約 632,112 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/517.html
ある日ある時ある場所で。 1組のゆっくりれいむとゆっくりまりさの夫婦の間に赤ちゃんが生まれた。 合計で10匹近い、皆元気な赤ちゃんだった。 1つ……2つおかしかったのは、赤ちゃんの中に1匹ずつゆっくりぱちゅりーとゆっくりありすがいたことだ。 遺伝子と確率の悪戯か、普通は生まれないはずの2匹が生まれてしまった。 だが、家族はその2匹を排斥するようなことはせず、両親は子供達に分け隔て無く愛情を注いだ。 一家や餌場を共にするゆっくり家族は、異端であるはずのぱちゅりーとありすさえ大事に育てた。 幸運にも成長過程で死亡する子供もなく、皆成体になれるかと思われた。 そんな日常の崩壊は、赤ちゃんの誕生から半年ほど経った頃に訪れた。 ちょうど、子供達が生殖可能になる直前。朝、子供達が巣穴で目を覚ますと、両親が何やら荷造りをしている。 「ゆー、ゆー? おかーさんたちなにしてるの?」 「ぴくにっく? それともおひっこし?」 ヒョッコヒョッコ跳ねながら寄ってくる子供達を、両親は鎮痛な面持ちで迎える。 子供達もその気配を感じ取り、不安げな表情に変わる。 「どうしたの? おなかいたいの? ぱちぇがいいやくそうをしってるよ」 「……ぱちぇ、ありす。こっちのつつみがながもちするきのみ。こっちがすぐたべるむしさんだよ」 親まりさは子ぱちゅりーの質問に答えず、蕗の葉で作った包みをぱちゅりーとありすに押しつけてくる。 状況が分からず、2匹は目を白黒させるしかない。他の子供達も、訳が分からないという顔をしている。 「ぱちゅりーとありすは、きょうでおわかれだよ」 ふぇ? ぱちゅりーとありすの行動が一致する。1頭身の身体を傾けて、首をかしげるポーズ。 「ぱちぇとありすのこどもがうまれるまえにおわかれだよ!」 ――つまりはこうだ。何らかの異変により生まれた、 このゆっくりぱちゅりーとありすには何らかの遺伝子異常がある可能性がある。 今日までは親の愛が勝ったのか、排斥することなく育ててきた。が、ここで種としての本能が逆転したようだ。 異常があるかもしれない遺伝子を、近場に置くわけにはいかない。 本当なら生まれてすぐに殺さなければならなかった子供。 殺さずに一家から、近場から、つまりは餌場を中心とする、複数の家族で構成されるコロニーから追い出すにとどめる。 それはぱちゅりーとありすの両親の、最後の甘さだった。 「ごめんね、ごめんねぱちゅりーとありす」 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ」 まだ状況を理解しきれていない2匹を、両親が巣穴から押し出しに掛かる。 「おかーさん? ねえ、りろせいぜんとせつめいしてよ。すまーとじゃないよ!」 「むきゅ……。あなたたちは、あんこがつながったじつのこをみすてるの?」 問いかけの返事はない。体格に優る親ゆっくりは、易々と巣穴からの排除に成功した。 排除、排斥。2匹の存在を拒否したにも関わらず、餞別は丁寧に渡された。 食料が入った包みが2匹の頭の上に乗せられる。まるで頭を撫でるかのように、優しく。 「ゆ。これで7かいおつきさまがのぼるまでゆっくりできるはずだよ」 「ごはんがなくなるまえにゆっくりプレイスをみつけてね!」 巣穴から出された2匹が目にしたのは、ボロボロと涙を流す、拒絶の顔。 2匹とも、自分が拒絶される理屈はわからないままだ。だが理解した。 もう、ここは自分の家じゃない。 2匹は家族に背を向けた。諦めた。2匹は巣穴から立ち去る。 背後から、「ごめんね」「ゆるして」と声が聞こえた気がしたが、2匹には最早関係のないことだった。 餌場を共にする他の家族達も、巣穴から顔を出していた。 「さよなら」 「ゆっくりいきてね」 「しなないでね」 どのゆっくりも気遣う声ばかりかける。だが、ぱちゅりーにはどれもこれも、仲間を見捨てる行為の正当化にしか感じなかった。 誰も本気で心配していない。自分は心を痛めているという振りをして、安心したいだけだ。 「めんざいふがほしいだけなのよ」 小難しいことを言い始めたぱちゅりーを、隣でビービー泣いていたありすが訝しむ。 「なにかいった? ぱちぇ」 傍らのありすの問いかけに答えず、ぱちゅりーは足下だけを見ながら歩いた。 ――立ち木に頭をぶつけた。ぱちゅりーは最後に少しだけ泣いた。 3回お月様が昇って沈んだ。幸いにも、2匹はまだ生きていた。 だが、どの餌場にも受け入れてもらえることはなかった。 餌場のキャパシティが逼迫しているわけではない。 ただ、1度コロニーから追い出されたゆっくりを、いたずらに受け入れるわけにはいかなかった。 何があるのか分からないのだ。 お日様がオレンジ色になり始めた頃、2匹は湖の近くに穴を見つけた。 自然の洞穴ではない。 「ぼーくーごーね。しかもようせいがいたずらしたけーせきもある」 「ぼーくーごー? おしゃれじゃないわね」 2匹はまあ、風雨が凌げればそれでいいや、とその古い防空壕のなかに入っていく。 見て回った結果、その防空壕はトの字のような構造をしていた。 2匹が入ったのがトの字の尻の部分。そこから奥に進むと、途中から緩やかな下り坂になってる。 そのあたりから、妖精が植え付けたと思しきヒカリゴケが自生していた。昼間ほどではないが、生活に支障はない。 数十メートル進んだトの字の頭の部分から外に出られる。2匹が外を伺うと、 「うっうーうあうあ♪」 「しっしーしねしね♪」 捕食種であるところの体付きゆっくりれみりゃやゆっくりふらんが踊っていた。目の前数メートルのところで。 2匹は慌てて頭を引っ込める。あまりに驚いたので、ぱちゅりーが呼吸困難に陥る。 「ふー! ふー!」 「おおおおお、おちついてぱちぇ。そうよ、そすうをかぞえるのよ。ひっひっふー!」 ありすは混乱している。2匹とも少し音を立てすぎた。 「うあ? すこーし、うるさいよ?」 「うー、れみりゃもきこえたよー」 「さわがしいのはこんてぬーできなくしてやる」 踊っていたれみりゃ達が穴に近づいてくる。まだ防空壕の存在に気づいたわけではない。 しかし、見つかるのも時間の問題に違いない。 カランコロン。だが2匹は生き延びた。幸運の女神がついているとしか思えぬ僥倖。 防空壕から離れた、屋敷の勝手口で妖精メイドがハンドベルを鳴らしている。 「御夕飯ですよー! メニューは鯖の活け作りと生豚レバのサラダですよー!」 「うー!」 「おなかへったどー!」 「こんなことしてるばあいじゃねー!」 ワラワラとメイドに駆け寄るゆっくり達。屋敷で飼われているゆっくりのようだった。 メイドの前で綺麗に整列。 「お手、お座り、ちんちん! はい良くできました。次はスカートの裾を持ち上げてください、そう、そっと」 妖精メイドの顔が紅潮しだす。 ゆっくり達は別にパンツ丸出しだろうが、へそまで見えてようがお構いなしなのだが、 メイドがハンドベルを逆に持って、柄をメイド自身のスカートの中に潜り込ませてるのが気になった。 何に使ってるんだろう、一体? いい加減夕飯を持ってきてくれ。 というか顔が怖いです、おねーさん。頭からナイフ生えてるし。 有頂天で緋想天な表情のまま気絶している妖精メイドを腋もとい脇に寄せ、メイド長がゆっくり達に夕飯を与え始めた。 ――ちなみに。 数時間後トイレに駆け込んだゆっくりれみりゃやゆっくりふらんの様子を壁越しに聴姦してたのはメイド長以下数名の有志だった。 お屋敷は今日も変わらぬ日常を満喫していた。 一方その頃、落ち着きを取り戻した2匹は、防空壕を戻り、トの字の鼻の部分にあたる脇道に入っていた。 どこからか、水の流れる音がする。さらに奥に進むと、周囲に石を積んだ縦穴から音がしているのが分かった。 どうやら、下を流れてる水脈、湖から流れ出しているそれに繋がる井戸を掘ったようだ。 しかも、積んだ石はほとんど崩れており、ゆっくりでも乗り越えることは容易だ。 だが、肝心の水をくみ出すことが出来ない。道具もなけりゃ、あっても使えない。ゆっくりの宿命。 「つかえないわね」 「ざんねん。むきゅー」 脇道に用はないので、2匹は屋敷側の出入り口を石で塞ぎ、もう寝ることにした。 2匹は久しぶりに熟睡できた。 熟睡できるようになったまでは良かった。だが、全ての問題が解決したわけではなかった。 食料問題。近くのめぼしい餌場には既に別のゆっくり家族が住み着いている。 そして、2匹はそこに受け入れてもらえなかった。 さて、どうするか。 「むきゅ。いいかんがえがあるわ。ついてきてありす」 本気で悩んでいたありすを旧防空壕、今巣穴から連れ出すぱちゅりー。 むきゅむきゅと森の中に入っていくぱちゅりーを、慌てて追いかけるありす。 まったく、こむにけーしょんがなってないわ。 巣穴からさほど離れず、ぱちゅりーは餌場にほど近い茂みの中に身を隠した。 ぱちゅりーが隠れた茂みは獣道に面した茂みで、その獣道はゆっくり達もよく利用していそうなものだった。 「なにやってんの。かくれんぼしてるばあいじゃないでしょ」 「ばかね。じまえでえさがとれないなら、たにんからもらうしかないじゃない」 強盗をしろと。山賊の真似をしろと。この紫饅頭はそう言ってるのか。 この都会派ALICE様に、空腹と尊厳を天秤に掛けろとぬかすか、この虚弱和菓子め。 「さすがぱちぇね、せにはらはかえられないとはよくいったものだわ」 そんな天秤は最初っから無かった。ゆっくりありす、割と性欲と食欲の権化な種。 2匹とも、新しい餌場を開拓するだとか、2匹分の食料を何とか都合しようだとか、 そういう努力をする考えはないようだ。 当然といえば当然である。 今までずっと、親の庇護の元に安定した食生活を送ってきた2匹。 餌場にあるのは、ゆっくりであっても苦労のしようがない捕食対象ばかり。 苦労した挙げ句、貧しい食糧事情はごめんだった。 2匹に違いがあるとしたら、どの程度まで他のゆっくりから奪うのか、という心構えだった。 待つこと数十分、そろそろありすは隠れ疲れてきた。隠れる場所が悪いんじゃないかと思い始めた頃、 自分に密着して隠れているぱちゅりーがモゾモゾと動き始める。 「なによ、ぱちぇ。おといれ?」 モゾモゾと動くぱちゅりー。というかむしろ、ありすにすり寄ってきている? 「ちょ……、やめてよ。きもちわる……くはないけど、なんかへんなかんじよ」 なんというナチュラルボーンテクニシャン。未だ性行経験のないぱちゅりーが、 ありすを絶妙なタッチで興奮へと誘う。 「だめよぱちぇ。だれもみてないじゃない!」 今明かされるありすの性癖。ついでに彼女のミニマムな理性がそろそろ限界だった。 「ぱ、ぱ、ぱちぇー! わたしあなたのことがさっきからずっとすきよー……?」 いざ、という所でぱちゅりーが身体を離す。何か聞こえたようだ。 ――1匹のゆっくりれいむが2匹の近くを通りかかる。 身体の大きさは2匹とほぼ同等。頭には野イチゴを満載していた。 餌場から自分の巣穴に戻る途中なのだろう。 野イチゴがこぼれないように、そっと跳ねている。 「ゆっくりー、ゆっくりー、ゆっくりーしていってねー♪」 そのれいむが、2匹が隠れた茂みの前を通りかかる。近くに他のゆっくりの気配はない。 これを絶好と言わず何と言おう。ぱちゅりーが、れいむの前に立ちふさがる。 れいむは突然の出現に目を白黒させて立ち止まる。 「うゆゆゆゆ!? ぱちぇ、びっくりしたよ! ゆっくりでてきてね!」 「むきゅー……」 「? ゆっ、く、り、し、て、いっ、て、ね! ことばわかる!?」 反応を返してこないぱちゅりーを訝しむれいむ。彼女は気づかない。 ぱちゅりーは反応しないのではなく、タイミングを伺っていることに。 「むきゅ!!」 「むぐ!?」 れいむが何か言おうと口を開けた瞬間、ぱちゅりーがれいむの唇を奪う。 キッスと言うほどロマンチックな行為ではない。ただ口を塞ぐことを目的とした……いや、それですらない。 「~~~~~!! ぃぁぃ! はちぇ、ぃぁぃぉ!!」 ぱちゅりーがれいむの舌に齧り付き、そのまま引き出そうとする。 れいむは、痛いし声は出ないので、後先かまわず暴れ出したくなる。 すぐに暴れて、ぱちゅりーを振りほどいていれば彼女にもまだ光明が見えたかもしれない。 頭に乗せた野イチゴの心配をしてしまったのがれいむの運の尽きだった。 「れいむ! ごめんね!」 ありすがれいむの頭の上の野イチゴをたたき落とす。 獲物を頂いてさっさとトンズラ、というところでとあるモノがありすの視界に入る。 ――健康そうな、れいむの尻。まるでありすを誘うかのように魅惑的に揺れている。 単に引っ張られる舌が痛くて震えているだけなのだが、ありすにはれいむが求めているようにしか見えなかった。 先ほど、ぱちゅりーにお預けを喰らった(と思っている)ありすが我慢できるはずがなかった。 ゆっくりありす、割と性欲と食欲の権化な種。 「れいむぅぅぅぅぅぅううう! かわいいよおおお!! わたしあなたのことをついさっきからずっとあいしてるー!」 「~~~~!?」 舌を引っ張られてるだけで結構ピンチなのに、なんか盛ったありすまで出てきた。 れいむの餡子ブレインは極度の混乱状態に陥った。 おかげで彼女の命運はここで尽きることになる。 一人で行動した結果がこれだよ!!! 動けないれいむを、後ろからあろすが犯す。全くその気がないれいむにとって、 性行は不快なだけでなく、痛みまで伴う行為だった。 まだ生殖に足るだけの成長をしていないゆっくりれいむが犯されると言うことは、 単に身体を抉られることとイコール。 しかも犯す側までもが未熟。対象に快楽を与える方法など知らず、単に自らの絶頂への近道を探るだけ。 パチュン、パチュンという、ありすから分泌される愛液が立てる音こそ艶めかしいものの、 行為自体は暴力的でしかない。 「――ぁっ! ぁぃぉ!」 「かわいいよかわいいよかわいいよれひむぅぅうっっ!!!」 れいむの後頭部が抉られ、こぼれた餡子が粘液と混じり合って地面にぬかるみを作る。 餡子の甘い匂いと、愛液のわずかにツンとした臭いが混じり合う。 ピストン運動を繰り返すありすの身体は粘液の作る糸でまみれ、納豆を頭からかぶったような有様だ。 れいむの舌を保持しつづけるぱちゅりーはしかめっつらをしてるが、 匂いも粘液も、今のありすには最高の媚薬にしかならない。 「ぁゎぁぁぁぁぁがあぁぁぁっぁああぁぁゎ!!!」 内臓に等しい餡子をほじくり返されるれいむは必死に激痛を訴える。 だが、ぱちゅりーが舌を引き抜かんばかりの力で保持し続けるので、全くままならない。 目は白目を剥き、涙は止まらず、閉じられない口からは涎が際限なく溢れる。 口一杯の涎がのどに逆流するが、咳き込むことさえ許されない。 「っごっ! っっっっ!!! ~~~~~っ!」 「らめええっん!! れいむすてきすぎるぅぅうう!! ぜんぶしぼりとられそうっ!!」 絶頂が近づいてきたありすのストロークが大きく強くなる。 悦楽の欠片もない掘削作業による激痛と、今や難しくなった呼吸の状況にれいむの意識がホワイトアウトを起こす。 「らすとっっ!! すぱーと!!」 だが、たたき付けられるありすの身体の感触がれいむの意識を強引に連れ戻す。 饅頭と饅頭がバチンバチンと炸裂音を上げてぶつかり合う。 「うけとめて! ありすのずべて!! ――ぁ~~~!!!」 ついにありすが果てる。若いゆっくりの初物をぶちまけられ、生殖には成長がわずかに足りていなかったれいむの身体が抵抗を諦めた。 れいむの命の灯が消える。生命の種は、次世代の誕生のために強引に親の命を吸い上げる。 急速に干からびていくれいむと、れいむの頭から伸びるミニトマトのような蔓。 「……ふぅ。あれ、なにこのさんじょう」 「ようやくしょうきにもどったわねめすぶた。さくせんがいようをせつめいするわ」 概要はこうなる。単独で行動している、餌を持ったゆっくりを2匹で襲う。 ぱちゅりーが舌を引っ張り、悲鳴を上げられないようにする。 その隙にありすが襲いかかり、性的に獲物を仕留める。 「なんでそんなほうほうをとらなきゃならないのよ。ふつーにたべものをもらうだけでいいじゃない」 「いかしてかえったら、わたしたちのじょうほうがもれるわ。おおにんずうでしかえしされたらたいへんよ、ばかいぬ」 少数が生き延びるには、獲物の生還は許せない。 また、死体を残すのも良くない。あくまで、不幸なゆっくりが1体行方不明になっただけにしなくては。 家族が殺されたゆっくりは下手人に復讐を誓うが、行方不明なら帰りを待ってるうちに諦めるか忘れる。 それがぱちゅりーの打算だった。 「だから、こんどはもっときれいにころしなさい、このぽーくぴっつ」 知るか。都会派のALICEは自分の欲求に素直なのがマイブームなのよ。 ――一生言ってなさい。それよりその死体をお家まで運んでね。 えー、面倒くさい。汚い。なんでALICEがこんなことを。 あなたの赤ちゃんが生まれるのよ? 赤ちゃん!? かわいい赤ちゃん! 3週間後が楽しみ! ……3週間後にどうするつもりよ、エロ猿。 巣穴まで曳航されたれいむの死体をワクワクしながら眺めるありす。 蔓は伸びきり、数匹の子ゆっくりれいむが成っている。 もうすぐ。もうすぐ生まれる♪ しかし、期待に反して生まれ落ちたれいむは1匹きりだった。 母体が若すぎたのだ。残りは生まれ落ちる前に死んだ。 思わず涙するありすだが、生まれたばかりのれいむは、目の前の干物が自分の母親とは分からない様子だ。 近くにいるありすとぱちゅりーを親と認めた。 「ゅー! ゅっくりちていこうね!」 「グスン。……ゆっくりしようね! ありすはちっちゃいこがだいすきだよ!」 「うまれたのが1ぴきでたすかったわ。ごはんがたらない」 その夜、お腹いっぱい食べた3匹は、一塊になって眠りについた。 ‐丑の刻‐ ありすがふいに目を覚ました。 「ゆ……。おといれ」 よっこいしょ、と身体を起こした目の前にあったのは、ヒカリゴケの光に浮かび上がる親れいむの死体。 死体のことはすっかり忘れていたありすは、思わず内容物のクリームが口から出そうなくらい吃驚した。 そして、その死体が途端に恐ろしくなった。 いつまでこのオブジェを放置するのかしら。 その辺の決定はぱちゅりーがするものと思いこんでるありすは、仕方ないわね、と死体を引きずり始める。 今度だけ、お姉ちゃんが一肌脱いであげましょう。 同時に生まれたはずの姉妹に変な恩を売りつつ、巣穴の奥にある井戸まで死体を持って行く。 暗い水底に放り込まれた死体は、そのまま水脈の流れに乗ってどこかへ行った。 「くっさいものにはふた~♪ ありすちゃんてんさい~♪」 ありすは得意げな面持ちで再度眠りにつく。なお、翌朝寝床に世界地図を描いて大顰蹙を喰らった。 その後、ぱちゅりーとありすはそれなりに手際よく狩りを行った。 単独で行動する若いゆっくりを襲い、食料を強奪する。 出来上がった死体は井戸に捨てる。子供も生まれる前に捨てることにした。 だが、最大限効率的に狩りを行っても、食料事情は常に苦しかった。 元々若いゆっくりが1回の探索で採ってくる餌などたかが知れている。 それだけでも苦しいのに、獲物が毎日現れるわけでもない。 3匹は常に空腹を抱えていた。 「ゅー。おかえりなさい。きょうのごはんは?」 「ありさんがひとくちぶんだよ……。おなかすいたね」 消沈するありすと子れいむに、ぱちゅりーが声を掛ける。 「ありす、あなたはなんでいつもしたいをすてるの?」 「ぱちぇ? とうぜんでしょ。したいなんていつまでもほうちしたらきみわるいわ」 「このひものってしたい? なんのしたい?」 「……たべられるじゃない、これ」 言うが早いか、ぱちゅりーがあわれなゆっくりの死体に齧り付く。 弾力を失った皮は容易く破れ、甘い内容物が露出する。 「ゅ! おいしそうだよ!」 子ゆっくりもすぐさまガブリつく。それが同族の死体だとは思いもよらないようだ。 ただ1匹、ありすだけが尻込みしている。 目を見開き、家族の凶行を信じられないという顔で凝視する。 「ぱちぇ、れいむ! やめて! やめようよ!」 同族喰いはさすがに気が引けるのか、ありすは必死で制止する。 死体を貪る2匹のまわりで跳ねながら、叫び続ける。 ――2匹が咀嚼を止め、ありすに向き直る。ようやく聞いてくれたと安堵するありすだが。 「なんでありすはたべないの? おいしいわよ」 「おかーさん、なんで?」 「なんでかしら?」「なんでなの?」「なんでなんでなんで?」 「「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」」 「……もしかして、おかーさんもおいしいの?」 顔を同族の臓物で汚した2匹の眼孔は、ひどく暗く、ひどく深く見えた。 口の中では内容物がクチャクチャ音を立てて唾液と混ざり合う。 ――ゴクン。 2匹が音を立てて同時に餡子を飲み込む。 「どうなの、おかーさん」 「きっとおいしいのよ、きっと」 ありすににじり寄る2匹。喰われる。咄嗟に悟ったありすは喰いかけの死体に殺到した。 「はぐ! まぐまぐ! むーしゃむーしゃ、おおお、おい゛しい゛よ゛!! し、し゛あわ゛せ゛ー!!」 涙が止まらない。意識に反して涎がこぼれる。 自分が何度となく犯し殺したゆっくりのような表情をしながら、ありすは必死に死体を喰った。 出来れば食べたものは全部吐きたかった。内容物の甘い匂いが嗅覚を刺激する度に無いはずの胃がひっくり返りそうになった。 それでも食事を止めることは出来なかった。 背中には2つの視線。ありすが敵か味方なのかを、いや、餌と道具のどちらなのかを見極める2つの視線が離れなかった。 食事と言う名の命乞いを続けながら、ありすは考えるのを止めた。 それからのありすの日常は、腰を振り、食べ、寝ること以外の意味を失った。 確かに食糧事情は一変した。 家族は20匹近くまで増え、それでも備蓄には余裕があり、今すぐ冬になっても餓死者の1匹も発生しないだろう。 そんな中でありすは、自分が喰われないためにただ腰を振り続けた。 他の家族に自分の価値を見失わせてはいけない。 一瞬でも「ありすのかわりがいるかもしれない」などと思わせてはいけない。 なぜなら。狩りの回数が100を数えた今になっても。 ゆっくりありすが獲物となったことはないのだから。 集団で少数のゆっくりの群れを襲うのが狩りの基本になっていたが、そんな状態でもゆっくりありすが狩りの対象にはならなかった。 性的に捕食者の立場にあるゆっくりありすを襲うということは、家族に性的な意味で犠牲が出る可能性を示唆する。 数が減るのが問題なのではない。余所者の遺伝子が優位に立つゆっくりが家族に混じることが問題だった。 それは鉄の団結を崩す原因となる。 全てぱちゅりーの提言だった。理屈の正当性は問題ではない、ぱちゅりーが言ったということが重大だった。 家族は皆、ありすと犠牲者の子供なのにも関わらず、それらの親は紛れもなくぱちゅりーだった。 ありすは家族にとって道具か武器の類でしかなく、自分の子供に味方はなかった。 既に他のゆっくりを喰うと言う行為に抵抗を感じない家族にとって、 未だ味わったことのないありすの味は、興味以上の何かの対象だった。 それはある意味、愛情と呼べるものだったのかもしれない。 巣穴となった防空壕は素晴らしい隠蔽性を発揮したが、20匹のゆっくりが暮らす巣穴が誰の目にも留まらないということはなかった。 あるとき、散歩中のゆっくりれみりゃがたまたま巣穴を発見した。 「うー♪ うー♪ たましーのゆフラーン♪ ……う? これなんだろ?」 お気に入りの日傘を不器用に閉じて、れみりゃが巣穴の中に入ってくる。 「なんかひかってるけどー。よくみえないーっひぎゃあああああああああ!!!!!」 突然組み伏せられるれみりゃ。四肢が瞬く間に動かせなくなり、口には石が詰め込まれ、悲鳴も出ない。 ガリ。指先がかじり取られる感触に、れみりゃは反射的に限界以上の力で腕を振り回す。 腕に食いついていた何者かが放り出され、指に齧り付いていたソレは壁にたたき付けられて動かなくなる。 潰れた瞬間に、「ゆ゛ぶ!」と声を上げ、壁にへばりついたまま「ゆぐっゆぐっ! た゛すけでみん゛なあぁぁあ」 と呻いている所を見ると、どうやられみりゃが普段捕食対象にしているゆっくりのようだ。 そうと知ったれみりゃは少し落ち着きを取り戻す。力ずくで排除してしまえばいい。 だが、落ち着いた頃にはまたもや四肢の動きは封じられており、しかも自分の下半身に取り付いてくる者までいる。 (うー! きもちわるいのー! ――ゆゅ! なにするき!?) れみりゃの下半身に取り付いたのはありすだった。れみりゃの飼い主である紅い悪魔が直々に選び抜いたクマさんパンツを食い破り、 己の身体を打ち付けてくる。 「ふっ、ふっ、ああもうでるよ、れみりゃ」 犯されている、とれみりゃが気づく前に行為は終了した。 宿主が自覚せぬまま、体内の子種は栄養を求めてのたうち回る。れみりゃの干物、できあがり。 一方的に有利であるれみりゃであっても、1匹であれば既にそれらの敵にはなり得なかった。 その家族が失敗したことを挙げるのなら、巣穴を一切移動しなかったことだ。 頂点であるぱちゅりーが、巣の移動を極端に嫌ったためである。 昔、巣を追い出され苦労したためであろう。 そのため、巣の周辺でのみ行方不明のゆっくりが多発し、不審に思ったある賢い1匹のゆっくりによって巣穴は発見された。 その賢いゆっくり――仮にゆっくりけーねとする――によって見つけられた巣は、けーねが属するコロニーのゆっくり達、 実に100匹以上により囲まれた。 慌てた家族は、我先にと巣穴から脱出した。巣穴の屋敷側の出入り口から飛び出したゆっくり達は、 不運にもれみりゃなどに捕まった数体を除いて脱出に成功した。 けーねに率いられたゆっくり達が巣の奥に来た頃には、残っているのはありすだけだった。 ありすは虚ろな目をけーねに向けるのみ。逃げようとはしない。 「おまえがゆっくりできなくしたげんいんか?」 何を、とは言わなかった。言わなくても分かると思ったからだ。 ありすの周りの壁には、保存用にぶら下げられたゆっくりの死体が密集していた。 そうだよー、ありすがやったよー。 否定の言葉はなかった。 コロニーに連行されたありすは、ゆっくり達の仕返しを受けることになった。 まず、髪の毛を1本ずつ抜かれる。その髪の毛をゆっくりちるのが凍らせ、針のようになったモノを眼球に差し込んでいく。 眼球が一杯になった後は、舌に刺されていった。 髪の毛が無くなると、ありすを太い木の枝で貫き、磔にする。 その後は魔女狩りの処刑のように火あぶりにする。ただし、火力は最小限で。 数日にわたり火あぶりは続き、ゆっくり達はその周りで宴会を続ける。 やがてありすが息絶えそうになると、磔から降ろし、けがの手当を行う。 遅すぎる手当を。しみる薬草を爛れた皮に塗りたくり、腐乱した眼球を摘出する。 舌に刺さった髪の毛を一気に引っこ抜き、ありすの遺言に皆聞き入る。 「ありしゅを……たすけてくれてありがと」 そう言ってありすは絶命した。ゆっくり達は、火から外してやり手当をしたことに対する礼だと思ったが、 けーねだけは数日前の出来事を思い出していた。 巣穴でありすを捕まえた時のことだ。 「そうだよー、ありすがやったよー。たすけにきてくれたのー?」 けーねは訝しんでいた。助ける? 誰が誰を? オワレ 元ネタは「ソニー・ビーン」。 でも単なるキモいお話になったよ!!! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1134.html
れみりゃ食べて食べられ:前編 「う~う~♪」 背筋がゾクッとする。 怖いとかそういう感情ではない。 気色が悪い声が聞こえて拒否反応としての悪寒だと思う。 その声を発していたのは、あのれみりゃの家族だった。 それも、胴体付きという希少種。 母親が1匹赤ん坊3匹といったところか。 普通、胴体付きのれみりゃはそのほとんどが紅魔館内で多く生息しているはず。 そのれみりゃが今は人気のない山道にいる。 となるとこのれみりゃは迷子か家出かほとんどいない紅魔館の外に生息しているれみりゃなのか? 迷子か家出ならば関わるのは危険だ。持ち出すなんてもってのほか。 紅魔館は胴体の付きれみりゃのほとんどを保護している(主はそれを気に入ってないらしいが)。 その中でも上の立場にいる十六夜咲夜さんというメイド長は何でも相当の過保護らしい。 れみりゃが少しでも気に入らないことがあれば咲夜さんに言いつけ、 その気に入らないことをした者に厳しい罰を与えたり・・・ という噂が流れている以上、とてもじゃないが関わりあいたくない。触らぬれみりゃに咲夜なし。 と、何もされていないのならば誰もがそうするだろう。俺だって1週間前まではそうだった。 1週間前に俺は紅魔館に来ていた。勿論、仕事で。 門番に頼まれていた品を渡そうとすると門が開いた。 「おととにおでがけするど~♪」 耳が張り裂けそうなくらい大きい声が響いた。 門から出てきたのはれみりゃと・・・咲夜さん。 咲夜さんと出会えたのは初めてだったので俺は少し感動した。 先輩が言っていた事は本当だった。綺麗な人だこと。 「あら、お仕事ご苦労様です。いつもお世話になっています」 礼儀正しく綺麗なメイド。正に理想の女性だなと惚れ惚れしてると・・・ 左足の指が・・・なんか痛い。 かなり痛いというほどでもないがじわじわくる痛み。何かで殴られてる? 下を見るとやはりれみりゃが、俺の足を日傘で叩いていた。 「ちょ!痛い!痛いって!」 「うーうー!知らない人はたおすど~♪ゆるしてほしかったらぷっでぃんよこせ~!うー♪」 流石に腹が立ったね。満面の笑み浮かべて攻撃されて挙句の果てにはプリン?よこせ? ガキのくせに随分とした態度だ。 俺はもともと短気なので思わず足で蹴り飛ばそうとした。短気の方なら分かるだろ? しかし、俺が蹴ろう!と思った瞬間、門番が前に立っていた。 長くなったのでこれ以上は省略したいところだが、門番に「絶対に手を出さないでくださいね?」と言われた直後だ。 「ばーか♪ばーか♪うっう~♪」 ここまでくれば誰しも少しは腹が立つだろ?俺は門番に止められなければ気の済むまで殴ってたろうに(咲夜さんがいなければ)。 そんなことで俺はこの1週間胸がムカムカしていた。 その元凶が目の前にいる。しかも山道。 これは神様がくれたお恵みだ。1週間腹を立てながらも真面目に仕事に取り組んだ俺に対するお恵みに違いない! 「う?おがーざん!しらないのがいるど!!」 赤ん坊れみりゃの一匹が俺に気づいたようだ。それにつられて他の4匹もいっせいに振り向く。 「うー♪おじさん♪ぷりちーなれみりゃはおなかへったど!!ぷっでぃんちょうだい♪うー♪」 母親れみりゃが図々しく俺にプリンをよこせと言ってきた。 1週間分の怒りを込めて優しく返事してあげようか。 「るせぇ!!!!!!!!!!!111」 「うっ!????」 効いた。肺活量限界まで息を吸い込んで言ったからな。目を丸くしてやがるよ。気色悪い 「う・・・う”ぇぇぇぇええええん!!!!ぷっでぃんぐれないだらざぐやにいい”づげでやるどー!!!」 「ざぐびゃー!!!」 「じゃぐやどごー!!??」 「おがーざーんーーーー!!!!!」 家族全員大泣き。それでもここら辺は誰も住んでないから大丈夫だけど。 まあ声だけでは物足りない。俺は赤ん坊の一匹の方に方向を変える。 「みゅ”っ!!!???」 あ・・・やべ。 強く蹴りすぎたかな?加減はしたつもりだが・・・赤ん坊は弱いからか。 顔が跡形もなく微塵となって吹き飛んだ。残ったのは胴体のみ。 「れ・・・れみりゃのばがじゃんがぁあぁぁあああ!!!!」 おお、こわいこわい。そんな醜い顔よくできるね。 「おねえぢゃあぁぁあああん!!」 「ぢんぢゃやだーーー!!!!!!」 他の二匹もビービーと泣く。 まあこいつらの泣いてるところ見るとさらに腹が立つんだが・・・まだ楽しみたいことがある。ここらでやめよう。 「ごめんねー、顔に虫がついてたから取ってあげようかと思ったんだ、本当にごめんね」 「れみりゃのあがじゃんになんでごとずんのおおぉおぉお!!ざぐやにいびづげでやるぅぅううううう!!!」 ありゃっ・・・やっちゃった。紅魔館のれみりゃかやっぱり。 こんな山道にいるからてっきり野生かと思った。 まあここまでやったらもう引き下がれないよな。 「ごめんごめん、お詫びにおいしいおいしいプリンあげるから・・・許してね?」 「うっ!?ぷ・・・ぷっでぃん!!!??」 「うん、おいしいプリンだよ。こんなおいしいプリン普通は食べられないよ」 「「「う・・・」」」 「「「う~う~ぷっでぃん!!おじさんぷっでぃんちょうだい♪」」」 買収完了。 娘よりもプリンを取るか。外道め。 「じゃあ、おじさんの家に連れて行ってあげるから、ついてきてね?」 「「「うー♪」」」 正真正銘の馬鹿め。お前らに食わせるくらいだったらゆっくりに食わせたほうがまだましだね。 まあこれでこの薄汚い肉まんに報復できる。もう既に考えは練っているよ。 俺はとうに絶命した赤ん坊れみりゃの胴体を袋に入れ山道をれみりゃ家族と一緒に歩いていった。 続く _________________________________________________ 後編に行く前に。 色々とすいません。読みにくかったでしょうに。 中学生から勉強しなおしてきますね。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1354.html
ある日の紅魔館。館主、レミリア・スカーレットが自室で寛いでいると、扉をノックする音が部屋に響いた。 「入りなさい」 と、部屋に招き入れる。レミリアの自室に直接やってくる者はこの館で二人くらいしか居ない。 「失礼いたします」 案の定、訪問者は完全で瀟洒な紅魔館のメイド長、十六夜咲夜であった。 だが、今の咲夜は完全でも瀟洒でもなかった。 冷静な声とは裏腹に物凄い勢いで扉を開け、猛然と部屋に飛び込んできた。 手には酷く不細工な館主の紛い物、紅魔館周辺でよく見かける食用生物の一種、ゆっくりれみりゃを抱えていた。 「……それが何かやらかしたの?」 「飼ってもよろしいでしょうか?」 「うーうー?」 「は?」 信じ難い言葉に耳を疑う。今、この瀟洒メイドまじかる咲夜は何を言ったのだ? 「よく聞こえなかったわ。もう一度言いなさい」 「このゆっくりれみりゃを、この紅魔館で飼ってもよろしいでしょうか!?」 「却下よ。どうしてそんな見苦しいモノを飼育しないといけないのかしら。貴女酔ってるの?」 「ぶー!ぶもがっ」 不細工フェイスで抗議するゆっくりれみりゃを黙らせる咲夜。 「素面です正気です正常です!勿論お嬢様のお手を煩わせる事は一切いたしません。全て私が世話します」 「駄目よ。そんな汚らわしい私の紛い物が私の屋敷をうろつくと考えただけでゾっとするわ」 「けっ結構可愛いんですよこの子!ほら、よく見れば愛嬌のある顔ですし!幼女ですし!ロリ体型です!」 「……身の危険を感じるわね。とにかく駄目なものは駄目よ」 「そう、ですか……このゆっくりを飼えばあの紅白も頻繁に遊びに来るようになると思ったんですが」 「―――どういう意味かしら?話しなさい」 「はい。先日神社に雑用を済ませに行った折に、紅白がこれと似たような物を可愛がっているのを見ました。 話を聞いてみると、 『きちんと言い聞かせればちゃんと応える良い子だ。そろそろこの子の遊び相手も欲しくなってきた』 との事でした。どうでしょうお嬢様。これを飼えばあの紅白は必ず食いつきます!きっと向こうから出向いてきますよ!」 「…………いいわ。許可してあげる。ただし、貴女が全責任を持って飼育するのよ。紅魔館の恥部には絶対しないで頂戴」 「ありがとうございます!必ずやお嬢様の御期待に沿うよう命を賭けて飼育いたします!」 「うっうー♪」 その日から、咲夜の生活スタイルはガラリと変わった。ゆっくりゃはとにかく我侭だった。 夜寝かせようとしてもぐずって眠らず、眠るまでの三時間もの間絵本を何十冊も読んであげる事はザラだった。 ちなみにその間船を漕ぎ出したゆっくりゃに油断してベッドから離れようとすると火がついたように泣き出してリセットだ。 朝起きる時間は極めて不規則、早朝五時に目を覚まして咲夜を叩き起こす事もあれば、夕方まで起きない事もあった。 夕方まで寝ていた日は間違いなく徹夜コースである。寝ている所を起こせば泣いて叫んで暴れて大騒ぎ。 こんな状態でも、ゆっくりゃの安らかな寝顔を見るだけで咲夜の心は満たされた。 レミリアの世話をおろそかにする訳にはいかないので、当然咲夜の能力はこれまで以上にフル活用される。 飼い始めて三日目には、咲夜の睡眠は止まった時間の中でしか許されなくなった。 それも時間が動き出さないよう寝ながら集中しているので完全な熟睡を得る事は不可能だった。 それでも一日を二倍三倍に延ばす事で仕事に支障は出なかったが。 また、食事の世話も困難を極めた。肉も魚も野菜もパンも麺類も一切食べない。食べるのは甘い菓子類とジュースだけだった。 肉料理を出せば 「くさいからいや!さくやなんてきらい!!」 と床に投げ捨てその上に飛び降り踊った。 魚料理を出せば、 「きもちわるいからいや!さくやなんてきらい!!」 と側で控える咲夜の顔に投げ付け大はしゃぎした。 野菜料理を出せば、 「にがいからいや!さくやなんてきらい!!」 と皿ごと踏みにじり満足そうな笑みを浮かべた。 パンを出せば、 「すかすかするからいや!さくやなんてきらい!!」 と、トイレまで持って行って流しては喜んだ。 麺類を出せば、 「うー♪うー♪おもちゃだおもちゃ♪」 と服に派手な模様を作りながらテーブルの上に並べて遊んだ。 また、菓子類を出した時も酷く煩く注文をつけた。 「ぷりんじゃなきゃいやなの!!さくやなんてだいきらい!!」 とババロアを叩き潰し、数分後に用意されたプリンを 「こんなのぷりんじゃないもん!こんなのはさくやがたべればいいんだ!!」 と咲夜の髪に擦り付けた事もある。ちなみにこの時欲しがっていたのはプッチン前のプッチンプリンだった。 「くっきーがたべたいの!いますぐじゃなきゃやなの!さくやのばかぁー!!」 と駄々をこねたゆっくりゃに用意された焼きたてクッキーを、 「こんなくっきーいらないもん!こんなのはごみだもん!!」 と粉々に砕いた挙句妖精メイドの衣装箪笥の中にばら撒いた事もある。ちなみにこの時欲しがっていたのは白い恋人だった。 「しゅーくいーむがほしい!しゅーくいーむもってこないさくやはだめだもん!!」 とカーテンに噛り付いてねだったゆっくりゃに用意された手作りシュークリームを、 「こんなのだめなの!さくやのぱっどちょう!!」 と咲夜の下着の中に詰め込んで服の上から叩いて潰した事もある。ちなみにこの時欲しがっていたのはシューアイスだった。 咲夜が用意する食べ物以外にも強い関心を持った。妖精メイドの食事中にこっそり近付き、襲うのだ。 咲夜による報復を恐れて何も出来ない妖精メイド達はただ食事を投げつけられ、踏み躙られ、玩具にされるのを黙って見ていた。 こんな有様でも、ゆっくりゃの 「うー♪おいちー♪さくやのおかしおいちー♪」 この一言で咲夜は癒された。 ゆっくりゃの遊びはとにかく迷惑を振りまいた。 「くれよんちょうだいちょうだいちょうだい!!くれよんがなきゃしんじゃうぞ!!ぎゃおーぎゃおー!!」 と、寝ている咲夜の耳元で怒鳴り散らしたので与えたクレヨンは、その日の内に館内廊下に長大な線路を作った。 掃除しようとする妖精メイドは悉く 「こわしちゃだめなの!れみりゃのせんろなの!!さくやにいいつけるぞ!!ぎゃおー!!」 と脅され、結局ゆっくりゃが飽きる三日後まで放置された。 「れみりゃもぱちぇとおちゃするの!!させてくれなきゃたべちゃうぞ!!ぎゃーおー!!」 と不恰好なブレイクダンスを見せ付けるので大人しくするという条件付でレミリアとパチュリーの茶会に招待したら、 「こんなあついののめない!!さくやのぶわぁーか!!ぺっぺっ!!」 とレミリアとパチュリーの顔に熱い紅茶を噴き付けて逃亡、魔道書に落書きして遊んでいた。 四冊目を台無しにした所で小悪魔に取り押さえられ、以後図書館にはゆっくりゃのみ立ち入れない結界が張られた。 庭で遊んでいる時にシエスタ中の美鈴を発見し、盗んできた『れみりゃの』日傘を額に向かって、 「さくやのまねー!うっうー♪ねてないでしごとしなさい!このちゅうごく!!うーうーうー♪」 と叫びながら突き刺そうとした事もある。寝ながら気功でガードされたので、 「なんでささらないの!!ささらないとだめなの!!さくやにいいつけちゃうぞ!!ぎゃおーん!!」 とべそをかきながら日傘を振り下ろし続けた事もある。ちなみに気功ガードしていなければ確実に左目を失っていた。 大声でとっくに目を覚ましていた美鈴は面白がって延々振り下ろすに任せていた。シエスタを発見されてナイフ塗れになったが。 このような調子で紅魔館の新たな暴君ゆっくりゃは咲夜以外の約一名を除いた全ての住人に忌み嫌われていた。 だが、主であるレミリアが在住を認め、咲夜が可愛がっている事から口出しできる者は居なかった。 唯一口出しできる筈のレミリアは、 「ほほほ、誇り高き吸血鬼がじじ従者といいいい一度交わした約束をっ、そそそそう簡単に破れる筈が無いわ」 と、一番屈辱を感じているにも関わらず驚異的な忍耐力を発揮していた。この発言の際下唇を噛み切った事は公然の秘密である。 とは言え、このような誰が主か分からないような状態が長く続く筈が無かったのだ。 ゆっくりゃを飼い始めて一月が経つ頃、咲夜はうっかりレミリアのティーカップを落として割ってしまった。 「申し訳ございませんお嬢様!すぐに別のカップを御用意致しま…」 「待ちなさい咲夜。……貴女、最近まともに眠れていないでしょう」 穏やかな声で話すレミリア。普段ならばもっと不機嫌になるだろう。否、そもそも普段はこの様な失態自体あり得ない。 「そ、そのような事は決して!以後この様な事の無いように努め」 「そんな事は関係無いわ。貴女の仕事の内容は確実に悪くなっている。アレを飼いだしてから貴女は完全ではなくなった」 「そ……」 「『そのような事は決して』?嘘ね。貴女自身もよく分かってる筈よ。決めたわ。アレは処分する」 「それだけは!どうかそれだけはお止め下さい!必ず!必ず私が言い聞かせますから!!」 「無理よ。今の体調で更にアレの躾までやるなんて不可能。時間を操れる程度じゃそんな奇跡は起こせないわ」 「それでもどうか……どうか……」 「くどい。これはお願いではなく命令よ。咲夜。貴女の主は誰?」 いつの間にかレミリアは獲物をいたぶる猫科動物のような表情をしている。目だけで咲夜の苦悩を哂っているのだ。 「レミリアお嬢様です……」 「そうね。では貴女にとって主の命令とはどんな物なのかしら?」 「私にとって、お嬢様の命令は絶対です」 「結構。ではアレは貴女の手で処分なさい」 「…………」 「聞こえなかったかしら?咲夜、貴女やっぱり疲れているのね」 「…………どうか、あの子の命だけは」 「ああそう。もういいわ。もう話は終わり。今まで御苦労様。ゆっくりと休みなさい、十六夜咲夜」 人間にはとても出来ない邪悪な笑みを浮かべ、レミリアはゆっくりと右手を掲げ、 「う゛ー!お゛な゛がずい゛だぞー!ざぐや゛ー!れみりゃがよんでるのにこないと、たべちゃ……う、うー?」 床で足を投げ出して叫ぶゆっくりゃの部屋の扉が開く。 「さ、さくやー!またせると、たべちゃうぞー!!」 嬉しそうに扉に向かってのたのた駆け出すゆっくりゃ。だが優しく抱き留められる筈のゆっくりゃは、壁まで弾き飛ばされた。 「ぎゃう!!」 「こんにちは汚らわしい下膨れ。あなたが欲しいのは金のメイドかしら?銀のメイドかしら?」 「い゛、い゛だい゛よ゛ー!ざぐや゛に゛い゛い゛づげでや゛る゛ー!!う゛あ゛ーう゛あ゛ー!!」 「そう、瀟洒なメイドが欲しいの。でも残念ね。アレはもう居ないの」 「う゛、う゛ー?」 顔をくしゃくしゃに歪めながら首を傾げるゆっくりゃ。よく見れば泣いてなどいない。 単に、ああやって騒げばいつでも咲夜が助けてくれたからそうしただけの事だった。 「コレはもう完全でもなければ瀟洒でもなく、ましてやメイドですらないもの」 そう言ってレミリアはゆっくりゃの目の前にソレを投げ捨てた。 ソレは、紅魔館メイド長・十六夜咲夜に酷似した『何か』だった。 「う゛、う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ざぐや゛が!ざぐや゛がじんじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「フン、喜んで貰えて光栄ですわミス。貴女のおかげでそのネズミを処理できましたの。ありがとうございます」 猛烈な皮肉である。口元は微笑んでいたが、目には殺意が燃え盛っている。 それは人間ならば恐怖でショック死しかねない程の恐ろしい笑みだった。知性無きゆっくりにはそんな事は起こらないが。 「がえ゛じで!ざぐや゛を゛がえ゛じで!!ぶわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ぶあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「何故そこまで泣くのかしら?私は吸血鬼だから今一分からないわ。教えて貰えるかしら」 「だっで!ざぐや゛はれ゛み゛り゛ゃの゛み゛がだだっだも゛ん゛!れ゛み゛り゛ゃのゆ゛う゛ごどぎいでぐれ゛だも゛ん゛!!」 「例えばどんな事だったかしら?」 「ひっぐ!ざぐや゛はれ゛み゛り゛ゃに゛おがじぐれ゛だも゛ん゛!ごほん゛よんでぐれ゛だも゛ん゛!!」 「ああそう。それから?」 「うぇ゛っぐ!い゛っじょに゛ね゛でぐれ゛だも゛ん゛!い゛い゛ごい゛い゛ごじでぐれ゛だも゛ん゛!!」 「へぇ。でも咲夜は貴女の事を随分と叱ったんじゃなくて?」 「ぞん゛な゛ごどじな゛い゛も゛ん゛!!ざぐや゛はれ゛み゛り゛ゃの゛い゛や゛な゛ごどじながっだも゛ん゛!!」 「食事の好き嫌いを無くそうとした。我侭を止めさせようとした。やってはいけない事を教えた」 「う゛っぐ!…………ひっぐ!…………ぶぇっぐ!」 「他人の物を無断で使ってはいけないと教えた。迷惑をかけた相手には謝らせた。……全部忘れたのかしら?」 「……………………ひっぐ」 「つまり貴女にとって咲夜は、要望を全て叶えてくれる回数無制限のランプの精だった訳ね。 じゃあ、私が貴女の要望を叶えてあげると言えば、貴女は私にも懐くのかしら?ねえ、どうなの?」 「……………………ほんと?」 「何が?」 「ほんとにれみりゃのゆうこと、きいてくれるの?」 「ええ、聞いてあげるわ。それこそ咲夜の様に」 「さくやはだめだよ!ときどきよくわかんないこといって、れみりゃにめーってするんだもん!!」 「あらあら」 「それにおかしはたべたいのくれないこともあるし、よみたいごほんよんでくれないこともあるもん!!」 「それはそれは……分かったかしら?これがコレの本質よ。貴女はコレにとって使い捨ての道具。飼い主なんかじゃないわ」 「うー?おねえちゃん、どうしたの?」 突然後ろに向かって話し出したレミリアに戸惑うゆっくりゃ。いつの間にか親しげにレミリアの袖を掴んでいる。 「汚らしい手でお嬢様に触るな」 「う゛あ゛!!?」 声が聞こえた瞬間、ゆっくりゃは胸倉を掴まれ高々と持ち上げられていた。 声の主に向かって、レミリアは言う。 「漸くお目覚めかしら?完全にして瀟洒なるメイドさん」 「はい。大変御迷惑をおかけしたしました。目が醒めました。もうコレに惑わされたりはいたしません」 「別にいいのよ。貴女は私の大切な従者だもの。従者の目を醒まさせるのは主の喜びでもあるのよ」 「勿体無きお言葉です」 「相応しい言葉よ。……では、ソレの処分は一任するわ。構わないわね?」 「喜んで。では失礼致しますお嬢様」 「ええ、せいぜい楽しみなさい咲夜」 何が起こっているのか理解できないゆっくりゃは、ただ呆然と咲夜に何処かへと持ち運ばれていく。 先ほどまで床にあった咲夜の死体は、木の人形に変わっていた。 人間にはとても出来ない邪悪な笑みを浮かべ、レミリアはゆっくりと右手を掲げ、指を鳴らした。 「はいは~い!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ~ん!」 美鈴が、咲夜と同じ服を着た等身大の木の人形を抱えて部屋に入ってきた。 「何を言ってるのよ美鈴。呼ばれたのは私よ」 「お、お嬢様……これは一体……?」 殺されると確信して、目を閉じていた咲夜が恐る恐る尋ねる。 「これは試験よ」 「試験……ですか?」 「レミィ、それだけじゃ何の事だか分からないでしょう」 「ふん。そんな事ないわよ。咲夜ならきっと分かってくれるわ」 「…………すみませんお嬢様、何の事なのか分かりかねます」 「ほら見なさい」 「あっ!私は分かりましtヘヴン!!」 パチュリーの6A攻撃で昏倒する美鈴。 「試すのはあの下膨れよ、咲夜。私が作ったあなたの偽物を使うの」 「はぁ……」 ゆっくりゃが運び込まれたのは、地下にある懲罰室だった。 そこには玩具の様な鞭や蝋燭や三角木馬といった他愛も無い物から、疎らに棘が付いた審問椅子、鉄の処女、鉄製の靴や金槌等の、 本格的に人を苦しめ、殺す為の拷問器具まで沢山のグッズが揃っている。 「う、うぅー……さ、さくやー……」 それらの器具が放つ威圧感は、ゆっくりブレインでも感じ取れるのか怯えた様子で咲夜を見上げるゆっくりゃ。 その咲夜はナイフよりも冷たい眼でゆっくりゃを一瞥し、床に放り投げる。 「ぶっ!」 頭から床に落ち、涙目になって起き上がるゆっくりゃ。 咲夜は無言でゆっくりゃの元につかつかと歩み寄り、背中を踏みつける。 「ぶぎゃっ!い゛、い゛だい゛よ゛ー!ざぐや゛ー!だずげでー!」 「まだそんな事を言えるのね。こんな物を飼っていたなんて、本当にどうかしていたわ」 「うー!?」 いつもの口上で助けてくれない事に動揺するゆっくりゃ。必死で後ろに向き、媚びた笑みを浮かべるが咲夜の表情は変わらない。 「ざ、ざぐや゛だずげでー!こぁいひどがいるよー!!」 この咲夜は偽物だとでも思っているのか、必死で咲夜を呼びつけるゆっくりゃ。 ゆっくりゃの言う事を聞く人形は、もう何処にも居ないというのに。 「そう、お前にとって『十六夜咲夜』とは今やあの木の人形なのね。……馬鹿みたい」 背中から足をどけ、右肩を踏み潰す咲夜。ぐしゅり、と裂けた皮から中身が飛び散る。 「う゛あ゛ー!!ながみ!れ゛み゛り゛ゃのながみがぁー!!」 「うるさいわ。少し黙りなさい」 右肩を踏み潰したままでしゃがみ込み、口をこじ開けて舌を引っ張り出し、ナイフで切り落とす。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口から肉汁を撒き散らしながら絶叫し、全身を激しく暴れさせるゆっくりゃ。 「や゛べでよ゛お゛ばざん゛ー!!れ゛み゛り゛ゃな゛に゛も゛わ゛る゛い゛ごどじでな゛い゛の゛に゛ー!!!」 「ああうるさい。これをあげるから黙りなさい」 喉の奥に切り取った舌を強引に押し込む。喉を塞がれた事で声を出せなくなり、静かになった。 飲み下してまた大声を出されないよう、首の後ろに椅子の脚を置いて飲み込めないようにする。 「………………………!!!」 びゅうびゅうと音を立てて必死で呼吸するゆっくりゃ。先程よりは大分静かになった。 「では続けましょう。そうね、まず散々館内を散らかし、汚してくれたこの手から」 「!!!」 今までに何度も何度も料理をぶちまけ、皿を割り、床や壁を汚してきた右手をそっと手に取る。 そして短くぷにぷにとした親指を摘んで引きちぎる。 「~~~~~~~~~~っっっ!!!」 声を上げる事も出来ず、ただ表情を苦痛で歪め、涙と肉汁で床を濡らして両脚をばたつかせる。 その醜い姿に眉を顰めて人差し指、中指と順番に引きちぎっていく。 右手が終わったら左手の指に取り掛かる。その表情は何の感情も見せず、機械的に淡々と作業を進める。 「ああ気持ち悪い。本当にどうしてこんな物を可愛がっていたのかしら。ここまで自分の時間を巻き戻せたらと思った事は無いわ」 「…………………………」 もう暴れる気力も無くなったのか、指を千切る度にびくびくと痙攣する以外は動かないゆっくりゃ。 死んでいる訳ではない事は依然として聞こえてくる呼吸音と、止まらない涙が告げている。 「これを相手にここの道具を使うのは勿体無いわね……ああそうだ。これが触った食器を使えばいいか」 時を止め、ゆっくりゃが一度でも使ったフォークやナイフを全て持ってくる。 「……こんな上等の食器を使わせていたなんて、今なら考えただけでゾっとするわ」 自身の行いへの嫌悪感を顔に表して右腕にフォークで穴を開けていき、左腕をナイフで切開する。 そして両腕を強く握り締めて中身をあふれ出させる。右腕からはミンチが、左腕からは原型を留めた肉まんの具がこぼれる。 「っっっっっっっ!!!!!!!~~~~~~~~~~~~~~っっっ!!!!!」 かつて無い激痛に全身を激しく痙攣させるゆっくりゃ。痛みを誤魔化す為か、床に激しく額を打ち付けている。 「そんなに死に急いでもその程度じゃ死なないわよ。中身が残っていれば死なないんでしょう」 聞こえたのか聞こえないのか、より激しく床に頭を打ち付ける。既に額は平らに均されており、小さな鼻も潰れている。 「あら?いつの間にか腕が使い物にならなくなってるわよ。せっかくだから私が取ってあげる」 白々しく言い放ち、皮だけとなった両腕を思い切り引っ張って肩口から切り離す。 肩周辺の中身がぼろりと床に零れ落ちるが気にしない。 まるで激しく鳴く蝉の羽の様に全身をガクガクと痙攣させるゆっくりゃ。どんどん中身が零れて行くが止まらない。 「さて、次は沢山の物を踏み躙って汚し、壊してきた脚をおしおきしないとね」 手の指と同じように足の指を引きちぎり、両脚をゆっくりゃが壊したレミリアの日傘の骨で連結する。 「あら、これはまるで線路ね。良かったじゃない。あなたが線路になれたわよ」 言いながら、傘の骨を足で軽く蹴る。 脚の中を掻き回される苦痛に耐え切れず脚をばたつかせようとして、尚激しい苦痛に悶えるゆっくりゃ。 その顔は何度も床に打ち付けたせいで全体が平らになって肉汁を滴らせていた。 「ふぅ。まあこんなものかしらね。ああ、服が……油汚れは中々落ちないから嫌よねぇ?」 ゆっくりゃの潰れた鼻の穴にクレヨンを一本一本押し込みながらぼやく。 全て押し込んだ頃には後頭部に膨らみが二つ並んでいた。 「さて。私はそろそろ行くわ。後の仕事は小悪魔が用意してくれたこいつらに任せるから。それじゃさようなら」 「う゛あ゛う゛ー……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 椅子をどかされ声を出せるようにはなったものの、もう叫ぶ気力は無いのかただ呻くだけのゆっくりゃ。 そのゆっくりゃの全身を、咲夜が置いていった黒光りするチャバネ的な何かがゆっくりと這い回る。 小悪魔によって長命に品種改良され、咲夜によって時間の進行を遅くされたそれらは、 ゆっくりゃの感覚をゆっくりを責め苛みながら、もう自力で動く事もできない体を一家の巣にするのだった。 THE MASTER PRETENDER DIED SLOWLY 作:ミコスリ=ハン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/91.html
近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/110.html
短いけど書いてみた。 「ゆっくり相撲」 最近里の子供達の間ではやっている遊びがある。 「ゆっくっゆぎゅれいむゆっくりおちていってね!」 「ゆぶっゅべっゆっぶっまりさこそゆっくりおちていってね!」 里の寺子屋、裏返したタライの上で二匹のゆっくりが互いを押し合っている。 といっても別に発情しているわけではない。 虫の代わりにゆっくりを使った「ゆっくり相撲」をしているのだ。 周りを里の子供達が取り囲み「つぶせっ」だの「おしだせ!」だのと囃し立てている。 ゆっくり相撲とは、種類の違うゆっくりを捕まえて来て取っ組み合いをさせる遊びだ。 「ゆっくりできる場所を教えてあげる」「美味しい食べ物をあげる」等といえば殆どのゆっくりは疑いもせずついて来る。 その後タライに乗せ「押し合いをして、勝った方には特別なご馳走をあげる」と言えば、割と簡単に押し合いを始める。 時々、言う事を聞かずご馳走だけを強請って五月蝿いゆっくり達もいるが、全員で蹴り飛ばしながら脅せば大概言う事を聞くのである。 今日捕まえてきた二匹はどうやら親友同士らしく 連れてくる途中「ゆっくりたのしみだねー」「どんなところでゆっくりできるんだろうねー」と声を掛け合っていた。 だが、子供達はゆっくりさせる気もなければご馳走をあげる気もない。 負けた方のゆっくりを勝ったゆっくりに特別なご馳走として無理やり食べさせるのである。 この間は姉妹同士のゆっくりを争わせた。 勝ってご馳走が食べれるとはしゃぐ姉、ずるいずるいと騒ぐ妹。 ご馳走をあげると言い、互いを向き合わせ、目の前で妹を踏み潰してやった。 目の前で潰され、息絶えた妹ゆっくりを見て半狂乱になる姉ゆっくりを見て大笑いをしながら、潰れた妹を無理やり食わせる。 「い”も”う”と”を”か”え”し”て”ぇ”ぇ”ぇ”」「ゆ”っ”く”り”で”き”な”い”ぃ”ぃ”」だのと喚き散していたくせに、口の中に捻じ込むととたんに「うっめ、メッチャうめ!」「しあわせー」と喜ぶゆっくりを指差して腹を抱えて笑った。 あの後、日が暮れるまで残った姉を皆で蹴り回して、適当な木の枝に刺して帰った。 次の日に鞠代わりに蹴り飛ばして遊ぼうと木を見たら木の根元に少量の餡子とリボンが落ちていた。ゆっくりれみりゃにでも食べられたのだろうと皆で残念がった。 「ゆゅっゆっおちちゃうよっゆっくりおちちゃうよっ」 「ゆっくりおちてね!ゆっくりおちてね!」 もうすぐ勝負がつく。ご馳走にありつくゆっくりも決まりそうだ。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1678.html
ゆっくりと老人 悪戯 幻 人 東 ゆっくりれみりゃと仲良しゆっくり 気楽 ゆっくりの産卵 性 鬱 野生 家 ほーむらん 気楽 現 人 夕暮れ 気楽 夜明けの星 哀愁 現 人 ・人間とゆっくりの境界 人間とゆっくりの境界1 鬱 野生 幻 家 人 人間とゆっくりの境界2 気楽 人間とゆっくりの境界3 気楽 人間とゆっくりの境界4 気楽 人間とゆっくりの境界5 気楽 人間とゆっくりの境界6 気楽 人間とゆっくりの境界7 気楽
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/289.html
第十五章 別れと出会い 「ゆぐっ、ゆぐぅぅ」 「泣いちゃダメだよ、ゆっくりしようね!」 夏の前から親しんできたおともだちたちと 別れることになったゆっくりたち。 大使館を去っていく人影に、 涙ながらに帽子やリボンを振った。 「離れてもおともだちだよ!」 「またいっしょにあそぼうね!」 別れがあれば出会いがある。 ゆっくり村により近い集まりから 入れ替わりにおともだちがやってきた。 今度の集まりはもっと人が多くて 楽しそうだ。 そんな人たちにゆっくりがかける 言葉はひとつ。 「ゆっくりしていってね!!!」 (ゆっくり数:1278頭) ========================== 第十四章 かりそめの勝利 首都を攻められた敵軍は ゆっくり村のオアシスに 起死回生の攻撃を仕掛けてきた。 「に゛ゃあぁ、れいむ゛のあんごがあぁ!」 「ゆっ、ゆぐっ、ゆっくぶぎゃっ!」 潰されながらも戦うゆっくりたち。 苦戦の果てに敵を倒すことができた。 やがて始まる停戦交渉、そして……。 「またお手紙だよ! まけましたって!」 「ゆううう! ゆうううう!」 「ゆっくりできるよおぉぉぉ!!」 狂喜乱舞するゆっくりたち。 村は祭りになり、みなが歌い、騒ぎ、 飲み食いし、すっきりした。 「ぱちゅりぃぃ!」「まりさぁぁ!」 「すっきりー!!」 だが、ゆっくりたちが浮かれ騒いで いられるのは、つかの間のことだろう。 南方のオアシスを奪い、勢力を強める、 新たなおそろしい敵の影があるのだ……。 (ゆっくり数:1070頭) ========================== 第十三章 真実、そして…… 「わるいひとからお手紙がきたよ!」 「むきゅっ? 読ませて」 ゆっパルトで攻撃中のゆっくり軍に手紙が届き、 ゆっくりぱちゅりーが読みあげた。 「わたしはわるくないです。 おともだちがわるかったんです。 わたしは はんげきしただけです。 ほろぼしていません」 「……」「……」 ゆっくりたちはその意味を ゆっくりと考えた。 ゆっちゅりーがみんなを見回す。 「どうしたらいいかしら!」 「れいむはもっとしげんがほしいな!」 「ゆっパルトもかなり壊されちゃったぜ!」 「うっうー、れみりゃおなか減ったぞー!」 「じゃあ、こうげきぞっこうね!」 ゆっくりたちに難しいことはわからない。 相手が泣いて謝ってくるまで 攻撃は続きそうだった……。 (ゆっくり数:1013頭) ========================== 第十二章 決戦! ゆっくりできない人 「みんな、たいへんだよ!」 「ゆゆっ、どうしたの!?」 それは北方のおともだち村が ゆっくりできない人に攻められ 滅びてしまったという知らせだった。 「どうしてそんなことするのぉぉ!?」 「悪いひとはゆっくりとしね!」 ゆっくりたちは戦うことに決めた。 普段ゆっくりしている饅頭生物でも ゆっくりできなくなれば戦うのだ。 ゆっちゅりーに村を任せ、 元気なれいむと強いまりさ、 素早いゆっくりゃたちが隊列を組んだ。 そして今回は、わるい人の村を壊す ゆっパルトまで作られた! 「がおー、食べちゃうぞー!」 「ゆっくり!」「ゆっくり!」 「ゆっくり!」「ゆっくり!」 「ゆっくり!」「ゆっくり!」 「ゆっくり!」「ゆっくり!」 英雄れみりゃに率いられ ゆっくりたちは敢然と出撃していく。 饅頭にすぎない彼女らに はたして勝ち目はあるのだろうか……。 (ゆっくり数:1013頭) ========================== 第十一章 ささやかな喜び 「れっれっれれいむぅぅぅ!」 「まっまっまっまりざぁぁ!」 「んほぉぉぉぉ、すっきりー!」 不穏な情勢の中でも愛は育まれる。 今ここに、また新たな命が生まれた。 「ゆっゆっ、ゆっくりちちぇってね!」 「ゆっくりしていってね、赤ちゃん!」 「れいむの赤ちゃん、かわいいね!」 顔を見合わせて微笑みあう 母れいむと母まりさ。 たった二人の新しい村も すぐに他の二つの村のように にぎやかになるだろう。 「ここはみんながすっきりできる すっきり村だよ!」 (ゆっくり数:754頭) ========================== 第十章 戦雲 ザム、ザム、ザム、ザム 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 饅頭皮で大地を踏みしめ 数百の戦士たちが行進の訓練を続ける。 南方のおともだち村が次々と 襲われているというのだ。 いずれゆっくりたちも遠征に 出なければならないだろう。 「うっうー、食べちゃうぞ~!」 頭上を飛んで行くのはゆっくりれみりゃ。 彼女らは騎兵代わりに先鋒をつとめている。 「戦争だってさ」 「おお、こわいこわい」 ひそひそとささやきあう 留守番ゆっくりたちの頭上に 暗い雲が垂れ込めていた……。 (ゆっくり数:671頭) ========================== 第九章 真打ち登場 「ゆうっ、手ごわいよ!」 「ゆぐっ、ゆっくりしていってね!」 オアシスの動物は強く ゆっくりたちは苦戦した。 だがそこに駆けつけた 勇ましい姿があった! 「ゆっくりしんでね!」 ゆっくりせずに敵を倒す彼女の名は―― 「まりさ!」 「れいむ、もうだいじょうぶだよ!」 「村は、たっぷり村はいいの?」 「子供たちにまかせてきたよ!」 再会を喜ぶれいむとまりさたち。 「ここはれいむたちのおうちだよ!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっくりするよぉ…!」 待ち焦がれたオアシスを手に入れ、 ヘヴン状態になるゆっくりたちだった……。 (ゆっくり数:367頭) ========================== 第八章 新・ゆっくりプレイス 「ゆぐぐっ、生まれるよぉ!」 きゅー、ぽんっ! 今日もまた村にゆっくりが生まれた 見渡せばあちらにもこちらにも ゆっくりが大勢遊んでいる 「ずいぶん仲間が増えたね!」 ゆっくりれいむが言うと 親友のまりさが真剣な顔で言った。 「れいむ、まりさは新しい ゆっくりプレイスを探しにいくよ!」 「ゆゆっ、どうして!?」 「みんなの餌場を増やした ほうがいいと思うの!」 別れるのはつらかったが まりさの言葉はもっともだった。 「すてきな村を作ってね!」 「またゆっくりしていってね!」 声援を浴びながら三角帽子の 開拓まりさたちが旅立った……。 (ゆっくり数:251頭) ========================== 第七章 ゆっくりなのに速い! かぶとをかぶった戦士れいむと 盾を持った戦士ゆっちゅりーの数は 順調に増えつつあった。 しかし古参のれいむやまりさは ただ防備を固めるだけでは いけないと思い始めていた。 「まわりの人間さんたちは どんなことをしているのかな?」 「ゆっくりできない人たちだと 困るぜ……」 「ゆー、ゆっくりちたいよ!」 若いゆっくりたちも賛同した。 「誰か周りの村を調べにいってね!」 そこで選ばれたのがゆっくりちぇん! ゆっくり一のすばやい動きと身軽さで 他の村に忍び込んだ。 「わかるわかるよー!!!」 そしてゆっくり村に 貴重な情報をもたらしたのだった……。 (ゆっくり数:184頭) ========================== 第六章 ゆっくりの防人(さきもり) 「あっはっは、たっぷりもらったよぉ!」 ゆったりれいむの下でオアシスを巡り これまでにない獲物を得たゆっくりたち。 「ゆっくりしようね!」 喜び勇んで村へと帰ってきたが、 彼女らはあることを見落としていた。 「ゆっ、村をだれもまもってないよ?」 「ゆっくりした結果がこれだよ!」 そう、遠征に出ている間 村はがらあきだった! これではいけない。 ゆっくりたちの餡子頭に危機感が 高まった、そのとき―― 「むきゅぅ~、村はまかせて!」 立ち上がったのはゆっくりぱちゅりー! 動かないゆっくりと酷評される彼女だが 防御力は天下一品。 防具工場で作られた鎧を身にまとい、 村の守りを固めるのだった……。 (ゆっくり数:124頭) ●以下、プロフ2 → ========================== 第五章 輝けるゆっくり まるい体のゆっくりたちは 日夜ゆっくりと開拓を続け 森や畑を豊かにしてきた。 「いっぱい取れるようになったね!」 「これでゆっくりできるね!!!」 暖かな日差しの中、土手に並んで ゆっくりと安らぐゆっくりたち……。 しかし彼女らは自らに足りないものを 自覚していた。 「次はなにをしようかなあ…」 「誰かゆっくりと決めてね!」 そう、この村にないもの それは全員をひとつにまとめるリーダー。 そこで一頭のゆっくりが起ちあがった! 「れいむがみんなをまとめるよ!」 館が建てられ、集中的な特訓が施される。 やがて見違えるほどの風格を備えた ゆっくりれいむが生まれた。 その名も―― 「ゆったりしているよぉ、あっはっは」 ゆったりれいむ! 英雄の旗のもと結束を強める ゆっくりたちだった……。 (ゆっくり数:108頭) ========================== 第四章 ゆっくりのお友達 「ゆぅ~、そろそろわるい人が来そうだよ」 「ゆっくりできるお友達を作ればいいよ!」 ゆっくりたちはお友達を探すことに決めた。 付近の村を回り、うわさ話を聞いて、 仲間になってくれそうな集まりを探す。 やがて、ある集まりが見つかった。 「よさそうな人だよ!」 「おじさんたちはゆっくりできる人?」 「いっしょにゆっくりしていい?」 その人々はウザうるさく空気の読めない 奇妙な饅頭生物たちを、 ゆっくりと快く迎え入れてくれた。 「おじさんたちありがとう!!!」 「れいむたちもがんばるね!!!」 「むきゅ~ん」 頭は柔らかいが頼りにならないゆっくりたち はたして同盟で うまくやっていけるのだろうか……。 (ゆっくり数:90頭) ========================== 第三章 引きこもるゆっくり 「あんまりおいしくなかったよ!!!」 「ゆぅ~、いっぱい歩いて疲れたよ……」 ゆっくりれいむたちは いくつかの放置村を巡ったが、 労力に見合った収穫はなかった。 もとより饅頭生物の彼女らは 戦争に向かない。 しかし頭のいいゆっくりぱちゅりーが 素晴らしいことを思いついた。 「むきゅ~、食べ物を隠せばいいよ!!!」 そう、木のうろに物資を溜めることは ゆっくりにとって得意中の得意。 「ここはれいむのおうちだよ!!!」 「ゆっくり食べ物を集めようね!!!」 かぶとを投げ捨て、ひたすらに 物資を溜め込んでいくのだった。 (ゆっくり数:63頭) ========================== 第二章 軍くつのゆっくり 「ゆゆっ? 資源が足りないよ!」 「取ってくればいいんだぜ!」 ゆっくりたちは遠征を思いついた。 選ばれたゆっくりれいむが 皮がすり切れるほど 厳しい訓練を受け 丈高いかぶとをかぶった。 「ゆっくり狩ってきてね!!!」 「ゆっくり行ってくるよ!!!」 餡子まんじゅうにすぎない彼女らに はたして無事戦利品を持ち帰ることが できるのだろうか……。 ========================== 第一章 ゆっくりたちの目覚め 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくりたちが農耕を始めた。 紅白のゆっくりれいむ 黒白のゆっくりまりさ 紫のゆっくりぱちゅりー みなで畑を耕し森をひらく。 「ゆっくり種をまくよ!!!」 「ゆっ、ゆゆっ!」 「むきゅぅん、早く育ってね」 テスト鯖での経験があるとはいえ しょせんは知能の低いゆっくり ウザ可愛い生き物の彼女らが はたしてこのおそろしい世界で 無事生き残れるのだろうか……。 ========================== YT 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1137.html
前 れみりゃ食べて食べられ:後編 「うー♪おじさんおんぶおんぶー♪」 「「おんぶー♪」」 歩いて5秒も経ってない。 奴ら、2mも歩いてないぞ・・・? 「おんぶしないとさくやにいいつけてやる~♪」 「「やる~♪」」 また、咲夜さん。 一人じゃ何も出来ない子供がよく言うセリフだ。 更にこいつらは我侭すぎるところもある。 これほど人の神経を逆撫でする奴もそうそういないぞ・・・ 「だめだめ、今歩かないとおいしいプリン食べられないよ?」 確かゆっくり種は恐怖や絶望、苦痛を与えたゆっくりはより甘く美味しくなるといわれているらしい。 俺の家はすぐ近くだが、こいつらにとっては長い距離だろう。つまり苦痛になるはずだ。 どうせこの中の1匹は俺の口に入るわけだしどうせ食べるなら美味しくいただきたいわけよ。 その時多少反発されたが、 「それだとおじさんの持ってるおいしいプリンは二度と食べられないよ?」 これだけで渋々ではあるがついてきた。 確かに二度と食べられないだろうけどな。 「みんな良くがんばったね。ここがおじさんの家だよ」 「う・・・うー!!つかれたー!!ぷっでぃんー!!」 全員もうかなり疲れている。子供に100mはきつかったか。 みんなぐったりしてるから仕方なくリビングまで運んでやる。 「じゃあ用意してくるから、みんなはここでゆっくりしていってね!」 「うー!!はやくしないとさくやにいいづげるど~♪」 俺はれみりゃの前にある机を思い切り蹴った後台所へ向かった。 ______________________________________________ 準備が整った俺は「それ」をリビングに運ぶ。 リビングには嵐が通った形跡が残されていました。 れみりゃだけ無事でして。他の家具で無事なものは机だけに・・・ 本棚は本が全て破れた状態で落ちていてソファなんかは中の綿がもふもふ出ているんですことよ? 「おじさんおそいど~!!ざくやにいいづげでやどぅ~♪ばーかばーか♪」 これだけやって更にばかと言われた。ばーか。 必死に怒りを抑えた俺は御盆に乗せた「それ」を机に並べる。 「ぷっでぃん!!」 「ぷっでぃんだどー♪」 「「「たーべちゃーうぞー♪」」」 いきなり「それ」にかぶりつこうとしたので俺は机ごと後ろへ下げてやる。 当然勢い余ったれみりゃ達は元は机があった場所にダイブした。 「「「びゅっ!!!???」」」 子供のほうは少し肉汁が出てしまった、 「どぼじでだべじゃぜでぐれないぼおおおおお!!!???」 「いだいよおおおおお!!!おうぢがえるぅううぅぅぅぅうう!!!!」 「ざぐやー!!ざぐやどごー!!?」 俺の家の中が2.1chサラウンド。 ぴーぴーぎゃーぎゃーざぐやざぐや。 本当に近所に人がいなくてよかったよ。 「ごめんねー?でも最初にやるべきことがあるでしょ?」 「ないよおおおおおおお!!!!!」 話を聞け。 「まず最初に『いただきます』。これはお決まりだよ?」 「そんだのにゃいよおおぉぉぉおお!!!」 「それが普通なの。そんな普通なこともできないのは母親の躾がなってないからだね?母親のれみりゃにはお仕置き・・・だッ!!!」 「ぐぎゃんっ!!!!??」 俺の張り手が母親の右頬にいい音をだしてぶつかった。 母親れみりゃは1mほど飛んだ。大げさだなぁ。 「いだぃ”ぃいい”ぃいい”ぃ”いいい!!おうぢがえっでざぐやにいいづg 俺は言い終わる前にれみりゃの目の前にプリン・・・に見える「それ」を見せ付ける。 段々と目を輝かせるれみりゃ。簡単なもんさ、ゆっくりなんて。 「じゃあ3人一緒に声を合わせて?『いただきます』は?」 「「「いっただっくどー♪」」」 ↑この言葉にかなりイラッときたのは俺だけじゃないことを祈ろう。 それはともかく3人はスプーンなんぞ使わずにそのまま「それ」をかぶり付く。 「うっうーうまうm・・・」 まずは先に食べた母親れみりゃが途中で言葉を失う。 それに続いて他二匹もみるみるうちに顔が青ざめていく。 「ぷ・・・ぷっでぃんぢゃないどぉおおおぉぉぉおぉお!!!!!!」 俺は吐き出す前に素早くそれぞれのれみりゃの口を縫っていく。 仕事で慣れているからこのぐらいたやすいもんさ。 このプリンに見せかけた「それ」、海栗だ。 海栗は俺の大好物だから友人がたまに送ってくれる。 こいつらに海栗なんぞ食べさせるのは癪に障るが、後でこいつらを食うからな。 海栗肉まんも悪くない気がする。 「んー!!んー!!!!」 必死に喋ろうとはしているが無駄だ。3人縫った後念を押して返し縫もしてるからな。 さて、この目を見開いて泣いてる小汚い顔も存分に楽しんだし、いよいよ最後の工程に移りますか。 2匹の子供れみりゃに目隠しを・・・しようかと思ったが、急遽予定変更。 鬱憤を晴らすために俺は・・・両目を掴んで引っこ抜いた。 「!!!?????ん”-!!!!!!ん”-----!!!!!!」 目があったところからどくどくと肉汁があふれ出る。 これはまずいかと思ったのでその上に目隠しをしてやる。 母親ともう1匹はまだ海栗と格闘中のようで、こちらには気づいてない。 もう1匹の子供れみりゃにはあえて残しておいて、俺は母親だけを残し再び台所へと向かった。 「あー、面白かった。」 2匹は既に失神寸前。口の間から少し肉汁が垂れているところを見るとすこし危険かも。 とりあえず海栗を取り込んだかどうか確認するために糸をはずす。 「「っんぎゃぶっ!!!!!」」 糸を外した途端吐き出しやがった。汚い。 しかし嘔吐物にも口の中にも海栗がないってことはきちんと取り込んでくれたようなので安心する。 「ざ・・・ざぐやにびびづげでひゃど・・・」 言葉になってない。糸をはずす途中で勢いよく吐いたので唇が裂けたからだ。 しかしまだ意識があることを確認したので俺は1匹をまな板に乗せる。 そしてもう1匹の目隠しを解いてやる 「!!!?ごごどご!!??ざぐやー!!!ざぐひょっ!!!!」 あまり騒がしいのでやさしめに蹴り飛ばす。 「ざぎゅびゃにいいづげるど!!おまえなんがいぢごろだd「黙ってろ!!!」 れみりゃは怯えた。 「お前はこいつの最期を最後まで見届けろよ?そうすれば許してやる。」 「!!!???なんでびもうどがぁあがあああああ!!!??」 「黙らないと・・・」 もう一度蹴る体制に入ったところで理解したのか、 「わがりまぢだわがりkjdふぁだまりまずみどどげまずごめんんざにぃいい!!!!」 日本語でおk 黙ったことを確認したので俺はまな板と向き合う。 「これがお前の・・・汚らわしいお前の・・・地獄だっ!!!!」 「!!!!!!!?????」 れみりゃの体がビクンと痙攣する。 左腕を切り落としたから当然か。 ここで一気にこれを右腕、右足、左足、とやっていくともうほとんど動くなっていた。 最後に顔面を真っ二つに切ったところで完全に動きが止まる。 れみりゃ妹、絶命。 その後大雑把に切った肉を更に一口サイズに切っていく。 「さて、おねえさんは約束を守ったかな?」 俺は姉のれみりゃの方を見る。 「・・・?」 あれ?うつ伏せで寝てるってことは、約束を守れなかったな? どうせ途中で失神したんだろうに。 俺は優しく蹴り飛ばしてやった。 「・・・あれ?」 動かない。抵抗感もなかったし声も出さなかった。 ま・・・まさか・・・? 俺はれみりゃ姉の顔を見てみると、 「・・・死んでるじゃねぇか・・・!」 白目を向いて泡を吹いている。どうやらあまりにも悲惨なものだったらしい、傷が無いところを見るとショック死だということが分かる。 もう少し楽しみたかったもんだが・・・ 仕方ないのでその死体を同じように切っていく。 それをちゃちゃっと調理して、皿に盛り付けたらそれを片手にリビングに戻った。 ________________________________________________________________¥ 「お待たせお嬢様」 俺がリビングに戻ってきた時には既にれみりゃは失神していた。 母親れみりゃには恨みがあるから特別に子供たちの何倍もの量を入れてやった。 むしろ感謝して欲しい。 俺は海栗プリンの皿を片付けるとさっきの料理を机に置きれみりゃの口を縫っている糸を外したところで、 「おい、起きろ!!!」 思い切りれみりゃの胴体を蹴飛ばしてやった。 「んぎゅんぅ!!」 母親はビクンと体を捻らせて少しすると立ち上がった。 「・・・う~?・・・おじさん!ぷっでぃんぷっでぃん♪はやくぷっでぃんたべさせて~♪」 なんと、先程の海栗プリンのことをすっかり忘れているだと? なんか、覚えてないとか悔しいな・・・まぁ今からもっとひどいものを食べるんだけどね。 「がおー!!!はやくぷっでぃんたべさせないとたべちゃうぞー♪」 「ごめんねー、さっき子供たちがおいしいプリンを勝手に食べちゃったから・・・もうないんだ」 「え・・・どおじでぶっでぃんないぼぉぉぉおおぉぉおおお!!!!??」 「だから君の子供たちが食べちゃったからだよ?悪い子供たちだね?」 「れみりゃのぶっでぃんlんんんんん!!!!!」 ソファの上で暴れるれみりゃを押さえつけて励ますように言ってやった。 「その代わり、ぷっでぃんよりもおいしいものを持ってきたから、ゆるしてね?」 「う?ぷっでぃんより・・・?」 「ぷっでぃんよりもおいしいよ?」 みるみる内に目が輝いていく。デジャヴ? 「う~う~♪はやくはやく!!!たべさせて~♪」 はしゃぐはしゃぐ。何を食べるかも知らずに。 「これ!!!???」 れみりゃは俺の作った料理を力強く指差す。 「そうだよ、今度はいただきますしなくても食べて良いよ」 「うっう~♪おいしいものおいしいぼど~♪」 れみりゃはそれを犬食いでどんどん食べていく。 「う~♪これかなりおいしいど~♪」 「でしょう?これ、何で出来てるかわかるかな~?」 「う~う~♪おしえておしえておじさんう~♪」 「お前の子供」 とってもにこやかに答えた。答えたつもりだ。 しかしれみりゃの顔は固まったままだ。 まだ理解できてないようだ。 「・・・う?」 「自分の子供を食べちゃって、更には美味しいとまで言うんだもんね~?母親失格だね☆」 「う・・・・うう・・・うぞだぁぁああっだああああああああ!!!!!!」 「嘘じゃねぇよ!!!それにお前は娘よりもプリンが大事なんだろ!!??だからこいつもそのまま放置してたんだろうが!!!」 俺は最初に顔面を蹴り飛ばした末っ子れみりゃの胴体を袋から取り出した。 「ぞんなごどなびもんんんんん”!!!どぼじでごんなごどずるどぉおおおおぉおお!!!???どおぉじでぞんなっぞっぞんなごどいう”のぉぉおおおおぉおお!!!???」 れみりゃは崩壊したようだ。 顔はぐちゃぐちゃでやり場の無い怒りと絶望感を机にあてている。 一時の幸せから一気に下落した今、今がチャンス!!! 「全部お前がいけないんだよ!!!」 「げゃぶぅ!!!」 俺の足がれみりゃの胴体にめり込む。そして部屋の隅に吹っ飛んだれみりゃを更に蹴る。 「おらっ!!腹が立つんだよお前は!!お前なんかとっととしねよ!!!世間の迷惑考えて!!!さっさとしねっ!!!!」 「ぐっ!!びゃめぇつ!!ざぎゅっ!!!ぎゅぶっ!!!!!」 蹴る。蹴る。ただただ蹴る。やつの口から吐き出される肉と肉汁が良い匂いだ。ついでにさっき食った料理もどんどん吐き出す。 思う存分蹴ったところで俺はれみりゃをつまんでゴミを払う。 「ぎゅっ・・・びゃぐやぁ・・・だぐげ・・・おう”ぢがえどぅ・・・」 顔がもはや原型をとどめてない。 俺はれみりゃを大きい更に乗せる。 「感謝しろ。お前のようなゴミクズを、俺が捨てずに食べてやるんだからな」 「れ・・・れびみゅば・・・れびみゅばごうみゃぎゃ・・・んのありゅj」 全て言い終わる前に俺は後頭部をかぶりつく。 「ぶぎゅぅっ!!!」 「いった!」 れみりゃの体がビクンと痙攣するのと同時に羽が俺の顔をひっぱたいたのだ。 「いってぇじゃんかよこの野郎っ!!!」 俺は羽を根元から思い切り捻りちぎる。 「ッッッ!!!!!!!!」 言葉にならない悲鳴が上がった。断末魔というものだろうか。 最後まで汚い豚さんでした。 俺は二口目を口にしたとき、口の中を疑った。 「!!!?・・・う・・・うまい!!」 海栗だ。海栗の味が肉の旨味と良く合っている。 肉の旨味も良い具合だったので尚更相性が深まった。 「これは・・・商品化として持ち出せるんじゃないか・・・?」 そうと決めた俺は隣にあった邪魔な末っ子れみりゃの胴体を窓から投げ捨て急いで加工所へ向かった。 ______________________________________________ えぴろーぐ 此処は紅魔館。 紅魔館の中庭にはティータイムを楽しむレミリア・スカーレット。 そしてその隣に立つのはその専属メイド長、十六夜咲夜である。 「そんなに気を落とさなくてもいいじゃない」 「・・・」 咲夜はいつものような落ち着いた雰囲気ではなかった。 いつもの輝きに満ちた、時には冷酷な鋭い目が今では生気を失いすっかり別人になってしまった。 「ちょっと気に食わないけどここにはまだ何匹もいるじゃない、希少種とはいえどもこれだけいれば事足りるんじゃない」 「・・・あの子達だけは特別なんですよ」 「・・・え?」 「あの子達に一度、プレゼントを貰ったことがあったんです、多分美鈴から貰ったんでしょうけど、お花の飾り」 「・・・そう」 レミリアは少し驚いてしまった。 あの我侭で自分達の事しか考えないれみりゅが、他人にプレゼントをあげることに。 「それほど、あなたのこと信頼していて、まるでお母さんのような存在だったんでしょうね」 「お父さんのように感じられたかもしれませんけどね」 「あー・・・」 二人で苦笑する。 しかし咲夜はすぐに俯く。 今回のことはやはり悲しまずにはいられないだろう。 しかし、今レミリアには気になることが一つあった。 「そういえば、あなたあの男」 「・・・え?」 「あの男のことはどうしたの?やっぱり・・・すぐに?」 「・・・」 咲夜は黙り込んだ。 やはり、触れてはいけなかっただろうか? 「・・・生きてます」 「へ?」 「まだ、生かしてありますよ、あの男」 あの、れみりゃ家族を金の為に惨殺した男。 レミリアは怒りのあまりすぐに殺してしまうのでないか、と思ったので呆気に取られた様子だった。 そして、いつの間にか咲夜は 笑 っ て い る 。 笑っていると言っても目にはいまだ生気がこもっていないのだが。 「すぐに殺してもあの下衆、絶対反省しませんもの、そうするとやっぱり拷問で少しずつ少しずつやるのが一番かと」 「・・・そうね」 あの男は咲夜を少しではあるが、変えてしまった。 れみりゃに非がないとはいわずとも、咲夜を変えてしまったのは紛れも無い事実。 今ここにいる咲夜は咲夜ではない。あの男が死のうとも、すぐには元に戻ることはないだろう。 「・・・咲夜」 「はい、何ですかお嬢様」 レミリアはにやりと笑うと、 「自分に似た者が酷い目に遭ったのを見過ごすのはいただけないわ。私も参加してもいいかしら?」 「・・・。・・・ええ、勿論かまいません。なんでしたら、美鈴やパチュリー様も」 __________________________________________________ 友人は困った。 先週彼の家に届けた海栗が、腐ったまま家の中に放置されていた。 そして先々週分の海栗も。 いつもなら留守なら留守のプレートを扉にぶら下げておくはずなのに。 友人は不審に思ったが、どうせもうすぐ戻るだろうと思うことにし、いつものように大量の海栗を部屋の冷蔵庫に入れておく。 友人は、彼と出会うことは無い。 友人はおろか、誰もが彼と出会うことは無いだろう。 彼は今も生きている。 彼が毎日出会うのは、恐怖、絶望、苦痛、そしてそれを届けに来てくれる『悪魔』。 彼の居場所を知る者は誰一人としていない。 彼を助ける者など誰一人としていない。 _____________________________________________________ _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> たまにはバッドエンドもいいよね! <ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',.ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´_人人人人人人人人人人人人人人人_> ズレてるけどゆっくりしようね!!! < ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ 文が随分とgdgd・・・改めてSSの難しさを知ったよ。 小学生からやり直してきますね。 あと最後のレミリア・・・少しイメージが違ったでしょうか? でもそこらへんも気にせずゆっくりしていってね!!! 『れみりゃ食べて食べられ』 完
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1933.html
「うー♪」 「うー! うー!」 樹齢数十年の樹木の下から聞こえる謎の声。 彼らは翼の生えたゆっくりであるが、鳥のように木の上に巣を作ったりはしない。 鳥の巣は言わば子育ての為の使い捨ての巣である。自らの巣(所謂おうち)に対してはかなりの執着心を 持つゆっくりの性格とは合わないのだ。 そのためこのれみりゃも、普通のゆっくりと同じく巣穴を掘ってそこをおうちとしている。 巣には親のれみりゃの他に2匹の子供がいた。 子どもたちはまだ生まれたばかりなのか、ちんまりとした翼をピョコピョコと動かしながら、うー!と唸っている。 親のれみりゃはそれがご飯の催促だと分かると、捕まえたばかりの毛虫を目の前に差し出す。 「うー! うー!」 何時もゆっくりが取れる訳ではない。れみりゃも他のゆっくりと同じく雑食である。 こうして花や大きめの虫などを食べる方が多いのだ。 ただし胴体のあるれみりゃは偏食であるが、この辺に関しては謎である。たぶん性格の問題だろう。 2匹の赤れみりゃは巣の中で追いかけっこに興じている。 親はそんな様子を見て嬉しそうな顔をすると、外へ飛んで行った。 俺はその様子をファイバースコープからの映像で観察していた。 巣の中に明らかな異物があるのにまるで不思議に思わない辺りがゆっくりである。 さて、貯金を崩してこんな物を買ってただ巣を覗くだけでは意味がない。 俺は巣の入り口にある草や石を退かすと、手に餡子を乗せて出来るだけ巣の中に腕を突っ込んだ。 するとどうだろうか。すぐさま「うー!」という声とともに、手に柔らかい物が乗っかった。 そのまま静かに手を引く。 巣から出てきた手には2匹のれみりゃが一心不乱に餡子を食べていた。 「うまうまー!」 「うっうー?」 どうやら一匹はこちらに気づいたようだ。しかし警戒心など微塵もないようで、二コリとまだ生えたての牙を見せながら ほほ笑んだ。 微笑まれたら微笑みかえさなければ失礼である。俺もにこりと笑う。 まずはこいつからにしよう。そう思いながら、空いてる手でバックから荷物を取り出す。 まずはお馴染み透明ケースだ。そこに餡子ごと1匹だけ入れる。残った1匹は片手で持ったままだ。 「うー? うううー?」 周りの状況がよくわからないらしい。俺は気にせずにその1匹の片羽を力まかせにブチっと千切った。 「う゛ー!!!!!!」 文字通り飛び上がるほどの痛みだったらしい。目から滝のような涙を流すれみりゃ。もう一匹もそれに気付いたようで 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛・・・」 ガクガクと震えあがっているようだ。その様子を携帯で撮って作業を再開する。 次の作業は、はんだごてである。ハンダを羽の生えていた所に近づけ、延長コードで引っ張ってきたアツアツのハンダごてを 近づける。こうしてハンダを熱して羽の生える部分を固めるのだ。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 とてつもなく熱いのだろう。ハンダごてを触れた瞬間から苦痛の表情で叫び続けている。 作業が終わると同時に、口をだらんと開けながら気絶してしまった。ピクピクと少しだけ動いていた。 片羽でアンバランスだがこれはこのままでいいだろう。これから飛ぶときに片方の羽を必死に動かす様を見れると考えると むしろこれこそが最高な気さえしてきた。 はやる気持ちを抑え、その一匹はそのまま巣の中へ戻した。 そして二匹目を取り出す。 「うううううう・・・・うっうー!」 震えていたのかと思いきや、途端に可愛らしい笑顔でこちらを見るれみりゃ。 可愛さをアピールして見逃してもらう作戦なのだろう。 まあスルー。 そのまま帽子を奪い取る。 「うー!!! うっううー!」 必死に噛みついてきたが、ハンダごての時に厚手の手袋をした俺に隙はなかった。 このままだとなんか物足りないので、代わりにまりさの帽子を付けてやった。接着剤をたっぷり塗っておいた。 そうして二匹目も巣の中に放りもうとして・・・やっぱ止めた。 帽子も元のれみりゃも帽子に戻した。 「うー! うー!」 非常に喜んでいるが、喜ばすためではない。 俺はさきほど千切った片羽を持つと、羽と羽の間にまっすぐにそれを差し込む ちょうどマットの帆のような感じだ。そしてすぐに薄力粉で傷を産める。 奇跡の早業で世にも珍しい三枚羽のれみりゃの完成である。 少し重いのか動くだけで疲れるれみりゃを巣の中に放り込む。 勢いよく投げたせいか帽子が巣の入口に落ちてしまった。 果たしてあの状態で飛べるのか、非常に興味の湧くところである。 俺の家の庭に巣を作った不運なれみりゃ。 意気揚揚と口を膨らませて帰ってきた。花でも取ってきたのだろう。 「うっうっうー♪」 そして入口に到着。すると目の前に何かあるのに気づいたのか体全体を傾げる。 「うー?・・・・う!」 どうやらそれは子供の帽子だと気づいたようだ。 口の中の花を吐きだすと急いで巣の中へ戻る。急いでカメラの映像を確認する。 「うー!!!!!」 やはり驚いているようだ。目の前の子供に。 一匹は片羽のれみりゃ。もう一匹は三つの羽を持つれみりゃ。確かに訳がわからない。 「う? う?」 両方を何回も何回も何回も見渡すれみりゃ。 子供の方は 「「う゛う゛う゛う゛う゛う!!!」」 自分の異常を親に訴えているのか。はたまた泣いているのか。俺にはわからない。 だがもっとわからにのはどうやら親のようだ。 「うー!」 とびっきりの笑顔で突如、三つの羽ののれみりゃに被りついた。 子供の絶叫が聞こえる。 「う゛わあああああああああああああ!!!」 あ、普通に喋れるんだ。 そんな場違いな感想を持ちつつ、食われていく無残な様子を見る。 「うー!うまうまー!」 親はもう目の前の物体を餌的な何かとしか認識できなかったようだ。 そのまま完食。 俺は勢いに乗って二匹目かとワクワクしていたら、親れみりゃは意外な行動をした。 「うー? うー!」 子供の口に自分の口を近づけ、何かを与えている。もしや今食べたれみりゃだろうか。 子どもの方も「ごくごくうー!」とか言いながら美味そうに飲んでいる。 そうして遂には「うっうーうまうまー!」と二匹で歌いは始めた。 どうやら自然界では片羽は問題ないようだ。 まあ怪我することもあるし、れみりゃはすぐ再生するからだろうか。 故にありえない三枚羽はれみりゃとして認識できなかったのだろう。 観察を続けることにする。 続き 【あとがき】 続きます。でも来年からです。 クリスマスネタにしようかと思ったが間に合わず。 ゆっくりしすぎた。 関係ないけどまさかの東方冥異伝新作。 最近パッチがやたら多いと思ったら。 by バスケの人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3118.html
ゆっくり昔話オープニング曲(1番) まりさ~良い子だ内臓(わた)だしな~♪ 今も昔もかわりなく~♪ 虐待お兄さん(おに)の情けの子守唄(レクイエム)~♪ 遠い~永遠亭(やしき)の~も~の~がた~~りぃ~いぃぃぃ♪ 雪ゆっくり むかしむかし、あるところに普通のお兄さんが住んでいました。 ある冬の日お兄さんは雪山で遭難しましたがゆっくりちるのに助けてもらい命拾いしました。 別れ際にゆっくりちるのはお兄さんに言いました。 「自分に遭ったことを誰かに話したら殺す」と。 翌年の冬。お兄さんが遭難した時と同じくらい寒い日でした。 お兄さんが家で暖をとっているとドンドンと戸を叩く音が聞こえてきました。 一体誰だろう?と思い戸を開けるとそこにはあの時のゆっくりちるのが立っていました。 「ちるのはたびのとちゅうぐうぜんたどりついたんだよ。みちにまよったからひとばんとめてね!」 実はちるのはお兄さんが自分のことを他人に喋ってないか監視するために旅人の振りをして近づいたのでした。 「君あの時のちるの?よくわからないけど泊まっていく?」 ちるのの変装は一発でばれてしまいましたが、お兄さんは昔の恩もありしばらくちるのを泊めることにしました。 しかし所詮ゆっくりと人間、まったく恋仲にはなりませんでした。 やがてお兄さんにも人間の恋人ができ、ちるのは段々邪魔者扱いされるようになりました。 夏の暑い日。とうとう痺れを切らしたお兄さんはちるのを家の外に投げ捨て中から鍵をかけました。 「ゆっくりいれてね!ちるのをすてないでね!」 ちるのが泣き叫びますが戸は開きません。 暑さに弱いちるのはやがて日射病にかかりそのまま死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ちぇんとぱちゅりー むかしむかし、あるところにとても素早いゆっくりちぇんととても遅いゆっくりぽちゅりーがいました。 ある時ちぇんはぱちゅりーに言います。 「ぱちゅりーはどんそくなんだねーわかるよー」 怒ったぱちゅりーはちぇんに決闘を申し込みます。隣の山頂まで競争し、自分が勝ったら土下座して謝れ、と。 翌日。二匹は競争しますがぱちゅりーは素早いちぇんにどんどん引き離されていきます。 「どくそうたいせいなんだねーわかるよー」 半分ほど道を進んだところでちぇんは楽勝だと思ったのか居眠りしてしまいます。 「ぐおーすぴーふぐしゅー…い、いぎゃあああ!」 突然の激痛に目を覚ますちぇん、いつのまにか野生のれみりゃに頭からかじられていました。 「もぐもぐ…あまあまおいしいどー」 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!ゆ゛っ゛ぐり゛や゛め゛でね゛え゛え゛え゛え゛!」 普段だったら素早く逃げるのですがれみゃに押さえつけられているので逃げることができません。 哀れちぇんはれみゃに食べられて死んでしまいました。 「ゼハッ!ゼハッ!も、もうすこしでさんちょうだよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとした足取りながらも着実に進み、ついに山頂までたどり着きました。 「か、かったよ。ちぇんかった。これであんしんしてみらいにかえれるね…ぐほっ!おげええええ!」 普段運動をしていないぱちゅりーに山登りは過酷過ぎました。 山頂について安心したのか今までの疲れがどっとでてしまい、 咳き込んだ拍子に大量の餡子を吐いてしまい死んでしまいました。 めでたしめでたし。 醜いれいむの子 むかしむかし、あるところにゆっくりれいむの一家が住んでいました。 しかし両親がれいむ種にもかかわらず一匹だけ金髪のれいむが混じってました。 「そのかみのけげひんないろだね、このいんばいが!」 「りぼんのないきもちわるいれいむとなんかあそんであげないよ!」 「うわーん、にゃんでみんにゃいじめるのー」 金髪のれいむはみんなと姿が違ったため虐められていました。 ある日、偶然通りがかった旅ゆっくりぱちゅりーから自分はれいむ種ではなくありす種であることを教えてもらいます。 実は金髪のれいむ(ありす)は昔今の両親から拾われた子だったのです! ありすは本当の親を探すため旅に出ました。本来なら単行本10冊分くらいの長編なのですが短編集なので省略します。 つらい旅の末ありすはついに本当の親とめぐり逢います。本当の親はまりさ種のゆっくりでした。 「おきゃーしゃーん、あいちゃかったよー!ぐべっ!」 嬉しさのあまり母まりさに飛びつくありす。ですがあっさり吹き飛ばされてしまいます。 「ありすのこはしね!おまえなんかれいむのこじゃないぜ!」 ありがちな話ですが、ありすはまりさがレイパーありすにレイプされて生まれた子でした。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 何度も何度も母親に踏みつけられ、哀れありすは死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(山編) むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。 お婆さんが洗濯をしていると山の上からどんぶらこっこ、どんぶらこっことドスまりさの死骸が流れてきました。 まんじゅうじゃけえ食えるじゃろ、と思ったお婆さんはドスまりさの死骸を家に持ち帰りました。 お爺さんがドスまりさの死骸を包丁で切り開くとなかから子ゆっくりまりさが出てきました。 「ゆっ!おじいさんはかわいいまりさにたべものをよういするんだぜ!」 子供がいないお爺さん達は子まりさにゆっくり太郎という名をつけ飼うことにしました。 それからのまりさはペットとして怠惰な暮らしをしていましたが、ある日仲良しの野良れいむが死んでいるのを見かけます。 近くにいる野良ゆっくり達の話を聞くと3丁目のお兄さんに虐殺されたそうです。まりさの怒りが天を突きました。 まりさがお兄さん退治に行くというとお婆さんはピクニックかえ?と言いきび団子を持たせてくれました。さあ冒険のはじまりです! お兄さんのところへ向かっている途中。一匹の犬に出会いました。犬はまりさの持つ団子を物欲しそうな目で見つめています。 「いぬさん!だんごをたべさせてやるからおれのけらいになるんだぜ!いっしょうばしゃうまのようにはたらくんだぜ!」 犬はあっという間にまりさの団子をたいらげ、まだ足りないのかまりさの体をかじり始めました。 「いでででで!やめるんだぜ!おれはたべものじゃないんだぜ!」 その時、どこからともなく猿がやって来たかと思うと爪でまりさの目をえぐり食べてしまいました。 「う゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛ばり゛ざの゛づぶら゛な゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 おこぼれに預かろうと空からカラスが飛んできてまりさの体をついばみます。 「や゛べでね゛!や゛べでね゛!ばり゛ざばお゛い゛じぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 哀れまりさは3匹に食べられ死んでしまいました。 まりさを食べて満足した3匹は家に帰ります。 「お、お帰り。今日は3匹そろってお帰りかい。」 待っていたのは虐殺お兄さん。実は3匹はお兄さんのペットだったのです。 今日も村は平和でした。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(海編) むかしむかし、ある海岸近くでゆっくりにとりがほかのゆっくり達に虐められていました。 「みかけないゆっくりね。とかいはじゃなくてなんだかゆっくりできないわ」 「きもちわるいゆっくりはしぬんだぜ!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 その時偶然ゆっくりれみゃが通りがかりました。ちぇんとぱちゅりーに出てきたれみりゃです。 「う~!た~べちゃうぞ~!」 「まりさはまずいからありすを…ぐぎゃあああ!」 「とかいはなわたしをたべようだなん…ひぎぃ!」 お腹が空いていたれみりゃはにとりを虐めていたゆっくり達を全て食べてしまいました。 自分のことを助けてもらったと勘違いしたにとりはれみりゃを竜宮城へと招待します。 「う~♪れみりゃはこ~まかんへいくど~♪」 れみりゃはにとりに乗って海へと潜ります。やがて竜宮城の前まで辿り着きました。 「もうすこしでりゅうぐうじょうだよ…ってうぎゃああああ!」 水に弱いれみりゃは溶けて死んでいました。腕だけが残ってにとりの体を掴んでいます。 「ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!」 死体に掴まれているという恐怖からにとりはでたらめに暴れまわります。 やがて人食いザメの住む海域に紛れ込んでしまい、サメに食べられ死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくりの恩返し むかしむかし、あるところに愛でお兄さんが住んでいました。 お兄さんが山を歩いていると罠にかかっているゆっくりみょんを見つけました。 「ちーんぽーちーんぽー…」 巨大な虎バサミに挟まれみょんは瀕死です。可愛そうに思ったお兄さんはみょんを罠から出してあげようとしました。 「ちーんぽ…みょぉぉぉぉぉ!」 みょんの体には罠が食い込み皮がズタズタに破れていましたが、皮肉にも罠に挟まれていたことにより餡子の流失が防がれていたのです。 罠が外れ体を圧迫するものがなくなったみょんは傷口から大量の餡子を噴出し死んでしまいました。 死んでしまったみょんは恩返しをすることができませんでした。 めでたしめでたし。 めいりん姫 むかしむかし、あるところにめいりん姫というたいそう綺麗なゆっくりがいました。 「…」 ん?どうしたんですかめいりんさん?浮かない顔して。 「…!」 どうせ自分も殺されるんだろうって?じゃあめいりんさんは死なずにハッピーエンドにしてあげますよ。 「~♪」 ある日めいりん姫は山で遭難している王子様を発見します。王子様は気絶していましたがとてもかっこいい人間でした。 王子に一目惚れしためいりん姫は気絶した王子様をふもとの山まで届けてあげました。 それからは王子様のことを思う日々。いてもたってもいられなくなっためいりん姫は魔女に相談しました。 「へっへっへ、おまえのこえをよこすんだぜ。そうすればかわりにどうたいをあげるんだぜ。」 めいりん姫は魔女と取引し胴体を手に入れました。これで王子様と結ばれることができる! めいりん姫はすぐに王子様のところに向かいました。 しかし運悪く途中で虐待お兄さんに捕まってしまいます。お兄さんはこう言いました。 「うわー胴体つきのゆっくりめいりんなんて珍しいな。これで一儲けできそうだ。」 お兄さんはめいりん姫を使って見世物小屋を開きました。お兄さんは檻の外からめいりん姫を虐めます。 夜にも珍しい胴体つきめいりんと虐待ショーにみんな大喜び! 虐待お兄さんは大儲けでとってもハッピーになりました。 めでたしめでたし。 おまけ 醜いれいむの子にでてきた旅ぱちゅりーとめいりん姫にでてきた魔女まりさがここにいました。 「ちょっとごつごうしゅぎすぎるわよ」 「ここはなにもなくてつまらないんだぜ」 二匹は今までの話の中で運良く不幸にならなかったゆっくり達です。しかしこれから人間に虐待されてしまいます。 「うそいわないでね、どこにもにんげんなんていないよ」 「まりさをいじめられるものならいじめてみろだぜー」 実は語り部は虐待お兄さんだったのです!お兄さんは素早く2匹を捕獲してしまいました。 「ゆべ!もうはなして!おうちかえるー!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 「ヒャァ!虐待ダアアァ!」 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) 利口なゆっくりと賢いゆっくり(fuku3386.txt) このSSに感想を付ける