約 632,090 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/482.html
ゆっくりデッドライジング3 ※これで最後。あんま長引かせてもだれるし。 こんにちわ、皆。 これで会うのは三回目だけどもうとっくにレベル50のフランクだよ。 突然だがくせぇ。 ゲロ以下ではないけど究極的にくせぇ。 原因はこれ。 「ズギマ! ズギバッ!」 鼻からどろっとした液体を流してるこいつ。 ああ、前回こいつに会ったんだけど俺の飯をタックルで奪いやがったのでぶん殴ったらこんなことになりました。 そしたら手がくさい。 おそろしいくらいにくさい。 「てりゃっ」 しかたないのでバールのような物で叩き潰すと、声も上げずに死んだ。 代わりに、とてつもなく臭いものがでろりと出てきた。 「うぐぇええええええっ、な、納豆だ!」 正直来れ食ってる奴の舌を疑う納豆。 日本人が主に食っているが、よく食えるなと小一時間。 だが、このドアノブみたいなゆっくりの匂いは他のゆっくりたちにも強烈らしく、みんな顔をしかめる。 「くそっ、汚いなぁ」 その時、ぐぅとおなかが鳴った。 そういえばこの納豆に叩き落されてから飯食ってなかったんだっけ。 手を洗い匂いをふき取ってから俺は食料を探した。 すると、ある一匹のみなれぬ金髪ゆっくりがゆっくりまりさを襲っていた。 「まりさぁあああああああああっ!!!」 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ふほぉおおおおおおおっ!!」 なんか気持ちの悪い液体にまみれて二匹が体をこすり合わせていた。 様子から見て交尾だろうか。 まぁ写真とろう(ファーンタスティック!)。 交尾を終えると、金髪ゆっくりはちがうゆっくりに飛びつき再び体をこすり合わせる。 性欲が有り余っているのだろうか。 気持ちが悪いのでとりあえず金髪を射殺。 「ぐべっ!」 醜い声を上げて頭から白い液体を流した。 俺はそれを指ですくって食べてみる。 「oh...クリームか」 どうやらこの金髪ゆっくりの体内にはクリームが詰まっているらしい。 その時、襲われていたゆっくりれいむが俺に近寄ってきた。 「おじさん! ありすからたすけてくれてありがとう!」 ありす。なるほど、あの金髪ゆっくりはありすというのか。 翻訳本のおかげでか、いくらかこいつらの言葉を理解できるようになった。 「ああ、そう」 俺は軽く受け流すと、さっき襲われていたゆっくりまりさの方へ行く。 見れば、まりさの体はさっきの2倍くらいに膨れていて、口の下の皮が盛り上がっていた。 なんでこうなったかは知らないが、とりあえず餡は詰まってそうなので食うことにした。 その時である。 「ゆ、ふぅっ、ゆ゛っ」 そのゆっくりが苦しそうにうめく。 すると、口の下の広がった皮の中心に穴があいた。 驚いて様子を見ると、穴の中からもう一匹のゆっくりまりさがいたのだ。 「ゆっくりー!」 勢いよく子まりさが出てくる。 俺はちょっとがっかりした。 せっかく大量の餡をゲットできると思ったのに……。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしちぇいってね!」 まだ小さいからかうまく発音できていない。 ふと、俺はその小さなゆっくりまりさを見てある考えが浮かんだ。 こいつにも餡があるのだろうか。 ちょっとイライラもしていたので遊んでやろう。 「ヘイ! 君達」 片言だが日本語で喋ってみる。 ゆっくり達は俺を不思議そうに見ていた。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!」 俺が言うと脊髄反射で返してくる。 さすがだな。 「ちょっとそのかわいいちっちゃなゆっくりを見せてくれないかな」 俺は優しく語り掛ける。 だが、まりさは俺のことを知っていたらしく首、つーか体をぶるぶる振った。 「だめだよ! おじさんさっきまりさのなかまをころしたもん! おんじんでもさわらせないよ!」 なるほど、親クラスになるとまともな知能になるのか。 でも単純思考だから意外と利用できるかも。 俺は問答無用で子まりさを摘み上げる。 「ゆー♪ おそらとんでるー♪」 なんか楽しげにぷらぷらと動いている。 俺は玩具屋に入ってMEGAMANと書かれたテニスボールを打つ玩具の中にゆっくりを入れた。 「ゆー? くらいよ? おじさん、ままーどこー?」 まだ新しい世界に興味心身なのか、暗闇でもあまり怖がっていない。 だが、逆に親まりさは恐怖と怒りに燃えていた。 「なにするの! おじさん子ゆっくりを離してね!」 ほほう、離せと申すか。 もうテニスボールを入れる所に入ってるんだけどねぇ。 「よし、おじさんが悪かった。 出してあげるよ」 「ゆ! さっさと出してあげてね!」 助かるとわかったまりさは怒りながらも安堵していた。 俺は玩具をまりさの前に置く。 「ほら、ここ押すんだ」 「ゆっ、わかったよ!」 何も知らないゆっくりはボタンを押す。 するとカチンとばねの音がしたかと思えば、子まりさが勢いよく飛んだ。 「ゆうううううううううううううううううっ、ゆ゛ばっ!」 悲鳴を上げながら飛んでいき、最後は壁にぶつかる。 餡子は綺麗に壁に後をつけていた。 「どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?!?!?」 何が起きたわからず混乱するまりさ。 だが、自分の子供が死んだ事を理解し、滝のように涙を流す。 「あーあ、殺しちゃった。おまえ自分の子供を殺すなよ」 俺が言うと泣きながら俺に反論する。 「ぢがう゛よ゛! ごれ゛に゛いれ゛だの゛ばおじざん゛だよ゛!」 「でもスイッチを押したのはお前だろ?」 「だっで! ごごおぜっでいっだも゛ん゛!」 「馬鹿だなぁ」 俺は魔理沙が押したスイッチの反対側にあるOPENと書かれたボタンを押す。 すると、パカっと玩具は二つに割れた。 「ここ押せば助かったのに」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 結局、自分が殺した事を理解して大号泣する母まりさ。 レイプされて生まれたとはいえ、子供には愛着があるのだろう。 しかし犯されて数分で生まれるとはこの生き物はすごいな。 そう思いながら俺は子ゆっくりの餡子を舐めた。 餡子に牛乳を混ぜたようなさっぱりした甘さが広がる。 これはこれでうまい。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 喚いて顔がぐちゃぐちゃになっているまりさ。 うるさいので蹴り飛ばす。 「ゆ゛っ、ぐっ」 転がった先にはれいむたちがいた。 「れ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 救いを求めて霊夢に擦り寄るが。 「きもちわるい! ぐしゃぐしゃなゆっくりはゆっくりじゃないよ!」 「きもちわるいまりさみたいなのはゆっくりしんでね!」 「どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!? い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 そして皆から突き飛ばされ、タックルされ、ふやけた皮からは簡単に餡子が漏れた。 「ゆぶっ、ぐちゅ、ぎゅう゛う゛……」 悲鳴を上げていた魔理沙も、途中で声が小さくなる。 俺はそれを見届けると、店を出た。 それから。 スパニッシュでボインなおねーさんと戦った後、実はプレスリーみたいな奴の妹だと知った俺はプレスリーみたいな奴の名前がカリート(CV.大塚芳忠)だと知った。 んでそいつがアメリカの食料問題がうんぬんかんぬんでゆっくりを作ったとかも言っていた。 んで、そのカリートがミンチにされそうな所で俺参上。 あ、ちなみに爆弾は解除しました。 「やめろっ!」 ちょっとかっこつけて俺は肉屋の店主に叫ぶ。 「ああ、ちょっと待っててね、今ミンチ作ってるところだから」 話かみ合わない。 しょうがないので頭を使う。 「そいつ腐ってて売り物にならないよ!」 「なにっ!?」 店主がミンチ機を止める。 「ハエたかってるだろ!」 「ほんとだ」 「じゃあこれつかえよ!」 差し出したのはゆっくりれみりゃ。 「こいつの頭豚肉と同じだからうめーぞ!」 「まじで!?」 カリート解放。 代わりにゆっくりれみりゃがミンチにされそうになる。 機械ががりがりと動き始めた。 「ばだじでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!! だべじゃうぞお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 するとミンチ機がれみりゃの足を削り始めた。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」 どんどん体がミンチにされてゆくれみりゃ。 暴れるが固定されているので動けるはずも無く、無残なもとい、おいしそうな姿になってゆく。 「い゛だびぃべあいいぇいぼじょじょぶおあぶいぶあふぉぶあ!!」 ははっ、英語でおk。 顔辺りまで削れると何言ってるかわからんよ。 結局俺はサイコパスの肉屋はほっといてカリートを助けた。 すぐ死んだけど。 結局俺は脱出することにした。 屋上でヘリを待つ。 「おーい、助けにきたぞー」 ヘリのパイロットが相変わらずの笑顔で手を振る。 俺も手を振り返す。 すると(ここから先は面倒だからゲームやってね)。 しばらく俺は放心状態だった。 他に脱出する方法はあるだろうか。 その時、警備室のカメラにある物が映った。 ■■■ 「行くぞ! 今日こそあの饅頭共をくびり殺してやる!」 「sir yes sir!」 ついに軍隊が動き出したのだ。 M16を両手に抱えた男達が一斉にモールに入って行く。 「GO!!GO!!GO!!GO!!」 「ゆ?」 「ぽ?」 ゆっくり達が男達を見た瞬間。 全員蜂の巣にされた。 「わ゛がら゛だい゛びょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 「ゆっぐり゛ぃっ!!」 各々悲鳴を上げながら死んで行く饅頭たち。 だが、怒った奴等は以外にも立ち向かう。 「ゆっくりしんでね! ゆっくりしんでね!」 「うおっ! 群れで来るぞ! ロックンロール(戦闘準備)!!」 男達は隊列を組んでしゃがむ。 向かってくるゆっくりに対して一斉放射した。 「ゆびょお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!!」 兵隊は班に分かれて行進する。 この兵隊達は知らなかったが、このゆっくり達はもはや子供でも殺せるレベルだった。 まさにこんなゆっくりにマジになっちゃってである。 「むきゅ!? むきゅう!?」 本屋にいたゆっくりぱちゅりーは異変を感じて店を出る。 すると、そこはゆっくりたちの死骸で埋め尽くされた地獄(ゆっくりたちにとっては)だった。 「むぎゅううううううううう!!」 悲鳴を上げてぱちゅりーは本屋に戻る。 だが、それを兵士は見逃さなかった。 「Hey! 逃がさないぜ饅頭ちゃんよぉ!」 まわりのゆっくり達を踏み潰しながら本屋へ向かう。 本屋の中に隠れたぱちゅりーは、落ちた本の中に隠れ震えていた。 「かくれんぼかい? こりゃいい、俺たちゃお前等にとっては鬼だもんなぁ」 ふと、兵士が一冊の本を見つける。 その本は不自然に震えていた。 「ハッハー! みーつけた! タッチだ饅頭!」 銃口をぱちゅりーに向けた瞬間。 兵士は吹っ飛び本棚にぶつかった。 「ぐっ!? なんだぁ!」 誰かが兵士に蹴りを入れたのだ。 そして蹴りを入れた男が仁王立ちになり、叫んだ。 ■■■ 「賢いゆっくりを守るため! 生まれてきたのがこの男! フランク様とは俺のことよぉ!」 漫画の台詞をそのまま使い、ちょっと恥ずかしい。 「あぁ?! ふざけてんのかてめぇこっちはぐんた……うおっ!」 銃を構えて脅しをかけてきた兵士を殴りつける。 さらに追い討ちをかけて得意のスタンピングをした。 これはもうゆっくりを踏み潰しなれたので大ダメージだろう。 「うぐっ、おっ……! 」 兵士は悶絶しながらも立ち上がる。 怒りに青筋がぴくぴくと動いていた。 「てめぇはよぉっ!」 拳を繰り出してくるが、それを俺は片手で受け流し、裏拳を食らわせる。 さらにひるんだ後、ジャンプして蹴りを食らわせ兵士を倒した。 気絶したのだ。 「大丈夫か」 俺はぱちゅりーを抱きかかえる。 やはりゆっくりの中でもこいつだけはいい。 その時、生き残りのゆっくりが本屋に入ってきた。 ゆっくりまりさだ。 「おじさん! わるいひとやっつけたらさっさとまりさもたすけてね!」 何を図図しい。 こいつは本気で好きになれん。 「ぱちゅりーで手一杯だからダメだ」 「ゆ! ぱちゅりーはうごけないやくたたずだからいらないよ! まりさをたすけてね!」 俺は翻訳本を取り出してまりさに見せた。 「やくたたずのぱちゅりーが読めるんだ、お前も読めるだろう」 「ゆ! あったりまえじゃない! ……ゆゆ?」 意気揚揚と本に向かうまりさだが、どう考えても読めるはずがない。 すると、いきなり怒って俺に八つ当たりしてきた。 「よめないよ! だってこれまりさがよめるじじゃないもん!」 読める字はなんだと聞きたいが、こいつには何を言っても無駄だろう。 俺はまりさの頭を掴む。 助けられると思ってまりさは歓喜していた。 俺はぱちゅりーを置いて、まりさを消火器に縛り付ける。 「おじさん! これじゃゆっくりできないよ!」 さらに俺は食料品店から油を持ってきて、周りにまく。 そしてもっていたライター。 それでまりさは理解したらしい。 「や゛べでよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!! ゆ゛っぐりでぎな゛い゛よ゛!」 俺はライターに火をつけて油のうえに落とす。 火は勢いよく燃え上がり、まりさの体を焼く。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!! あ゛づい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 俺はぱちゅりーを抱きかかえて急いでその場を離れる。 「う゛ぼえ゛ぁ゛っ゛!!!」 爆発音とともに、まりさの悲鳴が聞こえた。 いい気味だ。 ■■■ あれから。 俺はうんぬんかんぬんで脱出した。 ネタバレだけは避けたいのでオリジナルの脱出方法だ。 正直ゲームとストーリーがぜんぜん違う。 まぁそれはいいとして。 結局、モールにいたゆっくり達は全滅した。 兵士達の働きあってか、一日で仕事は終了。 ちなみに俺は、軍人を殴ったと言う罪に問われたが、しらをきり続けた。 結局、兵士が緊張状態に見た幻だったという事で可決した。 「おはよう、ぱちゅりー」 「むきゅっ、おはよう」 俺が言うと、ぱちゅりーは返してくれる。 こいつはあのゆっくり達みたいにわがままは言わないし、知能もあるので部屋のものは勝手に弄らない。 ペットとしては最高だった。 まぁ病弱なため、あまり無理はさせられないが。 「さて、今日一日の仕事を始めますか」 俺はある部屋の扉を開ける。 そこにはゆっくりれいむやまりさ、その他もろもろが大勢いた。 俺の登場にみな怯えている。 ゆっくりは全滅したんじゃないかって? それは『モールにいた』ゆっくりだろう? 俺はゆっくり達の生産性に目をつけ、加工所を開いて活動している。 誰かが野良ゆっくり達を捕まえて俺が金を渡す。 俺はゆっくり達を加工して食品として売り出したり装飾品を売ったりする。 「おら、今日はれいむだ。来い」 「い゛や゛だよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!ぢに゛だぐだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 悲鳴など知らず、俺は禍々しい機械のある部屋にれいむを放り込み、扉を閉めた あとがき 槍投げ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/844.html
とある虐待お兄さんが死んだ。 ゆっくりに殺される、などという理不尽な理由でではない。それでは虐待話にならないからだ。 ある日、里近くの集落に住む虐待お兄さんの家に、隣に住む男が尋ねてきた。 しかし男が窓越しに見たものは、部屋の中央に倒れている虐待お兄さんの姿。 男は直ぐさま窓を開けて中に入る。だが、虐待お兄さんは既に事切れていた。 何故こんな事になったのか?男は混乱しながらも状況を確認しようとした。 壁は透明な箱で全面埋め尽くされ、閉じ込められたゆっくりたちが腹を空かせて泣いていた。 大量の餡子と皮が地層を成す程に床を覆っていて、その上にはゆっくりの死骸が百以上も散乱している。 どのゆっくりも、口にはその子供達と思しき潰れた子ゆっくりの死骸が幾つも詰め込まれていた。 その中心に虐待お兄さんは倒れていた。 常人には理解不能なシチュエーションだったが、虐待お兄さんをよく知る隣人はなんとか状況を理解できた。 これはゆっくりに強制的に我が子を喰らわせるスタンダードな虐待だろう。 だがこれだけの数のゆっくりを虐待するのは、相当な時間が掛かると素人でも分かる。 虐待お兄さんは常日頃、「ゆっくりをただ潰すだけでは殺害でしかない。仮定を楽しむのが真の虐道」と語っていた。 餡子は腐っておらず一様に新鮮である。これは不休不眠で一気にやったと見なして良い。 虐待お兄さんの死因は、おそらくは体力の限界を超えた過労死、いや虐待死(自分が)。 (無茶しやがって…) 男は、改めて虐待お兄さんを眺め、そして亡骸の右手が何かを指し示している事に気付いた。 傍に歩み寄った男の目に入ったものは、ダイイング・メッセージであった。 餡子の層に書かれていたのは『もっと虐待したかったよ!』の一文。 男の目から涙が零れた。 「彼は死ぬまで虐待お兄さんでした!」 天を仰いで叫ぶ男の姿を、箱の中のゆっくりたちが怯えた目で見つめていた。 虐待お兄さんの死はその日のうちに集落中に知れ渡った。 虐待お兄さんは速やかに集会所の一室に安置され、住人達は隣室で会合を開いた。 虐待お兄さんは家族もおらず独り暮らしである。集落全体で葬式を執り行う事が即座に決定された。 元々住民同士の結束が強い集落ではあったが、この一件においては皆我先にと協力を申し出た。 集落は森の傍にあり、ほぼ全戸が里へ食料を供給する農家である。 当然の帰結として集落にとってゆっくりは最大の害獣である。 そのゆっくりを、頼まれてもいないのに積極的・情熱的に駆除する虐待お兄さんは集落にとって有為な存在であった。 虐待お兄さんは誠心誠意で弔われねばならない。それが今までの貢献に報いる、虐待お兄さんへの手向けとなるだろう。 皆の思いは一致していた。 そして二日後、集落総出に里からの参加者も加えて、虐待お兄さんの葬式が営まれた。 今回の葬式が普段と異なるのは、参列者が皆、ゆっくりを連れている事。 前日のうちに住人が森から掻き集めてきたゆっくりである。 ゆっくりたちは泣き疲れてぐったりしていた。 受付を済ますと参列者は式場に向かった。 集会所の、集落でも一番の大部屋に入ると、奥には祭壇が作られてあった。 祭壇の上には虐待お兄さんの収まった棺。参列者はその周りにゆっくりを供えていった。 どのゆっくりも底部を焼かれ、歩行能力を奪われている。 参列者が増えるにつれ、ゆっくりはまるで華のように祭壇を覆っていった。 参列者が全員集まったところで、里から呼び寄せた僧侶がやってきて、祭壇の前に座った。 祭壇を埋め尽くすゆっくりたちは、これから何が起こるのかと不安の表情でいる。 祭壇前の、上面が鉄板の小机に、ゆっくりれいむの一家が鎮座していた。 それは死んだ虐待お兄さんの透明な箱に収められていった、最近最も大きな被害を集落に与えたゆっくり一家だった。 一家は柔和な顔をした僧侶に救いの声を上げる。 「「「ゆっくり助けてね!」」」 僧侶はそれを完璧に無視した。この僧侶の救済対象にゆっくりは含まれていない。 小机左右に配置された二匹の子ゆっくり、長女れいむと次女まりさの頭には蝋燭が刺さり、火立と化している。 僧侶はそれに線香を差し出し火を付けた。じりじりと線香が焼け、溶けた蝋が下に落ちる。 「あつい!あついよ!助けてよ!」 「ゆっくりやめてね!子どもにひどいことしないでね!ゆっ!?」 頭部を切り開かれ、線香立となっていた親れいむに線香が突き立てられた。 「ゆっ?ゆっ!?ゆっ!!」 次々と刺さる線香の苦痛に身を捩る親れいむ。だが底辺を焼かれたゆっくりはその場で苦しむしか出来ない。 僧侶の右側に置かれた親まりさが叫ぶ。 「もうやめてね!まりさの赤ちゃんどこへやったの!」 僧侶は黙って懐から数珠を取り出した。 それは赤ゆっくりを文字通りの数珠つなぎにしたものだった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ま゛り゛さ゛の゛あ゛か゛ち゛ゃん゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 数珠のゆっくりたちは、小さい体に糸を突き通され虚ろな表情をしていた。 それが僧侶の手の中で掻き回される都度、「ゆっ!ゆっ!」と痙攣する。 参列者のにも数珠を取り出すものがいた。それを見て棺を覆うゆっくりの中に叫びを上げるものがいる。 己が赤子の成れのはてを見て悲嘆にくれているのだろう。 「ゆーん!」 僧侶はおりんを打ち鳴らす。それは硬化剤で固めた帽子を、逆さまに頭に突き刺された三女まりさだった。 「ゆっ!ゆっ!ゆっゆっゆっゆっ!」 僧侶は親まりさを打ち鳴らす。親まりさは逆さまにした帽子の上に乗せられ、頭を硬化剤で固められ木魚となっていた。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛ま゛り゛さ゛を゛た゛た゛か゛な゛い゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!ゆっ!」 奉請十方如来入道場散華樂 「ゆっ!」 奉請釈迦如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!」 奉請弥陀如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 奉請観音勢至諸大菩薩入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!」 「「あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」」 僧侶はひたすらおりんと木魚を打ち鳴らし読経する。 経の合間に線香を継ぎ足される線香立は段々虚ろな顔になり、蝋燭が短くなった火立はただ絶叫する。 参列者は厳粛な気持ちで故人の冥福を祈っていた。 読経は続く。 衆生無辺誓願度煩悩無辺誓願断 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 法門無尽誓願知無上菩提誓願証 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 自他法界同利益共生極楽成仏道 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆぶっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆぶーん!」 読経を終えると、僧侶は全力で木魚とおりんを叩き潰した。瀕死の状態でゆーゆーと唸るだけの二匹。 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「「「あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!」」」 正気に戻った線香立と火立と数珠が叫ぶ。 僧侶は大喝すると数珠を引き千切り、線香立に投げ込んだ。 「れ゛い゛む゛の゛あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!」 次いで蝋燭立てと砕け散ったおりんも線香立てに入れ、木魚を傍によせると上から油を掛けた。 「「「も゛っ゛と゛ゆ゛っ゛く゛り゛し゛た゛か゛っ゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」」」 炎の中断末魔の叫びを上げ、ゆっくり一家は全滅した。火は全てを浄化する。 燃え盛る炎を前に僧侶は合掌した。眼前のゆっくりにではなく霊前に捧げた合掌である。 肩で息をし汗にまみれた僧侶の顔は達成感に充ち満ちていた。 鎮火され清められた小机に、新たなゆっくり一家が運ばれてきた。先程の惨状にガタガタと震えている。 「おじいさん!みょんはなにも悪いことしてないよ!ゆっくりはなしてね!」 「わからないよ!わからないよ!」 僧侶は壇上の小刀を取り上げると、親みょんと親ちぇんの頭部を横から綺麗に切り取った。 「み゛ょ゛ん゛っ゛!?」 「わ゛か゛ら゛っ゛!?」 僧侶は子供も全員を同じようにした後、親の餡子を少し取り捨て、中に油を染み込ませ火を付けた。 「み゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛!?みょっみょっみょっみょっ…」 「わかっわかっわかっわかっ…」 「お゛か゛あ゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ゆ゛っ゛!?」 僧侶は子ゆっくりの餡子を掴み、二体の香炉と化した親ゆっくりの頭に散らした。 満足げに頷くと立ち上がって、参列者に焼香を促す。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ。」 次々に餡子を取られて行く子ゆっくりは白目を剥いて痙攣するばかりである。 親ゆっくりの二匹は子供達を、炎の熱さに苦しみながら「ゆふーゆふー」と見つめている。 焼香が終わる頃には子供達は全匹絶命していた。僧侶は残骸を香炉に載せると、やはり油を掛けた。 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 「な゛に゛か゛し゛た゛か゛っ゛た゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 二匹は炎の中で崇高な生涯を閉じた。 役目を終えた僧侶が退席すると出棺の準備が始まった。 棺を降ろし、皆涙ながらに仏との最後の対面をする。 「「「ここはゆっくりできないよ!ゆっくり出してね!」」」 棺の中にはゆっくりが敷き詰められ呻いていた。それは透明な箱に入っていたゆっくりたちである。 虐待し損ねたゆっくりを一緒に送り、故人があの世で虐待出来るようにとの心遣いである。 さらに参列者は棺の中へ、次々とゆっくりを足していった。 「「「おもいよ!ゆっくりとってね!」」」 棺は仏の顔以外を除いてゆっくりで敷き詰められ、蓋が閉じられた。 「さいきょ!?さいきょおーっ!?」 「くろまっ!くろまくーっ!」 凍らせたゆっくりちるのとゆっくりれてぃを用いて釘打ちがなされた。 釘を二発打つ度にちるのもれてぃも砕け散ったが、直ぐさま代えが用意された。 併せて五十匹程砕けたところで棺は完全に閉じられた。 「「「うっうーっ!うあうあ!」」」 別室に閉じ込められていた沢山のれみりゃが連れられてきた。 それを見て祭壇のゆっくりが悲鳴を上げる。 「うー?うーうー♪たーべちゃうぞー!」 れみりゃたちはゆっくりを見ると喜び勇んで獲物に飛び掛かろうとした。 参列者はれみりゃに蹴りを加える。 「うー!いだいー!」 転んで泣き叫ぶれみりゃだが、髪を掴まれ引き起こされた。掴んだ者がれみりゃに何事か語りかける。 「うー!うー!」 ぶんぶんと首を振るれみりゃたちは、別の人間が自分の子供を抱えてやってくると顔を強張らせた。参列者はれみりゃたちに何か囁く。 「いやだー!いやだー!」 れみりゃは泣きながら棺の周りに集まり、持ち上げようとする。 「うー!」 重いという意思表示なのか、首を振るれみりゃたち。 「うぁー!」 男が一匹の子れみりゃを握りつぶした。たちまち餡を吐き出して絶命する。 「あ゛あ゛ー!れみりゃのあかちゃんがー!」 男は駆け寄ろうとする母れみりゃの足を払う。転がったそれに耳打ちする。 「は゛い゛ー!や゛り゛ま゛す゛ー!」 れみりゃたちは必死になって棺を抱え、外に向かって運び始めた。 祭壇のゆっくりたちは天敵がいなくなって安堵の表情になる。 参列者達は各々、そのゆっくりを抱えていった。 長い葬列を見詰める二つの人影があった。暇潰しに見に来たものの、部外者の遠慮からか遠巻きに眺めているだけだ。 時折一人が列に近付こうとし、別の一人に押し止められている様に見えた。 葬列は粛々と歩んでいる。 先頭を進むのは棺と、棺を運ぶれみりゃ、周りを囲む男達。その後にゆっくりを抱えた参列者達が続いた。 「もういやだー!ぷりん食べるー!さくやー!」 疲れ切って道に座り込んだれみりゃは、直ぐに子供を潰された。泣き叫びながらもあわてて棺を持ち直す。 子を失っても言う事を聞かないれみりゃは頭を潰され息絶えた。 れみりゃの抜けた穴は新たなれみりゃによって補われ、棺は無事に目的地に辿り着いた。 そこは集落の外れにある、小さな丘だった。 既に準備は出来ており、一方を除いて方形に木が組まれてあった。 れみりゃが抱えた棺を納めると、直ぐに木材で塞がれた。 「「「!せ゛ま゛い゛ー!た゛し゛て゛ー!さ゛く゛や゛ー!」」」 木材に閉じ込められたれみりゃが口々に叫ぶ中、皆は目を閉じ、故人に最後の別れを告げた。 数人の男がゆっくりと木材に油を掛け回し、最後に代表の隣人が点火した。 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!」」」 れみりゃたちの絶叫が響く中、参列者は皆等しく涙を流していた。言うまでもなく虐待お兄さんに思いを馳せているのである。 手の中でガタガタ震えていた一匹のゆっくりれいむが声を上げた。 「ゆっくりはなしてね!ここはゆっくり出来ないよ!もうおうち帰る!」 即座にれいむは炎の中に投げ込まれた。 「ゆっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 それを切っ掛けに、参列者は抱えたゆっくりを尽く火中に投じていった。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛ん゛た゛せ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛さ゛い゛こ゛に゛ひ゛と゛つ゛に゛な゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「む゛き゛ゅ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「さ゛く゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「お゛せ゛う゛さ゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「し゛ゃ゛お゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「こ゛ほ゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ち゛ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「そ゛う゛な゛の゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「さ゛い゛き゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「く゛ろ゛ま゛く゛う゛う゛う゛う゛う゛!」 「す゛き゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「て゛ん゛こ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「ち゛ん゛ち゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「あ゛つ゛い゛さ゛す゛か゛ほ゛の゛お゛あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 「き゛も゛ち゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 テンションの上がってきた参列者は次々にゆっくりを投げ込んでゆく。 手持ちのゆっくりを投げると、皆は列後方に付いてきた数台の大八車に我先にと群がり、積み上げられたゆっくりを掴んでは駆け戻っていった。 その顔はまるで虐待お兄さんが乗り移ったかのよう。 ゆっくりれいむもゆっくりまりさも、その他全ての種が炎に包まれた。 ゆっくりたちの絶叫の中、参列者は思い思いに読経を始めた。 虐待お兄さんの霊が慰められるように。あの世でもゆっくり虐待出来るように。 騒霊の大合葬もかくやと思われる程の読経は、遠く里にまで響いたという。 その有様を遠巻きに眺めていた二人。そのうち隣に向けて日傘を掲げていた一人が地に倒れ伏した。 れみりゃたちが焼かれる光景に耐えきれず気を失ったのである。 レミリアは、倒れた咲夜にも、体を焼く日差しにも気付かず、「人間って怖い」とガタガタ震えていた。 By GTO このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1358.html
ゆっくりれみりゃが紅魔館の前で馬鹿踊りしていた。 そんな事は日常茶飯事だ、別に気にしないさ。 紅魔館の敷地ないだしな。 問題は街に来た時だ。 従者が買い物のついでに連れてくることも有るんだが、待っている間モノを壊すわ勝手に食べ物を掴むわ挙句の果てには捨てるわ、の我侭し放題。 一人で屋敷を抜け出して来ることも有るんだが、その時は勝手に人の家に上がりこんで荒らしまわる。 そこで一発でも殴ろうモンなら自分の命の保障は無いときてるから、皆泣き寝入り状態だ。 村人の大半がそんな状態なのに困り果てて、博麗の巫女に相談すると、米俵と引き換えにとっておきの秘策を教えてくれた。 それを実行するために、数人を連れて紅魔館近くまで出向いた。 暫く待つと、巫女さんの言ったとおり屋敷の主が庭まで出てきた。 最近は昼間でも庭でお茶を飲んでるから。 その言葉通り、従者に入れさせた紅茶を美味しそうに飲んでいる。 ……、そろそろ頃合か。 俺達は、決して大声でもなくしかし向こうには聞こえるであろう声の大きさで話し出した。 「おうおう、そういえば最近この屋敷のお嬢様が、従者と一緒によく買い物に来てるよな?」 「あーそうだな、しかもモノは勝手に壊すし、挙句の果てには手づかみで品物を勝手に食べ始めるんだぜ!」 「まじかよ!! 吸血鬼って言うものはもっと人智を超えた知性があるんじゃないのか?」 「さぁ、もしかしたら、以前博麗の巫女に負けた影響で知恵がなくなったのかもな!」 「……、どもよぉ。それって最近見かけるゆっくりれみりゃじゃないのか? あれは体が付いてる種類がいるんだろ?」 「馬鹿かお前は、あんな知性のかけらも無いようなモノを紅魔館が甲斐甲斐しく飼っている訳無いだろ?」 「そうだな、食料として持っているなら檻にでも問いこめておくだろうしな!!!」 「俺としては、以前たまに買い物に来た時のカリスマ溢れる姿が見たいんだけどなぁ」 「そうだなぁ、……」 それだけ言ってダッシュで逃げる。 勿論、最後にちゃんとフォローしておいたが、如何せんそのまま留まっているのは危ないと判断したからだ。 無事に村に帰ってきた俺達は、取り合えず村長に酒を振舞われてその日は寝て過ごした。 紅魔館 「……。ねぇ咲夜、さっきの人間が言っていた事はどういう事?」 「おそらく、私とれみりゃ様が街へ買い物へ出たときの事だと思いますわ」 あっけらかんと答えるメイド長。 彼女をよく知っている者はご存知だろうが、その外見からは想像も出来ないほど彼女は天然なのである。 「はぁ、……。咲夜、この私が、完璧で人類の英知を全て集めても及ばないこの私が、あんな酷評を受けているのよ。良いたい事は分かるでしょ?」 「……、ハイ。お嬢様の命令ならばそのように」 一蹴あのふてぶてしい顔が笑顔で頭を過ぎったが、その顔がきっかけで咲夜もれみりゃの処分を決心した。 「う~~ざぐや~。た~べちゃうぞ~~♪」 玄関に入ると、そこに二匹のれみりゃが居た。 二匹ともぶかぶかのきぐるみを着て楽しく遊んでいるようだった。 「ざぐや~、れみりゃぷっでぃんたべだい~~♪」 「れみりゃもぷっでぃんたべだい~~♪」 仲良く咲夜に駆け寄って話す。 「はい! プリンですね今日はバケツいっぱいの大きなプリンを用意して差し上げますよ♪」 「うー!! ぷりんじゃないの!! ぷっでぃーん!! なの!!」 「ざぐやのばぁ~か♪ ぷっでぃーん♪ ぷっでぃーん♪」 「はいはいプディングですね」 勿論、咲夜はプリンを要する気はさらさら無かったのだが、面白いことを思いついたので作ってやることにした。 「今日は一緒に厨房へ行きますか?」 「う~♪ ちゅ~ぼ~いぐどぉ~♪」 「うまうましてぽいっ♪ するの~♪」 二匹を厨房まで案内する。 テコテコと、きぐるみで何度も転びながら付いてくる。 「ぷっでぃ~ん♪ おっぎなぷっでぃ~ん♪」 顔面から転んでも、こう言って笑顔で立ち上がってくる。 はっきり言って気持ち悪い。 「はい! 厨房ですよ!」 「う~♪ ぽいっするど~♪」 「まじゅいのぽいっ♪ ぽ~い♪」 意気揚々と駆け出す二匹。 目の前には作りたての夕食が山盛り置いてあった。 「あらあら、食材を固定するのを忘れていましたわ」 数本のナイフを投げる。 ずぶずぶのきぐるみの周辺に刺さったそれらは、最後の一本がお腹のど真ん中に刺さったのを最後に止んだ。 「うっぎゃー!! ざぐやーーー!!! れみりゃんの!! れみりゃのおなががーー!!!」 「ぎゃおーーー!!! れみりゃはかいじゅーだぞーー!! いだぐなんがないぞーーー!!!」 綺麗に貼り付けにされたれみりゃ×2。 文字通り醜態を晒している。 「さて、れみりゃさま。どうしてそんな事になったか分かりますか?」 「わがんなーい♪ ざぐやぁのばぁ~~が♪」 「がぉお~♪ れみりゃはつよいからざぐやをた~べちゃうぞ~♪」 傷も癒えてイケイケモードの二匹、こうなったら止められない。 「そうですか? じゃあこれならどうですか?」 こうなった昨夜は止められない。 ご自慢のナイフをれみりゃの口に差込上下をなぞる。 歯茎まで到達したナイフはまるで何かを収穫でもするかのように二匹の歯を切り落としていく。 「!!!! うがぁーーー!!!!」 「れみびゃのはがーーー!!! れみびゃのはがーーー!!!!」 「分からないようなら教えて差し上げますわ。勝手に食べものを捨てるのは悪い事ですよ。分かりましたか?」 熱々のスープを口の中に流し込みながら昨夜が尋ねる。 「う~!!わがっだーーーー!!! ざぐやだずけでーー!!!」 「う~!! しらないどぉ~、れみりゃのきらいなものいらないどぉ~!!!」 先ほどまで、散々悪態をついていた方のれみりゃが謝った。 ふてぶてしい分、こういう時も取り合えず謝っておく。 それで今まで昨夜は許してくれたから。 「そうですか、では分からなかったこっちは、お仕置きですねぇ」 一瞬で衣服を剥ぎ取り裸にする。 対するれみりゃは自分が自由になったのだと思い昨夜に抗議し始める。 「うわーーーれみりゃのぼーじがーー!! ふぐがーーー!!! ざぐやー!!! はやぐがわりのものもっでぎでーーー!!!」 意にもかけずに淡々と作業をこなしていく咲夜、泣き叫ぶれみりゃを一先ず洗う。 「う~~♪ おふりょ~♪ おふちょ~♪」 次に首から下を大型フードプロセッサー入れて固定する。 他の材料も既に入っている。 「う~♪ あったが~い♪ きれいにゃおふろ♪」 先に温めた牛乳を入れておいたので、まだお風呂だと勘違いしている。 「それではこれからおっきなプリンをお作りしますね」 勿論それは貼り付けになっている方に言ったのだが、自分が言われたと勘違いしているらしい。 「う~♪ ぷっでぃーん♪ ぷっでぃーんたべどぅ~♪」 スイッチをオンにする咲夜。 勢いよく材料を細かくしていく機械。 「うわーーー!!! れみりゃのがらだがーーー!!!」 そして泣き叫ぶれみりゃ、透明な容器なので自分の様子がよく観察できる。 綺麗に混ざった所で首だけになったれみりゃに舐めさせる。 「美味しいですか?」 「うーーーー!! ! う~、ぷっでぃん♪ ぷっでぃんおいしい♪」 「それは良かった」 「!! うばーーー!! ぼっ、ざ、ぼこっ……ーーーー!!!!」 首も入れて再度スイッチオン、何か言いたそうだったが気にしない。 その後は時間を操作してあっという間に出来上がったバケツ一杯のプリン、所々茶色になっているがなかなかおいしそうでもある。 「はい! れみりゃさま、ぷりんですよ!!!」 だが、れみりゃは答えない、馬鹿でアホで頭の殆どがプリンより緩いれみりゃでも、目の前でまじまじとお友達が調理されていくのを見たら、今このプリンには何が入っているのか位理解できるからだ。 「どうしたんですか? 食べないんですかれみりゃ様?」 「れみりゃいらない!!! そのぷっでぃんいらない!!!」 口からも鼻からも肉汁を滴らせながら、れみりゃは懸命に叫んだ、思い出すのはさっきまで一緒に遊んでいた友達のこと、お昼に仲良くプリンを食べたことだった。 「そうですか? 好き嫌いはいけませんよ?」 その思い出の最中、自分のお腹に激痛が走る。 慌てて自分のお腹を見ると、咲夜がプリンをせっせと中に詰めていた。 引き裂かれた自分の中に。 「うーーー!!! いだいよーーー!!! ざぐやーーー!!! ずぎぎらいじないがらさっさどやめでぇーー!!!」 れみりゃ初めての心からの謝罪。 だが。 「大丈夫ですよ、あなたはこれから料理になるんですから。もう好き嫌いしなくていいんですよ」 食べ物に耳を貸す人間は居ない。 紅魔館の門番は夜寝をしていた。 勿論昼寝と同じノリである。 先ほど、頭にグンニグルを叩きこまれて一旦は起き上がったが、レミリアが出かけてくると言い残して去っていくとまた寝始めた。 そして今度は銀のナイフが突き刺さる。 「!!!! って咲夜さん。幾らなんでも銀のナイフは痛いですって!!!」 「寝てるほうが悪いんでしょ。ほら、夕食を持って来てあげたわ。あなた夕食の時間なのに来なかったから」 そこには籠一杯の中華まん、ふかふかと湯気が立っているそれは先ほどのゲテモノプッディンより遥かに美味しそうだった。 「あ、ありがとうございます。いただきます」 勢いよく、口に運んでいく美鈴、十個ほど口に運んだ時、ふと何か気が付いたようで口を開いた。 「この肉まん、ちょっと甘いのもありますね。でも桃まんみたいでおいしいですよ!!」 そう言って更に口に運んでいく、食べ物は決して好き嫌いしない。 それが美鈴だ。 夜中にコンコンと戸を叩く音が聞こえた。 村長かと思って扉を開けると、紅魔館の主が威厳たっぷりで立っていた。 「!! すっすみません!! どうか命だけは、せめて妻子だけは!!!」 必死で土下座する。 あーやっぱりこうなったか……博麗の巫女もどうなっても知らないとは言っていたが。 ……無念。 「ちょっといいかしら?」 「はっはい!!!」 俺は一帯どうなるんだ、血を吸われるのか? それとも串刺し? もしかして食われる? 「家の食料が迷惑をかけたわね、これはそのお詫びの印よ。ありがたく受け取りなさい」 へ? 目の前には一か月分は下らないかというお金が置いてあった。 「それじゃあ、私はあんたと一緒に居た人間の所に行かないと行けないからこれで失礼するわ。 そうそう、また家の食料が悪さをしたら遠慮せずに味わっていいわ。何か言われたら私がそう言ったって言えばいいから」 「はい。しかとこの耳聞き届けました!! 偉大なるレミリアスカーレット様!!!」 優雅にその場を後にするレミリア様に(自分の生命のとこも含めて)感謝の言葉を述べる俺。 やはり紅魔館の主様は人智を超えて聡明な智を得ていらっしゃる。 そして、博麗の巫女に相談して本当によかった。 そうだ、このお金の半分は神社に寄付しよう。 翌日、大量のお金を受け取った巫女はこれで一年間暮らせるわ、とおっしゃっておりました。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/12.html
このページには、ゆっくりいじめ系1~250まで一覧となっています。 作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 251以降につきましては下記から。 ゆっくりいじめ.500 ゆっくりいじめ.750 ゆっくりいじめ.1000 ゆっくりいじめ.1250 ゆっくりいじめ.1500 ゆっくりいじめ.1750 ゆっくりいじめ.2000 ゆっくりいじめ.2250 ゆっくりいじめ.2500 ゆっくりいじめ.2750 ゆっくりいじめ.3000 ゆっくりいじめ.3250 ゆっくりいじめ系1 虐 共 料 無 ゆっくりいじめ系2 ゆっくり除草剤 制 薬 共 無 ゆっくりいじめ系3 虐 性 料 無 ゆっくりいじめ系4 虐 無 外 ゆっくりいじめ系5 ゆっくり畑荒らし対策委員会 制 料 無 ゆっくりいじめ系6 リモコンゆゆゆ 制 虐 性 無 ゆっくりいじめ系8 創造主誕生 そ 無神 ゆっくりいじめ系9 あーまーど・こあ虐共道 ゆっくりいじめ系10 幻肢痛虐 ゆっくりいじめ系11 ゆっくりの王虐共 無 ゆっくりいじめ系12 ゆっくりれみりゃを山に放す虐共 無 ゆっくりいじめ系13 60年目のゆっくり裁判・上そ ゆっくりいじめ系14 第三話 ゆっくりたちの、実にゆっくりとした一週間 前篇虐環家 ゆっくりいじめ系15 第三話 ゆっくりたちの、実にゆっくりとした一週間 中篇虐環家捕 ゆっくりいじめ系16 第三話 ゆっくりたちの、実にゆっくりとした一週間 後篇虐家 ゆっくりいじめ系17 間劇 0円から始める仕事虐 ゆっくりいじめ系 ゆっくり大家族 性共家 無 ゆっくりいじめ系19 性共 ゆっくりいじめ系20 ~ゆっくり霊夢達の素敵な日々~ 性共家 ゆっくりいじめ系21 俺とゆっくり 虐環 無 ゆっくりいじめ系22 あるゆっくりアリスの記録 虐制 無 ゆっくりいじめ系23 秘密基地でゆっくり 制家料 無 ゆっくりいじめ系24 ゆっくり解放戦線 制機 無 ゆっくりいじめ系25 ゆっくり家族のお引越し 虐家 ゆっくりいじめ系26 ゆっくりさせないと…… 虐環 無 ゆっくりいじめ系27 インプリンティング 虐 ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐機無 ゆっくりいじめ系28 ゆっくり加工所でのある実験 そ 虐無 ゆっくりいじめ系29 ゆっくりハンター 制無 ゆっくりいじめ系30 ゆっくり射撃してね! 制無無 ゆっくりいじめ系31 騒音公害 制性無 ゆっくりいじめ系32 Counter-Strike 制無 ゆっくりいじめ系33 お母さんと一緒 制無 ゆっくりいじめ系34 ゆっくりの巣 そ共 ゆっくりいじめ系35 ゆっくりの恩返し 制家無 ゆっくりいじめ系36 ゆっくり繁殖 虐性家捕無 ゆっくりいじめ系37 果樹園の憂鬱 制無 ゆっくりいじめ系38 ゆっくりきゃっちゃー虐家機無 ゆっくりいじめ系39 ゆっくりゆゆこ×虎バサミ 制捕家 ゆっくりいじめ系40 Yの悲劇 虐無無 ゆっくりいじめ系41 ゆっくり一家と俺の冬 前編 制家無 ゆっくりいじめ系42 ゆっくり一家と俺の冬 後編 制家共無 ゆっくりいじめ系43 ゆっくり家族の引っ越し 虐制家共 ゆっくりいじめ系44 フェイス/オフ 虐無 ゆっくりいじめ系45 ゆっくりと早苗 虐 ゆっくりいじめ系46 古き良きゆっくり見スタイル 制無外 ゆっくりいじめ系47 ぐちゃぐちゃゆっくり天国 虐無 ゆっくりいじめ系48 ゆっくりメダル 虐無 ゆっくりいじめ系49 ゆっくりとのワンダフルライフ 虐無外 ゆっくりいじめ系50 寿司の恨み 制無 ゆっくりいじめ系51 ゆっくりよりうざいおっさん そ無 ゆっくりいじめ系52 ゆっくりなべ 制そ無外 ゆっくりいじめ系53 誰の家? 制無外 ゆっくりいじめ系54 ゆっくりサドンデス 制共無外 ゆっくりいじめ系55 ゆっくり家族の末路 制家無 ゆっくりいじめ系56 汚い奴虐無 ゆっくりいじめ系57 お告げ そ ゆっくりいじめ系58 ゆっくりるーみあ そ捕 ゆっくりいじめ系59 大好きゆっくり魔理沙虐性家無 ゆっくりいじめ系60 環境にやさしいゆっくり虐無 ゆっくりいじめ系61 ゆっくり俺魔理沙そ ゆっくりいじめ系62 ある男のゆっくりレポートそ虐家無 ゆっくりいじめ系63 ゆっくり霊夢一家の越冬(誤算編)そ共家無 ゆっくりいじめ系64 寿司の後の水責め制無 ゆっくりいじめ系65 裏切り制共無 ゆっくりいじめ系66 ゆっくりつねっていってね虐無 ゆっくりいじめ系67 頭無双制共家無外 ゆっくりいじめ系68 お母さん霊夢の受難そ家無外 ゆっくりいじめ系69 小さな親切、大きなお世話そ無 ゆっくりいじめ系70 NTR 制無 ゆっくりいじめ系71 栗祭り虐無 ゆっくりいじめ系72 ゆっくりレンジ 制環家無 ゆっくりいじめ系73 こどもたちが屠殺屋ごっこをしたはなし1虐共家無 ゆっくりいじめ系74 はしれいむ虐 ゆっくりいじめ系75 鬼母虐共家無 ゆっくりいじめ系76 ゆっくりした結果がこれだよ!制無 ゆっくりいじめ系77 くたばれゆっくりぁあああああ!!!!虐そ ゆっくりいじめ系78 ゆっくりゆービィスーパーデラックス制そ ゆっくりいじめ系79 高速ゆっくりそ性無 ゆっくりいじめ系80 甘い肉まん制 ゆっくりいじめ系81 こどもたちが屠殺屋ごっこをしたはなし2虐共家無 ゆっくりいじめ系82 ゆっくりケロちゃん。雨に負けて、風に負けて虐そ共 ゆっくりいじめ系83 ゆっくりハウスそ無 ゆっくりいじめ系84 ゆっくりハウス2そ共無 ゆっくりいじめ系85 ゆっくり袋虐家無外 ゆっくりいじめ系86 ゆっくりハウス3制共家無 ゆっくりいじめ系87 ゆっくりれみりゃの整形そ無外 ゆっくりいじめ系88 美味しく食べていってね!虐家料無 ゆっくりいじめ系89 ほしまんじゅう虐家料無 ゆっくりいじめ系90 cube虐そ機 ゆっくりいじめ系91 あるゆっくりアリスの記録2制家性無 ゆっくりいじめ系92 ゆっくり少女達の収穫祭-1そ無 ゆっくりいじめ系93 ゆっくり少女達の収穫祭-2虐そ無 ゆっくりいじめ系94 ゆっくりまりさとおうち虐そ無 ゆっくりいじめ系95 しにさらせゆっくりぁあああああ!!!!そ ゆっくりいじめ系96 ゆっくりCASしてね!虐そ無外 ゆっくりいじめ系97 俺とゆっくり2(前編)制無 ゆっくりいじめ系98 川の流れのように制家無 ゆっくりいじめ系99 ゆっくり小倉トーストそ家無外 ゆっくりいじめ系100 ピタゴラゆっくり虐家無 ゆっくりいじめ系101 ゆっくり相撲虐無 ゆっくりいじめ系102 ただゆっくりを突っつくだけの話虐無 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめそ ゆっくりいじめ系105 加工所職員のストレス解消法虐無 ゆっくりいじめ系106 小ねたっぽいゆっくりいじめ虐環 ゆっくりいじめ系107 ゆっくり実験前夜虐無 ゆっくりいじめ系108 ゆっくりしよう虐家無 ゆっくりいじめ系109 まんじゅうころりんすっとんとんそ家 ゆっくりいじめ系110 髪飾り制共無 ゆっくりいじめ系111 予定調和虐そ家無 ゆっくりいじめ系112 フローズン虐家料無 ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス虐家無 ゆっくりいじめ系114 ゆっくりデスマスクそ無 ゆっくりいじめ系115 ゆっくり研究者のある1日制無 ゆっくりいじめ系116 懐かし玩具とゆっくり制無 ゆっくりいじめ系117 ゆっくりとした縁日虐料 ゆっくりいじめ系118 ゆっくりのなくころにそ環 ゆっくりいじめ系119 ギロチンとゆっくり虐家 ゆっくりいじめ系120 マッサージチェアとゆっくりそ ゆっくりいじめ系121 ゆっくりふぉんでゅ 虐 料 無 ゆっくりいじめ系122 ゆっくりアリス愛の劇場-1環家 ゆっくりいじめ系123 ゆっくりアリス愛の劇場-2家 ゆっくりいじめ系124 ゆっくりアリス愛の劇場-3環性家 ゆっくりいじめ系125 ゆっくりリスペクトしてね!虐家料 ゆっくりいじめ系126 ゆっくりデッドライジングそ ゆっくりいじめ系127 ゆっくりリサイタルそ ゆっくりいじめ系128 精神 ゆっくりいじめ系129 ゆっくりハウス4 ゆっくりいじめ系130 ゆっくりコロリ制 ゆっくりいじめ系131 ゆっくりデッドライジング2 ゆっくりいじめ系132 ゆっくりのこい虐家無 「ゆっくりいじめ系133 大自然のゆっくりは作者さんの要望で削除しました。」 ゆっくりいじめ系134 ゆっくり避妊ありす虐性無 ゆっくりいじめ系135 地球に優しいエコゆっくり虐無 ゆっくりいじめ系136 働きゆっくり?虐無 ゆっくりいじめ系137 ゆっくりまんじゅう制そ共無 ゆっくりいじめ系138 あるゆっくりアリス達の記録虐制性料 ゆっくりいじめ系139 見・ゆ・必・ゆ(サーチアンドゆっくり)虐無 ゆっくりいじめ系140 ゆっくりんかわいいよゆっくりんりんⅡ 賢者と大図書館虐制性家 ゆっくりいじめ系141 ゆっくり七夕しようね虐捕無 ゆっくりいじめ系142 ゆっくりモンスターズ1虐無 ゆっくりいじめ系143 わからないちぇん虐無 ゆっくりいじめ系144 作者本人により削除いたしました ゆっくりいじめ系145 ゆっくり目隠し制環無 ゆっくりいじめ系146 新たな命、霊夢・魔理沙編虐家共 ゆっくりいじめ系147 奇形ゆっくり虐環家無 ゆっくりいじめ系148 ゆっくりフランのある休暇虐制家捕 「ゆっくりいじめ系149 ゆっくりと青い石_前は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系150 ゆっくりのエラ虐そ性無 ゆっくりいじめ系151 ゆっくり魔理沙が極限までゆっくりできる話1虐環性無 ゆっくりいじめ系152 れみりゃたまご虐性 ゆっくりいじめ系153 ゆっくり調教師 前編制環性無 ゆっくりいじめ系154 ゆっくり調教師 後編制環無 ゆっくりいじめ系155 外人のゆっくり虐共家 ゆっくりいじめ系156 外人のゆっくり 和訳虐共家 ゆっくりいじめ系157 冷凍ゆっくり虐料 ゆっくりいじめ系158 ヴェニスのゆっくり制家 ゆっくりいじめ系159 ゆっくり飾り Part.1虐家共無 ゆっくりいじめ系160 ゆっくり飾り Part.2虐家共無 ゆっくりいじめ系161 奇形ゆっくり2虐環家無 ゆっくりいじめ系162削除 ゆっくりいじめ系163 こしあん虐無 ゆっくりいじめ系164 ~ゆっくりひとりでできるもん~虐性無 ゆっくりいじめ系165 俺とゆっくり2(中編)制家無 「ゆっくりいじめ系166 ゆっくりと遊ぼう!は作者さんの要望で削除しました。」 ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル復家無 ゆっくりいじめ系168 ゆっくりるーぷ虐 ゆっくりいじめ系169 Ten little Yukkuri虐家 ゆっくりいじめ系170 ゆっくり家庭崩壊(前編)虐環家無 ゆっくりいじめ系171 ゆっくり家庭崩壊(後編)虐環家無 「ゆっくりいじめ系172は作者さん要請により削りました。by管理人」 ゆっくりいじめ系173 Ten little Yukkuri後日談虐家性道 ゆっくりいじめ系174 ゆっくりデッドライジング3虐性家そ ゆっくりいじめ系175 ゆっくり飾り2 Part.1虐家無 ゆっくりいじめ系176 作者本人により削除いたしました ゆっくりいじめ系177 ゆっくり記憶していってね!虐家性無 ゆっくりいじめ系178 ゆっくりモンスターズ2虐そ ゆっくりいじめ系179 Yukkuri story 3虐 ゆっくりいじめ系180 ゆっくり⑨虐機家無 ゆっくりいじめ系181 生まれ出づる赤ん坊ゆっくり虐家料無 ゆっくりいじめ系182 こえだめ虐家共無 ゆっくりいじめ系183 ゆっくり水攻め虐家機無 ゆっくりいじめ系184 夏の風物詩制家無 ゆっくりいじめ系185 消極的制裁行為制環無 ゆっくりいじめ系186 犯人は子れいむ制家無 ゆっくりいじめ系187 終端速度虐家無 ゆっくりいじめ系188 ゆっくりと赤ちゃん制道無外 ゆっくりいじめ系189 あの夏に日の……虐機環 ゆっくりいじめ系190 ゆっくりを食べないゆっくりゃ虐環捕無 ゆっくりいじめ系191 撲滅運動虐そ無 ゆっくりいじめ系192 あるゆっくり育成の記録虐そ家無 ゆっくりいじめ系193 ゆっくり魔理沙の憂鬱虐制家性共捕 ゆっくりいじめ系194 二階の廊下虐家無 ゆっくりいじめ系195 yukkuri_bean虐制共捕性家 ゆっくりいじめ系196 間違ってるのは世界じゃない前虐性家 ゆっくりいじめ系197 ケシの実制薬無 「ゆっくりいじめ系198 浮気発覚は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系199 ゆっくりブリーダーいじめ虐無 ゆっくりいじめ系200 壊された家族制家道無 ゆっくりいじめ系201 コードアイス-反逆のゆっくりゆかりん虐復制無 ゆっくりいじめ系202 ゆっくり間接照準射撃虐制機無 ゆっくりいじめ系203 魅惑の透明なケース虐家道無 ゆっくりいじめ系204 間違ってるのは世界じゃない中虐環家共 ゆっくりいじめ系205 家畜のあり方虐捕無 ゆっくりいじめ系206 奇形ゆっくり3~ゆっくりバッジ~虐家無 ゆっくりいじめ系207 ゆっくりわさび制無 ゆっくりいじめ系208 ゆっくり親子の窯焼き虐家料無 ゆっくりいじめ系209 無駄骨虐家捕 ゆっくりいじめ系210 ゆっくりの住む山制環無 「ゆっくりいじめ系211 運動神経ゼロゆっくりは作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系212 ゆっくり達の日常虐家 ゆっくりいじめ系213 森の奥のゆっくり達制家料無 ゆっくりいじめ系214 俺とゆっくり2(後編)虐家性無 ゆっくりいじめ系215 奴隷ゆっくり虐家道無 ゆっくりいじめ系216 ゆっくりれいむとおいしい味虐無 ゆっくりいじめ系217 整地ゆっくり虐家無 ゆっくりいじめ系218 ゆっくりチルノの一日そ家捕 「ゆっくりいじめ系220 ゆっくりの選択は作者さんの要望で削除しました。」 ゆっくりいじめ系221 ゆっくり亭そ ゆっくりいじめ系222 ゆっくり記念日(前編)制家無 ゆっくりいじめ系223 ゆっくり記念日(後編)制家無 ゆっくりいじめ系224 ゆっくり藍の憂鬱虐無 ゆっくりいじめ系225 ゆっくりたちの生き地獄制家環無 ゆっくりいじめ系226 ゆっくりスナイポ虐家道無 「ゆっくりいじめ系227 ゆっくりの産卵は作者さんの要望で削除しました。」 ゆっくりいじめ系228 作者本人により削除いたしました ゆっくりいじめ系229 ゆっくり誤診虐薬無 ゆっくりいじめ系230 ゆっくりカーニバル虐家無 ゆっくりいじめ系231 仲良しゆっくり一家制そ家捕無 ゆっくりいじめ系232 約束制共無 ゆっくりいじめ系233 ゆっくりいじめエンド_1 ゆっくりいじめ系234 ゆっくりいじめエンド_2 ゆっくりいじめ系235 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼前編虐無 ゆっくりいじめ系236 画鋲虐性捕無 ゆっくりいじめ系237 ゆっくりの現代生活虐無外 ゆっくりいじめ系238 ワイヤー虐制家無 「ゆっくりいじめ系239 ゆっくりと青い石_中は作者さんの要請で削除されました。」 ゆっくりいじめ系240 厳しいゆっくり虐家共無 ゆっくりいじめ系241 あるゆっくりアリスにまつわる記録外伝1虐家無 ゆっくりいじめ系243 チョコエッグ的な何か虐家料道 ゆっくりいじめ系245 ゆっくりの川流れ虐家無 ゆっくりいじめ系247 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼中編制そ性 ゆっくりいじめ系248 おわらないゆっくり虐環 ゆっくりいじめ系249 ゆっくり実験場・十面鬼編虐制薬捕
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2867.html
『適者生存』 温かな春の陽射しの下、 色とりどりに咲き乱れる花畑があった。 風に揺られて、花びらと蝶の舞う一帯。 そこで、楽しさを全身で表現して、よたよただばだば踊る者達がいる。 胴体付きの、ゆっくりれみりゃ達だ。 「「「うっうー♪ うぁうぁー♪」」」 花畑のステージで、思い思いに踊って歌うれみりゃ達。 その周りで、一回り小さい胴体付きれみりゃ達が草花の絨毯に座って喝采を送っていた。 「まんまぁー、きれぇーきれぇーだどぉー♪」 「とぉーってもえれがんとだどぉー♪」 れみりゃ達は、数組の親子からなる群れだった。 今は、親にあたるれみりゃ達が、 子供達に"のうさつ☆だんす"や"うぁうぁ☆だんす"を教えているところだ。 親れみりゃ達は充実した笑みを浮かべて踊りを止め、 ふくよかな手で拍手を送るギャラリー達に、誇らしげに胸を張る。 「うー♪ あかちゃんたちぃーありがとぅだどぉー♪」 「まんまぁーはかりしゅま☆おぜうさまだから、これくらいあっさめしまえなんだどぉ♪」 そうして、親れみりゃ達は、ワクワク体を揺らす子供達を立たせ、ダンスを教えていく。 お手々を閉じて、開いて、ぐるぐる回して、お尻をフリフリ揺らして、はいウィンク。 そして、最後はおぜうさまだけに許される"かりしゅま☆ポーズ"で決めだ。 「「「れみ☆りゃ☆うー☆にぱぁー♪」」」 決まった。 そこにいる全てのれみりゃ達がそう感じていた。 渾身のポーズに、れみりゃ達は「うっうー♪」と一同に喜びを露わにする。 心が満たされれば、次はお腹が満たされる番だ。 親れみりゃ達は、花畑に咲く大輪の花をもぎ取って、優先的に子れみりゃ達に渡していく。 やがて、親れみりゃにまで花が行き渡ったところで、 れみりゃ達はフカフカの緑をソファーにして、杯に見立てた花で乾杯をする。 「えれがんとなでぃなーにするどぉー♪」 「うーうー♪」 "えれがんと"な食前の挨拶を終え、 れみりゃ達は、花の付け根に口をつけ、ちゅーちゅー吸い出した。 「う~~ちゅぶちゅぶ☆」 「ちゅ~ぶぅ☆ちゅ~ぶぅ」 ちゅーちゅー。 ちゅーちゅー。 れみりゃ達は、花の蜜を吸っていく。 「うーうー♪ あまあまー♪」 「うぁうぁー☆おはなさんおいしぃーどぉー♪」 蜜を吸い終え、まるっこい掌で両頬をおさえる、れみりゃ達。 1輪吸い終えると、また次の花へ。 赤い花、青い花、黄色い花。れみりゃ達は花を千切っては、その蜜を吸い上げていく。 れみりゃ達の顔は、一様に幸せに満ちていた。 そこに一切の不満や疑いは無い。 とはいえ、この花畑に咲いている花は、全てごく普通の花だ。 蜜の量は少なく、人間のお菓子や餡子の甘みとは比較にならない。 にも関わらず、れみりゃ達は満足していた。 「う~~♪ ごちそうさまだどぉ~~♪」 やがて、お腹いっぱいになったれみりゃ達は、どさっと体を倒してゴロゴロひなたぼっこを始める。 とりわけ、さっきまで盛んに踊っていた親れみりゃ達は、温かな日光を毛布にして、うつらうつらし始めた。 一方、遊び盛りの子れみりゃ達は、ひなたぼっこをそこそこに切り上げ、起きあがる。 「まんまぁー、れみぃーおさんぽいきたいどぉ☆」 「う~~ぽかぽかだどぉ~~~♪ むにゃ~~さくやぁ~~~♪」 親れみりゃを催促する子れみりゃ達。 けれど、親れみりゃ達は既に幸せな夢の中にいた。 「うー? まんまぁーたちおやすみだどぉー」 「れみぃーのまんまぁは、おねむしててもえれがんとだどぉー♪」 仕方なく、子れみりゃ達は自分達だけで探検を始める。 それは、ちょっぴりドキドキ刺激的で、まだ幼いれみりゃ達には大変魅力的なものに思えた。 子れみりゃ達は知らなかったのだ。 自分達れみりゃ種が置かれている状況を。 故に、子れみりゃ達は、探検するうちに見つけた"ソレ"に対しても無警戒だった。 「うぁ?」 「どぉーしたんだどぉ?」 「なんだかへんなのがいるどぉー♪」 先頭を行く子れみりゃが足を止め、視線の先にいる"ソレ"を見て首を傾げた。 後ろの子れみりゃ達もまた、不思議がりながらも、無邪気な余裕を露わにする。 「ほんとだどぉー☆れみぃーたちとちがって、ぶちゃいくだどぉー♪」 「おあたまぴっかーん☆だどぉ! だんすのおれいに、まんまぁたちにアレぷれぜんとするどぉ!」 「うっうー♪ ぐっどあいであだどぉー☆きっとまんまぁたちよろこぶどぉー♪」 「「「れみぃーたちってば、やっぱりかわいくておりこうさんだどぉー♪」」」 自画自賛を繰り返し、子れみりゃ達は"ソレ"を捕まえることに決めた。 それが、どれほど危険な行為かも知らずに……。 * * * "まんまぁー!!" 静かな森からか弱い叫びがこだまし、夕焼けの花畑に届くのに、そう時間はかからなかった。 「う、うぁ!?」 遠くから聞こえてきた愛する子供たちの声に、ハタッと目を覚ます、親れみりゃ達。 親れみりゃ達は、キョロキョロあたりを見回して、額に一筋の肉汁の汗を浮かべた。 「う~~? あかちゃ~~ん?」 「どぉーしたんだどぉ?」 「うぁ、あかちゃんたちいないどぉ!?」 徐々に状況を理解していき、慌てふためく親れみりゃ達。 じたばたどたばた。 あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。 親れみりゃ達は愛する子供達を探すが、取り乱すばかりで何も出来ない。 と、その時、再び子供達の声が響いた。 その声は、花畑に隣接する森の奥から聞こえてきた。 "まんまぁー、こっちくるどぉー!!" 「うっ! あかちゃんたちのおこえだどぉー!!」 「ほんとだどぉー♪ あのかぁーわいいおこえはまちがいないどぉー♪」 親れみりゃ達はその声を頼りに、森の中へと走っていく。 トテトテ、だばだば。 その走る姿は、人間からすれば巫山戯ているようにも見えるが、れみりゃ達からすれば必死の全力疾走だ。 ふくよかなお手々やあんよに擦り傷ができようと、 おべべが泥でよごれようと、親れみりゃ達は厭わなかった。 それは親としての情愛、さらにれみりゃ種の種としての生存本能が働いたからこそ出せる火事場の力でもあった。 「う~~~っ! あかぢゃーん! まっででねぇ−ん♪」 「いま、まんまぁーがいくどぉー! もぉーあんしんだどぉー♪」 そうして、がさごそ茂みを抜ける親れみりゃ達。 彼女らは、そこで愛する子供達と再開するのだが……。 「うーっ♪ まんまぁーだどぉー♪」 「ほんとだどぉー♪ やっぱりしゅやくはおくれてくるもんなんだどぉー♪」 「たよりになるどぉー♪ えれがんとでかりしゅま☆なれでぃーだどぉー♪」 子れみりゃ達は、確かにそこにいた。 そして、駆けつけた親達を見て、一様に目を輝かせた。 が、感動の対面……というわけにはいかなかった。 喜色満面の子れみりゃ達の一方で、親れみりゃ達は絶句して固まってしまっていた。 親れみりゃ達が見た光景。 それは、子れみりゃ達が数匹の"ソレ"によって捕まってしまっているところだった。 愛する子ども達は、"ソレ"の長い舌に体を巻き取られ、かろうじて顔だけが露出していた。 「う~~♪ しんだどぉー☆おまえらしんじゃったどぉー♪」 「れみぃーたちをいじめたこと、こうかいするがいいどぉー♪」 「まんまぁー♪ はやくこいつらやっつけちゃうんだどぉー♪」 自分たちを捕まえて離さない"ソレ"に対し、悪態をつく子れみりゃ達。 意気揚々な子れみりゃ達に疑いはなかった。 こーまかんのおぜうさまたる自分たちに害をなす者などいるはずがないと、そんなことが許されるはずがないと。 だから、自分たちに無礼を働いた"こいつら"は、間もなく尊敬する"まんまぁー"達にやっつけられて当然だと。 しかし、現実は子れみりゃ達が思うほど甘くはない。 親れみりゃ達は、子ども達の期待になかなか応えようとしない。 それどころか、ガタガタと体を震えさせるのが精一杯だった。 「う~? まんまぁー?」 「お、お、お……」 親れみりゃ達がようやく絞り出し、発した行動……それは恐怖に染まった絶叫だった。 「「「お、お、お、おまんじゅうだどぉぉぉーーー!!!!」」」 うわぁぁー!と目を見開き、パニックに陥る親れみりゃ達。 そこに、先ほどまでの平和で楽しかった面影も、かりしゅまでえれがんとな様も無い。 圧倒的な恐怖と絶望を前にして、そんなことを気にする余裕はどこにも無い。 "おまんじゅう" 親れみりゃ達が口にし、子れみりゃ達を舌で捕らえているもの……それは、ゆっくりれいむの親子だった。 ただし、その大きさは尋常ではなく、親と思われる1匹がざっと3メートル、 その両脇にいる子供らしきものでさえ、2メートル近くはある。 親で1メートルたらず、子どもで50センチほどのれみりゃ達では、どうしようも無い質量の差。 現に、れいむ親子達は、巨大な体躯についた目と口でニヨニヨ余裕の微笑みを浮かべ、愚かなれみりゃ達を嘲っていた。 "うぁぁぁーーん! ざぐやぁぁぁーーーごあいのがいるぅぅーーーー!!" 数匹の親れみりゃが恐怖に負け、子どもを見捨てて逃げ去ろうとする。 だが、回れ右をして走り出したすぐ先に、大きな黒い影が現れ、その進路を塞いでしまう。 「ぶっぎゃあ!」 目の前に突如現れた壁に顔から突っ込んでしまう親れみりゃ。 ボヨンとした弾力にはじき返され、その親れみりゃは尻餅をついてしまう。 "ぅ~~っ、ぅ~~~っ"と嗚咽を漏らし、赤くヒリヒリする顔を押さえて涙する親れみりゃ。 その前で、巨体がドスンと跳ねて地面を揺らした。 そこには、やはり3メートルサイズのゆっくりれいむがいた。 「う、うぁ、うぁあ……」 さらに、茂みの中からは次々と巨大なゆっくり達が姿を現していく。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇん……そのいずれもが、2〜3メートルの巨体を揺らす。 れみりゃ達は、今やこの巨大ゆっくり達に完全に包囲されてしまっていた。 『ぶたまんがにげられるわけないでしょ? ばかなの? しぬの?』 巨大なれいむがそう言うや否や、巨大ゆっくり達は全てのれみりゃを舌で捕らえ、口の中に閉じこめる。 そうして、巨大ゆっくり達は自分たちのコロニーへと跳ねていく。 この巨大ゆっくり達にとって、れみりゃ種は貴重な食料源だった。 だからこそ、この場で食べあさってしまうようなことはしない。 ある者にとってはより効率的で、ある者にとってはより残酷な手順を、この巨大ゆっくり達は知っていた。 "まんまぁーーー!" "あがじゃんーーー!" "やだぁーーごぁいどぉーーー!" "ざぐやぁーーだじゅげでぇーー!"" 暗い口の中に閉じこめられながら、れみりゃ達はあらん限り泣き叫んだ。 特に、親れみりゃ達は、こらから起こるだろう事態を見聞きしていたため、より悲痛な叫びと絶望をあらわにした。 やがて、泣き叫ぶ力も無くなった頃、れみりゃ達はペッペッと巨大ゆっくりから吐き出された。 そこは、巨大ゆっくり達のコロニーのはずれに作られた"のうじょう"だった。 固い地面の上に吐き出され、痛みで叫ぶ者。 久しぶりの親子の対面に、抱き合いながら号泣する者。 れみりゃ達にとっては、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図。 しかし、そんな叫びを涼しく受け流して、1匹の巨大ゆっくりちぇんが、口を開いた。 『みんな"ようとんじょう"いきなんだよー、わかるよぉー』 養豚場。 ちぇんが口にしたその場所には、既にたくさんのれみりゃ達がいた。 だが、そこからは「うーうー♪」も「うぁうぁ♪」も聞こえてこない。 "ぶぅーぶぅー" その場所から聞こえてくるのは、そんな鳴き声だけだ。 この場所は、巨大ゆっくり達が自分達群れのために共同で、れみりゃを"飼って"いる場所だった。 人間であるならば目をそむけたくなるほどの劣悪な環境に、大人も子どもも関係なく、れみりゃ達は押し込められていた。 そこでれみりゃ達は、ゆっくりとはほど遠い、悲惨な家畜としての日々を強制されていた。 『むきゅー! ふらんまかせたわよ!』 新たに連れてきた親子れみりゃ達を"養豚場"に放り込んで、1匹の巨大ぱちゅりーが"養豚場"の管理者を呼ぶ。 間もなく、全身薄汚れて傷だらけのゆっくりフラン達が数匹やってくる。 フラン達は、この"養豚場"の管理を任されていた。 「……うー、わかりましたぁ」 本来、最強のハンターであるはずのフラン達。 そのフラン達もまた、巨大ゆっくりの言いなりになっていた。 管理者といえば聞こえはいいが、結局のところこのフラン達もまた巨大ゆっくり達の奴隷であった。 食糧の飼育に、危険で汚い重労働、あるいはストレス発散のすっきり相手として、フラン達もまた悲惨な状況下でこき使われていた。 「ふらんー! おねがいだどぉー! せべでぇあがぢゃんだけでもぉー!!」 「おねがいじまずぅーー! れみりゃをいじめないでぐだざいぃーー!!」 「……ゆっくり……しね」 泣き叫ぶれみりゃの顔を殴ったり、抓ったり、死なない程度に痛めつけておとなしくさせてから、 フラン達は新しく連れてこられたれみりゃ達を養豚場の奥へ連れ込んでいく。 そこでれみりゃ達を待つのは、家畜として無理矢理繁殖させられ、 育ったならあの恐る巨大べきゆっくり達に食糧として食われる無限地獄だ。 "ぶひぃ~~! ぶひぃ~~!" "はいぃぃーっ、でびりゃはぶちゃいくなぶだまんでずぅー!" "きょうもでびりゃのあがじゃんたべでぐれでありがどぉーごじゃいまずぅー!" 一昨日は友達が食われた。 昨日は実の子どもが食われた。 今日は子ども増やすために無理矢理すっきりさせられた。 明日は自分が食われるらしい。 いつまでも終わらぬ地獄。 巨大ゆっくりやフラン達が眠った夜遅くに、 れみりゃ達は、あらん限りの声で天に叫ぶのが日課になっていた。 「「「ごーまがんのおぜうざまがどぉーじでごんなべにぃーー!!?」」」 * * * どうしてこのような事態になったのか。 事の起こりは数年前にまで遡る。 幻想郷に"ゆっくり"と呼ばれる不思議生命体が現れ始めた頃。 れみりゃ種は胴体の無いものが殆どで、胴体を持っているものは希少種中の希少種と呼ばれていた。 だが、それからしばらくして、そのバランスに変化が起こる。 胴体と四肢を持ったれみりゃの数が増えていき、いつしか胴体の無いものの方が珍しくなっていく。 胴体を持つことでれみりゃ種は飛行能力や敏捷性、捕食種としての感覚を著しく衰えさせた。 しかし、そういったデメリットを差し引いても、当時のれみりゃ達は胴体付きに姿を変えていった。 どんなに不器用でも四肢を持っているメリットは大きい。 また、体が有ればより"えれがんと"なダンスを踊れるし、紅魔館の主に近づくことで一部の人間からの寵愛も受けられる。 既に捕食者として通常種に対して明確なアドバンテージを得ていたれみりゃ種は、 外敵への対処や自然環境を生き抜くためではなく、例え身体能力を劣化させてでも"よりゆっくりするための"進化を選んだのだ。 一方で、れみりゃ達が一つの進化の選択を行うのに対して、通常種達はまた別の進化を模索していた。 れいむ種やまりさ種などに代表される通常種。 彼らは、自然環境に生きるにあたって、あまりにも脆弱で非力だった。 故に、少しでもゆっくりするための可能性として、通常種は一つの定向進化を始めた。 それは、他の動物たちでもまま見られる傾向……すなわち種の個体の大型化であった。 初めは"ドスまりさ"に代表される一部の変異体のみだった大型化。 やがてそれは、通常種全体に見られるようになっていく。 代を重ねるごとにサイズを一回り大きくさせる通常種達。 通常種の世代交代のサイクルの早さもあって、その巨大化は他の生物では考えられぬ早さで行われていった。 そして、2メートルオーバーの成体ゆっくりが当たり前になった頃、通常種達は明確な事実に気付くことになる。 自分達が既に食物連鎖のヒエラルキーにおいて最下層にはいないことに。 さらにこの頃、既に全てが胴体付きになっていたれみりゃ種は、 ゆっくりする事を追い求めた結果、羽を完全にお飾りのものにまで退化させ、空を飛ぶこともできなくなっていた。 ここにきて、捕食する者・される者の関係は、完全に逆転したのだ。 れみりゃ種や、同じく巨大化の道を選ばなかった捕食種達は、巨大通常種に次々蹂躙され、そのエサとなっていった。 一方で、巨大ゆっくりの中には、己の力を過信し、捕食種以外に戦いを挑むものもいた。 だが、人間の知恵と技術には到底かなわず、中型以上の野生動物の牙や爪に対して饅頭の体はあまりに無力だった。 故に、巨大ゆっくり達のターゲットは、次第にれみりゃ種やふらん種に固定されることになる。 一時期"希少種"であることを忘れさせるほど大繁殖した、れみりゃ種・ふらん種だったが、 巨大ゆっくりに狩られて次々に数を減らしていき、ついには絶滅寸前にまで追いやられてしまった。 短期間でそこまで追い込まれてしまったのには、胴体付きの種が、通常種に比べて繁殖力が低いのも起因した。 このままではエサが無くなってしまう……そう考えた巨大ゆっくり達は、 自らのコロニーに農場を作り、生き残ったれみりゃ種・ふらん種をかたっぱしから捕獲して閉じこめた。 そしてそこで、自分達の都合の良い家畜や奴隷として、調整生産することにしたのだ。 この進化と生存競争の課程が、現在れみりゃ種に起こっている悲劇の理由だった……。 * * * れみりゃ達の叫びが、巨大ゆっくりに届くことはない。 巨大ゆっくりのコロニーの一画、れいむとまりさの番からなる家族では、今日もいつも通りの夕食が始まろうとしてた。 『おちびちゃんたち、ゆっくりごはんのじかんだよ』 『『『はぁ~~~い』』』 巨大れいむに呼ばれて、子ども達が集まってくる。 子どもとはいえ、そのサイズは成人男性よりもよほど大きい。 家族ですごす一家団欒のひととき。 今宵のメインディッシュは、鮮度の良い子豚だった。 「「「まんまぁーーー!! ざぐやぁぁーーーー!!」」」 号泣するのは、痛めつけられ動くことの出来なくなった子れみりゃ達。 れいむとまりさは、子ども達にれみりゃの食べ方を教えていく。 『おちびちゃんたち、まずはきたないから皮をむこうね』 『ほらこうするんだよ、べぇ~りべぇ~り、ぺっぺっ』 れいむとまりさは、舌を使って子れみりゃのおべべを剥ぎ取っていく。 子ども達もそれを真似するが、まだ不器用で、ついつい力を入れすぎて子れみりゃの皮膚ごと剥ぎ取ってしまう。 「ぶっぎゃぁーー! いだいーー!!」 「れみりゃのおべべがぁーー! おぼうじがぁぁーー!!」 「それきちゃなくないどぉーー! まんまぁーからもらっただいじだいじだどぉーー!!」 「ぎゃぼぉーー! ぎゃぼぉーーー! たべちゃうぞぉーーー! だべちゃうどぉーーーー!!」 「おねがいじまずぅーーおばんじゅうざまぁーー! えびりゃをだべないでぐだじゃいぃぃーー!!」 『きたない皮をむいたら、次はこうするんだよ』 「うわぁぁぁーーー!!! まんまぁーーーーー!!!!!!」 れいむは舌で子れみりゃを1匹巻き取りそれを丸ごと口の中へ運ぶ。 そして、その質量を活かして咀嚼をはじめた。 『『『ゆぅ~~♪ むーしゃむーしゃ♪』』』 親れいむに続き、番のまりさや子ども達も、子れみりゃを丸呑みにして噛み砕いていく。 ばりばりむしゃむしゃ。 ばきばきごっくん。 不愉快な音は、れいむ達には聞こえない。 感じるのは満たされる空腹感と、口の中に広がる肉汁の美味だけた。 『ゆっくりごちそうさまだよ』 『おいちかったねぇー♪』 子れみりゃを全てたいらげ、れいむ一家は幸せを満喫する。 『でも、ぶたはちょっとあきちゃったよ……』 『ゆっ、そうだね、それじゃこんどはあんまんをたべようね』 『ゆぅーーん! あんまんはあまくて、とってもゆっくりできるよ♪』 明日はれみりゃを食べようか、それともフランを食べようか。 あるいは、久しぶりにゆゆこや、きめぇ丸を食べるのも良いかもしれない。 かつての通常種では考えられなかっただろう食の悩みと、選択肢。 これからもいつまでも、ずっとゆっくりした日々が続くに決まっている。 この巨大ゆっくりの一家には、薔薇色の未来しか見えなかった。 だから、子どもの1匹がふと違和感を口にしても、さしたる危機を覚えることは無かった。 『……ゆぅ? おかーさん、なにかきこえるよ?』 『ゆー?』 外の音に注意を傾ける、親れいむと親まりさ。 すると、確かに外が騒がしいようだ。 『ようすをみてくるよ、みんなはゆっくりここでまっててね!』 親まりさはそう言うと、一人で巣から出て行く。 他の家族も、巣の入り口付近に立って、勇敢な親まりさの様子を眺めている。 親まりさは、どっすんどっすん跳ねて、開けた場所に出て周囲を見回した。 『ゆっ、なにかとんでるよ!?』 まりさは、コロニーの上空、ほの暗い薄暮の空を飛ぶ"何か"を見つけた。 一方、その"何か"も、まりさを見つけたらしく、まりさめがけて降下してくる。 まりさは、それを大きくてゆっくりしている自分に対する挑戦と受け取った。 『みのほどしらずだね! まりさがやっつけてあげるよ!』 ドッスンと跳ねるまりさ。 しかし、降下してきたそれは、まりさの体当たりを軽々よけると、まりさの左右に散っていた。 『ゆっ!?』 体当たりを避けられながらも、まりさは"何か"の正体をかいま見た。 それは、自分よりずっと小さい、空を飛ぶ生き物の群れだった。 まだ、自分たちに逆らう愚か者がいたとは……。 まりさは、その小さい飛行生物を倒すべく体の向きを変えようとして……違和感に気付いた。 自分が振り向いた時、そこには既に小さな飛行生物はいなかった。 飛行生物はすばしっこく、常にまりさの死角へとまわり込む。 『ゆぅー! まりさとたたかってね! にげまわるなんてひきょうもののすることだよ!』 まりさは叫ぶが、飛行生物がそれを気にとめることはない。 それどころか、飛行生物達はノロマで鈍重なまりさを、まるで嘲るように、からかうように周囲を旋回する。 いいように翻弄され、次第に息を荒げていくまりさ。 さらに、飛行生物はまりさの死角から、チクチク攻撃をしかけ始める。 何かをついばむような、突き刺すような痛みが、まりさの後頭部や側頭部に繰り返される。 『ゆぎぎ! やめてね! ゆっくりまりさにやられてね!』 1回1回の攻撃は、そこまででは無かったが、集団でそれを繰り返されれば、巨大なまりさといえどたまらない。 さらに、まりさの攻撃能力を見極めた飛行生物は、それまでのヒットアンドアウェイではなく、本格的な攻撃を開始した。 髪の中、帽子の中に潜り込まれ、さらに噛みつきようのない、目の周りや頬にまでその攻撃は及ぶ。 ここに来て、まりさは久しく忘れていた感情を呼び起こす。 それは、生命の危機に対する、恐怖だった。 『ゆ、ゆげっ! や、やめてぇー!!』 とうとう、まりさは悲痛な叫びを上げる。 それと同時に、飛行生物の群れは暗い影の塊となって、まりさを覆った。 その光景を、番の巨大れいむは家の出入り口でじっと見つめていた。 れいむには全く想像できないでいた、大きくて強い自分たちに害がなされることなどあるはずがないと。 『ま、まりさ……?』 黒い影に覆われたまりさに、声をかけるれいむ。 次の瞬間、黒い影が散開して、まりさの姿が露わになった。 ……ただし、そのまりさは、既にれいむの知る姿とは大きくかけはなれていた。 『ま、まりざぁぁーーー!?』 絶叫する、れいむ。 視線の先のまりさは、体内のあんこを急激に失い、既に事切れていた。 体中に無数の穴が開き、そこから今なおビュッビュッとあんこが漏れている。 そのショッキングな光景に、身を固まらせるれいむ。 呆然とするれいむを現実に戻したのは、子ども達の助けを求める声だった。 『ゆ、ゆぇ~~ん! おかぁ~しゃ~~ん!』 『ゆゆっ? おちびちゃんどーしたの!?』 ハッとして後ろを振り向く、れいむ。 そこには、先ほどまでまりさを覆っていた影に覆われる、我が子達がいた。 その影……飛行生物の群れは、先ほどのまりさと同様、子ども達の死角にまとわりつき、 攻撃を加えて弱ったところを狙って、あんこを吸い上げていた。 『おかーしゃーん! いたいよぉーー! ゆっぐりできないーー!』 『も、もっどゆっぐり……ぢだがっだよ……』 子どもとはいえ2メートル前後の巨体を持つ、子れいむや子まりさの顔から、あっという間に生気が失われていく。 全身にくまなく無数の穴が空き、そこからは親まりさと同様あんこをもらしていた。 『お、おちびちゃんーー!!』 子ども達の惨状を見て、叫ぶれいむ。 しかし、時はすでに遅く、親れいむの目の前で子ども達は息を引き取ってしまう。 『ゆがぁーー! しねぇーー! ゆっぐりしないでじねぇーー!!』 れいむは、怒りで我を忘れ、飛行生物達に突撃をかける。 しかし、巨大な質量塊となったれいむは、パワーこそ凄まじいが、スピードはお粗末なものだ。 空を飛び回る、敏捷なそれらに体当たりが当たることはなく、れいむだけが体力を消耗していく。 『よぐもぉー! よぐもばでぃざをぉーーー!! おぢびぢゃんだぢをぉーーーー!!』 れいむは、舌をのばして飛行生物を捕らえようとするが、飛行生物の俊敏な動きには舌の動きがついていかない。 それどころか、伸ばした舌にまとわりつかれて、攻撃されてしまう。 『よぐもぉー! よぐもぉー!! ばでぃざをがえぜぇぇーー!! おぢびぢゃんぼぉがえじぇぇぇーーー!!!』 その怒りが通じたか、れいむは口を最大限に開き、目の前をゆく飛行生物の一匹を丸呑みにすることに成功する。 が、それとて飛行生物には通用しなかった。 『ゆ、ゆぎゃぁ!?』 れいむが口の中の飛行生物を咀嚼するよりもはやく、その飛行生物はれいむの体内を攻撃しはじめた。 口の中を飛ばれ、体内の大事なあんこを直接攻撃され、食べられてしまう……その事態に、れいむは恐怖を爆発させる。 『た、たべないでぇー! れいむをなかからたべな』 それが、巨大れいむとその一家に訪れた、幕引きだった……。 そして、それと同様の光景が、巨大ゆっくりのコロニー各所で巻き起こっていた。 『『『ゆぎゃーー! おねがいゆっぐりざぜでぇぇーー!!』』』 ゆっくりできない生命の危機に、巨大ゆっくりのコロニーは大混乱に陥っていた。 次々に巣の中から飛び出してくる、巨大ゆっくり達。 上空を舞う飛行生物達は、その様を見て楽しげに微笑んだ。 そして、その飛行生物達は、独特のリズムで羽をはばたかせ、歌を口ずさむ。 「うーうー♪」 「うっうーうぁうぁー♪」 その歌を聞いて、自分たちを狙い上空を舞う飛行生物達を見上げる、巨大ゆっくり達。 そこいた生物を、巨大ゆっくり達ははるか昔に見たことがある気がした。 50センチほどの顔にニコニコした表情を浮かべ、 その下ぶくれ顔の左右にはコウモリを思わせる羽がついている。 「うー♪ うまうまー♪」 「あまあま☆おいしぃぞぉー♪」 飛行生物の正体……それは、巨大ゆっくりが現れるよりもはるか前に消えたと思われていた、原初の捕食種。 ……胴体無しの"ゆっくりれみりゃ"だった。 あんこの遺伝子に刻み込まれた、遠い記憶を呼び起こす巨大ゆっくり達。 気付くと、巨大ゆっくり達は一様に叫んでいた。刻み込まれた通常種の宿命たる叫びを。 『『『れ、れ、れ、れみりゃだぁぁーーーー!!!』』』 * * * 数年後。 そこには、胴無しれみりゃから逃げ回る小さなゆっくり達がいた。 瞬く間に起きた、胴無しれみりゃ、胴無しフランの復活。 それは、れみりゃ種フラン種が、種として巨大種に対抗するための進化だった。 巨大で鈍重なゆっくり達は、機敏な胴無しれみりゃ達に次々と狩られ、あっという間に姿を消していった。 ゆっくり達は、少しでも生存確率を上げるため、 ちょっとした隙間でも身を隠せる小さな体へと進化していった。 それからさらに数年後。 胴無しれみりゃ達にも変化は起きる。 飛びながらでは入れない小さな隙間にゆっくりが逃げ込むようになり、思うような狩りができなくなったためだ。 その結果、胴無しれみりゃ達は飛行能力を犠牲にして、地面に降り立った。 その四肢で、隙間や洞の奥に逃げ込んだゆっくりを掴みだせるように……。 「ぎゃおー☆たーべちゃうぞー♪ あまあまどもーまつんだどぉー♪」 「うっうー☆まんまぁーはかりのてんさいだどぉー♪」 諸行無常。世界は流転し繰り返す。 おしまい by ティガれみりゃの人
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1010.html
「蛇とゆっくり」はもう少しお待ちくださいorz 呼んで下さる皆様に感謝です。 ※個人設定が多いかもしれません。 ※新米なので文章が少々荒いです; _______________________________________________________________________ 「しゃちょお~!ゆっくりかえってきたぜ!!」 「おお、魔理沙君、お疲れさん!」 「ゆ~!おかえりまりさ!」 いつもの様に騒がしく社員が帰ってくる。帽子に輝くエンブレム。我が社の社員第一号、魔理沙である。 あれから一ヶ月、霊夢も子育てが一段落、我が社の一員として電話受付と経理を請け負ってくれている。 「「おちゅかれさま!おとーしゃん!!」」 霊夢と魔理沙の子供達だ、最初こそ手の平サイズであったが、一ヶ月もすれば魔理沙達の半分程には育っていた。 小さい内から少しずつではあるが、魔理沙達の仕事、つまり運送について教えてきたが、その甲斐あってか多少の運送ならこなせるようになっていた。 「やっぱりおとーしゃんのうんそうはしゅごいね!」 「「ねー!!」」 しかし、私から特に促した訳では無かった、親の仕事が気になったのだろう。私に教えろと頼んできたのだ。 そういった部分は人間の子供とあまり大差は無いようで、むしろゆっくり達の方が素直で教え甲斐があった。 「はやくおとーしゃんみたいなうんそうができりゅようになりたいじぇ!」 「わたちはおかーしゃんみたいにいっぱいおべんきょうちゅるのー!!」 どうやら、親の性質に寄って個体差があるようで、ちび魔理沙は運送、ちび霊夢は経理系にそれぞれ秀でているようだ。 しかし、まだ育ちきっていない為、運送や経理ができるといってもごく簡単な計算や作業だけだ。 実践はまだ早いので、事務所で魔理沙達の見学をしている。何かあった時も近くに親が居れば何かと都合がいいだろうという考えもあった。 「ゆへへぇ~まりさたちのあかちゃんたちはやっぱりかわいいんだぜ~!!」 「れ、れいむだってかわいいよ!ふん!」 その様子を見ていた霊夢も最初は顔が綻んでいたがやきもちを焼いたのだろう、今は膨れている。 「ごめんごめん、まりさはれいむがいちばんなんだぜ!」 と、魔理沙は霊夢の頬に擦り寄った。 「ゆぅ~!いいよ!れいむもちょっとこどもみたいだったよ!ごめんね魔理沙~!」 魔理沙に謝りながらも、その顔は満足げである。 まさに新婚のカップルといった所だろうか。実に羨ましい限りである。 この家族を保護してから一ヶ月、思えば瞬く間に過ぎ去った様にかんじた。 しかし、この時点で私達は、更に時が加速するハメになる事をまだ知る由も無かった……。 ある日の朝、魔理沙は運送に出かけ事務所には私、霊夢、子供達が残っていた。 いつも通りの忙しくも、とてもゆっくりした時間が流れている。 今日もこのまま平和に一日が過ぎ去るハズだった……。 「うっうー♪ここなんだどー!」 一人?一匹?一つの影がゆっくり運送の前に立っている。 ピンクの洋服にピンクの帽子、背中に翼、小さな背丈。紛れも無いゆっくりれみりゃである。 手には何やら張り紙を持っている。 「ごめんくださいなんだどー♪」 「お、客か?霊夢君、ちょっと応対してくれ。ちょっとちび達から手が離せん。」 「ゆー!ゆっくりせっきゃくするよ!!ようこそ!ゆっくりうんs……」 「ぎゃおー!たぁーべちゃうぞー♪」 霊夢が扉を開けると、目の前にはれみりゃが立っていた。霊夢を視認するや否やお決まりの台詞と共にガップリと噛り付いた。 「ゆぎゃああぁぁぁぁ!!おじさん!社長!おじさん!ゆっくりたすけてねぇぇぇぇ!!」 子ゆっくり達を寝かし終えた頃、叫び声が聞こえた、ふと来客口の方を見ると、れみりゃを付けたまま私の方へ走ってくる霊夢が見えた。 とてもゆっくりとは思えない速さだ。 「何事だ、というかおじさんなのか社長なのかハッキリしろ。というか社長と呼べ、全く。」 「しゃちょおぉぉぉぉ!!れみりゃをとってね!おねがいぃぃぃぃ!!」 「しょうがないな全く。コラコラ、そんなの食べたらお腹壊すぞ。離しなさい。よっこらせっと。」 「うー♪ついやっちゃったんだどー!」 後ろから抱える形でれみりゃを引き離す。そして霊夢は泣きながら恨めしそうにこちらを見ている。 頬には噛まれた跡だろう、穴が二つ程開いていた。 私はれみりゃを抱えたまま器用にしゃがむと、傷口にゆっくり専用の軟膏を塗ってやる。 「フフ、これは、派手にやられたな霊夢君。」 「わらいごとじゃないよしゃちょう!!そのれみりゃをゆっくりおいだしてね!!」 噛まれた事に相当ご立腹の様だ。 「まぁまぁ、ここは抑えて。こんなアクシデントに動揺する程、君も弱くはあるまい? ここは我が社のエリートとして、私の顔を立ててやってくれ。今度でも、私一押しのおいしいお菓子でもご馳走しよう。それで手を打ってくれ。」 「ゆふふふ~!わかったよ!れいむはここの「えり~と」だからこんなんじゃなかないよ!!おかしさんのことわすれないでね!!」 「あぁ、忘れんさ。流石は我が社のエリートだ、君無しではこの会社はやっていけんよ。」 「いまさらきづいたの!?ばかなの?しぬの?」 「クッ…!今後は気をつけよう。すまなかった。(ここは我慢だ…」 霊夢は先程とは打って変わってニヤッと笑いながら胸(顎?)を張っている。 まったく単純なのか素直なのか、理解に苦しむ性格だ。 一先ず落ち着いた所で、手元で抱えたままになっていたれみりゃに気付く。 れみりゃは私に抱えられたまま、楽しそうに足をパタパタさせていた。 「う~♪おそらをとんでるみたいだど~♪」 自分でも飛べると思うのだが…自分の力以外で飛ぶ事が新鮮なのだろうか?あるいは特に訳も無く純粋に楽しいのだろう。 れみりゃをゆっくりと降ろし、ソファーに座らせると、私は事情を聞く事にした。 「生憎、来客用の菓子が切れていてな、プリンでもいいかな?」 「う~!♪ぷっでぃ~ん♪ぷっでぃ~ん♪」 余程嬉しいのだろう、れみりゃは「ぷっでぃ~ん♪」と連呼しながらその場で踊りだした。 私は鼻の奥に鉄臭いものを感じた。 「う、うむ、気に入ってもらえて何よりだ。」 れみりゃはプリンを一瞬で平らげると満足そうにお腹をさすっている。 「さて、本題に移ろうか。君は何故、我が社を尋ねて来たのだね?」 「う~!このはりがみをみたんだど~♪」 と、れみりゃは手に持っていた張り紙を私に見せた。 _________________________________________________________________________________________ 社員募集中!! 種別、年齢問いません!三食昼寝、おやつ付き!社員用の住居も提供します。 興味のある方はゆっくり運送まで! 住所 幻想卿北方の森付近 ※地図 連絡先 □□□ー○△□○まで _________________________________________________________________________________________ これは紛れも無く私が張り出した物である。あまりに誰も来ないので殆ど忘れかけていたが、社員募集をしていたのだ。 どうやら、れみりゃはこの張り紙をみて直接面接に来た、と言う事らしかった。 「ふむ、つまり君は我が社の社員になりたいと言う事なのだね?」 「そういうことだどー♪」 どうやられみりゃはかつて「うーぱっく」に所属していたらしく、そこの経営が苦しくなり、転職を考えていた最中、この張り紙を見たという。 「ふむ、なるほど、直接受けに来たその心意気や良し、おまけに「うーぱっく」所属経験ありか。拒む理由は無いな。れみりゃ君、 君を今日から我が社の社員として迎えよう!歓迎するぞ!」 「う~♪ありがどなんだど~♪」 拒む理由も特に無く、私はれみりゃを社員として迎える事にした。 しかし、当然といえば当然だが、抗議の声が上がった。 「れいむははんたいだよ!れみりゃがここにいたらゆっくりできないよ!!」 すると、れみりゃは霊夢の方に歩いて行き、いきなり霊夢に頬ずりをした。 「う~♪ごめんだど~!ゆるしてほしいんだど~♪」 霊夢は突然の事で驚き戸惑っている様だ。 「ゆ!?ゆぅ~…いいよ!れいむはもうおこってないよ!でも、こんどからはかまないでね!」 「う~♪わかったど~♪」 一先ず解決した様で何よりである。やはりゆっくりの問題はゆっくり同士のほうが解決しやすいらしい。 何はともあれ社員が一人増えた事は喜ばしい事だった。 「ゆぅ~!ゆっくりかえったぜ!こんかいはけっこうとおかったんだぜ!!」 「ぎゃお~!たぁ~べちゃうぞぉ~♪」 「ゆぎゃあぁぁぁ!!たすけてしゃちょおぉぉぉぉ!!!!」 やはり少し頭が痛い。これから少しずつ我が社に慣れてくれれば良いのだが、こればっかりは何とも言えないのであった。 「こらこら、れみりゃ君…さっき注意したばかりだろう。」 「う~♪うっかりしてたんだどぉ~♪」 続いて欲しいと切に願う。 ーおまけに限りなく近い何かー 「いや、迷惑を掛けたな。すまない。」 「まったくだよ!おじさんはまりさにゆっくりあやまるんだぜ!!」 「あぁ、すまなかった。」 「ゆふふん!わかればいいんだぜ!これからはおやつをすこしふんぱつしてもらうぜ!ゆっへっへっへ♪」 「あぁ、約束しよう。」 「さて、話は変わるんだが魔理沙君。ちょっといいかい?」 「ゆ?しょうがないんだぜ!きいてやるぜ!」 「有難い、実はな、ついさっき君がトイレにいってくる、と居なくなっている間に私の個人用の冷蔵庫が「シッショー!!」な事になっていたのだよ。」 「ゆ!?ゆ~そいつはゆゆしきじけんなんだぜ!!」 「そうなんだ、すまん、ちょっと部屋の監視カメラに変なものが写っていてね、ちょっと見てくれ。」 そこには…とんがり帽子が印象的で覆面を被った生首が冷蔵庫をあさっていた!! 「私が見たところ、育ちが良くて品のある、イケメンゆっくりだと思うのだが。」 「ゆへへへ~♪そこまでほめられるとてれるぜ~!………はッ!」 「……………………(魔理沙を見つめニコニコ)」 「………………テヘ☆」 「セメテ痛ミヲ知ラズ安ラカニ逝クガイイ……!!」 「ゆぎゃああぁぁぁぁ!!…って、あれ?…ゆ~♪なんかいいきもち…ちにゃああぁぁぁ!!ごべんなざぁぁぁぁい!!!!」 「ん~…?間違ったかなぁ…?」 今日も明日もゆっくり運送は賑やかです。 作:ゆっくり好きな新参者 ↑↑ 作者名は入れた方がいいのでしょうか?? トキかと思ったらアミバかよw -- 名無しさん (2009-04-06 12 07 12) 作者名は入れとくと後に編集するとき分かり易いとか何とか ここのゆっくりはちゃっかり高性能なとこが好きです。 -- 名無しさん (2009-04-07 01 50 41) なるほど、参考になります。 我が社のゆっくり達を褒めて頂けるとは、光栄ですw 今度から作者名を入れるようにしたいと思います。 -- 作者 (2009-04-07 02 24 13) ゆっくりより社長のスペックが高すぎだw -- 名無しさん (2009-04-10 03 59 32) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2630.html
※一部東方以外のパロディです ※独自の設定があります ※虐待成分がおまけに過ぎません ※ついに原作キャラを登場させてしまいましたが、詳しくないので色々と捏造です ※お兄さん強化キャンペーン実施中! 「わたしがみえるかしら…?」 声の主は蜘蛛の様に木々の枝上を縫う様に跳んで移動している。 奴の姿は殆ど目視出来ないので、僅かな気配を頼りに位置を探るしかない。 遭遇時に受けた矢の毒も相俟って、じわじわと追い詰められている気分だ…。 そう…、まるで蜘蛛が巣に掛かった獲物を捕らえる時の様な…。 しかし、その緊迫感も、奴の次の一言で崩されてしまう。 「お、おなかがへったわ…」 どう考えても場の空気に不釣合いな一言だ。 今、奴は俺と命の奪い合いをしている筈だが…!? (そんなに腹が減ってるんなら、コレでも食ってろ!) 奴は戦いの最中にも拘らず、時々地面に降りて食事を行っている。 どうやら奴は腹が空いて仕方が無いらしい。 どれだけ燃費が悪いんだ…? 俺は、わざと奴の目の届く範囲に、俺が撒いたと気付かれない様に食料を放り投げた。 それは見るからに怪しい色をした物…、毒キノコと毒ガエルだ。 何故毒だと分かるのか? 俺自身が体験したのだから間違いない。 食後直ぐに、俺は綺麗な花畑の中に立っていて、澄んだ川が目前を流れていた。 川の対岸では見覚えのある虫饅頭が手(?)を振っているのも見えたな。 大きな鎌を持った赤髪の少女が面倒臭そうに舟を漕ぎ寄せて来たが、 何となく歴史を変えてはいけない様な気がしたので、渡るのは止めたのだが…。 恐らく、あのキノコや蛙には幻覚を見せる毒があるのだろう。 話が大きく逸れたようだ…。 とにかく、奴にこの毒物を食べさせれば大きなダメージを与える事が出来るだろう。 さっきはよくも毒矢なんて“しびれる”プレゼントをくれたな。 お礼にこっちからも贈り物だ。 必ず“いっぱい”喰わせてやるさ! 「ふぅ…」 俺は丁寧な装丁の施された本を閉じた。 やはり、何度読んでも面白い…。 俺は大量の本が収められている本棚に、読んでいた本を戻そうとした。 「それ、場所間違ってる」 「うわぁっ!?」 突然背後から声をかけられて、危うく本を落とすところだった。 俺の後ろに、いつの間にか病弱そうな少女が立っていた。 「あっ、ああ、すいません…」 「その本…、面白いわよね」 「………! ええ、特に主人公の行く手を遮る敵が魅力的ですよね!」 「あら、中々分かってるじゃない」 意外な所で意見の合う相手と出会えた。 俺達は、長い時間この物語について語り合った…。 だが、余り長居すると彼女に怒られてしまうな。 そろそろ日が沈む時間だし、名残惜しいが加工所に戻るとするか…。 【俺と彼女とゆっくりと】 ~ゆっくりいーたーさくせん編・濃口~ 前回の話から数日…。 キメラ丸の窃盗事件(犯人は俺)により、実験が中断された彼女は苛立っていた。 事あるごとに俺に当り散らすが、被害が他人に及ばないのが救いか…。 そして先日、日々俺とゆっくりを虐めて過ごす彼女から、こんな指令(死令?)が下された。 「任務よ」 「何だぁ? また無茶を言うんじゃないだろうな?」 「そんな事言わないでよ。 私とあなたの仲でしょう?」 「はぁ…。 それで、何をすれば良いんだ?」 「紅魔館を知ってるかしら? そこへの配達の依頼が入ったわ」 「そんな所に配達に行って、生きて帰って来られる保障はあるんだろうな?」 「昼間に行けば大丈夫なんじゃない?」 「……………。 それは良いアイディアだな…」 紅魔館の門前に辿り着いた。 自分でも不思議だが、よく生きてここまで来れたと思う。 ゆっくりれみりあ用の製品(簡単に言えば餌)を運んでいる為、 もし今妖怪や野生動物に襲われればひとたまりも無い。 尤も、その妖怪の館に向かって進んでいるのだから、 自ら“さぁ、おたべなさい!”と言っている様なものなのだが…。 「さて、こいつをどうするべきか…」 緑の民族風の衣装を着た、赤髪の少女が寝ている。 こんな場所にいる以上、こいつも妖怪なんだろう。 問題は、こいつが門番であろう事と、全く起きる気配が無い事だ。 「矛盾だ、明らかに矛盾している!」 思わず右手の人差し指を突き付けて声高らかに叫びたくなる。 この門番は、門番としての役目を果たさずに門番の役目を全うしている。 もしも俺が空を飛べたならば、直ぐにでも門内に入れるだろう。 だが、俺には翼も無ければ箒も無い。 “全く起きない門番の少女”と、“門番が起きないので通れない門”、 この二つが示すロジックとは…!? 「ちわーっす! 加工所でーすっ!!」 裏口に回って声を掛ける。 直ぐに館内のメイドさんが来て扉を開けてくれた。 「あら、裏口から来て頂けるなんて、態々すみませんね」 「いやぁ、これも仕事ですから」 「またあの門番さんは居眠りしていたみたいですね。 後でメイド長からきつく叱ってもらいます」 なるほど、あの門番の居眠りは今に始まった事では無い様だ。 きっと侵入者も多く、メイド長の苦労も耐えないのだろう。 「それで、荷物はどこに運びましょうか?」 「倉庫の方にお願いします。 案内しますので迷わない様に付いて来て下さい」 驚いた事に、館の中は外観以上に複雑で広かった。 もし案内が無ければ、俺はいつまで経っても倉庫に辿り着けなかっただろう。 「ふぅ…、これで最後ですね」 「はい、確かに受け取りました。 ご苦労様です」 「どうも。 それでは自分はこれで…」 館まで運んでくるのも一苦労だったが、倉庫に運び込むのはそれ以上の重労働だった。 残念ながら台車では中に入れなかったので、何度も往復する事になったのだ。 その上、どうも商品の数が合わないと思ったら、一つ余計に持って来ていたらしい。 とりあえず、それは箱に残して、他を運び込んだ。 後は受け渡し表にサインを貰い、出来る限り早く立ち去るだけだったが…。 「少々お待ちを。 メイド長があなた様をお客様として御持て成ししたいそうです」 「いえ、自分は配達に来ただけですので、どうぞお構いなく…」 「そんな事を仰らずに、是非お受け下さいな」 「あっ、メイド長」 “完全で瀟洒なメイド”と称されるメイド長が直々に出迎えてくれた。 なるほど、確かにそう言われるだけの人物の様だ。 「これはどうも、わざわざ…」 「配達を頼んだのはこちらですし、このままお帰ししては紅魔館の名折れですわ」 「はぁ…、そこまで仰るのなら…」 「それではこちらへどうぞ。 レミリア様もお待ちしております」 待て、今何て言った…? レミリア様…? ゆっくりれみりゃの事じゃないよな…? まさか…、まさか例の吸血鬼の御前に立たされるんじゃないよな…? 「紅魔館の主人であるレミリア様が、一般人にお会いなさるなんて、 滅多に無い光栄な事ですよ。 失礼の無い様にお願いしますね」 残念! 俺の冒険はこれで終わってしまった! 「は、はは…。 それは何とも名誉な話ですね、身に余る思いです…」 「是非、外の世界の事をお話して差し上げて下さいね」 俺、加工所に戻ったら彼女に結婚を申し込むんだ…。 「くぁwせdrftgyふじこlp…」 その後暫く、俺は何をしていたのかはっきり思い出せない。 闇の中、目の前に紅き捕食者の眼だけが輝いていた…。 そして俺は、唯只管に生き残る事だけを考えていた気がする…。 「お疲れ様です。 レミリア様も大層お喜びでしたわ」 「は、はは…、それは良かった…」 何を話したのか全く覚えていない…。 とりあえず余計な事は言わなかった様だが…。 「そう言えば、お庭でゆっくりを飼っていらっしゃるようですね…」 「そうなんです! もう、どの“おぜうさま”も、それはそれは可愛らしくて…!」 OK…、今当に失敗をやらかした様だ。 その後、主人との会話以上に長い時間を掛けて、おぜうさまの魅力を叩き込まれた…。 「……………」 もう息をするのも面倒臭い位疲れた…。 おぜうさまがどうしたこうしたというお話に夢中になっていて、 俺がいなくなった事にも気付かないメイド長を置いて、一人屋敷の中を彷徨った挙句、 辿り着いた図書館で出会った少女に案内されて、何とか邸の脱出に成功した。 フラフラとした足取りで正門に向かうが、来た時より重い荷物を背負っている気がする…。 「うぁ~、いたいんだど~! やめるんだど~!」 「………?」 正門付近の庭の植え込みの影から悲鳴が聞こえる。 只ならぬ雰囲気を感じて思わず茂みに身を隠してしまったが、 ずっとこうしている訳にもいかないのでそっと覗いて見る。 「な…、何やってんだ…!?」 先程見た居眠り門番少女が胴付きゆっくりれみりゃを相手に格闘をしていた。 「まったく! 咲夜さんは厳し過ぎます! ちょっとくらい“シェスタ”を楽しんだって良いじゃないですか!」 何となく事情は分かった。 どうやら門番の少女は居眠りをメイド長に厳重注意されて、 その腹いせにれみりゃを虐めてストレス解消しているようだ。 「勘違いしないでよ! 決して咲夜さんに怒られたから、 咲夜さんの大事にしているこいつ達を虐めて鬱憤を晴らしている訳じゃないからね! こいつ達がうざったいから虐めているだけなんだからね!」 誰も近くにいなければ、誰に訊かれた訳でもないのに、一人で勝手に言い訳している。 余程後ろめたく思っているのだろう。 それだったらやらなければ良いのに…。 「ほら、いつまでも寝てないで立ちなさい!」 門番はれみりゃの手を持って無理矢理引きずり起こす。 かなり長身な門番に対し、子供位の体長のれみりゃである。 ほぼ宙吊りの様な格好で爪先立ちをして必死になって堪えている。 「さぁ、悔しかったら掛かってきなさいよ! 私に一度でも拳を当てる事が出来たら、約束の“ぷっでぃん”をあげるわよ!?」 「う~! はやくぷでぃ~んをよこすんだど~!」 れみりゃと視点を合わせる為に屈みながら挑発する門番。 対するれみりゃは涙で顔をグシャグシャにしており、とても見れたものではない。 「うあ~~~!」 「足元がお留守よ!」 泣きながら殴り掛かるれみりゃの足を払う門番。 勢いそのままに体制を崩して地面を転がるれみりゃ。 頭から藪の中に突っ込んでいく。 「うぎゃあ~! いたいんだどぉ~!!」 「馬鹿ねぇ、手で受身を取れば良いのに」 門番の言う通りだが、頭でっかちで反射神経の鈍いゆっくりには酷な話だろう。 れみりゃは暫く藪の中で痛みに泣き喚いていたが、やがて呻きながら這い出てきた。 よく見れば、手に折れた木の枝を持っている。 「もうおこったど~! この“ぐんぐにる”でつらぬいてやるど~!」 「あら、少しは本気になった様ね?」 (うわ、素手相手に武器を持ち出しやがった…) …とは言っても所詮は細い木の枝。 しかも、れみりゃがぶつかって折れた物だ。 ゆっくりが持ったところで殺傷能力など皆無に等しいだろうが…。 「ゆっくりしないでしぬんだどぉ~!!」 れみりゃ渾身の一突き! まさに猪突猛進である! 「なんであたらないんだどぉ~!?」 この一撃に命を掛けている様だが、真っ直ぐにしか進まないので簡単に避けられている。 途中で向きを変えれば良いのだが、目を瞑っているので止まるまで気付かない。 段々疲れてスピードが落ちてきて、最後には木にぶつかってしまった…。 「うぁ~、せかいがまわってるんだどぉ~」 目を回したれみりゃが、フラフラとこちらに向かって来た。 「ばたんきゅ~、だどぉ…」 それはゲームが違うだろうと突っ込みたかったが、こっちもそれどころじゃなかった。 れみりゃの行く先を目で追っていた門番が茂みに隠れている俺を見つけたのだ。 「何者!?」 「ちょっ!? 待って…!」 慌てて茂みから出て説明をしようとするが、門番は一瞬で間を詰めて殴り掛かってきた。 何とか体を捻って攻撃をかわしたが、凄まじい気迫に反射的に拳が出ていた。 (しまった…!) 何とか拳を止めようとしたが、それよりも早く門番が俺の腕を掴んでいた。 「ふっ!」 「何っ!?」 門番は俺の右腕を引き込んで体制を崩し、俺の背中側に腕を捻った。 「ぐうっ!」 間接とは反対方向に捻られて、右腕が軋み出す。 思わず口から苦悶の声が漏れ、抵抗する力が弱まった。 (まずい! 離れないと…!) 振り解く為に左腕の肘を打ち込もうとするが、 踏ん張った脚の関節を蹴られて膝から崩れ落ちてしまった。 「うおっ!?」 俺はバランスを失って後ろに倒れこむ。 そのまま吸い込まれる様に門番の胸…、もとい腕に捕らえられる。 「くっ、放せ…!」 「だったら素直に話す事ね!」 気が付けば喉本にナイフを突き付けられている。 僅かでも抵抗すれば殺すという事だろう。 「言っておくけど、脅しじゃないわよ」 「くう…っ!」 「死にたくなければ喋りなさい! 一体何の目的でこの屋敷に侵入したの?」 前からは硬いナイフの刃、後ろからは柔らかい何かの感触という拷問の様な取調べ…。 俺は直ぐに屈服し、(隠す気も無いので)素直に白状する事にした。 「お…、俺は怪しい者じゃない!」 「見るからに怪しいわよ!」 まぁ、ここでは明らかに異質な加工所の制服着てるしな…。 「何も怪しまれる様な事して無いだろう!?」 「だったら何で隠れていたのよ!?」 いつもの癖でつい…、とか言わない方が良いな…。 「怪しい物なんて何一つ持って無いからさ!」 「じゃあ、この変な被り物は何なの!?」 擬装用の“ゆっくりキャップ”ですって言っても信じないだろうなぁ…。 「いい加減吐いたらどうなの!?」 「ラジオ…、149.39(EX)…」 「一体何の事!?」 取って置きの情報だったのだが、門番は気に入らなかったらしい。 「言えっ! 言えぃ言えぃ言えぃ!!」 「先週の木曜の事だった…。 私は車で家に帰る途中…」 門番が自棄になって聞いてくるので、俺も適当な事を話していると、 埒が明かないと判断したのか地面にうつ伏せに倒された。 「動くな! 持ち物を調べさせてもらうわよ!」 「止めてくれぇ…!」 何だか尻を振らなければいけない気がしたが、恥ずかしいので止めておいた。 「へぇ…。 加工所職員ねぇ…」 身分証明書として役職名の入ったカードを見せる。 「これで分かっただろう? 俺は配達でここまで来たんだ!」 「そう言えば配達があるって聞いていたわ」 「それが俺だ! 納得したんなら解放してくれ!」 「まだよ。 危険な物が無いかのチェックが終わってないわ」 そう言って、門番は俺の荷物を漁る。 「あら、これは手帳かしら?」 「そっ、それだけは止めろ! 見るんじゃない!」 「その態度、何か隠しているわね! 中を確認させてもらうわ!」 「読むな! させるかぁああああっ!!」 慌てて立ち上がって手帳を奪い返そうと門番に襲い掛かる。 あの手帳は大事な小説の構想が書かれているんだ! 絶対に他人に見せる訳にはいかない! 「手帳を返せぇえええええっ!!」 「はあっ!」 瞬間、後頭部を凄まじい衝撃が襲った。 俺は頭を強く地面に打ち付けて、そのまま気を失ったらしい…。 「う…ぅ…っ?」 誰かに体を揺すられている。 薄らと目を開くと、ぼんやりとした視界にメイド長が見えた。 「良かった、お気づきになられましたね」 「あれ…? 俺は何でこんな所で…?」 「家の馬鹿に気絶させられたんです。 本当に申し訳ございません…。 私が責任を持って始末しておきましたので…」 視線を追うと、その先に気に磔になっている門番がいた。 体の周りに無数のナイフが刺さっている。 どこかで見た事があるナイフだ。 確か…、門番に突き付けられたのと同じ物だ。 恐らく、以前にメイド長に厳しく叱られた時の物を流用していたのだろう。 「どうなさいますか? 宜しければ屋敷で暫く休んでいかれては…」 「いえ、余り遅くなると社から注意されますので…」 「そうですか…。 では、私はまだ仕事がありますのでこれで…」 気が付けば日が沈み始めている。 余り長居して、妖怪に襲われては敵わない。 それ以前に、今いる場所が妖怪の居城である。 すっかり遅くなってしまったが、出来る限り早く立ち去るべきだろう。 だが、その前に…。 「ちょ…っ!? 何する気よっ!!?」 俺はゆっくりと磔になった門番に近づいていく。 「や…、止めて! 来ないで!!」 門番に向かって手を伸ばす。 「いやぁあああああああっ!!!」 (後編へ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1360.html
※ゆっくり達が食べ物を食べる必要がなくてゆっくり光合成するだけで栄養を得られる、ゆっくり間に捕食種は存在しないみんな仲良し、 ゆっくりれみりゃがこわがり、ゆっくりアリスが強姦魔ではないなどのあまり使われない設定が多いですので注意してください。 ※また、俺設定がありますので注意してください。 「おめぇ!!めっちゃおめぇ!!」 必死なのに悲壮感を感じさせない悲鳴を上げているのはゆっくりれいむだった。 れいむは木の下に釣り針で逆さにつるされて引っ掛けられていた。その周りには子供達が数人と、 子供達に向かって体当たりを繰り返すゆっくりまりさがいた。 ここは人間の里のすぐそばにある森の中、あまり木々が密集していないので、日の光が存分にあたり、空気が澄んでいる。 ここは里に近いためか、妖怪がほとんど出没しない。けれども、妖怪に代わりゆっくりと呼ばれる生き物が出没していた。 ゆっくり達はゆっくりとしていけば生きていける。何をすることもない動く饅頭。そんなゆっくり達は人間にあまり近づかない。 人間を怖がっていた。それなのに人間の、特に子供達はそんなゆっくりたちを、例えるならば蛙や虫のように面白半分に弄んで殺す。 「ゆっくりしていってね」という不似合いで間抜けな反応と豊かな表情が、 虐めたときゾクゾクと子供達の加虐心を満たしていたためであった。 「ゆっくりやめてね!れいむをはなしてね!!」 まりさは必死に仲間を助けようと子供達に体当たりを繰り返す。 けれども饅頭ごときの強度では人間の子供にすら満足なダメージを与えることはできなかった。 「言われたとおりゆっくりするよ。俺達が満足するまでね。」 「ねぇねぇ、石を投げて的にしようよ~。あ、爆竹を口の中に突っ込むのもおもしろそうだよ。」 「さんせ~、どっちにしようか」 子供達はそんなまりさを存在しないかのように扱い木に吊るされているれいむをどうやっていたぶるか考えていた。 子供の残酷性は、被害者の都合など考えはしない。 「れいむはまりさのおともだちだよ!すっごくいいこなんだよ!!」 まりさは何度も何度も子供達に向かっていく。まりさはこの晴れた日ほんの少し前まで友達のれいむと一緒にピクニックをしていた。 小鳥のぴぃぴぃと鳴く声、ひらひらと花に向かってまう蝶々、ぽかぽかと暖かい空気、お日様に当たってきらきら輝く木々の緑。 友達のれいむと一緒にゆっくりするのはとっても楽しかった。ゆっくり過ぎていく時間。 それもすでに過去の事、今は目の前で友達のれいむが苛められていた。 まりさは助けたかった。なんとしてでも助けたかった。けれども、まりさの体当たりはまったく効果がなかった。 それどころか、攻撃の矛先はまりさに向くことになった。 「ゆっくりゆっくりうるさいなぁ、お前から先に苛めてやろうか。」 「じゃあさ、ちょっと俺にやらせてよ。さっきからこいつ何回もぶつかってきてうざったいんだ。 俺あまりゆっくりをシンプルにいたぶった事ないからさ。」 「さんせ~、もう一匹の子は動けないから、お友達が苛められるのをゆっくり見せるんだね。」 子供達はそんなまりさの気持ちがわからなかった。子供の中の一人が地面に転がっている木の棒を拾うと、まりさに向かって打ちつけた。 ぱしり、ぱしり、べしっ、べしっ。そこにはまったく同情や、手加減など存在しなかった。 「いだい!い゛たいよ!どうじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!!」 「まりざっ!まりざぁっっっ!!はやぐゆっぐりやめでよぉぉぉぉ!!」 「ん~、いい声で鳴くなあこいつら。少しワンパターンだけど、やっぱりいい声するや。発音の変化がいいね。濁音がついて。」 「次僕ね。そうだ。動けなくなったらとどめはスイカ割りみたいにしようよ。それで餡子はみんなで分けよう。」 「さんせ~、苛めた後のゆっくりっておいしいんだよね。」 「ゆっ、ゆぐ・・・・・れいむぅ・・・・・・にげてぇ・・・・・・・」 「まりざぁ・・・・もういいよ・・・・・まりざだげでもにげでよぉぉぉぉ・・・・・・・」 まりさは打ち付けられながらもれいむの事を考えていた。いつも一緒だったれいむ。赤ちゃんのころから一緒に遊んだ。 おうたも、おどりも、いつもれいむと一緒にやっていた。れいむは意外と負けず嫌いだった。何回か喧嘩したこともある。 まりさから謝ったときも、れいむから謝ったときも、一緒に謝ったときもある。 まりさが冬に寒くて死にそうだったときに、れいむは巣に入ってきて寄り添って暖めてくれた。れいむのほっぺたは温かかった。 まりさはうれしくて泣いてしまった。背中を向けて涙を見せないようにした。でも、きっとれいむはわかっていた。 犬に食べられそうだったときに友達のゆっくりを呼んで助けてくれたこともあった。あのときの気持ちは言葉にできなかった。 まりさはもうほとんど動けない。このままだったら死んでしまうだろう。だけど、自分が死んだられいむはどうなっちゃうんだろう。 せめてれいむだけでもゆっくりして欲しかった。 だれでもいい。 だれか、 だれかたすけて。 「何やってんだぁ、糞餓鬼ども」 そのとき、何者かが日の光をさえぎり地面に大きな影が映った。まるで、目の前にいきなり山ができたような気がした。 まりさがそちらに眼を向けると、本当に山のような大男が鬼のような形相をして仁王立ちしていた。 その肩には藁がたくさんかかっている。 「弱いものいじめはするなって親に習わなかったべか。え゛ぇっ!!何も悪いことをしていないのに、 そんなことをするのかお前らは・・・・。お前らみたいな悪い子は同じ目にあわせてやろうがぁ!!」 男は子供達に詰め寄ると、一人ひとりにお仕置きをした。いや、それはお仕置きなどという生易しいものではなかった。 大男は控えめに見ても2mは超えていた。そんな男が子供達に向かって、何のためらいもなく拳を振りかぶっていた。 「痛いなぁ!何すんだよ!これって虐待だぞ!!いでぇ!何度もたたくなって!っぐぇ! えぐっ!ごばっ!ごめんなさい!ごべんなざい!だだがないで!も゛うやめでぇ!!へげっ!」 「うぎぎいぃい、離せ、離せよぉっ!!・・・・・・・・・・ちょっ高いって・・・やめて、 離さないで、はなさないでぇ・・・・・・・・・・・・はな・・・ぐぇっ!!」 「虐待はんた~、あべしっ!!」 子供たちが脱兎の如く逃げて行く。それを見逃した大男の顔はどこか辛そうだった。 そこで大男はれいむの方に目を向ける。まりさは焦った。 自分達がまったくかなわなかった子供達でもあんなにぼろぼろになるまで痛めつけられたのだ。 まりさがかなうはずもない。まりさは涙を流してがたがたと震えていた。もうだめだ。逃げられない。 「ゆぅぅっ!?ゆっくりできるよ!」 大男はれいむに優しく手をかけると、引っ掛かっていた釣り針をはずして地面に置き去った。 その顔はまるで仏のように穏やかであった。次にまりさに向かって近づいてくると、ひょいと抱えて、 霊夢の隣に置いた。大男は優しい声で 「大丈夫か。いやぁ、死んじゃわなくてよかったべ。ひどいものだぁよまったぐ。悪い子にはおしおぎをしてやらないどなぁ。」 れいむとまりさはきょとんとしていた。 目の前の優しいおじさんがさっきまで子供達を何度も殴り飛ばしていた人と同じ人とは思えなかった。 「本当にごめんなぁ。お前達は何もしないでただゆっくりしているだけなんだもんなぁ。お前達はいい子だよ。 いつか人間達と一緒にゆっくりできる日が来るといいな。」 れいむ達は大男の雰囲気から、彼が自分達を助けてくれたことを理解した。 彼がいなかったら自分達は両方とも死んでいただろう。二匹はとても感謝した。 「たすけてくれてありがとう!!」 「おじさん、ありがとう!おれいするよ!!おれいするよ!!」 けれども、大男は照れくさそうな顔をすると、 「せっかくだけど、ゆっくりしている暇はないだ。これからやることが残ってるから。まぁた今度ゆっくりさせてもらうよ。」 そういうと大男は去っていった。彼はまるでヒーローのようだった。 翌日になった。まりさはあの大きなおじさんのことが忘れられなかった。今までゆっくりの仲間達は人間の子供に苛められていた。 色々ひどいことをされてきた。中にはまりさたちが昨日受けたことがまるで遊びのように思えるようなこともある。 そんな中、自分とれいむを助けてくれたヒーロー。人間がみんなあんな人達だったら、 人間とゆっくりが一緒に仲良くできるかもしれない。そう考えていた。 そう、まりさは人間と仲良くする方法を考えていた。あの時よくわかった。このままだったら、 いつ人間にゆっくりさせてもらえなくなるかわからない。それなら、人間と仲良くできればいい。 ゆっくりの仲間達はみんないい子。みんなのことをよく知ってもらえたらいいなと思っていた。 何かいい方法はないかなと思っていると、空からゆっくりれみりゃがゆっくりアリスをつれて飛んできた。 れみりゃが空のお散歩に連れて行ったところらしい。アリスは誰も見ていないからと思って、うれしそうにはしゃいでいた。 誰かの前では決してあのような顔をしない。 「う~♪う~♪たべちゃうぞ~♪」 「ゆっゆ~~♪、ゆっくり~~♪」 れみりゃはとてもご機嫌だった。アリスもうれしそうに歌っている。 けれども悲しいことに、アリスのその歌声は、あまり聴けた代物ではなかった。 そうだ、あの子達に相談しよう。まりさは思い立ち、二匹を呼び止める。 「ありす~!れみりゃ~!ゆっくりしようよ~!!」 「ゆうゆうゆゆ゛ゆゆう゛ゆうゆyyluuulury」 「う゛~!う゛ぁ゛~~~!!」 アリスはいきなり呼び止められたことで動揺してしまった。 しかも相手は彼女がライバル意識をしているまりさだった。気持ちよく歌っていたところに突然だったので、 驚きのあまりぶるぶると震えて声にならない叫びを上げる。そのまま落下しそうになるのを慌ててれみりゃが支える。 危うくつぶれ饅頭が出来上がってしまうところだった。 「なんのようなのよ!つまらないことならゆっくりしないわよ!」 「いないいない・・・う~♪」 「ゆっくりしていってね!!れみりゃ!アリス!」 アリスは何事もなかったかのように振舞うと、まりさのまえに着地した。 まりさは二匹に向かって挨拶をすると、すぐに本題を切り出した。まりさはアリスとはよく喧嘩する。 しかしそのためか、あまり他のゆっくりには言えないことも言える仲である。 まりさは、人間と仲良くする方法を探していることを言った。アリスは頭がいい。 きっと何かいいことを考えてくれるはずだと信じていた。 「にんげんとなかよくなるほうほうねぇ・・・・。って、あんたばかぁ!あたまにあんこでもつまっているんじゃないの!」 「ゆぅぅ!?あんこがはいっているのはありすもじゃない!まりさはしんけんだよ!なにかしらない?ゆっくりおしえてよ!」 「ありすはかすたーどよ!あんこなんかといっしょにしないでよ!!それににんげんってはなしがつうじないのよ! いきなりつぶされたおともだちもおおいの!むりよ!ぜったいむり!」 慌てて否定するアリス。以前何か嫌なことでもあったのであろうか。けれどもまりさは引き下がらなかった。 みんなにゆっくりしてもらいたい。幸せになってもらいたい。まりさはみんなのことが大好きだった。 だから、頑張る。考える。相談する。 「おねがい!ありすならなにかいいことしっているでしょ!まりさはありすにおべんきょうでかったことないもん! うたではいっかいもまけてないけど!」 「いちいちよけいよ!!」 「うぅ~、ありすこぁい・・・・・」 れみりゃは少し遠くで怖がっていた。軽くアリスが怒鳴っているくらいで怯えるとは、臆病なところがあったものである。 結局まりさの熱意に押し負けたのか、アリスはまりさの手伝いをすることになった。 アリスは人間に対して仲良くなりたいなら、人間のことを知ればいいと思った。 そこで人間の本をたくさん持っているゆっくりぱちゅりーの家に遊びに行くことになった。 ぱちゅりーの家は木のうろの中にできていて、人間の絵本がたくさん入っていた。 「ぱちゅり~、あそびにきたよ~、ゆっくりしてい~い!」 「むきゅ、ほんをもっていかないでね。ゆっくりしていってね。」 まりさはぱちゅりーの家からいろいろな絵本を読んだ。文字は難しいので読めなかったけど、絵だけならお話がわかる。 しばらくして、まりさはいい方法が載っていた本を見つけた。 《泣いた赤鬼》 昔々あるところに赤鬼と青鬼がいました。鬼達は人間にとても怖がられていました。 赤鬼はじつはとっても寂しがりや。いつも人間と仲良くしたいと思っていました。 ある日親友の青鬼が人間の里で悪さをしました。そんな青鬼を退治する赤鬼。青鬼はどこかに去ってしまいました。 人間に英雄として仲間にしてもらえた赤鬼。赤鬼は全てが終わった後に気がつきました。 そう、青鬼は赤鬼をみんなにいい子だということを伝えるためにわざと悪さをして、退治されたのでした。 それを知った赤鬼は、二度と友達に会えなくなることに涙しました。 めでたし、めでたし。 まりさはこれだと思った。これなら、人間にもわかってもらえる。 だけど、このことをれいむやアリスに言うと反対されそうだから黙っていた。 アリスとぱちゅりーにはいい方法が載った本は見つからなかったということにした。 まりさはこの本の結末のような未来を思い描く。青鬼は自分がなろう。かけっこなら誰にも負けたことがない。自分なら逃げられる。 赤鬼はれいむにやってもらおう。れいむならすぐにまりさを止めてくれるはずだ。 でも、このことを話したられいむはあぶないからやめてというだろうから黙っていよう。 まりさは後の事を考えず都合のいい妄想にふけっていた。 だが、まりさは青鬼になる決意を決めることはできなかった。 餡子の詰まった頭でも、妄想の興奮が冷めた後にゆっくり考えればわかることだった。 青鬼になるということは、みんなとお別れすることになる。 今までずっと一緒にいたれいむとも、素直じゃないアリスとも、怖がりなれみりゃとも、 あまり動かないぱちゅりーとも二度と会えない。会っているところを人間に見られると、 みんなが悪い子の仲間だと思われてつぶされてしまう。それがすごく怖かった。 それに、まりさは死にたくなかった。まりさは青鬼のように強くない。悪さをするということは、 人間達に立ち向かうということになる。そのときにつかまったら、今度こそ殺されてしまうだろう。 いや、殺されるだけだったらいいけど、ゆっくり時間をかけて痛めつけられたらどうなるだろう。まりさはとても怖かった。 一日、二日と時間が経っていく。段々とまりさの決心が鈍ってくる。 あれから何も起こっていないんだからまりさが何かしなくても大丈夫じゃないかな。 ああやって人間に虐められることはもうない。あれは本当にたまたま。 きっと人間の子はもう二度と来ない。 だったらまりさが何かする必要はない。 みんなとゆっくりしていってもいいんだ。 そう思っていた。 しかし現実は餡子のように甘くなかった。 まりさは結局青鬼になることになった。赤鬼になってもらうれいむの赤いリボンはとてもきれいだった。 中編 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4631.html
ゆー血鬼 ※俺設定全開 ※外の世界のちょっと昔の農村、みたいな 1、始まり 「ゆぎゃあああああ!」 暁にはまだ早い時間、夜空にゆっくりの悲鳴が響く。 「あまあま~☆」 悲鳴の出所は崖の中腹にある横穴。ゆっくりれみりゃの巣の中だ。 れみりゃは、はしたなくも“おやしょく”を召し上がっていた。 この間の狩りが大猟だったので、気まぐれに一匹のゆっくりれいむを“ぷりざーぶ” しておいたのだ。れいむの足、底部をかじって巣の奥に放置しただけだが、 恐怖と苦痛によって餡の味は随分と良くなっていた。 それでもおぜうさまの気まぐれには敵わない。 「れでーのおやしょくはひかえめ~。おまえはもうぽーいだどぅ♪」 巣から放り出されたれいむは崖下へと落ちていった。それを見ていたのは、金色の満月だけ。 餡の大部分を失って痙攣するれいむを、月のスポットライトが照らしていた。 もうすぐ夜が明ける。れみりゃにとっては眠りに就く時だ。 「うう…まんまぁ…」 ひとり横たわり、身を丸める。眼尻にはうっすらと涙が浮かんでいた。 このれみりゃはたったひとりで暮している。 近くには他のれみりゃも、ふらんも、さくやもいない。 家族と過ごした遥か昔を思い出せるのは、眠りの中でだけ。 目覚めればあっと言う間に消えてしまう。 ゆっくりを襲う時、れみりゃが味わう高揚。そこには姉妹と遊んだ思い出、 仲間が欲しいという渇きが隠れているのだ。あのれいむをしばらく生かしておいたのも、 巣に置いてあげれば遊んでくれるのではないか…そんな思いがあったのかもしれない。 だから今夜も、れみりゃは狩りに行く。 「おはようだど~☆ きょうもたくさんあそぶど~」 巣から飛び立つと、すぐ下に丸い影が見えた。ゆっくりだ。こんな時間、こんな場所にいることは 普段ないのだが、れみりゃは全く気にしない。まっすぐそのゆっくりへ向かうと、両手で抱えあげた。 「うー! とったどー!」 今夜は絶好調! と思ったれみりゃだったが、奇妙なことにそのゆっくりは抵抗もせず、 泣き叫びもしなかった。 「うー?」 くるっと回して顔を見てみる。 「ゆー! ゆー!」 ふてぶてしい笑顔。れみりゃに捕まっても怖がる様子すらない。それどころか楽しそうだ。 「おまえ…なんだどぅ~?」 こんなゆっくりを見たことはなかった。 ゆっくりれいむにそっくりだが、目が赤い。肌が青白い。そして、口元からのぞく小さな小さな牙。 「れいむはれいむだよ!」 それは、れみりゃが半分食べて捨てたれいむだった。 れみりゃに餡を吸われながらも生きていたことと、満月の光によって、 れいむはゆっくりの吸血鬼―――ゆー血鬼になったのであった。 「れいむはおぜうさまとゆっくりしたいよ!」 おぜうさま! そう呼ばれ、れみりゃの体が熱くなる。 それはれみりゃを絶対的に肯定する言葉であり、れみりゃの中に眠っている吸血鬼としての本能を 呼び起こす鍵でもあった。 崖の下の開けた所で、れみりゃとれいむは遊んでいた。 「ぽ~いぽ~い☆ たかいたか~い☆」 「おそらをとんでるみたーい!」 れみりゃがれいむを、バレーボールのように投げ上げる。ぼよよん。ぼよよん。 ゆっくりにしては規則的な動きが、ふと横にぶれた。 「ぎゅっ!」 張り出していた木の枝で、れいむの頬がざっくりと切れてしまった。 れみりゃが慌ててれいむを受け止める。 「れいむ~!」 れいむの傷口から、赤味がかった餡…ワイン餡がこぼれ出た。 「うあー! じんじゃだべー! れいぶじんじゃだべー!」 「ゆ…もっとゆっくりした…ゆゆっ!?」 れいむの頬の皮がジュワジュワと音を立てて泡立ち、みるみるうちに傷口を覆っていく。 れみりゃがれいむの頬を恐る恐る拭うと、もちもちとした皮にはもう痕さえ残っていなかった。 「じゃーん!? ゆっくりなおっちゃったー!?」 これにはれみりゃもびっくりである。れいむもびっくりしている。 それからのひと月、れみりゃと“ゆー血鬼れいむ”―――鬼れいむは楽しく過ごした。 駆け回って、踊って、空を飛んで、月の光をたっぷり浴びて。 でも決して、鬼れいむは他のゆっくりを食べようとはしなかった。れみりゃが狩りをする時は 巣穴でじっと待っていた。“おみやげ”のゆっくりには背を向けて、その顔を見せなかった。 “おみやげ”たちはそんな鬼れいむへの呪詛を吐きながら、れみりゃに食われていった。 そのゆっくりたちの悲鳴よりも、鬼れいむの押し殺した嗚咽の方が、れみりゃにははっきりと 聞こえていた。 れみりゃにはわかっていた。鬼れいむも、ひとりきりなのだ。れみりゃは決して物覚えがいいとは 言えない頭に、れいむが鬼れいむになった夜のことを刻みこんでいた。 忘れないように忘れないようにと、毎晩思い出して。 夜ごとに月が膨らんでいき、ついにまん丸になった。 「れいむ…れいむのおうちにいきたいど…いいど…?」 鬼れいむは無言でうなずいた。これからする事がいい事か悪い事かなんて、れみりゃにはわからない。 ただ、もう二度と寂しい思いはしたくなかった。 鬼れいむを抱え、空を飛ぶ。鬼れいむを捕まえたのは川べりだったので、 巣がどこにあるかれみりゃは知らなかった。鬼れいむが時折進路を指示する他に、会話はなかった。 「この下がれいむのおうちだよ。れみりゃはかくれててね」 鬼れいむをそっとおろし、れみりゃは木の上に身をひそめた。 「…」 鬼れいむにとってはひと月ぶりの故郷。辺りには誰もいない。みんな巣の中で眠っているのだろう。 故郷の森が、月の光と夜の眼ではっきりと見える。でもその景色がよそよそしく感じられて、 鬼れいむの餡がきゅっと痛んだ。 鬼れいむは何度か深呼吸すると、全身を震わせる大声で叫んだ。 「 ゆ っ く り し て い っ て ね ー ! 」 「「「ゆゆゆっ!?」」」 森のあちこちから戸惑いの声がする。こんな夜中に一体何だろう、と。 「れいむだよ! れいむがかえってきたよ! ゆっくりしすぎてごめんね!」 ちらりちらりと、鬼れいむの姿をうかがうゆっくりの影。 その中から、とんがり帽子が一匹、歩み出た。 「れいむ…? 本当にれいむなの…?」 鬼れいむ…いや、かつてのれいむと一番仲が良かったまりさだ。 「ゆっくりぷれいすをさがしてたら、おそくなっちゃった」 その言葉に、まりさの目から涙があふれ出した。鬼れいむに飛びつく。 「れいぶのばがあああ! ばがああああ! れいぶのいないゆっぐりぶれいずなんで ゆっぐりぶれいずじゃないよおおおお!」 ぼむっ、ぼむっと体をぶつける。鬼れいむはそれを優しく受け止め、目を閉じた。 小さな涙が、鬼れいむの頬を伝っていった。 「ごめんね、まりさ。でも、ゆっくりぷれいすをみつけたよ」 涙でぐしゃぐしゃに乱れたまりさの顔に、鬼れいむはそっと口づけをした。 「いっしょにきてくれる?」 「うん…いぐよ…もう、おいでがないで」 見つめ合い、互いの将来を約束する。 にわか一陣の風が吹き―――満月の光が、鬼れいむの赤目と牙を光らせた。 ※ ※ ※ 2、幸福 とてもゆっくりしたゆっくりの群れがいた。その群れはとても変っていた。 『夜が怖くない。怪我がすぐ治る。すっきりし過ぎても死なない。 自分たちはなんてゆっくりしてるんだろう!』 確かにゆっくりしているだろう。だがそれはもはやゆっくりではなく、ゆー血鬼の群れだった。 夜の森に響く享楽の声――― 「むきゅうん、むきゅっ、むきゅうぅぅ!」 「んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んほぉぉぉぉぉ! んんんんんんんほおおおぉぉぉぉぉ―――――っ!」 なんと鬼ぱちゅりーが積極的にすっきりしている。しかも鬼ありすを相手に。 鬼ぱちゅりーの貴重な喘ぎ声は実になまめかしいが、鬼ありすの雄叫びで台無しである。 どうやらすっきりしてもにんっしんっしない体質が、彼女らの性欲を完全に開放させているようだ。 「さあ、おめしあがりになって!」 「きょうもありがど~☆ たーべちゃーうど~☆」 こちらでは、なんとゆー血鬼どもが自らをれみりゃに捧げている。れみりゃは手近な鬼ありすを 抱えると、その下膨れに牙を立て、中身を吸い出す。 「ゆはあああああああん…」 しぼみながら、なんともピンクな声を上げる鬼ありす。青白い肌がほのかに火照っている。 「ありすあまあま~♪ おいしかったど~☆」 れみりゃの手から離れると、鬼ありすの顔に生じていた皺が、しゅるしゅるっと内部に 引き込まれるようにして無くなった。 「とかいはとしてさいこうのえいよです! またおめしあがりくださいませ!」 鬼ありすは一回り小さくなったが、活動にはまったく支障が無いようだ。 れみりゃの周囲には、吸われる順番待ちの列ができていた。鬼めーりんが仕切っている。 喋れぬのは変わらぬようだが、彼女をいじめる者はいない。 本家本元よりきびきび働いているように見えるのは、気のせいか。 そこに勢いよく、二匹のゆー血鬼がやってきた。 「れみりゃ、にんげんのはたけがあるんだぜ!」 「まりさとれいむがみつけたんだよ!」 あの“さいしょのれいむ”とまりさだった。 二人が強奪してきた野菜を見て、ゆー血鬼たちは歓声を上げた。 何故か胸をちくりと刺されるような感触を覚えたれみりゃだったが、すぐに忘れてしまった。 二人の報告から数分後、全会一致で人間の里を襲うことが決まった。なにしろこちらはゆー血鬼。 人間なんかちょろいちょろいと思っているのだ。 「よーし、いくさだど~! ぜん☆ぐん☆とつげき~♪」 ※ ※ ※ 3、戦い 森からほど近い人里。ここでは“夜やってくるゆっくり”の話題でもちきりだった。 ゆっくりが畑を荒らすのは昼間と相場に決まっている。だから夜間は見張りもいない。 だが夜中のうちに、野菜を盗んでいくモノがいた。罠や棘の柵があっても平気で乗り越えている。 現場に残っているのは、赤黒い物体。初めは血肉かと驚いたが、よく調べると、 それは紛れもなく餡だった。 餡ならば、ゆっくり。確実な証拠である。実はれみりゃに報告されるまでに、 こっそり野菜を盗んでいたゆー血鬼どもがいたわけだ。さらにそのうちの一匹が、昨夜捕獲されていた。 薄暗い土蔵の中。 「ゆっゆっゆっ! まりささまになにをしてもむだなん…ぎゅべっ!」 縛り付けられたゆっくりまりさの、頭半分が吹っ飛ぶ。 夜番の一人が畑で捕まえたゆっくり―――の形をした何かだ。 ジュワジュワジュワ…醜悪な音とともに、破壊された部分が完全に再生する。 ゆっくりは多少動植物の常識を無視した性質を持っているが、これは尋常ではない。 「だからむだ…ごびょっ!」 縛った上に何本もの杭で板に打ちつけられ、なんとか固定されている。 だがそれも、目を放すと再生した餡と生地によって抜けそうになる。 逃がさないように破壊し続けているのである。 「もうやべで…ぶぎゅるっ!」 “吸血鬼”と名乗るこいつは、いったい何なのだろうか? 年を経たゆっくりが特殊な能力を持つ。そういった話は聞いたことがある。 しかし今回のゆっくりはそれとは違う、禍々しささえ感じさせる何かだ。まさか本当に吸血鬼か? 吸血鬼だとしたらいったいどうすればいいのだろう―――何ができるというのだろう――― 朝から寄り合いが開かれたが、話が進まぬまま日が落ち、また夜になった。 「やつらが! ゆっくりの大群が森からやってきます!」 伝令に、里全体がざわつく。みな、覚悟はしていた。この僻地、助けを求められる相手はいない。 だがなんとしてもこの里だけで被害を食い止める。そう、もし自らが“吸血鬼”になったならば…。 一組の男女が、最後になるかもしれない会話をしていた。 「実は俺、ゆっくりを虐待してたんだ。黙ってたけど…」 男の表情は苦渋に満ちていた。 「でも、あいつらが来たのはあなたのせいなんかじゃないわ!」 「そうかもしれない。けど俺はただ、新しいゆっくりを虐待してみたい。 こんな時なのに…血が騒ぐんだ」 罪悪感を持ってなお、男は罪を重ねることを止められずにいた。 「…そう、止められないのね」 女は懐から銀のペンダントを取り出し、男の首に掛けた。 「私の母のものよ。一応銀製だし、十字架だから…」 吸血鬼に十字架、それは迷信かもしれない。だが、女は信じることにした。 「…ありがとう。こうか? こんなの着けるの初めてだな」 「全然似合わないわね。…必ず、返してよ」 「ああ。汚れても怒んないでくれよ」 櫓の鐘が乱打される。いよいよバケモノどもが里に近づいてきたのだ。 戦いに向かう青年の胸元で、銀の十字架が光っていた。 ※ ※ ※ 残された者の中でも、比較的動ける者は里の外れ、森との境界地で野営を張っている。 そうでない者は里の中心部、最も堅牢な建物に集まって隠れていた。 女子供も含め、全員が刃物を持っている。自害の為である。 息を潜め、朝が来るのを身じろぎもせず待っていた。 かなたから聞こえる声も、いつしか消えていた。 やがて、何人もの足音が森の方から響いてきた。野営地に据えられたかがり火が照らしだしたのは、 全身を暗赤色に覆われた青年たちの姿だった。血を思わせるその色が、見る者の心を絶望に染める。 「そんな…みんな…嘘でしょ…」 膝をついたのは、あの十字架の女。青年の帰りを待っていたのだ。それを止める者はいなかった。 「違う! 俺だよ俺! ほら、これ」 紅色の餡に覆われた青年が示したのは、首にかけた銀の十字架。“吸血鬼”ではない証。 戸惑う人々。青年たちは顔を見合わせると、餡だらけの顔をくしゃくしゃにして、大声で笑い始めた。 「えーっと…ゆっくりは吸血鬼になってもゆっくりだったわ」 そう言った青年に、女が抱きつく。 「ったく…こっちはこんなのだってのに。不公平だねぇ」 別の青年が、腕の中に抱えたものを里長に差し出した。 「びどりはやだ―――! れびりゃのどもだぢがえぜ―――!」 紐で縛られ、麻袋に入れられたれみりゃ。じたばたと暴れている。 「そいつが元凶か」 「ええ、おそらく」 「こんなものが…」 里長がため息をつく。他にも、数匹のゆー血鬼が生け捕りにされていた。 「びゃあああああ―――! がえぜ――――!」 顔を見合わせる村人たち。 声が枯れても、れみりゃは袋の中で泣き続けた。 ※ ※ ※ 4、終わり れみりゃはひとりではなくなった。きれいな家に住んで、おいしいご飯をもらう。 満月の晩ごとに、人間が連れて来たゆっくりをゆー血鬼に変える。 その子たちとは次の満月までしか一緒にいられないけれど、それでもれみりゃは幸せだった。 れみりゃにとってもはやどのゆっくりも同じだったから。 でも、あの“さいしょのれいむ”の事を思い出す時だけ、なんだか不思議な気持ちになる。 あの穴ぐらに住んでいたころの気持ちに。 生け捕りにされたゆっくり…ゆー血鬼たちから自身の秘密を聞き出した里長は、 それを遠くの街の“加工所”に売り渡すことにした。 うまくワイン餡を生産できればかなりの収入になると思ったものの、 里の者には荷が重いと判断したのだ。 その時の報酬は農具や建物の修繕などに当てられ、相変わらずの長閑な生活が営まれている。 里の外れにひっそりとたたずむ小さな石碑。たまに、里の者が野の花を添えているのを見られるという。 作 大和田だごん スレで出ていたHELLSINGネタより。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5455.html
ある日俺は、街中を歩いていた「う〜☆」と、鳥肌が立つような奇妙な声にくあえて「おねーたまゆっくりしっていてね!」そう体付きフランと体付きれみりゃだ。俺はすぐさまふたゆの首を絞めて。「てめーらうるせーよ!!ぶち殺すぞ!!」れみりゃが泣きそうな顔をして「しゃくやにいいちゅけるじょ〜」フランが「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」俺は無視しながら家へと帰った。帰宅したら首を離した。「はぁはぁ・・・しね!!」フランがこう言うと「黙れ」犬用のリードでフランを叩きまくった。「グアアぁギャぁぁ!!」フランを縄で拘束して腹パンをした「グハァ!!・・・」意識を失ったみたいだ。「ゆっくり逃げるよ!!」俺は、無表情で。ビンタをした。「いたぁぁぁい!!たしゅけてしゃくや!!くちょにんげんがいじめる〜〜〜」ムカついたのか俺は、「黙れ!!」空気銃でれみりゃの腹をぶち抜いた。れみりゃを回復させて縛り付けたらボクシング用のグローブをはめて「オラ!!」フランの顔をぶん殴った歯が全てボロボロに崩れて変な方向に向いていて不細工な顔で泣いている。俺は「何泣いてるのキモいんですけどちょとこいやきたねー顔洗ってやるよ!!」そう言うと俺は風呂にフランを溺れさせた「ブクブクブクたしゅけて溶けちゃうよ!!」俺は、「てめーらゆっくりのくせしてゆっくりいじめてんじゃねーよ!!それは人間様の専売特許だろうが!!気に食わなかったんだよてめーらがなここで死ね!!!」フランはとうとう力尽きた。水死したフランを持ってくるとれみりゃは泡を吹いて死んだ。だがこれは死んだふりだと気付いたので外に連れ出してキャンプ場に行き火をつけた「しね」れみりゃは「暑いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」と気色悪い断末魔と共に消えってたとさ。