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「ゆぶべべべっ!?」 「ま゛り゛さ゛あああああああ!?」 「全く、まぁ~た畑荒らしか ほんと嫌になるよ」 男の草鞋がまりさの舌に乗っていた野菜ごとその舌をぐちゃぐちゃに踏み潰した。 砕けた野菜と舌が混じり異様な色彩を産んだ。 「ぢがうのおおおおおお!!まりさはしんせつしんでおちてたおやさいをはたけにもどしてあげようと」 「瓜田に靴を入れず」 男は舌を踏みにじっていた足を引き抜いて振り上げると思い切り蹴りぬいた。 まりさは宙を舞うと柵にぶつかって嫌な音を立てながら餡子を撒き散らした。 そして柵に餡子の跡を残しながらずるずると地面に落ちて 数度痙攣すると衝撃で飛び出していた目玉がずるりと落ちて動かなくなった。 「どぼぢでええええええええええええ!?まりざなんにもわるいごどぢでないのにいいいいい!!」 餡子が混じり黒く滲んだれいむの涙が何筋も頬を伝った。 「死にたくなきゃ最初から畑に近づくなよ、荒らしとそうじゃないのと見分けるの面倒だからさ」 そう言って男はれいむのリボンを摘むと林の方に放り投げた。 そして帰ろうとして手元に指に引っかかって千切れたリボンが 一欠けら残っているのに気付いて鬱陶しそうに手を払った。 それから数日後、幽鬼のように夜の林の中を放浪するリボンのかけたゆっくりれいむの姿を あるありすは偶然友達の巣から巣へ帰る際に見た。 夜はれみりゃの時間だ、都会派として注意してあげようと思ってありすは恐る恐る声をかけた。 そのれいむはゆっくりと振り返ると壮絶な笑みを浮かべながら言った。 「れいむはれみりゃをまってるんだよ」 そしてけたたましく笑い出したれいむの狂気に恐怖を感じて慌ててありすは逃げ出した。 それからさらに数日後の深夜 れいむの前にれみりゃが降り立った。 れみりゃは獲物を見てその子どもが書いた落書きを張り付けたような笑顔で言った。 「うっうー♪よふかしするわるいこはたべちゃうんだどぅ~♪」 「まって、れいむはれみりゃにおねがいがあるよ」 「う~?」 れみりゃは他のゆっくりとは違う落ち着いた態度でれみりゃに話しかけるれいむに少し驚きながられいむを見た。 無視してそのまま食べてしまっても構わなかったが、とても真剣な表情のれいむに気圧されて、渋々話を聞くことにした。 「う~おぜうさまのれみりゃになんのようなんだどぅ~?」 「れいむをおかして!!れいむっとすっきりして!!!」 れいむは瞳をカッと見開きれみりゃに向かって腹のそこから叫んだ。 れみりゃは困惑して額から汗を流した。 そして思った。 このれいむは頭がおかしいのだろうか、と。 れみりゃとれいむがすっきりする例など聞いたことが無い。 当然だ、二者の関係は捕食者と逃げまとう獲物なのだから。 れみりゃ種にもれいむを性の対象として見るような趣味も無い。 れいむ種がれみりゃ種に出逢ったとき、するべき行動は逃走、ただそれだけである。 なのにこのれいむはれみりゃとすっきりしたいと言うのだ。 生きるための口先三寸かと思ったが 体格差から考えてもそんなことをすれば体が保たないだろう。 れみりゃがれいむの正気を疑うのも当然である。 実際、れいむの熱っぽく開かれた赤く血走る瞳を見てもその正気を疑うには充分だった。 そして十秒間、れみりゃにとってかなり長く熟考したのち れみりゃはこうまかんのおぜうさまとして恥じることの無い結論を導き出した。 「うっうー♪そこまでいうならたっぷりかわいがってやるんだどぅ~♪」 腰をフリフリしながられいむににじり寄って行く。 据え膳食わぬはおぜうさまの恥ってさくやが言ってた。 ちゃんとさくやの言ったことを覚えてた自分はとっても偉いとれみりゃは思った。 そして二匹は朝まで激しく交わりあった。 「ゆひっ、ひゅひひひひひいひ…!」 犯すのに飽きて、かといって自分が交わりあった相手を食べるのも憚られたので どこぞへとれみりゃが去っていった後、れいむは壊れたオルゴールみたいにけたたましく笑い出した。 綺麗だった髪は乱れて絡まり、リボンは男に千切られてかけた部分からさらに裂け目を深くした。 頬からはれみりゃの爪が食い込んだのか痛々しい傷跡と、何条もの餡子が流れた後が付いていた。 そしてズタズタに裂けたまむまむから肉汁と、餡子の混じった液体がどろりと流れ出した。 れいむのその機関はほぼ破壊されて、恐らくもう二度と用を成すことは無いだろう。 焦点の合わない瞳から伸びる視線は宙を漂う。 だがれいむの笑いは決して絶望の笑いではなかった。 「これで…これでまりさのかたきが…ひゅひひひひひ!」 雌としての本能があり得ないはずのれみりゃの子種を身篭ったことを確信して れいむは目の焦点も合わないまま口を歪めて笑った。 一週間後、近くのゆっくりの群の外れに一匹のれいむが住み着いた。 そのれいむは酷い傷を負っていて、群のゆっくりは心配して話しかけたが れいむに一睨みされただけで立ち竦み、それ以上話しかけることが出来なかった。 群のみんなはそのれいむを疎ましく思いながらも中々手を出すことができなかった。 そうして、次にそのれいむの巣をみんなが見に行ったのは れいむの巣から恐ろしい産声が聞こえてきた時だった。 「れいむ!あかちゃんがうまれたならみんなにしょうかいしてあげてね! そしていっしょにゆっくりしようね!」 群の長まりさがれいむの巣の入り口のすぐ横の木の部分を叩いた。 これを気に仲良くなっておかないと、群のみんなが怖がると思ったからだ。 それにみんなかわいい赤ちゃんは見たかったのだ。 巣の入り口を覆っていた草がガサゴソと動いて 長まりさは出てきてくれるのかと思って事前に考えておいた懐柔の言葉を言おうとし 帽子がなくなっていることに気が付いた。 「うゅ~♪たーべちゃーうぞー♪」 はっと気付き見上げると、空を飛ぶゆっくりが長まりさの帽子を捕まえていた。 子どもが書いた落書きを張り付けたような笑顔、口元から生えるキバは長まりさの帽子に突き刺さっていた。 本来地面にあわせて平坦であるべき足からは三本の爪の生えた妙な枝が生えていて長まりさの帽子を掴んでいる。 頭はれいむ種と同じ黒い髪に両脇に髪留めをつけていたが、その最大の特徴であるリボンは無く 代りに薄紫色に赤い布をつけた帽子を被っていた。 そして、その両脇からはあの蝙蝠のような恐ろしい悪魔の羽が生えていた。 「「「れみりゃだあああああああああああああああああ!!!!!」」」 集まっていたゆっくり達は一斉に叫んだ。 そして長まりさの周りに身を寄せ合った。 「ち、ちがう…あれはれみりゃじゃない…!」 長まりさは震えながらその化け物を見上げ言った。 「そうだどぅ~♪れみりゃなんかじゃないんだどぅ~♪」 ソレは長まりさの言葉に頷くと、体の前で悪魔の羽をみょんな形であわせながら言った。 「れい☆むりゃ☆う~♪」 そして足に掴んでいた長まりさの帽子をむしゃむしゃと平らげた。 「ま゛り゛さのだいじばぼうじっびゅべばじゃ!?」 「「「だずげでええええええええええええ!!」」」 一斉に逃げ出したゆっくり達にもみくちゃにされて長まりさはぐちゃぐちゃの饅頭になって死んだ。 その様子を見てれいむりゃと名乗ったその化け物は首をかしげながら言った。 「うゅ~?どうしたんだどぅ~♪もっとゆっくりしてくいくんだどぅ~♪」 不思議がるれいむりゃを他所に、巣の中からはれいむのあの壊れたオルゴールのようなけたたましい笑い声が木霊した。 「たくさんたべて、もっとつよくなるんだよ」 口から虫や木の実を吐き出しながられいむはれいむりゃに言った。 嬉しそうに母から餌を貰いながられいむりゃは応えた。 「うゅ~♪いっぱいたべておおきくなってゆっくりするんだどぅ~♪」 そう言うや否や、れいむりゃの見ていた世界の天地は逆転した。 れいむの体当たりでひっくり返ったのだ。 「あまったるいこといわないでね!おまえはたたかうためにれいむがうんでやったんだよ!! ゆっくりしてないでとっととりかいしてね!!」 「ぅ、うゅ~、わかったんだどぅ…」 目を血走らせて鬼の形相で言うれいむに怯えながられいむりゃはれいむが何故そんなことを言うのか理解できないものの とりあえずもう一転がりしてから頷いた。 「ぜんぜんわかってないみたいだね…」 れいむりゃの暢気な表情を見てれいむは嘆息しながら言った。 「おまえはね、やさいをかえしてあげたまりさをころしたあのくずをころすためにうまれてきたんだよ だからゆっくりしてるひまなんてないの、いっこくもはやくあのくずをころすためにつよくならなくちゃいけないんだよ それができないならおまえみたいなばけものいきてるいみがないんだよ!」 確かに意識ははっきりしているのにどこか焦点の合わない瞳でれいむりゃを睨みつけながられいむは言った。 「うゅ~、ゆっくりりかいしたんだどぅ~♪」 「それがわかってないっつってんだよ!!!!!」 れいむの体当たりがまたれいむりゃを転ばした。 「う、うゅ?」 何故体当たりされたのか分からず起き上がろうとするれいむりゃにまたれいむが体当たりを食らわせた。 ゴロゴロと何度も巣を転がって吐きそうになりながられいむりゃはれいむを見た。 「どおぢでおまえはぞうなの!?どおぢで!おばえはもっどづよぐなんなぐぢゃだべなんだよおお!! なのに!れいむにやられてちゃだべでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 れいむは狂ったように、というか狂っているのだろう。 執拗にれいむりゃに体当たりを繰り出す。 何度も転がり何度も壁に叩き付けられながられいむりゃは思った。 何故おかあさんはゆっくりしないのだろうと。 れいむりゃはこんなにもゆっくりしたいというのに。 いくら体当たりをしても気絶しないれいむりゃの耐久力に満足したのか れいむはボロボロのれいむりゃを放ったまま眠りに付いた。 れいむが眠りに付いたのを確認すると、れいむりゃはれいむを起こさないようにそっとその隣ですやすやと眠り始めた。 朝早くれいむに叩き起こされて外に連れ出されたれいむりゃは 生後まもないにも関わらずもはや痛めつけるのが目的としか思えないほど厳しい仕打ちを特訓と称して行った。 石を投げつけられ、木の枝で叩かれ、土に埋められ、川に落とされ、蔦を巻きつけられ引っ張られる様は とても特訓などという上等なものではなく、れいむの持つ恨みをれいむりゃに押し付けているだけだった。 それでもれいむりゃは子どもが書いた落書きを張り付けたような笑顔を崩さなかった。 そんな生活が何ヶ月か続いた。 れいむりゃは飛び回ってれいむの放つ石ころを避け 土に埋められても足の力と羽ばたきで飛び出し 川の中を皮がふやけるまでの間バタ足で泳ぎ 蔦を引きちぎり、逆に蔦を加えてれいむをぶら下げるほどに強くなった。 れいむはそんなれいむりゃを見て満足そうに頷くと またあの壊れたオルゴールみたいなけたたましい笑い声を上げた。 「これで…ひゅひひひ!これで!このばけものをつかえばまりさのかたきがうてるよおひゅひひひひひ!! やざしかったまりさをころしたあのクズひゅひ!ころせる!やっところせる!!」 れいむの口から餡子色のあぶくが吹き出た。 そんな笑顔でもれいむりゃはとても嬉しくて一緒に笑った。 梅雨の季節が来た。 あれかられいむはれいむりゃの特訓の合間にまりさを殺したあの男の動向を探っていた。 男は殆どの日を畑で仕事をしていた。 畑の中はまずいとれいむは考える。 一緒に畑仕事をしている仲間を呼ばれる危険がある。 いくらあの恐ろしいれみりゃの血を引くれいむりゃでも 二対一では分が悪いとれいむは思っている。 かといって家の中も危険だ。 家の中には色々な道具を置いてあるに違いないし間取りにも詳しいだろうから不利だ。 男が外で一人になる瞬間が知りたかった。 そうして調べている内についにれいむは遂に男が一人になる時間を見つけた。 男は一週間に一度、里の方に一人で出て行く。 特にその時に渡る古びた人気の無い橋の上は逃げ場も殆ど無い絶好のポイントだった。 れいむりゃは、れいむが男を見に行っている間、たった一人でとても寂しがった。 梅雨の最中でもはや濁流に近い流れを持つ川のほとりで雨避けの葉っぱを口に咥えながられいむは言った。 「やっと、おまえのやくめがはたせるんだよ うれしいよね、れいむりゃ」 入念な準備を経て、れいむりゃにもしっかりと計画を伝えてれいむはれいむりゃと橋の前に立った。 「れいむりゃ、わかるね ここであのおとこをころすんだよ」 れいむはちらりとれいむりゃの方を見て最終確認をした。 「うっゆー♪わかるんだどぅ~♪ばっちりなんだどぅ~♪」 れいむりゃはれいむが喜びに震えているのを感じ取って自分も嬉しそうに頷いた。 「そいつにれいむりゃがおしおきしておとうさんにひどいことしてごめんなさいっていわせるんだどぅ~☆」 はしゃぎながらそう言ったれいむりゃに唖然としながられいむはぽとりと咥えていた葉っぱを落とした。 ドン、とれいむは体当たりをした。 不意の体当たりにれいむりゃはゴロゴロと水浸しの地面を転がり泥まみれになった。 「う、うゅ~?」 ちゃんと答えられたと思ったのに何故か怒りの形相のれいむを見てれいむりゃははてなと首を傾げた。 「なにをいっでるの!?それじゃだめだんだよ!! ちゃんところして!!いきのねをとめて!! にどとそいつをゆっくりできなくするんだよ!!」 それを聞いて、れいむりゃは固まった。 「う、うゅー?おかあさんがいってるころすってのがよくわからないんだどぅ~♪ それをしたらゆっくりできなくなっちゃうのかどぅ~?」 困惑し額に汗を浮かべながられいむりゃは尋ねた。 ザアザアと雨粒が顔を打ち据えるのを意にも介さずれいむは捲くし立てた。 「あたりまえでしょ!そんなこともわからなかったの?ばかなの!? わかったらとっととあのおとこをころすじゅんびをしてね!!」 「……じ、じゃあいやなんだどぅ~」 れいむりゃは、搾り出すように言った。 か細い声だったにも関わらずその声は何故か雨音にかき消されずにれいむの耳にちゃんと届いた。 「は?いまさらなにをいって」 「いやだどぅ~♪だれだってゆっくりできなくなるなんてだめなんだどぅ~♪ひとのだいじなゆっくりをとったらだめなんだどぅ~♪ こらしめるだけでかんべんしてあげるんだどぅ~♪そしたらみんなゆっくりできるんだどぅ~♪」 「ふっざけるなああああああああ!」 れいむりゃの初めての反抗にれいむは激怒した。 「あのおとこはねぇ!まりさの…まりさのだいじないのちを…ゆっくりをうばったんだよ!! あんなにやさしくて!つよくて!ゆっくりしてたまりさのゆっくりおおおおおおお!! だからあのおとこはゆっくりをとられてとうぜんなんだよ!!なんでそんなこともわからないの!? ばかなの!?しぬの!?だいたいまりさみたいなすてきなゆっくりからおまえみたいなばけものがうまれるか! しね!ゆっくりしね!!」 れいむは激昂して喉が裂けて口から餡子が飛ぶほど叫んだ。 それでもれいむりゃは怯まなかった。 「それでもいやなんだどぅ~♪ それよりそいつもゆっくりさせたらさんにんでおとうさんのぶんもゆっくりできるんだどぅ~♪ おかあさんもこれでゆっくりできるにちがいないんだっどぅ~♪ うゅー、こんなことおもいつくなんてれいむりゃはてんさいだっどぅ~♪」 れいむりゃはれいむを説得しようとかそういうことだけでなく ずっとそうしたいと思っていたことをれいむに告げた。 「ゆぐがぎゃああああああああああああああああ!! ふざけるなふざけるなふざけるなあああああああ!! れいむのゆっくりはおばえどなんがじゃない!!おばえみだいなバゲモノどじゃなぐで まりさとぉ!れいむとまりさのかわいいあかちゃんのさんにんでするはずのゆっくりなんだよおおおおおお!!! もういいもういいもういい!!ぜんぶれいむがやる!!おまえみたいなばげもののぢがらはがりない!! だがらお゛ばえがらゆっぐぢぢねええええ!!!」 怒りで血が上ったためか、それとも雨の湿気のせいか古傷から餡子を噴出し目から餡涙を流して 歯茎をむき出しになるほど歯を食いしばりながられいむはれいむりゃに襲い掛かった。 「や、やめるんだどぅ~☆れいむりゃにたいあたりしたらおかあさんのほうがいたいんだどぅ~♪」 実際その通りだった。 れいむは頑丈なれいむりゃに体当たりするたびに古傷を開かせ、ボロボロになっていった。 それでもれいむは止まらない。 れいむりゃは逃げればいいのにれいむを止めようと何度も羽でれいむを包みこみ、踏ん張った。 その度にれいむは羽を振り払って体当たりをして傷口を大きくした。 「やめるんだどぅ~やめるんだどぅ~♪」 「だばっ!れええええええ!!!」 二匹はもつれ合いを繰り返していつの間にか橋の上まで来ていた。 れいむりゃの必死の訴えも空しく、れいむは突進した。 雨とれいむに体力を奪われたれいむりゃは、れいむの前に立とうとして足を滑らした。 何も居ない空間にれいむは突っ込み、そして雨に濡れた木の板に足を滑らせて橋から落下した。 「ゆっ」 「お゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああん゛!!!」 初めてれいむりゃの子どもが書いた落書きを張り付けたような笑顔が歪んで 驚愕の表情へと変わった。 れいむりゃはその悪魔の羽を羽ばたかせて川に落下したれいむを枝のような足でリボンを掴んだ。 普段ならそれだけですぐに引き上げられるだろうが 濁流に近い流れの前では流石のれいむりゃでも引き上げることが出来ずに一緒に引っ張られた。 「お゛っおばえのぜいだ…お゛ばえが…」 「お゛があ゛ざんしんじゃだめだどぅ゛う゛!も゛っどゆっぐりずるんだどぅ!も゛っどゆっぐりずるんだどぅ!」 呪詛を吐こうとして、れいむは初めて見るれいむりゃの必死の形相に目を留めた。 「も゛うっ、ゆっぐり゛ずる゛もぐぞぼっ!な゛いんだよ…! がぼっがぼっ、れい゛む゛のゆっくりばぼっ、まり゛さ゛と」 ガバガバと水を飲みながられいむはれいむりゃに言った。 それでもれいむりゃは言う。 「ぞんなごどないんだどぅうぅうう!おがあざんはれいむりゃとゆっくりすればいいんだどぅ!!」 初めて泣き喚くれいむりゃの顔を見ながられいむは今にも濁流に流されて死んでしまいそうなのに思わず呆れた。 「もうっ……いいよ…おばえっ、にきたいしがぼがっぼ、れいむが…ばかだったよ…」 「だいじょうぶだどぅうう!れいむりゃは!!おかあさんにいっぱいきたえてもらってじょうぶになったから こんなのへっちゃらなんだっどぅうううううううううう!!」 れいむりゃはそう言うと歯を食いしばり白目を剥いて踏ん張った。 れいむの体が川から少し持ち上がる。 口が自ら出たれいむは疲れ果てた声で言った。 「……れいむとまりさのかわいいあかちゃんがほしかったよ、おまえみた」 その時、ずっと引き裂けそうになっていたれいむのリボンが千切れて ジャボンとれいむは濁流に飲み込まれた。 「お゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああん゛!? う゛ゅ゛あ゛ああああああああああ!!!う゛ゅ゛あ゛あ゛あああああああああ!!」 あっと言う間に下流まで流されていったれいむを追ってれいむりゃは涙を流し絶望の表情を浮かべた。 その枝のような足には千切れたれいむのリボンが握られていた。 結局れいむが最後に「おまえみたいなばけものとちがって」と言おうとしたのか それとももしかしたら「おまえみたいなゆっくりした」と言おうとしたのか それとも全く違うことを言おうとしたのかは濁流の中に飲み込まれてわからなくなった。 ある晴れた日のことだった。 男は畑仕事に精を出していたが ゆっくりが畑に近づいているのに気付いて眉を潜めて木の棒を拾い肩にかけて近づいていった。 そして、少々様子がおかしいことに気付き厭そうな顔をした。 「何お前…」 「れい☆むりゃ☆う~♪」 れいむりゃと名乗ったそのゆっくりは ゆっくりれいむなのかれみりゃなのかどっちとも付かない みょんな姿でパタパタと男の前を飛んでいた。 「うゅー♪おまえがゆっくりしてるのかおしえるんだどぅ~♪」 「今さっきからゆっくりできて無いよ」 男は心中でお前の姿見てからな、と続けた。 「うゅー♪ゆっくりできないなんてあわれなやつなんだどぅ~♪ おまえなんかれいむりゃにかかればいちっころなんだっどぅ~♪」 調子に乗り切ったことをほざくゆっくりを見ながら男は心の中でさっさと潰そうと決心して棒を振り上げた。 「うっゆー♪でもれいむりゃはやさしいからそんなことしないんだっどぅ~♪ これをありがたくうけとるんだっどぅ~♪」 そう言ってれいむりゃと言うゆっくりは口からどんぐりをぺっと吐き出した。 「……?何これ」 意図を測りかねて男は棒を振り上げた手を思わず止めた。 「それをうめればどんぐりのきがはえるんだどぅ~♪ どんぐりいっぱいおなかいっぱいでふゆもゆっくりできるんだどぅ~♪ れいむりゃにかんしゃするんだどぅ~♪」 「とりあえずクヌギが生長するのに何年かかるか勉強してから出直せ」 「お゛ぜう゛!?」 面倒くさくなって男は棒を振り下ろした。 吹っ飛んだれいむりゃは木にぶつかって、そのまま落ちるかと思いきやよろよろと飛ぶと ゆっくりと背を向けて言った。 「いつかそれでゆっくりできるときがくるんだどぅ~♪ そのときはかんしゃしつつゆっくりするんだどぅ~♪」 「とりあえず二度と来るな」 男の言葉を聞いているのか聞いていないのか れみりゃの帽子とビリビリに破けたれいむのリボンをつけたみょんなゆっくりは森の中へと消えていった。 「…はぁー、仕事しよ」 何だかしこたまやる気を削がれて男は肩を落としながら仕事に戻った。 「うゅー、ゆっくりさせてあげるのってとってもむずかしいんだっどぅ~」 少々ばかりうまくいかなかったことに少し気落ちしながられいむりゃは溜息をついた。 「…うっゆー♪でもおかあさんのぶんまでみんなをゆっくりさせるまでがんばるんだっどぅ~♪ おかあさんがきたえてくれたからこのくらいぜんぜんへいきへっちゃらなんだどぅ~♪」 子どもの落書きみたいに無邪気な笑みを浮かべて、このみょんなゆっくりはまた誰かをゆっくりさせにパタパタと飛んでいった。 このSSに感想を付ける
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ここはAA1~AA25までのAAを掲載しているよ! +をクリックして見たいAAに飛んでね!! 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA1 ■基本 ■くさってやがる ■さあ食べなさい ■ここはゆっくりたちのすれだよ ■ふいうち ■煽る ■ねだる ■おじさんだいちゅき!!! ■うー! ■たーべちゃーうぞー ■誕生 ■れみりゃ ■れみりゃのあかちゃん ■わがままおぜうさま ■ゆっくりれいせん ■ふとましい! ■おやすみ ■今日はなに? ■子犬と一緒 ■ゆっくりまんじゅう 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA2 ■ゆっくりと寿司 ■七夕 ■やさぐれる ■マリアリ? ■お昼寝 ■イメチェン ■いつまでもゆっくり ■ゆっくりが見ている ■ゆっくり育ってね! ■コウノトリ? ■ゆっくりチルノと赤ちゃんゆっくり ■猫とゆっくり① ■猫とゆっくり② ■ダイエット ■待て 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA3 ■たれみりゃ ■ゆっくりとホラー映画① ■ゆっくりとホラー映画② ■ゆっくりとホラー映画③ ■たいやきゲット!!! ■れみりゃも食べたい ■聖火ランナー ■スタンプカード ■なでなで(まりさ版) ■なでなで(れいむ版) ■うーびんやさん ■きれいむ ■ぱるすぃ ■たいやきむしゃむしゃ ■太ましいゆっくり ■たい焼きとゆっくり ■ゆっくりれみりゃとゆっくりふらん ■ゆっくりれみりゃ ■ウィンクするおぜうさま ■照れる ■号泣 ■ゆっくりえーきさま 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA4 ■ゆっくりメガもり ■ゆっくり大家族 ■2段ゆっくり ■ゆれいむナイト ■食べながら喋る ■きめら丸 ■お食べなさい2 ■きめぇ丸とれいむ ■怒ったれいむ ■I can fly ! ■れいむ大量発生 ■正面まりさ ■チルノフと荒巻 ■まりさ大家族 ■ゆっくりれてぃ ■みかん星人 ■帽子なしまりさ ■早苗さんとれいむ ■のうかりん ■れいむカー ■ゆっくりの架け橋 ■瞳の中のレインボー 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA5 ■ワンテンポずれる ■ゆっくりいじり ■れいむたちはきもかわいい? ■ゆっくりゆかりん ■きめら丸(二足歩行タイプ) ■まりさの帽子 ■ラフな格好 ■れいむの帽子チェンジ ■でかゆっくり ■子れいむ ■力を溜める ■ゆっくりちぇん ■ゆっくりしないと泣いちゃうぞ!! ■涙目 ■きめぇ丸2 ■きめら丸2 ■図に乗るな ■れいむの朝ごはん ■見上げる ■きめぇ!!! ■文書を読む 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA6 ■お布団大好きー♪ ■夏の暑さの結果がこれだよ! ■ゆっくりすいか ■ゆっくり降ろしてね! ■友達 ■なでなで(れいせん版) ■箱入りおぜうさま ■きめぇ丸3 ■今週の1乙ゆっくりメカ発進! ■もっとぶってね! ■きめぇ丸4 ■夏祭り ■早苗さんとれいむ2 ■ゆっくりようむ ■きめぇ丸5 ■たれみりゃと思った結果がこれだよ!! ■這うれいむ ■跳躍れいむ ■ころがれいむ ■頬つねり ■感謝 ■まりさとぱちゅりー ■にんっしんちゅう ■地霊殿仕様ゆっくり ■キレるなまりさ… 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA7 ■ゆっくりんぴっく(重量上げ) ■食べられるバーベル ■ゆっくりんぴっく(格闘技っぽい何か) ■ゆっくりんぴっく(水泳) ■ゆっくりんぴっく(何か投げ) ■ゆっくりんぴっく(借り物競走) ■表彰台 ■金メダル ■国歌斉唱 ■れいむのおうち ■地面から ■れみりゃとさくや ■そのままおやすみ ■青空の見える丘でゆっくり ■ぉーん!ぉーん! ■ヤシの木 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA8 ■寄り添う ■ちびゆっくりのエサとり ■おお、かわいいかわいい ■ミニゆっくり ■赤ちゃんゆっくり ■車輪が生えたゆっくりを運ぶゆっくりれみりゃ ■ぱちゅりー ■一人カラオケ ■出産 ■ゆっくりすいか2 ■扇風機とゆっくり ■ゆっくりてんこ(冷めた顔) ■にとりとまりさ ■こまちとえーきさま ■ミニアリス ■No Thank you ■カビ生えてきた ■おぜうまる ■掻いてあげます ■わくわくおぜうさまの日用品シリーズ ■食べてもいいんだよ ■核家族 ■レティ(コーヒー片手) ■たれまりさ ■機関車れいむ ■位置チェンジ ■たれゆっくり ■赤ちゃんまりさ・れいむ2 ■蒸しまんじゅう 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA9 ■うさんくさい英語 ■きめぇ丸 ■でっぷりジャンプ ■空中ブランコ ■接着 ■まりさコンボ1 ■まりさコンボ2 ■毛皮の帽子 ■春夏秋冬 ■うーぱっく洗脳 ■スターリンとゆっくりしていってね!!! ■おちび毛皮 ■麦わら帽子 ■毛皮に包まる ■子供用皮帽子 ■えーりんとてるよ ■大妖精 ■まりさとみま ■さがわうーびん ■チビゆっくりの1乙 ■れいむって走ったり蹴ったりできるの? ■慧音と妹紅 ■めでぃすんとスーさん? 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA10 ■まりさハイム大佐 ■ほんとに五分五分なのか? ■ゆービィ ■おぜうさまとゆービィ ■吸い込むゆービィ ■融合 ■まりさとアリス ■飼いゆっくりたちの散歩 ■うーぱっくとのうかりん ■のうかりんとおにくよううーぱっく ■うーぱっく(みかん) ■たくさんうまれたよ! ■ドラ○もん? ■レティとてんこ ■雨の日のバス停 ■うーせっけん ■なでなで(すいか版) ■きめら丸(二足歩行タイプ)2 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA11 ■(^q^) ■無言なおぜうさま ■走れまりさ ■ゆっくりてんこ ■ゆっくり川流れ ■ゆっくりの成長 ■ゆっくりの成長2 ■ドクヲとゆっくり ■竜宮遊泳弾 ■つかまったぜ ■ろうそくとゆっくり ■ゆっくりるーみあ ■みすちー ■さとり(ともだち) ■のうかりん2 ■れいむたちのお引越し ■次スレへ移動 ■輝夜と妹紅 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA12 ■うーぱっく宇宙へ ■テーレッテー ■ダンス ■ウェザー・リポート ■ゆっくレンジャー ■めーりん ■みかん星人とゆっくり ■孔明とゆっくり ■ゆっくりイクさん ■ろーりん 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA13 ■ふくれっつら ■レティ(ラーメン) ■わがままれいむ ■ゆぷー ■きめぇ丸(節足動物的な足) ■たれうつほ ■たれ八雲一家 ■2段たれきめぇ丸 ■ネタ被りもOK ■変な人がいる! ■つけ耳うどんげ ■ゲラゲラゲラ(れみりゃ版) ■洗濯(れみりゃとさくや) ■やさぐれまりさ ■今日のワゴン ■No Thank you 2 ■体育座り ■おぜうさまからのお手紙 ■ゆっくりしろよ ■さくや、ふらん、れみりゃ ■ゆっくりとゆっくりまんじゅう ■アブダクション ■うーぱっく誕生 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA14 ■溶けたきめぇ丸 ■宇宙戦艦襲来! ■フランの鬼退治 ■蝶々ゆっくり ■ゆっくりフィッシュ ■ゆっくりトレインと路線図 ■名札付き ■幽霊風おぜうさま ■肝試し ■湖の上のケロ ■のうかりんとまりさ ■世界樹のゆっくり ■うー栽培 ■まりさ(コーヒー片手) ■夏だぜ! ■もう夏終わったよ 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA15 ■まりさとふらん ■さあ食べなさい!!! ■分裂(まりさ) ■分裂(れいむ) ■プリズムリバー三姉妹 ■とうふぱっく ■脱皮 ■卵割り的脱皮 ■アブダクション2 ■進化の系図 ■ゆっくり運送 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA16 ■れみりゃとさくや2 ■ゆっくりめーりん2 ■ミニぱちゅりー ■まりさとアリス2 ■ゆっくりイクさん2 ■ブチキレてんことイクさん ■一致団結 ■かっこいいまりさ ■かわいいれいむ ■ペルソナ3 ■妄想 ■ザッザッザッ(きめぇ丸) ■ほくそ笑むきめぇ丸 ■マッチョリー・ノウレッジ ■自然とゆっくり ■ちるのうーぱっく ■まりさの夢 ■ゆっくりえーきさま2 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA17 ■イナバウアー ■それを言うなら口車 ■にちょり(四足歩行) ■けーね先生と妹紅 ■太ましいゆっくり2 ■ハート様 ■きめぇ丸(横側) ■ごめんね ■スベルカード ■まりさの夢2 ■帽子をとりかえっこ ■帽子をとるとこんな感じ ■なでなで(たれみりゃ版) ■洗濯(れみりゃ版) ■ゆっくりまりさ(ズームアップ) ■監視→爆破! ■地獄からやってきた正義の使者 まりさ ■お前ら釣られすぎ ■洗濯 ■ゆっくり干した結果がこれだよ! ■そして乗っ取り 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA18 ■ゆっくりみょんとゆっくりようむ ■ドム ■キモんげ!? ■れいむバキュラ ■みんなでゆっくりしていってね! ■にちょり ■心霊写真? ■図書館にて ■たれみりゃの成長 ■巨大生物たれみりゃ ■きれぇ丸 ■ゆっくりやめてね!!(太まし版) ■ゆっくりマーカス ■たれまりさ ■たれれいむ ■たれれみりゃ ■たれきめぇ丸 ■おお、こわいこわい ■さっさとねるポ!!! ■のうかりんとゆっくり ■きめぇ丸6 ■ゆっくりめーりん3 ■パクパク ■ちうしなさい ■ニューウェーブな おぜうさま と てゐ ■ゆっくりえーきさまとこまち2 ■珍種 ■霊夢の陰謀 ■ミニ着ぐるみさくや 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA19 ■ゆっくりかぐやともこう ■にぱー♪ ■う゚~!う゚~! ■太ましいゆっくり3 ■たれれいむと扇風機 ■たれようむとゆゆこ ■たれようむとゆゆこ2 ■たれ神主 ■ゆっくりマッサージするよ! ■チルノフ ■太ましいれいむ(怒) ■七夕とれいむ ■七夕テルヨフ ■溶けたれいむ ■むーしゃ♪むーしゃ♪(れみりゃ) ■らんしゃまとちぇん ■乱射魔 ■魔理沙(タバコ片手) ■もっとごはんもってきてね!!! ■鍵山雛と水橋パルスィ ■めっちゃかれぇ ■Yahoo!うーぱっく ■釣られるれいむ ■ビーダ○ン ■ゆっくりトイレ ■ゆうかとのうかりん ■生涯現役だもんで ■ゆっくりしたいの? ■はいてないテルヨフ ■太ましいおぜうさま ■ぺろぺろするのやめろ 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA20 ■釣り ■帽子なしおぜうさま ■ゆっくりみょん ■ハロゲンヒーター ■きめぇ丸と扇風機 ■ゆっくりうえをむいてね!(まりさとアリス版) ■何言ってんだコイツ? ■パチ瓜 ■たれちぇん ■たれこまち ■たれかなこ ■たれちぇん&らんしゃま ■たれしゃめいまる ■たれれいせん ■たれてゐ ■たれれいむの開眼 ■おにいさんおねえさんありがとう! ■太ましれいむと扇風機 ■和むの動詞活用 ■ペットを飼いたい! ■家族でいい夢見ていってね!!! 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA21 ■修学旅行の思い出 ■うそです ■ゆっくりしすぎた ■だだこねちるの ■ゆっくりえーきさまとこまち3 ■ゆっくりえーきさまとこまち4 ■うーてんがぉー ■デスれみりゃ ■ゆっくりこまち ■地震 ■ごはんだよー ■みょん箱 ■走れるれいむ ■クーガーの兄貴 ■まりさとアリス3 ■れいむいぢり 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA22 ■なでなで(ゆゆこ版) ■食べちゃいたいくらいもちもちしてる ■れいむボックス ■端午の節句 ■寄り添う太ましまりさとれいむ ■プリンを持っているおぜうさま ■まりさと冷めた顔のれいむ ■ゆっくりぱちゅりーと本 ■ぷちぱちゅりーとちびぱちゅりー ■赤ちゃんが寝ています ■照れるまりさ2 ■図に乗ったら気球になった ■しんきとありす ■ゆっくりみすちー ■れみりゃのダンス ■鋼の救世主 ■ 7GET ■エクソダス ―ゆっくりへの脱出― ■饅頭の取り出し方一説 ■おぜうさまのへ ■オプーナ ■ゆっくりゆかりん2 ■ゆゆかれみりゃ ■きめら丸3 ■メガテン 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA23 ■ゆっくりゆゆこ ■圧迫祭り ■跳ねるプチゆっくり ■秋姉妹 ■秋静葉 ■ゆっくりえーきさま3 ■ゆっくりうつほ ■ヒゲを生やしてみた ■「レッドマジック」 ■雑巾れいむ ■ウサミミれいむ ■ウザてゐ ■天子と動画サイト ■半額 ■拾ってきた ■ウッフッフッフ♪ ■やまびこ ■サイレントれいむ 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA24 ■プチゆっくりのおおこわい ■なでなで(うつほ版) ■ニヤリ ■大きいゆっくり小さいゆっくり ■すまぬ ■れみりゃ(大妖精ボディ) ■いいキノコ ■朝比奈名居みくる子 ■スク水きめぇ丸 ■きめぇ丸とゆっくり ■自作自演の神様 ■秋姉妹2 ■秋姉妹3 ■号泣する秋姉妹 ■秋静葉2 ■秋静葉3 ■ゆっくりを食す幽々子とレティ ■就寝中のまりさとれいむ ■⑨の日 ■ブチ切れ戦車イクさん ■カーズ ■かっこいいまりさとかわいいれいむ ■アリスは大変な歌を歌っていきました 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 AA25 ■お月見 ■下向き ■ゆっくりドライブしようね!!! ■ゆっくりかぐやの帽子 ■ころがりまりさ ■三段ロケット ■ミラクルフルーツ早苗さん ■ゆっくりを収集する早苗さん ■さなえさんとれいむのぷにぷに ■つやつや ■スキマ ■Wもみじ ■レム夫 ■子チルノフ ■親子でゆっくり ■子チルノフ誕生 ■ついでにとんちんかん ■ふたりはオリキャラ ■ゆっくりもりもり ■種族対決 ■地霊殿のペットたちと交換してみた ■ジュウシマツ ■きめぇ丸とまりさ
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このゆっくりれてぃは完全に俺設定全開です 人里から遠く離れた山の中、この中にあるゆっくり達の群れがある 基本群れを組むのは被捕食種のみだ 捕食種が徒党を組んでいる場合はそれは家族か大規模なえさ場を発見したときぐらいである そしておそらく唯一であろう被捕食種と同じ群れで生活をする捕食種がある それがゆっくりれてぃだ ゆっくりれてぃ 発見数が少ないため未だに詳しいことは分かっていない おそらく人目を避けて山奥とかに生息するからだろうといわれている ただ、成長すれば巨大まりさとかドスまりさとかを超える大きさになりおそらく全ゆっくり一であるということ また餡子容量の多さからか知能もゆっくりとしては高めであることがあげられる 加工場では生産するゆっくり餡子の保管、熟成用に数体のれてぃを飼っている 常に餡子を抜き飢餓状態にしておくので目の前のゆっくりを素早く捕食する その勢いからゆゆこ以上のブラックホールというあだ名まで付いているが野生の彼女は本来はとても心優しい存在だ まあ、そんな存在じゃないと被捕食種と同じ群れに入ることなんてできないだろうが この群れは30匹前後のれいむ種とまりさ種、そしてれてぃが一匹で構成されている むろん、れいむ達もれてぃが捕食種であることは当然知っている 「ゆゆっ!れてぃ、きょうもゆっくりしていってね!!」 「きょうもくろまく~」 だが、空腹時以外はとてもおとなしい、頭の上で子れいむがきゃっきゃと遊ぶのをほほえましそうに眺めている れてぃが被捕食種と群れを組める理由の一つは他のれみりゃやふらんに比べて雑食性が強いことがあげられる 常にゆっくりを食べなくてもれいむたちと同じえさで満足できるのだ 体が大きい分当然餌の消費量は多いがれてぃがいればそれ以上の餌を確保できることが多い 「ゆゆっ!きょうもゆっくりかりにいくよ!!」 「れてぃ、きょうもたのむんだぜ!!」 「くろまくらしくくちのなかにはいってね~」 そう、れてぃはゆっくり達をその大きな口の中に入れて運ぶのだ ちなみに間違って食べてしまうことはない、れてぃは同じ群れのゆっくりは家族のように思っている また大きい分移動速度も速いため遠くまで移動でき、餌不足に悩まされにくい さらに周囲の群れのゆっくりもれてぃが捕食してしまうためさらに餌が不足しにくいという完璧さだ 「ゆゆっ!!きょうはここでえさをとるよ!!れてぃ、ゆっくりおろしてね!!」 「くろまく~」 れてぃが舌をのばし、その上をゆっくり達が這い出てくる それはまさにゆっくりキャリアー、作者の趣味にあわせればゆっくり空母だ れてぃも餌を捕りに行く 「ゆっ、このきのみはとってもくろまく~」 れいむやまりさには手も足も出ないような高さの木の実だって舌をのばすだけで簡単に取れる 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 見るとすぐ足もとでゆっくりれいむの一家が花を食べていた もう動物型出産ができそうな大きさのお母さんれいむが一匹 蔦が生えたら死んでしまいそうだが子供は何とか作れそうな大きさの子れいむが三匹だ 見たところれてぃには気がついていないようだ れてぃはゆっくりから見ると山のようにでかいため警戒心の薄いゆっくりは知らず知らずのうちにれてぃの足元まで来ることが多い 本来なら群れのれてぃ以外のれてぃには近づかないのだがいつのまにか近づいてくることが多いのだ そういえばさいきんゆっくりたべてなかったな そんなことを考えたれてぃ、今日のおやつはこれにしよう 「くろまく~」 全ゆっくり最長の舌を器用に使い四匹のゆっくりを平らげた 「ゆゆっ!?!?」 「まっくらでなにもみえないよ!!」 「おかあさぁーん!!」 「ゆゆっ!おかあさんはここにいるよ!ゆっくりしんぱいしないでぐぼあ゛ぁぁ!!」 「おか゛あ゛さ゛ん゛がぁぁぁ!!」 うん、ゆっくりはおいしい、いつもこんなもの食べてたら甘すぎてふとましくなっちゃうけどたまにはいいか あまったゆっくりは群れの皆のおやつにしよう れてぃはのこった子れいむたちをゆっくり潰しながら合流場所に向かっていった 「ゆゆっ!れてぃ、ここだよ!!ゆっくりきてね!!」 「ゆっくりくろまく~」 「ゆゆっ、れてぃ、はにあんこがついてるぜ?まさかまたゆっくりをたべたんだぜ?」 「くろまく~」 「ゆゆっ、あとでれいむたちに分けてくれるの!?ゆっくりできるれてぃはずっとむれでゆっくりしていってね!!」 れてぃの群れにいるゆっくりはれてぃのゆっくり食いを当然のことと受け止めている もちろん群れの仲間を食べることは許されない だがれてぃの食事を分けてもらうことには共食いとはまた違うカテゴリに含まれるらしい れてぃの数は少ないがれてぃと同じ群れに入りたがるゆっくりは多い 大量の餌が確保できるうえにれてぃが他の捕食種から守ってくれるからだ 全ゆっくり最高の表皮を持つれてぃはふらんの攻撃でもダメージを与えることは難しい 逆にれみりゃやふらん程度はぺろりと食べてしまう まさにれてぃはゆっくりの保護者とも守護神ともいえる存在だ だが、それが長く続くかどうかは分からない もし、不作が続いて周囲の森の食料が少なくなったら さらに他の群れのゆっくりまでいなくなったら そして群れのリーダーが餌のある場所まで群れの引っ越しを行うことができなければ この群れのゆっくりはすべてれてぃの腹の中に入ることになるのだ 続く どうも、セインと申します 自分の脳内のゆっくりれてぃ像を描いてみました これが一般的な設定に… とは言いませんが、これを見た人たちがさらに詳しいれてぃのいろいろな設定を作ってくれればうれしいです ゆっくりれてぃの生活 8月2日 0040 セイン このSSに感想を付ける
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「「ゆっくりしていってね!」」 ハッキリと、大きな声が畑の近くで聞こえた。声のする方へ近づいてみるとそれは二体の生き物だった。 畑の脇の道にいた二体は人語を話してはいるがどうみても人間やオウムの類ではなかった。 二体に共通する特徴は、バスケットボールほどの大きさの饅頭であるということだろう。 饅頭が生物なのが矛盾しているが、そうとしか言いようのない形であり、また中身も餡子なのでこれが適切だと思う。 左の方の饅頭は、黒のとんがり帽子と長い金髪を持ち、右の方は赤を基調としたリボンを付けていた。 私たちは彼女たちの総称を便宜上、「ゆっくり種」と呼んでいる。由来は先ほどの挨拶だ。 そしてこの二体はそのゆっくりの中でもポピュラーな種類である。左が「まりさ」で右が「れいむ」だ。 自分たちでそう名乗っている以上そうなのだろう。 「やあこんにちは。ゆっくりしてるよ。君たちもゆっくりしてるかい?」 「「ゆっくりしてるよ!!!」」 元気そうに跳ねる二体。私は持ってきたチョコを彼らにプレゼントした。ゆっくりは総じて甘い物が大好きなのだ。 「「ゆー!ゆっくりたべるよ!・・・ゆっくりー!」」 嬉しそうに頬張る二体。するとどこからか別のゆっくりがやってきた。 「チーンポ!」 「とかいはなありすとゆっくりしていってね!!!」 「うー♪うー♪おやつー!」 チョコの匂いに釣られてやってきたのは、みょん、ありす、れみりゃの三体だった。 れみりゃは他のゆっくりと違い人の体に近い体格をしている。 周りに幽霊のような物が浮かんでいるのがみょん。金髪にカチューシャを付けているのがありすだ。 「君達の分もあるよ。はいどうぞ。」 そういって残っていたチョコを渡した。これ以上増えたら流石に足りなかったが増えなかったので安心した。 食後、彼女たちは近くの野原に移動して遊んでいた。 ありすは、花を千切って髪飾りを作っているようだ。細かい作業を口でこなせるのが不思議である。 みょんとまりさは斜面を転がったり登ったりしていた。生首が転がっているようで、結構不気味でもあるが 本人たちの顔は幸せそうである。 れいむはれみりゃに抱っこされながら空を飛んでいた。 「ゆー、おそらをとんでるみたいー!」と楽しそうにしていた。 近くの森には結構な数のゆっくりが居るようだが、たいして問題にはなっていなかった。 別に作物を荒らすわけでもなく、森の食べ物を食いつくこともなく、何故か野生動物にいっさい襲われない彼女たちを 無下に扱う村人はいなかった。 それどころか、彼女たちは畑の雑草を刈ったり、老人の話相手や子供たちと遊んでいたりと、友好的な関係を築いていた。 私も初めてみた時から彼女らの虜になっていた。語彙こそ少ないが、彼らは的確に自らの思いを口にし、 仲間同士で仲良くしている姿は愛らしい子供のようだった。 夕方すぎになり私も家に帰ることにした。 「「ゆっくりさようならだね!!!」」 れいむとまりさ達はそういって森へ帰って行った。私も夕食のメニューを考えながら帰路についた。 それが彼女たちとの最後の会話だとも知らずに。 夜の森、そのど真ん中でゆっくり達は寝ていた。数は数十匹ほどだろうか。 毛布代わりに葉っぱをかけているだけで全く無防備である。 だが彼女たちは他の生き物に襲われることはない。正確に言えば、見た目と違い襲ってくる野生動物を撃退できる程度の力を有しているからだ。 しかしそんな彼女たちにも魔の手が迫っていた。その手は彼女たちを掴むと、そのまま袋に入れていった。 そうして全員を入れ終えた後、その人影はどこかへ消え去っていった。 郊外にひっそりと建てられたとある施設。そこはとある会社の倉庫だった。 元々は別な目的で作られたようであるが、紆余曲折あって今はとある金持ちの所有物となっていた。 そこへ先ほどのゆっくり達が運ばれてきた。彼女たちは数ある倉庫の一つへ連れてこられると、そこへ無造作に放り込まれた。 流石に振動で目を覚ましたようで、彼女たちはキョロキョロと辺りを見回していた。 そこへ何人かの若者が入ってきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 そう言ってその男たちはポヨンポヨンと近づくゆっくり達。男たちはそのうちの二体を掴みあげた。 「ゆ?ゆっくりもちあげられたよ!」 どうやら抱きかかえられたと思ったらしい。れいむは喜んでいた。 掴みあげた男は、れいむを観察するとそのまま床に叩きつけた。 ベチィ!っと床に叩きつけられたれいむは、何が起きたのかわからずただただ、泣き続けていた。 「ゆー!ゆっくりできないよ!ゆっくりいたむよ!」 「「「「ひどいことはゆっくりやめてね!!!」」」」 他のゆっくり達から抗議の大合唱を受けたが、特に気にせず男たちは話していた。 「饅頭のくせに潰れないのはおかしいだろ。常識的に考えて・・・」 「ていうかこいつら生き物なら、どうやって個体を増やしてるんだ?生殖器なんぞ見当たらないが」 「そもそも食った物はどこへ行ったんだ?」 「ていうか甘いものが好きなら、共食いしそうだぞ。饅頭だし。」 「とりあえず実験してみようぜ。なにせ数は多いんだ。気を使わなくて済む。」 男たちはそれぞれの実験のためにゆっくり達をそれぞれ連れて行った。 ある男はゆっくりの繁殖について実験していた。当初は分裂でもするかと思ったが流石にそれはないと判断した。 しかし体のどこにも繁殖に使われそうな物はなかった。仕方がないので体を無理やり触れさせてみた。 「いたいよ!ゆっくりやめてね!」 「ありすもいたいわ!ゆっくりやめてね!」 男の手でゴシゴシと二人はすり合わされていた。まりさの後ろからありすを押し続けていた。 かれこれ30分は経過した。一向に変化はない (やはり他の動物みたいな生殖器はないのか・・・隠れてる説も考えてみたが無駄だったようだな。) 男は諦めて次の実験をしようとした瞬間、突如、ありすから男性器に似た物が文字通り生えてきた。 「ゆー!なにこれ?わからないわ!」 まりさの方を見てみると何か穴が開いていた。どちらも先ほどまではなかったものだ。もしやと思い無理やりそこへねじ込んでみた。 「ゆー!ゆっくりできない!ゆっくりさせて!」 「ゆ!ゆ!・・・ゆっくりー!」 入れてすぐにありすは絶頂に達したようだ。 しかしそれだけで何も起きなかった。しかし男の眼は輝いていた。 (妊娠はしなかったが・・・生殖活動を行える事がわかっただけでも大きな進歩だ。次は妊娠の方法だな。) 男は今の出来事を記すためにパソコンに向かい合った。 別な男はゆっくりの食事について調べていた。基本雑食であるが、特に甘い物が大好きなのがゆっくりである。 ならば辛い物はどうなのだろうか。甘党な連中のことだ。辛さは苦手だろう。 ためしに一匹のちぇんにキムチを食べさせてみた。 「からいんだよーたべれないよー!」 予想通り苦手なようだ。しかし大した変化もなく、男はつまらなそうな顔をした。 (せめて辛さにのたうち回って死ぬとかしたら面白いのにな) そう思いながらもう一回キムチを食べさせてみた。すると 「からいよー!ゆっくりできないよー!たすけてー!」 そういって暴れ出した。手から落ちたちぇんがそのままのたうち回って死んでしまった。その顔はまるで窒息死でもしたかのような顔だった。 先ほどまではただ嫌がってただけなのに何故・・・考えてもわからないのでとりあえず別な実験をすることにした。 甘いもの好きなら共食いはするのだろうか。 手始めに適当なゆっくりをテーブルに置いた。まりさだった。 「ゆっくりしていってね!!!」 純粋無垢な目をこちらに向けていた。 俺はそのまりさをいったん放置して、近くのれみりゃを抱きかかえて椅子に戻った。 「う~♪だっこー!」 嬉しそうにこちらにひっつくれみりゃ。俺はそのれみりゃに対して 「お腹すいてる?甘いのでも食べる?」 と聞いた。すぐさま 「うー!たべるー!」と返事をしたので、れみりゃは床に下ろしてテーブルの上のまりさを持った。 「あーんして。ただし眼は瞑るんだよ。」 「うーーーーーん」 大きく口を開けたれみりゃの口の中にまりさを入れる。そして 「はいとじる。」 グシャっという音が響き渡った。どうやらまりさは即死のようだ。断末魔さえあげなかった。 「うー!おやつ・・・うー!まりさがくちにいるー!どうしてー?」 どうやら事態を把握できてないようだ。まあそれならそれでいい。 餡子の味を覚えたなら、おそらく他のゆっくりも遠慮なく食える気がする。いやまあ普通に考えれば仲間を自発的に食ったりはしないだろうが なのでこれは俺の希望にしかすぎないのだが。 「れみりゃ?饅頭はおいしかったかい?」 「うー!おいしかったー!」 「そうか。ならあそこにいる饅頭も食べていいよ。」 さあどうでる。多分食わないだろうが、個人的には食べた方が面白い。 「うー・・・・?」 迷っているのか、それとも何も考えてないのか。表情からはいまいち読み取れない。だが次の瞬間 「うー!おやつたべるー!」 近くにいたれいむを掴んでかじった。 「ゆっくりやめてねれみりゃ!ゆっくりできないから!」 れいむの訴えもむなしく食べられてしまった。 結局このゆっくり達はれみりゃに全員食べられてしまった。しかしなんでこいつらは逃げなかったのだろうか。 結局この倉庫では全滅するまで若者たちは思い思いの実験を楽しんだ。そのあとも若者たちは実験を繰り返し それらをブログ等で発表。たちまち話題となり、全員捕まった。森への不法侵入である。 そしてその発表がネットで広まると、ゆっくりに対して様々な情報が飛び交った ゆっくりは野生動物と同じくゴミ箱を荒らすだの ゆっくりの排泄物も餡子だの ゆっくりは植物のように繁殖するだの 車に似た物に乗って高速道路で100kmを出しただの。 優しそうに見えて実は口が悪いだの 根拠のない情報が飛び交った。しかしその情報は数日後に現実になった。 それから数年後、今はゆっくりは害獣の代名詞のような扱いだった。 畑を荒らし、ゴミ箱をあさり、他人の家にかってに住み込んでおうち宣言を行い あげく住人には暴言を吐く。なまじ知能と言葉を持ってるが故にそこいらの動物などとは 比べ物にならないほどタチが悪かった。 私はそんな状況を哀しんでいた。どうしてゆっくりはこうなったのか。ふと一軒家を覗いてみると、そこにはれいむとまりさ そしてその子供たちが数体居た。彼らは住人であろう男に向かって 「ここはれいむたちのおうちだよ!ゆっくりできないおにーさんはでていってね!!!」 「おやつをもってくるならいるのをゆるしてあげるんだぜ!!!」 男はため息をつくと、傍に居た犬の首輪をはずした。 「食べていいぞ。」 すぐさま犬はゆっくり達に襲いかかった。まずはまりさの帽子が奪われた。 「なにするんだぜ!ゆっくりできないばかいぬはとっといぎゃああああああああああ!!!」 頭から噛まれたまりさは、そのまま二三回地面に叩きつけられた。金髪の髪が餡子で汚れていた。 「やべるんだぜぐぞいぬ!!!!ぐぞじじい゛ぼびでないでどっどどだづげろ゛お゛お゛お゛!!!」 「まりさ!しっかりしてね!いまたすけるよ!」 「おとーしゃんいまたちゅけるよ!」 他の家族が必死に犬へ体当たりをする。しかし効果は全くない。 そうこうしてるうちに子供まりさの一匹が「そろーり、そろーり」と言いながら庭から出て行こうとしていた。 しかしそれに気付いた親れいむが止めようとする。 「どうじでがぞぐをみづででに゛げよ゛う゛どじでるのお゛お゛お゛!!!」 「うるちゃいんだぜ!まぬけなおとーさんがわるいんだぜ!」 そういって逃げようとしたまりさ。しかし何者かに上から押さえつけられてそれは失敗に終わった。 「ゆ?・・・れ、れみりゃだああああああああああ!!!!ばりざはおいじくないィ!」 命乞いをする暇もなく、半分にされたまりさ。それを美味しそうに食べるれみりゃ。 口の周りを汚しながら 「う~♪あまあまおいしいどぉ~♪おぜうさまにはえれがんとなちょうしょくがひつようだどぉ~♪」 そう言いながら次々とゆっくりを食していった。 「でびりゃはゆっぐじできないいいいいいい!!!!」 「ばりざをだづげるんだぜええええ!!!!」 「でいぶをゆっぐじざぜないおぎゃーじゃんだぢはじねええええええええ!!!!」 別のところでは学校の花壇の花を食している家族が居た 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「ときゃいはおはなさんね!ありちゅがゆっきゅりたべちゃあげるわ!」 そこへ学生達が近づいた。 「ヒャッハー!虐待だー!」 そのあとは見てない。 今ではよく見られる光景であった。 私はとある大学へ来た。そこには世界でも有名なゆっくり研究の第一人者がいる。彼の発見とやらを取材しに来たのだ。 研究室へ入ると初老の男が出迎えてくれた。 挨拶もそこそこに、私は今回の発見を聞くことにした。大学時代の恩師の友人である彼は、未だ発表されてない発見を 私だけに教えてくれるそうだ。しばらくは記事にしないという条件だが。 「これを見て下さい。」 男が指をさした方には、二つのケースがあった。そこには二体のれいむがそれぞれ入れられていた。 「右は野生のゆっくりを捕まえたものです。左は研究所で外には一切触れずに育てたものです。左と会話してみてください。」 右のれいむはこちらに気づくと 「ゆ!れいむはおなかすいたよ!ばかなじじいはとっととごはんをもってきてね!!!」 と言ってきた。対して左はと言うと。 「ゆっくりしていってね!!!」 今では滅多に聞けない、あの挨拶をしてきた。だがそれだけである。 「しかしこれが何か?挨拶だけなら、ブリーダーの育てたゆっくりなら・・・」 「では、ちょっと中身を見てみましょうか。」 そういって教授は左のれいむの顔を少し引きちぎった。」 「ゆ!はかったねおじーさん!」などと言いながら引きちぎられたれいむ。私は餡子が漏れるとばかり思っていたが 傷口からは何も起きなかった。 「よく見てください。」 私は傷口をみた。そこには餡子はおろか何もなかった。ただ白いだけだった。 なんだこれは?全く訳がわからない。どうして餡子がないのだ。 「隣へいきましょう。」 そういって教授は左のれいむだけをケースから取り出し。隣の部屋へ向かって言った。 右のれいむは「はやくここからだせ!ださないとれいむがゆっくりできなくさせるよ!!!」と言っていた。 そこは今まで見たこともないゆっくりだらけだった。 いやれいむやまりさは見たことがある。 しかし私の知っている彼女たちではなかった。 まりさは滑るように移動しながら院生に餃子を無理やり食べさせていた。れいむはひたすら何かを運んでいた。 れみりゃは「うー!」と言いながら手から何やら不思議な弾を出し、きめえ丸はもはやなんだかわからない生き物になっていた。 「どうですか?ついでにあのまりさとれいむは銃弾でもビクともしませんよ」」 「どうですかと言われても・・・このゆっくり達は一体?」 「元は野生の赤ゆっくりでしたよみんな。育て方も普通の育て方をしたまでです。ただしちょっとした事をしましたが」 「ちょっとした事?」 「正確には思っただけですね。たとえばあのれいむ。世話をする人間は、あのれいむと接する時必ず、『これは理解不能の不思議生物だ』 と思いながら接するように命じました。」 「思う・・・ってホントに思っただけですか?」 思わず聞き返した。 「ええ。そうやって何回か試したうちに一つわかりました。・・・おそらくゆっくりは人間の望みどおりに変化するのではないかと。」 「へ・・・変化ですか?」 「例えば、『このれいむは1m上から落ちただけで死ぬ』と思いながら育てるとしましょう。世間一般で普通と言われているれいむならば 1mからでは死にません。しかしそう思いながら育てていったれいむは、本当に1m上から落とされただけで死ぬんですよ。 これなら、未だにゆっくりの生態に関する情報が乱立してる事も説明がつきます。人の『こうなってほしい』という思いに 影響を受けるのならば、一人一人違うゆっくりが生まれるのですから。口の悪くて脆弱なゆっくりも、礼儀正しいゆっくりも その人しだいということでしょう。」 教授の言ってることは最早あらゆる法則から外れていた。しかしそう言われるとそうかも知れない。 「今の世間の一般認識はゆっくり=害獣という認識が強いです。おそらくそれによって大多数のゆっくりがあのようなのになったのでしょう。 思い込みしだいでは饅頭ですらなくなると言うのに。」 ふと数年前の記憶が蘇った。あの頃の私はゆっくりが饅頭であり、生物であり、甘い物が大好きだと思っていた。 いや、思っていたからこそそうなったのか。 「ここに来た記念にこれを差し上げましょう。」 帰り際、そういって教授から箱を手渡された。中を覗いてみると、小さなれいむとまりさが眠っていた。 スヤスヤと寝息を立てている姿は可愛らしかった。 「貴方も体験してみるといい。彼女たちがどういう風になるかは、貴方しだいなのですから。」 そういって教授は研究室へ戻っていった。 私は箱を見ながら、あの野原の事を思い出した。 ふと、二人が目を覚ましたのがわかった。私はこういった。 「ゆっくりしていってね!!!」 【あとがき】 色々とアレな設定ですが。まあ適当に読んでください byバスケの人 過去作 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 お兄さんとドスれいむ 鬼意屋敷殺人事件 どすの加工所 幻想樹の迷宮 幻想樹の迷宮Ⅱ 徹夜でゆっくりしようぜ! 徹夜でゆっくりしようぜ!2 地震 ゆーうーかい ゆーうーかい 解決編 ゆーうーかい番外編 ~ゆっくりプレイス~ ゆっくりパニック れみりゃをむーしゃむしゃー 帽子のないれみりゃ ゆっくりプレイスを求めて 水上レース このSSに感想を付ける
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畑 ある日、俺が畑に出てみると、そこには一匹のゆっくりがいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 近づいててみると、それはゆっくり霊夢の親子だった。 「うめぇ!これめっちゃうめえ!」 「おいしいね、ゆっくりたべようね!」 呆然としていた男、その男に気付いたのか子供霊夢が話しかける。 「おじさん! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ! おじさんはちがうところでたべものをさがしてね!」 「うめぇ!まじうめぇ」 「こっちもうめぇ」 「……」 「おじさんまだいたの。ゆっくいしないんだったら、ほかのところにいってね」 おそらくは母親霊夢、に体当たりを食らわされる、おかげで服は土だらけだ。 腰も強く打ってしまったので、ゆっくり達の楽しそうな笑い声を聞きながら、その場を後にした。 別の方が書いた続き 家 俺が、農作業から帰ってくると、そこには三匹のゆっくりがいた。 「おいじさんもゆっくりしにきたの?」 とゆっくり霊夢。 「ここはゆっくりたちのいえだよ!!!」 とゆっくり魔理沙。 「むきゅー!」 とゆっくりパチェリー。 「ここは俺の家なんだけど……」 「ちがうよ! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ!!!」 「そうだよ! ここはまりさたちのいえだよ!!!」 「むきゅー! ぱちぇりーたちでゆっくりするんだよ!!!」 「いやぁ、ここはもともとおれの……」 「ゆっくりできないんだったらでていってね!!!」 ゆっくり霊夢からタックルを食らわせられる。 「おじさん。かってにひとのいえをとっちゃだめだよ!!!」 こんどはゆっくり魔理沙からだ。 「むきゅ~! うそつききらい!!!」 最後にゆっくりパチェリーからの一撃。 農作業に疲れて帰ってきた俺は、反撃する体力もなく、その日は家の中から聞こえるゆっくり達の声を聞きながら、外で一晩過ごした。 別の方が書いた続き 屋台 今日は街まで屋台を出してきた。 売るのは、自慢の佃煮だ。 「いいにおい! おじさんこれなぁに?」 「なぁに?」 見ると家族なのだろうか、少し大きい霊夢が小さい霊夢を連れてこちらを覗いていた。 「お嬢ちゃんたちは姉妹かい?」 「うん! きょうはれいむたちがあかちゃんをつれてきたの! おじさんそれなぁに?」 なるほど、良く見るとようやく外を出歩けるようになったらしい、初めて見る光景に釘付けのようだ。 「これは佃煮だよ。ちょっと食べてみるかい?」 少量を皿に載せて、話していた霊夢に差し出す。 警戒するでもなく、いきなり食べ始める。 「ゆっ! おいしい! おじさんこれおいしいよ!!!」 随分喜んでいるゆっくり霊夢、くるっと後ろを向いて。 「みんな! これおいしいよ! おじさんがたべていいっていったから、みんなでゆっくりたべよう!!!」 「ほんと!!! いただきまーす」 「れいむのせなかにのってね! だいのうえまでのせてあげるよ!」 「ゆっくりのるよ」 「いいにおいー」 あっという間に、台の上に上がりこんでくるゆっくり姉妹。 「うめぇ!! めっちゃうめえぇ!!!」 「おいしいよ! はじめてたべたよ!」 「あかちゃんたちゆっくりたべてね!!!」 「「「ゆっくりたべるよ!!!」」」 みるみる丹精込めて作った佃煮が無くなっていく。 全て食べ終わるのに、5分もかからなかった。 「おいしかったね!!!」 「またたべたいね!!」 「ひがくれてきたから、早く帰ろうね!」 「「おうちでゆっくりしようね!!!」」 そのまま、こちらを振り向かないでゆっくり姉妹は帰っていった。 山菜 俺が山で山菜を取っていると、ゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢が近づいてきた。 「おじさんなにとってるの?」 「あぁ、これはさんs「あぁ、これおいしいたべものだ!!!」」 言うが早いか、俺の籠に迫り来る二匹、なす術もなく倒される俺。 「うめぇ、めちゃうめぇ」 「これ、なかなかとれにんだよね! おじさんまりさたちのためにとってくれてありがとう」 朝から苦労して取っていた山菜をどんどん食べられる。 こっちも苦労した身なので、唖然と居て座ったまま動けなかった。 「はぁ、おいしかった!!! おじさんありがとう! おかげでゆっくりできたよ!!!」 「また、まりさたちにごちそうしてね」 ゆっくりゆっくりと言いながら、二匹は山の中に消えていった。 家宝 久しぶりに家でのんびりしていると、庭にゆっくりがやってきた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なんてことはない、よくいるゆっくり魔理沙だ。 「いらしゃい、ゆっくりしていってね」 「うん! ゆっくりするよ!!!」 ゆっくりできる人と思われたのか、ズカズカ家の中に入り込んでくるゆっくり魔理沙。 「すごい! ゆっくりできるよ!!!」 そういって棚に向かって跳ねていくゆっくり魔理沙。 棚に載っている花瓶やガラス細工をなぎ倒し、代わりに自分が棚に乗って行く。 「ゆ♪ ゆ♪」 ひとしきり飽きたのか、今度は台所の方に向かっていく。 「ゆ! おいしそうなのがいーぱい!!!」 手当たり次第に、粗食するゆっくり魔理沙。 その度に、米はぶちまけられ、野菜はバラバラに食べられ、肉や魚もかじられる。 おまけに涎まみれだ。 最初に、家宝の壷を破壊されてしまって放心状態だった俺は、その様子を見守る事しか出来なかった。 「おじさん! ゆっくりできたよ! またあそびにくるね!!!」 本当に遊びに来るのだろうか、事務的に片づけをしていた俺はそんな事を考えていた。 翌日、友達と称する二匹を連れて、本当に遊びに来た三匹を見て、あぁ本当に来たなぁとしか思わなかった。 牛肉 今日は奮発して高い牛肉を買ってきた。 これからなににして食べようかアレコレ考えながら家路を急ぐ。 「ゆっくりしていってね!!!」 道から突然ゆっくり霊夢が飛び出してきた。 驚いて尻餅をつく形になる。 「ゆ! おじさん、そのふくろからいいにおいがするよ!」 「あぁ、これはさっきかってきた牛肉の匂いだよ」 「ゆっ! おにく! れいむもたべたいたべたい。おじさんいっしょにゆっくりたべよう!!!」 転んだ拍子に袋を放していたのがいけなかった。 既に、袋の中に顔を突っ込んでいるゆっくり霊夢。 こちらは、腰を打って立ち上がれない。 「ゆっ! これうめぇ!めっちゃうめぇ!」 一緒に、という言葉を忘れ一心不乱にむしゃぶりつくゆっくり霊夢。 「うん。ごっくん! おじさんありがとう! またいっしょにゆっくりしようね!!!」 喰い散らかした時の粕だけ残して、ご機嫌にゆっくりは去っていった。 れみりゃ 今日は紅魔館の近くで果物を取っていた。 実りに実った果実が数多く実っている。 俺は興奮して、手当たり次第に籠に入れていく。 「う~! た~べちゃうぞ~!!!」 ゆっくりれみりゃだ。 紅魔館の中で大切に育てられているらしいそれが、何故ここに居るのかは分からなかったが、下手に泣かせてあのメイド長にナイフを刺されるのはごめんだ。 「う~♪ うまいうまい♪」 れみりゃはそんな事お構いなしだ、男の籠から果実を取り出し勝手に食べている。 「う~! まず!」 自分が不味いと思ったのは捨てる、踏みつける。 「う~! ぐ~るぐる♪」 おなかが膨れたれみりゃは、持っていた日傘をたたんで、籠の中かき回し始めた。 久しぶりに沢山取れた果実がグチャグチャになっていく、手を出さないのはれみりゃが怖いからではない、メイド長が怖いのだ。 「う~!うっう~!!」 さんざんかき回した後、大威張りでれみりゃはその場所を後にした。 後には、ぐちゃぐちゃになった果実と、使い物にならなくなった籠だけが残された。 捕獲 ある日、俺が一身蜂起してなんとかゆっくりを捕まえた。 といっても、家でゆっくりしようと、言って連れて帰っているだけだが。 さぁて、連れて帰ったらどうしてあげようか。 「う~!」 「ゆっくりしね!」 その声に後ろを向くと、ゆっくりれみりゃとゆっくりフランが後ろから迫っていた。 その勢いにびっくりして思わずゆっくりを抱いていた手を離す。 「ゆゅ? ゆ゛ーーー!!」 一瞬で空中高く運び去られるゆっくり霊夢。 「ゆっぐりじたいよ。たがいよ! ごわいよ! おじざんだずげでよ!」 「う~!」 「ゆっくりしね!」 互いに両頬から食べていく二匹、あっという間に食べつくしてしまった。 「うっう~♪ あうあう♪」 「ゆっくりしね♪」 遥か高空で行われた二匹の食事。 折角手に入れたゆっくりを数分で食べ終わった二匹は、新たな獲物を探して飛び立っていった。 ゆレミ&フラ 俺が露天で竹細工を売っていると、紅魔館でご寵愛を受けているゆっくりれみりゃとゆっくりフランがやってきた。 二人ともよたよたと日傘を差している。 先程、屋敷のメイド長が一緒だったところをみると、また一緒についてきて、メイド長が買い物をしている間自由行動をしているらしい。 「うっう~! た~べちゃうぞ~♪」 今日はきぐるみを着ているれみりゃがそういいながら、俺の竹細工を蹴散らしていく。 「う~ゆっくりしね♪」 それを真似して、ゆっくりふらんも同じ事をしだした。 俺は黙っているしかない、以前注意して泣かせた店主が、すぐさま駆けつけたメイド長に連れ去られて以来戻ってきていないからだ。 「う~♪ がぁお~♪」 「うっう~♪」 笑顔で全て壊しつくした二匹は、同じく買い物を済ませたメイド長に駆け寄っていった。 メイド長が買っておいたペロペロキャンディーを両手で掴んで、ご機嫌なまま二匹は帰っていった。 ピクニック 今日は一人でピクニックだ。 数時間かけて森を散策し、ちょっと開けた所でいざ昼食を、と思っていた時。 「ゆっ、「「ゆっくりしていってね」」」 珍しい、ゆっくりシャンハイとホーライを連れたゆっくりアリスに会った。 「今日は、ゆっくりしているよ」 そういってゆっくり達に笑顔を送る。 「ゆゆっ! そう。 ゆっくりできてよかったね」 「ヨッカタァネ」 「ヨカータネ」 返事を返してくれたようだ、この種類も他のゆっくり同様、人間に友好的な種類らしい。 「おじさん、ありすとゆっくりしてくれる?」 「うん、いいよゆっくりしよう」 今日はピクニック、のんびりしようと思ってここまで来たのだ。 「アリィス、ヨカッタネ」 「ヨカターネ」 「君も一緒にお昼食べる?」 「っ! おひる! ……うん。ありすもいっしょにたべてあげる!」 「そうかい、」 じゃあどうぞ、言おうとして差し出した弁当箱が地面に落ちる。 同時に飛び散る中身。 「これはいらないよ! ありすがおひるのじゅんびするから! おきゃくさんにしょくじをだされちゃ、とかいはとしてはじだもの! おじさんはゆっくりまってていいよ」 三匹で直ぐに駆け出す、程なくして戻ってきた三匹のゆっくりは。 大きな虫と、落ちてぐちゃぐちゃになった果実と、よく分からない葉っぱを運んできた。 それからのピクニックは、なにをしようにも、アリスが空回りして、心を休めることが出来なかった。 選択肢 投票 しあわせー! (0) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (3) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ゆっくり童話 太陽と北風 by ”ゆ虐の友”従業員 <北風> 昔々あるところに、ゆっくりの大家族がいました。 ある日、ゆっくり達はお兄さんに素敵な防寒具をもらいます。 「ふーか、ふーか、しあわせー!」 「とってもあったかいにぇ!」 これで寒い冬も安心です。 ところがそれを見た北風と太陽が嫉妬。 「私はこんな役でしか出番がないというのにこいつらは……おお、ぱるすぃぱるすぃ」 北風はゆっくりの防寒具を脱がせようと、びゅうびゅうと吹き付けました。 「ゆゆ!かぜさんゆっくりしてね!」 「ふかふかきててもさみゅいよー!」 ゆっくり達は必死に体をちぢこめて、風から身を守ります。 しかしなんということでしょう。 「こんなにかぜがつよかったらふかふかとばされちゃうよ!」 そう言ったゆっくりれいむの体から、ふかふかの防寒具がすぽーん!と剥がれて飛んでいきました。 一説によれば、脆弱なゆっくりが厳しい自然の中で死なないのは思い込みの力で周囲の状況を絶えず変革しているからだそうです。 これもそうした”思い込み効果”の一種でしょう。 「ゆゆ!ふかふかさんとんでいかないでね!」 「まってね!れいむとゆっくりしてね!」 実際には北風は防寒具を引き剥がす力は無かったのですが、”かぜでふかふかがとばされる”と考えてしまったれいむのふかふかが吹き飛ばされると、 連鎖的にそれを目撃したゆっくり達からもふかふかが飛んでいきます。 スポーン!スポーン!スポーン! ゆっくり達が楽天家で、自分に都合の悪いことをあまり考えないのには、こうした理由があるのかもしれませんね。 こうして北風は、見事ゆっくりの防寒具をすべて奪い取りました。 「ざむいよぉぉぉぉぉ!!!!」 「ゆえーん!ゆえーん!」 めでたしめでたし。 <太陽> 「また私がこの役かい!ぱるぱるぱる……」 太陽は防寒具を着込んだゆっくりを照らしました。 「ゆっくりぽかぽかだね!!」 「よるになったられみりゃきちゃうから、たいようさんずっとゆっくりしていってね!」 太陽はしだいに温度を上げていきますが、ゆっくり達は平気な顔。 ”太陽はあたたかいもの”という先入観から、ゆっくりの周辺の温度はいつまでも平温です。 「ゆっゆっゆ!」 「ゆっくりー!」 そこへ、一人の人間が通りかかりました。ゆっくりたちは人間に挨拶します。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「おお、ゆっくりか。この暑いのに元気だね」 人間はどこかへ歩いていきました。 「ゆゆ?そういえばなんだかまぶしいよ?」 「たいようさんじーりじーりしないでね!ゆっくりぽかぽかしてね!」 ゆっくり達は天を仰いで口々に文句を言いはじめますが、太陽はしめたとばかりに温度を上げていきます。 「あついよ!」 「ゆっくりできないよ!」 「そうだ、ふかふかさんがじゃまだよ!ふかふかさんれいむからはなれてね!」 しかし、手足のないゆっくりは、自分で防寒具を脱ぐことはできません。 「あぢゅいよぉぉぉぉ!!!!!」 「ゆっぐりでぎないふかふかはじねぇぇぇぇぇ!!!!」 ゆっくりたちは飛び跳ねたりのた打ち回りますが、ボタンとバンドでとめられた防寒具はしっかりと固定されており、どうやっても取れません。 「でいぶのあんよが……あせでしめっちゃったよ……」 「うごけにゃいよぉぉぉぉぉ!!!!おかーしゃんだじゅげでぇぇぇぇぇぇ……!!」 こうしてゆっくり達は、全員溶けてしまいましたとさ。 めでたしめでたし。 END
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うーぱっくと果樹園 その男は幻想郷でも珍しく果樹園を持っていた。 果樹園とはいえ大規模な物でもなく、リンゴ、ミカン、桃、柿、ブドウなどスタンダードな果物の木がそれぞれ1、2本ずつ。 そして、スイカやメロンといった厳密に言えば果物ではない作物がが少しと、男一人が管理できる精一杯で構成された物だった。 季節は秋の初め。 スイカやメロン、桃といった夏の作物は既に収穫し、好評の内に売り切れた。 今度は柿やブドウ、リンゴ、ミカンを収穫する番である。 作業を始める為に男は物置小屋へと道具を取りに行く。 物置小屋は妙に乱雑で、あちこちにダンボール箱が散乱している。別にこの男はズボラで片付けが下手という訳ではない。 男は誰もいないと思われる物置の中でパンパン、と手を叩きながら言った。 「おーいお前達起きろー。仕事だー!」 するとどうした事か。物置のあちこちに散乱していたダンボール箱がにもぞもぞと動き出し、 「「「「「うー!!」」」」」 という声と共に一斉に飛び起きた。 このダンボールはうーぱっく。 ゆっくりれみりゃ(以下ゆっくりゃ)種の亜種であり、その体は肉まんではなくダンボール箱とゆっくりゃの翼で構成されている。 特筆すべきは「契約」の概念を持っているということである。ゆっくりゃに限らずゆっくりは自分勝手で、一方的な要求しかしないモノなのだが、うーぱっくは違う。 うーぱっくは「空飛ぶダンボール」という自分の特性を生かし、他のゆっくりを自分の身に乗せ、輸送し、その対価に食料を貰って生きている。 契約の相手はゆっくりに限らず、対価さえもらえれば人間、妖怪問わずうーぱっくは物を運ぶ。 男は野生のうーぱっくの群れと契約し、果樹園の手伝いをさせていた。 男は梯子を持つと、果樹園へと向かう。うーぱっくも仲良く行列を作って後に続いた。 最初にリンゴの木に梯子をかけ、上っていく。 実ったリンゴは綺麗な赤色をし、一つ一つが爽やかな芳香を放っている。 男はうーぱっくを呼ぶと、その中にもいだリンゴを一つ一つ丁寧に詰めていく。 リンゴの収穫が終わると今度はミカンだ。こちらも天気に恵まれたこともあり、例年以上の収穫があった。 ミカンの収穫が終わり、日が暮れる頃には、沢山いたうーぱっく達の中身は果物で一杯になっていた。 「よし、今日はこれ位にして帰るぞ!」 「「「「「うー!!」」」」」 中身が重いのか、多少ふらつきながらうーぱっく達は家の中に入ってゆく。 男は収穫物を一つ一つチェックし、商品になるものとそうでないものを選別する。 商品になるものは木箱に丁寧に詰め、傷物や虫食いのあるものは労働の対価としてうーぱっく達に振舞う。 今年は収穫も多いため必然的にうーぱっく達の分け前も多くなる。いつもより多いご馳走にうーぱっく達もホクホク顔だ。 そんなうーぱっく達の様子を木陰から窺う者がいたのだが、うーぱっく達は勿論、男も気付かなかった。 翌日、男は収穫した果物を売りに里へと出かけていった。 うーぱっく達は外で思い思いに飛び回っていた。うーぱっく達だけでは収穫を行う事はできない。その為、男が不在の時は休日として羽を伸ばしても良いようになっている。 男としてもうーぱっく達の仕事ぶりには満足しているため、それくらいの事は当然として受け止めている。 そんな中、群のリーダーであるうーぱっくが一匹のまりさに気付いた。 まりさは、ひとしきり辺りをキョロキョロと見回していたが、しばらくすると森の中へ戻っていき、十数匹の仲間を率いて戻ってきた。 「ゆっへっへ!あのじじいはるすみたいなんだぜ。いまのうちにここのくだものはまりささまがいただいていくんだぜ」 人間全てが善人ではないように、ゆっくりにも悪い個体が存在する。その最たる例がこのまりさの様な通称「ゲスまりさ」である。 狡賢いまりさ種のなかでも輪をかけて悪知恵に長け、その性格はまさに下衆。強盗紛いの事をして他のゆっくりから餌や家を奪い、自分の快楽の為に強姦し、いざとなれば仲間はおろか餡子を分けた親姉妹まで裏切るという始末。 人間は勿論、同じゆっくりからも嫌われている鼻摘み者だ。 しかし、人間にもチンピラに迎合するような考え無しな者が大勢いるように、ゲスまりさにも多くの手下がいた。 まりさと同じ様な下衆な性格な者もいれば、単純に「このまりさと一緒にいた方が効率良く餌にありつける」と考える打算的な者など、この群にいる理由は様々だ。 「ゆゆっ!さすがまりさ!これだけあればとうぶんはしあわせ~だね!」 「うふふ、きょうのらんちはとかいはにふさわしいふるーつばいきんぐね!」 「たいりょうなんだねー、わかるよー」 「ちーんぽ!」 などなど、各々好き勝手な事を喚き散らしている。 そんな中、リーダーのゲスまりさがリーダーうっぱっくに話しかける。 「おい、うーぱっく!もたもたしないではやくまりささまをあのきのうえまではこぶんだぜ!」 「う、うー?」 うーぱっく達は困惑した。あの木は今の雇い主の物だ。どこの馬の骨とも知れぬゆっくりに好きにさせるわけにはいかない。 群で相談を始めたうーぱっく達に業を煮やしたのか、ゲスまりさは怒鳴り始めた。 「あーもう、じれったいんだぜ!とれたくだもののはんぶんはくれてやるからとっととまりさたちをのせるんだぜ!!」 その言葉にすぐにうーぱっく達は反応する。基本的にうーぱっく達は「契約」に基づいて行動する。今の雇い主よりも良い条件で雇うと言うものがいるのなら喜んでそれに従う。 うーぱっく達はゲスまりさの群を乗せ始めた。 「ゆっへっへ!さいしょからすなおにそうしていればいいんだぜ」 うーぱっく達が木に辿り着くと、ゲスの群は枝に飛び移り、たわわに実った果実をかじり始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!なんだぜ!」 その食べ方は汚い事この上なく、一口齧っては別の実に齧りつき、中には意味も無く枝葉を揺らし、折角の果物を落とす者までいる。 そんな様子を見て、うーぱっく達は不安になっていた。自分達は分け前にありつけるのだろうか?このままあの群に自分達の分け前まで食べられてしまうのではないだろうか? そう考えたリーダーうーぱっくは、リーダーのゲスまりさを問い詰めた。 「うー!うー?」 「ゆゆ?うーぱっくたちもきのみがほしいのかだぜ?ゆっへっへ!さいしょからそんなやくそくまもるきなんてなかったんだぜ!やっぱりうーぱっくはばかなんだぜ!あのれみりゃのなかまだけあるんだぜ!」 「うーぱっくのくせにおいしいものたべようだなんてばかなの?しぬの?」 「とかいはのらんちのじゃまをするなんてやっぱりいなかものね!」 「ぶすいなんだねー、わかるよー」 「おおおろかおろか」 口々にうーぱっくを嘲笑するゲスの群。 そんなゆっくり達に対するうーぱっくの行動は迅速だった。 うーぱっく達はゲスゆっくり達を木から突き落とし始めた。 いつもニコニコとどこか締まりの無い笑顔のうーぱっくではあったが、その時の笑顔からは楽しげな様子は一切無く、容赦の無い冷たいものを含んだ笑顔に変わっていた。 もっとも、人間はおろか、ゆっくりにすらわからぬほどの変化ではあったが・・・。 「契約」をもって生活するうーぱっく達にとって、契約不履行は死にも勝る大罪である。 口約束でハナから守る気は無いとはいえ、ゲスまりさの群は「収穫の半分を対価として渡す」という契約を交わしたのだ。だからこそうーぱっく達は群を木の上まで運んだのだ。 それを破ったゲス達は死んで当然とうーぱっく達は考えていた。 一方、落とされたゆっくりたちにとってはたまったものではない。さっきまで言いなりだったうーぱっく達が急に自分達を突き落としたのだから。 「なにするんだぜ!はやくまりさをたすけるんだぜぇぇぇぇ!!」 いくら粋がっても所詮は饅頭。木から落ちれば命はない。他のゆっくり達も皆必死に自分を突き落としたうーぱっく達に助けを求める。 「い゛や゛ぁぁぁぁぁ!!じにだぐないぃぃぃぃ!!」 「いなかものでいいからだずげでぇぇぇぇぇ!!!」 「わからないよー!!」 「ぢんぼーーーー!!」 意外な事にうーぱっくは地面に激突する寸前でゆっくり達を助けた。 さっきまで死の危機に瀕しみっともなく泣き喚いていたゆっくり達は俄然強気になる。 「このまりささまをころそうとするなんていいどきょうなんだぜ!せいさいしてやるんだぜ!!」 と、うーぱっくのなかで必死に暴れるゆっくり達。しかし、日頃大量の果物を運び、丈夫になったうーぱっくにはびくともしない。 うーぱっく達は暴れるゆっくり達をものともせず、どんどん上昇してゆく。 「ゆーっ、ゆーっ・・・。きょ、きょうはこれくらいにしといてやるんだぜ!さっさとまりささまをおろすんだぜ!」 暴れてもびくともしないうーぱっくを相手に疲れたのか、まりさは抵抗をやめ、負け惜しみを言った。 しかし、聞いているのかいないのかうーぱっくは降りる気配を見せない。 「はやく!はやくおろすんだぜ!」 「うー♪」 意外なほどあっさりとうーぱっくはゆっくりを降ろすことに決めた。 ただし、地上10mの高さから、である。 ゆっくり達が無駄な抵抗を試みているうちに、うーぱっく達はずっと上昇を続けてきた。 高さがある程度まで達したと見るや、うーぱっく達は見事なまでに整った編隊を組んで一斉にバレルロールを行った。 「おーい、今帰ったぞー!」 「「「「「うー♪」」」」」 男が里から帰ってくると、うーぱっくの群が出迎えてくれた。 庭を見るとゆっくりの残骸と思しき潰れた饅頭があちこちに広がっていた。 念の為収穫していない柿やブドウの木を確認すると、一部ゆっくり達が食い荒らした実があるが、全体としてそれ程酷い被害ではなかった。 「お前達が退治してくれたのか?偉いぞー!」 留守にしていて事情を知らない男は、適当にうーぱっく達が木を荒らしに来たゆっくり達を退治してくれたということにし、齧られて商品にならなくなった柿をうーぱっく達にくれてやった。 「さぁ、明日も収穫するからしっかり働いてくれよ!」 「「「「「うー♪」」」」」 賑やかなうーぱっく達と共に男は明日の収穫に思いを馳せた。 あとがき 今回はうーぱっくに出張ってもらいました。 前回のゆっくり剥製ではゆっくりのセリフが殆ど無かったため、ゆっくりにも喋って貰ったんですが、どうにも難しいですね・・・。 何より泣き喚く時にいちいち濁音をつけなきゃいけないのがなんとも面倒臭いです。 他の作家様のSSとは比べ物にならないほど酷く、虐待描写も少ない文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 このSSに感想を付ける
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小ネタ・ゆっくりこうないえん ある日、野生のゆっくり達のいつもの食事の光景にそれは起こった。 「ゆぎゅっ!?」 一匹のれいむが餌にがっつきすぎて口の中を噛んだ。 「ゆひぃゆひぃ……、ひたぃ…」 「ゆっくりたべないからだよ!!」 「ゆぅ、ゆっくりたべるよ!」 何気ないアクシデント……で終わるはずだった。翌日にれいむが目覚めるまでは。 「ひ、ひたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 口の中に違和感がある。それに気づいて舌で触ってみる。 とたんに走る激痛!! 「ひたい!ひたいよぉ!!」 このれいむの痛がりように仲間達も驚いた。 「どうしたのぉ、れいむぅ?」 「すごくいたがってるけど、おけがはしてないね?」 「くちが!おくちのなかがいたいんだよぉ!!」 群れの中で一番賢かったぱちゅりぃが呼ばれて口の中を見た。 「むきゅ!これは〈こうないえん〉ね!」 「こうないえん?」 「くちをかんだり、ふせっせいなせいかつをしたりするとおくちにできるのよ!たべるときにふれるとすごくいたくなるのよ」 なお、ぱちゅりぃは不摂生の細かい意味はわからない。拾った本に書かれていた知識を述べただけだ。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!」 「でも、だいたいななかいくらいよるがくればなおるのよ!!」 「そうなんだ!よかったねれいむ!!」 「ゆ!よかったよ!!」 しかし、考えて欲しい。我々人間でも口内炎になると食欲不振になるのだ。 このれいむもその例にもれず、あまり食べ物が食べられなくなった。 いや、本当は食べたいのだ。だが食べ物をたべようとすると 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 患部に触れる度に激痛がれいむを襲うのだ。そりゃあ食べる気も失せる。 しかしきっちりご飯を食べないとこの病気は長引く、とぱちゅりぃには言われている。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ………、しみるよぉぉぉぉぉぉ……」 ゆっくりゆっくりとれいむは食べ物を飲み込んでいく。もう他のゆっくり達が餌を食べ終え遊び始めてもまだ食べ切れなかった。 さらに、ゆっくり達は跳ねて移動する。跳ねるたびに口内も動き、炎症箇所に歯が当たりまた激痛が走る。 「はやくなおるほうほうはないの? これじゃゆっくりできないよ!」 身から出た錆なのにれいむはぱちゅりぃにぼやく。 というかマジ痛いんだこれ。誰か助けて。 ぱちゅりぃはそのぼやきに対し 「はやくなおしたいなら、まずくささんやむしさんをばらんすよくたべることよ! あなたはむしさんばかりたべてるからこうないえんになりやすいのよ」 このぱちゅりぃの言葉は正鵠を得ている。 しかしれいむは子供のように駄々をこねた。 「だってくささんはにがいよ!」 「れいむはもうおとなでしょ!にがいのもたべれないといけないわ!」 「にがいものはやなのぉ!」 「じゃあゆっくりなおるまでがまんしてね!」 「ゆぅ……」 れいむは引き下がった。 夜に寝てても誰かが寝返りをうってぶつかれば 「ゆぎぃ!」 朝に起きて、挨拶をするときも歯が患部に当たり 「ゆぎゅ!」 こんなのが2、3日続いたら周囲のゆっくり達もゆっくりできないわけで。 そんなある夜のことである。この群れにれみりゃがやってきた。 『れ み り ゃ だ ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 当然群れは逃げ惑う。何とか木の虚にかくれることができたゆっくり達がいた。 (し、しずかにね!れみりゃにみつかっちゃうよ!!) (わ、わかったよ!!) 「う~♪、あまあまどこだどぉ?」 せまい木の虚に息を殺して隠れるゆっくり達。 身動きするたびに誰かに当たる。 つまり、当然、あのれいむにもぶつかるのもありえるわけで。 コンッ! 「ユッギャァァァァァァァァァァ!!」 「どぼじでおっぎなごえだずのぉぉぉぉ!?」 「あまあま~♪みぃつけた」 れみりゃは虚にいたゆっくり達をおいしく頂くと去っていった。 後書き 口内炎が痛くてしょうがないから書いた。今は反省している。だけど痛い……。 このSSに感想を付ける
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『お目覚めはゆっくりと』 ※現代にゆっくりがいる設定です 東京近県の衛星都市。 比較的地価の安いこの地域は、学生やフリーター、若手の新入社員達が多く住んでいる。 だから、専門学校を卒業して間もないような人間でも、 このあたりで部屋を借りつつ、"ゆっくり"と暮らすのも可能だった。 * * * 8畳フローリング・ロフト付き。 そんな間取りの部屋の中央で、1匹のゆっくりれみりゃが座っていた。 その傍らには、クレヨンや画用紙や積み木といったものが散乱している。 れみりゃは、大好きな玩具に囲まれながら、 幸せそうにだらしのない下ぶくれスマイルを浮かべていた。 「うー♪ ぷっでぃーん♪」 自然と口から漏れるのは、大好きな言葉。 れみりゃは、この部屋の主の人間とともに暮らし、実にゆっくりとしていた。 その証拠に、れみりゃの体は標準的なものに比べて、はるかに"ふとましかった" ふくよかな四肢ははちきれんばかりにプヨプヨしており、 お腹はぷっくら膨らみ、下ぶくれ顔にはさらに二重顎のおまけがついている。 「うー♪ ぽかぽかしてきたどぉー♪ そろそろだどぉー♪」 太陽から差し込む温かい光。 ポカポカの陽気を受け、部屋の中はエアコン無しでも温かい。 れみりゃは、その気温と太陽の光を確認してから"うーしょ、うーしょ"と重たそうに立ち上がり、 小さな黒い羽をパタパタ動かして、重たい体を浮き上がらせた。 「ぱたぱた~♪ う~☆」 れみりゃが、ご機嫌で飛んでいく先、 そこは部屋の角にあるベッドの上だった。 「おねぇーさーん♪ あさだっどぉー♪」 ベッドの上には、部屋の主である人間が眠っている。 れみりゃには、この部屋で"ゆっくりする"ためにいくつかの対価……すなわち勤めが課されていた。 朝になったら起こすというのも、比較的夜行性のれみりゃの役目の一つだ。 「……ん、うん……すぅ……すぅ……」 ベッドで寝ている人間は、わずかなリアクションだけをして、また健やかなな寝息をたてはじめてしまう。 その寝顔に下ぶくれ顔を近づけ、ぬぼぉーっと覗くれみりゃ。 れみりゃは、起きない人間のために、次なる手段をとることに決めた。 「しょーがいなどぉー♪ とくべつさーびすだっどぅ♪」 人間を踏まないように、れみりゃはよいしょとベッドの上に着地する。 短くて柔らかい足は、ちょうと人間の首を中心にして、左右に置かれていた。 れみりゃは、それからドスンと、まるで尻餅をつくように尻から座り込む。 大きなお尻の下には、ちょうど人間の顔があった。 「……うぷっ」 それまで定期的な寝息を立てていた人間の口から、反射的な吐息が漏れた。 それから、れみりゃは尻を顔に乗せたまま、左右に尻を振るように体重を移動する。 それはまるで、尻を顔に擦りつけるような所作だ。 「でびぃーのかわいいおじりぃー♪ あさから、くんかくんか☆できるなんてしあわせもんだどぉー♪」 ご機嫌満悦の微笑みを浮かべる、れみりゃ。 "うーうー"とリズムを刻みながら、お尻を揺らしていく。 「……うぁ?」 ふと、れみりゃはお尻のあたりがムズムズしているのを感じた。 れみりゃは、そのムズムズに促されるように、少しだけいきむ。 「あーぅあぅー♪ でび☆りゃ☆ぶぅーーー♪」 "ばっぶぅーーーー!" 豪快な音をたてて、れみりゃの尻から黄色いガスが勢いよく放出された。 「うー♪ でちゃったどぉー♪」 れみりゃは、照れながら、それでいてどこか得意そうに、顔を赤らめて笑う。 その直後、れみりゃの体はゴロンと前転して、布団の上に着地した。 「うー!」 驚き、目を見開くれみりゃ。 何が起きたかわからず左右をきょろきょろしてから、 れみりゃは背後へ振り向いて元気に叫んだ。 「うっうー☆おはようさんだどぉー♪」 そこには、気だるそうに上半身を起こして、片手で頭を押さえている部屋の主がいた。 「……おはよう、れみりゃ」 "自分のおかげで、今日も部屋の主が起きられた" そう考えているれみりゃは、どこか誇らしげだ。 大好きな人間に構っても追うと、朝の支度を始める人間のまわりをピョコピョコついて回る。 一方の当の人間はというと、れみりゃを適当にあしらいながら、洗顔に着替えにと、テキパキすませていく。 「……物騒な事件が続くなぁ」 人間は、新聞を開いて、ジャムを塗ったパンと野菜ジュースを口にする。 "未確認ゆっくりまた出現!" "未確認ゆっくり第4号、第21号と交戦" "ゆっくりと人間の共存は可能なのか?" "鏡の中に現れたゆっくりが人間を襲う!?" 記事を流し読みで済ませて、オートマティックな所作で朝食を終える人間。 テキパキ食器を洗い終えて、ふと一息。 この後、温かいコーヒーを一杯飲んで家を出るのが、この人間の毎日だった。 コーヒーに、ふーふー息を吹きかけて、人間は今の時間を確かめようと机の上へ視線を移す。 「……あれ、時計は?」 そこには、置いてあるはずの時計が無かった。 いわゆる電波時計という奴で、仮にれみりゃが起床役を忘れていても、きちんとアラームが鳴る代物だ。 量販店で買った安物ではあったが、あるはずのものが無くなっているというのは何とも気持ち悪い。 コーヒーを冷ますのをやめて、人間はあたりを探し始めた。 すると、人間の様子から事態を察したのだろう。 れみりゃが、机の上に立ち、人間の前にバンザーイと両手を上げた。 「う~~♪ あのゆっくりできないジリジリは、でびぃーがぽぉーいしといてあげたどぉ♪」 "ぽぉーい♪" その言葉を聞いて、人間は溜息をついた。ああ、またやってしまったのかと……。 人間は肩を落として、ゴミ箱の蓋を開ける。 すると、中には探していた電波時計が確かに入っていた。 「あれもぽぉーい☆これもぽぉーい♪ ゆっくりできないものはみんなぽいするのぉー♪ ぽぉーい♪」 「ぽーいぽーい♪」と物を投げ捨てるジェスチャーを織り交ぜながら、 "うぁうぁ"楽しげに踊り出す、れみりゃ。 それとは対照的に、人間は電波時計と一緒に捨てられていたものを見つけて、顔を青くした。 「ああっ、ボクのケータイ!!」 人間は、最近買い換えたばかりの携帯電話が乱雑に捨てられていたのを見て、慌ててそれを取り出す。 液晶をオンにすると、待ち受け画像と今日の日付、それにアラームが鳴っていた履歴が表示された。 どうやら、れみりゃはアラームが鳴ったものをまとめて、"ぽーい"してしまったらしかった。 壊れていないことにほっと胸を撫で下ろしてから、人間はケータイ電話をポケットに移す。 れみりゃはといえば、相変わらず誇らしげに胸をはり、人間の足下でニコニコしている。 どうやら頑張ったご褒美を欲しがっているらしい。柔らかくて短い手で、人間の服の裾を引っ張っている。 「でびぃーがんばってぽぉーいしたどぉー♪ ごほうびに、ぷっでぃ~ん☆ふたちょもってきてぇ~ん♪」 れみりゃからすれば、全くの善意の行動だったのだろう。 怒られるという不安は全く感じていないようだった。 本来ならば、しっかりここで教えておくべきなのだが、 ケータイに表示された予想外の時刻の前では、そんな余裕は無かった。 人間は冷蔵庫を開けてプリンを取り出すと、それをれみりゃに手渡す。 れみりゃはプリンを掲げて喜び、部屋の中央に座ってプリンを開ける。 「はぁ……いってきます……」 「うーうー♪ ゆっくりおつとめしてくるがいいどぉー♪」 プリンをがっつきながら、れみりゃは靴を掃き終えた人間に手を振った。 そうして、プリンを食べ終わると、れみりゃはパタパタ飛んで、ロフトの上に向かう。 ロフトの上には、収納用の段ボール箱と、ゆっくり用のおもちゃ箱、 そして人間の赤ん坊用のベビーベッドが置かれていた。 ベビーベッドには、ひも付きの札がひっかけてあり、 そこには汚い平仮名で大きく"こーまかん"と書かれていた。 「でびぃーはこれからおねむするどぉー♪ おやすみだっどぉー♪」 れみりゃはそのベビーベッドで横になり、目を瞑る。 それから、うぴーうぴーと鼻提灯を出しながら眠り始めるのに、さして時間はかからなかった。 * * * それから、数時間が経った。 れみりゃはタオルケットにくるまりながら、相変わらず寝息を立てている。 幸せそうにヨダレを垂らしているれみりゃ。 その顔に、突如"こぶし"がめり込んだ。 「ゆっくりしね☆」 「う、うびぃー!?」 いきなりの痛みに、れみりゃは起きあがり、 赤くなってヒリヒリジンジン痛む顔に手をあてる。 「うぁ~~! でびぃーのえれがんとなおかおがぁ~~~!」 目が覚めるとともにより明確になる痛みに、れみりゃは涙を浮かべて叫んだ。 「うー! おねぇーさま、ようやくおきた! おそい!」 「う、うぁ!?」 涙でにじむ視界の中、れみりゃの視線の先には、ゆっくりフランがいた。 このフランもまた、れみりゃとともにこの部屋に住んでいるゆっくりであった。 「うー! おねぇーさまをいぢめるふらんは、でびぃーがやっづげでやるどぉー!」 れみりゃはグシグシ涙とヨダレををぬぐってベビーベッドから出ると、 その手をぐるぐる振り回して、フランの下へドタバタかけていく。 だが、フランはそんなれみりゃの姿を見て、 キランと目を輝かせたかと思うと、手に持った棒で逆にれみりゃを殴り飛ばした。 「くりゃえ~☆ れ~ばてぃん☆」 「!!??」 "れーばてぃん"の直撃を受けたれみりゃは、叫ぶことさえできずに、床に倒されてしまう。 フランはそんなれみりゃの上に馬乗りになると、べしべしその頭をたたき出す。 「うーー! ふらんちゃん、やべでぇーー!」 「うー☆しねしね! ゆっくりしね!」 れみりゃの戦意は、あっという間に粉砕されてしまった。 だぁーだぁー泣き叫び、フランに許しを請うのが精一杯だ。 「うー! もぉーぶただいでぇー! でびぃーは、ゆっぐりおねむしてただけだどぉー!」 一方、フランは電波時計をれみりゃの前にドンと置いて指を指す。 時刻は午後4時。ちなみにれみりゃの起床時間は、午後3時と決められていた。 「もうおきるじかん! おねぇーさま、ゆっくりおきる! そしてしぬ☆」 「ぷんぎゃー!」 フランは最後に大きな一発をれみりゃにお見舞いすると、 "うー☆"という天使の笑顔に戻って、"こーまかん"と名付けられたベビーべッドへ上る。 「う、うぁ、うぁぁ……」 れみりゃは、痛む体を何とか起こして、 ベビーベッドでタオルケットをかけるフランに抗議の叫びをあげた。 「う、うー! そこはでびぃーのこーまかんだどぉー! ふらんちゃんはつかっちゃだめだどぉー!」 「うー、ゆっくりねる……つぎのしごとまで、しえすた……」 れみりゃの我が侭などどこ吹く風。 フランは涼しい顔を浮かべたまま、健やかな眠りに入っていく。 れみりゃは、何とか"こーまかん"を取り戻して再び眠ろうと考えたが、 先ほどまでの攻防の後では、フランに逆らうほどの勇気も無かった。 「さくやぁー! さくやぁどこぉーー! ふらんちゃんがいぢめるどぉーー!!」 れみりゃに残された手は、泣いて助けを呼ぶことだった。 なお、この部屋を借りている主、すなわち現在働きに出ている人間の名前は"さくや"ではない。 無償の愛で自分に尽くしてくれる存在、さくや。 れみりゃ種にとって、その名前を叫ぶことは本能的なものであった。 故に、仕方の無い側面もあるのだが、これから眠ろうとするフランからすれば、その騒音はたまったものではない。 それに、あまり五月蠅くしては、アパートを借りている人間にも迷惑がかかる。 困り者の姉が我が侭を言った時、ブレーキ役となるのが自分の役目だと、フランは考えていた。 故に、フランはベビーベッドから出て、 前のめりでわんわん泣いているれみりゃの尻を蹴飛ばした。 「ゆっくりしね☆」 「ぶひぃー!」 フランのその考え自体は間違っていないのだが、 そのやり方は少々過激で、主の人間からも度々注意はされていた……。 しかし、れみりゃに対して過激な言動に出てしまうのは、 れみりゃがさくやを呼ぶのと同じく、フラン種にとっての本能だ。 れみりゃへの愛情・愛着・信頼があったとしても、 あるいは、そういった感情があればこそ、フランはれみりゃに対して過激な行動に出てしまう。 「うぁぁーー! うぁぁー! でびぃーのぷりてぃーなおじりがぁーー!!」 「おねぇーさまもちゃんとしごとする……そうじとせんたくしなきゃだめ」 両手で尻をさするれみりゃに対し、冷静に告げるフラン。 それに対し、れみりゃは仰向けになると、泣きながらダバダバ手足を振り回し始める。 「でびぃーはおぜうさまだからいいんだもぉーん! そんなのさくやがやってくれるもぉーん♪」 フランは、大きく息をはいた。 しかし、それは残念だからでは無い。 聞き分けの無い姉に対して、今日もこれから"姉妹水入らずの肉体的コミュニケーション"を行える喜びからだ。 「う、うぁ!?」 キラーン☆と光るフランのルビー色の瞳に、れみりゃは反射的にビクっと体を震わせた。 「かぞくのるーるをまもれないやつは、ゆっくりしね!」 フランはそう叫ぶと、段ボール箱の中に入っていた小さな"あまあま"のヌイグルミを、れみりゃの口に押し込んだ。 口を塞がれ、"んーーんーー"とさくやの名を呼ぶこともできないれみりゃ。 その様子を確認して、うんうんと頷くフラン。 そうしてフランは、背中をゾワゾワ走る愉悦に身を任せるのだった。 * * * 薄暮の空の下、れみりゃ達の主の人間は、自転車を横に歩いていた。 自転車のカゴの中には、近所のスーパーで買った食品や日常雑貨が入っている。 「まいったなぁー、もう遅刻できないよ……やっぱり分担を変えるしか……」 主の人間は、結局今朝遅刻してしまい、上司からたっぷりしぼられてしまった。 元々、この人間は朝に弱く、遅刻をしがちだった。 より確実に起きられるよう、れみりゃにお願いをしたが、どうにも成果は上がらない。 妹のフランに頼めばより確実なのだが、 フランは、昼頃まで夜~朝シフトのバイトに出ており、それは難しい。 バイトといっても、いかがわしいものではなく、深夜のラジオ出演や雑誌関係の仕事が殆どだ。 いわゆる、タレントペットならぬ、タレントゆっくりなのだ。 その出演料は意外とバカにならず、"共同生活"を行う上で大いに助かっている。 実のところ、仕事が忙しい月に関して言えば、この人間の正規の月収さえ上回ることもあった。 そんな折、一人だけ働くフランに負い目を感じてか、それとも姉としてのプライドがあってか、 れみりゃにも家事という名の仕事を与えてみたが、なかなか上手くはいかない。 予想はしていたが、目覚まし係というのも向いていなかった。 「……うん?」 ふと、とある光景が目に止まり、人間は足を止めた。 自転車をアパート共有の駐輪場に置いてから、小走りでその現場へと向かう。 その現場は、アパートの目の前の電柱だった。 そこに、数人の小学生らしき子ども達が集まっている。 思い思いのバッグを持っていることからすると、学校帰りというよかは、塾帰りなのかもしれない。 そして、彼らの中心には、縄跳びのロープで電信柱に巻き付けられた、ゆっくりれみりゃがいた。 れみりゃの体はしっかり固定されており、うびーうびーと濁った寝息を立てている。 そのふとましい姿、何かあった時のため帽子に刺繍したアップリケ型の飼育証明を見て、 "間違いなく我が家のお嬢様だ"と主の人間は確信した。 「おい、こいつなんだよ?」 「こいつ、ゆっくりだろ? どっかのペットかな?」 「これ見てみろよ! 眠っていたらつねって起こせってさ」 少年が指差した先、電柱に一枚のメモが貼り付けられている。 そこには、平仮名で"ねてたらつねっておこす。それいがいしたらゆっくりしね"と書かれていた。 その文字を見て、主の人間には察しがついた。 姉妹喧嘩……というには一方的な、フランの制裁が行われているのだと。 そんなことを知らない少年の一人が、むぎゅーとれみりゃの頬を引っ張った。 その痛みには、寝ぼけ眼でれみりゃが目を覚ます。 「う~~! でびぃーのきゅ~どなほっぺがじんじんするどぉ~~!」 赤く腫れた頬をさすろうとするが、手はロープで固定されているため動けない。 しばらく"うーうー"難儀した後、れみりゃは痛みから逃げるように目を瞑って浅い眠りへ落ちていく。 「おっ、起きたぞ」 「でも、また寝ちゃったぞ?」 「なんか面白いな、こいつ♪」 少年達は、次々にれみりゃの頬を抓ったり、引っ張ったり、叩いたりしていく。 見ると、れみりゃの頬にはあちこちに赤く腫れた後がある。 おそらく、この少年達の前にも、同じようなことをした人がいたのだろう。 最初はおそるおそるだった少年達も、 起きてはまたすぐ寝てしまうれみりゃに対し、徐々に警戒感を無くして力を入れていく。 「うぁぁー! やめるんだどぉーー! さくやぁぁーーー!!」 れみりゃはとうとう泣き叫びだし、目の前の少年達へ敵意をあらわにしだした。 れみりゃのボリュームの大きな声に、びくっと後退する少年達。 少年達は、れみりゃが動けないのを再確認してから、れみりゃへ文句を言い始めた。 「なんだよ、このデブ! ここに起こせって書いてあったから起こしてやったんだぞ!」 「うー! でびぃーはおでぶさんなんかじゃないどぉー! こういうのは"ふとましい"っていうんだどぉー♪ これだから、ものをしらないしょみんはいやなんだどぉー♪」 説明してやれば美的感覚の無い少年達も、自分の凄さを認めるに違いない。 そして、あふれだすエレンガントさとカリスマにひれ伏して、ぷっでぃ~んを持ってくるに違いない。 れみりゃはそうとでも考えたのか、余裕の笑みを浮かべはじめた。 しかし、そんな事が起こるはずもなく。 少年の一人が、怒りの形相でれみりゃへ向かい、拳を振り上げる。 ここに来て、ようやく危険を感じ取ったれみりゃは、本能に従って絶叫した。 「なんだと、この!」 「さくやぁぁーー! たすけてぇぇーーー!! ああああーーー!!」 さすがにこれはやりすぎだ。 距離を置いて見ていた主の人間は、そう判断して、すたすたとれみりゃ達の下へ歩いていく。 その際、主の人間は、物陰に隠れているフランの姿を見つけた。 おそらく、ひどいめにあっている姉の姿を楽しみつつも、適度なところで助けに入るつもりだったのだろう。 主の人間は、やれやれと心中で肩をすくめた。 フランは頭の良いゆっくりであり、事実その能力もゆっくりとしては最上級のものだが、 自分の力を過信しすぎてしまうのが困ったところだ。 本当の危険が迫った時には、いかにフランといえどどうすることも出来ないのだ。 現に、この少年3人の前にフランが現れたとしても、いざ喧嘩になってしまえばフランに勝ち目は無い。 後でちゃんと話そう。 主の人間がそう決めたと同時に、れみりゃが主を発見して希望の声をあげた。 「う、うぁ! お、おねぇーさんだどぉー♪」 泣き叫んでいたのも忘れ、あっという間に喜色満面になるれみりゃ。 一方、驚いたのは少年達だ。 「「「え?」」」 少年達は、れみりゃに接していたのとは異なり、すっかり萎縮してしまっている。 少年達にも、れみりゃが飼いゆっくりであるのは何となく理解できていた。 もし自分たちがいじめていたのを見られていたら。 もし、さらに電柱に巻き付けたのまで自分たちだと思われたら……。 目の前のお姉さんに、親に、先生に、しかられる光景……。 いやそれ以上に、せっかく勉強したのに受験に影響するかもしれない、 損害倍賞の裁判を起こされ支払いを命じられてしまうかもしれない……。 なまじさかしかったが故に、少年達は最悪のケースを連想して震え上がっていた。 「え、あの、ご、ごめんなさい」 「こいつ……じゃない、このゆっくり、お姉さんのものなんですか?」 萎縮する少年達に無かって、主の人間は微笑んだ。 ただし、目だけは笑わずに。冷たく見下ろす視線を心がけて。 「うん、確かに。そのれみりゃはボクの家族だよ」 少年達は、目の前の女の冷たい目と威圧感、それに"家族"という言葉に恐怖した。 そこから、どれだけ自分たちへ怒りを持っているかを察し、 このまま見過ごしてはくれないだろうことを覚悟した。 「うー♪ ばかなしょみんも、これでゆっくりわかったどぉー♪ でびぃーをこあいめにあわせたぶん、たっぷりおねぇーさんにいぢめられるがいいどぉー♪」 一方、れみりゃはすっかり調子に乗っていた。 「うー♪ これでようやくぐっすりできるどぉー♪」 フランに少年達に、自分を襲った理不尽な恐怖は取り払われた。 これでもう安心だと、れみりゃはすっかり気を抜いていた。 だから、突如お尻に走ったムズムズ感を押さえることもできなかった。 "ばっぶぅーーーー!" 驚いて少年達が振り向き、さらに一様に鼻を押さえる。 れみりゃは、豪快な放屁を放って、恥ずかしそうに赤面した。 「う~~♪ あんしんしたら、でちゃったどぉ~~♪」 どこか誇らしげな、れみりゃの笑顔。 その笑顔を見ているうちに、主の人間の中にふと芽生える感情があった。 「……ねぇ、みんな。最近このれみりゃ運動不足なんだ。良かったらもう少し遊んであげて」 何気なく放たれた、主の人間の言葉。 少年達は目を丸くし、れみりゃは耳を疑いながら冷たい肉汁の汗をダラダラ流した。 「う、うー?」 「でも、ひどいことしたらダメだよ! ボクの大切な家族なんだからね!」 主の人間は、それだけ言うと、れみりゃに背を向けてアパートの方へ歩いていく。 「お、おねぇーさん? おねぇーさんまつんだどぉー!!」 れみりゃは必死に叫ぶが、それが聞き入れられることはない。 主の人間の姿は、そのままアパートの自室へ消えていった。 その代わりに、れみりゃの視界に入ってきたのは、ニヤニヤと不気味に笑う少年達だった。 * * * 「うー、おねぇーさま、だいじょぶ?」 人間が部屋に入ると、窓からフランが入ってきた。 仕掛け人の割には、姉のれみりゃのことを心配してソワソワしている。 「大丈夫だよ。それより仕事までちゃんと寝といた方がいいよ?」 「うー、わかった」 人間は、フランの頭を撫でてやり、それから冷蔵庫を開けた。 そこからプリンを3個と、オレンジジュースの入ったペットボトルを取り出す。 それから風呂場へ行き、桶を持って出ると、 そこに冷蔵庫から取り出したものとタオルも入れ、短い廊下を歩いて玄関へ向かった。 扉の外からは、れみりゃの声が今も聞こえていた。 "おねぇーさんたすげでぇーー! ごぁいひとがいぢめるよぉぉーー!!" ああ、この声だったらきっと自分もすぐ起きられるんだろうな。 主の人間は、そんなことを思いつつ、玄関のドアを開けた。 おしまい。 ============================ 自分の憧れのライフスタイル(?)を書いてしまった結果がコレだよ! まぁ近所の子どもにいじめられていたら助けると思いますが。 たぶん、子ども相手に大人げなくマジギレしちゃうかもです; あと一部に特撮ネタが無駄に入っていますが、ご容赦を。 『仮面ライダーゆケイド』とか妄想してました。 by ティガれみりゃの人 ============================
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ゆっくりClose Air Supportしてね! ※※※前フリ長くて申し訳ない※※※ 「きょうもゆっくりしようね!」「ここはさいこうのゆっくりポイントだね!」 ゆっくりがゆっくりできるかどうか以外にはさほど関心を持たないのはよく知られている。 ここにいるゆっくりの大群もまったくその通りで、食料がたくさん存在し天敵がいないこの地に満足し、ゆっくりしていた。 この群れはもともと数は多くなく、5匹ほどのゆっくりのグループが数を増やして形成したという経緯がある。 3ヶ月前、この地にやってきた5匹は昨日まで住んでいた森とは様子が違う木々に初めは戸惑っていたものの、 ゆっくりするのに十分以上の条件が整っていることが分かるとここを安住の地とし爆発的に数を増やした。 ゆっくり達は、時々仲間が消えるものの(川に落ちたんだろうと考えた)天敵のいないこの地におおむね満足し、最高のゆっくりポイントとした。 これからこの地はゆっくりの楽園となるだろう、そうゆっくり達は各々考えていたのだが… よく晴れた朝、ゆっくりれいむはここに住むようになってから妙にふやけるようになった皮を揺らしつつ、 朝食を求めて背の低い木を掻き分けていた。 「ゆっくりーとまっててねー♪」 やっと見つけた朝食候補に喜びをあげるれいむは舌をゆっくりと伸ばして捕食を試みる。 故郷の森では見たことが無い蝶だったが空腹の前にはそんなことはどうでも良かった。 と、そのとき。爆発音が響き木々を揺らす。 「ゆっ゛!?」 反射的に音源へと警戒態勢を取った。(といっても体を向けるだけだが) 近くで物体が動いたことに気が付いた蝶は当然逃げてしまう。 「ゆぅぅぅぅ…」 今日初めての食事は昼食になりそうだという事に残念がるれいむ。 気を取り直して音源のほうを見ると「鳥」が緑の中へと吸い込まれていくところだった。 ゆっくりれみりゃやゆっくりフラン、つまり自分達に危害を加える飛行物体には注意を払うゆっくりだが、 そうでない飛行物体、すなわち鳥や蝙蝠に普通は関心を持たない。 だが、れいむは自分の食事が台無しにされた事に腹を立てており、その抗議をしてあわよくば食料を手に入れるため、「鳥」が落ちたほうへと向かっていった。 さきほどの爆発音で同じ方向を見ていたゆっくりたちが、れいむの行動を不思議がって後を付いてくるのに気が付かずに。 幸か不幸か目的地は川のこちら側だった。(向こう側なら早々に諦めていつもの生活に戻れただろう。) 「鳥」が落ちたと思われる場所に到着したことでれいむ達の生活は永遠に変わってしまった。 生まれつきの警戒心があるれいむは、いきなり目的地(ちょうど木の密度が薄くなって広場のようだった)に出て行くことはせず、茂みを通してその場所を観察した。 そこにいたのはニンゲンだった。 見たことも無い妙な服を着ていたが体つきや顔からして間違いなくニンゲンだった。 「ゆっ、ゆっくりしていってね!」 れいむは故郷で何度か人間に殺されそうな目に合わされていたが、生物としての自己防衛反応のためかその事をすっかり忘れており、 食事の落とし前をどうしてくれようという気持ちで茂みから飛び出していった。 その割には第一声がまったくその気持ちを感じさせない物だったが。 だが、そのニンゲンは全く無反応だった。 れいむの自己に都合の良い記憶によればこのセリフを聞いたニンゲン何らかの反応を示すはずだが、 目の前の疲れきった顔の男は二つの目でれいむを注視するだけだった。 「ゆっくりしていってね!!」 今度はゆっくりの模範ともいえる声と顔で挨拶をするれいむ。 だが、男はやはり無反応だった。 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 三回目の挨拶は偶然にも合唱となった。 れいむを追いかけてきたゆっくりたちがこの段階で追いつき、いっせいに挨拶をしたのだった。 「いっしょにゆっくりしようね!」「このひとはいっしょにゆっくりできる?」 「あさごはんたべようね!」「ゆっくりしたいよ!」「にんげんだ!にんげんだ!」 「いいからかえってゆっくりしようね!」「ここでゆっくりしたいよ!」 れいむと他のゆっくり達が一斉に会話を始めて広場は騒然とする。 男は相変わらずれいむを見ていた。 ウィルソン・フォード中尉は混乱していた。 ちょっとしたミスから十字軍の名が付いた愛機を落とされ、かろうじて脱出してここに降り立ったがパラシュートが木に絡まって動けず何とか切り離す、 そこまでは自分が知っている知識の範疇の出来事だった。 ──だが、こんなに妙な丸っこい生命体が生息しているなんて聞いてないぞ! 最初の丸いのが茂みから飛び出してきたとき敵かと思い拳銃を構えたが、少なくとも敵ではないと分かり今は下ろしていた。 あまりの驚きからその場所で固まった彼は、後からどんどん増える丸い物体のお仲間に圧倒されて動くに動けないでいた。 こんな生き物が生息する地域に入ったらどんな目に遭うか分かったものではなかった。 幸いにもここは友軍基地に近く、救援はすぐに来ると思われたので何とかなるだろうという目論見もあった。 そこまで考えたところで丸い連中がいよいよ騒がしくなってきた。 「YUKKURISITENE!!」「YUKKURISITEITTENE!!」 やはり意味は分からない。響きから日本語かと思ったが(日本に駐留した事がある友人のおかげだ)彼には日本語に関する語学能力は無かった。 あまりに騒がしいとそれで敵がやって来るのは明白なので、彼は丸い連中を黙らせようと試みた。 「君達、少し静かにしてくれるかな?」 「YU?」「WAKARANAII WAKARANAIYOO!」「YUKKURISHABETTENE!!」「TIIIINPO!」 当然だが通じなかった。 こんな妙な物体と会話を試みた自分の頭が心配になってきた彼は、ここにいるとそろそろ本格的に危険だと考え、友軍基地の方角を確かめて歩き始めた。 「STOP! PLEASE!STOP! DANGER!」 「ゆっくりあるいてね!」「いっしょにゆっくりしようよ!!」 なるべく単語を減らして意思の疎通をこころみる男の努力も空しく、 意味が理解できない言語を投げかけられたゆっくりたちはますます彼に興味を持って後をつけるようになった。 彼は追跡者を振り切ろうと足を速めるが、障害物が多いため思うように進めない。 男とゆっくりの珍道中はしばらく続いた。 いい加減ウンザリしてきた中尉は怒鳴りつけて追い払おうと丸い連中のほうを振り返った。 何か相手をしてくれるのかと期待に満ちた目を向けてくる連中の向こうで何かが動いた。 ついに恐れていたほうの追跡者が来たのだ。 「クソッ!!」 もはや形振りかまっていられない為、直ちに全速力で逃走に移る。 それを丸い連中も何匹か脱落させつつ全力で声を上げつつ追いかけ始め、恐ろしいほうの追跡者がそれを追いかけるという形になった。 「YU!!…」「YUGUEEE!」 脱落したヤツが踏まれて断末魔を上げているのが聞こえたが、それにかまわず彼は走り続けた。 「おい!こっちだ!速く来い!」 「いいぞ、もう少しだ!頑張れ!」 目の前に現れた友軍の救出部隊が射撃しつつ声を張り上げる。もう少しだ。 そして、ついに友軍の後ろへと飛び込む。 「良く頑張った!フォード中尉! 悪いがもう少し待ってくれ!連中を片付け…なにっ!?」 労いの言葉を掛けてきた隊長と思しき人物が、こちらに全速力で向かってくる丸い連中と追跡者を見て途中で発音をやめる。 途中で丸い連中を踏んで混乱し、さらには銃撃を受けたためかかなり距離が離れていた。 背の低い丸い連中には弾が当たらず、弾幕の下でまごまごしているのが見えた。 突然の出来事で混乱しているのだろう。 こっちに来いと声を上げてみたが、意思の疎通はやはり不可能でやっぱりまごまごしていた。 『こちらスワローテイル。派手にパーティ中らしいからウェイターを連れてきたぞ。』 通信機から声が漏れていた。航空支援で追跡者を吹き飛ばすのだろう。 『お客の位置を知らせてくれ、でないと注文を取りにいけん。』 「俺達より北の連中だ!いま発炎筒を投げる!」 前線航空統制官の要請に隊長が答える。 直ちに指示が出され、赤い煙を上げる棒状の物体が追跡者のほうへと投げられた。 危険を感じ取った追跡者が撃たれながらも無理に接近しようとするが、丸い連中が邪魔で思うように進めなかった。 「赤い煙の辺りだ!派手にブチかませ!」 『了解した。 …確認した、今ウェイターを送る。コールサインはヴァイパーだ。』 『こちらヴァイパーリード。お客は確認した、今から料理を送るぜ!』 統制官の返答の後、パイロットが今度は答えた。 音が辺りに響き始め、あっというまに木々を揺らさんばかりの轟音となる。 ターボ・ジェットの音が耳を破壊するかどうかというほど大きくなったとき、上空を影が通過した。 ニンゲンは恐ろしい。れいむはそう思い始めていた。 あの妙なニンゲンに付いていったら仲間が次々と踏まれ、初めは100を越えようかという勢いだったゆっくりは50以下にまで減っていた。 「わ゛た゛し゛のあか゛ち゛ゃんか゛あ゛ああ!!」「おちついてゆっくりしてね!!」 「まりさ゛あ゛ああな゛んて゛え゛えええぇぇ」「そんなと゛こ゛ろて゛ゆっくりし゛ないて゛ええぇぇ!」 地球と同化した仲間や家族のほうを見たゆっくりが泣き叫んでいる。 今のところニンゲン同士で争っているみたいだから安全だけど、いつ矛先がこちらに向くか分からない。 そこまで考えたれいむは逃げ出すタイミングを伺っていた。 冷静に考えればゆっくりの身体なら這いずって逃げれば弾など頭の上を通過していくだけなのに、 小豆ペーストの脳ではそこまで思い至らないのは流石ゆっくりといったところだろうか。 そうこうしているうちに轟音が聞こえてきた。あの「鳥」がいると聞こえる音だが、いつもとは大きさが段違いだ。 何だろう?そう思ったれいむが音のほうを見ると、空中に丸い物体が浮かんでいるのが見えた。 その物体が何か考える間も無く、れいむの一生は幕を閉じた。 群れから脱落しつつ幸運にも踏まれること無くいたゆっくりまりさは恐ろしい物を見てしまった。 絶え絶えの息を整えつつ、先行した仲間達のほうを見るとちょうど轟音が聞こえてきた。 続いて何かが風を切るような高い音。 れいむと同じように疑問に思ったまりさは音のほうを観察する。 その瞬間、れいむ達と追跡者のニンゲンのあたりで爆発が起きた。 ニンゲンだったものやゆっくりだったものが高く放り上げられ、こちらにもそれが飛んできた。 あまりの事態に口をあんぐりと開けていたまりさだったが、その口にチビれいむが飛び込んできた。 あわてて吐き出すまりさ。チビれいむだけでも助かって良かったと思い始め、仰向けに寝転がる彼女をゆすりだす。 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!おき゛て゛よ!いっし゛ょにゆっく゛りし゛ようよ!」 いくらゆすっても起きないのでより強くゆするまりさ。 その拍子にチビれいむがごろんと転がる。 「ゆ゛っ!ゆ゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛!!な゛んて゛え゛え゛え゛ええ!!!」 チビれいむの後頭部は存在しなかった。代わりに残り少ない餡子が露出しており、顔の裏側が一部露出していた。 そういえば魔理沙の額にくっ付いている物体、これはこの子の一部じゃないのか。 「ゆふ゛ェッ゛!オ゛ェッ゛! ケ゛ヒ゛ュう゛!」 あまりにショッキングな事態にまりさは餡子を吐き始めた。 良く知られているように、餡子を吐き始めたゆっくりはまず助からないといわれる。 自制心が少ない生物の為、とちゅうで体調を持ち直して吐くのをやめる前に体内の餡子を出し切って絶命してしまうゆっくりが非常に多いためだ。 このゆっくりまりさも死へのマラソンをひた走り始めた。 だが、恐ろしい光景はこれで終わりではなかった。 爆弾の破片が体中に刺さって絶命寸前、仲良くぐったりと寝転ぶゆっくりとニンゲンの上からさらに何か落ちてきたのだ。 今度の物体は空中で何か液体を撒き散らしながら落下、液体はただちに発火してかろうじて生き残った生物を焼き始めた。 「やめ゛へ゛フ゛ッ!! にけ゛ヘ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛!!!」 こんな状態だというのに仲間達を気遣うまりさ。 真にたたえられるべき仲間意識だったがそれは全くの無駄に終わった。 まりさの悲鳴といってよい警告に気づいた何匹かのゆっくりが地面を転がって消火しようとしたが、ナパームの特性上それは無意味な行為だった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 火達磨になったゆっくりたちが断末魔を上げながらもてる力を持って走り回る。 体中のナパーム燃料を撒き散らしながらのため、周り中の木という木に火が燃え移り、典型的な地獄を現出させていった。 ゆっくりは一匹、また一匹と力尽きていき残ったのは炎を上げる黒い炭素の塊だけだった。 「エヘ゛ッ゛!エヘ゛ッ゛!エ゛ヘ゛ッ゛」 火が静まる頃にはまりさもとうとう吐ける物を吐きつくして妙な空気音を上げる塊と化していた。 最後に「ゆっく゛り゛…」と呟いてまりさは動かなくなった。 「いい腕してるな、流石だ。全部きれいに吹き飛んだぞ!」 『ありがとう、悪い気はしないぜ!それじゃこっちはカンバンなんで帰るな!ヴァイパーリード、オーバー。』 『こちらスワローテイル。迎えが来るまでは上をカバーしておこう。いつでもモニターしてるから、何かあったら呼んでくれ。』 ターボ・ジェットの音が遠ざかっていき、後に残ったのは微かに聞こえるプロペラの回転音となった。 このようにしてれいむについて行ったゆっくりが悉く帰らなかった為、楽園のゆっくりは激減してしまった。 だが、残されたゆっくり達は連中のことをすぐに忘れ、減った分を穴埋めするかのように繁殖に勤しんだ。 食料は十分で天敵に怯える事が無く、仲間がたくさんいる生活をゆっくりたちは楽しんだ。 ここは楽園などではない事を知らずに… フォード中尉は無事に原隊復帰できたが、ジャングルで出くわした日本語のような言語を操る謎の生命体の事を話しても誰も真に受けなかった。 そのうち彼自身もその事を忘れ、ヴェトナムで任務に精励し続けた。 ある日、彼は妙な命令を受けて飛んだ。 「ジャングルのこれこれこういう地点を空軍と共同して爆撃せよ」という命令だったが、 その地点にはヴェトコンなど明らかにおらず、戦略的価値も無かった。 強いていえば野生のバナナなど「食料」が多いぐらいだが軍事的な意味は到底あるとは思えなかった。 彼は任務に忠実な軍人であるので命令に従って愛機を駆った。 やがて迫り来る爆撃目標地点で彼が見たものは… ────────────────────────────────────────────────── B-52で爆撃するつもりがF-105で航空支援してた\(^o^)/ おまけに虐待でも制裁でもなくてごめんなさい。 by sdkfz251