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あれ? あれれ? 何かおかしいな、おかしいな。 レナどうしちゃったのかな、かな? 「あんっ、あっ、け、圭ちゃんっ! 気持ち、いい、よっ!」 「俺もだっ! 魅音! くっ」 教室から変な声が聞こえてる。誰の声? 人間? 獣みたい。あはっ。 誰もいないはずなんだよ、だよ。だってもうほら、こんなにお外は暗いもの。 先生たちもいないから、本当はレナもいちゃいけなかったはずなんだよ。 でもしょうがなかったの。忘れ物しちゃったんだもん。だからしょうがないよね、よね。 「はっ、あっ、ふぅんっ」 ああ、頭が痛い。首が痒い。なんなんだろう、これ。手がぬっとりしてる。 今まで宝の山に居たから虫にでも刺されちゃったのかな、かな。 「み、魅音っ!」 痛いな痛いな。苦しいな苦しいな。 でも、気持ちいいな。気持ちいいな。 気持ちいいって? ああ、何だか変な気持ち。何かが昇ってくる。股の間から、得体の知れない何かが。 目の前で刃先が揺れてる。暗闇の中で歪んでる。ああ、勝手に教室の中にいこうとしないで。 痛い、痛い。気持ちいい、気持ちいい。 「い、イクっ! 圭ちゃんっ」 「お、俺もだっ! 魅音っ」 あ、あ、手が震える。中が震える。わかる。 圭一くんと魅ぃちゃんの声に呼応するように、堪えきれない何かがレナの中で弾けた。 空気が足りない。肺が酸素を求めてる。荒々しい呼吸が真っ暗な廊下に響いている。 あれ? あれれ? 今、圭一くんって……、魅ぃちゃんって……、レナ言ったよね、よね? どうしてかな、どうしてかな? 二人がこんなところにいるわけもないのに。 「魅音……」 「圭ちゃん……」 でも声は聞こえる。耳がずきずき痛む。胸がずきずき痛む。 レナの中心が、なぜか痛む。 なに、これ? 目の前にかざした鉈。柄の部分に血が付着していた。ぽたり、ぽたりと滴が落ちていく。 ショーツも同じ色で滲んでいた。透明な液が見えづらくても、その周りに飛び散っていた。 あ、レナ……どうし、て? 汚れちゃったのかな、かな……? でも、誰に? 「セックスってこんなに気持ちいいんだな……」 「うん、そうだね……」 え? 今なんて? セック……ス? 誰と誰が? 教室の中には声の主しかいないんだよ、だよ。 でもレナはここにいるよ。 あはは。つまりはそういうこと。 どういうこと? ……。 ドアの隙間から、二人が重なりあっているのが見える。結合したままの状態で。 冷たい月の光が、レナに見えるようにそこを照らして、同じように血が出ているのが見えた。レナと同じように。 ああ。なんだ、そうだったんだ。 レナの処女を奪ったのは圭一くんだよ、だよ。 だって私の大事なところからも血が出てるもの。 あれ? でもなんで魅ぃちゃんと……。 そっか、そっか。レナと魅ぃちゃんは一心同体だったんだよ、だよ。 そういえば前にそんなことを笑いながら言ってたような気がするかな、かな。 もう、魅ぃちゃん、駄目だよ、だよ。勝手に入れ替わるなんて。 急だったからレナ困っちゃったんだよ、だよ。後でお仕置きだね、だね。 あれ? でもどうやったら入れ替わるんだろう。 ……漫画みたいに、頭をぶつけ合えばいいのかな、かな? ああでも、痛いのはレナやだよ、嫌いだよ。 さっきとっても痛かったもの。どこが? どこだっけ? まぁいいや。 だったら今度は魅ぃちゃんの番かな、かな。 魅ぃちゃんが痛い思いすれば、入れ替われるよね、きっと。絶対。 峰ならそんなに痛くもないだろうし。 あれ? さっきより柄に血がたくさんついちゃってるよ? 手にもにじんでる。皮膚が裂けてる。何気なく手をやった首もぼろぼろだ。 まぁいいか。今はこの扉を開けることから始めよう。 レナは、真っ黒な扉に手をかけた。 扉が開いて世界が壊れたような音。ひどく耳障り。でもそうしたかったからいいよね。 「れ、レナ……」 圭一くんが凄い顔してる。今まで見たこともない形相。可笑しい。 またレナの知らない圭一くんが知れたと思って嬉しかったから。ふふ。でも、なんでかな。 なんで、射抜くように避けるように窺うように疑うように恐れるように、視線を眼差しを瞳の奥をレナに向けてくるのかな。 なんで脚が震えているのかな後ずさろうとするのかな転んでしまいそうになるのかな。 「こんばんは。圭一くん、魅ぃちゃん」 レナこんな声だったかな? 頭の中でいつもより低く声が響いてる気がするよ。 「お…前、なんだ、その鉈、は……っ」 なにそのかすれ声。なんだかとても情けないよ。圭一くんってこんな人だったかな? なんで鉈がそんなに気になるの? レナいつも鉈持ってたじゃない。今更驚く必要もないと思うのに。 あ。握った柄から血が垂れてる。……誰の血だっけ? 忘れちゃったな。 あ。そっか。圭一くん、これがレナの血だと思って心配してくれてるんだね。 ありがと、圭一くん。レナ嬉しいよ。レナ、一番の笑顔で応えるね。 「ひっ…!」 そうだよね、そうだよね。だからそんなにぶるぶる震えてるんだよね。 レナの血だったら大変だもんね。少ししか垂れてないけど、もしかしたら致命的なものかもしれないし。 だったら圭一くんが青白い顔でレナのことを気にかけてくれるのも納得だな。 でも、どうしてじりじり離れていくのかな? 本当に、レナが死にそうな怪我してたら怖いからかな。 うん、愛してる人が今にもこの世から消えるなんて知ったら、きっとすごく怖いよね。 優しい圭一くん。でもレナ大丈夫だよ。これが何の血かは分からないけど、レナはすっごく元気だよ。 だから、こうして、何のぎこちなさもなくて机に鉈を突き立てることもできるし。 圭一くん、安心して? 「み、魅音……!」 どうしてそこで魅ぃちゃんの名前が出るのかな。 「うわぁ!」 あ~あ。ズボン刷り下げたままで走ろうとしたら、そうなっちゃうよね。 おまけに打ち所が悪かったみたい。受身もとってなかったしね、圭一くん。頭抱えてるけど、平気かな、かな? 介抱してあげないと。レナの圭一くんが傷つくところなんて見たくないもん。 よく見たら、額に血が滲んでる。これは止血したほうがいいよね。あ。どくどく流れ出した。結構深いのかもしれない。 でもどうしよう。一体何で止血したらいいんだろう。 見回しても、それっぽいものが見当たらない。暗いから電気をつけてみようかとも思ったけど、なんとなく嫌だった。 ……机に座った魅ぃちゃんのシルエット。やっぱりいやらしい身体してるね、魅ぃちゃんは。 それ、制服かな。身体を隠してるんだろうけど、横から見たらおっぱいもおま○こも丸見えだよ。 でも綺麗だから許してあげる。すごく綺麗だから許してあげる。すごくすごく綺麗だから。 レナがお持ち帰りしたくなっちゃう。なっちゃうな。 「痛っ」 ……? え? 掌がぐちゃぐちゃに裂けてる……? うう、痛いな痛いよ。どうしてレナの手が怪我してるのかな、かな。レナ何もしていないのに。 鉈の柄にもひびが入ってるみたい。みしみし音を立ててる。血がさっきよりずっと多い。 気になったけど、今はレナより圭一くんのことのほうが心配したほうがいいよね。 ううぅん……。レナのお気に入りの服だけど、しょうがないかな、かな。圭一くんのためだもんね。 びりびりびり。 思ったより簡単に破けちゃったな。何だかバランス悪いから左の裾も破っちゃおう。 びりびりびり。 おかしいな、おかしいな。何でこんなに細くしか切れないんだろう。包帯よりもずっと細くなっちゃった。 これ、二本編んだら縄みたいになっちゃうかな、かな。あ、そんなことはどうでもいいんだった。 「圭一くんっ」 「……っ! うわぁあああっ!」 どうして逃げるの? レナ、圭一くんの怪我の応急処置しようと思ったんだよ、だよ? 少し短いから、額に巻くには力入れないといけないかもしれないけど、止血だからちょうどいいよね。 圭一くんがじっとしさえしていてくれれば、すぐに終わるよ。うん、きっとすぐに終わると思うよ。 だから、レナの近くにきてくれないかな、かな? 圭一くん? 「こっ、こっちに来るんじゃねぇっ!」 ……うん。圭一くんがそういうなら、レナ近づかないよ。 だって、圭一くんがレナの方に来てくれるってことだもんね? どれだけ待てばいいかな、かな。 「……」 「……」 もうレナ待てないよ。 圭一くんの傍に行きたいな。レナの傍にきてほしいな。 「っ! く、来るなよっ!」 大丈夫。少し悲しいけど圭一くんに近づかなければいいんだよね? レナ、ちゃんと約束は守れる女の子だよ? よく見て、圭一くん? レナが行こうとしているのは、圭一くんが背中にかばっている魅ぃちゃんのところだよ? 「ひっ、や、やめろっ……レナぁっ! な、鉈を、下ろせよぉおおおお!」 うん、下ろすよ。振り、下ろすよ。 がきぐがっ。 どすん。 「……」 圭一くん、どかないから。 どいてって思ったんだけど、うまく伝わらなかったみたいだね。 あれ? 鉈の方向がおかしいな。血がついてるのは峰のほうだよ? いつの間にか、持ち替えていたのかな。知らないけど。 でもよかった。大好きな圭一くんが死ななくて。峰ぐらいなら何でもないよね? 圭一くん強いもん。 ひょっとして。 圭一くん、レナに教えてくれたのかな? 刃が逆に向いてるぞって。 レナがそれに気づいてなくて、教えようとしたんだね。そういえば、笑ってたような気がする。 ありがとう、圭一くん。レナ馬鹿だったね。鉈なんてずっと持ちなれていたはずなのに。 心の中で笑ってたよね、圭一くん。何やってんだよ、レナって。ふふ。 次は、間違わないよ。 「魅ぃちゃん」 「……」 さっきから一言も喋らないのはどうして? ねぇ魅ぃちゃん。 「ふ、ふふ」 ? 「ふふ、あは、あーっはっはははははははは!」 ……なにがそんなにおかしいのかな、かな。 大口開けてみっともないったらないよ。魅ぃちゃんに似合わない。 レナが閉じさせてあげるね。 「あ、と。そこまでです」 ばちばちっ。 う……? ……夜なのに、なんで一瞬明るくなったの? ん……今度はさっきよりもずっと暗くなっちゃった。 あれ? 力が……入らない? あ、レナの鉈が……。 がちゃん。 膝が……? …う、机、手…え、支えられない……。 どすっ。 黒板……、天井に、なっちゃっ、た……? どすん。 「今日は私だと分からなかったんですか? ふふ」 詩ぃ…ちゃん……? ああ、また、視界が明るくなっていく……よ。
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前回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ弐〜 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ参〜<捕食> その9からその13まで収録 幸福とは愛することであり、また愛する対象へ、 時としてわずかに心もとなく近づいてゆく機会をとらえることである。 トオマス・マン『トニオ・クレエゲル』より 情欲の血が燃え立つと、心はむやみに 誓いの言葉を並べたてるものだ。 シェイクスピア『ハムレット』第一幕第三場より 「あ…ん、あぁ…」 俺の下で股を開き、だらしなく愛液を滴らせるレナの秘裂に、俺の怒張が緩慢な動きで侵入する。 初めて男を受け入れるそこは、レナ自身の慰めによって十分な下地は出来ていたが、 処女特有の閉塞感がまず俺を襲う。 「ク…ッ!フフフ、さすがに初めてだからキツいなぁ…レナのココは」 「はうぅ…け、圭一くん…」 「済まないな、最初は少し痛みを感じるだろう…けどな、最初さえ乗り切れば後は楽になる…緊張せずに力を抜けよ、レナ」 「う…うん…。レナ、まだよくわからないから…圭一くんの言う通りにしてみるよ…」 「クックック…それが一番だ。もう少し奥に進むからな…」 俺はレナに促しつつ、レナの身体を引き寄せつつズズッと一段深く挿入する。 「んんん…ッ!!」 さらに内部は狭くなっていたが、なおも緩慢に俺自身を侵入させる。 締め付けがまたもきつくなってきたところで、一段と深く前へ進んだ瞬間、何かが割れるようなプツンとした感触を得た。 「い、痛…ッ」 レナが苦痛の表情を一瞬浮かべると、秘裂から鮮血が愛液と混ざり合って流れ落ちた。 …レナの純潔を、俺が獲得した瞬間だ。本当に、儚く処女を散らす時の女の表情というのはいつ見ても最高だな…! だが、その征服感を露にしてはならない。あくまでも、処女を捧げた女に対して配慮する、紳士を演じねばな…。 「だ、大丈夫か、レナ…。やっぱり苦しかったか?」 レナは眉間に皺を寄せ、下に敷いたタオルケットを強く掴んだままだが、潤んだ瞳で俺に微笑む。 「う…うん。レナは…大丈夫だから。…レナはね、ずっと…圭一くんに、レナの初めてを貰ってほしかったんだよ…だよ」 タオルケットを掴んでいた右手が、俺の頬にそっと触れる。親指で俺の唇をなぞる艶かしいその仕草に、不覚にも俺は胸中でゾクリとしてしまった。 レナは穏やかな表情になって、俺の頬を撫でながら話す。 「こうやって、圭一くんと一つになれて…レナは、今までで一番幸せなの。 『自分は穢れている』…そう信じ込んで、自分を壊してしまいたいと思って、自分を傷つけたりもした。 やがてオヤシロさまがやって来て、雛見沢に戻って…みんなと出会い、そして圭一くんと出会った」 …俺は何故だか、神妙な気持ちでレナの言葉を聞いていた。 『らしくないな、前原圭一…お前はこの女を蹂躙しているんだろ?その相手の情にほだされてどうする、今さら言葉なんてのは肉体の前では意味を成さない』 心の声は、そう言っている。だが、それでも俺はレナから目を逸らせなかった。 「レナは部活のみんなのおかげで、楽しい毎日を送ることが出来てるの…もう、みんながいない世界なんて… 圭一くんがいない世界なんて…レナには考えられない。だからね」 レナは俺の首に手を回し、ゆっくりと引き寄せ、静かに口付ける。舌を交わらせ、つうっと唾液が糸を引く。 「圭一くんと、こうして一つになって、レナはもう大丈夫なんだって思えるの。 圭一くんに守ってもらって、レナの幸せがやっと見つかったんだって、そう思えるの。 レナはオヤシロさまの祟りが恐くてたまらないけど…圭一くんが側にいてくれるだけで、その不安を乗り越えられる、そう思えるの」 レナの瞳から涙が一筋流れ落ち、それはやがてポロポロと頬を濡らしていった。 「…圭一くん。…私は、大丈夫だよ…だよ?だから…圭一くんの好きなようにして。 圭一くんがやりたいように…して?レナは、もう圭一くんのものなんだから」 …この女は…レナは…紛れも無く、本心から俺を慕っている。俺のことを疑いもしないで、全てを委ねてきている。 『前原圭一は、竜宮レナを救わねばならない』…これは運命だ。そう思うしかないし、そう決められている気さえしている。 『…その運命を、受け入れるのか?』 心の中の俺が、聞いてくる。…どうするんだ、前原圭一。 …今までのお前なら、こんな女の気持ちなんか無視してきた。だが…レナの本心に触れた今の俺は… …いや。そうだ…こいつは既に俺の『モノ』なんだ…だったら、そいつを活かすも殺すも俺の思いのまま… …クックック、なんだ、悩み抜くことなんてないじゃないか…! レナが自分で望んでいるというなら…俺はそれを使わせてもらうだけだ…! 「ああ…嬉しいよ、レナ。俺のことを、そこまで想っていてくれたなんて」 俺は喉の奥で笑いを堪えつつ、感動を装いレナに微笑む。 今度は俺の方から口付け、にっこりと笑い、瞳を見つめる。 「レナを守ると、俺は誓う。オヤシロさまの祟りも、俺たちを襲うことはない…俺が側にいる限り、レナは幸せでいられるんだ」 「圭一、くん…!」 「二人で幸せになろう。これからはオヤシロさまでさえ、俺たちを引き離すことは出来ない…俺とレナの『想い』が、祟りを打ち破るはずだ」 「圭一くん…ありがとう、圭一くん…!」 俺たちは強く抱き合う。…その時の俺の口元は、この上なく醜く歪んでいたのだろう…だが、レナに気付かれてはいなかった。 「…じゃあ、レナ…少しずつ、動くからな。痛かったら、ちゃんと言うんだぞ」 「…う、うん。レナ…頑張るからね…」 俺は腰をゆっくりと引き、深く、しかし刺激を与え過ぎないようにレナの中へ再び俺自身を送り出した。 「うぁう…っ!」 レナの中に、再び打ち込まれる怒張。 心の準備はしていたとはいえ、初めての感覚にレナの身体がビクリと反応する。 俺はそのまま出し入れを開始し、前後のピストン運動を緩慢に始めた。 「あッ…はぁ…はぁ…あん…」 処女を失い、緊張をほぐし始めたレナも、寄せては返す波のような快楽を感じ始めたようだ。 「…んん…はあ…あぁ…ん…け、圭一く…ん…ッ!」 「…どうだ、レナ?…さっきよりは、楽になってきたか?」 「はあ…はぁ、う…うん…。…レナ、圭一くんにいじってもらった時より、ふわふわした感じになってきたよ…」 「はは…そりゃあいい。もう少し動くからな…さらに気持ち良くしてやるよ…!」 言葉と同時に、腰の動きを大きくする。より強い衝撃に、レナの身体がさらに跳ね上がる。 「ああんッ!」 秘裂の入り口付近までペニスを戻し、一気にズンと打ち込む。 長さも太さも日本人の平均をゆうに上回るだけでなく、多くの女を虜にし使い込んだ俺の砲身。 押し込むだけでも敏感な女ならオルガスム寸前までもっていける…。 レナ、良かったなぁ!初めてでこんな大物を体感出来て!もう並の男のモンじゃあ満足出来なくなるだろうよ…あははははは!!! 「はぁっ!んあぅッ!あんッ!…す、凄いよ圭一くんの…!レナの中で、動いてるのが分かるの…!」 「ふははは、満足か、レナ!?」 「うあぅッ!う…うん!…け、圭一くんのが出たり入ったりするたびに、レナのアソコがビクビクしちゃうのッ!!」 「そうか、やっぱりなぁ!!レナのオマンコは、俺のオチンポを銜え込んで離してくれないもんなぁ!!」 「ひッ!んんっ!ああんっ!そんな、レナ、そんな…」 「今さら隠すなよ、レナ!素直になれ、お前は淫乱でかぁいいオチンポ奴隷だろうが!! 『前原圭一くんのオチンポを、オマンコで銜え込むのが好きで好きで堪らない、スケベで淫乱な竜宮レナです』と、認めてしまえ!!」 俺は更にスピードを上げ、レナを責め立てる。 突かれるたびにレナの身体から汗と愛液が飛び散り、レナの嬌声が大きくなる。 いよいよ小刻みに腰を打ち付ける。レナが快楽の果てまで到達するのはもう少しだった。 レナは意識を飛ばす寸前…そして、さっきの俺の言葉がレナの最後の理性を吹き飛ばした。 「そ、そうですッ!!竜宮レナは、前原圭一くんのオチンポが大好きですッ!! オマンコで大きなオチンポを銜え込むのが好きで好きで堪らない、スケベで淫乱なメス犬ですッ!! 圭一くんの大きなオチンポで、レナをイカせて下さいッ!! どうかレナのだらしないオマンコに、オチンポ汁をいっぱいいっぱい注ぎ込んで下さいッ!!!」 「上出来だ、レナッ!!お望みどおり、お前の中にくれてやるッ!!!存分に味わえッ!!!」 ラストスパートを掛け、俺はレナの下半身に自らを打ち付ける。 レナは俺の腰の後ろに足を絡め、背中に手を回し、離そうとしない。 そして、レナの締め付けがさらに増し、俺自身の限界も近付いた。 「イクぞ、レナッ!!俺のをお前の中に全部出してやるからなッ!!!」 「うんッ!!出してぇ!!圭一くんのオチンポ汁、レナのオマンコに全部頂戴ッ!!」 「ぐ…うおおおおおぉぉぉッ!!!」 「イ、イク…ッ!!!レナもイっちゃう、あああぁぁぁぁッ!!!」 同時に俺たちは絶頂を迎え、レナの膣内の一番奥で精を放つ。 ドクンドクンと送り込まれた精液の量は尋常ではなく、入り切らない分が外に溢れ出した。 これは新記録だな…ここまでの量、俺は出したことが無い。レナとの相性が良すぎるからかな…かな?クックック…。 レナは身体をビクンビクンと痙攣させ、俺の身体にしがみついたあと、ぐったりとした。 意識が一瞬だけ飛んだだろうが、再び肩で息をしながら俺の顔を見つめていた。 「はあ…はぁ…はぁ…ん、は…。け、圭一、く、ん…」 「…はぁ…はぁ…。…レナ…」 俺たちは抱き合ったまま見つめ合い、同時に口を近付ける。 情事の後のキス…今まで、抱いてきた女には何度もしてやった…だが、この気持ち…。 レナと一つになっている時の、この気持ちは…今までとは違う、温かさのようなモノを感じる。 またしても、俺らしくない…そう思いつつも、レナと甘くキスを交わし、お互い果てた後の余韻をいつまでも味わっていたかった。 「レナ…」 「圭一くん…」 言葉をこれ以上重ねる必要は無い…そう目で交わす、無言のやりとり。 レナは再び俺の頬に手を触れ、安心しきった笑顔を浮かべた後、眠りに落ちた。 意識が薄れる直前、俺は思った。 『レナは完全に、俺のモノになった…だが、レナは俺にとって、ただの奴隷なんだろうか…? …今まで出会った女と違う特別な女だとしたら…奴隷としてでなく、どう扱うべきなんだ、前原圭一…?』 そこで意識は途切れ、俺もまた深い眠りに落ちていった。 五年目の綿流しの晩…オヤシロさまの祟りを恐れるべき夜は、何事も無く過ぎ去ったかのように思われた。 だが…俺とレナが知らない所で、事態は進行していた。 前原圭一の、そして竜宮レナの運命は、やはりこの晩から転がり落ちていったんだ…。 ただ一人の男の、奇怪な死が引き金となって…。 次回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ肆〜<怪異>
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前回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ捌〜<牝獣> 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ玖〜<狂宴> その45からその48まで収録 「あなたの口があたしの口に応え、あなたの舌があたしの舌を呼び、 あたしを逸楽に誘って行くわ。 ああ、あたしがあなたにしたことを、あなたもあたしにしてちょうだい、 そしてあたしを快楽で死なせてちょうだい」 マルキ・ド・サド『悪徳の栄え 上』「クレアウィル夫人のこと」より 「ふふ、魅ぃちゃんのオマンコ…綺麗なピンク色だね…」 覆い被さっているレナが、私の秘裂を指で左右に広げた。 「あ、あんまりじろじろ見ないでよ、レナぁ…」 レナのまじまじとした視線を下半身で受け止めていることに、私は恥ずかしさを覚える。 …だが同時に。「見られている」ことに対して、少しだけ胸が高まっていくのが分かる。 「…あはは、魅ぃちゃん…嘘だよ。…魅ぃちゃんのオマンコ汁、さっきよりも溢れてきたよ? …レナに見られて感じてるんじゃないかな…?かな?」 あぁ、やっぱりレナは鋭いなぁ。…私のことなど、とっくに見抜かれているんだ。 大切な親友であるレナに、己の秘部をさらけ出しているという、この異常な状況。 にも拘らず、このままどこまでも爛れた時間を共有したいという思いがあった。…もはや私の羞恥心など、快楽の前では無力。 …レナに見られて興奮してる…園崎魅音は、そういう女なんだ。 「…はぅ…魅ぃちゃん、どんどんオマンコが大洪水だよ?…レナの指がふやけちゃうよ…んっ」 レナは指で私のオマンコの上下になぞり、オマンコ汁を指で掬い取った。 そのまま指についたオマンコ汁を口でチュパチュパと味わうように堪能している。 …まるで、愛おしい人からの『ご褒美』をこぼすまいとするかのように。 「んん…ちゅぱ…ちゅる…ん…ふふ…魅ぃちゃんのオマンコ汁、とってもおいしいよ…。 甘くてツンとした匂いで…レナ、もっともっと欲しいよぅ…」 レナが私に流し目を送る。…その視線には、『自分のオマンコもいじってほしい』というアイコンタクトが含まれていた。 私はようやく、目の前にあるレナのオマンコに意識が向かった。 ヒクヒクと震えているそれを、恐る恐る左右に押し広げる。…粘膜と粘膜の間にオマンコ汁の糸が引き、「にちゃぁ」という音とともに内部が明らかになった。 これが、レナのオマンコ…ピンク色の肉壁と、透明な汁で満たされた密壷。 同じ女でも、自分のとはまったく異質なモノに感じられる。そして、ここに、圭ちゃんのアレが…。 私はそっとレナの中を指で触れてみる。生温かく、ぴちゃぴちゃとした表面と、うごめく体内の感覚が指から伝わる。 「んっ…はぁ…」 レナが少し声を出した。私の指に触れられたことが刺激となったのだろう、私のオマンコにレナの熱い吐息がかかる。 その吐息が、私のオマンコに対する刺激にもなる。私も「あんっ…」と声を上げ、お互いの性器への刺激に反応した。 「あ…はぁ…。魅ぃちゃん…レナね…もっと魅ぃちゃんの指で、レナのオマンコをいじってほしいな…」 「んぅ…レナも、私のオマンコ、いじっていいよ…。私、もっと気持ち良くなってみたい…」 私は荒い息を吐きながら、レナを見つめる。レナもまた、妖艶な光を放つ瞳で私を見たあと、ニヤリと笑った。 「ふふふ…いいよ、魅ぃちゃん。でもね…魅ぃちゃんのバージンを間違えても貰うわけにはいかないから、レナは指じゃなくて…お口で頑張ろうかな」 言葉と同時に、レナは頭をかがめて私のオマンコにチュっと口付けた。 「ふぁぁッ」 私はビクンと体をのけぞらせた。 レナはそのままオマンコにキスしている。そして、オマンコをこじ開けるように舌を侵入させてきた。 ぬらりとしたモノが、私の一番敏感な場所を蹂躙する。 「じゅ…ちゅる…ぷちゅ…じゅる」 「はぁっ、あぁぁッ!レ、レナぁ…んん、ふぁッ!…ああんッ」 私は快楽で身を捩らせ、レナに舐められる度に体が跳ね上がる。 下半身への刺激で、上半身が上手く動かせないくらい。快感が電流のように体内を走り抜ける。 それでも私は、レナを気持ち良くしたい一心で、指を動かす。 レナのオマンコの入り口付近をを最初は一本で、しばらくして二本の指で上下に動かす。 「んはぁッ!…ちゅ、んん…あんッ!…魅いちゃん、んあぅ!…いいよぉ、もっと、指で出し入れしてぇ…!」 レナが唇を離し、アドバイスする。私の上で懸命に崩れ落ちそうなのを我慢しながらも、腰がガクガクと震え始めていた。 私たちは、指と唇でお互いを貪る。 いつもの教室で、グチュグチュといやらしい音を立てている。 親友同士で快楽を得ようと必死になり、背徳と愉悦の挟間で溺れている。 ――圭ちゃん。園崎魅音は、こういう女だったんだよ…。 …それでも。それでも圭ちゃんは、私のことを…抱いてくれるの…? 一瞬だけ脳裏に浮かんだ、大好きな圭ちゃんの笑顔。 だがそれも、レナの激しい舌使いによってかき消されてしまった。 「あん、あ、あぁ、あぅ!レナ、レナぁ…!」 「ぴちゅ、ぷちゅ、れろ…んんッ!み、魅ぃちゃ、んんん…ッ」 レナの唇、私の指。お互いが相手のオマンコの中を刺激し、もうすぐそこまで限界が近付いていた。 「はぁ、あぁ、んんんッ!…レナ、わ、私、もう…」 「ぷぁ、じゅるん、びちゅ…あは、レ、レナもぉ…魅ぃちゃんの指でイっちゃうかな、かな…!」 「あ、あ、あぁ、ダメ…!また、またイっちゃうよぉ…!」 「いいよ、魅ぃちゃん…!レナも一緒に、イキそうだから…今度はレナの目の前でオマンコ汁飛ばしてね…?」 レナがさらに舌を激しく突き出す。今まで以上に攻撃的な責めは、私を存分にイカせるためだ。 私は今にも意識が落ちそうなほどの快楽を押しとどめ、レナのオマンコへ指を送り出す。 中を傷つけないようにしながらも、ジュボジュボと音を立てて出し入れする。 …すでに処女を失ったレナの膣内だからこそ、私の指をも受け入れることが出来るのだ。 さっきまでの経験で、レナが特にビクンと体を仰け反らせるポイントを重点的に責める。 案の定、レナは「んんあぁぁッ!!」と今まで以上に歓喜の声を上げる。 それが面白くて、わざとおじさんくさい口調でラストスパートへ向かう。 「んん、はぁ、レ、レナもイクんだ…?ここが、ここがイイのぉ?んん?」 「はぅ、あふっ、はぁぁッ!!…魅ぃちゃん、ダメぇ…!レナも、そこまでされると、もう…!」 「くくく、レナもいい声で哭いてるじゃん…あー、凄い、凄いよぉー、どうなのぉ?ここ?ねぇ?ここなのぉ?ここイイのぉ? あー凄い凄い、溢れてきてるよー?グショグショだねぇー、レナぁ?イイのぉ?おじさんの指イイのぉ?ねぇ?」 「は、あ、あ、あんんッ!!…み、魅ぃちゃん、急におじさんくさいよぉ…んんぁあッ」 「さっきのお返しだよー?あー凄い出てるねぇ、おじさんの指がふやけちゃうよぉー? 凄い凄い、濡れてるよぉ?ねぇレナ、イっちゃう?おじさんの指が良過ぎてイッちゃう?ねぇ?もうイク?もうイっちゃってもいいのぉ?ねぇ?」 「んん、あん、あはぁ!!…イ、イク、レナ、イっちゃうのぉ!!」 「…くく、じゃあおじさんモードはこれくらいにして…。レナ…私のも忘れずにいじって…イカせて…?」 「はぅ、んんんッ!!…ちゅる、じゅぶ…!んっ…」 「ふあぁッ!!…あぅ、そ、そこ、や、んああああッ…!!」 レナが私のオマンコの中に在る突起物――その手の本で以前読んだが、クリトリスと言うらしい――をいきなり甘噛みした瞬間、今まで以上の電流が走り抜けた。 …次に同じことをされたら、絶頂を迎えるだろう。 「はぁ、んん、レナ、レナぁ…!ホントに、ダメぇ…私もぉ…」 「魅ぃちゃん…!レナも、イっちゃうよぉ…!」 私たちはアイコンタクトを取る。 …二人で、一緒に。 そして、レナは私のクリトリスを。私はレナのオマンコの弱点を、同時に刺激した。 「んんああああああぁぁぁぁぁーーーーッ!!!」 私たちは同時に果て、ビクンビクンと数秒間身体を震わせた。 レナのオマンコから、ピュッピュッとオマンコ汁が噴き出し、私は顔でそれを受け止めた。 同様に、私もはしたなくオマンコから汁を噴き上げ、レナの顔にかけてしまった。 …ようやく快感が収まり、私は肩で息をしながら天井を仰ぎ見る。 身体は重いが、イった後の疲労感はなぜか心地良かった。…一人で自慰に耽った後もこういう感覚だったが、悪い感覚ではなく、むしろ好ましくさえ思った。 レナと一緒にイった…それが『幸福』として私の中にあったのだ。 レナは呼吸を整えた後、私の横に寝そべるように顔を近付けてきた。 そのまま手を、指を絡め、身体を密着させる。 「…レナ…」 「…魅ぃちゃん…」 互いの吐息がかかるほどの距離で見つめ合い、そのまま吸い寄せられるように唇を重ねる。 …相手が愛おしくて堪らない…そんな愛情溢れる、優しいキス。 私たちはお互いを許し合ったという、誓いのキス。 …圭ちゃんを想う気持ちに、変わりは無い。けれど、それが二人の友情を壊すことはないだろう。 私たちは、それを乗り越えられるはず…私がレナを愛するのと同様、レナも私を愛しているのだから。 「いつか、私たちのうち、どちらかを圭ちゃんが選び取ったとしても…」 私はレナの髪をサラサラと撫でながら呟く。 「恨みっこなしだよね?レナ…」 レナは私に微笑んだ。それは、女の私ですら蕩けてしまいそうなほどの、女神のような微笑み。 「…うん。…レナは、魅ぃちゃんも、圭一くんも大好きだから…そのどちらも失いたくないよ。 …圭一くんがレナと魅ぃちゃんのどっちを選ぶかはまだ分からないけど…どんな未来でも、みんなが『幸せ』なら、レナはそれでいいよ」 そう言ってニコリと笑ったレナに、私もニコリと笑い返した。 「…でも、出来れば」 不意に、レナが呟く。 「…圭一くんはレナのお家に、ちょっとだけお持ち帰りしたいかな、かな。はぅ~☆」 いきなりのかぁいいモードに私はぎょっとしたが、今の発言は油断ならない。私は唇を「3」の字にして抗議した。 「ちょっとレナぁ~、それってずるい~!圭ちゃんはおじさんが」 「『おじさんが』なんだって?…魅音…。クックック…」 背後に響いた、男の子の声。 毎日聞いている、毎日聞きたい、彼の声。 でも、こんな姿で、こんな状況で、圭ちゃんが現れるなんて。 慌てて起き上がり、自分が裸体であることに気付いて胸と下半身を隠す。 そして、圭ちゃんの顔を恐る恐る見る。 …教室で、いきなり素っ裸で寝そべってる私たちを、圭ちゃんはどんな顔で見たのか? 困惑?それとも驚愕?あるいは茫然? …否。そこで私が見たのは、圭ちゃんの『歓喜』の表情だった。 「…け…圭、ちゃん…?」 「ククク…よくやったぞ、レナ」 圭ちゃんは、レナに目配せをした。 …レナの表情からさっきまでのかぁいいモードが消えていた。代わりにあるのは、私の前でも見せなかったほどの火照った顔。 それは恥ずかしさや照れというものではなく、おあずけを喰らっていた犬が飼い主にご褒美をもらう前のような、期待に満ちた表情。 不意に、レナの言葉を思い出す。 「圭一くんに、いっぱいいっぱい『ご褒美』もらおうね…」 『ご褒美』って…そういうことだったの、レナ?…私を篭絡することが…本当の目的だったの? …そうか、これから、レナと私は…圭ちゃんに抱かれるんだ…。 レナと快楽に溺れ、忘れかけていた。そう、それが…レナの『目的』。そして、圭ちゃんの『計画』でもあったんだ。 じゃあ、私の『願い』は…? 冷静であろうとする思考とは裏腹に、やはり身体は思い通りになってくれなかった。 不敵な笑みを浮かべている圭ちゃんと目を合わせた瞬間。 私の中で何かが弾ける音が聞こえ、同時に下半身が再び熱を帯び始めていた。 次回 鬼畜王K1 〜鬼誑し編・其ノ拾〜<嫉妬>
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頭の中が真っ白だった。 考えられるのは、あの指に首を絞め上げられること。 口は顔の飾りになる。水から揚げられた魚のようにあがいて意識が途絶えるのを待つ。 そうすれば楽になれる。 だけど彼女がそれを許してくれなかった。 ギイ、と叫び声をあげて扉が開いた途端、胸が詰まる。 いくら息をしても気管に穴が空いているのか漏れ出し、運良く通り抜けても石になってしまった。肺には届かない。 頭痛が、悪寒が、目眩がした。 なにもこれは今日に限ったことじゃなかった。毎日毎日同じように私を苛んだ。 靴を鳴らす音が止む。 膝にうずめた顔を上げたくなかった。 薄暗い牢内で表情がはっきりしなくても、据わった瞳に射貫かれていることはわかった。 視線が体中を這いずり回って、まるで針先で撫でられているようだった。 影が覆い被さり、それから逃れたくて後ずさりしたけれど、背中はすでに岩壁。 剥き出しの肌に浅い傷ができた。 痛みに呻く気力はない。 やっとの思いで私は固く目をつぶった。 このまま瞼が縫いつけられればいいと思った。 なにも見たくなかった。 世界から遮断されることを望んだ。 でもそれは許されないから、私は弱いから、視界に彼女を受け入れる。 目と鼻の先に白無垢の──ああ、もう白なんかじゃない。 赤だ。 赤でほとんど塗り潰されている。 足が折れたように彼女は膝をついた。 布が擦れてぬちゃっと音がする。 しばらくしても水音は消えなかった。ボタボタとずっと続いている。 それは彼女からするようだった。 指先から滴るだけじゃない。腕から足から首からも落ちていく。 色々なところからこぼれていてどこなのかわからない。 手には冷たい光を放つものがあった。 肉厚ナイフ。これも塗り潰されている。 「ここにもいたんだね、『魅音』」 怖いとか悲しいとかいう感情はなかった。 ついにその日がきたんだと実感するだけ。 ただただ私の頭は働いている。 彼女が泣いてることしかわからなかった。 だから抱きしめた。 冷たさが刺さっても、ドロドロとした熱が広がっても抱きしめた。 ……もう、いいよね。私、がんばったよ。 …おねえ…ちゃん…………
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「圭ちゃん、昨日興宮書房で買った本があるじゃないですか?」 詩音に話があると呼び出されて、彼女が口を開いた第一声はそれだった。 「……し、しおんくんがなにをいってるのかさっぱりだなあ」 「嘘も演技も最低レベル。棒読みで逃げようったってそうはいきません。その本、ちょっと私に貸してくれません?」 園崎家の情報網ってヤツか? くそ、迂闊だった……。 ナース、メイド、バニー、全網羅って書いてあったからソウルブラザーに自慢しようと思ったのに……。 「次からは違う所に買いに行こう……うぅ」 「あはは、そうですね。でも、圭ちゃんがそういう本を買うのは至って普通ですよ」 ……そんなフォローはいらん。 でも、何だってそんな……エロ本なんかを詩音が? 「なぁ、貸してほしいって言うけどさ。その、お、女の子もそんなもん読むのか?」 「そりゃ、誰だって興味はありますよ。かといって流石に買うのも気が引けるじゃないですか。恥ずかしいし。でも読んでみたい年頃なんです」 「はぁ……わかったよ。どうせ断ったらみんなにバラすんだろーしなぁ」 ……まだ未使用だからページが貼り付いているって事はないだろう。仕方ない。 どうしてページが貼り付くだの言ってるのかわからないヤツは察してくれ。 「…でも、それを女友達に貸せと言われ、貸そうとする俺の恥ずかしさは無視か、おい」 「てへ☆」 「てへ☆じゃねえ!」 「いいじゃないですか! 私と圭ちゃんの仲って事で! あ、いいんですよ。まだお姉も知らないはずのこの情報をみんなに……。レナさんはきっと鉈でその本を叩き割ってくれるでしょうし、お姉もきっと最初はからかうでしょうけど、そのうち圭ちゃんがそんなもので自分を慰めてると知って一人涙を……」 「だーーーー! うるせえうるせえ! わかったよ、貸せばいいんだろ、貸せば……!」 詩音を泣く泣く俺の家に連れてくると、もの珍しそうに詩音がキョロキョロと辺りを見回していた。 「何気に圭ちゃん家って来るの初めてですよね?これが噂の前原屋敷ですか。ね、ちょっとだけ上がっても いいですか?」 「駄目って言っても上がるんだろーが、お前は」 「きゅんきゅん☆」 「きゅんきゅん☆じゃねえ!はぁ……。今飲み物用意してくっから、先に俺の部屋で待ってろ。階段上がってすぐの部屋だ」 階段を上っていく詩音を横目に、俺がリビングに入ると書き置きがテーブルに残されていた。 『圭一へ、父さんの都合で今日は出掛けます』 ある意味ラッキーだと思った。女の子が俺の家からエロ本なんか持って帰る所を万が一にも両親に見られるのは、流石にまずいだろう。ほっと胸を撫で下ろしながら、コップに麦茶を入れて自分の部屋に戻ると……。 「そ、そこで読むなっ! 家に帰ってから読めよ! っていうか何で隠し場所まで知ってんだよおおおお!?」まさかの事態に、俺は頭を抱えて地面に膝を折るしかなかった。 詩音は既に布団に寝そべって昨日買った本を開いているだけでなく、秘蔵のコレクションまでも床に散乱させていたのだ。 「まぁまぁ、そんな事はいいじゃないですか。あ、それより圭ちゃん! このページってすごくないですか!?」 詩音が起き上がって、これこれ、と俺に本のページを指差して来る。 はぁ、と溜息をついて詩音の横に俺も座り、そのページを見てみると……。 そこはまだ読んでいないページだ。俺の股間が刺激される刺激される刺激される。 ……それに、女の子とHな本を読んでいるというシチュエーションが、何だかすごく……。 と、詩音の手があるページで止まった。 「……あれ?」 『男を責めるには乳首責めも肝心!』という見出しのページ。 「圭ちゃん、男の子って乳首も感じるんですか?」 まるで理科の実験で質問する小学生のように、詩音が目を輝かせて俺に聞いてくる。 「し、知るかよ」 「へー……ふむふむ、なるほど」 詩音が俺のぶっきらぼうな返答を聞くと、そのページを興味深々に見てから、やがて再び俺の方を向いて悪戯っぽく笑った。 「……圭ちゃんも、興味ありません? ホントに男の子が乳首感じるかどうか」 「な、何言ってんだよ……そ、そりゃあ……ちょっとはあるけど……」 「ね、……ちょっとだけ試してみません?」 「え、ちょっ……」 詩音は俺の答えを待たず、俺のシャツを捲くり上げていた。 露になる俺の上半身。すかさず詩音が頭を俺の剥き出しの体に近づけて来て…… 「ぴちゃ……」 「んっ……」 こ、こいつ、何、してっ……!? 詩音は……俺の乳首にねっとりと舌を這わせていた。 「圭ちゃんの肌って、キレイですよね。ぺろ、え、ろぉ……」 「はぁっ…! ば、かっ! お前、何やっ……ぁ…」 「ふふ……んっ、ふ……ぺろ……ぺちゃ、ち…ぅ……っ……」 ひんやりとしてぬるぬるとした舌が、俺の乳首に糸を引いた唾液を絡めて行く。 乳輪をなぞられたり、乳頭を舌でなぞられる度にぞくぞく、と俺の背筋が震えた。 「やっぱり、男の子も乳首って、感じるんですね……」 ちゅぱ……と、詩音が唇を離して、上目遣いで俺を見つめる。 俺の乳首と詩音の舌が糸で紡がれていて、その情景が視界に入っただけで頭がくらくらとする。 「ぅ、あ……、だって、こんなの……」 感じるな、という方が無理だ。 呼吸を整えながら詩音の方を見ると、詩音は俺の一点を真っ赤になりながら見つめている。 ……しまった。 「圭ちゃんの……その、お、おっきく……なってます」 「――!? あ、こ、これは……」 「み、見ても……いいですか? さっき本でも見たんですけど、実物も……見てみたいです」 「おい! 待て……!」 俺の返答を待たず、詩音はおずおずと俺のズボンのチャックに手をかけてゆっくりとそれを下ろしていった。 たぶん、その気になれば突っぱねる事が出来ただろう。 けれど俺は何か魔法にかかってしまったかのように、体を動かすことが出来なかった。 「わぁ……、こ、これが……ね、触ってみても…いいですか?」 うっとりとした瞳で俺の棒を見つめる詩音。 女の子に初めて自分の陰部を晒してしまい、俺はもう恥ずかしさで頭がどうかしてしまいそうだった。 「あ、あんまり見るなよ、恥ずかしいだろ……」 すっ、とひんやりとした感覚に包まれると、詩音が俺の陰茎を両手で包んでいるのがわかった。 「熱い……こんなに熱いんですね」 「ぅ、ぅぅっ……」 「き、気持ちいいんですか?」 女の子に肉棒を握られているという事実には興奮するけれど、ただ握られているだけでは何とももどかしい。 「何だか乳首の時より反応が薄いですね。なら、こっちで気持ち良く……んっ……」 詩音は俺の反応が面白くなかったのか、再び俺の乳首に舌を這わせ始めた……。 「うあっ!? 詩、詩音っ…」 不意を突かれた感覚に、俺の顔が我慢の表情に変わる。 それを見た詩音は満足そうに、微笑んでいた。 俺をおもちゃに出来て満足ってことなのだろうか。 「圭ちゃん、可愛いです…。ん、ぴちゃっ、ちゅ……ちゅぅっ…!」 「あっ……ああああああっ、し、おんっ……」 「乳首、固くなって……ん、ちゅ、ぅっ……ちゅっ、ぢゅ、んぢゅぅううう!」 さらに苛烈に吸いつかれて、乳首から全身に電気が走ったように快感が伝わり、俺の体をびくびくと震わせた。 「や、めっ、あっ、ああっ」 たまらなくなって、俺は両腕で詩音の頭を抱きかかえていた。 やめて欲しいと言いながら、さらに詩音にその行為を促しているとしか思えない自分の行動に驚いた。 わかってるだろ、前原圭一……。もっと、してほしいんだろ……。 「けいちゃんの、えっち……、そんな事言いながらこの腕はなんなんですか? ちゅ、う……ちゅっ! ん、はむ…れろ、れろぉ…」 「あ、ふ……ぅ、っく……」 さらに腕に力を込めると俺と詩音の体がさらに密着して、ちょうど詩音の豊満な胸が俺の股間で押しつぶされていた。 「圭ちゃんの固いの、胸に当たって……あっ、ああっ!」 うわ、うわ……、おっぱいってこんな柔らかいのか……!? 同年代の女の子と比べても、明らかに大きく実りすぎた詩音のそれ。 俺はその感触がたまらなく気持ちよかったせいか、詩音に乳首を吸われる度にこれ以上ないくらい勃ったものを詩音の胸に押し付けていた。 柔らかくて、ぷにゅぷにゅと、俺の肉棒で淫らに形を返るそれは俺を更に興奮させた。 だが、詩音は俺が想像だにしない行動を取るのである。 「うぁ!?」 サマーセーターの上からではあったが、ものすごく柔らかい感覚に俺の肉棒が包まれたのがわかった。 ……俺が自分の棒を見つめると、詩音が自分の手でその凶悪に実った胸を両脇から掴んで、これ以上ないくらいに歪な形に乳房を歪ませていた。 ふわふわとした服の生地と、とろけそうなくらいむにゅむにゅとした詩音の乳房の感触。 さらに、敏感になった乳首までも吸いつかれているのだ。俺の陰嚢がひく、ひく、とせり上がっていく…… 「こ、れ……すごく、えっちじゃないですかっ……? ん、ぢゅ、ぅうううっ、ちゅ、る」 「ぁっ……詩音っ、おかしく、なっ……」 「いいですよ、おかしくなってください……気持ちいいですか? ぺろ、れろ、ぇ……ろぉ…」 「そんなの見りゃわかるだろ……!」 「そうですよね……。ちくびは固くなってるし、私のおっぱいの中ですごくぴくぴくしてるのがわかります ……ちゅ、ちゅぅ、はむ…!」 唇で乳首を扱かれ、棒の幹が柔らかいもので固定され、上下にまんべんなく擦られている。 「圭ちゃん、すごいえっちな顔してますよ……この本に出てくる人よりも、すごく、えっち…です…っ」 「う、ぁ…っ、ああっ……」 だらしなくよだれが俺の顎を伝って、肉棒に滴り落ちる。 詩音が唾液を絡めて舐めている乳首からも、俺の体を伝って肉幹に絡み合っていく。 くちゅ、くちゅ、と粘りのある液が詩音の胸を汚し、淫らな音をかき鳴らしていた。 サマーセーターは先走りと唾液で濡れてしまい、ふわふわな感触はなくなっていくが、それに反比例して詩音の胸のものすごい柔らかさが一層伝わってくる。 さらに俺の赤黒い亀頭は、詩音の白い服の色に包まれてよりいやらしく映ってしまうのだった。 「し、詩音! もう、やめ…ろ……俺、そろそろ……」 「ん、ちゅううううううう! ちゅる、ちゅぴ! ちゅ、ぁ……ちゅる、ぅううっ……!!」 俺の乳首が詩音に吸い取られてなくなってしまうんじゃないかと錯覚するほど、詩音が俺の乳首を吸引する。 それに反応して肉棒から先走りが勢い良くぴゅ、ぴゅ、と飛び出して暴れるも、詩音が胸でその震えを無理矢理静止させた。乳房には今まで以上に固定する力が込められ、暴れる陰茎を押さえながらも、根元から液を搾り出すように俺の赤黒い棒を扱いて犯している……。 「……っ! お、お……ぃ、もう、本当に…」 「圭ちゃんの、……から、ホントに白いのが出るの……ぴ、ちゅ、ちゅぅっ! 見てみ、た…ぃ、です…んむっ!ぺろれろ、ぴちゃ、ぢゅ、ぅう!」 「ば、ばかぁ、や、めっ、詩音……! ほんとに、で…る! ほんとに出るからっ……ぁ、ぁあ…っ!」 声にならぬ声と共に、堰を切って大量に放出される俺の白濁。 どぷ、どぷ、と詩音の胸の中で脈動して、白いセーターをさらに白く染め上げていく。 射精がひとしきり終わった頃には、どろりと詩音の服から大粒の白い雫が糸を引いて零れ落ちた。 「あ、あはは……こんなに出るんですね」 詩音が胸元から指先で白濁を掬い取っては遊ばせて、ぽーっとした瞳で言った。 ……俺もその量と濃さには驚いている。 初めて自分じゃなくて、女の子に射精させられてしまったが、こんなにも変わるものなのだろうか……。 「圭ちゃんの、すごく汚れちゃってますね……」 「え……あ、ああ。いや、それよりお前の服……」 「あ、あはは、白いから目立たないですよ。それより、圭ちゃんのを綺麗にしないと」 そう言って詩音が俺の肉棒の前に跪くと、ゆっくりと可愛らしい舌を出した。 「ちょ、ちょっと待てよ! お前、何しようと……」 そうは言いながらも、詩音が何をしようとしているのか察しはついていた。 「確か、その、な……舐めたりもするんですよね? 舐めて綺麗にするって書いてありました……。だから、やってみたいなって……」 「で、でも。そのっ、なんか白いのいっぱいこびりついてるしっ……って、あっ……」 ためらわずそれを口に含んだ詩音が、こびりついた白い粘りを丁寧に舐めとっていき…… 俺の敏感になった先端を、ぬるぬるした生き物のような詩音の舌がねっとりと何度も何度も這って行く。 うわ、これ、が…… 「れ、ろっ、れろっ……ん、く…」 やがて、詩音の喉が大きく動いたのを見て、こびり付いたそれを嚥下したんだなと気付かされた。 「け、ほっ……ん、確かに、ちょっと苦いけど…嫌いじゃ、ないです」 「……マジか」 「それに、飲むと喜ぶって書いてありました…」 「俺もそう思ってたけど、今こうして考えると実際はそんな無理はしてほしくないっておもっ……うわっ!?」 「んっ、ちゅぅ、ちゅ……ちゅる……」 「あああ……残ってるのが全部……すわ、れ…る……っ」 精液を味わった後は、俺の肉棒を唇で咥えこんで、じゅるじゅると唇を窄めて吸い上げてくる。 俺は壮絶な感覚に腰を完全に引かせてしまうけど、詩音の両腕が俺の腰に巻きついてきて精液を吸いだすまで逃がしてくれそうになかった。奥に残っている残滓も吸い取られて、俺の精液はもう確実になくなっていた。 けれど、詩音は吸引をやめてくれない。 カップの底にあるジュースをストローで一滴残らず吸い取るように、詩音が俺の尿道というストローで奥にある淫汁を吸い取ろうとする。その度にまた肉棒が硬度を取り戻し、先走りが滲み出て、詩音の口腔内を犯していく。 詩音、それは精液じゃない、先走りだっ……吸い取られる…… 「ば、馬鹿! や、め、……っぁ……」 「気持ちいいんですか? っちゅ…、圭ちゃんのがぷるぷる震えてるのがわかります。んむっ……こ、れ……、やらしいれふ……ちゅるっ……」 詩音自身も男のものを唇に咥えこむという卑猥すぎるシチュエーションに気付いたのか、顔を真っ赤にしながらもうっとりと瞳を閉じて、その淫らな感覚や男の味に酔いしれているようにも見えた。 気がつけば、俺はそんな詩音の唇に自分のモノが飲み込まれていく淫靡な光景に目を奪われ、さらに行為を促すかのように詩音の綺麗な髪を撫でていた。 詩音もそれに気をよくしてか、行為に激しさを増していく。 「あっ……何か出て来てます…!ん、ちゅ、ちゅる、こくん、ちゅっぱ! ぢゅっぱ!じゅぱ…!こく、こくん……」 ……歯磨き粉のチューブが出なくなった時、普通根元の方から先端に何度も何度も指で絞って行く。 詩音の口淫も、まったくそれと同じで唇をきつく締めて、根元から汁を絞り取るように何度も何度も俺の肉棒を扱いていく。先走りが滴る度に、うっとりとした瞳で喉を鳴らして嚥下していく。 しかし、その間も器用に唇と舌で俺を責めたてるのを忘れることはなかった。 もう、詩音が口で俺を犯しているようにしか思えなかった。 「はー……っ、は、ぁっ! あっ……ふ、っく…」 ……自分の声とはいえ、情けない。 敏感な鈴口を舌が強引にほじくりまわしてくる度に、俺は少しでも喘いで快楽に耐えるしかない。 「すごい……、っ、ちゅぁ…まはおおきふ…らってます……びくびくって……ぢゅぱっ……、こういうのってホントに気持ちいいんですね、圭ちゃん……」 「あ、ぁぁっ…、ああ……」 詩音への返事なのか、絶えず俺に刺激を与えてくる故の喘ぎなのか、俺自身にもわからなかった。 また茎が肥大化したのは、すでに一度詩音を汚している白濁汁の二射目が溜まったからだ…… 「も、ぉ……ゃめっ……詩音……。また、出るっ……」 俺の静止する声を聞いて、どういうわけか詩音は俺への責めを強めていく。 「んっ、ぶ! ちゅっぱ、ぢゅるっぱ! ん、ぱぁ……ん、ぢゅる、っぽ! れぇ…ろぉ…・・・っ!!」 「ぅ、はぁ……腰、に力がっ……」 これまでに感じたことのない苛烈な責めに、俺の腰からは力が抜け落ちそうになるが…… ぎゅううう! 詩音の両腕が俺の腰に巻きついて、俺の腰を落とすまいと力が入る。 このまま射精するまで、詩音が支えてくれるという事なのか、射精するまで逃がさないという意味合いなのか。 「けい、ちゃんっ…、私がっ! っちゅる! 受け止めますから、このままっ……ずぢゅっ! このまま……」 「ぃ、っ……く、ふ…ぁああっ!!」 「んぶっ!? ん、ぢゅるるうるる…こ、くん、まだ、出てッ…んぶっ、飲みきれなっ……ぷあっ!?」 詩音の口腔内で爆ぜた俺の肉棒。詩音が暴れる棒を諌めようと唇を締めて精液を口腔内で受け止めるのだが、飲み下していく速度が、俺の精液の勢いと量に追いつけなかったらしく…… 「あ……ぷ、かふっ、やっ……熱っ…あっ…!」 「わ、悪い! 詩音っ……とまら、な……あっ、あ…!」 ちゅぽん、と詩音の唇から白濁の糸を引きながら、肉棒がぶるんと暴れて口腔粘膜からひんやりとした外気に晒される。けれど、俺の茎に宿った熱は迸ったままで、びゅるびゅると、何度も何度も何度も脈動して、詩音の顔に欲望の熱を振りかけようと粘る精子が宙を舞っていく。詩音は精液が脈動して降り注ぐ度に、びくん、びくんと瞳を閉じ、脈動のタイミングと同時に体を震わせて白濁を享受していった。 「はーっ……は…ぁ……」 ようやく二度目の射精が収まったと思い、俺が視線を落とすとそこには顔を白濁で汚されて困った表情を浮かべる詩音が居た。 「あ、これが……が、顔射ってヤツですか……? あ、あはは……、すごく出されちゃったんだなってカンジです…」 「ごめん、俺もこんなに出るなんて……」 それくらい、初めて感じる女の子の体や口内が俺にとっては強烈だったのだろう。 「……何だか圭ちゃんに犯されちゃったみたいですね」 「な、何を言って……」 口では何とか否定したいけど、俺の匂いの漂う白濁の化粧を見に纏った詩音の痴態は、ひどく扇情的で。 本当に、普段強気な詩音を俺の思うがままに犯してしまったような気さえしてくる。 ……再び俺のモノに硬度が戻っていく。ひく、ひく、ひく、と次第に角度を取り戻していく。 体に力なんか入らないのに、棒に否が応にも力が宿る。 次第に大きくなっていく一部始終を、詩音に見られてしまい俺は何だか恥ずかしくなってしまう…… そんな詩音は、ぺろり、と口の周りの白濁を舌で舐め取って、再び悪戯っぽく笑っていた。 「ね…圭ちゃん……」 「…っ」 俺は二連続射精後の敏感なモノを詩音にぎゅっと握られていた。 声にならない声が俺の口から漏れる。そのまま、体の力を失った俺は詩音に押し倒されて…… 詩音が俺の棒を握ったまま、俺の体の上に馬乗りになっていた。 「興味、ありませんか?」 「なに、を……っ」 「本当に、コレを入れて……気持ちいいのかって……」 「ま、待てよ詩音。よく考えろ……。それって、つまり……」 「ダメ、ですか……?」 しゅん、と詩音の眉毛が力なく下がっていく…… 「ダメじゃない、けど……」 「じゃあ……」 詩音がスカートからショーツをずらして、ゆっくりと俺の肉棒の先端に跨る。 既に今までの行為で興奮していたのか、ずらしたショーツと詩音の露になった秘所を粘る糸が継いでいた。 あれが……女の子のっ…… それがすごくいやらしく映って……思わず目を覆ってしまった。 ……今にして思えば、これまでの行為が服を着たままってのが余計いやらしく感じてしまう。 上手くは言えないけど、衣服を着用したままのこれまでの行為、これからの行為が、明らかに今までの自分にとっては異常なのに、結局は探究心に即した日常の1ページである事を強調しているようで。 余計に俺の心をかき乱していく。 服は脱がしても、靴下は脱がすな、か……否。 靴下は脱がしても、服は脱がすな……。 ゆっくりと、詩音が俺の肉棒に体を沈めていく。 う…わ、……呑み込まれて……! 「ぁっ……」 先端からどんどんぬるりとしたものに絡みつかれていく。 その感覚がどうしようもなく気持ち良くて、俺はまた情けなくも声を漏らしていた。 既にいろんな汁でぬるぬるに濡れそぼった俺の肉柱と、これまでに俺を責めて興奮した詩音の秘所があまりにも濡れていた為か、想像していたよりもスムーズに詩音の中に俺の肉棒が呑み込まれていった。 ……が。 「い、たっ……」 詩音の顔は俺とは対照的に苦痛に耐えるように歪んでいた。 俺と詩音が繋がっている部分から、重力に従って俺の棒を伝って血液が俺の腹に滴っていく…… ……おいおいおいおい。 やっぱり、初めてなんじゃないか。 いいのかよ。 こんななし崩し的に。 いいのかよ。 ……俺が、相手で。 なぁ、お前って確か好きな人がいるんじゃなかったのかよ!? お前が読もうとしているこの本にだって、初体験は大事なものだって書いてあるんだぜ? 「け……ぃ、ちゃん……」 俺に跨っていた詩音が体を倒してきて俺に体重を預けてくる。 ぎゅっ……、と詩音が俺の背中に腕を回して来た。 「もうちょっとだけ、このままでいいですか……?」 「ああ……無理なら、一回抜いて……」 「それは嫌です…抜いちゃ嫌です……」 近い距離にある涙目になった詩音の目と、俺の目が合って恥ずかしくなる。 ……少なくとも、確実に今。 詩音は俺を見ていて、俺を求めている。 何より、もう俺に今更止めてほしいと言われても、止められる気なんてなかった。 すでに精液と詩音の唾液と愛液に塗れてどろどろの肉棒で、詩音のどろどろになった蜜壷を掻き混ぜたくて仕方がないんだ。でも、そんな自分をどうにか縛り付けて、俺は詩音に声をかけた。 「詩音。大丈夫か…?」 「あ、あはは……全然大丈夫ですよ。爪を剥ぐよりはマシって所ですね」 「…嘘つけ。お前、まだ泣いてるじゃねえか」 俯いていた顔を上げた詩音の表情を見て、もう少しこのままでいるべきだと察す。 少しでも詩音が気を紛らわせられないかと思ったのか、それとも強がる詩音を愛おしく感じたのか、わしわしと詩音の頭を乱暴に撫でてやる。 俺の見間違いかもしれないけど、……かぁっと、詩音の顔が真っ赤になった気がした。 そんな彼女の反応を見て、いつか。 詩音に言われた言葉を思い出した。 ――圭ちゃんのこと、ちょっぴり好きになってもいいですか? もちろん、俺をからかう為の冗談に過ぎなかったのだけど…… 「……ちゃん、圭ちゃん」 「ん? あ、ああ、ごめん」 詩音の声で我に返る。 「もう……大丈夫です。動きますね……」 「えっ…ぁっ……ふ、ぁっ」 俺の腹に手を置いて詩音が上下に腰を動かしていくと、我に返ったばかりの俺は不意をつかれた感覚に囚われていた。現実に引き戻らざるを得ないみちみちとした女性の感触に、俺は再びだらしなく頭を床にのた打ち回らせて耐える。結合部にきゅぅ…と力が入り、結合部が先端から根元に上下する度に、根元から精液を吸い取ろうと扱かれてるのがわかる。 結局は、口淫にしろ手淫にしろ、『棒の根元から精液を搾り取る』というものが根底に据えられた行為なのだ。 「んっ……んんっ…!」 詩音が口を押さえてそっと涙目になりながら腰を上下させている姿が、ふと目についた。 「ど、どうした? 詩音……まだ、痛むのか?」 「そ、そうじゃ、なくって……その……っ!! ひ、ぅんっ!」 ふい、と恥ずかしげに俺から顔を反らす詩音。腰を上下させる度に、鼻からくぐもった声が漏れる。 ……そうか。声が漏れるのを抑えてるんだ。 「…っ! ……ぅ、んっ、んんっ!」 俺もどうしようもなく気持ち良くて、詩音の動きに身を委ねる。 「ぁっ! ぁぁっ……んっ、んんーっ……!!」 「ぉっ、ぅ……く…!」 ひく、ひくっ、と膣全体と、結合部にひときわ強く締め付けられたかと思うと、俺のお腹に大量の愛液が降り注いだ。やがて、きつく締まった膣がふるふると力なく震えている感触だけが残る。 「詩音……? その、これって…」 「えっ、あ……」 俺が言わんとしていることを察したのか、詩音は手で顔を覆い隠してしまっている。 つまり、自分で腰を振って、達してしまったのだ。 「ふ、ぁ……」 真っ赤になりながらも、くて、と俺の肉棒を締め付ける詩音の体から力が抜けた。柔らかくなった最奥部が、俺に吸いついてきてこそばゆい……。 既に二度も搾り取られたせいか、まだ達していない俺の肉棒を中途半端に刺激されるのはどうにももどかしかった。 俺は詩音の腰をぐっと掴むと、詩音の腰は俺の体に引き寄せ、俺の腰は詩音の体へと突き上げていく。 詩音の体の力が抜けてこなれた膣内の奥部を、無理矢理突き上げて先端部で擦り続けた。 「やぁっ! 圭ちゃん…! 突き上げちゃ、ぃ、ゃですっ…! ああああっ!」 「はー……っ、はー……っ、し、おんっ…!!」 確か本には突き上げつつも、擦り付けるという行為が推奨されていて、実際には少し難しかった。 だが、詩音の細い腰を俺の腕で左右に操り、腰をひたすら上に突き上げる事で何とかその行為の真似事は強引に出来ていたように思える。 「お、おかしくなっ! ふ、ああああっ! ゃぁ……! ぁっ……、あぁっ…!! 壊れ、壊れちゃ……」 俺が突き上げ、擦り上げる度にがくん、がくん、と詩音が人形みたいに仰け反って白い首を俺に見せ付けてくる。 おかしくなってるのは俺の方だ……。 もう、詩音を求めて腰を突き上げるのを止められそうになかった。 突き上げて俺の先端が詩音の子宮をごりごりと刺激すると、達したばかりで敏感になっている詩音の膣内も俺を搾り取ろうと収縮し、愛液を絡みつかせてきた。 「あっ、ぁあ…っ、く、ふ…ぅ」 「もう……もぅっ、入らなっ……ひぅっ! ああああっ! け、ぃちゃっ…!」 「詩音っ……!」 「ゃっ…!」 突き上げるだけじゃ物足りなくなったのか、俺は詩音を押し倒して、先刻までの体勢とは全く逆の体勢へと変えていた。 俺が上で、詩音が下。奥を責め続けるだけの動きじゃなくて、肉棒全体を利用した抽送が可能になる。 先端部が膣口に近づくと、愛液が自分の先端部の首で掻き出されて、スリットの入ったスカートから覗く白い脚を、俺の液と詩音の液で絡み合ったものが溢れて穢していた。俺の先走りも迸っては、詩音の膣壁に吸い取られていく。 もう、限界だった。 腰がぶるぶるして、だらしなく俺も詩音も口元からは涎を垂らしている。 「も、ぅ……! 出るっ……! で、るぅ…、詩音っ! 詩音っ……!」 「あっ! ああっ! 圭ちゃん……の、すごくおっきく……は、ぁああっ…」 「っく! ぅ、ぉああああっ!!」 どうにか下腹部に力を入れて、声を張り上げながら必死に肉棒を詩音の中から引き抜く。 これ以上服を汚しちゃいけないとだけ、どうにか残り少ない理性で考えた俺は…… 「ひゃぅっ!? ん、んぶっ、ぷ、ぁっ……ああっ…! こ、ぷっ…」 既に何度も汚してしまっていた詩音の顔に、その溢れる迸りを浴びせていた。 射精はこれで三度目なのに、一度目、二度目とも変わらないほどの粘りと濃さと量を併せ持った精液で驚くしかない。 「ふ…ぅっ! ごめん、詩音っ……まだ」 一回、二回……何回脈動したか分からないが、勢いは衰えず肉棒がびく、びく! と震える度に俺の欲望の白い塊が降り注いでいく。顔中に白濁をこびり付かせた詩音が、やがて俺の射精中の棒を掴むと、ゆっくりと自身の口内に押し込んでいた。 「んんっ……んぷ、はむっ……ぢゅ、ぢゅっ…ごく、こく…んっ」 「ば、バカっ……今、そんなことしたらまたっ…!」 脈動中も唇で吸い付き、舌を動かされ俺の興奮が収まるわけもなく。 自分でも信じられない話だが、再び体の奥から熱い体液が生み出されて先端部に上り詰めていくのを感じた。 「ま、ま…たっ、くぁ…ぁああああああ…」 「んむぅっ!? ん、んぷっ、んぶうっ! ちゅ、ぷ……、ん、く……はーっ……、はーっ…」 さすがに量もおとなしめだったこともあってか、詩音は多少涙目になりながらも全部口腔内で受け止めて溜まった精液を順々に飲み干していく。全部喉を鳴らして飲み込むと、俺の白濁で熱の篭った吐息を吐いて、詩音は呼吸を整え始めているようだ。 信じられないほど従順に俺を飲み込んだ詩音を、何だか愛おしく感じた俺はそっと抱きしめていた…… やがて、お互いに呼吸が整って身体の熱が冷めてくると。 どちらからともなく俺達は真っ赤になって、ばっ! と密着させていた体を離れさせた。 なんだかものすごく恥ずかしい事をしていた気がする……じゃなくて、もうそんな次元の話じゃなくて……! 俺がどぎまぎしながらいそいそと床や体を拭いていると、同様に顔や服を拭いていた詩音とふと目が合った。 「…………」 ……暫く見つめ合ってしまって。言葉をなんだか喉から捻り出せなくて。 「……あ、あはは……圭ちゃん。あの、ごめんなさい。悪戯のつもりが……、その、つい」 「い、いやっ……お、俺の方こそ……ごめん」 先に沈黙を破ってくれたのは詩音だった。けれど、一頻りの作り笑いの後は、再び気まずい沈黙。 そもそも何で、こんな事になっちゃったんだっけ……? 「さ、最初は……その、こういうの知っておけば、いざという時に男の子って喜んでくれるのかなって思っただけ だったんですけど……。てへ☆」 てへ☆じゃねえ! と、突っ込んで茶化すことを詩音は望んでいたのかもしれないけど、俺には出来なかった。 だって、俺にとっては詩音と繋がってしまったという事実が強烈すぎて。 どんな言葉をかければいいかわかんなくて……。 何度目の沈黙に耐えかねたのかわからないが、詩音が再び口を開いた。 「あの……け、圭ちゃん」 「な、何だよ」 「その……ど、どうでした?」 「ど……どうって、そのっ……、訳わかんねえくらい気持ちよかったよ……」 「えっ、あ……」 真っ赤になって俯いてしまう詩音。 ……思えば、俺は今までにこんな彼女の表情を見た事があったろうか? 胸が高鳴る。この高鳴りは、どんな本にも書かれていないものだ。 「あの、圭ちゃん……また、借りに来てもいいですか?」 『また』。その時にはこの答えも出ているのだろうか? ぽーっ、と頬を赤らめながらの詩音の問いかけに、俺はこくんと首を縦に振る事しか出来ないのだった…… -
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「圭一くん。またしばしのお別れだね」 富竹は名残惜しそうであった。 彼としても、雛見沢に出来るだけ滞在していたいのが本音ではあったのだが、彼の立場はそれを許さなかったのだ。 「残念ですね富竹さん。折角仲良くなれた矢先なのに」 「まぁ例の事件の後始末が色々と目白押しでね。仕方ないよ。またすぐ来られればいいんだけどね」 「そうですか…寂しくなりますね」 圭一もまた、残念そうに応える。 富竹が、ただのフリーカメラマン「ではない」ことを知った後も、二人は別段変わりないまま親しく交流していた。 「そこでなんだが……これは富竹としてではなく、ソウルブラザーのトミーとして君に餞別だぁ!!!」 富竹…いやトミーは鞄の中から本の束を取り出す。それは―― 「ええええええっっっ!?ト、トミー!!これはぁあああ?!!!」 「僕の秘蔵のコレクション、『イケイケ僕らのエンジェル・看護婦さんシリーズ全集』だぁあああ!! 受け取ってくれぇええ。僕にはもうリアルで十分だから、ここは一つ魂の兄弟の誓いの証に、Kぇぇぇいに進呈しようぉぉ」 「あ、ありがとうぉぉぉ、トミー!!!!!」 「あちゃあ。まさか私とした事が、麻雀で前原さんに不覚を取るとは。いやぁ腕を上げましたねぇ、んっふっふっ」 「前原くんは素質があると思うっすよ」 感嘆の声を上げる大石に、同席の熊谷らも同調する。 「蔵人はもう定年だからの、坊主、このまま後釜にでもなるか?」 「い、いえ。トンでもない!只のまぐれですよ」 「でも困りましたねぇ。私ゃ今手持ちがちょっと…」 「い、良いですよ。俺、未成年ですし。ただの遊びじゃないですか」 「そうは行きません。麻雀は只の遊びと思ってもらっちゃあ困りますねぇ…うんぬんかんぬん…ですからして、麻雀とは崇高な男の真剣勝負なんですよ」 「は、はぁ」 「そうだ、前原さん。ちょっとこちらへ来てもらえませんかねぇ。すいません、ちょっとだけ席、外させてもらいますよ」 人目を憚るかのように、大石は雀荘の化粧室へと圭一を引っ張る。 「どうしたんですか、こんな場所に連れてきて?」 困惑する圭一に、大石は大仰に声を潜める仕草をする。 「いえね、私も一応警察官なもので、健全な青少年育成の建前がありますから、こういうことを熊ちゃんや小宮山くんの前で大っぴらにやるわけにもいかないんですよ。前原さんはまだ歳が歳ですからねぇ、んっふっふっふ。お金は出せませんが、その代わりに…これを前原さんに差し上げます」 「こ、これはぁぁぁぁ?!」 「んっふっふ。前原さ~ん、あなたはまだお若い。きっと欲求不満も溜まっている事でしょう。その時はコレです。『黒と白-バニーさんでGO!』。バニ~~さ~んとか結構好きなんですよ私。いや、同じソウルブラザーとして、Kぇぇい!!Kには是非ともこの良さを分かってもらいたいんです!魂の兄弟として喜びを分かち合うんです!!」 「ク、クラウドォォォ!!!」 「前原さん。今日は折り入ってお願いがあります」 「何ですか、監督?」 突然診療所に圭一を呼び出した入江は、いつになく真剣で、そして深刻そうな表情を浮かべていた。自然と、圭一も身構える。 「いえ、今はその名ではなく、ソウルブラザーのイリーとKぇぇいとして話したい!」 「ええっ?」 「私は常々、メイドとは如何に崇高なる存在か、機会ある毎に人々に説いてきました。しかぁぁぁしっ!無知蒙昧なる一般人にはイマイチ浸透しないぃぃ!!!全く困った事です。非常に由々しき事態です!!これではメイド千年王国樹立など夢のまた夢ぇ!!そこで前ば…いやKぇい!あなたにもメイドさん至上主義布教の助力を願いたいぃぃ!!!」 選挙投票前日の政治家宜しく、圭一の手を両手で握り、頭を垂れる入江…いやイリーだった。 「えっと…いくらイリーの頼みでも、それはちょっと…」 やんわりと謝絶しようとするや、それまで必死に懇願していたイリーは態度を一変させて阿修羅の形相となる。 「な、なんですとぉぉ!!あぁ見損ないましたよKぇぇいいい!! あなたはそれでもソウルブラザー暗黒の魔王にして萌えの伝道師の異名をとるKかぁああ!?こぉの不届き者めぇえええ!!まだまだメイドへの理解が足りん!! …ならば仕方が無い、そんなあなたにはこれを進呈しよう!」 「へっ?イ、イリー?こ、これは…?」 「そうです。良い機会ですから、あなたにもここでメイドの何たるかを勉強してもらいたいぃ!!! だからこそっ!私の聖書たるこれをあなたに!! 『萌え萌えドジっ子メイドさんの細腕奮闘記メモリアル』の予備を特別に進呈しようぉぉ!!! これを読めば明日からKぇぇいいもメイド教の尖兵だぁあああ!!!!」 「おおお、イリーィィィィィ!!!」 熱い魂を持つ兄弟たちから、圭一は彼ら秘蔵のコレクションをほぼ無償で入手するという、男としてはある意味トンデモナイ強運に恵まれた。 しかしこの強運が、大いなる凶運を招く事となってしまったのだ。
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梨花ちゃんを押し倒したのは無意識だった。 「えーと、圭一?」 「いや、これはだな……」 梨花ちゃんの長い黒髪が畳に触れる面積を増やしている。胸の前を両腕で隠すようにして俺を見上げて いる様子は、無意識のままこの体勢にさせてしまった俺にこの先を躊躇させる。 いや、何を考えてるんだ俺は。 そもそもなんでこんなことになったんだ。 思い返してみる。 久々に会えて嬉しかった。梨花ちゃんの作ってくれた夕食は絶品だった。寄り添い、梨花ちゃんは 高校生活、俺は大学生活をお互いに話しながら時間を過ごした。そして、ふと会話が途切れたとき、 キスをした。 唇の感触は未だ残っている。梨花ちゃんの柔らかさと、熱さ。 俺は一瞬何も考えられなくなった。 気がつくと、この体勢。 「……圭一。何か言いたいことはあるかしら?」 睨みつけられていた。声色も一段と低くなっていた。 いつもの如く梨花ちゃんの腹黒変化(彼女に対して使う言葉ではないかもしれないが)。 ならば俺も痛い目(主に精神)を見る前に撤退するべきであって、これまでもそうしてきたのだが、 畳についた手は接着剤でもついているかのように離れない。 背に嫌な汗を流しつつ、沈黙が状況を改善できるはずもないと思い俺は口を開いた。 「あー、あのさ、俺たち久々に会ったよな」 「そうね。圭一がお金がないとか言って帰郷を遅らせてなかったらもっと早く会えたわ」 「…………」 ……負けねぇぞ。何にかはよく分かっていなかったが。 「それは謝るよ。悪かった」 「許してあげなくもあるわ」 「…………」 ……どうすればいい。 俺は今下で仰向けになっている梨花ちゃんをまじまじと見た。 振り乱された漆黒の髪。電灯の無機質な明かりがその黒髪に反射されたときだけとても美しく輝いて 見える。緑色のワンピースは年を重ねるごとに大人びる梨花ちゃんの子どもからのお気に入りの洋服だ。 サイズが合わなくなるたび買いに出たり、作ったりしているらしい。出会ったとき以来、俺の記憶には このワンピースが存在し、何というか、いけない妄想をしてしまう。こう、胸も腰もすっかり女性らしく 成長した梨花ちゃんの、小悪魔的な笑みと無邪気な笑みが頭を巡って……。 「梨花ちゃん……」 いつの間にか口に出していた。 「…………」 梨花ちゃんは何も言わない。まっすぐに俺を見ている。 肩紐が腕の方へと寄っているのに今頃気づいた。そうして目に付いたのはブラジャーの紐。 透き通るように白い肌が鎖骨のふくらみにおいてより一層の滑らかさを。 胸元から下は俺の影で隠れており、視線をそちらに移すのをやめた。代わりに、首筋を辿り再び目を 合わせる。 自分が何をしたいのか理解できてきた。 「梨花ちゃんて十六歳だよな?」 「そうだけど?」 「実は俺は二十歳だったりする。」 「? そんなの知ってるわよ」 「ああ、そこで導きだしたい結論がある」 「なによ」 「俺たちはお互いに結婚できる年齢だってことだ」 「……は?」 ……は? 俺は何を言ってるんだ? 「……もう一回言ってもらっていい? 圭一」 「いやっ…そのっ…ああっと……っと」 俺が軽いパニックを起こしてもごもごしていると、 「圭一、お願い」 と、梨花ちゃんが縋ってきた。シャツが引っ張られる。 顔を見た瞬間自分を殴り倒したくなった。言い換えると、覚悟が決まった。 「梨花ちゃんと結婚したい。一緒になりたい」 ……言った。言ってしまった。 って指輪も何もなく何を言ってんだ俺はぁっ! 男としてどうなんだこれはっ! しかし常日頃考えていたことでもあるから本心であることに変わりはないのだが……。 というかちょっと待てよ。断られたら俺はどうすればいいんだ。今更ながら不安になってきた。 心臓がばくばく鳴っていて息苦しい。雛見沢の夏夜は涼しいはずなのに、この汗のかきようは どういうことだよ俺前原圭一。 そんなことを考えていると、首に手が回されて重みが加わる。 「うおっ」 梨花ちゃんが抱きついていた。しかしすぐに手を離しばたんと畳みに倒れる。 そして。 「はいっ」 と涙を目の端に浮かべながら返事をしてくれた。俺はその笑顔をきっと生涯忘れない。 心を奪われた。同時に、理性も。 震える声で梨花ちゃんに言う。 「して……いいか」 顎に軽く手を添えられ、同じく添えるようなキスをされる。 「圭一の、したいように」 梨花ちゃんは幸せそうな顔でそう言った。 俺は梨花ちゃんに覆い被さった。 唇とその奥を執拗にに嘗め回しつつ、梨花ちゃんの首と畳みの間に腕を通し首筋と耳を指でなぞる。 感じるのか、時折びくっと跳ねるのが唇越しに伝わってきた。 「ん…んん……はぁっ……は…あっ……けい、んむっ」 息苦しさは快感を増長させてくれた。俺は唇を離そうとする暇を与えず貪り続ける。 梨花ちゃんの口内の粘膜が舌にまとわりついて熱かった。そして甘い。 たまにすくった涙を間に紛れ込ませてはさらに水音を梨花ちゃんの家に響かせていく。 初めはきつく抱きついていたがだんだんと重力に従うように倒れていき、完全に体重を畳みに預けてからは 俺が梨花ちゃんの首を手で支え、ディープキスを繰り返していた。 年下のはずなのに、いつもからかわれる俺。そんな関係は心地よく楽しい日々だった。気に入っていた。 けれど、たまには俺だって梨花ちゃんを掌の上で転がしてみたいんだ。両の手で包み込めそうなほど 細い首は、俺に梨花ちゃんへの征服欲を強めさせていく。 梨花ちゃんの足がもぞもぞと動いているのを俺の下半身が感じ取ったとき、キスは終わった。 「はあっはあっ、はあっ……」 脳がしびれる感覚。張り裂けんばかりに膨張したそれは梨花ちゃんの膝がかすかに触れただけで大きく 跳ね上がり、行き場を求めていることを俺に激しく主張する。しかし。もう少し我慢してくれよ。 「……は…あ…あ……あ…は……は」 焦点が合っていない目を俺に向けてくる。息も絶え絶えにかすかに笑っている。 「け、いいち……はげ…し…い……あは…」 俺にはその様がひどく妖艶に見えて、また唇を重ね合わせたい衝動に駆られたのだが、今は次の行為へと 進みたかった。けれど頬を伝う唾液だけは舐めて梨花ちゃんの口に戻した。 「服脱がすぞ」 「うん……」 思い切り破ってしまいたかったがそれは我慢する。梨花ちゃんのお気に入りだし、そもそも俺の お気に入りでもあるからだ。裾を上へとずらしていく。 ふと手が止まる。梨花ちゃんの中心部、一番大事なところに目がいき思わず息を呑んだ。 濡れている。白いパンツに大きな染みができている。 お腹のあたりでワンピースを脱がすのを止めて、パンツ越しに指を這わせた。 くちゅ……。 「ひあっ!?」 梨花ちゃんが即座に反応する。その反応で俺はやめられなくなった。水音が耳奥で響いていたキスの ときと違って、今度はその音が纏わりつく。粘りをもって指に絡みつく様子と同じように。おそらく 今の俺の目もそうなっているだろう。梨花ちゃんの秘部へと。 「あ、ひっ、ひぅっ…うぅんっ!」 撫ぜるたびにいやらしい声を出す。そんな梨花ちゃんの様子を窺うと、自分でワンピースの下の胸を弄んで いるようだった。俺が見ていることに気づいたら即座に目をそらして手を止める。 「胸も触ってほしいのか?」 「……いちいち、聞かないで……」 今度はワンピースを完全に脱がし、ブラジャーのホックを外す。乳房全体を、梨花ちゃんの腕が俺の 視界から遮っていたがそっとどかして掌で揉みしだく。握力を加えるたびに適度な弾力をもって手に 柔らかい感触を返してくる。これまたやみつきになりそうな触り心地だった。 「ふぅ、んぅ……あっ」 喘ぎ声もしばらくは耳から離れないだろう。 ……俺、自分を抑えきれるだろうか。大事にしないといけない。 「梨花ちゃん、愛してるからな」 そしてまたとんでもないことを言ってしまっていたことに気づく。 「……嬉しい。私も、愛してる、圭一……」 全然問題なかった。よかった……。 すでにかたくなっていた乳首を舌の上で転がした。ピンク色の乳輪をぐるりと舌先で何度もなぞり、 乳頭へと近づけていく。 「ああぁっ」 乳頭のぎりぎりまで達してから乳首を口の奥まで含み、乳房全体に重みを加える。頬に当たる柔肌が とても気持ちいい。そうして思い切り吸い上げる。そ の間もう一方の胸の乳首を休むことなく指で 弾き続けていた。時々つまんだり。 「ひぁあっ!」 本当にかわいい声を出す。頬はすっかり上気しており涙も流れるまま。俺が手を休めるたびに確認する 梨花ちゃんの表情は常に恍惚としたものであり、間違いなく快感に溺れていた。 病み付きになっているのではないだろうかという俺の思いつきは、 「圭一……もっと」 という梨花ちゃんの言葉によって裏づけを得ることになる。 「ああ」 病み付きになっているのは俺も同じだった。 濡れて、通常の何倍にも重みを持ったパンツを脱がす。薄い恥毛と秘唇が露になった。 かすかに ひくついているように見えたのは空気に直に触れたからか、あるいは恥ずかしさからか……。 「あんまり見ないで……」 後者のようだった。赤くした顔を下に向けて俺と目をあわそうとしない。 梨花ちゃんの秘唇はさっき撫で回したせいか軽く開きかけている。奥から きらきら光る液体が漏れて くるのを見て、これならもう挿入しても問題はないかと思ったが、処女だとイきにくいという話を 聞いたことがあったため愛撫をもう少し続けることにした。 ……しかしそんな俺に抗議するかのように息子ががまん汁を出した。 一際強く梨花ちゃんの匂いがする。 濃艶さの立ち込めるその一帯にふーっと息を吹きかけた。 「んっ!」 大陰唇に親指を添えて左右に押し広げる。 「梨花ちゃんのここ、綺麗だな……」 「……っ」 小さく開いた膣口が目に入って俺はふと思った。こんな小さなところに入るのだろうか。 指一本は入るが……。ぬちゅ…となんともいえずエッチな音がした。 「ああんっ!?」 以前怪我したときに、梨花ちゃんに指を舐められたことがあったっけ。それよりも熱く、指先自体が 熱を放っているかのように感じられる。そのせいか中 の襞を擦るスピードも早くなっていった。 最終的にはかき回すと表現したほうがいい行為にまでなり、梨花ちゃんの嬌声はこれまでになく激しい ものへと変化していた。 「ああっ、は、ひゃあっ! ふぅっんっ、ぃひぁっ、ああんっ!」 処女だとイきにくいと聞いたとき、ならばイかせるにはどうするのかと尋ねたところ、高い確率で 女性がオーガズムを迎えられるという場所を教えてもらった。 止まらぬ喘ぎ声とだんだんと激しさを増していく呼吸のために揺れる双丘に意識を向けつつ、俺は包皮 から覗く小さな豆、陰核を口に含み乳首と同じよう に舌先で転がした。 「―――っ!!」 指が膣壁に圧迫される。梨花ちゃんは身体を弓のように反らせて息を吸いな がら声を出そうとする。 が、それは当然声になるはずもなく。一瞬遅れて至上 の快感に悦ぶ叫びを俺は聞いた。 「あぁあああーっ!」 ……。 手首までべっとりと濡れていた。俺の息も荒れている。もう我慢できなかった。虚ろな目とそれに 合わず笑みを浮かべている梨花ちゃんに跨る。 「け…い……い…ち」 呟いた声はおそらく自然に漏れたものだったのだろう。 返事をすることもなく俺はいきり立ったペニスを 膣口に押し当てた。 「くっ」 「あっ」 俺のものは梨花ちゃんの熱さと柔らかさに触れただけで飛び跳ねた。双方でコミュニケーションが とれているかのように、ひくひくと動いていた。 「梨花ちゃん、挿れるからな……」 「え…ま、まって……」 「ごめん、もう待てない」 一気に奥まで突いた。それで梨花ちゃんと一つになった。 全く未知であったものの快感と一つという認識が頭の中で混ざり合ってペニスはさらに膨張する。 絡みつく膣壁をカリで巻き込みながら思い切り引き抜いて、突き上げる。それを繰り返す。俺のものは 梨花ちゃんに優しく包み込まれているはずなのにめちゃくちゃに暴れたがる。この矛盾がまた快感とは 別に脳を刺激する。最強の矛と盾というより最愛の、というべきか。 一番に愛する人とのセックスがこんなに幸せなものだとは思わなかった。 「ぐっあぁあっ!」 「け、いぃいひぃっ!」 涙をぼろぼろ流しながら俺の肩をがりがりと爪で削っていく。獣のごとく腰を振り続けていた俺に とってはそれすらも激しい快感となり、ついに最後の一線を越える。 「で、射精るっ!」 このまま梨花ちゃんの中で果てたかったが子どもが出来たらまずい。欲しいのは欲しいのだが、これからの ことを考えると、一時の快楽に完全に溺れることは、よくない。俺も梨花ちゃんもまだ学生なのだから。 一緒に居られるだけでいい、という考えは少し現実を甘く見すぎていやしないだろうか。 そんな思考が頭を過ぎった。それが最後の理性だった。 「はっあっはああっ」 精液を吐き出す。梨花ちゃんのおへそでそれはプールを作り、横腹から太ももの付け根へとゆっくり 流れ落ちていった。どれだけ出るんだというぐらいに射精は続いており、俺は、梨花ちゃんの名前を 何度も呼びながら梨花ちゃんが俺の精子に汚されていく様を見ていた。 「はっ、はぁっ、はっ…」 畳に頬を寝かせて呼吸を整えようとする梨花ちゃん。染みができていることから分かるように、 結構な量の唾液か涙かを流したのだろう。 少し罪悪感が生まれた。かなりめちゃくちゃなことをしてしまったかもしれない。 おまけにまだ収まってない。あれだけ出したにも関わらずだ。 「梨花ちゃん……」 後頭部に手を滑らせ優しく起き上がらせる。そのままキスをした。先のように激しいものではなく、 これまでの快感の余韻に浸ってゆっくり、じっくりと。 完全に力が抜けていたのか、最初は俺だけが舌を動かしていたが、梨花ちゃんも徐々に舌を絡ませてきてくれた。 「ん……」 顔を離すと繋がっていた唾液がその力を失くしたように落ちていった。 梨花ちゃんがとても満足そうに笑っていた。 ……いささかの小悪魔的な表情も含まれているような気がした。 「ふふ」 「うあっ」 情けない声は梨花ちゃんがぺニスの裏筋を撫でた行為による。 「今度は私の番……」 そう言いながら今度は俺が倒されていく。弱々しくしおらしい表情で、狂ったように俺に身を預けていた 梨花ちゃんの姿はもうなくて。全く逆のお姉さんのような態度と振る舞いで体勢を変えていった。 ああ、下から見上げる裸の梨花ちゃんもいい……。 いつもの二人の関係だった。 「なぁ、気持ちよかった?」 「もう狂いそうだったわ」 「狂ってたと思うけど」 「うるさいわね。私をものにできたからって自惚れないでよね」 ばしばしと叩いてくる。 「そんなこと言われると自惚れる必要もないよな、ってああ! 気持ちいい!」 見ると、梨花ちゃんがあそこを俺のものにこすり付けていた。 「ん、ふぅっ…まだ、こんなに硬い、じゃないっ、はぁ…」 「あ、ああ。ごめん」 「謝る必要なんて――あっ。な、ないわよ……。……ねぇ圭一、一つ聞いてもいい?」 腰を動かすのを止めることなく尋ねてくる。俺は頷いた。 「圭一……エッチ、したかったから結婚、なんて言ったんじゃないわよね」 それはそう思われても仕方なかった。だから俺はそれを否定する。 「違う。あれは常日頃から思っていた俺の本心だ。将来は梨花ちゃんと結婚したいと思ってたし、梨花ちゃん以外考えられなかった」 「うん」 梨花ちゃんからのキス。 「でも、その。ごめんな。指輪とか何も用意できてなくて」 よく考えなくてもかなり情けない男に違いなかった。 「ううん、嬉しかったわ。そういうのはこの先にまた……」 「ああ、約束する」 「ええ。それじゃあ」 「うぅっ!?」 敏感な性器にまた刺激が与えられる。 「今はこの節操のないおちんちんを、鎮めることからしないとね……ふふ」 ああ……卑猥な言葉を堂々と言う梨花ちゃん、いい! そう、ここからは梨花ちゃんのターン。 ――ぬはぁ! 続く あぅあぅ、これで終わりではないのです。 このあと圭一は、腹黒い梨花にあうあうされてしまうのです。あぅあぅあぅ~♪ 梨花ちゃんのターン
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私は誰よりも美しい。 今日、私は学校を休んだ。 別に具合が悪かったわけではない。 両親が仕事で東京に行っているのをいいことに、そのままズル休みをしたのだ。 学校には風邪だと連絡した。 電話口でちょっと咳でもしたら、あの人の良い先生はコロっと騙されてくれた。 とても美人で生徒達にも尊敬されている教師、知恵留美子……。 だが所詮彼女も女としては甘いということだ。 私の嘘にあっさりと騙されるあたり、やはり浅はかだと言うほかあるまい。 まあもっとも顔だけ見れば、この雛見沢の中でも数少ない美人に入る部類だとは思うが……。 私だってあのくらいの年になればもっともっと美しくなっているはず。 別に驚嘆すべきほどでもない。 むしろ若さを兼ね備えている分、遥かに私の方が「上」なのだ。 美人教師などものの数ではない。 ……そう。 たとえ「本物」ではなくとも、「本物」を越えることはできるのだ。 それを私はこの雛見沢で証明して見せるのだから……。 「ふふふふふ……♪」 現に今の私はこんなにも輝いている。 こんなにも美しいではないか。 こうして道端を歩いているだけで村人の誰もが振り返ってくる。 一人たりとも私を無視できない。 まだ年端もいかない少女、少年。 私と同い年くらいにも見える青年。 そして今真横をすれ違っていった老獪なご年配の方ですら。 「あんれまぁ~、一体どこの子だろうねぇ。 あんな可愛いらしい子、村におったっけ?」 「あ~ほれほれ、あの**さん家の娘さんじゃないかい? にしてもほんと綺麗じゃねえ……」 そんなヒソヒソ声を聞くたび、私の中にとめどない優越感が沸いてくるのだ。 胸の中を沸々と熱いものが駆け巡っていくのを感じる……。 今日は学校を休んで本当によかった。 でなければこうして「この格好」で村を歩くなどできなかっただろうから。 さっき偶然出会った鷹野さんですら、私を見て 「あらあら可愛い子ねぇ♪ 見ない顔だけど、どこのお家の子?」 などと話かけてきたほどだ。 人口二千人にも満たないこの雛見沢では、私のような見たことのない「美少女」はさぞ珍しいのだろう。 つまり今の私は、誰の目から見ても「どこかのお家の女の子」というわけだ。 「……まあ、当然か♪」 田んぼに挟まれたあぜ道を歩きながら、私はおもわずそんなことをつぶやく。 こうなってくるとやはり、あの両親には感謝しなければならないだろう。 私をこの姿へと目覚めさせてくれた彼ら。 こんなにも素晴らしい「美少女」へと昇華してくれたお父様とお母様に……。 「……へ? 仕事の手伝いだって?」 ある日、俺は家で両親に声をかけられた。 父の仕事の資料でどうしても女の子の被写体が必要だから、「これ」を着てくれないか? と。 そうして両親が差し出してきたのはものは、生では生まれて初めて見る洋服だった。 まるでドレスのような感じのデザインで、全体に黒を基調としている洋服……というより、コスプレに近いか。 一度父の持っている雑誌で見たことがあるが、いわゆるそれは「ゴスロリ服」と呼ばれるものだった。 上下の装飾にはレースやフリルがたっぷりと使われており、いかにもお嬢様が着るものといったゴージャスな雰囲気をかもし出していた。 おまけに、手首、胸元、首などには小さな黒いリボンがいくつも備えつけられていて、少女(ロリータ)という意味を象徴する可愛らしい装飾がふんだんに盛り込まれていた。 下。 スカートの丈の方もかなり短くされていて、少しかがむだけで下着が見えてしまうんじゃないかというほどだった。 そしてその短いスカートを引き立てるように、同色のニーソックスまでもがしっかりと膝上までを覆い尽くせるほどの長さで用意してあったのだ。 部活の罰ゲームで、たしか梨花ちゃんが似たようなデザインのものを着ていたのを見た記憶があるが……。 これを男である自分に着ろ、と? この両親は息子にこれを着ろ、と言っているのだろうか? 「あ、あんたら正気かっ!? お、おおお、俺は男だぞぉーーーっ!?」 もちろん俺は即座に断わった。 二つ返事に。 いくら前原家の家計を支える父のためであっても、こんなドレスのようなものを着るのは男としてのプライドが許さなかったのだ。 何よりこんなものを自分の息子に着せようなどと、この両親は本気で変態ではないかと疑ったものだ。 そうして俺は何度も断わったのだが、彼らはそう簡単には諦めてくれなかった。 「はっはっは、照れ屋さんだなぁ圭一は~♪ ほんとは着てみたいんだろう~?」 「だ、誰が着てみたいんだよこの変態親父がっ! おふくろも何とか言ってくれよ!」 「まぁまぁそんなこと言わず、おねがいよ圭一。 お父さんを助けると思って……ね?」 そうして申し訳なさそうにするお袋は、スっと何枚かのお札を差し出してきた。 それを見た瞬間、俺の目の色が変わる。 これを着てくれたら、なんとバイト代まで出すと言っているのである。 そこまで重要な仕事なのだろうか。 その具体的な金額の提示を見て、俺の中で少しだけ心が揺らいでいったのを憶えている。 「ちょっとこれを着るだけで……そ、そんなにくれるの? むむむー……」 女装という羞恥と、その金額でできることを両天秤にかけていく。 俺は頭の中でそれをクールに判断していった。 よく考えてみれば、普段からこういった女の子の洋服は着せられているのだ。 もちろん罰ゲームで……。 魅音やレナはそういった女装系は俺を狙い撃ちしていて、メイド服やセーラー服といった恥ずかしいものはわりと頻繁に着させられていた。 おまけにその格好のまま下校までさせられるのだから、俺はすでに村中の人間に「そういった趣味」があるものと勘違いされていてもおかしくはない。 ならば今さら両親二人に見られることぐらい、どうでもいいのではないか? もっとも血の繋がった人間に見られるのはまた別かもしれないが、それさえガマンすればこの破格のバイト代がもらえるのだから悪くないかと思った。 「…………わかった、いいぜ。 この男前原圭一、愛する両親のために人肌脱いでやるさぁぁぁぁっ!!」 そうして俺はそのゴスロリ服を着ることを承諾した。 もっとはっきり言ってしまえば、女装することを受け入れたのだ。 女の子の洋服。 おまけにこんな特殊なものを着た経験がまったくない俺は最初とまどっていた。 だがおふくろが着させてあげると、色々と世話をしてくれたのだ。 本当に色々と……。 「お、おいおふくろ! これはちょっとやりすぎじゃ……」 「いいからいいから♪ いや~こんな可愛い女の子が欲しかったのよね~♪」 その時のおふくろはとてもノリノリだった。 もうお肌テッカテカで実の息子である俺を女装させていったのだ。 写真に写るため本物の女の子に見えなければいけないらしく、なんと俺の顔に化粧まで施していったのである。 おまけにあらかじめ用意していたのか、ロングの綺麗な女性用かつらまでかぶせられ……。 もはや俺はおふくろ専用の着せ替え人形と化していたのだ。 「はい、完成♪ とっても可愛いわよ~圭一ぃ♪」 「ば、ばか、何言ってんだよ! まったく……」 「はっはっは、照れるな照れるな♪ ほんとに可愛いぞぉ圭一、お父さんもう辛抱たまらんなぁ!」 「死ね変態親父! さ、さっさと終わらせようぜっ!!」 そうして俺は親父のアトリエで写真を撮られることになった。 早く終わらせたい……その時はとにかくそれだけで頭がいっぱいだったことを覚えている。 アトリエの中はすでに撮影用に様々な装飾がなされていた。 つまり親父は、俺がこれを承諾してくれるものと決め付けていたわけだ。 壁にはしっかりと真っ白なカーテンが張られていて、その一角にはアンティークなテーブル、イスなどの家具が様々に用意されていた。 色々と指示をされ、俺はまずそのイスに腰をかけていった。 親父はこういった撮影には慣れているようで、女装した俺はそこでさまざまな要求をされていくのだ。 指を噛みながら甘えるような表情をさせられたり、下着が見えてしまうだろうという女豹のポーズをさせられたりと……。 正直、ものすごく嫌だった。 もう死んでしまいたいほど恥ずかしかったが、これもあの金額のためと黙って従っていったのを覚えている……。 そうして長い長い時間が過ぎていき、ようやく親父のフラッシュの音が止むと俺の屈辱のバイトは終わっていった。 親父は取り終わった写真をすぐに現像し、わざわざ俺とおふくろに見せてくれた。 一体どんな変態女装男が写っているのかと……恐る恐るそれを見る。 すると、そこに写っていたものは……。 「へ…………こ、これが、俺?」 そこには……生まれてこの方見たことの無いほどの「美少女」が写っていた。 ニコっと笑顔を振りまきながら、可愛くイスに座っているその女の子……。 おふくろの化粧が上手かったのか、それとも俺の「才能」のなせる技なのか……。 そこに写っている女の子にはまるで違和感が無かったのである。 それどころかもう完璧な美少女だった。 着ている服がそうなせいもあり、どこか深窓のお嬢様といった雰囲気も感じられる。 こんな可愛い女の子が道を歩いていたら俺は間違いなくナンパするだろう。 ……いや、逆にレベルが高すぎて手が出せないか? それくらいに思えるほど「俺」は美しかった。 「女装した俺」は美しかったのだ。 そしてその女の子を見たとき、同時に俺の中でいままで感じたことのない感情が芽生えていた。 優越感や高揚感といったような、そんなドクドクとした感情が胸の中で混ざり合っていく感じ……。 その感情が一体何だったのか、その時の俺にはまだわからなかったが……とりあえず一つだけ確信したことがあった。 「この女の子……あいつらより可愛いな……」 魅音。 レナ。 沙都子。 梨花。 俺が愛する部活メンバーよりも断然可愛い。 美しかったのだ。 この時はまだこの少女は覚醒しきっていない。 冷静に考えればそんなことは有り得ないのだが、その時の俺にはなぜかそう思える確固たる自信があったのだ……。 それ以来、「私」はそのゴスロリ服を頻繁に着るようになった。 父に部活の罰ゲームで使えそうだからと譲ってもらい、ほぼ毎日自分の部屋で身に着けるようになった。 鏡で自分の女装した姿を見ると、私はますますこの少女に見惚れていった。 そしてその魅力をもっともっと引き出したくなっていった。 何も姿形だけでなく、立ち振る舞いや雰囲気も完璧な女の子になりたいと思うようになったのだ。 まずお化粧の仕方。 これは母のしているところを見て学んだり、興宮でそっち系の女性雑誌をたくさん買いあさった。 女性特有の歩き方、仕草も雑誌や母を観察して身につけるようにした。 思ったよりも簡単だった。 手伝いたいからという理由でお料理も教わるようになったし、洗濯や掃除も率先して自分でこなすようになった。 突然の息子の「親孝行」に母はとても喜んでいるようだったが、はっきりいってそれは的外れと言う他ない。 私は女の子になるため。 より完璧なそれになるためにそうしていただけだ。 ある意味母を騙していたとも言えるかもしれない。 だが特に罪悪感などは感じなかった。 母だって娘が欲しいとは言っていたし、そもそも私はこんなにも可愛い「女の子」なのだから、それをより完璧にすることの何がいけないというのか。 こんな山奥の田舎に、こんなにも素晴らしい「美少女」がいる。 それを世間に知らしめないなんてことは、この雛見沢にとって何よりの損失だろう。 もったいない! そう思うようになっていた。 そうして日々女の子の格好をし、女の子の仕草を勉強していく私……。 もうすっかり心まで女に染まっていた。 もはや女装しているという考え方自体がなくなっていったし、むしろ普段はあの前原圭一という姿に「男装」しているのだと言えるまでの考えに至っていたのである。 「だけど……だけど、まだ足りない……まだ……」 学校へと続く並木道を歩きながら、私はそう呟く。 こうして身も心も女になると、女の子の気持ちがより一層身近に感じられるようになったのだ。 ずっと一緒に過ごしてきたあの子達のこと。 あの四人のことが気になるようになったのである。 ……悪い意味で。 園崎魅音。 竜宮レナ。 北条沙都子。 古手梨花。 今ならあの部活メンバー四人がどれほど素敵な女の子であったのかがよくわかる。 それぞれが女の子としてとても魅力的な部分を持っていて、それでいてそれに驕るような仕草を微塵もみせない。 だがそれが私には鼻についた。 憎たらしかったのだ。 学校にしろ自宅にしろ、一緒に過ごしている時は常に嫌味を言われているような気分だった。 特に努力もせずにあの可愛さを保っているあの子達に嫉妬していったのだ。 男であったときは性的な欲望を感じることすらあったというのに、今の私はむしろ彼女達を疎ましいとすら思うようになっていた……。 「魅音……レナ……沙都子……梨花ぁっ!!!」 四人の顔を思い浮かべ、ギュっと唇を噛み締める。 あの子達さえいなければ、この雛見沢でもっとも美しいのは私なのだ。 村で権力のある家系だかなんだか知らないが、こんなにも美しい私なら村中の人間の心を掌握することなど容易いはず。 たとえ人の嘘がわかる女だろうがなんだろうが、この私の本当の姿までは見破れるはずもない。 トラップ? 罠だとぉ? そんなチンケなもので、このクールな頭を持った私を止められるものか。 たかが高貴な家系に生まれ出でたというだけで、村人にチヤホヤされまくっているあの女もそう……。 オヤシロ様の巫女? 生まれ変わりだぁ? 馬鹿を言うな……オヤシロ様はこの私だっ!!! あんな女が神などであってたまるものかっ!!! あー憎い憎い憎いあの女達が憎いっ!! 存在すら消し去ってやりたいっ!!! あいつらさえいなければあいつらさえいなければ……。 アノコタチサエイナケレバ……ワタシガイチバンカワイイノニ……。 「………………!?」 その時、私の心臓がドクンっと大きく高鳴った。 歩いてきた道がちょうど長い田んぼ道にさしかかったところ。 その遥か遠くに見えてきた人影に、私の胸の中をドクドクとした熱いものが駆け抜けていったのだ。 「まさか……あれは……?」 見覚えのある四つの人影。 色彩にすると、緑、茶、金、青、といったところか。 私にとってもっとも忌むべき、あの部活メンバーのカラーを示すものがあぜ道の遠くに見えてきたのだ。 先頭にまず、魅音とレナ。 そしてそれに少し遅れて、沙都子、梨花と……。 ご丁寧にも四人揃い、私のいるこちらの道に歩いてきていたのである。 腕に付けていた時計をチラっと確認すると、たしかにいつもの下校時刻になっている。しかしだからといって、あの四人が揃って下校というのは少々おかしい。 魅音とレナがこちらの道に来るのはわかるが、沙都子と梨花は家への方向がまるで反対方向のはずなのである。 つまり本来なら、あの四人が揃って下校しているなどとは有り得ない光景。 有り得ない状況……。 そうなると考えられる答えは一つ……それしかなかった。 「私の家に向かっているのか……?」 私が今日学校を休んだことは当然知っているはず。 風邪で、というのも知恵から聞いているだろう。 そうなると、四人でお見舞いに行ってあげよう! となるのはごく自然に考えられる流れだった。 思ったとおり、先頭を歩いている魅音の手にはどこかの青果店で買ったと思われる見舞い用のフルーツ籠がブランブランと揺れている。 まさしく私の考えはドンぴしゃりで当たっていたわけだが……。 「……ちっ。 どうする……?」 だんだんとこちらに近づいてきている彼女達を見ながら、私はおもわず舌打ちしていた。 周りを田んぼや森に囲まれている一本道。 他には道がない。 つまり逃げ道がないのだ。 もちろんその田んぼや森をむりやり突き進んでいくはできなくもないが、そんなことをしたらこのお気に入りのドレスが醜く汚れてしまう。 それだけは私にとって耐え難い苦痛。 このままだとどうしてもあの子達とすれちがうことになってしまう。 あまり面識のない村人達ならともかく、毎日一緒に過ごしている部活メンバーなら私の「正体」に気づく恐れがあるのだ。 仮にバレなかったとする。 それでも彼女達は生まれてからずっと過ごしている雛見沢に、まさかこんな見知らぬ女の子がいるなんて…と少なからずの興味を抱くだろう。 魅音あたりは鷹野さん以上につっこんで話かけてくるかもしれないし、レナなどはいきなり「はぅ~お持ち帰り~♪」などと抱きついてくる危険性もある。 そうなったら私にとって……非常にまずい状況になる。 声など出せば途端にバレてしまうだろうし、抱きつかれでもしたら感触でわかってしまうかもしれない。 私にとってその二つは最大の弱点。 唯一無二の弁慶の泣き所なのだ。 もちろんいずれは完全に女となってその欠点すら克服するつもりだが、やはり今はまずい。 蝶のサナギはその身が美しく変わるまで殻をまとい、美しく羽ばたける瞬間を日陰でじっと耐えるのだ。 だからこそ、今はまだあの子達の目に触れるべきではない。 逃げるしか、ない……。 そう決心した私はクルっとその身をひるがえし、元来た道を戻ることにした。 だが、その時……。 (ニゲルヒツヨウナンテ……ナイ) もう一人の自分がそう語りかけてきた。 この格好をするようになってから、私の中にずっと潜んでいる「そいつ」。 それは逃げの行動にでようとした私の身体をせき止めた。 そして頭の中で繰り返し繰り返し、そのまま進め、突き進め、と命令してくる。 この美しい姿を見せてやれ。 あの女達に見せつけてやれ、と……。 「そうだ……そうだ、そうだ、そうだ……」 自らに自信をつけさせるようにそうつぶやき、私はグっと顔をあげた。 もう何も怖くなかった。 さっきまでの恐れの感情などまったくなくなっていた。 いまだ道の遠くに見える憎っくき女達。 そこに向かって私はゆっくりと歩みを進めていったのだ。 ゴスロリ服と合うよう、自前で買った厚底のブーツで道に転がっている小石をジャリジャリと踏みしめていく。 その小気味良い音が私の行動を正しいと言ってくれているような気がした。 「私は可愛い……私は美しい……あの子達よりも……!」 そうだ。 たとえまだ完璧ではなかろうと、すでに私はこんなにも美しいと確信したではないか。 私には叶わないとはいえ、あれだけの美貌を持つ。 用心深い鷹野ですら容易に騙せたのだ。 たとえ最強の部活メンバーですら、この私の美貌の前にただただ呆然とするにちがいない。 魅音は自らの心の底にある「女」を刺激され、それでもなお自分よりも美しい私にため息を漏らすだろう。 自分は女であるのにあまりそれらしく振舞えない。 なのに、生物学的には男である私に嫉妬の念すら抱くのだ。 そして人の嘘を見抜くレナは、私の正体になんらかの疑問は抱くかもしれない。 だが所詮そこまでだ。 どうせおまえは、はぅ~あの子かぁいいよぅ♪で終わりだろう? 「くっくっく……♪」 徐々に近づいてくる先頭の二人を見ながら、私はどうしても抑えきれない愉悦に笑みをこらえた。 本当ならこのまま走って行ってあの前でポーズでもしてやりたいところだが、さすがにそれはやりすぎだろう。 あくまで自然に、優雅に、だ。 いままでに会得した女らしい仕草や雰囲気をたっぷりと放ちながら、奴らに私の美貌を見せ付けてやるのだ。 ……そう。 これはいわばいつも私達がやっている「部活」となんら変わりない。 私とお前達がすれ違い、そして四人の中の誰か一人でも私の正体に気づくか。 私の中身が前原圭一だと気付けるかどうかのゲームなのだ。 「もっとも、無理だろうけどね? ふふふふ♪」 そう、無理だ。 なぜかというと、このゲームはあきらかに私に分があるからだ。 常識的に考えて、道でたまたますれ違っただけの女の子が実は知り合いの男の子だった。 などと考えるものはそうそういないだろう。 おまけに私の化粧はほぼ完璧に仕上がっている。 母のそれで習い、伊達に父がそういった仕事に従事しているわけではないほどの「才能」があったのだ。 しかも今の私の服装は、こんな田舎では見ることもできないであろうゴシック&ロリータ。 大抵の人間はこのめずらしい服の方に目がいってしまい、この美少女が男であるという「ありえない想像」まで気が回らないだろう。 目立つ方に目がいってしまうのだ。 「勝てる……私は勝てる、あの女達にっ!」 そうして自らの勝利がより確信に変わっていくと、はっきりと視認できる距離にまで近づいてきた彼女達が小さな存在に見えた。 まずは先頭を歩いている、あの二人だ……。 さあ……魅音、レナ! 見 抜 い て み る が い い。 この私が、普段お前達が淡い恋心を抱いているあの男だと看破してみるがいい! できるものならねぇ? くっくっくっく……♪ 「はぅ~♪ 圭一くん、そんなこと言ったの?」 「そうなんだよ~、まったく圭ちゃんったらほんとにデリカシーがないんだから……さ……?」 隣のレナとちょうど私の話をしていたらしいところに、まず魅音がこちらに気がついた。 まだすれ違うほどは近づいていないのだが、この派手な服装なら嫌でも目につくのだろう。 やはりまず魅音は、私の着ているこのめずらしい服に目がいったようだ。 「へ? なんだろあの服、見たことないなぁ……って……」 その瞬間、さっきまでおじさんモードでだらしなく笑っていた魅音の表情が……真っ赤に染まっていった。 まるで「お人形」を貰った時のような、ポーっと見惚れるような目。 それで私のことを見つめてきたのである。 「うわ……すごく……か、かわいい……♪」 そうしてまるでレナのような言葉をつぶやきながら、魅音は完全に私の姿に目を奪われた。 まあ、当然だろうか。 魅音は一見女らしくないように振舞ってはいるが、その中にとてつもない乙女心を秘めていることを私は知っている。 というより、気が付いたといったほうが正しいか。 女になって初めて女のきもちがよくわかったということだ。 目の前にまるでおとぎ話に出てくるような美少女。 それも人形のような可愛いドレスを身に着けて現れたとあっては、彼女が目を奪われるのも至極当然というものだ……。 「………………」 「……? はぅ、魅ぃちゃんどうしたの? 急に黙っちゃって……」 隣で顔を真っ赤にしている魅音を見て、レナも同様に私の方に視線を向けてくる。 すると彼女もまた、マッチに一瞬で火が点くようにボっと顔を赤くさせた。 「う、うあぁぁぁあああぁぁぁっ!? な、なにあれなにあれ! なにあれぇぇぇぇっ!!!」 すかさずいつものかぁいいモードに切り替わるレナ。 両手をスっと胸の前にかかげるあのファイティングポーズをとる。 それに一瞬身の危険を感じたが、ここで怯むわけにはいかない。 私は澄ました表情のまま、しゃなりしゃなりと二人に近づいていった……。 「み、みみみ、魅ぃちゃん! あ、あああの子すっごくかぁいいよぉ~♪ お持ち帰りしていい? ねぇいい?」 「………………」 興奮するレナの問いに魅音は答えない。 答えられない。 きっと私の可愛さに声も出ないのだろう。 すっかり見惚れていた。 それをいいことにレナは驚くような速度で走り出す。 私にものすごい勢いで近づいてくるのだ。 「い、いいんだねー? お返事ないからこの子レナがもらっちゃうよーっ!? はぅ~お持ち帰りぃぃ~♪」 「……へ? あ、あああ!? ダ、ダメだってレナぁぁぁ!!!」 あっちの世界にいっていた魅音が、ようやく暴走しようとするレナを止めに入ろうと走ってくる。 もはや私の眼前にまでグイーっと迫っている魔の手。 それが寸でのところで魅音にガシっと掴まれる。 「はぅっ!? なんで邪魔するの魅ぃちゃん、離してぇ離してよぉ~!?」 「ば、馬鹿! 知らない子を持ち帰っちゃいけないって、いつもあれほど言ってるでしょうが!」 「そんなの関係ないよぉ!このかぁいい子レナがお持ち帰りすーるーのーはぅぅぅぅ~!!!」 「ちょっ、や、やめなってレナぁっ! ……あ、ご、ごめんね? この子ちょっとアレでさ、あ、あはははは♪」 手をバタバタとさせながら暴れまわるレナを抑えながら、魅音が気まずいといった表情で私に笑いかけてきた。 きっと何も喋らない私が、このかぁいい星人に怯えているとでも思ったのだろう。 私がその道を通れるよう、魅音はレナの体をむりやり脇へ脇へと押しやってくれた。 「…………ふふ♪」 それを愉快に思いながら、私はありがとうっといった意味を返すように……ニコっと満面の笑顔を返してやった。 「!?……あ……」 「!?……は、はぅ~♪」 瞬間、またもや魅音とレナの顔からボっと火が噴き出した。 何度も何度も鏡の前で練習した、この美貌で男を殺すための笑みだ。 女に使うのは計算していなかったが、この反応を見れば分かる。 効果テキメンらしい。 このタイミングでこれを使えば、この二人とてたまらないらしかった。 最早何も怖がることはない。 私は優雅にスっと長い髪をかきあげながら、二人の脇をゆっくりと通り抜けてやるのだった……。 「……はぅ~。 み、魅ぃちゃん、あんなかぁいい子雛見沢にいたっけ?」 「いや、わ、わかんないけど……」 目の前を毎日会っている男が通り抜けていったというのに、魅音とレナはまるで「見知らぬ美少女」がすれ違ったかのように呆けていた。 私は思わずその場で笑い出したくなる衝動を必死に抑えながら、背後のメス二匹に堪らない優越感を感じていく。 そう……私 の 勝 ち だ。 思ったよりも簡単だった。 そして容易かった。 いや、やはり私の美貌が素晴らしすぎるということか……? 魅音は最初に私と目が合った瞬間に「堕ちた」と確信できたし、レナにいたっては説明すら不要だろう。 最強のかぁいいモードなどと言われているが、逆にそれにしか目がいかなくなるのがアレの最大の弱点。 私の正体を見破るどころか、ただの色欲に堕ちたメス犬に成り下がっていたのは明白だ。 「くっくっく、馬鹿な子達……♪」 まずは半分。 そして次はあの二人。 レナが暴走して走ってきたせいで少し離れた位置になった。 遠くに見える、あの小娘二匹との勝負だ。 ちょうど私の胸ほどの位置で揺れている金髪と青髪……沙都子と梨花だ。 道の向こうで何やらキャピキャピと盛り上がっているが、どうせくだらないおしゃべりでもしているにちがいない。 沙都子。 お前の愛するに~に~が目の前にいるというのに呑気なものだな。 そして梨花。 おまえもそんなに油断していていいのか? オヤシロ様の生まれ変わりと噂されるお前には、どうも何か不思議な神通力があるなどともてはやされているようだが……。この私の美しさにまでそれが通用するかな? お前達より遥かに人生経験を重ねている魅音とレナはすでに陥落した。 お前達がせいぜい有利といえる点は、まだ世俗の毒に汚されていないその純真な心くらいだろう。 経験や知識で判断できないならば、動物的なカンともいえる「感覚」で私を見抜くしかないのだ……。 「あんな乳臭い小娘共に、私が負けるはずがないっ!」 もはや揺るぎない自信に、私は不敵な笑みを浮かべていった。 そしていまだ黄色い声をあげて会話をしている沙都子と梨花に、自らの存在を見せ付けてやるように躍進していくのだ。 「み~。 沙都子はほんとに圭一大好きさんなのですね~♪」 「な……だ、だからちがうと言っているでしょう! いいかげんにしないとわたくしも怒りますわよー!」 「くすくす♪ 沙都子は照れ屋さんなのです。 かぁいいかぁいいなのですよー♪」 「り、梨花ぁぁぁ~!!!」 二人の小さな体がはっきりと視認できるようになってくると、私のことを話しているらしい会話が聞こえてくる。 どうやら沙都子が何やら意味ありげなことでも言ったらしく、それに梨花が冷やかすようにしながらその頭をナデナデと撫でてやっていた。 もしかしたらこの私に対するお見舞いも、元は沙都子が言い出したことなのかもしれない。 部活メンバーではツンデレに属するタイプのこの子ならば、 「布団でウンウン唸っている圭一さんを、みんなでからかいに行きましょうですわー!」 などとはいかにも言いそうである。 そんなすでに顔を真っ赤にしている沙都子を見ながら、私は少し考えていた。 まずいかもしれない、と。 もはや私とあの二人の距離は4~5メートルといったところまで近づいている。 本当ならもうこちらを見ていてもおかしくない距離だ。 だがあの小娘共は……気づいていないのだ。 魅音とレナは今の距離ですでに私に近寄って来ていたが、沙都子と梨花はおしゃべりに夢中のようでこちらに顔すら向けていない。 このままだと、ただ私が二人の横を通り抜けるだけ。 それではこの勝負は成立しない。 あくまでもこの美しい姿を見せつけ、それによって彼女らが前原圭一だと気づかないという「結果」がなければならない。 まったく世話のかかる子達だ……あいかわらず。 しかなたく私は歩いている方向を微調整し、沙都子と梨花のちょうど真ん中を通るように歩んでいった。 二人はまだこちらに気がついていない。 つまりこのままだと間違いなく彼女達の体と正面から「ぶつかる」ことになる。 そしてそれでいい。 それ「が」いいのだ。 むしろそれこそ本気の勝負といえるのかもしれない。 私の正体を見抜けるかどうかの勝負なら、お互いに体を触れ合わせるくらいがフェアな戦いというもの。 さっきの魅音とレナのは少し卑怯だったかもしれない。 なによりもこの幼いメス二匹には、私が誰よりも女らしいということを感触で知らしめてやりたい。 将来この子達は絶対にいい女になる。 それはもう私の類われなる女のカンが告げている。 だからこそ知らしめてやりたい。 ここにそれ以上の存在がいることを。 私はただまっすぐ。 微塵も怯まずに沙都子と梨花の体へと向かっていった……。 「ま、まったく梨花は。 ぶつぶつぶつぶつ……」 「あ……さ、沙都子、あぶないのです!」 「……え? きゃっ!?」 ドンっとした音をさせ、よそ見をしていた沙都子の頭が私にぶつかる。 一足先に気づいた梨花が声をかけたようだが、私はそもそもそれが目的で近づいたのだ。 ちょうど沙都子が前を向いたところに、その可愛らしい顔がムギュっと胸に押し付けられてきた。 その時、綺麗な金髪から流れてくるシャンプーの香りがほんのりと鼻腔をくすぐった。 それが少し憎たらしかった。 「あ、も、申し訳ありませんわ! よそ見をしてて……あああ、ご、ごめんなさい!」 沙都子はすぐに頭を下げる。 ペコリペコリと何度もお辞儀をしていった。 小さな頭がピョコンピョコンと上下する仕草が可愛らしい。 と、同時にまたもや憎らしかった。 年齢が幼いということはそれだけでこんなにも「萌え」を演出できるものなのか。 憎たらしい……。 私はおもわずその頭を掴んでやりたい衝動を抑えながら、ゆっくりと彼女の頭に手を置いていった。 「ふぇ……あ、あの?」 突然頭に置かれてきた手の感触に、沙都子がポーっと顔を赤くする。 悟史に触られた時のことでも思い出したのだろうか。 それを見ながら私は、ぶつかったことを気にしてないよ、という返事を返す意味でその頭を撫でてやった。 別におかしなことでもないだろう。 たとえ見知らぬ人間でも、こんなにも幼い少女を見れば可愛がってやりたくなる。 私は可愛いらしいおもちゃでも愛でるように、沙都子の頭をナデナデと撫でてやるのだった。 「あ、あう……え、えと、えっと……」 沙都子はらしくない声をあげ、私の行動にモジモジと体を揺らせる。 指にまったく絡まない、サラサラとした髪の感触が伝わってくる。 とてもスベスベしたそれに、おもわず一体どこのシャンプー使ってるの? と聞きたくなった。 「う……あ、あの本当に申し訳ありませんでしたわ! それじゃあ!」 あまりに私が頭を撫でるため照れくさくなったのか、沙都子は私の手から逃れるようにもう一度深くお辞儀した。 そして顔をゆでだこのように真っ赤にしながら、あたふたと私の隣を走り抜けていく。 その彼女とすれ違う瞬間、私の中にまたもやとめどない優越感がドクドクと溢れていった……。 …………あ ま り に 容 易 す ぎ る。 自分の頭を撫でた相手があのに~に~だと疑問にすら思わず、トラップの天才といわれている少女が逆に私の「罠」にはまった瞬間だった。 普段あれだけ高飛車ぶっている小娘がこの美貌にひれ伏し、恐れすら抱いたのを私はこの目でしかと確認した。 おまけにすれ違う瞬間、素敵なレディーになるなどと言っていたあの口で……「綺麗な人」と呟いたのをこの耳でたしかに聞いた。 それはつまり、北条沙都子の陥落を意味するものだった……。 「ふふふふふ……♪」 これで残す部活メンバーはあと一人。 メンバーの中でマスコット的な存在とも言われている、古手梨花のみだ。 だが今の私にもはや敵などいない。 誰が来ようがやはりこの美貌に叶うものなどいないのだ。 一見男勝りとみせて、溢れる乙女モードをその内に秘めている園崎魅音。 正統派なお嫁さんタイプであり、更にサドッ気までをも併せ持っている竜宮礼奈。 に~に~大好きっ娘、ツンデレ幼女の北条沙都子。 雛見沢を代表するといっても過言ではない三人の美少女。 それが揃ってあっさりと陥落していった。 私の存在をすぐ目の前で確認したにもかかわらず、それでいてその美しさにため息まで漏らしていた。 誰一人私を前原圭一と気づかず、それどころかその中身が男と想像すらしなかったのだ。 たとえ最後の相手がこの古手梨花。 「オヤシロ様」の生まれ変わりだろうと言われている小娘ですら同じこ……と……。 「………………っ!?」 その瞬間、私は全身が身の毛がよだつような感覚に包まれた。 沙都子を余裕で見送り、さあいよいよ梨花だ……と顔を前に向けた、その時。 なんと梨花は、私の顔のすぐ目の前にまで顔を近づけていたのである。 それも唇が触れ合ってしまいそうなほどの超至近距離。 もうキス寸前の距離。 グ~ンとつま先立ちをして、生意気にも私の顔と同じ位置にまで顔をグググっと伸ばしていたのだ。 「……み~。 み~み~、みぃ~?」 お得意の鳴き声を出しながら、梨花はそのまま私の顔をまじまじと見つめてくる。 まん丸とした愛くるしい瞳で、この完璧な姿に何か疑問でも抱くような……そんな視線を向けてくるのだ。 「う~んう~ん。 みぃ……みぃみぃ、み~?」 そうしてジーっと向けられてくる無垢な瞳に、私はおもわず目を反らしたくなるような衝動に駆られる。 だがそれはまずい。 間違いなく失策だ。 そんなことをすれば、自らに後ろめたいことがあると認めているようなもの。 絶対にダメな一手だ。 落ち着け。 クールに、あくまでクールに考えるんだ。 たしかにこの小娘は何か感づいているかもしれない。 いや、もうそれは間違いないことだろう。 だがだからといって、それが私を前原圭一だと看破したものだとはかぎらないのだ。 ただ興味本位で見つめてきているのかもしれないし、このめずらしい服装と合わせてつい夢中になって見ているだけとも考えられる。 たとえそれは私が彼女にとって知らない人物であっても同じこと。 この古手梨花という少女は、昔から誰にでも好かれるという特殊な環境に身を置いている。 初対面の人間の顔をジロジロと見つめても、それが相手に失礼だなどとは一切考えない。 甘ったれた性格に育っているのだ。 オヤシロ様の生まれ変わりというだけで、何の努力もせずにチヤホヤされて生きてきた小娘。 そんな女にこの私が負けるわけがない! 「…………ふっ♪」 うっすらと笑みを浮かべると、私は動揺しかけていた心をむりやり押さえつけた。 そして目の前の梨花の瞳をまっすぐ見つめ返し、魅音とレナを殺したあの笑顔をもう一度繰り出す。 この村一番の美少女と言われている小娘に、ニコっとしたそれを突きつけたのだ。 「……みぃ? にぱ~☆」 すると梨花も私に合わせるように、天使のような笑顔をにぱ~と返してきた。 そして何が嬉しいのか、その場でピョンピョンと飛び跳ねていくのだ。 「みぃ♪ みぃみぃみぃ~♪」 ……抱っこして、とでも言っているのだろうか。 梨花は私に向かって大きく手を伸ばし、まるで抱きしめてくれといわんばかりに飛び跳ねていくのだ。 ……憎ったらしい。 この女は普段から一挙一動がいちいち可愛らしい。 おもわず抱きしめてやりたくなるようなその仕草、計算でやっているならたいしたものだ……。 もっともそれは私には通じない。 今までそうして何人の人間を虜にしてきたかは知らないが、この私だけにはその笑顔は通じないぞ古手梨花。 そうやってにぱ~とやれば可愛がってくれると思ったか。 ピョンピョン跳ねれば抱きしめてもらえると思ったか? ……甘いな。 昔の私ならいざ知らず、今の私には通用しない。 「おまえよりも」断然可愛いこの私が、なぜ自分より劣る存在などを可愛がらなければならないのか……。 「……みぃ。 みーみーみー!」 梨花は更に飛び跳ねていく。 私に大きく両手を広げてくるのだ。 だが私は無視する。 もっとも笑顔は崩さずに、あくまで可愛い子だな~というふうを気取りながらだ。 私はあくまでお姉さん。 美人のお姉さんであることを崩してはいけないのだ。 そうしてすましたまま、私はスっと梨花の横を通り過ぎる。 ……通り過ぎようとした。 「……………っ!?」 私はおもわず身の毛がよだつ思いがした。 梨花が突然……私の身体に抱きついてきたのだ。 「みぃみぃ。 ダメなのですよ~、にぱー♪」 どうやら私にとても興味を持ってしまったらしい。 にぱ~と笑顔を振りまきながら抱きついてくる梨花。 その笑顔に若干の不安を感じた。 ……まずい。 さすがにここまで密着されるのはまずすぎる。 普段から梨花にはこうして抱きついてこられることが多かった。 もちろん前原圭一であるときの話だが、こうして今も同じことをされると体型などでバレる恐れがあるのだ。 私はすぐに振りほどこうと思った。 最早なりふりなどかまっていられない、梨花の身体を半ば乱暴にでも引き剥がそうと思った。 「みぃ~! ダメなのですダメなのです。 逃がさないのですよ~♪」 ……だが、離れない。 離れてくれないのだ。 梨花は大きく広げた両手を背中にまで回してきて、まるでヘビが巻きついてくるように私の身体を抱きしめてくるのだ。 しかもこの小娘、今なんて言った。 逃がさない……だと? それは一体どういう意味なのか。 獲物を、と前に付ければちょうどしっくりくるが……。 私の中である仮説が浮かび上がる。 だがそんなことは有り得ない。 ありえないありえない。 魅音も気づかなかった。 レナももちろん、沙都子にも気づかれなかった。 この女がいかに特殊であろうとも、私のこの美貌を見破れるはずがないのだ。 こんな小娘になど……。 私はキっと睨みつけてやった。 もちろん抱きついている梨花をだ。 まるで親の敵とばかりに見てやった。 ……だが、今考えるとそれがいけなかったのかもしれない。 悪手だった。 悪意を向ける、という一手。 梨花にとっては自分にそんなことをする人間はそうはいないのだから、それはつまり……。 「……ふふふ。 くすくすくす……♪」 梨花が笑った。 まるで鷹野のような大人の女性の雰囲気で口を歪ませたのだ。 いや、これは梨花か? 少なくとも私の知っている「梨花ちゃん」ではなかったかもしれない。 それはある種私に似ていた。 前原圭一でありながらそうでない「私」。 同じ人物でありながらちがう面を併せ持った人間のそれに思えた。 そして梨花は口をゆっくりと開いていった。 あいかわらず私の身体をギュッと抱きしめながら、その恐ろしい言葉。 私が今この場でもっとも聞きたくない「単語」を口にしていったのだ……。 「捕まえたのですよ。 圭 一 ♪」 笑顔。 梨花はあいかわらずあのにぱ~とした表情だった。 まさに天使のそれといった比喩すらできる可愛らしい笑顔だ。 だがその時の私にとって、それは悪魔の微笑みとしか表現出来ないものに思えるのだった……。 続く - -
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魅音が居なくなってからというもの、 俺たちの周りでは不可解なことばかり起きていた。 梨花ちゃんと沙都子が失踪したのだ。 恐怖におののく俺に、レナが優しく言った。 必ず私が犯人を見つけてみせる、と。 きっと、これは俺への罰だった。 俺が魅音を裏切ったから……だからって、こんなことが許されるのか? あいつは……人を消して喜んだりするやつだったのか? 「圭一くん、ごめんね」 「……謝らないでくれ、俺が……惨めだ。卑怯ものなんだよ……うそつきで、卑怯者で……最低なやつだよ」 「そうだね、圭一くんは最低だね。人の気持ちも考えないで、傷つくこと平気で言うし、今もそうやっていじけてる」 俺は、何にも言い返せなかった。 「……圭一くん、だから、がんばろ?」 レナにはたかれた頬が、痛かった。そんなに力いっぱい殴られたわけでもないのに、 レナのそれは、効いた。 「……ありがとう、レナ。俺も決心した。行こうか、魅音のところ」 「うん、大石さんにはもう連絡してるから……後は、圭一くん次第だよ」 俺が行かなくちゃ、どうにもならない。俺が魅音に謝って……その後、どうなんだろう? 魅音は認めてくれるだろうか? 自分の犯した罪を。俺だけに制裁を加えるならわかる。 でも、俺以外の皆に……理不尽すぎる。 「圭一くん、魅ぃちゃんのこと、好きだった?」 「……うん」 言うか言うまいか、迷った。俺はたぶん、好きだった。仲間だとか、そういうことじゃなくて、それよりもっと親密な…… 勉強漬けだった俺に、遊びを教えてくれた人。本当に楽しむということを教えてくれた人。 本気で物事に当たることを……教えてくれた人。 それと多分……異性を好きになるということを、教えてくれた人。 「余計にがんばらなくちゃね、ふぁいと、おーだよ? だよ?」 レナは強いやつだ。こんな状況でも、俺を元気付けてくれる。 「本当、ありがとう」 俺は、レナの頭をくしゃくしゃとやった。 「はぅ……」 レナは赤面する。さっきまでの怖かったレナとは別人みたいで…… でも、今の俺にはどっちもがレナなんだって分かる。 そして魅音も……残虐な鬼の魅音と、俺が……好きだった魅音…… 俺の、勝手な思い込みだったのかもしれない。 魅音は魅音で、あの残虐行為を好んでやったんじゃないだろう。 その一線だけは、どうしても譲れない。 「魅ぃちゃんの……家だよ」 馬鹿でかい門だった。噂には聞いていたが、実際に見ると圧倒される。 木造瓦屋根の、古めかしい門だ。 俺とレナは、インターフォンを押す。返事は無かった。 「勝手に……はいろ」 「緊急事態です、仕方が無いでしょう。 少々面倒なことですが……ま、上手くやりますよ」 大石さんは、笑顔で背中を押してくれる。 この人たちにとって、魅音が逮捕できれば、家宅侵入なんて些細なことなんだろう。 俺とレナは、鍵が掛かっていないことを確認して、門を開いた。 門は、ぎぃぃときしみながら巨体を滑らせていった。 門から実際に住んでいるであろう家屋まで、大分あった。 広い庭だ。 「たぶん、魅ぃちゃんは中に居ないね。私たちが来るだろうから、気付いたのかもね。 ちょっと危ないけど、二人で手分けして探そうか? 三十分ごとにここに戻ること。はい、腕時計と防犯ブザー」 大石さんが念のためと用意したものだだ。 腕時計は、中で色々なことが起きたときに、一度目を落として欲しいと言っていた。 「おう、レナも気をつけろよ」 大石さんとその部下たちは、集音機の調整をしていた。 これが、万一の時に俺たちの命を救ってくれるかもしれないものなのだ。 俺は門から左回り、レナは右回りに捜索を始めた。 庭の半分ずつだから途中でかち合うことは無い。かち合ったのなら、 俺が道に迷った証拠だ。それぐらい魅音の家の庭は広い。 しばらく歩いていると、鬱蒼と木が茂る、林のようなところへと出た。 俺の体は、そこで止まる。あの長い髪は……魅音? 魅音は、白装束姿でうつむいて林をさまよい歩いていた。 まるで、牛の刻参りでもするかのような格好だ。 声をかけるかどうか、迷った。でも、かける。 「おい、魅音か?」 「けっ、圭ちゃん!」 魅音が一瞬、明るくなったように見えた。 それぐらい、魅音の表情は憂鬱が多くを占めていた。 「魅音……」 俺は、魅音の名前を呼びながら、ゆっくりと歩いていく。 魅音は、何かにおびえるように後ずさり、すぐに背後の木に当たってへたり込んだ。 「魅音?」 「来ない……で……いや、来て」 魅音が、耳の辺りを触って言葉を訂正した。 俺は、無言で魅音に近づく。 「梨花ちゃんや……沙都子を探しに来たんでしょ?」 「……ああ、魅音……お前、なんだろ?」 「……そうだよ」 「謝る、魅音……俺は、お前のことを喋っちまった…… でもよ、なんで……俺に最初に手をつけなかったんだ?」 魅音が、また耳の辺りを撫でた。髪、だろうか。髪をかくようなしぐさだった。 「そのほうが……圭ちゃんが怖がると思って……」 「何だって!」 「ひっ!」 魅音は、さらにずるずると地面に倒れこんでいく。 「ご、ごめん……」 「っく……ひっく……ごめん、ごめんなさい、罰ゲームだよね? これ……圭ちゃんが、私の罰ゲーム、半分持っててくれたから…… こんなことになっちゃったんだよね?」 魅音の言っていることが、よくわからなかった。泣いた魅音を前に、 俺はどうしようも無い気持ちになっていた。 「あははは、ころ、殺しちゃった、あははは、梨花ちゃんは逃げちゃったけど、 沙都子はこの手で確実に殺したよ、あははは」 魅音は、錯乱しているのだろうか? 俺を見ていない気がした。 「魅音ッ! いい加減にしろよ! ちゃんと話せよッ!」 俺は、かまわず魅音の胸倉を掴んだ。そうすることで、正気を取り戻すことを願って。 「ばーかばーか、遅かったね、圭ちゃん、沙都子を助けられなかったね」 「魅音んんんんッ!」 力強く引きすぎて、白装束がはだけだ。魅音の体が露になる。 「け、圭ちゃっ」 「お前、お前のせいで! 何で、何であんな程度で殺すんだよッ! 人の命を何だと思ってんだ、おぃッ! 聞いてんのか?」 「人の命なんて……大したもんじゃないよ」 俺は、完全にキレていた。魅音に平手をお見舞いしてやる。 「ひゃうっ!」 「拳で無かっただけ……感謝しろ……魅音、警察に行くぞ?」 俺は、魅音を殴ってようやく冷静さを取り戻した。 「誰が行くもんですか。圭ちゃんも殺してやるよ」 そうは言っても、魅音が襲いかかってくる様子も無い。 「……魅音、俺を舐めてんのか?」 殺人を犯さなくても、殺人と同じぐらいの苦しみを与える方法を、 俺は一つだけ知っていた。俺は、制裁を与えなくてはならない。 沙都子の無念を晴らすためにも。それと……詩音の無念も…… 「け、圭ちゃ、な、何すんの?」 俺は、魅音の胸を乱暴にわしづかみにした。 無言で、俺は自分のズボンのファスナーを開ける。 「へ、へぇ、犯すんだ。私が殺人犯だから、圭ちゃん私を犯すんだ?」 神経を逆なでする魅音の声も、今はもう聞こえない。 「……やってみなよ、その代わり圭ちゃんも警察に捕まっ」 俺は、魅音を黙らせるために、無理やり挿入した。 魅音の膣は、めちゃくちゃきつかった。 それもそうだ。ロクに愛撫もしていない。 本に書いていた知識だが、俺でもそれは相当の苦痛を与えるものだと知っていた。 魅音は、ただ口をパクパクさせていた。 「ひっうぅっ、ひたひぃぃぃぃ」 魅音は泣き出した。俺もさすがに痛いから、 ちょっとだけ自分でしごいた。魅音の性器も、軽く撫でる。 今さらそんなことをしたところで、魅音の痛みが無くなるはずも無かった。 拷問は続く。 さっきよりは若干きつくは無いが、それでも隙間が無いんじゃないかというぐらいの狭さで、 俺も気持ちいいというよりは、痛い。 でも、魅音の痛みは俺の比ではないはずだ。 数センチも入っていなかったペニスを、半分……五センチぐらい突っ込んだ。 「ぬ、ぬひぃてぇぇ、けっ、ちゃん、ご、ごめんなしゃひ、いた、いたい」 「魅音、分かったかよ? 沙都子や詩音の痛みは、こんなもんじゃなかったはずだ!」 俺は、無理やり……全部挿入した。何かを突き破る感触が伝わる。 「あうっ……」 魅音は、気絶した。 俺の中の暴力性は、衰えることが無い。こいつは人を殺すことに、何の躊躇も無い悪魔だ。 近くの泥水をかけてやる。白い衣装が茶色く変色し、魅音の体に砂利が一杯ついた。 「おい、起きろよ」 「……はい」 妙に素直になった。 「なぁ、分かってんのか? 自分の立場がよ。お前は人を殺したんだぜ?」 「はい」 魅音は全く、俺を見ようとしない。駄目だ、こいつは分かっていない。 出血している魅音の膣を、魅音の服で拭いた。まだ白い部分が残っていた装束も、さすがに白を残せないでいた。 「おらッ!」 俺は、それが終わったあと、一気に挿入した。今度は、信じられないぐらいの快感があった。 俺の目の前に、軽く火花が散る。腰が、第二撃目を勝手に行っていた。魅音はもう、何も言わない。 でも、意識を失っている様子は無かった。四往復したところで、俺は魅音の一番奥で射精した。 今まで自分でしたときとは、比べ物にならないぐらいの脈動を感じる。 魅音の中から抜く時も、腰が引けた。 魅音が、四つんばいになった。 「あぁ? 何だ? 犬の真似か?」 抜いた俺のモノは、全く衰えなかった。この魅音の格好が、たまらなくいやらしい。 俺は、魅音の髪を思いっきり後ろに引っ張った。 魅音の顔が空を見るほどに。その瞳に光宿っていない。 やった、敵をとったぞ、沙都子、詩音。 俺はこいつの心を殺した。 俺は歓喜に震え、魅音の尻を両手で思いっきり掴んで、後ろから犯す。 魅音が、なにやらぼそぼそと喋っていた。 「これも……罰ゲームなの? 圭ちゃん?」 「ああ、そうだよ! お前は反則したんだ、だから罰ゲームだッ!」 自分で何を言っているのかわからない。 とにかく、俺は自分の行為を正当化した。 もはや、制裁は済んだのだ。 俺はこのまま、快楽をむさぼるため、この雌を犯す権利がある。 俺の親父が持っていたビデオに、こういうのがあった。 後ろから激しく突いているコレを見て、いつか自分もやってみたいと思っていた。 それを今、自分でやっているのだ。 射精を我慢することも無く、二回目の射精を魅音の中でした。 妊娠しようが関係ない。こいつは悪だ。 「け、ちゃ、いた、い……」 「ごめんなさいって言ってみろ! 沙都子にッ! 詩音にッ! ごめんなさいって言ってみろよぉぉッ! 「ごめ……なさい……詩音、ごめん、なさい、沙都子……ごめん、なさい……」 目の端から落涙する魅音の声を聞いて、俺は三度目の射精をまた、 後ろから突きながらした。快感、怒り、悲しみ、あらゆる感情がない交ぜになって、 俺の体を支配した。もう、自分だって痛い。 それでも、魅音の体はたまらなく気持ちよかった。 昔、興味本位で雑誌に乗っていた、 豚骨ショウガ味のカップラーメンに穴を開けてそこに入れるというのをやったことがあるが、 そんなものとは比べるべくもない。 あの魅音を犯しているという事実もあり、 俺は三度目の射精をしても、まだ魅音の中に入れたままだった。 もう中はぐちゃぐちゃで、一体どうなってしまっているのか想像もできない。 「……から……だから、圭ちゃんを……圭ちゃんを、殺さないで……」 え? 俺は、そう言おうとした。 だが、言葉が出なかった。 炎に触れたような感覚。 針が侵入していくような感覚。 筋肉が震え、脳の機能が遮断される。 俺は、意識を失った。 「圭ちゃん、起きましたか?」 「……魅音?」 魅音、じゃない。魅音は、もっと奥に居た。 「詩音ですよ、覚えてます?」 「うう……」 俺は、体を起こそうとして気付く。 拘束されていた。 木製の台座に、金具と皮のバンドでしっかりと手足が固定されていた。 「面白かったですよ、お姉の格好。 犬と同じ格好しろっていったら、本当にするんですから。 圭ちゃんのためにね?」 詩音が、うなだれ座り込んでいる魅音に言った。 白装束や体はあのときのままで、汚れていた。 「しお……ん、お前……お前が指示してたのか?」 「いや、犯したのは圭ちゃんでしょ? 本当、何しですかわかったもんじゃないですね。 せいぜい、お姉をボコボコにするぐらいかなーと思ってたんですが」 何も、言い返せない。 「とにかくですねぇ、お姉を一番苦しませるなら、 今この場で圭ちゃんを殺しちゃうのが一番なんですよ。 死んでもらいますね?」 「い、い、いやあぁぁぁぁぁ! やめてぇぇっ! け、圭ちゃんを殺さないでぇっ!」 俺、あれだけ酷いことしたのに……魅音…… 俺は、悔いても悔いても足りないほどの後悔をし、 反吐が出るほどの自分の不甲斐なさを……呪った。 「殺せ、詩音。俺にとっちゃ……生きるのが一番つらい」 「そういう人は居ますよ? でもね、釘が指に刺さったら違うんですよ。実際ね」 詩音は、力一杯木槌を俺の人差し指の爪めがけて叩き下ろした。爪が割れる。 「っぐ!」 「どうです? 痛いでしょう? 今から足の指もあわせて、全部やってあげますよ」 「ああ、頼む」 詩音は無言で、俺の右手の指全てに対して、同じことをした。 そのたびに激痛が走ったが、魅音の痛みに比べたら、全然マシだろう。 「なかなか、頑張りますね。次は指折っちゃいましょうか?」 「やめ……てぇえ……詩音、お願い……」 「……そうですね、条件付でやめましょうか……お姉? お姉が好きなゲームですよ。ゲームをしましょう。負けたら罰ゲームです」 詩音はそう言って、さも愉快そうに笑った。 「うん……なんでもする」 「じゃあ、オナニーして五分以内にイってください。知ってますよね? やり方? 私が前お姉の部屋行ったとき、やってましたもんね? 圭ちゃん、圭ちゃんって」 「無……わかり……ました」 「ほら、五分ですよ、お姉! 今から五分です」 「……詩音、やめろ。魅音は……痛いんだ。無理だ」 「そうですよね、知ってますよ? でも、圭ちゃんへの愛が本当なら、お姉も出来ますよねぇ?」 俺は、なりふりかまわず暴れようとする。 が、皮と金具が邪魔をして、そんなことできるはずも無い。 「ちょっと圭ちゃんは黙っていてください、今はお姉の番ですから」 詩音は、こちらも見ずに腕組みをしたまま、魅音の方を向いていた。 魅音は相変わらず、涙を流しながら、痛みに震える体をなんとか動かし、 気持ちのいいはずのない自慰を続けていた。 待ってろよ、魅音、俺の最後の罪の償いをさせてくれ。 俺は、なんとなく気付きつつあった。この手の複合部品を使った道具は、 手入れされてこそ作りが頑丈なのだ。これがたとえば、 木の台にそのまま削りだされた木のわっかに俺の腕がはめられていたのなら、 まずはずせなかっただろう。 俺の右手は……さっきの暴走で自由になっていた。左手の止め具は普通にはずせた。 ごく自然な動きで、両足の止め具もはずす。 ここまでで約二十秒。音を一切立てなかった。上出来だ。 「うぉぉぉぉぉぉ!!!」 「!」 詩音がやっと、こちらの存在に気付く。 もう遅い。 俺は、詩音に組み付いたまま、牢屋の柵に向かって思いっきり突き進んだ。 がしゃんと派手な音が鳴り、牢屋が開く。 「くっ!」 何とか踏ん張って押しとどめようとする詩音だが、 その程度で俺の動きを止められるはずもなかった。 なぜ、今になって詩音が動いたのか分かった。 その先にあるのが……奈落。 異常事態を察した魅音の声が、聞こえた。聞こえた気がした。 最後の最後で、俺の名前を、呼んでくれた気がした。 落下時間は短かったと思う。衝撃というのは一瞬だったし、 苦痛もそれほど長くは続かなかった。 ただ、俺の自分勝手な行動で、詩音には悪いことをしたかなとも思う。 詩音が俺の腕の中でうずくまっていた。 全てを許せる気がした。 全てを受け入れられる気がした。 だから、来いよ。 オヤシロ様か? それとも死神か? 誰かは知らないけど、死ぬべき俺は、死ぬべき時に死ねた。 だから、かかってこいよ。 俺が昔読んだ小説の一説が浮かぶ。 さあこい、モンキー野郎ども。 人間一度は死ぬもんだ。 平成。 バブルの熱狂の時代は過ぎ、急激な景気の冷え込みと共に人と人との間の関係も、 同時に冷たくなっていく時代。 そんな時代を知らない人間が、一人居た。 「園崎さん? 園崎魅音さん?」 初老……いや、もう老人なのだろうか。 白髪交じりの男が、病院のベッドに身を起こした魅音に、話しかけた。 魅音だった。間違いなく、魅音だった。 あれから十年以上の月日が経ったというのに、魅音は魅音のままだった。 「そろそろ、話してくれませんかねぇ? 園崎……詩音さん?」 詩音という言葉に、魅音は体を震わせた。が、それはすぐに収まる。 「圭ちゃん……来てくれたの? この前のりんご、おいしかったよ」 「それはよかった。さぁ、魅音さん。話してくれますか?」 「ちょっと待ってね、さっき皆も来てたんだ。おーい、皆ぁ……」 ぼそぼそと、魅音はつぶやいた。 「魅音……さん」 「へへ、今日はあの、圭ちゃんが貰ったゲームしようね。傾注傾注。ルールを説明するよ……」 「魅音さん」 老人……大石は、カードをディールしようとする魅音の手首を掴んでとめた。 老人といっても、大石の力は相当なものだ。 「あ、あの、圭ちゃんさ、その、今度するときは……やさしくしてって、言ったじゃない…… 「魅音さん!」 今まで大石の顔と魅音の顔をさえぎっていた髪の毛を、大石は横へと分けた。 「刑事さん、やめてあげてください」 看護士が大石を制止する。それでも大石は、かまわず話を続けた。 「事件は、終わって無いんですよ! まだなぁんにも終わって無いんです! 魅音さんの証言が必要なんです! 話してください、魅音さん! 一緒に事件を終わらせましょう!犯人を……野放しにしておくわけにはいかないんですよ!」 「終わってない?」 魅音の顔に、疑問の色など一つもなかった。 「終わって……無かったの?」 かたかたと魅音は震えだし、両肩を掴む。 「終わって、無いんですよ」 大石も興奮していた。 あまりにもいたたまれない魅音の状態を見て、 より一層事件解決への情熱に、燃料が投下されたからだ。 今の大石は、幾分か落ち着きを取り戻したものの、 魅音の手をしっかり握って、話さないでいた。現実逃避をさせないためだ。 「圭ちゃん……罰ゲームが……多いよ……一つだけにしてよ…… 圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん、圭ちゃん……」 魅音は、大石の手を振り解き、突っ伏して泣き出した。 これ以上の話は無理だと思い、見舞いの果物を置いた。 「また、来ます」 「お願いです……患者だって、人間なんですよ……」 「わたしゃあね、この子を救えたんです。 でも、救えなかったんですよ。この子だけじゃない。 村のみんなの命を救えたんです。私がつまらない誤解をしていなかったら…… すみません……また、日を置いて来ますよ」 看護士はただ、黙って大石の去り行く背中を見ていた。 一層大声で泣く魅音に、やっとのことで意識を取り戻し、魅音を落ち着かせるようにした。 魅音を落ち着かせるには、それほど苦労しなかった。ゲームの相手をしてやればよかったからだ。 「ご、ごめんね、レナ。なんでもないよ。続きをしよう……」 後日、大石と魅音が再び会うことはなかった。 お日様を見たいという魅音の訴えに、看護士が答えたからだ。 一瞬だった。止める暇なんて無かった。 ずっと寝たきりの人間とは思えないスピードで、地球の重力に吸われた魅音は……そのまま…… その日のうちに、魅音の遺書らしきものが見つかった。 みんなの居るところへ行きますとだけ書いていたそれは、 大石の魅音への見舞いの中に入っていた紙の裏側に記されていた。 しかし、それを見た大石は、瞬時に気付いた。刑事の勘だろうか? 遺書を書くような人間が、これだけ残して死ぬわけが無いと思ったのだ。 今から死のうという人間というのは、実は未練が一杯ある人間なのだ。 全てを失った魅音の未練は、たった一つ。 大石は、十分もしないうちに、それを見つけた。 一冊の日記帳のようなもの。 魅音の見たこと、聞いたこと、したこと、されたことが、そこに克明にかかれてあった。 中には見るのもおぞましいものがあったが、 やっぱり、魅音も事件を解決したいと思っていたのだと思うと、 大石は勇気付けられた気がした。 本当なら、これを生きているうちに見せてもらいたかったものだが…… 大石には、それを乗り越える強さがあった。 日記帳の文は、この一文で締めくくられている。 今までお見舞いに来てくださって、ありがとうございます。 大石さん、私が望むことはただ一つです。 どうか、事件の真相を暴いてください。 盥回し 壊 ―完―
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圭一家畜(マゾ)ものです。 「それじゃあレナちゃん。 今日も圭一のこと、よろしくおねがいね?」 「はいおば様♪ 圭一くんのことは全てレナにまかせてください。 はぅ~♪」 「うふふふ、ほんとレナちゃんは良い子ね~?だらしない圭一のお嫁さんにピッタリだわ♪」 「は、はぅ。 そんなおば様ったらぁ……」 圭一くんのお家の玄関。 そこでレナはおば様にいつもどおりそうお願いされました。 毎朝言われていることだけど、レナはいまだにこのやりとりがちょっと恥ずかしいです……。おば様によろしくおねがいって言われる。 そしてお嫁さんになんて言われちゃうと、なんだかお腹の下あたりがすごくムズムズしてきちゃうの。 そうだよね……。 もしレナと圭一くんが「そう」なったら、おば様はレナの本当のお母様になるんだよね。 は、はぅ~♪ 「あ、あのあの。 こんな不束者ですが、どうぞよろしくお願いします……」 「ぷっ! あははは、レナちゃんほんとに可愛いわ。 うちの息子と取り替えたいくらい♪」 「は、はぅ~。 そんなこと言っちゃダメですよぉ……圭一くん拗ねちゃう……♪」 圭一くんのお母様。 とっても気さくで素敵な人です。 おまけにすっごく美人さんなの。 圭一くんをお迎えしに来るのが目的だけど、おば様に会えるのもすっごく楽しいです。 彼がこの雛見沢に来てからもうずっと、それはレナの日課みたいなものになってました。 「にしても遅いわねあの子……ほ~ら圭一!レナちゃんもう来てるわよ~早くしなさ~いっ!!」 おば様が階段の上に声をかけます。 するとめんどくさそうな顔をしながら圭一くんが降りてきました。 なんだか……まだちょっぴり眠そうなのかな? 圭一くんは目蓋がうつらうつらしてて、まだ半分夢の中にいるみたいです。 ヨロヨロと階段を降りてきながら、レナ達のいる玄関にまで靴を履きに来ました。 「まったく……ほら、もっとシャンとしなさいってば! あんたね、毎朝わざわざレナちゃんが迎えに来てくれてるから遅刻しないですんでるのよ? わかってるの?」 「はぅ……そ、そんなおばさま、レナはべつにいいですから……」 「いいのよレナちゃん。 この子は甘やかすとすぐつけあがるんだから、これくらい厳しく言うくらいがちょうどいい……のっ!!!」 そう言っておば様は、まだ眠そうにしながら靴を履いている圭一くんのお尻を叩きました。 うわ、痛そう。 途端にパっと目を開き、痛えなぁと呻く圭一くん。 くすっ、かぁいい…♪ あ、でもレナもおば様の言うことには賛成かな。 かな? 圭一くんはたしかに甘やかすと調子に乗っちゃうところ、あると思うな。 子供みたいに。 それはレナもよく知ってることだしね……♪ 「ほら、さっさと靴履きなさい! まったくあんたは……じゃあレナちゃん、よろしくね?」 「は~いおば様。 グ~タラな圭一くんはちゃ~んとレナがお世話しますから安心してください。 はぅ~♪」 おば様に合わせてレナがイジワルを言うと、圭一くんは何かブツブツ言いながら玄関を出て行っちゃいました。 はぅ、置いていくなんてヒドイよぅ……。 「ま、待ってよ~圭一くん……。 あ、それじゃあおば様、いってきま~す♪」 「いってらっしゃいレナちゃん♪ あ、圭一!レナちゃんに迷惑かけるんじゃないわよ!」 まるでテレビドラマみたいなやりとりです。 優しいおば様の声に見送られながら、レナは玄関から飛び出していきました。 置いてかれちゃうと思って慌てて走ったけど、圭一くんは歩くのを緩めてくれたみたい。 すぐにその背中に追いつけました。 いつもみたいに並んで登校していきます。 レナと圭一くんはすっかり仲良しさんなの♪ あ、でもあんまりのんびりもできないみたい。 結構早めにお家を出てきたのに、大分時間が経っちゃってました。 もう、これも圭一くんがお寝坊さんのせいだよ……。 「……これはお仕置きが必要だね。 きっついお仕置き。 圭一くん、覚悟はいいかな?」 レナが静かにそう呟くと、隣にいた圭一くんはビクンとしました。 あ、ちょっと怖かった? なぁんてね、嘘。 圭一くんをちょっと驚かせようとしたレナのイジワルでした。 玄関であんなに待たされたんだもん、レナだってちょっとはお返ししてもいいはずです。 でもそれだけだとアレなので、念のため釘を刺しておくことにしました。 隣で歩いている圭一くんの耳元に、スっと口を近づけます。 そして言ってあげるの。 「でもちゃんとしてないと、ほんとに「やっちゃう」からね? それだけはちゃ~んと覚えておいて。 ……わかった? ねぇお返事はお返事。 レナ圭一くんのお返事聞きたいなぁ……」 ……圭一くんはコクンと頷いてくれました。 うん、良い子さん♪ それじゃあ行こうか? レナは圭一くんと手を繋ぎます。 そして学校までの通学路を一緒に歩いていきました。 最近はもうこうして手を繋ぐのが当たり前になってます。 仲良しの証拠なんだ。 朝の陽射しがとってもきもちいい雛見沢。 村のあぜ道をこうして並んで歩いてると、レナはまるで圭一くんとデートしてるみたいな気分になれるんです。 はぅ~♪ これでしばらく二人は恋人気分。 魅ぃちゃんとの待ち合わせ場所に着くまでの数分、圭一くんはレナだけのものなんだよ。 やった~やった~よ~♪ ……ああ、でもそうはいかないみたい。 レナは気が付いちゃいました。 両脇が田んぼに挟まれた坂道。 魅ぃちゃんの待ち合わせ場所までの中間くらいのところに差し掛かると、なんだか圭一くんの様子がおかしくなってたの。 息がハァハァ荒くなっていて、お顔もちょっぴり熱っぽいみたいに赤くなってたの。 「どうしたの圭一くん。 お顔が真っ赤っかだね?」 レナはそう聞いてあげました。 大好きな圭一くんがお風邪でも引いてたら大変だもん。 当然、心配になります。 …………なぁんてね。 ほんとは全部わかってる。 これは風邪なんかじゃない。 お病気でもないの。 まあ強いて言うなら、男の子の発作かな? オスに特に起こりやすいものだね。 「はぁ……またなの圭一くん。 ほんと毎朝毎朝、なんだね……」 あまりにわかりやすい彼の仕草に、レナはおもわずため息をついちゃいます。 隣で歩いている圭一くんはそれにビクっとしました。 圭一くんの考えてることなんて、全てお見通し。 おまえはほんとにわかりやすいね? どうせまたいつもの「アレ」なんでしょう。 レナにはすぐにわかっちゃった。 嫌でもね。 毎朝毎朝のことだもん、そりゃあわかるよ。 レナのこと馬鹿にしてるのかな。 さっきまで恋人気分がもう台無し。 台無しだった。 どうしてくれるんだろう。 ……でもそんなの圭一くんは関係ないみたい。 なんだか身体をソワソワさせて、レナのお顔を期待を込めて見つめてくるの……。 「……なぁに圭一くん。 レナのお顔に何か付いてるかな。 かな。 はぅ~、虫でも付いてたら嫌だよぉ。 取って取って~?」 ほんとはわかってるんだけど、レナはわざとイジワルをして焦らしてあげます。 だってこれは圭一くんのお願いだから。 「ペット」のおねだりなんだから、ご主人様がイジワルするのは当たり前だよね。 すると圭一くんはモジモジし出しました。 恥ずかしいのかな、なんか子供みたいに身体を揺らし始めます。 おまけになんか口元でゴニョゴニョ言ってる……。 「シテ」だとか、「欲しい」だとか。 あーそういうの嫌いだなぁ、レナ。 男の子のくせにウジウジウジウジ。 言いたいことがあるならはっきり言って欲しいの。 そういうの、ペットとしてはよくないよ? そんな男らしくないから、レナや魅ぃちゃんはおろか…梨花ちゃんや沙都子ちゃんにまで……。 まあ、とにかくレナは怒ります。 はっきりしないペットは大嫌いだもん。 ちゃんとしつけてあげないとね。 嘘だッ!!の時じゃないけど、圭一くんのお顔をキツク睨みながらこう叱ってあげるの。 「だから、なに? そんなオドオドしてないではっきり言いなよ、このブ●野郎……」 ビクンっと身じろぎする圭一くん。 レナがそんなに怖かったのかな、そのままブルブル怯えていくの……。 ちょっと言いすぎたかな。 そこまで言うつもりなかったんだけどなぁ。 でも圭一くんは家畜だし、これくらい平気だよね? うんうん平気平気♪ レナがイラついてるってわかってくれたみたいだし。 すぐに彼は「ごめんなさい」してくれました。 あ、でもちょっと朝からキツすぎたかな。 ごめんなさい連呼モードになっちゃったよぉ~これはダメ。 「しつけ」ってやっぱり難しいです。 レナはすぐこうやって圭一くんを壊しちゃうの……。 だからレナはすぐに慰めてあげる。 ちゃんと直してあげないとね♪ 「はぅ~ごめん。 ごめんね圭一くん。 今のは嘘だよぉ~泣かないで? ね、ね?」 そうして今にも泣きそうなお顔を撫でてあげます。 さっきとはちがって、今度は圭一くんの身体を優しく抱きしめながら言ってあげました。 もちろんその時に胸を押し付けるのも忘れません。 圭一くんの胸板に、ポヨン…とセーラー服の胸元を押し当ててあげるの。 単純だもん。 こうしてあげれば、すぐ元通りになるんだよね? ほんとにスケベな男なの。 「ほら、機嫌なおして? レナが悪い子さんだったから……ね、ね、ねぇ?(むにゅむにゅむにゅ♪)」 そうやって何度も胸を押し付けていきます。 これはレナの得意技なの。 すると思ったとおり、圭一くんはすぐに立ち直ってくれました。 ほんとにバカな男……。 さっきまであんなに怯えていたのに、もうすっかりレナのセーラー服の胸元に目がいってます。 男の子ってほんとに簡単です。 簡単に手玉に取れるの。 致命的な弱点だね。 さっき圭一くんがお願いしようとしてたことも、つまりはそういうことだしね。 彼はレナに朝のご褒美が欲しいって、おねだりしてたんです。 もう毎朝毎朝の日課になっちゃってます……。 「もう、圭一くんったらしかたないなぁ……♪ でもここじゃダメだよ? え~っと……」 レナはキョロキョロと辺りを見回しました。 さすがにこんな往来のど真ん中でしてあげるわけにはいかないもんね。 人口が少ない雛見沢とはいえ、そのへんの田んぼには朝から野良仕事をしている人達もいます。 誰か人目につかないところ……と探していると、ちょうど良さそうな茂みがありました。 そこは深く木々が生い茂っていて、あそこなら誰にも見られる心配はなさそうです。 レナは圭一くんの手を引いてそこに入って行きました。 ……連れこんだって言ったほうが正しいかな。 まあとにかく、ペットを連れて入りました。 「……うん、ここなら誰にも見つからないね。 いっぱいエッチなことできるよ? くすくす♪」 思ったとおり、うまいこと木々が死角になって外からわかりにくい場所でした。 レナがそれを確認し終わると、圭一くんはもう待ちきれないとばかりに息を荒くしてました。 直立不動でジっと立ち尽くしたまま、ご主人様がこれからシテくれることを期待待ちにしているの。 「ふふふ……そんなに嬉しいの? ほんと圭一くんはスケベなんだから……♪」 レナがそう妖しく微笑んであげると、圭一くんはゴクンとつばを飲み込みました。 よく見るともうズボンの前がパンパン。 さっきおば様といる時はこんなになってなかったのに、いつのまにこんなに大きくさせたんだろうってくらいビンビンになってました。 ひょっとして……レナと仲良く手を繋いでる時にこうなっちゃったのかな? その時のレナは圭一くんを恋人みたいに感じてた。 手のぬくもりがすごくあったかくて、ほんとに純粋に君を身近に感じていた……。 なのに、圭一くんはそのぬくもりで別のことを考えてたってこと? レナと手を繋ぎながら、頭の中ではエッチなことばかり考えてたってことなのかな。 かな。 ……やっぱりただのブタだね。 少しでも期待したレナが馬鹿だった。 家畜と恋愛なんて。 なんだかすごく嫌な気分になりました。 おもわず殴りつけたくなっちゃうくらいに。 でもそれはグっと我慢しました。 お仕置きはいつでもできるんだから、今はご奉仕してあげないとね……。 「ほ~ら圭一くん、いつもみたいにレナが脱がせてあげる♪ ジっとしててね~?」 赤ちゃんをあやすみたいにしながら、レナは圭一くんのワイシャツに手を伸ばしていきます。 両手をボタンにかけて、それを一つ一つ外していってあげる。 お母さんみたいだね。 ペットなんだから、自分で脱げばいいのにって思う? うん、レナもそう思うよ。 でも圭一くんはこういうのがいいの。 こういうのが大好きみたいなの。 女の子に服を脱がされる……。 それにたまらなく興奮する変態さんみたいだから。 「ヌギヌギしようね~? レナがぜ~んぶ脱がせてあげる。 くすくすくす……♪」 一個一個ボタンを外していく。 プチ、プチ、プチってやっていくと、圭一くんはとってもきもちよさそうな顔をしました。 レナに赤ちゃんみたいなお顔を見せてくれます。 ……その顔がもうほんときもちわるい。 すっごくきもちわるくて、レナおもわず吐きそうになっちゃった。 でも家畜としては大合格かな。 男の子としては最低だけどね。 ああ、言わないけどね? そうしてやっと下までボタンを外し終わると、レナは圭一くんの上半身を晒していきました。 女の子のと比べるとあんまりかぁいくない、男の子の汚らしいお肌が見えてきます。 沙都子ちゃんや梨花ちゃん。 魅ぃちゃんのとは比べ物にならないほど醜い身体。 いかにも家畜らしいお肌だけど、レナはそこにヒタリと手を当ててあげました。 手のひらをピタっと押し付けて、家畜の汚らしい上半身を撫で回すようにサワサワしてあげます。 「ふふふ……♪ 圭一くん、レナにこうやってサワサワされるの……好きだよね?」 色っぽく聞いてあげながら、レナは圭一くんの身体を撫で回していきます。 上の方で首筋を撫でると、そこからスっと下に向かって、お腹の下あたりまで撫でてあげるの。 下半身はまだオアズケ……。 でも圭一くんはそれだけで、ああ…と声をあげるんです。 もうたまらないみたいに喘いじゃうの。 その声を聞いてレナはあることを思い出しました。 今までにも結構、こういうふうに身体をサワサワしてあげたことがあるんだけどね。 前に一度だけ、圭一くんに言われちゃった言葉があるの。 なんだかレナって、痴女みたいだよな……。 そう言われたの。 言われちゃったんだよ、たかが家畜風情にね。 失礼な言葉。 すっごく失礼だよね。 女の子に向かってチカンみたいだなんて。 まさか圭一くんにそんなふうな目でみられてたなんて、その時のレナは大ショックだったのを覚えてる。 たしかに今もこうして茂みに連れ込んでる。 そして服まで脱がせちゃった。 おまけに彼の裸を撫で回しちゃってるけど、そんなこと女の子に言っちゃダメだよね? その時のことを思い出して、レナはまたちょっとイラっとしちゃいました。 魅ぃちゃんが待ち合わせ場所で待ってる。 あまり時間もかけてられないし、レナは圭一くんの敏感なところを責めてあげることにしました。 「……ココ、もうちょっと硬くなってる。 期待してたんだね、このド変態……」 ちょっとキツメの声で言ってあげました。 圭一くんはビクっとしたけどそんなの関係ありません。 男の子にも女の子にも付いている乳首。 圭一くんのおっぱいを指で愛撫してあげたの。 そこはもううっすらと突起していて、指の感触を柔軟に返してくるほどしこっていました。 レナはそこをキュっと摘んじゃいます。 ううん、もうギュウギュウ摘んでいっちゃう。 ちょっとコリコリしてました。 そのまま指先でコロコロ転がしていく。 おもちゃみたいにね。 「ほーらほら……。 圭一くんはドMだから、おっぱい弄られるのが好きなんだよね~?」 またそうやって聞いてあげます。 質問と言葉責めは調教の基本だもんね。 でも圭一くんは答えてくれません。 でもいい。 答えるまでもなく喘いじゃってるからね。 レナが乳首をコリコリするたびに、圭一くんは、あっあっあっ…と女の子みたいな声をあげていくの。 男の子のくせに恥ずかしい。 普通男の子って声出さないよね? 喘がないよね? でも圭一くんは我慢できない男の子なの。 喘いじゃうオス豚なの。 これはレナ達だけが知ってる秘密です。 こんなかぁいい圭一くん、あのおば様だって知らないんだよ。 だよ? くすくすくす……♪ でもいくら喘ごうとも、レナは指だけじゃ済ましません。 もっともっといやらしいことをしてあげるの。 左手でおっぱいを弄りながら、もう片方の乳首に……口を近づけていきます。 「ん……圭一くんのかぁいいおっぱい、いただきま~す。 あ~ん……♪」 途端に圭一くんは嬉しそうな顔をします。 というより、だらしないお顔かな? レナはそのお顔を眺めながら、チュパリ…っと乳首を口に含んであげました。 上でまた変なお声がしたけど、そんなの無視して硬いしこりをチュパチュパしゃぶっていきます。 最初は優しく、なんて考えない。 時間がないからもう乱暴に。 音を立てて乳首をしゃぶっていきます……。 「ん……どぉ圭一くん。 おっぱいきもちいい? 乳首チュパチュパされてきもちいいの?」 一旦口を離してそう聞いてあげると、圭一くんはうんうんって何度も頷きました。 その頷き方がちょっとおもしろかった。 きもちいいからもっとしてしてご主人様!っていうのが簡単に見て取れる感じだったの……♪ だからレナはご褒美にもっと圭一くんをしゃぶってあげる。 スケベなペットの乳首を舌で可愛がってあげるの。 「んふふ、すっごく硬くなってる。 もうピンピンだよ圭一くん……いやらしいんだ……♪」 チュパチュパチュパ……。 赤ちゃんがするみたいに吸ってあげると、圭一くんのおっぱいはますます大きくなっていきました。 まるでおちんちんみたいなの……。 もちろん、吸ってあげるだけじゃないよ? 時折口をチュポンと離して、レロレロレロと舌でねぶってあげるの。 こうしてあげると圭一くんは喜ぶ。 もうすっごく喜ぶの。 ほんとにドMさんだから、大興奮だよ。 「……きもちいい? たまらないんでしょ、レナにおっぱい舐められるの……くすくすくす♪」 ピチャピチャピチャ。 ハァハァハァ……。 本来なら誰もいないはずの茂みに、レナのしゃぶる音と圭一くんの喘ぎ声だけが響いていきます。 ふと上目遣いにしてみると、圭一くんがレナのお顔をジっと見つめているのに気がつきました。 なんだろう、そのお顔。 彼はなんだかレナに熱っぽい視線を送ってきてます。 レナのことを卑猥な生き物だとでも言うような感じ。 あ、これ前にも見たことある顔だ。 まさかまたレナのこと、痴女だとでも思ってるのかな。 おっぱいしゃぶられてるから? もう、すぐそれなんだから。 百年生きてる梨花ちゃんみたいな熟女ならともかく、レナは圭一くんと同い年くらいの女の子だよ? チカンさんなんかになれるわけないのに……。 ほんとにスケベな女の子、って感じに決め付けてる。 そんな目だよ、圭一くんのそれは…。 「……そんないやらしい目で見ないでよ。 たかが家畜のくせに、レナに刃向かってるの?」 ……またイラついちゃいました。 だって家畜のくせにレナを見下してくるんだもん。 だからガリっとやっちゃった。 圭一くんの乳首に歯を立てちゃいました♪ わざとじゃない、おもわずだよ。 しかもほんとにちょびっと、優しくやったつもりなんだよ? あははははでもおもったより強くしちゃってたみたいだぁ。 圭一くん、あうっ!?って悲鳴あげちゃったぁ♪ うわ~痛そう痛そう。 乳首が痕になっちゃった。 もうレナの歯形がくっきりだね? あはははかぁいいかぁいいかぁいい乳首さん♪ まあいいよね。 だって圭一くんが悪いんだもんね。 ご主人様に逆らうとこういうことになるんだよ、よく覚えておいてね? ほらお返事はお返事。 返事しなって言ってるんだよねぇ聞いてるの圭一お返事はっ!? 「……うん。 今度から絶対そんな目でみないでね? 次はレナ噛み切っちゃうから……」 ……圭一くんはごめんなさいしてくれました。 うん、わかってくれたならいいんです。 でも大変です。 手元の腕時計を確認すると、もう大分時間が経っちゃってました。 このままじゃきっと魅ぃちゃんに叱られちゃいます。 「はぅ~大変大変。 もう魅ぃちゃん待ってるから、さっさとピュッピュッしちゃおうね~?」 レナはすぐに圭一くんのズボンに手をかけていきました。 ほんとはこれが目的だったのに、ついいつものM男乳首責めに熱中しちゃった。 そのままチャックをジーっと降ろすと、すぐに中からオットセイを取り出そうとしていきます。 でも、なかなか取り出せないの。 なんだか硬くって、中で引っかかってうまく出てこないの。 まったくもう……こんなビンビンにしちゃってるからだよ? 圭一くんはほんとド変態です。 仕方ないのでもうレナは乱暴に、グチャグチャにしながらむりやり引っ張り出しちゃいました。 途中おちんちんがものすごくしなってたようだけどそんなの関係ありません。 圭一くんの痛いっ!?て悲鳴も無視して、ようやくそのオットセイを取り出せました……。 「こんなに大きくしちゃって……。 圭一くんのオットセイ、あいかわらずすごいね……♪」 すごかった。 もうほんとにすごかったの。 圭一くんの勃起おちんちんです……。 もうビキビキに張り詰めちゃってて、見慣れているレナでもビックリしちゃうくらい大きく反り返ってました。 そう、もとはといえばこれが元凶。 圭一くんがこんなにスケベで悪い子さんなのも、レナ達とこんな関係になっちゃってるのもこのオットセイさんがイケナイんだよね? 「すぐに楽にしてあげる。 圭一くんのイケナイことしたくなっちゃう素、カラッカラになるまで絞り出してあげるからね……♪」 レナは憎たらしい目でそれを見つめながら、おちんちんの竿のところをギュっとしてあげました。 ちょっと強めに握るけど、いいよね? 時間がないし余裕もないんです。 魅ぃちゃんを待たせるどころか遅刻までしちゃうかもしれないけど、この圭一くんのおちんちんを静めるまでは学校になんて行けないもんね。 レナは竿を握り締めるとそのまま前後に…シコシコと手を動かしていきました。 いつもなら焦らして焦らして焦らし倒すんだけど、今日は別です。 すぐに射精させてあげるために、もうどんどん手のスピードを速めていきました。 「圭一くん、我慢しないでいいからね? すぐ出しちゃっていいの。 いつもみたいに出したらお仕置きなんて言わないから、このままピュッピュッってしていいよ、ていうかさっさと出して?」 レナはそう命令しながら、圭一くんのおちんちんをどんどんシゴいていきます。 シュッシュって激しくシゴきながら、もちろん乳首もペロペロしてあげます。 こうして両方シテあげると、この男はすぐに射精する。 それをレナはご主人様としての経験で知ってます。 ただでさえ朝。 夜中にこの袋にタプタプに溜まっただろうから、おちんちんの先っぽからはもうトロトロのお汁が噴き出ていました。 それがレナのお手々にいっぱいかかる。 もうピュッピュッて射精しちゃってるみたいにかかっていくの。 本当ならこれだけでもお仕置きものだけど、今日は特別です。 レナは手のひらを亀頭の先にかぶせて、そのお汁をたっぷりと受け止めてあげながら更にシゴいてあげます。 「ほら、きもちいいでしょ圭一くん。 こうやって手のひらでモミモミされると、すっごくたまらないんだよね? そう言ってたもんね~?」 亀頭をモミモミマッサージ。 これも圭一くんは大好きなんです。 でもなぜか彼は頷いてくれませんでした。 ただうーうー唸ってるだけで、歯をグっと食いしばって苦しそうなお顔をしています。 たぶん我慢してるんだね。 レナにここまでシテもらえるのはそうそう無いことだから、きっと射精するのがもったいないって思ってるんだと思う。 ……馬鹿な男。 我慢なんて無駄なのに。 たかが家畜が自制なんてできるわけがない。 レナが本気でやればこんな男なんてすぐに射精させられる。 ドピュドピュって簡単に屈服させられるんだよ? 口とかならともかく手でするの……えっと、手コキだっけ。 これなら簡単に射精させられる。 ほんと、ものの数分だよ。 五分と経たずに終わらせられるのに……。 「……圭一くん、なにガマンしてるのかな。 さっさとイっちゃってよ手が疲れるから。 おちんちんだけのオスブタのくせに、人間のフリなんてしないでね……?」 罵倒してあげると、ますますおちんちんがビクビクしてきました。 たぶん興奮したんだね。 うっうっうっーて唸りながら、圭一くんはもう射精目前です。 トドメを差せそうでした。 レナはおっぱいをもっと激しくしゃぶってあげます。 舌でペロペロペロ。 もう彼の乳首をベチャベチャにしながら吸ってあげるの。 上目遣いで圭一くんの顔を見る。 目が合っちゃった。 エッチな女の子だと思うなら思ってもいいよ? 今は実際そうだしね。 おちんちんもシゴいてあげる。 もっともっといやらしくシテあげるよほらほらほら。 こうやって根元からギュウギュウって、絞る取るみたいにしてあげる。 乱暴な方が好きなんだよね圭一くんは……。 「くすくす……♪ ほらイっちゃいな。 レナのお手々で射精しちゃいなよ。 たくさんたくさんドピュドピューって、みっともなく白いおしっこ出しちゃうんでしょ? レナが見ててあげる。 スケベな家畜、オス豚が性欲を満たすところをしっかり見ててあげるよ……♪」 あ、あっ、あーっと声が漏れました。 圭一くんのあえぎ声。 射精しちゃう時のやつです。 おちんちんが震えていく。 レナの手の中でビクンビクンと跳ねていきました。 先っぽの穴からまず透明な液がドピュッて出てきます。 そしてその後はもう真っ白なやつが、どぴゅどぴゅどぴゅ~っていっぱいいっぱい噴き出しきます。 レナはその瞬間を見ててあげます。 圭一くんは見られるのが好きだから、射精しているとこを視られるのがすきなド変態さんだから見ててあげます。 「わーすごいすごい、圭一くんいっぱい出してるねー? たくさんレナのお手々の中でどぴゅどぴゅしちゃって、きもちいい? ねぇ射精するのきもちいいのどうなのかなー♪」 一応また聞いてみるけど、圭一くんはやっぱり答えてくれません。 うーうー唸るだけ。 だってドピュドピュ射精してる真っ最中だもん、そんな余裕あるわけないんです。 だからこれはレナのイジワルでした。 はぅ~♪ でも興奮してくれてるのはわかるんです。 圭一くんは腰を必死に突き出しながら、レナのお手々にたくさんおちんちんを擦り付けてた。 それでもっともっとドピュドピュしてた。 それできもちいいよぉって言ってることにしてあげたの。 優しいご主人様で感謝して欲しいなぁ……♪ ……というか、長いねずいぶん。 射精がおさまらないよ。 そんなにきもちいいのかな? いつもならすぐピュピュ~ってして終わるのに、今日の圭一くんの射精はちょっと長めでした。 もう何回も何回もレナの手の中で暴れてます。 まるでマグマみたいにドビュドビュ精液を噴き出しちゃってるの……。 「……たくさん出るね圭一くん。 もっともっと出していいよ? ほーら根元からシゴき出してあげるほーらほーらほーら……♪」 レナは圭一くんの射精を手伝ってあげました。 おちんちんの根元のところをギュっとしてあげて、搾るようにシゴき上げてあげます。 尿道の中に残っているものがドビュウって噴き出してくる。 圭一くんのああっ!?て悲鳴が聞こえたけど、ちょっとやりすぎかな? ……あ、でもさすがに量が少なくなってきました。 ドロっとしたものが最後に噴き出ると、ようやく圭一くんのおちんちんはレナのお手々の中で鳴き止んでくれました……。 「……終わったね。 どう、きもちよかったでしょう? レナのお手々……♪」 ……圭一くんは涙目になってました。 よっぽどきもちよかったみたいです。 射精した後のおちんちんも少し赤くなってました。 まさに絞り出されたって感じです。 袋のとこも小さくしぼんじゃってたの……。 「よかった。 圭一くんがきもちよくなってくれると、レナもとっても嬉しいよ……?」 ちなみにここが調教の最大のポイントです。 この射精し終わった直後が、です。 エッチの最中どんなに汚く罵ったとしても、射精させた後はおもいきり優しくしてあげる。 それがレナの圭一くん調教法です。 射精後の気だるい感覚の中で、「女の子のやさしさ」をじっくり刷り込ませていくのがより良いペットに躾けていくコツなんだよ? はぅ~♪ 「くすくす……♪ おちんちん、白いのでいっぱい汚れちゃったね? 待ってて、今レナがキレイキレイにしてあげるからね?」 お母さんみたいに優しく微笑みかけてあげながら、レナは制服のポケットからハンカチを取り出しました。 ティッシュと一緒に取り出すのがコツかな。 ティッシュはポケットに戻して、あえてこっちのハンカチを選ぶの。 それを手の中でパッと広げて、何の惜しげもなく圭一くんのおちんちんにかぶせてあげます。 「白いの、全部キレイに拭きとってあげる。 ジっとしててね……?」 射精した直後のおちんちん。 ほとんどが地面に落ちていったとはいえ、白くドロドロした残りが先っぽや竿のところにたくさん付いちゃってます。 それをレナは拭いてあげるんです。 ハンカチで綺麗にぬぐってあげるの。 これは普段からレナが使ってるお気に入りのハンカチ、それは圭一くんも知ってることです。 それで汚い精液を拭き取ってあげます。 ぜ~んぶフキフキしてあげちゃうんだよ? 「すっごいいっぱい付いてる。 レナのハンカチで全部拭き取れるかな……?」 先っぽの穴にグリグリと布を擦り付けていきます。 圭一くんはまた、あうっ!?とかなんとか言ってたけど無視してグリグリしちゃいます。 そして竿の方にも布を広げて、レナのお気に入りのハンカチにどんどん精液が染み込んでいきます。 ちょっと甲斐甲斐しい奥さんみたいに綺麗にしてあげるんです。 こうしてハンカチで精液をぬぐってあげると、圭一くんはすっごく嬉しそうな顔をする。 なんていうのかな……。 お、俺のために、そんなお気に入りのまで使ってくれるのか!?って感じにわかりやすく反応してくれるんだ。 きっと圭一くんの頭の中では、今こういう妄想が浮かんでいるはずです。 レナは今日学校でトイレに行くたび、俺の精液が染み込んだこのハンカチを使うんだ。 その頃にはもうガビガビに乾いてしまってる精液が、このかぁいらしい手に何度も何度も触れていく。 トイレに行くたび、俺のザーメンをその手に染み込ませていくんだ……。 たぶんそんなふうなことを考えてるんだろうなぁっていうのが、鼻の下の伸びきったスケベ顔でわかります。 もう、バレバレだよ? 圭一くんのエッチ……♪ あ、ちなみにレナもう一枚ハンカチ持ってるから。 これはもちろん家畜精液専用。 こんなのもう汚らしくて二度と使えないもん。 学校でも圭一くんのぬくもりを感じたいの……とかはありえないしね。 こんなのただのタンパク質の固まり。 オス豚の汚い排泄液だよ。 圭一くんの幸せそうな顔を見るとついそうバラしたくなっちゃうんだけど、そこはグっとガマンしていくレナです。 ダメだよね、夢を壊しちゃ♪ あくまで圭一くんには、レナはなんだかんだ俺のことが好きなんだ! イジワルも愛情の裏返しなんだ!って勘違いさせとかないとだし……♪ 完全に隷属する奴隷に仕立て上げるには、ある程度恋人みたいな接し方も必要なんだ……めんどくさいけどね♪ 「……はい、綺麗になったよ? 圭一くんのオットセイさん今日もかぁいかった~はぅ~♪」 レナは圭一くんの汚かったおちんちんをキレイにしてあげました。 まあ、それでも汚いんだけどね。 今はとにかく急がなくちゃダメなんです。 腕時計を見ると、もうほんとギリギリの時間になってました。 「ほらほら圭一くん、もう魅ぃちゃん待ってるよ~行こう行こう学校は~ぅ~遅刻だよ~♪」 レナは圭一くんの手を取りました。 そしてそれをぐいぐい引っ張って茂みの外へと出て行きます。 そしてまた恋人同士みたいに手を繋いで、通学路をトコトコと歩き始めました。 ……でも圭一くんなんかフラフラしてる。 射精した後だから身体が重いのかな? あ、じゃあ手よりもこっちのほうがいいかな。 たぶんその方が堕ちやすいと思うしね……。 「……ねぇ圭一くん。 う、腕組んでもいいかな? えへへへへ♪」 レナはできるだけ恥ずかしそうにしながら、圭一くんの腕にシュルリと腕を絡ませていきました。 もちろんおっぱいを当てるようにしながら、ね。 急なレナの変化に圭一くんも驚いたみたい。 あんたどうしたのってお顔で見てきます。 「えへへへ♪ ほんとはずっとずっとこうやって登校したかったんだ? ほら、レナツンデレだから……今までイジメたりしちゃってごめんね?」 そんな甘えた声も出しちゃいます。 もう今日のレナはほんと特別大サービスなの。 圭一くんはわかりやすくヘラヘラしていきました。 まあ、スケベなこと考えてる時のお顔だね……。 たぶん、レナがようやくデレってくれたと思い込んでるにちがいないです。 おば様の言ってたとおりです。 甘やかすとすぐ調子に乗る、とっても単細胞な圭一くん。 レナはその家畜と腕組みをしながら、魅ぃちゃんの待つ待ち合わせ場所へと向かっていくのでした……。 私の家畜 ~チジョレナミィ~に続く -