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私は、はやる気持ちを抑えながら、いつもの病室のドアを開けた。 そのカーテンの先には……悟史くんが居る。 悟史くんは、ベッドの上に身だけを起こし、監督と話をしていた。 問診というやつだろう。 「あの、監督……入っていいでしょうか?」 「いいですよ、詩音さん」 その言葉だけで胸が跳ねた。 一歩一歩慎重に、悟史くんを驚かさないように…… 「さ、悟史くん……おはよう」 「……誰?」 少し、言葉に詰まる。 「詩音……園崎詩音、覚えてる?」 「……ああ、魅音の妹か」 なんとなく、記憶の中の悟史くんと違う。 でも、目の前のこの人は……間違いなく悟史くんだ。 「詩音さん、悟史くんは……少々記憶の混乱が見られますので、 今質問は控えてもらえますか? 記憶の程度を今分析していますので……」 監督が耳打ちした。 悟史くんはそれを不審に思うこともなく、 ただぼうっと空中を見つめていた。 「は、はい……また来ますね」 「ええ、ぜひ」 監督は笑顔で私を送り出してくれた。 本当は……私が今入ってきてはいけなかったのかもしれない。 そんな気持ちを胸の中に抑えつつ、 私は駆け出した。 次の日に診療所へ向かうと、 私がいつも同じ時間に来るのが分かっている監督が、 診療所の前で待ち構えていた。 「あ、詩音さん……あの、悪いんですが」 「まだ無理なんですね、いえいえ、悟史くんに会えるんですから……ちょっとの間ぐらい我慢しますとも」 「……はい、すみません」 今度は私が、監督を笑顔で診療所へと送った。 次の日も……その次の日も。 私は、一ヶ月待った。 その時間は、私が今まで待った時間よりもはるかに長く感じられた。 それでも悟史くんが居ると分かった後の期間は、 どこか寄りかかるところが無かった今までよりも充実していた。 だから…… 私は。 生まれて始めて、手首を切った。 「詩ぃちゃん……腕時計なんかしてたっけ?」 レナは、恐ろしいぐらい勘がいい子だ。 私を放課後の教室に呼びつけるなり、 そう言った。 「……ええ、確かに今日からしてますけど、 それが何か?」 「……ごめんね、ちょっと気になったの」 「何が……です?」 こちこちと、時計の針の音がうるさかった。 その音が、この長い静寂がそれほど長くないものだということを、 嫌というほど聞かせてくれる。 「あの、レナ……帰りますよ?」 「詩ぃちゃん、これ見て?」 いつも手首を曲げているレナが、 私にはっきりと、私の手についたのと同じものを見せてきた。 「……あのね、こんなことするのは、何かあったからだよね? レナ、相談に乗るよ?」 私は、恥ずかしさに頬を染めた。 一緒に戦い抜いた仲間じゃないか。 それなのに、私は自らを集団の少し外に置いていた。 悔しかった。 悟史くんに会えたのは……皆を信じたからなのに。 悔しくて悔しくて、手首を切った時には溢れなかったものが、 目からぽろぽろと零れ落ちる。 「し、詩ぃちゃん……」 レナは、おろおろとしつつも、ごく冷静にハンカチを差し出してくれた。 「悟史くんのこと?」 どきっとした。 この子の勘は……鋭すぎる。 「……って、言われたの」 「何?」 「近づくなって……うぇ、っ……うううう、うぁああああああ!!!」 レナはそんな取り乱した私を……包み込んでくれた。 「大丈夫だよ……悟史くん、居たんだよね? どこかに行ったんじゃないんだよね? じゃあ、大丈夫だよ?」 「うぇえ、うぅ、うぇえええ!!」 背中をぽんぽんと、レナは叩いてくれた。 「好きなだけ泣いて? でも、その後は笑お? だって、詩ぃちゃんは今幸せなんだもの。 意中の人が、ちょっと遠ざかっただけだから」 レナの言っている意味が……心の奥に染み渡った。 レナの好きな圭ちゃんは、お姉を選んだから。 「……男の子なんて、この世にいくらでも居るよ」 本当は、自分だって泣きたいはずなのに。 私は自分がまた恥ずかしくなって…… また泣いた。 「それに……女の子が好きな……女の子だって居るんだよ?」 突如として、私はより強く抱きしめられるのを感じた。 レナの鼓動がすぐ近くにあって、 この世に存在するあらゆる音より大きく聞こえた。 「詩ぃちゃん……私、一杯慰めたよね? だから……私も慰めてくれる?」 レナの手が、少しずつ下へと這っていく。 「れ、レナ……?」 私が信じられないものを見るかのような目でレナを見ると、 レナはびくっとして、すぐに手を引いた。 「ご、ごめ、わ、私……何してんだろ?」 「い、いいですよ……レナを、慰めますよ…… でも、私……どうしたらいいか」 「本当にいいの? 詩ぃちゃん?」 真っ赤になったレナの顔が、急にいとおしく感じた。 「……ぅん」 私は、机を掴んでお尻を突き出す形になった。 レナが後ろから、私の胸に手を回していた。 右手は胸に……左手は、太ももに。 「はっ……くっ、れ、レナぁ」 それだけの行為なのに、 私の腰は抜けそうになって、がくがくと震えていた。 「詩ぃちゃん、かぁいいよ」 レナが囁くように言った。 そのまま、みみたぶを噛んで来る。 「あぅっ!」 「詩ぃちゃん、感じやすいんだね……もう、大変なことになってるよ? もしかして、毎日毎日してたのかな?」 「れ、レナ……おじさんみたいです……はくっ!」 レナが首筋を撫でてきた。 もうどこを撫でられたって、 私の全ての皮膚は鋭敏になって、 下着がずれただけで体が痙攣するようになってしまった。 「じ、焦らさないでッ!」 「詩ぃちゃんずるいよ……私はまだ気持ちよくなってないのに」 そういうレナの目は、とろんとしていた。 「嘘でしょ、レナ……」 私は机に座り、レナを抱きしめた。 そのままレナとキスをする。 唇へのキスだ。 本で見たとおり、舌を突き出してみる。 レナはそれに応えて、舌を付き返してくれた。 「あむぅ……にゅ、ちゅりゅ」 声にならない声を、口の間から出す。 レナの顔は再び真っ赤になった。 すごく分かりやすい子だ。 「レナ……胸をいじったことはあります?」 「……ぅん」 「包皮を剥いたことは?」 「詩ぃちゃんも……おじさんみたいだよ?」 「質問に答えない悪い子は、全部やっちゃいます」 私は、口でレナの乳房を責めた。 右手はレナの左胸に。 左手はレナの秘所に。 「あっ、あぅ……はぅぅぅ、だっ、詩ぃちゃん、いっぺんにはダメェ!」 レナは……一瞬にしてイってしまった。 また私はキスをする。 レナが窒息しそうだったので、今度はすぐに口を離した。 はっ、はっと苦しそうに、レナは肩を上げ下げしていた。 「し、詩ぃちゃんにも……しないとね?」 レナは恐ろしい回復速度で、 私を押し倒した。 「あ、レッ!」 私はレナに犯される様に、机に仰向けに寝そべる形になった。 目に見えるのは教室の天井じゃなく、一面のレナの顔。 私はまた、唇を奪われていた。 しかも今度は、私が一方的に責め立てられている。 レナの無秩序とも言える、 痙攣するような手が、私の大事なところで震えていた。 口をふさがれているから、息をすることもままならない。 レナがやっと口を離してくれた。 私は大きく息を吸う。 「詩ぃちゃん、悟史くんに沙都子ちゃんのこと頼まれてたんだよね? 沙都子ちゃん、近頃詩ぃちゃんが全然かまってくれないって、 私に泣きついてたよ?」 レナは責める手を止め、今度は言葉で責めてきた。 「ぇ……あ、だ、だって……沙都子はもう大丈夫……」 「嘘だ」 レナがそう囁きゆっくりゆっくり、手を動かす。 私の中に指を挿入しようかどうか、迷っているように。 「詩ぃちゃんは沙都子ちゃんのこと……頼まれてたんでしょ?」 「は、はぃ……沙都子のこと頼まれてましたぁぁあ……あぅっ!」 突如として、レナが私の中に指を入れた。 「れ、レナぁ……」 突然の衝撃に……私は失禁してしまった。 「ご、ごめ……ぐすっ、うう」 「わ、私こそ……ごめん、考えもなしに嫌なこと言っちゃって……」 「ううん、私が悪いんです、悟史くんのことばっかり考えて、 沙都子のことをないがしろにしてたから…… 私が悪いんですぅぅぅ……」 「詩ぃちゃんは悪くないよ……私のほうが悪いもん。 失恋したからって……詩ぃちゃんに当たって…… 魅ぃちゃんに似てるからってね……」 私たちは、雑巾で後片付けをした。 なんだが自分が情けなくなってくる。 こんな年になって、おもらししてしまうなんて…… 「あ、あの、レナッ……その、今度は」 「今度は無いよ、詩ぃちゃん。 今度は私も、いい男の子を見つけるんだ」 レナはそういって、笑ってみせた。 「じゃ、じゃあ、その時はダブルデートしましょ、 レナなら絶対見つかる! 圭ちゃんなんかより、 万倍いい男が見つかるよ! だって……」 「あっ」 私は、レナの傷ついた手を取った。 「こんなに綺麗な手をしてる」 レナは、また赤面した。 リハビリ室は、突き当りを曲がったところ。 あらかじめ位置は把握していた。 そのドアを叩かず、私は元気に開けた。 「おっはよー、悟史くん! 監督!」 「あはは、元気ですねぇ、詩音さん」 「むぅ、詩音、ここは病院だよ?」 私は、あの後苦労しつつも、なんとか悟史くんと普通に接せるようになっていた。 「悟史くんも、元気ですねぇ、さっすが朝」 「ふぇ?」 悟史くんは、私の言葉に騙されて、下を向いた。 「ひっかかったー!」 「む、むぅ……」 いま思えば、悟史くんの変化なんて、一瞬のことだった。 私は悟史くんの外見を見て恋をしてたの? 違う。そうだよね? レナ? 私は、レナの醜いけども……お料理やお裁縫や、 その他の努力で何年も頑張った手を思い出した。 綺麗な手 ―完―
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「おうおうおうっ! やってくれんじゃないのっ! ブチ撒けられてぇかぁぁぁぁっ!!」 だんっ! と床に叩きつけられて、梨花は、こほ、と咳き込んだ。思いつく限りの罵声を口の中で吐きながらも、涙で滲んだ視界の向こうで狂った笑いを浮かべている、園崎魅音――いや、この場合は園崎詩音と言うべきか――を睨みつける。 右手の注射器の頼りない感触に身震いしながらも、梨花は詩音からじりじりと間合いをとった。 手詰まりだった。奇襲が通用しない今となっては、古手梨花と園崎詩音とではスピードもパワーも差がありすぎる。催涙スプレーは突き飛ばされた時にどこかに飛んでいってしまった。 (くそ、こうなったら……) 誰があんたなんかに殺されてやるもんか。 そう胸中で吐き捨てて、梨花は背中に隠した包丁を手に取り、自分の喉元に突きつける。 そうしている間に、すでに詩音は梨花の目の前まで来ていた。 そして詩音は哄笑しながらバチバチと放電するスタンガンを振りかぶり――。 「……あれ?」 そのまま床に転がっていた催涙スプレー缶を踏みつけて、ごっちーん、とひっくり返った。 「……………………」 包丁の切っ先を自らの喉に当てて硬直したまま、梨花は目の前で目を回している詩音を眺めていた。 やがてそろそろと包丁を下ろすと、包丁の背でつんつんと詩音の頬をつついてみる。 ……反応なし。どうやら完全に気絶しているらしい。 とりあえず、梨花は注射器の針を詩音の腕に刺すと、ちゅう、と中の薬剤を注入する。これで、とりあえず詩音の発症の危険は去った。 ほっと肩を脱力しかけて、梨花は慌てて首を振った。自分は園崎家の地下に監禁されている魅音と沙都子を助けなければならないのだ。 園崎魅音として雛見沢をあちこち駆け巡っていたことから、祭具殿の鍵はおそらく常に身に着けているはずだ。そう考えて、梨花は詩音の身を確認しようとした。 だがまだだ、と首を振る。雛見沢症候群の危険はないとはいえ、さっきの状況から考えると目を覚ました詩音が襲い掛かってくる可能性は十分に高い。 梨花は周囲をきょろきょろと見回すと、物干し用のロープで目を止めた。そのままいそいそとロープを持ち出すと、詩音の両手と両足をしっかりと縛る。ロープを結び終えると、梨花はうつ伏せに倒れた詩音の腹に跨ると、ぺたぺたと詩音の上半身を調べ始める。 上着のポケットを裏返し、ジーンズの尻ポケットにごそごそと手を突っ込んでみるが、 (……ないわね) 芳しくない結果に、ふむと梨花は腕組みした。後ろにないとなると、 (やっぱり、前にあるのね) 頷いて、梨花は詩音の身体を仰向けにひっくり返し、再び馬乗りになる。 ふと、梨花はきょろきょろと辺りを見回した。周囲には誰もいない。 無論、そんなことなどわかりきっているが、そこはそれ、儀礼的なものに理由などないのだ。 そのまま、モデルガンのホルスター、ジーンズなども確認してみるが、やはりそれらしきものは見当たらない。 (……おかしいわね) 苛立ちに、梨花は眉根を寄せる。何処だ、何処にある? まだ魅音と沙都子をいたぶる必要があった以上、飲み込んでいるなどということはないはずだ。ならば何処に――。 苛立ちは焦燥へと変わり、せわしなく視線が動き回った。 と。 そこで、梨花は二つの場所で視線を止めた。 即ち――詩音の、胸と、股間に。 たしか、尻の中に針金を隠して脱獄した脱獄犯というのを以前にTVでやっていた。ならば、詩音がそんな場所に隠しているということは十二分にあり得る。 なにせ穴は二つあるから可能性は単純計算で二倍だ。 梨花は詩音の奇抜な発想に驚愕し、そしてそれを見破った自分の閃きに感謝する。 (待っていて、沙都子、魅音。すぐにこの拷問狂の手から救い出してあげるから) 新たに決心しながら魅音の服に手をかける。上か下かどちらからやるか迷ったが、ライブ感を出すために上から剥いていくことにした。 ふと、梨花は自分の状況を確認してみる。両手両足を縛られて気絶した女に跨って、それにぺたぺた触れながらひん剥こうとしている幼女。 (どう見ても、身体に隠したものを探っているようにしか見えないわね) 力強く頷いて、梨花は、ぱん、と自分の頬を張って気合を入れた。 続いて、自分の目前で静かにいただきますと合掌すると――。 がばちょ、と詩音のTシャツをまくり上げた。 「おおっ」 始めに見えたのは黒い花。 鎖骨の辺りまでまくり上げると、黒いブラに半分包まれた詩音の豊かな乳房が顔を出した。 さて、と梨花は再び腕を組んで考えた。 やあスカリー。詩音ちゃんの胸に隠すとなると、どこら辺が一番怪しいと思うかな? やっぱり胸に隠すとなると基本は胸の谷間だと思うわ、モルダー。 脳内会議で出した結論に、完璧ね、と梨花は会心の笑みを浮かべる。なくても下を探せばいいだけだし。 そうと決まれば、と詩音の胸にシフトするために跨りながら体を前にずらす梨花。 しかし、そこではて、と首を傾げる。 (……これ、どうやって外すのかしら) ぼんやりと母がつけ外ししているのを見た記憶はあっても、具体的にどうやっていたのかまでは思い出せない。 がくり、と梨花は膝をついた。またもや自分は間に合わず、沙都子も魅音も救えず、そして再び六月は回り続けるというのか。 (ごめんなさい、沙都子。ごめんなさい、魅音。……そしてごめんなさい、お母さん) こんなことなら穴の開くほどじっくりきっちりむっちり確認しとくんだったよ畜生くそう、と続けて、梨花は意気消沈した視線を下に落とし――。 その目が、驚愕に見開かれた。 そこにあったのは、さっきの包丁。 梨花は包丁を掲げながら、この素晴らしき偶然を神に感謝した。 しかし、あぅあぅと威張るナマモノを連想したらなんだか腹が立ってきたので、懐にしまっているおしおき用銀紙をがむがむと噛んでおく。 ぎゃああ、という悲鳴が何処かから聞こえてきたが気にしない。 閑話休題。 包丁を構えると、梨花は詩音の胸の間にその切っ先を当てた。傷をつけてしまうといろいろと商品価値とか落ちるので、ブラを切るのには慎重の上に慎重を期することにする。 キコキコと包丁を前後にスライドさせるのに呼応して、ぷちぷちと繊維が切れる小気味よい音に、ふふふ、と梨花は思わず含み笑いを漏らした。 いやあくまで音にだってば。 そんなこんなの内に最後の一本までナイロンがぷつりと切れ、梨花はわきわきとした手つきで双丘のてっぺんの黒帽子をつまみ取る。 「おおー!」 ぽよぽよと重たげに揺れる乳房に梨花は思わず歓声をあげた。 ブラを外すという、たったそれだけのことでこんなにも揺れるものなのか、おっぱいは。 感心しながらも、梨花は当初の目的のである胸の谷間を確認しようと、がっちりと乳房を両手で握った。 掌からは、弾力と柔らかさがブレンドされた心地よい感覚を返ってくる。指の間からは、乳肉が窮屈そうにはみ出ていた。 そのまま指で先端をつまむと、ぐい、と左右に開く。 「……え?」 梨花は呆然と声を上げる。ない。鍵どころか、はさんだ痕さえ残っていなかった。 (くっ、ならばやはり下の方だというの?) まさかそんなところに隠すなんて。 戦々恐々としながらも、梨花はズボンの方に手をかけようとした。 だが、と思い留まる。そして一つの考えが浮かんだ。 (……この胸が、偽者である可能性) いえ、まさか。とその考えを切り捨てたくなる。つーかそろそろ詩音ファンに刺されそうだし。 しかし、可能性のある以上はそれを一笑に付して却下するわけにはいかない。コマンド総当りはAVGの基本なのだ。 梨花は上半身の方に重心を移し、再び乳房をぎゅむ、と握る。やわらかい感触。対して自分の胸を見下ろしてみる。 すとーん。 まさに断崖絶壁。マロリーも「そこに崖があったから」とか言って登頂をあきらめそうなくらいの絶壁ぶりだ。さすがに大石のような三段オリーブ園ほどではないにしても。 なんだか、無性に腹が立ってきた。 もみゅもみゅもみゅ。 一心不乱に詩音の胸を揉み倒す梨花。親の敵でも見るかのように目尻を吊り上げて、こやつめっ、こやつめっ、と強く握っては緩める。 くそう、こやつのおっぱいは何が入っているというのだ。やはり夢か? 夢が詰まってるのか? と、何かに気づいたように梨花はぴたりと手を止めた。 ぱ、と手を離すと、乳房の先端部がぴんと自己主張しているのが見える。それに梨花はニヤリと邪悪な笑みを漏らすと、ちゅうう、と乳首に吸い付いた。 「……くぅ、ふぁぁ……」 瞳を閉じたままの詩音が、梨花の愛撫に反応して悩ましげな吐息を漏らす。だが、梨花がちゅぽんと乳首を口内から引き抜くとまたすぐに鳴きやんでしまう。その反応が面白く、詩音の乳首がピンク色に上気するまで、くすくすと笑いながら梨花は詩音の胸をいじり回していた。 「よし、次ね! 下よ下、とにかく下!」 さすがに自ら隠語をべらべらと垂れる度胸はない。兎にも角にも、詩音が股の穴に以下略という無視できない可能性を検証するためだ。 梨花はずるずると詩音のジーンズをパンツごと膝まで下げると、うっすらと若葉色の茂みが生えている泉に指を這わせる。 「んぅっ!」 「ふふふ、やっぱり啼いたわね。となるとやはりここに隠していたわけね」 くっくっく、と悪の女幹部のような口調でつぶやくと、梨花はぴっちりと閉じている詩音の秘部を観察する。穴としては尿道、ヴァギナ、アナルの三つだが、さすがに尿道に鍵を隠すのは無理だろうということで外すことにした。 とまれ、穴の中に隠してあるなら直接手で確かめるべきだろう。何のかんのと回りくどく調べるより、そうした方が遥かに手っ取り早い。そういうことだ、じゃあ入れようか。 決断は早かった。 梨花は、右手の人差し指と中指をぴんと立たせると、ぺろり、と丹念に舐めあげて唾液で湿らせてから、 「……私は鬼を食う者だから(性的な意味で」 勢いよく、詩音の下の穴に二本の指を突っ込んだ。 「うぐぅぅ! んふ、はぅ……」 下半身への衝撃はやはり凄まじいものがあったのか、詩音は大きく声をあげる。 しかし、そんなことはお構いなしに梨花の指は詩音の秘所をぐにぐにと犯す。 指をグラインドさせるたびにぬちゃぬちゃと奏でられる卑猥な音が、詩音の声を余計に妖艶にしていた。 「んぅ、は、ふ、あっ、ああっ、あっ」 「むう、おかしいわね。ここかー? それともあそこなのかー?」 指を挿入し、さらに詩音の恥丘を揉みしだきながら、梨花はノリノリで詩音に言葉責めをする。聞いていないであろうことはわかってはいるが、これもまた気分の問題だ。 しかし、ここにもないとなると後はひとつしかない。 ぬちゃぬちゃと挿入した指を止めることはせず、梨花は詩音の足を前に倒す。すると、自然と詩音の股が全開で見えた。 ビバ消去法。 うふふふふふ、とアヤしい笑みを漏らしながら、もう一方の指をアナルに、そして口をぷっくりとした陰核に近づける。 「シンメトリカルドッキングー!」 下ネタ解禁。 じゅぷ、かりっ。 「くぅ――あぁぁッ……! いぃ、くぁ……!」 新たな方向から突如爆発した快感に、詩音は意識を真っ白にし、びくびくと身を仰け反らして絶頂に震えた。 つーか起きてんじゃねーのかこいつ、という指摘をする者は、幸か不幸か梨花を含めてこの場には存在しない。 そんな事は露知らず、梨花はしばらく詩音の膣にくちゅくちゅと指を出し入れして思う存分楽しんだ後、ふう、と身を起こした。 ごちそうさまでした、と詩音に向かって手を合わせると、ふむう、と腕を組む。 (しかし詩音が身に着けているわけじゃないとなると、どこなのかしら) 絞りこむにしても、精々園崎家の中ということくらいしかわからない。 これはちょっと探すのに時間がかかりそうね、と梨花はため息をつくと、とりあえず手近な居間から取り掛かろうと立ち上がった。 そしてずるべたーん!とすっ転ぶ。 受身すらとれずに顔面を強打し、痛そうに鼻を押さえながら、何なのよもう、と梨花は険のある目で足元を見やり…… そしてそのまま、さあっ、と顔色を蒼白にする―― 自分の足が、ぴんと伸ばしたまま投げ出されている。そこまではいいのだが、足先に、なにか、白い、ものが。 それは、こちらの足をがっちりとホールドしていた。 また、それは詩音の肩先から伸びていた。 とどのつまりは。 梨花の足を、詩音が握っていた。 「お、おおおおお起きていたのですか、詩ぃ」 「ええ。きっちりくっきりきっかりはっきり起きてましたよ、梨花ちゃま」 冷や汗を滝のように流しながらも、詩音に口を開く梨花。とりあえず敵意はなさそうなのでほっと息をつく。 が、それもすぐに打ち破られた。 「ねえ梨花ちゃま」 「みぃ?」 「さっき、いろいろと私の身体を弄繰り回してくれたみたいですねぇ」 ぎくり、と身を震わせる。加えて情欲に濡れた詩音の瞳が、梨花の不安を現在進行形で膨らませていた。 「え、えーと」 「ですから」 一息。 「私もお返しに弄繰り回しちゃっても、構いませんよね……?」 思わず呼吸が停止しそうな台詞に、梨花は硬直した。しかし、同時にずるずると引っ張られていく己の足に身も凍るほどの戦慄が走る。 「み、みぃぃぃぃーー!」 叫びながら、慌てて手近な柱につかまる。梨花と詩音の膂力差を考えると捕まることすらできなくてもおかしくはなかったが、未だ足のロープが解けていないのと絶頂の直後で身体に満足に力が入らないのとで、梨花と詩音の間に拮抗が生まれつつあった。 ぐいぐいと足から胴、胴から腕へと伝わる力に身震いしながらも、柱に絡めた両腕に力を込める。詩音の根が尽きるまで自分の力が持つともあまり思えなかったが、それでも抵抗はしなければならない。 しかし、それも長くは続かなかった。 「みぃっ!」 業を煮やしたのか、梨花の足の裏をちろりと舐めあげる詩音。 思わず手を離してしまい、あっと気づいたときにはすでに柱はこちらの腕の射程外にあった。 「みぃぃぃーー!!」 かりかりと床に爪を立てるが、その程度で何とかなるはずもなく。 程なくして、梨花はうつぶせのまま詩音にすっぽり抱きかかえられる格好となった。 「んん~、やっぱり可愛いですね梨花ちゃまは。髪はつやつやですし肌はすべすべですし、ああ素晴らしき哉幼女補正!」 きゃー、と黄色い声を上げながら、すりすりとこちらの髪やら顔やらを撫で回す詩音を、梨花はどこか諦めたように眺めていた。 とは言え、抵抗らしい抵抗もできないし、詩音の手つきはそれなりに優しくて心地よいのでとりあえず何もしないでおく。やはりなでなでされなれている者は違うということか。 恐るべしにーにー。 (さすがね、悟史) 頬に一筋の汗を垂らしながらも、不敵に笑って、梨花。 (んっ、やっぱり、沙都子ゲットの道程での最大の障害は、くンっ、あなただけか……って) 「……って、どこ触ってるのですか、詩ぃ!」 いつの間にかワンピースの隙間から腕を突っ込んでぴこぴことこちらの乳房を弾いていた(揉むとは言えないのが悲しい)詩音に、慌てて叫ぶ。 「んー? だって言ったじゃないですか、梨花ちゃま」 くすり、と笑みを吐息に変えて零すと、詩音は覆いかぶさったまま、こちらの首筋をぺろりと舐めあげた。 「ひゃう!?」 「――弄り回してあげる、って」 言葉と同時に、乳首をきゅうっ、とつねられ、梨花は仰け反って嬌声を上げる。 「ふふっ……可愛い」 仰け反った拍子にこちらに近づいてきた梨花の頭に首を巡らせ、はむ、と梨花の耳を甘噛みした。 梨花は首を振って逃れようとするが、その動きもどこか弱々しい。 「はむ……ん……ちゅ。ほら、こんなに濡れてます。私が押し倒さなかったら、どうせ後で自分でヤッていたんでしょう?」 ちっちゃくても思春期ですもんねぇ、と淫蕩な笑みを漏らす詩音に、 「あっ……ふ……んんっ。ち、ちが――」 「ふーん。じゃ、確かめてみます?」 「……へ?」 何を、と聞き返す間もなく、詩音はするりと体位を変えると、梨花の下着をするすると剥ぎ取った。足首を縛られているというのに、驚異的な動作のなめらかさである。FPSに直すと85は優に出ていそうなぐらいの快適さだ。 「さてさて、ご開帳~☆」 そのまま、かぱちょと梨花の膝を掴んで股をM字に開く。梨花はと言えば、抵抗を諦めたのかぐったりと脱力していた。 ふんふんと当たる詩音の吐息をもどかしげに感じつつ、スカート越しに詩音の頭をぎろりと睨む。 ええい、もうどうにでもなれだっ。 詩音はといえば、うわー、と感嘆の言葉を漏らすと、 「ふむふむ、梨花ちゃま"も"生えてないんですねー。沙都子とおんなじ」 さわさわとこちらの恥丘を撫でる詩音に、恥ずかしさのあまり梨花はぷい、とうつむき―― 「……って待ちなさい! あんた沙都子に何やったのよ!」 思わず猫かぶりも忘れて、がばと身を起こす。 「何したって言われましても……ナニに決まってるでしょ?」 「きぃぃぃぃっ、この泥棒猫っ! やっぱりでか乳にはロクなのがいないわねっ! もう怒ったわ、あんたみたいなサカッた雌猫なんかこの私にオとされてしまえー!」 「ふっふっふ、上等ですよ梨花ちゃま! 梨花ちゃまのブラックリストにお姉は入ってるのかとかいうツッコミは華麗にスルーしつつ、私は悟史くんと沙都子とお姉さえ手に入れば他は何も要らないんですがそれはそれとして梨花ちゃまも頂いておきましょう!」 ふーっ! と毛を逆立てて威嚇する梨花に、するり、とこれまたあっさりと足首のロープを外して笑みを浮かべる詩音。 ツッコミ禁止。 「百年かけて仕入れたエロ知識なめんなー! かかって来なさいグギャ女!」 「言ってくれるじゃないのっ! イき倒されてぇかぁぁぁぁっ! ぐげげげげげげげ!」 「ん……む。はぁ……ちゅ」 「く……んんっ。ぺろ……ちゅぷ」 ぴちゃぴちゃと淫猥な音を響かせて、二人の少女が絡み合う。お互いの髪が動く度に舞い踊り、まるでのたくる蛇の群れの様だ。 詩音の上半身に被さった梨花が、詩音の乳首を吸い上げる。むにむにと手の中で暴れる乳房をしっかりと握り締めて、すりすりと乳輪を擦りあげた。 梨花の胸の突起を、詩音がついばむ。そのまま唇と歯でコリコリと転がし、もう一方の乳頭をかりかりと爪で引っかいた。 (……んっ。さすがに、はんっ、ヤバいわね。手馴れてそうだとは思ったけど、まさか、んんっ。これほど、とは) (……くっ。こ、子供だと思って、甘く、はんっ、見ちゃいました、ね。ていうか、くンッ、お姉より数段巧いじゃないですか、この子っ) 内心で焦りを覚えながらも、互いを責める手は止まらない。 頭に靄がかかったままさらに肉欲に溺れていき、理性が磨り減っていく。回れば回るほどに堕ちていく、正に快楽地獄だ。 やがてお互いの胸だけでは満足できなくなったのか、二人は体位を変えると、お互いの股間に顔を埋めた。 詩音が、梨花の秘所を舌で撫でる。秘裂をちろちろとねぶり回し、奥まで舌を突き入れる。 梨花が、詩音の淫核を口に含む。赤子のように、一心にちゅうちゅうと吸いたてる。 (ええと……なんだっけ。私、何をしにここへ来たんだっけ) なんだろう。なにか大切なことを忘れてるような。 ぼーっと半ば放心したまま、梨花は詩音が自分のヴァギナを股間にあてがうのを、他人事のように見ていた。 ――くちゅっ。 「「は、あああああああああっ!!」」 お互いの接合部から爆発した快感に、一瞬ならず意識が飛んだ。 はあはあと肩で息をつきながらも、にちゅにちゅとお互いの動きに合わせて形を変える秘裂に、確信を込めて直感する。 (*1) お互いに、それが自らにどれだけの影響を及ぼすか、今の絶頂だけで容易に想像がつく。これ以上は、踏み込んではならない。 だが、しかし。 「はっ、あっあっあっあっ、ああっ!!」 「んんっ、んっんふ、んううううううっ!!」 腰が、身体が、止まらない。お互いに次なる快楽を求めて腰をくねらせ、新たに爆発する甘い感覚に身悶えする。 蜜に惹かれる虫のようだ。皮膚の下でぞわぞわと蠢き、ぞくりと寒気を伴った戦慄と、とろけるほど熱い恍惚とをもたらしてくる。 と、その時、二人の淫核がこりっ、とお互いを弾きあった。 「「あ、ああああああああああああっ!!!」」 落下感にも、浮遊感にも似た絶頂の余韻を味わいながら、梨花の意識はゆっくりと黒く塗りつぶされていった。 ……結局、梨花が当初の目的を思い出したのは、翌朝になってからだった。
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前回 鬼畜悟史~ペット~ 俺は、なんてモノを目撃してしまったのだろう。 その日、俺はとても退屈だった。 休みの日だから家でゆっくりと寝ていても、身体が物足りなくて寝付けない。 このまま家に居ても何もすることもないのなら外に遊びに行こうかと、思ったんだ。 太陽から降り注ぐ日差しに身を焦がされながら、俺はどこに行こうかと悩んだ。 最近、悟史は魅音と詩音を連れて家の片付けをしているらしく、部活も無かった。 部活の無い学校など暇で仕方が無い。でも「あと数日で終わるから」と悟史に頼まれたのでは断れない。 レナは家の家事で忙しいらしく、彼女もすぐに家に帰った。 ぽつん……と、俺と沙都子、梨花ちゃんが取り残され、そのまま部活は自然解散の流れとなったのだった。 悟史……か……。 俺の第一印象では穏やかで争いごとを嫌うタイプなように見えた。 実際その通りであったし、害の無い人間だった。 今はまだそこまで打ち解けてないが、そのうち仲良くなる日が来るのだろうか。 そこまで考えて、考えを思い改める。そのうちではなく今、仲良くなろうと思った。 だから俺は何の前触れも無しに、悟史の手伝いに行ったんだ。 それが、俺の未来を変えたとも知らずに……。 どうかこの夜に何があったか教えてください。 それは例えるなら猫を詰めた箱。 どうかこの夜に何があったか教えてください。 箱の中の猫は、生か死かすらもわからない。 どうかあの夜に何があったか教えてください。 箱の中の猫は、死んでいたのです。 Frederica Bernkastel ひ ぐ ら し のなく 頃 に ~ 鬼 畜悟史 ~ 第六話~異端者~ 悟史の家が目の前にそびえ立っている。 俺自身、ここには入った事は無かったし、沙都子でさえ入ろうとはしない家だった。 一時の緊張。 決意し、玄関前に取り付けられたチャイムを鳴らそうとしたとき━━━━ 「にーにーのザーメン!私にたっぷりかけてくださいまし!ふあぁぁぁ!」 なんだ今の声は。沙都子なのか……? チャイムを押そうとする指を寸前で引っ込め、代わりに聞き耳を立てる。 そこから聞こえてくる声と音は、引越しの作業で間違っても出てこないものだった。 もしかして沙都子は誰かに襲われているのか?まさか、北条鉄平か……!? 居ても立っても居られなくなった俺はドアを開けようとするが鍵が掛かっていて開かない。 チャイムは相手にこちらの存在を知らせてしまう。もしチャイムを鳴らして犯人の神経を逆撫でしてしまえば、それこそ沙都子が危ないかも知れない。 せめて沙都子の安否さえ判断できれば……! そう思い、他の窓から部屋の様子をこっそり見ることにした。 一つ目、二つ目、そして三つ目の窓。どれも家の中の様子が分からない。 しかし、四つ目の窓の前で本能が警告する。ここは見てはならない。見ればきっと何かが壊れてしまう。 でも、止まれない。仲間の沙都子の為なら……俺はどうなっても良い! 危険を知らせる信号を無視し、その部屋の中を覗き込む。 心臓の高鳴りが一層高く感じられた。そして次に我が目を疑った。 な…………!? 裸体の上から白濁液に穢された沙都子。一目で沙都子が陵辱された事を理解する。 そして何故かその部屋には魅音が居て、騎乗位の体勢で淫らに腰を振って喘いでいた。 だが何よりも驚いたのは、魅音の下から肉棒で貫いている悟史の邪悪な笑みだった。 あれが悟史なのか……!?いつもの朗らかで優しそうで気の弱そうな性格はどこにいったんだよ!? それよりも沙都子を犯した犯人はどこに居るんだ!? ━━分かってるくせに……。内なるもう一人の自分が俺に話しかける。 この状況を考えれば、犯人は悟史だと分かる。 だけどアレがいつもの『悟史』と同一人物だという確証が持てない。 あの悟史がこんなことを出来るはずがない。きっとアレは悟史によく似た違う人物なんだ。 …………いい加減にしろよ、前原圭一。 そんなのは関係がない。一番重要なのは沙都子が、魅音が悟史に穢されたことだ。 そして一つ分かった事。それは悟史には注意が必要だという事だ。 あれは悟史かもしれない。そうでないかもしれない。でもそれは悟史への注意を怠らせるモノではない。 沙都子と魅音はどうなんだ……? 二人は悟史に弱みでも握られているのか?それとも喜んで悟史のモノを咥え込んでいるのか? ……結論は付かない。だからと言って、今ここでドアを蹴破って家の中に入り込んで、理由でも聞くのかよ。 結局、今の俺には成す術など無い。もし悟史と会話が出来ても上手く誤魔化されそうな気もした。 ん?家の中の空間には一人足りない気がする。悟史といつも居るはずの人物、それは詩音だった。 悟史に恋心を持った詩音がいないのだ。 悟史が好きなあいつなら何か知っているかも知れない。今日、電話で聞いてみることにしよう。 今、こうして何も出来ない自分に歯痒さを感じたが、それを胸の奥に押さえつけ、俺は北条家を後にした。 「圭ちゃん?何の話ですか?」 「その……言いづらいんだけど……最近、悟史に変わったこととか無かったか?」 息を呑む音。その音は悟史がおかしいと答えたのと同じ意味だ。 「圭ちゃんの言いたいことは分かっています。なので、圭ちゃんに警告をしておきます」 「警告……?」 「圭ちゃんはレナさんのことが好きですか?」 「お、おい!俺は真面目に聞いているんだ!そんなのはどうでもいいだろう!?」 なんでそこにレナが出てくるんだよ。レナには関係のないはずだ……! 「いいえ良くありませんよ。だって、数日後にはレナさんは悟史君の物になりますから」 「……何を言ってるんだ詩音は。詩音の言っている意味が分からない」 「本当ですか?圭ちゃんは今日、悟史君の本性を垣間見たんじゃないんですか? これは警告です。 もしも圭ちゃんがレナさんのことを好きなら、彼女を明日にでも抱いてあげてください。そうでもしないとレナさんは悟史君の虜になってしまいますよ」 「でもだからといってレナをいきなり抱くなんて出来ない……」 「抱く事が出来ないなら彼女の側にいつでも付き添ってやってください。そうすればあの悟史君でも諦めるかもしれません」 悟史は一体どうしてしまったんだろう。悟史からレナを守ることになるなんて。 「では、頑張ってくださいね。私には、何も出来ませんから」 「どうしてなんだ?」 聞かないほうが良かったかもしれないが、俺の余計な好奇心は詩音の先を促した。 「だって私は悟史君の肉便器なんだから」 ガチャン! 「おっはよ~圭一君!」 「おはようレナ」 次の日。俺とレナはいつも通りの通学路で待ち合わせ、学校に向かう。 空は青く澄み渡っていて、蝉の声が少々うるさい日だった。 何もかもいつも通り。でも、すでに異変は始まっているんだ。 レナはいつもと同じように見える。恐らく悟史の豹変のことなど知らないのだろう。 こんなに眩しく優しいレナがあの悟史の餌食になるというのか。俺にはとても信じられなかった。 彼女と一緒に歩いているときはいつもシャンプーと彼女の汗のにおいが俺の鼻腔をくすぐる。 レナは俺が引越してきてすぐに俺がこの雛見沢に打ち解けれるように世話をしてくれた。 料理も上手で誰に対しても優しく、なによりその可愛さに俺の目は自然に彼女を追うようになっていた。 清楚に切り揃えられた髪。小さく、柔らかそうな唇。透き通った西洋人形のような白い肌。その全てが俺を魅了した。 俺はその魔力に屈し、何度も妄想の中でレナを穢したりもした。 彼女のセーラー服をビリビリと切り裂き、嫌がる彼女を無視して胸を荒々しく揉み、バックからガンガンと俺のモノを突き上げる。 そして彼女の中に俺の性欲をぶちまけたあとで、必ず俺を罪悪感が襲った。 妄想の中とはいい、仲間である彼女を穢すなんて許される事ではなかった。でもレナに告白する勇気も持てない俺は今も仲間として彼女と付き合っている。 「ねぇ圭一君。聞いてるの、け~いちく~ん」 「おわっ!」 彼女の可愛らしい顔が俺の顔の目の前まで接近していた。大きな瞳が俺を捉えている。 「昨日は寝不足だったのかな?かな?」 俺の顔は眠たそうだったのか、レナが不安げに尋ねてくる。 「そんな事ないぜ。俺はこの通り正常だ」 そういいつつも俺の頭は違う事を考えていた。 『数日後にはレナさんは悟史君の物になりますから』 昨日、詩音と話したときの会話。その言葉が俺に重くのしかかっていたのだ。 「なぁレナ。お前は悟史についてどう思ってる?」 さりげなくレナに悟史に対する心情を尋ねてみると、レナは可愛らしく微笑みながら答えた。 「悟史君?優しくて妹思いのいい人だよ」 以前の俺と全く変わらない言葉。それが嘘だと言えば彼女は信じてくれるだろうか。 いや、信じてくれないだろう。俺だって仲間を疑うのは良心が痛んだ。でも、事実なんだ。 彼女が悟史のことをどう思っていても事実は変わらない。 でもレナにわざわざこのことを言うのも躊躇われた。悟史だって俺がレナの側にいれば諦めてくれるかもしれない。 なら黙ってレナの隣にいつでも居よう。学校も見えてきた。 ━━俺は、悟史にレナを穢させたりしない。 その想いを胸に秘め、俺たちは教室のなかに入っていったのだった。 授業中に悟史を監視していても、悟史に変わった様子は無い。 極めていつも通り。むしろ俺がおかしいのではないか、とさえ思えた。 だがやはり昨日のあれは本当にあったのだ。それは沙都子と魅音を見ればわかる。 二人とも呆然としていて授業の事など上の空。生気の宿っていない瞳はその何よりの証拠だった。 そして詩音。彼女は魅音や沙都子に比べるとだいぶマシだったが、時折悲しそうな表情をしている。 『だって私は悟史君の肉便器ですから』 電話を切る前に詩音が呟いたあの言葉。あの言葉を額面どおりに受け取るならば、 詩音はもう悟史に純潔を捧げたという事になる。でも、そうすると何故、詩音は悟史を裏切るような行為をしているのだろうか。 俺には何もわからない。詩音や悟史、沙都子や魅音の表情からそれを察することは無理のようだった。 だが、例え何も分からなくても。それでも俺はレナを守ってみせる。仲間としての行動かもしれない。レナにどう思われてもいい。 俺が願うのはレナの幸せただ一つ。 だって俺はレナのことをこんなにも好きなんだから。 レナにいつかこの想いを打ち明けるときは来るのだろうか。 「……えばら君!前原君!先生の話をちゃんと聞いていますか!?」 「わ!す、すいません!ちょっと考え事してて……」 またか。今日の俺は少し考えすぎているようだ。 先生がチョークを構えて鬼のような表情でこちらを見ている。 しばらく頭でも冷やしてきたほうがいいかもしれない。 「ちょっと俺、眠いので顔洗ってきてもいいですか?」 先生の許可を得ると俺はクラスの皆に笑われながらも教室を出た。そのなかに無垢な顔でじっと俺を見つめる顔にも気付かずに。 顔に当たる冷水が気持ちいい。何度も顔に水を打ち付け意識を覚醒させる。 俺が蛇口を捻って水を止め、後ろを振り返ると誰かが俺の後ろに立っていた。 逆光でその姿を認識できなかったが、次第に目が慣れてきた。 「なんだ、梨花ちゃんか……」 「僕も顔を洗いに来たのですよ、にぱ~☆」 愛くるしい笑顔が俺を癒してくれる。彼女も蛇口を捻ってその顔に水を当てている。 梨花ちゃんか……。彼女はまだ悟史の異変には気付いていないのだろうか。 縁起でもない話だが、もしレナが襲われてしまったなら次は梨花ちゃんだということも十分に考えられる。 もしかしたら、悟史について何か話しておいたほうがいいかもしれない。 梨花ちゃんとは雛見沢全体に関わる陰謀を打ち破った仲間だ。俺は、救えるのなら仲間全員を救いたい。 「梨花ちゃんに一つ話しておきたいことがある」 「みぃ?何の話ですか?」 こんなにも純粋な彼女に、悟史がおかしいと伝えるのは忍びなかった。 でも…………。 「単刀直入に言う。悟史に気をつけてくれないか」 「え……?圭一は何を言っているのですか?」 「悟史の様子が最近おかしいんだ。もしかしたら症候群が再発してるのかもしれない」 「本当ですか圭一?」 「本当かどうかは分からない。でも様子がおかしいんだ。だから気をつけてくれないか?」 どうおかしいかなんてこんな少女に話せるレベルではない。 話しても意味など理解できないだろう。 「……そこまで圭一が言うのなら僕は信じます。それで具体的にはどういう風に気をつければいいですか?」 「少なくとも悟史と一人っきりになるのはやめてくれ。誰かの目につくところ以外で悟史と行動しないでほしい」 「わかりましたです」 結構すんなりと受け入れてくれて助かった。これなら梨花ちゃんに悟史の魔の手が襲い掛からないかもしれない。 俺たちはそのあと少しばかり他愛の無い話をして教室に戻ったのだった。 その後も悟史は何も行動を起こさず、ついに楽しい部活の時間になった。 しかし梨花ちゃんは御三家の会合で忙しいとかなんとかで帰ってしまったが、魅音は帰っていない。 「さ~今日はなんの部活にしようかな~」 魅音は元気よく某ネコ型ロボットのポケットのようなロッカーからトランプを取り出し、机に置いた。 「今日は大貧民でもしようか!」 全会一致で即決。すぐにカードが配られる。ちなみに五回負けると罰ゲームらしい。 (お?なかなかいい手札じゃないか!) ジョーカーは無かったがペアが結構揃っており、少なくとも最下位は免れる手札。 これなら運次第でいけるかもしれない。が…… 「負けた……」 何故か負けてしまった。俺の思考能力がおかしかったに違いない。 その後も大貧民から脱出することは出来ず、ついに罰ゲームを受けることになってしまった。 「くそ~、こうなりゃコスプレでもなんでもかかってこいや!」 魅音の手が指令内容を筆記してある紙を箱からランダムに取り出す。それは 『今日一日中部活に参加出来ない』 「ちょ、まじかよ!?それってコスプレとかより酷いぞ魅音!」 「まぁまぁ。罰ゲームだから諦めなよ圭ちゃん♪」 椅子に縄跳びの紐で縛り付けられ身動きが出来ない俺。情けないぜ……。 はぁ、今日はもう部活出来ないのか……。 そんな俺を置き去りにして部活は再開される。 次に最下位になったのはレナだった。 「はぅ~……。負けちゃったよ……」 レナは五回負けたので、魅音がまた罰ゲームが記された紙を取り出す。そこに書いてあったのは 『負けたら一回で一枚ずつ脱衣』 おいおい!どこのどいつだよこんなの書いたのは!そいつを褒め称えてくれ! 「魅ぃちゃん……」 「罰ゲームだから仕方ないよ」 仕方なくレナはまず両足の靴下を脱ぐ。まぁ、最初だもんな……。微妙にがっくりする俺がそこにいたのだった。 しかしレナは次の勝負にも負けてしまった。 恥じらいながらも、レナはいつも着ていたセーラー服を身体から取り外す。 まずはかぁいいおへそが空気に触れ、その上についている形の良い胸を保護するピンクのブラが目に入る。 彼女はこの状態で次も勝負しなければならない。 そんな状況で本領発揮できるはずもなく、レナはまたも惨敗してしまった。 流石にこの先はまずいんじゃないのか……?そう思いながらも、それを口に出せない自分が恥ずかしい。 レナは顔を先ほどよりも沸騰させながらスカートを脱ぐ。 ついにレナを覆う衣服は無くなり、かろうじて下着がレナをカバーしていた。 下着のみになった彼女の体のラインは美しく、細い手足は恥ずかしげに身体を少しでも隠そうと動いている。 魅音ほどではないが年齢的には充分大きな胸。白い肌で浮き彫りになった鎖骨も俺の欲情を駆り立てた。 「ねぇ魅ぃちゃん……。まだ、やるのかな。かなぁ……」 次に負けてしまえば下着さえも外さなければならない。それだけは俺と悟史という異性がいる状況で避けたいようだった。 でも魅音は 「罰ゲームだからね」 その一言でレナの異論をばっさりと切り捨てる。 そして、次の勝負。 レナの手札がちらっと見える。 (おお!?強いじゃないか。これならレナが負けたりはしないな) しかし、 「嘘……レナ、負けちゃった……?」 (そんな馬鹿な!?あの手札で負けるなんてありえないだろ!?) 「じゃあレナ。そのブラジャー脱いでね。異論は認めないよ」 そのころには俺もレナも、魅音の様子がおかしいことに気付いていた。 いや魅音だけじゃない。沙都子も詩音も。様子がおかしい。 レナは躊躇いながらも、ブラジャーのホックを外し、肩から遠慮がちに紐をずらしていく。 パサリ、と床にブラジャーが落ちる。 彼女の胸がついに俺たちに披露された。柔らかそうな胸にちょこんと添えられたかぁいい乳首が俺の目を釘付けにする。 レナはとっさに手で胸を隠しながら俯いていたが、その手を魅音が胸から引き離す。 「ほら。隠したら罰ゲームじゃないでしょ」 「ぅぅ……」 そしてレナの最後の砦をかけて勝負が始まる。 レナの手札は2が4枚というかなりの手札。ジョーカー2枚は大富豪の沙都子に取られてしまったが 今度は勝てる! そう思っていたが、見てしまった。レナ以外の全員が机の下で手札を交換しあっているのを。 なるほど。だからレナは負けてたわけか。今までの不自然な勝負が思い出された。 しかしこの部活は『勝つためならなんでもして良い』というのがモットーな為、それに口を挟むことは出来ない。 そして予想通り沙都子が最初の番で革命し、レナの2は最低カードへと成り下がったのだった。 耳まで真っ赤にしながらレナは自分の下着に手を掛けゆっくりと下にずらしていく。 ごくり、と唾を呑みこむ俺の前で、ついにレナは身に纏っていたもの全てを脱いでしまった。 散らかっている彼女の衣服の上に、彼女はもじもじしながら立っていた。 レナの秘裂に薄く生えた毛の奥はぴっちりと閉められている。 (綺麗だ……) 改めて彼女の裸体を見つめるとレナが俺の視線に気付き、更に顔を赤くする。 「ねぇ、魅ぃちゃん。もう……いいよね……? レナ、脱ぐものが無いよ……」 一刻も早く彼女は部活を終えて帰りたいだろう。しかし、魅音はレナが忘れたかったであろう罰ゲームの存在を伝える。 「で、でも! まだ4回目じゃないの? 5回目じゃないよ」 「最初の罰ゲームの時のも含めて5回だよ。言ってなかったっけ?」 そんなこと言ってなかったはずだ。 「魅音! こんなこと止めろよ! レナが可哀そうじゃないのか!?」 「全然。罰ゲームなんだから」 きっぱりと言い放ち、罰ゲームの紙を取り出す。そこに書いてあった内容は分からない。 でもそれがレナに危険な物だと、直感的に分かってしまった。 魅音はレナにその紙を渡し、声に出してその内容を読むように指示する。 レナがその紙を見たとき、彼女の目が大きく開かれる。そしてその華奢な身体が小刻みに震える。 声を震わせながらレナは紙に書かれた内容を読み上げた。 「北条悟史……から……犯される……」 「なっ……!?」 しまった!今日の部活は全てレナを陥れるための巧妙な罠だったのか! そのために、邪魔者の俺の自由を先に奪っておいたのだ。 そして、今ここにいるレナ以外のメンバーは全員悟史の手篭めにされていた。悟史だけに気をつければ良いなんて思っていた俺を自分で呪いたかった。 悟史の顔を見る。そこには、三日月のように開かれた口から爬虫類のように舌を出す悟史の顔。 くそ! はめられた! 「逃げろレナ! この教室から早く出るんだ!!」 あまりのことに我を失っていたレナは俺の言葉で正気に戻り、とっさに身を翻し教室の扉を開こうとする。 「駄目! 開かないよ!」 力一杯開こうとしているが扉は開かない。鍵がかかっているのか!? 「あっ!?」 必死に逃げようとするレナを後ろから魅音が羽交い絞めにする。 レナが抜け出そうともがいても、それは彼女の乳房を揺らす程度にしか意味を成さない。 「駄目だよレナ。罰ゲームはちゃんと受けなきゃね?」 「やだ! 離して魅ぃちゃん! 離してよぉ!」 悟史がレナに近付いてくる。そして、声をあげるレナの唇を悟史の唇が塞いでしまった。 「ふむぅぐ!! んん! んんん! んむぅ!」 最初は抵抗していたレナだったが、次第に力が抜けていく。 「ふぅ……はぁ……んんん……」 ああ……レナと悟史との間に絡めつけられた舌が見え隠れするのが悔しかった。 俺が最初にレナのファースト・キスを貰いたかった。 でも、動けない!ここから動けないんだ! 魅音がレナを床に押し倒す。レナが起き上がった時には、レナを囲むようにみんなが立ちはだかっていた。 「い、嫌ぁ! 圭一君! 助けてぇ!」 レナは全員に手足を押さえつけられ、全員から身体を舐め回される。魅音は顔を、詩音は胸を、沙都子は手を、悟史は脚を。 各々がレナの身体に己の唾液を付ける。その状況に、俺は愕然とした。 俺たちはあの6月を乗り越えた仲間だった。なのに、ただ一人の男にその友情は壊されたのだ。 「やぁ! みんな止めてよぉ!」 レナがたまらず悲鳴を上げる。全身が唾液によって舐められた身体は妖艶な光を含ませていた。 しばらくするとレナの口から先程までとは明らかに異なる甘美な声が出されるようになる。 「あっ……あん……なんか変だよ……」 「どうしたんだいレナ?」 「レナね……なんかおかしいの。さっきから身体が熱いというか……」 胸を舐めていた詩音が今度はレナの胸を手で揉み始める。 「どうですかレナさん? 気持ちいいんじゃないですか?」 「あ、はぁぁ……。詩ぃちゃん。そこ、胸が気持ちいいの……」 「ふふふ。私、素直な女の子って好きですよ」 「あ~も~ずるい~! 詩音ばっかりいいところ責めて! 私は顔だけなんだよ~!」 目を開いて、閉じて。もう一回同じ動作を繰り返して、思った。 ━━━━あれ? なんかおかしくね? 先ほどまであんなに嫌がっていたレナは、いつの間にか周りと話したりしてるし。もうちょっと嫌がらないか普通? それともこんなもんなのか……? 困惑する俺の目の前でその行為は徐々にエスカレートしていく。 魅音が顔を舐めることを止め、詩音に弄られていないほうの乳房に手を伸ばす。 「あ! あぁ……ん……はぅぅ……」 硬く尖った乳首を、魅音は軽く捻るとレナは甲高い声で反応を示す。 それが面白かったのか、魅音は一層乳首に専念したようだ。そして、そこはやはり双子。詩音も同じように突起を指先で転がす。 「はふぅ! はぁ……はぁ……はうん!」 ああ……レナの胸がぐにゃぐにゃと姿を変えていく……。 それはなんて……羨ましい光景だろうか。 双子の口に挟まれた両乳首はそのまま大きな音を立てて吸い上げられる。 ジュブジュボジュブジュボ! 一定のリズムで吸い上げられ、レナは身体を大きく仰け反らせた。 「あっはぁぁぁ! ああ! いいよぉ、気持ちいいよぉ!」 現実離れした光景は、俺のオットセイの盛り上がりで現実だと思い知らされる。 「レナ。こっちがもうぐしょぐしょだよ」 レナの居る床の上には既に小さな水溜りが出来上がっている。それはレナの愛液のみならず、唾液も混じっているだろう。 ぴちゃり……。悟史はレナのつま先から舌を這わせ、レナの脚をその汚らわしい舌で上へ上へと舐めていく。 レナの秘部を目指す舌とは対照的に、悟史が濡らした唾液はレナの脚から落下していく。 それが水溜りに跳ね、極小の波紋を立てた。粘つく音はレナの身体中から広がり、教室内に木霊する。 それを聞いて興奮する俺は何なんだ? 今日学校に来る前、俺はレナを守る事を決めた。 なのにレナの喘ぐ声を聞いて勃起している俺は一体何なんだ!? 俺は偽善者なのか……? でもレナだってレナだ。最初はあんなに抵抗してたのに、今じゃあんあん喘いで。そうさ、確かに悟史の目論見に気付けずに拘束されたが、俺だけが悪いんじゃないんだ……。 悟史の舌はついにレナの秘裂に辿り着く。 「ふやぁぁぁ!!」 明らかに今までより高い声。悟史はレナのアソコを大きく指で押し広げ、ご親切な事に俺に見せ付けてくる。 レナのソコ、ヒクヒク動いてる……。綺麗なピンク色のそこは男を拒むように蠢いていた。 そしてその中にくちゅりと指を一本差し込む悟史に反応し、一瞬、身を震わせるレナ。そして緩慢な動きで悟史は指を動かした。 「ひぅぅ! あぁ! はぅぅ! あっ! あっ! ああっ!」 テンポを乱し、ランダムに快楽を与える指。部活メンバーを堕としてきたテクは伊達ではないようだ。 ああもう。俺のペニスはギチギチに硬く反り返っている。 だれかこの生殺し状態から開放してくれ! レナのあんなに気持ちよさそうな顔を見て、我慢できる男なんて居ない筈だ。 でも叫びたくても、そんなこと恥ずかしくて言えやしない。 ずっと執拗に舌を動かしていた他のメンバー達は休憩しているようだ。 でもそんな彼女たちだって丸裸。今の俺にとってはまさに地獄だった。 沙都子は悟史とレナの行為を羨ましそうに見つめていたが、火照った身体を押さえきれなくなったのか自慰を始める。 「ッ! にーにー! 気持ちいいですわ! おっぱいが疼くんですのぉ!」 あの沙都子があんなことを言うなんて信じられない。けどその身体はすでに女そのものだった。 「みんなどうかしてる! どうしたんだよみんな!?」 その光景に耐えられず、思わず叫んでしまった。みんなが一斉にこちらを振り返る。 でも、その目はとろんとしていて俺の目を直視してはいなかった。 「お前ら洗脳されてんのか!? どうなんだよ! 何とか言ってくれよ!」 みんな答えない。俺一人だけが隔離された世界に存在するかのような錯覚。 もはや俺は異端だった。世界に対応できずに慌てふためき、この世界を否定する。 でも、こんな現実は否定したかった。 「お前ら全員悟史が好きだってわけじゃないんだろ? ならなんで悟史の言いなりになるんだ!?」 俺の出来る唯一の抵抗も彼女たちに届かない。むしろ彼女たちは俺を蔑むような視線を送りつけてきた。 ━━何故、この愚か者は分からないんだろう。悟史君は私たちのご主人様なんだよ。 そんな言葉を俺は聞いた気がした。 「じゃあさ、圭一にも判らせてあげようよ」 悟史の声。レナは動けない俺に近付いてきて、俺のズボンのチャックをゆっくりと下げた。 「レナ、止めろ! こんなのは止めるんだ!」 「はぅぅ、圭一君のオットセイさんおっきいのかな? かな?」 もうレナに俺の声は届いていないようだった。レナは俺のズボンから反り立つペニスを取り、目を輝かせた。 「わ!圭一君のオットセイ、ビクビクしてる!レナがすぐに鎮めてあげるからね……」 レナはちろちろと俺のペニスを舌で舐めあげたあと、そのかぁいいお口一杯にペニスを頬張る。 恐らくはそういう類の本を少し見た程度であろう。レナの舌使いはとてもたどたどしかった。 好きな女の子にフェラチオされるというシチュエーションに俺のペニスは更に興奮したが、こんな状況でしたくはなかった。 もっと愛し合う状況でしてほしかった。このフェラチオには、好きだからやってあげる、というものが無い。 じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ……。 それでもレナは必死に頭を動かし俺を気持ちよくさせようとスピードをあげた。 「…………ッ!」 普段、清楚な彼女が俺のペニスをいやらしくしゃぶっているという事を再認識すると、欲情が高まってくる。 この頭を俺が上下させたい衝動が高まるが、俺の手は拘束されていて、何も出来ない。 「はむぅ……んん……んはぁ……んむぅ」 「くっ!出るぞレナ!」 「ふむぅ!んんんんんん!」 俺の精液はそのままレナの口の中で発射され、レナの口をべとべとに汚す。 ごく……ごく……ごく……。 そのままレナは細い喉を鳴らし、全てを飲み込んでしまった。 「ふふっ。圭一君のせーえき、おいしかったよ♪」 もう、何が何だか判らなかった。判るのはこの世界がおかしいという事だけ。 俺の目の前にいるレナの身体がビクンと揺れ、レナの後ろからずちゅ、という音が聞こえてきた。レナの顔は悦びで一杯になる。 「はぁぁぁぁ♪悟史君のオットセイ大きいよぉ♪」 「じゃあレナ。いくよ?」 レナの後ろにいた悟史がゆっくりとレナの中を突き進んでいく。そして全部入りきったのか、再び引き抜き、突き入れる。 ……って、おいおい! レナは処女じゃないのか!? なんでちっとも痛がらないんだよ!?これじゃあ本当の痴女じゃないか……! そんな俺の心配をよそに結合部からは卑猥な水音が響く。 「あぁぁ! はぁあん! おっきぃ! 悟史君のオットセイ、最高だよぉ♪」 「じゃあもっと激しく行くよ?」 悟史は今までの腰の動きの倍はあるスピードでレナのお尻に腰をぶつける! 「あああ、ああ、あああああ、あん、あ、あああん、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ!!!」 パンパンパンパンパン!! レナの胸が俺の目の前で激しく揺れ、レナの口から涎が飛び散る。 グチョグチョグチョグチョ!! レナのマンコから愛液が零れ落ちる。 「ああん、あん、あん、あん、ああああぁん!」 レナの吐息が俺の顔に吹き付けられる。レナの唾が俺の顔に撒き散らされる。 「出すぞレナぁ!」 「はぁん! あああっ! ああっ! あああっ! ッあああああああああ!!!」 ドピュドピュドピュ!! レナは身体を大きく仰け反らせ、数秒痙攣する。 「あはぁ……♪ 悟史君のせーえき、暖かいよ……♪」 レナの蕩けた瞳を見たとき、俺の中で何かが弾けた。 こんな現実なんて嫌だ。でもこれ以上否定してどうなる。 否定しても傷しか付かない。全てを受け入れたならここは天国のはずなんだ。 世界が壊れているのなら……俺モ壊レテシマエ。 だから、自分でトドメをさすように。俺はあと少しで壊れそうなガラスの心を、自ら金槌で叩き壊したんだ。 <続く> 鬼畜悟史~古手の巫女~ TIPS 「竜宮レナ」 気が付いた時にはみんな悟史君と圭一君の白濁液で身体中が汚れていました。 けど、それは全然嫌な事ではありません。だって自分の身体から好きな男の子のにおいがするのって、嬉しいじゃないですか。あ、今度は圭一君が来ました。さっき圭一君を縛りつけていた縄をほどいてやったら、圭一君は獣のような勢いで私たち全員に中出しをしました。男の子って元気なんだね、はぅぅ。今度はレナの太ももを片手で持ち上げてから、レナのおまんこにオットセイを入れてきました。硬くて暖かいオットセイさんは私の精神を心の内側からかき混ぜていきました。自分の声とは思えないほどのオンナっぽい声を出していて、自分でも驚きました。レナはいけない子なんだよ。だからその凶暴なオットセイさんにお清めしてもらっているの。ああでも、やっぱりご主人様の方が大きいかな。私はご主人様からお仕置きされるのを心から願ってます。 圭一君も良かったね。ご主人様に受け入れて貰えて。これで圭一君も幸せになれるよ。みんなみんなご主人様のことが大好きみたい。でも、でもね。これは女の勘なんだけど、詩ぃちゃんは心の底からご主人様に忠誠を誓ってない気がするの。そんなわけないかな。……いや、やっぱりそれでもいいよ。詩ぃちゃんがその気でないならご主人様を貰っちゃうんだから。でもね、もし詩ぃちゃんがご主人様を裏切るなら……そのときは、どうなっても仕方ないね。仕方ない仕方ない。 あ、なんか来る……。くるくるくるくるくる!あはぁぁぁ♪もう、圭一君も元気なんだから。 ふぁぁ……。急に眠くなってきたよ。お休みなさいご主人様、圭一君♪
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笑顔の仮面をかぶって、私は魅音を部屋に招いた。 魅音は脳天気に、私のことをまるで疑いもせずに部屋にあがってくる。 「落ち着いた雰囲気の部屋だね」 そう言って微笑む魅音の表情が、私の手によってこれからどんな風に崩れていくのか今から楽しみで仕方ない。 魅音をテーブルに着くように促す。 「学校はどう?」 「新しいガッコはやっぱりつまらないです。一応通ってはいますけど、気分が乗らないときはサボらせてもらっています。全寮制だとなかなかそうはいかないですからね」 「あはははは。やっぱり聖ルチは辛かったか」 「ちぇー、お姉も一度閉じこめられてみろってんです」 「あはは、ごめんごめん。ケーキ買ってきたからさ。一緒に食べよ?」 魅音が持ってきた箱を開けると、チーズケーキが2つ入っていた。 私達はそれを食べながら、しばしの間たわいもない話を交わした。学校のこととか、そんなことを色々と。 でも楽しげに話を合わせながらも、そんなもの今の私にとってはどうでもよかった。 考えてみればこんな感じで魅音と話すのは久しぶりだ。けれど、やはりもう私達は……戻れない。 「ああ、そうそう。私、この前ちょっと面白いもの手に入れたんですよ」 「へぇー? 何々? どんなもの?」 「ええ、今持ってきますね」 和んだ頃合いを見計らって、私はテーブルから離れ、居間のタンスへと向かっていく。 引き出しを開けて、目的の得物を取り出す。 以前、不良に絡まれたときに葛西に頼んで調達したスタンガンだ。その固い手触りに、にんまりとした笑みがこぼれる。 あくまでも魅音には見えないように……表向きはただ勿体ぶるように、私は背中に隠した形で魅音の元へと戻っていく。 にこにこと笑顔を浮かべる魅音へ、一歩一歩近付いていく度に、私の中のどす黒いものがにじみ出てくる。早くこの感情を解放しろ、ぶちまけろと私を急き立てる。 あは……あははは……あはあははは……もうダメだ。もう我慢出来ないや。くっくっ……くっくっくっくっ……。 込み上げてくる笑いを押さえきれず、私の口元が歪む。 けれど、それを見てもまだ魅音は私が上機嫌で笑っているのだと、無防備に気を許している。本当に馬鹿な奴だ。つくづく救いようがない。 私は魅音の隣にまで近付いた。 「ねえ詩音。面白いものってどんなの? 早く見せてよ」 瞳を輝かせてそんなことを言ってくる魅音。 そして、そこで私は笑顔を消した。 冷淡な視線で魅音を見下ろす。 「……え? 詩音……?」 それはほんの数秒の出来事だったけれど、魅音の表情を凍り付かせるのには十分だった。そう、そんな感じに……束の間に手に入れた希望を失ったときの表情を見たかった。 「ええ。今、見せてあげますよっ!!」 私は最大出力に設定したスタンガンを魅音に押しつける。ろくに悲鳴を言う事も出来ず、魅音は気を失った。 居間へと魅音を引きずってから、私は手早く服を脱がした。 身に着けていたものすべてを剥ぎ取り、猿ぐつわも噛ませておく。そして、万歳させた格好で両手をガムテープで傘に括り付け、そして両足も同様に大股開きの格好で箒にガムテープで括り付ける。 よし、これで準備完了。 さて、これからどうやっていたぶろうか? 屈辱的でインパクトが強く、それでしかも体にはダメージが少なくて済む方法。そもそも、陵辱なんてものがそんな類をまとめたものだけど……。 魅音の白い裸体を見下ろしながら、私はしばし黙考する。たわわに実り、整った双丘にくびれた腰。バランスよく肉が付いたその体は、双子の私が見ても男なら放ってはおかないだろうと感じた。 (……なんだ、あるじゃない。典型的なのが) 唇を歪め、私は非常時用に用意していたロウソクとライターを持ってくる。場合によってはクリスマスとかにも使えるかもしれない、カラフルなロウソク。 魅音の右隣に座り、ロウソクに火を点けて腹の上に掲げる。 ロウは瞬く間に溶け、ロウソクを伝って流れた。 そして……最初の一滴が魅音の腹に落ちる。 途端、魅音の体がびくりと蠢く。目を瞑ったまま、悶えた表情を浮かべ小さく呻く。 ぽた ぽた ぽた……と続いてロウが魅音の腹に落ちる。 「…………っ!? ……んん~っ!!」 魅音が目を覚まし、体をよじらせた。自分が全裸であるということに気付き、顔を赤くする。 「あは。……起きた?」 「んん~っ!? んっ、ん~っ!」 けれど、魅音には首を振って悶えることしか出来ない。あはは、いい気味だ。 一滴、一滴ロウが魅音の腹に垂れるたび、体をくねらせる。 「んんん~~っ! んん~~っ!」 必死に魅音が抗議の呻き声を上げるが、私にはむしろそれが心地いい。 「くっくっくっ。どうやらお腹はやめて欲しいみたいだねえ。それじゃあお姉はどこがいいのかなあ?」 優しく魅音に訊いてみる。勿論、魅音に答えられるはずがないし、仮に答えられたとしても私に応じるつもりは無いけれど。 「んんっ! んぐんんんんぐっ、んぐぅううううぅっ!」 私は空いた左手を魅音の右乳房に置く。むっちりとした弾力と滑らかな肌触り、そして温もりが私の手のひらから十二分に存在感を訴えてくる。 私は魅音の乳房を自分好みの力加減で撫で回し、揉みしだき、そしてときには乳首を摘んで愛撫する。 「んんっ!? んっ……んふぅ~~っ!」 私の手のひらで魅音の乳首がはしたなく勃起する。 こりこりとした感触が実に嗜虐心をそそる。 「へぇ~、お姉は胸も弱いんですねえ。じゃあ、こうしたらどうですかねえ……。くっくっ」 「んっ!? んむぅうううぅっ!!」 必死の形相で首を横に振る魅音を見ながら、私はロウソクを魅音の胸の上へと……ゆっくりと移動していく。 ロウソクの先でじわじわと大きくなる滴を私は愉悦の視線で……そして魅音は怯えた視線で見詰める。 ポタリ 「んむううううぅぅぅぅ~~~~っ!?」 固く勃起し、敏感になった乳首に滴が落ちた途端、魅音は背中をのけぞらせた。 ポタポタと熱いロウが魅音の胸に落ちるたび、魅音が身悶えする。 あははは、こりゃあ面白いや☆ 「よしよし、胸でこれなら……あっちの方はどうかなあ?」 そう言って、私はにたりとした笑みを魅音に見せつける。 魅音はロウが落ちたわけでもないのに、びくりと震えた。 「んむぅっ! んむんむうぅ、むううぅぅっ!!」 暴れる魅音をよそに、私はロウソクを魅音の秘部へと持っていく。 固く閉じた蕾がどんな刺激を魅音に与えるのか、想像しただけで楽しい。 「止めて欲しい?」 戯れにそう聞いてみた途端、魅音は何度も頷いてくる。 「そう。止めて欲しいんだ。……そうだよね。全裸にされてその上ロウソクをあちこちに垂らされるのって、恥ずかしいし熱くて嫌だよねえ」 私の台詞を慈悲だと思ったのか、媚びた視線を魅音が私に向ける。 それに対して、私はもう一度優しく微笑み返す。 「でも駄目」 「んん~~~~~~~っ!!」 私は微笑んだまま魅音の秘部にロウを垂らす。 再び絶望の色に瞳が染まる様が、また愉しくて仕方ない。 「あはははははははは。あの園崎魅音が……園崎家次期頭首様ともあろうお人が、全裸でロウソクを垂らされて悶えて……くっくっくっ。ざまあありませんね。この前見せた姿はどこに行ってしまったんです? あはははははっ!!」 「んん~~っ!! んむうううぅぅ~~っ!!」 そう、ここにいるのはただの玩具。この私、園崎詩音という鬼の生け贄。 「でもお姉? まさかこのまま終わるなんて思っちゃいないですよね? どうせこんなのは過ぎてしまえば何の傷もあんたに残さないんだから」 そうだ。こんなもので済ますつもりはない。 私が受けた屈辱、恥辱……あのときに失ったものはこんなものじゃない。 「んんっ! ふうっ……んっ……むううぅっ!」 あのとき私が魅音にされたように、私もまた魅音の秘部を愛撫していく。秘唇を中指と人差し指でなぞり、そして秘芯を転がして弄ぶ。 「あははは。何? お姉……感じてるんだ。全裸にされて両手両足を拘束されてロウソク垂らされた挙げ句、こんな風にされて感じてしまうんですねお姉は。あはは……園崎家時期頭首様はとんだ変態女ですねえ。こんな姿、他の人が見たら何て思う事やら」 「ん~~~~っ! んんむぅ~~~~っ!」 「言い訳なんてしても無駄ですよ。ぱっくりと恥ずかしい部分を開いて……しかもその上クリトリスをこんなにも大きくして、感じてないなんて言ったところで説得力ないです」 そう言いながら、私はぬちゃぬちゃと淫靡な水音を魅音に聞かせる。私の手の中で魅音の秘部は熱く高ぶっていた。 「じゃあ……もうこれで準備は良さそうですね。お姉」 私はロウソクに舌を這わせ、唾液をまとわりつかせていく。 そして、それを魅音に見せつける。 「ふふ……お姉? 今からこれがお姉の中に入るんですよ? 気分はどうですか? こんなものがお姉の初めての相手なんですよ。これでお姉の純潔が失われるわけです。うふふふふ……」 「ん~~っ! ん~~~~~~っ!」 それは嫌だと魅音が喚き立てる。 ああ、実にいい気分だ。 この背徳感……堪らない。背筋がぞくぞくして、思わずこっちまでイってしまいそうなくらいだ。 私は興奮に浸りながら、魅音の入り口にロウソクをあてがう。 「ん~~~~~~~~~~~~っ!!」 そして、魅音の悲鳴を聞きながら、一気にロウソクを魅音の膣内へと挿入した。 魅音は背中を大きく仰け反らせ、そしてぽろぽろと涙を流した。いい……実にいい。その顔をもっと見せろ。もっともっと苦痛と絶望に歪ませるがいい。 遠慮なんかするものか、このまま奧まで犯して、子宮が壊れるくらいに突きまくってやるよ。 「んんっ! んっ……んんっ……んっ……」 ロウソクを出し入れする度、魅音の口から喘ぎ声が漏れる。くっくっくっ……さあ、いつまで耐えられる? これから先、嫌って言うほどイかせてやるよ。あははははははは。 “……あれ?” 激しく魅音を犯しながら、妙な違和感に私は眉根を寄せる。 何かがおかしい。 魅音は初めてのはずだ。初めてのはずなのに……。 「んっ……んむぅっ! んん~~っ!!」 どうして、全然……破瓜の血が流れないんだ? それは、ときには激しい運動とかで処女膜が破れることがあるということくらいは私だって知っているけど……。 けれど、これはそうじゃない。 予感めいた何かが頭をよぎって、私は魅音の口から猿ぐつわを外した。 「はぁっ……あっ……くっ……んっ」 荒く熱い……そして甘いものが混じった吐息が魅音の口から漏れる。 「…………どういうことですか? お姉……まさか、初めてじゃない何てこと……あります?」 でもそんなはずはない。だって魅音が誰かと付き合っていたとか、そういうことをしていたとか……そんな話は聞いたことがない。 でもそれならどうして? 涙を流しながら、魅音が私を見詰め返す。 「……詩音だけが……あんな風にケジメを取らされるなんて……ひっく……あんまり……なんだもの。……だから……私も……あのときの人達に頼んで……」 “……え?” 魅音の嗚咽を聞きながら、私は意識が遠くなるのを自覚した。 「あの人達だってね。……ひっく……詩音のことをただの慰み者にしようとかは……思ってなかった。なるべくなら……っく……詩音に負担が掛からないように……すぐに終わるようにって、気を遣ってた。命令だから仕方なく……って……ひっく……」 ちょっと待てちょっと待てちょっと待て……。それじゃあ何? それじゃあ、私が魅音にしたことって結局……何なの? ついさっきまで感じていた興奮なんて、どこかに消し飛んでいた。魅音の涙から目を離すことが出来ない。 「詩音がね、悟史の好きだって分かって……私、詩音と悟史に幸せになって欲しかったんだよ。……っく……えっく……だって……いつも詩音ばっかり……可愛そうで、私達は同じ双子なのに……何でいつも詩音ばっかり……こんな……こんな……」 嗚咽混じりの魅音の言葉が、私の頭の中で何度も繰り返される。 私が悟史君を好きになったように、魅音だって悟史君を好きだったとしても何の不思議も無い。……私達は同じものを好み、そして愛すのだから。それを……それなのに、この馬鹿は私にくだらない義理立てをして……自ら……。本当に馬鹿。 この馬鹿は人を騙すために涙を流すことなんて出来ない。 そんな涙だから、私の中に宿った乱暴な感情……復讐心だとか嫉妬だとか……そんなものが、まるで水に溶けるように消えていく。 私の目からも…………涙が溢れた。 自分が情けなくて……魅音にあまりにも申し訳なくて……。こんなことしても、何にもならないって分かっていたはずなのに……。 「ごめん。……魅音。本当に……ごめん。私……私……」 涙で視界がにじんで、魅音の顔がよく見えない。私の顔がくしゃくしゃに歪む。 泣きながら私は魅音の秘部からロウソクを抜き、そして拘束を解いた。 「ううん。……だって私は……それでも私の意志だったけど。でも詩音は本当に……無理矢理……だから、もっともっと、辛かったんだよね。……っく」 そして私達は泣きながら互いを抱きしめ合う。今までため込んでいたものを涙と一緒に洗い流していく。 腕の中から伝わってくる魅音の温もりが、今となっては愛おしかった。 そしてそれは魅音も同様なのか、ぎゅうっと私の体を抱きしめてくる。 男女の愛じゃない。けれど、愛おしい相手の体温を感じる幸福感が私を包む。 ああ、好きな相手と肌を重ねるってこういう感じなのか……。我ながら場違いだと思いながら、ふとそんなことを考える。いや……考えてしまう。 だって私達はまだ、愛し合う形でそういうことをしたことは無いから。初めてがそんなのじゃなかったから……。 小さく、心臓が震える。 「……ねえ……魅音」 「うん……詩音」 一旦上半身を離し、視線を交錯させる。 それだけで私達に言葉はいらなかった。だって、私達は同じだから。 ゆっくりと顔を近づけ、目を閉じる。 そして……魅音と唇を重ねた。柔らかくて優しい感触が伝わってくる。 すぐ目の前から伝わってくる魅音の吐息。魅音の存在がこれ以上なく近くに感じられる。 『……んっ』 私たちは同時に唇を離した。 私はその場に座りながら、無言で上着を脱いでいく。 薄い布地を床に置き、ブラを外す。 そして……魅音が私に覆い被さってきた。 魅音の柔らかい温もりが私の上半身に絡み合い、そして細い指が私の肌を優しく愛撫する。くすぐったいような……それでいてどこかほっとするような不思議な感じ。 「あっ……ん」 魅音が私の左胸に口を寄せる。 乳首を舌で転がし、ちゅうちゅうと吸い付く。 その刺激に、私の乳首は堅く尖っていく。 私の胸を吸う魅音の頭に、私は腕を回す。何だか、魅音が赤ちゃんみたいに思えて可愛かった。 私はそのまま魅音の頭を撫でていく。魅音の柔らかくて滑らかな髪が、愛おしい。 「ふぁっ……あっ……ん……」 ぬらりとした魅音の舌。そしてむっちりとした唇。肉感的な刺激が気持ちよくて、私は自然と声を漏らしてしまう。 もっとして欲しい……と、私は魅音を抱きかかえる腕に力を込めた。 魅音の左手が私の上半身を撫でて、そして下半身へと移動していく。私のスカートをまくり上げていって、その中へと入り込んでくる。 「んんっ……ふぁっ……あっ」 下着の中にまで入り込んできた魅音の指が、私の敏感な部分を刺激する。熱を帯びた私の秘部は、既にとろとろに潤っていた。 「あっ……ああっ……んんっ」 魅音の指が細やかに蠢くたび、私は甘い喘ぎ声を漏らし、ぞくりとした快感に浸る。 でも……魅音はどうなんだろう? 薄ぼんやりとした頭でそんなことを考える。 私は左脚の膝を立てて、魅音の秘部へとあてがった。 その途端、一瞬びくりと魅音の体が震えた。 私の太股から生暖かく粘っこい感触が伝わってくる。どうやら魅音も感じていたらしい。露出した秘部を私の太股にこすりつけてくる。 花開いた魅音の秘部が、私の脚の上で切なく踊る。まるで花を握り潰そうとでもいうように、強く押しつけられる。 「…………んっ」 私は魅音の頭を私の胸から離させた。 理由は簡単。魅音をもっと近くに感じたかったから……魅音をこれ以上我慢させたくなかったから。 私は上半身を起こし、右脚も曲げ、捲り上がったスカートの中から、びしょびしょに濡れた下着を脱いでいった。 「魅音……来て」 「……うん」 私達は互いに互いの太股を交差させ、秘部を密着させた。 「下の口はそうは言ってないみたいだなあ」なんて馬鹿でステレオタイプな台詞があったりするけど、私達はそれこそ秘部でキスをするかのように互いを求め合う。 何度も秘唇を重ね合わせ、秘芯を擦り寄せ、蜜を絡めていく。 果てを知ることなく性感が高まっていく。自分が溶けていくようで、それでいて満たされていくような不思議な錯覚。 もう、この行為を止めることは出来なかった。ブレーキの壊れた機関車のように、どこまでも突き進んでいく。 魅音の悦びを感じる。詩音の悦びを伝える。 『はぁっ……あぁっん……んんっ……くぅん』 熱い喘ぎ声が重なる。 体が……心が重なる。 そう……今このとき、私は魅音でありそして詩音だった。 涙が流れる。 それはようやく一つに戻れたという嬉しさであり、そしてこんな形でなければ戻れなかったという切なさの涙だった。 『ああぁっ。……はぁっ……あぁんっ……んんっ……んああああっ……はぁっ……』 互いの嬌声がどんどん高くなる。 体が熱くて堪らない。 全身が悦びに包まれる。 一瞬……ふわりとした感覚に我を失って……。 『あっ……ふぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっん!!』 私達は……ううん、「私」は果てた。 一つになったまま、まどろみへと落ちていく。 今のこの気持ちを絶対に忘れないと誓いながら。 魅音とか……詩音とか、悟史君……鬼……人間。そんなものすべてを抱きしめたまま……。来年の綿流しの頃、自分がどうなっているかなんてまるで知らないまま……。 ―END― -
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「けーいーちくーん!」 圭一はその声の聞こえる方に顔を向ける いつもの風景、いつもの香り、その中でも何より大切な… 狂おしいほど愛しい笑顔をこちらに向けて… 「おはよう圭一くん!」 慌てて走ってきたのか、肩で大きく息をしている 「おはようレナ、それにしても珍しく遅かったじゃねぇか。もしかしてお寝坊さんか?」 「ううん!違うよ違うー!お寝坊さんじゃないもん!お弁当作るの遅れちゃっただけだもん!」 レナはぷくーとほっぺを膨らませ子供のようにそっぽを向く 茶色の髪を優しくなでてやる はぅ…と声を出し顔を赤くして俯くレナ その姿が可愛くてしかたない 2人で歩き出す。いつものように… 最近、授業中もレナのことで頭がいっぱいで内容が何一つ入ってこない 青色のぱっちりとした瞳、茶色の綺麗に切りそろえられた髪、ピンク色の潤った唇 レナの全てが俺を魅了する その美しさに自然と惹かれる 俺はきっと…レナのことが好きだ 「─ちゃーん?おーい、圭ちゃーん?」 「うわぁぁぁ!?」 「うわぁぁ!?」 いきなり話しかけられ、びっくりする 魅音だ 圭一の驚きようを見て魅音も驚く 「なっ、なんだよ魅音!」 「何って、圭ちゃんこそ何ボーってしてんの」 「っ…それはっ…」 「もしかして、好きな人でも出来たァ?」 「ばっ!バカっお前!そんなはずないだろ!?」 思わず図星をつかれ慌てる 「あっそうなんだぁ。へへっおじさんが相談にのろうかぁ?」 魅音がニヤニヤして肩を組んで来る 「おいおい勘弁してくれよ」 あまり怪しまれないように軽く流す 「どうしたの?圭一、魅音?」 声のした方を見る。悟史だ 「いや!何も……」 「圭ちゃんねぇ、好きなひ…うぐっ」 咄嗟に魅音の口を手で塞ぎ、悟史になるべく笑顔で話しかける 「いや違うんだ悟史!今日の部活は何かなと思ってだな!ははは…」 上手にごまかせているだろうか?少し不安だった 「……むぅ」 悟史は困ったように喉を鳴らした 休み時間に圭一はお手洗いに行った その時に偶然見た レナと悟史が人目につかないような場所で、話しているところを… こんなところで何を話しているのだろうか? わざわざ人目のない所を選ぶのだ 人気のない場所でしかできない話とすると… 相談?それとも…… 駄目だ考えれば考えるほど悪い方向へ行ってしまう 考えるな、考えるな… その後の部活も俺は休み時間のことが忘れられなかった 「圭一くん、今日は乗り気じゃないのかな?かな?」 レナが圭一の顔を覗き込む 「ごめん、ちょっと具合悪くなっちまった。今日は帰らせてくれ」 途中抜け出して1人帰ることにした 「圭一…くん?」 「何〜?圭ちゃん逃げちゃうの〜?」 と、後ろからそんな声が聞こえてきたが無視した 1人で帰るのは珍しいから少し寂しかった 隣にレナがいるのが当たり前になっていた だが、休み時間に見たことがちらちら頭にでてくるのだ レナは悟史が好きなんだろうか レナは俺の事仲間としか思ってないのだろうか 「……レナ」 さっき別れたはずなのに会いたくて仕方がない 自分から帰っといてなんて身勝手なんだろう しばらくすると家の前に来た 隣を歩くレナがいないとこんなにも道のりが長くなるのかと少し驚く 中に入り、ドアを閉めかけた時… 「圭一くーん!」 圭一は反射的に振り向いた 圭一が今1番見たかった顔であり、今1番聞きたかった声 レナが俺の元へ走ってくる それでも先程いきなり部活から抜け出し、帰ってきたものだから、少し気まづかった レナは息を整えようと大きく息をしている 「レナ、どうしたんだ?」 「け…、圭一くん、具合、大丈夫かな?かな?」 「…レナ、…部活は?」 この少女は、レナは、圭一のことを心配してここまで追いかけて走ってきてくれたのだろうか? こんな俺のために…? 「心配で抜け出して来ちゃった。でももう遅かったね!あはは…」 乾いた笑みを浮かべてレナは残念そうに俯く 「それで、具合は…?」 「あ…ああ…もう大丈夫だよ」 「よ…良かったぁ!レナ、心配したんだよ!」 最初から具合なんて悪くもないのに心配してくれるレナが愛らしく感じる一方自分に腹たった 暫くの沈黙が2人を襲う 先に口を開いたのはレナだった 「じゃ…じゃぁ、まあ明日!圭一くん!」 レナは手を力なく振りながら踵を返した 思わずその手をパッと掴んでレナを止めた 離れたくない、まだ君と一緒にいたい 「あ…えっと…とりあえず寄ってかないか?」 「……うん!」 レナはパァっと表情を明るくし、頷いた 「はうぅ!圭一くんのお部屋!」 レナははぅはぅいいながら圭一の部屋の中を見物していた 「そんな大したものないぜ、ま、ゆっくりしていってくれよ」 「はーい」 圭一の部屋を一回り見たレナは圭一が座っていた横に腰を下ろした また2人に沈黙が襲う 「レナ」 「圭一くん」 どちらも沈黙に耐えられなかったのか同時に相手の名前を呼びハモりが生じる 「あ、ごめん、先に…いいぜ」 「あ…ううん、大したことじゃないから」 「えっ、いやでも…」 「いいから」 「あ、ああ…」 真剣な顔で言われるものだから、圭一が折れた 「あのな、レナ、聞きたいことがあるんだ…」 「?何かな、かな?」 うるさい心臓の音が聞こえない振りをして口を開く 「俺のこと…好きか?」 「うん!好きだよ!」 レナは可愛らしい笑顔で応える 「じゃあ、悟史のことは好きか?」 「うん!好き!」 レナのことだからそう応えるのは正直知っていた レナが仲間を傷つけることを言うわけが無い だが、レナが言った好きはきっと…圭一がレナに抱く『好き』とは違う『好き』 続いて圭一は口を開く この質問の答えが圭一が本当に聞きたかった答えだ 「レナは俺と悟史、どっちが好きか?」 「えっと……ぇ?」 レナは戸惑う 当然だろう レナに、そんな選択、決められるはずがない 「…圭一くん?どうしてそんなことっ…ん!?」 俺は咄嗟にレナの唇に自分のそれを重ねる 重ねると言うより、噛むような勢いだった 「けぃ……ち…くん…やっ…」 レナは酸素を欲しがるように口を少しだけ開けた 圭一はすかさずそこから舌を入れた レナの舌はそれから逃げるように奥に引っ込んだ しかし圭一はレナの舌を捉えると舐めまわすように自分の舌を絡めてきた ねちゃ…ねちゃ…ねちゃ… いやらしい音が口の中から聞こえてくる 「んっ…んぁ……!」 レナの顔がとろけてきて力が入らなくなってきたのか後ろに2人して倒れた しばらくして息が苦しくなってきたレナが圭一の胸元を力ない拳でポンポンと叩いてきた 圭一は惜しむような思いで唇を離す 艶のある銀の糸が2人の唇を繋いだかと思ったらレナの方へ落ちていった 「……はぅ、け…圭一くん?」 とろりとした瞳でレナが圭一を見る 少しの理性を頼りに圭一は口を開く 「俺は…レナが好きだぜ。友達じゃなく、1人の女性として」 「……はぅ」 レナは既に火照っていた頬をさらに赤くした 「レナは、俺を1人の男性として好きになってくれるか?」 「…えっと、んぅ」 圭一は自分で聞いた問の答えを聞くのが怖かった だからまたレナの唇を塞いだ 圭一はたまらずレナの服の中に手を入れた 「圭一くん!それは……やっ…」 2人の恋はまだ終わらない 続く
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「…うう。詩ぃ、詩ぃ~」 「はいはい。泣かない、めげないの。恋に恋する乙女たるもの、これしきのことでへこたれてたら、やっていけませんよ」 「詩ぃ~っ!」 本日、学校が終わっては梨花ちゃまが私のマンションに駆け出してきて以来、ずっとこの調子で泣き止んでくれないのです。 止め処と無く梨花ちゃまの瞳から溢れる涙の供給源は、本当どこからやってきているのでしょうかね。 私も私で駆け出したいほど重要な用事があるのですが、このまま梨花ちゃまを見捨てておくと内側から干からびて、干物になってしまいそうですし…。 厚さ2ミリもない体つきで『詩ぃ、私もう希望もクソも無いから干物になってやり直すわ』だなんて馴れ馴れしく話し掛けてくる梨花ちゃま、嫌です。 頭部も例外なくぺったんこになり、当然脳みそ部分もスカスカになってしまうでしょうから、今まで以上に風狂な振る舞いを起こすようになってしまいます。 正直、ぶっちぎって変人になった梨花ちゃまも見てみたいという考えはあるのですが…。周囲の住民への迷惑を考えると到底今の梨花ちゃまを死守しなければならないため、梨花ちゃまの傍に付き添う必要があると判断したわけです。 「恋に恋をしてないのです、私は圭一が好きなのです~」 「はい、はい。わかってますよ、きちんと理解しています。100年好きなんですよね」 梨花ちゃまの感情が昂ぶり、抑えがつかなくなると必ず飛んでくる台詞がこの台詞。『100年の時を歩いた』、だそうです。 にわかには信じ難い話ですが、年端もいかない少女にしてはずば抜けて思慮が深いですし、昭和58年の6月までは、聞いている側が肝を冷やす位性格に未来を予知していましたし。 ひょっとしたら本当なのかも。 …あれ、梨花ちゃまが特殊部隊のことで騒ぎ出したのって事件の起こる2週間前くらいでしたよね? 私の記憶ではずっとずっと前から何か予見していた仕草といいますか、その様なものを感じていたのですが。 現に梨花ちゃまは私とお姉の入れ替わりを看破していた節ですし、地下室にてお姉を救ったのは実質異変に気が付いた梨花ちゃまですしあれ私は沙都子をアヤメてくけケケケ… 「駄目えっ! 詩ぃっ、それは駄目!」 「…はっ! 私は、一体何を…」 何かとてもよからぬ回想が思考に巡ってきたのですが…。 「気のせいです、気の迷いです! そうです、100年とはあくまで正式に年数を数えたことが無いから本ッッッッ当に過少の年数を言っているだけであって、本来なら1000年とかとうに過ぎてると思うのです、うう、詩ぃったら信じてない~、ああああああん…」 梨花ちゃまが洗脳してくんのかと吐露を漏らしたくなる位にこちらに詰めより弁を捲し立ててくるのですが、私が別の物事について思案していると、勝手に床へ這いつくばって空気が抜けたようになってしまいました。 現在では床面に転がり回りだだをこねている始末です。 「ねえねえ、聞いて、聞いてよ、関心もってよう~」 梨花ちゃまは自分の拗ね具合をとくと現しているつもりなのでしょうか、唇をたこさん型にでっぱらせているのですが、ひょっとこの物真似をしているようにしか見えません。 「…はあ。泣き癖はおこちゃまと負けず劣らずな癖に、下手な同年代の子供たちよりも思慮深いばかりに、こうなった梨花ちゃまは面倒臭いんですよね。ああ、圭ちゃんは梨花ちゃまをあやす私の立場になって物事を考えるべきです、その通りです! そうすれば梨花ちゃまの願いなんて二つ返事で承諾される事でしょうね…」 しかれども、お情けで実った恋慕なぞどんな女性でも喜べるはずがありません。 人一倍繊細な心をもっている梨花ちゃまに至っては自責の念に押し潰され、結果折角物にした恋情を破棄し、別れてしまうだなんてことも考えられます。 しかし別れた理由はあくまで境遇に耐えられなかったからなのであって、足首に未練のかせを引き連れたままの梨花ちゃまはそのまま恋わずらいに苦しまれるがまま…。ああ、なんと悲しいのでしょう! 最悪の事態は避けなければなりませんね。 やはり圭ちゃんが鈍感なことを利用して、こちらが画作していることを察せさせず、梨花ちゃまの横恋慕を実現させなければなりません。 そのためにはまず失敗を失敗と割り切って、梨花ちゃまに立ち向かって貰わなければならないのですが…。 「あああああ、詩ぃ、詩ぃ! 僕はもう駄目なのです~!」 「泣き止んでください、気に病むことはないですよ。…あああ~今日は悟史くんの看病に行く予定があるのに、なんだか私も涙がでてきましたよ。よよよよ…」 私たちは相互に空いている隙間を近付くことにより埋めあって、ひしりと抱き合います。 私は梨花ちゃまより体格が大きいので、梨花ちゃまの肩に目元を埋める姿勢で。梨花ちゃまは私の胸に潜り込む体勢で、お互い溜めるに溜め込んだ不満の丈をわんわんと叫び始めあいました。 「あああああん、あん、ひっぐ、私たちはきっとこのまま身寄りも出来ず、寂しく朽ちて行く運命なのよお~!」 「失礼な、私だって、私だって…! …ん、ん?」 私が袖を通しているセーターの胸部が液体でぐっしょりと濡れてしまっているのですが、そんなことはどうでもいいのです。 ふと、梨花ちゃまの様子を目に入れていて、ピンときました。これを上手に応用できれば、圭ちゃんなんて手玉にとったようなものなのでは…? 粘着性のある溶媒が飛び散って、頬にかかってきた時には流石に気にかけてしまいましたが、些細なこと。どうでもいいことです。 「ごめん。鼻すすったら鼻水飛んだ」 「んん…。…そうかっ!」 「…ほえ? 詩ぃ、詩ぃ?」 一人合点し、思案を早めて行く私ですが、私は一言も喋っていないため当然のこと梨花ちゃまは理解できていません。 むしろ梨花ちゃまの目つきは私を異端者として捉えているかの様な…。はなはだ、不服です。 まあ、概容すら分からない相手の企みを知ろうとするなんて、他人の思考を読めたりしないと不可能ですからね。 またもやいじけてそっぽを向いてしまっている梨花ちゃまに面を合わせ、順を追って説明していくことにしました。 「梨花ちゃま。男のツボとは、ギャップです」 「ナイキ?」 梨花ちゃまは私の話のでばなをへし折りたいと考えているのでしょうか。 「はいはい、つまらないです。ギャップとは元となる物事と対照の物事の差、普段ツンケンしている人がこちらに親しくしようと踏み寄ってくる様は、なんかこう、悦といいますか…。悦といっても偉ぶっているわけではありませんが、こう、いいでしょう?」 「いいわね。普段勝ち気な圭一が家に帰って一人になると、殊勝な振る舞いになってしまう事に通ずるものがあるわ」 「…なんで知っているのですか?」 「えっ! あっと、その、…覗き、見」 少々ドギマギしていますがさも息をするかの様、平然にどきついことをのたまう梨花ちゃまに、少なからず頭痛を憶えます。 私だってれっきとした一般人、地域の皆さんと同じ感性を持っていますから、 梨花ちゃまの将来がかなり心配になってきたので、釘を刺す意味合いで、私は梨花ちゃまに忠告をします。聞く耳を持たないとは思いますけど。 「幾ら憎からず思う相手の行動観察とはいえ、人の家での私生活まで覗くというのはとてもよろしくないことだと思いますよ」 「愛が成せる業だわ。業と言ったら忍者。にんにん」 梨花ちゃまは両手を体の前に置いて、右手は右手の人差し指だけ伸ばして拳を握り、左手の掌でピンと反り身になった人差しを包み込むように指を握り、やはり左手の人差し指を伸ばす仕草をとりはじめました。 その素振りはあたかも、いや、想像を巡らせなくてもわかります。忍者ですね…。 会話が一段落したところで冷静に状況を分析すると、やっぱり私の忠告はどことやら流れてしまっています。 ちょっとくらい心に留めてください。 「江戸時代まで飛ばしますよ。それに業という単語、忍者とは関連がないと思いますが…」 「知ったこっちゃない、私の発言が正義なのよ」 「もう好きにしてください…」 観念が肝心、諦めも肝心、諦めとは観念。 今の私の御心の深さは観音様も仰天するでしょう。 それ程往生際がよく、何もかもを甘んじて受けいれた覚悟なのです。 「それじゃあ私は、圭一をドキッとさせるためにギャップのついた性格を練習して、習得すればいいのね?」 目を瞑り神々と対話していた私は、梨花ちゃまの比較的まともな言明により現世へ引き戻されました。 そりゃ、元を辿れば梨花ちゃまのための会議なのですから、梨花ちゃまが行うことの確認をとる行為はいたって適切なのですが、違和感といいますか…。 通例にはみ出してる梨花ちゃまこそが、なんか、梨花ちゃまって感じがするんですよね。 「…失礼なこと思ってない? 実際、私を古出梨花として感想をくだしてるんだったら、的外れよ。私はリカであって梨花では…、…いや、なんでもない。で、どう?」 「『ドキッ』って、表現が古いですね」 「表現のことなんてどうでもいいじゃない!」 梨花ちゃまが鬼の見幕で私に食ってかかるものですから、思わず一歩引いて、謝ってしまいました。 心なしか、梨花ちゃまの目尻に光るものが溜まっているような…。…そっとしておいてあげましょう。 「案の内容は悪くないですが…。その作戦は次の機会にやりましょう。今はそれよりも有効な手段がありますからね…」 「内容?」 なんとか修羅から人間へ戻り得た梨花ちゃまが、私がずっと話したかった、本題に食いついてきます。 元々、最初にギャップをおさえることが男のツボをおさえることになると話を持ちかけたのも、このテーマを梨花ちゃまに伝えたいがため。 少々遠回りしてしまいましたが、ようやく声高らかに、宣言する時がきたのです…! 「…そうです。その名も、ずばりッ!」 「…ずばりっ!?」 『泣き落としですっ!』 ☆ (…ふう、放課後になって、やっと30分が経過したわ。私たち以外の部活メンバーを始めとしたクラスの皆も下校したし、後は教室に待機している圭一に、話し掛けるだけ…) (そうやって躊躇して、何分経ってるんですか。軽く20分、踏ん切りつかない体勢のまま、入り口でもたもたしてて。はたから見ていてとても怪しいです) (なっ、何を言うの! この私が不審者だなんて、公由も大激怒よ!) (ばっちゃに頭が上がらないような村長さんなんて、目じゃありませーん。まあ、冗談ですけど。公由さんのことは、きちんと敬ってますよ?) (私の挙動不審ってことはどうなの…?) 「…圭一っ!」 「…ん、うおっ、この手紙で俺を呼び出したのは梨花ちゃんだったのか! いやあ、可愛らしいシールや封に包まれた手紙だったもんだから、ラブレターだと思ってたよ」 「ラブレターなのですっ!」 「…。…、へっ!?」 「僕は圭一が好きですっ! 他の誰より、レナより魅音より沙都子よりいっ! 好き好き大好きなのです、なんで、圭一は僕がこんな、好きだって…、えぐ、好き、…わからな、いの」 「…梨花ちゃん」 「わからないのよ、おかしいわよ、ずっと圭一のこと考えてて、離れなくなって、いつしか圭一のことで思案を巡らせることが日課になって…! な゛ん゛で気゛が付゛いてくれ゛な゛い゛の゛…?」 「梨花ちゃん!」 「大゛好゛き゛っ゛!!」 「…泣かないでくれ、ほら、ハンカチ」 「うう、拭゛いたって、ま゛た゛涙がでちゃうっ」 「なら、梨花ちゃんが楽になるまで、拭き続けるさ。なんたって、梨花ちゃんと俺は、仲間…、…いや」 「…」 「…落ち着いたかい? …そう。梨花ちゃんと俺は、恋人じゃないか」 「…! 圭゛一゛い゛っ!」 「なんというか、泣いてくれるまで俺のことを好きで居てくれる女性を、ないがしろにできないから…。凄く、嬉しいよ。これからの人生、傍に居てくれないか」 「喜んでっ! じゃあ、早速棒と玉を使って穴に入れる楽しい遊びをしましょっ!」 「へっ!?」 「遊びなんてものじゃないわ、これはお互いの人生の岐路を固める大切な儀式! 2人で乗り越えましょ、さあさ横になってあら圭一ったらこんなに固くしてウフフフフフ…!」 「…梨花ちゃん。俺、俺ッ!」 「きゃっ! ううん、圭一ったら激しい! そう、そこよ! 刺激がいいのお、もっとやって~!」 ※続きはこの計画が達成、成就されたら行われます 「ムフ、ムフフフ。ウフフフフフ…」 ミッション2 放課後の学校に圭一を呼び出し、泣き落としで圭一を落とせ! 作戦内容:昼休み終了後、あらかじめ圭一の下駄箱に手紙を用意して放課後教室に残ってもらう! その後作戦班Aがターゲットに接近、熱心に口説け! ポイント:泣き落としに崩れない男なんて居ない! この日の天気は小雨で、天井やら内壁、学校全体からしとしとと物静かな水の打ちつける音がこだまする。 私たちと圭一以外の全校生徒が家に帰宅した分、余計に静まり返ってるのだろう。 キーンとした振動数の多い音波に耳を澄ませていると、いつしか職員室で勤務している知恵先生と校長先生の息だって、今だけは止まっている錯覚に囚われる。 学校という空間に詩音と私、圭一の3人だけしかいない気がしてくるのだ。 やがてそれは圭一と私の2人きりになるのだろう。 …私は教室のロッカー側の入り口手前に居て、圭一は自分の席に座って何やら本を読んでいる。 この状態のまま、もうすぐ40分が経過しようとしていた。 なんでだか今日の雨の反響音が、私には安らぎの場を醸し出すバックサウンドの様に思えてきて、ことさら感謝している始末だった。 普段日頃だったら帰りに衣類が汚れるし傘さすのが面倒なんて、愚痴をこぼしてしまうのにね。 「…雨の音には、人を癒しつけるヒーリング効果があるそうです。アルファ波でしたっけね。このことを、話の種にしてみてはいかが」 「…ありがとう、詩音。たまにはいいこと言うわね」 「たまに、は余計ですっ」 …余裕ぶっこいて詩音と会話の応対してるけれど、わたくし、古出梨花。ゆとりなんて都会住居の隙間ほどありません。 これからする事、すべき事を考えているだけで全身ガッチガチにこわばってしまい、今にも逃げ出したい所存です。 ヒーリングとか知ったこっちゃありません。 何より、詩音が提案した腹づもりって、ばっさり言っちゃえば告白って事ですよね。 泣き落としがどーのこーの言ってるけどまずはアタックアタック! って強制してるわけですよね。 私に胸内を打ち明ける勇気がほんの一滴すら振り絞れなくて、困り果てて詩音に相談した訳だというのに、こりゃおかしいですよね。 そりゃ、思いの丈を暴露することが可能な位積極的なら、恋慕くらいちょちょいのホイで実りますよね。 (…そうですよね、梨花ちゃまだって、りっぱな乙女。幼少であるだとか、くだらないことなぞ関係ないのです。 沙都子。ねーねー、あなたに悪いことするけれど。…ねーねーは梨花ちゃまを応援します。沙都子も圭ちゃんに心を寄せているだなんて事は十分承知しているけれど、…。 梨花ちゃまの様子を窺っている内に、手助けしてあげたいと思うようになったのです…) 何を勘違いしたか詩音が私の背中を押してきたんだけど、どういうこと。 詩音だって来年は高校生、成人に近付いてきた体格の力というのはいくら女性でも子供の私の体には十分な圧力がかかり、圧力から逃げ出そうと体が教室方面へ二歩ほど動いてしまう。 無用心で抵抗できるはずもなかったから、尚更ただ押された力に従ってしまうだけで、かなりピンチ。 入り口付近でじっと圭一の素振りを窺っていた私はされるがまま、とうとう圭一の居る室内へ侵入してしまった。 押されて歩いた際にペタ・ペタと上履きの音を立ててしまうあまりよろしくない失態を犯してしまい、即効で圭一に私の存在が割れ、面と面が向かい合う態様に。 最悪。 残念ながら私は漫画の主人公とかにありがちな『よーし思い切って私の気持ちをぶちまけるか!』とかそんなんにならなくて一層緊張しちゃうタイプなんですよね。 もう本当どうしようもない、このまま溶けてしまいたい、できるならとんずらしちゃいたい。 私には叶わぬ淡い羨望だったのよ…、とか心の片隅で思うわけでもなく、気持ちに決別をつけるために言い訳のかざりをつける訳でもなく、単純に逃げたい。 「…もしかしてこの手紙、梨花ちゃんか? 放課後になってから、40分過ぎてるけど。どうしたんだ」 声の主がゆっくりとした手付きにて現在開いている本のページにしおりを挟み、片手にて本を閉じ、席を立ってこちらに近付いてくる。 ガラガラとした男子特有の勝り声の持ち主は、もちろん圭一だ。 待ちくたびれたからだろう、うんざりとした声色にて、手紙の送り出し人の真偽を尋ねてくる圭一。 不幸中の幸いで、現在の私がまともに呼吸すら行えない状態だということは、圭一に計られなかった模様だ。 されども圭一の投げかけてくる疑問の眼差しに、そこまで不快に思われていないだろうなとはタカをくくりつつも、無言が続くにつれやっぱり不愉快なのだろうかと当惑してしまう。 不相応なのだろうか…。私はまだ、一般に思春期と言われる年頃すら迎えていないのだから。 こんなことなら100年の記憶なんて引き継ぎたくなかった。 …これについては本音ではないが、万が一私の記憶がまっさらな状態であれば、幼少時に抱いた淡い恋慕なぞ全く悩まぬ問題に成り下がっていただろう。 負の要素を自覚してしまうから、心を暴け出す行為っていうのは、嫌なのよ。 こんなことならホイホイ詩音の申し出に乗らなければよかった。 乗ってもいいが、きちんと内訳を理解し、極端に追い詰められる惨状にはならないことを確認した上で臨むべきだったのだ。 「そ、その、圭一」 ほら、情けない。圭一と接見し、数分が経った後、やっと喉から放出できたかすり声ですらこれだ。 圭一はあっけからんというか、キョトンと放心している挙措をとっている。 …当然だ。私ですら、何をどうしたいかわからない。 「…。…ううう~っ」 途端、なんだか呼吸における吐き出す行為だけ金縛りが解けたように行えるようになり、息を吐き出した瞬間、目頭やら胸やら背中に熱みが伝導してきて、…地面が視野にぐっと近付いてきた。 ついでに両足の膝小僧が痛い。 痛みがお腹までじわじわと登ってきて、へそに到達したむしゃくしゃが突如弾けるよう四肢に飛び散り、後悔が波となって襲い掛かってくる。 …津波を真っ向から浴びた後は、その場に泣き崩れてしまうだけだった。 「…!? どうしたんだ、梨花ちゃんっ!? 何か、悲しい出来事があったのか!?」 圭一は気をかけてくれるが、今はその優しさが、傷口に染みる。 「みぃ、違うのです、違うのですう、うううう~」 精一杯の拒否だった。 圭一に嫌われたくなく、かつ今の一時期だけ構って欲しくないために使った、あえて理由をひた隠しにする受け答えだ。 当然私の突っぱねる返事に、圭一は言葉を詰まらせてしまい、ただ雨の無常な響きが取り残される。 …圭一が無言になったのはある種の優しさで、私を想ってくれたからこそなのだろうが…。 本音を言うと圭一には私が張った拒みの壁を打ち破って、話し掛けて欲しかった。 顔面が焼ける様に熱く感じるし、同時に液体窒素の冷気を詰め込んだのかと誤解を持つくらい、顔面やら背中が寒い。 手首の脈活動も破裂してしまうのではないかと心配をよぎらせるほど活発で、指先に、ジンジンとした鈍い痺れを憶える。 ただ動かないことだけが私にとって唯一の安穏で、逃げ道だったし、本能の警鐘が私に行動させることを許さなかった。 今、何か振る舞いを行おうなら、息苦しさで死んでしまうように思えたのだ。 「…? みぃ」 背後越しから、ゴツゴツしていて、汗臭くて、あたたかい感覚が纏わりつく。 それはとても心地よい感触で、…いつまでも味わっていたかったから、硬いけれども柔らかい、圭一の胸へさらに体重を預ける。 ぼやけてよく見えなかった視界も、すっきりと晴れ渡っている。 泣き出した直後だからか、教室急が普段よりもくっきりと広がっていた。 そして、背後からの一呼吸を襟元に感じた後に乱雑な、ごしゃごしゃと指や手の腹を当ててくる手触りが頭部全体に伝わってきた。 五箇所と追加一箇所に渡って押さえつけられる力の一つ一つの場所が、とてもあたたかかい。 特に追加の一箇所が当たる場所は他のどの場所をとろうにも物足りない位、くすぐったくて思わず笑みをこぼしてしまう、お気に入りの個所なのだ。 「梨花ちゃん」 私はまだ圭一に頭を撫でて欲しいものだから、特に振り向かず、首だけ縦に振った。 「梨花ちゃん。よければ、俺の膝に座るかい?」 言い終わった圭一は一度私の頭を撫でる行為を止めて、私の眼前に姿を現す。 その場に座り込んではあぐらをかき、分厚い甲の右手にて自身の太ももを『パンパン』とならし、私の向かうべき場所を指図してきた。 私の頭部を撫でる行為を断りも無く止めてしまった身ごなしには不服だが…、好意を寄せる圭一の提案を断る理由などあるはずもなく、甘んじて圭一の体全体にお邪魔する。 圭一にとって、譲歩に近い進言なのだろうが、私は圭一を感じれたらそれでいい。 私が好きになったのは、無理に優しさを取り繕った圭一でなく、圭一である圭一本人だからだ。 …告白のタイミングは完全に逃してしまったが、今ならつもり積もった想いを、きちんと吐けそうな気がする。 なんとなく自信が湧いてくるのだ。 乱れたコントロールの暴投になってしまうだろうが、投げつけようとすれば、渾身の一投を圭一に決められる。 されどもながら、この温もりと告白、二者択一をするというなら…。 やはり温もりの方が捨てがたい。 (梨花ちゃまはうまいこと圭ちゃんに涙を見せることに成功したわけですが、多分、あの涙は素でしたね) 詩音は教壇がある側の教室入り口陰より私を見守ってくれてはいるが、なにやらよからぬ考えをめぐらせている表情をしていて、不愉快だ。 ミッション2 失敗 原因:圭一が優しすぎるが故、告白にもっていけなかった… -
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黒沙都子×白梨花(賽殺し編)からの続き そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。 「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」 そして、全部脱がせて裸にしてやった。 古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。 やだ! やだやだやだ!! なんで、私は裸にされてるの!? 私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。 そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。 なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。 もしかして、このための……? そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。 「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」 そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。 「……んっ」 あれ……? 手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。 なんだろ……もっと触ってみようかな。 「んっ……あっ……」 なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの? もっと触ってみよう。 ちょっとだけ、つねってみようかな? 「んぁっ……あぁ……」 やっぱり……。 なんか、変な声をあげて面白い! もっとやってみよっと……。 身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。 なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。 そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。 「んぁっ……くっ……」 ダメ。 「あんっ……んくっ……」 声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。 それに、なんだか気持ちいい……。 私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。 ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。 そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。 いったいなんでこんなことになるんだろう。 ……家に帰ったら、自分でもやってみようかな? そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。 「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」 「ホントだー!」 「もしかして、おもらししちゃったのー?」 「かっこわるーい!」 北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。 それに、おもらしっていうのも気になる。 おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。 「んああぁっ……あぁんっ!!」 身体にまた電流が走る。 北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。 そして、そこを触られて。 私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。 「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」 古手さんが、高い声をあげる。 私は、それをただ見てるだけ。 でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。 今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。 古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。 「んあっ……ひゃあああっ!!!」 古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。 はぁ……はぁ……。 身体が、熱いよ……。 なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。 さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。 そして―――― 「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」 今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。 高い声を―――― 「……はぁ……はぁ」 私、どうなっちゃったんだろ……。 なんだか身体がガクガクするよ……。 疲れちゃった……。 古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。 本当に、どうなってるんだろ……? 後で自分で試してみようっと。 fin.
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入江×沙都子。 入江黒幕設定(皆・祭とはいろいろ矛盾します。特に経済状態)の陵辱物。 軟禁状態でメイド服を着せてエロります。 途中で入江に気弱スイッチが入って、エロなし純愛+バッドエンドにシフト。 あなたには後半を拒絶する権利があります。 目を覚ますと、沙都子は知らない場所にいた。 フローリングに木製の家具、淡い色をした壁紙の…外国の映画に出てくる子供部屋の ような可愛らしい部屋だった。 およそ視界に入るもの全てに見覚えがなく、唯一自分の物だと分かるのは身につけている チェックのパジャマだけだ。 「…梨花?」 隣で眠っていたはずの親友の名前を呼ぶが、当然のように返事はない。 沙都子はそろそろとベッドから下り、ドアを開けてみた。 (ここ、どこですの?) 廊下にも見覚えがない。 彼女はひとまず部屋に戻り、少しでも情報を収集するために室内を物色した。 とりあえず、机の引き出しは空。 吊りダンス――というよりクローゼットという雰囲気だった――の中には…。 ふんわりとした黒のワンピース、白いフリルエプロン、ヘッドドレス。 多少のデザインの違いはあったが、用意されていた服は全てこの単語で説明できるもだ。 どれを組み合わせても、メイド姿にしかならない。 沙都子はため息をついた。 「…監督、ですわね?」 メイドと言えば入江。入江と言えばメイド。 雛見沢において二つの単語は完全にイコールで結ばれている。前原屋敷のご長男の名前を 知らない人間はいても、入江先生がメイド好きという事を知らない人間は多分いない。 そのくらいに入江はメイドで、メイドは入江だった。 沙都子の心から不安が消えた。 これだけメイド服が詰め込まれているということは、この部屋はまず間違いなく入江が 関与しているものだ。 沙都子を専属メイドに、などと冗談をいうことはあるが、彼女の目に映る彼は とても真面目で誠実な人だった。 (…罰ゲームでもないのに、こんなもの着ませんわよ?) まだ6月の終わりとはいえ、猛暑の予感が濃厚な今日この頃。 屋内を歩くのなら、パジャマで十分だった。 二階にもいくつか部屋はあったが、沙都子はまっすぐ階段を下りた。 下で誰かが水を使っている音がしたのだ。 「監督?」 「ああ、おはようございます。」 独立型の調理場で、入江が朝食を作っている。 「ここは、どこですの?」 「私の別荘ですよ。」 洋館、というやつだった。広くて、高価そうな家具が置いてあって、ここで生活して いないのだとしたらずいぶんもったいない話だ。 「…雛見沢の家より、こちらで暮らした方がいいんじゃありませんの?」 「一応、市内なんですが、通勤するには遠いんです。全く、無駄に維持費ばかりかかって。」 入江が苦笑する。 金持ちの考える事は分からない、と沙都子は思う。 「お金がかかるなら、売ってしまえばよろしいんじゃありませんの?」 「思い出があるから、それもできなくて。子供の頃から、よく両親に連れられて来ていたんです。」 入江が二人分の朝食の乗ったトレイを差し出した。 トーストにベーコンエッグ、生野菜のサラダと紅茶。 「ダイニングに持って行ってくれますか。」 「ええ。」 どちらかといえば朝は白いご飯が良かったと思ったが、他人の家でメニューに文句を 言えるほど沙都子は無邪気ではない。 「ところで、どうして私はここにいるんですの?」 「そうですね、食事をしながらゆっくり説明しますよ。」 入江がエプロンを外す。 (…なんだか葛西さんみたい) 印象の原因は、彼が着ている真っ黒なスーツだった。 焦げ茶やグレーの上から白衣を羽織っているのは見たことがあったけれど、黒は初めてだ。 (執事?) メイド萌えとやらが高じて、自己改造にも着手したのだろうか? 沙都子はのんびりとそんな事を考えていた。 食事を始めて、入江の最初の言葉に、沙都子のフォークからトマトが滑り落ちた。 「え?」 「沙都子ちゃんには死ぬまでここでメイドをしていただきます。」 ちぎったトーストを口に運びながら、入江が同じ言葉を繰り返す。 言葉通りの意味で受け止めることは、脳が拒否した。 沙都子は口にフォークを運ぼうとした体勢のまま、身動きがとれなくなる。 「私のことはご主人様と呼んでください。あとはひとまず、家事をお任せします。」 入江は、最初に宣言した前提での今後について話している。 沙都子はゆっくりとフォークを下ろした。 (監督は、何を言っているんですの?) 冗談ですよ、といつものように笑って欲しかった。 あの人懐っこい、そう、梨花がにぱー☆と笑うのに似た、あの笑顔が見たかった。 けれど入江は、軽く微笑を浮かべたまま、沙都子が聞きたくない話を続ける。 「ここから逃げることは考えないでください。沙都子ちゃんは致命的な病気を発症しています。 薬と注射なしでは、3日と保ちません。」 (夢? …そう、私きっと、まだ眠っているんですわ) この異常な状況が現実であるというよりも、それはよほど可能性が高かった。 目を閉じる。 開いたらそこは梨花と暮らしている小さな家で、ちょっと特別で幸せな今日が始まるのだ。 目を開く。 入江そっくりの男が、黒いスーツで朝食をとっていた。 「…監督?」 目の前の、入江だかなんだかよくわからないものに声をかける。 彼は、少し不快そうに眉を寄せた。 「ご主人様、です。3回間違えたらお仕置きですからね。」 シャットアウトするような物言いに、沙都子は一瞬躊躇した。 「…あの、でも…私がいなくなったら、梨花が探しますわ。」 「大丈夫ですよ。」 彼は満面の笑みを浮かべた。 沙都子もつられて笑顔になる。入江のその笑顔がどんなにありがたいものだったのかを、 彼女は切実に理解した。 「梨花ちゃんは死にました。雛見沢はガス災害で村ごと全滅です。」 息が詰まった。 「…おもしろく、ありませんわ。」 「そうですか? なかなかできる経験ではありませんよ。」 入江はにぱっと笑って、食事を再開した。 「監督!」 「ご主人様。今ので2回目ですよ。」 「…私、帰ります。」 「沙都子ちゃんの帰る場所は、ここです。だいたい、雛見沢に行ってどうするんです。」 わがままをいう子供をたしなめるように、彼は小さくため息をついた。 「大好きなお友達の死体を集めて、お持ち帰りですか?」 死体。 直接的な単語に、沙都子の精神が揺さぶられた。 「黙れっ! 梨花は死んだりなんてしてませんわ! 雛見沢だって…。」 がたん、と音を立てて入江が立ち上がった。 普段とは違う黒いスーツが、彼に暗い迫力を与えている。 「ご主人様に対する口の利き方がなっていませんね。」 沙都子は椅子の上で身じろぎした。 今まで一度も入江に対して感じたことのない恐怖心がわき起こる。 「いいでしょう。立場の違いを教えて差し上げるのも、主人の仕事です。」 入江の手が沙都子の肩を掴んだ。次の瞬間には、沙都子は床に引き落とされていた。 椅子が倒れて派手な音を立てた。 「ひっ。」 床にぶつけた場所が痛いとか、そんな事を考える余裕はない。 今まで入江からは、こんな乱暴な扱いを受けたことはなかった。 パジャマのボタンが入江の手で外されていく。 疎い沙都子も、さすがに何をされようとしているのかを理解した。 「あ…いや、っ!?」 ぺちん、と。 暴力と呼ぶにはあまりにささやかな力で、けれど確かに、入江は沙都子の頬を叩いた。 「あ? あ…ごめんなさい。」 叔父からはもっと強く殴られたことがある。 こんな…跡が残るどころか、赤くさえならないような力で叩かれたところで、 沙都子が恐がるほどの出来事ではなかったはずだ。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。」 それが入江だったから。 自分に危害を加えることなどあり得ないと信じていた入江だったから、沙都子は怯えた。 「そう、ちゃんとごめんなさいができるのは、良いメイドさんの第一歩ですよ。」 パジャマのボタンを全て外し、入江は無抵抗な沙都子の腕を袖から抜いた。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。」 発達途中のふくらみを揉まれる感触も、舌で嬲られる感覚も、恐怖にかられた沙都子に とってはたいした問題ではなかった。 ただ、入江が許してくれるようにと、そればかりを考えていた。 ショーツごとパジャマのズボンが下ろされた。 産毛としか形容のできない体毛の下に、入江の指が押し入った。 くちゅっと粘液の音がする。 入江が薄く笑った。 「そんなに私が恐いですか?」 「え? あ…ごめん、なさい…。」 どんな答え方をしたら入江の機嫌を損ねないのか分からない。 叔父夫婦と暮らしていたころは、沙都子がどんな答え方をしても相手の怒りが和らいだ ことはなかった。 「人間は、生命の危機を感じると性的な反応を示す事があるんです。」 入江の指がくすぐったい。 「簡単に言うと、命が危ないから子孫を残さなきゃ、って頑張ってしまうんです。」 くちゅくちゅと…それではこれは性的な反応なのかと、沙都子は顔を赤くする。 「う、うあ…。」 それでも、入江が怒るかもしれないという恐怖に、拒絶の言葉は声にならなかった。 「さすがにこの状況で、気持ち良くて濡れてるとは思いませんよ。」 慣らすように入り口周辺をいじっていた指が、沙都子の深くへと埋められた。 職業柄か、入江の手は凹凸が少なく繊細な印象だ。けれどそれは、成人男性にしては、 という比較の話で、自慰経験すらない沙都子には十分に厳しいものだった。 「あっ…ぐ。」 何も掴むものがなくて、沙都子は床に爪を立てた。短く切りそろえられたそれは 欠ける心配はなかったが、力が入りすぎて白くなっている指先が痛々しい。 指を抜き差しされることに、拷問めいたニュアンスしか感じていないらしく、 沙都子は目を固く閉じて耐えていた。 やがて指が抜かれると、沙都子はうっすらと目を開けた。 彼女には、叔父夫婦の元で暮らしていたころに身につけた習慣があった。 期待しないこと。 終わったと思って続いていたら、それはとても辛い。 でも、続いていると思っていて終わりだったら、少し幸運な気分になれる。 もっとひどいことになるかもしれないと覚悟して目を開けると、沙都子の前には、 予想を上回るひどい物があった。 「…!」 子供の頃にお風呂で兄のものを見たことはあった。 どことなくユーモラスな印象だったそれと、今目の前にある猛々しいものが 同じ器官とは思えない。 先ほどまで指が入っていた場所に、それが押し当てられた。 「沙都子ちゃん、クイズをしましょうか。」 「クイ…ズ?」 「私の名前はなに?」 「名前…。」 (監督、ではありませんわよね? えっと、えっと…) 恐怖に混乱する頭で必死に考える。 「い、入江、京介…。」 入江は、にぱっと笑った。 「ご主人様、ですよ? カウント3回目です。」 「あ!」 沙都子の心が絶望に塗りつぶされる。 そうだ、ヒントはあったのに。 ぐち、と入江が腰を進めた。 沙都子は歯を食いしばった。 (恐い、誰か…誰か助けて) 反射的に逃れようとする肩を、入江の手が押さえ込む。 (やだ! やだあ!) まるで体が引き裂かれるような痛み。 (先生、にーにー、圭一さん、魅音さん、詩音さん、レナさん、梨花ぁ) 心の中で助けを求める。 瞬間、入江の言葉がよみがえってきた。 『死にました』 『雛見沢は全滅です』 (死んだのなら…助けにきては、くれませんわね…) 痛む内壁を擦られる。 沙都子は、こんな行為が男にとっての快楽だなんて信じられなかった。 視界が涙で歪む。入江がどんな表情をしているのか分からない。 ずくずくと沙都子の内側をえぐりながら…彼は笑っているのかもしれなかった。 行為が終わると、入江はシャワーを浴びに行った。 沙都子は腹部の鈍痛に耐えながら身を起こし、パジャマをかき寄せて胸に抱いた。 こんなのはきっと偽物の世界だ。 梨花が起こしにきて、沙都子は本物の世界で目を覚ます。 そして、普段より少し豪華な朝飯を食べて、学校に行く。 既に登校していた皆が、笑顔でおはようと…。 沙都子の妄想は、そこまでしか保たなかった。 想像の中で、魅音が椅子から転げ落ちた。動かない。心配そうに近付いたレナが、 そのまま覆い被さるように倒れる。 (いや、いや!) 感情は否定しても、脳内でシミュレートが続く。 圭一が、詩音が崩れ落ちる。背後で梨花が倒れる音がする。 おそるおそる振り返ると…なぜだろう? 皆と違って梨花は裸で死んでいた。 口から血を吐いて、臓物をまき散らして。 その光景の、実際に目にしたような鮮明さに、沙都子は悲鳴を上げた。 「あ、ああああ、ああ!」 パジャマを強く抱きしめる。 沙都子も梨花も気にしなかったので、パジャマはほとんど共有物になっていた。 だからパジャマからは、沙都子の匂いだけではなく、梨花の匂いもする。 「梨花、梨花、梨花ぁ!」 梨花に会いたい。 嫌なことをされて可哀想だと、頭を撫でて欲しい。 パジャマに顔を埋めて泣いていると、入江が帰ってきた。 スーツの黒が、沙都子には死神の色に見える。 「お風呂あきましたから、どうぞ。」 パジャマを抱いて、よろよろと部屋を出て行く。 「ああ、沙都子ちゃん。」 「…はい?」 「私の名前は?」 「ごしゅじんさま。」 ほとんど無意識に出た回答に、入江は満足そうな笑みを浮かべる。 「よくできました。」 温かいシャワーを浴びていると、沙都子に少し元気が戻ってきた。 赤と白の入り交じった液体が、太ももを伝って排水溝に流れていく。 (死のう) 多分、それが一番幸せな選択だ。 雛見沢が全滅してしまったのなら、沙都子にはもう帰る場所はない。 大切な人は誰もいない。 …入江だって、ここにはいなかった。 沙都子の知っている入江京介は、焦げ茶色のスーツで、馬鹿なことばかりを言うけれど とても優しかった。あんな、黒い服を着た鬼のことなんて知らない。 沙都子は浴室内を見回した。 シャンプーとリンスのボトル、ボディブラシ、石けんと…。 (これじゃ、切れませんわよね…) ステンレス製の石けん皿を指で触って確認する。皿の縁はくるんと丸めてあって、 楕円形だから角もない。どんなに頑張っても、手首の上に擦り傷を作るのが精々だった。 (…まあ、いいですわ) 入江は、沙都子に家事を任せると言っていた。調理をすれば刃物も使うだろう。 そもそも、積極的に自傷しなくても死ぬのは簡単だった。 隙を突いてここから逃げればいいのだ。 入江が、薬なしでは3日保たない、と言っていたではないか。 希望と呼ぶにはあまりに悲しい決意を抱いて、沙都子はメイド服に袖を通した。 ダイニングに戻ると、入江は沙都子のメイド姿を褒めた。 「とってもよくお似合いですよー。」 「…ありがとうございます。」 沙都子にとってはどうでもいいことだが、ひとまず礼を言っておく。 「冷めてしまいましたが、召し上がりますか?」 結局1口も食べてていなかったが、沙都子は首を振った。 「食欲が、ありませんの。」 「では、薬だけですね。」 本当は空腹時に飲むのは良くないんですが、と言いながら、入江が錠剤を用意していく。 渡された中に、見慣れない色の錠剤があった。 「赤ちゃんができないようにするお薬ですよ。」 赤ちゃんという幸せな単語と、先ほどの悪夢に関連があることが、沙都子には実感できなかった。 「私も沙都子ちゃんも、公的には死んでいますから。親にはなれません。」 薬に関しては、沙都子に不服はない。 そもそも、あんな悪夢の中で「赤ちゃん」なんて可愛いものが宿るとは思えなかった。 沙都子の腹に何かが芽生えるとしたら、それはきっと鬼だ。 錠剤を飲ませると、入江は沙都子を二階に連れて行った。 「この部屋、見てみようとは思いましたか?」 鍵の束から、古めかしい形の真鍮の鍵を選び出している。 「いいえ。」 一階に入江がいると思ったから、他の部屋は触らずに下に行った。 …まさか鬼がいるなんて思わなかったけど。 「そうですか。普段は開けっ放しなんですけど、今朝は沙都子ちゃんを驚かせようと 思って、特別にかけておいたんですよ。」 驚かせる? もう十分に驚いた、と沙都子は思う。これ以上驚くことなんてないはずだ、と。 部屋の中は、窓からの光で明るかった。 光を受けてベッドのシーツが輝いて見える。点滴の中で、ぽたり、ぽたり、と黄色い 薬液が落ちている。手足を拘束された彼の胸は、呼吸にゆっくり上下していた。 「に、にーにー!」 駆け寄ろうとした沙都子を、入江が羽交い締めにする。 「起こすと、あなたが殺されますよ?」 あり得ない警告。 それでも、この異常な世界の中では、そちらの方が正しいのかもしれない。 もがくのをやめた沙都子に、入江が説明を続ける。 「悟史くんは、沙都子ちゃんと同じ病気を発症しています。そして、より重篤です。 適切な治療がなければ保って1日。目を覚ますと、視界に入る人間を見境なく襲います。」 それが今の悟史だと、入江は言った。 上から研究は打ち切られた、と。回復は望むな、と。 解放された沙都子は、ふらふらとベッドに近付いた。 この二年で、悟史はほとんど成長していないように見えた。 肌は青白く、頬はやつれている。 悟史の胸の上にメッセージカードがあるのに気づき、沙都子はそれを手に取った。 英語はまだほとんど読めないけれど、その単語はときどき見かけることがある。 「ハッピー…。」 カードの内容が分かった瞬間、沙都子は入江の意図を理解した。 「悟史くんは、沙都子ちゃんへのプレゼントですよ。お誕生日おめでとう。」 悟史が失踪してから今日まで、彼の帰還が一番の願いだった。 めまいがする。 沙都子がここから逃げ出せば、彼女は3日で死ぬだろう。 どんなに苦しんでも3日。 そうすれば、誰にも迷惑をかけずに彼女の苦痛も孤独も葬ってしまえる。 …では、悟史は? 沙都子が逃げ出した次の日、入江は悟史を治療するだろうか? 「…ご主人様。」 やめろ、ともう一人の自分が警告している。 言えばすっきりするかもしれないけれど、それは報復に見合うだけのこと? 「はい、なんですか?」 それでも沙都子は、どうしても我慢できなかった。 「お前なんか死んでしまえ。」 入江はきょとんとして、それから喉の奥でくっくっと笑った。 「まだ教育が足りなかったようですねえ。」 眠る兄がいる部屋で、沙都子は入江にうつぶせにされた。 両肩を床に押さえられて、腰を上げさせられる。 (にーにー、にーにー…) 心の中で兄を呼ぶのは、もう、助けを求めてのことではなかった。 (今度は私がにーにーを守りますわ。沙都子は、強くなったんです) スカートをたくし上げられ、ショーツが下ろされる。 流れきっていなかった鮮血と入江の残滓が、そこを広げた彼の指を伝う。 ベルトを外す音がして、予告もなく押し入られた。 「ぐっう…。」 (痛くない!) 自分に言い聞かせるように、沙都子は心の中で叫んだ。 (こんなの、痛くなんてない!) ダイニングでの続きをするように、入江は沙都子を蹂躙した。 快楽と、苦痛と。違う理由で乱れた二つの呼吸音が、白い部屋の中に満ちる。 病室めいた部屋の中で、その音はどこか背徳的だった。 入江は沙都子の腰を掴み、ゆっくりと前後に揺する。 先ほどは、ひたすら早く終わってくれることを祈っていた沙都子だったが、 今はどれほど続こうと構わないと思っていた。 この苦しみは試練。 兄を追い詰めた自分への罰だ。 沙都子の腰を掴んでいた手に、一瞬力が入る。 どろりとした物が流れ込む不快感に、沙都子は身を震わせた。 ▼ その別荘は、山の深いところにあるようだった。 食料などの買い出しには、入江は必ず自動車で出かけてたし、ちょっとした買い物に 行っても、最低2時間は帰って来ない。 入江が買ってきた週刊誌に雛見沢ガス災害の事が書いてあった。 それは偽造品には見えなくて、沙都子はこの現実を受け入れざるを得ない。 一つ疑問だったのは、災害が起こった日時だった。 入江が災害の話をしたのは6月24日。 週刊誌に記載されている日付は6月26日。 古手梨花はときどき未来を予言することはあったけれど、こんな大それた予知なんて やったことがなかった。 「ああ、これは予定されていた災害ですから。」 沙都子の疑問に、入江はそう答えた。 「雛見沢の病気を人間ごと撲滅する。そういう計画になっていたんです。」 予定されていた? 計画? (じゃあ…) 「雛見沢は、人に滅ぼされたんですの?」 「ええ。」 それがどうかしましたか? そんな気安さで、入江は頷いた。 「…ご主人様は、知って、いたんですのね?」 「はい。」 外国語の医学書をめくっていた彼が、面倒そうに顔を上げる。 「知っていました、とめませんでした、むしろ協力しました。」 「そんな、見捨て…。」 彼はページにしおりを挟んで、本をテーブルに置いた。 「見捨てました。…沙都子ちゃん、さっきから主人に対して少々口が過ぎませんか?」 「え? あ、ごめ。」 言い終わらないうちに、入江が沙都子の腕を引いた。 沙都子はバランスを崩して、入江の膝に倒れ込む。 「口でどうぞ。」 「は、い…。」 ズボンの前を緩め、沙都子は教えられた通りに口に含んだ。 できるだけ奥までくわえて、入り切らなかった部分に指を絡める。 そして、飲み下さなくてはいけない物を出させるために舌を動かし始めた。 ここに来てから毎日のように強要されているが、沙都子は一向に慣れることができなかった。 口に出されれば吐き気がするほど不味いし、組み敷かれれば内側からの圧迫感が苦しい。 濡れるのだけは上手くなったが、それは自分の体を保護しようという反応でしかなく、 入江もそれは分かっているようだった。 こんな自分に相手をさせていて楽しいのか、沙都子は疑問に思う。 雛見沢の人間なら誰でも選べたのだから、成熟した女性を連れてくれば、 もっと楽しめただろうに。 入江が沙都子の頭に手を置いた。 「ん…。」 置きやすい場所にあったから、といった軽い動作だ。ただ、その感触が沙都子に 悟史や梨花から撫でられたときの記憶を思い起こさせた。 罪悪感を覚える。 こんな状況下で大好きな人の記憶を思い出すのは、いけないことだ。 口中に放出されたものを、呼吸を止めて飲み込む。 付着していた分を舐めてきれいにして、入江のズボンを元通りに直した。 (…なんの話をしていたんでしたっけ?) 嘔吐感に耐えながら記憶をたどる。 (そうでしたわ。監督は雛見沢を、見捨てた…) 「沙都子ちゃん、紅茶を入れてください。」 「…はい、ご主人様。」 再び洋書を読み始めた入江に背を向けて、沙都子は調理場へ向かった。 死者の時間【後編】(黒入×沙)
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誕生日裸祭り事件・前編 誕生日裸祭り事件・後編 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ついに俺の一人勝ち。 最初のターゲットは・・・パンツ一枚の沙都子! 「わかるなぁ、沙都子ぉ~?そのスジをさらすんだー!!!!!」 「ふ・・・ふ・・・・・・ふわあああああああああああん!!!!!!!!」 沙都子は号泣しつつ、俺にパンツを投げつけた。 一緒にバレーボールやバスケットボールまで飛んできたが、スジを垣間見ることに成功した俺は満足だった。 「最下位は沙都子に決まりだね!」 「わたくしの誕生日ですのにー!!!」 「沙都子ー、全部終わるまで着ちゃ駄目ですよー?」 「はぅー。涙目の沙都子ちゃんかぁいいよ~」 「かわいそかわいそなのです♪」 主賓といえども容赦はしない。 それがわが部活の恐ろしさだ。 次のターゲットは、沙都子と同じくパンツ姿の魅音。ただし上はセーラー服だ。 「パンツだ、魅音!それ以外は許さん!!!」 その言葉に魅音は何故かにやりと笑い、するりとパンツを脱いだ。その下から現れたのは・・・紐パン!? 「くっくっく。圭ちゃんが思いつくようなこと、おじさんが気づかないと思うー?」 「ふーん。これはこれでいいもんだな。じっくり見られるし」 至近距離から前後左右、舐めるように魅音の紐パン姿を鑑賞する俺。 紐に縛られた豊かな尻周りの肉付きは実に見ごたえがある。 「ちょ、圭ちゃん!?」 ガスッ!!!!! 「圭一くん。何してるのかな?かな?」 レナぱんによって紐パンから遠ざけられる俺・・・。 「わかったわかった。次はレナだな?」 「はうっ!?」 墓穴を掘ったことに気づき、うろたえるレナ。 スカートはあえて残し、タンクトップを脱いでもらう。 これで上半身はブラ一枚。 「はぅううう・・・」 これで形のいい乳が鑑賞できるぜうへへ。 シュミーズ姿の梨花ちゃんに指令。 「わかったのです」 梨花ちゃんがシュミーズを脱ぐと・・・その下はビキニだった。 肩紐のないタイプなので気づかなかったぜ・・・。 「まだいけるのですよ。みぃ?・・・あまり見ても面白くないのですよ・・・」 後ろを向いてしまう梨花ちゃん。 確かにレナや魅音と違って、あまり起伏というものがないが、それが大事なんだよ! 「俺は十分面白いけどなー」 「梨花ちゃんはかぁいいんだよ!だよ!」 「みー・・・」 本人が気にしている所がまたツボだ。 詩音はブラとパンスト姿。 もちろん、俺の選択は――――。 「( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!ブラを取るんだ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!」 「仕方ありませんね・・・この自慢の乳をせいぜい目に焼き付けなさい!」 バッ!と思い切り良く外された下着が宙を舞う。 白日の下にさらけ出された二つの大きな塊には男の夢や希望がぎっしりと詰まっているに違いない。そして、中央には――。 あれ?あるべきものが見当たらなくて、俺は目を凝らす。 「どうしたんですか~?ニプレスなんて常識ですよー?」 夢の山頂は二つの小さな丸い物体で封印されていたのであった・・・。 と、がっかりするのはまだ早い。ほとんどモロだしには変わりないのだから、この機会にしっかり目に焼き付けておこう。 ボヨン。ん?腕に弾むような感触が。 「圭ちゃあ~ん、詩音ばっかり見てないでおじさんのも見てよぉ~」 「ボクの平らなお胸はどうなのです~☆」 ふに。うお。反対の腕にはまた青い果実の甘酸っぱい感触が・・・。 「レナも混ぜて~。はぅ~圭一くんだってかぁいいんだよ~?」 すりすり。 股間に違和感。 ど、どこに頬摺りしてるんだレナぁ~~~!!! 「――沙都子」 「これでも喰らえですわぁ~!!!」 詩音の合図で俺たちはタライの山に埋められた。 「ふぇえええええええええ!!?」 「終わりですね。お姉」 魅音は最後に残った紐パンを、半泣きでゆっくりと脱ぐと、その場にへたり込んだ。 「はぅ~!!!!!」 ばったり。 ブラを外して力尽きたレナ。 沙都子と魅音が部屋の隅へと引きずっていく。 勝負は、俺と梨花ちゃんと詩音の三人に絞られた。 「よい!!!!」 梨花ちゃんと詩音がチョキ、俺は・・・パー。 今は再びブルマ姿。靴下も上着ももはや無い。 「圭ちゃん~?」 「圭一~?」 みんなの期待に応えて俺は――。 「――やりますね」 「みぃ」 「いや~、日本人なら褌だよなー!身も心も引き締まるぜー!」 褌一枚で仁王立ちする俺。見た目だけならブルマよりも遥かにましだ。 「褌はやっぱりあの食い込みだよねぇ」 「はぅ~。圭一くんのお尻かぁいいよ~」 背後から身の危険も感じるが。 何度か際どい勝負が続いた後、再び俺にピンチが訪れた。 「さあ、圭ちゃん。度胸を見せて下さい」 「みぃ。決心がつかないなら、ボクが手伝ってあげるのです」 「それには及ばないぜ・・・。よくここまで来たもんだ・・・」 ゆっくり紐を解く。 「だが、まだ終わっちゃいねえ!!!」 みんなの目が点になる。 俺の股間には紐を通した葉っぱが一枚。 あらかじめ柏餅用の葉っぱをこっそり仕込んでおいたのだ。 「・・・くすくすくす。あっはっはっははははははははは!!!面白い、面白いわ、圭一!!!あなたはどこまで私を楽しませてくれるのかしら!?おいで、葉っぱ男。――遊んであげるわ!!!」 「みぃーーーーーーーー!!?」 激戦の末、とうとう梨花ちゃんが脱落した。 もはや上だけになったビキニを脱ぐ。けだるい仕草が妙に色っぽい。 「やっぱりあのセリフは負けフラグよね・・・」 その場に体育座りをして見物に回る梨花ちゃん。 残る敵は詩音のみ。 静寂が訪れる。 衆人環視の中、俺と詩音は最後の封印、葉っぱとニプレスの存亡をかけて、最終決戦に挑む!!! 「覚悟しろ、詩音!そのいまいましい代物は俺様がじきじきに剥ぎ取ってやるぜぇーーー!!!!!」 「ふっ!圭ちゃんこそかぁいいオットセイの虫干しの準備はいいですかぁ~!!!?」 「野球~す~るなら!こういう具合にしやしゃんせ~」 グーか?チョキか? 「アウト!」 それともパーか? 「セーフ!」 選択肢は三つだけ。 「よよいの・・・」 シンプルなルールだからこそ先が見えない。 「よいッ!!!!!」 勝負だ詩音ーーーーーーーー!!!!!」 光がまぶしい。 「ん・・・?」 もう朝か。 夕べは楽しかったな。 綿流しの日以来の大騒ぎ。 何だかスースーする。 ああそうか。 結局全裸のままで寝てしまったのか・・・って、え!? 目を開けた俺は異様な状況に気づいた。 魅音と詩音が両腕にぶら下がっている。 梨花ちゃんは横にくっついており、レナは・・・頭を下にして、こっちに尻を向けていた! いや、沙都子が股間に頭を乗せているのに比べれば大したことでは――。 「ふ、ふええええええええええ!!?」 「はうーーーーーーーーーーー!!?」 決定的な問題は、全員が全裸ということだ。 ほぼ同時に魅音とレナの悲鳴が上がる。 「うーん・・・。にーにー・・・」 「うるさいですねぇ・・・。夕べは遅かったんですから、もうちょっと寝かせて下さいよぉ・・・」 魅音とレナは飛び起きると、ほれぼれするようなスピードで服を着始めた。 「ぎゃあああああああああああッ!!!何するんですのこの変態ッ!!!!!」 沙都子に蹴りを入れられながら、梨花ちゃんを起こす。 「起きろ、梨花ちゃん!あれから何があったんだ!?」 「みー・・・。優勝は・・・」 ゆさゆさと揺さぶられ、目を閉じたまま梨花ちゃんは夕べの出来事と語った。 二つの拳はグーとパー。 勝ったのは・・・。 「もらったああああああああああああ!!!!!」 「ひぎぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 詩音が葉っぱをもぎ取った。 「圭ちゃんのオットセイは元気だったかなぁ~?くっくっく!!」 「お持ち帰りぃ~!!!」 「オットセイさん、こんにちわなのです」 「やめてー。つつかないでー。らめええええええええ!!!!!」 「商品は頂きましたよ!あははははは!!!」 「ふわああああああああああん!?」 ドタバタ。 こんな調子で大騒ぎの中、長かった戦いは終わりを告げた。 「ふう・・・。一人だけ仲間外れというのも寂しいもんですねぇ。ええい、こんな物取っちゃええええええええ!!!」 ついに詩音までが自らニプレスを剥がして騒ぎに加わった。 しばらくみんなで全裸のまま追いかけっこをしていた記憶はあるが・・・。 「詩ぃの勝ちなのです~・・・。沙都子は一週間詩ぃのペットなのです~・・・」 「いやあああああああああ!!!」 沙都子の悲鳴で、梨花ちゃんがぱっちりと目を開ける。 目の前の全裸の俺に目を見張り、自分の体を見直すと急激に蒼ざめ――台所に逃げ込んだ。 魅音も服を着ると、何も言わずに涙を振りまきながら外へ飛び出して行った。 「た、楽しかったね・・・。えへへへ」 レナも取り繕うように照れ笑いをしてそそくさと帰ってゆく。 げしげし。 沙都子に蹴られながら着替えをする。 着替え終わった詩音が沙都子に服を着せていた。 「変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!」 「はいはい沙都子ぉ~。変態の圭ちゃんは放っておいて、一緒にマンションに帰りますよぉ~」 「・・・みぃ~。誰か、ボクの服を取って欲しいのです・・・」 台所から梨花ちゃんの哀れな声がする。 「これかぁ?」 「みぃッ!?近寄らないでよッ!!!」 「え!?別に何も見てな」 「梨花に何する気ですのこのド変態めええええええええええええッ!!!!!」 ドラップの嵐が吹き荒れる中、俺の意識は再び闇に落ちていった・・・。 「レナ・・・私もう学校行けない・・・」 「魅ぃちゃん、忘れるんだよ・・・だよ・・・」 階上の騒ぎをよそに傷を舐めあう二人。 だが、この「誕生日裸祭り事件」は、その後も忘れられない思い出として長く語り継がれ、 ことあるごとにほじくり出されてはみんなの古傷をえぐるのであった・・・。 終わり
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前回 れなぱん!(2) SIDE レナ 「は…んっ…隼…一くぅん…んんっ!」 真夏の西日の差し込む、自室のベッドの上で私は身を捩らせている。 「だ、駄目…外に聞こえちゃうよ…はぁんっ!」 私の甘い艶声と微かに聞こえて来る水音に、ベッドが軋む音…。嫌でも自分が何をされているのか分かる。 「あっ!あっ!あくっ!!」 私のアソコを悪戯しているソレを両手で引き剥がそうとすると、それに気付いたのか手を布団の上に押さえ込まれてしまう。 「あうっ!…ふぁっ!やぁ…」 最後の抵抗とばかりに私は太股でソレを挟んで、それ以上悪さをさせない様にしてみる。 だが予想に反して、結果的にはソレを太股で抱き寄せて、アソコに押し付けてしまう形になってしまう。 「あんっ!!イ、イッちゃい…そう…だよ。だよ…」 私の身体に力が入り、あと少しで絶頂を迎えれると思っていた。 けど、直前になってソレが動くのを止めてしまう。 「はあはあ…っ?隼一くん?」 太股を両手で持って左右に開かれ、隼一くんが私の下腹部から顔を離して言った。 「悪いなレナ。舌が疲れちまってさ…ちょっと休憩だ、休憩」 ニヤリと笑って隼一くんが私の横に座る。 嘘だ。私の事を焦らして反応を楽しもうとしているに違いない。 『あと少しだけ頑張ってイカせて』 なんて恥ずかしくて言えない。お預けを食らった私は静かな怒りを込めて圭一くんの手をギュッと握って口を開く。 「意地悪…」 夏休みになって、そろそろ八月に入ろうかという今日、私達は前述の通り過剰なスキンシップに文字通り『精』を出していた。 正確には『今日も』である。男女の進展状況をアルファベットで例える某ABCで言うならC以外。つまりキスとか、口や手で気持ち良くし合っているのだ。 夏休みの宿題をする為という大義名分を経て、ほぼ毎日、私達は互いの家で暇さえ有れば愛し合っている。 付き合い始めて一週間弱、事前にそういう事を経験してしまったので抵抗は無い。 いや、思春期真っ盛りな私達なら、遅かれ早かれこうなってしまうのは仕方の無い事だろう。 とはいえ、勉強を疎かにすれば後が怖い。 だから今日も朝早くから、二人の時間を作るため一緒に課題をサッサとやって今に到る。 「レナがオットセイをペロペロする時は最後まで頑張ってるのに…隼一くんは頑張ってしてくれないのかな。かな?」 私は身体を起こして、隼一くんの肩に頭を乗せて聞いてみる。 これは付き合ってから覚えた隼一くんへの甘え方。 本来、私はあまり人に甘える事はしない。だけど、隼一くんの前では甘えん坊になってしまう。 そんな私を照れながらも優しく甘やかしてくれる隼一くんが好きで、ついついやってしまう。又、その逆もしかりだ。 隼一くんが自分の頬を指で何度か掻いて、私の頭を撫でてくれる。 「う…ちょっと意地悪しすぎたなゴメン」 「うん。いいよ。だから…続きして欲しいな」 「あ~。ついでに…してみたい事あるんだけど、試してみて良いか?」 「してみたい事?はぅ…何だろう」 隼一くんが私の耳に口を当てて、ある事を言った。私はそれを聞いてドキドキしてしまう。 「そ、それ凄くHな感じだから恥ずかしいよ」 「でも俺とレナしか居ないんだぜ、誰かに見られる訳じゃないんだからさ。だろ?」 「う、うん…じゃあ…してみよっか」 私は横向きに寝転がる。 そして隼一くんも同じ様に横に寝転がる、ただし頭は私の足の方にある。 「レナ。俺のも頼むぜ」 私は圭一くんのズボンのチャックを下げ、下着のボタンを外してオットセイを出してあげる。 「はぅ…こんにちわ。なんだよ。だよ」 「俺もレナのかぁぃぃ所に挨拶しないとなぁ」 隼一くんが私の片足を少し持ち上げて、顔をアソコに近付けていくのが、息が当たる事で分かる。 やっぱり何回されても恥ずかしくて慣れない。 「ただいま~」 隼一くんの吐息が当たって身体がピクッと一瞬震える、そしてアソコの奥の方がキュンと切なくなって堪らなくなってくる。 それは圭一くんも同じだろう、大きくなったオットセイが私と遊びたいのか、ピクピクしている。先っちょからHなお汁を出して泣いていて、かぁぃぃ。 私は舌でオットセイの先を舐めてHなお汁を拭ってあげる。 「ん。ちゅ…ぴちゃ…んんっ」 同時に隼一くんも私のアソコを舐めてくれ、二人の出す水音と私の吐息以外聞こえなくなった。 「んぁ…は…ちゅる」 オットセイの至る所にキスをする、それが終わったら舌先に力を入れて這わせて焦らす。 先程のお返しだ。 「ぴちゃ…んんっ…はあ…あっ!」 秘部を舐めながら、隼一くんがクリトリスを指で摘む。 そして、そのまま包皮を剥いて吸い付いてくる。 「ふぁあっ!はぅっ!!あ…あんっ!」 「おいレナ。口がお留守だぜ?ちゃんとしてくれないと止めちまうぞ」 凄く気持ち良くてオットセイを愛撫出来なくなった私に、隼一君が口を離して言った。私が愛撫を再開するまで、気持ち良い事はしてくれそうに無い。 「はあっ…あむ…ううん…ふぅ」 だから私はオットセイを口に含んで、しゃぶり回す。 ここ数日で隼一くんの気持ち良い場所は解っているから、そこを重点的に刺激する。 「うあ…レナッ…!それ良い…!」 オットセイの頭の下の周り、ここを舌を尖らせてクリクリと舐めてもらうのが、お気に入りらしい。 ここは私が初めてオットセイを舐めてあげた所。 ゆっくり丁寧に舌を這わせながら、圭一くんの顔にアソコを押し付ける。今度は圭一くんの方がお留守だから、おねだりだ。 「んっ!ちゅぷ…ふぅん…!はふっ!」 隼一くんが私の秘部に指を入れて小刻みに動かし、クリトリスを吸いながら舐めてくれる。 「んうっ!ふぅっ!ちゅぽ!ちゅぽ!」 私も唇にオットセイの頭を引っ掛けつつ卑猥な音を出して吸ってあげる。 「っぷは…!はぅっ!!じゅ、隼一くん…もっと吸ってぇ…は…ああっ!」 オットセイから口を離し根元を扱きながら私は要望を伝える。 すると隼一くんが要望通りにしてくれた。 私は再びオットセイを咥えて愛撫を再開する。 「んぐっんぐ!くぅ…!うっ!んんう!」 気持ち良過ぎて舌が上手く動かない。それでも一生懸命ねぶり、強く吸いながら顔を上下させて一心不乱に奉仕する。 平日の真っ昼間からお互いの下腹部に顔を埋めて愛撫し合う。 そんな恋人同士でしか出来ない事、それでいて背徳感たっぷりな行為に私は興奮していた。 だから、いつもより激しくし過ぎて隼一くんの限界にも気付けなかった。 「んむっ!?っう!んんっ」 いきなり口内に射精され、私は慌てて咥えたまま舌の上で受け止めた。 全部出しきるまで舌をウネウネと動かして刺激を与える。 「あ…は…ああ…」 出し終わったら、そのまま頬を窄ませ尿道内に残った精液を吸い出す。腰をガクガクさせて女の子みたいな声を出して隼一くんが悶えているのを見ながら、口の中で綺麗にしてあげた。 しつこいくらい口内で蹂躙した後、口を離しティッシュを二、三枚引き出して口の中の精液を捨てる。 「…ゴメンね。隼一くんのミルクまだ全部飲めないんだよ。だよ」 涎と精液でドロドロになった口元も拭いて、私は身体を起こす。 「ん…ああ。無理はしなくても良いぞ」 隼一くんが蕩けた顔をして言った。 「あ、あのね…ん。レナまだ…」 私は身体をモジモジさせて遠回しにイカせて欲しいと言ってみる。 「先にイッちまってゴメンな。ほら来いよ」 隼一くんも起き上がって、自分の膝の上をポンポンと叩いている。 私は圭一くんの膝の上に移動して背を預け、後ろから抱きしめて貰い満足感に浸る。 「レナってこの格好好きだよな。まあ俺も腕の中にレナがスッポリ収まる感じで好きだけどさ」 私のワンピースの下から手を差し入れて脱がせながら、隼一くんが続けて言う。 「レナってウブだと思ってたのに全然違うよな?本当は凄くいやらしい子だったもんな」 ワンピースを脱がされブラのホックを外される。私が身に着けているのはオーバーニーソックスだけになった。 「はぅ。そ、そんな事言わないで…」 私は恥ずかしさに身体を震わせ、隼一くんの言葉に酔わされていく。 「始めてすぐにおしゃぶりが上手になっちまうし」 両足を足首に添えられ大きく開脚させられ、目の前の鏡に私の恥ずかしい姿が写る。 同時に隼一くんの顔も見える訳で、上気した顔で何処か余裕無さ気。必死。それでも私の事を言葉や手を使って可愛がってくれているんだな。と分かる。 『俺は余裕が有るから、もっと楽になれよ』 って私を安心させようとしてくれているのかな?隼一くんも男の子だから格好付けてみせたいのだろう。 「皆には見せないスケベで、かぁぃぃレナが沢山見れて俺は幸せ者だよ」 両手で胸を優しく揉みほぐしながら、隼一くんが私の頬に顔を寄せる。 「…隼一くんより、レナの方が幸せ者かな。かな?」 私は身体を捻って唇を重ねる、鳥が啄む様に隼一くんのかぁぃぃ唇に何度もキスする。 「ふぁぁ…ちゅっ…ちゅっ…ふぅ…ん」 コリコリになった乳首を指でいっぱい転がされ気持ち良くて、私は小さな声で喘ぐ。次第に口の中に舌が入ってきたので私はおずおずと舌を絡める。 「ぴちゃ…あむ…っんう?」 薄目を開けて圭一くんを見ると目が合った。私は左手を後頭部に回して引き寄せる。 空いている右手で圭一くんのオットセイを探る。私だけ気持ち良くしてもらうのは悪いから。 「ふぅ…ふぅ…はふ…」 オットセイを逆手で、触れるか触れないかぐらいの力で扱いてあげる、すると私の手の中でオットセイが元気になってきた。 「は…レナ、指入れるぞ」 唇を離して圭一くんの手が秘部に移動する。私は身体の力を抜いて身を委ねて肯定を表す。 「あ…あっ!」 指が私の一本膣内に侵入して蠢く。自分では指を入れた事が無いので、圭一くんがしてくれるコレが私の唯一知っている『挿入』 近い内に捧げるだろう『初めて』の時までで一番圭一くんを感じられる行為。 最初の頃はぎこちなく探る様にしか動かしてくれなかったけど、今では私の性感帯を次々に見つけて愛してくれている。 「け、圭っ!一くぅ…んっ!そ、そこ駄目ぇっっ!!」 膀胱の裏辺りの膣壁とその反対側。交互に指を当てる様に掻き回される。私のアソコはクチュクチュとはしたない水音をさせて、圭一くんの指を咥えて込んで離さない。 「嘘が嫌いな癖に嘘はついたら駄目だろ。レナのアソコが、もう俺の指を離したく無いって言ってるみたいだぜ。おっ持ち帰りぃ~♪てか? レナは欲張りだなぁ」 「はぁ…う…レ、レナ嘘ついちゃってるの?ひゃっ!」 遊んでいた片手で何度も秘部全体をなぞられる。指を絶えず動かしてクリトリスやビラビラに女の悦びを教え込まれる。 「ついてる、ついてる。ほら鏡見てみろよ、美味しそうに指をおしゃぶりしてるだろ?」 私は目の前の鏡を見る、圭一くんの言う通りヒクヒクとさせながら指を食べていた。いや、おしゃぶりか。 「う、うん!はぅ!あっ!ほ、本当だ!あんっ!レナのアソコが悦んでいるよぉ!!」 段々自分が何を言ってるのか分からなくなってきた。 言葉で興奮させられ、愛撫で蕩かされる。 何より圭一くんに気持ち良くしてもらって頭も心の中もいっぱいいっぱいだった。 それでもオットセイを扱く手は止まらない。お尻に先っちょを押し付けて円を描く様に動かしながら扱く。 『欲張り』 確かにその通りだろう。 「も、もう駄目…!イッちゃう!イッちゃう!はあぁ!はうっ!!んあっ!!ああっ!!」 身体が跳ねて絶頂に到る。頭の中で白い光がスパークしている、ストロボの様に…。 「っ…はあっはあっ…」 息をする度に身体がヒクつく、圭一くんは何事も飲み込みが早いのか私を昇天させる方法をすぐに覚えていっている。 「愛液で少しシーツ汚れちまったな。てかレナ大丈夫か?」 「う、うん…大丈夫だよ。それより圭一くんは何処でこんな事覚えてくるんだろ。だろ?」 確かに何度もしていればコツは覚えるだろう、だが女の気持ち良い所をピンポイントで押さえて愛撫してくるのは不思議に思う。圭一くんはまだ…した事無いのに、何で知ってるんだろう? そんな考えから私は聞いてみたのだ。 「…エロ本と豊かな感性?」 まあ、模範回答と言うか当たり前か。 この年でそういうお店に行ったりとかは無いだろうし、他の女の子とどうこうってのも無いだろうから。 「そっか…あ!圭一くん、そろそろ花火買いに行かなきゃ!」 「ん?ああ、もうこんな時間かよ。じゃあ行くか」 「うん!」 今日は皆で花火をする約束が有るのだ。各々花火を持って来る様にと魅ぃちゃんに言われている。 だから私達は興宮に花火を買いに行かないといけないのだ、デートにもなるし丁度良い。 私は脱がされた下着と服を身に着けて髪を簡単に直す、最後に帽子を被って準備完了。 「ほら!圭一くん早く!」 ノロノロと服を着ている圭一くんを急かして家を出る。 汚れたシーツは明日洗濯機に掛けよう。だって今夜は…。 「はうぅ~♪かぁぃぃ花火がいっぱいあるんだよ。だよ!」 「へぇ…結構花火って種類あるんだな。おっ!これなんて面白そうだぞ!」 私達は今、玩具屋に居る。魅ぃちゃんの親戚のお店は今日お休みなので別の店。ここは近頃では珍しい、花火を単品売りしているのだ。 皆でするのだから質より量だが、スーパーに行って詰め合わせを買うってのも芸が無い。 だから単品で楽しそうな花火を買って行こう。という事になった。もちろん、詰め合わせも買う予定だけど。 「こ、これかぁぃぃよう~!圭一くん!買っても良いかな。かな?」 私は興奮気味に線香花火に頬擦りしながら聞いてみる。 「やっぱりレナのかぁぃぃ物の基準が分からねぇ…あ~カゴに入れとけよ」 圭一くんが『名人16連射』と書かれた花火を見ながらカゴを指差す。 「ねぇ圭一くん、沙都子ちゃん達も居るんだから、その花火は危ないんじゃないかな」 「そうか?う~ん…だったらこれか?」 そう言ってロケット花火を手に取る。 「だ、駄目だよ~!さっきより危なさがアップしてるんだよ。だよ!」 私の脳内では魅ぃちゃんと圭一くんと沙都子ちゃん。 三人がロケット花火を投げ合ってる姿が思い浮かぶ。 「これなんかが限界なんだよ。だよ!」 手の平サイズの打ち上げ花火を圭一くんに突き付ける。何より、この小ささがかぁぃぃ。 「いや待て!せめてコイツをボーダーラインにしてくれ!」 ネズミ花火を手に取って圭一くんが懇願する。 「うん。これなら大丈夫かな。ネズミさんの尻尾みたいでかぁぃぃし…」 「かぁぃぃって…まあ良いや。あとこれ辺りが…」 こんな感じで一緒に花火を選んでカゴ一杯買う。 これだけ有れば詰め合わせは要らないかも…。うん。あまり買い過ぎても余りそうだし充分だろう。 私達は夕飯代わりに喫茶店で軽食を食べた後、花火でパンパンになったビニール袋を持って雛見沢に戻る。 ちなみに夕方六時に古手神社の石段前に集合だそうだ。そこから河原に移動らしい。 「そういや、河原って祭の時に綿を流した所だろ?玉砂利が有って危なく無いか?」 「ううん。あの河原の下流の方だよ。地面が土の場所が有るから、そこだと思うな」 自転車を石段の前に停めて、私は圭一くんに説明する。まだ誰も来てないので、石段に腰掛けて待つ事にした。 楽しいお話しの時間。デートの予定を考えたり、くだらない事で笑い合ったりしていたが、段々Hな話しになってくる。 「それにしても、今日のレナは凄かったなぁ…凄い吸い付かれて腰が抜けるかと思ったぜ」 「け、圭一くん!お外でそんな事言ったら駄目なんだよ!誰かに聞かれたら…」 すると私の太股に圭一くんの手が置かれる。 「大丈夫だって…誰かが来たら止めれば済む話しだしさ」 太股を触っていた手が段々内側に移動し始めた。私は足を閉じて阻止して諫める。 「…レナ怒っちゃうよ?」 「じゃあさ、コレを何とかしてくれたら止めるよ」 と言って私の手を取ってズボン越しにオットセイを触らせられる。 「どうにかって…こんな所じゃ無理だよ」 もうすぐで六時とはいえ辺りはまだ明るい、そもそも道端でそんな事できる訳無い。 「あそこなら人も来ないし…なあ良いだろ?レナにして貰いたいんだよ」 ここから70メートル程離れた林を指差して、圭一くんがおねだりしてくる。 「流石にこんな状態で皆に会う訳にはいかないだろ。だから…さ?」 目をウルウルさせて圭一くんに催促される。そんな目で見られたら…してあげたくなる。でも、やっぱり私は躊躇してしまう。 「魅音にこんな姿見られたら…服をひん剥かれてしまうかも…俺の身体をレナ以外に見せたくないから・・・」 いや、魅ぃちゃんもそこまでしないだろう。 それより『俺の身体を[レナ以外]に見せたくないから』と言ったのに胸がキュンとしてしまった。 「はう…だったら皆が来る前に…行こう?」 結局は私の方が折れて、圭一くんの手を取って林に向けて歩きだす。 道からは死角になって見えない木陰に身を隠し、私は圭一くんの後ろに立って、ズボンの中からオットセイを出してあげる。 「圭一くんのオットセイいつもより大きくなってるんだよ。だよ」 「レナの柔らかい太股触ってたら、こんな風になってさ。ここまで歩くのも大変だったぜ」 右手でオットセイをゆっくり優しく扱いて、左手で圭一くんの胸をまさぐる。 「はぅ…まるで圭一くんに悪戯しているみたいなんだよ。ちょっぴり楽しいかも」 タンクトップの上から乳首を探し当てて指で転がすとオットセイが更に大きくなった。 「レナ…もう少し速く手を動かしてくれよ」 私は言われた通りにしてやる。 「ふ…う…」 段々圭一くんの口から吐息が漏れ始める。 「ねぇ圭一くん。良い事してあげよっか?」 調子に乗って来た私は圭一くんに、ある事を聞いてみることにした。 「は…良い事?」 「うん…気持ち良い事…圭一くんが腰をちょっぴり屈めてくれたら、してあげれるんだよ。だよ」 ゴミ山で見た、とある雑誌に載っていた気持ち良い事。本当かどうか分からないけど、してあげたくなってきたのである。 「あは♪ 良い子なんだよ。だよ」 素直に腰を屈めた圭一くんの乳首をよしよしして、私は耳元に唇を近付けていく…。 柔らかそうな耳たぶを唇で甘く咥えて味わう様に動かす。 「う…くすぐってぇ…」 身体をピクピクさせて圭一くんが言った。 「あむっ…ん…んう…ふふ♪」 なら、これはどうだろう?耳たぶを口に含んで舌で舐め回す。他の二ヶ所への愛撫も忘れずにシコシコ、クリクリしてあげる。 「うあっ!レナっ!や、やめっ!おあっ!?」 三ヶ所責めの気持ち良さに圭一くんが堪らず逃げようとするのを、私は乳首をイジメていた手をお腹に回して動けない様にする。 「ん…圭一くんかぁぃぃんだよ。そんなにお耳気持ち良いの?」 「あ…あうっ!」 「それともオットセイ?おっぱい?分からないから全部してあげるね」 再び耳たぶを含んで、オットセイを舐める時と同じ様に舌を蠢かせる。 「ちゅっ…ちゅっ。ちゅぱ…ふぅん…」 何回も吸いながら、舌先で耳の中を刺激する。 指先をオットセイの頭に絡ませながらリズム良く扱き、乳首に手を戻して指で挟んで揉みほぐす。 私も同じ事をされたら蕩けきってしまうだろう。まあオットセイを扱かれる気持ち良さは分からないけど、きっと背中がゾクゾクするくらい気持ち良いのだろう。 「レ、レナ!レナァ!あうっ!」 かぁぃぃ…可愛いすぎる…身体を震わせて私の名前を呼ぶ姿なんて女の子みたいで…。 自分が女の子としちゃっている様な錯覚すら覚える、ちょっと男の子の気持ちが解ったかもしれない。 「ふう…お外でオットセイをシコシコされて感じちゃってる圭一くんは変態さんなんだよ」 耳から口を離し、首筋に吸い付いてキスマークを付けた後、続けて耳元で呟く。 「でも…こんな事してて興奮しちゃってるレナも変態さんかな。かな?」 「あっ!…ううっ!レナァ…もう俺…俺っ!」 私の問い掛けに答える余裕も無いのだろう。圭一くんも限界みたいだからラストスパートに入る。 オットセイから出て来たHなお汁を先っちょに塗りたくり、逆手でオットセイの頭を持って扱きあげる。 いっぱいお汁が出てるから滑りが良い。だから少しだけ強めにオットセイの一番気持ち良い部分を攻め立てる。 「圭一くんイッちゃうの?オットセイがミルクをピュッピュッするところ、レナに見せて…。ねっ?」 幼児に言い聞かせている母親の様に、優しく耳元で呟きながら私はオットセイを責める手を休めない。 それどころか乳首からタマタマに手を動かし揉んで、さらに気持ち良くしてあげた。 「イ、イクッ!レナっ!レナっ!あっ!ああっ!」 腰をガクガクさせながら圭一くんがオットセイから勢い良く精液を吐き出す。両手でオットセイを扱いて手助けしてあげると吐息を漏らす。 「は、あ…ああ…うっ…!」 「あは♪凄い凄い!圭一くんのミルクいっぱい出ちゃってるよ?遠くまで飛んでちゃったんだよ。だよ!」 ヒクついているオットセイから手を離し口元まで持っていく、少しだけ手に付いちゃったから舌で舐めて綺麗にする。 口の中に圭一くんの味が広がる。青臭くて苦いミルク…圭一くんが出したと思うと苦にならない。 「はあはあ…んっ。レナって…もしかしてSっ気あるのか?」 「あはは♪女の子には秘密がいっぱいあるんだよ。だよ♪」 「何だそれ?けど凄く良かった…何つ~か堪らなかったぜ」 私はポケットティッシュでオットセイを拭きながら言った。 「イジメられて気持ち良かったの?実はね、レナも堪らなかったんだよ。圭一くんをイジメて興奮しちゃった」 ティッシュを丸めてポケットに突っ込んで続ける。 「でも…レナは圭一くんにイジメられるのが好きかな。かな?ううん。両方好きだよ。圭一くんとだったら、どっちも楽しいし気持ち良いんだよ…だよ」 「う…俺もレナとだったら両方好き…だな」 「はぅ…」 二人して顔を真っ赤にしてうつむく。私は圭一くんと同じ想いを共有できた事が嬉しくて、それだけでも『悪いネコさんなレナ』を見せて良かったと思ったり…。 梨花ちゃんみたいな事を言ったが、あながち間違っては無い。私達は『悪いネコさん達』なのだ。 お家で戯れ合った後、皆と遊ぶ前にHな事をして、何喰わぬ顔で皆の前に姿を現すのだから。 けど私達の仲が良くなら私は『悪いネコさん』でも良いかな。 私達は林から出て来た事を追求された時のアリバイ用に樹の幹に居たカブトムシを捕らえて、待ち合わせ場所に戻った。雄と雌のつがい、夫婦なのだろうか? 雄のツノもかぁぃぃけど雌のカブトムシ…小さくてかぁぃぃよう。小さくてかぁぃぃのは罪だ。 手の平の上のカブトムシを指でつつきながら私は口を開く。 「はうぅ~!圭一くん!カブトムシさん、かぁぃぃよう!お持ち帰りして良いかな。かなっ!?」 「止めとけって、そのカブトムシも自然の中で生きていたいだろうし。後で放してやろうぜ」 「はぅ。なら諦めるんだよ。でも見るだけなら良いよね。よね?」 「ああ。存分に見てやれ。おっ!もう皆来てるぞ!レナ急ごうぜ!」 「うん!」 圭一くんが私の手を取って走りだす。圭一くんの手は暖くて力強かった…。 「圭一さ~ん!レナさ~ん!早く来なさいまし~!もう皆さん待ってらしてよ~!!」 私達の姿を見つけた沙都子ちゃんが手を口に当てて叫ぶ。 「っはあ…!悪いカブトムシ探しててさ」 「ふう…すっごくかぁぃぃんだよ!ほら!」 私達は呼吸を整えながら、カブトムシを見せる。 「カブトムシねぇ~。本当は別の小動物と戯れていたんじゃないの~?『はぅ~~、圭一くんのツノ、かぁぃぃよぅ~。おもちかえりぃ~~!』なぁんて。うひひひひひひひひひひひ、ぐへぇっっ!!!」 図星を指されて一瞬出遅れてしまったが、なんとかレナパンを繰り出して魅ぃちゃんを沈黙させる。 ん…大丈夫、いつもと変わらない。なんとか誤魔化せたはず。 「じゃあ皆さん行きましょうか。時間が惜しいですし」 その後を受けて詩ぃちゃんが何事もなかったかのようにうまくまとめてくれた。 「みぃ~。楽しみなのですよ」 「あぅあぅ!レナもカブトムシと遊んでないで急ぐのです!」 私はカブトムシを放して、圭一くんと一緒に皆の後を追いかける。 後には倒れた魅ぃちゃんだけが横たわっていた。 河原に着いた私達はさっそく持ち寄った花火を見せ合い始める。 「おい魅音。何だこりゃ?」 「へ?何って…花火だよ。圭ちゃんこそ何言ってんのさ」 ロケット花火、連射花火、爆竹にクラッカー…まだ色んな種類が有るけど、言い出したらキリが無い。 魅ぃちゃんは戦争ごっこでもするつもりなのだろうか? 「お姉は本当、空気読めませんねぇ。普通花火って言ったらコレですよ」 詩ぃちゃんがそう言ってビニール袋をひっくり返し、大量の打ち上げ花火を地面にぶちまける。 「はう…二人とも何かが間違っているんだよ。だよ」 残りの皆は無難に手持ち花火を買ってきている。この二人…特に魅ぃちゃんは何を思って、こんな花火ばかりを買って来たのだろうか? 「にぱ~☆魅ぃも詩ぃも、かわいそかわいそなのですよ」 梨花ちゃんが満面の笑みを浮かべ背伸びして二人の頭を撫でている。 沙都子ちゃんと羽入ちゃんは、そんな私達とは離れて周囲の石を集めて点火用の蝋燭の囲いを作っていた。 早く花火がしたくて、ソワソワしているのだろう。 ニコニコ笑いながら仲良く準備をしている二人を見ていると、思わず笑みがこぼれてしまう。 「う~ん。おじさんのチョイスは間違って無い筈なんだけどねぇ…」 ブツブツ言ってる魅ぃちゃんを詩ぃちゃんが引っ張って行き、梨花ちゃんが後ろを付いて行く。 「圭一くん。レナ達も行こう?」 「おう」 さあ、楽しい夜の始まりだ。 「あ~!くそっ!まだ片付かねぇのかよ!」 「あはは…まだまだだね。圭一くん頑張ろ」 楽しい時間も終り、私達は周囲に散らばったゴミの掃除をしていた。 部活ついでに後片付けを賭け、皆でロケット花火を川に投げて飛距離を競ったのだ。 意外な事に圭一くんがビリで、投げるタイミングを誤って飛距離が伸びなかった私は6位…勝者の5人は 『後は若い二人に任せて…』 とか言いながら帰ってしまった。 私はロケット花火は危ないから止めようと言ったが、一回ポッキリの勝負だから。と言われてしてしまった。 その結果が今に到るのだ。 「まさか真上に飛んで行くとは思わなかったぜ」 そう。圭一くんの投げたロケット花火は放物線を描くどころか、天高く舞い上がって上空で炸裂した。 これでは計測不能で無効と言いたいが、やっぱり判定は負けな訳で。 何とか片付けも終わり、水と花火の残骸の詰まったバケツを地面に置いて圭一くんに話し掛ける。 「圭一くん。帰る前にコレやっていかない?」 ポケットから線香花火を取り出して、圭一くんに見せる。 「おお。それって一緒に店で買った奴だよな?まだしてなかったのかよ」 「うん。コレは圭一くんと一緒にするために残してたんだよ。ねぇ、しようよ」 「良いぜ、ちょっと待ってろ」 そう言ってゴミ袋の中から蝋燭を取り出して、ライターで火を灯す。続いて蝋を小石の上に垂らして、その上に蝋燭を固定した。 「はい」 私は線香花火を一本渡して、自分も袋から取り出す。 「この線香花火、持つ所が藁なんだな。初めて見たよ」 「紙をこよったのより、こっちの方が綺麗で火種も長持ちするんだよ。だよ」 私は腰を屈めて蝋燭の火で花火を点火しながら説明した。 同じく腰を屈めて、花火に点火した圭一くんが呟く。 「本当だ。普通のより綺麗かもな」 「レナね、線香花火が好きなの。儚くて綺麗だから…」 「最後の一瞬まで輝いて散っていく…物哀しいけど素敵…」 微かに火花を散らしながら輝く火種を見た後、私は圭一くんを見つめる。 「レナも、この線香花火みたいに最後の燃え尽きる瞬間まで輝いていれる人生を送りたいな…って思うんだよ。だよ」 「悔いの残らない、満足できる人生って奴か…」 「うん。でも実際には挫折したり後悔もするんだろうけど、それでも良い一生だったな。って想えたら素敵なんだよ」 「俺もそう思うよ。あ…」 圭一くんの線香花火の火種が地面に落ち徐々に光を失っていく。 続いて私の線香花火も同じ様に火種が落ちてしまった。 私は蝋燭の火を消して立ち上がり口を開く。ある事を言うために。 「…圭一くん。今日レナのお父さん、出張に行っててお家に居ないの…」 「突然どうしたんだよ?まさか俺にレナの家に泊まれとか…なんてな!ははは!」 「…そのまさかなんだよ。だよ」 「え?…けどさ…」 「レナ知ってるんだよ?今夜圭一くんも一人で御留守番だって…圭一くんのお母さんが昨日そう言ってたの…」 「一人ぼっちは寂しいんだよ。だよ。だから… レナと一緒に寝て欲しいな…」 <続く> れなぱん!(4)