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GUNDAM THE 3D BATTLE 【がんだむ ざ すりーでぃー ばとる】 ジャンル ガンダムアクション 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 3DSカード(容量不明) 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 アートディンク 発売日 2011年3月24日 価格 6,090円 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 突貫工事バリバリ過ぎる光るところは多いガンバトの多くを流用 ガンダムゲームリンク 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 ガンダムバトルシリーズの任天堂携帯機進出作品かつ、ニンテンドー3DS初のガンダムゲーとなる。 PVの時点で既に手抜き臭(背景が自機越しに見える等)があったことや開発期間の短さも指摘されており、非常に不安視する声が多かった。 ガンダムゲーのハード初期の作品はクソゲーが多いと言われているが、本作は一概にクソゲーとは断言できないものの、不安が的中することとなってしまう。 特徴 大まかな操作方法はガンバトシリーズで磨かれたこともあり、簡単でやりやすい操作である。 機体の基本操作方法はRボタンで敵をロックオン。Lボタンでガード。Bボタンでジャンプ・ブーストができる。攻撃方法はAボタンで射撃攻撃。Xボタンで格闘攻撃。Lボタンを押しながらYボタンで武器の変更。 すれちがい通信で育てたパイロットデータの交換が可能。 3DS作品最大の特徴である立体視にも対応。奥行きを持たせることに成功した。 参戦作品は『劇場版1stガンダム』『劇場版Ζガンダム』『逆襲のシャア』『ガンダムUC』等。残念ながら外伝系の作品はほとんどが省略されている。 ジオンに対して不足気味な連邦軍の機体数を補うためか、『08小隊』から陸戦型ガンダムと陸戦型ジム、『0080』からジムコマンドとジムスナイパーIIが登場している。また、G-3ガンダムにνガンダムDFFといったMSV系の機体もわずかだが収録されている。 評価点 ガンバトシリーズで使い物にならないと言われた格闘攻撃が大幅に強化された。 攻撃範囲が広くなりダメージ量も多くなったため、格闘攻撃が有効なステージが多くなり、吹き飛ばす爽快感も大幅に大きくなった。 敵は序盤から強力な攻撃を使ってくるので、こちらも格闘を多用した方がクリアはしやすい。 3D機能は大きな好評を得ており、宇宙などからは奥行きを感じられると評価された。 ただし人の目にもよるのはご愛嬌。人によっては機体の一部装備が浮き出て見えることもある。 モデリングはPSPからの流用…だがリアルタイムシャドウやセルフシャドウを使用し、エフェクトも強化され従来の携帯機には無理な表現が実現されている。 水の表現、空気感等が強化されステージも綺麗になった。また機体の影もちゃんと形になっている。その他諸々、表現にはかなり拘っている。 特にギャラリーモードで好きな機体を3Dでじっくり眺められるのは大きい。 すれちがい通信で他人との成長が競えるようになった。 これまではチューンポイントは搭乗機体にしか使用できなかったが、共通で使用できるエクストラポイントの導入で他の機体にも使えるようになり、育成効率が良くなった。 ほぼゲストとはいえ『ガンダムUC』を参戦させており、各機体のモデリングや演出は良好。 ユニコーンガンダムはSP攻撃でデストロイモードに変身でき、その際には専用のカメラ演出も入る。ちなみにブーストダッシュ格闘はパンチコンボなのだが、OVA版最終作での決め手が素手格闘だったため、偶然の一致ながら原作を再現した形となっている。 問題点 多くの部分はこれまでのシリーズからの流用である。変化がなく面白みも無い。 メニュー画面、ロード画面、選択画面と全てが流用で、やる気あるのかと言いたくなる。さらに下画面のタッチ機能がほとんど活用されておらず、初回プレイ時の名前入力などが面倒臭い。 登場機体は200以上いた前作から2ケタまでに減少。短時間で登場機体の7割は使用できる。 本作はシリーズ恒例(『アサルトサヴァイブ』を除いて)の宇宙世紀のみの収録だが、前作には収録されていた『ΖΖ』や『閃光のハサウェイ』などは収録されていない。本体更新などで機体を増やせるようにして欲しかったところである。 いくら細かく調整がされていてもモデリングは所詮流用であり、PSPのシリーズとは比べても大きな変化はない。 3DSのマシンパワーを考えると、いっそのことポリゴンを一から作ってもらいたかったとの声もある。製作時間を考えると無理も無いが…。 新規のユニコーン&シナンジュと既存の一部機体(ビグ・ザムなど)のテクスチャは、質感が据え置き機クラスまで強化されている一方、戦闘機やジムのような機体は同じゲームとは思えないほどノッペリで粗い。 参戦作品の少なさが原因でボリュームがかなり減った。 一応これを補おうとしたのか、ミッション中に出てくる機体数が多めであるなど、こういった工夫はそれなりに感じられる。 だがそれにしても補いきれないレベルである。基本的にガンバトシリーズを一度でもやったプレイヤーならクリアは比較的余裕と思われる。 また『劇場版Ζ』のシナリオはエゥーゴとティターンズの勢力が使えるが、原作で第三勢力として暗躍したアクシズのストーリーが無い(*1)。『バトルユニバース』ではあったのに。 また参戦作品の収録にも不満点が見える。 『ΖΖ』が出ていない。これは本作の『Ζ』が劇場版基準であるとも考えられるが(*2)『ΖΖ』のMSやキャラは人気があるし、他のガンダムゲームでも『Ζ』が劇場版基準でも、『ΖΖ』はしっかりと出ている。 これに関しては機体だけでなく、シナリオや各要素を収録する余裕がなかった結果とも言える。また、『ΖΖ』は連邦(エゥーゴ)とネオ・ジオンで機体数の格差が大きいのもネックであった可能性がある。 また前述の通り『閃ハサ』なども収録されていない上に前作では機体のみ参戦した『センチネル』もいない。『UC』はあくまでゲスト参戦であり、機体はユニコーンとシナンジュのみ、パイロットはバナージとフロンタルのみと少数の参加に留まっている。 機体数を補うための処置とはいえ、外伝系の機体はほぼ連邦軍専用で、ジオン側に対となる機体は収録されていない。本作に限った話ではないが、『ベルトーチカ・チルドレン』のHi-νガンダムがいるのにナイチンゲールがいないといった構成は少々残念ではある。 一応、連邦軍のバストライナーに対してジオンにはスキウレがあるなど、SFSに関してはバランス良く収録されている。 『バトルユニバース』では味方を選んで同時に出撃できたが、今作はそれが出来なくなっている。 キャラ紹介は簡単な説明文が数行のみ掲載されている程度で内容が薄く、無くてもいいレベル。 そもそも本作の参戦キャラ自体、それほど多くはないのだが。 すれちがいがあまり出来ない。 他の大多数のソフトにも言える話だが、本編がボリューム不足のためそれを少しでも補うすれちがいができないのは結構痛い。 ただこれは売上というよりは、発売時期が悪かった方が理由としては大きいか(*3)。 3D表示時に処理落ちが激しい。 一部オブジェクトの多いステージや、煙幕武器の多用、ガンタンクのミサイルやSP攻撃の連射でカクつく。 必殺技にあたるSP攻撃が凄まじく弱体化。 前作までは発動中無敵だったが、本作ではHPとはまた別のゲージで受け止める形になった。これが減っても最終的にはHPが減るのと何ら変わりはないので発生中は一部を除いて棒立ちになる。一応防御力が倍増し、貫通攻撃も無効化できるため強敵を相手にする際は役立つ。 更には連射系と呼ばれるSP攻撃は本気で一発も当たらない(*4)。さすがに全く動かない戦艦系には当たるが、ボスクラスの敵には全弾回避されるのは当たり前。ザコにも当たらないこともある。恐らくは内部の射撃補正率が著しく下げられているためだが、使えないレベルまで下げる必要はあったのだろうか。また、当たってもすぐにダウン無敵に入られてしまうため威力が低くなりがち。 一方で格闘系のSP攻撃は命中率が高く、威力も一撃必殺クラス。格闘攻撃の大幅強化によりそのチャージ攻撃にもゲージを回すことが多くなったため、ゲームバランス的にはそれなりに整っている。 また、ミサイル攻撃の調整が雑。弾速を落とさないとろくにホーミングもできないミサイルがある一方、ミサイルよりもホーミング性能が高いビームやグレネードが存在する。しかもグレネードランチャーより手投げグレネードの方が強い。 本作だけではないが、ハードのサイズ上操作が難しい。 スライドパッドではダッシュが非常にしづらい。十字ボタンだと多少はマシになるが、元々の十字ボタンのサイズが小さいためにやはり操作しづらい。 なぜかフリーバトルモードが消滅した。 総評 「突貫工事」「時間の無さ」「流用」。この3つが本作を占めてしまう。開発期間の短さや初のハードの開発で苦戦し、突貫工事になってしまったのは制作者も認めている(*5)。 ただし、これまでのシリーズの問題点を改善し次に繋げようという意気込みは窺え、3Dとの相性も良いなど固有の評価点もきちんと備えている。 余談 後にシリーズ作品として、SEED系のコズミック・イラを舞台とした『機動戦士ガンダムSEED BATTLE DESTINY』が発売された。一方で宇宙世紀を舞台としたガンバトシリーズは、本作が現状の最終作となっている。
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EAT LEAD マット・ハザードの逆襲 【いーとれっど まっと・はざーどのぎゃくしゅう】 ジャンル TPS 対応機種 プレイステーション3Xbox 360 発売元 D3パブリッシャー 開発元 Vicious Cycle Software 発売日 2010年2月18日 定価 7,140円 判定 バカゲー ポイント バカゲーっぽいTPS? ストーリー 概要 評価点 問題点 総評 余談 ストーリー 1980年代、革命的8bitアクションゲーム『スーパーマットランド』がゲーム業界に突如現れた。世界売上9800万本を記録し、時の人となった作品の主人公「マット・ハザード」は後の出演作も好評だった。しかし、所属会社の方針変更によって出演した別ジャンル作が壊滅的クソゲーであったせいで彼自身の評価も急激に下降し、今や「あの人は今?」さながら、3Dゲーム初期までの旧時代の遺物としてゲーマーにもすっかり忘れ去られている。そんな彼にTPSの主役の依頼が舞い込んだ。一も二もなく引き受けるマットだったが…。 概要 アメリカ産のTPS『EAT LEAD The Return of Matt Hazard』をローカライズしたもの。 上記のストーリーから察するかもしれないが、様々なゲームジャンルのパロディを交えたバカゲーテイスト漂う作品。 評価点 何故か凄いローカライズ ローカライズには、SF・ライトノベル作家として知られ、『セガガガ』などのゲームシナリオも手掛けた冲方丁氏を起用。 海外ゲーマー向けのウィットをうまく日本でも通じるようにアレンジする巧みさは非常に質が高い(北米系のゲーム作品ネタを日本向けの別作品に置き換える等)。 主人公のマット・ハザードの声は『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーでおなじみの小山力也氏が担当しており、やり取りが一々笑える。 パロディ要素 「アナーキ・マカローニ」「マスターシェフ (*1)」「RPG『最後から二番目の幻想37(Penultimate Illusion XXXVII)』に登場するイケメン剣士、クモーリ・アメモヨウ」「嫁さんが姫の配管工」等々…。 彼らの登場シーンでは非常にそれっぽい音楽が流れるなど、雰囲気もあえてチープに作られている。 他にも、長いロード時間・説明的で冗長なセリフ・ありがちなネタ脇役など、ゲームソフトやゲーム業界のあるあるネタをマットが皮肉っていく様は痛快。 登場武器の中には、ピストルやライフル、ショットガンなど一般的なものに加えて、水鉄砲や敵を凍らせて倒す氷結弾などのイロモノ系も完備。 問題点 TPSとしての質は高くない オーソドックスと言えば聞こえは良いが、敵のAIがそこまで賢くないのも手伝って銃撃戦は面白く無い。オンライン対戦等も無い。 地味に難しい パロディ内容が比較的年配向けに作られているせいか、イージーモードでも難しい。 システム面ではカバーしていても攻撃を受けてしまうため、カバーしない方が攻略しやすくなっている。 パロディ要素の少なさ 折角パロディ多めのバカゲーとして宣伝しているにもかかわらず、ステージ中のギミックでそれを活かせている場所がそれほど無い。たいていがゲーム中にムービーで流されるだけで、バカゲーとして買ったら肩透かしをくらいやすい。 ここまでやっているのだから、もっとはっちゃけて欲しいものである。 総評 TPSとして買ったなら一昔前の不親切で少し難易度が高い凡ゲー、バカゲーとして買ったならパロディ要素少なめの難ゲーと中途半端な印象をうける作品。 残念ながら基本的にはゲームを最初から最後までクリアすればそれで終わる一発ネタとなってしまっている。 余談 続編である『MATT HAZARD Blood Bath and Beyond』が、本作の日本版発売とほぼ同時にPS3/360でダウンロード配信されている。 こちらは横スクロールアクションゲームとなっており、その内容も「EAT LEAD が店頭ワゴンセールの定番になったあたりから始まる」等、自虐ネタに走っていたりする。 開発元のVicious Cycle Softwareは米国ノースカロライナ州のチャペルヒルに拠点を持ち、当時は発売元であるD3パブリッシャーの子会社だった(*2)。 後に『地球防衛軍』シリーズのスピンオフ『EARTH DEFENSE FORCE INSECT ARMAGEDDON』を手掛けた会社としても知られる。 D3公式の日本向け販促映像では、マット・ハザードがSIMPLEシリーズのエキストラ出演で食いつないでおり、マネージャーが仕事の依頼を電話報告してきた際は「次は『THE』何だ?」とイライラしながら問うネタが披露された。 同じ動画の中では、彼がピュアな人である事も判明する。
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湾岸ミッドナイトシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 元気系列 AC 湾岸ミッドナイト 記念すべき『湾岸ミッドナイト』初のゲーム化。『首都高バトル0』がベースの作品。アーケードゲームでは唯一無二のSPバトルよろしくライフゲージバトルシステムを採用。 スルメ 湾岸ミッドナイトR 前作をベースにライバルカーのプレイアブル化などの追加要素を盛り込んだVer.UP版。 PS2 湾岸ミッドナイト 基本的にアーケード版の移植だが、ストーリーモードなどの追加要素がある。 PS3 湾岸ミッドナイト 元気から発売された唯一のPS3作品。ボリュームの薄さと蛇足な仕様などから評判は芳しくない。 PSP 湾岸ミッドナイト ポータブル 系譜的にPS3の移植扱いだが、実際はPSP版『首都高バトル』をベースとしたPS2版の劣化移植。 クソゲー 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE AC 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE ゲームエンジン「ENMA」から生み出された挙動は数多くのユーザーの関心を引かせた。ストーリーモードとタイムアタックと乱入対戦だけの、シリーズ随一のシンプルなシステム。ちなみに、ロケテスト段階でのサブタイトルは『MAXI BOOST』となっていた。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 2 ランク制と4人対戦と10人抜きモードを新たに追加し、シリーズの基礎と競争要素を強化。無敗特典の初出でストーリーモードの構成が変更された。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3 分身対戦が新たに追加。ドレスアップの幅が大幅に広がり、シリーズ人気に火をつけた。ストーリーモードが原作に沿った内容へと変更。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX 名古屋高速環状を追加。新たにストーリーモードの連勝数を追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX PLUS 福岡都市高速と往年のGT-R2車種を追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 4 現行の新筐体に一新。ターミナルでゲーム外でもドレスアップ等がいつでも可能に。ゲンバラがRUFに変更。 賛否両論 AC 湾岸ターミナル 新たに登場したターミナル。『5』以降も引き続きコンバージョンされ続投中。 賛否両論 AC 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5 湾岸マキシ.NET初登場。副都心エリアと多数の外車が収録された。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5DX 神戸エリア追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5DX PLUS 広島高速が追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6 分身対戦の対戦人数が4人まで選択可能となり「多人数分身対戦」に名称変更された。アプリ「湾岸ナビゲーター」初登場。そして悲願のポルシェ初収録。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6R 全国街道チャレンジモード採用。だが、初の新曲が登場しないタイトルとなり、メニュー画面BGMも前作から一切変更なし。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6RR ドレスアップ可能なGT-R「GT-R50 Italdesign」とビンゴチャレンジ・湾岸甲子園が追加された。再び新曲が追加され、メニュー画面のBGMも新曲となった。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6RR PLUS ※2024年7月17日より執筆可能 関連作 AC リッジレーサーV アーケードバトル 『無印R』と筐体を共有している。 マリオカート アーケードグランプリ こちらもナムコが制作。筐体やシステムが一部流用されている。 良 マリオカート アーケードグランプリDX マキシマムヒート 『湾岸マキシシリーズ』開発スタッフによる3Dメガネ対応レースゲーム。ゲームエンジン「ENMA」を流用したうえで更にカジュアルにチューニング。 Dead Heat Riders 『マキシマムヒート』のエンジン・コースをそのままに、搭乗車両をオートバイに変更。海外向け製品で、日本ではごく一部のナムコ直営店でのみ稼働。 iOS/Android ドリフトスピリッツ 基本プレイ無料。『湾岸マキシ』シリーズや『リッジレーサー』シリーズの流れを汲んだ作品。同作のキャラ・車が登場するコラボイベントが実施されたことがある。 執筆禁止 関連シリーズ 首都高バトルシリーズ 元気開発のレースゲームシリーズ。開発協力に加えて一部データはここから流用されている。 頭文字Dシリーズ 同じ講談社のカーバトル漫画原作のレースゲームシリーズ。激走祭を始め公式コラボが不定期に開催。
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南の島にブタがいた ルーカスの大冒険 【みなみのしまにぶたがいた るーかすのだいぼうけん】 ジャンル パズルアクション 対応機種 セガサターン 発売元 スコラ(販売元)ヴァージン インタラクティブエンターテインメント 開発元 エス・キュー・フォア 発売日 1996年10月10日 定価 6,380円 プレイ人数 1人 レーティング セガ審査 全年齢 判定 クソゲー ポイント デス様に匹敵する低評価を叩き出した問題作あらゆる要素がサターンの水準に達していないアクション部分は80年代でも許されない出来しかしパズル要素の殆どはまともに遊べる完成度それを踏まえてベストエンド条件を知ると難点が緩和される 概要 あらすじ 特徴 問題点 アクション面 パズル関連 その他 評価点 総評 余談 概要 エス・キュー・フォアより企画・開発されたゲーム。販売元はあの『美食戦隊 薔薇野郎』を生み出したヴァージンインタラクティブエンターテインメントである。 基本は横スクロールアクションだが、『ワギャンランド』よろしくボス戦の代わりにパズルを攻略していくのが大きな特徴である。 本作はサターンソフトの中でもかなりの酷評を受けており、かの『セガサターン・マガジン』ではあの『デスクリムゾン』と同オッズを叩き出した事で知られている。最終的にはワースト10位まで持ち直したものの、今なお「サタマガで最下位争いを繰り広げたゲーム」として名高い。誌面での通称は「ブー太郎」。 ちなみにタイトルの元ネタは、NHK『みんなのうた』で1990年代に流れていた爆風スランプの楽曲『東の島にコブタがいた』より。 あらすじ はるか南の島に、ブタたちの住む6つの島がありました。ある日、その島に住んでいるルーカスは、伝説の卵があることを知り、島の奥へと入って行きました。そして、ついにルーカスは伝説の卵を見つけ出しました。ところが、伝説の卵を守っていた親鳥のオルティスは怒り、不思議な力で島のブタたちをさまざまなものに閉じ込めてしまいました。ルーカスは自分のあやまちに気づき、島の仲間を元に戻すために、冒険の旅に出て、オルティスがしかけたパズルゲームに挑戦するのです。 (取扱説明書より引用) 特徴 本作は「『頭の体操』風パズル集+横スクロールアクション」といった感じのゲームである。 収録パズルは全32問。アナログでも成立する問題もあれば、ゲームという媒体を活かしてCPU対戦を行うものもあり、種類は豊富である。 ゲームの流れ パズルが隠された6つの島を攻略し、最後はオルティスの待つステージ「AND END」に突入。そこでのパズル対決に勝てばゲームクリアとなる。 6つの島は、横スクロールアクションで進む「アクション面」と、そのクリア後に待ち構えているミニゲーム「パズル」で構成されている。 パズルはそれぞれの島に5つ存在する。 基本的にはアクション面とパズルを交互に遊ぶ事になるが、一部のパズルはアクション面を挟む事なく開始する。 島によってアクション面の数は異なる。パズルと同じく5つ用意されている島もあれば、アクション面1つクリアするとひたすらパズルを解き続ける島も存在する。 6つの島は任意の順番で攻略できる。進行を中断して別の島を遊び、後から続きを進めることも可能である。 一度クリアしたアクション面には再挑戦できない。 パズルはギブアップが可能で、解かずに次のアクション面もしくはパズルに進む事もできる。 飛ばしたパズルで得られるはずだった仔ブタ(後述)は、そのセーブデータで二度と入手出来なくなる。そのため完全クリアを目指す場合、パズルは必ず解く必要がある。 ギブアップの自由度は高く、ラスボス戦を含めた全部のパズルをギブアップしても構わない(この場合は流石にバッドエンディングが流れるが)。 島をクリアすると、その島で遊べるパズルにはいつでも再挑戦できる。 アクション ルーカスはAボタンでジャンプし、Bボタンでムチを撃って攻撃できる。 方向ボタンを進行方向に二回押す事で、ダッシュが可能。 仔ブタ 今作の収集要素。島中には500匹の仔ブタが様々な形で封印されている。できるだけ多くのブタを助けるのが、このゲームの目的の一つである。 ブタは、アクション面に隠されているものと、パズルを解く事で助けられるものがいる。 アクション面の仔ブタはシャボンとともに宙に浮いている事があり、これを攻撃することで仔ブタを解放できる。 トーテムポールや氷塊などの破壊可能オブジェクトに隠されている仔ブタもおり、これらは対象を攻撃することで救出が可能。 ルーカスが敵に当たると、その度に仔ブタを1匹失ってしまう。 AND END以外の島にいる仔ブタは各75匹。AND ENDでは50匹の仔ブタを救出できる。 最終的に助けたブタの数によって、エンディングが分岐する。 問題点 アクション面 おそらく本作が酷評された最大の所以。操作性が非常に悪く、例えるなら「かなり出来の悪いPCフリーゲーム」とも言うべき代物。 グラフィックは初期のPCエンジンゲーレベルであり、サタマガで下位争いをしていた『デスクリムゾン』『FIST』と別ベクトルで肩を並べられるほど酷い。 操作性 ダッシュ中にジャンプできない上に、ブレーキ時は必ず自機5マス分ほど滑る。 高速でステージを乗り越えようとダッシュしようものなら、すぐ敵にぶつかる。後述するように本作はノーダメージクリアをほぼ強制されるので、使える場面がほとんど無い地雷操作である。 にもかかわらず、敵との距離を調節しようと方向ボタンを連打すれば、ダッシュが暴発してしまう。 空中移動が出来ない。高台に登るときはあらかじめ方向ボタンを入力しないと垂直に飛んでしまうし、ジャンプしながら歩こうものなら制御が効かず敵に衝突してしまう。 そんな劣悪なジャンプ・ダッシュ動作でありながら、攻撃手段が『悪魔城』準拠のムチ攻撃(使用時に長い前隙が発生)である。もはやスタッフの嫌がらせのよう。 しかも空中では一回しか撃てないため、宙に浮いている仔ブタを助けるにも一苦労である。 ダメージシステム 上記の操作性と合わさって一番問題となるのがこれ。 本作では体力の概念が無く、どれだけ敵にぶつかってもゲームオーバーにはならない。代わりに、集めた仔ブタが1匹失われてしまう。 つまり完全クリアを目指すには全ステージを劣悪な操作性でノーダメージクリアしなければならない。 この場合、アクションステージを中断する方法は無いため、もし敵にぶつかったらリセットするしか無い。敵に当たるたびにセガサターンの起動画面を拝む羽目になり、リカバリーにいちいち数分かかってしまう。 だからと言って救出を放棄して遊ぶと、今度はいくら敵に当たっても死なない虚無ゲーと化してしまう。 そもそもステージ構成が単調 ブタ救出放棄=虚無ゲーとなる最大の要因。本作のアクション面は、殆ど起伏のない平地にほぼ等間隔で敵が配置されているだけで、PCエンジンどころかファミコン以下のゲーム性になっている。 ジャンプで狭い台を乗り継ぐなどのアクション性は一切無い(この操作性で存在したらそれはそれで困るが)。 いちおう高台がある面や、イカダに乗って進む強制スクロールなどはあるものの、大抵は1~2体の敵を相手に立ち振る舞うだけでワンパターンな攻略を強いられる。 なおイカダの周りには見えない壁があるため、落ちる事は一切ない。 劣悪な操作性 ノーダメージ推奨でありながら、敵の攻撃は中々にいやらしい。 強い敵の多くは初見で突破するのが困難で、完全クリアを頻繁に阻止される。 飛び道具持ちの敵はやっかいで、2体並んで来られると避けるのが困難。完全クリアを目指すには、スポーン位置を調節したり、着地間際のシビアなタイミングで攻撃を打ち込むなど、込み入ったテクニックが必要になる。 画面の大きさに対してキャラが小さく、画面はかなり殺風景。 ドット絵の質も低く、輪郭があるキャラと無いキャラがいたり、画風やサイズが一致していない敵が同時に出てきたりする。 ペンギンと人間が同じ身長で出てくると言えば、グラの酷さが伝わるはず。 SEまわりも貧弱で、造りの拙さを余計に際立たせている。 パズル関連 UIがかなり雑。 パズルは毎回、チュートリアル一切無しでいきなり始まってしまう。 Rボタンを押す事で説明が見られるが、説明書にはさらっと書いてあるだけなので見落としやすい。その解説も雑なので、結局説明書の解説を読む羽目になることも多い。 肝心の説明書も文章に難があり(*1)、読んでもルールが見えてこないパズルがちらほらある。 制限時間付きのパズルも存在し、説明書を読んでいるうちに時間切れになることも。 パズルはいつでもギブアップ可能だが、諦めずに最初からやり直す操作が存在せず、わざわざ自爆する必要がある。 パズルクリア後は、ゲームを続行するか、ゲームを中断してセーブするか選択肢が表示される。しかし後者を選ぶといちいちステージ選択に戻されてしまう。 アクションで一発アウトになる仕様上、各ステージごとのセーブが推奨されるので、無駄にテンポを削がれてしまう。 島のラストでセーブすると、クリア時に流れるムービーが表示されない不備が存在する。 パズルのグラフィックも総じて出来が良くない。 特にクォータービューで擬似3Dアクションを行うパズル「ジャンピック」「ギアーズ」ではルーカスの下に影が表示されず、位置関係がわかり辛い。 難易度曲線はめちゃくちゃ。 今作のパズルは、未就学児でも解けそうな物から大人でも舌を巻くような問題まで幅広く取り揃えている。しかしその配置はかなり雑で、簡単なものも難しいものも順不同に出てくるため、ゲームバランスが煩雑に感じられてしまう。 プレイヤーによっては、最初の2問で見切りをつけるきっかけになる。 カーソルデフォルト位置の島を選ぶと、まず「ABCビンゴ」という幼稚園児でも解けそうな問題をやらされる事になる。かと思うと次の「アイスキューブ」は大人でも頭を捻らないと解けない難問で、難易度の振れ幅が極端。 そして、あまりにも難しすぎるパズルが通常の問題に平然と混ざっている。 理不尽難易度のパズルについて 具体的に言うと、ひとまずコントローラーを置いてゲームから離れ、紙と鉛筆・ハサミを使い、(下手したら)何日も考えることになるレベルの問題が2つも紛れている。 端的に言うと「算数オリンピック(*2)」難問クラスで、ゲームで例えるなら『レイトン教授シリーズ』の本編クリア後に出てくる最終問題に匹敵する(もしくはそれ以上の)難しさである。 以下の解説では設問の内容も具体的に記すので、もし興味が湧いた人は難しさを味わってみてほしい。 + パズル内容 フォール26 いわゆる魔方陣。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 上記の○に1から12の数字を当てはめ、一直線に並んだ○4つ(計6本)全てで数字の合計を26にすればクリアとなる。 実際に解いてみると、適当に数字を当てはめても成立してくれず、当てずっぽうでのゴリ押しすら困難である。 かと言って真面目に解こうとしても、数学の証明問題のような発想が必要になってしまう。理系教科が苦手なプレイヤーは門前払い確定である。 パズル自体は古典的な内容で、解法はネット上に多数存在する。しかし証明手順はいずれも複雑で、テレビゲームで許されるレベルを逸脱しているのは間違いない。 ただパズルとしては良問なので、数学に自信のあるプレイヤー(例えば「大学への数学」を購読しているような人など)は自力で解いてみることを推奨する。受験生であれば、箸休めついでに良い勉強になるかも? ボードターン 格子状のマスにピースを埋めるタングラム。 以下のマス目に、下記のピース14個を全てはめればクリアという、至極単純なルールである。 ■ ■■ ■■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■ ■■ ■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■■ 本作で最も擁護不可能なパズル。ルールこそ単純だが、もしこの手のパズルをやった事があるなら、一目でヤバいと感じる悪問である。 まずこの手のパズルは、限られたピースしかハメられない位置(または限られた位置にしか配置できないピース)に目星を付け、そこから糸口を探すのが常套手段である。 しかしこの問題は綺麗に整った長方形にピースをハメるため、「限られたピースしか配置できない位置」がほぼ存在しない。 そして各ピースは全て5マスで出来ており、使いやすさに殆ど差が無い。よって「限られた位置にしか配置できないピース」も絞り込めない。 つまりこの問題は解決の糸口が無きに等しく、膨大な可能性の中から大量の試行回数を重ねないと突破不可能である。 もちろん、当てずっぽうにハメて解ける問題では無い。 ピース12個は流石に多く、たまたま答えが見つかる事はまず無い。 これだけでも理不尽だが、このパズルをもっと酷くしているのが劣悪すぎるUI。 ピースを選ぶには、方向ボタンの左右を押し、次々と切り替わるカーソルを目当てのピースに合わせる。平面上を自由に動かせるカーソル(*3)は存在しない。 カーソル移動はピースの位置にかかわらず、ピースごとに設定された順番で動く(ピースに番号が書かれていたりはしない)。無造作に置かれたピースに対しカーソルがあっちこっち移動するので、動かしたいピースを選び辛く、ストレスが溜まる。 ピースを配置する際、ハメられる位置から数ドットでもズレていたら、元の位置に戻されてしまい、何度も配置しなおす羽目になる。 こんな始末なので、このパズルを解こうと思ったらハサミで紙を切って同じピースを再現し、卓上で解いた方が早い。マッピングのために紙と鉛筆が必要になるゲームは数多くあれど、ハサミが駆り出されるゲームはそうそう無いような。 これらの障壁を乗り越えてやっと解いたと思うと、とどめと言わんばかりに完成してもクリア扱いにならないバグが稀に発生する。 参考動画(リンク先はこのバグに遭遇した実況プレイの様子。問題のシーンは2 06 47。再生時間が長いため、スマートフォンから見る場合は注意) このバグに陥ったが最後、どうすればクリア扱いになるのかわからず、参考動画のようによくわからないまま完成したピースを崩す羽目にもなってしまう。バグの発生タイミングとしてはあまりにも厄介である。 発生条件は不明だが、同じハメ方をしてもバグが発生する場合とそうでない場合があるので、リセットしてからもう一度同じハメ方を試せば問題無い。うっかり崩したりせず、完成パターンをきちんとメモする事が推奨される。 上で挙げた2つ以外にも、バランス調整に難のあるパズルが存在する。 制限時間内にスライドパズルのピースを特定位置に動かす「フルーツダウン」は、初期配置によって難易度の振れ幅が大きく、運要素が強い。 画面内を通ったラクダの数を正確に答える「キャメラーズ」(別作品で例えると『ポケモンスタジアム金銀』の「ピィとププリンのカウントゲーム」のような内容)は相当な動体視力を要求される。設定された体力で3問正解しなければならないが、難しすぎて運ゲーに近い。 その他 まずオープニングからしてグラフィックが汚い。 その内容は3DCGとセルアニメを合成させたものだが、やたらコマ落ちしていて出来が悪い。 デッサンは整っているのに、動きがカクカクしている。 エンディングがしょぼく、達成感が薄い 数秒のムービーが流れるだけでセリフも解説も無く、助けたブタがどうなったのかなどの具体的な様子は殆ど明かされない。訳も分からぬまま「THANK YOU FOR PLAYING」と出て、そのままタイトルに戻されてしまう。 内容が薄いせいで、ベストエンドを引き当てても達成した事に気付きづらい。 あろうことか、FC時代のゲームでもないのにスタッフロールが流れずあっさり終わるので、これも達成感を弱くしている。 ちなみにスタッフロールはタイトル画面を放置すると流れる。ゲーム開始時からクレジットを見られるゲームは珍しくない(主に洋ゲーなど)が、閲覧方法がわかりづらく、クリア時にスタッフロールが流れると誤解しやすくなっている。 評価点 このように本作は多くの問題を抱えているのだが、実は殆どのパズルの出来は決して悪くなく、「クソゲー」とは程遠い作り込みとなっている。 確かに本作はフルプライスソフトとして色々アウトだが、「サターン最悪のゲーム」と呼べるかどうかはまた別の話で、評判が先行している部分は否めない。 パズル全体の特徴 殆どのパズルは後の『レイトン教授シリーズ』とあまり変わらない完成度で、この手のパズルが好きな人ならそれなりに楽しめる。言い換えると、本作のパズル部分は後年のゲーム業界でまともに受け入れられている部類の内容である。 また『Action52』(*4)のような水増しがほぼ存在しないのも評価できる。問題点では難のあるパズルに触れたが、『四八(仮)』のように「ほぼ全てのパズルがクソ」といった惨状とは程遠く、むしろまともに作られたパズルの方が圧倒的に多い。 後述するように、いくつかのパズルは他のコンテンツでもまともな形で採用されていて、クオリティが保証できるものである。 本記事では割愛するが、『マインスイーパー』や虫食い算など、説明不要の有名パズルを基にしたパズルも多い。 収録パズル数32個というのは少ないようにも思えるが、一部パズルの難易度やアクション部分も合わせて考えると、ゲーム全体のボリュームとしては決して悪くない。「パズルの種類が大幅に増えた『ワギャンランド』」と考えると、それなりの分量である。 以下、本作の中でも特に良くできたパズルを紹介する。 + ... アイスキューブ ■■■ ■■■ ■■・ サイコロを使った8パズル。ゲーム開始時は上図のように、3×3のマス上にサイコロ(図の黒い四角)が8つ配置されている。 各サイコロのうち3面はオルティス、残り3面はルーカスが描かれている。ゲーム開始時は、オルティスの面が上になっている。 プレイヤーは空いているマスにサイコロを転がす事ができ、全立方体の上面をルーカスにすればクリアとなる。 ルールは単純だが、実際に遊ぶと中々難しい。かといって太刀打ちができないわけではなく、地道に揃え続けていれば完成する程度には作られている。程よく頭を使うゲームである。 参考に、本作以前にも類似のパズルゲームとして『オール1』というものが存在している。 先述の通り、難易度の高さに反して2番目に遊ぶ事が多いゲームのため、本作が低く評価される一因になっている。 またサイコロの横面が見えないという、UIの不備も惜しいところ。 フローズンサイド CPUとの対戦パズル。上図のように3×3で並べられた正方形のマス目に対し、各プレイヤーは24個の辺に1つずつ交互に印を付けていく。 印を付けた際、いずれかの正方形の四辺に印が付いた場合、その正方形は最後に印を付けたプレイヤーの陣地となる。これを繰り返し、多くの陣地を取った方が勝利となる。 難易度は低いが、油断すると負ける事もある。ちょっとした頭のトレーニングになるパズルである。 易しいとは言え、多くの人が最初に戦う事になるボスなので、難易度としては程よい塩梅に仕上がっている。 ジェッター 以下のマス目に、5種類のコマ(○,△,□,▽,■)全てを並べるゲーム。同じ色のコマはタテヨコ斜めに並べてはいけない。 ○○○ △△△ □□□ ▽▽▽ ●●●● 本記事で直接挑戦できるパズルその1。「クイーンの問題」の亜種のようなパズルで、一番多い●のコマをどう並べるかがポイントとなる。 リプレート ■ ○ □○○ 単純なスライドパズル。上記のパネルを動かし、■と□の位置を交換すればクリア。 本記事で直接挑戦できるパズルその2。簡単そうに見えるが、盤面が狭いせいで意外と揃えるのが難しい。『レイトン』なら序盤を過ぎたあたりに出てくるタイプの問題である。 ゴンドランド ゴンドラを使って、小人3人と兵士3人を向こう岸に運ぶパズル(*5)。 ゴンドラは一度に2人まで対岸に移動させる事ができる。ただし、移動の際は最低1人誰かが乗っている必要がある。 どちらかの岸において、兵士の数が小人を上回るとミスになる。 小人0人の場合は特に問題無い。 本記事で直接挑戦できるパズルその3。説明書には大ヒントが書かれているが、本記事では割愛する。 この問題は古典的かつ有名なパズルで、かの『レイトン教授と不思議な町』にも全く同じ問題が収録されている。 キーキー246 ●●● ● ● ●● ● ● ●●● ●● ● ● ● ●●● ●● 図のように、3×3の方陣に球が配置されている。それぞれのマスは90度回転させたり、配置を交換したりすることが可能。タテヨコ各6列と斜めの2列全てで球の配置を偶数にすればクリアとなる。 どこかを動かして偶数個の列を作れても、別の列が奇数個になってしまう事が多々ある。これまた一筋縄では行かないよう調整されていて、正解するには頭を使う。 キッキング e e e e e e e e p p p p p p p p 変則的なチェス。各陣営が図のように配置された状態で始まる(プレイヤーのコマはp、敵のコマはeとする)。プレイヤーと敵は交互にコマを動かして互いの兵を倒し、相手を手詰まりにするか残り1コマまで減らした方が勝利となる。 コマの動きは「上下左右の空いている方向に1マス動く」「自軍のコマを飛び越えてその先にいる相手のコマを倒す」の2つのみ。 敵のAIは強すぎず弱すぎない程度に作られており、ルールを把握すればきちんと勝てるバランスに収まっている。 パンプキン4 ○●○ ○●●○ ●○○○ ↓■■■■↓ 色の異なるカボチャ(○と●)が図のように並んでいる。これを動かし、●を全て左に落とせばクリア。 カボチャは左右にのみ動かすことができ、下にカボチャが無い場合は自由落下する。○を右に落として画面から消すことも可能。○を左に落とすか、●を右に落とすかしたらアウト。 本記事で直接挑戦できるパズルその4。適当に動かしても失敗するが、発想を上手く転換させると突破口が見えてくる。 オアシス アクション要素の強いスライドパズル。 各パネルには様々な形の溝が刻まれており、スタート地点から水が溝をゆっくり流れ始める。うまくパネルを動かして溝の上に水を流し、ステージ左上にいるブタに水を運べればクリアとなる。 もしも水が溝のない位置に溢れてしまったらやり直し。 どうやったらゴールまで運べるか、アクションの腕前とプレイヤーの知恵が両方試される。 操作性はあまり良くないが、絶対にクリアできない事は無く、発想次第で必ず突破できるようになっている。 ピースリーピー ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● 上記のように並んだ2色のブタ(○と●)を空きマスに動かし、各色交互に並べるパズル。 プレイヤーは横に並んだブタ2匹(色の組み合わせは問わない)を選び、セットで空いているマスに動かす事ができる。4手以内に並べることができればクリアである。 本記事で直接挑戦できるパズルその5。じっくり考えないと解けない良問なので、腰を据えて挑みたいところ。 ラスワン ○ ○○○○ ○○○○○ 対戦パズル。図のように並んだ岩(○)に対し、敵と自分が交互に印を付けていく(すでに印のついた岩には印をつけられない)。最後に残った岩に印を付けた方が負けとなる。 先攻後攻はランダム。 岩は同じ行で連続しているものに限り、1手で好きなだけ印をつける事が可能。 ビデオゲームでも『マリオパーティ2』の「はちのすブンブンブン」などで見られる、古典的な「最後の一つを取ったら負け」ゲームの亜種である。 しかし「同じ列なら幾つでも取れる」という部分は中々にイレギュラーで、この手のゲームを遊んだ事がある人でも思わぬ思考力を求められる。 特に、一番上の1マスをどう扱うかが悩みどころ。 敵AIが本格的に作り込まれており、生半可な考えでは勝てないようになっている。とどめを刺したと思ったら、思わぬ戦法からどんでん返しを食らうことも。 スチーマー 2 8 4 1 6 1 1 8 1 2 7 4 6 4 3 2 図のように並んだ数字の集まりを並び替え、タテヨコの数字の和が全て15になればクリアとなる。 本記事で直接挑戦できるパズルその6。普通の魔方陣パズルと違い、使える数字が変則的なので少し捻った発想が求められる。紙と鉛筆で解くのもよし、適当に並び変えて答えを見つけてしまうのも良し。 ノイーズ 6×6のマスをめくって戦う神経衰弱。ただし、このパズルでは絵や数字ではなく、めくった時に出る音を一致させないといけない。 音は言語化出来ないため記憶するのが難しく、対戦パズルとしてはシンプルに完成度が高い。本作に対戦機能が実装されていないのが悔やまれる。 ちなみに同じ音を当てるゲームというのは別作品でも『星のカービィ3』に存在し、こちらでもプレイヤーに強い印象を残している(主に難易度面で)。 カブガタ > > > < < < 図のように並んでいるカブトムシ(>)とクワガタ(<)を動かし、それぞれの位置を交換すればクリア。 それぞれの虫は進行方向の1マス先か2マス先に動かす事ができる。後退はできない。 手順を間違えると手詰まりになる。 本記事で直接挑戦できるパズルその7。これがあのボードターンの後に出てくるが、パズルとしては至って真面目な内容なので、ある種の癒し要員である。 ゲットネット ダーツの的のように分けられたマス目を使って戦うオセロ。対戦相手と交互に好きなマスを一つずつ選んでいき、陣地を奪い合う。 選んだマスで陣地を取る必要は無く、全てのマスが選択可能である。 普通のオセロと違い、挟んだだけでは陣地を取る事が出来ない。1回挟まれた陣地は灰色になり、もう一度それを挟む事で自分の陣地に変える事ができる。 ノイーズ同様、これも対戦できないのが悔やまれる完成度。最初のうちはオセロで重要となる"角"の概念が存在せず、壁も殆ど存在しないため、通常のオセロと違った戦法が求められる。しかしルールは単純明快でとっつきやすく、敵AIも程よい強さに仕上がっている。 ハッチ ↓ ↓ ↓ → ← ← → ↓ → ↓ ↑ → → ↓ ← → ← ← → ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ★ → → → ↓ ↓ ↓ → ↓ → ↓ ↑ ↓ → → ↑ ↑ ← ↓ ↓ → ← ↑ ↑ ← ラスボス戦。上図のように、たくさん並んだ矢印のマス目の上で卵を運んでいくゲーム(図の矢印配置はあくまでも一例で、プレイの度に中身が変わる)。先攻と後攻に分かれて対戦する。 ゲーム開始時は盤外の左右にそれぞれ7つの卵が縦一列に並べられている(左に置かれる青い卵がプレイヤー・ルーカスの持ち駒、右に置かれる赤い卵がラスボス・オルティスの持ち駒となる)。 各プレイヤーは自分の手番で、卵一つを矢印の方に動かす(盤外にある卵の場合は、すぐ隣のマスに動かす)か、盤上の全ての矢印を時計回りに90度回転させる事ができる。これを交互に繰り返し、全ての卵を先に★へと運んだ方が勝利である。 たまに千日手(*6)が発生するが、そうなるとプレイヤーが手を変えるまでオルティスが同じ事を繰り返すので、こっちが手を変えなければいけなくなる。 ちょっと不公平だが、このパズルは一応ラスボス戦なので、敵側に特権があるのはご愛嬌かもしれない。 運要素も大きいものの、シンプルでありながら豊富な選択肢が考えられ、これもまた対戦が無いのが勿体ないゲーム。 パイルシェル ラスボス攻略後に遊べるよう隠し要素。1対1の対戦パズル。 他の開放条件は特になく、仔ブタの救出数は問われない。 このパズルは、横に並んだ4つの穴を使って行われる変則的な4目並べである。各プレイヤーは自分の手番において、4つの穴の一つに自分のコマを上から落とす事ができる(コマは最大4つまで積み上げる事が可能)。これを繰り返し、先にタテヨコ斜めのいずれかで自分のコマを揃えれば勝利となる。 コマの代わりに一度だけ爆弾を落とすことも可能で、すでに置かれているコマを破壊する事が可能。 ただし同じ箇所にコマを置き直されてしまう事が多く、あまり意味はない。 隠しボスとしては小規模だが、パズルとしては堅実に作られている。例によって敵AIはきちんとした立ち回りで攻めてくるため、決して気は抜けない。 古典的なゲームである「立体4目並べ」を下敷きにしているため、破綻無く楽しめるよう仕上がっている。 立体4目並べはおもちゃ屋やネットショップ等で気軽に買い求められるので、興味のある方は是非。 また、問題点で紹介したパズル2つも難易度調整に問題があるだけで、パズルとしては極めてまともな内容である。 実はベストエンド条件が緩く、それを知るといくつかの難点が解消される。 本作は500匹中401匹の仔ブタを助けるだけでベストエンディングが表示される。それ以上の仔ブタを助けるメリットはほぼ無い。 一応パーフェクト特典として10秒程度のお祝いムービーが流れるものの、それ以外の見返りは全くなく、隠し要素の開放とも全く関係が無い。 要するに、実は本作の仔ブタは『レイトン教授』の「ひらめき指数(ピカラット)」よろしく「たくさん集めた方が良いけれど、決して全部集める必要は無い収集要素」とも解釈できる。 これを知った上で遊ぶと、本作の主なクソゲー要因である「アクションの酷さ」「ボードターンを初めとする高難度パズル」が大きく緩和される事になる。 まず問題点でアクションの酷さに触れたが、これは「ノーミスを狙えばリセットゲー、ミスを許容すれば虚無」という物であった。しかし「ブタを全て集める必要は無い」という条件なら話が変わってくる。 ある程度は敵にぶつかる事が許されるうえ、ミスしすぎるとエンディングが変わってしまうので適度に頑張る必要がある。つまり実際はノーミスを狙う必要は無く、ミスが好きなだけ許容されるわけでもない。 アクションで失う可能性のあるブタは意外と少なく、多くても1ステージで2~3匹落とすのがやっと。かなり簡単なステージも存在するので、全20個のアクション面で失うブタは多く見積もっても最大で40匹程度である。99匹までブタを落とす事が許されるので、アクション面のせいでベストエンド達成が不可能になることは無い。 かと言って適当に進めばいいわけではなく、ミスを減らしてブタを温存するほど、パズルで許されるギブアップ回数が増えてくる。なのでやはり虚無ゲーにはなり得ない。 各パズルで助けられるブタは10~14匹。先ほどの40匹を基に計算すると、アクション面でどれだけ手を抜いても5問程度のパズルがギブアップ可能である。 つまり大人でもクリア困難な「フォール26」「ボードターン」は無視しても問題無く、その上で苦手なパズルをさらに3問飛ばしてもベストエンド達成が可能である。 飛ばしたパズルは後から再挑戦できるため、これらはエンドコンテンツとして好きに扱って問題ない。 以上のように、本作は401/500を救出するのであれば、適切なゲームバランスに収まっている事がうかがえる。 実際、説明書には「ブタの救出数でエンディングが変わる」「少しでも多く助けよう」とは示されているが、全て助ける事は全く要求されていない。 とはいえ、完全クリア不要である事もまた示されておらず、条件を認知しようがないプレイヤー視点からクソゲーとみなされてしまうのは仕方がないとも言える。 仮に初見でベストエンドを引いてもそれが最良とは気付きづらく、何より元凶たる主人公の手で責任を持って全員を助けたくなるのは当然の摂理である。 総評 「最低評価を受けたクソゲー」と聞くと全く遊びどころの無いゲームを想像してしまうが、本作は決して悪いところづくめのゲームではない。 ゲーム内にちりばめられたパズルはきちんとした作りとなっており、算数が好きな人であればこの点を楽しむ事も可能である。 最終的に「サタマガ」のワーストを脱却できたのも、こうしたフォロー点があったからと思われる。 逆に言うと、本作はそういった長所を潰してしまうくらい大きなマイナス要素を抱えているとも言い換えられる。 アクション部分はグラフィック・操作性共にサターンとは思えないクオリティで、購入者から顰蹙を買っても仕方がないほど粗い。せっかくの長所であるパズルに関してもクリア困難な二つのせいで台無しにされている。 『スーパーマリオ64』『バイオハザード』といった革新的な作品が出た年のゲームにもかかわらず、その中身は前世代機でもアウトな代物である。 言うなれば、今作は減点法でクソゲーの烙印を押されてしまった作品と言えるかもしれない。 余談 今ならネットで答えが調べられるため、評価点に記したクリア条件を受け入れれば比較的まともにプレイが可能である。 とはいえ、そこまでするくらいならスマホアプリでも遊べる『レイトン教授』シリーズを購入した方が早いかもしれない。 本作では島をクリアするたびにちょっとしたおまけムービーが流れるのだが、その一部においては何故か松田聖子のヒット曲『Sweet Memories』が使われている。 しかもこれだけのためにわざわざJASRACに版権料を払っている(パッケージ裏に認可を示すシールが貼ってある)。 版権に回した予算を開発に使わなかった理由は不明である。雑なゲーム内容といい、色々と謎が多い。 開発会社のホームページでは制作物として本作が一切触れられていない。 ちなみにホームページをよく見ると、地味ながら『グランディア』のシナリオ原案を作っていた事が明かされている(*7)。人知れず汚名返上を成し遂げていたようだ。 NHKの子供番組『天才てれびくん』では、本作に収録された「ノイーズ」と全く同じルールのゲームが1年にわたり放送されている。HPに はエス・キュー・フォアが同番組のCGに携わっていたと書かれている(*8)が、もしかすると関連があるのかもしれない。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2565.html
アンリミテッド サガ 【あんりみてっど さが】 ジャンル RPG ゲーム本体リミテッドエディション 攻略本(実質説明書) 対応機種 プレイステーション2 発売元 スクウェア 発売日 2002年12月19日 定価(税抜) 通常版 6,800円 限定版 リミテッドエディション8,800円 判定 スルメゲー ポイント 意欲的だが急進的過ぎたあまりにも難解なゲームシステムそれでいてチュートリアルも皆無TRPGベースのゲーム内容 攻略本が事実上の別売り説明書 発売からまもなく新品価格980円以下世界観などのビジュアル面は好評 攻略が進むにつれて再評価も進んだ サガシリーズ 概要 ストーリー システム(というか賛否両論点) 評価点 問題点 「説明書」について その他 総評 余談 説明書 中古相場に関して その後の展開 概要 スクウェア(現スクウェア・エニックス)の看板RPGのひとつ、『サガ』シリーズ9作目の作品。プレイステーション2初のサガシリーズということで、プレイステーション時代の『サガ フロンティア』シリーズから一新された部分も多い。 今までのサガシリーズと同じく、人を選ぶ内容ではあるが、TRPG(テーブルトークRPG)をベースにしたゲームシステム・独自の世界観など、やはりサガシリーズらしい意欲的な内容にはコアなファンが多い。 前年にワンダースワンカラーで河津秋敏氏など同主要スタッフが製作した『ワイルドカード』というやや無名ながら評価の高い作品があり、システムにいくらか類似性が見られることからこのゲームは同作の発展形だと見る考え方もある。 内容がこれまでのシリーズ以上に意欲的である一方で、説明書の不備とゲーム内でのチュートリアル不足などの要因が重なって複雑かつ特殊なシステムに対する理解が難しい作りになってしまっていたため、当時のユーザーからの評判は芳しいものではなかった。 ストーリー 伝説の『“七大驚異” The Seven Wonders』(*1)。その力をすべて解放したとき、神は現れ、再び黄金時代が訪れるという。伝説を信じる冒険者達はその謎を解き明かす為に旅立つ!(公式より) システム(というか賛否両論点) システム的にかなり特殊 このせいでこれまでのシリーズと違いすぎて投げた人・クソゲーと決めつけた人も多かった。 特にフィールド上の動きは過去作にないもので、ボードゲームやTRPGのようだ、と評される。 フィールド上に「ターン」の概念があり、マス移動や周囲を調べる・仕掛けの操作などを行う度に1ターン経過し、それとともに敵も動く。 ダンジョンRPGのような動きと考えれば少しわかりやすいか(ダンジョンRPGのように広いフィールドではないが)。 『ロマサガ』以後のサガシリーズでは自由に歩き回って敵シンボルを回避したりできたので、それを想像していたプレイヤーは呆気にとられただろう。 動いた結果、敵と同じマスになると一定確率で戦闘になるが、そもそも敵の場所は特殊な術を使うか、隣接するまでわからない。 道は分岐もあるもののそれぞれは一本道であるため、歩いて敵を回避することは期待できない。 マップの全体図を確認することが特定の条件を満たさないとできない。 戦闘・フィールドともに「リール」というシステムを採用。要は、ルーレットを目押しで止めて成功判定をするもの。 フィールドでは、トラップ回避や宝箱を開けたりするのに多用される。失敗すると、トラップでダメージを受けたり宝箱の中身を失ったりする。 しかし、ランダムでずれるため100%成功させるのは不可能(*2)。貴重なアイテムや魔道板入りの宝箱が吹っ飛ぶなんていう場合も割とある。 宝箱を発見した場合、まずは(スキルを使用した場合)罠や鍵の存在を見破るためのリール(成功すると後のリールの難易度が下がる)があり、次に罠を解除するためのリールがあり、最後に鍵を開ける、または宝箱を破壊するためのリールがある……といった具合に終始リール尽くしである。箱をいじる合間に敵の襲撃が挟まることも珍しくはなく、その展開の遅いゲーム性に音を上げたプレイヤーは多かった。 つまるところ、TRPGでいうサイコロに当たるシステムと言える。 HPの概念が他のゲームとは異なる。画期的なのはHPがゼロになっても戦闘不能にならないという驚きの仕様。 重要なのはLPであり、LPが0になると戦闘不能となる。LPはHPが減っている時にダメージを受けると減りやすく、いわばHPはLPを削られないための「壁」的な存在である。 フィールド上のトラップや戦闘でHPとLPはガンガン削られていくので、能力は低くともLPの高いキャラクターの存在価値は高い。 HPは従来の技ポイント/術ポイントの役割も備えており、技や術を使用するだけでHPを消費する。 もっともその消費量は敵から受けるダメージに比べると遥かに些細であり、実害はほぼ無い。 戦闘では、ターン毎に5回分の行動を選択する。配分は自由で、同じキャラに5回行動させてもかまわない。 行動それぞれについてリールを回す。止めた場所に応じて技なら止めた位置のレベルの技が発動、術なら止めた位置の属性が術と一致すれば若干強力になる。 サガシリーズ恒例の「閃き」システムが存在し、技を使った際に稀に技を閃き、より高いレベルの技を使えるようになる。 同じ技ならレベルが違っても消費HPは一緒なので、閃きで高レベルの技を習得したなら下位の技はまず使わない。 しかし、リールをうまく止められないと、狙った技を出せないという問題もある。慣れが必要。 戦闘時の連携システムは健在。なんと敵味方全ての行動を連携可能。つまりむやみに連携を狙うと、敵に割り込まれて逆に大打撃を受けることになる。 うまく行動順を制御したり、敵の攻撃はもうこないと予測するなどの慣れが必要。 また、連携時もリールは全攻撃に対して個別に回り続けているため、全ての攻撃を上位技で止めるのは難しい。 そのリール配列は、実はGBソフトの『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』の乱数配列からほぼ流用したもの(*3)。 味方のステータスは、本人の固定された「資質」(基本ステータス)と、シナリオクリア時に一つ選んで入手できる「スキルパネル」によって決まる。 戦闘内の行動内容によって戦闘終了後に主な成長が行われた以前のシリーズと異なり、シナリオ内の行動内容によってシナリオ終了後に成長が行われる。 このため、戦闘以外にもトラップを回避したり宝箱を開けたりといった要素がそのシナリオ終了時の成長に関わるので、戦略が必要になる。 スキルパネルは余っている枠がない場合でも強制付け替えなので、完璧な配置にしていて入れ替えを望まなくても、次のシナリオクリア時には付け替えねばならない。 よって、極めようと思ったら、どこか必ずどうでもいいスキルパネルを置く場所(もしくは別の同系統のパネルに置き換えても主要ステータスに影響のない場所)を用意しておくことになる。といっても「完璧な配置」になるころにはゲームクリアにずいぶん余裕をもった能力になっているが。また、成長に制限があるため「極める」ようなデータを作るのは困難。 一部のパネルは入手が非常に困難であり、狙ったキャラに狙ったパネルを引かせるためには中断セーブ後(*4)のリセット→ロード作業(プレイヤーの間では主に「邪道ロード」と称される)がほぼ必須。 魔道板パネルをつけて戦闘中に何でもいいから術を使うと魔道板の術を少しずつ習得するのだが、戦闘回数が少し必要になる。 五行属性(木・火・土・金・水)を踏まえて、習得に適した属性の高い場所で戦うと多少楽にはなる。 街の改造屋では「アイテム改造」が可能。 アイテムを2つ組み合わせる。完成品の種類(剣や槍を指定)を同じものにすれば耐久度の回復ができる。種類を変えることもできる。 どんなアビリティがつくかは主に素材の重量に依存し、その上でわずかなランダム性があることを理解すると面白い要素である。 改造屋はなぜか無料で改造してくれる(*5)が、ときどき引きだされているアビリティの数が増減してしまうことがある。 ゲームの難易度的にはかなり高いと思われている。 厳密に言うと、初心者向けの主人公以外が厳しい。 進行順次第ではハマりに近い状態になりやすいルビィ編(*6)、味方がひ弱(*7)なのに最終戦が全主人公中最高難易度のマイス編(*8)、プレイ時間15分ごとに強制戦闘になるキャッシュ編、イベント進行が特殊で理解しにくいアーミック編・キャッシュ編など、これらの主人公は初プレイでは厳しい(主人公選択時にそういった旨の紹介文がある)。また、キャッシュ編は実質序盤に挑むことになる「剣難峡」が多少慣れたプレイヤーでもいやになるほど極めて難易度が高い(*9)。 そのほか3人の主人公は比較的進めやすいのだが、そのうち最も早く記事などで公開されメインの主人公であろうと目されていたローラ編(*10)では、ストーリーの2分岐のうち一方がかなり難度が高い(これは意図的に設定されたこと)。しかも、簡単な方の分岐に進むにはある敵に負けることが条件なのだが、この敵に負ける方が難しいほど弱い存在(*11)。さらに、ローラ編ではサブシナリオの数が少なく、ラストダンジョンに行けるようになるとレベルアップ用サブイベント「謎の場所」にも行けなくなるためハマる可能性もある。 また、このゲームでは敵はだいたい戦闘回数に応じて強くなっていくのだが、味方の成長(HP上昇とスキルパネル付け替え)はシナリオクリア時のみである。サブシナリオをわざとクリアしないで宝箱や魔道板入手に力を入れるのは本作の常套手段だが、あまりやりすぎると敵だけが一方的に強くなっていく。そして、シナリオをクリアしないと成長しないということは、全てのシナリオをクリアしてしまうとそれ以上の成長ができなくなってしまうということである。一応救済措置として「謎の場所」と「テトラフォース」があるのだが、一部の主人公では使えない。 幸いどの主人公でもシナリオの数は十分にあるので全シナリオをクリアしたのに能力値が低くてラスボスに勝てない、といったことはまず無い。(もちろん装備や技の関係で勝てないということはあり得るが) 確かに強いラスボスはこのシリーズ伝統ではあるものの、今作では特にラスボス戦の高難度さとそれ以前の戦闘難度とのギャップが激しい。 評価点 キャラクター作りの質は安定している。 河津作品らしくセリフはやや少なめに抑えられているが、個性が強く遊んだ人間の記憶に残りやすいキャラは多い。 それもいわゆる狙ったネタキャラではなく、妙にセリフ回しが面白いなどの理由で気に入られるキャラが多いのもそれらしいところである。 サガシリーズでは初めてボイスが付いたが、知名度の点で幅広い声優を揃えつつも特に違和感のない形に収まっている。 参考までに主人公たちを演じている声優陣は井上喜久子氏、川田紳司氏、猪口有佳氏、佐々木健氏、比嘉久美子氏、伊藤健太郎氏、子安武人氏の7人であり何れもどこかで耳にした名前が揃う。 全ての行動が後に繋がるシステムであることもあって、常に戦略的な思考を求められる。 戦闘中であれば使う技や連携の流れ、フィールド上であればギミックへの対処やスキル使用、マップ画面であれば武器改造や品揃え確認など。 楽にクリアできるシナリオでもれっきとした成長の機会なので、ある程度惰性にはなりにくい。 7人の主人公それぞれで、基本のところは変わらないにもかかわらずシステムやパーティの違いにより結構な遊び方の差が生まれてくる。 それだけに、その辺りのニュアンスが最初の主人公選択画面ではあまり伝わってこないのは残念だが…。 上述した通り難易度こそ高いものの、7人全員クリアすれば専用のエンディングを見ることができ、達成感もひとしおである。 ゴリ押しの通じないバランスであり、特に難易度の高い主人公で遊ぶ場合はきっちりゲーム全体の戦略を立てる必要がある。 その分、ギリギリでクリアできた時の喜びは非常に大きいものになるだろう。この辺りは過去のサガシリーズにも通じる部分である。 ラスボスはそれを象徴する部分であり、「理不尽すぎない程度にかなり強い」というところが評価を得ている。 グラフィックは2Dであり非常に奇麗。 『サガ フロンティア2』からの水彩画調のグラフィックも健在。 BGMは『サガフロ2』と同じく浜渦正志氏が担当。氏の能力に違わぬ名曲揃いであり、クソゲーとの評価を多く受けた発売初期でも、唯一音楽のみは一貫して評価を受けている。 中でも通常戦闘曲は大変美しく、満場一致で名曲扱いされるほどの出来で今までに浜渦氏が作曲した曲の中でも一二を争うほどの人気を誇る。 OPムービーの出来が凄い。 ゲームに合わない人から見たら間違いなくOP詐欺。 問題点 「説明書」について そんなこのゲームがクソゲー呼ばわりされる理由は、主に「説明書」が別売りと呼ばれることにあった。 もちろんこれは誇張表現で、ちゃんとゲームには本来の説明書が付属しているが……役に立たない。「パンフレット」「チラシ」などと通称されるぐらいである。詳細は後述。 要するに「システムが非常にわかりにくいにもかかわらず、それに関する説明が全く足りていない」ということで、それが本作の発売時に低評価を受けた主な要因であった。 ゲームに付属した「本来の」説明書(通称 チラシ)は全32ページで、うちゲーム内容の説明に割かれているのは20ページちょっと。 一般的なRPGであればこれで不足することはないだろうが、何度も述べているようにこのゲームは操作も進行もやや特殊である。 ボタンの振り分けやシステムの根幹など、基本の「き」となる部分についてはおおむね書いてあるのだが、どれもこれも本当に上っ面だけの説明で、初めてプレイする人にとっては非常に分かりづらい。 「改造」「能力資質」といった基本から一歩進んだシステムについては全く書かれていないものも多い。 特にプレイヤー達を戸惑わせたのがクエスト中のフィールド画面で、独特の操作そのものに戸惑うプレイヤーが続出。 「待機による回復方法」はR3・L3ボタン(スティックの押し込み)。このボタンを使用するRPGは珍しい。 「オブジェクトの調べ方」は全て「スキル(→アクション)」を選んでからオブジェクトを選ぶ。レバーや宝箱などがあったとしても自動で操作するコマンドは現れない。 「キャラクターの移動方法」も、説明書にはスティックでキャラ移動と書かれているが、行きたい方向にスティックを倒し続けないと反応しない。軽く倒すと行き先の簡単な現況が確認できるのだが、それについては説明されていない。 …等と、あまりに独特すぎる事から基本操作もおぼつかないプレイヤーも現れる始末で、わざわざ公式サイトに基本的な操作方法のQ Aが載ったほどである(現在は消滅)。 実は回復やオブジェクトの調べ方に関しては説明書の「フリーシナリオとは?」の項に載っている(具体的に言うと13ページの右上)。…がしかしそれらは小さな文字でおまけ程度に載っているので、ほとんどのプレイヤーが見逃したと思われる。 その為、当時のユーザーは阿鼻叫喚。「敵強すぎ」「全身鎧バグ(*12)を使わないとクリアできない」等、このゲームの評判を大いに落とすことになった。 説明書の不備の方が目立つためにあまり言及され難いが、ゲーム内におけるチュートリアル(説明)が皆無というのも看過できない。 当たり前のことだが、たとえ説明書が薄くてもゲーム内でちゃんとした説明があればこんなことは起きなかっただろう。説明書をきちんと読まずに始めるプレイヤーもいるし、ちゃんと読んだからといって全ての人がすぐに完全に内容を把握できるとも限らない。本作のように至極複雑なシステムを要しているゲームなら尚のことである。 確かにサガシリーズはある程度ユーザーを突き放す(プレイヤー自身に遊び方を見つけさせる)のがウリというところもあるが、このような複雑なシステムに対して説明が皆無というのでは突き放すを通り越してあまりにも不親切すぎるとの声が上がる事になった。 いわゆるチュートリアルがない以外にも、装備品や技・ステータスなどの説明が乏しく確認できる場面も少ない。 「改造」など文章の説明やとりあえずの試行だけでは理解困難なシステムもあるので、そういった部分の補完は必須だったはず。 その後、詳細なゲームの進め方や戦法なども書かれた攻略本『アンリミテッド サガ 解体真書』(という名の事実上の「別売り説明書」)が発売。 これにより批判は徐々に沈静化され、それ以降ユーザーのやり込みも進み、実際は奥深い内容で、敵の強さはきちんと装備を整えて進行していないプレイヤーの責任、全身鎧はバグではなく仕様説(*13)、だがこのゲームの面白さをスポイルする、飽くまで救済措置だとの見解が生まれた。 その他 進行不能バグがある。条件を満たしてしまう人は少ないと思われるが…。 アーミック編でメインシナリオ出現中にイスカンダール広場へ行き、祭りを見るとメインシナリオが消滅して進行不能。メインシナリオのない時に祭りを見ておこう。 キャッシュ編では、シナリオの進め方により「体術」以外が使えないイベント戦があるが、「体術封印」パネルをつけていると進行不能になる。 もっとも、「体術封印」パネルは使いづらいデメリットパネルなのであまり起きないだろう。また、シナリオを別のルートに移行する方法でも一応対策可能である(*14)。 装備品や技など、一部バランス調整がうまくいっていない点も目につく。 攻撃手段には技と術があるが、術は「術合成」のスキルパネルなど多くの準備や育成を行わないとあまり実用レベルにならない。さらに技のほうが手軽で強力。 武器は斧と弓が強く、長剣や杖は弱い。弱い武器を選んでしまうと戦闘力でかなりハンデを背負う上に、初期の手持ち武器が長剣であるキャラは相当数いる。 長剣は軽い素材なら ディフレクト というアビリティが付くことがあり、第二武器の欄に装備すればランダムで自動発動。これによりそこそこの確率で攻撃を回避してくれるのだが、軽い剣にしかつかないことなどはゲーム中の情報ではわからない。 同様に杖は ブロック 、短剣は ナイフガード というアビリティがついているものを第二武器にすれば回避をしてくれる。 斧攻撃技「高速ナブラ」は威力が突出しており、これを覚えたキャラは他の単体攻撃技はほとんど必要なくなる。 一部に運ゲー的な要素を強く持っている。 スキルパネルはクエスト中の行動が大きく依存するとは言え最後は運であるほか、「改造」は完全に確率で発生する「失敗」が存在する。 そのあたりを操作しようとすると、リセット・ロードの繰り返しをする羽目になる。 サブシナリオの動機がときどきぶっ飛んでいる。「古来の族長の試練を受けよう(別に主人公に関係ない)」「理由はないが砂漠を縦断しよう(新しく行き先が増えるわけではない)」「旅するのに風の強い時期をわざわざ選び勇気を試そう(途中で風よけの器具を貰うこともできる。本末転倒な気もするが、自由度の高さとも取れるか)」等々…。冒険好きの主人公にとっては良いが、急ぐ理由のある主人公には相応しくないかもしれない。 サブシナリオはパネル獲得+HP成長という報酬があるが、クリアしてもアイテムやお金などの報酬がない。これは前述の勇気試しのようなものだけでなく、「極地に質の高い氷を取りにいこう」というサブシナリオでも報酬はない。ボランティア扱いなのだろうか? サブシナリオをクリアしてしまうともうそのマップには入れない。複数のシナリオで同じマップを使用している場合も全てクリアしてしまうともう入ることができない。そのため探索が不十分だったり敵を倒して稼ぎたい場合あえてクリアしないのがネット上の攻略サイトでも推奨戦術になっている。同様の仕様は旧来のサガシリーズでは一部のマップだけに限られていたが、本作では認識を改めて取り組む必要がある。 なお、ゲームをやっただけではラスボスが何者なのかはあまり分からない。前座の台詞はあるが全主人公共通であるラスボスの台詞は全くない。攻略本を見て世界観や設定がやっと分かる(まあ、それ自体はこのゲームに限ったことではないが…)。 店の品物が有限で、メインシナリオかサブシナリオか運び(ヴェント編のみ)をクリアしないと品物が入ってこない。 主人公によってはショップの品物の入れ替え機会が有限。 総評 本作はゲーム内容自体は充実しており、ストーリーも批判が出るようなものではなく、そこまで重大なバグもない。 ややテンポの悪い面やゲームの進行手順などかなり人を選ぶ部分も見られはするものの、ハマる人はハマるゲームであり、少なくとも「クソゲー」ではない。 惜しむらくはとにもかくにも「説明不足」というその1点でゲームシステムの理解を著しく妨げてしまったために、非常にハードルの高い 独特なシステムを理解しきれなかった多くのユーザーからクソゲー扱いを受けてしまったことだろう。 開発スケジュールの余裕のなさに起因しているとはいえ、この点さえきちんとしていれば当時からの評価はまた違ったものになっていただろうだけに、なんとも悔やまれる点であった。 今ではインターネットで攻略情報を得ることが容易であり、その安価さもあって再評価の動きが進んでいるが、同時に、投げ売られているからといって安易に買うなとも言われることが、本作の難易度の高さと複雑さを物語っているとも言える。 こうした風評の有無を抜きにしてもゲームそのものが人を選ぶことに変わりはなく、総じて「作風が肌に合う人であれば楽しめるゲーム」である。 余談 製作総指揮の河津氏は、後に本作についてこう述べている。(2014年1月29日の本人のツイートより)。 アンリミテッド・サガはもともと某社が開発していた携帯ゲーム機に向けて企画していたゲームでした。 そのハードが中止になってしまったので、衣替えしてPS2向けのゲームになった次第。 それで、まるでスマホのゲームのようなダンジョン操作 表示になったわけです。 さすがに開発者のコメントだけあって「スマホのゲーム」という表現は言い得て妙である。また、「某社用の携帯ゲーム機」は原型である『ワイルドカード』を出したワンダースワンカラーを指しているものと思われる。 ちなみに河津氏曰く、テスターたちは簡単に連携を決めてしまっていたとのことで、スタッフの腕前を前提に調整した結果が製品版のゲームバランスとなってしまったのかもしれない。 攻略本にも記載されている、「レベル4の禁呪魔道板」のスキルパネル(通称:外道板)が極々低確率でしか手に入らない(*15)など、バグに近い挙動もある事はある。 しかし肝心の攻略本自体にも間違った情報が載せられている事もある。 出ない事がユーザーの間でネタになっている「外道板」に関しては、「普通に出る筈だが、2つの乱数を組み合わせたので、かなり出にくくなっている」とスタッフの弁。 余談中の余談であるが、本作発売の少し前、『ファイナルファンタジー』シリーズ初の地上波アニメ作品『FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~』が放映されており、そこへこの作品のタイトルを見たファンが「続編か外伝作品か?」と勘違いし購入してしまったという報告もある。 『FF U』も本作と同様に河津氏が関わっており、裏設定では繋がっている(いくつもの異世界がある世界観で、アンサガ世界がFF Uに登場しているわけではない)。FF Uの「風」や「雲」などが該当する存在「アンリミテッド」もアンサガの登場人物に居るが、アンリミテッドが超人的な能力を発揮できるのは出身世界の外での事なのでアンサガ世界の中で力を使うことはできないという設定。(インタビュー) 説明書 説明書の後半6ページは本作の攻略本・グッズや、本作と無関係のスクウェアのゲームの宣伝に割かれている。 チラシ呼ばわりされているのは、「ゲーム説明が不十分なのにもかかわらず、宣伝だけはきっちりしている」というニュアンスも大きい。 宣伝自体はスクウェアの説明書にはよくあることだが、他作品は多くても見開き2ページ分くらいか、もしくは同封であり、それも当該作品の関連物に限った話である(*16)。 『サガフロ2』の10周年の際、あるスタッフが個人サイトのインタビューにて以下のようにコメントしている。 取り扱い説明書は宣伝部が作っているのですが、本当は開発側で内容確認したり、必要な資料を出したりしなきゃいけないんです。 でも開発にも余裕が無くて、丸投げになってしまったためにあんな出来になってしまいました。 中古相場に関して 攻略本発売後に再評価されたが時既に遅し。各小売では本作は絶賛投げ売り中であった。新品980円は当たり前、嘘か誠か新品100円で買ったという話もある。 「福袋にこれが何本も入っていた」という画像も流行った。これはコラ画像だったが、投げ売りの凄まじさのために信じられてしまった。 中古ゲームショップでは今や高く買う方が難しい。980円なら高価な方で、大抵500~200円ほど。酷いと缶ジュース以下、100円切りなんてこともあったようで、買い取り価格は発売から1ヶ月で50円もザラ。また、買い取りが多すぎて買い取り拒否となった店も少なくない。 上記の通り攻略本は税込1,890円である為、現在の市場価格は攻略本の方が高い。さらに今でも中々入手しにくい(再販自体は度々行われている)。 本作の収集を趣味とする人も存在する。 中にはパッケージケースをトランプタワーのように組み上げて、アンサガタワーと呼ばれるオブジェを作る猛者も…。 その後の展開 投売りになってから数年、デジキューブ倒産の煽りを受け、サントラまでも投売り(*17)になるという不遇な状況を辿った(おそらくは倒産品が大量に市場に流れたため)。現在はスクウェア・エニックスから再販版が発売。 本作の説明が不親切だったのは開発者側も認識したらしく、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では、ゲーム内でシステムの説明を随所に載せている(ギユウ軍や戦闘中に入るナレーション等)(*18)。 本作の評判を受けてか、サガシリーズは『サガ スカーレット グレイス』の発売まで実に14年もの長きに渡って新作が発売されなかった。 『ミンストレルソング』や『サガ2GOD』『サガ3SOL』といったリメイクが出ているため、シリーズ自体は無事存続してはいるが。 河津氏がイヴァリースシリーズを引き継いだり『ラスト レムナント』の制作などサガ以外のゲームに関わっていたという事情もある。 また、本作はPS系統のサガシリーズにおいては唯一、廉価版の発売やアーカイブス化が一切されていない。
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タオ体道 【たおたいどう】 ジャンル 対戦格闘アクション 対応機種 アーケード 発売・開発元 ビデオシステム 稼働開始日 1993年 判定 クソゲー バカゲー ポイント あまりにも独特すぎる仕様回転技のみが物を言う世界しょぼいグラフィックタオ体道とは一体… 概要 ストーリー システム 変な点 問題点 評価点 賛否両論点 総評 余談 概要 『ストII』から始まった格闘ゲームブームの中、雨後の筍のように現れたフォロワーの一つ。 稚拙なグラフィックと独特なシステム、シュールすぎる世界観で隠れたネタ的存在として知られている。 ロケテスト版と製品版でシステムが大きく違う、変わったゲームでもある。 ストーリー 最強最大の武術と言われるタオ体道。その奥義は、ライバル達を打倒し生き残った者だけに授けられるという。そして今、世界中から8人の武道家達が奥義を求め、タオの密林に集まった。 システム ロケテスト版と実際に発売された製品版の2系統のシステムがある。 ロケテスト版 レバー+2ボタンまたは3ボタン。ボタンはパンチとキック。2ボタンタイプは同時押しをすると気を溜める行動になる。3ボタンタイプは気を溜める専用のボタンがある。 気が溜まっている状態でレバーを入れると、必殺技が出る。気は3段階まで溜まり、それぞれ出る技が違う。このため一人当たりの必殺技は 8×3=24種類 と非常に多い。 もっともその中身は、移動方法の違いや複数の技の組み合わせで水増ししているだけ。 製品版 基本システムは『ストII』とほぼ同じ。レバー+6ボタン。必殺技の出し方もロケテスト版と全く違い『ストII』風。 一応、キャンセルもできる。 共通システム 体力ゲージが3本に分かれており、一本なくすごとに気絶状態となる。 コインをすでに投入している場合、プレイ中にスタートボタンを押すと体力を全回復できる。さらにタイムの方もリセットされる。また満タン状態でスタートボタンを押すと、体力ゲージを4本にできる。 「すり抜け」という独自のシステムがある。 近距離で相手が攻撃を出した時、相手側に2回レバーを入れると相手の背後に回れる。相手の攻撃がヒットまたはガードした時は、レバーを前に入れているだけで「すり抜け」ができる。 一風変わった対戦システム もちろん対戦はできるのだが、少し変わっている。COM戦中に乱入すると、普通の対戦にはならず、1Pvs2PvsCOMのバトルロワイヤルになる。普通の対戦をするためには、COM戦終了を待たないといけない。その後対戦プレイヤー受付タイムとなるので、その時に乱入となる。 バトルロワイヤルを想定しているせいか、通常対戦でも自動では振り向かない。向きはプレイヤーが変えないといけない。 変な点 奥義を求める苦労が滲み出ているような濃すぎる顔のキャラ達。 選択画面のキャラ絵がとにかく濃い。1980年代以前のアメリカンカートゥーンかというくらいの濃さ。 おかげで紅一点のミクの顔も全然可愛くない。 プレイ画面上のグラフィックもおかしい。こちらも一部を除いてアメリカンカートゥーンチック。 必殺技に無敵技や飛び道具(*1)、投げがない。タオ体道は一方的に攻撃できる技がタブーなのか、突進技と連撃系の技ばかり。尚、プレイヤーキャラのチャックだけ明らかに飛び道具を放つ技があるが 何故か「気弾を放ったと同時に突進し、気弾が相手に当たるのと同タイミングで突進技が当たる」という一体どっちが当たってるのか判断に困る という代物である。 同時代の2D格闘ゲームで、無敵技も飛び道具も全くないのは他に挙げるとすると『バトルクロード』(94年/彩京)と『チャタンヤラクーシャンク』(92年/ミッチェル)くらいだろう。但しこの2作品は、現実的な格闘競技がモチーフ(*2)のため「あえてそう作った」という作風であり、タオ体道の異様な作風とは根本的に違う。 ロケテスト版の必殺技は役立たずなものが非常に多い。 例えば「ドロップキック→しゃがみパンチ連打→旋風脚→蹴り上げ」という具合に複数の技を組み合わせたものが多いが、ほとんどの必殺技はどうやってもフルヒットせず、どこかで隙が生まれる。実用的なのは単発系のほんの一部の技くらい。 製品版は回転する技が非常に多い。普通の旋風脚に、移動する旋風脚、下段の旋風脚、飛んでく旋風脚、ブレイクダンスのような旋風脚など様々。また足でなく手の方で攻撃する旋風拳?(ストIIで言うダブルラリアット系の技)もある。さらに回転は水平方向だけではなく、垂直方向にも。側転のようなものから、観覧車かのように空中をぐるぐると飛び回る謎の技まである。 回転以外を含めても、こちらもフルヒットする必殺技は限られる。ただそれでもロケテスト版に比べればずっと使えるが。 一部例外的に手から発する気を纏った技がある。だが、何故かその気に喰らい判定がある上、技自体も判定が弱い。実は気ではなく伸びた光る手かもしれない。 投げ技はタオ体道では邪道なのか、ロケテスト版には投げが全くない(打撃後に投げるという技はいくつかある)。製品版でも投げがない者が何人かいる。 ダウンさせる通常技がない。 足払い系の技を当ててもダウンしない。投げのないキャラクターは、ダウンさせる方法がかなり限られる。 奥義は心の中に。 タオ体道の奥義を求め、多くの敵を打ち倒し生き残った果てに言われるのがこれである。 奥義など最初から無かった。 問題点 乏しいグラフィック。 勝ちポーズは1種類。負けポーズはなく、ダウン後その場で消えてしまう。モーションも枚数が少ない。ロケテスト版はそもそも、パンチ、キックそれぞれ一種類しかない。製品版では弱中強あるのだが、酷いキャラだとそれぞれパンチ、キックの一種類ずつがあるだけ。攻撃の強さは、出かかりの速度、攻撃の持続時間、攻撃力で区別している。 こんな有様だが、ヒロイン的立場のミクだけは違う。弱中強別々のモーションが作られているほど優遇されている。 必殺技も強さの区別がない。ロケテスト版の溜め段階は強さと関係ない。同じ方向を入れても、まるで違う技が出る。製品版は弱中強どれを押しても同じものが出る。 一方で、なんのつもりかニュートラルポーズが三種類、ガードポーズも三種類ある。力の入れ所が間違っている。 画面端でめくれる。 画面端の相手に向かってジャンプすると、相手の背後に下りてしまう。このため、画面端でもめくりができる。さらにめくり攻撃がヒットすると、どういう訳か相手の正面におりる仕様。画面端では相手のガード方向を混乱させやすい。 しかもめくり技を持つキャラは限られている。一部のキャラが圧倒的に有利に。 妙な乱入システム。 前述の通り、あまり見られない乱入システムとなっている。普通の対戦をするためにCOM戦を待ち続けないといけないのは、少々苦痛。さらに乱入受付時間だが、現プレイヤーがすぐに終わらせる事もできるので、事実上の乱入拒否も可能。待った挙句に乱入拒否されては、苦痛は倍増。 スコアの概念がない。 アーケードゲームのお約束であるスコアがないため、スコアアタックが出来ない始末。 EDは全キャラ共通。 前述の通りの、いい加減な内容をそれらしく語られて終わるというあっさりしすぎたED。 評価点 東南アジアをイメージしたと思われる独特なBGM。 BGMは全てインドネシアの民族音楽であるガムランを基調とした曲になっており、金属打楽器をメインとしたなかなか良い曲が多い。(*3) ただ、ガムラン自体が独特な響きを持つ音楽であるため、シュールな世界観を余計に濃くした感もある。 BGMを手掛けたのは『ソニックウイングス2』以降の『ソニックウイングスシリーズ』の楽曲で知られる細井総司氏。ちなみに登場キャラの1人であるヒューイのCVも細井氏が当てている。 賛否両論点 「すり抜け」の存在 すり抜けはガードまたはヒット後でも発生する。このため相手の連携に必殺技で割り込もうとした時、コマンドにレバー前要素があると、勝手にすり抜けてしまう場合がある。またすり抜け後、向きを変える操作は自分でやらないといけないので、回転系の技を相手が出していると、向きを変える前に一方的に攻撃を受けてしまう。 空中にいる相手に対してもすり抜けが発生するため、潜ろうとした時敵が攻撃を出すと、操作によっては勝手にすり抜けて思わぬ場所に。 すり抜け後は背を向けた状態なので、どうしても攻撃がワンテンポ遅れる。このため成功しても、あまり有利になる事はない。 ただし、後に様々なゲームで回り込み等として採用されるシステムではあるため、発想だけは画期的だった。 総評 見るからにバカゲー、クソゲー臭のする格闘ゲーム。 なんとか『ストII』と違うものを作り出そうとしたのだろうが、センスがズレていて明後日の方角へ行ってしまった。特にロケテスト版はシステムも技の特性も独特すぎる。開発者は、どのような遊びを提供するつもりだったのだろうか? さすがに考え直したのか製品版は一般的なものに合わせたのだろうが、結局のところやっつけ感漂う出来に落ち着くことになった。 見た目・中身共々おかしいため、ネタとしてプレイすれば面白がれる要素もあるにはあるが、見ている側としてはともかくプレイヤー側には相当な忍耐力が求められるという、正直遊び方に困るゲームとなってしまった。 余談 本作の登場キャラクターの一人「マーカム」は、後に同社の『SONIC WINGS 3』にゲスト出演を果たした。 同作での彼は出演作のゲーム性故に、本来の冷酷な性格が強調されていて、アレすぎる原作と比較して随分真面目なキャラとしての登場。 …なのだが、2Pプレイ時のエンディングでは本作以来の活躍だと得意になるもチームの相方の一人であるコウフルから 「そんなゲーム知らん」 と一蹴され、原作独特のトンチキな技の数々を繰り出した挙げ句、もう一人の相方ホワイト卿からも「格好悪い」と言われてしまっている。そりゃそうだなお、アケアカNEOGEO移植版の『3』では残念なことにこのEDが差替えられてしまった。詳細は該当ページを参照。
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[妃路雪≠卿 - 名無しさん 2011-10-10 04 18 26 ↑すんません失敗しました 「妃路雪≠卿」何で読むんだよ? - 名無しさん 2011-10-10 04 19 45 いつものアーベル作品らしく、期待を裏切らない出来映えだな…期待以上の事をやらかさないのが難点だがw - 名無しさん 2011-10-10 07 11 10 ↑↑ひろゆき kだろwww - 名無しさん 2011-10-10 08 16 03 登場人物の名前や菅野氏のペンネームで暴走族の当て字を思い出した - 名無しさん 2011-10-10 18 24 18 いろいろと末期症状だよな… - 名無しさん 2011-10-11 19 42 51 基本的に面白くないっていうのは新しいクソ要素な気がしたけど気のせいだった - 名無しさん 2011-10-13 17 27 17 ↑基本的に面白くない、というのはいつものアーベルであって、何ら特筆すべき要素じゃないと思うんだ。 - 名無しさん 2011-10-16 21 48 02 ま、姫とアーベルはKOTYeの顔だからねぇ - 名無しさん 2011-10-18 07 20 17 つか、触れられてないけどCGもヤバイよね…… - 名無しさん 2011-10-18 08 32 00 面白くないと言うか褒めるところがない? さすが大賞候補筆頭だ。格が違うわ - 名無しさん 2011-10-20 01 36 22 例年四天王や優勝候補の一角を占めてきた無冠の低王、ついに初制覇なるか。 - 名無しさん 2011-10-24 14 40 08 現時点ではKOTYに一番近いな。あと2ヶ月守り切れるか。 - 名無しさん 2011-10-30 20 09 43 個人的な意見だが、アーべルは無冠のまま消えて欲しいと思ってる。無論、大賞にふさわしくない、という意味ではなく、大賞をくれてやる事すら惜しい、という理由でだが。 - 名無しさん 2011-11-10 23 57 02 大賞ってのはある意味栄誉だからな、多くの犠牲者がいたという点で。アーベルのは購入者も楽しんでいる風がある。 - 名無しさん 2011-11-14 19 14 39 賞をくれてやる事すら惜しい ←そうだね。もっと愛すべきクソゲーがなるべき前後ぉぉぉん - 名無しさん 2011-11-23 01 58 30 ↑ま、その代わりと言ってはアレだが、これから例年のように総評で晒し挙げられるんだけどなw - 名無しさん 2011-11-24 04 24 59 基本、順当手抜きゲーだからな… - 名無しさん 2011-11-25 06 16 58 ここが新作出すたびに思うんだがなんでつぶれねーの? - 名無しさん 2011-11-30 17 18 28 完全な自転車操業じゃない? 縮小生産を続けていて、作れなくなったら死ぬとかそんな感じ - 名無しさん 2011-11-30 21 54 40 なるほど… - 名無しさん 2011-12-01 13 18 02 ↑*2 メーカーより先に菅野が死んじゃったよ… - 名無しさん 2011-12-26 05 53 47 アーベルのクリエイターはゾンビ - 名無しさん 2011-12-28 01 40 44 マジレスすると、アドオン商法は割れ対策でしょ - 名無しさん 2012-01-12 17 36 28 コレが遺作とかどういう気分なんだろ - 名無しさん 2012-01-13 15 46 44 菅野の最後がこれなんて色々悲しくなるな - 名無しさん 2012-01-24 08 34 27 せめてもの哀悼の意を表してこれをアーベル初の大賞にという書き込みを本スレで見た気がしたが、こっちの大賞とか死者に鞭どころか禁鞭かヒートロッド打ち込む行為にしかならん気がするが? - 名無しさん 2012-01-24 22 38 14 企画のプロットとキャラデザをやった後、シナリオ書いてる途中でぶっ倒れて目が覚めたら見知らぬ病院で、1か月が過ぎていたらしい - 名無しさん 2012-03-19 21 43 50 買う側からしたら関係ないことだが、作ってるほうにも色々な事があってクソゲーになっているわけで、スレでワイワイ決めるある意味面白ネタ的な部分が全部ってわけじゃない暗い部分の一例かも知れないね - 名無しさん 2012-03-19 21 45 23
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「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 仮面ライダー サモンライド! 【かめんらいだー さもんらいど】 ジャンル フィギュア召喚アクション 対応機種 プレイステーション3Wii U 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 エイティング 発売日 2014年12月4日 定価 8,550円(税抜) レーティング CERO B(12歳以上対象)アイコン:暴力 判定 クソゲー 備考 別売フィギュア・チップ多数(以下の価格はいずれも税8%込)ライドフィギュア ライドチップ各2個セット:1,728円ライドチップ5枚セット:1,620円SGライドフィギュア(*1):540円ガシャポン・ライドチップシリーズ:1回300円 ポイント 2014年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞 「多々買わなければ生き残れない」過剰なPay to Win万単位課金で追加要素をコンプしても揺るがぬ極悪難易度フィギュア展開打ち切りで一部キャラはフォームチェンジ未実装値段に反してゲームとシナリオ共に単調、リスペクトゼロ怪人より恐ろしいロード地獄とバグ軍団と謎のCERO B指定フォームチェンジすら有料なのに肝心の読み取り機能がガバガバ クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 仮面ライダーシリーズ 概要 ストーリー ゲーム内容 ゲームシステム ライドフィギュア・ライドチップ 世界観・設定 問題点 キャラゲーとしての問題 ゲームとしての問題 評価点 総評 余談 クソゲーオブザイヤーでの扱い ライドフィギュアの出来について その他 概要 『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』シリーズ(以下『クラヒ』)や『仮面ライダー バトライド・ウォー』シリーズ(以下『バトライド』)を開発したエイティングの仮面ライダーゲーム。 「フィギュア召喚アクション」というジャンルが付けられているように、本作は連動玩具を使用し、それらをゲーム内に召喚して戦っていく育成型アクションゲームである。 「ライドゲート」と呼ばれる付属の読み取りデバイスを使い、そこに仮面ライダーを召喚する「ライドフィギュア」や、ライダーの強化・サポートライダーを召喚する「ライドチップ」を置いて読み取らせる。 これにより、フィギュアのライダーを状況に応じて読み替えて召喚したり、チップで強化を行うことで苦境を打破していくという、戦略性を売りとした作品である。 登場作品は『バトライド』とほぼ同じ。平成ライダー第1作の仮面ライダークウガから、発売された2014年当時の最新作である仮面ライダードライブまでが参戦している。 ここまで書くと、『クラヒ』や『バトライド』に続く新たなライダーゲームシリーズの幕開けのように見える。 しかしその実態は、悪辣なまでに課金を要求してくる課金ライダーの出現である。 さらに、キャラゲーの癖にキャラ愛は見られず、代わりに数々のバグと尋常ではない難易度を兼ね備え、仮面ライダーファンや子供達の期待を完膚なきまでに裏切ることになった。 ストーリー 地球とは違う世界、「クリスタルワールド」。 その平和な世界は、突如現れた 謎の怪人軍団によって 滅亡寸前まで追い込まれてしまう。 そして、この出来事は全ての世界を揺るがす 「クリスタルハザード」の幕開けだった――。 滅亡寸前の異世界「クリスタルワールド」を救えるのは、 仮面ライダーの記憶を宿すクリスタルと 正義の心を持った者だけ。 新しい力を手にしたキミと、 強大な敵との戦いが 今、幕を開ける!! (公式サイトより引用) ゲーム内容 ゲームシステム 3Dグラフィック、俯瞰からの客観視点、フリーラン式の格闘アクションゲーム。地形にそって進みながらザコ敵をなぎ倒し、待ち受けるボス敵と対決する。 ゲームグラフィックやモーションは基本的に『バトライド』を流用しており、同シリーズにいないキャラクターも『クラヒ』からもモデリングを流用した上でHD化して登場させている。 当然ながら新規参戦の『ドライブ』の登場ライダーは完全新規。また、そうでないライダーも一部は新規製作されている。 そのため、『バトライド』には未登場の仮面ライダーキックホッパーや、仮面ライダーレンゲルなどといった印象深いキャラが登場する。 操作は、通常攻撃と回避が存在する基本的なアクションゲームの内容。 ただボタン配置がちょっと"特徴的"(WiiU版がYで攻撃、Aで回避/PS3版が□で攻撃、○で回避)で、やや慣れが必要。 基本は攻撃ボタンでコンボを繋げ、必殺技やチップなどを駆使して敵を倒していくのが主である。 ファンタジー世界が舞台であることを意識してか、本作のライダーには「火、水、風、光、闇」いずれかの属性が1つ設定されている。 「ある属性のライダーを使用することで開くゲート」「特定のライダーでしか開かないゲート」も存在する。 ライダーの能力は経験値によって強化することが可能で、それらのデータはフィギュアの中にセーブされる。 ライドフィギュア・ライドチップ NFC(*2)を利用した玩具商品で、本ソフトに付属しているライドゲートの上にフィギュア・チップ込みで4つまで配置することが出来る。 「ライドフィギュア」は、プレイアブルキャラを召喚するためのフィギュアであり、「ライドチップ」は、プレイアブルとして召喚した各ライダーをフォームチェンジ、パワーアップフォームへ変化させたり、回復を始めとした支援効果をもたらす強化アイテムである。 ソフトには3体のライドフィギュアと4枚のライドチップ(キョウカライドチップ3枚、ナカマライドチップ1枚)が同梱されている。これ以外は追加で購入しなくてはならない。 市販のライドフィギュアは基本2体セット+2枚のライドチップ付きで販売されている他、食玩でも展開。ライドチップは5枚セットの他、ガシャポンで単品発売されている。 世界観・設定 本作の世界観は先のストーリーの通り「クリスタルワールド」と呼ばれる、一言で言うとファンタジー世界が舞台。 ストーリーを進めていくのも、異形の異世界人(精霊)達である3名のオリジナルキャラである。デザイン的にはゼルダ系統と評されている。 それぞれの担当声優は豪華だが、ストーリーを除けばゲーム中の台詞パターン自体は少なめ。おまけにラスボスと戦って勝っても台詞が全般的に薄すぎて、達成感やストーリー性は薄い。 彼らのデザインは仮面ライダーシリーズの世界観との乖離が激しく、かなり浮いているという評価が多い。冒頭、ファンタジー風のキャラがショッカー戦闘員に詰め寄られる場面からいきなり違和感たっぷりであり、不一致感の洗礼を受けることになる。 それでも、「ファンタジー世界の住人と仮面ライダーたちの異文化交流」と言ったものが描かれていれば、それはそれで面白みのあるストーリーになり得たことだろう。 しかし、本作のライダー達はあくまで本人ではなく(*3)「フィギュアの力で作り出した分身」、敵キャラも「敗れた敵達の残留思念が具現化した」という設定であり、会話シーンなどほとんどない。 『バトライド』のように、過去の記憶がフラッシュバックする展開を含めて、原作を意識したストーリー内容は皆無である。 仮面ライダーシリーズと完全に隔離された玩具連動ゲームとして割り切れば良いが、この時点で仮面ライダーのキャラゲーというよりライダーの素材を使ったオリジナルゲーという印象が極めて強い。 問題点 キャラゲーとしての問題 ライダーや怪人達の酷い扱い 仮面ライダー達は、いわゆるRPGの主人公、あるいは召喚獣的な扱いになっていて、まるで喋らない。ほとんどのストーリーがオリキャラと(一部の)敵キャラで回される。これでは各ライダーのイメージが台無しで、キャラクター性でも高い人気を持つ多数のライダーの強みが死んでしまっている。これには古参ファンも「……」となってしまった。 仮に因縁のある敵と出会っても一言も会話しない。例えば仮面ライダーディケイドがスーパーアポロガイストと出会っても他のザコ敵と何ら変わらない掛け合いしかしない。 過去の『クラヒ』『バトライド』では、ライダーたちの掛け合いもファン向け要素のひとつとしてユーザーに楽しまれていたため、これにはガッカリする人も多かった。 仮面ライダーのゲームは多少ゲームとしての出来が悪くても、再現度などが重視される傾向があるが、本作は原作再現などほぼ皆無である(*4)。 敵キャラクターは怪人、仮面ライダーを含め、原作の設定をほぼ無視する形で登場する。 戦闘員だけならまだしも、ボス怪人どころか仮面ライダーまでも含めて次々と量産されたり、不自然に巨大化することでパワーアップするなど、いろいろと内容が雑。先述した通り「怪人の怨念が具現化した」という怪人墓場のような設定(*5)ではあるものの、量産ライダーでもない単体しかいないはずのライダーが敵味方の垣根を越えて量産されまくることについては一切言及されない。せめてディエンドライバー(*6)でも出ていれば(使い回し感はともかくとして)少なくとも違和感はなかったかもしれない。 レギュラー級の仮面ライダー、果ては主役ライダーのフォームチェンジ形態がザコ敵として登場する。ボス敵では巨大化して現れることもあり、原作設定を無視しているとしか思えない。平成ライダーの方向性として、劇中でも対立した経験がある者ならば敵になること自体に不自然さはない(*7)。だが、シナリオがなく、あまりに脈絡のないチョイスなため、ライドフィギュアとして発売されなかったライダーを適当に選出したようにしか見えない。特に主人公ライダーのフォームチェンジ形態の敵化は擁護出来ない。しかも、ザコ敵として出ている都合上、プレイヤー側はそのフォームを使う事ができない。 アクションゲームとして「巨大な敵」「ワラワラとよって来るザコ」をどうしても出したかったのかもしれないが、それこそ怪人等を使うべき部分ではなかっただろうか。 怪人も節操なく使い回してくるため、ステージによっては武神鎧武や水のエルなどといった原作のボス敵がウヨウヨ量産されて出てくる。当然ながらそれが後述する異常な難易度に関わってくることになる。 ボス敵は怪人よりもライダーの方が多い。一応主役であるはずの仮面ライダーディケイド激情態(バトライドウォー でも一応はラスボスだったが)(*8)などもいる。 後述するキョウカライドチップなどがないと、本作のプレイヤーライダーはフォームチェンジすることも叶わない。『バトライド』では勿論そんなことはなかった。原作設定ならばほとんどの属性を一人で賄える筈のウィザードの立場は…。そうなるとフィギュアが売れなくなってしまうか。 声優は『バトライド』や『クラヒ』からの流用が主。新規アフレコはドライブやマッハなどの新規ライダーや代役の収録でいくらかある他、スーパーアポロガイストなどのストーリー上で出番のある一部キャラは、ほぼ無言なライダー達よりも台詞が多い。 しかしライダー達の台詞パターンは『バトライド』以上に少なく、掛け声と技名、「これで決める!」といった台詞くらいしかない。 必殺技のモーション自体は『バトライド』等の流用が主なので、『バトライド』の評価ほぼそのままといったところだが、最新のドライブはおそらく番組開始前の開発で余裕がなかったせいか再現度が低い。 実際ドライブは連続パンチのモーションなど、キバの流用が目立つ。もっとも、時間的に明らかに余裕が無い状況だったという理由がハッキリしているため、この点は仕方ないと割り切れる部分ではあるだろう。 公式サイトには「『仮面ライダードライブ』が早くも登場!」という紹介で格好良くアップで必殺技をかましているスクリーンショットがあるが、実際のゲームでは必殺技を使っても視点は変わらないため、プレイしていてもこれは再現できない。 オリジナルキャラ・世界観の魅力のなさ 一人称が「ボク」の妖精メモル(声:阿澄佳奈)、日和見主義なフクロウのミヌーク(声:中田譲治)、彼等をまとめる女王のような精霊トレイナ(声:久川綾)がいるが、ライダー達と比べてあまりにも浮きすぎていて魅力が感じられない。 特にライダーをナビゲートするメモルは、可愛らしい外見と声優の好演で露骨なウザキャラ感はないのだが、チュートリアル中など解説をする度にいちいちゲームタイムを止めてくるため鬱陶しいと感じる人が多数。 本作のストーリーは「クリスタルハザードなるものが起きて、世界に危機が訪れている」という設定だが、この3名しか生き残りが登場しない。一応、他の仲間は登場せず隠れているだけという説明はされるが… しかもこの3名、世界に危機が迫っているにも拘らず平和ボケしているかのような雑談や漫才を続けるばかり。大したヒントもくれない。ストーリーの進行に何ら貢献しようともしない。世界を救うという目的に関してはライダー達とプレイヤーに投げっぱなし。これだったらメモル1人だけ登場させればよかったんじゃなかろうか… お陰で、自称「迷惑な存在」のスーパーアポロガイストが「ストーリーを解説・進行してくれる良識的でとてもありがたい存在」に思えてくるほど。 ストーリーの中心である彼等の台詞は、口パクがあまり合っていない。台詞の途中でも平気で口が止まる。今までのライダーゲームであまり口パクが無かったために不慣れなせいだろうか? オリジナルキャラや設定だから悪いというわけではない。『ザ・グレイトバトル』シリーズなど、うまくアレンジしたことによる評価を得ている作品も存在する。だが本作ではまずライダーとの整合性が完全に投げ捨てられており、なおかつ単体で見ても魅力がまったく感じられない。 ちなみにエンディングを迎えても、敵は根絶出来ない。そしてオリキャラ達から「残党狩りもよろしくな!」的なことを言われる。やなこった 声優について 平成二期の主役級ライダーが軒並み代役声優へ変更されている。 W(フィリップ)役の菅田将暉氏、オーズ役の渡部秀氏、バース役の岩永洋昭氏、フォーゼ役の福士蒼汰氏、メテオ役の吉沢亮氏、ウィザード役の白石隼也氏が該当。 特にオーズとウィザードは最近の作品でも渡部氏や白石氏の完全新録だった事もあり、非常に不可解。仮に新録が不可能でも、流用ぐらいは出来た筈だが…。本作の数ヵ月後に発売された『ロストヒーローズ2』ではオリジナルキャストが演じているだけに尚更である。 菅田氏や福士氏は本人達の知名度や俳優としての人気もあって出演が難しく、他のゲームでも流用や代役がほとんどなのでやむを得ないが、代役によるフォーゼのボイスが『スーパーヒーロージェネレーション』の時と比べてあまり似ていないと言う問題はある。 ホースオルフェノクのボイスは『バトライド』のものを流用しているが、エンディングクレジットにはオリジナルキャストの泉政行氏の名前が記されている。声変わりではないかという憶測もあったが、解析により泉氏ではなく他ゲームにおける代役声優が演じている音源の流用と判明した。 無関係の人間の名前がクレジットされるとは考えづらく、「本作への出演の意思はあったが、諸事情で収録音源が使えなくなった or 全てを録りきれなかった」のではないかという可能性が挙げられた。いずれにせよ、クレジットミスであることに違いはない。 泉氏は2012年ごろから病気により入退院を繰り返しつつ仕事を続けており本作発売後の2015年7月に死去。クレジット上は本作が遺作だが、実は出演していないという奇妙な状況になってしまっている(*9)。 エンディングクレジットのミスはまだあり、ガタック役の佐藤祐基氏の名前を佐藤「友」基と誤記している。アップデートでも放置されている。 ゲームとしての問題 ライドゲートの読み取りの不具合 NFCで読み書きを行う独自規格のアイテム。しかしこの読み取りの精度が悪く、アップデート前はここでのデータ破損が頻繁に起こった。 これ自体は任天堂のゲーム機専用の「amiibo(アミーボ)」でも時折起こる不具合であり、本作の規格に限ったものではない。が、amiiboは自動でバックアップを取るのに対し、これらの連動玩具にはそれがない。 ライダー達の成長データは、それらが保存されるライドフィギュアに完全依存しており、破損すれば一発でアウト。レベル1から育て直しである。 さらに火に油を注いだのは発売当初の、「データ保存中」の表示が一切出ないという仕様。 一応、画面にデータ読み取りを表しているらしきアイコンは出るが、どうも完全な連動はしていないらしく全くアテにならない。これにより、フィギュアを外すタイミングを見誤ってデータを破損したという報告が相次いだ。 ライダーの育成画面では複数のライダーを順繰りに手動でレベルアップさせることになるのに、いつ保存が完了したか分からないのでは怖くてそのまま他のライダーの育成に移れない。 発売約一週間後にアップデートが行われ、「データをほぞんしています。フィギュアをはずさないでください(一部略)」の注意喚起が出るようになった。 とは言うものの「外部メモリーへのセーブ中は注意書きを出す」なんてのは90年代ハード時代からの常識であり最初から付いていない時点で論外である。 その後の更なるアップデートでデータは消えにくくなり、現在では問題はほぼ収まっているが、発売直後の不評をさらに加速させたのは間違いない。 読み込み時・必殺技発動時の処理落ちがかなり酷く、フリーズの原因にもなっている。常時読み込み可能という利点を活かすためとはいえ、その代償として大きな利点を犠牲にしてしまっている。 課金しないと平常なプレイが難しいシステム 本作に付属するライドフィギュアはドライブ・鎧武・ウィザードの3体のみ。それ以外のライダーを使いたければ別売りのフィギュアセットを購入しなくてはならない。 さらに本作ではフィギュアの所有数は残機と同じ意味を持ち、クリアの難易度にこの上なく露骨に直結している。理不尽な難易度の高さ(後述)もあり、フィギュアを買い足さずに本作のクリアを目指すのは相当に困難である。 ついでに本作で別売りとなっているライダーは『バトライド』では普通に無課金で使えていた。 正直「課金要素」と言うマイナスイメージを「関連グッズ販売」と無理矢理言い換えようとした印象すらある。本作以前の作品から雑誌付属のプロダクトコードなど「事実上の課金」はあるにはあったが、まさか全部が全部それ以上とは全くもって暴挙としか言いようがない。 なお、操作可能なキャラは各作品のいわゆる主役ライダーのみ。サブライダーは一部だがナカマライドチップで召喚することで援護をしてくれる。 フルプライスであるにもかかわらず、この課金を行わない限り遊べないロック部分がかなり多い。 先の3体は基本属性である風、水、火をそれぞれサポートしているが、残りの光と闇のゲートを開放するには追加でその属性に対応したライダーのフィギュアを買い集めないとならない。 光と闇の他にも特定のライダー限定のゲートもあり、単に5属性ライダーを集めただけで遊びきることすら出来ない。 本作での各キャラの最大レベルは100。ただし、全フィギュアをコンプリートしない限りレベル99で止まる。 たかが1レベルと思うかもしれないが、レベル99と100には少なくない能力差がある。例えば、プレートという装備アイテムはレベル99以下では装備が制限されるが、レベル100にするとその制限が解除されるからである。 ゲーム中にこのレベル100にする方法の説明も一切ない。レベル100に必要な経験値は表示されるがレベル99で打ち止めと思っていたプレイヤーも少なくなかった。 なお、最大の突っ込みどころとして、コンプを目指そうとすると 最低でも定価で21,252円(税込)かかる という正気とは思えない価格設定がある。実際はガシャポン(リアルの方)の運要素もあるため、この金額以上にかかる。 フィギュアだけならいざ知らず、時限強化やフォームチェンジに必要なライドチップが本ゲームでは特に重要で、これをリアルで買い集めないとゲームの難易度が跳ね上がってしまう。 4人でプレイするためにはコントローラに加えて4人分のフィギュアが必要。本作に付属するのは3人分のため、1つは必ず買い足さなくてはならない。 そのくせ読み取り制限は厳しく、フィギュアとライドチップ合わせて4つまでしか乗せられない。つまり4人プレイでは誰もライドチップを使えず、3人プレイでは1枚しか使えない。フェアにプレイするなら2人が限度である(*10)。 本作は定価9,000円超、付属品差し引いたソフト本体価格で約6,000円もするフルプライスのゲームソフトである。仮にセットで6,000円、抜きで4,000円ぐらいならまだしも、そこからさらに2~3倍以上の課金をしないと全てが解禁されないばかりか、まともなプレイすら難しいというのはどういうことなのか。 ただ金を払うだけでは済まず、フィギュアやチップを実際に入手しなくてはならないのも問題である。 巷でよくあるPay to Win式ゲームは、単純にプラットフォームを通じて金を払うだけでゲーム内のアイテムやコンテンツが解禁されていくが、本作の場合はフィギュアやチップといった「おもちゃ」を実際に購入しなくてはならない。 仮に品切れであれば複数の店舗を回ることになり、またそれら全てがおもちゃ屋で普通に売っているとも限らず、食玩扱いだったりガシャポンだったり、イベントの特典や雑誌の付録だったりする場合もあるので、すべてを集めるにはお金だけでなく、途方もない手間と時間に情報収集能力、それと運が要求される。イベント限定で配布されたライドチップに至っては、今ではオークションなどで高値のプレミア価格を払うしかない(*11)。 もちろん、保管のための場所や手間も必要である。データ全てがフィギュア依存なので壊れたり紛失したりするとアウトであるため、箱などに乱雑に突っ込んでおくわけにもいかない。加えて、ニンテンドーeショップやamiiboのようなメーカー主体の管理システムの外というある種の無法地帯に放り込まれてしまうため、補填や再ダウンロードのようなフォローも期待できない。 本作のとても良心的とはいえない課金体制から、『龍騎』のキャッチフレーズかつ作品を体現する名文句「戦わなければ生き残れない!」をもじり、皮肉を込めて「多々買わなければ生き残れない!」と購入者からは呼ばれている(*12)。 この「多々買わなければ~」のフレーズは、本来止めどなく展開する仮面ライダーグッズを購入し続けるファンが「嬉しい悲鳴」として使う言葉だったのだが、本作に限ってはこの惨状を一言で表すネガティブな用法に他ならない。 全般的に漂うワンパターン臭 ザコ敵の攻撃パターンはそのほとんどが1種類しかない。仮面ライダーシザースならシザースピンチを振り下ろす、仮面ライダーザビーならひたすらライダースティングを発動してくるといった具合で、とにかく単調。 必殺技の発動時に鳴る音声やSEも再現されてはいるが、上記の仕様のせいでそれらの発動音を嫌と言うほどと聞かされる羽目になる。同じザコ敵が複数並ぶような場面では、時折発動音が重なって流れるほど。 同じマップを使い回しまくっている。別属性のステージもあまり個性がなく、同じような風景が淡々と続く上に出てくるザコ敵もほぼ同じなので飽きやすい。中盤から終盤にかけては特に使い回しのオンパレードである。そう言うステージに限ってボスまで使い回していたりする。 一応、一部のマップは挑戦するたびに微妙に構成が変わるが、それらもスタート位置やカメラの向き・障害物の配置を変えているに過ぎない。 カメラワークも鳥瞰視点が多く、キャラが大きく映らないため『バトライド』に比べるといまいち迫力に欠ける。 対象年齢と相違したゲームの「ふんいき」 ゲーム中の文章は「仮面」などの一部の漢字を除いて全てひらがなとカタカナ。ストーリーも『バトライド』よりやや低年齢層を意識したものとなっている。しかし本作は『バトライド』と同じくCERO B(12歳以上対象)である。 レーティングはゲームの大半が完成した後に外部で審査されるため、当初想定していたレーティングより厳しくなってしまったのかもしれない。しかし、CERO Bが付く事を全く想像出来ず、付いた後にも修正しなかったと言うのは、見通しの甘さと手抜きが感じられる。そもそも本作は見通しの甘さと手抜きの感じられる点が満載なのだが。 理不尽な難易度 無敵時間のないコンボ・必殺技の動作、狭い空間に閉じ込められ身動きが取れない最中で敵に囲まれたり、画面外から遠慮無く放たれる回避不能な遠距離攻撃、攻撃力や体力が異様に高いボス、妙に強く沢山湧くザコ敵など、プレイヤーを苦しめる反則行為がてんこ盛り。 最初こそ難易度は普通だが中盤からは一気に難易度が上昇し、雑魚の攻撃数発で死にかけるなど課金なしでは到底クリア出来ないのでは? と思わせるほどの絶望的な難易度が襲いかかってくる。 分かりやすく説明すると、レベル99まで上げたライダーでも5~6発ボスの攻撃を受けると死ぬくらい。 ラスボスはメチャクチャでかい上に鬼のように強く、体力は高いわこちらの攻撃チャンスは少ないわで、普通にクリアするだけでも苦労する。しかも時間をかけるとどんどんパワーアップするので、避けつつ地道に削っていく戦法だとかえって不利になりがちである。 なおこのゲームには回復手段が殆ど存在せず、力尽きたライダーはそのステージ中は一切復活できない。故にフィギュアの数だけ残機があるといった状況になっている。 少数のライダーで攻略するには、安全地帯から地道にダメージを稼ぐ、雑魚をできるだけ無視するなど、無双ゲーだった『バトライド』とは違い、正義のヒーローらしからぬ卑怯な戦い方が要求されるのである。それでもかなり無理があるが… 結局この難易度を緩和するには、初期付属以外のライドフィギュア・ライドチップを購入して残機を増やすことが求められるため、まさに「多々買わなければ生き残れない!」仕様だといえる。ちなみに、特定のゲートではフィギュアを販促するムービーが20秒間流れるが、スキップ不可。 一応同梱のフィギュアとチップだけでクリアした猛者もおり、それだけでタイムアタックを走る剛の者もいる程(*13)。また、主人公であるドライブの性能が比較的高く、パターン化のコツを掴めば難易度は下がるが、まともなプレイとは言い難い。よって本来はそれも楽しみ方の一つの筈なのだが、本作においては縛りプレイの領域を出ない。 子供向けのゲームだが難易度変更などの設定はない。 大の大人、下手すればプロのゲーマーですら苦戦する難易度だというのに、これを小さい子供に同梱品だけでクリアさせる気は感じられない。せめて難易度変更要素を付けて「【やさしい】ならば同梱品だけでも十分クリア可能だが、【ふつう】にすると別売りフィギュアなしだとやや難しい」くらいのバランスにしてくれればまだマシな評価になっただろう。 CG鑑賞やキャラクター図鑑といった閲覧要素がない。 平成ライダーシリーズだけでも本作発売時点で第16作目が放送されている長期シリーズであり、旧ライダーの顔出しも頻繁に行っているとはいえ、決して少なくない作中キャラの事跡や活躍についてまったく触れられていないのは不親切だと言える。 特に困るのはアイテム収集時。ライダーを強化するにあたりアイテムを集めに行く時に、「このアイテムは敵が持っている」と言われても外見の情報がなければ、それを知らない場合はその都度仮面ライダー図鑑などで調べる必要がある。 この為、昭和時代のライダーが登場しない方が有り難がられるほど。 ある程度知っているユーザーでも、本作にはマイナーなライダー・怪人もちょくちょく登場しているため痛いところ。 ライダーごとの扱いの格差 フィギュアの商品展開に差があり、クウガ・ファイズ・電王・キバの4キャラはソフトが発売された2014年中には使用できなかった。 アギト・龍騎・響鬼の3名は結局キョウカライドチップが発売されなかった。つまりフォームチェンジ(*14)も強化フォームも本作では使えない。 本作のキョウカライドチップは攻撃力が増し無敵になるなど非常に強力なチップであり、それが使えないというだけで圧倒的に不利である。 ちなみにキョウカライドを使わなくても、作中でも使用していたクロックアップ(ゲーム中では敵の動きがスローになる)を使えるカブトは突出した強さを誇っている。 バグ・フリーズのオンパレード やはり独自の読み取り機器との連動が足を引っ張ったのか異常にバグが多く、フィギュア4体を読み込ませるなど多少負荷を与えるだけでフリーズも頻発する。 デバッグ不足が顕著。WiiU版のMiiverseでもちょくちょくバグ報告が行われている。一部はパッチを当てたことで新たにバグが発生したという事例もあり、本作の出来の悪さを体現している。 ロードも一部に関してはかなり長い。 上述のキョウカライドチップを読み込ませる時に簡単な手順を行うだけで完全無敵状態が永続するというとんでもないバグまである。 これを使用すればここまで散々記述してきた極悪難易度も何の意味もなく軽々とクリアできてしまう…のだが、それはこれだけ煽ってきた課金の大半を無駄にすることを意味する。 評価点 『バトライド』から流用してきたものに関しては、流石にモーションやモデリングなどはほぼそのまま受け継がれている。 裏を返せば『バトライド』での問題点はほぼそのまま、ということでもある。 鎧武 ジンバーレモンアームズの必殺技に無頼キックが追加されたり、ジンバーチェリーアームズが新規登場していたりするなどの改善点もある。家庭用ゲームでジンバーチェリーアームズが登場しているのは本作だけなので、その点では貴重だといえる。もっとも、使用するにはキョウカライドチップを追加で入手する必要があるが。 不必要なほどにデカいボス敵(*15)には、絵面のインパクトはある。 ボス敵であるガラ怪物態の登場演出などは、ファンタジー調のステージとあいまって原作以上に雰囲気がマッチしており、開発のエイティングが移植を担当した『モンスターハンターG』を思わせる。 『バトライド』にいなかったキャラたちがHDハードに初登場している。 ボス敵であるカリスは『超クラヒ』からの流用だが、体力が減ると正体であるジョーカーに変貌するという原作を意識した演出がある。ジョーカーは『バトライド』からの流用であり、従来作の素材をうまく組み合わせた好例といえる。 ただし、ゾルダのような印象深いメインライダーや、ゴウラムやパワーダイザーといったサポート役まで敵で量産されて襲い掛かってくる点に関しては首を傾げざるをえないが。 ライダー召喚の演出については文句なく「かっこいい」と評価できる。 召喚されたライダーが、ゲーム内のライドゲートと召喚陣をフィギュアのポーズそのままのライダーキックで豪快にぶっ壊し、そのライダー特有のポーズを取りながらクリスタルワールドに着地するというもの。 声優の豪華さ ストーリーで出番の多いスーパーアポロガイストの声をオリジナルキャストの川原和久氏(『相棒』の伊丹憲一役などで知られる)で収録したり、ライドフィギュアの召喚音声に『ディケイド』の変身ベルト音声を担当したマーク・大喜多氏を起用するなど、一部頑張っている面も見られる。 オリジナルキャラのキャストも非常に豪華で、特にミヌークとラスボス役を演じた中田譲治氏はカブト本編のゲームや直近の『オーズ』や『鎧武』などにも多く携わっているのでライダーファンには馴染み深い。 OP主題歌のかっこよさ 過去に『クウガ』のOP主題歌を担当していた、クリスタルキングの元ボーカルでもあった田中昌之氏が本作の主題歌「Break The World」を熱唱している。 「PVを見る分には面白そうに見える」との意見もある。つまり本作は同じく「販売・バンダイナムコゲームス、開発・エイティング」の組み合わせで発売された『プロゴルファー猿』の二の舞いを辿っている。 総評 「子供達の夢を守り、子供たちの応援に答え希望の光を照らし続ける」…それこそが仮面ライダーのはずである。 しかし、本作は完全に追加課金を前提とした理不尽な難易度・システムで、戦術も卑怯な戦い方を強いられ更に「金さえあれば物事が解決出来る(*16)」ということを子供達に向けて教えるかのような身も蓋もない悲劇を繰り広げることになる。 加えて慣れない独自NFCを採用した結果なのかバグやフリーズが蔓延る内容、そして本来本作が満たすべきキャラゲーとしての満足感すら満たせず、むしろそれらの愛着を踏み躙る雑なライダーや怪人達の扱いなど、各方面に隙のない問題点を備え、「クソ要素の集大成は近年の仮面ライダーのフォームチェンジのように多種多様」「KOTYスレの過去の名だたるクソゲー達の要素のコンプリートフォーム」「バグ・課金・ストーリー・システムと全てのクソゲーの問題点を組み合わせた最強の怪人」と評価されることになる。 単に「全方位にクソ」というゲームなら過去にもいくらか存在したが、販売店のスペース圧迫やメーカー公式システム外での課金など、悪質度の程度以上にその幅がゲームという枠組みを超越し、売り手の界隈にまで多大な迷惑をかけたゲームは後にも先にもこれほどの存在はない。 キャラゲーという方向性だけで見ても、このゲームは仮面ライダーである必要性が見出だせないほどに世界観や設定が噛み合っていない。 「キャラクターデザインが面倒だから仮面ライダーを使った」「もともと別のゲームとして制作したのが頓挫して、無理やり仮面ライダーをねじ込んだ」「仮面ライダーを購買意欲を煽る為の看板としか考えていない」という疑惑もみられる程。 原作を理解しているか甚だ疑問なキャラの扱い・「らしさ」を破壊するシステム・無駄なオリジナリティと、「基礎ができないくせにアレンジをしたがる人」の典型みたいな有様であった。 余談 クソゲーオブザイヤーでの扱い クソゲーオブザイヤー2014年度据置機部門では大賞を獲得。 総評では仮面ライダーWの決め台詞「さぁ、お前の罪を数えろ!」をもじって「さぁ、お前のクソゲーを数えろ!」という言葉が送られた。 ライドフィギュアの出来について 平成ライダー16作品の主人公を全て「横向きの片足飛び蹴り」のポーズに統一してフィギュア化したため、原作のライダーキックからポーズが変わっている(*17)ものが存在してしまっている。 アクションフィギュアでもポーズを「再現出来ない」ことが批判されることもあるが、固定フィギュアでポーズが「違う」というのは擁護できない。 ただし、前述した通りライダー召喚演出は「フィギュアがライドゲートを蹴破ってクリスタルワールドに降り立つ」というものであるため、原作再現に拘り過ぎたら着地するためだけに半分こになるダブルや、デンガッシャーを構えた電王ソードフォーム、及び中腰で音撃棒・烈火を振り下ろす響鬼がスーッとスライドして落ちてくる絶妙に格好悪い絵面になってしまうため、この点だけは仕方ないと言えるかもしれない。 また、同じフィギュアの属性違いがいくつか存在しており、その中に「水属性のウィザード フレイムスタイル」といった訳のわからない代物があったりする。ウィザードには「ウォータースタイル」と言う水属性の形態があるのだが…。 あくまでも基本フォーム(*18)に拘ったのと、金型にあまり予算をかけられなかったのだろうが(*19)。 なお、「背中の部分が塗装されていない」点が指摘される事もあるが、これはバンダイの低年齢・子供向けキャラクター玩具では一般的で、ソフビや食玩などにも共通する仕様である。 その他 データ内のファイルの置き方が他のライダーゲーと違う事や、エイティングの開発実績リストに名前が無い事から、初代クラヒやクラヒWと同じように別の開発会社に丸投げしたのではないかという疑惑がある。 内部データとして、チップの売れなさに企画が頓挫したブレイドジャックフォームやファイズアクセルフォーム、アギトバーニングフォーム、キバドガバキフォームなどのチップイラストがある。タジャドルコンボとライナーフォームはイベントで配布された。 「サモンナイト」と名前が似ているが全くの別物である。 後年に放送された作品『仮面ライダーエグゼイド』の作中に登場するゲーム「仮面ライダークロニクル(*20)」との関連性が指摘されている。理由は 「ガワだけ仮面ライダーを名乗っている」「製作側だけが得をするようなシステム」 など。 本作と非常に似たシステム と問題点 を持つものとして、Mattel HyperScanというゲーム機が存在する。2006年製。 スキャンするのはフィギュアではなくカードだが、やはり一部のみ本体に付属で別売り(かつ安くはない)、スキャン(*21)の精度が非常に悪い、主にヒーローがテーマ等数々の類似点(*22)が存在する。 やはりそちらも評判は悪く、同じように中止になった作品もあり、商業的に失敗とみなされている。 つまり海外の他社とはいえ数年前に同じシステムで大失敗した前例の轍を踏んだということである。
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Hentai vs. Evil 【へんたい ばーさす いーびる】 ジャンル TPS 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4プレイステーション5 メディア ダウンロード専売 発売元 eastasiasoft 開発元 Axyos Games 発売日 2021年11月11日 定価 1,000円(税込) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 なし 備考 パッケージ版は欧州のみ販売海外switch版のみ成年向け要素有 ポイント 投げやり過ぎるタイトル若干ヘンテコなカスタム要素お色気要素がやや弱い 概要 特徴 ツッコミどころ 評価点 問題点 総評 概要 eastasiasoftから発売されたお色気ゲーム。 Axyos GamesからSteamでリリースされた『Hentai vs Evil Back 4 Waifus』が原作と思われる。 なお、本記事では暫定的にeastasiasoftから発売されたCS版のみ取り扱う。 特徴 本作にストーリー的なものはない。ただ単にセクシーな女の子を操作してゾンビやリーパー(死神)を倒していくだけのゲームとなっている。 操作方法 右のトリガーボタン(ZR/R2)で銃で射撃。 左スティックの押し込みでダッシュ可能。 ゲームモードは大きく分けてレスキューとサバイバーの二つが存在する。 レスキューは一定数以上のリーパーを倒して、ケージに捕らえられた女の子を救出していく。救出した女の子はプレイアブルキャラクターとして使用できる。 サバイバーはその名の通り、ライフが0になるまで、ひたすら敵を倒していくだけのモードである。 銃などの武器はマップ上に落ちており、拾うことで使用できる。 ハートマークのついた箱を取得するとライフが回復する。 ツッコミどころ あまりにも投げやり過ぎるタイトル。 恐らく、タイトルを見た誰もが気にするであろう『Hentai vs. Evil』という適当に命名したとしか思えないタイトル。 ちなみに「Hentai」とは、海外では日本製(もしくは日本風)のエロコンテンツを指す俗語であり、日本語の「変態」とは意味は全く違う。 前述した通り本作は「セクシーな女の子を操作して敵を倒していく」ゲームなので、あながち間違っている訳では無いが、もう少し捻ったタイトルにはできなかったのか…? 操作キャラクターのカスタムができるが、それが少しおかしい。 胸や太ももの大きさを変えることができたりと、お色気ゲームとしては妥当なものもあるが、以下のような変な部分もある。 肌の色を変えることができるが、褐色など現実的なものはともかく影や墨のように真っ黒な色や敵のゾンビと同じ緑色等、肌の色としては変な色が混ざっている。 髪型もいくつか変更することができるが、その中につるっぱげの髪型が混ざっている。 尤も、カスタムができるとは言ってもそこまで自由度は高くないので、過度な期待はしないほうがいい。あくまで「着せ替えの一部に変なものが混ざっている」程度。 評価点 TPSとしてはそこそこ遊べる。 右スティックで狙いを定めて撃っていくTPSの基本は押さえている。 「クリアタイムやハイスコアを記録等してくれる」といった、最低限ゲームに求められるものは備えてある。 問題点 実はお色気要素はあまりない。 「Hentai」というタイトルから、お色気要素を期待してしまうが、実のところ本作はそこまでエロに特化した内容ではない。 お色気ゲームにありがちな「女の子の服が破ける」とか、そういう要素も無し。 強いて挙げるなら、「水着姿の際に乳首の形が浮き出ている」というくらい。尤も、グラフィックがチープなのでそこまで嬉しくはないが。 なお、switchの海外版は普通に脱げる。勿論、 おっぱい丸出し 当たり前! ボリュームが少ない。 1,000円という低価格を考慮しても、ボリュームは少ない。 レスキューモードで女の子を助け出した後はサバイバーモードでスコアを稼ぐことぐらいしかできない。 総評 目を引くタイトルではあるが、悪い意味でタイトル通りのゲーム内容である。 肌の色を真っ黒や緑に変えることができる等、若干変な要素があるのでそれをネタにして楽しむこともできるものの、バカゲーと評する程のインパクトはない。 お色気要素も、セクシーな女の子を着せ替えたり操作できるだけと若干弱めなので、お色気目的で本作を購入することはおすすめできない。 定価も1,000円と低価格でTPSとしては最低限遊べる内容ではあるので、遊んでいて苦痛になるような「クソゲー」程ではない出来なのが、せめてもの救いだろうか。
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2021年総評案1(修正稿) 大賞 Cuteness is justice 【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1643644901/ 45: 総評1 ◆kpIy6y/jcA :2022/02/17(木) 00 31 22 HOST 12.242.12.221.megaegg.ne.jp 修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。 見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには一般観客まで巻き込んだ歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインによる最凶バッテリーが投じた魔球を渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングで打ち返してバットごとボールをバックスクリーンに叩を込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。 また、場外乱闘についてもルールに基づいて判定するとした厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。 2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれどもめぼしい獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。 だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。 雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。 使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』(冥契) 「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」 「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」 「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」 と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。 安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。 とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。 『クソゲーとは何か』 今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。 続いて4月には魔王スワンの落胤Calciteの『女勇者と幻想カジノ』(幻想カジノ)が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。 転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。 まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブル依存症だった前世の記憶が蘇ったはずなのにギャンブルの知識が初歩レベルだったり、イカサマもカードにキズを付ける程度で底が浅い。 ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない上に勝利数で変わるCG回収の為の手間を掛けさせる。 さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。意欲は伝わってくるが中途半端であった事から結果としてまるで良い所が無く、これでフルプライスでは価格がインチキであると言わざるを得まい。 GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』(どすけべ生活)で昨年に引き続いて参戦を果たす。 昨年は絶品バーガーでクソのポテンシャルを見せつけたevollであるが、その腕は錆びるどころか研ぎ澄まされていた。 この作品最大の問題点はシナリオ。借金苦でバスジャックした主人公。 ところが強姦した筈のお嬢様たちは全員ビッチで、少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されて子行為に及び、挙句の果てにはエッチの採点をされるといった電波なシナリオが展開される。 「とっても明るい」「夢の」どころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰。 どうしてこうなったとあるが、それはこちらのセリフで、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。 勿論寒いギャクも健在で絵・塗り・BGM・システムと、前作の悪かった部分はきちんと踏襲しつつクソゲーとして更なる進化を遂げていた。ミドルプライス故に内容が薄かったのがせめてもの救いか。発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。 続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』(家出ギャル)でまたもや参戦。 前作はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であった。 本作は昔弱みに握られて馬鹿にされていた家出中の元教え子の女生徒を暴漢から助け、家に泊めて性交渉を強要し、何だかんだで同棲するから始まる。では育てるのだろうか? 答えは育てない。主人公は根暗のオタでヒロインはビッチ。気付けば仲良くなってて和姦と不快寄りではあるが絵は比較的安定で凡な抜きゲーだった、これで終われば・・・ だが本作最大の問題点はシステム部分にあった。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。マウスホイールどころかキーボードのエンターキーすら使わせない鬼畜仕様。低価格帯の抜きゲーで抜きたくても物理的に抜かせないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。 順調に獲物を狩るハンター達であったが、大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの収穫祭の始まりである。 まずは壮大な延期でフラグを立てていたPanacheの『ぱられるAKIBA学園』(ぱら学)との対決である。 これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。 その後は転送されてきた主人公の部屋にあったオタクグッズを使い、褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、ここからいろんなものがグダグダになる。 まずストーリー。国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で主人公の適当な案で難の問題も無く問題が解決して強引に話が進んでいく。チート能力とか勇者とか関係無し。 キャラクターもヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。世界最強の戦力というよりは只のヲタで、話が進めば進むほどに重症化していき魅力が削がれていく。 元メーカーが3Pを売りだったでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面ですら悲鳴を挙げる者まで現れた。 一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。なろう系のなりそこないの見本のような仕上がりで、残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。 次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は変幻魔法で勇者一行に化けた魔物だった。 魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』(下戸勇者)。 酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。 この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。 まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、その全てがくど過ぎて台無しになっている。余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。ちび魔女の呪文に至ってはゆっくり聞き取りしないと元ネタすら分からずテンポが割かれる上、結局つまらぬ代物。こうしたネタが余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。 これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に未読判定機能の無いスキップ、終了確認無しでいきなり終わる×ボタンに加え音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。 エロはそれなりにあるとは言え、アヘ系のエロである上に特殊プレイが多く、エロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。 どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の選評が捧げられた。 続いてこちらも魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYe界のプリンス、ももいろPocketから『新作ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』(陰陽師)が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。 もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそはと突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。 本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。 最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。 他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。 なお本作は8月末発売の新作でありながら、年末には諭吉10本セットに出され,実質1,000円という怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。 大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。 奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』(GIKEI)である。 本作は源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。 過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまでは蘊蓄の多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。 問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。 元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がSAN値直葬でKOTYeに届けられた。 新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』(cuteness)である。 エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、本作はその売りとなるべきゲーム性を取り巻くありとあらゆる要素に問題を抱えてしまっていた。 まずは真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。 更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。数値及び実績によってエンドが分岐するが、当然その情報もない。 加えて使いにくいシステムが追い打ちをかける。先述の要素もあってこのゲームにはトライアル&エラーが必要であり、エンド数に相応する程度はセーブスロットがあってしかるべきだが、その数は10と圧倒的に足りない上、特定の場所でのみしかセーブ出来ない。ゲームの挙動も遅く、これが本作の苦痛度を劇的に跳ね上げる事に成功している。 テキストも舞台説明が乏しかったり語彙も無い上、句点の位置とか日本語としておかしかったりして読む行為にすらストレスを与えて来る。 そして最大の問題は、この品質にしてフルプライスであった事である。熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、これについては最後まで擁護の声が出る事は無かった。 なお、恐ろしい事に本作は三部構成であり、これが第一作目である。パッケージ版には二作目で使えるシリアルキーが封入されている。これを踏んた人の為にも続編はライターと原画家とグラフィッカーとスクリプト技術者と価格を見直して頂きたいものである。 大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。 獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』(エルフ嫁) 1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。 異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。 異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。 エロは巨乳一点突破型でCGも良質でそれなりに数も豊富、一部はアニメーションまで使っているので刺さる人には刺さりそうなのだが、大変残念な事にプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無くて個性を消し飛ばし、長所である筈の部分を台無しにしている。さらに主人公の精液が目的なので話の整合性に問題は無いが、舐めるだけで射精とか男の下半身を理解しているのか疑う描写もある。 この残念さで選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。 選評ラッシュはまだ続く。 QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』(誤報死)が有毒植物である事が報じられた。 1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。 本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。 CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。 更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。 前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。 システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。 最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。 祭の締めはCalciteの『ニート娘を更生させよ!~性技があれば生きていける~』(ニート娘)が本年度二発目の不義理を以て勤める事となった。 ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。 本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。 シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1~2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。 エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。 この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きの抜きゲーと比較しても屈指の一作で、魔王の落胤の実力をまざまざと見せつけた。 長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。 年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』(ふゆくる)が口火を切った。 本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。 ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けており、本作も同様で はあるるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。 学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。 だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。 年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』(DC4PH)が打線を繋ぐ。 本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は割と高評価であったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。 一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。売りであった筈の肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。 最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。 駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』(プリシス)。 エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。 続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』(トメフレ2)であった。 シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。 以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。 次点は 『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学) 『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者) 『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』 (陰陽師) そして栄光の大賞は 『Cuteness is justice』 (cuteness) に捧げたい。 「クソゲーとは何か」 2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。 人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろうし、逆に誰もが不味いと言うものを旨い旨いと言う人もいただろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。 ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。 当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。 それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切りのレベルが一段上のものであった。 約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なシナリオとエロを購入者にぶつけた「ぱら学」 ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせ続けた「下戸勇者」 過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」 は一歩抜き出た作品として次点とした。 そして、訴えるコンセプトを表現する為の力量も無いまま、ユーザーに必要な情報と環境すらも与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。 さて結果発表後ではあるが、今年の傾向として触れておきたいテーマがあり、追記させて頂きたい。 まずは「価格」とクソの相関関係の考え方についての疑問である。 大賞の選定理由の1つになった要素でもあるが、発売される新作はロープラが多くを占める今、この判断基準が分かりにくくなっている。実際つまらないと思われた作品でもこの値段だからと多くがスルーされたりしているだろうが、その中にいたクソを見落としていたりはしないだろうか。 また、近年ロープラでも純粋なクソさでエントリーされたり次点になった作品は存在するが、例えばcutenessが2,000円であったら評価はどうなっていたのかと考えると悩んでしまう。価格に関わらず「作品そのものから受ける苦痛は同じ」なのである。販売価格も普通は時間の経過と共に下がる訳で、安くなってから買った人はクソと感じなくなるのもいささか不自然でもある。『クソ』なものは『クソ』、これが真理ではなかろうか。 KOTYe界にはJksの様な分かり易い単位も存在はするが、これはCG数しか比較できない。 諭吉10本セットとかも多くなった昨今、購入価格に左右されずにクソゲーを見極める視点というものの必要性を感じる次第である。 そして選外にこそなったが「冥契」、「GIKEI」、「ふゆくる」、「DP4PH」のように市場の評価が高い作品のエントリ―についても触れさせて頂きたい。 昨年の話題作「まいてつLR」もそうであったが、正直「全体としては面白かったが、ここはクソ」という作品について、クソゲー扱いして良いのかについては疑問の余地がある。相対的評価を是として見るならこれらは良作でクソゲーではないからだ。 初めて触れた場合と過去作と比較した場合で作品の評価が変わる事は仕方が無い部分である。しかし、期待や約束に対する「裏切り」は立派なクソ要素である。ならばそれを見極めなければならい。 作品はシナリオ、CG、音楽、エロ、システム等様々な要素の集合体であるが、何らかの訴えているコンセプトというものが必ず存在する。鍵はそれを裏切ったかどうかである。 冥契は青春と友情、GIKEIは史実伝承、ふゆくるは百合、DC4PHはエロと確かに掲げたものの一部に対する裏切りが存在していた。ならばそれはクソ要素であり「クソゲー」と呼ばれる資格は有している。 とは言え、少し前まではこうした作品がエントリーされる事は無かった。これは当時は酷い作品が多かったからだが、KOTYeの選定基準は年ごとに異なる訳であり、こうした作品がエントリーされるようになったという事は作品全体のレベルが上がった証左なのかも知れない。だとするならばこれは喜ばしい事だとも思う。 最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフを借りてハンターの決意を示し、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。 KOTYe、待っててね このクソゲーを終わらせないと わたし、選評のためなら何でもするわ