約 632,112 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/539.html
「よし、無事完成。あとは野に放つだけだ!」 誇らしげな表情の俺の目の前にあるのは直径1.5mくらいの球体。中は空洞で、一応入ることが出来る造りだ。 こいつの名前はゆっくりボール チャリオットバージョン。 その巨躯は今までのゆっくりボールの中でも最高の強度を誇り、下級の妖怪にさえ破壊することは出来ない。 しかも、外側には無数の透明な刃(刃渡り5mm前後)が無数についていて、触れれたものを捕らえて離さない。 ゆっくりを保護するという一点においてこのボールほど強力なものはないだろう。 などとどこかの誰かさんに解説している間にも1匹の母まりさと3日分くらいの食料と水を中にいれて、村の入り口へと解き放った。 「さあ、まりさ。ゆっくり君の里に帰って良いよ」 「ゆ!かえっていいの?!」 このゆっくりまりさは野生種だが、それにしては珍しくかなりの規模の集落に所属しているらしい。 “らしい”というのは餌を取りに出かけていたこいつを保護し、まりさ自身からその話を聞かされただけに過ぎず、実物を見ていないからだ。 「それじゃおじさん、さようなら。ゆっくりしんでね!」 善意の保護を捕獲と勘違いして、俺に敵愾心を抱いているらしい。去り際に酷い捨て台詞を吐かれちゃったぜ! よし、決めた!追いかけていってあいつの仲間も全員保護しちゃうぞ~♪ 「ぎゃお~、たべちゃうど~♪」 というわけで、まりさinゆっくりチャリオットを追いかけること13分と28秒。 絶好のタイミングでゆっくりれみりゃが現れてくれた。しかも母1匹に子ども4匹というゴキゲンな組み合わせだ。 「ゆ・・・ゆぅぅぅぅぅうう・・・」 ゆっくりにはチャリオットの強さなんて簡単には理解できない。まりさは本来なら遭遇しないように立ち回るしかない脅威を前にただひたすら怯えるばかり。 そもそもこのボールシリーズ全部透明だから、馬鹿なゆっくりだと自分がそれに入れられていることさえ忘れるんだよな。 「ぎゃお~♪」 「「「「だべぢゃうど~♪」」」」 と、お約束の聖者は磔にされましたを彷彿とさせなくもないポーズで五方から迫るゆっくりゃ。 格下のゆっくりまりさ相手に5匹で包囲して退路をふさいでから襲い掛かるのか。ゆっくりゃにしては珍しく、なかなか統率の取れた集団のようだ。 「ゆ、ゆっくりあっちいってね!」 そんなまりさの叫びも虚しく、鋭利な爪の生えた腕を振りかざした母ゆっくりゃは獰猛な四足獣の如き勢いでまりさに飛び掛る・・・ッ! もはや命運尽きたといわんばかりの絶望的な表情で全身をこわばらせるまりさ。 「れみりゃがいちばんだくさんたべるど~」「いちばんはいちばんぷりぢーなれみりゃだど~」などなど、好き勝手にはしゃぐ子ゆっくりゃ。 哀れなゆっくりまりさの短い生涯はここで幕を閉じる! 「・・・あぎゃ!?」 と、本来ならなるはずなのだが、透明なチャリオットの存在に気付かなかった母ゆっくりゃは目測を誤り、小さな刃の並ぶチャリオットの壁に激突した。 小さな刃であったため中の具がはみ出ることはなかったが、チャリオットに抱きつくような格好で激突したため、上半身のいたるところに満遍なく刃による刺し傷が残っている。 「・・・う!?」 予想外の事態に困惑する子ゆっくりゃ。 「う゛あ゛ーーーーーー!!!いだい゛ーーーーーー!!!ざぐやーーーーーーーーー!!!!」 獲物に届かない理不尽と驚きと、そして何より痛みのせいで我を忘れ、両腕で自分を抱きかかえるような格好でひっくり返ってのたうち回る母ゆっくりゃ。 「ゆ?・・・ゆ!」 一瞬、状況が飲み込めずゆっくりゃ同様に困惑顔になるも、俺の家にいたときに何度かボールに入った経験のあるまりさはすぐに自分の身の安全を理解する。 「おが~じゃ~ん?」 「だいぢょーぶだどぅ~?」 「「いだいの、いだいのどんでげー、だどぅ~♪」」 そんなまりさにわき目も振らず、負傷した母ゆっくりゃのもとへ駆け寄る子どもたち。 う~ん、やっぱり統率取れてるなぁ~。あれか、これが噂のかりすまって奴なのか。 特に手当てをするわけでもないが、心配そうに親の様子を伺っている。 もちろん、格下で、自分達にとっては餌に過ぎないまりさに背を向けて。 「ゆっくりしね!!!」 瞬間、まりさがゆっくりらしからぬ速度でチャリオットを操り、母を気遣う子どもの一群に突撃した。 叫び声に反応して回避しようとするものもいたが、目に見えないチャリオットをかわしきれず、母同様に全身を小さな刃で傷つけられる。 「いぎゃーーーー!!!」 「いだいどぉ----!!!」 「ざぐやーーーー!!!!」 「だずげでーーー!!!」 ものの見事に一撃で4匹全員戦闘不能。汚らしい絶叫を撒き散らしながら地べたを跳ね回るゆっくりゃたちからは先ほどまでの余裕など微塵も感じられない。 理解不能な状況への困惑と全身の痛みで逃げることすらままならない5匹。 しかし現実は無慈悲にして残酷。これはチャンスとばかりにまりさは拙いなりにもチャリオット駆り、何度も何度も執拗にゆっくりゃたちに襲い掛かる。 二回目の攻撃で1匹の子ゆっくりゃは完全に頭部を粉砕され、中身を撒き散らし、そのまま微動だにしなくなった。 「あ゛ーーーーー!!れびりゃのあがぢゃんーーーー!!!」 運よく攻撃が当たらなかったものの、わが子を殺された母ゆっくりゃは大量のしわを作り、涙で顔をぐしょぐしょに濡らして元々見苦しい膨れっ面を更に気持ち悪いものへと変えてゆく。 「いだい゛!!いだいーーー!!」 「おてでが!!おでてがーーーっ!!!」 「うぅ~~~~☆ にぱぁ~~~~~~♪」 あるものは右腕をすりつぶされ、またあるものは左足をねじ切られ、またあるものは顔の1/3と精神を粉々に砕かれていた。 これが人間だったら目を背けたくなるような阿鼻叫喚の地獄絵図であっただろう。 そして少し間をおいての三回目の攻撃は親の両足を瞬く間にすりつぶした。 「ギャおおおオおぉおぉぉォオオおおお!!!!!!?」 上半身は刺し傷だらけ。下半身はもはやない。全身傷だらけで、具の半分近くを持っていかれた母ゆっくりゃは半ば虫の息だ。 立て続けの四回目の攻撃。幸運なのかそれとも不運なのか、母ゆっくりゃを粉砕しようとしたチャリオットは石に躓き宙を舞う。 結果、母ゆっくりゃは死を免れた。しかし、チャリオットは顔を1/3そぎ落とされた子ゆっくりゃへと落下し、その胴体を粉砕、大量の具を撒き散らした。 「うぎょあ!?!」 悲鳴とも呼べない奇声を発し、顔だけになってしまった子ゆっくりゃは・・・ 「れび☆ぢあ・・・う゛ー」 あまりにも場違いな言葉を口にすると同時に満面の笑みを浮かべた。その表情はゆっくりゃにあるまじき可愛らしさだ。 「ぷでぃ、ぷでぃん、ぷでぃ・・・」 しばらく痙攣しながらも笑顔で意味不明な言葉を発し続け、最期にはやはり笑顔のまま息絶えた。 もはや誰がこの場を掌握しているのかは明白。チャリオットの中のまりさは口の両端を吊り上げ陰惨とした笑みを浮かべている。 「ぅあう・・・」 痛がっている場合じゃない。母ゆっくりゃはまだ生きている子どもたちに目もくれず腕の力だけで這って逃げようとする。 「おが~ぢゃ~ん!?」 「うぎゃ!?れびりゃをだづけどぅーーー!!!」 見捨てられた子ゆっくりゃはこの世の終わりでも到来したかのような表情で母の背中を見つめる。 だが、全てをかなぐり捨てた必死の逃走には何の意味もなかった。 「ゆっくりさせないよ!」 もはやゆっくりとさえ呼べないような速さで這いずるしか出来ない母ゆっくりゃの正面を取ったまりさは潰さないように加減した突撃を当てる。 「うぎゃ・・・!?」 短い悲鳴とともに弾き飛ばされた母ゆっくりゃは新たな刺し傷と失った両足から餡子を垂れ流しながら子どもたちのすぐ傍へと弾き飛ばされた。 「いや゛ぁぁぁぁああああ!!!あ、あああ、あがぢゃん!?あああ、あう!?」 落下の際の衝撃で左腕も使い物にならなくなってしまったらしい。唯一自由に動かせる右腕で先ほど息絶えたの笑顔の子どもの生首を引っつかむとそれをまりさのほうに差し出す。 つまり、子どもはやるから見逃してくれということだろう。かりすまは何処へやら。全く酷い親だ。 「お゛がーぢゃーん!?」 「うあ゛ーーーー!!」 その行動は生き残っている2匹の子どもたちを更なる絶望のどん底へと叩き落した。 それを見た瞬間のまりさの笑顔のエグいことエグいこと。 「こゆっくりゃ!!」 エグい笑みを浮かべつつ、偉そうに子ゆっくりゃを呼びつける。 「は、はい゛ーーーーーー!!」 「あ゛ーーーーーー!!!」 痛みと恐怖と絶望からか、思った以上に従順な態度を示す子どもたち。 「そのゆっくりゃをゆっくりたべてね!」 あ~あ、こりゃ母ゆっくりゃ死んだな。自分が先に子どもを差し出そうとした以上、子どもも待ってはくれないぞ。 で、14分と23秒後。 そこには母ゆっくりゃのおべべだけが残っていた。 「「う゛ー!!ぜんぶだべだどぅーー!!」」 2匹の子ゆっくりゃは場違いなほど嬉しそうな笑みを浮かべながら、そのおべべを指差す。 「ぜんぶだべだから、ぷっでぃ~ん・・・ぷぎゃ!?」 何かを言い切る前にまりさのチャリオットアタックで右腕のもげた子ゆっくりゃが圧殺された。 正中線をなぞるように踏み潰されてぺちゃんこになっており、チャリオットの破壊力を100%受けきったらどうなるのかを見事に体現していた。 きっと「ぜんぶ食べたからプリン頂戴」と言おうとしたんだな。 こーまかんのおぜうさまにとって言うことを聞けば報酬があるのが当然なんだろう。だからあんなに嬉しそうだったのか。でも、こいつら野生種っぽいような? 「・・・う?」 唯一生き残った左足のない子ゆっくりゃもまた言うことを聞けばプリンを貰えるものだと思っていたので、何故か仲間が殺されたその状況と意味が理解できず呆然とする。 「ぷっでぃ~んは?」 と、小首をかしげているところに容赦なく、まりさが襲い掛かってきた。 「ギャおああああああああアああああああ!!!ブッでぃいいいいぃぃっぃgsねwgん、srgbんcぢkwsdcうぇr!!!」 その一撃で体の左半分を粉砕され、大量の具を撒き散らした子ゆっくりゃはもはや何を言っているのか全く聞き取れない絶叫を残して、動かなくなった。 「ゆっくりしていってね!」 まりさはもはや1匹たりとも動くもののいないゆっくりゃの群れに向かって今まで以上にえげつない笑みを浮かべたまま、お決まりの文句をはき捨てると、その場を後にした。 そんなこんなで18時間と26分19秒後。 あるときはゆっくりゃを上回る能力のゆフランをもたやすくなぶり殺した。 またあるときは発情したアリスの群れを全く寄せ付けることなく轢き潰した。 更にまたあるときは3頭の蛇をまるでそんなものいなかったかの如く蹂躙した。 挙句の果てには人間でさえも敵わない野犬12頭の群れをいとも容易く一蹴した。 そうして、ゆっくりまりさはようやくゆっくりできる自分の故郷へとたどり着いたのだ。 「あ、おかーしゃんだ!」 真っ先に母の存在に気付いたのは6匹いる子どもたちの末っ子のゆっくりれいむだった。 「おかーしゃ~ん!!」 「れいむーーー!!」 実に涙ぐましい感動の再開。でも、何か大事なことを忘れちゃいないか? と、俺が思案にふけっていたそのとき・・・。 「ゆぎゃ!?」 という悲鳴とともに幼いれいむが空中で何かに激突し、更にそのまま轢き潰され、中身の餡子を撒き散らした。 あ~、そうかそうかそうか。外敵だけじゃなくて、家族や仲間も粉砕してしまうのか。こりゃうっかりしていたぜ☆ などと、俺が一人納得していると村中のゆっくりがわらわらと集まってきた。 「まりさ・・・こどもをころすなんて・・・しばらくみないあいだにゆっくりできなくなったんだね」 そういってまりさを攻めるのはすでに母にはなっているであろう大きさのゆっくりれいむ。 「ゆ!?ちがうよ、したくてしたんじゃないよ!!」 「むきゅ・・・そんなの、かんけいない。おきてはおきて・・・」 まりさの反論をぼそぼそと却下するのはこれまた成人サイズのゆっくりぱちゅりー。 更にどんどん集まってくるゆっくりたち。最前列に大きなゆっくりが立ち並び、その後ろで子供や赤ちゃんが様子を伺っている。 「おかーしゃんはそんなことしないよ!」 そんなゆっくりの群衆の中をかき分けて飛び出してきたのは5匹の子ゆっくり。2匹がれいむ種で3匹がっまりさ種だった。 まりさの感涙に咽ぶ表情から察するにあのまりさの子供だろう。小さい鳴りに必死で母を守ろうとしている。 「み゛、みんな゛ぁぁぁぁあああああ!!」 あくまで自分を信じようとしてくれる子供たちに頬ずりしようとするまりさ。 あ、そんな事したら・・・ みちっ、ぶちゃ、むりゅ、ぐじょ・・・めりめりめりめり・・・! あ~あ、やっぱり。またやっちゃったよ。散々そのボールに頼ってここまで帰ってきたくせにどうして肝心なときにそれの存在を忘れるかね? 叫ぶ暇すら与えられずに押しつぶされた子どもたち。あたり一面に飛び散る餡子。呆然とする母まりさ。そして・・・ 「ゆっくりできないまりさはゆっくりしね!」 誰かの合図をきっかけに子殺しの罪ゆっくりに制裁を加えるべく飛び掛るゆっくりたち。 もちろん、ボールなんて見えていないし、何故触れてもいないのに子どもたちが潰れたのかなんて考えようともしない。 「やめでええええええええええええ!!!」 しかし、誰も罪ゆっくりの言葉など聞くはずもない。飛び掛ったものはことごとく刃によって傷つけられた。 誰も傷つけまいと必死で逃げるまりさ。だが不運にも逃げている最中にアリス種の赤ちゃんゆっくり3匹を踏み潰してしまった。 「ああ゛ああ゛あああ゛あ゛!!アリズのあがぢゃんがあああああああああああ!!!」 「まりさをころせえええええええええええええええええ!!!」 「ゆっくりしね!!」 「だべええええええええええ!!来たらさざっぢゃうううううう!!!!」 怒声とともに飛び掛るゆっくりたち。しかし、チャリオット相手に敵うはずがない。 「おがーーーーーざあああん!!!いだいよおお!!!!」 ある子どもは親にほめられたいがためにまりさに突撃して、またある子どもは逃げるまりさに轢かれて、またある子どもは大人たちに下敷きにされて潰れる。 「あのれいむも子どもをころしたよ!!!」 とめどなくあふれる罵詈雑言。子を、親を呼ぶ悲鳴。怒りが引き起こす数々の惨劇。 繰り返される惨劇の連鎖はとどまることを知らない。 「ばじゅりぃぃぃいいいいいい!!!しんじゃだべえええええええ!!!」 「ゆ、ゆっゆっゆっゆっゆ・・・・ゆぅ?うっめ!めっちゃうめぇ!!」 その子どもは気が触れてしまったらしい。純真無垢な笑顔で母親の死肉を食い漁っていた。 「ゆゆ!!このこ、ははおやをたべてるよ!!ゆっくりおしおきしなぎゅおああああああああああああああああああああ!!!」 「みんなが!!みんながぁ!!わるいんだぜ・・・!!ゆっくりしてればいいのに!!ゆっくりできないならまりさがゆっくりさせてあげるよ!!」 そして狂気がゆっくりの里を飲み込んでいった・・・。 そんな地獄絵図を背に、俺は人里へと引き返した。 この悲劇はゆっくりだからこそ起きた間抜けな喜劇などではない。 これは教訓なのだ。寓話なのだ。 身を守るための道具であっても使い方を誤れば、その恐ろしさを失念すれば自らを傷つけることになる。 そして時には自分の大事な人々を傷つけることになる。 胸に手を当てて考えてみてほしい。人間だって似たような悲劇を何度も経験しているだろう? などと、一人格好良くナレーションをしながらゆっくり歩を進める俺だったが、ある重要な事実を思い出して駆け足になる。 「そういえば・・・紅魔館から依頼されたゆっくりボール・エレガント・ウォーカー~これで君も社交界の鼻~の納品日って明々後日だったな」 さて、ゆっくり急いで仕上げるか!! -----あとがき?----- 書き込めるってシアワセ・・・。 気がつけばゆっくりボールも4作目。 いつも突貫で仕上げるので誤字脱字が酷いぜ。 珍しく虐待分多め?でも、終盤のゆっくりは最早ゆっくりじゃねえ。 ゆっくりボール1号 理想 押さえつけることで成長抑制。しかもボールの中は安全だよ 現実 安全云々以前にボールの中で終わらない苦痛を味わい続ける ゆっくりボール2号 理想 これでゆっくりも人間と一緒にスポーツが楽しめるよ 現実 ボール代わりにされた挙句、発情してもイけない地獄 ゆっくりボール3号 理想 押さえつけることで子どもがあまり成長させずに小さいサイズで産ませる 現実 押さえつけられた影響で母が多大なストレスを受け、奇形の未熟児になる ゆっくりボール4号 理想 絶対防御。これならどんな外敵も安心だ 現実 無差別虐殺装置。しかも食料も取れない これらを製造しているゆっくり愛好家は間違いなくゆっくり脳。 彼は本当にゆっくり好きなんですが、ゆっくり脳なので作るものが全て裏目に出ているだけ。 しかも、ゆっくり脳で自分の都合の良いように解釈するので全く自重しない。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4328.html
注意 虐待ありません パロディです。 都合上、ゆっくりが現れてからの年数を「Y歴○○年」と表記しています。 『YUKKURI of THE @%#$?』 #1 あそぼうれみりゃ 「ねぇ、まりさ知ってる? 子ゆっくり達の間で流行っている噂」 「ゆっくり知ってるぜ! あれだろ? "あそぼうれみりゃ"」 「ええ、おかげで遊び場に遅くまで居座る子ゆっくりがいなくなって助かるわ」 今、子ゆっくり達の間で『あそぼうれみりゃ』という噂がまことしやかに流れている。 どのようなものかと言うと… 「ゆぅ、すっかり遅い時間だよ! 早くゆっくり帰るよ!」 ほぼ太陽が沈んだ頃、子れいむは忘れ物を取りにドーム型の人工洞窟に戻ってきた。 この人工洞窟はいつからあったのかは定かではないのだが、天井に発光成分のあるコケが張り付いており、 いつでも明るかったため子ゆっくり達の遊び場となっていた。 成ゆっくり達はこの場所を利用できない。 なぜなら、入り口が横に狭く、成体ゆっくりでは進入できないから。 「でも、みんなばかだよ! "あそぼうれみりゃ"なんてただの噂話なのに怖がって!!!」 (むきゅ、夕方過ぎまでこの洞窟にいると、入り口にれみりゃがくるそうよ!) 「ゆ…あ………ぁ……」 洞窟の入り口にはゆっくり通常種の天敵の捕食種、れみりゃがいた。 普通のれみりゃは太っていて鈍重だが、このれみりゃは骨と皮だけと言わんがばかりに痩せている。 腕も足も木の棒のように細く、服もスカスカ。 顔も下膨れが引き締まり、まるで餓死直前であるかのような様相だ。 (それでね! れみりゃは洞窟の中には入ってこないのよ! だから、こういって誘い出そうとするのよ!!!) 「あそぼお」 「ゆっくりこの中に入れないのはわかってるよ!!! れいむはゆっくり帰るからさっさと出て行ってね!!!」 子れいむは振り絞れる勇気すべてを使ってれみりゃに威嚇する。 「はやぐででいっでよおおおおぉぉぉ!!! れいむががえれないでじょおおおおぉぉ!!!」 れみりゃは出入り口に両手足をかけ、入り口を揺さぶる。 「あそぼおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「あそぼおおおおおぉぉぉおおおおぉぉぉおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおぉぉぉおおおおぉぉおおおおおお!!!」 「あそぼおおおおぉぉおおおおおおぉおおおぉおぉおお!!!」 入り口がガタガタと音を立てて揺れる。 子れいむは恐怖のあまり声を出すこともできずにこの光景を見ている。 もし、『あそぼうれみりゃ』が「入ってこない」のではなく「入ってこれない」のだとしたら? もし、「入ってこれない」理由が「入り口が狭いから」だとしたら? もし、洞窟に進入するためにガリガリに痩せたのだとしたら? ----Y暦31年.人工洞窟 #2 訪問 がさがさ… 「はぁ」 またか、とみょんはため息をつく。 夜中、たまに自分の家と間違えてバリケードを破って入ってくるゆっくりがいる。 しかもたちの悪いことにそのままおうち宣言するということもある。 みょんは少々手荒だが、木の棒でしたたか叩いてから追い出すようにしている。 光コケの蓋を取り、明かりを確保。武器である木の枝を咥え、侵入者を待つ。 がさささ!!! ひときわ大きい音がしてバリケードが完全に崩れた。 そこにいたのは 「み"ょん!!?」 ゆっくりれいむであったが、額から右頬にかけて皮が破れだらりと垂れ下がり、 左頬は損壊し歯が見える。 そして頭には見たこともない金属片が突き刺さり、眉間には木の枝が突き刺さっていた。 「ゆュ……まチガえタ」 みょんが固まっているとれいむは一言 そう残してどこかへと跳ねていった。 ----Y暦27年.泉のほとりにほど近い洞窟 #3 帰り道 ザーザー… 「ゆぅ、全くついてなんだぜ…」 友達のれいむと遊んでいたら、突然雨が降り出した。 れいむの巣はすぐ近くだがまりさの巣は結構遠い。 最初はぽつぽつとしか降らなかったので、大きな葉っぱを傘代わりにすれば濡れずに帰れるだろう。 そう思ってれいむの巣で雨宿りせずに帰路についたが、 もうそろそろ巣につくであろう頃になって雨脚が強まった。 傘代わりの葉を見ながらまりさは思う。もっと早くに帰ってれば良かった。と。 ずん! 「ゆっ?」 突然葉が重くなった。 バランスを崩しながらも葉をのぞくと、そこには沢山のゆっくりの顔が映り込んでいた。 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」「げらげらげらげら!!」 「ゆ、ゆうぅぅうううう!!!」 恐ろしくなって葉を離し、逃げ出す。 後ろを振り返り、葉を見るとそこにはゆっくりの顔も笑い声も無くなっていた。 「……………」 ----Y暦3年.まりさの巣の近辺 #4 訪問2 「ゆぅ……ゆぅ……」 ちぇんとらんは二匹寄り添って眠っていた。 「おい」 「おいィ」 「おい」 「おいィ!!!」 「ゆぅ?」 「むにゅ…、どうしたのらんしゃまぁ…」 何者かの声にらんが気付き、起きる。ちぇんはらんが起きるとつられて起きた。 何だろうと光コケの蓋を外す。 すると、気の棒などで覆ったバリケードの外に何者かがいることがわかった。 「おいィ!」 ガタガタガタ!!! 木の棒の隙間から声が聞こえる。 二匹はそちらを見て絶句した。 木の棒の隙間から目玉が何個も二匹を凝視しているのだ。 「おいィ…………」 「こコを……アけロ」 正体不明の訪問者にがたがた震える二匹。 「オいぃ!!!」 ----Y暦30年.場所は伏す #5 他に、誰がいたのか 「ゆー、ありす、まりさ! こっちだよ! 早く来てね!!!」 「れいむ、都会派は焦らないのよ!!!」 「そうだよ、もうちょっとゆっくりしようよ…」 れいむ、まりさ、ありす。 仲の良い三匹はこのたび親元を離れ、新しい巣に引っ越そうとしていた。 「でも、そこ本当に誰もいなかったの?」 「ゆ! 誰もいなかったよ! れいむちゃんとこの目で見たもん!!!」 れいむが見つけたのは中くらいの大きさの洞窟。 前日に中をのぞいて見たところ、住人もおらず、誰かが住んでいる様子もない。 三匹で生活するには広すぎるくらいの広さ。 れいむは一目で気に入り、三匹での生活に心踊らせ、二匹に知らせ 早速翌日三匹で下見をしに来たのだ。 「ゆ! ついたよ! ここだよ!!!」 岩肌に見える小さめの穴。成ゆっくり一匹分の入り口。 「ゆー! なかなか都会派な場所じゃない!!!」 「まりさここ気に入ったよ!!! さすがれいむだね! ゆっくりできるよ!!!」 早速三匹は順番に洞窟の中に入った。 「ゆわ~ひろ~い!」 「ありす、ここが気に入ったわ! さっそく、お引っ越しの準備しましょ!」 「ゆ? 誰かいるよ!!!」 入ってきたときは誰もいなかったはずなのに、気がつけば自分たちの目の前にゆかりんがいた。 そのゆかりんは一瞬だけ笑ったように見え、 ザクッ! 袈裟に切られた。 しかし三匹には何がゆかりんを切り裂いたのか、見えなかった。 ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ! ゆかりんは中身をまき散らかし、残骸があちこちに散らばった。 その中で、目玉だけはしっかりと三匹を見据えていた。 ----Y暦27年.山奥の洞窟 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、 これらは「不安の種」のエピソードを元に作成されています。 これかなり怖いので、怖いの苦手な方は見ない方がいいです。 次は「不安の種+」のエピソードも書こうかなぁ、と思っています。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ! 被虐のみょん_その一 とあるきめぇ丸の一日 おさんぽバターみょん さなえに首ったけ ゆっくり兵団 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2374.html
タグ希望は環境 現代にゆっくりがいます。 ゆっくりは幻想郷から落ちてきました。 おおかたどこかの誰かさんがスキマでも使ったとお思いください。 それでも幸せなゆっくりがいます。 ゆっくりと現代 近年突如現れた饅頭に知能が付与されたようなびっくり生物(なまもの)ゆっくり。 モノの数年でかなりの数に増えた彼らは、少しずつ都市部へと流れ込み始めた。 町に行けばおいしいものがあるに違いない、と妙にポジティブな希望を抱いて。 しかし、彼らに待ち受けていたものはそんな幻実ではなくありふれた現実だった。 「ゆっゆっゆっ……」 ここに跳ねているのはゆっくりれいむ。れいむは実にゆっくりできていなかった。 この『町』というところは前にいた山よりゆっくりできないものが多いのだ。 「これじゃぜんぜんゆっくりできないよ!」 そうごちりながられいむは跳ねる。 昨日も黒い四つのわっかが現れて道の真ん中で寝てた親友だったまりさが潰された。 「いたたた……」 跳ねるのを止める。ここの道は霊夢達には固すぎる。 長時間跳ね続けると皮が腫れてしまうからこうして足を定期的に休まなければ跳ねることもままならない。 「でもすーりすーりすると……」 ここにきて間もないころにれいむは子供達のにこれと同じような道ですり潰されたようむを見た。 この道で張って進む事はできない。れいむはそう思っていた。 「ゆぅ、おなかがすいたよ………」 ここ数日何も食べていない。ここは草が極端に生えていなかった。 最初はお花を食べていた。だけどお花は妙に苦かった。 それでも空腹よりはましだと思って食べていたのだが、 「花を荒らす奴は誰だ」 と人間が夜に見回りするようになったから食べられなくなってしまった 「ゆうかよりこわいよ……」。 山にいたころに長から人は怖いものと教えられてきたから人には近寄らないようにしてきた。 だから人の多い昼間は隠れている。夜がれいむ達の生活時間だ。 「ここにはれみりゃがいなくてよかったよ……」 れいむは少しだけホッとする。だがホッとしたところで空腹感は変わらない。 れいむは再び跳ねてご飯を探しに行く。 「ごみさんでもいいからなにかたべたいよ……」 ごみ集積所にたどり着く。夜にゴミを捨てる不届き者はまだまだ健在らしくゴミ袋はたくさんあった。 「ゆゆゆ、やったね!」 れいむはすなおに喜び、ごみ集積所へと跳ねていく。だがその喜びはぬか喜びに終わった。 「フーーー!!」 「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 先客の猫がいたのだ。猫にとってもこういった生ゴミは貴重な栄養源。 よくわからんポッと出の丸っこい新参者にとられるわけには行かないのだ。 「ゆぅぅぅぅぅぅ………」 このれいむは勝ち目のない戦いはしないことにしていた。 このいかにも強そうな猫に戦いを挑んで食べられてしまったら元も子もない。 トボトボとその場を立ち去っていく。 空腹感は増すばかり。 「ゆぅぅぅぅぅ……こ、こうなったらにんげんさんのおうちに」 人の家に侵入する。これも山にいたとき人里にいったというまりさから聞いたものだ。 そのときに簡単な構造を教えてもらった。 まりさいわく 「にんげんさんはおうちにたくさんたべものをたくわえてるんだぜ!だからすこしぐらいもらってもいいんだぜ!」 とのこと。このまりさはしばらく後に見かけなくなったのだが多分人間に捕まったのだろう。 そう考えると怖くなってきたが 「す、すこしぐらいならばれないよね」 悪さをするのは気が引けるが自分ももう少しゆっくりしたいのだからいいよね、と自己正当化を行いめぼしい家を探すことにした。 夜道にていんていんとマンガみたいな足音が響く。 そして人の家の前に着いた。 しかしおかしい。まりさの言ってたような戸があるわけでなし、屋根へ上るための梯子もない。というか家が妙に四角い。 昔自分が遠目に見たにんげんさんの家屋はもっと平べったくなかっただろうか。 「ゆぅぅぅ・・・・・・」 どうしようか、と困っていたときれいむは一つの突破口を見つけた。 ガラス窓だ。そうだ、まりさは確かこうも言っていた。 「とうめいないたでおおってるところはいしをぶつければすぐにわれるぜ」と。 れいむはそのまりさの言葉に賭けた。 庭に手ごろな石がないかを探す。 あった。 口に入るかを確かめる。 入る。 石を口に咥えて方向を確かめ、れいむは石を噴き出した。 カィン 「ゆ? ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 石は当たった。確かに当たった。しかし、音はしてもガラスは割れなかった。 技術の発展はガラスでもある程度の衝撃は防げるようになったのである。 今のへろへろのれいむの射出した石では20発撃ってやっと割れるかどうかだろう。 「ま、まりざのうぞづぎぃぃぃ………」 今は亡き無謀と勇気を履き違えたゆっくりに恨み言をこぼしもうだめだ、とへこたれるれいむ。 ふと足元の草に気づく。 「ゆっ!くささんだよ!たべれるよ!!」 そうだ、草はあまりおいしくはないが食べられるではないか。 家に入ることばかり考えていて足元にある食べ物に気づかなかったわけである。 灯台下暗しとは正にこのこと。 それはともかくれいむはくさに噛り付く。 食べる、食べる、食べる!! 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!」 寝静まっている人やゆっくりもいるだろうからか控えめの声でれいむは久しぶりの食事の喜びを表した。 数時間後、れいむは自分の巣に戻っていた。 あれから数件ほど別の家の庭に入っては草を毟り巣に運んでいたのだ。 人の家に入らずともお庭に草があったのは助かった。これでしばらくは暮らしていける。 「やっと、ここでゆっくりできそうなきがしてきたよ……」 とれいむが思った矢先、むんずと何かに掴まれる。 「ゆ?」 目線を開けるとそこには にこにことわらった 古臭いドレスを着た ふとましい体つきゆっくり。 「れ み り ゃ だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「う~♪」 ハッピーエンドが好きな一部の人には実に最悪な話なのだが れいむがれみりゃがこの町にいないというのは たまたま今まで出会わなかったというだけだ。 実際のところは数日ほど前に一匹の胴付きれみりゃが町に来ていた。 そして、れいむと同じようにご飯を探し回っていた。 だが、ここはれみりゃの住んでた森のテリトリーより広く。生きているゆっくりは森より少ない。 潰された死体はみかけるが生きたゆっくりはそうそう見つからない。 つぶれたゆっくりはおいしくない。 それだけの理由でれみりゃは生きたゆっくりを探した。貴族は食わねど高楊枝と言ったところか。 そして今日、おなかをすかせてふらふらのれみりゃはついにおいしそうな獲物を見つけたのである。 たまたまそれがさっきまで大変だったれいむなだけで別に誰でも良かった、といっておく。 「うぅ~、いただきまぁす」 「ゆべぇ!?」 頬に齧り付く。齧りとった箇所から餡子が漏れ出てくる。 「あまあまぁぁぁぁ」 甘い。今までつぶれたゆっくりを我慢してきた甲斐があったものだ。 「ひゅ、ひゅうっぐりひゃべふぇべ!?」 頬に開いた穴で満足に発声はできない。 「れみりゃはおなかすいてるんだどぉぉぉ おとなしくたべられるんだどぉぉぉ」 「ひゅヴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」 齧る。齧る。啜る。毟。啜る。喰らう。 今までの空腹を癒すかのように一心不乱にバレーボールサイズのれいむを食べ続けるれみりゃ。 このサイズを食べつくしたなら数日はもつだろう。その間に次の獲物を探そう、とれみりゃは考えていた。 なに大丈夫だ、自分ならきっと見つけられるとも思っている辺りはほんと楽観主義だが。 一方食われ、餡を削られどんどん薄れ行く意識の中 (もっとゆっくりしたかった……) と思いながられいむの意識は消えていった。 明け方近くにれみりゃはれいむを食べ終えた。 「うぅ~♪ おなかいっぱ……うぅ!?」 日が昇り始めていた。 今まで森に住んでいたこのれみりゃが日傘を持っているわけがないのでこれは致命的だった。 食欲に我を忘れ、時間を考慮していなかった結果がこれだよ! 「うぁぁぁぁ、うぁぁぁぁぁぁ!!」 たちまちれみりゃの体は火傷の症状を表し始めた。このままではれみりゃは灰になって死んでしまう。 「う?」 食べていたれいむの巣だったポリバケツに気づき、慌ててれみりゃはそれを被った。 これでもう太陽に当たらない。 「うぅ~♪」 しかし、慌ててもぐりこんだせいで変に嵌ってしまいバケツから出ることができなくなってしまった。 歩けるには歩けるのだがちょこちょことしか歩けず、視界が見えないのでどっちに進めば良いのかもわからない。 「うぁぁぁぁぁぁぁぁうぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!だれがだじゅげでぇぇぇぇぇ!!ざぐやー!ざぐやー!!」 誰も来るわけがない。ここは人一倍人を恐れていたれいむが見つけた場所だ。 そんなところに人がくるわけなど当然なかった。 このれみりゃは奇特な人間が来なければ死ぬまでバケツの中にいるしかなかった。 これはほんの一部の例である。 ゆっくり達がこの世界の都市に適応するまではもう少しの時間がかかるだろう。 後書き アスファルトの床には首だけのゆっくりにはさぞかし響くだろうなぁ、と思って書き始めたらなんか違う方向に………。 しかも、先越されたぁぁぁぁぁぁ! 現代都市にゆっくりを住ませようとしたらかなりきつい感じがしました。 あいつらはいるとしたら田舎に住ませてやるべきです。それでも畑荒らしたら潰されますし、冬眠寸前の熊に食われたりと大変な気がしますが。 公園に落ちたドスとかはなんかうまくやってけそうなイメージがあります。 ドスが少食、という設定ならですが。 以前書いたもの fuku3328.txt ドスに纏わる二、三の話.txt fuku3313.txt 小ネタ.txt fuku3290.txt 中立な話.txt このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1396.html
この作中に登場する饅頭は、バスケットボールくらいの大きさと思ってください。 ここに一人の農業を営む男がいた。 私はゆっくりが大嫌いだ。 あのふてぶてしい表情、平気で住居に侵入する行為、挙句の果てに自分の家と 言い張る。どれをとっても気に入らない。 そのため私は、ゆっくりを見かけたら問答無用で処分することにしている。 そんな私が畑仕事からの帰路、草むらの中から何やら声が聞こえるではないか。 「・・・・していってね!」 「すっきり・・・・ていってね!」 何やら興奮気味な声だ。 さらに近づいてみると、そこに3匹のゆっくり魔理沙と1匹のゆっくりパチュリーが いた。 「ゆっくりしてないでさっさとおわらせてね!」 「おねぇちゃん!はやくぱちゅりーをこっちにまわしてね!」 どうやら姉妹でゆっくりパチュリーを暴行しているようだ。 「う”るさいよ!今いいところなんだからだまっててね!」 「むぎゅ!むきゅんむきゅん・・・・」 そんな行為を私が見逃すはずもなく、畑仕事で使ったクワを片手に走り寄った。 饅頭が生殖するという行為が生意気であり、何より気に入らなかった。 「そこで何してるゴミども」 「ゆ”ゅ!?」 「おじさんだれ?まりさたちはいそがしいからゆっくりどっかいってね!!!」 するとパチュリーをレイプしている魔理沙が絶頂に達しようとしていた。 「いぐよバヂュリー!まりさのごども妊娠しでね”ぇぇぇぇ!」 「む”ぎゅゅゅゅっ」 「ゆ”っ!???」 レイプしていたゆっくり魔理沙の視界がぐるりと舞った。 私のクワで思いっきり頭を刈ったのだ。 魔理沙の顔の上部が地面に落ちるまで他のゆっくりは固まったままであった。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ」 顔の上半分がなくなった魔理沙が奇妙な声を上げると、やっと状況が読みこめたらしく 「パチュリーはそこでゆっくりころされてね!」 「おぢさんはそこでゆっくりしていってね!」 と言い放ち、2匹はゆっくりとは思えない速さで逃げていった。 自分の姉が殺されたのに大したやつ等だ・・・。 「ゆっゆっゆっゆっ・・・」 「ぶゅっ!!」 いい加減うるさいので痙攣していた魔理沙を草むらの奥へと蹴り飛ばした。 汚いあんこが草の上へと散らばり甘いにおいが広がった。 そういえば、パチュリーはどうなったか探すと、少し離れた場所にいた。 「キュー・・・キュー・・・キュー・・・・」 と、息も絶え絶えに私から逃げようとしている。 放って置いても時期に死ぬだろうが、私にも情けはある。 「む”ぎゅん!?」 後ろから思い切り蹴り飛ばしてやった。 ゆっくりパチュリーの体は中身を振り撒きながら木へと当たり砕けた。 「良かったな。楽に死ねて」 我ながら大したキック力だ。 「「ゆっくりしんだね!!!」」 「!?」 2匹のゆっくり魔理沙だ。 パチュリーが死んだのを確認しに戻ってきたようだ。 恐らく私が追いかけても逃げ切れると思っているのだろう。 事実そうである。 「ばいばいおじさん!まりさたちは他の場所でゆっくりするからね!」 「おじさんはさっさとおうちに帰ってね!」 と、時折振り返り、人を小ばかにしたようにニヤニヤして逃げていった。 自分達の足跡を残しているも知らずに・・・・ ゆっくり魔理沙たちが通った場所は薄っすら円形の跡がついているのだ。 馬鹿な饅頭だ。 足跡を追っていくと倒れた大木の前で終わっていた。 「ゆっくり~♪まったり~♪」 「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~♪」 反吐が出そうな歌が聞こえてきた。 間違いなく中にいる。恐らくこの大木の中を巣にしているのだろう。 入り口は一つだけあり、地面には藁が敷いてある。 ゆっくりには大きすぎる家であった。 やる事はひとつだ。 ズボンから小さな液体の入った箱を取り出した。 この箱は、丈夫についたボタンを押すと火が出るという、河童の作った優れもので ”おいるらいたぁ”というらしい。便利になったものである。 その話はさて置き、早速藁に火を放った。 段々と火は大木へ移りだした。 一方では 「ゆ~♪ゆ~・・・・ゆゅ?なんだか体が乾燥するよ?」 「おかしいね!それにあついよ!」 「「ゆっくりできないね!!!」」 2匹はおかしいと感じ、家の入り口へくると自分のおかれている状況が理解できたようだ。 「ここじゃゆっくりできないよ!はやくおそとへにげようね!」 「あつくてゆっくりできないよ!」 火は思いのほか早く回り、1匹のゆっくり魔理沙の帽子へ引火した。 「あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”!!!!あづいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「ゆ”っぐぃでぎな”い”ぃぃぃ!!!」 「ゆ”っぐり”ぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」 一匹はそのまま焼け死んでしまったようだ。 私が入り口で待ち構えていると、勢いよくゆっくり魔理沙が飛び出してきた。 「ポーォォォッ!ポォォォォ!ポァッ」 意味のわからない言葉を発し、帽子から蒸気機関車のように煙を出していた。 しばらく私の周りをグルグル狂ったように走っているとゆっくり魔理沙の 帽子は完全に焼け、炭となり、頭は円形に焼けて禿げていた。 おまけに目玉も沸騰し、シロップのようなものが漏れ出していた。 絶命したことを確認し、満足した私は焼けた饅頭をクワに刺し お茶請けとして持ち帰ることにした。 すっかり日は落ち、コウモリが飛んでいることに気がついた。 「もうこんな時間になってしまったのか」 畑仕事から帰ってゆっくり休もうと思っていたのにこの始末だ。 渋々帰宅すると、閉めていた筈の家の扉が開いているではないか。 何事かと家の中へと飛び込むと胴のついたゆっくりがちゃぶ台の上で 踊っているではないか。 「うっ☆うっ~☆うあうあ☆」 私はほっとした。内心、泥棒ではないかと心配していたが、そこには饅頭がいたのだから。 「おいィ?お前そこで何してる?」 すると踊りを踊ったまま 「ぷりちぃなれみりゃがぷりちぃな子にだんすをおしえてるんだどぅ☆」 ぷりちぃな子だと?一匹だけじゃなかったのか。 周りを見渡すと、何かが飛んでいるのがわかった。 胴なしのゆっくりれみりゃだ。 胴なしのれみりゃは頭だけな分、非常に濃厚な味がして 貴重だという話を聞いたことがあった。 これは豪華な夕食になりそうだ。 踊っているれみりゃと子を、逃げられないように縄で結び、台所で 蒸し揚げるための鍋を用意した。 「う”あ~~~!ざく”や”ぁぁぁぁ!う”あ~~~!はな”でぇぇぇぇぇぇ”!」 「う~、う~」 2匹が何か言っているが無視した。 蒸す前に下ごしらえをれみりゃたちにしなくてはならない。 胴つきのれみりゃの縄を解き、頭に載っている帽子を取った。 この帽子はれみりゃの皮膚からできている。 少し硬いが、湯に通せば柔らかくなる。 れみりゃの肉との相性はバツグンであり、餃子のように包む と美味しくいただける。 「う”あああ!れみり”ゃのぷりちぃなぼおぢがえじでぇぇぇぇ」 次にれみりゃの服を剥ぎ取る。この服は味気なくて食べる気が起こらないので うるさいれみりゃの口の中へいれる。こうすることで、上質な肉汁を漏らさせな いようにするのである。鍋へ入れる前に体の汚れを濡れた布で拭き、準備万端である。 そして、体育座りの様に座らせ、そのまま紐で縛り固定し、鍋のへと入れた。 胴なしのれみりゃは羽で飛ぶため、鍋から逃げ出す可能性があるため、もいでおく必要がある。 この羽もまた美味であり、酒との相性もとても良い。例えるなら、するめである。 羽の取れた胴なしは、移動することができないのでそのまま鍋へと入れる。 羽をもがれた痛みと、熱さで苦しむが、その苦しむのがミソである。 ゆっくり種は苦しめれば苦しめるだけ旨みを増すのだ。 「ぅぅぅぅぅう・・・・・・ぅ・・・・」 「う~、ぅ~・・・・・ぅ・・・ぅ」 蓋を閉めたら、5分待つ。 その間に声は聞こえなくなり、絶命する。 5分経ったら、あとは取り出して皿に盛りつけるだけである。 肉を裂くと、中から汁が溢れ出るではないか。 なんとも食欲を啜る光景である。 こうして、豪勢な夕食を終え、眠りについた。 朝起きると何やら表が騒がしい。 「ゆっくりここをあけてね!!!」 「ゆっくりさせない人間は差ね!」 「まりさをころした人間はしね!」 「むきゅーむきゅー」 「まりさをころしたにんげんちーんぽ!」 そうか、昨日焼き魔理沙を表へ放置したままだったのをすっかり忘れていた。 扉を開けると、5匹のゆっくりたちが鬼の形相でこちらを睨み付ける。 「ゆっくりしねぇぇぇぇぇ!」 一匹のゆっくり霊夢が体当たりをすると、それに続いて 他の4匹のゆっくりも体当たりを始める。 ゆっくり霊夢、ゆっくりちんぽ、ゆっくり魔理沙、ゆっくりパチュリー、ゆっくりゆかり、か・・・ たかだか饅頭如きの体当たりなど利くはずもなく、飛んできた饅頭を蹴った。 「ゆ”ぅぅぅぅぅ!?」 ジャストミート 前蹴り気味で蹴ったら、ゆっくり霊夢は空高く蹴り飛ばされた。 10秒くらいして、落ちてきた霊夢は「パァン!」といい音を立てて放射状に 餡子を散らして死んだ。 「「「「でいぶぅぅぅぅぅぅ!!!」」」 残った饅頭は、驚愕した顔で霊夢だったものを見ていた。 ただ一匹を除いて・・・ 「まりさはゆっくりにげるよ!みんなはそこでゆっくりしんでいってね!」 魔理沙種はみんなこうなのか・・・ 「ま”り”ざぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 見捨てられた饅頭は突然の裏切り行為に、ただただ驚くばかりである。 そして、時折振り返りながらこちらへ 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりs」 と言い、逃げて行k・・・ と思ったら先にある川へ落ちたようだ。 前方不注意とはまさにこのことだ。 川は家の傍へと繋がっている為、すぐに確認できた。 「だずけ”でぇぇぇぇぇぇ!!!見てないでさっさとだずけでぇぇぇぇ!!!」 自分が何をしたのかも忘れて仲間に・・・いや、仲間だったものに助けを求めている。 当然 「まりさはさっさと差ね!」 「うらぎりものはちーんぽ!」 「むきゅ!!!」 さっさと市ねと言わんばかりのコールであった。 期待にこたえて私は近くにあった大き目の石をぶつけた。 「ゆ”っくりしたけkk ボッ!!!」 見事に湿った皮を貫通し、ゆっくり魔理沙を沈めた。 「さて、待たせたな」 振り返ると、ゆっくりちんぽが野犬にくわえられ、それを震えてみている2匹がいた。 「こら!!!」 野犬を追い払ったが、ゆっくりちんぽをもっていかれてしまった。 まぁ、どうせ食われるだろう。 残った2匹は、完全に戦意喪失でパチュリーに至っては白目をむいて失神している。 気の毒に思った私は、せめて痛みを知らないで死ねるように頭の上から踏み潰した。 「パチュン!!!!!」 シソのにおいが辺りを包み、少しお腹が鳴った気がした。 そういえば、朝食をまだ食べていないのだ。 ゆっくりたちの相手をして、少し体を動かしたために胃が動いたのだった。 「おい、お前の中身はなんだ?」 ゆっくりゆかり自体あまり見ないので、中身を知らないのだ。 「ゆ!?ゆかりんは加齢臭じゃないよ!少女臭だよ!」 「そんなこと聞いてねぇよ、お前の頭の中は腐ってるのか?」 「ゆかりんは臭くないよ!少女臭だっていってるdビュッ」 「話の通じないやつだ・・・」 あまりのド饅頭さに嫌気が差し、中身を調べるために両手で頭を掴み 引き裂いた。 「うわ!くせぇ!!!本当に腐ってやがる・・・?って、納豆か・・・」 どうやら中身は納豆のようだ。 朝食には丁度いいかな ゆっくりゆかりんをちゃぶ台の上に乗せ、醤油をかけて混ぜ始めた。 「あっががっがが!あっががっがが!」 喋る器もたまには良いな。 「いただきます」 こうして、また畑仕事の一日が始まるのであった。 fin 川へ有機物を捨てることは結果として、水質汚染へとつながるので 絶対にまねしないでください。 ゆっくりを食べるときは装飾品も残さず食べよう! 作中に出てくる男はこんな硬派な男をイメージしてください。 ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、 ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃 ゙、';|i,! 'i i"i, 、__人_从_人人__/し、_人_入/し、_ `、||i |i i l|, 、_) ',||i }i | ;,〃,, _) ゆっくりは消毒だぁぁぁぁぁぁ!!! .}.|||| | ! l-'~、ミ `) ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒V^'^Y⌒ .{/゙'、}|||// .i| };;;ミ Y,;- ー、 .i|,];;彡 iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ { く;ァソ '';;,;'' ゙};;彡ミ ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ _,,__ ゙i }~~ } ';; ;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;'' ,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-'' ;;;;;;;;;;;;;'',,='' ;;;;;;;;''''/_ / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';; ;;;;;;;, '';;;-''' ''''' ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/154.html
※「ゆっくり研究者のある1日」の続きです。1部設定がぶっ飛んでいるので、前作を知らない人はご注意を ※1部虐待されないゆっくりを含みます。 ※勧善懲悪もの(?)です 俺はゆっくり種の研究をしている。 一応個人的な研究になるのだろうが、「ゆっくり加工場」という施設で研究結果を高値で買い取ってくれるために最近では設備も整ってきた。 今日は、その加工所からの召喚を受けている。 "ゆっくり加工所商品研究課"という部門での定期発表会議に参加してほしいというものだ。 商品の発表に俺のような総合的研究者の意見など必要か?という疑問があるが・・・ しかし、その後"ゆっくり捕獲研究科"を見せてもらえることになっているため期待は大きい。 ゆっくりをうまく調教し、ほかのゆっくりたちを誘導させ、労せず捕獲する方法を確立したらしく、見せてもらうのがとても楽しみだ。 うちの助手は今回あまり役には立ちそうもないので、久しぶりに休暇をやることにする。 外出させるに当たり、研究所のマークがついた腕章を両腕に止め、守るべき事項を1つ1つ伝える。 「・・・・・後は、夕方までに必ず戻ること。理解できたか?」 こくりと頷く。 まぁ6割程度は理解できたはずだ。 各部屋を回り、異常がないことを確かめて俺は加工場へと向かった。 久しぶりに一人で外に出る。 はかせは加工場に1日中いるらしいから、今日はあそび放題だ。 どこにいこうかな。 何を食べようかな。 そんなことを考えながら庭から外へ飛ぼうとしたとき、視界の隅に動くものが目に入った。 「ゆ?おねーさんどこいくの?」 1匹のプチゆっくりがこっちに向かってはねてくる。 どこから出てきたんだろう? 食べようかな そう思いながら摘み上げてみると、見かけよりずいぶん重い。 あ、これ、いっぱいしゃべるゆっくりだ。 研究所内では知能向上の研究をするとき増量剤を注入してあんこ密度を上げるため、見た目よりずいぶんと重いゆっくりが出来上がる。 ゆっくりフランはそのことをすべて理解しているわけではないが、重い=語彙が豊富だということは分かっている。 このプチゆっくりにとっては幸いなことに、フランは朝ごはんを食べた直後だった。 今はおなかいっぱい。 おなかがすいたら食べよう そう決定し、摘んだプチを腕章にくくりつけておく。(普通なら尖ったものに刺しておくのだが、近くに無かった。羽に刺すと飛びづらくなる) 庭の真ん中でくつろいでいたゆっくりゆゆこを踏み台にし、颯爽と飛び上がるフラン。 「ゆー!!」いきなり踏みつけられたゆゆこが怒っているが、知ったことではない。 「たかーい!おねえさんすごーい!!」 腕にくくりつけられているにもかかわらず、空を飛んでいることに感動しているだけのプチ。 知能向上の実験体のはずなのだが、やはりプチはプチということなのだろうか。 山道 しばらくわさわさと飛んでいると、眼下に複数のゆっくりを発見した。 おもしろそう もちろん見逃すはずも無く、獲物を虐殺するために急降下していく。 ゆっくりまりさは耐えていた。 こすり付けられるゆっくりアリスの振動に。 「とかいはのありすのあいがすこしはわかったようね!!」 「ッ!・・ッ!う゛う゛う゛ぅッ!」 勝手なことを言いながら交尾を続けるゆっくりアリス。 「おわったらはやくかわってね!!」 そして眼前にもう1匹、自分のかわいい赤ちゃんたちを押さえつけているゆっくりアリス。 自分達の絶対的優位を確信し、勝ち誇った顔をしている 「まりさがいやなら、このあかちゃんまりさでもいいんだからね!」 この母まりさにとって不幸だったのは、赤ちゃんたちから少しだけ目を離したこと。 そしてゆっくりアリスが連携を覚えていたことだった。 一瞬の隙を突き、赤ちゃん達を人質に取り、交尾を強要して来るゆっくりアリス。 姉まりさ達は助けに行こうとしたところを一喝し、逃がしてある。 「んほおおおおおおぉぉぉっ!!」 「うぐううう゛ぅっ!」 母まりさは耐えるしかない。 かわいい赤ちゃんのため。 このままでは自分が死ぬだろう事を、うすうす感付いていたとしても。 特に必要の無い解説だが、ゆっくりフランには人間のような偽善心は無い。 このときターゲットにした2匹は、(発情していたため)普通よりつやつやしていてはりがあり、元気そうにうごめいていたもの。 対する残りの1匹は、色がくすんで萎れ気味、いかにもマズそうかつ反応も鈍そうであったため、捕食にも遊戯にも向かないと判断し、視界から早々に排除していたのだ。 思惑はどうあれ、そこには然るべき結果が残る。 フッと自分にのしかかっていた重みが消えるのを感じる母まりさ。 まだ絶頂していないはずなのにどいたアリスに疑問を覚え周りを見回し、違和感を覚える。 今まで自分と交尾をしていたアリスは、どこへ行った? ふと見ると、赤ちゃん達を抑えているアリスが驚愕の表情で固まっている。 ? ・・・!? (ゆっくりにとっては)目にも止まらぬ速さで空中につかみ上げられるアリス。 一番の優先順位である赤ちゃん達を見ると、ぐったりはしているが何とか生きているようだ。 「なにするの!?もうすこしでい・・・!!!!」 上方で、さっきまで自分と交尾をしていた方が抗議の声を上げかけ、なぜか途中で言葉を止める。 母まりさは、つかみ上げられる=人間という思考結果にたどり着き、上を見上げお礼を言おうとした。 そこには、自分達の最も恐ろしい天敵であるゆっくりフランがいた。 しかも体つきで、さらに普通よりもずいぶん大きい。 驚愕の表情で固まるまりさ。 いきなりすぐ隣まで来た"死"に、声も出せずに固まり続けるまりさ。 結果として、それがまりさの命を救った。 フランは捕まえた2匹をどうするか考えるのに夢中で、まりさ親子の存在など視界からも記憶からも完全に排除していたのだ。 最後までまりさ親子の存在に気づかないまま、獲物を両手にわしづかみにしたフランは意気揚々と歩いていった。 いきのいいのが2匹もとれた どうやって遊ぼうかな 上機嫌で両手の獲物を振り回しながら歩き続けるゆっくりフラン。 すぐに殺されなかったため、このゆっくりフランが自分を殺す気は無いと(何故か)判断し、信じられないことにフランに迫ってくるゆっくリアリス 「ふ、ふ、フラン!フランでもいいよ!ゆっくりしよ!」 発情した顔でフランの顔の方に向かってこようとするゆっくりアリス。 あきれて声も出なかったが、こんなのに貼り付かれたくは無いので掴む力を強めるフラン。 ビリッ! 結果、頬の少し後ろあたりが破れ、クリームがはみ出してきた。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!い゛だい゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!」 ああ、もったいない いっぱい遊ぶつもりだったのに 「・・・ゆっくり死ね」 仕方ないので破れたところに牙を立て、中身を吸い出す。 「い゛い゛い゛ぎい゛い゛い゛ぃぃぃ!!な゛ん゛でえ゛でえ゛え゛え゛ぇぇぇえ゛ぇ!!」 チューペットのように口に咥えながら、ふと思いつきもう1匹の頭の皮を力任せにひっぺがす。 「ぎい゛い゛ぃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!な゛に゛ずる゛の゛お゛お゛お゛ぉぉぉ!!」 暴れまわるのを押さえつけ、腕にくくり付けてあったプチゆっくりを破れた頭からのぞくクリームの上に置く。 プチは少しの間悩んでいたが、食べろという仕草に気づき、少しづつクリームをなめていく。(同族喰いにはあまり抵抗がないようだ) 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁ!!だべな゛い゛でえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 やはり中身は敏感らしい。 少しずつ舐め取られていく感覚に元の形が分からないほど歪むアリスの表情。 うん。やっぱりこっちのほうがおもしろい。 つぶすとすぐ終わっちゃってつまんない しばらく2匹の奇妙な食事が続いていたが、ふと思い出したようにプチが話しかけてくる。 「おねえさんまりさをたすけてあげたんだね!えらいんだね!」 ・・・まりさ? そんなのいたの? それも持って来ればよかったかなぁ。 2匹とももう終わっちゃいそうなんだもん 次からは見たものをその場で知らせてもらえるように、プチを肩に乗っけるフラン。 「ゆー!たかいね!いろんなものがみえるね!」 もちろんプチはそんな意図など気付くはずも無く、ただはしゃぐだけだったが。 ちなみに、プチの食べ残した方のアリスは頭の皮を縁って餅巾着のようにし、そこらにあった木の枝に刺してぶら下げておいた。 「お゛ろ゛じでえ゛え゛え゛ぇぇえ゛!!あ゛り゛ずはどがい゛はな゛の゛に゛い゛い゛い゛ぃぃいい!!」 あ゛り゛ず=アリス、どがい゛は=とかいは=理解不能 ・・・どうでもいいや ゆっくりアリスに興味が失せたゆっくりフランは、プチゆっくりを乗せ、また目的の無いままわさわさと飛び始めた。 人里 ゆっくり達は人々の生活に浸透し、もはや当たり前のような存在になっている。 ゆっくりをつれて歩いている人。 道端で固まってしゃべっているゆっくり達。 店にちょっかいをかけ叩き潰されているゆっくり・・・ ゆっくりフランはよくお使いに来る店の前に降り立った。 「お、助手さん!今日もなんか買ってってくれんのかい?」 最近は顔も覚えられ、"ゆっくり"ではなく"助手さん"で通っている。 首を横に振るフランに、店主のおじさんは 「遊びに来てくれたのかい? 待ってな。今お菓子を・・・」 そこに聞こえてくる騒音と怒号。 「チッ・・・またかよ・・・!」 心底うんざりといった表情で騒音の方へ向かっていく店主のおじさん。 騒ぎの中心は魚屋だった。 1匹のゆっくりれみりゃが魚を片っ端から投げ捨てているのだ。 「う~♪これはくしゃいからぽーい♪ これもぽーい♪」 にこにこしながらさも当然といわんばかりに投げ捨てていく。 「う~♪いっぱいぽーいしたからおなかすいたどぅ~♪ぷでぃんもってきて~♪ぷっでぃ~ん♪」 ふらふらと意味不明な踊りを踊りながらとんでもない要求をするゆっくりゃ。 菓子屋の主人がものすごい青筋を浮かべながら、精一杯の愛想笑いでプリンを持ってくる。 「ほーら、プリンだよー。あっちで食べようねー」 しかし、れみりゃはそのプリンを弾き飛ばす。 「これじゃないの!しゃくやのぷでぃんたべうの!しゃくやのぷっでぃんもってきて~!!」 群衆の中の一人がとっさに機転を利かせて 「さ、咲夜さんのプリンなら村の外れまで咲夜さんが持ってきてくれてるよ!村の外れまで一緒に行こうか!」 しかし、 「や~!ここでたべうの!しゃくやのぷっでぃ~んもってきで~!!はやくしないとしゃくやにいいつけちゃうぞ~!!」 そこかしこからため息が聞こえる中、フランの肩に乗っているプチがおじさんに声をかける。 「ゆっ! なんでみんなみてるの!? おこらないとだめだよ! おさかなさんがゆっくりできないよ!」 「あいつは紅魔館で飼われてるやつなんだ。そんなことして紅魔館のやつらに告げ口されたら今度はこんなもんじゃすまなくなるんだよ・・・」 おじさんは諦め半分でいう。 しかし、その答えはプチゆっくりには納得のできないものだったらしい。 「ゆーっ!ひとのものをかってになげたらだめなんだよ!ひとにめいわくかけたらだめなんだよ!」 あろうことかゆっくりれみりゃ本人(?)に直接文句を言ったのである。 「う~?」 その大声にこっちを向くゆっくりれみりゃ。 しかし、肩の上のプチには気付かなかったらしく、それを乗せているフランに突っかかってきた。 「ぎゃお~!たーべちゃうぞ~♪」 いつもこれをすればみんなこうさんする。 これをしたじぶんはさいきょうなんだ! 絶対の自信を胸に、偉い自分に向かって大声を上げたやつをやっつけようとよたよた向かっていく。 一方、フランはこの騒ぎにはあまり関心が無く、そろそろどこかに移動しようかと思い始めていた。 しかし、自分に向かってくるゆっくりれみりゃをみてふと思い出す。 そういえば、にくまんは食べたことあるけど、生きてるゆっくりれみりゃは食べたことないな どんな味なんだろう。 おいしいかな。 まずいかな。 ・・・食べてみよっと 「ゆっくり死ね♪」 ゆっくりれみりゃが前に突き出していた腕を掴んで引き寄せ、そのまま露出の多い顔にかじりつく。 「うっぎゃーーーー!!!!い゛だい゛い゛い゛ぃーー!!ざぐやあ゛ぁーーー~!!」 あ・・・おいしい ふつうの肉まんよりずっとおいしい 「い゛ぎゃあ゛あ゛ぁぁぁ!!れ゛み゛り゛ゃはだべも゛の゛じゃな゛い゛い゛い゛ぃぃ!!!」 「ざぐや゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ!!わ゛る゛い゛びどがい゛どぅう゛う゛う゛ぅぅ!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛!!!」 「うぎゃあああぁぁぁ!!いだいいいいぃぃぃ!!うっぎゃああああーーー!!!」 生まれて初めての反撃と激痛に、混乱して泣き喚くしかないゆっくりれみりゃ。 一方、想像以上の美味に、夢中でそこかしこを齧っていくフラン。 弄って楽しむことも忘れている。 そしてちゃっかりご相伴に預かっているプチゆっくり。 「お、おい!だめだ!そんなことしたら・・・」 「も、もう遅いんじゃ・・・?こんなこと紅魔館に知れたら・・・」 「助手さんよ!なんて事してくれたんだあんた!」 「所詮こいつもゆっくりかよ!」 そう言いながらこっちに敵意を向けてくる群集。 しかし、フランだって今までの会話を全く理解していなかったわけではない。 ちゃんと考えての行動なのだ。 (前提)告げ口されたら駄目 齧ってそのまま帰す→告げ口される=駄目 全部食べつくす→告げ口できない=良し(結論) 「うー・・・ぜんぶ食べる」 自分の少ない語彙から、何とか自分の意思を伝えようとする。 「ゆ? そうだよ! ぜんぶたべちゃえばわからなくなるよ!しにんにくちなしだよ!」 なんとプチがフランの言いたいことを代弁してくれた。さすがは知能強化型! 「あ・・・そ、そうだよな・・・完全に殺しちまえば分かんねぇんだよな・・・」 「見なかったって事にしときゃいいんだもんな・・・」 「あ、あれ? ここにゆっくりゃなんているか?」 「そ、そういえばいねぇな。そんなん見た事もねぇ」 「そうだよな・・・いねぇんだから何やったっていいんだよな・・・」 日ごろの鬱憤が爆発し、さらに群集効果でみんなトランス状態に陥っている。 いったん堰が切れれば後はもう流れるままだった。 「うらああああぁあぁ!!何もいねええええ!!」 一人が、ゆっくりゃの再生しかかっていた顔を思い切り殴りつける。 「おらああああ!いねえもんに何やったってかまやしねえええぇ!!」 一人が、大きく跳び上がり、ゆっくりゃの右腹部からおしりあたりを踏み潰す。 「うりゃっ!うりゃっ!うりゃぁっ!日ごろの恨み、晴らさせてもらうぜえええぁぁ!!!」 一人が、何かの串をゆっくりゃの体中に突き刺していく。 「ぶぎゅあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁあ゛あ゛!!いだいいだいいだい゛い゛い゛ぃぃぃ!!うっぎゃあ゛あ゛ぁぁぁーーーー!!!」 「ごべん゛な゛ざい゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!ゆ゛る゛じでぐだざい゛い゛い゛い゛ぃぃい゛い゛!!」 「ざぐやーーーーー!!!ざぐぼふぁああああぁぁぁぁ!!あーーー!!あ゛ーーーーー!!!!」 日常で少しずつ溜まっていくストレスを、この場で一気に発散させる人々。 おそらく本人達も何をやっているのか自分自身で把握しきれていないだろう。 これが群集効果の恐ろしさである。 一方暴動の最初の方ではじき出された2匹。 人々の様子とゆっくりれみりゃの状態から、もうここにはいないほうがいいと判断する。 ちぎれて飛んできたゆっくりれみりゃの腕を齧りつつ、フランはまたあてどなくわさわさと飛び立った。 時刻は正午を少し過ぎていた。 帰路 日が強いので、そろそろ家に帰ろうかとわさわさ飛んでいると、とある畑にゆっくりが群がっているのが見えた。 「ここのひとはいつもおひるはいないんだよ!」 「ゆっくりできるよ!ゆっくりたべてね!」 「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせー!」 「むっちゃ♪ むっちゃ♪ おいちー♪」 どうやら家族連ればかりらしい。 子供達に、いい餌場を紹介しているところだろうか。 畑は・・・ 普通に掘れず、あたりに土を撒き散らす上に、少し食べてはほかの物に移るためものすごい惨状となっている。 「これはまんなかいがいはおいしくないからほかのをたべようね!」 「こっちはあきたからそっちのをたべるよ!」 もちろん、こんな都合のいい獲物をゆっくりフランが見逃すはずも無い。 赤ちゃんゆっくりは身がやわらかくていっとう美味しいのだから。 「ゆー?おねえさんはゆっくりできるひと?」 「ゆっくりできないならさっさとでていってね!ここはれいむたちのおしょくじばだよ!」 パニックに陥らないところを見ると、捕食種の存在を知らないらしい。 ゆっくり達の言葉など耳にも入れず、近くにいたちびゆっくりをつまみ上げる。 ・・・一回やってみたかった 「ゆー?」 いきなりつまみ上げられ、疑問の声を上げるちびゆっくり。 「ゆっ! おねーさんなにするの? れいむのあかちゃんをかえしてね!」 母ゆっくりは抗議の声を上げている。 つまんでいるちびゆっくりに牙で小さな穴を開け、そこから中身を吸い出していく。 「!! ゆ゛ぅーー・・・」 当然皮だけのぺらぺらになるちびゆっくり。 「れいむのあがぢゃんになにずるのおおおぉぉ!!」 ここで、皮だけになったちびゆっくりに息を吹き込んで元の大きさくらいまで膨らませ、皮を縁って潰して穴をふさぐ。 一見元通りになったちびゆっくり(の皮風船)を母ゆっくりの元へ戻してやる。 「ゆ? なんともないよ? おねーさんうたがってごめんね!」 ちょっとした違和感はあるものの、ちゃんと赤ちゃんが戻ってきたことに安心し、謝罪までしてくる母ゆっくり。 すでにフランは次のを摘み上げ、同じことをしているのだが、実害が無いと判断したゆっくり達はあまり反応しない。 「たかーい!おねえさんたか・・・ゆ゛ぅーー・・・」 ぷぅーっ・・・ 「キャッキャッ♪ おね・・・ゆ゛ぅー・・・」 ぷぅーっ・・・・・・・ 母れいむの子供、5匹全員を風船にして次へ向かうゆっくりフラン。 「ゆ。こっちのおやさいもおいしいよ!みんなたべてね!」 当然子供達からの反応は無い。 半笑いのような表情で、ただゆらゆらと転がっているだけである。 「ゆー? はやくこっちにきてね! ぜんぶたべちゃうよ!」 それでも反応しない子供達に業を煮やし、手近な子供の1匹にのしかかってみる母れいむ。 ぷしゅん 間の抜けた音を立ててぺらぺらになる自分のかわいい赤ちゃん。 「・・・・・・ゆ?」 あまりに理解不能な事態に反応もできず、とりあえずほかの赤ちゃんを起こそうとする母れいむ。 ぷしゅん ・・・ぷしゅん ・・・ぷしゅん ・・・ぷしゅん 「あ・・・ああああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁぁ!!!れ゛い゛む゛の゛あ゛がぢゃん゛があ゛あ゛あ゛ぁぁああ!!!!」 なんで!? ついさっきまで普通に飛び跳ねていたのに! ついさっきまで自分にかわいい笑顔を見せてくれていたのに!!! 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛!!あ゛がぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!」 自分の子供のむごたらしい死骸を前に、ただ泣き喚くしかない母れいむ。 友人のれいむの叫び声を聞きつけ、何事かともう1匹の母れいむと母まりさがそちらを向いた瞬間、フランは両方の子供達を両手に握りこんでいた。 そして先に後ろの気配に気付いて振り向いた母まりさの口に、れいむの子供達を1匹を残して全て放り込み、口が開かないように足で踏みつける。 「ん!?んーーーっ!!んーーーーっ!!!!」 続いて振り向いた母れいむの口にも同じようにまりさの子供達を放り込み、2匹の親ゆっくりが向かい合うように踏みつける。 「ゆー!くらくてせまいよ!ここからだちて!」 「くらいよー!こわいよー!」 「ゆー!ゆー!」 子供達の不安げな声を堪能した後、2匹の頭を上から強めに殴りつける。 「ゆっ!」ゴクッ、「ゆぐっ!」ごっくん、 反射的に口の中のものを飲み込んでしまう2匹の親。 程なくしてそれが何を意味するかを理解し、混乱に陥る2匹。 「ゆげええぇえぇっ!ま、まりざ!はやくれいむのあかちゃんはきだしてね!!」 「ゆぐうううぅぅっ!そっちこそ、はやくまりさのあかちゃんをはきだしてね!!」 何とかして相手の子供を吐き出そうとしながら、相手に吐き出させようととっ組み合う2匹。 その2匹を掴み、獣用の柵に向かい合うように突き通す。 「ゆぎゅうううぅぅうっ! いだいいいいいぃぃいぃい!!」 「ゆぎゃああああぁああぁっ!! やめでえええぇええぇ!!」 もだえ苦しむ2匹にさらに追い討ちをかけるように、残った子供1匹ずつを自分の子供が見えるように上から突き通す。 「ゆぐっ!」 「ゆぶっ!」 小さい体には太すぎる柵に貫かれ、親と違い即死するちびゆっくり2匹。 「あ・・・あああ゛ああ゛あ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁ!!」 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛ぁぁあぁあぁ!!!」 自分の子供の死骸と、自分の子供を食べた相手を見せ付けられ、もう言葉を発することも無く、血走った目と口を限界まで開いて叫び続ける2匹。 以前食べた串団子を思い出し、野菜保管庫で震えていた中ゆっくり達をごぼうに刺して団子3姉妹を作っていくフラン。 「ゆ゛い゛い゛い゛ぃぃっ!!」「いあだあ゛ああ゛ぁぁっ!」「いだいい゛いい゛いぃぃ!!」「や゛め゛でええ゛ぇぇえ!!」「あっ・・・これはこれで・・・ッ!!」 それぞれの悲鳴を楽しみながら、全て地面に立て、1本だけ持って飛び上がる。 ふと肩が静かなのを疑問に思い目を向けると、なんとプチゆっくりはこの騒ぎの中でグースカと熟睡していた。 「ゅー・・!!」 「ゅぁー・・・!!」 「ゆぅー・・・!!」 畑から聞こえてくるかすかな叫び声に満足しながら、かなり大きめの串団子を手に、ゆっくりフランは家への道をわさわさと飛んで行った。 程なくして帰ってきた畑の持ち主であるおじさんは、畑が荒らされているのを見て、またゆっくりかと思い憤慨しながら畑に入り絶句した。 そこには、畑の真ん中で何か野菜くずのようなものを前に叫び続けているゆっくり1匹。 柵の方に顔を向ければ、柵に貫かれ向かい合って相手の方を見ながら叫び合っているゆっくり2匹。 野菜保管所の前には、何の儀式なのかゆっくりを3匹ずつ通したごぼうが規則的に並んでいて、ゆっくりたちが見事なハ-モニーを奏でていた。 「なんっ・・・だ・・!?・・・こりゃあ・・・」 わけが分からないままに、とりあえず加工所の職員を呼び、その奇妙かつ不気味なゆっくりたちを引き取ってもらう。 何がどうなってあんなことになったのか、おじさんはこのあと1週間ほど考え続けることになるのだった。 加工所の新製品は面白いものが多かった。 商品化されたら助手にも1度体験させてやりたいものだ。 ゆっくりの捕獲方法は、手持ちの知能向上実験の実験体で十分できる内容だったから、今度いくつか出して試してみよう。 そんなことを考えながら家に帰り着く。 「ただいま。」 リビングでは、うちの助手がなにやら美味そうに食べている。 テーブルの上では、どこから抜け出したのかプチゆっくりが1匹、あんこをなめている。 助手には研究所内のゆっくりは食べないように言ってあるが、ほかのゆっくりに自分の食べ物まで分けているという行動に少し驚く。 「今日はどこに行った?楽しかったか?」 ほぼ食べ終わったそれを舐めながらうなずく。 ・・・しかしなんだありゃ? 長めのごぼうにみえるが・・・ と、 「おねーさんはいいひとだよ!ひとだすけもしたんだよ!」 プチゆっくりがいきなり喋り出した。 何だ、こいつも一緒に行ったのか・・・ん? それはどういう状況だ? こいつが自主的にゆっくりをお供に連れて行く姿なんぞ想像もできんが・・・ 「そ・・・そうか。それはいいことをしたな。偉いぞ」 とにかく人助けをしたことを褒めておく。 何をしたかは後でゆっくり聞かせてもらいたいものだが。 「んー・・・ゆ。」 舐め終わったものをこっちに差し出す助手。 ああ、やっぱりごぼうだ・・・人助けとやらのお礼にでももらったのか? これにゆっくりを突き刺して食べていたのか・・・何で? 「あ・・・ああ、ありがとうな」 何をしていたか全く分からないが、とりあえず礼を言ってごぼうをしまう。 まぁ洗えば食えないことも無いだろう。 さて・・・ 「俺は少し疲れたから部屋に戻る。見回りをしておいてくれ。」 そういって自室に戻る。 しかしやはり自由な時間は楽しかったのだろう、とても充足した顔をしていた。 定期的に何かで発散させてやれば、作業効率も上がるかも知れんな・・・ しかしどうやって暴れさせれば・・・・・・あ。 俺はゴミ箱から"Y-1グランプリ"の出場依頼を探し出し、内容を読む。 うん、これならかなり発散できるんじゃないか? まぁ死にそうになったら退場覚悟で引き摺り下ろせばいいんだしな。 俺は"出場"の項目に丸をつけ、送信物専用箱に入れてから研究冊子をつけ始めた。 終わり 自重できませんでしたOTL 最初はゆっくりの視点&心情でゆっくりを虐待していくという話だったんですが、難しいですね。1回寝てから書き直し始めたらストーリーも設定もひん曲がりました 前作の感想をくれた方、ありがとうございました。 少し前に議論されていたようですが、個人的には批評批判はためになるのでどんどん書いてほしい方です。 またいろいろな人の設定を無断拝借しました。 申し訳ありません 精神的な虐待や、ゆっくりの心情がよく出ている作品を書いてる人をとても尊敬していて、自分もいつかこういうのを書きたいなぁと思っています。 次に自重できない虫が湧いたら、精神的虐待か↑のゆっくりフランの調教などを書こうかなぁと・・・やっぱり自重します このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1358.html
※ゆっくり達が食べ物を食べる必要がなくてゆっくり光合成するだけで栄養を得られる、ゆっくり間に捕食種は存在しないみんな仲良し、 ゆっくりれみりゃがこわがり、ゆっくりアリスが強姦魔ではないなどのあまり使われない設定が多いですので注意してください。 ※また、俺設定がありますので注意してください。 まりさ達が人間の子供に虐められ、大男に助けられた日から3日経った。その日はまりさ達がピクニックに行った日と同じように、 とてもいい天気だった。小鳥のぴぃぴぃと鳴く声、ひらひらと花に向かってまう蝶々、ぽかぽかと暖かい空気、 お日様に当たって輝く木々の緑。 けれどもゆっくり達は決して木の中の自分の家から出ようとはしなかった。あの日と同じ絶好のゆっくり日和にもかかわらずだ。 いや、あの日と同じものがもうひとつあった。 「お~い、いたか?」 「いや、いねぇ。しっかしあいつらどうしたのかな。もういなくなって3日になるぞ」 人間達の声である。そう、人間達がゆっくり達の住処がある森をうろうろと歩き回っている。 いつもゆっくりを苛めてきた子供たちではない。子供なんかよりずっと強くて賢い、大人だった。何かを探している。 「そういやこのあたりってゆっくりが住んでいるよな。まさかゆっくりに食われたとか・・・。」 「それはないだろ。いくらあいつらが子供だからといってゆっくりに食われるわけねえよ。っていうか、 ゆっくりっていったい何を食っているのかねぇ。」 「そういえばそのゆっくり達の姿が見えないな。いつもなら一匹か二匹くらいは出くわすのに。すぐに逃げられるけどな。 あれってなんでだ。」 「人間が怖いんだろ。子供達の間でゆっくりをいじめるのが流行っているっていうからな。 まして、今日みたいにその人間の大人が大人数でいれば、万が一にも見かけることもあるまい。今頃巣で引きこもっているだろうよ。」 「ばちが当たったんすかねぇ。やっぱり弱いものいじめなんてするもんじゃないっすね、」 「ほんと。あいつらが戻ってきたら、いけないことだって教えてあげないと。俺達だって蛙や虫を殺したとき、 親に叱られて躾けられてきたことですし。」 「とりあえず今日は日が暮れてきたからこれまでにして、また明日探そう。夜になるとこの森でも妖怪が出てきて危ない。 ミイラ取りがミイラになったら笑えん。まったくあのガキ共心配かけやがって・・・・・。」 ざっ、ざっと人間達は去っていく。それから更に2日間、人間達は日の出の時間と共にやってきて、日が落ちると共に帰っていく。 行方不明となった子供達を捜すためである。ゆっくり達はそんな彼らの気も知らず自分の巣で怯えて篭っていた。 その日からゆっくり達は人間はゆっくりを捕まえて食べるために来たのではないか、 ひどいことをするのではないかと思って隠れ住むようになった。 外では今もぽかぽかとお日様が出ている、けれども巣の中から出てこれない。 ゆっくり達は、お日様の下でゆっくりできなくなってしまった。 ゆっくり達のエネルギーは太陽の光。 体内に餡子が詰まっており、体内に消化器がないためである。その他の内臓もないのだが、気にしてはいけない。 とにかく、お日様の下でゆっくりすれば生きていける。 しかし、ゆっくりするというとおり、長時間太陽の光に当たっていなければならない。 ゆっくりは本来光合成に必要な葉緑体がほとんど存在しない上、バスケットボールほどの大きさという、 光合成で栄養をいきわたらせるのが難しいほど巨体であるためだった 「む・・・・・・・・・・ゅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・・・・」 「ぱちゅりー、だいじょうぶ?ゆっくりしちゃだめよ!」 「にんげんたちがかえったよ!そとにはだれもいないよ!」 「まりさ!ありす!れみりゃ!ゆっくりしないでぱちゅりーをおそとにはこぶよ!」 「う~~!」 日が落ちると共に帰る人間達。人間が帰った後、完全に日が落ちるまでの間しかゆっくり達は日の光をあびることができない。 たった2日間光に全く当たらなかっただけでも、栄養失調でゆっくり達は弱りきっていた。 特に体の弱いぱちゅりーはあと一日も持たないだろう。鳴くことさえ十分にできなくなっていた。 一刻の猶予もない。まりさは後悔した。迷っていた自分が馬鹿だった。このままではぱちゅりーが死んでしまう。 まりさはゆっくりしないで覚悟を決める。これからまりさが悪者になって、 それをみんなが退治する。そうすれば、みんながいいゆっくりだということが人間にもわかってもらえる。 みんなが巣の中から出てこれて、お日様の下でゆっくりすることができる。みんなの命を助けるためだった。 まりさはあの大きなおじさんのことを思い出す。鬼のようだったけど、とても優しかった。 人間の中にもああやって怖そうなのに本当はいい人もいた。 まりさは青鬼になる。まりさはわるいゆっくりにならなきゃいけない。 人間ならば他にもっといい方法を考えられたかもしれない。しかしこの切迫した状況の中ではゆっくりにはこれ以外思いつかなかった。 その日の夜、まりさはれいむと一緒に巣の中で寄り添っていた。はたから見ればとてもゆっくりとした雰囲気を放っていた。 しかし二匹は太陽の下でゆっくりできていない。れいむのほっぺたはかさっと乾燥していた。 「まりさ・・・・ゆっくりできないね・・・・・ゆっくりしたいね・・・・・・・・・・・」 れいむはまりさにつぶやく。さんさんと輝きを放つ太陽の下でゆっくりと生きてこれた3日前を思いながら。 「れいむ・・・だいじょうぶだよ・・・・・もうすぐゆっくりできるよ・・・・・・・・・」 まりさはれいむに対して答える。その言葉の意味がわからないれいむはきょとんと固まった。 しかし目を伏せるとそうだったらいいねとため息を漏らし、眠りについた。 まりさは、大好きな友達と最後の時間をゆっくり過ごした。時間がゆっくりではなく、止まってしまえばいいと思った。。 このとき青鬼が何で赤鬼といられないかまりさはわかった。青鬼は赤鬼のためとはいえ悪いことをした。 だから、みんなと一緒にいたらいけない。 「れいむ・・・・・まりさはこれからにんげんのとこにいってくるね・・・・・・・・ まりさがにんげんをやっつけるからね・・・・・・・・・・・・・」 れいむは夢の中でまりさの声を聞いた。しかし気のせいだと思ってそのまま眠り続ける。 次の日れいむが目を覚ましたとき、まりさの姿はどこにもなかった。 「ゆっくりたべるよ!ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!ゆっくりできないおじさんたちはゆっくりしね!!」 次の日、まりさは人里にて畑を荒らしまわっていた。大根を掘り返して捨てる。店先の商品に体当たりをしてまき散らかす。 どろで汚れた体で人の家に上がりこむ。まりさは悪行の限りを尽くしていた。 しかしそんなまりさの悪行も人間から見ればたかが知れていた。体内が餡子のゆっくりは食べ物を消化できない。 そのために光合成で栄養をとっているので、大根を掘り返しても食べられない。体当たりをしてもただ散らかるだけで何も壊れない。 汚れた体であがりこんでも、玄関先までだった。 その程度でも人間達が今まで無害だと思い、関わり合いを持たなかった生き物がこのような行為に及んだとき、 とる行動はひとつであった。駆除である。 「くそっ、どこに逃げやがった!」 「たかがゆっくり一匹だろ!はやくつかまえらんねぇのか!」 「そうは言ってもあいつ全然ゆっくりしていねぇんだよ。ゆっくりってあんなに早く動けたのか・・・・・」 「おじさんたちのば~か!ゆっくりしすぎだよ!」 「むこうに行ったぞ!追え!」 まりさは逃げる。ひたすら逃げる。この3日間殆ど栄養を得られなかった体で逃げ続ける。 跳ぶたびに息が切れる。着地のたびに餡子を吐き出しそうになる。体当たりのたびに意識を失いそうになる。 人間とゆっくりの体力差は致命的だ。まして、向こうは村中で襲い掛かってくる。 だが、今つかまるわけには行かなかった。今つかまったらまりさはただの悪いゆっくり。 みんなを助けるためにはそれだけじゃ駄目だった。 そう、ゆっくり達が助かるには、青鬼は人間で退治されることは許されない。 青鬼を退治するのは 「まりさやめてね!どうしてこんなことするの!まりさわるいゆっくりになっちゃたの!」 赤鬼が来た。れいむだ。まりさの言葉から人間の里に来ていると判断したのだろう。 まりさを止めようと決意をしてきてみたら、里中が荒らされていた。 れいむは目に涙を浮かべ、信じられないものを見ているような顔をしていた。 その後にはありす、れみりゃが控えている。二匹ともれいむと同じような顔をして固まっていた。 「そうだよ!まりさほんとうはわるいこだったんだよ!おばかなれいむはゆっくりしんでね!」 まりさは何も悪びれたところがないように振舞う。その顔はふてぶてしく、見るものは小ばかにされている印象を受ける。 片側の唇を吊り上げて笑うと 「ありすもれみりゃもゆっくりきえてね!おうたがへたなありす!こわがりなれみりゃ!みんなあそんでもつまんないよ!」 「まりさぁ!うそよ!あなたはそんなこといわないわよ!なにがあったの!?おしえてよぉ!」 「う~~~~~~~~!」 二匹とも大粒の涙を流してまりさに問い詰める。怒りでも憎しみでもなく、豹変してしまった友達に対する思いやりゆえの行動だった。 まりさは悲しかった。大好きな友達達を傷つけなければいけないことを。 まりさはうれしかった。あんなひどいことを言っても自分の事を考えてくれる友達を持ったことを。 だが、それでは駄目だった。赤鬼と青鬼が仲良くしたら、人間に退治される。 人間達が追いついてきた。このままだとれいむたちも一緒に捕まってしまうだろう。 青鬼は容赦してはいけない。まりさは空気を大きく吸い込んで、倍の体積まで膨らむと、 吐き出される空気によって吹き飛ばされるほどの怒声で叫んだ。 「ゆっぐりじねぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!!!」 まりさは狂ったように吼えた。そのたった一声で口が裂けるほど大きく開き、のどが鈍い音と共につぶれた。 怯んだれいむ達にまりさは突っ込むと、れみりゃに向かって体当たりをした。まりさの体から餡子がこぼれた 「うぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~~~~!!」 れみりゃは泣き叫び、飛ぼうとする。しかしまりさは逃がさない。羽を口で押さえつけてぼんぼん跳ねる。 「れみりゃぁぁ!」 ありすがれみりゃを助けようとまりさに突っ込む。ありすはまりさに体当たりをしてどかすと、 羽をもがれたれみりゃをかばうように立ちふさがった。まりさはすぐにありすを血走った目でにらみつけ、今度はありすを襲う。 まりさはハァハァと息を切らせてありすの上に乗ると、頬をくっつけた。無理矢理交尾するようだった。 「ひぺぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇっ!!」 奇声を発し、髪を振りみだすありす。いつもの優雅な姿はどこにもない。 いつも突っかかっていたライバル。とっても歌がうまい友達。そして嫌いじゃなかった女の子。それが今ありすを一方的に蹂躙していた。 「だずげで゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛れいむぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛」 まりさは口によだれを滴らせただらしない表情でれいむを見る。ゆっゆっと小刻みに震える。 「つぎはれいむとすっきりするね・・・・・・。れいむのつぎはぱちゅりーがいいな・・・・・・・・・・」 そこには、れいむが昨日の夜寄り添った友達はどこにもいなかった。 バシイィィィン! 音がした。柔らかいものと柔らかいものがはじけあったときに聞こえる音。 まりさの前にれいむがいた。口からは餡子がこぼれている。 その目は子供に虐められたときのようにまりさを気遣った目とは同じものとは思えない。 ガラスでも入っているかのような無機質な目であった。 れいむは何も言わない。もう二度とまりさとは話すことがないようであった。 「・・・・・まりさはね・・・・・・・・・・・・・ れいむなんてさいしょからおともだちだっておもったことないよ・・・・・・・・・・。ゆぎぃぃ!」 バシイィィィン! 再び聞こえるあの音。まりさは5メートル先に吹き飛ばされていた。 「・・・・れ・・・いむのへな・・・・ちょ・こ・・・・・・・・」 ゆらりと、ぼろぼろになっても起き上がり、れいむに向かっていくまりさ。裂けた口からはちらりと固まった餡子が見える。 外にある液体状の餡子は床に広がっていた。 バシイィィィン! ガシッ! まりさは壁まで吹き飛ばされ、叩きつけられた。体がべシャリと広がり、固まった餡子が少し零れた。 「ゆ・・・・・・・・・・・・・・ぅ・・・・・・・・・・・・・・ぉ・・・・・・・ わ・・・・・・・・・・・・・・・・・い・・・だ・・・・・・・・・ぃ・・・・・・む・」 人間達はただみていることしかできなかった。目の前で、自分達が追っていたゆっくりが、 他のゆっくりに一方的に叩きつけられていた。同種でも、あれほどまでに一方的な力の差は有るのか。 それに、なぜ仲間割れをしている。 バシイィィィン! バシイィィィン! バシイィィィン! ゆるやかに勝負は決した。まりさはずりずりと森の中へと逃げ去っていく。 ゆっくり達は友達が死んだときのような顔をして、まりさを見送った。 最も、ゆっくり達の表情は人間からは見えなかったが。 「みんなもうだいじょうぶだよ!!」 れいむはれみりゃとありすのいる方向に笑いかける。れいむの表情は人間達にも見えた。 終止無言だった先ほどとは対照的に明るすぎる声で二匹へと呼びかける。れいむの声は人間達にも聞こえた。 事情を知らない人間達とは違い、ゆっくりたちにとっては直視できないような悲しい笑顔と聞くに堪えない声だった。 人間達は呆気にとられて、かつての目的だった悪さをするゆっくりを捕まえることができなかった。 誰もが目の前の光景に説明がつかなかった。 いつもは姿さえも見せないゆっくりが、なぜこのようなことを。 そのとき、村の若者が一言漏らす 「あいつら、ひょっとして俺達を助けに来たのか・・・・・・・・・」 それを合図に沸きあがる歓声。響く笑い声。 ゆっくり達を抱き上げる人々。 突然の歓迎に身を固まらせるれみりゃとありす 人間達はこの時新しい友人の出現に感謝した。 れいむはまりさの変貌が信じられなかった。 れいむが危ないとき、助けてくれたまりさ。どんな危ないときも、 いつもみんなの事を考えていた。みんなのことを・・・・・・・・。 みんな・・・・・・・・・・・。 れいむの頭のなかのパズルにピースがはまる。 れいむは今ようやく理解した。答えを出すのが遅すぎた。 そう、まりさはゆっくりと人間が仲良くなれるためにわざと悪者になった。 それを知ったとき、れいむは涙を流した。 みんなのために命を懸けた友達に感謝しながら。 友達の事を信じ切れなかった自分を恥じながら。 赤いリボンを風になびかせて ゆっくりまりさとゆっくりれいむ おしまい そのとき、一人の男が水をさすようにつぶやいた 「 、 向かって るから、 じゃないか」 あたりが静まり返った next ゆっくりまりさと泣いた赤鬼 著 抹茶アイス このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1208.html
片っ端から、たくさんのゆっくり親子や四肢ありれみりゃ、フランに 加齢臭・おばさんと言うと食べ物をもらえてゆっくりできると教えて そのまま大量のゆっくりをマヨイガの近くに引越しさせるとどうなるか。 れみりゃにPAD長や狂ってると教えても可
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4539.html
『まりさvsれみりゃ』 25KB 虐待 自業自得 飼いゆ ゲス 現代 バーサスあき 16作目です ※れみりゃ優遇 夕焼け空の下、色とりどりの落ち葉で彩られた秋の森でまりさと胴付きれみりゃがおいかけっこをしている。 「うっう~♪ぎゃお~♪たべちゃうぞ~♪」 「うあああああああああああ!!ぐるなあああああああああああ!!」 このままではまりさが食べられるのは時間の問題だろう。 このような光景はこれまで何千年も繰り広げられてきた。 まりさとれみりゃの戦い(?)の歴史はエジプト時代にまで遡る。 と、いうのも神殿の壁画に明らかにれみりゃに食べられるまりさを表したものが有るからだ。 れみりゃは穀物を荒らすゆっくりを退治する番ゆっくりとしてこの時代から飼われ始め、 その中で特に人間に従順な個体が選ばれ徐々に家畜化されていった。 その結果今ではほとんどのれみりゃは人間に従順である。 一方何千年に渡りれみりゃや人間に迫害され続けたまりさは近代に入ってからドスまりさという突然変異種を産み出した。 が、それは人間達のさらなる反感を買っただけだった……。 現在まりさは主に食用生物でありペットにするのはごく一部の物好きだけだ。 しかもその物好きのほとんどが虐待鬼威惨だった。 さて、先ほどのまりさとれみりゃだが、なんとまりさは食べられずに済んだ。 というのも2匹とも捕獲されて透明な箱に入れられてしまったからだ。 今、長引く不況の影響で野山で野生のゆっくりを捕獲しペットショップに売りさばくという金策が流行している。 この日、結局高値で売れる希少種を発見できなかった捕獲おじさんは腹いせにまりさに平手打ちを3発打ち込むと乱暴に透明な箱に押し込んだ。 そしてまあまあな値段で売れる隣のれみりゃもやや丁重に別の透明な箱に押し込んだ。 そして2匹は同じペットショップで通路を挟んだ向かい側のショーケースに入れられた。 2匹は教育を受け金バッジを取らされた。 ここで注意点が一つあるのだがまりさの金バッジとれみりゃの金バッジは同じものではない。 バッジ試験は3級~特級までありまりさの金バッジは3級でれみりゃの金バッジは2級だ。 3級はまりさのような最底辺ゆっくりの為に用意されたもの。 2級はそれより高いレベルのゆっくりが受けるもので1級は希少種の中でも特に能力の高いゆっくりが受けるもの。 そして特級は規格外の能力を持つゆっくりの為に用意された腕試し的な試験でこのレベルで金バッジをとれたゆっくりは 全国でも数匹しかいない。 また当然バッジのデザインと材質にも明らかな差がありまりさの金バッジはまるでボール紙に金色折り紙を張り付けたかのような チープな外観だ。 要するに何が言いたいのかというとまりさとれみりゃの間には越えられない壁があるということだ。 またペットショップで売られているまりさは全員金バッジを所持している。 というのもバッジの無いまりさ等、いくらでも手に入るからでわざわざペットショップで商品として売る以上は 当然金バッジ程度の付加価値がなければならない。 それに加えて通常は「ひらがなの読み書きができる」「謙虚」等といったさらなるプラスアルファのセールスポイントが付け加えられるのが普通である。 さて、プラスチックの壁に阻まれてれみりゃが自分に手を出せないことを学習したまりさは早速れみりゃに対する挑発を開始した。 まりさは周りに人がいないとわかるや否やれみりゃにガンを飛ばすわ、お尻をふりふりしてお下げでぺんぺんするわ、 歯茎を剥き出し舌をぶんぶん振り回し涎を撒き散らして罵詈雑言を投げつけるわ、やりたい放題である。 が、れみりゃはあまあまに侮辱されることに内心はらわたを煮えくらかせながらも、まりさとおなじれべるにはおちないんだど!と 思いながら目を閉じ耳を塞ぎじっと耐えた。 幸いれみりゃの忍耐はすぐに報われた。 というのも、まりさの行動は全て監視カメラに撮影されておりバレバレだったからだ。 まりさの性根の腐った陰険な行動にはすぐにゆっくり叩きによる制裁が加えられた。 ゆっくり叩きとはゆっくりの表皮に激しい痛みを与えるが外傷は残さないハエ叩きのような代物でゆっくりをしつけるのによく使用されるが 希少種には必要ないことが多い。 店員さんがまりさを一つ打つ度に空気を切り裂く鋭い音がこだます。 パンッ!パンッ!パンッ!パンッ! 「ゆっぎゃああああああ!!いぎゃあああああああ!!びぎゃあああああああ!!ゆぎぎゃああああああ!!」 「この!ゴミクズが!うちの!商品の!」 パンッ!パンッ!パンッ! 「ゆぎゃあああああああ!!ぼぎゃあああああああ!!ぶぎゃあああああああ!!」 「品質を!下げんじゃ!ねえ!!」 さてその後信じがたいことになんとまりさの方がれみりゃより先に売れた。 買ったののは博愛主義者の愛でお兄さんで皆がまりさを迫害することに心を痛めており1匹でもまりさを救済する為に まりさを購入したという超が付く物好きだ。 が、1ヶ月後完全に増長したまりさによってお兄さんの期待は裏切られた。 お兄さんを弁護しておくがお兄さんは決してまりさを徹底的に甘やかしたわけではない。 愛でお兄さんなので当然愛でてはいるが、平均的なれみりゃが十分増長せずに過ごせる節度ある愛で方だ。 増長するまりさが悪いのである。 まりさは決してお兄さんの事を「くそじじい」と言わないがその他の点においては完全にお兄さんを愚弄していた。 まりさは金バッジを取得したことや上記のエピソードでわかる通りまりさ種にしては知能が高く、お兄さんのことを「おにいさん」と呼んでいる限り 決してお兄さんは自分を虐待しないだろうという小賢しい計算を働かせていた。 だが、お兄さんはそういう表面上は従順な態度をよそおいながら実は人を愚弄するようなそういう姑息なやり方が死ぬほど嫌いだった。 そして、当然の帰結としてお兄さんがまりさを家から追放する日がやってきた……。 その日、お兄さんはまりさ君へ嫌がらせの為まりさの丸焼きを買ってきてあげた。 お兄さんが豪快に包み紙を破ると中から苦悶の表情で死んでいるまりさ君のデスマスクが現れた。 なお、丸焼きの横にはもう一つ大きな包みがある。 「ジャーン♪おいしいあまあまだぞぉ~♪」 「……ゆえっ!?こ、こ、これはまりさなんだぜッッ!!あ、あまあまじゃないんだぜッッ!!」 「いやあまあまだよ。食べないなら俺がぎゃお~たべちゃうぞ~♪」 「ゆひっ!?お、おにいさん!いじわるしないでね!!」 だがお兄さんは意に介さず勢いよく食用まりさのおめめにかぶり付いた。 もにゅもにゅもにゅ 「ゆ、ゆぎゃあああああ!!や、やべろおおぉぉっ!!」 「やれやれこんなもの全部食ったら糖尿になるな。 まりさ。おまえもこのあまあまを食べていいんだぞ?」 「た、たべるかあああああ!!これはまりさだあああああああああ!!」 「食べないの?」 「おまえはおにいさんじゃなくてくそじじいなんだぜ!!いますぐしぬんだぜ!!ぷくうぅぅっ!!」 「やれやれしょうがないな。彼女に食べてもらうか」 そう言うとお兄さんはもう一つのケースの覆いを取った。 中には胴付きれみりゃがいた。 おぼうしには金バッジがついている。 お兄さんはまりさを買ったのと同じペットショップでこのれみりゃを購入した。 そう。あの胴付きれみりゃである。 まりさは今再び因縁あるれみりゃと対峙することとなった。 「プレゼントフォアユー!!」 「ゆ?う、うあああああああああ!?れ、れみりゃだあああああああああああ!! ……て……お、おまえはあああああああああああああっっ!!?」 「お兄さんをくそじじい呼ばわりする馬鹿は今すぐ死のうか♪」 「ま、まってぐだざいいいいいいいぃぃぃッッ!!」 (し、しまったんだぜ!!やはりくそじじいといったのはまずがっだああああああ!!) 「待たないよ!!れみりゃカモーン!!」 そう言うとお兄さんはれみりゃのケージのドアをフルオープンした。 「うっうー♪……う!?」 (なんであのあまあまがいるんだど!?) 「ゆ、ゆぎゃああああああああああああッッ!!く、くるなああああッッ!!」 「れみりゃ!」 「うっ?」 「ここに死んでいる食べかけのまりさと生きているまりさがいるね。 どっちを食べたいかな?」 「……もちろんいきてるほうなんだど~♪」 「このまりさは俺からのプレゼントだ!ゆっくり味わって食べろよぉ~♪」 「ありがとうなんだど~♪ それではいただきますなんだど~♪」 さてまりさは会話の途中で全力で逃走を開始していたがそんなことを許すお兄さんではなくまりさは片手で上から圧迫され 動きを封じられていた。 「は、はなぜええええええええぇぇ!!!」 「離すよ。まぁ精々逃げ回ろうか♪」 ぴょーん!ぴょーん! どてどてどてどてどて!! れみりゃはまりさと並走する。 「待つんだど~♪うあ!!」 そしてラグビーのタッチダウンの要領で上から押さえつけた。 「ゆべっ!?ッッ!?ちゅ、ちゅぶれりゅうぅぅ!!!」 そのままれみりゃはまりさの上で両手両足を延ばして腹這いになりまりさをバランスボールとして活用する。 「うっう~♪うっう~♪」 「ゆぶぶぶぶ、ちゅ、ちゅぶれりゅうぅぅ……ッッ!!ど、どげぇぇぇッッ!!」 が、れみりゃは一向にどこうとしない。 「あまあまがごちゃごちゃうるさいんだど~♪うあ~♪うあ~♪」 れみりゃがまりさの上で全体重をかけながらゆらゆらと揺れる。 「ゆげぼぉぉッッ!?ゆごぼぉぉッッ!?ほ、ほんとうにちゅぶれりゅうぅぅ!!」 「微笑ましい光景だなぁ♪」 お兄さんはニコニコしてまりさが調理される風景を眺めている。 れみりゃがようやくバランスボール遊びに飽きた頃にはまりさはもはやずーりずーりしかできない状態になっていた。 「ゆひぃ……ゆひぃ……からだが……おもぃぃぃ……」 「おなかがすいてきたんだど~♪うっ♪」 れみりゃの牙が勢いよくまりさのもちもちのほっぺに突き刺さった。 「ゆぎゃ!?ま、まりさのいのちのあんこさんがす、すわれるううううううううぅぅ!!」 「げんきいっぱいなんだど~♪つぎはおぼうしをげっとだど~♪」 そう言うとれみりゃはまりさのおぼうしを取り上げた。 「ま、まりさのでんせつのおぼうしがああああッッ!!か、かえぜぇぇぇッッ!!」 無論れみりゃは意に介さずおぼうしの上でダンスし始めた。 「うっうー♪うあうあ~♪ うっうー♪うあうあ~♪」 「や、やべろおおおおおぉぉっ!!!まりさのおぼうしをふむなあああああああああ!!!」 れみりゃがダンスするのに飽きた頃にはおぼうしはくたくたになっていた。 「お、おぼうしさああああああああん!!?まだなんとかなるよ!!ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろ!」 ここで我慢できなくなったお兄さんが参戦! くたくたになったおぼうしをハサミで細切れにした。 「れみりゃ!おぼうしはちゃんと完璧に壊さないとダメだぞ!」 「う?」 「ちょーきちょーきしあわせ~♪ちょーきちょーきしあわせ~♪……なんちゃって」 「お、ゆぎゃあああああああああああああああ!!?」 「うあ~♪すごいんだど~♪おぼうしのふぶきなんだど~♪」 「さ、れみりゃ!またまりさがおいしくなったはずだ!早速味見をしてみよう!」 「わかったど~♪うっ♪」 ガブッ♪ 「ゆびっ!!」 ちゅるちゅるちゅる~♪ 「ば、ばりざのいのちのあんござんが、ず、ずばれるううぅぅ……ッッ!!」 「でももっとおいしくなるはずだ!頑張っていじめてみよう!」 「うっうー♪うらあ!」 れみりゃぱんち! 「ゆべらああああ!?」 「うらあ!うらあ!うらあ!うらあ!うらあ!うらあ!」 れみりゃらっしゅ! 「ゆべ!ゆば!ゆぶ!ゆぼ!ゆび!ゆべらっ!!」 「れみぃ。実はまだプレゼントがあるんだ♪」 「うっうー♪」 「ほぅら。ぐんぐにるだぞぉ~♪」 そう言うとお兄さんは鋭く尖った鉛筆をれみりゃに渡してあげた。 「うあーい♪おにいさんありがとうなんだど~♪」 れみりゃは鉛筆いやぐんぐにるをまりさの右のおめめに深々と突き刺した。 ズン!! 「び、ゆぎゃああああああああああああッッ!!! ばりざのきらきらかがやくおめめがああああ!!! くそ、お、おにいざああああああああん!!どぼじでごんなごどずるのおおおぉぉっ!!?」 「俺は基本愛で派なんだよ。でも現実にゆっくりを飼って思い知ったよ……。 通常種はペットには向かないなぁ。俺は何でも自分の手で確かめないと気がすまない性質なんだ。 おまえってほんとに生ゴミ以下の存在だよなぁ。 でも君をぼこぼこにして俺は今とってもゆっくりできてるから許してあげよう♪寛大過ぎてごめんねぇ~♪」 「いみがわがらないいいいいぃぃ!!れみりゃをどめろおおおおおおぉぉっ!!」 (ば、ばかなあああああっっ!?おにいさんといっだのになぜどまらないいいいいッッ!?) 「止めるわけないだろ(笑) あ、許すってのはこの程度の虐待で許してあげるって意味だよ♪せいぜい感謝しろよ♪」 「ふ、ふざけゆででででででででででででででッッ!!」 どうやられみりゃはまりさの髪を全て抜くつもりのようだ。 「うっう~♪うっう~♪」 「いぎゃあああああああ!!ばりざのどんなびゆっくりもみりょうするおうごんへあーがああああッッ!!!」 ここでお兄さんはまりさの目の前に鏡を置いてあげた。 「よく見ろ!これがまりさの真の姿だ!!」 鏡の中にはおぼうしが鳴く頭が虎刈りになり右目に鉛筆が突き刺さったあちこち黒い痣だらけの駄ゆ。 「ゆゆ?ゆぷぷぷ!すごくゆっくりしてないゆででででででッッ!!ゆっくりなんだぜゆでででッッ!!」 まりさは薄々わかっていながらも必死に目の前の駄ゆが自分ではないと思い込もうとする。 だが、お兄さんはそんなことは許さない。 「今お前れみりゃに髪抜かれてるな?鏡の中でも抜かれてるな?あれはお前の姿なの。理解できる?……理解できてるよな!!」 「…………ゆぎゃああああああああああああああああああああッッ!!! もうやじゃおうちゆでででででででッッ!!」 「おうちってペットショップのこと?無理無理。今思えば店員さん随分ニコニコしてたなぁ~。ゴミを処分できて嬉しかったんだろうなぁー。 やれやれ。まりさなんかを飼った結果がこれだよ!まりさ君。俺のパソコン壊してくれたよね。まったく……あれは想定外だったよ! 散々愛でてあげたのに恩を仇で返すとはね……。 たまたまバックアップがとってあったからいいものを……。買い換えで大損さ! セッティングとかこれまためんどくさいし……ったくふざけんじゃねーよ! この……馬鹿野郎!!」 お兄さんは言い終わると同時に鋭く尖った鉛筆をまりさのしーしー穴に突き刺した。 ズン!! 「び!ゆぎゃあああああああああああああああッッ!!ご、ごべんなざいいいいいいいぃぃぃ!!!」 「別に謝る必要なんか無いぞ♪全く心のこもっていない謝罪なんてムカつくだけだからね♪」 「おにいさ~ん♪さんぱつがおわったんだど~♪」 「ど、どわあああああ!!?ば、ばりざのかみのげがないいいぃぃぃ!?」 「お、でかしたぞぉ~♪」 「うあ~♪でもれみぃねたぎれなんだど……つぎはどうすればいいんだど?」 「はい♪爪切り♪ほらこうやって使うんだよ♪カチカチ!カチカチ!……わかったか?」 「……わかったんだど~♪これであまあまをけずるんだど~♪おにいさんのあくまてきなあいであにはれみぃだつぼうなんだど~♪」 「おお♪察しがいいなれみぃ。よしよーし♪」 「うっう~♪」 「な、なにをするつもりなんだぜ?や、やめるんだぜ!!!」 「うっう~♪」 プチっ♪ 「いびびっ!ぎ、き、」 プチっ♪プチっ♪プチっ♪ 「ぎゃ!び!ぎょ!」 プチっ♪プチっ♪プチっ♪ 「ぎ、ぎゃぎ、」 プチっ♪プチっ♪プチっ♪ 「ぎ、ぎぎゃああああああああああああッッ!!!」 プチっ♪プチっ♪プチっ♪ 「ゆぎぇ!ゆぎゃああああああああああああッッ!!」 「さて、れみぃ。そろそろ味見するのはどうだい?」 「ぐっどあいであだど~♪」 ガブッ! ちゅるちゅるちゅる~♪ 「ゆひひっ!ま、まりさのあんござんがす、すわれるうぅぅ……ゆへへっ!」 「うまいんだど~♪でもこれいじょうやるとあまくなりすぎるんだど……」 「そうか♪そうか♪まだお腹は空いてるかい?」 「まだまだいけるんだど~♪」 「ぷっでぃーんを用意したぞ♪」 「そ、それはばりざの」 「う、うあああああ!!ぷ、ぷっでぃーんだど!!」 「れみぃ。落ち着くんだ」 「うっうー♪ついこうふんしちゃったんだど~♪」 「そ、それはばりざの」 ドゴォ!! 「ゆべらあああああああああああああッッ!!?」 ここでごちゃごちゃうるさいまりさに蹴りが入った。 飴細工の歯がキラキラと宙を舞う。 「……うっうー♪でりしゃすなんだど~♪ありがとうなんだど~♪」 「れみりゃ。今日は特別な日だからぷっでぃーんを上げるんだからな。毎日はないぞ」 「わかってるんだど~♪たのしいことでもまいにちつづいたらそれはたいくつとかわらないんだど~♪」 「……ほう?れみぃはほんとに良くできた子だな~♪よーしよしよしよしよし♪」 「うっう~♪」 「それに引き換えまりさ君は毎日ぱふぇさんを食べさせろとかふざけたことをほざいてたよね?」 「ゆひっ!?」 「罰としてゆっくりフードそれなり~味を食べさせようとしたらうんうんとしーしーを床に撒き散らしながら大暴れしたよね?」 「ゆぐぐ……」 「俺はさ……ゆっくりはそういうものなのかなと思ってたから何とか我慢できたんだ。でもどうやら違うみたいだな」 「ご、ごちゃごちゃうるさいんだぜ!なにがいいたいんだぜ!? お、おそらをとんでるみた~い!?ゆべ!!」 お兄さんはまりさは完全防音の透明な箱にぽ~いした。 「ごちそうさまなんだど~♪」 「れみぃ。ちょっと隣の部屋に行ってみよ~か♪」 「う?うっう~♪」 お兄さんはれみりゃと共に突然隣室に消えた。 お兄さんはれみりゃにれみりゃが初めて家にやってきた今日をれみりゃの誕生日にする旨を伝えた。 隣室にはれみりゃへの誕生日プレゼントのおもちゃ(デラックスこうまかん)が用意してあった。 「……う、うあ~♪ありがとうなんだど~♪」 (いいおにいさんなんだど~♪これはあんたいなんだど~♪) 一方まりさは自己中心的な思考の迷路に陥っていた。 まりさは訳がわからなかった。 まりさは最高にゆっくりしていた。 時々お兄さんがしょうもないゆっくりできないことを言ってきても全て無視した。 つまりまりさは最高にゆっくりしていた。 ゆえに当然お兄さんもゆっくりできたはずだ。 なのになんだ?この仕打ちは?ふざけるな。 「……どうやらおに……いやくそじじいはあのれみりゃにたぶらかされてるんだぜ!! あのれみりゃをぶっころせばすべてかいけつなんだぜ!!」 そう結論したまりさは勢い良く透明な壁に体当たりした。 「ゆべ!?ゆ……ぎ、ぎ、い、いだぃぃ……」 そうこうする内にお兄さんが帰ってきた。 「れみぃは遊び疲れて寝ちゃったよ。お前と違ってほんとにかわいいなぁ~♪ さてお仕置きの続きを始めようか」 「わ、わげのわがらないごどをぬがずなああああ!!さっさとあのくそれみりゃをまりささまのおうちからおいだぜええぇぇッッ!!」 「……まりさ~♪すっごくゆっくりできるぱふぇさんを食べさせてやるぞぉ~♪」 そう言うとお兄さんはマスクを付けるとゆっくりフードゲロマズ味(くさや、ブルーチーズ等の各種天然悪臭成分入り。虐待、しつけ用。) をカレー用スプーンでざらざらっと掬った。 「……ゆゆっ!?くっさ!めっちゃくっさああああっっ!!な、なんのつもりだああああああああああ!?」 「だからぱふぇさんだよ。たっぷり食べていいんだぞ~♪別に遠慮しなくていからな!!」 「……はあああああああああああああ!!?ゆぐっ!?ッッ!?……お、おご、ゆが、が!?」 ここでごちゃごちゃうるさいまりさのお口に勢い良くスプーンが突っ込まれた。 「まっず!!ごげっ!?ぐげげげげげげっ!!?みぎぎっ!!?」 吐きだそうとしたまりさの口をお兄さんが勢いよくひねり上げた。 「ちゃんと食べろよ」 ごっく~ん♪ 何とか飲み込んだもののまりさの口内にはいまだに耐えがたい悪臭がこもっている。 「ま、ま、ま、まずすぎるうううぅぅぅ……ッッ!!のみこんでもまずざがおわらないいいいぃぃ……ッッ!!」 続けてお兄さんはまりさのいる透明な箱にまりさの丸焼きを押し込んだ。 この箱は1匹用なので無理矢理押し込む形になった。 「ゆだだだだッッ!!?や、やべろおおぉぉっ!! ちゅ、ちゅ、ちゅぶれりゅうぅ!!くざいいいいいいいいいい!!!」 「これもぱふぇさんだよ。ゆっくり味わって食べろよぉ~♪」 「ふ、ふざけるなああああ!ごれはまりさだぁぁぁ!!」 「ぱふぇさんまりさあじだよ!!」 「た、たべれるかああああああああ!!きちがいのくそじじいはさっさとじねええぇぇッッ!!」 「……いいからさっさと食べろよ」 そう言うとお兄さんはまりさの丸焼きを指でめりっとちぎると親指と人差し指でまりさの口をこじ開けると無理やり食べさせた。 「や、やべろおおぉぉっ!!ゆご……ッッ!?あぐぐ……ゆゆ?くちゃくちゃ、む、むーしゃむーしゃしあわせ~!?」 「さぁ。まりさ君。これから君が食べられるのはこの2つのどちらかだ。他の餌は一切ないよ。どっちをこれからの餌にするかな?」 「…………ど、どっちもいやなんだぜ!!ほんもののぱふぇさんをぎょ!?いぎゃああああああああッッ!!?」 まだふざけたことを言うまりさの歯と歯茎の隙間に勢い良く鉛筆がぶっこまれた。 「何か言ったっけ?もう一本鉛筆食べるか?」 「ゆがぎ…………いぎ、ま、まりさのまるやきを、た、たべるんだぜ……ッッ!!」 「何かイヤそうだな。もうひとつのぱふぇさんを食べても構わないんだぞ?」 「ま、まりさのまるやきをた、たべるんだぜ……ッッ!!」 「……ちっ。でも食べ物は無駄にしちゃダメだからな。もう一つの餌は君のいる箱に全部流し込ませてもらう」 「……な、なにぃ!?」 ドバドバドバドバドバドバドバ♪ 「く、ぐが、ぐ、ぐざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」 「じゃあふたを閉めるからな♪たっぷり反省しろよ♪」 「ま、」 バチーン♪(ふたの閉まる音) その後お兄さんは透明な箱に閉じ込められたまりさに一切餌を与えなかった。 まりさはちびちび丸焼きを食べてしのいだ。 ゆっくりフードゲロマズ味は決して自分から食べようとしなかったが時々口に入ってしまうことがあり そのたびにまりさは餡管の浮き出した面白い顔になることを強いられたのだった。 まりさはまりさの丸焼きのおぼうしをぶんどって自分のものにした。 死臭がするが無いよりはましだからだ。 とは言え透明な箱の中にはうんうんとゆっくりフードゲロマズ味とまりさの丸焼きの匂いが充満し、 しかも目の前でれみりゃのとてもゆっくりした姿を見せられまりさの精神力はごりごり削られていくのだった。 1ヶ月後、まりさ君は久し振りに透明な箱から出してもらった。 ちなみに歯茎に刺さった鉛筆は何とかお下げで引き抜いたものの右目としーしー穴には鉛筆が刺さったままだ。 「さて、反省したかな?」 「……ゆぎぎ……は、は、はんぜい……じばじだ……ッッ!!」 ここでまた世迷い言を言うほどまりさは馬鹿ではなかった。なにしろ1ヶ月も考える時間があったのだ。 プライド(笑)をかなぐり捨て屈辱と怒りに餡管を浮き上がらせプルプル震えながら必死に反省した振りをする。 「ほんとに反省してるの?」 「ほ、ぼんどぉに……は、はんぜい……じばじだ……ッッ!!」 (な、なにがはんせいだああああああああッッ!!れ、れみりゃさえれみりゃさえころせば……ッッ!!) 「れみりゃさえ殺せば何とかなる?」 「ゆびょっ!?こ、こころを!?さ、さとりんッッ!?」 「やっぱりそんなことを考えてやがったか……。 おーい!れみりゃー!」 「うっう~♪およびですかど~♪……う?なんであまあまがそとにでてるんだど?」 「ばりざはあまあまじゃないいいぃぃぃ……ッッ!!ばりざだああああッッ!! ゆおおおぉぉっ!!おまえだけはゆるさないんだぜ!!ぜったいにぶちころしてやるんだぜ!! ゆんっはっ!ゆんっはっ!ゆんっはっ!ゆんっはっ!」 そう言うとまりさは必死に伸びたり縮んだりしてこの1ヶ月間何度もイメージトレーニングした対れみりゃ用必殺奥義「すーぱーたいあたり」 の為の勢いを体内にチャージしていく。 が、そんな隙だらけのまりさを放置しておくほどれみりゃは甘くなくまりさが伸びきり硬直した瞬間れみりゃのスライディングが炸裂した。 「うるさいんだど!!(怒)」 ドゴォ!! 「ゆべらあああああああああああああああッッ!!?」 「まりさ君よ~。君ごときが俺の可愛いれみぃに勝てる訳ないじゃないか……」 だがまだ憎悪で頭が沸騰しそうなまりさ君はまだ諦めない。 「ゆ、ゆおおおぉぉッッ!!れ、れみりゃああああああああああああッッ!!!」 まりさはついに最終奥義「まりさふぁんぐくらっしゃー」を出した。要するに噛みつきである。 だがそれを難なくサイドステップでかわしたれみりゃはまりさのお下げを掴んで引っ張った。 「ゆびびびっ!?ば、ばりざのごーるでんはん」 そしてそのままハンマー投げの要領でブンブン回転させた。 「お、おそらをゆでででで!ち、ちぎれるううぅぅ!!ゆぢぢぢ!ゆびびびぃぃぃ!!ぢ、ぢぎ」 ゴンッ!! 「ぎゃべ!!?」 そうこうする内にまりさは額をテーブルの脚で強打した。 れみりゃは一旦ブンブンを再開し勢いを回復させた。 「お、おそらをゆだだだだだだだだだ!!」 そして側にあったまりさがついさっきまでいた頑丈な透明な箱の角に叩き付けた。 ガンッ!! 「ゆぎゃぱっ!?」 れみりゃはまりさの逆ギレにまだ怒りが収まらないようでまりさを再び高速回転させるとさらにもう1回透明な箱の角に渾身の力で叩き付ける。 衝撃で透明な箱が床から浮き上がった。 ボゴォッッ!! 「ゆがぼッッ!?」 一旦落ちたまりさの回転数が再び上がっていく……。 「ぼうやべっいででででえええええ!!ばいりばじだっ!!ばげばじだっっ!!ゆででででででッッ!!お、おさげがちぎれ、」 だが、れみりゃの怒りはまだ収まらないようでさらにもう1回透明な箱の角とまりさがあついちゅっちゅを交わした。 飴細工の歯が粉々になりまりさの歯茎に次々と突き刺さっていく。 ボゴォッッ!! 「ゆばごッッ!?」 再び透明な箱が衝撃で床から跳びはねた。 再びまりさの回転数が上がっていく……。 どうやられみりゃはまりさが死ぬまで何度でも透明な箱の角に叩き付け続けるようだ。 「ゆぎゃああああああああああああ!!ばりざのかんっぜんっはいぼくでずうううううううううううううううッッ!ゆだだだだだだッッ!!」 ここで先程からミシミシと悲鳴を上げていたお下げがついに崩壊した。 ブチッ! 「もみあげ!?」 そして放物線を描いてぶっ飛んだまりさは勢い良く部屋の角の壁で顔面を強打するとそのまま真下のゴミ箱に叩き込まれた。 「お、おそらをどべッッ!!」 「うっう~♪ほーるいんわんなんだど~♪おにいさ~ん♪あまあまはたいじしたんだど~♪」 「……あ、ああ。うん」 れみりゃの余りの暴れっぷりにお兄さんは驚き呆れている。 お兄さんがまりさをゴミ箱から出して見ると危篤状態になっていた。 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 お兄さんは一応愛でお兄さんなのでオレンジジュースで現世に戻してあげた。 ドボドボドボドボドボ 「……ご、ごーきゅごーきゅしあわせ~!?……ゆはっ!?」 「やあ、まりさ。れみぃには勝てないってことがわかったかな?」 「……ゆぎぎ!」 「うっう~♪」 「ゆひっ!!こ、ころされりゅううぅぅ……ッッ!!」 「れみぃには勝てないってことがわかったかな?」 「わ、わがりばじだああああああああああああッッ!!」 「そうか。では野良ゆっくりにしてあげよう。もう2度とうちの敷居を跨ぐなよ」 もうお兄さんはまりさの更生をあきらめたようだ。 お兄さんはまりさを透明な箱に押し込んだ。 「ま、おそらをどぶ!?」 お兄さんは透明な箱を車のトランクに詰めた。 しばらく後まりさは夕焼けで赤く染まった富士の樹海をさまよっていた。 「ち、ちくしょおおおお!!どうろさんがみづがらないいいぃぃぃ!!」 お兄さんはまりさが万が一にも帰ってこないよう道路が見えなくなる限界ギリギリまで樹海の奥に侵入しまりさを置き去りにしてきたのだ。 しかもまりさをラムネで眠らせ顔面を道路と反対側に向けた上で設置するという念の入りようだ。 その作戦は見事効を奏しまりさは樹海をさまよい続けている。 「ゆひぃ……ゆひぃ……ぼう……あるげない!」 辺りはもうすっかり暗闇だ。 「ゆひぃ、な、なんにもびえないぃぃぃッッ!!」 そしてまりさは聞き覚えのあるあの忌々しい声を聞いた。 「うっう~♪う?あまあまをはっけんしたんだど~♪」 今、この樹海は冬ごもり間近のれみりゃ達が凄い勢いで獲物を探し回っている。 「ち、ぢぐじょう……ッッ!こ、このばりざさまが」 「うっ♪」 ガブっ♪ ちゅるちゅるちゅる~♪ 「やべろっ!!ば、ばりざのいのぢのあんごさんがず、ずばれるううぅぅぅ…………ッ! ……ゆひっ!?……ぼっど…ゆっぐり…………」 斯くしてまりさのゆんせいはれみりゃによって狂わされれみりゃによって終わった。 が、結局は全てまりさの自業自得と言えるだろう。 愛でお兄さんと出会ってもこうなるのだからもはやどうしようもない。 近年、まりさ種はドスまりさによるイメージダウンに本能的に危機感を覚えたのかまりさつむりやこたつむりという可愛い系(?)の品種で 適応しようとしているがそれらは虐待鬼威惨を喜ばせこそしたものの、一般層のイメージアップには全くつながっていない。 一方、最近れみりゃ種はドスまりさに対抗する為、まだごくごく少数ながらドスれみりゃの配備を開始した。 なお、ドスれみりゃは超が付く希少種である上に理知的な性格でもある為、今後ドスまりさ対策に非常に有用であると環境省に判断され 種の保存法に基づく緊急指定種に指定された。 これによりれみりゃ種陣営はまりさ種陣営に対しさらなる圧倒的な優位性を得ることになった。 まりさ種の将来は暗い……。 完 バーサスあき いつも閲覧、ポイント、感想ありがとうございます。 過去作は以下をどうぞ。 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/4390.html 挿絵:
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2412.html
※初投稿です ※ぶっちゃけ「しゃくや」で思いついたネタをやりたかっただけです 往々にして、世界という言葉に先行するのは、ひどくあいまいで茫漠としたイメージです。 薄紅色にお化粧をしたお山のむこうには。地平線をこえて広がっていく青空の下には。いったいどんな世界が待ちかまえているのでしょうか。 お歌やお話は、モヤモヤでグニャグニャとしたボクたちの想像に確かな形を与えてはくれます。 しかし、結局のところ、そういったアタマの中の世界は、アタマの中にもともとあったモノだけで成り立った、いわば自分の世界のやき直しです。 その小さな世界に、豊かで充実したひろがりを与えることを、ボクたちは「生きる」と呼んだりしているのかもしれません。 れみりゃが生まれたのは、桜の香気が芳しい春の夜でした。まんまるなお月さまが顔をのぞかせる明るい静かな夜でした。 アタマと羽しかない、五百グラムに満たない小さな命は、小さな世界をもって生まれてきました。 「ぷりん」と「しゃくや」と「れみ☆りゃ☆うー!」 たった三つのせまい世界でした。 ゆっくりと、どこまでも広がっていく可能性に満ちあふれた世界です。 その世界に「ぱぁぱ」と「まぁま」がくわわることは、ついにありませんでした。 でも、れみりゃは、さみしくありません。ばあちゃんがいたからです。 だから、しあわせでした。まいにちがえぶりでい(?)です。 その幸福な日々は、れみりゃにたくさんのおくり物をくれます。 しかし、彼女のちいさな体で、そのすべてを留めることはできません。 「ゆっくり」と「にんげん」。種族が違えば、育ち方や感じ方も違います。 ゆっくり、ゆっくりと広がっていくれみりゃの世界は、すぐにいっぱいになってしまうのです。 ただ、それは、決して悲しいことではないのかもしれません。 変わりばえのない毎日。くり返される日常。あたりまえの光景。 そんなものには目もくれず、地平線を目指して、あしばやに去っていくボクらでは、きっと気づくことなどできないのでしょう。 なんども立ちどまり、ときに引き返し、ゆっくりと進んだ者だけが、足もとに咲いた可愛らしいなスミレの花に気づくことができるのです。 だから、このお話に、ワクワクやドキドキなんかは、一つもありません。 路端に咲いたスミレのような、どこにでもある、なにげないものの一つなのですから。 桜が散り、青々とした新芽の萌える季節。吹き抜ける風が心地よい五月の昼下がり。 れみりゃは、ばあちゃんと一緒にお買い物に出かけました。なんのことはない、お夕飯の買い物です。 出かける前に、背中の羽をお手々のようにつかって、身だしなみを整えます。空色の髪に櫛を通し、薄紅色のお帽子をかぶり直したら、姿見の前で一回転。 バッチリキマった鏡の中のカリスマさんに満足したなら、たのしいたのしいお買い物に出発です。 まっすぐ進んで、ポストを右に、赤はとまって、青ですすめ。 ばあちゃんはテクテク、れみりゃはパタパタ。 ほどなくして、スーパーに着きました。自動ドアを二人一緒に、せーの、でくぐって入店です。 ばあちゃんがカートに買い物カゴを乗せると、クルクルと飛び回っていたれみりゃは、嬉しそうにカゴの中に入りました。 「うっうー☆」と楽しげに笑うと、ばあちゃんも「うふふ」と上品に笑いました。 「しゅっぱつ、しんこ、う~☆」 元気よく言い放つとカートが動きだします。 四つの車輪がカラカラと小気味良く回り、野菜売り場からお肉売り場へと順番に進んでいきました。 たまねぎ、にんじん、パプリカ、トマト、キャベツに、じゃがいも、ミンチに、生ハム。 ばあちゃんが次々とカゴに入れていくと、れみりゃの場所がどんどんせまくなっていきます。 誰だってきゅうくつなのは嫌なものです。れみりゃだって、きゅうくつは嫌いです。品物のお山をよじ登りました。 空を飛べることも忘れて、ヨジヨジ、ヨジヨジ。 れみりゃの険しい登山がおわるころ、カートは、乳製品売り場にさしかかっていました。 お山のてっぺんで喜びにうちふるえ「うっうー☆」とやっていたそのときです。カゴの端からアタマをのぞかせたれみりゃは、目ざとく大好物を発見しました。 糸のように細めた目をカッと見開き、見据えたちんれつ棚のいっかくに羽を向けて、ビシッと指しました。 「ぷりん!!」 ドヤ顔です。どうだ、と言わんばかりの誇らしげな顔でした。 ばあちゃんは、あらあら、と微笑みながら、れみりゃの指した方にうでを伸ばしました。 「れみちゃん、これは、プリンじゃないわ。ヨーグルトよ」 手しにしたヨーグルトをカゴの中にポイッと入れて言いました。 「よーぐぅとー? ぷりん、ちがうー。そーなのかー」 目の前に置かれたプラスチックの容器を羽でパシパシしながら、れみりゃが言います。 どことなく、宵闇妖怪さんのような口ぶりです。 不思議そうに目をまんまるにするれみりゃをしり目に、ばあちゃんは、ちんれつされたヨーグルトの三つ横、一つ下の商品に手を伸ばして言いました。 「プリンは、こっち」 「ううっ!! ぷりん!! ぷりん、う~☆」 透明な容器になみなみと注がれた黄色いプルプルは、まがうことなきプリンでした。 大本命の登場にハフーッハフーッと息を荒げるれみりゃでしたが、しかし、意外にもばあちゃん、これをスルー。 プリンを棚に戻します。 キラキラと輝いていたれみりゃのお目々から光が失われました。熟れたりんごのように真っ赤な瞳は、今や滴り落ちる血潮の色です。 羽のパタパタも止まり、お口も開いたままふさがりません。 まるで、お通夜でした。 イタズラが効きすぎてしまったようです。 少女のようにテヘ☆ペロをしてから、ばあちゃんは、牛乳を手にとって言いました。 「お家に卵とバニラオイルがあるのよ。プリンは、手作りがいっとう美味しいわ」 「あうっ!? はうす☆めいど……。そういうのもあるのか!!」 ふっくらとしたれみりゃの顔に笑顔がもどりました。 新しくカゴに加わった牛乳の紙パックに飛び乗ると、コウモリのような羽を左右に広げて、うっううー☆ カナリアのように愛らしい声で、一鳴きしました。 とても元気のいい声です。 周りのお客さんがびっくりして振り向きます。 あらあら、まあまあと、ばあちゃんは、すこし困った顔で笑いました。 さて、無事にお買い物も終わりました。 もと来た道をたどって、お家へ帰ります。 テクテク。パタパタ。 ポストがある十字路へ戻って来ました。ここを左に曲がれば、お家まで一直線なのですが、二人は足と羽を止めました。 来たときは、気がつきませんでしたが、十字路のいっかくに新しいお店ができていたようです。 スーパーへ向かう道の反対側、ばあちゃんのお家がある方面。なるほど、行きしには、見つけづらいはずです。 店頭には、色とりどりの季節の花がならんでいます。お花屋さんでしょうか。 屋根の上に掲げられた看板には、カラフルなパステルカラーで、こう書かれていました。 ――わくわく ゆうかりんランド―― とても楽しそうで、愛らしい名前です。 それなのに、なぜでしょう。その軽快で耳に心地よい響きの中に、生理的な恐怖を呼び起こす悍ましい音色が混じっているように感じられました。 お店の名前がポップ体のような丸みを帯びた可愛い字体などではなく、流麗で達筆な行書体で書かれているからでしょうか。 字が読めるばあちゃんの頬がひきつりました。字の読めないれみりゃは、いつもの笑顔をよりいっそうほころばせました。 「ばあちゃん!! おはな、おはな!!」 「え、あ、そうね。せっかくだから、見ていきましょうか」 見なかったことにして立ち去ろうと思っていたばあちゃんでしたが、嬉しそうにしているれみりゃの期待を裏切るのも可哀想だと思い、覚悟を決めました。 ビューンとゆっくりらしからぬ瞬速で、一直線に飛んでいくれみりゃの後を追って、お店の中に入ります。 そこは、なんのこともない普通の花屋さんでした。 らっしゃぁせぇ、と気だるそうな声がかかります。店員さんは、ニコリともしない眠そうな若者でした。いわゆる最近の若者です。 しかし、お店の品揃えは、なかなかのものでした。晩春から初夏に咲く季節の花がところせましと並んでいました。手入れもしっかりしているようです。 数瞬、むせ返る花の香りをうっとりと楽しんだばあちゃんは、れみりゃを探しました。 とは言っても、たいして広くもないお店の中ですから、首を巡らせればすぐに見つかりました。 れみりゃは、近くのテーブルに乗って、白い大輪の花をじっと見つめていました。 ふいに、その花を羽で指して言います。 「しゃくや!!」 八分咲きの華やぎの中に、凛とした力強さを感じさせる花でした。そのたたずまいに、一度も会ったことのない瀟洒な従者のイメージを重ね合させたのでしょう。 「あら、おしいわね。そのお花は『しゃくやく』よ」 ばあちゃんが声をかけると、瞳を輝かせて陶然としていたれみりゃは、反すうするように聞き返しました。 「しゃくや……く? しゃくや、く!! しゃくやくぅ、しゃくやくう~☆」 立てば芍薬。風情のある女性の姿をたとえるときに、もっぱら耳にする花の名前ですね。 すっかり、その響きが気に入ったれみりゃは、悪魔のような羽をパタパタとしきりに羽ばたかせながら、天使の笑顔で花の名前をくり返します。 ばあちゃんは、くすりと小さく笑うと、芍薬を何本か手にとって店員さんに言いました。 「これ、いただくわ。おいくらかしら」 「お代は、けっこうっす……。自分の育てた花で、そんなに喜んでもらえて……。なんか嬉しかったんで、プレゼントするっす」 ニコリともしない店員さんは、耳の端を赤く染め、恥ずかしそうにそっぽを向いて言いました。最近の若者も、これはなかなか。捨てたものではありません。 あらあら、と笑みを深いものにしながら、ばあちゃんは、れみりゃの背中をポンと叩きました。 「ほら、れみちゃん。やさしいお兄さんにお礼しないと」 そう言われて、ハッとしたれみりゃは、しばしアタマを抱えて、ウーンウーンとうなります。 お礼の言葉を思い出しているのです。 ゆっくりしていってね!!! これは歓迎の挨拶。違います。 ゆっくりしね!!! 可愛い妹の歪みない愛情表現です。違います。 あっりゃとうやした! おしいけれど、論外です。 「うーっとね、うーっとね……。さんきゅ、うー!!!」 口をついた言葉は、なぜか英語でした。 「ユア、ウェルカム」 負けじと、店員さんも英語で答えます。 「Good for you !」 「え!?」 ならばと、ばあちゃんも英語でれみりゃに語りかけました。流暢な発音に、驚いた店員さんがすっとんきょうな声を上げます。 それがどうにもおかしくて、三人は大笑いしました。 それからしばらくして、二人は、花屋さんをあとにしました。 すっかり長居してしまったようで、西側にある山の稜線は、すっかり朱に染まり、東の空には、チラホラと星がまたたいています。 急いでお家に帰りましょう。 テクテク。パタパタ。 テクテク。ぱたぱた。 テクテク。…………。 羽音がやみました。はしゃぎまわって、すっかりお眠のれみりゃは、ばあちゃんの頭の上で、ウツラウツラと夢見心地です。 ばあちゃんは、その寝顔を見ることができませんが、れみりゃがどんな顔をしているのかなんて、誰にだってわかることでしょう。 満面の笑顔で見るのは、夢の世界です。小さなアタマの中の、内側に閉じたとても小さな世界です。それは悲しいことでしょうか。 芍薬にオールドローズ、水仙にチューリップ、タンポポにスミレ……。そこは、季節も大きさも蕾も満開も、なんもかんも関係なしに花が咲き乱れる花園です。 プリンにヨーグルト、ゼリーにアップルパイ、クッキーにビスケット……。美味しいものならなんだってあります。 その楽園で、仲良しなみんなとお花見をします。 大好きなばあちゃんがいます。引きこもりがちで乱暴な妹がいます。いつか出会うでしょう瀟洒なメイドもいます。少し離れた桜の根元では、花屋のお兄さんがムッツリとした顔で手をふっています。 決してひとりでに広がることのない世界ですが、痛みも悲しみもありません。 風が吹き抜けることのない、花の香りが満ちる世界は、毎日ほんのすこしだけ広がっていく幸せな世界です。 「きっと明日は、もっといい日になるわね」 れみりゃの幸せな世界を知ってか知らずか、ポツリとばあちゃんがつぶやきました。 そのつぶやきは、左手に携えた芍薬の香りと一緒に、五月の涼風に乗って消えていきます。 とっぷちと暮れた宵闇の中、れみりゃの穏やかな寝息だけが、くかーくかーと響きました。 あとがき 「借家ぁー、借家ぁー」「いいえ、あれは、今まさに燃え尽きんとする我々の資産の一部です」 おかしいな。はじめは、こんな話になる予定だったのに……。 心が穏やかになります。(//・ω・//) -- 名無し (2014-01-08 02 26 13) カワイイ! -- 名無しさん (2014-04-05 13 37 10) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1858.html
『奇跡を信じて』 秋も暮れ始めた山奥の森で、2匹のゆっくりが毒づいていた。 「ちきしょー! どいつもこいつも"おりきゃら、おりきゃら"ってよぉ!?」 「ほんとさぁー、ほうじょーのゆっくりなめんな!ってはなしだよなぁ、あねきぃー」 ゆっくりらしからぬ言葉で悪態をつく2匹。 だが、この2匹とて、最初からこうだったわけではない。 そして、この2匹に特別な落ち度があったわけでもない。 ……強いて言うならば、時代か。 時代の趨勢が、この2匹をゆっくりさせないでいた。 「「ほんとやってられんわぁー」」 が、2匹が声をあわせて溜息をついたその時だった。 2匹の下に、聞き慣れぬ声が届いた。 「ゆっくりしんこうしていってね」 「「ゆゆっ!?」」 突然の声に、振り向いて身を強張らせる、2匹のゆっくり。 そこには、最近この山に移住してきた1匹のゆっくりが立っていた。 緑色の髪と、ふくよかな下膨れ顔。 その下には、一部の捕食種などと同じく胴体がついており、白と青を基調とした巫女服を着ている。 そのゆっくりは、自らのことを"さなえ"と呼んだ。 「ぬすみぎきたぁー、しゅみがわるいのぉー」 「じょーちゃんはかわええのぉー……きっとみんなからチヤホヤされとるんやろうなぁー?」 さなえは、端から見ても可愛らしく、その佇まいはゆっくりしていた。 それが、荒んだ2匹のゆっくりの心をささくれ立たせる。 一方、当のさなえはといえば、思いがけぬ言葉を、2匹のゆっくりに投げかけるのだった。 「しんこうすれば、だいじょーぶ!」 信仰……そう言うと、さなえはどこからか画用紙とクレヨンを取り出した。 「ゆっくり☆びっくり☆みらくる~みらくる~☆」 画用紙を前に、歌とも呪文ともつかぬ文言を唱えだす、さなえ。 そのトランスしたともいえる様子に、2匹のゆっくりは唖然とする。 一方さなえは、クレヨンをグーで握って、画用紙の上に何やら文字を書いていった。 そして1分後、さなえは満足そうに「ふぅー」と息を吐き、2枚の画用紙を頭上に掲げた。 「はい☆できましたぁー!」 さなえの掲げた画用紙。 そこには、"しずは""みのりこ"と幼い平仮名で書かれていた。 「「おおっ!」」 その紙を見て、反射的に叫ぶ2匹のゆっくり。 なるほど、この紙を持っていれば、この紙を掲げれば、 きっともう誰も"おりきゃら"等と呼ばなくなるに違いない。 「そう、そうよ……わたしたちは"おりきゃら"なんかじゃない……」 「そうだよ、おねぇーちゃん……わたしたちは……」 2匹のゆっくりは、さなえから名前の書かれた画用紙を受け取り、しきりに感謝を繰り返す。 その表情は柔和で喜びに満ちており、さきほどまの毒は嘘のように消えていた。 そんな2匹のゆっくりの姿を見て、さなえもまた顔をほころばせるのだった。 「これぞ、しんこうのきせきです☆」 それから、さなえは多くのゆっくりを助けていった。 くぼみに落ちて泣いていた赤ちゃんれいむを、救出してあげた。 風に飛ばされ木の枝に引っかかってしまった帽子を、まりさに返してあげた。 病気で苦しむぱちゅりーの子どものために、山に生えている薬草を取って来てあげた。 そして、その度に、さなえは"しんこう"の素晴らしさを説いていった。 ゆっくり達は、さなえに感謝した。 そして、難しいことはよくわからなかったが、 とにかく"しんこう"はゆっくり出来るものらしいと認識するのだった。 ……しかし。 数日後、ゆっくり達は"しんこう"などどうでもよくなるほどの衝撃を受ける。 巣を留守にしていた間に、何者かによって、備蓄していた食料が半分以上奪われていたのだ。 「ゆぅーー!? どぉーしてぇーー!!」 山奥のゆっくり達が悲鳴を上げて混乱する一方で、 ふもとの里山から、さなえの楽しげな歌が聞こえてきた。 「み~み~みらくる~☆しんこ~しんこ~☆」 さなえは、リズムにのって体をゆらしながら、里の道を歩いていく。 今日は、山を降りて、里山のゆっくりや人間達に"しんこう"を説こうと思っていた。 一人で里山まで遠出するのは心細さもあったが、 それ以上に、頑張って信仰を広めなければならない理由が、さなえにはあった。 「うー! うーうー!」 「もりゃ?」 さなえは、どこからか聞こえてきた声に足を止め、ふと周囲を見回す。 すると、道の傍ら、人間が作った畑の隅で、罠にかかっているゆっくりがいた。 それは、胴体無しのゆっくりれみりゃだった。 羽を除いた顔の大きさは、30~40cm程。 まだ大人になりきっていない子どものれみりゃが、目に涙を浮かべて、地ベタでパタパタ羽を動かして足掻いている。 「なにか、おこまりですか?」 「う、うーうー!」 近づくさなえの姿を見て、れみりゃは顔に希望を灯らせた。 見ると、れみりゃは農家の人が仕掛けたトリモチの罠に捕らわれていた。 「うぁーうぁー! たすけてぇー!」 必死に懇願するれみりゃの頼みを、さなえは快く引き受ける。 トリモチに注意しながら、れみりゃの顔を引っ張る、さなえ。 「うーんしょ、うーんしょ!」 「う~~! いたいーいたいー!!」 引っ張られ、びよーんと伸びるれみりゃの下膨れ。 痛みで号泣する寸前、どうにかれみりゃの体はトリモチから逃れることが出来た。 「うぁー! れみりゃのえれがんとなおかおがぁー!」 「ふぅ~これでもうだいじょーぶ、これもしんこうのおかげです☆」 ベリベリとトリモチから離れた影響で、下膨れをヒリヒリ赤く染めて泣き回るれみりゃ。 一方、さなえは"しんこう"に感謝し、れみりゃにも"しんこう"を説こうとした。 が、れみりゃは"しんこう"どころでなく、ひとしきり泣き終わると同時に、力なく地面に落ちてしまった。 「……う~~~っ」 「もりゃ?」 さなえは、オロオロしながらも、どうしたのかとれみりゃに問う。 弱りきった様子で、れみりゃはボソボソ口を開いた。 「ふんふん、おなかがすいてるんですね?」 れみりゃは、何時間も前にトリモチに捕まってしまい、 そのまま暴れたり泣いたりするうちに、エネルギーを使い果たしてしまったらしい。 そんなれみりゃに対して、さなえは太陽の如きまぶしい笑顔を向けた。 「しんこうすればだいじょーぶ☆」 「うー?」 怪訝がる、れみりゃ。 さなえは、そんなれみりゃの前で、"えーい"と奇跡を起こす呪文を唱える。 「ゆっくり☆びっくり☆みらくる~みらくる~☆」 「うぁ?」 実際のところ、それは奇跡を起こす呪文などではなく、 あくまでさなえ自身にとっての雰囲気作り的なところが大きかった。 だが、事実がどうあれ、さなえにとって、それは間違いなく信仰の奇跡を起こす呪文なのだ。 ある意味では、れみりゃ種の"のうさつ☆だんす"や"かりしゅま☆しんぽう"に通じるだろう。 「はい、どーぞ☆」 呪文を唱え終わったさなえは、疲れ果てたれみりゃを抱え上げて、 自らの柔らかなほっぺたに噛み付くように促した。 当初は、警戒していたれみりゃも、 捕食種の本能と空腹には勝てず、がぶりとさなえの頬に牙を突き立て、中身をチューチュー吸い上げる。 「うー♪ あまあまー♪」 さなえの"あまあま"は、今まで食べたこともない、とってもジューシーでフルーティーな味がした。 その初めて体験する美味に、れみりゃは感嘆の声をあげる。 それは、まさしく疲れを吹き飛ばすほどの味だった。 元気を取り戻すれみりゃを見て、痛みに耐えてうっすら涙を浮かべながらも、さなえは微笑んでいた。 これできっと、このゆっくりも"しんこう"をしてくれるようになるだろう……さなえはそんな青写真を描いていた。 「よかったですぅー、じゃあそろそろ……」 「うーうー♪ うまうま♪」 「も、もりゃ!?」 いくら献身の心が強くとも、いつまでも食べられていてはかなわない。 さなえは、れみりゃにそろそろ離れて欲しいと頼むが、れみりゃは一心不乱にさなえを吸い続けてしまう。 「うぁうぁ☆ふるーちゅふるーちゅ♪」 「もりゃー! もう、やめてぇー!」 流石に、さなえも恐怖を感じ出し、れみりゃに対して抵抗を試みる。 だが、れみりゃの牙はしっかり頬に突き刺さり、離れそうにない。 また、体こそさなえの方が大きかったが、体力を取り戻したれみりゃの力は、さなえよりもずっと強かった。 「うー! たーべちゃうぞぉー♪」 「やだやだぁー! やめてぇーやめてくださいぃー!」 おうちへ帰りたいと涙ぐむさなえをよそに、れみりゃはとんでもないことを言い出した。 「うっうー♪ まんまぁーにもふるーちゅ♪」 「もりゃー!?」 さなえの頬から牙を抜く、れみりゃ。 けれど、さなえがホッとするより早く、れみりゃはさなえの襟を咥えて、さなえを宙に持ち上げ始める。 「おぜうさまたるもの、ごおんはわすれないんだぞぉ~♪ さなえはーれみりゃとまんまぁーといっしょにくらすぞぉ~♪」 れみりゃは、さなえを自分の巣まで運ぼうとしていた。 そして、そこで母親と一緒に、さなえの味を堪能しようと考えたのだ。 しかも悪いことに、このれみりゃは幼く我侭であるにも関わらず、さなえに対してキッチリ恩義を感じていた。 故に、"かりしゅまおぜうさま"な自分達と優雅に暮らす特権を与えるのだと、勝手に話を進めてしまっていた。 れみりゃに咥えられ、動けぬまま空中を漂う、さなえ。 多くの人は、こういう時こそ神への祈りを捧げるのかもしれない。 しかし、気づくとさなえは、信仰でも奇跡でもなく、ただ自分にとってかけがえの無い存在を呼んでいた。 力の限り、大事な家族の名前を……。 「うぁーん! かなちゃーん! すぅーちゃーん! たすけてぇー!」 だが、さなえの叫びは、夕焼け空に吸い込まれて、むなしく消えていく。 必死に呼んだ助けが、さなえの下に来ることは無かった。 何故なら…… 「ゆぅー! ついにはんにんをみつけたよ!」 「かえしてね! まりさのごはんをかえしてね!」 「むっきゅー! げんこうはんたいほなのよ!」 さなえが助けを求めた相手、さなえが"しんこう"を集めて助けてあげようとした相手は、 とあるゆっくりの巣で、食べ物を奪われた大勢のゆっくり達に囲まれ、今まさに袋叩きにされようとしていた。 怒るゆっくり達の中心にいたのは、2匹のゆっくり。 盗み出そうとした食べ物を口に咥えた、ゆっくりかなこと、ゆっくりすわこだった。 この2匹のゆっくりと、さなえは、一緒に暮らす家族だった。 けれど、この3匹のゆっくりは、最近この山に移ってきたばかりで、冬を間近にして勝手がわからないでいた。 そこでさなえは、ゆっくり達の"しんこう"を集めて結果的に好意の形で庇護を得ようと考えた。 これは、前に住んでいた山で行っていたことでもあった。 けれど、さなえよりずっと長く生きてきた、かなことすわこは知っていた。 所詮、ゆっくりから信仰によって得られる寄付や御布施など、たかが知れているということを。 現に、前に住んでいた山を引っ越すことになったのも、十分な信仰が集められなかったからに他ならない。 だから、さなえに悲しい思いをさせないためにも、 かなことすわこは、自分達が寄付を集めなければならないと考えた。 ……例え"ゆっくりできない"手段を使ってでも。 「さなえとゆっくりしたかったけっかがこれだよ……」 「けろ……」 ゆっくり達の怒りの津波を前にして、かなことすわこは瞼の裏に大好きなさなえの姿を浮かべた。 せめて、さなえにはゆっくり生きてもらいたいと……。 月明かりが照らす、森の外れの岩肌の隙間。 その奥からは、毎晩ゆっくり達の声が聞こえてきた。 「ゆっくり……びっくり……みらくるみらくるー……」 生気の薄れた瞳を虚ろに揺らし、さなえは今日も"しんこう"を説いていた。 ろくに言葉の通じぬ、頭や頬に噛み付いている捕食者たちに。 「うーうー、あかちゃんありがとぉー♪」 「う~♪ まんまぁーふるーちゅおいしぃー♪」 2匹のれみりゃは、親子だった。 子どもが持ち帰った珍しい味のゆっくりに、親子ともどもご満悦だ。 ジューシィーなフルーツの味を楽しみながら、れみりゃの親子は歌いだす。 さなえはその歌を聞きながら、大好きな家族のことを思い出しては微笑むのだった。 「「うーうーうぁうぁー♪ ゆっくりゆっくりぃー♪」」 「……ゆっくり……しんこう……していってね」 →BadEnd or Continue? 作者当てシリーズ* 作者当て企画参加作品 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11995/1227272050/ このSSに感想を付ける