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佐藤琢磨と給水 [2004-11-01] あまり柔らかくないサスペンションによる振動から来る疲労や、50度にも なるコックピット内の温度が、ドライバーの体への負担を増します。 人間の体は、酸素や二酸化炭素、ナトリウムやカリウムなどの電解質やブドウ糖 などの濃度や粘度、ph、浸透圧、血圧、体温などを一定の範囲に保つ調節能力を 備えています。そして、それら生体の内部環境である血液や体液の状態は、1Gで 恒常性(ホメオスタシス)が保たれるように出来ているのです。 その鍵を握るのが水分と電解質。 F1レースの過酷な状況で失われていく水分、2~5Gもの重力Gがかかる中で 酸素やエネルギーを補給し、筋肉を動かし、老廃物を除去し、意識を集中して 脳を働かせるための血液や体液の恒常性を維持し、循環させなければなりま せん。遠心分離機にかけられている自分を想像してみてください。 今シーズン第17戦日本GP(鈴鹿)で、レース中に佐藤琢磨のマシンの給水シ ステムが故障するアクシデントがありました。ピットとどのようなやり取りが あったのかは分かりませんが、レース続行は、私にはとても危険に思えました。 脱水レベルが進行し電解質バランスがくずれて体液浸透圧や血漿浸透圧(血液 の浸透圧)の調節が困難になると、痙攣や意識障害を起こします。 0.1秒の判断ミスが他の車両を巻き込んで(巻き込まれて)の事故にも繋がるF1 です。運動機能や神経伝達機能の低下によりパフォーマンスが落ちるだけでも 危険なのです。 「がんばれ~」 レース終盤の数周、そう祈らずにはいられませんでした。 大事に至らずに4位と言う好成績でゴールできたのは、普段から水分管理の トレーニングができているからだろうと思います。 関連記事 Formula 1 Grand Prix / ミハエル・シューマッハの体 -
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白刃演武 ◆7vhi1CrLM6 殺し合いの為にあつらえられた会場、その南東の端H-8の小島で一つの機体が落ち込んでいた。 膝を屈し手を付くそのさまは分かりやすく説明するとちょうど『orz』こんな感じである。 モビルトレースシステムを採用しているその機体にとって機体の姿勢は搭乗者の姿勢を現す。 つまり獲物を逃したギム=ギンガナムは、くどいようだが今現在まさしく『orz』な感じであった。 そのような玩具を取り上げられた子供のような状態のギンガナムであったが、レーダーに光点が灯るや否や跳ね起き、目を純真無垢な子供のように輝かせる。 テンションが急上昇していくその様は例えるならば『遠足の朝の子供』といったところか。 そして、はやる心を抑えきれないかの如く上空の機体に通信を繋げた。 「我が名はギム=ギンガナム、一つ手合わせ願おうか」 剥き出しのある意味純真な敵意を向け、大きく飛び上がり航路に侵入。挑むように腰からビームソードを引き抜き構えた。 「名乗られたからには答えよう。私の名はレオナルド=メディル=ブンドル。だがあいにく君に構っている暇は持ち合わせてはいない。悪いが押し通らせていただく」 高速で迫る影が人型に転じ、西洋風の剣を抜き放つ。 振りあげられた刃が煌き、高速で叩きつけられた刃を受けて火花が舞う。百舌鳥の鳴き声のような音が散った。 剣と刀の鍔迫り合い。最大戦速で突撃してきた強烈な一撃を受けて機体は南へ南へと強く押し流されていく。 「クク……」 笑いが込み上げてくる。躊躇のない踏み込み、太刀筋の鋭さ、撃ちこみの激しさ、どれ一つをとっても並の兵ではない。 ――愉快だ。心の底から愉快だ。 シャイニングのブースターが唸りを上げる。出力が上昇していく。 荒獅子の如く展開される冷却装置。さらに出力があがり、二機の南下が止まった。 せめぎ合い。互いのブースターの起こす燐光が闇夜に青白く浮かび上がる。 増大していく出力。あおりを受けた湖面が飛沫をあげすり鉢状にへこんでいく。 唐突にサイバスターの腕が動きを変え受け流された。支えを失った体が崩れ、凄まじい勢いで前に流れる。 減速し体勢を整えようとした瞬間、背中にヒヤリとしたものを感じて逆に加速した。 切っ先が装甲に触れてガリガリと耳障りな音を立て、肌の薄皮一枚切られたような僅かな痛みが走った。 「ハハハハハ!! それでいい。もっと貴様の力を見せてみろ」 息に乱れはない。 僅か数合の立ち合いで理解したのは敵機の異常なまでの柔軟性。その動きは起動兵器の基本フレーム、及び操縦性に制限されたものとは異なる。 普通ではほとんど獲得できないような人体の動きを手に入れている。同時に微細な再現する必要のない動き――ちょっとした癖やしぐさのようなものまで表現しきっている。 そこから導き出されるのは、体の動きをそのままトレースするシステム、もしくは脳波から直接信号を受信し体を動かす感覚で機体を制御するシステムが使われているということ。 とすれば、これは生身の人間と立ち会っていると考えたほうがしっくりとくる。 切っ先が動き、頭を狙って放たれた一太刀を難なく受け止める。 巨細漏らさず搭乗者の動きを再現する機体。呼吸の動きまで見てとれるそれを相手に拍子を読むことなど実に他安い。 相手の技量が低いわけではないが、剣の腕に格段の差があった。 だが、一撃が予想外に重い。相手を遙かに上回る大きさのサイバスターが力に押され徐々に沈んでいく。 耐えかねて刃を反らして受け流し、ぱっと退いた。退き際に籠手を打つ早業。だが浅い。 一つ大きく長く息を継ぎ、心を落ち着ける。 『剣術に許さぬ所三つあり、一は向うの起こり頭――』 判明したことが一つ。正眼から太刀を振り上げ振り下ろすときにわずかに体が開くということ。 ――先を抑え、そこを狙う。 ギンガナムの切っ先が動き跳ね上がる。 振りかぶった白刃が振り下ろされるその懐に一陣の風の如く踏み込む。 その踏み込みはまさに一刀一足、いささかの猜疑心も持ち合わせていない突き。 伝わってくるのは敵の装甲を貫く感触、耳にするのは金属のこすれあう音。 ――しくじった。 深々と突き刺した刃は狙った胸部の僅かに左、貫いたのは右肩。慣れない機体と直感的に動かせる機体、その差が現れた結果である。 抉るように動かし刃の向きを変え切っ先に力を込める。 『二は向うの受け留めたる所――』 耳に獣のような咆哮が届き、重い衝撃が伝わり、装甲が悲鳴をあげる。肩で弾かれ体が崩れる。 透かさずに繰り出された太刀が迫ってくる。ブースターを最大稼働。身をさがらせることによって回避を試みる。 ギンガナムが踏み込み。腕の腱が伸びる。 『三は向うの尽きたる所なり、この三つはいずれも遁すべからず』 そして、腱が伸び切る。踏み込みもこれ以上は体を損ね意味はない。ビームソードの出力も想定済み。 それを統べて見極め再度踏み込み、攻勢に転じようとして目を疑った。 ――馬鹿な! 切っ先が伸び、差し迫ってくる。あり得ることではなかった。 「ハハハハハハハ、見事だ。貴様を我が敵と認めよう。最大の敬意を払い、全力を尽くし、その首をいただく」 中ほどまで刀身が突き刺さる。コックピットの桃色の粒子が差し込まれ、まるでオーブンの中に閉じ込められているかのような高温に晒される。 咄嗟に相手の太刀を跳ね上げ蒸発は免れたが、焼け焦げた肉の匂いがコックピットに充満し吐き気を覚えた。焼き蒸された体から汗がとめどなく流れ、視界が霞む。 その視界でブンドルは確認した相手の刀身は伸びていた。いや、輝く左手に握られたそれは刀というには余りに粗暴な姿に変わっている――実に美しくない。 「どうした? 先を急いでいるのではなかったのかな?」 厭味の利いた上から人を圧するような物言い――実に美しくない。 しかし、その純粋に戦いを欲する精神。求道者のそれに近いその心だけは美しいと評価しよう。 だが、いかに洗練され完結した美しさもった芸術品でも場を違え、調和を乱せばその美しさを損ねる。 目の前の男はまさにそれであった。この場にこの男は危険すぎる。 「君の如き危険人物を野放しておくわけにもゆくまい」 かくして二機は再び相対し、互いの存在を賭けてぶつかりあう。 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態:テンション上昇中(気力130) 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、右肩に穴、全身に軽度の損傷 現在位置:H-8 第一行動方針:ブンドルを倒す 第二行動方針:倒すに値する武人を探す 第三行動方針:アイビス=ブレンを探し出して再戦する 最終行動方針:ゲームに優勝 備考:ジョシュアの名前をアイビス=ブレンだと思い込んでいる】 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:火傷、主催者に対する怒り 機体状態:コックピットに周辺に損傷、ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能 現在位置:H-8 第一行動方針:ギンガナムを倒す 第二行動方針:A-1に向かい、技術者をはじめとする一般人を保護する 第三行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ】 【初日20 40】 本編112話 失われた刻を求めて
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製造社 無し(個人製作) 型式番号 I/Na-01 頭頂高 23.32m 本体重量 69.48t 全装重量 78.94t~164.73t 搭載武装 Xson-557スプリットライフル、改修型圧縮粒子サーベル×2、ナックルバスター、ビッグガン、VAK3Dミサイルランチサイト、スターゲイザーリング、ゲーゴールキャノン、ヴォロク偏向ビームポッド、エンジェルダウン砲 所持人物 メロイス・インフェルナウ 備考 A.N.G.E.L.システム 真・最終決戦後に製造したインフェルナウ個人製作の機体、全てのデータをこの機体に移行し弥一が乗る機体を参考に前機体の面影を残しながら各種パーツを変更増設しより高性能な機体に 大気圏内でも使用できる様に反動重力システムを採用し空対空を可能にし、対空用の装備を新規に追加、換装せずに装備できる固定装備の為ミサイルランチ等の装備には支障は無い D.E.V.I.L.システムをコピーし独自改造を加えたA.N.G.E.L.システムを搭載、起動すれば機体の変形と共に本来の姿が現れ、胸部に大きな目を模した大型ビーム砲が現れる、明らかな弱点でもあるが専用の圧縮粒子フィールドを展開してるため特段心配は必要はないとの事 胸元の砲台の関係でコックピットを頭部に移動させたことにより出力が上昇しより機動力が増強する ついでで言えばミサイルやリングの所持が決戦後特例で認められたため彼女の経歴や素行もあり正式な装備として採用されてる
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VIPミニ四駆スレ的マシン解説 【基本データ】 ●全長128mm ●全幅86mm ●全高50mm ●Item No:18506 ●Item No:95501(再販時) ●本体価格600円 ●1989年9月26日発売(2012年5月26日及び2019年8月4日に再販) ●本体価格900円(2012年5月26日[土]再販)、1000円(2019年8月4日[土]再販、2021年3月26日[金]再販) ●本体価格1,100円(2024年9月再販) 【本体内容】 アバンテJr.の特別版。 シャーシはTYPE-2。成型色をブラックに変更。 ホイールも蛍光ピンクに。 ボディはスモーク、ステッカーもビニール(?)素材に変更。 【RCカーについて】 復刻版アバンテ「アバンテ(2011)」のカラーバリエーションとして ブラックスペシャル が登場している。 こちらはミニ四駆の方が先なので、ミニ四駆のスケールアップ版と言えるかもしれない。 ミニ四駆の方はほぼ純粋にカラーバリエーションだが、RCの方は純正オプションを標準装備したり、新型ホイールを採用するなど性能アップが図られている。 【漫画、アニメでの活躍】 となりのヤングジャンプ連載「二ツ星駆動力学研究所」の表紙(トップ絵)に一時期採用されていた(その後スーパーアバンテになってたり)。 【VIP内での評価】 【公式ページ】 http //www.tamiya.com/japan/products/18506avante_jr_black/index.htm レーサーミニ四駆メモリアルボックス VOL.5 http //www.tamiya.com/japan/products/94561selection5/index.htm レッドキャノピーボディ http //www.tamiya.com/japan/products/94928avante_red_canopy/index.htm 2024年再販 https //www.tamiya.com/japan/products/95501/index.html 【備考】 2012年と2019年(ジャパンカップ2019仙台大会以降のイベント販売)に再販。 2020年はコロナ禍の影響で予定通り開催できなかったため、2021年3月にミニ四駆ステーション限定で再販。2024年9月に再販。 元キットと同じく、コックピットのみをクリヤー化したアバンテJr.ブラックスペシャル レッドキャノピーがボディ単体でGUPとして発売。
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スピットロック / SPIT ROCK 【スピットロック】 喉に噛み付け!爪痕を残せ!声が枯れるほど攻め続けろ! スピットロック / SPIT ROCK ハイライト発生箇所 収録作品 関連リンク ポップンミュージック Sunny Parkで登場した楽曲。担当キャラクターはジャック(SP-1P)。 Throat / Hommarju add. YUNRO BPM 150 新難易度 EASY NORMAL HYPER EXTRA × 26 34 44 ハイライト EASY NORMAL HYPER EXTRA × 5 5 5 IIDX19 Lincleから楽曲提供している、クラブなど多方面で活躍するHommarju(オマージュ)によるポップン初提供曲。SOUND VOLTEXにもREMIXやオリジナル曲のコンテストで計4曲採用されているほどの常連でもある(2013年5月時点)。曲名は「喉」という意味があり、ギターのリフといい暗くアンダーグラウンドな雰囲気に英語ボーカルがマッチしており、今までのポップンシリーズにはほとんど無いような曲調である。アクセントとして入っている攻撃的で不協和音なピアノは、音楽を学んできた同期のYUNROによるもの。 数箇所に微ズレ押しが絡む分、スコア狙いではやや難かも。ハイパーは乱打・縦連打・交互と、隣接階段以外の要素がほとんど入っている総合要素の強い譜面。後半の交互乱打地帯が終わってからはゲージを回復しやすいが、ラストの乱打に注意。EXは開幕を始め、縦連打+αの配置でつまずかないように。ハイパーと同様にあらゆる要素が混じる総合譜面であり、中盤の左手8分+ピアノソロの右手乱打が混じる箇所で大きくゲージを減らしやすいか。終盤には同時押し混じりの乱打があったりと、Lv44にしてはやや厳しい構成。それ以外にも後半には平行四辺形を描くような乱打譜面があったりと、変わった配置が見受けられる。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 2 3 4 5 収録作品 AC版 ポップンミュージック Sunny Parkからの全作品 CS版 関連リンク 楽曲一覧/ポップンミュージック Sunny Park
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統合 一つに合わさること。劇中では、多重人格である主人公がそれぞれの人格と合わさり一つになることを指す。 劇中の統合には主に二種類の統合がある。 1.一つの人格に、他の人格の記憶や経験が吸収される(羽田鷹志後編、千歳鷲介後編、成田隼人後編)。 2.全ての人格を統合し、一つの人格とする。(羽田ヨージ後編) 1の統合では必ずしも全ての人格の統合は必要なく、奈落の底に落ちている人格は統合されない。 また、任意の相手とのみの統合もできることが、羽田鷹志後編の導入(『ハードボイルドは死なず、去りゆくのみ』のシーン)での鷲介と隼人の会話から察せられる。 しかし1の統合ではコックピットに入っている主人格しか存続することが許されず、他の人格は統合の結果、事実上消滅するか生涯を奈落の底で過ごす事になる。 2の統合は、明確な自我の存在する全ての人格を統合することで、全員合致の元一つの人格として生まれ変わる、語弊はあるが完全に多重人格を治す形での統合。一度は2の統合で一人の羽田鷹志(はねだようじ)となった主人公であったが、徐々に欠陥が見え始める。 二つの統合を比べると、2の統合は不完全ながらもごく短時間で意図的に統合する人工統合であるのに対し、1の統合は時間をかけてゆっくりと混ざり合う、いわば自然統合とも例えられる。 直接の描写はないため、統合までの段階などの詳細は不明。 名前 コメント
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サクラ=ニライカナイ 概要 ベルナデッタのエリート 性別 女 年齢 16 名前 サクラ=ニライカナイ 性格 解説 藤色のサイドテールに発育の良い身体をした長身の少女。 好奇心が強く活動的な性格。姉にミヤビ=ニライカナイがいる。 ニライカナイ家は『島国』の伝統文化、華道のとある一流派の家元であり、サクラも跡継ぎとしての教育を仕込まれる日々をおくっていたが、ある日嫌気が差して前々から憧れていた『外の世界』を見るために単身で出奔、『資本企業』に渡航した。 そして生活のために企業へ入社、『ベルナデッタ』のエリートとなるのだが、余りある電力を放出してしまうほどの電気出力を誇る『ベルナデッタ』はコックピットの内部まで微弱な電流が流れるという欠点を持っており、それ自体はサクラにダメージを与える程のものではなかったが何度も搭乗を繰り返す内にサクラの身体もほんの少しずつ電気を帯びるように変化。通常の人体では多大なショックを受けるほどの電流が常に身体を流れる特異体質となってしまう。 これにより機械などの影響を考えて飛行機などに乗れなくなり、研究のために一時拘束されることもあった。 この頃にミヤビ=ニライカナイが連れ戻しに来るが、サクラの体質の問題からすぐに連れ戻すのは難しいと判断、問題が解決するまで『リンファ』のエリートとして働いている。 現在でも体質の問題は解決こそしていないがある程度の外出は可能。身体の放電が迂闊に起こらないように絶縁体の手袋などをしてから外出するようにしている。
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470 光の翼番外編 日登町防衛戦(6) 1/42016/01/26(火) 06 11 07.94 ID urE9Fw2X0 キオは学園で見かけたザンネックを追っていた。 (あのザンネック…ファラ先生がなんで…) ザンネックはちょうど敷地を出たあたりで停止し、学校にザンネック・キャノンの砲口を向けていた。 すでに攻撃の準備に入っているようで、両肩の粒子加速器が稼働している。 「待てえ!」 急ぎCファンネルを飛ばして攻撃する。 ビームはIフィールドにはじかれたが、それでこちらに気付いたらしくザンネックは砲撃の準備を中断した。 「おやおや。なかなか狩り甲斐のありそうな奴が釣れたもんだ」 「(ファラ先生の声! でも…違う!)」 「誰ですか、あなたは…いや、なんでザンネックに乗ってるんです。ファラ先生は…!」 あのパイロットは声こそよく似ているが、キオの恩師であるファラではない。キオはそう直感した。 「先生? …ああ、コッチの私は教員になってるのか。似合わない。処刑人は処刑人をやってりゃいいのにさ」 「何を言っているんですか…!」 「ああ、あんたにはわからない話だったか。まあわかったところで、私がお前の首を頂くことに変わりはない! この死神の魔手(デスイビルハンド)でね!」 戦略レベルの超長距離射撃を行えるザンネックだが、巨体と武器の取り回しの悪さにより接近戦には向かない。 組み付こうとすると、機体が何かにはじかれた。 「いきなり女に寄ってくるなんて悪い子だ」 ザンネックが何か持っていた。ビーム・サーベルの発振器のようなものから鞭状のビームが伸びている。あれではじかれたのだ。 「なんだ、あの武器…」 あんな武器をザンネックが持っているという話は聞いたことがなかった。 「便利だろ。ビームサイズにもビームランスにもなるんだ。――つまり!」 鞭を鎌に変えて、先ほどまで動かなかったザンネックが迫ってきた。 「うわっ!」 「お前のMSの首を刈り取ってやることもできるのさ!」 鎌が届く微妙な間合いに入り込んでビーム・サイズを振りかざすザンネック。意外な素早さに驚いたが、それも一瞬のこと。すぐに回避行動に移る。 「ははっ! この私、ファラ・グリフォンが処刑してやろう。お前も! あの学校の連中もねえ!」 名前まで同じ。キオの恩師と無関係とは思えなかったが、考えるのは後だ。 「処刑、処刑って。首をとることの意味をわかってるんですか、あなたは!」 「何を言ってる。首をとることに意味なんざないだろ!?」 ファラの言葉に、キオはぎりりと歯をかみしめる。 「あなたは、僕が止めてみせる!」 「止められるもんなら止めてみな、子供が!」 止めてみせる。決意を新たに、キオは攻撃を再開した。 471 光の翼番外編 日登町防衛戦(6) 2/42016/01/26(火) 06 12 20.99 ID urE9Fw2X0 数十分後。どうにかバズを撃破したアセムは、応援にやってきたシロー率いる警官隊にその場を任せ 損傷したダブルバレットでキオの元へとたどり着いた。悪い予感は当たり、ザンネックとAGE-FXが戦っていた。 両者とも素早く動き、攻撃の応酬を繰り返している。 「(援護は無理か…!)」 援護しようにも、あの中に割って入るのは無理だ。AGE-FXに当たってしまう可能性もある。 歯がゆい思いをしながら、目の前の戦闘を見守る。隙を見つけたらすぐに攻撃に移れるように。 戦いながら、ファラは違和感を感じ取っていた。先ほどから頭の中にノイズのようなものが走っている気がするのだ。 気のせいと決めつけていたが、ノイズはどんどん大きくなり、ついには言葉となって、ファラの脳裏に走る。 『ファラ先生が言ってた。首っていうのは、戦士にとって取るほうも取られる方も誉れの高いことなんだって 首を取られるってことは、それだけその人が評価されていたってことの証なんだから』 ファラが戦っているパイロット――キオの声だった。 「なんだこれは…頭に直接訴えかけてくる…!?」 『あと、神様への捧げものとして人の首の代わりに使うために生み出されたのが饅頭だっていうことも教えてくれた。 饅頭は生贄に使う人間の頭の代わり。つまり命の代わりだったんだ』 AGE3-FXがサーベルで切りかかる。 「だから――どうした!」 ザンネックはビーム・サイズで器用に受けて、また離れる。 「首は、いや人間はそれだけ尊いものなんだ! それをわからず首を取るあなたは僕の尊敬するファラ先生じゃない! ただのファラ・グリフォンだ!」 「ああそうさ、私はファラ・グリフォンさ! 無感動に人を殺して何が悪い!? "こっち側"の私など知ったことか! 私は処刑人の、人殺しの家系に生まれたファラ・グリフォンなんだよ!」 ビーム・ランスを突き出す。横に避けたところで、ビーム・サイズへと切り替える。AGE-FXの左足を切断した。 しかしAGE-FXはそんなことは構わないとばかりに戦い続け、今度は通信に乗せて声を届ける。 「親が…先祖が、家系がなんだっていうんだ! 子が親の業を背負うなんておかしいよ! あなたは、自分の劣等感にその道を選ばされただけじゃないか!」 「キオ…」 戦闘を見守るアセムの胸を、ちくりとした痛みと悲しみが走った。理由はわからない。 それは日登商店街でXラウンダーの能力を使いキオの言葉を聞いていたフリットも同様だった。 「父さんや母さんは何してるか知らない! でも、兄さんたちはいろんな道を歩んでるんだ! 僕はただのゲーム好きの子供で、将来のことなんか知らない! 学校や遊びのことで頭がいっぱいだもの!」 「MSに乗って、ザンスカール軍中尉の私に食らいつく貴様が、ただの子供!? 寝ぼけたことを言うな!」 472 光の翼番外編 日登町防衛戦(6) 3/42016/01/26(火) 06 15 03.54 ID urE9Fw2X0 「寝ぼけてなんかあるもんか! Xラウンダーなんていうワケわかんないものだって言われた。お前は凄いって何度も言われた。 でも、それでも僕は――普通の子供だ! 大人でも神様でも超人でもないんだ!」 激情に身を任せ、FXバーストを発動。勢いと見た目に怯んだファラのビーム・ランスを軽々と避けて、ザンネックへと抱き着いた。 「くっ…!」 「取ったッ!」 機体のあらゆる場所から吹き出すサーベルを使ってコックピット以外の場所にダメージを与えながら、右腕のサーベルを使って頭を切断。 間違ってコックピットに攻撃しないように、すぐにバーストモードを切る。 「頭を取ったって…私はまだ動けるんだよ!」 「それでいいんだ!」 ボロボロになりながらも反撃を試みるザンネックに対して、ブースターを全開にして渾身の体当たりをかける。 視界とバランスを失い体勢が不安定になったザンネックは、その衝撃でSFSから叩き落された。 「私が、子供に…!?」 その言葉とともに地上へと落下していくザンネック。全身にダメージを受けている状態で落下の衝撃を受ければ、もう動けないはずだ。 「ふぅ…」 コックピットの中で、キオは大きく息をついた。SFSはまだ生きていたが、遠隔操作される恐れがあるので念のため破壊しておいた。 「キオ!」 「ダブルバレット…アセム兄ちゃん…」 体を強い倦怠感が襲っている。キオは思いのほか疲れていた。 「学校は…?」 「ファラ先生とシロー兄さん達が頑張ってる」 「そっか…じゃあ、行かなきゃ…」 「え?」 AGE-FXを地上に降ろして、先ほどザンネックが落下した場所へと向かう。 「キオ!?」 予想外の行動をした弟を追い、アセムも地上へと降り立った。 キオの予想通り、ザンネックは機能を停止していた。外側からハッチを開く。 「大丈夫ですか?」 中のパイロットに手を差し伸べる。顔も体格もファラそっくりだった。違うのは鈴の飾りがないことと、額の奇妙なマークくらいか。 「…敵に情けをかけるっていうのか」 「戦いは終わったんだから敵も何もないでしょう。…アセム兄さん、引き上げるからちょっと手伝って!」 「あ、ああ…」 アセムの助けを借りて、ファラの右腕を強引につかんで引き上げる。特に暴れるようなこともなかった。 473 光の翼番外編 日登町防衛戦(6) 4/42016/01/26(火) 06 19 55.05 ID urE9Fw2X0 「お前たちは…一体なんなんだ?」 「言ったでしょ、ただの学生」 「同じく」 「あ、怪我してる!」 ファラは左肩から血を流していた。落下の衝撃で変形したコックピットの部品が刺さったらしい。 引き上げたときに暴れなかったのは、この怪我が影響していたようだ。 キオはポケットから消毒用のスプレーと止血用のテープを取り出し、消毒した傷口に貼った。 「こんな状況じゃ病院もやってないだろうし…とりあえず、これで我慢してくださいね。 シェルターまで行けば、たぶんちゃんとした治療を受けられると思いますから」 「なぜ、敵にそんなことをする…自分に害をなすかもしれないというのに」 言われてからキオははっとなった。 「…そこまで考えてなかった」 ばつの悪そうな顔で言うキオにファラが苦笑し、立ち上がった。 「私の負けだね」 「え?」 「テロ屋の真似事はもうヤメにする。で、警察に出頭してやる。それでいいんだろ」 「あ、はい…」 「なんで急に素直に…」 アセムの疑問には答えず、ファラはキオをじっと見つめた。 「あんたの馬鹿さと強さ、優しさに…どうにも惚れてしまったらしい。惚れた男の頼みは聞いてやるのが女ってものさ」 キオに向け、ファラが妖艶に微笑んだ。あまりの色気に流石のキオとアセムが一瞬どきりとし、しばらくファラが言ったことの意味を理解できなかった。 「いつかまた、会えるのを楽しみにしてるよ。キオ。デートの誘いはいつでも受けつけてるからね」 硬直する二人を後目に、手をひらひらと振りながらファラが去っていく。そして、ようやく言われたことの意味を理解した二人は。 「「えええええええ!?」」 二人そろって絶叫。混乱のあまり、結局あのファラが何者なのか聞くのをすっかり忘れてしまっていた。 link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ アセム・アスノ キオ・アスノ ファラ・グリフォン マンガバン 光の翼 光の翼番外編 長編
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第四話「そのロボ、目覚めの時」 「シル。わたしちょっと行ってくるね」 「お気をつけて」 「ところで、なんでそんなぬいぐるみなの?」 「あそこでショボくれている馬鹿を以前助けに行ったときに、月の宮に置いてあって魂の容器にできる物がこれしかなくて……」 「ウチはガワ要らずの人多いもんねー」 「ええ」 「まあいいか。みんな無事だものね」 「そうですね」 第四話「そのロボ、目覚めの時~人生最長の日の夜~」 † どこだここは。 一度も行ったことはないが、海なのかもしれない。 とにかく、寒くて暗い。 ……いや待て。俺は頭を撃ち抜かれてなかったか? そうだ。俺は頭に穴が開いた筈だ。銃で撃たれた筈だ。 ということは、ここは魔術空間か? 「はははっ」 笑いがこみあげる。 どんな名前をつけようと、人間の創りだすものなど全て妄想に過ぎないのに。 だから、俺は自分が好きになれないのに。 そんなことを言っても、俺は妄想の権化の、魔術と自意識から抜け出せないだなんて。 ――いきたい。 極め付きに大馬鹿だ。一応は物を追い求めるビルの方が余程人生に慣れている。 ――逝きたい? どうして?俺は死んだ。精神を連結するすることはできたが、俺の人形は独立機動が可能だ。後世に残らなくとも、誰かが笑うだろう。 ならば俺が生きてる意味はない。目的は達成したのだ。 ――行きたい。 見届けたい。この世が俺の手でどこまで変わるのか知りたい。例え生命の倫理を捻じ曲げようと、万人から謗られようと、自分は正しいと叫びたい。 ――生きたい。 俺は、本当はロボットもどきじゃなくてヒトだったんだ。カミサマになってヒトもどきを創りたい、一人の人間だったんだ。 「生きたい」 生きたい。叶うならば永遠に生きたい。死にたくない。汚物に顔を埋めようと、自分を人形に作り替えようと、とにかく生きたい。 「すまない、ニーボア」 一度も口にしなかった俺の人形の名前。ROBINの逆綴り。 最初で最後の、お前という存在を認めた上での命令だ。 「俺と、魂を全て入れ替えるんだ」 『了解。マイマスター』 愛しいお前を、こんな冷たく暗い中に捨てるなんて身勝手を、どうか許してほしい。 人間は、ワガママなんだ。 † 仕事終わりの帰り。 俺のサーベルタイガーはいつもの様に上半身と下半身を分離させてある。 俺はコックピットから出るのが面倒なので、上半身のある一号車に。ルカもいる。 ルカの馬パーツとサーベルタイガーの下半身は二号車だ。 「なあ、ルカ。俺らこの商売始めてどんくらいだ?」 「五年は経ってない」 素早い返事。そういうところが信用できる。 「そうか、まだそんなもんか。副業も上手くなったな」 「旨くなったからな」 精一杯のジョークが、他人に伝わりにくいのも好きだ。 「お前がサイボーグになって、ジェーンが死んで、そんなになるのか」 そんなお前とは、俺の元カノのアニキだってことを差し引いても親友になっただろう。 「……そうだな」 「俺のダチもお前も、悪魔あっての命だよな」 「何が言いたい」 「いや、いくら元軍人でもガキ殺すのはイマイチ慣れなくてな」 「だがあのガキは悪魔どもといた。殺して当然だ」 「だよなぁ……」 ルカは元軍人じゃない。魔術学校のエリートだった。 ジェーンと自分の体の八割を失うまでは。 けどよぉ、ルカ。 いつまでもジェーンの敵討ちって肩肘張って、毎日殺すことしか考えないのって、辛くないのか? その言葉を飲み込むために煙草を吸おうと、コックピットから出る準備を始めたその時。 天井に大穴が空いて、サーベルタイガーの右肩に何かが食い込んだ。 「こんにちは?もう時間的にこんばんはかな?どう思う?甲冑士にサイボーグの人」 「はあぁ?」 なんでさっきの女の子が座ってんの?ってかもしかして今のその姿勢、剣突き刺したアフターモーション? 「よいしょっと。」 轟音を立てて右肩の装甲から先が落っこちるのと、ルカが銃を構えて撃つのは同時だった。しかも三発連発したから確実にミンチになるはずだった。 「きゃっ」 「ああぁ?」 右肩の装甲の上で踊るようにくるくる回る金髪少女。明らかに無傷。 「どうなってんだこのロリは!?」 コックピットから緊急離脱して拳銃を構える。 「動くな!」 「い・や☆」 二人がかりで発砲。しかし無傷。剣が時計回りに一回転して銃弾が消し飛んでいく。 「ぬるいよ。――てんちしんめー。おいで、レヴリス。デコピン」 中空から現れる銀色の指。鉄やアルミとは全く違う、重みと深みのある色。 それが、ルカを、 「ルカ!」 遅かった。指がルカを薙ぎ払った。俺は弾切れ。戦闘続行不可能。 「やりすぎちゃったかな。じゃ、また会いましょうお二人さん」 銀の指に捕まり消えてゆく少女。 治療費と修理代で間違いなく報酬はパー。 「ははは……」 ここまで為す術なくボコボコにされると笑えてくるから困る。 二人とも、生きてて良かった。 † 「は?パツキン美少女がウチのトラックの天井ぶち抜いてサーベルタイガー壊して、ついでにルークも痛めつけただぁ?」 「ビックリだろおやっさん」 「どんな悪魔だよ……」 「新手かにゃ?」 「まず明らかに人型の悪魔にそこまで出来るとは信じがたい。そんなことお前の方が詳しいだろが」 「そこなんだよ問題が」 魔力量に比例して悪魔は人間離れした図体になる。 確かに顔は人間離れして可愛かったが、そんな例は見たことも聞いたこともない。 「しかも魔術式テンプレ省略して召喚魔術ぶっ放してきやがったんだぜ?そのテンプレも聞いたことねぇヤツでよ」 「どんな」 さすがおやっさん。自分のオモチャの危機に関しては復帰が早い。対悪魔装備のスペシャリストを地で行く男。 「天地神明に依りて我ここに誓う」 「……俺の時代には教科書に載ってた気はするが……」 「な?しかも俺と同じニオイがするし、『また会いましょう』って抜かしやがった」 「戦闘中毒の人型チート悪魔か……討伐を依頼されたくないな」 「ぜってぇ国家クラスの武力は必要だぜ?的ちっこいんだから」 出るものふたつ。ため息。屁。 「くせぇぞ社長」 「……聞いてくれよおやっさん」 「屁をこいた言い訳なら聞こう」 「そうじゃねえんだけどよ。俺は武器も殺す相手もなくたって生きていけるんだ」 マイセンに火を点けるスティーヴン。ついでに榊のわかばにも火を点ける。 「確かに貴様のジャンキーは他の連中に比べりゃ軽いな」 「ルカはそうじゃねぇじゃん?」 「事情は知らんがどう見ても思いつめてるわな」 「これってつまり内にも外にも爆弾があるってことじゃん?先行きこえぇなぁー…」 折角の煙草が不味くなっちまう。 「せいぜい汚い命懸けてわが社を支えてくれ、社長」 † 朝に世界が眠りからさめて穏やかに、しかし厳かに立ち上がるその時。 愛用の白いケトルを火にかけて、試行錯誤を重ね、紅茶が一番おいしくなるタイミングを極めて、休日があることを天の神に感謝するような軽い気持ちで。 自分の体を変えてしまう悪魔が日常も存在も奪い去る。 ぶつかり合い、けなし合い、なぐさめ合い、それでも一生を二人で過ごそうと決めた青年も。 交友関係でも学業でも悩み、それでも健気に月曜日の存在だけを恨む少女も。 我が子のために自分の持てる限りを惜しみなく捧げる母親も。 救国の英雄を志し、その志と現実の間に揺れる若き政治家も。 どんな小さい日常を歩もうと、悪魔は逃がさない。 どんな淀んだ日常を歩もうと、悪魔は許さない。 「動物を軽んじた人間どもには死さえ安らぎだ」とでも言いたいかのように人間を異形の形に変える。 悪魔とは、そういうモノだ。 それに与するというのであれば外道であるのは明らかで、それを殺めるというのであれば下衆であるのは明らかだ。 ならば見ないふりをするのか?知らないふりをするのか? 認めるのだ。人間であることの汚さと誇りを。 どんな動物よりもすぐれた動物であるというのならば、それを示せ。 好奇心のその正当性を示しつくせ。 ゴールもスタートもない海で、「一歩だけ」歩を進めるのだ。 悩み苦しみ嘆き悲しみその結果「一歩だけ」歩を進めるのだ。 「……誰か、そこにいるのか?」 無音。ロビン以外には何もない。 「物音が聞こえた気がしたんだがな……。まあいい。俺は生きたい。旅に出たいんだ」 段々と視界が開けて――。 † 眠れないまま、空がとうとう白んで来た頃。僕の後方から何かの物音。 『……旅に出たいんだ』 「え?」 ロビメカのいる位置からだ。間違いない。 「なんで?」 こんなにも胸が躍るような気持ちなんだろうか。 ――まるで、世界最高のおっぱいを前にしたような。 つづく。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
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デストロイの広いコックピットが爆発の衝撃で身動きが出来なくなった。 身体の半分が千切れているのに、意識だけはっきりしているのが不快だった。 ああ、やっと”死ねる”んだ。 死にゆくスティングの中にあるのは、恐怖でも、憎悪でも、憎しみでもなく ただ解放感に満たされた自分がいるだけだった。 これで自分を縛り付けるものは何もないのだから。 実験動物と同じに見る研究員も、露骨に気味悪がる軍人も、 普段は綺麗事しか言わない癖に、俺に薄汚い罵声を浴びせてくる敵も。 唯一自分の環境で幸福だと思った事は”家族”というものがいない事。 ”家族”は煩わしく、弱くなる最大の原因だと教えられた。 そんなものいらない。強くなって敵を殺さなきゃいけないのに。 敵の奴等が母親や子供の名前を呼んで死んでいくのが無様で、 おかしくてたまらなかった。馬鹿にして嘲笑った。 自分はそんな奴等とは違う。解放感に満たされて死ねるのだ。 自分はきっと幸福だったのだ。 デストロイは轟音を上げて爆散した。 スティングは消える刹那、自分の頬に涙が伝っていた事に気付かなかった。 スティング「・・・あれ?」 シャニ「起きた? お前唸っててうざかった。」 ステラ「スティング、こわいゆめ見たの?」 スティング「ああ・・・悪い夢だ。」 ステラ「じゃあ、今日はステラが一緒に寝てあげるね。」 スティング「はぁ!?」 アウル「添い寝~?スティングえろいー!!」 スティング「うっせーよ!・・・ばーか。」