約 495,198 件
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/65.html
ある日の午後。 次の仕事まで時間はあるしと楽屋でのんびり寛いでいたシェリルさんと私。 しかしそんな静寂を打ち破るような音が外から聞こえた。 「ん? 何か外で声がしない?」 シェリルさんのその声に呼応して、私も意識を楽屋のドアにやると 確かに楽屋の外がにわかに騒がしい気がする。 「まさかトラブルじゃないでしょうね……?」 「どうなんでしょう?」 恐る恐る私達がドアを開けると、そこには心配していたようなトラブルではなかったけれども 私達二人にとってはある意味トラブルな出来事が待っていた。 「うぅ、ママぁ……どこー…」 3歳ぐらいかな? うさぎのぬいぐるみを脇に抱えた小さな女の子が、ここにはいない母親の名前を呼びつつ泣いていた。 誰かスタッフは!? 周囲を見渡してみるものの、皆遠くで慌ただしく駆け回っているようで、泣いている子供に気付く余裕もないみたい。 どうしよう…… まさか泣いている子供を放っておくわけにもいかない。 「ママとはぐれちゃったの? お姉ちゃん達がママを見つけてあげるから大丈夫だよ。とりあえず中に入ってお話聞かせてくれる?」 「っく。うん…」 私が女の子の目線と同じ高さになるようにしゃがんでゆっくり尋ねると、女の子はまだ泣いているもののコクリと小さく頷いてくれた。 呆然としていたシェリルさんも、楽屋に入ってようやく我に返ったのか落ち着いてくれて一安心。私一人ではやはり不安だし。 しかし楽屋で椅子に座らせて女の子を落ち着かせようとしてみるもなかなか泣き止んでくれず、何を尋ねても要領を得られない女の子に私は途方に暮れていた。 困り果てて私まで泣きたくなってくる。 そんな中で今まで黙っていたシェリルさんが発した言葉は絶大な効果を現した。 「いい、よーく聞きなさい。女の子の涙はね。ここぞという時までとっておくのよ。だから今は泣いちゃ駄目」 「ちょっ! 子供に何を吹き込んでいるんですか、シェリルさん!」 「あら? 本当のことでしょう? 普段泣く姿を見せないからこそ、大事な時に絶大な効 果を発揮するのよ」 確かにシェリルさんの言う通りかもしれないけれど…… こんな小さな女の子にそんなことを言っても理解出来ないと思う。 しかしシェリルさんの悪戯めいてはいるものの真剣な表情に何かを感じ取ったのか? 女の子がピタリと泣き止んでくれて私は驚きつつ、将来周りの男の子が振り回されそうだなぁと遠い未来の心配を少ししてしまった。 でもまぁとにかくシェリルさんのお陰で?泣き止んでくれたからようやく話が出来る。 「で、あなたのお名前は?」 「リ、リィン……」 「リィンちゃんかー。ママのお名前分かる? どんなお仕事してるとか。」 「わかんない……いつもはお家でお留守番なの。でも今日はママに連れてきてもらって」 「そっかー。じゃあスタッフさんか出演者の人なのかなぁ。何か目印みたいなのあるかな…」 先ほどから私達の会話を横から口を挟まずに聞いていたシェリルさんがどこかに電話をかけ始めた。恐らくスタッフさんに迷子を探している母親がいないか尋ねてもらっているのだと思う。 あまり動くとまた分からなくなってしまうし、ここにいたほうがいい。 また少し不安になったのかぎゅっとリィンちゃんがうさぎのぬいぐるみを抱きしめた。 そういえばずっと脇に抱えていたんだった。 「可愛いうさぎさんだねー。仲良しなの?」 私が尋ねると少し元気になったのか 「うん! いつも一緒にいるお友達のカレンちゃん! お姉ちゃん達もお友達?」 さすが小さい子。ころころ表情が変わって面白いなぁ。 そんなことを思いながら私が答えようとするのを遮るように、背中に何かが押しつけられた。柔らかい物を感じる。 「うーん? お友達というよりも恋び、むーっ」 いつの間に電話を終えていたのか、シェリルさんが私の背後から抱きついてきて爆弾発言をしそうになっている。 私は慌ててシェリルさんの口を手で押さえつつ 「あ、あははっ……何でもないよ。気にしないで!」 私達のやりとりに不思議そうな表情をしているリィンちゃんに対して軽くごまかす。 「ちょっとシェリルさん。子供相手とはいえ何言い出すんですか」 「何って本当のことに決まってるじゃない。私がランカちゃんを愛してるのは事実なんだ し。友達じゃないもの」 「なっ、そ、それは私もそうですけど……」 小声でシェリルさんに注意するも、ストレートにこう返されては何も言えなくなってしまう。 真顔で言うのは反則だと思う…… 私がシェリルさんのこの表情には弱いのを知っててやるんだから。まぁいつでも弱いんだけど。 「お姉ちゃんお顔赤いよー。どうしたの?」 そんなことを考えていたせいか脳内は別の世界に旅立とうとしていたらしくリィンちゃんの私を呼ぶ声にふと我に返った。 「え、うそ!? 気のせい気のせい。 ああえっと、そうだ!なんかここの部屋が暑くてねー」 「そうそう、あついからねー。いろいろと」 慌てる私を見てにやにやしながら合わせてくれるシェリルさん。絶対わざとだ…… そんなこんなでぬいぐるみのカレンちゃんも交えて4人?で賑やかに過ごしていたら ドアをノックする音が聞こえた。 「あ、ママが来てくれたのかな? はーい、どうぞー」 私の言葉に即座に反応してドアに駆け寄るリィンちゃん。 開いた扉から若い女性が入ってくる。恐らく20代半ばぐらいだろう。 「ママ!!」 「リィン!無事で良かった!ママが目を離しちゃってごめんね」 そうリィンちゃんを抱きしめるリィンちゃんのお母さん。 後から聞いた話によると他の出演者の方のスタイリストさんだったようで、いつもリィンちゃんを預かってくれている人が今日に限って都合が悪く、仕方なく仕事場に連れてきたものの仕事が忙しく少し目を離した隙に、リィンちゃんはどこかにいなくなってしまったとのこと。 「すみません!うちの子がご迷惑をおかけしたようで。ランカさんとシェリルさんのお手 を煩わしてしまい、本当に申し訳ございません!ありがとうございます!」 私達が芸能人というのもあるのだろう。 平身低頭のお母さんになんだかこちらまで恐縮してしまう。 なんだか照れますね。 そうシェリルさんに言おうとして隣にいたシェリルさんの横顔をふと見るとリィンちゃんに対して頭を撫でながら慈しむような表情で 「ママに会えてよかったわね」 と話しかけているのだけれども、その姿がどこか寂しげに見えたのは私の気のせいだろうか。 私も親はもういないけれども、優しいお兄ちゃん達がいる。 でもシェリルさんには保護者代わりだったグレイスさんも今はいないし身よりがないんだ。 そのことを忘れていたわけではないけれど、普段はあまり考えていなかったことを改めて意識して複雑な気持ちになる。 「お姉ちゃん達ありがとうー!」 「さーて、そろそろ仕事の時間ね。今日も残りを頑張りますか~」 リィンちゃん母娘と別れの挨拶を済ませてひらひらと手を振っていたけれど、一転して無理に明るく振る舞っているかのようなシェリルさんの態度がどこか気になって。 なんだかリィンちゃんよりもシェリルさんが迷子のように見えてしまう。 シェリルさんの背中が遠ざかっていく。 どこかへ行ってしまう。 やだ! 行っちゃいやだ! そんな錯覚を起こした私は無意識にシェリルさんの手を掴んでいた。 「ランカちゃん……?」 「私じゃシェリルさんの家族にはなれませんか?」 どこか泣き出しそうになっていた気持ちが表に出ていたのか、歩きだそうとしていたシェリルさんも私のほうに向き直ってくれた。 「急にどうしたの?」 「えっと、うまく言えないんですけど。今この手を離したらシェリルさんが遠くに行ってしまう。何言ってるんだろうって思われるかもしれませんが、そんな気がしたんです」 支離滅裂でなかなか上手く言葉を伝えられない私の頭を優しく撫でながら、シェリルさんはゆっくり私が言い終わるのを待っていてくれた。 「……そんなことないわよ。でもそれってプロポーズ?」 「な、そ、そんなつもりじゃっ!」 「えー、違うのー? ショックー」 「う、いや。違うというかなんというか……ぅぅ、違わないです」 わざと大げさに肩を落として落ち込むシェリルさんに釣られて、何か重要なことを言ってしまったような気がする。 「あはは、もう冗談よ! 本当にランカちゃんは可愛いわねー」 「もうシェリルさん!! 真面目に聞いてくださいよ!」 「あはは、ごめんごめん。……でもありがとう」 それでも最後にポツリと小さく言ってくれたシェリルさんの言葉に私はようやく安心出来た。 普段私をからかってばかりでどこか捉えどころのないシェリルさんだからこそ、たまに言ってくれる真剣な言葉が本音なんだということが今の私には分かる。 大丈夫。気持ちは伝わっている。 これからも一生隣にいたいし、たとえシェリルさんが嫌って言っても絶対離れないですよ! 終わり。
https://w.atwiki.jp/kingofgod_justice/pages/27.html
シェリアのファンは差別主義者 シェリアのファンは倫理観が欠如していて容姿でしか人を判断できないから 「でも中身より外見じゃね? シェリアは可愛いから許される」 「シェリアは何をやっても許されるがシェリア以外は悪いことは許さない」 「人間の中身などどうでもいい」 という思想になっている それ故に外見だけで徹底的に差別をする シェリアが自分のことを棚に上げて他人を非難すれば人間臭い、普通の女の子と言って済ませる アスランが自分のことを棚に上げて他人を非難すればアスランはクズだと猛烈に批判する 親の死というこれ以上ない悲しみにくれるアスベルに対してシェリアが追い討ちをかけるようなことを言えば人間臭い、普通の女の子らしいで済ませる なりダンXのアルベルトが「故人を冒涜し、遺族の気持ちを踏みにじる発言」をすればクズだと批判する シェリアのあまりにも身勝手な言動や態度は人間臭い、普通の女の子で済ませて批判しない TOAのルークの序盤のあまりにも身勝手な言動や態度は批判する シェリアが男に対して片っ端から媚びを売って自分の物にしようとすれば人間臭い、普通の女の子らしいで済ませる ジョーカー(ペルソナ5)が9股をかければクズ、ロクデナシと批判する これはひどい・・・手首がねじ切れんばかりの手のひら返しとはまさにこのこと シェリアのような性欲の対象になりうる可憐な女性なら畜生にも劣る下劣行為を無条件で許すが、同じことを男などがやれば鬼の首を取ったよう批判するのである。 ファンの脳内にしか存在しないイベントの話を誰もが知ってる前提で振るとかざらだからな シェリアのファン曰くシェリアのやってる卑劣な行動の数々は現実的な女性の不条理な感情を描写だそうだが、これはシェリアのファンは「世の中の女の頭には世の中のゴミが全て詰まっている」と言いたいわけであって明らかな女性蔑視である。 もしもシェリアのファンの言っていることが全て事実だったら シェリアのファンが語ることが事実なら現実世界はこのような世界観になっている 美少女はどれだけ犯罪を犯しても罪に問われないという学級法廷という漫画や現代社会なんて目じゃないほどの徹底的すぎる女尊男卑かつ人の中身などどうでもいい世界観で、それ故に美少女がヒャッハー!しているという世紀末なイカれた世界(北斗の拳のモヒカンを美少女に変えた世界と言えばわかりやすいか) ほぼ全ての女性が異常人格者で頭には世の中のゴミが全て詰まっている 女の子が陰湿ないじめをする、理不尽な理由で因縁をつける、木刀を持って上級生に殴り込みしに行く、万引きなどの犯罪を犯しまくる、インターネットのサイトでいいねをもらうために殺人未遂を犯す、適当なこじつけで他人の物を破壊するのは当たり前 多くの男は生き残る、犯罪を犯す、不当な理由で処刑されない為に性転換手術を受ける 世紀末美少女伝説 差別の拳 とでも言った所か? しかし、実際はこのようなことになっていない。これはシェリアのファンがどれ程嘘つきなのかを証明しているのではないだろうか。 コメント欄 名前 バンナムに宣伝してリマスターの時にそのシーンを追加して貰えば? - 名無しさん (2019-10-31 22 16 38) 何かバンナムに恨みあるの? - 名無しさん (2019-10-29 20 58 52)
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/89.html
←これまでのお話 80 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2009/12/22(火) 03 00 57 ミシェルから話を聞いたアルトは、二人がいなくなった自室で一人呆然としていた。 正直なところ、信じられないという感情が一番大きかったのだけれど、渡された資料に書いてある症例は確かにシェリルに当てはまる。 何度も、何度も読み、頭の中で噛み砕こうとしたけれど、その事実に頭がついていかない。 言葉がくるくると頭の中を回るだけで、アルトの脳裏から消えてくれなかった。 目の前の少女は死病に侵されており、いつかは分からないけれど、近い未来に"死ぬ"のだという。 いつかの母のようにある日事切れ、温かい身体が冷たく、硬くなっていくのだという。 笑顔がいつしか思い出の中のものとなり、言葉を交わすことも出来なくなるのだという。 不意に脳裏に甦った情景。 街中で母と重なった意味がようやく分かった。 また、あのような悲しい別れがすぐ側まで近寄っているのかもしれないのだ。 その事実にアルトの心が震えた。 部屋の隅においてある椅子から遠目に見ても、今自分のベットで眠るシェリルに母の姿は重ならない。 乱れていた呼吸も、赤く染まっていた頬も、もういつもの色に戻っている。 それなのに身体は治ってなどおらず、病に蝕まれたままなのだという。 アルトは静かに立ち上がるとシェリルの元へと歩み寄り、ベットの縁に腰掛けると眠るシェリルをじっと見つめた。 長い睫が頬に影を落とし、白磁のような肌が美しい。 改めて、整った顔立ちをしているのだと思った。 何の感情も浮かべていないその表情はまるで人形のようだったけれど、僅かに開いた唇から漏れた呼吸や穏やかに上下する胸元が、彼女が生きているのだということを教えてくれる。 ―自分は、眠る彼女のために何ができるのだろうか? ―一介の雇われ兵でしかない自分に出来ることなど、あるのだろうか? 頭の中に生まれた疑問がアルトの心を重くしていく。 答えがすぐに出てこないもどかしさに、アルトはぎゅっと拳を握り締めた。 答えが出てこないということは、シェリルに対する自分の立ち位置すら分かっていないということだ。 ミシェルは、クラン大尉ならどうしたのだろう? 彼等は、彼女の病を知ってどうすることを決意したのだろうか? こんな時ですら他人を気にし、自分を持てない自身にイラつきが芽生える。 それが、とても悔しかった。 自分が、何も変わっていないと誰かに言われているようで、とても苦しかった。 -守りたい そう思う感情はある。 けれど、それが何の役に立つというのだろうか? そんな自分本位な感情を彼女が喜ぶとも思えない。 なら、自分が出来ることは何なのだろうか。 アルトの思考が無限のループに陥っていく。 悔しさに握り締めた拳が、手のひらに食い込み、傷を作っていく。 もどかしくて、もどかしくて、 悔しくて、情けなくて、たまらなかった。 自分は、まだあの時のままなのだろうか。 ただ、ただ、日に日に痩せていく母を見ているだけしか出来なかった幼子のままなのだろうか。 母の死に泣くことしか出来なかったあの時のままなのだろうか。 自分の小ささを思い知らされる。 誰かを守りたいという感情が、どれだけ思い上がったものだったのかを思い知らされる。 自分の幼さが尚更自分を惨めにさせていく。 熱くこみ上げてくるものを必死に押さえ込みながら、アルトは必死に唇を引き結ぶ。 そして、ぼやけそうになる視界に映ったふわふわのピンクの髪にそうっと触れた。 ふわふわの感触。 手に優しく絡み、アルトの震えそうな吐息に触れると手から逃げ出そうとする。 シェリルが呼吸をするたびに、ゆっくりと動き、そしてまたもとの位置へと戻ってくる。 優しく、優しく、壊れ物を扱うようにして撫でてやると、甘いシェリルの香りがふわりする。 布団越しに伝わるシェリルの体温が温かい。 それがアルトの胸を締め付けた。 -失いたくない。 -消えてしまわないでほしい。 -傍にいて欲しい。 -ずっと、ずっと、傍にいて欲しい。 心の内で騒ぎだす感情に、苦しさが増してくる。 -失いたくない それ以外、もう何も考えられなかった。 滲みそうになる涙を留め、息を堪える。 息を吸い込もうとするたびに、胸が焼けつくように痛む。 眠るシェリルを起こさないように、アルトは必死に息を殺した。 「・・・んっ・・・」 どれくらい経ったのだろうか? シェリルから聞こえた声にアルトが我に返り、ベットに視線を向けるとシェリルが大きく息をする。 シェリルを拾ってから随分と時間が経っているはずだから、もうそろそろ目覚めるのかもしれない。 そうアルトが思った瞬間、ぱちっとシェリルの瞳が開いた。 寝ぼけ眼がのまま、ぼんやりを天井を見つめていた空色がアルトを捉えた瞬間に少しだけ柔らかく見えたのは、欲目だろうか。 小さなアルトが嬉しさにほっとするより先に、シェリルの瞳が我を取り戻す。 アルトの一声は紡がれることなく、シェリルの声にかき消された。 「ッ、キャーーーーーー!!やだ、何するのよ!!」 「う、わっ、バカっ!!落ち着け!!」 どこかで聞き覚えのあるセリフに一度アルトの思考が停止する。 けれど、次の瞬間にはシェリルから繰り出された数発のパンチをかわす為に無理やり起動させられ、次々に襲い来るパンチを懸命に避けることを余儀なくされる。 いくら男女に力の差はあるといっても、流石に女性の全力を喰らうのは遠慮したかったので、アルトは急いで身をかわす。 日頃のSMSの鍛錬の成果なのかは分からなかったけれど、今回はなんとか一発も喰らわずにすんだ。 「・・・・そっか、アタシが」 「思い出したか。」 これも毎度のパターンなのだろうか。 殴られなかったこととシェリルが我に返ったことにアルトがほっとすると、シェリルが自身の2度目の勘違いに頬を染める。 その様子にはぁっと溜め息をついてみせると、シェリルが気まずそうに視線を泳がせる。 少し前と変わらないやり取りに自然とアルトの口元が緩み、つられてシェリルが笑った。 「これで、何度目になるのかしら?・・・アルトに助けてもらうのって。」 「さぁな。でも、まぁ毎回殴られるのは勘弁してくれ。」 「あ、あれはちょっと、驚いてっ!!」 「お前は、振り回しすぎなんだよ!しかも、ぐーだぞ!ぐー!!」 「グーって・・・ふふっ、あははははは。」 「なっ、笑うことはないだろ?!被害者は俺だぞ!」 真剣なアルトに対して、シェリルは楽しそうだ。 アルトが『ぐー』と可愛らしく連呼しながら訴えたことが壷にはまったようで、お腹を抱えて笑っている。 そんなシェリルに必死に訴えていたアルトもやがて諦めたように大人しくなった。 「・・・・喉、渇いてないか?ミネラルウォーターならあるぞ。」 「常温のやつ?」 「あぁ。」 「じゃあ、貰うわ。」 シェリルが笑い終わるのを待ってからそう声をかけてやると、シェリルが頷く。 ベットがあるのとは反対の壁につくられているロッカーの一角から自分の分とシェリルの分を取り出してシェリルに放ると、シェリルがうまくキャッチする。 すぐさま、カチリっという小気味いい音が部屋に響いた。 それを真似るようにアルトも自分の分の封を切る。 自分もペットボトルに口をつけると部屋の中は一気に静まり、コポコポと水が流し込まれていく音だけがする。 1/3ほど飲んだ後で、冷静さを取り戻したアルトはシェリルに向かって、クラン大尉から渡された錠剤を投げた。 「何?コレ。」 「薬だ。」 「・・・いらないわ。」 「いいから飲めよ。また、具合悪くなったらどうするんだ?」 「・・・大丈夫よ。私のことは、私が一番分かってる。ソレは"いらない"の。」 「・・・・・・」 アルトが諭すように言っても、シェリルは頑なにそれを拒む。 それが普通の拒み方とは違う意味が含まれていることにアルトも気づいていた。 "分かっている"というシェリルの態度から、彼女自身も身体を蝕んでいるものについてある程度は知っているのだろう。 一人、"覚悟"を決めているのかも知れないと考えた瞬間、一連の流れで消えていた先ほどまでの痛みが、また戻ってきた。 不意に降りた沈黙に、シェリルが不思議そうになる。 取り繕わねばっと我に返ったアルトが慌てたけれど、それより先にシェリルが先ほどまでアルトが座っていた椅子に乗せられた資料を見つけてしまった。 一瞬にして、空色の瞳が表情を失う。 氷のような冷ややかさに変わったそれに射抜かれたアルトが動けずにいると、シェリルがベットからゆっくりと抜け出した。 「お、おい・・・・。」 「悪かったわね、巻き込んで。もう大丈夫よ、アリガトウ。さようなら。」 アルトに一瞥もくれず、まっすぐと出口に向かうシェリルにアルトが戸惑う。 熱が下がったといっても先ほど飲まされた薬の効果でしかない可能性もあるし、第一そんなにすぐ回復するはずがないのだ。 感情を失ったシェリルの淡々とした口調に慌てたアルトがシェリルの後を追うけれど、シェリルは振り向きもしない。 咄嗟にアルトがシェリルの腕を掴むと、火傷するかのように振り払われた。 「何?お礼は言ったはずよ?」 「・・・大丈夫なわけないだろう?」 「だから、何?」 「だから・・・・」 シェリルの剣幕にアルトが押される。 踏み込むことなど許さないという瞳がきつくアルトを睨みつける。 届かない自分の感情にアルトが言葉を濁すと、シェリルがあざ笑うかのように唇の端を上げた。 そのまま壁にかかった自分のワンピースを取り上げ、アルトの予備を着た上から羽織り、器用に着替えを済ませる。 脱いだ隊服をアルトに渡し終えるとシェリルは悠然と腕を組んでみせた。 「何?こうやって服を貸したように自分が面倒を見てやろうって?お生憎さま、結構よ。」 「ち、違うッ!!」 「じゃあ、何?ギャラクシーのことでもを教えろって?それも無理よ。生身のアタシがアクセスできる情報なんてギャラクシーの一般市民以下よ。グレイスとも完全に切れたから、アタシが知ってることはゼロ。残念だったわね。」 「そんなんじゃないっ!!ただ、俺は・・・」 「何、同情?それこそ、余計なお世話だわ。」 「だから、違うって言ってるだろうっ!!」 シェリルの冷淡な言葉に、とうとうアルトが言葉を荒げた。 それが誰に向けた言葉であっても、言葉の鋭さは容赦なく全ての傷をえぐるのだ。 傷つかないはずがない。 もう、止めてくれっ!!っと叫んだアルトの声にシェリルがびくりっと震え、アルトも自身の上げた声の大きさにはっとなる。 慌ててシェリルを見返すけれど、シェリルは変わらず真っ直ぐな視線をアルトにぶつけていた。 引き結ばれた唇を精一杯かみ締め、挑むようにしてアルトを見据える青い瞳。 絶対に服従などしない、お前など要らない、という拒絶の色。 そう語る瞳が、アルトの心をきつく締め付けていく。 それが、痛くて、痛くてたまらなかった。 それが、とても苦しくて、悲しい。 触れられる距離にいるというのに、触れさせて貰えない。 さっきまでは笑って話せていたというのに、今は心を開いても貰えない。 つづく→
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/160.html
228 名前:22話補完「ノーザンクロス」[sage] 投稿日:2012/09/17(月) 21 23 05.18 …彼女は強い女だから。だからきっと大丈夫だと、俺はずっとそう思っていた。 彼女は強いから、自分の足で立つ事が出来る。彼女は強いから、必ず立ち直る事が出来る。 彼女は…シェリルは強いから。だからきっと俺やランカが憧れた様に… 自分の力で歌う意思を取り戻す事が出来る…。俺はずっと、そんな風に思っていた。 (だけど違う……) あの日面影が重なった母さんの様に、彼女も俺が守らなければならない、 守らなければ消えてしまう、弱い存在なのかもしれない。 胸に込み上げるこの焦燥は…多分そう云う事なんだ。 そんな想いを抱えたまま、俺は思わず叫んでいた。 「やめろっ!…もういい…もういいんだ、シェリル」 「聞いたのね…。そっか…あんたにだけは知られたくなかったな…」 そう答えたシェリルの声は、やはり弱弱しくて、以前俺に憎まれ口を叩いていた 彼女の声とはまるで別人の様に聞こえた。本当に其処にいるのは彼女なのか…と、 我ながら馬鹿馬鹿しい不安に駆られて、そっと背中の障子戸を開く。 「なんでだろう…。病気の事が分かった時、真っ先にそう思ったの…」 「シェリル……」 けれど、開いた隙間から覗くのは、やはり見慣れたシェリルの姿で。 その姿の彼女は、数日前と同じ。俺を遺して逝ってしまった母さんの姿を思い出させた。 背中にちらつく死と云う絶対の別れの影…。身震いする様な不安に駆られると、 もうどうする事も出来なかった。障子戸を開き、懐かしい母さんの部屋に入ると… その中央で上体を起こしているシェリルの華奢な肩に触れる。 出来るだけ優しく…彼女を傷付けない声色を作って。 「もう良い。もう無理して笑わなくて良い…歌わなくて良いんだ、シェリル」 「―――イヤよ!あたしは歌うわ!!」 けれど―――けれど。そんな俺の感傷を吹き飛ばしたのは、烈火の様に 激しい拒絶の言葉だった。魂から迸る様な強い言葉。重なりかけていた 母さんの面影を吹き飛ばす様な…そんな、強い決意を感じさせる言葉だった。 (そうだ、彼女は強い…。シェリルは強い女だと…俺は、ずっと…そう思って……) ――そう、思っていた筈だったんだ。けれど違う。いや…これも違う。シェリルは強い。 だけど…同時に脆い弱さを持った女の子だった。その事にずっと…今までの俺が、ずっと 気付けずにいただけなんだ。そして、一度その事に気付いてしまうと、 再び焼ける様な焦燥が全身を襲った。 「あたしにはもう歌しかないの。それだけがあたしの生きた証なのよ…! だから……あたしは……」 手を伸ばせばすぐに届く近い距離。目の前にいるシェリルの瞳から透明な涙が ぽろぽろと溢れて、ゆっくりと布団へと零れ落ちていく。その光景を見た瞬間に… 今まで繋ぎ止めていた何かが、自分の中でも溢れ出すのが分かった。 気付かぬ内に伸ばされた腕が、しっかりとその中に彼女の細い体を抱き締める。 余りに細くて華奢なシェリルの体……。何度かこの手に抱き止めた事はあったのに。 あのガリア4でも。SMSへの道の途中でも。そして美星の屋上でも、 何度もふらついた体を受け止めた事はあった筈なのに。それでも今…これまでとは 全く違う意味で、俺は初めてシェリルの体を抱き締めていた。 ふわり…とこんな時にさえ甘い匂いが鼻腔を擽る。 どくどくと云うシェリルの鼓動の音が、身に着けた衣服ごしに伝わって来る。 つんと胸を突く様な痛みが込み上げて来て、俺の心を締め付ける…。 「でも、怖いの…。怖くて寂しくて。変よね、あたしはシェリル… シェリルとして生きるって決めたのに…」 「っ……!俺がいてやる!お前が歌うなら、その最後の瞬間まで俺はお前の傍にいる…!」 「アルト……」 そうして胸の中に抱き締めたシェリルの体を離さぬ様に… より強く自分へと引き寄せながら。気付けば俺はそんな言葉を口にしていた。 シェリルが俺の労わりを拒んだあの迸る叫びの様に、気付けば溢れ出た自身の本音。 その本音に、漸く……本当に漸く、自覚する。この身を包む焦燥の意味も。 思わず抱き締めた両腕の意味も。今腕の中にシェリルが存在している 事の意味も―――…自分自身の心が出した彼女への気持ちを、漸く俺は自覚した。 (シェリル…俺は…俺は、お前が…) 込み上げてくる想いの意味を自覚した俺は、もう一度シェリルの顔を見たくなって、 抱き締めていた腕からゆっくりと力を抜いた。何時だって俺を強気に見つめ返して来た 空色の瞳。その瞳に滲んだ涙が月明かりに照らされて、あんまりに綺麗で――― 気付けば俺は…そっと彼女の顔に、自身の顔を近づけていた。 「アルト…私に勇気を頂戴…。ずっと歌い続ける勇気を……」 そして、俺の行為を拒まずにシェリルがそんな言葉を口にしたから。 だから、頭の隅の方で「ああ、良いんだな…」と、俺の方もまたそんな事考えながら。 しっとりと濡れたシェリルの唇に自身の唇を重ねたまま…ゆっくりと体重を傾けて行った。 「あ…、はぁ…っ。ん、んふ…」 「―――シェリル…」 重なり合った唇から苦しげな息遣いが漏れる。以前にも一度だけ触れた事のある唇は、 あの時と同じで蕩ける様に柔らかい。そっと自分の唇を重ねながら軽く下唇を食んでみる。 触れ合う事で僅かに汗ばんだ肌から伝わる鼓動の音は早い。自分の心臓の音と シェリルの心臓の音が、唇の様に重なり合いながら、どくどくと早鐘を打つのが分かった。 「はぁ…はぁ…シェリル…シェリ…ル…っ」 「ぁ…ん、んぅ…」 上下の唇の僅かな隙間から、そっとシェリルの口内へと自身の舌先を差し入れる。 おっかなびっくりの不慣れな行動に同じ様に小刻みに震えながら、それでも シェリルは軽く口を開いて…俺の舌を受け入れてくれた。お互いの緊張を ほぐす様にそっと髪の毛を梳ると、重なり合った唇から小さな吐息が漏れる。 それを了解の合図と勝手に受け取った俺は、そのままゆっくりと彼女の口腔を 探り始めた。温かなぬめりを帯びた粘膜を舌で丁寧になぞって行く。荒い息を吐きながら そこを探っていると、ぎこちない動きでシェリルの舌も精一杯俺に応じて来てくれた。 「んっ…ん、はっ…シェリル…んっ…」 「アルト…ぁ、はぁ……あると…!」 不慣れな動きで舌と舌が触れ合い唾液の絡まる水音が響く度、 崩れ落ちる様に組み敷いた形のシェリルの細い体に漣の様な緊張が走る。 時折びくんと震えながら…俺を受け入れようとしてくれているその事実に ますます興奮を煽られながら、夢中で甘い口内を貪った。 息苦しさに息を吸い込んだ鼻腔に広がる匂い。その匂いに惹き寄せられる様に、 シェリルのふわふわの髪の毛を梳いていた右手を落として、 ゆっくりとゆっくりと……滑らかな肌の上に、指先を這わせて行く。 「あ…、あると…っ…?や、やだ…」 「―――いいから、じっとしてろ」 「ん…っ、んは…あ…」 俺の意図を察してあがる驚きの声をもう一度唇で塞ぎながら、そっと浴衣の 袷の間へと指先を忍ばせた。元々寝間着を兼ねていた浴衣は自然と着崩れていく。 その事を知っているから少し強引な動きで、俺は指先から掌までを さらさらとした布地と肌の間へと押し入れた。 はらりと帯が緩んで、掌の動きに押された浴衣の胸元が大きく開くのが分かる。 途端に固さを増す体を落ち着かせる様に、逸る気持ちを必死に制して 彼女の膨らみを包み込んだ。掌から零れ落ちるシェリルの胸の感触…。 触れた部分から伝わるその柔らかさや弾力にくらくらしそうな意識を 必死に引き戻して、俺はゆっくりとそこを揉みほぐして行った。 「あ……ぁっ…」 「はぁ…シェ、リル…」 「アルト…ん、んふ…はぁ…んぅ…」 その掌に当たる固い感覚。胸の先端にある部分が次第に尖り始め、膨らみを 包み込む掌を押し返しているのが分かった。その間も俺は何度もシェリルの唇に 自分の唇を重ねて、柔らかな口内を探り続ける。離れては重なり、重なっては また息苦しさに離れ…。そんな風に繰り返される口付けで唾液と舌が絡まり合う音と、 そこから漏れる二つの息遣い、さらさらとした衣擦れの音と…俺たちがお互いを呼び合う声。 聴覚に届く全ての音が溶け合って一つの歌になり、ますます俺の興奮を煽った。 ―――もっと、と言う想いが強く胸の中へ込み上げてくる。 もっと彼女に触れたい。自分を感じて零れる吐息と甘い声を聞きたい。 俺に溺れて上がる熱を、その心と共に全身で確かめてみたい…… 「シェリル…」 「アル…ト……?あ…あ、そこ…っ」 優しく揉みしだいていた手の動きを止めて、固くなった先端部分をきゅっと摘むと、 組み敷いたシェリルの身体が小さく跳ね上がるのが分かった。そんな彼女を自分の重さで 押さえ込みながら、コリコリとした感触を確かめる様に指先で其処を弄り始める。 「や…あ、い、痛い…から、アルト…!乱暴にしないで…っ」 「―――ごめん」 だが、俺の指に触れられる度尖りを増していくのが嬉しくて、自分でも気付かぬ内に 余計な力をこめてしまっていたらしい。シェリルの指先が弱弱しい動きで俺の 指先を押し留める。その細い指先に自分の指先を絡めてお互いの手を握り合うと、口付けに 痺れかけていた唇で彼女の白い肌をなぞり始めた。恥ずかしさに染まった項へ、 細い肩口へ、小さく窪んだ鎖骨の間へ…そしてさっきまで指先が玩んでいた 胸の先端へ。謝罪の意味も込めて優しい口付けを落とすと、その感触に 耐え兼ねたシェリルの唇からすすり泣く様な声が漏れた。敏感な女の子の身体を 労わる様に、指先を解放してもう一度そっとシェリルの膨らみを優しく包み込む。 「あぁ…っ、アルト…!」 「ん…っ、はぁ…は…シェリル…」 彼女を労わる様に、傷つけない様に…唇で先端の蕾を吸いながら 掌でゆるゆると揉んでその感触を確かめた。伝わる温もりが愛しくて… そして泣き出してしまいたい位に悲しかった。 (俺は…お前が……っ…) 今夜思い知らされたばかりの想いが胸をきゅっと締め付ける。 その想いを察してくれたのか、否か。気付けばシェリルの細い腕が ぎゅっと俺の頭をかき抱いてくれていた。その、抗いとも悦びとも 判断出来ないシェリルの行為にまた一つ胸を高鳴らせながら…俺は、 ゆるゆると掌を更に下へと這わせて、僅かに出来た足の隙間に忍ばせて行った。 既に肌蹴た浴衣の生地を押しのけてしっとりと汗ばんだ内股を探る。 俺の意図を察したシェリルは、びくりとしながら慌てて足を 閉じようとするが…もう遅い。下着の上から恐る恐る触れてみると、 じんわりとした感覚が指先へと伝わって来た。 「やっ…あ、は…っ、あ、あぁっ…」 「シェリ…ル…っ」 湿りの正体を確かめる為に、サイドの紐をしゅるりと解いて彼女の大切な部分を 守る布地を取り除く。震える指先を我ながら情けなく思い、焦れる気持ちと 込み上げる恐れに急かされながら…直接、先程と同じ場所に触れてみた。 「あぁっ、いや…っ!」 シェリルの唇が紡いだ言葉に、怯えた指先がびくりとその動きを止める。 彼女の許しを請う為に表情を伺うと、思わず漏れてしまった拒絶の言葉を 飲み込む様にシェリルはきゅっと唇を噛み締めていた。 「だいじょうぶ、だから…、アルト…」 「あ、ああ…」 ―――そのまま続けて。途切れた言葉の続きを察した俺は、緊張してどんどん 固くなる体を宥める様に、もう片方の手で胸を揉みながら先端を優しく吸い解す。 噛みしめたシェリルの唇から甘い息遣いが零れ落ちると、入り口の感触を確かめる様に ゆるゆると往復を繰り返していた右の指先にとろりとした雫が絡み付いて来た。 「濡れてる…」 「っ!言わないでよ、バカぁ…っ」 「あ―――…わ、悪い」 恥ずかしそうなシェリルの言葉に思わず謝罪を返しながらも、指先で彼女の感触を探る。 全身に感じるシェリルの柔らかさ……。女の子特有のその柔らかさは、かつて 女形としてどんなに女らしく育てられていても、俺には決して手に入れられなかった物だ。 その事に改めて、自分は男で彼女は女なのだと云う事を自覚する。 (そして何時の間にか男として…俺はコイツの事を…) 今夜気付いたその想いに、胸にズキリと痛みが走った。もっと早くに気付けていれば… もっと何かが変わったのだろうか?俺はシェリルにもっと何か… 別の何かを与えてやれたんだろうか? 「アルト…?」 「―――シェリル…」 俺の気配が変わったと感じたのだろうか?シェリルが不安げな声で俺を呼ぶ。 体に与えていた行為を中断させて布団に肘をつくと、彼女の柔らかな頬に手を当てて、 その不安を取り除く様に唇に今夜何度目かのキスを送った。最初はシェリルを 安心させる為だったその口付けに…また次第に熱が篭り始める。 甘く絡み付いてくるシェリルの舌先と、唾液と…ふわりとした彼女の匂い。 俺がした初めてのキスはシェリルとのキスだった。生まれて初めて唇に感じた 柔らかな女の子の唇の感触。あの時にはこんな風に、こいつと何度もキスする様に なるなんて思わなかった。こんなに失いたくないと思うほどに… 大切な存在になるなんて思わなかった…。 「はぁ…あ、ると…ぁ…」 「―――ん…」 唇を溶け合わせる度にお互いの身体に熱が篭って行くのが分かる。俺の首筋に 絡み付いてかき抱こうとする細い腕に逆らう事無く身を任せると、藤色の布越しに 二つの膨らみの柔らかさが伝わって来た。割って入った膝頭をじんわりと濡らす雫の感触…。 我慢が出来なくなってもう一度ゆっくりと…彼女の大切な場所へと指先を這わせて行く。 堅く閉じた入り口からじわじわと滲み出たその雫を絡めながら、 誘われる様にその部分を割って、俺は自分の指先をシェリルの中へと滑り込ませた。 「っ!?…ぁ、やぁ…ッ!」 「っく…キツイ、な…」 入り込んできた不埒な侵入者を拒もうと締め上げる襞の動きに、思わずそんな言葉が漏れる。 まだ狭いままのそこを解す様に、少ない知識を総動員させて指をゆるゆると蠢かせると、 シェリルの中は僅かにひくつきながら不慣れな俺の動きに応えてくれた。 きゅん…っと入り込んだ指先にまとわりつく襞を捏ねると、 奥の方からはとろとろと温かな雫がまた新しく溢れて来る。 (…もっとちゃんとミシェルの話を聞いておけば良かったかもしれないな) こんな時にさえ自然と浮かんだ皮肉気な横顔に、また一つズキリと胸が痛んだ。 だがどんなに悲しんでも嘆いても…その横顔は失われてしまって、 もう二度と取り戻す事は叶わない。……そして。 (シェリル―――…!) 腕の中に存在するこの人を……俺はまた、失ってしまうのか。失いたくない人を。 ずっと傍にいて遣りたい人を。ずっと傍にいて欲しいと願う…たった一人の女の子を。 …足掻いても足掻いてもどうにも出来ずに……俺はまた…失ってしまうのか…… 腕の中に彼女の全てをかき抱いていても尚、胸を苛み続ける喪失感。「いやだ」と。 まるで駄々っ子の様な自分が今も泣き声を上げているのが分かる。 だが泣き出す事は出来なかった。一番辛いのはシェリルなのだ。 彼女を失いたくない俺よりも…自分の命の限界を知る彼女の方が…俺よりも辛い。 きっと今の俺よりも、シェリルの方が沢山辛い想いをして来た筈なんだ… そして、一方で…そんな子供の自分自身を悲しげに見詰めながら、何処かで腹を括った 自分がいる事にも俺は気付いていた。例え彼女を失う時が来るのだとしても… その時まではずっと傍にいようと。彼女が命を失うその最後の瞬間まで、俺だけは ずっと傍にいようと。そう腹を括ってしまった自身がいる事にも俺は気付いていた。 母さんの時には、その死の影に気付かずに後で泣いているだけだった。ミシェルの時は 別れは一瞬の内に訪れて、後になって波の様な後悔と悲しみが押し寄せてきた。 なら、今は…全てを刻み付けておこうと思った。失う痛みも、 それまで共にいられる幸せも、その全てをシェリルと過ごした時間の証として。 (そうだ…刻み付けたい) 何時か天に帰る妖精が、それでも俺の傍から離れて行ってしまわない様に。 シェリルにも俺にもお互いの物なのだと言う証を刻んでしまいたい衝動が 不意に胸へと込み上げてくる。 「シェリル……」 そして、その衝動に背中を押されるままに…首筋にそっと唇を這わせて強く吸い上げた。 さっきまでとは違う「印」を刻む為のキス。何度も白い肌を吸っては赤い自身の痕を遺す。 シェリルが俺の物なのだと言う赤い証…。そんな事を言うと彼女には 「シェリルノームは誰のものにもならない」と拗ねられるかもしれない。 だが、それでも今はそうせずにいられなかった。 「や…ん、くすぐったい……」 「良いから…少し、じっとしてろよ…?」 「ん…っ…あ、あぁ……っ!」 白い肌に口付けの痕を刻みながら、内側に入り込んだ指先を動かせて少しずつ自分に 馴染ませて行く。指先が襞を捏ねる度にまとわりつく雫がくちゅりと音を立てて 俺の鼓膜を震わせた。シェリルの身体が紡ぐその水音を耳にする度に、下腹部に 云い様の無い熱が篭るのが分かる。心と身体に甘く絡み付いてくる衝動…。 この状態で充分なのか、何もかもが初めての自分には分からない。 だが、そろそろ自分を抑えることが難しくなって来たのも確かだった。 「っ…シェリル…。い、良いか…?」 「…ぁ…」 自分自身でも可笑しくなる位に情けない声が漏れた。震える言葉の意図を察した シェリルの表情が躊躇いに揺れるのが分かる。空色の瞳に宿る逡巡の光…。 その瞳が薄い涙のヴェールで滲んでいるのが見える。綺麗だ…と素直にそう思った。 「―――シェリル」 だが、それでも…俺が掠れた声でもう一度名前を呼んで促すと、シェリルは その蒼い瞳を潤ませたまま、こくりと小さく頷いてくれた。そんな彼女を安心させる様に、 瞼へとついばむ様な優しいキスを送る。それから一度上体を起こし、 汗でまとわり着く衣服を脱ぎ捨てた。熱を持って固くなった自分のモノを取り出し、 ゆっくりと右手で支える様にして…シェリルの入り口へと宛がった。 ぬるりとしたその感触が自分の身体から出た先走りのせいなのか、 シェリルの中から溢れた雫のものなのかは分からない。或いはその両方かもしれない。 その答えも出せないまま少しずつ腰を進めて行くと、シェリルの身体にも 強い緊張が走るのが分かった。何かに怯えているかの様な彼女の緊張を感じながら…。 それでも自分を止められずに、さっき指先で確かめた所へと肉体を埋めて行く… 「あ―――…あ、ると…っ!」 「っ…くぅ…!」 じわじわと押し入ろうとする異物を頑なに拒もうとするシェリルの胎内。 キツイ抵抗を示すその中へと、それでも少しずつ入り込んで行くと、 彼女の口からは痛々しい声が漏れた。止めるべきなのか…と俺が動きを止める度に、 背中に回された腕にぎゅうっと強い力が込められるのが分かる。 止めないで…と云う無言の訴え。多少強引でもいっそ奥まで一気に 入り込んでしまったほうが楽かもしれない―――…そう思い至った俺は 「シェリル…っ、ごめんッ!」 「えっ…あ、―――あぁぁぁぁぁっ!?」 彼女の細い腰が逃れられない様にぐいっと引き寄せると、自分の身体を 根元まで一気に埋めていた。だが、その途中で…押し入った自分の身体が何かを…。 淡い抵抗をした何かを、無理やり引き裂いてしまった…そんな感触を確かに感じた。 (え――…?) その感触に、そうとは知らなくてもどきりと心臓が大きな音を立てる。 「シェ……シェリル……?」 「あ…あ、はぁ…はぁ…あ、るとぉ…っ」 そしてその予感は、痛みに顔を歪めるシェリルの姿を見て確信に変わった。 濡れた唇から漏れる切ない息遣い…。きゅっと寄せられた形の良い眉。 目尻に滲んだ涙の雫…。押し当てられた膨らみから伝わる鼓動の音が、 今まで以上に大きく感じられる。その全てが、一つの事実を俺へと伝えてきた。 そう…。シェリルも『初めて』だったのだと言う事を。 特にその事を意識はしなかったし、そんな事に拘る必要も無いとは思っていた。 だが、そうだったのだと分かると…驚きや痛い想いをさせた事への申し訳なさと共に、 やはり嬉しさがこみ上げて来てしまう。今も痛みに浅く息を吐くシェリルを労わる様に、 その痛みをほぐす様に、俺は彼女の上に何度も優しい口付けを落とした。 涙を滲ませた瞳に。溢れた雫に濡れた頬に。恥じらいに赤く染まった耳朶に。 そして…柔らかくて甘い、温かく濡れた唇に…。 「あ…ん、アルト……はぁ…」 「っ、シェリル…」 俺の唇と彼女の肌が触れ合う度に、入り込んだ肉体を女の身体がやわやわと小さく 締め付けて来る。途端に、繋がった下腹部から強烈な快感が背筋を這い上がって来た。 「っ……!」 とっさに腹に力を込めて全身を包む衝動をやり過ごした俺は、ほ…っと小さな溜息を 吐いた。入り込んだシェリルの胎内は狭くて、健気な動きで今も俺の肉体を締め上げている。 本当にこんな場所に入ってしまう物なんだな…と、少し場違いな事を考えている自分に 苦笑しながら、我慢出来なくなった俺はシェリルの耳元へと囁いた。 流石にこのままだと俺の方も余り長く保ちそうにない。 「シェリル…動いてもいいか…?」 「…い、いいわ…、アルトのしたい様に…して…」 自然と荒くなる息遣いを押さえながら尋ねると、シェリルも微かに震える声で 求めに応じてくれた。きゅっと絡めた腕に力を込めながら頷いてくれるシェリルの姿。 僅かに顔を上げて覗き込むと淡い微笑を浮かべてくれるその姿に、 早鐘を打っていた胸が、また一つだけとくんと大きな音を立てた。 この後に続くだろう「こんなサービスめったにしない」と云うお約束の 口癖が自然と頭に浮かぶ。当然来るだろうその台詞を待っていると… 彼女の唇からは予想外の言葉が続いた。 「それにあたしも…もっと…たくさん、アルトを感じたいの…」 「っ…バカ…!こんな時にそんな事言うな…っ!」 ますます我慢出来なくなるだろうが、と言う言葉をぐっと飲み込む。その言葉を 飲み込んだ勢いのまま、俺は彼女に深い口付けを落とした。 唾液を交換する様に舌を絡ませあい、熱の篭ったキスでお互いを求め合う。 細い身体を組み敷いたままぎこちない動きで動き始めると、 二つの身体が交わる水音が響き始めた。その音に重なる様にして、 シェリルの声と俺が吐き出す息遣いが離れの静寂を乱していく。 「っく、はぁ…っ、シェリル…」 「アルト…あ、あぁ…っ…あ、はぁ…あると…アルト…っ」 「シェリル…く、もっと…っ」 「あぁぁぁんっ!」 気付けば、シェリルの細い手足が絡みつきしがみ着いて来ていた。つんと込み上げる 愛しさが胸を焼く。泣きたい気持ちになったのは…嬉しいからなのか 気持ち良いからなのか…悲しいからなのかは分からない。ただ今は、 彼女が与えてくれる全てに溺れていたかった。その全てを忘れる事が 無い様に…心にも身体にもシェリルの感触を憶えこませて置きたかった。 「アルト…ッ、あっ、やぁ…んっ」 「っ…イイ…ッ…」 最初は固く拒んでいた筈のシェリルの中が、俺が往復を繰り返す度に少しずつ 馴染んで来るのが分かる。放すまいとでもするかの様にキツクしめつけて俺のモノを 呑み込もうとする動き…。その甘い感触を名残惜しく感じながら腰を引き、 応える様にもう一度奥まで突き入れる。大きく…小さく…寄せては返す波の様に。 漸く手に入れた愛する人の温もりを貪る様に。何度も何度も…二人がお互いに 守ってきた大切な部分を溶け合わせて行く。 「っ…はぁ…シェリル…シェリルっ」 「アルト…あっ、だ、だめ…ッ」 「―――シェリル…」 「好きだ」と思わず唇が紡ぎそうになった言葉を、俺は咄嗟に呑み込んだ。 こんな時に勢いに任せて伝えてしまうのは何処か卑怯なんじゃないか…と、 そんな気がしたから。代わりに肉体を一つに繋げたまま、今夜だけでももう何度目か 分からない口付けを交わす。唇と唇が結び付き、肉体と肉体が溶け合う感触…。 腕の中にいる女と自分が一つになっている事を、胸に染み込む様な喜びと共に強く実感した。 「はぁ…あぁ…アルト…」 「ああ…ここに、いる…シェリル…」 「うん…。あ、あったかい…アルト…」 「大丈夫だ…ずっと、そばにいるから……」 甘い吐息混じりにシェリルが俺の名前を呼ぶ。 いつの間にか溢れた涙がぽろぽろと毀れ落ちてはシェリルの頬を濡らしていた。 胸に込み上げる衝動のままにその涙を唇で拭うと、ふわりとその顔に 柔らかな微笑を浮かべて、蒼い瞳が俺を見上げて来る。 「あると……」 「…っ…」 ―――愛しいと思った。彼女の全てが大切だと思った。 このままずっと、この声で自分の名前を呼び続けて欲しいと…心の底からそう願った。 (例えそれが…決して叶わない望みなのだとしても…) じわりと込み上げてくる痛みを、軽く左右に首を振って追い払う。今だけでも その事を忘れて…ただシェリルを腕の中に抱ける幸せを感じていたかったのかもしれない。 「もう少し…動くぞ…?」 「うん…」 「痛かったら、泣き出す前に言えよ?」 「ばか…。泣いたりなんてしないわよ…」 「もう泣いてるだろ…強がるなよ、このバカ…」 「ん…あ、あぁ……」 ちゅ…っと、強がる唇を封じる様にして、俺はピンク色の可愛い唇を優しく吸った。 ついばむ様な口付けを繰り返しながら、彼女の反応を探る様にして もう一度ゆっくりと腰を蠢かせ始める。それでも目の前のシェリルの表情に微かな痛みが 浮かぶのが分かったが、もう止められる筈もなかった。彼女の様子を伺いながら、 ゆるゆると腰を動かせて一つに繋がる幸福へと溶けて行く。…シェリルの方もそれを感じて くれているだろうか?離れるまいと俺の背中に回された腕に込められた力は強い。 「く…ぅ、はぁ…はぁ、シェリル…良い…ッ」 「アルト…っ」 「感じさせてやるから…っ、だから俺の事だけ…」 「あ、ふ…ふぁっ、あぁぁ…アルトぉ…っ、や、あぁっ、熱い…っ」 「そのまま…お前も俺のことだけ、感じていてくれよ…っ!」 くちゅくちゅ…と熱を帯びた自分の身体がシェリルの中を擦り上げる度に紡がれる水音。 その音に混ざり合う様にして漏れる二つの吐息が妙に艶かしい響きを 伴って耳朶を振るわせた。上手く言葉を紡ぐ事も出来ない。 こんな時に言うべき気の効いた言葉も出て来ない。 だから、ただ相手の名前を呼び合いながら…俺とシェリルはお互いの存在を求め合い続けた。 不意に背筋に感じるぶるりとした感覚…。シェリルの存在を貪る様に蠢いていた肉体に 溜まる熱が、次第に俺を急かし始める。どんなに腹部に力を込めても、 もう我慢出来そうにない…。このまま上り詰めてしまいたい衝動と、もう少し今の幸福に 溺れていたいと云う名残惜しさのせめぎ合いの中で、自分がどうにかなりそうだった。 「ッ…もう、俺…ッ!良いか?シェリル…」 「あ…アルト………」 「このまま…出る…ッ!」 「―――あ…あ、あぁぁぁぁぁっ!?」 ぐっと逃れられない様にシェリルの身体を組み敷いて、柔らかな肉の狭間に自身を埋め… そのまま一番深い場所へと押し入らせる。全身に感じるシェリルの柔らかさ…。 鼻腔を満たすシェリルの匂い。彼女から伝わる全てに誘われる様にして、 俺は自分自身の欲望を解放した。 「あっ…あ、あぁ…っ、やぁ…っ、アルト…!アルト…っ!」 「ぅ…はぁ…はぁ、ハァ…く…ぅっ…」 どくん、どくん、どくん…と。跳ね上がった肉体から溢れた雫が中へと注ぎ込まれる度に、 自分の欲がシェリルの中を汚して行くのが分かる。全身を包み込む深い深い満足感と共に、 敢えて彼女の中に出す事を選んだ自分に一瞬だけ強い嫌悪を感じた。 (だが…それでも遺して置きたかったんだ…) シェリルの中に自分自身の存在を。そして俺自身も覚えて置きたかった。シェリルと 身も心も一つに繋がった…この瞬間の温もりを。ハァハァと乱れたままの息遣いを、 二人で折り重なったまま整える。俺の背中に回されていたままのシェリルの腕。 その白い腕がすいと動いて、髪の毛を縛ったままの赤い組紐へと回された。 そのまま、しゅるり…と云う音を立てて彼女が俺の髪の紐を解く。 「シェリル?何を……?」 「ふふ…綺麗ね、まるで本当にお姫様みたい…」 「この期に及んでお姫様扱いは止めろよな…」 口では文句を言いながらも、楽しそうなシェリルの表情に俺の顔にも自然と笑みが浮かんだ。 この部屋の縁側で母さんが良く結んでくれていた髪の毛と、赤い組紐……。 自身を縛っていた何かが解けて行く様な不思議な感覚が胸へと込み上げて来る。 そのままもう一度シェリルの顔を覗き込み、ゆっくりと顔を近づけると… 俺の意図を察した彼女も瞳を閉じて唇を寄せて来てくれた。ふわふわとした 夢の中にいるかの様な幸福感。重くならない様に横抱きになって、 シェリルの頭を自分の左腕に乗せる。 「何だか不思議…」 「うん?」 「だって、アルトがこんなに優しいなんて」 「ばっ…!そりゃこんな時くらいは、俺だってお前に優しくしたくなるだろ?」 くすくすと笑いながら紡がれたシェリルの言葉に、途端に戻って来た気恥ずかしさが 俺の語尾を乱させる。何と言っても、その…彼女の初めてを有り難く頂戴した後なのだ。 ここで優しく出来ないのなら、一体いつコイツに優しくすれば良いって言うんだ…。 「あのなぁ、シェリ…」 「―――こんな時…か…」 「…シェリル…?」 「ふふ…ううん、何でもないの…」 苦笑いを隠しながら口を開こうとした俺に先んじて、シェリルが小さく呟いた。 一瞬だけ感じた…小さな小さな、本当に小さな違和感。その理由を尋ねようと俺は 言葉を続けようとした。だが、それよりも先に彼女が俺の胸の方へと頬を すり寄せてきてしまったから、結局は俺は何も聞けないまま…。 何故さっきの声があんなに寂しそうなのかの理由を、聞けないままになってしまった。 …一瞬彼女が見せた悲しげな表情の理由さえも。 「シェリル……」 「―――…ん……ううん…」 「なんだ、寝ちまったのか…」 そのまま暫く、擦り寄せられた頭を撫でる様にふわふわの髪の毛を梳っていると、 いつの間にか彼女の唇からは安らかな寝息が響き始めた。僅かに頬に残る涙の痕を、 シェリルを起こさない様に気遣いながら唇で拭う。きっと俺が気付かない間に… 一人ぼっちで流し続けて来ただろう涙の痕…。だが、もう一人きりで泣かせたりはしない。 伝わる温もりに、改めてそんな事を思う。ずっと俺が傍にいる…と。 お前が寂しい時にも悲しい時にも、一人きりでは立てなくなりそうな時にでも… ずっと、これからはお前の傍にいる。もうお前が一人ぼっちで孤独に 震えなくて済む様に。その事が俺にとってもお前にとっても… どんなに辛い事だとしても―――その、最期の瞬間まで。 …と少し重い暗いお話にどうしてもなってしまいました。でもこうして22話で二人が 結ばれていたと分かって、一つ納得行った事。22話ノーザン衣装のシェリルの胸元が 普段の衣装と違って隠れてたのはそう云うことですよね、アルトさん(笑)
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/176.html
765:fusianasan[sage]2014/05/10 19 03 03 戦役直後は心配事もなくなって、できたてほやほやの恋人状態なアルシェリ 二人ともツンデレに戻って、恋人というよりもじゃれ合ってばかり 以前との違いは、確かな信頼と、自分は相手のものという認識 しかし、相手も自分のもの、かな?という不確かな関係でじれじれ アルトは復興のためにSMSの仕事もそこそこあるが、 シェリルの体力や契約の問題などで、シェリルは学校を優先して仕事はほとんどしていないため、 それなりに二人の時間が確保出来ている シェリルをひとりぼっちにはしたくないのでシェリル宅にアルトが足繁く通うが、きっかけがなくて清い仲 学校や家でたびたびドキドキきゅんきゅんしあって、辛抱たまらん状態でじれじれ ふとしたきっかけで学校でうっかり濃厚なキスをしたり 家で触り合いっこなんてしつつも、最後まで行けず、二人とも欲求不満が募る 挿入した指の感触を思い出してギンギンなアルトとか おっぱい弄られたのを思い出してぬれぬれのシェリルとか とにかく悶々とする二人 戦後初めて体を重ねるのは2059年クリスマス (シェリ誕はライブ後でシェリルが寝てしまったため。やはり体力がまだまだ追いついていない) 積もり積もった欲求不満のせいか、激しく求め合う二人 翌日までやり通してしまうためシェリルダウン 再び自重する二人 焦れったい日々 そこで学校のプロム的イベント アルシェリともに憧れの的で、生徒達は二人にパートナーを申し込んだりする 当然二人とも出るなら相手は決まっている、と思っているので断る が、マスコミを気にして、出るか出ないかを決められない二人 (シェリルは仕事は抑えているとはいえ、注目されるセレブ) 二人とも吹っ切って、名実共に恋人同士になる(マスコミに報告とか多分なし) セックス解禁の時は二人ともちょっと緊張気味だが、程よく終了 それ以降、アルトのお泊まりが増えて一緒に登校も日常的になる 泊まる時は大抵ハメハメして幸せをかみしめる若い二人 (アルトがお腹を壊して、シェリルの家に訪問はするのにシェリルの肌に触れようとしない時には 「飽きられたんじゃ」とシェリルが心配したくらいだ) 学校でも、自然な夫婦っぽさが出てくる ちなみに、アルトに開発されたシェリルはヤバいくらいエロくてかつカワイく、 アルトは男の色気が増すため、学園でアルシェリ妄想が流行する プロム用のダンスの練習をドレスを着てお家でする二人 当然、二人きりでくっ付いてる状態なので、そのまま雪崩れ込む←滝っぽい流れ ドレスを汚しては困るので、二人とも早々に脱いでいちゃいちゃ そして、プロム本番 しっとりいちゃいちゃとダンスをしながら思い出をささやき合い、二人の世界に入り込んで、見せつけてしまうアルシェリ パーティーもほどほどに参加して、お家に帰っても当然盛り上がる二人(笑) 滅多にお酒を飲まないシェリルも少したしなんだため、余計に盛り上がる ドレス汚しても大丈夫なので、着エロからスタートで なんて戦後妄想のために4月か9月かはっきりさせたい
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/150.html
447 名前:朝まだきに君に触れれば [sage] 投稿日:2011/10/17(月) 03 38 27.59 嵐のような夜は明け。 普段通りの時間に目が覚めた。 シェリルは俺の腕を枕にして、未だ規則正しい寝息をたてている。 無垢な少女のような寝顔。 ほんの数時間前まで、淫らな反応と声で俺を翻弄したとは思えない。 俺の胸にはシェリルの肉の薄い背が、まるで誂えられたかのようにぴったりと重なっている。 確かマニュアルではこれをスプーンポジションと表現していたが、言い得て妙だ。 障子越しの薄暗い室内でも際立つ肌の白さに、生理現象で立ち上がっていた愚息が目を覚ます。 シェリルの肩口にそっと口付け、掌で滑らかな肩から腕、脇腹から腰と尻の感触とラインをを愉しんでいると、んん、とくぐもった声を漏らして身じろいだ。 「あると…おはよ」 「おはよう。まだ眠そうだな」 「ん…」 反応の薄さに少し悔しくなってて、腕の下から乳房に手を伸ばし、乱暴に揉んだ。 「ちょっと…アルト…何するのよ…」 その抗議は本気ではないようだ。俺の手の甲を掴んだものの、されるままになっている。 「あん…」 もう片方の乳房も揉みしだき、乳首に触れるとようやく色めいた反応があった。 その声に昨晩の情事が喚起させられて…。 「アルト…あたしのお尻に何か当たってる…?」 「さあ、なにかな」 跡が付かない程度に耳の後ろから首筋をついばみ、背中側から尻の割れ目をなぞってシェリルの秘められた部分に手を差し入れる。 「ちょっと…アルト…もう朝よ」 「朝だから駄目ってこともないだろ」 膣がぬかるんでいるのは感じているからか、昨晩の俺の精子なのか。 どちらにしても、俺を興奮させるには充分だった。 「お前だって濡れてるし」 入り口さぐり指を二本挿入すると、殆ど抵抗無く迎え入れられる。 「そんな急に…!」 同時にシェリルの背中がしなって、シェリルの尻が突き出すように俺の腰に押し当てられた。 俺の指の動きに合わせてシェリルの腰が揺れ、ため息のような吐息が漏れている。 くちゅくちゅといやらしい音が響き、愛液と精液が尻を伝って布団を濡らす。 「シェリル…いいか?」 シェリルの腿を支えて片足を軽く持ち上げ、横向きのまま怒張したものを侵入させた。 「あああ…!」 シェリルの手が、腕枕したままだった俺の手をきつく握り締める。 ゆっくりと浅い挿入を繰り返すと、徐々に声が艶めく。 伸びのある喘ぎもいいが、掠れたこの声もまたいい。 腿を支えていた手で繋がった部分から溢れる液を潤滑剤代わりにクリトリスを擦り上げる。その瞬間びくんと内腿が震える。それが俺の精子が混ざったものかと思うと更に興奮した。 「そこいや、あっ…あっ…あっ…」 「嫌じゃないだろ。 気持ちいい、だろ?」 「イジワル…あ、も、イっちゃう…! あると…あると…! んっ…!」 シェリルは一瞬息を詰まらせて、全身を震わせた。 「シェリル…中に出すぞ」 俺もそれを追うように、膣の奥へ奥へ、そして壁に当たるのを感じながらシェリルの中に精子を放った。 膣の動きが、俺の最後の一滴まで搾り取る。 再び身体を密着させて後ろから抱き締めると、シェリルが俺の腕を細い腕(かいな)で抱え込んで、柔らかな乳房に押し当てられた。 その柔らかさと温もりと伝わるシェリルの鼓動が、確かに俺の腕の中にいて、夢ではないのだと実感させてくれる。 呼吸も落ち着き、役目を終えた俺のペニスが硬度を失ってずるりと膣から抜ける。 「あっ…」 シェリルの声と同時に、再び愛液と精液が垂れるのが分かった。 「二回分だからな」 「何が二回分?」 今に始まったことじゃないが、産まれたての雛を育てている気分だ。 「そのうち教えてやるよ。簡単に言ったら…そうだな、俺の愛の証だ」 「…うん…」 我ながら臭い台詞だったが、シェリルは幸せそうに微笑んでそのまま目を閉じた。 「シェリル…愛してる」 耳元で囁いたが、聞こえただろうか? 俺も心地よい疲労感に眠気を誘われ、再び目を閉じた。 ****************************************** このシェリルはまだ膣イキができない設定 きっとアルトさんがこれから開発してくれると思うの でもシェリル自身も頑張らないといけないよね 愛の共同作業だからね
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/96.html
929 名前:fusianasan[sage] 投稿日:2010/07/13(火) 23 17 51 そんなに気にしなくてもいいと思うんだけど、直接的な単語が出てくるので苦手な人はフォールドしてください。 あと、ちょいSMチック?かも。 急いで家中の家事と戸締りを終えて、ベットルームへとやってきたアルトは次の瞬間に見た光景に思わずその場で動きを止めた。 ベットの側の灯りだけが小さく点けられた薄暗い部屋の中では、数週間にも渡るコンサートツアーを終えて帰ってきた銀河の妖精が自分を待っていてくれているはずで、これから自分はその彼女と一緒に久しぶりの二人の時間を過ごすはずだった。 だから、無理やり家事を終わらせ、いそいそとこの部屋へやってきたのだ。 と、いうのに。 肝心要の彼女は、彼女の帰りを今か今かと待ちわびていた相手と甘い言葉を交わす前に一人夢の中へと旅立っており、残された純情可憐な青年を出迎えたのは気持ち良さそうな彼女の寝息だけだった。 いくつもの船団や惑星を巡るツアーだということは分かっていたから彼女が疲れていることも重々承知していたし、そう がっついて は男としてみっともなさ過ぎるということも分かっていた。 だから、少なくとも今日 は という配慮を自分の理性との戦いになるだろうことを予想しながらも強いたのだ。 なのに、この仕打ちはあまりにも酷すぎるのではないだろうか? せめて、もう少しくらい自分を待っていてくれてもいいんじゃないだろうか? 思考を停止し、真っ白になった頭にぷかぷかと浮かぶ疑問に早乙女アルト(18)は、力強く何度も頷いた。 いつもは見ていると笑みが零れてくる寝顔や寝息も今夜ばかりはむなしさを煽るだけで、同時に腹ただしくもなってくる。 なんとか気力を振り絞りベットの端までたどり着いたアルトは恨めしそうにシェリルを見つめると大きな溜め息を吐いた。 会いたいと思っていたのは自分だけだったのだろうか? キスしたいとか触れたいとか そういう 欲を抱くのは自分だけなのだろうか? 自分と同じくらい彼女も自分のことを想っていてくれるのだろうか? 女々しい考えだということも分かっているのだけれど、こういう状況下でこういう感情の渦に揉まれた時にすぐさま抜け出せるほど早乙女アルトは大人ではない。 それに確かめたい相手が目の前にいるということがなおさらアルトを焦らせ、追い詰める。 目を開けてくれたら。 その青色の瞳に自分を映して、そして、一言でもいいから言葉を交わして笑ってくれたら。 そしたらこんな不安もかき消すことができるのに。 叶わない願いだと分かっていてもそう考えてしまう。 なかなか煮え切らない自身に焦れ、諦めのつかないままに触れたシェリルの髪からは甘い匂い立ち上り、アルトの胸をぐっと締め付ける。 込み上げてくる衝動を必死に押さえつけながらアルトは眠るシェリルを見つめた。 ベットの上に散らかった髪 無防備に投げ出された手足 シェリルの普段着にしては珍しく短いシャツのせいで、お臍のあたりまで肌が露になっている。 これを挑発的といわなければ、何をそういうのだろう。とそんな疑問が湧いてきそうなシェリルの姿にアルトが焦れる。 今すぐ覆いかぶさり、ぐっとシェリルを抱きしめたかったけれど、それをやってしまえば止まれなくなってしまいそうな気がして、少し怖かった。 「・・・・・・・・」 生殺しとはよく言ったものだ。 武士は食わねど高楊枝 なんて言葉を作った奴の顔が見てみたいと恨みがましく呟くと、アルトは唸るようにしながらぎゅっとシーツを握り締める。 我慢だ。 シェリルだって疲れているのだからこちらの都合に任せた無体なまねができるわけがない! そう割り切ってしまえたらどれだけ良いだろう。 だが、若干18歳の青少年にしてみれば後ろ髪を引かれるほうが強いに決まっている。 それでなくとも2週間ぶりに会えるのだから、再会自体を随分と前から楽しみにしていたし、 もしかしたら というような青年らしい淡い夢も抱いていたのだ。 疲れて寝てしまいました-はい、そうですか。などと簡単に諦めきれないのも致し方ない。 「・・・チクショウ・・」 勝手に期待した自分も悪いのだから、と呪文のように必死に言い聞かせていると、口から滑り出る恨み言にも流石に勢いがなくなってきた。 これが惚れた弱みというやつなのだろうか? それなら、俺だって惚れられたい。 いや、待て待て俺は惚れられていないというわけはないだろう。 遠くシェリルから視線を外したアルトの脳内では、いつの間にかボケとも言えないボケと突っ込みという名のフォローが代わる代わる行われる一人漫才が始まる。 どこまでも流れていくそれらに突っ込み、打ち切る気力すらも無くしたアルトは、思考が麻痺しだした今の内に眠ってしまおうとノロノロと身体を起こすとシェリルを踏んでしまわないように気をつけながらベットの上へと上がり込む。 アルトの重さにスプリングゆっくりと沈んだ。 シェリルからなるべく離れたところに陣取り布団を被って眠る体勢を整えるけれど、むなしさが押し寄せてくるのは止められない。 本当ならば、今頃はシェリルを腕に抱きながら久しぶりの感触を確かめているはずだったのだ。 久しぶりと笑って、会えなかった時間を埋めるように話をして、戯れにキスをして、互いの存在を確かめながらゆるやかな眠りに落ちていくはずだったのだ。 やりきれない気持ちに押され、ごろりを身体を回転させて再びシェリルのいる方を見れば、幸せそうな寝息が聞こえてくる。 寝転がったままでにじり寄り、少しくらい仕返しをするくらいは許されるだろうとほっぺたを軽く摘んでやるとシェリルの眉間に皺が寄った。 起こしたかもしれない!っと慌てて手を離すけれど、そんな緊張むなしくシェリルの呼吸は変わらない。 それどころか、シェリルがコロリと寝返りを打ちながらアルトのスペースさえも占領しようとやってくる。 アルトは自分の行動の代償を思い知った。 温まったシーツを道しるべにしているのか、シェリルは確実にアルトへと近づいてくる。 可能な限り逃げてみたけれど、その健闘もむなしく数分後にはシェリルの腕がアルトを捕まえ、続いてスカートから覗く素足がアルトの右足を掴まえる。 押し当てられる身体の柔らかさとシェリルの匂いにアルトの下半身が痺れた。 子猫が頬や身体をすり寄せているようにも見えるそれは見た目の愛らしさとは違って、すさまじい破壊力を持っている。 腕や上半身に触れるふにゅふにゅとした柔らかい感触や腕に当る感覚とはまた違った滑らかな柔らかさがアルトを必死に抱き込もうと奮闘する。 アルトは必死に無心を言い聞かせ、それらの正体を必死に考えないようにするけれど、それは禁欲を強いられていた少年には特に難しく、理性はすぐにでも焼き切れそうになっている。 はっきり言って限界だった。 好意を抱きあう相手が自分の隣で気持ち良さそうに眠っていて、無防備に自分を求め、甘えるようにして擦り寄ってくるそんな状況下で不埒なことを考えたり、期待や好奇心を抱かない高校生がこの世にどれだけいるのだろう。 もし、いるとしたらそれは不能な奴か変態か、もしくは色恋沙汰に目覚めていないただのガキだと貶しめながらアルトはその誘惑から必死に逃げ惑う。 いつかは自分も、と異性を付き合うことをぼんやりと考えるしかなかった頃は好きな相手を触れ合うことがこんなに自分を陶酔させるものだとは予想もしていなかった。 アルトにとってはいつか自分も経験するだろうただの行為で、きっとそれは心地のいいものなんだろうというくらいの認識だったし、相手の隙に付け込んでまでそういうことを する 奴はとんだ卑怯者だと鼻で笑っていたのだ。 が、当事者となった今ではそれを振り切ることがどれほど難しいことかが分かる。 そして、男の単純さと少女の無防備さにいい思いを噛み締めながらも苦悩をもたらす両者が小憎らしくてたまらなかった。 「・・・・ん~~、・・ぁ、ふ、っ・・」 耳をくすぐる甘く気だるげな声。 それがスイッチとなり、アルトの中の甘美な記憶を弾き起こす。 濡れたように光りながら揺れる瞳。 押し当てると弾力に富んだ柔らかな感触を返す唇。 しっとりとした桜色に上気した肌と溶けてしまいそうに熱い壁の感触。 そして、その感覚に飲み込まれ、溺れた時の気持ちよさ。 「・ッ・・あ・・も、・・・む、りっ」 脳裏を微かに過ぎったシェリルの裸身と自分を包む柔らかく温かい存在にアルトがたまらず声を発する。 熱をあげた息と共に吐き出した声はアルトの理性を一気になぎ払い、理性の下で蠢いていた情欲が状況を逆転させようとするかのように押し寄せてきた。 慌ててシェリルの腕の中から逃げ出し両腕をベットに突いたというのに、自分はいつの間にかシェリルを組み敷き、その上にいた。 それを自覚した途端、一瞬遠ざかったドクドクと激しい音を立てて流れていた感覚が甦り、衝動が一気に臨界点を突破した。 マズイとか、 ヤバイとか、 もう感じる暇はなかった。 ただ、ただ、シェリルに触れたかった。 目の前で眠る少女を裸にして、 その真っ白な裸体を思う存分撫で上げ 組み敷き、舌をねじ込ませて声を上げさせ、 それから甘い痛みを与えて欲しい。 湧き上がる衝動のままに、アルトはシェリルのネクタイに手をかけて解き、慌しくシャツの前を寛げて行く。 ボタンの一段目を外すときは流石に指が震えたけれど、もう後には引けなかった。 手を止めようとする数々の不安を思いつく限りの理由を勢いよく並べることで打ち崩し、怯むなと必死に自分を追い立てる。 あれだけ時間があったのに夜着に着替えていなかったのは、まだ眠る気はなくて自分と戯れる気があったからだとか、挑発的な服をチョイスしているのも自分を意識しているからこそのチョイスだったんだとか、もし目が覚めたら寝苦しそうだったからとか着替えさせてただけとか言い訳すれば許してもらえるかもしれないとか、もう本当に色々だ。 もう脈絡なんぞありはしない。 冷静になったら負けだった。 アルトにとって都合の良すぎる考えに侵されている今だからこそできる行為だ。 一度、頭が冷えてしまえばすぐさま手が止まってしまうだろう本当に本能と衝動だけに突き動かされている行為。 それは全てを肌蹴させ、胸を覆い隠す薄紫の下着が露になったとこでようやく止まった。 すうすうとリズムよい寝息と同時に上下するシェリルの胸。 頼りない灯りに照らされたそれは、いつもと変わらずぬ白磁のように美しい。 下着から覗く部分にそっと触れるだけでも驚くくらい柔らかいことが分かる。 アルトの吐息が知らず知らずの内に震えた。 シェリルの身体を支えながら少しだけ浮かし、ホックを外した後で肩のストラップを外す。 締め付けられていた状態から解放されたそれらは蓮の葉に落ちた水滴のようなふっくらとした楕円を描き、シェリルの胸を形どる。 アルトはそれに顔を埋めようとゆっくりと身を屈める。 だんだんと顔を近づけ、触れるまであと数センチというところで不意に動きが止まった。 「?」 アルトも自分がなぜ引きとめられたのかは分からない。 ふっと顔をあげ、きょろきょろと周りを見渡すと、目を引いたものがちょうどベットに付いたアルトの左手の側で見つかった。 先ほど解いたピンク色のネクタイだ。 おそるおそるそれを持ち上げたアルトの脳裏に イケナイコト がふと過ぎる。 数秒迷っては見たけれど、一度ラインを超えてしまったアルトの天秤が片方に傾くのにそう時間はかからなかった。 すでに怒られるようなことに及んでいるのだし、悪事が1つ、2つ増えたからといって何がどうこう変わるわけではないだろうし、少しくらい 仕置き をしてもきっとゆるされるだろう。 まさに毒を喰らわば皿までといったところだ。 アルトは取り上げたそれを一旦唇で噛むとシェリルを起こさないようにその両手を頭の方へと持っていく。 慎重に持ち上げた後でネクタイを使って一つに括りあげると、それをベットの端に繋いだ。 もちろんシェリルに痕が付かないようにとの配慮は怠っていない。 その辺がさすがというところだが、やっていることはやはり褒められたことでないのは確かだ。 アルト自身も己の暴力的とも言える行動に動揺しながら、それでも不用意な音を立てないようにと必死だった。 両手を縛り上げられ、豊かな胸をアルトに差し出すようにして眠るシェリルは扇情的で、その見慣れぬ姿にアルトの呼吸か思わず乱れる。 アルトが舞台で見せるような激情を胸の内に秘めたような大人のしっとりとした色香ではないけれど、そこにはまた色違いの艶かしさがあった。 大人びた肉体とプライベートで見せる無邪気な表情のアンバランス差がどこか儚げで危うく、何らかのフェティシズムを刺激する。 普段の彼女からはほとんど見ることはないけれど、和らげた表情の先に時折現れる薄幸がかった様子を思い出すだけで、今すぐにでも抱きしめてやりたいという衝動が溢れ出るくらいにアルトは彼女に魅せられてれていた。 ここまで来たら後には引けない。 むしろ、ここまでして逃げたらただの変態バカだ。 アルトはゴクリと喉を鳴らすと恐る恐るシェリルに指先で触れ、それから肩口に顔を埋めた。 「・・・・ッ・・」 間近で感じた肌の匂いに頭の中が一瞬にして真っ白になった。 同時に狂おしいほどの感情が胸を覆いつくして行き場を失い、外へ出ようと競りあがってくる。 苦しさが一瞬にして色濃くなった。 欲情している。 表現すればそうなるのだろうけれど、そんな簡単な言葉で済まされるほど感情は単純ではない。 触れたときの嬉しさや愛しさや温かさに泣きたくなるくらいの感情の渦が巻き起こり、全てを押し流していくのだ。 ともすれば、一気に歯止めを失い、雪崩れ込んでしまいそうなそんな感情の制御にアルトも手間取る。 けれど、そんな激情とは裏腹にシェリルに触れる手はどこまでも優しく繊細だった。 頼りない灯りの元では女性らしい線の細さがさらに繊細な印象を与える。 全てが柔らかく、光を帯びた白磁の肌からはよい肌の匂いが立ち上り、身体全体がうっすらと曖昧な光を帯びているようにも見える。 その様子に自らが触れることの怖さを感じながらアルトはもう一度静かに頬を寄せ、指を滑らせて行く。 しっとりとした肌の感触。 温かなヒトの匂い。 触れた部分が少しだけひんやりとしているのは、自分の手の熱のせいだろうか。 首筋を撫ぜ、胸元を撫ぜ、ゆっくりゆっくりと下ってゆく。 そしてその後を追うようにして唇を滑らし、所々に舌を這わせた。 アルトの唾液に濡れた部位は艶やかに光り、アルトの背徳感を煽る。 心のどこかにあるのだろう 自分なら という小さな期待がアルトの心をさらに舞い上げていった。 「・・・・・んっ・・ゃ・・」 寝言とも喘ぎとも付かない声がシェリルから上がり、それがアルトをドキリとさせる。 あれだけ愛撫を与えているのだから、目覚めは近いのかも知れない。 アルトが丁寧に舌を這わせるごとにシェリルの産毛がぞわりと立ち上がる。 濡れた跡を人差し指と中指で愛撫してやればシェリルの身体が小さく震え、眉間にかすかな皺が寄った。 胸をゆっくりと揉みしだき、舌先や指先で先端を煽ると、たちまちそれらはぷっくりと熟れて立ち上がる。 眠っている様子を見ているだけでもシェリルが 感じて いることが分かった。 いい子、いい子をしてやるように髪を何度も撫でてやり、眉間の皺を取り除く。 安心したように身体から力が抜けるのを待ち、それがいつもの状態に戻ってからまたゆっくりと愛撫を再開する。 ぴくん、ぴくんっと跳ねるようにして返って来る反応の全てが愛おしくてたまらなかった。 僅かに横になっていたシェリルを正面に向かせて顎を固定し、それから静かに唇を重ねる。 思えばこうやって触れ出してから初めてのキスだ。 いつもなら一番最初だったのにとはっとしたところで、自分がテンパッていたことが改めて思い出され、思わず笑いが零れてくる。 ひとしきり笑った後で、アルトはもう一度シェリルに優しくキスをした。 唇を軽く押し付けその感触を甘受した後で、そっと食む。 軽く引かれたそれはアルトの唾液に濡れながらぷるりと震えて元へと戻っていった。 そして、アルトはそれを楽しむようにもう一度繰り返す。 いつしかシェリルの唇の砦は崩れ、アルトの舌が容易に中を蹂躙できるようになっていった。 中に舌を進入させてシェリルの舌先と絡め、弄び、ゆるゆると吸い上げる。 いつもの夜のような挑発的な会話も舌先でのやりとりもなかったけれど、気持ちは勝手に高ぶっていった。 アルトは再び先ほどとは別の意味で興奮し、腰の奥の疼きを認識する。 「ん・・・・ふっっ、ん!!」 呻き声が聴こえたと思ったら、急に組み敷いていた身体が急に動き出した。 シェリルが起きたのだと分かるけれど、同時に本能がここは引けないと警告を発する。 一度シェリルに怯み主導権を握られてしまえば、後はただただ説教の時間が待っているだろうし、そこで恨み言を一言でも零したならば、さらにつよくねめつけられるに決まっている。 そう考えれば、ここはアルトにとっての正念場だった。 アルトは咄嗟の自分の判断に従い、左手で暴れる手首を押さえ、身体全体を使ってシェリルを押さえ込む。 それから、合間合間を見計らいキスを仕掛けた。 目覚めたシェリルからしてみればとんだ論理だろうけれど、アルトからすれば必死の行動だった。 シェリルが変に怯えずにすむように名前を呼んでやり、一瞬空気が緩んだ隙をこじ開けて再びキスを仕掛ける。 根気強く何度も何度も舌先で擽り、同時に空いた左手で胸を撫でてやれば自分がほとんど裸の状態だということに気付いたシェリルの身体が強張ったけれど、アルトが触り続けることで次第にそれも溶けてゆく。 一方的とも言えたキスはいつの間にかシェリルからも求められるものへと代わり、同時にアルトの緊張も解けていった。 互いに貪るようなキスを続ければシェリルから飲み込みきれなかった唾液が零れ、それが顎を伝って裸の首筋を濡らす。 生理的な涙を浮かべた瞳はひどく凄艶で悩ましげな表情がさらにそれらを引き立てる。 あぁ、ヤバイ 今日何度目かの暴走に駆られた情欲にアルトは苦しげに息を吐いた。 勝手に裸に剥かれても、縛られても、一方的なキスをされてもシェリルの瞳にアルトを拒絶する色は見られない。 澄んだ瞳は涙に潤みながらも変わらずアルトをじっと見つめてくる。 縋るようにも見えるその視線は、アルトの中の黒い感情を膨らませていった。 ダメだ そう何度頭の中で繰り返しているのに、凶悪な言葉は自分の口から出たがっている。 言葉だけでなく、それを生み出す思考さえもそれに染められてしまいそうだった。 「・・・シェリル」 「・・・ると」 乱れた呼吸の合間、合間を縫うようにして互いから零れた言葉。 ほんの少しだけ掠れたようなその声がもっと聞きたいと思った。 おもむろにシェリルの胸元へ顔を埋め、先端を口に含んで転がす。 嬲るごとにシェリルが振るえ、甘い声が上がる。 普段ならそこで止まるはずの獰猛な気持ちが今日は勝った。 「・・・あっ・・・ッッ」 十分に熟れた果実に歯を立てた途端、小さな悲鳴が上がった。 コリッとする弾力に富んだ歯ざわりが伝わり、微かに震えるシェリルの身体が怯えていることを伝える。 アルトはそれを目の端で捕らえると何も言わず優しく舌先で擦ってやる。 「ん・・・・・やっぁ・・・」 シェリルの声はやがていつもの嬌声へと戻っていく。 それを聞いた途端、このまま溺れさせたい気持ちと再び先ほどのような痛みを与えてやりたいような気持ちが生まれた。 アルトはそれに逡巡した後で、先ほどとは違うほうの果実へ歯を立てた。 生まれる痛みにシェリルが振るえ、苦悶の表情を浮かべる。 泣きそうにも見えるその表情をもっと見たいと思う自分は本当に変態なのかもしれない。 アルトはぼんやりとする思考の中でそう考えて小さく笑った。 好きな子だからこそ苛める。 小学生くらいの低学年ではよくある光景だ。 それと今の自分の行為が全く同じものとは思わなかったけれど、それに似通った感情の一つ なのかもしれないとは思った。 結局、自分がガキだと言うことなのだろうか? ガキだからこそ全てを晒させて独り占めしたいと思うのだろうか? 自分の言葉や行為に翻弄されて乱れるシェリルをもっと見たい。 それと同じくらい大切にして幸せそうに笑う顔が見たい。 相反する二つの感情が混ざり合い、アルトの思考をぐちゃぐちゃにしていく。 自分でも自分が本当に何をしたいのかは分からなかった。 ただ、分かることは今までにないくらいシェリルに対して抱いた感情が凶暴なものであるということだけだ。 「シェリル」 そう呼んで警戒を溶きつつ、指先を胸や腹に這わせてシェリルを高め、そして時々歯を立てる。 いつもの印とは違う少し柔らかい色をした朱がシェリルの身体の柔らかそうな部分に走る様は妖しく、美しい。 どんなものに蹂躙されたとしても何者にも触れられないような穢れない何かがあるようだった。 だからこそ穢してみたくなるのだろうか? 浮かぶ疑問の答えを得られぬまま、アルトはゆっくりと胸に下ろしていた手を下へ下へと下ろし てゆく。 しっとりと汗ばんだ内腿をまさぐり、そっと下着の上からそこをなぞればそこはすでに潤みきっていた。 軽く抑えるだけでもぷちゅっという水音が弾けるような音が鳴る。 その様子にシェリルの顔が赤く染まった。 自分でもこんなことになっているとは思ってなかったに違いない、そんな表情だった。 「・・・シェリル、開いて?」 アルトのブレのない声にシェリルがぎゅっと目を瞑り、いやいやと言うように頭を振る。 腕を頭の上で縛られているためにシェリルの身体はいうことを聞かず、ぷるぷると胸がたわんだ。 恥じらいからそうなっていることは分かっていたけれど今のアルトにそれを止めてやろうという気はない。 それを強いられたシェリルがどんな表情と痴態を見せてくれるのか、どこまで自分を許してくれるのか、気になるのはそれだけだ。 ガチガチに身体を強張らせて必死に恥辱に耐える様子は、アルトの好奇心を存分に煽る。 「シェリル?」 諭すようなアルトの声にシェリルが恐る恐る目を開けた。 瞳を濡らしていたいくつかは既にその頬を滑り落ちたようで、痕が残っている。 アルトがベットの上を移動し、ペロリとその後を舐めてやるとシェリルがうろたえ、惑うのが見えた。 「あ・・・ると」 「ん?」 「・・・・・・」 困ったような声がアルトを呼ぶ。 それに優しく応えてやるとシェリルの顔が泣きそうに歪んだ。 今日を除いてだけれどシェリルの意志を確かめずに無理やり行為に及んだことはなかったし、今日のようにシェリルに自分を受け入れる行為を手伝わせたことはないのだからこの反応も納得だった。 愛撫を通して気持ちの擦りあわせ、頃合が来たことを互いに認識してからシェリルはアルトに身を任せるのだ。 それが別段良いとも悪いとも思わないけれど、それでシェリルが救われている部分があるのではないかとアルトは思う。 身を任せることで能動的立場から受動的立場へと摩り替わることができるために、その分淫乱な自分を認識せずにすむというのはやはり女性にとって心理的にも楽だろうと思ったのだ。 だからこそ、それを認識させてみたかった。 「・・・・止めるか?」 「!!」 我ながら底意地の悪い言葉だと思う。 自分だって限界で頭の血管がぶち切れそうなところにいるくせにそうやって一歩も譲らないところを見せて、シェリルの退路を断つのだから。 しょうがないやつだと心の中で自嘲しながらアルトはシェリルの反応を待つ。 ややあって、シェリルがようやく動いた。 ゆっくりと膝が持ち上がり、スカートの中が露になる。 しばらく膝ががっちりと閉じられていたけれど、それも徐々に解かれて行った。 「・・・・触るぞ?」 「・・ん・・。」 「・・・・閉じたら止めるから。」 「えっ?!・・・・はッ・・ぁ、んっ」 一方的な宣言にシェリルが揺らぐ暇も与えずアルトは下腹部に顔を埋める。 下着の横から指を差し入れかき回せば、そこはすでにとろとろに蕩けきっていた。 くちゅり、くちゅりと淫らな水音が立ち、同時にとろみを帯びた熱い水がアルトの指を覆っていく。 下着の上から舌を這わせば、すぐに溢れ出たシェリルを感じることができた。 「大分濡れてるな。」 「・・ッ!」 「下着ももうぐちょぐちょだ。」 アルトの声に片腕に抱いたシェリルの脚が強張る。 腕を縛られているために何も掴むことができないシェリルがただ、ただ、ぐっと手を握り締めて耐えるしかない。 アルトの羞恥を煽るような言葉に弾かれたようにシェリルの身体はしなり、零れ落ちる蜜の量が増していく。 それを指先で受け止めながら入り口を緩々と撫で付けていると、シェリルの腰が僅かに揺れる。 意識していないだろうその動きにシェリルの自戒が解けかかっていることを確認したアルトは緩やかにかき回しつつ、奥へと指を侵入させた。 中は指に絡んだものとは比べ物にならないくらいの熱く、柔らかい内壁がアルトを絡めとろうと迫ってくる。 ここ最近触れてなかったせいか、シェリルの中は随分と狭くなっているようだった。 最初の時のように何度も出し入れを繰り返しながらゆっくりと中の狭さを取っていく。 中を引っかかないように気をつけながら、アルトが指をまげて押し広げ、2本目を埋めていく。 アルトの言葉に膝をこすり合わせることのできないシェリルは押し寄せる快楽の波に今にも飲まれそうになっていた。 「も・っ・・・ゃ・・・ぁ」 何しろ今日は何かを掴んで耐えることも、膝を閉じることもできないのだ。 霧散しそうになる思考を繋ぎとめるには必死に足を緊張させるしかない。 だというのに、内腿に触れるアルトの手はひどく優しいから思うように力が入らない。 あっという間にシェリルの息が上がった。 切なげなシェリルの声に応える声はない。 アルトもまたシェリルから声が上がる度に、同じ速度で追い詰められていた。 欲情した男にとって、必死に懇願する女の声はこれ以上ないというほどに自身を昂らせる。すでに痛いくらいに張り詰め、熱を持って脈打っているというのに、なかなかアルトが愛撫を止めないのはシェリルに無理をさせたくないという気持ちがあるからだ。 「待っ、て・・ある・・・あッ・あッ・・んっ・・・・あ・るとぉ・・」 うわごとのようにシェリルが必死にアルトの名前を呼ぶ。 むしろ、それしか言葉が思い浮かばなかった。 ギリギリのラインで既に思考を飛ばしそうになるシェリルにはもう考える力も残っておらず、早く アルトと一つになりたいという衝動しかない。 いつしか零れ落ちる嬌声に対する羞恥も消え、アルトにされるがまま、際限なく喘がされていた。 「欲しいか?」 どれほど時間がたったのだろうか? 永久にも思えたアルトの愛撫がようやく中断される。 一方的な愛撫に翻弄されることしかできず、解放されることもないままに弄られたことによってただ高められることしか許されなかったシェリルの身体には汗の粒が浮かんでいた。 全身を濡らしたシェリルを見つめるアルトがおもむろに指を伸ばすと、指先はぬるりと滑った。 指先に掬い取られた粒をアルトがそっと口に含む。 そのアルトの口元が濡れていることに気付いたシェリルは、その濡らしているものの正体にたたまれなくなりぱっと視線を反らした。 けれど、投げられた言葉の意味を理解したシェリルはすぐさま振り返り、縋るようにしてアルトを見つめる。 指だけでイってしまいたくなどなかった。 ドロドロに溶け、アルトの それ 求め続ける自分の奥にアルトを埋めて欲しかった。 おそるおそるシェリルが頷けば、アルトがシェリルに馬乗りになる。 そして、耳元で甘く囁いた。 「ナニをどうて欲しいんだ?」 「ッ!!」 そのままアルトはシェリルの耳に軽く歯を立てる。 背筋に走ったぞくりとする感覚に思わず息を飲んだシェリルを今度は至近距離からアルトが捉える。 吐息がかかりそうなくらいの距離とまっすぐな視線の透明さには不似合い甚だしいアルトの要求にシェリルの頭が混乱する。 意味を理解したシェリルを今日一番の羞恥が襲い、同時に狂おしいほどの切なさが圧し掛かってくる。 懇願しようとした唇も震えるばかりで、音になってはくれなかった。 「言えよ?」 乱暴な言葉遣いのくせにはらむ音はどこまでも優しく魅力的で、戸惑うシェリルの心をぐらぐらと揺らす。 許してっと乞おうにも唇は動かず、抱きしめて欲しいと伸ばすはずの腕も今は動かすことができない。 自身の奥で燻り続ける熱を解放するためにシェリルができることはもう一つしか残っていなかった。 「・・・っ、あ・・・」 言おうと心に決めたのに、いざとなると言葉が出てきてくれない。 言ったら呆れられるんじゃないだろうかとか失望されるんじゃないだろうかとかそんな不安も生まれてくる。 身体の疼きと散々煽られた羞恥のせいでシェリルの頭の中はもうぐちゃぐちゃだった。 「・・あ、ると・・・あると・・」 泣き叫ぶようにしてアルトを呼べば、アルトは優しく髪を撫でてくれた。 けれど、それだけだ。 シェリルの望むようなことは決してしてくれない。 それが、どうしようもなく切なくて、悲しい。 「や・・だ・・。イジワル・・・しないで。・・ちょ・・・だ、い・・・」 「ナニを?」 「あ・・・るとの・・・」 「ん?」 「・・・おちんちん」 幼子のようにたどたどしく、甘くなった声。 それが彼女の本来のものなのか、一時的なものなのかは分からなかったけれど、それはアルトを微笑ませ、同時に発した言葉の卑猥さが状況を更なる局面へと駆り立てる。 すでに張り裂けそうになっていた情動を必死に押さえ込みながら、アルトは優しくシェリルにキスを落とし、髪を撫でると、自分の衣服を脱ぎ捨てる。 それから、シェリルのスカートとすでに意味を成さなくなっていた下着を取り去った。 十分に解れているかどうかを確かめるためにもう一度指を突き入れれば、とろとろに蕩けきった内壁がアルトを掴もうと蠢き、ヒクヒクと震える。 中を一掻きしてから引き抜くと指に絡んだ愛液がゆっくりと涙型になりながら滴り落ち、シーツを汚した。 すでに十分に昂ぶっていた自身をシェリルの願いのままに入り口に当てるとそれを待ちわびたようにシェリルの腰が揺らいだ。 「・・・・っ、あっ・・くっ・」 入り口に押し当て、愛液を絡めるように上下させて潤滑油に使い、シェリルの太ももを抱きこむとゆっくりと自身を進入させていく。 指先で感じるのとは比べ物にならないくらいの熱さと気持ちよさが一瞬にしてアルトを包み、纏わり付いてくる内壁の強さに声を堪えることができない。 息を堪えるようにしながら押し入れるだけで思考が吹き飛びそうになる。 こんなところで意識を飛ばしてなるものかとアルトは己の感覚を必死に手繰り寄せ続けた。 全てを埋めた後で大きく息を吐き出すと、アルトは勢いよく腰を引く。 久しぶりの鋭い感覚にシェリルの口から悲鳴にも似た声が上がり、それはアルトの耳の内でゆっくりと響き渡ると同時にアルトの意識を侵していく。 自分の背筋を這い上がった感覚にそれらが瞬時に溶け合うのを感じたアルトは腹の奥で蠢く欲を衝動のままに弾き出してしまおうとそのスピードを上げた。 押入れ、引き出す度に駆け上ってくる感覚はアルトの肌をぞわりと泡立たせ、官能をもたらす。 組み敷き、蹂躙されながらも唇を引き結び耐えようとするシェリルの苦しげな表情がさらにアルトを酔わせた。 「っ・ぁ・、あぁっっ・・ッ、んっっ・・ゃァっ・・はっ」 ぐちゅぐちゅという淫らな水音。 濡れた荒い息遣い。 翻弄される声。 ギシリとベットの軋む音。 それらが混ざり合った音が部屋中に響く。 耳に届くそれをどこか遠くのことのように感じながら、アルトは中を掻き回した。 アルトに絡みつく内壁はアルトの動きに合わせて形を変え、どこまでもアルトを掴まえようと貪欲に手を伸ばして来る。 擦りあげる度に腰の奥が痺れ、生まれる熱に汗が噴出し、思考が真っ白になっていった。 しっとりとした脚を深く抱え上げ、指先に解されていない深い部分を侵せば締め付けが増し、引きこまれようとしているのか、引き抜かれようとしているのか分からなくなる。 感じるのは熱の渦を思い切り掻き回すときに得られる快楽だけ。 何もかもぐちゃぐちゃにしてしまいたくてたまらなくなる。 アルトの額に浮かんだ汗はシェリルの腹へと落ち、胸へと滑っていった。 白い裸体が繋がり、情欲のままに相手を求めあえば、散漫に膨れあがるそれはいつのまにか大きな塊となり、更なる高みへと二人を誘う。 戻る術など知らず、急かされるままに駆け抜けるころにはもう腹に抱き続けた熱塊を吐き出すことしか考えられなくなった。 内壁を擦りあげる角度を変え、シェリルが強く反応を返す部分を執拗に攻めたてればシェリルの背中が反り返る。 これ以上ないくらいにピンッと緊張した身体に向けてもう一度自分を押し入れると、同時に中の締め付けがぎゅっとキツクなった。 瞬間、アルトの欲望が弾ける。 ようやく許された解放に、アルトの下肢が震えた。 トクトクと注がれる熱い液体の感覚に目を覚ましたシェリルは、肩で荒い息をするアルトを見つけると嬉しそうに笑った。 いつものように抱きしめたくて、抱きしめてほしくて、手を伸ばすけれど、手は動かない。 縛られていたからだ未だにぼんやりとする頭で考えていると、シェリルが目を覚ましたことに気付いたアルトが倒れこむようにして抱きしめてくれた。 大好きな腕が背中へと回り、ぎゅっと抱きしめられるとたまらなく幸せな気分になってくる。 汗に濡れた首筋を舐めてやれば、くすぐったいというようにアルトが笑った。 ややあって、ようやくシェリルの両手が解放される。 どう文句を言ってやろうかとも考えたけれど、少ししょんぼりとなったアルトの表情を見ていたら、叱るに叱れなくなってしまった。 シェリルはそのことに小さく苦笑すると、そのままアルトを優しく抱きこむことにした。 ドクン、ドクンと大きな音を立てて打つ心音に耳を寄せ、軽くキスをしてやればアルトが笑う。 シェリルは身体を動かし、仰向けになったアルトの上に乗り上げると愛おしそうに、裸の胸に頬を寄せた。 そして二人は幸せな倦怠感を感じながら穏やかな眠りへと落ちていく。 END
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/149.html
391 :こたえなさい。(アルシェリ):2008/12/22(月) 22 15 40 ID k6MeI1WC 「たっぷり、サービスしてあげるんだからね。」 その言葉だけは、勇ましい。 しかし、シェリルの唇は、ゆるく起ち上がりつつある アルトそのものの先端に近づいたまま、次の動きに移る気配がない。 アルトの開いた、脚と脚の間に埋められた顔、上目遣いの視線が、 アルト自身とアルトの顔の間を、迷うように行き来する。 *** ――この期におよんでふざけてるのか。 「やるなら、やれよ。その、なめるとか、くわえるとか。」 「ちょっ、アタシがなんで、そんな…………、 ああ、やるわよ。やるに決まってるじゃない。 ただ、もう少し焦らしたらアルトがどんなに情けない顔するだろう って思って、待ってただけよ。」 「わかったから、早くしろよ。……もう充分だろ。」 「うるさいわね、アルトのくせにアタシに指図する気なの。」 「読めたぞ、お前、そうやって人のせいにして自分が怖じ気づいたのを ごまかす気だろが。」 「あら、アタシを誰だと思ってるの。シェリルよ、シェリル・ノームよ。 これくらいのことでビビるわけないでしょ。」 シェリルはよほど怒ったのか、あるいは自分を鼓舞しているのか よくわからないが、部屋の四面を囲う壁を震わせるかというほどの、 ひときわ大きな声で言ったのを合図にして、俺の、快楽への期待に 濡れつつある、欲望の先端を舌先で転がしはじめた。 シェリルの口戯は、たぶん他人が想像するほど技巧に長けたものじゃない。 そのかわり、俺が想像していたよりもずっと丁寧にされる。 俺自身の槍頭を、舌の上で転がすようにしてひとしきり唾液で濡らすと、 次には舌先を離さぬまま雁首の括れた部分へと舌を滑らせていく。 そして、その括れを横から舌で細かく叩くようにして、ぐるりと一周、 二周となぞっていく。 その手順を幾度も繰り返すことで、丹念に淫茎を唾液で濡らしていく。 くすぐるような曖昧な刺激が、もどかしい。 やがて、シェリルの唾液と俺の切先から零れた雫によって濡れた欲望の幹が、 鍛えられた刃のように艶やかな輝きを帯びるようになってようやく、 シェリルは、俺を唇で包んでくれる。 先端の部分だけを唇の内側に含みながら、今度は口腔の粘膜でもつつんで、 更に潤いを増した舌で、俺の頭頂部分を転がす。 シェリルの体温を先端に感じて、さらに肉槍は硬度を増す。 強引に歯列を割って、侵し尽くしたい衝動を抑えながら、 その唇に圧しつけるようにして、腰が前に動こうとするの止められない。 「アルト。どう、ちゃんとできてるでしょ?」 唇を離すたび、ことばとともに潤んだ眼で見上げてくるシェリルの仕草。 はじめは、俺の反応を楽しむだけの問いにみえた。 俺は、シェリルのいいように自分が煽られている悔しさも手伝って、 何も答えずにいた。 けれどもシェリルからの問いは、少しの間をおきながら何回も繰り返される。 その度に、シェリルが俺を見上げて動きを止める時間が長くなり、 最後にはとうとう、刺激する行為自体を完全にやめてしまった。 「こたえなさい、アルト。」 言葉の表だけを掴まえれば、いつも通りの命令口調で可愛いげのないシェリル、 普段の態度のそのものだ。 だが、その声色はかすれて弱々しく、今、目の前に屹立した欲望の塔の向こうで 返事を待つシェリルの目は、俺の唇、その一点だけを懇願するようにみつめている。 こたえなさい、投げかけられることばにこめられたシェリルの思いに、 誠を尽くして報いるならば、気持ちいい、とか、すごくいい、のような俗な言葉は 適当でないように思われて、それではない、別の何かで応えてやりたいと感じた。 だから俺は、言葉をかえすその代わりに、シェリルの柔らかく巻かれた髪に指を絡める。 そして絡まる糸を解くように、幾度も幾度も撫でつけてやった。 さらさらと柔らかな髪の間を指が抜けていくたびに、 シェリルの目が満足げに細められていく。 俺の応えに満足したのか、シェリルは完全に目を閉じて、 ようやく俺自身への愛撫を再開する。 今度は、深く、一度に根元までを唇の内に迎えてくれる。 フロンティア中のビルボードを席巻したのと同じ、薄桃色の唇を割って、 屹立が、湿った音をさせて呑みこまれていく様子は、現実を離れて薄い霞の 向こうにそれをみているような、幻に似た情景だ。 それゆえに、現実にくわえこまれ、濡らされていく感触の生々しさが いっそう強く、肌に焼きつく。 そのとき、勢い余って喉奥を突いてしまったのか、一瞬、唇を薄く開いて シェリルが小さくせきこんだ。 むせるのに似た様子の後、シェリルの目に涙が滲む。 だが、それにめげることもなくさらに口唇での愛撫は深くなる。 普段の女王然とした姿からは想像もできない真摯な愛撫、 それを懸命に続けるシェリルの姿に、熱情が一気に煽られる。 「シェ、リル……。俺、もう……。」 「ダメよ、アルト……、まだ……。」 いいながら、懸命に欲望の幹すべてを口におさめようとするシェリルの表情と、 自身全体が根元まで包まれる快感とに、恍惚となる。 このまま快感に流されて放ってはいけないと、理性は忠告をするけれども、 与えられる愉悦からは逃れられない。 柔らかな唇で樹幹の部分を吸われ、扱かれると、次の瞬間に自分の理性が 一気に押し流されるその予兆を烈しく感じたけれど、もう手遅れで、 劣情の解放を押し留めるような余裕は俺にはない。 あとは、シェリルの頭を抱えこむように身をかためて、総身が震えるほどの 吐精感を覚えながら、その口内で情欲を激しく脈打たせることしかできなかった。 *** 前触れもなく突如、奔流のように流れこむアルトの熱情を、 シェリルは懸命に受けとめる。 すぐに唇を離せば、その苦味に味覚を侵されることもなく、 その青い匂いに呼気を汚されることもなかった。 だが、シェリルはその濁りに染められることを選んだ。 白濁した欲望の雫が波打つようにして、シェリルの口腔を 生ぬるく満たし溢れていくのを、アルトは淫茎を包みこむ 甘やかな感触が、ひときわ強いぬめりを帯びたことによって知る。 ぬめりを帯びた白い精はシェリルの舌や口蓋に絡みつき彼女を苛み、 その濃厚な劣情は、飲み下そうとしても喉奥に留まって、 銀河の妖精を幾度も咳きこませる。 その度に唇の端からは、含み切れず溢れた白濁が粘りのある糸をひいて、 細く、きらきらと流れていた。 ――ふたつの鼓動以外、全ての音が遠ざかっていくようだ。 ただ一つ、アルトが身勝手に放った雫を、シェリルが飲みこむ その音だけが、部屋に響いた。
https://w.atwiki.jp/fairy-waterfall/pages/59.html
7スレ105 キッチン → ソファーへ… 105 :えっちな18禁さん:2009/03/28(土) 21 20 49 ID 1hnUkTwJ0 94 ↓ 23話みたいに一緒にご飯作ってて、 アルト裸エプロンカッコヨスな様子にdkdkするシェリル。 アルトは割と集中するタイプなので、始めは放置するんだけど… 男の子なので…急に気付いて、キッチンの火を止め、くるりと振り返って、シェリルを抱きしめ、 「ん!んん~」っと反応し出したシェリルを抱えてソファーへ…。 をやりたかったけど、暴走しました。 ネタを生かすことも出来なかった。 たぶん、途中で切れるし、 用事があって30分で戻ってこれないから、少し投下に時間がかかるんだけど、 帰ってきてからのまとめて投下がいいかな? トン・トン・トン トン・トン・トン 包丁がリズムよくなる。 それにあわせて踊るように長い髪が舞い、そして腕が上下する。 自分に向けられた背中の印象は、細くてしなやか。 でも、本当は凄く温かくて、自分とは似ても似つかないことを知っている。 身体の線も、骨格も、肉の付き方も、硬さも、自分とは違うものだ。 筋骨隆々であるとは、お世辞にも言えない。 見た目が男らしいなんてことも言えない。 顔なんか特にそうだ。 髪の毛はさらさら流れてて、つやっつやだし。 肌は白いし、まつげ長いし、唇なんか荒れてもいない。 手入れなんて、あんまりしてないくせに。 そこまで考えてシェリルはつんっと尖らせていた唇を解いた。 解放された途端、形の良いふっくらとした唇が弓形に笑む。 軽くつま先で立って、少し反動をつけた後でシェリルは勢い良くその背中を抱きしめた。 (温かい。) 記憶の中の感覚が消えて、現実のものとすり替わる。 背中から抱きしめたまま、シェリルはそっと息を吐いた。 洗剤の香りとアルトの匂いとが混ざった独特の匂いがする。 (あぁ、やっぱりこれだ。) 息を吸い込むと同時に、胸の辺りが少し苦しくなる。 けれど、落ち着くような感覚も広がるから、どういう反応をしたらいいのか分からなくなる。 だから、もう少しだけ力を込めた。 トン・トン・トン トン・トン・トン 刻むリズムは変わらない。 それが少し悔しくて、でも、それがアルトらしくてなんだか笑えた。 「・・・・シェリル、腕」 「なによ。」 「メシ。遅くなってもいいのか?せっかくいい肉買ってきたんだぞ?」 「手は動いてるじゃない。しっかり刻みなさいよねっ、アルト!!」 勝手に言葉が口から出てくる。 心に浮かぶのとは、違う言葉が溢れていく。 でも、結局アルトはきちんとそれを読んでくれるからそれに甘えてしまう。 素直でないなと思いつつ、シェリルはそっと息を吐く。 付いたため息の意味は自分でも分からなかった。 自分へのため息だろうか? それとも、構ってくれないアルトへのため息だろうか? できれば前者がいいなと思う。 できれば、まだ自分が"そこまで"落ちていないといいなと思う。 できれば、後者でないほうがいいなと思う。 暴走し始める思考を押さえ込むように、シェリルは一度だけぎゅっと力を入れる。 一瞬だけ。 ほんの一瞬だけ、力を入れて、抜く。 奥底に沈めてしまえばいいのだ。 沈めて、鍵をかけて、浮かんでこないようにしてしまえばいいのだ。 そうすれば、誰にも気付かれることはないのだから。 「・・・シェリル?」 無理やり押し込んで意識を戻す前に、名前を呼ばれた。 正確に言えば、シンク急に水が流れた音とアルトの呼ぶ声が、シェリルを引き戻したのだ。 下手をすればただ漏れになりそうな心を必死に留めながらシェリルは慌ててアルトを見上げる。 流れ落ちる水で汚れた手を洗いながら、首だけ振り返っていたアルトと至近距離で目が合った。 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・」 手早くタオルで軽く手を拭くと次の瞬間にはくるりとアルトの身体が回り、 まだ微かに濡れた手が、シェリルの頬に触れる。 冷たいと思う前に重なった感覚が全てを飲み込んでいった。 1回、2回、3回、 我ながら甘いと思う。 突然されたくせに全て許してしまうのだから。 角度を変えて口付けて、 注がれる唾液を全て受け止めて、 絡まる舌をもっと感じたいと、戯れをやめない。 カラカラに乾いていた喉を潤すように、夢中で重ねる。 (あぁ、なんだ。・・・・アタシ、アルトとシたかったんだ。) ぼんやりとしだした思考の中でシェリルは妖艶に笑った。 頭を支える手が左へと代わり、右手が肌を滑り落ちていく。 首筋をなぞり、鎖骨を擽り、右胸へと触れる。 先端を服の上からなぞられ、そのまま腹の横を撫ぜられ、腰、太ももへと降りていく。 スカートの裾が捲り上げられ、ストッキングを丸見えにさせられながらも、 身体を弄る手は止まらなかった。 キスの合間に濡れた吐息を吐き出す。 シェリルの足の間にアルトの右足が挟まり、崩れ落ちそうになるシェリルを支える。 身体が熱いと思った。 でも、それが気持ちいいとも思った。 「シェリル。」 アルトが名前を呼ぶ。 いつもと同じ調子でその首元に抱きつくと、身体がふわりと宙に浮いた。 移動時間はたった数秒。 それでも、アルトの肩口に顔を埋めるこの瞬間がたまらなく好きだと思った。 ソファに降ろされると息つく間もなく、膝が割られた。 そして、ワンピースが邪魔だと言わんばかりの勢いでアルトの顔がスカートの中へと入り込む。 あまりの光景に呆然となっていると濡れた感触が秘部に走った。 「やぁ・・んっっ」 甘い声が上がった。 下着の上からだというのに、舌が這い回る感触はシェリルの身体を震わせる。 下部はどんどん湿り気を増し、ぴったりと肌に張り付いてくる。 ぞくぞくとしたものが背筋を登ってくる感覚に耐えられなくて、何か掴むものを探そうとするけど革張りの ソファーには掴むところなどあるはずがない。 どうしようもなくて、咄嗟にアルトの両肩に手を置き、引き離すように突っ張った。 が、後ろの背もたれがそれを阻止してくる。 「んっ・・・・は、ぁ・・」 漏れる息は熱い。 感じぬようにと固くした身体はすでに陥落しようとしている。 小刻みに身体が震え、少し強めの感覚を与えられる度に跳ねた。 「アルッ・・トッ!!」 短く名前を読んでも反応はなし。 それでも、名前を呼ぶたびに太ももの根元に近い部分に濡れた感触が走っているから、 絶対に聞こえているはずだ。 だから、何度も名前を呼んだ。 「何、だよ。」 もう、何度目か分からない呼びかけに返ってきたのは余裕そうな声。 それでもその目は情欲に濡れていた。 アルトの唾液か、自分の"モノ"かは分からないけれど、 唇が濡れてキラキラと輝く姿はたまらなく色っぽい。 切れ長の目が下からじっと見つめる様子は、シェリルを落ち着かなくさせた。 「・・・ベットが、いい」 「却下」 「なっ・・・」 提案は一蹴。 聞いてくれるものだと思い込んでいたシェリルが言いよどむのと同時に、 スカートの裾が持ち上げられる。 「手、上げとけよ。コレ、脱がせられないから。」 極めつけの脅迫だ。 ストッキングもその下着も丸見えなんて最ッ高に間抜けな姿だろう。 一瞬どうしようかとも迷ったけれど、そんな姿でいたくもなかったし、 どうせ最後には剥ぎ取られてしまうのだ。 シェリルは軽く息をつくと降参するように手を上げた。 いつになく従順なシェリルにアルトが満足そうに笑う。 そして、すぐにワンピースが脱がされた。 「うっわ・・・エロ・・・」 下着姿にさせられたシェリルに、うめくような言葉がかけられる。 「?」 何かいつもと違うかしら?っと自分の姿を省みたシェリルが小首をかしげる。 ブラもショーツもいつもと一緒だ。 違うのは、ガーターベルトくらいだろうか? 「・・・・・なーに?こんなのが、そんなに良かったの?」 形勢逆転だ。 したり顔でにっこりと微笑み、両手をアルトの真っ赤に染まった頬に伸ばして、やんわりと左右に撫でると、アルトが少しだけ悔しそうになる。 そんな姿がちょっとだけ、可愛かった。 誘惑するようにアルトの目の前で足を組み、腕を組んでやる。 濡れた下着の感覚に、自分の熱も戻ってきそうだったけれど、そこは必死に押し隠す。 「アールト?」 止まってしまったアルトの名前を呼んで、こちらを向かせるとシェリルはそっと足を元に戻した。 「シないの?」 「・・・・・これ、どうやって外すんだ?」 「簡単よ。」 シェリルはアルトの手を掴み、 ガーターベルトのストラップに持っていくと、教えるように目の前で外してやる。 興味深そうにそれを見つめるアルトに苦笑しながら シェリルは脇の方を外すと、アルトがもう片方に手を伸ばしてきた。 恐る恐る触れる手が少しくすぐったい。 「・・・笑うなよ」 「だって、くすぐったいんだもん。」 「このっ!!」 「ちょ、ヤダッ!!・・・アルト!!」 外れたのを幸いとばかりにアルトがシェリルの太ももを引き寄せる。 急に身体を動かされたと思ったら、今度は腹部を啄ばまれた。 抵抗するはずの手はあっという間に絡め取られてソファーの背もたれの上だ。 徐々に上へと上がってくる唇の感触に、再びゾクリとする感覚が背筋を這い上がる。 太ももへと回されていた手が、シェリルの背後へと回り、ブラのホックをプチンッと外した。 ストラップのないブラは支えをなくし下へ落ちる。 現れた肌に、躊躇うことなく顔を埋める様子が小憎らしい。 「んあ・・・・」 先端の突起が煽られて、ぷっくりと立ち上がる。 空いた片手がもう片方の乳房を優しく愛撫してくれる。 両手を頭の上で押さえられてしまっているから、身体が微かに反り、アルトへ突き出すような形になった。 濡れた感触。 熱い舌の感触。 触れられる感触。 熱くて熱くてたまらない。 頭の芯がぼうっとしてくる。 身体の上を滑る熱さも後を引く。 「とろっとろだな・・・」 下着の上から軽く2,3度撫ぜられた後、隙間から指が入り込む。 触れるだけでくちゅりという水音がする。 先ほどまでの愛撫でそこは十分に解しており、すでにアルトを受け入れても 傷つけてしまうことはないだろう。 それでも、アルトは内壁を煽るのをやめない。 指を差し入れ、バラバラに動かし、愛液を溢れさせる。 舌を差し入れ、絡むその味を楽しみながら、アルトはシェリルの声を聞く。 「ね、ぇ・・・い・・・れて・・」 上がる甘い嬌声の間に、途切れ途切れになりながら呟かれる言葉。 待ち望んだ展開に、アルトの喉が小さくなる。 「腰、浮かせろよ」 そう言いながら自らの手でシェリルを浮かせ、濡れてしまった下着を剥ぎ取る。 恥ずかしさに思わず足を閉じてしまうシェリルにアルトが笑う。 それを見たシェリルが膨れる。 けれど、頬は真っ赤だから可愛くなるばかりだ。 「・・・可愛いよな。お前」 「うっ////うるさいわよっっっ」 「褒めてるんだろ?」 シェリルの言葉に、アルトが笑う。 シェリルが意地になって更に言葉を紡ぐことがないよう おとなしくさせようと、アルトはシェリルの頭を優しく撫でてやる。 シェリルはアルトのそんな振る舞いに一発で押し黙る。 その合間に、アルト自身も全てを取り去る。 「お前が、来いよ。」 そういって、ソファへとアルトが座った。 立ち上がったアルトのソコを見て、シェリルが僅かに身じろぐ。 それでも覚悟を決めたのか、 シェリルは自らの体を起こしてソファーを降り、アルトの側に少しずつ身を寄せる。 「どう、すればいいの?」 「来いよ」 不安そうなシェリルにアルトが手を伸ばす。 そして、自分を跨がせて座らせた。 膝立ちをするシェリルを優しく撫でてやり、反り立った自身を入り口へと宛がってやる。 正直言って、それが当たっているかは分からなかったけれど、ソコへ宛がうと、 シェリルの瞳が揺れたのだ。 少し、不安そうに。 そして、少し落ち着くように。 何度も、何度も繋がる内に感覚を覚えたのだろうか? それだけ、彼女が自分になじんでくれているならば嬉しい。 心に満ちる感覚に幸せそうになりながらもアルトはシェリルを放さない。 「そのまま、腰落として」 「んっ」 先端からゆっくりと中へ飲み込まれていく。 埋まる度に、アルトの背筋を何とも言えない感覚が這い上がる。 細く息を吐きながら、シェリルはゆっくり、ゆっくり腰を落としていった。 ほとんど収まりそうになったところでシェリルの動きが止まる。 「・・・・シェリル?」 「ちょっ・・と・・・待って・・・・なんか、・・・・深・・・い・・」 そのままシェリルが止まってしまっても、包み込む感覚はアルトを誘惑する。 早く、早くというように、内壁が蠢き絡みつく。 シェリルを待ちたい気持ちもあるのだが、声を上げさせたいという気持ちも同じくらいある。 「・・・・悪い」 「えっ・・・あ・・・あぁぁぁぁーーーーー」 シェリルの意識がこちらへと向いた一瞬を使って、腰を引き落とす。 最奥を強制的に突かれ、シェリルの身体が弓なりに反った。 そして、甘い叫びが上がる。 押し寄せ、いきなり自分を飲み込んだ波に翻弄される間もなく、シェリルの身体から力が抜け、 くたっとアルトのほうへ倒れこんでくる。 アルト自身も一瞬飛びそうになった意識をなんとか繋ぎとめながら優しくシェリルを抱きとめた。 「ま・・てっ・・・・て、・・言った・・」 「悪いとは、言ったぞ?」 「・・・・バ、カ」 身体の内で燻る熱と未だに自身を貫く楔が、シェリルの身体を震えさせる。 そのせいで先ほどの悪口もいつもの勢いがない。 目にはたくさんの生理的な涙が溜まり、程よく上がった体温が汗と絡んだ甘い匂いを立ち上らせる。 目の前では豊満な乳房がたゆみ、柔らかな感触を伝えてくる。 アルトはゆっくりと理性が絡めとられていくのを感じた。 「あっ・・・やぁ・・んんっ」 比較的早いリズムで腰を動かすと合わせてシェリルの髪が舞い、甘い喘ぎが漏れてくる。 必死に自分にしがみついてくる様子が可愛くてたまらない。 首元にまわされた腕も、耳元で聞こえる呼吸もアルトの熱を高めていく。 何度も何度も打ち込んで引き抜き、内壁を擦りあげた。 ガクガクと震える柔らかい身体を抱きとめながら、シェリルを翻弄する。 「あ、・・・・はぁっ・・・あ、・・ァ・・も、・・おか、しく・・・なっ・・」 思考回路はぐちゃぐちゃで、もう何も考えられなかった。 早く熱を解放したくてたまらなかった。 律動を早め、波を生み出し、絡む熱を上げていく。 いい表せないくらいの快楽が襲う。 埋めこんだ内で、自身の熱塊が蕩かされているような感覚に、足が震える。 粗さを増す呼吸にも気付かぬまま、アルトは駆け上がっていった。 「くっ・・・・・・・」 低く呻いた声が聞こえたと思った次の瞬間、自らの内で熱が弾けたのを感じた。 怖いくらいの快楽からようやく解放されるのだと小さく安堵すると同時に、シェリルも最後の波に攫わる。 思わず息をつめたけれど間に合うはずもない。 繋ぎとめようというシェリルの努力もむなしく、それはシェリルの意識を奪っていった。 とりあえず、ここまでです。 2回戦はまた今度、時間が出来たときにでも投下します。 ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/macrossf-eparo/pages/205.html
693 :フォールド熱 : 2009/01/30(金) 20 12 33 ID iiMT7Hqk アルトは全裸でベッドに座った。ヘッドボードに背中をもたせかけて、足を広げる。 「何だか、照れるわね」 その脚の間に、うずくまっているシェリル。シェリルもまた、生まれたままの姿だった。 淡いシェードランプの明かりに、白い肌が浮かび上がっている。 「お前が見たいって言いだしたんだろ」 「そうだけど…」 流れ落ちるストロベリーブロンドをかきあげて、アルトのそれに顔を近づける。 「ふふ……」 照れ笑いを浮かべながら、シェリルは吐息がかかる程の距離でまじまじと見つめた。 アルトの男性は勃起していて、茂みの中からそそり立っていた。呼吸に合わせてわずかに揺れている。 「そう……なんか、本当は体の中にあるべき物が出てきたみたい」 アルトはシェリルの形容を言い得て妙だと思った。 「我が身は、成り成りて、成り余る処、一つところ在り、か」 「何か言った?」 勃起したものの向こうから青い瞳がこちらを見ている。 「いや何でもない」 「恥ずかしい?」 そう問いかけているシェリルも目元が染まっている。 「ああ」 「ここは、気持ち良い?」 繊細な指先が勃起の下にぶら下がっている袋に触れた。 「あんまりきつく握らないでくれよ。男子の急所だ」 「知ってる」 シェリルは、そっと袋と中に収まっている双玉を掌に収めて愛撫した。 「へぇ」 「スラムの頃にね、襲われかけたら蹴っ飛ばして逃げてた」 アルトは顔をしかめた。 「うわ……確かに、それ以上、確実な手は無いな」 「でしょ」 何もつけてなくても鮮やかな薔薇色の唇が、玉に口づけた。舌先が遠慮がちに舐める。 微妙な部分に湿った愛撫を感じて、アルトはため息を漏らした。 「気持ち、良い?」 「ああ。ゾクゾクする」 「良かった」 唇が開いて袋を含んだ。舌と唇が玉を舐め、転がす。手が勃起を掌に収めて上下に扱いた。 「面白い」 「おもちゃじゃないんだぞ」 「でも、今は私のおもちゃよ…ん」 袋を頬張って、軽く吸った。 普段、自分でもあまり触れない部分が濡れた口腔に納められた感触は、なんとも形容しがたいものだった。 心地良さとくすぐったさ、わずかな興奮。 「さっきより、硬くなってきた」 シェリルは手に握りしめた勃起を強弱を付けて扱いた。先端に唇を寄せて、リップノイズを響かせながらキスを繰り返す。 「ここは?」 舌先が、先端近くの括れをなぞって横に動いた。 「ああ……いい」 「気持ちイイのね。こっちは?」 舌先が先端の切れ込みをこじるようにする。 「ぅ……ピリピリする……」 「敏感なのね、ここ。あ、濡れてきた」 切れ込みから溢れ出す透明な雫を舌先で粘膜に塗り広げた。 「男の人も、濡れるのね」 「ああ」 見上げる空色の瞳と、琥珀色の瞳が合わさった。 ふっと空色の瞳が揺らぐと、瞼を閉じた。唇を大きく開いて、勃起を含む。 「ん…っ…んん……」 先端が唇に含まれて、舌で舐めまわされている。 伝わってくる感触もさることながら、シェリルの唇が、あの歌声を生み出す唇がグロテスクとも言える肉棒を包む様子は、たまらなく扇情的で、目が離せない。 アルトは手を伸ばして、シェリルの前髪をかきあげた。 薄く目を開いて、アルトの顔色を伺うシェリル。 再び目を閉じると、今度は深く咥え、唇で締め付けながら顔を引いた。唇が括れに引っかかると、ぐぅっと深く含む。 アルトは先端が喉奥に触れたのを感じた。 「ん…ん…ん…ん…」 少し苦しそうで、どこか甘い響きのある呻きがアルトに伝わってくる。 シェリルは顔を引いて、先端だけを唇に含んだ。舌と上顎の間に挟むようにして刺激し、指を肉棒に絡めて上下に扱く。 「ん……そろそろっ…」 指と唇と舌の動きにアルトの性感が水位を上げてきた。 腰の奥に力がこもり、それが勃起めがけて上昇していくイメージ。 「ん」 舌の表面全体で先端を愛撫しながらシェリルが頷いた。 もう抑えきれない。アルトは欲望を解き放った。 「んっ!」 シェリルは舌の裏で迸りを受け止めると、そろりと唇を離した。口元に手を当て、こぼさないようにしている。 アルトと目が合うと、微笑んでから喉元が小さく動いた。嚥下している。 「これ……」 吐息と共にシェリルが言った。 「今、すっごく敏感になってるんでしょ?」 絶頂を迎えたばかりのアルトの勃起を手の中に収めた。赤いマニキュアを施した指が先端を撫でる。 「うっ……くすぐったい」 「こういう時のアルトの顔が好き」 手で弄びながら、シェリルはアルトの下腹に頬を寄せた。 体を入れ替えて、シェリルがヘッドボードに背中を持たせかけて脚を広げた。 アルトは、伸びやかな脚の間にうつぶせになった。 「ここもブロンドなんだな」 淡い茂みに指を潜らせて言った。 「や……もう」 シェリルがもじもじと尻を動かす。 茂みの下ではスリットが、ぴったりと合わさっていた。 アルトの指がそっと触れて、左右に広げる。 やや暗いローズピンクの襞が淡い照明できらめいた。濡れている。 「興奮したのか? 口でしてて」 「うん」 子供っぽい仕草で頷くシェリル。 アルトは微笑ましい気持ちになった。スリットの上、薄い皮に包まれている核にそっとくちづける。 「あ…」 シェリルの白い内股が震えたのを、アルトは視界の端で見た。 核をそっと唇で包んで、軽く吸う。 「ん……優しくして」 濡れた青い瞳が懇願している。 「ああ」 アルトの唇は核を挟んで優しく擦った。 その度に、シェルの体が振るえる。 唾液を乗せた舌で愛撫する。 「んっ…」 シェリルの指が黒い真っ直ぐな髪をかき乱す。 舌先がそっと皮膜を剥く。過敏な粘膜にキスを繰り返すと、シェリルは身をすくめた。 徐々に脚が持ち上がり、いつの間にか膝を折って太ももを上体に押し付けるようにしている。 唇での奉仕を続けながら、アルトの指がスリットに挿入された。 既に濡れていたそこは、花びらを押し広げるだけでとろりと蜜をこぼす。潤いに乗って指がスルリと体内に収まった。 バルキリーの操縦桿を操るより敏感に、スロットルの調整よりも繊細にまさぐる。 「あっ!」 甲高いシェリルの声。 反応の良い場所を探り当てると、核への愛撫とリズムを合わせて指を使う。 シェリルの爪先が丸まった。 「あっ…あっ…あっ……アルトっ…」 白い肌が淡い桃色に染まる。 アルトは空いている手を伸ばして、乳房を掌に収めた。熱い素肌、硬く尖っている乳首をこね回す。 「っー……ん」 内股の筋肉が不規則に震え、体内の指が締め付けられた。 くたりと力を失って、シェリルの体がヘッドボードから滑り落ちた。 「どうしたんだ……大胆だなお前」 アルトの上にまたがる69の形になり、深く勃起を含むシェリル。 「なんでかしら……そうしたい気分なの…あ……」 「でも、俺はお前の中でイキたいんだ」 シェリルのスリットから唇を離し、体位を入れ替える。 白く熱い素肌を組み敷いて、濡れた場所を貫く。 「ああああ………これが、フォールド熱なの?」 深い場所から伝わってくる喜びに身を震わせ、アルトの体に手足を絡めて貪欲に求めるシェリル。 二人の乗った客船は、長距離フォールドに突入していた。 惑星フロンティアを出発した貨客船アトランタは跳躍の後、マクロス7船団に到着する予定。 <終>