約 632,113 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3503.html
前作 ゆっくりいじめ系159 ゆっくり飾り Part.1 ※このSSには俺設定があります。別の書き手の設定が使われています。 「ほいほい」とはゆっくりを捕まえる為に掘られた落とし穴のことです。 穴が完成してから一週間がたった。 3mの深さがあった穴も、すでに3分の1が埋まっていた。 死んだゆっくりは完全に踏み潰され、堆積し、穴の底に溜まっていくからである。 中では今でも殺し合いが続いている。 異端ゆっくりに釣られたゆっくりが、次々と穴に落ちるからだ。 その度に穴の中にいたゆっくり達は、傷ついた身体にムチうって「新人」に襲い掛かった。 子供は真っ先に踏みつぶされ、親は噛みつかれ、吹き飛ばされた。 「どおしてええ なんででいぶのごどもをつぶすのおお 」 「きずついたまりさもかわぶっっ!!!!」(←潰された) 「ちーーーーんぽ!!ちーーーーんぽ!!!」 「うるさいよ!おまえたちがいるとゆっくりできないよ!さっさとしね!しね!」 「ちーーんぽしねえ!」 「ゆっくりするにはころすしかないんだよ!わかってるよおお!」 「ゆっくりできないやつらならしねええ!」 「よくもれいむのごどもをををを!!!!」 「なんでこんなことするのおおお!!」 最初は攻撃されるがままの「新人」たちも、家族を殺された憎しみ、理不尽な扱いに対する怒り、 そして生命の危機から反撃を開始した。 こうして殺し合いは続く。 その間にも新たな新人達が落ちてくるが、そういった新人達も否応無しに殺し合いに巻き込まれていった。 「みんななにしてるの?ここはくらくてせまいから、はやくここからだしべっっ!!」 状況判断が遅いゆっくり程、さっさと殺されていった。 1日目に落ちたゆっくりは2日目に全滅し、 2日目に落ちたゆっくりは3日目に全滅し、 3日目に落ちたゆっくりは4日目に全滅し、 . . . こうして激しい世代交代が繰り返されていた。 穴の中では 「最後の一人だけがゆっくりできる」 というただ一つのメッセージだけが受け継がれていた。 そんな日々がクリを繰り返すある夜のこと、 ゆっくり達を思わぬ敵が襲っていた。 「ゆ”っ!かゆいよ!」「からだがむずむずする」 それは虫だった。 通常、虫はゆっくり達の恰好の餌となる。 しかし、傷ついて中の餡子が剥き出しになったゆっくりにとって、虫ほど怖い存在はない。 身体が食べ物そのものであるゆっくり達は、野外で暮らす限り、 傷が塞がって餡子が外に出なくなるまでずーと虫につけ狙われるからだ。 だから、完治するまで傷口に葉っぱを貼り付けて、餡子が漏れないようにするゆっくりも多い。 少しでも眠れば、どこからともなく蟻や小さな虫達が忍び寄ってくる。 雨のせいで、穴に堆積した餡子が地面に染み出し、土中の生物を呼び寄せてしまった。 落とし穴の壁に貼り付けた木の板と、セメントの間から虫が這い出してきているのだ。 今まで、ゆっくり達には夜中に数時間程休める時間があった。 夜になれば新しく落ちるゆっくりがいない上に、 穴の中のゆっくりの数がある程度減り、 互いにある程度の距離が出来るからだ。 おまけに、夜中の3時ぐらいになれば、どんなに体力のあるゆっくりも 完全に体力を使い果たし、動けなくなることもその理由の一つだった。 しかし、死んだゆっくりの数が増え、穴に餡子が溜まり始めたことで 虫が集り始め、今度こそ少しもゆっくり出来なくなっていた。 身体に虫が侵入したあるゆっくりは、身体から追い出そうと暴れだし、 傷口に蟻が集りだしたもう一つのゆっくりは、それを潰そうと飛び跳ね始めた。 それに反応したゆっくり達は、それを攻撃と勘違いしてパニックに陥った。 「がゆ”い”よ”お”!!」「つかれてるんだからゆっくりさせてよお!!」「ねむいからしずかにしてね!!!」 「ぶつからないで!あんこがあ!!まりさのあんこがああでちゃううう!!!!」 真夜中のことなので、姿も見えず、互いにぶつかったりぶつかられた、踏みつけられたりの状況が続いた。 結局、早朝になり、虫が侵入して暴れまわるゆっくりが潰されるまでそれは続いた。 この騒ぎで、昨日までに生き残ったゆっくりの内、2匹が失餡子多量で息絶えた。 無論、他のゆっくりたちも睡眠不足と戦闘でボロボロである。 野生のゆっくり達を誘き寄せる異端ゆっくり達も。 最初は怖がったり文句を言っていたが、日数が経つにつれ慣れてきたようで、 野生のゆっくり達が自分めがけてつっこんで穴に落ちていく様子を楽しむ余裕もでてきた。 「ゆっくりできないゆっくりはしねええええええええ」 「しねええええええええええええええ」 必死の形相で襲い掛かってくる野生のゆっくりを見ては、 「ゆっくりできないゆっくりはしねだって、おおこわいこわい。 ゆっくりしてないのはそっちでしょ?ばかなの?」 ニヤニヤして馬鹿にしていた。 もちろん、一度、透明の箱に入れられ、穴の上に吊るされると夕方まで一日中放置される為、 太陽の下、飲まず喰わずで過ごさなければいけなかった。 死臭を出す為と、呼吸の為に穴がいくつも空けてあるが、 夕方になって箱から出したときは、いつも生きも絶え絶えの状態になっていた。 ホイホイにも大量の餡子が溜まり、そろそろ底までの距離が2mぐらいになっていた。 そんなある日、畑仕事をしているとドス魔理沙がやってきた。 ドスといっても2mぐらいで、ドスの中では小さいほうだ。 ドス魔理沙というのは、長い間ゆっくりし、知識と経験を蓄えたゆっくりのことで、力も人間よりある。 ただ、基本的には単なるデカイゆっくりで、ドススパークとかゆっくり光線なんてものは出せないし、 信頼の証として他のゆっくりから飾りを受け取ることもない。 おそらく、近くの里の長だろう。ホイホイに落ちて出て来れないゆっくりの数が多いから、直々に 探しに来たのだろう。 「ゆっくりできないゆっくりがいるよ!」 「ゆっ!かざりのないゆっくりはしねえ」 周囲の小さいゆっくり達も、ドスに続いて侮蔑と怒りの声を異端ゆっくりに投げかける。 だが、ホイホイのせいで近づけないので、代わりに石を投げているようだ。 「ゆっくりできないゆっくりが、ドスのなかまをゆっくりできなくしたんだよ」 「ゆっくりできないゆっくりはしね」「ゆっくりごろし!」 後ろからこっそり近づくと、 「おりゃああああああああああ」 背中を押し付け、体全体でドスをホイホイに突き落とした。 「ぶべっっ!」 ドスには体全体にタップリつまった餡子と、それを包み込む厚い皮がある。 それ故に重量があり、他の小さなゆっくりのように高く飛び跳ねることが出来ない。 これだけの重量では、飛び上がることも、人の手で引き上げることも無理だな。 「じっじいいい!!ゆっくりひきあげろおおおおお!」 「ゆっくりできないじじいはしねえええ!!」 そうだ。たしかコイツら、餡子そのものが胃みたいなものなんだよな。なら・・・ 穴の周りにいた、五月蝿いゆっくり達を蹴り落としていく。 「ゆぎゃっ!」「とかいはのすることじゃないわああ!!」 「いたいよーわかないよー!」 その後、俺は家の脇に立てかけてあったシャベルを持ち出すと、 ホイホイに落ちたドスまりさの帽子を取り上げ、頭頂部をくりぬき始めた。 「ゆ”ゆ”っ、じじい”い”い”い”や”め”ろ”お”お”お”お”!じね”え”え”え”え” い”だい”い”だい”い”だい”い”い”い”い”い”い”い”い”い”!!!!」 ぽっかりと開いた穴から、ドスの中身の餡子が良く見える。 これで準備完了。 落ちたゆっくり達は、最初は飛び跳ねて抗議し、餡子に刺激を与えてドスを苦しませる。 だが、次第に飛び跳ねる高さが低くなってくる。 徐々に底面から吸収されているからだ。 「ゆっ?へんだよ?あしがうごかないよ」 「うごけないよ~!わからないよ~」「ありすは」 やっと自分達が喰われてることに気づいたか。 「だじでえええええええ!じにだぐないいいいいい」 「」 「うごげなけよおお!!とめられないよ!お”に”い”ざん”、みんなをゆっぐり”だしてあげてねぇぇぇぇ!!」 こんなときだけ「おにいさん」呼ばわりかよ。 「どすのばがああああ」「しょくゆっぐりき~」 「わがらないよ~わがらないよ~」「どがいはなのにいい!!」 結局、夜になるまで恨めしい声は続いた。ドスは自分の大切な仲間を強制的に食べされられることになった。 それからというもの、異端ゆっくりを攻撃する為に突進してホイホイに落ちていったゆっくり達は、 否応無しに、ドスの餌に変わっていった。 「そらそら!ドスの餡子を平らげないと喰われちまうぞ!」 「ぐぐっぐゆゆゆゆ・・・もうだべられないよおおおおお・・」「おがあしゃんうごげないよお!だずげでよおお!!」 ある親れいむは、限界までドスの餡子を食べ続け、ついに動けなくなったところを、 ゆっくりとドスの餡子に吸収されていった。 体の小さい子ゆっくりは、親の目の前でドスの餡子に飲まれていった。 吸収されるゆっくり達は、口々にドスに対して恨み言を言いながら一部になっていった。 ドスは、そんな自分に対する恨みや憎しみがたっぷりつまった餡子を毎日大量に吸収する羽目になった。 ある夜には、れみりゃがやってきた。 「う~! すごくおいしそうなにおいがするんだどお♪ あまあまがいっぱいだどお~!」 こんな巨大な餡子の塊があるんだから、気づくのもあたりまえか。 れみりゃの背後から近寄ると、地面に引き倒し、羽や手足をもぎ取った。 「いだいんだどおお!!!!れみりゃのぷりちーなからだがあああああ!いだいいだいいだいいいいいいい!!」 あまりの痛みに暴れる(胴だけだったので大して動けないが)れみりゃを ほいほいに突き落とした。もし、ほいほいの中が空だったなら、 れみりゃは自身の再生能力のおかげで、間違いなく次の朝までに脱出できただろう。 だが、れみりゃが落ちたのは、ドスまりさの剥き出しの餡子の上だった。 ドスは日中の苦痛に耐え続け、すっかり精神的に参って眠りに落ちていた。だが、眠りに落ちてからも 強制的に吸収してしまったゆっくりの餡子が持っていた強烈な感情(怒り・憎しみ・悲しみ・恐怖・絶望もろもろの負の感情) がドスに悪夢を見せて苦しませていた。そんなドスは、れみりゃの落下という苦痛をともなった強烈な痛みによって、 再び現実に引き戻された。 「うぎぎぎ!!!やめてね!!うごかないでね!!」 「う~!ごごからだずんだどおお!!れみりゃばごーまがんのおじょーざまなんだどおお!」 人間にしてみれば、脳や内臓をかき混ぜられるのと同じだから、相当な痛みや不快感が ドスまりさを襲っているのだろう。 れみりゃは、しばらくの間、喚いたり芋虫のように体を強引に動かし続けたりした。 だが、徐々に冷静になるにつれて、自分の体がだんだん餡子に埋もれていっていることに気づいた。 「うーーー!へんだどおお!!うごげないんだどおお!からだがしずむんだどおお!!! しゃくやーー!こーまかんのおじょーさまをたすけるんだどおお!!!」 そんなれみりゃの悲鳴を聞きつけて、なんと、ゆっくりふらんまで現れた。 「う”-!!ゆっくり死ね!ゆっくり死ね!!」 「れーばていん」と呼ばれる棒切れをもったゆふらんは、狂気に満ちた顔でほいほいのそばまで降り立った。 俺はガン無視かい。 俺はゆふらんに近寄ると、棒切れを奪い取り、羽を引きちぎり、突き落とした。 ただし、今度は手足を引きちぎらない。 「う”ーごろじでやるううううう」 そう憎しみのこもった目で俺を睨み付けるが、すぐに近くにいたれみりゃに意識が向く。 そして、れみりゃの上に馬乗りになり、上から殴り続けた。 「う”ー!!じねええ!!じねええええ!!!」 「やめるんだどおお!れみりゃば、ごーまがんおおじょーざまなんだどお!!じゃぐやにいいづけるどおお!!」 ゆふらんは、思いっきりれみりゃを痛めつけて、食べようと考えたらしい。 だがゆふらんは気づかない。 ドスの餡子に密着している足の部分から、徐々に吸収されていっていることに・・ 「うー!ゆっぐりしないでじねええ!!」 手足がないため、抵抗することできずに殴られ続けたれみりゃは生きも絶え絶えだ。体の半分以上は 餡子に埋まっているか。ふらんのほうも、殴ることに夢中で、足が完全に餡子に埋もれていることに気づいていなかった。 だが、さすがに足の自由が利かなくなっていることに気づいたのか、強引に足を引き抜いた(ただし、存在したのは脚だけで、 足の部分は完全に吸収されて無くなっていた)。 そして、れみりゃを食べることも忘れて不機嫌そうに暴れ始めた。自分が閉じ込められているということや、 吸収されているということに苛立っているのだろう。 「うーー!!ここからだせえええ!だせえええ!!!ゆっくりしないでだせえええ!!」 「ごごがらだずんだどおお・・・じゃぐやああゆっぐりじないでだずげるんだどおお・・・」 ゆふらんは、脚だけの状態になりながらもほいほいの中を歩き回ったり、腹をすかせるとドスの餡子をほじくり返して 食べたりしている。これはゆふらんが完全に度すの餡子に吸収されるまで続いた。 「ゆっぐりだぜええええ・・じねえええええじじいいいい・・・」 「しゃ・・・・ぐ・・・や・・・」 当然、この間も途切れることなく延々と苦痛がドスにもたらされていた。 そんな出来事があったりした数週間後、ついにドスから提案があった。 提案というより切実な願望か。 「もうごろじでええ!がゆい!ぐるじい!じにだい!」 吸収するたびに、負の感情が詰まった餡子が蓄えられてゆき、自身の餡子(脳)が締め付けられる。 さらに、ドスのブ厚い皮にも、底辺や側面から這い出してきた虫達が侵食しているようだ。 ゆっくりの皮は炭水化物だからか。 それにドスの声もそろそろ耳障りになってきたし、農閑期に入るし、 埋 め る か 俺は異端ゆっくり達を突き落とし、ドスに吸収させると、シャベルで穴を塞ぎ始めた。 ドスは、これから土に含まれる虫や微生物達に分解されるわけだが、 無論、あれだけの量の餡子が分解されるのはいつのことになるのやら。 ドスが完全にゆっくりするまで、まだまだ時間がかかりそうだった・・・ Part.1から何ヶ月たったんだろ・・・ ※俺設定として、ドスの能力が単に大きかったり、賢さだけになっています。それから別の書き手の方の 設定をつかって、ゆふらんが「れーばていん」という棒切れを振り回します。 written by 御湯栗
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1565.html
群のリーダーであるゆっくりまりさは捕食種のゆっくりれみりゃやゆっくりフランまで撃退できるほどの強く。 ゆっくりパチュリーやゆっくりアリスの力を借り、今日までしっかりと群をまとめあげてきた。 森に人間が多くなってくると、まりさたちの群は竹林に移動した。 人間と関わってはゆっくりしていられなくなる。ゆっくり達はあくせく働く人間が嫌いだった。 しかし、人間の方がよっぽどマシだ。彼らは勤勉で、それ故に暇つぶしなどという言葉は持ち合わせない。 同じ森にいても仕事の邪魔さえしなければ、彼らからゆっくりに関わろうとする人は少ない。 もし出会ってしまったとしても、少量のきのこを渡され、巣に帰るように促されるだけだ。 ゆっくりを虐待して遊ぶなんて人はそうはいない。 「ここまでくれば、ゆっくりできるね」 呑気に辺りの草を食べ始めるゆっくりれいむ。 しかし、リーダーであるゆっくりまりさは警戒を怠らない。 若い衆が絶えず周りの状況を報告してくる。 二匹で偵察に行かせれば、一匹は無事に帰ってくる。 ツーマンセルのアイデアを出したのはゆっくりパチュリーだった。 それにより素早く確実に周りの情報が得られるようになったこの群は、 こういった住処を変えるという大仕事を何度も成功させてきている。 それも今回限りだが、 「ちぇんとまりさのペアがもどってこない」 その報告を受けてゆっくりまりさは不安だった。 そのペアのゆっくりちぇんは群の中で一番足が速く、自分と長く苦楽を共にした歴戦の猛者だ。 そして、そのゆっくりちぇんとペアを組むのは立派に育ち、いずれはこの群の新しいリーダーとなるはずの自分の娘だった。 だから、余計に不安だった。リーダーとして苦渋の選択が迫られる。 彼らを待って竹林に残るか、彼らを置いて森に戻るか、 他の偵察に出たゆっくりはみんな帰ってきているし、誰も危険だという報告はしていない。 「どこかでゆっくりしてるんだよ。れいむたちもゆっくりしようよ」 ゆっくりまりさはゆっくりれいむを侮蔑した。何も考えずただ現状を享受しているだけのこいつを。 「うおー!!」 竹林から一匹の暇な兎が駆けてくる。 因幡てゐは久しぶりに休暇にやる事がなさ過ぎて困っていた。 そこにゆっくりの群を見つけたもんだから、酷い暇つぶしが始まってしまった。 大声を上げて、ゆっくり立ちの前にやってくるてゐ。 「危ないぞ、伏せろ」 ゆっくり達にそう言う。群れの連中はポカン口を開け、頭に疑問符を浮かべている。 「私は兎銀河パトロールのてゐ・イナバだ。君達、ここは危ないぞ」 「ゆゆ?おねえさんほんと?」 群のリーダーのゆっくりまりさが尋ねる。 「ああ、ここは既にグレゴリン星人の異次元竹林の中だ。君達はどうやら異次元竹林に迷い込んでしまったらしい」 わざと大げさな声でてゐは言う。 「まりさがいいだしたんだよ。れいむはこんなところきたくなかったよ!!」 今までゆっくりしていたのに手のひらを返したかのような批判。 「待て!!仲違は止すんだ。そうか、ここは既にグレゴリン星人のテリトリー、君は精神攻撃を受けておかしくなってしまったんだな!!」 てゐはビシッとゆっくりれいむを指差す。 「ゆゆ?おかしくなったの?」「れいむ、ゆっくりできないの」「どうすればいいの?」 「グレゴリン星人の精神攻撃は強力だ。残念だが、このゆっくりれいむはもう元には戻れないだろう」 とても残念そうにてゐは言う。 「れいむ、かわいそう!」「ぐれごりんせいじんめ。よくもれいむを」「おねえさん、れいむをたすけて」 「いいや、無理だ。グレゴリン星人の精神攻撃は兎銀河の技術を使っても直ることはない」 「れいむはゆっくりしてるよ。びょうきじゃないうよ!!」 今まで黙っていたゆっくりれいむが反論する。 「ほら見ろ。これが奴らの精神攻撃の卑怯な所だ。奴らの攻撃を受けたものは絶対に自分が攻撃されたとは思っていない素振りをするんだ」 「ゆゆ、ほんとだ。れいむ・・・」「こんなのれいむじゃないよ。ゆっくりしね」「そうだよ。ぐれごりんせいじんのてさきはしんでね」 「仕方ない。兎銀河パンチ!!」 ゆっくりれいむは殴り飛ばされ、地面にめり込む。 「ゆゆ?なにするの?」 ゆっくりまりさは抗議する。 「悲しいが、君もグレゴリン星人に操られたゆっくりれいむを見ているのは辛いだろう。彼女の死は無駄にしないよ」 「ゆ・・・れいむ、まりさたちかならずいきてゆっくりプレイスにもどるからね」 「す、少し回りの様子を見てくる。兎銀河バリアを張ったからこの場に待機していてくれたまえ」 「おねえさん、ありがとう。がんばってね!!」 ゆっくり達から見えない位置まで来るとてゐは笑い転げた。 「危なかった。もう少しで噴出すところだった。何だよグレゴリン星人の異次元竹林って、ぷふふふ」 一頻り笑い転げた後、まじめな顔を作り、それを維持しながらてゐはゆっくりまりさ達の群の所に帰ってくる。 「大丈夫だったかい?」 「うん、おねーさんのばりあのおかげでたすかったよ」 「しかし、兎銀河バリアもそう長くは使えない」 「ゆゆ?どうすればいいの?」 「私が。私がグレゴリン星人を倒すしかない」 「むきゅ・・・それでパチュリーたちはここからぬけだせるの?」 「安心しなさい。グレゴリン星人を倒せば異次元竹林も消滅する。時空の歪みが元にもどり君達も元いた場所にもどれる」 「じゃあ、ぐれごりんせいじんをたおしてきてね」 そう言われた瞬間、てゐは危ないとゆっくりパチュリーを抱え、横に跳ねる。 「むきゅ?どうしたの?」 「グレゴリン星人の原子破壊光線だ。あれを喰らったら死んでしまうぞ」 「ゆゆ、ここもあぶないの?」 「皆、落ち着け。私について来るんだ。安全な場所に行こう」 「みんな、おねーさんについていこうね!!」 ゆっくりまりさが号令をかけると、群の皆がてゐについてくる。 「いやだよ。ここでゆっくちしたい」「まりさもここでゆっくりするよ」 そう言って、動かない連中は片っ端から精神攻撃を受けたと言われ、その場で処刑された。 「ぐれごりんせいじんめ、ゆっくりしね」「ほんとだよ。ぐれごりんせいじんはゆっくりできないんだね」 群の皆は存在しない敵に憤怒していた。 「ここだ。ここに隠れるんだ」洞窟の中にゆっくりまりさの群を誘導する。 その頃には群れは半分ほどになっていた。 「くそ、半分しか救えなかった」 てゐは力いっぱい地面を殴り、自分の無力さを嘆くふりをした。 「おねーさんのせいじゃないよ。ぐれごりんせいじんがわるいんだよ」 てゐを慰めるゆっくりまりさ。自分も辛いけどお姉さんも辛いんだと思っていた。 「グレゴリン星人、奴は強い。今の私では勝てるかどうか・・・」 「ゆ?よわきにならないで、まりさもぐれごりんせいじんとたたかうよ」 「むきゅん、まりさはゆっくりふらんにもかっちゃうぐらいつよいのよ」 「それは頼もしい。他にも私と戦ってくれる子はいないか?」 「れいむもいく!」「むきゅん、どこまでいけるかわからないけど」「とかいはのたたかいかたをみせてあげるわ」 「みんな・・・ありがとう」 てゐの見事な嘘泣きにその場にいる皆が感動していた。 「泣いてばかりもいられない。この先に池がある。そこがグレゴリン星人の巣だ」 「ゆ?まりさはへいきだけど、ほかのこはいけにはいれないよ」 「そうさ、池に見せかけているんだ。グレゴリン星人は君達が巣に入ってこれないように池に見せかけているだけなのさ」 「ゆゆ?ひきょうだね」「むきゅー、ゆるせない」「れいむ、ぐれごりんせいじんをやっつけるよ」 「でも、あかちゃんはここでまっててね」 ゆっくりアリスがそう言う。逃げてきた何匹かの中にはゆっくりの赤ちゃんもいた。 「まりちゃ、がんばってぐれごりんせいじんをたおしてきちぇね」「うん、まりさたちがんばるからね」「ゆっくちまってるね」 熱い頬ずりを交わした後、てゐと大人のゆっくり達はグレゴリン星人の巣に突撃した。 「・・・グレゴリン星人なんているわけないじゃん」 池で苦しみもだえているゆっくり達にてゐが言い放つ。 「だっで、おねーざん、ぐれごりん」 「作り話」 「うぞずいだの?!」「むぎゅ・・・だまざれだ」「あやまっでね」 「ゴメンね」 悪気もなくそう言ってのける。 「まりざだぢをだずげて!!」「もっどゆっぎりじだがっだ」「どがいはの、どがいばのありずが」 「いい暇つぶしになったよ。じゃーねー」 そう言ってグレゴリン星人より凶悪な兎は去っていった。 その帰り道、ゆっくりちぇんとゆっくりまりさを見かけた。 「おねーさん、このへんにゆっくりのむれはいなかった?」 「あー、いたよ」 「どこへいったかわかる?」 「異次元竹林じゃない」 そう言うとてゐは永遠亭に帰っていった。 それから数日後、 「師匠、この竹林ってた私達以外に宇宙人って住んでましたっけ?」 「え?そんな話聞いたことないわよ」 「ゆっくりの赤ちゃんから聞いたんですよ。ぐれごりんせいじんとかいうのがいるって」 ぶっと、てゐは珈琲を噴出す。 「わ、汚い。ちょっと、てゐ。早く雑巾で床を拭いて」 てゐはしばらくその場で笑い転げていた。 by118
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2400.html
巨大ゆっくりの饗宴(中編)の続き 「・・・んぉ!?」 目を覚ました私の視界に広がっていたのはいつもと変わらない天井に壁に家具一式。 右を見ても左を見ても木の一本も見当たらなかった。 寝具もきっちりと布団を使っており、藁でもばければ枯葉でもない。 「・・・・・・私んち、だよなぁ・・・?」 何処をどう見ても紛れもなく饅頭の香りのこびり付いた住み慣れた我が家だ。 巨大なゆっくりが眠っているということも、超絶美人の人外社長がでっかい瓢箪を担いでいるということもない。 もちろん、触手を生やしたきもいありすの姿も、ライガーもホッキョクグマも真っ青のきめら丸姿もない。 薄暗い部屋の中で耳を澄ませば、我が家のゆっくりども寝息が聞こえてくる。 「・・・夢オチか」 それにしてもアホ丸出しのこっ恥ずかしい夢だった。 何だよ、ドスお姉さんって。ジャンプ系バトル漫画の見過ぎだ。 馬鹿馬鹿しい、寝直そう。 「・・・んあ?」 ぽよん。 横になった瞬間、そんな擬音がよく似合う柔らかいものが後頭部に当たるのを感じた。 れいむでも下敷きにしたかと思い、頭の下のものを引っ掴んで見ると・・・ 「ゆゆっ!おかーさん、ゆっかりんとゆっくりしていってね!」 「・・・誰がお母さんか」 いや、まず突っ込むべきところはそこじゃない。 我が家のゆっくりはれいむ、まりさ、すいかの三種だけのはず。 ゆっかりんなんて拾った覚えないぞ? 「・・・・・・・・・もしかして」 まさか、と思いつつもおもむろに標準的なゆっくりのサイズのゆっかりんの頬に頬擦りをしてみる。 ゆっかりんの頬、暖かいナリ。悔しい、悔しいが認める。こいつ気持ち良い。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 「お前・・・でかゆっかりん?」 「いまはちいさくてかわいいゆっかりんよ!」 「そうか、お休み」 きっとこれも夢だ。 そう結論付けた私はゆっかりんを放り投げて、再び布団の中にもぐりこんだ。 翌朝、やっぱりゆっかりんはそこにいて、夜中には気付かなかったが彼女の後頭部には変な張り紙があった。 『ゆっかりんを連れて本社社長室まで来なければ・・・・・・』 世の中には回避不可能なイベントというものが存在することを実感した。 差し出し人はもはや言うまでもないだろう。 そんな訳で大学の講義をすっぽかして本社へと赴いた私とゆっかりんは社長室に案内された。 素材は分からないが見るからに高級そうな扉を開け、中に入った私たちを出迎えたのは社長と3匹のゆっくり。 それと妙な目を胸に取り付けた、紫色の髪をちょっと野暮ったい感じに短く刈った可愛らしい女の子だった。 「れみりゃザウルスに、角の生えたきめら丸に、なんか触手が2本生えた気色悪いありすに、それに・・・」 「小五ロリではありません」 「・・・地球の男に飽きた社長のツバメ?」 我ながら半端に古い上に分かりづらいネタを振ったものだ。 それも違います、という少女の突っ込みを聞き流しつつ私は3匹の様子をじっと伺う。 「ゆゆっ!ありすきしょくわるくなんかないわ!」 「ぎゃお~!たべちゃうぞ~!」 「おお、ゆっくりゆっくり!」 見たところ、角や触手、着ぐるみを除いては何の変哲もない普通のゆっくりだ。 特徴と呼べるようなものを強いて挙げるならば、過去にどこかで見たことがあるくらいだろう。 というか、間違いなく夢だと思っていたあの時に遭遇したゆっくりだった。 「お前ら、ちょっと見ない間に縮んだか?」 そう尋ねながらありすの触手をちょうちょ結びにして、きめら丸の角に引っ掛けてやった。 「おお、不快不快」だの、「いながものおおお!」などと喚いているが相手にする必要はないだろう。 紫髪の少女が「読めなかった。無意識に・・・」とか何とかわけの分からないことを呟いている。 「ところでどうしてゆっかりんが縮んだ上に我が家に?」 「あなたの戦いを観戦していたら治療が間に合わない程衰弱しちゃったのよ」 「で、仕方ないから小型化して助けたと?」 「そういうことよ。貴女の家に・・・「言わなくても分かるんでケッコウデス」 どうせ面白そうだからとかそんなところだろう。 「んで、社長室なんかに呼び出して何の用です?」 「実は貴女に伝えておかなくちゃならないことがあるのよ」 「私に?」 「まずはこれを見て欲しいのだけれど・・・お願いできるかしら?」 何故か社長によく懐いているれみりゃザウルスの頬を引っ張りながら、彼女は少女に話しかけた。 「想起『テリブルスーヴニール』」 「・・・んお?」 少女の言葉と同時に、社長室が全く異なるつくりの研究室風の真っ白な部屋とへ姿を変えた。 社長曰く「彼女の能力でこの子達のトラウマを映像化してもらっているのよ」とのこと。 この子達、というのはもちろん例の3匹のゆっくりのことだ。 「ゆぅぅ・・・こわいぃぃ・・・」 「おお、心的外傷心的外傷」 「ぎゃおーーーーーー!!」 その証拠に真っ白な部屋を見た3匹は酷く怯えていた。 「「「「ぬふぅ!」」」」 「「「「ずっぎぢー!?」」」」 研究室風の部屋では男が一列に並んで無数のゆっくりをレイプしている。 ゆっくりの種族は様々で、胴体付きのものもいれば、うーぱっくと呼ばれる変わったゆっくりの姿もある。 そんな有象無象のゆっくりを数人の男が入れ替わり立ち代りすっきりさせていた。 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」」 「そうか。次の組に交代しろ!ゆっくりどもはケージに戻しておけ!」 「「「「了解しました!」」」」 現場監督と思しき中年男の号令に従って、男達はゆっくりを連れて部屋の外へと出て行った。 しかし、彼らと入れ替わるようにしてまた数名の男たちがゆっくりを連れて部屋へと入ってくる。 「撃ち掛け、用意!」 「「「「撃ち掛け、用意!」」」」 「「「「やめてね!ゆっくりさせてね!?」」」」 「はじめ!」 「「「「ぬふぅ!」」」」 そうして再開されるゆっくりレイプ。 その中には後のありすもいるらしく、彼女の悲鳴が聞こえてきた。 「ゆびぃ!やべで、やべでえええええ!ありぢゅ、まぢゃしゅっぎぢぢだぐないよおおおお!?」 「やめてね!ゆっくりできないよ!」 「ゆひぃ!いぢゃい!いぢゃいいいいいいい!?」 ゆっくり達は双眸からぽろぽろと涙を零しながら、その行為の中断を懇願する。 が、誰ひとりとしてやめる気配を見せず、ズンズンッとゆっくりのまむまむにモノをねじ込み続ける。 正直、胴体付き相手にそれをやっている光景は引く。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」」 「そうか。次の組に交代しろ!ゆっくりどもはケージに戻しておけ!」 「「「「了解しました!」」」」 先ほどと同じやり取りの後、またしてもゆっくりを抱えた男達が室内に入ってきた。 そしてまた同じような光景が繰り広げられる。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」 「こちらのれいむがにんっしんっしたと言っております!」 「そいつは真偽の確認の後にんっしんっしたゆっくり用の部屋に移送!ほかはいつも通りだ!」 「「「「了解しました!」」」」 そう言って男達が出て行くとまた別の男達が入ってきて同じ事を繰り返す。 なんとも混沌とした光景である。開いた口がふさがらない。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」 「こちらのまりさがにんっしんっしたと言っております!」 「そいつは真偽の確認の後にんっしんっしたゆっくり用の部屋に移送!ほかはいつも通りだ!」 「「「「了解しました!」」」」 そう言って男達が出て行ったところで、映像に変化が表れ、にんっしんっしたまりさを追いかけてゆく。 にんっしんっ個体用と書かれたプレートのついた扉を開かれたその先には一辺70cm程度の箱が所狭しと並んでいた。 その中にはいずれも何らかの形のにんっしんっをしたゆっくりが壁際にがっちりと拘束された状態で収められている。 その体には流動食を流し込むためのチューブが取り付けられており、飢えることも渇きを覚えることもないらしい。 「どうだ。前の部屋よりずっと広いだろ?しかも、マジックミラー&防音ガラス仕様だからプライバシーはしっかり守られているぞ!」 「ゆ゛っ!?まえのおへやのほうがいいよおおおお!ぜばぐでもびんなどおはなぢがでぎだもん!?」 「にんっしんっした己の不運を呪うんだな!」 「うぞでず!ばでぃざほんどうはにんっぢんっぢでまぜんんんんん!?」 「じゃ、死ね」 男の冷酷な宣告の直後、まりさは真っ白な床に叩きつけられ、底部からの圧力で餡子を吐いてしまった。 「ゆげぇ・・・おぉ゛・・・」 「はい、さようなら」 嘔吐の苦しみから解放される間もなく踏みつけられ、更に餡子を吐き続ける。 そして、数十秒後。生命を維持するのに必要な量以上の餡子を吐き出したまりさは永遠のゆっくりへと旅立っていった。 「ったく・・・ちゃんと始末しとけよ?」 まりさを潰した男が来る以前から部屋にいた眼鏡をかけた神経質そうな男が、あるれいむが産んだ赤ゆっくり達を調べながら毒づく。 数秒後、この赤ゆっくり達も「ハズレか」という言葉と共に、床にたたきつけられ、3分にも満たないゆん生を終えた。 「なかなか産まれないな・・・」 「仕方ないさ。裏の情報網でもゆっくり人間の存在はせいぜい数体しか確認されていないんだからな」 「しかも、その情報も真偽は極めて怪しい、と?」 どうやら、この男達はゆっくり人間の製造に関する研究を行っているらしい。 そんなものを造って何がしたいのかは、きっと頭が痛くなるような理由だろうから特に知りたくもないが。 そんな馬鹿げたやり取りの後で急に場面が切り替わった。 今度はれみりゃザウルスの視点だろうか。 「ぎゃお゛~!もうだべられないどぉーっ!?」 「嫌なら食うな。その代わり死ぬだけだ」 「う゛う゛うう゛う゛うう゛ー!?」 無理矢理口を押し広げられ、その中に大量の餡子をねじ込まれる。 1回の量が私の握りこぶしくらいはあるような餡子の塊を何度も何度も。 しかし、男の手にしたバケツにはまだ10個ほどその塊が残っている。 「ほら、急いで食え!」 「う゛ー!ぎゃおー!?」 抗議しても、抵抗しても結局全て徒労に終ってしまう。 人間とゆっくりの力の差に物を言わせて強引に餡子の塊を食べさせられる。 そんな拷問を10回ほど受けたところで、ようやくバケツが空になった。 「う゛ーーーっ・・・ごんなの、えれがんどじゃないんだどぉ~・・・」 「ようやく食い終わったか。じゃあ次は運動だ」 男はれみりゃザウルスに首輪をつけると、運動用の部屋へと彼女を連れて行った。 数々の虐待用ツールの並べられたその部屋はゆっくりにとっては相当広く、運動部屋に相応しいものだった。 「さあ、走れ!」 「う゛~っ!ぐるぢぃーーー!?」 最初は拒絶していたが男に鞭で打たれ、その痛みと恐怖から逃げるようにして運動を始めた。 満腹以上の餡子を詰め込まれた体は非常に重く、下手をすれば中身を吐き出しそうになる。 が、その都度男が口を押さえつけて吐かせないようにするので叶わない。 それどころか、吐しゃ物のせいで呼吸が出来なくなってしまい余計に苦しそうだった。 「さあ、走れ!もっと走れ!」 「う゛あーーーーーーーー!?」 「でないと・・・あっちに放り込まれるぞ!」 男が指差した先には小さな窓がついていて、そこから隣の部屋の様子が伺える。 決して広くない隣室にいるのは7匹の胴体付きゆっくりれみりゃ。 1匹は1m弱の立派な成体だが、他は50cm前後の子どもだ。 れみりゃ種は基本的に陽気で、これだけの仲間が揃えば普段ならば仲良く踊っているものである。 しかし、そこにいたれみりゃ達はゆっくり特有の鬱陶しい笑みを浮かべる余裕すらなく、目を真っ赤にして泣きじゃくっていた。 「う゛ーーーー!れみりゃはぢにだぐないんだどー!おねーさまだぢがぢぬんだどー!?」 「えれがんどなおぜうざまはでびりゃだげでいいんだどーっ!!」 「でびりゃのあがぢゃん!もうげんがはやべるんだどー!!?」 スピーカー越しに聞こえてくるその音声はこれから起こる惨劇を十二分に予期させた。 そして、予期どおりの光景が目の前で繰り広げられる。 「う゛ーーーー!いだいどおおおお!?」 「えびりゃのあん゛よ゛がーっ!」 「う゛ーーーー!う゛ーーーーっ!?」 それはまさに蠱毒そのもの。 姉が妹を突き飛ばし、母が我が子を制止するために圧し掛かってぽかぽかと殴る。 たいした膂力もないれみりゃの闘争ゆえ、一見するとふざけているようにしか見えないが、徐々にそれゆえに凄惨さを帯び始める。 不可抗力で目を突き破られたあるれみりゃが床に伏して絶叫したのが、そのきっかけだった。 「うぎゃあああああああああああああああああああ!?」 「うぅ?・・・わかったどぉ!おべべをねらえばいいんだどぉ~!」 決定打を与えられない状況に業を煮やしていたれみりゃ達は、偶然によってもたらされた必殺の攻撃に頼り始めた。 姉の、妹の、母の、娘の2つしかない、流石に再生しようのないそこを狙って7匹がぶつかり合う。 抱き合ったまま転がり、相手の上に馬乗りになることに成功したものが相手の目を抉り出すが、その隙に横から目を穿られる。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 「ぎゃお゛ーーーーーー!?びえない゛いい゛い゛い!ぐらいどーーーっ!?」 「うー・・・・・・」 「ままぁ~・・・れみりゃ・・・」 数分後、そこには両目を失ったれみりゃ5匹と、片目を失ったれみりゃ2匹ののた打ち回る姿があった。 既に息絶えたものや痛みでうずくまるものにぶつかりながらも狭い部屋の中を徘徊する両目を失った母れみりゃ。 そんな地獄のような光景を見てなおも闘志を失わなかった、片目だけは何とか守り抜いた2匹は未だに争い続けている。 「う゛ーーーー!ぢね!ゆっぐりぢね!」 「えでがんどなでびりゃはぢなないんだどー!れびりゃがぢぬんだどーっ!?」 まるでゆっくりふらんのように死ねを連呼しながら揉み合う2匹。 殴り、噛みつき、踏みつけ、突き飛ばし、圧し掛かり・・・お互い、目に攻撃を当てられないながらも確実にダメージを蓄積させてゆく。 決着がついた頃には片目こそ相変わらず勝利を収めたれみりゃもまた右腕と翼を失い、全身に出来た傷から肉汁を垂れ流していた。 その後、修羅と化した(というには幾分緊張感を欠く容姿だが)幼いれみりゃは全盲の母が躓いて転んだ隙をうかがって襲い掛かった。 「う゛ーーーー!やべるんだどー!?おがーざまになにずるんだどーっ!?」 「うー!ぢね!しね!?」 「やべるんだどーっ!うーーーーーーー!?」 「ぢね!ぢね!ぢね!ぢね!?」 「うっう~・・・うー・・・」 ようやく、家族同士の殺し合いに決着がついた。 もちろん、その間もずっとれみりゃザウルスは走りっぱなしだったのは言うまでもないことだろう。 「よし、とりあえずドス食わせてみるか?」 「ほら、食え食え」 「やめてください、おおすぎます」 今度は元きめら丸視点。 彼女の隣には3m程度の大きさのドスまりさと思しき何かが逆さ向きに転がっていた。 口を塞がれた巨大饅頭は半分以上焼け焦げた底部をうねうね動かしている。 「ー!・・・・・・っ!?」 一切の移動もドスパークも封じられたドスまりさは何とか動かせる部位だけを動かして起き上がろうともがいている。 しかし、彼女の巨体はその程度では微動だにせず、そうこうしている間にも男が彼女の皮を剥ぎ取ってゆく。 更に皮を失った部分の餡子を穿り出すと、それを角の生えた・・・というよりも角を刺されたきめぇ丸にねじ込む。 「やめてください、もどしてしまいます・・・エレエレエレ」 「しかし戻したものを更に戻す!」 意味も無く叫んだ男は右手できめぇ丸を押さえ込むと左手で彼女の吐いたものを掬い、乱暴にそれを飲ませる。 流石のきめぇ丸もこれには死に物狂いで抵抗するがやはり人間には敵わず、ゆっくりにとっては酷い匂いを漂わせるそれを飲まされた。 「お、おお・・・くさいくさい・・・」 そう言いながらもニヒルな笑みは絶やさないきめぇ丸だったが、きめぇ丸特有のシェイクには普段の切れが全くなかった。 それからも色んなものを見せられた。 子どもの成長速度を強化され、ひたすら子どもを産まされ続けるれいむ。 レイパー因子を外部から投与されて後天的にレイパー化させられたありす。 この両者の交わりは1週間に140匹という驚異的な多産を可能にした。 それと同時に己の蛮行に苦しむありすと、毎日今生の別れを繰り返すれいむの心を凄まじい勢いで蝕んでいった。 「でいぶうううう!ぎょうもずっぎぢごべんなざいいいいいいいいいい!?」 「いyAあああああああああああAaaaa!?ZuggiりぢだぐNaいいいいい!?」 「「ずっぎりー!」」 「「「「「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」」」」」 「ゆ、ゆっくりSiていってNE!」 「だがお別れなんだな!」 「れいぶNoあがぢゃんGaああああああああああ!?」 「あぢずのどがいはなあがぢゃんんんんんんんん!?」 あるまりさ達は若手のドスまりさの用いるキノコを食べて、ドスパークの練習を強要されていた。 しかし、そのキノコを食べたからと言って簡単に撃てるような代物ではない。 「ゆ゛ヴぁ!?」 「ゆびぃ!?」 パンッ!という軽快な音が室内に響くと同時に黒いものが四散する。 言うまでも無く、ドスパークに失敗したまりさが爆ぜたのだ。 それを見たまりさ達は訳も分からずに怯え、泣きじゃくる以上のことなど何も出来ない。 運良く原因がキノコにあることに気付いて吐き出したとしても、お仕置きと称して人間に潰されてしまう。 知能強化と称して中身を増量させられたぱちゅりーの皮が破れ、そこから中身が漏れ出して死んだ。 人語を話せるように改造されたみょんとめーりんはオリジナリティがないという理由で潰された。 あるちぇんは何となく潰された。 「「「「「「「「「「ごれぢゃゆっぐぢでぎないよ!」」」」」」」」」」 そこはまさにゆっくりにとっての地獄だった。 「で、これがどうしたんです?」 それが映像を見終えた私の率直な感想だった。 確かに私はゆっくりを飼っていて、多分それなりに可愛がっている。 しかし、その一方でお菓子として食べることもある。 それゆえ、ゆっくりがいたぶられる光景に可哀相だとは思うが憤ることは決してない。もちろん、喜びもしないが。 「実は彼らはゆっくりで世界征服をたくらむ悪の秘密結社なのよ」 「・・・なんかコロコロの悪の組織みたい」 本当にあいつらは何がしたいんだろうね? ミニ四駆やベーゴマやヨーヨーで世界を征服しようって言うんだからとても正気とは思えない。 そんな馬鹿丸出しの組織が実在、それもゆっくりを用いてだなんて・・・。 「放っておけば?」 「そうしたい所なんだけれどね・・・」 と、頭をかきながら呟いた社長はおもむろに私を扇で指した。 「問題は貴女のようにドスパークを使えるゆっくり人間が誕生するかも知れないってことなのよ」 「・・・・・・ああ、なるほど」 確かにそりゃ危険だ。 キノコの一本でもあれば、酷い時にはそれすら無しに破壊光線を撃てる人間。 外見によって識別も金属探知すらも無効化し、おおよそ文明のある場所ならどこにでも侵入できる。 ついでに言うと、人間一人の侵入を完璧に阻む都市なんて存在するはずもない。 しかも、社長によると「姿を消す能力を有するドスまりさ」もいるらしい。 そんな能力を持ったゆっくり人間が悪用されてしまえばどうなるか・・・まともな脳みそを持つ人間であれば説明するまでもない。 「って、そうじゃなくて・・・」 「何の意図があって私にこんなものを見せたのか、ですね」 「アンタ、便利ね?」 異能力を身に着けたゆっくり人間が世間に出回るとどうなるかとか、ドスパークを使えることを受け入れている自分はどうなんだろうとか・・・ まとまり無く色んな事を考えていた私の思考の中から最も重要な一点を正確に代弁してくれたのは紫髪の少女。 よく見ると実に可愛らしい子だ。あ、今照れた・・・なんてやってる場合じゃない。 少女から視線を外し、改めてれみりゃザウルスをあやしている社長の顔を見つめた。 「そうそう。それで貴女に注意しておきたかったのよ」 「注意?まあ、何となく予想できるけど・・・」 「“私、狙われるかもしれない?”」 「そこは心より空気を読もうね、お嬢ちゃん・・・」 薄々感付いていても第三者に指摘されると結構へこむ。 しかし、がっくりとうなだれる私に社長は更に追い討ちをかけてくれた。 「あと・・・貴女がドスパークを使える理由なんだけれど」 「いや、別に聞きたくないから」 「却下♪」 「“力の源泉を知らないと暴走する恐れがある”」 「フォローされても聞きたくない・・・」 頭を抱える私の都合なんてお構い無しに、ついに力の正体が明かされた。 「実は・・・貴女の前世がとても有名なドスまりさだったのよ」 ・・・案外普通でほっとした。 ---あとがき--- 次回、第一の刺客リオれいむ! ドスお姉さんと謎の組織の激しい田打開の火蓋が今・・・切って落とされる!! なんて事はきっとありません。どうせ今後も緩々です。 この作品のネタ元は『ゆっくりいじめ系2023 ある少女のお話』のあとがきから 勝手にゆっくり人間を増やすのもアレだろうということで、スピリチュアルな理由付けになりましたが。 社長とか、紫髪の少女とか何かもう色々やりたい放題です。さーせん>< 【登場キャラ紹介という名の作者の独り言】 ドスお姉さん(仮) ノリと勢いで前世が饅頭になり、更に訳の分からない力に目覚めさせられてしまった酔いどれ女子大生。 今後の訓練次第では不可視化も習得できるので遅かれ早かれ極めて危険な人間兵器になる。 ゆっくりに懐かれやすいのも、ゆっくりとの交渉能力が高いのも前世がドスまりさだかららしい。 社長 ミステリアスのパーフェクト美人女社長。多くは語るまい。 紫髪の少女 テレパスっ娘。何故いると訊かれればお答えしよう。作者の趣味、と・・・。 ゆかりモス 名前を思いついたのは書き終えてから。元ネタはグラビモス。 ドスまりさ 後日談にて今後のみの振り方を明かされなかった気の毒なやつ。 テンタありす 元ネタはテンタクルス。正直、これはもうゆっくりじゃないよ・・・。 そう考えるとホ○ミスライムってすげぇなと思ってしまう。 ティガれみりゃ うん、なんだ。ティガれみりゃの人のれみりゃを可愛く書くスキルは異常だと痛感した。 きめら丸 こんな奴虐待できるかチクショウwww byゆっくりボールマン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/349.html
ある昼下がり。 川沿いを歩きながら妹紅は暇を潰していた。 いつもならば、こういう時はバ輝夜との殺し合いか慧音と会うか家事に勤しんで過ごしている。 しかし今日に限って輝夜はなんの動きもなく、慧音も忙しくて会えない。家事も終わってすることもなく、じっとしているのも退屈だった妹紅は外へ散歩に出ていた。 竹林から少し離れた所に川がある。自然のあふれるこの光景も、長い年月の果てに緑が育ち、枯れ果て、川が荒れ、水が引いて、様々な形で変化している。 妹紅は昔の風景を一つ一つ噛みしめるように思い出しながら歩いていた。 「ゆっ!」 「ゆゆっ!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり! ゆっくり!」 「ゆっくりしてだって」 「おお、めでたいめでたい」 「……」 台無しだった。 川辺で水でも飲んでいるのか、妹紅の目の前ではゆっくりれいむの家族達がしきりに騒いでいる。情緒もへったくれもないその光景に思わず妹紅はため息をついた。 「お姉さんどうしたの?」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ! ゆっ!」 妹紅に気づいたゆっくりが妹紅の側へ寄ってくる。 頭を抱える妹紅。しかし嫌がってるわけではない。別に暇とはいえゆっくりと過ごす気なんてなかった妹紅としては微妙な状況だが、他にやることもなく、ちょっとはゆっくりしていくのも有りかと思っていた。 「ゆっ!」 「ゆゆっ! ゆっくりっ!」 「ゆっくりちていってね!」 「……」 なんだか、やたらと声が多いな……。 疑問に思った妹紅は、あらためて妹紅はゆっくり達の数を数え始める。 普通のゆっくりれいむが1匹、お母さんゆっくりが1匹、なんかうざいのが2匹。 そして今、草をかけ分けながら妹紅の側へ来ようとしているちびゆっくり達が。 「……うおっ」 草が邪魔で数え間違えているかもしれないが、適当に数えても20匹以上いた。産んだばかりなのだろうか、もしそこにいるお母さんれいむだけで産んだなら随分珍しい出産数だろう。 そのちびゆっくりの多さに驚きながら、妹紅の頭の中にふとある考えが浮かんだ。 ……これだけ数がいるなら楽しめそうだ。 「あんたら、まだここにいるの?」 「ここはれいむ達のあそびばだよ!」 「あそびばだよ! あそびば!」 妹紅の言葉にぴょんぴょん飛び跳ねるれいむ達。この川辺は自分たちのものだと主張しているらしい。 「別にここを奪ったりはしないよ。私はこれから行くところがあるけど、その後で一緒にゆっくりしてもいいか?」 「いいよ! れいむ達しばらくいるよ!」 「お姉さん一緒にゆっくりしようね!」 「ああ」と返事をして立ち去っていく妹紅。 まずは準備のために、自分の家へと戻っていった。 妹紅が用意したのは、まずその辺でゆっくりしすぎた結果がこれだよ!と倒れているゆっくりちるの。ゆっくりちるのは、たとえ倒れていても体温は冷たいので上手く炎を調節し、ちるのが溶けないように、手が凍結しないようにして運んでいく。 次に用意したのが細身の竹。太い竹ならいくらでも生えているが、脆すぎず、固すぎない竹を探すのは意外に手間がかかった。 最後に家から小刀などを持ち出すと、妹紅は元の場所まで戻ってきた。 「あ! お姉さん!」 「ゆっくりしていってくれるの!」 「たくさんゆっくりしていってね!」 約束通り現れた妹紅に飛び跳ねながら喜びをあらわにするゆっくり達。まだ飛び跳ねられないちびゆっくりは、体をぷるぷる震わせながら喜んでいた。 妹紅は持ってきたゆっくりちるのを地面に置く。 「お姉さん! この子とはゆっくりできないよ!」 「冷たいよ! 凍えるよ!」 さらに持ってきた風呂敷を広げ、ちびゆっくりたちを集めていく。 「ゆっ! ゆゆっ!」 「お、お姉さん!」 「早く離してね! すぐに離してね!」 しかし妹紅は手を止めず、そのまま20匹いたゆっくり達は風呂敷に包まれてしまった。 「ゆゆっ!」 「くるぢひよ! ゆっくりできないよ!」 「早く離してね! すぐに離してね!」 残された普通のれいむが足下にまとわりついて離れないが、妹紅は気にした様子もなく、そのままうざいゆっくり達の側へいく。 「ゆっくり離してだって」 「おお、こわいこわい」 何か言っていたが気にすることもなく、うざいそれを蹴り飛ばした。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!」 「おおおぉおぉおおおぉおぉっ!」 地面に当たって二度三度跳ねながら、川へと落ちていった。 何か叫んでいるようだが、川の底で叫んでも聞こえない。水を含んで体が膨張していく。 「酷いよ! お姉さんとはゆっくりできないよ! 早くどこかへ行ってね!」 妹紅の足に体当たりをするれいむ。さすがに歩いている最中に体当たりされて転けかけるも、踏ん張る妹紅。 このまま体当たりを続けられたら敵わないと、妹紅はゆっくりを踏みつけておいた。 「ゆ゛っ!」 体が少し潰れ、痙攣するゆっくり。すぐに動く事はできないだろう。 妹紅はそのままお母さんゆっくりへと近づいていく。一瞬の出来事でどんどんいなくなる子供達にお母さんゆっくりは状況が理解できず、川辺で固まったままだった。 「よっと」 お母さんゆっくりを持ち上げて、そのまま運んでいく。途中で「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁあ゛っ!」「がえ゛じでぇえ゛え゛ぇえ゛え゛ぇえ゛ぇっ!」と暴れ始めるが、妹紅の手が緩む事はなかった。 ゆっくりちるのの側まで戻ると、妹紅はお母さんゆっくりをその上に乗せる。 「ひ゛ぃぃい゛い゛ぃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛ぁっ!」 徐々に冷たくなっていくお母さんゆっくり。ほどよい冷たさになったところで持ってきていた小刀を取り出すと、妹紅はお母さんゆっくりの頭の上の部分を横に切り取り、あんこを露出させた。 「あ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛っ! あ゛だま゛! あ゛だま゛がぁあ゛あ゛がぁあ゛あ゛っ!」 「よし、準備できたっと」 満足げに呟く。先ほど踏みつぶしておいたゆっくりが、また妹紅の足下にやってきた。 「お、お゛があ゛ざんっ、お゛があ゛ざん、がえじでぇええぇぇえっ!」 「ああ、ちょうど良いところに来た」 そう言うと、先ほどよりも強めに力を込めて踏みつける! 「ゆ゛っ!」 地面にゆっくりが軽くめり込んだのを確認すると、妹紅はその上に腰を下ろした。 「ゆゆうい゛い゛い゛ぢあ゛ぁあ゛ぁおあ゛あ゛あ゛ぁっ!」 椅子にされたゆっくりの絶叫が響く中、持ってきた竹の先に糸を括り始める。 括り終わると、結んだ風呂敷に手をいれ、ちびゆっくりを取り出した。 窮屈さから解放され、顔に花を咲かせるちびゆっくり。 「おねえさんありが──」 ぶすりと、釣り針を刺した。 「いだい゛ぃい゛い゛ぃい゛い゛っ!!」 「さて、なにが釣れるかな」 竹をしならせ、餌のちびゆっくりを川へ投げ込む。 穏やかな気候の中、妹紅の釣りが始まった。 「ゆっぐり゛り゛ぃい゛い゛いぃいい゛ぃいっ!」 竿を通じて当たりが来る。なかなか強い引きが大物を予感させる。 「よっし来たっ!」 竿を引っ張り上げる。釣り糸の先には、ちびゆっくりとその餌に噛みついて離れない魚の姿があった。 「う゛う゛う゛う゛ぅう゛う゛う゛っ!」 水を含んで脆くなった体に、食いついた魚の重さで引き千切られそうになるちびゆっくり。 妹紅としてみればちびゆっくりを丸呑みできるような大物に期待しているのだが、さすがになかなか食べてはくれず、釣れては半端に欠けるちびゆっくり達をさらに川へ戻して釣りを続けている。 しかし今のちびゆっくりほど脆くなったらもう無理だろうと思ったのか、魚を外すと、そのままちびゆっくりを針から外して川へ放り投げた。 「あ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁっ!」 川に落ち、分解していくちびゆっくり。巻き餌代わりにはなるだろう。 最初に落としたうざい奴らは、もう全部食べられてしまったのか、川を見てもそれらしい跡は見あたらなかった。 釣った魚を手に持ち、お母さんゆっくりの元へ行く。 「ゆ゛っぐり゛……ゆ゛っぐり゛ぃいいぃい……」 何匹か投げ飛ばされていったちびゆっくり達の末路に悲しむお母さんゆっくり。そのゆっくりの頭に魚をのせ、あんこを穿っていく。 「ゆ゛っ! ゆ゛っぐり゛っ!」 冷たくなったあんこが妹紅の手を急激に冷やすが気にせず、開いた穴に魚を入れ、そのまま埋めていった。 「あ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁぁ……っ」 瞳孔が開き、僅かに痙攣するお母さんゆっくり。 そんなお母さんゆっくりの横に、もはや絶命して動かなくなったちびゆっくりの姿がある。風呂敷から取り出し、先ほどちるのの上に置いておいたちびゆっくりだ。 妹紅はしっかり冷やされたちびゆっくりを手にすると、また釣りを再開するために戻っていく。 れいむに腰を下ろすと、そのままちるのの冷気で冷やされたちびゆっくりを口にいれる。 しゃりっとした感触とちびゆっくりのあんこの甘みが、妹紅を笑顔にした。 「そろそろ、もうちょっと大きめの大物が釣りたいな~」 風呂敷から新たなちびゆっくりを取り出す。外に出されたらどうなるか既に理解しているちびゆっくりは、既に震えながら泣き叫んでいた。 変わらずちびゆっくりに釣り針を刺し、そのまま川へと放り投げる。 しかし今回はいつもと違っていた。 「えっ?」 水音がしない。妹紅の竿にも、ちびゆっくりが落ちた感触がなかった。 「うー♪ うー♪」 「ゆ゛っく゛り゛ぃい゛いい゛ぃいいぃっ!」 「……」 どこからともかくやって来たゆっくりれみりゃに、空中で受け止められ、そのまま齧られていた。 思いもしなかった獲物に言葉を失う妹紅。 「……まぁ、大物かな?」 「うまうま♪」 すぐにちびゆっくりを平らげるゆっくりゃ。その口には釣り針が引っかかっているが、場所が良かったのか痛みに耐える様子はない。 妹紅は側に寄せようと、釣り竿を大きく引っ張る。 ゆっくりゃの体が大きく横に伸びた。 「うっ! う゛ぁあ゛あ゛あっ!」 激しい痛みと力に、羽ばたいて抵抗するが、ゆっくりゃの力は人に逆らえるほどはない。 ほどなくゆっくりゃは釣り上げられ、妹紅の手の中に収まった。 「うー……!」 引っかかった針が痛むのだろう、涙を浮かべたまま妹紅に怒りを向けるゆっくりゃ。肉まんなその頬が膨れている。 しかし妹紅は気にすることなく羽をもぎ取る。 「い゛ぎぃあ゛あ゛ぁぁあぁぁっ!!」 邪魔なものがなくなったとばかりに、そのままゆっくりゃに齧りついた。 「ごめ゛んな゛ざいいいいいいい!!」 謝られても、美味しいし。妹紅に止める気はまるでない。 ものの5分もしない内に、ゆっくりゃは妹紅のお腹の中に収まった。 残った羽は、一端燃やし、ほどよく火が通ったところで齧る。 噛めば噛むほど味が出てくる、魚の干物のようなそれは酒のつまみに持ってこいで、妹紅もお気に入りの一品だ。 羽を咥えたまま、新たに餌をつけ、釣りを再開する妹紅。思わぬところでつまみも手に入り、魚も入れ食いで気分は上々だ。ゆっくりに散歩を邪魔された時はどうなるかと思っていたが、これはこれでいい暇つぶしになっていた。 竿にまた当たりが出る。先ほどよりも強い引きに、妹紅の期待は高まった。 「よぃ……しょっと!」 両手に力を込めて引き上げる。 「ケロケロ! ケロケロ!」 「カッパ! キュウリ!」 「……」 釣れたのは、外道だった。 「……」 「ケロケロ!」 「にとりー!」 ちびゆっくりに食いついて離れないゆっくりケロちゃんとにとり。 もうお腹いっぱいになっていた妹紅に食欲はなく、ちびゆっくりから針を外すと、そのまま3匹とも地面へ落とし、燃やしていった。 「ゲロゲロゲロ!」 「み゛、み゛どり゛ぃぃい゛いっ!」 「……ゆっ、ゆ゛っく゛り゛……」 ゆっくりの臭いに、焼ける蛙の臭いを思い出す妹紅だった。 妹紅が腰を上げる。気づけば日は夕暮れ。そろそろ用事も終わり、慧音が訪ねてくるかもしれない。バ輝夜は居留守で充分だけど、慧音に無駄足を踏ませるのは可愛そうだ。せっかく大漁だったのだから、慧音にも分けてあげよう。 釣り自体気まぐれであり、普段もしているわけではない妹紅に取って釣り竿はただ荷物になるだけだ。竿を真ん中でおり、糸を外して置いていく。 座られ続けたれいむは数時間前からピクリとも動かない。体は完全に硬直し、今やただのオブジェと化していた。 ゆっくりちるのの上に乗せていたお母さんれいむを、炎で解凍していく妹紅。氷が溶けきり、どうにかちるのから外れそうだ。 両手で抱え、そのまま膝を使って持ち上げた。 「……うっ……ゆっ……」 かすかに聞こえてきた声に、思わず妹紅は抱えているものの顔を見た。 「……ゆっ……」 「まだ生きていたんだ」 子供の多さからタフそうだと思っていたが、それにしてもその生命力の高さは妹紅を随分驚かせた。 元来た道を戻っていく妹紅。その間にも、お母さんれいむは希に声を上げる。生きてはいるものの、あんこを魚に陵辱され、ちるのの冷気で冷凍されている、このまま放っておけば死んでしまうだろう。 妹紅はずっと考えていた。 こんな生命力のあるゆっくりでデザートを作れば、バ輝夜はとても喜んでくれるだろう。 いつか輝夜に食べさせるため、魚臭いあんこでなんのデザート作るか考える妹紅だった。 End 妹紅 → もこたん釣りしたお! お母さんゆっくり → クーラーボックス ふつうのゆっくり → 椅子 うざいの → 撒き餌 ちびゆっくり → デザート 兼 餌 ゆっくりゃ → 昼ご飯とつまみ チルノフ → ゆっくりした結果がこれだよ! ■話を書く前の気持ち 実際ゆっくり餌にしたら何が釣れるだろうな ↓ ゆっくりゃが釣れるんじゃね? ↓ それじゃゆっくり餌にゆっくりゃ釣って虐待しようぜ! ■書き終わった後 もうれいむでいいや……。 by 762 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1578.html
前 ※人間、妖怪等は出てきません ※俺設定あります ※某ゆっくりがとても美化されております 春も中盤にさしかかった。まりさの子供達は順調に育っている。 まりさと同じく、普通のゆっくりでは考えられないほどのスピードで成長していた。 今では既に全員大人ゆっくり並みの大きさになっている。 この一ヶ月余り、まりさ親子は不幸に見舞われながらもその度生還した。 ある時は発情していたありす達に襲われてはそのコミュニティを壊滅させた。 ある時は牙を剥いてきた数匹の体無しれみりゃを難なくやっつけた。 ある時は周りのゆっくり達に迷惑をかけていた体長2mほどもある巨大ゆっくりを倒した。 皆で力を合わせれば怖いものなんて無い。自分達は無敵だ。 何度もやってくる危機は、まりさ達に過剰ともいえる自信を与えていた。 そんなある日の事。 まりさ達親子は草原でかけっこをしたりお昼寝したりしてゆっくりしていた。 そして日も沈みかけたころ、まりさの耳にこの世で最も憎い声が聞こえてきた。 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 忘れることなど出来ようか。 それはかつて幸せだった自分達の家族を引き裂いた存在。 声のした方向にまりさは目を向ける。 そこにはあの日と同じように、にこにことした笑顔を浮かべる体つきれみりゃがいた。 勿論、以前とは違う個体だろう。だがまりさはその姿を見るだけで、心の奥から憎しみが湧きあがってくるのを感じた。 「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~! おまえたちはれみりゃのでぃな~になるんだどぉ~☆」 両手を天に掲げ、れみりゃはまりさ達に向かってくる。 以前と同じ光景。母を失ったあの時と。 だが自分はあの時とは違う。あれから沢山の出来事を体験した。 何度も何度も死にかけたし、家族を持ち幸せな時間も過ごした。 体も大きく強くなったし、自分と同じぐらい強く逞しい子供達もいる。 いくら体付きれみりゃであろうと、自分達が力を合わせればどんなゆっくりにも負けはしない。 まりさはそう信じている。 「ゆっ! みんな! あのれみりゃをやっつけるよ!」 「「「ゆーーー!」」」 まりさの掛け声を号令に、子ゆっくり達は散らばり、れみりゃを取り囲む。 それが何を意味しているのか、れみりゃのお馬鹿な頭では全く理解できない。 「う~? あそんでないではやくれみりゃのでぃな~になるといいどぉ~!」 れみりゃは一番近くにいた子まりさに手を伸ばした。 非常にゆっくりした動作。故に子まりさはそれを難なく避ける。 そして空いたれみりゃの脇腹へと勢いよく体当たりした。 ドガッという音と共にれみりゃの顔が苦痛に歪む。 「う゛あ゛~~~!! い゛だいどぉ~! な゛にずるんだどぉ~~!!」 突撃した子まりさは再び元の位置へと戻り、体勢を立て直す。 それからは同じような事の繰り返しだった。 れみりゃの空いた背中や脇腹へまりさ達は体当たりをし、そして定位置へ戻る。 実に単純な攻撃。だが頭の悪いれみりゃ相手には効果的な戦法だった。 何度か繰り返すと、漸くれみりゃの体に負担が来たようで、彼女はその場に膝をついた。 ぜーはーぜーはーとれみりゃは息を荒げている。 その様子を見てまりさは再び子供達に号令をかけた。 「ゆ! いまだよ! みんなでとびかかるよ!」 周りを囲っていた子まりさ達が一斉にれみりゃへと飛びかかる。 不意打ちを食らったれみりゃはその衝撃でうつぶせに倒れた。 まりさ達はそのままれみりゃの体へと飛び乗り、体重をかけてプレスする。 「う゛あ゛~! や゛め゛る゛んだどぉ~~!!」 れみりゃが手足をジタバタさせて暴れる。 その力はとても強く、まりさ達は体から跳ね飛ばされて地面へと着地した。 だがれみりゃが立ち上がる前に再びその体へ乗って飛び跳ねる。 しばらく繰り返すと、れみりゃは疲労と痛みが蓄積したのか、横たわったまま全く動かなくなった。 息はしているので死んではいないようだ。 まりさ達もまりさ達で既に満身創痍だった。 途中何度か、れみりゃのジタバタ攻撃によって子供達もダメージを受けてしまっていた。 攻撃を受けた部分がへこんだり痣になったりしているが、幸い命に別条はないようだ。 「うぅ…いたいよぉ…!」 「だいじょうぶ!? がんばったね!」 一対多数とはいえ相手は捕食種、それも最上位にランクする体付きれみりゃである。 いくらまりさ達が進化したとはいえ、誰一匹も死なずに済んだのは幸運としか言いようがない。 まりさは子供達を励ましたあと、近くの木にあった太く長い蔦を数本れみりゃに巻きつけた。 無事な子供達にも手伝ってもらい、身動きできないようにしっかりと結びつける。 「う゛~! これをほどくんだどぉ~! さもないとたべちゃうどぉ~!」 話せる程度に回復したれみりゃは体を動かそうとするが、足首までしっかり結ばれているため全く身動きできない。 移動する事も出来ないので、まりさ達を食べることはできない。 とうとうあの体付きれみりゃをも倒せるようになった。力を合わせた自分達は無敵だ、とまりさは思う。 それと同時に優しい母の顔を思い浮かべ、涙を流した。 お母さんの仇はとったよ、と。 思えばあれから色々な事があった。何度も何度も辛い経験もし、その度に自分の無力さを嘆いた。 だがこれからはもう大丈夫だ。自分達に怖いものはない。 早くゆっくりプレイスを見つけて、可愛い子供達と一緒にゆっくりと暮らそう。 と、そこでまりさはお腹がすいているのに気が付いた。 「ねー、おかあさん。おなかすいたよ!」 「なにかたべものをさがそうよ!」 子供達も先程の戦いで疲れたのか、空腹なようだ。 とは言っても周りに食べ物は無い。 やはりこれから探しに行かなければならないか、と思ったところでまりさはいい匂いがすることに気づいた。 食欲を刺激する肉の香り。それはどうやられみりゃから発せられているらしい。 少しためらったが、まりさは試しにれみりゃの指を食べてみた。 「う゛あ゛ーーーーー!! や゛め゛る゛んだどぉーーーー!」 刹那、まりさの口内に肉汁が染み、具の肉まんの旨みが広がった。 何て美味しいんだ! まりさは子供達にもれみりゃを食べてみるように言った。 最初は恐る恐るだった子供達も、一口れみりゃの一部を口に含むととても幸せそうな顔になる。 「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」」」」 まりさ達の合唱と、れみりゃの悲鳴が周囲に響いた。 蔦で縛っている部分を避けながられみりゃを食べていると、まりさはある事に気が付いた。 何と、食べて無くなったれみりゃの体の部位が再生してきたのだ。 「ゆ! すごいよ! すぐにもとどおりになるよ!」 「これならいくらでもたべられるね!」 むしゃむしゃと再び生えてきたれみりゃの部位を食べるまりさ達。 食べられては再生し、再生しては食べられるという恐ろしいループへと陥ったれみりゃは泣き叫ぶしか出来ない。 それからまりさ達はお腹いっぱいになると、そのままゆっくりと眠り始めた。 こんなところで堂々と眠っていたら捕食種が襲ってくるかもしれないが、それでも自分たちならば負けないという自信があった。 しばらくすると、まりさは大きな叫び声で目を覚ました。 どうやらその声は縛られているれみりゃが出しているものらしい。 どういうわけか、れみりゃは元々不細工な顔をさらに涙でぐしゃぐしゃにしながら泣き叫んでいた。 「う゛あ゛ーーーーー!! はやぐれみ゛り゛ゃをじゆう゛にするんだどぉーーーー!!」 その声はいつもの呑気な様子はなく、切羽詰まった声色である。 恐らく先程の出来事を思い出して泣いているのだろうとまりさは思った。 「むにゃむにゃ…なんだかうるさいよ」 「ゆー…おかーさん、どうしたの?」 れみりゃの悲鳴を聞いてまりさに続いて子供達も目を覚まし始めた。 まりさは子供達に起こしちゃってごめんねと言い、れみりゃには静かにして、と怒鳴る。 だがそれでもれみりゃは一向に叫び止む気配がない。 「うあ゛ーーーーー!! だずげでぇーー!! ごごがら゛に゛げるん゛だどぉーーーー!!」 「しずかにしてね! ねむれないよ!」 と、そこでまりさはおかしな事に気づいた。 れみりゃは先程の光景を思い出したか、またはこれからの事を考えて泣き叫んでいるのかと思っていた。 だがれみりゃは自分を見ていない。顔を上げ、遥か上空に視線を定めている。 一体何なんだ、とまりさが言おうとした瞬間――。 ゾクリ とまりさの背中に凄まじい悪寒が走った。 一刻も早くこの場から逃げ出したくなるような、刃物で体内を滅多刺しにされたような感覚。 れみりゃは何を見ているんだろう。 そう思ったまりさは自分も振り向こうとする。 だがゆっくりの本能が訴えかけていた。見てはいけない、さっさと逃げ出せ、と。 それでもまりさは何とかれみりゃの視線の先――自分の背後の夜空を見た。 まりさは三つの間違いを起こした。 一つ、さっさとれみりゃを処分しなかったこと。 一つ、あまりにも自分の力を過信していたこと。 そして――『それ』の存在を知らなかったこと。 れみりゃとまりさが見つめる先、美しく光を放つ満月を背に『それ』はいた。 煌めく金色の髪を風になびかせながら、『それ』は無機質な目で下界を見下ろしている。 見た目はれみりゃに似ている。しかし、れみりゃを出来損ないのぬいぐるみと例えるなら、『それ』はまるで職人によって精巧に作られた人形のようだ。 何よりその圧倒的な威圧感はれみりゃなぞには出せはしない。 ゆっくりの一種ではあるが体が存在し、その背からは一対の優雅に輝く羽が生えている。 れみりゃの匂いに惹きつけられ、やって来た『それ』――最強にして最凶の捕食種、ゆっくりふらんは今宵の獲物を確認すると二マリと口を開いた。 「ゆっくりしねっ!!」 その言葉が周囲に響くやいなや、空中のゆっくりふらんの姿が消える。 「ゆゆっ!? どこにいったの!?」 まりさが困惑していると、彼女の後ろから悲鳴が聞こえた。 「う゛ぎゃ゛ぁ゛ぁぁぁぁーーーーーー!! い゛だい゛どぉぉぉーーーー!!」 その声の主はれみりゃの様だ。恐る恐るまりさは振り返る。 そこで見た光景は。 「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛ーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーー!!」 「ゆっくりしねっ!!」 ふらんが後方かられみりゃの頭を齧っていた。ゆっくりふらんは一瞬にして地上まで急降下し、肉に噛みついたのだ。 真正面から見ているまりさの眼には、涙や肉汁でぐしゃぐしゃになったれみりゃの顔と、その頭を頂点から鋭い牙で削り、咀嚼する楽しげなふらんが写る。 それを見たまりさの背中に冷たいものが走った。 れみりゃは縛られているため身動きができず、ただただ泣き叫ぶことしかできない。 「あ゛あ゛あ゛ーー!! れみ゛り゛ゃはだべもの゛じゃな゛い゛どぉーーー!! ざぐやーーー!! だずげ」 「うるさいっ!!」 「ぶべ゛ぇっ!?」 ブチッ、という大きな音。それはふらんが齧りついていたれみりゃの頭部をそのまま力任せに胴体から引き千切った音だった。 「びぃぎゃあ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!?」 「うるさいれみりゃはさっさとしねっ!!」 ふらんは頭だけになったれみりゃを手に持ち直す。 既に元の三分の二ほどの大きさになった顔の正面から、彼女は大きく口をあけてそれを喰らった。 無数の細く、鋭い牙がれみりゃの顔面を一瞬にして削り取る。 くちゃくちゃとふらんが肉まんを噛む音が辺りに木霊した。 断末魔を上げる暇もなく、れみりゃはこの世のものではなくなった。 「あーーん」 と、ふらんは口を開けて後ろ半分だけになった頭部を両手で掲げ、絞るように力を入れた。 顔だったモノの断面から肉汁が滴り落ち、それを咽の奥へと導く。 「んぐっんぐっ…ぷはっ」 肉汁を完全に絞りとり、全て飲み終えてから水分の無くなった頭部を捨てる。地面に叩きつけられ、乾いた後頭部は粉々に砕けた。 唇の周りに付着した肉片や肉汁を紅い舌で丁寧に舐めとった後、ふらんは未だにピクピクと痙攣しているれみりゃの体を食べ始めた。 ほんの数分の出来事。しかし、まりさ達にとってそれは永遠とも感じる時間だった。 彼女たちの目の前であのれみりゃがなす術もなく見たことないゆっくりに食べられていった。 逃げなければならない。本能はそう告げるが体が動かない。 体を震わすまりさたちの目線の先では、ふらんがれりみゃの体をむさぼっていた。 まりさ達にとって恐るべき天敵だったものの四肢を引き裂き、胴体両腕と次々にその体内へ取り込む。 皮を齧りとり、中身を喰らい、肉汁をすする。 「けふっ、たべたべた」 最後に残った右足を食べ終え、満足そうにふらんは言う。彼女の前にはれみりゃを縛っていた数本の蔦しか残っていなかった。 ガクガクと本能的な恐怖で震えるまりさ達。 そして次はそんな彼女たちが標的にされることとなる。 「うー、まだたりない」 ふらんが体勢を整え、まりさ達に目を向けた。 それはまるで蛇と蛙。その場にいる時点で決着がついた、食う者と食われる者。 どんな生き物でも、自分の運命を受け入れるしかないと考えるような状態。 だがまりさは違った。今までの経験から、自信が付いていたまりさは今回も大丈夫だという確信があったから。 皆がいれば何も怖くはない。 怯えを捨てて勇気を振り絞り、まりさは子供達に言った。 「だいじょうぶだよ! まりさたちはつよいんだから! あんなやつ、かんたんにやっつけれるよ!」 母親の言葉に励まされ、子まりさ達も闘争心が燃え上がる。 そうだ、自分たちは進化した強いゆっくりなんだ。たとえどんな相手でも負けるものか、と。 「そうだよ! おかあさんのいうとおりだよ!」 「あんなれみりゃみたいなやつなんかにまけるはずないよ!」 れみりゃの時と同じように、まりさ達はふらんを取り囲む。 まりさ達は進化した。 れいむやありすは勿論、あの巨大ゆっくりや体付きれみりゃでさえも力を合わせた自分たちに勝てはしない。 それに、いくら見たことがないゆっくりだからって所詮大きさはれみりゃ程度しかないじゃないか。 だから今回もいつも通り、自分達は負けはしない。そう思っていた。 しかし――。 「しねっ!」 「ゆ゛ぶぅ゛っ!!!」 一匹の子まりさがふらんに飛びかかった瞬間、その体が鋭利な爪で引き裂かれた。 輪切りになって絶命する子まりさ。 高い再生能力を手に入れたといっても所詮はゆっくり、頭の中心部、中枢餡子が完全に破壊されてしまえば再生など出来なかった。 「ゆゆっ!?」 まりさ達は一瞬何が起こったのかわからなかった。 れみりゃの時のように誰が飛びかかり、相手の体がぐらついた時に全員で跳びかかれば簡単に倒せる。 まりさ達はそう思っていた。だから今目の前で起こった事を脳が処理できない。 そしてふらんの足元に転がり、ぴくりとも動かぬ子まりさを見て、まりさ達はゆっくりと理解した。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛さのこども゛がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「お゛ね゛え゛ぢゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃん!!」 「な゛んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ゛!!??」 スライスされた家族の姿を見てまりさ達は号泣する。 自分が生んだ可愛い子供。今までも、そしてこれから一緒にゆっくりしようと誓ったとても大切な家族。 それを失ったまりさの悲しみは大きく、次々と涙をあふれさせる。 その様子をふらんはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら見ていた。 まりさは涙を流しながらも般若のような形相になる。 「よ゛ぐもま゛り゛さのごども゛ををををををををを!!!」 我が子を殺され、怒り狂ったまりさがふらんに突進する。そのスピードは尋常ではない。 さらにこのまりさは皮が分厚く、中身も通常より重いため、その突撃の威力は恐ろしく高い。 「まりさのこどもをころしたやつはゆっくりじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇ!!!」 怒涛の勢いでふらんへと体当たりするまりさ。 そのまま自分の攻撃でふらんは倒れるだろうとまりさは予測していた。 しかし、残念ながらその予想は外れてしまう。 「うー!」 「ゆっ!?」 ガシッとまりさの体は何の苦労もなくふらんに掴まれた。 「ゆー! ゆっくりはなしてね!」 まりさは何とか拘束から逃れようとするが、がっちりとホールドされていて全く動けない。 一体この華奢とも言える腕のどこにそんな力があるのだろうか。 「ゆっ! まりさをはなしてねっていってるんだよ!」 「あー、うるさい」 「ゆぶぶぶべっ!?」 ドゴッとふらんはまりさの頬を軽く殴った。それだけでまりさは意識が飛びそうになる。 今まで受けたことのないような威力の攻撃。 たった一発殴られただけでまりさの皮は破裂し、餡子が噴き出す。 さらにその衝撃が体内を波のように伝わり、激しい嘔吐感に襲われて口からも餡子を吐きだした。 ふらんはまりさを掴みながら羽を使い、宙に浮く。 そして勢いよくまりさを近くの大木の枝に突き刺した。 「あ゛ぎゃ゛ゃ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 芯がしっかりしている枝は、まりさの体を深々と貫通した。 何とか中枢餡子は傷つかなかったものの、体内を引き裂かれる痛みにまりさは声を上げた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい゛だい゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「おかあ゛あ゛さぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「まっでて、いま゛たすけであげるから!」 子まりさ達は身動きできない母に近づこうとする。 しかし、そんな彼女らの前にふらんが立ちはだかった。 そのドス黒い笑顔にはどんなゆっくりも怯えるしかないだろう。 だが子まりさ達は違った。 「ゆっ!? そこをどいてね!」 「おかあさんをたすけるんだから!」 子まりさ達とふらんが睨み合い、緊張が張り詰める。 とその時、この場に予期せぬ来訪者が現れた。 「う~! おいしそうなにおいがするんだどぉ~!」 「あのきからにおってくるどぉ~!」 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 緊張感の欠片もない声を上げながら低空飛行でやってきたのは、三匹の体付きれみりゃだった。 さっきの一匹といい、どうやらこの辺りにはれみりゃの巣があるらしい。 木に突き刺さったまりさの餡子の匂いに誘われてきたのだろう、その顔には何の危機感もない。 そしてまりさは思った。あの体付きれみりゃが三匹もいるならあの金色の化け物にも勝てるに違いない。 だからまりさはやって来たれみりゃ達に向かって叫んだ。 「れみりゃたち! そこのゆっくりをやっつけてくれたらまりさをたべさせてあげるよ!」 それを聞いた子まりさ達は困惑した。 何故お母さんはそんな事を言うのだろうと。 だが同時に、お母さんに何か考えがあるのだろうと思って黙っていた。 子供達の考え通り、まりさにの頭の中では既に計画が完成していた。 まず三匹のれみりゃにあの恐ろしい金髪のゆっくりを始末させる。 それから自分を食べやすいようにとの理由をつけて、れみりゃに木から下ろして貰ったところで奇襲をかけようと。 三匹もいるが、れみりゃなら倒すことができることがつい先程証明された。 子供達と力を合わせ、各個撃破していけば何とかなる。 それがまりさの考えだった。 「う~? そこのゆっくりってどれだ…ど…!?」 まりさの言葉を聞き、辺りを見回したれみりゃ達はそこで初めてふらんの存在に気が付いた。 刹那、れみりゃ達の体に恐怖が湧きあがって来る。 それは捕食種の中でもとても強い自分達をも喰らう究極の捕食種。 れみりゃ達は命の危機を感じ、普段なら有り得ないような高さまで飛び立った。 しかし、ふらんは目にも止まらぬスピードで先頭のれみりゃの前へと先回りする。 そして両手でれみりゃの手首をそれぞれ掴み、力任せに引き千切った。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い、い゛だいどおおぉぉぉぉぉぉ!!」 肉汁が飛び散り、地面へと降り注ぐ。 それを浴びながら、ふらんは千切り取った両腕を放り捨てると、右手をれみりゃの顔面へと突き刺した。 さらにれみりゃが悲鳴を上げる暇もなく傷口へと左手も抉りこませ、そのまま左右に引き裂いた。 顔を二つに裂かれた両腕のないれみりゃの死体が地上へと墜落し、グチャリと音を立てて潰れる。 休む暇なく、ふらんは別のれみりゃへと襲いかかった。 「う゛あ゛ーーーー!! ごわ゛いどぉーーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーー!!」 何とか逃げようとするもふらんのスピードに敵うわけはなく、あっさりと捕まって羽を毟り取られた。 飛ぶための機能を失い、バランスを崩したれみりゃは先程のれみりゃと同じように落下し始めた。 だが幸いにもこのれみりゃは飛行していた高度が低かったため、そのまま落ちたなら命は助かりそうである。 「うー♪ なんとかたすかりそうだどぉ~~♪」 そのまま落ちたなら。 「う゛あ゛っ!?」 「うー♪」 落下しているれみりゃの後頭部へと、ふらんは足を乗せた。 そのまま体重をかけ、地上へと墜落する。 地面とふらんの足に挟まれたれみりゃの頭は潰れ、肉まんの具を周囲に飛散させた。 ふらんは潰れた頭部から足をどけ、れみりゃの体からまだ温かい右手を引き千切って再び飛翔した。 残るれみりゃはあと一匹。 その最後の生存者は顔をぐしゃぐしゃにして必死にこの場から遠ざかろうとしている。 しかし努力空しく、すぐにふらんに追いつかれ、その手に持っていた仲間の右腕で頭を思い切り殴打された。 「う゛あ゛゛ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い゛だいっ! でみり゛ゃのぷりぢーなあ゛だまがぁぁぁぁーーーーーー!!」 頭がへこみ、ショックと痛みで声を上げるれみりゃ。 そんな彼女の胴体を、ふらんは両手で掴んで飛行する。 その目的地は一本の大木、そこから突き出ている太い枝だった。 「う゛あ゛ーーーーーー!! やっ、やべべべべべっっ!!」 最後まで言い終わらぬうちに、れみりゃの顔面に枝が突き刺さった。 鋭く尖った枝はそのままれみりゃの体内を楽々と通り続け、股間から貫通する。 「れみりゃのくしざしいっちょうあがり♪」 ピクピクと動くれみりゃの右足をもぎ取る。それを食べながら、ふらんはまりさ達の近くへと戻って来た。 一部始終を見ていたまりさ達は先程より大きくガクガクと体を震わせている。 木の枝に突き刺さっているまりさはもとより、子まりさ達もあまりの恐怖に動くことが出来ない。 あのれみりゃを一瞬にして三匹も屠り去ったゆっくりふらん。 圧倒的な力による一方的な虐殺。 まりさ達は漸くその恐ろしさと力の差を真に理解した。 ゆっくり、ゆっくり、とふらんは不敵な笑みを浮かべながら子まりさ達との距離を詰める。 「う゛…う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 金縛りが解けた子まりさ達は一斉にバラバラに逃げた。 体を震わせながらも、それを見ていたまりさはいい考えだと思った。 いかに強くても相手は一匹だけ。様々な方向に逃げだせば助かる可能性が高い。 運悪く標的にさたなら命はないだろうが、全滅するよりはましだ。少しでも多くの子供に生き残って欲しい。 だがその願いも無残に打ち砕かれる。 「しねっ!」 何と、ふらんが掛け声をあげた直後、その体が四つに増えたのだ。 これぞゆっくりふらんの特性。自分の分身を三匹まで作り出すことが出来る。 四匹のふらんはそれぞれ素早く移動し、四方から子まりさ達を取り囲んだ。 ガチガチと歯を震わせ、子まりさ達は涙を流す。 と、その中の一匹が勇気を振り絞って言った。 「お、おまえなんてこわくないよ! まりさたちがちからをあわせればまけるはずないもん!」 声は震えていたが、その言葉で子まりさ達は皆勇気を出し、それぞれ捨て身の思いで数匹ずつ目の前のふらんへと飛びかかった。 そして――。 「うー、しねっ! しねっ!」 まりさ達は進化した。 だが悲しきかな、そんなことは彼女たちの目の前にいる怪物には全く関係がなかった。 ゆっくりふらんとゆっくりまりさ。両者の差は数字で例えると1と0。それは極めて近く、それと同時に果てしなく遠い距離。 どれだけ強くなっても、どれだけ餡子の質が良くなっても、どれだけ数が多くても、それが自然から生み出されたものである限り、 ゆっくりまりさがゆっくりふらんを超えるなど不可能だ。 0が何倍になろうとも、0がどれだけ集まろうとも、『1』という最小の数字さえ超えることが出来ないのだから。 ある子まりさは地面に叩きつけられ餡子を飛び散らせて死んだ。 ある子まりさは顔の中心部から引き裂かれて死んだ。 ある子まりさは勢いよく踏みつけられて死んだ。 ある子まりさは顔の上半分を噛み千切られて死んだ。 ある子まりさは餡子をじわじわ吸い取られ、皮だけになって死んだ。 ある子まりさは―――。 死因は様々。だがその全てに共通しているのは即死ではなくゆっくりゆっくりと死んだことだ。 ふらんは子まりさ達をすぐには殺さず、だからといって生き残ることは出来ないぐらいの絶妙の力加減で攻撃していたのだった。 そのどれもこれもが中枢餡子を破壊され、再生もできなくなっていた。 これがゆっくりふらんの性格。獲物を出来る限り痛めつけて殺すという恐ろしき習性。 「い゛だい゛い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! や゛め゛でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「どぼじでごんな゛こどにな゛っだの゛おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ぐべっ……ゆ゛ぐべべべべ…っ…」 「ああ…あ゛あ゛…」 まりさは滝のように涙を溢れさせてその様子を見てることしかできなかった。 目の前で次々と子供達が無残に殺されていく。絶望がまりさを覆い、もう叫ぶこともできない。 もういい、このまま死んでしまいたい。 思考するのをやめ、意識が深い闇へと沈み始めたその時。 「い゛や゛あああぁぁぁぁ!! お゛がぁざぁぁんたすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 その言葉にはっと我に返るまりさ。 見れば、最後の一匹となった子まりさをふらんが右手で掴んでいた。 ほとんど大人ゆっくりと同じ大きさの子まりさはふらんの片手に収まるような大きさではない。 だがふらんの圧倒的な握力によって体をねじ曲げられ、無理やり手の中に押し込まれていた。 既に周囲に分身はおらず、元のふらん一匹だけに戻ったようだ。 「もうさいご。つまらない」 「おがぁぁぁぁぁぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 泣き叫び、自分を呼ぶ愛しの我が子。その声にまりさの中に再び気力が燃え上がった。 ふらんは徐々に握る力をあげていく。 子まりさの表皮が黒ずみ、今にも目や口から餡子を吹き出しそうだ。 「ゆっくりしね――」 「まって!!」 突然のまりさの声にふらんは力を加えるのを止める。結果、ぎりぎりで子まりさは握り潰されずに済んだ。 ふらんはギロリと目をまりさに向ける。 その眼光にまりさは背筋が震えたが、何とか声を絞り出した。 「ま、まりさはどうなってもいいから、まりさのこどもをにがしてあげてね!」 状況は圧倒的に不利。というより有利不利などというものは無い。相手は一方的な惨殺者、こちらの言うことなど聞く必要はない。 しかしそれでもまりさは言った。自分は死んでもいいから子供だけは生き残って欲しい。 たとえどれだけ確率が低くても、可能性があるならそれに賭けてみたかった。 ふらんは考えるように沈黙し、暫くして口を開いた。 「いいよ、ちびはにがしてあげる。やくそくする」 それはまりさにとって信じられない言葉。しかし、確かにふらんはそう言った。 まりさは喜びで飛び上がりそうになったが、同時にあまりに上手くいきすぎるとも感じた。 「ぜったいだよ! やくそくだからね!」 「だいじょうぶ、やくそくはまもる」 そう言ってふらんは子まりさを握る右手を緩めていく。その手つきは優しく、先ほどまでの荒々しい様子はない。 それに安堵したのか、まりさの顔に笑みが浮かぶ。 さらにふらんは空いている左手でまりさの刺さっている枝を根元から折り、そのまままりさを地面へと置いた。 子まりさは寂しそうな顔をしているが何も言わない。いや、言えない。 完全にふらんの手から握力が無くなり地面に落ちると、最後の子まりさは親の元へと駆け寄った。 「ゆー…おかあさん…」 「おかあさんはだいじょうぶだよ! でも、これからはいっしょにいられないからひとりでいきてね! まりさのこならだいじょうぶだよね!?」 暗い表情の子供に対して、まりさは少しでも元気を出してあげようと笑いながら明るい声で言う。 「うん…、まりさがんばるよ!」 それに励まされ、少し表情が明るくなる子まりさ。 親子は頬を擦り合わせて、最後になるであろう抱擁を交わす。 その様子をふらんは微笑みながら見ている。今度は純粋な、まったく害のない笑みだった。 そんなふらんの笑顔を見てまりさは完全に安心した。良かった、もう子供は大丈夫だ、と。 しかし、まりさは気付かない。優しく微笑むふらんの口から、わずかに緑色の光が漏れているのを。 「ゆっ…じゃあそろそろいくね!」 子まりさは決心した。 おそらくもう母親には会えない。でももう大丈夫だ。母が助けてくれたこの命、大切にしよう。 子まりさの言葉に、まりさは無言で、しかし力強く頷いた。 子まりさは背を向け、数歩進み――勢いよくふらんの口から放たれた弾幕が直撃し、爆散した。 辺り一面に飛び散る餡子。その破片がまりさの頭にべったりと張り付く。 おそらく子まりさは自分が死んだ事も認識できずにその生涯を終えただろう。 まりさは何が起きたのかわからない。 自分の子供はどこにいったのだろう。何故ふらんは楽しそうに口を開けているのだろう。 一体この顔にかかった黒いものは何なんだろう。 そして降りかかった餡子が顔を伝い地面に落ちた時、まりさは漸く理解した。 「どぉぉぉじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! や゛ぐぞぐはま゛も゛るっでいっだのに゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「やくそくはまもった。 ちびをにがしてあげた」 「でぇぇぇぇぇも゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その言葉にゆっくりふらんはとびきりの、悪意の塊のような素敵な笑顔で答えた。 「でも…ふらんはちびをころさないとはいってない♪」 「う゛…う゛あ゛…」 まりさは震え、そして爆発した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! じね゛っ!! じね゛っ!! ゆっぐり゛じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!こ゛ろ゛す゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! こ゛ろ゛し゛でや゛る゛っ!! じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 まりさが動けないことなど関係なく、その場にいたものならどんなゆっくりでも、 例え捕食種のれみりゃであっても逃げ出すであろう、怒り、憎しみ、絶望…あらゆる負の感情を孕んだ咆哮。 だがゆっくりふらんは全く物怖じすることなくケタケタと笑っている。 当然だ。いくら負の感情をかき集めたとしても、そんなものは本物の純粋な悪意の前では何の意味もなさない。 「さて、そっちもやくそくをまもってもらうよ」 そう言うと、ふらんは呪詛を吐き続けるまりさの底面からその体を貫通している太い枝を抜き取った。 ぐちゃぐちゃと音をたて、枝がまりさの体内を通過していく。 「ひ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 体を内部から引き裂かれるような痛みがまりさに走る。そして数秒後には彼女は空を飛んでいた。 ふらんはまりさを帽子の上から鋭い爪を食い込ませて固定させている。 飛翔してから数秒後、枝が貫通していた穴が早速再生し始める。それを見たふらんは新しいおもちゃを見つけた子供のような顔をした。 悪意が充満した純粋な瞳をキラキラと輝かせている。 「すごいすごい、まりさなのにかいふくする」 「はな゛ぜぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「あー、うるさいなぁ」 そう言うとふらんは指でまりさの右目を貫いた。そのままぐりぐりと指を回し、少し曲げて引っこ抜く。 ボコリと音をたて、まりさの目玉がえぐり出された。空洞となった部分から餡子が漏れだす。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ま゛り゛ざのめ゛がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 無くなった右方の視界。残る左目には自分の目玉を食べるふらんが写る。 頭の片隅で、そう言えば以前もこんなことがあったな、とまりさはどこか冷静に考えていた。 あの後はぱちゅりーに出会ったっけ…。 それをきっかけに、これまでの記憶が次々と浮かんでは消えていった。 母に祝福されて生まれた。可愛い妹達と一緒に旅をした。美しい妻と出会い、自分の家庭を持った。 そしてそれらはすべて壊された。その後に出来た子供も、今自分を掴んでいるこの化け物に全て殺された。 どうしてこんなことになったんだろう。自分はただゆっくりしたかっただけなのに。 しばらくするとまりさの右目は再生し始め、五分もすると元通りになった。 「うー、おもしろい♪」 今度は右手の指をVの字にし、まりさの両目に突き刺すふらん。 痛みと視界が無くなった恐怖でまりさは絶叫する。中途半端に高い再生力のせいで気絶することも出来なかった。 あと数分もすれば失った両目も完全に元通りになるだろう。 美しく輝く満月を背に、ゆっくりふらんが夜空を舞う。 その手に持つは両の目の無いゆっくりまりさ。 それからまりさにとって地獄のような日々が始まった。 ふらんの巣の中に動けないように固定され、何度も何度も痛めつけられる。 ある時は髪を千切られ、ある時はおやつとなり、ある時は両目や口を引き千切られ、それでもその度に体は再生して元通りになる。 こうしてまりさはその命が終きるまでゆっくりできることなどなく、ふらんのおもちゃとなるのだった。 終わり あとがき ふらんちゃんの すごい 無双。 前中編で影も形もなかったのでオチはバレバレだった気がしますが。 あまり捻った話が書けなくてごめんなさい。 こんな長い駄文を最後まで読んでくださった読者様、有難うございます。 どうでもいい質問コーナー Q.これ別に進化させなくても、普通のまりさで良くない? A.ぶっちゃけ強さよりも再生力が欲しかっただけです。 Q.何でゆふらんが普通に喋ってるの? あと厨スペックすぎね? A.かわいいから仕方ない。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 あるゆっくりまりさの一生 前中編 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2779.html
蟻地獄とゆっくり ズシャッ。 その柔らかい砂の感触は、なぜか、ぜんぜんゆっくりしていなかった。 「ゆ、ゆぅ?」 れいむは餡子を引き締めて、さらさらとした砂に身をまかせたい欲求を我慢する。 「ゆっくr……ちがうよ!これはゆっくりしちゃいけないすなさんだよ! れいむはかたいじめんさんのほうがゆっくりできるよ!」 このれいむの餡子は、幾百回もの世代交代を経て練りこまれた一級品だった。 欲求よりも、その餡子が「危険」と打ち鳴らす警鐘にれいむは従う。 「ゆっくりもどるよ!ゆー……しょ!」 土の上に戻るために跳躍しようと考える。 体を地面に押し付け…… ミシッ。 「ゆー!?」 伸び上がるために体を砂に押し付けると、そのたびに体は余計に砂へと沈んでいく。 「ゆゆ!やめてね!れいむはすなさんとはゆっくりしないよ!」 れいむは懸命に伸び上がろうとし、そのぶんだけ砂の中へと沈んでいく。 「どーじてやめてくれないのおおおお!?やだっていっでるでじょおおおお!!??」 死の恐怖がれいむを捕らえる。 「やだ……やだよ……」 れいむはつがいのまりさの事を考える。いつか育まれるであろう、二人の間のおちびちゃんの事を考える。 今までゆっくりしてきた沢山の仲間のことを考える。 「やだよぉぉぉぉぉぉ!!!れいむしにたくないよ! 、もっともっとみんなとゆっぐりしたいよぉぉぉぉぉ!!!!」 「すなさん……ゆっぐりとまっでね……かわいいでいぶをじめんさんにもどじてね……」 暴れるだけ余計に沈むと悟ったれいむは、少しずつ自分を土の底へと運ぶ砂に身を任せるほかはなかった。 砂はただ無情に、れいむを生の終端へと追いやっていく。 「ゆゆ!れいむ!れいむーーー!!」 「ゆへへ……とうとうまりさのこえがきこえてきたよ……これはきっとげんちょうだね…… さいごにまりさのこえをきかせてくれてかみさまありがとうね……ゆっくりしていってね……」 「れいむってばぁ!!」 はっ、と我にかえる。 その声は聞き間違えようもない、そして幻聴でもないほんものの愛しいまりさの声だ。 狩りから帰って来ないれいむを心配して出てきたのだろう。れいむはまりさのために警告の叫びを上げた。 「まりさ!!きちゃだめだよ!ゆっくりできなくなるよ!!」 「でいむぅぅぅぅぅぅ!?」 まりさは泣きながら、蟻地獄の底へと向かうれいむを見送ることしか出来ない。 「まりさ……れいむはまりさとであえてしあわせだったよ…… れいむがしんだら、まりさはべつのゆっくりしたゆっくりとゆっくりしていってね…」 「でぎないよぉ!!ぜっだいぜっだい、ぞんなごとでぎないよぉ!!」 砂が目に入り、れいむは目を閉じた。 「ゆ……」 暗闇の中に、からからと回る走馬灯が浮かびあがり、それは餡子に残った記憶を呼び覚ます。 おかあさんれいむの茎で目覚めた日のこと。 はじめてむしさんを捕まえた日のこと。 まりさと出会った日のこと。 まりさと、さまざまな場所でゆっくりしたこと―― 「!」 走馬灯の中に、一つの可能性があった。れいむはおぼろげな記憶を懸命にたどり、 その可能性を拾い上げる。 「ゆ!!れみりゃだ!れみりゃだよ!まりさ!あのれみりゃをつれてきてよ!」 以前、にんげんさんの罠にかかったれみりゃを助けてやったことがあった。 「うー!うー!だずげでぇぇぇぇ!!!ざぐやぁぁぁぁ!!!!!」 「れみりゃだよ!いまならにげられるから、そろーりそろーりにげようね!」 「……」 「れいむ?どうしたの?」 賢いれいむはもちろんれみりゃの脅威を熟知していた。 「いだいどぉぉぉぉぉーーーー!!おぜうざまのあんよがぁぁぁぁーーー!!!」 「れいむ?」 しかし、それでもれいむはれみりゃの前に飛び出した。 足を鉄の顎に噛み込まれたその姿がにあまりに可哀相で、助けずにはいられなかったのだ。 「でいぶぅぅぅぅぅ!!!まりざぁぁぁぁぁぁ!! とっでもとっでもかんしゃするどぉぉぉぉぉぉ!!!! このごおんはぜったいわすれないどーーー!!!」 そのれみりゃはそう言うと、友情のしるしにかり☆すま☆だんすを披露して、 「れみぃはあかちゃんやさくやとくらさなきゃならないからいっしょにはいられないどぅ… だけど、こまったときにはいつでもよんでほしーどぅ! れいむとまりさをこまらせるやつはれみぃがぽーい☆しちゃうどー♪」 そう請け合ってくれた。 「れいむはとってもばかだよ!でも……かっこよかったよ、れいむ……」 「ゆ、ゆゆぅー……」 れみりゃほども力があれば、蟻地獄からゆっくり一匹引っ張り上げるのはたやすいことだ。 しかも、その棲家も知っている。とても運のいいことにここからそう遠くはない。 まりさが必死で跳ねてくれれば、必ず間に合うはずだ。 「あのれみりゃなられいむをひっぱりあげてくれるよ!ゆっくりよんできてね!!」 「でいぶぅぅぅぅ!!!だずげてあげられなぐてごべ……いまなんでいっだの? あのれみりゃってどのれみりゃのこと?れみりゃはゆっくりできないよ?」 「なにいっでるのまりざ!?あのれみりゃはあのれみりゃだよ!はやぐじでよぉぉぉぉ!!!」 「ゆ……れいむ……」 「おでがい!!おでがい!!おでがいだがらおもいだじでよぉぉぉ!!!!! れみりゃよんでぎでぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 危機に瀕したれいむだからこそやっと思い出せたものを、そうでないまりさが思い出せるはずがない。 「れ、れいむ……?」 れいむの言葉を理解できないまりさは、れいむが苦しさのあまり狂ってしまったと思った。 「ごべんねぇぇぇぇぇぇ!!!だずげられないばりざをゆるじでねぇぇぇぇぇ!!!」 砂は少しずつ、少しずつ……泣き叫ぶれいむを蝕みながら流れる。 「おでがいだよぉぉぉぉ!!でいぶまっでるがら!!まっでるがられびりゃよんでぎでぇぇぇぇ!!!!」 れいむは力の限り叫び続けた。 「まりざ!!はやぐじでよ!!まにあわなぐなっぢゃうよ!!」 「まりざ!!おでがい!!ゆびぃ!もうれみりゃじゃなぐてもなんでもいいから、ゆぷっ!でいぶを……」 「まりざ!ぐるじいよ……まりざ……どごにいるの……」 「まりざ……?」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1982.html
切断マジック(?) 15KB 虐待-普通 理不尽 自滅 飼いゆ 捕食種 現代 虐待人間 愛護人間 独自設定 れみりゃいじめです。まりさやれいむは出ません。 ・俺設定あり。 ・れみりゃいじめですのでれみりゃ以外出ません。 ・ちょいグロです。 天然あき 俺は説明不要の虐待お兄さん。 今日は趣向を凝らしてゆっくり虐待を楽しもうと思い立ったので実行しようと思う。 という訳で今回は“マジで種も仕掛けもないマジックショー”。 私虐待お兄さんマジシャンもどきバージョンがお送りしよう。 さて今回行うのは切断マジック。 それに挑戦するのはこのゆっくりんピ~スとやらの一人であるババアに猫可愛がりされていた肥え太った胴有りれみりゃ。 見てのとおり甘やかされたのでとんでもなく我が儘だ。 それはもう拷問して殺したくなるほどに。 ちなみにババアには別のれみりゃをすり替え…いやプレゼントしてあるのでご安心を。 「う、う~♪きょうはえれがんとなおぜうさまのだんすをよくみにきたんだど~♪ほめてやるんだど~♪」 ぶっぶ~!と屁をこきながら手を振る胴有りれみりゃ。 バタバタと手を振っているが暫くしたら飽きたようで、 「う~、えれがんとなおぜうさまにぷっでぃんをもってくるんだど~♪」 「断る」 れみりゃの言葉に簡潔に答えると「ダンスすんじゃなかったのか?」と内心思いながられみりゃを頭の部分と足を出した状態にして箱に収める。 中がよく見えるように透明な箱にしてある。 そしてそれをれみりゃの頭が下になるように逆さ吊りにセッティングする。 この際上となった箱の面の角の部分に留め金をし、四つの頑丈な紐で吊し、切断の邪魔にはならないようにする。 「うあ~、きゅうくつだど~!!ぎぼぢわるい゛んだど~!!はじゅかじいんだど~!?はやぐだすんだど~!!」 足と頭のみを固定しているので片手でドンドン箱を叩いてもう片手で逆さまになって下にさがろうとするスカートを抑えようとして頭が固定されて完全に抑え切れていない状態で脱出しようとしているが無駄な事。 というかウザったい羞恥心なんか見せるんじゃねえ!! 誰も見ねえよ。お前のきったねえドロワなんてよお!!! ……………すまん取り乱してしまった。 気を取り直して、続けよう。 逆さ吊りなので放っておけば鬱血するかもしれないがゆっくりなのでわからないから無視しよう。 箱の耐久力はれみりゃ自身より高いから破壊出来る訳がないので問題も無い。 「さぁこのれみりゃはこれから真っ二つにするぜ。縦に」 ポケットから明らかにサイズの合わない巨大鋸を取り出す。これが唯一のちゃんとしたマジックである。後はホント種も仕掛けも無い。 「う~、なにいってるんだど~!!いいからはやぐここからだすんだど~!!!」 バンバン箱を叩く音が喧しい。 手も拘束しとけばよかったなぁ…と後の祭りな事を考えながら鋸の刃をれみりゃの股の間の箱の位置に付け、ギーコギーコと動かし始める。 「うー!なにずるんだどー!!?あぶないんだどー!!はやぐどげるんだどー!!!」 どうやら危険なのは理解できているようだ。やめるように言ってくる声を俺は無視して箱を鋸で切っていく。 「く、くくくるなだど~!!?やめないどた~べちゃうぞ~!!」 まだ余裕有るな。構わずギーコギーコと鋸を動かす。 ちなみにどうして縦に真っ二つにするかというと下半身と上半身分けた程度じゃこいつ死なないからだ。 あとそっちの方が楽しいからでもある。楽しいかどうかは重要だ。 何だか普通のマジックとは趣が違ってきたが対象が気にしない。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 目を背けても着実に迫る鋸を否応無く感じずにはいられない。 「ぐる゛な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?あ゛っぢいげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛!!?ばやぐごい゛!!おぜうざまのぴんぢなんだどお゛お゛お゛!!?」 咲夜が来る訳ない。 ここは幻想郷ではないのだから。 それとも飼い主のババアを咲夜だというのならぶち殺すぞテメエ…。 あ、結局殺すんだった。ありがとうございます。 そうこうしている内に鋸の先がれみりゃの股部分に接した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?がえ゛る゛う゛う゛う゛う゛!!!でみりゃおう゛ぢがえ゛るう゛!!!がえっでぷっでぃんたべる゛う゛う゛う゛!!!?」 れみりゃには股先に感じる冷たい感触を存分に味わっていただこう。 触れた時点で動かすのを止め、存分に楽しんでいただいたところでゆっくりと動かし出す。 「うぎゅう゛う゛!!?」 ザリザリと尖った刃先が動き、チクチクとした痛みをれみりゃは感じ、恐怖する。 だが安心していいよ。もうすぐそれどころじゃ無くなるから。 「さぁ~行きますよ~♪これでおぜうさまを真っ二つにしちゃいます。痛いですよ、苦しいですよ、全然ゆっくり出来ませんから覚悟して下さいね♪」 「う゛あ゛あ゛あ゛たじゅげ…」 れみりゃの嘆願を聞かず鋸の切るスピードを上げた。 股の部分に鋸の刃が入り込んだ。つまりは裂けたのだ。 「う゛ん゛ぎい゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 ゆっくりとは思えない醜い悲鳴が響き渡る。 まあ股を、人間でいえば生殖器がある位置を鋸で切られたんだ、自分がその立場だとぞっとする。 お母さんにも言われたっけ、「自分がされて嫌な事は他人にしちゃいけません」って。けどゆっくりは人じゃ無いのでオールオッケー。どんどん進めちゃうぜ。 ザリザリ、と箱を切る音と水っぽい音、そして、 「んぎゅ!!?うんぎぃ!!?」 もはやれみりゃというかゆっくりの面影すら無い奇声を上げているれみりゃの声が聞こえてくる。 そういえば随分昔に読んだ少年ジャ●プにこれと似たような殺し方する読み切りを見た気がするな。 確か逆さまにして股から段々と鋸で裂いていく。 すると、鋭利ではない削って切る役割を持つ鋸の刃はとんでもない激痛が走るという。それでいてなかなか死ぬ事が出来ない苦痛はあまりにも凄惨だったという話だそうで。鋸が心臓に達するまで死ぬ事は出来ないとその読み切りではあったけど心臓が無いれみりゃならきっと大丈夫だね!! 「んぎぃいいい゛い゛い゛い゛!!?」 おお、醜い醜い。 まあ人間が同じ状況なら吐き気を催すグロさなのだが何故かゆっくりにすると滑稽にしか見えないから不思議だ。 その滑稽さに思わず切るスピードを速めてしまう。 「いぎゅりゅべえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ ゛あ゛あ゛!!!?」 何言ってんでしょねこいつ?日本語喋れよ。 気が付けば、腹のあたりまで鋸が食い込んでいく。 「きひ!?ぎひいいい!!!」 何て言うかこれ…ゆ虐じゃなくて立派な拷問だね。まあここまでやっちゃったんなら最後までやってあげるのが礼儀だな。とりあえず進行状況の確認として一旦鋸を動かすのを止める。 ボタボタと肉汁が流れて箱の底に貯まっている。固定している首の部分がふやけて頭がとれちゃうかもしれないがそれはそれで面白いので放置しておこう。 「ゆひっ…きひぃっ…」 もはや喋る事すらままならないれみりゃ。それを見ながら私は優しく問い掛けた。 「れみりゃ、やめてほしい?」 「いひゃ…ひゃひいいい……」 顔から体液という体液を流しながら震える頭を必死で縦に動かそうとしている。 しかしそのままでいるだけで激痛が走るだ状態で頷くという行動はかなり苦しい ものだったようだ。 「ちゃんと頷いてくれないとわからないなぁ…また動かそっかなぁ…」 「!!?」 おお、驚愕するのがよくわかる。 「おべ、おべぎゃいじまじゅ!ゆぴ!?やみぇちぇ、くぴゃ!ちゃい…!!」 痛みを堪えて頷き、命乞いをするれみりゃ。 鋸の柄をつんと指先でつつくだけで「ひゃぴゃあ!!?」とか悲鳴をあげてくれるから可愛くてしょうがない。 俺はそうしてれみりゃが頷くのを見届けて笑顔で、 「やなこった」 拒絶してあげた。 「うぁ…?」 「俺はお前を鋸で真っ二つにする。それは絶対にする。お前が何をしようが絶対にな」 その言葉を聞いてもはや顔が体液でふやけだしている顔が絶望に染まっていく。 「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?じびだぶない!!!たぶべでざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!」 「さあて1、2、3でまた斬り始めるよ!」 「ぷっでぃんたべだいいいいいい!!? じびだぐなびい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 「1」 「おでがいびまず!!!まだれみりゃじびだくなびんでぶ!!おにいざんにかりずまだんずみぜであ゛げばずがらやべてぐだざい!!!」 「2」 「でびりゃのとっべおぎのあばあばぼあげばずがらだずげでぐだざい!!?ごうまがんもあげばずがだやべでぐだざいいいいいいいい!!!」 「3!」 「う゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 鋸引きを再開する。 刃が悪くなってきたので中々上手く切れない。 鋸をかえた方がいいのだろうが面倒なのでそのままいく。 「ぎゅぴいいい!!?」 刃の悪い鋸による苦痛で口から泡をふくれみりゃ。だが気絶しようとしても痛みで意識を失う事も出来ない。 ざり、ざり、と箱を切る音が響く。 箱の頑丈さで尚更鋸の切るスピードが落ちる。 「けひっ…!!?」 ゆっくりのゆの字の特徴もない悲鳴を上げながら切断され続ける。 完全に胸の辺りまで切断されて人間ならようやく死ねるというのにれみりゃはまだ死ねなかった。驚異的な再生力が死ぬ事を許さない。 「いぎ!!?ひぎぃ!!? ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 必死に自分の味方に助けを求めるれみりゃ。 もはや俺の慈悲が期待できない今、唯一縋れる人物に助けを求める。 「じゃぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 だがその叫びも空しく響いただけだった。 そうこうしている内に切られてないのは頭だけになった。 人間、いや他の動物でも…他のゆっくりでも死んでしまうだろう中でれみりゃはまだ生きていた…。 「けひ…ぐびゃ…じゃぶ…う゛ぁ…」 もはや体液でふやけ、皮が剥がれて傷だらけで顔が原型を留めていない。 おそらく飼い主であろうとわからないだろう。 「ねぇ痛い?苦しい?」 当たり前だ。ゆっくりれみりゃでなければ死んでるような事をされたのだ。痛くて苦しくない筈がない。俺はそれを解っていながら尋ねた。 「う゛ぁ…」 「あ、別に答えが聞きたい訳じゃ無いから喋るなよ。空気が汚染される」 まだ意識があるのを確認する。これなら大丈夫そうだ。 「はいれみりゃ。こっち見てね」 れみりゃに見せるのは一つの映像。 そこに映るのは…、 「はい、れみりゃちゃ~んデザートのぷっでぃんですよ~♪」 「う~♪いただきます~♪」 そう言って器用にスプーンを使ってぷりんを食べるれみりゃがいた。 そしてその横にはずっと切られている間れみりゃが助けを求めていた「さくや」と呼ぶ従者のババアがそこにいた。 「ざぎゃやあ゛!!?ばやぐだずげでだどぉ!!!ごいづをやっづべるんだどお!!!」 死にそうだったれみりゃが生気を取り戻して叫ぶ。 映像という概念のないれみりゃには今目の前にようやくさくやが現れてくれたと思ったのだろう。 だが、 「ごちそうさまだど~♪」 「はいよくできましたねおぜうさま」 目の前にいるさくやことババアはそこにいる自分とは似ても似つかないれみりゃ基準でブサイクなれみりゃをおぜうさまと呼んでいた。 「なに゛いっでるんだどぉ゛お゛お゛!!!?おぜうざまはでびりゃだどお゛お゛お゛お゛!!!ぞんなぶじゃいぐじゃないんだどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 れみりゃは泣き叫ぶ。 ずっと助けを求めていたさくやが自分ではなくぶさいくなれみりゃをおじょうさ まと呼んで可愛がっているのだ。 そしてそのぶさいくなれみりゃ(本当はゆっくり基準では美ゆっくりでこの肥え太ったれみりゃの方が遥かに不細工)はついさっきまで自分が満喫していたえれがんとな日々を満喫しているのだ。 「がえ゛ぜえ゛ぞればでびりゃのだど~!!!」 くじゅぐじゅと汚い音を撒き散らして泣き喚く元おぜうさま。 「どうだい、れみりゃ?さくやさくやってずっと泣いてたから会わせてあげたよ」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ざぐやぁ!はやぐたずげどお゛お゛お゛お゛お゛!!?」 こちらの声も聞かず画面上のれみりゃは喚き続ける。 「人の話を聞こうねれみりゃ♪」 頬の一部をちぎり取る。 「うんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 醜い悲鳴が響き渡る。 「いじゃあ゛あ゛!!?どう゛じべぇ゛!!?でびりゃはおぜうざばなんだどお゛お゛!!!」 「それは間違いだよ。お前はおぜうさま“だった”んだよ」 優しく現実を突き付けてあげよう。 「新しいおぜうさまがいるからもうお前はいらないんだって。よかったね、これで君が死んでも誰も悲しまない」 「ちがう゛どお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!おぜうさまはでびりゃだべなんだどお゛お゛お゛お゛お!!!あんなのじゃないんだどお゛お゛お゛お゛!!!」 おお、やかましいやかましい。 「本物のおぜうさまならきっと咲夜が助けに来てくれるよ。だから助けに来ないお前は偽物だね」 「なにいっでるんだどお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?でびりゃはほんぼののおぜうざまなんだどお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!ずぐにざぐやがだずげにぎでおばえなんがやっづけでやるんだどお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 そいつはよかったね。 「おお、こわいこわい。ならさっさと殺しちゃおう」 「ぶぎい゛い゛い゛!!?」 鋸を動かし、再びれみりゃの醜い悲鳴が響き渡る。 「いやばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 れみりゃは絶対に来ない助けを求め、泣き叫ぶ。 「う~、れみりゃう~☆」 映像は楽しげにダンスを踊るれみりゃとそれを見て微笑むババアが映し出されている。 こりゃこっちに対しても拷問になっちまうな…。 「ぐぎぎゅ!!?ぎゅぼべ!!?」 もはや奇声しか出なくなった口は歯を食いしばり、目を飛び出んばかりに見開かれる。 どうして助けに来ない? そんな表情をしている。 助けに来る訳がない。お前の時だって気付かなかっただろ? 安心しろ、あのれみりゃもしばらくしたらお前と同じように拷問されて死ぬから…。 どうせだだ甘に甘やかされるんだ。すぐにゲス化する。だから安心して死んでいいんだよクソ豚。 「ねえわかる?もうすぐお前は死ぬんだよ。俺がちょこっと勢いよくこの鋸さんを振り下ろせば自称おぜうさまのれみりゃは死ぬ…わかる?」 「ぐぎ…じゃぐ…ゃ…」 「残念だったねー。おぜうさまなのにさくやは助けてくれなかったよー。どうしてかなー?」 「う゛…ぎ…」 顎の部分にあたる部位が裂け、口に到達する一歩手前で最期の時間を与えてやる優しい俺。 「わかったかなー?君はおぜうさまじゃないんだよ。ただの肉まん。豚の餌」 「ち、ちが…」 こんな状態になってもまだ否定する涙ぐましい馬鹿れみりゃ。 そんなプライド持ったって何の役にも立たないのになぁ…。 「な、にが違うのかなぁ?だってもうすぐれみりゃ死んじゃうんだよ。それにこんな大怪我じゃ助けてもらっても二度とダンスも出来ないしね」 「う゛…う゛ぁぁ…」 何故だか知らないが胴付きれみりゃ種は変にダンスというなの奇怪な動きを好む傾向がある。 “おぜうさまのかりすまなたしなみ”らしいがどう見てもダンスと呼べるものではない。 ただ手足を無意味動かしたり振ったりする奇行をダンスと呼べるのなら保育園のお遊戯の方が5那由他倍マシだ。 そしてれみりゃにしかわからない価値観だがダンスがよりカリスマなゆっくりが“こ~まかんのおぜうさま”になるらしい。 と言っても殆どの胴付きれみりゃが生まれた時から自分がそうだと思い込んでいるから意味はない。 そもそもよりカリスマってどういう基準なのかわからない。 「さ~て、もうすぐ死んじゃうれみりゃちゃん。気分はどうかな?」 「や、やじゃ…ぢにだぐばい…」 いい顔だ。とてもいい顔だ。 恐怖に歪んでいつもの憎たらしい顔よりも全然いいね。 「ダーメ、死ぬんだよ絶対。もうダンスも踊れないしぷっでぃんも食べられない。さっき言ってたとっておきのあまあまも食べられないよ。我慢しないでさっさと食べてればよかったのにね…」 「いぎゃあ…じゃぶや…」 「こーまかんとやらにも戻れないし、咲夜もお前を助けない。お前の全部をあのれみりゃが持ってっちゃった。だ・か・ら・さっさと死ねよ糞豚」 「や…じゃ…でび…りゃは…おぜ…う゛…」 「だ~から、お前はおぜうさま何かじゃねえんだよ。ただの豚。その証拠にこんなんなっても咲夜は助けてくれないだろ?」 「でびりゃは…ぶたじゃ…」 「…もうどっちでもいいからとりあえず死んどけよ。もし死後の世界があんのならそこでせいぜい閻魔様の前でぶ~ぶ~吠えてろよ。豚らしくさ」 「ぶ…だ…じゃ…」 「いいからさっさと死にさらせえええええええ!!!」 「ぷぎょびゃあ゛あ゛!!?」 口が真っ二つに裂かれ、悲鳴が聞けなくなるとつまらないので一息で殺す事にした。 その結果断末魔の悲鳴を上げて一気に真っ二つにれみりゃはなる。 死に顔は最期まで自分がこんな目に遭うのかわからない、と言いたそうな表情をしていた。 「これで、マジックは終了。ご苦労様れみりゃ」 役目を終えたれみりゃを労い、箱に火をつける。 勢いよく燃え上がるれみりゃ。 これでれみりゃが死んだ事を知る奴は俺以外誰もいなくなった。 おれはババアに溺愛されてゲス化するだろうれみりゃをどう虐殺するか楽しげに考え込むのであった…。 END あとがき 「元銀バッジまりさの末路」が完結したので今まで書けず溜め込んでいたSSを出してみました。 本当は10KB以下の簡潔なものだった筈なのに例の如く長くなってしまいました。どうしてだろう? それはそうとして今回は餡庫の方ではあまり見ないれみりゃいじめに再チャレンジ。いかがだったでしょうか? それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 過去に作ったSS ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ! ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!! ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!! ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね! ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上 ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中 ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上 ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下 ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!! ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下 ふたば系ゆっくりいじめ 750 あまあまおいてさっさとでてってね!! ふたば系ゆっくりいじめ 803 雨の日はゆっくり遊ぼう ふたば系ゆっくりいじめ 919 元銀バッジまりさの末路 終の1 ふたば系ゆっくりいじめ 920 元銀バッジまりさの末路 終の2 天然あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ご那由他倍www -- 2014-09-28 13 03 47 ↓↓別に誰が何を好もうと、勝手でなんだねー いちいち人の好みにケチ付けてたら面白くないんだねー わかってよー -- 2013-09-11 20 50 24 れみりゃざまぁ -- 2012-12-29 16 41 44 れみりゃ狂信者はゆ虐新参の奴が多いよな。古参ぶるつもりはないが。多分れみりゃは愛での絵が多いし、れみりゃは胴付きがほとんどだから新参は「れみりゃはかわいい、ゲスはいない」と思い込んでいるんだろ。 俺的にはれみりゃは一番嫌いなゆっくりだがね -- 2012-02-29 13 50 58 u-nn・・・ れみりゃはいただけない・・・・ -- 2011-09-14 00 29 38 虐待お兄さんの楽しいマジックのタネとそのれみりゃが絶対に死に誰にもバレないというしかけがあるわけだな -- 2011-02-27 15 39 49 マジックじゃねぇじゃねぇかw 後で半分になったのくっつけてみようぜー -- 2010-11-28 09 53 26 実際目の前にれみりゃが現れて「ぷっでぃ~んをよこすんだど~☆」とか言ったら即座に家に誘拐して地獄の苦しみを味わわせる -- 2010-11-24 01 38 58 れみりゃにゲスはいない…たしかにそれはそうかもしれないな。つまりれみりゃはゲスじゃなくても、ナチュラルな状態ですでに頭悪くてわがままでうざくているだけで害悪なゆっくりということですね。わかります。 -- 2010-08-07 22 17 04 ちらほられみりゃ狂信者がいるな おお怖い怖いwwww -- 2010-08-07 00 39 21 このれみりゃがどれくらいゲスなのか書いてほしかったなあ でないとすっきりーって感じがしないな れみりゃいじめはあまり見ないしもっと見てみたいな -- 2010-07-11 00 18 21 れみりゃにゲスなんかいない、ゲス化もしない。れみりゃはみんな良い子。れみりゃは素敵なかりすまおぜうさま。 れみりゃを虐待・虐殺するゲス野郎は地獄に落ちろ。 地獄で獄卒の鬼に切り裂かれたり、引き千切られたり、叩き潰されたり、焼き尽くされたり、串刺しにされたり、ひき肉にされたり、生皮を剥がれたり、喰われてウンコになったりしろ。 -- 2010-07-11 00 01 52
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2264.html
※胴付戦隊ゆっくりじゃーを見る時は、部屋を明るくしてテレビから離れて見てね! 空を覆う黒い影、地球の平和が脅かされる(ゆっくりじゃー!) 青き海原・緑の草原・光る都会の輝きを 今こそ守るぞひそーのけん おお、みんなを守るため おお、今こそスクランブルだ 天にそびえし金色の 角で貫けゆーぎロボ 切り裂け怒りのひそーのけん 悲しみ払い、みんなに笑顔を取り戻すまで 胴付戦隊ゆっくりじゃー!(YUKKURIJYA!) 胴付戦隊ゆっくりーじゃー! 世界は危機に直面していた。 度重なる不幸や悪意、自然の驚異を乗り越えたゆっくり達が、人間への復讐を始めたのだ。 その名も暗黒ゆっくり軍団。 人間は武力を持って立ち向かったが、ゆっくりの持つ驚異的な繁殖力に抵抗しきれていないのが現状だった。 微妙に劣勢であった人間に更なる問題が発生した。 暗黒ゆっくり軍団四天王「ド・スフォー」が人間の本拠地である日本に集結したのだ。 本来悪の幹部は一度に集まって攻撃しないのが定説だが、その辺りは空気を読まない事で有名なゆっくり。 大人の事情を全く考えずに四天王が集まってしまった。 『ゆっへっへ、邪魔な人間さんはとっとと消えないと、ドスパークで灰になるんだぜ!』 「うわぁー助けてくれー!」 強大な火力を用いて全てを焼け野原にする、ドスまりさ 『にんげんさんはとっととつぶれてね!ぽいんぽいんするよ!』 「ひぃ、お、俺達の家が…」 異常に太った巨体で全てを薙ぎ払う、ドスれいむ 『んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』 「うぇ…マジ気持ち悪い……あん!?動けねぇ!!」 醜悪な顔と粘着性の高い精子餡で全てを粘着する、ドスありす 『むきゅ…三人とも暴力でしか物事を解決できないなんて…賢者は知能で戦うのよ』 「井戸が!俺の井戸に毒が!!」 知能を駆使し、トラップや破壊活動に長ける、ドスぱちゅりー この四匹の暗躍により、地域は壊滅状態。 自衛隊の努力も虚しく四天王を含むゆっくり軍団は、地球防衛組織の基地まであと一歩のところまで攻めてきた。 「もうおしまいか…」 「まさかあれほどバカにしていたゆっくりに人間が負けるなんてな、笑えないぜ…」 『ゆっへっへ、弱っちい人間さんはさっさとどくのぜ!いや、どかなくてもいいのぜ、そこで灰になるといいんだぜ!』 「うわぁぁぁぁぁ!」 「そこまでです!」 『ゆぎゃぁぁぁぁ!目が、目が痛いんだぜぇぇぇぇ!』 誰かが叫んだと同時に、ドスまりさの目に岩石が刺さった。 『んほっ!?』 『まりさ、だいじょうぶ?』 『な、何者なんだぜ!』 「砂糖と大豆の塊に、綺麗な地球は渡さない。 ひなないゆっくりてんこ!」ジャキーン!(青い爆発) 「右にスクープ、左にゆっくり、どちらも逃がさず。 清く正しいゆっくりきめぇまる!です」シャキーン!(黒い爆発) 「人間さんを守りつつ、美味しいあまあまいたたきますだどぉー。 すかーれっとゆっくりれみりゃ!だどぉー」ズガガーン!(紅い爆発) 「おりんりんらんど、はっじまるよー。 にゃんにゃんゆっくりおりん!」シュヒーン!(赤い爆発) 「……ふらん」(ふ、ふらん!ちゃんと決め台詞を言うんだどぉ!)「……うるさい」ガキーン!(黄色い爆発) 「「「「五人合わせて、「比那名居」「文文」「紅魔」「ふゅーじょん」戦隊ゆっくりじゃー!参 上 !」」」」「…参上」ドドーン!!(もう一度各個同じ爆発) 「…おかしい、比那名居戦隊って決めたはず」 「ひなないせんたい(笑)おお、ダサいダサい」 「こーまかんが一番カッコいいんだどぉ」 「やっぱりおりんりんランドにしようよー」 「おりんりんランド…おりん、さっきふゅーじょんって言ってた」 「別に紅くもないのに紅魔戦隊、おお、おかしいおかしい」 「人名なんてダサいんだどー」 「にゃーん」 『ゆがぁぁぁぁおばえらなんなんだぜぇぇっぇ!?おめめの仇ぃぃぃぃ!!』 要石を目に刺された挙句、思いっきり無視されたドスまりさは怒り心頭。 すぐさまドスパークを放った。 「おっと!」 「おお、おそいおそい」 もちろん当たるはずもなく、スパークは空しく空に飛散する。 『ゆぎぎぎぎぎ!こうなったらドスパーク連射だぁぁぁぁ!』 口が焼き切れんばかりに何度も光線を放つドスまりさ。 しかしその光線は誰にも当たる事はなかった。 「遅すぎてカリスマ☆ダンスを踊っちゃうんだぞー」 「おねーさん、ちっともやる気がないねぇ」 『だばれぇぇぇぇ!ドスパークッ!!』 「うー!?ふらん、避けるんだどー!!」 またも渾身のドスパークが放たれるが、その射線上のふらんは回避する様子がない。 『やったぜ、勝ったのぜ!』 「…ウザい」 握り締めたれーばていんを振りかざすと、ふらんはドスパークを撃ち返した。 バシンッと轟音が鳴り響き、光の光弾がドスまりさを襲う。 『そ、そんな…ゆぎゃああああああああああ!』 『まりさ!』 『んほっ!?』 反射されたスパークの直撃を受け帽子は消失、顔の半分は黒くただれてしまった。 右目には要石が、左目はただれてもはや機能していない。 『目が、目が見えないんだぜぇぇぇ!真っ暗なんだぜぇぇぇ!?』 「あまり苦痛を与えるのも酷です、ゆっくりしないで消えて下さい!」 てんこは右手を要石へとかざし 「てんくーのれーせき!」 と叫びながら決めポーズ「あらぶるひなないのぽーず」をとった。 するとドスまりさの目に埋め込まれた要石が見事なまでに爆散し、ドスまりさの半身は消えてなくなった。 『ぶべっ!ゆ!?……ゆっぶり…ぶぼっ、ゆっぶり…じで…』 『ば、ばりざのおがおがぁぁぁぁぁ!!』 「おお、むごいむごい」 「てんこー!ちゃんととどめささないと、たましいがとれないよー」 『で、でいぶ…ゆっぶり…ばりざ…まだじにだぐ…』 『ばりざ!じっがりじでいっでよ!!』 『じにだぐ…ぶぼっ!』 今生の別れになるだろう会話だが、それさえ終わることなくドスまりさはれーばていんに貫かれた。 「…ウザいしキモい」 『ばりざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!よ、よぐもぉぉぉぉ!!!!ありず!アレをやるよ!』 『んほっ!』 ありすは歯を食いしばり力を込める、すると底部から数十本の触手が伸びてきた。 「わぁーさすがドスありすだね、すごいよ!」 「これならまけるわけないぜ!」 「なんてとかいはなぺにぺになの…すてきだわ」 お付のゆっくり達もその触手…いわゆるぺにぺにに見とれてしまう。 そのくらいゆっくりにとっては、雄々しく頼もしい存在であった。 だが。 「ゆ?なんなの?」 「ドスありす!てきはむこうなんだぜ!?」 「や、やめなさい、そくばくぷれいなんてじょうきゅうしゃむけよ!」 ドスありすのぺにぺには配下のゆっくり達に巻きついていった。 そしてそのぺにぺにが狙うべきは… 「ゆぎゃぁぁっぁああああ!どぼじでまりざのまむまむにいれぢゃうのぉぉぉ!!にんっしんっしちゃうぅぅぅぅぅぅ!」 「やめてね、やめてね!こんなのゆっくりできないよ!」 「お、おなじありすどうしでこんなのふけつだわっ!」 『ん…ん…んほぉぉぉぉぉぉおぉおおおおおおおお!!』 「…みにくい」 「ファインダーが腐りそうなので撮影は控えます」 『さすがありすだね、じゃあこんどはれいむのばんだよ!みんな、れいむのおくちのなかににげてね!』 「ゆゆ!?ドスれいむがたすけてくれるの!?」 「ま、まりさがさきににげるんだぜ!」 「どきなさい!」 『ゆっふーん、れいむはにげないからじゅんばんにはいってね!』 頭に茎の生えた者も腹を異常に膨らませた者も、全員仲良くドスれいむの口の中に入っていく。 ゆっくり達は成体になっても所詮ゆっくり、まるで母の口の中にいるかのような安堵感に、眠りにつく者もいた。 「ゆっふーん…ドスれいむのなかはゆっくりできるよぉー」 『うれしいよ!じゃあゆっくりれいむのえいようになってね!』 「ゆゆっ!?」 今なんて言った? れ い む の え い よ う に な っ て ね え?お口の中にいるって事は、守ってもらえるって事で…れいむはドスれいむのお口のなk『ごりゅっ!』 『むーしゃむーしゃ!』 「ゆぼぁぁぁぁぁ!!」 「ドス、なにやってるの!」 『なにって、ぱわーあっぷのためのじゅんびだよ!』 「どぼじでばりざだぢをだべるのぉぉぉ!」 『たべなきゃおおきくなれないでしょ?ばかなの?しぬね』 「やべろぉぉぉぉぉ!!」 口に含んだゆっくり達を、ゆっくりと食しするれいむ。 そのただでさえドスである巨体は、にんっしんっ!状態のゆっくりを摂取する事で当初の4倍にまで膨れ上がった。 『ゆっふーん…さぁほんばんだよぉ!』 「デブ」 「おお、でぶいでぶい」 「みにくいんだどー☆」 「あれ、たましいはこべるかなー?」 「………」 『ゆがぁ!れいむのぷりてぃぼでぃーはおでぶじゃないよ!』 怒りながらもとても跳ねる事のできない巨体のためか、転がりながら突っ込んでくる。 されど効果範囲は広いものの、あまりの遅さに潰される者はいなかった。 『どぼじでつぶれないのぉぉぉぉ!!』 「ドスパークより酷いです、面倒なので一気に決着をつけます」 てんこは振り向き様に「ひそーのけん」でドスれいむの頬にあたる部分を切り裂いた。 切り口からは餡子が… 「あれ?」 『ゆっふっふ、そのていどでれいむのおはだはやぶれないよ!』 「だったら…かなめいし!」 右手から放たれた要石は、まりさの眼球を貫いたように、ドリルの如く回転しながられいむの柔肌に命中した。 回転しながら皮にめり込んでいくが、その回転は徐々に止まってしまう。 『ゆふふふふ、くすぐったいよ!』 「むぅ…」 「おお、てんこ。ここはあれをつかいましょう」 「でも」 「敵が大きくなったら使うのが定石、まさに定番、テンプレ乙」 「わかった」 てんこはポーチから携帯電話を取り出すと、慣れた手つきでアドレス帳を開く。 「『ぷるるるる、ぷるるるる、ガチャ!』はーい、わかるよー!」 「ちぇん、ピンチです。ひなないロボを要求します」 「……ゆーぎロボの事だね、わかったよー」 「いえ、ひなない…『ブツッ!』…ろぼ…」 「おお、ひなないロボならまだおりんりんロボのがマシですね」 「じゃっじゃーん、おりんりんロボ、やってくるよー!」 「いえいえ、おりんりんロボはない」 「うっうー、そのまえにあれをやるどぉー」 『おばえらでいぶをむじずるなぁぁぁぁぁ!!』 連続しての罵倒、そして無視に耐えかねたれいむが再度襲い掛かる。 襲い掛かると言っても相変わらずの回転圧殺攻撃だけだが。 「ロボを呼び出す時は見守るべきです、空気を読んでください(フィーバー!)ん?」 「おお、どうしました?」 「いえ、何だか深海魚っぽい幻聴を聞きました、疲れているようです」 「さぁ、みんなでやるどー☆」 「れみりゃは本当にあれが好きだね、流石のおりんもちょっと恥ずかしいよ」 「いくどー!」 「「「「ゆーぎロボ、かむひあー!」」」」「………」 「ふ、ふらん!早くポーズと掛け声を合わせるんだどぉ!」 「…やだ」 「我侭はダメだどぉ!」 「…絶対やだ」 「我侭を言う子はおしおきだどぉー」 言うが早いか、れみりゃのビンタが炸裂! する瞬間にその右手を捌き取り、そのままアルティメット・スカーバスターへと移行する。 そしてドスの飛び跳ねる音よりも、さらなる轟音が周囲に鳴り響いた。 「う、ううっ…ざぐやぁぁぁぁぁぁ!」 「…ふんっ」 「おお、姉なのによわいよわい」 「ふらん、このままでは負けてしまう」 「…ふらんは一人でもアレを倒せる、あんなわけのわからないポーズは絶対に嫌」 「ふらん、このままだとめーりんも潰されちゃうねぇ」 「!?」 「おりんはめーりんの魂がレアだから嬉しいけど、ふらんはどうかなー?」 「……だからあんなのふらん一人で」 「ふらんがアレの相手をしている間に、ドスありすやドスぱちゅりーがめーりんに対してじゃんじゃじゃーん!」 「…くっ」 「ふらん、一緒にひなないロボを呼びましょう」 「…わかった、ゆーぎロボを呼ぶ」 「ちっ!」 『どぼじででい「もうちょっと待って下さい」ゆがぁぁぁぁぁぁ!!』 「こほん、では気を取り直して」 「「「「「ゆーぎロボ、かむひあー!」」」」」 「わかったよー!ゆーぎロボ、 はっ しん !」 巨大化したれいむを食い止める事はできるのか? てんこ達の呼ぶゆーぎロボとは!? 次回、胴付戦隊ゆっくりじゃー「衝撃・怪力乱神砲」でゆっくりしていってね! 「うー!続きが気になります!」 「ってもしょうがねーだろ、この世の中での戦隊物は30分番組って決まってるんだ」 「このままではてんこのストレスが有頂天!」 「はいはい、そんな事もあろうかと準備しておいたぞ」 そう言ってお兄さんはバッグの中から何かを取り出す。 もぞもぞと動くバッグから出てきたのは、口をガムテープで押さえたゆっくりれいむ。 腹部が膨らんでいるのでどうやらにんっしんっしているようだ。 「ひそーけん!」 「んんんんー!んんんんんんんんんんんんー!!」 てんこの拳がれいむの眉間に直撃し、顔が陥没する。 「ひそーけんって、殴ってるだけじゃねーか…ほら、これ使え」 「おにいさん、これはどうみてもれーばていん」 「そうなのか?まぁどっちでもいいだろ」 「よくない、これはふらんの武器、最強最高エクセレント戦士てんこの持つ武器ではないのは明らか」 「叩けば一緒だ」 「…ぷくぅ」 「わかったわかった、わかったから頬を膨らますな、今度ひそーのけんとやらを買ってやるから、今日はそれで我慢しろ」 「てんこ変身ポーチも」 「……はいはい、わかりましたよーだ」 「流石お兄さん、てんこ愛してる」 そしててんこはればーていんを片手にれいむの元へと走っていった。 当のれいむは砂糖水の涙を流しながら、んーんーと何かに懇願しているようだ。 「すたーぼうぶれいく!」 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ーーーーーー!!」 「結局何でもいいのかよ…………………………『てんこ愛してる』か……うひょぉぉぉぉ!!」 「お兄さんがキモいのは確定的に明らか」 「おまっ、な、何で隣にいるんだよ!」 「てんこに欲情、おお、キモいキモい」 「きめぇまるの真似をするなっていつも言ってんだろ!!」 あとがき 胴付てんこが可愛くてぱちぇを愛でたり炉心融解させる暇がない。 てんこ愛してる。 今までに書いたゆっくり ゆっくり信仰していってね! ゆっくり新技術を導入していってね! ゆっくり体調管理をしていってね! 虐待理由 協定 ゆっくりの能力を得たお兄さん ゆっくり並列宇宙の旅 ゆっくり名言集 おまけーね 胴付戦隊ゆっくりじゃーエンディングテーマ れっつ かりすま だんしんぐ (うっうー Let's charisma dancing !) うっ、う、ううっうー☆ 今日も地球は平和だどぅー 懲りずに出てくる黒い影ー 優雅で綺麗なぐんぐにるー☆ ゆっくり蹴散らし(餡子が美味しいどぉー!) たまには咲夜に泣きつくけれどぅー れみりゃはかりすまおぜうさまー ふらんの前ではなかないどぉー 悲しい時には(dancing!) みんなで踊ろう(dancing!) かりすまかりすま かりすまだんすだどぉー! このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4250.html
『れみりゃ修行する』 17KB 愛で ギャグ 飼いゆ 姉妹 失礼します ※ 「anko4058 まちょりーになりたい」のキャラが少し出てきます。 ※ めーりん語は翻訳してあります。 チートあきです。 「おねえさま、しね! しねー!」 「うー。いたいんだどー。やめるんだどー」 ぽかぽかとれみりゃの頭を叩く胴付きのふらん。 れみりゃは必死に反撃しているが、ふらんの方が優勢である。幼稚園児のような体格で の殴り合い。身体能力ではふらんはれみりゃよりも上だ。れみりゃでは分が悪い。というか ふらんがほぼ一方的にれみりゃを叩いている。 「平和だなー」 その様子を眺めながら、飼い主の男はのんびりと麦茶を飲んでいた。 れみりゃとふらんのケンカはいつもの事であるし、今更気にするものではない。習性や本 能のようなものである。無理に止めるとかえってストレスが溜まってしまうらしい。殺し合い になることは、あまりない。 「いもうとのくせになまいきなんだどー!」 れみりゃが反撃に出るが、あっさりと突き倒された。 「あはははは! だらしないおにくのおねえさまは、ぶたのようにしね!」 マウントポジションを取り、ふらんは楽しそうに拳を振り回す。 みしり、とれみりゃの顔面に肘が打ち込まれた。 そんなある日。 男の前にれみりゃが正座した。 「うー。おにいさん、おはなしがあるんだど。れみぃはふらんにかちたいんだど。いもうとに やられっぱなしは、いやなんだど」 「ふむ。そう言われてみればそうだな」 男は首を傾げる。 記憶にある限り、れみりゃがふらんに勝てたことはない。それどころか優位に立てたこと すらない。連戦連敗。それは姉のプライドが許さないらしい。 生まれる順番からするとふらんの方が姉だった。余談であるが。 「じゃあ、修行してみるか?」 畳の上に正座をした男と、隣で同じく正座をしているれみりゃ。とある空手道場の練習場 だった。壁には『剛よく柔を断つ』と記された書が掲げられている。 「というわけでオヤジ。しばらくれみりゃを預けたい」 「くくく。そいつは面白れぇな」 男とれみりゃの前に座っている、厳つい男。 空手着の上からでも分かる筋骨隆々な肉体。きれいに剃髪された頭は、その異様な空 気をさらに強めている。手や顔には古傷がいくつも見えた。全身から立ち上る気迫。男の 父親であり、空手の師範だった。 ふらんのれみりゃの関係を手短に説明し、鍛えるように説明してある。 「おねがいしますだど」 父の迫力に気圧されつつ、ぺこりと頭を下げるれみりゃ。 父はれみりゃの細目を見据え、 「れみりゃ。修行は辛く苦しいぞ? 途中で何度も挫けたり泣いたり家に帰りたくなったりす るだろう。だけど、諦めず最後まで頑張ってくれるって、オレに誓ってくれるな?」 「うー。ちかうど」 れみりゃが頷いた。 「ぱちゅりー」 父が声を上げる。 その声に応えるように部屋の戸が開いた。 「よんだかしら、しはん?」 「うーあー!? ばけものー!」 正座を崩し両手を床に付き、れみりゃが悲鳴を上げる。 無骨な筋肉を持つ胴付きのぱちゅりー。まちょりーだった。身の丈二メートル近い長身に 紫色の服がきつくなるほどの分厚い筋肉。巨木、もしくは大岩。そんな表現の似合う体躯 である。腰に黒帯を巻き、袖は無く、スカートの左右にスリットが付けられていた。足とドロ ワが見えているが、色気は無い。むしろ変な卑猥さがある。 まちょりーとしてもかなり規格外の体格だ。 父親の飼いゆっくり兼弟子である。 「バケモノとはしつれいね。ぱちぇはぱちぇよ。むっきゅりしていってね」 のしのしと足を進め、ぱちゅりーがれみりゃの傍らまでやってくる。身長で二倍、容積なら 十倍以上の差はあるだろう。バケモノという表現は間違っていない。 「なかなかかわいいれみぃね。おにんぎょうさんみたい」 無造作に手を伸ばし、れみりゃの頭を掴んだ。 「うあああ!? つぶれるぅぅ!? つぶれるどおおお!」 ぱちゅりーの手を掴み返し、れみりゃが暴れる。 ぱちゅりーとしては軽く撫でる感覚だった。だが、れみりゃにしては万力で頭を挟まれた ようなものだ。実際ぱちゅりーが少し力を込めれば潰れるだろう。豆腐のように。 腕組みしながら父が笑っていた。 「んじゃ、ぱちゅりー。れみりゃの事は頼むぜ? 死なない程度にな」 「わかったわ」 ぱちゅりーが手を放した。 うつ伏せに倒れたれみりゃを見下ろし、 「はなしがまとまったところでさっそくだけど、トレーニングをはじめようかしら。まずはきそた いりょくをつけるために、ぱちぇといっしょにマラソンね」 「まらそん……どれくらいだど?」 「10キロよ」 見上げるれみりゃにさらりと答えるぱちゅりー。 「じゅっきろって……どれくらいだどー?」 れみりゃは冷や汗混じりに男を見る。 10という数字が理解できないわけではない。kmという距離の単位が理解できないわけ ではない。だが、10Kmという言葉は理解できなかった。 男は少し考えてから、笑顔で答える。 「たくさんだ」 「………」 れみりゃが顔を引きつらせる。凄く多いという事は理解した。 「れみりゃ。今になって『やっぱやめる』ってのは無しだぜ?」 父が凶暴な微笑みとともに告げる。いつの間にか右手を持ち上げていた。拳ではない。 親指と人差し指、中指で何かを掴むような形。れみりゃは本能的に悟った。拳よりも危な い手の形。もし迂闊な事を言えば、ここで死ぬ。 「ぜんはいそげ。いくいわよ、れみぃ」 「うーあー!?」 ぱちゅりーに引きずられ、れみりゃは無力に泣いた。 ぱちゅりーのマラソンコースは近所の運動公園だった。マラソンやウォーキングができる ように小さな道が造られている。一周およそ一キロ。コースにはマラソンをしている若者や 犬の散歩をしているおばさんの姿があった。 「むっきゅ、むっきゅ」 両手両足にパワーリストを巻き付け、ぱちゅりーは軽快な足取りで走っていた。 走る度にスリットの刻まれたスカートが翻り、丸太のような足が覗く。 マラソンするまちょりーという光景は異常なものだが、周りの人間は既に慣れてしまって いるので、普通に道を開けたりしている。 「ぅ……」 一方、のたのたと走るれみりゃ。視線は何もない空を彷徨い、足取りもおぼつかない。現 在二キロを過ぎたあたり。体力の限界はとうに越えていた。 「さー、れみぃ。あとはっしゅうよ」 ゾンビのように走るれみりゃを、ぱちゅりーが追い抜いていく。 「あんしんしなさい。たおれたらたたきおこしてあげるわ」 「………」 れみりゃには呻く余力も無かった。 赤い空と広い河原。 その隅の方の石に三匹のゆっくりが腰掛けていた。身体の細い胴付きのぱちゅりー、れ いむ。そしてれみりゃ。川岸に着けられた小舟の横でこまちが一匹眠っている。 「ところであなた、いったいなにをしてここにきたの?」 「まちょりーとまらそんしてたら、ここにいたんだどー。そこからよくおぼえてないんだど……。 ぱちゅりーとれいむはなんでここにいるんだど?」 れみりゃが尋ねる。 「おふとんかけすぎておひるねしちゃったから、たぶんだっすいしょうじょうね」 「れいむはばななのかわさんで、すべってころんじゃったよ。うっかりしてたね!」 「それはさいなんだどー」 ガバッ! 薄い布団をはね除け、れみりゃが起きる。 「なんだどー!? なんかざんすのかわっぽいところで、かいわれだいこんみたいなぱちゅ りーとのうてんきそうなれいむと、しっぽりはなしこんじゃったどー!?」 「むきゅ。おきたのね」 ぱちゅりーが声をかけた。 道場にあるトレーニングルームである。今は人はいない。隅に置かれた椅子の上にれみ りゃは寝かされていた。 横には回復に使ったらしいオレンジジュースの空パックが置いてある。 「………。うー?」 かちゃり、かちゃりと金属の鳴る音。 ぱちゅりーがダンベルを持ち、腕を上下に動かしていた。ウエイトトレーニングらしい。鉄 の棒に巨大な円盤がよっつ付けられている鉄塊。それを両手にひとつづつ。腕が動くたび に留め具が鳴っていた。動きはかなり速い。 「それ、なんキロなんだど?」 椅子に座り直しながら、れみりゃは聞いてみた。 「かたほう80キロよ」 「……はちじゅっきろって、どれくらいなんだどー?」 80という数字が理解できないわけではない。kgという重さの単位が理解できないわけで もない。だが、80kgという言葉は理解できなかった。 「たくさんよ」 そう説明してから、ぱちゅりーはダンベルを床に置いた。 「とりあえず、れみぃは10キロからね。むきゅ。ちょっとかるいかしら?」 近くに置かれていた小さなダンベルを掴む。銀色の棒の左右に小さい円盤をひとつづつ 取り付けたもの。ぱちゅりーが今使っていたものに比べると随分と小さく軽く見えた。 ぱちゅりーはおもちゃでも持つように軽々と持ち上げている。 だが、ゆっくり基準では十二分に重いことを、れみりゃは理解した。 「はい」 ぱちゅりーがダンベルを投げてくる。 「う!?」 れみりゃは目を見開いた。 緩い放物線を描いて飛んでくる鉄の塊。もしかしたら門下生と一緒に鍛錬をする時に軽 いバーベルは放って渡しているのかもしれない。ともあれ、れみりゃにとっては絶対に持て ない代物だ。それを投げつけられた。受け止めたら危険、受け止めなくとも危険。 「どおおおおお!?」 鈍化した時間の中で、れみりゃは滝のような涙を流した。 ダンベルを投げてはいけません。れみりゃとお約束だぞ☆ ぐちゃ。 夕暮れのような赤い空。湖のように広い川。丸い砂利が敷き詰められた河原。石に座っ ている細い胴付きぱちゅりーと普通っぽいれいむ。 その前で、れみりゃは呆然と立ちつくしていた。 「あら、もうもどってきたの? きがはやいわね?」 「おかえりなさい、れみりゃ! ここがきにいったの? ゆっくりしていってね!」 「れみぃ、もうおうちかえるどおおおお!?」 両手を振り上げ、れみりゃは叫んだ。 「むっ、きゅっ!」 勢いよく空を切る正拳。 公園の端っこで、ぱちゅりーが正拳突きをしていた。足元から拳の先端まで流れるように 伝わっていく力。鮮やかな構えから突き出された拳が、重い風切り音を立てる。 「うー……あー……」 その横でぎこちなく正拳突きをしているれみりゃ。全身から流れる汗と真っ青な顔色、焦 点の合っていない瞳、身体は小さく震えている。ぱちゅりーによる鍛錬のおかげで死にか けていた。実際日に十回以上臨死体験を繰り返している。 「ぱちゅりーのくせにおねえさまをいじめるなんて、なまいきだわ。おねえさまをいじめてい いのは、ふらんだけなのに……」 二匹の修行の様子を、ふらんが物陰から伺っていた。嫉妬に歯を軋らせながら。 ふらんがれみりゃを虐めるのは、ふらんなりの愛である。自分以外の誰かられみりゃを 虐める。ふらんはそれが許せなかった。 もっとも、あのぱちゅりーにケンカを売って勝てるとは思っていない。 「こまったわ。おねえさまがつよくなったら、いじめられなくなっちゃう……」 そして最大の問題はれみりゃが強くなることだった。ふらんが見ても無茶苦茶と思える鍛 え方。だらしないれみりゃでもこの鍛錬を続ければ確実に強くなるだろう。れみりゃがふら んよりも強くなっては虐めることができなくなってしまう。 「そうだ」 ふらんはぽんと手を打った。 街外れにある古い日本家屋。日の光が差し込む客間で、男とふらんは座布団の上に正 座をしていた。床の間の壁には『柔よく剛を制す』と書かれた掛け軸が飾ってある。 「というわけで、婆ちゃん頼む」 「それは面白いのう。ふぇっへっへ」 ふらんの前には男の祖母である婆さんと、年老いた胴無しのめーりんがいた。 強くなったれみりゃに負けないように強くなりたい。その言葉を聞き、男が連れてきたの が祖母の元だった。かつては柔術の達人と言われた女傑である。最近でも麓に下りてき た熊を素手で仕留めたりと元気に暴れているが。 「それじゃあ、めーりんや。しばらくふらんを鍛えてやってくれ。まぁ、死ななきゃ何してもい いわ。アタシが直してやるからのう。へっへっへ」 楽しそうに笑いながら、祖母がめーりんを見る。 「わかったじゃお」 頷くめーりん。 「めーりんが、ふらんをきたえる?」 ふらんは眉を寄せてめーりんを眺めた。一目で分かるほど老いている。ここまで老化した ゆっくりはむしろ珍しいだろう。赤い髪は色褪せており、ほぼ白髪だ。帽子に付いた星マー クもくすんでいる。顔にも沢山のシワが入っていた。 「ふらん。そのかおだと、めーりんがつよいってしんじていないじゃお? まあ、とうぜんじゃ お。ろんよりしょうこじゃお、おもてにでるじゃお」 「わかった」 ふらんは立ち上がった。 庭に出てふらんとめーりんが対峙する。 男と祖母は縁側に座って二匹を眺めていた。 「相手はシロウトだ。うっかり殺すんじゃないよ?」 「わかってるじゃお」 祖母の言葉にめーりんが頷く。 ふらんは地面を蹴った。ふらんは単純な身体能力ならゆっくりでも随一だ。胴付き化する ことにより、人間の子供並まで上昇する。そこにふらん種特有の破壊衝動を加えれば、ゆ っくりではほぼ最強となる。 「めーりん、しね!」 めーりんめがけ、右手を振下ろす。五指を伸ばした狩りの動き。 「じゃお」 見たままを言うなら、めーりんがふらんの手に軽く体当たりをした。普通なら。普通のめー りんが相手なら、ふらんの指と爪がその身体を抉り取っていただろう。 跳ね返ってきた衝撃は大きかった。 慌てて後ろに飛退くふらん。 「うあ。ふらんのうでが……」 右手が壊れていた。五指があらぬ方向にひしゃげ、前腕に新しい関節が増えている。肘 もおかしな方向に曲がっていた。裂けた皮から、餡子がこぼれている。右腕は動かない。 これでは治療するまで使い物にならないだろう。 不思議と痛みは無かった。意識が追い付いていないらしい。 「じゃ~お」 ぽよん、と。 めーりんが跳んだ。 ゆっくりと。のんびりと。だが、ふらんの頭より高く跳び上がり、近付いてくる。それは風船 が動くような軽さだった。ぶつかっても痛みもないだろうと思わせるほど。 だが、そこに映るのは明確な死だった。 「もうこんてぃにゅーできなくなっちゃうわ!?」 ふらんは近くに落ちていた拳大の石を左手で掴み、めーりんに叩き付けた。 ガコッ。 粉々に割れた石が地面に落ちる。 ふらんは左手を下ろした。右腕のように目に見えたダメージはない。だが、肩から先の感 覚が全部消えていた。左腕が無くなってしまったかのように。 もし素手で受けていたら、どうなっていだろう。 「………」 唾を呑み込み、ふらんはめーりんを見る。絶対に勝てない。付け入る隙も無い。捕食種と 赤ゆっくり。それほど、いやそれ以上の差だった。理解を超えた圧倒的な強さ。 「これが『き』をつかうことじゃお」 赤い瞳をふらんに向け、めーりんが頷く。 「ひつようなとき、ひつようなすべを、ひつようなそくどでしようするじゃお。そのタイミングを しることじゃお。かんぜんなタイミングをてにいれているなら、もはやそこにはそくどさえもい らないじゃお」 「うー……。おわった……ど……」 道場の玄関に手をつき、れみりゃは肩で息をしていた。流れ落ちた汗がコンクリートに小 さな染みを作る。父の元に預けられてから一週間が立っていた。 「むきゅ。マラソンおわってもうごけるていどには、たいりょくついてきたわね」 れみりゃはぱちゅりーを見る。 最初は途中で気絶していた。だが、今は一応最後まで走り終えることができる。れみり ゃの身体は、この地獄に適応しようとしていた。適応せざるをえない。 ぱちゅりーが空を見上げ、口を開く。 「ふらんがしゅぎょうしているらしいわ」 「う?」 れみりゃは妹を思い浮かべた。 妹のふらん。正確には姉だが、れみりゃにとって年齢は関係なくふらんは妹だ。可愛く元 気な妹だが、理不尽な暴力が玉に瑕だった。いつもいきなり思いついたように殴りかかっ てくるふらん。思い返してみると、久しく殴られていない気がする。 「ふらん、が……? しゅぎょう……?」 嫌な予感がれみりゃの背を撫でる。 その予感は的中した。最悪な形で。 「おばあちゃんのところのめーりんにでしいりしたわ。むきゅ。あのめーりんはぱちぇのらい ばるなの。とってもつよいわよ。ふらんもきっとものすごくなってくるわね」 重機のような腕を動かしながら、ぱちゅりーが獰猛な微笑を見せる。 「それはたいへんなんだど……」 ふらんよりも強くなろうとしているのに、ふらんはさらに強くなってしまう。必死に鍛えても、 ふらんがさらに強くなっていては、意味がない。 ぱちゅりーが大きく腕を振る。 「そうね、たいへんよ。だから、ぱちぇのとっておきをおしえてあげるわ。れみぃにおんそく のせかいをみせてあげる。これでふらんもこなごなよ!」 「おん、そく……?」 音速。 その単語に、れみりゃは嫌な予感しか覚えなかった。 賽の河原にて。 れみりゃは石に座ってため息を付いていた。 「こぶしでおんそくこえるって、むちゃなんだど……」 ぱちゅりーが見せた音速。最大速度が音速に達する無茶苦茶な突きだった。曰く、全身 を無数の関節として加速する。ぱちゅりーが拳を突き出した瞬間大爆発が起り、れみりゃ はまたここに来ていた。超音速拳の余波で吹っ飛ばされたらしい。 「というか、なんでれみぃはこんなことしてるんだど……? れみぃはただ、ふらんといっし ょになかよくくらしたいだけなんだどー……」 れみりゃの前にはこまちが座っていた。横に鎌が置いてある。 「まあ、こまちにはよくわからないけど、あんたもたいへんだねー。まいにちいったりきたり。 いまはてもあいてるしひまだから、ぐちくらいはきいてあげるよ」 「ありがとなんだどー」 「どうしてこんなことになってるんだど……?」 れみりゃは小声で自問した。 一ヶ月半の鍛錬を経て、れみりゃの筋肉は成長していた。ぱちゅりーのような異様な形 ではないが、街路樹の枝程度には逞しくなっている。以前のふらんと戦ったらさほど苦労 もなく勝てる。その程度には成長していた。 「おねえさま、ひさしぶりね」 正面に目を向けると、ふらんがいた。前に見た時よりも一回り細くなっていた。どのような 修行をしたのかは分からない。痩せたとは違う。窶れたわけでもない。鋼鉄を削り、研ぎ、 一振りの刃に変えたような変化だった。 「あのぶたまんじゅうが、ずいぶんとたくましくなったみたいだけど、ふらんはもーっとつよく なったわ。だから、しね! ぶちまけてしね! ごみのようにしね! そしてもげろ!」 ふらんは満面の笑顔で親指を真下に向ける。 ぱたぱたと嬉しそうに羽を動かしていた。 「がんばりなさい、れみぃ! たたきつぶしてやるのよ!」 「おう、れみりゃ。一応お前もうちの看板背負ってるんだ。負けるんじゃないぞ」 れみりゃの後ろの応援している父親やぱちゅりー。 「ふぇっへっへ。試し割の相手としちゃぁ上等じゃないか。捻ってやりな、ふらん」 「ちゅーごくよんせんねんのれきし、そのちからをみせてやるじゃお」 ふらんの後ろでは祖母と老めーりんが応援をしていた。 近くにある運動公園にて、れみりゃとふらんは対峙している。色々あった末に姉妹の決 着を付けると決闘の場が用意された。れみりゃは遠回しに止めさせようとしたが、誰も相手 にせず今に至る。もはや引き返せない。 ただならぬ雰囲気に野次馬も集まりつつあった。 「審判は俺だ」 れみりゃとふらんの間には、飼い主の男が立っている。 「勝った方には洋菓子屋サクヤのカスタードプリンご馳走してやるぞ」 「さくやぷでぃ~んぐ……。ごくり」 出てきた単語に、れみりゃは涎を呑み込んだ。 洋菓子屋サクヤ。近くにある有名なお菓子屋で、さくやがマスコットをしている。そのプリ ンの味は絶品で、遠くから買いに来る者も多い。れみりゃとふらんは一口だけ食べた事が ある。その時はあまりの美味しさに気絶しかけた。それほど美味しいのだ。 「あははは! ぷでぃーんぐはふらんがいただくわ!」 瞳に赤い輝きを灯し、ふらんが牙を見せる。 「わかったど……」 れみりゃは右手を握り込んだ。小指から人差し指まで、緩く握り締める。余計な力は入れ ず、だが気は緩めずに。体内の謎肉が熱を帯びるのが分かった。 「こうなったら、やってやるんだどおおおお! ふらんもたおして、おねえさまのカリスマをと りもどすんだど! それから、さくやぷでぃ~んぐもいただくんだどおおお!」 れみりゃが駆け出した。 胴付きれみりゃののたのた走りではない。しっかりと地面を踏みしめ、勢いよく地面を蹴 り、身体を前へと撃ち出す疾走。小さな羽がなびく。修行の成果だった。 「かくごしろおおお、ふらんんっ!」 「おねえさまああ、しねえええ!」 ふらんが笑った。 過去SS anko4193 BGM 真ゲッターロボ anko4158 お帽子さん、外れてね anko4147 ぐんまりさ迷子になる anko4144 いたさなえ anko4128 ちぇん CV:若本規夫 anko4109 ゆっくり・ボール・ラン 2nd STAGE anko4108 ぱちゅりーの居場所 以下略
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1345.html
ある日ある時ある場所で。 1組のゆっくりれいむとゆっくりまりさの夫婦の間に赤ちゃんが生まれた。 合計で10匹近い、皆元気な赤ちゃんだった。 1つ……2つおかしかったのは、赤ちゃんの中に1匹ずつゆっくりぱちゅりーとゆっくりありすがいたことだ。 遺伝子と確率の悪戯か、普通は生まれないはずの2匹が生まれてしまった。 だが、家族はその2匹を排斥するようなことはせず、両親は子供達に分け隔て無く愛情を注いだ。 一家や餌場を共にするゆっくり家族は、異端であるはずのぱちゅりーとありすさえ大事に育てた。 幸運にも成長過程で死亡する子供もなく、皆成体になれるかと思われた。 そんな日常の崩壊は、赤ちゃんの誕生から半年ほど経った頃に訪れた。 ちょうど、子供達が生殖可能になる直前。朝、子供達が巣穴で目を覚ますと、両親が何やら荷造りをしている。 「ゆー、ゆー? おかーさんたちなにしてるの?」 「ぴくにっく? それともおひっこし?」 ヒョッコヒョッコ跳ねながら寄ってくる子供達を、両親は鎮痛な面持ちで迎える。 子供達もその気配を感じ取り、不安げな表情に変わる。 「どうしたの? おなかいたいの? ぱちぇがいいやくそうをしってるよ」 「……ぱちぇ、ありす。こっちのつつみがながもちするきのみ。こっちがすぐたべるむしさんだよ」 親まりさは子ぱちゅりーの質問に答えず、蕗の葉で作った包みをぱちゅりーとありすに押しつけてくる。 状況が分からず、2匹は目を白黒させるしかない。他の子供達も、訳が分からないという顔をしている。 「ぱちゅりーとありすは、きょうでおわかれだよ」 ふぇ? ぱちゅりーとありすの行動が一致する。1頭身の身体を傾けて、首をかしげるポーズ。 「ぱちぇとありすのこどもがうまれるまえにおわかれだよ!」 ――つまりはこうだ。何らかの異変により生まれた、 このゆっくりぱちゅりーとありすには何らかの遺伝子異常がある可能性がある。 今日までは親の愛が勝ったのか、排斥することなく育ててきた。が、ここで種としての本能が逆転したようだ。 異常があるかもしれない遺伝子を、近場に置くわけにはいかない。 本当なら生まれてすぐに殺さなければならなかった子供。 殺さずに一家から、近場から、つまりは餌場を中心とする、複数の家族で構成されるコロニーから追い出すにとどめる。 それはぱちゅりーとありすの両親の、最後の甘さだった。 「ごめんね、ごめんねぱちゅりーとありす」 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ」 まだ状況を理解しきれていない2匹を、両親が巣穴から押し出しに掛かる。 「おかーさん? ねえ、りろせいぜんとせつめいしてよ。すまーとじゃないよ!」 「むきゅ……。あなたたちは、あんこがつながったじつのこをみすてるの?」 問いかけの返事はない。体格に優る親ゆっくりは、易々と巣穴からの排除に成功した。 排除、排斥。2匹の存在を拒否したにも関わらず、餞別は丁寧に渡された。 食料が入った包みが2匹の頭の上に乗せられる。まるで頭を撫でるかのように、優しく。 「ゆ。これで7かいおつきさまがのぼるまでゆっくりできるはずだよ」 「ごはんがなくなるまえにゆっくりプレイスをみつけてね!」 巣穴から出された2匹が目にしたのは、ボロボロと涙を流す、拒絶の顔。 2匹とも、自分が拒絶される理屈はわからないままだ。だが理解した。 もう、ここは自分の家じゃない。 2匹は家族に背を向けた。諦めた。2匹は巣穴から立ち去る。 背後から、「ごめんね」「ゆるして」と声が聞こえた気がしたが、2匹には最早関係のないことだった。 餌場を共にする他の家族達も、巣穴から顔を出していた。 「さよなら」 「ゆっくりいきてね」 「しなないでね」 どのゆっくりも気遣う声ばかりかける。だが、ぱちゅりーにはどれもこれも、仲間を見捨てる行為の正当化にしか感じなかった。 誰も本気で心配していない。自分は心を痛めているという振りをして、安心したいだけだ。 「めんざいふがほしいだけなのよ」 小難しいことを言い始めたぱちゅりーを、隣でビービー泣いていたありすが訝しむ。 「なにかいった? ぱちぇ」 傍らのありすの問いかけに答えず、ぱちゅりーは足下だけを見ながら歩いた。 ――立ち木に頭をぶつけた。ぱちゅりーは最後に少しだけ泣いた。 3回お月様が昇って沈んだ。幸いにも、2匹はまだ生きていた。 だが、どの餌場にも受け入れてもらえることはなかった。 餌場のキャパシティが逼迫しているわけではない。 ただ、1度コロニーから追い出されたゆっくりを、いたずらに受け入れるわけにはいかなかった。 何があるのか分からないのだ。 お日様がオレンジ色になり始めた頃、2匹は湖の近くに穴を見つけた。 自然の洞穴ではない。 「ぼーくーごーね。しかもようせいがいたずらしたけーせきもある」 「ぼーくーごー? おしゃれじゃないわね」 2匹はまあ、風雨が凌げればそれでいいや、とその古い防空壕のなかに入っていく。 見て回った結果、その防空壕はトの字のような構造をしていた。 2匹が入ったのがトの字の尻の部分。そこから奥に進むと、途中から緩やかな下り坂になってる。 そのあたりから、妖精が植え付けたと思しきヒカリゴケが自生していた。昼間ほどではないが、生活に支障はない。 数十メートル進んだトの字の頭の部分から外に出られる。2匹が外を伺うと、 「うっうーうあうあ♪」 「しっしーしねしね♪」 捕食種であるところの体付きゆっくりれみりゃやゆっくりふらんが踊っていた。目の前数メートルのところで。 2匹は慌てて頭を引っ込める。あまりに驚いたので、ぱちゅりーが呼吸困難に陥る。 「ふー! ふー!」 「おおおおお、おちついてぱちぇ。そうよ、そすうをかぞえるのよ。ひっひっふー!」 ありすは混乱している。2匹とも少し音を立てすぎた。 「うあ? すこーし、うるさいよ?」 「うー、れみりゃもきこえたよー」 「さわがしいのはこんてぬーできなくしてやる」 踊っていたれみりゃ達が穴に近づいてくる。まだ防空壕の存在に気づいたわけではない。 しかし、見つかるのも時間の問題に違いない。 カランコロン。だが2匹は生き延びた。幸運の女神がついているとしか思えぬ僥倖。 防空壕から離れた、屋敷の勝手口で妖精メイドがハンドベルを鳴らしている。 「御夕飯ですよー! メニューは鯖の活け作りと生豚レバのサラダですよー!」 「うー!」 「おなかへったどー!」 「こんなことしてるばあいじゃねー!」 ワラワラとメイドに駆け寄るゆっくり達。屋敷で飼われているゆっくりのようだった。 メイドの前で綺麗に整列。 「お手、お座り、ちんちん! はい良くできました。次はスカートの裾を持ち上げてください、そう、そっと」 妖精メイドの顔が紅潮しだす。 ゆっくり達は別にパンツ丸出しだろうが、へそまで見えてようがお構いなしなのだが、 メイドがハンドベルを逆に持って、柄をメイド自身のスカートの中に潜り込ませてるのが気になった。 何に使ってるんだろう、一体? いい加減夕飯を持ってきてくれ。 というか顔が怖いです、おねーさん。頭からナイフ生えてるし。 有頂天で緋想天な表情のまま気絶している妖精メイドを腋もとい脇に寄せ、メイド長がゆっくり達に夕飯を与え始めた。 ――ちなみに。 数時間後トイレに駆け込んだゆっくりれみりゃやゆっくりふらんの様子を壁越しに聴姦してたのはメイド長以下数名の有志だった。 お屋敷は今日も変わらぬ日常を満喫していた。 一方その頃、落ち着きを取り戻した2匹は、防空壕を戻り、トの字の鼻の部分にあたる脇道に入っていた。 どこからか、水の流れる音がする。さらに奥に進むと、周囲に石を積んだ縦穴から音がしているのが分かった。 どうやら、下を流れてる水脈、湖から流れ出しているそれに繋がる井戸を掘ったようだ。 しかも、積んだ石はほとんど崩れており、ゆっくりでも乗り越えることは容易だ。 だが、肝心の水をくみ出すことが出来ない。道具もなけりゃ、あっても使えない。ゆっくりの宿命。 「つかえないわね」 「ざんねん。むきゅー」 脇道に用はないので、2匹は屋敷側の出入り口を石で塞ぎ、もう寝ることにした。 2匹は久しぶりに熟睡できた。 熟睡できるようになったまでは良かった。だが、全ての問題が解決したわけではなかった。 食料問題。近くのめぼしい餌場には既に別のゆっくり家族が住み着いている。 そして、2匹はそこに受け入れてもらえなかった。 さて、どうするか。 「むきゅ。いいかんがえがあるわ。ついてきてありす」 本気で悩んでいたありすを旧防空壕、今巣穴から連れ出すぱちゅりー。 むきゅむきゅと森の中に入っていくぱちゅりーを、慌てて追いかけるありす。 まったく、こむにけーしょんがなってないわ。 巣穴からさほど離れず、ぱちゅりーは餌場にほど近い茂みの中に身を隠した。 ぱちゅりーが隠れた茂みは獣道に面した茂みで、その獣道はゆっくり達もよく利用していそうなものだった。 「なにやってんの。かくれんぼしてるばあいじゃないでしょ」 「ばかね。じまえでえさがとれないなら、たにんからもらうしかないじゃない」 強盗をしろと。山賊の真似をしろと。この紫饅頭はそう言ってるのか。 この都会派ALICE様に、空腹と尊厳を天秤に掛けろとぬかすか、この虚弱和菓子め。 「さすがぱちぇね、せにはらはかえられないとはよくいったものだわ」 そんな天秤は最初っから無かった。ゆっくりありす、割と性欲と食欲の権化な種。 2匹とも、新しい餌場を開拓するだとか、2匹分の食料を何とか都合しようだとか、 そういう努力をする考えはないようだ。 当然といえば当然である。 今までずっと、親の庇護の元に安定した食生活を送ってきた2匹。 餌場にあるのは、ゆっくりであっても苦労のしようがない捕食対象ばかり。 苦労した挙げ句、貧しい食糧事情はごめんだった。 2匹に違いがあるとしたら、どの程度まで他のゆっくりから奪うのか、という心構えだった。 待つこと数十分、そろそろありすは隠れ疲れてきた。隠れる場所が悪いんじゃないかと思い始めた頃、 自分に密着して隠れているぱちゅりーがモゾモゾと動き始める。 「なによ、ぱちぇ。おといれ?」 モゾモゾと動くぱちゅりー。というかむしろ、ありすにすり寄ってきている? 「ちょ……、やめてよ。きもちわる……くはないけど、なんかへんなかんじよ」 なんというナチュラルボーンテクニシャン。未だ性行経験のないぱちゅりーが、 ありすを絶妙なタッチで興奮へと誘う。 「だめよぱちぇ。だれもみてないじゃない!」 今明かされるありすの性癖。ついでに彼女のミニマムな理性がそろそろ限界だった。 「ぱ、ぱ、ぱちぇー! わたしあなたのことがさっきからずっとすきよー……?」 いざ、という所でぱちゅりーが身体を離す。何か聞こえたようだ。 ――1匹のゆっくりれいむが2匹の近くを通りかかる。 身体の大きさは2匹とほぼ同等。頭には野イチゴを満載していた。 餌場から自分の巣穴に戻る途中なのだろう。 野イチゴがこぼれないように、そっと跳ねている。 「ゆっくりー、ゆっくりー、ゆっくりーしていってねー♪」 そのれいむが、2匹が隠れた茂みの前を通りかかる。近くに他のゆっくりの気配はない。 これを絶好と言わず何と言おう。ぱちゅりーが、れいむの前に立ちふさがる。 れいむは突然の出現に目を白黒させて立ち止まる。 「うゆゆゆゆ!? ぱちぇ、びっくりしたよ! ゆっくりでてきてね!」 「むきゅー……」 「? ゆっ、く、り、し、て、いっ、て、ね! ことばわかる!?」 反応を返してこないぱちゅりーを訝しむれいむ。彼女は気づかない。 ぱちゅりーは反応しないのではなく、タイミングを伺っていることに。 「むきゅ!!」 「むぐ!?」 れいむが何か言おうと口を開けた瞬間、ぱちゅりーがれいむの唇を奪う。 キッスと言うほどロマンチックな行為ではない。ただ口を塞ぐことを目的とした……いや、それですらない。 「~~~~~!! ぃぁぃ! はちぇ、ぃぁぃぉ!!」 ぱちゅりーがれいむの舌に齧り付き、そのまま引き出そうとする。 れいむは、痛いし声は出ないので、後先かまわず暴れ出したくなる。 すぐに暴れて、ぱちゅりーを振りほどいていれば彼女にもまだ光明が見えたかもしれない。 頭に乗せた野イチゴの心配をしてしまったのがれいむの運の尽きだった。 「れいむ! ごめんね!」 ありすがれいむの頭の上の野イチゴをたたき落とす。 獲物を頂いてさっさとトンズラ、というところでとあるモノがありすの視界に入る。 ――健康そうな、れいむの尻。まるでありすを誘うかのように魅惑的に揺れている。 単に引っ張られる舌が痛くて震えているだけなのだが、ありすにはれいむが求めているようにしか見えなかった。 先ほど、ぱちゅりーにお預けを喰らった(と思っている)ありすが我慢できるはずがなかった。 ゆっくりありす、割と性欲と食欲の権化な種。 「れいむぅぅぅぅぅぅううう! かわいいよおおお!! わたしあなたのことをついさっきからずっとあいしてるー!」 「~~~~!?」 舌を引っ張られてるだけで結構ピンチなのに、なんか盛ったありすまで出てきた。 れいむの餡子ブレインは極度の混乱状態に陥った。 おかげで彼女の命運はここで尽きることになる。 一人で行動した結果がこれだよ!!! 動けないれいむを、後ろからあろすが犯す。全くその気がないれいむにとって、 性行は不快なだけでなく、痛みまで伴う行為だった。 まだ生殖に足るだけの成長をしていないゆっくりれいむが犯されると言うことは、 単に身体を抉られることとイコール。 しかも犯す側までもが未熟。対象に快楽を与える方法など知らず、単に自らの絶頂への近道を探るだけ。 パチュン、パチュンという、ありすから分泌される愛液が立てる音こそ艶めかしいものの、 行為自体は暴力的でしかない。 「――ぁっ! ぁぃぉ!」 「かわいいよかわいいよかわいいよれひむぅぅうっっ!!!」 れいむの後頭部が抉られ、こぼれた餡子が粘液と混じり合って地面にぬかるみを作る。 餡子の甘い匂いと、愛液のわずかにツンとした臭いが混じり合う。 ピストン運動を繰り返すありすの身体は粘液の作る糸でまみれ、納豆を頭からかぶったような有様だ。 れいむの舌を保持しつづけるぱちゅりーはしかめっつらをしてるが、 匂いも粘液も、今のありすには最高の媚薬にしかならない。 「ぁゎぁぁぁぁぁがあぁぁぁっぁああぁぁゎ!!!」 内臓に等しい餡子をほじくり返されるれいむは必死に激痛を訴える。 だが、ぱちゅりーが舌を引き抜かんばかりの力で保持し続けるので、全くままならない。 目は白目を剥き、涙は止まらず、閉じられない口からは涎が際限なく溢れる。 口一杯の涎がのどに逆流するが、咳き込むことさえ許されない。 「っごっ! っっっっ!!! ~~~~~っ!」 「らめええっん!! れいむすてきすぎるぅぅうう!! ぜんぶしぼりとられそうっ!!」 絶頂が近づいてきたありすのストロークが大きく強くなる。 悦楽の欠片もない掘削作業による激痛と、今や難しくなった呼吸の状況にれいむの意識がホワイトアウトを起こす。 「らすとっっ!! すぱーと!!」 だが、たたき付けられるありすの身体の感触がれいむの意識を強引に連れ戻す。 饅頭と饅頭がバチンバチンと炸裂音を上げてぶつかり合う。 「うけとめて! ありすのずべて!! ――ぁ~~~!!!」 ついにありすが果てる。若いゆっくりの初物をぶちまけられ、生殖には成長がわずかに足りていなかったれいむの身体が抵抗を諦めた。 れいむの命の灯が消える。生命の種は、次世代の誕生のために強引に親の命を吸い上げる。 急速に干からびていくれいむと、れいむの頭から伸びるミニトマトのような蔓。 「……ふぅ。あれ、なにこのさんじょう」 「ようやくしょうきにもどったわねめすぶた。さくせんがいようをせつめいするわ」 概要はこうなる。単独で行動している、餌を持ったゆっくりを2匹で襲う。 ぱちゅりーが舌を引っ張り、悲鳴を上げられないようにする。 その隙にありすが襲いかかり、性的に獲物を仕留める。 「なんでそんなほうほうをとらなきゃならないのよ。ふつーにたべものをもらうだけでいいじゃない」 「いかしてかえったら、わたしたちのじょうほうがもれるわ。おおにんずうでしかえしされたらたいへんよ、ばかいぬ」 少数が生き延びるには、獲物の生還は許せない。 また、死体を残すのも良くない。あくまで、不幸なゆっくりが1体行方不明になっただけにしなくては。 家族が殺されたゆっくりは下手人に復讐を誓うが、行方不明なら帰りを待ってるうちに諦めるか忘れる。 それがぱちゅりーの打算だった。 「だから、こんどはもっときれいにころしなさい、このぽーくぴっつ」 知るか。都会派のALICEは自分の欲求に素直なのがマイブームなのよ。 ――一生言ってなさい。それよりその死体をお家まで運んでね。 えー、面倒くさい。汚い。なんでALICEがこんなことを。 あなたの赤ちゃんが生まれるのよ? 赤ちゃん!? かわいい赤ちゃん! 3週間後が楽しみ! ……3週間後にどうするつもりよ、エロ猿。 巣穴まで曳航されたれいむの死体をワクワクしながら眺めるありす。 蔓は伸びきり、数匹の子ゆっくりれいむが成っている。 もうすぐ。もうすぐ生まれる♪ しかし、期待に反して生まれ落ちたれいむは1匹きりだった。 母体が若すぎたのだ。残りは生まれ落ちる前に死んだ。 思わず涙するありすだが、生まれたばかりのれいむは、目の前の干物が自分の母親とは分からない様子だ。 近くにいるありすとぱちゅりーを親と認めた。 「ゅー! ゅっくりちていこうね!」 「グスン。……ゆっくりしようね! ありすはちっちゃいこがだいすきだよ!」 「うまれたのが1ぴきでたすかったわ。ごはんがたらない」 その夜、お腹いっぱい食べた3匹は、一塊になって眠りについた。 ‐丑の刻‐ ありすがふいに目を覚ました。 「ゆ……。おといれ」 よっこいしょ、と身体を起こした目の前にあったのは、ヒカリゴケの光に浮かび上がる親れいむの死体。 死体のことはすっかり忘れていたありすは、思わず内容物のクリームが口から出そうなくらい吃驚した。 そして、その死体が途端に恐ろしくなった。 いつまでこのオブジェを放置するのかしら。 その辺の決定はぱちゅりーがするものと思いこんでるありすは、仕方ないわね、と死体を引きずり始める。 今度だけ、お姉ちゃんが一肌脱いであげましょう。 同時に生まれたはずの姉妹に変な恩を売りつつ、巣穴の奥にある井戸まで死体を持って行く。 暗い水底に放り込まれた死体は、そのまま水脈の流れに乗ってどこかへ行った。 「くっさいものにはふた~♪ ありすちゃんてんさい~♪」 ありすは得意げな面持ちで再度眠りにつく。なお、翌朝寝床に世界地図を描いて大顰蹙を喰らった。 その後、ぱちゅりーとありすはそれなりに手際よく狩りを行った。 単独で行動する若いゆっくりを襲い、食料を強奪する。 出来上がった死体は井戸に捨てる。子供も生まれる前に捨てることにした。 だが、最大限効率的に狩りを行っても、食料事情は常に苦しかった。 元々若いゆっくりが1回の探索で採ってくる餌などたかが知れている。 それだけでも苦しいのに、獲物が毎日現れるわけでもない。 3匹は常に空腹を抱えていた。 「ゅー。おかえりなさい。きょうのごはんは?」 「ありさんがひとくちぶんだよ……。おなかすいたね」 消沈するありすと子れいむに、ぱちゅりーが声を掛ける。 「ありす、あなたはなんでいつもしたいをすてるの?」 「ぱちぇ? とうぜんでしょ。したいなんていつまでもほうちしたらきみわるいわ」 「このひものってしたい? なんのしたい?」 「……たべられるじゃない、これ」 言うが早いか、ぱちゅりーがあわれなゆっくりの死体に齧り付く。 弾力を失った皮は容易く破れ、甘い内容物が露出する。 「ゅ! おいしそうだよ!」 子ゆっくりもすぐさまガブリつく。それが同族の死体だとは思いもよらないようだ。 ただ1匹、ありすだけが尻込みしている。 目を見開き、家族の凶行を信じられないという顔で凝視する。 「ぱちぇ、れいむ! やめて! やめようよ!」 同族喰いはさすがに気が引けるのか、ありすは必死で制止する。 死体を貪る2匹のまわりで跳ねながら、叫び続ける。 ――2匹が咀嚼を止め、ありすに向き直る。ようやく聞いてくれたと安堵するありすだが。 「なんでありすはたべないの? おいしいわよ」 「おかーさん、なんで?」 「なんでかしら?」「なんでなの?」「なんでなんでなんで?」 「「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」」 「……もしかして、おかーさんもおいしいの?」 顔を同族の臓物で汚した2匹の眼孔は、ひどく暗く、ひどく深く見えた。 口の中では内容物がクチャクチャ音を立てて唾液と混ざり合う。 ――ゴクン。 2匹が音を立てて同時に餡子を飲み込む。 「どうなの、おかーさん」 「きっとおいしいのよ、きっと」 ありすににじり寄る2匹。喰われる。咄嗟に悟ったありすは喰いかけの死体に殺到した。 「はぐ! まぐまぐ! むーしゃむーしゃ、おおお、おい゛しい゛よ゛!! し、し゛あわ゛せ゛ー!!」 涙が止まらない。意識に反して涎がこぼれる。 自分が何度となく犯し殺したゆっくりのような表情をしながら、ありすは必死に死体を喰った。 出来れば食べたものは全部吐きたかった。内容物の甘い匂いが嗅覚を刺激する度に無いはずの胃がひっくり返りそうになった。 それでも食事を止めることは出来なかった。 背中には2つの視線。ありすが敵か味方なのかを、いや、餌と道具のどちらなのかを見極める2つの視線が離れなかった。 食事と言う名の命乞いを続けながら、ありすは考えるのを止めた。 それからのありすの日常は、腰を振り、食べ、寝ること以外の意味を失った。 確かに食糧事情は一変した。 家族は20匹近くまで増え、それでも備蓄には余裕があり、今すぐ冬になっても餓死者の1匹も発生しないだろう。 そんな中でありすは、自分が喰われないためにただ腰を振り続けた。 他の家族に自分の価値を見失わせてはいけない。 一瞬でも「ありすのかわりがいるかもしれない」などと思わせてはいけない。 なぜなら。狩りの回数が100を数えた今になっても。 ゆっくりありすが獲物となったことはないのだから。 集団で少数のゆっくりの群れを襲うのが狩りの基本になっていたが、そんな状態でもゆっくりありすが狩りの対象にはならなかった。 性的に捕食者の立場にあるゆっくりありすを襲うということは、家族に性的な意味で犠牲が出る可能性を示唆する。 数が減るのが問題なのではない。余所者の遺伝子が優位に立つゆっくりが家族に混じることが問題だった。 それは鉄の団結を崩す原因となる。 全てぱちゅりーの提言だった。理屈の正当性は問題ではない、ぱちゅりーが言ったということが重大だった。 家族は皆、ありすと犠牲者の子供なのにも関わらず、それらの親は紛れもなくぱちゅりーだった。 ありすは家族にとって道具か武器の類でしかなく、自分の子供に味方はなかった。 既に他のゆっくりを喰うと言う行為に抵抗を感じない家族にとって、 未だ味わったことのないありすの味は、興味以上の何かの対象だった。 それはある意味、愛情と呼べるものだったのかもしれない。 巣穴となった防空壕は素晴らしい隠蔽性を発揮したが、20匹のゆっくりが暮らす巣穴が誰の目にも留まらないということはなかった。 あるとき、散歩中のゆっくりれみりゃがたまたま巣穴を発見した。 「うー♪ うー♪ たましーのゆフラーン♪ ……う? これなんだろ?」 お気に入りの日傘を不器用に閉じて、れみりゃが巣穴の中に入ってくる。 「なんかひかってるけどー。よくみえないーっひぎゃあああああああああ!!!!!」 突然組み伏せられるれみりゃ。四肢が瞬く間に動かせなくなり、口には石が詰め込まれ、悲鳴も出ない。 ガリ。指先がかじり取られる感触に、れみりゃは反射的に限界以上の力で腕を振り回す。 腕に食いついていた何者かが放り出され、指に齧り付いていたソレは壁にたたき付けられて動かなくなる。 潰れた瞬間に、「ゆ゛ぶ!」と声を上げ、壁にへばりついたまま「ゆぐっゆぐっ! た゛すけでみん゛なあぁぁあ」 と呻いている所を見ると、どうやられみりゃが普段捕食対象にしているゆっくりのようだ。 そうと知ったれみりゃは少し落ち着きを取り戻す。力ずくで排除してしまえばいい。 だが、落ち着いた頃にはまたもや四肢の動きは封じられており、しかも自分の下半身に取り付いてくる者までいる。 (うー! きもちわるいのー! ――ゆゅ! なにするき!?) れみりゃの下半身に取り付いたのはありすだった。れみりゃの飼い主である紅い悪魔が直々に選び抜いたクマさんパンツを食い破り、 己の身体を打ち付けてくる。 「ふっ、ふっ、ああもうでるよ、れみりゃ」 犯されている、とれみりゃが気づく前に行為は終了した。 宿主が自覚せぬまま、体内の子種は栄養を求めてのたうち回る。れみりゃの干物、できあがり。 一方的に有利であるれみりゃであっても、1匹であれば既にそれらの敵にはなり得なかった。 その家族が失敗したことを挙げるのなら、巣穴を一切移動しなかったことだ。 頂点であるぱちゅりーが、巣の移動を極端に嫌ったためである。 昔、巣を追い出され苦労したためであろう。 そのため、巣の周辺でのみ行方不明のゆっくりが多発し、不審に思ったある賢い1匹のゆっくりによって巣穴は発見された。 その賢いゆっくり――仮にゆっくりけーねとする――によって見つけられた巣は、けーねが属するコロニーのゆっくり達、 実に100匹以上により囲まれた。 慌てた家族は、我先にと巣穴から脱出した。巣穴の屋敷側の出入り口から飛び出したゆっくり達は、 不運にもれみりゃなどに捕まった数体を除いて脱出に成功した。 けーねに率いられたゆっくり達が巣の奥に来た頃には、残っているのはありすだけだった。 ありすは虚ろな目をけーねに向けるのみ。逃げようとはしない。 「おまえがゆっくりできなくしたげんいんか?」 何を、とは言わなかった。言わなくても分かると思ったからだ。 ありすの周りの壁には、保存用にぶら下げられたゆっくりの死体が密集していた。 そうだよー、ありすがやったよー。 否定の言葉はなかった。 コロニーに連行されたありすは、ゆっくり達の仕返しを受けることになった。 まず、髪の毛を1本ずつ抜かれる。その髪の毛をゆっくりちるのが凍らせ、針のようになったモノを眼球に差し込んでいく。 眼球が一杯になった後は、舌に刺されていった。 髪の毛が無くなると、ありすを太い木の枝で貫き、磔にする。 その後は魔女狩りの処刑のように火あぶりにする。ただし、火力は最小限で。 数日にわたり火あぶりは続き、ゆっくり達はその周りで宴会を続ける。 やがてありすが息絶えそうになると、磔から降ろし、けがの手当を行う。 遅すぎる手当を。しみる薬草を爛れた皮に塗りたくり、腐乱した眼球を摘出する。 舌に刺さった髪の毛を一気に引っこ抜き、ありすの遺言に皆聞き入る。 「ありしゅを……たすけてくれてありがと」 そう言ってありすは絶命した。ゆっくり達は、火から外してやり手当をしたことに対する礼だと思ったが、 けーねだけは数日前の出来事を思い出していた。 巣穴でありすを捕まえた時のことだ。 「そうだよー、ありすがやったよー。たすけにきてくれたのー?」 けーねは訝しんでいた。助ける? 誰が誰を? オワレ 元ネタは「ソニー・ビーン」。 でも単なるキモいお話になったよ!!! このSSに感想を付ける