約 632,112 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3138.html
このページは、ゆっくりいじめ小ネタ1~250までの一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 251以降については下記から。 ゆっくりいじめ小ネタ.500 ゆっくりいじめ小ネタ.750 ゆっくりいじめ小ネタ1 虐 ゆっくりいじめ小ネタ2 生ゆっくりジュース 虐 料 ゆっくりいじめ小ネタ3 虐 共 環 ゆっくりいじめ小ネタ4 虐 ゆっくりいじめ小ネタ5 虐 ゆっくりいじめ小ネタ6 虐 ゆっくりいじめ小ネタ7 虐 ゆっくりイジメ?小ネタ8 ゆっくりと老人 そ ゆっくりいじめ小ネタ9 虐 制 環 ゆっくりいじめ小ネタ10 虐 環 ゆっくりいじめ小ネタ11 虐 ゆっくり系いじめ小ネタ12 ゆっくり羊羹 虐 ゆっくりいじめ小ネタ13 虐 ゆっくりいじめ小ネタ14 虐 ゆっくりいじめ小ネタ15 虐 ゆっくりいじめ小ネタ16 虐 ゆっくりいじめ小ネタ17 虐 ゆっくりいじめ小ネタ18 虐 ゆっくりいじめ小ネタ19 ゆっくりと電子レンジ 虐 ゆっくりいじめ小ネタ20 肉まん 虐 共 ゆっくりいじめ小ネタ21 可愛がり方 虐 ゆっくりいじめ小ネタ22 虐 道 ゆっくりいじめ小ネタ23 虐 ゆっくりいじめ小ネタ24 ゆっくり落とし 虐 道 ゆっくりいじめ小ネタ25 虐 家 ゆっくりいじめ小ネタ26 虐 家 ゆっくりいじめ小ネタ27虐 家 ゆっくりいじめ小ネタ28虐 ゆっくりいじめ小ネタ29虐 ゆっくりいじめ小ネタ30虐性 ゆっくりいじめ小ネタ31虐 ゆっくりいじめ小ネタ32虐道 ゆっくりいじめ小ネタ33 ゆっくり無限ループ虐 ゆっくりいじめ小ネタ34 ゆパチュリの飼い方虐共 ゆっくりいじめ小ネタ35 ゆっくり合戦虐 ゆっくりいじめ小ネタ37 地雷処理虐 ゆっくりいじめ小ネタ38 罠虐機 ゆっくりいじめ小ネタ39 枕餡子 そ ゆっくりいじめ小ネタ40 ゆっくりのフォアグラ そ料 ゆっくりいじめ小ネタ41 好感度虐 ゆっくりいじめ小ネタ42 世紀末そ ゆっくりいじめ小ネタ43 透明な箱虐 ゆっくりいじめ小ネタ44 透明な箱2虐共 ゆっくりいじめ小ネタ45 鏡虐 ゆっくりいじめ小ネタ46 パブロフの犬虐環 ゆっくりいじめ小ネタ47 村八分制 ゆっくりいじめ小ネタ48 ゆっくりスパークそ ゆっくりいじめ小ネタ49 ゆっくりレイパーそ ゆっくりいじめ小ネタ50 こわいこわいの有効活用そ ゆっくりいじめ小ネタ51 ゆっくり競争そ環 ゆっくりいじめ小ネタ52 闘技場そ ゆっくりいじめ小ネタ53 ゆっくりワープそ ゆっくりいじめ小ネタ54 バッティングセンター虐 ゆっくりいじめ小ネタ55 虎とゆっくり制機 ゆっくりいじめ小ネタ56 携帯小説そ ゆっくりいじめ小ネタ57 ゆっくりとスタンガン虐 ゆっくりいじめ小ネタ58 萎える方々へそ ゆっくりいじめ小ネタ59 コピペ1そ ゆっくりいじめ小ネタ60 コピペ2そ ゆっくりいじめ小ネタ61 コピペ3そ ゆっくりいじめ小ネタ62 ゆっくり取線香そ ゆっくりいじめ小ネタ63 痒くなる液体そ ゆっくりいじめ小ネタ64 ゆっくり駆除問題そ ゆっくりいじめ小ネタ65 ゆっくりの社会進出そ ゆっくりいじめ小ネタ66 家庭での簡単ゆっくり抹殺法虐 ゆっくりいじめ小ネタ67 ドMのゆっくりそ ゆっくりいじめ小ネタ68 ゆっくりれみりゃを拾ってきたそ ゆっくりいじめ小ネタ69 ゴマ団子制 ゆっくりいじめ小ネタ70 ゆっくり探偵~安住を許されないゆっくり一家虐 ゆっくりいじめ小ネタ71 ゆっくり水攻め虐 ゆっくりいじめ小ネタ72 ゆっくり異変そ ゆっくりいじめ小ネタ73 ゆっくりレイパー2そ性 ゆっくりいじめ小ネタ74 ゆっチェさんの特徴そ ゆっくりいじめ小ネタ75 まんじゅうこぁいこぁい!そ共 ゆっくりいじめ小ネタ76 ゆっくり魔理沙を捕獲制 ゆっくりいじめ小ネタ77 ストレス解消虐 ゆっくりいじめ小ネタ78 算数そ ゆっくりいじめ小ネタ79 ゆっくり家庭用品虐 ゆっくりいじめ小ネタ80 バギクロスそ ゆっくりいじめ小ネタ81 養殖そ ゆっくりいじめ小ネタ82 ゆっくりれいむにむりやり勉強させたい。そ ゆっくりいじめ小ネタ83 遊び場そ ゆっくりいじめ小ネタ84 ゆっくり探偵~完全密室犯罪虐 ゆっくりいじめ小ネタ85 いさましいまりさそ ゆっくりいじめ小ネタ86 ゆっちゅりーそ ゆっくりいじめ小ネタ87 取り壊しそ家 ゆっくりいじめ小ネタ88 睡眠不足虐 ゆっくりいじめ小ネタ89 レベルそ ゆっくりいじめ小ネタ90 大災害そ ゆっくりいじめ小ネタ91 スイーツ(笑)そ ゆっくりいじめ小ネタ92 永琳と慧音そ ゆっくりいじめ小ネタ93 再生虐 ゆっくりいじめ小ネタ94 ゆっくりんりんゆっくりんりんかーわいいよー制 ゆっくりいじめ小ネタ95 わが生涯に一片の悔いなしそ ゆっくりいじめ小ネタ96 農業革命そ ゆっくりいじめ小ネタ97 ゆっくりの進化そ ゆっくりいじめ小ネタ98 苦役虐 ゆっくりいじめ小ネタ99 ゆっくり軍そ ゆっくりいじめ小ネタ100 ゆっくりについてそ ゆっくりいじめ小ネタ101 サンドバッグ虐 ゆっくりいじめ小ネタ102 ゆっくりレイパー3虐性 ゆっくりいじめ小ネタ103 サウナ虐 ゆっくりいじめ小ネタ104 水虫そ ゆっくりいじめ小ネタ105 マク○ナルドそ ゆっくりいじめ小ネタ106 餡子食べ放題虐 ゆっくりいじめ小ネタ107 贔屓そ ゆっくりいじめ小ネタ108 餡子食べ放題2虐 ゆっくりいじめ小ネタ109 教育そ ゆっくりいじめ小ネタ110 ゆっくりゃを飼うそ ゆっくりいじめ小ネタ111 ストラックアウトそ ゆっくりいじめ小ネタ112 調理用具で虐 ゆっくりいじめ小ネタ113 強制出産虐 ゆっくりいじめ小ネタ114 ゆっくりゃと相撲虐 ゆっくりいじめ小ネタ115 餡子交換虐 ゆっくりいじめ小ネタ116 自給自足そ ゆっくりいじめ小ネタ117 蓬莱の薬虐 ゆっくりいじめ小ネタ118 ゆっくりチルノ虐 ゆっくりいじめ小ネタ119 賭博ゆっくり録れいむ虐 ゆっくりいじめ小ネタ120 はばねろそ ゆっくりいじめ小ネタ121 嫌がらせ虐家 ゆっくりいじめ小ネタ122 戦車鉄拳六十 ゆっくりいじめ小ネタ123 墓参りそ ゆっくりいじめ小ネタ124 ニュー速そ ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ126 ゆっくりこわこうりんの伝説 ゆっくりいじめ小ネタ127 カレーライス ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ129 ゆっくりクライシス ゆっくりいじめ小ネタ130 突発的アイス案 ゆっくりいじめ小ネタ131 駄作三昧 ゆっくりいじめ小ネタ132 食 ゆっくりいじめ小ネタ133 雨 ゆっくりいじめ小ネタ134 ゆっくりむ童話 ~鬼意山と七匹の子ゆっくり~ ゆっくりいじめ小ネタ135 人造ゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ136 ゆっくりキメラの作り方 ゆっくりいじめ小ネタ137 ゆっくり料理 ゆっくりいじめ小ネタ138 【静寂】 ゆっくりいじめ小ネタ139 幻想郷vsゆっくりの国 -ザ・ラグナロク- ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ141 ドスまりさの弱点 ゆっくりいじめ小ネタ142 或るゆっくりの手記 ゆっくりいじめ小ネタ143 ゆっくりを斬る ゆっくりいじめ小ネタ144 改造お兄さん ゆっくりいじめ小ネタ145 うふふ ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ147 ゆっくりニダら ゆっくりいじめ小ネタ148 ゆっくりりぐる 「ゆっくりいじめ小ネタ149 こもりうたは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ小ネタ150 おうち狩り ゆっくりいじめ小ネタ151 みょん語体 ゆっくりいじめ小ネタ152 合理的な群 「ゆっくりいじめ小ネタ153 筆が進まない?よろしいならば小ネタ集だは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ小ネタ154 ミジンコよりも小さな小ネタ ゆっくりいじめ小ネタ155 のどちんこ 「ゆっくりいじめ小ネタ156 路上のアーティストS・GYAKUOは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ小ネタ157 ここはれいむたちのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!虐家無 「ゆっくりいじめ小ネタ158 ゆンブレラは作者の要請により削除されました。」 ゆっくりいじめ小ネタ159 ゆっくり攻略法 ゆっくりいじめ小ネタ160 前髪 ゆっくりいじめ小ネタ161 いろいろと小ネタ ごった煮 ゆっくりいじめ小ネタ162 小ネタ ビグ・れいむについて妄想 ゆっくりいじめ小ネタ163 小ネタ ゆっくりいじめ小ネタ164 垢ゆ ゆっくりいじめ小ネタ165 ゆ丼 ゆっくりいじめ小ネタ166 なぐる ゆっくりいじめ小ネタ167 とかいはを飼ってみた ゆっくりいじめ小ネタ168 純ゆ ゆっくりいじめ小ネタ169 虐ゆ ゆっくりいじめ小ネタ170 ヒゲ ゆっくりいじめ小ネタ171 ゆっくり某県にも出没 ゆっくりいじめ小ネタ172 ほしれいむ ゆっくりいじめ小ネタ173 博麗神社にて。 ゆっくりいじめ小ネタ174 ゆ章 ゆっくりいじめ小ネタ175 キングれみりゃ ゆっくりいじめ小ネタ176 炎のゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ177 即興小話 ゆっくりいじめ小ネタ178 中立な話 ゆっくりいじめ小ネタ179 はじしらずなちびゆっくりつかいがいたよ!!! ゆっくりいじめ小ネタ180 小ネタとちぇん ゆっくりいじめ小ネタ181 最低の動物 ゆっくりいじめ小ネタ182 ゆっくりと人間 ゆっくりいじめ小ネタ183 ゆっくり復唱していってね ゆっくりいじめ小ネタ184 とりっく おあ とりーと ゆっくりいじめ小ネタ185 小ネタ ゆっくりいじめ小ネタ186 やわらかゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ187 ぱちゅりーのパーフェクトさんすう教室 ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 ゆっくりいじめ小ネタ190 紙芝居 ゆっくりいじめ小ネタ191 nabe ゆっくりいじめ小ネタ192 やってみよう何でも実験 罠 ゆっくりいじめ小ネタ193 下痢ゆ ゆっくりいじめ小ネタ194 食べ物の恨みは・・・・・・ ゆっくりいじめ小ネタ195 実際ペット飼ってる人でもこんなのいるような ゆっくりいじめ小ネタ196 あいつら何考えてるのさ 「作者さん要請により削除。by管理人」 ゆっくりいじめ小ネタ198 ゆっくり置いて行ってね ゆっくりいじめ小ネタ199 ぬるぬるいじめ ゆっくりいじめ小ネタ200 スィー ゆっくりいじめ小ネタ201 愛犬家とゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ202 ぬるすぎる小ネタ ゆっくりいじめ小ネタ203 ゆっくりこうないえん ゆっくりいじめ小ネタ204 実験材料 ゆっくりいじめ小ネタ205 ゆっくり城 ゆっくりいじめ小ネタ206 れみりゃはともだち ゆっくりいじめ小ネタ207 説明 ゆっくりいじめ小ネタ208 ゆっくりこうないえん2 ゆっくりいじめ小ネタ209 ドキドキ!まりさのおぼうしかえしてゲーム ゆっくりいじめ小ネタ210 神よあのものにどうか報いを ゆっくりいじめ小ネタ211 ゆっくり屋敷 ゆっくりいじめ小ネタ212 ゆっくり小ネタW ゆっくりいじめ小ネタ213 ゆっくり鞭打 ゆっくりいじめ小ネタ214 ゆっくりハッキング ゆっくりいじめ小ネタ215 変なれみりゃ ゆっくりいじめ小ネタ216 うんうん ゆっくりいじめ小ネタ217 クトゥルフネタ ゆっくりいじめ小ネタ218 小ネタ集 ゆっくりいじめ小ネタ219 ゆっくりとせんべい ゆっくりいじめ小ネタ220 ゆっくりみったー 作者さんの要望により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ小ネタ223 せんとうすぃー ゆっくりいじめ小ネタ224 ゆクシング ゆっくりいじめ小ネタ225 実験 ゆっくりいじめ小ネタ226 最近の日常 ゆっくりいじめ小ネタ227 ヤン愛でお兄さん 01 ゆっくりいじめ小ネタ228 高菜 ゆっくりいじめ小ネタ229 ぱちゅーどく ゆっくりいじめ小ネタ232 思い込み1 ゆっくりいじめ小ネタ233 おたべなさい ゆっくりいじめ小ネタ234 しゃぶれいむ ゆっくりいじめ小ネタ235 その幸せが許せない 作者さんの要望により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ小ネタ237 つかれたまりさ ゆっくりいじめ小ネタ238 大凧2 ゆっくりいじめ小ネタ239 すっきり ゆっくりいじめ小ネタ240 休暇編 ゆっくりいじめ小ネタ241 ゲスの宿命 ゆっくりいじめ小ネタ242 ドスを撃て 作者さんの要望により削除しました。by管理人 ゆっくりいじめ小ネタ244 ありすのにっき ゆっくりいじめ小ネタ245 ゆっくりゃの飼育 ゆっくりいじめ小ネタ246 ゆっくりしたおうたがうたえない ゆっくりいじめ小ネタ247 秋と冬の境界 ゆっくりいじめ小ネタ248 虐ラップラー虐牙 ゆっくりいじめ小ネタ249 勇者まりさの挑戦 ゆっくりいじめ小ネタ250 不幸の手紙
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1689.html
「ゆっくりくりくりくりっくり♪」 この歌を歌っているのは、ゆっくり霊夢である。 「やっぱりれいむのおうたはせかいいちだね!!!」 本気で褒めているのは、ゆっくり魔理沙である。 「ゆへへ♪」 「にへへ♪」 ここは、ゆっくり達が暮らすとある森の一角。 勝手気ままなゆっくりらしく、一日をゆっくりと過ごし、ご飯を食べ一家で寝る。 それだけで嫉妬の炎で焼かれそうな生活だが、そんなことはお構いなしにのんびりと暮らしていたのである。 「ぺ~ろぺ~ろ♪ すっきり~~~しあわせ~♪」 奇しくも秋の長雨が一段落し、近くに大きな水溜りが出来ていたのを発見したゆっくり達は、我先に集まって水分の補給をしていた。 小さな赤ちゃんには、母親が口に含んだ道を口移しで与えている。 「ま、までぃさぁ♪」 「あ、あ☆り☆すぅ♪」 違うところでは、アリスと魔理沙のカップルがこれまた口移しで水を飲み合っている。 「むきゅ~~……こっきょうふーぞくがみだれるわ。ぷんぷん!!」 「わか~るわかるよぱちゅりぃ~のきもち~~♪」 「でも~~♪ ぱちぇぇもやりたいのよねぇ~~♪」 「むきゅきゅ♪」 まさに姦しいゆっくりの集団である。 「はーーるですよーー……ふぅ」 そんな折に、どこからか人の声が聞こえてきた。 それに気付いたゆっくり達は、なにやら話し始める。 「ゆ? にんげんさんだね!!」 「きっと、もみじがりにきたんだね!!」 「きれーなはっぱさんはおいしーもんね!! れいむもだいすき♪」 友好的なゆっくり達は、早速声の主を探そうと、キョロッキョロと言いながら辺りを探しているが、なかなか見つからない。 「む~~……みつからないね」 「にんげんさ~~ん!! こうさんだよ!! つぎはまりさがおにになるよ!!」 「れいむじゃいちにちかかってもみつけられないよ!!」 「そんなことないよ!! まりさっていう、さいこーのぱーとなーをしっかりみつけたもん!!」 「あっっみゃ~~~~いい!!!」 純粋な瞳であーだこーだ騒いでいるゆっくり達。 それを今まで見つめていた声の主は、一瞬口元を歪ませてゆっくり達に姿を現した。 「はーるですかー?」 真っ黒な服に真っ黒な帽子。 その姿は、幻想郷に春を運ぶ妖精である。 白いほうは春にしか殆ど姿を見せないが、こちらはここに姿を出している。 「ゆ!! かわいいにんげんさんだね!!」 「めごいめごいね!!」 「やっぱりこどもはかわいーね!!!」 その愛くるしい容姿に、またまた大騒ぎのゆっくりの群。 中には、集まって自分の子供の自慢を始めているものさえいる。 「はーるですか~~♪」 そんな反応を無視して、今一度同じ言葉を投げかけるリリー。 二度目にして、漸くゆっくり達もまともな返答を返してきた。 「ゆゆゆ♪ いまははるじゃないよ♪ あきさんだよ!!」 「にんげんのこどもちゃんは、はるさんがすきなんだね!!」 「わかる!! わかるよーーー!!!」 既に、そこには笑いだけが流れており、なんとも楽しそうな光景が広がっている。 子供達はリリーの足元までやってきて飛び跳ね、歌を歌う。 今度は、大人達がそれに加わり踊りだす。 酒が入っているかのような、そんなノリが辺りを包んでいる。 「ばぁ~かですね~~~♪」 と、今まで終始笑顔でいたリリーがそれだけ呟き、突然ゆっくり達の目の前から消えた。 それが上空に飛び立ったと気付くのに、ゆっくり達には一瞬の間が必要だったようだ。 「すごーい!! おそらをとんでるー!!」 「さっすがにんげんさんだね!!」 自分達に侮辱的な言葉を発した事が聞こえなかったのか、ただただ空中にいるリリーに黄色い声援を送るばかりである。 そんな声援を、興味なさそうに聞いていたリリーは、一度深呼吸すると、今までとは比べ物にならないような声を出した。 「あーきでーすよー!!!」 同時に放たれる強力な弾幕。 並みの妖精よりも強力なその弾幕は、ゆっくりを駆逐するのに十分な威力であった。 「きゃ♪ わ♪ いい~~♪ んべ!!!」 まず、最初に放たれた一発が魔理沙を直撃した。 「ゆ♪ まりさ♪ !!! だいじょーーぶ?!!」 「い……、いだいーー!!! でいぶーーだすけでーーー!!!」 霊夢が振り向くと、そこには苦悶の表情を浮かべながら、必死で助けを求める魔理沙の姿があった。 しかし、既に底部から大量の餡が飛び出しており、生存は絶望的な状況である。 だが、それが分かるほどゆっくりの知能は高くない。 「わかったよ!! れいむにまかせt……」 弾幕の海の真っ只中にいた霊夢に、漸く弾幕が命中した。 「いだいーー!! まっでぃざぁーーー!! ゆっぐりしでないでたすげでーーー!!!」 今まで当たらなかったことは幸運の賜物であったのだろう。 続けざまにもう二・三発弾幕を食らう。 「どうしでぞんなごというのーー!! れいむはそごまでおばかだったのぉーー!!!」 「たすげるよーー!! までぃさはやくたすげでーー!! れいむがたすけるよーー!!」 ソフトボール大の穴が数個開いた霊夢は痛みで通常の思考が出来なくなっていた。 目の前に写る光景と、自身の痛みのみで状況を理解し、スイッチのようにま逆の言葉を発するオブジェに成り下がってしまったようだ。 「むっきゅーーー!! じゅーーそーーよーー!!」 「とかいはのありすがきずものにーーーー!!!!」 「うあーー!! いだいーー!! いっっだいーーー!!!」 「わからないよ!! わからないよ!!!」 「てぃ~~~んっぽ!!!!!!!」 同じ様な光景は、あちらこちらで繰り広げられていた。 そのどれもが、酷い重症を負いながらもかろうじて生きているというものであった。 「おかーーしゃんたちのいいちゅけをゆっくりまもりゅよ!!」 「まもりゅよ!!!!!!!!」 隠れていた草むらで大声を上げた赤ちゃん達も、同様の状態に仕上げられた。 「ゆ……あうあう……」 「おう……かえ……って、ごはん……」 「としょかん……」 「しぶたに。あらたやど……はら……やど」 物の数分で、そこには餡子の海に成り代わっていた。 先ほどまで歌とも思えないような会話をして、飛び跳ねていたゆっくり達は今やうめき声を上げ、 かろうじて生きているだけとなった。 「あ~~きですよ~~♪ あたまが春なゆっくりはお門違いですよ」 くすくすと、笑いをかみ殺しながら、その様子をまじまじと見るリリー。 いまだまともな思考が出来るゆっくりは、これがただの人間では無いことに気付いているのだろう。 「ど、……じで」 やっとの事で、それだけを搾り出した霊夢だったが、リリーが答えないと分かると、そのまま息を引き取った。 「あきですよ!!」 どのくらい経っただろうか? 群に打撃を与えなお留まっていたリリー。 ただひたすら何かが来るのを待っていたようだが、それがきたと分かると、再び空に舞い上がっていった。 「う~~♪ た~~べものがいっぱ~~い♪」 「う~~♪ おなかぱ~~んぱ~~ん♪」 やってきたのは、多数のゆっくりれみりゃとフラン。 数体の成体の後ろを、ニコニコと赤ちゃん達が飛んでいる。 「う~~……いっご~~♪ にこ~~~♪ さんこ~~♪ ……いっこ~~~♪」 「さいしょはかぞくいっこづつ~~♪」 「ふらんのあかちゃん。ままがたべかたをおしえてあげるぅ~~♪」 その群は、家族ごとに分かれて、餡子の海の隅々に散らばっていく。 匂いに釣られて、近くの捕食種が集まってきたのだ。 中には、赤ちゃんを釣れ、餌の食べ方を教えようとするものまでいた。 「うっう~~♪ あうあう~~♪」 「う~~♪ なかがおいしーのぉ~~♪」 「まますご~~い~~!!!!」 「秋なのに春ですね~~♪」 そして、待ってましたとばかりに襲い掛かるリリー。 「う~~♪ う!!?」 「うっう~~♪ あかちゃん、どうしたんだz!!!!」 一匹の赤ちゃんれみりゃを捕まえると、振り向いた母親に弾幕を浴びせかける。 そして、他のゆっくり達にも、先ほどよりも濃密な弾幕を浴びせかける。 「うあーー!! さくやーー!! さくやーー!!」 「まんまぁーー!! れみりゃのあじがーー!!!」 「ゆっくりしね!! あかちゃんいてをだすやつは、ゆっくりs……」 以下に捕食者といえど、ゆっくり以外には無力なもので、先ほどと同じような光景が繰り広げられていた。 違う点といえば、確実に息の根を止めていることだろう。 泣き叫びながら、必死にさくやさくや叫び続けるだけのれみりゃと、闘志をむき出して突っ込んでこようとするフラン。 対照的だが、弾幕の前には平等にやられていく。 「はるはるはるですね~~~♪ あたまがはるですね~~♪」 リリーが一頻り満足すると、そこは既に餡子と肉まんの具が混じった不気味なモノで覆われていた。 「まぁまぁーー!!!!! どこにいったのぉーーー!!!!!!」 その光景を確認して、リリーはその場から去っていった。 「こんにちはー」 「はいは~い。あっ、リリーブラック、屋台ならもう開いてるよー」 「はい。これ」 「はいはい。れみりゃ一匹ねー。ちょっと待っててね~♪」 「はなすにょーー!! れみりゃのままはつよいんだじょーー!! おまえらなんてあちょいうまに!!!」 慣れた手つきでれみりゃの口に杭を打ち込み、片手をちぎって餃子型に加工した後、一杯のお酒と共にリリーの前に出される。 「はいお待ちど~♪ 今日もくつろいでいってね!!」 最近、海産物が多かった夜雀の屋台に、肉料理が並び始めたのだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/94.html
人間は少ししか出ていません。 色々と脱線します。 「ゆっゆっゆ~♪」 まりさはとてもゆっくりした気分で家路に着いていた。 友達のれいむ達ととてもゆっくりしてきたからだ。 頑張ってご飯を集めたから一日位はゆっくりできる余裕が出来たのだ。 思う存分ゆっくりして今家に帰宅しているのだ。 「ゆゆッ!!?」 しかしまりさはある異変に気付いた。 自分のお家のカモフラージュされた入口が破壊されているのだ。 「どうしていりぐちがこわれてるのおぉッ!!?」 急いで住み処である洞穴に入っていく。すると、 「む~しゃむ~しゃしあわぜ~!!」 「むっきゅ~ん!」 「ゆ、とってもとかいはね!」 蓄えていたご飯が中にいたゆっくりれいむとぱちゅりーとありすに食い荒らされていた。 「な、ななななにじでる゛のお゛お゛ぉッ!!?」 思わず叫ぶまりさ。 「ゆ?ゆっくりしてってね!! ここはれいむたちのおうちだよ!かんけいないまりさはでてってね!」 「むっきゅ~ん、ごはんをくれるならいっしょにゆっくりしてもいいわ」 「べ、べつにごはんがほしいわけじゃないんだからね!」 と中にいた三匹は好き勝手言っていた。 「ちがうよ!ここはまりさのおうちだよ!そのごはんもまりさのだよ!!」 まりさは叫んだ。必死に集めたご飯を好き勝手食われて、しかも自分のお家だと 宣言までされたのだ冷静ではいられないのも無理はない。 だが、 「なにいってるの!ここはありすたちがみつけたとかいはなおうちよ! うそをつかないで!」 「そうだよ!ここにあるごはんもれいむたちがみつけたかられいむたちのだよ! !」 「むっきゅ~ん!!」 三匹は譲らない。 バリケードされた入口を壊して、虫とかが集められていようとも自分達が見つけ たから自分達のものなのだ。疑問すら浮かばない。 だから、 「うそつきなゆっくりできないまりさはしんでね!!」 言い掛かりをしてくるまりさを成敗する事にした。 まずれいむがまりさに体当たりする。 「ゆぎゃ!?なにずるのぉ!!?」 「うるさいよ!うそつきなまりさはしんでね!!」 不意打ちで動揺したまりさにれいむは追撃する。 「そうよ、いなかものはしになさい!!」 そこにありすも加わった。 これでまりさに勝てる可能性は万に一つも無くなった。 「ゆぎゅ!?やべ!?ちぇ!?どぼぢで!?」 体当たりをされて死にいくまりさには訳が分からなかった。 自分のお家にいる悪者にゆっくり出来なくされている。 さっきまでとてもゆっくりしていたのに…。 こんなことならもっとれいむ達とゆっくりしてればよかった。 「もっちょ…ゆっきゅりィイッ!!?」 最後の言葉を言い切る事なくまりさはれいむに潰されて餡子の飛沫を撒き散らして死んだ。 「むきゅ、せいぎはかつ、よ!!」 盗っ人猛々しいとはよく言ったものだ。 ま、この場でそれをツッコむ者はいないが…。 「これでゆっくりできるね!」 顔に返り血ならぬ返り餡を付けたれいむは笑顔で言った。 「れいむ、かおがよごれているわ。とかいはなありすがとってあげるぺ~ろぺ~ ろ♪」 「ゆゆ、くすぐったいよ♪」 「むきゅ、ぱちゅりーもなめてあげるわぺ~ろぺ~ろ♪」 れいむの顔の返り餡を舐める二匹。 すると、 「うめ!これめっちゃうまい!」 「むきゅ、ほんとね!」 何時しかれいむの返り餡を舐めている内にまりさの残骸を夢中になって食べてい た。 こうして、まりさは影も形も無くなってしまったのだった。 あれから二、三ヶ月後。 「むっきゅ~!」 「がんばってぱちゅりー!」 「とかいはならこんなところでへこたれないわ!」 冬が近付いて来た為越冬用のご飯を三匹は集めていた。 順当にご飯を貯めてこのままいけば十二分に冬を越せる、そんな量まで備蓄は完 成していた。 そして今日も沢山のご飯が収穫できた。 「これならふゆさんもゆっくりできるね!!」 れいむは笑顔でぱちゅりーとありすに言う。 これだけのご飯があれば冬籠もりの間もとてもゆっくりできる。 輝かしい未来を想像して、れいむ達はとてもゆっくりしていた。 それもこれもゆっくりできる巣を見つけられたからだ。 今いる巣は最初ゆっくりできない壁さんがあったけど中にはとてもゆっくりでき るご飯が沢山あってとても素晴らしいゆっくりプレイスだった。 こんなお家を見つけられる自分達は天才に違いない、とそう自分達の偉業を思い 起こしていた。 その巣が他のゆっくりのものであったなど露ほどにも考えていない。 そこの主であったまりさの事など記憶の隅にも残っていなかった。 今彼女等はとてもゆっくりしていてゆん生の絶頂期だった。 故に絶頂の後は降るしかないのだ。 「むきゅ!?ぱちゅりーたちのおうちのいりぐちが!!?」 れいむ達の住み処をカモフラージュしていた入口が壊されていた。 「ゆゆぅ、どうじでぇ!!?」 れいむは顔を蒼白させて住み処の中へと入っていった。すると、 「む~ちゃむ~ちゃちあわちぇ~♪」 「とってもゆっくりしてるねおちびちゃんたち♪」 十匹程の赤ちゃんゆっくりと普通のゆっくりよりも大きい巨大ゆっくりれいむが そこにいた。 「ゆ、だれ?ここはれいむとまりさとおちびちゃんたちのおうちだよ!! ようがなければごはんをおいてでてってね!!!」 巨大れいむが中に入ってきたれいむに対して宣言する。 それはあまりにも堂々としていた。 まるで最初から自分のものであったかのように…。 れいむは思わず反射的に、「ちがうよ!ここはれいむたちのおうちだよ!!」と 叫んだ。 「ゆ、なにいってるの? ここはれいむがみつけたおうちだよ?だかられいむのものだよ。そんなこともわ からないの?ばかなの?しぬの?」 「うしょはよきゅないんじゃよ!!」 「しょーだしょーだ!!」 かつてのまりさが相対した自分達と同じく全く取り合わない。まるで焼き直しのようだ。 「むきゅ、うそじゃないわ! ここはぱちゅりーたちがみつけたおうちよ!! でていくのはそっちよ!!」 ぱちゅりーも続いて叫ぶ。 「そうよ!いなかもののほうがでてってね!!」 ありすもそれに続く。 「うしょちゅきゅなぁ!! おきゃあしゃんたちがみちゅけたおうちをとりょうとするげしゅはゆっきゅりち ねぇッ!!」 「ゆぴぃ!?」 両者共自分の家だと譲らない平行線に痺れを切らした赤ゆっくりれいむが体当たりを三匹組のれいむに仕掛けた。 だが所詮赤ゆっくりの攻撃。 三匹組のれいむを驚かせたものの、有効なダメージにはならなかった。 「ゆうぅ!よくもやったね!おかえしだよ!!」 「ゆぴゃあ゛あ゛あ゛!!?」 あっという間に返り討ちになり、潰されてしまった。 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛お゛ちびじゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛ッ!!?」 巨大れいむの悲痛な叫びが響く。 「ゲラゲラゲラゲラ!!! れいむたちのおうちにかってにはいるからこうなるんだよ!!」 「むっきゅっきゅ、いいざまね」 「いなかものにはじごうじとくなまつろね!」 好き放題言う三匹。 だが笑ってられるのはそこまでだった。 「ゆっぐりじぬええッ!!!」 突如背後から声が聞こえ、 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 突然ありすが身体半分を押し潰された。 「ゆ…ゆぅ…?」 何が起こったかわからない。 そういった顔をしてありすは痙攣し始めている。 完全に死ぬのも時間の問題だろう。 「よくぼばりざのおぢびじゃんをおおおおおッ!!!」 ありすを潰したのは狩りに出掛けていた巨大れいむのつがいの巨大まりさだった 。 「ゆるさないよッ!!!」 まりさは叫ぶと三匹組のれいむに体当たりをする。 「ゆぐぇッ!!?」 そのまま転がり壁へとぶつかる。 「ゆぅ…いちゃい…」 成体のれいむでもサイズの違う巨大まりさの一撃は強烈だった。 そんな隙だらけの状態を見逃す筈が無かった。 「おちびちゃんをころしたゲスはゆっくりしねッ!!!」 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛ッ!!?」 巨大れいむにのしかかられ、かつて自分が殺したまりさのようになって死んだ。 「むっきゅ…」 一方最後の一匹となったぱちゅりーは顔面蒼白となり、震えていた。 仲間はあっという間に死んでしまった。 二人よりも弱いぱちゅりーが勝てる訳がない。 だから…、 「むきゅ…ご、ごめんなさい。 こ、ここはまりさたちのおうちよ…。 おとなしくでていくから…」 「う゛る゛ざい゛ッ!!」 「むぎゅう゛う゛ッ!!?」 退却という手段を使おうとするが時既に遅し。 ぱちゅりーはれいむと同じように巨大まりさの体当たりを受けて壁に当たる。 「むぎゅう…えれえれ…」 口から中身の生クリームを吐き出す。 だが死ぬ量にまでは至っていない。 むしろそこで死んだ方が幸せだったにもかかわらず…。 「おちびちゃんたち、かたきをとるんだよ!!」 「「「「ゆおおおおー!!!」」」」 巨大れいむが宣言すると九匹の赤ゆっくりがぱちゅりーに噛み付いて食べ始める 。 「む゛ぎゅう゛う゛ッ!!? やべでぇ゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 「うみぇ!きょれめっちゃうみぇ!!」 「む~ちゃなむ~ちゃちあわちぇ~♪」 死体に群がるハゲタカのようにぱちゅりーは赤ゆっくり達に食われていく。 ゆっくりの身体は全て食べられる。 よって無駄がないのだ。 「もっちょ…ゆっきゅり…」 ぱちゅりーが息絶えた。 それでも食欲旺盛な赤ゆっくり達は止まらない。 結局ぱちゅりーを帽子を含めて食べ切り、死んだまりさとありすの残骸を食べ切るまで赤ゆっくり達は 止まらなかった。 こうして、ぱちゅりーとれいむとありすの三匹は自分達が奪った住み処の持ち主であったまりさと 全く同じように影も残らず巨大ゆっくり一家の体内に収まった のだった。 それから数日後…。 辺りは一足早い冬の訪れを告げていた。 あの巨大ゆっくり一家も入口を塞いで家族で春をゆっくり待っている…、 「おきゃあじゃんたじゅげでえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!」 ……訳がなかった。 閉じられた巣の中、そこには新たに来た訪問者がいた。 「う~あまあまでりしゃすだど~♪」 「う~、ゆっくりしね!!」 捕食種の胴ありゆっくりれみりゃと胴ありゆっくりふらんだった。 捕食種である二匹はこうやって越冬中のゆっくりの巣を乗っ取ってそこにいたゆ っくりを餌にのんびり春を待つのだ。 この巨大ゆっくりの一家は下手な巣の塞ぎ方をしてしまったがためにれみりゃ達に 見つかってしまったのだ。 この巨大ゆっくり一家はあまり頭が良くないのをあまりある身体の大きさで補っ てきたから慢心していたのだ。 そりゃ冬籠もりの準備をする頃に赤ゆっくりが十匹もいるような家族だ、利口とは言えない。 その結果捕食種の餌として地獄の冬の生活を過ごさなければならなくなった。 「う~みゃんみゃ~♪」 巨大ゆっくり二匹に赤ゆっくり九匹という捕食種にとっての大物はれみりゃ達に子供を作る余裕まで与えていた。 「たずげでぇ…」 散々ふらんに虐められて傷だらけの巨大まりさが来もしない助けを求め続ける。 いくら巨大ゆっくりでも捕食種が相手ではひとたまりもない。 巨大といっても成体以上ドス未満のサイズなのだから。 九匹いた子供はもう一匹も残っていない。 あるのはかつて子供達であった帽子と皮だけだ。 「う~はやくそれたべる」 ふらんが不機嫌そうに言う。 巨大まりさ達からすればかわいい子供の形見であっても、ふらんからすればあまあまの残り滓。 邪魔でしかない。 「おねがいじまず!!これだけはのござぜで…!!」 「う~うるさい!」 ふらんは巨大まりさの嘆願を一切取り入れず殴打で返した。 「ゆぎゃあ!!?」 「ゆっくりしね♪ゆっくりしね♪」 ボール遊びをする猫のように何度も何度も殴ったり蹴ったりするふらん。 勿論口ではああ言ってるが殺すつもりはない。 痛め付けて遊んでいるだけだ。 冬の間の大事な食料兼玩具をそう簡単に壊すほど愚かではなかった。 もっとも愚かであった方が巨大まりさには幸せであったが。 「たちゅけでおきゃあ゛あ゛あ゛じゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んッ!!?」 「う~おいしいんだど~♪」 一方れみりゃの方は新しく巨大れいむに作らせた赤ゆっくりに子供達と一緒に舌鼓を打っていた。 「おでがいじばずぞのごだぢだげはゆるじでぐだざい~!!?」 食べられていく赤ゆっくりの助命を必死に巨大れいむは嘆願するが、 「う~、うるさいんだど~!」 「ゆぎゃあ゛!!?」 ふらんと同じように暴力で黙らせる。 「う~ふらんもあそぶ~」 「れみりゃもあそぶんだど~♪」 「ゆ、やめで…ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 親れみりゃの殴打を遊びと勘違いしたまだ胴のない子れみりゃと同じように胴のない子ふらん達は 巨大れいむを餡子が出ない程度に甘噛みしていたぶる。 「もう…やだぁ…」 素晴らしいゆっくりプレイスだった住み処はれみりゃ達のせいで地獄になってしまった。 どうしてこんな事になったのか…わかりもしない疑問を何時までも巨大れいむは 考え続けていた。 それに対してれみりゃ達はとてもゆっくりしていた。 美味しいあまあまに可愛い子供達。 狭いお家の中では存分に飛び回ったり出来ないけれどそれも春まで我慢すればい い。 まさに幸福の絶頂だった。 そうなればもう下っていくしかなかった。 「う~!!?」 突然物音がしたと思ったら塞いだ筈の入口が壊されだしていた。 そして、 「お、いたいた。 やった!ゆっくりれみりゃじゃねえか!!ふらんもいる!! 大当りだぜ!!」 穴の外からこちらを覗き込む人間の男の顔がれみりゃ達に見えた。 そして、 「う゛あ~はなぜ~!?」 瞬く間に赤れみりゃを掴んだ。 「一、二、三…おお八匹もいるじゃねえか!」 巨大ゆっくり二匹を除いた合計を数え、男は笑う。 「うーゆっくりしねええッ!!!」 捕まえられた赤れみりゃを助けようと親ふらんが突撃する。 「うっさい」 「うぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」 空いている片手で親ふらんを殴って黙らせる。 まるでさっきまで親ふらん自身がやっていた事のように。 「ぱあぱあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」 親ふらんの状態に暴れるのを忘れて叫ぶれみりゃ。 「腹減ってるし…一匹位いっか…」 そんなれみりゃを見て人間の男、すなわちお兄さんは呟き、 「いただきまーす♪」 「うぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 赤れみりゃにかじりついた。 「れびりゃのおちびじゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」 一瞬にして顔の半分をかじり取られた赤れみりゃ。 「う゛…う゛ぁ…」 いくら再生力の高いれみりゃ種でも成長しきっていない赤れみりゃには致命傷だ。 だがまぁ瀕死だろうとそうでなかろうと二口目には全部お兄さんの胃の中だが。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おちびじゃんをがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛ ッ!!!」 子供の駄々っ子のようにお兄さんに向けてポカポカパンチをする。 ダメージにもなりはしない。 通常種には驚異的な存在であっても人間に対してはあまりに脆弱だった。 「はいはい、腹ごしらえも終わったし回収回収♪」 「う゛あ゛あ゛はなぜえ゛ッ!!!?」 ポカポカとパンチを繰り返す親れみりゃをお兄さんは難無く掴み、後ろに用意し ていた麻袋に入れた。 「う゛あ゛~だぜえ゛え゛え゛ッ!!?」 袋の中で暴れるがゆっくりが暴れた程度で破ける程麻袋は脆くはない。 お兄さんは気にせず親ふらんを掴んで麻袋に放り込む。 親を捕まえておけば子は逃げられない。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぱあぱあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 泣き叫ぶ赤れみりゃ。 こちらに敵意を向け、攻撃してくる赤ふらん。 ふらん種は嗜虐性が高い上に変に攻撃的だから圧倒的実力差であろうとも逃げよ うとせず攻撃して来るから捕まえやすい。 「はいはい御苦労さん」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 お兄さんは難無く赤ふらんを麻袋に入れる。 残ったのは赤れみりゃのみ。 ここまで来てようやく逃げるという行動を起こし始める。 雪が降る中逃げ出すのは安全と言い難い。 だけどこのままじゃ捕まってしまう。 捕まったらゆっくりできなくなりそうだ。 そう考えた赤れみりゃ達は一か八か逃亡を試みる。 お兄さんが待ち受ける入口を一斉に飛び出せば何匹か助かるかもしれない。そう 本能的に考えたのだ。 「う~ざぐやあ゛あ゛あ゛!!」 「はなじでええ!れみりゃはおぜうざまなんだどおおおおッ!!?」 「はいはい偉いですね。 偉いおぜうさまは袋に入って下さいね」 だがお兄さんはそんなれみりゃの一か八かの賭けを嘲笑うかのように難無く全匹 捕まえて麻袋に突っ込んだ。 そして袋の口を紐でゆっくり縛る。 そうして宣言した。 「君達はこれから加工所でさっきのれみりゃみたいに人間のご飯になります。 ゆっくり理解してね!」 途端、 「やだどお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!?」 「ざぐやあ゛あ゛あ゛あ゛はやぐだずげでえ゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」 「ゆっぐりぢね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」 麻袋の中から叫び声が一斉に上がり、袋が揺れる。 だが悲しいかな麻袋を素手で破壊なんてゆっくりに出来る訳が無い。 袋の口も強固に結ばれ、今や透明な箱に入っているのと同じようなものだった。 それにしても今や加工所は捕食種にしても恐怖の対象のようだ。 ここで狙われ慣れている通常種は苦しまないように親ゆっくりが子を殺すのだが 今まで自分よりも強い圧倒的脅威に晒されていない捕食種は隙を見て逃げ出すと か、不意打ちで倒すとか下手に抵抗する手段を思いつき、希望を持ってしまい、 子供を苦しめないで済む最後のチャンスを逃したのだった。 「さて残りはっと…」 お兄さんは奥の方で転がっていた巨大ゆっくり二匹を発見した。 「ゆ、ゆゆ…にんげんさん…」 疲れ切り、ボロボロになった巨大まりさを掴んで穴から出す。 もはや抵抗する気力すらないのだろう。 「こりゃ売れねえな…」 傷だらけで何度もふらんに攻撃された巨大まりさはもはや何の価値も無い。 「…たすけて……」 まりさは消え入りそうな声で呟く。 ゆっくりできないれみりゃ達を捕まえたお兄さんは巨大まりさからすれば救世主 だった。 だが、 「しょうがない、殺しとこう」 「ゆ?…ゆげぇ!!?」 容赦無く地面に落として踏み潰した。 「どぼ…ぢで…」 まりさには訳が分からなかった。 ふらん達を捕まえてくれた救世主と思っていたらその人間に踏み潰されたのだ。 最初から救世主などではなく、巨大まりさが勝手に思い込んだだけなのだが巨大 まりさには裏切れたと勘違いも甚だしい事を思い込んだながら死んでいった。 「ゆ!やめではなじでえ!ゆびゃあッ!!?」 巨大れいむも同じように殺して残骸を洞穴に詰めて雪で入口を塞いでおく。 「これでよし」 お兄さんは笑う。 そして洞穴の上にある木に刻まれた十字の傷痕を見る。 「それにしてもこいつ等…巣が明らかに人の手が入ってるって気付かないもんか ね…」 お兄さんは小さく呟く。 そう、この洞穴はお兄さんが作ったものだったのだ。 ちょっとやそっとじゃ崩れない頑丈な穴はわざわざお兄さんが木の骨組みで固定 してあるのだ。 ゆっくりにとってお家は大事なものだ。 狩られる側の多いゆっくりは身の安全を保証してくれる頑丈な場所を求める。 よってお家争いは熾烈を極めるのだ。 夜になれば捕食種にも狙われる。 雨が降れば溶けてしまう。 ゆっくりにとってお家は死活問題であり強さの象徴、権威でもある。 それを考慮すればお家に関して躍起になるのも無理はない。 だが所詮ゆっくりの作れる家などたかがしれている。 だから、人間の家を奪おう等という愚作を考えつくゆっくりが後を絶たない。 その結果はここで言うまでもないだろう。 「ならこっちで家(罠)を用意すりゃ楽にゆっくり捕まえられるんじゃないか? 」と考えたのがこのお兄さん。 お兄さんが山の持ち主から任された山の管理の仕事の片手間に、駆除を名目に簡 易的な洞穴にカモフラージュした壕を複数作成した。 ゆっくりが入れる程度ならば一週間かそこらで完成出来た。 人間の家ですら勝手に入って疑問も感じずお家宣言するゆっくりだ。 余程頭のいい個体でもない限り気付く訳が無かった。 そうしてお兄さんはゆっくりが確実に巣に篭り、まだ餌が足りなくなって共食い を始めるような事のならない冬の最初の時期を狙い、お兄さんの作成したお家で 越冬中の栄養を溜め込んでゆっくりして甘さが凝縮しているゆっくりを捕まえて 加工所に売ったりしているのだ。 この巣はゆっくりからすれば丈夫でとてもゆっくりできるらしい。 だから当然お家争奪の頻度も高くなる。 だから冬の時期にこの巣にいるゆっくりはお家争奪を勝ち残った強者といえるの だ。 強固で栄養価が高い。 そんなゆっくりが高値で売れない筈がない。 「さて、と…いきますか」 お兄さんは種類別に幾つかある麻袋を担いで歩いていく。 熾烈な争いを生き抜いたゆっくりはこうして人間に食われるというゆっくりでき ない末路を迎えたのだった。 数ヶ月後。 ゆっくり達には待ちに待った春の季節だ。 これを望んで叶わなかったゆっくりは沢山いる。 「おかあさん、おせわになりました!!」 「ゆっくりがんばるんだよ!!」 「こまったらすぐたよっていいからね!」 こちらにいるのは春を迎えて子ゆっくりまりさが巣立ちを迎えるようだ。 「ゆ、ゆ、まずはゆっくりできるおうちをさがすよ!!」 巣立ったまりさは手頃な巣が無いかゆっくり探していた。 するとあのお兄さんが作った巣が見えた。 春を迎えたので塞がれていた雪が溶けて見つけられるようになっていたのだ。 「なんだかあそこはゆっくりできそうだよ!」 ぴょんぴょんとその巣の中に跳ねていく。すると、 「ゆ、ゆおおおおおッ!!?」 巨大ゆっくり達の越冬用の食糧と巨大ゆっくり自身の残骸が残っていた。 寒い冬の自然が冷凍庫の役目をして餌をそのままの状態にしていた。 それは独り立ちしたまりさにはとんでもないご馳走だった。 「ゆゆう、きめたよ! ここをまりさのおうちにするよ!!」 入って一分もしないでまりさはここをお家にする事に決めた。 まだ先に住み始めたゆっくりがいなかった為、難無くこの住み処はまりさのお家 に(まりさの頭の中で)決まったのだった。 「それじゃゆっくりはらごしらえするよ!!」 まりさはそう言って巨大ゆっくりの残骸を食べ始めた。 「む~しゃむ~しゃ、しあわしぇ~!!!」 このまりさがいつ頃までこのお家の主としていられるかはわからない。 だがどんなに頑張っても今年の冬を越える事は出来ない事だけは確実だった…。 それを知らずまりさは束の間の幸福を満喫していた…。 「ここはまりさのおうちだよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 そしてまた何処かで熾烈なお家争奪戦が始まったのだった…。 END おまけという名の蛇足 最初のまりさとゆっくりしてたれいむ達のその後。 「ゆっゆっゆ~♪」 れいむはごきげんだった。 友達のまりさとみょんと存分にゆっくりしていたからだ。 思う限りのゆっくりを満喫して家路に着いていた。 れいむは他のゆっくりが作ることの出来ない素晴らしいお家を見つけ、そこに住んでいた。 それが一体どんなお家なのか言うまでも無いだろう。 「ゆっくりかえったよ!!」 「ゆっくりおかえり!」 お家に帰るとそこには姉妹のゆっくりありすがいた。 勿論れいぱーではない。 れいむは広いお家にありすと一緒に住んでいたのだ。 とても丈夫なお家はまるで人間さんのお家のようだ。 「おねえちゃん、おなかすいたよ!」 「ゆ、そうだねごはんにしようね!」 「きょうはありすがごはんさんをあつめたんだよ!!」 「とってもおいしそうだね! すごいよありす!!」 「ありすはとかいはだもの!とうぜんよ!」 両親と他の家族がれみりゃに襲われて死んでしまってから二匹で暮らしてきた。 いつもはれいむがまりさと一緒にご飯を集めるのだが今日はありすがご飯を集め ていつもの感謝としてれいむにゆっくりしてもらったのだ。 「ゆっくりたべるよ!」 「いただきます!!」 とても美味しそうに食べている。 何時死ぬかわからないゆん生。 一瞬一瞬を後悔の無いように楽しむのだ。 そう例え数秒後に死ぬとしても…。 「ゆ…ゆげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」 「う゛げえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!?」 いきなり餡子とカスタードを吐き出すれいむとありす。 ありすの集めた草花に毒があったのだ。 れいむはいつもまりさと共に狩りをしていたからまりさのおかげで毒のある植物を とらずに済んだのだがありすはそうではなかった。 れいむもまりさに頼り切りで毒のある植物に対しての知識を溜め込まなかった。 本来ならその知識を教えてくれる親はれみりゃに食われてしまい、教える事が出来なかった。 ありす基準で集めたご飯はきらびやかな毒のある植物のオンパレードだった。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛…」 比較的体積の少ないありすが先に皮のみになり力尽きる。 「まりざぁ…だず…」 れいむはもう巣を占拠していたれいむ達に食われたまりさに助けを求めながら力 尽きたのだった…。 そして翌日、 「まりさたちおそいみょん…」 約束の狩りへいく集合の時間からしばらく経つのに集合場所にはみょん以外誰も いない。 当たり前だ。二匹共既に死んでいるのだから。 「しかたないみょん、おうちまでむかえにいくみょん」 みょんはそう言って近くのれいむのお家まで行く事にした。 「ゆううう!?れいむううう!?」 れいむがいる暗い洞穴にたどり着いたみょんが見たのは皮のみとなったれいむと ありすに散らばった餡子やカスタードだった。 「しっかりすりみょん!げんきだすみょん!」 既に完全に死んでいるれいむに駆け寄るみょん。 それがいけなかった。 「ゆ?」 暗い洞穴から何かゆっくり出来ないものが現れた。 れいむの死体に気を取られていたみょんはそれに対して反応が遅れてしまった。 「ゆう゛う゛う゛う゛ッ!!?」 みょんがそれに反応した時には遅かった。 それは蟻。 れいむの遺骸から放たれた甘いニオイに誘われた蟻達だった。 れいむの吐いた餡子を巣に回収しようとしていたその時に現れたみょんは新たな 餌でしかなかった。 「みょ…たすげ…まり…」 瞬く間に黒い塊に変化していくみょん。 もはや逃げることも出来ずゆっくりと蟻に食い殺されるしかなかった。 こうして、仲の良かった三匹は一日で仲良く死んでいったのだった。 巣を守れてもこうやって勝手に自滅していくゆっくりも多い。 「ここはゆっくりできそうだね!ちぇんにはわかるよー!!」 「そうだね!れいむとちぇんのあいのすにぴったりだね!!」 しかしいなくなってもすぐ別のゆっくりが住み着くので何の問題もない。 ただ…、 「ゆ!?ありさんこっちにこないでね!!」 「いだいよおおおおおお!!? わがらないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!?」 すぐにまたいなくなる事も多かったが…。 先程のれいむ達を餌にする事によって蟻が味を占めたようだ…。 その結果この洞穴からは毎日のようにゆっくりの悲鳴が響く事となったのだった …。 おまけ2 春に独り立ちしたまりさの両親 「やったねれいむ…」 「そうだねまりさ…」 二匹は寄り添ってほしい跳ねていくまりさを見届ける。 苦労して育てたまりさが今巣立っていった。 自分達がやり遂げた事を感動していたのだ。 思い起こせば生まれた他のまりさの姉妹はれみりゃに食われ、帽子で川を渡る練 習をしている最中にミスして溺れ死んだりし、帽子をなくしたせいでゆっくりで きなくさせたり、冬籠もりの最中にご飯が足りなくなったので食ったりして今や 一匹しか残らなかったのだ。 まぁつまりこいつ等は親としては無能だったという事だ。 「れいむ、またあかちゃんゆっくりつくろうね!!」 「ゆ、そうだね! こんどはちゃんとそだてようね!」 しかし反省の色は全く無く、何の準備も無く同じ愚を犯している。 所詮はゆっくりである。 「「すっきり~!!」」 二匹のすっきりの声がしたのはまりさが出て行ってから僅か数時間後の事だった 。 「じゃあゆっくりいってくるよ!」 「ゆっくりいってきてねまりさ!」 「「「「いってらっしゃいおちょうしゃんッ!!」」」」 数日が経過し、すっきりによって生まれた赤ゆっくりれいむ種とまりさ種半々の 四匹もそれなりに成長していた。 まりさが狩りをして、れいむが子供の世話をする典型的なゆっくりの生活の姿だ った。 「それじゃおちびちゃん、きょうもゆっくりしようね!」 「ゆっきゅりちゅるよ!!」 親れいむの言葉に笑顔で答える子れいむ。 かつて先に生まれた姉妹が親であるれいむに食われた事も知らず幸せそうに暮ら していた。 今は春真っ盛り、これから暑い夏に向けてゆっくりご飯を沢山食べて大きくなろ うとしているのだろう。 だが考えて欲しい。 春になって食べ盛りなのは何もゆっくりだけではないのだ。 「ゆぴぃいッ!!?」 親れいむが巣に戻ろうと子供達に背を向けた瞬間、子ゆっくりの悲鳴が聞こえた 。 「ゆう!?どうしたのおちびちゃん!!?」 するとそこには、 「たじゅげべぇッ!!?」 振り向くとそこには可愛い我が子であるれいむが目の前にいる動物、野犬に食わ れていく姿があった。 もはや子供は二匹食われてしまった。 その動物の正体を親れいむが知る由も無かったが危険だというのだけはわかった 。 だがそれでも遅かった。 というかここまで接近を許してしまった時点でもうどうしようもない。 「おちびちゃんたち、おうちのなかにかくれてね! ぷくうぅ~!!」 それに気付かずれいむは勝てる訳も無いのに口を膨らませて威嚇する。 だが、 「ゆ!?ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 迷い無く野犬は親れいむに噛み付く。 喉元を狙うのが定石だが喉なんてゆっくりには無いので身体を挟み込むように噛 み付く。 流石に成体サイズだと一口では噛みちぎれず何度も噛み直すことになる。 「ゆぎぃ!?ぺぴぃ!? ごび!?」 噛む力を弱めて噛まれ、弱めて噛まれを繰り返す。 それは中身が固形物に近い餡子であるれいむには痛みだけ続くなかなか死ねない 拷問だった。 だがそれも終わりは来る。 「も…と…ぴぃいいッ!!!」 最後に大きく一声鳴くとブチブチ、とれいむの身体がちぎれて地面に散乱した。 野犬はれいむの残骸もしっかりと食いきり、向くのは生き残った子ゆっくりがい る穴。 犬の鼻がそこにまだ獲物がいると告げているのだ。 成体ゆっくり一匹と赤ゆっくり二匹は結構な量だが犬は元来食い物を拒否すると いう事をしない。 満腹感はあるが人間よりも鈍く、食いだめの性質がある。 食える時に食っておく。 そんな野犬が目の前の獲物をわざわざ逃がす訳が無かった。 「おきゃあしゃんのぶんみゃでゆっくちしようね…」 「ゆうぅ…」 穴の外から話す声でそこにいるのは犬じゃなくてもわかるが当のゆっくりにはわ かりはしなかった…。 穴は犬の頭くらいなら簡単に入るサイズだったので簡単に侵入出来た。 「ゆうぅ!?どうしておうちにはいってくるのおおおおおおッ!!?」 「きょないでね!!まりしゃおいちきゅにゃいよ!! たべるりゃられいみゅおねちゃんにしぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」 赤ゆっくりの悲鳴が断末魔に変わるまでそう大した時間はかからなかった…。 一方狩りに行ったまりさは…、 「これできょうはゆっくりできるよ!」 ぴょんぴょんと跳ねながらお家へと跳ねていく。 頭の上にある帽子は餌でいっぱいだ。 お家に帰って家族でゆっくりするのを楽しみにしながら跳ねているのだろう。 家族は野犬に身を捧げて野犬をゆっくりさせて野犬のお腹の中で一つになった事 も知らずに…。 「ゆっくりただいま!!」 暗くなっていた為かつてれいむだった残り滓に気付きもしないでお家である洞穴 に戻ってきた。 だがいつもなら「ゆっくりおかえりまりさ!」というれいむの声が聞こえるはず なのに何も返って来ない。 「みんな?ゆっくりす~やす~やしちゃったの?」 まりさはもう誰もいない、一人きりの洞穴の中で薄ら寒い予感を否定するように 明るく喋っていた。 「ゆゆ!わかったよ!かくれんぼさんだね! おと~さんがおにさんだね!! みんないじわるなんだから…ふふふ」 一人気付いて一人納得して一人いもしない家族を探し始める親まりさ。 すると敷き詰められた葉っぱの奥に赤いリボンを見つけたのだ。 れいむ種の持つリボンだ。 「ゆっゆ~そんなところにいたんだね。 でももうみつけちゃったよ!!」 そう言ってまりさはリボンを加えて引っ張りあげる。 たしかにそれはれいむのリボンだった。 ただ一つまりさの予想と違ったのはリボンから下の頭の部分と、左目の辺りの一部のみの 残骸であったという事だ。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」 それは可愛い我が子の成れの果て…完全な死体だった。 思わず赤れいむの成れの果てを投げ捨ててしまうまりさ。 捨てられたれいむの残った左目とまりさは目が合う。 赤れいむのおめめは無機質にまりさへ向けられていた。まるで助けなかったまりさを責め、 呪っているようでもあった。 これは完全なまりさの被害妄想だがまりさは突然の事に訳も分からずパニックに なり、混乱していた。 その結果目の前の残骸がまるで自分を今も殺そうとしている被害妄想まで生み出 してしまった。 「こっちみないでね! まりさをみないでね!!」 恐怖でガタガタと震えるまりさ。 かつて我が子を食べた時は先に潰してぐちゃぐちゃにしたから食べたからあまあ まとしか考えてなかった。 しかし、今の赤れいむは中途半端に形を残してしまっていた。 だからまりさも我が子だと理解してしまったのだ。 「みるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!? 」 赤れいむの残骸に恐怖し、我を忘れ、赤れいむの残骸に背を向けて巣から飛び出 すまりさ。 辺りはすっかり暗くなっていた。 今外に出るのは危険であるがそんなのまりさにわかりはしなかった。 「みんな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ででぎでよ゛ぼお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ ッ!!!?」 夜の森の中をぴょんぴょん跳ねていくまりさ。 「まりざにいじわるじないででてぎでよおおおッ!!! おとうざんおごるよ゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ!!!」 もはや何処へ向かっているのかまりさ自身わからない。 しかしぎゃーぎゃー騒いで跳びはねていくまりさは捕食種の恰好の餌食だった。 「ぎゃお~、たべちゃうぞ~♪」 「ゆ?ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛どうじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!! !?」 それにまりさが気付いた時にはもう手遅れだった。 野生の胴有りれみりゃに身体を掴まれてしまった。 「いただきますだど~♪」 「ずわないでぇえ゛!! ばりざのあんごをずわ゛ないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!!!?」 泣き叫ぶまりさを無視してれみりゃはまりさの中身の餡子を吸い尽くす。 「ゆ…べぇ…」 結局まりさは家族に何が起こったかわからないまま、訳も分からずれみりゃに食 べられたのだった。 「う~、おなかいっぱいだど~♪」 成体サイズのゆっくりは流石に結構な量だったらしくれみりゃは満足したようだ 。 れみりゃいわく“かりしゅま☆だんす”を踊り始める。 そして、 「う~?だれなんだど~?」 目の前に現れた動物に気付いた。 「う~、いまれみりゃはかりすま☆だんすをおどってるんだど~! あっちいくんだど~!!」 れみりゃはそう言って両手を上げて威嚇する。こんな暗い夜の森じゃ意味がない のにも気付かない。 目の前に現れた動物は皮肉にもれみりゃが食ったまりさの家族を食べた野犬だっ た。 住み処で眠っていた所をれみりゃのだんすで出た肉汁のニオイに気付きやって来 たのだ。 グルル、と唸り野犬は飛び掛かるタイミングを計る。 そうとも知らずれみりゃは野犬が自分の“かり☆しゅま”に恐れを抱いたと勘違 いし、調子に乗る。 「う~れみりゃのかり☆しゅまにおそれをなしたんだど~♪ けどいまさらおそいんだど~☆ さくやにやっつけてもらうからかくごするんだど~♪」 そう言いながら不用意に近付いていく。 れみりゃの頭の中だけに存在する従者“さくや”の存在が守ってくれると信じ切 っていた。 そんな隙だらけのれみりゃに野犬は、 「う~ば~かば~ぎゃぐべぇッ!!?」 首とおもわしき部分に噛み付いた。 と言っても首だけでなく胴体も噛み付いていたが。 「げひゅ!?…ど…ひへぇ…」 いきなりの痛みに訳がわからないれみりゃ。 身体がビクンビクン痙攣している。 「う?…うぁぁ…」 逃げようと痙攣する身体を動かそうとするが野犬の牙は深く食い込みれみりゃを 逃さない。 「たひゅ…げ…」 涙を濁流のように流してれみりゃは助けを求めるが誰も助けはしない。 野犬は辺りを確認するとれみりゃをくわえたまま寝床へと戻り始めた。 危険な森のど真ん中ではなく安全な寝床でゆっくりと食事を楽しむつもりだろう 。 再生力の高いれみりゃはなかなか死ぬ事も出来ず、生きたまま野犬に貪り食われ るだろう…。 結局、おうちがあろうとなかろうと、通常種か捕食種どちらであろうと、ゆっく りがゆっくり出来る可能性等殆ど無いという事だけは確かだった…。 本当にEND。 あとがき おまけというか蛇足が変な方向に行ってしまった…。 過去に書いたもの 梟 前・後 ありすを躾けよう 前・後 選択肢 投票 しあわせー! (21) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (1) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3545.html
巨大ゆっくりの饗宴(中編)の続き 「・・・んぉ!?」 目を覚ました私の視界に広がっていたのはいつもと変わらない天井に壁に家具一式。 右を見ても左を見ても木の一本も見当たらなかった。 寝具もきっちりと布団を使っており、藁でもばければ枯葉でもない。 「・・・・・・私んち、だよなぁ・・・?」 何処をどう見ても紛れもなく饅頭の香りのこびり付いた住み慣れた我が家だ。 巨大なゆっくりが眠っているということも、超絶美人の人外社長がでっかい瓢箪を担いでいるということもない。 もちろん、触手を生やしたきもいありすの姿も、ライガーもホッキョクグマも真っ青のきめら丸姿もない。 薄暗い部屋の中で耳を澄ませば、我が家のゆっくりども寝息が聞こえてくる。 「・・・夢オチか」 それにしてもアホ丸出しのこっ恥ずかしい夢だった。 何だよ、ドスお姉さんって。ジャンプ系バトル漫画の見過ぎだ。 馬鹿馬鹿しい、寝直そう。 「・・・んあ?」 ぽよん。 横になった瞬間、そんな擬音がよく似合う柔らかいものが後頭部に当たるのを感じた。 れいむでも下敷きにしたかと思い、頭の下のものを引っ掴んで見ると・・・ 「ゆゆっ!おかーさん、ゆっかりんとゆっくりしていってね!」 「・・・誰がお母さんか」 いや、まず突っ込むべきところはそこじゃない。 我が家のゆっくりはれいむ、まりさ、すいかの三種だけのはず。 ゆっかりんなんて拾った覚えないぞ? 「・・・・・・・・・もしかして」 まさか、と思いつつもおもむろに標準的なゆっくりのサイズのゆっかりんの頬に頬擦りをしてみる。 ゆっかりんの頬、暖かいナリ。悔しい、悔しいが認める。こいつ気持ち良い。 すりすり・・・すりすり・・・ ぷにぷに・・・ぷにぷに・・・ 「お前・・・でかゆっかりん?」 「いまはちいさくてかわいいゆっかりんよ!」 「そうか、お休み」 きっとこれも夢だ。 そう結論付けた私はゆっかりんを放り投げて、再び布団の中にもぐりこんだ。 翌朝、やっぱりゆっかりんはそこにいて、夜中には気付かなかったが彼女の後頭部には変な張り紙があった。 『ゆっかりんを連れて本社社長室まで来なければ・・・・・・』 世の中には回避不可能なイベントというものが存在することを実感した。 差し出し人はもはや言うまでもないだろう。 そんな訳で大学の講義をすっぽかして本社へと赴いた私とゆっかりんは社長室に案内された。 素材は分からないが見るからに高級そうな扉を開け、中に入った私たちを出迎えたのは社長と3匹のゆっくり。 それと妙な目を胸に取り付けた、紫色の髪をちょっと野暮ったい感じに短く刈った可愛らしい女の子だった。 「れみりゃザウルスに、角の生えたきめら丸に、なんか触手が2本生えた気色悪いありすに、それに・・・」 「小五ロリではありません」 「・・・地球の男に飽きた社長のツバメ?」 我ながら半端に古い上に分かりづらいネタを振ったものだ。 それも違います、という少女の突っ込みを聞き流しつつ私は3匹の様子をじっと伺う。 「ゆゆっ!ありすきしょくわるくなんかないわ!」 「ぎゃお~!たべちゃうぞ~!」 「おお、ゆっくりゆっくり!」 見たところ、角や触手、着ぐるみを除いては何の変哲もない普通のゆっくりだ。 特徴と呼べるようなものを強いて挙げるならば、過去にどこかで見たことがあるくらいだろう。 というか、間違いなく夢だと思っていたあの時に遭遇したゆっくりだった。 「お前ら、ちょっと見ない間に縮んだか?」 そう尋ねながらありすの触手をちょうちょ結びにして、きめら丸の角に引っ掛けてやった。 「おお、不快不快」だの、「いながものおおお!」などと喚いているが相手にする必要はないだろう。 紫髪の少女が「読めなかった。無意識に・・・」とか何とかわけの分からないことを呟いている。 「ところでどうしてゆっかりんが縮んだ上に我が家に?」 「あなたの戦いを観戦していたら治療が間に合わない程衰弱しちゃったのよ」 「で、仕方ないから小型化して助けたと?」 「そういうことよ。貴女の家に・・・「言わなくても分かるんでケッコウデス」 どうせ面白そうだからとかそんなところだろう。 「んで、社長室なんかに呼び出して何の用です?」 「実は貴女に伝えておかなくちゃならないことがあるのよ」 「私に?」 「まずはこれを見て欲しいのだけれど・・・お願いできるかしら?」 何故か社長によく懐いているれみりゃザウルスの頬を引っ張りながら、彼女は少女に話しかけた。 「想起『テリブルスーヴニール』」 「・・・んお?」 少女の言葉と同時に、社長室が全く異なるつくりの研究室風の真っ白な部屋とへ姿を変えた。 社長曰く「彼女の能力でこの子達のトラウマを映像化してもらっているのよ」とのこと。 この子達、というのはもちろん例の3匹のゆっくりのことだ。 「ゆぅぅ・・・こわいぃぃ・・・」 「おお、心的外傷心的外傷」 「ぎゃおーーーーーー!!」 その証拠に真っ白な部屋を見た3匹は酷く怯えていた。 「「「「ぬふぅ!」」」」 「「「「ずっぎぢー!?」」」」 研究室風の部屋では男が一列に並んで無数のゆっくりをレイプしている。 ゆっくりの種族は様々で、胴体付きのものもいれば、うーぱっくと呼ばれる変わったゆっくりの姿もある。 そんな有象無象のゆっくりを数人の男が入れ替わり立ち代りすっきりさせていた。 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」」 「そうか。次の組に交代しろ!ゆっくりどもはケージに戻しておけ!」 「「「「了解しました!」」」」 現場監督と思しき中年男の号令に従って、男達はゆっくりを連れて部屋の外へと出て行った。 しかし、彼らと入れ替わるようにしてまた数名の男たちがゆっくりを連れて部屋へと入ってくる。 「撃ち掛け、用意!」 「「「「撃ち掛け、用意!」」」」 「「「「やめてね!ゆっくりさせてね!?」」」」 「はじめ!」 「「「「ぬふぅ!」」」」 そうして再開されるゆっくりレイプ。 その中には後のありすもいるらしく、彼女の悲鳴が聞こえてきた。 「ゆびぃ!やべで、やべでえええええ!ありぢゅ、まぢゃしゅっぎぢぢだぐないよおおおお!?」 「やめてね!ゆっくりできないよ!」 「ゆひぃ!いぢゃい!いぢゃいいいいいいい!?」 ゆっくり達は双眸からぽろぽろと涙を零しながら、その行為の中断を懇願する。 が、誰ひとりとしてやめる気配を見せず、ズンズンッとゆっくりのまむまむにモノをねじ込み続ける。 正直、胴体付き相手にそれをやっている光景は引く。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」」 「そうか。次の組に交代しろ!ゆっくりどもはケージに戻しておけ!」 「「「「了解しました!」」」」 先ほどと同じやり取りの後、またしてもゆっくりを抱えた男達が室内に入ってきた。 そしてまた同じような光景が繰り広げられる。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」 「こちらのれいむがにんっしんっしたと言っております!」 「そいつは真偽の確認の後にんっしんっしたゆっくり用の部屋に移送!ほかはいつも通りだ!」 「「「「了解しました!」」」」 そう言って男達が出て行くとまた別の男達が入ってきて同じ事を繰り返す。 なんとも混沌とした光景である。開いた口がふさがらない。 「「「「ずっぎぢー!」」」」 「にんっしんっしたものはおらんか!?」 「「「にんっしんっの兆候は見られません!」」」 「こちらのまりさがにんっしんっしたと言っております!」 「そいつは真偽の確認の後にんっしんっしたゆっくり用の部屋に移送!ほかはいつも通りだ!」 「「「「了解しました!」」」」 そう言って男達が出て行ったところで、映像に変化が表れ、にんっしんっしたまりさを追いかけてゆく。 にんっしんっ個体用と書かれたプレートのついた扉を開かれたその先には一辺70cm程度の箱が所狭しと並んでいた。 その中にはいずれも何らかの形のにんっしんっをしたゆっくりが壁際にがっちりと拘束された状態で収められている。 その体には流動食を流し込むためのチューブが取り付けられており、飢えることも渇きを覚えることもないらしい。 「どうだ。前の部屋よりずっと広いだろ?しかも、マジックミラー&防音ガラス仕様だからプライバシーはしっかり守られているぞ!」 「ゆ゛っ!?まえのおへやのほうがいいよおおおお!ぜばぐでもびんなどおはなぢがでぎだもん!?」 「にんっしんっした己の不運を呪うんだな!」 「うぞでず!ばでぃざほんどうはにんっぢんっぢでまぜんんんんん!?」 「じゃ、死ね」 男の冷酷な宣告の直後、まりさは真っ白な床に叩きつけられ、底部からの圧力で餡子を吐いてしまった。 「ゆげぇ・・・おぉ゛・・・」 「はい、さようなら」 嘔吐の苦しみから解放される間もなく踏みつけられ、更に餡子を吐き続ける。 そして、数十秒後。生命を維持するのに必要な量以上の餡子を吐き出したまりさは永遠のゆっくりへと旅立っていった。 「ったく・・・ちゃんと始末しとけよ?」 まりさを潰した男が来る以前から部屋にいた眼鏡をかけた神経質そうな男が、あるれいむが産んだ赤ゆっくり達を調べながら毒づく。 数秒後、この赤ゆっくり達も「ハズレか」という言葉と共に、床にたたきつけられ、3分にも満たないゆん生を終えた。 「なかなか産まれないな・・・」 「仕方ないさ。裏の情報網でもゆっくり人間の存在はせいぜい数体しか確認されていないんだからな」 「しかも、その情報も真偽は極めて怪しい、と?」 どうやら、この男達はゆっくり人間の製造に関する研究を行っているらしい。 そんなものを造って何がしたいのかは、きっと頭が痛くなるような理由だろうから特に知りたくもないが。 そんな馬鹿げたやり取りの後で急に場面が切り替わった。 今度はれみりゃザウルスの視点だろうか。 「ぎゃお゛~!もうだべられないどぉーっ!?」 「嫌なら食うな。その代わり死ぬだけだ」 「う゛う゛うう゛う゛うう゛ー!?」 無理矢理口を押し広げられ、その中に大量の餡子をねじ込まれる。 1回の量が私の握りこぶしくらいはあるような餡子の塊を何度も何度も。 しかし、男の手にしたバケツにはまだ10個ほどその塊が残っている。 「ほら、急いで食え!」 「う゛ー!ぎゃおー!?」 抗議しても、抵抗しても結局全て徒労に終ってしまう。 人間とゆっくりの力の差に物を言わせて強引に餡子の塊を食べさせられる。 そんな拷問を10回ほど受けたところで、ようやくバケツが空になった。 「う゛ーーーっ・・・ごんなの、えれがんどじゃないんだどぉ~・・・」 「ようやく食い終わったか。じゃあ次は運動だ」 男はれみりゃザウルスに首輪をつけると、運動用の部屋へと彼女を連れて行った。 数々の虐待用ツールの並べられたその部屋はゆっくりにとっては相当広く、運動部屋に相応しいものだった。 「さあ、走れ!」 「う゛~っ!ぐるぢぃーーー!?」 最初は拒絶していたが男に鞭で打たれ、その痛みと恐怖から逃げるようにして運動を始めた。 満腹以上の餡子を詰め込まれた体は非常に重く、下手をすれば中身を吐き出しそうになる。 が、その都度男が口を押さえつけて吐かせないようにするので叶わない。 それどころか、吐しゃ物のせいで呼吸が出来なくなってしまい余計に苦しそうだった。 「さあ、走れ!もっと走れ!」 「う゛あーーーーーーーー!?」 「でないと・・・あっちに放り込まれるぞ!」 男が指差した先には小さな窓がついていて、そこから隣の部屋の様子が伺える。 決して広くない隣室にいるのは7匹の胴体付きゆっくりれみりゃ。 1匹は1m弱の立派な成体だが、他は50cm前後の子どもだ。 れみりゃ種は基本的に陽気で、これだけの仲間が揃えば普段ならば仲良く踊っているものである。 しかし、そこにいたれみりゃ達はゆっくり特有の鬱陶しい笑みを浮かべる余裕すらなく、目を真っ赤にして泣きじゃくっていた。 「う゛ーーーー!れみりゃはぢにだぐないんだどー!おねーさまだぢがぢぬんだどー!?」 「えれがんどなおぜうざまはでびりゃだげでいいんだどーっ!!」 「でびりゃのあがぢゃん!もうげんがはやべるんだどー!!?」 スピーカー越しに聞こえてくるその音声はこれから起こる惨劇を十二分に予期させた。 そして、予期どおりの光景が目の前で繰り広げられる。 「う゛ーーーー!いだいどおおおお!?」 「えびりゃのあん゛よ゛がーっ!」 「う゛ーーーー!う゛ーーーーっ!?」 それはまさに蠱毒そのもの。 姉が妹を突き飛ばし、母が我が子を制止するために圧し掛かってぽかぽかと殴る。 たいした膂力もないれみりゃの闘争ゆえ、一見するとふざけているようにしか見えないが、徐々にそれゆえに凄惨さを帯び始める。 不可抗力で目を突き破られたあるれみりゃが床に伏して絶叫したのが、そのきっかけだった。 「うぎゃあああああああああああああああああああ!?」 「うぅ?・・・わかったどぉ!おべべをねらえばいいんだどぉ~!」 決定打を与えられない状況に業を煮やしていたれみりゃ達は、偶然によってもたらされた必殺の攻撃に頼り始めた。 姉の、妹の、母の、娘の2つしかない、流石に再生しようのないそこを狙って7匹がぶつかり合う。 抱き合ったまま転がり、相手の上に馬乗りになることに成功したものが相手の目を抉り出すが、その隙に横から目を穿られる。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 「ぎゃお゛ーーーーーー!?びえない゛いい゛い゛い!ぐらいどーーーっ!?」 「うー・・・・・・」 「ままぁ~・・・れみりゃ・・・」 数分後、そこには両目を失ったれみりゃ5匹と、片目を失ったれみりゃ2匹ののた打ち回る姿があった。 既に息絶えたものや痛みでうずくまるものにぶつかりながらも狭い部屋の中を徘徊する両目を失った母れみりゃ。 そんな地獄のような光景を見てなおも闘志を失わなかった、片目だけは何とか守り抜いた2匹は未だに争い続けている。 「う゛ーーーー!ぢね!ゆっぐりぢね!」 「えでがんどなでびりゃはぢなないんだどー!れびりゃがぢぬんだどーっ!?」 まるでゆっくりふらんのように死ねを連呼しながら揉み合う2匹。 殴り、噛みつき、踏みつけ、突き飛ばし、圧し掛かり・・・お互い、目に攻撃を当てられないながらも確実にダメージを蓄積させてゆく。 決着がついた頃には片目こそ相変わらず勝利を収めたれみりゃもまた右腕と翼を失い、全身に出来た傷から肉汁を垂れ流していた。 その後、修羅と化した(というには幾分緊張感を欠く容姿だが)幼いれみりゃは全盲の母が躓いて転んだ隙をうかがって襲い掛かった。 「う゛ーーーー!やべるんだどー!?おがーざまになにずるんだどーっ!?」 「うー!ぢね!しね!?」 「やべるんだどーっ!うーーーーーーー!?」 「ぢね!ぢね!ぢね!ぢね!?」 「うっう~・・・うー・・・」 ようやく、家族同士の殺し合いに決着がついた。 もちろん、その間もずっとれみりゃザウルスは走りっぱなしだったのは言うまでもないことだろう。 「よし、とりあえずドス食わせてみるか?」 「ほら、食え食え」 「やめてください、おおすぎます」 今度は元きめら丸視点。 彼女の隣には3m程度の大きさのドスまりさと思しき何かが逆さ向きに転がっていた。 口を塞がれた巨大饅頭は半分以上焼け焦げた底部をうねうね動かしている。 「ー!・・・・・・っ!?」 一切の移動もドスパークも封じられたドスまりさは何とか動かせる部位だけを動かして起き上がろうともがいている。 しかし、彼女の巨体はその程度では微動だにせず、そうこうしている間にも男が彼女の皮を剥ぎ取ってゆく。 更に皮を失った部分の餡子を穿り出すと、それを角の生えた・・・というよりも角を刺されたきめぇ丸にねじ込む。 「やめてください、もどしてしまいます・・・エレエレエレ」 「しかし戻したものを更に戻す!」 意味も無く叫んだ男は右手できめぇ丸を押さえ込むと左手で彼女の吐いたものを掬い、乱暴にそれを飲ませる。 流石のきめぇ丸もこれには死に物狂いで抵抗するがやはり人間には敵わず、ゆっくりにとっては酷い匂いを漂わせるそれを飲まされた。 「お、おお・・・くさいくさい・・・」 そう言いながらもニヒルな笑みは絶やさないきめぇ丸だったが、きめぇ丸特有のシェイクには普段の切れが全くなかった。 それからも色んなものを見せられた。 子どもの成長速度を強化され、ひたすら子どもを産まされ続けるれいむ。 レイパー因子を外部から投与されて後天的にレイパー化させられたありす。 この両者の交わりは1週間に140匹という驚異的な多産を可能にした。 それと同時に己の蛮行に苦しむありすと、毎日今生の別れを繰り返すれいむの心を凄まじい勢いで蝕んでいった。 「でいぶうううう!ぎょうもずっぎぢごべんなざいいいいいいいいいい!?」 「いyAあああああああああああAaaaa!?ZuggiりぢだぐNaいいいいい!?」 「「ずっぎりー!」」 「「「「「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」」」」」 「ゆ、ゆっくりSiていってNE!」 「だがお別れなんだな!」 「れいぶNoあがぢゃんGaああああああああああ!?」 「あぢずのどがいはなあがぢゃんんんんんんんん!?」 あるまりさ達は若手のドスまりさの用いるキノコを食べて、ドスパークの練習を強要されていた。 しかし、そのキノコを食べたからと言って簡単に撃てるような代物ではない。 「ゆ゛ヴぁ!?」 「ゆびぃ!?」 パンッ!という軽快な音が室内に響くと同時に黒いものが四散する。 言うまでも無く、ドスパークに失敗したまりさが爆ぜたのだ。 それを見たまりさ達は訳も分からずに怯え、泣きじゃくる以上のことなど何も出来ない。 運良く原因がキノコにあることに気付いて吐き出したとしても、お仕置きと称して人間に潰されてしまう。 知能強化と称して中身を増量させられたぱちゅりーの皮が破れ、そこから中身が漏れ出して死んだ。 人語を話せるように改造されたみょんとめーりんはオリジナリティがないという理由で潰された。 あるちぇんは何となく潰された。 「「「「「「「「「「ごれぢゃゆっぐぢでぎないよ!」」」」」」」」」」 そこはまさにゆっくりにとっての地獄だった。 「で、これがどうしたんです?」 それが映像を見終えた私の率直な感想だった。 確かに私はゆっくりを飼っていて、多分それなりに可愛がっている。 しかし、その一方でお菓子として食べることもある。 それゆえ、ゆっくりがいたぶられる光景に可哀相だとは思うが憤ることは決してない。もちろん、喜びもしないが。 「実は彼らはゆっくりで世界征服をたくらむ悪の秘密結社なのよ」 「・・・なんかコロコロの悪の組織みたい」 本当にあいつらは何がしたいんだろうね? ミニ四駆やベーゴマやヨーヨーで世界を征服しようって言うんだからとても正気とは思えない。 そんな馬鹿丸出しの組織が実在、それもゆっくりを用いてだなんて・・・。 「放っておけば?」 「そうしたい所なんだけれどね・・・」 と、頭をかきながら呟いた社長はおもむろに私を扇で指した。 「問題は貴女のようにドスパークを使えるゆっくり人間が誕生するかも知れないってことなのよ」 「・・・・・・ああ、なるほど」 確かにそりゃ危険だ。 キノコの一本でもあれば、酷い時にはそれすら無しに破壊光線を撃てる人間。 外見によって識別も金属探知すらも無効化し、おおよそ文明のある場所ならどこにでも侵入できる。 ついでに言うと、人間一人の侵入を完璧に阻む都市なんて存在するはずもない。 しかも、社長によると「姿を消す能力を有するドスまりさ」もいるらしい。 そんな能力を持ったゆっくり人間が悪用されてしまえばどうなるか・・・まともな脳みそを持つ人間であれば説明するまでもない。 「って、そうじゃなくて・・・」 「何の意図があって私にこんなものを見せたのか、ですね」 「アンタ、便利ね?」 異能力を身に着けたゆっくり人間が世間に出回るとどうなるかとか、ドスパークを使えることを受け入れている自分はどうなんだろうとか・・・ まとまり無く色んな事を考えていた私の思考の中から最も重要な一点を正確に代弁してくれたのは紫髪の少女。 よく見ると実に可愛らしい子だ。あ、今照れた・・・なんてやってる場合じゃない。 少女から視線を外し、改めてれみりゃザウルスをあやしている社長の顔を見つめた。 「そうそう。それで貴女に注意しておきたかったのよ」 「注意?まあ、何となく予想できるけど・・・」 「“私、狙われるかもしれない?”」 「そこは心より空気を読もうね、お嬢ちゃん・・・」 薄々感付いていても第三者に指摘されると結構へこむ。 しかし、がっくりとうなだれる私に社長は更に追い討ちをかけてくれた。 「あと・・・貴女がドスパークを使える理由なんだけれど」 「いや、別に聞きたくないから」 「却下♪」 「“力の源泉を知らないと暴走する恐れがある”」 「フォローされても聞きたくない・・・」 頭を抱える私の都合なんてお構い無しに、ついに力の正体が明かされた。 「実は・・・貴女の前世がとても有名なドスまりさだったのよ」 ・・・案外普通でほっとした。 ---あとがき--- 次回、第一の刺客リオれいむ! ドスお姉さんと謎の組織の激しい田打開の火蓋が今・・・切って落とされる!! なんて事はきっとありません。どうせ今後も緩々です。 この作品のネタ元は『ゆっくりいじめ系2023 ある少女のお話』のあとがきから 勝手にゆっくり人間を増やすのもアレだろうということで、スピリチュアルな理由付けになりましたが。 社長とか、紫髪の少女とか何かもう色々やりたい放題です。さーせん>< 【登場キャラ紹介という名の作者の独り言】 ドスお姉さん(仮) ノリと勢いで前世が饅頭になり、更に訳の分からない力に目覚めさせられてしまった酔いどれ女子大生。 今後の訓練次第では不可視化も習得できるので遅かれ早かれ極めて危険な人間兵器になる。 ゆっくりに懐かれやすいのも、ゆっくりとの交渉能力が高いのも前世がドスまりさだかららしい。 社長 ミステリアスのパーフェクト美人女社長。多くは語るまい。 紫髪の少女 テレパスっ娘。何故いると訊かれればお答えしよう。作者の趣味、と・・・。 ゆかりモス 名前を思いついたのは書き終えてから。元ネタはグラビモス。 ドスまりさ 後日談にて今後のみの振り方を明かされなかった気の毒なやつ。 テンタありす 元ネタはテンタクルス。正直、これはもうゆっくりじゃないよ・・・。 そう考えるとホ○ミスライムってすげぇなと思ってしまう。 ティガれみりゃ うん、なんだ。ティガれみりゃの人のれみりゃを可愛く書くスキルは異常だと痛感した。 きめら丸 こんな奴虐待できるかチクショウwww byゆっくりボールマン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1274.html
※読後感の良さはあまり無いと思われます。ご注意下さい とある人里に、年若い夫婦がいた。 夫は優しくて力持ちを体現したかのような働き者で、妻もそんな夫を支える理想的な伴侶だった。 そんな二人の間に子供ができた。それはそれは元気な女の子だった。 ある日の事。 夫は村の男衆と共に、最近現れたと噂される巨大ゆっくり対策のための会合に 妻は近所のお婆さんの家に自家製のお漬物をお裾分けしに行っていた。 赤ん坊はすやすやと昼寝をしていたので、少しの間だしお婆さんの家はすぐ近所だからと妻は赤ん坊を家で寝かせておくことにた。 お裾分けをし、少し話し込んでしまったと妻が早足に家に戻った時だった。 家の中から子供の泣き声が聞こえたので、妻は急いで家にあがっていった。 留守にしている間に起きていて、近くに母親が居ないので泣いていたのか、と。ごめんね、すぐ戻るつもりだったんだよ、今すぐお母さんが行きますからね、と。 妻はそこで信じられないものを見た。 それは妻と同じぐらいの背丈を持つ、巨大なゆっくりれいむ。膨れた下顎が嫌悪感をもたらす薄汚れた饅頭だった。 そして、妻の子供の泣き声が、巨大れいむの口の中から聞こえてくる様だった。 「ゆゆっ? おねぇさん、かってにれいむのゆっくりぷれいすにはいってこないでね!」 妻に気付いた巨大れいむが頬を膨らませて威嚇しながら抗議の声をあげた。 そしてその声に重なって聞こえるは赤ん坊の泣き声。少しくぐもってはいるが、それは間違いなく巨大れいむの口の中から響いていた。 「……返して」 「ゆっ?」 「返して!! 私のっ、私とあの人の赤ちゃん! 返して!! その子を返せっ、化け物!!!」 妻は我を忘れて巨大れいむに飛び掛った。 妻の中にあるのは愛しの我が子を化け物から取り返すということだけ。一刻も早く救い出さなければという思い。 しかし、飛び掛る妻に巨大れいむは体当たりを返した。 双方が正面からぶつかりあった時、重い方が勝つのが道理。背丈は同じでも、横幅が人間よりも太く、中に餡子の詰まった巨大れいむの方が当然強い。 妻は巨大れいむの体当たりを真正面から受けて畳の上にひっくり返った。 「ゆっ! なにいってるのおばさん! このこはれいむがたすけてあげたんだよ! とつぜんあらわれてなんなの? かってにれいむのおうちにはいってきてわけわかんないこといわないでね!」 巨大れいむは倒れた妻にそう吐き捨てると、ドシンと妻の上にのしかかった。 妻はあまりの重さに呻き苦しんだ。骨まで響くかのような落下の衝撃に、呼吸もままならなかった。 「すてられたかわいそうなこのこはれいむがそだててあげるんだよ! れいむならこのこをとってもゆっくりさせてあげられるよ! れいむはこそだてのたつじんなんだよ! らんぼうなおばさんはそこでゆっくりしていってね!」 巨大れいむは妻の上で再び跳ねた。その巨体が再び妻の体を押しつぶす。ミシミシと骨が軋む音がした。 巨大れいむはそれで満足したのか、ボスボスと跳ねながらその場を去っていった。 入ってきた時に壊したのか、無惨な状態になっている障子を更に壊し、縁側から外へ出て行った。 妻はそれを追うことが出来なかった。巨大れいむののしかかりにより、意識を保つこともやっとだったのだ。 立ち上がることもできず、意識を失っていく妻の耳には、我が子の泣き声だけがこびりついていた。 「かえ……して……」 涙を流し呟く妻は、そのまま気を失った。 夫が全てを知ったのは、日が暮れてからだった。 家に帰った夫が見たのは、荒らされた室内と倒れた妻だった。赤ん坊はいなかった。 夫は慌てて妻を抱き起こし、医者へと連れて行った。ケガとしては肋骨が折れていたそうだ。 妻を医者の家で寝かせてもらい、夫はすぐさま我が家へと戻った。赤ん坊を探しに行ったのだ。 しかし、家の中のどこを探しても我が子は見つからなかった。 たまに子供を預かってもらっていた近所のお婆さんの家や親友の家にも行ってみたが、子供の行方は知らないという。 やがて夜が更けた頃、一人の男が夫に妻が目を覚ましたことを告げに来た。 急いで夫は妻のもとへ向かった。 妻は泣いていた。ただ涙を流していた。 夫はどうしたことかと、なにがあったのかと問うた。妻は嗚咽をこらえながら、途切れ途切れに語った。 長い時間をかけて夫は全てを聞いた。 巨大れいむの事。連れ去られた我が子の事。妻が襲われた事。 全てを聞いた男は、すぐさま医者の家を飛び出した。 「おい、お前どこへ行く気だ!」 「決まっている! 巨大ゆっくりを殺して子供を取り返しに行くんだ!」 親友の制止の声も振り払い、夫は鍬と棍棒を持ってゆっくりが多く生息するという森へと向かおうとした。 「待て待て! 相手は人間ほどの大きさもある巨大ゆっくりだぞ! 夜も更けているし、一人じゃ危ない!」 「じゃぁどうしろって言うんだ! 子供は諦めろと言うのかっ!!」 「そうは言っていない! …………待ってろ、今皆に呼びかけてくる」 夫の親友はそう言い残すと里の中心へと走って行った。恐らく里中に今回のことを知らせに、そして巨大ゆっくりの駆除と赤ん坊の奪還を呼びかけに行ったのだろう。 妻の話では巨大れいむは赤ん坊を育てると行っていた。ならばすぐには死んでいないだろう。 だが野生のゆっくりが生息する劣悪な環境に小さな赤ん坊が長く耐えられるとは思えない。 夫は待ってろという親友の言葉を無視して、一人森の中へと駆けていった。 「やべでぇぇぇ!! でいぶのあがじゃんをつぶざないでぇぇぇぇ!!!」 「まりざのあがじゃんがぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 夫の目の前には子供を潰されて泣き喚いているゆっくりれいむとまりさの番がいる。 そして夫の足元には潰れた子ゆっくりの跡と思われる潰れた餡子があった。 そして夫の手には一匹の子れいむがいた。 「やめちぇぇぇぇ!! はなちちぇぇぇぇぇぇ!!」 じたじたと夫の手の中で身を捩るが、当然逃れられない。夫は子れいむを持つ手をわずかに強くした。 「さぁ、これが最後の子供だ。もう一度聞くぞ。巨大れいむはどこにいる?」 「ぢらないよ゛ぉぉぉ!!! ぞんなゆっぐりでいぶぢらないよ゛ぉぉぉぉ!!」 「ぞんなごどいいがらばりざのあがぢゃんがえぢでねぇぇぇぇ!!!」 「本当に、知らないのか?」 「ぢらないっでばぁぁぁぁぁ!!!」 「やべでっでいっでるでじょぉぉぉぉぉ!!!!」 ブチュリ 子れいむは夫の手の中で潰れ、餡子が飛び散った。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「まりざのっ、ばりざのあがぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 これ以上有益な情報は得られないと判断し、夫は持っていた棍棒で親れいむと親まりさを叩き潰した。 子ゆっくりを一匹ずつ潰す尋問にも関わらず、一切巨大れいむのことについて言わなかったことから、本当に知らないのだろう。 だが、だからと言って生かす理由は無い。もうこの夫の中ではゆっくりはすべからく駆除すべき対象として映っている。 ここでこのゆっくりを逃し、後々巨大ゆっくりにまで成長したら、また同じ悲劇が起こるかもしれないとそう思ったのだ。 自分の子がさらわれたのに他人の子を殺すのはいいのか、と思うかもしれない。 しかし今夫にはまともな思考は残っていない。頭の中にあるのはただ我が子の事だけだ。 いや、たとえ冷静になって思考を取り戻したとしても、変わらないだろう。 相手は人間ではない饅頭だ。それに、もう夫は自分の子供を救うためならば犠牲は厭わないつもりだった。 自分勝手だと、自己中心的だと言いたければ言えばいい。そんなことは百も承知。 夫はもう、ただ、愛すべき我が子を救うためならば、それが障害となるならば人間だって殺しかねない。 「ちくしょう、あの馬鹿! 待ってろって言ったのに!」 夫の親友は松明を持って森の中を駆けていた。その後を同じように数人の青年が続いていく。 親友の呼びかけに、殆どの里の男衆は集まってくれた。人間の子供を攫った害悪な饅頭を駆除し、赤子を救うために集ったのだ。 夜の森は危険だ。里の者達は数人ごとに班を組み各々分かれて巨大れいむと、それに夫を探していた。 一人では夜の森は危険だし、もし巨大れいむに会ったとしても怪我をし、最悪死ぬ恐れもあるのだ。 「お、おい、これって……」 「あぁ、あいつがやってるんだろう」 親友の後に続いていた男が言った言葉に親友は断じる。 男が言及したのは、森の至るところで見られるゆっくりの死骸だった。 木にこびりついた潰れた饅頭。体の半分以上を失い瀕死で呻いている饅頭。 巣だったろう木の洞の中で潰されていた饅頭の一家。地面に散乱している饅頭の死体。 恐らくここだけではないだろう。 その饅頭の死体を辿ってかけていると、前方からうめき声が聞こえた。 「う~」と聞こえたその声に親友は聞き覚えがあった。それは捕食種であるゆっくりれみりゃのものだった。 「おい、今の!」 「あぁ、あっちだ!」 一向は声のする方角へ向けて駆けて行った。 そしてその先で、れみりゃの首を掴んで木におしつけ、片手の棍棒を上に振りかぶっている夫の姿を見つけた。 れみりゃの四肢は潰れ、原型を留めておらず、顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。対する夫の顔はまさしく修羅の如し。 「最後にもう一度だけ聞く。巨大れいむは何処だ?」 「うわ゛ぁぁぁ!! じらないんだどぅ~!! れみりゃじらないんだ────」 言葉は途中で潰された。夫が持っていた棍棒でれみりゃの頭を潰したのだ。 ボタボタと返り肉が夫の顔にへばりつく。よく見れば夫は全身に餡子を浴びていた。 夫は持っていた手を離した。両手足頭を潰されたれみりゃの死体は、ボトリと地面に落ちた。夫も持っていた棍棒を取り落とした。 一向はその光景にしばらく言葉を失っていたが、親友がいち早く正気に戻ると夫に詰め寄った。 「おい、お前! 一人で行くなって──」 「───だよ」 「え?」 「いないんだよ……、見つからないだよ……、あいつが……」 「…………」 「あいつが通った跡も見つからない! 森のゆっくりは何も知らない! あの子の助けの声も聞こえない! あの子はきっと泣いている! 助けを呼んでいる! 助けてって、お父さん助けてって! なのに、なのに俺は!!」 「落ち着け、落ち着けって!!」 静かにつぶやいてから唐突に暴れだした夫をなんとか親友は押さえつけて押し留めようとした。 しかしあまりにも強い夫の力に振り払われ、がむしゃらに振るっていた拳に顔を殴られた。構わず再び押さえつけようとする。 他の男達もそれでようやく我に帰ったのか夫を押さえつけようとする。 「くそ! ド饅頭め!! 薄汚れたクズ饅頭め!! 返せ!! あの子を返せ!! 殺してやる!! 貴様だけはっ、いや、貴様らだけはっ!!!!」 「だから落ち着け!! 頭を冷やせ! 見つかるものも見つからない! これだけ暗いと探せない! 明日、明日陽が昇ったら里の皆で探すから! まずは落ち着け!!」 「これが落ち着いていられるか!!!」 夫は押さえつける男たちを力任せに振り払い、落ちていた落ちていた棍棒を持って夜の森へ駆けていった。 その後も親友達は男を捜したが、見つからず、あまりにも夜が更けていたので仕方なく一度里に戻った。 そして翌朝。里の男衆が捜索隊を結成し、いざ探しに行かんとしたその時だった。 森の中から、全身餡子まみれで、餡子にまみれた棍棒をひきずりながら夫が帰ってきた。 「いない、いない……」と呟きながら、目は前を見ていなかった。 親友は慌てて夫に駆け寄ったが、夫はその場で倒れた。極度の疲労で体力の限界だったのだ。 その後夫は医者のもとに預け、一向は森へ巨大れいむと赤ん坊を探しに行った。 夫の側には妻がついていた。 しかし、その後一日中探し回ったが、巨大れいむは見つからなかった。 それから一ヶ月、ほぼ毎日捜索隊が結成され、捜索範囲を広げながらも捜索は続いた。 さすがに里の男衆全員とまではいかず、日替わり交代での捜索隊だったが。 そしてその間夫は、一日も休むことなく森や山に入り巨大れいむを探し、毎日餡子まみれになって帰ってきた。 だんだんとその頬はこけていき、体も心も病んでいるように親友には見えた。 「おい、お前大丈夫か?」 「あぁ、大丈夫だ。今にも苦しんでるあの子のことを思えば、これぐらい……」 そう応える夫の目は焦点があっておらず、虚ろだった。 「殺してやるさ。全部。そうさ、全部のゆっくりを根絶やしにしていけば、いずれ会える。 いつか、絶対に見つけ出して殺してやるさ。あぁ、そうさ、全部だ」 そう言う夫の視線は、完全に親友には向いてなかった。誰に言ったのか、己に言ったのか、ゆっくりに向けて言ったのか。 夫は、完全にゆっくりに心囚われていた。 二人揃って里への帰り道を歩いていると、目前にゆっくりまりさが現れた。 それは夫の腰のあたりまでの大きさを誇るやや巨大なゆっくりだった。 「ゆゆっ!? 人間っ!?」 こちらに気付いたゆっくりまりさは逃げようとした。恐らく、近隣のゆっくり達が殺されまわっていることを知っているのだろう。 住処を移動させる途中だったのかもしれない。 親友は巨大れいむのことについて訊こうとした。だが、親友が反応するより早く夫が先に動いていた。 一瞬で逃げるまりさに追いついた夫は、棍棒を振るい、まりさを横合いから殴りつけた。 「ゆぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 痛みに転げまわるまりさ。夫はそのまりさの動きを、棍棒で底部を貫くことで止めた。 「巨大れいむは何処だ? 言え」 「ゆ゛っ゛!? なんの゛ごどぉぉぉぉ!?」 「とぼけるな。人間程の大きさの巨大なゆっくりれいむだ」 「まりざ、じらないよ!! ぞんなれいむ゛みだごどもぎいだごどもない゛よぉぉぉ!?」 「本当か? 言わないとお前のためにならないぞ」 「だがらじらないっで────」 潰された。夫は棍棒を引き抜くと無慈悲にまりさの頭を叩き潰した。一撃でまりさは絶命した。 「…………お、おい」 「畜生……」 「…………」 「なんでだよ……。なんで、見つからないんだよ、畜生……」 立ち尽くしたままボロボロと涙を流す夫に、親友はかける言葉が見つからなかった。 その次の日、夫は姿を消した。二度と戻ってこなかった。 きっと、巨大れいむと、我が子を探しに行ったのだろう。 そして六年後、その子供は帰ってきた。親友はまるで奇跡だと思った。 遠い里で一人の青年が見つけたというその子供は、全ての行動においてゆっくりを真似た、まさしくゆっくりに育てられた状態だった。 それでも、生きて戻って来たことに里の者達は皆喜んだ。ただ、その中にその子の父親の姿はなかった。 親友はきっと、夫の執念が奇跡を起こしたのだと、そう思った。 ───────── あとがきのようなもの 思考停止。餡子脳と言われるかと思いますが、私は今回キングれいむをこのようなゆっくりとして書きました。 そしてこの物語はフィクションです これまでに書いたもの ゆっくり合戦 ゆッカー ゆっくり求聞史紀 ゆっくり腹話術(前) ゆっくり腹話術(後) ゆっくりの飼い方 私の場合 虐待お兄さんVSゆっくりんピース 普通に虐待 普通に虐待2~以下無限ループ~ 二つの計画 ある復讐の結末(前) ある復讐の結末(中) ある復讐の結末(後-1) ある復讐の結末(後-2) ある復讐の結末(後-3) ゆっくりに育てられた子 byキノコ馬 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1804.html
しーしー描写あり 「ある赤ゆっくりれいむの生活」 「ゆっくりしていってね!」 赤ゆっくりれいむは生まれてはじめてのゆっくりしていってね!をした。しかし 「ゆっ?おきゃーしゃん?どきょー?」 この赤ゆっくりは親れいむがアリスにレイプされて生まれたゆっくりだった。 だから目の前にある黒ずんだ物体が親だとは思ってもいなかった。 「ゆっ!早くでてこにゃいとれいみゅおこるよ!ぷんぷん」 怒ってはみたものも周りには親の死骸以外には何もなかった。 本来なら姉妹ゆっくりもいるはずだが、なぜか姿が見えない。 「ゆっ!きっとれいみゅのためにごはんをとりにいっているんだね!」 赤れいむはそう考えて、黒い餡子の塊の前で待つことにした。 数時間後 「ゆっ…ゆっ…」 すでに息も絶え絶えな赤れいむの姿がそこにあった。 生まれてから一度も何も食べていない赤れいむは もうすぐで衰弱死するところだった。 「おきゃーしゃん…どうしてきちぇくりぇないにょ…」 赤れいむが短い一生を終えようとしていると、その時 「むきゅ!大変よ赤れいむが死にかかっているわ!」 そこに現れたのは成体ぱちゅりーだった。 「しっかりしてね!お母さんはどうしたの?」 ぱちゅりーが水とすこしの草を噛み砕いて与えると赤ゆっくりは少しずつしゃべりだした 生まれたら母親や姉妹がいなかったこと 赤れいむのために餌をとってきてくれると思ってここで待っていたこと そしてぱちゅりーに出会ったこと 「むきゅ…残念だけどあなたのお母さんはもう死んでるわ…」 「ゆっ!!!そんなことないよ!!おきゃあさんはれいみゅのために えさをとりにいってくれていりゅんだよ!! そんなきょともわかりゃないぱちゅりーはばきゃなの?しにゅの?」 命の恩人に向かってこれだけの暴言を吐けるようになった赤れいむを見てぱちゅりーは 「そう、じゃあうしろにあるくろいあんこの塊はなに?」 「ゆっ?あんこってにゃに?」 「餡子っていうのは私達の中に入っている大切なものよ、 なくなると死んでしまうの、あなたのお母さんは死んでしまって 餡子の塊になってしまったのよ」 「ゆっ!うしょだよ!この汚いのがおきゃあちゃんなわけないでちょ!?」 「じゃああなたのお母さんはどこに行ってしまったの?」 「ゆっ!?」 「あなたのお母さんはおそらくレイパーありすに犯し殺されたのね あなたはレイパーありすの子よ」 「よきゅわかんにゃいけど!れいぱーはいやだよ!ゆぅーんゆぅーん…」 本能がレイパーという言葉に反応して泣き出した赤れいむをみて 「むきゅー、レイパーの子供はレイパーになるわ。 今のうちに殺しておこうかしら」 「ゆぇーん!ゆぇーん!きょろされたくないよぉ! ぱちゅりーおねえちゃんたしゅけてぇー!」 ぱちゅりーは悩んだ、レイパーの子供はレイパーになりやすい。 だがこの子はれいむ種だ、レイパーになる可能性は低いのではないか。 しかし群れへ連れて行くわけにも行かない。 レイパーの子は群れへと入れてはいけないルールなのだ。 それになによりぱちゅりー自身ゆっくり殺しにはなりたくなかったのである。 なら方法はひとつしかない。 「れいむ、あなたは一人で生きていかなければいけないのよ」 そう赤ゆっくりならほおって置けば勝手に死んでしまうだろう そうすればぱちゅりーには何の責任もない。 だが赤れいむはそんなぱちゅりーの発言で怒り出してしまった 「きょんなきゃわいいれいみゅひとりおいていくなんて ぱちゅりーはほんちょにくじゅだね!ばきゃなの?しにゅの?」 ぱちゅりーも今の一言で吹っ切れたように言った 「ならいいわ、そこでお母さんが来るまで死ぬまで待ってなさい こないでしょうけどね。助けたお礼ひとついえないくずゆっくりを 助けてしまうなんて、ばかなことをしたわ」 そういってぱちゅりーは去っていってしまった。 「ゆん!ぱちゅりーなんていにゃくちぇも しゅぐおかあちゃんがきてきゅれりゅもん!!」 赤れいむはぱちゅりーを追うことなくその場でお母さんれいむを待つことにした。 「ゆぅ…ゆぅ…」 いつの間にやら寝てしまったようだ、こんな平原のど真ん中で寝るなんて自殺行為だが 赤れいむはそんなことは知らない、おしえてくれるゆっくりがいないからである。 「うー☆おいしそうなあまあまだどぉー☆」 そこに胴なしれみりゃがやってきた。 「あまあまさんがいっぱいあるどぉー☆おなかすいたどぉー☆」 れみりゃは元お母さんゆっくりの餡子をゆっくりと食べ始めた。 「うー☆でりしゃすなんだどお☆でもぷっっでいーんのほうがもっとでりしゃすなんだどお☆」 れみりゃのこえを聞いてあかれいむは目を覚ました。 「ゆっ?にゃんにゃにょ?きょきょはりぇいみゅのゆっくりぷれいすだよ! じゃましにゃいでほしいよ!ぷんぷん!」 れみりゃのまえに躍り出た赤れいむは怒りの言葉と体を膨らませて威嚇した。 「うー☆あまあまだどぉ☆でもおじょうさまは腹八分目がマナーなんだどお このあまあまはぽいぽいだどぉー☆」 そういうとれみりゃは赤れいむをむんずとつかみ遠くへ放り投げた。 「ゆーおしょらをちょんでりゅみちゃいー」 のんきにゆっくりしていると ドスン! 「ゆぎゃああぁぁぁぁ!あちゃまがいちゃいいいぃぃぃぃ!!?」 (全身頭のような気がするが気にしない方向で) まっさかさまに落下したところは やわらかい草の上だったのでつぶれずにすんだ、しかし 「この草さんはゆっきゅりしちぇないよ!れいみゅおこったよ!」 そういうと積み上げてあった草をちぎり捨てあたりに捨て始めた。 赤れいむが草に八つ当たりしているとあたりはすっかり朝になっていた。 「ゆっ!おはようダーリン」 「おはようなんだぜマイハニー」 近くの木の洞からありすとまりさの番の声が聞こえてきた 二匹は朝食をとろうと貯蔵庫へむかった、そこでみたものは 「ゆぎゃああ貯蔵庫がぁぁ!」 「こんなのとかいはじゃないわぁぁぁ!」 そこには汚くてとても食べられないような状態の青草と その中で眠る汚らしい赤ゆっくりの姿だった。 「ゆっ!ゆっくりしていちぇにぇ!」 あかれいむはうれしかった、久しぶりにまともに話ができそうなゆっくりに出会えたのだから。 しかし… 「貯蔵庫をめちゃくちゃにしたわるいゆっくりはじねえぇぇぇ!!」 ズドン! 「どうじでぇぇ!!」 赤れいむはまりさの一撃で洞の外へ放り出された。 「いちゃいよおぉ…どうちてれいみゅが…」 「このくそれいむがああああ!!!」 れいむがふりむくとそこにはものすごい形相でこちらに向かってくるまりさの姿があった 「ふんぎゃあぁぁ!!おきゃあちゃんたしゅけちぇぇぇぇ!!」 赤れいむは逃げた、これ以上走れないというほど逃げた 「ぜはっ…ぜはっ…ゆ?きょきょどきょ?」 赤れいむはすっかり道に迷ってしまった。といってももともと帰る場所もないのだが。 「ゆぅ…おにゃかしゅいたよ…」 当たり前である、赤れいむが食べた物と言えば ぱちゅりーからもらった水とほんの少しの雑草だけだったのだから 雑草!赤れいむは思い出した。 あのときぱちゅりーは草さんを食べさせてくれた。 おなかがすいたのならそのへんにある草を食べればいいのではないか とっさにそう思った赤れいむはそこに生えていた雑草を口に放り込んだ 「むーちゃむーちゃ、しあわ…ゆげぇぇぇぇ!エレエレエレ」 赤れいむが食べた草はとても苦い草だったのだ ただでさえ小さいからだが餡子をはいたことによってさらに小さくなってしまった。 普通のゆっくりならお母さんに食べられる草と食べらない草の違いを教えてもらうのだが 赤れいむにはお母さんがいないため、どの草が食べられるかわからなかった。 ちなみに赤れいむが食べた草は「よもぎ」である 餌としてよりも薬としてゆっくりたちに食されている草である。 「ゆぅ…もうつかれちゃよ…」 もはや精根尽き果てようかと言う赤れいむは ついにその場に倒れこんでしまった もはや死を待つだけの饅頭になってしまったのである。 じょろじょろ… 「…ゆ」 そう、赤れいむは思い出した 草さんのほかに水さんもぱちゅりーにもらったのであった その水さんの流れる音がする、 本能がそう告げていた、赤れいむははいずるようにその方向へ向かっていった。 ザァァァァ 「ゆっ!お水しゃんだよ!これでゆっくちできりゅよ!」 そこには多少流れは急だが川があった 「ゆっ!ゆっくちしにゃいでゆっくちのむよ!」 川の水を飲んで赤れいむはかなり回復した 「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」 だがサイズは生まれたときよりもかなり小さくなっていた それとともに知能のほうも徐々に退行していっていたのである そのためいまでは『ゆっくりしていってね』とはっきり言えないまでになってしまった。 数分後 「ゆっ!なんだかむずむずするよ!」 水分を取りすぎたゆっくりは餡子の水分濃度を保つため 適度にしーしーをして水分を排出するのだが、 この赤れいむはそんなことは勿論知らない。 「むずむずさん!むずむずしないでどっかいっちぇね!」 赤れいむはしーしーを我慢していた、ゆっくりだってしーしーをがまんするのは体によくない。 「ゆっ…ゆっ…何か出てきそうだよ…」 ついに我慢できなくなった赤れいむは大量のしーしーをした。 「ゆぎゃあああにゃにこりぇぇぇぇぇ!れいみゅしんじゃうにょおおおお!!!」 赤れいむは大パニックになってしーしーをしながら川原を走り回った、そして ズルッ!バシャーン! 「ゆぎゃ!」 自分のしーしーで滑って川に転落してしまったのでした。 「がぼがぼ…おみじゅさん…ゆっきゅりしちぇ…がぼがぼ」 こうなってはもはや助かる手段はない 幼いれいむにもそれがわかった。 「もっちょ…ゆっぐり…」 ゴン!ザバアア! 「しちゃか!」バチン! なんと流れが急なことが幸いしたのか 赤れいむは岩にぶつかり跳ね返って川原へと戻ってきたのであった。 しかし、赤れいむの皮は水をふんだんに吸っており 乾くまで一歩も動くことができそうになかった しかしそんなことも知らない赤れいむは 必死になって何かから逃げようとしていた。 「ゆっ…ゆっ…」べりっ 塗れた状態で移動しようとしたために皮の一部が裂けて餡子が出てきてしまった。 「ゆっ…餡子さん出て行かないでね…ゆっくりできなくなっちゃうよ…」 それでも赤れいむは前進した、何かに導かれるようにして。 「ゆ…」 だがついに力尽きその場に倒れこんでしまった。 「あっゆっくり目が覚めたみたいね」 赤れいむは生きていた それどころか暖かい部屋で枯葉までかけてもらっていた。 「わたしはれいむよ!あなたはどこからきたの?」 「ゆ…れいみゅはれいみゅだよ…」 「れいむが倒れていたから私が助けてあげたのよ」 「ゆ…ありがちょうおねえちゃん…」 「ところであなたどこの群れのれいむ?」 「れいみゅはれいみゅだよ…群れなんかじゃないよ…」 「ゆ?つまりどこの群れの子でもないのね? じゃあげんきになるまでれいむがお世話してあげるわ」 「ゆ…ありがちょ…おねえちゃん…」 赤れいむは再び深い眠りについた それは生まれてはじめての暖かい眠りだった。 数日後 赤れいむは元気になった おいしいご飯を食べさせてもらって ゆっくり眠って 本当にゆっくりとした生活だった。 「ゆっ!ここがハニーのハウスなのかだぜ!」 「ええそうよ、ゆっくりしていってね」 家の中にお姉ちゃんれいむと見たことのない?まりさが入ってきた 「ゆっくちしていっちぇね!」 赤れいむは元気よく挨拶をした、しかし 「ゆゆっ?ハニーこの汚いのはなんなのだぜ?」 「ごめんねダーリン怪我をしてたから看病してあげたら出て行かなくなっちゃったのよ」 「こんな汚いれいむを看病してあげるなんてほんとに優しいハニーなんだぜ!」 「ゆっふん…照れるわダーリン」 赤れいむには話がよくわからなかったが、ばかにされたことだけはわかった。 「ぷんぷん!れいみゅはきちゃにゃくにゃいよ!ゆっくちていしぃしちぇにぇ!」 「うるさいんだぜ!この泥饅頭!」 「そうよ!少しやさしくしてあげたら調子に乗っちゃって!おお みぐるしい みぐるしい」 「ゆゆっ!?」 まりさはおろかれいむにまで罵声を浴びせられて赤れいむは混乱してしまった。 「さっそく新居のごみそうじをしてあげるんだぜ!」 「まりさたくましいわぁ!あとですーりすーりしようねぇ~」 そういうとまりさは赤れいむをくわえると 「ぽーい!だぜ!」 赤れいむは捨てられた。その後穴の中からすっきりーという声が聞こえてきたが赤れいむには関係なかった。 赤れいむは半ばあきらめたように歩き出した せめて死ぬときくらい自分の死にたい場所で死のうと思ったのである。 それはあの餡子の塊、つまり母のところであった。 本当はわかっていたのだ、自分の母親は死んでしまっていたこと、 あの時ぱちゅりーにひどいことを言ってしまったこと いろいろなことを思い出した、しかし 「みゃみゃ…どきょ…」 れみりゃにぽーいされて、まりさに追い立てられ、川にも流された今 あの生まれた場所に戻れる保障は万に一つもないだろう それでも赤れいむは歩き出した。 このとき初めて赤れいむは生きる目的を見つけた。 『死ぬ場所を探すためにゆっくり生きる』 本末転倒ではあるが、赤れいむは死ぬ場所を探して歩きはじめた。 終わり このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4037.html
作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 作者名の改名は、お気軽にお申し出下さい。ご自分で編集して変えていただいても問題ありません。 作品の一覧追加も、漏れがありましたらお気軽にお申し出下さい。これまたご自分で編集していただいても問題ありません。 個人作品集のある作者は作者別試験ページから作品集に行けます。 作者別(敬称略・「な」~「ん」まで)ななな 名も無き作者 春巻 半年ROM 羊の羽 ぽてち 抹茶アイス 水半分 ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 改め ゆいふ人 ゆっくり飾りゴージャスの人 ゆっくりハンターの人 ゆっくり饅頭大好きの人 ゆっくりまんじゅうの人 ゆっくりモンスターズの人 らしいの人 れみりゃが大嫌いな人 作者別(敬称略・「な」~「ん」まで) ななな ゆっくりいじめ系77 くたばれゆっくりぁあああああ!!!!虐そ ゆっくりいじめ系95 しにさらせゆっくりぁあああああ!!!!そ 名も無き作者 ゆっくりいじめ系100 ピタゴラゆっくり虐家無 ゆっくりいじめ系106 小ねたっぽいゆっくりいじめ虐環 ゆっくりいじめ系288 ピタゴラゆっくり2虐機無 ゆっくりいじめ系301 ゆっくりゃかわいがり(笑)虐無 その他 ゆっくりクッキングそ 春巻 ゆっくりいじめ系545 挙の歳末_1 ゆっくりいじめ系546 挙の歳末_2 ゆっくりいじめ系547 挙の歳末_3 ゆっくりいじめ系696 SSC ゆっくりいじめ系1667 SSC part.2 ゆっくりいじめ系1833 SSC part.5 ゆっくりいじめ系2102 それでも、ゆっくりは要求る。(前篇) 半年ROM ゆっくりいじめ系1174 頭 ゆっくりいじめ系1298 ありすをいじめる。 ゆっくりいじめ系1439 ゆっくりいじめる ゆっくりいじめ系1444 いっぱいいじめる ゆっくりいじめ系1455 ちょっぴりいじめる ゆっくりいじめ系1457 短編にほん ゆっくりいじめ系1515 こいじめ ゆっくりいじめ系1614 たいとるがおもいうかばない。 羊の羽 ゆっくりいじめ系637 木まりさで永久機関そ性無 ゆっくりいじめ系767 おしつぶし虐家無 ゆっくりいじめ系839 赤い靴 ゆっくりいじめ系1127 ありすほいほい ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 ぽてち ゆっくりいじめ系669 ゆっくりめんどくさいそ性 ゆっくりいじめ系812 ゆっくりごはんですよー虐そ環無 ゆっくりいじめ系824 ぶたまんじごうじとく ゆっくりいじめ系954 だいふくしょっく ゆっくりいじめ系1584 ゆっくりファミリーの日常 ゆっくりいじめ小ネタ376 子は親の背を見て育つ ゆっくりいじめ小ネタ367 愛、雪原にて その他 ようじょのにっき 抹茶アイス 霊夢×ゆっくり系4 ゆっくりれいむと霊夢そ ゆっくりいじめ系94 ゆっくりまりさとおうち虐そ無 ゆっくりいじめ系216 ゆっくりれいむとおいしい味虐無 ゆっくりいじめ系235 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼前編虐無 ゆっくりいじめ系247 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼中編そ性無 ゆっくりいじめ系253 ゆっくりまりさとないた赤鬼 後編虐そ無 水半分 ゆっくり加工場系9 幻想郷滅亡の日 復 その他 ゆっくり大戦 そ その他 広告主そ 性 その他 yukkuri_jaketそ ゆっくりいじめ系195 yukkuri_bean虐制共捕性家 その他 yukkuri_sisugita_kekkaそ ゆっくりいじめ系661 ずんぼー虐性 ゆっくりいじめ系819 嫌われありすの一生虐家捕無 ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 改め ゆいふ人 ゆっくりいじめ系554 -森の彼女とゆっくり知恵比べ-そ無 ゆっくりいじめ系585 -森の彼女と逆襲のゆっくり-制無 ゆっくりれみりゃ系いじめ39 VSれみりゃ制 ゆっくりいじめ系656 -森の彼女と孤独のグルメ-虐料 ゆっくり飾りゴージャスの人 ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス虐家無 ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル復家無 アリス×ゆっくり系10 ぼくのかんがえたさいきょうのしてんのう虐性 ゆっくりハンターの人 ゆっくりいじめ系29 ゆっくりハンター 制 妹紅×ゆっくり系1 ゆっくりたちのトラウマの夜前篇 制家料 妹紅×ゆっくり系2 ゆっくりたちのトラウマの夜後編虐 ゆっくりいじめ系121 ゆっくりふぉんでゅ その他 あたっく おぶ ざ きらー ゆっくりそ 紅魔館×ゆっくり系20 ゆっくりはまさに世紀末 ゆっくり饅頭大好きの人 ゆっくりいじめ系47 ぐちゃぐちゃゆっくり天国 虐 アリス×ゆっくり系8 アリスのぐちゃぐちゃゆっくり駆除 制 ゆっくりいじめ系68 お母さん霊夢の受難そ家 ゆっくりまんじゅうの人 ゆっくりいじめ系110 髪飾り制共無 ゆっくりいじめ系136 働きゆっくり?虐無 ゆっくりいじめ系137 ゆっくりまんじゅう制そ共無 ゆっくりいじめ系153 ゆっくり調教師 前編制環性無 ゆっくりいじめ系154 ゆっくり調教師 後編制環無 ゆっくりいじめ系272 出産ゆっくり_1虐家無 ゆっくりいじめ系273 出産ゆっくり_2虐家無 ゆっくりいじめ系756 ゆっくりニトロ (上)虐薬家無 ゆっくりいじめ系757 ゆっくりニトロ (下)虐薬家無 ゆっくりいじめ系2035 赤ゆっくり ゆっくりいじめ系2146 裁き(前編) ゆっくりいじめ系2147 裁き(後編) ゆっくりモンスターズの人 ゆっくりいじめ系142 ゆっくりモンスターズ1虐無 ゆっくりいじめ系178 ゆっくりモンスターズ2虐無 らしいの人 ゆっくりいじめ系50 寿司の恨み 制 ゆっくりいじめ系60 環境にやさしいゆっくり虐 ゆっくりいじめ系64 寿司の後の水責め制 ゆっくりいじめ系75 鬼母虐共家無 ゆっくりいじめ系90 cube虐そ機 その他 alien そ ゆっくりいじめ系158 ヴェニスのゆっくり制家 ゆっくりいじめ系243 チョコエッグ的な何か虐家料道 れみりゃが大嫌いな人 ゆっくりれみりゃ系いじめ32 俺はれみりゃが嫌いです その他 ゆっくり殺しノート
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/25.html
以下本文と見せかけた駄文。 「さて皆さん、今日は私、世界でも珍しい生き物を見せてくれるというのでこちら、ゆっくり自然保護区へとやってまいりました~」 私に向かって話しかけているのは、一人の老人だ。 髪はもう既に真っ白で、相当の年齢という印象を受ける。 だが、その足腰は未だ壮健で、自然そのものに近い公園内をすいすいと案内役に付いて歩いている。 「私も色々なゆっくりを見てきましたけれど、これを直接触るのは初めてなんです。いやぁ~、どんなものなのか楽しみですねぇ~」 息を弾ませつつも目を輝かせ、その瞬間が待ち遠しくてしょうがないというようなその様は、まるで遠足前の子供だ。 やがて老人の前に、自然保護区の名には似つかわしくない鉄製の檻が見えてきた。 案内役の男が老人に2・3話しかける。檻に入るに当たっての注意をしているらしい。 「皆さん、ようやく着きました。ここに居るというんですよ、あの幻のゆっくりが……」 生き物の居る場所に近づいたからか、やや息を潜めて老人は続ける。 「警戒心が強い上に、目撃数も非常に少ない個体です。いやぁ、それじゃ行ってきますね~」 老人は、もう待ちきれないと、だが中のゆっくりを驚かさないように檻へと入っていく。 その檻の片隅、ほぼ隅に近い木の陰に、老人の今回の目的がいた。 ゆっくりだ。 ゆっくりれみりゃに似た髪と目の色をしているが、それぞれ微妙に色合いが違う。 また、その表情も常に笑顔のれみりゃとは違って(ゆっくりにしては)キツい目つきだ。 ゆっくり特有の頭の装飾品は、ゆっくりれいむとはまた模様の違った赤と白のリボン。 ゆっくりもこう。 幻ともされているゆっくりだ。 生息地はおそらく竹林のどこか。 そして、他のゆっくり種とは大きく違う特徴が幾つかあった。 それが、今回の取材の私の目的だ。 「ぁぁ~~~~、見てください、ゆっくりもこうです。これがあのゆっくりもこうなんですねぇ~……」 はぁ~~、と深い息を一つつくと、老人は何をするでもなくじっともこうを眺め続ける。 10分もしたろうか、思い出したように老人は私に振り返る。 「いや、初めて見ました。あの真白な髪もそうですが、本当に澄んだ綺麗な目をしていますね~」 そう言って眼鏡を外して綺麗に拭くと、またもこうをじっと見つめる。 「それでですね、ゆっくりもこうは、他のゆっくり種とは明らかに違う特徴を備えています。それを今から確かめてみたいと思います」 老人は、案内役が何かを手渡そうとするのを断ると、ゆっくりともこうに近づいていく。 「とらうまになるよ! とらうまになるよ!!」 老人のその行動に、ゆっくりもこうが威嚇の声を上げる。 とは言えまぁ、そこら辺はゆっくりである。人間には大した威嚇効果にならない。が。 老人が近づき、触ろうと手を伸ばした瞬間だ。 「あちちちちっ!!」 老人が慌てて手を押さえその場にうずくまる。 案内役が慌てて近寄ると、何事かを強い口調で言った。 老人はそれに手を振って応えると、こちらに戻ってくる。 「見ましたか、今の。火ですよ。火を出しましたねぇ~、おぉ~、熱っ」 笑いながらその指先を見せる。 その指には大きな水ぶくれが出来上がっていた。 「あれがゆっくりもこうの特徴なんです。他のゆっくりにはこんな事が出来るのは今の所いないですねぇ~、いやいや……」 だがこの老人、指先を火傷したというのにそんな事など気にしていないように満面の笑みを浮かべている。 「それでですね。ここからが本番なんです。今のは、ゆっくりもこうが見せる不思議の一つに過ぎません。本当に凄いのはここからあとなんですよ」 そう言って、そこら辺にあった木の枝を取ると、ゆっくりもこうを軽くつつき始めた。 「とらうまー! とらうまー!!!」 ゆっくりもこうは火を出して必死に抵抗するが、それでも届かない所からの攻撃にはどうしようもない。 さらに老人は攻撃を続けていく。軽く、木の枝でとは言え、少しづつゆっくりもこうの皮が削れていく。 その時だ。 不意にもこうの動きがぴたりと止まると、その体を今まで以上の炎が一気に包み込んだ! その炎の中、ゆっくりもこうは自分自身の出した火に焼かれてどんどん黒く焦げていく。 数分も燃え続けて、ようやくその炎が消えたとき、ゆっくりもこうは我々の目の前で完全な炭の固まりになってしまっていた。 火が完全に消えたのを確認すると、老人はそっとその炭の塊をつつく。 ぽろぽろと、触った部分が崩れていく。 「いや、完全に炭化しちゃってますね。これはさすがに……本当に大丈夫なんでしょうか……」 いままであれほどもこうに好奇の視線を向けていたのだが、一体どうしてしまったのだろうか。 私は老人のその突然の行いについていけず、どうしたものかと取材メモ帳にあごを乗せる。 その困惑を感じ取ったのか、老人は先程までとは違い、やや硬質さを持った声で応じる。 「いや、とりあえず第一段階はこれでいいんです。さて、許可は取ってあるのでここで今日は一泊しようと思います」 そういうと、さっさとゆっくりもこうの横に寝袋を敷き、横になってしまった。 今日の取材はここまでらしい。 一応メモに目を通してから、私もさっさと休む事にした。 翌朝、早朝。 私は日が上る寸前、夜が白み始めた時分に老人に揺り起こされた。 急いでいるのか、若干力が強かったのが気に入らないが、取材対象に動きがあったと聞かされては起きぬ訳にもいくまい。 「見て下さい、ここ。分かりますかねぇ」 そういって老人が指差した先、昨日燃え尽きてしまったゆっくりもこうの死体。 だが、よく見るとその炭の塊に白い部分が現れている。 一体何が起こっているのか。 老人もただその様子をじっと見つめている。 一度目が合うと、「もう少しです、もう少しだけ待ってて下さい」と言われた。 それから、早い朝食を取りつつもこうをじっと観察する。 白い部分が徐々に増えてきている。それも、肉眼で分かるような速度でだ。 やがて、太陽が完全に姿を現した頃。 それは唐突に、 「りざれくしょんーー!!!」 という素っ頓狂な声と共に炭の中から飛び上がった。 なんと。燃え尽きたはずのゆっくりもこうが、傷一つ無い真白な体で飛び出したのだ。 「いやぁ~、不思議ですね。自分の目で見ていますが、それでも信じられませんねぇ~、いやぁ~~~……」 老人は感慨深げにため息を吐いた。 事態を飲み込めない私に老人が説明してくれる。 「これがゆっくりもこうのもう一つの特徴です。大雑把に言えば、生き返るんですねぇ~」 そんなバカな。私の知っている人物に、確かにそういう人物は居る。と言うか、この名前のモデルだ。 しかしこいつら所詮はゆっくりなのだ。にわかには信じがたいが…… 「外敵に襲われて逃げ切れないと悟ると、ああやって一旦自分で自分を燃やして死んでしまうんですね。あそこまで炭になってしまえば、まぁ食べようとする動物はまずいないでしょうから」 なるほど。確かに昨日のアレは完全に炭だった。 「で、しばらくしてから今のように生き返る。こうやって生き延びてきたんでしょう」 はぁ。……なんつー非常識なゆっくりですか。 「いやぁ、命って本当に不思議ですね。時として常識では測りきれないような進化をする事があるんです」 いやはや全く。ていうかゆっくりのくせにと思わないでも無いですが。 「火が出せるから再生できる様になったのか、再生できるからから火を出す事を身につけたのか……どっちが先かはわかりませんが、いや本当、生き物って言うのはよくできていますねぇ…………」 復活したゆっくりもこうを見る目は、命に対する敬意を一心に込めた眼差しであった。 私たち妖怪には、今ひとつ理解しきれない感覚なのかもしれない。 ともあれ。これで私の今回の取材は終わりだ。 発見! 秘境の奥に幻の生物を見た!! ま、ネタとしては十分でしょう。 さて。では私は早速原稿を書きに帰りたいと思いますが……あなたはどうします? 「いえ。私はここに来た一番の目的を果たしたいと思います」 うん? ゆっくりもこうの復活を見に来たのでは? 「いえいえ、そうじゃないんです。復活は見たかったですが、私の目的に必要な事だったからやったんですよ」 ほほう。復活を見る以上の目的ですか。そりゃまた一体? 「それはですね……」 老人は復活してすっきりしたのかゆっくりしているもこうに今度は素早く近づくと、一気に捕まえ頬擦りし始めた。 「ああ~~~~~幸せですねぇ~~~~~~~私死ぬ前に一度で良いからこれがしてみたかったんですよぉ~~~~~~~」 …………えーと、あの? 「普段のもこうはあの通り火傷しちゃいますから。復活には体力なりを使うのか、復活したらしばらくは火は出せないそうなんですねぇ~~~~ああ~~~~~~」 そう言って頬擦りする老人の表情はもはや昇天寸前のそれだ。 もこうが怒って噛み付きにかかっているがそんなの全く気にしちゃいない。 それどころか「痛くないですねぇ可愛いですねぇ~~~」とか言いながら指をわざわざ噛ませたりする始末だ。 ……まぁ、いいか。 仮にもう一度火傷したとしても、あの老人は本望だとばかりに大喜びするのだろう。 さて、それじゃあ私は帰るとしますか。 こうして私は一つのネタを手に、我らが天狗の山へと帰るのだった。 「んん~~~、ちゅっ、ぶちゅ~~~っ! ああ~~~~、かわいいでちゅねぇ~~~~~!!!」 「とらうまーーーー! とらうみゃ~~~~~~~~~~~!!!!!(大泣き)」 続いたり続かなかったり。 作・話の長い人 この老人、ムツゴ・・いやなんでもない。 老人の声が脳内で再生されましたよ!! -- 名無しさん (2009-02-06 00 04 16) どう考えてもムツゴ…… ゆっくりしていってね!!! -- 名無しさん (2009-07-14 22 35 10) ゆツゴロウさんシリーズ化希望 -- 名無しさん (2009-08-15 16 37 27) 劣化した東方キャラって感じ 個性がない -- 名無しさん (2010-01-22 02 05 03) もっこもこだ -- 名無しさん (2010-11-27 13 38 34) とらうみゃーって、 あっ、鼻血出てきた -- 名無しさん (2012-08-10 22 42 21) むーつーごー・・・あ、 ・・・。げーらげーらげらげらげら(汗) -- 名無しさん (2012-08-11 10 25 11) これ文視点なのかw -- 名無しさん (2013-09-24 23 19 43) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3876.html
『れみりゃ会議』 5KB 制裁 考証 ギャグ 自業自得 姉妹 人間なし 独自設定 独自設定垂れ流しだどぉー☆ ほとんどメタです。 虐待シーンもほぼありません。 れみりゃ会議 ロウソクの灯りしかない真っ暗な部屋の中、中央に置かれた円卓に3つの影が揺らめいていた。 「……最近、扱いが微妙なんだどぉ」 「だどぉ、この資料を見て欲しいんだど」 一つの影がテーブルのプロジェクターを操作する。 すると真っ暗な部屋にあるスライドが表示された。 「ゆわーん、レイパーが攻めて来たんだぜぇ!!」 「ゆゆゆっ、まりさ様に任せるんだぜ!」 ぽいーん、ぽいーん、どがっ、ぷにゅっ、ぺしっ!あーんこ! 「んほぉぉぉぉ、やられたわぁー!」 「むきゅっ!流石“あのれみりゃ”も退けたまりさね!」 「ゆっへん!」 「……最近一番よく見かける、『過去にれみりゃを倒した』パターン、つまり『れみりゃは強さのバロメータ』扱いなんだどぉ」 「本当に倒したのかどうか当時を見せて欲しいくらいなんだどぉ」 影はさらにプロジェクターの操作を続ける。 「……次なんだどぉ」 「うっうー☆たべちゃうどー!」 「まりさ!ちょうぜつすぱいらるはりけーんむそうてんせいだぜ!!」 「うー!ざぐやぁぁぁっぁあ!」 「むきゅっ!凄いわまりさ!あのれみりゃを倒すなんて!」 「ゆっへん!」 「……これ魔理沙じゃなくて霊」 「だどっ、そっちの名前は禁句だど」 「ごめんだどぉ」 「むしろ技名よりも問題なのは、何このまりさの強さ」 「どうして空を飛べるれみりゃが地べたを這いずる饅頭に負けるんだどぉ?」 「しかもこれは胴付れみりゃだどぉ」 「だ!?」 「ど!?」 「いわゆる『主役補正』なんだろうけど、基本は最弱認定のゆっくりが胴付に勝てるとかおかしいんだど!」 「そもそも虐待される作品の主役なのに補正とか逆の方向にかかるべきだどぉ!!」 影はプロジェクターの電源を切り、2人の待つテーブルへと戻った。 「共通するのはれみりゃがゆっくりの強さの引き立て役になってる事だど」 「なんでまた引き立てる必要があるんだど?」 「れみりゃより強いと自他共に認めるゆっくりを叩きのめす系の虐待に使うためなんだどぅ」 「……別にそんな事をしなくても他に方法はあるんだどぉ、そんな事でれみりゃ達の価値を下げて欲しくないんだどぉ……」 「そこで!」 バンッと机を叩きながら影の1つが立ち上がった。 「『れみりゃたちの強さを再認識させる作戦』を実行するんだど!」 「長いんだどぉ」 「具体的には何をするどぉ?」 「ふっふっふ、これを見るんだど!」 影はテーブルの上にあるものを置いた、子供が喜ぶ紙芝居である。 『あるところに善良なゆっくりの群れがいたんだどぉ』 『この群れは超平和な群れで、にんげんさんとも仲が良くて、ゲスは間引いて、山の山菜は採り過ぎずに、無駄に子供も量産しない群れなんだどぉ!』 「何と言うパーフェクト群れ、これは間違いなく善良を崩壊させる系が大好きな人の作品だどぉ」 「山の山菜……」 『しかもこの群れは胴付ふらんを含めた30体から構成されるふらんしすたーずの攻撃をも跳ね飛ばした、気は優しいけど力持ちな最強群れ!』 『そしてこのさいっきょうの群れをれみりゃ達でふるぼっこにする事でれみりゃ達の強さを世界に知らしめるんだどぉ!』 「おおっ、それは凄いんだどぉ」 「これでれみりゃ達の強さをみんなも再認識してくれるんだど!」 「どっどっどっ、と言うわけでドアの向こうには先ほどの最強の群れを用意してあるんだどぉ!」 「おおっ!」 「準備がいいんだど!」 3つの影は意気揚々と席を立ち、扉を開けた。 開けた扉から差し込む光、その光の向こうにたたずむ1つのシルエット。 「だど?」 「ど?」 「どぅ?」 金色の髪に、七色の宝石の羽。 「……話は全て聞かせてもらった、れみりゃは滅ぶ」 「ふっ!?」 「ふふふふふふ!?」 「ふらんだどぉおおおおおおおおお!?」 救いがないとはこの事だった。 語るのも苦しいほどの一方的な戦い、いやむしろこれは虐殺に近いものだった。 一瞬にして1人のれみりゃは顔面陥没の上、スライドのあった場所まで吹飛ばされ。 それに驚いて硬直しているもう1人はぎゅっとしてどっかーんされ。 我に返ったれみりゃが反撃を行おうとするものの、ふらんすぱいらるはりけーんさんぽひっさつでボコボコにされてしまった。 「うううっ、ひどいんだどぉ」 「うわぁーん、ざぐやぁぁぁぁ!」 「そ、それゆーぎのわざ……」 「大体さっきの紙芝居だとふらんが引き立て役になってる、おねーさま達のやろうとした事は結局まりさ達と同じ」 「だ!?」 「ど!?」 「ぉ!?」 れみりゃ達は目から鱗が落ちる思いだった。 自分達の地位を引き上げるために取った手段が、結局まりさ達のやらんとする事と同じだった。 強く凄い群れしかも『ふらん』を撃退する、つまりふらんと言うバロメータを利用したのだ。 「どぉ……」 「確かにその通りなんだどぉ、れみりゃ達が間違ってたんだど」 「もっと他の正しい方法で、れみりゃ達の地位を向上させるんだどぉ!!」 「うんそれ無理、大体引き立てられたまりさ達は『凄いけどさらに凄いものに負ける』のが王道、そして今その王道を突っ走ってるのがおねーさま」 「「「だ!?」」」 「『ふらんの群れを倒した群れを倒せるほどの凄いれみりゃ達』ここまで持ち上げられたおねーさまは、その王道通り『さらに凄いふらんに負ける』これが今回のお話」 「「「ど!?」」」 「つまり今回のおねーさま達は『凄いまりさ』役、ふらんは『その凄いまりさの鼻をへし折るにんげんさん』の役」 「「「ぉ!?」」」 ふらんの手が光る。 「おねーさま達はふらんの最終奥義、ふらんあるてぃめっとろいやるかごめかごめで滅ぶ」 「ま、待つんだどぉ!正確にはれみりゃ達はまだ『最強の群れ』を倒してないんだどぉ!つまりまだ王道回避の可能性が……」 「ない、今回そこは端折った」 「そこが一番重要なところだどぉおおおおおお!」 「さよならおねーさま、次回作では強いおねーさまだといいね」 「「「Dooooooooooo!!」」」 確かに最近は噛ませ役の多いれみりゃ。 しかし彼女達は過去の栄光を取り戻すための努力を日夜忘れない。 次こそはきっと、強く凛々しいかりすまうー☆なれみりゃ達に会える事だろう。 「ざぐやだずげぶっしッ!!」 「やめるんだDo!」 「もうやしきにかえるざくやぁぁぁぁぁ!!」 次があれば。 あとがき 久しぶりにSS書いた気がする。 おまけーね 「ゆっふっふっふ、おねーさんさん、まりさはあのれみりゃもたおしたえいっゆんっなんぜっ!!しにたくなかったらあまあまもってくるんだぜ!」 「えっ……れみりゃってあのゆっくり最弱の!?」 「ゆっ!?れ、れみりゃはよわくないんだぜぇぇぇぇ!」 「だって雑魚じゃん、雑魚雑魚、うっうーしか言わないし」 「そんなことないんだぜぇぇぇぇ、まりさいのちがけだったんだぜぇぇぇぇぇ!」 「やっすい命ね☆」 「やすくないんだぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」 対象が強いと思わなかったら噛ませにもならないよね♪ 「その扱いはあんまりなんだどぉおおおおおおお!!」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4105.html
※胴付戦隊ゆっくりじゃーを見る時は、部屋を明るくしてテレビから離れて見てね! 空を覆う黒い影、地球の平和が脅かされる(ゆっくりじゃー!) 青き海原・緑の草原・光る都会の輝きを 今こそ守るぞひそーのけん おお、みんなを守るため おお、今こそスクランブルだ 天にそびえし金色の 角で貫けゆーぎロボ 切り裂け怒りのひそーのけん 悲しみ払い、みんなに笑顔を取り戻すまで 胴付戦隊ゆっくりじゃー!(YUKKURIJYA!) 胴付戦隊ゆっくりーじゃー! 世界は危機に直面していた。 度重なる不幸や悪意、自然の驚異を乗り越えたゆっくり達が、人間への復讐を始めたのだ。 その名も暗黒ゆっくり軍団。 人間は武力を持って立ち向かったが、ゆっくりの持つ驚異的な繁殖力に抵抗しきれていないのが現状だった。 微妙に劣勢であった人間に更なる問題が発生した。 暗黒ゆっくり軍団四天王「ド・スフォー」が人間の本拠地である日本に集結したのだ。 本来悪の幹部は一度に集まって攻撃しないのが定説だが、その辺りは空気を読まない事で有名なゆっくり。 大人の事情を全く考えずに四天王が集まってしまった。 『ゆっへっへ、邪魔な人間さんはとっとと消えないと、ドスパークで灰になるんだぜ!』 「うわぁー助けてくれー!」 強大な火力を用いて全てを焼け野原にする、ドスまりさ 『にんげんさんはとっととつぶれてね!ぽいんぽいんするよ!』 「ひぃ、お、俺達の家が…」 異常に太った巨体で全てを薙ぎ払う、ドスれいむ 『んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』 「うぇ…マジ気持ち悪い……あん!?動けねぇ!!」 醜悪な顔と粘着性の高い精子餡で全てを粘着する、ドスありす 『むきゅ…三人とも暴力でしか物事を解決できないなんて…賢者は知能で戦うのよ』 「井戸が!俺の井戸に毒が!!」 知能を駆使し、トラップや破壊活動に長ける、ドスぱちゅりー この四匹の暗躍により、地域は壊滅状態。 自衛隊の努力も虚しく四天王を含むゆっくり軍団は、地球防衛組織の基地まであと一歩のところまで攻めてきた。 「もうおしまいか…」 「まさかあれほどバカにしていたゆっくりに人間が負けるなんてな、笑えないぜ…」 『ゆっへっへ、弱っちい人間さんはさっさとどくのぜ!いや、どかなくてもいいのぜ、そこで灰になるといいんだぜ!』 「うわぁぁぁぁぁ!」 「そこまでです!」 『ゆぎゃぁぁぁぁ!目が、目が痛いんだぜぇぇぇぇ!』 誰かが叫んだと同時に、ドスまりさの目に岩石が刺さった。 『んほっ!?』 『まりさ、だいじょうぶ?』 『な、何者なんだぜ!』 「砂糖と大豆の塊に、綺麗な地球は渡さない。 ひなないゆっくりてんこ!」ジャキーン!(青い爆発) 「右にスクープ、左にゆっくり、どちらも逃がさず。 清く正しいゆっくりきめぇまる!です」シャキーン!(黒い爆発) 「人間さんを守りつつ、美味しいあまあまいたたきますだどぉー。 すかーれっとゆっくりれみりゃ!だどぉー」ズガガーン!(紅い爆発) 「おりんりんらんど、はっじまるよー。 にゃんにゃんゆっくりおりん!」シュヒーン!(赤い爆発) 「……ふらん」(ふ、ふらん!ちゃんと決め台詞を言うんだどぉ!)「……うるさい」ガキーン!(黄色い爆発) 「「「「五人合わせて、「比那名居」「文文」「紅魔」「ふゅーじょん」戦隊ゆっくりじゃー!参 上 !」」」」「…参上」ドドーン!!(もう一度各個同じ爆発) 「…おかしい、比那名居戦隊って決めたはず」 「ひなないせんたい(笑)おお、ダサいダサい」 「こーまかんが一番カッコいいんだどぉ」 「やっぱりおりんりんランドにしようよー」 「おりんりんランド…おりん、さっきふゅーじょんって言ってた」 「別に紅くもないのに紅魔戦隊、おお、おかしいおかしい」 「人名なんてダサいんだどー」 「にゃーん」 『ゆがぁぁぁぁおばえらなんなんだぜぇぇっぇ!?おめめの仇ぃぃぃぃ!!』 要石を目に刺された挙句、思いっきり無視されたドスまりさは怒り心頭。 すぐさまドスパークを放った。 「おっと!」 「おお、おそいおそい」 もちろん当たるはずもなく、スパークは空しく空に飛散する。 『ゆぎぎぎぎぎ!こうなったらドスパーク連射だぁぁぁぁ!』 口が焼き切れんばかりに何度も光線を放つドスまりさ。 しかしその光線は誰にも当たる事はなかった。 「遅すぎてカリスマ☆ダンスを踊っちゃうんだぞー」 「おねーさん、ちっともやる気がないねぇ」 『だばれぇぇぇぇ!ドスパークッ!!』 「うー!?ふらん、避けるんだどー!!」 またも渾身のドスパークが放たれるが、その射線上のふらんは回避する様子がない。 『やったぜ、勝ったのぜ!』 「…ウザい」 握り締めたれーばていんを振りかざすと、ふらんはドスパークを撃ち返した。 バシンッと轟音が鳴り響き、光の光弾がドスまりさを襲う。 『そ、そんな…ゆぎゃああああああああああ!』 『まりさ!』 『んほっ!?』 反射されたスパークの直撃を受け帽子は消失、顔の半分は黒くただれてしまった。 右目には要石が、左目はただれてもはや機能していない。 『目が、目が見えないんだぜぇぇぇ!真っ暗なんだぜぇぇぇ!?』 「あまり苦痛を与えるのも酷です、ゆっくりしないで消えて下さい!」 てんこは右手を要石へとかざし 「てんくーのれーせき!」 と叫びながら決めポーズ「あらぶるひなないのぽーず」をとった。 するとドスまりさの目に埋め込まれた要石が見事なまでに爆散し、ドスまりさの半身は消えてなくなった。 『ぶべっ!ゆ!?……ゆっぶり…ぶぼっ、ゆっぶり…じで…』 『ば、ばりざのおがおがぁぁぁぁぁ!!』 「おお、むごいむごい」 「てんこー!ちゃんととどめささないと、たましいがとれないよー」 『で、でいぶ…ゆっぶり…ばりざ…まだじにだぐ…』 『ばりざ!じっがりじでいっでよ!!』 『じにだぐ…ぶぼっ!』 今生の別れになるだろう会話だが、それさえ終わることなくドスまりさはれーばていんに貫かれた。 「…ウザいしキモい」 『ばりざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!よ、よぐもぉぉぉぉ!!!!ありず!アレをやるよ!』 『んほっ!』 ありすは歯を食いしばり力を込める、すると底部から数十本の触手が伸びてきた。 「わぁーさすがドスありすだね、すごいよ!」 「これならまけるわけないぜ!」 「なんてとかいはなぺにぺになの…すてきだわ」 お付のゆっくり達もその触手…いわゆるぺにぺにに見とれてしまう。 そのくらいゆっくりにとっては、雄々しく頼もしい存在であった。 だが。 「ゆ?なんなの?」 「ドスありす!てきはむこうなんだぜ!?」 「や、やめなさい、そくばくぷれいなんてじょうきゅうしゃむけよ!」 ドスありすのぺにぺには配下のゆっくり達に巻きついていった。 そしてそのぺにぺにが狙うべきは… 「ゆぎゃぁぁっぁああああ!どぼじでまりざのまむまむにいれぢゃうのぉぉぉ!!にんっしんっしちゃうぅぅぅぅぅぅ!」 「やめてね、やめてね!こんなのゆっくりできないよ!」 「お、おなじありすどうしでこんなのふけつだわっ!」 『ん…ん…んほぉぉぉぉぉぉおぉおおおおおおおお!!』 「…みにくい」 「ファインダーが腐りそうなので撮影は控えます」 『さすがありすだね、じゃあこんどはれいむのばんだよ!みんな、れいむのおくちのなかににげてね!』 「ゆゆ!?ドスれいむがたすけてくれるの!?」 「ま、まりさがさきににげるんだぜ!」 「どきなさい!」 『ゆっふーん、れいむはにげないからじゅんばんにはいってね!』 頭に茎の生えた者も腹を異常に膨らませた者も、全員仲良くドスれいむの口の中に入っていく。 ゆっくり達は成体になっても所詮ゆっくり、まるで母の口の中にいるかのような安堵感に、眠りにつく者もいた。 「ゆっふーん…ドスれいむのなかはゆっくりできるよぉー」 『うれしいよ!じゃあゆっくりれいむのえいようになってね!』 「ゆゆっ!?」 今なんて言った? れ い む の え い よ う に な っ て ね え?お口の中にいるって事は、守ってもらえるって事で…れいむはドスれいむのお口のなk『ごりゅっ!』 『むーしゃむーしゃ!』 「ゆぼぁぁぁぁぁ!!」 「ドス、なにやってるの!」 『なにって、ぱわーあっぷのためのじゅんびだよ!』 「どぼじでばりざだぢをだべるのぉぉぉ!」 『たべなきゃおおきくなれないでしょ?ばかなの?しぬね』 「やべろぉぉぉぉぉ!!」 口に含んだゆっくり達を、ゆっくりと食しするれいむ。 そのただでさえドスである巨体は、にんっしんっ!状態のゆっくりを摂取する事で当初の4倍にまで膨れ上がった。 『ゆっふーん…さぁほんばんだよぉ!』 「デブ」 「おお、でぶいでぶい」 「みにくいんだどー☆」 「あれ、たましいはこべるかなー?」 「………」 『ゆがぁ!れいむのぷりてぃぼでぃーはおでぶじゃないよ!』 怒りながらもとても跳ねる事のできない巨体のためか、転がりながら突っ込んでくる。 されど効果範囲は広いものの、あまりの遅さに潰される者はいなかった。 『どぼじでつぶれないのぉぉぉぉ!!』 「ドスパークより酷いです、面倒なので一気に決着をつけます」 てんこは振り向き様に「ひそーのけん」でドスれいむの頬にあたる部分を切り裂いた。 切り口からは餡子が… 「あれ?」 『ゆっふっふ、そのていどでれいむのおはだはやぶれないよ!』 「だったら…かなめいし!」 右手から放たれた要石は、まりさの眼球を貫いたように、ドリルの如く回転しながられいむの柔肌に命中した。 回転しながら皮にめり込んでいくが、その回転は徐々に止まってしまう。 『ゆふふふふ、くすぐったいよ!』 「むぅ…」 「おお、てんこ。ここはあれをつかいましょう」 「でも」 「敵が大きくなったら使うのが定石、まさに定番、テンプレ乙」 「わかった」 てんこはポーチから携帯電話を取り出すと、慣れた手つきでアドレス帳を開く。 「『ぷるるるる、ぷるるるる、ガチャ!』はーい、わかるよー!」 「ちぇん、ピンチです。ひなないロボを要求します」 「……ゆーぎロボの事だね、わかったよー」 「いえ、ひなない…『ブツッ!』…ろぼ…」 「おお、ひなないロボならまだおりんりんロボのがマシですね」 「じゃっじゃーん、おりんりんロボ、やってくるよー!」 「いえいえ、おりんりんロボはない」 「うっうー、そのまえにあれをやるどぉー」 『おばえらでいぶをむじずるなぁぁぁぁぁ!!』 連続しての罵倒、そして無視に耐えかねたれいむが再度襲い掛かる。 襲い掛かると言っても相変わらずの回転圧殺攻撃だけだが。 「ロボを呼び出す時は見守るべきです、空気を読んでください(フィーバー!)ん?」 「おお、どうしました?」 「いえ、何だか深海魚っぽい幻聴を聞きました、疲れているようです」 「さぁ、みんなでやるどー☆」 「れみりゃは本当にあれが好きだね、流石のおりんもちょっと恥ずかしいよ」 「いくどー!」 「「「「ゆーぎロボ、かむひあー!」」」」「………」 「ふ、ふらん!早くポーズと掛け声を合わせるんだどぉ!」 「…やだ」 「我侭はダメだどぉ!」 「…絶対やだ」 「我侭を言う子はおしおきだどぉー」 言うが早いか、れみりゃのビンタが炸裂! する瞬間にその右手を捌き取り、そのままアルティメット・スカーバスターへと移行する。 そしてドスの飛び跳ねる音よりも、さらなる轟音が周囲に鳴り響いた。 「う、ううっ…ざぐやぁぁぁぁぁぁ!」 「…ふんっ」 「おお、姉なのによわいよわい」 「ふらん、このままでは負けてしまう」 「…ふらんは一人でもアレを倒せる、あんなわけのわからないポーズは絶対に嫌」 「ふらん、このままだとめーりんも潰されちゃうねぇ」 「!?」 「おりんはめーりんの魂がレアだから嬉しいけど、ふらんはどうかなー?」 「……だからあんなのふらん一人で」 「ふらんがアレの相手をしている間に、ドスありすやドスぱちゅりーがめーりんに対してじゃんじゃじゃーん!」 「…くっ」 「ふらん、一緒にひなないロボを呼びましょう」 「…わかった、ゆーぎロボを呼ぶ」 「ちっ!」 『どぼじででい「もうちょっと待って下さい」ゆがぁぁぁぁぁぁ!!』 「こほん、では気を取り直して」 「「「「「ゆーぎロボ、かむひあー!」」」」」 「わかったよー!ゆーぎロボ、 はっ しん !」 巨大化したれいむを食い止める事はできるのか? てんこ達の呼ぶゆーぎロボとは!? 次回、胴付戦隊ゆっくりじゃー「衝撃・怪力乱神砲」でゆっくりしていってね! 「うー!続きが気になります!」 「ってもしょうがねーだろ、この世の中での戦隊物は30分番組って決まってるんだ」 「このままではてんこのストレスが有頂天!」 「はいはい、そんな事もあろうかと準備しておいたぞ」 そう言ってお兄さんはバッグの中から何かを取り出す。 もぞもぞと動くバッグから出てきたのは、口をガムテープで押さえたゆっくりれいむ。 腹部が膨らんでいるのでどうやらにんっしんっしているようだ。 「ひそーけん!」 「んんんんー!んんんんんんんんんんんんー!!」 てんこの拳がれいむの眉間に直撃し、顔が陥没する。 「ひそーけんって、殴ってるだけじゃねーか…ほら、これ使え」 「おにいさん、これはどうみてもれーばていん」 「そうなのか?まぁどっちでもいいだろ」 「よくない、これはふらんの武器、最強最高エクセレント戦士てんこの持つ武器ではないのは明らか」 「叩けば一緒だ」 「…ぷくぅ」 「わかったわかった、わかったから頬を膨らますな、今度ひそーのけんとやらを買ってやるから、今日はそれで我慢しろ」 「てんこ変身ポーチも」 「……はいはい、わかりましたよーだ」 「流石お兄さん、てんこ愛してる」 そしててんこはればーていんを片手にれいむの元へと走っていった。 当のれいむは砂糖水の涙を流しながら、んーんーと何かに懇願しているようだ。 「すたーぼうぶれいく!」 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ーーーーーー!!」 「結局何でもいいのかよ…………………………『てんこ愛してる』か……うひょぉぉぉぉ!!」 「お兄さんがキモいのは確定的に明らか」 「おまっ、な、何で隣にいるんだよ!」 「てんこに欲情、おお、キモいキモい」 「きめぇまるの真似をするなっていつも言ってんだろ!!」 あとがき 胴付てんこが可愛くてぱちぇを愛でたり炉心融解させる暇がない。 てんこ愛してる。 今までに書いたゆっくり ゆっくり信仰していってね! ゆっくり新技術を導入していってね! ゆっくり体調管理をしていってね! 虐待理由 協定 ゆっくりの能力を得たお兄さん ゆっくり並列宇宙の旅 ゆっくり名言集 おまけーね 胴付戦隊ゆっくりじゃーエンディングテーマ れっつ かりすま だんしんぐ (うっうー Let's charisma dancing !) うっ、う、ううっうー☆ 今日も地球は平和だどぅー 懲りずに出てくる黒い影ー 優雅で綺麗なぐんぐにるー☆ ゆっくり蹴散らし(餡子が美味しいどぉー!) たまには咲夜に泣きつくけれどぅー れみりゃはかりすまおぜうさまー ふらんの前ではなかないどぉー 悲しい時には(dancing!) みんなで踊ろう(dancing!) かりすまかりすま かりすまだんすだどぉー! このSSに感想をつける