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黒沙都子×白梨花(賽殺し編)からの続き そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。 「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」 そして、全部脱がせて裸にしてやった。 古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。 やだ! やだやだやだ!! なんで、私は裸にされてるの!? 私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。 そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。 なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。 もしかして、このための……? そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。 「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」 そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。 「……んっ」 あれ……? 手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。 なんだろ……もっと触ってみようかな。 「んっ……あっ……」 なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの? もっと触ってみよう。 ちょっとだけ、つねってみようかな? 「んぁっ……あぁ……」 やっぱり……。 なんか、変な声をあげて面白い! もっとやってみよっと……。 身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。 なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。 そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。 「んぁっ……くっ……」 ダメ。 「あんっ……んくっ……」 声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。 それに、なんだか気持ちいい……。 私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。 ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。 そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。 いったいなんでこんなことになるんだろう。 ……家に帰ったら、自分でもやってみようかな? そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。 「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」 「ホントだー!」 「もしかして、おもらししちゃったのー?」 「かっこわるーい!」 北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。 それに、おもらしっていうのも気になる。 おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。 「んああぁっ……あぁんっ!!」 身体にまた電流が走る。 北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。 そして、そこを触られて。 私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。 「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」 古手さんが、高い声をあげる。 私は、それをただ見てるだけ。 でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。 今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。 古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。 「んあっ……ひゃあああっ!!!」 古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。 はぁ……はぁ……。 身体が、熱いよ……。 なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。 さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。 そして―――― 「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」 今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。 高い声を―――― 「……はぁ……はぁ」 私、どうなっちゃったんだろ……。 なんだか身体がガクガクするよ……。 疲れちゃった……。 古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。 本当に、どうなってるんだろ……? 後で自分で試してみようっと。 fin.
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誕生日裸祭り事件・前編 誕生日裸祭り事件・後編 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ついに俺の一人勝ち。 最初のターゲットは・・・パンツ一枚の沙都子! 「わかるなぁ、沙都子ぉ~?そのスジをさらすんだー!!!!!」 「ふ・・・ふ・・・・・・ふわあああああああああああん!!!!!!!!」 沙都子は号泣しつつ、俺にパンツを投げつけた。 一緒にバレーボールやバスケットボールまで飛んできたが、スジを垣間見ることに成功した俺は満足だった。 「最下位は沙都子に決まりだね!」 「わたくしの誕生日ですのにー!!!」 「沙都子ー、全部終わるまで着ちゃ駄目ですよー?」 「はぅー。涙目の沙都子ちゃんかぁいいよ~」 「かわいそかわいそなのです♪」 主賓といえども容赦はしない。 それがわが部活の恐ろしさだ。 次のターゲットは、沙都子と同じくパンツ姿の魅音。ただし上はセーラー服だ。 「パンツだ、魅音!それ以外は許さん!!!」 その言葉に魅音は何故かにやりと笑い、するりとパンツを脱いだ。その下から現れたのは・・・紐パン!? 「くっくっく。圭ちゃんが思いつくようなこと、おじさんが気づかないと思うー?」 「ふーん。これはこれでいいもんだな。じっくり見られるし」 至近距離から前後左右、舐めるように魅音の紐パン姿を鑑賞する俺。 紐に縛られた豊かな尻周りの肉付きは実に見ごたえがある。 「ちょ、圭ちゃん!?」 ガスッ!!!!! 「圭一くん。何してるのかな?かな?」 レナぱんによって紐パンから遠ざけられる俺・・・。 「わかったわかった。次はレナだな?」 「はうっ!?」 墓穴を掘ったことに気づき、うろたえるレナ。 スカートはあえて残し、タンクトップを脱いでもらう。 これで上半身はブラ一枚。 「はぅううう・・・」 これで形のいい乳が鑑賞できるぜうへへ。 シュミーズ姿の梨花ちゃんに指令。 「わかったのです」 梨花ちゃんがシュミーズを脱ぐと・・・その下はビキニだった。 肩紐のないタイプなので気づかなかったぜ・・・。 「まだいけるのですよ。みぃ?・・・あまり見ても面白くないのですよ・・・」 後ろを向いてしまう梨花ちゃん。 確かにレナや魅音と違って、あまり起伏というものがないが、それが大事なんだよ! 「俺は十分面白いけどなー」 「梨花ちゃんはかぁいいんだよ!だよ!」 「みー・・・」 本人が気にしている所がまたツボだ。 詩音はブラとパンスト姿。 もちろん、俺の選択は――――。 「( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!ブラを取るんだ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!」 「仕方ありませんね・・・この自慢の乳をせいぜい目に焼き付けなさい!」 バッ!と思い切り良く外された下着が宙を舞う。 白日の下にさらけ出された二つの大きな塊には男の夢や希望がぎっしりと詰まっているに違いない。そして、中央には――。 あれ?あるべきものが見当たらなくて、俺は目を凝らす。 「どうしたんですか~?ニプレスなんて常識ですよー?」 夢の山頂は二つの小さな丸い物体で封印されていたのであった・・・。 と、がっかりするのはまだ早い。ほとんどモロだしには変わりないのだから、この機会にしっかり目に焼き付けておこう。 ボヨン。ん?腕に弾むような感触が。 「圭ちゃあ~ん、詩音ばっかり見てないでおじさんのも見てよぉ~」 「ボクの平らなお胸はどうなのです~☆」 ふに。うお。反対の腕にはまた青い果実の甘酸っぱい感触が・・・。 「レナも混ぜて~。はぅ~圭一くんだってかぁいいんだよ~?」 すりすり。 股間に違和感。 ど、どこに頬摺りしてるんだレナぁ~~~!!! 「――沙都子」 「これでも喰らえですわぁ~!!!」 詩音の合図で俺たちはタライの山に埋められた。 「ふぇえええええええええ!!?」 「終わりですね。お姉」 魅音は最後に残った紐パンを、半泣きでゆっくりと脱ぐと、その場にへたり込んだ。 「はぅ~!!!!!」 ばったり。 ブラを外して力尽きたレナ。 沙都子と魅音が部屋の隅へと引きずっていく。 勝負は、俺と梨花ちゃんと詩音の三人に絞られた。 「よい!!!!」 梨花ちゃんと詩音がチョキ、俺は・・・パー。 今は再びブルマ姿。靴下も上着ももはや無い。 「圭ちゃん~?」 「圭一~?」 みんなの期待に応えて俺は――。 「――やりますね」 「みぃ」 「いや~、日本人なら褌だよなー!身も心も引き締まるぜー!」 褌一枚で仁王立ちする俺。見た目だけならブルマよりも遥かにましだ。 「褌はやっぱりあの食い込みだよねぇ」 「はぅ~。圭一くんのお尻かぁいいよ~」 背後から身の危険も感じるが。 何度か際どい勝負が続いた後、再び俺にピンチが訪れた。 「さあ、圭ちゃん。度胸を見せて下さい」 「みぃ。決心がつかないなら、ボクが手伝ってあげるのです」 「それには及ばないぜ・・・。よくここまで来たもんだ・・・」 ゆっくり紐を解く。 「だが、まだ終わっちゃいねえ!!!」 みんなの目が点になる。 俺の股間には紐を通した葉っぱが一枚。 あらかじめ柏餅用の葉っぱをこっそり仕込んでおいたのだ。 「・・・くすくすくす。あっはっはっははははははははは!!!面白い、面白いわ、圭一!!!あなたはどこまで私を楽しませてくれるのかしら!?おいで、葉っぱ男。――遊んであげるわ!!!」 「みぃーーーーーーーー!!?」 激戦の末、とうとう梨花ちゃんが脱落した。 もはや上だけになったビキニを脱ぐ。けだるい仕草が妙に色っぽい。 「やっぱりあのセリフは負けフラグよね・・・」 その場に体育座りをして見物に回る梨花ちゃん。 残る敵は詩音のみ。 静寂が訪れる。 衆人環視の中、俺と詩音は最後の封印、葉っぱとニプレスの存亡をかけて、最終決戦に挑む!!! 「覚悟しろ、詩音!そのいまいましい代物は俺様がじきじきに剥ぎ取ってやるぜぇーーー!!!!!」 「ふっ!圭ちゃんこそかぁいいオットセイの虫干しの準備はいいですかぁ~!!!?」 「野球~す~るなら!こういう具合にしやしゃんせ~」 グーか?チョキか? 「アウト!」 それともパーか? 「セーフ!」 選択肢は三つだけ。 「よよいの・・・」 シンプルなルールだからこそ先が見えない。 「よいッ!!!!!」 勝負だ詩音ーーーーーーーー!!!!!」 光がまぶしい。 「ん・・・?」 もう朝か。 夕べは楽しかったな。 綿流しの日以来の大騒ぎ。 何だかスースーする。 ああそうか。 結局全裸のままで寝てしまったのか・・・って、え!? 目を開けた俺は異様な状況に気づいた。 魅音と詩音が両腕にぶら下がっている。 梨花ちゃんは横にくっついており、レナは・・・頭を下にして、こっちに尻を向けていた! いや、沙都子が股間に頭を乗せているのに比べれば大したことでは――。 「ふ、ふええええええええええ!!?」 「はうーーーーーーーーーーー!!?」 決定的な問題は、全員が全裸ということだ。 ほぼ同時に魅音とレナの悲鳴が上がる。 「うーん・・・。にーにー・・・」 「うるさいですねぇ・・・。夕べは遅かったんですから、もうちょっと寝かせて下さいよぉ・・・」 魅音とレナは飛び起きると、ほれぼれするようなスピードで服を着始めた。 「ぎゃあああああああああああッ!!!何するんですのこの変態ッ!!!!!」 沙都子に蹴りを入れられながら、梨花ちゃんを起こす。 「起きろ、梨花ちゃん!あれから何があったんだ!?」 「みー・・・。優勝は・・・」 ゆさゆさと揺さぶられ、目を閉じたまま梨花ちゃんは夕べの出来事と語った。 二つの拳はグーとパー。 勝ったのは・・・。 「もらったああああああああああああ!!!!!」 「ひぎぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 詩音が葉っぱをもぎ取った。 「圭ちゃんのオットセイは元気だったかなぁ~?くっくっく!!」 「お持ち帰りぃ~!!!」 「オットセイさん、こんにちわなのです」 「やめてー。つつかないでー。らめええええええええ!!!!!」 「商品は頂きましたよ!あははははは!!!」 「ふわああああああああああん!?」 ドタバタ。 こんな調子で大騒ぎの中、長かった戦いは終わりを告げた。 「ふう・・・。一人だけ仲間外れというのも寂しいもんですねぇ。ええい、こんな物取っちゃええええええええ!!!」 ついに詩音までが自らニプレスを剥がして騒ぎに加わった。 しばらくみんなで全裸のまま追いかけっこをしていた記憶はあるが・・・。 「詩ぃの勝ちなのです~・・・。沙都子は一週間詩ぃのペットなのです~・・・」 「いやあああああああああ!!!」 沙都子の悲鳴で、梨花ちゃんがぱっちりと目を開ける。 目の前の全裸の俺に目を見張り、自分の体を見直すと急激に蒼ざめ――台所に逃げ込んだ。 魅音も服を着ると、何も言わずに涙を振りまきながら外へ飛び出して行った。 「た、楽しかったね・・・。えへへへ」 レナも取り繕うように照れ笑いをしてそそくさと帰ってゆく。 げしげし。 沙都子に蹴られながら着替えをする。 着替え終わった詩音が沙都子に服を着せていた。 「変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!変態!」 「はいはい沙都子ぉ~。変態の圭ちゃんは放っておいて、一緒にマンションに帰りますよぉ~」 「・・・みぃ~。誰か、ボクの服を取って欲しいのです・・・」 台所から梨花ちゃんの哀れな声がする。 「これかぁ?」 「みぃッ!?近寄らないでよッ!!!」 「え!?別に何も見てな」 「梨花に何する気ですのこのド変態めええええええええええええッ!!!!!」 ドラップの嵐が吹き荒れる中、俺の意識は再び闇に落ちていった・・・。 「レナ・・・私もう学校行けない・・・」 「魅ぃちゃん、忘れるんだよ・・・だよ・・・」 階上の騒ぎをよそに傷を舐めあう二人。 だが、この「誕生日裸祭り事件」は、その後も忘れられない思い出として長く語り継がれ、 ことあるごとにほじくり出されてはみんなの古傷をえぐるのであった・・・。 終わり
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…梨花ちゃんと口付けをして肌を触れ合った日から数日がすぎた。 あれから、みんなの前では梨花ちゃんは前と同じように俺に接してくれる。 魅音もレナもそれに安心したようで部活も大いに盛り上がっている。 時々、レナが梨花ちゃんに何かささやくたびに、真っ赤になる梨花ちゃんを見て 少々不穏なものは感じているのだが… 「おっしゃ!!これで今日は俺の勝ちだな!!」 大富豪で革命を起こし一気にトップに躍り出た俺はそのままトップを維持し、 勝利をもぎ取った!めずらしく今日の罰ゲームは魅音だ。 「さて、魅音。今日負けたらメイドさんの格好をして 校長先生の頭をなでにいくんだったよなぁ…」 「にぱー。 きっと魅ぃはエリアルコンボをくらって星になってしまうのですよ かぁいそかぁいそなのです」 「おーほっほ。 残念でしたわね、魅音さん。さて、覚悟を決めてくださいまし」 わいわいと罰ゲームに決定した魅音を攻め立てているうちに、 さりげなく梨花ちゃんが隣に立つ。 周りの皆にあまりばれないように、としているつもりみたいだけれど 梨花ちゃんは以前にもまして甘えてくるようになったと感じる。 俺は、こんなときはまず梨花ちゃんの頭に手を置いて髪をなでてやることにしている。 梨花ちゃんもそれを望んでいるようで特に抵抗されることもない。 ただ、今日はいつもとちょっと様子が違った。 何かを言おうとしてこっちをみたまま必死で口をぱくぱくとさせてくる。 俺はちょっと首を傾げつつ、梨花ちゃんの次の言葉を待った… 「あ…あの…圭一…、今日の放課後、時間はありますですか?」 私は何度か声にならない声を出しての予行演習の後、思い切って声を絞り出す。 今日は私の炊事当番だ。だから買出しは私の仕事。 それに事前のレナからの情報で今日圭一の両親は留守とのこと。 だから、きっと大丈夫。なんども心に言い聞かせる。 どうにも先が見えなくなってから私はひどく臆病になってしまったかもしれない。 とても楽しみで、どきどきして、でもとても不安なのだ。 断られたら…、と言う不安と。一緒に行けたら…という期待と。 両方の思いを込めて圭一を見つめる。 「いいぜ、どうせ今日は帰ったらすることもないしな。 学校から直行するのか?」 「は、はい…なのです。よ、良かったら圭一の分も作るから一緒に…」 「ん…夕飯までご馳走になるのは悪いけど…いいのか? ちょうど今日は俺一人だから好都合ではあるんだけどな」 圭一が何かを思い出したのかちょっと恥ずかしそうにぽりぽりとほほを掻く 「にぱー。 さ、沙都子と羽入も一緒の予定なのです。みんなで仲良く食べるのですよ」 本当は二人っきりの方が都合が良いのだがその場合は私の心臓が持ちそうにない。 二人っきりで食事を作ってなんてまるで夫婦…。 まてまてまて、何を考えてる古手梨花。羽入も沙都子も一緒。だからそんなことにはならない! だから静まれ、この頬の熱…!沙都子や魅音に気が付かれる! 真っ赤になったまましばらく圭一の手の感触に幸せを覚えるのだった… 梨花ちゃんからのお誘いに正直俺は驚いていた。 今日は両親がいないから買い置きの豚骨しょうが味のカップラーメンで 済ませようと思っていたところだった。 もしかしたら、レナあたりからの差し入れには期待していたが梨花ちゃんからの誘いは ちょっと意外だった。 部活メンバーと別れ、二人で買い物に行く。 そして梨花ちゃんがやっぱり村の人気者なのは代わらない。 俺は荷物持ちに専念。梨花ちゃんは村の中で買い物をおこなうとサービスが多い。 俺と言う荷物持ちいるからか、遠慮なくいろいろと持たせてくれる。 本来の買い物より多いんじゃないか…これ… 「梨花ちゃん、相変わらず人気者だな」 「…どうせ、みんな古手梨花としては見ていないのです」 「え…?」 「みぃ、なんでもないのですよ。 圭一早く次いくのです」 梨花ちゃんに促されて足を速めたのにあわせて歩いていく。 でも、さっきの言葉が心に引っかかった。 そしてすぐに思い当たることがある。 梨花ちゃんは村の人にもともと好かれる「オヤシロさまの生まれ変わり」だと。 「村の連中がみんなそんな目で見ているわけじゃないだろ。 少なくても俺やレナ、魅音や沙都子はオヤシロさまの生まれ変わりだ、 なんて特別扱いする気はないからな」 頭に手をのせてゆっくりと撫でて行く。 少々不満そうな目線で見上げられるが、抵抗する気はないらしい。 此処最近の梨花ちゃんをみていると女の子なんだといっそう意識する。 そういえばコレって梨花ちゃんと二人きりで買い物って… 「これってデートみたいだよな…」 言葉にして体がかっと熱くなる。二人っきりで村の中の店を回ったわけだから 宣伝しているのも一緒と言うことで…。いや、考えすぎだ前原圭一。 梨花ちゃんの面倒を見ている前原屋敷のせがれ…くらいのものだろう。 見れば梨花ちゃんも真っ赤になって抗議の視線を向けていた 「け、けけけ…圭一っ、な、ななんてことを言うのっ! で、でも、圭一となら…嬉しいのです…」 梨花ちゃんが体をぴったりと寄せてくる。 梨花ちゃんの感触にこの間のことを思い出しさらに真っ赤になる。 「さ、さあ、もう買うものはないのか…?」 「あ、ま、まだあるのです…」 さらに、二三件回ったところで買い物は終了となる…。 「おんやぁ…梨花ちゃま。今日は将来の婿殿といっしょかえ?」 そんなことを言われて二人して硬直したのだが。 …時々私は馬鹿じゃないかと思う。 せっかく圭一との仲はひっそりと深めていこうと計画していたのに、 こんなに目立つことをすれば村のうわさになるのは当然ではないか。 村の皆への不満はやや八つ当たりだった。 ただ、その後に圭一が頭をなでながら話をしてくれる。 言われなくても感じていることだったが、口にしてくれるとなお嬉しい。 「これってデートみたいだよな…」 この言葉はそんな嬉しさに心に隙が生まれた瞬間に届いた。 頭が真っ白になるのと同時に一気に混乱が押し寄せてくる。 「古手梨花」を演じられないほどに心がざわめく。 つまりつまり、デートを皆に見られている、というかむしろ宣伝していると言うか。 思わず時を止めて圭一とともに全力で逃げ出したいとさえ思う。 そんな思いをこらえるように思い切り圭一にすがりつく。 買わなければいけないものはまだあるのだ。 自分の体がにげないようにと、しっかり圭一の体を感じつつ その香りに幸せをかみ締めていた ……帰ってきて、私は完全にしてやられた、と思った。 仕掛けの犯人はレナだろう。 …実はレナにはすっかり私のことはばれているようだ。 レナほど鋭くて頭の回転が速ければ私の行動の意味などはばればれだろう。 そもそも、圭一を私の家に送り込んだのがそもそもレナだったこともある。 今日のこの状況からしてもレナはどうやら私を応援してくれているらしい。 「予定外で困るのです…」 帰ってきて返事がないのを不思議に思ったのが第一。 つづいてテーブルの上に置手紙。沙都子の筆跡で書かれていた内容は以下の通り。 「レナさんにお呼ばれしましたの。羽入と一緒にお食事して参りますわ。 梨花もよろしければいらっしゃいまし。 必要がなければ自分で作って食べてくださいな」 羽入も一枚噛んでいるとみて間違いはない。 …この恥ずかしさはどうしてくれようか。後で激辛キムチでも準備しよう。処刑用で。 圭一と二人きり。 考えれば考えるほど顔から火がでそうなシチュエーションだ。 今こうして食事を作る間にもこの心音が聞かれているのでは、とすら思ってしまう。 ちらり、と視線を送ると圭一も私の方を気にしてくれていたらしい。 目が合ってしまい、あわてて目をそらす。 圭一も二人きりの事を意識してくれているんだろうか…。それとも平気なんだろうか…。 緊張でいつもの倍くらいの気合と時間をかけて料理しながら、不安と期待を心に抱いて、 食事の準備を続けていく… …正直梨花ちゃんと二人きりになるとは思わなかった。 「落ち着け、クールになれ、前原圭一。 此処には食事をしに来たんだ。梨花ちゃんを襲うために来たんじゃないだろ」 梨花ちゃんと二人きり、というシチュエーションが否が応でも前回の記憶を引き出す。 あのときの感触を思い出すとどうもこちらから襲い掛かってしまいたくなる。 梨花ちゃんが制服のままエプロンを付けている姿はかわいい。 そう、幼な妻が夫のために健気に食事を作るときの魅力とでも言おうか。 お盛んな夫婦が朝食をつくっている奥さんを襲うきぶんというのはこんな感じだろうか。 そして今この場所は梨花ちゃんが寝泊りしているところだと改めて意識をする。 なにもしないでじっとしている、というのもどうにも性に合わない。 「なぁ、梨花ちゃん。俺にも手伝えることは何かないか?」 「みー、圭一に料理を任せるのは怖いので食器を準備してもらえますですか? そこの棚に入ってますですから」 「よっしゃ。任せとけ!」 来客用なのだろう。あまり使われている様子はないがきれいに拭かれている食器を準備する。 「そこにおいてくれると助かるのです。今煮物をそこにもりつけますから。 盛り付けたらもって行ってくれると助かるのですよ」 そんなやり取りを行いながらできたものから順番にテーブルに運ぶことにする。 体を動かしていたほうがいろいろ考えなくて良い。 そして、今日のメニューがそろっていく・・ 圭一に配膳だけを手伝ってもらい、今日の食事の準備が完了した。 「お待たせしましたですよ。いっぱい食べてください、なのです。にぱー」 「おう、それじゃ、遠慮なくいただくぜ」 私は圭一が食べ始めるのを座ってじっと見つめる。 失敗はしていないはずだ。だからきっとおいしいはず…。 期待と不安と交えつつ圭一が食べるのを待つ…。 味噌汁、煮物、ご飯…と一通り口にした圭一が笑顔を見せてくれる 「さすが梨花ちゃんだな。ちょうど良い味になってるぜ? 梨花ちゃんも食わないと俺が全部食っちまうぜ?」 「みー。ボクもちゃんと食べるのですよ。 圭一があまりにもおいしそうに食べてくれるので嬉しかったのです」 圭一の笑顔に鼓動の高鳴りを確認しながら、笑顔で返す。 「ボク」に比べてかわいげのない「私」は圭一の前ではできるだけ控えるようにしている。 普段圭一が見ているのは「ボク」だ。 だから「私」を全面にだすようになればきっと嫌われる。 部活のメンバーとの食事のときのようなにぎやかさはない。 いつもと比べて圭一も私も口数は少ないのだけれど、どこか暖かい。 圭一も緊張してくれているのだろう。顔が赤かったり、動きがぎこちなかったりしている。 その様子をみて、ちょっと安心している自分が居る。意識しているのは私だけではないんだと。 ちゃんと私を女としてみてくれているんだと。 そう思うと頬の熱の高まりと共に安心感が胸のなかに沸いてくる。 沙都子が帰ってくるまで、もう少し圭一に甘えたい、と思う…。 「ふぅ…ごちそうさま。美味かったぜ」 …食事の味は実際にはあまり覚えてなかった。 隣にいる梨花ちゃんの事を意識していることの方が大きかったからだ。 そんなことを言ったら悲しませるので言うことはないが。 「お粗末さまでした。なのです」 俺が空になった食器を運ぼうとすれば、梨花ちゃんはボクがやるのです、といってさせてくれなかった。 仕方がないので、てきぱきと梨花ちゃんが片付けていく様子を見ることにする。 どことなく動きが硬い気がするのは気のせいだろうか…。 しばらく台所の方で動き回っていた梨花ちゃんは食後のお茶を準備していたらしい。 二人分のお茶をテーブルに置いてくれたその後、無言でぴったりと俺に擦り寄って…。 「り、梨花ちゃん…?」 「け、圭一……あの……」 ごく、とつばを飲み込む。梨花ちゃんの香りが俺の鼻腔をくすぐる。 梨花ちゃんが真っ赤になりながらこちらを潤んだ瞳でじっと見つめてくる。 こういう目をするとき、梨花ちゃんが何を求めているか、察した俺は小さな体を抱きしめながら、 梨花ちゃんの唇へと口付けをする。 ……あれ以来、梨花ちゃんは二人きりになったとき、よくキスを強請って来る。 梨花ちゃんと触れていたい俺としては好都合なので断ることもない。 唇を絡ませるような深いキスの方が好きなことを知っている俺は、 唇を舌でつついてやり、梨花ちゃんの口内へと舌を差し入れていく。 互いの唾液を交換するような舌の動きをするほどに、 梨花ちゃんとつながっていくような気がする。 最初に肌を重ねたときのようにまた、梨花ちゃんの胸へと手を当てる。 前回と違うのは制服の上にエプロンがある、と言うことだ。 「梨花ちゃん…、触ってもいいだろ…?」 「きょ…今日は沙都子がいつ帰ってくるかわからないの…です。 本当は圭一の好きにされたいのですが…」 プルルルルル… プルルルルル… 抱き合ったまま沙都子が帰ってきたときのようにびくっと体を振るわせる。 突然の電話に狼狽したまま梨花ちゃんが慌てて離れ、 顔を赤くしたまま電話に出る。 「…は……え…、じゃ…ちょ…」 なにかいろいろと話しているようだが此処からはよく聞こえない。 口調からすれば部活メンバー、もっといえば沙都子のようだが… しばらくの時間が相手からゆっくりと梨花ちゃんが帰ってくる。 うつむいていてどこか元気がないように見える… 「どうかしたのか?梨花ちゃん…」 「け…圭一…あの…良かったら今日泊まって行きませんですか?」 どきん、と胸が高まる、いやいや、落ち着け前原圭一。 今日は沙都子が帰ってくるんだろ、だからそんなことにはならない。 深呼吸をしてから改めて問い返す。 「お、俺は嬉しいけど、いいのか?沙都子も帰ってくるだろうし」 「そ、それが…、沙都子は今日レナの所急遽泊まるって今電話が… なので…圭一さえよかったら今日泊まって行って欲しいのです… そして…」 ぺたん、と梨花ちゃんが俺の前に座る。 うつむいていた表情がここではっきりと見える。 真っ赤になっているが、上目遣いで瞳を潤ませて居る。 ゆっくり緊張しながら梨花ちゃんの体を引き寄せて抱きしめる。 「梨花ちゃん…良いんだよな…?」 「…圭一以外には許したくないのです…、 そ、それと…二人きりの時には……り、梨花…って呼び捨てにして欲しい。 みんなの中でわた…ボクだけ呼び捨てじゃない…ですから」 抵抗されることなく俺の腕の中にすっぽりと梨花ちゃんが納まる。 此処が自分の指定席だと主張するように服をしっかりとつかんで離さない。 「わかったよ。梨花…でいいか? なんかちょっと気恥ずかしいな」 俺は恥ずかしさをごまかすために梨花ちゃんに口付けをすることにした…。 ……レナはどこまで私に不意打ちをしてくれれば気が済むんだろう。 圭一の腕の中でその体温を感じる幸せに浸りながら、ぼんやりと考える。 今夜は二人きりで泊まっていって、なんて、どこかのドラマみたいな展開だ。 実際に言ってみて、やっぱり恥ずかしかった。 そして、圭一との距離をもっと縮めたくて、ぼんやりした頭で名前だけで呼んで欲しいと強請る。 あまりにもボーっとしていて思わず呼び方を間違えそうになってしまう。 でも、圭一のはずかしそうな表情を間近で見ることができた。 うれしい、と感じる間もなく唇を圭一に奪われる。拒む要素はない。 圭一との口付けの甘さに頭の中がさらに融けていく。 「ボク」の仮面はヒビだらけだ。嫌われるかもしれない、と思っても感覚に逆らうほうがつらい。 さっきの続きを体も心も求めている。 圭一の手が胸に触れた。一度経験はしていてもやっぱり不安はある。 沙都子にばれないようにと何度も自慰をして求めた手。 片手で圭一にしがみつきながらも、求めるように手を重ねる。 どきどきと心音だけで壊れてしまいそうな身体。 「…圭一、私を、圭一だけのものにして…。他の誰の物にもしないで…。 そして、圭一も私から離れないで…」 圭一のぬくもりを無くすのが怖い。 そんな私に圭一はぎゅっと抱きしめてくれた。 より体が熱を持つ。熱くて、とても心地良い… 「…離すわけないだろ。梨花ち…梨花はずっとつらかったんだろ。 だったら、俺が居てやる。俺だけじゃない、沙都子やレナや、羽入、 魅音や詩音だって梨花と一緒に居る。きっと、だ」 目を閉じれば圭一の雄姿が目に浮かんでくる。 この圭一は持っていないはずの記憶。大人たちやお魎にも一歩も引かなかった姿。 圭一に服を脱がされていく感触がする。 「いいんだよな…?」 圭一の声がちょっと震えている。顔をみればきっとまた、真っ赤になるだろう。 だから、目を閉じたまま、こくん。とうなずいた。 エプロンも取り外され。胸が空気にさらされる感触がする。 そして素肌に圭一の手が触れる。ぞくっと背中に何かが走る気がする。 自慰の時に思い出しても、再現はとてもできなかった、圭一の手がそこにあった。 梨花ちゃんを腕の中に抱える密着状態で白い肌を暴いていく。 梨花ちゃんとこんな関係になるのを想像していなかった数日前。 目の前の梨花ちゃんを愛しく思う気持ちはここ数日で何倍にも膨れ上がっていた。 「いいんだよな…?」 理性で抑えられるぎりぎりのところで最後の確認をする。 けれど梨花ちゃんは抗わない。 こくん。とうなずいたのを確認してその白い肌に手を這わせる。 こうして抱きしめていると緊張しているとかがちょっとだけ伝わってくる。 まだ未成熟だけれど、確実に存在するやわらかさを手で感じる。 俺はこの白い肌に俺だけの証を残したくなり、胸元に痕が付くくらいに強く吸い付いた 「つっ…」 梨花ちゃんの肌には刺激が強すぎたのかびくっと身体が震えたのがわかった。 それでも、抵抗が無い事を良い事に梨花ちゃんの肌への何箇所にも 口付けを落としていく… 「や…圭一…そんなに吸わないで、お風呂に入ってないから汗臭いでしょ…」 「そんなこと無いぜ…、梨花の匂いしかしないからな…」 梨花ちゃんの身体を持ち上げるようにしながら口づけする場所を増やしていく。 この体勢では梨花ちゃんの表情が丸見えだった。 俺の呼吸も梨花ちゃんの呼吸も、高まりあう。 夏で薄着をしているはずなのに身体が熱くて、服なんか着て居たくない なんども口付けを繰り返していくうちに、梨花ちゃんの胸の先の感触が変わってくる… 「梨花…胸の先、固くなってるぜ…。たしか、こういう時って気持ちよくなってるんだったか?」 どこかの本で読んだ無駄な知識に当てはめつつ、たずねる。 梨花ちゃんはいやいやをするように首を横にふる。 「やぁ…圭一…そんな風に言わないで…恥ずかしい…」 「こっちも確かめないとな…」 「ぁ…そこっ…んっ…!」 真っ白な下着の上から梨花ちゃんの一番恥ずかしいと思われる場所に触れる。 驚いた事にそこはしっとりとした湿り気を帯びていた。 直接の刺激は強すぎるかもしれないと思って、下着の上からなぞり始める。 「や、そこ、ぞくぞくしすぎるっ…あんまり触ったら、私が…んぷ…」 更に何か言おうとする梨花ちゃんの唇をふさぐ。 下着の生地を押し付けるようにしながらなぞっていくと湿った感触が指に伝わってくる。 舌を絡ませて。互いにむさぼるように求めあいながら、下着を更にぬらしてしまおうと 細かく指を振るわせていく…。 やがて、かすかにおくに入り込むような感触とともに何か突起のようなこりっとした感触を 指が感じた瞬間 「~~~~~~!!」 舌を絡めていた梨花ちゃんの身体が思いっきり突っ張る。 一瞬、何が起こったかわからずにびくんびくんと連続して振るえる梨花ちゃんの身体を抱き続ける 少しの間をおいて…ぼんやりとした表情で俺の事を見つめ… 「け、圭一…私…真っ白になったの…。圭一に触られてるところが熱くてぞくぞくして…」 「それって、達した…って奴なのか…?」 「わからない…初めて…だもの、こんな風になったのは…」 多少落ち着いたのか視線をそらして恥ずかしそうに縮こまる。 そんな姿をみて、俺の股間のテントはいっそうそそり立つのだった。 ……私の身体ってこんなに気持ちよくなりやすいものだったのだろうか 圭一に痕をつけてもらった場所が熱い。 圭一が触れる場所がぞくぞくとする。 圭一もこういうことをしたのは初めて…と思っているのだが妙に手馴れている気がする。 熱に融けた思考で、思わずたずねる… 「…ぅぁ…圭一…、妙に手馴れてない…?んっ…」 「俺はこうするのは初めて、だぜ…? そ、そりゃ、本とかには興味はあったけど…、それだけ、相性がいいって事じゃないか?」 気恥ずかしそうに、ぶっきらぼうに、だけど目をそらさずに応えてくれた。 ああ、相性がいいのか…、それならいいかもしれない、と思考を放棄する。 もうひとつ気になるのは圭一のふくらみ、 半裸の姿のまま。圭一のズボンへと手をかける…。受けるだけじゃ…だめよね…。 「梨、梨花…?ちょ…」 「さっき、私はとても気持ちよくしてもらったし… 私だけされるのは嫌…、圭一にもしたい…」 「う…」 うるうるとした瞳で見つめるとしぶしぶながら身体を一度離してくれた。 すこし肌寒くなり寂しさを覚えたが、これは私が望んだ事。 圭一のズボンを下ろし、オットセイを… 「え…け…圭一の…こんな…?」 てっきり、オットセイと思っていた圭一のそこに居たのはかめさんだった。 知識と違う形のそれにまっかになって戸惑う。 「り、梨花ちゃ…そんなにまじまじと見られると恥ずかしいぜ…」 「さっき、私の事をじっと見ていたお返しよ。我慢して」 本当は私の方が恥ずかしくてどうにかなりそうだったけれど、何とか強気に返事をする。 恐る恐る、圭一のかめさんに手を触れる。 ぴくん、とそこが跳ねる。恥ずかしいけれど、ちょっとかわいい、と感じる。 だけど、ここから、どうすればいいのかがわからない…ちょっと戸惑いながら… 「け、圭一は…どうされるのが気持ちいいの?」 「そ、それはだな……梨花の舌で、舐めてもらっても良いか…?」 これを舐める…じっとかめさんを見つめる。 これも、圭一の一部…そう思うと匂いすらもあまり気にしなくなっていく。 舌をだして、ゆっくりと圭一のを舐める。 正直、おいしい物ではない。だけど、圭一に喜んで欲しい、と思ってさらに舐める。 半裸になって圭一のを舐めている自分、味も、匂いもちょっと我慢しているとすぐに慣れた。 それどころか、頭の芯がぼーっとしてくる。 「はぁ…圭一…こう…?」 「そ、そうだ…梨花…の舌…気持ち良い…、やばい、俺、長く持たないかもしれない…」 何が持たないのか…ぼんやりとした思考では思いつかないまま、圭一のをなめ続ける。 さきっぽから、更に味が悪い液体が出てきたけれど、きれいにしようと舐めていく… 「うぁ…、そこ舐められると…やばい…でるっ…」 あ…と思う間もなく鼻先に白い粘着質の液体が張り付いてくる。 すごい匂いに顔をしかめる…コレが…男の人の…精子なのだろうか…。 おしっことはぜんぜん違う匂い…。 「うわっ…梨花ちゃんごめん…。今吹いてやるからちょっとまってくれよ…」 圭一がティッシュを探して戻ってくるまでのちょっとの時間で顔にへばりついている液体を指で触れる。 そしてちょっとだけ口に含んでみる。とても不思議な味だった… 俺は慌ててティッシュの箱を探してきて梨花ちゃんの顔についている俺の出したものを ふき取っていく事にする。 どこかぼんやりした様子なのはきっとこんなのをかけられたショックからだろう。 これは、嫌われたか…?と思うと明日の部活メンバーの様子が恐ろしくなった。 特に沙都子のトラップが…。 人形のような顔立ちの梨花ちゃんの顔に俺のモノがべったりと張り付いている…という絵は 神聖なものを穢して自分だけのものにしたような、そんな屈折した支配欲を満たすが、 このまま、続けてもいいのかどうか、悩む…。 「梨花ちゃ…っと。梨花。大丈夫か…、ごめんな…」 なんどか身体をゆすって正気に返ってもらうようにとする 「あ…圭一…、謝らなくていいわ…でも、気持ちよかったの…?」 「ああ、とっても気持ちよかったぜ…。正直、あそこまで気持ちがいいとは思わなかった」 「よかった…、圭一は満足した…?それとも…」 さきほどまで白濁に汚れていた顔で笑う。その顔を見ているとまだまだ自分も満足はできていない 「つ、続けてもいいのか…?もっと、梨花にいろいろしちゃうかもしれないぜ?」 こくん、と梨花ちゃんがうなずいてくれる。 さっきの梨花ちゃんの自分を俺だけのものにして欲しい、という言葉が、 更に俺の欲望を加速させていく…。 梨花ちゃんの身体を引き寄せるとそのまま、床に寝かせる。 そして、先ほどすっかり湿らせた下着を脱がせてしまう…。 「此処も、きれい…だな…」 「いいえ、そんな事はない、そんな事はないからじっと見ないで…」 「さっき、梨花は俺のをじっとみてたろ、おあいこだぜ」 直に触れるのは初めて。だ。ゆっくりと秘所を開くように指で触れてみる。 「…け、圭一…そんな広げて見ないで。いや、汚いから」 顔を見られたくないのか真っ赤になって頭をぶんぶんと振る。 でも、俺の目には梨花ちゃんのあそこはとてもきれいに見えた。 さっき、俺のものを舐めてもらったお礼。といわんばかりにその場所を舐め始める。 「な、なめちゃ…そこは汚いから…駄目…はひゃっ…」 ぶんぶんと頭をふって嫌がってはいるけれど足の方の抵抗は無いので続ける事にした。 こうしてみると、さっきふれたと思われる小さなものが見えた。 慎重に舌でつついてみる。 「ひぁっ…圭一…そこ…しびれて…さっきみたいに…真っ白に…」 此処が俗に言うクリトリスなのだろうか…と考えながら、更に舐める。 ぴくびくと太ももが震えているのがとてもいやらしく見える… 「梨花…そろそろ…ひとつになろうぜ…」 この俺のものを、巫女の梨花ちゃんに突き入れて、ひとつになる。 魅力的な誘惑に呼吸もあらくなる。 梨花ちゃんも真っ赤になってぐったりとしながらこく、とうなずいたのを確認し、 ゆっくり俺のものを梨花ちゃんのモノにあてがう、 サイズが異なるので、ちょっと不安に思いつつ、少しずつ慎重に腰を… 「ひ、ぎっ…、いやっ、痛いっ…痛いッ!!いやっ…」 わずかに肉棒が中にこじ入れられようとしたところで梨花ちゃんがおもいっきり痛がり暴れる 俺も驚いて思わず挿入をやめる。 はっ、と我に返った様子の梨花ちゃんはひどくおびえた表情を浮かべた。 「け、圭一…ちょっと初めてなのでびっくりしただけよ… 大丈夫…だから…このまま…」 選択肢 このまま、抱く やっぱり抱けない -圭x梨花 2 俺自身もう、止まる事もできない欲望が渦巻いている。 梨花ちゃんの意思を確かめるように一度口付けを行ってから肉棒を梨花ちゃんのそこにあてがう。 「梨花…、次、悲鳴を上げたらここでやめるからな…」 「わ、わかったわ…、圭一…」 こく、とうなずいたのを確認してまた肉棒をゆっくりと進める。 ぐ…と眉を寄せて耐えてはいるけれども、声は出すことがなくなった。 つらそうな様子にやや腰が引けるが、やると決めたからには腹をくくる。 ゆっくりと腰を推し進めていく。 すこしずつ俺のを締め付けてくる梨花ちゃんの中に強く興奮しつつ できるだけ負担を減らせるようにとゆっくり奥へ進む事に意識をさく。 「~~~~~」 声を出さないようにとはを食いしばる梨花ちゃんが歯をいためてはまずいと 一度動きを止めて呼吸を整えるときに、エプロンの一部を咥えてもらい、 更に奥へと進む…。 どのくらいかかったかわからないが、とうとう梨花ちゃんの中に俺のものがすっかりと埋まる。 正直狭くて痛いくらいの中で動くに動けず。 ぎゅっと痛みに耐え、本当に声を出さなかった梨花ちゃんの頭をなでながら、口付けをする。 「これで、すっかりうまったぜ…。 大丈夫…なのか…?」 「はぁっ…はぁっ…大丈夫…このくらい…、本当に身体を引き裂かれる痛みより 何倍もましなんだから…。 圭一を受け入れてる…嬉しい痛みよ…。 それより…圭一…まだ…終わっていないんでしょ…?」 この状態で動け、というのは梨花ちゃんにもだいぶ負担を与えそうな気がする。 俺自身もうごくかどうかためらっていたときに中の動きが微妙に変わった気がした 俺も勢いでしてしまったが、正直長く持ちそうに無いのを感じていた。 ゆっくりと動いて梨花ちゃんの身体を十分に感じていく。 時間の感覚が途絶えたまま、梨花ちゃんの中をゆっくりと往復をし続ける。 「く…また…」 梨花ちゃんの声はやや苦しそうだが、さっきよりは落ち着いているように聞こえる。 自分のものに走る感覚にそのときが来たのを感じれば、 中に出すのはまずい…と思って引き抜こうとしたところで梨花ちゃんの腰が絡みついてきた 「り、梨花ちゃ…このままだと、中に…」 「はぁ…んく…いい…の…このまま…」 一度こみ上げてくるものをせき止めるすべを知らない俺は、そのまま、梨花ちゃんの中へと 精をはきだしていく… 「あ…、圭一…」 圭一の熱が身体の中に伝わってくる。 身体は痛いけれど、心にはようやく落ち着きが満ちていた。 圭一と一つになれた事がとても喜ばしくて。熱を受けた腹部をゆっくりとなぞる。 「わ、わるい、思いっきり中にだしちまったな…。 その…もし、できちまったら…責任、取らないといけないよな…」 「圭一は…私にこんな事をした時点で責任を取るつもりではなかったの…?」 「いや、それもそうなんだけどな。やっぱりきちんと定職に付くまでは子供は…」 妙に慌てふためいている圭一がかわいくなって私から口付けをする。 一緒に居る、という証をもらった気がして心にすこし余裕が出てきたみたいだ。 本当に現金だと自分でも思う。 「ん…ところで梨花ちゃ…と梨花…気になってたんだけど… そのしゃべり方、こっちが本来の梨花なのか」 「え…あ…に、にぱー。 そ、そ、そ、そそんな事ないのですよ」 すっかり幸せを感じていて忘れていた事を思い出して慌てて取り繕う。 そんな取り繕いも今の圭一には通用しないらしく、じーっと見つめてくる。 心の中まで見透かされているような気がしておとなしく白状する。 「ええ…、そうよ…。こっちが本当の私。 みんなの前ではかわいい子ぶってるって所ね…」 もしかしたら、声が震えていたかもしれない。ここまでして、もしかしたら嫌われて コレっきりになるんじゃ…って。そう考えたら世界が終わる気がした。 「なんだ、ちょっと大人びた口調だったからびっくりしたけど、 やっぱり梨花ちゃん何だな。じゃあ、梨花ちゃ…ってまた言ってるか。 梨花も俺と二人きりのときは演技はやめてくれよ?」 きょとん。とした私の頭に圭一の手が乗る。 「え…、でも、みんなの前に居るときよりかわいげが…」 そんな言葉も圭一の口先の前に轟沈する。 言葉を並ばせたら右に出る人は居ないその言葉にすっかり言いくるめられて。 「私」は圭一の前だけは「私」で居続ける事にした…。 その夜。ちょっと硬い畳の上で二人で抱き合いながら、 初めての二人きりの夜を過ごした…。 翌朝。朝帰りの圭一は両親にいろいろからかわれたとか。 おきた時に来ていた服がいろいろ大変な事になって予備の服を出したとか。 レナがいっそう意味ありげな視線を送るようになったとか、 いろいろ合ったけれど。今日も圭一の隣に私が居る。 一緒に居ればどんな逆風でも立ち向かっていけるから。 おまけ 「梨花も圭一も奥手ですからね、 ここまで強烈に意識させて挙げないといけないとは 二人とも手がかかるのです」 「は、羽入…、あの、私その…羽入にまた…」 「沙都子はいけない子なのですね。 それじゃ、また、二人でゆっくり過ごすのです」 ボクはボクでこの生を思い切りたのしむのです。
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雛見沢の冬を、俺は思いっきり舐めていた。 まさか足が隠れるぐらいの雪が降るとは、まったく持って思っていなかった。 おじいちゃん連中は元気に梨花ちゃんと沙都子のために通学路を作るべく雪かきをしているが、 あんまりがんばりすぎるといろいろと取り返しのつかないことになりかねないので、 もうちょっと自分の体を大切にしてほしい。 こんな雪の日にも、部活があるんだと魅音から電話がかかってきた。 雛見沢分校は今、冬休みに突入してる。 なので、魅音の家で部活をする、というわけだ。 都会っ子の俺に、いきなりこんな雪中行軍をやらせるとは。 下手したら春まで俺の体沈みっぱなしだぞ、この雪は。 などと、魅音に言えるだけの文句を考えながら、なんとか園崎邸へとたどり着いた。 ここからがまた長いのだが。 立派な玄関の呼び鈴を鳴らすと、魅音が走って出てきた。 さすがの魅音もかなりの厚着で、魅音というよりむしろ綿の塊みたいになっていた。 もしかして、寒さに弱いのだろうか。 「圭ちゃん、よく来てくれたね、ささ、早く上がって! 皆はもう待ってるよ!」 「おう、死ぬかと思ったぜ、魅音。これが園崎のやり方かよって何回思ったか」 文句を笑顔で言う。魅音にも冗談が通じたみたいだ。 「うちがやるんだったらもっと金になりそうなことやるよ! こちとらロマンじゃやっていけないのよ! あっはっは」 「おーおー、さすがは次期頭首! 園崎家も安泰だな」 寒い中だったから、さっさと話を切り上げて、家の中へと入っていく。 そこには、皆の姿があった。そう、俺は一番最後だったのだ。 「みぃ、遅いのですよ、圭一」 「あぅあぅ、罰として圭一はボクのためにみかんを剥くのです」 はじめに出迎えたのは、梨花ちゃんと羽入だった。 皆はコタツに足をつっこんだまま、動こうとしない。 「はぅ、羽入ちゃん、自分でみかん剥けないのかな? か、かぁいいよう」 小刻みにぷるぷると震えだすレナ。危ない。禁断症状が出かけている。 「圭一さん、レディを待たせすぎですわー!何か芸のひとつでも見せてくださいませ!」 「さ、沙都子、圭一も大変だったんだよ。 だって、僕たちの家の近くは人が住んでるから雪かきするけど、 圭一のところはほとんど圭一の家だけだろ? 後回しにされるんだよ」 沙都子の悪態に、悟史がフォローを入れる。 この大所帯にも、そろそろ慣れてきた。 ついに部活のメンバーは羽入と悟史、そして最大時には詩音を加え、八人を数えた。 今日は七人で、いったい何をするというのだろうか? ジジヌキなんかはこの大人数でするにはちょっとつらい。 一巡二巡で勝負が決まり、ジジに関わらない人間も出てくるのだ。 ポーカーも七人だと、一人五枚でチェンジ分の余裕を合わせて七十枚必要になってしまう。 五人までなら対応できるが、それ以上はできない。 トランプがテーブル中央にあるのに、まさかトランプ以外のゲームを? 「今日はね、ブラックジャックをやるよ」 「ブラックジャック?」 皆がいっせいに、疑問の声を上げる。 「まぁ、数字を競うゲームだよ。二十一を目指してカードを引いていって、 いろいろな役もあるけど、今回は無し。 二十一に近いほうが勝ちで、同数の場合の強弱はここに書いてあるから」 魅音は、わざわざ用意していたルール用紙を、皆に配った。同時にチップも配る。相変わらず用意のいいやつだ。 賭けのルールは、参加料として最低一枚のチップを払い、その後の賭け量は自由。 親と子の一対一勝負を子の数だけする。 親が勝てば相手の分を取り、子が勝てば賭けた分だけ親から取る。 親は参加料も取れる。 今回の勝負では借金も可能で、一番多く借金をしたものが、 一番多く稼いだやつの言う事を聞くという、過酷な罰ゲームが待っている。 言う事を聞く、なんて限りなくフリーだ。 何をやらされるかわかったもんじゃない。 「チップは一枚百円だからねー」 「そういうの、いけないと思うなぁ」 「じょ、冗談だって、レナ、その孫の手しまって!」 レナが、金銭の賭け行為をしようとたくらむ魅音の野望を、 孫の手のあの丸いゴムがついたほうで打ち砕いた。 あれを脳天にでも叩き込まれれば、あの形に頭蓋が陥没するのは目に見るより明らかだ。 「さて、とりあえず私から親ね。勝とうが負けようが、親は時計回りに回っていくから。 勝負は常に青天井! いくらでも張っていいよ! 二十五回勝負で総チップの多い人が勝利!」 確認、五枚分四つ、一枚分五つの、合計二十五枚分のチップを渡されている。 つまり、参加料だけでのらりくらりと張っていけば、二十五回は遊べるわけだが、 そんなのでトップになれるはずがない。とりあえず、俺は強気の姿勢でいくつもりだ。 最初に渡されたカードは……ハートの三とクラブの七……平均値より下回っている。 このゲーム、五十二枚中、十が十六枚もあるのだ。 そのことはルール用紙ですでに把握している。 三枚に一枚は十が信頼できる。 加えて、場の十の数で、次に引くカードは結構想像できる。 そう、それぞれの数は親以外、公開されている。 親は好きなほうを片方だけ公開するという権利を与えられている。 それでハズレの予想をさせるのが親が取ることのできる戦略だ。 「どうしたの、圭ちゃん? 怖気づいてるの?」 場の十の数は、魅音の未知数を十としたとして、三枚しかなかった。 この場には、十四のカードがあり、そのうち十三枚が公開され、そしてそのうち二枚、十が確定している。 これは確率的に異常なことだ。 なんせ、山からすべての三分の一も出ているというのに、十のカードの三分の一、 すなわち五枚という数字を、三枚も下回っているのだ。 かなりの確立で次は十を期待できる。魅音の公開札は七。 そして、俺は十。ここで十を引けば、俺はほぼ安全圏。 なぜなら、二十という数字を超えるのは二十一しかないのだ。 対して、数字の低いカードがことごとく皆の手に回っている。 そこから、魅音の伏せた一枚が十である可能性が飛躍的にアップする。 さらに先ほどの計算から導き出される解から、魅音はまず引かないだろう。 引けば死ぬ。もう一枚が三か四でないかぎり、あまり引きたくは無い状況だ。 三は俺を含めて三枚出ている。まずありえない。 四は二枚しか出ていないが、これも無いだろう。 残る二とエースは全くの未知数。 こいつは、なかなか緒戦から熱くさせてくれる! 「さぁ、どうしたの? 引くの?」 「もちろん引くぜ!」 二十! 思ったとおりだ。 「くっくっく、圭ちゃんなかなか運がいいじゃないの」 ほかの皆は、悟史を除き好調だが、俺には及ばない。 悟史はいきなりブタになっている。 俺は、無言で十枚分のチップを置く。 のこり十五枚、勝てば三十五枚。 ほかの皆の張りを見る限り、俺が勝てば最初のトップだ。 親の魅音はさすがに全員に勝てば余裕のトップになるが。 「では、勝負!」 魅音が掛け声とともに、カードを一枚引き、すべてを公開した。 七、五、六……十九だ。俺以外のやつ全員に勝ち、十枚の上がりを、俺に丸々取られる形になった。 「撒き餌撒き餌、くっくっく」 そういいながら、皆から巻き上げたチップを、魅音は俺に放り投げてきた。 「三十五枚だぜ? このゲームの総得点数は百七十五。 過半数を取ればまず勝ち確定だから、八十八ほどとりゃあいいんだ。 あと一回同じ賭けをして、その後全賭けしたら詰めだぜ?」 「勝てりゃあね」 「は、はぅ、なんか二人で燃えてるよ……私たちもがんばらないとね、 梨花ちゃん、沙都子ちゃん、羽入ちゃん……あ、悟史くんも。」 「むぅ……レナ、さっきの、最後に僕を出しただけだよね? 忘れてたわけじゃないよね?」 「細かいことは気にしないで。とにかく勝ちにいこう?」 「むぅ、うまくごまかされた気がする……」 かくして、俺と魅音の壮絶なバトルが繰り広げられる。 そう、しょせん皆のは頑張りなのだ。 俺と魅音にあるのは、確信。 必ず勝つという確信なのだ。 「うは、圭ちゃんやるねぇ!」 「魅音こそ……さっきのブラフ、危うく踏みかけたぜ!」 「や、やっぱり私たち、ただのエキストラなのかな? かな?」 「あぅあぅ、ボクと梨花なんて、一言ずつしか喋ってないのです」 「そんなの、わたくしもでしてよ……」 沙都子のトラップワークも、梨花ちゃんの黒魔術(?)も、レナのかぁいいモードでさえ、 俺たちの勢いを止めることはできなかった。お互いが五十のチップを取ったとき、 最後の二十五回戦目を迎えた。ちなみに、ビリは羽入で借金十枚だ。 「あぅあぅ……このままでは魅音か圭一に調教されるのです……」 「羽入、大丈夫よ。二人ともそんな勇気ないから。 せいぜいメイド服着させてご奉仕とか、もうマンネリ化した罰ゲームでお茶を濁すと思う」 「はっ、魅音、どうなんだそのへん?」 「上等、すっごいの用意してあげるよ。安心して、圭ちゃん?」 「はぁ、何で俺なんだよ?」 「一騎打ちしない? あの時みたいに。今日は……最高だったから」 「……たしかに、このまま羽入で確定、っていうのも面白くないなぁ」 「よかった、圭ちゃんが腰抜けじゃなくてさ!」 「なんだとぉ?」 「皆、いいよね?」 魅音が、皆一騎打ちの是非を問う。羽入は全力で肯定していた。 「よし、じゃあ……やろうか」 「お互い公開札は一枚のみ、勝負は”逃げる”か”受ける”か。三回逃げたら負け、でいいな?」 「圭ちゃんからルールを提示されるとはね、いいよ、受けて立とう!」 俺は、魅音から配られたカードを早速確認した。ハートのキングと、スペードのクイーン…… ほとんど勝ちだ。俺は、スペードのクイーンを公開した。 「それでいいの?」 すこし、心臓がはねた。一瞬、見抜かれたかと思ったからだ。 「ああ、いいぜ。おれは勝負する。」 魅音が公開しているのは、ハートの七だった。また、あのパターンだろう。魅音は、三枚目を引く。 「本当に、いいんだね?」 魅音が不適に笑う。 「受けて立ってやる」 「……スリーセブンだよ、圭ちゃん」 魅音がぱらぱらと、七を三枚公開する。 七が三枚……すなわち、二十一だ。 「なんてやつだ……負けたよ、魅音。さすが部長だなぁ!」 「くっくっく、圭ちゃん、罰ゲームはあとで伝えるからねー、さぁ、皆、片付け手伝って!」 「はーい」 早々に勝負を強制的に捨てられた他の皆は、すでに片づけを開始していた。 俺もそれに加わり、罰ゲームからさりげなく逃れようとしたが、魅音に思いっきり襟首をつかまれた。 「はいそこ、逃げない」 「ぐっ」 「明日、学校の特別教室に一人で来ること。いいね?」 魅音はそう囁いて、俺を解放した。 特別教室というのは、いつもの教室の隣にある、園崎家寄贈のテレビとビデオが設置されている教室だ。 そこで教育用ビデオを見たり、男女別のとある教育をする。 都心の学校には普通にあるが、このへんじゃまだ珍しいらしい。 次の日の放課後、俺は罰ゲームの用事があると言って、レナと別れた。 魅音が俺の肩をぽんと叩き、皆を撒く旨を告げる。 俺をどうにかして、皆を驚かせる算段なのだろう。 変わっていく過程を見るより、いきなり変わっていた時の方が衝撃力が高い。 たぶん死ぬ。 きっと死ぬ。 「魅音、お手柔らかに」 特別教室は鍵がかかっているわけだが、そこは大人の事情で魅音はいつでも鍵が取り出せる。 というか、この子鍵なくても勝手に入るけど。 特別教室は廊下からはすりガラスで隔離され、庭側からは黒いカーテンで隔離されている。完全な密室だ。 「んじゃ、覚悟はいい? 圭ちゃん?」 「……ああ、いいぞ」 何も提示されていないから、覚悟のしようが無いのだが。 「……罰ゲーム。私に告白すること」 「はぁ? 告白って、罪の告白か?」 「んなわけ無いでしょ! 愛の告白!」 「……なんだよそれ、俺をすさまじい格好に仕立て上げて、みんなの前に拘束した状態で放り投げるんじゃないのか?」 「圭ちゃん、そっちのほうがいいの?」 「嫌です」 即答。きっと魅音は逆を望んでいたのだろう。 そう、自分が選択してしまった罰ゲームというのは、通常よりも一ランク上の状態にされても文句は言えないのだ。 「じゃ、言ってみよう」 「……なんていやあいいんだよ……んー、好きだぜ、魅音。愛してる」 とりあえず、芝居がかった声で言ってやった。さすがに適当すぎたか。 「私もだよ、圭ちゃん」 「これで、終わりか?」 「私も……好きなんだよ、圭ちゃん」 「はぁ? ……み、みおっ!」 突如、魅音が俺に抱きついてきた。魅音の香りは、女の子だった。 髪の毛からシャンプーのいい香りがする。 長い髪だっていうのに、きちんと手入れがされた髪。 ぶっきらぼうに結んだように見えて、実は……細心の注意を払っている髪。 それが、目の前にふわっと広がる。 「圭ちゃん……も、もう一度言うよ。す、好きだから。圭ちゃんのこと、好き……だから……」 さらに強く、魅音が抱きしめてきた。俺は、何も抵抗出来ないで居た。 ただ、そこで硬直している。魅音の胸が、俺の胸に当たる。 柔らかい胸。少し、魅音の顔が見えた。真っ赤だった。 「お、おい、魅音、じょ、冗談だよな?」 「じょ、冗談だよ……あはは、じょ……じょう、うっく……じょ……あは、う、うう、ふえぇ、じょうだん、だから」 馬鹿か俺は。何で魅音が泣いてる? 冗談だから? 馬鹿か俺は? なぁ、馬鹿。おい、馬鹿。何か言えよ、馬鹿! 「魅音、俺ももう一回言う。俺、魅音が好きだ。罰ゲームだって? 何で罰ゲームなんだよ? そりゃ、俺が魅音のこと嫌いだったら罰ゲームなのかもしれんけどよ、俺、魅音のこと好きなんだぜ?」 また芝居臭かっただろうか? ちょっと俺も熱くなりすぎた。 「あはは、圭ちゃん騙された、騙された!」 魅音の手から、目薬が落ちる。 「うぉっ! お前!」 俺が魅音を思いっきり引き剥がす。魅音が机にしりを突き、俺が魅音を机の上に押し倒したみたいな格好になった。 「あ、ご、ゴメン……」 俺、ダメだ。確実に赤くなってるぞ。ああ、からかわれる。死ぬ。死ぬる。 「あー、圭ちゃんに襲われるー」 魅音が泣いたまま、俺を馬鹿にするように笑った。 「だから、ごめんって、ほら」 魅音を引き起こそうとするが、俺の手がはずされる。不思議な感覚だった。 なぜなら、下に向けた俺の手が万歳してるんだから。 「と、私が襲われても、これで金的してKOだから」 俺に護身術をレクチャーするように、魅音は恐ろしいことを言った。 「お、おい、魅音」 「何?」 「ぱんつ、見えてる」 「亜qswでfrgtyふじこlp;。@」 魅音が奇怪な声を上げながら顔を赤くし、スカートを必死にガードする。 そんな長いスカートでパンツが見えるわけないだろ。 「あっははは、ひっかかったひっかかった」 「うりゃ、かにバサミ!」 机に寝転んだままの魅音が、俺の腕ごと両足で挟み込み、締め上げて寄せた。 「うぉ、きゅ、急にすんな馬鹿!」 俺はバランスを崩し、とっさに手を前に出す。とりあえず、手の動きは計画的に。 特に、目の前に女の子が転がってる場合は。 「う、うあぁあ、ご、ごごご、ごめ」 魅音は茹で上がった蛸みたいになって、完全に固まっている。 とりあえず、足を離してもらわないと、手が柔らかい部分にかぶさったままで、 俺の男の子の事情が膨れ上がってくるんですがいかかでしょうか魅音さん。 「け、圭ちゃん、そ、その、手、手どけてくんないかな?」 「いや、その前に足はずしてくれよ。じゃ無いと無理だから」 「圭ちゃんの、えっち」 「はぁ?」 「圭ちゃんの、すけべ」 「だ、だから、足放せって!」 「で、でも……ぁの……けぃちゃんだったら……いいょ」 消え入りそうな声で、魅音は言った。 「は、はぁ……」 気の抜けた返事。また、俺を騙すつもりなのだろう。 「えっちなこと……してもいいよ……その、平気、だから……皆にも、言わない」 魅音は、目を逸らしたまま言った。 「ははぁ、そうかそうか。まぁた俺を騙すんだな、そうはいかねえ」 「ほ、本気だょ」 「そうかそうか、ほら、放せ!」 俺が、一回手のひらに力を込めてやった。きっと、驚いて足の力が緩むだろう。 「あっ、あぅ……け、圭ちゃん、もっと、やさしくして……」 「お、おいおい、放せって」 「だから……ぁの……揉んで……下さい」 魅音は完全に目をつぶっている。あのー、そろそろ胴締めが効いて頭がくらくらしてきたんですけど…… 「冗談はいいから」 「冗談じゃないよぉ、圭ちゃん、嘘だっていいから、ねぇ、 圭ちゃん、そばにいたいよ、圭ちゃん、ねぇ、圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん」 俺を、足で揺さぶってきた。 俺が必死に胸にあてまいと頑張って開いている手も、そろそろ限界だ。 「ゆ、揺らすなよ、魅音」 「うっく、くぅ、けぃちゃぁん、ううう、うっく……圭ちゃん、圭ちゃん」 魅音は壊れたテープレコーダーのように、何度も何度も同じ言葉を繰り返した。 「も、もう限界だ」 俺は、とりあえず休憩するために、魅音の胸に手を置いた。とりあえず休憩するために。 「あうぅ、あ、あ、あぅ、あぅうう、あぅ、あぅあぅ」 魅音が羽入みたいな声を出しながら、俺を揺さぶり続ける。 俺の理性は少しずつ剥がれ、休憩から一泊にチェンジしつつあった。 「み、魅音っごめんっ!」 「圭ちゃん、圭ちゃぁんっ!」 俺は、ついに自らの手で魅音の胸をもみだした。ああ、やわらかい。 脳が溶けそうだ。もう、ちんちんがわけのわからないことになってる。 「ちょ、魅音、下が大火事、上も大火事、これなーんだ? 正解、俺。た、たのむ、魅音、放して……」 「うっ、け、けいちゃっ、あぅっ、うっ、う、うー……あっ……ふっ……」 冬だというのに、魅音は玉の汗を出して動きを止めた。心なしか、痙攣しているようにも見える。 「お、おい、魅音、大丈夫か?」 ぐたっとした魅音の拘束が解けた俺は、魅音の肩を掴んだ。 「圭ちゃん……好きぃ……圭ちゃん、圭ちゃん!」 俺は、魅音に思いっきり抱き寄せられた。そして、そのまま…… 「み、みお、むぐっ」 口をふさがれる。何か、やわらかいもので。時間が、止まった。 「ぷはっ、も、もう一回、ね?」 「どうしちまったんだよ……魅音?」 俺は、出来る限り優しい声でたずねた。 「もっかいしてよぉ、圭ちゃん……」 魅音は、また泣き出してしまう。俺は、どうしたらいいのか全くわからなかった。 「あの、魅音さん?」 「してよぉ……してよぉ……」 「なぁ、魅音、俺は……その、どっか行ったり、しないぜ?」 「だって、私たち、もうちょっとで離れ離れじゃない……寂しいよ、圭ちゃん」 「そりゃ……仕方がねえよ、俺と魅音は一年違うわけだし……まぁ、でも放課後なら会えるだろ?」 「それじゃ、やだ……私、圭ちゃんと一緒がいい……」 「そんなわがまま、俺に言われてもなぁ……魅音のほうで何とかできねぇのかよ?」 「ぐすっ……そう、そうだね、やるよ、私……決めた、私、圭ちゃんの初めてもらう」 ぐわっ、勝手に決めるな! って、何か俺、この台詞違う場所で聞いたような気がする。 「ちょ、みお」 俺は、今度は押し倒される格好になってしまった。 俺が立ち上がろうと、机に手をつくと、すぐにその手が払われて、倒れこんでしまう。 「ふふ、ムダだよ、圭ちゃん」 「あの、み、魅音さん? ちょっと怖いんですけど……」 「圭ちゃんには……おしおきが必要みたいだね、だって、圭ちゃんのここ、こんなになってる」 否定は出来ない。全く出来ない。 「うわっ、むわってきた、圭ちゃんちゃんと洗ってるの? ここ?」 「洗うって、洗うの? そこ?」 「……サイテー、私が洗ってあげるよ、圭ちゃん」 魅音は、ポケットからティッシュを取り出した。 そして、俺の肌色につつまれたちんちんを、ああ、ちんちんがつかまれつつある、ああ、さらば、ちんちん。 「何言ってんの? 圭ちゃん?」 「え、俺、何か言ってた?」 「うん、ちんちんがどうのこうのって」 「ああ、そ、そうか、いや、ちょっと頭がぼーっとしてて……」 「剥くよ、圭ちゃん?」 「剥くって、何……うぉっ!」 魅音の手が、俺のに触れる。瞬間、感じたことの無い感覚が走った。 「あの、み、魅音、ちょっと、まて」 「いーや、剥くね」 魅音の手が、俺の隆起した局部を、上からすこしずつ……って、 み、魅音、ちょっと、それ、そんなになんの? い、いた。 「あうっ!」 ……爆発した。気持ちよすぎる……一体、魅音は何をしたんだ…… 「ちょっと、圭ちゃん、さっき起きたありのままのことを話していい? 圭ちゃんの皮を剥いたと思ったら、圭ちゃんが射精した……圭ちゃん、早すぎぃ」
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前篇 羽入と圭一の一番長い日(前篇) 約束を守る最上の手段は決して約束をしないことである。 『ナポレオン言行録』より カエサル「賽を投げろ」(「賽は投げられた」の原語) プルタルコス『ポンペイウス伝』より あの後、ボクは圭一のお家から、梨花たちにバレないように神社に戻ったのです。 何もなかったように目を覚まし、登校し、そして今――放課後の部活を迎えたのです。 …今日はバレンタインデー。そして、圭一にチョコをあげようとしているのが、ボクを含めて――六人。 レナ、魅音、詩音、沙都子、梨花、そしてボクなのです。 みんな愛しの圭一に手作りのチョコをあげようとしているのは、女であれば分かってしまうことなのです。当然、ボクも。 でも、そこはボクたち部活メンバー。どんなことでも過酷な「部活」になるのです。 「じゃあ今日は、バレンタインデー特別記念の部活にしよう!そ・こ・で…圭ちゃん!今日のゲームはあんたが主役だよッ!!」 「おお、マジかよッ!!なんだってまた、今日は俺がッ!?」 魅音に名指しされて戸惑う圭一…ふっふっふ。 「今日はバレンタインデーなんだよ、だよ!みんな圭一くんにチョコを持ってきたんだから、それをあげちゃうんだよ、はぅ~!」 「をーっほっほっほ!私も含めて、みなさんそれぞれのチョコを圭一さんに差し上げてもよろしいわけですけど、全員が本め…じゃなくてじゃなくて、義理チョコじゃ面白くないですわ!」 レナと沙都子もこのゲームに乗り気のようなのです。 「なので、圭ちゃんが一つだけ選んで下さい。それが『特別なチョコ』ってことで、それを作った人に一日デート権までつけちゃいます!あ、あと私から、エンジェルモートのデザふぇ一日タダ券もあげちゃいます!」 詩音も今日は圭一のためにチョコを持ってきている…悟史はどうしたのですか? あぁ、圭一はいわゆる「キープ君」にするんですか、そうですか。 どうでもいいけどその牛みてーな乳を圭一の腕に絡めるんじゃねーよなのです。はいはい爆乳爆乳。 「というわけで、ここにみんなのチョコが並べてあるのです。圭一はサイコロを振って、その出た目のチョコをもらうのです。そしてそれを作った人と二人きりで一日『にゃーにゃー』して構わないのです、にぱ~☆」 「ふ、二人っきりで『にゃーにゃー』はちょっとマズイんじゃないかな、かなぁ!あはははははははははははは。…でも、圭一くんなら…『レナのを』当ててくれるよね… よ ね ?」 「レ、レナの目がマジだよ、おじさん怖いってばぁ~!!」 「…なるほど、そういうゲームか…よし、乗ったぜ!」 クックック… 計 画 通 り なのです。 今日はおそらく、こういうゲームになると予想していたのです。 サイコロの目で決める、一発勝負。 間違えないよう念のために、魅音にそれとなくサイコロゲームをさっき薦めたのですが――彼女は既に決めていたので安心したのです。 既に目の前にはみんなのチョコが並んでいます。 梨花が『一』、レナが『二』、魅音が『三』、沙都子が『四』、詩音が『五』、ボクが『六』の番号を割り振られています。 そして圭一が「運命の主宰者」となり、サイコロを振る。 ――このサイコロっていうのがやっかいなのです。ごまかしがなかなか効かないもの。 ですが、これで決めてしまえば、『六』の目を出してしまえば――文句無しの勝者になれる。 ――そこで、ボクと圭一は昨日、約束したのです。 「いいですか、圭一…自前のサイコロを。あなたが目を操れるサイコロ…たしか、大石にもらったはずなのです」 「ああ、あるぜ…これはどんなに振っても『六』の目しか出ないように作られた、イカサマ用のサイコロだ」 「明日、ボクはあらかじめ魅音にサイコロゲームを提案するのです。そしてボクのチョコの目は『六』にして、圭一がそれを振れば…」 「…羽入のチョコを貰える上に、さらに羽入と一日デートまで…」 「そしてそのデートの夜こそ…ボクから本当のプレゼントをあげるのです…。欲しいでしょう?ならば、圭一…イカサマするのです…ふふっ」 「くけけけ…全ては神のために…」 ――ふふふ、みんな楽しそうなのです。 ですがこれは既に、ボクの手の内に有るゲーム…みんなが負けてボクが勝つ。 文字どおり…ボクは今、『神』なのです! 「…で、提案があるんだけどさ」 圭一がポケットに手を伸ばして、サイコロを取り出したのです。 「ちょうど今日、持ってきちゃったこれがあったから、このサイコロでいいだろ?これを振るだけだしな」 それでいいのです、圭一…偶然持っていたという風を装うのです。 「…うん、いいんじゃない?おじさんは賛成」 「なんだかタイミングが良過ぎじゃございませんこと?まぁ私は構いませんわ」 「そうですね、それでいいんじゃないですか?どうせサイコロに変わりないですし」 よし、この三人は予想通り鈍感だから騙せたのです。問題は…。 「…ねぇ圭一くん。そのサイコロ、ちょっと貸してくれないかな…かな」 「…そうね、私も見てみたいわね…」 くっ…やはりレナと梨花は疑り深いのです。 「…あぁ、いいぜ。どこも変なところは無いからな。俺を信じろよ」 圭一は気さくにそれを渡したのです。レナと梨花はしばらくそれを手に取って探っていましたが…頷いて圭一に返しました。 「…うん、大丈夫だね。…圭一くんならしないだろうから信じるけど…」 「お…俺が何をするっていうんだよ、レナ…」 「 イ カ サ マ 」 レナの目がマジなのです…これはバレたら恐ろしいことになりそうなのです。 でも気になるのは…梨花なのです。ずっとボクとサイコロを見比べています。こっち見んななのです。 「…まぁ、どんな目が出ようと、私はそれに従うわ…くすくす」 嫌な感じなのです。未だにベルンカステル気取りの癖が抜けないから、いつまでもナイチチなのです、バーカバーカw 圭一はボクにも了承を求めました。 「…羽入もいいよな、コレで」 「…はい、ボクは全然構わないのですよ」 「よし、じゃあ…決まりだな…くっくっく」 お互いに言わずとも分かっているのです…全てはボクの思い通りなのですから! 「さぁ、いくぞッ!!」 ――圭一がサイコロを振る構えを見せたのです。 「――全ては神の仰せの通りに」 ニンマリと笑う圭一…馬鹿…あまりこっち見んななのです…バレたらどうするのです… いや、もう勝つと分かってのことですか…それでいいのです。 それにボクも…なんだか顔が、自然とニヤけてしまうのです。 だ…駄目なのです…こらえるのです…し…しかしwww 梨花たちは未だに自分こそが勝つと思い込んでいる…サイコロが落ちる前に勝利を宣言してもマズイ… いや…サイコロが止まる寸前…『六』の目が出る寸前に勝ちを宣言するのです…! ――そして、賽は投げられたのです。 サイコロは宙を舞い、机の上でコロコロと回り…もうそろそろ回転が収まりそうな瞬間。 ボクは梨花を見て言ったのです。 ――勝利を確信した、最高の笑みで。 「梨花。…ボクの勝ちなのです」 言ってやったのです言ってやったのですッ!!!どうですか、梨花ッ!! ボクと圭一で一日『にゃーにゃー』なのです!ボクと圭一がズッコンバッコンやってる間に、梨花は自宅でペチャパイを弄りながら一人オナってればいいのです洗濯板涙目なのですwwwwww ――ですが、梨花は動じず――むしろボクを笑い飛ばしたのです。 「――くすくす。勝ちですって?――それはこっちのセリフだわ」 …な、なんということ…。 ボクの目の前に、『一』の目が出たサイコロがあるのです。 何故、何故、なぜッ!!おかしいのです、圭一のサイコロは必ず『六』の目が出るはずなのに…ッ!! 「な…なぜ、『一』が…」 圭一も茫然と立ち尽くしていました。 「か…神…。お、俺は仰せの通りに…」 馬鹿!だからこっちを見ながら言うんじゃないのです!みんなジロジロと怪んでいるでしょうがッ!! 「――魅音、詩音。圭一を確保しなさい」 なっ…梨花の指示で、圭一が二人に捕えられたのです。身動き出来ない圭一はただ「か、神…」とうめくばかり。 梨花はサイコロを拾って、圭一の前に見せました。 「『一』の目だから、私が圭一と一日『にゃーにゃー』なのですよ、にぱ~☆…というつもりだったけど、イカサマした罰が先ね。羽入と組んだ代償は…そうねぇ、二人に罰ゲームってことで。それでいい、みんな?」 みんながギラリと目を光らせるのです…うぅ、イカサマがバレた時の罰ゲームなんて、格別上等にヤバイに違いないのです! でも…なぜ、なぜ…? 「――なんでバレた、って顔してるわね。いいわ、教えてあげる。…羽入。あんたが家に帰って来た時、ほっぺたにチョコレートシロップと『圭一のホワイトチョコレート』がついたまんまだったわよ」 「――ッ!!!」 し、しまったあぁぁぁなのですうぅぅぅぅぅ!!! あの後、疲れてしまって、お風呂も入らずフラフラと自分の布団で寝てしまったのですッ! そして起きた時には綺麗に顔が『拭かれていた』…ということはッ!! 「――そう、私があらかじめタオルであんたの顔を寝ている間に拭いてやったの。そして知らぬふりで通し、羽入以外のみんなで計画を練った」 「圭一くんと羽入ちゃんで、夜中の内に何かを画策しているんじゃないかな?ってレナは思ったの。 おそらくバレンタインデーの部活について、目的は当然、羽入ちゃんに便宜を図るため…」 「…そこで、おじさんが思い出した。『イカサマする道具を、この前大石さんからもらっていたはず。確かサイコロだった』てね」 「ならば、そのサイコロを使うゲームをするように仕向けて、みんなの前で暴けば宜しいのですわ。それが証拠になりますもの」 「…そして、さっき私が圭ちゃんの腕に絡んでいたでしょう?…ただ単に、この爆乳を押し付けていたんじゃないですよ。あの時、羽入さんにも気付かれないよう、圭ちゃんのポケットからサイコロを奪って、お姉のサイコロとすりかえたんです」 「…当然、それは普通のサイコロ。圭一はそれを知らずに意気揚々と振ったというわけなのですよ。…まぁ、まさか上手い具合に『一』を引き当てるとは思わなかったけど。――どこかにいるかもしれない、幸運の『神』に感謝するべきかもね…くすくす」 みんながご丁寧に教えてくれたのです――ニヤニヤしながら。 さ、最初からバレていたのですか…このゲーム自体が、イカサマだったなんて…! ていうかみんな、推理力がおかしいのです!そこまで飛躍して考えて、しかも全部当たってるのは卑怯なのです! 「バーローなのですよ、にぱ~☆…くすくす。だけど、現にここにイカサマのサイコロがあるんじゃ、言い訳出来ないわよ?」 梨花が詩音から受け取ったサイコロは…確かに圭一のサイコロ。 それが既にイカサマ目的なら…言い逃れは出来ないのです。 こ、こうなったらッ! 「…圭一」 「か…神…」 「逃げるのですッ!!!!!」 「御意ッ!!…すまん、みんなッ!!」 圭一は二人を振払って、ボクと一緒に逃げ出したのです! ボクも教室から駆け出して、なんとか校庭で圭一と合流できたのです! 「圭一ッ!!…なんとか逃げ延びるのです、捕まったらアウトなのです、人生の終わり的な意味でッ!!」 「分かっております、神ッ!!…うおおぉぉぉ、スマン!!みんな~~~ッ!!!」 × × × …教室に取り残された五人は、彼らが走り去った後を見て、全員がゲラゲラと笑った。 「…はぅ~☆あの二人、愛の逃避行なんだよ、だよ!」 「それにしては、焦り過ぎもいいところですけどね。――二人で逃げ出さねばならないくらいの秘密があるわけですね。おそらく『昨日の夜』の――」 「そ、それは…まさか、不潔でございますわぁッ!!!」 「くすくす…そうとは限らないわよ?――まぁ、帰ってきた時の様子じゃ、確実だろうけど。それは二人に直接聞いてからのお楽しみなのですよ、にぱ~☆」 「…さぁて部員諸君。今日の部活は…あの二人と、鬼ごっこだぁッ!!!あの二人を捕まえて、『昨日の夜』についてあらいざらい聞き出した人がチョコをもらえるってことでッ!!いくよッ!!よーい…スタートッ!!!」 魅音の掛け声を合図に、みんなは一斉に走り出した。 ――誰一人として、あの二人を逃すつもりはない。 ただし、それは嫉妬ではなく、むしろあの二人をとことんいじり抜いて遊びたいという気持ちで、彼らを追いかける。 ――もちろん。逃げている二人は、こんな温かい彼らの思いに気付かず、ただただ逃げることしか考えていなかったが。 ――めでたしめでたし、めでたくもなし?
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前回 鬼畜悟史~古手の巫女~ ひ ぐ ら し のなく 頃 に ~ 鬼 畜悟史 ~ 第八話~罪滅し~ 「そんな! あの悟史君が……? そんなの有り得ません……!」 「監督。私だって信じたくはありません。けど、事実なんです!」 村唯一の医療施設で、私たちは言い合っていた。 魅音たちの隙を突いての脱走。 私はその後、診療所めがけて夜の雛見沢を疾走した。 夜ということもあり、怪訝な表情で私を出迎えた監督だったが、私の必死な顔を見てすぐさま相談に乗ってくれた。 だが、私の突拍子のない話は、監督をすぐに納得させることはできなかった。 当たり前だろう。特に監督は悟史君を治療してきた経歴もあり、悟史君をよく知っている。 その悟史君が、人を陥れるようなことをするなんて、私が監督の立場なら信じられない。 普段は冷静な監督が髪をしきりに掻き分け、眼鏡を曇らせるのを私は初めて見る。 監督は一度大きく息を吐いた後、眼鏡を右の中指でクイッと押し上げて位置を修正する。 これは監督が落ち着くときにする動作。私の情報を裏打ちするように、彼の表情はいつもと変わらなくなった。 私よりも長く生きているだけあって、不備の自体にもある程度慣れているようだ。 「では、質問します。あなたが悟史君の様子がおかしいと感じたのはいつぐらいからですか?」 「悟史君が編入してから三日後ぐらいだったと思います」 沙都子に言われるまで悟史君に何の疑問も持っていなかった。私を撫でてくれた在りし日の彼と全く変わらなかったように感じた。 でも、編入してきた日から悟史君の計画は始まっていたのだ。 まずは私を。次に魅音を堕とす。 こうすることで雛見沢での不祥事を園崎家の権力でもみ消すことを考えていたのだ。なんて冷静で計画的な犯行。 私ですら思わず舌を巻いてしまう。 しかもその計画はたった二日で成し遂げられ、次からはその計画の幅を大きく広げることに成功している。 「次の質問ですが、彼が症候群を再発させているとどうして考えましたか?」 「最初は予感のようなものでした。もしかしたら、彼は何らかの病気を抱えているのかもしれないと。 確信したのは沙都子に教えられた後です。悟史君の放つ鋭い眼光に捉えられたとき、彼が悟史君の姿をしている 別人ではないかと思いました。そしてそのときに症候群を発症してるんだと気付いたんです」 監督には今まで起こった全てを話した。 恥ずかしくもあったが、今はそんな面子を気にしている場合ではない。 最初に騙されて抱き合ったことから魅音に辱められたことまで。 唯一の味方とも言える監督は、それら全ての話を聞いても黙っていてくれた。 静かに私の話に耳を傾け、全てを話した後でも軽蔑したりせず「そうですか……」と呟いてくれた。 それがどんなに嬉しかった事か。 信じてくれるなんて最初は期待していなかった。 一か八かの大勝負。私はその賭けに勝ったのだ。 だけど、流石に悟史君が症候群を再発させているかもしれないという可能性については、彼は疑った。 それは彼の医者としての仕事が完璧ではなかったという事にも繋がるのだから。 「監督。今は最悪のケースを前提として動かなければなりません」 「……ええ、そうですね。詩音さんがここまで話してくれたんです。その決意を無駄にはさせません」 監督はばつが悪そうに頭を掻いた後、椅子から立ち上がると近くの白い棚に近づき、何かを探す。 彼の目は真剣そのもので、彼が私の相談に真面目に乗っていることを覗わせた。 やがて監督は一つのケースを握り締め、私のところまで戻ってきて、椅子に腰掛ける。 見た目にも大きく頑丈そうなケースを監督が開くと、そこには大きな注射器が収められていた。 「最新版のH103という薬物です。雛見沢症候群のL5クラスの患者を、L3クラスまで症状を抑えることが出来ます」 「これを使えば、悟史君を治せるんですか……?」 それなら早くこれを悟史君に打てばいいんだ。それならこの悪夢は幕を下ろす。 だけど監督は私のそんな淡い希望を、ゆっくりと残念そうに顔を横に振って掻き消した。 「……いいえ。残念なことに、これは症状を抑える薬であって、症状を治療する薬ではないのです」 「それでも、悟史君は元通りに生活できるんですよね?」 「はい。一日二本の注射さえ忘れなければ普通の人となんら代わりの無い生活を送ることが出来ます」 「良かった…………」 あの昭和57年の関係を再び取り戻せるのなら、私は何だってしてみせる。 悟史君が好きだということもあるが、あと一つ、今の私にとって重要な大きな支えがあった。 それは沙都子との誓い。 悟史君の言いなりになっていた私を、目覚めさせてくれた沙都子。 でも、沙都子はあくまでか弱い女の子だった。 悟史君の策略にはまり、一人では決して抜け出せない沼の中に沈もうとしている。 私が沙都子に手を差し伸べるんだ。絶対に私が沙都子の目を覚まさせる。 あの時沙都子がしてくれたように、きっと。 だが、それは悟史君という核を取り除いた後だ。 環境を変えなければ、沙都子は決して元通りに戻れないだろう。 「一番の問題は、これを誰が注射するかです。詩音さんの話から推測すると、悟史君はL5クラスに近いようです。 今の彼に近づけば何をされるのか分かりません。それは詩音さん、あなたであっても例外ではないのは既にお分かりですね?」 監督はすでに私が悟史君に注射すると決意していることを汲み取っているようだ。 よく私という人間を理解してくれている。 それにこの出来事はあくまで私たちだけの問題だ。 富竹さんもいないし、元より番犬を呼べるような大事でもない。 そんな環境で監督はただの非力な医者だった。 警察への訴えも考えはしたが、証拠も無いこの状況下で果たして助けてくれるだろうか? ……無理に違いない。 それに、下手をすれば死んでしまうかもしれない今回の出来事に、監督をこれ以上踏み込ませるわけにもいかない。 結局は私たちの内の誰かが悟史君を止めなければならないのだ。そして今動けるのは私だけ。 もしかしたら警察は動いてくれるかもしれない。でもそれは『何か』が起こった後だ。それでは遅すぎる。 「分かっています。それでも私は彼を救いたいんです」 監督は真っ直ぐ私の目を捉えている。私の覚悟を理解した彼の最後の詰問。 彼の真剣な眼差しは言葉よりも確実に私の心に直接訴えかけてくる。 悟史君に注射を刺すことを失敗するのは、すなわち私という人間の生命の危機。 もし生かされても、その先にあるのは悟史君の手による私という精神の危険。 そこまで理解しながら彼は私に問う。 本当に、いいんですね? それでも私の意志が揺らぐことなどない。 私の存在は彼を救うためのもの。 すでに穢れたこの身体で彼を助けられるのならなんでもしよう。 心に灯された勇気という炎が激しく燃え盛る。 そして勇気を覆っていた恐れは、激しい業火に照らされて消え失せた。 監督は私の心を確かめたあと、私にあの薬物を渡す。 中に入っている透明な液体が小刻みに揺れていた。 「くれぐれも取り扱いには注意してください。間違えても自分に使ったりしないように」 監督の言葉に重々しい印象。万が一にでも、自分に注射でもしようものなら死に至るのではないかと想像する。 きっとこれは症候群を発症した者にだけ効果を発揮する薬物。 そして監督の血の滲む様な努力が完成に導いた貴重なもの。 絶対にこの一本を無駄にするわけにはいかない。 掌の注射器をしっかりと握り締める。 監督はしばらく私の様子を見ていたが、突然何かに気づいたようだ。 「でも、これからどこに泊まるつもりですか? 恐らく詩音さんの自宅はもちろん、雛見沢で安心できる場所なんてないでしょう」 「ぁ…………!」 そういえば寝る場所なんて考えてもいなかった。抜け出すことで精一杯で、そこまで頭が回らなかったのだ。 頭を両手で抱えながら寝れる場所を考えている私を見て、監督は微笑みかけてくれる。 「そんなことだろうと思いましたよ。診療所には空きスペースなどいくらでもあります。とりあえず、今日はここにお泊り下さい」 全く持って頭が上がらない。監督にはお世話になりすぎている。 でも今日ばかりは監督の言うことを素直に聞いたほうが言いようだ。 近くのベッドに寝転がると、それまで押さえていた眠気や疲れがどっと押し寄せてきた。 もう、今日はいいよね? 自然と目蓋が重くなっていき、目が閉じられる頃には、私は意識を手放していたのだった――。 翌日の昼間、監督の白い車の中に私と監督の姿はあった。 がたがたと舗装されていない道を抜け、興宮の町が見えてくる。 いつも通りの興宮の風景。仕事に向かう人や買い物をする人が多く行きかい、車が道路に並んでいる。 「詩音さん。見えてきましたよ」 「ありがとうございました。もうここら辺りで下ろしてくれて結構です」 信号機で止まった車から飛び出て、バタン、と扉を閉める。 監督は不安げに私を見て何か言いたげだったが、「頑張ってくださいね」と一言告げて車で走り去っていった。 ポツンと一人興宮に残された私。そこからしばらく自分の家の方向に歩き、家の前の公園で一休みする。 これは吉とでるか凶とでるか。 私が何をしに興宮へ来たかというと、簡単に言えば服を取りに来たのだ。 もちろん私服などではなく、魅音と全く一緒の服だ。 私が考えた作戦は魅音と入れ替わり、悟史君が隙を見せた瞬間に治療薬を注入するという、シンプルだが意外と難しい作戦だ。 まずレナさんと魅音の二人が邪魔である。 レナさんはたまに鋭いことがあるし、魅音は変装の邪魔になる上、沙都子や梨花ちゃまもいる。 そう簡単にいくとは思えないが、私はこの作戦に全てを賭けることにした。 これ以外に思いつかなかったし、私でも悟史君に近づける唯一の作戦だったからだ。 そして最初の問題点が『アレ』だ。 今、私は自分の家の玄関がよく見える公園から家を監視しているのだが、私の家の玄関の前に人がいるのだ。 白い服に、白い帽子、清楚に切り揃えられた髪。それは間違いなく私服姿のレナさんだった。 彼女はきょろきょろと辺りを伺い、何かを探している。探し物は恐らく私だろう。 私が脱走したので、自分の家に帰っているかもしれないと悟史君が見張りを付けた、といったところか。 でも、家に入らないと服を手に入れることができない。 虎穴に入らずんば虎児を得ず、か――。 私はポケットに忍ばせていたスタンガンを握り締め、レナさんに気づかれないように家に近づいていく。 そして私の部屋の階の壁に張り付き、見つからないようにそっと家の前を伺った。 レナさんの様子は先ほどまでと違わず、きょろきょろと辺りを伺っている。 恐らく私の接近には気づいていないはず。 だが――――。 「ねぇ……。そこに居るの誰なのかな、かな?」 「ッ!?」 「隠れてないで出てきなよ。聞いてる~?」 明らかに私に当てた言葉。声にも何か怒りのような感情が含まれていた。 どうする園崎詩音……? 今ここで逃げ出すのか? そんなことしても何の解決にもならないってわかってるじゃないか。 気づかれているのなら選択肢は一つ。 先手必勝! 私は壁から躍り出て、レナさんがいる場所まで一直線に走る。勝負は一瞬で決まるだろう。 まさか飛び出てくるとは予想していなかったのか、彼女は突然出てきた私に驚き、 私は体勢を整えるレナさん目掛けてスタンガンを構える。 電流が鮮やかに迸るのと同時に繰り出されるレナさんの右ストレート。 その一瞬だけスローモーションになる世界。 風を切り裂くレナさんのパンチは私の左頬をかすめ、私のスタンガンは彼女の腹部を完全に捕らえる。 スタンガンの音が鳴り響き、レナさんの悲鳴を遮断した。 がくりと力なく倒れこむレナさん。スタンガンを当てられたお腹を抑えながら私を見据えている。 「詩ぃ……ちゃん……」 「スタンガンのパワーは抑えてあるので、すぐに立てるようになると思いますよ。……縛らせてもらいますけどね」 家の中からビニールの紐を取り出し、いまだに身体の痺れが取れないレナさんの両手両足を縛りつける。 これで動くことはできない。誰かに見つからないように、レナさんを自分の家の中に放り入れる。 さて、魅音の服は…………。がさごそと私のたんすを漁り、発見。 これで用は済んだ。次の計画に入らなければ。 レナさんを家の中に放り入れ、そのまま立ち去ろうとすると彼女の低い声が耳に入った。 「罰なんだよ……」 「え…………?」 「これは悟史君を裏切った私たちのけじめ。私たちには悟史君の願望をかなえる義務がある」 「悟史君を……裏切った……?」 レナさんの言っている意味が分からない。 彼女が悟史君を裏切ったことなどあっただろうか? うつぶせに伏せたままのレナさんの言葉には何故か達観したような含みがあった。 彼女は誰に言っているのかも分からないほど小さな声で言葉を続けていく。 「あの時私たちにも何か出来た筈なのに結局何もしなかった。……引っ越してきてすぐだったから、なんて甘やかすつもりもないよ」 「………………」 「だからね? 悟史君がもし帰ってきたなら悟史君の望むことをなんでも叶えてあげようって思った」 それは昭和57年の悟史君の失踪を指して言っているのか――。 私は彼女の告白にただただ耳を傾ける事しか出来ない。 「この前教室で悟史君たちに襲われたとき、途中で悟ったんだよ。 『抵抗するのはやめよう。私たちは悟史君を見殺そうとした。結果的には死んでいなかったけど見殺しにしようとした。 ならこれは当然の報いなんだ。彼の憎しみは素直に受け止めて、彼の言うとおりに行動しよう』ってね」 「レナさん……」 「そしたら、なんだか全てがどうでも良くなっちゃった。頭を空っぽにしてたら、その中に快感が流れ込んできて、 私はその快感に無我夢中になった。後は悟史君の従うがままだったんだよ。あははははは……」 自嘲気味に笑い出すレナさん。 知らなかった。 レナさんはレナさんなりに悟史君を救えなかったことに悲しんでいたのだ。 そしてその罪に対するけじめまで自分で行っていた。 レナさんは敵ではない。それが明確に分かってしまった。 私は家の中にあったはさみを取ってきて、それをレナさんの紐に近づける。 レナさんの紐をはさみで切って開放しようとすると彼女は微笑みながらそれを拒んだ。 「そんなことをしたら駄目だよ。私は出来る限り悟史君の力になろうと思ってる。その紐を切ったなら私は詩ぃちゃんに立ちはだからなければならない。だから……ね?このままにしておいてくれないかな、かな?」 彼女の思いを知ってしまったからこそ、この縄を切ってしまうことができない。 レナさんは悟史君の罪滅しをしたい一方でもうこんなことに加担したくないのだ。 私は結局、縄を切らないことにした。 レナさんから離れ、玄関で靴を履く。玄関の扉に手をかけ、扉を開け放つ。 扉を閉めて出て行くときにちらりと垣間見えたレナさんの顔は安堵していて、レナさんの罪悪感を利用している 悟史君を早く元に戻そう、そう強く思いながら扉を閉めたのだった。 続く
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山狗×部活メンバー お姉を見ると、数人の男たちに取り押さえられて服を剥ぎ取られていた。 私はそれを客観的に見ていたけど、実際自分にされるのもそう遠くは無さそうだ。男たちがじりじりと間合いをつめ、近寄ってくる。 とうとう男の手が私のシャツにかかった。その男をきっと睨みつける。 「ほー、気の強い孃ちゃんじゃねぇか。よがった顔が見てみたいぜ」 「案外こーいうのがすっげぇ淫乱だったりするんだって。にしても、良い体してんじゃねーかよ」 じろり、と詩音を上から下まで眺めるその汚らしい視線。これ以上人を不快にさせるものなんてあるのだろうか、と詩音は思った。 顔を近づけてきた男の頬にぺっと唾を吐きかける。このアマ、と男は詩音に蹴りを入れるが、それでも気丈に睨み続けた。恐怖の色はあるが、迷いは無い。 その瞳に苛つきを感じ、男たちは詩音の服を引き裂いた。あられもない姿にされても、尚も睨む事をやめない。 「…この女、くそ…っ!」 「面白くねぇ。…コイツ、びくりともしねぇよ…」 それが唯一の抵抗だった。声なんてあげてやるものか、怖じ気づいたりするものか。悟史君、私がんばるよ、悟史君、悟史く……… 「いやぁああああ!!痛い、痛いよぉおお、助けてにーにーぃいいい…!!!!!」 ―――――沙都子。 その叫び声を聞いた瞬間、何をされても動じなかった私がぴくりと震えた。それを山狗は見逃さない。しめた、とばかりに微笑む。 「あーぁ、コイツ、つまんねぇよ。…あっちのガキんとこにいっちまおうか、なぁ?」 「……なっ、……!」 「そっちのが締まり良さそうだな。…まだガキだからよ。痛ぇだろうな~!」 …………けだもの。こいつらは人なんかじゃない!私が鬼だとしても、こいつらと比べるとよっぽど人間らしいと思った。 男がいやらしく笑いながら立ち上がった。沙都子の方に向かおうとする。 「…………待って…!」 「ぁあん?」 男は私が呼び止める事を予想していたのだろう。すぐに振り向いて、私の言葉を待っている。私は悔しくて悔しくて、ポツポツと絞り出すように…言った。 「…お願い、私には…何しても良いから、…………沙都子には…やめて…」 ―――にやり。男が不適に笑った。その笑顔が憎くて憎くてたまらない。 「くっくっく…、聞いたか?今の。…おいお前ら、好きにして良いだとよ!」 その言葉に数人の男が興奮してはやし立てる。そのうちの一人の発言に、私は目を見開いた。 「ここでオナってみせろよ!」 「お、…っ…!?」 そんな事、出来るわけがない――――そう言おうとした瞬間に男がまた沙都子の方へ足を進める。 …それだけはさせてはならない。沙都子の負担を軽くするために、少ししでも多くの男をこっちに引きつけたかった。 「わ、分かった、やります、やりますよ…!皆さん、今から、いやらしく、オ…オナニーする私を、見て下さい…!!!」 声を大きく張り上げて卑猥な言葉を叫ぶ。屈辱のあまり、血管が切れそうだ。顔が暑い。火が出そう。 …でも、詩音の作戦は成功した。沙都子や魅音、レナを襲っている奴らが手を止めてこちらを見たからだ。こちらを見ている間だけでも、奴らの辱めから開放される。 …何としてもこちらに目を向けさせなければ、と詩音は必死になって自慰を始めた。 「んくっ、…ぁ…あふんっ!見て、私を見て下さい…っ!私のっ、いやらしいっ、ひくひくしてるの、見てぇ…!」 片手は胸に、片手は股間に。せわしなく手を動かし、安っぽいAVのようなセリフを吐く。 …最初は演技だった。乳首をつまんで引っ張って、膣に指を突っ込んで。いやらしいセリフを言っているうちに、いつしかそれは本当の私の言葉になっていた。 「はっ、んっ、ぁっ、気持ちいいっ、イイっ、気持ちいいのぉおおおっ!!!!!」 「すげぇ…」 「おっ、俺もう我慢出来ねぇっ!」 一人の男がガチャガチャとズボンを下ろし近づいてきた。その汚らしい性器を露わにする。 既にソレはパンパンに腫れ上がっていた。男は間髪入れずに一気に挿入する。 「うぁああああああっ!!」 「くっ、良いぜぇ…っ!」 ず、ずちゃっ、ずず…っ 卑猥な水音が響いた。ほどなくして男は腰を降り始める。 挿入をされる前に自慰をしていたのは正解だった。たっぷりと溢れた愛液が潤滑剤の役割を果たし、痛みを感じる事なくスムーズに挿入されたからだ。 男は無我夢中で腰を振る。その激しさに私が達しそうになった時、耳元で音が聞こえた。 バチバチバチ… 見覚えのある音。はて、どこで聞いたものか……朦朧とする意識で音のする方を見て、私は目を見開いた。 「………は、…うっ………」 「さっきはどうもなぁ。…痛かったぜぇ…?」 …私がスタンガンを浴びせ気絶させた男。そいつが次は、奪ったスタンガンで“浴びせる側”になっているのだ。 「イったらバリバリ、だぜ?」 そう言って男はスタンガンで乳首をコリコリと擦る。こんなに心臓に近いところでスイッチを入れられたら…終わりだ。 「…っひ…!」 その瞬間、大きく男に突き上げられ、突然の衝撃に堪えきれずイきそうになる。 ぐっと唇を噛み締め抑えるが、背後から別の男が私の胸をいじくり始めた。 「ひゃっ、ふぅうっ…!」 ぐりぐりと乳首を押し潰すようにこねる。ぴんと弾き、男がちゅうちゅうと吸い始めた。 「ああああっ!!やめ、っ!」 「いくぜぇえええっ!!」 ずん、とまたもや大きく突き上げられる。ナカを掻き回すように男のモノは私の中で暴れまわった。 こりっ――――胸を吸っている男が乳首を噛む。それと同時にもう一人の男が私の剥き出しになっている突起をつまんだ。 「んぁああああああああああああああああっ!!!」 イってはいけない…そう必死に言い聞かせるも、襲いくる二重の快楽に耐えきれず――――私は達した。 「はっ、ふ、ぁ…………… あうあぁあああああっ!!!」 バチバチバチッ! 首に宛がわれたスタンガンから電流が一気に私の体を駆け抜ける。それと共に、私の意識も遠のいていく。 …………ごめんね、悟史君。 最後にそう呟いた言葉も、奴らの下卑た笑い声にかき消され――――闇に消えた。
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前回 れなぱん!(13) SIDE レナ 「はあ!はあ!…っく!はあ…」 「圭一く~ん!頑張れ~っ!!あとちょっとだよ。だよ!」 お昼ご飯を済ませて、圭一くんに私の自転車を運転して貰って、その後ろに乗っている。 きつい坂道を立ち漕ぎして登って行く圭一くんの身体に手を回して私はエールを贈った。 「お、おう!…ぜぇ!はっ!」 横向きに荷台に乗って、話をしながら景色を眺める。それだけでも楽しい。 ちなみに帰る前に、ちょっと寄り道して今は雛見沢と興宮の中間地点って所。 んぅ?何処へ寄り道したかって? はう……。ん…言うのは恥ずかしいよぅ。……下着を買いに行ったの。 本当は行くつもりは無かった。すぐにお家に帰る予定だった。でも…ね。 『悪いレナ』が圭一くんをもっともっとイジメよう?って私に囁いたの。 恥ずかしがって抵抗する圭一くんを無理矢理引きずって、お店まで連れて行って選んで貰った。 店員のお姉さんにクスクス笑われて、お顔を真っ赤にした圭一くん…堪らなかったよ。 『このフリフリがついたのにする?』 とか 『はう…圭一くんのH。こんな小さなパンツ履いて欲しいの?』 とか聞きながら、圭一くんの反応を楽しんだ。 クスクス。かぁぃかったんだよ。何を聞いても 『あ…う』 とか 『う、うん』 とか消え入りそうな声でしか返事してくれなかった。 『俺はこんなのに興味無い』 そんな素振りを周囲に必死でアピールしてた…。 けど、やっぱり目が行っちゃうの。 私が手に取った下着を、チラチラって見て前屈みになってたんだよ。だよ。 わざとHぃ下着ばかり手に取って 『これかぁぃぃかな。かな?レナに似合うかなぁ?』 って身体にあてがって見せつけてあげたの。ふふ…♪ 『男』になって時間が経っているのに、こういう部分は『男の子』のまま…ウブなんだよ。だよ。 恥ずかしくて慌てる姿を、お客さんのお姉さんに微笑ましく見られている所なんか…もう、我慢するのが精一杯だった。 わざと下着を落して拾うついでに、圭一くんのおっきくなったおちんちんを揉み揉みして辱めてあげたの。 たっぷり一時間そんな事を繰り返して、圭一くんに選んで貰った下着を買ってお店を出た。 その次は、街中を自転車で走っている時にも、おちんちんをズボンの上から揉み揉みシコシコしてあげた。 もちろん周りに人が居ない時にだ。こうやって圭一くんをイジメ続けた訳だ。 映画館でサカリをつけさせて、それからずっ~と発情させっぱなし。 たまに暴走して路地裏とか物陰に連れ込もうとする圭一くんをなだめすかして、上手く手綱を引きながら、ここまで帰って来たのだ。 「ぜぇ…!ぜぇ…!や、やっと登りきった…。はあ…疲れた…だりぃ」 「あはは♪お疲れ様。大丈夫?ちょっと休んで行こうよ」 私は荷台から降りて、圭一くんの額の汗をハンカチで拭う。 そして道の脇にあった倒木に腰掛けて、膝をポンポンと叩いて圭一くんに来る様に促す。 「ありがとう…少しだけ休ませて貰うぜ」 圭一くんが倒木の上に寝転がり、私の膝に頭を預ける。汗ばんだ額を撫でて、サラサラの髪を手櫛しながら圭一くんに語りかける。 「春の陽気って気持ち良いね。レナは好きだよ春。圭一くんは好きかな。かな?」 「ん?…そうだな。春も良いけど、俺は夏の方が好きだぜ。ほら、こう暖いとさ眠たくて仕方無いし…」 圭一くんらしい返事に私は微笑みを返す。 「くす…。圭一くんらしいなぁ。あ、レナは冬も好きだよ。だよ」 「えぇ~。冬かよ。俺は寒くて動きたくなくなるから苦手。パス。そういや何で冬が好きなんだ?」 「ん…。圭一くんとお昼寝してて暖くて気持ち良いから…かな。かな」 そう。春と冬…。この二つの季節が好きだ。春は先程言った通り。冬は…圭一くんと一緒に過ごして好きになった。 夏や秋も…好き。でも…一緒に長く過ごした冬には負ける。 学校が終わって、圭一くんのお家で愛し合って、身体を『暖めて』お昼寝。 水仕事で荒れた手を…お世辞にも綺麗ではない手を…優しく握って暖めてくれた、あの冬が好き。 「へ、へぇ~…。そっか。なら俺も好きだ…な、冬。レナと昼寝してて、うん。暖かったから…」 「…はう」 『何だか照れるね』 私は顔を真っ赤にして、そう呟く。 「よ、よしっ!休憩終わり!レナ、行こうぜ!」 「う、うん!」 素早く立ち上がった圭一くんが私の手を引いて立ち上がらせてくれた。 「どうぞ圭一くん。入って入って」 私の家に着いて、圭一くんと自室に入る。 「あ、そうだ。電話借りて良いか?お袋に晩飯要らないって連絡したいからさ」 「うん。レナはここで待ってるね」 圭一くんが階下に電話をしに行き、私は机の上に紙袋を置く。 中身は先程買った下着…。 あとで圭一くんに履かせて貰おうかな。 そんな事を考えてしまう。 圭一くんがサカリがついているなら、私は発情期。言葉が違うだけで同じだよね。頭がHな事しか考えれないの…。 秘部がジンジンして熱くて、欲しくて堪らない。圭一くんをイジメて興奮して、切なくなった身体が疼く。 圭一くんが帰って来たら、すぐにでも押し倒して…ってのも良い。 けど…実はしてみたい事があるのだ。 それをしたいが為に、圭一くんに私の家で晩ご飯を。と誘ったのだ。 そんな事を考えている内に圭一くんが戻って来た。 「電話ありがとうなレナ。そういや親父さんの姿を見ないけど、出掛けているのか?」 ベッドに背を預けている私の横に座って、圭一くんがそう訪ねる。 「うん。用事があって鹿骨に行ってるの。帰って来るのは夜遅くなんだよ。だよ」 だから『何』をしても大丈夫。 そういう意味を含ませて返事を返す。 「そっか。夜まで帰って来ないか…」 その意味が分かった圭一くんがニヤリと笑って、私を抱き寄せる。 「なら、いっぱい出来るな。腰砕けになるくらい…」 そう言って、私に口付けしようとする圭一くんの顔を手で押さえて、私はおねだりする。 「はう…腰砕け…。その前にしてみたい事があるの。良いかな。かな?」 「ん?何だよ」 「……一緒に…お風呂入ってみたいな…」 そう『お風呂』。色々な愛し方…それこそ『お尻』でもしたのに、今まで一緒に入った事が無いのだ。 理由は簡単だ。タイミングが合わなかったからだ。 機会はいくらでもあった。何度も一緒にお泊まりをした。けど、私が『女の子の日』だったり、良い所で邪魔が入ったり…今日まで出来なかった。 映画が始まる前に言った『晩ご飯』のメニューを教えてあげるね。 それは『圭一くん』。 私が美味しく料理をして食べてあげる。全身をねぶって捕食してあげるよ…。 でも、それじゃあ圭一くんは満足しないよね。 「今日の晩ご飯は『レナ』だよ。だよ。優しく食べて欲しいな…」 「さっき言ってた『晩ご飯』ってそういう意味だったのかよ。ハハ!良いぜ美味しく頂くよ。くっくっく!」 だから表向きは『レナ』を食べてって言っているけど、本当は私が食べる側だ。 私は立ち上がり、圭一くんの前に仁王立ちになる。 「ふふ…まずは、いつもの『レナチェック』する?」 そう言いながら、私はワンピースの裾を持って、少しづつ上げていく。 ベッドに片足を乗せて圭一くんの頭を持って、下半身に押し付ける。 「はうぅ…。っはぁ…」 圭一くんは大好きなの…。私の匂いを嗅ぐのが…。「雌の匂い」が大好きな変態さん。 わんちゃんみたいに鼻を鳴らしてクンクンするんだよ。…だよ。 「っはぁ…はあ…。あっ…もう…。めっ!だよ。そんなにお鼻でグリグリしちゃ…めっ!だよ。だよぅっ…んんっ!」 今日なんて圭一くんをイジメて濡れちゃってたから…『良い』みたい。蒸れた『雌』の匂いを、嬉しそうにクンクンしちゃっている。 こういう姿もサドっ気をくすぐる。だから私も好きかな…匂いを嗅がれるの…。 圭一くんに御奉仕して貰っているみたいでゾクゾクしちゃう。 「はっ…。はっ…。あっ…ふぅん!あはっ。け、ぇいちくぅん…そこ…気持ち良いよぅ」 圭一くんが下着の上からクリトリスを探り当てて、唇で甘噛みし始める。 「あう…。はあぁ…あっ!あっ…」 クリトリスを唇で圧迫される。一週間振りの甘い甘い刺激を、私は甘さの混じった喘ぎを洩らしながら享受する。 「んっ!…ふあっ!あっ!…は、はいお終い…だよ。だよぅ!」 そう言いながら私は圭一くんの頭をグイッと押して離させる。 「はう…。つ、続きはお風呂に入った後だよ。…だよ。行こう?」 ちょっぴり名残惜しいけど…。ほら、良く居るよね?美味しい物は最後に食べるって人。 『レナ』は、そういうタイプの人間なのだ。 私は圭一くんを立ち上がらせ、階下に下りていく。 「圭一くん。レナの服脱がせて欲しいな」 脱衣所で私は圭一くんに甘えた声でおねだりする。 「ん。良いぞ」 圭一くんがワンピースを脱がせてくれる。続いて下着…。上から順に外して貰って、最後にニーソックス。 「ありがとう圭一くん。次はレナが脱がせてあげるね」 圭一くんのシャツのボタンを一つづつ、ゆっくり外して脱がせる。偶然当たったフリをして乳首や胸板に指を滑らせながら…。 次は膝立ちになって靴下を脱がせる。期待に満ちた目で見て来る圭一くんを、こうやって焦らすのだ。 そして最後にズボンと下着を脱がせる。 「あれ…脱がせれないよぅ~。クスクス。何でかなっ。かなぁ?」 ズボンを脱がして、下着だけにして私は圭一くんをからかう。 私の『雌の匂い』でおっきくなったおちんちんが下着にテントを張ってるんだよ。だよ。 「何か引っ掛かってるのかな。かなぁ…」 そう言いながら、下着の脇から手を差し入れて、おちんちんを優しく扱く。 「おっきしてる。くすっ。待ちきれないの?」 私はからかうのを止めて下着を脱がせる。 圭一くんのおちんちん、すっごくおっきくなってるの…。ちょっとイジメ過ぎちゃったかな。 でもね、あくまでもここでは『お風呂だけ』だよ。焦らして焦らしてかぁぃぃ圭一くんの反応を楽しみたいから。 バスタオルを二枚取り出して、一枚を自分の身体に巻く。 この格好って何だか『やらしい』よね。だからだろうか、圭一くんの舐める様な視線を感じる。 浴室に入って、私はシャワーのノズルを持って圭一くんの後ろに座る。 「順番に洗いっこしよっ?まずは圭一くんの身体を洗ってあげるよ」 身体に巻いたバスタオルを壁に掛けて、私はシャワーを浴びる。そして全身に泡立てた石鹸を付けて圭一くんに抱き付く。 首に回した腕で身体を支えて、背中に胸を押し付けて上下に動かす。 「どうかな。圭一くん。気持ち良い?」 「ヌルヌルで柔らかくて…気持ち良いぜ。堪らねぇ」 「ふ…あ…。んふ…レナも…んうぅ…おっぱいが気、持ち良くなってきちゃった…」 圭一くんの胸板に手を回して、手の平で胸とお腹に石鹸を刷り込んでいく。 ゆっくりと、触るか触らないか位の感じで手を滑らせる。 ピッタリと身体を密着させて、太股や腕を…全身を洗って…お尻まで洗ってあげる。 「ふふ…お待たせ、圭一くん。次は…おちんちんを綺麗にしてあ・げ・る」 手の平の上で石鹸を泡立てる。 「かぁぃぃ…。よしよし」 『早く遊んで!』 そう自己主張するおちんちんの頭を撫でて、両手で包み込む。 「うぅ…レナ」 右手の人差し指と親指で輪を作って、おちんちんの頭の下を擦る。そして逆手にした左手で、根元から絞る様に扱いて綺麗にしてあげる。 「ふぅ!…はあぁ…い、良い…!それ…良いぞ!」 次に両手で揉み洗い。私の手の中でおちんちんが跳ねる。ヒクヒクと何回も何回も…。ずっと焦らされて、イジメられていたからだろうか。今にも達してしまいそうなの…。 「ふふ…。圭一くん、洗われているだけでイッちゃいそうなのかなぁ?クスクス…だぁめ。我慢我慢だよ。…だよ。」 「し、仕方無いだろ!っはぁ!そんなやらしい洗い方…さ、れたら…くぅっ!」 圭一くんが腰を引こうとするのを押さえ付けて私は素早く手で扱く。 「それは圭一くんの思い過ごしだよ。だよ。レナは『普通』に洗っているだけ…。何でもHぃ方に考えちゃ駄目。ねっ?そうだよね?」 私は『嘘』が嫌い。でも今の私は嘘をついている。ほら、『圭一くんを食べちゃいたい』でも表向きは『レナを食べて』って言っちゃっているよね? 大好きな圭一くんに嘘をつくのは駄目だよ。だから今から圭一くんに承諾して貰うの…。『レナが食べちゃっても良いかな?』 って。 「はぁっ!うぅ…!わ、分かった!分かったから…レナの言う通りだ、から!や、やめ…!」 「ふふ…♪今から圭一くんがレナの言う事を聞いてくれたら止めてあげる。…聞いてくれたら、レナが全部してあげるよ。ねぇ、どうする?」 手を動かす速度を速めたり遅くしたりしながら圭一くんに迫る。このままだとイカされちゃうよ? お手々でピュッピュッてされちゃうよ。それだったら、ベッドの上で私にピュッピュッてされちゃう方が良いよね。 「あ…うぅっ!はあ!はあ!」 圭一くんが蕩けきった頭で悩んでいるのが手に取る様に分かる。 今ここで情けない姿を晒すか、私に全てを委ねて気持ち良くして貰うか。 「は…くっ!はっ!言う事聞く!だから本当に止めてくれっ!イ、イっちまいそう…くぅっ!」 圭一くんはあっさりと陥落した。流石に一週間に一日しか出来なかったら『無駄弾』を撃ちたくないみたい。 その返答を聞いて、私はおちんちんから手を離してシャワーのノズルを手に取る。 「クスクス。そっか…。じゃあ…今日はレナが、圭一くんの足腰が立たなくなるまで満足させてあげるね」 全身の石鹸を洗い流して、私は立ち上がる。 「次は圭一くんの番だよ。レナの身体…綺麗にして欲しいな」 圭一くんと場所を代わって、私は腰を降ろす。 「ん…ふぅ。もう…圭一くん手付きがHだよ。だよ…はぁ」 私がした様に石鹸を付けた手で胸を揉み洗いする圭一くん。 本当は普通に洗って欲しいけど、これくらいは御褒美に許してあげよう。 「…駄目だったか?」 気遣う様に聞く圭一くんに私は 「んぅ…良いよ。でも…優しく…ね」 と、甘さの混じった声で圭一くんに返す。 「ふあぁ…あ。はう…っ。はうっ」 手の平で包み込まれ、下から梳くう様に揉みほぐされる。石鹸のヌルヌル感と合わさって、私の身体が敏感に反応して疼く。 「んうぅ…っ!は…あぁ…はあ…。んっ」 首筋に当たる吐息にほてった身体を震わせて、圭一くんの大きな手に自分の手を重ねる。 「はっ…あ。おっぱいだけじゃなくて…ふぅ、他の所も綺麗にして…?」 そして…そのまま片方の手をお腹の方へ動かす。お腹、脇腹…。舐める様に私の身体を這う圭一くんの手が腰で止まる。 「レナ。立ち上がってくれよ。その方が…綺麗に洗えるからさ」 「はうぅ…。こうかな。かな?」 その場に立ち上がった私の脇から腕を通した圭一くんが、腰からお尻に手を動かす。 「は…。あうぅっ。くすぐったいよぅ…。んふぅ…」 胸とお尻から伝わる圭一くんのスケベな揉み洗いが、私を溶かしていく…。親指で乳首を転がされ、お尻を下から持ち上げる様にしながら優しく揉まれる。 「あっ…はぁあ。やぁ…。あう…」 私は足をガクガクさせて両手で腕にしがみつき、嬉しそうな声で喘ぐ。それは柔肉を掻き分けて、お尻の穴に指が添えられたから。 「はっ…あ…うぅ。ら、らめぇ」 お尻の割れ目に沿って縦に指で擦られる。頭では洗って貰っているだけだと考えていても、やっぱり身体は……愛撫を期待してしまっている。 『少しでもキモチヨクなりたい』 そんな欲望が私を支配し、腕にしがみついていた手が、圭一くんの手を勝手に下腹部に誘導していく。 「はっ…はっ!あ、ああぁ…。あふっ…うぅん!んぅ!はあ…はあぁ」 秘部を甘く痺れる快感が駆け巡る。同時にお尻から太股に移動した手が私を蹂躙する。 溢れ出て来る愛液を指に絡ませて秘部を擦られ、頭の中がトロンとした気持ちになる。 「ふ…あ!あっ!あっ!」 内股を撫でられ、クリトリスに指が触れる度に私の身体が跳ねる。 「レナ…良いか?なぁこう洗ったら気持ち良いだろ?」 「んうっ!っ…あんっっ!や、やあっ…あっはぁ!!…い、良いよぅう!」 クリトリスを優しく揉まれ、弾かれる。発情しきった身体に甘くて痺れる刺激が襲って…堪らない。疼いて疼いて堪らないよぅ…。 でも…でも。私が圭一くんを…食べる側。このまま流されるのも良いけど『スケベなレナ』が満足しないよね。 快楽に支配されそうになりながらも、圭一くんの手を押さえて、甘えきった声と蕩けた顔で私は囁く。 「はぁ…はぁ。もうレナ…我慢、できな…いよぅ。お部屋に行こっ?んっ…おちんちんを食べさせて…。ねっ?」 石鹸を洗い流して、身体を拭くのもそこそこに私達は服を持って部屋に戻る。 「圭一くん…」 私はベッドの上で圭一くんを押し倒して覆い被さる。 「んあ……あっ。あっ…はぁ…はあ。おっきいよぅ…」 そして素早く避妊具をおちんちんに被せて、数度、秘部に擦り付けた後ゆっくり腰を沈めていく…。ほてった身体を溶かす圭一くんの『熱さ』に私は身体を震わせる。 「うお…暖けぇ…。くふ…レナのおまんこの中、ヒクヒクして…はあ。は…はは。やっべぇ」 一週間振りのおちんちんの味に『レナ』が悦んでいるんだよ。だよ…。ものすご~く美味しいって。 「あっう…。はあ…はあ!んぅ…んっ…んぁ!」 身体を起こして、圭一くんの腰の上で足を開く。おちんちんを咥え込み、はしたなくヒクつく結合部が良く見える様に…。 「んっ!あんっ!あん!は…あっ!あっ!」 圭一くんの胸に手を置いて、普段より控え目に腰を前後させる。いきなり激しくしたら、子宮がビックリしちゃうよね?だから、徐々に慣らしていく。 「あふっ!んうぅっ!あっああぁっ!!い、良いよう!ひうぅっ!」 それでも大きな声が出てしまう。下から貫かれる快感には勝てないのだ。 子宮にグイグイと押し付けられるおちんちんの硬さに、私は酔う。圭一くん以外には見せられない蕩けきった顔で喘ぎ、ただただ貪る。 「あっ!あっ!あっ!」おちんちんの頭が私の膣内を拡げながら擦れて、深く奥へと入って来る。 「はっあ!はあっ!堪らねぇ!んぅっ!」 私は身体を倒して圭一くんの唇に吸い付く。舌を口の中に無理矢理侵入させ、私の唾液をたっぷりと送り込んだ。 「んふぅっ!んっ!んっ!んむっ!?んうぅ…っ!」 激しく腰を打ち付け、私は圭一くんの頭に腕を回して抱き締める。互いの舌に吸い付き、甘噛みして戯れ合いながら。 「はうっ!はうぅっ!けぇいちくぅんんっ!止まらないよぅ!あっ!ああっ!おまんこが気持ち良すぎてっ! んあっ!あっ!あっっ!こ、腰が止まらないよぅぅっっっ!!」 私は圭一くんの耳元で叫びながら、荒々しく腰を振る。乳首を指で転がし、舌で耳たぶを舐め回してお腹に力を入れて…。 「レ、レナぁ!!もう無理!はぁっ!イ、きそう…!」 「だぁめ!んくっ!!レナは、まだ…まだなの!はあはあっ!はっ!はっ!はうっ!!」 腰をグリグリと押し付けて、熱を帯びて疼く子宮を刺激する。 発情期な私のそんな求愛行動…。身体が溶けてしまいそうな切ない快感が駆け巡って啼き続ける。 「はっ!はあっ!あっ!あふっ!けぇ、いちくぅんっ!堪らないよぅ!んあっ!あうぅっ…大事な所におちんちんっ!んぁ!あっんっ! グ、グリグリってぇ!ああっ!当たってるよぉ!!」 私は一心不乱に腰を振る。一週間に一度の逢瀬を無駄にしたくなくて…圭一くんの上で踊る。 『寂しかった。甘えたくて何度も誘ってしまいそうになる自分を押さえ込んで、やっと繋がれて嬉しい』 そういう想いを伝えたくて私は乱れる。互いに汗ばんだ身体を撫で、甘噛みして舌を這わし…二人の体温で融け合う。 やっぱり…独り善がりは駄目だよね。私が圭一くんを食べたい様に、圭一くんも私を…。 うん。その方が絶対に良いよ。だから、『次』は圭一くんの番。 「んぅっ!あっ…!はう…は…う!」 でも今だけは……あはは。『悪いレナ』で居たいかな?だって目の前の愛しい圭一くんのかぁぃぃお顔を見たいから。 その後は私が圭一くんにかぁいくして貰うの。大好きな人に抱かれて悦ぶ姿を見せてあげたい。 「っっ!はっ!あっ!くうぅぅ!イ、イク…!はあ…っ!はっ!はっ!」 「い、良いよ!あっ!!イッても良いよ!っは!レ、レナがイカせてあげるんだよ。だよ!」 私は膣に力を入れて、おちんちんを子宮に打ち付け、柔らかくほぐれた膣肉で包み込んで、揉みほぐす。 「はっ!れ、れなぁぁっ!!は…あ!くっ!んっ!んぅ…」 圭一くんの身体が跳ね、熱いミルクが吐き出される脈動を薄い避妊具越しに感じる。 「はあっはあっ!んうぅっ…んっ!んっ!」 私は身体を起こして、腰を前後に擦り付ける。私の膣内で暴れるおちんちんの刺激に軽く達してしまいながら…。 「んあ…あ。あふ…おちんちんが元気いっぱいだよ。だよ。はううぅぅ…ピクピクしてるよぅ」 そう言いながら、敏感になったおちんちんを子宮口でキスしてあげるの。 『よしよし頑張ったね偉い偉い☆』 そんな感じに、おちんちんを労るのだ。濃ゆいミルクを全て出し切るまで。 「んっ…。…おちんちんを綺麗にしてあげるね」 「お、おい!今はま、だっ!?うおっ!」 片膝をついておちんちんを引き抜いて、避妊具を素早く外す。そして、圭一くんの下半身に顔を埋めていく。 「ちゅぶっ!ちゅっぱ!ちゅっちゅっちゅっ!んぅ…ぴちゃぴちゃ」 「は…あ…!くっ!はっ!」 まだ大きいままのおちんちんを口いっぱいに頬張り、はしたない音を出しながら吸い上げる。 「んふぅっ…。ちゅばっ!ちゅっぱ!ちゅっぱ!ちゅぶっ!ちゅぶっ!んっ」 舌先でおちんちんの先を小刻みに舐めながら、尿道に残ったミルクを吸い出してあげるの…。私を酔わせる圭一くん『特製』の媚薬を…。 「はっ…あむ。はふ…はっ。ちゅっ!ちゅっ!……ご馳走さま♪」 数分の間、お掃除をして圭一くんの身体の上に跨がり、おちんちんの裏筋に秘部を擦り付ける。 「はうっ…はうぅ…レ、レナ。まだ満足してないの。はっ…ねぇ…次は圭一くんがしたい様にして良いよ。ねっ?だから…あ…」 秘部でおちんちんをスリスリしておねだりしながら言うと、全部言い切らない内に圭一くんに優しく押し倒される。 「つまり次は俺がレナを美味しく食べる番って事だろ?くっくっく。どうやって料理してやろうかな?」 ずっと私にイジメられて、鬱憤が溜まっていたのだろう。圭一くんが意地悪な顔で私の胸に舌を這わせた。 「っ…はっ。あ…あ。んう」 舌先で乳首を弾かれ、何度も何度も甘噛みされる。両手を押さえ込まれた私は、このもどかしい愛撫を圭一くんの腰に足を絡ませて耐える。 「はうぅ…。はっ…あっ…。うぅ…ん。んっ」 私が身を捩る度にベッドが軋む。半端に達してしまい、疼く秘部に圭一くんのおちんちんが当たり、私は切なくなって甘えた声で啼く。 「は…あ!あ…。あうぅ…!」 乳首を噛まれて、力一杯吸われる。暖かい舌でねぶられ、おちんちんを秘部に押し当てて擦られる。愛液で濡れた秘部からクチュクチュと音が聞こえる。 『もう我慢できないよぅ…』 私は耳元で圭一くんにおねだりする。でも… 「おいおいレナぁ。まだ頑張れるだろ?う~ん…今日はレナに意地悪されたしな。倍にして返してやるよ」 そう言って、圭一くんが私の身体から退いて横に座る。 「あ…。は、はうぅう。や、止めちゃ…嫌だよう…。続き、して欲しいんだよ。だよ」 「ふ~ん。どうすっかな?あっ。おいレナ。さっき風呂で言ってた事を取り消してくれるなら、続きをしてやるよ」 お風呂で私が言った事…。『レナの言う事を聞いてくれたら~』の事だろう。 はう…。ちょっと惜しいかな。かな?けど、今日はいっぱい圭一くんをイジメれて満足したし…良いよ。私が発言を撤回したら…キモチイイ事をしてくれるんだよね? 「ん。レナ、圭一くんの言う事を聞くから…続きをして。…ねっ?おまんこがウズウズして切ないの…早く楽にさせて欲しいんだよ。…だよ」 私は圭一くんの手を取りながら懇願する。秘部に圭一くんの手を誘導して、愛撫をねだる。サカリのついた淫乱な身体を触って欲しい。 「あっ…。はあぁ…あっ。あんっ」 圭一くんの指が二本、私の膣内に挿入される。中でくの字に曲げられた指が性感帯に触れる。蕩けてしまうよぅ…。 「すっげぇ濡れ方だな。指二本がすんなりと入っちまったぞ。美味しそうに咥えやがって…おっ!今、すげぇ締まった」 意地悪な事を言われて、私の身体が悦ぶ。私も『どうしようもない変態さん』だよ。圭一くんが掻き回す指の動きに合わせて、腰を振ってしまう変態さん…。 「あっ!あっ!やぁっ!ああっ!クリちゃんはぁ!ら、らめぇ!」 圭一くんがクリトリスを親指で転がしながら、私の膣を指で擦り、弾く…。トロンとした顔で腰をガクガクさせて、圭一くんの手を握り締める。 「はっ!はふっ!あっむ!ん、んうぅっ!ん…あふ」 圭一くんが寝転がり、口付けしてくれる。舌を絡め取られ、多量の唾液を送り込まれる。 私は喉を鳴らして飲み込む。それはもう一つの『媚薬』。私を発情させる圭一くんの味。 「んふぅっ…。は!あ…くちゅ!ん。ぴちゃ」 私は圭一くんの舌を吸って『もっともっと奥まで愛して』と貪欲に口を動かす。愛撫しやすい様に足を開いて…。 「はっ…。レナ。四つん這いになって尻を俺の方に向けて……………って言ってみろよ」 口付けを止めて、圭一くんが私に囁く。恥ずかしい格好で、恥ずかしい事を言えと。 「はう…あ!は、恥ずかしい…やだよ。やだよぅ…」 そう言うと、圭一くんが指を膣から抜いて、私に背を向ける。 「そっか…。なら仕方無いな。俺疲れたし、昼寝でもするかなぁ?」 意地悪なお預けを食らった私は、圭一くんの横に座って身体をモジモジさせる。 「…意地悪なんだよ。だよ。ねぇ…ねぇ。圭一くんお願いだよ。起きてぇ?」 圭一くんの大好きな甘えん坊さんな声で呼び掛けて身体を揺すっても、狸寝入りを決め込まれてしまう。 「あうぅ~…。言うよ。言うから…拗ねちゃ嫌だよぅ。レナの事、嫌いになっちゃったのかな。………かなぁ?」 身体が疼いて仕方無い。それ以上にこの事がきっかけで圭一くんに嫌われたら嫌だ。 『幸せ』は簡単に壊れてしまうと知っているから…。始めは些細な事でも、後々になって取り返しのつかない事にもなってしまう。私はそれを経験で知っているのだ。 「へへ…。流石レナ。そう言ってくれると信じてたぜ」 ああ。別に私が我慢するという事では無い。妥協…いや許容。圭一くんと私が仲良しになる為の触れ合い。だから許せる。 上手く言い表せないけど、これは二人だけにしか出来ない事…圭一くんが喜んでくれるなら…良いよ。 私は胡座をかく圭一くんに背を向けて四つん這いになる。そして上体をベッドにペタリとつけて、両手でお尻を……拡げる。 「…け、圭一くんのおっきなおちんちんで…レナのスケベな…お尻をパコパコして…ください」 羞恥に身体と唇を震わせ、圭一くんの望んだ言葉を紡ぐ。 「くっくっく!よ~し。レナがそこまで言うなら仕方無いよな。じゃあまずは…」 そう言いながら圭一くんが、新しい下着の入った紙袋を開ける。 「これを着ろよ」 私の手に下着を持たせて、着る様に促す。それは桃色の下着…。大事な所を隠すのが精一杯な大きさで、紐で留める大人の下着…。 恥ずかしがりながらも、しっかりと選んでたの…。こんなHぃ下着を。お尻を覆う事なんて出来っこなさそうな小さい『布』を私は四つん這いのまま履いて、対になったブラジャーも着ける。 「はうぅ…。すっごくHくて恥ずかしい…。こんな下着を選んだ圭一くんは変態さんだよぅ」 「良いじゃねぇか。いや~。それにしても良く似合ってるぜ。レナのムチムチなお尻が強調されてて…くうぅぅっ!堪らねぇ!いっただきま~す!」 「はうっ!はぁうっ!?…あっ!」 圭一くんが私のお尻を両手で鷲掴みし、左右に開いて顔を埋める。そして下着の上から舌を這わすの……お尻の穴に。 「あっ!はあんっ!やっ!けぇ、いちくぅんっ!そ、そんな所ペロペロしちゃ…らめっ!」 本当は嫌じゃないよ。こんな事してくれる位、愛してくれているのだから。 だから嬉しくて、圭一くんの気持ちを盛り上げさせる為に言ってあげるの。 『恥ずかしいよぅ…。でも気持ち良くて堪らないの…』 そういう意味を含ませた甘えん坊さんな声で啼く。 「んあぁっ!あふぅっ…あひっ!あうぅ…。はっ…あ。あ…あ…」 圭一くんの指が下着に触れる。 そして下着を脇にほんの少しずらして、直接舌で舐めてくれる。唾液たっぷりな暖かい舌で、おっきなおちんちんが入れれる様にほぐされる。 指でほぐされなくても良いくらい、何回も時間を掛けて柔らかく拡げられた、いやらしい『スケベ穴』になってしまったのだ。 「あう!あ!うぅ…んっ!ん!」 舌先で突かれて、グリグリと抉られる。続いてザラザラな舌の表明で舐めあげられ、私は発情した身体を跳ねさせて、だらしなく口を開けて喘ぐ。 「あぁあっ!良いよ!良いのぉ!ひうぅ!ゾ、ゾワゾワしちゃうんだよ。だよっ!!」 愛液が下着を濡らし、内太股を伝って行くのを感じる。期待に声を弾ませ、シーツを握り締めて熱くなっていく身体…。 大好きな圭一くんと色々な愛し方を覚えてしまったから…。もう離れられないよ…。圭一くん…私の事、離しちゃ嫌だよ?ギュッてしてくれていないと不安になっちゃう。 「ん…あ…はあ。はあはあ…」 「ふぅ…。そろそろ良いかな?レナ行くぞ」 圭一くんが愛撫を止めて、お尻の穴におちんちんをあてがって優しく擦り付ける。唾液がクチュクチュと音を発てるのを聞こえ、私は我慢出来なくなる。 「意地悪しちゃ嫌……圭一くんのおちんちんが欲しいよぅ。早く来て?…レナ我慢出来ないんだよ。だよ。……あ」 「っはあ。熱…。火傷しちまいそ、う…」 圭一くんのおっきいおちんちんが、私の腸内に侵入してくる。熱くて、硬い立派なおちんちんが腸壁を擦りながら押し拡げてくる。 「はっ…あっ…あ…。あうぅ」 気持ち良過ぎて、身体の力が抜けて溶けていく…。『圭一くん』を全て受け入れて、私は大きく息を吐き出す。 「はあぁ…。あ…あぁ…けぇいちくんがいっ、ぱいっだよ。だよ…はあ」 圭一くんは私のお尻が大好きなの…。熱くて柔らかくて、キュウキュウに締まってて気持ち良いんだって。 だから、すぐにピュッピュッてしちゃうんだよ。かぁいいかぁいい。 「ひあっ…あ!はっううっ!」 圭一くんが私のお尻を掴んで、素早くおちんちんをギリギリまで引き抜いて、力一杯叩き込む。おちんちんの頭が腸壁を引っ掛けながら、荒々しく蹂躙する。 「はうっ!はうっ!はうぅっ…!あふぅっ!」 何回も何回も激しく突かれて私は喘ぐ。甘えた声で啼いて、圭一くんに発情した身体を慰めて貰う。 「ひうぅ!!ひあぁっっ!?あっ!あっ!!あっ!!」 圭一くんが私に跨がって、上から突いてくる。腸内から子宮を小突かれて身体に電気が走った様な痺れる刺激が駆け巡る。 「っはあ!あ!くぅっ!!すっげぇ…!ムチムチしてて柔らけぇ!さ、最高!!」 「あうぅ~っっ!!け、けぇいちくぅんっ!そんなにパコパコしたらぁあっ!!こ、われちゃううっ!!!あひっ!!」 私はワンちゃんの交尾みたいな格好でされるのが大好き…。おちんちんが深く入って、奥まで気持ち良いから…。 圭一くんに犯されている様な感覚が堪らないの。だから凄く感じちゃう。自然にお尻を押し付けて、柔らかいお肉でキュウキュウに締め付けてしまうくらい。 「あぁっ!あっ!!あふっ!!あっあっ!?あぁぁぁぁっっっっっ!!」 強い刺激の連続に私は達してしまう。頭が真っ白になって息が詰まる。蕩けて消えてなくなりそうな甘い甘い御褒美。 「ひあっ!?ら、らめぇっっ!レ、レナ狂っちゃう!!はうぅうっ☆らめっらめぇ!!」 私が達しても圭一くんの腰は止まらない。むしろさっきより…激しい。そしてネットリといやらしい腰使いまで加わる。 「い、今さらっ…止めれる訳ねぇだろ!もうちょっとだから!はあ!はあ!」 敏感になった身体に圭一くんの円を描く様な腰使いは堪らない。身体が跳ねて、息があがる。力が入って、すぐに抜けていく…。 「あああっ!!んあぁっ!あっっ!!あっああぁっっっ!!!」 短時間で何回も達してしまう。熱いおちんちんに腸内を掻き回され、叩き込まれる。 「あっ!や、やあぁっ!!あくっ!はっっ!はっ!!」 私は酸素を求めて口を開けて喘ぐ。圭一くんの乱打を受けて、目の前がチカチカする。 「ひあうっ!ひゃあぁっ!?っんあ!!」 腸壁を擦りあげられ、私は悲鳴にも似た『獣の声』で啼く。 「ううっ!はっ…は…あ!はあ!っ…はあ…はあ」 圭一くんが呻き、私の腸内に熱いミルクを吐き出す。何回も脈打ちながら私の奥を白く染めていく…。 「はっあ…はあ…。っん!やあぁ…ら、らめぇ」 ミルクを吐き出しながら、おちんちんでゆっくり突いてくるのだ。そしてお尻を撫で回し、揉みほぐされる。 「あはぁ……気持ち良かったかな。かな?」 私は満足そうな声で圭一くんに問い掛ける。 「っ…は。…まだまだ。満足してねぇよ。ちょっと一休みしたら…もう一回」 「はうぅう…。圭一くんはお猿さんなんだよ。だよ」 私達は抱き合って小休止をする。体力を回復させなきゃ保たないもん。 「…でも良いよ。あと何回出来るか試しちゃおっか?」 私はクスクス笑いながら圭一くんの胸に顔を埋める。トクントクンと鼓動する心臓の音が心地良い。 「それ良いな!よっしゃ!早速始めるぞ!」 圭一くんが、そう言って私の身体を組伏せる。 「は、はうぅうっ!!」 その後は…うん。疲れちゃったんだよ。だよ。次の日の学校に差し支えるくらい。 え?何回したかって?はう。言えないよ…。…圭一くんが『カラカラ』になるまでかな。かな? それにね…また圭一くんの事が一つ分かったから嬉しいんだよ。毎日が発見の連続で楽しい。 それが何かは…私だけの秘密。教えれないよ。 そんな春の日。圭一くんと恋をした。そして大好きな人に再び…恋をしてしまった。 続く れなぱん!(15)
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「……はぁ……」 空に満点の星空が浮かぶ真夜中。 梨花は窓のふちに腰をかけながら、そう深くため息をついた。 その手には愛用のグラスが握り締められており、中には彼女の大好きな紫色の液体がなみなみと注がれている。 そのグラスの中の氷をカランと鳴らしながら、梨花は憂鬱そうな表情でふたたび美しい夜空を見上げていく。 「…………ふぅ……」 一口、そして二口……手元のグラスを口に運ぶと、梨花は今夜もう何度目かというため息をついた。 どこか色っぽい雰囲気を漂わせながら、ワインを片手にため息をつく少女……。 はたから見たらまるでどこぞの熟女がするような仕草にも見えるだろうが、そこに腰をかけている梨花の身体はまだとても小さく、幼い。 だがだからこそ余計に、それを見てるものにとってはとても物悲しく感じられた。 「あぅ……あの、り、梨花……?」 ついに我慢できず、といった感じにその少女が声をかける。 すぐ傍の布団ですでに寝息を立てている沙都子を尻目に、彼女は窓際で物思いにふける梨花をずっと見守っていた。 本来、梨花がこんなふうにしている時は声をかけないほうがいい……。 彼女は長年の経験でそれを知っていたのだが、梨花のあまりの落ち込みを見るに耐えず……というよりこの重苦しい雰囲気に耐えられなかったのだろう。 特徴的な頭の角をフルフルと震わせながら、羽入はおもいきって梨花に声をかけていった。 「あぅ……梨花、一体なにがあったのですか? そんなに悲しそうな顔をして……」 梨花だけでなく、羽入の方も心配と不安が入り混じったような表情でそう質問する。 するとそれが伝染していくように、梨花の表情もまずます曇っていってしまう。 「…………………」 「あぅ……あぅあぅ、り、梨花ぁ、答えてなのです……」 聞こえていないのか、それとも無視しているのか。 羽入の心配する声をよそに、梨花はただ黙って口元にグラスを運び続けるだけだった。 そんな重い雰囲気を感じ取った羽入はますます梨花の心中が想像できなくなり、いつもどおりただあぅあぅと鳴くことしかできなくなる……。 どうやらこれはかなりの重症らしい。 もう百年近く一緒にいる羽入でも、梨花のここまで落ち込んだ様子はめったに見たことが無かった。 終わりの無い、死の螺旋。 それからずっと抜け出すことのできなかった特異な少女……。 悲痛な運命に巻き込まれていた古手梨花は、今のようにこうして深く落ち込むことがままあった。 そういう時は唯一の理解者である自分が慰めてあげたり、またはあえて声をかけずにそっとしてやることもあったものだ。 なのでこういう状況自体は特別めずらしいことでもない。 他の少女ならいざ知らず、古手梨花という少女ならばこういう重い表情を作り出すこともおかしくはなかったのだ。 ……だが、今はもうちがうはず。 おかしくなかった、という過去形にできるのだ。 なぜなら、もうあの悪夢は終わったから。 古手梨花は救われたのだ。 百年以上も終わらなかった六月の迷路を抜け去り、彼女はようやく人として普通の幸せを取り戻した。 もう人生が巻き戻ることもない。 羽入が梨花にふたたび人生をやり直させることはないだろう。 これからの梨花は最高の仲間達と共に、最高の時間を過ごしていけるのだ。 今までの百年分を取り戻すように……。 「あう……あ、あの、梨花。 どうしてそんな顔をするのですか? そんなに寂しそうな……」 だからこそ羽入には余計に理解できなかった。 今の梨花の心が。 自分がこうしていくら語りかけても、何も答えてくれない。 それどころか反応すらしてくれず、ただ夜空を見上げるだけの彼女のことが見えない……まるでわからなかった。 それは羽入が神様だということもあるが、何よりも百年近く一緒にいる友達……。 親友がなぜここまで落ち込んでいるのか、という意味でもあった。 本当だったら今は何も聞かないほうがいいのかもしれない。 それでも……どうしてもほっとけない、と羽入はまた口を開く。 「り、梨花、おねがい……おねがいなのです。 何か悩み事があるのなら、僕が相談にのりますから、そんな顔しないでなのです……あぅあぅ」 羽入はついには梨花の傍までちょこちょこと駆け寄り、彼女の服のソデをクイクイと引っ張りながら懇願するように泣きついた。 慰めなければいけないのは自分の方なのに、これではまるで羽入の方が慰めて欲しいといっているようだ。 その羽入の想いが通じたのかどうかわからないが、ようやく梨花は手元のグラスをカランと傾け口を開いていった。 「最近ね……圭一が冷たいの……」 ようやく……ようやくそれだけを呟くと、梨花はまた手元のグラスを口元に寄せた。 ゴクリゴクリと音を鳴らしていき、そのままふぅっとため息をついていく。 梨花の口から流れる甘く芳醇な香りを嗅ぎながら、羽入はようやく彼女が会話をしてくれたことへの安堵と、チクリと胸に刺さる不安感を感じながら更に梨花に聞き返していく。 「け、圭一……? 梨花がこんなに落ち込んでるのは、圭一が原因……なのですか?」 「……そう。 最近、圭一が私にかまってくれないの。 ぜんぜん、ね……」 梨花は今にも泣きそうなほど悲壮な表情を作りながら、羽入の問いに答えていく。 内容も合わせて、それはまるで恋人に振られた直後の少女の告白のようでもある。 「今まですごく可愛がってくれたのに……急につれなくなった気がするの。 まるで私に興味がなくなったみたいにね……」 「あぅ……り、梨花、興味がないなんてそんなこと……」 「ねぇ羽入、私じゃやっぱりダメなのかしら? やっぱり圭一はレナみたいに家庭的な女の子のほうが……魅ぃみたいに魅力的な子がいいのかしら。 だってあいつスケベだし……」 「そんなこと……り、梨花だって充分可愛いのです! 魅力的なのですよ!あぅあぅあぅー!」 「でもでも、私レナと魅ぃに比べたら胸だって全然無いじゃない? っていうか、同い年の沙都子と比べてもアレじゃない……こんなツルペタじゃ……」 「む、胸なんて関係ないのですよ! 梨花みたいに『無い』ほうが好きな人もいるのです。 圭一はきっとそっちが大好きな男なのですよ? ま、まちがいないのですー!」 「そう……そう、かな。 そうだといいんだけど……」 「あ、あぅあぅ。 そ、そう、きっとそうなのですよ梨花……」 一度口を開くとわりとスラスラ話し出す梨花に、羽入は少し複雑な気持ちになりながらフォローしていった。 なんてことはない、結局はただの恋わずらいだったようだ。 まるでこの世の終わりとばかりにまで落ち込んでいたのに……と羽入は拍子抜けだった。 もっとも本人にとっては大問題なのだろうが……。 少し元気を取り戻してきたように見える梨花の様子に、羽入は更に慰めの言葉をかけていくことにする。 「そ、そうなのです! き、きっと圭一は梨花を意識しだしたのですよ。 それで急に話づらくなったとか……き、きっとそうにちがいないのです!」 「え……い、意識って、私を? そ、それって……」 「もちろん、女の子としてなのです! 今まで妹みたいに見ていた梨花を、何かの拍子に急に『女』として見てしまうようになったってことなのです! あぅあぅあぅ~これは梨花大チャンスなのですよー♪ キャーキャー♪」 「そ、そんな……女って言われても……。 圭一が私を、女の子として……?」 羽入のわりと適当な慰めを聞くと、梨花はさっきまでの落ち込みようが嘘のように顔を赤くしだした。 どうやらわりと単純な悩みだったらしく、羽入が……というより誰かしらに気休めでも言葉をかけてもらいたかっただけらしい。 そして口には出せないが、羽入は梨花の様子を見ながら内心ホっとしていた。 ヘタをすればあの六月の惨劇並の悩みでも抱えているのかと思っていたし、なによりも『圭一』という言葉が個人的にものすごくドキリとした。 しかし実際に梨花が口にしたのはこの年の女の子ならば誰もがするだろう、恋の悩み。 おまけに自分のペッタンコな胸を気にするという他愛もないものだった。 羽入はとにかくこの場はうまく丸め込もう、どうせわかるわけないと梨花の心を更に持ち上げていく。 「だ、だいたい梨花は大げさなのです! 僕はてっきり、またあの百年の苦しみに匹敵する悩みでも持ってるのかと思ったのですよ……」 「……ふふ、そうね。 こんなことで悩んでたら、あの百年分はなんだったのって話だしね?」 「そ、そうなのです! このくらいのこと、僕達にとってはぜ~んぜんなんの問題にもならないことなのですよ? あぅあぅあぅ~♪」 「ふふ、ふふふふふ……♪」 「あぅ、あぅあぅあぅ~♪」 ようやく梨花がクスクスといつもどおりの笑みを浮かべるのを見て、羽入は安堵した。 最初に圭一の名前が出てきた時はどうしようかと思ったが、どうやら梨花はなんとか立ち直ってくれたようだ。 それだけで羽入にとってはとても嬉しいことであったし、何よりも自身が思っていた不安が的中せずによかった……。 これでまた明日から『普段の生活』が続けられることを嬉しく思いながら、羽入はすでに布団の中で寝息を立てている沙都子の元へといそいそと駆け寄っていった。 「ほらほら梨花、もうこんな時間なのですよ? あんまり遅いと明日遅刻してしまうのです。 沙都子と一緒に三人で寝ましょうなのですよ~ほらほらほら~♪」 満面の笑みでニコニコとしながら、羽入は沙都子の寝ている隣の布団をポンポンと叩く。 ずっと梨花のやさぐれモードに付き合っていたため彼女もいいかげん眠いのだろう、早く暖かい布団で眠りにつきたいといった感じだ。 「あ……ごめん、ちょっと待って……」 「?…………り、梨花?」 しかし梨花は羽入の期待通りの反応を示さなかった。 それどころか羽入が布団に誘うのも無視して、何やらすぐそばのテーブルの上に乗っていた物に手を付けたのだ。 「……あぅ? り、梨花、何をしているのですか? どうしてテレビのリモコンなんか……」 「ん……まぁちょっと、ね……」 何か意味ありげに呟きながらリモコンを操作しだす梨花を見て、羽入は怪訝そうな表情を浮かべる。 もう日付が変わっているほどの深夜だというのに、これから呑気にテレビでも見ようというのか。 どうせこんな時間ではどこもやってないだろうにと羽入は思ったが、梨花はかまわずリモコンのスイッチをポチっと押しテレビの電源を付けていく。 思ったとおり、ザーっとした砂嵐だけがブラウン管に映し出される。 それを確認しながら梨花はテレビにまで駆け寄っていくと、今度は下にあったビデオデッキにまで手をかけていく。 「えっと、たしかまだ入ってるはずだから……」 「あの、り、梨花……? どうしてこんな時間にテレビ……ビ、ビデオなんか見るのですか?」 「……………………」 羽入が当然ともいえる質問をしても、梨花は無言でビデオデッキを操作していく。 どうやらすでに中にはビデオテープがセットされているようで、梨花が『再生』と書かれているボタンを押すだけでデッキがウィィィンっと起動音を鳴らしていく。 背後ではわけもわからず羽入があぅあぅ鳴くのを聞きながら、梨花はただ黙ってそのテレビに映し出されていく映像を見つめていく……。 そして……『それ』が映し出された。 『んああああ、い、いい、きもちいい! おちんぽ奥まで届いてるのですぅぅひああああ!!』 「…………っ!? ……え……」 映像が映し出された瞬間、テレビのスピーカーからとてつもなく卑猥な声が漏れ出した。 そしてそれとほぼ同時。 沙都子の傍の布団にちょこんとお座りしていた少女の顔色が……真っ青に染まっていった。 『あはぁ、あん、あん、い、いひぃ♪ おちんぽ奥まで届いてるぅ僕のおまんこにひぃぃ!! あああきもちいい! きもちいいのですぅあぅあぅあぅぅぅおまんこおぉぉぉぉ♪♪』 沙都子が起きてしまうんじゃないか……というほどの大音量。 その人とも獣とも似つかない声が、テレビのスピーカーからとめどなく流されていた。 それはおそらく、誰が聞いても異常だと思えるほどの悲鳴……。 人のあえぎ声だった。 「あ、あぅ……ど、どうして……そんな……」 その異常ともいえる声を聞いた瞬間、羽入はただ呆然とした表情を作り出す。 そしてそれとは対照的に、梨花の方はどこか冷めたような表情でジっと映し出されていく映像を見つめていった……。 『あひぃん♪ ああああきもちいい! おまんこすっごくイイのですぅぅぅあああああ♪♪♪』 その映像には梨花と同い年くらいの少女の姿が映し出されていた。 その少女は何やらはしたない声をあげながら、一心不乱に腰を振っている。 ……全裸で。 画面は少女の主に上半身を捉えていて、おそらくこれを撮影しているのは男の方であろうことがわかる。 目の前には少女の裸体がガクンガクンと上下に揺れていた。 そしてよく見ると梨花と同じくらいというのはあくまで顔だけで、その体つきはおおよそ子供とはいえないほどにいやらしいといえるものだった。 愛くるしい瞳。 どこか幼さを残している口元……。 そのロリっぽい顔つきとは裏腹に、少女の乳房は不釣合いなほどに大きく実っていた。 魅音にも勝るとも劣らないといえるほどに。 大きな乳房の真ん中ではツンと尖った乳首が伸びており、彼女が腰を上下する度にその乳首ごとブルンブルンと豊乳が揺れてしまっている。 『あ、あ、あぁぁん入るぅ! 奥までズッポリなのですぅ! 僕のおまんこの中にズンズンきてるのですぅぅぅぅ! 僕この格好でするの大好きぃ、まんこの奥の奥まで届いてんああぁぁぁいひいいぃぃぃぃぃぃ♪♪♪』 しばらくするとやや画面が下に向かって降りていく。 少女の下半身ははしたなく大股に開かれており、両脚にはムチムチとした肉が付いたおいしそうなふとももが淫らに揺り動かされていた。 そしてそのムッチリとしたふとももの付け根……股の間には男のペニスが根元まで突き刺さっていた。 一層ピンク色なその少女の膣の入り口に、卑猥にもズッポリとペニスが咥え込まれていたのである。 おまけに少女が腰を上下する度、そこからはジュプリジュプリといやらしい音が漏れ出してしまっている。 テレビのスピーカーからは、おもわず耳を塞ぎたくなるほどの大音量でそれが漏れ出してくるのだ。 おまけに少女のペニスを咥えこんでいる膣からは、透明な液体がビュッビュッと激しく噴き出しており、この映像を映しているであろう、ビデオカメラのレンジまでをも汚しそうな勢いに噴き出していた……。 『はひぃ、はひぃん! んああ最高ぉきもちいひのですぅ! おまんこおくぅおくまでぇぇ!! もっと突いてぇ突いてなのですぅ! 圭一ぃ、けいいちいひいいぃぃぃぃぃぃ♪♪♪』 もはや説明の必要もないだろうが、どうやらこの映像はこの少女とセックスしている男が撮影しているものらしい。 ちょうど騎乗位で繋がっている状態のまま、少女はどこぞの安いアダルトビデオのようなセリフを吐きながら腰を振りまくっている。 いくらなんでもこんな有り得ないセリフばかりでは、見ている方も演技過剰と興冷めするのではないか……と思えるほどだ。 しかしそれはどうも演技で言っているのではないことが、少女の異常なほどの乱れようとペニスを飲み込んでいる膣の濡れ具合から察することができなくもない。 画面の中の少女はその頭の角をガクンガクンと揺らしながら、男の上でますますアヘ狂っていくのだった……。 「あ、ああ……そ、そんな……ど、どうして……」 卑猥すぎるその映像を見ながら、いまだ羽入は真っ青な顔のまま布団の上で硬直していた。 色々な考えが彼女の頭の中を次々と駆け巡っていったが、まず最初に頭に浮かんだ言葉はこれだった。 圭一……誰にも見せないって……言ったのに……。 そんな言葉が絶望感漂う羽入の頭の中で浮かび上がっていた。 そしておなじくこの映像を見つめている少女。 梨花が口を開いていく。 彼女はさきほど落ち込んでいた時の顔ともちがう、どこか達観したような表情でポツリポツリと呟いていった。 「このビデオね? 今日学校で渡してくれたの。 圭一が……」 誰に言うわけでもなくそう呟くと、梨花はテレビの映像をそのままにしたままトコトコと羽入の元へと寄っていく。 そしてまだ布団の上で呆然としている彼女のそばまでくると、ちょこんとその隣に座りこんだ。 映像の内容を考えなければ、これから二人で仲良く鑑賞会といった感じにも見える光景だろう。 だがおそらくこれから始まるのはそんな仲睦まじいものではない。 むしろドロドロとしたむごたらしいものであることは容易に想像できた。 状況のわりには冷静な梨花は、隣でいまだ呆然とする羽入にゆっくりと語りかけていく……。 「おもしろいものが映ってるから……見てみろって言われてね? 今日、家に帰ってからすぐに見てみたの……」 「あ、あぅ……り、梨、花……あ……ぅ」 「だいたい、三十分くらいは見たかしらね。 そりゃあ最初はすごく驚いたけど、まあたしかに『おもしろい』わよね、このビデオ……」 「あ、あの……り、梨花……こ、これは……」 「こういうエッチなビデオ、初めて見たんだけど……すごくいやらしいのね。 ほら見て見て、繋がってるところも丸見えよ。 特にこの 女 優 が すごいわよね?」 「!? あ、あああ、ぼ、ぼぼぼ、僕は……その……あの、あ、あああああ……」 ついにガクガクと震え始める羽入を尻目に、梨花はあくまで冷静に……クールに言葉を繋いでいく。 ただ静かに声を出しているだけなのに、今の羽入にはそれが何よりも苦しい拷問を受けているかのように感じられるだろう。 そしてその羽入の怯えと比例していくように、画面の中の少女は更にいやらしい言葉をあげていく。 『あひぃん、圭一ぃ今度は後ろからシテなのですぅ♪ バックからおもいっきりおまんこハメハメしてぇ! 僕のおまんこに突き刺さってるこのデカチンポ、今度は後ろから根元までブチ込んでぇぇぇ♪ 梨花の大好きな圭一のちんぽ、僕の子宮にまでおもいきり突き刺してぇぇ!!!』 「……………っ!? ぐ………」 もはや汚らしいとまでいえるほどの淫語を映像の少女が叫ぶと、ずっと冷静だった梨花の顔にわずかに曇りが見られた。 一瞬だけ眉がピクンっと動き、それが更にヒクヒクと釣りあがっていく。 それを隣で怯えている羽入にはすぐ気がつけたが、今の彼女はただビクビクと怯えることしかできない。 今にもビンタが飛んできそうな左側を横目でチラチラと確認しながら、羽入は映像の中の少女がこれ以上痴態を晒さないようにと願うことしかできなかった。 それが絶対に有り得ないことだと……わかりつつも……。 『ん……ああ、は、はやくぅ、はやくブチ込んでぇ圭一ぃ♪ もうガマンできないのですぅぅぅ♪ この僕のいやらしいお尻に。 ワンワンみたいに後ろからハメまくってなのですぅぅぅ♪』 さっきまでの馬乗りの格好から変わり、映像の少女は今度は立ち上がっていた。 そして壁に両手を付きながら、カメラに向かっておもいきり自らの尻を突き出していた。 羞恥や気恥ずかしさなどは感じないのだろうか……。 体つきの割りに大きめの尻をフリフリと振りながら、カメラを持つ男に向かって更にいやらしくペニスをねだっていく……。 これ以上痴態を晒さないで、という羽入の願いをこの少女はいともあっさりと砕いていった。 「あ、あぅ……や、やめて……もうやめてなのです、僕……ああそんなお尻を振って……」 「あははは♪ ほんと、すごいわよね? 恥ずかしくないのかしらこの女。 こんないやらしくでかい尻を振って、あさましく男をねだってるわ……」 「や、やめてぇ……り、梨花、もうビデオを止めてぇ……」 「どうしてよ羽入、いいじゃないべつに。 二人でこの女……このメスブタのスケベっぷりを存分に見てやりましょうよ。 どこのビッチ女か知らないけど…… ね ぇ ?」 そう冷たく言い放つと、梨花は寝ている沙都子のことも気にせず更にテレビの音量をポチポチと上げていった。 今の梨花が羽入の言葉など聞くわけがない。 それどころか遠まわしに罵倒するようにしながら、更に羽入の羞恥心を高めていくのだ。 『は、はひぃん!!! はやくぅ、はやくはやくぅ圭一ぃ♪ 僕のおまんこもう待ちきれないのですよぉ、生でいいからこのままズッポリおちんぽ根元まで突き刺してぇぇぇぇぇ!!!』 さきほどまでそこにはペニスが突き刺さっていたというのに、少女には体位を変えているこの時間すら惜しいらしい。 立ちバックの格好の少女は、しまいには指で自らの膣口をクチュリと割り開いていった。 膣の中のヌラヌラと光る内壁をいやらしく晒しながら、男のペニスの挿入を少しでも手伝いたいといった感じのスケベっぷりをアピールしていくのだ。 もはや女とすらいえないあさましい痴態を、視聴者である梨花と羽入に惜しげもなく見せ付けていく。 「ああ、や、止めて……そんなことしちゃダメなのですよ、僕……ああああ……」 「くすくす……ほんっと、最低よね。 同じ女として軽蔑するわ。 こんなスケベなことまでするなんて、この女どっか頭おかしいんじゃないかしら?」 「あ、あぅ……あぅあぅ……こ、これは、ち、ちが」 「ほら、見てよ羽入。 自分であんなおまんこ開いちゃって……まがりなりにも子供を作る場所も、このメスにとってはただきもちよくなるだけの穴みたいよ? あーあ、あんなにグチョグチョにして……人として終わってるわね」 「あぅあぅぅ……梨、梨花、もう……もう許してぇ……」 「あー、でもこんなメスブタでもやっぱり友達とか……大切な 親 友 とかっているのかしらね? ねぇ、 ど う 思 う 羽 入 ?」 「!? ひ、ひぃ……」 梨花の鷹の目のようなするどい眼光が、怯えている羽入にギラリと突きつけられた。 突然向けられた悪意に思わず羽入は悲鳴をあげるが、映像の中にその答えがあったことがすぐに自分でもたしかめられた。 映像の中の少女が手を付いた、その壁。 そこには見覚えのあるカレンダーが吊り下げられていたのだ。 それが梨花の心の琴線を大きく波立たせたことが、羽入にもすぐに見て取れた。 『あ、あひぃん! り、梨花の、梨花と沙都子の匂いがするここで……このお部屋で圭一とすると僕とっても興奮しちゃうのです♪ ああ見てみてぇ、こんなに僕のおまんこヒクヒクしちゃって……あぅあぅぅもうガマンできないひぃぃぃ圭一はやくハメハメしてぇぇぇぇぇ♪』 映像の少女が言った言葉……それが答えだった。 あろうことかこの痴態が撮影されている場所は、紛れもなく今梨花達がいるこの部屋だったのだ。 同居している二人の友人がいない隙に、この少女はしれっとこの男、前原圭一を部屋に連れ込んだらしい。 おまけにその友人の片方が圭一に想いを寄せてることを知りながら、あえてこの部屋でプレイすることを望んだようだ。 その証拠に映像の中の少女はしきりに梨花や沙都子の名前を口にし、今もカメラに向かっていやらしく尻を振っていた。 これを撮影している圭一にペニスをおねだりしているのだ。 『は、はやくぅ、圭一はやくぅ♪ 梨花と沙都子がもうすぐ帰ってきちゃうのです。 僕達がセックスしてるとこ、ふ、二人に……あああ、り、梨花に見られちゃったらぁ、見られちゃったらぁぁぁぁあふぅぅぅ♪』 映像の少女は親友の想い人と性関係に及んでいる、という事実をも興奮のスパイスにしている。 背徳感、羞恥心……そして優越感。 そういったものを性感を高めるために使っているらしく、それを表すセリフを口にするだけでまたもや膣口からはビュルビュルとはしたない液体をふとももに垂れ流している。 それに圭一の方もたまらなくなったのか、もうビンビンになったペニスを羽入のパクパクと口を開ける膣にグチュリと押し付ける。 『はぁぁぁん! ああ、お、おっきい♪ とってもおっきいのです圭一のぉ……僕の大好きな圭一のでかちんぽ、ああそのまま中に、お、おまんこにブチ込んでぇ! 僕のお尻に突き刺してなのですぅぅぅ♪ 梨花より先に僕のオヤシロまんこがいただくのですぅぅぅ♪』 立ちバックの格好のまま、羽入は自分から尻を下げ圭一のペニスを膣の中へズブズブと挿入していく。 画面には羽入と圭一の繋がる部分がめいいっぱい大きく映し出され、それがジュブジュブと入り込んでいく様子がありありと映りだされていくのだった……。 -
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私は、はやる気持ちを抑えながら、いつもの病室のドアを開けた。 そのカーテンの先には……悟史くんが居る。 悟史くんは、ベッドの上に身だけを起こし、監督と話をしていた。 問診というやつだろう。 「あの、監督……入っていいでしょうか?」 「いいですよ、詩音さん」 その言葉だけで胸が跳ねた。 一歩一歩慎重に、悟史くんを驚かさないように…… 「さ、悟史くん……おはよう」 「……誰?」 少し、言葉に詰まる。 「詩音……園崎詩音、覚えてる?」 「……ああ、魅音の妹か」 なんとなく、記憶の中の悟史くんと違う。 でも、目の前のこの人は……間違いなく悟史くんだ。 「詩音さん、悟史くんは……少々記憶の混乱が見られますので、 今質問は控えてもらえますか? 記憶の程度を今分析していますので……」 監督が耳打ちした。 悟史くんはそれを不審に思うこともなく、 ただぼうっと空中を見つめていた。 「は、はい……また来ますね」 「ええ、ぜひ」 監督は笑顔で私を送り出してくれた。 本当は……私が今入ってきてはいけなかったのかもしれない。 そんな気持ちを胸の中に抑えつつ、 私は駆け出した。 次の日に診療所へ向かうと、 私がいつも同じ時間に来るのが分かっている監督が、 診療所の前で待ち構えていた。 「あ、詩音さん……あの、悪いんですが」 「まだ無理なんですね、いえいえ、悟史くんに会えるんですから……ちょっとの間ぐらい我慢しますとも」 「……はい、すみません」 今度は私が、監督を笑顔で診療所へと送った。 次の日も……その次の日も。 私は、一ヶ月待った。 その時間は、私が今まで待った時間よりもはるかに長く感じられた。 それでも悟史くんが居ると分かった後の期間は、 どこか寄りかかるところが無かった今までよりも充実していた。 だから…… 私は。 生まれて始めて、手首を切った。 「詩ぃちゃん……腕時計なんかしてたっけ?」 レナは、恐ろしいぐらい勘がいい子だ。 私を放課後の教室に呼びつけるなり、 そう言った。 「……ええ、確かに今日からしてますけど、 それが何か?」 「……ごめんね、ちょっと気になったの」 「何が……です?」 こちこちと、時計の針の音がうるさかった。 その音が、この長い静寂がそれほど長くないものだということを、 嫌というほど聞かせてくれる。 「あの、レナ……帰りますよ?」 「詩ぃちゃん、これ見て?」 いつも手首を曲げているレナが、 私にはっきりと、私の手についたのと同じものを見せてきた。 「……あのね、こんなことするのは、何かあったからだよね? レナ、相談に乗るよ?」 私は、恥ずかしさに頬を染めた。 一緒に戦い抜いた仲間じゃないか。 それなのに、私は自らを集団の少し外に置いていた。 悔しかった。 悟史くんに会えたのは……皆を信じたからなのに。 悔しくて悔しくて、手首を切った時には溢れなかったものが、 目からぽろぽろと零れ落ちる。 「し、詩ぃちゃん……」 レナは、おろおろとしつつも、ごく冷静にハンカチを差し出してくれた。 「悟史くんのこと?」 どきっとした。 この子の勘は……鋭すぎる。 「……って、言われたの」 「何?」 「近づくなって……うぇ、っ……うううう、うぁああああああ!!!」 レナはそんな取り乱した私を……包み込んでくれた。 「大丈夫だよ……悟史くん、居たんだよね? どこかに行ったんじゃないんだよね? じゃあ、大丈夫だよ?」 「うぇえ、うぅ、うぇえええ!!」 背中をぽんぽんと、レナは叩いてくれた。 「好きなだけ泣いて? でも、その後は笑お? だって、詩ぃちゃんは今幸せなんだもの。 意中の人が、ちょっと遠ざかっただけだから」 レナの言っている意味が……心の奥に染み渡った。 レナの好きな圭ちゃんは、お姉を選んだから。 「……男の子なんて、この世にいくらでも居るよ」 本当は、自分だって泣きたいはずなのに。 私は自分がまた恥ずかしくなって…… また泣いた。 「それに……女の子が好きな……女の子だって居るんだよ?」 突如として、私はより強く抱きしめられるのを感じた。 レナの鼓動がすぐ近くにあって、 この世に存在するあらゆる音より大きく聞こえた。 「詩ぃちゃん……私、一杯慰めたよね? だから……私も慰めてくれる?」 レナの手が、少しずつ下へと這っていく。 「れ、レナ……?」 私が信じられないものを見るかのような目でレナを見ると、 レナはびくっとして、すぐに手を引いた。 「ご、ごめ、わ、私……何してんだろ?」 「い、いいですよ……レナを、慰めますよ…… でも、私……どうしたらいいか」 「本当にいいの? 詩ぃちゃん?」 真っ赤になったレナの顔が、急にいとおしく感じた。 「……ぅん」 私は、机を掴んでお尻を突き出す形になった。 レナが後ろから、私の胸に手を回していた。 右手は胸に……左手は、太ももに。 「はっ……くっ、れ、レナぁ」 それだけの行為なのに、 私の腰は抜けそうになって、がくがくと震えていた。 「詩ぃちゃん、かぁいいよ」 レナが囁くように言った。 そのまま、みみたぶを噛んで来る。 「あぅっ!」 「詩ぃちゃん、感じやすいんだね……もう、大変なことになってるよ? もしかして、毎日毎日してたのかな?」 「れ、レナ……おじさんみたいです……はくっ!」 レナが首筋を撫でてきた。 もうどこを撫でられたって、 私の全ての皮膚は鋭敏になって、 下着がずれただけで体が痙攣するようになってしまった。 「じ、焦らさないでッ!」 「詩ぃちゃんずるいよ……私はまだ気持ちよくなってないのに」 そういうレナの目は、とろんとしていた。 「嘘でしょ、レナ……」 私は机に座り、レナを抱きしめた。 そのままレナとキスをする。 唇へのキスだ。 本で見たとおり、舌を突き出してみる。 レナはそれに応えて、舌を付き返してくれた。 「あむぅ……にゅ、ちゅりゅ」 声にならない声を、口の間から出す。 レナの顔は再び真っ赤になった。 すごく分かりやすい子だ。 「レナ……胸をいじったことはあります?」 「……ぅん」 「包皮を剥いたことは?」 「詩ぃちゃんも……おじさんみたいだよ?」 「質問に答えない悪い子は、全部やっちゃいます」 私は、口でレナの乳房を責めた。 右手はレナの左胸に。 左手はレナの秘所に。 「あっ、あぅ……はぅぅぅ、だっ、詩ぃちゃん、いっぺんにはダメェ!」 レナは……一瞬にしてイってしまった。 また私はキスをする。 レナが窒息しそうだったので、今度はすぐに口を離した。 はっ、はっと苦しそうに、レナは肩を上げ下げしていた。 「し、詩ぃちゃんにも……しないとね?」 レナは恐ろしい回復速度で、 私を押し倒した。 「あ、レッ!」 私はレナに犯される様に、机に仰向けに寝そべる形になった。 目に見えるのは教室の天井じゃなく、一面のレナの顔。 私はまた、唇を奪われていた。 しかも今度は、私が一方的に責め立てられている。 レナの無秩序とも言える、 痙攣するような手が、私の大事なところで震えていた。 口をふさがれているから、息をすることもままならない。 レナがやっと口を離してくれた。 私は大きく息を吸う。 「詩ぃちゃん、悟史くんに沙都子ちゃんのこと頼まれてたんだよね? 沙都子ちゃん、近頃詩ぃちゃんが全然かまってくれないって、 私に泣きついてたよ?」 レナは責める手を止め、今度は言葉で責めてきた。 「ぇ……あ、だ、だって……沙都子はもう大丈夫……」 「嘘だ」 レナがそう囁きゆっくりゆっくり、手を動かす。 私の中に指を挿入しようかどうか、迷っているように。 「詩ぃちゃんは沙都子ちゃんのこと……頼まれてたんでしょ?」 「は、はぃ……沙都子のこと頼まれてましたぁぁあ……あぅっ!」 突如として、レナが私の中に指を入れた。 「れ、レナぁ……」 突然の衝撃に……私は失禁してしまった。 「ご、ごめ……ぐすっ、うう」 「わ、私こそ……ごめん、考えもなしに嫌なこと言っちゃって……」 「ううん、私が悪いんです、悟史くんのことばっかり考えて、 沙都子のことをないがしろにしてたから…… 私が悪いんですぅぅぅ……」 「詩ぃちゃんは悪くないよ……私のほうが悪いもん。 失恋したからって……詩ぃちゃんに当たって…… 魅ぃちゃんに似てるからってね……」 私たちは、雑巾で後片付けをした。 なんだが自分が情けなくなってくる。 こんな年になって、おもらししてしまうなんて…… 「あ、あの、レナッ……その、今度は」 「今度は無いよ、詩ぃちゃん。 今度は私も、いい男の子を見つけるんだ」 レナはそういって、笑ってみせた。 「じゃ、じゃあ、その時はダブルデートしましょ、 レナなら絶対見つかる! 圭ちゃんなんかより、 万倍いい男が見つかるよ! だって……」 「あっ」 私は、レナの傷ついた手を取った。 「こんなに綺麗な手をしてる」 レナは、また赤面した。 リハビリ室は、突き当りを曲がったところ。 あらかじめ位置は把握していた。 そのドアを叩かず、私は元気に開けた。 「おっはよー、悟史くん! 監督!」 「あはは、元気ですねぇ、詩音さん」 「むぅ、詩音、ここは病院だよ?」 私は、あの後苦労しつつも、なんとか悟史くんと普通に接せるようになっていた。 「悟史くんも、元気ですねぇ、さっすが朝」 「ふぇ?」 悟史くんは、私の言葉に騙されて、下を向いた。 「ひっかかったー!」 「む、むぅ……」 いま思えば、悟史くんの変化なんて、一瞬のことだった。 私は悟史くんの外見を見て恋をしてたの? 違う。そうだよね? レナ? 私は、レナの醜いけども……お料理やお裁縫や、 その他の努力で何年も頑張った手を思い出した。 綺麗な手 ―完―