約 632,057 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1390.html
「ゆっくりしてないで、さっさとごはんもってきてね!」 尊大な態度で、さも当然であるかのように食事を要求しているのは、幻想郷ではちょっと名の知れた普通の魔法使い---霧雨魔理沙 ……によく似た帽子を身につけた、しゃべる饅頭---ゆっくりまりさ である。 しかし、ただの ゆっくりまりさ ではない。 体長6尺、重量30貫はあろうかという、巨大な ゆっくりまりさ なのである。 「わかったから、そこでゆっくりしていってね!」 こう応えるのは、狂気を操る赤い瞳の兎---鈴仙・優曇華院・イナバである。 ゆっくり種の琴線に触れるキーワード「ゆっくりしていってね!」を使うことで、少しでも巨大まりさを黙らせようと発した言葉なのだが、肝心の巨大まりさはこのキーワードに全く呼応せず、ただ「フフン」とだけ口に出しながら、鈴仙のことを見て……いや、見下していた。 巨大まりさと接触するようになってから、鈴仙の苛立ちは急速かつ確実に膨らんでいた。 他の仕事もこなしながら、必死に食事を用意する鈴仙。 全く仕事もせずに、ただただ それを食らう巨大まりさ。 巨大まりさの認識としては、間違いなく鈴仙は格下も格下なのである。 あまつさえ、鈴仙の師匠である永遠亭の頭脳---八意永琳に対しても、対等か自分が格上だと思っていた節まであった。 その認識は、あからさまと言って良いほどに、巨大まりさの態度から見てとれた。 鈴仙が巨大まりさの世話をしてやっているのは、永琳の指示があったためである そうでなければ、このような相手は今すぐにでも狂気の闇に堕としているのだが、実験のため、師匠のため、そして自分のために、鈴仙はギリギリのところで正気を保っていたのである。 巨大まりさはこの地下室にやってきた時よりも、さらに尊大な態度をとるようになっていた。それはおそらく、数日前にあった巨大まりさの異変に起因する。 その日、永琳が研究室で前回の研究結果の記録をつけていると、突然研究室の扉をけたたましく叩く音が聞こえた。 「煩いわね、いつでも落ち着いて行動しろと言っているでしょうに。」 軽くお説教を交えつつ扉を開く永琳。 「も、申し訳ありません。ですがお師匠さま、あのサンプルの様子が……」 畏まりながらも、用件を話す鈴仙。 「む!? そう、それはいけないわね。」 永琳はそう言うと、すぐに巨大まりさのいる地下室へと向かった。 永琳はそこにいた巨大まりさの様子を見て、驚きを隠せなかった。 体長が2倍以上になっている。 この巨大まりさが永遠亭に迷い込んできた頃は、3尺程度の体長だった。 確かに大きいが、それでも普通の成体ゆっくりよりも少しだけ、いや、そこそこ大きいかな? という程度の大きさだったのだ。 それが突然2倍以上の大きさになっている……巨大まりさも、自身の身体の変調には気づき、これには強く不安を感じていた。 早速診察を始める永琳。 一頻り巨大まりさの身体を調べ終えると、ため息をつきながら口を開いた。 「これは俗に言うおめでた……にんっしんっね。」 「え?」 一瞬呆然とする鈴仙。 「ゆゆっ!?」 巨大まりさは戸惑いながらも、少し喜びの混じった表情を見せていた。 巨大まりさは、身に覚えがあった。 それは数日前の、巨大ゆっくりれいむとの一夜。 食事のため、あるゆっくりの巣を襲いに行った際に、たまたま居合わせた人間に殺されそうになった。その窮地を救ってくれたのが、この巨大れいむであった。 巨大まりさは、自分を救ってくれた巨大れいむに一目ぼれし、出会ったその夜に愛し合ったのである。 「にんっしんっ れいむとのこども……」 噛み締めるように言葉に出して、その事実を確認し、喜びの笑みを浮かべる巨大まりさ。 「ふふっ、おめでと。」 微笑みながら優しくそう言う永琳。 何かに納得がいかず、無言でいる鈴仙。 そしてその時から永琳の指示により、鈴仙が巨大まりさの世話をする日々が始まったのである。 巨大まりさは、最初のうちはノロケながらも、その発言は控えめだった。 「ごめんね、まりさはうごけないから、たべものとってきてね。」 これには鈴仙も快く返す。「大丈夫ですよ、ゆっくりしていってね!」 しかし巨大まりさの態度はすぐに体躯に比例するように大きくなっていき、いつしか食事も選り好みするようになっていった。 元々、他のゆっくり種を食べて生きているような存在であるため、傲慢な性格だったのであろう。 鈴仙が持ってくる食事を目ざとく確認し、ちょっと形の悪い野菜などが混ざっていたりすると、食する事を拒否した。 「にんっしんっしてるまりさに、なんてものをたべさせようとするの!? ふざけないでよ!」 そう言いながら、体当たりをして、わざと食事を落とさせる事もあった。 鈴仙は苛立ちを抑えながらも、仕方なく新たな食事を用意することになった。 要求は食事に留まらなかった。 「みずあびしたい!みずもってきて!」 バケツ10杯ほどの水を輸送する。 その上、身体を洗うのも鈴仙の仕事となるのだ。 「ねごこちわるいよ! わらをたくさんもってきてね!」 牛を3ヶ月以上は養えるのではないかという量の藁を、巨大まりさの寝床へ輸送させられた。 あげくのはてには…… 「すっきりさせていってね!」 なにが悲しくて巨大まりさの自慰を手伝ってやらなければならないのか。 鈴仙は顔を真っ赤にし、怒りに震えながら、巨大まりさの頬をもみしだいて性欲を処理させられるハメになった。 「すっきりー!」 その声も、もはや鈴仙にとっては憎しみの対象となっていた。 我慢の限界にきた鈴仙は、永琳にその不満を直訴したのだが、当然のように却下された。むしろ永琳も、屈辱にまみれる鈴仙を見て楽しんでいる節もあった。 お世話になっている師匠のやること、それにこういう性格であることもわかっている。だから、それ自体は仕方ないと鈴仙もわかっていた。 わかっているからこそ、巨大まりさに対する苛立ちは、雪だるま式に募る一方なのであった。 その様子を見かねてか、永琳はフォローするようにこう言った。 「まあ、もうちょっとだけ我慢しなさいな。面白いものが見られるから。」 永琳は何かを企んでいるような、不敵な笑みを見せた。 それでも鈴仙は納得がいかない。 その原因は、巨大まりさが永遠亭に辿り着いた時点まで遡る。 そもそも、この巨大まりさがどうやって迷いの結界がかけてある竹林を抜けて、なぜ永遠亭にたどりつけたのか、という疑問もある。しかしそれはおそらく、同僚の いたずら兎の仕業なのであろう。だからそれは問題ない。いや、問題はあるのだが、いつものことだ。 しかしよりによって、この巨大まりさ達は永遠亭の家庭菜園(というには規模が大きいのだが)を食い荒らしたのだ。 そこには永琳と鈴仙が20年以上かけて品種改良を行った野菜があったのだが、その残骸すらも残っていなかった。中には鈴仙が個人的に楽しみにしていた、美味しさだけを追求したにんじんもあったのに…… そのような蛮行を働いた巨大まりさを、師匠である永琳は許した。 心が広い。広すぎる。不自然なくらいの広さだ。 確かに20年という期間は、永遠亭に住む者にとっては些細な時間であるが、 よりによって、こんな生物に研究をぶち壊されるなど、鈴仙には許せない事であるのに。 翌日、巨大まりさはいよいよ出産の時を迎えた。 あこがれの巨大れいむとの子供をいよいよ授かるとあって、陣痛の痛みにも関わらず、その表情はどこかにこやかであった。 身重で動けず、退屈な日も我慢してあげた。 うだつのあがらない兎が持ってくる、冷めた食事にも我慢してあげた。 それも全てはあの巨大れいむとの愛の結晶のため。 私ってなんて健気なの! などと軽く自己陶酔するうちに、いよいよ産道が開かれる。 「はやぐ、はやぐうまれでねえええええ!」 巨大まりさの痛みもピークに達した。もう出産は目前である。子供が産道から顔を出し始めた。 「え?」 鈴仙は思わず目を疑う。 「ふふ♪」 永琳は不敵にそして魅力的に微笑む。 竹筒の蓋を開けるような大きな音とともに、巨大まりさの子供がこの世に生を受けた。 途端に苦痛から開放された巨大まりさ。 これで苦労は報われた。これからは楽しい育児の時間だ。 娘と一緒にお父さんれいむが勇敢だったという話をしたり、外食を楽しんだり、楽しい子育て人生が待っている! 娘の結婚相手はやっぱりイケメンのれいむかな。でも知的なぱちゅりーでもいいな。 ここを出たら巨大れいむと運命の再会をして、娘婿や孫ゆっくり達に囲まれて幸せに暮らしていくんだろうな。 そんな自分に都合の良い、バラ色のゆっくり人生を思い描きながら、巨大まりさは生まれてきた赤ちゃんに初めて声をかけた。 「ゆっくりしていってね!」 …… 「うー♪ うー♪」 生まれてきた赤ちゃんは、コウモリのような醜悪な羽の生えた、憎たらしい顔つきの肉まんだった。 「……え?」 瞬間、巨大まりさの表情は凍りつく。 「どうしたの? あなたの赤ちゃんよ?」 いたずらっぽい笑みを浮かべながら永琳が巨大まりさの耳元で囁く。 鈴仙は目の前の事態について把握するために頭を巡らせていた。 「さて、そろそろ次かしら。」そう言った永琳は、巨大まりさの後頭部辺りに指を差し込んだ。出産しやすくなるツボである。 出産を終えたはずの巨大まりさの胎内に、新たな生命が息吹き始めた。 みるみるうちに、それは大きくなり、そして再び出産の時を迎えた。 「いだいいいい、はやぐうまれでえええええ」 巨大まりさはその痛みに意表をつかれた。そして再び竹筒の蓋を開けるような音。誕生したのは、またもゆっくりれみりゃの子だった。 巨大まりさは驚きを隠せるわけもない。 「なななな、な゛んでえええええええ?」 絶叫する。 なぜ れいむ や まりさ じゃない子供が生まれるのか。 捕食種の ゆっくりれみりゃ と交尾するわけがない。 突然変異で生まれてしまったのか。しかしそんな話は聞いたことがない。 それ以上考えが進まなくなった巨大まりさの後頭部には、再び永琳の指がつきつけられていた。 「それそれそれそれ!」楽しそうに巨大まりさの後頭部に連続して指を差し込む永琳。 一方、鈴仙は巨大まりさが妊娠したとき、何かに納得できていなかった事を思い出していた。 ゆっくりが交尾してから妊娠するまでの期間はそう長くないはず。 それは胎内で育てるタイプの出産に関しても同様であるはずだ。 なのに、巨大まりさがこの地下室につれられてきてから妊娠するまでには、3日ほどの期間を置いている。 これはもしや…… 「うどんげ、そろそろ気づいたかしら?」 鈴仙の考えを見通すかのように話す永琳。やはりこれは巨大まりさが永遠亭にくる前に身篭った子供ではない。 間違いなく、永琳がなんらかの方法で種付けしてできた子供なのである。 鈴仙はこの時になり、ようやくその確信に至った。 「それならそうと言ってくださいよ。 びっくりしますよ。」少し不満げに話す鈴仙。 「ふふ、驚かせてあげようと思ったのよ。」悪びれることもなく、笑顔で話す永琳。こんなに活き活きとしたお師匠さまを見るのは鈴仙にとっても久しぶりだった。 とはいえ一番驚いたのはやはり、出産した当人である巨大まりさであろう。 しかし、その原因を究明しているような時間は、巨大まりさには与えられない。 先ほどの永琳のツボ連打によって、再び体躯が膨れ上がっているのだ。 2度の出産を経て、産道がある程度慣れたのか、そこからの出産はほぼ連続で行われた。 スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、スポッ 次々と出産される赤ちゃんゆっくり。その姿はすべてゆっくりれみりゃのそれであった。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 その事実を受け入れられない巨大まりさ。しかし、なおも出産は続いていく。 「「「「うー♪ うー♪」」」」 生まれたてのゆっくりれみりゃ達が、自らの妹達の誕生を祝福するかのように、楽しそうに鳴いている。 永琳がいよいよ種明かしをする。 「すごいでしょ。これがゆっくり出産促進薬 ”ゆっくりんZ” の効果よ」 「名前はどうでもいいですよ……」やたらノリノリな永琳に、少し呆れた鈴仙が、さらに続ける。 「いつのまにゆっくりれみりゃの子供を孕ませたんですか?」 孕ませるなどという言葉が、ごく自然に出てきた自分に対し、少し照れを感じながらもそう聞いた。 「そりゃあなた、妊娠の前日よ。ゆっくりみたいな単純な生物は体内に何かを蓄えておく、なんてできないんだから。」永琳はさも当然のごとく応える。 「あの前日の夕食に幻覚剤を混ぜて置いたのよ。」 なるほど。 その後に発情したゆっくりれみりゃを巨大まりさの隣に置くことで、あとは自然に事に至ったわけだ。 鈴仙が納得した頃には、巨大まりさの出産は終了していた。 その体躯は1尺以下にまで縮んでいる。”ゆっくりんZ”とやらの影響なのであろうか。 「あら? こんなに縮んじゃうの? これじゃ使えないかしらねえ……」 まるで実験が失敗したかのように言う永琳。 しかし鈴仙にはわかっていた。これは故意だ。間違いなく故意だ。 「「「「「うー♪ うー♪ まーまー、ごあんまだー?」」」」」 母親である巨大まりさに餌を求めている。 生まれたゆっくりれみりゃは、20匹にまで到達していた。 胎内で育てるタイプの出産としては異例の数字である。 それ故に母体への影響も尋常ではないようだが。 巨大だったまりさは出産を無事に終えて、考えを巡らせていた。 あんな羽の生えた子達は私の子供じゃない。 早くれいむに会いたい。 助けて、れいむ。夢ならはやく覚めて。 そんなことを考えているうちに、連続出産の疲労からか、巨大まりさはゆっくりと眠りについていった。 翌朝、巨大だったまりさが目覚めると、再び胎内に違和感を感じた。 「「「「「うー♪ うー♪ ぱーぱー!ぱーぱー!」」」」」 まわりでは目障りなゆっくりれみりゃの赤ちゃんが飛びまわっている。 巨大だったまりさは、ハッと痛みに目覚める。胎内で何か蠢いている。 「がおー♪ たーべちゃーうぞー♪」 胴体つきのゆっくりれみりゃが、産道から顔をだしていた。 巨大だったまりさは、恐怖のあまり、白目を向いて気絶した。 「あらあら、だめねえ。せっかくお父さんとの感動の再会なのに。」 永琳が部屋に入ってくるなりそう言い、巨大だったまりさを起こしてやる。 「はい、これがあなたの夫よ。」 起こした上で追い討ちをかける。 さすがお師匠さま。そんなことを考えながら、鈴仙は身震いしていた。 おそらく永琳の恐ろしさではなく、この状況にゾクゾクしていたのだろう。 心なしか、赤い瞳がキラキラと輝きを漏らしている。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と泣き叫ぶ巨大だったまりさ。 その身体は急激な縮小により、極度に皮が余った状態である。 そこに目をつけた永琳が、交尾の際に使用したゆっくりれみりゃに、着ぐるみ感覚で着せたのである。 お気に入りの怪獣着ぐるみを着ている時と同様に、ゆっくりれみりゃは太陽のように輝いた笑顔で、ぶんぶんと手足を動かしている。 巨大だったまりさは、とてつもない痛みと、現実のつらさに身をよじる。 「れみりゃも、うまれるのー♪」 そういって出産ごっこを開始する、お父さんれみりゃ。 「いぎぎぎっいぎっぎ」 痛みに堪える巨大だったまりさ。 「「「「「うー♪ うー♪」」」」」それを見て楽しそうな赤ちゃんゆっくりれみりゃ。 「幸せそうな家庭を持てて、何よりね。」永琳が優しく微笑む。 この人だけは敵にするまい、と新たに誓いを立てる鈴仙であった。 それから3日間、巨大だったまりさは育児を完全に放棄していた。 ゆっくりれみりゃが、赤ちゃん達と巨大だったまりさのために、健気に餌を持ってくる(といっても隣の部屋で鈴仙に渡されたものだが)。 巨大だったまりさは、その餌をを赤ちゃん達と共に、ただ貪り食うだけの存在となっていた。 見るに見かねた永琳は、巨大だったまりさを外に出してやることにした。 巨大だったまりさの目は、途端に輝きを取り戻した。 鈴仙は巨大だったまりさの案内を元に、以前に巨大だったまりさが住んでいた場所まで同行し、そこで別れをつげた。 巨大だったまりさは、過去の事は忘れることにして、ゆっくり人生の再起を誓っていた。 そんな矢先、巨大だったまりさが待ち望んでいた運命の再会が訪れた。 巣穴近くの川で昼食を探している際に、あの時の巨大れいむに出会ったのだ。 会いたかった、愛しのれいむ! 再び頭の中でバラ色のゆっくり人生を頭に描き、駆け寄っていく巨大だったまりさ。 「ゆっ!?」 巨大れいむの方もこちらに気づいたようだ。 舌まで出して待っている。本当に大胆なゆっくりなんだから~♪ 次の瞬間、巨大だったまりさは巨大れいむの昼食となった。 身体が極端に縮小された上に、皮あまり状態になったワンタンのようなゆっくりなど、巨大れいむからすれば”変な餌”でしかなかったのである。 「だべちゃだめだってばばば……」 巨大だったまりさの声は、巨大れいむの中に消えていった。 一方、永遠亭。 今回の実験の考察が一頻り終わり、永琳と鈴仙は居間で実験の副産物の肉まんを味わっていた。 「ところでお師匠さま。」 鈴仙が師匠に質問を切り出す。 「あの巨大まりさ、ここに来た時点で結構体が大きかったですよね? もしかして、あの時すでに、れいむの子供が……」 何かを思い出すように、「ふふ♪」 とだけ応える永琳。 その身が発する狂気の波動が心地よい。 とはいえ、やはりこの人だけは敵にするまい、と再び肝に命じる鈴仙であった。 「あー……いいです。聞かなかったことにします。その変わりと言っては、なんですけれど……」 察する鈴仙は次の実験に対し、要望を述べた。 「妊娠のツボを押す役、今度は私にやらせてくださいね♪」 この師匠にしてこの弟子あり、である。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5124.html
|傾向|虐待|---□-----|制裁| |虐待者|名無し|---□-----|東方キャラ| |虐待方針|生かさず殺さず|-------□-|皆殺しダァ!| |出演ゆっくり|無垢なゆっくり|-□-------|ゲスゆっくり| |れみりゃ|含|-----□---|皆無| ゆっくりいじめ系5 ゆっくり畑荒らし対策委員会 制 料 ゆっくりいじめ系12 ゆっくりれみりゃを山に放す虐共 ゆっくりいじめ系17 間劇 0円から始める仕事虐 ゆっくりいじめ系22 あるゆっくりアリスの記録 虐制 ゆっくりいじめ系38 ゆっくりきゃっちゃー虐家機 ゆっくり加工場系6 ゆっくりれみりゃ 虐 ゆっくり加工場系7 ゆっくりいじめプロローグ 虐 霊夢×ゆっくり系1 ゆっくり魔理沙の大家族 制家 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系1 ゆくりれみりゃとフラン 虐 制 共 その他 イライラ そ ゆっくりいじめ系62 ある男のゆっくりレポートそ虐家 ゆっくりいじめ系63 ゆっくり霊夢一家の越冬(誤算編)そ共家 ゆっくり加工場系10 ゆっくり詐欺虐家機 ゆっくりいじめ系91 あるゆっくりアリスの記録2制家性 紅魔館×ゆっくり系1 ゆっくりピクニック 制 紅魔館×ゆっくり系3 冬は中華まん。夏でも中華まん。制料無 その他 触媒としてお使いください2そ無 ゆっくりれみりゃ系いじめ9 れみりゃとぷりん虐無 紅魔館×ゆっくり系4 紅魔館の憂鬱制料 ゆっくりれみりゃ系いじめ10 ゆっくりれみりゃを山に放す2制家性料無 ゆっくりれみりゃ系いじめ11 新たな命、れみりゃ制家 紅魔館×ゆっくり系5 ゆっくり咲夜虐 ゆっくりれみりゃ系いじめ13 「プリン」が好きな二匹 ゆっくりいじめ系138 あるゆっくりアリス達の記録虐制性料 ゆっくりいじめ系141 ゆっくり七夕しようね虐捕無 ゆっくりいじめ系146 新たな命、霊夢・魔理沙編虐家共 ゆっくりれみりゃ系いじめ14 れみりゃと広告虐料無 ゆっくりいじめ系189 あの夏に日の……虐機環 ゆっくりいじめ系192 あるゆっくり育成の記録虐そ家無 ゆっくりれみりゃ系いじめ17 れみりゃうーー!!制家無 ゆっくりいじめ系209 無駄骨虐家捕 小悪魔×ゆっくり系1 素敵な史書さん2虐料 ゆっくりいじめ系212 ゆっくり達の日常虐家 ゆっくりいじめ系213 森の奥のゆっくり達制家料無 ゆっくりいじめ系229 ゆっくり誤診虐薬無 ゆっくりいじめ系233 ゆっくりいじめエンド_1虐 ゆっくりいじめ系234 ゆっくりいじめエンド_2虐環 ゆっくりいじめ系237 ゆっくりの現代生活虐無外 ゆっくりいじめ系241 あるゆっくりアリスにまつわる記録外伝1虐家無 ゆっくりれみりゃ系いじめ20 れみりゃのボランティア虐家無 ゆっくりれみりゃ系いじめ24 土用丑の日れみりゃの日虐家料 ゆっくりいじめ系280 ゆっくり達の奮闘記制家無 ゆっくりれみりゃ系いじめ25 ゆっくりれみりゃの日常そ家共 ゆっくりいじめ系308 ゆっくり達の夏そ家無 小悪魔×ゆっくり系2 ある村の冬の風物詩虐家 小悪魔×ゆっくり系3 ゆっくりぱちゅりぃ制 紅魔館×ゆっくり系13 れみりゃの越冬虐家共捕 紅魔館×ゆっくり系14 れみりゃは一日しか生きれない虐環 ゆっくりいじめ系337 あるドス魔理沙の記録虐 ゆっくりれみりゃ系いじめ30 れみりゃのヘアカット虐無 ゆっくりいじめ系387 ゆっくりの越冬(アクシデント編)虐家捕 ゆっくりいじめ系395 タイル虐家無 ゆっくりいじめ系398 ゆっくりの形をした生き物_プロローグそ無 ゆっくりいじめ系426 ゆっくりぱちゅりぃ2虐共 ゆっくりいじめ系606 餡子とキリギリス虐家無 ゆっくりいじめ系694 餡餡。新聞制無 ゆっくりいじめ系672 Eゆっくり制家無 ゆっくりいじめ系918 ゆっくり全匹集合虐家機環無 輝夜×ゆっくり系4 気まぐれの暇つぶし虐 ゆっくりいじめ系950 黒い春は秋ですか?虐料 その他 ピクニックそ ゆっくりいじめ系1157 変わる日常。変わらないものそ家 ゆっくりいじめ系1179 どり~むそ家 ゆっくりいじめ系1208 あるゆっくり魔理沙の記録制 ゆっくりいじめ系1215 取らぬゆっくりの餡算用そ ゆっくりいじめ系1242 日々淡々とした話そ ゆっくりいじめ系1278 彼岸花そ制 ゆっくりいじめ系1284 中身制 ゆっくりいじめ系1367 仕掛け人虐 ゆっくりいじめ系1797 ぎゃくたま虐 ゆっくりいじめ系1803 アリスの結婚大作戦そ虐家 ゆっくりいじめ系1843 おつかい制 ゆっくりいじめ系1850 初詣そ虐家 ゆっくりいじめ系1933 俺とありすの気ままな生活そ環 ゆっくりいじめ系1962 特に何の変哲もない某日 ゆっくりいじめ系2494 そおとⅠ 小悪魔の場合
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1315.html
ゆっくりれみりゃのたまごたち 私達の館で飼ってるゆっくりゃが最近おかしい。 といってもその存在自体が元々おかしいのだが、今回は様子がどうも変だ。 「うっうー♪・・・」 といつものヒゲダンスもそこそこに元気がなさそうだ。 やはりユッグディ=ザグヤを目の前で踏み潰されて以来しんどいのだろうか。 ということで体つきザグヤを何とか調達してゆっくりゃに再投入。・・・本人には内緒だぞ。 「おお、おぜうざまー!」 「うー!ザグヤー♪まっでだどー♪」 そう言ってヒゲダンスがフィーバーしてるゆっくりゃ。 いつものウザイだけの生きる価値の無い公害に戻ったね。おめでとさん。 その後数日はゆっくりゃはいつものように 「ザグヤー!Bu!D!んんんんん~~~~~・・・ぐぅ!!ぶでぃんぐがほじいの!ぶっぶっぶ~でぃん~~ぐぐぐのぐ!!」 と段ボール箱を机に見立ててザグヤにおねだりしていた。 いい気になって、たまには蹴ってやろうか。えぇ? ところが様子がどうも今までと違っている。 体つき同士ではゆっくりゃはワガママする代わりにザグヤに純潔(笑)を捧げることになっているらしい。 図書館で「ゆっくりエンサイクロペディア」を調べるとどうやらそのようだ。 いつもおぜうざまに尽くすばかりで性的な・・・その・・・欲求・・不満?が溜まっているザグヤはれみりゃに夜な夜なアプローチをしているそうなのだ。 ゆっくりが求愛するのはまりさとれいむの例でもそうだが見るに耐えない。 れみりゃとザグヤの場合はどうか。 怖いもの見たさで夜、私はゆっくりゃの部屋で観察することにした。 「うっう~!ごごはデビリャのべゃ!で~び~でゃ~の、べゃ!」 と通せんぼするゆっくりゃを無視して私は椅子に座って紅茶を片手に寛ぐ。 殴っては翼を羽ばたかせて「バダバダバダ!ダバダー、ダバダー、ダー!」 とゆっくりゃをBGM化させることもできるそうだが今回はそれが目的ではない。 第一私はコーヒー派じゃないし。 やがてザグヤがやってきた。 「お、おぜうさまー!」 その姿はよだれを垂らしてメイド服を脱ぎ捨て瀟洒とは程遠いものだった。 目は異常者の血走ったそれであり、体はどうやらうっすら紅色に着色しているようだ。 ………浅ましい。本物が見たらナイフまみれにしているだろうな。 「おおおおおおおおおぜうざまざまざまざまずーーーーーー!!おぜうざまぶー!」 と両腕をバタバタさせながらゆっくりゃに突入していくザグヤ。 駄目だ、コイツ心底腐ってる。 対するゆっくりゃはどうかというと 「ざぐやぶっでぃ~んぐはまだなの?「ワタクシ」ぶでぃんがほしいのよねー☆エヘッ!」 となんか違うおぜうさまぶってザグヤの様子に気づいていない。 ……コイツの頭一度チェックしてやろうか? 本気で怒鳴って殴りたくなったがそれは私のキャラじゃない。私は図書館で優雅に書物を研究するのだ。 そうこうしてる内にザグヤがゆっくりゃを捕獲した。 するとゆっくりゃの服が剥ぎ取られ、裸になったゆっくり同士はやがてザグヤが上になるように重なり合い、その・・・ろくじゅうきゅうをしたのだ。 むきゅん!こんな言葉なんて言いたくなかったよ~! 「おおお、おぜうざま~!おぜおぜおぜえええええうざま!」 「う!う”-----------!!!!!!!!ざぐやーーーーーーー!!ざぐやーーーーーー!!」 「ああああああ居合いアイアイあいじでまずぅおぜうざまあああああああ」 「うっうーうぁああああ!ぶっでぃ~んはどご!?でびりゃのぶっでぃ~んないよ!ダバダー!」 「ふんふんふんふんふん」「ダバダバダバー!ザグヤブディン!ぞごはぢがううううううう」 「おぉ・・・おぜうざまの核心に」「ぶぅーーーー!!!!!!!!!!!!」 ……見てるうちに気持ち悪くなってきた。やってることは人間のそれと変わらない。・・・と思う、多分。 ことが終わると、ゆっくりゃは裸でびくんびくんと痙攣していた。 私はもういらなくなったザグヤを片付けた。今回の目的はゆっくりゃの元気回復にあったのだが、 こんなザグヤは使い物にならない。選択を間違えた。 と思っていると。ゆっくりゃの背中の羽からなにやらつぼみが生えてきた。それはフランのそれのような赤いつぼみだ。 これはゆっくりゃが妊娠したことを意味している。 ゆっくりペディアではこうしたザグヤとゆっくりゃの交配ではゆっくりゃが3日後に子供を生むと書かれている。 私は知的好奇心から目的を変更してゆっくりゃの子供の誕生を見ることとした。ゆっくりペディアでは、---- ゆっくりゃの子は羽に出来たつぼみから現れ、やがて大きな饅頭大になると地面に落ちる。やわらかい羽で覆われた顔を覗かせると、 「うっうー☆」と産声を挙げる。やがて饅頭の下から4足が生え、体の原型が成長し、肉まんの薄皮から服ができる。 耳の羽は退化し、代わりに弱い羽が背中から生える。まれにカビで覆われたゆっくりザウルスになるが、それは非常に寿命が短い。---- と書かれている。確かめたいけど、それだけじゃ私の知的好奇心は満たされない。 どうせなら、まだ記録されてないゆっくりゃの奇形について調べてみたい。 今までゆっくりれいむやまりさの奇形はよく報告されてきたが、れみりゃに限ってはその繁殖の希少さのせいでなかなか発見されなかった。 もっとも、ゆっくりゃ自体が再生能力があるのだから産業的には再生能力を利用すればよかった。 つまり、子供を生むコストより一匹を再生させる方が安く済むから誰も何度も繁殖テストをしなかっただけなのだ。 普通の子供はもう研究された。ゆっくりゃの奇形を開拓しよう。・・・よし! 「ゆっくりゃ」 「うっうー・・・う??」 「もうお目覚めね」 「うぅ・・・ザグヤが・・・」 「もうザグヤは忙しいから帰ったわよ」 「う!?ほんど?」 くりんとした赤い目がこちらの意図を見透かすかのように見ている。はっきり言ってウザい。 「じゃあアナタの好きなザグヤが作ってくれたぶっでぃ~ん食べようか」 「うー♪ざぐやのぶっでぃ~ん!!」 はぁ・・・何でこの期に及んでざぐやなのよ。第一もうザグヤに襲われた鬱から抜けてるじゃない。 ほんっと単純。どこかの誰かさんみたいな単純さ。あっと!・・・これはアイツに失礼ね。 私は用意した館の下水道の泥入りプリンをゆっくりゃに与えた。 「うっうー・・・・・・・・・・・・うまうま。うぁ。うま・・・」 どうやら思いのほかおとなしい。ザグヤが作ったという事実さえあれば味覚は関係ないようだ。 「ねぇねぇ!おあちゅでぃ!」 「はいはい。何ですか?」 「『アリズドマディザ』ってできてるんだよねっ!?デ・キ・テ・ル~ンだぁ~よぉ~ねっ!ダブダブダブダブ・・・ッブブっ!?」 スプーンを持った腕をもぎりとってそれで続けて食べさせた。泣きながらも口だけはじっくり味わおうとしているみたいだ。 何でコイツ、私が一番嫌いそうなことをピンポイントで攻めてくるのよ・・・後で泣いちゃうよぉ? 「う”~う”~ざぐやのぶでぃんおわでぃ!ごっちゃんですぃ~つ(笑)」 次の日はこぁに頼んで色々させた。廃油の入った鍋をでぃなーと称してゆっくりゃに流し込み、日焼け止めと称して害虫のペーストに漬け、 その他色々やった。こあには後でたっぷり礼節を尽くすこととして・・・///// 結果、3日目にしてゆっくりゃの羽のつぼみは十分膨らんでいたり、そうでなかったりしたがそろそろ落ちるころだ。 私はゆっくりゃの部屋でその瞬間を待った。 「がぉー!う~ん~じゃ~う~ぞ~!!」 コイツは元気だ。肉まんだけに摂取した毒物の量はほとんどつぼみに直行したことだろう。 「うっうーうぁうぁ♪ざっぐっやっ♪ざっぐっやっ♪アリズドマディザはざっぐっやっ♪」 意味が分からない歌詞を歌ってる。もうやだなこのけんきゅー。むきゅー。 「うっうーあがちゃんあがちゃん♪う”?・・・・・・・!!!!!!」 どうやらゆっくりゃにその時が来たようだ。 羽についた4つほどの実・・・じゃなくって!ゆっくりゃの赤ちゃんはまだ自分の羽で顔を隠している。 ゆっくりゃが震えだすとその赤ちゃんの内一つが落ちた。 それは丸々と太ったやつで、羽は油でテカテカと光っている。 やがてその丸い物体は羽を広げる。そこに現れるゆっくりゃ赤ちゃんの顔は、目が3つあるものだった。 「う”・・・ぶぶ・・・」 「あが・・・ぢゃん・・・??」 「ぶっぶびびべびっべべ!!!」 そう汚い声で鳴くと、そいつはいきなり顔の油を下の方へ流し込むようにして体の部分を作っていった。 あまりにも急激な変化にゆっくりゃは「う”-!」と驚く。 出来た体はゆっくりゃの2倍はあろうマシュマロモンスターのようなものだった。 「ブビ・・・ぶぶぶ・・ベボッ」 そいつは羽をパタパタさせ、三つ目の目を開けると、意識を失ったのかすぐ仰向けに倒れた。 「う”!!でびりゃのあがぢゃん!」駆け寄るれみりゃ。 すると二つ目のゆっくりゃが落ちた。それは普通の大きさであったが羽が無かった。生首状態! 帽子もない。髪もない!つるっぱげの目耳鼻口だけがある正に入道ナリ!・・・おっといかんいかん、私もじょじょにおか~しくなってきたのかな? 「うっうーうあうあ!」 「・・・・・・・・・・・だおでだでびでゃのあがぢゃん・・・」 「がおー!たーべちゃーうぞー!」 「・・・・・・・・・・・おっぎなあがぢゃん・・・・」 「がおー」 親れみりゃは入道に聞く耳を持たない。入道は廃油のせいか異常な速度で成長した。・・・体だけ生えてきたのだが、それはこけしのように手足がなかった。 「がおー!たーべちゃーうぞー!」 「!?・・・あが・・・ぢゃん?」 「ぞーだぞー♪」 「・・・ごんなの、ごんなバケモノこけし、デビデャのあがぢゃんじゃない!!!!」 「!!!!!!!!!!」 「ふぉぉおおおおおおおおお」 「うわ”ぁあああああああん」 お前も十分バケモノだと思うのだけど。とにかく二匹目の入道こけしはそこから動けないまま。 にしても、ゆっくりゃがこけしなんて言葉しってるなんて。今度フランに教えてやろっと。 そうこうしてる内に3つ目が落ちた。といってもそれは完全に萎んだ奴だから死んだも同然だ。と思ってたらやっぱり成長した! むきゅー、あたしもう気がへんになっちゃいそう!もうどうにでもすればいいよぅ。 この理不尽な設定のせいで萎んだゆっくりゃはゆっくりゃの萎んだバージョンになった。というか萎んでいる以外は全くゆっくりゃと同じだ。 「・・・・・ゅ・・・・ぅっぅーぅぁぅぁ」 「う”-!!ぼるっぼるぼるぼるけいのう!ざぐやーなづのぶうぶづじのイボノイトだじょぉぉおおお!!!!」 親ゆっくりゃはバケモノを見るような目で慌てふためいている。すると入道の体中から糸のような液体がぷしゅああああああと飛んできた。 いやああああああ!!廃油が悪かったのかな!?でもこっちにまでかかってこないでええむきゅん!! 「・・・う”-”」 巨人は入道を抱えると、あのいまいましいろくじゅーきゅーを始めた。もうやだあたし、帰る・・・ 二匹は粘着質を分泌してズリッ、ズリッと互いのドデカイ図体をこすり合わせる。イボノイトはゆっくりゃの4つ目の実を採った。 その実は硬く、黒く宝石のような輝きを放っていた。もしかしたらこれは発見かもしれない。 ゆっくりゃから宝石が取れるのなら、と思った矢先にそれは動いた。 石のような羽をどけたそこには、なんとザグヤの無表情な顔が平面的に貼り付いていた。 「オゼウサマ・・・オゼウサマ・・・ザグヤ・・・ブディングヲオモチチマチタ」 「バービブーベボーーーーーーーー!!!!」 イボノイトがその仏頂面ザグヤを手で潰す。すると部屋一体に塩素系の臭いが充満した。 「もおおおおやぁだああああああああああああああああああ!!!!」 火符『アグニシャイン』 結局、れみりゃの部屋は全部アタシが燃やし尽くした。奇形が出た証拠すら残らない。 あーあ、失敗だったな。もうちょっと冷静にやればよかったのかも。でも、どんなのができるかは分かったんだしいっか。 気分転換にめったに行かない外に出る。ん?チルノが8の字に飛んでる。⑨が逆さになって、⑥、⑨、⑥、⑨、・・・ろくじゅーきゅー!? あっそうだこぁにもお礼をしなきゃ。むきゅー。もー色々あったせいで頭がこんがらがりそうだよー。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/991.html
ティガれみりゃ その2 ======================== ≪はじめに≫ 『ティガれみりゃ』の続きになります。 他の作者様の設定や名称を一部使わせていただいております。 パロディネタおよび、自分設定有りです。 虐め……というのとは少し違うかもしれません。 すみません、まだ続きます。 文字数設定の関係上、改行が変な箇所があるかもしれません。 (あまりにも読みづらいようでしたら、修正版をupします) 以上、何卒ご理解・ご容赦ください。 ======================== 2、異常震域 月夜の下に広がる森。 小動物達が俄にざわめきだし、 彼等がさきほどまで寝床にしていた木々が、バキバキと折れていく。 その原因は、全て一体の巨大生物によるものだった。 よったよった、どったどった。 よったよった、どったどった。 短い足で、不器用なステップを踏みながら、 その巨体とは裏腹に、実にゆっくり進んでいく巨大生物。 『ティ~ガティガティガ♪ ティガれみりゃ~♪』 その巨大生物、通称・ティガれみりゃは、 歌いながら楽しそうに夜の森を往く。 見た目は、中綿たっぷりの、だぶだぶくたくたの恐竜型ぬいぐるみ。 恐竜の口の部分がぱっくり開き、そこにれみりゃ種特有の、憎たらしげな下ぶくれスマイルが覗いている。 だが、その滑稽な見た目に反して、その体は尻尾をあわせれば20メートルにも届かんとする巨大さを誇る。 短い手足をバタバタさせて、「うぅーうぅーうぁうぁ♪」とやるたびに、足下の生物達は生命の危険にさらされる。 それゆえ、数多くの命が暮らすこの森にあっても、 意図的にティガれみりゃに近づこうとする者は、まずいない。 『ティ~ガティガティガ♪ ティガれみりゃ~~♪ とぉ~ってもぷりちぃ~~ティガれみりゃ~~♪』 本人はといえば、そんなことは気にも留めず、相変わらずの御機嫌ノリノリで森を進む。 いっそさっさと通過するなら、 動物達や森で暮らす他のゆっくり達にとっても、まだマシだった。 けれど、ティガれみりゃにそんな空気を読む力があるはずもなく、 よったよった、えっちらおっちら。木を倒し、ゆっくりを踏みつけ、動物達を脅かして歩いていく。 「ゆゆゆっ! ティガれみりゃはゆっくりしないで、どっかへいってね!」 「ゆぅ~~! おかーしゃん、こわいよぉぉっ!」 ティガれみりゃの足下、逃げ遅れたれいむの親子が、木々の影に隠れていた。 こんな恐い場所からはさっさと逃げ出したかったが、 ティガれみりゃが歩く度に震動が起こり、なぎ倒された木々が倒れてくるせいで、 おちおち移動することもできずにいた。 「おかーしゃーん! おかーしゃーーん!」 「だ、だいじょうだよ! あかちゃんのことは、れいむが守るよ!」 身を寄せ合い、震える親子。 そんな親子の願いが通じたのか、 ティガれみりゃは親子を踏みつけることなく、 そのすぐ横を通過して、森の奥へと向かっていく。 「ゆぅ~~~? なんとか助かったよぉ~~!?」 「やったねぇ~~! おかーしゃーん!」 顔を見合わせ喜びあう、れいむの親子。 だが、次の瞬間。 どっすん! 「ゆべぇぇぇっっ!」 「ゆぐぎゃぁぁぁ!」 ティガれみりゃの尻尾が振り下ろされ、れいむの親子はぺちゃんこに潰される。 残されたのは、地面に貼り付けられた、あんこの染みだけだった。 『ティ~ガティガティガ♪ ティガれみりゃ~~~♪』 もちろん、ティガれみりゃが一々そんなことに気付くはずもない。 ティガれみりゃは、その後も歩き続け、30分後目的地の前で足を止めた。 『う~~、ついたどぉ♪ さっすが、れみりゃ! すらっとのびたあしは、あるくのもはぁやいどぉ~♪』 自分の短足・鈍足を棚に上げ、自画自賛するれみりゃ。 ちなみに、ここまで歩いてきた平均歩行速度は、その巨体からすれば驚くほど遅い時速4kmしかない。 うぁうぁダンスをしながらの歩行とはいえ、この遅さこそ、この突然変異種が"ゆっくり"であることの証ともいえる。 『う~♪ みんなぁ~まっててねぇ~♪』 猫なで声をあげるティガれみりゃ。 ティガれみりゃの目の前は崖になっており、その中の一角に沢山の岩が積み上げられていた。 岩の奥には巨大な洞穴が広がっており、そこがティガれみりゃの巣穴となっていた。 "こーまかんのあるじは、留守のあいだのとじまりもかんぺきだどぉー♪" ティガれみりゃはそう言って、洞穴の入り口に岩を積み上げ、栓をしていたのだ。 『うー、岩はじゃまだどぉ! ぽいするのぽーい♪』 言うや否や、ひょいひょいと岩を持ち上げ、ぽいぽい投げ捨てていくティガれみりゃ。 その岩を積み上げたのが自分自身であることは、既に忘れてしまっているらしい。 『うー♪ あいたどぉ♪』 積み上げられた岩のバリケードは瓦解し、その先に大きな洞穴が姿をみせる。 長年をかけて山の地下水が空けた空洞は、ティガれみりゃが余裕で入れるほどの大きさだ。 『れでぃ~は、しっかりかぎをしめるどぉ♪』 洞穴の中に入ったティガれみりゃは、再び岩を積み上げ、洞穴の入口に栓をしていく。 『うっ? おかしぃーどぉ、岩がたりないどぉー?』 手近な岩を全て積み上げても、洞穴の入り口はまだ半分ほどしか塞がれていなかった。 ついさっき、ティガれみりゃ自身が岩を「ぽぉ~い♪」してしまったためだ。 『う~~! だれか岩をもってきてぇ~~!』 叫ぶが、当然そんな誰かがいるわけもない。 『うー・・・』 ティガれみりゃは、岩をあきらめ、洞穴の奥へと歩を進める。 すると、そこにはティガれみりゃの帰りを"待っていなかった"たくさんのゆっくり達がいた。 「「「うーっ!! ゆっくりしねっ!」」」 『う~♪ ふりゃ~ん、ただいまだどぉ~♪』 ティガれみりゃが満面の笑顔を浮かべた先、 そこには、いるはいるは、胴体付き・無しあわせて100体近いゆっくりフランたちがいた。 「「「しねっ! ふらん達をとじこめるティガはゆっくりしねっ!」」」 笑顔を向けるティガれみりゃに対して、ゆっくりフラン達は明確な敵意を露わにする。 全員が中空に舞い上がり、臨戦態勢をとりながらティガれみりゃを睨み付けている。 『うっう~♪ そんないじわる言っちゃダメなんだどぉ~♪』 その敵意をまるで理解していないのか、 ティガれみりゃは、よったよったとフラン達の下へ近づいていく。 だが、フラン達の集団は、すぅーと静かに移動し、ティガれみりゃが近づいたぶんだけ距離をとる。 『うぅ~~?』 不思議そうに顔を傾けるティガれみりゃ。 額に少し汗を浮かべつつ、今度はお気に入りのフレーズとポーズを決める。 『ぎゃお~♪ いっしょにあそんでくれないと、た~べちゃうぞぉ~♪』 バッチリだ。 ティガれみりゃは自分に惚れ惚れした。 こんなにもかっこよくて、ぷりちぃ~な自分の姿を見せられては、 照れ屋さんなフラン達もメロメロになって、自分に寄ってきてくれるにちがいない。 手を大きく広げて、いつでもフラン達を受け止められるように準備するティガれみりゃ。 ……だが。 「「「…………」」」 ゆっくりフラン達は微動だにせず、軽蔑するような冷たい視線をティガれみりゃに送るだけだった。 『うぅ~~~~……』 ティガれみりゃは困ってしまった。 そして、なんだか鼻の奥が少し熱くなっているのを感じた。 『うー♪ ふりゃーん♪』 すすすっ。 『まつんだどぉ~♪』 すすすっ。 『うっう~うぁうぁ~♪』 すすすっ。 ティガれみりゃは何度となく、フラン達とのスキンシップを試みようとアプローチを繰り返す。 しかし、フラン達は、そんなティガれみりゃに敵意だけを向けて、空中を静かに逃げ回るだけだった。 『うぅぅぅぅ……。なんで、れみりゃをむしするんだどぉ……』 目の端にたまる涙が流れ出さないよう、鼻の上に力を込めてこらえるティガれみりゃ。 その瞬間、ティガれみりゃは大事なことを思い出し、ぱぁーっと顔を輝かせる。 『うー! そうだどぉ! 忘れるところだったどぉ!』 ティガれみりゃはゴソゴソとポケットに手をつっこみ、一本の枯れ木を取り出して掲げた。 『うっうー♪ れみりゃとくせいのおだんご~♪ とぉーってもおいしぃどぉー♪』 ティガれみりゃが掲げたもの。 それは、ちょうど昨晩、ティガれみりゃが山間の窪地に築かれたゆっくり達の集落を遅い、 ゆっくり達を枯れ木に突き刺して作った、れみりゃ印の"とくせいゆっくりだんご"だった。 きっとフラン達はおなかが空いていて、それで遊ぶのを嫌がっているに違いない。 そう結論づけたティガれみりゃは、そのゆっくりだんごをフラン達に向ける。 「「「…………」」」 しかし、フラン達は何の反応も示さなかった。 それもそのはず。 本来、生粋の捕食種であるフランは、生きた獲物を捕らえ、嬲り、そして圧倒的な力を誇示しながら食すのだ。 野生の動物がそうであるように、誇り高き捕食者は、生きた獲物にしか興味を示さない。 死んだ獲物を食べるなど、食べ残しで生をなすハイエナか、意地汚い被捕食種ゆっくりくらいのものだ。 少なくとも、このゆっくりフラン達は、その矜持を忘れてはいなかった。 『うぅ? どうしたんだどぉ? おいしぃおかしだどぉ?』 ちっとも興味を示さないフランに、戸惑うティガれみりゃ。 『う~! たべないと、た~べちゃうぞ~!』 おかしなことを口走りつつ、ティガれみりゃは無理矢理ゆっくりだんごをフラン達に近づける。 けれど、フランはゆっくりだんごを食べることはなく、空中からティガれみりゃを睨むだけだった。 「うぅー……どぉーしていうこときいてくれないんだどぉー……」 どっすん! ティガれみりゃは目尻に涙を浮かべながら、地面に座り込む。 その刹那。 何匹からのフランが、この時を待っていたかの如く、 急にスピードを上げて飛行を開始した。 目指すは、この洞穴の出口! このフラン達は、空腹にも耐えながら、 ティガれみりゃに隙ができるこのタイミングを狙っていた。 「「うーっ!!」」 赤い弾丸となって、洞穴の暗闇を裂くフラン達。 『うーっ!?』 遅れながらも、数匹のフランが脱走しようとしていることに気付くティガれみりゃ。 しかし、いくら巨大なティガれみりゃといえ、敏捷性は小型のゆっくりフラン達の方が上。 ゆっくりフラン達の脱出は成功するかに思えた。 『うーっ!! 逃げちゃだめぇーっ!!!』 ティガれみりゃは、もっていたゆっくりだんご……もとい立ち枯れた木を、 いままさに洞穴の外へ出ようとしていたフラン達に投げつけた。 「「ううーっ!」」 いきおいよく飛んでいった木は、見事フランに命中する。 そして、尖った枝はフラン達に突き刺さり、彼女達を"ゆっくりだんご"の一つにしてしまった。 「「ううっ!!??」」 その光景を見て驚く、他のゆっくりフラン達。 彼女達は、今回の脱出計画がうまくいき次第、同様の手でこの洞穴から抜け出そうと考えていた。 『だぁーめぇぇぇ! ふりゃんはれみりゃとあそぶのぉぉっ!!』 洞穴の中にティガれみりゃの叫びが響き渡る。 『う~~~! 逃げちゃ、めぇ~~なの! はやくもどってくるのぉ!』 ティガれみりゃは、ゆっくりだんごと化したフラン達へ呼びかける。 「う、うぅぅぅぅ……」 「ゆ、ゆっぐり、じねぇぇぇ……」 他ならぬティガれみりゃの手によって、ゆっくりだんごとなったフラン達は、 当然動くこともできず、地獄の苦しみを味わっていた。 極めて高い生命力と再生力を持つゆっくりフランであったが、 数日前にこの洞穴に連れ込まれてからといたものの、食べたのは最初から洞穴内に住んでいたゆっくりや、小動物だけ。 ろくな食事もとらぬまま体を貫かれたフラン達は、本来の再生力も発揮できず、間もなく息を引き取った。 『う~~? ふりゃ~~ん?』 フラン達の様子がおかしいことに、ようやく気付いたティガれみりゃ。 が、時すでに遅く。ゆっくりだんごとなったフランは、二度とティガれみりゃの声に反応することはなかった。 『うぁぁぁぁぁっ! なぁんでだどぉぉぉっっ!?』 数匹とはいえ、フランが死んでしまったことを知り、 ティガれみりゃはこらえていたものを一気に噴出させる。 『うわぁぁぁぁぁぁん!!』 その鳴き声は凄まじく、洞穴を反響して振るわせる。 『しゃくやぁー! しゃくやはなにしてるんだぉー! ふりゃんがぁーーーっ!!』 来るはずもない、遺伝子に刻み込まれた従者の名を連呼するティガれみりゃ。 ドタンと大の字に倒れ込み、仰向けのまま手足をバタバタさせる。 『ひっく、ひっく、ひっく……うぅー…ふりゃーん……』 嗚咽を続けるティガれみりゃ。 『うぅ……うぅ……』 ティガれみりゃの涙は本物であった。 ティガれみりゃには、"ゆっくりフランを自分の巣に閉じこめて愛でようとする"習性があるのだ。 ゆっくりフラン達からすればたまったものではないが、 ティガれみりゃからすれば良かれと思ってやっていることだった。 『……うぅ……うぅ?』 ひっくひっくと肩で泣くティガれみりゃ。 やがて、涙もかれてくると、今度は眉根をへの字にしかめさせた。 『うぅー……泣いたら、おなかがへったどぉー♪』 今までの涙がウソのよう。 すっかりいつも通りの下ぶくれスマイルを作って、自分のお腹具合を心配しだすティガれみりゃ。 れみりゃ種……ひいてはゆっくり全体に見られるこの思考の切り替え・責任転嫁は、 あるいは"辛いことはさっさと忘れる"ことでゆっくりしようという、ゆっくり達なりの知恵なのかもしれない。 『うっうー♪ 今日はひさしぶりにぷっでぃーんが食べたいどぉー♪』 そう言うと、れみりゃは自らの体を起こそうとする。 起こそうとして……違和感を覚える? 『う~、はやくぷっでぃん食べにいくどぉ♪』 せーの! 体を起こそうとするティガれみりゃ。 『う~♪』 よいしょ! 『うーーっ!』 こらしょ! 『うーーっ! うーーーっ!!』 ティガれみりゃは何度も上半身を起こそうと試みる。 しかし、起きあがれるのはせいぜい頭部のみで、 筋肉のついてないお腹はすぐにプルプル震えだし、力尽きてしまう。 ずてーん! 体を起こすことができず、ティガれみりゃは後頭部を地面にぶつける。 『ぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~っ』 後頭部の痛みに、ティガれみりゃは鼻の上のあたりを真っ赤にしながら、声にならない嗚咽をもらす。 その後も何度か起きあがろうとするが、結果は同じだった。 『うわぁぁぁぁん! 起きられないどぉーーーっ!』 泣き出すティガれみりゃ。 ゆっくりゃザウルスにも見られる傾向であるが、 ティガれみりゃもまた、仰向けに倒れてしまうと中々立ち上がることができないのだ。 『しゃくやぁぁぁ! はやくおこしてくれないと、なーいちゃうぞぉーー!』 既に泣いてるって! 洞穴に残されたゆっくりフラン達が、心の中で一斉に突っ込む。 そして、捕食種の本能がそうさせるのか、起きあがれないティガれみりゃを見ると、 ゆっくりフラン達は一斉にティガれみりゃへの攻撃を始めた。 今、一斉攻撃をすればティガれみりゃを倒せると判断したのだ。 「うぅーっ!」 「ゆっくりしねっ!」 「ティガれみりゃはしねっ!」 「ゆっくりしないでしねぇぇ!」 「しねしねしねしねぇぇぇーーっ!」 ゆっくりフラン達の怒濤の攻撃。 噛みつき、体当たりし、にくまんの顔に拳を打ち込み、 レーヴァティンと呼ばれる突起物をガシガシ叩きつける。 これだけの集中攻撃を受ければ、たとえドス種であってもひとたまりもないだろう。 ゆえに、経験したことの無い脅威に対して、本能が誤った判断を下したとしても責めることはできない。 『うぅぅ~~~? ……ふりゃんたち、れみりゃをなぐさめてくれるのぉ?』 フラン達の攻撃を受ければ受けるほど、ティガれみりゃは徐々に泣きやんでいく。 ティガれみりゃに、ふらん達の攻撃は効いていなかった。 それどころか。 『う~~♪ くしゅぐったいどぉ~~♪』 とうとう下ぶくれスマイルを取り戻し、きゃっきゃと喜びはじめてしまった。 「「「うぅーーっ!?」」」 自慢の攻撃が全く効いておらず、流石に驚愕をあらわにする、ゆっくりフラン達。 もし、ティガれみりゃが起きられずに泣いている間、ティガれみりゃに構わず逃げ出していたらなら、 今頃このフラン達は気持の良い満月の夜空を謳歌していたことだろう。 しかし、もう遅い。 「しねっ!しねっ!」 『う~~~?』 ティガれみりゃのにくまん顔に馬乗りになり、拳を打ち続けるゆっくりフラン。 その姿を見たティガれみりゃは、肉まん脳をフル回転させる。 『うー! ひらいめいたどぉー!』 ティガれみりゃは、うんしょ、うんしょと、 苦労しながら体を回転させ、徐々に俯せの姿勢へとなっていく。 その間、ティガれみりゃの体にまとわりついていたフラン達は振り落とされ、 離陸に失敗したものは、そのままティガれみりゃの体に押しつぶされてしまった。 俯せになったティガれみりゃは、両手を使い、上半身を起こす。 と同時に、膝を立て、両手と組み合わせることで立ち上がっていく。 『う~~~~! やったどぉ~~~~!』 バンザーイ!と両手を大きく広げて、立てたことをアピールするティガれみりゃ。 『すっごいどぉー! れみりゃはやっぱり天才だどぉ♪』 「「うううううう……」」 喜びを爆発させるティガれみりゃに対し、 フラン達はせっかくのチャンスを無駄にしてしまったことを悔しがる。 『うっう~うぁうぁ♪ うっう~うぁうぁ♪』 どったばったと手足を動かし、洞穴の中で踊り出すティガれみりゃ。 ティガれみりゃが踊る度に、洞穴が揺れ、天井からは希に小さな石つぶが落ちてくる。 身の危険を感じ、洞穴の奥で一カ所にかたまるゆっくりフラン達。 『ティガ☆れみ☆りゃ☆う~~~♪』 ご自慢のダンスを踊りきり、最高にハイになるティガれみりゃ。 やっぱり自分ってば凄い! かわいいし! かっこいい! 頭もいい! こうまかんのおぜうさまにふさわしい、すてきなれでぃーだ! ティガれみりゃは御機嫌なまま、洞穴のすみっこに固まるフラン達に向き直る。 さぁ、こんどは何をして遊ぼう? そんなことをティガれみりゃが考えた時だった! 「……ぅー」 『うっ?』 ティガれみりゃは、頭の奥の方で、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。 「……ぅーぅー」 まただ。 やっぱり誰かが自分のことを呼んでいる。 だって、あたまのなかで声がするんだもん。 そう結論づけたティガれみりゃは、周囲をきょろきょろ見回したのち、 どったどったと慌てて洞穴の外へと出て行く。 「…う?」 残されたフラン達は、その様子を不思議そうに眺めていた。 洞穴の外。 ティガれみりゃはそらを見上げて目をこらす。 『うー……、うー……、うーっ♪』 空を飛ぶあるものを見つけ、歓声をあげるティガれみりゃ。 空を見上げる視線の先では、うーぱっくの親子が満月の夜空を横断していた。 『う~~♪ まっでぇぇ~~♪』 うーぱっく達を見つけたティガれみりゃは、 そのままうーぱっく達の後を追って歩いていく。 『う~♪ まつんだどぉ~♪ れみりゃもおそらをとぶんだどぉ~♪』 よったよった、どったどった。 よったよった、どったどった。 ティガれみりゃは楽しそうに、うーぱっく達の後を追う。 空を飛ぶうーっぱくと、地面をどすどす歩くティガれみりゃでは、どんどん間の距離が離れていってしまう。 現に、すでにうーぱっく達はれみりゃの視界から消えていた。 しかし、れみりゃには不思議な確信があった。 このままこちらへ歩いていけばよいのだと。 「ぅーぅー」 「ぅーぅー」 「ぅーぅー」 だって、頭の中にあのうーぱっく達の声が聞こえてくるのだから。 そして、この声の先には、だいたい美味しそうなおまんじゅう達がいっぱいいるのだ。 『う~~♪ まっててねぇ~ふりゃ~ん♪』 笑顔で闊歩するティガれみりゃ。 ふと空を見上げると、おしそうな真ん丸お月様が輝いていた。 まるでおまんじゅうみたい。 でも、色はぷっでぃーんに近いかな? そんなことを考えながらティガれみりゃは木々を押し倒していく。 こんなにもお月様が美味しそうだから、歌っちゃおう♪ ティガれみりゃは短くずんぐりむっくりした手足を、うぁうぁと動かす。 『ティ~ガティガティガ♪ ティガれみりゃ~♪』 一方、その頃。 洞穴に残されたフラン達は、ティガれみりゃがいなことを確認して、月夜へ飛翔を開始していた。 余談だが、その後しばらく、ゆっくりフランによる必要以上のれみりゃ種への虐待が続いたという……。 to be continued 次回予告 『ティガれみりゃ3・(タイトル未定)』 ============================ (あとがき) byティガれみりゃの人 ……とか名乗っておいた方が良いのでしょうか? どうも、前回『ティガれみりゃ』を書いた者ですm(_ _)m とりあえず今回が2回目です。 1回目を書いた時点で、今回の範囲まではほぼ終わっていたので、 連日になってしまいましたが、upさせていただきました。 (少しでも楽しんでいただければ幸いです) その3は……しばらくお時間をいただくことになるかもしれません(汗 なお、作中のティガれみりゃとうーぱっくの関係ですが、 某有名怪獣映画のとある設定のオマージュにだったりしますw ============================ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3515.html
ゆっくりいじめ系115 ゆっくり研究者のある1日制無 ゆっくりいじめ系148 ゆっくりフランのある休暇虐制家捕 ゆっくりいじめ系193 ゆっくり魔理沙の憂鬱虐制家性共捕 ゆっくりれみりゃ系いじめ27 ゆっくりれみりゃの調教(基盤)そ薬捕無 ゆっくりれみりゃ系いじめ28 ゆっくりれみりゃの調教(応用)そ捕家性無 ゆっくりれみりゃ系いじめ29 ゆっくりれみりゃの調教(試験)そ捕家無 ゆっくりいじめ系350 ゆっくりアリスの撃退記録制性家 ゆっくりいじめ系1073 ゆっくり視点 ゆっくりいじめ系1753 制裁的繁殖 ゆっくりいじめ系2139 未熟児 ゆっくりいじめ系2414 あるゆっくりふらんの調教記(前編) ゆっくりいじめ系2415 あるゆっくりふらんの調教記(後編) ゆっくりいじめ系2532 やかんほいくじょ
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/738.html
捨てられみりゃ 8KB 虐待ありません。 泣きめぇ丸の後の話です。 次からはちゃんといじめます。 「捨てられみりゃ」byガッツあき 小腹がすいたので近くのコンビニに出かけることにした。 夜中に間食。 体重的にあまりよろしくないがストレスで禿げるよりはいくらかマシだろう。 そう割り切って外に出た。 コンビニまでは小さな公園を通る。 昼間はよくゆっくりどもがたむろしていてウザイことこの上ないが 夜間はあいつらも眠っているのか静かだ。とてもいい。 このへんには捕食種もいないしな。 つーか街中のほうが捕食種生き残れるんじゃねーか? まぁ一応希少種だから見つけられ次第捕獲されるのか…。 いや、そもそも野生のれみりゃとふらんは日光苦手だっけか。 そんなどうでもいい事を考えながら歩いていたら、珍しい光景が目に入った。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「うー!うー!」 「ゆっくりしね!」 「ぎゃーおー!」 胴なしふらんが三体。 胴有りのれみりゃが一体。 しかもあのれみりゃ、ふらんを庇ってるのか? ふらん二体がれみりゃとよく見たら帽子のないふらんを襲っていた。 襲われたふらんは完全に萎縮してしまっているようでれみりゃの背に隠れて震えている。 れみりゃは気丈にも木の枝を振り回して天敵のふらんに応戦していた。 だが涙目だ。もう長くないだろう。 しばらく観察して居たかったが空腹は限界。 しかも気分はカップラーメン。 コンビニでお湯を入れてもらってあいつらに「そおい!」してもいいが それまではきっとれみりゃが持たないだろう。 さて、販売分のふらんが不慮の事故で減ってしまったから補充してもいいだろう。 ふらんをかばうれみりゃっつーのも面白い。 捕食種が欲しかったところだ。捕まえて飼うのもいいだろう。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「う゛ーっ!ふらんはれみぃがまもるんだどぉー!」 「うー…」 「しね!ゆっくりしね!」 あ。一匹が焦れてふらんの方に行きやがった! 「ちょっと待てーい!ゆくと殴打拳!!」 慌ててふらんの方へ駆けてパンチを二発食らわせてやった。 必殺技っぽいのは掛け声だけで実際は只のパンチだ。 ただし食らわせた箇所は羽の付け根辺りだ。 このあたりはゆっくりの神経らしきものやツボらしきものが多数存在するらしく 初心者でも「ゆくとの拳」のゆっくり神拳継承者気分に浸れるのだ! ちなみにいくつかのツボは把握しているのでめーりんに「あべし!」と言わせることも可能だ。 めーりん好きだからやらないけどね! 激辛餡が飛び散って自分に被害が大きいしね。 ふらん二体は地に落ち、れみりゃたちは呆然とこちらを見上げていた。 「あー…大丈夫かよ?」 「う゛ぁー!!ごわがっだんだどお!」 「うー!うー!」 涙目の二匹をよそに倒れた二体のバッジを確認する。 ふらんやれみりゃは町には滅多に現れない。 だとしたら飼いである可能性が高い。 運動もかねてゆっくりだけで散歩に行かせる可能性だってある。 「あーあ。やっぱりか」 二体のふらんにはゴールドバッジがあった。 傷ついたれみりゃ達には無い。 「うー…?」 「う゛あ゛ー!このふらんはばっじつきなんだどぉ!ごろざれじゃうどぉー!」 「う゛ー!」 うあー!と泣きだす二匹。 バッジシステムを知っていると言うことはこのれみりゃたちは野生ではない。 野良のれみりゃなど聞いたこともないし、と言うことはこいつらは飼いゆっくりだったのだろう。 「う゛ーっ!れみぃたちはもとかいゆっぐりなんだどぉ! でもごーるどばっじのこうしんしけんにおちてすてられたんだどぉ!」 「あらら…んで?」 「ぞんなばがなゆっぐりはいらないっで!ふらんをがってぎだんだどぉ!」 「あぁ、始末されてたわけね。納得。そっちのふらんは?」 「れみぃのいもうどなんだどー!ぺっとしょっぷからいっしょだったんだどぉ!」 「へー」 しかし希少種好きなのか?その飼い主。 つーか金持ちだな…。 「うん。わかった。でもバッジゆっくりに手を出した(のは自分だが)んだから殺されちゃうね」 「いやだどー!ぜっがぐだすがっだのにぃぃ!!」 「うー!」 「まぁまぁ。悪いようにはしないさ。俺の言うことさえ聞けばな」 れみりゃはかなり賢いゆっくりだった。 ショップで買えばかなりの高値がつくだろう。 こんなゆっくりを捨てるなんて、やはり金持ちの気持ちはわからん。 ポケットから常に持ち歩いてる胴バッジをれみりゃとふらんに取り付けてやる。 「う?」 「ブロンズバッジだ。最低ランクのバッジだけど、これでお前らは俺の飼いゆっくりだ」 「うー?」 「わからないか?金バッジが銅だろうと他人の飼いゆっくりに手を出したら…」 「!お仕置きなんだどー!」 「だから無かったことにするだろうな」 にやっとれみりゃに笑いかけてやる。 納得がいったようでれみりゃの表情もぱぁぁっと明るくなった。 うんうん、れみりゃに似合うのはこういう馬鹿面なんだよ。 特に泣き顔の後の笑顔はいいよね。 また泣かせたくなるって言うか。 「んじゃここで待ってろ。俺は腹が減って死にそうだ。すぐ戻ってくるから待ってろ」 「うー怖いけどがまんするどぉー」 また一点半泣きになるれみりゃ。 「や、待ってることも無いか」 普段から持ち歩いているエコバックを広げ、伸びているふらんをぶち込んだ。 「じゃ、ついて来い」 そう言った途端、れみりゃの顔がまた明るくなった。 あーもうなんだこいつ。食っちゃいたいくらいかわいい! 今は肉まんの気分じゃないけど。 「うっうー!ふらんーおねぇさまといっしょにおさんぽだどー!」 「うー!」 「あー夜も更けてっから静かにしろよ」 仕方ない、ついでにプリンも買ってやるか。 「ただいまー」 「おじゃましますだどー!(小声)」 「うー!(小声)」 「れみりゃ、靴脱げ。ここはこーまかんじゃなくて俺の家だ」 「わかってるどー」 もたもたと靴をぬぐれみりゃの周りをぱたぱたととぶふらん。 間違いなくこいつらはペット用に改良された高級ゆっくりだ。 性格は素直。知識や一般常識も幼児程度はそなわっている。 えさを与えれば与えるだけでかくなる普通のゆっくりとは違い、成長はある程度でとまる。 れいむ種でも22万もしたんだからこいつらは…。 うーん、そういう虐待プレイの一貫だったらどうしような。 まぁいいか。そんときゃそんときで。 「んじゃおまえら、この部屋にいろよ」 玄関から一番近い部屋に二匹を招き入れる。 「ご主人帰宅帰宅。夜中の間食は太りますよ?」 「じゃおーん」 「うるせ。あと新入りだ。仲良くしろよ」 適当にれみりゃとふらんを置いて、こいつら用の夜食も置いてやる。 れみりゃとふらんにぷりん。きめぇ丸にどらやき。めーりんには暴君ハバネロ。 「じゃおーん!」 「…ジョロキアは?と言ってます」 「売り切れだったんだよ」 「じゃおーん…」 しょんぼりしためーりんをひと撫でして扉を閉めた。 隣の仕事部屋へ移る。 未だにのびているふらんを取り出し、バッジを機械で読み取る。 機械の端末に飼い主の情報が映し出された。 目出 愛子…電話番号はっと、あったあった。 「あ、夜分遅くにすみません、私ゆっくりんぴーすの者でして、ええ。 お宅のふらんちゃんが公園で倒れていまして…はい、傷などは見当たりませんが…はい。 もし何かありましたらこちらのほうで手当てをしてもかまいませんでしょうか? えぇ、私ゆっくりブリーダーをしておりますので、はい。わかりました。 では明日一番にこちらに向かわれるとのことで…はい、お待ちしております。 こちらの住所はーーー」 任務完了。 どうやら飼い主さんに許可無く息子さんが外に逃がしたそうだ。 れみりゃたちの話は明日聞き出せたらで良いだろう。 藪をつついて蛇を出すのはごめんだ。 ふたん達は大きめの水槽に移しゆっくりフードも入れておく。 念のために体にオレンジジュースを刷毛で塗って後は放置だ。 あぁ、小麦粉もはたいて…と、これでよし。 あとは明日になるのをまとう。 さて、あとは湯を沸かして飯食って風呂入って寝よう。 …ラーメンはいまいちだった…。 風呂は大変だった。 主にれみりゃが。 「ご主人ご主人」 「どした?きめぇ丸」 「れみりゃたちの寝床はどうします?」 「あー…とりあえず俺といっしょに寝るか」 「では呼んできますね」 ぱたぱたと飛んでいくきめぇ丸。 あいつも傷ついて死に掛けていたところを保護したんだが、今ではすっかり元気になり こうしていっしょに生活している。 ペットというよりは仕事の助手のような扱いだ。 俺の仕事はゆっくりのブリーダーと調教だ。 ゲスに落ちたゆっくりを調教する、最近流行気味の仕事だ。 ゲスは人間に恐怖を抱かない。 それで役立つのがきめぇ丸達捕食種だ。 中でもきめぇ丸種は知能が高くこちらの意図通りに動いてくれ重宝する。 思えばいい拾い物だったなぁ、こいつも。 「ご主人、連れてきましたよ」 「うー…ふらんもおねぇさまといっしょがいい…」 「うぅー…れみぃからもおねがいしますー…」 「あーはいはい。かまわねえよ。じゃ、おやすみーきめぇ丸」 「はい。おやすみなさい」 「じゃおーん!」 「めーりんもお休み」 ドアから体半分だけ出してめーりんがニコニコしていた。 あいつも最近拾ったゆっくりだ。 他のゆっくりからいじめられていたところを保護。 ウチはこんなゆっくりばかりだな。 ベッドに横になる。 ついでにれみりゃも横に寝せ、ふらんは枕元に。 「んじゃおやすみ」 「うー!おやすみ!おねえさま!」 「ふ、ふらん!ふらんのおねーさまはれみぃなんだど!」 「おやすみ!おおきいおねえさま!」 「ぎゃーおー!れみぃにもごあいさつするんだどー!」 「面倒臭いなおまえ」 「ぞんだごどないんだどぉー!!」 「寝ろ」 「おねーさまうるさい!」 「どぼじでぞんなごというのー!?」 「ははは、悪い悪い。けどいじめたくなるんだよねー」 「うあー!れみぃはやさしくされたいんだどぉ!」 「はいはい、そんじゃおやすみ、れみりゃ」 れみりゃの頭を撫でてやる。 「うー…お休みなさい、だどぉ………おねーさん」 「おやすみ、おねーさま。おおきいおねーさま!」 「はいはい、おやすみ」 続く。 れみりゃ絵を描いたらか「次はふらんにいじめられるれみりゃを」と言われて 変な電波を受信してしまった。 れみりゃかわいいよれみりゃ。 風呂が大変だったのはれみりゃがおにーさんだと思い込んでいたためパニックを起こしたからです。 お風呂シーンは諸事情でカットしました(笑) 次はおねーさんのお仕事調教編を予定しています。 泣きめぇ丸も頑張るよ!コメントしてくれた人ありがとね!あまあまよりうれしいよ! トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る お姉さんだったんかい!?(前日憚SSが見当たらないから分からんかった) ↓×3 捕食種と言っても、通常種を襲うだけで食べないという設定が多い。 -- 2018-01-03 17 18 02 続きが気になるんだどー!続き待ってるどー☆ -- 2017-10-29 16 25 53 続ききになるなー 面白かった! -- 2017-01-05 17 29 06 きめぇ丸って補食種だったんですね。 -- 2016-11-25 15 18 28 癒されるわー。(笑) めーりんカワユス(笑) -- 2016-01-30 11 59 46 俺は通常種(れいむ、まりさ)虐待、希少種、捕食種愛でなんだけど、 こうゆうssあって良かったんだどお☆ -- 2016-01-30 11 58 19 あー、歩職種と希少種(めーりんって、希少種だっけ?)は、いやされる -- 2015-10-13 12 44 16 俺って言ってるからおねーさんじゃなくておにーさんじゃないですか?(笑) れみりゃとふらんは癒される! みょんとかも好きだけど、れみりゃが一番好きです!だどぉ! -- 2015-10-10 23 13 10 れみりゃとふらん可愛い~ -- 2015-08-13 02 37 07 れみりゃ愛ではゆっくりできるなぁ -- 2012-04-30 22 20 09 主人公寝るとこまで男かと思ってた! -- 2012-01-04 02 58 41 れみりゃは愛でても虐めても可愛い。 ゴミ饅頭は不快だから潰すけど、れみりゃは可愛いから虐愛でる。虐めるというよりいじるかな? ふらんとかきめい丸はそもそも虐めずに全力で愛でる。 -- 2011-11-12 06 54 08 虐待も愛でも両方好きな自分にはたまらん たまにはこういうのもいいよね! -- 2010-10-17 13 52 08 もう可愛すぎる -- 2010-10-15 15 54 34 いやぁ~れみりゃ愛では癒されるわ めーりんも可愛かった -- 2010-09-24 20 52 38 れみりゃ愛ではゆっくりできる -- 2010-06-27 23 53 53 ↓そうですねぇ。れみりゃをふらんが「おねーさま」って 呼ぶ、仲良し描写はやっくりできますねぇ。 -- 2010-06-16 05 53 47 やっぱりれみりゃがふらんをおねーさんだから庇うってのは可愛いなぁ -- 2010-03-02 02 01 29
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/101.html
※以前某所に投下したゆっくり姉妹のリメイクになります。 「うー♪、うー♪」 「あはは、こっちだよ。おいで。一緒に遊ぼう」 これは何の冗談なのだろうかとレミリア・スカーレットは思った。紅魔館の中での出来事である。 目の前に自分とよく似た帽子と羽をつけた饅頭のような物体が妹のフランドール・スカーレットとじゃれあっている。 うー、うーと鳴きながら屈託のない笑顔でフランと笑いあい、どのような原理かあの小さな羽で空を飛び、妹と追いかけあっている。 「咲夜、あの不快な物体は何?」 「私にも何がなんだか・・・」 と、従者に対して聞いてみても彼女も何もわからないようでただオロオロとうろたえるばかりであった。 彼女がこのようにうろたえることは滅多にない。しかし化け物ぞろいの幻想郷の中でも紅い悪魔と恐れられたレミリアと 似た饅頭のような物体が、幻想郷最狂と恐れられる悪魔の妹フランドール・スカーレットと並んでいる光景は 彼女であっても目に余る光景だった。咲夜は 「パチュリー様は何かご存知ですか?」 と、紅魔館の頭脳、パチュリー・ノーレッジに対して質問を振ってみると、すらすらと答えた。魔術を研究しているだけあり、 様々な事態を知っているのだろう。 「あの物体の原理は私が作った泥人形と酷似しているわね。とりあえず幻想郷で問題を起こしそうで、 ああいうものを作れる技術と頭脳を持つ人物を片っ端からあたってみなさい。」 と、何か思い当たる節があるようだったが面倒ごとは御免だとすぐに図書館に引きこもってしまった。 自らのプライドと居場所を破壊された気分となったレミリアはこの異変の犯人探しをした。頭脳と技術をもち、 あのような研究に対して好奇心を持っている人物。幻想郷では数人しかいない。そして数件当たった後、永遠亭に殴り込みをしたところ、 黒幕は八意永琳であったと知ることになった。レミリアは霊夢と魔理沙に似た大量の饅頭たちに出迎えられることになった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「誰がするかぁ!!」 レミリアは怒髪天の状態であった。 「まぁ、ゆっくりしていきなさいよ。詳しく話すから。」 永琳が言うには、パチュリーが以前図書館を幻想郷の住人の髪と泥を触媒にした、 髪の持ち主とよく似た泥人形を使って防衛したという話(黄昏フロンティアより発売中のぱちゅコン参照)を聞いて、 面白そうだと思って制作に取り掛かったところ、あのようなものができてしまったらしい。 今では幻想郷に溢れかえっているようである。通称は【ゆっくり】。ゆっくりしていってねという鳴き声を発することからつけられた。 ゆっくりは葉緑体もないのに光合成ができる。少女達が当たり前のようにそれを飛ぶ幻想郷では常識はすぐに覆される。 そのため、特に何を食べるでもなく日向でゆっくりしていけば生きていける事が由来であると永琳は言った。 「やっぱり原材料に泥じゃなくて餡子やひき肉を使ったのがまずかったのかしらねぇ。泥でよごれるのが嫌だったし、 餡子ならおなかがすいたら食べれるからいいかなって思ったんだけど。それよりどう?永遠亭名物になったゆっくり饅頭」 目の前に皿に乗ったゆっくりまりさが挑戦的な顔をしてレミリアに語りかけてくる。 「おいしくたべてね!!!」 「誰が食べるかぁ!!気色悪いわ!」 頭痛を抑えながらレミリアは永琳に食って掛かる。 「あの饅頭どもを一匹残らず始末しなさいよ。これから饅頭大食い大会でもしなさい。白玉楼の大食い亡霊でも呼んでさ。 でないとあんたが不死であることを後悔するような地獄を見せてやってもかまわないのよ」 「別にいいじゃない。特に害があるわけでもないし。それによく見たらかわいいわよ。おいしいし。ゆっくり愛でてあげたら。」 ゆっくり達はおいしいという言葉に反応してふてぶてしい顔をしていた。食べられることに恐怖を感じないのであろうか。 目の前で小さいれいむ型のゆっくりが永琳に食べられているが、平気そうな顔をしていた。 「おいしいわよ。ゆっくり。ありがとう。」 「ゆっくりよかったね。れいむはうれしいよ!!」 それどころか永琳がおいしいわよと食べられているゆっくりに話しかけるととても満足そうな顔をしていた。 人工物だけあって恐怖を感じないようにできているのだろうか。 「馬鹿も休み休み言いなさいよ。あんなものがうろついていたら私の評判にも関わるのよ。」 レミリアはそう言っていたが、内心では自らのカリスマ性の低下よりも、フランと何の屈託もなくじゃれあう姿を見て、 嫉妬を覚えたことのほうが心の大部分を占めていた。 ありとあらゆるものを破壊する程度の能力。これがフランドール・スカーレットが持つ能力であった。彼女は精神的に幼く、 それに対して能力は凶悪なものであった。そのためにレミリアは彼女の危険性を恐れ、 そしてそれ以上にフランドールを世話する紅魔館の住人を壊し、 彼女が一人ぼっちになることを恐れて数百年にわたって地下に幽閉してきた。たった一人の肉親である妹。 レミリアは妹を守ろうとするあまりその世界を閉ざしてしまった。この数年間で様々なことがあってフランドールは外の住人を知り、 能力の制御も徐々に可能となったので、地下室から出るようにもなった。 しかしレミリア自身はこれまでの負い目もあってかまだ妹と屈託なく接することはできなかった。 「とにかく今更遅いし、大量生産しちゃったけど、さすがに増えすぎちゃったからこれ以上作ることはないわよ。 これも縁があったと思って寿命がくるまでゆっくり世話をしてあげなさい。 博霊神社の巫女は自分をモデルにしたゆっくりを可愛がってあげているそうよ。 小動物の世話をするのってお宅のフランドールちゃんの情操教育にもいいと思うし。」 と、無責任なことを言って永遠亭を追い出された。レミリアは頭を抱えながら紅魔館へと帰ることにした。 あの薬師には後で報復を行うとして、当面の問題としてあの【ゆっくり】と呼ばれた物体をどうするかが問題であった。 あのような物体に嫉妬心を覚えている自らに自嘲しながら、これからどうするか途方にくれていたところ、 永遠亭の方より何かを抱えて向かってくる者がいた。月の兎である。何か嫌な予感がする。彼女はレミリアの前で止まると、 抱えていた物体をもってこう言った。 「すいません。師匠がついでならこの子も連れていって欲しいって「ゆっくりしね!!」」 そこにいたのは、フランドールに似た帽子と羽をもったあの饅頭だった。 「、う゛ー、こあ゛い、こあ゛い、ざぐや~~!」 「うー、ゆっくりしね!ゆっくりしね!!」 ゆっくりフランにゆっくりれみりゃが追いかけられ、苛められていた。 あれが本当に自分達姉妹をモデルにしてできたものなのだろうか。あの力関係は一体何なのだろう。 ゆっくりれみりゃは泣きながら逃げていた。ゆっくりは食べられたり料理されるのは平気でも、 誰かに苛められるのはいやであるらしい。ゆっくりフランはかなり攻撃的だった。同属に対する縄張り争いであろうか。 それにしてもゆっくりれみりゃの弱さにレミリアは見ていて悲しくなった。 「ほら、苛めちゃだめじゃない。仲良くしないと遊んであげないよ。」 フランドールが仲裁に入る。すると不思議なことにゆっくりフランはすぐにゆっくりれみりゃを追い掛け回すのをやめた。 自分のモデルだけあってか母親のようなものなのであろうか。フランドールは二匹にかけよると、両手に持って抱きしめていた。 「姉妹なんだから仲良くしなきゃいけないんだよ。ほら、仲直り。」 「う゛―、ゆっくり・・・」 「うー、なかなおり♪ゆっくりなかなおり♪」 ゆっくりフランはしぶしぶゆっくりれみりゃのほほに自らのほほを当てて、仲直りの証のようなものを立てた。 ゆっくりれみりゃは先ほどまでの事をもう忘れたのか、無邪気に笑っていた。 「それでお嬢様は断ることが出来ずに連れてきてしまったというわけですね。」 と、門番である紅美鈴につっこまれることになった。 「しょうがないじゃない。材料に通常の餡子ではなく、一組の肉まんと餡まんを使ったあの二体はいわば姉妹。 私とフランの形をしたゆっくりはあれだけだっていわれたら、連れてこないとって思うわよ。その結果があれよ・・・」 レミリアは咲夜と紅美鈴と共に、二匹に増えた【ゆっくり】とフランドールの姿を遠目に眺めながら語り合っていた。 美鈴はうれしげに語った。 「でも、これでいいのだと思います。フランドール様のあのお顔を見てください。まるで妹が出来たようにうれしそうではないですか。 あのように生き生きとしたお顔は魔理沙さんが来たときとはまた違ったものがあります。」 レミリアは頬杖をつきながら 「なんというか複雑なのよ。咲夜にも言ったけどあの物体がフランと何の屈託もなく仲良くしているところをみると、 今まで私がフランを地下に閉じ込めてきたことは間違っていたのではないかって。」 咲夜がそれを否定する。 「お嬢様、そう物事を後ろ向きに考えないでください。お嬢様が今までフランドール様を心配していたためにしてきたことだというは フランドール様もきっとわかっていてくださっているはずです。今はこの状況がフランドール様により良い影響が残せるようにと 見守っていただくことが大事なのではないかと思います。」 そう言って美鈴と咲夜はその場を後にした。 レミリアは内心彼女達に感謝しながらこれから先どうするか頭を悩ませた。 これがフランのためになるとはいうものの、この先のことはどうなるのか考えが浮かばなかった。 幻想郷に乗り込んできたとき以上に非現実的な事態だ。そのときフランドールが満面の笑みでレミリアに向かって近づいてきた。 「ねぇねぇお姉さま。お願いがあるの」 「どうかしたのフラン」 「この子達に名前をつけてあげてもいい?」 名前くらいなら別にかまわないだろう。あの物体をお姉さまと呼ばれた日にはショックのあまり灰になってしまうだろうという 恐れもあった。 「別にかまわないわよ。どういった名前をつけたいの」 「こっちの私に似ているのがゆフラン、お姉さまに似ているのがゆっくりゃよ」 そのまんまじゃん。やっぱり自分が名づけ親になってあげるべきだったとレミリアは二匹に同情した。 ちなみにこのレミリアは自分の弾幕に不夜城レッドや全世界ナイトメアなどという 斬新にもほどがある名前をつけるネーミングセンスがあるが、そのことは棚においていた。 「咲夜さん、お仕事お疲れ様です」 「こっちこそお疲れ様美鈴。こういう事態は免疫がないからお互い大変ね。」 ここは厨房であった。ゆフランとゆっくりゃは他のゆっくりと違い、吸血鬼がベースなので光合成ができない。 そのため、あの二匹がどのようなものを食べるのかわからなかった。しかし美鈴がコッペパンを渡したところ、 おいしそうに笑顔でうーうー鳴きながら食べていたので、 それならもっとおいしいものを食べさせてあげようと咲夜が腕によりを掛けて食事を作ることになったのである。 「誰だってそうですよ。このような事態、想定しろっていうほうが無理です。それよりおいしそうですね。」 「いくら人形とはいえどお嬢様の一部から生まれたものをぞんざいに扱うことなんて出来はしないわ。それに、 あんなに嬉しそうなフランドール様を見ることは初めてだしね。」 「そうですね。そう考えると永琳さんにも感謝をしないといけないですね。ただ、お嬢様は複雑そうでしたけど・・・」 「大丈夫よ美鈴。お嬢様はフランドール様のことを第一に考えているわ。きっと今回の異変もよい方向に向かってくれるはずよ。」 「そうすんなりいけばレミィも苦労はしないんだけどね。」 いつの間にかパチュリーがそばに立っていた。 「どういうことです。何かあるんですか。」 咲夜と美鈴が尋ねる。 「あの二匹と妹様を見てレミィが自分達と重ね合わせて複雑な思いをしなければいいんだけどね。あの子達は決して本人ではない。 そこを踏まえておかないと。」 ぱちゅりーは頭にある疑問がわいた。 「それに、餡子や肉まんををベースに作られたっていうのが気になるわね。賞味期限はいつなのかしら・・・。」 その後の夕食の席ではレミリア、フラン、ゆフラン、ゆっくりゃの二人と二匹で食卓を囲んだ。 ゆっくりたちは手がないので誰かが食べさせてあげる必要がある。 「はい、こぼさないようにたべるんだよ。」 フランは二匹を膝の上に載せて食べ物を食べさせるようにしていた。まるで赤子に対して母親がするかのように。 「うー、おいしいね♪ふらん、おいしいね♪」 「う゛―、ゆっくり♪」 ゆっくりゃは笑顔が浮かび、そしてうれしそうな声で鳴いていた。ゆフランもまんざらではなさそうだ。 それを見てフランもまた笑っていた。 レミリアはその雰囲気になじめなかった。自分が姉としてフランにしてやれなかったことをフランはあの二匹にしてあげている。 自分は姉として本当に正しかったのか疑問に思った。 その後、ゆっくりゃとゆフランは紅魔館にあっというまに馴染んだ。最初はメイドたちも戸惑っていたようであったが、 慣れてくるととてもかわいいと評判であった。今ではフランと共に二匹をかわいがる光景さえも見られるようになってきた。 「はい、おやつのプリンですよ。」 「ぷりん♪ぷりん♪」 「うー♪」 咲夜におやつを与えられると二匹はとてもうれしそうに飛び回った。 さらに、咲夜だけではなく隠れておやつを与えているメイドもいるらしい。 パチュリーは興味なさそうな姿勢をとっていたが、あるとき影でゆっくりゃの頭を撫でていた。 「永遠亭の薬師は薬以外にもたいしたものね。けっこうかわいいじゃない。え~と、ゆっくりしていってね!?だっけ?」 「ゆ、ゆぅ、ゆ~♪」 そこにタイミング悪く小悪魔が近づいてくる。 「パチュリー様、何をしているんですか?」 「小悪魔、ち、ちがうの・・・これは・・・、ゴハァ!!」 小悪魔に目撃され、ショックのあまりパチュリーは口から血を吹き出してしまった。 美鈴のところに遊びに行くこともあった。二匹は夜行性なので夜は外に出たくなることがある。そのようなとき、 遠くまで行くのは危険なので、紅魔館のまわりをフランと共に飛び回ることがある。 そのときに夜勤をしていた美鈴のところで一緒に遊ぶこともある。美鈴は一人で長い夜を過ごさずにすんだのでとても喜んだ。 「ゆフラン様、いうことを聞かないゆっくりはこの特性の蒸篭で蒸し饅頭にする妖怪がおしおきにくるんですよ~~」 「うわぁぁぁぁぁ!!ゆっくりしねぇ!」 そうやって美鈴はゆフランを蒸篭を持って追い掛け回す。美鈴は本気ではないのだが、 ゆフランは全速力で逃げた。ゆっくりのくせに料理されるのが嫌なんて変わっている。 攻撃的なためか、苛められることはおろか料理されることにまで嫌がるのであろうか。 ちなみにこの後やりすぎたとのことで美鈴は咲夜にナイフ千本を刺されることになる。 しかしレミリアは未だに二匹に対して馴染めなかった。 中篇へ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/268.html
『その1 ホームラン』 「ゆっくりしていってね!!!」 「うわ、なにコイツ!?」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ちょっと、掃除の邪魔だからあっちに行きなさい」 「ゆっくりしていってね!!!」 「だから、邪魔だってば」 「ゆっくりしていってね!!!」 「だからぁ……はぁ……人の話は聞かないのね」 「ゆっくりしていってね!!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 「む゛っ!」 「……なによ」 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!」 「はいはい、おもしろいおもしろい」 「ちゃんとゆっくりしていってよー!!! もっとゆっくりしていってよー!!!」 「ああもう、いい加減鬱陶しいわよ」 「もっとゆっくりしてね!!! しっかりゆっくり゛ゆ゛ぶっ!??」 「たーまやー、と。あら、よく飛ぶわ」 『その2 ファイナルマスパ』 本日の幻想卿は晴天なり。 カランカラン……。 少々古臭い印象のある、古道具屋――香霖堂の扉が開く。 「香霖、じゃまするぞー」 言って店の敷居を跨ぐのは、白黒のエプロンドレスに魔女帽子という衣装をした魔法使いの少女だった。 活発そうな雰囲気を放つ彼女は何時もの如く勝手知ったるなんとやら、とばかりに店内に足を踏み入れたのだが、しかし、出迎えた声は彼女が聞きなれた店主の声ではなかった。 「ゆっくりしていってね!!!」 「うを!?」 突然上がった大声に一瞬身体を硬直させる。 思わず少女の顔に怪訝な表情が浮かび、声の発生源は何処だとおもむろに辺りを見回すと、店の奥に店主の姿が見て取れた。 いつもの定位置にて、彼女の来訪に気付いた店主は、苦笑を浮べながら少女に挨拶を寄こした。 「はは、魔理沙、良く来たね」 先ほどの大声があった為か、少しばかり構えた態度で魔理沙と呼ばれた少女は店主に視線を向けた。 見ると、その傍らになにやら奇妙な物体があるのが目に映る。 「ゆっくりしていってね!!!」 大きな、一抱えほどもある丸い物体。 「……………………」 魔理沙はおもむろにそれに近付き、ずっしりと重みを感じるソレを持ち上げる。 「ゆっくりしていってね!!!」 「……なんだこりゃ。新手のまんじゅう妖怪か?」 じろじろと観察してみる。 一言で言えば、巨大な饅頭に顔がついているような印象だった。 金の頭髪に、黒の魔女帽子。 ――鏡を見れば視界に映りそうな見てくれだった。 両手で持ち上げられたソレは、輝くような笑顔を浮かべ口を開く。 「ゆっくりしていってね!!!」 思わず溜息を吐き、店主に視線を移した。 「いつから香霖堂はこんな珍妙すぎる妖怪を飼うようになったんだ?」 「飼うようになったというか、気が付いたら居たのさ」 今朝早く、倉庫の品物の整理をしている内に、いつのまにか店内に居座っていたらしい。 それなりの大きさで、外に出すにも一苦労をし、追い出そうとしても勝手に戻ってくるので放置していたそうだ。 「あまり実害は無いみたいだしね」 「ゆっくりしていってね!!!」 妙な生き物だ、と魔理沙は微妙な表情を作り、再び溜息を吐いた。 「はいはい、勝手にゆっくりしていくさ」 同じ言葉を只管に連呼する物体を床に下ろし、戸棚に歩み寄る。 なぜか足元に纏わり着く物体が少々煩わしかったが、それ以上気にする事も無く戸に手を伸ばし、横に滑らせる。 その棚自体は古い物のように見受けられたが、店主の手入れが良くされている為か、戸はすんなりと溝を滑っていった。 中を確認する。 「ん?」 何も見当たらない。 次いでその奥へと手を伸ばしてみるが、望んだ感触は得られなかったらしく首をかしげて店主を振り向いた。 「香霖、茶筒が無いぞ」 「あー魔理沙、お茶かな?」 「それと煎餅だ」 私のお気に入りだったのにと、憮然とした表情を浮べる魔理沙に対して、香霖と呼ばれた店主はどうしたものかと視線を彷徨わせる。 次いで頬を人差し指で掻く仕草をし、おもむろに脇でにこにこと妙な笑顔を振りまく物体に視線を落とした。 その意味が分からず、仕方ないとばかりに今度は別の引き戸を開けて湯飲みをとりだそうとする魔理沙。 茶葉も煎餅も、別に切らしているわけではない。 魔理沙が自分用にと取っておいた分が無くなっていただけで、この古道具屋にはまだあった筈だった。 そう思って魔理沙は愛用の湯飲みを取ろうと引き戸を開けるが、 「あれ?」 開けた戸の中は、またも空だった。 これには益々表情を険しくし、少々拗ねたような口調で店主へと口を開いた。 「湯飲みも無いぞ」 その台詞を受けて、店主は再び傍らの物体へと視線を向けた。 「魔理沙、すまないんだが実は――」 と、店主が口を開いたのと被せるようなタイミングで、 「おいしかったー!!」 物体はにっこりと笑顔で、事実を口にした。 「……………………」 「……………………」 「とってもおいしかったよ! また食べたいな!」 妙な沈黙に包まれる二人、対して物体は上機嫌で笑顔を飛ばしている。 「……湯飲みもか?」 「……………………」 「ごめーん! ゆるして!」 無言で傍らの物体を指差す店主。 物体は特に悪びれた様子も無く、笑顔を魔理沙に向けている。 自分の行動に悪意を感じていないのか、責任があると思っていないのか、魔理沙の心情を慮ることもせずに物体は彼女に擦り寄ってくる。 魔理沙は本日何度目かになる溜息を吐いた。 「ちゃんと喋るんだな、こいつ――って違う。実害、あるじゃないか……私に対して」 実害が無いのは香霖、お前に対してか。と胡乱な瞳を向けられ、しかし店主は苦笑を返しただけだった。 「少し見ていると気付くと思うけど、その妖怪は見た目どおりに魔理沙の真似をしたがるんだよ」 店主は呆れたような表情で説明をする。 その妖怪は、魔理沙の使用品に興味を示し、なんでもかんでも使って見せようとしていたらしい。 見れば、店主の隣にあったのは魔理沙がいつも敷いている座布団だ。 そこにあったということは、先ほどまで目の前の物体がそこに座っていたという事だった。 その他にも、その座布団の周囲には色々と見覚えのある物品が散らかっていた。 思わず、魔理沙の額に青筋が浮かぶ。 「――湯飲みを割ったのは、お茶を飲もうとしてだろうね。ただ、手が無いからどうにかこうにか湯飲みを取り出した後に、小突いて割ってしまったんだ」 手が無いから湯のみが持てず、工夫しようとしているうちに体当たりで砕いてしまったそうだ。 煎餅はそのまま食べて、茶葉もそのまま食べたらしい。 どうやら雑食のようだ、と、店主は語った。 「あー、あー、あー……と。じゃあ、何か。このままこいつを放置しておけば、引き続き似たような目に私が遭うってことか」 魔理沙は妙な気迫の篭もった胡乱げな瞳を店主から物体へと移した。 対する物体は、やはり魔理沙に邪気のない瞳を向けている。 じっと物体を見つめた後、まあ害意が無いのは見れば判るがな、と口にして魔理沙は物体に背中を向けた。 「香霖、少し外で運動してくる。まんじゅう、お前もついて来い。遊んでやるぞ」 言って魔理沙は歩き出す。 言われた物体は嬉々として魔理沙の後を追って飛び跳ねていった。 「ゆっくりあそんでね! いっぱいあそんでね!」 「ああ、いってらっしゃい」 店主はぱたぱたと手を振って二者を見送る。 分かりきっている結果を予想して特に止めようとしないあたり、彼も少しは迷惑だと思っていた様子が見て取れた。 カランカラン……。 一人と一匹は店の扉を開けて外へと出て行った。 ………… 「じゃあ、遊んでやるから、そこにいろ。いいか、動くなよ」 「なにしてあそぶの? はやくあそぼうよ!」 「ああ、分かった分かった。だから動くな」 「うん! ゆっくりあそぼうね! いっぱいあそぼうね!」 「ん? なんだあれ」 「どうしたの? なにかあったの?」 「なんだろうな? ほらアレを見てみろ」 「どこ? どこどこ? なにがあるの?」 「後ろだ。お前の後ろ。ほら、後ろ向いてみろ」 「んー? なんなのー? なにがあるのー?」 「魔砲――」 「みえなーい! どこにあるのー?」 「――ファイナルマスタースパーク!!!」 ――じゅっ ………… カランカラン……。 「やっぱり妖怪は退治するに限るぜ」 肩を回して店内へと足を踏み入れるのは魔理沙一人。 本日の幻想卿は晴天なり。 『その3 見てみろ妹紅』 「ほら、見てみろ妹紅」 「ゆっくりしていってね!!!」 「なんだそれは」 「うむ。最近人里で悪さをしているという妖怪らしい何かだ」 「何かか」 「ああ、実のところ妖怪か如何かすら分からん」 「そうか」 「中身は餡子だ」 「そうか」 「つぶあんだ」 「どうでもいいな」 「そうだろうか」 「それで、こいつを如何するんだ」 「燃やしてくれ」 「分かった」 「あつーい!!!」 「ほら、こっちも見てみろ」 「ゆっくりしていってね!!!」 「おまえに似てるな」 「ほら」 「しゃきーん!!!」 「角が生えたな」 「ほら」 「しゅーん!!!」 「角が引っ込んだな」 「どう思う」 「むかつく笑顔だ」 「そうだろうか」 「ああ」 「どうする?」 「燃やす」 「あつーい!!!」 『その4 たぶんおそらく兎の話』 先ず喰い荒らされたのは、竹林に青く芽吹く竹の子だった。 次に喰い散らかされたのは、兎達が丹精込めて育てた人参畑だった。 更に喰い潰されたのは、薬師が手間隙を掛けて管理していた薬草畑だった。 果てに喰い捨てられたのは、姫が趣味で植えていた盆栽だった。 永遠亭、被害甚大。 「あー居ますね、また」 そう言って目の前の進む先を指差すのは、兎の少女。 竹篭を背負い包みを両手で抱えた彼女は、傍らに並んで歩く薬師へと声を掛ける。 「なんか、物凄い笑顔で竹の子食べてますね」 「生のまま食べて美味しいのかしら」 首を傾げながら薬師は呟いた。 ………… 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 巨大な饅頭のような体躯に、どこぞの紅白巫女や黒い魔法使いの格好をした物体が数匹、採り頃まで育った竹の子へと群がっていた。 「一、二、三、四……と、五匹ですか」 指で差して数を数えながら、二人は物体達へと近付いていく。 と、物体達も自らへと向かってくる人影に気付いたのか、その内の一匹が竹の子から口を離し、二人の方へと向き直る。 「おねいさんたちだれ! これはわたしたちがみつけたんだよ!」 言って、齧りかけの竹の子を庇うように前へと進み出る物体。 二人がこの竹の子を狙ってやってきたと思ったのだろう。 顔に警戒を浮べて威嚇を試みる物体。 そんな様子を眺め、薬師はくすくすと笑みを漏らしながら口を開く。 「あら、そんなものよりもっと美味しいものがここにあるわよ」 薬師が物体に差し出されたのは、丸い餡子玉。 つい先ほど、此処に来る前に作った代物だった。 一瞬、差し出された餡子玉をじっと見つめていた物体だったが、薬師がそれを置いて一歩下がると、釣られるように餡子玉へと近付き、それを口に含む。 「むぐむぐ」 浮かんだ表情は、喜色。 「しあわせー!」 至福の色を瞳に宿し、声高らかに幸福を叫ぶ。 竹の子よりも甘いそれは、目の前の物体達の嗜好に大変合う様子で、恍惚の表情を浮べた物体を見て、周りの物体達もそれを羨ましがる。 先ほどまで齧りついていた竹の子を放り出し、薬師へと向かって飛び跳ねて向かってくる。 「あ! わたしもたべたい!」 「おねいさん! ちょうだい!」 「ゆっくりたべさせてね!」 「いっぱいたべるよ!」 「はいはい、それじゃあこっち来て下さいねー」 手を打ち鳴らしながら言って、兎の少女は両手で抱えていた包みを物体達の前へと下ろす。 その包みの結び目を解き圧布を広げると、中からは一抱えほどもある餡子の塊が姿を現した。 物体達の瞳が輝く。 「わあい!」 「おねいさんありがとう!」 「おいしくたべるよ! ゆっくりたべるよ!」 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 「あまあまー!」 目の前に餡子が現れた瞬間に飛び掛り、一心不乱にそれを頬張り口を動かす物体達。 頬を餡子で汚しながら、ただ只管に貪り食らう。 そんな様子を、どこか呆れた表情で眺め続ける二人。 やがて、場に盛られた大量の餡子が無くなった頃、物体達は薬師と兎の少女に向かって口々にお礼を述べ始めた。 「げふー!」 「おいしかったね!」 「とってもおいしかったね!」 「ありがとうおねいさん!」 「ごちそうさま!」 心底満足したという物体達の様子に、どのような意味でか薬師の表情に笑みが浮かぶ。 一回りほどその身を膨らませ、色艶も良くなった物体達を前にして、さらに魅惑の言葉を投げかける。 「ねえ、貴方達、もっと沢山食べたいと思わないかしら」 その言葉に物体達は益々表情を明るくし、喜びを全身で表現するべく上下に飛び跳ね始める。 「もっとたべるよ!」 「おいしくたべるよ!」 「いっぱいたべさせてね!」 「たくさんたべてあげるよ!」 「ゆっくりたべてあげるね!」 と肯定の言葉を聞き、浮べていた笑みを深くする薬師。 兎の少女が背負っていた竹篭を指差し、言葉を続ける。 「それじゃあ、あの籠の中に入って頂戴ね」 薬師がそう言うと、兎の少女が物体達にとって入りやすいようにと竹篭を降ろして横に倒す。 覗き込めば、妙に奥へと深い竹篭だった。 「はいはいどうぞどうぞー」 「うん! ゆっくりはいるね!」 そんな竹篭の様子を疑問に思う事も無く、兎の少女に案内されるまま、先ずは一匹が返事を返し竹篭の中へと飛び込んでいく。 そのまま二匹目、三匹目と物体達が続き、やがて全員が竹篭の中へと収まった。 兎の少女は五匹目が中へと入っていくのを見届けると、その竹篭に手を掛け、縦に引き起こす。 竹篭の中で物体達がごろごろと転がる振動を兎の少女は感じていたが、特に気にする様子も無くその縁に手を置き、頷く。 「はい、捕獲完了です、と」 ………… 「それにしても手間が掛かって面倒ですね」 兎の少女は先ほど物体を収めたばかりの竹篭に両手を入れ、その中から一匹の物体を取り出す。 「ゆ?」 物体は、入ったばかりですぐさま取り出されるという状況に、首を傾げるように身を傾けて疑問符を浮べている。 それを両手で抱え、薬師へと差し渡す。 「逃げ出そうとするのを捕まえる事だって、それなりに手間はかかるのよ」 だからこうやって自分から捕まりに来るように仕向けないと、と薬師は言う。 そのまま、兎の少女から手渡された物体を、餡子が無くなったままに広げられていた圧布の上へ据え置いた。 「ゆ?」 依然その頭の上には疑問符が浮かんでいる。 「うー、他の皆も協力してくれると助かるんですけどねー」 傍らに置いた竹篭を眺めながら、どこか疲れた様子で呟く兎の少女。 「てゐが嫌うのよ、こういうのを」 「あー」 会話を続けながら、薬師は何処に持っていたのか鋭く磨かれた円刃刀を取り出し、物体へと宛がって見せた。 「ゆ?」 「あの兎は、他の兎がこういう事に加担させられるのを快く思わないから」 相手は、その自らに突きつけられた刃の意味も分からずに、身体を斜めに傾げながら刃と薬師とを見比べている。 「なにをしてるのおねいさん? おいしいものはどこ?」 身に添えられた刃の感触を疑問に思うことも無く、ただ沢山の餡子を待ち望み薬師へと瞳を向ける。 次いで、先の甘くて美味しい食べ物はどこにあるのだろう、と周囲に向けて視線を動かし、期待に胸踊るといった印象で瞳を輝かせていた。 薬師はにっこりと微笑みながら、言葉を返す。 「ええ、すぐに取り出してあげるから、少し待ってなさいね」 「うん!」 薬師は笑顔をそのままに、相手へと宛がった刃を深く沈み込ませる。 「ゆ゛……!!??」 瞬間、苦悶の表情を浮かぶまもなく身体を二つに断たれ、先ずは顔面が着いた方へと薬師は手を伸ばす。 黒く湿った中身を指を使ってごっそりと掻き出し、広げられた圧布の上へと手際よく盛り付けていく。 「!!? い゛だ――――――――」 叫び声を上げようとするも既に時遅く、中身を抜かれた後の瞳はすぐに力を失い、苦悶に歪んだままの表情が残される。 それを傍らに置き、次いでもう片方へと手を掛ける。 「あの嘘吐き兎が好きなのは、飽くまでも悪戯までなのよ」 後頭部の中身を片割れと同じように掻き出しながら、先の言葉の続きを言う。 「兎達を使ってコレを追い払ったり捕まえたりするのは良いみたいだけど、こういう光景を見せるのは駄目だ、って」 目を見開き、歯茎を剥き出し、泣き叫ぶ寸前で固まったままの表情は、見るものに不快感を与えるような気持ち悪さを漂わせていた。 饅頭の生地を肉厚にしたような肌触りのそれを手に取り、兎の少女へとぷらぷらと振って見せる。 「うわぁ……私も凄い駄目ですよ」 目の前で揺れる死に面を眺めながら、微妙そうな表情で言ってみせる兎の少女。 対して、くすくすと笑みを浮べる薬師。 「ウドンゲ、あなたは私の弟子でしょう?」 「そうでしたね、師匠」 どこか苦笑いの表情で兎の少女は答えた。 薬師は手に持ったソレを適当に後ろへと放り捨てる。 これは見せしめのようなものだ。 竹林へと足を踏み入れればこのような姿になるという警告。 これがどの程度の効果を上げるのかは分からないが、まあ、この次は捕まえた相手で色々と実験を試してみようかなどと薬師は考えていた。 「はい、それじゃあ次を寄こして頂戴」 そう薬師は手を差し出して、二人は暫し作業を続けた。 『その5 ビビる⑨』 「ここは、わたしがみつけたおうちだよ! はやくでていってね!」 「うわ、な、なによあんた」 「でていってね! さっさとでていってね!」 「え、あ、なに? まんじゅう?」 「ちがうよ! ぜんぜんちがうよ! だからでていってね!」 「なにさ、別にいいじゃないのよ」 「ゆっくりしていってね! あっちでゆっくりしていってね!」 「むむむ、ここはあたいがいつも遊んでる場所なのよー!」 「そんなのしらなーい! むこうでゆっくりしていってね!」 「邪魔なのはそっち! ほら、さっさとあっち行って!」 「そんなのしらなーい! ここはわたしのおうちなの!」 「だーかーらー出て行けー!」 「これからおひるねするの! うるさいからでていってね!」 「むかちん!」 「おお、こわいこわい」 「むっかー!」 「おお、こわいこわい」 「きー!!」 「おお、こわいこわい」 「しゃー!!!」 「おお、こわいこわい」 「チルノ、どうしたの?」 「あ、レティ」 「なにかしら、これ。大福妖怪?」 「はなしてね! ゆっくりおろしてね!」 「レティ、貸して」 「はい」 「なにするの!? やめようね! ゆっくりおろそうね!」 「てりゃっ!」 「あら投げた」 「たかーい! おそらをとんでるみたい!!」 「よく飛ぶのね。なんなのかしら、あれ」 「むかつくやつ」 「そうなの?」 「うん、そう」 「って、あら」 「あ」 「わあい! たかいたか――――つぶっ!?」 「池に落ちたわ」 「ふふん!」 「ゆっくりたすけてね! はやくたすけてね!」 「あらあら」 「ざまみろー!」 「すぐにたすけてね! さっさとたすけてね!」 「? なんだか段々と膨らんできてないかしら」 「ばーか! ばーか!」 「ゆっくりのびるよ! だんだんのびるよ!」 「すごくぶよぶよしてるわ、よ……」 「ばーか! ばーか! ばーか、ぁ……うわー」 「ゆ゛ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」 「……き、気持ち悪いわね、チルノ」 「……う、うん」 「……あっちで遊びましょうか」 「……うん」 「ぶくぶくぶくぶくぶく…………」 『その6 投げっぱなし唐突百合エンド』 がしゃがしゃと鉄籠を揺らすのは、先日捕獲したよくわからない物体達だった。 紅魔館の門番長である紅美鈴が館の門前でウロウロとしている物体たちを捕獲してきたらしい。 「だってパチュリー様、こいつら追い払っても追い払っても近付いてくるんですよ。だったら昇天させるか捕まえるかぐらいしかないじゃないですか」 と言って門番は捕獲の方をえらんだ様子だった。 「それで、なんでそれがここにあるのでしょうか?」 傍らに控えた小悪魔が問う。 「そんなの、面白そうだからに決まっているでしょ」 見なさい、と差し出された二匹の生き物。 一方は大きな赤いリボン。 もう一方は黒い魔女帽子。 「何処かで見たことの在る格好ですね」 「でしょう?」 視線を合わせ、パチュリーはその物体へと声を掛けてみた。 「ねえあなた達、名前はあるのかしら?」 少女の問いには間髪いれずに答えが返ってきた。 「わたしのなまえはゆっくりれいむ!」 「わたしのなまえはゆっくりまりさ!」 「ゆっくりさせてあげるよ!!!」 「ゆっくりかわいがってね!!!」 「うわー」 と子悪魔。 「な、なんだかむかつくわね」 とパチュリー。 しかし直に気を取り直し、興味深げに二匹へと視線を這わせた。 「なんで紅白と黒いのの格好なのかしら?」 「いっぱいいますしね」 後ろを振り向く小悪魔。 紅魔館にある巨大図書館の一室であるこの部屋の隅には鉄の下りがいくつか積み重なっており、その中身はこの二匹。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさがみっちりと収められていた。 ゆっくり達は各々に口を開く。 「だしてー! ねぇだして!」 「ゆっくりしようね! ここからだしてね!」 「おなかすいたよー! おうちかえしてー!」 「……中国もたくさん捕まえたものね」 呆れた様子のパチュリー。 ふと思いついた様子で小悪魔は問いかける。 「出してみましょうか」 「酷い事になるわよ」 溜息を吐いて止めておきなさい、と主に言われ特に落胆した様子も見せずに子悪魔は引き下がる。 「まあ、最近暇だったし、色々と観察してみましょうか」 ゆっくりまりさを持ち上げ、パチュリーは言う。 「たかーい! いいけしきー!!」 「わたしも! わたしも!」 ゆっくりれいむもその様子をみてパチュリーへと擦り寄っていく。 「あーはいはい」 言ってパチュリーは気だるそうに子悪魔へと視線を向けた。 その意を汲んだのか、小悪魔はゆっくりれいむを手に取り、高々と持ち上げて見せた。 「すごーい! いいけしきー!」 「こんなので喜ぶなんて、お手軽な脳味噌してるのね」 呆れたように呟くパチュリーに対して、ゆっくり二匹は笑顔を振りまいて楽しげな表情を見せていた。 ………… 「すっぱーい!」 「酢は大丈夫、と」 「からーい!」 「唐辛子も大丈夫」 「しょっぱーい!」 「醤油も平気ね」 「あまーい! おいしーい!」 「砂糖も食べる、と」 「もっとたべたい! ちょうだい! ねえちょうだい!」 「はいはい」 パチュリーの指示を受けて小悪魔がざらざらと砂糖袋から砂糖を皿へと盛る。 それを二匹のゆっくりは二人並んでぺろぺろと舐め始める。 なぜか色艶がよくなっている気がする。 やはり醤油や酢などよりも、砂糖の方が食えた物であるためか。 「ゆっくりー!」 「ゆっくりー!」 二匹は二人そろって仲良く叫んでいた。 「まずーい!」 「一応、草とかも食べるのね」 「おいしくなーい!」 「カブトムシも、有り」 「むぐむぐ、んぐんぐ」 「生肉も平気、と」 「おいしーい! すごくおいしいー!」 「お菓子は良く食べる、と」 「もっとちょうだい! もっとたべたい!」 「もう無いわよ、後は私たちの分」 目の前に紅茶と共にあるのは、紅魔館のメイド長が手掛けた焼き菓子が数枚。 持ってきた分の半分をゆっくり達へと与えたから、残りはパチュリーとその傍らに控える小悪魔の分だった。 「むーっ!」 「むーっ!」 なんでもっとくれないの、と足元でむくれる二匹のゆっくりを見て、やれやれとシュガーポットへと手を伸ばす。 蓋を開け角砂糖を二つほど取り出すと、ゆっくりの頭上へ向けて落として見せた。 「?」 「?」 頭の上の弾んだ感触に上を向き、目の前に転がってきた白い立方体をしげしげと眺め、やがて口に含む。 そして、その表情に喜色が浮かんだ。 「あまーい!」 「ありがとーパチュリー!」 「安い自尊心ね」 くすくすとパチュリーが苦笑を浮べるすぐ下で、二匹のゆっくりはパチュリーに擦り寄るように笑顔で騒いでいた。 ………… 今日一日観察してみて、分かったことを口にしてみる二人。 「雑食ね」 「雑食すぎますね」 あの後も様々な食べ物を与えてみて、生魚や芋虫、ついでに血液や人肉ケーキなども与えてみたが、美味い不味いの反応はあったものの、二匹のゆっくり生物はすべからく胃袋に収めてしまっていた。 食の観察をしてみれば、雑食この上ないという結果だった。 次は何をしようかしら、とパチュリー。 ああそういえば、と思い付きを口にする子悪魔。 「共食いとか、するんでしょうか?」 ちらりとパチュリーの足元に視線を向ける。 ゆっくりれいむとゆっくりまりさがそれぞれ寝息を立てて横に転がっていた。 それは、この雑食すぎる二匹のゆっくり生物に対して沸いた只の疑問であって、特に本心から思ったものでは無かった。 しかしパチュリーはどことなく冷やかな視線を足元に向け、口を開いた。 「試してみる?」 「え、宜しいのですか」 「宜しいのですかって何がかしら」 「万一にも共食いをしたら、どちらかが居なくなってしまいますよ」 「別に、私はペットを飼う心算は無いわよ。ティータイムのクッキーが減るのも、嫌」 咲夜の作ったお菓子は美味しいもの、と特にどうでもよさそうな事を呟いてパチュリーは指を振って何言かを唱えた。 二匹のゆっくりはふわふわと揺れるように浮かび上がり、パチュリーが着いている丸テーブルの上へと案内された。 未だ夢見心地の二匹を眺め、口を開く。 「まぁこの程度で情なんてモノが沸いていたら、百年も魔女なんてやっていないわよ」 つん、と指先でゆっくりの頬を優しくつつき、冷淡な微笑みを湛えて見せた。 ………… 1日目 「せまいよ! もっとひろいところがいい!」 「おなかすいたよ! あまいのたべたい!」 「えーと、特に異常無しですね」 2日目 「ゆっくりしようよ!!」 「なんでゆっくりさせてくれないの!?」 「ゆっくりしてますよー、私はー」 3日目 「おねいさん! だしてよ!」 「もっとゆっくりしようよ! ねえ!」 「それにしてもこの時間は暇ですねー、パチュリー様に習って本でも借りてきましょうか」 4日目 「だして! ここからだして!」 「ひどいやつ! パチュリーにいいつけてやる!」 「そうですねー、パチュリー様はお優しいですからー、知ったらきっと出してくださると思いますよー」 5日目 「パチュリー! たすけて!」 「わるいやつがここにいるの!」 「んー、しぶといと言うべきでしょうか、本日も異常無し」 6日目 「だずげでえええ! バヂュリ゛ー!」 「お゛な゛がずい゛だよ゛おおおお」 「さて、次はどの本を読みましょうか」 7日目 「い゛や゛だあああ! ゆ゛っぐり、じだいいいい」 「も゛う゛い゛や゛あああ! ゆ゛っぐりざぜでえええ」 「異常無しですか。んー、これはもしかすると――」 ………… 「すっきりー!」 「すっきりー!」 「すっきりー!」 「……………………なにしてるんですか、パチュリー様」 「あら、戻ってたのね」 なにやら高速で振動している三匹のゆっくり。 良く見なくても、パチュリーの魔法の仕業であることが分かる。 妙に頬を高潮させているゆっくり。 そして何故かその周囲には飛沫が舞っていた。 「ほら、こうすると発情するのよ」 高速で振動していたそれが、さらにその運動を激しくさせる。 「ゆっ……! ゆっ……! ゆっ……! ゆーー!!」 がくがくと震え初め、その丸い物体の下部から液体が飛び散り始める。 「す、すっきりー!」 「ほらね、これで、えーと……八回目かしら?」 うわぁ……と微妙そうな表情を見せる小悪魔にたいして、その主は笑顔を浮べ、言う。 「面白いでしょう?」 「……………………」 「……冗談よ。それで、今日の様子も変わり無いのかしら」 そう拗ねた様子で言って見せたパチュリーに対して、小悪魔は別室に隔離したゆっくりれいむとゆっくりまりさの様子を伝える。 といっても、七日目である今日の様子はといえば、ただ只管に泣き叫ぶだけだった。 「まあ、共食いといっても別に期待していたわけではないから、そういう生き物だったってだけよね」 そろそろ出してあげるのも良いかしら、と口にするパチュリー。 傍らで振動を続ける三匹のゆっくり達は、二人の会話中もそのままだった為か、白目を剥いて泡を吹き始めていた。 「これを掃除するのは、私なんでしょうか」 小悪魔の目の前には、色々な液体で水浸しになった一面の床と、その上で失神中の三匹のゆっくり達。 思わず溜息が零れた。 ………… がちゃり、と扉が開かれ、その奥から気だるげな印象を備えた少女が姿を表した。 「バヂュリ゛イイイイ!!!」 「バヂュリ゛イイイイ!!!」 「ひさしぶりね、貴方達。随分と痩せてしまったみたいだけど、大丈夫だったかしら?」 パチュリーの姿を目にした途端、跳ね起きるようにして鉄の格子に身体を押し付け、泣き叫ぶようにして助けを求めるゆっくり。 「だずげでバヂュリ゛ー!!!」 「わ゛る゛い゛や゛づがい゛る゛の゛おおお!!!」 「あらあら、まだまだ元気いっぱいね」 困ったような笑顔を浮べたパチュリーは二匹のゆっくりが収められている鉄籠に近付き、その扉に掛けられた錠前を魔法で切断してみせた。 籠の扉はその上部についており、そこから中を覗き込むとゆっくりが笑顔を浮べて此方を見上げているのが見て取れた。 「ゆっ! ゆっ!」 「ゆ……っ! ゆ……っ!」 二匹のゆっくりが、真上に開かれた出口から飛び出そうと一生懸命飛び跳ねて見せるが、あと少しという所で届かない。 「ほら、そんなに慌てなくても、手伝ってあげるわよ」 言うが早いか、ゆっくりれいむの体がふわりと浮き上がり、出口を潜ってパチェリーの胸元へと導かれる。 やさしく抱きとめられるゆくりれいむ。 「バ、バヂュリ゛ー!」 涙と鼻水でずるずるになったその表情をパチュリーの胸板へと押し付け、ゆっくりれいむは嗚咽を我慢せずに泣き始める。 思わず溜息を零し、パチュリーはその視線を期待に溢れた表情を浮べているゆっくりまりさへと向けた。 「はぁ……まりさは少しまっててね。れいむを置いてくるから」 「うん! まりさまってるよ! いいこだから! でも、はやくもどってきてね!」 「ええ、すくに戻ってくるわよ」 笑顔を浮べてゆっくりまりさに答えると、パチュリーはゆっくりれいむを抱えて部屋の入口へと向かっていった。 入ってくる際に開け放しのままにしておいた引き戸を潜り、廊下へと足を進める。 こつこつこつ、と暫し進む。 と、パチュリーの直傍らに佇む影が現れる。 「どうでしたか?」 「あっ!!」 小悪魔が声を掛けるのと、ゆっくりれいむがその姿に気付くのは同時だった。 パチュリーが小悪魔に言葉を返そうと口を開こうとするが、それを遮ってゆっくりれいむが大声で叫ぶ。 「パチュリー! こいつだよ! わるいやつ! やっつけて!」 敵意を剥きだしにして子悪魔を威嚇するゆっくりだったが、その様子を気にも留めずに小悪魔はパチュリーの衣装を気遣う。 「ああ、パチュリー様の御召し物をこんなに汚してしまって、駄目ですよ」 「パチュリー! はやく! こいつがれいむをいじめたの!」 「ほら、そのまま持っていてはさらに汚れてしまいます」 そう言ってパチュリーに向かって両手を差し出してみせる小悪魔。 ゆっくりれいむはその動作に一瞬身体を震わせ、その身をさらにパチュリーへと押し付けた。 口を開き、叫びを吐く。 「なにしてるの!? たすけてパチュリー!! こいつをやっつけて! はやく!!!」 一生懸命にパチュリーに懇願するゆっくりと、その様子をどうとも思っていない子悪魔。 やれやれ、とパチュリーは首を振り、至極あっさりとゆっくりれいむを手渡した。 「はい」 「――ゆ?」 何が起こったのか、はて? と首を傾げるゆっくりれいむ。 「……?? ……????」 辺りを見回し、パチュリーの顔を眺め、上を向いて子悪魔の顔を視界に納める。 「パチュリー様、御着替えでしたらあちらに咲夜様が居られますので」 「わかったわ」 パチュリーが小悪魔とすれ違い、離れていく。 「????」 何が起こったのか、全く理解できていないのだろう。 疑問符を浮べたまま、去っていくパチュリーの後姿を眺め続けるゆっくりれいむ。 「さて、台所を借りましょうか」 小悪魔は、直傍を通り過ぎたメイドの一人へと声を掛け、その足を厨房へと進めた。 ………… 「ごはんですよー」 「あっ! わるいやつ!」 パチュリーがゆっくりれいむを抱えて去っていった室内。 静かにパチュリーが戻ってくるのを待っていたゆっくりまりさの前に姿を現したのは、望んだパチュリーではなく悪い奴である子悪魔だった。 「パチュリー! はやくきて! わるいやつがここにいるよ!」 パチュリーに知らせる為であろうか、大きく音を立てるようにと鉄籠を揺らすべく上下に運動を繰り返すゆっくりまりさに対して、小悪魔は片手に持ったトレイから一枚の大皿を取り上げて見せる。 「そんな事は無いですよ、ほら」 言ってゆっくりまりさに差し出された大皿の上に載せられていたのは、輪になった生地に大量の餡子が詰められた、しいて言えば巨大な饅頭を輪切りにしたような何かだった。 「むっ」 ゆっくりまりさは格子を挟んだ向かい側、小悪魔が置いた食べ物らしき物体を凝視する。 空腹の為か、暫しソレを見つめ続け、次いで小悪魔へとその視線を移す。 これは何なのか? どのような意味なのか? といった視線だった。 「これはパチュリー様からですよ」 まるで花が咲いた様に笑いかける小悪魔。 「パチュリーから!?」 「私もあなたに意地悪したことを怒られてしまいましたし」 「おこられたの!?」 「ええ、はい。それはもう」 「パチュリー! ありがとー!」 思わず飛び跳ね、勝ち誇った笑みを小悪魔に向けるゆっくりまりさ。 「おもいしったか!!」 あらあら、と小悪魔はその笑みを益々深くする。 「それじゃあ出しますよ」 小悪魔の両手にて持ち上げられるゆっくりまりさ。 大皿の直傍に降ろされ、差し出された輪切り饅頭に齧り付く。 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 その表情に喜色が宿る。 「どうですか?」 「あまーい! おいしーい!」 ゆっくりまりさの胴回りと同じくらいのそれは食べ物としては巨大だったが、ゆっくりまりさにとっては久しぶりの甘味である為か瞬く間にその量が減っていく。 「まだまだありますよ」 巨大な何かを食べきった際に、さらに差し出される同じ形のソレ。 「ぜんぶまりさのー! むーしゃ♪ むーしゃ♪」 笑顔を浮べ、その量をさらに消化していく。 三つ、四つと食べきっていき、やがて差し出された大皿の中には最後のひとつが残されていた。 輪切りにされた何かの端。 げふー、と喉を鳴らしてそれに齧りつこうとするゆっくりまりさに向かって、小悪魔は口を開く。 「おいしかったですか?」 どこか、確認を求めるような声色だった。 「おいしかったー!」 「ソレも食べますか?」 「たべるの! ぜんぶまりさの!」 「そうですかー」 言って相変わらずの笑顔を貼り付けたままの小悪魔。 「でも、これ、裏返しですね」 「?」 「ほら、こちらが表です」 最後の一切れを、裏返す。 「……………………え?」 そこに何を見たのか、ゆっくりまりさの動作が止まる。 「……? ……??」 首を傾げ、首を振り、目を瞑り、目を開き、今まで食べたものを思い起こす。 「……??? ……????」 次いでカタカタと小刻みに震え始め、言葉にならない音がその口から漏れ始めた。 「れ……れ?」 「れ――なんですか」 「れ、れれ、れい、れい、む?」 「はい。正解です」 そこには、まるでこの世の全てに絶望しきったような愕然とした表情を貼り付けた、ゆっくりれいむの顔面部分があった。 薄く切り取られたその表情は、どこか虚空を見つめたまま、動くことは無い。 「……!? ……!?」 たまらず魚の如く口を開閉させるゆっくりまりさの様子を気にも留めず、小悪魔は大皿にのせられたゆっくりれいむ表情を相手へと進めてみせる。 「どうしましたか? これもあなたのものですよ? ほら、食べないと」 「……!! ……!!」 「これで最後ですよ、ほら、あーん」 「っ……!! ……パ」 「パ?」 「パチュリイイイ!!! わるいやつが!!! わるいやつが!!! れいむを!!! れいむがああああ!!!」 目を剥いて子悪魔を威嚇し、ゆっくりれいむの切れ端の直傍にて上下に飛び跳ねるゆっくりまりさ。 そんな突然の態度の豹変を受けても、小悪魔はにこやかな姿勢を崩さない。 にこにこと笑顔を浮べ、しかしその手段は強行だった。 「はやくきて!!! パチュリイイイ!!! はやくきて!!! こいつをやっつけて!!! パチュムグッ!??」 「はい、どうぞ♪」 小悪魔は片手をゆっくりまりさの口内に突っ込みこじ開け、もう片方の手でゆっくりれいむの切れ端を掴み、丸め、その開いた口内へと無理矢理押し込んだ。 「んぐ……っ!? むぐ……っ!! むー……っ!!!」 ゆっくりまりさは押し込まれるソレを舌で押し返そうと一生懸命抵抗するが、それも虚しく、小悪魔は強引にソレを押し込んでいく。 やがて口いっぱいに押し込まれていったソレは、ごくり、と嚥下されていった。 小悪魔が唾液の滴った手をゆっくりまりさの口から引き抜く。 「ごちそうさまでした♪」 両手を合わせ、首を傾げてゆっくりまりさに微笑みかける小悪魔。 ゆっくりまりさは目の前の空になった大皿を呆然と眺め続け、動かない。 さてそれでは、と子悪魔がゆっくりまりさを抱えあげるも反応はなく、そのまま室内を出ようとした所でようやくゆっくりまりさが呼び続けた人物が現れた。 「あら、パチュリー様、どうかなさいましたか?」 「……パチュリー?」 子悪魔に呼ばれたその名前に反応し、顔を上げるゆっくり。 はたしてそこには、ゆっくりまりさが待ち望んだ人影があった。 「パチュリー!!!」 「あっ」 予想外の勢いで小悪魔の懐から抜け出したゆっくりまりさは、一目散にとパチュリーへと飛び跳ねていった。 「パチュリー! たすけてパチュリー! わるいやつが! ひどいやつが! もうぜんぜんゆっくりできなーい!!!」 扉を抜けてパチュリーへと縋りつくべく精一杯の速度で飛び跳ねるゆっくりまりさ。 目の前のパチュリーまであと少し。 傍らに見知らぬ人影が二人分あったが、そんなのは思考の外であった。 しかし、次に聞こえてきた声にその身は震わされた。 「うー! うー!」 ゆっくり生物の共食い種。 ゆっくりれみりゃの登場である。 何処に居るのか、とゆっくりまりさが冷や汗を流しながら辺りを見回すと、パチュリーの直傍。 見知らぬ人影の内、片方、桃色の衣装を纏った少女の足元に、ゆっくりれみりゃは存在していた。 「レミリア様も御一緒だったんですね」 「ええ、私も、おもしろいものを見つけて、ね」 小悪魔の問いに対してレミリアと呼ばれた少女は、今現在ゆっくりまりさをおいかけまわしている何かに向かって視線を向けていた。 「うー! うー!」 「だずげでバヂュリ゛ー!!」 上機嫌に追い掛け回すゆっくりれみりゃと、パチュリーに助けを求めるべく当人に飛びつこうとするゆっくりまりさ。 「あら貧血」 パチュリーの胸板へと飛び込んできたゆっくりまりさを、ふらりとよろめく姿勢でパチュリーは回避する。 パチュリーはレミリアの傍らに控えていた銀髪のメイドに抱きとめられ、迎えられることの無かったゆっくりまりさの身体は空中を浮かぶ。 「ゆ゛!?」 べしょ、と床に顔面から墜落するゆっくりまりさ。 思わずレミリアから失笑が零れる。 「ふふふ、やっぱり、あの白黒とは似ても似つかないわね」 「うー! うー!」 追いついてきたゆっくりれみりゃに食いつかれ、悶絶し、暴れだすゆっくりまりさ。 「い゛、いだい!! やめ゙てやめでね゙…!!!」 「うー! うー!」 「…や゙め゙…!!……ばな゙じ…!!…ゆ゙…ゆ゙…ゆ゙!!!」 「うー! うー!」 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛……!!!」 ぶちっ、と身体を引き千切ってその身の安全と確保するゆっくりまりさ。 おもわず前のめりに躓くゆっくりれみりゃを放置して、そのままの勢いで駆け出していく。 「あら、やるものね」 「でも、そろそろ飽きたわ」 指を伸ばし、言霊を紡ぐパチュリー。 皆に背を見せてゆっくりれみりゃから一目散に逃げ出そうとしているゆっくりまりさの身体がふわりと持ち上がる。 「な゛、な゛に゛!?」 空を切った感触に一瞬思考に隙間が出来るが、くるりとその身体を反転させられ、目の前に現れたその姿にゆっくりまりさの心に希望の火が灯った。 「パ、パチュリー!! たすけてね! ゆっくりたすけてね!」 ゆらゆらと波間を漂うように揺れながら、ゆっくりまりさとパチュリーの距離が縮まり、もう少しで届くかという所で、その真下から一人と一匹の触れ合いを妨害する声が上がった。 「うー! うー!」 思わず冷や汗を垂らして強張った表情を貼り付けたゆっくりまりさが、恐る恐る自らの下へと視線を向ける。 ゆっくりまりさの傷口から溢れ出た餡子を直下で待ち構え、零れ落ちて来たそれを頬張っているゆっくりれみりゃ。 慌ててパチュリーに向き直り、唾を飛ばしながら必死な形相で懇願をし始めるパチュリー。 「た、たすけてパチュリー! あいつがまりさをいじめるの!! あいつをやっつけて!!!」 そう言ってパチュリーに助けを求めるが、パチュリーは笑みを浮べたまま動こうとはしない。 そればかりか、先ほどからゆっくりまりさとパチュリーとの距離は縮んでいない様に感じられた。 「なにしてるの!? はやく!! はやくたすけてパチュリー!!」 既に完全に恐慌状態に陥っているゆっくりまりさに対して、パチュリーはようやく口を引く。 笑顔から一転、呆れたような表情を見せて、一言。 「あなたの相手をするのは凄く疲れるわ」 向けられた視線は冷やかだった。 「パ、パチュリー? ……?」 「自分勝手で我侭なのは別に構わないわ。食いしん坊な所も馬鹿な所も、ね。でも、一々人に頼るのは止めて頂戴。凄く疲れるから」 「……? ……?? ……??? ……????」 ぱくぱくと声にならない音を漏らし、その表情に何を浮べるべきか定まらないゆっくりまりさ。 何を言っているのか、何を言われたのか。 理解できない、理解したくない。 愕然とした表情のまま、ゆっくりまりさの精神が停滞する。 「あなたは興味深い生き物だったけど、もうおしまい。ほら、あの子に食べられれば寂しくないわよ」 あなた以外の子は、みんなあの子が食べちゃったんだから、と。 「うー! うー!」 ゆっくりれみりゃの声が聞こえる。 くるりとパチュリーが指先一つでゆっくりまりさを反転させると、その三寸先に、ゆっくりれみりゃの顔が浮かんでいた。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……!??」 「うー! うー!」 ぱたぱたとその背中の羽を動かして、ゆっくりまりさと同じ高さに浮かんだゆっくりれみりゃは邪気の無い表情を相手へと向けている。 おいしい食べ物を目の前にして、その機嫌は上々の様子だった。 何を思ってか、ゆっくりまりさのその表情が酷く歪む。 「ゆ゛っ゛ぐり゛……!!」 ゆっくりれみりゃが大きく口を開く。 何か、黒い塊を吐き出すように、まるで原型を留めていない表情でゆっくりまりさは吼えた。 「ゆ゛っ゛ぐり゛ざぜでえええええええ――――づぶ」 暗転。 「さすがにこれは酷いですねー」 「お嬢様……」 「な、何よ二人共、散らかしたのはこの子よ」 「うー?」 そういってゆっくりれみりゃを抱えあげるレミリア。 ここは紅魔館の一室。 パチュリーが捕まえられたゆっくり達を観察していた、ゆっくり観察部屋だった。 部屋の彼方此方に散乱しているのは中身の無い鉄籠。 中身は空である。 しかし、注目すべきは其処では無い。 部屋の全体に向かってぶちまけられる様に散乱した、大量の餡子。 見れば、赤いリボンや黒い魔女帽子の残骸も部屋の彼方此方に見て取れた。 このような有様になったのはつい先ほど。 パチュリーがゆっくりれいむの涙と涎でずるずるになった衣服を着替え、この部屋へとやってきた際、レミリアが一匹のゆっくりを連れてこの部屋を訪れた。 そのゆっくりがゆっくりれみりゃである。 どうやらパチュリーがゆっくり達を構っているのを見て、自分でも一匹ほど飼ってみたくなったらしい。 中国にお願いして一匹捕獲してもらい、それがゆっくりれみりゃであったそうだ。 「――それで、ほかのゆっくり達と遊ばせようと思って籠を開けたら、片っ端から食べられてしまった、と」 まさに、阿鼻叫喚の地獄絵図だったらしい。 逃げるゆっくり達。 追いかけるゆっくりれみりゃ。 種類の差だろうか、立ち向かうという思考すら浮かばないらしく、パチュリーやレミリアの陰に隠れ必死に懇願を繰り返すゆっくり達。 もりもりと上機嫌でゆっくり達を喰い散らかしていくゆっくりれみりゃ。 泣き叫ぶゆっくり。 逃げ惑うゆっくり。 飛び散るゆっくり。 喰いまくるゆっくりれみりゃ。 物凄い光景だったらしい。 「――ああ、それではあの部屋の前を通りかかったのは」 「咲夜を呼びに言った帰りね」 部屋の掃除のために、と主人。 「はぁ……」 とは従者の呆れである。 「それにしても、紅白巫女や白黒魔法使いの他に、レミィのゆっくりも居るなんてね」 「うー?」 わたしに似たゆっくりも居るのかしら? と言ってレミリアの腕の中に納まっているゆっくりれみりゃへと腕を伸ばすパチュリー。 と、 「うまうま!」 むーしゃ♪ むーしゃ♪ とゆっくりれみりゃ。 「あ」 と子悪魔。 「あら」 とは腕を丸齧りされているパチュリー。 「パチェ!!」 ばん、と大きな破裂音を残して、ゆっくりれみりゃの姿が掻き消える。 部屋の壁一面に盛大な染みが生まれ、飛び散る肉汁。 腕を振りぬいた姿勢のレミリア。 その顔は青い。 「あ、あぁ、なんて事……だ、大丈夫? ねえパチェ」 「このくらい何とも無いわよ、レミィ」 「こんなに血が出て、なんて痛ましいのかしら」 「やさしいのね、レミィ」 「あぁ、パチェ……」 「レミィ……」 見詰め合う二人。 触れ合う両手。 近付く唇。 ………… 「……さっさと片付けましょうか」 「……そうですねー」 紅魔館は今日も平和だ。 『その7 一人芸』 「シャンハーイ」 「え、何? この生き物は何かって」 「ホラーイ」 「うん。今朝魔法の森で見つけたのよ」 「シャンハーイ」 「何で黒焦げなのかって? さあ、拾った時にはそうだったから、そこまでは私にも判らないわ」 「ホラーイ」 「如何するのかって? ふふふ、ねえ見て、この生き物、何かに似てると思わない?」 「シャンハーイ」 「うーん、判らないかしら」 「ホラーイ」 「あら、正解よ」 「シャンハーイ」 「ふふふふ、ね? ほら、魔理沙に似ていると思わない?」 「ホラーイ」 「くすくすくすくすくす……さあ? どうしてくれようかしら」 「……………………ゆ…………ゆゆ」 「ん? あら」 「ゆっ……ゆっ……」 「目が覚めるのかしら」 「ゆっ……?」 「あら、おはよう」 「ゆっくりー……?」 「ゆっくり?」 「こ……」 「こ?」 「ここ……」 「ここ?」 「ここはどこなの? おねいさんはだれ? おうちかえして!」 「そんな一遍に言われても答えられないわよ」 「…………」 「?」 「おねいさんのばーか!」 「うわ」 「おなかすいた! おうちかえる!」 「ふーん」 「ゆっくりしたいの! おうちかえる!」 「へぇ」 「ゆっくりするからね! おうちかえる!」 「あら、こんな所にショートケーキが」 「ゆっ!? それちょうだいね! おいしくたべるよ!」 「シャンハーイ」 「あー、人形に持っていかれちゃったわ」 「む゛っ!」 「あら、あんな所にモンブランケーキが」 「ちょうだい! それちょうだい! おねいさんあれとって!」 「ホラーイ」 「あー、人形が取って行っちゃったわ」 「む゛ーっ!」 「あら、そんな所にシュークリームが」 「ゆっくりー!!!」 「味はまあまあね」 「あー!!!」 「ん? どうしたの? 何をそんなに騒いでいるの?」 「わたしの! それわたしのシュークリーム!! なんでかってにたべちゃうの!!!」 「…………は?」 「ひどーい! おねいさんひどい!!」 「うーん……始めて見た時から予想してたけど、想像以上の自分勝手ぶりね。さすがは魔理沙モドキといった所かしら」 「む゛む゛む゛!」 「やれやれ……」 「シャンハーイ」 「ゆ?」 「ホラーイ」 「ゆゆ!!」 「まあ、お人形さんがあなたにケーキをあげるって。よかったわねぇ」 「わーい!」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「ふふん! おねいさんにはあげない! これはわたしの! いいでしょ!!」 「そうね、羨ましいわ」 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 「酷い食べっぷりね」 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 「なんて不細工なのかしら」 「むーしゃ♪ むーしゃ♪」 「まるで人面饅頭ね」 「むーしゃ♪ むーしゃぶぶっ……!?」 「……? どうしたの?」 「か、かかかか」 「かかか?」 「からーい!!! おみず!! おみずはどこ!!」 「あらまあ」 「おみず!! おみず!! はやくしてね!! さっさとしてね!!」 「水、ね。何処にあったかしら」 「くちのなかがひりひりするの!! はやく! おねいさんはやく!」 「ごめんなさい。お姉さんちょっと物忘れが激しくて」 「どこ!!? おみずはどこ!! はやくおもいだしてね!! すぐにおもいだしてね!!」 「はぁ……全然思い出せないわ」 「ばーか!! おねいさんのばーか!!! ばかばかばーか!!!!」 「…………」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「へえ、お人形さんがトマトジュースでよければあるよって。よかったわねぇ」 「わあい!」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「ふふん! おねいさんのばーか!!」 「はいはい。さっさと飲みなさい」 「ゆっくりのむよ! おいしくのむよ! ありがとうおにんぎょさんたち!!」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「ゆっくりー! …………ごくごくごくごくごぶぶぶっ!!!??」 「ふふふっ、どうしたのかしら? ねえ?」 「~~~~~~~!????」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「あら、お人形さんがごめんなさいって。トマトジュースじゃなくてタバスコだったって」 「……!!! ……!!?? ……!????」 「うーん、何言ってるのか全然分からないわ」 「∂∫∬¥$¢£Å‰ξ……!!!」 「うわ、瞳孔開いてるわよ」 「シャンハーイ」 「よっぽど辛いものが苦手なのかしらね」 「ホラーイ」 「泡まで吹き始めたわ……って、流石にこれは気持ち悪いわ。どうしようかしら」 「シャンハーイ」 「え? 何処かに捨ててきましょうかって? ……そうね、このままガタガタゴトゴト五月蝿いのも煩わしい事だし――」 「ホラーイ」 「――折角だから、使わなかった辛子団子と山葵饅頭も押し込んで放り出しましょうか」 「シャンハーイ」 「はい、ありがとう。ほら、そこの魔理沙モドキ口を開きなさい」 「……ゆ゛? ……ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛????」 「はい、そこで捻じ込んで」 「ホラーイ」 「……!!!??? ……!!!!!!!」 「ごちそうさま、と。じゃあ口を開かない様にぐるぐる巻きにして、そこら辺の藪の中にでも転がしておこうかしら」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「ぐるぐるぐる、と」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「行ってらっしゃい、なるべく物騒そうな所に捨ててくるのよー」 「シャンハーイ」 「ホラーイ」 「…………ふー。んー、なんだか久しぶりにすっきりした気がするわー!」 『おわれ』 駄文製作者:ななな
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5156.html
ゆっくりいじめ系3139 ゆっくりカフェ03〜れみりゃ編〜 私はこのカフェの店主 客からは店長と呼ばれている。 私の店にはれみりゃがいる。 私の店、とは言っても私が飼っているのではなく、 2階の雨風を防げる軒下に藁を敷いて住みついているのである。 (ツバメの巣の糞避け板を床にしているようだ) このれみりゃ、このお店が出来る前のお店の店主の飼いゆっくりだったらしく、 前の飼い主が与えた銅バッチを今でもつけている。 地主から聞いた話ではそのお店はお菓子屋だったようで、 お菓子屋はいつも甘い香りに包まれていたらしい。 そのせいだろうか、毎日のように野良ゆっくりが流れ着いては甘いものを要求し、 お店に人がいない時には襲撃まがいのことをしていて店主は頭を悩ませていたらしい。 この街ではゆっくり食品衛生条例というものがあり、 野良ゆっくりを食品として販売するには煩雑な手続きを要する。 その為、野良ゆっくりをいくら潰しても再利用することができず ゴミが増えるだけで迷惑極まりなかったようだ。 その店主が一計を案じ、野良ゆっくり対策のために買ったのがあのれみりゃというわけである。 それなりに効果はあったようだが、その店主に商才がなかったらしい。 れみりゃを飼って3ヵ月後に店が潰れてしまった。それが今から1年前の話である。 商才は無かったが飼いゆっくりの育て方には定評があったようで、 このれみりゃは食べていいゆっくりと食べてはいけないゆっくりの見分けがつくのである。 食べていいゆっくりとは、ご存知の通り野良ゆっくりであり、 食べてはいけないゆっくりとは飼いゆっくりである。 例えば、今、飼い主と一緒に散歩しているゆっくりれいむが店の前を通り過ぎようとしている。 れいむ「ゆっ! ゆっ! おにいさんもっとゆっくりあるいてね! ゆっ! ゆっ! れいむのあんよがつかれてるよ!」 声のトーンがコントロールできないようであり、運動不足、しつけが足りない飼いゆの証しである。 頭にきらめく銅バッチは薄汚れているごくごく普通にいる飼いゆっくりだ。 しかし、これだけうるさくても、れみりゃは巣の中で「う〜 う〜」と寝息をたてているだけで、 飛び掛って食べようとしない。 みなさんが思っているように私も最初は気づいていないものだとばかりおもっていた。 でもこれが野良ゆっくりだとれみりゃは見逃さない。 ちょうどいいところに、野良のまりさ種がやってきた。 この店は前がお菓子屋ということもあり、 この界隈のゆっくりたちには「あまあまがあるゆっくりぷれいす」と認識されているらしい。 そもそもゆっくりを珍しがっていた前の店主がお菓子の売れ残りをあげていた事にも問題はあるのだが・・・ まぁ、いない人のことを言ってもしょうがないので割愛する。 さて、野良まりさはゆっくりぷれいす、つまり私の店のドアをドンドン叩きだした。 このドアは前の店主がつけた丈夫な樫の木でできていて、ゆっくり程度じゃ壊れない代物である。(高かったらしい) 「おじさん!!素敵なまりさがきてやったのぜ!! まりさのスーパー頭脳にかかればここにあまあまがあるのはすぐにわかるのぜ!! おじさん!中にいるのはわかっているんだぜ!!」 野良まりさの言うとおり私は店の中にいる。 今日は定休日だがゆっくりたちの面倒を見ないといけないし、することもないので 店の中で赤ゆを茶菓子にコーヒーを飲んで新聞を読んでいた。 ちなみに話は脱線するが、この赤ゆたちの入っているカップには面白い構造をしている。 直径10cm高さ5cmの底が少し深いどこにでもある食器なのだが、 食器の下には熱を伝える装置がついている(充電式)、設定温度はお好みで20〜50℃ぐらいである。 ちょうどゆっくりできない温度まで上げれるものと考えてもらえればいい。 これだけなら熱さで泣き喚いてる赤ゆを順番につま楊枝を刺していくだけなのだが、 この食器には真ん中に2cm×2のすこし高い突起部分がある。 ここには熱が通っておらず、食器に入れられたゆっくりたちは先を争ってここに群がるというわけである。 ついさっきまで仲のよかったゆっくりたちがここでは他の姉妹を蹴落とそうと必死になっている。 見るだけでも面白いのだが、真ん中のゆっくりをたべると 赤ゆA「ちゅぎはれいみゅがきょきょにいくべきなんだよ」 赤ゆB「まりちゃのすーぱーぴゃわーにかちぇるわけないでちょ わかっちゃらちゃっちゃとどいちぇね」 赤ゆC「やみぇてねれいみゅがゆっきゅりできないよ」 などとイス取りゲームよろしく、先を争っている。 食べられる怖さなど二の次である。 設定温度を落とすと 『食べられる怖さ』>『熱くてゆっくりできない温度』となり、 赤ゆD「どうちて れいみゅをたべるの!!」プクー 赤ゆE「きょきょはゆっくちできないー」 赤ゆF「みゃみゃー!たちゅけてよー!」 とさっきよりワーワーうるさいもんである。 バターを溶かしたり食べ方は色々と考えていこうと思う。 さてさっきのまりさだが 〜〜5分後〜〜 「じじぃ!はやくあまあまもってこいっていってるでしょ!ばかなの? まりさのいうことが聞けないばかなじじいはさっさとあまあまもってこい!! あまあま持ってきたら命だけはゆるしてやってもいいのぜ!!!!」 まりさの罵倒がヒートアップしていた。 その時、まりさの後ろに腐りかけたチーズケーキが落ちてきた。 まりさは気づいて 「ゆ?あまあまが落ちてるよ! これはきっとじじぃが持ってきたんだぜ! 姿を見せないのはまりさ様が怖かったんだぜ きっと!」 さんざん自画自賛をしてから半分食べて半分を帽子の中に入れた。 きっと巣に持ち帰って家族に与えるんだろう。 ちなみにこの腐りかけたチーズケーキ もちろん私が与えたものではない。 このあたりではむやみに野良ゆっくりに餌を与えるのは条例で禁止されているからである。 このチーズケーキ、もともと私が数日前にれみりゃにあげたものである。 与えたのはいいが、元々お菓子屋に飼われていたれみりゃはグルメだったらしい。 口をつけずに巣の近くに放置していた。 食べないのなら捨てるように言ったのだが、「う〜う〜」言って首を振るばかりであった。 そのチーズケーキがまりさの後ろに落ちてきた。 「しかたないのぜ!今回はこれでゆるしてやるのぜ! 次も来るからじじぃはあまあまを用意して待っているのぜ!」 と、まりさは一応の収穫に満足したのか帰路についた。 その時!そのときである! 今まで息を潜めていたれみりゃが巣から飛び出し、帰ろうとするまりさ目掛けて滑空していった。 その姿はまるでねずみを狙うフクロウのようであり、鷹のようであった。 私はそのままガブリッ!といくものだと思っていたが、それは違った。 れみりゃは滑空の威力を使ってまりさに体当たりをくらわせたのだ。 まりさ「プギャ!!ゆべっ!」デン!デン! れみりゃのほうが体格が小さかったが滑空の威力が加わっていたため、 まりさは体当たりの衝撃によって二転三転ころころと転がってしまった。 アスファルトの上を転がったのである。怪我は無いがまりさの体は擦り切れて痛々しいものだった。 そのまりさに向かってれみりゃは鋭い歯をたてて噛み付いた! 「ひぅ!」 噛み付いた場所はお尻の少し上、うなじの下である。 普通、れみりゃ種がまりさやれいむに噛み付くとき、ほっぺたに噛み付くことが多い。 理由としてはいくつかある。 一つはほっぺたの近くはやわらかく、中枢餡子に近いため他の部位より美味しい餡子を早く吸えるのである。 他には、その姿がありありと見せつけられるようにほっぺたを噛み付かれることでまりさ達は抵抗さえしないことも多々あるのである。 つまり暴れるのを防ぐのが理由である。 そして一番の理由はなんといっても、恐怖が倍増されることによって甘みが増えるのである。 お尻の上を少し噛み付いたのは何か理由があるのか?と 一年近く同居しているれみりゃの狩りに私は少しばかり興味を持った。 れみりゃはまりさに噛み付いた後、口の中に隠し持っていた細い木を 噛み付いて出来た傷口に突っ込んだ。 本当に細い木で、箸のような細さであった。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 まりさの悲鳴があたりにこだました。 れみりゃは数回まりさの周りを飛び回っていたが悲鳴を上げてのたうち回るまりさを尻目にどこかに飛び去っていってしまった。 まりさは噛まれた痛みや小枝が餡子をえぐる痛みに対し気持ち悪いように体をぐねらせていた。 そして、痛みにもだえながらも『なぜれみりゃが去っていったのか?』と考えていた。 いくら自尊心の高いゆっくりであっても、れみりゃがまりさを恐れたとは思えなかった。 いつまでも考えつづける餡子脳があるわけでもないし、 噛まれた箇所がお尻に近く餡子も厚かったのでなんとか歩くことが出来た。、 数分休憩した後まりさは巣に帰ることに決めた。 体当たりの衝撃で帽子の中でシャッフルされたチーズケーキを食べ、 来るときの1/5ぐらいの速度でのっそりのっそりと歩き出した。 歩くたびに体の中に刺さった小枝が痛いのだろうか 「ゆぐっ!ゆぎっ!」と声を上げている。 ゆっくりと帰っていくまりさはとてもじゃないがさっきまでの威勢は無い。 レイパーアリスに絡まれたら即死だろう。 しかし、アリスたちに出会ってもまりさはきっと巣にたどりつけるだろう。 れみりゃが彼を尾行しているのだから・・・ れみりゃはグルメである。 目の前のチーズケーキに手を付けず、手負いのまりさを捕食することを我慢できるぐらいに。 帰路につくまりさとそれを尾行するれみりゃを見送りながら、私はれみりゃの狩りについて考えてみた。 まず、チーズケーキ れみりゃはまりさがチーズケーキに気をとられている隙に体当たりを食らわせた。 れみりゃは自分がここに住んでいることをまりさ達に知られたくなかったのであろう。 野生のゆっくりは捕食種がいる所には近づかない。れみりゃはそれを本能で知っていたのである。 その為チーズケーキを使うことで『いきなり現れた』演出を行ったのである。 (当店にとってはれみりゃが自己主張してくれたほうがありがたいのだが) 次に噛み付いた箇所と木の棒 おそらくである。れみりゃは子ゆっくりを好んで食べるのだろう。 そのためには巣の案内をまりさに行わせ、同時にまりさを無力化するのが望ましい。 だからお尻の少し上を噛み付いたのであろう。 れみりゃはこの後巣まで尾行し、まりさ達がいる前で赤ゆを捕食するだろう。 その時、まりさはどういう行動をするだろうか・・・ 十中八九怒りにまかせ多少の痛みにこらえながらもれみりゃの食事を妨害するのは明白である。 その時、臀部が痛かったらまりさの体当たりは半減するものである。 さらに木の棒が刺さっていることにより痛みは倍増されるということである。 巣まで帰っている間に木の棒は深く刺さっている。 相方のれいむなりアリスなりに手伝ってもらっても引き抜くことは不可能である。 しかしながらお尻付近に刺さった細い木の枝である。 狩りや遠出さえしなければ日常生活に不自由しないだろう。 キズが回復し時間が経過すればまた子作りをするだろう。 その時は手負いのまりさに茎を実らせているかもしれないが・・・ 遠出ができない彼らは新しい巣を探すだろうか? 巣を変えたとしてもおそらく近場ですませるだろう。 そうなると将来生まれるであろう彼らの赤ゆ達はれみりゃの食料になってしまうという寸法である。 まぁ、ここまで考えてはみたものの、 赤ゆっくりが生まれているかどうかわからないものである。 れみりゃの狩りが成功したかどうかは彼が帰ってきてから聞くことにしよう。 彼の狩りが成功することを祈りつつ私は最後の赤ゆを噛まずに飲み込んだ。 赤ゆ「ゆ゛び゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛み゛ゃ゛み゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ ゆ?きょきょどょこ?くりゃい゛よ゛!ゆっちくできなよ゛! ゆゆゆ???あみゃあみゃのにぉいが・・・」 私は最後にコーヒーを飲もうかと思ったが、赤ゆが幸せそうに姉妹を食べているのをきいて、しばらくそっとしておくことにした。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/901.html
戦術れみりゃ ドスまりさ(弱)が出てきます ほぼ虐待ではないかも 「早く村長を連れてくるんだぜ!!」 ドスまりさは村の入り口近くにいた男に叫んだ。 彼は驚いた。3mはあろうかというドスまりさと、数百匹ものゆっくりの大群がそこにいたのだ。 男は村の役場に駆け込んだ。そして程なくドスまりさの元に村長と4人の人間が現れた。 「私の村にようこそ!私が村長の鬼意だ!ドスとみなさんお集まりで何の御用かな?」 何を言われるかは分かりきっているが、村長は敢えて聞いてみた。 「今日来たのはまりさ達と協定を結んでもらうためなんだぜ!」 ドスまりさはその内容を村長に説明した。村長は「はいはい、テンプレテンプレ」と思いつつも黙って聞いていた。 そして例のごとく 「しっかり見てるんだぜ!」 ドスまりさは適当な木めがけてドススパークを放った。 激しい閃光と轟音の後、そこには黒こげになって朽ちた木が残っていた。 「村にドススパークを撃たれたくなかったら、協定を結ぶんだぜ!!」 「そーだそーだ!!どすのいうとおりだ!!」 「ばかなにんげんさんははやくきょうていをむすんでね!!」 周りのゆっくり共も騒いでいる。 村長は返答した。 「確かに協定をむすべば私がドススパークを食らう事も無いし、ゆっくり共から野菜を持っていかれる事も無くなる。 お前達は食料の安定供給もできるし殺される心配も無くなるな。」 「わかってるなら早く協定を結ぶんだぜ!!」 村長は微笑みながら答えた。 「お断りだ。」 ゆっくり達は耳を疑った。 「な、何をいってるんだz「だからお断りだと言っている」」 「何故お前達ゆっくりの為に食料をくれてやらなければいけないんだ? こっちに貢物するならともかく、食料をよこせと・・・? 挙句に進入してきたゆっくりを殺してはいけないとは馬鹿馬鹿しいにも程がある!! まぁそういう事だから帰った帰った!」 ドスまりさは動揺した。まさかいきなり断られるとは思っていなかった為である。 「ゆぐぐ・・・そんなにドススパークをくらいたいのかだぜ!?」 「今だったら見逃してやろう。さっさと帰れ!!」 先ほど見せたドススパークを人間が恐れなかった事に、ドスまりさは焦った。 しかし 「どすをばかにするゆっくりしないにんげんはしね!!」 「むきゅ~!にんげんともあろうものがどすにさからうなんておろかね!!」 「どす!!こんないなかものなにんげんはころすべきよ!!」 「わかるよー!!にんげんはみなごろしなんだねー!!」 「にんげんはしねちーんぽ!!」 他のゆっくり達は人間と戦う気満々だった。ドスも今更帰るとも言えないし、何より馬鹿にされたのに腹が立っていた。 「みんな分かったぜ!!村の人間をみな殺しにして食べ物を奪ってゆっくりするぜ!!」 ドスまりさも完全にやる気になった。 「その言葉、私達に対する宣戦布告と判断した。」 「今更あやまっても遅いぜ!!ゆっくしりないでさっさと死ぬんだぜ!!」 人間達は冷静だった。 「私達だけでは骨が折れる。だから助っ人を呼ばせて貰おう。」 「「「ゆゆっ!?」」」 村長は深呼吸し、大声で叫んだ。 「でろぉぉぉぉおぉぉおおお!!れみぃぃぃぃぃぃいいいいりゃぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「うっう~☆」 「「「「れ、れみりゃだぁ!!」」」」 何処からとも無くれみりゃが集まってきた。その数15匹。 「「「うっう~☆おにいさんどうしたんだど~?」」」 「私達がこのゆっくり達に襲われて困っているんだ。やっつけたいからおぜうさま達みんなの力を貸して欲しい。 お願いできるかな?」 「「「うっう~☆れみりゃにまかせるんだど~☆」」」 突然のれみりゃの登場に驚いたゆっくり達ではあったが、ドスがいるため恐れ慄くという事は無かった。 「ゆっ!ばかな人間だぜ!!れみりゃが何匹こようとまりさが負けるわけないぜ!!」 「にんげんがばかなれみりゃにたよるなんて、おぉおろかおろか!!」 ドスまりさの言う通りであった。まともに戦えばれみりゃが50匹いたとしても、ドスまりさに勝てるかどうか分からない。 その位の戦力差がドス種と通常種にはあるのだ。 「たしかにドスまりさの言う通りだ。まともにやれば50匹どころか100匹でも勝てるか分からない。 まともにやればの話だが・・・。」 「ガタガタうるさいぜ!!ゆっくりできない人間はしね!!みんないくぜぇぇええ!!」 ゆっくり達は突撃した。 「ゆっくり相手に正々堂々戦うなんて馬鹿らしい。れみりゃぁーーー整列!!」 「「「りょうかいだど!!」」」」 れみりゃ達は縦3列横5列の列を作り、村長の前に並んだ。 「1列目、構え!!」 「うっう~☆」 1列目のれみりゃ達がゆっくり達に背を向けた。と同時にその場にいた人間達はお面のような物を被った。 「くだらない小細工なんてきかないぜぇえぇぇええ!!しねぇぇえええ!!!」 ゆっくりの群れが近づいてきたその瞬間 「れみりゃぁぁあああ・・・撃てェ!!!」 「「「「「うっう~~☆れみりゃーぶーーーー☆」」」」」 1列目のれみりゃ達が同時に屁を放った。 突撃してきたゆっくり達とドスまりさはその屁の直撃を受けてしまった。 「ゆぎゃぁあぁぁぁああ!!ぐざいぃぃぃぃいい!!!!!」 「ゆげぇえええええ!!!」 「うげぇえぇぇぇええ!!エレエレエレ・・・」 ドスまりさ以外のゆっくり達は、あまりの臭さにショック死してしまった。ドスまりさも臭さに悶え苦しんでいる。 群れの前方のゆっくり達は全滅したが、屁の直撃を免れたゆっくり達が次々と突撃してゆく。 「2列目、構え!!」 「うっう~☆」 1列目のれみりゃ達は列の後ろに並び、2列目のれみりゃ達が最前列に並んだ。そして 「れみりゃぁぁあああ・・・撃てェ!!!」 「「「「「うっう~~☆れみりゃーぶーーーー☆」」」」」 「「「「「ゆぎぇぇええあぁぁぁぁああぁぁ!!!」」」」」 「ぐえぇ・・・・」 1発目の屁で悶えていたドスまりさにも2発目が直撃し、ドスまりさは気絶した。 最初と同様に屁を放ったれみりゃは後ろに行き、3列目のれみりゃ達が最前列へ並んだ。 「3列目構え!!」 「うっう~☆」 「れみりゃぁぁあああ・・・撃てェ!!!」 「「「「「うっう~~☆れみりゃーぶーーーー☆」」」」」 「「「「ゆぎゃぁああぁぁぁぁ!!!!」」」」 「「「「ゆげぇぇえぇぇえぇぇぇ!!!!」」」」 「「「「ぐざいぃぃぃぃぃぃぃいい!!!!」」」」 れみりゃの列が一巡した時点で、ゆっくり達の6割が死んだ。 そうなるとゆっくりの中には逃げ出すものも出てくる。 「ゆっくりにげるよ!!!」 「やくにたたないどすのせいでゆっくりできなくなるぜ!!さっさとにげるぜ!!!」 「逃がすか!!れみりゃ、逃げ道を塞ぐんだ!!」 「「りょうかいだど!!」」 「「ゆぎゃぁああぁぁあ!!」」 「「「れみりゃこないでねぇぇえええ!!!」」」 れみりゃ達が退路を塞ぐ。そうするとれみりゃ達と逆に逃げようとする。 さらに逃げてきた方向から他のゆっくりが雪崩れ込む。そうしている内にゆっくり同士で潰しあう。 その結果、ゆっくりの大半が自滅した。 残りのゆっくりは1割にも満たない数になった。それらを人間達とれみりゃ達で潰していった。 ゆっくり達が全滅するのに要した時間は、れみりゃ達を呼んでから10分と経たなかった。 「うぅぅ・・・ん。はっ!!」 ドスまりさは目を覚ました。 ドスまりさは車の荷台に縛り付けられていた。 「お目覚めだな。ドスまりさ」 「人間は殺してやるんだぜぇぇえぇぇえ!!!」 「周りを見てからそんな台詞を言って欲しいものだな・・・」 「ゆっ!?」 ドスまりさは辺りを見渡した。するとそこには山積みにされたゆっくり達の死骸があった。 他には飛び散った餡子や、ゆっくりを貪り食うれみりゃの姿があった。 「こ、これはどういう事なんだぜ?!」 ドスまりさは訪ねた。 「君がぐっすり眠っている間に皆殺しにさせてもらったよ。苦戦するかとも思ったが、10分足らずで全滅したよ。 いくら大勢でも所詮はゆっくりか。」 ドスまりさは信じたくなかった。あれ程いた仲間達が皆殺しにされた事を。 「うそだ!!!まりさの仲間達が死んだなんてうそなんだぜ!!!!!」 「ではあの山積みになっているのは何だ?ゆっくりの形をした饅頭か?」 「ゆがぁああぁぁぁあぁぁぁ!!!」 ドスはキレた。せめて目の前にいる人間だけでも殺そうと思った。 「ごろ゙じでや゙る゙!!!ごろ゙じでや゙る゙ぞぉぉぉ!!!」 「縛り付けられた状態でどうやって私を殺すんだね?」 「ゆぎぃぃぃいい!!ドススパークをぐらえぇぇぇ!!!」 そういってドスまりさはドススパークの元であるスパークキノコを噛み砕こうとした。しかし 「な!なんでキノコがないんだぜぇぇぇぇぇえ?!?!?!」 「探し物はこれかね?」 人間の手に握られていたのはスパークキノコや、ゆっくりオーラ用のキノコだった。 気絶している間に人間がキノコを奪っていたのだ。 「がえぜぇえぇえぇぇぇええ!!!」 「断る!!これはこちらで処分させて貰おう。あぁ・・・霧雨魔法店の魔理沙さんに渡すのもいいか・・・」 「ゆがぁああぁぁぁ!!ごろ゙じでや゙る゙!!ごろ゙じでや゙る゙!!ごろ゙じでや゙る゙!!」 「うるさいな全く・・・。おぜうさま達!こいつを黙らせてくれ!!」 「「「はいだど~☆うっう~~☆れみりゃーぶーーーー☆」」」 「ぐえぇえ・・・・・」 至近距離での屁に、ドスまりさはまたも意識を失った。このドスまりさはそのまま加工所送りとなった。 「おぜうさま達!今日は助かったよ!みんなのおかげで村の平和が保たれたんだ!!ありがとう!!」 そう言って人間達はれみりゃ達を撫で回した。 「うっう~☆こまったときにはおたがいさまだど~~☆きにしないでいいど~☆」 れみりゃ達は褒められた事に気を良くしていた。 「うっう~☆またなにかあったらよんでほしいど☆またねだど~~☆」 れみりゃ達は山へ帰っていった。 れみりゃ種は他のゆっくりに比べ、頭が非常に悪い。しかし頭は悪い分悪知恵を働かせる事無く、 非常に素直な性格をしている。(紅魔館で飼育されているものは除く) そのため、褒めてやったり煽ててやるととても喜ぶのである。 ゆっくりにすら馬鹿にされているれみりゃが、ゆっくりよりずっと強く賢い人間に褒められた時の喜びは相当なものである。 そうして村長をはじめ村人達はれみりゃを手なずけて、ゆっくりの駆除などに利用しているのだ。 「冬を前にして肥料と燃料が大量に手に入るとは思ってもみませんでしたよ。」 「さすがにれみりゃの屁で死んでるから食う気はしないが、それでも役には立つからな。」 「こんな感じならしょっちゅうドスが襲撃に来ないもんかねぇ~」 「それはさすがに・・・まぁでもたまに来る分にはいいですよねぇ。」 ゆっくりの死骸は思わぬ恵みをもたらした。 放屁により死んだゆっくり達なので食用には適さないが、すり潰して畑の肥料にしたり、 乾燥させて燃料にしたり、飾りを死骸から取り除いて畑の周囲に吊るすことで、 ゆっくり避けに使えたりといった具合である。 ドスまりさは村を乗っ取るどころか色々プレゼントをしたのと同じである。仲間達を皆殺しにして。 「ゆぅぅ・・・はっ!!」 「加工所へようこそ!ドスまりさ」 「ゆぎゃぁああああああ!!!!!」 加工所ではドスまりさの悲鳴が響いた。 終 れみりゃ一斉放屁の元ネタというか、最初のイメージはスパ〇ボで見たGビット一斉発射を見てイメージしました。 ただ横1列だとゆっくりの集団には微妙じゃね?という考えにいたり、 長篠の戦で信長勢が行った三段撃ちならいけると考えて、それを採用しました。 Gガンパロネタや、スレで放屁れみりゃAA連発があったので焦って完成させました。 ちなみにfuku3107のれみりゃにアドバイスをした人間は村長です。 ちなみに下のはドスまりさが村長に提示した協定の内容です。 ゆっくりは勝手に人間の家や畑に入ってはいけない 人間は勝手にゆっくりの家やゆっくりプレイスに入ってはいけない。 人間はゆっくりを殺してはいけない。 人間はゆっくりに食料を渡さなければいけない。 人間はゆっくりの冬篭りの為の場を用意しなければいけない。またその際の食料も渡さなければならない。 ゆっくりが捕食種に襲われたら、人間は助けなければならない。 人間はドスをバカにしてはいけない。 その他、ドスの命令に人間は逆らってはいけない。 このSSに感想を付ける