約 495,201 件
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/17.html
222 名無しさん@ピンキー sage 2008/05/03(土) 16 21 55 ID ijZGCZbI シェリル×ランカとりあえず投下。 ――――――――――――――――――――――――― 可愛い子。 緑の髪がピョコピョコ動いて。 表情がくるくる変わって。 瞳をキラキラさせて私を観ていた。 「シェリル…さん?」 それがキスだったのだと理解したランカは、両手で自分の唇を覆った。 「ごめんなさい。もしかしてファーストキスだった?」 シェリルはそう言って笑いながら、ランカの髪を撫でていた指先を白い首筋へと這わせる。 「…ひゃっ…!」 くすぐったさにランカが思わず声を上げると、緑色の髪もそれに呼応するようにびくん、と跳ねた。 「ねえ、聴きたいの。あなたの歌を」 一人では大きすぎるソファも、二人ならば窮屈なベッドになる。 シェリルは今まで隣に座っていたランカを膝の上に乗せた。 「…ランカちゃんは、私の事好きよね?」 背後からランカのワンピースのファスナーを下ろし、肌蹴させたランカの胸に優しく触れる。 貧乳、とまではいかないがグラマラスとは程遠いランカのバスト。 マシュマロのようなその感触は、シェリルの想像の中でのランカの其れと寸分の違いも無かった。 脇から胸を持ち上げるようにして乳房を掌の中に納め、先端の突起を親指の腹でゆっくりと擦る。 「す、好きです…けど、シェリル…さ…ッ」 戸惑ってはいるようだが、拒否は無い。 「私は好きよ、あなたの事。とっても素直。とっても可愛い…」 シェリルがランカの内腿に自分の足を差し入れ、ぐいと膝を曲げる。 「…シェリルさんッ…!」 ランカは咄嗟に声を上げた。 背後から脚を差し込まれ、ぐいとその膝を持ち上げられた事でランカの下肢が大きく開かれる。 その体勢はランカの羞恥心を煽るには最適の格好だったのだろう。 「私ね、もっと色んなランカちゃんを見たいの。もっと色んなランカちゃんの声を聴きたいの」 指先で円を描くように乳房の突起を刺激し続け、項に唇を這わせる。 白い項にかぷ、と軽く歯を立ててから舌でゆっくり舐めあげると、ランカの呼吸が僅かに乱れるのが解った。 「あ、ぁ…ッ…」 すっかり勃ち上がった乳首を、ほんの少しだけ力を入れて押し潰す。 「ひゃああんっ!」 ビクン、と大きくランカの体が跳ねた。 それに構わず、シェリルは指で摘んだ乳首をコリコリと捏ね回す。 「シェリルさん、やめてェ…ッ、ぁ、あぁ…っ」 「そうそう、上手に歌えてるわよ…ランカちゃん」 子供をあやすような優しい口調でそう言うと、今まで胸を弄っていた手をするすると下腹部の方に伸ばしていく。 開脚させたランカの下腹部を通り、太腿から膝へとゆっくりと撫で下ろした。 膝の裏をくすぐるように何度か撫でてから、もう一度ゆっくり膝から太腿へと掌を這わせる。 真っ白な下着に覆われた部分にはまだ触れていない。 にも関わらず、下着にはじんわりと沁みが浮かび上がっていた。 「濡れてる」 シェリルはそこを指差し、ランカの耳元で囁いた。 ビクン、とランカの髪が跳ねる。 「…おっぱい触られて、気持ち良かったの?」 その言葉に、ランカは暫く俯いたままだった。 「気持ち良くなかったんなら、これでおーしまいっ」 ランカは思わず顔を上げ、今にも泣きそうな瞳でシェリルを見上げる。 「……シェリル、さん…」 浅く呼吸をするランカの薄く開いた唇から、真っ赤な舌がちらりと覗いた。 「…どうして欲しいの?」 そう問い掛けながら、シェリルはランカの脚を更に大きく広げるように膝を開く。 「あ、あ…」 大きく脚を開かされた羞恥心から、ランカは思わず上ずった声を上げる。 下着に滲んだ沁みが、少し広がったように感じられた。 「…言わなきゃダメよ、ランカちゃん。どうして欲しいのか、何をして欲しいのか」 びくびく、とランカの体が微かに震える。 恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めながらも、その表情はどこか恍惚としてシェリルを見つめていた。 「言いなさい。どうして欲しいの?」 ひくん、とランカの体が仰け反る。 ぱくぱくと唇が何度か空を噛む。 「…わ…って…」 震える声でランカが言葉を紡いだ。 だが、その声はあまりにも小さすぎてシェリルには届かない。 何もかもを見透かしたようなにランカを見下ろすシェリルが、小さく首を振った。 ――そんなおねだりじゃ、ダメ。 きゅん、とランカの体の奥が鳴く。 「…触って…シェリルさん、触って…!…やめ、ない…で…」 ランカはそう叫ぶと、シェリルの手を取って自分の下腹部へと導いた。 白かったはずのショーツは滲んだ沁みで薄っすらと半透明になっている。 ランカに握られたシェリルの指先がソコに触れた。 「ココ、触って…!お願い、お願いシェリルさん…」 「上出来よ」 シェリルは優しく笑うと、ショーツの上からゆっくりと割れ目に沿って指を滑らせる。 くちゅ、と濡れた音がした。 「やっ…ああああああああ!!」 綺麗な『ラ』の音でランカが喘いだ。 その美しいメロディをもっと聴きたくて、シェリルは何度も割れ目に沿って指をスライドさせる。 「ヒッ、あッ、いやぁ…ッ!!」 『ミ』『ド』『ラ』…柔らかな歌声しか聴いたことが無かったランカの、快楽に滲んだ歌声。 「貴重だわ」 溢れ出した愛液でぐちゃぐちゃになってしまったショーツを剥ぎ取り、シェリルの指が露わになったランカの秘所へと直接触れる。 蜜で潤うクレバスを何度も指の腹で上下に擦ってやると、腰のあたりでわだかまっているワンピースの裾をランカが強く握り締めた。 「…あぅ、アッ…、イヤぁ…!」 強すぎる刺激にランカが首を振って戦慄く。 「イヤなの?止める?」 答えは解っているにも関わらず、シェリルは意地の悪い質問をランカに投げ付けた。 そしてわざと包皮に包まれた陰核を指先で軽く弾く。 「…ッ!!ひあ!」 包皮の上から陰核を摘んでくりくりと捏ね回してやると、ランカの体は大きく跳ねて仰け反った。 「アァッ、やめ…ッ!ひっ、あッ…シェリル…さ…」 「気持ちイイんでしょ?止めちゃってイイのかしら?」 陰核に刺激を与え続けながら、今まで胸を揉んでいたもう片方の腕もランカの下肢に伸ばす。 そしてしとどに密を溢れさせている秘所の割れ目に指を這わせ、入り口付近を刺激するように指の腹で擦りあげた。 「…あァ…ッ、やめて…やめてシェリルさん!!…ハ、ァッ、…ヘンに…なっちゃ…ッ…」 瞳からぽろぽろと涙を零して快楽に身悶えるランカの表情に、シェリルの背中をゾクゾクとした快感が突き抜ける。 シェリルの下腹部にも熱が宿り、呼吸は徐々に乱れていった。 興奮しているのだと自覚すれば。ランカと同じように下着は溢れ出した蜜で濡れていた。 「可愛い…本当に可愛いわよランカちゃん…。…素直で、まだ何も知らないコ。もっと聴かせてよ…あなたの声を」 ぷくりと膨らんだ肉芽を包んでいた包皮を剥いて、何も遮るものが無くなった剥きだしの陰核に、シェリルはランカの蜜を纏わり付かせた指先でそっと触れる。 「アアアアアアアアアアアアアアッ!や、や…!やめてッ、イヤぁ…!あん、アッ…ひう…!」 ゆっくり、優しく、円を描くように指の腹で擦ってやるだけで、ランカが今までに無いくらいの反応を示した。 愛らしい唇からは最早嬌声しか聞こえてこない。 ランカが息を吐くたびに洩れてくるのは喘ぎ声だけだった。 「もうすぐイきそうね…クリトリス触られると気持ちイイでしょ?」 シェリルに完全に体を預け、脚は大きく開いたままのランカは、与えられる快楽を逃がすまいと全身で感じていた。 「…イ、く…?…ッ、うん…ッ、シェリルさ、ん……私…も、う…ッ、あ、は…」 開いたままの唇の橋から、唾液が零れ落ちる。 「大きな声で、歌ってね」 焦点の合わなくなったランカの瞳をうっとりと見つめ、シェリルはランカの陰核を擦る指の速度を一気に増やした。 ランカの体がガクガクと震え、一際大きく仰け反る。 「…イ、く…ッ、イっちゃう…イくぅ…ッ、シェ、リ…ルさ……イくぅッ…ぁあアアアアぁぁ!!」 とろりとした液体が、一気に溢れ出てシェリルの指を濡らした。 絶頂の余韻に浸って痙攣を繰り返しているランカの体を解放してやると、シェリルはゆっくと立ち上がった。 「…気持ち良かった?ランカちゃん」 放心状態のランカを覗き込み、汗でぺったりとくっついた前髪を指で整えてやる。 まだ肩で荒い呼吸を繰り返しているランカの唇に小さな口付けを落とし、シェリルはにっこりと微笑んだ。 「…また、ランカちゃんの歌が聴きたいわ。…聴かせてくれる?……二人っきりの時に…」 シェリルの静かな問い掛けに、ランカは小さく頷いた。 「…二人っきりの、秘密…ですよ…」 「…良いコね」 可愛い子。 緑の髪がピョコピョコ動いて。 表情がくるくる変わって。 瞳をキラキラさせて私を観ていた。 だけど、今の快楽に濡れた瞳で私を見つめるアナタは、もっと可愛い。 もっと観せて。 もっと聴かせて。 私だけが知ってる、可愛いアナタ。 <終> この後、シェリルはランカに色々教えていっちゃうとイイよなあと妄想しつつ。 そして更にはシェリルはグレイスさんにはネコなんだぜ、とか。 グレイス×シェリル×ランカとかどうですか。 お目汚し失礼しました。
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/45.html
6スレ353 贅沢な休日2 353 名前:えっちな18禁さん[sage] 投稿日:2009/02/20(金) 20 51 19 ID luFJJJRq0 せめてピンク色になるところまで・・・と再挑戦してみたが、まだ本番までたどり着かない。 表現や漢字のミスは多めにみてくれ。 シェリルをベットに降ろし、その上に覆い被さる。 「ちょ、ちょっとアルト!」 「ん・・・なに・・・?」抗議は聞こえているが、相手にする気は全くない。 アルトはワンピースから覗いた胸の谷間に唇を寄せる。 「や、アルト・・・ダメっ」ピリッとその部分に一瞬痛みが走る。 「あ・・・もう・・・っ。ココじゃメイクさんが・・・」今日はオフでも明日は仕事があるのだ。明日着る予定の衣装だと、確実に見えてしまう。 「なら他のトコならいいのか?」 「そういう問題じゃなくてっ・・・んっ!」シェリルが全部言い終わる前に、今度は首筋に唇を寄せる。 「あっ!や、ソコはダメっ」今度はそこにつけられてしまう!そう思って声をあげる。 ぺろっ。 「ふえっ・・・?」素っ頓狂な声をあげたシェリルを見て、アルトは意地悪く微笑んだ。 「ココにもキスマーク、つけられると思った?」 その言葉にシェリルは顔をかあっと赤くした。つけられたら困ると思ったのも事実だが、少し期待していたのも事実だ。けれどそんなことを素直に言えるような性格ではない。シェリルの頭の中をぐるぐると色んなことが巡る。 いつのまにやら顔に出ていたようで、頬を赤らめて涙を浮かべ困った様なシェリルをみて、アルトは更に情欲をそそられた。 未だそんな顔をしているシェリルをよそに、アルトはシェリルの足下に移動すると、ワンピースの裾をお臍の辺りまでまくしあげる。 さすがのシェリルも、これには驚き、たった今抱え込まれようとしている足を必死に閉じようとする。 しかしアルトの力にかなうはずもない。それどころか、寧ろ自分に押しつけるようになってしまっているが、そのことにシェリルが気づく余裕はない。 アルトはシェリルの足の間に顔を寄せ、太股を舐めた。 「んんっ・・・・・・」シェリルは声が出てしまうのがまた恥ずかしくて、必死に両手で口を塞ぐ。 だんだんアルトの舌がシェリルの中心部へと近づいていく。 「あ・・・ふあっ・・・んっ」どう塞いでも甘い声がこぼれ出てしまう。 そして。アルトの指先がショーツの上から中心へ触れた。レースで飾られたショーツは既に意味をなしていない。 「シェリル・・・すっげぇ濡れてる」 「やっ・・・アルトのばかあっ」言われなくても分かっている。アルトから刺激を与えられる度に、恥ずかしいほどそこが潤っていく感覚がしていたのだから。 アルトはサイドストリングの結び目を解こうと手を伸ばした。 その時シェリルはようやく気が付いた。今はまだ昼前で、部屋が明るいということに。先程からただ翻弄されてその状況に気が付いていなかったのだ。我に返ったシェリルは焦って上半身を起こそうとする。 「ま、待ってアルトっ!部屋がっ・・・明るいわっ!!」 「なに言ってんだよ。明るいから、いいんだろ」そんなアルトの身も蓋もない言葉にシェリルは絶句する。 「アルトのへんたいっ・・・」恨みがましくアルトをみる。 「その変態のことを好きだって言ったのは誰だっけ?」 どうしてこういう時だけ強気なのよ。いつもはアタシの奴隷のくせに。 そうブツブツ言いながらも、本気で抵抗できないのは、惚れた弱みというもので。アルトは自分が本当に嫌がることはしない。それを知っているからこそ、自分がこの先を求めているということを自覚せざるを得なくなり、また羞恥に震える。 「アルトのばか・・・」 「そりゃどーも」アルトは涙目のシェリルを見てくすっと笑みをこぼすと、結び目を解いた。 そうして現れたのは淡いブロンドと、濡れそぼり桜色に色づいた花びらとスリット。 ブロンドと蜜が日の光に反射する。 「はずかし・・・っ・・・。あんまりみない・・・でっ・・・」 「綺麗だ、シェリル」 まさに視姦というべきか。顔を起こしたシェリルは、恋人がいつも触るようにそこを目で辿っているのを見て、ただ見られているだけなのに触れられているような感覚に陥る。 けれど、もどかしい。見られることは恥ずかしい。恥ずかしいけれど触れて欲しい。正反対の思いが自身の中で葛藤する。でも。答えなんて最初から決まっている。 「あると・・・っ」 「なに?」わかっているくせに。 「・・・・・・って」消え入りそうな声。 「きこえない」どうしてそんなにじらすのか。シェリルはもう一度言った。 「・・・さわって・・・っ」先程よりは少しだけマシになったが、それはピアニッシモ。シェリルをじらすのもそれはそれで楽しいが、 アルトもその先が欲しいのは事実だ。けれどこのまますんなり、というのでは今ひとつ。そこでアルトはもう一押し、と 「触るだけ・・・?」と聞いた。 ここまできたのだから、もう一つ二つ羞恥が重なってもいい。その一言を言えば、それらは至福の時間へとかえられるのだから。シェリルは、「ううん」と首を振り、口を開いた。 「アルトが欲しいの・・・」 アルトの繊細な指と、巧みな舌と唇に愛撫される。 「ああっ・・・」待ち望んでいた感触。 アルトはシェリルの嬌声を聞きながら、刺激を与え続ける。 しかし、わざと彼女が触れてほしがっているであろうところを避ける。その部分をかすめるようにしながら愛撫を与える。 「んんっ・・・あっ・・・」熱に浮かされたシェリルは、それを求めて、しかし無意識に腰を動かしていた。 そんな彼女を見てアルトは支配欲を掻き立てられ、もっと、もっと自分を求めて欲しいと思った。 だから、彼女に言って欲しい。先程もずいぶんなことを言わせたとは思うが、 それを口にする彼女はとても可愛らしかった。自分だけが知っている彼女をもっと見たい。 だから。 アルトの思惑通りか、一向にその場所に触れてくれないアルトにしびれを切らしたシェリルが言った。 「アル・・・トっ・・・なんでっ・・・?」 「なにが・・・?」彼女のそこへ口づけ、声をくぐもらせながらわざとらしく返答する。 「ちゃん・・・とっ・・・さわって・・・よっ・・・」泣き出しそうな声。 アルトは望む言葉が得られて顔を緩める。そして、彼女が望むとおりの刺激を与える。 「ああっ!!」シェリルが甲高い声を上げる。 「んっ・・・あっ・・・・・・そこ・・・っ!」アルトは尚も刺激を与え続け、そうして。 「あ・・・や・・・いっちゃ・・・!!」絶頂を迎え、しなやかな躰が踊る。 シェリルは息を整えようとしたが、そのことすら阻まれる。 「え、なに、アルト・・・あ、いやっ・・・!!」 アルトはシェリルの蜜壷を指でぐっと広げ、まじまじと見た。 「や・・・だっ・・・ひろ、げ・・・ない・・・っで・・・っ」 「うわ・・・すごっ・・・ひくひくして・・・・・・」陽光に照らされたそこは、数分前よりも更に卑猥に見える。 「ねぇ・・・んんっ・・・あるとぉっ・・・」見ているだけでなくて、早く。 求められた言葉は恥ずかしかったけれど、先程言ったのだ。だからちゃんと。シェリルはそう求めた。 さすがにこれだけの彼女を見れば、アルトも限界だった。スラックスを下げ、猛り立った自身をシェリルのナカへと挿入する。 それと同時に「ああっ・・・!!」とシェリルから一際甲高い声があがる。 相当な時間解きほぐされていただけあって、ソコはすんなりとアルトを受け入れた。 自身を食いちぎらんばかりの締め付けを感じながら、奥へ奥へと進む。 シェリルはシーツに必死でしがみつく。アルトはシェリルの足を抱えると自身の肩にかけ、更に深く交わった。 「あぁっ・・・ひあっ・・・はんっ・・・!」アルトが動き始めたことでその快感はケタ違いのものになる。 「あると・・・っ。あつ・・・いっ・・・」 「シェリル・・・。お前、締め付けすぎ、っ・・・くっ」快感はどんどん上昇曲線をえがいていく。 「あるとっ・・・あるとっ・・・あるとっ・・・!」シェリルはもう、何も考えることはできなかった。 零れるのは嬌声と、愛しい人の名前だけ。 「あっ・・・あっ・・・ああっ・・・」部屋に響くのは喘ぎ声と腰が打ち付けられる音。 アルトはひっきりなしにシェリルを追いたてる。 「や・・・あるとっ・・・あ、やっ・・・も・・・」 「シェリル、もっと・・・もっと・・・・・・」 「あ、あ、あ・・・・・・くるっ!」 抜き差しの感覚が短くなり、そして。 「あぁあぁぁあああっ!」 ドクン。 一番深く突き上げられると同時に目の前が真っ白になり、最奥熱いモノが注がれる。 アルトは射精の余韻に浸るようにしながら、腰を数回打ち付けた。 熱い杭をずるりと引き抜き、アルトもベッドへと倒れ込む。 「はぁ・・・はぁ・・・はあっ・・・」二人とも、呼吸が荒い。 「アルト・・・」シェリルがアルトの顔へと手を伸ばす。 アルトはシェリルの手に自身の手を添え、微笑みながら彼女の唇へちゅっ、と口づけを落とす。 「ねぇ・・・アルト」 「なんだ?」シェリルはもう少しのようだが、アルトの方は息が大分落ち着いてきた。 「おなか・・・すいたわ」 「は?いや、お前さっきフレンチトースト食べたばっかりだろ」遅い朝食を食べ始めたのが10時過ぎで、事が始まったのが11時頃。 そして今はだいたい12時、といったところか。さっき食べたばかりなのに、早すぎやしないか?とアルトは思った。 するとシェリルはアルトの顔の前にビッ、と人差し指をつきだして言った。 「誰かさんのせいで運動したから、お腹がすいたの」 実際に交わったのは1回だけだが、それまでに随分煽ったのだからそれもしょうがない。 アルトは起きあがると、「はいはい。わかりました。作ってやるよ」そう言ってキッチンへと消えていった。
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/89.html
396 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/24(火) 00 40 23 ID i/yLvSbK シェリル×ランカで投下。 微エロ 397 七夕の夜 sage 2008/06/24(火) 00 42 21 ID i/yLvSbK 7月7日の七夕はフロンティア船団に乗り組んでいる日系人コミュニティにとって大きなイベントの一つだ。 美星学園も、その校名が示すように創立者が日系人で、こうしたイベントにはしばしば協力している。 芸能科の生徒による『織姫・彦星の伝説』は伝統的な演目だ。 他に夜店や屋台、浴衣のレンタル、日本の伝統文化を紹介する様々なイベントにも協力している。 イベントの準備に慌ただしい空気に包まれた美星学園の教室。 「と、いうわけで、織姫と彦星は一年に一度しか、会えなくなってしまったのです。 一年に一度、逢瀬の夜が、この7月7日、なんですよ」 ルカに七夕の説明をしてもらって、シェリルは頷いた。 「ふぅん、フォールド航法が無かった時代のお話なのね」 「え?」 「オリヒメとヒコボシがオリオン腕を横断するのに一年かかってたってことなんでしょう?」 「そ、それはちょっと違うような」 ランカがやってきた。 「シェリルさん、ゲネプロ(通しリハーサル)始まりますよ」 「ええ」 シェリルはランカと連れだって、校庭に設置された特設ステージへと向かった。 美星学園には、多くの学生バンドがある。 芸能科の学生による本格的なものもあれば、サークル活動程度の気楽な集まりまで、数えれば二ダースは下らないだろう。 ジャンルも、ロック、ポップス、エレクトロニック、民俗音楽、クラシック、アカペラのコーラスグループ、さまざまだ。 それらのバンド有志がシェリルに頼み込んだ。 「今度のイベントで、歌って貰えませんか?」 シェリルのプロフェッショナル意識の前にはねつけられるかと思われた申し出だったが、意外にも快諾された。 「いいわよ。その代わり条件があるわ。チャリティーコンサートにして。 収益金はバジュラの攻撃で身内を亡くされた遺族に贈るのよ」 もちろん、この提案は受け入れられた。 「ふふっ、いかにも手作りって感じね……私、こんな場所で歌った経験ないから、とっても新鮮」 シェリルはパイプが組み合わされた仮設ステージの下を覗き込んだ。 「設備の整ったホールで歌うのは気持いいですけど、こんなステージだとお客さんの顔が見えて、 距離感が近いって言うか、一体感があるって言うか……」 ランカも、心に浮き立つものを感じていた。 手作りイベントだが、シェリルとデュオを組むのだ。憧れのシェリルと。 しかも、曲はシェリルの書き下ろしが三曲。 「シェリル・ノーム名義で出した曲だと、契約とか権利関係がややこしいのよ。だから、この曲の作曲者は“謎の妖精さん”なの」 「もう、夢みたい……こんなステージ、二度とできませんよね」 ランカは手元のスコアを見た。 「目一杯楽しみましょう……あ、衣装担当が来たわ」 ランカが顔を上げると、自走コンテナを引っ張ってくるアルトが見えた。 楽屋代わりの教室で、アルトは調達してきた衣裳を並べた。 日本の伝統衣装ということで浴衣が並べられている。 「珍しい、いろんな柄があるわ」 衣装選びは女子の楽しみ。シェリルも、ランカも目を輝かせている。 「知り合いの衣装屋に掛け合って借りてきたんだ。汚すなよ」 「ありがとう、アルト君」 ランカの礼にアルトは頬笑みを返した。 「で、どれにするんだ?」 「うーん、どうかな。迷っちゃう、こんなにあると」 「アルト、これはどうかしら?」 シェリルが藍染の地に大きなアゲハ柄をあしらったものを羽織って見せる。 「いいんじゃないか」 「本当にいいと思ってるの? 面倒くさいから適当に答えているんじゃないでしょうね?」 シェリルの突っ込みにタジタジとなりながら、アルトは浴衣に似合う帯を示した。 「それだと、これが合う」 「着付け、お願い」 「い……そうか、和服着たことないよな。待ってろ、日舞の女子部員を探して…」 「時間がないわ。アルトがしなさい」 「それは、ちょっと」 「アルトが衣装持ってくるのが遅かったせいなのよ」 言いながら、シェリルはパパっと素早く制服を脱いだ。コンサートで衣装替えの必要から素早い着替えが習い性になっている。 「シェリルさん…」 ランカも、その大胆さに目を丸くした。 女性から見ても羨ましいプロポーションを惜しげなくさらしている。 繊細なレースをあしらった薄いラベンダー色の下着に胸がときめく。 アルトも覚悟を決めたらしい。 「判った、こっち袖通して。お前、胸でかいから……ええい、タオルで補正するか」 手早く着せてゆく。ストロベリーブロンドの後ろ髪を手早く三つ編みにして、シェリルの持っていたピンでまとめた。 左右、ひと房ずつ、髪を耳の前に流して出来上がり。 「さあ、ランカちゃんも」 シェリルに促されて、ランカの髪が左右に跳ね上がった。 「はいっ?」 「さっさと衣裳決めて、行きましょう」 「えっ……そんな……何を」 アルトは、黄色い地にホタルの模様を散らした浴衣を取り上げた。 「これが、いいんじゃないか? 髪の色が映える。着付けは大丈夫か?」 「あ……着たこと、ない」 「そうか。手つだってやるから」 アルトの申し出に、おずおずと浴衣を受け取る。 「もう、巻きが入っているわよ」 シェリルがじれて、ランカの制服を脱がせにかかった。 「えっ、えっ、えっ……」 気がついたら下着姿に。 (しまった、今朝もっと可愛いのを選んでくるんだった!) 軽いパニック状態で、見当違いなことを考えてしまう。 そんなランカを手慣れた動きで、浴衣を着せてゆくアルト。 緑色の髪を結いあげて耳を出すと、見る人に新鮮な印象を与える。 「さあ、いってこい」 下駄などの小物を渡して送り出すアルト。 ステージ本番。 前座のバンドが観客を十分に盛り上げてくれた。 もちろん、シェリルとランカが登場するという期待感もあっただろう。 トリとして二人がステージ上に現れると、盛大な拍手と歓声が迎える。 「みんなーっ、素敵なステージをありがとう。こんなにオーディエンスと近いなんて、もしかしたら初めてかもしれないわ」 シェリルのMCから始まる。 「こんばんは! シェリルさんと同じステージに立ってるけど、気持ちはみんなと一緒です。もう、ドキドキが止まりません」 ランカの言葉に、観客席からS.O.S.(シェリル・オン・ステージの略)コールが湧き上がった。ランカもコールに唱和する。 「今夜は、私のいつものステージとはちょっと趣向を変えて、みんなに参加してもらいたいの」 シェリルはランカに頷いて見せた。 ランカはステージの下手に立った。 「こっからこっちの皆さん、私について歌ってください。アー・アー・アアー・アー」 シンプルなコーラスを歌うと、観客もそれに応じてくれた。 ステージの上手ではシェリルが観客に向かって同じようにコーラスを指導する。 「ここからこちらの皆は、アー・アー・アアー・アー。いい? できる?」 観客がコーラスを覚えると、二人は舞台中央に立った。 「真ん中のみなさんは、手拍子お願いします。1・2・パパン……このリズムで」 「イケるわね? それじゃ、静かにして。私たちが歌うから、合図があったら担当のパートをよろしく」 会場が静かになった。 退屈な毎日でも 1・2・clap 手を叩けばホラ 1・2・clap 何かが動きだす シェリルのボーカルに、ランカがコーラスを添える。ランカの合図て下手の観客が唱和する。 立ち止まっても 1・2・step 向きを決めて 1・2・step 踏み出す夢のきざはし ランカのボーカルに、シェリルのコーラス。シェリルの合図で上手の観客が唱和する。 星図がなければ書けばいい いつだって誰だって踏み出せる 宇宙を変えることだって 時間を超えることだって 星の恋人たちが今出会う ランカとシェリルが手をつないで高く掲げると、中央の観客が手拍子する。 アカペラから始まったステージに、ドラムが入り、ベースが入り、ギターが入る。 前座を務めた学生たちのバンドがスポットライトを浴びて、音が重層的になってゆく。 観客は誰もがステージ上を見ていた。うつむいている人はいない。 「真夏の夜の夢……ね」 シェリルとランカは、涼を求めて美星学園の屋上に来ていた。 見下ろせば校庭や、その周辺で夜店の灯りが灯っていて、そぞろ歩きの老若男女が行き交う様子が観察できた。 「ぶっつけ本番なところが多かったですけど、上手くいきましたね」 ランカがシェリルを振り返った。 「ええ。私たち二人が揃えば不可能はない、わ」 シェリルの笑顔がランカには眩しかった。 そこにアルトがやってきた。 「飲み物買ってきたぞ……ええと、シェリルにはこれも必要だな」 冷えたペットボトルを二人に渡すと、アルトは袂から絆創膏を取り出した。しゃがみ込んでシェリルの足にできたマメに貼る。 「履き慣れない下駄で飛び跳ねるから……これでよし。明日には綺麗になってる」 「ご苦労さま、アルト」 シェリルは人差し指でアルトを招いた。そして、ランカと視線を合わせてにっこりする。 「なんだ?」 アルトが二人の間に立つ形になると、左右からシェリルとランカが抱きついて頬にキスする。 「お前らっ……」 よほど驚いたのか、アルトの声が裏返った。 「一生懸命駆け回ってくれた衣裳係さんに、ご褒美のキス……なーんて」 ランカがアルトの耳元で囁いた。 <終>
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/92.html
「今日のところは、これで終わりなのよね?」 「はい!」 「思ったより早く終わったわね……帰ったら、思う存分楽しみましょう、ランカちゃん?」 「あ、あの……はい……」 消え入りそうな声で、それでもしっかりと頷くランカを見て、シェリルは自然と笑う。 本日最後の仕事である、対談形式の取材を終え、後は帰宅するばかりだ。 一秒でも早く帰りたい、2人ともその気持ちはあるけれど。 何らかの用事で出て行ったエルモの帰りを待っているところだった。 「遅いわね……社長ったら。私を待たせるなんて、いい度胸だわ」 「シェリルさん、もうすぐですよ! ほら、足音が」 「いやー! 今日も大忙しでしたネ! シェリルさん! ランカさん!」 ランカの指摘とほぼ同時に、事務所の扉が開いて、エルモが駆け込んでくる。 大忙し、とは言え今日は歌番組収録と、取材を1つずつこなしただけ。 色んな媒体に出ずっぱりであった頃を考えれば、余裕があるくらいだ。 けれど、ランカやシェリルを迎えるまでは閑古鳥状態だったエルモからすれば。 2人の歌姫を抱える現在は、毎日が「大忙し」状態なのだろう。 それが分かっているシェリルは、ランカと顔を見合わせて、苦笑する。 「あら、私達はまだまだ元気よ? 何ならもう一仕事しましょうか?」 「イエイエ、お2人とも、今日はすぐに帰られて、英気を養って下サイ。 ワタシも、少し片付けをしたら、今夜はゆっくりしたいと思ってますカラ」 「社長さんも、お疲れのようだものね?」 「ええ、お2人がいらっしゃってから、もうずっと満員御礼状態ですからネ! ランカさんがフロンティアを離れ、 シェリルさんの病が発覚した時は、どうなるかと思いましたガ。 こうして揃ってウチに迎える事ができて、本当に嬉しいデス」 当時の事を思い出したのか、エルモが感慨深げに首を何度も縦に振る。 一方で、シェリルは暗い気持ちに囚われ、それまでの軽い言葉が何一つ出てこなかった。 そっと隣のランカの方を窺うと、そちらもまた、やや俯いて、何も言おうとしない。 表情の読めないランカが発する重い空気から逃げるように、シェリルは立ち上がった。 「ごめんなさい、ランカちゃん。先に帰っててもらえるかしら。 軽くトレーニングしてから帰るから」 「シェリルさん、でも」 「安心して。夕食の準備が出来るまでには帰るわ。 私がリクエストしてた麻婆豆腐、楽しみにしてるからね!」 縋ろうとするようなランカに、どうにか微笑みを返して。 部屋を出たシェリルは、足早に階段を上った。 階上には、ボイストレーニング用の小さなスタジオや、ジムが用意されている。 しかしそれらには目も向けず、シェリルが向かったのは更衣室だった。 かと言ってトレーニング用の服に着替えるでもなく、シェリルはしゃがんで膝を抱える。 「社長さんの馬鹿……まぁ、知らないんだから、仕方ないでしょうけど」 エルモが口にした、過去の出来事。 アイ君を群れに返す為、ランカがフロンティア船団を出て行った事。 それは、ようやく想いを通じ合い、恋人同士となったシェリルとランカとの間にある、 数少ない溝の1つだった。 過去の話も現在の話も未来の話も。シェリルとランカは色々な事を話すけれど。 2人が離れ離れになったあの時のことは、不自然な位に、話題に上がらない。 「後悔したって、過去はどうしようもないって、分かっているのにね。 第一、あの出来事があったからこそ、今があるんだ、とも言えるんだもの。 それなのに、どうしても悔やんでしまうのよね……。 私って、こんなに後を引くタイプの人間だったかしら?」 ランカが何を想い、その時の事を口にしないのかは分からない。 では、シェリルがどんな感情を抱いているのかと言えば、それは後悔だった。 ようやくバジュラから離れ、平和が戻ったと思えたのも束の間。 フロンティアが再びバジュラの攻撃を受け、なのにランカの歌が効かず。 混乱の中、大切な仲間であるナナセが重傷を負い、ミシェルがいなくなり。 ランカがどうにか歌をコントロールし、バジュラに一矢報いる事は出来たけれど。 バジュラの痛みを感じるランカは、当時相当精神的に追い詰められていただろう。 ランカに懐いていたアイ君の為に、船団を離れたランカを、シェリルは詰ろうとは思わない。 詰るとすれば、ランカが苦しんでいたその時に、側にいなかった自分自身だ。 「何が『絶望の中で歌ってみせる』よ。ランカちゃんだって、苦しんでいたのに」 その頃の自分だって、確かにひどい状態ではあったと、シェリルは回顧する。 信じていたグレイスに裏切られ、死に至る病が発覚し、未来に絶望していた。 シェリルとアルトの寄り添う姿に動揺したランカを叱咤したのはシェリル自身だけれど。 あの時、「しっかりしろ」と言われるべきは、自分だったのではないかとシェリルは思う。 自分ばかりを哀れんで、大切に思う女の子が苦しんでいる事に気づけなかった。 それどころか、無理に奮い立たせるような事をして。 傷ついたナナセを理由に、ランカから離れた。 「嫉妬していたのよね。ランカちゃんは希望の歌姫。なのに自分はまるでゴミ扱い。 ランカちゃんが望んでそうなった訳じゃないって。 アイモO.C.を聴けば、すぐ分かるような事だったのに」 未熟者だったのよね、とシェリルは呟き、顔を上げる。 わざと照明を点けていない為、暗い室内はほんの少し、宇宙の闇を思い出させた。 こんな暗い中に旅立っていったランカの姿を思い浮かべ、シェリルは歌う。 ランカの歌を。 ……ずっとそばにいたかった どんなに声にたくしても あなたまで届かない ……蒼い 蒼い 蒼い旅路…… 一節を歌っただけで、シェリルは口を閉じる。 沈黙が訪れるかと思われた室内に、外から歌声が入り込んできたのは、その時だ。 ……あなたの元へ 遥か地上へ ムチのようにうつ雨よ ……この想い 報われず 泡になり消えても平気 誰の歌かなんて、すぐに分かった。 もう、愛しい人の声を聞き漏らしたりなんてしない。 そう心に決めているから。 扉の開閉する音がすると同時に、シェリルは静かに名前を呼ぶ。 「ランカちゃん」 「お待たせしました、シェリルさん」 ドアに背を向けていたシェリルは、振り返り、入ってきた背後のランカを仰ぎ見る。 いつもの笑顔に、ほんの少し影が滲んでいるように見えるのは、気のせいではないだろう。 すぐに追ってこず、間を置いたのは、ランカにも考える時間が必要だった証左だ。 ランカは扉を閉めると、すぐには近づいてこず、そのまま話しかけてくる。 「やっぱり、シェリルさんもあの時の事、気にしてるんですよね」 「ランカちゃんだって、同じなんでしょう?」 「……はい」 短く肯定するだけで、ランカは自分が何をどう気にしているのか、言おうとはしない。 しかしシェリルも、今すぐに追求しようとは思わなかった。 あの時の事が2人の間に、影をもたらす存在であるのは事実で、消えようが無い。 いつかは、胸に溜まる思いをそれぞれ打ち明けて、越えなければいけない溝だろう。 その「いつか」は、ひょっとすると、今夜になるのかもしれない。 けれど、「今すぐ」ではないのだ。 今、この瞬間に、シェリルが優先したいのは、別の事。 「ねぇ、ランカちゃん」 「何ですか、シェリルさん?」 「抱きしめてもいいかしら?」 「そんな事、今更訊かないで下さい」 ランカから目を逸らし、側にいられなかった過去を、後悔したのなら。 過去の分まで、精一杯、ランカを見つめ、側にいなければ。 その一心で、シェリルは床から離れ、ランカに駆け寄り、その華奢な身体を抱きしめる。 ランカも似たような心境なのか、一生懸命、シェリルの背に伸ばした腕に力を込めていた。 「大好きよ、ランカちゃん」 「私もです、シェリルさん」 「帰りましょうか、私達の家へ」 「はい……2人の家に」 2人でいよう。 離れていた、あの頃の分まで。 おわり
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/42.html
618 名無しさん@ピンキー 2008/05/28(水) 01 54 02 ID eEJoKji5 寝る前によくある風邪ネタ投下 体が熱くてダルい。 熱があるみたいだが計ってないからわからない。 全身汗で気持ち悪いが着替える気力さえない。 喉が乾いた・・・ミハエルかルカが帰ってくれば・・・ 「アルト!風邪引いたんですって!?」 勢いよくドアが開く。ドアが壊れそうな勢いだ。 「シェリル・・・おま・・・」 突然の来訪者に驚いて起き上がろうとしたら目眩がしてそのまま倒れた。 「だめよ!病人はおとなしく寝てなさい!」 「なんでおまえが来るんだよ・・・」 呂律の回らない声でいうのがやっとだ。 シェリルはふふん♪と得意気な顔して「アルトの事はなんでもお見通しなの」と ちゃかして言ってはみたが、実は学校でミハエルにアルトがいない理由を聞いて そのまま飛んできたのだ。階段をかけあがってきたので息が少し上がっているのを 気づかれないように冷静を装っているがバレバレだ。 「さらに熱が上がりそうだ・・・」アルトはこの後の展開を予想して 額に手をやり嘆いた。シェリルがおとなしく看病してくれるとは思えない。 「あら?私が来たのがそんなに嬉しい?」 「違う!断じて違う!」ムキになって言い返すが嬉しいのは事実だ。 「無理しちゃって。ちゃんと看病してあ・げ・ る ♪」 「はぁ・・・お手柔らかに頼むよ・・・」ここはもう素直に従うしかない。 いつもなら憎まれ口を叩くアルトから予想外の返事が返ってきたので 急に照れてしまったシェリル。それを隠すように 「こんな事、めったにしないんだから感謝するのよ!」と早口にまくしあげてみたが、 最後の方は聞こえないくらい小さい声になってしまった。 そんなシェリルをアルトは可愛いと思った。 俺・・・熱でどうかしちゃったのか?・・・ 「熱はどう?」 シェリルはアルトの前髪を優しく撫で上げ、額に手を当てる。 冷たくて気持ちいい・・・・・・もっと触っていてほしい・・・ アルトは無意識にシェリルの手に自分の手を重ねようとした時、 シェリルは自分の額をアルトの額にこつんとつけた。 「ん~?熱はそれほどでも・・・ア・・アルト??」 アルトの行き場のなくなった手はシェリルの頬に触れていた。 あと少しで唇が触れそうな距離にシェリルの少し驚いて朱に染まった顔。 アルトもその近さに驚いたが頬に添えた手を離せない。 気恥ずかしさもあって真っ赤になって固まってるアルトに シェリルはにっこりと微笑み囁く。 「風邪・・・移してもいいよ?」 「バカか・・・歌えなくなるだろ・・・」 「私を誰だと思っているの?シェリル・ノームよ」 「なんだそれ・・・」 シェリルは優しくアルトの唇に自分のそれを重ねた。 \(^o^)/おわた
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/123.html
陽がすっかり落ちた街並みにぽつりぽつりと浮かぶ灯りは星のようで、 展望公園から見下ろす景色はひとつの小さな宇宙のように見えた。 あの灯りの中には人がいて、家族がいて、あたたかい温度がつまっている。 仕事を終えて帰って来た父親を、おかえりと言って迎える家族。ただいまと顔を綻ばせて笑う父親。 そんな当たり前の人々の営みを想像しながら、シェリルはベンチの上でひとり、膝を抱えていた。 静かに深く息を吸い込むと、喉がじんと痺れるように痛むのが分かる。 けほ、と小さく咳き込むことでその痛みを逃がし、抱えた膝に顔を埋めた。 本来ならば医療用ベッドに入ってウイルスの進行を抑えなければならない時間だったが、 グレイスと仕事の事で諍いを起こし、ついホテルを飛び出してこんな所まで来てしまった。 携帯の電源は勿論切っているが、グレイスにしてみればシェリルの居場所を割り出すくらい造作でもない。 一方的な八つ当たりをしたうえに飛び出すなんて子供の癇癪だと自分でも呆れそうになるが、 急激に進行する感染症と、思うように動かない体、そしてなにより歌うことが出来ない辛さに、 シェリルの心はもう決壊寸前だった。 いつかはこうなると分かっていたけれど、だからと言って歌を捨てる事は出来ない。 それはシェリルにとって、命を捨てろと言われる事と同義だった。 恐怖からか、寒さからか、体が小さく震える。 それを誤魔化すように膝を抱く力を強くして、 シェリルは地上の夜空に再び視線を向け、小さく歌を歌い始めた。 ランカとシェリルだけが知っている歌――アイモ。 歌というよりはほんの囁きでしかない声で、途切れ途切れに歌を紡いでいく。 歌いながら、シェリルはぼんやりとアルトの事を想った。確か明日はアルトが護衛に着く日だった。 このまま帰らなかったら、明日アルトは慌てるだろうか。慌ててくれるだろうか。 「シェリル!」 「……アルト?」 頭の中に思い描いていた姿がすぐそこにあって、シェリルは呆然と目の前のアルトを見上げる。 息を切らせて肩を上下させるアルトを見れば、彼が散々走り回ったのは一目瞭然だった。 「なんで、あんたがここにいるのよ」 「グレイスさんから連絡があったんだよ。お前がホテルから出て行ったんだが心当たりはないかって」 「…そうなんだ」 呟いて、シェリルは抱えていた膝を下ろし、アルトから視線を逸らした。 その仕草でシェリルが迎えを拒否したのが分かったのか、アルトはシェリルの横に腰を下ろした。 同じ方向を眺め、アルトは何があったのかは聞いてこようとはしない。 話したいのなら話せばいい、そんな空気を漂わせてくれていた。 「……綺麗ね。星空みたい」 「随分ちっぽけな星空だな」 「ちっぽけなんかじゃないわよ。あったかくて…あの灯りの中には、たくさんの幸せがあるんだもの」 思わず吐露してしまった心情に、シェリルはつい恥ずかしくなって口を噤む。 当たり前の光景、あたたかい家庭に、大切な家族。 シェリルの持っていないそれらに憧れていないといえば嘘になるが、同情が欲しいわけではなかった。 「戻ろう、シェリル。グレイスさんも心配してる」 「嫌よ。戻るくらいなら、あたしはここで一晩過ごすわ」 「ばか、お前何言って…」 嫌だ、ともう一度告げるよりも先に、ぽたりと涙が零れ落ちてしまった。 それを見たアルトが戸惑うのが分かり、シェリルは涙を隠すように顔を背けて俯く。 「…泣くなよ」 「泣いてないわよっ…」 無茶苦茶な事を言っている自覚はあったが、泣いているのを認められる程素直ではない自分が少し悔しかった。 困り果てたようなアルトの溜息が聞こえ、その後に大きな手がシェリルの肩を包み少し乱暴に引き寄せられた。 アルトの胸の辺りに顔を埋めるような格好になり、肩を包む手の平の熱さに涙が一瞬で止まってしまう。 けれどすぐに離れるのは惜しくて、ほんの少しだけ胸を借りることにした。 少し経ってから体を離してアルトを見上げると、真っ直ぐな眼差しと目が合って、胸の奥がじわりと疼いた。 「もう平気か?」 「…うん、ありがと。でもごめんなさい、ホテルには戻れない」 それはシェリルの矜持であり、自分への戒めでもあった。 今から帰っても、グレイスはきっと何事もなかったように自分に接してくれる。私が悪かったわと謝ってくれる。 グレイスはシェリルを宥め、諌めることはあっても、怒ることは絶対にない。 だから、シェリルは自分への戒めを自らで課すしかなかった。 アルトの溜息がもう一度聞こえる。当然だとも思ったし、理解してもらおうとも思わなかった。 「ホテルじゃなきゃいいんだな?」 「え?」 シェリルの返答を待つよりも先にアルトに手を引かれ、シェリルはベンチから腰を浮かせる格好になった。 はなして、と言おうとしたが、ぎゅっと握られた手の強さは言ったところで離してくれそうもなく、 シェリルは黙ったまま何も言わないアルトの背中を追いかけるしかなかった。 辿り着いた先は、小さなアパートの一室だった。 部屋の大きさはシェリルが宿泊しているホテルのスイートルームの一室分も無いかもしれない。 「ここは…?」 「俺ん家。言っても、もうほとんど来てないけどな」 物はほとんど無い、こじんまりした部屋。 SMSの寮に入る前に住んでいた場所なのだろう、生活感はあまり感じられなかった。 玄関で佇んだままきょろきょろと部屋の中を見回すシェリルにアルトは苦笑し、 てきぱきと押入れから布団を取り出し、寝床を整える。 「お前が泊まってるホテルと比べるなよ。何もないけど、あんな所で一晩過ごすよりはマシだろ」 「アルト…」 申し訳ないような、嬉しいような気持ちがせめぎ合い、また涙が浮かびそうになる。 ぶっきらぼうなくせに優しいだなんて、本当にずるい。 入れよ、とアルトに促されてようやくシェリルは玄関先で靴を脱ぎ、部屋の中へ足を踏み入れた。 「明日の朝になったら迎えに来てやるよ。グレイスさんには連絡しとけよ」 「……ええ」 曖昧な笑みを浮かべ、入れ替わりに玄関へ向かったアルトを見送ろうとした。 本当は、傍にいてくれたらと願っている。 でも、それだけはしてはいけないと、シェリルは自分に必死に言い聞かせた。 ありがとうと言おうとしたのだが、その言葉は声にならず、代わりに喉を突いたのは激しい咳だった。 「シェリル!」 喉だけでなく肺までもが痛む程の咳に、体がその場に崩れ落ちる。 座り込んで背中を折って、それでも治まらない咳に、ぎゅっと閉じた瞼に涙が滲んだ。 アルトの手が背中に添えられたのが分かったが、もう気力で抑えられる時点はとうに過ぎてしまっている。 喉の奥に一際大きな熱がこみ上げて、その正体を知っているシェリルはよりいっそう背を丸めて耐えた。 口の中にじわりと血の味が広がる。アルトにだけは見られたくなくて、口内に広がったものを無理矢理飲み下した。 「シェリル…」 「…ごめん、平気よ。お水貰ってもいい?」 シェリルよりも辛そうな表情を浮かべているアルトにそう言うと、アルトは無言のまま台所へ向かい、 グラスに水を入れて持ってきてくれた。 渡された水を少しずつ飲むと、口の中の血の味が段々と薄れていく。 けれど進行している病は少しも薄れずに、その現実をシェリルにありありと見せ付けてくる。 怖かった。どうしようもないくらい、怖かった。 それでもアルトに悟られたくはなくて、微笑んでみせる。 「平気だから、アルトは戻って」 本当は傍にいてほしい。帰らないでほしい。でも、縋ることができない。 納得のいかない顔でそれでも立ち上がったアルトになんとか作った笑顔を向けて、 アルトが部屋を出て行くのを待った。 扉をくぐるまでのほんの短い距離。 お願いだから振り向かずに、そのまま出て行って。 そうしたら、明日はいつもみたいにちゃんと笑えるから。 ひたすらに祈り続けたシェリルの切なる願いは聞き届けられず、 振り向いてしまったアルトがこちらを見て痛みを堪えるような顔を浮かべた。 弾かれるようにシェリルの元に戻ったアルトが身を屈め、 いつの間にか強く握りしめて白く血の気を無くしていた手をそっと取ってくる。 「…馬鹿、なんで一人で全部抱え込もうとするんだ」 何の為に俺はここにいるんだと、そうも聞こえるような声色だった。 その答えをシェリルは持ち合わせているが、答える事はできない。 病気のことを伝えればきっとアルトは傍にいてくれる。それと同時に傷ついていくのもアルトだ。 いずれ居なくなる自分に近づけば近づく程、傷は深くなる。そんな事をしたいわけじゃない。 そう分かっているのに、アルトの言葉を聞くたびに、目を見るたびに、心が呆気なく揺れる。 これは罰なのかもしれない。好きだとは言えず、けれどさよならを言うことも出来ない自分への。 「…アルト」 握られたままの手とは逆の手をそっと伸ばし、アルトの服の裾を掴む。 「…明日の朝になったら、全部忘れて。あたしはグレイスと喧嘩なんかせずに、ホテルにいたままだった」 震える声でアルトを見上げる。 悲しくて、優しくて、少し切なげなアルトの瞳の裏に見える感情に、見ないふりをした。 「だから、お願い…今だけ、今夜だけ……あたしをアルトのものにして」 アルトの瞳が揺れるのが分かって、それでも視線は逸らさずにいてくれた。 馬鹿な事を言ってるんじゃないとこの手を振り払われたなら、それも構わなかった。 むしろそうしてくれる事を、心のどこか片隅で望んでいたのかもしれない。 けれど何かに耐えるようにぎゅっと唇を噛み、頬に触れてきたアルトの手の平と真っ直ぐな眼差しが答えだった。 ただ気持ちだけで満足できる子供ではなかったし、言葉だけで満たされるほど大人ではなかった。 近付いてきた唇が距離を無くし、柔らかく触れ合う甘さがじんと頭を痺れさせ、 それとは裏腹に胸を占める切なさに、ひとすじ涙が零れ落ちた。 服を脱いで向き合って座ると、どうしようもない恥ずかしさに今更ながら襲われてまともに顔を見ることが出来なかった。 俯いていたシェリルにアルトの手がそっと伸びてきて、細い肩を包むように撫でた後、 まだ身に着けていたブラジャーの紐をそろりと落とされた。 その直接的な行為にシェリルの鼓動が一気に高まったのも束の間、それきり動かなくなってしまった アルトを見上げると、途方に暮れたような顔で「…悪い」と謝られた。 「その…脱がせ方、分からないんだ」 頬を赤くして告げられた言葉にシェリルは一瞬ぽかんと呆け、そのあとこみ上げてきたおかしさにくすくすと笑んだ。 つまりはそういうことなのだと理解して、嬉しいような申し訳ないような気持ちになる。 自分も同じだと言ってしまえばアルトの気も少しは楽になるのかもしれなかったが、 そんな甘やかな雰囲気を持つのは躊躇われて、すぐに分かることなのだから…と口を噤んだ。 さすがに向かい合ったままで脱ぐ事は出来ず、シェリルはアルトに背を向けて 僅かに震える手で背中のホックを外し、取り去ったブラジャーを先程脱いだ服の上に置いた。 直接空気が肌に触れるのが心許なくて両腕で胸元を隠す。 どうやって振り返ればいいのかと考えていると、アルトの手がシェリルの背中をそっと撫でた。 背骨を辿るように撫で上げられ、行き着いた首筋に唇が押し当てられる。 肩を両手で包んだアルトが、「…冷たい」と耳元で囁いた。 これだけ緊張していれば体温も下がるだろうとシェリルは思ったのだが、それを口に出すのは無粋な気がした。 後ろを振り向きながら上半身裸になったアルトの胸にそっと手を当てて、 手の平から伝わってくる早い鼓動に少しだけ安堵する。 「…あたためて。アルト」微笑むよりも先に噛み付くような勢いで唇を塞がれ、くぐもった声はアルトの口内に消えていった。 何度も何度も繰り返し角度を変えて、段々と深くなっていく口付けに吐息の温度が上がる。 合間に零れる吐息を逃がすことすら惜しむように、夢中で互いの唇を貪った。 開いた唇の間から忍ばせた熱が触れ合うと力が抜けそうになり、シェリルは両腕をアルトの首に巻きつけた。 「――ン」 口付けを繰り返しながらもアルトの手がシェリルの肌の上を滑り、細い腰、くびれたウエストを辿ったあと もう隠してはいない胸に柔らかく触れてきた。 触れられたところから電流が走るような感覚にシェリルが声を上げると、 最後にゆるりと舌を絡められてから唇が離れた。 二人の間を細い唾液の糸が繋ぎ、重力に従って落ちたそれはシェリルの胸元へ伝う。 それを追ってアルトがシェリルの胸元へ顔を埋め、鎖骨から胸へと唇を触れさせながら下がっていく。 胸の膨らみを揉まれ時々指が先端を掠めると、どれだけ抑えようとしても声が漏れてしまう。 シェリルのその反応に気付いたのかアルトは片方の乳房を軽く持ち上げ、 赤子がそうするように先端を口に含んだ。 「んんっ!あ、ぁ…」 舐められ、くるりと円を描くように舌で押され、その間ももう片方の乳房への愛撫も止まない。 自分が自分でなくなるような、波に翻弄されてしまうような感覚にシェリルはただアルトにしがみつくしか出来ない。 いつしか布団に押し倒されたのにも気付かず、シェリルは与えられる感覚に自分を見失わないよう必死だった。 「アル、ト」 切れ切れの声でシェリルが呼ぶと、アルトが顔を上げて「…痛かったか?」と不安げに問うてくる。 ふるふると首を振って答え、顔を覗き込んでくるアルトの両頬に手を伸ばして手の平で包む。 男なのに滑らかな肌が少し小憎らしかったけれど、その眼差しの優しさに泣きたくなって、 アルトの顔を引き寄せて唇を塞いだ。 触れた首筋や肩、胸の逞しさに紛れもない男の姿を感じさせられて、 自分達がこんなにも違う生き物であることを今更ながらに実感する。 男の人の唇って、意外と柔らかいんだ。そんな事を思っていたシェリルが唇を離すと、 吐息が触れる距離でアルトがシェリルの瞳をじっと見つめてきた。 少し潤んだ熱っぽい眼差しに、下腹の辺りがじんと疼くのを感じた。 熱に浮かされたシェリルを見たアルトが一度軽く息を吐いて、シェリルの脚の付け根へと恐る恐る手を伸ばす。 「やっ!?」 下着の上からではあったが、胸への刺激とは比べ物にならない強い感覚に 思わずシェリルは大きな声を上げてしまった。 脚を閉じようとしても、間にアルトが陣取っていて叶わない。 その間もアルトのぎこちない愛撫は止まず、シェリルは手の平をきつく握り締めた。 「あっ、や、…っぁ、ん」アルトの指が動くたびに下腹が疼いて仕方が無く、じわじわと下着が濡れていくのが感じられて、 それを指先で感じたアルトがとうとう最後に残った下着に手をかけ、するりとシェリルの脚からそれを抜き取った。 自分を覆い隠すものが何も無くなり、どうしようもない羞恥に襲われてシェリルは両手で顔を覆う。 そんなシェリルを見たアルトがふっと小さく笑い、滑らかな太腿を撫でた後、直接秘所に指先を触れさせた。 もう十分に潤んでいたそこは熱く、アルトが触れるたびに中から水が溢れてくるようだった。 何をされているのかは分からず、けれど確実に与えられる快楽と、狭い部屋に響く自分の嬌声と水の音に、 もうどこかへ消えてしまいそうな理性をかき集めてシェリルはただアルトの名を呼んだ。 脚の間を触れられていたかと思えば胸に触れられ、首筋や鎖骨に口付けられる。 様々な所から与えられるひとつひとつがシェリルを追いたて、まだ見ぬ絶頂に昇り詰めそうになる。 「ひぁっ!」 自分の中にアルトの長い指が侵入してきたのが分かり、その違和感にシェリルが震えた。 アルトの指がほぐすようにゆるゆると動き、 シェリルが身を捩って逃げようとするのとは裏腹にそこは徐々に柔らかくほぐれていく。 「ぁ……あ…ぅ……はん…んっああぁっ!」 指の数が増えて入り口を更に広げられ、ふいにアルトが触れた場所から与えられた強い刺激に耐え切れず、 シェリルは一度高い声を上げて果てた。 「…はぁ……ぁ…」 そもそも絶頂を知らなかったシェリルにとって今の感覚が何かが分からず、 呼吸を繰り返して体中を覆う倦怠感に身を任せるしかなかった。 「…シェリル」 顔を覗き込んできたアルトに大丈夫だとふわりと笑むと、目尻に優しく口付けが落とされた。 それとほぼ同時にお腹の辺りに熱くて硬い感触が当たるのを感じ、頭を起こしてその正体を確かめようとした。 「あ…」 それを目にした瞬間にかっと頬が熱くなり、直視するのは躊躇われて困ったようにアルトに視線を向けた。 アルトの少し困ったように笑う顔が愛しくて、シェリルは全てを委ねる決意をした。 「言ったでしょ?…あたしを、アルトのものにしてって。…今夜、だけ」 ともすれば本当の想いを吐露してしまいそうな雰囲気を断ち切る為に、 あえてシェリルは最後の言葉を口にした。 望んだのは自分で、これをアルトの望んだことだとは思わないために。 「シェリル…俺は」 「――言わないで。…お願い」 何かを言いかけたアルトの唇に人差し指を当てて言葉を封じる。 その言葉が例えどんなものであっても、シェリルが望む言葉はもうなにひとつ無かった。 永遠を望むには、すべてがもう遅すぎたのだ。シェリルにも、そして、アルトにも。 「あ……っ」 陰部に押し当てられた熱がゆっくりと侵入を始めて、その痛みと異物感にシェリルは唇を噛んで耐えた。 自分の中に自分ではないものがある、不思議な感覚。 それでも他の誰でもないアルトと、何も邪魔出来ない程深くで繋がっているという事実だけが シェリルの胸を幸福で焦がす。嬉しいのに悲しくて、幸せだった。 全てを埋めたアルトがシェリルの上でひとつ息を吐き、汗で額に張り付いたシェリルの髪をそっと避けてくれる。 「アルト…」 このまま時間が止まれば、どれだけ幸せだろうか。 伝えられないのなら、せめて名を呼ぶくらいは許して欲しい。 そう思ってシェリルがアルトの名を呼ぶと、ゆっくりと体が揺さぶられ始めた。 「んっ…アルト、アルト…っ」 「…っは、シェリル…」 内壁を擦られ、かき回されるような感覚は快感にはまだ遠かったけれど、 アルトが少しでも気持ちよくなれたらいいと、シェリルはアルトの首にかじりついて懸命に応えようとした。 卑怯な女だと、ずるい女だと思ってくれていい。利用されただけだと思ってくれて構わない。 一瞬の温もりを欲した代償は全部自分が引き受けるから。 「アルト…っ、あ、あぁ…っ」 違和感の中に徐々に混じり始めた悦楽がじわじわとお腹の底、いまアルトがいる場所から駆け上ってくる。 アルトが切なげに眉根を寄せ、揺さぶられる速度が上がる。 もう名前を呼ぶことも出来ず、言葉にならない喘声と荒い吐息だけが部屋に響いていた。 「あ、だめっ…あ、やぁー!」 「…くっ、シェリル…っ!」 膨れ上がった快感が限界に達し、シェリルの脳裏を少しずつ白く染め上げていく。 そのすぐ後に自分の中でアルトがびくびくと跳ね上がり、腹の中にじわりと熱いものが広がるのが分かった。 そして、それを受け止めようと収縮する自分の中の動きも。 もう一度アルトを呼ぼうとしたのだけれど、急激に襲ってきた疲労と眠気に意識がさらわれ、 それは叶わなかった。 少しずつ薄れていく意識の中で、頬に落ちてきた一粒の滴が切ないほどに温かかった。 次に目を覚ました時は、もう窓の外が明るくなり始めていた。 目の前にいたアルトの寝顔に驚いたけれど、昨夜のことを思い出して少し恥ずかしさに襲われる。 アルトの目を覚まさないようにそっと布団の中から抜け出し、近くに置いていた服を身に着けた。 さすがにこのまま顔を合わせるのはいたたまれない。 ここがどこなのかは分からなかったが、タクシーを呼べばいいだけの話だ。 服を着て髪を整え、まだ眠っているアルトの傍にそっと腰を下ろす。 「……ごめんね」 ぽつりと呟くと同時に、ぼろぼろと涙が溢れてくる。 この人が好きだ。もう、どうしようもないくらい。自分の感情を自分で制御できなくなるくらい。 自分の病気のことも、体のことも、誰よりも分かっている。それでももう我慢が出来なかった。 理性とか、常識とか、そんなもので抑えきれるものではなかった。 だからどうか、昨夜のことは忘れて欲しい。 気まぐれで過ごした一夜なのだと、何も無かったと思ってほしい。 「…大好きよ」 言葉にはせず、吐息だけでそう呟いた。 きっともう二度と伝えることのない言葉だけを残して、 シェリルは音を立てないようにアルトの部屋を後にした。 終わりです 大量にレス消費してごめんなさい 出来ればそのうちアルト視点も書きたい
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/63.html
7スレ目 140くらいからのネタより スレに落とす時間がなさそうだったので、直接こちらに落とさせていただきました。 もし、何か不都合等ありましたら、削除して構いません。 よろしくお願いいたします。 090407に少し加筆させていただきました。 ********* 肩から学生鞄を下げ、左手には今日の晩御飯の材料が入ったスーパーの袋。 いつもより量が多いのは、待ちに待った誰かさんが帰宅するからだ。 そう長い間離れていたわけじゃないし、メールだって電話だって毎日のようにしていたのだから寂しいとは感じなかったけれど、やはり会えるとなると嬉しくなるものだ。 喜ばせてやりたいなと考えながらスーパーや商店街を回っている内に、買い物カゴはどんどんとその重さを増し、気が付けばいつもの2倍くらいの量になっていた。 どれだけシェリルに甘いのだと苦笑する。 それでも心に溢れる感情は温かいものだからどれだけ 落ちている のだろうかと、自分で呆れそうになる。 軽いため息を付きつつも、アルトの頭はシェリルが帰ってくるまでに完璧に晩御飯を作り終えるための過程を描き出していた。 「ただいま~」 「お帰りwアルト。」 誰もいない部屋に響くはずだった帰宅の挨拶にはなぜか、こたえが返ってきた。 「・・・・・・」 急な展開に頭が付いていかない。 ヴァルキリー乗りとしてそんなことがあってはならないと思うのだが、それはシェリルの格好のせいだ ・・・・・と思いたい。 少し胸の辺りが窮屈そうではあるけれど開襟の白シャツは良く似合っていたし、短めのグレーのスカートも適度にスリットが入っていて色っぽい。 それから覗く足も黒のストッキングに包まれていて、いつもとは違う印象を与える。 端的に言ってしまえば、『仕事ビシバシ!きゃりあうーまん』というOLスタイルだ。 ただ、一つ違和感があるとすれば、その腰から下がっている丸い物体。 見えている部分ではその輪は一つしかないけれど、きっとスカートの向こう側にも同じような輪があるはずだ。 でも、それはテレビや小説に出てくる冷たい戒めと様子が違った。 冷たく光るはずの輪の部分装飾が施され、ふわふわとした布が覆っている。 しかも、ピンク。 桃色・・・・・・ 桃・・・ 「・・・・・・なんで・・・」 「ん?」 軽くこめかみの辺りを押さえながら、アルトは少し考えた。 いることに突っ込むべきだろうか。 それとも、格好に突っ込むべきだろうか。 それとも、スカートから下がっているものに突っ込むべきだろうか。 それとも、色に・・・・・・ どうしたものかとあまり動かない頭で必死に考えていたというのに、シェリルの表情を見た途端、アルトは苦笑し、降参の白旗を振った。 格好からして一見近寄り難そうにも見えるのに、その顔に浮かぶのは『嬉しい』という感情を満面に押し出した極上の笑顔。 陥落したって悪くはないだろう。 たった6日間。 されど、6日間だ。 「んっ・・・・・」 荷物を降ろし腕の中へと連れ込むと、アルトはすぐさま唇を重ねた。 甘いシェリルの香りがふわりと舞う。 抱き込んだ肢体は柔らかく、背中に回された腕は自分を優しく包んでくれる。 久しぶりの逢瀬。 この空間にいるのは二人きりだから、ここでキスにのめり込んだとしても誰にも文句は言われない。 言うとすれば、腹の虫だけだ。 きっと、腹の虫もこちらを堪能することを選ぶだろうと思いながらアルトは絡む舌を追いかけ、シェリルを貪欲に貪った。 「なんで、いるんだよ。夕方だって言ってただろ?それにその格好・・・」 「ちょっと、待っ、て・・・・。そんなに、いきなり、答え、られないわよ。」 「じゃあ、まず一つ目。帰る時間が違うのは?」 「・・・・一つ前の便がね、・・・・・・空いてたのよ。」 「!!」 少しだけ言いにくそうに、そっぽを向いて話すシェリルの頬が僅かに染まり、唇が少しだけ尖る。 その様子はアルトの想像したことを肯定するもの。 それを見た瞬間、アルトの抱きしめる力が一層強くなった。 「わっ、ちょっ・・・・ちょっと、アルトッ!!」 苦しいっと、腕の中から悲鳴があがる。 それでも放すことは出来なくて、暴れる心を沈めたくて、アルトはずっとそのままだ。 初めのうちはもがいていたシェリルもしばらくすると脱出を諦めたように、軽く息を吐いてゆるゆると力を抜いてアルトへと寄りかかってきた。 「お帰り。」 「・・・・・タダ、イマ//////」 「・・・・・・・・お帰り」 左手は抱きしめたまま放さず、右手をそっと頬に添える。 視線を落としたままのシェリルを上向かせ、そして、再び優しく重ねた。 自分にふさがれ、シェリルの吐息がくぐもる。 それすら愛しいと思えた。 そのままアルトはシェリルの足を掬い上げると寝室へと場所を変える。 自分の意図が簡単に伝わったことは、おとなしく腕に抱かれるシェリルの頬がほのかに染まっていることで分かった。 静かにベットの端へと降ろし、自分も手と膝を使って乗り上げると、2人分の重さにベットが軋む。 僅かに後ずさるシェリルを頬に手を這わすことで捕え、そのまま唇を塞いだ。 舌を差し入れて 絡める。 口内を溢れさせて 擽る。 熱が 上がる。 「ん・・・・ふぁ・・・」 「・・・・・・・・なぁ、抱いて?」 「なっ!!/////////」 口付けの余韻に浸るシェリルにアルトがそう言うと、途端にシェリルが声を失った。 ほんのりと桜色に染まっていた頬は一気にその色を増し、見開かれた空色の瞳は動揺の色を浮かべる。 唇は戸惑うように開かれ、いつも強い意志を示すはずの眉は情けなく下がってしまっている。 「ぷっ・・・・ははははははは」 見たことのないシェリルの表情に、アルトがたまらず吹きだすと、ようやくからかわれたのだと分かったシェリルが起動する。 「ア~ル~トォ~!!」 「あーっ、腹いてっ・・・」 「じ、自分だっ、て、顔赤いじゃないっ?!」 笑い続けるアルトとは対照的に、シェリルは真っ赤になって怒る。 冷静になろうとしているのに、楽しげなアルトを見るたびにうまくいかなくなった。 頬が熱い。 それがキスのせいか、耳元で囁かれた『妖艶な誘い言葉』のせいかは分からない。 ただ、それはどちらにしてもアルトのせいだ。 そう結論を出したシェリルはキッとアルトを睨みつけた。 が、自分の絶対優位を信じているアルトには効かない。 そのことが一層シェリルをむくれさせる。 「・・・・・いいわ・・・」 ポツリッと呟かれたいつもより格段低い声にアルトは気付かなかった。 そのままシェリルはアルトの胸元へと顔を埋める。 それから一呼吸置いて、一度頭をからにしてからシャツを掴み、離されないようにしながら、アルトにギリギリ聞こえるよう、艶やかに呟いた。 「ねぇ、目・・・瞑って。」 「・・・・・・」 先ほどとは違い、しっとりと紡がれた誘いの言葉にアルトが息を呑み、一瞬にして部屋の空気が変わる。 それは情事の前と同じような静かさで、二人を包んだ。 世界を少し遠くに感じるような感覚。 ビロードに包まれたときのような どんな小さな音さえ吸い込まれてしまいそうな 独特の トキ の雰囲気。 アルトは言われるままに、瞳を閉じた。 すると、唇に何かが触れる。 「いいって、言うまで開けちゃダメよ。」 シェリルの声が耳元で聞こえ、熱い吐息がアルトの耳を嬲り、耳裏に優しいキスが落ちる。 それから、シュッシュッっというシーツと肌が擦れる音。 背中に温かく、柔らかい肢体が絡みつく。 そして、自分より幾分熱い手がアルトの手を誘った。 誘われるままに手を伸ばし、自分を包む身体の背中を滑らせる。 柔らかい感触が背中へと押し付けられ、その正体に気付いたアルトの熱がまた少し上がった。 一度ぎゅっと背後から強く抱きしめられた後で、シェリルがアルトの背中と腕の間から抜け出す。 でも、すぐに背中にまとめられたアルト手に柔らかい感触が与えられる。 首筋へとキスが落ち、制服の襟が引っ張られ、より深いところへキスが落ちる。 くすぐったくて、アルトの口が笑む。 愛しさが溢れてくる感覚に嬉しくなり、同時に貪欲な心が熱を手に入れ、のっそりと蠢きだす。 止まらぬ自身の衝動を感じはじめたアルトが先ほどの謝罪を口にしようとした瞬間、ふわふわとしたものが両手首に触れ、同時にカチリッと鳴った。 「?!」 違和感を覚えて、両腕を戻そうと慌てたアルトの手は腰の辺りに下りたけれど、離れることは出来なかった。 左右に引くたびに、カシャカシャという金属音がして、一定の距離以上には動かない。 「シェリッ・・・・・」 目を開けた先に見たシェリルの表情に言葉を奪われ、アルトは名前を最後まで呼べなかった。 「エ・ロ・ア・ル・トwww」 勝ち誇ったようにこちらを見つめたかと思えば舌を出し、忌々しくも左目下の肌を人差し指で引っ張ってみせる。 明らかに人を小ばかにした態度にアルトが奥歯をかみ締める。 睨みつけても見たけれど、当のシェリルはどこ吹く風だ。 ベットの上に仁王立ちになるなり、見事な曲線美を描く足を上げると、アルトの胸に当てて軽く押した。 支えるもののないアルトの抵抗はむなしく数秒後に崩れ、情けなくそのまま後ろへと転がる。 仰向けに転がったアルトを悠然と見下ろしながらシェリルは意地悪く笑った。 ミニスカートを履いているせいでもう数ミリ視線を動かせばその中が見えそうになるのだけが、アルトの得られた利点だろうか。 それを言ってやろうかどうしようかと迷うアルトを手も足も出ないと判断したのだろうシェリルが嬉々としてしゃがむ。 見えなくなったことに内心悪態をつくアルトに向け、にっこりと笑ってやるとシェリルはアルトの首元から、ネクタイを抜き取った。 そして手早くそれをアルトの頭へと巻きつけ、その視界を覆ってやる。 「・・・・何がしたっ・・」 叫ぼうとした唇が急に柔らかいもので塞がれる。 そして、馴染みの熱がアルトの口内へ入ってくる。 胸の辺りに少し体重がかかったと思ったら、今度は甘い香りが鼻腔を擽り、温かいものが自分の身体に沿うように重なった。 口付けは激しいものでなく、静かに絡めあうもの。 零れる吐息も重なる肌も熱くて、でもひどく心地よかった。 「・・・・しっかり、反応してるじゃない。」 知ってる。 シェリルの言葉に、アルトは心内で呟いた。 アレだけ濃厚なキスを何度も交わしたのだ。 だからそそくさとシェリルを抱き上げてココまできたのだ。 反応していないわけがない。 所詮、男なんてそんなものだ。 シェリルの言動に改めて、シェリルが自分以外の男を知らないのだと実感し、少し嬉しくなる。 上がる口角を隠そうにも、両手は身体の下だからできるはずもない。 そんなアルトの表情に、再びシェリルの唇が尖る。 何も出来るはずがない。と馬鹿にされ、笑われたのだと思ったのだ。 シェリルの怒りのボルテージが上がる。 そして勢い良くアルトのズボンのベルトを解くと留め金を外し、ジッパーへ手を掛けてひき降ろす。 下着の中でテントを張るそれに一瞬たじろいだものの、『ここで引いては、女がすたるっ』と日本男児顔負けの精神で取り出した。 「なっ・・・・シェリ・・・っ、ぁ・・・」 驚いたのはアルトのほうだ。 むんずっと引き寄せられたかと思った次の瞬間にはベルトが外され、ズボンを寛げられ、あっと思った瞬間にはソレに濡れた感触が走った。 思わず息を詰め、背筋を這い上がる感覚に耐えるけれど、それは一瞬のことではない。 収められただけだったそれに恐る恐る熱い濡れたモノが触れ、優しく絡みつく。 言い表せぬ感覚は初めて感じるものだったけれど、ソレがどういう状態で行われているかの想像なんて容易に出来てしまう。 アルトだって健全な高校生男子なのだから、れっきとした彼女にソレを望んだことだってあるのだ。 こういう状態でされるとはまったく想像できなかったけれど・・・・・ たどたどしく舌が上下し、形をなぞっていく。 何度も、何度も優しく舐められ、愛撫される。 深く、深く飲み込まれる度に、少し苦しそうな声が漏れ、濡れた吐息がアルトを震わせる。 決して上手だとは言えないだろう類のそれは、それでもシェリルの精一杯だ。 コイツ・・・・。 シェリルによって高められる熱をなんとか唇から吐き出しながら、アルトはきつく拳を握る。 男なんてっと言いながら、ちっとも分かってないのだ。 ぎこちない愛撫がどれだけ男を煽るのか。 自分のために早く帰ってきたと伝えられて、どれだけ自分が舞い上がったのか。 性急に求めようとしたのに、受け入れてもらえたことがどれだけ嬉しかったのか。 ・・・・・どれだけ自分が愛しく思っているのか。 「・・・・・っ、アッ・・・・・」 握り締めていた手の中でシーツが一層引かれる。 踏ん張っていた太ももがビクビクと痙攣する。 張り詰めていた自身が熱の解放を望む。 限界が近かった。 それでもシェリルの口内に吐き出すのは少し可哀想な気がして、必死に耐えていると、急に愛撫が止んだ。 唾液と自身の先走りに濡れたソレに、外気があたり寒さを感じる。 息を整えていると、視界が急に開けた。 最初に映ったのは唇を濡らし、頬を染めたシェリル。 少しだけ不安そうにその瞳が揺れる。 「どう、した?」 「・・・・ァ、・・・・・なんでもない」 アルトの問いかけに弾かれたように身体を震わせたシェリルは、慌てて顔を背け、再びアルトの下腹部へと顔を埋める。 そして再び、アルト銜え込んだ。 「っ」 先ほどまでの愛撫に、さらに視野からの刺激が加わる。 自身の熱が急にその温度を上げたのは自身でもすぐに分かった。 「しぇり、・・・ちょ、っと、待て・・・」 切れ切れに成りながら、そう呼ぶとシェリルが弾かれたように震え、そして愛撫が止んだ。 ギリギリを行き来していたアルトは静かに安堵の息を吐き、顔を伏せながらじっと自分の言葉を待つシェリルに小さく笑う。 先ほどまでの彼女ならきっと呼んでも止まってくれなかっただろうから、。きっと、 そう なのだ。 心の中にほぼ確信と読んでも間違いないだろう予感を感じ、アルトは優しく名前を呼んだ。 「シェリル。」 「・・・・・」 「・・・・シたくなった?」 アルトの問いにシェリルの肩がピクリと跳ね、俯いたままのシェリルが肯定を伝える。 その表情は見えないままだ。 そんなシェリルに優しく笑いながら、アルトは言葉を続けた。 『俺もシェリルの中がいい』っと。 真っ赤な顔は相変わらず下を向いたままだったけれど、シェリルがおずおずとアルトに近寄り、その肩口へ顔を埋める。 重なる肌と肌からその熱が伝わった。 アルトがもう一度先ほどの問いを繰り返すと小さくシェリルが頷く。 「・・・・起こして。流石に腕が痺れてきた。」 首元に抱きつくシェリルに頬を寄せ、撫でる代わりに擦り寄ってやると、シェリルがゆっくりと抱き起こす。 幸い頭の向きはそのままで良かったから、起き上がるとアルトは枕を背中とベットの端に敷き、もたれかかった。 「服、脱いで。」 「・・・・バカ」 「恥ずかしいなら、シーツでも被れよ。」 「・・・うるさいー//////」 アルトに言い返しながらも、シェリルはゆっくりとシャツのボタンを外していく。 ストッキングを脱ぎ捨て、スカートを地へ落とし、シャツを脱ぐと、シェリルがお気に入りの下着だけを身につけた姿になる。 そういうモノを選んだということは、そうなるコトを望んでいたととってよいのだろうか? 浮かぶ疑問に苦笑しながら、アルトはシェリルを見つめる。 「下着も。」 「わ、分かってるわよっ!!」 そう返事をしながらも若干のタイムロスが生まれる。 戦中に初めて契って以来、もう何度も肌を重ねているというのにシェリルも未だに慣れていない。 自分達の仲は進んでいるように見えて、そんなに変わっていないのかもしれないなっと、アルトは思った。 全てを床へと落としたシェリルがアルトの首筋へと再び抱きつく。 その暖かさをしばらく享受した後、アルトはシェリルに服を脱がせてくれるように頼んだ。 もっとも、最初に頼んだのは手の拘束を解くことだが、それはあっさりと却下された。 長く、細い指がアルトのシャツのボタンを外し、その肌を露にしていく。 その様子を見つめる降りをしながら、アルトはじっとシェリルを見つめる。 白く豊かな胸元 その先でツンと膨らんだピンクの蕾 そして、下腹部に向けての滑らかな流れの線 それらがとても温かくて、触れるととても気持ちが良いことを知ったのは少し前。 そして、彼女が上げる声の甘さも、背中に走る小さな痛みも、知れば知るほどより深く、深く落ちていく。 彼女の全てを感じられるのは自分だけ。 彼女が感じられるのは自分だけ。 それが、とても嬉しい。 全てを脱がし終えると、裸の胸と胸が重なった。 感じる体温と柔らかさに、アルトが優しく笑う。 「後ろから抱きつけ。」 「?」 「・・・・・自分でできるか?」 アルトの言葉の意味が分からず、不思議そうだったシェリルが意味を理解した瞬間真っ赤になり、慌ててアルトの背後へと回った。 背中に抱きつくように言い、手の上に腰を降ろすように伝えると、先ほどの柔らかい感触と熱が今度は背中から押し付けられる。 視界がないことが少し怖かったから、いつもより慎重に触れた。 「・・・・・・口でシてたら、濡れたのか。」 アルトの軽口に返ってくる声はない。 それでも、触れるたびに背中が跳ね、同時に小さな声が聞こえるから、シェリルが感じていることは分かる。 アルトはそのまま優しく触れた。 ぬるぬると滑る愛液を絡めながら指先をナカへと侵入させ、動かす。 熱い内壁を広げるように何度も何度も擦り上げ、狭さをとっていく。 背中に抱きついているせいか、シェリルの小さな喘ぎが全て耳をを擽る。 音と吐き出される熱が肌に心地いい。 もっと、もっと上げさせてやりたいと、アルトは執拗に内壁を擦り、突起を煽った。 愛液が重力にしたがって零れ落ち、アルトの指を汚し、シーツへとシミをつくる。 掻きまわし、煽る指を増やしながら、アルトはシェリルの熱を上げていった。 「ね、もぅ・・・」 「ダメだ。」 「で、も、・・・・」 「・・・・・シェリル?」 「あっ・・・・・・・ちょう・・・だい?」 言葉一つで意味を理解する。 そして、その求めに応じる。 言われるままに、動くシェリルにアルトの中の支配欲が満たされる。 衝動のまま、めちゃくちゃにしてやりたかった。 「来て」 自分を跨がせて膝で立たせる。 そして、入り口へと宛がわせた。 ぐちゅりっという水音が部屋へ落ちる。 僅かにシェリルの身体が緊張したけれど、アルトはそのまま腰を落とさせた。 銜え込まれ、擦れる度に背筋が震える。 この先の快楽の記憶がもっと、もっとと、アルトを誘い、衝動を突き動かす。 一気に貫いてしまいたい衝動を、アルトは必死に制した。 「もう少し」 「んぅ。」 すでにシェリルの口からは、甘い嬌声の欠片が零れ落ちている。 埋まる度に、その形のいい胸がふるふると揺れる。 アルトは愛しげに頬を寄せると、そのまま先端を口に含み、舌で転がした。 「ひゃ、ぁんっ・・・・」 一際大きく上がった声と共に勢いよくシェリルがアルトを飲み込む。 胸への愛撫で一気に腰が砕けたのだ。 胸元にすがり付いたままのシェリルを抱きしめてやることも叶わず、アルトはそれを少し悔しく思う。 今はあの時と違って幸せでたまらないはずなのに、どうしてかあの時の苦い記憶は未だに胸を焼くのだ。 懸命に毎日を生きていたあの頃。 傍に居たくて、共に生きてたくて、たまらなかった。 慎ましやかではあったけれど、穏やかな毎日が幸福だと思った。 だから、同時にソレを失うかも知れないという恐怖が心の片隅にいつも渦巻いていた。 「・・・・シェリル。やっぱり、手、外して」 「えっ?」 「俺が、お前を抱きたい。」 先ほど前と違うアルトの声にシェリルが不思議そうになる。 けれど、次に囁かれた熱い言葉にシェリルが震えた。 「・・・・・引っ張る前、に、一度逆に押して」 「あぁ。」 言われたとおりに動かしてみると、カチリッという小さな音が鳴り、拘束が解かれた。 もう一方も外そうと目の前に持ってきてみたが、アルトが引っ張ったせいで手首が赤く染まっている。 それを見たシェリルの目がしょんぼりとなり、そっと唇を寄せてきた。 「大丈夫だ」 一応言ってはみるものの大して意味はないだろう。 それなら一刻もはやく溺れさせてしまえと、アルトは良い匂いのする肌に顔を埋める。 温かく、すべすべとした感触が頬に触れた。 左手を乳房に這わせ、自分は右の乳房にむしゃぶりつく。 突起の近くを丁寧に舐め上げ、軽く噛めば、シェリルの身体が僅かに強張る。 同時にナカが締まった。 強まったその締め付けに、アルトの顔が歪む。 それは自身を襲う快楽の波をやり過ごすためだ。 けれど、それはシェリルには違うものに見えたらしい。 頬を包み込み、自分を見上げさせるようにしたシェリルがアルトに『イタイ?』と訊ねる。 波に攫われそうになりながらも、不安の色を浮かべたそれはひどく扇情的で、アルトを誘った。 「気持ちいいんだ。・・・ナカ、締まるし、・・・・さっきのも・・良かった。」 アルトの言葉にシェリルの瞳が見開かれ、そして、頬がいっそう赤くなる。 大丈夫だとくしゃりと髪を撫でてやると、シェリルの表情がほっとゆるんだ。 「ん。いい顔。・・・気持ちいいか?」 「・・・・・ぃ、・・・・つも、ね。」 「!!」 先ほどとは反対に今度はアルトの瞳が丸くなり、嬉しそうに微笑んだ。 静かに笑うアルトにシェリルがそっと口付ける。 軽く触れるだけのそれは『ありがとう』の気持ちをこめたお礼だ。 頬を染めたシェリルもアルト同様、嬉しそうに笑った。 「あっ、・・・やっ、ん・・・・」 アルトの手が腰にかかると同時に突き上げられたシェリルから甘い声が上がった。 咄嗟に絡まる腕にアルトの笑みが深くなる。 耳を犯すその声をもっともっと聞きたいと思った。 「シェリル。ちょっと動くぞ?」 「えっ?!あっ・・・」 言うなり抱きしめてベットへと倒れこむ。 そしてそのまま自身が上に来るようにすると、アルトは一気に自身を引き抜いた。 急に訪れる喪失感にシェリルから声が上がる。 そして、再び身体を転がされた。 「何?!」 急な展開についていけないシェリルに不敵に笑うと、アルトは自身の胸をシェリルの背中へと寄せる。 そして、左右の手をそれぞれに捕えると、再びシェリルを貫いた。 「あぁっっ―――――」 求めていた質量と熱を与えられたシェリルから歓喜の声が漏れる。 アルトはシェリルの背中に赤い花を咲かせると、愛しむように舌で舐め上げた。 シェリルの背筋にゾクリとしたものが走る。 背中が僅かに反るのと同時に今度は腰を引き寄せた。 「はっ、・・あっ・・・」 突き上げたり、引き抜いたりして内を蹂躙するたびに上がる声は、同等に甘美だとアルトは思う。 呼ばれる名前も求める声も、全てが甘く響き、自身の欲を満たしていく。 どんなに獰猛な欲望さえ、この前には解けてしまうのだ。 熱く絡み付いてくる感覚に、溺れそうになりながらアルトは夢中でシェリルを揺さぶる。 両手に握られたシーツが新たにたくさんのひだを作り上げ、同時に濡らされていく。 行き場を失った波の余韻はシェリルの身体から力を奪う。 崩れ落ちるシェリルを支えられるものはなく、腰だけがアルトの手の内へと残った。 「アッ・・・・ぁ、ん・・・は、ァ」 漏れる熱い吐息。 掻きまわされる度に響く水音。 体中を巡る波の残滓。 全てがアルトを刺激し、高みへと導いていく。 コトの終わりが近いことを感じながら、アルトはシェリルの白い背中を静かに見つめていた。 白磁の滑らかな肌に咲く赤い花。 そして、両肩に広がる翼の痕。 真ん中に走る少しくぼんだ柔らかい線 『全て、愛おしい』 そんな言葉が頭に浮かぶ。 笑うことでアルトはそれを肯定すると、腰を進める。 奥へ、奥へ、打ちつけて引き抜き、追いすがるシェリルを翻弄し、翻弄される。 飛沫を上げる波は二人を攫おうと必死で、その手を伸ばしてくる。 震える身体を抱きしめながら、アルトは全てをその最奥へと吐き出した。 トロトロと注がれる熱を届けると、アルトはズルリと自身を引き抜く。 改めてその背中にキスを送ると、シェリルの身体がベットへと沈んだ。 「大丈夫か?」 「・・・・・バカ」 「悪い」 慌てて隣へと倒れこみ、こちらを覗くアルトにシェリルがそう一言呟く。 暴走したことを素直に詫びるアルトに、分かっていないなと苦笑するとシェリルはそっとアルトの胸へ顔を埋めた。 「顔、見たかったのにな。」 「ん?」 「・・・・なんでもない。」 ぽつりと小さく呟いたシェリルに慌ててアルトが聞き返すけれど、シェリルは何でもないと繰り返すだけだった。 穏やかに微笑むシェリルをアルトが優しく抱きこみ、その桜色の髪と戯れる。 甘やかな空気が二人を包み、優しい夢の中へと誘う。 夢の淵を彷徨いながら、シェリルは手に触れた小さな輪を見つけ、微笑んだ。 そして、それを自身に通すとカチリッと小さな音がする。 それは未来を繋ぐものではないのだけれど、代わりに夢の中で自分とアイツを繋いでくれればいいなと思った。 *************** 以上です。アリガトウゴザイマシタ。
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/65.html
ある日の午後。 次の仕事まで時間はあるしと楽屋でのんびり寛いでいたシェリルさんと私。 しかしそんな静寂を打ち破るような音が外から聞こえた。 「ん? 何か外で声がしない?」 シェリルさんのその声に呼応して、私も意識を楽屋のドアにやると 確かに楽屋の外がにわかに騒がしい気がする。 「まさかトラブルじゃないでしょうね……?」 「どうなんでしょう?」 恐る恐る私達がドアを開けると、そこには心配していたようなトラブルではなかったけれども 私達二人にとってはある意味トラブルな出来事が待っていた。 「うぅ、ママぁ……どこー…」 3歳ぐらいかな? うさぎのぬいぐるみを脇に抱えた小さな女の子が、ここにはいない母親の名前を呼びつつ泣いていた。 誰かスタッフは!? 周囲を見渡してみるものの、皆遠くで慌ただしく駆け回っているようで、泣いている子供に気付く余裕もないみたい。 どうしよう…… まさか泣いている子供を放っておくわけにもいかない。 「ママとはぐれちゃったの? お姉ちゃん達がママを見つけてあげるから大丈夫だよ。とりあえず中に入ってお話聞かせてくれる?」 「っく。うん…」 私が女の子の目線と同じ高さになるようにしゃがんでゆっくり尋ねると、女の子はまだ泣いているもののコクリと小さく頷いてくれた。 呆然としていたシェリルさんも、楽屋に入ってようやく我に返ったのか落ち着いてくれて一安心。私一人ではやはり不安だし。 しかし楽屋で椅子に座らせて女の子を落ち着かせようとしてみるもなかなか泣き止んでくれず、何を尋ねても要領を得られない女の子に私は途方に暮れていた。 困り果てて私まで泣きたくなってくる。 そんな中で今まで黙っていたシェリルさんが発した言葉は絶大な効果を現した。 「いい、よーく聞きなさい。女の子の涙はね。ここぞという時までとっておくのよ。だから今は泣いちゃ駄目」 「ちょっ! 子供に何を吹き込んでいるんですか、シェリルさん!」 「あら? 本当のことでしょう? 普段泣く姿を見せないからこそ、大事な時に絶大な効 果を発揮するのよ」 確かにシェリルさんの言う通りかもしれないけれど…… こんな小さな女の子にそんなことを言っても理解出来ないと思う。 しかしシェリルさんの悪戯めいてはいるものの真剣な表情に何かを感じ取ったのか? 女の子がピタリと泣き止んでくれて私は驚きつつ、将来周りの男の子が振り回されそうだなぁと遠い未来の心配を少ししてしまった。 でもまぁとにかくシェリルさんのお陰で?泣き止んでくれたからようやく話が出来る。 「で、あなたのお名前は?」 「リ、リィン……」 「リィンちゃんかー。ママのお名前分かる? どんなお仕事してるとか。」 「わかんない……いつもはお家でお留守番なの。でも今日はママに連れてきてもらって」 「そっかー。じゃあスタッフさんか出演者の人なのかなぁ。何か目印みたいなのあるかな…」 先ほどから私達の会話を横から口を挟まずに聞いていたシェリルさんがどこかに電話をかけ始めた。恐らくスタッフさんに迷子を探している母親がいないか尋ねてもらっているのだと思う。 あまり動くとまた分からなくなってしまうし、ここにいたほうがいい。 また少し不安になったのかぎゅっとリィンちゃんがうさぎのぬいぐるみを抱きしめた。 そういえばずっと脇に抱えていたんだった。 「可愛いうさぎさんだねー。仲良しなの?」 私が尋ねると少し元気になったのか 「うん! いつも一緒にいるお友達のカレンちゃん! お姉ちゃん達もお友達?」 さすが小さい子。ころころ表情が変わって面白いなぁ。 そんなことを思いながら私が答えようとするのを遮るように、背中に何かが押しつけられた。柔らかい物を感じる。 「うーん? お友達というよりも恋び、むーっ」 いつの間に電話を終えていたのか、シェリルさんが私の背後から抱きついてきて爆弾発言をしそうになっている。 私は慌ててシェリルさんの口を手で押さえつつ 「あ、あははっ……何でもないよ。気にしないで!」 私達のやりとりに不思議そうな表情をしているリィンちゃんに対して軽くごまかす。 「ちょっとシェリルさん。子供相手とはいえ何言い出すんですか」 「何って本当のことに決まってるじゃない。私がランカちゃんを愛してるのは事実なんだ し。友達じゃないもの」 「なっ、そ、それは私もそうですけど……」 小声でシェリルさんに注意するも、ストレートにこう返されては何も言えなくなってしまう。 真顔で言うのは反則だと思う…… 私がシェリルさんのこの表情には弱いのを知っててやるんだから。まぁいつでも弱いんだけど。 「お姉ちゃんお顔赤いよー。どうしたの?」 そんなことを考えていたせいか脳内は別の世界に旅立とうとしていたらしくリィンちゃんの私を呼ぶ声にふと我に返った。 「え、うそ!? 気のせい気のせい。 ああえっと、そうだ!なんかここの部屋が暑くてねー」 「そうそう、あついからねー。いろいろと」 慌てる私を見てにやにやしながら合わせてくれるシェリルさん。絶対わざとだ…… そんなこんなでぬいぐるみのカレンちゃんも交えて4人?で賑やかに過ごしていたら ドアをノックする音が聞こえた。 「あ、ママが来てくれたのかな? はーい、どうぞー」 私の言葉に即座に反応してドアに駆け寄るリィンちゃん。 開いた扉から若い女性が入ってくる。恐らく20代半ばぐらいだろう。 「ママ!!」 「リィン!無事で良かった!ママが目を離しちゃってごめんね」 そうリィンちゃんを抱きしめるリィンちゃんのお母さん。 後から聞いた話によると他の出演者の方のスタイリストさんだったようで、いつもリィンちゃんを預かってくれている人が今日に限って都合が悪く、仕方なく仕事場に連れてきたものの仕事が忙しく少し目を離した隙に、リィンちゃんはどこかにいなくなってしまったとのこと。 「すみません!うちの子がご迷惑をおかけしたようで。ランカさんとシェリルさんのお手 を煩わしてしまい、本当に申し訳ございません!ありがとうございます!」 私達が芸能人というのもあるのだろう。 平身低頭のお母さんになんだかこちらまで恐縮してしまう。 なんだか照れますね。 そうシェリルさんに言おうとして隣にいたシェリルさんの横顔をふと見るとリィンちゃんに対して頭を撫でながら慈しむような表情で 「ママに会えてよかったわね」 と話しかけているのだけれども、その姿がどこか寂しげに見えたのは私の気のせいだろうか。 私も親はもういないけれども、優しいお兄ちゃん達がいる。 でもシェリルさんには保護者代わりだったグレイスさんも今はいないし身よりがないんだ。 そのことを忘れていたわけではないけれど、普段はあまり考えていなかったことを改めて意識して複雑な気持ちになる。 「お姉ちゃん達ありがとうー!」 「さーて、そろそろ仕事の時間ね。今日も残りを頑張りますか~」 リィンちゃん母娘と別れの挨拶を済ませてひらひらと手を振っていたけれど、一転して無理に明るく振る舞っているかのようなシェリルさんの態度がどこか気になって。 なんだかリィンちゃんよりもシェリルさんが迷子のように見えてしまう。 シェリルさんの背中が遠ざかっていく。 どこかへ行ってしまう。 やだ! 行っちゃいやだ! そんな錯覚を起こした私は無意識にシェリルさんの手を掴んでいた。 「ランカちゃん……?」 「私じゃシェリルさんの家族にはなれませんか?」 どこか泣き出しそうになっていた気持ちが表に出ていたのか、歩きだそうとしていたシェリルさんも私のほうに向き直ってくれた。 「急にどうしたの?」 「えっと、うまく言えないんですけど。今この手を離したらシェリルさんが遠くに行ってしまう。何言ってるんだろうって思われるかもしれませんが、そんな気がしたんです」 支離滅裂でなかなか上手く言葉を伝えられない私の頭を優しく撫でながら、シェリルさんはゆっくり私が言い終わるのを待っていてくれた。 「……そんなことないわよ。でもそれってプロポーズ?」 「な、そ、そんなつもりじゃっ!」 「えー、違うのー? ショックー」 「う、いや。違うというかなんというか……ぅぅ、違わないです」 わざと大げさに肩を落として落ち込むシェリルさんに釣られて、何か重要なことを言ってしまったような気がする。 「あはは、もう冗談よ! 本当にランカちゃんは可愛いわねー」 「もうシェリルさん!! 真面目に聞いてくださいよ!」 「あはは、ごめんごめん。……でもありがとう」 それでも最後にポツリと小さく言ってくれたシェリルさんの言葉に私はようやく安心出来た。 普段私をからかってばかりでどこか捉えどころのないシェリルさんだからこそ、たまに言ってくれる真剣な言葉が本音なんだということが今の私には分かる。 大丈夫。気持ちは伝わっている。 これからも一生隣にいたいし、たとえシェリルさんが嫌って言っても絶対離れないですよ! 終わり。
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/19.html
用意された控え室で衣装に着替えたシェリルは、撮影セットでランカと顔を合わせた。 以前、美星学園で束の間同級生であった時間を思い出させるような、制服風の姿。 それがどこか気恥ずかしくて、どちらからともなく笑い出す。 「何だか不思議な気分ね。こんな格好で並ぶ時が来るなんて」 「そうですね。でも嬉しいです!」 「ランカちゃん。それ、何回目の『嬉しい』かしら?」 「だって嬉しいんですもん!」 そもそも、2人で正式にデュエット曲を歌う、と決まった時からずっと、 ランカは事あるごとに、「嬉しい」と口にしていた。 「一緒に歌えて嬉しい」 「一緒に練習できて嬉しい」 「一緒に舞台に立てて嬉しい」 素直に喜ぶランカが可愛くて、シェリルは自然とその頭を撫でる。 「美星の制服も似合っていたけど。その服も似合っているわね」 「ありがとうございます! 私、シェリルさんとまたお揃いの服を着られると思うと嬉しくて……あれ?」 「どうしたの?」 「お揃い……じゃない?」 ランカが、自分の衣装とシェリルの衣装を交互に指差す。 改めてみると、2人の衣装は似ているようで違う点が多かった。 1つのイメージを元に作られた筈で、一目みればお揃いだいう印象を受けるのだが、 よくよく見ると、それぞれの雰囲気に合わせてか、異なる部分が少なくない。 「そうみたいね。リボンとネクタイ。上着の裾も違うし」 「……そんなぁ。お揃いだって聞いて、楽しみにしてたのに」 「でも、基本は同じなんでしょう? 衣装って、着る人の個性を強調するっていう一面もあるから、 それを考慮しての変更なんじゃないかしら?」 「お仕事だっていうのは、分かるんですけど……」 シェリルの言い分に、間違いはない。 それはランカも理解しているだろうが、期待を裏切られた感は否めないらしい。 つい先程まで、「嬉しい」とはしゃいでいたというのに、 今は、大袈裟な位に肩を落としてしまっている。 「この位で落ち込まないの。これから一緒に撮影なのよ? ジャケットに2人で映れるなんて嬉しいって、貴女言ってたじゃない?」 「は、はい! それは嬉しいです! 大好きなシェリルさんと、こんなに長い間一緒にいられるの、初めてですし」 「……だったら、そんな顔しないで。もっと笑って?」 「そ、そうですよね」 ランカは頷くが、そうして浮かべた笑顔は普段のそれよりややぎこちない。 それに気付いたシェリルは、心の内で全くこの子は、と呟いた。 「大好きなシェリルさん」と簡単に口にするほど大胆なのかと思えば、 こんな些細な事で、気を落としてしまう。 それら全てが、シェリルを思う気持ちから来るのは、シェリル自身もう知っていた。 だから、放っておけない。 シェリルは黙ってランカの横に並ぶと、その手をとって、指先を絡めた。 急な密着に驚いたのか、ランカのふわふわよく動く髪の毛が飛び上がる。 「シェリルさん!?」 「ジャケット、このポーズでとりましょう?」 「え、ええ?」 「衣装が少し違うくらい、なぁに? 服のデザインが多少違っても、私達の心は一緒なんだから。 それを、こうして見せ付けてやればいいだけの話よ」 片目を瞑りながら言うと、ランカがようやく、心からの笑みを見せる。 その笑顔に、シェリルの心も弾んだ。 ランカがシェリルに関わる事で気持ちを上下させるように。 シェリルもまた、ランカによって気持ちを左右されてしまうのだ。 それは、つまり。 「えへへ……嬉しいです。 普通に手を繋ぐより、もっとシェリルさんに近づいてる感じで」 「あら。じゃあ、もっと喜ばせてあげようかしら?」 「え、もっと?」 「私も大好きよ、ランカちゃん」 そういう事、だ。 シェリルの言葉に、ランカは最早「嬉しい」とも言えず、ただ顔を赤くしている。 やがて2人は視線を交わすと、セットの中へと歩き出した。
https://w.atwiki.jp/gogoanison/pages/1239.html
一覧に戻る 16 59 59Kalafina - Magia 17 00 57Fire Bomber - SEVENTH MOON 17 06 00Fire Bomber - PLANET DANCE 17 10 20Fire Bomber - 突撃ラブハート 17 14 30Fire Bomber - POWER TO THE DREAM 17 18 14MYLENE GENIUS - My Friends 17 23 11Fire Bomber - REMEMBER 16 17 27 26MYLENE GENIUS - ・・・だけどベイビー!! 17 32 56Fire Bomber - HOLY LONELY LIGHT 17 36 17Fire Bomber - TRY AGAIN 17 41 12MYLENE GENIUS - 恋のマホウ 17 45 29Fire Bomber - DYNAMITE EXPLOSION 17 49 25Fire Bomber - PARADE 17 54 00熱気バサラ - ANGEL VOICE 18 00 40SHARON APPLE - INFORMATION HIGH. 18 08 45菅野よう子 - Dog Fight 18 12 55新居昭乃 - Voices 18 16 45ランカ・リー=中島愛 - 「超時空飯店 娘々」CMソング (Ranka ver.) 18 17 24坂本真綾 - トライアングラー 18 21 48シェリル・ノーム starring May n ランカ・リー=中島愛 - Get it on~光速クライmax 18 26 08シェリル・ノーム starring May n - 射手座☆午後九時Don t be late 18 31 52ランカ・リー=中島愛 - アイモ~鳥のひと 18 35 33シェリル・ノーム starring May n - pink monsoon 18 40 11ランカ・リー=中島愛 - 虹いろ・クマクマ 18 45 04シェリル・ノーム starring May n、ランカ・リー=中島愛 - dシュディスタb 18 50 58シェリル・ノーム starring May n - ギラギラサマー 18 55 51ランカ・リー=中島愛 - What bout my star? 19 00 41ランカ・リー=中島愛 - 星間飛行 19 04 28シェリル・ノーム starring May n - ダイアモンドクレバス 19 10 24ランカ・リー=中島愛 - 蒼のエーテル 19 14 09ランカ・リー=中島愛 - ニンジーン Loves you yeah! 19 15 14ランカ・リー=中島愛 - 開拓重機 19 16 41シェリル・ノーム starring May n - ユニバーサル・バニー 19 22 42シェリル・ノーム starring May n - ノーザンクロス 19 27 47ランカ・リー=中島愛 - アナタノオト 19 32 51シェリル・ノーム starring May n - 禁断のエリクシア 19 38 15ランカ・リー=中島愛 - 放課後オーバーフロウ 19 43 37シェリル・ノーム starring May n - オベリスク 19 48 37ランカ・リー=中島愛 - ホシキラ 19 53 16シェリル・ノーム starring May n、ランカ・リー=中島愛 - インフィニティ#7 19 57 26シェリル・ノーム starring May n、ランカ・リー=中島愛 - ライオン 20 02 32シェリル・ノーム starring May n、ランカ・リー=中島愛 - サヨナラノツバサ -the end of triangle- 一覧に戻る