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『れいみゅには何もない』 4KB 不運 赤ゆ 現代 作、長月 感謝のSS書き第1弾 ※俺設定注意 ※本作では赤れいむをれいみゅと呼びます ※作、長月です (・・・れいみゅもうすぐうみゃれるよ・・・) 母体の中でれいみゅは思いをはせる。 これから産まれるその世界を。自分を育ててくれる両親を。 おいしいあまあま。ゆっくりできるおうち。 自分をゆっくりさせてくれるだろうその世界を。 れいみゅには何もない 母の胎内でれいみゅは夢を見る。 ゆっくりした母のゆん生、その記憶を。そして自分も送るであろうゆっくりした毎日を。 へその緒のように自分と繋がっている胎生にんっしんっ用の茎が母の記憶を餡子を通して伝えてくれる。 それによるとれいみゅの母親は飼いゆっくりらしい。 銀バッジに合格してぶりーだーさんにほめて貰った記憶 飼い主のお兄さんにしゅーくりーむさんというとてもゆっくりできるあまあまをもらった記憶 つがいのまりさに初めて出会った時の記憶 そんなゆっくりした幸せな記憶が茎を通してれいみゅにも流れ込んでくる。 産まれたら自分もこんな風にゆっくりした毎日を送るんだ。 たくさんのあまあま、快適なゆっくりプレイス、優しい両親、飼い主さんにゆっくりさせてもらって そして大人になったら素敵なだーりんを見つけて、たくさんおちびちゃんに囲まれて幸せな毎日を送る。 そんな夢を見ながられいみゅは出産の時を待ち続ける。 そしてその時は来た。 れいみゅと繋がっていた胎生にんっしんっ用の茎が外れたのだ。これは赤ゆっくりがもう産まれても大丈夫なことを示すサインである。 「ゆっきゅりうみゃれるよ!!」 産道を通りれいみゅは外の世界を目指す。狭い産道を通るのは非力な赤ゆっくりにとっては簡単なことではない。 しかしれいみゅは光差す方向へ進み続ける。一歩一歩踏みしめるようにして。 自分をゆっくりさせてくれる両親の元へ。 自分を祝福しゆっくりさせてくれる世界へ。 自分のゆっくりした未来へ。 「ゆっきゅりしちぇっちぇね!!」 大きな声で誕生の挨拶をしてれいみゅは産まれた。 しかしれいみゅに待っていたのは両親からの「ゆっくりしてってね!!」のご挨拶ではなく 「ごべんねおちびちゃん!!ほんとにごべんね!!」 なぜか母れいむの土下座だった。 「・・・・ゆ?」 わけも分からずきょとんとするれいみゅ。 「ごべんねおちびちゃん!!ばかなおかあさんでほんとにごめんね!!」 そんな娘に母れいむは涙を流しながら謝り続ける。 れいみゅには意味がわからない。どうして母が謝っているのか。なぜ泣いているのか。 「いやだぁあああああ!!!!じにだぐない、じにだぐないよぉおおおおお!!!!」 見れば父まりさはしーしーを撒き散らしながら無様に泣き叫んでいる。 上半身だけぐーねぐねと動かしているのはあんよを焼かれているからだろう。良く見れば母れいむもだ。 そしているのはれいみゅ親子だけではない。細長い通路のような場所に数十匹のゆっくりが並んでいる。 「いやぁあああ!!!!だれがだずげでぇええええ!!!!あでぃす、まだじにだぐないわあぁああああ!!!!」 「わがらない、わがらないよぉおおおおお!!!!」 「ゆんぎゃあああああああああああああああああ!!」 皆ゆっくりしていない表情で動かせる上半身を必死でぐねぐねと動かしながら泣け叫び、前からは明らかにゆっくりできていないだろう叫びが聞こえる。 なんなんだろう。ここは?母の胎内で見ていた人間さんのおうちとは明らかに違う。 れいむのあまあまは?れいむのゆっくりプレイスは?自分をゆっくりさせてくれる飼い主さんは? れいみゅには分からない。 ここがどこなのか。 そして自分をゆっくりさせてくれるはずの世界はどこへいってしまったのか。 れいみゅは知らない。 自分が飼い主との約束を破って野良ゆっくりと勝手にすっきりーしてできた子供だということを。 それを飼い主は激怒し、野良まりさ、にんっしんっ中の母れいむともども加工所送りにされたことを。 そしてここが殺処分用の機械に続くベルトコンベアーの上であることも。 「あみゃあみゃは・・・?ゆっきゅりぷれいしゅは・・・?」 呆けたようにつぶやくれいみゅ。 れいみゅには何もない。 おいしいあまあまも 優しい飼い主のいるゆっくりプレイスも ゆっくりできる未来も。 あるのは両親と共に機械で粉砕され死ぬ運命だけだ。 「ゆんやぁあああああああ!!!!!!」 数分後、誕生したばかりの幼い断末魔が加工所内に響いた。 後書き 餡娘ちゃんお誕生日おめでとう。こんなマダオですがこれからもよろしくお願いします。 ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品はこちらに http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。 挿絵:車田あき
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ルナティック・カウンター 13KB ※独自設定垂れ流し ※「僕の考えた最強れいぱーカウンター」ものです 「んほぉぉぉぉぉぉぉ!」 草が揺れていた。木が震えていた。地がどよめいていた。 無数に連なる嬌声は怒号のよう。無数に跳ねる振動は地響きのようだ。 れいぱーありすの群れだ。すべてが完全発情状態であり、そのうえ数も百を超えている。 近隣のゆっくりの群れをいくつも潰し、拡大しきったれいぱーありすの大集団だった。 そんな大集団が野原にさしかかったときだ。 「んほっ!?」 何匹かが気がついた。 野原の真ん中に一匹のまりさがいる。 「いいわぁぁぁ! まりさはこのみよぉぉぉ!」 「なかなかとかいはなまりさだわぁぁぁぁぁ!」 「ありすのとかいはてくにっくで、あいをたっぷりそそいであげるわぁぁぁ!」 れいぱーありす達が色めき立つ。それほどの美まりさだった。 遠目でもわかる、ふっくらとしたもちもちのお肌。特徴的なとんがり帽子は染みも汚れも なく漆黒で、帽子を飾るリボンの白が映えている。 極上の美まりさだった。 れいぱーありす達は、完全発情状態からさらに発情した。 れいぱーありす達は気がつかない。 そのまりさが「綺麗すぎる」ということに。 滑らかで美しく、それでいてしなやか且つ強靱に鍛えられた肌は綺麗すぎる。 きちんとした手順で洗浄され、アイロンで丁寧に仕上げられたような帽子は綺麗すぎる。 野良ではありえず、飼いゆっくりでもそうは見られない、明らかに人の手が加わっている 不自然なまでの美しさだった。 そしてありす達は欲情に燃えているから気づかない。全てを自分の都合の良いように解釈 する傲慢さから、見たとしてもきっと理解すらできない。 鍔広の帽子に隠された瞳が、わからない。 その瞳の鋭さ。 その瞳の発する殺気。 その瞳に込められた憎悪に。 れいぱーありす達は決して気づけず、理解できず、畏れることもありえない。 ただ欲望のまま、れいぱー達はまりさへ、地響きをあげ向かっていった。 ルナティック・カウンター 過ぎ去りし、ある日のこと。 陽が暮れようとする中、まりさは上機嫌で家路へと急いでいた。 珍しく遠出をした。帰りは遅くなってしまったが、愛する家族達は喜んでくれるはずだ。 自慢の帽子へはち切れんばかりに詰め込まれたのは、いつもの狩り場では採れないおいし いキノコや木の実だ。 なによりの収穫が野いちごだ。瑞々しくて甘酸っぱい野いちごは、家族達を最高にゆっく りさせてくれるに違いない。 ツガイのれいむと、生まれたばかりの赤れいむと赤まりさ。みんな、目に入れても痛くな い大切な家族だ。 家族の笑顔を思い浮かべると、まりさのあんよは自然と早くなった。 だが、まりさを迎えたのはそんなしあわせからは想像もつかない惨劇だった。 「た、たいへんだよ……!」 入り口でなじみのちぇんが、身体は黒ずみところどころから草を生やし「永遠にゆっくり」 していた。 群れの中心へ近づけば近づくほど、黒ずんだゆっくりの死体は増えた。通りがかりに知り 合いの巣を覗いてみても同じだ。 黒、黒、黒。 すべてが黒に染まっていた。 まりさも聞いたことはあった。最近、近くでれいぱーありすの大集団がいくつものゆっく りの群れを襲っている、と。 だが、まりさの群れは大丈夫なはずだった。長のぱちゅりーは賢く、れいぱーの対策をい くつも考えていた。群れの自警団も優秀なゆっくりばかりのハズだった。 だが、いない。 生きているゆっくりと一匹も出会わない。 「みんな……!」 まりさはおうちへのあんよをを早めた。 餡子の内で、大丈夫と自分に言い聞かせる。 まりさは狩りだけではなくおうちの入り口を隠す名人でもあった。れいぱーが来たってき っと大丈夫なはずなのだ。 しかし、おうちにたどりついたとき。 まりさが期待していた明るいものは、なにひとつ無かった。 巣を隠していたはずの小枝や葉っぱは地面にぐしゃぐしゃに散らばっていた。 おうちの中にはゆっくりは一匹もいなかった。 ただ、草を生やし黒ずんだ饅頭のなれの果てが、家族と同じ数あるだけだった。 「ゆあ……ゆああ……ゆああああああああああ!」 まりさは叫んだ。喉も裂けよとばかりに叫んだ。 だが、何も返ってはこない。誰も帰ってはこない。 まりさが幾ら叫ぼうと、なにも変わらない。 起こってしまった惨劇は、覆らない。 しかし。その声に、答える者がいた。 「大変なことになったね、まりさ。心中察するよ。まったくひどい有様だ。許し難い」 「ゆ?」 振り向けば、そこには人間が居た。 まりさにとって、人間はれいぱー以上に恐ろしいものだ。いや、恐ろしいもの「だった」。 群れの仲間を、家族を失った今のまりさに恐れるものなど何もなかった。 「ねえ、まりさ。キミが望むなら、僕は喜んで復讐に手を貸すよ」 だから、普段なら警戒すべき人間の誘いに対し、まりさは涙を振り払って力強く答えた。 「まりさは……まりさは、まりさは、まりさはっ! こんなことをしたありすたちを、ゆ っくりさせたくないよ! ぜったいぜったい、ゆっくりさせないよ!」 「いい答だ! よろしい! ならばキミに『力』を授けよう!」 こうして、まりさは契約した。 餡子のどこかで、それは恐ろしいことだと感じていた。 でも、かまわなかった。 れいぱーありすをゆっくりさせない。 それだけが、今のまりさの存在理由の全てだったから。 「ゆっぎゃああああああ!」 「ありすのとかいはなぺにぺにがぁぁぁぁ!」 先行したありす達が絶叫した。 まりさはそれを見下しながらぺっ、と吐き出す。転がり出たのは噛みちぎったありすのぺ にぺにだ。 ゆっくりの歯は飴細工製だ。人間相手ならともかく、同族を傷つけることならできる。加 えて、まりさは歯の強度も噛む力も人工的に強化されていた。それを使い一瞬にして二匹 のありすを再起不能にしたのだ。 ゆっくりらしからぬ思い切りの良さであり、素早さだった。憎しみがまりさを獰猛な狩猟 者へと変えていた。 まりさの予想外の凶行にありす達も目を見開いた。だが、 「なんて『わいるど』なまりさなのぉぉぉぉ!」 「いなかものねぇぇぇ! でもいいわぁぁ! ありすがとかいはをおしえてあげるわぁぁ ぁ!」 脅えることはなかった。 まりさが憎しみに狂っているとするなら、れいぱーありす達は欲情に狂っているのだ。 素早く立ち回り、まりさは次々とありすのぺにぺにを食いちぎっていく。だが、数の差は 圧倒的だ。すぐにまりさは取り囲まれてしまう。 「んほぉぉぉ! ありすがいちばんやりよぉぉぉ!」 そして、ついにまりさはそのまむまむにぺにぺにを突き込まれてしまう。周りからも押さ えつけられ、もはやゆっくり一匹では逃げようのない状況に追い込まれた。 「んほぉ!? このまりさのまむまむ、なんてしめつけなのぉぉぉ! あ、ありすもうだ めだわぁぁぁ! んほぉぉぉ! すっきりーっ!」 瞬く間にありすはすっきりーしてしまう。あまりの早漏っぷりに周りのありすは見下しつ つも、うらやんでいた。最高のまむまむを持つ、最高のまりさだ。 そして、まりさのお腹が膨らむ。胎生型のにんっしんだ。 膨らむお腹の感触に、まりさの憎悪の炎は更に燃え上がった。 まりさの子供は、胎生型にんっしんで生まれたのだ。 ツガイのれいむがにんっしんしたとき、まりさは天にも昇るほどしあわせで、ゆっくりし た気持ちだった。 生まれるまでに、まりさは何度となくれいむに頼み込み、膨らんだお腹にすーりすりさせ てもらったものだ。すーりすりすると、生まれる前の我が子が、お腹の内側からすーりす りしてくれたように思えた。 あのときの感動を、あのときのゆっくりを、まりさは忘れない。 大抵のことは簡単に忘れてしまう餡子脳に、決して消えない記憶として残っている。 出産。自慢のお帽子で受け止めたときの感動。はじめてのご挨拶。はじめてのころころ。 跳ね方を教えたこと。おいしいキノコの見分け方を教えたこと。れいむがおうたを教えた こと。みんなでくっついて寒い夜を暖かく過ごしたこと。 全部覚えてる。 だから、思う。 あの子達は、もっとゆっくりするはずだった。もっとゆっくりするべきだった。 「あのこたちは、まだ『ゆっくち』としかいえなかったのに……!」 まりさは素早くありすのぺにぺにから逃れた。どんなれいぱーだろうと、すっきりーした 直後にはわずかな隙が生まれる。そこついたのだ。 振り返り、たった今まりさを犯したありすへとまむまむを向ける。 お腹の中でふくれあがるおぞましい感触と共に、憎悪もまたふくれあがる。 「まりさのなかでゆっくりするなあああああ! ゆぎぃ! うばれろぉぉぉ!」 そして、まりさは出産した。 通常、胎生型にんっしんでの出産には数日を要する。人工的に能力を強化されたまりさで あってもそれは例外ではない。 したがって生まれたのはまともな赤ゆっくりではない。未熟児だ。 だが、ただの未熟児ではなかった。 「ゆぶぅ!?」 「ゆべぇ!?」 「ゆぼぉ!?」 打ち出された赤ゆっくりのなり損ないは、三匹ものれいぱーありすを貫通したのだ。 ゆっくりの重要部位と言えば、口だ。なにしろゆっくりは「ゆっくりしていってね」を言 うことがアイデンティティを確立するための最重要事項だからだ。 まりさの胎内は、この口の育成を優先するよう改造されていた。それも、口の中でも特定 部位――歯を真っ先に作り出すようになっていたのだ。 今生まれた未熟児は、歯しかできていない――即ち、歯の塊だった。 飴細工製の歯は、ゆっくりで最も硬い部位だ。それが強力なまむ圧によって弾丸のように 打ち出されたのだから、れいぱーとはいえゆっくりではひとたまりもない。 ありすは精子カスタードを打ち出し、反撃として赤ゆっくりを打ち返されたわけだ。さな がら高難易度シューティングにおける「打ち返し」のようだった。 「もぉぉぉ! いなかものなまりさねぇぇぇぇ! ありすがとかいはてくにっくをおしえ てあげるわぁぁぁ!」 「いいわぁぁぁ! らんぼうもののまりさにありすがあいをすりこんであげるわぁぁぁ!」 お次はすーりすりだ。れいぱーありすのれいぷでゆっくりの致死率がもっとも高いのがコ レだ。 なにしろ身体をすり寄せられるだけでその性欲満点な粘液によって植物型のにんっしんを 次々にさせられてしまうのだ。止めどないれいぱーありすの性欲で、茎を生やす間もなく 草を生やし、多くのゆっくりは黒ずみ死んでしまう。 「すっきりー!」 まりさの肌の感触のよさに、またしてもれいぱーありす達はすぐにすっきりーしてしまう。 そして、まりさの頭からにょきにょきと生えるものがあった。 「ゆ……? なにこれ?」 気の抜けたありすの声。それが遺言になった。 ありすは真っ二つに切り裂かれた。 それを為したのは、まりさの頭から生えたもの。それは、茎ではない。 茎と同じ長さの、先の尖った飴細工の剣だ。 胎生型にんっしんでは飴細工の弾丸を作り出し、植物型にんっしんでは飴細工の剣を作り 出す。まりさが人間に改造されて得た『力』は、れいぱーありすの精子カスタードを高効 率で飴に変換する対れいぱー能力だった。 「ゆばぁ!?」 「ゆびぃ!?」 まりさは剣を使い、つづいて二匹のありすを切り裂いた。だが、所詮は飴細工。そこで限 界を迎え砕け散った。 あっという間に何匹も同胞を屠られ、れいぱーありす達もようやくこのまりさの異常さに 気づいたようだ。 遠巻きに取り囲み、慎重に様子を見ている。 警戒はしている。だが、逃げようとはしない。まりさは極上の美ゆっくりであり、ありす 達は既に後退のネジの外れたれいぱーなのだ。 「かかってこないなら、まりさからいくよ! おまえたちは、ぜったいにゆっくりさせな いよ!」 そして、死闘が始まった。 まりさは次々とありすたちのぺにぺにを食いちぎる。 だが、それで怯むれいぱーではない。たちまち押さえつけられ、ぺにぺにを押し込まれる。 にんっしんさせられるが、すぐさま弾丸にして打ち出す。 ぺにぺにで犯される間にもすーりすりで生やされた剣で切り払い、折れるのも気にせず猛 然と襲いかかる。歯の届く範囲にぺにぺにがあれば食いちぎる。 だが、れいぱーありす達は恐れもせずに、自分こそがまりさを犯し屈服させるものと襲い かかる。 繰り返される。終わらない。まりさ一匹に対し、ありす達は多すぎる。 犯される。 囓り殺す。 犯される。 撃ち殺す。 犯される。 斬り殺す。 嬌声。悲鳴。怒号。絶叫。奏でられる激しいリズム。 それはまるで、終わらない宴。 無数の黄色いありす達がまりさにむらがる様は、円。それはまるで満月のよう。 その中央でもがき続けるまりさ。それはまるで月で餅をつく兎のよう。 これは宴。月の光に惑わされた、狂える者達の宴だ。 何一つゆっくりしていない死闘。 全ての正気も思考も失われた激闘。 狂気に溺れながらも、まりさは決して失わないものがあった。 それは、決意。 「おまえたちはゆっくりさせないよ!」 それは、大切だった者達への想い。 「れいむはもうゆっくりできないんだよ! おちびちゃんたちももうゆっくりできないん だよ! だからまりさもゆっくりしなくていい! でも!」 それは、怒りと憎しみ。 「おまえたちはゆっくりさせない! ぜったいぜったい! ゆっくりなんて! させるも んかああああああああ!」 まりさはもがき、叫び、抗い続ける。 狂える月の宴は、永遠に続くかと思われた。 まりさの家族への想いは尽きない。れいぱーありす達への憎しみは尽きない。 しかし、その身体は尽きた。いくら人間に強化されようと、ゆっくりはゆっくり。限界は ある。 歯は乱戦の中、ほとんどが抜けてしまった。 まむまむもぺにぺにも痛々しくグズグズに拡がっている。 なにより、身体が黒ずんでいる。もう帽子と見分けがつかないほど黒い。 なんでも餡子に変換するゆっくりの不思議能力。それを利用した精子カスタードの飴菓子 変換。だが、その不思議にも限りがあった。栄養のほとんどを消費し尽くし、まりさはも はや目も見えなくなっていた。命が尽きるのも時間の問題だ。 だが、まだだ。まだゆっくりするわけにはいかない。 「ゆがあああああああああああ!」 まりさができたことは、ただ吠えることだけだった。 もはや言葉にもならない、憎しみそのものと言える叫びだった。 だが、それを聞くありすは一匹もいなかった。 れいぱーありすの集団は、全滅していたのだ。 「いや、素晴らしい! 実に素晴らしいよまりさクン!」 死闘の場から離れた小高い丘の上。望遠レンズ付きのビデオカメラを構えた人間の男が居 た。 まりさと契約を交わし、異形の力を与えた男だ。 男は、まりさの死闘の一部始終をビデオカメラに収めていた。 「キミの勇姿は我々の組織のシンボルになるよ。いや、実に素晴らしかった!」 男は虐待おにいさんでも加工所職員でもない。 ゆっくり愛護団体「ゆーシェパード」の一員だった。 ゆっくりを護るためなら過激な行動も辞さない集団「ゆーシェパード」にとって、悩みの 種はれいぱーありすだった。 れいぱーありすはゆっくりを愛護する彼らにとっても醜悪なものであり、ゆっくりの群れ を滅ぼす害悪だった。特に今回のれいぱーありすの大集団は問題になっていた。 ゆっくりは多くの人間にとってただの「害獣」だ。そのゆっくりを滅ぼしていく、れいぱ ーありすの集団と自ら事を構えようとする者など居なかった。 「ゆーシェパード」が動こうにも、彼らの掲げる「ゆっくり愛護の精神」ではゆっくりの 虐殺など許されることではない。 そこで考え出されたのがゆっくりにれいぱーありすの集団を滅ぼさせる事だった。 愛護すべき動物同士が自然の中で争ったところでそれを非難する者はいない。どんなに残 酷に見えてもそれは自然の営みなのだ。 そこで、男はあのまりさに声をかけた。人工的に強化し、れいぱーありすの集団にけしか けたのだ。 今回はテストのつもりだったが、予想以上の成果を上げてくれた。男はまりさに感謝した。 たとえゆっくり同士の争いだろうと、まりさを人工的に改造したのでは人が手を下すのと 変わらない。 だが、いいのだ。 重要なのはゆっくりがゆっくりと戦ったという事実。それさえあれば、「ゆーシェパード」 の正義は護られるのだ。 ひと仕事終え、男は伸びをした。 もう陽は暮れ、月が高く上がっていた。男には月の光が「ゆーシェパード」を祝福してく れているかのように思えた。最高の気分に、男は満足げに息を吐いた。 さて帰るかと視界を下に戻し、男はまたしても感嘆の息を吐いた。 れいぱーありす達の亡骸から漏れ広がったカスタード。 それが描くのは、今まさに天空で輝く満月と等しく、真円だったのだ。 そんな月の輝きを乱すのは、月の中央、復讐を遂げたのにそれを知らずに果てたまりさの 亡骸だけだった。 了 by触発あき 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 美まりさを手厚く弔ってやりたい…そしてこのゆーシェパードとかいうふざけた団体に属した男を虐殺したい -- 2013-06-19 10 49 27 この人間は最低なゲス野郎だな、一番嫌いなタイプだ 作者頭良いな、こんな人間いるからなぁ、リアリティがあって面白かった -- 2012-12-12 21 37 31 まりさいいね。 素晴らしくゆっくり出来た。 きっと綺麗だったんだろうなぁ…。・゜・(ノД`)・゜・。 -- 2012-10-18 00 06 20 まりさを愛しく思えた。 少し感動。 -- 2012-05-02 21 40 04 おもしろかったぜ!・w・b -- 2011-12-23 04 29 12
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登録日:2010/02/16(火) 19 31 29 更新日:2020/07/19 Sun 22 05 33 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 どちらかと言えばペド ゼロカロリ ペド ペドの王 ペドフィリア ペド作者 ペド野郎 乳欲児姦 変態 変態紳士 年中ペド 漫画家 目高健一 紳士 ペド。 ペドでありながら漫画家という二足の草鞋。描く作品だってもちろんペドだ。 頭髪が不自由・腰痛・異常性嗜好・肉体に水平方向の試練などを背負うが、ペドであることで全てのバランスを保つ理想の変態紳士である。 作品は、コミックの乳欲児姦のみだがこの時点でかなりやばい。 (すやすや園ジぇるシリーズにも参加) 表紙の時点で赤ちゃんが白いものでドロドロしている。 内容も全て年齢一ケタの幼女ばかりで、しかもモザイクがないのでヤバヤバである。 ゼロカロリで調べるとブログが出てくるが、一年のほとんどを脳内幼女と暮らしている(もしくはパチンコ)。 ちなみに、幼女画像もたっっっぷりである。 (現在、ゼロカロリではなく『無毛双丘~幼いお腹に栗の花~』となっています。タイトルからしてヤバイが検索する際はこちらでどうぞ) ねんどろいどもお好きの様子。 追記・編集等お願いしますm(__)m △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 園児好き -- 名無しさん (2015-02-25 16 35 21) そのょぅι゛ょがにんっしんっしたらどーなるんだ······と小一時間考えてみたりw -- 名無しさん (2015-04-02 06 26 17) 名前 コメント
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「タイトル未定」 『愛ですぎたゆっくり』 「ゆ~♪」 ゆっくりれいむは幸せだった 念願の赤ちゃんをにんっしんしたのであった どうやら動物型にんっしんのようである 番のれいむはすっきりした後死んでしまったが 死ぬ前に餌をたくさんとってきてくれていたので食料にはあまり困らなかった 「ゆ~♪あかちゃんゆっくりうまれてきてね~」 そこへ一人の青年がやってきた 『やあ!ゆっくりしていってね!!!』 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 れいむはわが子に危害を加えるのではと危機感を募らせたが 『そんなに怖がらなくてもいいじゃないか、僕は愛でお兄さんだよ!』 「ゆ!?めでおにいさんってなに?」 『愛でお兄さんて言うのはゆっくりをゆっくりさせるのが大好きなお兄さんのことだよ!』 「ゆ!しんようできないね!はやくすからでていってね!」 『ん~じゃあれいむのために僕の手作りのあまあまをあげよう、これで信じてくれるかい?』 「ん~?、むーしゃむーしゃ… し…しあわせぇぇ!!!」 『はははどうだい、信用する気になったかい?』 「うん!おにいさんはゆっくりできるおにいさんだね!」 『それはよかった、それよりれいむにんっしんしているみたいだけど、餌は足りているのかい?』 「ゆぅ~じつは…さいきんたべすぎちゃってすこしたりないかもしれないんだ…」 『じゃあ今日から毎日お兄さんが手作りのあまあまを持ってきてあげるよ!』 「ゆ!ほんとう!ありがとうおにいさん!」 『じゃあ明日から持ってくるからね!』 「ありがとうおにいさん!」 こうしてれいむは毎日お兄さんから手作りのあまあまを大量にもらい幸せに暮らしました 『やあ!今日も元気そうだねれいむ!』 「ゆ!おにいさん!きょうもあまあまちょうだいね!」 『ああ!今日は特製のケーキを焼いてきたんだ!いっぱい食べてゆっくりしてね!』 「ありがとうおにいさん!うっめ!これめっちゃうっめ!」 『ははは、れいむはくいしんぼうだなあ』 「ゆ!おにいさんのおかしがおいしいんだよ!」 『そう言ってくれるとお兄さんとてもゆっくりできるよ!』 それからしばらくして… 「ゆぅぅ…あがちゃんゆっくりうまれでぎでぇぇ」 『あ!れいむ出産かい!何か手伝うことはあるかい?』 「ゆぅぅ…れいむをそこのかれくさのやままでいどうさせてほしいよ…」 『わかったよれいむ、がんばるんだよ!』 「ゆぅぅ…がんばるよ…」 そして すぽーん! 「ゆっくりしちぇいっちぇね!!!」 「ゆ…ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくりしていってね!!!』 『れいむ!出産祝いだよ!特製ケーキだ!』 「ゆ~!ありがとうおにいさん!あかちゃんとふたりでゆっくりたべるね!」 「ありがちょ~おにいちゃん」 それからも毎日毎日お兄さんはおいしいあまあまをたくさん持ってきてくれた こんな幸せがずっと続くとそうれいむは思っていた 『れいむ…』 「ゆ!おにいさん!はやくあまあまちょうだいね!」 「ちょうらいね!」 『じつはれいむたちに会うのは今日が最後になったんだ…』 「ゆ?」 いみがわからない、いつも来てくれるあまあまさんが来なくなる? どういうことだという顔をしてお兄さんを見上げたれいむはお兄さんが泣いているのに気がついた 『ごめんね…僕はおいしいお菓子を世界中の皆に食べてもらいたくなったんだ… れいむ達だけのためにお菓子を作るわけにはいかなくなってしまったんだよ…』 「ゆ~!あまあまさん!どこにもいかないで!」 「いかにゃいで!」 『ごめんねれいむ達!これが最後のあまあまだ…大事に食べてね、それじゃ…』 「まって!あまあまさん!まって!まってよぉ…」 お兄さんは大量のあまあまを置いていってくれたが、全部保存が利くような飴玉やキャラメルなどといったものだった ゆっくりからすれば十分すぎるくらいのご馳走なのだが… 「ゆぅ…おにいさんのつくったケーキがたべたいよお…」 「みゃみゃ…ケーキさんがたべたいよぉ」 お兄さんはもう会えなくなるれいむたちのために保存の利く飴玉などを買い込んだのだが れいむたちが本当にほしかったのは生クリームやフルーツがたっぷりとのった特製ケーキだった 「ゆぅ…これじゃゆっくりできないよ…」 飴玉をほおばりながらおもわずぐちるれいむ 「おいちくにゃいよぉ…あまあましゃんたべたいよぉ…」 赤ちゃんれいむはもっと深刻だった 生まれてからずっとお兄さんの特製ケーキを食べ続けてきたのだ いまさら市販の飴玉などで満足できるはずはなかった その後 『今年のお菓子コンテストグランプリは… 愛でお兄さんの特製ゆっくり親子ケーキです! お兄さんはついに世界に腕前が認められるまでになった、しかし思い出すのは… まずいとその場で捨てられるようなケーキをおいしいといって食べてくれるれいむ親子のことだった。 (ありがとうれいむ…君達のおかげで僕はここにいるんだ…元気にしているかなぁ…れいむ…) それからしばらくして 飴玉やキャラメルの海の中で餓死しかかっているれいむ親子がほかのゆっくりに発見された 「ゆ…あまあまさん…もどってきて…」 「ゆ゛…」 「こんなところにごちそうがやまほどあるんだぜぇぇぇぇ!!!」 「むきゅ!これだけあればむれはいっしょうかりなんてしないですむわ!」 「ゆ?このれいむしにそうだよ?あまあまたべないの?ばかなの?しぬの?」 「こっちのこれいむもしにそうだよ!こんなあまあまさんのなかでがしするなんて、ほんとうにばかなのね!」 「きっとよっぽどぜいたくなくらしをしてきたにちがいないわ!こんなにおいしいあまあまなのに!」 「しぬほどばかなんだねーわかるよー」 それがれいむ親子の聞いた最後の言葉になった 過剰な愛では虐待と一緒 終われ ⑨<さいきょーね! このSSに感想をつける
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『さかり場』 13KB いじめ 自業自得 仲違い 同族殺し 番い 群れ 野良ゆ 赤ゆ 現代 虐待人間 すっきりー 暇つぶしにどうぞ 作中、性的な表現が多数ありますが、仕様です。 その他ネタ被り、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。 それでも読んでみる方は暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。 4作目です。過去作は個人的な都合で現在表示していません。目印は内外にあるんで簡単に判っちゃうかも。 さかり場 「おにいざん! れいむのうまれでぐるおちびちゃんのだめにあまあまをぐだざい!」 「わかるよー! おにいさんはちぇんにあまあまをくれるんだね! わかるよー!」 「そこのくずどれい! いだいなるまりささまにあまあまをゆっくりしないでよこすんだぜ!」 「でいぶはしんぐるまざーなんだよ! だからあまあまをちょうだいね! たくさんでいいよ!」 「このとかいはなありすが、おにいさんのあまあまをもらってあげてもいいわよ!」 「れいむきゃわいくってごみぇんね! おれいはあまあまたくさんでいいよ!」 「ちーんぽ! ぼにゅーしおふきー! そーろーぴゅっぴゅっ! みょん!」 「まりしゃはちゅよいんだじぇ! あみゃあみゃをきゅれちゃらにげちぇもいいじぇ!」 「むきゅきゅ! あまあまをくれたらぱちぇがいだいなるちえをさずけるわ!」 「んほぉぉぉぉ!! んほぉぉぉぉ!!」 OH MY GOD!! エアコンが壊れたので夕涼みに公園に来てみたら、茂みに隠れていた沢山の野良ゆっくり共に絡まれた。 そういえば、この公園には噴水があるんだっけ。灼熱の町中からゆっくり共が集まるわけだ。 数が集まれば水はあっても飯は無くなる一方。道行く人間におねだりするって寸法か。 ゆっくり共は一様に必死の眼差しを向けてくる。だが当方にあまあまの用意、無し。 「「「「「あまあま! あまあま! あまあま! あまあま!」」」」」 ちょっと考えてる間に50頭以上にも増えてるんじゃないか? ため息が出た。 ゆっくり共をつぶして回りたいが、正直このクソ暑い中ではそれを考えるだけでウンザリする。 とはいえ加工所に一斉駆除を頼むのも味気ない。俺は自慢じゃないが暇を持て余してる。さて。 ふと、足元に目を向けると、茎を生やしたれいむが目に入った。そうだ。アレを試してみるか。 「みんなー! あまあまは好きかーっ!?」 「「「「「ゆ? ゆおぉーっ!!!」」」」」 ゆっくり共はこちらの問いかけに一瞬間をおいて、一斉に肯定の掛け声を上げた。 いいノリだ。これは期待できる。 「おちびちゃんは好きかーっ!?」 「「「「「ゆおぉーっ!!!」」」」」 「俺もおちびちゃんが大好きだぞー! だから、みんなの中で一番おちびちゃんが 多く実ってるゆっくりだけに、あまあまを腹いっぱいあげるぞー!!」 ざわ……ざわ…… ゆっくり共は当惑の表情を浮かべている。まあ、そうだろうな。 「いいからとっととまりささまにあまあまよこすんだぜ! くそどれい!」 「はい失格! おちびちゃんの実ってないゆっくりには、絶対あまあまはあげません!!」 「どぼじでぇぇぇぇぇっ!!」 話を聞いていなかったまりさを集団の向こうに蹴っ飛ばしてやる。 俺から譲歩を引き出せない事を理解した一部のゆっくり共は、話を伺おうと集まってきた。 「む、むきゅ! おちびちゃんがいるゆっくりだけ?」 「そう! 生まれる前のおちびちゃんだけ! 生まれ落ちているおちびちゃんはダメ! 逆におちびちゃんでも、一番おちびちゃんが実ってたらあまあまあげるぞ!」 「ありすのぽんぽんにはおちびちゃんがいるんです! あまあまをください!」 「何頭いるかわからないから、胎生にんっしん! はダメ! 茎生やして出直してこい!」 「ちーんぽ! とっしーまらぼにゅーおなきん? みょん!」 「日本語でおk」 「れいむのおちびちゃんは、いち、に……たくさんいるよ。だからあまあまちょうだい!」 「3頭だけか。そっちのれいむは5頭実ってるぞ。だからお前にはあげない!」 このれいむとの質疑応答が終わるや、ゆっくり共の視線が実ゆっくりを5頭実らせたれいむに向く。 パッと見渡したところ、あのれいむが一番生やしているか。 「そうだな。このままだと、そこのれいむだけあまあまがもらえるな。このままだと」 「じゃあ、おちびちゃんがおなじだけはえてたら、あまあまもらえるのぜ?」 「同じだったら一番じゃないなぁ。一番多くおちびちゃんが実ってるゆっくり1頭にだけ、 あまあまをあげるぞ! 1頭だけにだ!」 実ゆを5頭実らせたれいむは、番いであろうまりさと共に歓喜の表情を浮かべた。 2頭とも身なりもボロボロで相当苦労したんだろう。嬉し涙まで流している。 「ぐすん。よかったよ。あまあまむーしゃむーしゃすればげんきなおちびちゃんがうまれるよ!」 「あ、ありがとうなんだぜ、にんげんざん! ありがどうなんだぜ!!」 しかし、感動している2頭の周囲には、祝福するどころか険悪な雰囲気が流れている。 ここまでは予想通りだが、さてさて釣れますか。 「ふざけるなだぜぇ! まりささまにもあまあまをよこすんだぜぇ!!」 「ダメだ! 茎生やして出直してこい!! ほら、あまあまあげるから来いよ、れいむ」 俺は抗議するまりさを制すると、5頭の実ゆを実らせたれいむに近づくよう促す。 番いのまりさに付き添われ、実ゆっくりを気遣うように、ゆっくり近づくれいむ。 いよいよ俺の目の前に、れいむ達がたどり着いたその時だった。 「ゆがぁぁぁぁっ!! あまあまをひとりじめするげすはじねぇ!!」 「ゆぎゃんっ!?」 横にいた、3頭の実ゆを実らせたれいむが5頭の実ゆを実らせたれいむを突き飛ばした。 突然のことで、番いのまりさも、周りのゆっくり達も呆気にとられて見守るしかなかった。 確信の笑みを浮かべたのは俺一人だ。 「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!! でいぶのがわいいゆっぐりじだおぢびぢゃんがぁぁぁ!!」 「おぢびぢゃんんんっ! いまずぐなおっでぇぇ べーろ、べーろ!」 哀れ、突き飛ばされたれいむがゴロゴロ転がった際、実ゆ達が実った茎が折れてしまった。 番いのまりさが泣きながら舌を這わすが、地面に落ちた際に深く傷ついてる。手遅れだ。 突き飛ばした方のれいむといえば、全く悪びれる様子が無い。 「いいきみだよ! さあ、おにいさん。すてきなれいむにあまあまたくさんちょうだいね!」 「ほう、それでおちびちゃんはどうした?」 「ゆっ? ……どぼじでぇぇぇぇ!? でいぶのおぢびぢゃんだぢ、どごぉぉぉぉ!?」 突き飛ばした衝撃で生えてた実ゆを全て落っことしていたことに、今頃気がついたのか。 しかもお前のあんよで踏みつぶしていることに、まだ気がつかないのか。 バカは放っておくとして、本番はこれからだ。 「それじゃ他のみんなにもチャンスをやるぞー! 太陽が沈むまで待ってやる。 太陽が沈んだときに一番おちびちゃんを多く実らせたゆっくりに、あまあまをあげるぞー!!」 思わぬ譲歩に、ゆっくり共は各々周囲のゆっくり共を見まわして、明らかに困惑している。 日没まで2時間ぐらいあるかな。木陰の芝生に腰を下ろして見物させてもらおう。 「「「「「ゆわぁぁぁぁぁぁ……!!」」」」」 欲望に囚われたゆっくり共が動き始めた。まずは実ゆを実らせているゆっくり達が狙われた。 たちまち囲まれて、番い諸共襲われている。 「やめでぇぇぇ!! でいぶのおぢびぢゃんをどらないでぇぇ!!」 「わがらないよぉぉぉ!! ぢぇんのおぢびじゃんも、ぢぇんも、ぢぎらないでよぉぉぉ!!」 「れいむとおちびはまりさがまもtっ!? ゆぎゃぎゃぁぁぁぁっ!!」 実ゆっくりどころか、もう親ゆっくりごと八つ裂きにされてるなぁ。うん、残酷無残。 別の一角では、番いのゆっくり共が節操無く「すっきりー」を始めている。 「いくのぜぇ! いっぱいにんっしん! するのだぜぇ!!」 「あぁっ、きてぇ! まりさのでおちびちゃんいっぱいにんっしん! させてぇ!!」 「ちんぽ! ちんぽ! ちんぽ! ちんぽ! ちーんぽぉっ!!」 「むきゅー!! はげしすぎるわぁ……」エレエレエレエレエレ 「まりしゃあ、れいみゅとしゅっきりー、しちぇ?」 「う、うん。れいみゅとしゅっきりしちぇ、あみゃあみゃもらおうにぇ!!」 「「「「すっきりー!!!」」」」 「にんっしん!」した母役ゆっくりの額から、たちまち小粒の実ゆが実った茎が生えてくる。 しかし、多くの父役ゆっくりは、「すっきりー」をやめようとしない。 「まだたりないんだぜぇ! もっとおちびちゃんがいればあんっしん! だぜぇ!!」 「もっとありすをにんっしん! させてぇ! とかいはなおちびちゃんをたくさんよぉっ!!」 「「す、す、す、すっきりー!!!」」 1頭で2本も3本も茎を生やし始めている母親ゆっくりも出始めた。 体力の消耗に関わらず、安堵の表情を浮かべる番いのゆっくり達。 「ゆっくりできないくずちびは、ゆっくりしないでしぬのだぜっ!!」 「ゆぎゃぁぁっっ!? でいぶのおぢびぢゃぁぁん゛っっ!!」 父役ゆっくりは母役ゆっくりを十分に「にんっしん!」させると、周りの母役ゆっくりを襲う。 「すっきりー」直後で消耗し、脆い実ゆを実らせた母役ゆっくりは逃げようがない。 「ゆっくりできないくずちびどもは、まりささまがせいっさい! したのだぜ! これであまあまは、まりさのありすのものだぜ!! ……ありすぅ!?」 「もっど……どがいばに……ゆっぐり……じだがっだ……」 「どぼじでまりざのありずどおぢびぢゃんがぁぁぁぁ!?」 例外は無い。実ゆを結んだ母役ゆっくりは片っ端から襲われていた。むーざんむーざん。 視界を巡らすと、あまあまを求めて多種多様なゆっくり模様が繰り広げられている。 その規模は、茂み等で眠っていたゆっくり共にも伝播し、すでに公園全体に及んでいる。 「んほぉぉぉぉ!! ありすにとかいはなおちびちゃん、ちょうだいねぇぇぇん!!」 「ゆ゛ん゛や゛ぁぁぁぁぁぁっ!! もうずっぎりじだぐなぃぃぃぃ!!」 れいぱー化したありすがまりさに圧し掛かって逆れいぽぅしている。 れいぱーありすの頭には無数の茎が生えているが、あれじゃ母体も持たないだろう。 他にも逆れいぽぅしているゆっくりは結構数いたが、制限なしに「すっきりー」する為、 大概は両方とも永遠にゆっくりし、生き残っても軒並み襲われる羽目になっていた。 「いくのぜ、まりさのおちびちゃん、いっぱいうんでくれだぜ!」 「まら! まぐなむぺにぺにしおふきー! みょん!!」 「「すっきりー!!」」 母役の大勢が序盤で永遠にゆっくりした為、余った父役同志で意気投合したゆっくり達もいた。 だからと言ってそれが有利に働くわけでもない。やはり実を結んだ傍から襲われている。 「どぼじででいぶのぼんぼんざんにおぢびぢゃんがいるのぉぉっ!?」 「ざんねんだけどやりなおしだぜ。れいむ、がまんするんだぜぇ!!」 「ゆぎゃぁぁっ!? まりざ、やめでね! もうおうぢがえりゅげぇ!!」 胎生で「にんっしん!」した母役れいむが、父役まりさに腹を突き飛ばされている。 中絶してやり直すつもりだろうか? その母役れいむ、ぽんぽん破れて餡子が漏れてるぞ。 「むきゃぁぁ!! やめちぇぇぇ!! おかあしゃん、やめちぇぇぇ!!」 「れいむのおちびちゃん、いっぱいおちびちゃんつけてあまあまもらってね!!」 「むきゅ……もっちょ、ゆっきゅり……」エレエレエレ 「すっきりー! ……おぢびぢゃぁぁぁん!?」 我が身可愛さから、自分の子供に「すっきりー」している母役ゆっくりまでいる。 ぱちゅりーに限らず、実を結ぶ前に永遠にゆっくりしちゃってるが。マジ幼児虐待。 「おにいさん。まりさ、おちびちゃんいっばいうまれるんだぜ。だから、あまあまたくz」 「失格」 「おそらをとn……」 ボチャァァァン! 時間前なのに、地面に落ちている茎をお飾りに沢山刺してくる小賢しいバカゆっくり達もいた。 論外なので片っ端から噴水の池に放り投げてやった。余計なことするな。暑いだろうが。 そんなこんなで、俺は有意義に暇を潰していた。 他の人間達はゆっくり共が繰り広げる阿鼻叫喚の地獄絵図に顔をしかめ、公園から出て行った。 加工所に連絡されたら面倒……でもないか。所詮暇つぶしだし。 風が涼しくなってきた。気持ちいい。こんなにゆっくりした時間は久しぶりだな。 ゆっくり共のゆっくりしてない様を眺めながら、一時の安らぎに俺は浸った。 いよいよ夕日が沈む頃、用を足して水分補給をして来たら、随分静かになっていた。 ゆっくり共は皆、力尽きて永遠にゆっくりしていた。 「まあ、こんなところかな。ゆっくり潰すに手足はいらぬ、ってね」 俺は踵を返し、夕日の紅に染まった公園から出ようとした。 「……っで……おにいざ……まっで……」 声がした。生き残りか、どこだ? 注意深く周囲を見渡すと、ゆっくり共の死骸の一つが動いた。生きてやがる。 「……おにいざん、まりざ、いっばい、おぢびぢゃん、だぜ……」 そのまりさの額からは茎が3本生えており、合わせて11頭もの実ゆを実らせていた。 しかし、このままでは実ゆに栄養を取られてまりさ自身も永遠にゆっくりするだろう。 俺は確認する。他に動くゆっくりは皆無だし、これ以上の実ゆを実らせた死骸もない。 「ああ、おまえが一番だよ。よくがんばったな! 今あまあまあげるからな」 「……あまあま……まりざ、れいむのぶんも、おぢびぢゃんどゆっぐりずるがらね……」 「もう喋るな。目をつぶって待ってろ。……ほら口を開けな」 俺はまりさの口に「あまあま」を入れてやる。 まりさはゆっくりと、口中におさまった甘味を感じ取った。 「……し、しあわせぇー」 「まだまだいっぱいあるからな。ほら」 「し、し、しあわせぇぇぇーーーっっ!!」 涙を流して「あまあま」を次々味わうまりさ。見る見るうちに母体も実ゆも元気になっていく。 俺は約束は守る男だ。たとえ相手がゆっくりでも、約束をした自分に対してのケジメだからだ。 「もう目を開けていいんだぞ。身体の具合はどうだ?」 「あ、ありがとうなのぜ! まりさもおちびちゃんもすっかりげんきなのぜ!」 「そいつはよかった。じゃあ、俺は行くわ」 「ま、まってなのぜ! おちびちゃんのために、もっとたくさんあまあまがほしいのぜ」 確かに、まりさの額に実った実ゆは見る見る成長しているようだ。 生まれ落ちるまでには相当な栄養が必要だろう。 「そうだな。あまあまを腹いっぱいあげないとな」 俺は地面に落ちている「それ」を片っ端から掴み取った。瞬間、まりさの顔色が変わる。 ゆっくりにしては、察しがいい。 「お、おにいさん、それを、ど、どうするんだぜ?」 「だから、あまあまだろ? さっきも幸せそうに食べてたじゃないか」 俺は拾い上げた茎から苦悶の表情を浮かべた実ゆを一個一個取る。 れいむ、まりさ、ちぇん、れいむ、ありす、れいむ、っと。やっぱりれいむが多いな。 「そ、それ、おぢびぢゃん! ゆ、ゆ、ゆげ……!」 「おおっと! せっかくのあまあま、吐くのは無しだぜ」 俺は嘔吐しそうになったまりさの口に実ゆを放り込んで、両手でしっかり閉じてやる。 しばしの間涙を流して身悶えていたが、やがて口中に広がる甘みに我を忘れた表情になった。 そっと手を放してやれば、まりさは実ゆを余さず飲み込んでいた。 「あ、あま、あま、あまあま、ゆへ、ゆへ、ゆへへへへへへへへ……」 正気を失ったのか、まりさはもう俺の呼びかけに答えなかった。眼差しの焦点も合ってない。 地面に落ちてる実ゆを貪り、成体ゆっくりの餡子にまで舌を這わせている。 「これで約束は果たせた。腹いっぱいのあまあま、よかったな」 「ゆへ、あまあま、ゆへへ、しあわせー! ゆへ、ゆへへへ……」 有意義な時間を過ごした。俺はまりさを一瞥すると帰路についた。 まりさは暗がりの中で貪った。貪った。ただ貪った。 番いのれいむの事も、他のゆっくり達の事も、「おにいさん」の事も、もう頭には無い。 ただ目の前の「あまあま」だけを貪った。 とはいえ、時間が経つにつれて辺りの死臭が濃くなり、「しあわせー」な味わいを打ち消していく。 もっと「しあわせー」な「あまあま」が欲しい。まりさの内側はそれだけで占められていた。 まりさは視界を巡らす。右に、左に。そして――目の前に、あった。 「あ、あまあま! ゆへ、ゆへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 まりさは舌を伸ばす。 目の前に揺れる。丸々と実った自らの実ゆに――。 「し、し、し、しあわせぇぇぇぇぇーーーっっ!!!」 完
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カザリガリノキ by ”ゆ虐の友”従業員 「うっうー☆」 れみりゃは空を飛んでいた。成体になったばかりの胴付きれみりゃである。 空は晴れ渡り、眼下の森は風にざわついている。 「あう?」 ふと、森の方からゆっくりの声がした。 「あまあまだどー☆ごちそうだっどぉ~!」 れみりゃはその方向へ向かった。 ゆっくり達の捕食者と呼ばれ、あたかも食物連鎖の上位に位置しているかのように思われがちなれみりゃ種であるが、 実際の生活はつましいものだ。おうちのあるゆっくりを見つけることはかなりの困難であるし、 ”ぐるめ”を自任する多くのれみりゃは他のゆっくりに比べ草木や昆虫の好き嫌いも多い。 当然の帰結として食生活が困窮することも珍しくない。 このれみりゃも、今は飢えてこそいないがゆっくりを食するのは久しぶりだ。 「あまあまたのしみだっどぉ~!おぜうさまをゆっくりまつんだどぉ~」 高度を下げるにしたがい、森の中にいるゆっくり達が見えてくる。 四匹のゆっくりが、この先に待ち受けるを知ることもなく跳ね回っている。 「うっうー!」 大きなれいむに狙いを定め、急降下する。 「うー!おぜうさまのおでましだどー!たーべちゃーうどー!」 「「「「「れみりゃだーーーー!!!!!」」」」」 バチッ 地面に降り立つ際、木の枝に体をぶつけるがいつものこと。 れみりゃは逃げ惑う群れの中に突っ込むと、最初に狙いを定めたれいむに食いつく。 「でいぶぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」 甘くえれがんとな味わいが体を突き抜ける。 「おいちいどぉ~!つぎはしろくろにするどぉ~!」 「もうやだぁぁぁぁぁ!!!!おうぢがえるぅぅぅぅぅ!!!!」 「どぼじででいぶだぢばっがりごんなめにあうのぉぉぉぉーー!!??」 「うっうーー!!」 あっという間に、れみりゃは久しぶりのえれがんとなめいんでぃっしゅを平らげた。 二匹目には元気のいいまりさを食べた。 「やべろおおおおお!!!!ばりざじじだぐないいいいいい!!!!」 三匹目は端っこでもじもじしていたありすを食べた。 「やめでね!ありずはたべてほしくなんか……ぎゃあああ!!!!」 四匹目は……わざわざ最後にとっておいた、にんっしん中のれいむを食べた。 額から伸びた子ゆっくりの生った苗をむしりとり、子ゆっくりをぷちぷちと食べたあとで親れいむを食べた。 「おぢびぢゃん~~!!!おぢびぢゃん……!!」 「うっうー!うんまぁー!!」 膨れたおなかをさすり、でざーとに取り掛かろうとしたれみりゃは、それがないことに気づいて驚いた。 「でざーとがないどーー!!」 ゆっくりを食べ終えたあと、ゆっくり達が大事にしている髪飾りを食べるのがれみりゃの好みだった。 それなのに、このゆっくり達はどれも髪飾りをつけていないのだ。 「やだどー!でざーとたべるどーー!!」 餡子の飛び散った地面や、草むらを探しても見つからない。 「うー!うー!」 ふと、その時れみりゃは自分の頭がすーすーしていることに気づいた。 「へんだどぅー!?おぜうさまのおぼうしもないどぉー!あ゛う゛ーーーー!!!」 はっ、と気づいてれみりゃは頭上を見上げる。 飛んできた時にぶつかった木の枝に帽子が絡めとられている。 とってもえれがんとな、おぜうさまだけのおぼうし。 「おぜうさまのおぼうしだどー♪ぶじでよかったどぉー♪」 よく見れば、その木の低い位置のそこかしこにゆっくり達の髪飾りも付いている。 んー、と一瞬考え、れみりゃは食欲を優先させることにした。 「おぜうさまのおぼうし、ゆっくりまつんだどぉー♪おぜうさまはさきにでざーとたべるどー♪」 れみりゃはよたよたと木の枝に近づく。 「うー!」 食べ応えのある食感がお気に入りの、黒いとんがり帽子に向かって飛びつく。 「うっうー………うっぎゃーーーー!!!」 帽子を手に取った瞬間れみりゃの両手に激痛が走った。 「おぜうざまのぷりちーなおててがぁーーーー!!!」 両手には木の棘が刺さっている。 それでも意地汚く帽子を口に放り込む。すると、口の中にも痛みが走った。 「いだいどぉーーー!!!」 地面をごろごろと転がるれみりゃ。口の中と手はじんじんと痛む。 「だずげでぇ~~まんまぁ~~ざぐや~~」 そこへ、一人の人間が現れた。 「おっ、れみりゃじゃないか」 「あ゛う゛ーー!!じゅうしゃははやくれみりゃをたすけるんだっどぉーー!!」 れみりゃは寝転がったまま人間の男に命令した。 「なめんな」 男は眉ひとつ動かさずにれみりゃを蹴り飛ばす。 「うんぼぉぉぉぉ!!!!!」 れみりゃは宙を舞った。 * * * * れみりゃが現れる数刻前―― ゆっくり達はこの場所へとゆっくり到着した。 「ゆゆっ!ここでにんげんさんがなにかしてるのをみたよ!きっとおいしいたべものつくってるんだよ!」 「ほんとう?さすがはまりさのれいむだよ!」 「ゆゆーん!」 「べ、べつにありすはきてもこなくてもどうでもよかったんだからね!」 「れいむはあかちゃんにいっぱいたべものがひつようなんだよ!はやくごはんみつけてゆっくりしようね!」 後半の二名はまったく会話が成り立っていない。各々好き勝手なことを言っているだけに過ぎない。 それはともかくとして、四匹のゆっくりは辺りを跳ね回る。 「ゆっゆっ!」 「ゆゆー!」 しばらく跳ね回ったが、これといって目立った収穫はなかった。 「れいむおなかすいたよ!」 「まりさもだよ!」 やがて探し疲れた四匹のゆっくりはお互い顔を見合わせる。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 「れいむどうしたの!!??れいむのかみかざりがないよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!????」 「まりざもだよぉぉぉぉぉ!!!???」 「ありずも!ありずのもないわぁぁぁぁぁ!!!???」 「どぼぢでぇぇぇぇぇぇ!!!???」 ゆっくり達は、その辺りの木の枝が森の他の場所のものと違っていることに気づかなかった。 硬い皮に包まれた幹から枝の一本一本が細く長く伸び、しかもそこからは大きな棘が無数に生えている。 人間と河童の手により品種改良された「カザリガリノキ」の群生である。 ゆっくりの髪飾りは枝にひっかかってほつれ、良くしなる枝と棘によって絡めとられてしまうことになる。 ゆっくり達はやがて各自の髪飾りを見つける。 「あったよ!れいむのおりぼんさんゆっくりしていってね!」 「まりさのおぼうし!!」 しかし、棘に阻まれて取ることができない。見るからに危険そうな棘だらけの茂みに近づけばどうなるか、 それは餡子脳のゆっくりでもわかる。 「ゆえーん!ゆえーん!」 「おぼうしさんかえってきてぇーー!!」 「とがいはじゃなぐなっぢゃうぅぅぅぅぅ!!!」 「こんなすがたおちびちゃんたちにみせられないよぉぉぉぉ!!!!」 悲しみに打ちひしがれるゆっくり達。 そこへ追い討ち(というかとどめ)を見舞うように、れみりゃが現れたのであった。 * * * * 男はカザリガリノキを見て回り、そこにゆっくりの髪飾りが数個付いていることを確認する。 「よしよし…… おっ、なんだ、お前も帽子なくしたのか」 れみりゃを見て帽子がないことに気づいた男は、やがて高い位置のババくさい帽子に気が付く。 「おぜうざまのおぼうしがえじでぇ~~」 「わかったよ、返してやんよ」 男はれみりゃを掴み上げると、 「それっ」 棘だらけの木へとぶん投げた。れみりゃは枝と枝の間に飛び込む。 そのまま枝が複雑に絡んだ木の上にめりこんでしまった。 「いだいぃぃぃ~~ちくちくいやだどぉぉぉぉーー!! おぜうさまのどれすがぁぁぁぁぁ~~!おぜうさまのたまのおはだがぁぁぁぁぁぁ~~」 「うん、これなら十分実用できるだろう」 男は満足した様子で、来た道を帰っていった。 「あう……あう……」 れみりゃは痛みを堪えて手を伸ばす。しかし自分の帽子にあと一歩届かない。 「うー!うー!」 すでに全身は切り裂かれ、傷跡から肉餡がこぼれ始めている。 「うあー!もう、じらないどぉーー!」 れみりゃは自棄になって腕を伸ばす。 「あう!!」 ついにその手が愛しい帽子に触れる。必死にそれを掴み取り、引き寄せる。 「おぜうさまのだいじなおぼうしだっどぉーー!!」 しかし、手を伸ばしたことによってれみりゃは体のバランスを崩した。 「あ、あう、あうっ」 枝と枝にはさまれていた体がぐらりと傾ぐ。 翼を羽ばたかせる暇もなくれみりゃは地上へと落下する。 「あ゛う゛う゛う゛う゛!!!!」 その手だけは決して開かなかった。大事なお帽子を、二度と放さぬように。 「うぶっ!!」 地面に激突する。お腹が裂けるかと思ったが、どうやら命は助かったようだ。 「う゛う゛……ひどいめにあったどぉ……」 傷だらけだが、しかしれみりゃはすばやく気持ちを切り替えた。 もう木の上には捉われてはいないのだし、大事なお帽子も取り戻した。 「もっと~~あまあまさがすっどぉ~~」 れみりゃは小躍りする。その時、まだ帽子を手に持ったままだということに気づいた。 「う? う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」 れみりゃの帽子は、落下の際にずたずたに裂け、とても帽子などとは呼べない切れっ端となってしまっていた。 「ごんなのみっどもなくてかぶれないどぉーーーー!!!ざぐやーー、ざぐやぁぁぁぁぁーーー!!!」 ぱさりという軽い音を立て、かつて帽子であった繊維質の塊が地面に落ちる。 「う゛う゛ーーー!!!あんあーーーー!!!!」 帽子がなくてはもう他のおぜうさま仲間に仲良くしては貰えないし、さりとてなんとかするあてもない。 「じゃぐやーーー!!じゃぐやーーーー!!」 どうすることもできず、れみりゃはいつまでもいつまでも泣き続けた。 END
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名前ないんださんからのお題『ぱちゅりーとありすが主役』 作者:名も無き埴輪 「むきゅ、あかちゃんゆっくりうまれてくるのよ」 ゆっくりたちが住む森の一角にあるひとつの巣 そこににんっしんっしたぱちゅりーは住んでいた。 ぱちゅりーとずっとゆっくりすることを約束したありすはもういない。 ありすはにんっしんっしたぱちゅりーのために ご飯を集めている最中にれみりゃに襲われてしまった。 傷ついた身体でおうちに帰ってきたありすは自分の子たちを “とかいは”に育ててほしいと言い残すと それまで集めていたごはんだけでは到底出産・子育てするまで 知識はあっても狩りをする体力のないぱちゅりーには足りないだろうと 「さあ、おたべなさい」をしてしまった。 愛する伴侶だったありすを食べることは抵抗があったが 身体が弱い代わりに知識があったぱちゅりーに対して 『とても“とかいは”だ』と言ってつがいになってくれた ありすの気持ちを無碍にすることはできなかった。 ちなみににんっしん形態は胎生型にんっしんっだ。 一度に大量の赤ゆっくりが生まれてくる植物型にんっしんっでは 餡子を吸われすぎて母体となるぱちゅりーが耐え切れないとの判断からだ。 おうちの中には綺麗な石やどこから持ってきたのか 人間の子供が遊ぶぬいぐるみまで置いてある。 ありすが拾ってきて今や形見となってしまったそれらとともに ぱちゅりーはゆっくり時を過ごしていた。 「ゆっゆっふー! ゆっゆっふー!」 それからさらに月日が流れ、ぱちゅりーはついに出産の時を迎えた。 母体に負担をかけないようにと親から教わったゆマーズ法でいきむ。 「ゆっゆっふー! むきゅーっ!!」 『すぽーん』という音と共に赤ありすが拡大したまむまむから飛び出した。 早く赤ありすに『ゆっくりしていってね!!』と声をかけてあげたいが 出産直後で衰弱の激しい身体がなかなか鎮まらない。 必死で呼吸を整えていると赤ありすの 『ゆっきゅりしちぇいってね!』という声が聞こえてきた。 それからさらに時間をかけてようやく赤ゆっくりの方に向いて 『ゆっくりしていってね!!』と言いかけたぱちゅりーは 信じられない光景を見てしまった。 「むきゅー、むきゅー……ゆっくりしていtt……むきゅ?」 「しゅーり、しゅーり♪」 ぱちゅりーが見たものはありすの遺したぬいぐるみと 『すーりすーり』をしている赤ゆっくりの姿だった。 「むきゅ! あかちゃん、おかーさんはこっちよ! はやくいっしょに“すーりすーりしようね!!」 「ゆ? おばしゃんもゆっきゅりしちぇいってね!」 「むきゅああああああ!?」 それから何度もぱちゅりーは自分がおかーさんだと赤ありすに教えようとしたが 赤ありすは頑としてぱちゅりーを『おばしゃん』と呼び続けた。 そしてまた月日が流れた。 赤ありすはぱちゅりーの世話を受けて子ゆっくりサイズにまで成長していた。 当初は身体の弱いぱちゅりーが一所懸命に餌を集めてきていたが この頃になると成体であるぱちゅりーよりもぱちゅりーの教えを受けて 子ありすが狩りに出かける方がたくさん餌を集められるようになっていた。 子ありすはぱちゅりーの教える知識はどんどん吸収していった。 教えられた知識をその健康な身体で発揮できる子ありすは 知識を溜め込むだけのぱちゅりーより優秀かもしれない。 「おかーさん、またごはんたべてないの? すこしはたべないとからだにどくよ」 「すごいじゃないありす、きょうのかりもだいせいこうみたいね」 「ゆゆっ、ありがとうぱちゅりーおばさん でもありすはおかーさんにほめてほしいわ」 「むきゅぅ……」 子ありすは決してぱちゅりーを疎んじたりしない。 ぱちゅりーの分のごはんも取ってきてくれるし ぱちゅりーが発作を起こせば寝ずに看病してくれる。 しかし、決してぱちゅりーを『おかーさん』と呼ぶことはなかった。 「ありすはぱちゅりーとありすのあかちゃんよ。 なのにどうしてぱちゅりーを“おかーさん”とよんでくれないの?」 子ありすはすでに狩りに出かけている。 誰もいないおうちの中に向かってぱちゅりーは独りごちた。 「そう、そうね……ぜんぶこいつがわるいのね」 いつしかぱちゅりーの怒りは親ありすの遺したぬいぐるみへと向けられていた。 「こいつさえ……こいつさえいなければぱちゅりーは ありすのおかーさんになれたのに……」 そしてふとぱちゅりーの頭の中にひとつの考えが浮かんだ。 「そうか……こいつがいなくなればいいのね! そうすればきっと ありすはぱちゅりーのことを“おかーさん”とよんでくれるのね!!」 思い立ったが吉日、ぱちゅりーはさっそくぬいぐるみを外に運び出し始めた。 他のゆっくりなら多少の力で運べる物でも体力の無いぱちゅりーには重労働だ。 それでもぱちゅりーは渾身の力を籠めてぬいぐるみを運んでいった。 おうちから少し離れた小川まで来るとぱちゅりーはぬいぐるみの上でジャンプを始めた。 川に流してしまえば誰にも見つけられなくなるだろうが、そのまま流すと岩などに 引っかかってしまうことを危惧して潰すことにしたのだ。 「むきゅ! むきゅ! ぱちゅりーにありすをかえしてね!!」 執拗に。 何度も何度も。 親の仇のように踏みつける。 やがてぱちゅりーの息が上がる頃には ぬいぐるみはすっかりぺちゃんこになっていた。 「むきゅん、ありすがかえってくるまえにはやくおうちにかえらないと」 ぬいぐるみを始末し終えたぱちゅりーは家路を急いでいた。 滅多に外出することのないぱちゅりーの外出と無くなったぬいぐるみの 関連性を結びつけることは今の子ありすになら造作の無いことだろう。 ぱちゅりーはおうちに帰るとずっと寝ていたかのように装って子ありすの帰りを待った。 「ただいまー! おかーさん、きょうもたくさんごはんをあつめてきたわ ありすすごいでしょ?……ゆ、おかーさん?」 どうやら子ありすが帰ってきたようだ。 ぬいぐるみはいつも同じ場所にあるので無くなったことにすぐ気付いたらしい。 「ねえ、ぱちゅりーおばさん!おかーさんはどこ!?」 「ありす、よくきいてちょうだい」 「ゆ?」 ここからがぱちゅりーの頭脳の見せ所だ。 「あなたのおかーさんはありすがりっぱになったのをみとどけてでていってしまったわ」 「ゆがーん!? ぱぢゅりぃぃぃ! どおじでどべでぐれながったのおおおおお!?」 「ぱちゅりーだってひきとめたわ。ありすにはまだおかーさんが ひつようなんだ、って……でもだめだったの」 「おがーざぁああああん!!」 いつもは自認する“とかいは”らしく優雅に振舞う子ありすが恥も外聞も無く泣き喚く。 その悲しみの対象が自分ではないことに悔しさを感じつつも ぱちゅりーはありすを慰み始める。 「ぺーろぺーろ、ありす……ぱちゅりーのことをおかーさんだと思ってもいいのよ?」 「ゆ? でもありすのおかーさんはおかーさんだけだよ」 「ええ、わかってるわ。だからぱちゅりーはふたりめのおかーさんになってあげる」 「ふたりめ……?」 「そうよ、ありすにはありすをうんでくれたおかーさんと ありすをそだててくれたおかーさんのふたりのおかーさんがいるの」 「ゆゆ! とってもとかいはね!」 産んだのも育てたのもぱちゅりーだがありすに『おかーさん』と 呼ばれるためにはこう言うしかないとぱちゅりーは判断していた。 「じゃあ、おかー……さん?」 「むきゅ、ゆっくりしていってね!」 ぱちゅりーの言葉にありすは顔を輝かせて返事をする。 「ゆゆ! おかーさん、ゆっくりしていってね!!」 月日が流れた。 子ありすは成ゆっくりとなり、つがいの相手も見つけた。 ぱちゅりーは遠慮したがありすとつがいのゆっくりのおうちに ぱちゅりーも一緒に住まわせてもらった。 可愛い孫たちに囲まれぱちゅりーはとても幸せだった。 ありすのつがいのゆっくりもぱちゅりーにとてもよくしてくれた。 そして今ぱちゅりーは永遠にゆっくりしようとしている。 「むきゅ……むきゅ……ぱちゅりーは……とってもゆっくりできたよ……」 「……みんな、おわかれはありすとぱちゅりーだけでさせてちょうだい」 「ゆっくりりかいしたよ……」 ありすは家族をおうちへと残し、命が残り少ないぱちゅりーを連れて外へと出て行った。 永遠にゆっくりする前にどうしてもぱちゅりーに見せたいものがあると言って……。 「むきゅ……ありす、みせたいものってなに?」 「………」 「あり……す……? どうしてなにもはなしてくれないの?」 おうちから離れた途端に無言になったありすに不信感を抱くが ぱちゅりーのなめくじのような移動速度に合わせてくれる ありすを信じてついていく。 (むきゅ? たしかこっちは……) 忘れもしない。 今ありすとぱちゅりーが向かっているのは 昔ぱちゅりーがぬいぐるみを捨てた小川だ。 (そんな……まさか、ね……) 「ぱちゅりー、ありすね」 「むきゅ!?」 ひとりで考え込んでいた矢先に突然話しかけられてぱちゅりーは驚く。 「ありすね、あのひぱちゅりーがしてたことみてたの」 「む、むきゅ……?」 ぱちゅりーは今自分が聞いた言葉が信じられなかった。 ありすがおかーさんと慕っていたぬいぐるみを捨てたことを知っていた? そしてふと気付く。ありすのぱちゅりーへの呼び名が今までの『おかーさん』でもなく 『おばさん』でもなく『ぱちゅりー』となっていることに。 「ありすだってしんじられなかった。でもぱちゅりーがいなくなったあとに のこされたぺちゃんこになったおかーさんをみてうそじゃないってわかった」 「あ、ありす……?」 ありすは独白を続ける。 「だからね、ありすおもったの。ぱちゅりーをいっぱいゆっくりさせてあげて それからおかーさんとおなじめにあわせたらどんなにゆっくりできるか」 「ちがうのあれは……」 「うるさい!」 何とか言い訳しようと口を開いたぱちゅりーを大声で遮る。 「おかーさんをころしたゆっくりはゆっくりしないでしねぇぇぇ!!」 「むぎゅ!? やべっ! むぎゅあああああ!?」 ありすはぱちゅりーを踏みつける。 執拗に。 何度も何度も。 親の仇のように踏みつける。 当然だ。ありすの中ではまさしくぱちゅりーは親の仇なのだから。 「むぎゅ……もっど……ゆっぐりじだがっだ……」 ただでさえ寿命間近だったぱちゅりーが耐えられるはずもない。 ついにぱちゅりーは口から餡子を吐いてしまう。 そしてそのままぱちゅりーはそのゆん生を終えた。 「ゆふふふふ……ねえ、ありすはおかーさんのかたきとったよ! おかーさん、こんどこそほめてくれる!? ゆふふふふふふ……」 残されたのはいつかのぬいぐるみのようにぺちゃんこになったぱちゅりーと その上で壊れた笑いを上げるありすの姿だけだった。 あとがき なんかもうゆっくりじゃないですね、ごめんなさい。 なかなかお題が進まないので諦めてたら産まれた赤ゆっくりが人形を親だと 思い込んで親ゆっくりに懐かないので怒った親ゆっくりがその人形を 竈の中に放り込んで焼き捨てたらそれを見ていた赤ゆっくりが 親ゆっくりたちを自分たちを殺しに来た強盗だと思い込んで 親ゆっくりたちも竈の中に放り込むという夢を見たのでお題に合わせて書いてみました。 ゆっくりが竈を使える理由が飼いゆっくりでまだ火が残ってた竈に放り込んだ というくらいしか思いつかなかったのでそしたら飼い主の立ち位置が 考え付かなかったため今回のようになりました。
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「タイトル未定」 『愛ですぎたゆっくり』 「ゆ~♪」 ゆっくりれいむは幸せだった 念願の赤ちゃんをにんっしんしたのであった どうやら動物型にんっしんのようである 番のれいむはすっきりした後死んでしまったが 死ぬ前に餌をたくさんとってきてくれていたので食料にはあまり困らなかった 「ゆ~♪あかちゃんゆっくりうまれてきてね~」 そこへ一人の青年がやってきた 『やあ!ゆっくりしていってね!!!』 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 れいむはわが子に危害を加えるのではと危機感を募らせたが 『そんなに怖がらなくてもいいじゃないか、僕は愛でお兄さんだよ!』 「ゆ!?めでおにいさんってなに?」 『愛でお兄さんて言うのはゆっくりをゆっくりさせるのが大好きなお兄さんのことだよ!』 「ゆ!しんようできないね!はやくすからでていってね!」 『ん~じゃあれいむのために僕の手作りのあまあまをあげよう、これで信じてくれるかい?』 「ん~?、むーしゃむーしゃ… し…しあわせぇぇ!!!」 『はははどうだい、信用する気になったかい?』 「うん!おにいさんはゆっくりできるおにいさんだね!」 『それはよかった、それよりれいむにんっしんしているみたいだけど、餌は足りているのかい?』 「ゆぅ~じつは…さいきんたべすぎちゃってすこしたりないかもしれないんだ…」 『じゃあ今日から毎日お兄さんが手作りのあまあまを持ってきてあげるよ!』 「ゆ!ほんとう!ありがとうおにいさん!」 『じゃあ明日から持ってくるからね!』 「ありがとうおにいさん!」 こうしてれいむは毎日お兄さんから手作りのあまあまを大量にもらい幸せに暮らしました 『やあ!今日も元気そうだねれいむ!』 「ゆ!おにいさん!きょうもあまあまちょうだいね!」 『ああ!今日は特製のケーキを焼いてきたんだ!いっぱい食べてゆっくりしてね!』 「ありがとうおにいさん!うっめ!これめっちゃうっめ!」 『ははは、れいむはくいしんぼうだなあ』 「ゆ!おにいさんのおかしがおいしいんだよ!」 『そう言ってくれるとお兄さんとてもゆっくりできるよ!』 それからしばらくして… 「ゆぅぅ…あがちゃんゆっくりうまれでぎでぇぇ」 『あ!れいむ出産かい!何か手伝うことはあるかい?』 「ゆぅぅ…れいむをそこのかれくさのやままでいどうさせてほしいよ…」 『わかったよれいむ、がんばるんだよ!』 「ゆぅぅ…がんばるよ…」 そして すぽーん! 「ゆっくりしちぇいっちぇね!!!」 「ゆ…ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくりしていってね!!!』 『れいむ!出産祝いだよ!特製ケーキだ!』 「ゆ~!ありがとうおにいさん!あかちゃんとふたりでゆっくりたべるね!」 「ありがちょ~おにいちゃん」 それからも毎日毎日お兄さんはおいしいあまあまをたくさん持ってきてくれた こんな幸せがずっと続くとそうれいむは思っていた 『れいむ…』 「ゆ!おにいさん!はやくあまあまちょうだいね!」 「ちょうらいね!」 『じつはれいむたちに会うのは今日が最後になったんだ…』 「ゆ?」 いみがわからない、いつも来てくれるあまあまさんが来なくなる? どういうことだという顔をしてお兄さんを見上げたれいむはお兄さんが泣いているのに気がついた 『ごめんね…僕はおいしいお菓子を世界中の皆に食べてもらいたくなったんだ… れいむ達だけのためにお菓子を作るわけにはいかなくなってしまったんだよ…』 「ゆ~!あまあまさん!どこにもいかないで!」 「いかにゃいで!」 『ごめんねれいむ達!これが最後のあまあまだ…大事に食べてね、それじゃ…』 「まって!あまあまさん!まって!まってよぉ…」 お兄さんは大量のあまあまを置いていってくれたが、全部保存が利くような飴玉やキャラメルなどといったものだった ゆっくりからすれば十分すぎるくらいのご馳走なのだが… 「ゆぅ…おにいさんのつくったケーキがたべたいよお…」 「みゃみゃ…ケーキさんがたべたいよぉ」 お兄さんはもう会えなくなるれいむたちのために保存の利く飴玉などを買い込んだのだが れいむたちが本当にほしかったのは生クリームやフルーツがたっぷりとのった特製ケーキだった 「ゆぅ…これじゃゆっくりできないよ…」 飴玉をほおばりながらおもわずぐちるれいむ 「おいちくにゃいよぉ…あまあましゃんたべたいよぉ…」 赤ちゃんれいむはもっと深刻だった 生まれてからずっとお兄さんの特製ケーキを食べ続けてきたのだ いまさら市販の飴玉などで満足できるはずはなかった その後 『今年のお菓子コンテストグランプリは… 愛でお兄さんの特製ゆっくり親子ケーキです! お兄さんはついに世界に腕前が認められるまでになった、しかし思い出すのは… まずいとその場で捨てられるようなケーキをおいしいといって食べてくれるれいむ親子のことだった。 (ありがとうれいむ…君達のおかげで僕はここにいるんだ…元気にしているかなぁ…れいむ…) それからしばらくして 飴玉やキャラメルの海の中で餓死しかかっているれいむ親子がほかのゆっくりに発見された 「ゆ…あまあまさん…もどってきて…」 「ゆ゛…」 「こんなところにごちそうがやまほどあるんだぜぇぇぇぇ!!!」 「むきゅ!これだけあればむれはいっしょうかりなんてしないですむわ!」 「ゆ?このれいむしにそうだよ?あまあまたべないの?ばかなの?しぬの?」 「こっちのこれいむもしにそうだよ!こんなあまあまさんのなかでがしするなんて、ほんとうにばかなのね!」 「きっとよっぽどぜいたくなくらしをしてきたにちがいないわ!こんなにおいしいあまあまなのに!」 「しぬほどばかなんだねーわかるよー」 それがれいむ親子の聞いた最後の言葉になった 過剰な愛では虐待と一緒 終われ ⑨<さいきょーね! このSSに感想をつける
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「タイトル未定」 『愛ですぎたゆっくり』 「ゆ~♪」 ゆっくりれいむは幸せだった 念願の赤ちゃんをにんっしんしたのであった どうやら動物型にんっしんのようである 番のれいむはすっきりした後死んでしまったが 死ぬ前に餌をたくさんとってきてくれていたので食料にはあまり困らなかった 「ゆ~♪あかちゃんゆっくりうまれてきてね~」 そこへ一人の青年がやってきた 『やあ!ゆっくりしていってね!!!』 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!!」 れいむはわが子に危害を加えるのではと危機感を募らせたが 『そんなに怖がらなくてもいいじゃないか、僕は愛でお兄さんだよ!』 「ゆ!?めでおにいさんってなに?」 『愛でお兄さんて言うのはゆっくりをゆっくりさせるのが大好きなお兄さんのことだよ!』 「ゆ!しんようできないね!はやくすからでていってね!」 『ん~じゃあれいむのために僕の手作りのあまあまをあげよう、これで信じてくれるかい?』 「ん~?、むーしゃむーしゃ… し…しあわせぇぇ!!!」 『はははどうだい、信用する気になったかい?』 「うん!おにいさんはゆっくりできるおにいさんだね!」 『それはよかった、それよりれいむにんっしんしているみたいだけど、餌は足りているのかい?』 「ゆぅ~じつは…さいきんたべすぎちゃってすこしたりないかもしれないんだ…」 『じゃあ今日から毎日お兄さんが手作りのあまあまを持ってきてあげるよ!』 「ゆ!ほんとう!ありがとうおにいさん!」 『じゃあ明日から持ってくるからね!』 「ありがとうおにいさん!」 こうしてれいむは毎日お兄さんから手作りのあまあまを大量にもらい幸せに暮らしました 『やあ!今日も元気そうだねれいむ!』 「ゆ!おにいさん!きょうもあまあまちょうだいね!」 『ああ!今日は特製のケーキを焼いてきたんだ!いっぱい食べてゆっくりしてね!』 「ありがとうおにいさん!うっめ!これめっちゃうっめ!」 『ははは、れいむはくいしんぼうだなあ』 「ゆ!おにいさんのおかしがおいしいんだよ!」 『そう言ってくれるとお兄さんとてもゆっくりできるよ!』 それからしばらくして… 「ゆぅぅ…あがちゃんゆっくりうまれでぎでぇぇ」 『あ!れいむ出産かい!何か手伝うことはあるかい?』 「ゆぅぅ…れいむをそこのかれくさのやままでいどうさせてほしいよ…」 『わかったよれいむ、がんばるんだよ!』 「ゆぅぅ…がんばるよ…」 そして すぽーん! 「ゆっくりしちぇいっちぇね!!!」 「ゆ…ゆっくりしていってね!!!」 『ゆっくりしていってね!!!』 『れいむ!出産祝いだよ!特製ケーキだ!』 「ゆ~!ありがとうおにいさん!あかちゃんとふたりでゆっくりたべるね!」 「ありがちょ~おにいちゃん」 それからも毎日毎日お兄さんはおいしいあまあまをたくさん持ってきてくれた こんな幸せがずっと続くとそうれいむは思っていた 『れいむ…』 「ゆ!おにいさん!はやくあまあまちょうだいね!」 「ちょうらいね!」 『じつはれいむたちに会うのは今日が最後になったんだ…』 「ゆ?」 いみがわからない、いつも来てくれるあまあまさんが来なくなる? どういうことだという顔をしてお兄さんを見上げたれいむはお兄さんが泣いているのに気がついた 『ごめんね…僕はおいしいお菓子を世界中の皆に食べてもらいたくなったんだ… れいむ達だけのためにお菓子を作るわけにはいかなくなってしまったんだよ…』 「ゆ~!あまあまさん!どこにもいかないで!」 「いかにゃいで!」 『ごめんねれいむ達!これが最後のあまあまだ…大事に食べてね、それじゃ…』 「まって!あまあまさん!まって!まってよぉ…」 お兄さんは大量のあまあまを置いていってくれたが、全部保存が利くような飴玉やキャラメルなどといったものだった ゆっくりからすれば十分すぎるくらいのご馳走なのだが… 「ゆぅ…おにいさんのつくったケーキがたべたいよお…」 「みゃみゃ…ケーキさんがたべたいよぉ」 お兄さんはもう会えなくなるれいむたちのために保存の利く飴玉などを買い込んだのだが れいむたちが本当にほしかったのは生クリームやフルーツがたっぷりとのった特製ケーキだった 「ゆぅ…これじゃゆっくりできないよ…」 飴玉をほおばりながらおもわずぐちるれいむ 「おいちくにゃいよぉ…あまあましゃんたべたいよぉ…」 赤ちゃんれいむはもっと深刻だった 生まれてからずっとお兄さんの特製ケーキを食べ続けてきたのだ いまさら市販の飴玉などで満足できるはずはなかった その後 『今年のお菓子コンテストグランプリは… 愛でお兄さんの特製ゆっくり親子ケーキです! お兄さんはついに世界に腕前が認められるまでになった、しかし思い出すのは… まずいとその場で捨てられるようなケーキをおいしいといって食べてくれるれいむ親子のことだった。 (ありがとうれいむ…君達のおかげで僕はここにいるんだ…元気にしているかなぁ…れいむ…) それからしばらくして 飴玉やキャラメルの海の中で餓死しかかっているれいむ親子がほかのゆっくりに発見された 「ゆ…あまあまさん…もどってきて…」 「ゆ゛…」 「こんなところにごちそうがやまほどあるんだぜぇぇぇぇ!!!」 「むきゅ!これだけあればむれはいっしょうかりなんてしないですむわ!」 「ゆ?このれいむしにそうだよ?あまあまたべないの?ばかなの?しぬの?」 「こっちのこれいむもしにそうだよ!こんなあまあまさんのなかでがしするなんて、ほんとうにばかなのね!」 「きっとよっぽどぜいたくなくらしをしてきたにちがいないわ!こんなにおいしいあまあまなのに!」 「しぬほどばかなんだねーわかるよー」 それがれいむ親子の聞いた最後の言葉になった 過剰な愛では虐待と一緒 終われ ⑨<さいきょーね! このSSに感想をつける
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名前ないんださんからのお題『ぱちゅりーとありすが主役』 作者:名も無き埴輪 「むきゅ、あかちゃんゆっくりうまれてくるのよ」 ゆっくりたちが住む森の一角にあるひとつの巣 そこににんっしんっしたぱちゅりーは住んでいた。 ぱちゅりーとずっとゆっくりすることを約束したありすはもういない。 ありすはにんっしんっしたぱちゅりーのために ご飯を集めている最中にれみりゃに襲われてしまった。 傷ついた身体でおうちに帰ってきたありすは自分の子たちを “とかいは”に育ててほしいと言い残すと それまで集めていたごはんだけでは到底出産・子育てするまで 知識はあっても狩りをする体力のないぱちゅりーには足りないだろうと 「さあ、おたべなさい」をしてしまった。 愛する伴侶だったありすを食べることは抵抗があったが 身体が弱い代わりに知識があったぱちゅりーに対して 『とても“とかいは”だ』と言ってつがいになってくれた ありすの気持ちを無碍にすることはできなかった。 ちなみににんっしん形態は胎生型にんっしんっだ。 一度に大量の赤ゆっくりが生まれてくる植物型にんっしんっでは 餡子を吸われすぎて母体となるぱちゅりーが耐え切れないとの判断からだ。 おうちの中には綺麗な石やどこから持ってきたのか 人間の子供が遊ぶぬいぐるみまで置いてある。 ありすが拾ってきて今や形見となってしまったそれらとともに ぱちゅりーはゆっくり時を過ごしていた。 「ゆっゆっふー! ゆっゆっふー!」 それからさらに月日が流れ、ぱちゅりーはついに出産の時を迎えた。 母体に負担をかけないようにと親から教わったゆマーズ法でいきむ。 「ゆっゆっふー! むきゅーっ!!」 『すぽーん』という音と共に赤ありすが拡大したまむまむから飛び出した。 早く赤ありすに『ゆっくりしていってね!!』と声をかけてあげたいが 出産直後で衰弱の激しい身体がなかなか鎮まらない。 必死で呼吸を整えていると赤ありすの 『ゆっきゅりしちぇいってね!』という声が聞こえてきた。 それからさらに時間をかけてようやく赤ゆっくりの方に向いて 『ゆっくりしていってね!!』と言いかけたぱちゅりーは 信じられない光景を見てしまった。 「むきゅー、むきゅー……ゆっくりしていtt……むきゅ?」 「しゅーり、しゅーり♪」 ぱちゅりーが見たものはありすの遺したぬいぐるみと 『すーりすーり』をしている赤ゆっくりの姿だった。 「むきゅ! あかちゃん、おかーさんはこっちよ! はやくいっしょに“すーりすーりしようね!!」 「ゆ? おばしゃんもゆっきゅりしちぇいってね!」 「むきゅああああああ!?」 それから何度もぱちゅりーは自分がおかーさんだと赤ありすに教えようとしたが 赤ありすは頑としてぱちゅりーを『おばしゃん』と呼び続けた。 そしてまた月日が流れた。 赤ありすはぱちゅりーの世話を受けて子ゆっくりサイズにまで成長していた。 当初は身体の弱いぱちゅりーが一所懸命に餌を集めてきていたが この頃になると成体であるぱちゅりーよりもぱちゅりーの教えを受けて 子ありすが狩りに出かける方がたくさん餌を集められるようになっていた。 子ありすはぱちゅりーの教える知識はどんどん吸収していった。 教えられた知識をその健康な身体で発揮できる子ありすは 知識を溜め込むだけのぱちゅりーより優秀かもしれない。 「おかーさん、またごはんたべてないの? すこしはたべないとからだにどくよ」 「すごいじゃないありす、きょうのかりもだいせいこうみたいね」 「ゆゆっ、ありがとうぱちゅりーおばさん でもありすはおかーさんにほめてほしいわ」 「むきゅぅ……」 子ありすは決してぱちゅりーを疎んじたりしない。 ぱちゅりーの分のごはんも取ってきてくれるし ぱちゅりーが発作を起こせば寝ずに看病してくれる。 しかし、決してぱちゅりーを『おかーさん』と呼ぶことはなかった。 「ありすはぱちゅりーとありすのあかちゃんよ。 なのにどうしてぱちゅりーを“おかーさん”とよんでくれないの?」 子ありすはすでに狩りに出かけている。 誰もいないおうちの中に向かってぱちゅりーは独りごちた。 「そう、そうね……ぜんぶこいつがわるいのね」 いつしかぱちゅりーの怒りは親ありすの遺したぬいぐるみへと向けられていた。 「こいつさえ……こいつさえいなければぱちゅりーは ありすのおかーさんになれたのに……」 そしてふとぱちゅりーの頭の中にひとつの考えが浮かんだ。 「そうか……こいつがいなくなればいいのね! そうすればきっと ありすはぱちゅりーのことを“おかーさん”とよんでくれるのね!!」 思い立ったが吉日、ぱちゅりーはさっそくぬいぐるみを外に運び出し始めた。 他のゆっくりなら多少の力で運べる物でも体力の無いぱちゅりーには重労働だ。 それでもぱちゅりーは渾身の力を籠めてぬいぐるみを運んでいった。 おうちから少し離れた小川まで来るとぱちゅりーはぬいぐるみの上でジャンプを始めた。 川に流してしまえば誰にも見つけられなくなるだろうが、そのまま流すと岩などに 引っかかってしまうことを危惧して潰すことにしたのだ。 「むきゅ! むきゅ! ぱちゅりーにありすをかえしてね!!」 執拗に。 何度も何度も。 親の仇のように踏みつける。 やがてぱちゅりーの息が上がる頃には ぬいぐるみはすっかりぺちゃんこになっていた。 「むきゅん、ありすがかえってくるまえにはやくおうちにかえらないと」 ぬいぐるみを始末し終えたぱちゅりーは家路を急いでいた。 滅多に外出することのないぱちゅりーの外出と無くなったぬいぐるみの 関連性を結びつけることは今の子ありすになら造作の無いことだろう。 ぱちゅりーはおうちに帰るとずっと寝ていたかのように装って子ありすの帰りを待った。 「ただいまー! おかーさん、きょうもたくさんごはんをあつめてきたわ ありすすごいでしょ?……ゆ、おかーさん?」 どうやら子ありすが帰ってきたようだ。 ぬいぐるみはいつも同じ場所にあるので無くなったことにすぐ気付いたらしい。 「ねえ、ぱちゅりーおばさん!おかーさんはどこ!?」 「ありす、よくきいてちょうだい」 「ゆ?」 ここからがぱちゅりーの頭脳の見せ所だ。 「あなたのおかーさんはありすがりっぱになったのをみとどけてでていってしまったわ」 「ゆがーん!? ぱぢゅりぃぃぃ! どおじでどべでぐれながったのおおおおお!?」 「ぱちゅりーだってひきとめたわ。ありすにはまだおかーさんが ひつようなんだ、って……でもだめだったの」 「おがーざぁああああん!!」 いつもは自認する“とかいは”らしく優雅に振舞う子ありすが恥も外聞も無く泣き喚く。 その悲しみの対象が自分ではないことに悔しさを感じつつも ぱちゅりーはありすを慰み始める。 「ぺーろぺーろ、ありす……ぱちゅりーのことをおかーさんだと思ってもいいのよ?」 「ゆ? でもありすのおかーさんはおかーさんだけだよ」 「ええ、わかってるわ。だからぱちゅりーはふたりめのおかーさんになってあげる」 「ふたりめ……?」 「そうよ、ありすにはありすをうんでくれたおかーさんと ありすをそだててくれたおかーさんのふたりのおかーさんがいるの」 「ゆゆ! とってもとかいはね!」 産んだのも育てたのもぱちゅりーだがありすに『おかーさん』と 呼ばれるためにはこう言うしかないとぱちゅりーは判断していた。 「じゃあ、おかー……さん?」 「むきゅ、ゆっくりしていってね!」 ぱちゅりーの言葉にありすは顔を輝かせて返事をする。 「ゆゆ! おかーさん、ゆっくりしていってね!!」 月日が流れた。 子ありすは成ゆっくりとなり、つがいの相手も見つけた。 ぱちゅりーは遠慮したがありすとつがいのゆっくりのおうちに ぱちゅりーも一緒に住まわせてもらった。 可愛い孫たちに囲まれぱちゅりーはとても幸せだった。 ありすのつがいのゆっくりもぱちゅりーにとてもよくしてくれた。 そして今ぱちゅりーは永遠にゆっくりしようとしている。 「むきゅ……むきゅ……ぱちゅりーは……とってもゆっくりできたよ……」 「……みんな、おわかれはありすとぱちゅりーだけでさせてちょうだい」 「ゆっくりりかいしたよ……」 ありすは家族をおうちへと残し、命が残り少ないぱちゅりーを連れて外へと出て行った。 永遠にゆっくりする前にどうしてもぱちゅりーに見せたいものがあると言って……。 「むきゅ……ありす、みせたいものってなに?」 「………」 「あり……す……? どうしてなにもはなしてくれないの?」 おうちから離れた途端に無言になったありすに不信感を抱くが ぱちゅりーのなめくじのような移動速度に合わせてくれる ありすを信じてついていく。 (むきゅ? たしかこっちは……) 忘れもしない。 今ありすとぱちゅりーが向かっているのは 昔ぱちゅりーがぬいぐるみを捨てた小川だ。 (そんな……まさか、ね……) 「ぱちゅりー、ありすね」 「むきゅ!?」 ひとりで考え込んでいた矢先に突然話しかけられてぱちゅりーは驚く。 「ありすね、あのひぱちゅりーがしてたことみてたの」 「む、むきゅ……?」 ぱちゅりーは今自分が聞いた言葉が信じられなかった。 ありすがおかーさんと慕っていたぬいぐるみを捨てたことを知っていた? そしてふと気付く。ありすのぱちゅりーへの呼び名が今までの『おかーさん』でもなく 『おばさん』でもなく『ぱちゅりー』となっていることに。 「ありすだってしんじられなかった。でもぱちゅりーがいなくなったあとに のこされたぺちゃんこになったおかーさんをみてうそじゃないってわかった」 「あ、ありす……?」 ありすは独白を続ける。 「だからね、ありすおもったの。ぱちゅりーをいっぱいゆっくりさせてあげて それからおかーさんとおなじめにあわせたらどんなにゆっくりできるか」 「ちがうのあれは……」 「うるさい!」 何とか言い訳しようと口を開いたぱちゅりーを大声で遮る。 「おかーさんをころしたゆっくりはゆっくりしないでしねぇぇぇ!!」 「むぎゅ!? やべっ! むぎゅあああああ!?」 ありすはぱちゅりーを踏みつける。 執拗に。 何度も何度も。 親の仇のように踏みつける。 当然だ。ありすの中ではまさしくぱちゅりーは親の仇なのだから。 「むぎゅ……もっど……ゆっぐりじだがっだ……」 ただでさえ寿命間近だったぱちゅりーが耐えられるはずもない。 ついにぱちゅりーは口から餡子を吐いてしまう。 そしてそのままぱちゅりーはそのゆん生を終えた。 「ゆふふふふ……ねえ、ありすはおかーさんのかたきとったよ! おかーさん、こんどこそほめてくれる!? ゆふふふふふふ……」 残されたのはいつかのぬいぐるみのようにぺちゃんこになったぱちゅりーと その上で壊れた笑いを上げるありすの姿だけだった。 あとがき なんかもうゆっくりじゃないですね、ごめんなさい。 なかなかお題が進まないので諦めてたら産まれた赤ゆっくりが人形を親だと 思い込んで親ゆっくりに懐かないので怒った親ゆっくりがその人形を 竈の中に放り込んで焼き捨てたらそれを見ていた赤ゆっくりが 親ゆっくりたちを自分たちを殺しに来た強盗だと思い込んで 親ゆっくりたちも竈の中に放り込むという夢を見たのでお題に合わせて書いてみました。 ゆっくりが竈を使える理由が飼いゆっくりでまだ火が残ってた竈に放り込んだ というくらいしか思いつかなかったのでそしたら飼い主の立ち位置が 考え付かなかったため今回のようになりました。