柊が首を傾げると、シエスタは彼を興味深そうに見つめながら口を開く。 「実は、エリスさんからも何度か説得された事があるんです。貴方は私が困るような事は絶対しないから話だけでも聞いてあげて欲しい、って。……とっても信頼されてるんですね」 「……そりゃ買いかぶりすぎだ」 柊は苦笑を漏らしながら、照れ臭そうに頬をかいた。シエスタも可笑しそうに小さく笑う。 落ち着いた頃合を見計らったのか、そんな二人に声をかけたのは沈黙を保っていたルイズだった。 「ねえ、これから行くって本気なの? ていうか、タルブ村って何処なのよ」 言われて気付いたのか、シエスタはあっと息を漏らして困った表情を浮かべてルイズに向き直った。 「えと、ここからだとラ・ローシェルの向こう側になりますから、馬で三日ぐらいかかるかと……」 「三日!? 一週間もここを空ける気!?」 ルイズは顔を顰めて柊を睨みつけた。 つられるようにシエスタも柊に視線を注ぐ。 しかし当の柊は別段どうという事もないと言った風に腕を組んでから二人に向けて言い放った。 「それぐらいなら多分日帰りで行けるだろ」 「……は?」 ※ ※ ※ 柊達は部屋を出た後エリスを呼び戻し、事情を説明した後ヴェストリの広場に集まっていた。 三人の少女が見守る中、柊は月衣の中から『破壊の杖』――ガンナーズブルームを取り出して機能を解放する。 尾部が展開し淡い魔力光が零れだすのを確認した後、彼は少女達を振り返った。 既に箒を見知っているエリスは特に驚く表情は見せないもののシエスタは口をぽかんと開けてそれを凝視し、ルイズは疑念をあらわにした顔で口を開く。 「……ホントにその『破壊の杖』が人を乗せて飛ぶの?」 フーケとの戦いの際に破壊の杖が柊を伴って空に浮いていたのは見た事があるが、改めてこうして見てみるとどうにも信じがたい。 ルイズの嘆息交じりの声に柊はどこか自慢げに胸を反らして答えた。 「ちゃんと飛ぶぞ。まあ飛ぶだけしかできねえが、この際問題ねえ」 オプションパーツであるタンデムシートがあれば複数人数が同乗した上で戦闘を行う事も可能なのだが、残念ながらこの箒はオプションの類はついていないノーマル仕様のものだ。 戦闘を考慮しない移動手段として見るだけなら、少々安定しないものの一人二人が乗ったところで問題なく運用できる。 「……けど、ホントにお前も付いてくんのか?」 「当然よ。わたしはあんたの主人なんだから、監督する責任があるもの。エリスと違ってどんな不始末をするかわかんないし」 「はあ……まあいいけど」 柊はエラそうに胸を張るルイズを半眼で見やると、嘆息しながら漏らした。 箒を使ってタルブ村に行く、多分一日で戻ってこれるとこの広場に来る前に説明したら、だったら自分も一緒に行くとルイズが言い出したのである。 別に荒事がある訳ではない――厳密には起こさないと約束した――ので、柊の側からは特に断る理由もなかった。 柊は頭を一つかいた後、エリスに向き直った。 「まあそんな訳だから、ちょっと行ってくる。何かあったら0-PHONEの方に連絡くれ」 「それはわかりました、けど……またルイズさんと外出……しかも今度はシエスタさんまで……」 微妙に不満そうな表情で漏らすエリスに柊はうっと呻いて視線を彷徨わせた。 「こ、今度暇があったらどっか連れてくからさ。……な?」 「柊先輩そればっかり……でもわかりました……」 うな垂れるエリスから逃げるように柊は箒に跨り、ルイズとシエスタを促す。 二人は半信半疑ながらも彼を挟むようにして前後に搭乗する。 柊が箒を操作して僅かに機体を上昇させると、前後から嬌声が上がった。 「ひぁっ! う、浮いてる……本当に浮いてます……!」 「流石にタンデムなしで二人だと安定しねえな……まあ大丈夫か。もっと高く上がるし早さも結構出るから、ちゃんとくっついといてくれ」 「く、くっつくって……」 柊に正面から抱きつく格好になっているルイズは頬を染めて彼を見上げた。 しかし柊は既に背中にしがみついているシエスタを気にする風もなく眉を潜める。 「落っこちたら洒落になんねえだろ。三人乗りで急旋回して掬い上げるなんてやりたくもねえ」 言いながら柊は強引にルイズを抱き寄せた。 一瞬で顔が紅く染まり、ルイズは反射的に柊から離れようと身を捩じらせかけ――ぞくりと背中に悪寒が走って凍りついた。 ルイズがぎこちない仕草で視線を巡らせると、殺気すら漂うような気配を纏ってエリスがこちらを見つめていた。 端正な眉をぎゅっと寄せて、何かを堪えるようにお仕着せの裾を握り締めていた。 「ど、どうしたエリス?」 柊もそれを感じ取ったのか、恐る恐る尋ねる。 彼女はわなわなと肩を震わせた後大きく息を吸った。 そして―― 「ひーらぎ先輩のダブルクロスぅぅ~~!!(2nd Edition)」 「版上げ!?」 わっと顔を手で覆い脱兎の如く駆け出してしまった。 あっという間に広場から去っていくエリスの姿を呆然と見届けた後、柊は小さく溜息を漏らした。 「はー……そういやトリスタニア行ったときも置いてけぼりだったもんな……今度本当にどっか連れてってやんねえと」 すまなそうに一人ごちた柊を前後の少女達は驚愕の目線で迎えた。 「ひ、ヒイラギさん……」 「あんた……」 「なんだよ。ンな事よりさっさと行くぞ」 少女達の視線の意味など解する事もなく柊は言って箒を握った。 魔力光を吐き出して箒が上昇し、塔の頂上と同じ高さにまで到達する。 ルイズとシエスタはエリスの事も忘れて身を強張らせ柊にしがみついた。 「タルブ村はどっちだ?」 「え、あ、あっち、です」 柊に問われてシエスタは眼を白黒させながらも村のある方向を指差す。 彼は一つ頷くと箒の操作に意識を集中させた。 操者の意思に呼応するように尾部のスラスターから魔力光が迸った。 どん、と割れるような音が響き渡り身体が強烈に後ろに引き摺られるような錯覚に陥る。 「~~~~!!!」 「きぃやぁあぁあああ!!」 二つの悲鳴を伴いガンナーズブルームが輝線を曳いて蒼穹を駆け抜けた。 ※ ※ ※ 「いやぁあああ!! 怖いこわいコワイこわい!!!」 体中に猛烈な風を感じながら、ルイズは柊の身体にしがみついて喚いた。 宙にぶら下がる足をばたばたと動かしながらもがくルイズに柊は眉を寄せて呆れたような声を出す。 「怖いってお前、メイジなんだから空くらい……ってそうか、お前飛んだことないのか」 「し、失礼ね! 空を飛んだことくらいあるわよ! 母様のマンティコアに乗せてもらったわ!」 ルイズは怒りも露に柊を見上げて叫んだ。 その拍子に訳のわからない速さで吹っ飛んでいく眼下の景色が眼に入り、慌てて眼を閉じてしがみつく。 「だったらなんで怖いんだよ……」 「だって、だって……!」 少なくともマンティコアはこんな速さで移動したりしない。 だが速いというだけならそこまで怖いとは思わなかっただろう。 彼女が何より怖がっているのは『足元が頼りない』というただ一点だ。 マンティコアに限らず騎獣ならばその背にしっかり乗っているため安定しているのだが、この箒は棒っきれに腰掛けているだけに等しく安定させるのが柊の身体一つしかない。 特に足が宙に投げ出されているというのがより不安定感を増している。 そんな状態でマンティコアなど比較にならない速さでぶっ飛んでいるのだから、ちょっとでも力を緩めると落っこちてしまいそうな気がするのだ。 もう外聞だの照れだの何だのと言っていられる心境ではなかった。 少なくとも、柊が嘆息交じりにこんな言葉を吐き出すまでは。 「……シエスタはちゃんと落ち着いてんだろうが」 「!?」 ルイズははっとして柊の背中に張り付いているシエスタを見やった。 彼女もルイズと同様怖いのだろう、渾身の力で彼の身体に抱きつき頭を背中に埋めている。 周りを見ないよう目はぎゅっと瞑っていたが、その顔はほんのりと朱に染まっていた。 「あっ……ヒイラギさんの背中、大きくてあったかい……」 耳鳴りのように風切り音が響く中、シエスタのそんな呟きが何故かはっきりと聞こえた。 「こらあ、メイドぉ! なに図々しくしがみついてんのよ!」 「きゃあっ、ヒイラギさんこわいっ」 「なにが『きゃあっ』よ! はしたなく引っ付いてるくせに猫被ってんじゃないわよ!!」 「馬鹿、やめろ! ただでさえ安定しねえのに暴れんじゃね、え――あ!?」 落ちないようにしがみつかれながら更に前後から押し引きされた柊が素っ頓狂な悲鳴を上げた。 がくんと箒が大きく揺れ―― ラ・ローシェルの住宅区。 最初にソレを発見したのは、小さな女の子だった。 「あっ、流れ星!」 喜色を浮かべて声を上げた少女に、一緒に遊んでいた男の子の一人が馬鹿にしたような声を漏らした。 「ばっかじゃねえの。もう朝になってるのに流れ星なんて見えるわけないじゃん」 「ホントだもん! ほら、あそこ!」 言って少女が指を差すとそれにつられるように少年は空を見上げ、そして眼を丸めた。 「……ホントだ」 他の子供達も青空に尾を引いて流れていく世にも珍しい流星を発見し歓声を上げる。 狭い峡谷の空をなぞるようにして通り過ぎていく流星を見送り、少女が「お願い事しなきゃ」と両の手を組む。 少しばかり大人ぶっている少年は内心同じことをしたい衝動に駆られながらも、気のないように鼻を鳴らして流星を見やり―― 「あっ!?」 声を上げた。 瞑目して願い事をしていた少女も眼を開き、 「あっ」 同じように声をあげる。 真っ直ぐに走っていた流星の光がかくんと地面に向かって折れ曲がり――地平に向かって一直線に落下していった。 一部始終を見届けた少年はぽかんとした表情のまま、ぼそりと呟いた。 「……落ちた」 前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8922.html
前ページ次ページデュープリズムゼロ 第三十三話『ミントとルイズの家族』 「はぁ~…」 「あの…溜息なんて吐かれてどうかなされたんですかミス・ヴァリエール?」 多くの生徒及び関係者がそれぞれ故郷や実家に帰る魔法学院の夏期休暇も半分が過ぎた。もう二週間もすれば再び学生として勉学と友人関係に奔走する日々が溜息を漏らしたルイズにとっても始まる事になる。 そんなルイズを心配そうな目で見るのは学園に残って仕事に勤しむシエスタだった。夏期休暇が始まると同時にミントと共に何処かに行っていたと思えばつい先日、何やら酷く疲れた様子で戻ってきたルイズ。 中庭で何やら重要そうな羊皮紙の束を手にしたままシエスタが煎れた紅茶を口に運んだと思えばルイズはしばらくその味と香りを吟味した後で眉をしかめたままティーカップを空にした。 「シエスタ。」 「は、はい。」 唐突に呼ばれ、シエスタはドキリとした…傍目から見てルイズのご機嫌は悪いと言える。具体的に言えばそれは何かに悩んでいながらその解決策も分かっているのに現状どうしようも無い状況に置かれて居る様な… 「紅茶、おいしかったわごちそうさま。」 「いえ、そんな…お粗末様です。」 ルイズから掛けられた意外な言葉にシエスタは目を丸くする。学院に勤めて居る以上貴族の子息の世話を長い事しているが紅茶一杯にこんなはっきりとした感想を与えられた事など初めてかも知れない。 そんな事を考えるシエスタを他所にルイズは再び難しそうな表情で書類をめくる…いけない事だと思いながらもついつい視線を向けたシエスタの視界の隅、その書類には王家の刻印が映されていた。 それを見て動揺しているシエスタに気づきながらもそれを気にした様子も無く、ルイズは書類をめくりながら独白気味に呟く… 「つい最近ね、色々あって初めて自分でも紅茶を煎れてみたわ。知識としては正しい紅茶の煎れ方は知ってたけどいざ自分でやってみると全然駄目ね。香りは飛ぶわ味はしないわ…改めて思うけど私達はいつもあんた達に助けられてるのね。感謝してる…」 「そんな…ミス・ヴァリエール…勿体無いお言葉です!」 果たしてこの言葉を聞いたのがマルトーだったらどうなっていた事か…ルイズのそこらの傲慢な貴族ならば絶対にしないであろう発言にシエスタは感激の余り、両手で口元を押さえて両の目を涙で潤ませた。 「シエスタ、ここだけの話、近くトリステインはゲルマニアとの連合軍でアルビオンに攻め入ることになるわ…戦争が始まるの。私が今読んでるこれはね、私とミント…だけじゃ無いでしょうけど私達が調べ上げて姫様が捕らえた裏切り者の売国奴のリストなの。」 と、まるで何でも無い様に言うルイズの言葉にさっきまで感動でむせび泣いていたシエスタが硬直する。とてもじゃないが一平民のメイド風情が耳にしていい話では無い。 「いくらメイジとしての才に恵まれようと、いくら名門の家柄に生まれようと貴族にもどうしようも無い屑がいるものね。そうそう、今言った話はまだ秘密だから誰にも言っちゃあ駄目よ。」 「解りました。あ、あの…ミス・ヴァリエール…この数日にあなたに一体何があったのですか?」 ルイズの発言に戸惑いながらもシエスタは問い掛ける。明らかにここ数日でルイズの身に何か価値観すらひっくり返る様な出来事があったはずなのだ… そのシエスタの問いにルイズはまさかこんな質問をされるとはと、一瞬驚きはしたが余裕を持った微笑を浮かべて答えるのだった… 「別に、何も無いわ。ただミントと一緒にね、平民のおっさんにセクハラされながらお酌して、お皿を洗って、失敗して、怒って、笑って、寝て、食べて、そんな誰でもやってる当たり前の事をちょっとだけ経験してきただけよ…」 ルイズはそう言って思い出し笑いなのか屈託無く笑う…シエスタは困惑気味に首を傾げたがルイズが皮肉気味に「これ以上は平民が知ろうとする様な事じゃないわ。」と言うとハッとした様に慌てて姿勢を正したのだった。 ____ 魅惑の妖精亭を中心とした諜報活動の結果、大勢の貴族の不正の実体やアンリエッタへの評判、戦争への平民視点での意見等々非常に多くの有益な情報をルイズはアンリエッタへと届ける事が出来た。 徴税官の一件でミントには不正を行う貴族を懲らしめてくれる貴族というイメージが定着しているのかその手の情報が勝手に向こうから寄ってくる上、スカロンの情報網は平民関連に関してはこのまま国の機関としてもやっていけるのではと思える程の物だった。 結果として、あくまで知識としてしか知らなかった平民の暮らしを実体験した事はルイズにとっては貴重な経験となっていた。 また、ルイズとミントがそんな事をしている間にアンリエッタは銃士隊を効果的に指揮を執り、また自身を囮にする事で高等法院長リッシュモンという大物の逆賊を捕らえる事に成功していた。 結果として二人の諜報活動とアンリエッタのネズミ狩り作戦の成功から得られた様々な情報を吟味したアンリエッタはアルビオンへの侵攻作戦を行う事を決定した。 ____ 魔法学園 ルイズが丁度午後のティータイムを楽しんでいる時間、魔法学園の正門前に2台の馬車が到着していた。 平民とは思えぬ程、何処に出しても恥ずかしくない立派な身なりをした御者が引く馬車に刻まれているのはヴァリエールの家紋。必然、その馬車に乗っている人物の素性は極限られた物となる。 「…全く…おチビったら夏期休暇になっても帰って来ないどころか連絡も寄越さないだなんて良い度胸してるわ…これはきつ~いお仕置きが必要ね。」 馬車から降り立った女はそう愚痴りながらも長くウェーブの掛かった金髪を掻き上げると久しぶりに訪れた懐かしき学舎を見上げながら不機嫌に厳しく吊り上がった目を細める。 「御者、ルイズを連れて戻りしだい直ぐに真っ直ぐヴァリエール領に向かうわ。出発準備をしておきなさい。」 「は!畏まりました、エレオノール様。」 毅然とした口調での命令を受けて御者は女、ルイズの実の姉であるエレオノールに姿勢を正して答えたのだった。 人が極端に少ない魔法学園の中、しばらくルイズを探してエレオノールがツカツカと石畳の上を歩いているとふとエレオノールは視線の先に一人の少女の姿を発見した。 服装はメイドでは無く中々仕立ての良さそうな、かといってマントを羽織っている訳では無く杖も持っていない。その姿にエレオノールは学園関係の私服の平民なのだろうと当たりを付けて声をかける事にした。 「ちょっと、そこの平民。ルイズ・フランソワーズを探しているんだけど、どこに居るか知らないかしら?」 エレオノールとしてはいつも通り、他人からすれば高圧的な物言いに声を掛けられた少女はキョロキョロと周囲を見回して誰も居ない事を確認するとようやくエレオノールの言う『平民』が自分を指しているのだと認識して少女ミントはエレオノールに向き直る。 「何?ルイズに何か用?あいつならさっきから中庭でお茶してたわよ。あたしも今からルイズの所に行くつもりだったから何なら案内してあげるけど?」 ミントはいつもと変わらぬ態度でエレオノールに数歩歩み寄る。ハルケギニアに来てから平民に間違われた事等もはや数えてすらいないいつものなので今更気になどしない。 エレオノールはミントの気安い態度に露骨に眉を寄せて厳しい視線を無言でぶつける。 まぁ常識的に考えてこの態度、やはり目の前の少女は私服に着替えた学園の生徒だったのだろうとそうエレオノールは結論づけた。平民呼ばわりされた事で怒っているのだろうか、でなければ目上の貴族に対するこの不遜な態度は説明がつかない。 「あなた…ルイズの友達?…まぁ良いわ、折角だから案内して頂戴。」 「オッケ~、じゃあ付いて来て。」 「あ、こらっ待ちなさい!!」 貴族として余りに態度の悪いミントの様子に魔法学園の品位の失墜を感じたエレオノールが額に手を当てていると、そんな事は構う物かとミントが踵を返して走り出した。 エレオノールはしょうが無いので慌ててミントを見失わない様に追いかけるのだった… ____ 魔法学園 中庭 「お~いルイズ~、あんたにお客さんよ~。シエスタ、あたしにも紅茶煎れて頂戴。」 程なくして学園の中庭に辿り着き、ルイズ達を発見してミントはその傍に駆け寄ってシエスタに紅茶を要求する。シエスタもそれを了承し、慣れた手つきで紅茶を煎れるとついでにミントの言うお客さん用にもう一杯を直ぐに注げる様に支度する。 「客?いったい誰なの…げげっ!!!」 ミントの言葉に手にした書簡から視線を起こしたルイズはミントから遅れてこちらに向かってくる人物、エレオノールの姿をみとめて思わず上擦った声を上げる。 エレオノールも同時にルイズの姿を発見したらしく、歩くスピードを一気に上げるとドシドシという効果音が付く様な力強い歩調でルイズ達の元に歩み寄った。 「お久しぶりね、ちびルイズ。実家にも帰って来ずに随分と夏期休暇を堪能しているようね~。」 「エ、エレオノールお姉様……い、痛い痛いれふぅ!!ごめんなしゃいっ!」 久方ぶりの姉妹の再会はエレオノールがルイズの頬を抓り上げ、ルイズがそれに涙目で許しを請うという形で果たされた。 ミントはその二人のやり取りをみてエレオノールが以前ルイズから聞いていた自分の苦手な姉なのだと察し、シエスタは自体が飲み込めずオロオロとしていた。 頬を赤く染め、涙を両目に浮かべるルイズの姿に威厳は既に無く、ついさっきまで名家の有能な貴族然としたカリスマを放っていた筈のルイズの姿が途端に幼い少女の物となる。 そうしてエレオノールはようやくルイズを解放すると相変わらず涙目のルイズに二言三言小言を言うと直ぐに自分がここを訪れた訳を説明したのだった。 エレオノールの話を要約すればルイズはミントを召喚してから一度も実家に顔を見せて居らず、アカデミー勤めのエレオノールが実家に戻るついでにルイズを回収に来たのである。 「さて、それじゃあ正門に馬車を待たせているから早速行くわよ。それとそこのメイド、あなた道中のルイズの身の回りの世話係りとして一緒に来なさい。」 「えぇ!?わたくしがですか?」 突然のエレオノールの命令にシエスタは目を丸くする… 「何かしら?何か文句がおあり?」 「い…いえ、とても光栄です。」 「そう、良い心がけだわ。」 エレオノールの有無を言わせぬ迫力にシエスタは唯納得するしか無い。まぁルイズの身の回りの世話は自身としても願い出たい所ではあったが。 「さて、後は…ルイズ、貴女が春に召喚した使い魔を連れてきなさい。話位には聞いているわ、何でも随分変わった使い魔だそうね。」 終始エレオノールのペースで進められるやり取りの中、遂に使い魔に関する話題が飛び出した事でルイズの身体が緊張でビクリと跳ね上がりそうになる。ルイズが実家に送った手紙では使い魔についてはまさか異国の王女とも言えずあくまで異国のメイジだとしか伝えていない… 家を離れているエレオノールの耳に届いている情報がどんな物かはルイズには分からないが先程の言いぐさからは本当に珍しい使い魔だと言うぐらいしか聞いてはいないのだろう。 「あ、それあたしの事よエレオノール。」 と、ここで黙って一連のやり取りを見つめていたミントは話題がルイズの使い魔の事に移行したので早速エレオノールに名乗り出たのであった。 「なっ!!??」 ____ 街道 「それにしても…突然でしたね。」 「全くよね…それにしてもあのルイズのお姉さん、ルイズに輪を掛けてきつい性格してるわね~、あれは絶対行き遅れるタイプよ。」 ヴァリエール領への街道を行く揺れる馬車の中、肩を竦ませて言ったエレオノールを表するミントの一言にシエスタは吹き出しそうになるがそれを何とか堪えて肩を震わせ顔を赤くする。 結局あの後、自分を呼び捨てにしたミントに対して烈火の如く怒り、怒鳴り散らしたエレオノールは結局そのままの勢いでメイジが召喚される訳は無いという根拠の無い確信からミントを平民だと思い込んだまま学園を発っていた。 エレオノールとルイズ、ミントとシエスタという組み合わせで乗り込む事になった馬車の中でルイズは非常に気まずい心持ちのまま苦手な姉エレオノールの対面で小さくなっていた。 「全く、使い魔への礼儀作法すら仕込めていないだなんてあんたはそれでもヴァリエールの家名を背負う者なの?」 「申し訳ありません。」 最早本能的にエレオノールに逆らえないルイズは項垂れる様にエレオノールに頭を下げる。 (あぁ…今更言える訳が無いわ…ミントが異国の王女で凄腕のメイジだなんて…それにあのお母様は何と仰るか…) 「聞いているのおチビっ!!!」 「ひゃいっ!!申し訳ありません!!」 目の前に迫る切実な大問題にエレオノールの説教を聞き流していたルイズの耳にエレオノールの怒鳴り声が響き、結局ルイズの中で渦巻く問題は一切解決の目処を見せぬまま、馬車はヴァリエール領へと辿り着いたのであった。 ルイズの実家であるヴァリエール領は隣国ゲルマニアとの国境沿いにあり、またヴァリエール家は王家と祖を同じくするトリステインの中でも最高位の名家である。 その本邸ともなればそれは最早立派な屋敷と言うよりは城と言った方が正しい程であった。 「「お帰りなさいませ。エレオノール様、ルイズ様。」」 一行が玄関をくぐりホールへと足を踏み入れるとそこには無数の従者が一切の乱れなく整列し、一斉に頭を垂れてエレオノールとルイズを出迎える。無論、その直ぐ後ろにいたミントとシエスタもそれぞれ客人として長旅の労をねぎらう様に声をかけられたのであるが。 と、そんな使用人の花道の先にある階段から一人の女性がゆっくりとルイズ達の元に近寄ってきているのにミントは気づき自然と視線はその女性へと向く。 「久しぶりですねエレオノール、ルイズ。」 鋭い眼光、厳しく威厳に満ちた中に見え隠れする優しげな声色。この女性こそルイズ達の母親であるカリーヌであった。 「お久しぶりでございます母様。戻るのが遅くなって申し訳ありません。」 言ってルイズは完璧な所作で傅いて母親へと挨拶を返す。ミントからすれば何とも堅苦しい母親との挨拶に久しぶりにここが流石に異世界であると言う事を強く感じる。 「えぇ。長旅で疲れたでしょう?晩餐の時間までゆっくりと休みなさい。…所で後ろのお二方はどなたなのかしら?一人はメイドのようですが?」 カリーヌの視線を受けてルイズが一瞬たじろぎ、シエスタはあまりの緊張に完全に固まってしまっている… かたや、はっきりと視線を交差させたミントはルイズの母カリーヌから凄まじい力の様な物を感じながらも怯むのは癪なので戸惑う事はせずむしろ堂々とした態度をとり続ける。 「紹介致します。このメイドは学園のメイドで普段私の身の回りの世話をよくしてくれているシエスタです。道中の連れ添いの為に連れてきました。」 ルイズはまずシエスタを簡単に紹介した。それに合わせてシエスタも多少ぎこちないながらもスカートの裾をつまみ淑女として恥ずかしくない態度で頭を下げる。 「そして、彼女が私が春の使い魔召喚の儀式で呼び出しました…遙か異国のメイジのミントです。」 緊張でカラカラになった喉から絞り出す様にルイズは母に事実を伝える… 母は昔からルイズへのお仕置きにはその強大な魔力から放たれる圧倒的な風の魔法を使用してきたのだがそれは最早ルイズにとってのトラウマでしかなかった… 一方母カリーヌはそのルイズの言葉に対して驚愕で目を僅かに見開くともう一度堂々とした態度で自分を見上げているミントを見つめ返す。 (成る程…彼女があの噂の…) 「はぁっ!?あなたメイジだったの?杖も持っていない上にマントも纏っていないじゃない!!」 詰め寄るエレオノールの驚愕の声と共に当然ヴァリエールの使用人達の間にも響めきがあがり驚いた様子が覗えた… 「お止めなさいエレオノール、それがヴァリエールの家の人間の振る舞いですか。ミス・ミント、あなたの複雑な事情はわたくしも陛下から公爵を通じ聞き賜っております。」 カリーヌの言葉にルイズとミントは驚いた表情を浮かべた。カリーヌの言い方であればどうやらミントの素性は既に伝え聞いている上でここでは無闇な拡散を防ぐ意図があるようだとミントは判断する。 「えぇ、事情を察してくれているのなら助かるわカリーヌさん。」 ミントは軽くおどけるように言って肩を窄めると微笑んだ。 「ちょっ!?」 同時にルイズはミントの母カリーヌに対しての「さん」付け呼称に肝を冷やす… 「あの、母様ミントは遠い国から来たもので少々礼節がなってないと言うか…何というか…」 「………うっさいわね…」 「ルイズ、それは文化の違い故でしょう?問題ありません…」 カリーヌはミントの砕けた態度に一瞬驚いた様子を見せたが意外にも寛容な反応を示す…が、それは気のせいだった。 「…折角ですからミス・ミントにはこれから数日、わたくしの指導の下、トリステインの貴族としてのマナーを学んで頂きますから。」 微笑んだカリーヌの言葉にミントは純粋な面倒を感じ、ルイズは幼き日々のスパルタ教育のトラウマを想起してしまうのであった… 前ページ次ページデュープリズムゼロ
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1538.html
6日目 ナナツボシ は言った さわやかな朝がやってきました 村の川辺に打ち捨てられた orikaさんの遺体が見つかったようです… ナナツボシ は言った 村人の皆様、今日も1日がんばるのです! 3 (なむなむ) あらぐむ 役職かー ナナツボシ は言った 昼の部スタート! orika は言った 後は任せましたー 3 (なむなむ) Lumiya 相方逝った 1 (ナナツ村) あかみさと 共有が・・・ 1 (ナナツ村) ROWLEYS |ω’)ノ【占い結果】ヨロイモグラさん○ 【理由】自分視点では狼探しについてはもう仕事は果たしたので狐探しです。発言が少なめの人からです。 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ 共有全滅かぁ 1 (ナナツ村) TeaRabbit ★占い結果ウツボンさん真っ白な村人様で在らせられます 1 (ナナツ村) Mrチキン 狩人いないっぽいのかな・・・ 3 (なむなむ) ファン ぇー確定白噛みですかぃ 1 (ナナツ村) TeaRabbit 占い理由、寡黙占うよ宣言からいきなりしゃべりだしたのでキツネかな?と思いました。狼かもしれなかったけれど違いましたね 3 (なむなむ) xこぅちゃx んー? 3 (なむなむ) あらぐむ これもう狐見えてるよね狼 3 (なむなむ) xこぅちゃx 見えてるね 1 (ナナツ村) ウツボン これで指針出せる人がいなくなったか・・・ 1 (ナナツ村) リュファ 共有さんが・・・狙われそうな気はしてましたけど・・・ 2 (がぶがぶ) TeaRabbit ていうかあれですね、全然黒引けない 1 (ナナツ村) ROWLEYS (゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン 3 (なむなむ) orika 死にました 3 (なむなむ) orika どこですか? 1 (ナナツ村) あかみさと ん、ROWさんは対抗の○占いか 1 (ナナツ村) TeaRabbit ていうかあれですね、全然黒引けない 1 (ナナツ村) Mrチキン もぐらさん確定○? 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ 俺が両方から○もらってはいる 3 (なむなむ) ファン お疲れ様でっす! 3 (なむなむ) xバーバラx おつかれさまです 3 (なむなむ) シエスタXX おつん 1 (ナナツ村) TeaRabbit ですね 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ デスデス 3 (なむなむ) xこぅちゃx お疲れさまですよー 3 (なむなむ) ファン 狩人は誰守っているのでしょうね 3 (なむなむ) Lumiya おつかれさまですの 1 (ナナツ村) TeaRabbit 指針確定白で 3 (なむなむ) あらぐむ おつかれさーん 1 (ナナツ村) TeaRabbit お願いします 1 (ナナツ村) Cate もぐらさんに進行をお願いしたいです 1 (ナナツ村) MB 確定白できましたね ROWLEYSさん偽で見てますがいい占い先だ 1 (ナナツ村) ROWLEYS ですね。それがいいと思います 1 (ナナツ村) ウツボン 最初から出せる意見はがんがん行こうぜ!で行ってたと思うんだけどなぁ 1 (ナナツ村) grep 確定白了解 1 (ナナツ村) Mrチキン 共有いなくなった直後の確定○はいいかんじかな 1 (ナナツ村) リュファ 霊媒もいませんし・・・ 1 (ナナツ村) TeaRabbit グレーはどっこかな? 1 (ナナツ村) ウツボン 土竜さん高確率白○かぁ 1 (ナナツ村) あかみさと というかウツボンさん真の場合きついな 人外いっこも見つかってない 1 (ナナツ村) あかみさと ウツボンさん真ってなんだ うさぎさんねw 1 (ナナツ村) ウツボン 俺真ってなんぞ 1 (ナナツ村) ウツボン 了解w 3 (なむなむ) orika 頭が割れそうだ、ひとりだけの共有にこれだけプレッシャーかかるとは思わなかった 3 (なむなむ) ナナツボシ おつおつー 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ grepさん あかみさとさん cateさん MBさん グレー 1 (ナナツ村) ROWLEYS (゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン ですね 3 (なむなむ) ファン 一人だけの時点で共有じゃないですよね・・w 1 (ナナツ村) あかみさと あとMrチキンさんもかな 3 (なむなむ) シエスタXX ゼブラ吊って占いロラにならないかな 1 (ナナツ村) Mrチキン 私 3 (なむなむ) シンクロ お疲れ様ですね! 1 (ナナツ村) リュファ あかみさとさん、MBさん、Cafeさん、GREPさん、チキンさんです。 1 (ナナツ村) ROWLEYS あ、そだ。チキンさんもだ 3 (なむなむ) あらぐむ 狩人はもういないんじゃ 1 (ナナツ村) リュファ 結構いますね。 1 (ナナツ村) TeaRabbit えっと僕が占っていない人は、チキンさんあかみさとさんCateさんMBさんに 1 (ナナツ村) MB んー TEAさん確定白作りにいかなかったのかと思ったんですが ROWさんの囲い候補いないんですね 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ おっとごめんなさい チキンさんも 3 (なむなむ) シンクロ 狩人まだいるかもしれないです 3 (なむなむ) xこぅちゃx んー 居そうな気もする 1 (ナナツ村) TeaRabbit Grepさんも 1 (ナナツ村) ウツボン 10>8>6>4か・・・ 3 (なむなむ) あらぐむ 共有がかまれたってことは 3 (なむなむ) Lumiya 共有で最後まで残るのもなかなか胃が痛くなります先生 3 (なむなむ) ファン 占い守ってるのかなぁ? 3 (なむなむ) xこぅちゃx そんな気がする 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ 占いローラーします? 3 (なむなむ) シンクロ かもしれないですね 3 (なむなむ) orika いろいろつれづれchで独り言で考えまとめてみたけど、まとまりきれ穴井 1 (ナナツ村) あかみさと 吊り数的に一回グレからはさんでもいいかもですね 1 (ナナツ村) Mrチキン 残り占いって狼と真? 1 (ナナツ村) TeaRabbit ですよ~というかそろそろ狐が怖いので・・・ 1 (ナナツ村) grep 狼1と狂人1は排除済みとみていいんですかね? これ 1 (ナナツ村) TeaRabbit キツネつれているかなぁ? 3 (なむなむ) orika 狐、死んでるのかな… 1 (ナナツ村) ROWLEYS うち視点だと狼2排除したとみています 3 (なむなむ) あらぐむ まー、前日の段階で狼が狐見えてるって考えたら狩人も占い護衛にまわるか・・・ 1 (ナナツ村) Cate 狐はわかんないですね 1 (ナナツ村) TeaRabbit 恐らく狼と狂人はいません 3 (なむなむ) xこぅちゃx 生きてると思うんだけどねぇ・・・ 1 (ナナツ村) grep なるほど 1 (ナナツ村) ROWLEYS 狐はつれてない、グレーの中にいるような気がします 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ んー まだグレー多いし連れてないかも 1 (ナナツ村) TeaRabbit ROWさん視点だと 1 (ナナツ村) ウツボン ここで確定白作ってるからrowさん信頼度上げてもいいような気もするけど、噛みsaki的に狩人もういなさそうだしなぁ・・・ 3 (なむなむ) シエスタXX へ 3 (なむなむ) シエスタXX ROWさん視点 1 (ナナツ村) TeaRabbit リュファさん吊っておしまいになりますね(僕の白ですが 3 (なむなむ) xこぅちゃx 何でそんな視点を語る・・・w 1 (ナナツ村) MB シンクロさん視点だと残りの占いはTEAさん真ROWさん?ですね こうちゃさんが狼だったのでROWさん非狼の人外濃厚です 3 (なむなむ) シエスタXX 狼2吊れたっけ 3 (なむなむ) orika この状況で狐がグレーにいる場合はオオカミ2かも 1 (ナナツ村) ROWLEYS うん、そういうことになりますね 1 (ナナツ村) リュファ まだグレーがだいぶ残ってますから。スライドで占い2人しかいませんからね。 3 (なむなむ) あらぐむ つーか 1 (ナナツ村) TeaRabbit 後は黒出せれば…狐がなぁ;; 3 (なむなむ) あらぐむ rowさん真なら 1 (ナナツ村) あかみさと うむー、グレー削ってもいいかもです 3 (なむなむ) あらぐむ 2つ黒田した時点で 1 (ナナツ村) ROWLEYS じゃあ吊りはどうしましょう 3 (なむなむ) あらぐむ なぜ茶うさぎさん占わない 1 (ナナツ村) Cate もぐらさんどうしましょう 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ 狐ケアも考えて、グレーですかね 1 (ナナツ村) MB えっと 今日灰吊る場合は占い決め打ちですかね? 3 (なむなむ) あらぐむ ってことでROWさんも怪しいのよね 3 (なむなむ) シエスタXX 気づいてないだけかも 1 (ナナツ村) TeaRabbit 吊りは後3回? 1 (ナナツ村) Mrチキン ローラーに猶予自体ある? 1 (ナナツ村) あかみさと 吊りはあと4かな 1 (ナナツ村) Mrチキン 意外とありますね 1 (ナナツ村) リュファ あと3回ですね。 1 (ナナツ村) あかみさと あれ ナナツボシ は言った 5分経過(残2分) 1 (ナナツ村) リュファ 4回? 1 (ナナツ村) Mrチキン @1か 1 (ナナツ村) ウツボン 10>8>6>4 1 (ナナツ村) ウツボン 3回かな 3 (なむなむ) シエスタXX ちょっとまてよ 1 (ナナツ村) TeaRabbit ヤバい・・・ですね 3 (なむなむ) シエスタXX 崩れてきたかも・・・ 1 (ナナツ村) あかみさと そうか、何故かここだと最後の吊り数えないのか 1 (ナナツ村) ROWLEYS そのうち2回がろーらーだから…厳しいですね 3 (なむなむ) シエスタXX うーん 1 (ナナツ村) TeaRabbit 決め打ちしていただけるなら良いのですが 1 (ナナツ村) ウツボン ロラを完遂するなら@1回しかない 3 (なむなむ) xこぅちゃx シエスタさんスライドだよね? 3 (なむなむ) シエスタXX んだ 3 (なむなむ) xこぅちゃx 仮に、真狂狼霊の状態でズレて 1 (ナナツ村) TeaRabbit ローラーするなら今しちゃったほうがいいかも知れませんね 1 (ナナツ村) ウツボン 決め撃ちなら@2回・・・だよね・・・ 1 (ナナツ村) Cate ローラーは完遂したいなぁ… ナナツボシ は言った 残り1分 1 (ナナツ村) あかみさと 占い吊るならROWさん グレーからなら指定がほしいかな 3 (なむなむ) orika ラビットさんが真だと、死んだ狼は紅茶さんだけなのかな 1 (ナナツ村) Mrチキン カオス状況なのでローラーきっちりしたいかな 3 (なむなむ) xこぅちゃx 占:真狂狼 霊:真狼 だとしたら 1 (ナナツ村) Mrチキン 今日かどうか別にして 3 (なむなむ) シエスタXX うむ 1 (ナナツ村) リュファ ローラーから先にするんですか? 1 (ナナツ村) TeaRabbit とりあえずもうROWさんは占いで黒は出せませんしね 3 (なむなむ) xこぅちゃx だよねぇ、だから占い食えないよね 3 (なむなむ) xこぅちゃx どっちにしろ、だけど。 3 (なむなむ) ファン まだ狼2探さないとですかぁ 1 (ナナツ村) grep ローラー完遂は賛成 タイミングは確定白さんいお任せします 1 (ナナツ村) あかみさと もぐらさん指定はなし? 1 (ナナツ村) Cate もぐらさんどうします? 1 (ナナツ村) ROWLEYS 狐が気になりますが…ローラー完遂が村の意志なら従います。ただゼブラの存在は忘れないでくださいね ナナツボシ は言った 20秒前 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ いえ、今日はグレーでお願いしたいです 1 (ナナツ村) Cate 指定もお願いしたいです 1 (ナナツ村) あかみさと グレーどこだ 寄せ大丈夫かな 1 (ナナツ村) ヨロイモグラ チキンさんかcateさんをグレーで吊りたいんですがどうでしょう 1 (ナナツ村) TeaRabbit なんだか信頼していただいてなんですけれど 3 (なむなむ) orika グレーいったか 3 (なむなむ) あらぐむ 今日はみずもぐらでこなくて正解だったかもしれぬ ナナツボシ は言った -------STOP-------- 1 (ナナツ村) ナナツボシ -------STOP-------- ナナツボシ は言った 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲を選ぶのです!(会話はストップです) 3 (なむなむ) xこぅちゃx 名前吊り?w 3 (なむなむ) シエスタXX なんで?w ナナツボシ は言った 投票は私へtellでするのです! grep は ナナツボシ に言った Cateさん 吊り Mrチキン は ナナツボシ に言った Cateさんでお願いします Cate は ナナツボシ に言った チキンさんに投票します 3 (なむなむ) あらぐむ よろいもぐらさんをみんなが呼んでるの聞いてると自分呼ばれてる気分になってくる 3 (なむなむ) シエスタXX ww 3 (なむなむ) xこぅちゃx なるほど・・・w 3 (なむなむ) xバーバラx ww 3 (なむなむ) Lumiya もぐらローラーの予感 2 (がぶがぶ) リュファ よし、チキンさんの名前が出た。合わせましょう。 2 (がぶがぶ) TeaRabbit ここで黒出してその黒が吊れれば勝ちですね(GJ無ければ 3 (なむなむ) シエスタXX 前回初だっけか ROWLEYS は ナナツボシ に言った えっ、結局どっちだろ、じゃあcateさんで。 リュファ は ナナツボシ に言った チキンさん。 ヨロイモグラ は ナナツボシ に言った Mrチキンさんでお願いします 3 (なむなむ) xこぅちゃx 役職じゃないよね、狐は。 3 (なむなむ) xこぅちゃx だとしたらー・・・リュファさんになるんかなぁ 2 (がぶがぶ) TeaRabbit 占い吊って、明日チキンさんに黒だし 3 (なむなむ) シエスタXX ありえるのは 2 (がぶがぶ) TeaRabbit それで吊れれば勝ちです ウツボン は ナナツボシ に言った rowleysさんでお願いします 3 (なむなむ) ファン グレーか占ってても真じゃない人に占われたのか・・ 3 (なむなむ) シエスタXX 俺からだとこぅちゃさんかな 2 (がぶがぶ) TeaRabbit 僕の信頼によりますが・・・ 2 (がぶがぶ) リュファ ・・・どうなるかなどきどき。 3 (なむなむ) xこぅちゃx 狂人です!w 3 (なむなむ) シエスタXX だ、だよね! 2 (がぶがぶ) TeaRabbit チキンさんに入れますか? 3 (なむなむ) orika 狐吊った場合は○ですよね? 3 (なむなむ) xこぅちゃx 狼から狐まで色々変化するよ 今日の俺は・・・w あかみさと は ナナツボシ に言った Cateさんでお願いします 3 (なむなむ) Lumiya 狐も霊媒結果○ですのう 3 (なむなむ) xこぅちゃx 占っても良かったと思うんだけどなぁ・・・gjあったんだし。 3 (なむなむ) Lumiya あ、占いも一応○か 3 (なむなむ) シエスタXX ROWさん真であってくれ! 2 (がぶがぶ) リュファ 実はもうTELLしてます 3 (なむなむ) orika ならまだ紅茶さんの狐の可能性は一応ある、のか 3 (なむなむ) xこぅちゃx あるよ 2 (がぶがぶ) TeaRabbit どっちだろう・・・ん~どっちがいいのかな・・・ 3 (なむなむ) シエスタXX でないとまた推理外れちゃうよ俺 3 (なむなむ) xこぅちゃx だとしたら 3 (なむなむ) xこぅちゃx 狂人どこ行ったの?になるけどね TeaRabbit は ナナツボシ に言った Mrチキン様に一票お願いいたします 3 (なむなむ) orika 占いのどちらかとか MB は ナナツボシ に言った Cateさんに投票します Cate5 Mrチキン4 ROWLEYS1 3 (なむなむ) xこぅちゃx 狼が騙りに出なかったと? ナナツボシ は言った さようなら Cateさん あなたの勇姿は忘れない・・・。 ナナツボシ は言った 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間なのです! ナナツボシ は言った 役職行動の方は私までTELLするのです! 2 (がぶがぶ) リュファ あー。 ROWLEYS は ナナツボシ に言った あかみさとさんは多分純白だと思いますが、お色はいかがでしょうかw 3 (なむなむ) Cate おじゃましまーす 2 (がぶがぶ) TeaRabbit チキンさんに入れたのに・・・ 3 (なむなむ) シエスタXX おつおつ 3 (なむなむ) あらぐむ というのか 3 (なむなむ) xこぅちゃx お疲れ様ですよー 2 (がぶがぶ) TeaRabbit 呪殺されそうな気配 3 (なむなむ) Lumiya おつかれさまですの 3 (なむなむ) あらぐむ そういえばなんで今日グレー吊りになってるんだっけ? 2 (がぶがぶ) TeaRabbit これは・・・まずいです 3 (なむなむ) あらぐむ おつーん 3 (なむなむ) Cate 狐ケアみたい grep は ナナツボシ に言った ヨロイモグラさんを狩人がガッチリガードォォ! 3 (なむなむ) xバーバラx おつかれさまです 3 (なむなむ) シエスタXX 釣り回数あるからだったはず 2 (がぶがぶ) リュファ 呪殺来そうですね。 3 (なむなむ) あらぐむ なるほど 3 (なむなむ) ファン お疲れ様ですぅ ナナツボシ は ROWLEYS に言った あかみさとさんからは真っ黒な影は感じられません・・・村人です! 3 (なむなむ) Cate メモとりながらやると追いつかないね… 3 (なむなむ) シエスタXX 今日からロラだけど 3 (なむなむ) xこぅちゃx 釣り回数まったく無かったはずだけど・・・何故ロラにならなかったのか疑問だったんよね Mrチキン は言った 画面配置少しずらしたいので動きます。これメタにしないでね ROWLEYS は ナナツボシ に言った デスヨネー…さぁあとは溶けますかどうかw 2 (がぶがぶ) リュファ チキンさん噛んで、死体1個にしましょうか?ある意味賭けですけど。 ナナツボシ は grep に言った ヨロイモグラさんは自分でも固そうだけどガードオオォォォ 3 (なむなむ) シエスタXX えっと 3 (なむなむ) xこぅちゃx 3出て、2出て全ロラなら余裕1 3 (なむなむ) シエスタXX みんなはどっちの占い真でみてるんかな? 2 (がぶがぶ) TeaRabbit いえ、ウツボンさんあたり噛みましょう 2 (がぶがぶ) リュファ それが無難かなあ。 3 (なむなむ) Cate 私はTearabbitさん真かなーっておもってました 3 (なむなむ) あらぐむ でも 2 (がぶがぶ) TeaRabbit 呪殺が分かり切っているので対応できます 2 (がぶがぶ) リュファ 占いはどうしますか? 3 (なむなむ) シエスタXX うーん 2 (がぶがぶ) TeaRabbit チキンさんに白or黒です 3 (なむなむ) あらぐむ うさぎ視点、ROWはニセなので釣っても問題なし 2 (がぶがぶ) リュファ あ、ウツボンさん白出すんですね。 3 (なむなむ) シエスタXX やっぱそうなのかー 3 (なむなむ) xこぅちゃx ウサギさんの立ち位置がねぇ 2 (がぶがぶ) TeaRabbit ウツボンさんには白出してます 3 (なむなむ) orika ラビットさんが死んだと、シンクロさんも真で、確定して死んでいるオオカミは紅茶さんだけか 3 (なむなむ) あらぐむ ROWしてん、自分は仕事終わってるし自分真なのでつっても問題なし 3 (なむなむ) orika 真だ、殺してどうする 2 (がぶがぶ) TeaRabbit そこを噛みます!でよろしいですか? 3 (なむなむ) あらぐむ でなんだかROWさん吊るべき日だったような・・・ 2 (がぶがぶ) リュファ あ、はい。 3 (なむなむ) xこぅちゃx ROWさんが真な気がするにょね 3 (なむなむ) xこぅちゃx 噛んだw 3 (なむなむ) xこぅちゃx するんよね 3 (なむなむ) あらぐむ ROWしてんうかつに狼つると狐死亡 2 (がぶがぶ) TeaRabbit ではでは~大丈夫かな? 3 (なむなむ) あらぐむ でもうさぎ視点だと村真っ青 2 (がぶがぶ) リュファ うまくいけばいいけど・・・ 3 (なむなむ) Cate ROWさんのほうがクロ見つけてる分情報は多いですね 3 (なむなむ) xこぅちゃx 情報多いのもそうなんだけど 3 (なむなむ) シエスタXX んだねー 3 (なむなむ) あらぐむ なのでターン余裕持ちたいならROWさん吊るターンだったような TeaRabbit は ナナツボシ に言った ウツボン様の外殻の無い足からはむっ! 3 (なむなむ) xこぅちゃx 何故かTeaさんはROWさんを守ってるんよね 3 (なむなむ) あらぐむ 気がしただけです 2 (がぶがぶ) TeaRabbit 僕の考えで本当にいいのか不安です^^; ナナツボシ は TeaRabbit に言った ウツボンさんのつぼ焼き!承り! 3 (なむなむ) xこぅちゃx 狼が狐見つけろと、その為に守ってる気がする 3 (なむなむ) Cate 守ってるって言うか、狂だからどっちでもいい?みたいな雰囲気? 3 (なむなむ) シエスタXX もういっそROWさん噛まれないかな 3 (なむなむ) xこぅちゃx だから狂人は俺なのぉ・・・; 3 (なむなむ) orika 狐見つけろと思っているとしたら、初日は護衛成功だったのか 3 (なむなむ) Cate そうなの… 3 (なむなむ) あらぐむ 狼殴り合いする気なもかもぬう 3 (なむなむ) ファン Σ(゚д゚lll) 2 (がぶがぶ) TeaRabbit これで勝てたら、騙り大成功なのですけれど…モグラさんが各白ですからねぇ 5日目へ 7日目へ
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1298.html
4日目 Navi さわやかな朝がやってきました 自宅にて Emulaさん の遺体が見つかったようです… 2 (ゾンビ部屋) Gavial ほらきた。 Navi 村人の皆様、今日もがんばってください 1 (なび村) Mrチキン え Emula パ、パンダトー! 2 (ゾンビ部屋) サイア んむ Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) ミクかわいい かりゅーどおおおお 1 (なび村) Jareky 【占いCO】メルーファさんは村人、○です。パターンで推理される方なので残ってると後半有利かと思ったので占いました。 1 (なび村) ちゃわんむし ばかやろおーーーーーーーーーーーーーーー 1 (なび村) こんぶて 真だったみたいですね 1 (なび村) Phiromel ぎゃー 2 (ゾンビ部屋) サイア 明日は占い 1 (なび村) メルーファ だろうなぁ 1 (なび村) ラエスリール 狩人… 2 (ゾンビ部屋) サイア あとは殴り合い 1 (なび村) エルレイナ 真ですね 1 (なび村) xバーバラx 狩人 本物か 1 (なび村) シエスタXX 占い結果:Mr.チキン○ 占い理由:比較的寡黙かなと・・・あとパンおはやっぱりいい人だ! 1 (なび村) ふぁいたん 真だったか・・・ 1 (なび村) ナイトコスモ これは予想外 1 (なび村) ふらぽ 残念ながら占いも明日死亡確定だね 1 (なび村) エルレイナ シエスタさんは今日までの命 1 (なび村) ラエスリール となると 1 (なび村) Phiromel 昨日のミクさんへの回答:そうだね・・・仮にEmuさん噛んだ場合確かに真占いがどっちだか分かるけど その直後に占い噛まれて結局3日目の占い結果しか情報残らないんだった・・・ 1 (なび村) ふぁいたん ってことはJareさん狂人? 1 (なび村) こんぶて まぁ狂人だったらラッキー 1 (なび村) ラエスリール シエスタさん真確定だね 1 (なび村) Mrチキン これで占い確定だけど今日までですね 1 (なび村) Phiromel ごめんね変なこと言ってた 1 (なび村) シエスタXX おわったな俺 1 (なび村) エルレイナ 狂きめつけは危険 1 (なび村) ちゃわんむし あーーーーもうーーーーーーー 2 (ゾンビ部屋) サイア ここで占いが●を出せなかったので、不利だねー 1 (なび村) エルレイナ 早い段階で3COなったから 2 (ゾンビ部屋) Emula モグモグ 1 (なび村) エルレイナ 狂が出られなかった可能性もある 2 (ゾンビ部屋) サイア いらっしゃいましー 2 (ゾンビ部屋) イクさん いらっしゃいませ 1 (なび村) Jareky Emulaさん狂人だと思います。自分を偽ものに仕立てあげることができるますから 1 (なび村) こんぶて とりあえずシエスタさん吊ってから考えましょう 1 (なび村) ちゃわんむし あーどうしよう。 2 (ゾンビ部屋) Gavial おつかれさまー 1 (なび村) メルーファ 狂人が狩人COしたとも考えたけど、噛んだってことは占いに狂人かニートかかな 1 (なび村) ふらぽ まぁ人外は確実 1 (なび村) ちゃわんむし こんぶてさんそれおかしい 1 (なび村) Phiromel あ・・・そかEmuさん狂人もあるのか 1 (なび村) ちゃわんむし っと、ここでたんま 1 (なび村) Jareky サイアさんが狩人だったかも知れないと考えて下さいね 1 (なび村) ふぁいたん あー人外確定ってだけか 1 (なび村) ちゃわんむし 狩人がいない今、 1 (なび村) こんぶて 終わったな俺 って発言がなければ当然吊りませんでしたよ? 1 (なび村) エルレイナ シエスタさんは今日噛まれる運命だから吊る必要ない 1 (なび村) シエスタXX 俺吊りはおかしくない? 1 (なび村) ちゃわんむし 相方だそうと思います 1 (なび村) ちゃわんむし 反対意見どうぞ 1 (なび村) ラエスリール エルレイナさんのがよく分かんないのだが 2 (ゾンビ部屋) Gavial ま、FOだろうな 1 (なび村) エルレイナ どこが? 1 (なび村) ラエスリール と、待って、今理解したw 2 (ゾンビ部屋) サイア ウチが狩人なら、狩人COして喰われたのは何だったのでしょう 1 (なび村) ラエスリール ごめんw 1 (なび村) エルレイナ ほいw 1 (なび村) ちゃわんむし ローラー始まったら吊るけどそりゃあな 1 (なび村) こんぶて 終わったな俺 って発言でもう吊り確okです 1 (なび村) ちゃわんむし とりあえず相方出していい? 1 (なび村) エルレイナ いや、噛まれるって意味でしょう 1 (なび村) xバーバラx シエスタさんはつらないでしょう 1 (なび村) ふぁいたん 相方は出ていいかな。狩人いないし白増やした方が良いよね 1 (なび村) ふらぽ まぁ狩りが村か狂の可能性もあるけど、楽観的な期待かなぁ 1 (なび村) ちゃわんむし 多分近いうち私食われる。 2 (ゾンビ部屋) Emula んですな 1 (なび村) メルーファ 終わったな俺=狩人いなくなるから俺噛まれる ってことでは? 1 (なび村) ミクかわいい 狩人退場したので)終わったな、という可能性 1 (なび村) Mrチキン 相方CO賛成に一票 1 (なび村) エルレイナ 相方出しておkだとおもう 1 (なび村) ラエスリール 相方おk 1 (なび村) Jareky 対抗のシエスタさん、狼だと思ってます。噛み先を知っていたから呪殺対応できた。 1 (なび村) SEIRIOS いいとおもう 1 (なび村) ミクかわいい 相方いいと思います 1 (なび村) xバーバラx ほぼ確実にシエスタさん 次噛まれる 2 (ゾンビ部屋) Gavial こんぶてさんが狂だな。無視せねばならぬ 1 (なび村) ふぁいたん ちゃわんむしさん死んだら分かんなくなるしね 1 (なび村) シエスタXX まず噛まれるでしょ 1 (なび村) ちゃわんむし ◆共有CO◆相方はナイトコスモさんです 1 (なび村) ちゃわんむし 確認お願いします 2 (ゾンビ部屋) サイア Emuさん狂人だと普通に村に味方したCOになっちゃうなー 1 (なび村) ミクかわいい 確認を 1 (なび村) ナイトコスモ 共有ok 1 (なび村) こんぶて あ、ごめん シエスタさん 真の方か 1 (なび村) メルーファ 共有ナイトさん了解です! 1 (なび村) xバーバラx 相方確認把握 2 (ゾンビ部屋) イクさん そうですね 1 (なび村) Mrチキン ナイトコスモさん共有了解です 1 (なび村) ふぁいたん ナイトコスモさん共有把握 1 (なび村) ラエスリール 共有把握 1 (なび村) ミクかわいい あんこすも組成立 1 (なび村) ちゃわんむし 共有は食われるのがおーしごとー 1 (なび村) Phiromel 了解です 1 (なび村) Jareky 噛み先を占ったことにして、呪殺対応したものと思います 1 (なび村) エルレイナ 相互確認おk 1 (なび村) ふらぽ おっけーおっけー 1 (なび村) オペこ シエスタさん噛まれちゃうかな 噛まれなければ狩人は潜伏 Emulaさん人外かな? 2 (ゾンビ部屋) Emula COはかなり迷ったンですがね 2 (ゾンビ部屋) サイア なので、Jareさんが勘違いなのか、はたまた話題逸らしなのか 1 (なび村) ラエスリール それは 1 (なび村) エルレイナ ナイトさん前日発言なかったから吊り候補にあげようとしてたなんてイエナイ 2 (ゾンビ部屋) Gavial アリだけどナシやねん 1 (なび村) ふらぽ まぁ人外で噛めるのは狂しかいないので、狼も把握してないのは確か 1 (なび村) ラエスリール えむらさん狂人だったってこと?>オペこさん 2 (ゾンビ部屋) サイア Emuさんが生き残る自信があったら、まだCOしなくても良かったかもね 1 (なび村) エルレイナ オペこさん2日目から霊引きずりだそうとしてるような発言や 1 (なび村) こんぶて Emulaさん狂人だったらラッキーだけど、どうなりますかね 1 (なび村) ふらぽ 明日は占い噛むだろう 1 (なび村) オペこ もし今日シエスタさんが噛まれなければその可能性もありませんか? 1 (なび村) ちゃわんむし 今日どうするよー釣り先ーナイトさんー 1 (なび村) ミクかわいい 可能性はなくはない、かな 1 (なび村) エルレイナ グレーランの時に最初反対せずにのっかったこと 2 (ゾンビ部屋) Gavial あそこでCOすると確定するんだけど、当然狼からも分かってたから狩人判明はラッキー 1 (なび村) エルレイナ あと2日目の最後のほうに 2 (ゾンビ部屋) サイア たしかに真占いは特定できるけど、その後は殴り合いの未来しかなかったかなーっと 2 (ゾンビ部屋) Gavial で、完全なる殴り合いに突入するので・・・というわけです。 1 (なび村) ちゃわんむし あと実は昨日メルーファさんいじめたのは 1 (なび村) ふぁいたん 今日はJareさん吊る?人外濃厚だけど 2 (ゾンビ部屋) Emula あーやっぱり先のほうが良かったですか 1 (なび村) ちゃわんむし 占ってほしかったっていうのがある 1 (なび村) メルーファ Emuさんが狂人だったとして、噛んできたってことはサイアさん護衛で間違いないからかと。 1 (なび村) オペこ ん ちょっと待ってください 二日目私は 1 (なび村) エルレイナ 占いに占う目安いってほしいとか 1 (なび村) オペこ 例出る必要ありますか?と 否定しましたよ 1 (なび村) エルレイナ 占いでもないのにおかしな発言が多い気がする 1 (なび村) シエスタXX 狩人噛んでるわけだしこの狼は素直に自分噛むと思うよ 2 (ゾンビ部屋) サイア うん。ある程度占い結果を出させてから、がよかったね 1 (なび村) メルーファ =シエスタさんは真占い 1 (なび村) Jareky シエスタさん狼、Emulaさん狂人、サイアさん狩人だと、うまく自分が偽者であることを演出ことができると思います 1 (なび村) ちゃわんむし いや占うのは自由さ 2 (ゾンビ部屋) Gavial ぶっちゃけちゃわんむしさんが悪い(ぁ 2 (ゾンビ部屋) サイア せめてローラー前とか 1 (なび村) SEIRIOS 二日目オペこさん霊促してはなかったよ 1 (なび村) ちゃわんむし 俺の発言をどんだけ見てるかそれがわかればいい 1 (なび村) エルレイナ 最初の霊出ましたか?発言のことです~ 1 (なび村) xバーバラx シエスタさん 真でみます 2 (ゾンビ部屋) サイア でもー。Emuさんが生き残る事も条件なんで、タイミングむちかしいね 1 (なび村) ちゃわんむし 霊促してたのはメルーファさんな。これ豆 2 (ゾンビ部屋) Gavial だの。 1 (なび村) エルレイナ なんか誘導っぽくミエチャッテ 1 (なび村) メルーファ いや、催促してないです!w 1 (なび村) ラエスリール ジャレさんのにはかなり無理があるなあ 2 (ゾンビ部屋) サイア こればっかりはなかなか。 1 (なび村) オペこ 促してません 私の後の人の方が促して居ましたが 私ではありません 夜にでも確認お願いします。 1 (なび村) ちゃわんむし ただオペこさんは 1 (なび村) メルーファ 共有出たから霊媒は出なくていいよね ってことです・・ 1 (なび村) オペこ あーそうですか それならすいません 1 (なび村) シエスタXX 遺言じゃないけど狂人は早めに潰して良いと思うよ 1 (なび村) ちゃわんむし なぜかまとめたがっている印象がある 1 (なび村) ちゃわんむし とだけ。 1 (なび村) エルレイナ ただ3日目に 2 (ゾンビ部屋) Emula かなり迷った結果気が付いたらCOしていた 1 (なび村) ミクかわいい 霊出ますか? とおぺこさんが仰ってましたけど初出じゃなかったのかな 1 (なび村) オペこ 共有してい自体遅すぎて 2 (ゾンビ部屋) サイア どっかでCOは超アリでしたー。遅ければ遅いほど情報が出るけど、Emuさん死亡率もあがるしね 1 (なび村) エルレイナ わたしが狩人対抗いるかきいたときに 1 (なび村) Jareky 特にEmulaさん狂人はものすごい奇策です。正直驚きました。 1 (なび村) ちゃわんむし あとふらぽさんは私を敵視しすぎた 1 (なび村) オペこ CO確認もギリギリじゃないですか 1 (なび村) ちゃわんむし 遅いか? 1 (なび村) ちゃわんむし 早いと思うけど、まあ気をつける 1 (なび村) ふらぽ うさんくさいんだもんw 1 (なび村) オペこ はい MonoさんのときもCO確認はギリギリでした 1 (なび村) ちゃわんむし とりあえずナイトさんー吊りどうするよ 1 (なび村) エルレイナ 反対してたのでそこで少しだけ白くなった感じかなオペこさん 1 (なび村) メルーファ オペこさんが初出ですね>ミクさん 2 (ゾンビ部屋) Gavial じゃれこは撹乱うまいなぁ・・・w Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) ちゃわんむし 共有うさんくさいとかないよ。 2 (ゾンビ部屋) サイア JareさんはEmuさんを狂人にしたいのかな? 1 (なび村) メルーファ そのあと私の発言で、霊媒について触れてるのはそれくらいかな 1 (なび村) Jareky サイアさん静かだったし、狩人だったとしてもありえる話しです。 1 (なび村) ちゃわんむし ナイトさん、どうします? 2 (ゾンビ部屋) サイア そうなると占いに狼ってなるけど 1 (なび村) Phiromel 吊りどうしますか? 2 (ゾンビ部屋) Emula ライン切れちゃってますからね 1 (なび村) ちゃわんむし 時間ない 1 (なび村) エルレイナ 促すいたらチェックするつもりだったんだけど誰もひっかからなかった 1 (なび村) エルレイナ 促す人いたら 2 (ゾンビ部屋) Gavial ちゃわんむしェ・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア かく乱させてる系だね 1 (なび村) ふぁいたん サイアさん静だなーとは思ったけど、無理あるかなー。 1 (なび村) ちゃわんむし ミスター 2 (ゾンビ部屋) サイア 狂人でも吊り数稼げるし 1 (なび村) ちゃわんむし ミスターチキンさん、吊られてください 1 (なび村) SEIRIOS 吊り候補お願い 1 (なび村) オペこ ん 1 (なび村) ラエスリール そろそろ吊りを… 1 (なび村) ちゃわんむし COあればお願いします 1 (なび村) シエスタXX え 1 (なび村) ナイトコスモ あのタイミングで真と偽の占いを確実に判別できるのは真狩人と狼だけ 狂人は判断できない 1 (なび村) メルーファ チキさんは 1 (なび村) Mrチキン 私? 1 (なび村) オペこ ちょっと待って 1 (なび村) ふらぽ チキンさんはシエスタさんの白だがいいのか 1 (なび村) メルーファ シエスタさんの占い先 1 (なび村) ミクかわいい 囲い疑いかな 1 (なび村) xバーバラx COは? 1 (なび村) Mrチキン ○もらったけど 1 (なび村) ちゃわんむし ぎゃ 1 (なび村) Phiromel 暫定〇ですね 1 (なび村) オペこ ほぼ真のシエスタさんからの○ Navi あと1分 2 (ゾンビ部屋) Gavial これはひどい 1 (なび村) エルレイナ そこはだめw 1 (なび村) ちゃわんむし すみません、ではSEIRIOSさん 1 (なび村) こんぶて まぁ明日の噛みでわかりますしとりあえず明日待ちですね 1 (なび村) ラエスリール ほぼ確白 1 (なび村) ミクかわいい 落ち着いて・・・w 1 (なび村) SEIRIOS COなし 2 (ゾンビ部屋) サイア 露骨過ぎてJareさん吊りたいよね 1 (なび村) オペこ SEIRIOSさんCOありますか? 1 (なび村) エルレイナ まった 1 (なび村) エルレイナ セイさんも 2 (ゾンビ部屋) Emula Jareさんなんか必死だなぁw 1 (なび村) xバーバラx メモみすってた 1 (なび村) ちゃわんむし ◆SEIRIOSさん吊りでおねがいします 1 (なび村) ラエスリール COなし了解 1 (なび村) ちゃわんむし え、 1 (なび村) SEIRIOS 大丈夫だよ 1 (なび村) エルレイナ 村っぽい発言おおいから 1 (なび村) エルレイナ つりたくないな 1 (なび村) オペこ はい 村なスイマセン 投票します 1 (なび村) xバーバラx 指定把握 2 (ゾンビ部屋) サイア んむ 1 (なび村) ちゃわんむし 指定は絶対です 1 (なび村) Phiromel 時間無いので投票します 1 (なび村) Mrチキン 指定了解 1 (なび村) エルレイナ 了解~ 1 (なび村) Jareky 狂人は山かけでサイアさん護衛とした。五分五分だったと思います 1 (なび村) ちゃわんむし 村だったら申し訳ない 1 (なび村) メルーファ 時間ないし、指定されてCOないなら、従いましょう 1 (なび村) エルレイナ 時間ないですね Navi 20秒前 1 (なび村) メルーファ 時間に余裕あれば、議論できるけど 1 (なび村) ちゃわんむし あー胃が痛ぇ 1 (なび村) ふらぽ ま、真狩りが生きてるならそれはそれでいいことだ 2 (ゾンビ部屋) Emula 自分のCOは村にも狼にも嫌なカウンターパンチを入れたということですね 1 (なび村) SEIRIOS 村視・オペこ・ふらぽ・ふぁこんぶて・エルレイナ 1 (なび村) ふぁいたん SEIRIOSさん把握です><。 1 (なび村) シエスタXX jarekyさんの結果に惑わされるなよー 1 (なび村) ちゃわんむし 生きて無さそうだからこわいのよー 1 (なび村) SEIRIOS 遺言 2 (ゾンビ部屋) Gavial いや、あれが手なんだよ。じゃれは Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 4日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) Emula ほむ 2 (ゾンビ部屋) イクさん バーバラさん霊ありそうな気がします というか皆霊忘れてそうですね 2 (ゾンビ部屋) Gavial じゃれ吊れば一手損なんだよ。 (T) メルーファ > SEIRIOSさんに投票します (T) エルレイナ > セイさんでおねがいします~ 3 (GREEN) オペこ ふむ 3 (GREEN) ふぁいたん 良い感じで狂が残ったね (T) Mrチキン > SEIRIOSでおねがいします 3 (GREEN) ラエスリール 一応ずらしましょうか? 2 (ゾンビ部屋) Gavial じゃれ視点で。 (T) こんぶて > 投票 SEIRIOSさん 3 (GREEN) ラエスリール ああ、でもセイさんでいいかなあ (T) ナイトコスモ > SEIRIOS さん 3 (GREEN) オペこ 素晴らしい遺言だSEIRIOSさん 2 (ゾンビ部屋) サイア んむー (T) Mrチキン > あ、敬称忘れた^^; (T) ちゃわんむし > SEIRIOSさんで。 (T) xバーバラx > SEIRIOSさんで 3 (GREEN) オペこ うーん まぁ ずれそうにもないですよね 3 (GREEN) ラエスリール 私も入れといてくれ… (T) ミクかわいい > SEIRIOSさんでお願いします~ 3 (GREEN) ラエスリール というかあれだ 3 (GREEN) ふぁいたん 狂と合わせて5人ひょっとしたらにかけてシエスタさん行きませんか? 3 (GREEN) ラエスリール 勘違いだ 3 (GREEN) ラエスリール ほむ (T) Phiromel > SEIRIOSさんで 2 (ゾンビ部屋) サイア この時点でも、ウチが静かだったを強調してるし 3 (GREEN) オペこ いや ジャンルではわかれていたほうが いいかも 3 (GREEN) ふぁいたん あ、4人だった 3 (GREEN) ラエスリール それもいいかも 3 (GREEN) ふぁいたん モナさん><。 2 (ゾンビ部屋) イクさん 狐ありそうでしたしね (T) ちゃわんむし > 共有に楯突く村人はいない、ってよく聞くけど…さてさて 3 (GREEN) オペこ シエスタさんいきますかー (T) シエスタXX > Jarekyさんいっとくかー意味ないと思うけど 2 (ゾンビ部屋) サイア はて。全体を見て、ウチはそこまで静かだったかな? 3 (GREEN) ふぁいたん おっけー! (T) Jareky > つらすぎる。状況的に無理すぎるけど、破綻のないこと言ってるつもりだよ。 2 (ゾンビ部屋) Emula いつもと比べると静かだったかも (T) オペこ > SEIRIOSさんでお願いします。 3 (GREEN) ラエスリール はいな (T) ふぁいたん > シエスタさんにお願いしますー 2 (ゾンビ部屋) サイア ぇー 3 (GREEN) オペこ 入れました~ (T) ふらぽ > Jarekyさんに投票で。 (T) ラエスリール > シエスタさんに投票 2 (ゾンビ部屋) サイア ちなみに、いつもよりは喋ったつもり 3 (GREEN) ふぁいたん 入れましたん 2 (ゾンビ部屋) サイア 普段、3,4日目くらいまで、結構寡黙よ 3 (GREEN) ラエスリール 投票終了 3 (GREEN) オペこ 吊れなくても今日噛んで村に情報なし なぐりあえー(^o^) 3 (GREEN) ラエスリール とゆーわけで 2 (ゾンビ部屋) Gavial サイアさんが大体静かだよ。最初は。 3 (GREEN) ふぁいたん さて、黒出し怖いしさっさか噛んじゃいますか 2 (ゾンビ部屋) イクさん すもさんとかもそんな感じですよね (T) Jareky > シエスタさんに投票します。ずっと。まあどっちみち明日にはいないだろうけど・・・ SEIRIOS10 Jareky3 シエスタXX3 3 (GREEN) ラエスリール 噛みは真占いですね 2 (ゾンビ部屋) サイア んむ 2 (ゾンビ部屋) Gavial 私も何もなければ初日は観察してる 3 (GREEN) ラエスリール 霊が出なかったのが謎だが… 3 (GREEN) ラエスリール 黒出たのにね 2 (ゾンビ部屋) サイア なのに、静か。ってのを強調するのが話題逸らしに見えてねー 3 (GREEN) ラエスリール と、そこまで思って 2 (ゾンビ部屋) Emula (自分の初参戦の時がブイブイ発言していた印象が強い) 3 (GREEN) ラエスリール ガヴィさん霊かな 2 (ゾンビ部屋) サイア わは Navi さよなら SEIRIOSさん …あなたの勇姿は忘れない SEIRIOS 実家(墓地)へ帰ります! 2 (ゾンビ部屋) サイア よく喋るときは、大抵狼なんです。とメタ情報 2 (ゾンビ部屋) イクさん 発言は多いですね ただ狼4票発言してる辺り後半を意識した狐視点発言あるかも、と思いました Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です 2 (ゾンビ部屋) Gavial 実家・・・w Navi 役職の方は私にTellお願いします 3 (GREEN) ふぁいたん うむ。んで明日以降自分を指定されたら霊で出てJareさん生贄に一日生き延びましょうか 4 (パリっ子) ナイトコスモ まずいな 4 (パリっ子) ちゃわんむし ごえん…もう何がなんだか 3 (GREEN) ラエスリール んー 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ぞんびいーん 3 (GREEN) ふぁいたん まぁ明日Jareさん吊られるだろうけど 2 (ゾンビ部屋) サイア おかえりー 2 (ゾンビ部屋) Gavial おつさまー 3 (GREEN) ラエスリール そうなると霊視点では狼4生き残りか 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ただいまー 3 (GREEN) オペこ ん?ガヴィさん霊媒ですか? 4 (パリっ子) ちゃわんむし Emuさん、これで負けたら恨む… (T) ミクかわいい > 霊媒です、亡くなられた SEIRIOS さんは生前どんな方だったでしょうか 3 (GREEN) ラエスリール 昨日出なかったから、多分ね 2 (ゾンビ部屋) イクさん ミクかわは私のです お帰りください 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS さあ今日の勘はあたるかなー 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS えー (T) ミクかわいい > 今日はSEIさん、カタカナなのね・・・w 4 (パリっ子) ちゃわんむし 私達を噛んで欲しいところだけど、嬉々として占いいくだろうな… 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS じゃあ天丼だけで良いよ 2 (ゾンビ部屋) イクさん それならいいですよ 4 (パリっ子) ナイトコスモ こんなけ大人数にべらべらしゃべられたら 落ち着いて推理ができん 3 (GREEN) ラエスリール どうしよう 3 (GREEN) ラエスリール 乗っ取ってもいいけど 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ありがとう (`・ω・´) (T) シエスタXX > 絶対報われない占いだがオペこさん占う 4 (パリっ子) ちゃわんむし だね… 3 (GREEN) ラエスリール むーん… 2 (ゾンビ部屋) Emula 花粉でくしゃみが止まらぬ… (T) ふらぽ > なんかピリピリしてるなぁ…コワイコワイ (T) ミクかわいい > Merton さんはCCOや反論や遺言もなく吊られていったので、私が狂人と見られそうでCO躊躇いました。狼が噛みそうな役職も多く居たので、潜伏することができると考え、潜伏しました。 2 (ゾンビ部屋) イクさん ゆっくりむしゃぶっていってね (T) ミクかわいい > こんなところかなあ・・・ 4 (パリっ子) ちゃわんむし SEIRIOSさん吊ろうとしたときなぜエルレイナさんがかばいにきたのか (T) > ミクかわいい SEIRIOSさんはただただコンチLOVEなだけの村人でした!○ 4 (パリっ子) ちゃわんむし ちょいと睨んだ (T) ミクかわいい > (*>ω<)ゞ 3 (GREEN) オペこ ・せあt 3 (GREEN) オペこ ミス 3 (GREEN) ラエスリール 生存15 4 (パリっ子) ナイトコスモ 明日 14人6ターン 狼4狂人1 の可能性が高い 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS 甜茶と青シソが花粉症にはよいそうな・・・ 4 (パリっ子) ちゃわんむし あとこんぶてさんの急なシエスタさん吊り。村全体では彼女を真寄りに見ている中で目立つな (T) > シエスタXX オペこさんは極悪非道な真っ黒狼でした!● 3 (GREEN) オペこ あれ ガヴィさんって死にましたっけ 4 (パリっ子) ちゃわんむし 明日霊媒出てもらって即ローラー (T) ラエスリール > シエスタさんで 2 (ゾンビ部屋) SEIRIOS ちと墓地でも寡黙になりまするー。 (T) シエスタXX > ぎゃあああ 2 (ゾンビ部屋) イクさん ヨーグルトもかなり効くといいます 3 (GREEN) ラエスリール 初日に噛んだw 2 (ゾンビ部屋) Emula メモメモ 3 (GREEN) オペこ あー 忘れてました 4 (パリっ子) ちゃわんむし しないと駄目ですなこれ…つか今日霊媒でてローラーしたほうがよかったか (T) > ラエスリール おいしく食べてね! (T) ミクかわいい > っとと 2 (ゾンビ部屋) Gavial とっとと医者にいってみてもらうのが金銭的にもベター (T) シエスタXX > 伝えたい!この思い! 4 (パリっ子) ちゃわんむし と、相談しようとしたけどナイトさん反応ないんだもーーんn 3 (GREEN) ラエスリール 正直、霊の出ない理由はないし 3 (GREEN) オペこ すいませんめもりました 2 (ゾンビ部屋) jemica 耳鼻科通いの冬 (T) ミクかわいい > ●はもなくろさんだったじゃないwアブナイアブナイ 3 (GREEN) ラエスリール 多分死んでる 4 (パリっ子) ナイトコスモ あの流れでは読みきれず 3 (GREEN) オペこ ですよねー でもまぁ 迂闊なことはしないほうがいいかも 3 (GREEN) ラエスリール で、CO状況からするとまずガヴィさんが霊 3 (GREEN) ラエスリール ふむ 4 (パリっ子) ちゃわんむし まあ仕方ない 3 (GREEN) オペこ 4だから2出るまでは~とか 指定されるまでは~とか考えてるかも 3 (GREEN) オペこ まぁ 3 (GREEN) オペこ 出るなら応援します! 3 (GREEN) ラエスリール では殴り合いで行こうかw 2 (ゾンビ部屋) Gavial 一か月分のお薬(錠剤+点鼻薬)+診察料で3千円ポッキリアルネ 3 (GREEN) オペこ なぐりあえー(^o^) 3 (GREEN) ふぁいたん おう! 3 (GREEN) ラエスリール うおー 4 (パリっ子) ちゃわんむし あとあれだ。共有に楯突く人に村人はいない、という昔の人の格言からもう、ふらぽさん、メルーファさん、オペこさん疑いまくりんぐ 3 (GREEN) オペこ 今日の噛みは大丈夫ですか? 3 (GREEN) ふぁいたん メモふっとんでログ急いで確認してたw 3 (GREEN) ラエスリール テル完了済みです! 2 (ゾンビ部屋) jemica 鼻洗浄が何よりもありがたい 3 (GREEN) オペこ ありがとうございます! 4 (パリっ子) ナイトコスモ 狼立候補なら狼はしゃべりまくる可能性も高い 3 (GREEN) ふぁいたん あざーっす! (T) ミクかわいい > チキンさんを囲いといったのは村っぽくないこと言って狼の噛み対象から外れるためだったということにしよう (T) エルレイナ > オペこさん4日目のシエスタさん噛まれなければEmulaさん人外発言…狼にシエスタさん残してシエスタさん人外説を提唱しようとしてる人外くさいなぁ 4 (パリっ子) ちゃわんむし かなり強気な発言が目立ちます。また現時点で狂に見えるジャーキーさんがメルーファさん占って囲って来たのも。 (T) ミクかわいい > (メモ間違えてただけなのはヒミツ 4 (パリっ子) ちゃわんむし うん、四人いるからね 4 (パリっ子) ちゃわんむし 霊媒に確実に狼出るから (T) エルレイナ > 潜伏狂も疑いたいとこだな~ 4 (パリっ子) ちゃわんむし 明日霊媒出るよう促して、ローラー 4 (パリっ子) ちゃわんむし その後占い生きてたらジャーキーさんから吊っていこう (T) > ミクかわいい 汚い さすが天丼屋汚い 3 (GREEN) ふぁいたん えっと今まで吊られたのって誰とせいりおすさんだっけ (T) ミクかわいい > (*ΦωΦ)ウケケケ 4 (パリっ子) ちゃわんむし しかしシエスタさんの占い先 3 (GREEN) ラエスリール メルトンさん 4 (パリっ子) ナイトコスモ 霊媒に騙り出てきて霊媒co2名になってくれればたすかるが 4 (パリっ子) ちゃわんむし 寡黙か… 3 (GREEN) ふぁいたん おっす><。 4 (パリっ子) ちゃわんむし ひとりとかだと 4 (パリっ子) ちゃわんむし もう絶望… 3日目へ 5日目へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3824.html
前ページ次ページゼロの魔獣 アルビオンへの隠密行から一週間―。 狂乱の四日は思い出の彼方へと過ぎ去り、呆けたような日常が戻ってくる。 アルビオン王家の滅亡、『レコン・キスタ』の台頭、呉越同舟のトリステイン・ゲルマニア・・・。 政治屋にとっては最高の売り込み時であり、歴史屋ならば「嵐の前の静けさ」と評する動乱期であろうが とかく一介の学生にとっては退屈な日々が続いていた。 もっとも、あれだけの死闘を繰り広げてきたのだ。何一つ変化が無かったわけではない。 螺旋階段を上るが如く、慎一の周囲にも徐々に変化が見られていた。 先ず、慎一を見る周囲の目が変わった。 ギーシュが大々的に自らの手柄話を語った結果、 『最優秀助演男優賞』 の慎一にも好奇の視線が向けられるようになった。 この頃には、初めの頃の慎一が持っていた、抜き身の刃物のような危険さも薄れており ギーシュ相手に軽口を叩くような姿も見られるようになっていた。 (まあ、それでも何とは無しの緊張感は漂わせていたが・・・) そして、その変化の際たるものが、シエスタの接近であろう。 初めは慎一を最も警戒していた一人であった黒髪の少女が、ここ最近、妙に世話を焼くようになっていた。 シエスタの中で大きかったのは、真理阿の存在だ。 友人であり、恩人であった真理阿と慎一が同一人物(厳密には違うが)である事を知った事で 彼女は慎一を強く意識するようになった。 また、慎一が普段、着の身着のまま、些事に無頓着な生活を送っている事も、シエスタの保護欲をくすぐった。 だが、彼女が慎一に執着する理由は、別のところにあった―。 「最近 よく見るわね・・・ あのメイド」 「・・・・・・」 「私とした事が迂闊だったわ そうよね 獣を釣るならやっぱり餌付けよね」 「・・・なにが言いたいのよ? キュルケ」 「別にぃ ただ 何かアンタ ここ最近 妙にカリカリしてるかなあって」 キュルケの指摘を受けルイズがガバッと立ち上がる。 「バ ババカ言ってんじゃ無いわよ!! なんであたしが 使い魔とメイドのイチャついてるところを見て イライラしなきゃいけないのよッ!!」 「言ってないわよ そんな事 ・・・どこ行くの?」 「部屋!!」 「やめときなさいよ 馬に蹴られて死ぬわよ」 「主が自分の部屋に戻って何が悪いのよ!」 言いながらルイズは、ずんずんずんと進んでいく。 道中考える。なぜ自分がこんなにも怒っているのか? 嫉妬なハズはない。 慎一は自分の好みのタイプでは無い・・・と思う。 宇宙が一巡しても、自分と慎一の恋のヒストリーなど始まりはしないであろう事は断言できる。 真理阿・・・そう 真理阿だ!! 真理阿は慎一に全てを捧げるほど、慎一の事を思っていたのだ。 その彼女を体内に宿しながら、目の前の餌にホイホイ釣られるバカゴリラが許せるワケがない。 主として、真理阿の友人として、徹底的に教育してやる! そういう事にしておこう。 うん。 一方その頃、ルイズの部屋では、史上最強の魔獣が無様にも餌付けされていた。 慎一の辞書に色恋沙汰の文字は無い。 一匹狼の気質である彼にとって、シエスタの甲斐甲斐しさは正直な所煩わしい。 煩わしい・・・ が、豪華な昼飯を棒に振ってまで、冷たく当たる必要は無いんじゃないだろうか? そんな感じで、今日も今日とて餌付けされていた・・・。 「それにしても いつ見てもシンイチさんの食べっぷりは気持ちいいですね」 「そうか?」 「そうしていると、まるでおじいちゃんが傍にいるみたい」 「そんな年じゃねえ!」 「いえ ゴメンなさい! そうじゃなくて・・・ ―何ていうか すごく雰囲気が似てるんです 普段は豪放で明るいのに 時折フッと寂しい目をするところとか」 「・・・そんな目 してたか?」 「してますよ 一人でいる時とか まるで ここではない どこか遠い世界を思っているような・・・」 「・・・・・・」 「わたしのおじいちゃん 変な人だったんです いつも変わった事を言ってました 自分は別の世界から来たんだ・・・とか」 「・・・別の 世界?」 慎一のスプーンが止まる。 常ならぬ雰囲気に、シエスタはキョトンとしている。 「なあ シエスタ ・・・お前の爺さん どうやってこの世界に来たって言ってた?」 「え? あの・・ 金属の乗り物です ウチの村では『竜の羽衣』って呼ばれてて それで東から飛んできたって・・・ それで ・・・確か・・・ 」 「『飛行機』」 「・・・ッ! そうです おじいちゃんもそんな事を言ってました でも なん―― キャッ!?」 突然慎一に両肩を掴まれ、シエスタが悲鳴を上げる。 「そいつは! ソイツは今 何処にある!?」 「シ・・・シンイチさん!?」 「教えてくれ! そいつは・・・ お前の爺さんは生きているのか!? その飛行機は 今も飛ぶのか?」 「・・・祖父は 祖父は五年前に亡くなりました 羽衣は・・・ わたしも村の人たちも 飛んだところを見た事がありません」 「・・・そう なのか・・・?」 「― あの? シンイチさ ・・・あっ・・」 思わず後ずさりしたシエスタが服の裾に足を引っ掛ける。 とっさに慎一が引っ張りあげた結果、ふたりはルイズのベットの上にもつれこんだ。 「・・・・・・・」 「・・・シン・・・イチ さん? あ あの・・・」 はからずも押し倒される形となり、戸惑いの声を上げるシエスタを気にもせず。 慎一は改めて、少女の顔をまじまじと見つめた。 無限の宇宙を映すようなつぶらな黒い瞳、漆で塗り上げたような艶やかな黒髪。 何故、今まで気づかなかったのか。 ラ・ロシェールでもニューカッスルでも、他には見た事の無い色。 「・・・黒い髪っていうのは この世界では珍しいのか?」 「えっ? ええ・・・ わたしは おじいちゃん似なんです おじいちゃんも 若い頃は黒髪だったって きっと 東の方から来た人間だからだって・・・ それで」 シエスタは瞳を逸らし、頬を赤らめながら必死に答える。 『聖地』の更に東、『ロバ・アル・カリイエ』― まったく別の世界からやって来た、という男の話を信じるよりは 伝説でしか知らない未開の地から来たと、村人たちは結論付けるであろう。 だが、まったく別の世界、『地球』からやってきた慎一には直感的に分かる。 おそらくはシエスタの祖父は・・・。 思索に耽りながら、慎一が無造作にその黒髪をなでる。 シエスタは暫くまごまごとしていたが、やがて覚悟したようにひとつ頷くと、ゆっくり瞳を閉じた。 ぎいっ、という扉の開く音がして、 ― 目を点にしたルイズが姿を見せる。 時間が止まった・・・。 「ミ ミス・ヴァリエール・・・!」 「シ シ シシシンイ こ これはいった・・・」 「取り込み中だ 後にしろ」 慎一が、顔も向けずにぶっきらぼうに言う。 ルイズの中で、ぷつん、と、決定的な何かが音を立てて切れ―― ド ワ オ オ オ ッ ! ! ! ! ― 学院の一室に、巨大な風穴が開いた・・・。 前ページ次ページゼロの魔獣
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9235.html
前ページ次ページNeverwinter Nights - Deekin in Halkeginia タバサが木々の陰に身を隠しながらディーキンに対して激しい感情の炎を燃やしていた、ちょうどその時。 「……っ、そこの烏! こちらを向きなさい!」 やや離れた場所にいたシエスタが、突然鋭い声を上げた。 一体何事かと、ディーキンもタバサも、思わずそちらに注意を向ける。 見れば、シエスタはどうやら、木の上にとまっている一羽の烏を厳しい目で睨みつけているようだ。 彼女は懐から取り出した果物ナイフをいつでも投げつけられるように烏に向けて構えながら、もう一方の手をデルフにかけていた。 傍から見れば、正気を疑われそうな奇行だろう。 「……?」 さすがのディーキンも、彼女が一体何をしているのかすぐには理解できず、きょとんとする。 タバサもまた、一瞬怪訝そうに眉根を寄せた。 しかし、彼女はじきに我に返ると、ディーキンがシエスタの方に明らかに気を取られていることに着目した。 (好機) もっと余裕のある精神状態の時の彼女なら、暗黙の了解の上での一時休戦として、ディーキンが自分に注意を戻すまで待っただろう。 これは所詮は試合であって、ルール無用の殺し合いとは違うのだから。 だが、今のタバサは“任務”に臨んでいる時と同様に、いやある意味ではそれ以上にも、勝つことに執着していた。 それにディーキンが、自分との真剣勝負よりもシエスタの些細な奇行の方に注意を惹かれているのも、気にいらなかった。 戦いの最中に、余所事に気を取られている方が悪いのだ。 彼女は自分にそう言い聞かせると、今まで以上に強力な攻撃呪文の詠唱を始めた。 用いる呪文は『ライトニング・クラウド』である。 単体目標に対する電撃を放つこの呪文は、これまでに用いた風の刃や氷柱の矢のように防具や外皮で防ぐことはできない。 一旦距離内の目標に放たれれば、ほぼ瞬時に着弾する雷の速度ゆえに、回避することもまず不可能である。 本来ならば、試合で用いるには危険過ぎる代物だ。 電撃は体のどこに当てても全身へ通電するため、風の刃などのように急所を外して狙うということはできない。 殺傷力も高く、並みの人間に放てばまず致命傷。即死することも珍しくはないのだ。 しかし、ディーキンの体の頑丈さから言って、死ぬことはまずないとタバサは考えていた。 それどころか、さらなる追撃が必要だとさえ踏んでいた。 (彼が電撃で動けなくなったら、『ジャベリン』で足を狙う……!) それは、先程の『ウィンディ・アイシクル』とは段違いに威力のある、一本の太く長い氷槍を放つ呪文だ。 並みの金属鎧程度なら、胴体ごと貫けるだけの威力がある。 痺れてガード体勢が取れないうちにそれを叩き込んで足を砕き、勝負を決めるのだ。 この時、もしもタバサが本当に冷静だったなら……。 そのような危険な攻撃を仕掛けようなどとは、決して考えなかっただろう。 仮にディーキンが彼女の想定よりも頑丈でなかったなら、電撃が致命傷を与えてしまうかもしれないのだ。 その後の追撃にしても、足を砕こうなどというのはやりすぎだろう。 実戦ならばいざ知らず、友人同士の試合でやるような攻撃ではないはずだ。 たとえ無事だったにしても、そんな攻撃をした自分のことを、後で彼は何と思うだろうか? 結局、今のタバサは勝利に執着して焦るあまりに、しっかりと後先を考えられなくなっていたのだった。 (なんだぁ? この女ぁ……!) 大烏は、自身の栄光に満ちた未来絵図の妄想に耽っていたところを突然邪魔されて、イラつきながらも眼下のシエスタに注意を向けた。 よりにもよって、劣等な世界の、下賤な人間の、卑しい端女ごときが。 近未来の万物の支配者、アスモデウスをも平伏させるであろう者、この大悪魔ジェベラットに対して……。 (……んぁ?) ジェべラットはそうして妄想の続きに浸りながらシエスタを睨んでいるうちに、ふと妙なことに気が付いた。 目の前の女の、ただの黒髪とは一線を画する、金属的な光沢の髪。 それに輝くような白い肌に、黒真珠のような瞳の奥の煌めき。 先程までは別段注意も払っていなかったが、よく見るとただの人間とは少し違うような……。 (なんだぁ、こいつ……?) 彼は、胡乱げに顔をしかめてシエスタの顔を注視し、こいつは何者かとしばし考え込む。 そして突然、答えに思い当たると、ぎょっとして目を見開いた。 (な、なんで天界の下僕が、こんなところにいやがるんだ!?) シエスタは要求通り自分の方を向いた烏に対して、一旦手に構えたナイフを下し、デルフから手を離した。 そして、じっと烏の方を見つめたまま、言葉を続ける。 「……言葉がわかるのなら、ここへ来た目的を答えてください。 私には、あなたの悪意はわかっています。なぜ、あのお二人を見て嗤ったのですか?」 語気はやや穏やかになったものの、その顔つきは厳しいままだった。 彼女は先程、パラディンとして授かった《悪の感知(ディテクト・イーヴル)》の能力を、初めて試してみたのだ。 その結果は、あの不審な烏が“悪しき者”だと告げていた。 動物の属性が『悪』であることは、通常ありえない。 彼らは普通、『真なる中立』の属性だ。動物には物の善悪や、秩序と混沌の区別を判断する能力などはないからである。 つまり、あの烏はただの動物などではない、ということになる。 そして何よりも、パラディンはいついかなる時でも、その力の及ぶ限り悪に立ち向かうものなのだ。 (……畜生、セレスティアの搾りカスみてえな雌犬の分際が、偉そうにしやがって……!) ジェベラットは、内心で忌々しげに悪態をついた。 だが、彼は感情のままシエスタに襲い掛かるほど愚かではない。 思いもかけぬ邪魔者への憎悪と苛立ちとを募らせる一方で、この状況でどう行動すべきかを、冷静に考えてもいた。 目の前の、おそらくはパラディンであろう女の強さのほどはわからない。 しかし、正面から戦って勝てるかといわれれば、正直なところあまり自信はなかった。 忌々しいことだが、自分の力は戦闘能力という面では大したものではないのだ。 ましてやここで正体を明かして戦えば、近くにいるコボルドや人形娘も、おそらくは介入してくるだろう。 それでは到底、勝ち目はなくなるし、彼らを利用する計画も台無しだ。 ゆえにジェベラットは、直ちに撤退することを決断した。 ここで死んで、地獄に送り返されてはたまらない。せっかくの美味しい狩場を、こんなことで手放せるものか。 このような馬鹿げた、ささやかな偶然ごときで、自分が躓くわけにはいかないのだ。 絶対に生き延びて、こいつらの情報を自分の手柄に変えてやろう。 なあに、逃げるだけならどうとでもなるだろう。 相手はたかが、脆弱なアアシマールのパラディン一人だ……。 「どうしたんですか、答えてください。 それとも、話せないのですか。それなら……、」 ジェベラットはシエスタの言葉など無視してじっと精神を集中させ、自分の内に備わった魔法的な力を呼び起こす。 次の瞬間には、彼の姿はふっと掻き消えて、目には見えなくなった。 「……あっ!? ま、待ちなさい!」 シエスタは慌ててナイフを構え直すと、見えない相手が先程までいた枝のあたりへ投げつけた。 しかし、刃物は虚しく空を切る。 彼女がナイフを投げた時には、ジェベラットはとうに枝を蹴って飛び立っていたのだ。 「っ、……どこに!?」 シエスタは懸命に顔を上げて空を見回したが、まるで何も見えはしない。 そんな彼女を嘲笑うかのように、カアカアという烏のしゃがれた鳴き声が、上空から響いた。 もしここにクロスボウがあれば、シエスタは無駄を承知で、矢弾が尽きるまで盲滅法、空中へ向けて撃っていただろう。 だが彼女は、パラディンだとはいえ、普段はあくまでも学院のメイドでしかないのである。 そんな物騒なものを、日常的に持ち歩いたりはしていなかった。 (くっ……!) 何もできない己が身の無力さに、シエスタは歯噛みをした。 だがこのまま、不審かつ邪悪な存在をみすみす学院から逃すわけにはいかない。 やむなく決闘中の2人に協力を求めようと振り向く。 しかし、その時には既に、2人はシエスタの言葉を待つまでもなく、それぞれの行動を起こしていた……。 タバサは木の陰で密かに『ライトニング・クラウド』の呪文の詠唱を終えると、ディーキンの様子をもう一度確認した。 彼は相変わらず、烏に話し掛けるという奇行を続けているシエスタの方に注意を向けたままだ。 「……っ、」 タバサはその端正な顔を、僅かながら悔しげに歪めた。 私との勝負の最中だと言うのに、そんなにもそのメイドの様子が気になるのか。 私などは取るに足らない、問題にもならない相手だとでもいうのか。 彼女は内に激しい感情を秘めながらも、慎重に息を潜めて、じっとディーキンの動向を伺った。 ディーキンはシエスタが烏に向けて悪意云々と言ったあたりで、困惑したように首を傾げる。 そして、荷物袋に盾を持っていない方の手を入れて、何かを取り出そうとした。 (今……!) タバサはディーキンの両手が完全に塞がった、その瞬間を見逃さなかった。 すかさず攻撃しようと、木の陰から飛び出す。 「……ン」 ディーキンは非視覚的感知の能力によって、タバサが木の陰から顔を出した瞬間には彼女の所在に気が付いていた。 しかしちょっと小首を傾げただけで、タバサの方に注意を向けることはなく。 そのまま荷物袋をいじりながら、シエスタの方を観察し続けていた。 別に、ディーキンはタバサを侮ったり軽んじたりしているからそんな態度を取ったわけではない。 むしろ、彼女を信頼しているからこそだといえる。 タバサとの一件はあくまでも試合だが、シエスタの方はもしかしたら、もっと重大な事態かも知れないのだ。 と、なれば、当然そちらの方が優先されるべきだろう。 こんなアクシデントが起きたのだし、きっと察しのいいタバサなら、暗黙の了解で戦いは一時中断にしてくれるはずだ……。 ディーキンは、そのように考えていたのである。 だが実際には、タバサは今、目の前の戦いのことしか頭になかった。 今の彼女にとっては、シエスタや烏のことなどは二の次三の次であり、ほとんど眼中にない。 タバサは躊躇せずに杖をディーキンの方に差し向け、あらかじめ唱えておいた『ライトニング・クラウド』の呪文を解き放った。 途端にタバサの頭上の空気が急速に冷えはじめ、ちくちくと彼女の肌を刺す。 空気が震え、大きく弾けると同時に、タバサの周辺から発生した稲妻がディーキンに向けて走った。 「……えっ?」 空気中に作られた小規模な雷雲に導かれた電撃は、直前にやや驚いたような顔で振り向いたディーキンの体を直撃し、全身へ通電した。 彼の全身を覆うウロコの間に、バチバチと激しく火花が散る。 「オオォ……、ッ!?」 ディーキンは全身に走る不快な刺激に、顔をしかめる。 しかし、ダメージ自体は大したものではなかった。 一般人ならばほぼ確実に死ぬだろうが、ディーキンにはこれよりももっと強烈な電気を喰らった経験はいくらでもある。 だがそれは、タバサも事前にある程度は予想していたことだ。 彼女はディーキンが倒れないのを見ても動じることなく、速やかに次の呪文を唱え始める。 予定通り、『ジャベリン』を近距離から足へ放ってやるつもりだった。 体が痺れて上手く動かない間に、自分の足よりも太い氷槍を間近から受ければ、流石に彼とて……。 「……!?」 そう考えていたタバサは、しかし、次の瞬間、彼女の想定をも超える、信じがたい反応を目の当たりにした。 ディーキンは全く痺れなど感じさせない動作で、荷物袋の中から小さな弓と矢を取り出したのである。 しかもあろうことか、それをタバサに向けて構えるでもなく、彼女を無視するかのように、またシエスタの方に視線を戻した。 おまけに、弓を構える邪魔になるからか、それまでタバサからの攻撃を防ぐのに使っていた大盾を外し始めた。 タバサが今、目と鼻の先にいるというのに。 (……そこまで……!!) そこまで、それほどまでに自分を馬鹿にするのか。 許せない、絶対に。 心が猛り狂う冷たい氷嵐で満ち、感情の高ぶりが、タバサの魔力をより高めていく。 タバサは、一層目を鋭く、冷たくすると、内心の激情を押し隠して淡々と詠唱を続けた。 「……ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ ハガラース……」 彼女は詠唱に合わせて杖を回転させ、それに伴って身体の周りを大蛇のごとく巨大な氷の槍が回り始める。 槍は回転するうちに膨らみ、どんどんと太く、鋭く、冷たい青の輝きを増していく……。 その時、ディーキンがやや首をかしげると、突然ひょいとタバサの方を振り向いた。 「ねえ、タバサ。悪いけど、ちょっとだけ戦いの続きは待ってほしいの。 今はシエスタの方が、何だか気になるからね」 ディーキンは、タバサに向かってふるふると首を振ってそう頼むと、ひとつお辞儀をして、またシエスタの方に目を向け直した。 目の前で剣呑な氷の槍が回転している最中だというのに、まったくいつも通りの様子だった。 タバサは、その時間近でディーキンの瞳を見つめ……。 そこに宿る感情の正体を悟ると、愕然とした。 今まさに、並みの人間なら命を奪われかねないような呪文で不意討ちを受けた直後だと言うのに。 目の前で、それにもまして強力な攻撃を仕掛けられようとしているのに。 そこには敵意も憎悪も、侮蔑も警戒もなかったのである。 ディーキンの瞳の奥にあるのは、ただ、いつもとまったく変わらない信愛の感情だけだった。 タバサは、今度こそはっきりと悟った。 彼がまるで無警戒に盾をしまい込んだのも、こちらに背を向けたのも、自分を侮っているからなどでは決してなかったのだ。 彼はただ、自分を、心から友人として信頼してくれているのだ。 先の不意打ちも、彼はただ、態度で休戦の意志を示したつもりが意思疎通に不具合があったのだ、程度にしか思っていないのだろう。 こちらが彼の意志を無視して攻撃したなどとは、少しも疑ってさえいない……。 (……私、は……) タバサは、完成した『ジャベリン』を杖の先に纏わりつかせたまま、呆然として立ちすくんだ。 怒りも憎しみも一瞬で吹き飛び、どうしたらいいか、自分がどうしたいのか、わからなくなってしまったのだった。 “だから、なんだ? 彼が自分のことを信頼しているから、それがなんだというのだ?” 戦いは非情、油断する方が悪いのだと、自分はこれまでの戦いで嫌というほど学んだではないか。 何を躊躇う必要があろうか。 この甘い、おめでたい亜人にも、自分が否応なく味わわされてきた現実の厳しさを叩き込んでやればいいのだ。 あの一点の曇りもない脳天気な笑顔を、今度こそ崩してやりたい……。 タバサの心の一部には、確かにそう唆す昏い感情があった。 しかし、タバサにはその声に従って杖を振り下ろすことが、どうしてもできなかった。 彼女の脳裏を、今は亡き、愛する父の面影がよぎる。 (……父さま……) タバサの父であり現ガリア国王ジョゼフの弟であったオルレアン大公シャルルは、信頼していた兄に裏切られて殺された。 (父さまは、伯父を心から信頼していた……) なのに、伯父は恥知らずにもその信頼を裏切って、父を暗殺した。 才能あふれる弟への嫉妬と、王座への欲望がその動機だった。少なくとも、タバサはそう信じている。 ……では。今自分が、ディーキンに対してしようと思ったことは何だ? 自分は、彼に身勝手な妬みや僻み、歪んだ執着を抱くあまり、彼からの信頼を無視して背後から攻撃したいと考えたではないか。 しかも、死んでも構わないというほど、本気で攻撃しようとしたではないか。 足を狙おうという考えさえ、最後の瞬間には吹き飛んでしまっていた。 そのままいけば、心臓や首筋を狙っていたかもしれない。 聡明なタバサには、その事をはっきりと認識できた。 そして、それを自分の中で適当に誤魔化して済ませてしまうことができないほどには、彼女は高潔だった。 杖を握る手が、微かに震える。 今、自分のしようとしたことは、あの恥知らずな伯父が父に対してしたことと、一体どれほど違うというのか……。 (……自分も、父さまや母さまの仇である、あの伯父や従姉妹と同じ。 私にも、あの恥知らずな、ケダモノの血が流れている……) これまでずっと目をつぶってきた、否定しようとしてきたその事実を、タバサは今、痛感せずにはいられなかった。 タバサは自分の中のその黒い心そのものに対して、今はっきりと向き合った。 そのことは、命懸けの任務の最中にあっても久しく感じたことのなかったある種の恐怖にも似た感情を、彼女に覚えさせた。 今のタバサにとっては、これまでの任務で出会ってきたどんな怪物よりも、自分自身が恐ろしかった。 一方、シエスタの方に視線を向け続けていたディーキンは、そのようなタバサの内心の葛藤に気が付くことはなかった。 しばし眺めているうちに、烏の方にはっきりとした変化が見え、ディーキンは目を見開く。 じっと枝にとまっていた烏の姿が、急激に透き通り始めたのである。 (オオ……!?) ディーキンには、その烏が《不可視化(インヴィジビリティ)》の疑似呪文能力を使ったのだということがわかった。 しかし、ディーキンにはその烏の姿が、半透明に浮かび上がって見えていた。 これは永続化してある、《不可視視認(シー・インヴィジビリティ)》の効力である。 烏はそのまま枝から飛び立ったが、シエスタに自分の姿が見えていないのに安心したのか、なかなか逃げていこうとしない。 そこらを飛び回りながら、彼女を小馬鹿にしたようにしゃがれ声で鳴きはじめた。 さてどうしたものかと、ディーキンは素早く考えをめぐらせる。 このような能力を持つ以上、この烏が普通の動物でないのはもはや疑いようもない。 しかも、シエスタは悪の存在だと言っていた。 パラディンがそう言うのだから、間違いないだろう。 ならば正体はわからないが、すぐに弓で射殺してしまうべきだろうか? しかし……、パラディンであるシエスタには、自分の手で悪を討ちたいという思いがあるはずだ。 敵の強さにもよるが、自分だけで片付けてしまうのは彼女に申し訳ない気がした。 それに、正体がわからない以上は、捕まえて訊問してみる方がいいかもしれない。 (ウーン、上手く捕まえられるかな……?) ディーキンはひとまず方針を決めると、弓を片手に持ち直し、空いた手でもう一度荷物を探って、『足止め袋』をひとつ取り出した。 そうしてから、すっかり油断しきって空を悠々と飛んでいる烏の方へ、翼を広げて飛び立つ。 (………はっ?) 油断しきっていたうえに、シエスタの方にばかり注意が向いていたジェベラットは、ディーキンの接近に気付くのが遅れた。 もっとも、仮に事前に気が付いていたとしても、ディーキンの方が飛ぶのは早い。 (こ、このトカゲ野郎……、俺が見えてやがるのか!?) タバサを軽くあしらうのを見てはいたが、たかがコボルド、物質界の弱小な種族だと、心のどこかで油断していた。 慌てて身を翻そうとしたが、既に手遅れだ。 ディーキンの投げた袋がジェベラットに直撃して破れ、内部に詰まっていた粘性の高い錬金術物質が彼の、烏の体を絡め取る。 ジェベラットは必死にもがいたが、空気に触れてたちまち強靭な弾性を帯びたネバネバからは逃れられない。 翼の自由を奪われて、彼は地面に落下した。 「先生!」 そこへ、シエスタが歓声を上げて駆け寄る。 「ち、畜生! この、掃き溜めみてえな世界で生まれた、レムレーの素どもがぁ……! 手前らなんぞ、俺が栄光を掴む役に立たねえならラルヴァにでも食われやがれってんだ!!」 ジェベラットは必死に体を起こしながら、もはやこれまでと覚悟して、透明化も変身も解除してシエスタを迎え討とうとした。 同時に、それまでは心中に留めていた口汚い罵りの言葉を、金切り声で早口に喚き散らす。 「!?」 ディーキンはその姿を確認すると、ぎょっとして目を見開いた。 ディーキンよりも一回り以上小さい、まるで血のような暗赤色をした体。 革のような質感の、蝙蝠めいた翼。 毒を滴らせる、蠍のような棘の生えた尻尾。 そしてねじまがった鋭い角の生えたその姿は、小さいが悪魔めいている。 いや、正しく悪魔なのだ。 地獄帰りのディーキンにとっては、何度となく見た姿。 間違いなく、九層地獄の狡猾なデヴィル、インプの姿であった。 だが、一体何故? どうして、バートルのデヴィルがこの世界に……? 「来るなら来てみやがれ、てめえをバートルへ案内してやるぜ、この―――― ゲブァ!?」 駆け寄るシエスタを睨み据えて喚き散らすインプのジェベラットは、突如横から飛来した、太い氷槍に胴体を貫かれた。 我に返ったタバサが、状況を把握できないながらもとにかくディーキンを援護しようとして、準備していた氷槍を放ったのだった。 「……ア、待っ―――」 はっと我に返ったディーキンが、とにかく情報を引き出すために生かして捕えようと制止するが、時すでに遅し。 胴体を貫かれてもがき苦しむ小悪魔は、直後にシエスタの『悪を討つ一撃』によって止めを刺され、故郷の地獄へと還っていった。 死体はすぐに煙を上げて溶けはじめ、数分後には泡立つ汚泥の水たまりに変わってしまった。 これでは、屍から残留思念などを読み取ることも不可能だ。 その後には、インプが持参していた、タバサに対する出頭命令書だけが残っていた……。 前ページ次ページNeverwinter Nights - Deekin in Halkeginia