約 1,871,389 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2028.html
シエスタは馬車の中で、眠れぬ夜を過ごしていた。 暗闇の中で目を開けて向かい側の椅子を見ると、モンモランシーが椅子の上でに横になりすぅすぅと寝息を立てている。 カリーヌは、水の精霊に危害を加えるメイジを一人で相手すると言っていた。 ラグドリアン湖の湖底にいる水の精霊、それに危害を加えるだけでも大変なことなのに、水の精霊を手こずらせるのだから、襲撃者はかなりの手練れなのだろう。 カリーヌの手伝いをしたいと申し出たシエスタだが、「客人を危険な目に遭わせるわけにはいかない」と言われ、申し出を断られてしまった。 オールド・オスマンからカリーヌ・デジレは『烈風カリン』だと聞かされていたが、貴族の世界に仲間入りを果たしてまだ間もないシエスタには、いまいちその強さや伝説がピンとこなかった。 シエスタは暗闇の中で、今からでもカリーヌを手助けに行くべきだろうかと悩んでいた。 「きゅいーーーーーーーーーっ!」 「!」 シエスタが飛び起きる。 突然聞こえてきた、何かの叫び声に聞き覚えがあった。 シエスタは馬車から出ようと、内側にかけてある鍵を開けようとしたが『ロック』の魔法がかけられており鍵が開かない。 「開かないっ、何で?どうして!?」 「な、なに?どうしたの?」 モンモランシーがシエスタの声に驚き、飛び起きる。 「モンモランシーさん、この扉鍵がかかってるんです!魔法で鍵を開けて下さい!」 「え?え?でもカリーヌ様が…」 「お願いします!」 「わっ、解ったわよ、ちょっと待って」 モンモランシーは懐から杖を取り出すと、馬車のドアノブに向けて『アンロック』を唱えた。 しかし、何の反応もない。 モンモランシーは再度杖を向けると、先ほどよりもゆっくりとした動作で『アンロック』を使った。 「……駄目ね、きっとカリーヌ様が『ロック』をかけて出かけらしたんだわ、私の『アンロック』じゃ太刀打ち出来ないみたい」 「そんな…」 そうこうしているうちに、馬車の外からドスン、と音がした。 馬車の窓を開けて外を見ると、月明かりに照らされた一匹の竜が地面に横たわっていた。 「シルフィード!?」 シエスタの叫びに気がついたのか、シルフィードは首を上げ辺りを見渡したが、シエスタの姿は見えない。 「シルフィード!シルフィード!」 力一杯シエスタが叫ぶと、シルフィードは「きゅい!きゅい!」と鳴いて、馬車の方を見た。 「シルフィードって、タバサの使い魔?そういえば最近タバサを見てなかったけど…なんでこんな所にいるのよ」 モンモランシーが訝しげに呟いて、外を見る。 「きゅーん…」 シエスタとモンモランシーの姿を見たシルフィードが、助けを求めるような鳴き声を出した。 「きゅっ! きゅい…」 苦しそうに鳴くシルフィード、そこに突然風が舞い起こり、シルフィードの体を地面に押しつけた。 そして、シルフィードと馬車の間に、『フライ』で飛んできたカリーヌがふわりと着地した。 数秒遅れて、黒づくめのローブに身を包んだ二人の人間が、シルフィードの側にゆっくりと降ろされた。 「カリーヌ様!その竜は私の知り合いです!」 シエスタが馬車の中から叫ぶ、するとカリーヌは馬車を一瞥して杖を降った。 ガチャリと音がして馬車の扉が開くと、シエスタは一目散に外に出てシルフィードの側に駆け寄ろうとしたが、風で作られた障壁があって近づくことができない。 ぶわりと風が舞う、シエスタの目の前で黒づくめのローブがはぎ取られ、二人の顔が顕わになった。 「キュルケさん!それに、タバサさんまで、どうして」 「お知り合いですか?」 カリーヌが問うと、シエスタはカリーヌに振り向き、叫ぶような声を上げた。 「二人は、魔法学院の友人です!魔法を解いて下さい!」 「この二人は、先に魔法で手を出しました。貴方の同級生であっても油断はできません。……手足だけは拘束させて頂きますよ」 カリーヌがキュルケ達を覆っていた障壁を解く、と同時に二人の両手両足は風によって拘束され、地面に大の字に寝かされた。 倒れている二人の肩を叩いて、シエスタは二人の名を叫んだ。 「キュルケさん!タバサさん!」 何度か揺さぶってみたが、二人とも返事はない。 そこにモンモランシーが駆け寄り、二人の容態を確認した。 「…大丈夫みたい、二人とも気絶しているだけだわ」 「本当ですか!?」 「ええ。それにしても…シルフィードは翼を痛めてるわね。波紋で手伝ってくれないかしら」 「はい!」 シルフィードは強く体を打ち付けたせいか、体の至る所に青あざのようなものを作っていたが、二人が協力して治療を施したため、みるみるうちに青あざは消えていった。 「きゅい…」 「もう大丈夫よ、シルフィード」 シエスタがシルフィードの頭を撫でると、シルフィードはまるで猫のように顔をこすりつけた、目には涙も浮かんでいる気がする。 カリーヌはモンモランシーに近寄り、呟いた。 「ミス・モンモランシー。この二人が湖面に向けて魔法を唱えていました。それを目撃した私に殺傷能力のある魔法を私に向けたことから、十中八九襲撃者でしょう…ただ、確認せねばなりません。お疲れの所に頼むのは心苦しいですが、今から水の精霊を呼んで頂けますか」 「わ、解りました」 モンモランシーは頷き、早速ロビンを呼びに行った。 「うっ…」 「キュルケさん?大丈夫ですか、キュルケさん!」 キュルケが目を覚まし、苦しそうにうめいた。 それに気づいたシエスタが屈み込んで、顔をのぞき込み、声をかける。 「……あ、れ? シエスタ?」 「キュルケさん、大丈夫ですか?どうしてこんな所に…」 「どうしてこんな所にって、私の台詞よ、それは……あ、タバサは?タバサは!?」 「ミス・タバサは眠っています、大丈夫です、怪我もありません」 「そう…よかった」 キュルケが安堵のため息をつくのを見て、シエスタも安心を得たた。 友人を、タバサの身を心配して、何か危険な任務に巻き込まれたのだろう、水の精霊を襲撃したのがこの二人だとしても、そこには何か理由があるに違いないと思ったのだ。 「水の精霊に引き渡す前に、事情を説明して頂けませんか」 「…こちらのめっぽう腕の立つご婦人は誰かしら」 「ひとに名を訪ねる前に、名乗るのが礼儀です」 つん、と見下したような口調でカリーヌが言うと、キュルケは少しむっとしたが、すぐに気を取り直し名を名乗った 「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。『微熱』のキュルケと呼ばれておりますわ」 つんとした態度で名乗ったキュルケだが、カリーヌはそれを気にすることなく淡々と答えた。 「運命的な物を感じますわね。私はカリーヌ・デジレ。在学中は私の娘ルイズがずいぶんとお世話になったようですね…以前は『烈風』と呼ばれておりました」 「…!」 キュルケが目を見開き、首を動かしてまじまじとカリーヌを見る。 ルイズの母親というだけでも驚きなのに、二つ名が『烈風』だと聞くと、たちの悪い冗談だとしか思えなかった。 だが、キュルケもタバサも、この人物を殺して逃げる覚悟で魔法を放った、それなのに傷一つ追わせることもできなかった。 キュルケもタバサも自分の魔法に自信があったが、これ程までに手も足も出なかったのは生まれて初めてかもしれない。 キュルケは、この人物が『烈風カリン』なのかと納得し、心中でため息をついた。 不意に、キュルケの拘束が解かれた、タバサとシルフィードの拘束も解かれ、体が自由になる。 上体を起こしたキュルケがカリーヌを見つめる、するとカリーヌは先ほどまでの厳しい目つきではなく、どこか寂しそうな雰囲気を纏わせた。 「火傷をした娘を介抱して下さったと、ミス・シエスタ、ミス・モンモランシーから聞き及びました。ここから逃がすことはできませんが、拘束だけは解かせて頂きます」 「…お心遣い、痛み入りますわ」 そう言ってキュルケは立ち上がり、タバサの隣に移動すると、静かに座り込んでタバサの顔をのぞき込んだ。 「ふう…参ったわね。どうしよっか」 キュルケは優しくタバサの頭を撫で、呟いた。 「あの…キュルケさん、水の精霊を襲おうとしていたのは、本当ですか?」 シエスタがキュルケの顔をのぞき込む、 「ええ、本当よ。……ラグドリアン湖の水位が上がって、被害が出てるからってね。水の精霊を退治しないといけなくなったの」 「そうなんですか…じゃあ、お二人が水の精霊を怒らせた訳じゃないんですね。でも、そうだとしたら、水の精霊はなんで水位を上げたんでしょう」 「私に聞かれたって解らないわよ、ところであんた達は何でココにいるの?モンモランシーまで居るなんて」 「それなんですけど、今、ある人を治療するのに『水の秘薬』がどうしても必要なんです。水の精霊を怒らせた人のせいで秘薬が入手できないと聞いて、直接交渉しに来たんです。そうしたら水の精霊は、襲撃者を退治したら願いを聞くと言って…」 「そうなの…でも、こっちだってそう簡単には引き下がれないわよ、これは、ホラ…タバサの」 シエスタは、キュルケが言いたいことを悟った。 『タバサに与えられた任務』だと言いたいのだ。 タバサの母を治癒したときに、だいたいの事情は聞いているので、この任務を失敗したら何らかの制裁がタバサと、タバサの母、もしくは数少ない召使いにも与えられるだろう。 ここ数週間、魔法学院でもキュルケの姿が見えなかったのは、タバサと行動を共にしていたからだと難なく想像できた。 どうすればよいのか、シエスタは悩んだ。 そもそも、ラグドリアン湖の水位が上がらなければ、二人が差し向けられることも無かったはずだ。 なら、水の精霊に交渉してみるしかない、とにかく水位を上げ続ける理由だけでも聞かなければならない。 シエスタは拳を握りしめて、ゆっくりと立ち上がった。 「参っちゃったわね。あなたたちとやりあうわけにもいかないし、水の精霊を退治しないとタバサの立つ瀬はないし……」 「キュルケさん。水の精霊を襲うのは中止してください。そのかわり、私が水の精霊に、どうして水かさを増やすのか理由を聞いてみますから。水かさを増やす原因に対処すれば、戦う理由なんて無くなるはずです」 キュルケが驚いたように目を見開き、シエスタを見た。 「水の精霊が、聞く耳なんかもってるの?」 「私達は、襲撃者をやっつけるのと引き換えに、秘薬をもらうって約束したんです…水浸しになったこの土地が、元に戻ればいいんですよね?」 キュルケは少し考えて、タバサを揺すった。 タバサはしばらくすると目を覚まし、身じろぎをした。 キュルケに抱きかかえられて立ち上がると、シルフィードがタバサに顔を近づけた。 「大丈夫」 タバサはそう言ってシルフィードの頭を撫でると、今度はキュルケに向き直った。 カリーヌの姿を見たタバサは複雑そうな表情でキュルケを見た、もっともタバサの表情の変化は極めて乏しいので、タバサが困っていると解るのはキュルケとシエスタぐらいのものだ。 「水かさが元に戻れば良いんでしょう?」 「………」 タバサはこくりと頷いた。 しばらくすると水の精霊が現れたのか、湖面が輝きはじめた。 シエスタはカリーヌと向き合うと、怯えることなく、堂々とカリーヌの目を見た。 「カリーヌ様、二人を水の精霊に引き渡すのは待って頂けませんか。水の精霊に水を引いて貰うように頼みたいんです。水かさを増した原因に対処すれば、二人も水の精霊を退治せずに済みます」 力強くもなく、怯えたようでもなく、シエスタはひたすら冷静にカリーヌの目を見つめていた。 「……よいでしょう。ただし水の精霊を怒らせる真似は決して許しません」 「ありがとうございます。」 シエスタはカリーヌに礼を言って、モンモランシーの側に駆け寄った。 ちょうど水面が盛り上がり、水の精霊が姿をあらわした所だった。 人間のような形を取らず、不定形のままでうねうねと動いている。 「水の精霊よ。もうあなたを襲う者は、もう貴方を襲う気はないと話しているわ」 モンモランシーがそう言うと、今度はシエスタが口を開いた 。 「水の精霊さん、水かさを増やす理由を教えて貰えませんか。できれば、水かさを増やすのは止めて欲しいんです。私たちにできることなら、なんでもしますから、お願いします」 水の精霊は、ゆっくりと大きくなっていき、モンモランシーそっくりの姿を取った。 「お前たちに、任せてもよいものか、我は悩む。しかし、お前たちは我との約束を守った……『太陽』よ、お前がいるのならば、我はお前を信じることにしよう」 モンモランシーは「まただ」と呟いた。 太陽という名の者は聞いたことがない、話の流れからすると、シエスタを指しているようだが…なぜシエスタが水の精霊に知られているのかが解らいのだ。 そうこうしているうちに、水の精霊はモンモランシーの姿から、20年代前半の美しい女性の姿に変わっていき、シエスタの目の前にまで近づいてきた。 「太陽よ。人間どもが流した汚れた水を浄化し、我に波紋を与えたリサリサの血を引きし者よ。我はそなたを信用しよう」 「!」 シエスタの目が驚きに見開かれる。リサリサ、つまりシエスタの曾祖母は、水の精霊を助けた過去があるようだった。 「数えるほどもおろかしいほど月が交差する時の間、我が守りし秘宝を、お前たちの同胞が盗んだのだ」 「秘宝ですか…」 「秘宝?」 モンモランシーが「秘宝」と聞いて首をかしげる、モンモランシーは水の精霊が何かを守っていたなど知らなかった。 「そうだ。我が暮らすもっとも濃き水の底から、その秘宝が盗まれたのは、月が三十ほど交差する前の晩のこと」 小声でモンモランシーが「おおよそ二年前ね」と呟く。 「我はその秘宝を探すため、大地を水で浸食しているのだ。水がすべてを覆い尽くすその暁には、我が体が秘宝のありかを知るだろう」 「…………」 ハルケギニアを水が覆うまで何年かかるだろう、数百年、いや数千年か。 あまりにも気が長い話に、シエスタは絶句した。 秘宝を取り返すためにハルケギニアを水没させるつもりだとは思っていなかったのか、モンモランシーも多少驚いている。 「き、気が長いんですね…」 「我とお前たちでは、時に対する概念が違う。我にとって全は個。個は全。時もまた然り……今も未来も過去も、我に違いはない。いずれも我が存在する時間ゆえ」 どうやら水の精霊に寿命という概念は無いらしい、ずっと長い間、気が遠くなる昔からこの湖で暮らしてきたのだろう。 その途中でリサリサに会ったのかと思うと、シエスタは胸に何か熱いものがこみ上げる気がした。 「水の精霊さん、私たちがその秘宝を取り返してきて来ます、その秘宝はいったいどんな物なんですか?」 「『アンドバリ』の指輪。我が共に、時を過ごした指輪」 モンモランシーは秘宝の名に聞き覚えがあったのか、そういえば…と口を開いた。 「なんか聞いたことがあるわ。『水』系統の伝説のマジックアイテム。たしか、偽りの生命を死者に与えるとか…」 「そのとおり。誰が作ったものかはわからぬ、単なる者よ、お前の仲間かも知れぬ。ただお前たちがこの地にやってきたときにはすでに存在した…」 水の精霊はモンモランシーの言葉を肯定し、話を続ける。 「死は我にはない概念ゆえ理解できぬが、死を免れぬお前たちにはなるほど『命』を与える力は魅力と思えるのかもしれぬ。しかしながら、『アンドバリ』の指輪がもたらすものは偽りの命ゆえ。 単なる者よ、偽りの命に動かされた、自我を持たぬ者にしかならぬ。指輪を使いし者にしか従わぬ、操り人形よ……」 、 「とんでもない指輪ね……水の精霊よ、誰がそれを盗んだのか、名前や、背格好とか、手がかりになりそうなものを教えて」 モンモランシーが問うと、水の精霊はしばらく体を震わせてから答えた。 「風の力を行使して、我の住処やってきたのは数個体。眠る我には手を触れず、秘宝のみを持ち去っていった。姿形はわからぬ…だが個体の一人が『クロムウェル』と呼ばれていた」 水の精霊の言葉にキュルケが答えた。 「…聞き間違いじゃなければ、アルビオンの新皇帝の名前よね」 カリーヌが静かに頷く。 モンモランシーは後ろを振り向き、キュルケに異を唱えた。 「ちょっと待ってよ、クロムウェルなんて名前、何人もいるじゃない」 だが、カリーヌは水面に近づき、モンモランシーの隣に並び、こう呟いた。 「ほぼ間違いはないでしょう。神聖アルビオン帝国の皇帝を名乗るクロムウェルは、神より授かった虚無の魔法を用いて死者をも蘇生させ、それによって多くの貴族を掌握したと言われています」 「え…」 モンモランシーが絶句する、それはこの場にいる皆の総意でもあった。 だが、一人、カリーヌだけは凛とした表情を崩さず、水の精霊に向き合って口を開いた。 「水の精霊よ、約束しましょう。その指輪を何としてでも取り返します。ですがすぐに取り返すことは出来ません。しばらくの間水かさを増やすのを待って頂けませんか」 水の精霊はふるふると震え、答えた。 「わかった。お前たちを信用しよう。指輪が戻るのなら水を増やす必要もない…お前たちの寿命がつきるまでの間に、指輪が戻らぬのなら、我はまた大地を浸食するだろう」 「永劫の長き時を生きる水の精霊よ、貴方のご判断に感謝致します」 カリーヌは静かに呟き、感謝の意を表した。 水の精霊はまた震えだすと、今度は片手を前に出して、シエスタの前に手のひらを見せた。 「約束の通り我が体の一部を渡そう、太陽よ、リサリサの血を引きし者よ、ここへそなたの波紋を流すのだ」 シエスタは恐る恐る水の精霊の手を取った。 そして次の瞬間、シエスタの体に、電撃のようなものが走った。 「――!」 「新しき盟約、リサリサの盟約に基づき、我は我の体の一部とともに、そなたの体にリサリサの波紋を渡そう。波紋戦士が訪れたとき、リサリサから預かりし記憶を渡す盟約は、これで果たされる…」 シエスタは自然と、波紋の呼吸をしていた。 両手に集まった波紋が水の精霊の体に通り、水の精霊はそれに応じて球体を作り出す。 「ちょ…」 モンモランシーが、言葉にならないほど驚き、慌てる。 シエスタの手に渡された『水の精霊の涙』は、涙と呼べるような量ではないのだ、洗い桶一杯分はありそうな『水の精霊の涙』に、モンモランシーは背筋が寒くなる思いだった。 「そなたの力は我等精霊にとって命そのもの、太陽を木々が受け、木々が土地を豊かにし、土地は水を浄化する。だがそなたの力は、波紋は、我等精霊に絶大なる力を与える」 そう言って水の精霊は姿を変え、今度はモンモランシーの姿を取った。 「古き盟約の者よ、我はそなたに感謝しよう、太陽を我が元へ導いたのはそなたならば、我は今ここで新たに盟約を結ぼう」 「ほ、ほんとうですか、わわわ、わかりました!」 モンモランシーは緊張しつつ、腰に下げた袋から針を取り出し、指先に軽く突き刺した。 慌てたせいか、ダラダラと血が流れてしまったが、そんな事を気にしている余裕はない。 水の精霊が差し出した手の上に、モンモランシーが血を垂らすと、水の精霊は体を震わせて不定型な形に戻った。 「これ新たに盟約は結ばれた。単なる者よ、我はそなたと力となろう…」 そう言って水の精霊は、ごぼごぼと姿を消そうとした。 その瞬間、タバサとシエスタが水の精霊を呼び止めた。 「「待って」」 タバサが他人を呼び止めるところは、皆見たこともない、キュルケですら少し驚いている。 シエスタはタバサを見ると、静かに頷いた。先に質問してくれと言う意味だ 「水の精霊。あなたに一つ聞きたい」 「なんだ?」 「貴方は『誓約』の精霊と呼ばれている。その理由を知りたい」 「単なる者よ。我とお前たちでは存在の根底が違う。ゆえにお前たちの考えは我には深く理解できぬ。 しかし察するに、我に決まったかたちはない故に我は変わらぬ。お前たちが世代を入れ替える間も我は水と共にあった。 移り変わる者よ、おまえ達は、おまえ達にないものを欲するのであろう、祈りという形で……」 タバサは頷き、目をつむって手を合わせた。 いったい、誰に何を約束しているのだろうか解らないが、キュルケがその肩に優しく手を置いたのを見て、シエスタは「母を必ず治療する」と約束しているのだと気がついた。 シエスタは両手に波紋を流し、水の精霊から渡された体の一部を球体に保ちながら、水の精霊に質問した。 「水の精霊さん、私は、心を壊す毒を治す術を知りたいんです、さきほど私の心に触れたようにして、心を病んだ人を治すことはできますか?」 「太陽よ、体を治すことはできよう。だが心は我にも治せぬ。先ほどそなたの記憶から、心を病んだ者が見えた。そこにいる蒼髪の単なる者に近しい者であろう」 シエスタが「しまった!」と心の中で呟いた、モンモランシーとカリーヌに、タバサの身内が心を病んでいると知られてしまったからだ。 しかし、水の精霊に質問するチャンスなど、今ぐらいしか無いと思うと、質問せずにはいられなかったのだ。 「古き者。エルフを頼るが良かろう。彼らは精霊と共に自然と共にありし者。故に体の組成にもさることながら精神の組成にも関わる。 彼らは毒を作り出せる、それ故に解毒にも彼らを頼るがよい。我が体の一部が必要ならば、その時またそなたらの前に姿を現そう……」 水の精霊はそう言うと、今度こそ静かに湖底へと消えていった。 早朝、太陽が登り始める頃、シエスタ、モンモランシー、カリーヌの三人は竜の引く馬車でラ・ヴァリエール領へと向かっていた。 キュルケとタバサは、シルフィードに乗ってガリアに報告し、それから魔法学院に戻るらしい。 水面を引かせたのだから、任務はこれで完了だろう、と笑っていた。 モンモランシーは夕べほとんど寝ていないためか、椅子に座ってすぅすぅと寝ている。 シエスタは自分のマントを広げてから蔓草を巻き付け、袋状にし、その中に水の精霊の涙を入れていた。 これが無ければ、ラ・ヴァリエール領まで波紋を流し続けることになっていただろう、液体を両手に保ち続けるのは、かなり疲れるのだ。 多機能マントを作ってくれたコルベール先生に感謝しながら、シエスタはカリーヌの表情を伺った。 「……何かしら?」 「あ、いえ、何でもありません」 「貴方、さっきから私の顔をじっと見つめているわ」 「すみません…」 シエスタはカリーヌから視線を外し、俯いた。 その手は固く握りしめられ、ぷるぷると震えている。 今にも泣きそうな、それでいて何かに怒っているようなシエスタの雰囲気に、カリーヌは首をかしげた。 「ミス・シエスタ、言いたいことがあるのならば言ってご覧なさい。平民として育ったとしても、今の貴方はもう貴族なのです。堂々としなければなりませんよ」 シエスタはツバを飲み込んだ、その音がやけに大きく体の中で響く。 「……悔しいんです、私」 「悔しい?」 「もっと早く、波紋が使えていれば、ルイズ様を…」 「ミス・シエスタ。貴方にとってルイズはどんな貴族でしたか?」 「私にとって、ですか?私がメイドとして働いていた時…ルイズ様から料理の感想を何度か聞きました」 「感想?」 「はい。あれは…二学年になられて間もない頃でした」 シエスタは、ルイズとの馴れ初めを話した。 包帯を借りに来た時のこと… 食事を美味しいと言ってくれたこと…… 給仕の最中に水をこぼしてしまった時は、謝るときでも自信を持ちなさいと励ましてくれた。 「今思えば…ルイズ様は、自分に与えられた仕事を、役目を、その立場における責任を全うしろと、仰っていたのかもしれません」 「そう、ですか」 カリーヌは一言呟くと、それっきり黙ってしまった ふと窓の外を見ると、遠くに羊飼いらしき少女が見えた。 少女の被っている麦わらの帽子が風に飛ばされると、帽子の中からピンク色の髪の毛がふわりと広がった。 「…!」 だが、それは見間違いだった。 よく見れば、よくある茶色の髪の毛で、しかも背格好もルイズより大きい。 カリーヌの頬を、自然と涙が伝った。 ルイズは、顔に火傷を負って、どこかで生きているかも知れない。 しかしそれ以上にカリーヌの心を揺さぶったのは、シエスタの言葉だった。 ルイズの言葉はシエスタに受け継がれ、『活きて』いる。 母としての悲しみと、貴族としての喜びが混ざり合い、カリーヌの瞳からとめどなく涙が流れていった。 そして少しの時が流れ、場面は魅惑の妖精亭。 「なんだ、これは」 アニエスは、テーブルに置かれた豪華な料理と珍しい高級酒に、どう反応すれば良いのか解らずにいた。 「アニエス様!この間はありがとうございました、どうぞ気の済むまで食べて下さい!」 魅惑の妖精亭で働いている店員一人が、アニエスに駆け寄り礼を言う。 「この間?何のことだ?」 「格好良かったです、いけすかないチュレンヌの取り巻きを一網打尽にして…私達みんなアニエス様のおかげで助かったんですから」 「……記憶にないな、私はこの店に食事をしに来たことしか無いが」 「ああん、もうそんな謙遜するところが素敵ですぅ」 「あー、その、何だ、とにかく。こんな豪華な料理は食べきれない。この皿だけでいいから後は皆で食べてくれ…」 「えーっ!」 驚く店員に、店長の娘ジェシカが近寄って耳打ちした。 「ほら、駄目よそんなことじゃ。接待するのもサービス、知らんぷりするのもサービスなんだからね」 「そ、そうですね。それじゃあアニエス様。ごゆっくりおくつろぎ下さいね」 そう言って二人は、アニエスのテーブルから離れていった。 アニエスは自分の頬をつねって、痛みを確認した。 「夢じゃないな。だとすると…」 アニエスが店内を見渡すと、一人の女性が目についた、ルイズである。 ルイズはアニエスの視線に気づいて、アニエスのテーブルに近寄った。 「おい、どういう事だこれは」 「格好良かったわよ。賄賂を強要して私腹を肥やすチュレンヌに、剣だけで渡り合う女シュヴァリエ・アニエス。女王陛下も喜んでくれるわ」 「やっぱりお前の仕業か…」 ため息をつくアニエスを見て、ルイズはくすくすと笑った。 「ところで、明日、二人組がここに来る。護衛を頼むぞ」 「二人組?」 「あぶり出し…いや、ねずみ取りを明日行う。念のため王宮から出てくる馬車のうち、酒樽を三つ積み込んだ馬車を護衛してくれ」 「…二人って、あの二人か。まったく無茶な作戦を考えるわね」 「発案者はそのお二人だよ」 「まあ!」 ルイズが大げさに驚くと、何人かの店員と客が、ルイズの方を見た。 それに気づいたアニエスは気まずそうに顔をしかめたが、ルイズはあえて大きな声でこう続けた。 「お酌できるなんて光栄ですわ」 「え?あ。ああ」 アニエスは思わずグラスを手に取り、ルイズの前に差し出した。 ルイズは差し出されたグラスは細く、縦長のものであった。 ルイズは悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべると、グラスにワインを注ぎ、アニエスの手に自分の手を重ねた。 そのままアニエスの唇にワイングラスを運び、ルイズはグラスの反対側にキスをした。 「「「「「「キャー♪」」」」」」 店内から黄色い声が上がる。 他にも「やれやれ!」とか「もっと!」とか「おおお!」とか、驚きの声が上がっていた。 グラスが見えぬ位置からでは、ルイズがアニエスにキスをしたと勘違いするであろう。 事実、何人もの人が勘違いをして、二人に向けてヒューヒューと口笛を鳴らし、はやしたてていた。 魅惑の妖精亭から少し離れた宿屋では、ワルドとロングビルが、情報交換をしている所だった。 今、魅惑の妖精亭で皿洗いをしているのは、ワルドの遍在である。 「……って事は、やっぱりアタシを助けたのは、アンタだったのかい?」 「僕が助けたのは偶然だが、ルイズの意志でもある」 「まいったね…あの嬢ちゃんにも、あんたにも恩を作られちゃったか」 「返せとは言わないさ、裏切りさえしなければな」 「裏切り者のアンタがそれを言うと、なかなか皮肉だね」 「フン」 ラ・ロシェールで起こった出来事や、アニエスに連れられてトリスタニアに戻ってきた事を話したロングビル。 彼女は近々ウェールズと接触し、今後のことを話し合うらしかった。 「トリステインにもアルビオンにも協力はしないさ、でも、嬢ちゃんには協力するつもりだよ」 「ルイズが話していた、ティファニアという娘のためか」 「…アタシの家族さ。神聖アルビオン帝国とやらを頬って置いたら、いつティファニアに危害が加えられるか解らないからね」 椅子の背もたれに体を預けて、ロングビルが大きな欠伸をした。 「ふわ……今のままじゃアルビオンに密航もできないしねえ、嬢ちゃんを手助けするのが一番の近道だろうと思ったのさ」 「かも、しれないな」 ワルドは薄笑いを浮かべた、嫌みたらしい笑みではなく、同感だと言いたげな笑みであった。 「む? 店が騒がしいな」 「ああ、そういえばアニエスが店に立ち寄るとか言ってたよ。ルイズとの関係を悟られるのは困るから、アタシはごめんこうむったけどね」 「何!何だと!」 ワルドが珍しく、狼狽えたような声を上げた。 「ちょっ、ちょっと、どうしたのさ」 「………フーケ、一つだけ聞こう。ルイズに何かされたことはあるか?」 「はあ? まあ、抱いてくれって言われたことはあるけど(母性的な意味で)」 ワルドは天を見上げてから、その場にがっくりと項垂れた。 「どうしたんだい」 ロングビルがワルドの顔をのぞき込むと、ワルドは少し渋い顔をしていた。 ワルドは偏在を通して、ルイズとアニエスがキスをしているのを目撃してしまったのだ。 「フーケ、そうだな、仮に、だ。 最愛の妹がレズビアンだったら、君ならどう接すべきだと思う?」 ロングビルの顔が、瞬間沸騰して真っ赤に染まる。 「何想像してんのさ!」 ロングビルの腰の入った平手打ちが、ワルドの頬に命中した。 To Be Continued→ 戻る 目次へ
https://w.atwiki.jp/ougonforzh/pages/29.html
全系统音 01 ベルンカステル 02 ラムダデルタ 03 山羊 04 右代宮戦人 05 右代宮縁寿 06 紗音 07 嘉音 08 ベアトリーチェ 09 ワルギリア 10 エヴァ・ベアトリーチェ 11 ロノウェ 12 ルシファー 13 レヴィアタン 14 サタン 15 ベルフェゴール 16 マモン 17 ベルゼブブ 18 アスモデウス 19 シエスタ410 20 シエスタ45 21 シエスタ00 22 さくたろう 23 ゼパル 24 フルフル 25 うみねこさん1 26 うみねこさん2
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3945.html
311 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/17(火) 01 07 09 ID ohAsLefp 朝目を覚ますと。 いつも横で寝ているはずの才人が居なかった。 「サイトぉ…?」 薄いシーツだけを纏い、ルイズは寝ぼけ眼を擦って起き上がる。 名を呼んでも応えない才人に、ルイズは周囲を見渡す。 しかし、周囲を見渡しても、人影すら見えない。見えるのは見慣れた部屋の家具だけ。 先に起きてどっか行ったのかしら、とか思いながら裸のままベッドを降りる。 のたのたとクローゼットまで歩き、新しい下着と、制服を出す。 そのままもたもたと着替え、生あくびをかみ殺しながら、もう一度部屋を見渡す。 「…私ほっといてどっか行くなんて…」 不機嫌にそう言いながら、すたすたともう一度ベッドの脇へ戻る。 ベッドの上にかかっているシーツは乱れ、各所に小さな染みが残っている。そしてベッドの下には、脱がされたルイズの下着が散乱していた。 昨夜の二人の行為の名残である。。 ルイズはそれを見て軽く赤くなった。彼女の脳内に、昨夜の行為がリアルに再生される。 昨夜は月が綺麗だった。才人はその月明かりの下で、優しくルイズを抱き締めて…。 ベッド端に座り込んで回想しながら呆けるルイズの視界に、ベッド脇の円卓が目に入る。 片付けられたその上には。見慣れない紙切れが置いてあった。 表面に、何か字が認められているのがわかった。 …サイトの手紙?でもサイト、こっちの字書けたかしら…? 疑問に思いながらその紙を手に取り、内容を読む。そして。 びりっ。 あまりに勢いよく引っ張ったので、紙が見事に真っ二つに裂けた。 そしてルイズは吼える。 「あんの抜け駆けメイドぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 紙にはこう書いてあった。 『今日はミス・ヴァリエールの日ですけど、サイトさんにちょっと用事があるのでもらっていきます。 P.S.たぶん今週は帰りません♪』 ルイズはそのまま、部屋の外へと駆け出した。 312 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/17(火) 01 08 05 ID ohAsLefp 廊下を猛ダッシュでルイズが駆けていると、タバサが前方で本を読みながら歩いているのが見えた。 ルイズがその横を駆け抜けようとすると、タバサが突然、杖を横に突き出してルイズを止めた。 「何するのよチビっこ!」 ルイズがそう怒鳴るのも当然と言えた。 しかしタバサh動じず、応える。 「…サイトに何かあった?」 とんでもない嗅覚である。 タバサはルイズが慌てているのを見て、才人に異変があったと直感したのであった。 そしてルイズは思い出す。 このチビっこは、便利な使い魔を持っていた事を。 「ちょっとアンタ!シルフィード貸しなさい!」 突然そう言ったルイズに、タバサは渋い顔をする。 しかし、ルイズはそのまま続けた。 「サイトがメイドにさらわれたのよ!」 間違いではない。 だが、正しくもない。 しかしタバサは、真剣な顔になり、口に指を当て、高く口笛を吹いた。 すると、廊下の窓の外に、青い大きな竜が羽ばたいて現れる。シルフィードであった。 タバサはすぐさま窓を開けると、シルフィードの背に飛び乗る。 「乗って。事情は上で聞く」 ルイズは、すぐにタバサの後を追った。 事情を聞いたタバサは、すぐにシルフィードに、才人の匂いを追わせた。 シルフィ竜なのね、犬じゃないのね、などとシルフィードは文句を言っていたが、タバサとルイズの迫力に、先住魔法を使って、才人の行方を追ってみた。 すると、才人はトリスタニアに向かった事が分かった。 二人は鬼の形相で、シルフィードにトリスタニアに向かうよう、命令した。 313 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/17(火) 01 09 28 ID ohAsLefp 才人の気配は、ここに来ている、とシルフィードは言った。騒ぎになるといけないので、例によってシルフィードは上空で待機である。 そこは、『魅惑の妖精亭』。 シエスタの従姉妹、ジェシカの働く酒場。 まだ昼を少し過ぎた程度の今、酒場の扉は閉じられている。 しかし。 その前には、黒山の人だかりが出来ていた。 「な、なにこれ…?」 驚くルイズ。しかしタバサは動じた風もなく、その人ごみに近寄っていく。 そして、適当に人のよさそうな一人の男の裾を掴むと、後ろを振り向いたその男に尋ねた。 「どうしたの」 男は一瞬、なんでこんな娘がここに、という顔をしたが、タバサの杖とマントを見て彼女が貴族だと悟ると、応えた。 「今晩この『魅惑の妖精亭』で、女の子だけの格闘大会があるんでさあ。貴族の子女が見るようなものじゃありませんよ」 言って男は『整理券まだ配らないのかよ』とか言いながら人ごみに戻る。 タバサはルイズの下に戻ると、男から聞いた情報をルイズに伝える。 「なにそれ…?」 ルイズはその内容に眉をしかめたが、すぐに直感した。 ひょっとしてサイト、ソレに釣られてシエスタに着いてったんじゃあ…! そしてルイズの中で、シエスタとタッグを組んで、巨乳の女の子たちと組んずほぐれつしている才人の姿が再生される。 ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、許せん! 「タバサ!裏口に回りこむわよ!」 ルイズはタバサの手をひっつかむと、『魅惑の妖精亭』の裏口に回りこむ。 そしてそこにいたのは。 「あら、ルイズちゃんじゃなぁい」 魅惑の妖精亭の主人にして、おネェ言葉で喋る濃い顔の中年、スカロンだった。 314 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/17(火) 01 10 02 ID ohAsLefp スカロンは、裏口の前に簡素な机と椅子を置いて、そこに座っている。 ぱっと見、何かの受付をしているように見える。 ルイズは、スカロンに単刀直入に尋ねた。 「…ここに、サイトが来てない?」 スカロンはあら、と驚いたあと、にっこり笑って応えた。 「来てるわよ。っていうか、彼今夜の賞品だから♪」 そのスカロンの台詞に反応したのは、タバサだった。 タバサは半眼ですごみながら、スカロンに尋ねる。 「…どういう意味」 スカロンはああら怖い、と口先だけで怖がってみせ、応えた。 「彼ね、何度かここに手伝いに来てて、結構ここの女の子に評判がいいのよ。 だから、最終試合の賞品になってもらったってわけ」 最終試合?と顔を見合わせる二人に、スカロンは続ける。 「あ、試合ってのは今夜ここで開かれる、年に一度の『ドキッ!女だらけの格闘大会〜ポロリもあるでよ〜』のことよ。 サイト君は、その最後の試合の賞品なわけ。 あ、言っておくけど本人の了承は得てるわよ?」 「あんの、スキモノぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!」 ルイズは物凄い形相で、裏口めがけてのしのしと歩いていく。 316 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/17(火) 01 13 11 ID ohAsLefp 「あ、賞品が欲しければちゃんとエントリーしてねー。 二人一組で、参加料は一人1エキューになりまーす」 そして、手にした紙をひらひらと揺らす。 そこには、試合にエントリーした女の子の名前がずらりと書かれていた。 各試合の下に賞品名、その下に女の子の名前が続く。 そして、最終試合の才人の名前の下には。 『シエスタ ジェシカ』 の、二人の名前が。 その下に名前はなく、どうやらまだエントリーはないようだ。 「あ、ちなみに最終試合は2対2のみだから、早い者勝ちよん」 そして、ルイズは。 そして、タバサは。 懐から同時に1エキュー金貨を取り出すと、スカロンの掛ける机の上に、それを叩き付けた。 「やってやろうじゃないの…!」 「負けない」 意気込む二人に、スカロンはにこにこ笑顔で金貨を袋に仕舞った。 「まいどあり〜♪それじゃあ、参加用紙に名前を書いてね〜」 二人は無言で用紙に名前を書き込み。 そして二人はお互いに視線を交わすと。 がっしりと、腕を組んだ。 ここに。 史上最強の、貧乳タッグが成立したのである。 423 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 04 10 ID FnL/cEc+ 「じゃあルールを説明するわね?武器、魔法の使用は一切禁止。顔面への攻撃も禁止。 勝利条件は、相手に『参った』と言わせるか、相手を全裸にするか、5カウントの間、相手の足を開かせる事」 「…は?」 裏口から更衣室権控え室に案内されたルイズは、スカロンの説明を聞いて眉をしかめる。 どう聞いてもマトモな格闘技の試合ではない。 しかしスカロンは全く取り合わず。 「はいこれ、衣装ね。これ以外の衣装の着用は認められないから。じゃ、試合の時間になったら呼ぶから、よろしくねん」 てきぱきとルイズに衣装を渡し、スカロンはそそくさと控え室を出て行ってしまった。 ルイズは呆気に取られたまま、衣装を持って立ち尽くす。 そして、一緒にタッグを組む予定のタバサに声をかける。 「ねえタバ」 ルイズが振り返ると。 「何」 既にタバサは衣装に着替えていた。 上半身は、どう見ても胸を覆うだけの役目しか果たして居ない、筒状の青い布地。 それはコルセットのように後ろで複数の×字に組んで背中で結ぶように出来ており、結び方によっては簡単には脱げないだろう。 下半身には、やたらにひらひらした、股の直上までしかない短い、これまた青いスカート。 少し屈めば、その下の青と白のストライプの下着が丸見えになってしまうだろう。 それらは、何故かタバサのサイズに合わせられていていた。 「…アンタ恥ずかしくないの?人前でその格好すんのよ」 ルイズは呆れたが、すぐにタバサは反論してきた。 「サイトのためなら平気」 ちょっと頬を赤らめながらそんな事を言ったりする。 …ナニ? 『サイトを想う気持ちなら誰にも負けない』とかそんな風に言いたいワケ? ルイズは自分の想像にカチンと来て、そのまま怒った顔で、一気に衣装を着込んだ。 ルイズのそれはタバサのものと違い、黒を基調としたものだった。 上は漆黒のチューブトップ、下もこれまた黒のプリーツスカート。その下には、黒と白のストライプの下着を履いていた。 そしてルイズは、一本の黒いリボンを取り出すと、その柔らかい桃色の髪をポニーテールにする。 「…反則」 タバサはルイズのポニーテールにそう指摘するが、ルイズは悪びれない。 「この程度、許容範囲に決まってるでしょ。 それより、最初の試合そろそろ始まってんじゃない?見に行きましょう」 言ってルイズはタバサの手を引き、控え室を出る。 そして、とんでもないモノを目にすることになるのだった。 424 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 05 06 ID FnL/cEc+ 〜ここからは音声のみでお楽しみください〜 「ちょ、ちょっと何アレ!モロに出てるわよ!」 「…おっきい」 『おおっとさっそくポロリきましたぁ!しかし戦意は失っていない様子〜!』 「え、なになになに!?お、女の子同士なのにっ!?」 「…揉んでる」 『おお、出ました背面からの締め技!これは効いている〜!』 「ちょ、ちょっと!なんてとこに手を入れてんのよ!」 「…入ってる」 『入ったー!フィニッシュホールドー!アリシア選手、しょーーてーーーん!』 〜以上、音声のみでお送りしました〜 ルイズは真っ赤な顔で、控え室に戻ってきた。 タバサも普段よりは赤い顔で、その後ろに続く。 「ど、どーしよ。あ、あんなの出来ないわよ…」 ルイズは椅子に座ってそうひとりごちる。 タバサもその言葉に頷いて、窓の外など眺めて棄権しようかどうか考えていたが。 425 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 06 13 ID FnL/cEc+ 「あら、敵前逃亡ですか?ミス・ヴァリエール」 聞き慣れた声が、控え室の入り口から聞こえた。 そこには、そろいの衣装に身を包んだ、シエスタと、長い髪をポニーテールに纏めたジェシカがいた。 シエスタは白い衣装、ジェシカは緑の衣装を着ている。 その造形は、ルイズとタバサのものと同じ形であったが。 中身の物量が違っていた。 まさに、平原VS山脈。二次元VS三次元。龍VSハムスター。 「…私はアンタみたいな恥知らずじゃないわ」 ルイズはこれ見よがしに胸を張って控え室の入り口にもたれかかるシエスタにガンを飛ばしながら、そう反論する。 しかしシエスタはルイズの台詞に、冷笑でもって応えた。 「あら。それじゃあサイトさんは遠慮なく戴いていきますね? それでもいいんですか?」 かちん。 「やっぱり、胸のない女の子は度胸も平面なんですねえ」 むか。 「貴族に喧嘩売るとはいい度胸してるじゃない…!」 「あら。試合前にやりますか?」 「や ら い で か」 今にも取っ組み合いを始めそうな二人を、お互いのパートナーが肩を掴んで止めた。 「あのさシエスタ、店の更衣室で喧嘩しないで欲しいんだけど」 「…勝負は試合で」 あくまで冷静にタバサとジェシカはお互いのパートナーを宥める。 二人はなんとか落ち着くと、お互いに殺気の篭った視線を交わし、そしてふんっ!と互いに視線を逸らす。 タバサはルイズを部屋の奥へ。ジェシカはシエスタを部屋の外へと、引っ張っていく。 「ごめんねぇルイズちゃん。んじゃ、また試合でね」 言いながらジェシカはぱたぱたと手を振り、シエスタを押して控え室を去った。 426 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 07 04 ID FnL/cEc+ 二人が去った後、タバサはルイズを振り返る。 「…ルイズ」 タバサの呼びかけに、ルイズはゆっくりと顔を上げる。 その目には、確かに闘志が宿っていた。 「闘るわよ、タバサ」 タバサはルイズの言葉に、ただ一つ、頷いたのだった。 そして、試合の時間になった。 二人は酒場に設えられた舞台の袖で、出番を待っていた。 「それじゃあ準備はいい?ルールは確認した?ブラの紐はちゃんと締めた?」 スカロンは言いながら二人を眺める。 「ん〜。二人ともとってもキュートでファニィなんだけど、ウチの客層には合わないかしらね?」 「…平民の好みなんか知ったこっちゃないわ」 「闘って、勝つだけ」 二人はスカロンの総評などそっちのけで、闘志を燃やす。 その二人に、スカロンは忠告した。 「たいした意気込みねえお二人とも?でも気をつけてね?」 「…何を?」 「どういう意味」 二人はスカロンの言葉に、二人は質問で返す。 「シエスタはともかく、ジェシカはこの試合、負け知らずだから♪じゃ、がんばってねん♪」 にっこり笑顔でそう応えると、スカロンは投げキッスとともに舞台に向かった。 「…潰すべき目標が見えたわね」 「…まず、弱い所から狙う。電撃戦の基本」 それに、シエスタは才人を攫った犯人である。狙われてしかるべきだ。 …実際には、シエスタにこのイベントの主旨を聞いて、鼻の下を伸ばしまくって着いてきたのは才人の方だったりするのだが。 427 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 08 05 ID FnL/cEc+ 『それでは本日のメーンイベントォー!4人の美女が一人の男を賭けて闘いまっすぅ!』 木を削って作られたメガホンを手に、スカロンが高らかに喧伝すると、満員の客席から歓声が上がる。 酒場はその様相を大きく変えていた。 普段は酒と食物を出すために出されているテーブルと椅子は全て裏に片付けられ、そこは大きな空間となっていた。 その中央には、下に革を何枚も重ねた敷布が敷かれていて、その周囲を円形に板が取り囲み、舞台と客席を分けている。 『4人の美女に見初められた幸運な男はこの方っ!我らがトリステインの盾っ、シュヴァリエ・サイトぉーっ!』 スカロンが手を振り上げると、少し小高くなった席に掛けた才人が照れ笑いをしながら手を振る。 …なにニヤけてんのよこのバカ犬、とか思いながら、ルイズは言われたとおりに、舞台から客席に繋がる花道へと出る。 そしてタバサも、それに続く。 それに合わせて、スカロンのアナウンスが響き渡る。 『まずは今回の挑戦者、ルイズちゃんとタバサちゃんでぇーっす!』 それと同時に響き渡る、大歓声。 「おおおおおおおおおお、こ、これはいい!」「ぺたん娘萌え〜!」「お、おれはロリコンじゃないからな!絶対ロリコンじゃないんだからな!」 「メガネ!メガネっ娘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」「エロい人にはそれがわからんのですよ!」 ルイズは、何この異常性欲者の群れ、とちょっと引きが入りながらも、ここで学んだ作り笑顔で手など振ってみる。 うをおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! …アタマ大丈夫かしらこの人たち…。 そうして二人が革の敷物で作られた仮設リングの脇に立つと、今度はシエスタ達のアナウンスが入った。 『そして迎え撃つは、ディフェンディングチャンピオン、ジェシカとっ、ゲスト参加のシエスタちゃーーん!』 それと同時に、リングの反対側から伸びる花道に、二人の姿が現れる。 そしてまたもや響き渡る、観客の大歓声。 「きたああああああああああああああ!ジェーシカたーん!」「やっぱ胸は揺れてナンボでしょ!」「男はみんなおっぱい星人なんじゃよおおおおおおおお!」 「なんと立派な!ありがたやありがたや」「乳神さまじゃあああああああああああああ」「戦いは物量なのだよ!」 …ほんっとうに、アタマ大丈夫かしらこの平民ども。 などと呆れ返るルイズだったが、ジェシカはそうでもないようだ。 「応援ありがとーみんなー♪愛してるよっ!ちゅ♪」 などと客席めがけて投げキッスなどして、サービスを振りまいている。さすがはお水の女。 シエスタも、少し気圧されてはいるが、手を振って観客に笑顔で応える。 その歓声は、ルイズとタバサの入場の時のゆうに倍はあった。 …なんかムカツク。 そして二人はルイズとタバサの待つリングに立つ。 428 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 09 22 ID FnL/cEc+ 「逃げずに来るとはいい度胸ですねミス・ヴァリエール」 「アンタに負けるわけにはいかないからね」 シエスタとルイズはそう言いながら、ガンを飛ばしあう。 ジェシカは手持ち無沙汰そうに、タバサを見つめる。 「私たちもなんかやっとく?」 しかしタバサの視線は、ジェシカの豊満な胸に注がれていた。 「…負けない」 タバサはジェシカの胸を見つめたまま、指をジェシカに突きつけて闘志を露にする。 そんな四人の間に、審判役の男装の女の子が割ってはいる。 そして四人に確認を取る。 「武器、魔法の使用は一切禁止。顔面への攻撃も禁止。勝利条件は、分かっていますね?」 四人は、同時にこくん、と頷いた。 「それでは両チームリング端に戻って」 審判の言われたとおりに、四人はリングの端に戻る。 ルイズはタバサと視線を交わし、狙うべき目標の確認をする。 まず狙うべきはシエスタ。 そして二対一で、ジェシカを倒す…。 それが、二人の作戦だった。 審判は、両チームの準備が整ったのを確認すると、試合の開始を告げた。 「では試合…開始っ!」 429 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 10 01 ID FnL/cEc+ 開始の合図と同時に、二人は猛然とシエスタめがけてダッシュする。 先にシエスタの前に辿り着いたのはタバサ。そのまま勢いよくシエスタに掴みかかろうとして。 その手を、横から伸びてきた別の手が掴んだ。 「はーい、甘いわよー」 それは、ジェシカの手だった。 は、速い!? タバサが驚いている隙に、ジェシカは片手であっという間にタバサを引き寄せてしまう。 タバサ、あんたの犠牲は無駄にしないわ…! ルイズはその後ろから、シエスタに掴みかかる。 「もらったぁ!」 しかし、シエスタはバックステップでそれを華麗に避ける。 「遅いですよミス・ヴァリエール」 確かにシエスタの指摘どおり、ルイズの攻撃は見てからかわせるレベルであった。 「く、このっ!」 ルイズは今度は一気に踏み込み、手を伸ばす。 だが二度目の攻撃も、容易くサイドステップで避けられてしまう。 「見えてる攻撃になんて当たりませんよ」 余裕を見せるシエスタ。だが。 430 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 10 52 ID FnL/cEc+ サイドステップの着地の瞬間、ルイズは踏み込んだ足でそのまま地面を蹴り、シエスタの背後へもう一度踏み込む。 才人が水精霊騎士団の演習でやっていたフェイントを真似た戦法であった。 視界からルイズが消えて、一瞬戸惑うシエスタ。ルイズはその隙を見逃さなかった。 シエスタの右手を取ると、後ろ手に捻りあげたのである。 ちなみにこれは普段からルイズが逃げる才人を捕まえるのに使っている技で、どこかで覚えてきたものではない。 「うぁっ!」 腕の関節を捻られる痛みに声を上げるシエスタ。 「さあ、大人しく負けを認めなさい。そうすれば」 ルイズはそう凄むが、シエスタは痛みを堪えながら応える。 「さ、さあ、どうかしら。負けを認めるのはそっちだと思いますよ」 「なんですってえ」 シエスタの態度にルイズの手に力が篭る。 しかしシエスタはそのままの体勢で、ルイズに言った。 「ほら、ミス・タバサがタイヘンなことになってますよ?」 「え」 言われるままにタバサとジェシカが交戦している方を見ると。 431 :ドキっ!女だらけの格闘大会 ◆mQKcT9WQPM :2007/07/19(木) 03 11 29 ID FnL/cEc+ 『ここで出たー!ジェシカの必殺技、ディーープインパクトーーーー!』 「って、タダのキスじゃないの!」 タバサはジェシカに巧妙に抱きすくめられ、唇を奪われていた。 しかし、それだけではなかった。 『今までこの技から逃れられた女の子はいませーん! ちなみにウチのジェシカちゃんは、さくらんぼのヘタを口の中でちょうちょ結び出来ます!』 タバサは必死に抵抗している様子だったが、ジェシカの空いた右手がタバサの身体のあちこちを撫で回し、その力を奪っている様子だった。 そして、数十秒もすると。 タバサはびくん!と痙攣し、脱力してしまう。 ジェシカが口を離して手を離すと、タバサはその場にくたり、とへたり込んでしまう。 相当キモチよかったらしい。 ジェシカは口の周りについた唾液をぬぐって髪をかきあげると。 「この子、かなーり開発されてるみたいね。見た目以上にやりやすかったわ」 などと余裕で感想を述べる。 『はーい、ここでタバサちゃん戦闘不能とみなし、しっかぁーく! 残るはルイズちゃん一人となりましたぁ!』 ルイズは、シエスタの腕を取ったまま、完全に硬直していた。 そのルイズに、ジェシカが一歩ずつ近寄ってくる。 にこにこ笑顔で。 「それじゃ、ルイズちゃんもいただいちゃいましょうかねー?」 手をわきわきしながら。 ルイズの背筋に、悪寒が走る。 さ、サイト以外に、しかも女の子にあんなのされたら、私、私…! そんなルイズに、シエスタは固められたまま、最後の質問をした。 「さて、どうしますか?ミス・ヴァリエール?」 結局。 ルイズはその場で、負けを認めて降参したのであった。 462 :ドキっ!女だらけの格闘大会〜えぴろーぐ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/21(土) 00 36 17 ID Wj7UTc2x 夕食を食べた、っていうか食べさせてもっらたのは覚えている。 その後たしか、シエスタが祝い酒だ、って酒を飲ませてくれて…。 そうだ、その後眠くなって…。 で、目を覚ましたら。 「あ、起きましたかぁ?サ・イ・トさ〜ん」 いきなり下着のシエスタが抱きついてきた。 え?何?これってどういう状況? 俺は自分の置かれた状況を確認する。 俺はベッドに寝かされて、上からシエスタに抑え付けられている。 「あ、あの、シエスタ?」 「なぁんれすかぁ?サイトさーん」 俺の呼びかけにシエスタはのっそりと応える。 その吐息が俺の顔にかかった。 「うわ酒臭っ!どんだけ呑んだんだよシエスタ!」 「そんなのしりませ〜ん」 言ってシエスタは俺の首にごろにゃんと抱きついてくる。 いや全力で当たってるんですが!むにゅむにゅって! 「ちょ、シエスタ抱きつくなよそんな格好で!」 俺は一応抵抗してみるが。 「いやですぅー。そんな意地悪言うんだったらもっと抱きついちゃいます〜。 えいえいえいえいえいえいえいえいえい」 ぬお!密着しすぎシエスタさん!おっぱいつぶれてますよぉぉぉぉぉぉっ? とか煩悩全開になってると。 「こぉらシエスタぁ」 足元から聞きなれた声が。 ってこの声。 俺はシエスタに抱きつかれたまま、不自然な格好で声の聞こえる方向を向く。 そこにはやっぱり、ルイズがいた。 ベッドの隅っこにぺたんと座り込んで、こっちを半眼で見つめている。 こっちは下着じゃないけど、さっきの試合で着けてた衣装のまんまだ。 っていうかポニーテール萌え。 …じゃなくて!まずいまずい! 「いやそのあのルイズ!これは違って!」 「私もまぜなさぁい」 …ゑ? ルイズはそう言って、いきなり俺のズボンに手を掛けてずり下ろし始めた。 ま、まさか! 「あ、あのルイズさん?酔ってる?」 離れないシエスタをくっつけたまま、俺はついに俺のぱんつに手を掛けた赤い顔のルイズに尋ねる。 「られがよっれるっれえ」 …いや全力でロレツが回ってないんですケド。 463 :ドキっ!女だらけの格闘大会〜えぴろーぐ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/21(土) 00 37 17 ID Wj7UTc2x とか言ってる間にも、ルイズは俺のぱんつを抜き去ってしまう。 うわ今はダメだってえ! 「…ちょっと」 ダメだってルイズ握っちゃらめええええええええ! 「…何思いっきり立ててんのよ」 ルイズは俺の息子をにぎにぎしながら、半眼で睨んでくる。 「いやだってこの状況で立たないわけが」 「ふん、まあいいわ。丁度いいし」 え?ちょうどいいってどういう…。 ぺろ。 「っていきなり何舐めてんですかぁぁぁぁぁぁぁ」 「うるさいダマレ」 「そーですサイトさんうるさいです」 ぼふ。 今度はシエスタが、俺の頭を谷間に埋めてきた。 ってなんすかこのコンビネーション! 上はシエスタのおっぱいに埋められ、下はルイズが絶賛ご奉仕中。 なんでこんなんなってんのー? とか思ってると。 ぴちゃ。 「うひゃっ!?」 今度は、誰かが足の指を舐めてきたっ? 誰だっ? し、しかしシエスタのおっぱいに埋められた状況だと確認しようが…! 「ねえチビっこ、そんなとこ舐めて楽しい?」 「…楽しい」 って、しゃ、シャルロットまでえええええええええええ? て、ていうかっ! ぺろぺろぺろ。 「ちょ、ちょっとやめ、くすぐってえって!」 あ、足の指そんな風に舐めちゃだめぇぇぇぇぇぇぇ! 「だからうるさいですサイトさん」 「ダマレ犬」 言ってシエスタは唇で俺の口を塞いで。 ルイズは口の中に俺の息子を入れてしまった。 464 :ドキっ!女だらけの格闘大会〜えぴろーぐ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/21(土) 00 38 33 ID Wj7UTc2x いやまてちょっとまて!三人で同時にそんな責められたらあぁぁぁぁぁぁぁ! どくどくどく! 「んーーーーー!」 俺は、速攻で果ててしまった。 いつもの半分、いや三分の一以下の時間だ…。 「ちょっと犬ぅ」 ルイズは半眼の酔った目つきで、シエスタのキスから開放された俺に詰め寄ってくる。 シエスタといえば、キスに満足したのか、俺を解放して後ろに下がってしまった。 そしてルイズは何の遠慮もなく、俺の上に馬乗りになる。 あ、あの、目が怖いんですケドルイズさん。 「はやすぎ。もうちょっとガマンしなさぁい」 言って俺の首筋に顔を埋めて。 今度は俺の首筋を吸い始めた。 て、酔ってる!こいつ絶対酔ってる! 俺は必死にルイズを引き剥がそうとってうわぁぉぅ! 「な、なにやってんだよ二人ともっ!」 今度は、シエスタとシャルロットが…空いた俺の息子にアタックしはじめたのだ。 二人して、先端を舌でぺろぺろと舐めている。 最初はげんなりしていた俺の息子が、見る間に元気になる。 「あは。元気になりましたぁ」 「サイトはここが好き」 言ってシャルロットは俺の弱点…亀頭の返しの裏側を小さな舌でちろちろ舐め始めた。 ってやめぇい!マジで弱いんだってそこわ! 「ちがいますー。サイトさんは袋をはみはみされるのがすきなんですよねー」 酔った声でそう言って、シエスタが俺のお袋さんをはくり、と唇で咥えた。 ぶわ!まってまってお袋さんはだめえええええええええ! 「あにいってんのよぉシエスタぁ」 二人に本丸を同時に責められて青息吐息の俺を無視して。 ルイズはくるん!と後ろを向いて、ってちょっと待! 女の子がそんな無神経に男の頭またいじゃいけません!濡れて割れ目がくっきりになった黒いしまぱんがえろいじゃないか! …じゃなくて! 「サイトわねぇ」 え?ちょっとまさか? 「さきっちょのわれめをいぢめられるのが一番イイのよー」 きたああああああああああ!ルイズの必殺技きたあああああああああ! ルイズは舌をすぼめて俺の先っちょをいじめるのがすっごい上手いんですはい。 465 :ドキっ!女だらけの格闘大会〜えぴろーぐ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/21(土) 00 39 54 ID Wj7UTc2x ってまってまってまって! その三人同時はまずいってマジでえええええええええええええ! びゅびゅびゅびゅっ! 復活した息子はあっという間に三人の中で果てて。 飛び出した俺のエキスは、三人の顔に飛び散った。 …二回目だってのに…いつもの半分ももってません…。 そうして、俺が放出感と敗北感に呆けていると。 「サイトぉ」 「サイトさぁん」 「…サイト」 三者三様の声が、間近から聞こえてくる。 ああ…モウヤメテ。俺が悪かったからカンベンシテ。 「まだまだがんばれるわよねぇ」 「大丈夫、サイトさん体力ありますしぃ」 「…がんばって」 そして俺は。 全員が満足して寝てくれるまで、散々酔っ払いの相手をさせられたのだった…。 次の朝。というか、昼の少し前。 「おはよーシエスタ、そろそろ起きよー…って」 ジェシカが四人に貸した部屋のドアを開けると。 とんでもない光景がそこに広がっていた。 まず、右側に枕にして満足そうな笑顔で寝息を立てるシエスタ。 その隣に、上に乗っかってこれまた安らかな寝顔で猫みたいに丸まって寝ているタバサ。 その左側に、放すもんかと抱きついて、どんな夢を見ているのかにへにへ笑っているルイズ。 そして。その下には。 右腕をシエスタの枕に、胸板にタバサを載せ、左腕をルイズの抱き枕にされている。 寝苦しそうに唸る、土気色の顔をした才人がいた。 「…ゆうべはおたのしみでしたね」 などと呟いて、ジェシカはそのまま扉を閉める。 「…ほんと、タイヘンだ。サイトくんは」 言ってジェシカは、もう一泊分あの部屋を使わせてくれるよう、スカロンに頼みに行くことにした。 あの状態では、今日はもう才人は動けないだろうから。 そしてその予想は的中して。 四人がトリステイン魔法学院に帰ったのは、結局三日後のことだった。〜fin
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5216.html
前ページ次ページ蒼い使い魔 一週間後、ようやく休暇がとれたシエスタとともに、バージル達はシルフィードに乗りタルブへ向かう。 「あの…ところでなんで僕も行かなきゃならないんだい…?」 居心地悪そうに座っているギーシュが呟く、 「あんたねぇ、この空間に私一人でいろっていうの?」 キュルケに言われるがままギーシュはあたりを見る、 なるほど、ルイズとシエスタ、そしてタバサから妙なオーラが立ち上っている。 ギーシュは「なるほど…」と小さく呟き肩を落とす、そしてその渦中にいるであろう人物、バージルを見る。 当の本人はそんな雰囲気はどこ吹く風、静かに本を読んでいた。 そんな微妙にピリピリした空気の中、ルイズが口を開く 「ねぇバージル、あんた、ここ数日一体どこに姿くらましてたの?」 「少し遠出していただけだ、戻ってきたのだから問題はないだろう」 「そうじゃなくって! 場所を答えなさい場所を!」 そういいながらバージルに詰め寄ろうとしたその時、 「あ、見えてきましたよ、あれが私の村です」 バージルへの接近を阻むかの様にシエスタが声を上げる。 皆が視線をそちらに向けると小さな村が見えてくる、タバサはシルフィードに指示を出し、村へと降下していった。 村に降りると、バージル達はシエスタの実家へ案内される、風竜を使ったとはいえ、日はすでに落ちてしまっていた。 突然貴族達を連れ帰郷したシエスタに、家族は驚いていたが、事情を説明すると歓迎され タルブ村の郷土料理、『ヨシェナヴェ』というシチューをふるまわれる。 シエスタ曰く、父親から教わり、その父親も祖父から教わったらしい、変わった料理であったが大変美味だった。 皆で『ヨシェナヴェ』を食べていると、バージルが静かに口を開く。 「この村に『竜の羽衣』とやらがあると聞いた、その話を聞きたい」 その言葉にシエスタの父親が簡単に説明をしてくれた、その話によると、村から出て少し歩いたところに祠があり そこに奉納されているらしい。だが現在オーク鬼の群れが出没するらしく、現在は近寄ることができないそうだ。 あとはシエスタが説明してくれたこととほぼ変わることはなかった。 「大体分かった。ついでだ、明日そのオーク鬼とやらを掃討する」 そう言うとバージルはさっさと席を立ち外へと出て行ってしまった。 「オーク鬼って…そんなのがいる場所にいくのかい…?」 それを聞いたギーシュが少々青い顔で呟く。 オーク鬼は非常に好戦的で、一匹が手だれの戦士5人に匹敵する戦闘力を持っている。 鬼の名の通り人間を喰らい、なかでも人間の子供の肉が好物という残忍な亜人だ。 まだ村の近くには降りてきていないらしいが危険なことには変わりがない。 「別に大丈夫じゃない? オーク鬼くらいどってことないわよ」 と呑気にキュルケがシチューを食べながら言う、 「そうよ、それにバージルもいるのよ? まるで問題にならないわ」 とルイズも勢いに乗って話していると、シエスタの父親が口を開いた。 「ところで、さっき出て行った彼は貴族じゃないみたいだが、どういう関係なんだ?」 その質問に頬を赤く染めキュルケの如く体をくねらせながらシエスタが答える。 「え…? 彼は…わ…私の…恋人なの…」 その言葉にガタッ!!という音とともにルイズが立ち上がる。 「ななな! 何勝手な事言ってんのよ!! そんなワケないでしょ!」 「嘘。これは嘘」 喚き散らすルイズとともに、珍しくタバサまで否定しにかかっている。 「あの子ったら随分積極的ね…」 ギャーギャーと怒声が飛び交うなか、キュルケが隣のギーシュに話しかける。 「人は見かけによらないというか…なんだか怖いくらいだよ僕は…」 ギーシュの呻くような呟きは、ルイズとシエスタの怒声に掻き消えていった。 一匹のオーク鬼が棍棒を振り上げ、銀髪の男を叩き潰そうとする、 棍棒が振り下ろされんとするその刹那、オーク鬼は自身の腕が宙に舞っていることに気がついた、 男はいつの間に抜刀したのか右手にもった剣を器用に回しながら流れるような動作で再び納刀する。 キンッ!という軽い音が響くと同時にオーク鬼の身体が三分割され崩れ落ちた。 その男―バージルはゆっくりとオーク鬼の群れへと視線をやる。 バージルの視線がオーク鬼達を貫く、オーク鬼達は恐怖した、目の前の存在に、 悠然とこちらへ歩いてくる、蒼いコートを纏った”何者か”に。 「ピギィィィッ!!」 オーク鬼の一匹が見た目通りの豚のような泣き声をあげバージルに襲い掛かる、 棍棒を振り上げ、バージルめがけ勢いよく振り下ろした、が、その一撃は地面に窪みを作っただけだった。 「プギッ!?」 バージルの姿を見失いオーク鬼が驚きの声を上げた瞬間、 「Be gone...(―失せろ…)」 空中からデルフの剣先を下にし勢いよく落下してきたバージルはオーク鬼を頭から串刺しにした。 バージルはオーク鬼の頭に突き刺さった剣をそのまま引き抜こうとはせず、刃の方向へ勢いよく切り上げ オーク鬼の頭の中身をおもいっきり地面へぶちまける。 それを目の当たりにした生き残りのオーク鬼達は完全に戦意を喪失、 後ろを振り返り遁走を試みるも、目の前には右手に抜き放たれた閻魔刀を静かに納刀するバージルの姿、 その動作が何を意味するか分からないオーク鬼達は、既に両断されていることにも気がつかず絶命した。 「相変わらずおそろしいね…彼は…オーク鬼が逃げ出すなんて聞いたことがないよ…」 数十頭いたオーク鬼が一瞬で肉塊に変えられた場面を目の当たりにしていまさらながらギーシュが言った。 「あのオーク鬼達は運が悪かったのよ…」 あいつ、邪魔をする奴には一切容赦がないのよね…と額に手を当てながらルイズが小さく呟いた。 翌日、シエスタに案内され、『竜の羽衣』が安置されている祠へとやってきた一行は、 そこに居座るオーク鬼達の群れを確認した、それが件のオーク鬼だろうと皆が話し合っている間に バージルが悠然と群れの中へ歩いていき、たった一人で殲滅してきてしまったのである。 「ここが例の祠か?」 ゆっくりと歩いてきたバージルがシエスタに尋ねる、あれだけの大虐殺をやっておきながら息一つ切らしていない。 「えっ…!? あ、は…はい!」 目の前で起きた大惨事に呆然としていたシエスタが慌てて答え歩き出した。 「ちょっとタバサ、何してるの? 行くわよ」 キュルケがタバサを見ると、何やら杖を左手に持ち居合いの構えを取っていた。 「何? ダーリンの真似?」 「なんでもない」 怪訝な顔で尋ねるキュルケにタバサは普段通りそう答えるとちょこちょこと後をついてきた。 一行はそのままシエスタに案内されるがままに祠に足を踏み入れる。 「(…この祠…昔本で…たしか…日本の神社といったか…?それにしては少し小さいが…)」 バージルがそんな事を考えていると、シエスタが口を開いた。 「これが『竜の羽衣』です」 シエスタが指さす方向を全員が見た。 「……何これ? こんな物が飛ぶ訳ないじゃない」 キュルケが呆れた声で言うが、ギーシュは真面目に考察をしてみる。 「うーん、金属でできているみたいだね。でもこれじゃ重すぎて飛ばないんじゃないか? しかも翼もこんな風に固定されていては羽ばたけないよ」 「そうね、ちょっと信じられないわ…って、どうしたのバージル、黙っちゃって…」 ルイズが普段なら「くだらん」とか「来て損した」とか容赦なく言いかねないバージルが、ここにきて黙っていることに気がつき声をかけた。 「……これは…」 なぜこんなものがここに?バージル本人も実物を見るのは初めてだが、本などでその存在はしっていた。 翼と胴体に描かれた赤い丸の国籍標識。 一般人でも見て名前を当てられる人間もいるだろう。それほどまでに有名な、第二次世界大戦に大空を駆けた兵器がそこにあった。 バージルが近づきそっと手で触れると、ルーンの効果か、情報が流れ込んでくる。 「ゼロ戦…か…」 「だっ! 誰がゼロよ!」 「お前じゃない、これの名前だ」 ゼロという言葉に反応し食ってかかるルイズをさらりと流しながらバージルは軽く説明した。 「俺が元いた世界の、といってもずいぶん前だが…戦争で使われていた戦闘機……飛行機だ」 「ひこうき?」 「え? 元の世界ってどういうことですか?」 シエスタの質問だけスルーし飛行機について簡単に答える。 「じゃあ、これって飛ぶんですか?」 「燃料があればな。とはいえ、燃料タンクがカラだ。エンジン等に破損はないようだが…これでは使えん」 バージルが忌々しそうに舌打ちをする。 「ミスタ・コルベールってこういうの好きそうだね」 ギーシュが何気なく呟いたその一言にバージルが反応する。 「どういうことだ?」 「この間の授業もそうだったんだよ、ミスタ・コルベールが妙な発明品を持ってきてね、あの人はそういう研究が好きなのさ」 「…そうか、アテになるかは知らんが、コルベールに相談してみるか…その前にコイツを手に入れられるかどうか交渉せねばならんがな」 「そうね…って、お願いだからヤマトは抜かないでね…」 そう耳打ちするルイズをよそにバージルはさっさと外へ出てしまった。 夕方、バージルはシエスタに見せたいものがあるといわれ、村の近くに広がる草原へと二人で来ていた。 広々とした緑の草原を、沈む夕陽が紅く彩る。 爽やかな風が流れると長い草が揺れてこすれあい、サワサワと音を立てた。 「本当は、『竜の羽衣』より、こっちをバージルさんにみせたかったんです」 茶色のスカートに木の靴、草色の木綿のシャツという私服姿のシエスタが、風でなびく髪を押さえながらバージルに寄り添っていた。 「ね、綺麗でしょう? 田舎ですけど」 「…そうだな」 バージルには珍しく、この景色に何か感じ入るものがあったのか静かにそれを眺めていた。 そんなバージルを見ながらシエスタがおずおずと尋ねる。 「元の世界……って、何ですか? バージルさんも、曾お爺ちゃんもどこからきたんですか?」 「ハルケギニアではない、別の世界だ。信じるも信じないもお前次第だがな」 シエスタの質問に淡々と答える。 「そんな!私は信じます、バージルさんは…嘘をつくような人じゃありませんから…」 「ふん…」 「私、うれしかったんです、バージルさんがあの『竜の羽衣』で空を飛べるって言ってくれたこと。 曾お爺ちゃんがメイジの方に頼んでまで固定化をかけてもらって、大事にしていたものが空を飛べるって知って…」 「………」 それからシエスタは手の指をいじりながら、震える声で言った。 「父が言ってました。曾お爺ちゃんの『竜の羽衣』の事を知っている人に出会ったのも、 何かの運命だろう……って。だから…その……よければ、この村に住みませんか? そうしたら私もご奉公をやめて、バージルさんと一緒に……!」 「断る」 「相棒おまっ…」 全く感情のこもっていない声で即答する。空気を読み今まで背中で黙っていたデルフが思わずツッコむくらいだ。 ショックを受け呆然とした表情のシエスタにバージルは淡々と続けた。 「俺はこの世界にはいられない、俺には打倒せねばならない相手がいる」 バージルは忌々しくそう吐き捨てると虚空をにらみつける。 魔界へ行き魔帝ムンドゥスを討たねばならない。この世界にいる限り、ムンドゥスのハルケギニア介入は続く。 バージルの心には何者も存在しない。あるとすれば深い怒りと悲しみ、そして力への渇望、それだけだ。 そんな人間をどうやって留めることができようか。 「バージルさんは…倒さなければならない相手に勝った後…どうするんですか?」 ショックで泣きそうになりながらもシエスタがやっとの思いでその言葉を口にする。 「知らんな」 「じゃあ…終わった後…また戻ってきてくれますか…?」 「……気が向いたらな」 そう言うと踵を返しその場を立ち去ろうとするバージルを見送りながらシエスタは小さく呟く。 「待ってますから…それまでずっと…まってますから…」 そういうと、小さくしゃがみ込み、両手で顔を覆い涙を流す。 「フラれちゃった…でも…戻ってきてくれるんですよね…」 シエスタは顔を伏せて、我慢できない涙を流した。 日はすでに落ち、夜空には満天の星が光り輝いていた。 翌日、バージル達は、一度学院へ帰還することにする、一度コルベールを呼び ゼロ戦を一度調べてもらい、使えるようであれば譲ってもらえるように交渉するためだ、 バージルが交渉した場合間違いなく閻魔刀が抜かれるため、それは無しになった。 シエスタはまだ休暇が残っているためタルブに残り、しばらくしたら学院に戻るとのことだった。 世話になった村人やシエスタの家族に別れを告げた後、シルフィードに乗り学院へと向かう。 バージル達が学院に着くと同時にトリステインからの使者が学院へと到着していた。 使者は、一緒に到着したルイズ達にオスマン氏の居室を尋ねると、急いだ様子で走り去っていった。 その何かとんでもない事が起きてしまった様子に、ルイズ達は顔を見合わせ、真相を確かめるべく後をついていった。 オスマン氏のいる居室の扉が、勢いよく叩かれる。 「誰じゃね?」 返事と同時に扉もまた勢いよく開かれ、使者が叫び声で用件を述べた。 「王宮からです。申し上げます! アルビオンがトリステインに宣戦布告! 王軍は、現在ラ・ロシェールに展開中! したがって学院におかれましては、安全のため、生徒及び職員の禁足令を願います!」 「宣戦布告とな? 戦争かね?」 平然を装ってはいるが、内心は焦っている。 アルビオンとはつい先日不可侵条約が締結されたばかりだ。 「いかにも! タルブの草原に、敵軍は陣を張り、ラ・ロシェール付近に展開した我が軍とにらみ合っております!」 「うぅむ…アルビオン軍は、強大だろうて…」 オスマン氏の言葉に、使者は悲しげな声へと変わる。 「敵軍は、巨艦『レキシントン』号を筆頭に、戦列艦が十数隻。上陸せし総兵力は三千と見積もられます。 我が軍の艦隊主力はすでに全滅、かき集めた兵力はわずか二千。 未だ国内は戦の準備が整わず、緊急に配備できる兵はそれで精一杯のようです。 しかしながらそれより、完全に制空権を奪われたのが致命的です。敵軍は空からの砲撃をくわえ、我が軍をなんなく蹴散らすでしょう」 「現在の戦況は?」 「敵の竜騎兵によって、タルブの村は炎で焼かれているそうです……。 同盟に基づき、ゲルマニア軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着するのは三週間後とか……」 その発言で、オスマン氏は深くため息をついた。 「……見捨てる気じゃな。敵はその間に、トリステインの城下町をあっさり落とすじゃろうて」 学位長室の扉に張りつき、聞き耳を立てていたキュルケとルイズは顔を見合わせた。 戦争と聞き、ルイズの顔が蒼白になる。 「嘘よ…そんな…タルブの村が…だってあそこにはシエスタが…」 後ろでそれを見ていたバージルが踵を返し思わぬ言葉を口にした。 「タバサ、行くぞ」 「わかった」 二つ返事でタバサもその後について行く。そんな二人を見てルイズが大急ぎで追いかけた。 「ちょ、ちょっと!どこに行こうっていうのよ!」 「タルブだ、ゼロ戦を失うわけにはいかん」 シルフィードに手をかけながらバージルはさらりと言う。 「そんな! あんたたちが行ってどうにか…どうにか…なるかもしれないわね…あんたなら… っていうかあんたゼロ戦って言ってたけど、シエスタのことはどうでもいいの!?」 「ついでだ、生きているなら助けておく」 そう言いながらシルフィードに乗りこもうとする二人にルイズが叫ぶ。 「ま…待ちなさい! 私も行くわ! タルブを助けるわよ!」 「…勝手にしろ、足手まといにはなるな」 そう言うとルイズも始祖の祈祷書を片手にシルフィードに乗り込む、 かくして三人はたった一日で戦場と化したタルブへと向かうことになった。 前ページ次ページ蒼い使い魔
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/2021.html
6日目 Navi さわやかな朝がやってきました 自宅にて すもでんぱさん の遺体が見つかったようです… すもでんぱ イ、イイノヨ? Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 2 (ゾンビ部屋) jinjahime そっち喰うよな 1 (なび村) せんこ 【占い結果】リュファさん○でした! 狼視点で、かつうちの推測通りだと狐全滅真確定の状況を把握してしまうので、とっても静かになったコンチさん占いたかったけど 1 (なび村) メゾピ 共有把握のミスをしたりと、昨日に比べて元気がないように見えたので占ってみました。せんこさんが真かっていう発言が前にあったので、そこを真と誤認して勝てないと思ったのかなと 1 (なび村) メゾピ 占いCO:ワルノスさんは○でした 2 (ゾンビ部屋) リゾルート いっそ噛まれてくれればいいのに、とかおもってしまふ 1 (なび村) せんこ あえて、村から地味に疑問をもたれてたりゅふぁさんを占ってみました 昨日元気だった人は多分村なんじゃないかなー? と思いまする 1 (なび村) みむっちゃ サイアさん● 理由は月が丸かったから 1 (なび村) サイア んー・・・ 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 共有2連だと・・・ 3 (GREEN) シエスタBC 共有いなくなった 1 (なび村) たぷたぷ やっぱ共有噛むよね 1 (なび村) サイア やっぱさ 1 (なび村) サイア 噛みがおかしい 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい みむちゃさんww 1 (なび村) リュファ やっぱりすもさんですか・・・。 2 (ゾンビ部屋) リゾルート ですよねー 1 (なび村) xバーバラx 共有全滅か 1 (なび村) シエスタBC 共有いなくなった 1 (なび村) サイア 役職→GJ→役職→役職 1 (なび村) シエスタBC これさ 1 (なび村) サイア GJがjinjaさんならみむっちゃさんの告発説は生きるけど、ここで共有すもさんをアタックならどうする? 1 (なび村) シエスタBC もう狼は 1 (なび村) メゾピ すいません、一昨日の私の発言見返したらマクロミスってあかみさとさん占いになってますねorzorz 1 (なび村) カルシファー 狩人は探してないんですかね? 1 (なび村) サイア 狐2だからそうそう占いは行かないと思うけど、このGJは役職狙いだったんじゃないかな?っとね 1 (なび村) シエスタBC 狐見つけてるんじゃね? 1 (なび村) サイア 噛み筋から狼は狐を探してないように見えたので 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ ぞんびーぬ 1 (なび村) サイア で、ウチ●ね 1 (なび村) リュファ ・・・みむっちゃさんの理由がなげやりすぎ・・・ 2 (ゾンビ部屋) うんちや 狐の相方キタ! 2 (ゾンビ部屋) jinjahime おつかれさまですー(つ・ω・(-ω-*)ダキッ 2 (ゾンビ部屋) Navi おいでまし~ 2 (ゾンビ部屋) れりか いらっしゃいませー 2 (ゾンビ部屋) Akizuki お疲れ様~ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime wwww 1 (なび村) メゾピ サイアさんの言ってるのってそういう意味でしたか・・・これは最悪ですねorz 1 (なび村) サイア どうする?これを告発と見てつるのもありよ 1 (なび村) xバーバラx 昨日 呪殺すれば意見~といってますけど呪殺おきてたのに少しあとにきづきました。 せんこさん ほぼ真ですね 2 (ゾンビ部屋) リゾルート おつかれさまです~ 2 (ゾンビ部屋) あかみさと おう、狐お疲れ! 1 (なび村) メゾピ 一昨日はリュファさん占いだったんですが・・・ 1 (なび村) サイア 明日以降みむっちゃさんは●が1つしか出せない 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 占いは真狂狐だとおもう 1 (なび村) せんこ うちの推測だと 狼視点狐全滅してるはずだから 1 (なび村) メゾピ 本当に申し訳ないです・・・ 1 (なび村) せんこ 役職狙ってくるとは思ったけど 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい おつかれさま~ 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ いやー狐で共有は疲れるワー 2 (ゾンビ部屋) jinjahime www 1 (なび村) サイア これを告発と見て、せんこさんがウチを占えばせんこさん真確定するかもよ(無駄占いかもだけど) 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 天丼屋さん・・・ホロリ・・・・ 1 (なび村) ワルノス リュファさん○ね 理解 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 私は狐に吊られたのかっ 1 (なび村) コンチ まだローラーの時間じゃないか 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 兼役ww 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい (´;ω;`) 2 (ゾンビ部屋) リゾルート うん、まぁないな( ゚д゚) 1 (なび村) ワルノス ローラーするの?とりあえずメゾピさんは切るけど 1 (なび村) コンチ 狐と狼一匹ずつつれてると考えていいのか? 1 (なび村) xバーバラx ローラーするならメゾピさん 1 (なび村) サイア 狐はまだいるかどうか 2 (ゾンビ部屋) jinjahime せんちゃん真決めうちでいいよね 1 (なび村) カルシファー まだいいんじゃないですかねぇ 1 (なび村) リュファ あとグレーは・・・3人? 1 (なび村) xバーバラx 狐は1匹はつれてますね 1 (なび村) せんこ しかしなんで狩人探さず共有噛んだんだろう・・・ 1 (なび村) ワルノス え ローラーするの?マジで?? 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ いいと思う 1 (なび村) サイア GJが役職だったとしたら、告発ではなかったと予想 1 (なび村) xバーバラx あと1匹は不明 1 (なび村) せんこ え?ローラーされちゃうの?w 1 (なび村) シエスタBC 吊り先でいままでで狐の可能性って誰よ? 1 (なび村) ワルノス しないっしょ 1 (なび村) メゾピ さすがにここから信用取り戻すのは無理ですね・・・戦犯物ですね、これは 1 (なび村) xバーバラx ローラーは狐全滅してからがいいですね 1 (なび村) コンチ いや、可能性としていっただけで 1 (なび村) カルシファー jinjaさんでは? 2 (ゾンビ部屋) あかみさと メゾピさんは悪くないよなあれ どうしようもなかったw 1 (なび村) メゾピ 私も逆の立場だったら切りますし・・・ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート もう決めウチでしょーメゾさんがんばってるけど、占い結果ミスで2回占いとか苦しすぎる・・・w 1 (なび村) コンチ ローラーまだ間に合うのかどうか考えてた 1 (なび村) ワルノス ごめんなさいな 1 (なび村) せんこ うち予想、じんじゃさんあかみさんが狐なんだけどどうなんだろうなか 1 (なび村) メゾピ 本当に申し訳ないです 2 (ゾンビ部屋) jinjahime こんなに村々なのに狐説を押される 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい じんじゃさんあなた・・・ 1 (なび村) サイア カルシファー リュファさんしか信じれない状態かー 1 (なび村) たぷたぷ いませんこさん真なら狼2ですよね 1 (なび村) サイア &せんこさん 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 素村だよ! 1 (なび村) コンチ 共有食われたなら軸がない 2 (ゾンビ部屋) あかみさと おう相方 やっぱ私を村見るのはだめだったらしいぜ 1 (なび村) せんこ ただ功を焦りすぎるといかんよね 1 (なび村) ワルノス サイアさん視点だとそうだね 2 (ゾンビ部屋) jinjahime そうかー 1 (なび村) ワルノス みむっちゃさんは一応破綻してないはず 1 (なび村) ワルノス だよね?? 2 (ゾンビ部屋) jinjahime って相方じゃないです 1 (なび村) サイア 今日時点でせんこさん真視ニ確定したけど、現在狼は何匹連れてるか 2 (ゾンビ部屋) あかみさと えっ 1 (なび村) コンチ ならば 1 (なび村) ワルノス まぁ真視しないけど 1 (なび村) コンチ 黒釣り? 1 (なび村) メゾピ 一昨日の理由を読み返してもらえれば、リュファさんの理由だとわかってもらえるはず 1 (なび村) シエスタBC まずサイアさんの処遇を決めちゃいたい 1 (なび村) サイア みむっちゃさんは、ウチ視点で偽だしね 1 (なび村) サイア どっちを信じてもいいよ 1 (なび村) ワルノス んだに 1 (なび村) サイア なので、遺言っぽいことをたくさん残す 1 (なび村) リュファ メゾピさんはもう無理です。 1 (なび村) メゾピ タゲコマンド使ってましたけど、ズレちゃったみたいで・・・ 1 (なび村) せんこ 一応まだ●1を確定で吊っただけで どこかで狼吊ってるかもしれないね 1 (なび村) サイア すくなくとも、みむっちゃさん視点ではLWだよね? 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい なんか初日の霊噛みであのとき狼つれてたんじゃないの論がでてきそうでこわい 1 (なび村) サイア ウチを吊ったあとはって意味で 1 (なび村) せんこ そうなるね 1 (なび村) リュファ 霊媒いないので味方切りに意味はありません。 1 (なび村) メゾピ んー・・そうですよね、申し訳ないorz 2 (ゾンビ部屋) リゾルート うん、みむっちゃさんは仕事終わってるから吊りもあり 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ じつはみくかわが狼 1 (なび村) サイア 最悪で、狐1、狼2 1 (なび村) シエスタBC 正直サイアさんは疑ってるんだが 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ミクかわ怪しいと思ってた 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 狼が狼食べちゃうNaviさん大失態 1 (なび村) サイア で、jinjaさんは狐とは見ない方がいいです 1 (なび村) ワルノス ん?占いが狂狐だった場合LWじゃなくね? 1 (なび村) コンチ 狼は占いの中にいるとして 1 (なび村) サイア 理由は噛み筋 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 共食いするなんてひどい! 1 (なび村) サイア 役職→GJ→役職→役職 1 (なび村) コンチ @1だな 1 (なび村) せんこ 噛み筋かー 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 怪しいと思ってたけど、対抗でなかったしなぁ 1 (なび村) xバーバラx 自分も疑ってますけど濃厚ってほどではないです サイアさん 1 (なび村) サイア このGJでグレーを挟んだことになる 1 (なび村) せんこ あぁなるほど 2 (ゾンビ部屋) あかみさと そうなんよねー 1 (なび村) Hell すみません、リアル事情で急遽ログアウトしなければならなくなったのですが… 1 (なび村) サイア そこでみむっちゃさんが襲撃されたとしたらどうなるかな 1 (なび村) せんこ あら 2 (ゾンビ部屋) あかみさと !! 1 (なび村) カルシファー おぉ? 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 突然死か・・・ 1 (なび村) リュファ 一時停止。 1 (なび村) サイア (突然死・・・) 1 (なび村) ワルノス たーいむ 1 (なび村) カルシファー すとっぷかな? 1 (なび村) サイア - 2 (ゾンビ部屋) jinjahime じゃ、ヘルさん吊りで 1 (なび村) サイア ---------------------- 2 (ゾンビ部屋) リゾルート ごめんなさい・・・実は私が霊媒・・・ サイア ってNaviさんからなんもいわれてないけどストップしてもーた 2 (ゾンビ部屋) jinjahime リゾさんなら許す 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ いいえ、わたしがしんのれいばいしだったのです! ワルノス しゃーない ワルノス リアルじゃ 1 (なび村) たぷたぷ 黙祷? Navi ちょっととめましょう 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 超狂ロラで リュファ サイア カルシファー はーい サイア はいな せんこ わふー たぷたぷ はいー Navi リアル事情は仕方ないと思いますので Hell 本当にすみません;; たぷたぷ お疲れ様です~! サイア リアルしゃーなしー サイア お疲れ様ねー リュファ サイアさんには時間停止能力がある・・・(メモしよう)。 たぷたぷ うんうん jinjahime おつかれさまですー シエスタBC おつー Akizuki おつおつ~ xバーバラx おつかれさまです 気にしないように Hell お疲れ様でしたっ カルシファー おつかれさまですー すもでんぱ おつおつー ミクかわいい おつかれさまでした~ リュファ おつかれさまでしたー。 ワルノス DIO様だ せんこ おつおつなのじゃー ワルノス お疲れ様でしたー みむっちゃ おつさまでした HellはNaviに土下座をした リュファはHellに手を振った Navi 本日の投票ではいかがでしょう! うんちや おつでした~ リゾルート おつかれさまです~また会いましょう~ せんこ あー ワルノス OK せんこ それでもいいかも Navi 御気になさらないでくださいね! 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 投票でつっちゃえば村の被害を抑えられる! れりか おつかれさまでーす ワルノス 異議なしです。さすがGM様そこにひかれます サイア おーつーかーれーさーまー ワルノス 緑に染まりそう。。。 Navi よいぞ、よいぞ ミクかわいい 焼き払わないと・・・ サイア 狂おしいほど緑の世界 ワルノス 緑最高 Navi では申し訳ありませんがその方向で! Navi では残り2分から再スタートしましょう サイア ウチ的には嬉しいけどいいんかな? HellはHellに土下座をした Navi それではよーい Hell ほんっとうに申し訳ありません!! サイア 明日も喋れるよ Navi スタートです! ワルノス 突然死でも同じじゃない?縄減らんよね? 1 (なび村) サイア とまぁ 1 (なび村) シエスタBC えっと 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい GMGJ 1 (なび村) たぷたぷ なんのはなしだっけ 1 (なび村) サイア みむっちゃさんが狐で襲撃されたとしたら、どうなんだろうなっと 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 優しさに泣いた 1 (なび村) せんこ ―――神は言っている―――ここでHellさんを吊る定めだと――― 1 (なび村) シエスタBC 今日は人柱ってこと? 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 実は・・・ひざの上で猫が丸くなって寝てる 1 (なび村) サイア で、シエスタさんのウチ疑いの理由をどうぞ 1 (なび村) xバーバラx Hellさんつりで進行と 1 (なび村) シエスタBC おkおk 1 (なび村) サイア うん。今日はHellさん吊りましょう 2 (ゾンビ部屋) Navi 介入みたいで少々気は退けますが… 1 (なび村) カルシファー 了解w 1 (なび村) サイア チョーアヤシイ 1 (なび村) コンチ 了解 1 (なび村) シエスタBC 疑いの理由な~ 1 (なび村) サイア うひ 1 (なび村) サイア で、話進めよう 2 (ゾンビ部屋) jinjahime まぁ突然死はしょうがない ワルノス 寡黙でした支障がない ワルノス あ 1 (なび村) シエスタBC そうとうメタイぞ? ワルノス 誤爆すまんす 1 (なび村) サイア ウチも霊媒無し吊られたくないし。戦いましょう 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 実質の人柱宣言みたいなものですし、いいとおもいますよー 1 (なび村) サイア どぞ 1 (なび村) サイア 時間掛図にね 1 (なび村) サイア 同時に他の意見進行させていいよ 1 (なび村) シエスタBC さっきもちらっとしたけど 1 (なび村) サイア ちゃんとシエタンのはみとく 1 (なび村) シエスタBC 役職希望だしな 1 (なび村) サイア それはメタいのでノーコメント 1 (なび村) xバーバラx 完全にメタ 1 (なび村) シエスタBC まあそうだろうな 1 (なび村) シエスタBC 俺はメタ推奨なんで 1 (なび村) ワルノス 役職→GJ→役職→役職で グレー挟んだことになるって 1 (なび村) ワルノス グレー噛みってことなん? 1 (なび村) サイア で、ウチが何かしら役を希望してそれがかなった。(人外サイド)って読みかな? Navi 20秒前 1 (なび村) シエスタBC 強制させる気もないけど 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい はさー 1 (なび村) シエスタBC それ以外で疑ってる理由は 1 (なび村) ワルノス 普通にGJの可能性は 1 (なび村) せんこ むしろさいあさんは選考あぶれじゃないかなと思ってたり 1 (なび村) シエスタBC 正直薄いよ 1 (なび村) サイア とりあえず、シエタンの質問はノーコメントにしちょく 1 (なび村) ワルノス て これあれか 1 (なび村) ワルノス すまぬ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート (そういえば、希望役職って最後に公開されるのかしら・・・) 2 (ゾンビ部屋) jinjahime たぶん、全部役職噛み。占いチャレンジしてるんでしょう Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 1 (なび村) シエスタBC 他の人よりはってだけさね 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 6日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- (T) せんこ > Hellさんでー (T) メゾピ > HEll 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 希望役職メタが横行しておる・・・! (T) xバーバラx > ではいちよう Hellさんで (T) リュファ > ええと、Hellさん投票でいいんでしょうか? (T) カルシファー > Hellさんでお願いしますー 2 (ゾンビ部屋) jinjahime メタいくない (T) たぷたぷ > Hellさんに1票だよね・・・ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい ち、ちがうし霊希望なんてしてないし 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ねー (T) Hell > 自分に自分でいれま(殴 (T) サイア > Hellさんでー 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 終盤のメタはいくないよー (T) ワルノス > Hellさんで 寡黙だし怪しいなぁ! (T) みむっちゃ > Hellさん? 2 (ゾンビ部屋) リゾルート そんなはずはない!私実は霊媒希望・・・ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート げふげふ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ゲーム内の誤爆とかはともかく、始まる前のメタはなぁ 3 (GREEN) みむっちゃ 厳しい勝負になってきたなぁ Hellはコンチにおじぎをした Hellはコンチを応援した 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい ほかにも希望してた人がいたなんて・・・ コンチはHellにとても感謝している 3 (GREEN) シエスタBC おもいっきりあばれてるけどな 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ズサ占いも好きじゃない (T) コンチ > Hell 3 (GREEN) みむっちゃ うんw コンチは眠りについた (T) Hell > 場違いですが、サイアさんで 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ズサ占いってなんぞ? 2 (ゾンビ部屋) リゾルート だって、ボロ雑巾とかすごくときめくじゃないですか・・・ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ここではないけどな 2 (ゾンビ部屋) jinjahime まぁ、入村が最後になった人を占うってやつ (T) シエスタBC > Hellさんで Hell11 サイア1 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ズサ━━━━⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡━━━━!! 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ほー 2 (ゾンビ部屋) jinjahime を占うってやつ 3 (GREEN) みむっちゃ どうしたものだろう Navi あと1分 3 (GREEN) シエスタBC むずいなw 2 (ゾンビ部屋) あかみさと みんなそれしたら銃殺対応楽すぎだなw 2 (ゾンビ部屋) jinjahime だなw 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 名前メタとかもあんまり好きじゃないのよね 3 (GREEN) みむっちゃ なにをするのが最善手なのかわからん Navi 20秒前 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ○○さん吊ろうぜーってガチでいうのは 3 (GREEN) シエスタBC このままだと 2 (ゾンビ部屋) あかみさと あー 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい ドキッ Navi さよなら Hellさん …あなたの勇姿は忘れない Hell 見ちゃらめぇぇぇええええ!!! Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 前回の村で翻弄されたから、ぐらいじゃないですかね、メタとしてよさげなのは 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい かりんちゅだったらどうするのんとか思いはしてる HellはHellに土下座をした 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ みくかわ吊ろうぜー 3 (GREEN) シエスタBC せんころの魔の手がこっちに来るかもだし HellはHellに土下座をした (T) コンチ > ようこそようこ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 天丼釣ろうぜー 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい おはようございます、霊媒CO です。、人狼淘汰目指してがんばりましょう!」 2 (ゾンビ部屋) あかみさと まぁ初日の占い理由には存分に使いますけどね! 1 (なび村) みむっちゃ うんきそう 3 (GREEN) シエスタBC カルさんの神が終わったら 3 (GREEN) シエスタBC 噛み 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 霊吊ろう 3 (GREEN) シエスタBC せんこさんいくか 3 (GREEN) みむっちゃ あ、ごばくしたorz 3 (GREEN) みむっちゃ いこういこう 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい なりません 3 (GREEN) シエスタBC うらないどうすっかなー 3 (GREEN) シエスタBC w 3 (GREEN) みむっちゃ 黒出そう黒 3 (GREEN) シエスタBC ごばっちゃったかw 3 (GREEN) みむっちゃ 狩人生きてるっぽいなぁ 3 (GREEN) みむっちゃ うん。してしまった 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 包帯屋さんがいたところに包帯を捧げて黙祷します・・・ 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ みむちゃさん・・・ (T) リュファ > どうしようかな・・・自分が狙われそうだけど カルさんと悩んだ末、「せんこ」さん護衛。 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ ホロリ・・・ 3 (GREEN) シエスタBC あんまグレーかんでないしなぁ 3 (GREEN) みむっちゃ だねー 3 (GREEN) シエスタBC 生きてそうではある (T) せんこ > 悩む・・・ バーバラさん占いますー 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ですね>リゾさん 個人的に強敵だと思ってる人~とかならいいとおもいます 2 (ゾンビ部屋) あかみさと これが人外絶望村か 3 (GREEN) みむっちゃ うん (T) > リュファ がっちり守ってあげてね! 3 (GREEN) みむっちゃ もう1ターンまつ? 3 (GREEN) みむっちゃ 正直もうむずかしいね 3 (GREEN) シエスタBC だなぁ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい みむちゃ狼・・・? 3 (GREEN) みむっちゃ ほんと明日占われそうだしシエスタさん 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい なんかゴバク多いですね 2 (ゾンビ部屋) あかみさと うむー (T) > せんこ xバーバラxさんはごく普通の村人でした!○ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい チラッ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime コンチ-みむっちゃで狼?狂人なにやってん?あれ、狐がグレー? 2 (ゾンビ部屋) あかみさと チラッ 3 (GREEN) シエスタBC とりあえずカルさんかもう 3 (GREEN) みむっちゃ うん 2 (ゾンビ部屋) リゾルート このログは狼かなぁ・・・これこそメタくてもうしわけないけど; 3 (GREEN) みむっちゃ そうしよう 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 狐は今回はCHなしですしねえ (T) シエスタBC > カルさんかみかみだよぅ (T) せんこ > ぬぐー やっぱこんちさん辺り占いたいなぁ・・・結構厳しい状況なのかも、これ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい (盛大にメタ 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 明らかに誰かと会話してるもんねw 2 (ゾンビ部屋) jinjahime 墓場でのメタ推理は全然ありですけどね。進行に関係ないですし 3 (GREEN) シエスタBC 俺囲うなら 2 (ゾンビ部屋) jinjahime ネタバレはあれだけど (T) > シエスタBC おいしく食べてね! 3 (GREEN) シエスタBC 黒でもいい気がするがw 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ごめん共有ってバラして・・・ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime よしよし(つ・ω・(-ω-*)ダキッ 3 (GREEN) シエスタBC あんまり効果ないだろうし 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 私もはやまって霊COしてごめん・・・ 3 (GREEN) シエスタBC 俺以外がやっぱいいかもなぁ 2 (ゾンビ部屋) Navi わたしが しんの ようこです 2 (ゾンビ部屋) あかみさと ダキッ が グキッ に見えた 3 (GREEN) みむっちゃ うん。はやめにせんこさんを噛む以外に手がないね 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい じんじゃ接骨院 3 (GREEN) シエスタBC だなぁ 2 (ゾンビ部屋) jinjahime なびさんを占いました 真っ黒でした 2 (ゾンビ部屋) うんちや すもさんの熱いまなざしを感じて共有COしたきがする 2 (ゾンビ部屋) リゾルート ナビさんの場合はしっぽが・・・ Navi あと1分 3 (GREEN) シエスタBC おしっこでw 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 熱視線・・・! 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい すもさんの熱線? 2 (ゾンビ部屋) Navi 9個命がアルノヨ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい (「*ΦωΦ)「======= 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ ビーーーーム 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 目からビーム! 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 九尾狐Σ(゚Д゚;Ξ;゚д゚) Navi 20秒前 (T) みむっちゃ > カルシファーさん噛みます。もしかしたらもうTELLいってるかもしれませんが、相方がトイレいったので一応 2 (ゾンビ部屋) jinjahime (「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば!(「・ω・)「めがば! (T) > みむっちゃ おいしく食べてね! オペこ すんませんこれもう決まってますか 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- サイア はじまってるー オペこ すまぬ・・・すまぬ・・・ ワルノス 一回目の村ー 5日目へ 7日目へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2459.html
前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 窓から日の光が康一の寝顔を照らす。まぶしくて、康一はもぞもぞと起き出した。 ベッドに目をやると、毛布に包まった塊のようなものが寝息を立てている。 「そっか・・・ぼく、あのまま気絶しちゃってたんだ・・・」 毛布が膝元にずり落ちている。気絶していたぼくに一応毛布だけはかけてくれたらしい。 立ち上がり、うーん・・・と背伸びをする。堅い床で寝ていたので体の節々が痛い。 ここで康一は自分がまだパンツ一枚であることに気がついて、あわてて投げ散らかしてある服を着込んだ。 今日から使い魔としての生活が始まるらしい。 正直現実味がない。これが魔法の国だなんて、今でも夢だったような気がする。 しかし、実際には自分は知らない天井を見上げて目覚め、毛布からはご主人様(ということらしい、ぼくは認めたくないけど!!)の白くて小さな足が覗いている。 康一はこのご主人様(仮)を起こそうかと思ったが、先に今自分がいる場所を見て廻ることにした。 『魔法の国』というやつに康一は少年らしい興味を覚えていたし、なによりあの恥ずかしい大騒ぎの後、すぐに顔を合わせるのはなんだか気まずいからだ。 康一は音を立てないようにこっそりと扉を開け、部屋の外へと抜け出した。 康一は建物の外に出ると大きく深呼吸をした。 康一は朝の冷たい空気が好きだ。草の葉の露に朝日が当たってきらきらと輝くのも好きだし、まだ人気が少なくてシーンと静まりかえっているところも嫌いではない。 ただ、それが見知らぬ場所で自分が余所者だと、なんだか入ってはいけない場所に立ち入っているような気分になる。 康一はとりあえず顔を洗うために水場を探すことにした。 しかし昨日も思ったが、こうして歩いていると明らかに自分達の時代とは文化や文明が違う。まるで話に聞く中世ヨーロッパの建物のようだ。あちらこちらに康一には用途の分からないものが設置してある。 時々何かの文字が書かれていたりもするのだが、康一には読むことができなかった。 と、ここで康一は、はっと気づいた。 「ぼくって今まで何語をしゃべっていたんだ?」 日本語だけでなく、露伴先生のおかげでイタリア語の読み書きもばっちり、それに英語もほんのちょっぴりなら分かるが、思い返してみるとあの人たちが喋っていたのは聞いたこともない言語だった気がする。 「でも、会話は通じるんだよなぁー。どうしてだろ。」 露伴先生にイタリア語を扱えるようにしてもらったときと似た違和感がある。なぜか言葉の意味が分かり、なぜか言いたいことがイタリア語になるのである。(まぁ、ここの言葉は話ができるだけで読み書きはできないみたいだけど・・・) そんなことを考えながら水場を探してうろうろしていると、渡り廊下の奥から籠をもった黒髪の女の子がやってくるのが見えた。白と黒を基調としたエプロンドレスである。 「(うわー、メイド服だよー!)」 当然だが康一はメイド服を見るのは初めてである。というよりメイドさんという存在は、現代日本ではほとんどいなかった。 「あのー、すいませーん。」 康一が声をかけると、向こうもこちらのことに気づいていたのだろう。足を止めて微笑んでくる。 カチューシャでまとめた黒髪とそばかすがかわいらしい。 「はい、何か御用でしょうか。」 「いや、ご用といったほどのことじゃないんですけど、顔を洗いたくてですね。水場を探しているんですよ。」康一は頭を掻きながら説明した。 「かしこまりました。それではご案内いたしますね。」 こちらです。とメイドさんが案内してくれる。 歩いていると、あの・・・。とメイドさんが話しかけてきた。 「ひょっとして、ミス・ヴァリエールが召還されたという使い魔の方ですか?」 「え、ぼくのことを知ってるんですか!?」 「はい、平民が使い魔になるなんて初めてのことですから。噂になってますわ。」 少女は変わった服装だから遠くからでも一目でわかりました。と笑った。 「そっかー。ぼくは広瀬康一です。よろしく。」 「わたしはシエスタです。何か困ったことがあったら言ってくださいね?」 シエスタ!康一は昨日までいたイタリアでは、シエスタはお昼寝という意味だったということを思い出し、この少女がお昼寝しているところを想像してふふっと笑った。 その様子を見てシエスタが首を傾げる。 「? 何か?」 康一はごまかすようにあわてて手を振った。 「い、いえ。なんでも!いい名前ですね!」 水場はそこから歩いてすぐのところにあった。 康一は綺麗で冷たい水で顔と髪を簡単に洗った。 「はぁー!さっぱりした!」 「ふふふ、それはよかったですわ。」 シエスタはここに洗濯にきたらしい。篭の中を覗くと結構な量の洗濯物が入っていた。 「手伝おうか?」 手持ち無沙汰な康一は聞いてみた。 「お気持ちはうれしいですが、お仕事ですから・・・それよりも、ミス・ヴァリエールの元へ帰らなくてもいいんですか?」 シエスタは康一に尋ねた。 「うーん、戻ってルイズさんと顔を合わせるのがなぁ・・・」 康一は首をひねった。 「喧嘩でもなさったんですか?」 「まぁ、そんなところ。」 「だめですよ。貴族の人に逆らったら、大変なことになっちゃうんですから。」 シエスタは忠告してくれた。 「『貴族』・・・かぁ・・・。ねえシエスタ。貴族って怖い?」 康一が尋ねると、シエスタは洗い物の手をぴたりととめた。 「そうですね・・・ここだけの話、正直怖いです。私たち平民は貴族のきまぐれでどうでも好き勝手にされちゃいますもの・・・。康一さんは貴族が怖くないんですか?」 えーっと・・・。康一は言いよどんだ。 「まぁ・・・ぼくが住んでたところには貴族がいなかったからさ。」 「やだ康一さんたら、わたしをからかってるんですね?そんなところあるわけないじゃないですか。」 シエスタはクスクスと笑った。 「でも・・・」 シエスタは空を仰いだ。 「そんな場所があったらいいなぁ。わたしもいってみたいなぁ・・・」 康一はなんと言えばいいのか分からなくなった。 シエスタはしんみりとした空気を吹き飛ばすように。 「な、なーんて。そんなことあるわけないですよね!いいんです!貴族様は魔法っていうすごい力が使えて、私達平民は敵いっこないんですから!生まれたときからそう決まってるんです!」 康一はこの世界の『貴族』と『平民』の関係を理解した。 この世界では魔法が使える貴族が絶対で、使えない平民は生まれた瞬間から奴隷同然なんだ。 きっとシエスタも今まで嫌な思いをたくさんしてきたのだろう。 ぼくも少し前までは何の力もないただのコゾーだった。でも今は他の人にはない『スタンド』がある。でも、貴族ではない。使い魔だから平民でもない。 「(ぼくは、ここではいったいなんなんだろうなァー・・・)」 そうして雑談をしているうちに、日は昇り、少しずつ人通りが多くなってきた。 シエスタの洗濯物も終わって、康一はルイズの部屋へ戻ることにした。 別れ際、シエスタに「がんばってくださいね!」と手を握ってもらったのもあるがなにより、 「いつまでも逃げてるわけにもいかないもんなぁー」 きっとなんとかなるさ! 康一はこれでなかなか前向きな性格だった。 前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/969.html
autolink() FS/S03-089 カード名:氷室 鐘 カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2000 ソウル:1 特徴:《スポーツ》?・《メガネ》? 【起】集中 [①]あなたは自分の山札の上から2枚をめくり、控え室に置く。それらのカードのクライマックス1枚につき、あなたは1枚引く。 ……蒔の字。君の陰口は、遠坂嬢に聞こえているようだが レアリティ:C illust.TYPE-MOON Fate/stay night版のセーラー服のシエスタと言えば分かりやすいか。しかしあちらとは違いこちらはCX1枚につき1毎しかドローする事が出来ない。 が、セーラー服のシエスタはレストしなければいけないのに対し、こちらは1ターンの間にコストが払える限り何度でも使用可能。 どちらを組み込むかは、プレイヤーの方針次第と言えるか。 ただ、コストパフォーマンスはセーラー服のシエスタにはるかに及ばないものの、、セーラー服のシエスタは制限カードになってしまった。 スタンダード形式の際に使用されることになるか…?
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/55.html
シエスタは平民で貴族の世話をするために奉公に来ているそうだ。 シエスタに連れられ食堂裏の厨房に行く。そこにはコックやシエスタと同じ格好をした人間が多くいた。 皆忙しげに料理を作ったり運んだりしている。 そういった様子を見ているとシエスタがなにやら持ってきてくれる。シチューだった。貴族の料理の余りで作ったらしい。 食べやすいものでとてもありがたい。早速食べてみる。 「うまい」 思わずそういってしまうほどうまかった。空腹なのもあるだろうが作った人は相当料理が上手なのだろう。 胃に負担が掛からないようゆっくりと、しかし確実に食べていく。シエスタはそんな私を笑いながら見ていた。 「ご飯貰えなかったんですか?」 シエスタが聞いてくる。これだけ夢中になって食べていればそう思うかもな。 「ああ、これから1週間食事無しだそうだ」 正直に答える。シエスタは相当驚いていた。 「お腹が空いたら、何時でもいらしてください。私たちが食べているものでよかったら、お出ししますから」 初めて人の優しさという奴に触れた気がする。シエスタはひょっとしたら聖母の生まれ変わりなんじゃないだろうか? やがてシチューをすべて食べ終える。 「ありがとう。本当にうまかったよ」 「いいんですよ」 シエスタは笑顔でそう言ってくる。 「何か手伝えることは無いかな?」 「え?」 「さすがに世話になりっぱなしというわけにもいかないだろ」 それに良好な関係を保っていれば何かと便利だ。なんせ1週間の食事が掛かっているからな。手伝いを申し出ればこちらに好印象を持つだろう。 「なら、デザートを運ぶのを手伝ってくださいな」 シエスタは笑みを浮かべながら言う。私はもちろん頷いた。彼女がいればすぐに脱走しなくもいいだろう。 シエスタと共にデザート配っていく。食堂は皆が喋っていて五月蠅いな。 そう思いながら配っていると一際五月蠅い集団がいた。その中の一人のポケットから何かが落ちる。 拾ってみると中に紫色の液体が入った小瓶だった。 「落としたぞ」 そう言ってテーブルの上に置いてやる。 「これは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」 しかし渡してやった少年はそう言ってくる。 「おお?その香水は、もしやモンモランシーの香水じゃないか?」 その一言をきっかけにまた五月蠅くなる。どうやら少年の彼女の品らしい。持っているのが恥ずかしかったのだろうか? しかし騒ぎはどんどん大きくなる。一人の少女が少年に近寄り泣きながら頬を引っ叩く。そして別の場所からも少女が来てテーブルの上に置かれた 液体を少年の頭にぶちまけるけ、 「うそつき!」 と怒鳴り去っていった。どうやら少年は二股を架けていたらしい。 私には関係ないので再び歩き出す。 「待ちたまえ」 先程の少年に呼び止められる。が、無視して歩く。シエスタが心配そうにこちらを見てくる。 「待ちたまえと言ってるんだよ!」 少年が大きな声を出して私再度呼び止める。 振り向いて少年を見ると無視されたのが悔しかったのだろう。顔が少し赤い。 「君が軽率に、香水の壜なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 「自分の尻拭いもできないのか?」 呆れ気味にそう返すと少年の周りはどっと笑う。少年の顔が鋭くなる。 しかし、貴族とは本当に器が小さいな。この程度で怒るとは。これじゃ平民の不満は多そうだ。 「君は貴族に対する礼を知らないようだな」 「礼というのは立場が上の者にすることだ。少なくともお前にするもんじゃないな」 そう言ってからかってみる。少年が立ち上がり体を翻す。 「ヴェストリの広場で待っている。ケーキを配り終わったら、来たまえ。君に礼儀を教えてあげよう。ちょうどいい腹ごなしだ」 相当怒りを押し殺した声で言うと食堂を去っていく。少年の友人たちも後を追う。 私は喧嘩を売られたのだろう。少しからかっただけで喧嘩を売るとは…… シエスタが震えながらこちらを見る。 「あ、あなた、殺されちゃう……貴族を本気で怒らせたら……」 シエスタはそう言うと走って逃げていった。 無理も無いな。平民にとって貴族の力はとても恐ろしいものだろうからな。魔法があれば平民が束になってもかなわないだろう。 ま、私も全く無策と言うわけではない。後ろからルイズが来た。ちょうどいい。 「あんた!何してんのよ!見てたわよ!何勝手に決闘なんか約束してんのよ!」 約束してないし一方的なものなのだがな。 「ルイズ、そのことで話しがある」 「え?」 突然そう言われて勢いが止まる。 「早くさっきの少年に謝って来い」 ルイズは口をあけたまま放心していた。 「何でわたしが謝らないといけないのよ!謝るならあんたが謝るのが普通でしょ!」 ルイズは気を取り戻すとそう怒鳴ってきた。 「簡単なことだ。私が使い魔の事を聞いたときに君がなんて答えたか忘れたのか?」 そう、実に簡単なことだ。 「使い魔の手柄は主人の手柄、使い魔の不祥事は主人の不祥事なんだろう?なら私が起こしたことの責任を君が取るのは当然じゃないか」 ルイズは確かにそう言った。そうすれば私は無駄に戦わなくても済む。 元々私は争うつもりなんて無いのだから。こういったことは他に任せるに限るな。 「なんでわたしがあんたのために頭下げなくちゃいけないの!」 完全に口を閉ざす。この少女に何かを期待するのはよそう。いや、期待した私がバカだった。 そう思いながらデザートの配膳を再開した。まだ何か言ってくるが無視する。 やれやれ結局戦わないといけないのか?そうなら対策でも立てるとしよう。どうせ逃げても何かしてくるだろうからな。 魔法使いの弱点はルイズの説明と今日の授業で理解している。後はさっきの少年がどんな魔法で戦うかだ。 相手は当然魔法を使ってくるだろう。シエスタの反応やわたしの貴族の見解からして間違いない。 さてどんな対さ「ちょっと!聞いてるの!」本当に五月蠅いな。いや、ルイズは知識はあるからな。それは利用できる。 「ルイズ聞きたいことがあるんだがね」 「何よ!」 怒鳴り返さなくてもいいだろう。 「さっきの少年はどんな魔法を使うんだ?」 「え?ギーシュの魔法?そんなの聞いてどうするのよ」 多少落ち着いたようだ。初めから落ち着いていられないのか。 「まさか、決闘する気なの?」 「ああ」 お前が当てにならないからな。 「素直に謝って来なさい。そうすれば許してもらえるかもしれないわよ。戦ったら絶対勝てないし、怪我するわ。 いや、怪我で済んだら運がいいわよ!」 「御託はいいからさっさと説明してくれ」 「聞きなさい!平民は絶対メイジに勝てないの!」 そんなやり取りをして時間はかかったが情報は聞き出せた。 少年の名はギーシュ。二つ名は『青銅』で青銅のゴーレム『ワルキューレ』を使って戦うという。杖は造花の薔薇。 これだけ聞ければ十分だな。 そう思いながらデザート配りつつ準備を開始した。 8へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3790.html
「さて、ここはいったいどこだ?」 目が覚めた真人はルイズに言われた通り、さっそく衣類の洗濯をしようと思って部屋から出た。 だが問題はここから。 真人は肝心の洗濯場を見つけられずにいた。 いくら寮でも洗濯機なんてものは無さそうだし、おまけに水道が設備されているかも怪しかった。 そして、どうしようかと右往左往しているうちに迷子になってしまったのだ。 「あの、どうかいたしましたか?」 真人のあまりの落ち着かないようすに、メイドの少女が不審に思い声をかけた。 「うおっ、メイドだ。本物のメイドがいる」 現代人の真人にとってメイドとは、特殊な喫茶店でウエイトレスをしているイメージしか認識がなかった。 おまけに、以前恭介にメイド好きの濡れ衣を着せられたりしたため、メイドに関してあまり良い記憶はない。 「……? はい、確かに私はメイドですけど」 だが、メイドの少女―――シエスタにしてみれば真人のその言葉も、目の前の男の不振さに拍車をかけるだけの判断材料にしかならない。 心なしか足が後ろに一歩さがっていた。 そんなシエスタの心情を知ってか知らずか、真人は意を決して話しかける。 「……あー、この辺にどこか服の洗濯ができるような場所はねぇか?」 「えっと、洗濯場でしたら外にありますけど?」 はたから見れば真人の姿はあまりに怪しい。 女子生徒のものらしき衣類を小脇に抱えたまま、貴族の生徒が寝泊りしている寮内を平民らしき大男がうろついているのだ。 これを怪しいと言わずなんとする。 「あーなるほどな。どおりで中を探し回っても見つからねぇわけだ」 早朝だったためにシエスタ以外の人にはまだ会っていないが、運悪く女子生徒にでも見つかっていたら、悲鳴を上げられた挙句に警備の者にしょっ引かれていたかもしれない。 しかし、シエスタの頭に疑問が残る。 なぜこんな怪しい男が洗濯場なんかに? そう思ったとき、シエスタはある噂を思い出した。 「……もしかして、ミス・ヴァリエールが召喚した使い魔の方ですか?」 メイジが平民を召喚したという噂は、常日頃から暇をもてあましている貴族の生徒たちに、瞬く間に広がっていったのだ。 「ん? なんだお嬢ちゃん。俺のこと知ってるのか?」 「ええ。ミス・ヴァリエールが平民を召喚したという話で、学園中は持ちきりでしたから」 生徒の入ってこない厨房での仕事が多いシエスタでさえその話を知っているのだ。 この学院内で知らない者はいないと言っても、なんら過ぎた言葉ではない。 「ふっ……こっちに来て早々噂で持ちきりなんて。この俺の筋肉も中々罪深いもんだな」 「えーと、その……そうですね」 陶酔しているところに口を出すのも悪いと思ったので、シエスタはあえて愛想笑いにつとめた。 「わりぃな、いろいろ教えてもらっちまって」 「いえ、私も洗濯物を少し手伝って貰ったので、おあいこですよ」 シエスタと並んで歩く真人。 あのあと真人は、シエスタのと一緒に洗濯場に行き、早めにルイズの分が終わったのでシエスタの仕事の分を手伝った。……もちろんデリケートな生地以外のものだけだったが。 「シエスタ、筋肉を貸してほしいときは、いつでも呼んでくれ。すぐに駆けつけるぜ」 「ええっと……お気持ちだけ受け取って起きますね」 真人はメイドに対する変なわだかまりもなくなり、シエスタと普段どおりに話せるようになっていた。 シエスタのほうも、真人のペースに少しずつ慣れ始めていた。 真人は朝食の時間を聞いたあとシエスタと別れ、自分の仮住まいであるルイズの部屋に戻ってきた。 「んじゃ、そろそろご主人様とやらを起こしてやるか」 真人はそういいながら、部屋の奥のルイズが寝ているベッドの横まで歩みより、その肩を軽く揺さぶる。 「ほら、ルイズ。朝だぜ」 「……ん、ん~……」 軽く揺するだけでは起きなかった。 おそらく昨日寝るのが遅くなってしまったためだろう。 「ったく、しょうがねぇお嬢ちゃんだな」 真人はそう言ってやや強引に、寝ているルイズの毛布をはいだ。 「な、なによ! なにごと!?」 「おはよ、ご主人様」 「はえ? お、おはよ……って誰よあんた!」 まだルイズの頭は半覚醒のようだ。 「おいおい。たとえ俺の顔を覚えてなくても、この筋肉を見忘れたとは言わせねぇぜ」 「……あぁ、使い魔ね。そうね、昨日、召喚したんだっけ……」 真人の姿を見て、昨日の召喚は夢ではないことを再び実感するはめになった。 どうせならドラゴンやグリフォン。いや、深くは望まないからこの際犬や猫でもよかった。 しかし、今さら言っても何も変わらないと、ルイズは心の中で落胆した。 「ていうか、あんたの筋肉なんてろくに見てないんだけど」 真人が脱いだとき、実は指のすきまからばっちり見ていたのだが、本人的にはなかったことになっているらしい。 「昨日の夜一緒にやっただろ? 『筋肉にらめっこ』」 「そんなもんやってないわよ! あんたが勝手にやってただけでしょうが!!」 真人の中にある『筋肉にらめっこ』を中睦ましくやりあったという認識を、ルイズは力いっぱい否定した。それはもう全力で。 「まぁ、それはそうとちゃんと起こしてくれたのね」 「おう。早起きは早朝ジョギングで慣れてるからな。ついでだから洗濯にも行ってきたぜ」 こともなげに言う真人。 元の世界の学校では寮暮らしだったので、こういう早起きや洗濯などは苦にならなかった。 もっとも、掃除や宿題などの細かく、頭を雑務は理樹の助力が必要不可欠だったが。 「えぇと……じゃあ服を着せてくれる?」 「え? おまえ、どっかケガしんのか?」 真人が驚いたように聞いてきた。 「違うわよ。貴族は下僕がいるときは自分で服なんて着ないのよ」 「なんだ、そうなのか……って俺下僕扱いかよ!」 真人は頭抱えてうおおぉぉーー!と叫びながらショック受けていた。 「そもそも昨日納得してたでしょう? 使い魔をやるって」 「使い魔って筋肉担当のことじゃないのか?」 「……は?」 ルイズは真人の言った言葉の意味が理解できなかった。 「え、まさかルイズのほうが筋肉担当なのかっ!?」 「……違うけど」 よく分からないが、そんなものを担当したくなかった。 「ひゅー。一瞬ルイズが筋肉担当かと思って焦っちまったぜ」 冷や汗を手で拭いながら一安心している真人を尻目に、ルイズはもくもくと一人で着替えていた。
https://w.atwiki.jp/saiyowiki/pages/178.html
◆ラ・グランハ◆ 農場経営ゲーム ▶ゲームの流れ このゲームは6ラウンド制。 1ラウンドは4つのフェイズ(12のステップ)で構成される。 第1【青】:農場フェイズ 1.農場カード使用/獲得ステップ カードを1枚使用できる。その後手札上限まで山札からカードを引く。 ※1ラウンド目のみ2枚使用できる。 2.直接収入ステップ 自分の農場ボードの状況に応じて、直接収入を得る。 ※農場の拡大により+1シルバー。組合タイルにより、3シルバー/原材料1つ/交易品1つ。 の合計を得る。(原材料=オリーブ/穀物/ブドウ/豚) 3.畑の生育、豚繁殖ステップ 農場ボードにセットされた、空いた全ての畑に1個づつ増える。 ⓵豚が2頭以上いる。かつ⓶豚小屋に空きがある。場合豚1頭が増える。 4.屋根タイル獲得ステップ 屋根タイルをプレイ順に購入する。 ※1ラウンド目のみ、逆順で購入する。 第2【緑】:収入フェイズ 1.収入ステップ プレイヤー数×2+1個のダイスを振る。 プレイ順に各プレイヤーはダイスを1個ずつ選び、ダイス目に対応した「収入」を得る。 各プレイヤーが2個ずつ確保したところで最後1個余る。このダイス目の「収入」はすべてのプレイヤーが得る。 【ダイス目】 【1】:豚1頭をえる。 【2】:農場カード1枚を使用(または山札から1枚獲得)/オリーブ1個/穀物1個/ブドウ1個 のいずれかを得る。~ 【3】:オリーブ、穀物、ブドウの内、(同じものでない)計2個を得る。 【4】:4シルバーを得る。 【5】:2回加工する。/1回加工する。+1回シエスタ表を進める。/2回シエスタ表を進める。 のうちいずれかを行う。 【6】:ロバによる運搬を1回行う/2シルバーを得る。 のいずれかを行う(得る)。 第3【灰】:輸送フェイズ 1.ロバマーカー選択ステップ プレイヤーは「ロバマーカー」を選択して裏向きにボードに配置する。 全てのプレイヤーが選択終了したら、表向きにする。 ※ロバマーカーは「ロバ4/ロバ3+シエスタ1/ロバ2+シエスタ2/ロバ1+シエスタ3」の4種類。 1度使用したロバマーカーは第3ラウンドの終了時まで回収(再使用)できない。 (つまり各ロバマーカーは1~3ラウンドで1回、4~6ラウンドで1回選択可) 2.シエスタ表更新(プレイ順決定)ステップ 現在のプレイ順に、ロバマーカーのシエスタの数だけシエスタ表のディスクを進める。 (他のプレイヤーのディスクと重なった場合、あとのディスクを上に載せる) シエスタ表が進んでるほど(同じ場合はディスクが上にあるほど)、プレイ順が先になる。 新たなプレイ順に従い、プレイ順マーカーを入れ替える。 ※このステップ以降、新しいプレイ順に従う。 3.配達実行ステップ(通常配達) ロバマーカーの数と同じだけ、農場に保有する農場アイテムを、各組合会館、または農場にセットされた荷馬車に配達できる。 (マーカーを載せて表示) ※組合と荷馬車への配分は自由。ただし建設中の組合と、達成済みの組合には配達できない。 組合会館に配達を達成(納品リスト全てを配達完了)した場合。 ・その組合会館の最初の達成者の場合1VPを得る。 さらに建築中の組合会館が残っている場合、その組合会館は解放され(建設中マーカーを取り除く)、1VPを得る。 ・現在のラウンド数に等しいVPを得る。(2ラウンド目なら2VP、6ラウンド目なら6VP) ・その組合会館に対応した組合マーカーを得る。 組合マーカーの即時効果を得る。組合マーカーを裏返して農場にセットする。 以後永続の恩恵を得る。 【商人組合】納品リスト:1シルバー×6個 タイル効果:3シルバーを得る(即時)/直接収入ステップ(Ⅰ青-2)で+3シルバー(永続) 【荷馬車組合】 ~~~ ▶関連