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・たまには普通の町の、普通のゆっくり達について書きたいな、と思い書きました。 ・なるべく淡々とした内容になるように書いてます。 いつもとは感じが違うかも。 『ごく普通のゆっくりショップ』 D.O ここは国内の、とある普通の町の、ごく普通のペットショップ。 店内に入ればワニからサボテンまで、幅広く様々な生き物が並べられている。 当然全ての生き物はペットとして販売されている商品だ。 その片隅に、壁沿いに50cm角の透明なケースが何十個も積んであるスペースがある。 手前には通路を挟んで、店の特売品セールなどでよく見かける、陳列用ワゴンが数台。 箱もワゴンも、なにやらもそもそと動き、時折『ゆっくち!』等と声を上げる、 丸いものが所狭しと押し込まれている。 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!れいみゅはとっちぇもゆっくちだよ!」 「のーびのーびしゅるよ!まりしゃをかっちぇにぇ!」 「わきゃるよー!ちぇんがいちばんげんきだよー!」 「みゅほぉ!みゅほぉぉ!!」 そう、このスペースで陳列されているのは、近年ペットとしても認知されるようになった珍生物『ゆっくり』である。 とは言っても、ゆっくりが本当の意味で犬や猫と同列に扱われている地域などはかなり特殊だ。 ゆっくり産業を推し進めているような、ゆっくりに理解ある一部の地域以外では、 今でもゆっくりは『生き物』ではなく『モノ』に近い存在という認識の方が一般的なのである。 今回は、そんなごくごく一般的な地域における、一般的なペットショップのゆっくり達の生活を見ていただきたい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 朝、まだ夜明け前からペットショップの業務は始まる。 何せ取り扱っている商品は生き物、朝食とケース内の掃除は必須だし、 健康管理も常に気を使う必要があるのだ。 「ほら、メシだ。」 「・・・ゆっくちしたあまあましゃん、たべちゃいよぉ・・・」 「早く飼ってもらえ。」 「むーちゃむーちゃ、ふしあわしぇ・・・」 商品の赤ゆっくり達は、無色透明でゼリー状の、味も香りもない食事を与えられる。 ゆっくりフードとして販売されているモノでは無論なく、 人体にも無害という以外は店員自身もなんだかよくわかっていない餌だ。 粉末状の原料を、水道水1リットルに一つまみの割合で混ぜるだけという、 手軽さと安さだけが利点の代物である。 「ゆあーん。おいちいごはんしゃん、たべちゃいよー。」 「もう、ぷるぷるしゃん、たべちゃくにゃいよぉ。ゆぇーん。」 餌に味の良さを求めないのも、相応の理由がある。 この店で取り扱っているゆっくりが売れ筋の、赤ゆっくりの中でも小型の、 ピンポン玉~鶏卵程度のサイズのものだからだ。 食事の味が良く、沢山食べてゆっくり出来ると、赤ゆっくりの成長は促進されやすい。 まともな食事を与えていると、一週間もすればビリヤードの玉のサイズを超えてしまうので、商売にならないのだ。 「こんなまじゅいごはんにゃんて、むーちゃむーちゃできにゃいよぉ。」 「なら食うな。」 ひょい。 「ゆぁーん!ゆぁーん!ゆっくちさせちぇー!」 食事を自分で断ってくれるなら、それに越したことはない。 全てのケースに朝食を配り終えたら、次は新しい赤ゆっくりの生産作業が続く。 餌などを工夫したところで、商品として扱えるのはせいぜい2週間。 売れる売れないに限らず、常に新しい赤ゆっくりを仕入れなければならない。 店の裏手、事務所スペースの奥に、成体ゆっくりがギリギリ2匹入る程度の木箱が置かれている。 その周囲に積まれた透明ケースには、成体サイズのれいむ、まりさ、ちぇん、ありす達が入れられていた。 予想はつくと思われるが、これらは繁殖用母体となるゆっくり達である。 「ゆぁーん。ゆっくちできにゃいー。」 「やめちぇにぇ!このはこしゃん、とかいはじゃにゃいわ!?」 だが注意深く見ると、この繁殖用ゆっくり達が、 通常の成体ゆっくりと微妙に様子が異なることに気づくだろう。 しゃべり方は舌足らず。 おまけに見た目も、顔と髪の毛が異常に狭い範囲に集まっており、お飾りも小さすぎる。 顔と髪の毛を切り離して、ソフトボールに貼りつければちょうど子ゆっくりが一匹出来上がる感じだ。 それもそのはず、この繁殖用ゆっくり達は、この店の商品の売れ残りから育てた『子ゆっくり』なのだ。 「やめちぇにぇ!れいみゅのあにゃるしゃんに、へんにゃのいれにゃいでにぇ!」 「力抜かないと裂けるぞ。」 「ゆぴぇぇぇええ!?」 一匹の子れいむのあにゃるに、空気入れのチューブを取り付けた風船がねじ込まれる。 ぐぬっ・・・・ぷしゅー。 「ゆきゅ・・・きゅ・・!?れいみゅ・・ぷきゅーしちゃく・・にゃ・・・!」 ・・・・・・待つ事5分。 「ゆぴぃ、ゆぴぅ・・・」 「十分伸びたか。『ぷしゅー』破れてないな。」 「ゆぁーん。れいみゅのぽんぽん、ゆっくちしちぇにゃいよー。」 「餡子が足りんから、だぶついてるだけだ。」 元々皮に弾力のあるゆっくりを、体内に風船を押し込んでサイズアップする。 後は餡子不足でだぶついた腹に、この子れいむ同様に売れ残った、子ゆっくり数匹から絞り出した餡子を注入し、 引き延ばされて弱くなった皮を小麦粉と水で補強して、即席繁殖用ゆっくりの完成となる。 「ゆぁーん。れいみゅのあんよしゃん、ゆっくちうごいちぇー。」 当然無茶な方法なので、副作用もあった。 サイズアップしているのは腹だけなので、顔も飾りもあんよもサイズ不足。 結果として歩くことも、自分でご飯を口に運ぶこともできなくなるのだ。 どうでもいいことだが。 ゆっくりがいくら繁殖させ易いとはいえ、繁殖用母体をまともに育てるにはそれなりの手間がかかる。 赤→子ゆっくりまでなら育てる期間は数週間程度ですむし、 そもそも商品棚に置けなくなった時点でこのサイズに成長している。 売れ残りの再利用としてはちょうどいいタイミングだ。 だが、繁殖可能な成体まで育てるとなると数ヶ月かかる上に、サイズもバスケットボール並みになってしまう。 しかも途中で死なれでもしたら、育てた分の時間と餌代が無駄になることになる。 ただでさえペットとしてはありえない低価格な商品なのに、そんな手間暇をかける余裕は無いのだ。 「ひどいことしないでにぇ。このはこしゃん、せみゃいよぉ。」 「せみゃいわ!このはこしゃん、とってもいなかものにぇ!」 店員は、そうして造られた繁殖用れいむと繁殖用ありすを、合板で組んだ木箱に突っ込み、 ガンッ!! 「「ゆぴぃぃぃいいい!!?やめちぇぇぇええ!?」」 その側面に一発軽く蹴りを入れた。 ぐらぐらぐらぐら・・・・ 揺れはなかなかおさまらない。 というのも、この木箱、床面との間にバネが仕込まれており、 蹴りを一回入れれば、30秒ほどは揺れ続けるよう造られている。 「ゆぴぅ、ゆひぃ・・・にゃんだかきもちよくなってきちゃよぉ。」 「みゅほぉ、みゅほぉぉ・・・」 子ゆっくりは揺れる箱の中で発情し、特に嫌がることもなく肌を擦り合わせる。 このあたりも、成体ゆっくりのような下らない貞操観念を持ち合わせていないだけやりやすい。 「ゆひゅぅ!ゆひゅぅぅうう!しゅっきりしちゃいよぉ!ありしゅぅぅぅうう!?」 「みゅほぉぉおお!!れいみゅのおはだ、とっちぇもときゃいはだわぁぁぁああ!!」 「「しゅっきりー!!」」 すっきりー後間もなく、れいむの頭上にはれいむ種とありす種の実ゆっくりが5匹づつ生えてくる。 「れいみゅとありしゅのおちびちゃん・・・」 「とっちぇもときゃいはだわぁ・・・」 などと、感動に浸っている暇など与えず、れいむを木箱から取り出すと次はありすにまりさをあてがう。 「ゆぁーん。まりしゃは、れいみゅとずっとゆっくちしゅるってやくそくしたのじぇぇぇええ!?」 ガンッ!ぐらぐらぐら・・・ 「「しゅっきりー!!」」 ・・・2分後、まりさの頭上にはありす種とまりさ種の実ゆっくりが5匹づつ生えていた。 「まりしゃ・・・れいみゅの・・・どうしちぇぇぇ・・・。」 その後もありすに休む暇は無い。 母体は次から次へと木箱に放り込まれ、ありすは自分のおちびちゃんの誕生に喜びながらも、 次第に精子餡の出し過ぎでへにゃへにゃに萎んできた。 「ありしゅ・・・もう、しゅっきりできにゃいわぁ・・・」 だが10数体の母体ににんっしんさせたとはいえ、その生産数はまだ本日のノルマの半分。 繁殖用ありすが萎んで痙攣をおこし始めたところで、中身の補給が行われる。 これまで母体となったゆっくりの頭には、商品数としては明らかに過剰な数の赤ありすが生えている。 商品としては基本4種が同数で充分なので、赤ありすの4分の3は必要無い。 そこで、店員は、 ぶちっ!ぶちっ!ぶちっ! 「ゆ・・・ゆぴぃぃいいい!?れいみゅとありしゅのあいのけっしょうがぁぁああ!?」 母体ゆっくり達の頭上から数匹の赤ありすを引きちぎり、 「ゆ・・・どうしちぇ、『ズボッ!』ゆぁぁあああ!?」 それを手に掴んだまま、繁殖用ありすの、子ゆっくりサイズの小さなあにゃるにねじ込み、 ぐしゅりっ・・・ 繁殖用ありすの体内で握りつぶし、一気に中身を流し込んだ。 「ゆびゃぁああ!?どうしちぇ!?どうしちぇぇえ!?こんなのとかいはじゃにゃいぃぃいいい!?」 「次。」 「わぎゃらなぁぁぁああ!!」 こうしてカスタードの量を回復させ、泣き叫び続ける繁殖用ありすに、店員は次の繁殖用ちぇんをあてがう。 ガンッ!ぐらぐらぐら・・・ 「「じゅっぎりぃ・・・」」 ・・・2分後、ちぇんの頭上にはありす種とちぇん種の実ゆっくりが5匹づつ生えていた。 ありすはこの後も定期的に、自分のおちびちゃんである赤ありす達からカスタードの補給を受け、 繁殖用ゆっくり全員とのすっきりーを終えたが、 「ゆっぎぴぅ・・・ぺぴぃ・・・・・・」 正気は完全に失っていたので、店員がミキサーにかけてペーストにされ、 母体となったことで栄養を必要とする、繁殖用ゆっくり達の餌になった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 繁殖用ゆっくり達の頭上に実った赤ゆっくり達はそれから丸1日、 売れ残りの赤ゆっくりのペーストを食べさせられ栄養をつけた母体から、 ゆっくりとした餡子を供給されてゆっくりと育ち続ける。 「ゆゆ~ん、おちびちゃん、ゆっくちしちぇにぇ~。」 だが、素直に生まれるまで待っていたら成長しすぎるし、時間がかかり過ぎる。 栄養状態さえ良ければ、にんっしんから丸1日で、母体から切り離しても死なない程度には育つので、 母体とはお別れしてもらうことになる。 ボキッ! 「・・・ゆ?ゆぁぁあああ!?くきさんおっちゃだみぇぇぇええ!?おぢびぢゃんが、ゆっぐぢでぎにゃいぃいい!!」 「ゆみゃぁぁああ!?わぎゃらな、わぎゃらにゃぁああああ!!」 「やめるのじぇぇええ!!おぢびぢゃん、もっぢょゆっぐぢさせりゅのじぇぇぇええ!?」 赤ゆっくりの実った茎は回収され、母体ゆっくり達は再びありすの箱に放り込まれてにんっしんさせられる。 結局この母体達はおちびちゃんの産声を聞くことすら無く、 にんっしん能力が衰えるまで何十回もにんっしんさせられるのだ。 そして、にんっしん能力が低下したらミキサーでペーストにされ、次世代の繁殖用ゆっくりの餌にされることになる。 一方茎にぶら下がったままの赤ゆっくり達は、 店員の手によって乱暴に茎から引きちぎられ、大型の、薄汚れた古い水槽の中に放り込まれる。 水槽は背の低いアクリルの壁で小さな部屋に区分けされており、 一つの部屋毎に5~6匹の赤ゆっくりが生活できるようになっていた。 とはいえ、一つの部屋毎に餌用の小皿と新聞を敷いたおトイレがあるだけ、 スペースも、とても跳ねまわることが出来るような広さではない。 ぶちっ・・・ぺちょっ! 「ゆ、ゆぅ・・ゆっくちしちぇっちぇにぇ!!」 ムリヤリ産み落とされたせいでやや未熟とは言え、元気よくあいさつする赤ゆっくり達。 だが、赤ゆっくり達にあいさつを返してくれる両親はどこにもいなかった。 「ゆぅ?」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!おにぇーしゃん、ぴゃぴゃとみゃみゃは?」 「ゆぅ~。どこにもいにゃいんだよぉ。」 「ゆぁーん、ぴゃぴゃ~!みゃみゃ~!ゆっくちさせちぇ~!」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ~!ぺーりょぺーりょしちぇ~!」 「黙れ。」 「ゆぴぃっ!」×200 「これを食え。」 店員がそう言って餌皿に流し込んだのは、 先ほどまで赤ゆっくり達がぶら下がっていた茎をすり鉢で潰したペーストだ。 茎を食べさせるのは、赤ゆっくりの味覚調整に加え、 産まれ落ちた段階では病気に無防備な赤ゆっくりに、免疫を与える効果もある。 この手順ばかりは野生のゆっくり、ペットショップの違いは無い。 「むーちゃむーちゃ!ちあわちぇー!」×200 そして、これがこのショップで赤ゆっくり達が味わう、最初で最後の『ゆっくり』だった。 「ちあわちぇー。」 「ぽんぽんいっぱいだにぇ!」 「・・・おにーしゃん!れいみゅのぴゃぴゃとみゃみゃ、どこにいったか、しらにゃい?」 「そんなものはいない。」 「ゆ、・・ゆぴぃぁああああ!!ゆっくちできにゃぃぃいいいい!!」×200 「黙れ。これからお前たちを調教する。」 「ゆぁーん!ゆっくちさせちぇー!」 成長する前に急いで商品として販売する必要があるため、産み落とされた赤ゆっくり達の調教は、 このようにして、産まれ落ちた直後から3日間の間にみっちりと行われるのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日。今日も朝から調教が始まる。 「ゆぴー。ゆぴー。ゆっくちぃ・・・。」×200 赤ゆっくり達はまだ目を覚ましていないが、店員はそんなことにはお構いなく、 そのうち一匹のまりさをつまみあげると、プルプルと手を揺らして起こし、問いかけた。 「起きろ。答えろ。お前達は飼い主さんに飼われたら、最初にナニをするんだっけ?」 「ゆ、ゆゆ!?まりしゃは、ゆ、ゆっくちしましゅ!」 「ハズレだ。飼い主さんをゆっくり『させる』んだ。再教育だな。」 「きょういくしゃん!?ゆっくちやめちぇぇぇ!!」 赤まりさは、『教育』と言う単語に反応して、あんよをもにゅもにゅ動かして逃げようとするが、 あんよはむなしく宙を揉むだけで、体を店員の指先から逃がしてはくれなかった。 店員が手元に用意しているのは、耳かきをさらに小さくしたような金属製の匙。 それと、赤い色をした液体を入れた、小さなカップだ。 ちゃぷ・・・ 匙の先をカップに入れると、わずかな量の赤い液体が、その先端に掬われる。 店員はそれを構えると、赤まりさのおしりを自分の方に向け、あにゃるの場所を探る。 そして、あにゃるに匙の先端を、 ずぷ・・・ 一気にねじ込んだ。 「ゆ、ゆ、・・ゆぴぴぃぃいいいいい!!!!びゃぁぁああああ!!?」 ねじ込まれた瞬間、赤まりさは奇声を発して全身を波打たせ、白目を剥く。 しーしーが勢いよく吹き出し、涙と汗と良くわからない体液で全身がぐっしょりと濡れていく。 「びぇっ!?びぇぇっ!?・・・・・びぅ・・ぅ・・・」 そして数秒後、赤まりさは意識を失い、 口からは餡子混じりの泡を、あにゃるからはうんうんを力なく垂れ流しながら失神した。 赤まりさのあにゃるにねじ込まれた液体、あれの成分は店員も知らないが、 人体に無害で、味は辛く、水道水より安いという事だけ聞いていた。 一応調味料の一種という話も聞くが、要はゆっくりにとって苦痛を与えるモノであればいいので、 店員もまったく気にしていない。 「ゆぴゃぁぁあああ!!いもうちょがぁぁああ!?」 「なんでしょんなことしゅるのぉぉぉぉおお!?」 赤まりさの悲鳴によって、この頃には200匹の赤ゆっくり達全員が目を覚ましている。 その中で、先ほどの赤まりさと同じ部屋の5匹、赤まりさ姉妹に向かって、店員が声をかける。 「こいつが答えを間違った。連帯責任だ。」 べちょっ! 茫然とする5匹の赤まりさの真ん中に、先ほど『教育』を受けた赤まりさが放り込まれた。 「ゆぁ・・・ゆぴゃぁぁああ!!れんたいせきにんしゃん!?ゆっくちできにゃいぃぃいいい!!」 「どうしちぇ、どうしちぇまちがえりゅのぉぉおおお!?」 『連帯責任』という単語に反応し、先ほどまで気遣っていた妹まりさを責める赤まりさ姉妹。 赤まりさ姉妹は泣いて許しを請い、あるいは小部屋の中を必死で逃げようとするが、 所詮赤ゆっくり5~6匹で一杯になる小部屋だ。 結局全員店員に捕まり、一匹づつ先ほどの妹まりさ同様、あにゃるに赤い液体をねじ込まれた。 「やめちぇにぇ!やめ『ぐぬっ!』ゆびゃびゃびゃびゃ、びぇぇえええ!?」 「まりしゃ、なんにもしちぇにゃ『ずぷっ!』ぴゅぅぅうう!!ぴぅ!ぴ!」 ・・・・・・。 赤まりさ姉妹の教育が終わった。 つづいて店員は、まりさ姉妹の隣の部屋で震えている、赤れいむをつまみあげる。 「答えろ。お前達は飼い主さんに飼われたら、最初にナニをするんだっけ?」 「ゆひぃ、ゆぅ、か、かいぬししゃんを、ゆ、ゆっくちさせましゅ!」 「・・・違う。ゆっくり『していただく』んだ。再教育だな。」 「ゆぴぃぃぃいいい!?どうしちぇぇぇぇえ!!」 どうしてもクソもない。 そもそも、赤ゆっくり達の答えなど、店員にとってはどうでもいいことなのである。 実のところ、ココで生産される赤ゆっくり達は、過酷な環境で選別される外界のゆっくり達とは悪い意味で出来が違う。 おまけに何十世代もの間ペットショップの外を体験していないので、先祖から受け継がれてきた知識なども無い。 優秀な胴付きゆっくりの知能を上の上、森の野生ゆっくりの知能を中とするならば、 このショップで生産される赤ゆっくりの知能は下の中を超えることは無い。 だから、このショップ生まれの赤ゆっくり達がこの3日間で憶えられることなど、 野良や野生で生き延びる標準的な赤ゆっくり達なら、口頭で30分も教えれば憶える程度の内容にすぎない。 必死でモノを教えるだけ無駄なのである。 だから、この体罰の本当の目的は、知識を与えることなどではない。 ただ一つのことを、心身にしっかりと刻み込むためのものだ。 そう、人間に逆らったりしないように、『力の差』を痛みの記憶として刻み込むための・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こうして生後3日間で、赤ゆっくり達は2つの事だけを餡子の隅々にまで憶えさせられた。 2つの事とは、 1.人間に逆らったり、迷惑をかけたりすれば、痛い思いをする 2.しあわせーになるには、『飼い主さん』に飼ってもらうしかない ということである。 こうして赤ゆっくり達は、これから先商品として必要な事の全てを身に付けた後、 3日間で体液とうんうんにまみれた体を洗浄され、病気などが無いか検査され、 全てのチェックを終えてから店頭の透明ケースに陳列されるのであった。 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!れいみゅはとっちぇもゆっくちだよ!」 「のーびのーびしゅるよ!まりしゃをかっちぇにぇ!」 「わきゃるよー!ちぇんがいちばんげんきだよー!」 「みゅほぉ!みゅほぉぉ!!」 そして、冒頭へと場面は戻る。 赤ゆっくり達は、生まれてから一度も両親にゆっくりさせてもらえず、 ゆっくりしたご飯も、ゆっくりした寝床も与えられず、ひたすら『ゆっくり』を求め続けた。 そして、その最後の希望を『飼い主さん』に求め、必死で自分を売り込むのだ。 「おねーしゃん!れーみゅをかっちぇにぇ!ゆっくちできりゅよ!」 「うーん・・・200円。高いわね。」 「ゆがーん!」 ・・・だが、購入されることは稀である。 こうして、飼い用ゆっくりとして陳列されて3日。 売れないまま一番可愛い時期を終えてしまった大半の赤ゆっくり達は、これまでより一回り小さい、 狭苦しい透明ケースの中へと移されることになる。 よく売られているゆっくり飼い方本でも、『赤ゆっくりは生まれて1週間以内の教育が非常に重要!』 などと書かれているように、飼い用赤ゆっくり達の旬は短い。 この時点で売れ残った赤ゆっくり達には、高い値段がつくことはもはやないのだ。 その代わり、こうして値段が下がる事によって、別口で買い手がつくことになる。 「すいません。ここの赤れいむ15個。」 「はい、かしこまりました。」 「ゆわーい!ゆっくちよろしくにぇ!」 「ゆっくちさせちぇにぇ!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 ・・・ちなみに、ケースに貼られた札には、こんな言葉が書かれている。 『捕食種向け餌用ゆっくり:赤れいむ5匹100円』 だが、捕食種や希少種は高級ペットであり、飼っている人間は元々多くない。 そんなわけで、これからさらに3日経過しても、なお売れ残る赤ゆっくりは多い。 ここまでくると、赤ゆっくり達のサイズや味が、 贅沢に慣れたペット捕食種達の口に合わなくなってくるので、 餌用ゆっくりとしての商品価値も低下してくる。 そんなわけで、生後10日を経過した赤ゆっくり達は、透明ケースから出され、 その手前に置かれた処分品用ワゴンに乗せられる。 購入の際は、ワゴン脇に置かれた卵パックに詰めてもらうセルフサービス方式だ。 「ゆっくちかっちぇにぇ!!」 「ゆっくちさせちぇにぇ!」 髪の毛はボサボサ、胸に名前刺繍入りの古いジャージを着た、近所の貧乏学生がワゴンの前にやってくる。 学生は、品定めなど特にせず、トングで掴んで片っ端から赤ゆっくりを卵パックに詰め込んでいく。 「コレください。」 「はい、かしこまりました。8パックで割引つき、300円になります。」 「ゆわーい!これでれいみゅたちもかいゆっくりだにぇ!」 ゆっくりの餌などに、人体に無害な物質しか使わない理由はここにもある。 処分品の赤ゆっくり達は、近所の貧乏学生にとって、貴重な酒のツマミなのだ。 甘いものだけでは飽きてくると言うときは、頭部を切り開いて塩や醤油を注いでみたり、 ホットプレートで焼いてからソースとマヨネーズで味付けしたり、色々な食べ方が模索されているらしい。 このようにして、このペットショップで生まれた赤ゆっくりの約半数は、 何らかの形で買われていき、長くもないゆん生をしあわせーに(かどうかは知らないが)生きていくことになる。 そして、これでも購入されなかった約半数については、ペットショップで相応の未来が待つことになる。 比較的活きのいい数匹は前述の通り、繁殖用ゆっくりとして改造され、 多くのおちびちゃんに恵まれるという、しあわせーな未来を歩んでいくのだ。 また、それ以外の大半は、これも前述した通り、ミキサーにかけられて繁殖用ゆっくりの餌になる。 自分達を食べてもらうことで、繁殖用ゆっくりに栄養を与え、ひいては彼女達のおちびちゃんを育むという、 売れ残りになった駄ゆっくりとしては望外のしあわせーが待っているのだ。 ペットショップ生まれの赤ゆっくりで、無駄に潰されたり、処分される悲しい命は存在しない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 売れ残りゆっくりの中で、特に傷が少なく、性格も活きもいい数匹については、 繁殖用でもなく、ミキサーにかけられるでもない、第3の明るい未来が門を開く事もある。 それは、このショップの売れ筋商品でもある、 ゆっくりコーナーの一番奥に並ぶ『セット販売』コーナーの、『ゆっくり家族セット』だ。 そのコーナーに並ぶゆっくり達は、どの家族も幸せに満ちた、ゆっくりした表情を見せている。 「おちびちゃんたち、おかーさんとおうたのれんしゅうだよ!ゆ~ゆゆ~!ゆっくり~!」 「ゆーゆゆー!ゆっくちー!ゆわーい!おうたしゃんは、とっちぇもゆっくちできるにぇ!」 「ゆふふ。それはね、おちびちゃんたちが、とってもゆっくりしてるからだよ。」 「ゆっくちー!おきゃーしゃん、しゅーりしゅーり!」 「うふふ。すーりすーり!しあわせー!ゆっ?おちびちゃん。おかおがよごれてるよ。ぺーろぺーろ。」 「しゅっきりー!おきゃーしゃん、ありがちょー!」 「(ゆふふ。れいむのおちびちゃんたち、とってもゆっくりしてるよぉ。)」 母れいむとおうたの練習をする6匹の赤れいむ。 にんっしん中でゆったりとベッドに横になる成体ぱちゅりー。 水入れの上で水上移動の練習をしている赤まりさを暖かく見守る母まりさ。 色つきチラシやおはじきでとかいはコーディネートをする母ありすと子ありす姉妹。 ケース内を所狭しと跳ねたり、かけっこしたりしている10匹の子ちぇん姉妹。 赤ゆっくり用ケースの中で、可愛さと元気さで隠しながらも、 瞳を見れば全くゆっくり出来ていない赤ゆっくりに対して、 こちらのセットゆっくり達は、みんなとてもゆっくりしている。 それもそうだろう。 このセットゆっくり達は、数多のハードルを乗り越えてきた、幸運のゆっくり達なのだ。 ショップで生まれてすぐに、他の多くの赤ゆっくり達同様、過酷で理不尽な調教を受けたものの、 結局2週間以上購入されること無く赤ゆっくりの段階を終えた。 大抵はここでミキサーにかけられ繁殖用ゆっくりの餌になるが、 幸運にも比較的肌やお飾りがきれいだったことで、粉砕を免れる。 それだけではない。 その後、セットゆっくり達の待遇は明らかに好転していったのだ。 食事は味も香りも無いゼリー状の何かから、多少野菜の香りもするゲル状の何かにかわり、 量も満腹になるまで食べさせてもらえるようになった。 専用のおうち(透明ケース)と、飼いゆっくりらしいおトイレ、ベッド(ダンボールの切れ端)まで与えられた。 そして、成体まで育った頃、待望の『おちびちゃん』まで手に入った。 家族セットとして種類を揃えるため、相手は選ばせてもらえず、同種同士でつがいを作らされた事、 全員にんっしんさせるために、雌雄の役割分けをさせてもらえず、例の繁殖用木箱によってお互いにすっきりーをさせられた事、 等々不満は残ったが、それでもこの母ゆっくり達はとてもゆっくりしていた。 『おちびちゃん』とは、貧弱で多産以外に種を残す方法の無いゆっくりにとって、 本能的に何よりも手に入れたい、ゆん生において最もゆっくりできる存在なのだから。 ゆっくりコーナーに、また一人客がやってくる。 その客を見たとたん、セットゆっくり達のスペースがにわかに騒がしくなった。 「あのおにーさんだよ。」 「わきゃるよー!きょうはちぇんたちをかってもらうよー!」 やってきたのは、記憶力の絶望的なセットゆっくり達でも顔を覚えるほどの常連お兄さん。 お兄さんとはいっても実際は50代には達しているであろう。 頭髪がすっかりはげ上がり、無精ひげがうっすらと伸びる顔には深いしわが刻まれている。 着ているスーツはすっかりくたびれて、猫背気味の姿勢と合わせて疲れ果てた印象を受ける。 「まりしゃ、おみじゅにうけるようになったんだよ!ゆっくちかっていっちぇにぇ!」 「ありしゅたちは、とっちぇもときゃいはよ!おはじきしゃんで、こーでぃねーとができりゅわ!」 「れいむたちのおうたをきいてね!ゆ~ゆゆ~!ゆっくり~!」 セットゆっくり達が、一斉にお兄さんにアピールを始める。 みんな、自分達もあのお兄さんに買われたいと思っているからだ。 なぜなら、このお兄さんはとてもゆっくり出来るお兄さんだと信じているから。 一番古株のありす一家などは、数こそ数えられないがこのお兄さんが、 これまでの数週間で10家族以上を買っていっているのを見ていた。 こんなに『たくさん』のゆっくりを飼ってくれるなんて、きっととってもゆっくりのことが好きなんだ。 そう、セットゆっくり達は思っている。 一方店員も、このお得意様の事はよく知っていた。 このお得意様が、これまでに確実に3桁の大台に乗る数の『特売品・ゆっくり家族セット』を購入していることを。 そして、このお得意様が、これまでゆっくり関連グッズやゆっくりフードを購入したことが無いことを。 「ゆわーい!おにーさん、れいむたちとゆっくりしていってね!」 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」×6 この日お兄さんは、おうたの得意なれいむ一家を買っていった。 そしてこの4日後、れいむ一家のおうたを聞くことは、誰にも、永久にできなくなった・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ここはゆっくりに優しくも無ければ、関心が高いわけでもない、普通の町。 この町のペットショップでは、今日も大量のゆっくりが生産され、販売され、消費されていく。 販売されるゆっくり達は、過酷なショップでの生活の中で、 飼いゆっくりとなり、優しい飼い主さんとゆっくりとした生活を送ることを夢見続ける。 だが、そんなゆっくりした飼い主となるような人間であれば、 しっかりと動物の育て方を勉強してからショップに来る。 そして、しっかり勉強しているならなおのこと、このショップのゆっくりの質が悪く、 ペットに向いていないことなどわかってしまうのだ。 結局、このショップでゆっくりが、まともな飼い主に購入されることなど100.0%無い。 過酷な調教による幼少期のゆっくり失調によって、上手く育てても一年も生きられないという、 明らかな不良品にも関わらず、このショップには苦情が一軒も来た事が無い。 その事自体が何よりも、購入されて以降のゆっくり達の未来を示す、証明なのだ。 ※おまけ おうたの好きなれいむ一家は、ダンボール箱に詰められてペットショップから運び出された後、 ずっと上機嫌であった。 「おちびちゃん!れいむたち、とってもゆっくりしたおにいさんにかってもらえたよ!」 「ゆわーい!れいみゅ、あみゃあみゃしゃんたべれりゅかなぁ?」 「そうだね。おにーさんにゆっくりしてもらえたら、きっとあまあまももらえるよ!」 「ゆっくちー!」 やがて、車のエンジン音が止まり、ダンボール箱がお兄さんの家に運ばれていることに、 れいむ一家も気付いた。 「おきゃーしゃん!」 「なぁに?おちびちゃん。」 「このはこしゃんを、おにーしゃんがあけたら、みんなでおうたをうたわにゃい?」 「ゆぅー!とってもゆっくりしてるね!」 「しょーだにぇ!れいみゅたちのおうたで、おにーしゃんにゆっくちしてもらおうにぇ!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 そして、箱が開けられた。 「おにーさん!ゆっく『ぽいっ!』ゆぐっ!『ごくん』・・・ゆぅ?」 母れいむがお兄さんに話しかけようとした瞬間。 お兄さんの手から、小さな筒状のモノが束ねられた、『何か』が投げられた。 母れいむの口の中に・・・ 「お、おにーさん?さっき『ぼちゅんっ!!』びぇぅっ・・・・・・」 母れいむが『何か』を飲み込んで数秒後、その『何か』は母れいむの中で破裂し、 母れいむの喉、目、あにゃる、まむまむは、その内圧に耐えられず、同時にはじけ飛んだ。 ・・・それは、爆竹だった。 「おきゃーしゃん!ゆっくちしちぇー!」 「ぺーりょぺーりょ!ゆっくちしちぇにぇ!」 「おにーしゃぁあん!!おきゃーしゃんをたすけてあげちぇにぇ!」 赤れいむ達は、何が起きたのかわからなかった。 『飼い主さん』に飼われたらゆっくりできる、それがこの一家の常識なのだから。 だが、そんなことは、お兄さんにとってはどうでもいい事、 いや、むしろそうだからこそ、お兄さんにとっては好都合であったのだ。 母れいむは、家族の中では一番幸福だったであろう。 この後、自分が産み、愛情を注ぎ、お歌を教えたおちびちゃん達が、 一匹づつ可愛らしい姿と、歌声と、命を失っていく姿を見ることなく生涯を終えることが出来たのだから。 少なくとも、絶望の中で3日後の夜に発狂して、自らの腹を食い破り永遠にゆっくりした、長女れいむよりは・・・ 餡小話掲載作品(餡子ンペの投票期間が終わったので整理。またちゃんと整理します。) 『町れいむ一家の四季』シリーズ 裏話・設定編(時代問わず) ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか ふたば系ゆっくりいじめ 753 原点に戻ってみる ふたば系ゆっくりいじめ 762 秋の実り 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけはそうでもない) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道(おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 734 未成ゆん(おまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 678 飼われいむはおちびちゃんが欲しい(おまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけ) 夏-1-6. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけ) 夏-1-7. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(仮) ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた ふたば系ゆっくりいじめ 807 家出まりさの反省 D.Oの作品集
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声 - 興津和幸 冒険部の部長(三代目)、高校3年生。コレクションの一つである『魔法使いの杖』を求めている。知的な印象を与える外見で、人当たりが良く多くの女性にモテている。だが、「誰も自分の前に立っていない世界がほしい」と発言するなど、時々傲慢な部分を覗かせる。隙さえあれば平気で人を欺くが、大抵の場合看破されたり出し抜かれる。コレクションは「ものまね眼鏡」を所有している。 龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2220.html
売ゆん婦5 22KB 虐待-普通 悲劇 理不尽 共食い 飼いゆ 野良ゆ 現代 虐待人間 ぺにまむ 需要は少なそうだけど頑張ります 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 ふたば系ゆっくりいじめ 772 情けはゆっくりの為ならず ふたば系ゆっくりいじめ 798 売ゆん婦4 ふたば系ゆっくりいじめ 962 他ゆん事 完結作品 ふたば系ゆっくりいじめ 867 Can ゆー defend? 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 960 Can ゆー defend? 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 1011 Can ゆー defend? 後編 『売ゆん婦5』 一、 子ちぇんとの情事はそう長くは続かなかった。 れいむのすっきりー経験はとうに百を超えており、それはゆっくりの生涯に行う平均すっきりー回数を大幅に上回っている。 まだ若い成体であったれいむだが、青年の“手入れ”により激しいすっきりーを何度してもかなり長持ちしていた。 危うくすっきりー死しかけたことも珍しくは無かったが、その都度野生や野良では不可能な治療を施され生き長らえてきたのである。 「ゆふぅうううっ!! ゆふぅうううっ!! ちぇんのぺにぺにが、すっごくあついんだよー!」 「ちぇん……、ちぇん、ゆっくりしないでおわってよ……」 れいむの体に蓄積された経験は当然普通のゆっくりとは比べるまでもなく、うねるように蠢いて攻め役のゆっくりのぺにぺにを包み込むまむまむは名器と呼ぶに相応しい。 子ちぇんの雄々しくそそり立ったぺにぺにも例外ではなく、それに絡みつかれていた。 「もうだめだよぉおおおっ!! でる、でちゃうよぉおおおっ!!!」 今回は子ちぇんとのすっきりーを精神的に苦痛に思ったれいむが意識的にまむまむの締まりを調節し、普段のそれよりもずっと相手の快感を深める結果になっている。 口で何と言おうが、れいむは青年からの調教がその身の中の餡子の一片に至るまで浸透した立派な売ゆん婦だった。 「す、す、す、すっきりぃいいいいいいいいいいいっ!!!」 「……すっきりぃいいいっ!!」 子ちぇんは甲高い叫びと共に果て、れいむも苦行から開放された安心感で気をやった。 押し止められていたチョコレートが一気に中へと出され、その熱さにれいむは身悶えする。 子ちぇんはぺにぺにの震えを抑えようとするが叶わず、昇天するような快楽を味わっていた。 「ゆふぅー……」 精根尽き果てたような子ちぇんに、青年の同僚はオレンジジュースを飲ませてからゆっくりフードを食べさせる。 子ゆっくりのすっきりーによる死を防ぐ為だ。 それを見ながら、れいむも幼い頃自分がそうされたことを思い出す。 青年がれいむにその処置をしたのは愛情からではなく、遊びを長く楽しめるようにする為だった。 「……すっごくよかったんだにぇー」 体力が回復した子ちぇんは艶々とした顔で初の情事の感想を呟く。 そのやり遂げた感が漂う表情をアップで撮影すると、青年は撮影を終えた。 「今回もそこそこの画が撮れたな」 「お前の動画、結構こっち側では評判いいぜ。あ、これすっきりー代な」 青年の同僚は子ちぇんのすっきりー料金として100円を支払う。 それを受け取ると、青年は財布の中に入れた。 「俺もれいむでどこまで評価されるか最初は心配だったんだけどな。ニヤニヤユーザーからは概ね暖かい目で見守られているみたいで安心したよ」 青年達の会話を聞きながられいむはのっそりと身体を起こす。 まむまむからは茶色いチョコが流れ出ていた。 「……」 (いつもどおりだよ……。れいむは、おしごとをしただけなんだよ) 胸の痛みを押し殺すように自分に言い聞かせていると、子ちぇんと目が合った。 「おねーちゃんとのすっきりーきもちよかったんだにぇー。またきたいよー」 「……そうなの? でも、あんまりすっきりーしすぎるとゆっくりできなくなるんだよ」 悪気無く微笑む子ちぇんに毒気を抜かれ苦笑する。 まだちぇんはおちびちゃんなんだ、れいむとのすっきりーが持つ意味をよく分かっていないだけなんだと思ったのだ。 そうやってしばらく雑談していると、青年の同僚が子ちぇんを呼ぶ。 「おいちぇん。筆下ろし後のピロートークも結構だが、そろそろ帰るぞ」 「わかったよー」 「そのれいむに入れ込むのもほどほどにな。お前には婚約者のらんがいるんだから」 ――――婚約者? 「なんだ、そいつフィアンセいるのか」 「ああ。ブリーダーやってるダチが一匹譲ってくれるって言ってな。まだ赤ゆだけど」 「らんしゃまはかわいいんだよー!!」 子ちぇんには決まった相手が既にいるらしい。 それは、もう誰かと添い遂げることなど考えられなくなってしまったほど汚れたれいむにはとても羨ましく感じられた。 「じゃあなんでそのらんが育つまで待ってなかったんだ? 幾ら思春期の子ゆっくりだって一人すっきりーすればどうにでもなるだろうに」 「ちぇんが言うには、今の内にすっきりーのテクニックを磨いておきたいそうだ。らんをリードしてやりたいんだと」 「こけんにかかわるんだにぇー」 つまり、れいむはただの練習相手。 最初から身体目当てだったわけだ。 (それでも、れいむは……) 青年はれいむを売ゆん婦と言った。 それは否定できないけど、なら、そんなどうしようもないれいむでもせめて、 「ちぇん」 「?」 「らんと、うまくいくといいね」 精一杯の笑顔で応援してやる。 “お客さん”にいい気分で帰ってもらえば、れいむのお仕事にも何かしらの意味があるというものだから。 例えその意味が、刹那的な快楽を提供するだけのことだったとしても。 「……ありがとうなんだにぇー!」 去っていく子ちぇんは、笑顔だった。 二、 子れいむが目を開けると、知っている天井が見えた。 仰向けに寝かされていたらしい。 (ゆ、れいみゅは……) ぽんぽんの軽さに違和感を覚え、そして赤ちゃんがりゅうざんっしてしまったことを思い出した。 ぺにぺにが入ってきて、赤ちゃんが自分の中で潰されていく感触と、まむまむから精子餡と共に赤ちゃんだったものが流れ出ていく喪失感。 望んでできた子供ではなかったとはいえ、れいむにとって初めての赤ちゃんだったのだ。 お話したかった。 一緒にむーしゃむーしゃして、おねんねしたかった。 自分を育ててくれたお母さんのように、赤ちゃんを慈しみたかった。 ゆっくりさせて、あげたかった。 「あかちゃん……」 それなのに赤ちゃんは生まれることすら許されず、ゆっくりしていってねの一言すら言えぬまま死んでしまったのだ。 「ゆぐぅっ」 涙を堪えようとしても啜り泣きが漏れ出す。 何故、こうなってしまったのだろう。 「どおしてこんなこと……」 「無能な饅頭が分不相応なことしようとするからさ」 子れいむの無意識の問いに青年が答える。 その声が聞こえた方向に振り向くと、青年が薄ら笑いを浮かべていた。 「おにいしゃん?」 「今のお前じゃ、自分の食い扶持稼ぐだけで精一杯ってところだろ。まだ子ゆっくりだしな」 青年が操作していたパソコンの画面には、情報屋まりさと子れいむの情事が映されていた。 それを見た子れいむの顔から餡の気が引く。 この後に起こることを知っているからだ。 「やめてぇえええ!! まりじゃやめでぇえええっ!!!」 このまま続ければ、赤ちゃんが死んでしまう! 既に起きた出来事は変えることは出来ないのに、子れいむはそれすらも忘れたようにモニターの中のまりさに訴え続けた。 「馬鹿だな。ま、所詮れいむか」 鼻で笑うと、青年は動画を止めてから子れいむに平手打ちをする。 ぱぁん! 「ゆ゛っ!!」 直接的な暴力を受けて顔を腫らす子れいむに青年は容赦せず、何度も叩く。 「いだいっ! もう、やめでっ!! おにいじゃん、れいみゅのおがおが!!!」 今までにも青年から折檻されたことはあったがそれは躾の為であり、してはいけないことを理解すれば止めてくれた。 だが、今子れいむが受けているのは純粋な悪意による暴力であり、ただ痛めつけることを目的にしたもの。 泣けば泣くほど青年を楽しませるだけなのだ。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 苦悶の声が喉から発せられる。 子れいむが暴力から解放されたのは、可愛らしい顔がぼこぼこに変形してからだった。 それでも皮が破れたり餡子を吐き出すような兆候は見られない。 青年は苦しめる為の力加減を心得ていた。 「そろそろお前の立場を理解させてやろうと思ってな。俺はお前を可愛がる為に飼っているんじゃない。 虐待して遊ぶ為に飼ってるんだ。単なるオ・モ・チャ」 「……?」 返事すらできないほど体力を消耗していたが、なんとか青年と目を合わせる。 (おにいしゃんは、ゆっくりできるおにいしゃんじゃなかったにょ?) 「理解できないか? でもな、お前を可愛がるんだったらこんなことする筈ないだろ」 「ゆ……」 心当たりはある。 れいぱーを嗾けられ、情報屋まりさと無理やりすっきりーさせられ赤ちゃんを殺された。 「……れいみゅが、きらいなにょ? だからいじめるにょ?」 呼吸を整えると青年に問いかける。 自分が嫌いなら、悪い所を言ってほしい。 そうすればきっとお兄さんに好かれるようなゆっくりになるように頑張るから。 「いや、お前の事が嫌いなんじゃないぞ? 寧ろ好きさ」 「じゃあ、なんで……」 ところが青年は自分を好きだと言う。 好きな相手にどうして酷い事ができるのだろうか。 「ただちょっと愛情表現が歪んでるだけなんだ。俺はな、お前が泣いたり叫んだり、悲しんだり痛がったりするのを見るのが大好きなんだよ。 それに、お前だって苛められる代わりに食い物と寝床の心配はないし、死ぬことはないんだ」 「それはそうだけど、それだとれいみゅがゆっくりできにゃいよ」 「元々お前をゆっくりさせる気なんてないんだ、当たり前さ」 「……」 れいむは、青年にこれ以上何かを言うのを諦めた。 自分がどんなことを言っても彼にこの想いが届くことはないのだろう。 その頬をつたう涙は、きっと顔の痛みだけのせいではなかった。 三、 腫れが引き、子れいむの顔は以前同様の可愛らしさを取り戻した。 数日間の休養で体力も充分に回復している。 れいぱーの死体を嫌々ながら食べていたことにより必要な栄養も摂取できていた。 「ふむ、そろそろいいか」 青年は出かける身支度を始めていた。 キャリーケースやオレンジジュースなどが準備されており、子れいむを伴っての外出らしい。 それを見た子れいむの身体がびくりと震える。 前回の外出では酷い目に遭ったのを思い出したのだ。 「おにいしゃん、またれいみゅのこといじめるにょ?」 「そうさ。言ったろ? 一回も二回も三回もたくさんも同じだって」 (また、すっきりーなんだにぇ……) れいぱーの死体がなくなったこともあり、子れいむはまた仕事をして自分の食い扶持を稼がなければならない。 その手段が手段だから憂鬱な気分なのだ。 「またあのまりさに会いに行くんだ。あいつに客の紹介頼んどいたからな」 「……っ!」 あのまりさとは、情報屋のことだろう。 命令をしたのは青年だが、あのまりさは赤ちゃんの仇なのだ。 拒否できる状況ではなかったことは分かっている、だが、割り切れたわけではない。 どんな顔をしてまりさに会えばいいのか、子れいむは分からなかった。 四、 先日と同じく情報屋まりさの眼は冷たかったが、どこか罰が悪そうなようにも見受けられた。 しばらく子れいむとまりさは見詰め合っていたが、やがてまりさの方から視線を外すと青年との商談に入る。 「おにいさん、またこのれいむをつれてきたってことは、れいのけんなのぜ?」 「そうだ」 (このれいむも、とんでもない人間さんに飼われてるんだぜ) 哀れみを感じないでもないが、自分の仕事は青年を楽しませることで、つまり子れいむを苦しませることだ。 結局この子れいむにとっては、自分も青年も何ら変わらない存在であるのかもしれない。 「ここからそうとおくないところを、にんげんさんがかいゆっくりとすっきりーさせてくれるすっきりぷれいすだってしりあいにいっておいたのぜ。 あんないするからついてきてほしいんだぜ」 専用のすぃーに乗って静かに移動し始めるまりさを追い青年が歩き始める。 少し歩くと、やや奥まった場所に何匹かのゆっくりがいた。 そのどれもが薄汚れており、野良だと分かる。 「おそいわよまりさ!!」 「そうだよ! かわいいれいむをまたせるなんてまりさはぐずだね!!」 「んほっ! いいれいむ……」 「そんなにおこるとゆっくりできないのぜ、ぱちゅりーとれいむ。 ありすはすこしじちょうするのぜ」 ぱちゅりーとれいむはまりさが遅かったことについて怒りを感じているようだが、ありすはそんなことよりも青年が持った子れいむを気に入ったようで、性欲を隠そうともしない。 「むきゅきゅ、なかなかのびゆっくりね!!」 「れいむのほうがかわいいよ!! ぱちゅりーのおめめはふしあななの!?」 「そんなのどうでもいいからはやくすっきりーしたいわぁあああ!!!」 れいむを除いた二匹のお眼鏡にはかなったようで、早速すっきりーの体勢に入る。 れいむは同じれいむ種ということもあり、素直に己の容貌が子れいむより劣っていることを認められないようだ。 (こんどは、さんにんもなにょ!? れいみゅこわれちゃうよぉ!) ぱちゅりーとありすは順番争いで揉めていたようだが、二匹の間で行われた協議の結果最初にぱちゅりーがすっきりーするということに決まった。 「むきゅ! ぱちぇがいちばんやりよ!!」 「あそこでぐーをだしていればぁあああ!!」 ……訂正、ただじゃんけんをしていたようである。 手もないゆっくりがどうやってじゃんけんをしているかは、舌の複雑な動きでやっているということにしておいてもらいたい。 「さぁ、まむまむをみせなさい!」 「ゆぅ……」 言われるがままに子れいむはまむまむをぱちゅりーに向ける。 羞恥で顔が赤く染まるが、その初々しい様子がぱちゅりーには好ましかった。 「まだおちびちゃんなのにいやらしいわね! ここはこんなにぬれているわ!! しょうらいがおもいやられるわね!!」 まむまむに顔を擦りつけて濡れ具合を確認し、言葉責めを始める。 子れいむも自覚しているのか、反論しようとしない。 それを撮影する青年を、情報屋まりさは他ゆん事のように見ていた。 「むっきゅっきゅ!! このまちのけんじゃのちてきなぺにぺにでいかせてあげるわ!!」 貧弱な身体同様貧相なぺにぺに。 それを子れいむは受け入れた。 「ゆんっ!」 「れいむのなか、とろとろよぉっ! ぱちぇこんなのはじめてだわぁっ!!」 「ありすがさきにすっきりーしたかったのにぃいいいっ!! こうなったらもうれいむでいいわぁあああっ!!」 「ゆんやぁああああああっ!!! こっちこないでねぇえええっ!!!」 ぱちゅりーと子れいむの情事に触発され、最初から発情していたありすは近くにいたれいむで性欲を発散させようとする。 れいむも大人しくすっきりーされるような輩ではなく、逃げまどう。 そんな出来の悪いコントのような情景とは一切関係なく、ぱちゅりーは子れいむに挿入してから一分も経たずに絶頂を迎えようとしていた。 早漏である。 「ぱちぇのけんじゃないでんしをうけいれられることをこうえいにおもいなさぁあああいっ!!! すすすすすすすすっきりぃいいいいっ!!!」 子れいむが達する間もなくあっさりと果ててしまうぱちゅりー。 それでも生クリームがまむまむに染み渡り、ぽんぽんが膨れてしまう。 二度目のにんっしんっだ。 青年は撮影の手を休めると、子れいむにオレンジジュースを飲ませる。 「しあわしぇー……。また、あかちゃんできちゃったよぉ……」 オレンジジュースの甘味に少しだけ幸せな気分になるが、悲しそうな顔で子れいむは呟く。 青年は、赤ちゃんがぽんぽんにいても構わずに自分にすっきりーをさせようとするだろう。 そうすれば当然赤ちゃんは死んでしまう。 生まれる事ができないと分かっている我が子、その運命に涙した。 「おいぱちゅりー、すっきりー代」 「むきゅ?」 「むきゅ? じゃねえよ。早く払え」 青年は精根尽き果てたぱちゅりーに手を伸ばして代価を要求する。 そういう約束で来たのだから、持っているものだと認識していたのだ。 「それならとっくにはらったじゃないの」 「何?」 「まちのけんじゃであるぱちぇのあかちゃんをうめるのよ? それがどんなにすばらしいことか、にんげんさんのあんこのうなあたまではりかいできなかったみたいね、むきゃきゃ!!」 ぱちゅりーによると、自分の子供を孕むこと自体が名誉なことなのだからそれで充分すぎるくらいの報酬だろう、ということらしい。 無駄に自信に溢れた賢者(笑)である。 「お前の餓鬼なんてなぁ……」 「むきゅ?」 「ゴミ以下なんだよ!!」 「むきゃぁああああああああっ!!!」 物の価値を理解していないその発言に苛立った青年は、ぱちゅりーの髪の毛を毟り取った。 その瞬間を偶々目に入れてしまったありすはぺにぺにを恐ろしさで引っ込める。 れいむも逃げるのを忘れて見入ってしまった。 青年は痛みで放心しているぱちゅりーの帽子で汚れを拭う。 「すっきりー代が払えないっていうんなら、お前の身体で払ってもらうしかねえなぁ」 「むきゅうん!? ま、まさか、にんげんさんはぱちぇとすっきりーしたいの!? いくらぱちぇのあふれんばかりのちせいにむらむらしたといってもそれはこまるわ!! むっきゅりできないわ!!」 何を勘違いしたのか、ぱちゅりーは顔を赤らめいやんいやんと身を捩る。 その自尊心だけが肥大した姿に青年は呆れたが、すっきりー代を払うつもりがないのは明らかなのでその場合の対処をすることにした。 「お前みたいなゲロ饅頭に欲情する筈ねえだろうが」 「むぎょぉおおおおおおおっ!!」 青年がしたことは単純なこと。 拳でぱちゅりーの脳天を貫いて即死させただけだ。 滑稽な叫び声を上げたっきり、動きを止めるぱちゅりーの中身を回収するため顔面を完全に崩す。 指を目と口から入れ、破っていく。 知り合いのゆっくりがグロテスクに殺される姿を見たれいむとありすはおそろしーしーを漏らしていたが、情報屋まりさは眉一つ動かさなかった。 肝が据わっているのか、それともこんなことは虐待鬼意惨と関わるとよく見る光景だからなのか、それは本ゆんに聞いてみないと分からない。 子れいむは目を閉じていた。 「とかいはじゃ、ないわぁ……」 「にんげんさんこわいいいい!!」 二匹の怯える声をBGMに、青年はぱちゅりーだったものの中身をビニール袋に移し変えた。 皮までは不要らしく打ち捨ててある。 「さて」 「「ゆ゛うっ!?」」 「お前等はちゃんとすっきりー代持ってるんだろうなぁ?」 「「もっでないでずぅううううっ!!」」 青年は嘆息する。 せめて一匹ぐらいはまともに代価を支払う奴がいると思っていたのだが。 ならば仕方ない、元々これはただの趣味だ。 今回は許してやるとしよう、まだこいつらはすっきりーしたいないのだから。 「なら帰れ。それと知り合いに言っとけよ? ただですっきりーしようとしたら、このぱちゅりーと同じ目に遭わせてやるってな」 「「わがりまじだぁああああああ!!!」」 二匹はゆっくりらしからぬ速度で跳ね、逃げていった。 見せしめの効果はあるだろうが何分ゆっくりのこと、効き目がどれだけの間持続するのか分からない。 定期的に何匹か潰しておけばいいだろう、そう思った。 「だいじょうぶなのぜ?」 「ゆん、れいみゅはだいじょうぶだよ。でも……」 「……またにんっしんっしてるのぜ」 まりさは子れいむのぽんぽんを見ると目を伏せた。 気の毒だとは思う、だが自分にはどうすることもできない。 「れいむ」 「……なに?」 「ゆっくり、したいのぜ?」 「れいみゅは、ゆっくりしたいよ……。おちびちゃんもうみたいよ」 子れいむはまだ希望に縋ろうとしている。 なら、自分の役目はそれを打ち砕くことだ。 恨まれてもいい、でも、これから子れいむはもっとゆっくりできない目に遭うだろう。 ならばその時に備えて、ゆっくりとして生きる為の覚悟を教えておかなければなるまい。 何の罪滅ぼしにもならない自己満足だけど。 子れいむの最初の子供を殺してしまったことにまりさは引け目を感じていたのだ。 「よくきいておくのぜ。れいむ、まりさたちはなんなのぜ?」 「ゆっくりだよ? ちがうにょ?」 「そうなのぜ。でも、おぼえておくのぜ。ゆっくりは、ほんとうのいみでゆっくりできるのはしぬときだけなんだぜ。いきてるときにゆっくりしてると、しぬんだぜ」 子れいむは眼を見開いて驚く。 ゆっくりとしての存在意義をまりさは否定しているのだ。 それだと、れいむ達はゆっくりしていてはいけないということになるのではないか? 「れいみゅたちはゆっくりしなきゃだめなんだよ? おかあしゃんも、ゆっくりしてたんだよ?」 「だから、みんなしぬのぜ。ゆっくりがゆっくりするためには、なにがひつようなのぜ?」 「かぞくと、ごはんしゃんと、おうちだよ。あまあまがあれば、もっとゆっくりできるよ」 「ふつうのこたえなのぜ。でも、そんなものめったにないんだぜ?」 「ゆ!?」 その通りだった。 母れいむと街で暮らしていた時には、僅かな食料で飢えを凌いでいた。 おうちはゲス一家に奪われてしまった。 ゆっくりしていたお母さんは、自分を生かすために死んだ。 「じゃあ、れいみゅたちはゆっくりできないにょ?」 「そうなのぜ。ゆんせい、あきらめがかんじんなのぜ」 「まりしゃはゆっくりしたくないにょ?」 ゆっくり? 笑わせてくれる。 まりさは子れいむの問いに冷笑を浮かべた。 「ゆっくりしてたら、まりさはとっくにしんでるんだぜ」 五、 時は流れ、亜成体にまで子れいむは成長した。 青年による手入れと母親譲りの愛らしい顔立ちを持ったれいむは立派な美ゆっくりに育っており、その憂いを含んだ物腰が客のゆっくり達の評判を呼んでいた。 れいむに付きまとう影、それはすっきりーの度ににんっしんっとりゅうざんっを繰り返したことによる。 青年は、れいむがにんっしんっしたら必ず数日間仕事を休ませるのだ。 その間にぽんぽんの中の子供に対する母性が培われ、どうしても愛おしさを感じてしまう。 そのタイミングを見計らってすっきりーをさせるのだ。 客の中には妊婦とすっきりーするなんて、と難色を示す者もいたが、大抵は妊婦プレイに大喜びであった。 「ゆっくり、できないよ」 すっかり子ゆっくり言葉も抜けて大人の雰囲気を醸し出すれいむ。 その眼差しに光はない。 「れいむ。今日も仕事だぞ」 「ゆん」 身も心も疲れ果てていた、そんな毎日に変化が訪れる。 「「すすすすすすすすすすっきりぃいいいいっ!!!」」 その日も売ゆんをしていたれいむだったが、何時もとは違ったことが起きた。 にんっしんっしないのである。 「ゆ?」 膨らまない己のぽんぽんを見て疑問符を浮かべる。 ゆっくりがすっきりーを行うと確実に孕むのだが、今回はその兆候が見られない。 どうしたものかと思っていると、家に帰った後青年は残酷な事実を告げた。 「遂ににんっしんっしなくなったか。喜べよ、もうすっきりーする度に餓鬼が死なないですむぞ」 短いサイクルでのにんっしんっとりゅうざんっのループ。 それは母体であるれいむに悪影響を及ぼしていた。 ぽんぽんの中の赤ちゃんを育てる部分、それが通常ではありえない頻度で酷使されたせいである。 「じゃあ、れいむはもう……」 「ああ。二度と胎生型にんっしんっはできない。そして……」 青年は赤熱した鉄の棒を取り出すと、それをれいむの額の茎が生えるであろう部分に押し当てた。 ゆっくりの構造を熟知している青年にとっては、何処に茎が生えるか見分けることなど容易いことである。 「~~~~~~~!?」 「暴れるな、痛いぞ。あ、やっぱり暴れてもいいぞ」 「あじゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!! れいむのおがおがああああああっ!!!」 じゅっという音と共に餡子が焼ける香ばしくも甘い臭いが室内に立ち込める。 たっぷりと一分間それを続けると、れいむの額は炭化していた。 これで、れいむはその身に子を宿すことができなくなったのだ。 胎生型も、植物型にんっしんっも叶わない。 「どうだ、にんっしんっできなくなった感想は?」 「れいむ、もうおかあさんになれないの?」 「そうだ」 小麦粉でれいむの額の補修をしながら青年は冷徹にれいむを地獄へと突き落とす。 「……なんで? れいむ、おかあさんになりたかったんだよ? あかちゃんをうんで、ゆっくりさせてあげたかったんだよ? けっこんっもして、しあわせに、なりたかったのにぃいいいいいいっ!!! ゆわ゛ぁああああああああああああああああああああああっ!!!」 家庭を持つことだけなら、番は必ずしも必要というわけではない。 しんぐるまざーという手段があり、事実れいむもそうして育てられた。 しかし、今のれいむにとってはそれ以前の問題だった。 子供が作れないということは自分の餡子を継ぐ者がいないということで、そんなゆっくりを好き好んで番にしようという物好きなど滅多におるまい。 飼いゆっくりなら飼い主に子作りを禁止されて去勢されている個体が多いから話は別だが、元来ゆっくりにとって、おちびちゃんはゆっくりできるものの中でも至上の価値を持っているのだ。 街のゆっくりにとっては食料や住処などにより多くの労力を必要とするデメリットも確かに存在するものの、厳しい生活の中での数少ないゆっくりでありその幸せに対して投資する価値は充分にある。 その幸せを手に入れる可能性が、奪われた。 その日、れいむは寝る時まで声が枯れるほど嘆き悲しんだ。 眠った後も、夢の中でさえその悲劇に対して悪夢を見た。 誕生さえ許されず、死んでいった子供達がれいむを責め立てるのだ。 種族はれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん等様々で、統一性は皆無だったがそのいずれもがゆっくりとしての体裁を整えていないほど形が崩れている。 胎内で掻き回されて死んだからだ。 それに取り囲まれ呪詛を浴びせらる恐怖は筆舌に尽くし難い。 (どうちてうんでくれなかったにょ?) (まりちゃゆっくちうまれたかったんだじぇ) (いにゃかもにょ!!) (ぱちぇをうんでくれないにゃんて、くじゅおやにぇ!!) (わきゃらにゃいよぉー) (たんちょー! ほうきぇー!!) 口さえ欠損している個体もいるのに、れいむには彼女達の言葉が聞こえていたのである。 (ごめんね、赤ちゃん達ごめんね……。産んであげられなくてごめんね。 れいむなんかの子供じゃなかったら、産まれられたかもしれないのに……。ゆっくりできたかもしれないのに……) 夜明けが来て朝日が顔を出し、眼が覚めてもれいむの心に光は射さなかった。 売ゆん婦シリーズはストレートな虐待というより、すっきりーとれいむの精神的な苦痛がメインです。 純粋なゆ虐を求める人には生温いかもしれませんが、その分は自分の他作品でやりたいと思うのでご了承下さい。 次回の売ゆん婦では主に情報屋まりさの描写をしたいと思っています。 愛でssを書こうとしてもまったくネタが思いつかないヤリまむあきでした。 ヤリまむあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 6を… -- 2012-05-08 12 23 19 凄くおもしろいのに6がないんだねーゆっくりまってるよー -- 2011-06-29 08 28 57 続きを・・・ -- 2010-06-12 03 24 49
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きほん じょうほう しゅーとタイプ とくしゅ しゅーと印 き POW/SPINタイプ ちょよわ/よわい くわしく すこし じょうしょう して そくどアップして ひょうてきに むかって とんでいく らんく POW数値 SPIN数値 にゅうしゅ ばしょ SSS 105 +30~39 110 +31~40 SS 105 +26~34 110 +27~35 S 105 +22~29 110 +23~30 No.19ふくびき A 105 +18~24 110 +19~25 B 105 +14~19 110 +15~20 しゅーとおばば ・ ワールドリーグ-2 C 105 +10~14 110 +11~15 しゅーとおばば D 105 +6~9 110 +7~10 ※POW,SPIN数値は暫定値 そのた じょうほう このページを編集 コメント 名前 すべてのコメントをみる タグ:'しゅーと' 'とくしゅ' '頭文字き'
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インフェルノ・ペスト 6KB 虐待-凄惨 制裁 ゲス れいぱー 捕食種 希少種 現代 独自設定 ゆっくりに関する病気虐待が無いので作ってみました・・・文章が下手だったらごめんなさい (書いた小説) ふたば系ゆっくりいじめ 818 黒いオオカミ~chapter1~ ふたば系ゆっくりいじめ 838 黒いオオカミ~chapter2~ ふたば系ゆっくりいじめ 851 黒いオオカミ~chapter3~ ふたば系ゆっくりいじめ 894 ゆっくりが知ってはいけない、鬼ごっこ △注意事項△ ゆっくりが惨たらしく死なす表現が無いと思います。 善良なゆっくりも酷い目に会います。 人間もちょっとだけ怖い目に会います。 駄目だったら、回れ右して戻って下さい。 当店のご来店、ありがとうございます。 私はゆ虐待レストランの支配人マッドと申します。 さて、今回はれいぱーゆっくりをお仕置きするという話です。 因果応報。どの生き物にも降りかかるのでご覧ください。 =インフェルノ・ペスト= 時刻は夕暮れ。 公園で悲鳴が聞こえた。 「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!まりさぁぁぁぁ!!!わたしのあいをうけとってねぇぇぇぇぇぇ!!!」 公園で生きる為に狩りをしているゆっくりまりさ。 しかし、運悪くれいぱーと遭遇して今、れいーぷされているのだった。 「すっきりするわぁぁぁぁぁ!!!あいをうけとめてねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「い゛や゛だぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!ずっ゛ぎり゛じだぐな゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」 激しく身を揺らす両者、そろそろラストスパートであろう。 「すっきりー!!!」 「ずっ゛ぎり゛ー!!!」 「それじゃ、また会いましょうね!!」 レイパーありすはやり終えると公園を出て行った。残された、まりさは「ゆぐっ、ゆぐっ」と泣いていた。 「ば、ばりざの゛・・・・ばーじんさんがぁぁぁぁ。」 グスグスと泣いている。 おでこには植物の菊が伸びている。 ゆっくりには植物性にんっしんと動物性にんっしんと二つあるのだ。 ただし、植物性にんっしんは赤ゆを大きく成長させるために母体の栄養が必要となる。 その為、より多くの栄養が必要となるのだ。 「ゆぅぅ・・・困ったんだぜ。」 このまりさは元は飼いゆっくりだったため、銅バッジだったが珍しく賢いゆっくりだ。 外に出てみたいと夢を見て飛び出して野生化してしまったがゲス化にはなっていない。 しかし、問題はここからだ。 にんっしん状態では狩りにも行けない。 物乞いしても、人間さんから貰えるからどうかも解らないし、下手をすれば駆除されてしまう。 絶望的だった。 その時、暗くなった。なんだろうと後ろを振り返ると黒いフードを被った人だ。 「に、にんげんさん!!」 まりさはにんげんの強さは解る。 このまま、まりさのゆん生はここで終わるんだと覚悟を決めていた。 「・・・・・・」 しかし、いくら待っても何もしてこない。まりさは安心と不安の半分だ するとフードの人が口を開いた 「・・・・・・オマエ、一人ぼっち?」 「ゆゆっ?そ、そうなんだぜ・・・」 「・・・・・・オマエ、番は?」 「いないんだぜ・・・まりさはノラになったばかりなんだぜ。」 「・・・・・・頭のそれは?」 「れいぱーに無理矢理スッキリー!!させられたんだぜ。」 思い出せば思い出すほど悲しくなってきた・・・・ まりさは、泣きそうになった。 すると、フードの人は何かを取り出した。アンパンだった。 「・・・・・食べて元気になれ。」 「い、いらないんだぜ。にんげんさんのモノを食べたら殺されるんだぜ。」 「賢いゆっくりだ。今まで、見たこと無い。」 「まりさは・・・元飼いゆっくりなんだぜ。外の世界にあこがれて飛び出したんだ・・・」 「・・・・・そうか。まぁ、食べろ。赤ゆが死ぬぞ」 ホラッとあんぱんをまりさの前に置く。まりさはモグモグと黙って食べる。 食べ終えるとまりさはポロポロと涙を流していた。 「あ、あ゛り゛がどうなんだぜ。おにいさん。」 「なぁ・・・俺と一緒に来ないか?俺も一人ぼっち。お前も一人ぼっち。どうだろうか?」 「いいのかだぜ!?で、でも・・・・」 「遠慮するな。一緒に行こう。」 「よ、よろしくなんだぜ!!」 まりさをヒョイと抱えて公園を出て行く。 五日後。 時刻は夕暮れ。森の中。 そこにはありす種がいっぱい居た。 しかし、全員れいぱーで公園でまりさを襲ったありすもいた。 「きょうもとかいはなあいをいっぱいふりそそぐことができたわ!!」 「あしたもいっぱいすっきりーしようね!!」 音もせずにフードの人間がありすたちのテリトリーに入っていた。 「ゆっ!!にんげんさんだよ!!」 「にんげんさん!!ここはありすのとかいはなぷれいすよ!!でていってね!!」 「いなかものよばわりされたくなかったら、あまあまをちょうだいね!!」 男は口からハァーと紫色の吐息を放つ。 一匹のありすがそれを吸い込むと紫色の斑点が現れた。 「な゛、な゛に゛ごれ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「このいなかものー!!ありすになにをしたのよ!!」 「もとにもどせ、いなかものー!!」 仲間のありすたちもギャアギャアと騒ぐが、男はスゥーと息を吸い込み勢いをつけてポイズンブレスを放つ。 ありす達はまともに浴びて、紫色の斑点が現れるのだった。 すると、最初に罹ったありすが目をカッと開き、歯茎を見せてガタガタと震えていた。 「ゆ゛ぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!ぎぼぢわ゛る゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!ごん゛な゛の゛どぉ゛ぎゃ゛い゛ぃ゛ぃ゛い゛じゃぎわびゃ゛!!!!」 ボンッと弾けてドロドロの液体となった。 それを見た、ありすの群れはパニックになった。 「ゆぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」 「どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!!ま゛だ、じに゛だぐな゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!!!!」 しかし、ボンッ!!ボンッ!!ボンッ!!と破裂してカスタードが地面を汚した。 れいぱーの群れは全滅し、辺りはカスタードの海となった。 男はニヤリッと笑った後、かかとをかえしてまた歩くのだった。 それから、大事件が起きた。 山を荒らしていたゆっくりが大量死していた。どのゆっくりの体には紫色の斑点があった。 れいむ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、れみりゃ、ふらん、れてぃ、ちるの、らん、ゆかり 中身を吐き散らしたり、体が破裂したりと様々だった。 特にぱちゅりー種はクリームを死ぬまてせ吐いていたのだった。 ゆっくりを研究していた人たちは「紫斑(しはん)病」と名付けられた。 人間にはまったくの無害だが飼いゆっくりにとっては物凄く有害であった事。 前兆といえば紫の斑点が出た時だが、治療方法は全く解らずじまいだ。 こうなると、加工所やゆっくりを使った店にとっては大打撃である。 また、希少種ゆっくりの絶滅してしまうと恐れ、政府は希少種ゆっくりの回収を発令したのだ。 紫斑病に罹って死んだゆっくりから検出して特効薬を開発中であった・・・・・ そして、都市伝説が生まれた。 紫斑病をばら蒔いているのは、ゆっくり嫌いの過激派という説だったが、 学校帰りの小学生達が黒いフードを被った男がゆっくりを触っただけで紫斑病になったという目撃情報があった。 しかし、警察は黒いフードの男を捜したが見つからなかった。 もしかすると、ゆっくりに病気をばら撒く怪人ではないかと噂されたが真相は解らなかった・・・・ あの時、公園にいたまりさは、子供を育てていた。 いくられいぱーの子供でもしっかりと教育したおかげで立派なゆっくりと成長した。 そして、自分は幸せなゆん生を送り・・・眠る様に息を引き取った。 男はまりさを拾い上げて、お墓を作った。 満月が赤々と男を照らしていた。 =END= さて、いかがだったでしょうか? 悪い事をしたものは必ず自分にも降りかかるという事。 所で、黒いフードの男の正体はナムタルという悪魔である。 この悪魔はありとあらゆる生き物に疫病を流行らせる事ができる死神の一種。 もしも、黒いフードを見たら絶対に近づかない様にナムタルが病気にさせてしまうから・・・・ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 飼いゆっくりはどんな悪事を……? -- 2011-08-24 18 18 26 ゆっくりゆかりも死ぬのか、ナムタル様スゲー! そして優しい! -- 2010-08-13 17 38 58 黒谷ヤマメの親戚の方ですか? -- 2010-07-03 16 04 32
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型番 B-Gmd 名称 ゴマンダー 種別 生命要塞 HP 270 索敵距離 8 燃料 100 スピード 0 チャージ -- 回避性能 5% AcePilot(HP) 318 weapon 名称 弾数 威力 射程 命中率 用途 分類 備考 ゴマンダーの体液 99 60 3-6 45% 攻/反 バイド体液 特性・搭載 搭載可能*5 解説: 最大級の体積を有するバイド生命体。 頭頂部のクリスタル状のコアが弱点。 幾つかある“口”から攻撃性のある液体を撒き散らす。 原作とは違い自ら攻撃してくるようになっている。 いいか、こいつにダンタリオンの笛は撃つなよ。絶対に撃つんじゃないぞ。 形状 初出 R-TYPE(AC) バラカスと番いの巨大バイド。恐らくメス。 原作同様、水晶部分の上1HEXが安地だ。 にんっしんっ! -- 名無しさん (2014-01-07 19 09 34) ゴマンダーは、もしかしたらオスかもしれないぞ… -- 名無しさん (2014-09-11 16 45 21) ちなみに両性具有なのはイブプロフェン -- 名無しさん (2014-09-12 01 31 56) もしもゴマンダー&インスルーがヤマトと遭遇した場合、インスルーはドリルミサイルみたいに波動砲発射口に突っ込んだりして(そしてそのままヤマトはバイドに感染) -- 名無しさん (2019-02-28 15 36 02) 名前 コメント
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対戦型ゆっくりゲーム by 十京院 典明 対戦型ゆっくりゲームというのを買ってきた。最近流行っているらしい。 「おーい、れいむー」 俺は家飼いのれいむを部屋に呼びつけ、PCを起動する。 やがてぺたんぺたんと階段を上る音がして、れいむが俺の部屋のドアを開ける。 「ゆゆっおにーさんゆっくりしていってね!」 「あーはいはいゆっくりゆっくり。ゲーム買ってきたんだが、やるだろ?」 「げーむさん!れいむげーむさんするよ!」 このれいむには時々ゲームの相手をさせているので、ゲームパッドぐらいなら操ることができる。 ピコリーン \ゆっくりしていってね/ 「ゆゆ!ぱそこんさんのなかにもれいむがいるよ!ゆっくりしていってね!」 * * * * 俺はキャラセレ画面で固まった。 「……」 画面には10匹のゆっくりが馬鹿面を晒している。それはいいのだが、 左上から、れいむ、れいむ、れいむ、まりさ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、れみりゃ(胴なし)、れみりゃ(胴あり)。 「おにーさんどうしたの?」 「……れいむ三匹とまりさ二匹の見分けが付かないんだけど」 「ゆゆ!こんなのもわからないなんておにーさんはばかだね! れいむとれいむとれいむとまりさとまりさだよ!」 「仕方ない、マニュアルでも見るか」 俺はマニュアルを広げた。 = = = = マニュアル お買い上げいただきありがとうございます。 本ゲームは、従来の対戦型格闘ゲームとはびみょんに異なったシステムを採用した新感覚ゆっくりゲームです。 勝利条件は自キャラのゆっくりゲージを100%まで溜めることか相手のゆっくりゲージを-100%まで下げることです。 基本動作 A=隙の少ない、ゆっくりする行動をします。 B=隙の少ない、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 C=効果の大きい、ゆっくりする行動をします。 D=効果の大きい、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 ←←=バックステップです。後ろにゆっくり跳ねます。 →→=ダッシュです。前にゆっくり急ぎます。 (コマンド)=さまざまな効果を持つゆっくりむーぶを発動します。いわゆる必殺技です。 特殊なルールを紹介します。 通常種ルール 通常種のゲージは自動で微量ずつ99%まで増加します。 通常種には当たり判定が無く、各種通常技およびゆっくりむーぶ中のみ当たり判定が発生します。 従来の格闘ゲームのように相手を攻め殺すよりは、自キャラをゆっくりさせつつ、 相手をゆっくりさせない戦い方が基本です。 うーぱっく 試合中、うーぱっくが通りかかり様々なアイテムを投下することがあります。 プリンやキノコ、干し草といったゆっくりゲージ増加アイテムから玄翁、ガラス箱といった危険なブツまで種類はさまざま。 なお、ゲームの性質上ゆっくりのリアルスペックとの乖離が見られる場合があります。 あらかじめご了承ください。 キャラ紹介 およびゆっくりむーぶコマンド表 れいむ(れいむA) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりはねるよ! ←→←B or D ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C 『ゆっくりしていってね!』は全ゆっくり中最高のゲージ溜め性能があり、とくにC版は高効率。 移動の遅いれいむ(れいむC)やれみりゃざうるすと距離が離れたなら、 『ゆっくりはねるよ!』→『ゆっくりしていってね!』でゆっくりゲージを溜め切ってしまうこともあるほど。 『ゆっくりはねるよ!』は移動技。Bは後ろ、Dは前へと移動する。れみりゃ(胴無し)から逃げるほど速くはない。 うーぱっくからのアイテム回収や、ゆっくりしていってね!の布石に。 『ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!』は、わずかながら無敵判定の存在する攻撃技。ダメージもなかなかで、ゲージ上昇有り。 攻撃重視型のみょん、れみりゃ(胴無し)などへの切り返しやカウンターを狙おう。 れいむ(れいむB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆ~♪ゆ~♪ ←/↓\→A or C ゆゆ~♪ 相手の近くで↑\←↓\→B or D 歌の上手なれいむ。『ゆっくりしていってね!』はれいむAの同技に比べてゲージ上昇が少ないものの、二種類の歌技がそれを補う。 『ゆ~♪ゆ~♪』Aは低く、Cは高く飛ぶ飛び道具で、相手に当たると動きを止める。画面端に消える際にもゲージ上昇有り。 『ゆゆ~♪』はいわゆる一回転投げ。歌で相手の動きを止め、相手をゆっくりさせる(わずかに相手のゲージも上昇)とともに 自らのゲージを大幅に上昇させる大技。当たり判定のない状態の通常種をも吸い込むため、常に近接状態で立ち回り 相手をゆっくりさせないことが重要。 れいむ(れいむC) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりうまれるよ! ↓溜め↓ おちびちゃんゆっくりしていってね! ←/↓\→B or D ゆっきゅちちていってにぇ! →←↑ B or D 植物型にんっしん中のれいむ。移動が遅く、特定のキャラには大幅不利ながらもスペックは低くない。 おちびちゃんゲージ(初期値1)の数だけ使える『ゆっくりうまれるよ!』でおちびちゃんを増やしながらゆっくりしよう。 おちびちゃん4匹以上の『ゆっくりしていってね!』には攻撃判定が付属する。 『おちびちゃんゆっくりしていってね!』は赤ゆゲージを溜める技。隙が少ないので暇を見てゲージを補充せよ。 『ゆっきゅちちていってにぇ!』は『ゆっくりしていってね!』の硬直を減少させる専用技。 攻撃判定のあるゆっくりむーぶも移動技も持たないため、攻められると脆く距離を離されても相手に一方的にゆっくりされ終了、 という危険性をも孕む(にんっしん中だけに)テクキャラ。通常技での立ち回りと間合い取りを研究しよう。 まりさ(まりさA) ゆっくりしていってね! A or C連打 むーしゃ、むーしゃ、しあわせー! →\↓/← B or D ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C れいむと同じスタンダードタイプのゆっくり。『むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!』はうーぱっくから食べ物ゲット時にのみ 使えるゲージ大幅上昇技。移動速度が速く食べ物をゲットしやすいため、狙いどころは多い。 まりさ(まりさB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりしていってね! ↓\→A or C ゆっくりはねるよ! ←→←B or D まりさAよりもさらに移動速度が速いスピード特化型ゆっくり。 二種類の『ゆっくりしていってね!』を持ち、コマンド版は飛び道具。 ワギャ〇イザー、あるいはエコ〇ズAct2風の書き文字が攻撃判定を伴って飛ぶ。発生、速度にすぐれるD版は 相手のゆっくりむーぶを阻止するのに適する。 ありす ゆっくりしていってね! A or C連打 しゃんはーい →↓\A or C ほーらい ←↓/A or C 『しゃんはーい』はカチューシャから人形を生み出し前方に配置。相手を押し返す効果がある。最大8つまで配置可能。 『ほーらい』は高速で跳ねる飛び道具。6/1とらんぷる。 通常種の近くにいるとゲージの自動上昇率が高まるキャラ特性を持つ。しかし近接不得手のシューティングキャラ…… おお、つんでれつんでれ。 ちぇん わかるよー A or C連打 わからないよー 被ダメージ中に←→↓\B or D らんしゃまぁぁぁぁぁ!! ←/↓\→B or D 『わかるよー』はその場でゆっくりする、ゆっくりしていってねタイプのゲージ上昇技。 上昇率は低いものの、ゆっくりしていってねに比べ当たり判定が小さいため特定の飛び道具をかわしつつゆっくりし続けられる。 『わからないよー』は被ダメージモーションをキャンセルして高速離脱する。 『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』はゆっくりらんを召喚。らん存在時は通常技が変化しゲージ上昇率が上がったり性能が変化したりする。 長いコンボをことごとく封殺する『わからないよー』は伝家の宝刀。 しかしながら自身のゲージ溜め能力も高くは無いため過信は禁物。 硬直の大きい『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』を余裕を持って発動する位置取りが重要。 みょん ゆっくりしていってみょん! A or C連打 ちーんぽ! ↓溜め↑A or C でぃーっく! ↓溜め↑B or D 『ちーんぽ!』は黒くてたくましいもの(餡子製の刀)で相手を突き上げる攻撃判定技。ヒット時は黒くてたくましいもので さらに相手を突き上げる追加攻撃が2回まで出せる。 『でぃーっく!』は黒くてたくましいものを振り回す攻撃判定技。当たり判定も大きいので被カウンター注意。 通常技も主に、黒くてたくましいもので行う。 れみりゃ(胴無し) うーうー! A or C連打 たーべちゃーうぞー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ぐんぐにる ↓\→B or D 『たーべちゃーうぞー!』は相手ゆっくりゲージの80%を消し去る大ダメージ技で、当たり判定のない 状態の通常種も捕まえられるが、間合いが狭く発生も遅い。確定状況を作れるかどうかが勝負の分かれ目。 『ぐんぐにる』は槍状の飛び道具。 通常技も弾幕攻撃なので、なぶり殺しと一撃必殺の二段構えで相手をゆっくりさせないよう飛び回れ。 れみりゃ(胴有り) うー! A or C連打 うっうー! ↓\→A or C うあうあ♪ ←→←B or D れみりあうー☆ ←/↓\→A or C たーべちゃーうどー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ざうるす進化 ↓溜め↓ 捕食種ながら、こちらはゲージ上昇重視タイプのゆっくり。 『うっうー!』、『うあうあ♪』、『れみりあうー☆』は連続入力可能。『うあうあ♪』と『れみりあうー☆』には 攻撃判定があり、ゲージを溜めつつ攻撃できる。 『たーべちゃーうどー!』は『たーべちゃーうぞー!』と代わり映えの無い性能だが、各種ゆっくりむーぶでゲージを溜めつつ、 100%阻止に近づいてきた相手に狙えないこともない。 『ざうるす進化』は、文字通りれみりゃざうるすになる。ざうるす時はゲージ上昇速度が飛躍的に上昇するが移動速度が激減。 対れいむCなどに。同一コマンドで元に戻ることもできる。 = = = = 「なるほどねー。 ……それにしてもれいむまりさの顔の違いがわからん……」 れいむはれいむAを、俺はれみりゃ(胴無し)を選んでゲーム開始。 「どぼじででびりゃえらぶのぉぉぉぉぉぉ!!!???」 「このお兄さん、たとえ貴様がゆっくりといえども容赦せん。 それにもともと、ペットショップ使いなもんでね」 * * * * かくしてゲームスタート。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪!」 「ゆゆゆ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕からゆっくりしていってね連呼のれいむ。 ……ああなるほど。 ゆっくりや⑨でもプレイできるように全キャラ連打コマンド持ってるわけね。 「ってやべえ!」 予想以上にゲージの上昇が速い。慌てて弾幕攻撃をするが、すでにれいむのゲージはかなり溜まっている。 少しずつゲージを削るが、通常種ルールの当たり判定消滅とゲージ自動上昇によって開いた差はなかなか縮まらない。 「ゆっぐりじでいっでねっでいっでるでじょぉぉぉどぼじでゆっぐりじないのぉぉぉぉ!!!」 俺は一向に当たる気配のない弾幕攻撃を諦め、れみりゃ持ち前の素早い飛行でれいむに近づく。 「てめーこそ喰らって死ねぇぇぇぇぇぇ!!!『たーべちゃーうぞー!』」 「『ゆっくりはねるよ!』」 すかり。 起死回生の一発は(たぶん暴発した)移動技にかわされ―― 「っ―――!?」 \うぃなー いず れいむ/ 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 俺は、ゆっくりに負けた男となった。 * * * * 俺はこのゲームを舐めていた。それは認めよう。 俺はれいむの餌を七日分用意して、俺自身の身支度を整えた。 玄関に出た俺をれいむが呼び止める。 「ゆゆゆ!おにーさんどこいくの!?」 「旅に出る。 一週間後に、貴様との再戦を申し込む。それまでこの家には帰らん」 「どぼじでぞんなこというのぉぉぉぉ!!??おにーさんならとくべつにゆっくりしていっていいよぉぉぉ!?」 「もともと俺の家なんだが。 まあそれはいい。PCは置いていくから、せいぜい腕を……腕はないか。 せいぜいあんよを磨いておけ」 「いやだよ!!おにーざんといっじょにいだいよぉぉぉぉ!!!」 「俺も一週間後にもっと強くなって帰って来る。その時まで首を……首はないか。 あんよを洗って待っていろ」 「ゆゆぅぅぅーーーん!!」 * * * * それから、格ゲー仲間の友人に電話をかけ、メシを作ってやるかわりに一週間の格ゲー強化合宿を取り付けた。 言うまでもないが、飼いれいむに対戦で負けた話をしたらたっぷり三十分ほど笑われた。 こうして、友人との対戦に明け暮れる日々が幕を開けた。 「これぶっちゃけ、無しれみ弱いぞ……詰んでるマッチアップが多すぎる」 友人の指摘はもっともだった。 当初は気にも留めていなかった通常種ルールが、実は馬鹿にならない強さで設定されている。 あの日の初プレイでれいむが見せた、れいむAの高火力な開幕『ゆっくりしていってね!』が ゲームエンドに直結するほどにだ。一度奪われたリードはそうそう奪い返せない。 「うーむ……」 「胴れみはどうよ。俺も使ってないけど」 「そういや試してなかったな」 俺はれみりゃ(胴有り)を選び、友人はれいむA。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪ぃ……」 「やっぱそう思うよな」 「うっうー!」 「うあうあ♪」 「れみりあうー☆」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕『ゆっくりしていってね!に対して、『うあうあ♪』の先端に発生する攻撃判定がぎりぎり届かない。 単発の『うあうあ♪』も試したが、そもそもリーチが短く届かない。 そしてやはり逃げ切られる。 「なぁ……れいむAって強キャラじゃね?」 「まごうことなき強キャラだな……むしろ厨キャラまであるな。んで捕食種弱い」 「このサークル、れみりゃになんか恨みでもあるのか……?」 「マイルド調整の結果じゃねーの……それにしてもれみりゃ弱い」 「だけどさぁ、れいむA使う気ないんだろ?お前の性格からして」 「わかってんじゃねーか」 下手の横好きといわれても、俺は勝つためにキャラ換えしたことは一度も無い。 それは誇れることなんかじゃなく、くだらないこだわりに過ぎないのだがどうしてかキャラ換えできない。 それはきっと、俺そのものと強く癒着してしまっているのだ。 たとえば、ゆっくりがゆっくりを求めずにはいられないのと同じようにそれは当たり前のことなのだ。 「……次、行こうか」 「ああ」 俺はれみりゃを選び、再び対戦を始めた―― そして、またたく間に一週間が過ぎる。 俺は友人に礼を言って、帰途に就く。 「じゃあ、行ってくるぜ」 「頑張れよ」 * * * * 「ゆゆゆ!おにーさんまってたよ!ゆっくりしていってね!」 「だから俺の家だと言うに…… まあいい、勝負だ!れいむ!」 「ゆふふ……れいむはかなりあんよをあげたよ。せいぜいゆっくりしていってね」 「あんよ……?ああ、腕を上げたって事な。 俺だってそうさ。一週間前までのみじめな俺には二度と戻らない」 れいむはれいむA、俺はれみりゃ(胴付き)を選んだ。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 0.60- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむは開幕ゆっくりしていってねを放つ。単純だが効果的な戦法だ。対して俺も手を打つ。 ボワン 「ゆゆ?」 ざうるす進化だ。これにより、俺のれみりゃはれいむに負けないゲージ上昇率を得る。 友人との合宿で、れいむAの火力に対抗するべく俺が考え出した、たった一つのソリューション―― 俺達は発想を転換しなければならなかった。 相手を倒すことより、自分がゆっくりすること。 それがこのゲームシステムにおいて、もっとも効率よく勝利条件を満たす手段なのだ。 格闘ゲームの常識に捕らわれていた俺と友人が、使えない技として無意識に除外していたざうるす進化。 それこそが勝利への鍵だったのだ。 4.42- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!……」 「うーうー!ぎゃおー!うっうー!」 Cゆっくりしていってねの連打よりも、ざうるすれみりゃと化したれみりゃの技の方がわずかにゲージ上昇率が高い。 その微細な積み重なりは、やがて目に見える値となってゲージに表れる。現在れいむ57%、れみりゃ65%だ。 5.21- 「ゆゆっれみりゃはゆっくりしないでね!ゆっくりするのはれいむだよ!」 ついにれいむが痺れを切らせた。 「『ゆっくりはねるよ!』」 ――予想通りだ。 「『うーうー!もとにもどるどぉ~』」 ボワン こちらへ素早く跳ねてくるれいむのモーションに辛うじて反応し、れみりゃを通常形態へと戻すことに成功する。 ジャンプからのぼでぃぷれすをガードし、続く通常技を頭を抱えてやり過ごす。 「ぷんぷん!もうおこったよ! 『ここはれいむの……」 微妙な状況だ。 ――発生前に潰せるか(↓Aでカウンターを狙える) ――ガード(削られる/ゲージ2%減) ――喰らえば仕切り直し(ゲージ増減れいむ+7%れみりゃ-5%/それより距離が離れるのはまずい/Cゆっくりしていってねで死ぬ) 「……ゆっくりぷれいすだよ!』」 読み違えれば ――潰せる(無理だ) 負ける。 高速で流れる思考とは裏腹に、反射的に指が動いていた。 「――っ!」 俺の親指はAボタンを外してパッドを掴み、れいむのふくれっ面攻撃をガードする。 ――まだ行ける(ゲージはまだリード/進化or↓AB踊りコンボor投げ) 7.33- れいむが小さく一歩退がった。一瞬間が空く。 「うー!うー!」 それは俺のれみりゃのボイスではない。 画面の左上部から飛来する小さな影。その位置はれみりゃよりれいむに近い―― 「うーぱっく!れいむにあまあまちょうだいね!」 その瞬間、なにもかもがスローモーションに見えた。 俺は指を滑らせ←Cを繰り出す。 ←Cは攻撃判定は無く、前方に踏み出しながらゲージを溜める踊り技だ。 もしもれいむが攻撃を繰り出したらカウンターとなってしまう。 しかし俺には確信があった。 ――次に貴様は『ゆっくりはねるよ』と言う れいむは一生懸命にあんよで十字キーを操作している。 間違いない。れいむにとっては複雑な技コマンドを出すために、常時よりも丁寧にあんよを動かしている。 「『ゆっくり……」 ――逃がさん(投げ)(投げ)(投げ) すでに←Cの硬直を利用しコマンドは完成している。 「……はねるよ!』」 ――ここからなら ←Cで踏み出したこの位置からなら、ぎりぎり届く。 しゅばっ 「うー!」 れみりゃの手が伸びて、今まさに後方へと移動しようとしたれいむを捉える。 「ゆゆぅぅぅぅぅーーー!!??」 「つかまえたどぉ~。『たーべちゃーうどぉー!』」 画面がブラックアウトし、れいむの絶叫が響き渡った。 * * * * \うぃなー いず れみりゃー/ 「うっうー!」 「ゆゆん……さすがはおにーさんだよ!」 「いやーれいむこそなかなかだったぞ。レバガチャかと思ったら意外にコマンド正確だったしな」 だからこそキャラ差を読みでカバーすることができたわけでもあるのだが。 「もういっかい!もういっかいだよ!」 「よーし、やろうか」 俺は快く承諾する。 「さぁーて、”リベンジも果たしたことだし”俺もれいむA使っちゃおうかな~」 俺は勝つためにキャラ換えはしないが、その他の理由でキャラ換えすることは結構あるのだ。 「ゆゆっ!まけないよ!れいむがいちばんうまくれいむをつかえるんだよ!」 「俺だって負けないぞー。何せ、六日間もゆっくり練習してきたからな」 俺はこの時のために練習してきたれいむAで、れいむを完膚なきまでに叩きのめした。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりはねる(キャンセル)ぷくー! ゆっくりしていってね!ぷくー!ここはれいむのゆっくりぷれ(キャンセル)ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!ゆっくりしていっ(キャンセル)ばかなの?ゆっくりしていってね!ばかなの?しぬの? ゆっくりしていってね!ばかなの?ばかなの?ばかなの?しぬの?ゆっくりしていってね!」 「ゆあああああああ!!!!!おにーざんばっがりずるいよ゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!!! でいぶもゆっぐじじだい゛よ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!」 俺は軽快にコンボを継続し、れいむを空中に浮かせ続けながら言ってやった。 「おそらをとんでるみたいだろ?れいむ、ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!!!!!」 END ■ □ ■ □ ちなみにこの二ヶ月後、れいむA、れいむC、ちぇん、みょんに10割コンボが発見され―― 世界は、核の炎に包まれた。
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対戦型ゆっくりゲーム by 十京院 典明 対戦型ゆっくりゲームというのを買ってきた。最近流行っているらしい。 「おーい、れいむー」 俺は家飼いのれいむを部屋に呼びつけ、PCを起動する。 やがてぺたんぺたんと階段を上る音がして、れいむが俺の部屋のドアを開ける。 「ゆゆっおにーさんゆっくりしていってね!」 「あーはいはいゆっくりゆっくり。ゲーム買ってきたんだが、やるだろ?」 「げーむさん!れいむげーむさんするよ!」 このれいむには時々ゲームの相手をさせているので、ゲームパッドぐらいなら操ることができる。 ピコリーン \ゆっくりしていってね/ 「ゆゆ!ぱそこんさんのなかにもれいむがいるよ!ゆっくりしていってね!」 * * * * 俺はキャラセレ画面で固まった。 「……」 画面には10匹のゆっくりが馬鹿面を晒している。それはいいのだが、 左上から、れいむ、れいむ、れいむ、まりさ、まりさ、ありす、ちぇん、みょん、れみりゃ(胴なし)、れみりゃ(胴あり)。 「おにーさんどうしたの?」 「……れいむ三匹とまりさ二匹の見分けが付かないんだけど」 「ゆゆ!こんなのもわからないなんておにーさんはばかだね! れいむとれいむとれいむとまりさとまりさだよ!」 「仕方ない、マニュアルでも見るか」 俺はマニュアルを広げた。 = = = = マニュアル お買い上げいただきありがとうございます。 本ゲームは、従来の対戦型格闘ゲームとはびみょんに異なったシステムを採用した新感覚ゆっくりゲームです。 勝利条件は自キャラのゆっくりゲージを100%まで溜めることか相手のゆっくりゲージを-100%まで下げることです。 基本動作 A=隙の少ない、ゆっくりする行動をします。 B=隙の少ない、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 C=効果の大きい、ゆっくりする行動をします。 D=効果の大きい、相手をゆっくりさせない攻撃を繰り出します。 ←←=バックステップです。後ろにゆっくり跳ねます。 →→=ダッシュです。前にゆっくり急ぎます。 (コマンド)=さまざまな効果を持つゆっくりむーぶを発動します。いわゆる必殺技です。 特殊なルールを紹介します。 通常種ルール 通常種のゲージは自動で微量ずつ99%まで増加します。 通常種には当たり判定が無く、各種通常技およびゆっくりむーぶ中のみ当たり判定が発生します。 従来の格闘ゲームのように相手を攻め殺すよりは、自キャラをゆっくりさせつつ、 相手をゆっくりさせない戦い方が基本です。 うーぱっく 試合中、うーぱっくが通りかかり様々なアイテムを投下することがあります。 プリンやキノコ、干し草といったゆっくりゲージ増加アイテムから玄翁、ガラス箱といった危険なブツまで種類はさまざま。 なお、ゲームの性質上ゆっくりのリアルスペックとの乖離が見られる場合があります。 あらかじめご了承ください。 キャラ紹介 およびゆっくりむーぶコマンド表 れいむ(れいむA) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりはねるよ! ←→←B or D ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C 『ゆっくりしていってね!』は全ゆっくり中最高のゲージ溜め性能があり、とくにC版は高効率。 移動の遅いれいむ(れいむC)やれみりゃざうるすと距離が離れたなら、 『ゆっくりはねるよ!』→『ゆっくりしていってね!』でゆっくりゲージを溜め切ってしまうこともあるほど。 『ゆっくりはねるよ!』は移動技。Bは後ろ、Dは前へと移動する。れみりゃ(胴無し)から逃げるほど速くはない。 うーぱっくからのアイテム回収や、ゆっくりしていってね!の布石に。 『ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!』は、わずかながら無敵判定の存在する攻撃技。ダメージもなかなかで、ゲージ上昇有り。 攻撃重視型のみょん、れみりゃ(胴無し)などへの切り返しやカウンターを狙おう。 れいむ(れいむB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆ~♪ゆ~♪ ←/↓\→A or C ゆゆ~♪ 相手の近くで↑\←↓\→B or D 歌の上手なれいむ。『ゆっくりしていってね!』はれいむAの同技に比べてゲージ上昇が少ないものの、二種類の歌技がそれを補う。 『ゆ~♪ゆ~♪』Aは低く、Cは高く飛ぶ飛び道具で、相手に当たると動きを止める。画面端に消える際にもゲージ上昇有り。 『ゆゆ~♪』はいわゆる一回転投げ。歌で相手の動きを止め、相手をゆっくりさせる(わずかに相手のゲージも上昇)とともに 自らのゲージを大幅に上昇させる大技。当たり判定のない状態の通常種をも吸い込むため、常に近接状態で立ち回り 相手をゆっくりさせないことが重要。 れいむ(れいむC) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりうまれるよ! ↓溜め↓ おちびちゃんゆっくりしていってね! ←/↓\→B or D ゆっきゅちちていってにぇ! →←↑ B or D 植物型にんっしん中のれいむ。移動が遅く、特定のキャラには大幅不利ながらもスペックは低くない。 おちびちゃんゲージ(初期値1)の数だけ使える『ゆっくりうまれるよ!』でおちびちゃんを増やしながらゆっくりしよう。 おちびちゃん4匹以上の『ゆっくりしていってね!』には攻撃判定が付属する。 『おちびちゃんゆっくりしていってね!』は赤ゆゲージを溜める技。隙が少ないので暇を見てゲージを補充せよ。 『ゆっきゅちちていってにぇ!』は『ゆっくりしていってね!』の硬直を減少させる専用技。 攻撃判定のあるゆっくりむーぶも移動技も持たないため、攻められると脆く距離を離されても相手に一方的にゆっくりされ終了、 という危険性をも孕む(にんっしん中だけに)テクキャラ。通常技での立ち回りと間合い取りを研究しよう。 まりさ(まりさA) ゆっくりしていってね! A or C連打 むーしゃ、むーしゃ、しあわせー! →\↓/← B or D ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ! ↓溜め↑A or C れいむと同じスタンダードタイプのゆっくり。『むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!』はうーぱっくから食べ物ゲット時にのみ 使えるゲージ大幅上昇技。移動速度が速く食べ物をゲットしやすいため、狙いどころは多い。 まりさ(まりさB) ゆっくりしていってね! A or C連打 ゆっくりしていってね! ↓\→A or C ゆっくりはねるよ! ←→←B or D まりさAよりもさらに移動速度が速いスピード特化型ゆっくり。 二種類の『ゆっくりしていってね!』を持ち、コマンド版は飛び道具。 ワギャ〇イザー、あるいはエコ〇ズAct2風の書き文字が攻撃判定を伴って飛ぶ。発生、速度にすぐれるD版は 相手のゆっくりむーぶを阻止するのに適する。 ありす ゆっくりしていってね! A or C連打 しゃんはーい →↓\A or C ほーらい ←↓/A or C 『しゃんはーい』はカチューシャから人形を生み出し前方に配置。相手を押し返す効果がある。最大8つまで配置可能。 『ほーらい』は高速で跳ねる飛び道具。6/1とらんぷる。 通常種の近くにいるとゲージの自動上昇率が高まるキャラ特性を持つ。しかし近接不得手のシューティングキャラ…… おお、つんでれつんでれ。 ちぇん わかるよー A or C連打 わからないよー 被ダメージ中に←→↓\B or D らんしゃまぁぁぁぁぁ!! ←/↓\→B or D 『わかるよー』はその場でゆっくりする、ゆっくりしていってねタイプのゲージ上昇技。 上昇率は低いものの、ゆっくりしていってねに比べ当たり判定が小さいため特定の飛び道具をかわしつつゆっくりし続けられる。 『わからないよー』は被ダメージモーションをキャンセルして高速離脱する。 『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』はゆっくりらんを召喚。らん存在時は通常技が変化しゲージ上昇率が上がったり性能が変化したりする。 長いコンボをことごとく封殺する『わからないよー』は伝家の宝刀。 しかしながら自身のゲージ溜め能力も高くは無いため過信は禁物。 硬直の大きい『らんしゃまぁぁぁぁぁ!!』を余裕を持って発動する位置取りが重要。 みょん ゆっくりしていってみょん! A or C連打 ちーんぽ! ↓溜め↑A or C でぃーっく! ↓溜め↑B or D 『ちーんぽ!』は黒くてたくましいもの(餡子製の刀)で相手を突き上げる攻撃判定技。ヒット時は黒くてたくましいもので さらに相手を突き上げる追加攻撃が2回まで出せる。 『でぃーっく!』は黒くてたくましいものを振り回す攻撃判定技。当たり判定も大きいので被カウンター注意。 通常技も主に、黒くてたくましいもので行う。 れみりゃ(胴無し) うーうー! A or C連打 たーべちゃーうぞー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ぐんぐにる ↓\→B or D 『たーべちゃーうぞー!』は相手ゆっくりゲージの80%を消し去る大ダメージ技で、当たり判定のない 状態の通常種も捕まえられるが、間合いが狭く発生も遅い。確定状況を作れるかどうかが勝負の分かれ目。 『ぐんぐにる』は槍状の飛び道具。 通常技も弾幕攻撃なので、なぶり殺しと一撃必殺の二段構えで相手をゆっくりさせないよう飛び回れ。 れみりゃ(胴有り) うー! A or C連打 うっうー! ↓\→A or C うあうあ♪ ←→←B or D れみりあうー☆ ←/↓\→A or C たーべちゃーうどー! 相手の近くで↑\←↓\→A or C ざうるす進化 ↓溜め↓ 捕食種ながら、こちらはゲージ上昇重視タイプのゆっくり。 『うっうー!』、『うあうあ♪』、『れみりあうー☆』は連続入力可能。『うあうあ♪』と『れみりあうー☆』には 攻撃判定があり、ゲージを溜めつつ攻撃できる。 『たーべちゃーうどー!』は『たーべちゃーうぞー!』と代わり映えの無い性能だが、各種ゆっくりむーぶでゲージを溜めつつ、 100%阻止に近づいてきた相手に狙えないこともない。 『ざうるす進化』は、文字通りれみりゃざうるすになる。ざうるす時はゲージ上昇速度が飛躍的に上昇するが移動速度が激減。 対れいむCなどに。同一コマンドで元に戻ることもできる。 = = = = 「なるほどねー。 ……それにしてもれいむまりさの顔の違いがわからん……」 れいむはれいむAを、俺はれみりゃ(胴無し)を選んでゲーム開始。 「どぼじででびりゃえらぶのぉぉぉぉぉぉ!!!???」 「このお兄さん、たとえ貴様がゆっくりといえども容赦せん。 それにもともと、ペットショップ使いなもんでね」 * * * * かくしてゲームスタート。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪!」 「ゆゆゆ!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕からゆっくりしていってね連呼のれいむ。 ……ああなるほど。 ゆっくりや⑨でもプレイできるように全キャラ連打コマンド持ってるわけね。 「ってやべえ!」 予想以上にゲージの上昇が速い。慌てて弾幕攻撃をするが、すでにれいむのゲージはかなり溜まっている。 少しずつゲージを削るが、通常種ルールの当たり判定消滅とゲージ自動上昇によって開いた差はなかなか縮まらない。 「ゆっぐりじでいっでねっでいっでるでじょぉぉぉどぼじでゆっぐりじないのぉぉぉぉ!!!」 俺は一向に当たる気配のない弾幕攻撃を諦め、れみりゃ持ち前の素早い飛行でれいむに近づく。 「てめーこそ喰らって死ねぇぇぇぇぇぇ!!!『たーべちゃーうぞー!』」 「『ゆっくりはねるよ!』」 すかり。 起死回生の一発は(たぶん暴発した)移動技にかわされ―― 「っ―――!?」 \うぃなー いず れいむ/ 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 俺は、ゆっくりに負けた男となった。 * * * * 俺はこのゲームを舐めていた。それは認めよう。 俺はれいむの餌を七日分用意して、俺自身の身支度を整えた。 玄関に出た俺をれいむが呼び止める。 「ゆゆゆ!おにーさんどこいくの!?」 「旅に出る。 一週間後に、貴様との再戦を申し込む。それまでこの家には帰らん」 「どぼじでぞんなこというのぉぉぉぉ!!??おにーさんならとくべつにゆっくりしていっていいよぉぉぉ!?」 「もともと俺の家なんだが。 まあそれはいい。PCは置いていくから、せいぜい腕を……腕はないか。 せいぜいあんよを磨いておけ」 「いやだよ!!おにーざんといっじょにいだいよぉぉぉぉ!!!」 「俺も一週間後にもっと強くなって帰って来る。その時まで首を……首はないか。 あんよを洗って待っていろ」 「ゆゆぅぅぅーーーん!!」 * * * * それから、格ゲー仲間の友人に電話をかけ、メシを作ってやるかわりに一週間の格ゲー強化合宿を取り付けた。 言うまでもないが、飼いれいむに対戦で負けた話をしたらたっぷり三十分ほど笑われた。 こうして、友人との対戦に明け暮れる日々が幕を開けた。 「これぶっちゃけ、無しれみ弱いぞ……詰んでるマッチアップが多すぎる」 友人の指摘はもっともだった。 当初は気にも留めていなかった通常種ルールが、実は馬鹿にならない強さで設定されている。 あの日の初プレイでれいむが見せた、れいむAの高火力な開幕『ゆっくりしていってね!』が ゲームエンドに直結するほどにだ。一度奪われたリードはそうそう奪い返せない。 「うーむ……」 「胴れみはどうよ。俺も使ってないけど」 「そういや試してなかったな」 俺はれみりゃ(胴有り)を選び、友人はれいむA。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 「語呂悪ぃ……」 「やっぱそう思うよな」 「うっうー!」 「うあうあ♪」 「れみりあうー☆」 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 開幕『ゆっくりしていってね!に対して、『うあうあ♪』の先端に発生する攻撃判定がぎりぎり届かない。 単発の『うあうあ♪』も試したが、そもそもリーチが短く届かない。 そしてやはり逃げ切られる。 「なぁ……れいむAって強キャラじゃね?」 「まごうことなき強キャラだな……むしろ厨キャラまであるな。んで捕食種弱い」 「このサークル、れみりゃになんか恨みでもあるのか……?」 「マイルド調整の結果じゃねーの……それにしてもれみりゃ弱い」 「だけどさぁ、れいむA使う気ないんだろ?お前の性格からして」 「わかってんじゃねーか」 下手の横好きといわれても、俺は勝つためにキャラ換えしたことは一度も無い。 それは誇れることなんかじゃなく、くだらないこだわりに過ぎないのだがどうしてかキャラ換えできない。 それはきっと、俺そのものと強く癒着してしまっているのだ。 たとえば、ゆっくりがゆっくりを求めずにはいられないのと同じようにそれは当たり前のことなのだ。 「……次、行こうか」 「ああ」 俺はれみりゃを選び、再び対戦を始めた―― そして、またたく間に一週間が過ぎる。 俺は友人に礼を言って、帰途に就く。 「じゃあ、行ってくるぜ」 「頑張れよ」 * * * * 「ゆゆゆ!おにーさんまってたよ!ゆっくりしていってね!」 「だから俺の家だと言うに…… まあいい、勝負だ!れいむ!」 「ゆふふ……れいむはかなりあんよをあげたよ。せいぜいゆっくりしていってね」 「あんよ……?ああ、腕を上げたって事な。 俺だってそうさ。一週間前までのみじめな俺には二度と戻らない」 れいむはれいむA、俺はれみりゃ(胴付き)を選んだ。 \れでぃぃぃ……ゆっくりしていってね/ 0.60- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 れいむは開幕ゆっくりしていってねを放つ。単純だが効果的な戦法だ。対して俺も手を打つ。 ボワン 「ゆゆ?」 ざうるす進化だ。これにより、俺のれみりゃはれいむに負けないゲージ上昇率を得る。 友人との合宿で、れいむAの火力に対抗するべく俺が考え出した、たった一つのソリューション―― 俺達は発想を転換しなければならなかった。 相手を倒すことより、自分がゆっくりすること。 それがこのゲームシステムにおいて、もっとも効率よく勝利条件を満たす手段なのだ。 格闘ゲームの常識に捕らわれていた俺と友人が、使えない技として無意識に除外していたざうるす進化。 それこそが勝利への鍵だったのだ。 4.42- 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!……」 「うーうー!ぎゃおー!うっうー!」 Cゆっくりしていってねの連打よりも、ざうるすれみりゃと化したれみりゃの技の方がわずかにゲージ上昇率が高い。 その微細な積み重なりは、やがて目に見える値となってゲージに表れる。現在れいむ57%、れみりゃ65%だ。 5.21- 「ゆゆっれみりゃはゆっくりしないでね!ゆっくりするのはれいむだよ!」 ついにれいむが痺れを切らせた。 「『ゆっくりはねるよ!』」 ――予想通りだ。 「『うーうー!もとにもどるどぉ~』」 ボワン こちらへ素早く跳ねてくるれいむのモーションに辛うじて反応し、れみりゃを通常形態へと戻すことに成功する。 ジャンプからのぼでぃぷれすをガードし、続く通常技を頭を抱えてやり過ごす。 「ぷんぷん!もうおこったよ! 『ここはれいむの……」 微妙な状況だ。 ――発生前に潰せるか(↓Aでカウンターを狙える) ――ガード(削られる/ゲージ2%減) ――喰らえば仕切り直し(ゲージ増減れいむ+7%れみりゃ-5%/それより距離が離れるのはまずい/Cゆっくりしていってねで死ぬ) 「……ゆっくりぷれいすだよ!』」 読み違えれば ――潰せる(無理だ) 負ける。 高速で流れる思考とは裏腹に、反射的に指が動いていた。 「――っ!」 俺の親指はAボタンを外してパッドを掴み、れいむのふくれっ面攻撃をガードする。 ――まだ行ける(ゲージはまだリード/進化or↓AB踊りコンボor投げ) 7.33- れいむが小さく一歩退がった。一瞬間が空く。 「うー!うー!」 それは俺のれみりゃのボイスではない。 画面の左上部から飛来する小さな影。その位置はれみりゃよりれいむに近い―― 「うーぱっく!れいむにあまあまちょうだいね!」 その瞬間、なにもかもがスローモーションに見えた。 俺は指を滑らせ←Cを繰り出す。 ←Cは攻撃判定は無く、前方に踏み出しながらゲージを溜める踊り技だ。 もしもれいむが攻撃を繰り出したらカウンターとなってしまう。 しかし俺には確信があった。 ――次に貴様は『ゆっくりはねるよ』と言う れいむは一生懸命にあんよで十字キーを操作している。 間違いない。れいむにとっては複雑な技コマンドを出すために、常時よりも丁寧にあんよを動かしている。 「『ゆっくり……」 ――逃がさん(投げ)(投げ)(投げ) すでに←Cの硬直を利用しコマンドは完成している。 「……はねるよ!』」 ――ここからなら ←Cで踏み出したこの位置からなら、ぎりぎり届く。 しゅばっ 「うー!」 れみりゃの手が伸びて、今まさに後方へと移動しようとしたれいむを捉える。 「ゆゆぅぅぅぅぅーーー!!??」 「つかまえたどぉ~。『たーべちゃーうどぉー!』」 画面がブラックアウトし、れいむの絶叫が響き渡った。 * * * * \うぃなー いず れみりゃー/ 「うっうー!」 「ゆゆん……さすがはおにーさんだよ!」 「いやーれいむこそなかなかだったぞ。レバガチャかと思ったら意外にコマンド正確だったしな」 だからこそキャラ差を読みでカバーすることができたわけでもあるのだが。 「もういっかい!もういっかいだよ!」 「よーし、やろうか」 俺は快く承諾する。 「さぁーて、”リベンジも果たしたことだし”俺もれいむA使っちゃおうかな~」 俺は勝つためにキャラ換えはしないが、その他の理由でキャラ換えすることは結構あるのだ。 「ゆゆっ!まけないよ!れいむがいちばんうまくれいむをつかえるんだよ!」 「俺だって負けないぞー。何せ、六日間もゆっくり練習してきたからな」 俺はこの時のために練習してきたれいむAで、れいむを完膚なきまでに叩きのめした。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりはねる(キャンセル)ぷくー! ゆっくりしていってね!ぷくー!ここはれいむのゆっくりぷれ(キャンセル)ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!ゆっくりしていっ(キャンセル)ばかなの?ゆっくりしていってね!ばかなの?しぬの? ゆっくりしていってね!ばかなの?ばかなの?ばかなの?しぬの?ゆっくりしていってね!」 「ゆあああああああ!!!!!おにーざんばっがりずるいよ゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!!! でいぶもゆっぐじじだい゛よ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!」 俺は軽快にコンボを継続し、れいむを空中に浮かせ続けながら言ってやった。 「おそらをとんでるみたいだろ?れいむ、ゆっくりしていってね!」 「ゆぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!!!!!」 END ■ □ ■ □ ちなみにこの二ヶ月後、れいむA、れいむC、ちぇん、みょんに10割コンボが発見され―― 世界は、核の炎に包まれた。
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ある一匹のゆっくりが、暗くなった森の中を歩いていた。どこへ向かっているのだろう。 こんな夜中に一匹で出歩くなど、普通のゆっくりなら自殺行為である。 れみりゃやふらんなどの捕食種が徘徊しだす時間帯だからだ。 しかし、このゆっくりは、そんなもの大した問題ではないといった様子で、どんどんと進んでいった。 そこへ、一匹の胴付きれみりゃとこのゆっくりはばったりと鉢合わせした。 「うー?」 「あら、こんばんは。ゆっくりしていってね!」 このゆっくりは、捕食種を見ても全く動じずに定番の挨拶をした。 「うー♪ゆっくりしていってねだどぉ~♪」 こう挨拶をされたら、どんなゆっくりであろうと同じように挨拶を返す。それがゆっくりがゆっくりたる所以である。 先に口を開いたゆっくりは、それを見ると何事も無かったかのように再び前に進みだした。 それを見たれみりゃは、釈然としなかったのか、 「う、うー!ちょっとまてどぉー!」 「ん?」 そのゆっくりを呼び止めた。 「れみぃをみてもこわくないのかどぉ~?うー!たーべちゃーうぞー!・・・」 両手を挙げて威嚇するそのれみりゃは、内心驚いていた。 普段自分の食料になっている通常ゆっくりに、自分を見ても恐怖しない奴は居なかったはずだ、と。 だが、そのゆっくりは、微笑みながら、 「ちょこっとだけあじみしてみなさい。それでもたべたいとおもうならごじゆうにどうぞ」 と言って、自分の頬をその辺りの茂みに当てて切り、滲み出した半透明で薄緑色の中身のついた枝を咥え、 さらにそれをれみりゃに寄越してきのだ。 「う~?」 れみりゃは、言われるままに、その枝に付いた緑色を舌で舐めとってみた。 「うっ・・・にがいどぉ~・・・」 それは、酷く苦かったようだ。 れみりゃは口に入れた苦味を飲み込まずにペッと吐き出し、涙を目に滲ませる。 味見させたゆっくりは、不敵な笑みを崩さずに、 「どう?たべてみる?」 と言った。 回復したれみりゃが目をぬぐって答える。 「うー・・・えんりょしとくどぉー・・・ひどいめにあったどぉ~」 「ふふっ」 そのゆっくりは、笑顔のまま、れみりゃの脇を通り過ぎて、森の先へと進んでいった。 人間の村のある方向へ。 このゆっくりの名前は、ゆっくりえーりんと言った。 なかなか頭もよく、ゆっくりの病気や、薬草の使い方などの知識に長けているため、他のゆっくりから頼られることも多い。 また、中身が「アロエ軟膏」で出来ているので、ゆっくりの怪我に対応でき、 さらに中身が美味しくない(美味しくないハズだ。作者は食べたこと無いけど。誰か試してください)ので、捕食種からも狙われず、 さらに中身が中身なので常に健康でいられる、つまり長生きできるのだ。 そんなゆっくりえーりんが、なぜ人間の村へ向かっているのか? それは、えーりんが元々いたゆっくりぷれいすでの、不運が重なって起こった、大量のゆっくりが死亡した出来事が関係している。 その出来事が原因で、番や恋ゆっくりを失った他のゆっくり達から責められ、それから逃れるように群れを出て行ったのだった。 居場所をなくしたえーりんが頼れるのは、その事件の時知り合った人間の青年だけだ。 だから今、こうして夜中に人間の村へ向かっているというわけだ。 またしばらく進んでいると、家々の窓から明かりが漏れてくる光景が目の前に現れた。村に着いたようだ。 (よかった、にんげんさんたちはまだねむるじかんじゃないみたい) だから、あの青年もまだ起きている可能性が高い。 (でもあのおにいさんのおうちのいちをおぼえてないわ・・・) というわけで、とりあえず一番近くに建っていた家の住人に尋ねてみることにした。 えーりんは玄関の前で、大声で 「ごめんください」 と言い、数秒間待った。 ガラガラと窓を開ける音が聞こえてきた。えーりんはそちらに目を向ける。 「はいはい」 顔を出したのは、 「やぶんおそくしつれいしま・・・す・・・」 「あ」 ビンゴ。なんと、あの青年だった。 「おにいさん!」 「えーりんじゃないか!どうしたんだこんな夜中に・・・上がりな」 「はい」 青年はえーりんに向かって両の手を伸ばし、えーりんを手のひらに乗せて家の中に入れた。 「さてと、どうしたんだ?何かあったのか?」 青年はタオルでえーりんの身体を拭きながら聞く。 「はい・・・じつは」 えーりんは事情を全て話した。 青年を村まで案内している最中に、ぷれいすが捕食種に襲われていたこと、 自分が居なかったので怪我をしたゆっくり達は成す術もなく永遠にゆっくりできなくなっていったこと、 生き残ったゆっくり達にそのことで咎められて、あのぷれいすはもうゆっくりできないと判断して青年を頼りにきた、 ということを。 「・・・というわけなんです」 「・・・あの時道に迷ってなければ・・・なんか俺も悪いことしちまったみたいだな」 青年は暗い顔で言った。 「そんなことありません!」 えーりんは即座に否定する。 「・・・それで、ええとなんだっけ・・」 「あ、そうです、おにいさんにおねがいがあるんです」 えーりんは、改めて青年に嘆願する。 「おにいさん、ここにすまわせてください!」 「・・・」 「ごはんはじぶんでとってきます、ぜったいにおにいさんにごめいわくはおかけしません! おねがいします、わたしにはここしかたよれるところがないんです!おねがいします!」 顔面を床につけて青年に言う。 数秒の沈黙の後。 青年は口を開いた。 「飯はこっちで用意させてもらうよ」 「!!」 えーりんは、顔を上げ目を輝かせて、青年の言ったことを確認する。 「それってつまり・・・!」 「断る理由がないしな」 「あ、ああ・・・ありがとうございます!」 「いいのさ。君に会ってから、ゆっくりを飼ってみたいって思ってたところだしなw」 青年は笑いながら言う。 「そうなんですかw」 えーりんもつられて笑った。 えーりんが青年の家に居ついてから三日経過したある日。 こちらは森の奥深くにあるゆっくりぷれいす。えーりんが元々いた場所である。 そこの長を務めている巨大なドスゆかりんの巣穴のもとへ、一匹の成体まりさがやってきた。 「どす!どすゆかりん!」 「何よ?」 ゆかりんは不機嫌そうに、近づいてきたまりさに聞き返す。 「えーりんがいなくなっちゃったのぜ!どこさがしてもいないのぜ! みんなしんぱいしてるのぜ!どこにいったのかしらないかなのぜ?」 ゆかりんは呆れて溜め息をついた。 これでもう6匹目だ。らんから大々的に発表してもらったはずなのだが。 「えーりんはここを出て行ったわよ」 都合の悪いことは忘れてしまう通常ゆっくりの性質に、ゆかりんは嫌気が指してきた。 まりさは、一瞬間を置いて、次にマヌケな表情で 「・・・はぁ?」 と言った。 「聞こえなかった?もう一回言う?」 「い、いや、そうじゃなくて・・・え、その・・・なんで?」 ゆかりんはまた溜め息をつく。えーりんが出て行った原因の張本人・・・いや張本ゆんの一匹であることをこのまりさは自覚していないのだろうか。 「それをあなたが聞くの?」 「どういうことなのぜ!?」 「あなたとかがえーりんにゆっくりできないこと言ったからでしょ」 「えっ」 「なにそれこわい」 ゆかりんの背後のらんが振り向いて言った。 「らん、ちょっと黙ってなさい」 「もうしわけありません」 「・・・まりさとかもれいむとかも、みんな散々えーりんをボロクソに叩いてたくせに、 いざとなると頼るのよね。恥ずかしくないのかしら?」 「ゆ・・・ど・・・どうじでぞんなごどいうのぜ?まりざなんにもわるいごどなんで・・・」 「やったっていうか、言ったでしょ。間違いなく」 「ゆぅぅ・・・」 まりさは顔を真っ赤にし、目に涙を浮かべながら俯く。 そんなまりさを見ながら、呆れた表情のまま、溜め息混じりに言った。 「そんなにえーりんが必要なら人間さんの村に行きなさいな・・・居ると思うわよ」 「ゆ!?」 まりさは顔を上げる。 「どす、えーりんはにんげんのむらにいるのぜ!?」 「恐らくね」 「どこにあるのぜ?!」 「東・・・えと、太陽さんが登ってくる方向に2時間ほどよ」 「わかったのぜ!」 巣穴から出て行くまりさの後姿を見ながら、ゆかりんは (行った結果あなたが何をして、何をされようとも、私には関係ないことなんだからね) と心の中で言った。 ゆかりんからえーりんの居場所を聞き出したまりさは、群れのゆっくり達を集めてこう言った。 「えーりんのいばしょがわかったのぜ!」 「ゆ!?」「どこなのよ?」 「にんげんのゆっくりぷれいすにいるってどすがいってたのぜ!」 その話を聞いたゆっくり達はざわめきだした。 三日の間に、えーりんの存在の重要性を思い知らされたゆっくり達。そのえーりんが、人間のところに居るというのだ。 「にんげんのゆっくりぷれいすってどこにあるのよ?」 「たしか、ここからたいようさんののぼるほうこうにむかってにじかんってきいたのぜ」 「いがいとちかいんだね~、わかるよー」 そこで、まりさはゆっくり達に提案した。 「みんな、えーりんがいないとこまるのぜ?」 「ゆん」 「だから、みんなでつれもどしにいくのぜ!」 それを聞いたゆっくり達は困惑した。れいむが心配そうに言う。 「にんげんはつよいってどすがいってたよ?」 「なにいってるのぜ!べつにたたかうひつようはないのぜ!それいがいでもなんとでもなるのぜ!」 まりさは続ける。 「まりさたちはかわいいんだから、それをひきあいにだしてせっとくすれば にんげんもすぐいうことをきくにきまってるのぜ!」 常人には理解しがたい理論でゆっくり達を説得する。 そして、 「ゆ!そうだね!れいむのかわいいおちびちゃんもつれてけば、にんげんもめろめろだね!!」 それをゆっくり達はいとも容易く信じてしまった。 「それに、もしたたかったとしてもまりさたちがまけるはずないのぜ!まりさたちはつよいのぜ!」 その言葉のおかげで自信がついたのか、ゆっくり達のほとんどは村へえーりんを連れ戻しに行くことに賛同した。 だが、異を唱えるゆっくりもいた。 「むきゅ・・・でもにんげんさんって、きいたはなしだと、どうつきのれみりゃよりからだがおおきいってきいたんだけど・・・だいじょうぶなの?」 「じゃお・・・」 「ちぇんもぱちゅりーとめーりんとおなじように、しんぱいなんだよ~・・・わかるよ~」 「それに、えーりんはにんげんにつれていかれたんじゃなくて、 じぶんのいしでぷれいすをでていったんだから、えーりんのいしはそんちょうすべきだとおもうのだけど・・・」 だがまりさ達は聞く耳を持たなかった。そもそも耳が無いのだけれど。 不安そうな言葉を吐くちぇん達を無視して、 まりさは新たにこう言い出した。 「ゆ!そうだ、にんっしんっしたれいむとちぇんもいたのぜ!」 その言葉を聞いたにんっしんっゆっくり二匹は声を上げた。 「ゆ?れいむのこと?」「わかるよ~」 「もうすぐうまれるらしいっていってたのぜ?」 「「ゆん」」 二匹は頷く。 「しゅっさんっのばめんをみせてあげればにんげんさんもゆっくりしてくれるにきまってるのぜ!!」 だそうだ。 「ゆ!わかったよ!!れいむもいくよ!!あかちゃんはゆっくりできるもんね!!」 「ゆんゆんわかるよ~」 「ゆっくりできるものはおおいほうがいいのぜ!!」 なんだかんだ言っても『ゆっくりしてもらおう』としているのは感心できる。意外とこのまりさは純粋なのかもしれない。手段はともかく。 というわけで、れいむ二匹(片方はにんっしんっしている)に、まりさとありすとちぇん(にんっしんっ済み)とみょんそれぞれ一匹ずつ、合計6匹は、 「さっそくしゅっぱつするのぜ!!」「「「「「ゆーー!!」」」」」 「・・・」 それぞれの子供達をつれてぷれいすをしゅっぱつっしていった。 そのゆっくり達を、ぱちゅりーとめーりんと、幹部のらんと恋仲であるちぇんは心配そうな目で見送った。 「じゃおじゃお」「むきゅむきゅ」 「・・・なんですって」 「ほんとうだな?」 「そうだよらんしゃま、わかってね~」「じゃおぉ・・・」「むきゅ」 ちぇんはぱちゅりーとめーりんと共に、ドスゆかりんに先程の事を報告した。 「あの馬鹿・・・行くなら一匹で行けってのに・・・なんで周りの馬鹿共まで巻き込んでいくのかしら・・・」 「もしものことがあればたいりょうのゆっくりがゆっくりできなくなるというのに・・・」 「一匹だけなら群れに大した損害は無いのだけれどね・・・」 ドスゆかりんとらんは溜め息をついた。 ・・・今日は溜め息をついてしまうような出来事が多い。 あいつらは群れを森の奥に移してしばらくしてから生まれた組だから人間について知らないのは仕方の無いことだが。 捕食種の襲撃から間もないのに、また大量のゆっくりが永遠にゆっくりできなくなる事態に陥れば、このままでは群れの存亡に関わるだろう。 出発したゆっくり達が何もゴタゴタを起こさなければいいのだが、それには期待できない。というか、ゴタゴタを起こさないような展開を想像できない。 「いかがいたしましょうか?」 らんがゆかりんに問う。 「らん、指令を出します」 「はい」 「なんとしてでもあいつらを連れ戻してきなさい」 「わかりました」 「あなたのスピードなら追いつけるはず。頼んだわよ。」 「はい」 「らんしゃま、いってらっしゃいだよ~」 「じゃお」 「きをつけてね」 「ああ」 えーりんの恐らくの居場所を言ったのはゆかりんなのだから少々理不尽な気もするが、 ともかく巣穴から出て行くらんの後姿を四匹は見届けた。 「ゆ~ゆゆ~♪」「ゆっくり~のひ~♪」」 などと下手糞な歌を大声で歌いながらゆっくり達は行進を続ける。 「ゆ~!おきゃーしゃんのおうたはゆっきゅりできりゅね!」 「ゆ~ん♪おちびちゃんありがとう♪」 「なんちぇおうたなの~?」 などと雑談をしながら、ひたすら東へと進み続けて30分。 それぞれが頭に乗せていたり、口の中に入れていたりする赤ゆっくりの体重などの負担により疲れた身体を休めていると、 まりさ率いるゆっくりの群れの背後の茂みから、ガサガサと音がした。 ゆっくり達はビクッとする。 「ゆ!?だれなのぜ!?まりさたちはいまきゅうけいちゅうなんだぜ!じゃましないでなのぜ!しないならいっしょにゆっくりしてあげてもいいのぜ!!!」 とまりさは言い放ち、身構えた。 その茂みから姿を現したのは、 「はぁ、はぁ・・・よかった、まにあった」 「「「「「「らん!?」」」」」」 自分達のゆっくりぷれいすの幹部を務めている、あのらんであった。 ちなみにらんはどちらかというと群れの中では新参なほうであるが、群れに来る以前も他のぷれいすの重要な役目についていたらしく、 かなり優秀なゆっくりである。実際、らんはゆかりんの期待に応えられなかったことは一度も無かった。 なぜ以前のぷれいすを去ってきたのかはわからないが。 「ふぅ・・・」 らんは一息ついた。 「らん、どうしたのぜ?」 まりさは問いかける。 「ゆ!らんもえーりんをつれもどすのをてつだってくれるんだね!」 と、れいむは言った。その言葉に、他のゆっくり達も期待に目を輝かせる。 らんは自分達よりも遥かに強い。そのらんが協力してくれるのなら、これほど心強いものは他には無い。 だが、口を開いたらんが放った言葉は、それと正反対のことだった。 「おまえら、いますぐぷれいすまでもどれ」 「ゆゆ・・・?」 「ゆかりんさまは、まりさ、おまえがまわりまでまきこんでにんげんさんのむらにむかおうとしたことをおこっておられる。 おまえいっぴきだけがむかったならもんだいにはならなかったのだが」 「ゆ・・・?ど、どすが・・・」 「それと、ちぇんとぱちゅりーとめーりんからきいたが、やめておけ。 にんげんさんは、たとえゆかりんさまがあいてをしたとしてもかてるあいてではないのだ」 「ゆ、ゆ~!?な、なにいってるのぜ!そんなわけ・・・」 まりさが動揺するのをらんは感じ取った。らんはさらに言葉を続けようとした、 「だかr」 その時、 「ゆ!わかったよ!どすはにんげんにすらかてない”むのう”だったんだね!」 何を勘違いしたのか、にんっしんっしていないほうのれいむは頭の上に3匹の赤れいむを乗せながらこんなことを言い始めた。 「あん?」「ゆ!?」 「でもあんしんしてね!!れいむたちはどすとちがってつy」 「おいれいむ。きさまいまなんといった?」 「ゆ~?」 「ゆかりんさまがむのうだと?」 「ゆ!そうだよ!にんげんにかてないなんてつかえないどすだったんだね!!」 「ゆ!おきゃーしゃんのいうことはただしいからおきゃーしゃんのいうとおりなんだよ!ゆっきゅりりきゃいしてね!!」 親であるれいむの言うことを信じてしまった一匹の赤れいむが、親と同じく得意げな顔で言う。 「ちょ、れいむなにいってるのぜ!」「ちんぽっ!」「やめなさいれいむ!」 「おねーしゃんにゃにいっちぇるの!?」「れーみゅたちがどしゅにかちぇるわきぇにゃいでしょぉぉぉぉ!!??」 らんの様子を察知した他のゆっくり達はれいむの口を閉じさせようと飛びかかったが、 「ゆっと」「ゆむっ」 一匹の赤れいむは親れいむの髪を咥えて振り落とされないようにし、 「ゆべっ」「ぺにっ」「ゆぎゅっ」 親れいむは機敏にそのほかのゆっくりの体当たりを避けて、 「ゆびゃっ」「ぴゅぅ・・・」 頭の上にいた他の2匹の赤れいむを振り落とし、またさらにとんでもない言葉を続ける。 「だってそうでしょ?れいむたちはまけないのにどすはまけちゃうんでしょ?だからどすはれいむたちよりよわいってことだよ!!!」 「しょーだね!そんなどしゅにまもらりぇてたにゃんてはじゅかしいね!!」 「・・・」 らんは得意げな顔のれいむをみつめながらプルプルと怒りに震えている。 そして次にれいむが口を開こうとした瞬間、辺りに餡子が飛び散った。 「・・・ゆ?」 らんが中身の米粒をれいむに向かって撃ち出したのだ。米粒弾によってれいむの頬に小さく穴が開けられている。 一瞬のことだったので、れいむはらんが何をしたのか分からず、また痛みも感じなかった。 「ゆ、ゆ!?」 「・・・たたかったこともないくせに」 らんはれいむに歩み寄る。 「ちょ、ちょっとまっt」 「しったようなくちを」 身体をひねる。 「お、おきゃーしゃん!?」 「きくなぁーーーっ!!」 9本の尻尾がれいむの顔面を抉り飛ばす。衝撃で頭の上の赤れいむは地面に転げ落ちた。 ベシャッという音が近くにあった大木から聞こえてきた。 まりさ達はその方向を見る。大木には、黒い餡子と、呆然としたれいむの顔がそっくりそのまま張り付いていた。 そしてボトッという音がして、れいむの眼球が地に落ちる。 「ゆ・・・っ」「ゆうぅっ」「ゆぐぇええぇぇ・・・」「えれえれえれ」「え゛え゛ぇぇぇぇぇぇっ・・・え゛ぇ゛え゛っ」 その惨状を見た5匹は吐いた。 「はぁっ・・・はぁっ・・・」 目を見開きながら、らんは荒い息をついている。 「ゆ・・・?」「お・・・おきゃ・・・」「・・・」 赤れいむ達は、目の前の現実が受け入れられず、呆然としていた。 「ゆっ・・・ふぅ・・・ぅっ」 らんより先に落ち着いた5匹は、 「み、みんな、にげるよ!!」 「ゆ、ゆぅっ!」 一目散に逃げ出した。先程進んでいたのと同じ方向へ。 「まっでぇぇぇぇ!!!にんっしんっじでるがらはやぐうごげないのぉぉぉぉ!!!」 「ま、まってねぇ~っ!ちぇんをおいていかないでぇ~っ!!!らんしゃまこわいよぉぉぉぉぉっ!!」 「・・・!!」 ちぇんの言葉でハッと我に返ったらんは、自分がとんでもないことをしでかしたことに気付いた。 「ゆっ・・ふぅっ」 「はぁーーー・・・はぁーーーっ・・・」 ゆっくりらしからぬ速度で全員が同じ方向に逃げ、ある程度進んだところで、まりさ達は止まった。 少し遅れてにんっしんっ組が追いついた。 「ゆはぁ・・・ゆはぁ・・・」 「ゆ・・・ごわがっだよぉぉぉぉぉぉ・・・」 ちぇんは安堵感からか、泣き出してしまった。 「ゆふぅ・・・ちぇ、ちぇん、おちついてくれなのぜ・・・おなかのあかちゃんがゆっくりできないのぜ?」 「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・ぅ」 まりさが近づいて、ちぇんの涙を舐めとる。 「ゆぐ・・・まりざ・・・ありがどうなんだよー・・・」 まりさは何も言わずに微笑んだ。その時、背後からありすが歓喜する声が他の四匹に届いた。 「ゆぅ!みなさいみんな!にんげんのゆっくりぷれいすよ!!」 「「「「ゆっ!!!」」」」 「はい、これでだいじょうぶよ」 「じゃお!」 「おお、ありがとうえーりん」 青年の家で生活しつつ、村の飼いゆっくりを治す役目に就いたえーりんは、早速現れた怪我めーりんの傷を治していた。 飼い主の男はえーりんに礼を言う。 今までゆっくりの怪我はオレンジジュースと小麦粉で治してきた村のゆっくりの飼い主たちは、えーりんの登場に喜んでいた。 わざわざオレンジジュースを使わなくても、無料でゆっくりの怪我を治すことが可能になったのだ。 「じゃおーん♪」 「こいつ落ち着きが無くてな・・・」 「げんきがいいしょうこですよ」 「そうか?」 会話をする男とえーりんを横目で見つつ、 えーりんの飼い主である青年とテーブルを挟んで向かい合っている、もう一人の青年は口を開く。 「落ち着きのあるゆっくりなんていんの?」 えーりんはそれに答える。 「わたしのむれのどすゆかりんは、いつもおちついてしじをだしてくれていましたが・・・」 「へぇ・・・」 「ある程度歳とると落ち着いてくるんじゃね?人間と同じくさ」 えーりんの飼い主である青年は言う。 今、えーりんを飼っている青年と向かい合っている彼は、青年の幼馴染である。 ちなみにこの彼、筋金入りの虐待お兄さんである。虐待死したゆっくりは数知れず。 だから、青年はできるだけ彼とえーりんを近づけたくなかったのだが、 「俺が飼いゆっくりに手を出したことがあったか?」 と言っていたので、この言葉を信じることにしたのだった。 「落ち着きのある、といえば、えーりん」 「はい?」 「君も落ち着きがあるよな。もしかして、実は君h」 と青年が言いかけたその時、 バッ と幼馴染が物凄い速度で首を窓のほうに向けたので、青年は台詞を中断して幼馴染に問いかけた。 「どした?」 「外からゆっくりの気配がする・・・」 「はぁ?」 「ちょっくら見に行ってくるわ」 「あ、そう。いってらっしゃい」 言うが早いか、幼馴染は猛スピードで走り去って行った。 「・・・なんだアイツ。俺には気配なんて全然わかんねぇぞ」 「なんでしょうね」 「じゃおーん・・・」 「対ゆっくり限定で発動するスタンド能力とか?」 「それは違うと思うぞ」 などと雑談をしているうちに、幼馴染は青年の家へ戻ってきた。 「おかえり。で?勘は的中?」 と青年は聞く。 幼馴染の様子が妙だ。彼は口を開いた。 「・・・えーりん、聞けよ?」 「・・・?はい」 えーりんは首を傾げつつ答える。 「えーりん。君の群れのゆっくり達が君を連れ戻しに来た」 「・・・え?」 続きます あとがき 次への構想がまとまらないのでここで一旦中断。 でもここからどう展開しよう・・・ えーりん奪還組の結末はともかく、ゆかりんとらんとか、群れから必要とされてると知ったえーりんはどう決断するのかとか・・・ またしばらく構想を練る作業が始まるお・・・ それと、以前「森のお医者様」?では『めーりん萌えの人』と名乗らせていただきましたが、 自分で自分のことを『~の人』と名乗るのも変だなと思ったので 今後は『めーりん萌え』と名乗らせて頂きます。作者は美鈴とめーりんが大好きなのです。 byめーりん萌え
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ある一匹のゆっくりが、暗くなった森の中を歩いていた。どこへ向かっているのだろう。 こんな夜中に一匹で出歩くなど、普通のゆっくりなら自殺行為である。 れみりゃやふらんなどの捕食種が徘徊しだす時間帯だからだ。 しかし、このゆっくりは、そんなもの大した問題ではないといった様子で、どんどんと進んでいった。 そこへ、一匹の胴付きれみりゃとこのゆっくりはばったりと鉢合わせした。 「うー?」 「あら、こんばんは。ゆっくりしていってね!」 このゆっくりは、捕食種を見ても全く動じずに定番の挨拶をした。 「うー♪ゆっくりしていってねだどぉ~♪」 こう挨拶をされたら、どんなゆっくりであろうと同じように挨拶を返す。それがゆっくりがゆっくりたる所以である。 先に口を開いたゆっくりは、それを見ると何事も無かったかのように再び前に進みだした。 それを見たれみりゃは、釈然としなかったのか、 「う、うー!ちょっとまてどぉー!」 「ん?」 そのゆっくりを呼び止めた。 「れみぃをみてもこわくないのかどぉ~?うー!たーべちゃーうぞー!・・・」 両手を挙げて威嚇するそのれみりゃは、内心驚いていた。 普段自分の食料になっている通常ゆっくりに、自分を見ても恐怖しない奴は居なかったはずだ、と。 だが、そのゆっくりは、微笑みながら、 「ちょこっとだけあじみしてみなさい。それでもたべたいとおもうならごじゆうにどうぞ」 と言って、自分の頬をその辺りの茂みに当てて切り、滲み出した半透明で薄緑色の中身のついた枝を咥え、 さらにそれをれみりゃに寄越してきのだ。 「う~?」 れみりゃは、言われるままに、その枝に付いた緑色を舌で舐めとってみた。 「うっ・・・にがいどぉ~・・・」 それは、酷く苦かったようだ。 れみりゃは口に入れた苦味を飲み込まずにペッと吐き出し、涙を目に滲ませる。 味見させたゆっくりは、不敵な笑みを崩さずに、 「どう?たべてみる?」 と言った。 回復したれみりゃが目をぬぐって答える。 「うー・・・えんりょしとくどぉー・・・ひどいめにあったどぉ~」 「ふふっ」 そのゆっくりは、笑顔のまま、れみりゃの脇を通り過ぎて、森の先へと進んでいった。 人間の村のある方向へ。 このゆっくりの名前は、ゆっくりえーりんと言った。 なかなか頭もよく、ゆっくりの病気や、薬草の使い方などの知識に長けているため、他のゆっくりから頼られることも多い。 また、中身が「アロエ軟膏」で出来ているので、ゆっくりの怪我に対応でき、 さらに中身が美味しくない(美味しくないハズだ。作者は食べたこと無いけど。誰か試してください)ので、捕食種からも狙われず、 さらに中身が中身なので常に健康でいられる、つまり長生きできるのだ。 そんなゆっくりえーりんが、なぜ人間の村へ向かっているのか? それは、えーりんが元々いたゆっくりぷれいすでの、不運が重なって起こった、大量のゆっくりが死亡した出来事が関係している。 その出来事が原因で、番や恋ゆっくりを失った他のゆっくり達から責められ、それから逃れるように群れを出て行ったのだった。 居場所をなくしたえーりんが頼れるのは、その事件の時知り合った人間の青年だけだ。 だから今、こうして夜中に人間の村へ向かっているというわけだ。 またしばらく進んでいると、家々の窓から明かりが漏れてくる光景が目の前に現れた。村に着いたようだ。 (よかった、にんげんさんたちはまだねむるじかんじゃないみたい) だから、あの青年もまだ起きている可能性が高い。 (でもあのおにいさんのおうちのいちをおぼえてないわ・・・) というわけで、とりあえず一番近くに建っていた家の住人に尋ねてみることにした。 えーりんは玄関の前で、大声で 「ごめんください」 と言い、数秒間待った。 ガラガラと窓を開ける音が聞こえてきた。えーりんはそちらに目を向ける。 「はいはい」 顔を出したのは、 「やぶんおそくしつれいしま・・・す・・・」 「あ」 ビンゴ。なんと、あの青年だった。 「おにいさん!」 「えーりんじゃないか!どうしたんだこんな夜中に・・・上がりな」 「はい」 青年はえーりんに向かって両の手を伸ばし、えーりんを手のひらに乗せて家の中に入れた。 「さてと、どうしたんだ?何かあったのか?」 青年はタオルでえーりんの身体を拭きながら聞く。 「はい・・・じつは」 えーりんは事情を全て話した。 青年を村まで案内している最中に、ぷれいすが捕食種に襲われていたこと、 自分が居なかったので怪我をしたゆっくり達は成す術もなく永遠にゆっくりできなくなっていったこと、 生き残ったゆっくり達にそのことで咎められて、あのぷれいすはもうゆっくりできないと判断して青年を頼りにきた、 ということを。 「・・・というわけなんです」 「・・・あの時道に迷ってなければ・・・なんか俺も悪いことしちまったみたいだな」 青年は暗い顔で言った。 「そんなことありません!」 えーりんは即座に否定する。 「・・・それで、ええとなんだっけ・・」 「あ、そうです、おにいさんにおねがいがあるんです」 えーりんは、改めて青年に嘆願する。 「おにいさん、ここにすまわせてください!」 「・・・」 「ごはんはじぶんでとってきます、ぜったいにおにいさんにごめいわくはおかけしません! おねがいします、わたしにはここしかたよれるところがないんです!おねがいします!」 顔面を床につけて青年に言う。 数秒の沈黙の後。 青年は口を開いた。 「飯はこっちで用意させてもらうよ」 「!!」 えーりんは、顔を上げ目を輝かせて、青年の言ったことを確認する。 「それってつまり・・・!」 「断る理由がないしな」 「あ、ああ・・・ありがとうございます!」 「いいのさ。君に会ってから、ゆっくりを飼ってみたいって思ってたところだしなw」 青年は笑いながら言う。 「そうなんですかw」 えーりんもつられて笑った。 えーりんが青年の家に居ついてから三日経過したある日。 こちらは森の奥深くにあるゆっくりぷれいす。えーりんが元々いた場所である。 そこの長を務めている巨大なドスゆかりんの巣穴のもとへ、一匹の成体まりさがやってきた。 「どす!どすゆかりん!」 「何よ?」 ゆかりんは不機嫌そうに、近づいてきたまりさに聞き返す。 「えーりんがいなくなっちゃったのぜ!どこさがしてもいないのぜ! みんなしんぱいしてるのぜ!どこにいったのかしらないかなのぜ?」 ゆかりんは呆れて溜め息をついた。 これでもう6匹目だ。らんから大々的に発表してもらったはずなのだが。 「えーりんはここを出て行ったわよ」 都合の悪いことは忘れてしまう通常ゆっくりの性質に、ゆかりんは嫌気が指してきた。 まりさは、一瞬間を置いて、次にマヌケな表情で 「・・・はぁ?」 と言った。 「聞こえなかった?もう一回言う?」 「い、いや、そうじゃなくて・・・え、その・・・なんで?」 ゆかりんはまた溜め息をつく。えーりんが出て行った原因の張本人・・・いや張本ゆんの一匹であることをこのまりさは自覚していないのだろうか。 「それをあなたが聞くの?」 「どういうことなのぜ!?」 「あなたとかがえーりんにゆっくりできないこと言ったからでしょ」 「えっ」 「なにそれこわい」 ゆかりんの背後のらんが振り向いて言った。 「らん、ちょっと黙ってなさい」 「もうしわけありません」 「・・・まりさとかもれいむとかも、みんな散々えーりんをボロクソに叩いてたくせに、 いざとなると頼るのよね。恥ずかしくないのかしら?」 「ゆ・・・ど・・・どうじでぞんなごどいうのぜ?まりざなんにもわるいごどなんで・・・」 「やったっていうか、言ったでしょ。間違いなく」 「ゆぅぅ・・・」 まりさは顔を真っ赤にし、目に涙を浮かべながら俯く。 そんなまりさを見ながら、呆れた表情のまま、溜め息混じりに言った。 「そんなにえーりんが必要なら人間さんの村に行きなさいな・・・居ると思うわよ」 「ゆ!?」 まりさは顔を上げる。 「どす、えーりんはにんげんのむらにいるのぜ!?」 「恐らくね」 「どこにあるのぜ?!」 「東・・・えと、太陽さんが登ってくる方向に2時間ほどよ」 「わかったのぜ!」 巣穴から出て行くまりさの後姿を見ながら、ゆかりんは (行った結果あなたが何をして、何をされようとも、私には関係ないことなんだからね) と心の中で言った。 ゆかりんからえーりんの居場所を聞き出したまりさは、群れのゆっくり達を集めてこう言った。 「えーりんのいばしょがわかったのぜ!」 「ゆ!?」「どこなのよ?」 「にんげんのゆっくりぷれいすにいるってどすがいってたのぜ!」 その話を聞いたゆっくり達はざわめきだした。 三日の間に、えーりんの存在の重要性を思い知らされたゆっくり達。そのえーりんが、人間のところに居るというのだ。 「にんげんのゆっくりぷれいすってどこにあるのよ?」 「たしか、ここからたいようさんののぼるほうこうにむかってにじかんってきいたのぜ」 「いがいとちかいんだね~、わかるよー」 そこで、まりさはゆっくり達に提案した。 「みんな、えーりんがいないとこまるのぜ?」 「ゆん」 「だから、みんなでつれもどしにいくのぜ!」 それを聞いたゆっくり達は困惑した。れいむが心配そうに言う。 「にんげんはつよいってどすがいってたよ?」 「なにいってるのぜ!べつにたたかうひつようはないのぜ!それいがいでもなんとでもなるのぜ!」 まりさは続ける。 「まりさたちはかわいいんだから、それをひきあいにだしてせっとくすれば にんげんもすぐいうことをきくにきまってるのぜ!」 常人には理解しがたい理論でゆっくり達を説得する。 そして、 「ゆ!そうだね!れいむのかわいいおちびちゃんもつれてけば、にんげんもめろめろだね!!」 それをゆっくり達はいとも容易く信じてしまった。 「それに、もしたたかったとしてもまりさたちがまけるはずないのぜ!まりさたちはつよいのぜ!」 その言葉のおかげで自信がついたのか、ゆっくり達のほとんどは村へえーりんを連れ戻しに行くことに賛同した。 だが、異を唱えるゆっくりもいた。 「むきゅ・・・でもにんげんさんって、きいたはなしだと、どうつきのれみりゃよりからだがおおきいってきいたんだけど・・・だいじょうぶなの?」 「じゃお・・・」 「ちぇんもぱちゅりーとめーりんとおなじように、しんぱいなんだよ~・・・わかるよ~」 「それに、えーりんはにんげんにつれていかれたんじゃなくて、 じぶんのいしでぷれいすをでていったんだから、えーりんのいしはそんちょうすべきだとおもうのだけど・・・」 だがまりさ達は聞く耳を持たなかった。そもそも耳が無いのだけれど。 不安そうな言葉を吐くちぇん達を無視して、 まりさは新たにこう言い出した。 「ゆ!そうだ、にんっしんっしたれいむとちぇんもいたのぜ!」 その言葉を聞いたにんっしんっゆっくり二匹は声を上げた。 「ゆ?れいむのこと?」「わかるよ~」 「もうすぐうまれるらしいっていってたのぜ?」 「「ゆん」」 二匹は頷く。 「しゅっさんっのばめんをみせてあげればにんげんさんもゆっくりしてくれるにきまってるのぜ!!」 だそうだ。 「ゆ!わかったよ!!れいむもいくよ!!あかちゃんはゆっくりできるもんね!!」 「ゆんゆんわかるよ~」 「ゆっくりできるものはおおいほうがいいのぜ!!」 なんだかんだ言っても『ゆっくりしてもらおう』としているのは感心できる。意外とこのまりさは純粋なのかもしれない。手段はともかく。 というわけで、れいむ二匹(片方はにんっしんっしている)に、まりさとありすとちぇん(にんっしんっ済み)とみょんそれぞれ一匹ずつ、合計6匹は、 「さっそくしゅっぱつするのぜ!!」「「「「「ゆーー!!」」」」」 「・・・」 それぞれの子供達をつれてぷれいすをしゅっぱつっしていった。 そのゆっくり達を、ぱちゅりーとめーりんと、幹部のらんと恋仲であるちぇんは心配そうな目で見送った。 「じゃおじゃお」「むきゅむきゅ」 「・・・なんですって」 「ほんとうだな?」 「そうだよらんしゃま、わかってね~」「じゃおぉ・・・」「むきゅ」 ちぇんはぱちゅりーとめーりんと共に、ドスゆかりんに先程の事を報告した。 「あの馬鹿・・・行くなら一匹で行けってのに・・・なんで周りの馬鹿共まで巻き込んでいくのかしら・・・」 「もしものことがあればたいりょうのゆっくりがゆっくりできなくなるというのに・・・」 「一匹だけなら群れに大した損害は無いのだけれどね・・・」 ドスゆかりんとらんは溜め息をついた。 ・・・今日は溜め息をついてしまうような出来事が多い。 あいつらは群れを森の奥に移してしばらくしてから生まれた組だから人間について知らないのは仕方の無いことだが。 捕食種の襲撃から間もないのに、また大量のゆっくりが永遠にゆっくりできなくなる事態に陥れば、このままでは群れの存亡に関わるだろう。 出発したゆっくり達が何もゴタゴタを起こさなければいいのだが、それには期待できない。というか、ゴタゴタを起こさないような展開を想像できない。 「いかがいたしましょうか?」 らんがゆかりんに問う。 「らん、指令を出します」 「はい」 「なんとしてでもあいつらを連れ戻してきなさい」 「わかりました」 「あなたのスピードなら追いつけるはず。頼んだわよ。」 「はい」 「らんしゃま、いってらっしゃいだよ~」 「じゃお」 「きをつけてね」 「ああ」 えーりんの恐らくの居場所を言ったのはゆかりんなのだから少々理不尽な気もするが、 ともかく巣穴から出て行くらんの後姿を四匹は見届けた。 「ゆ~ゆゆ~♪」「ゆっくり~のひ~♪」」 などと下手糞な歌を大声で歌いながらゆっくり達は行進を続ける。 「ゆ~!おきゃーしゃんのおうたはゆっきゅりできりゅね!」 「ゆ~ん♪おちびちゃんありがとう♪」 「なんちぇおうたなの~?」 などと雑談をしながら、ひたすら東へと進み続けて30分。 それぞれが頭に乗せていたり、口の中に入れていたりする赤ゆっくりの体重などの負担により疲れた身体を休めていると、 まりさ率いるゆっくりの群れの背後の茂みから、ガサガサと音がした。 ゆっくり達はビクッとする。 「ゆ!?だれなのぜ!?まりさたちはいまきゅうけいちゅうなんだぜ!じゃましないでなのぜ!しないならいっしょにゆっくりしてあげてもいいのぜ!!!」 とまりさは言い放ち、身構えた。 その茂みから姿を現したのは、 「はぁ、はぁ・・・よかった、まにあった」 「「「「「「らん!?」」」」」」 自分達のゆっくりぷれいすの幹部を務めている、あのらんであった。 ちなみにらんはどちらかというと群れの中では新参なほうであるが、群れに来る以前も他のぷれいすの重要な役目についていたらしく、 かなり優秀なゆっくりである。実際、らんはゆかりんの期待に応えられなかったことは一度も無かった。 なぜ以前のぷれいすを去ってきたのかはわからないが。 「ふぅ・・・」 らんは一息ついた。 「らん、どうしたのぜ?」 まりさは問いかける。 「ゆ!らんもえーりんをつれもどすのをてつだってくれるんだね!」 と、れいむは言った。その言葉に、他のゆっくり達も期待に目を輝かせる。 らんは自分達よりも遥かに強い。そのらんが協力してくれるのなら、これほど心強いものは他には無い。 だが、口を開いたらんが放った言葉は、それと正反対のことだった。 「おまえら、いますぐぷれいすまでもどれ」 「ゆゆ・・・?」 「ゆかりんさまは、まりさ、おまえがまわりまでまきこんでにんげんさんのむらにむかおうとしたことをおこっておられる。 おまえいっぴきだけがむかったならもんだいにはならなかったのだが」 「ゆ・・・?ど、どすが・・・」 「それと、ちぇんとぱちゅりーとめーりんからきいたが、やめておけ。 にんげんさんは、たとえゆかりんさまがあいてをしたとしてもかてるあいてではないのだ」 「ゆ、ゆ~!?な、なにいってるのぜ!そんなわけ・・・」 まりさが動揺するのをらんは感じ取った。らんはさらに言葉を続けようとした、 「だかr」 その時、 「ゆ!わかったよ!どすはにんげんにすらかてない”むのう”だったんだね!」 何を勘違いしたのか、にんっしんっしていないほうのれいむは頭の上に3匹の赤れいむを乗せながらこんなことを言い始めた。 「あん?」「ゆ!?」 「でもあんしんしてね!!れいむたちはどすとちがってつy」 「おいれいむ。きさまいまなんといった?」 「ゆ~?」 「ゆかりんさまがむのうだと?」 「ゆ!そうだよ!にんげんにかてないなんてつかえないどすだったんだね!!」 「ゆ!おきゃーしゃんのいうことはただしいからおきゃーしゃんのいうとおりなんだよ!ゆっきゅりりきゃいしてね!!」 親であるれいむの言うことを信じてしまった一匹の赤れいむが、親と同じく得意げな顔で言う。 「ちょ、れいむなにいってるのぜ!」「ちんぽっ!」「やめなさいれいむ!」 「おねーしゃんにゃにいっちぇるの!?」「れーみゅたちがどしゅにかちぇるわきぇにゃいでしょぉぉぉぉ!!??」 らんの様子を察知した他のゆっくり達はれいむの口を閉じさせようと飛びかかったが、 「ゆっと」「ゆむっ」 一匹の赤れいむは親れいむの髪を咥えて振り落とされないようにし、 「ゆべっ」「ぺにっ」「ゆぎゅっ」 親れいむは機敏にそのほかのゆっくりの体当たりを避けて、 「ゆびゃっ」「ぴゅぅ・・・」 頭の上にいた他の2匹の赤れいむを振り落とし、またさらにとんでもない言葉を続ける。 「だってそうでしょ?れいむたちはまけないのにどすはまけちゃうんでしょ?だからどすはれいむたちよりよわいってことだよ!!!」 「しょーだね!そんなどしゅにまもらりぇてたにゃんてはじゅかしいね!!」 「・・・」 らんは得意げな顔のれいむをみつめながらプルプルと怒りに震えている。 そして次にれいむが口を開こうとした瞬間、辺りに餡子が飛び散った。 「・・・ゆ?」 らんが中身の米粒をれいむに向かって撃ち出したのだ。米粒弾によってれいむの頬に小さく穴が開けられている。 一瞬のことだったので、れいむはらんが何をしたのか分からず、また痛みも感じなかった。 「ゆ、ゆ!?」 「・・・たたかったこともないくせに」 らんはれいむに歩み寄る。 「ちょ、ちょっとまっt」 「しったようなくちを」 身体をひねる。 「お、おきゃーしゃん!?」 「きくなぁーーーっ!!」 9本の尻尾がれいむの顔面を抉り飛ばす。衝撃で頭の上の赤れいむは地面に転げ落ちた。 ベシャッという音が近くにあった大木から聞こえてきた。 まりさ達はその方向を見る。大木には、黒い餡子と、呆然としたれいむの顔がそっくりそのまま張り付いていた。 そしてボトッという音がして、れいむの眼球が地に落ちる。 「ゆ・・・っ」「ゆうぅっ」「ゆぐぇええぇぇ・・・」「えれえれえれ」「え゛え゛ぇぇぇぇぇぇっ・・・え゛ぇ゛え゛っ」 その惨状を見た5匹は吐いた。 「はぁっ・・・はぁっ・・・」 目を見開きながら、らんは荒い息をついている。 「ゆ・・・?」「お・・・おきゃ・・・」「・・・」 赤れいむ達は、目の前の現実が受け入れられず、呆然としていた。 「ゆっ・・・ふぅ・・・ぅっ」 らんより先に落ち着いた5匹は、 「み、みんな、にげるよ!!」 「ゆ、ゆぅっ!」 一目散に逃げ出した。先程進んでいたのと同じ方向へ。 「まっでぇぇぇぇ!!!にんっしんっじでるがらはやぐうごげないのぉぉぉぉ!!!」 「ま、まってねぇ~っ!ちぇんをおいていかないでぇ~っ!!!らんしゃまこわいよぉぉぉぉぉっ!!」 「・・・!!」 ちぇんの言葉でハッと我に返ったらんは、自分がとんでもないことをしでかしたことに気付いた。 「ゆっ・・ふぅっ」 「はぁーーー・・・はぁーーーっ・・・」 ゆっくりらしからぬ速度で全員が同じ方向に逃げ、ある程度進んだところで、まりさ達は止まった。 少し遅れてにんっしんっ組が追いついた。 「ゆはぁ・・・ゆはぁ・・・」 「ゆ・・・ごわがっだよぉぉぉぉぉぉ・・・」 ちぇんは安堵感からか、泣き出してしまった。 「ゆふぅ・・・ちぇ、ちぇん、おちついてくれなのぜ・・・おなかのあかちゃんがゆっくりできないのぜ?」 「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・ぅ」 まりさが近づいて、ちぇんの涙を舐めとる。 「ゆぐ・・・まりざ・・・ありがどうなんだよー・・・」 まりさは何も言わずに微笑んだ。その時、背後からありすが歓喜する声が他の四匹に届いた。 「ゆぅ!みなさいみんな!にんげんのゆっくりぷれいすよ!!」 「「「「ゆっ!!!」」」」 「はい、これでだいじょうぶよ」 「じゃお!」 「おお、ありがとうえーりん」 青年の家で生活しつつ、村の飼いゆっくりを治す役目に就いたえーりんは、早速現れた怪我めーりんの傷を治していた。 飼い主の男はえーりんに礼を言う。 今までゆっくりの怪我はオレンジジュースと小麦粉で治してきた村のゆっくりの飼い主たちは、えーりんの登場に喜んでいた。 わざわざオレンジジュースを使わなくても、無料でゆっくりの怪我を治すことが可能になったのだ。 「じゃおーん♪」 「こいつ落ち着きが無くてな・・・」 「げんきがいいしょうこですよ」 「そうか?」 会話をする男とえーりんを横目で見つつ、 えーりんの飼い主である青年とテーブルを挟んで向かい合っている、もう一人の青年は口を開く。 「落ち着きのあるゆっくりなんていんの?」 えーりんはそれに答える。 「わたしのむれのどすゆかりんは、いつもおちついてしじをだしてくれていましたが・・・」 「へぇ・・・」 「ある程度歳とると落ち着いてくるんじゃね?人間と同じくさ」 えーりんの飼い主である青年は言う。 今、えーりんを飼っている青年と向かい合っている彼は、青年の幼馴染である。 ちなみにこの彼、筋金入りの虐待お兄さんである。虐待死したゆっくりは数知れず。 だから、青年はできるだけ彼とえーりんを近づけたくなかったのだが、 「俺が飼いゆっくりに手を出したことがあったか?」 と言っていたので、この言葉を信じることにしたのだった。 「落ち着きのある、といえば、えーりん」 「はい?」 「君も落ち着きがあるよな。もしかして、実は君h」 と青年が言いかけたその時、 バッ と幼馴染が物凄い速度で首を窓のほうに向けたので、青年は台詞を中断して幼馴染に問いかけた。 「どした?」 「外からゆっくりの気配がする・・・」 「はぁ?」 「ちょっくら見に行ってくるわ」 「あ、そう。いってらっしゃい」 言うが早いか、幼馴染は猛スピードで走り去って行った。 「・・・なんだアイツ。俺には気配なんて全然わかんねぇぞ」 「なんでしょうね」 「じゃおーん・・・」 「対ゆっくり限定で発動するスタンド能力とか?」 「それは違うと思うぞ」 などと雑談をしているうちに、幼馴染は青年の家へ戻ってきた。 「おかえり。で?勘は的中?」 と青年は聞く。 幼馴染の様子が妙だ。彼は口を開いた。 「・・・えーりん、聞けよ?」 「・・・?はい」 えーりんは首を傾げつつ答える。 「えーりん。君の群れのゆっくり達が君を連れ戻しに来た」 「・・・え?」 続きます あとがき 次への構想がまとまらないのでここで一旦中断。 でもここからどう展開しよう・・・ えーりん奪還組の結末はともかく、ゆかりんとらんとか、群れから必要とされてると知ったえーりんはどう決断するのかとか・・・ またしばらく構想を練る作業が始まるお・・・ それと、以前「森のお医者様」では『めーりん萌えの人』と名乗らせていただきましたが、 自分で自分のことを『~の人』と名乗るのも変だなと思ったので 今後は『めーりん萌え』と名乗らせて頂きます。作者は美鈴とめーりんが大好きなのです。 byめーりん萌え