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前篇 羽入と圭一の一番長い日(前篇) 約束を守る最上の手段は決して約束をしないことである。 『ナポレオン言行録』より カエサル「賽を投げろ」(「賽は投げられた」の原語) プルタルコス『ポンペイウス伝』より あの後、ボクは圭一のお家から、梨花たちにバレないように神社に戻ったのです。 何もなかったように目を覚まし、登校し、そして今――放課後の部活を迎えたのです。 …今日はバレンタインデー。そして、圭一にチョコをあげようとしているのが、ボクを含めて――六人。 レナ、魅音、詩音、沙都子、梨花、そしてボクなのです。 みんな愛しの圭一に手作りのチョコをあげようとしているのは、女であれば分かってしまうことなのです。当然、ボクも。 でも、そこはボクたち部活メンバー。どんなことでも過酷な「部活」になるのです。 「じゃあ今日は、バレンタインデー特別記念の部活にしよう!そ・こ・で…圭ちゃん!今日のゲームはあんたが主役だよッ!!」 「おお、マジかよッ!!なんだってまた、今日は俺がッ!?」 魅音に名指しされて戸惑う圭一…ふっふっふ。 「今日はバレンタインデーなんだよ、だよ!みんな圭一くんにチョコを持ってきたんだから、それをあげちゃうんだよ、はぅ~!」 「をーっほっほっほ!私も含めて、みなさんそれぞれのチョコを圭一さんに差し上げてもよろしいわけですけど、全員が本め…じゃなくてじゃなくて、義理チョコじゃ面白くないですわ!」 レナと沙都子もこのゲームに乗り気のようなのです。 「なので、圭ちゃんが一つだけ選んで下さい。それが『特別なチョコ』ってことで、それを作った人に一日デート権までつけちゃいます!あ、あと私から、エンジェルモートのデザふぇ一日タダ券もあげちゃいます!」 詩音も今日は圭一のためにチョコを持ってきている…悟史はどうしたのですか? あぁ、圭一はいわゆる「キープ君」にするんですか、そうですか。 どうでもいいけどその牛みてーな乳を圭一の腕に絡めるんじゃねーよなのです。はいはい爆乳爆乳。 「というわけで、ここにみんなのチョコが並べてあるのです。圭一はサイコロを振って、その出た目のチョコをもらうのです。そしてそれを作った人と二人きりで一日『にゃーにゃー』して構わないのです、にぱ~☆」 「ふ、二人っきりで『にゃーにゃー』はちょっとマズイんじゃないかな、かなぁ!あはははははははははははは。…でも、圭一くんなら…『レナのを』当ててくれるよね… よ ね ?」 「レ、レナの目がマジだよ、おじさん怖いってばぁ~!!」 「…なるほど、そういうゲームか…よし、乗ったぜ!」 クックック… 計 画 通 り なのです。 今日はおそらく、こういうゲームになると予想していたのです。 サイコロの目で決める、一発勝負。 間違えないよう念のために、魅音にそれとなくサイコロゲームをさっき薦めたのですが――彼女は既に決めていたので安心したのです。 既に目の前にはみんなのチョコが並んでいます。 梨花が『一』、レナが『二』、魅音が『三』、沙都子が『四』、詩音が『五』、ボクが『六』の番号を割り振られています。 そして圭一が「運命の主宰者」となり、サイコロを振る。 ――このサイコロっていうのがやっかいなのです。ごまかしがなかなか効かないもの。 ですが、これで決めてしまえば、『六』の目を出してしまえば――文句無しの勝者になれる。 ――そこで、ボクと圭一は昨日、約束したのです。 「いいですか、圭一…自前のサイコロを。あなたが目を操れるサイコロ…たしか、大石にもらったはずなのです」 「ああ、あるぜ…これはどんなに振っても『六』の目しか出ないように作られた、イカサマ用のサイコロだ」 「明日、ボクはあらかじめ魅音にサイコロゲームを提案するのです。そしてボクのチョコの目は『六』にして、圭一がそれを振れば…」 「…羽入のチョコを貰える上に、さらに羽入と一日デートまで…」 「そしてそのデートの夜こそ…ボクから本当のプレゼントをあげるのです…。欲しいでしょう?ならば、圭一…イカサマするのです…ふふっ」 「くけけけ…全ては神のために…」 ――ふふふ、みんな楽しそうなのです。 ですがこれは既に、ボクの手の内に有るゲーム…みんなが負けてボクが勝つ。 文字どおり…ボクは今、『神』なのです! 「…で、提案があるんだけどさ」 圭一がポケットに手を伸ばして、サイコロを取り出したのです。 「ちょうど今日、持ってきちゃったこれがあったから、このサイコロでいいだろ?これを振るだけだしな」 それでいいのです、圭一…偶然持っていたという風を装うのです。 「…うん、いいんじゃない?おじさんは賛成」 「なんだかタイミングが良過ぎじゃございませんこと?まぁ私は構いませんわ」 「そうですね、それでいいんじゃないですか?どうせサイコロに変わりないですし」 よし、この三人は予想通り鈍感だから騙せたのです。問題は…。 「…ねぇ圭一くん。そのサイコロ、ちょっと貸してくれないかな…かな」 「…そうね、私も見てみたいわね…」 くっ…やはりレナと梨花は疑り深いのです。 「…あぁ、いいぜ。どこも変なところは無いからな。俺を信じろよ」 圭一は気さくにそれを渡したのです。レナと梨花はしばらくそれを手に取って探っていましたが…頷いて圭一に返しました。 「…うん、大丈夫だね。…圭一くんならしないだろうから信じるけど…」 「お…俺が何をするっていうんだよ、レナ…」 「 イ カ サ マ 」 レナの目がマジなのです…これはバレたら恐ろしいことになりそうなのです。 でも気になるのは…梨花なのです。ずっとボクとサイコロを見比べています。こっち見んななのです。 「…まぁ、どんな目が出ようと、私はそれに従うわ…くすくす」 嫌な感じなのです。未だにベルンカステル気取りの癖が抜けないから、いつまでもナイチチなのです、バーカバーカw 圭一はボクにも了承を求めました。 「…羽入もいいよな、コレで」 「…はい、ボクは全然構わないのですよ」 「よし、じゃあ…決まりだな…くっくっく」 お互いに言わずとも分かっているのです…全てはボクの思い通りなのですから! 「さぁ、いくぞッ!!」 ――圭一がサイコロを振る構えを見せたのです。 「――全ては神の仰せの通りに」 ニンマリと笑う圭一…馬鹿…あまりこっち見んななのです…バレたらどうするのです… いや、もう勝つと分かってのことですか…それでいいのです。 それにボクも…なんだか顔が、自然とニヤけてしまうのです。 だ…駄目なのです…こらえるのです…し…しかしwww 梨花たちは未だに自分こそが勝つと思い込んでいる…サイコロが落ちる前に勝利を宣言してもマズイ… いや…サイコロが止まる寸前…『六』の目が出る寸前に勝ちを宣言するのです…! ――そして、賽は投げられたのです。 サイコロは宙を舞い、机の上でコロコロと回り…もうそろそろ回転が収まりそうな瞬間。 ボクは梨花を見て言ったのです。 ――勝利を確信した、最高の笑みで。 「梨花。…ボクの勝ちなのです」 言ってやったのです言ってやったのですッ!!!どうですか、梨花ッ!! ボクと圭一で一日『にゃーにゃー』なのです!ボクと圭一がズッコンバッコンやってる間に、梨花は自宅でペチャパイを弄りながら一人オナってればいいのです洗濯板涙目なのですwwwwww ――ですが、梨花は動じず――むしろボクを笑い飛ばしたのです。 「――くすくす。勝ちですって?――それはこっちのセリフだわ」 …な、なんということ…。 ボクの目の前に、『一』の目が出たサイコロがあるのです。 何故、何故、なぜッ!!おかしいのです、圭一のサイコロは必ず『六』の目が出るはずなのに…ッ!! 「な…なぜ、『一』が…」 圭一も茫然と立ち尽くしていました。 「か…神…。お、俺は仰せの通りに…」 馬鹿!だからこっちを見ながら言うんじゃないのです!みんなジロジロと怪んでいるでしょうがッ!! 「――魅音、詩音。圭一を確保しなさい」 なっ…梨花の指示で、圭一が二人に捕えられたのです。身動き出来ない圭一はただ「か、神…」とうめくばかり。 梨花はサイコロを拾って、圭一の前に見せました。 「『一』の目だから、私が圭一と一日『にゃーにゃー』なのですよ、にぱ~☆…というつもりだったけど、イカサマした罰が先ね。羽入と組んだ代償は…そうねぇ、二人に罰ゲームってことで。それでいい、みんな?」 みんながギラリと目を光らせるのです…うぅ、イカサマがバレた時の罰ゲームなんて、格別上等にヤバイに違いないのです! でも…なぜ、なぜ…? 「――なんでバレた、って顔してるわね。いいわ、教えてあげる。…羽入。あんたが家に帰って来た時、ほっぺたにチョコレートシロップと『圭一のホワイトチョコレート』がついたまんまだったわよ」 「――ッ!!!」 し、しまったあぁぁぁなのですうぅぅぅぅぅ!!! あの後、疲れてしまって、お風呂も入らずフラフラと自分の布団で寝てしまったのですッ! そして起きた時には綺麗に顔が『拭かれていた』…ということはッ!! 「――そう、私があらかじめタオルであんたの顔を寝ている間に拭いてやったの。そして知らぬふりで通し、羽入以外のみんなで計画を練った」 「圭一くんと羽入ちゃんで、夜中の内に何かを画策しているんじゃないかな?ってレナは思ったの。 おそらくバレンタインデーの部活について、目的は当然、羽入ちゃんに便宜を図るため…」 「…そこで、おじさんが思い出した。『イカサマする道具を、この前大石さんからもらっていたはず。確かサイコロだった』てね」 「ならば、そのサイコロを使うゲームをするように仕向けて、みんなの前で暴けば宜しいのですわ。それが証拠になりますもの」 「…そして、さっき私が圭ちゃんの腕に絡んでいたでしょう?…ただ単に、この爆乳を押し付けていたんじゃないですよ。あの時、羽入さんにも気付かれないよう、圭ちゃんのポケットからサイコロを奪って、お姉のサイコロとすりかえたんです」 「…当然、それは普通のサイコロ。圭一はそれを知らずに意気揚々と振ったというわけなのですよ。…まぁ、まさか上手い具合に『一』を引き当てるとは思わなかったけど。――どこかにいるかもしれない、幸運の『神』に感謝するべきかもね…くすくす」 みんながご丁寧に教えてくれたのです――ニヤニヤしながら。 さ、最初からバレていたのですか…このゲーム自体が、イカサマだったなんて…! ていうかみんな、推理力がおかしいのです!そこまで飛躍して考えて、しかも全部当たってるのは卑怯なのです! 「バーローなのですよ、にぱ~☆…くすくす。だけど、現にここにイカサマのサイコロがあるんじゃ、言い訳出来ないわよ?」 梨花が詩音から受け取ったサイコロは…確かに圭一のサイコロ。 それが既にイカサマ目的なら…言い逃れは出来ないのです。 こ、こうなったらッ! 「…圭一」 「か…神…」 「逃げるのですッ!!!!!」 「御意ッ!!…すまん、みんなッ!!」 圭一は二人を振払って、ボクと一緒に逃げ出したのです! ボクも教室から駆け出して、なんとか校庭で圭一と合流できたのです! 「圭一ッ!!…なんとか逃げ延びるのです、捕まったらアウトなのです、人生の終わり的な意味でッ!!」 「分かっております、神ッ!!…うおおぉぉぉ、スマン!!みんな~~~ッ!!!」 × × × …教室に取り残された五人は、彼らが走り去った後を見て、全員がゲラゲラと笑った。 「…はぅ~☆あの二人、愛の逃避行なんだよ、だよ!」 「それにしては、焦り過ぎもいいところですけどね。――二人で逃げ出さねばならないくらいの秘密があるわけですね。おそらく『昨日の夜』の――」 「そ、それは…まさか、不潔でございますわぁッ!!!」 「くすくす…そうとは限らないわよ?――まぁ、帰ってきた時の様子じゃ、確実だろうけど。それは二人に直接聞いてからのお楽しみなのですよ、にぱ~☆」 「…さぁて部員諸君。今日の部活は…あの二人と、鬼ごっこだぁッ!!!あの二人を捕まえて、『昨日の夜』についてあらいざらい聞き出した人がチョコをもらえるってことでッ!!いくよッ!!よーい…スタートッ!!!」 魅音の掛け声を合図に、みんなは一斉に走り出した。 ――誰一人として、あの二人を逃すつもりはない。 ただし、それは嫉妬ではなく、むしろあの二人をとことんいじり抜いて遊びたいという気持ちで、彼らを追いかける。 ――もちろん。逃げている二人は、こんな温かい彼らの思いに気付かず、ただただ逃げることしか考えていなかったが。 ――めでたしめでたし、めでたくもなし?
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入江×沙都子。 入江黒幕設定(皆・祭とはいろいろ矛盾します。特に経済状態)の陵辱物。 軟禁状態でメイド服を着せてエロります。 途中で入江に気弱スイッチが入って、エロなし純愛+バッドエンドにシフト。 あなたには後半を拒絶する権利があります。 目を覚ますと、沙都子は知らない場所にいた。 フローリングに木製の家具、淡い色をした壁紙の…外国の映画に出てくる子供部屋の ような可愛らしい部屋だった。 およそ視界に入るもの全てに見覚えがなく、唯一自分の物だと分かるのは身につけている チェックのパジャマだけだ。 「…梨花?」 隣で眠っていたはずの親友の名前を呼ぶが、当然のように返事はない。 沙都子はそろそろとベッドから下り、ドアを開けてみた。 (ここ、どこですの?) 廊下にも見覚えがない。 彼女はひとまず部屋に戻り、少しでも情報を収集するために室内を物色した。 とりあえず、机の引き出しは空。 吊りダンス――というよりクローゼットという雰囲気だった――の中には…。 ふんわりとした黒のワンピース、白いフリルエプロン、ヘッドドレス。 多少のデザインの違いはあったが、用意されていた服は全てこの単語で説明できるもだ。 どれを組み合わせても、メイド姿にしかならない。 沙都子はため息をついた。 「…監督、ですわね?」 メイドと言えば入江。入江と言えばメイド。 雛見沢において二つの単語は完全にイコールで結ばれている。前原屋敷のご長男の名前を 知らない人間はいても、入江先生がメイド好きという事を知らない人間は多分いない。 そのくらいに入江はメイドで、メイドは入江だった。 沙都子の心から不安が消えた。 これだけメイド服が詰め込まれているということは、この部屋はまず間違いなく入江が 関与しているものだ。 沙都子を専属メイドに、などと冗談をいうことはあるが、彼女の目に映る彼は とても真面目で誠実な人だった。 (…罰ゲームでもないのに、こんなもの着ませんわよ?) まだ6月の終わりとはいえ、猛暑の予感が濃厚な今日この頃。 屋内を歩くのなら、パジャマで十分だった。 二階にもいくつか部屋はあったが、沙都子はまっすぐ階段を下りた。 下で誰かが水を使っている音がしたのだ。 「監督?」 「ああ、おはようございます。」 独立型の調理場で、入江が朝食を作っている。 「ここは、どこですの?」 「私の別荘ですよ。」 洋館、というやつだった。広くて、高価そうな家具が置いてあって、ここで生活して いないのだとしたらずいぶんもったいない話だ。 「…雛見沢の家より、こちらで暮らした方がいいんじゃありませんの?」 「一応、市内なんですが、通勤するには遠いんです。全く、無駄に維持費ばかりかかって。」 入江が苦笑する。 金持ちの考える事は分からない、と沙都子は思う。 「お金がかかるなら、売ってしまえばよろしいんじゃありませんの?」 「思い出があるから、それもできなくて。子供の頃から、よく両親に連れられて来ていたんです。」 入江が二人分の朝食の乗ったトレイを差し出した。 トーストにベーコンエッグ、生野菜のサラダと紅茶。 「ダイニングに持って行ってくれますか。」 「ええ。」 どちらかといえば朝は白いご飯が良かったと思ったが、他人の家でメニューに文句を 言えるほど沙都子は無邪気ではない。 「ところで、どうして私はここにいるんですの?」 「そうですね、食事をしながらゆっくり説明しますよ。」 入江がエプロンを外す。 (…なんだか葛西さんみたい) 印象の原因は、彼が着ている真っ黒なスーツだった。 焦げ茶やグレーの上から白衣を羽織っているのは見たことがあったけれど、黒は初めてだ。 (執事?) メイド萌えとやらが高じて、自己改造にも着手したのだろうか? 沙都子はのんびりとそんな事を考えていた。 食事を始めて、入江の最初の言葉に、沙都子のフォークからトマトが滑り落ちた。 「え?」 「沙都子ちゃんには死ぬまでここでメイドをしていただきます。」 ちぎったトーストを口に運びながら、入江が同じ言葉を繰り返す。 言葉通りの意味で受け止めることは、脳が拒否した。 沙都子は口にフォークを運ぼうとした体勢のまま、身動きがとれなくなる。 「私のことはご主人様と呼んでください。あとはひとまず、家事をお任せします。」 入江は、最初に宣言した前提での今後について話している。 沙都子はゆっくりとフォークを下ろした。 (監督は、何を言っているんですの?) 冗談ですよ、といつものように笑って欲しかった。 あの人懐っこい、そう、梨花がにぱー☆と笑うのに似た、あの笑顔が見たかった。 けれど入江は、軽く微笑を浮かべたまま、沙都子が聞きたくない話を続ける。 「ここから逃げることは考えないでください。沙都子ちゃんは致命的な病気を発症しています。 薬と注射なしでは、3日と保ちません。」 (夢? …そう、私きっと、まだ眠っているんですわ) この異常な状況が現実であるというよりも、それはよほど可能性が高かった。 目を閉じる。 開いたらそこは梨花と暮らしている小さな家で、ちょっと特別で幸せな今日が始まるのだ。 目を開く。 入江そっくりの男が、黒いスーツで朝食をとっていた。 「…監督?」 目の前の、入江だかなんだかよくわからないものに声をかける。 彼は、少し不快そうに眉を寄せた。 「ご主人様、です。3回間違えたらお仕置きですからね。」 シャットアウトするような物言いに、沙都子は一瞬躊躇した。 「…あの、でも…私がいなくなったら、梨花が探しますわ。」 「大丈夫ですよ。」 彼は満面の笑みを浮かべた。 沙都子もつられて笑顔になる。入江のその笑顔がどんなにありがたいものだったのかを、 彼女は切実に理解した。 「梨花ちゃんは死にました。雛見沢はガス災害で村ごと全滅です。」 息が詰まった。 「…おもしろく、ありませんわ。」 「そうですか? なかなかできる経験ではありませんよ。」 入江はにぱっと笑って、食事を再開した。 「監督!」 「ご主人様。今ので2回目ですよ。」 「…私、帰ります。」 「沙都子ちゃんの帰る場所は、ここです。だいたい、雛見沢に行ってどうするんです。」 わがままをいう子供をたしなめるように、彼は小さくため息をついた。 「大好きなお友達の死体を集めて、お持ち帰りですか?」 死体。 直接的な単語に、沙都子の精神が揺さぶられた。 「黙れっ! 梨花は死んだりなんてしてませんわ! 雛見沢だって…。」 がたん、と音を立てて入江が立ち上がった。 普段とは違う黒いスーツが、彼に暗い迫力を与えている。 「ご主人様に対する口の利き方がなっていませんね。」 沙都子は椅子の上で身じろぎした。 今まで一度も入江に対して感じたことのない恐怖心がわき起こる。 「いいでしょう。立場の違いを教えて差し上げるのも、主人の仕事です。」 入江の手が沙都子の肩を掴んだ。次の瞬間には、沙都子は床に引き落とされていた。 椅子が倒れて派手な音を立てた。 「ひっ。」 床にぶつけた場所が痛いとか、そんな事を考える余裕はない。 今まで入江からは、こんな乱暴な扱いを受けたことはなかった。 パジャマのボタンが入江の手で外されていく。 疎い沙都子も、さすがに何をされようとしているのかを理解した。 「あ…いや、っ!?」 ぺちん、と。 暴力と呼ぶにはあまりにささやかな力で、けれど確かに、入江は沙都子の頬を叩いた。 「あ? あ…ごめんなさい。」 叔父からはもっと強く殴られたことがある。 こんな…跡が残るどころか、赤くさえならないような力で叩かれたところで、 沙都子が恐がるほどの出来事ではなかったはずだ。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。」 それが入江だったから。 自分に危害を加えることなどあり得ないと信じていた入江だったから、沙都子は怯えた。 「そう、ちゃんとごめんなさいができるのは、良いメイドさんの第一歩ですよ。」 パジャマのボタンを全て外し、入江は無抵抗な沙都子の腕を袖から抜いた。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…。」 発達途中のふくらみを揉まれる感触も、舌で嬲られる感覚も、恐怖にかられた沙都子に とってはたいした問題ではなかった。 ただ、入江が許してくれるようにと、そればかりを考えていた。 ショーツごとパジャマのズボンが下ろされた。 産毛としか形容のできない体毛の下に、入江の指が押し入った。 くちゅっと粘液の音がする。 入江が薄く笑った。 「そんなに私が恐いですか?」 「え? あ…ごめん、なさい…。」 どんな答え方をしたら入江の機嫌を損ねないのか分からない。 叔父夫婦と暮らしていたころは、沙都子がどんな答え方をしても相手の怒りが和らいだ ことはなかった。 「人間は、生命の危機を感じると性的な反応を示す事があるんです。」 入江の指がくすぐったい。 「簡単に言うと、命が危ないから子孫を残さなきゃ、って頑張ってしまうんです。」 くちゅくちゅと…それではこれは性的な反応なのかと、沙都子は顔を赤くする。 「う、うあ…。」 それでも、入江が怒るかもしれないという恐怖に、拒絶の言葉は声にならなかった。 「さすがにこの状況で、気持ち良くて濡れてるとは思いませんよ。」 慣らすように入り口周辺をいじっていた指が、沙都子の深くへと埋められた。 職業柄か、入江の手は凹凸が少なく繊細な印象だ。けれどそれは、成人男性にしては、 という比較の話で、自慰経験すらない沙都子には十分に厳しいものだった。 「あっ…ぐ。」 何も掴むものがなくて、沙都子は床に爪を立てた。短く切りそろえられたそれは 欠ける心配はなかったが、力が入りすぎて白くなっている指先が痛々しい。 指を抜き差しされることに、拷問めいたニュアンスしか感じていないらしく、 沙都子は目を固く閉じて耐えていた。 やがて指が抜かれると、沙都子はうっすらと目を開けた。 彼女には、叔父夫婦の元で暮らしていたころに身につけた習慣があった。 期待しないこと。 終わったと思って続いていたら、それはとても辛い。 でも、続いていると思っていて終わりだったら、少し幸運な気分になれる。 もっとひどいことになるかもしれないと覚悟して目を開けると、沙都子の前には、 予想を上回るひどい物があった。 「…!」 子供の頃にお風呂で兄のものを見たことはあった。 どことなくユーモラスな印象だったそれと、今目の前にある猛々しいものが 同じ器官とは思えない。 先ほどまで指が入っていた場所に、それが押し当てられた。 「沙都子ちゃん、クイズをしましょうか。」 「クイ…ズ?」 「私の名前はなに?」 「名前…。」 (監督、ではありませんわよね? えっと、えっと…) 恐怖に混乱する頭で必死に考える。 「い、入江、京介…。」 入江は、にぱっと笑った。 「ご主人様、ですよ? カウント3回目です。」 「あ!」 沙都子の心が絶望に塗りつぶされる。 そうだ、ヒントはあったのに。 ぐち、と入江が腰を進めた。 沙都子は歯を食いしばった。 (恐い、誰か…誰か助けて) 反射的に逃れようとする肩を、入江の手が押さえ込む。 (やだ! やだあ!) まるで体が引き裂かれるような痛み。 (先生、にーにー、圭一さん、魅音さん、詩音さん、レナさん、梨花ぁ) 心の中で助けを求める。 瞬間、入江の言葉がよみがえってきた。 『死にました』 『雛見沢は全滅です』 (死んだのなら…助けにきては、くれませんわね…) 痛む内壁を擦られる。 沙都子は、こんな行為が男にとっての快楽だなんて信じられなかった。 視界が涙で歪む。入江がどんな表情をしているのか分からない。 ずくずくと沙都子の内側をえぐりながら…彼は笑っているのかもしれなかった。 行為が終わると、入江はシャワーを浴びに行った。 沙都子は腹部の鈍痛に耐えながら身を起こし、パジャマをかき寄せて胸に抱いた。 こんなのはきっと偽物の世界だ。 梨花が起こしにきて、沙都子は本物の世界で目を覚ます。 そして、普段より少し豪華な朝飯を食べて、学校に行く。 既に登校していた皆が、笑顔でおはようと…。 沙都子の妄想は、そこまでしか保たなかった。 想像の中で、魅音が椅子から転げ落ちた。動かない。心配そうに近付いたレナが、 そのまま覆い被さるように倒れる。 (いや、いや!) 感情は否定しても、脳内でシミュレートが続く。 圭一が、詩音が崩れ落ちる。背後で梨花が倒れる音がする。 おそるおそる振り返ると…なぜだろう? 皆と違って梨花は裸で死んでいた。 口から血を吐いて、臓物をまき散らして。 その光景の、実際に目にしたような鮮明さに、沙都子は悲鳴を上げた。 「あ、ああああ、ああ!」 パジャマを強く抱きしめる。 沙都子も梨花も気にしなかったので、パジャマはほとんど共有物になっていた。 だからパジャマからは、沙都子の匂いだけではなく、梨花の匂いもする。 「梨花、梨花、梨花ぁ!」 梨花に会いたい。 嫌なことをされて可哀想だと、頭を撫でて欲しい。 パジャマに顔を埋めて泣いていると、入江が帰ってきた。 スーツの黒が、沙都子には死神の色に見える。 「お風呂あきましたから、どうぞ。」 パジャマを抱いて、よろよろと部屋を出て行く。 「ああ、沙都子ちゃん。」 「…はい?」 「私の名前は?」 「ごしゅじんさま。」 ほとんど無意識に出た回答に、入江は満足そうな笑みを浮かべる。 「よくできました。」 温かいシャワーを浴びていると、沙都子に少し元気が戻ってきた。 赤と白の入り交じった液体が、太ももを伝って排水溝に流れていく。 (死のう) 多分、それが一番幸せな選択だ。 雛見沢が全滅してしまったのなら、沙都子にはもう帰る場所はない。 大切な人は誰もいない。 …入江だって、ここにはいなかった。 沙都子の知っている入江京介は、焦げ茶色のスーツで、馬鹿なことばかりを言うけれど とても優しかった。あんな、黒い服を着た鬼のことなんて知らない。 沙都子は浴室内を見回した。 シャンプーとリンスのボトル、ボディブラシ、石けんと…。 (これじゃ、切れませんわよね…) ステンレス製の石けん皿を指で触って確認する。皿の縁はくるんと丸めてあって、 楕円形だから角もない。どんなに頑張っても、手首の上に擦り傷を作るのが精々だった。 (…まあ、いいですわ) 入江は、沙都子に家事を任せると言っていた。調理をすれば刃物も使うだろう。 そもそも、積極的に自傷しなくても死ぬのは簡単だった。 隙を突いてここから逃げればいいのだ。 入江が、薬なしでは3日保たない、と言っていたではないか。 希望と呼ぶにはあまりに悲しい決意を抱いて、沙都子はメイド服に袖を通した。 ダイニングに戻ると、入江は沙都子のメイド姿を褒めた。 「とってもよくお似合いですよー。」 「…ありがとうございます。」 沙都子にとってはどうでもいいことだが、ひとまず礼を言っておく。 「冷めてしまいましたが、召し上がりますか?」 結局1口も食べてていなかったが、沙都子は首を振った。 「食欲が、ありませんの。」 「では、薬だけですね。」 本当は空腹時に飲むのは良くないんですが、と言いながら、入江が錠剤を用意していく。 渡された中に、見慣れない色の錠剤があった。 「赤ちゃんができないようにするお薬ですよ。」 赤ちゃんという幸せな単語と、先ほどの悪夢に関連があることが、沙都子には実感できなかった。 「私も沙都子ちゃんも、公的には死んでいますから。親にはなれません。」 薬に関しては、沙都子に不服はない。 そもそも、あんな悪夢の中で「赤ちゃん」なんて可愛いものが宿るとは思えなかった。 沙都子の腹に何かが芽生えるとしたら、それはきっと鬼だ。 錠剤を飲ませると、入江は沙都子を二階に連れて行った。 「この部屋、見てみようとは思いましたか?」 鍵の束から、古めかしい形の真鍮の鍵を選び出している。 「いいえ。」 一階に入江がいると思ったから、他の部屋は触らずに下に行った。 …まさか鬼がいるなんて思わなかったけど。 「そうですか。普段は開けっ放しなんですけど、今朝は沙都子ちゃんを驚かせようと 思って、特別にかけておいたんですよ。」 驚かせる? もう十分に驚いた、と沙都子は思う。これ以上驚くことなんてないはずだ、と。 部屋の中は、窓からの光で明るかった。 光を受けてベッドのシーツが輝いて見える。点滴の中で、ぽたり、ぽたり、と黄色い 薬液が落ちている。手足を拘束された彼の胸は、呼吸にゆっくり上下していた。 「に、にーにー!」 駆け寄ろうとした沙都子を、入江が羽交い締めにする。 「起こすと、あなたが殺されますよ?」 あり得ない警告。 それでも、この異常な世界の中では、そちらの方が正しいのかもしれない。 もがくのをやめた沙都子に、入江が説明を続ける。 「悟史くんは、沙都子ちゃんと同じ病気を発症しています。そして、より重篤です。 適切な治療がなければ保って1日。目を覚ますと、視界に入る人間を見境なく襲います。」 それが今の悟史だと、入江は言った。 上から研究は打ち切られた、と。回復は望むな、と。 解放された沙都子は、ふらふらとベッドに近付いた。 この二年で、悟史はほとんど成長していないように見えた。 肌は青白く、頬はやつれている。 悟史の胸の上にメッセージカードがあるのに気づき、沙都子はそれを手に取った。 英語はまだほとんど読めないけれど、その単語はときどき見かけることがある。 「ハッピー…。」 カードの内容が分かった瞬間、沙都子は入江の意図を理解した。 「悟史くんは、沙都子ちゃんへのプレゼントですよ。お誕生日おめでとう。」 悟史が失踪してから今日まで、彼の帰還が一番の願いだった。 めまいがする。 沙都子がここから逃げ出せば、彼女は3日で死ぬだろう。 どんなに苦しんでも3日。 そうすれば、誰にも迷惑をかけずに彼女の苦痛も孤独も葬ってしまえる。 …では、悟史は? 沙都子が逃げ出した次の日、入江は悟史を治療するだろうか? 「…ご主人様。」 やめろ、ともう一人の自分が警告している。 言えばすっきりするかもしれないけれど、それは報復に見合うだけのこと? 「はい、なんですか?」 それでも沙都子は、どうしても我慢できなかった。 「お前なんか死んでしまえ。」 入江はきょとんとして、それから喉の奥でくっくっと笑った。 「まだ教育が足りなかったようですねえ。」 眠る兄がいる部屋で、沙都子は入江にうつぶせにされた。 両肩を床に押さえられて、腰を上げさせられる。 (にーにー、にーにー…) 心の中で兄を呼ぶのは、もう、助けを求めてのことではなかった。 (今度は私がにーにーを守りますわ。沙都子は、強くなったんです) スカートをたくし上げられ、ショーツが下ろされる。 流れきっていなかった鮮血と入江の残滓が、そこを広げた彼の指を伝う。 ベルトを外す音がして、予告もなく押し入られた。 「ぐっう…。」 (痛くない!) 自分に言い聞かせるように、沙都子は心の中で叫んだ。 (こんなの、痛くなんてない!) ダイニングでの続きをするように、入江は沙都子を蹂躙した。 快楽と、苦痛と。違う理由で乱れた二つの呼吸音が、白い部屋の中に満ちる。 病室めいた部屋の中で、その音はどこか背徳的だった。 入江は沙都子の腰を掴み、ゆっくりと前後に揺する。 先ほどは、ひたすら早く終わってくれることを祈っていた沙都子だったが、 今はどれほど続こうと構わないと思っていた。 この苦しみは試練。 兄を追い詰めた自分への罰だ。 沙都子の腰を掴んでいた手に、一瞬力が入る。 どろりとした物が流れ込む不快感に、沙都子は身を震わせた。 ▼ その別荘は、山の深いところにあるようだった。 食料などの買い出しには、入江は必ず自動車で出かけてたし、ちょっとした買い物に 行っても、最低2時間は帰って来ない。 入江が買ってきた週刊誌に雛見沢ガス災害の事が書いてあった。 それは偽造品には見えなくて、沙都子はこの現実を受け入れざるを得ない。 一つ疑問だったのは、災害が起こった日時だった。 入江が災害の話をしたのは6月24日。 週刊誌に記載されている日付は6月26日。 古手梨花はときどき未来を予言することはあったけれど、こんな大それた予知なんて やったことがなかった。 「ああ、これは予定されていた災害ですから。」 沙都子の疑問に、入江はそう答えた。 「雛見沢の病気を人間ごと撲滅する。そういう計画になっていたんです。」 予定されていた? 計画? (じゃあ…) 「雛見沢は、人に滅ぼされたんですの?」 「ええ。」 それがどうかしましたか? そんな気安さで、入江は頷いた。 「…ご主人様は、知って、いたんですのね?」 「はい。」 外国語の医学書をめくっていた彼が、面倒そうに顔を上げる。 「知っていました、とめませんでした、むしろ協力しました。」 「そんな、見捨て…。」 彼はページにしおりを挟んで、本をテーブルに置いた。 「見捨てました。…沙都子ちゃん、さっきから主人に対して少々口が過ぎませんか?」 「え? あ、ごめ。」 言い終わらないうちに、入江が沙都子の腕を引いた。 沙都子はバランスを崩して、入江の膝に倒れ込む。 「口でどうぞ。」 「は、い…。」 ズボンの前を緩め、沙都子は教えられた通りに口に含んだ。 できるだけ奥までくわえて、入り切らなかった部分に指を絡める。 そして、飲み下さなくてはいけない物を出させるために舌を動かし始めた。 ここに来てから毎日のように強要されているが、沙都子は一向に慣れることができなかった。 口に出されれば吐き気がするほど不味いし、組み敷かれれば内側からの圧迫感が苦しい。 濡れるのだけは上手くなったが、それは自分の体を保護しようという反応でしかなく、 入江もそれは分かっているようだった。 こんな自分に相手をさせていて楽しいのか、沙都子は疑問に思う。 雛見沢の人間なら誰でも選べたのだから、成熟した女性を連れてくれば、 もっと楽しめただろうに。 入江が沙都子の頭に手を置いた。 「ん…。」 置きやすい場所にあったから、といった軽い動作だ。ただ、その感触が沙都子に 悟史や梨花から撫でられたときの記憶を思い起こさせた。 罪悪感を覚える。 こんな状況下で大好きな人の記憶を思い出すのは、いけないことだ。 口中に放出されたものを、呼吸を止めて飲み込む。 付着していた分を舐めてきれいにして、入江のズボンを元通りに直した。 (…なんの話をしていたんでしたっけ?) 嘔吐感に耐えながら記憶をたどる。 (そうでしたわ。監督は雛見沢を、見捨てた…) 「沙都子ちゃん、紅茶を入れてください。」 「…はい、ご主人様。」 再び洋書を読み始めた入江に背を向けて、沙都子は調理場へ向かった。 死者の時間【後編】(黒入×沙)
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最近、魅ぃちゃんの様子がおかしかった。 笑う時もどこかぎこちないし、元気が無い。 理由は分かっている。 …たぶん、私と圭一君の事。 魅ぃちゃんが圭一君を大好きなように、レナだって圭一君が大好き…ううん、愛してる。 だから、何も言えなかった。 励ます事も出来ない。 応援だって出来ない。 謝られたら余計に腹が立つだろう。 ただ、その事については触れず魅ぃちゃんの心の傷が癒えるのを待つだけ。 レナも魅ぃちゃんも、正々堂々と戦った。 それをふまえて圭一君はレナを選んでくれたのだし、魅ぃちゃんも言ったように 「どっちが勝っても恨みっこナシ」だ。 けど――――― やっぱり魅ぃちゃんの前では、どこか引け目を感じてしまう。 やましい事なんてしてない。 だけど裏切り者と罵られるのが怖かった。 だから、こうして圭一君と2人っきりでいられる時間はとても落ち着く。 心の奥のモヤモヤとか、わだかまりとか、そういったものを全部忘れる事が出来た。 頭を撫でる手が好き。 サラサラの髪が好き。 優しげな瞳が好き。 ずっとこうしていたい――― そんなレナの願いは、魅音の声によって遮られた。 「ひゅーひゅー、お二人さんアツいねぇ。おじさん妬けちゃうなぁ~?」 魅音はニヤニヤと薄く笑いながらドアの前に立っていた。 …否、あれは笑ってると言っても良いのだろうか。 口だけは不気味につり上がっているが、その目は全く笑っていない。 「…魅ぃちゃん……」 「み、みみみみ魅音ッ!?お前、なんでここに!」 さーてね、と曖昧な返事を返し、魅音はつかつかと圭一たちの方へと近づいていった。 圭一は顔を真っ赤にして何かブツブツ呟いている。 この鈍感男―――魅音はありったけの憎しみをこめて圭一を睨むが、それすらも気付いていない。 レナにも皮肉を込めた視線を送ったが、目を反らされた。 「いやぁ、おじさん参っちゃったよ。忘れ物取りにきたら、二人がしっぽりやってんだもん。 ごめんだけど一部始終見せてもらったよ?悪いね~!」 「んな、魅音、おま…ッ!!」 「…は、はぅ…魅ぃちゃん…」 顔を赤らめてうろたえる2人。 ―――白々しいよ、レナ。 作戦なんでしょ? 「ふ…ふふふ……くっくっく、あーはっはっはっは!」 笑いが止まらない。なんて滑稽なのだろう。 圭ちゃんもレナも、そして私も。 そんな私をおかしく感じたのかレナと圭ちゃんが不思議そうに覗き込んできた。 蘇る、先ほどの光景。 「………すごかったよ~?2人とも。 バカみたいに夢中でさ!圭ちゃんなんて腰振りまくりで動物みたいにサカってて! レナもレナだよ、あんあん言っててバッカみたい。 あっははははおかしいねーおじさん傑作だわ! ね、もっかいやらないの?やってよ、ねえ、ねえ、ねえ!! ねえってば聞いてんのか2人ともォオオッ!!!!」 ガッシャァアアン! そこらにあった机を蹴り飛ばす。 いきなりの事で二人は唖然としたが、すぐに我に返った圭ちゃんはかばうようにしてレナをぎゅっと抱きしめた。 それが余計に腹ただしくて、さらに椅子も投げ飛ばす。 ちょうどそれが頭にヒットしたらしく、圭ちゃんは呻いてずるりと倒れ込んだ。 額から血が流れている。良い気味だよ、私だってずっと血が流れているんだ。心の傷口から。 「圭一君、けーいちくんッ!?しっかりして……っ! …ね、魅ぃちゃん…どうしちゃったの?らしくないよ…ねぇ、魅ぃちゃん…っ!」 レナが悲痛に訴えてくる。 うるさい。うるさいうるさいうるさいっ!! 「ねえレナ、らしくないって何?どうすれば私らしいわけ? それに私は魅音じゃない!鬼、鬼なんだよぉお!!」 はあ、はあ、はあ。 肩で息をする。 振り回していた椅子を下ろし、へたりと座り込んだ。 圭ちゃんは相変わらずぐったりして動かない。でも死んではいないはずだ。 レナはもう先ほどのような悲痛な顔はしていない。 どちらかと言うと怒ったような顔だ。 ただ無言で圭ちゃんを抱きしめながら私を睨んでいる。 「ん~?圭ちゃんが気絶したからって本性表すわけぇ? 女っておっかないね~、おじさんには出来ない芸当だわ。あっはっは!」 「…違うよ魅ぃちゃん。魅ぃちゃんは間違ってる。 …圭一君が、好きなんでしょ?だったらこんなやり方…」 「うるさい、裏切り者は黙ってて!」 レナが裏切り者、という言葉にびくりと反応した。 先ほどまでの揺るがない瞳はもう無く、バツの悪そうな顔になっている。 「…ふーん、一応自覚はあるんだ?裏切った、ていう」 「…っ違うよ!!…魅ぃちゃんだって、言ったでしょ…?正々堂々と勝負しようって、だから……」 「嘘つき」 私は知ってる。 レナは圭ちゃんを誘って宝探しに行ったりピクニックをしたりしてた。2人きりで。 そんなの抜け駆けだ、ずるい…そう思ったけど、その時はぐっとこらえて何も言わなかった。 今思えばその時何か言っていれば未来が変わっていたかもしれない。 もしかしたらレナと圭ちゃんは付き合わなくて、私と圭ちゃんが付き合っていたかもしれないのだ。 そうだ。きっとそうだ。 本来ならば、圭ちゃんの隣にいるのはレナでなく私なんだ――― 黒い感情が渦巻く。 …*してやろうか。いや、それは流石にまずいか。レナを*せば、圭ちゃんも*さなければならなくなる。 それよりもっと効果的で合理的な方法――――― ………あった。 にやりと微笑む。 ぐちゃぐちゃに汚してしまえばいい。私の手で。 そうと思いついたら話は早い。 レナは俯いて微かに震えていた。泣いているのだろうか? いや、そんなはずはない。それもまた計算だ。圭ちゃんが起きた時、私を悪者にするための。 魅音は音も無くレナの後ろに回り込み、素早く腕をねじりあげた。 レナは一瞬の出来事に目を見開いたが、すぐにジタバタと暴れる。 いくら女同士といえど、体格、身長、経験のどれをとっても魅音にはかなわないレナはすぐに押さえこまれた。 「婆っちゃに教えこまれた技がこんなとこで役に立つなんてね~」 ひゅうと口笛を吹きながら、そこらにあった縄でレナの手足を縛る。たぶん沙都子のトラップに使ったものだろう。 あっというまにレナは縛り上げられ、いわゆる“M字開脚”の格好になった。 「あれ、もしかしてパンツ濡れてる?おじさんの見間違いかなぁ~?」 「…………っ……」 先ほどの圭一との行為が仇となったのだろう。 レナのそこはまだ熱を帯び、じんじんと疼いていた。 「ひあっ!?」 つ、と魅音がそこに触れる。 布越しにも関わらずそこは濡れていた。 「あはは、びしょびしょじゃん。淫乱だねぇ~。あ、切るよ、これ邪魔だから」 ちゃき、とそこにハサミをあてがう。 歯の冷たい感覚にレナはびくりとはねた。 「や、切っちゃダメ、魅ぃちゃ…」 じゃきん。 レナの抗議もむなしく、秘部を隠していた布一枚はあっさりとはぎとられた。 レナの秘部が視線にさらされる。 「うわー、ひくひくしてるよ。おじさんカンドー」 「……ぁ、あう…見ないでぇ…………」 レナのソコは可愛らしいピンク色でひくひくと震えていた。 いやらしくダラダラと涎をたらしながら、ぷっくりとした肉芽が痛々しいほど赤く腫れ上がっている。 「おじさん、な~んもしてないよ?…もしかして、見られてるだけで興奮しちゃ った?視姦ってやつ!?あっははは!」 「……ふ、あ……っく」 顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに俯くレナ。 ……本当、悔しいぐらい可愛いなあ。どう汚してやろうか、くっくっく! 「………、ぅ………」 と、そこで圭ちゃんがもぞもぞ動いた。 目を覚ましたらしい。 レナが顔を強ばらせる。 ちょうどいい。見せしめだ。 「圭ちゃん、お目覚めー?」 「……魅音…?…あれ、体が動かな……………レナ!?レナ、大丈夫か、レナ!?」 「…け……ぃち…く…」 ようやく自分の置かれている状況に気づいたらしい。 まーったく、レナレナうるさいなぁ圭ちゃんは。 わざとらしくため息をついてレナをチラリと見る。 レナは恥ずかしさのせいか、涙をポロポロと流していた。 ――――ふん。被害者ぶってるんじゃないよ。私だって辛いのに。 「圭ちゃんはそこで見ときなよ。おじさんがたっぷりレナを虐めてあげるからさ!」 「魅音、やめろ、レナには何もするな!」 圭ちゃんの声を無視し、私はレナの制服に手をかける。 縛っているから脱がせない。 そんなのお構いなしに私はびりびりと引き裂いた。レナの白い肌が段々と露わになっていく。 …レナは、何も言わなかった。 ただ悲しそうに私を見つめていた。 その様子を見ていられないとばかりに圭ちゃんが叫ぶ。 「なぁ、どうしちゃったんだよ魅音……! 本当のお前はもっと、面白くて…良い奴で……俺の最高の友人じゃなかったのかよッ!?」 ―――――最高の友人。 なんて素敵で、なんて残酷な響きなのだろう。 私は自嘲するように笑った。 「は、友人ねぇ…。言っとくけど圭ちゃん、私は圭ちゃんを最高の友人だなんて思った事、一度も無いよ」 「そんな、なんでだよ、なん…」 そこで圭ちゃんの言葉は途切れた。 ………私が塞いだからだ。 圭ちゃんは驚いて目を見開く。レナは目を反らす。 私は唇の感触を充分に堪能してから、ゆっくりと唇を離した。 「……ずっと、好きだった。 “最高の友人”じゃなくて、“1人の女の子”として。」 「…、……みお………」 転校してきた時から、ずっとずっと、大好きだった。 「ごめん、魅音。俺、気付かなくて…でも……」 「おっと、勘違いしないで。圭ちゃんを好きだったのは確かに園崎魅音だけど、ここにいるのは鬼なんだから。 ……鬼だから、あんたたちをめちゃくちゃにしてあげる」 私がそう言うと、圭ちゃんは、ひどくショックを受けたような顔をしていた。 今の私は園崎魅音じゃないとはいえ、圭ちゃんの事が好きじゃないと言えば嘘になる。 でもそれ以上に憎しみが大きかった。 そ、とブラ越しにレナの胸に触れる。 レナはかすかに声をあげるが、下を向いているため表情が見えない。 「うん、やっぱこれくらいの大きさが良いよね。おじさんくらいになると肩こるんだよ~」 そう言いながらブラを上にずらす。 レナが小さく悲鳴を上げた。 生娘じゃあるまいし、今更純情ぶっても。 「は、ぁう、っふぅ…!」 「くっくっく、かぁいいねぇレナは!乳首立ってるよぉ?」 後ろから抱きしめるようにして、乳首をコリコリとつまむ。 片手をスカートの中に忍ばせた。パンツはさっき切り取られたので、秘部を守るものは何も無い。 くちゃ… 「うわー大洪水。レナ、興奮しすぎ!」 「あ、ダメ、魅ぃちゃんやめてぇっ!!や、あ、あぁあああっ!!」 そこはしっかりと潤っていて、魅音の指をすんなりと受け入れた。 ぬぽぬぽと出し入れするいやらしい音が響く。 時折肉芽をつまんでやると、電撃でも走ったかのようにビクリとはねるのが面白い。 だんだんと指を加速していくにつれ、レナの嬌声が一層大きくなっていく。 後ろで圭ちゃんがやめろと叫んでいる気がした。 「さあさあさあッ、とっととイっちまいな、レナぁああッ!!!」 「あっ、いやっ、いやぁ、んあぁあああああっ!!!!」 ぷしゃあっ… 盛大に潮を噴いて、レナはイった。 レナはもう泣いていない。 呆然としながら、顔を赤らめてはぁはぁと息を荒げている。 私はその指をペロリと舐めて、レナの顎をくいと持ち上げた。 「気持ちよかった? ……………今度はレナが見る番だよ」 「…はっ、っは…ぁ…はぁ、…レナ…が…見る…?」 ―――――まさか! その言葉にレナは食いついてきた。 しきりにやめてと叫んでいる。 その言葉をやっぱり無視して私は圭ちゃんの元へと近づいていった。 「圭ちゃん、おまたせ。どうだった?好きな子の痴態を見た感想は。」 「………気分最悪だぜ。なぁ魅音、今からでも遅くない。こんな事、もう…」 あははだから私は魅音じゃないって。 そうケラケラと笑って圭ちゃんの股関に手を伸ばす。圭ちゃんは軽く呻いた。 そこは熱く、硬くなって、自己を主張している。 「この硬くなっているのは何かな?かな?…くっくっく!」 レナの口癖を真似てみた。圭ちゃんが顔を歪める。 「なんでだよ、魅音…」そう囁いた声が聞こえたが、おかまいなしに圭ちゃんに跨った。 カチャカチャとベルトを外す音、チャックを下げる音。 レナは極力見ないように目を瞑っていたが、それでも音だけはどうする事も出来なかった。 「おじさんもね、実はもうびしょびしょなんだ。 圭ちゃんも準備出来てるみたいだし………いくね?」 「やめ、魅音…!」 ずぶぶぶぶぅっ!!! 「うぁあ……っ!」 「あ、は…!圭ちゃんのおちんちん、おっきぃい…!あふっ、気持ち…あぁんっ!」 魅音は圭一の胸に手を起き、ゆるゆると腰を動かした。いわゆる騎乗位の体制だ。 腰を振る度に聞こえるいやらしい音にレナは顔をしかめる。 聞きたくない――――! 「あっ、ふぁ、んっ…すごい圭ちゃん、奥まで…奥まで来てるよぉおぉお!!!」 ずちゃ、にちゃ、といやらしい音が響く。 先ほどからレナの痴態を見せつけられていた圭一はもう限界だった。 「うぁ、ダメだ、魅音…ッ!やめろ、もう…!」 圭一は身を捩らせるが、魅音にのし掛かれてるために抜け出す事が出来ない。 それどころか魅音のナカをかき回すような形になってしまい、かえって快感が倍増してしまった。 「ぁっ、あ、っ…レナ、レナぁあっ!!」 「…ぁふっ、…ちょっとぉ……あんっ、今は…ん、…レナとじゃなく、て、…おじさんと……ぅあっ、…やってんで……しょっ!!!」 そうだ。 何かを思い出したかのように、魅音がイタズラに微笑む。 「ね、レナ。…おじさんね、今日、危険日なんだぁ…くっくっく。 ……子供の名前、何にする?圭ちゃん」 それを聞いたレナは顔を真っ青にする。 レナだけでなく圭一もだった。 「いやぁぁあああぁあ!!!!魅ぃちゃんお願いだからやめてぇぇえええぇえ!!!!」 「っく、あっ、…魅……音っ、頼むから……やめっ……うああああぁあぁああああ!!」 ズン、と魅音が奥まで挿入したのと同時に圭一は果てた。 …レナはすすり泣いている。 魅音は荒い息を整えて、ちゅぷ…と圭一のソレを引き抜いた。 白い液体がつつ、と糸を引く。 「……っふふ……くく……あはははははははは!あっはははははははは!」 笑った。気が狂ったように笑った。おかしくて仕方なかった。 ………これで圭ちゃんは私のもの。 もう誰にも渡さない。
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前回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ壱〜 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ弐〜 その4からその8まで収録 薄暮(くれがた)か、 日のあさあけか、 昼か、はた、 ゆめの夜半(よは)にか。 そはえもわかね、燃えわたる若き命の眩暈(めくるめき) 赤き震慄(おびえ)の接吻(くちづけ)にひたと身顫(みふる)ふ一刹那。 北原白秋『白秋詩抄』「接吻の時」より 「け、圭一くん…やっぱり、は、恥ずかしいよぅ…」 それほど広くはない車内で、レナは生まれたままの姿で俺の下に組み敷かれている。 「オヤシロさまの祟りから、お前を守る」…その一言で身も心も俺に預けたレナは、言われるがままに服を脱いだ。 「レナ、恥ずかしがることはないぞ。とても綺麗だ…」 「は、はうぅぅぅぅ〜〜〜〜」 顔を真っ赤にして、レナは左右の手で胸と股間を隠しながらもじもじと体を動かす。 まったくかわいらしいじゃないか…さっきまでは、『オヤシロさまの祟り』とやらに怯えきっていたくせに…。 そう、祟りなんて、俺は毛頭信じていない。 オヤシロさまの祟りなんて迷信だ。事件が毎年起こるという以外、個々の事件は独立している。 独立した事件という「点」を結ぶ人為的な「線」があるにせよ、俺にとっては野望が全てだ。 そのためなら、オヤシロさまだろうと祟りだろうと利用するだけなのだ。 レナは相変わらず、覆い被さる俺の顔を直視出来ない。 俺も服は脱ぎ捨てているわけだが、レナは目を瞑り恥ずかしさに押しつぶされてしまっている。 フ、ここは一つ…。 「レナ。オヤシロさまの祟りは、お互いの疑心暗鬼が原因だ。お前が俺から目を背け、全てを受け入れないなら、オヤシロさまが祟りをなすだろう」 「…そんな…」 「だが、俺はレナを信じている…だからこうして、ありのままをレナに晒すことが出来る。信じろ…レナ」 もちろん、疑心暗鬼がどうのこうのは適当な理由付けだ。オヤシロさまの祟りを回避する方法…口からでまかせもいいところだと、我ながら呆れるくらいだ。 だが、その言葉に安心したか、レナはようやく俺を見つめて瞳を閉じる。 ふふふ、まったくもって素直だな…!俺は心の中で叫ぶ。 「 思 い 通 り ! 」 レナにゆっくりと口づける。 最初は唇を触れるだけのキス。すぐに唇を離すと、レナがうっすらと瞳を開ける。 「…ん…」 トロンとした眼。俺はレナに微笑みを向け、今度は少し長めのキスをする。 お互いの唇の感触を確かめるように。ねっとりとした感覚が、徐々に二人を昂揚させる。 「…ん…ちゅ…うんぅ…」 親鳥と小鳥がエサを啄み合うようなキスから、レナの唇に舌を侵入させる。 「んん…っ!?」 突然のことにレナは動揺したかもしれない。だが、俺の舌がレナの舌に触れることで、生温かい感触を共有する。 「…んう…れる…ぴちゅ…」 レナも、自らの舌を蠢かせ、俺の舌を舐め回す。 さらにお互いの唾液が混ざり合う。どちらが求め始めたか分からぬほど、舌を絡め合うキスになっていた。 レナはいつのまにか俺の首に腕を回し、離そうとしてくれない。 貪り合うように口内で交わり、ようやく口を離した時につうっと垂れた唾液の糸が、さらに欲情を煽った。 「…ぷはっ。…レナ、お前って見かけによらず、けっこう激しいのな」 「…け、圭一くんこそ…。すごく…エッチだよ…。お互い、初めてのことばかりなのにね」 ああ。そうだったな、俺はみんなの前では童貞ということになっているんだったっけ。 ならば初々しさも演じないとな。…レナに俺の過去を知られてもマズいだろう。 「はは、まぁ俺も無我夢中だけどな…レナを、安心させたいだけだよ。俺は」 「ありがとう、圭一くん…レナ、今とっても幸せだよ…だよ?…まだ恥ずかしいけど、圭一くんとこんなことが出来るなんて…夢みたい」 「夢なんかじゃない、俺はここにいる。…レナをこうして抱き締めて」 レナを起き上がらせ、後ろからぎゅっと優しく抱いてみる。 「レナの息づかいを、温もりを、感じている…。俺もな、レナとこんなことが出来ることが…幸せなんだ」 「圭一くん…圭一くん…」 レナは涙をすうっと流しながら、後ろ手に俺の顔を引き寄せてチュッとキスをした。 ふん…俺としたことが、ちょっと演じ過ぎだな。だがロマンチストのレナにはこれでいい。 だがそろそろ、本格的な『快楽』というやつを知ってもらわないとな…! 「ふふふ、それにしても…レナの胸、いい形してるよなぁ」 俺がむにゅっとレナの胸を後ろから持ち上げると、レナが小さく「んうッ」と声を漏らした。 レナの乳房は、魅音に比べれば小振りな大きさではあるが、手触りよく綺麗な形を整えた理想的な胸だ。 俺はそのジャストフィットな感触を堪能しつつ、レナの耳元に囁いた。 「どうしたんだ、レナ?くすぐったいのか?」 「ち、ちが…あんッ…!」 「くすぐったいなら早く言ってくれよ〜?レナの胸が俺の手にジャストフィットし過ぎで、 もっともっと触っていたいんだよ…」 「は、はぅ…ん、ぁ…レ、レナね…」 「なぁに〜?聞こえんな〜?」 「レ、レナはね…あん…くすぐったいんじゃ、なくてね…その…なんだか…あうっ…ふわふわした、感じなの…」 「へぇ、ふわふわねぇ……んじゃあ、こういうのはどうかな」 「ひゃんッ!」 言葉と同時に、乳房の先に有るピンク色の突起物をつまみ上げる。 レナはビクンと跳ね上がったが、構わずにそのまま乳首を重点的に刺激する。 「はうっ!け、圭一く…んああぁッ!そ、そこはぁ…!」 「『そこは』とっても気持ちいいんだろ!?お互い隠しごとは無しだぜ、レナ!」 さっきよりも乳房を強く鷲掴みしつつ、乳首をこすり上げるようにつまむ。 レナの声が一段と大きくなり、乳首の刺激だけでオルガスムを感じているのかと思わせるほどだ。 「あ、あんっ!圭一くんっ…!ダメぇ、気持ちいいの!ん、ん、んあっ!…け、圭一くんに触られる度に、レナね、ヘンになっちゃうの!」 「それでいい、レナ…今のレナはとってもかぁいいぜ。胸も、乳首も、みんなかぁいい!」 「は、はぅっ!レナ、かぁいいの?…ヘンじゃ、ない?」 「ああ、レナの体も、心も、みんなかぁいい。愛しくて仕方ない…」 「はうぅ…そう言われるとレナ、もっとふわふわした気分だよ…だよ」 「ふふ、そうかぁ…ふわふわねぇ。それでな、レナ。さっきから足をムズムズ動かしてるが、どうしたのかな…かな?…くくく」 レナは思わず股間に目を遣って、赤くなる。 バレバレだぜ、レナ…そこを隠すのはもったいないぞ、ククク… 俺は右手をレナの股間に滑り込ませ、すでにびしょ濡れの秘所にクチュリと指を這わせた。 「だ、駄目ッ、圭一くん!そ、そんなトコ、汚いよぅ…」 レナは俺の右手を侵入させまいとするが、するりと股間に潜り込ませた指がレナのアソコに触れた。 クチュリと音を立て、レナの女自身をなぞる。 「ふあぁッ」 ビクンと跳ね上がるレナの身体。胸を揉まれるどころではない、直接的な刺激を受けた時の女の反応だ。 「ひあぁッ!け、圭一くん…!」 クチュクチュとレナの秘所をまさぐる。最初は一本、次は二本の指で。縦横に指でレナを悦ばせる、楽しくてたまらない…! 「ふははは、レナ、もう大洪水だな!もう俺の指がふやけてるぜ、濡れまくりだなァ、おい?」 「は、はぁう…そんな、レナ…んあぁぁあ!」 「はっは、だけど恥ずかしがることはないぜ。これだけ濡らしてるってことは、レナが十分気持ちよくなってくれてるってことだからな」 俺はレナを正面に向かせ、がばと股を開かせてレナのアソコをまじまじと見つめる。 「ああ、レナのここは本当に綺麗だな…ピンク色で、形は整ってて」 「は、はぅ…そんなに、見つめないでぇ…レナのそんなトコ…」 「『そんなトコ』だって?何言ってんだよレナ…かぁいいもの持ってるくせに、そんなに謙遜するなよ」 指でパックリとオマンコを開く。ぴったりと閉じられていた貝型が、内部を露にする。 「ふぁあ…」 「レナのここ、本当にかぁいいなぁ…。ふふ、この溢れ出す汁…こいつもいただきだな」 俺はレナの股間に潜り込み、舌を尖らせジュルリと口付ける。 「んんあああぁッッ!!!」 突然の刺激に、レナは嬌声を上げる。構わずにジュルジュルとオマンコを舐め回すと、レナの声がさらに大きくなる。 「ひああああぁッ!!!あ、あああんんッ!!!!圭一く、んんんッ!!!」 「…ぷはッ。…レナ、どうだ?気持ちいいか?」 「き、気持ちいいよぅ!…レナ、レナ…アタマがおかしくなりそう!」 「ははは、そりゃ良かった…なら、もっともっと気持ち良くなってほしいな」 言葉が終わると同時に、俺はぷっくりと膨れ上がったクリトリスに口付ける。 「ひゃああああぁぁぁッ!!!」 今までで一番感じているようだな、レナ…だが、こんなもんで満足されたら、後が続かないんだよ。 俺は舌でクリトリスを転がす。ひくひくと震えるソレを蹂躙するたびに、レナの秘所はさらに濡れていく。レナの限界はすぐそこだった。 「うあああぁッ!!!ダ、ダメぇ!!!圭一くん、もうダメだよ、だよおッ!!!」 「いいぜ、レナッ!!イきそうなんだろ?…存分にイっちまえッ!!!」 「あ、あ、あッ、イっちゃう、イっちゃうよぉ!!!!んんああああッッ!!!」 クリトリスをカリッと甘噛みした瞬間、レナの躯が大きく仰け反った。 ビクンビクンと数秒間は震え、力なく仰向けに倒れ込んだレナは、乱れた呼吸を整えようとしていた。 「はぁ…はぁ…はぁ、う…」 「…どうだった、レナ?…」 「…す、すごく気持ち良かったよ…。レナ、こんなの初めてだよ…だよぉ…」 「そうか…レナが悦んでくれたなら、俺も幸せだよ」 「はうぅ…圭一くんも、幸せ?」 「ああ、俺はレナが悦んでくれるのが一番だ…だがな、一つだけ残念なのは…レナと一緒になりたいけれど、まだそれが叶わないことだ」 俺はレナの手を取り、既に大きく怒張したペニスに触れさせる。 「…!け、圭一くんの…男の人のって…こんな風になってるんだね…」 「ああ、レナが気持ち良くなってるのを見ながら、俺のもこんな風になっちまったんだ…正直、このままじゃ辛いんだ…」 「つ、辛いの、圭一くん…?ど、どうすればいいのかな、かな…」 おずおずとした手つきながらも、レナは俺の怒張を擦り上げる。 どうすればいい、だって…?決まっているじゃないかレナ、本当は分かっているんじゃないのか、クク…。 「簡単なことさ、レナ…こう言ってくれればいい…」 …あの清純なレナが、これから俺の言う通りのことを口にすると考えるだけで…自然と口端が吊り上がってしまう。ククク…。 俺はレナの頬を愛おしげに指でなぞる。そしてレナの耳元に近付き、こう囁いた。 「レナは圭一くんの××××××です。どうかその××い××××で、レナの××××を××××して下さい…レナをオヤシロさまの祟りから、守って下さい」 「——ッ!」 「ククク…さぁ、言ってくれ…レナのここを開きながら、俺に『お願い』するんだ」 レナのオマンコをグチュグチュといじりながら、俺はレナの眼を見据える。 言葉にすることへの恥じらいと、その後に訪れるであろうかつてない快楽への期待。 二つの気持ちが、レナの中で渦巻いている…だが、俺には分かっていた。レナの選択肢は一つだ。 『オヤシロさまの祟り』を回避するためには、俺が必要…!レナはもはや、俺の存在無しには生きられないんだよ!! レナは顔を真っ赤にしながらも、自分の指でオマンコを開きつつ、ぼそぼそと喋り出した。 「…レ、レナは…圭一くんの、オ、オチンポ奴隷です…。どうか、その大きいオチンポで、レ、レナの…」 「続きだ、続きを言わなければ意味が無いぞレナッ!!!俺はお前を守ると約束した、だからお前も応えてくれ、レナ!!!さぁ、言うんだ!!!」 レナは俺の顔から目を背けていたが、その言葉で意を決したように、俺に泣き腫らした瞳を向けてきた。 「レ、レナのオマンコをッ!思いきりズコバコして下さいッ!!レナをいっぱいいっぱい幸せにして、オチンポで気持ち良くして下さいッ!!! このままじゃ、レナのココ、切なくておかしくなっちゃいそうなのッ!! …レナを、『オヤシロさまの祟り』から守って!圭一くんのオチンポで、レナの穢れた身体を綺麗にしてッ!!!」 涙ながらに哀願し、自らオマンコをグチャグチャといじって俺を受け入れようとするレナの姿を見て、俺はこの上ない満足感を得た…。 …堕ちたな、レナ…今この瞬間に、お前は俺のモノになったんだ…これから俺無しでは生きられない、俺の忠実な僕として生きることになるんだよ…! 「ふ…ふふ…あはははははははは!!!!」 俺は堪えきれずに笑い声を上げてしまう。 だがレナは、俺に構わず自分自身を慰めていた。もはや、更なる快楽を貪りたいという一念以外に無いのだろう。 「…んぅ…ん、あ、は、はぁ…け、圭一くぅん…もう、レナね、レナね…」 「くっくっくっく…ああ、そうだな…レナ、俺と一つになろう。レナはもう、オヤシロさまの祟りを恐れずに生きていける。俺がこれからずっと側にいるのだから…」 「圭一くん…」 甘い言葉とともに口づけると、レナの頬に涙が一筋伝う。 貪るようなキスを交わした後、レナのオマンコに俺自身を突き立て、ゆっくりと挿入していった。 次回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ参〜<捕食>
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黒沙都子×白梨花(賽殺し編)からの続き そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。 「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」 そして、全部脱がせて裸にしてやった。 古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。 やだ! やだやだやだ!! なんで、私は裸にされてるの!? 私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。 そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。 なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。 もしかして、このための……? そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。 「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」 そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。 「……んっ」 あれ……? 手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。 なんだろ……もっと触ってみようかな。 「んっ……あっ……」 なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの? もっと触ってみよう。 ちょっとだけ、つねってみようかな? 「んぁっ……あぁ……」 やっぱり……。 なんか、変な声をあげて面白い! もっとやってみよっと……。 身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。 なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。 そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。 「んぁっ……くっ……」 ダメ。 「あんっ……んくっ……」 声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。 それに、なんだか気持ちいい……。 私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。 ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。 そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。 いったいなんでこんなことになるんだろう。 ……家に帰ったら、自分でもやってみようかな? そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。 「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」 「ホントだー!」 「もしかして、おもらししちゃったのー?」 「かっこわるーい!」 北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。 それに、おもらしっていうのも気になる。 おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。 「んああぁっ……あぁんっ!!」 身体にまた電流が走る。 北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。 そして、そこを触られて。 私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。 「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」 古手さんが、高い声をあげる。 私は、それをただ見てるだけ。 でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。 今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。 古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。 「んあっ……ひゃあああっ!!!」 古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。 はぁ……はぁ……。 身体が、熱いよ……。 なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。 さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。 そして―――― 「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」 今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。 高い声を―――― 「……はぁ……はぁ」 私、どうなっちゃったんだろ……。 なんだか身体がガクガクするよ……。 疲れちゃった……。 古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。 本当に、どうなってるんだろ……? 後で自分で試してみようっと。 fin.
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誕生日裸祭り事件・前編 誕生日裸祭り事件・後編 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ついに俺の一人勝ち。 最初のターゲットは・・・パンツ一枚の沙都子! 「わかるなぁ、沙都子ぉ~?そのスジをさらすんだー!!!!!」 「ふ・・・ふ・・・・・・ふわあああああああああああん!!!!!!!!」 沙都子は号泣しつつ、俺にパンツを投げつけた。 一緒にバレーボールやバスケットボールまで飛んできたが、スジを垣間見ることに成功した俺は満足だった。 「最下位は沙都子に決まりだね!」 「わたくしの誕生日ですのにー!!!」 「沙都子ー、全部終わるまで着ちゃ駄目ですよー?」 「はぅー。涙目の沙都子ちゃんかぁいいよ~」 「かわいそかわいそなのです♪」 主賓といえども容赦はしない。 それがわが部活の恐ろしさだ。 次のターゲットは、沙都子と同じくパンツ姿の魅音。ただし上はセーラー服だ。 「パンツだ、魅音!それ以外は許さん!!!」 その言葉に魅音は何故かにやりと笑い、するりとパンツを脱いだ。その下から現れたのは・・・紐パン!? 「くっくっく。圭ちゃんが思いつくようなこと、おじさんが気づかないと思うー?」 「ふーん。これはこれでいいもんだな。じっくり見られるし」 至近距離から前後左右、舐めるように魅音の紐パン姿を鑑賞する俺。 紐に縛られた豊かな尻周りの肉付きは実に見ごたえがある。 「ちょ、圭ちゃん!?」 ガスッ!!!!! 「圭一くん。何してるのかな?かな?」 レナぱんによって紐パンから遠ざけられる俺・・・。 「わかったわかった。次はレナだな?」 「はうっ!?」 墓穴を掘ったことに気づき、うろたえるレナ。 スカートはあえて残し、タンクトップを脱いでもらう。 これで上半身はブラ一枚。 「はぅううう・・・」 これで形のいい乳が鑑賞できるぜうへへ。 シュミーズ姿の梨花ちゃんに指令。 「わかったのです」 梨花ちゃんがシュミーズを脱ぐと・・・その下はビキニだった。 肩紐のないタイプなので気づかなかったぜ・・・。 「まだいけるのですよ。みぃ?・・・あまり見ても面白くないのですよ・・・」 後ろを向いてしまう梨花ちゃん。 確かにレナや魅音と違って、あまり起伏というものがないが、それが大事なんだよ! 「俺は十分面白いけどなー」 「梨花ちゃんはかぁいいんだよ!だよ!」 「みー・・・」 本人が気にしている所がまたツボだ。 詩音はブラとパンスト姿。 もちろん、俺の選択は――――。 「( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!ブラを取るんだ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!」 「仕方ありませんね・・・この自慢の乳をせいぜい目に焼き付けなさい!」 バッ!と思い切り良く外された下着が宙を舞う。 白日の下にさらけ出された二つの大きな塊には男の夢や希望がぎっしりと詰まっているに違いない。そして、中央には――。 あれ?あるべきものが見当たらなくて、俺は目を凝らす。 「どうしたんですか~?ニプレスなんて常識ですよー?」 夢の山頂は二つの小さな丸い物体で封印されていたのであった・・・。 と、がっかりするのはまだ早い。ほとんどモロだしには変わりないのだから、この機会にしっかり目に焼き付けておこう。 ボヨン。ん?腕に弾むような感触が。 「圭ちゃあ~ん、詩音ばっかり見てないでおじさんのも見てよぉ~」 「ボクの平らなお胸はどうなのです~☆」 ふに。うお。反対の腕にはまた青い果実の甘酸っぱい感触が・・・。 「レナも混ぜて~。はぅ~圭一くんだってかぁいいんだよ~?」 すりすり。 股間に違和感。 ど、どこに頬摺りしてるんだレナぁ~~~!!! 「――沙都子」 「これでも喰らえですわぁ~!!!」 詩音の合図で俺たちはタライの山に埋められた。 「ふぇえええええええええ!!?」 「終わりですね。お姉」 魅音は最後に残った紐パンを、半泣きでゆっくりと脱ぐと、その場にへたり込んだ。 「はぅ~!!!!!」 ばったり。 ブラを外して力尽きたレナ。 沙都子と魅音が部屋の隅へと引きずっていく。 勝負は、俺と梨花ちゃんと詩音の三人に絞られた。 「よい!!!!」 梨花ちゃんと詩音がチョキ、俺は・・・パー。 今は再びブルマ姿。靴下も上着ももはや無い。 「圭ちゃん~?」 「圭一~?」 みんなの期待に応えて俺は――。 「――やりますね」 「みぃ」 「いや~、日本人なら褌だよなー!身も心も引き締まるぜー!」 褌一枚で仁王立ちする俺。見た目だけならブルマよりも遥かにましだ。 「褌はやっぱりあの食い込みだよねぇ」 「はぅ~。圭一くんのお尻かぁいいよ~」 背後から身の危険も感じるが。 何度か際どい勝負が続いた後、再び俺にピンチが訪れた。 「さあ、圭ちゃん。度胸を見せて下さい」 「みぃ。決心がつかないなら、ボクが手伝ってあげるのです」 「それには及ばないぜ・・・。よくここまで来たもんだ・・・」 ゆっくり紐を解く。 「だが、まだ終わっちゃいねえ!!!」 みんなの目が点になる。 俺の股間には紐を通した葉っぱが一枚。 あらかじめ柏餅用の葉っぱをこっそり仕込んでおいたのだ。 「・・・くすくすくす。あっはっはっははははははははは!!!面白い、面白いわ、圭一!!!あなたはどこまで私を楽しませてくれるのかしら!?おいで、葉っぱ男。――遊んであげるわ!!!」 「みぃーーーーーーーー!!?」 激戦の末、とうとう梨花ちゃんが脱落した。 もはや上だけになったビキニを脱ぐ。けだるい仕草が妙に色っぽい。 「やっぱりあのセリフは負けフラグよね・・・」 その場に体育座りをして見物に回る梨花ちゃん。 残る敵は詩音のみ。 静寂が訪れる。 衆人環視の中、俺と詩音は最後の封印、葉っぱとニプレスの存亡をかけて、最終決戦に挑む!!! 「覚悟しろ、詩音!そのいまいましい代物は俺様がじきじきに剥ぎ取ってやるぜぇーーー!!!!!」 「ふっ!圭ちゃんこそかぁいいオットセイの虫干しの準備はいいですかぁ~!!!?」 「野球~す~るなら!こういう具合にしやしゃんせ~」 グーか?チョキか? 「アウト!」 それともパーか? 「セーフ!」 選択肢は三つだけ。 「よよいの・・・」 シンプルなルールだからこそ先が見えない。 「よいッ!!!!!」 勝負だ詩音ーーーーーーーー!!!!!」 光がまぶしい。 「ん・・・?」 もう朝か。 夕べは楽しかったな。 綿流しの日以来の大騒ぎ。 何だかスースーする。 ああそうか。 結局全裸のままで寝てしまったのか・・・って、え!? 目を開けた俺は異様な状況に気づいた。 魅音と詩音が両腕にぶら下がっている。 梨花ちゃんは横にくっついており、レナは・・・頭を下にして、こっちに尻を向けていた! いや、沙都子が股間に頭を乗せているのに比べれば大したことでは――。 「ふ、ふええええええええええ!!?」 「はうーーーーーーーーーーー!!?」 決定的な問題は、全員が全裸ということだ。 ほぼ同時に魅音とレナの悲鳴が上がる。 「うーん・・・。にーにー・・・」 「うるさいですねぇ・・・。夕べは遅かったんですから、もうちょっと寝かせて下さいよぉ・・・」 魅音とレナは飛び起きると、ほれぼれするようなスピードで服を着始めた。 「ぎゃあああああああああああッ!!!何するんですのこの変態ッ!!!!!」 沙都子に蹴りを入れられながら、梨花ちゃんを起こす。 「起きろ、梨花ちゃん!あれから何があったんだ!?」 「みー・・・。優勝は・・・」 ゆさゆさと揺さぶられ、目を閉じたまま梨花ちゃんは夕べの出来事と語った。 二つの拳はグーとパー。 勝ったのは・・・。 「もらったああああああああああああ!!!!!」 「ひぎぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 詩音が葉っぱをもぎ取った。 「圭ちゃんのオットセイは元気だったかなぁ~?くっくっく!!」 「お持ち帰りぃ~!!!」 「オットセイさん、こんにちわなのです」 「やめてー。つつかないでー。らめええええええええ!!!!!」 「商品は頂きましたよ!あははははは!!!」 「ふわああああああああああん!?」 ドタバタ。 こんな調子で大騒ぎの中、長かった戦いは終わりを告げた。 「ふう・・・。一人だけ仲間外れというのも寂しいもんですねぇ。ええい、こんな物取っちゃええええええええ!!!」 ついに詩音までが自らニプレスを剥がして騒ぎに加わった。 しばらくみんなで全裸のまま追いかけっこをしていた記憶はあるが・・・。 「詩ぃの勝ちなのです~・・・。沙都子は一週間詩ぃのペットなのです~・・・」 「いやあああああああああ!!!」 沙都子の悲鳴で、梨花ちゃんがぱっちりと目を開ける。 目の前の全裸の俺に目を見張り、自分の体を見直すと急激に蒼ざめ――台所に逃げ込んだ。 魅音も服を着ると、何も言わずに涙を振りまきながら外へ飛び出して行った。 「た、楽しかったね・・・。えへへへ」 レナも取り繕うように照れ笑いをしてそそくさと帰ってゆく。 げしげし。 沙都子に蹴られながら着替えをする。 着替え終わった詩音が沙都子に服を着せていた。 「変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!」 「はいはい沙都子ぉ~。変態の圭ちゃんは放っておいて、一緒にマンションに帰りますよぉ~」 「・・・みぃ~。誰か、ボクの服を取って欲しいのです・・・」 台所から梨花ちゃんの哀れな声がする。 「これかぁ?」 「みぃッ!?近寄らないでよッ!!!」 「え!?別に何も見てな」 「梨花に何する気ですのこのド変態めええええええええええええッ!!!!!」 ドラップの嵐が吹き荒れる中、俺の意識は再び闇に落ちていった・・・。 「レナ・・・私もう学校行けない・・・」 「魅ぃちゃん、忘れるんだよ・・・だよ・・・」 階上の騒ぎをよそに傷を舐めあう二人。 だが、この「誕生日裸祭り事件」は、その後も忘れられない思い出として長く語り継がれ、 ことあるごとにほじくり出されてはみんなの古傷をえぐるのであった・・・。 終わり
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「あの・・・その・・・」魅音が真っ赤になりながら、何か言いたそうだ。鈍感な俺でも、何が言いたいか分かるぞ。 「圭ちゃん・・・好きです・・・付き合って下さい。」 部活とかで、見せる表情じゃない。凄く可愛い 「魅音・・・真剣に考えたいから、返事は少し待ってくれるか?気持ちは嬉しい有り難うな」 「うん・・・分かったよ。私の気持ちを聞いてくれて有り難う」 まだ、真っ赤になりながら走っていった。 てか、どうしよう?魅音は男友達って感じだった。普段の接し方から、気づかない俺はやっぱり鈍感なんだろうな。 この後、レナにも呼ばれていたな。まさか・・・?いやいや有り得ない。 予想は、的中した 「圭一くん・・・あのね・・・好きです。付き合って下さい。」 「レナ・・・少し待ってくれるか?真剣に考えたいから・・・気持ちは嬉しい有り難うな」 「今すぐじゃなくても良いんだよ?だよ?魅ぃちゃんからも告白されたんだよね?よね?」 「なっ何で知っているんだよ?」 まさか・・・?何かの罰ゲームか?俺が居ないときに、部活でもやっていたのか? 「実はね、魅ぃちゃんから電話があったんだよ 圭ちゃんの事が大好きなんだって。明日、告白するつもりって 私も好きだから、本来なら応援した方が、良いのかも知れないけど 自分の気持ちに嘘をつきたくない。 私も明日告白するって言ったの。」 「そうか・・・しかし、お前ら卑怯だよな?最初罰ゲームだと思ったぞ」 「あはは・・・ごめんね私達の気持ちは本物だよ!だよ!例え、片方を選んでも二人を振っても、友情は壊れないしずっと仲間だよ!だよ! それだけは、分かって欲しいかな?かな?」 「勿論だ!」 俺達は、家路についた 眠れない。 魅音の事も、レナの事も好きだ。 魅音は、普段は園崎家次期頭首として、色々大変らしい。学校ではクラス委員長として部活の部長として頑張っている。 尊敬に値する奴だ。 さっき見せた、可愛い表情は可愛かった。 レナは、俺が雛見沢に引っ越してから色々面倒を見てくれた。才色兼備だ。料理も上手い頭も良い(天才だと思うのは俺だけ?) 理想の女の子だと思う かぁいいモードは・・・それは、置いておいて 俺はIF世界で二人に酷いことをした。謝っても許されないとんでも無い事梨花ちゃんは許してあげましょうって言われた。でも、今居るこの世界は、俺が望んだ世界。 誰も死んでいない。殺してもない。沙都子もイジメに合っていない。悟史も居る。(詩音と付き合っているらしい) 俺は悩んだ末・・・ 「あのさ・・・真剣に考えた。俺は・・・レナの事が好きだ!これからは恋人としてよろしくな。」 「・・・・・・へ?私を選んでくれたの?はぅ~嬉しいよ!こちらこそよろしくだよ!だよ!」 俺がレナを選んだのは もう一つのIF世界レナが親父さんの事で悩んでいて誰にも相談しないで リナっていう女と沙都子の叔父の鉄平を殺して 更に、クラスのみんなを人質に籠城する。 そんな悲しいIF世界で俺はレナと屋上で戦ってレナは自分の過ちに気付いた。それは凄いことだ その時俺はレナを守りたいって思った。 今居る世界では、レナの事女として、見てた。 自然に惹かれていったのかも知れない。 「魅音・・・すまない レナと付き合う事にした真剣に考えた末だ これからは友達として仲間としてよろしくな。」 「何となく圭チャンがレナを選ぶって思ったよ おじさんのナイスバディを選ばないなんて勿体ないなぁ~くっくっくっ これだけは、約束して!レナを幸せにして! もし、泣かせるような事をしたら絶交だからね。分かった?」 「あぁ勿論だ!約束する。」 「じゃあね・・・そうそう部活の時は、用心するんだねくっくっくっ」 怖い・・・部活の時は、今まで以上に気をつけないと 最後魅音泣いていたな・・・ 俺とレナは正式な恋人になった。 学校では、今までと一緒で部活やって馬鹿やってただ、部活の罰ゲームが更に凄いことになった 何でスク水に猫耳尻尾鈴付いて校庭走ってる俺が居るんだ? 魅音は何時も通り接してくれている。しかし、レナも容赦ねぇ(泣) 悟史の野郎最後に裏切りやがった(部活のゲームは某ざわざわ漫画でもお馴染みのカードじゃんけん) そして、俺とレナが付き合って1ヶ月過ぎた頃 親父の仕事で母さんと親父は東京に行った。 そろそろ良い時期だよな? 「レナ今度の土日家に泊まりにこないか?食事のこともあるし・・・そろそろ・・・な?」 「あぅ~圭一くん変な事考えている・・・でも、良いよ分かったよ。お邪魔するね」 レナは夕方過ぎに来た。「お邪魔します。夕飯は腕によりをかけて作るよ!」 「おう!楽しみだぜ! 朝から何も食べていないから腹ペコペコ何だよ」 「あはは・・・圭一くんカップラーメンぐらい食べれば良かったのに」 「レナの料理は美味いのは知っているからな。腹を減らして一杯食べるつもりだったからな。 学校で食べる弁当とは違って彼女としての手料理を食べれるのだからな。彼氏の特権だな」 「はわわ・・・何か恥ずかしいかな?かな?」 今回はからかうのは無しだ。本当に楽しみだからな。 エプロン姿のレナって可愛い良い奥さんになるな。結婚したらどれだけ幸せだろうな? 「なぁレナ?お前は良い奥さんになるよなぁ~ 家事全般得意だし何より可愛い完璧だよ 流石未来の俺の奥さんだな!」 「みっ未来の奥さんって?はぅ~はぅ~」 おいおいレナさん? 常人の速さを超える包丁さばき 見てる方が怖いのですが? 相変わらずレナの料理は美味かった何時も以上に美味かった 一緒にテレビを見ながらまったりとした時間を過ごした。 「風呂入るだろ?沸かしてくるよ。一緒に入るか?くっくっくっ」 「わっわっわ・・・入らないよ~」 「冗談だぞ!風呂沸かしてくるよ」 「本当かな?かな?」 やっぱりレナはからかうと面白いな 「レナと付き合えて幸せだよ!心が暖かくなるって言うか毎日が更に楽しいよ。有り難うレナ」 一つの布団に二人で入っている。何だか素直になれた。 「私も圭一くんと付き合えて幸せだよ!だよ! あのね信じてもらえるか分からないけど今居る世界と違う世界の記憶がうっすらだけどあるんだ。 その世界は、お父さんが水商売の女性と良い仲になって家にまで来るようになったの。お父さんねお母さんと離婚してから無気力になって寂しかったんだね。 でもお金使い荒くなったの慰謝料沢山貰ったから余計にね。 その女がゴロツキの男とくっついていて二人は美人局をして、お父さんからお金を取ろうとした たまたま私は、その現場を見た 私は止めようと一人で悩んだ みんなに相談すれば良かったんだろうけどその世界の私はみんなを信用してなかったんだ。 一人で悩んだ結果2人を殺してしまう。 2人の遺体を部活メンバーのみんなに見つかってさっきの話をみんなの前で話した。 あんまり覚えていないけど多分圭一くんに仲間の本当の意味、大切さを教わった その後もみんなに迷惑かけた学校を籠城した。 魅ぃちゃんを傷つけ更に爆弾を用意して・・・」 レナは涙を流しながら話した。 まさか俺と同じ記憶を持っていると思わなかった実際は今居る世界が本物だからその記憶自体曖昧だけど 俺は何も言わず抱きしめた 「レナ今の過ごしている時間が本当の世界 俺は此処にいるずっと居るだからもう泣くな。 レナを一生涯守る魅音と約束したしな。」 「有り難う圭一くん・・・好きになって本当に良かった」 自然にキスをした。 「ん・・・はん・・・」 レナのパジャマ姿可愛すぎだぞ・・・ 全身ピンク色のパジャマレナに合っているな 舌を入れて少し激しいキスをしてみた。 「あっ・・・圭一くんの唇暖かいよ?安心する・・・あん」 それなりに大きい胸を触りレナの秘所の所を触った。湿ってるな・・・ 「かぁいいパジャマ脱がすぞ」 下には白いブラとショーツが見えた。 何だかレナらしい。 形の良い胸がさらけ出した。ピンク色の乳首もかぁいいな。 「圭一くん・・・恥ずかしいよ~はぅ~」 俺も初めてだから緊張している。優しく抱きしめてお互いの緊張をほぐしてみる。 「レナ・・・こうしていれば大丈夫だ!」 「うん!温かいよ圭一くん・・・安心する」 もう一回キスをして愛撫した。 「あっ・・・ふぁ・・・んっあん」 乳首が固くなった。 さっきより濡れているなそろそろ良いだろか ゆっくり秘所に息子を沈めた 「ひっ・・・んーーーーー」 「大丈夫?レナ?」 「うん!少し痛いけど大丈夫だよ!だよ!好きな人と一緒になれたんだよね?嬉しいよ・・・」 「あぁレナの中温かいな俺も嬉しいレナと繋がっている」 少し時間を置いて腰を動かした。 「あっあっあふん・・・圭一くん気持ち良いよ 圭一くんの体温が感じる」 レナ・・・レナ・・・愛してる。 そのまま果てた・・・ 「レナ大丈夫か?」 「うん!凄く幸せだよだよ!」 ずっとずっとレナと一緒に居よう END
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…梨花ちゃんと口付けをして肌を触れ合った日から数日がすぎた。 あれから、みんなの前では梨花ちゃんは前と同じように俺に接してくれる。 魅音もレナもそれに安心したようで部活も大いに盛り上がっている。 時々、レナが梨花ちゃんに何かささやくたびに、真っ赤になる梨花ちゃんを見て 少々不穏なものは感じているのだが… 「おっしゃ!!これで今日は俺の勝ちだな!!」 大富豪で革命を起こし一気にトップに躍り出た俺はそのままトップを維持し、 勝利をもぎ取った!めずらしく今日の罰ゲームは魅音だ。 「さて、魅音。今日負けたらメイドさんの格好をして 校長先生の頭をなでにいくんだったよなぁ…」 「にぱー。 きっと魅ぃはエリアルコンボをくらって星になってしまうのですよ かぁいそかぁいそなのです」 「おーほっほ。 残念でしたわね、魅音さん。さて、覚悟を決めてくださいまし」 わいわいと罰ゲームに決定した魅音を攻め立てているうちに、 さりげなく梨花ちゃんが隣に立つ。 周りの皆にあまりばれないように、としているつもりみたいだけれど 梨花ちゃんは以前にもまして甘えてくるようになったと感じる。 俺は、こんなときはまず梨花ちゃんの頭に手を置いて髪をなでてやることにしている。 梨花ちゃんもそれを望んでいるようで特に抵抗されることもない。 ただ、今日はいつもとちょっと様子が違った。 何かを言おうとしてこっちをみたまま必死で口をぱくぱくとさせてくる。 俺はちょっと首を傾げつつ、梨花ちゃんの次の言葉を待った… 「あ…あの…圭一…、今日の放課後、時間はありますですか?」 私は何度か声にならない声を出しての予行演習の後、思い切って声を絞り出す。 今日は私の炊事当番だ。だから買出しは私の仕事。 それに事前のレナからの情報で今日圭一の両親は留守とのこと。 だから、きっと大丈夫。なんども心に言い聞かせる。 どうにも先が見えなくなってから私はひどく臆病になってしまったかもしれない。 とても楽しみで、どきどきして、でもとても不安なのだ。 断られたら…、と言う不安と。一緒に行けたら…という期待と。 両方の思いを込めて圭一を見つめる。 「いいぜ、どうせ今日は帰ったらすることもないしな。 学校から直行するのか?」 「は、はい…なのです。よ、良かったら圭一の分も作るから一緒に…」 「ん…夕飯までご馳走になるのは悪いけど…いいのか? ちょうど今日は俺一人だから好都合ではあるんだけどな」 圭一が何かを思い出したのかちょっと恥ずかしそうにぽりぽりとほほを掻く 「にぱー。 さ、沙都子と羽入も一緒の予定なのです。みんなで仲良く食べるのですよ」 本当は二人っきりの方が都合が良いのだがその場合は私の心臓が持ちそうにない。 二人っきりで食事を作ってなんてまるで夫婦…。 まてまてまて、何を考えてる古手梨花。羽入も沙都子も一緒。だからそんなことにはならない! だから静まれ、この頬の熱…!沙都子や魅音に気が付かれる! 真っ赤になったまましばらく圭一の手の感触に幸せを覚えるのだった… 梨花ちゃんからのお誘いに正直俺は驚いていた。 今日は両親がいないから買い置きの豚骨しょうが味のカップラーメンで 済ませようと思っていたところだった。 もしかしたら、レナあたりからの差し入れには期待していたが梨花ちゃんからの誘いは ちょっと意外だった。 部活メンバーと別れ、二人で買い物に行く。 そして梨花ちゃんがやっぱり村の人気者なのは代わらない。 俺は荷物持ちに専念。梨花ちゃんは村の中で買い物をおこなうとサービスが多い。 俺と言う荷物持ちいるからか、遠慮なくいろいろと持たせてくれる。 本来の買い物より多いんじゃないか…これ… 「梨花ちゃん、相変わらず人気者だな」 「…どうせ、みんな古手梨花としては見ていないのです」 「え…?」 「みぃ、なんでもないのですよ。 圭一早く次いくのです」 梨花ちゃんに促されて足を速めたのにあわせて歩いていく。 でも、さっきの言葉が心に引っかかった。 そしてすぐに思い当たることがある。 梨花ちゃんは村の人にもともと好かれる「オヤシロさまの生まれ変わり」だと。 「村の連中がみんなそんな目で見ているわけじゃないだろ。 少なくても俺やレナ、魅音や沙都子はオヤシロさまの生まれ変わりだ、 なんて特別扱いする気はないからな」 頭に手をのせてゆっくりと撫でて行く。 少々不満そうな目線で見上げられるが、抵抗する気はないらしい。 此処最近の梨花ちゃんをみていると女の子なんだといっそう意識する。 そういえばコレって梨花ちゃんと二人きりで買い物って… 「これってデートみたいだよな…」 言葉にして体がかっと熱くなる。二人っきりで村の中の店を回ったわけだから 宣伝しているのも一緒と言うことで…。いや、考えすぎだ前原圭一。 梨花ちゃんの面倒を見ている前原屋敷のせがれ…くらいのものだろう。 見れば梨花ちゃんも真っ赤になって抗議の視線を向けていた 「け、けけけ…圭一っ、な、ななんてことを言うのっ! で、でも、圭一となら…嬉しいのです…」 梨花ちゃんが体をぴったりと寄せてくる。 梨花ちゃんの感触にこの間のことを思い出しさらに真っ赤になる。 「さ、さあ、もう買うものはないのか…?」 「あ、ま、まだあるのです…」 さらに、二三件回ったところで買い物は終了となる…。 「おんやぁ…梨花ちゃま。今日は将来の婿殿といっしょかえ?」 そんなことを言われて二人して硬直したのだが。 …時々私は馬鹿じゃないかと思う。 せっかく圭一との仲はひっそりと深めていこうと計画していたのに、 こんなに目立つことをすれば村のうわさになるのは当然ではないか。 村の皆への不満はやや八つ当たりだった。 ただ、その後に圭一が頭をなでながら話をしてくれる。 言われなくても感じていることだったが、口にしてくれるとなお嬉しい。 「これってデートみたいだよな…」 この言葉はそんな嬉しさに心に隙が生まれた瞬間に届いた。 頭が真っ白になるのと同時に一気に混乱が押し寄せてくる。 「古手梨花」を演じられないほどに心がざわめく。 つまりつまり、デートを皆に見られている、というかむしろ宣伝していると言うか。 思わず時を止めて圭一とともに全力で逃げ出したいとさえ思う。 そんな思いをこらえるように思い切り圭一にすがりつく。 買わなければいけないものはまだあるのだ。 自分の体がにげないようにと、しっかり圭一の体を感じつつ その香りに幸せをかみ締めていた ……帰ってきて、私は完全にしてやられた、と思った。 仕掛けの犯人はレナだろう。 …実はレナにはすっかり私のことはばれているようだ。 レナほど鋭くて頭の回転が速ければ私の行動の意味などはばればれだろう。 そもそも、圭一を私の家に送り込んだのがそもそもレナだったこともある。 今日のこの状況からしてもレナはどうやら私を応援してくれているらしい。 「予定外で困るのです…」 帰ってきて返事がないのを不思議に思ったのが第一。 つづいてテーブルの上に置手紙。沙都子の筆跡で書かれていた内容は以下の通り。 「レナさんにお呼ばれしましたの。羽入と一緒にお食事して参りますわ。 梨花もよろしければいらっしゃいまし。 必要がなければ自分で作って食べてくださいな」 羽入も一枚噛んでいるとみて間違いはない。 …この恥ずかしさはどうしてくれようか。後で激辛キムチでも準備しよう。処刑用で。 圭一と二人きり。 考えれば考えるほど顔から火がでそうなシチュエーションだ。 今こうして食事を作る間にもこの心音が聞かれているのでは、とすら思ってしまう。 ちらり、と視線を送ると圭一も私の方を気にしてくれていたらしい。 目が合ってしまい、あわてて目をそらす。 圭一も二人きりの事を意識してくれているんだろうか…。それとも平気なんだろうか…。 緊張でいつもの倍くらいの気合と時間をかけて料理しながら、不安と期待を心に抱いて、 食事の準備を続けていく… …正直梨花ちゃんと二人きりになるとは思わなかった。 「落ち着け、クールになれ、前原圭一。 此処には食事をしに来たんだ。梨花ちゃんを襲うために来たんじゃないだろ」 梨花ちゃんと二人きり、というシチュエーションが否が応でも前回の記憶を引き出す。 あのときの感触を思い出すとどうもこちらから襲い掛かってしまいたくなる。 梨花ちゃんが制服のままエプロンを付けている姿はかわいい。 そう、幼な妻が夫のために健気に食事を作るときの魅力とでも言おうか。 お盛んな夫婦が朝食をつくっている奥さんを襲うきぶんというのはこんな感じだろうか。 そして今この場所は梨花ちゃんが寝泊りしているところだと改めて意識をする。 なにもしないでじっとしている、というのもどうにも性に合わない。 「なぁ、梨花ちゃん。俺にも手伝えることは何かないか?」 「みー、圭一に料理を任せるのは怖いので食器を準備してもらえますですか? そこの棚に入ってますですから」 「よっしゃ。任せとけ!」 来客用なのだろう。あまり使われている様子はないがきれいに拭かれている食器を準備する。 「そこにおいてくれると助かるのです。今煮物をそこにもりつけますから。 盛り付けたらもって行ってくれると助かるのですよ」 そんなやり取りを行いながらできたものから順番にテーブルに運ぶことにする。 体を動かしていたほうがいろいろ考えなくて良い。 そして、今日のメニューがそろっていく・・ 圭一に配膳だけを手伝ってもらい、今日の食事の準備が完了した。 「お待たせしましたですよ。いっぱい食べてください、なのです。にぱー」 「おう、それじゃ、遠慮なくいただくぜ」 私は圭一が食べ始めるのを座ってじっと見つめる。 失敗はしていないはずだ。だからきっとおいしいはず…。 期待と不安と交えつつ圭一が食べるのを待つ…。 味噌汁、煮物、ご飯…と一通り口にした圭一が笑顔を見せてくれる 「さすが梨花ちゃんだな。ちょうど良い味になってるぜ? 梨花ちゃんも食わないと俺が全部食っちまうぜ?」 「みー。ボクもちゃんと食べるのですよ。 圭一があまりにもおいしそうに食べてくれるので嬉しかったのです」 圭一の笑顔に鼓動の高鳴りを確認しながら、笑顔で返す。 「ボク」に比べてかわいげのない「私」は圭一の前ではできるだけ控えるようにしている。 普段圭一が見ているのは「ボク」だ。 だから「私」を全面にだすようになればきっと嫌われる。 部活のメンバーとの食事のときのようなにぎやかさはない。 いつもと比べて圭一も私も口数は少ないのだけれど、どこか暖かい。 圭一も緊張してくれているのだろう。顔が赤かったり、動きがぎこちなかったりしている。 その様子をみて、ちょっと安心している自分が居る。意識しているのは私だけではないんだと。 ちゃんと私を女としてみてくれているんだと。 そう思うと頬の熱の高まりと共に安心感が胸のなかに沸いてくる。 沙都子が帰ってくるまで、もう少し圭一に甘えたい、と思う…。 「ふぅ…ごちそうさま。美味かったぜ」 …食事の味は実際にはあまり覚えてなかった。 隣にいる梨花ちゃんの事を意識していることの方が大きかったからだ。 そんなことを言ったら悲しませるので言うことはないが。 「お粗末さまでした。なのです」 俺が空になった食器を運ぼうとすれば、梨花ちゃんはボクがやるのです、といってさせてくれなかった。 仕方がないので、てきぱきと梨花ちゃんが片付けていく様子を見ることにする。 どことなく動きが硬い気がするのは気のせいだろうか…。 しばらく台所の方で動き回っていた梨花ちゃんは食後のお茶を準備していたらしい。 二人分のお茶をテーブルに置いてくれたその後、無言でぴったりと俺に擦り寄って…。 「り、梨花ちゃん…?」 「け、圭一……あの……」 ごく、とつばを飲み込む。梨花ちゃんの香りが俺の鼻腔をくすぐる。 梨花ちゃんが真っ赤になりながらこちらを潤んだ瞳でじっと見つめてくる。 こういう目をするとき、梨花ちゃんが何を求めているか、察した俺は小さな体を抱きしめながら、 梨花ちゃんの唇へと口付けをする。 ……あれ以来、梨花ちゃんは二人きりになったとき、よくキスを強請って来る。 梨花ちゃんと触れていたい俺としては好都合なので断ることもない。 唇を絡ませるような深いキスの方が好きなことを知っている俺は、 唇を舌でつついてやり、梨花ちゃんの口内へと舌を差し入れていく。 互いの唾液を交換するような舌の動きをするほどに、 梨花ちゃんとつながっていくような気がする。 最初に肌を重ねたときのようにまた、梨花ちゃんの胸へと手を当てる。 前回と違うのは制服の上にエプロンがある、と言うことだ。 「梨花ちゃん…、触ってもいいだろ…?」 「きょ…今日は沙都子がいつ帰ってくるかわからないの…です。 本当は圭一の好きにされたいのですが…」 プルルルルル… プルルルルル… 抱き合ったまま沙都子が帰ってきたときのようにびくっと体を振るわせる。 突然の電話に狼狽したまま梨花ちゃんが慌てて離れ、 顔を赤くしたまま電話に出る。 「…は……え…、じゃ…ちょ…」 なにかいろいろと話しているようだが此処からはよく聞こえない。 口調からすれば部活メンバー、もっといえば沙都子のようだが… しばらくの時間が相手からゆっくりと梨花ちゃんが帰ってくる。 うつむいていてどこか元気がないように見える… 「どうかしたのか?梨花ちゃん…」 「け…圭一…あの…良かったら今日泊まって行きませんですか?」 どきん、と胸が高まる、いやいや、落ち着け前原圭一。 今日は沙都子が帰ってくるんだろ、だからそんなことにはならない。 深呼吸をしてから改めて問い返す。 「お、俺は嬉しいけど、いいのか?沙都子も帰ってくるだろうし」 「そ、それが…、沙都子は今日レナの所急遽泊まるって今電話が… なので…圭一さえよかったら今日泊まって行って欲しいのです… そして…」 ぺたん、と梨花ちゃんが俺の前に座る。 うつむいていた表情がここではっきりと見える。 真っ赤になっているが、上目遣いで瞳を潤ませて居る。 ゆっくり緊張しながら梨花ちゃんの体を引き寄せて抱きしめる。 「梨花ちゃん…良いんだよな…?」 「…圭一以外には許したくないのです…、 そ、それと…二人きりの時には……り、梨花…って呼び捨てにして欲しい。 みんなの中でわた…ボクだけ呼び捨てじゃない…ですから」 抵抗されることなく俺の腕の中にすっぽりと梨花ちゃんが納まる。 此処が自分の指定席だと主張するように服をしっかりとつかんで離さない。 「わかったよ。梨花…でいいか? なんかちょっと気恥ずかしいな」 俺は恥ずかしさをごまかすために梨花ちゃんに口付けをすることにした…。 ……レナはどこまで私に不意打ちをしてくれれば気が済むんだろう。 圭一の腕の中でその体温を感じる幸せに浸りながら、ぼんやりと考える。 今夜は二人きりで泊まっていって、なんて、どこかのドラマみたいな展開だ。 実際に言ってみて、やっぱり恥ずかしかった。 そして、圭一との距離をもっと縮めたくて、ぼんやりした頭で名前だけで呼んで欲しいと強請る。 あまりにもボーっとしていて思わず呼び方を間違えそうになってしまう。 でも、圭一のはずかしそうな表情を間近で見ることができた。 うれしい、と感じる間もなく唇を圭一に奪われる。拒む要素はない。 圭一との口付けの甘さに頭の中がさらに融けていく。 「ボク」の仮面はヒビだらけだ。嫌われるかもしれない、と思っても感覚に逆らうほうがつらい。 さっきの続きを体も心も求めている。 圭一の手が胸に触れた。一度経験はしていてもやっぱり不安はある。 沙都子にばれないようにと何度も自慰をして求めた手。 片手で圭一にしがみつきながらも、求めるように手を重ねる。 どきどきと心音だけで壊れてしまいそうな身体。 「…圭一、私を、圭一だけのものにして…。他の誰の物にもしないで…。 そして、圭一も私から離れないで…」 圭一のぬくもりを無くすのが怖い。 そんな私に圭一はぎゅっと抱きしめてくれた。 より体が熱を持つ。熱くて、とても心地良い… 「…離すわけないだろ。梨花ち…梨花はずっとつらかったんだろ。 だったら、俺が居てやる。俺だけじゃない、沙都子やレナや、羽入、 魅音や詩音だって梨花と一緒に居る。きっと、だ」 目を閉じれば圭一の雄姿が目に浮かんでくる。 この圭一は持っていないはずの記憶。大人たちやお魎にも一歩も引かなかった姿。 圭一に服を脱がされていく感触がする。 「いいんだよな…?」 圭一の声がちょっと震えている。顔をみればきっとまた、真っ赤になるだろう。 だから、目を閉じたまま、こくん。とうなずいた。 エプロンも取り外され。胸が空気にさらされる感触がする。 そして素肌に圭一の手が触れる。ぞくっと背中に何かが走る気がする。 自慰の時に思い出しても、再現はとてもできなかった、圭一の手がそこにあった。 梨花ちゃんを腕の中に抱える密着状態で白い肌を暴いていく。 梨花ちゃんとこんな関係になるのを想像していなかった数日前。 目の前の梨花ちゃんを愛しく思う気持ちはここ数日で何倍にも膨れ上がっていた。 「いいんだよな…?」 理性で抑えられるぎりぎりのところで最後の確認をする。 けれど梨花ちゃんは抗わない。 こくん。とうなずいたのを確認してその白い肌に手を這わせる。 こうして抱きしめていると緊張しているとかがちょっとだけ伝わってくる。 まだ未成熟だけれど、確実に存在するやわらかさを手で感じる。 俺はこの白い肌に俺だけの証を残したくなり、胸元に痕が付くくらいに強く吸い付いた 「つっ…」 梨花ちゃんの肌には刺激が強すぎたのかびくっと身体が震えたのがわかった。 それでも、抵抗が無い事を良い事に梨花ちゃんの肌への何箇所にも 口付けを落としていく… 「や…圭一…そんなに吸わないで、お風呂に入ってないから汗臭いでしょ…」 「そんなこと無いぜ…、梨花の匂いしかしないからな…」 梨花ちゃんの身体を持ち上げるようにしながら口づけする場所を増やしていく。 この体勢では梨花ちゃんの表情が丸見えだった。 俺の呼吸も梨花ちゃんの呼吸も、高まりあう。 夏で薄着をしているはずなのに身体が熱くて、服なんか着て居たくない なんども口付けを繰り返していくうちに、梨花ちゃんの胸の先の感触が変わってくる… 「梨花…胸の先、固くなってるぜ…。たしか、こういう時って気持ちよくなってるんだったか?」 どこかの本で読んだ無駄な知識に当てはめつつ、たずねる。 梨花ちゃんはいやいやをするように首を横にふる。 「やぁ…圭一…そんな風に言わないで…恥ずかしい…」 「こっちも確かめないとな…」 「ぁ…そこっ…んっ…!」 真っ白な下着の上から梨花ちゃんの一番恥ずかしいと思われる場所に触れる。 驚いた事にそこはしっとりとした湿り気を帯びていた。 直接の刺激は強すぎるかもしれないと思って、下着の上からなぞり始める。 「や、そこ、ぞくぞくしすぎるっ…あんまり触ったら、私が…んぷ…」 更に何か言おうとする梨花ちゃんの唇をふさぐ。 下着の生地を押し付けるようにしながらなぞっていくと湿った感触が指に伝わってくる。 舌を絡ませて。互いにむさぼるように求めあいながら、下着を更にぬらしてしまおうと 細かく指を振るわせていく…。 やがて、かすかにおくに入り込むような感触とともに何か突起のようなこりっとした感触を 指が感じた瞬間 「~~~~~~!!」 舌を絡めていた梨花ちゃんの身体が思いっきり突っ張る。 一瞬、何が起こったかわからずにびくんびくんと連続して振るえる梨花ちゃんの身体を抱き続ける 少しの間をおいて…ぼんやりとした表情で俺の事を見つめ… 「け、圭一…私…真っ白になったの…。圭一に触られてるところが熱くてぞくぞくして…」 「それって、達した…って奴なのか…?」 「わからない…初めて…だもの、こんな風になったのは…」 多少落ち着いたのか視線をそらして恥ずかしそうに縮こまる。 そんな姿をみて、俺の股間のテントはいっそうそそり立つのだった。 ……私の身体ってこんなに気持ちよくなりやすいものだったのだろうか 圭一に痕をつけてもらった場所が熱い。 圭一が触れる場所がぞくぞくとする。 圭一もこういうことをしたのは初めて…と思っているのだが妙に手馴れている気がする。 熱に融けた思考で、思わずたずねる… 「…ぅぁ…圭一…、妙に手馴れてない…?んっ…」 「俺はこうするのは初めて、だぜ…? そ、そりゃ、本とかには興味はあったけど…、それだけ、相性がいいって事じゃないか?」 気恥ずかしそうに、ぶっきらぼうに、だけど目をそらさずに応えてくれた。 ああ、相性がいいのか…、それならいいかもしれない、と思考を放棄する。 もうひとつ気になるのは圭一のふくらみ、 半裸の姿のまま。圭一のズボンへと手をかける…。受けるだけじゃ…だめよね…。 「梨、梨花…?ちょ…」 「さっき、私はとても気持ちよくしてもらったし… 私だけされるのは嫌…、圭一にもしたい…」 「う…」 うるうるとした瞳で見つめるとしぶしぶながら身体を一度離してくれた。 すこし肌寒くなり寂しさを覚えたが、これは私が望んだ事。 圭一のズボンを下ろし、オットセイを… 「え…け…圭一の…こんな…?」 てっきり、オットセイと思っていた圭一のそこに居たのはかめさんだった。 知識と違う形のそれにまっかになって戸惑う。 「り、梨花ちゃ…そんなにまじまじと見られると恥ずかしいぜ…」 「さっき、私の事をじっと見ていたお返しよ。我慢して」 本当は私の方が恥ずかしくてどうにかなりそうだったけれど、何とか強気に返事をする。 恐る恐る、圭一のかめさんに手を触れる。 ぴくん、とそこが跳ねる。恥ずかしいけれど、ちょっとかわいい、と感じる。 だけど、ここから、どうすればいいのかがわからない…ちょっと戸惑いながら… 「け、圭一は…どうされるのが気持ちいいの?」 「そ、それはだな……梨花の舌で、舐めてもらっても良いか…?」 これを舐める…じっとかめさんを見つめる。 これも、圭一の一部…そう思うと匂いすらもあまり気にしなくなっていく。 舌をだして、ゆっくりと圭一のを舐める。 正直、おいしい物ではない。だけど、圭一に喜んで欲しい、と思ってさらに舐める。 半裸になって圭一のを舐めている自分、味も、匂いもちょっと我慢しているとすぐに慣れた。 それどころか、頭の芯がぼーっとしてくる。 「はぁ…圭一…こう…?」 「そ、そうだ…梨花…の舌…気持ち良い…、やばい、俺、長く持たないかもしれない…」 何が持たないのか…ぼんやりとした思考では思いつかないまま、圭一のをなめ続ける。 さきっぽから、更に味が悪い液体が出てきたけれど、きれいにしようと舐めていく… 「うぁ…、そこ舐められると…やばい…でるっ…」 あ…と思う間もなく鼻先に白い粘着質の液体が張り付いてくる。 すごい匂いに顔をしかめる…コレが…男の人の…精子なのだろうか…。 おしっことはぜんぜん違う匂い…。 「うわっ…梨花ちゃんごめん…。今吹いてやるからちょっとまってくれよ…」 圭一がティッシュを探して戻ってくるまでのちょっとの時間で顔にへばりついている液体を指で触れる。 そしてちょっとだけ口に含んでみる。とても不思議な味だった… 俺は慌ててティッシュの箱を探してきて梨花ちゃんの顔についている俺の出したものを ふき取っていく事にする。 どこかぼんやりした様子なのはきっとこんなのをかけられたショックからだろう。 これは、嫌われたか…?と思うと明日の部活メンバーの様子が恐ろしくなった。 特に沙都子のトラップが…。 人形のような顔立ちの梨花ちゃんの顔に俺のモノがべったりと張り付いている…という絵は 神聖なものを穢して自分だけのものにしたような、そんな屈折した支配欲を満たすが、 このまま、続けてもいいのかどうか、悩む…。 「梨花ちゃ…っと。梨花。大丈夫か…、ごめんな…」 なんどか身体をゆすって正気に返ってもらうようにとする 「あ…圭一…、謝らなくていいわ…でも、気持ちよかったの…?」 「ああ、とっても気持ちよかったぜ…。正直、あそこまで気持ちがいいとは思わなかった」 「よかった…、圭一は満足した…?それとも…」 さきほどまで白濁に汚れていた顔で笑う。その顔を見ているとまだまだ自分も満足はできていない 「つ、続けてもいいのか…?もっと、梨花にいろいろしちゃうかもしれないぜ?」 こくん、と梨花ちゃんがうなずいてくれる。 さっきの梨花ちゃんの自分を俺だけのものにして欲しい、という言葉が、 更に俺の欲望を加速させていく…。 梨花ちゃんの身体を引き寄せるとそのまま、床に寝かせる。 そして、先ほどすっかり湿らせた下着を脱がせてしまう…。 「此処も、きれい…だな…」 「いいえ、そんな事はない、そんな事はないからじっと見ないで…」 「さっき、梨花は俺のをじっとみてたろ、おあいこだぜ」 直に触れるのは初めて。だ。ゆっくりと秘所を開くように指で触れてみる。 「…け、圭一…そんな広げて見ないで。いや、汚いから」 顔を見られたくないのか真っ赤になって頭をぶんぶんと振る。 でも、俺の目には梨花ちゃんのあそこはとてもきれいに見えた。 さっき、俺のものを舐めてもらったお礼。といわんばかりにその場所を舐め始める。 「な、なめちゃ…そこは汚いから…駄目…はひゃっ…」 ぶんぶんと頭をふって嫌がってはいるけれど足の方の抵抗は無いので続ける事にした。 こうしてみると、さっきふれたと思われる小さなものが見えた。 慎重に舌でつついてみる。 「ひぁっ…圭一…そこ…しびれて…さっきみたいに…真っ白に…」 此処が俗に言うクリトリスなのだろうか…と考えながら、更に舐める。 ぴくびくと太ももが震えているのがとてもいやらしく見える… 「梨花…そろそろ…ひとつになろうぜ…」 この俺のものを、巫女の梨花ちゃんに突き入れて、ひとつになる。 魅力的な誘惑に呼吸もあらくなる。 梨花ちゃんも真っ赤になってぐったりとしながらこく、とうなずいたのを確認し、 ゆっくり俺のものを梨花ちゃんのモノにあてがう、 サイズが異なるので、ちょっと不安に思いつつ、少しずつ慎重に腰を… 「ひ、ぎっ…、いやっ、痛いっ…痛いッ!!いやっ…」 わずかに肉棒が中にこじ入れられようとしたところで梨花ちゃんがおもいっきり痛がり暴れる 俺も驚いて思わず挿入をやめる。 はっ、と我に返った様子の梨花ちゃんはひどくおびえた表情を浮かべた。 「け、圭一…ちょっと初めてなのでびっくりしただけよ… 大丈夫…だから…このまま…」 選択肢 このまま、抱く やっぱり抱けない -圭x梨花 2 俺自身もう、止まる事もできない欲望が渦巻いている。 梨花ちゃんの意思を確かめるように一度口付けを行ってから肉棒を梨花ちゃんのそこにあてがう。 「梨花…、次、悲鳴を上げたらここでやめるからな…」 「わ、わかったわ…、圭一…」 こく、とうなずいたのを確認してまた肉棒をゆっくりと進める。 ぐ…と眉を寄せて耐えてはいるけれども、声は出すことがなくなった。 つらそうな様子にやや腰が引けるが、やると決めたからには腹をくくる。 ゆっくりと腰を推し進めていく。 すこしずつ俺のを締め付けてくる梨花ちゃんの中に強く興奮しつつ できるだけ負担を減らせるようにとゆっくり奥へ進む事に意識をさく。 「~~~~~」 声を出さないようにとはを食いしばる梨花ちゃんが歯をいためてはまずいと 一度動きを止めて呼吸を整えるときに、エプロンの一部を咥えてもらい、 更に奥へと進む…。 どのくらいかかったかわからないが、とうとう梨花ちゃんの中に俺のものがすっかりと埋まる。 正直狭くて痛いくらいの中で動くに動けず。 ぎゅっと痛みに耐え、本当に声を出さなかった梨花ちゃんの頭をなでながら、口付けをする。 「これで、すっかりうまったぜ…。 大丈夫…なのか…?」 「はぁっ…はぁっ…大丈夫…このくらい…、本当に身体を引き裂かれる痛みより 何倍もましなんだから…。 圭一を受け入れてる…嬉しい痛みよ…。 それより…圭一…まだ…終わっていないんでしょ…?」 この状態で動け、というのは梨花ちゃんにもだいぶ負担を与えそうな気がする。 俺自身もうごくかどうかためらっていたときに中の動きが微妙に変わった気がした 俺も勢いでしてしまったが、正直長く持ちそうに無いのを感じていた。 ゆっくりと動いて梨花ちゃんの身体を十分に感じていく。 時間の感覚が途絶えたまま、梨花ちゃんの中をゆっくりと往復をし続ける。 「く…また…」 梨花ちゃんの声はやや苦しそうだが、さっきよりは落ち着いているように聞こえる。 自分のものに走る感覚にそのときが来たのを感じれば、 中に出すのはまずい…と思って引き抜こうとしたところで梨花ちゃんの腰が絡みついてきた 「り、梨花ちゃ…このままだと、中に…」 「はぁ…んく…いい…の…このまま…」 一度こみ上げてくるものをせき止めるすべを知らない俺は、そのまま、梨花ちゃんの中へと 精をはきだしていく… 「あ…、圭一…」 圭一の熱が身体の中に伝わってくる。 身体は痛いけれど、心にはようやく落ち着きが満ちていた。 圭一と一つになれた事がとても喜ばしくて。熱を受けた腹部をゆっくりとなぞる。 「わ、わるい、思いっきり中にだしちまったな…。 その…もし、できちまったら…責任、取らないといけないよな…」 「圭一は…私にこんな事をした時点で責任を取るつもりではなかったの…?」 「いや、それもそうなんだけどな。やっぱりきちんと定職に付くまでは子供は…」 妙に慌てふためいている圭一がかわいくなって私から口付けをする。 一緒に居る、という証をもらった気がして心にすこし余裕が出てきたみたいだ。 本当に現金だと自分でも思う。 「ん…ところで梨花ちゃ…と梨花…気になってたんだけど… そのしゃべり方、こっちが本来の梨花なのか」 「え…あ…に、にぱー。 そ、そ、そ、そそんな事ないのですよ」 すっかり幸せを感じていて忘れていた事を思い出して慌てて取り繕う。 そんな取り繕いも今の圭一には通用しないらしく、じーっと見つめてくる。 心の中まで見透かされているような気がしておとなしく白状する。 「ええ…、そうよ…。こっちが本当の私。 みんなの前ではかわいい子ぶってるって所ね…」 もしかしたら、声が震えていたかもしれない。ここまでして、もしかしたら嫌われて コレっきりになるんじゃ…って。そう考えたら世界が終わる気がした。 「なんだ、ちょっと大人びた口調だったからびっくりしたけど、 やっぱり梨花ちゃん何だな。じゃあ、梨花ちゃ…ってまた言ってるか。 梨花も俺と二人きりのときは演技はやめてくれよ?」 きょとん。とした私の頭に圭一の手が乗る。 「え…、でも、みんなの前に居るときよりかわいげが…」 そんな言葉も圭一の口先の前に轟沈する。 言葉を並ばせたら右に出る人は居ないその言葉にすっかり言いくるめられて。 「私」は圭一の前だけは「私」で居続ける事にした…。 その夜。ちょっと硬い畳の上で二人で抱き合いながら、 初めての二人きりの夜を過ごした…。 翌朝。朝帰りの圭一は両親にいろいろからかわれたとか。 おきた時に来ていた服がいろいろ大変な事になって予備の服を出したとか。 レナがいっそう意味ありげな視線を送るようになったとか、 いろいろ合ったけれど。今日も圭一の隣に私が居る。 一緒に居ればどんな逆風でも立ち向かっていけるから。 おまけ 「梨花も圭一も奥手ですからね、 ここまで強烈に意識させて挙げないといけないとは 二人とも手がかかるのです」 「は、羽入…、あの、私その…羽入にまた…」 「沙都子はいけない子なのですね。 それじゃ、また、二人でゆっくり過ごすのです」 ボクはボクでこの生を思い切りたのしむのです。
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月の下……神社の社で僕は独り悶える。 どうせ幽体である僕は梨花以外の誰の目にも見えない。 どれだけ乱れようと、それを恥じる必要も無い。 けれどそれにも拘わらず屋外での行為は、かつて肉を持っていた古き昔のなごりなのか……背徳的なものを訴えてきて……更に僕の情欲を刺激する。 半裸になり、ほとんど衣服が意味を成していない……ただ布をまとわりつかせただけの状態で、獣のように僕は啼く。 「ハァハァ……梨花、そこですそこ……もっと……激しくぅううっ!」 別に梨花がそばにいるわけじゃない。 梨花は沙都子と住むプレハブ小屋の中にいる。 けれど私がこうして悶えるのは梨花のせいだ。 梨花と共有している感覚は味覚だけではない。彼女には黙っているが、本当は性感といった刺激も共有している。 実体を持たない僕にとっては味覚や嗅覚、そして触覚といった感覚は特に得難いものであり、それ故なのか……梨花から伝えられる快感はなおさら鮮烈に感じられる気がする。 僕の秘部は熱く火照り、切ないほどに花開いている。 「あぅっ……あああぁぁっ!!」 花芯をこねる感覚に、背筋が痺れる。 梨花が今、何をしているのか……次にどのような刺激が来るのか分からないというのも、僕の興奮を更に盛り上げる。 「ああっ……梨花……梨花……。そうなのですね、梨花はそこが感じるのですね」 粗く息を吐きながら、僕は腰を動かす。 梨花もまた女として自分のツボを心得ているせいか、巧みに……ある意味では男以上に僕に快楽を与えてくる。 焦らして……焦らして……焦らして、もう一息というところで休みが入って……。梨花が小さく達するたび、僕の体は弓なりに跳ね上がってしまう。 「はぁ……はぁ…………はぁうっ……あぅっ」 欲しい。 挿れてほしい。僕の奥に、熱く固くなった男のものを挿して、滅茶苦茶に突き入れて、子宮の奥まで突いて……何度も、何度も中を掻き回して、温かい精液で僕の中を満たして欲しい。 けれど、刺激の元が梨花である以上、それを望むことは出来ない。永遠に乾きを満たすことは出来ない。 とても苦しくて、切なくて……狂おしいほどに気持ちいい。 苦痛ならばまだ耐えられた。けれど、快楽には耐えられない。逆らえない。 終わりの無い拷問。 「あぅっ……あぅあぅあぅあぅううううぅぅっ!!」 ああ……これで何度、僕は身をよじらせたのだろう? もはやそれを覚えてはいない。 ビクビクと痙攣しながら、僕は呟く。 「梨花……もう、勘弁して下さいなのです。もう……止めて欲しいのです」 けれど、それを梨花に言うことは出来ない。梨花の寂しさを埋める行為を奪うことも、辱めることも出来ない。 そして、私は嗤う。 「梨花……もっとして欲しいのです。もっと、もっと僕は感じたいのです」 けれど、それを梨花に言うことは出来ない。この快楽から逃れることも出来ない。梨花に言うことで、この快感を得る機会を失うような真似も出来ない。 ここにいるのは、誰からも忘れられているただ独りの女。 そして僕は独り涙を流す。 ―END―
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ある日、時を止める能力に目覚めた圭一。 そして当然の事ながら、若い健康な男子として、至極有り体にこの能力の悪用方法を考え付いた。 詩音「あれ? 一体なんの用事ですか圭ちゃん」 魅音「しかもなにそのラジカセ?」 圭一「ん? いや、なんでもねえよ」 そこで圭一はラジカセのスイッチを押した。 すると、曲が流れ出すのと同時に時間が止まった。 フカーイーナゲーキーノーモーリー 圭一「フハハ! 動けるぞ! 止まった時の空間を俺だけが自由に動くことができる!」 魅音と詩音は目の前でまばたきもせずに硬直している。 圭一は恐る恐るながら魅音の胸の先を突っついた。 そして、全く反応が無いことを確認して、今度はがしっとわしづかみにした。 圭一「うおお! 柔らけー! 父ちゃん、俺は今猛烈に感動しているぜー!!!」 次第にだんだん調子に乗り出した。 なんと圭一は魅音と詩音の胸をサンドイッチ状にくっ付けて、そこに自分の大きくなったかぁいいブツを擦り付けていた。 圭一「ハア……ハア……最高だぜ……」 しかし圭一は痴漢行為に夢中になるあまり、大変なことに気づいていなかった。 時間停止からすでに数分が経過し、流していた曲がもうすぐ終わりそうになっていたのだった。 ヒグラシノーナークー 圭一「うっ、やべっ……出るっ!」 詩音「おや?」 魅音「あれ?」 ドピュッ! ドピュッ! 圭一「あ…………」 しばしの硬直と沈黙、そして。 詩音&魅音「…………し……死ねえええええ!!!!!!」 直後、スタンガンのスパーク音と金づちでクギを打ち込む音が響き渡った。 圭一は命に別状こそ無かったものの、体のある大切な部分に全治2ヶ月の重傷を負った。 完