約 1,871,583 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5479.html
前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔 第六話 食堂の変 昼、掃除の終わったルイズとベルモンドは食堂へ来ていた。 しかし食事をするルイズとは別にベルモンドはふらふらと歩きまわり、その中に見知った顔を見つけていた。 「遊ぼ、遊ぼ」 「あの、ごめんなさい、ベルモンドさん。気持ちは嬉しいけど今お仕事中なの」 話しかけられたシエスタは配膳中のトレーを示してこたえる。 「うーん、じゃあボクも手伝うよ」 「え、そんな悪いですよ。朝も洗濯もの持っていただいたのに」 「でも今日の朝、シエスタは洗濯場の場所を教えてくれたし洗うのもやってくれたよね。 ボクはまだ一つしか返してないんだから気にしないでいいよ」 そう言われると断りにくい。 加えてこのクマちゃんと入れるということもあって、結局シエスタはベルモンドに手伝ってもらうことにした。 「キャー、かわいーー」 食堂に歓声が上がる。その中心にいるのはベルモンドだった。 ベルモンドは手伝いとして食後のデザートのケーキを配っていた。 ケーキを配るクマちゃん、その可愛らしい仕草が女生徒たちに受けていた。 授業の時とは違い、今回はルイズを馬鹿にするような声もないためひたすらベルモンドへの歓声のみが響いている。 それを快く思わないものもいた。 ギーシュである。 このクマが来てからというものすっかり自分は見向きもされなくなってしまった。 ケティもモンモランシーもほかの女の子たちもみんなあのクマ野郎を見ている。 ギーシュの(逆恨みな)怒りはどんどん膨れ上がっていった。 そして、 「あの、落されましたよ」 この一言が彼の怒りの引き金を引くことになった。 モンモランシーの香水の小瓶が見つかったことから二股がばれ、その結果少女たちに攻め立てられる。 だが、それだけではなかった。 「ギーシュ、あなたなんかよりルイズの使い魔のクマちゃんのほうがずっといいわ!」 そのあとにもいろいろ言われた揚句しまいにはぶたれてしまったがそんな中でもギーシュの脳裏にはその言葉が響いていた。 僕が、このグラモン家のこの僕があんな畜生以下…… ギーシュの中で何かが切れた。 そしてその怒りは一連の流れの引き金を引いたシエスタに向けられた。 「おい!そこのおまえ!お前のせいでレディが傷ついた揚句この僕が罵倒されたんだぞ! たかが平民の分際で何様のつもりだ貴様!いったいどう責任を取るつもりなんだね!!」 怒りのあまり普段の気障な態度も消えものすごい剣幕でつかみかかり、 あまつさえ平民とはいえ女性に対して貴様、と言い放つ。 シエスタは哀れにも全身が震え涙を浮かべていた。 謝り許しを乞おうにもうまく口も回らない。 シエスタは今まさに、死の恐怖を感じていた。 だが、そうしてシエスタに絡むギーシュの肩をつかむ者がいた。 「ねえ、もうやめなよ。このことは君のほうが悪いよ」 ベルモンドである。 そうだ、こいつだ。そもそもこいつが僕から彼女たちの心を奪っていったんだ。 もともとの怒りのほこ先であるベルモンドが現れたことでギーシュはあっさりとシエスタから顔を離しベルモンドへとつかみ掛かった。 「ああ、なんだこのクマ野郎め、畜生の分際でこの僕に意見しようというのかい!? さすがケダモノだけあってまともな脳みそも持ち合わせていないようだな!」 この暴言を聞いてまわりの女生徒から非難の声が上がる。 「何言ってるのよ、サイテー!」 「クマちゃんに謝って!」 だがそのような声もギーシュを止めることはなく逆にヒートアップさせていく。 「うるさい黙れ!大体こんな布と綿の塊の何がいいって言うんだ! それにクマ野郎、あんな平民に何か言ったところで僕の何が悪いって言うんだ! たかが平民だぞ!僕ら貴族の足元に群がるようなやつらに対して礼儀でも尽くせっていうのかい!?」 「……ええと、貴族とかそういうのは関係なしに偉い人っていうのは立派だから偉いと思うんだ。 いい事をしていけばそれでひとは偉いと認めてくれる。 すごい王様とか立派な侯爵とかみんなが話してくれるような本当に偉い人っていうのはそういう人だと思うんだ。 君は貴族っていうことで威張ってるだけだよ。 もっと、貴族の名にふさわしい生き方をしないと本当に立派な貴族にはなれないよ」 このときベルモンドの脳裏にはある一人の超人が浮かんでいた。 強く、勇敢で、友のために率先して前に出て戦った男。 弱きを助け強きをくじく、それを体現したもの。 アイドル超人軍のリーダー的存在。 自分に多くのものを与えてくれた師匠。 その立派な生きざまは正に仮面(ペルソナ)の貴公子、と称されるにふさわしい。 皆に尊敬される紳士超人。 彼を思うと、シエスタを守るだけでなく、 どうしてもギーシュに真の立派さについて語らずにはいられなかった。 ……彼が時たま奇行に走り仮面(ペルソナ)の奇行子と化していたことは無視した。 だが、そんなベルモンドの言葉もヒートアップしたギーシュには届かなかった。 「なんだ、クマごときが貴族のなんたるかを語るなんて何様のつもりだい。 ああ、さすがゼロのルイズが召喚しただけあるなあ。 魔法も使えないゼロに畜生のクマ野郎、どっちも口だけはえらそうなとこが同じってわけか。 いいだろう、しょせんは低能なクマには言葉じゃなく体に分からせてやるしかないようだね!」 「どうしようっていうの?」 ベルモンドが問いかける。 それに対し、ギーシュは、 言ってはならないことを口にしてしまった。 「決闘だ!!」 「……くうーん?」 ええと、どうしてそれで決闘になるの?」 「はは、きまってるダろう、言ってもわからない貴様に礼儀を教えて泣いて謝らせてやろうって言うのさ。 散々無礼な口をたたいたことを後悔させてやるよ。 ああ、もちろんいまサラ謝っても無駄だ。ボロ屑にしてやる」 「そんな、力ずくなんて立派な貴族のすることじゃないよ」 「なんだい、おじけずいたのかい?大体僕らは魔法が使える。 脳なしの平民の上に立つのは当然じゃないか!」 「……わかったよ、決闘を受けるよ。 でも約束してもらう、ボクが勝ったら君にシエスタ、絡まれたメイドの子と 君に馬鹿にされたルイズに謝るんだ。 それに君が二股をかけた女の子たちにも。 強いほうが偉いって言うのならかまわないよね」 「はははっ、大きく出たな!しょせんはクマか。いいだろう乗ってやるよ! じゃあヴェストリの広場に来たまえ、そこで礼儀を教えてやるよ!」 そう言ってギーシュは去って行った。先に広場へ向かったのだろう。 それと入れ替わりにルイズとシエスタがやってくる。 「あんた、なに勝手なことしてんのよ、自分が何したかわかってんの!?」 「そうです、貴族の方と決闘なんて殺されちゃいます!もともと悪いのは私なんですからそんなことしないでください」 「そんなことないよ、シエスタは悪くない。力をかさに着るなんて見過ごせないよ。 それにギーシュはルイズも馬鹿にした。あんなに頑張ってるルイズを馬鹿にするなんて許せない。 ボク、怒ってるんだ」 「え、私のため…で、でもだからって相手はメイジなのよ! ぬいぐるみのあんたがどうこうできる相手じゃ!」 「大丈夫だよ、昨日も言ったけどボク、強いんだ」 そのままベルモンドは二人に背を向け、ギーシュの向かった方へと自分も向かっていったのだった。 次回、青銅の人形とクマちゃんが激突する! 第七話 ヘルズ・ベアー へと続く。 前ページ次ページゲーッ!熊の爪の使い魔
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1491.html
昼食は(猫に邪魔されることなく)無事終わった。 そして食後なので少しは休憩するのかと思ったがルイズが、 「すぐに出発するわよ」 と宣言した。 今すぐにか?休憩なし? 「休憩しないのか?」 「休憩してたら夕方までに中継所まで着かないわ」 中継所? 聞きなれない単語だな。 「中継所って一体なんだ?」 「あんた、そんなことも知らないの?」 「悪かったな」 知っていたら聞きはしないだろ。 「仕方ないわね。教えてあげるよ。中継所っていうのはね、簡単にいえば旅行者の家って感じかしらね」 「旅行者の家?」 「そう。それで……」 話を大体まとめるとこんなところだ。 馬で1日にいける距離にある、夜を無事に過ごすため、そして馬をちゃんと休ませるための大きな小屋のこと。 野宿は夜盗や獣に襲われて危ないんだそうだ。 旅行者が主に利用するので、旅行者の家というらしい。ちゃんと管理している人が住んでいるそうだ。 私もラ・ロシェールに行く際に利用したらしいがあの時は急いでいたから覚えてないな。 「わかった?あんたも野宿なんてしたくないでしょ?学院を出るのが少し遅かったから少し急がないといけないのよ。 中継所についてから出来るわ」 「はいはい」 私も野宿なんてしたくない。 ちゃんとしたところで眠れるなら眠りたい。 だからここはおとなしく言うことを聞いておくべきだろう。 そういえば、シエスタは私より疲れていたな。声を掛けておいたほうがいいだろう。 途中で倒れられても困る。 「シエスタ、お前は大丈夫か?」 「あ、はい。平気です。十分休憩できましたから」 シエスタの顔を覗き込む。 「へ?あ、ああの!ヨヨヨシカゲさん!?」 「嘘じゃないみたいだな」 「え?」 それを確認できたのですぐに見るのをやめる。シエスタに疲れの色は殆ど見えない。 これなら大丈夫だろう。顔が赤いのは気になるがな。 そういえば私が覗き込んだら赤くなったな。 普通顔が赤くなるのは体温が上昇するからだろう。じゃあどうしてシエスタの体温は上昇した? 特別暑がりだとは思えない。もしそうなら私が顔を覗く前から顔が赤いはずだからな。 考えながら馬へ向かう。 考えられるのは興奮したから。誰に?私に。何故?シエスタは私に『可能性』を見せてくれた人といった。 もしかしたらそれが憧れになったのかもしれない。 そして憧れの人に顔を覗かれたから、興奮して顔が赤くなった。 ……強引過ぎるな。 さすがにここまで強引なのはダメだろう。 可能性として、異性慣れしていないから異性に顔を覗かれ恥ずかしくなったから赤面した。もしくは、心の準備もなく不意に顔を覗かれたため思わず赤面した。 この辺りが一番無難だろう。 考えがまとまったところで馬に乗ろうとする。すると最近になってみょんに身近になった視線を感じた。 足元を見るとそこには案の定子猫がいた。 もう慣れたな。 そう思っていると、クスクスと笑い声がしてきた。 顔を上げるとシエスタとルイズが笑いを堪えていた。一体なんだというんだ? 「なんで笑っているんだ?」 「だ、だって。その子猫がヨシカゲのあとをちょこちょこついていってて、まるでひよこみたいで……クスクス」 「ご、ごめんなさい。でもギャップが……フフ」 ルイズとシエスタは必死で笑いを堪えている。 つまりこの猫が私の歩く後についてきていたわけか。それの何が可笑しい。まったく、女のセンスは理解できない。 無視しよう。所詮男と女は違う生き物なのだ。考えが理解できるはずも無い。 そう思い、再び子猫に目を向ける。猫はただこちらを見ているだけだ。まったく、 「前にも言っただろ。一緒に来たいならそう言えって」 私は猫を掴み上げ自分の肩へと乗せ、そのまま乗馬した。 2人の少女の笑い声が聞こえる。女の笑い声なんて幻聴だ。そう信じ込む。 そして中継所を目指し、私たちは再び馬を走らせた。 日が暮れ始めた頃に、私たちは中継所についた。結構疲れたな。早く休みたいものだ。肩に乗っている猫すらすこし重たく感じる。 馬を馬小屋へ連れて行き、馬を休ませる。 そして私たちは中継所の中へ入った。中はそれなりに広く、机と椅子が沢山置いてある。そして何席かはすでに人が使っていた。 入り口の隣にはカウンターのようなところがあり、そこにヒゲをたっぷり蓄えた初老の老人が座っている。 ルイズがその老人の下へ行くので私たちもついていく。 「これはこれは貴族の旦那様ではございませんか。よくいらっしゃいました」 老人はルイズに気がつくとすぐに声をかけてくる。声は見た目に反ししっかりしていて聞き取りやすく、若い感じがする。 「個室は空いているかしら」 「へい。空いておりやす。最近は来る人も少なくて空きっぱなしでございます」 「それじゃあ2部屋お願いね。それでおいくら?」 「へい。2部屋で60スゥになりやす」 ルイズはそれを聞いて財布を取り出し、主人が言ったであろう金額を渡す。 この国の通貨単位はスゥというらしいな。というより泊まるのには金が要るのか。 「ではこちらが部屋の鍵になっておりやす。この鍵についている番号のお部屋に行ってくださいませ。部屋にはそれぞれ番号札がついているんでわかると思いやす。 そこにある階段を登れば個室があるんで」 ルイズは老人から鍵を受け取ると階段へ向かっていく。 私もそれについてく。しかしシエスタは何故か別の方向へ行こうとしていた。 「どこに行くんだシエスタ」 「あ、私は個室を借りるほどのお金が無いので共同部屋に泊まるんです」 「共同部屋?」 「はい、共同部屋っていうのは「泊まらなくてもいいわ」へ?」 シエスタが話そうとすると急にルイズが話しに割り込んでくる。 「シエスタはわたしの部屋に一緒に泊まりなさい」 「そんな!ミス・ヴァリエールと同じ部屋だなんて!恐れ多くて」 「わたしが泊まりなさいって言ってるんだから泊まればいいのよ。初めからそのつもりだったんだから」 「し、しかし」 「それにわたしと一緒いるのにその中の一人だけが共同部屋なんて恥ずかしいじゃない」 「……わかりました。一緒にいさせてもらいます」 「初めからそう言えばいいのよ」 そしてルイズがわたしに鍵を渡してくる。 「これがあんたの部屋の鍵ね」 「あ、ああ」 鍵には2と彫られている。 これがたしか部屋の番号だったな。 しかし、 「その共同部屋っていうのはなんだ?」 「共同部屋っていうのはただで使える部屋のことよ。見ず知らずの人間同士がその部屋に集まって寝るのよ。それでお金を払えば個室が使えるの。 でも大抵みんなお金を使いたくないから共同部屋で寝るのよ。個室を使うのは貴族か余裕のある平民だけね」 「ふーん」 なるほどね。 だから金がないシエスタは共同部屋に行こうとしてたのか。 「ほら、荷物置きに行くわよ。シエスタ、食事は任せたわ。出来たら呼んでちょうだい」 「はい。わかりました」 食事は自分たちで作らないといけないのか。まあ、さすがに作ってくれるわけはないな。 そんなことを思いながら私たちは2階へ上がっていった。 食事は何事も無く終わり、今はそれぞれが部屋にいる。 あとはもう寝るぐらいしかやることは無いからな。 個室は大体ルイズの部屋より少し小さいぐらいだ。共同部屋はこの大きさで何人もが寝るらしい。 共同でなくてよかった。 さて暇だな。猫も眠っているし。 しかし、私には暇を潰すうってつけの相手がいる。それは、 「両手に花だな相棒」 デルフだ。既に抜き放っている。しかし開口一番がそれか。 「花ならもう少し魅力のある女性がいいな。あれじゃ物足りない」 「贅沢言い過ぎだぜ相棒。そんなこと言ってたら罰が当たるぜ」 「そうか?」 「わかんね」 やはりルイズやシエスタといるよりも、デルフと喋るこの瞬間が一番楽しいものだ。 「そういえばよ相棒」 「どうした?」 「どうしてルイズなんか誘ったんだ?本当は心配してなんかじゃねえんだろ?」 「当たり前だ」 しかし今日は言えるだろうか。 「で、その猫がいつの間にか来てたってわけか」 「ああ。本当に厄介だ」 「いいや。相棒は自分で気づいてないだけで猫のことが気に入ってんのさ」 「何をバカなことを……」 今日こそ、今日こそ、 「なあデルフリンガー」 「どうした相棒?」 「そ、その。たた、たまに、だな。名前で……」 「そういや相棒」 「な、なんだ?」 「最近よく俺と喋るよな。結構嬉しいぜ」 ダメだ。言えるわけが無い。 「お、おい。どうした相ぼ……」 慌ててデルフを鞘に収め、ランプを消してベッドに寝転がる。 あんなこと言われたら言い出しにくいに決まっている。 帽子をそこらへんに放り投げる。 デルフにいつか名前で呼ばれたいものだ。心の中でなら簡単に思えるのだがな。 そんなことに思いをはせながら眠りについた。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/149.html
ルイズはニヤニヤしながら自分の使い魔の背中を見送った。 ルイズには考えがあった。 どうせ怒りのやり場を失っているギーシュは、DIOに決闘を申し込んで憂さを晴らそうとするに決まっている。 平民が貴族に勝てるわけがないという前提がその根拠だ。 しかし、ルイズにとっては、DIOがギーシュに勝とうが負けようがどうでもよかった。 DIOがギーシュに勝てば……それでいい。 自分は何もする必要がない。 ただ、DIOがギーシュを殺そうとしたなら、それを止めればいいだけだ。 万一DIOが逆らっても、強制執行してしまえばいい。 気絶してでも。 それは別にいい。 DIOがメイジに勝つほどの強さを秘めているのなら、それくらいの覚悟はしよう。 そしてもしDIOが負けたなら、ルイズはDIOを吹き飛ばすつもりだった。 所詮カリスマだけの使い魔なら、ルイズは用はなかった。 ルイズが求めるのは、真に力を持つ使い魔だ。 ギーシュ程度におくれをとるなら、問答無用で吹き飛ばして、改めてサモン・サーヴァントを行えばいい。 『ゼロ』と呼ばれることには変わりないけど、少なくとも安穏とした生活が戻ってくる。 『旧い使い魔を殺せば、新しい使い魔を召喚できる』 これはルールだった。 つまり、どう転ぼうがルイズに損はないのだ。 ルイズは、自分がDIOを吹き飛ばして、粉々の肉片にする様を想像して、ウットリした。 正直に言うと、どちらかというとルイズはDIOに負けてほしかったのだった。 だが、ルイズにとっての目下の問題は、これから起こる決闘の行く末ではなく、目の前に置かれているワインだった。 ルイズはDIOが飲み残した、アルビオン産のワインボトルに手を伸ばした。 一口飲む。 実に旨かった。 ギーシュは、突如後ろからメイドの両肩に手を乗せた男に、鋭い視線を向けた。 メイドが振り向いて一言「DIO様」と呟いた。 DIOはシエスタの肩に手を置いたまま、ギーシュに言った。 「『君が軽率に…香水の瓶なんか落としてくれたおかげで…二人のレディと、私のメイドの名誉が傷ついた。……どうしてくれるんだね?』」 DIOはクックッと笑った。 明らかに先ほどのギーシュの言葉に対する当てつけだった。 ギーシュの取り巻きが、どっと笑った。 「そのとおりだギーシュ!お前が悪い!」 ギーシュの顔が、屈辱で真っ赤に染まった。 「ふん……!お前は確か、平民だったな。あの『ゼロ』が呼び出したっていう」 ギーシュはルイズの方をチラと見た。 ルイズはワインを飲んでいた。 いい具合にほろ酔いなルイズは幸せそうだった。 こちらを全く気にした様子もないことが、ギーシュの癪に障った。 「そろいもそろって、貴族に対する礼儀を知らない奴らだ。 君たちのようなものを野放しにしたら、我々貴族の沽券に関わる!」 自分はともかく、己の主をこき下ろされて、シエスタの目が怒りに染まった。 ギロリと睨みつけてくるシエスタに、ギーシュは思わず気圧された。 「だとしたら、どうするかね…?」 DIOはシエスタを抱き寄せながら言った。 シエスタの顔が嬉しそうにほぅと和らいだ。 ギーシュはそんな二人にますます顔を赤くし、マントを翻して言い放った。 「よかろう。君に礼儀を教えてやろう。ちょうどいい腹ごなしだ」 DIOはギーシュに分からぬようにほくそ笑んだ。 「ヴェストリの広場で待っている。 いつでも来たまえ」 ギーシュの取り巻きが、わくわくした顔で立ち上がり、ギーシュを追った。 ギーシュの姿が見えなくなると、DIOはシエスタを放した。 シエスタはその場に畏まった。 「申し訳ありません、DIO様! 私が至らぬばかりに、DIO様にとんでもないご迷惑を…!」 「シエスタは自分の仕事をしただけだ。 気にするな」 「あぁ、DIO様。御慈悲に感謝いたします……!」 さっきのギーシュに対する謝罪とは全然違うシエスタの態度に、ルイズは笑いを堪えきれなかった。 クスクス笑っているルイズの席の方へ、DIOは戻っていった。 シエスタはしずしずと彼に従った。 ルイズは、決闘になることは分かっていたが、それをDIOの方からけしかけていたことが、不思議だった。 ルイズは笑いながらDIOに聞いた。 「どうしたのよ?自分からふっかけるなんて。 キャラじゃないわよ?」 ルイズの問いに答える前に、DIOは空になったグラスにワインを注ごうとボトルを傾けた。 が、何もでてこない。 DIOははぁ、とため息をつき、ルイズを見た。 ルイズはチシャ猫のような、してやったりの表情を浮かべていた。 「……君の話と、さっきの授業で、この世界の魔法という技術体系は概ね把握したつもりだ。 私はそれを身をもって知る必要がある。 そしてもう一つ……」 ルイズは微笑みながら先を促した。 「私の『スタンド』の回復具合のチェックだ」 聞き慣れない単語に、ルイズは首を捻ったが、ようは自分の実力試しをするつもりなのだろうと結論した。 「まぁ、別にアンタの意図はどうでもいいわ。 でも……」 途端に、ルイズの笑顔がピタリと消えた。 さっきまでの微笑みが嘘のような無表情だ。 ルイズはDIOの目を覗き込んだ。 「でも、さっきアイツは私のことを『ゼロ』と呼んだわ」 DIOは何も言わない。ルイズは続ける。 「もし…アンタがギーシュに勝ったら、構わないわ……そのままギーシュを殺しなさい」 許可でも懇願でもない、冷徹な命令だった。 「だが…色々と問題があるんじゃないか?」 そういうDIOに、ルイズは一転して笑顔になり、杖を取り出した。 「あら、大丈夫よ。粉々に吹っ飛ばすから。 それに、使い魔の責任は、御主人様の責任よ?」ルイズは笑顔で言った。 ルイズの杖が"ミシッ"と音を立てた。 今にもへし折れそうだ。 DIOは一言「おぉ、コワい」と言った。 しかし、言葉とは裏腹に、DIOの顔には笑みが浮かんでいた。 「そう?これでも最初は死人沙汰は避けようと思って『いた』のよ?」 ルイズはDIOからちょろまかしたワインの最後を飲み干した。 どうやら彼女は、まだあの授業の時にからかわれたことを根に持っているようだった。 「で、これからどうするの?すぐにヴェストリ広場まで行く?」 そう聞いてくるルイズに、DIOはかぶりを振った。 「いや、これから少し厨房に寄る。色々と入り用のものがある」 ルイズはそれまで一度も 厨房に入ったことがなかったので、興味をそそられた。 ついて行くと言うルイズを、DIOは無言で承諾した。 「DIO様、ミス・ヴァリエール、どうぞこちらへ」 シエスタの案内で厨房についたルイズは、予想外にごちゃごちゃしている様子に眉をひそめた。 こんな汚い場所に、何の用があるというのだろうか。 すると、奥で鍋をふるっていた男がこちらに気づき、ドスドスと音を立てて近づいてきた。 「おぅ、誰かと思ったら、DIOじゃねぇか!」 そう叫んでDIOを歓迎したのは、料理長のマルトーであった。 DIOにワインを振る舞った人物である。 彼は平民なのだが、魔法学院の料理長ともなれば、その収入は身分の低い貴族なんかは及びもつかなく、羽振りはいい。 そしてマルトーは、そんな裕福な平民の多分に漏れず、貴族と魔法を毛嫌いしていた。 シエスタは二人の邪魔にならないように、少し離れた場所に控えた。 豪快なマルトーの態度だが、意外にもDIOは気にせず答えた。 「やぁマルトー。君のイタズラは、どうやら大成功のようだったな」 マルトーはそれを聞くと、喜びと苛つきが混ざったような矛盾した顔をした。 ルイズはわけがわからず二人の顔を交互に見やった。 「ハンッ、それみたことか! 貴族の連中め、散々っぱら威張り散らすくせに、味の違いもわからねぇときたもんだ。恐れ入るぜぃ!」 そういうと同時に、マルトーがルイズに顔を向けた。 「誰でぇ?貴族様がこんなところに、何か用かい?」 「彼女は、私のご主人様だよ、マルトー。 ルイズ、という」 DIOがそういうと、マルトーはその大きな目をさらに大きく見開いて、ルイズを見た。 そして、大声で笑いだした。 「ブッハハハハ! ご主人様!?この小娘が?お前さんの?冗談きっついぜおい!」 ガハハと笑うマルトーに、DIOは低い声で言った。 「ルイズは、君のイタズラに気付いていたぞ?」 マルトーの笑いがピタリと止まった。 そして、しげしげとルイズを眺め回した。 その視線を不快に感じて、ルイズは一歩退いた。 「何よ、さっぱり話が見えないんだけど!? 説明しなさいよ!」 マルトーは頭にかぶっている大きな帽子をかぶりなおした。 「……俺は貴族が嫌ぇだ。奴らは口を開けばやれ魔法だの、やれ貴族の教養だのとぬかしやがるからな。 だから、俺はチョイと試してみたくなったのさ」 ルイズは未だに話が見えず、首をかしげた。 「俺は今日の生徒の昼食にだすワインを、普通の庶民が飲むような安物にすり替えてやったわけよ。お嬢ちゃんは気づいたみてえだがな」 ルイズはハッとした。 あのワインはそういうことだったのか。 貴族である自分を試されたと言う事実と、一口とはいえ、安物を飲まされたという事実に、ルイズは腹を立てた。 そんなルイズを見て、マルトーは反論した。 「お怒りのようだがよ、お嬢ちゃん。あんたの周りに気づいた奴がいたか?これっぽっちでも、怪しんだ奴がいたか?」 ルイズは言葉に窮した。誰も少しもおかしいと思っていなかったのは事実だ。 「おたくらが豪語する貴族の教養ってのは、所詮そんなもんなんだよ。 その点、DIOは本物だ。こいつは違いが分かる奴だ。こいつに飲まれたあのアルビオンのワインは幸せものってやつよ」 ルイズは何も言い返せなかった。 「だが、あれに気づいたお嬢ちゃんも、てえしたもんだ。 次からは、お嬢ちゃんにも他の奴らよりチョイと良いヤツを出してやるよ」 ルイズは何だか納得がいかなかったが、相手が料理長ということもあり、その場は矛を収めた。 「ところで、マルトー。……頼みがあるんだが」 話の区切りを見たDIOは、自分の用事に入った。 自分には関係ない話だと思い、ルイズはその場を離れた。 ふと横を見ると、シエスタがこちらをじーっと見つめていた。 「……何よ?何か用?」 「いえ、何も、ミス・ヴァリエール」 それっきり、シエスタは視線を逸らした。 そんなシエスタの態度にルイズが居心地の悪さを感じていると、DIOがルイズの方に戻ってきた。 話は終わったようだ。 シエスタがDIOに深くお辞儀した。 「で、一体何の用だったわけ?」 とりあえずルイズは聞いた。 「……ちょっとした借り物だ」 DIOは答をはぐらかしたが、ルイズはそれ以上追及しなかった。 「では、ヴェストリ広場とやらに向かうとするか。 シエスタ、案内しろ」 シエスタはかしこまりましたと言った。 ルイズはマルトーの言葉の意味を深く考えていた。 to be continued…… 22へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/932.html
貴族。それは権力の象徴。 貴族。それは財力の象徴。 貴族。それは暴力の象徴。 貴族。それは政治力の象徴。 貴族。それは私達平民にとってありとあらゆる全ての力の象徴だ。 そしてそこには、常に絶対的な恐怖がともにある。 一体何が起こったのか、正直良く解らない。 ハッキリしているのは、私は目の前に居る貴族様のお怒りを買ってしまったということだけ。 絶対に怒らせてはいけない相手。 私のことなんか、気分一つで好きに出来てしまう存在。 貴族様が私に対して怒っている。 それだけで頭の中が真っ白になってしまう。 謝りたい。それで許してもらえるものなら幾らでも。 だが、口を開いても言葉が出てこない。 怖い。 怖い怖い怖い怖い怖い怖い。 私に出来ることは。 ただただ恐怖に震えながら神の御慈悲を祈ることと。 目の前の貴族様の気が変わるのを願うことだけ。 助けが来ることはない。 周りに居るのも貴族であり、仮に平民が居たとしても、そもそも貴族に逆らうことなど出来はしない。 私が居るのは見慣れたあの食堂じゃない。 いま私が居るこの場所は、お腹を空かせたオークやトロルで埋め尽くされた陸の孤島。 私は彼らの餌でしかない。 「はぁ………全く。何みっともない真似してんのよ、ギーシュ。」 絶望に支配されていたシエスタの耳に、やや幼さの残る、聞き覚えのある声が響く。 この声は。この声は今朝会ったあの貴族様の。 ミス・ヴァリエールのものだ。 昨夜。 ルイズを担いだ背の高い男に声を掛けられたシエスタは、部屋への案内、彼女の着替え、そして汚れた衣服の選択を頼まれた。 彼女は平民の間でも有名な存在だし、普段から使用人として女子寮に出入りしているシエスタは、部屋の場所を知っていた。 洗濯等の身の回りの世話は、元々彼女の仕事である。否やは無い。 そして、多くの兄弟を持つシエスタのこと。 些か気恥ずかしいものはあったが、少女一人の着替えなど手馴れたものである。 たとえその少女がお漏らしをしていたところで、そんなことは別に何ら問題ではない。 そう、昨夜のことはシエスタにとって極々日常的な出来事であり、特別なことではない筈だった。 今朝、洗濯物を部屋に届けるまでは。 ところで、何時の時代も、どんな場所でも、女性とはとかくお喋りが好きなものである。 それは此処トリステインにおいても例外ではない。 まして、娯楽の少ない学院の使用人たちにとって、一日の終わりに同僚達と他愛も無いお喋りに興じるのは、数少ない楽しみの一つであった。 話題は様々だ。 巷間で流行っている本や歌。学院内の色恋沙汰。オールド・オスマンによるセクハラの被害報告等。 そんな中、目下一番の話題は、『この学院の中で、もし兄弟姉妹にするなら誰が良いか』というものだった。 貴族の子弟を平民の兄弟姉妹に等と、たとえ空想であっても畏れ多いことこの上ない。 それ故の背徳的な興奮を伴うその話題は、十分過ぎる程の魅力を以ってメイド達を惹き付けたのだった。 ダントツの一番人気は雪風のタバサ嬢である。 まだ幼い外見。極端に少ない口数。そして出された料理を黙々と食べ続けるその愛らしい姿。 どこか野生の小動物を思わせる彼女を何とかして自分に懐かせてみたいと思っているメイドは少なくなかった。 そして、それに続く第二位の人気を誇る人物こそ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢その人だった。 その美しい桃色の髪。整った目鼻立ち。高い誇りと健気に努力するその姿勢。 ルイズの人気も実は相当なものなのだ。 尤も、シエスタ自身は特にその話題に興味を持っていなかった。 彼女は至ってノーマルな嗜好の持主だったし、彼女自身の年齢も生徒達と大差無い。。 なにより、故郷に多くの兄弟がいるシエスタが、わざわざ新たな兄弟の必要性を感じることは無かった。 それが今朝。制服を届けに行った彼女に対してルイズは。 顔を真っ赤にして怒鳴り散らし。どもりながら口止めをし。そして。 少し潤ませた鳶色の瞳を隠すようにそっぽを向き。今にも消えてしまいそうな程小さな声でシエスタに言ったのだ。 『有難う』と。 誤解の無いように、ここでハッキリと言っておきたい。 萌 え た。 来た。正直グッと来た。クリティカルヒットだ。 何かもう反則だ。可愛い。可愛すぎる。 慌ててお辞儀をして部屋を出てきたが、危うく悶え死ぬところだった。 あのまま部屋にいたら、間違いなく彼女を力の限り抱きしめていたことだろう。 美しく、気高く、愛らしく、そして儚げな彼女の姿。 シエスタの中で、ルイズが『妹にしたい生徒ナンバー1』の座についた瞬間だった。 そんなルイズが今、自分の目の前で自分を守ってくれている。 今朝の姿からは想像もつかない程の凛々しさで。 ……何故か大分疲れているように見えるが。 シエスタがルイズの姿に目を奪われている間に、いつの間にか話がついたようだ。 二人は決闘することになったらしい。 決闘? あの、魔法も満足に使えない、私の可愛いルイズ様が? そんな!勝てる筈がない。止めなきゃ。止めなければ、あの美しい体に傷が。 止めなきゃ。私が痛い思いをするのは構わない。 だが、彼女を傷付けるなどという暴挙を決して許してはならない。というか私が耐えられない。 何とかして思いとどまらせなくては。 「あああっあ、ああのっ、わたわ、わた、わわたし」 もどかしい。口が言うことをきいてくれない。 駄目だ。このままではルイズ様が……。 「はぁ……。ん?いいのよシエスタ。気にしないで。」 溜息を吐いていた彼女が、私に気付いて声を掛ける。なんて素敵な微笑。 「私は貴族として正しい行いをしただけよ。貴方には個人的な恩もあるし。」 で、でも、決闘なんてしたら。 「大丈夫。貴方は心配しなくてもいいわ。これは私の問題。貴族としての私の矜持の問題よ。それに」 彼女の顔から優しい微笑が消え、貴族としてのそれに変わる。 「わたしは誇り高きラ・ヴァリエールの娘!グラモン家の小僧っ子何かには絶対に負けないわ!」 そう言い切った彼女の姿に、最早あの愛くるしくも意地っ張りな子どもの面影を見出すことは出来なかった。 そこにいたのは、誰よりも力強く、誰よりも美しい。 眩いばかりに煌々と輝く一人の貴族だった。 シエスタは感動に打ち震えていた。 この人は。この人は紛れもない貴族。 だけど他の貴族とは違う。この人は私の味方。 ただの平民にしか過ぎない私を。私なんかを。この人は助けてくれた。 もし。もしこの決闘が終わった後で許されるのならば。 私はこの人付きの使用人になろう。この人に仕えよう。 そしてその時は。 お姉様と呼んでも良いですか? 食堂での騒ぎが一段落し、多くの野次馬がヴェストリの広場に向かいつつあった頃。 主のいないルイズの部屋の窓際で、夜空を見上げて笑みを浮かべる一人の男の姿があった。 「いい夜だ。」 誰にともなく呟く。 その視線の先にあるのは、穏やかな光を纏う二つの月。 「本当にいい夜だ。」 やがて男の体は無数の蝙蝠へと変わり、開け放した窓から夜の闇へと融けていく。 「………静かで本当にいい夜だ。」 男がいた場所には、蓋の開いた棺だけが残されていた。 第5話 了
https://w.atwiki.jp/moejinro-log/pages/114.html
デジュー さわやかな朝がやってきました 村の川辺に無残に引きちぎられたSEIRIOSさんの死体が見つかったようです… デジュー /chjoin ピットガレージ デジュー 村人の皆様、今日もがんばってください デジュー 昼の部スタートです 1 (でじ村) シキワロス ほうほう・・・ SEIRIOS アッー 1 (でじ村) エルレイナ 最終決戦ですね 1 (でじ村) ソラユイ あれー 3 (ピットガレージ) jinjahime はいはい予定調和予定調和 3 (ピットガレージ) かこちん 狩人なんていなかった 1 (でじ村) エルレイナ 占いロラなので 1 (でじ村) ソラユイ ソラがかまれるとおもってたお 1 (でじ村) エルレイナ 続くのは確定ですよ 1 (でじ村) シキワロス これはミスですね。決定的なミスをオオカミがしてくれた 3 (ピットガレージ) SEIRIOS ウボァー 3 (ピットガレージ) jinjahime おつかれさまー 3 (ピットガレージ) シエスタXX おつおつ 3 (ピットガレージ) BBL お疲れ様でした 1 (でじ村) シキワロス わざわざソラさんを残した理由で推理していこうじゃないですか 3 (ピットガレージ) デジュー BBLさんのびびったとこ想像したらめちゃくちゃ笑えてきたwww 1 (でじ村) エルレイナ わたしは2日目の吊り投票シキさんにいれました 1 (でじ村) シキワロス まあ指定ですし。 1 (でじ村) エルレイナ 理由は最後にシエスタさんの囲いに気をつけて発言で 1 (でじ村) シキワロス 今となってはただの2択を感でえらんだだけ 1 (でじ村) ソラユイ やっぱりしっきーにいれるー 3 (ピットガレージ) SEIRIOS 決戦みてから寝よう・・・ 1 (でじ村) シキワロス oh... 1 (でじ村) エルレイナ まだシエスタさんのほうが村よりだと思ったので 1 (でじ村) シキワロス 決断がはやい 3 (ピットガレージ) BBL いやもう本当に驚いたんですよ 1 (でじ村) エルレイナ そっちに投票しました 3 (ピットガレージ) シエスタXX エルさんさすがやでぇ 1 (でじ村) エルレイナ でも吊られたのはシエスタさんでした 1 (でじ村) ソラユイ だってーこんなけいってーエルーいれるとかいみわかんないじゃん 1 (でじ村) シキワロス ソラさんはなぜ、寡黙だったSEIさんがかまれて自分がのこったとおもう? 1 (でじ村) エルレイナ シキさんは指定の後これといってしゃべっていません 3 (ピットガレージ) jinjahime くそーード変態淫乱ピンクエロ狼の癖にー 3 (ピットガレージ) デジュー このドレスセットがガチャであたってしまったのがすべての元凶 1 (でじ村) シキワロス 今自分ができることといったら自分の保身。 3 (ピットガレージ) シエスタXX もうそれBANされるじゃんw 1 (でじ村) エルレイナ 自分が村なら吊られないためにも村のために情報を残すと思います 3 (ピットガレージ) かこちん つうか二人とも多弁だから寡黙が残ったら流されるからだろうなぁ 1 (でじ村) シキワロス つまり、うるさくいうと逆にうたがわれるのよ 3 (ピットガレージ) BBL わざわざ着なくても 3 (ピットガレージ) jinjahime (*´・ω・)(・ω・`*)ネー 3 (ピットガレージ) シエスタXX これは無理だろシキさん 1 (でじ村) ソラユイ 生き残るためにーせいりおすさん噛んだんじゃないかなー 1 (でじ村) シキワロス ソラさんは・・・昨日うちのことをうたがってた 3 (ピットガレージ) かこちん シェスタさんの発言は自分自身にもあてはまるやん 3 (ピットガレージ) jinjahime これシキさん挽回したらすてき過ぎるわ 3 (ピットガレージ) かこちん まちがった 1 (でじ村) エルレイナ それもわからなくはないですが、2日目は 1 (でじ村) シキワロス それで残したんじゃないかな。 3 (ピットガレージ) かこちん シキさんだ 1 (でじ村) エルレイナ しゃべるべきだったと思うんですが… 1 (でじ村) シキワロス んー 1 (でじ村) シキワロス 2日目は 1 (でじ村) ソラユイ ソラ噛んだら疑ってたソラかんだんだから 1 (でじ村) シキワロス 本当にしゃべるもんじゃないかな 3 (ピットガレージ) BBL 人数少ないのに序盤よりログ多くないw 1 (でじ村) シキワロス しゃべることがないっていうか 3 (ピットガレージ) シエスタXX ずっとかこちんは俺のことシェスタって呼ぶよね 3 (ピットガレージ) かこちん シエスタさんだけどね jinjahime こんばんは かこちん 1 (でじ村) ソラユイ だってやっぱりかこちんが狼で 3 (ピットガレージ) シエスタXX キーボ打ちにくくね? 1 (でじ村) ソラユイ あれ 1 (でじ村) エルレイナ ボロを出したくなくて黙ってたと取られても仕方ないと思いますよ 3 (ピットガレージ) かこちん シェスタの方が撃ちやすいんだよねなぜかw 1 (でじ村) ソラユイ あれー 1 (でじ村) シキワロス それならば、俺の判断ミスが原因。後で謝る 3 (ピットガレージ) シエスタXX いや糞野郎でも別に俺はいいんだけどねw 1 (でじ村) エルレイナ ポイントは 3 (ピットガレージ) jinjahime シェスタshesutaとシエスタshiesuta 1 (でじ村) エルレイナ 2日目にシエスタさんのほうが村発言してるのに 1 (でじ村) エルレイナ そっちが吊られたこと デジュー 5分経過(あと2分) 3 (ピットガレージ) かこちん shesuta siesuta 1 (でじ村) シキワロス んー 1 (でじ村) シキワロス それは 1 (でじ村) シキワロス ソラさんがただういてるのを入れただけ 3 (ピットガレージ) かこちん うち数は一緒か 3 (ピットガレージ) シエスタXX 初日吊られた俺がすげー出てくるな 1 (でじ村) エルレイナ 最終的にそうでしたが、シエスタさんのほうが村意見いってたのに吊られたということは 1 (でじ村) エルレイナ 狼の票あわせがあったとおもうのです 3 (ピットガレージ) かこちん だってそこが決め手になるもん 3 (ピットガレージ) シエスタXX なんか照れるなw 1 (でじ村) シキワロス 俺だって好きで指定されたわけでもないんや! 3 (ピットガレージ) BBL 私は全く出ない・・・ デジュー あと1分 3 (ピットガレージ) シエスタXX えへへ 3 (ピットガレージ) jinjahime おちっこしてこよ(*´ω`*) 3 (ピットガレージ) BBL 噛まれた村だから仕方ないけどね 1 (でじ村) シキワロス 村どうしのつり合い 1 (でじ村) エルレイナ だから村ならしっかり2日目はアピするべきでしょう デジュー 20秒前 1 (でじ村) シキワロス 乗せられてるねぇ。 1 (でじ村) シキワロス 村アピすることはない。 1 (でじ村) エルレイナ 狼透けるのにびびってしゃべらなかったようにしか 1 (でじ村) シキワロス それが唯一の村アピである 1 (でじ村) ソラユイ うーん 1 (でじ村) デジュー ---------------STOP--------------- 1 (でじ村) デジュー ---------------STOP--------------- 1 (でじ村) デジュー ---------------STOP--------------- 3 (ピットガレージ) かこちん 狼は狩人狙いで噛んでいったのかな・・・わからね デジュー 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) デジュー 投票は私に直Tellでお願いします エルレイナ は デジュー に言った シキワロスさんで~ シキワロス は デジュー に言った エルレイナさんで ソラユイ は デジュー に言った しっきワロスー 3 (ピットガレージ) BBL 最近役職ないよほんとだよ 2 (三矢の刺客) エルレイナ どきどきだな~これはわからん 3 (ピットガレージ) BBL だからわざわざ狙わなくてもいいんですよ 2 (三矢の刺客) かこちん 負けるに一票(ォイ デジュー 投票集まりましたー 3 (ピットガレージ) jinjahime すっきり(*´ω`*) 3 (ピットガレージ) BBL おかえりなさい エルレイナ キンクリする? 3 (ピットガレージ) シエスタXX BBLさんは薄幸 シキワロス 開票かな? 3 (ピットガレージ) jinjahime キンクリしてもいいのよ デジュー 開票しちゃうよ 3 (ピットガレージ) BBL ひどいw かこちん 開票どきどき 3 (ピットガレージ) シエスタXX それは麻雀だけではないのです・・・ ソラユイ うわーう デジュー ではソラユイさんの投票先を言いまーす シキワロス 死ぬ準備しかしてないがな。 3 (ピットガレージ) BBL 素村だとほとんど勝てないしなあ シキワロス 2票 エルレイナ 1票 デジュー ソラユイさんはシキワロスさんに投票しました。シキワロスさんお疲れ様です シキワロス あ・・・大きな緑が付いたり消えたりしている・・・あはは、大きい。なびこかな?いや、違う、違うな・・・なびこはもっとヴァアアアっと緑になるもんな・・・ デジュー 今日も新しい朝がやってきました 中央広場に無残に引き裂かれたソラユイさんの死体が放り投げられたまま、村は全滅しました… 2 (三矢の刺客) エルレイナ やったあああああああああああああああああ 3 (ピットガレージ) jinjahime まけたあああああああああ デジュー 人狼勝利 Fin ソラユイ >< 3 (ピットガレージ) BBL マジかよ ソラユイ うわーーーーーーーーーーーー かこちん は叫んだ わおーーーーーーーーん 1 (でじ村) jinjahime だからいったのにーーーーー エルレイナ わんわんお! オペこ ぐわああああああああああ ソラユイ うわーーーーーーーーーーーー>< かこちん わんわんお デジュー お疲れ様でしたー 3 (ピットガレージ) SEIRIOS あら当たってた 1 (でじ村) シキワロス 村アピしませんはダメだったかあああああああああああ 1 (でじ村) BBL 第一印象のままでよかったのか 3 (ピットガレージ) かこちん ktkr デジューはデジューにとても感謝している 1 (でじ村) シエスタXX ちょwwww 1 (でじ村) エルレイナ 後になって 1 (でじ村) かこちん ひゃっはーwww 1 (でじ村) SEIRIOS おつかれさま~ デジュー 間違った 1 (でじ村) エルレイナ 自分の白要素 1 (でじ村) エルレイナ 全くアピしてないのに 1 (でじ村) BBL ソラさんの推理があってたみたいだから納得したのになあ 1 (でじ村) エルレイナ きづいた デジュー 配役どーん 1 (でじ村) シキワロス うんまあ デジュー 狼 エルレイナ かこちん デジュー 占い師 jinjahime デジュー 狩人 オペこ 1 (でじ村) かこちん エルレイナさんはしょっぱなからずっと私を囲ってましたw 1 (でじ村) かこちん ww 1 (でじ村) エルレイナ じんじゃさんの黒なかったら 1 (でじ村) シキワロス 自分は指摘すると黒く見えるから 1 (でじ村) SEIRIOS 私視点ではエルレイナさん真っ黒だったが 1 (でじ村) BBL 私が素村だと勝てない 1 (でじ村) エルレイナ 初手わたし囲いダッタヨ 1 (でじ村) かこちん やっぱり狩人オペこwwww 1 (でじ村) シキワロス 俺村だけどなんもいわねぇわぁwwwっておいた ソラユイ あうーーーーーーー 1 (でじ村) エルレイナ だからかんだ! 1 (でじ村) シキワロス 完全にみすった 1 (でじ村) SEIRIOS 主張するぱわーがもうなかった ソラユイ (´;ω;`)ウゥゥ オペこ 途中の狩人CO・・・を含む素村COは 必要だったかな・・・? 1 (でじ村) オペこ 途中の狩人CO・・・を含む素村COは 必要だったかな・・・? jinjahime 。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ エルレイナ 狼会話で デジュー は叫んだ 長々付き合ってくれてありがとうございました! 1 (でじ村) BBL 誰か役職を分けてください 1 (でじ村) ソラユイ (*_ _)人ゴメンナサイ かこちん あれしてても噛まれたとおもう エルレイナ 君の狩人は透けていた 1 (でじ村) シキワロス いっそ俺が狩人COすりゃよかったか 1 (でじ村) SEIRIOS そしてpわーぎれなのでおちまする デジュー は叫んだ これで今日はお開きかなー? 1 (でじ村) シキワロス おつかれさまです! 1 (でじ村) jinjahime 勝ったり負けたりが試合ですから(*´ω`*) デジュー は叫んだ みなさんおつかれ~ シエスタXX 人狼まじ弱いな俺www 1 (でじ村) オペこ おお お疲れさまでした 1 (でじ村) BBL お疲れ様でした 1 (でじ村) かこちん それ狼の吊逃れ臭い(シキ 1 (でじ村) オペこ うーん 1 (でじ村) ソラユイ ゴメンネm(;ω;`m) エルレイナ もうBBLさんじゃなければ SEIRIOS おやすみなさいー 1 (でじ村) BBL 素村無理 勝てない エルレイナ 君しかいなかったw狩っぽいのw 1 (でじ村) シキワロス 最終日に残ると SEIRIOSは手を振った 1 (でじ村) jinjahime 。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ リベンジしましょ 1 (でじ村) シキワロス 絶対にまける 1 (でじ村) シキワロス 俺がつられる。 デジュー オヤスミー 1 (でじ村) オペこ 途中で 1 (でじ村) かこちん じんじゃにやっとかてたwww 1 (でじ村) BBL 私噛みはまたメタですか? オペこ 途中で jinjahime うおおおおおおお経は全敗だああああああああ 1 (でじ村) エルレイナ そこかおぺこくんが 1 (でじ村) エルレイナ 狩りかなと オペこ 素村COをした村人が複数いましたが かこちん おやすめんせー オペこ あれ必要ですか? 1 (でじ村) BBL 発言的に? オペこ 私もとっさに素村COすればよかったかもしれませんが エルレイナ GMおつかれさまでした~ jinjahime おつかれさまー 1 (でじ村) かこちん 実はシキさん選んだの適当だったんだ・・・吊候補 デジューはエルレイナに手を振った オペこ GMありがとうございました~ BBL デジューさんお疲れ様でした 1 (でじ村) シキワロス 俺なー 1 (でじ村) エルレイナ まぁBBLさんの推理力がこわかったのもあるね~ 1 (でじ村) シキワロス ●うたれると デジューはエルレイナに投げキッスを送った 1 (でじ村) シキワロス 弱いんや 1 (でじ村) ソラユイ かこちん釣りっていってまた●っていったんならソラの行ったこと意味ないじゃんーーーーー 1 (でじ村) BBL はずすときは外すよ 1 (でじ村) エルレイナ 前世での推理で… オペこ あれでより透けたような気がする 1 (でじ村) かこちん jinjaが占い=エルレイナ占われる=オワタ だから占いCOしました 1 (でじ村) BBL 1村目は外してました 1 (でじ村) エルレイナ じんじゃさんでた時点で 1 (でじ村) エルレイナ 占われるとはおもったww 1 (でじ村) ソラユイ しっきーも認めちゃったからもうあってるっておもっちゃった 1 (でじ村) シキワロス あえて認めて 1 (でじ村) シキワロス これはおかしいと思ってくれるかなって思ったけど 1 (でじ村) シキワロス そんなことはなかった デジュー あ、そうだ 1 (でじ村) BBL ソラさんの推理が説得力あったから推理買えちゃった 1 (でじ村) かこちん シキさん最後に残された理由聴いたけどあれはどちらともとれる デジュー 誰かSSとってくんない? 1 (でじ村) シキワロス まじかー 1 (でじ村) ソラユイ だってカコチンが最初に釣りっていって●っていったんだもん全然っこれでしっきー●じゃないじゃん 1 (でじ村) BBL あれだけの説得力が欲しい デジュー 自分がどう見えてるか知りたいのよ 1 (でじ村) かこちん 二人とも多弁ジャン? jinjahime 視点変えて、壁際行けば良いよ 1 (でじ村) ソラユイ 最後でーエルーがいってることおかしいなっておもったけど・・・ かこちん 変態にしか見えない デジュー 低スペだから自分がどう見えてるか分からないのー 1 (でじ村) エルレイナ 自分の村アピをすっかり忘れていた 1 (でじ村) かこちん エルレイナさんはずっとおかしかったです 1 (でじ村) エルレイナ えええw 1 (でじ村) シキワロス 村アピはしません デジュー 低すぺっくパソコンね 1 (でじ村) BBL 占いの出方だけだったらjinjaさん真で見たんだけどなあ 1 (でじ村) エルレイナ でも村でも 1 (でじ村) かこちん 私○押しだけずっとしてた印象 1 (でじ村) エルレイナ あそこはシキさんいれてるよ 1 (でじ村) ソラユイ だってあんなにソラシッキーいれるっていってるのに寡黙ぎみだったとかってせめなくていいじゃん最後に デジュー というかドロップボックス使える麻雀組 1 (でじ村) ソラユイ ぁぅーー>< 1 (でじ村) シキワロス だっておれオオカミだったら デジュー 誰かSS撮ってくれない? 1 (でじ村) エルレイナ 寡黙ぎみ?ソラさんこんかいしゃべってたとおもうけど シエスタXX ん? 1 (でじ村) シキワロス 絶対入れるのみえてるもんww シエスタXX ああ シエスタXX とろうか? 1 (でじ村) ソラユイ シッキーが寡黙ぎみって デジュー ヤター 1 (でじ村) シキワロス 俺だったらSEIさん残す BBL 取ったことないからなあ デジュー おねがいしまー 1 (でじ村) エルレイナ セイさんはわたしにいれそうだから残せなかった 1 (でじ村) シキワロス ソウナルヨネー デジュー 前と後ろの全体 1 (でじ村) エルレイナ そこ噛みしか勝ち目ないもん… 1 (でじ村) かこちん まぁ、吊ろうとした後に占って正解でした>< デジュー 1枚ずつよろしくー 1 (でじ村) ソラユイ あーソラかんでないのでしっきー○って普通におもっとけばよかったー 1 (でじ村) シキワロス だから何言っても逆効果だとおもって 1 (でじ村) かこちん 吊逃れってよく思いつけたと思った 1 (でじ村) シキワロス あえてほとんどいわなかった 1 (でじ村) シキワロス 失敗したけど。 1 (でじ村) エルレイナ シキさん厄介だから シエスタXX ちとまってよ 1 (でじ村) エルレイナ 最初必死につろうとして票あわせたけど デジュー へいへい 1 (でじ村) エルレイナ つれなかったから 1 (でじ村) かこちん うむw 1 (でじ村) エルレイナ 急遽黒候補に… デジュー SS撮ったことある? シエスタXX 全体? 1 (でじ村) シキワロス ひでえ話だww 1 (でじ村) かこちん シキさん狩人かもとおもったんだよねw デジュー 全体だねー 1 (でじ村) シキワロス 残念!狩人じゃないんだなー 1 (でじ村) ソラユイ (´;ω;`)ウゥゥ 1 (でじ村) エルレイナ 狩人ならさすがになんかしらの村アピはしてそう 1 (でじ村) オペこ 狩人でした守れませんでした 1 (でじ村) かこちん ただソラさんはさいごまで愛でておこうと思いました シエスタXX まわって 1 (でじ村) エルレイナ おぺこくんどこ守ってた?最初 1 (でじ村) オペこ シキ酸守ってました 1 (でじ村) エルレイナ わたしとかだったら惚れる 1 (でじ村) エルレイナ そこなのかw デジュー うちの低スペックPCだと色々手抜きしちゃってくれるのよー 1 (でじ村) かこちん エルレイナ涙目 1 (でじ村) シキワロス 俺カヨオオオオオ 1 (でじ村) オペこ シキさん→そらゆいさん シエスタXX おk 1 (でじ村) エルレイナ 絶対かまれなそうなとこじゃんw 1 (でじ村) エルレイナ おおうw 1 (でじ村) ソラユイ ・ω・ デジュー さんくすー 1 (でじ村) オペこ ダメでした 1 (でじ村) オペこ あそこで私がもし 1 (でじ村) BBL シキさんはともかくソラさんは噛まれる可能性あったのでは? デジュー 共有の方に入れといて 1 (でじ村) オペこ 「す村ですよー」って言ったら シエスタXX わかった 1 (でじ村) オペこ 別の人噛んでいました? 1 (でじ村) エルレイナ いや デジュー なんか僕の名前のフォルダがあった気がする 1 (でじ村) かこちん それでもおぺこだね 1 (でじ村) オペこ /(^o^)\ 1 (でじ村) エルレイナ じんじゃさんが狩人CO促したときに 1 (でじ村) BBL ひどい 1 (でじ村) エルレイナ 出なかった辞典で デジュー その中でー シエスタXX んーどうかな 1 (でじ村) エルレイナ 時点で 1 (でじ村) エルレイナ もうメタで君しかいないとおもったw 1 (でじ村) オペこ うーん シエスタXX あったっけな 1 (でじ村) シキワロス ひでぇ話だww シエスタXX さがしとこう 1 (でじ村) オペこ あの狩人CO催促は デジュー あったはず 1 (でじ村) オペこ 村にどういうメリットがあるんですか? 1 (でじ村) エルレイナ セイさんシキさんモニーさんならたぶんCOしてるとおもうんだ シエスタXX まあオチますん 1 (でじ村) ソラユイ へんな推理ーするのーやめーるー 1 (でじ村) かこちん 確定○が増えるかも 1 (でじ村) エルレイナ いや シエスタXX は叫んだ おやすみ~ 1 (でじ村) オペこ うーん・・・次噛まれるだけのような 1 (でじ村) かこちん ただ狼も○する可能性ありだから BBL 私も落ちますね 1 (でじ村) エルレイナ 指定の件の推理は良かったっすねソラさん デジュー は叫んだ 帰る人でアルター欲しい人いますかー? 1 (でじ村) シキワロス そもそもかまれようがかまれまいがいみがない BBL おやすみなさい シキワロス おつかれさまですー BBL そのままログアウトするので平気です 1 (でじ村) オペこ あそうなんですか デジュー は叫んだ いたら寄ってくるんだな。フハハ 1 (でじ村) シキワロス 最後に 1 (でじ村) かこちん するとしたら最後の3人残ったときかな 1 (でじ村) シキワロス SGとしてうちをのこして 1 (でじ村) シキワロス うちを疑ってるところだけ残せば狩人のこしでもかてる jinjahime おちますー エルレイナ おつかれさま~ シキワロス おつかれさまですー jinjahime じゃ、またこんど!14日はいけないけどな ソラユイ おつさまー オペこ お疲れさまでした~ エルレイナ あら…… シキワロス >< かこちん おついでした 1 (でじ村) オペこ 頭NO WORKだ jinjahime ドゥーリンは本当にあわねぇなぁ 1 (でじ村) シキワロス 素村も苦手だったー 1 (でじ村) オペこ しかし 1 (でじ村) オペこ 役職が多すぎる 1 (でじ村) エルレイナ 3ヶ月ぶりのLWだった…… 1 (でじ村) オペこ 役職じゃなかったことがほぼない 1 (でじ村) オペこ しかもほぼ狼 1 (でじ村) シキワロス 共有と素村ばっか 1 (でじ村) オペこ サイアさんの出席簿を見れば私の狼率の高さが分かるはず 1 (でじ村) シキワロス 狼陣営やってみたい 1 (でじ村) エルレイナ わたしは狼テルきた時点で 1 (でじ村) エルレイナ 悲鳴あげてたぜ… 1 (でじ村) シキワロス >< 1 (でじ村) エルレイナ メンツの大半が 1 (でじ村) エルレイナ 初手にわたし占うようなひとばっかり 1 (でじ村) エルレイナ どうすんだよこれwwと 1 (でじ村) シキワロス そういうメタはしないつもりだけどねー デジュー 少しの間放置 ソラユイ ぁぅ・・・ 1 (でじ村) エルレイナ 2日目あれでも 1 (でじ村) シキワロス その時の調子でかわるものだとおもてるから 1 (でじ村) エルレイナ 発言抑えてるんだけどな… 1 (でじ村) エルレイナ 目立たないように村発言だけをコソコソ 1 (でじ村) シキワロス あー 1 (でじ村) シキワロス んー 1 (でじ村) エルレイナ それでも占われたよ! 1 (でじ村) シキワロス そりゃしかたない 1 (でじ村) エルレイナ 1かいめの素村も 1 (でじ村) エルレイナ あえて発言へらしたら 1 (でじ村) シキワロス 俺だって2日目あれほど抑えてこれだし 1 (でじ村) エルレイナ 両占いから白だよ! 1 (でじ村) シキワロス おめでとう! 1 (でじ村) エルレイナ 3日目にね! 1 (でじ村) エルレイナ 包帯屋さんの占い理由が 1 (でじ村) エルレイナ 発言少なめって書いてたから 1 (でじ村) エルレイナ 真寄りにみてた 1 (でじ村) エルレイナ よくみている 1 (でじ村) エルレイナ ありがとう!?なのか?w 1 (でじ村) シキワロス www 1 (でじ村) シキワロス でもなー 1 (でじ村) シキワロス 人狼において占いって 1 (でじ村) シキワロス 「真であってほしいなぁ・・・」っていうのは大体真狼 かこちん ボタン持ちが邪魔くさいorz 1 (でじ村) エルレイナ うみゅ~ 1 (でじ村) シキワロス 「これ真だとちょっと・・・」っていうのが大体真狂 1 (でじ村) エルレイナ 真でステってたら即かまれワロタ 1 (でじ村) シキワロス 「素人にもおすすめしないし玄人にもおすすめしない潜伏」 狼 エルレイナ かこちん 占 jinjahime 狩 オペこ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/722.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (4)狂熱の伝染 ルイズの失敗呪文の爆発に巻き込まれたプレインズウォーカーウルザであったが、実際はそれほど酷い怪我をしたわけではない。 強いて言うならゴブリンに殴られた程度である。 授業を担当していたシュヴルーズは医務室へ運ばれていったが、ウルザはそれを丁重に断った。 その後、授業はお開きとなり、その片付けをルイズとウルザがすることとなった。 二人はてきぱきと掃除をこなし、暫くすると教室も綺麗に片付いていた。 「ミスタ・ウルザ!ミスタ・ウルザ!」 慌しく走ってくるのは頭の禿げた教師、コルベールであった。 「ミスタ・コルベール?どうしたんですか?そんなに息を切らせて」 「ミ、ミス・ヴァリエール。ミスタ・ウルザをお借りしてもよろしいかな?大発見なのだよ!これは!」 「え、それって一体…」 「それでは借りていきますよ!これは大発見ですぞーっ!!」 「…どうやら同行する外に無いようだな」 トリステイン魔法学院、院長室。 そこには今三人の魔法使い達がいた。 一人は異世界からの来訪者ウルザ、一人は学院の良識派教師コルベール、そしてもう一人は学院の長オールド・オスマンである。 「それで、これは本当かねミスタ・コルベール」 「ええ!本当ですとも!ミスタ・ウルザ、左手を前に」 言われてウルザは左手を突き出す。 「おお…確かにこれはガンダールヴのルーンじゃ!」 これには流石のオールド・オスマンも興奮を隠し切れない。 こうして二人が興奮している姿を目にしていると……ウルザの心にも不思議と高揚するものがあった。 「お二人には話してもよろしいでしょう…このガンダールヴなるルーンの効果、一部すでに解読が済んでおります」 「「おおっ!なんと!!」」 かつてドミナリアのトレイリアのアカデミーで、バリンやジェイラと過ごした日々のように、ウルザは両手を開き、自分の考えを披露しはじめる。 それを聞くオスマンとコルベールも熱を帯び始める。 「…と言うのが現在までの、!」 「しかし!ミスタ・ウルザ!それだけの効果がありながら永続、いや!そもそもそれはいかなる系統の魔法で、!」 「いや!ミスタ・ウルザ!一体いかなる解読法で、!」 「それを話すには些か込み入った、私自身の事情をお話せねばなりません…お二人とも、突飛な話となりますが、」 「ええ!構いませんとも!」 この後、暫くの間、三人の大声での議論が続いている、そして怒号のような時間が終わった後、出てきたコルベールとウルザがニコニコと子供のような笑顔であったと後にロングビルが語っている。 久方振りに気分が晴れ渡っているウルザである。 しかし、食堂を歩いている時に、その気分に水を挿す様な出来事が起こった。 「きゃっ!!」 給仕をしていたメイドが、コップの水をウルザの顔面にご馳走してしまったのである。 果たして、この時ウルザがどのような形相であったか…それを知るのはその場にいたのはメイドの娘―シエスタだけである。 「………ひぃっ!!」 良い気分だったことは事実であるが、それに水を挿された程度でこの態度は大人気ない。 そのことに気付いたウルザは、普段の顔つきに戻り、腰を抜かしているシエスタに手を伸ばした。 「すまない、少々考え事をしていたのだ」 「どっ!どうか命だけはご勘弁を!ご容赦ください!貴族の方にこのような粗相を、私…、私…っ!」 「私は別に君をどうこうしようというつもりは無い、顔を上げたまえ」 しゃくり上げるシエスタを起こし「侘びならば、何か飲み物を貰おう」と伝えると、シエスタは厨房へと走っていったのだった。 椅子に座り、暫く待つと、厨房からシエスタが戻ってきてウルザに飲み物を差し出した。 厨房で整えてきたのか、先ほどまで泣いていたとは分からないようになっていた。 しかし、まだショックから立ち直っていないのか足元がふらふらとしている。 人間、悪いことは続くものである。 ふらふらとシエスタがあるグループの生徒―ギーシュ、モンモランシー、ケティ達に近づいたときに事件は起こった。 シエスタが足を踏み外し、ギーシュに後ろから抱きつくように倒れこんでしまったのだ。 「ぬおお!やわら大きい!!」 そのまま二人して倒れこんでしまったのだが、ここで事態は最悪の展開を迎える。 ギーシュを追求していたモンモランシーとケティが見たものは、巨乳のメイドに抱きつかれ嬉しそうにしているギーシュと、その懐から落ちた多数の封筒であった。 「ギーシュ!!あんた!二股どころか、なんて数モーションかけてんのよ!!」 「ギーシュ様酷いです!見損ないました!」 「ま、待ちたまえ!これには深い事情が!!」 「「問答無用!」」 と言ったやり取りがあった後、シエスタはギーシュにひたすら謝っていた。 「申し訳ありません!申し訳ありません!」 「いや、しかし、君、謝って済む問題と済まない問題があるとは…」 本当は目の前のメイドに怒りをぶつけたいギーシュである。 しかし、目の前にいるのは女性、例え平民であってもそのような態度に出るのは抵抗がある。 だが、ここで第三者が現れる。 厨房から現れた男がシエスタの横で謝り始めたのだ。 これはことギーシュ相手には逆効果であった。 シエスタにはぶつけられなくとも、平民の男に怒りをぶつけるのには躊躇しない。ギーシュ・ド・グラモン、男である。 「決闘だっ!!」 思ったことを言うのは悪いことじゃない。その結果が悪いだけなんだ。 ――青銅の魔道師見習い、ギーシュ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4868.html
前ページ次ページアクマがこんにちわ 「おはよーございまーす」 「…ああ、人修羅かあ。今準備するからちょっと待ってくれ」 「はーい」 朝、いつものようにルイズを起こして着替えさせ、身だしなみを整える。 その後すぐ人修羅とルイズの二人は並んで歩き、朝食を食べに行く。 ルイズは食堂へ、人修羅は厨房へ。 いつもの朝、いつもの朝食、いつも気を遣ってくれるシエスタに挨拶される。 ……ところが、今日はシエスタの姿が見えなかった。 「マルトーさん、シエスタが居ないみたいだけど、どうしたの?」 食事を終えた人修羅が、マルトーに質問すると、マルトーは包丁を手入れしつつ答えた。 「いや、ちょっと風邪ひいちまったみたいなんだ」 「風邪?」 「厨房で風邪を流行らせるわけには、いかねえからなあ、しばらくシエスタはお休みだ」 「そうですか…お大事にと伝えてください」 「おう」 勝手口から本塔の外に出たところで、ふと気づく。 「そういえば今日は、みんな元気ないな…後でシエスタのお見舞いにでも行くか」 朝食を終えた人修羅は、用事があるとルイズに言って、学院長室への長い階段を上がっていった。 昨日、ルイズの魔法について少しだけ話をしたが、その時は後日改めて研究をするという事で話がまとまったので、それについて具体的な話を聞こうと思っていたのだ。 「あら?人修羅さん、学院長室に何かご用ですか?」 階段を上る途中で、学院長の秘書ロングビルに声をかけられた。 「あ、ロングビルさん、おはようございます。ちょっとルイズさんの魔法について方針とか聞いていなかったんで、聞きに行こうと思ってたんですよ」 「そうでしたか、実は今日、朝からオールド・オスマンは外出しているんですよ」 「え、そうでしたか…じゃあ仕方ないですね。授業にでも出ることにします」 踵を返し、階段を下りようとしたところで、後ろからロングビルに声をかけられた。 「人修羅さん、折角ですから、少しお話でもしませんか?」 「へ?」 気の抜けた返事をする人修羅を見て、ロングビルはついつい微笑みを漏らした。 ■■■ 人修羅とロングビルはアウストリの広場に移動すると、適当なベンチを見つけてそこに座った。 「人修羅さんはミスタ・コルベールと協力してマジックアイテムを開発していると聞きましたが、トリステインで見かけるアイテムと大きく異なるとか…」 「アイテムっすか…ううん、まあ見て貰った方が早いかな…」 そう言いつつポケットから宝石のようなものを取り出し、ロングビルに渡す、それは透明度の高い水色の結晶体で、大きさは小豆ほどであったが、手にしてみるとその異質さが伝わってきた。 水色の結晶体に触れているだけで、まるで落雷を目の当たりにしたかのような驚きがわき上がってきた。 「こ、これは?」 「ナルカミから生まれた放電体の結晶です。偶然作れただけなんで、威力はそれほどでもないんですけど」 「放電体?」 「カミナリですよ」 「なるほど…これはどうやって使うものなのですか?」 「うーん、昔アギの石は…ああ、アギっていうのは炎の魔法なんですけど、魔法が結晶化したアイテムがあるんです。それを使うときは燃やす範囲を念じて投げつけるだけで発動してました」 「へえ…それはまた凄いですわね。でも、暴発してしまうことは無いんですか?」 「その結晶はマカラカーンといって、魔法を反射する魔法を応用して封じてあるんですよ。敵意とか攻撃意図を鍵にして解放されるんで、暴発はほとんど無いはずです」 「そんな魔法もあるんですか…って、ちょっと待ってください、魔法を反射…って、弾くのとは違うのですか?」 人修羅のさりげない説明にとんでもない言葉が混じっていたのに気づき、ロングビルは額に冷や汗を流しつつ質問した。 「……この世界には無いんですか?魔法とか、物理攻撃の反射って」 ロングビルは手に持った結晶と人修羅の顔を交互に見ると、小声で呟いた。 「風や水で障壁を作ったり、練金で防御壁を作り出すことはありますけど……跳ね返してしまうなんて聞いたこともありませんわ」 人修羅は天を見上げ、そうだったのかーと呟いて顔を手で覆う。 「さっきの話、まだオスマン先生にも言って無いんで、他の人にも言わないで貰えますか……」 「え、ええ。それにしても、人修羅さんのいた国ではとんでもない魔法が使われているんですね」 「一般の人はそんな魔法が存在すること自体知らないですよ。僕ぁたまたま知っちゃっただけですし」 「それでもこういったアイテムを作れるのですから、凄いと思いますよ」 にっこりと笑うロングビルを見て、人修羅はちょっとだけ頬が熱くなる気がした。 ここで大僧正がいたら『煩悩即菩提じゃ』とか言い出すに違いない。 人修羅はふと思い立つと、ポケットの中をまさぐって緑色の結晶体を出し、ロングビルの持っている水色の結晶体と取り替えた。 「これは?」 ロングビルが結晶を見つめながら質問した、結晶はサファイヤのように鈍く透き通っており、陽光に照らされ光を反射している。 「ホントはメディアラハンを入れたかったけど……魔法を付与する技術がまだよく分からないんで効果はディア数回分しか無いと思います。杖の代わりにこの結晶を握って、適当なルーンを唱えると、多少の怪我ならすぐに治りますよ」 「怪我を?治す?……この結晶でですか?」 「ええ。使い切るとただの結晶に戻っちゃいますけどね。片腕を切断したぐらいなら五回は治療できると思いますよ」 さりげなく出てきた”片腕を切断”という言葉に、ロングビルは背筋を震わせた。 人修羅は他人に危害を加えるのをよしとしない、それはここ数日間の監視でなんとなく感じていた事だが、その割にはその能力や、想定している”危機”が危険すぎる気がした。 「…あの、失礼ですが、人修羅さんはいままでどんな生き方を…いえ、どんな戦いをしていたんですか?」 好奇心、怖い物見たさを押さえきれなかったロングビルに、人修羅は困ったような、どこか寂しそうな笑みを返した。 「………数え切れないぐらい戦って、大怪我することもあったけど…。仲魔に助けられてどうにか生きていられたんです」 「仲間ですか」 「ええ、頼もしい連中でしたよ」 そう呟く人修羅の笑みは、どこか寂しそうで、しかし今までで一番のいい笑顔だった。 ロングビルはふと考える、人修羅の力をすべて知っているわけではないが、数々の魔法に、火竜を上回るブレス、そして魔法の反射など、とてもハルケギニアの常識では考えられない能力を持っている。 そんな人修羅に頼りにされる仲間達とはいったいどんな存在なのだろうか。 「シエスタ?」 考え込んでいたロングビルの隣で、人修羅が声を上げた。 ふと顔を上げると、シエスタらしき人物が正門前の馬車に乗り込もうとしていた。 シエスタの服装は魔法学院で見かけるメイド服ではなく、白いシャツに長いスカートの私服姿で、しかも乗り込もうとしている馬車は平民の使うものとは思えない程重厚感のある黒塗りの馬車だった。 ちらりと人修羅の方を見たシエスタは、そのまま顔をうつむかせて、まるで逃げるように馬車の中に入っていった。 「…風邪じゃなかったのかな」 人修羅が呟く。 「風邪?」 「朝、マルトーさんが、シエスタは風邪で休んでるとか言ってたんですけど…あんな馬車に乗って、どうしたんだろう」 「ああ、そういうことですか……そういえばあの馬車の紋章はモット伯のものですわね」 「モット伯?」 「ええ、この間、王宮の勅使として魔法学院に来訪されたのですけど…でも生徒と一緒に授業を受けていたら、ご存じないのも仕方ありませんよね」 「そりゃそうですけど、どうしてシエスタが…?何かあったのかな」 人修羅が腕を組んで考え込んでいると、ロングビルが小声で囁くように、その疑問に答えた。 「…実は、モット伯が来訪されたときに、あのシエスタというメイドが配膳を担当したのですけど…その時、粗相をしてしまったんです」 「粗相って…食器を割ったとか?」 「ええ、その時は気にしないと言っていましたが……その後でモット伯の部下が、メイドにちゃんとした接客を教えるからシエスタ数日差し出すようにと、料理長に言ったそうです」 「…なんだって」 周囲の空気が、一瞬で下がったような気がした。 人修羅の顔を見たロングビルは、その青白い瞳が一瞬だけ金色に見えたような気がしたが、人修羅が馬車の方を向いたので確認はできない。 人修羅とロングビルの目の前で、がらがらがらと音を鳴らして馬車が遠ざかっていく。 ふわりとロングビルの隣で風が動いた、いつの間にか座っていたはずの人修羅の姿が無い。 驚いて周囲を見渡すと、本塔の入り口から中へと入っていく人修羅の姿が見えた。 「いつのまに…!」 ロングビルは躓きそうになりながらも、あわてて人修羅の後を追った。 ■■■ 食堂では、既に昼食の準備が始まっていた、フォーク、ナイフ、スプーン、小皿などがメイドやボーイ達の手で並べられていく。 人修羅は奥の給仕口から厨房の中を見た、厨房ではコック達が昼食の準備に忙しそうだ。 厨房の奥を見ると、ソースの味を確認しているマルトーの姿があった、人修羅は声をかけるべきかどうか迷ったが、マルトーの方が人修羅の姿に気づいたらしく手招きをしてきた。 マルトーは調味料の並ぶ棚の前に移動すると、人修羅を見てただならぬ気配を感じたのか、体をぶるっと震わせた。 「時間を取らせちゃいますけど、いいんですか」 「ああ、俺が確認するところは一応済ませたからな…ところで、どうしたんだ」 「シエスタは、どうしたんですか」 「あ、ああ、シエスタは風邪で…」 「馬車に乗って、出かけていったのに?」 「うっ……」 返答に詰まるマルトーを見て、人修羅は悲しそうに目を細めた。 それだけでマルトーの心に深い罪悪感が生まれる、人修羅に隠し事をしていいはずがないと、心理的な圧迫感を感じた。 「口止め、されてるのか…いや、されてるんですか」 「…すまん、シエスタに頼まれただけじゃない。おまえさんには知られたくなかったんだ」 「いったい、どうして?」 マルトーは観念したのか、シエスタの身に何が起こったのかを小声で喋り始めた。 シエスタが連れて行かれた理由はロングビルの説明と差はなかった、しかしモット伯という人物の評判に話が及ぶと、マルトーは心底から申し訳なさそうに顔に皺を寄せた。 「……それで、モット伯爵ってヤツなんだが、これが、平民の女を囲うのが趣味だって言われててな…」 「囲うって…マルトーさん、そんな所にシエスタを行かせたのか…!?」 「俺だって逆らったさ!だけど俺は平民だ、魔法学院の中だけならオールド・オスマンが便宜を図ってくれる。 でもそれ以外の場所じゃ俺たちの命なんてあって無いようなもんなんだ! それに、シエスタも俺たちに迷惑をかけまいとして、一人でさっさとモット伯の別荘に行くと約束をしちまった。どうしょうもねぇんだ…」 人修羅とマルトーは顔をうつむかせた、マルトーの両手は力強く握りしめられるのでもなく、力なくぶら下がるのでもなく、やり場のない怒りが彼の手を震えさせるのみであった。 「オールド・オスマンは、このことを知ってるのか?」 「知ってる。今日は王宮に呼ばれてるんで、旧知の学者連中に会って、モット伯を小突く算段を取り付けてやるとか言ってくれたが……それが効を奏するには三日はかかるだろうってな……」 「そうか…」 思わず両手に力が入る、人修羅はキッと顔をあげると、無言のまま早足で勝手口から外へと出て行った。 ■■■ 「あら? 人修羅ったら、居ないと思ったらあんな所に…」 午前中の授業を終えたルイズは、一度寮塔に戻って人修羅を呼ぼうとした、しかし寮の中にも居ないので、どこにいったのかしらと首をかしげた。 外に出て本塔に向かうと、魔法学院の正門に立つ人修羅の後ろ姿が見えた、ルイズ早歩きで人修羅の近くに寄ると、少しきつめに声をかけた。 「人修羅! 何やってるのよこんな所で」 「…あ、ああ。ルイズさんか、いや、ちょっとね」 「ちょっと何よ。何か珍しい物でも見つけたの?勉強熱心なのはいいけど、あまり物珍しそうにしないでよね、田舎物だと思われるわよ」 「ああ…ごめん。ちょっと考えることがあってさ。昼食、俺はいいから、先に行ってよ」 いつもと違い、どこか遠くを気にするような人修羅の仕草、それが何かを隠しているのだとルイズには感じられた。 しかし、それを今追求する気にはなれない、ホームシックにでもかかっているのだろうかと無理矢理結論づけて、昼食を食べに本塔へと戻っていった。 しかし人修羅は、ルイズが昼食を食べ終わってもまだ正門の前に立ち、外を見続けていた。 「ねえ、彼はどうしたのよ」 ルイズが昼食を食べ終わり、席を立とうとしたところキュルケに声をかけられた。 離れた席に座っていたはずのキュルケが、わざわざルイズの側に来るなんてロクでもないことに決まっている、そう思いこんで不機嫌な態度のまま返事をした。 「何の事よ、ツェルプストー」 「さっきからフレイムが人修羅の側にいるのよ、学院の正門前よ。他の使い間も集まってるみたいだけど……あんたご飯抜きにでもしたの?」 「へっ? どういうことよ、それ」 「直接見てくればいいじゃない。ずっと正門前にいるわよ」 「………」 ルイズもさすがに何かおかしいと感じ取ったのか、少々乱暴に立ち上がると、そそくさと食堂から出て行った。 「それにしても、人修羅って不思議よねえ、使い魔にまで心配されるなんて」 正門前に走り寄るルイズを迎えたのは、キュルケのフレイムやタバサのシルフィードをはじめとする使い魔達だった。 「なっ、なんなのよこれー!」 驚いたルイズがたまらず声をあげると、使い間達と人修羅が一斉にルイズの方を向いた。 「あれ?ルイズさん、どうしたの?」 「何のんきにしてるのよ!」 「いや別にのんきにしてるわけじゃ…」 人修羅に詰め寄ろうとしたルイズは、おろおろと両手を前に突き出した人修羅を見て、はぁーとため息をついた。 「なんでこんなに沢山使い魔が集まってるのよ」 「あー……なんか心配してくれたみたいで、追い返すのも悪いかなあと思ってさ」 「心配? …やっぱりあんた何か隠してるんじゃないの」 「ううんけっしてぜったいほんとうにそんなことはないよ」 「棒読みよ」 「…」 ルイズは一呼吸置いてから、ぐっと胸を張り人修羅を見上げた。 周囲の使い魔達の視線に負けぬよう体に力を入れ、両手を腰に当てて精一杯体を大きく見せる。 「私はねっ、あなたのご主人様なのよ!メイジと使い魔は一心同体なの!だから困ったことがあるなら私に言いなさいよ!……それとも、私が頼りないって言いたいの?」 拗ねたような目で人修羅を見る、すると人修羅は困ったように頭をかいて、ごめん、と頭を下げた。 「ごめん。確かにその通りだ。ルイズさんにはちゃんと話すべきだった。…悩みがあるんだ、聞いてもらえるかい?」 「さ、最初からそう言えばいいのよ。でもここじゃ落ち着かないわね。部屋に戻りましょ」 「午後の授業は?」 「使い魔の世話もメイジの大事な役目よ。だからちょっとぐらい大丈夫……だと思うわ」ルイズは人修羅の手を取って、寮塔へと歩き出した。 人修羅は後ろを振り向いて、自分を気遣ってくれた使い魔達に手を振り、小声でありがとうと礼を言う、すると使い魔達はそれぞれが小さな声で鳴き、いつもの寝床へと戻っていった。 ■■■ 「シエスタって…あのメイドね。彼女がモット伯の別荘に連れて行かれたって言うのね」 「ああ。ルイズさんもモット伯の評判は聞いてるの?」 「それは、少しは聞いてるけど……良い評判なんて無いわよ」 ルイズは、午後の授業を欠席して人修羅の話を聞いていた。 人修羅はマルトーとロングビルから聞いた話をルイズに伝えた、シエスタが粗相をしたのを理由にして 、平民の女を囲うことで有名なモット伯の別荘に連れて行かれてしまったと言ったとことで、ルイズの表情に嫌悪感と悲壮感が浮かんだ。 「ねえ…どうしてそんなにシエスタのことを気にかけるの?」 ルイズは、心のどこかで嫉妬のようなものを感じ、思わずこんな質問をしてしまった。 それに自分で気づいているのか、少し罪悪感めいたものを感じてしまったが、口から言葉が出てしまった以上は覆せない。 しばらくの沈黙の後、人修羅が呟いた。 「…何十年も前に、俺の居た世界で戦争があった。物資の不足は略奪や強姦、奴隷売買も公然のものとされた。そんな中で率先して体を売り、強姦の被害を減らそうとした女達が居たんだ」 「………」 ごくり、とルイズがつばを飲み込んだ。 「ある人はそれを尊いと言い、ある人は彼女らの名誉のため口をつぐんだ。だがある人は汚いと言って女達を蔑んだ。 ……仲魔の一人にシヴァって奴がいた、そいつは破壊を司る司祭でね(ホントは神様だけど)。 体を売らなければ生きられない人、自分の手足を切り落として哀れみを誘い恵みを乞う人にも、この現状を、世界の仕組みを破壊してくれと信仰されていたって聞いたよ」 「またある国では娼婦が格上の男を狙って、魅力や教養を高め、自分の地位を向上させようと躍起になっていた。 その中には慈愛に満ちた人もいれば、権力欲に取り憑かれ毒殺を繰り返す人もいた」 「ある人は自信の誇りにかけて身を犠牲にし、ある人はよいよい生活のために体を道具として使いこなす。 ……以前、ルイズさんは貴族について、魔法が使えるか否かでなく、生き方とかが貴族を現すとか、そんな話をしてくれたよね? シエスタは立派だと思う。ある意味、貴族でなくても貴族を手本にして、立派に生きてる」 ルイズの向かい側に座る人修羅の瞳が、黄金色に輝く。 「ルイズさん、俺は厨房の皆に、特にシエスタにも世話になった。だから俺はシエスタを助け出したい。 ……でも俺は破壊することしかできない、トリスタニアなら5分とかけずに焦土にできると思っている。 モット伯の別荘がどれほどの規模か知らないが、跡形もなく吹き飛ばす自信もある。 またはその力を使ってモット伯を脅迫してもいい。 けれどもそれをしたら、ルイズさんにもシエスタにも、よくしてくれた人達全員に迷惑がかかる!俺はどうしたらいいんだ!? もしかして身を売る事なんてよくあることで、俺の考えていることは場違いなお節介なのか? それとも平民の扱いなんてそういうものだとして、納得すればいいのか!俺は!」 ぶわりと周囲に風が舞う、人修羅の体から放出された魔力が赤黒い風となる。 「きょ、脅迫なんて駄目だけど、人修羅の考えは間違ってないわよ、私だって、そんな横暴は許したくないわよ!」 恐ろしいまでの力に気圧されながらも、ルイズは必死に腹に力を入れて、人修羅に言い返した。 「……すまん。いや、ごめん。八つ当たりになっちまった…」 人修羅はテーブルに肘を突いて、俯かせた顔を両手で隠した。 その様子を見て少し落ち着いたのか、ルイズは自分の心臓がバクバクと大きな音を立てているのに気づいた。 あまりの緊張で忘れていた呼吸を再開し、息を整えると、顔を隠したままじっと動かない人修羅を見つめた。 「ねえ、人修羅。ねえってば」 人修羅は手を下ろし、ルイズの顔を見つめた。 「今からモット伯の別荘に行くわよ。シエスタは私が個人的に雇う約束をしてる、変な手出しをしたら許さないわ」 「え…」 これには人修羅も絶句した、シエスタを雇うなんて話は聞いたこともない、ましてやルイズがそこまでしてシエスタを助ける義理など無いはずだ。 なぜ?という疑問が顔に出たのか、ルイズは驚いている人修羅の顔を見て、ふんと鼻を鳴らし顔を背けた。 「べ、べつにあんたのためじゃないわよ、あんたに執事をやらせるのに、先生が必要でしょ!ああもう、とっとと行くわよ!馬を借りるわ!」 勢いよく立ち上がってそう宣言すると、ルイズは一目散に部屋から飛び出ていった。 人修羅は驚きと、悦びの混じった表情で呆気にとられていたが、すぐに気を取り直し、出遅れた時間を取り戻そうと、窓から飛び降りてルイズの後を追った。 ■■■ ……さてそんな気合いを入れた二人は、番兵から別荘の位置を聞き、馬を走らせ、あれよあれよという間にモット伯の別荘に到着してしまった。 ルイズはモット伯について、いくつかの噂を聞いている。 その中でも特に印象に残ったのが、長女エレオノール姉の結婚相手としてモット伯の名前が出た時のことだ。 母は『みっともない』と言い、父は『……』無言で顔をしかめ、エレオノールは『最低だ』と掃いて捨てた。 魔法学院に来てからも何度か噂を耳にしたが、そのどれもが『女好き』とか『平民に手を出し過ぎる』といった内容だった。 二人がモット伯の別荘にたどり着き、驚くほどすんなりと中に通されると、その噂が的を射ていたと嫌と言うほど納得できた。 別荘の外を警護するのは、無骨なプレートメイルに身を包み、槍を持った衛兵、そして犬型のガーゴイル。 しかし中に入ってみれば、案内役のメイドさんは胸元が大きく開いた服を着ており、スカートもギリギリまで短い。 応接間に通されると、給仕のメイドはレースのタイツをはいて、両脇に大きなスリットの入ったスカートを着用していた。 人修羅はそれを見て「チャ、チャイナドレス…」と言っていたが、ルイズには何のことだかさっぱり分からない。 しばらく待っていると、応接室の扉が開かれ、右手と頭に包帯を巻いたシエスタが姿を現した。 「シエスタ!?どうしたんだ、いや、大丈夫だったのか?」 人修羅が立ち上がり、シエスタに近づく。 「は、はい、私は大丈夫です…あの、お二人とも、どうしてこちらに…?」 「あなたを連れ戻しに来たんだけど……」 「えっ、では、迎えに来てくださったんですか」 「そうなんだけど…」 ルイズがどうしたものかと困っていると、扉からもう一人の人物が応接間へと入ってきた。 「やあこれは公爵家のご息女ではございませんか、わざわざこのような田舎の別荘にまでお越しいただけるとは、幸いですなあ」 微妙に先端がカールした口ひげ、整髪剤で整えられたてかてかの髪、姿を現したのはモット伯その人だった。 「わざわざこのメイドを迎えに来たそうですが…?」 「え、ええ。そのメイドは私が個人的に雇う約束をしておりましたの。それなのに突然モット伯の別荘に向かったと聞いて驚きましたわ」 人修羅はいつもと違うルイズの口調に驚きつつ、シエスタの手を引いてモット伯から距離を取った。 「そうでしたか!いやあこれは大変なことをしました、実は別荘に来るまでの間、馬車が暴れ牛に衝突したようなのです。 その衝撃でこのメイド…ええとシエスタでしたな。 彼女は頭と手を打ち付けてしまいまして。これから魔法学院に送り返すところだったのですよ!」 「はあ」 「いやまったく残念ですが、怪我した少女をいたぶるような趣味はありませんからなあ、それにヴァリエール家で雇われるのでしたら私が手出しするのもちと厄介です」 「はあ…」 ルイズはモット伯の饒舌さに驚き、呆れていた。 一念発起してシエスタを助けに来たのはいいが、なぜか肩すかしを食らった気がする。 そんなルイズを無視して、モット伯は人修羅とシエスタに向き直った。 「おお、ところで…気絶したシエスタが、ヒトシュラとか呼んでいましたが、先ほどから手を繋いでいるのを見ると君がヒトシュラですかな」 「えっ、はい、そうですけど」 指摘され、慌ててシエスタの手を離した人修羅だが、シエスタはどこか残念そうな視線を、ルイズはちょっと不機嫌そうな視線を向けてくるので、微妙に居心地が悪い。 「なんと!魔法学院で変わった使い魔が召還されたと聞きましたが、まさか君がそうなのかね!」 「ええ、まあ一応…」 モット伯のテンションについていけない人修羅は、ほんのちょっと後ずさりつつ答えた。 「なるほど、亜人か東方の人間かと噂になっていたが、ミス・ヴァリエールの従者を務めるとは、これは驚かされた! 友好の証に握手を!」 そう言うとモット伯は手を差し出した、人修羅も仕方なく手を差し出すと、モット伯は人修羅の手を両手でがしっと掴み込む、政治家らしく迫力のある握手の仕方だった。 「何!東方の交易品には私も興味があるのでな、何かおもしろいものがあれば教えてくたまえ!ハハハ!」 モット伯は最後までテンションの高いまま、応接室を出て行った。 後に残された人修羅と、シエスタと、ルイズの三人は交互に顔を見合わせる。 「……帰りましょう」 ルイズが力なく呟いた。 ■■■ モット伯の別荘、その二階の窓からは、魔法学院に帰ろうとする三人の姿が見下ろせた。 シエスタとルイズがそれぞれ馬に乗り、人修羅がシエスタの乗る馬を引く、シエスタの怪我を案じてのことだろう。 時刻はもう夕方にさしかかっており、魔法学院に到着する頃には夜になるだろうが、人修羅という存在が近くにいれば誰も手を出せないはずだ。 モット伯はそれを見届けるとカーテンを閉じ、振り返る、するとそこには王宮に向かったはずのオールド・オスマンがメイドに囲まれてにこにこと微笑んでいた。 そのすぐ隣のソファには、ロングビルがやたら露出度の高い服を着たメイドにお酌をされ、少し戸惑ったような表情を見せている。 「モット君。『水』のトライアングルとして、政治屋としても意見を聞きたい。人修羅君はどうかね」 グラスを片手にオールド・オスマンが呟くと、モット伯はオスマンの向かいの席に座り、メイドからグラスを手渡されつつ返答した。 「握手して水の流れを探ってみましたが、深すぎる。ラグドリアン湖のように透明ですがいかんせん深すぎて全貌を探れません。 ディティクト・マジックを使って探ろうとすれば、かえってその深さに飲み込まれるでしょう。味方なら守護神、敵ならばまさしく悪魔ですな」 きっぱりと言い切るモット伯の眼光は、先程とは違って鋭く、そして獣じみている。 「それほどかね」 「それほどです。政治家としては……そうですな、王宮の者達にしてみれば東方の話題など与太話に過ぎません。 必要最低限の報告をするのみで、後は伏せておきましょう、事が起こってからでは遅すぎると非難する者などいやしませんよ。 あるとすれば、そういったヤジの得意な者達がよけいな事を起こすのです。 こちらから何もしなければ、人修羅君も王宮も特に動こうとはしないでしょう」 オールド・オスマンはひげを撫でつつ、ふむとうなった。 そもそも今回の騒動は、オールド・オスマンがモット伯と共に計画した、自作自演の劇であった。 シエスタが粗相をしたというのも、実は魔法を使っている、その時点からシエスタ誘拐騒動は始まっていたのだ。 途中、馬車を転ばせるというのはやりすぎだと思ったが、シエスタに何の手出しもせず魔法学院に返すのは不自然過ぎる。 そのた、なるべく怪我をしないように転ばせたのだが、その調節にはとても苦労した。 「そうじゃのう。モートソグニルが人修羅君とミス・ヴァリエールの会話を聞いていたが、人修羅君は争いを必要以上に恐れておる。 自分と周囲に危害が及べば、なりふりかまわず動くじゃろうが…その時が来ないとも限らん。 彼に必要なのは友人じゃな、仲間のため、友のため、恩のため。 そういった価値観が彼の大部分を占めておるのじゃろう、ミス・ロングビルや、君の見立てではどうかな」 いきなり話を振られれたロングビルは、え…と困り顔になったが、気を取り直してオスマンに向き直り口を開いた。 「危険はないと思いますわ。料理長のマルトーに詰め寄った時も暴力的ではありませんでしたし、むしろ自分の無力を嘆いているような気がします」 「うむ…ミス・ロングビル。君さえ良ければ、これからも彼らの力になってやってくれんか? 君は貴族の立場を剥奪された、じゃからこそ貴族の傲慢さをよく知っておるじゃろう、彼らを無用の争いに巻き込まぬためにも、悪意のない第三者になってはくれんか」 「…いつまで魔法学院にいられるか分かりませんが、可能な限り助力致しますわ。その代わりセクハラは止めてくださいね」 「つれないのう」 ロングビルとオスマンのやりとりを聞いてたモット伯は、ハハハと笑い出した。 手近な所にいたメイドを抱き寄せると、隣に座らせて髪の毛を撫でる。 「オスマン先生は未だにセクハラ癖が抜けませんか!さすがですな、女は後腐れ無く買うに限ると言っていたのに、その反面スリルを求めてセクハラを止めぬとは、流石は我が恩師!」 ロングビルがハァ?とでも言いたげな顔でオスマンとモット伯を見比べる、どうやらこの二人にはただのコネではなく、深い繋がりがあるらしい。 「オールド・オスマン。どういうことですか?」 「い、いや……ちょっと説明しづらいんじゃが」 「ならば私の口からご説明致しましょう。私もあの頃は魔法学院の、一介の学生に過ぎませんでした。ところがある日私は同級生の手によって悪名をとどろかせる羽目になったのです。 曰く、『寝小便のモット』と!!これには参りました、確かに私は寝小便でハルケギニア全図を書き上げておりましたがが故意ではありません、しかもそれを二つ名にされるなどあまりにも屈辱的! 私は寮塔に引きこもり授業に出ぬ日が続きました……しかし、そこにオールド・オスマンが現れて私にこう助言して下さったのです!『逆に考えるんだ、本気の寝小便などこの程度ではない』と! それを聞いた私の心に、雷のような衝撃が走りました、そして私は決意したのです!『波涛のモット』と名乗ることを! それからは世界が180度変わりました、寝小便で作り上げた水の鞭を操り決闘に挑み、50戦50勝39不戦勝を誇るに至りました!! しかし強すぎる存在は皆から敬遠されるもの……私の周りには女性など誰も近づきませんでした、そこで私はオールド・オスマンに習い、平民も貴族も分け隔て無く、綺麗な女性ならオールオッケーな態度でエロに挑んだのです! その結果私は平民の女を囲っていると噂されましたが、何そんなものは気になりません。私は彼女らの奉仕を受ける代わりに教育を施します、もう何人もが卒業して、ゲルマニアやガリアの商業地域で働いております。 田舎で子供達に文字を教えているという手紙も届きます、それもこれもエロのおかげ!エロはすばらしい!MOTTOMOTTO!」 演説を続けるモット伯から目をそらし、ロングビルはオールド・オスマンを睨み付けた。 「最低…」 「そ、そんな目で見んでくれ。ワシだってモット君がこんなになるなんて予想してなかったんだもん…」 ふと、モット伯の隣にいるメイドを見る、彼女は嬉しそうな笑顔でモット伯に身を寄せている。 後ろに控える猫耳をつけたメイドやウサギ耳をつけたメイドも『また病気が始まりましたわ』とか『いつものことですから』とか、苦笑いを浮かべている。 だが誰一人として嫌そうな気配は無い、モット伯という人物は、方法こそアレだが、ちゃんとメイド達から慕われているらしい。 (…化け物じみたお人好しの使い魔、王宮の勅使は変態。こんなので大丈夫かね、トリステインは) 口から飛び出しそうな呟きを、ロングビルはワインと共に飲み込んだ。 前ページ次ページアクマがこんにちわ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/574.html
ギーシュの奇妙な決闘 第三話 『平賀才人』 平賀才人に『貴族という生き物をどう思うか?』と問いかければ、こう応えるだろう。 ――最初は存在そのものに無関心だったけど、次にはた迷惑に感じて、その次に反吐が出るほど嫌いになった。 平賀才人の中の貴族像とは、そういうもので固まりつつあった。 ツンデレによるツンツン補正もお題目もなく言おう。ルイズは当初、才人のことを間違いなく恐れていた。 彼女にとって初めての使い魔であるリンゴォは自分をも超える魔法(少なくとも、彼女はそう認識していた)の使い手であり、自分を敬うどころか見下し、軽蔑しきっていた。 リンゴォがギーシュとの決闘に望もうとした時、彼女は止めた。『メイジが平民に負けるはずがない』と、彼女なりに必死に止めたのだ。 ……そんな彼女に対してリンゴォが無言で向けた軽蔑の視線を、彼女は忘れないだろう。 リンゴォ・ロードアゲインは、結局彼女の静止の言葉に対して、何の感想も残すことなく『消えた』。 彼女からすれば、好意を軽蔑で返されたのであり、不快感をぬぐう事はできなかった。この不快感がリンゴォの持っていた得体の知れない能力と、決闘に対する異常な姿勢が想反作用を起こし、彼女の中の『リンゴォ・ロードアゲイン』という虚像は、酷く得体の知れないものになりつつあった。 ここで余談を語ろう。ハルキゲニアにおける『決闘』という概念は、読者諸氏が連想するような決闘とも、リンゴォが至上とする決闘とも、大きくかけ離れたものになっている。 昔はリンゴォが目指したもののように、お互いの全てをかけた公平な果し合いだったのだが、貴族の本質が腐敗するにしたがって、決闘という神聖な行為も、形骸化して言ったのだ。 すなわち、『命をかけた決闘』から、『貴族同士のお遊び』のレベルにまで堕落して行き、今では杖を落としたほうが負けで、相手を傷つけないのが『粋』という、スポーツのようなルールが後付けされている始末である。 貴族全体が腐敗し始めたからといって、全ての貴族が腐りきっているわけではない。ルイズやキュルケなどは貴族の中でもかなり『マトモ』な部類に入っている……だからこそ、ルイズは今の形骸化した決闘に、命を賭ける意義を見出せなかった。 ルイズからすれば、お遊びに対して異常(と、少なくともルイズにはそう見えた)なまでの執念を燃やすリンゴォに対して、呆れより恐怖が先立った。 リンゴォのような『生き物』は、ルイズの世界にいなかった。 ゆえに、恐怖した。 ――ゼロのルイズが召還したのは人間ではなく古代の悪魔だ。 本来ならば彼女自身が真っ先に否定すべき馬鹿げた噂だった。証拠もヘッタクレも何もない噂話を、ルイズはすんなりと事実として認めてしまった。 ひとつは、時間を操作するなどという馬鹿げた能力を、人間が使えるはずはないという事実に基づいた先入観。ひとつは、彼女自身が『ゼロ』と呼ばれる度に傷つけられてきた彼女自身のプライドだ。 自分は悪魔を召還した。自分は悪魔を召還できる! そう考えたほうがはるかに楽であったし、プライドも傷つけられない。彼女は、『楽』な道へと逃げる事を選んだのである。 コレは彼女の弱さだろうか? 否。 彼女は元来優しい人間である。彼女の優しい少女としての部分は、自分の使い魔が級友を殺そうとした事実が重すぎた。 血まみれのギーシュ、泣きながら自分をなじるモンモランシー。二つの光景は彼女の精神を強かに打ちのめした。そんな彼女の前に垂れ下がってきた一本の蜘蛛の糸。それにすがった彼女を誰が攻められるだろう。 使い魔が制御できなかった、という事実も、彼女の精神の『気高さ』を磨耗させる要因だった。『ゼロ』は所詮『ゼロ』なのではないか? ……普段ならば彼女自身が持つ『気高さ』で軽く耐えて見せるところだが、リンゴォの異常性や級友を殺そうとした事実に打ちのめされた彼女では、耐え切れるものではない。ならば、使い魔が制御できなくて当然のものならば? ……事この一件に関して、彼女を攻める事ができるのは他ならぬ彼女自身だけだろう。 自分は悪魔を召還した。してしまった。 その事実だけでも重いというのに! 今日又再召喚を行う事になってしまった! ルイズの内心の不安は只一つ。 『又、リンゴォのような使い魔を召還してしまったらどうしよう』 又、悪魔が級友を殺そうとしたら? 又、悪魔を制御できなかったら? 彼女の精神は、ボロボロだった。内心の恐怖に耐えるだけで、精一杯だった。 そして、召還に応じてこの世界へ降り立ったのは……人間だった。 平民の、『リンゴォと同じ人間』だった! ギャラリーの誰かが上げた小さな悲鳴を、ルイズは確かに聞いて……その声の主に、感謝した。その声がなければ、自分が変わりに悲鳴を上げていただろうから。 ――簡潔に言ってしまおう。 平民が束になっても敵わないといわれるメイジたち――オールド・オスマンですら――は、召還された極々ふつーの、スタンド能力なんぞ持ってない、うろたえてるだけの才人に対して、ビビリまくっていたのだ! 滑稽通り越して、呆れるべき領域までぶっ飛んだ話である。 肝心の才人はといえば……目が覚めるなり目の前で泣きそうな顔をして怯える少女を見て、たいそうビビッた。 しかも、だ。 「…………」 「へ!?」 才人が必死で状況を把握しようとしている間に、少女のかわいらしい顔が眼前に迫り…… 唇が、触れた。 いきなりの状況。いきなりの美少女。そして、いきなりのキス。そして、直後に訪れる全身を焼くような痛み。 (理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能っ!) どこぞのハーヴェストな少年のように混乱する才人。その後、自分のおかれた状況をルイズに教えてもらうにつれて、彼の混乱の度合いは更に増していった。 ちなみに。 才人がリンゴォほどの凄さを持たない使い魔だと知った途端、ごくごく普通にこき使いだした事を、ここに記しておく。 「彼が、そうなのかい?」 一人の少年が洗濯板を使って原始的な、しかしこの世界では極一般的な洗濯にいそしんでいる。 その光景を遠くに眺めながら、ギーシュは傍らに立つルイズに問いかけた。その声色の成分は、半分が意外さだ。 汗だくになりながら小さなパンツをごしごし洗い、労働の汗を輝かせているその姿から、彼がメイジに勝つほどの使い魔だとは到底思えないのだが。 汗を拭いてすがすがしそうにいかにも『いい労働したぜ!』的な笑顔を浮かべられると……はっきり言って、貴族の下男だといわれても違和感がない。 どーでもいいが才人よ。お前が今汗を拭いたそれは、自分で洗ってたパンティーだぞ。 「というか、ミスヴァリエールは使い魔に洗濯をさせてるのか」 「ルイズ……あなた、いくらなんでも怠けすぎよ」 個人の洗濯物は、個人で片付けるのがこのトリステイン魔法学校では普通だ。ギーシュや、退学になった『黒土のボーンナム』でさえ、自分の洗濯物は自分でしていたというのに。 「し、仕方ないでしょ! あいつ、普段は本当に普通の平民なんだから!」 ギーシュとモンモランシー、二人いっせいに呆れ交じりの目線を送られて、ルイズは顔を間かにして反論した。 「いきなり強くなったのだって、自分の力じゃ使えないみたいだし、あのくらいしか役に立たないのよ!」 「だからって普通、女の子が男に下着洗わせる? 慎みってものがたりないんじゃなくて?」 「……ふん。二股かけられた相手とずるずる続いてるような女に、慎みなんていわれたくないわ」 刹那、モンモランシーとルイズの間に火花が散る。それも、実体化したら付近一帯火の海になるような、特大の奴が。 元々この二人は相性がいいとは決していえない間柄だったのだが、先日の決闘によってギーシュが負傷した事で、二人の間に漂う空気は、激烈に悪くなっていった。 モンモランシーが一方的に難癖をつけてるだけで、ルイズのほうから喧嘩を売ったことはないのだが。それでも毎回火花が散るのは、彼女の性格上やり返ささずにはいられず、それに又モンモランシーが言い返して……という、悪循環のなせる業であった。 (こ、ここは『沈黙』していたほうがよさそうだっ! よくわからないが、僕が口を出したら間違いなくあの視線が僕に向けられる! 僕は無事じゃあすまない!) 会話の中に、『二股』の単語が混ざっていたのを耳ざとく見つけ、ギーシュは二人をあえて止めず、沈黙を守った! 賢い選択ではあるのだが……傍から見てると、喧嘩する女二人を前にしてだまる男いう、とてつもなく情けない光景である。とてもじゃあないが、先日リンゴォを打ち破った男と同一人物とは思えない。 「大体、今日の一時限目は使い魔同伴でしょう? あれだけの量の洗濯物を一人で制限時間以内片付けるなんて無理に決まってるじゃない。そんな事も分からないの?」 「いつもは一人じゃなくてあの時のメイドが手伝ってるのよ! あー、もう! 何で今日に限っていないのよ!」 「……あの時のメイド?」 ルイズの使用した『あの時』という表現が、ギーシュの脳裏で小さな化学反応を起こし、一人の少女の像を映し出す。 手のひらに巻かれた包帯が痛々しいその少女は、確かに自分とリンゴォの決闘のきっかけとなった、あのメイド…… 「……そのメイドって言うのは、僕とリンゴォの時に香水を拾った?」 「え? ……ええ、そうよ。 才人に助けられてから、何かにつけてよく会ってるらしいのよ」 ポツリともらしたギーシュのつぶやきに気付き、ルイズが己の知りうる知識を口に出す。 「確か、名前はシエスタだったかしら。あの手じゃあ洗濯物も出来ないから、才人が手伝うとか言い出して、最近じゃメイドの洗濯物も一緒にやってるのよ! 全く! 使い魔の癖にご主人様に何の相談もなしに!」 そういう関わりならば納得だ。 敗れたとはいえ貴族に善戦し、半死半生の傷を負わせたリンゴォの存在が、学園に勤める平民達の間で神格化されていることは、ギーシュもモンモランシーから聞き知っていた。 その後釜として召還された才人がボーンナムを倒したことで、『我らが剣』ともてはやされている事も。 「へえ。彼女はシエスタというのか……ミス・ヴァリエール。彼女と少し話したいのだけど、取り持ってくれないかな?」 「それはいいけど…… ゲ 」 ここで、彼の名誉のために告げておこう。 彼がシエスタを見て声を上げたのは、自分が彼女というレディを必要以上に怖がらせた現実と、それに対する謝罪がまだだった事を思い出したからだ。それだけなのだ。イヤホント。 決して、シエスタの巨乳が気になったとか、彼女を口説こうとしたとか、そんな事は全ッ然考えていなかったのである。 (とはいったものの、どうやって彼女に謝罪すればいいのやら……ん? …… ゲ ? ? ) 思考の只中において、ギーシュはようやくルイズがあげた紳士淑女にあるまじき奇声に気が付き、彼女のほうを振り向いた。 そして、 「 ゲ 」 彼も奇声を上げた。 視線の先には、モンモランシーが一人でたたずんでいた。ルイズはいない……どーやらスタコラさっさと逃げたらしい。 さて、そのモンモランシーであるが……その姿勢を、たたずんでいると表現するのは、誤謬というものだろう。仁王立ちのほうが正しい表現だ。 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨という重すぎる音が鼓膜を震わし、髪はゆらゆらと揺らめいて……ギーシュを見つめるその瞳は、屠所の豚を見るかのよう。 「ギーシュ……? 二股に飽き足らず、今度はメイドに手をつけるつもり……?」 まあ、彼自身にどんな思惑があろうと、彼が二股云々の会話の途中に、他の女性の話題を出したというのは確かであり。 モンモランシーがギーシュを疑ってかかるのも、無理なからぬことで。 「も、もんもらんしー!? 一寸待ってくれたまへ……ぼ、僕は病み上がりであって……あの、その、なんでそこで棍棒を取り出すのかな!? ってか、君その棍棒何処から…… ギ ャ ー ッ ! ? 」 「……?」 なんかカエルが踏み潰されたよーな不細工な悲鳴なんだけど、どことなく親近感が沸く悲鳴が聞こえたような気がして、才人はふと顔を上げてあたりを見回す。 ――どうかしたんですか? 才人さん。 いつもならそう聞き返してくれる相手の不在を今更ながらに思い出し、嘆息すると選択に戻った。 手を動かしながら、先日はなった冗談にくすくす笑うシエスタを思い出し、才人はその表情を和らげた。まだどこかに影があるが、出会った当初に比べれば、かなり明るくなった…… (そうだよな。元々あんな風に明るい表情をする娘だったんだよなあ) しみじみと思いながら、才人はシエスタに始めてであった、5日前の事を思い出していた。 ――あの、どうかしました? ルイズに洗濯物を言いつけられ、途方にくれていた才人に、やさしく声をかけられたのがシエスタファーストコンタクトだった。その時の表情は、今浮かべているような陽光を浴びた笑顔ではなく、常に陰影を引きずっているかのような悲しみと憂いに満ちた代物。 リンゴォの死で最も衝撃を受け、悲しんだのは間違いなくシエスタだった。そもそもの原因が、彼女が香水のビンを拾い上げ、ギーシュに責められているところを、リンゴォがかばったことにあるのだから。 彼女は、こう思っていた。『リンゴォを殺したのは自分だ』と。リンゴォが死んだと聞いた直後は、人目を憚らずすすり泣き、丸一日部屋から出てこなかったほどである。彼女は、リンゴォとギーシュが決闘をすると聞いた時、恐ろしさから逃げ出してしまった。今の彼女には、そのことを謝る事すらできない! 実際、彼女の考えをリンゴォが知ったら、『余計なお世話だ』と呆れることだろう。彼はあくまで彼自身の魂の成長のために決闘をし、その命を散らしたのであり、シエスタのために決闘をしたのではない。シエスタをかばった事とて、メイジを脅威と認識していなかったリンゴォにとっては、人が落としたものを拾ってやったという程度の親切でしかなかった。 本人がこの場にいたら、笑うこともせずに『決闘を侮辱するな』と怒っただろう。『アレは俺の意思だ』とも。 だが、この場にリンゴォはいない。死体も言葉も何も残さずに消えてしまった。 シエスタの抱く罪悪感は膨らんでいくばかりだった……平賀才人に出会い、助けられるまでは。 それは、才人が召還された翌日……シエスタと才人が始めてであった日の昼食の席での事。 罪悪感を初めとした負の感情は、どんなものであっても悪い形で抱いている本人に影響を与えるものだ。シエスタは、普段の彼女ならばやらないような致命的なミスをしてしまう。 ――ドレッシングの配膳の最中に転んでしまい、食事をしている貴族にそれをぶちまけてしまったのである。 その時シエスタが連想したのは、リンゴォ……自分が死に追いやった男、彼が決闘に赴く事になったきっかけだった。 まさか、自分のせいで又人が死ぬ……!? 精神的に追い詰められていたシエスタは、妄想じみた強迫観念に襲われた。リンゴォの見てもいない死に様がフラッシュバックし、彼女を軽い恐慌状態に陥れたのである。 彼女は必死で、自分がドレッシングをぶっ掛けた貴族に謝った。もう人を死なせたくない、殺させたくないという一心だった。 恐怖に震え、顔を青くして許しを請うシエスタの有様は、ギーシュに粗相を働いた時の比ではなく、それを見ていた貴族達の同情を買うには十分すぎるほどに、痛々しいものだった。もしギーシュがこうして謝られたなら、バラの花でも片手にして、慌ててシエスタを励ましただろう。 不幸な事に、相手はギーシュではなく、『黒土』の二つ名を持つ、ボーンナムだった。彼にとってシエスタが蒼白になって詫びる姿は、同情心ではなく性的興奮を駆り立てる類のものだったのである。 何のためらいもなく。 ボーンナムは地面に付いたシエスタの手のひらに向かって、食事用のナイフを振り下ろした。 簡潔に記そう。 悲鳴をかみ締めるシエスタと、その有様を見て笑っているボーンナムの姿に、才人はプッツンした。 ――ボーンナムとの決闘のくだりは、特筆する事もないだろう。 皆さんおなじみの話の流れであり、本編ギーシュと同じように、挑み、得意になり、ルイズに庇われてから勝利した。 まあ、才人自身プッツンしていたので、勢い余ってずんばらさと叩き切ってしまった訳だが、そのことに関して後悔はなかった。 ――あれが、貴族だってのか!? 後悔の代わりに才人の胸に残ったのは、『貴族』というカテゴリに対する激しい嫌悪感である。 ボーンナムという男が、貴族社会でも爪弾きにされるほどに稀有な例なのだが、謝罪するシエスタの手のひらにナイフを突き刺し、踏みにじるという人でなしの所業を行う姿は、才人の中の『貴族像』を歪んだ形で固めるには十分すぎるインパクトがあった。たとえ事実を知ったとしても、『貴族』というカテゴリそのものに対する感情は変わらないだろう。 極め付けに、決闘の直後、自分を『我らの剣』とよぶマルトー料理長からこう言われたのである。 シエスタを元の明るい娘に戻すのを手伝ってくれ、と。 彼は多くを語らなかったが、そういった直後に貴族を睨んだ料理長の目つきや、貴族に対して異常に怯えていたシエスタの態度が、彼女の心に傷があり、それが貴族によるものなのだと才人に確信を抱かせてしまった。 この決闘以降、才人の貴族を見る目には、かなりネガティブな成分で構成されたサングラスがかけられる事となった。 例外といえば、自分にダイレクトな好意を寄せてくるキュルケと、次点で主であるルイズの二人ぐらいである。 キュルケは言わずもがな、色気にほだされてる。情けないが野郎のサガというものだ。 自分自身で目にした、召還直後に浮かべた涙と、シエスタから聞いた、『ケガをした自分を看病してくれた』という事実……自分で見た光景と人聞きのエピソードの二つの影響で、どうしてもルイズを嫌いきる事ができない才人であった。 扱いだけなら犬扱いやらなにやらで最悪に近いのだが。 「ふぅ」 洗濯を一通り終えて、才人は再び、汗をぬぐう。今度使ったのはパンティじゃなくて、ご主人様のスカートだったが、スルー。 洗濯の終わった衣類を入れた籠を持ち上げ、その場を去ろうとして……嘆息した。 結局。 洗濯をしながら待っていたのだが、結局シエスタは現れなかった。 毎朝、話しかけるだけでいい。それだけで、あの子は明るくなっている…… マルトーからそういわれて、才人は毎日欠かさずにシエスタと積極的に会話した。道ですれ違えば仕事を手伝ってやり、炊事場でかちあえば洗い物をしながら談笑し…… 才人自身がシエスタを明るくしたいと願い、彼女との会話を楽しみにしていたので、いざいないとなると、胸に穴が開いたようだった。 (シエスタ、どうしたんだろう) 首を傾げて、才人は籠をヨイショと持ち直す。彼女のことは気になったが、この洗濯物を早く干さなければ、匂いが篭ってしまう。 たった一週間足らずの使い魔生活だというのに、早くも主夫ッ振りが板についてきた才人であった。 (そういえば、昨日の晩様子が可笑しかったな) とりあえず、洗濯物が終わったら顔を出しに行こう。 主人に無断で本日の予定を決めて、 一方その頃。 「……と、というわけで。僕はあのメイドに謝りたかっただけなのサ」 「そ、そういう事は早く言いなさいよね」 (いや、言おうとしてたけど、あんた真っ先に喉攻撃して声潰したでしょ) ギーシュがようやくモンモラシーを説き伏せていた。真っ赤になって反応する香水のメイジに、ゼロのメイジは思いっきり突込みを入れたい欲求にかられたが……自重した。 いや、なんか突っ込むとあの棍棒がこっちにも飛んできそうだったので。 ギーシュ・ザ・残虐フルボッコショーを眼前で見せられた身としては、あれに巻き込まれるのは勘弁して欲しかった。 「そ、そういうわけだから……その、シエスタというメイドのところへ、案内してくれないかな?」 バラを片手にふっとキザったらしいポーズをとるギーシュ……まだダメージが残っているのか、足が蟹股上にガクガクブルブル振動していたが。 「それはいいけど……授業はどうするのよ」 「ふむ」 学園に所属するメイジにとって、授業を放棄する事はちょっとした問題だ。学園に在籍するのには問題がなく、厳しいペナルティがあるわけではなく、そういう点では普通の学校と同じなのだが。 問題は、そのメイジの『家』のほうだった。早い話、この学園ではサボった生徒の実家に、その事実を理由から何まで調べ上げてダイレクトに知らせるのである。 そういった事実に対して寛容な家ならばいいのだが……ギーシュの生まれたグラモン家は『命より名を惜しめ』などという家訓があるくらいにそういう事にうるさい。ましてや理由がメイドに会うため。 ギーシュは末弟であり実力もなく、授業をサボったりしようものならかなり厳しい雷が落ちることは明白……だったのだが。 「気にしなくていいよ」 意外! ギーシュは躊躇わず授業を放棄する道を選んだ! 「事は僕自身だけではなく、そのシエスタというレディの『名誉』がかかっているんだからね……まあ、小遣い全面カットくらいは覚悟してるさ」 意外に肝の据わった発言をするギーシュに、ルイズは面白そうに、モンモランシーは面白くなさそう(自分以外の女性にいい顔をして欲しくないらしい)に頷いた。 「おお! 我らの剣よ! 元気か!?」 「うわっ!?」 シエスタを探してメイドの宿舎に向かっていた才人の背中に、声と共に衝撃が走った。 前のめりになって振り向けば、そこには大柄な男が腕組みをして豪快に笑っていた。 この学園の食堂を一手に任せられているコック長、マルトーである。貴族嫌いな平民の代表のような存在であり、才人は彼にたいそう気に入られていた。 「ま、マルトーさん! いきなり叩かないでくださいよ」 「おお、悪い悪い」 せきこむ才人に、全然罪悪感を感じさせない口調で笑い返すマルトー。その笑顔には陰湿的なところは何一つ泣く、からりとした爽快感を感じさせる。 「朝飯は食ったのか? 我らが剣よ。賄いで良かったら、たっぷりあるぜ」 「え!? 本当ですか!」 毎朝ルイズが自分に出す残飯が如き食事を思い出し、才人の表情は明るくなった。脳裏に浮かぶ、暖かそうな湯気を上げるシチューや焼きたてのパン……思わず、唾液があふれ出そうになるが、ふと思いなおした。 脳裏に浮かぶ食事の光景を、シエスタの陰鬱な表情がかき消したのだ。 「そ、そうじゃなくて! マルトーさん、シエスタが何処に行ったか、知りませんか!?」 「?」 慌てて言い直した才人は、マルトーの表情が変化したのに気が付かなかった。 まず、大きく目を見開き、眉をひそめて……痛々しそうに、目をそらしたのである。 「……マルトーさん?」 「そうか……シエスタは、オメーにだけは知られたくなかったんだろうなあ」 「知られたくなかったって」 「我等の剣よ」 マルトーは視線を才人に戻し、戸惑う彼の相貌を見つめて……迷った。数瞬だけ。 シエスタが隠そうとした事実を、自分が明かしていいものか……いやしかし……こいつなら何とかしてくれるかも。 迷ったのは、先述したように数瞬のみ。彼はすぐさま決断し、『事実』を告げた。 「シエスタは……モット伯って奴のところに……」 「ふ、ふふふふふふふふ」 「ぎ、ギーシュ!? 大丈夫なの……」 「だ、大丈夫さモンモランシー。この青銅のギーシュ、これしきのケガ……」 (自分で散々どついといて、何言ってるのよこの金髪ドリル) ふらふらよろめきながら歩くギーシュを必死で支えながら付き添うモンモランシー……その姿を一歩後ろから眺めながら、ルイズは心の中で突っ込んだ。突っ込んでから……ふと、気付く。 ひょっとしてこの女(アマ)、こうやってギーシュを支える事を最初から狙って、過剰なまでのフルボッコを演じたのではないか? だとしたら、まさに外道! である。あるが、 (まいっか) 気付きはしたものの、ルイズはその事実を気にも留めなかった。誤解とはいえぼこぼこにされるようなギーシュの日頃の行動にも問題があるのだし。ギーシュ自身その事を知ったとしても、この男独特の妙な懐の深さで、許してしまうだろうし。 思いながら歩き、目的地……調理場の入り口で立ち止まるルイズ。 「ここのコック長なら、あのメイドの事も知ってる筈よ」 「ああ、ありがとう……」 「けど、あの男確か貴族嫌いなんじゃ」 例を言うギーシュの横で、モンモランシーは学院でも有名な事実を思い出した。 コック長とメイジたちが直接接する機会がないので、さして重要な事柄ではないのだが、今からギーシュがしようとしている事を考えると、避けられない問題だろう。 コック長の立場からすれば、ギーシュはシエスタに絡んでリンゴォを殺した敵であり、情報など教えてもらえるはずがない。 「才人を使って聞き出すわよ」 「いや、僕が自分で聞くさ」 が、ルイズとギーシュは問題にもしていないらしく、ギーシュが震える手で扉を開こうとし、 バ ギ ャ ン ッ ! 「ヤ ッ ダ バ ァ ッ ! !」 飛んだ。 勢いよく開けられた扉に吹っ飛ばされて、景気よく。 ギーシュの体が真後ろに吹っ飛んだ。 本来ならそこまでの衝撃を持たないはずのそれも、ボロボロのギーシュでは耐え切れなかったらしい。 『へ?』 いきなり巻き起こったデンジャーな事故を前に、目を点にする二人。某海賊漫画のコックに蹴られたエイの魚人みたく滑空してったギーシュの行方を、点になった目で見送って。 故に、気付かなかった。 傍らを思いつめた表情の才人が駆け抜けていった事に。 ちなみに、ギーシュであるが。 「うーん……うーん……」 メイドに謝る事もできず、医務室に直行し、夜まで目を覚まさなかったそうな。 なんだかとっても不幸な奴である。
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/11712.html
FFO Replay Version 2.1 冥加//昏睡//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-小野塚 小町- Kamo009//east end girl//博麗 霊夢-博麗 霊夢-博麗 霊夢-紅 美鈴- 賽が投げられて、Kamo009の先攻になりました。 Kamo009の呪力は今1 (+1)です。 Kamo009 ではー 冥加 b 冥加 流石に厳しいw #配置:《夢符「二重結界」》 オートドローがスキップされました。 Turn 2 - 冥加//体力21( 19) 呪力1( 1) 手札6( 5) 山34( 34) スペル0( 1) タイマー00 03(00 12) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 Turn 3 - Kamo009//体力19( 21) 呪力3( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 13(00 09) シーン なし #配置:《夢符「二重結界」》 オートドローがスキップされました。 Turn 4 - 冥加//体力21( 19) 呪力3( 3) 手札6( 5) 山33( 33) スペル1( 2) タイマー00 09(00 20) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Turn 5 - Kamo009//体力19( 21) 呪力6( 3) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー00 22(00 12) シーン なし #配置:《霊符「夢想封印 集」》 オートドローがスキップされました。 Turn 6 - 冥加//体力21( 19) 呪力6( 6) 手札6( 5) 山32( 32) スペル2( 3) タイマー00 12(00 30) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩華「虹色太極拳」//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 Turn 7 - Kamo009//体力19( 21) 呪力10( 6) 手札6( 6) 山31( 31) スペル3( 3) タイマー00 31(00 45) シーン なし #配置:《霊符「夢想封印 集」》 オートドローがスキップされました。 Turn 8 - 冥加//体力21( 19) 呪力10( 10) 手札6( 5) 山31( 31) スペル3( 4) タイマー00 46(00 43) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//シエスタ//香霖堂// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Turn 9 - Kamo009//体力19( 21) 呪力15( 6) 手札6( 6) 山30( 30) スペル4( 4) タイマー00 45(00 54) シーン なし #配置:《神技「八方鬼縛陣」》 ↑起動:《神技「八方鬼縛陣」》 Kamo009は《天賦の才》を手札からKamo009のリーダーに配置しました。 オートドローがスキップされました。 Turn 10 - 冥加//体力21( 19) 呪力10( 8) 手札6( 4) 山30( 30) スペル4( 5) タイマー00 53(01 00) シーン なし 手札:彩華「虹色太極拳」//シエスタ//彩符「極彩颱風」//シエスタ//香霖堂//肉弾戦// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《神技「八方鬼縛陣」》 - Kamo009 Kamo009は《博麗 霊夢》の1番目の特殊能力を使いました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 2 【回避】 - Kamo009 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《彩符「極彩颱風」》を場から手札に置きました。 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 シーン(冥加):《香霖堂》 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 11 - Kamo009//体力19( 19) 呪力9( 3) 手札6( 5) 山28( 29) スペル5( 5) タイマー01 13(02 26) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《神技「八方鬼縛陣」》 vs 《彩華「虹色太極拳」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - dmg 0 3 dmg - 冥加 ↑起動:《神技「八方鬼縛陣」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 12 - 冥加//体力16( 19) 呪力9( 4) 手札6( 6) 山28( 28) スペル5( 5) タイマー02 29(01 43) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//連環撃//彩符「極彩颱風」//紅砲// 冥加はカードを 1 枚引きました。 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 ↑起動:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 13 - Kamo009//体力19( 16) 呪力9( 5) 手札8( 6) 山26( 27) スペル5( 6) タイマー01 38(03 02) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《神技「八方鬼縛陣」》 vs 《彩華「虹色太極拳」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - dmg 0 【回避】 - 冥加 #配置:《神霊「夢想封印 瞬」》 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 14 - 冥加//体力16( 19) 呪力6( 6) 手札7( 7) 山26( 26) スペル6( 6) タイマー03 02(02 14) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//連環撃//彩符「極彩颱風」//紅砲//EXアタック// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《夢符「二重結界」》 - Kamo009 ★戦闘結果:冥加 - 【回避】 2 dmg - Kamo009 冥加の体力が+1 (17) - 彩華「虹色太極拳」 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《連環撃》を冥加の《彩符「極彩颱風」》に配置しました。 冥加は《紅砲》を冥加の《彩華「虹色太極拳」》に配置しました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 15 - Kamo009//体力17( 17) 呪力13( 2) 手札9( 5) 山24( 25) スペル6( 7) タイマー02 14(03 43) シーン 香霖堂 #配置:《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 ↑起動:《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 16 - 冥加//体力17( 17) 呪力9( 5) 手札6( 8) 山24( 24) スペル7( 7) タイマー03 37(02 35) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//EXアタック//肉弾戦//彩符「極彩颱風」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《神霊「夢想封印 瞬」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《彩符「極彩颱風」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 17 - Kamo009//体力17( 17) 呪力12( 5) 手札9( 6) 山22( 23) スペル7( 8) タイマー02 30(04 01) シーン 香霖堂 Kamo009は《夢戦「幻想之月」》を手札から捨て札に置きました。 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 冥加の呪力が+1 (4) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 イベント(冥加):《EXアタック》 イベント(Kamo009):《パターン避け》 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 2 dmg - 冥加 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 18 - 冥加//体力15( 17) 呪力10( 8) 手札6( 7) 山22( 22) スペル8( 7) タイマー04 17(03 23) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//紅砲//彩符「極彩颱風」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩華「虹色太極拳」》 vs 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 - Kamo009 Kamo009は《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》を手札から捨て札に置きました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 3 【回避】 - Kamo009 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《彩符「極彩颱風」》 冥加は《紅砲》を冥加の《彩符「極彩颱風」》に配置しました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 19 - Kamo009//体力17( 12) 呪力12( 4) 手札8( 5) 山20( 21) スペル7( 9) タイマー03 32(04 49) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《霊符「夢想封印 散」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (3) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 20 - 冥加//体力11( 17) 呪力10( 12) 手札6( 7) 山20( 20) スペル9( 7) タイマー04 49(03 59) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《投銭「宵越しの銭」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 21 - Kamo009//体力17( 11) 呪力18( 6) 手札9( 6) 山18( 19) スペル7( 10) タイマー03 53(05 08) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《神技「八方鬼縛陣」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (5) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 #配置:《大結界「博麗弾幕結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 22 - 冥加//体力10( 17) 呪力13( 18) 手札7( 7) 山18( 18) スペル10( 8) タイマー05 04(04 25) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//霊符「古き自縛霊の目覚め」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 23 - Kamo009//体力17( 10) 呪力25( 9) 手札9( 7) 山16( 17) スペル8( 11) タイマー04 18(05 20) シーン 香霖堂 イベント(Kamo009):《直感》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 直感 Kamo009は山札を丸ごと見ました。 Kamo009は山札からカードを 1 枚引き出し、シャッフルの後それを山札の一番上に置きました。 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《天賦の才》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 24 - 冥加//体力9( 17) 呪力17( 22) 手札8( 8) 山16( 15) スペル11( 8) タイマー05 28(04 57) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//霊符「古き自縛霊の目覚め」//幻符「華想夢葛」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《大結界「博麗弾幕結界」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《霊符「古き自縛霊の目覚め」》 冥加は《幻符「華想夢葛」》を手札から捨て札に置きました。 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 25 - Kamo009//体力17( 9) 呪力29( 13) 手札9( 7) 山13( 15) スペル8( 12) タイマー04 47(06 18) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《悪戯》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (12) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 26 - 冥加//体力8( 17) 呪力22( 29) 手札8( 8) 山14( 13) スペル12( 8) タイマー06 08(05 25) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//彩翔「飛花落葉」//三華「崩山彩極砲」//肉弾戦//連環撃// 冥加はカードを 1 枚引きました。 Kamo009は《夢符「二重結界」》を手札から捨て札に置きました。 イベント(冥加):《シエスタ》 冥加の体力が+5 (13) - シエスタ 冥加は《彩翔「飛花落葉」》を手札から捨て札に置きました。 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 27 - Kamo009//体力17( 13) 呪力36( 9) 手札9( 6) 山11( 13) スペル8( 13) タイマー05 17(06 34) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《森羅結界》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 #配置:《神霊「夢想封印 瞬」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 28 - 冥加//体力12( 17) 呪力18( 36) 手札7( 7) 山12( 11) スペル13( 9) タイマー06 23(06 09) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//肉弾戦//連環撃//紅砲//幻符「華想夢葛」// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩符「極彩颱風」》 vs 《夢符「二重結界」》 - Kamo009 冥加の呪力が+1 (17) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:冥加 - dmg 0 4 dmg - Kamo009 #配置:《三華「崩山彩極砲」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 ↑起動:《彩符「極彩颱風」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 29 - Kamo009//体力13( 12) 呪力45( 9) 手札9( 7) 山9( 11) スペル9( 14) タイマー06 09(07 05) シーン 香霖堂 ☆戦闘:Kamo009 - 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 vs 《彩符「極彩颱風」》 - 冥加 Kamo009は《神技「八方鬼縛陣」》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (8) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 冥加は《紅 美鈴》の2番目の特殊能力を使いました。 ★戦闘結果:Kamo009 - 【回避】 1 dmg - 冥加 ↑起動:《夢符「二重結界」》 冥加はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 オートドローがスキップされました。 Turn 30 - 冥加//体力11( 13) 呪力19( 44) 手札8( 8) 山10( 9) スペル14( 9) タイマー06 48(06 58) シーン 香霖堂 手札:シエスタ//肉弾戦//肉弾戦//肉弾戦//連環撃//紅砲//幻符「華想夢葛」//シエスタ// 冥加はカードを 1 枚引きました。 ☆戦闘:冥加 - 《彩符「極彩颱風」》 vs 《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》 - Kamo009 Kamo009は《無重力》を手札から捨て札に置きました。 冥加の呪力が+1 (18) - 彩符「極彩颱風」 冥加は《彩符「極彩颱風」》の1番目の特殊能力を使いました。 Kamo009は《天賦の才》の2番目の特殊能力を使いました。 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(冥加):《肉弾戦》 イベント(Kamo009):《無重力》 ★戦闘結果:冥加 - 【回避】 【回避】 - Kamo009 #配置:《彩華「虹色太極拳」》 Kamo009はカードを 1 枚引きました。 - 香霖堂 Turn 31 - Kamo009//体力13( 11) 呪力47( 1) 手札8( 5) 山7( 9) スペル9( 15) タイマー07 03(07 49) シーン 香霖堂 イベント(Kamo009):《昔のことは気にせず》 冥加は《神霊「夢想封印 瞬」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《夢戦「幻想之月」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《パターン避け》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無題「空を飛ぶ不思議な巫女」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《霊符「夢想封印 散」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《神技「八方鬼縛陣」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《直感》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《天賦の才》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《大結界「博麗弾幕結界」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《悪戯》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《夢符「二重結界」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《森羅結界》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《神技「八方鬼縛陣」》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無重力》を捨て札から山札の一番上に置きました。 冥加は《無重力》を捨て札から山札の一番上に置きました。 Kamo009は捨て札からカードを全部、山札の上に置きました。 Kamo009は山札をシャッフルしました。 冥加 終わった・・・これは終わった・・・ 冥加 投了でいいですか? Kamo009 おkっすー 冥加 有難うございました。 Kamo009 ありがとうございましたー Kamo009 なんか冥加さんなら Kamo009 昔入れてそうで怖くて直感で昔を持ってくるという 冥加 命中補正はEXアタックと肉弾戦しかなく、昔も入ってない体たらくなのでw Kamo009 チキンっぷり Kamo009 なるほど Kamo009 んでは戻りましょかー 冥加 乙でしたノシ Kamo009 ノシ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/331.html
第二話『甘ったれた世界』 男の朝は早い。 まだ夜も明けきらぬうちに、リンゴォは目を覚ました。 朝に起こせと言われたが、まだ起こすような時間でもあるまい。 ルイズはまだ爆睡している。よく言えば平和そうに、悪く言ってしまうと、マヌケに。 リンゴォは素直に、マヌケだな、と思った。 昨夜渡された服を引っ掴むと、リンゴォは部屋を出た。 洗濯をするのなら早いほうが良いし、その為にはこの部屋ではどうにもならない。 どこで洗濯できるのかは知らないが、その辺をうろつけば見つかるだろう。 ついでに自分の服も洗濯しようと考えて、自分には代えの服が無い事に気がついた。 まあ、どうでもいいことだ。 それらしい場所は、すぐに見つかった。 うまい具合に洗濯板も桶もある。見つけたのはそれだけではなかった。 まだ薄暗い中、一人の少女がシーツか何かを洗っていた。 およそ貴族のやる仕事ではないから、使用人か何かだろう。 かまわず近づいていくと、向こうもこちらの姿を認めたらしく、動きを止めた。 見たこともない男(どう見ても貴族ではない)が薄暗い中こんな所をうろついている。 彼女は不審の色を顕わにしたが、思い当たる節があったのか、声をかけてきた。 「お…おはようございます。あの、もしかして、ひょっとすると 貴方はミス・ヴァリエールの使い魔で平民の…えぇと……」 「…他にそういうのがいるのかは知らないが…確かに、オレの雇い主はそのヴァリエールだ。 名は…リンゴォ・ロードアゲイン」 「リンゴォさんですか! わたし、ここで住み込みで働かせてもらっている、 シエスタといいます。あ、わたしは貴方と同じく、平民です」 何が『同じく』なのか、最後の一言に意味はあるのか、そう考えたが、 リンゴォにはどうでもよかった。 「ああ、すまないが、ここで洗濯してもいいか?」 「洗濯? 構いませんけど…あの、その服は……」 少しづつ日が差し始め、リンゴォの手に持っている服がはっきりと確認できるようになる。 どう見ても、男のものではない。というか、女物のパンティがはっきり見える。 「これか? さっき言った、俺の雇い主のものだ。なんでも、これが俺の仕事らしい」 「ええ…それはなんとなく理解できますけど……」 けど、の後少しだけシエスタは黙っていたが―― 「…『それ』、そのまま持って来たんですか……」 おそらく誰にも出会う事はなかったろうが、女性の下着をもって歩き回る男の姿は―― 「あ、あの! 洗濯板はそこにあるのをご自由に使ってください! それから、何かわからない事がありましたら、何でも訊いて下さい!」 シエスタは、何も言わない事にした。 それから少しの間、二人はその場で洗濯をしていた。 気を遣っているのかシエスタが色々と話しかけてくる。 リンゴォはそれを適当に受け流す。 「あの…そういえばさっき、ミス・ヴァリエールのことを『雇い主』だと 仰っていましたが……。いくら人間とはいえ、やはり使い魔なのですから、 自分の主人をそんな風に呼ぶべきではないと思います。それに……」 「平民が貴族の方を呼び捨てにするというのも……」 リンゴォは黙ったままパンティを洗っている。 その沈黙にシエスタは耐えられなかったらしい。 「…あの……もし、ご気分を害してしまったのならすみません」 「いや…別にオレにはどうでもいい事だ」 二人は、ほぼ同時に洗濯を終わらせた。 「あの、なんでしたら、その洗濯物もわたしが干しておきましょうか?」 「ああ…そうしてくれるとありがたい」 自分の洗濯物とリンゴォの洗濯物をまとめると、彼女はそうだ、とつぶやいた。 「洗濯物が多い日は大変でしょうから、よければ今度からこれを使って下さい」 と、リンゴォに持っていた袋を手渡した。 「あぁ、すまない」 「いえ…平民同士、困った時はお互い様です。では、わたしはこれで」 シエスタは洗濯物を抱えてどこかへと行ってしまった。 リンゴォは先ほど、ありがたい、と口にしたが、別に心底そう思ったわけではない。 誰もがそうするように、ただの社交辞令だ。 リンゴォが本当に感謝の意を示すのは、彼が認めた男だけだ。 ルイズの部屋へ帰る道すがら、リンゴォは一人思う。 この世界は、貴族も平民も、あんな奴らばかりなのだろうか? ここでは貴族も平民も、この『学院』とやらに飼われている。 その事を理解している分シエスタはルイズよりマシと言えたが、 その事を理解している分だけシエスタは卑屈だった。 それが余計にリンゴォを不快にさせた。 リンゴォがこの世界でまともに出会った人間は、ルイズとシエスタの二人だけだったが、 それだけで彼がこの世界を判断するには十分な材料だった。 (だが、それもどうでもいいことだ……) こんな世界でも、牙を砥いでいる人間はいる筈だ。 こんな世界だからこそ、その牙はより強く光り輝く。 彼の興味は、其処にしかなかった。