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大丈夫、私は一人じゃないし、いざとなったら店員さんだって動いてくれるはず。 愛理の手を引っ張って、ぐんぐん奥へ進んでいく。 「このっ・・・・・」 変態め!2人を解放しなさい!! ウサギ人間をにらみつけてそう叫ぼうとしたのだけれど、どうも様子がおかしい。 みぃたんとえりかちゃんのまん前に陣取るその人は、腕組み足組みふんぞりかえって、威圧感と貫禄はかなりのものだった。 でも、超華奢。 どう考えても大人の体つきじゃない。っていうか、 「舞ちゃんじゃん!」 「ぶははははははははは」」 もう耐え切れんとばかりに、みぃたんとえりかちゃんがテーブルを叩いて笑い出した。 「なっきぃ反応よすぎ!ねえねえ何で“このっ”って言ったの?何で何で?」 「“このウサギ野郎!”って言おうとしたの?あっはっはっは!」 くっ・・・! 年長者2人がかりの言葉責めに、顔が真っ赤になる。 いったん顔を上げた二人は、私のみかん星人Tシャツを見てさらに吹き出した。 「みかんー!」 背後で愛理が耐え切れずに「ケッケッケ」と笑い出す声が聞こえた。 うさぎ舞ちゃんの細い肩もカタカタ震えている。 ヒドいケロ!とんだドSグループだ! 「もーなっきぃはやっぱり最高だね。おいで。」 涙を流しながら、みぃたんは私の腰を抱いて横に座らせてくれた。 「本当なっきぃはかわいいなあ。」 「ちょ、ちょっとそんなことより、何でうさぎ?」 私の質問に答えるように、舞ちゃんがおもむろにうさぎの首を取った。 たっぷり笑ったから、機嫌はかなりいいみたいだ。はにかんだ顔が可愛い。 「・・・なんか、目立つかなと思って。」 「いや、目立つけど誰だかわかんないよ。」 好きな歴史上の人物は徳川家康。モノマネもできます。 好きな言葉は一石二鳥。でも使い方はちょっと変。 舞ちゃんはしっかりものだけど、やっぱりどこか天然で変わった子だった。 「・・・じゃあ、全員揃ったところで。」 えりかちゃんはお誕生日席に移動して、私のみかん星人と目が合わないように若干上を見ながら、話を始めた。 「多分みんな気づいてると思うけど、今日は栞菜と千聖の件で集まってもらいました。」 わかっていたこととはいえ、みんな昨日のあの光景を思い出したのか、一気に緊張が走った。 「ウチはあの後栞菜を送っていったんだけど、かなり落ち込んでたのね。本当にひどい状態だった。だから、すぐ助けてあげなきゃって思って。」 「、ちっさーも同じ。泣けなくなっちゃうぐらいすごいショック受けてた。それで、えりと相談して、今日この場を設けたの。」 「・・・・なんで、2人はあんな風になったの?」 えりかちゃんたちの報告を聞いて、舞ちゃんが静かに問いかけた。 「それは・・・ごめん、私が勝手に言っていいことじゃないから。ちゃんと仲直りできたら、舞にも直接話がいくと思う。もうちょっと待ってて。 でも、これだけは言っておくけど、どっちか一人が悪くてああなったんじゃないの。 多分気持ちのすれ違いと誤解がたくさん積もっちゃっただけなんだ。 あとね、できるだけ舞と愛理となっきぃには中立でいてほしい。 正直、私はちっさーからいっぱい話を聞いたから、きっとこの件に関してはちっさー寄りの考えになっちゃうと思うのね。」 「そうそう。ウチは逆に栞菜とずっといたから、今は特に栞菜の気持ちが心配でたまらない。」 「・・・・要は、ニュートラルでいてってことだね。」 愛理がつぶやくと、2人は5秒遅れて「ニュー・・そ、そ、そうそう。・・・多分。」と言った。 舞ちゃんもしばらく考え込んでから、小さなうなずきとともに「わかった。」と短く返事をした。 「なっきぃも了解。」 本当は詳しい話が聞きたくてたまらなかった。 あんなにも当事者2人が傷つき果てた事件を、このままうわべだけ知って素通りなんてできるはずがない。 でも、みぃたんたちがそう言うなら待ってみようと思った。 今は先入観なしで、2人の手助けをしてあげるべきなんだ。 「で、具体的に何を?」 「うーん、まあ何をするってわけでもないんだけどさ、ここで2人を見守ってあげて。」 見守る? 「今からウチは栞菜の家に行って、栞菜をつれてここに戻ってくるから。千聖にはもう連絡してあって、もう一時間もしないでここに来ると思う。 ウチらが変に口出しするんじゃなくて、2人でとことん話し合ってほしいから、みんなは本当に緊急の時だけ手を差し伸べて。」 「わかった。」 「お店の人には、サプライズを仕掛けたい子がいるから、私たちの姿が見えづらい席に案内してって頼んであるから。」 さすがお姉さんコンビ。ぬかりないな。 「じゃあ千聖が来るまで、何か適当にオーダー・・・・・おっと」 テーブルの上に出しっぱなしになっていた、えりかちゃんのケータイが光った。 「やっばい、千聖だ。・・・もしもし?」 えりかちゃんは声をひそめて電話に出た。 いつもならマナー違反!とたしなめるところだけれど、正直、会話の内容が気になる。 「えっあと1駅?ウチまだなんだよ。・・・・うん、ごめん。待ってて。」 どうやらもうすぐ着いてしまうらしい。 ちょっとあわてているえりかちゃんを観察しながら、お冷に入っていた氷をごりごりとかじった。 二言三言交わした後、えりかちゃんはおもむろに口元を手で覆って、ニヤニヤしながら電話を切った。 ぶはっ 私の口から飛び出た氷が、愛理のおでこにゴチンとぶつかった。 「なっきぃ何やってんの!?」 「え、え、え、えりかちゃん・・・・・!」 幸か不幸か、私はかなり耳が良い。口を隠したって、斜め横の人の声ぐらいなら拾えてしまう。 えりかちゃんはエロカの顔になりながら、こんなことを言っていた。 「待たせちゃうけどごめんね、お詫びに今度すごいのしてあげるからね、千聖。トロントロンにしてあげる。」 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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『はんせいしてますごめんなさい』 36KB 虐待 嫉妬 誤解 日常模様 同族殺し 共食い 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 現代 独自設定 よろしくお願いします ッじめに 善良な個体の虐待です 通常種のみ登場します グロテスクな表現を含みます 以上の点に注意して読まれるようお願いします 1 「おにいざん!!! ごべんばざい!!! おでがいでずがらおうじにいれでぐだざい!!!」 街中の住宅街のとある家の玄関前 一匹のれいむが玄関のドアに向かって必死に呼びかけていた 「もうおにいざんどのやぐぞぐやぶっだりじまぜん! あやばりばず!!! はんぜいじばず!!! だがら、だがらでいぶをもういじどがっでぐだざい! おうじのながにいれでぐばさび!!! おにいいさあああああああああああああああん!!!」 必死の呼びかけが通じたのか、ドアが開き中から一人の中年男性が出てきた れいむは悲痛に歪めていた表情をパァっと明るくして中に入ろうとした 「だれもいれるなんていってねーよ」 男性はそう言うと右足を振りあげてれいむの腹を蹴りつける 「ゆぐぅ!!! ・・・・・・ゆ、ゆゆゆごおお・・・げ、げええええ ・・・・・お・・・おにい・・・・さん?」 完全に油断していたれいむは蹴りをまともに受けてしまい、その場にへたり込んでしまう 苦しそうにうねうねと芋虫のように蠢くれいむ 口からは泡だった泥のような餡子を吐きだしている 「ゆごっ! ゆごごっ・・・! でいぶ・・・あやばっだ・・・のに・・・」 「しらねーよ。 謝ったからなんだってんだよ。 謝ったらそれで全部終わりだとでも思ってんの?」 「でぼぉ・・・でぼおおおおお!」 「でもじゃねーよ。 言い訳してる時点で反省する気ゼロだっていってるようなもんじゃねーかよ」 「ゆ、ゆうううううううううう!!! どぼじでえええええ! どぼじでごんなごどにいいいいい!」 「あーうるせーうるせー。 うぜーからさっさと消えろや」 男性はそう言ってドアを閉めてしまった 後に残されたれいむはただただ泣き続け、そのままそこで一晩明かした 翌日、男性が仕事に出かけに中から出てくると、れいむは一目散に駆け寄って挨拶をした 「おにーさん! ゆっくりいってらっしゃい!」 とびっきりの笑顔で挨拶するれいむ れいむは頑張っていい子にしていればれいむの事を許してくれると考えていたのだ お兄さんはれいむに一目もくれずさっさと行ってしまった だがれいむはあきらめない あきらめてはそこで全てが終わってしまう お兄さんが許してくれるその日まで、頑張り続けるとれいむは心に誓った 「ゆううううう・・・・ おなかがぺーこぺこだよぉ・・・ べーこんごはんさんがたべたいよぉ・・・」 餌を与えられずに庭に放置されたままのれいむは、さっそく空腹に悩まされた 加工所で生まれ、ショップで育ち、外の世界を知る間もなくこの家にやって来たれいむは ゆっくりふーどや人間さんの食べ残しを食べていたので、野生のゆっくりがするような食事はしたことが無かった 背に腹は代えられずいやいやながらも庭にぼうぼうと生い茂った雑草を一口かじってみる 「・・・・・・・・・・・・・・・ゆげえええええええええええええええええええええええ!!!! にがにがでゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 草を咀嚼していくうちに草の汁が口全体に広がってゆき、苦いという感覚がじわじわとしみ込むように舌へ伝わってくる 耐えられずに吐きだしたが舌や歯茎には味の感覚が残っていた お水でうがいをしようにも水の入った皿などどこにも見当たらない れいむは仕方なく、自分の唾液で口の中が満たされるのを待った とてもこんなものは食べられない しかし、お腹はすいてしまう 何か他に食べれるものはないか辺りを見渡してみる どこを見ても草、草、草・・・・・・ れいむはため息をついて後ろにコロンと倒れた なにも考えずに空に浮かぶ雲を見つめる 「・・・これかられいむはどうすればいいの? ・・・おにいさんはゆるしてくれるのかなぁ?」 白い雲に問いかけるように、れいむは頭の中で不安に思っていることを言葉にした その問いかけに答えるものはどこにもいない 空腹に耐えきれなくなったれいむは観念してもう一度草に挑戦する 一口むーしゃむしゃする度に溢れる汁を何とか飲み込んで、また新たに草を口に入れる 何度か戻しそうになったが、草を無理やり飲み込むことで何とか耐えきった 「むーしゃむーしゃ・・・・・しあわせええええ! このランチさんはとってもとかいはだわぁ!」 向かいの家で飼われているありすがしあわせーと叫んでいる それを聞くと大粒の涙がぽろぽろとおめめから流れ落ちてきた 「ゆぐっ・・・・・・ゆぐううううう! どぼじでええええええ・・・ おにいざあああああんんんんん・・・・・」 れいむは怒られた理由が全く分からなかった 普段のように言われたことを守り、きちんとルールを守って生活していた なのに、突然あんよをぺんぺんされ外に放り投げられたのだ 怒られた理由が分からないままのれいむはただただ悲しくて仕方なかった 2 「おにいざん!? はなじをぎいでね!? でいぶをむじじないでね!?」 固く閉ざされたドアに何度も身体を叩きつけて懇願するれいむ 帰って来たお兄さんと話そうとしたが完全に無視されてしまったのだ れいむがどんなに呼びかけても、聞こえてくるのはテレビさんの音ばかり 「どぼじでっ・・・ どぼじでなんにぼいっでぐれないの!? でいぶはずっどいいごにじでだよ!? どぼじで・・・どぼじでえええええええええ!!!」 「・・・るっせえっつってんだろ!!!」 「ゆぎゃん!」 突然開いたドアが顔面に衝突して吹っ飛ぶれいむ 顔は真っ赤になり歯が何本か折れたが、それでもお兄さんが出てきてくれたことがうれしくて笑顔になる 「おにいさんきいてね! れいむはがんばったんだよ! とってもつらかったけどあきらめなかったんだよ!」 「だから、なに?」 「ゆっ・・・ こ、これからももっともっとがんばっておにいさんをゆっくりさせるよ!」 「で? 反省はどうした?」 「・・・ゆぅ? はん・・・せい・・・?」 れいむはぽかんと口を開けたまま固まってしまった 怒られた理由を思い出すことをすっかり忘れていたのだ 「その様子じゃ反省してないみたいだな。 じゃ、そゆことで・・・」 「まっ! まっでね!? でいぶはんぜいじでいいごにじでだよ!?」 「へぇ、じゃあ何をどう反省したか言ってみろよ」 「ゆぅ・・・ それは・・・」 「やっぱり反省してねーじゃねーか。 口だけの反省ならそこらへんのゲスでもできるわ」 「で、でもぉ・・・でもぉ・・・」 「また『でも』か。 まぁいい、それより飯は食ったのか?」 「ゆん!? ごはんさん!? ごはんさんくれるの!?」 ご飯という単語にもみあげを即座に反応させてピコピコ動かすれいむ 目がキラキラと輝いて、涎がたらりと滴り落ちる 「まだやるとはいってねえよ。 そこに草沢山はえてるだろ?」 「ゆん? ・・・くささんはゆっくりできないよ」 「話は最後まで聞け。 そこに生えてる草を全部食べたら飯食わしてやるよ」 「ほ、ほんとにいいいい!? うそじゃない!?」 「本当だ、まぁせいぜい頑張れや」 「ゆわぁい! れいむ、がんばってむーしゃむしゃするよ!」 お兄さんはそう言ってドアを閉めた 「さっそくむーしゃむしゃするよ! くささんはゆっくりれいむにたべられてね!」 草に向かってそう宣言したれいむはおくちを大きく開けて草にかじりついた お口の中いっぱいに広がる青臭い臭いと、じわじわとにじみ出る苦い草 ゆっくりできない臭いと味を我慢して無理やり口の中へと押し込んで行く 「むうううううじゃあああああむうううううじゃあああああああ・・・・・じばばぜえええええええええええええ!!!」 しあわぜーは本当のしあわせーではなく、無理やりひねり出した言葉だった そうでもしないと、ゆっくりできなさすぎて餡子がおかしくなりそうだった 「げええええええっぷ! ゆぅ・・・まだまだたくさんあるよ。 でも、れいむあきらめないよ!」 草を全部飲み込むと、また次の草を引っこ抜いて口の中へと押し込む ようやくお腹がいっぱいになり、次第に眠くなっていくれいむ しかし、ゆっくりできるべっともふかふかもどこを探しても見当たらない 仕方ないので引っこ抜いた草をしいて、縁の下で眠ることにする 「ゆぅぅぅ・・・ はやくおうちのなかでゆっくりすーやすやしたいよぅ・・・」 冷たい地面に敷いた青臭い草の上へ倒れこむように横になるれいむ 口の中には草の苦い味がまだ残っている 「どぼじでおにいさんはあんなにぷんぷんしてるの? れいむはいったいなにをしたの? わからないよ・・・ おにいさんおしえてよ・・・れいむはいったいなんてあやまったらいいの?」 どんなに考えても、れいむは反省すべき理由がわからない 疲れ切ったれいむは考えがまとまらない内に眠ってしまった れいむは夢の中でべーこんごはんさんをおなかいっぱいむーしゃむしゃした 夢の中でお兄さんはいつものお兄さんに戻って、れいむを優しく介抱してくれる お兄さんはれいむにしていたことを謝って、れいむのことを許してくれた (ゆふふふふ・・・ れいむはおこってたけどゆるしてあげるよ・・・ またいっしょにたっくさーんゆっくりしようね・・・・・) そんな幸せな夢は、突然中断された もみあげを引っ張られて無理やり縁の下から引きづり出されたのだ 「ゆ・・・! ゆゆゆゆううううう!? おにいざん!? でいぶになにずるの?!」 混乱したれいむは身体をぐねぐねとうねらせて必死に抵抗した 外はまだ暗く、おひさまは顔を出していない 「まぁ落ち着け。 おまえにプレゼントしてやろうとおもってな」 「ゆぅ!? プレゼントさん!?」 「そうだ、今さっきジョギングしてたらゆっくりが因縁つけてきたんだよ んで、フルボッコにしてぶっ潰してやったんだわ。 それがこいつ等な」 お兄さんはそう言うと、ビニール袋から二体のゆっくりの死体を取り出してれいむの前へ放り投げた 恐らく番であろうまりさ種とれいむ種が一体ずつ 大きく目を見開いて、口をだらしなく広げたまま絶命している 「ゆげええええええええええええ!? なにごでええええええええええええ?!」 「だからプレゼントだって。 これ中身は餡子でできてるんだからお前食えるだろ? お前の為に持って来てやったんだから遠慮しないで食べていいんだぞ」 「ごんなのだべれるわげないでしょおおおおおおおおおおおおお!? ばがなのじぬのおおおおおおお!?」 「はぁ!? 食えないわけねーだろが! それ食い終わるまでここでみてやるから早く食え。 残さず食え」 「だがらむりだっでいっでるでしょ!? れいむのはなじをぎいでね!?」 「食わなかったらもう許してやらねーぞ。 それでもいいのか?」 「ゆぅ!? なんでそうなるの!?」 「反省してるならくえるよなぁ? なぁ? 反省する気ねえのか、こら」 「・・・はん・・・せい」 反省という言葉を出されたとたん黙ってしまうれいむ まるで魔法をかけられたように従順になってしまう 「早くしろ。 じゃねーともう許してやんねーぞ」 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 一撃で踏みぬかれたのか、脳天を潰されてぺしゃんこになった二つの骸 目玉が飛び出て餡子がはみ出だして表情が読み取れないほど激しく損壊している はみ出たその餡子を恐る恐る口に含み、飲み下す 口の中には甘いゆっくりした味が広がってゆく しかし、れいむはまったくゆっくりできない 想像してみてほしい どんなにおいしそうに調理されていたとしても それが人間の肉だと知っていてあなたはそれを食べることができるだろうか 「全部残さずたべろよ。 できるだけ早くな」 お兄さんの声がこんなに恐く感じたのは初めてだった 3 「ゆ、ゆべえ・・・ ゆぎゅううう・・・ ごっくん!」 時刻は昼の十二時をまわり、れいむはようやくゲス番の死体を完食することができた 口の周りにべっとりと餡子をつけたれいむ その顔は大量のカロリーを摂取しているにもかかわらずげっそりとやつれている 「なんで・・・ でいぶが・・・ ごんなべに・・・・」 死臭が体中に染みつき、一秒たりともゆっくりできない お兄さんが打った精神強化剤が無ければとっくに餡子を吐いて永遠にゆっくりしてしまっていただろう 「よし、全部食べたな。 偉いぞ、れいむ」 「ゆぅ!? おにいさん!? れいむをゆるしてくれるの!?」 食べ終わるまでずっとそばにいたお兄さんが漸く口を開いた れいむは期待に腹を膨らませ、もみあげをピコピコさせてお兄さんにすり寄る しかしその淡い期待は一瞬で打ち砕かれた 「はぁ!? 偉いとは褒めたが許してやるとは一言も言ってねーけども」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおお!? でいぶごんなにがんばっだんだよ!?」 「まぁ、頑張り次第では許してやらんこともねーけどよ。 まだまだ頑張りが足りないってこった」 「これいじょうなにをがんばればいいのおおお!? でいぶはもうげんっがい!なんだよおおおおおお!」 「それだけ喚ければ大丈夫だ、問題ない。 れいむ、お前に新しい課題をくれてやろう」 「あたらしいかだいさん!? まだなにかしなくじゃいげないのおおおおおお!?」 「なに、難しいことじゃねーよ。 家の壁を全部なめなめして綺麗にしろ それができたらお前を許してやる」 「・・・なめなめってぺーろぺろのこと?」 「そうだ、この家の壁の汚れをすべてぺーろぺろして綺麗にするんだ」 「ぞんだごぼでぎるばずないでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「それと引き続き庭の雑草毟りもやれよ。 ある程度綺麗になったらまた飯食わしてやるから」 れいむは途方もない課題に茫然自失になった このれいむにとってあまりに巨大なお家をぺーろぺろで綺麗にしなくてはならないのだ それに草も食べ続けなければならない 「誠意をみせろよ、れいむ」 そう言ってお家の中に入って言ってしまうお兄さん 今日はお兄さんの仕事が休みの日で、本来ならお兄さんと沢山遊んで好きなだけゆっくりできる筈だった それがどうだろう いまのれいむには、ゆっくりのゆのじもない 「ゆぅ・・・ とりあえずくささんをむーしゃむしゃするよ・・・」 それでもれいむはあきらめなかった 与えられた課題を一つ一つクリアすれば、れいむは許されてまたゆっくりした毎日が戻ってくる そんな一筋の希望にすがる様に、れいむは草をむーしゃむしゃしていった それから数日後 れいむは草をある程度食べ終えると壁の清掃へと取りかかった 白く塗られた壁は薄らと塵が被っており、れいむが舌で舐めるとそこだけぴかぴかになった 草と違って極端ににがにがな味がするわけではないが、ゆっくりできる味など当然するはずがない 「ゆっくりぺーろぺろするよ・・・ ぺーろぺろ・・・・・」 少しずつ壁の汚れをなめとっていくれいむ ふと、べーこんごはんさんを食べた後のお皿をぺーろぺろした時のことを思い出した ぺーろぺろする時はいつも幸せだったのに、今しているぺーろぺろはただただ虚しい 「みゃみゃ! みちぇみちぇ! あのれいみゅかべしゃんをぺーりょぺりょしてりゅわ!」 「しっ! みちゃだめよ! あのれいむはちょっとあんこがふじゆうなのよ、かわいそうなのよ」 「どうしちぇ? いにゃかもにょなにょ?」 「そんなこといったらとかいはになれないわよ! さ、もういきましょ。 かえったら、ままがぺーろぺろしてきれいにしてあげるわ」 「ゆん! みゃみゃのぺーろぺろはとっちぇもゆっくちできりゅわぁ!」 野良のありすの親子が通りかかって話しているのが聞こえた れいむは清掃をやめて、その親子をじっと見つめていた れいむは生まれてすぐに親から引き離され、金バッチをつけた他ゆんのありすやれいむに育てられた 育ての親の言うことを素直に聞いていたのでゆっくりショップの人間さんはやさしくしてくれた だから、れいむは人間さんの言うことをきちんと守ればゆっくりできると信じている 野良が庭にやってきても無視してやりすごしたし、一緒に遊ぶようなことはなかった 野良は自分勝手でルールをわきまえないとてもゆっくりしていないもの そういう認識を加工所で刷り込まれたれいむにとって野良とはそういう存在だった だが、ありすの親子はとってもゆっくりしていた その理由をれいむは理解できない 「ゆぅ? もしかしてのらはゆっくりできるの? みんなはれいむにうそをついてたの?」 子ゆっくりのころに去勢されたれいむはぼせい(笑)の形成に至らなかった ぼせい(笑)が存在しないため、おちびちゃんはゆっくりできるという感覚も存在しない そのため、ありすの親子がゆっくりしていたのは、親子が一緒だからではなく野良だからという認識にすり替わる 加工所やショップで言われ続けていた野良はゆっくりできない存在という認識が揺らぎ始めた 極度のストレスと疲労が伴ってれいむの判断能力は劣化していたこともあり、疑念が頭をもたげる 「こんなことなられいむものらになりたいよ。 のらがあんなにゆっくりできるなんてれいむしらなかったよ・・・」 あんよがずーりずりと外の世界へと向かって無意識に動いていく 門を出ればすぐに外の世界へと出て行けるのだ 後少し、もう少しでゆっくりできる・・・ 「なにかんがえてるんだろうね・・・ れいむはおにいさんにせいいさんをみせてゆっくりするんだよ・・・」 お兄さんの存在を思い出して足を止めるれいむ もしここで外の世界に出て行ってしまったら、お兄さんはもう二度と許してくれないだろう もう一度・・・もう一度お兄さんとゆっくりするんだ! れいむは確固たる決意の元、与えられた課題へと取りかかった 「お~頑張ってるじゃねーか。 正直ここまでやるとは思わなかったぞ」 「ゆん! おにいさんじゃましないでね! れいむはがんばってるんだよ! がんばってせいいさんをみせておうちにいれてもらうんだよ!」 「そーかそーかいい心がけだな。 そんなれいむにプレゼントをもってきてやったぞぉ」 「・・・ぷれ・・・ぜんと・・・さん?」 プレゼントという単語に凍りついてしまうれいむ お兄さんが抱えている、がさごそと動く段ボールに視線が釘づけになる 「お、その様子だとプレゼントがなんなのか大体察しがついてるようだな じゃあ早速御開帳といこうか。 今日のプレゼントは元気なおちびちゃんでーす!」 お兄さんはそう言って段ボールをひっくり返して中身をぶちまけた れいむ種とまりさ種が五匹ずつ計十匹の赤ゆっくり達が地面にぼとぼとと落ちてくる 「おとおしゃあああん!? おきゃあしゃああああん!?」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい! いちゃいよおおおおおおおおおおお!」 「まりしゃのおぼうちかえちちぇえええええええ! ゆんやああああああああああ!」 「どびょじじぇごんにゃごじょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆぅ・・・ いたいのはいやなんだじぇ・・・ こわいんだじぇ・・・」 「もうやじゃあああああ! れいみゅなんにもわるいこちょしちぇないのにいいいいい!」 「かわいいれいみゅがなんでこんにゃめに・・・・」 「おきゃあしゃん・・・・ おとうしゃん・・・・・」 「ゆっ・・・ゆっ・・・」 「ゆんやあああああああああ! ゆんやあああああああああああ!」 「おちびちゃんたち!? ゆっくりしていってね!? ゆっくりゆっくり!」 突然外に放り出された赤ゆっくり達は一斉に泣き出した 中には瀕死の者もおり、れいむはどうしていいか判らず狼狽する そんな光景を見てにっこりとほほ笑むお兄さん 「それ、食え」 「・・・・・ゆ ・・・・・お兄さん? いまなんて?」 「食え。 残さず全部食え」 「これ、ゆっくりだよね? おちびちゃんだよね?」 「だからなんだ。 食え」 「で、できないよ・・・ おちびちゃんなんかむーしゃむしゃしたら・・・」 「できぬともうすか。 いま、できぬともうしたか」 「ゆぅ?」 「食わないならお前はもう許さない。 お前はそこで乾いていけ」 「そ、そんな・・・」 「どうした、はやくしろ」 「ゆう・・・・ れいむは・・・」 泣き叫ぶおちびちゃん達 じっとれいむを見つめるお兄さん ゆっくりの中での最大の禁忌である同族食い そしてもう一つの禁忌、おちびちゃん殺し れいむはその片方を既に犯している もう片方も犯せば、れいむは立派なゲスゆっくりになってしまう 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 れいむの中で、理性よりもお兄さんへの恐怖が勝った 「おちびちゃんはれいむにゆっくりたべられてね。 はーみゅはみゅ」 「ゆぴぃ!? ゆんやああああああああああ! はなしちぇええええええええ!」 れいむは一匹の赤まりさを咥える 咥えられた赤まりさはぶりんぶりんとあんよを左右に振って抵抗している なかなか踏ん切りがつかないのか咥えたまま動かないれいむ そんなれいむにお兄さんはあるものを注射器で注入した 「ゆひぃ!? ほひひはん?へいふひはひひはほ? ・・・はんはははははははふふはっへひはほ?」 注射器のラベルには『コンポストゆっくり用食欲増進剤 精神強化成分配合』と書かれている れいむは頭がぼーっとして身体が熱くなっていくのを感じると同時に今まで感じたことのない空腹感を感じた まるで三日三晩食事を取らなかったような飢え めがぐーるぐるして、舌がピクピクとひきつる 「はなしちぇええええええええ! まりしゃまじゃしにちゃく『ぐちゃ!』・・・!」 咥えていた赤まりさを噛み潰したれいむ その光景を見て、他の赤ゆっくり達は一斉に逃げ出した 「なんだかとってもおなかがすいたよ! れいむはたっくさんむーしゃむしゃするよ!」 「こっちにくりゅなあああああああ! このげすうううううううううううう!」 一匹の赤れいむに狙いをつけて飛び跳ねるれいむ すばやく回り込んで赤れいむをもみあげでつまみあげる 「はなしちぇえええええええええ! れいみゅをたべにゃ『げちょ!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 光悦の表情を浮かべるれいむ 眼下で息を切らしてお腹に体当たりをくり返す赤まりさに気づく 「きょうぢゃいをこりょしちゃげしゅはまりしゃがせいっしゃい!しゅりゅのぜえええええ! ゆっくちしにゃいでしゃっしゃちょ・・・ゆわあああああああ! はなしちぇええええええ! ゆるしちぇええええ『げしょげしょ!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 「ゆわあ、あ、あ、あ、あ・・・・ みんにゃてべられちゃうのじぇ・・・」 「きょわいよおおお・・・ れいみゅもうしんじゃうにょかなぁ・・・」 「ゆうううう・・・ おきゃあしゃん・・・ おちょうしゃん・・・」 「どびょじぢぇ・・・ どびょじぢぇごんにゃめに・・・」 壁の隅にひと塊りになって震える赤まりさと三匹の赤れいむ れいむは大きく広げた口でそれらを被うと、口を閉じて一気に噛み砕いた 「しあわせええええええええええええええ!」 「ゆっ・・・ゆげえええええええ!」 「ゆっ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 「しあわせええええええええええええええ! しあわせええええええええええええええ!」 精神的に追い詰められて餡子を吐く赤まりさと既に瀕死になっていた赤れいむ それらを食べ終え、最後の一匹になった赤まりさににじり寄っていくれいむ 「ゆわぁあわわわ・・・・ まりしゃ・・・おいしくにゃいよ? たべちぇもおいちくにゃいよ? おねがいぢゃかりゃこっちにこにゃいでにぇ? まりしゃとゆっくちしてにぇ?」 「かわいいれいむはむーしゃむしゃするよ!」 「ゆんやあああああああああああ『ぷしゃああああああああ!』あああああああああああ!」 赤まりさの下腹部から、おそろしーしーが勢いよく噴出される がたがたと震える赤まりさを前に、れいむは笑顔で宣言した 「ゆっくりいただきます!」 「やめりょおおおおおおおお! しにちゃくにゃあ『ぎっちょん!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 全ての赤ゆっくりを完食し終えたれいむ そんなれいむにお兄さんはこう言った 「見ろよ、あのれいむゆっくりしてないだろ?」 「あんなにかわいいおちびちゃんをたべちゃうなんて・・・ このゆっくりごろし・・・」 「みゃみゃぁ・・・ ありしゅこわいわぁ・・・」 お兄さんの傍らには、先ほどのありすの親子がいた 4 「おにいさん! おにいさんにもらったぶろっくさんで ありすのおちびちゃんがとってもとかいはなこーでぃねいとをしたのよ!」 「みちぇみちぇ!おにいしゃん! ありしゅがんばっちゃわ!」 「すごいなぁ! ありすもありすのおちびちゃんもとっても都会はだな!」 お家の中からは楽しそうなお兄さんとありす親子の声 れいむはそれを聞くと惨めな気持ちになるので聞かないようにしていたが、嫌でも耳に入ってくる れいむが赤ゆっくりを食い殺したあの後、お兄さんはれいむではなくありすの親子を家に入れた お兄さんは新しくありす種が飼いたくなったのでつれてきたとのこと れいむにとってはあてつけにしか思えなかった 毎日のように聞こえるありす親子の生活音 それを聞くたびにいーらいらするれいむ れいむはただただ耐え続け、今日も壁を綺麗にする 「とってもとかいはならんちさんだわぁ! おにいさんゆっくりありがとう! ほら、とちびちゃんもおれいをいいなさい!」 「おにいしゃん! ゆっくちありがちょー!」 「いいんだぞー! いっぱいたべてゆっくり大きくなってね!」 れいむの大好きなべーこんごはんさんの臭いがする 臭いだけ嗅がされておなかが情けない音を立てた もうここ何日もまともなごはんを食べていないれいむにとっては拷問だ 「ゆうううぅぅぅぅ・・・ れいむのべーこんごはんさん・・・・」 空腹を紛らわすために、その辺に生えていた雑草を毟って口に入れるれいむ もう雑草の味には慣れたがちっともゆっくりできない 「みゃみゃ! ありしゅこーりょこりょすりゅからみちぇちぇにぇ! こーりょこりょ!」 「とってもとかいわなこーろころだわぁ! おにいさんもみてあげてぇ!」 「可愛いなぁありす! もっかいこーろころして見せてくれるか?」 「ゆっくちりかいしちゃわ! こーりょこりょ!」 楽しく遊ぶありす親子とおにいさん 前はれいむがお兄さんを一人占めして一緒に遊んでいた 「おにいしゃんしゅーりしゅりしちぇ! しゅーりしゅり!」 「だめよ、おちびちゃん! おにいさんはいまてれびさんをみてるのよ!」 「いや、かまわんぞ。 ほーらこっち来い、すーりすり」 「ゆわぁい! おにいしゃんのおちぇちぇとっちぇもあっちゃかいわぁ! ありしゅ、おにいしゃんのおちぇちぇだーいしゅき!」 お兄さんの手にすーりすりする赤ありす その手はれいむだけに優しくしてくれる温かい手だった 「ありしゅ、にゃんぢゃかにぇむいわぁ・・・」 「ちょっとおひるねにしましょうか・・・ おちびちゃんゆっくりおやすみなさい」 「ありしゅおにいしゃんとねむねむしちゃいわ・・・」 「ああ、いいぞ。 ありすもこっちに来いよ」 「ええ!? いいの!? おにいさんはほんっとう!にゆっくりしたにんげんさんね!」 「それほどでもあるよ。 さぁ、みんなでゆっくりお昼寝しようか」 「ゆぅ・・・ ありしゅ・・・ おおきくなっちゃらおにいしゃんのおよめしゃんになりゅ・・・ゆぴー」 お兄さんとお昼寝するのはれいむの特権の筈だった 今は別のゆっくりがおにいさんの手の中で眠っている 「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ゆっくりしないでかべさんはきれいになってね! ぺーろぺろ!」 れいむは早くお兄さんを取り戻そうと躍起になった しかし、れいむの小さな舌では壁を綺麗にするのには時間がかかりすぎる まだ四分の一も終わっていないのだ 「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ぺーろぺr・・・・ゆぐうううううううう!!! なんででいぶがごんなごぢじなぐじゃいげないのおおおおおおおおおおお!? おにいざんあんなにやざじがっだのにいいいいいいいいいいいいいいいい!!! なにがいげながっだの!? なにがわるがっだの!? でいぶはなにぼあやばればいいぼおおおおおおおおおおお?」 壁に額をつけて、ぽろぽろと零れ落ちる涙を見つめるれいむ 奪われてしまったしあわせ 終わらない課題 ゆっくりできない食事 変わってしまったお兄さん 何が問題で、何が悪かったのか れいむにはとうとう答えが分からなかった 永遠と続くと思われた絶望的な生活 だが、そんな日々は突如として終わりを告げる 「おにいしゃんはなしちぇええええええ! みゃみゃあああああああ! どぼしちぇたしゅけちぇくりぇにゃいにょおおおおおおおおおお!?」 「ごめんなばい! おでがいでぶがらおじびじゃんぼばなじでぐばばい!」 「うるせーよこの屑ども。 あんなに可愛がってやったのに恩をあだで返しやがって」 「どぼしちぇこんにゃこちょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおお!? ありしゅなんにもわりゅいこちょしちぇないにょにいいいいいいいいいいい!!!」 「だべえええええええええええええ! ぞんなごどいっじゃだべええええええええ!! おでがいだがらおにいざんにあやばっでええええええええええええええええええ!!」 「はー・・・ どうしようもねえクソ餓鬼だな お前死刑確定だから。 ゆっくり苦しんで死んでいってね」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいい!!! もうやじゃ! おうちかえりゅううううううううううううううう!」 お兄さんにつかまれている赤ありすと、顔をぐしゃぐしゃにして謝り続ける親ありす そんな二匹をお兄さんは汚物でも見るかのように見ていた れいむが外から家の中を覗くとカーペットの上にシミができている どうやら赤ありすが粗相をしてしまったようだ 「おい、れいむ! いるか?でてこい!」 「ゆぅ、れいむはここだよ。 おにいさん」 庭に出てれいむを呼ぶおにいさん れいむは一目散にお兄さんのところへ跳ね寄っていく 「これ、食え」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 「おにいざああああああああああああああん! やべべええええええええええええええ!!!」 さも当然とでも言うかのように言い放ったお兄さん 赤ありすはこのお家に来た日に、れいむがおちびちゃんを食い殺しているのを見ていたので必死に抵抗する 親ありすの方は、泣きながら懇願しつづけていた 「おでがいでずがらおちびじゃんぼごろざないでぐだざいいいいいいいいいいいい!!!」 「言ったよなぁありす。 こいつがトイレで失敗しないようにちゃんと面倒見ろって」 「ありずはじゃんどおじえだわ! でぼじょっどめをはなじだずぎにいいいいいいいいいいいい!」 「阿呆が。 今回だけじゃねーだろーが。 こいつが何回失敗したか覚えてるか?」 「ええっと・・・ いち、にい、たくさん・・・ だぐざんでずうううううううううううう!!!」 「だろぉ? トイレの場所も覚えられないゴミ屑は死んだ方がいいよね! ゆっくりりかいしてね!」 「ぞんだあああああああああああ!!! もういっがいだげじゃんずぼぐばばいいいいいいいい!」 「嫌だよ、何度もチャンスやったのにそれを不意にしたお前が悪い」 「どぼじでえええええええええええええええええええええ!!!」 「ゆんやああああああああああああああ! みゃみゃあああああああああああああああ!」 れいむは呆れた トイレの場所も覚えられないなんて、なんてバカなんだろう れいむが同じくらいの大きさだったころはトイレの場所はおろか数や文字まで覚えさせられていた その程度もできないのにれいむのお家で暮らし、お兄さんを一人いじめしていたなんて・・・ 「おにいさん! はやくそのくずをちょうだいね! れいむはおなかがすいてるんだよ!」 「お、れいむはほんとにいい子だな~! 流石は加工所産だけあるな」 「なにいってりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなああああああああ!」 れいむは子ありすを直ぐにむーしゃむしゃできるように身構えていた 憎きありす親子に自ら制裁をくわえることができるのだ 楽しくないはずがない 「いくぞ~! ほ~れ!」 「ゆぴいいいい! おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいいいいいい!?」 「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなあああああああ!」 放り投げられた子ありす、踏みつけられて身動きとれない親ありす れいむは落下予測地点に先回りして口を大きく開けた その中に子ありすがすぽりと入り、れいむは思いっきり口を閉じた 「ゆんやああああああ! ありしゅまだしにt『びちぃぐちゃ!』・・・!」 「むーしゃむーしゃ! むーしゃむーしゃ!」 子ありすが絶命しても執拗に噛み砕くれいむ まるで今までため込んできた不満を全てぶつけるかのように・・・ 「しあわせえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「あでぃずのおじびじゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!」 久々に心の底からゆっくりを感じたれいむ 絶望の真っ只中に叩きこまれたありす お兄さんはそんな二匹をみて満足そうにほほ笑むとお家の中に入って行った 5 「はやくしてね! れいむはおこってるんだよ!」 怒りの声を上げるれいむ 口には錆びた錆びた釘を咥えている 庭にはれいむのほかにありす、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんがいる れいむ以外のゆっくりは総出で家の壁をなめて綺麗にしている 「ごべんなべい! あやばりばずがらゆるじでぐださい!」 「もうへとへとなんだぜええええ! おねがいだからゆっくりさせてほしいのぜええええ!」 「むきゅ・・・エレエレエレ。 もっど・・ゆっぐじ・・・」 「わぎゃらないよおおおおおお! ぱちゅりーしっかりしてねええええええ?!」 ぱちゅりーが中身のクリームを吐きだして、心配そうに駆け寄る一同 れいむはそんなゆっくり達に満面の笑みを浮かべて言い放った 「ぱちゅりーはきょうのごはんさんだよ! れいむがむーしゃむしゃするからね!」 「「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」 驚愕するゆっくり達を放っておいて、れいむはぱちゅりー近寄ってほっぺをガブリと食いちぎる 「むーしゃむーしゃ・・・・しあわせええええええええええええええ!」 ぱちゅりーを食べたれいむはとてもゆっくりした表情を浮かべた 他のゆっくりは寄り添ってがたがたと震え、恐ろしーしーを漏らす 「なにしてるの!? さっさとかべさんをぺーろぺろしてね! きょうののるまさんをたっせい!するまですーやすやもきんしだからね!」 れいむは咥えた釘を振りかざし、生き残ったゆっくりを仕事へと駆り立てた あれからお兄さんは野良を拾って来て、その野良に何か不都合なことがあるとお庭に放り出した 外に出されたゆっくり達は庭に住んでいるれいむに番や姉妹を食われ、以後奴隷としてれいむの課題を手伝わされている 「よぉ、れいむ。 今日も精が出るな」 「ゆゆ? おにいさん? あたりまえだよ! れいむはがんばってるんだよ!」 「そーかそーか。 で、結局怒られた理由は分かったのか?」 「ゆぅ? りゆうさん? なにそれおいしいの?」 「ふっ・・・そんなもんか。 まあいい、今日でお前のことをゆるしてやるよ」 「ゆーん!? ほんとうなの!? れいむ、もうがんばらなくてもいいの!?」 「ああ、もう頑張らなくていいんだぞ そうなるとそいつらはもういらないよな。 全部食って処分しとけよ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「「「どぼじでぞうなるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」 涙を流して嘆く野良達はれいむがにじり寄ると直ぐに身構え戦闘態勢に入った 沢山の野良を食らい体調良好なれいむ 僅かな食事しか与えられず貧弱な身体を酷使してきた野良 結果は比を見るより明らかだ 「いぢゃいいいいいいいい! までぃざにひど『ぶすり』ゆぎゃあああああああああああ!」 両目を刺された後まむまむに釘を突っ込まれたまりさ 「わぎゃらないよおおおお! どぼじでごんな『むしゃり』・・・!」 顔面を容赦なく噛みちぎられて断末魔も上げられず絶命するちぇん 「のろってやるううううう! ごのいながぼの『へしゃり』ごべええええええええええええ!」 身体を抑えつけられて不自然な方向へと無理やりへし折られたありす 「れいむのすーぱーむーしゃむしゃたいむはっじまっるよー☆」 物言わぬ饅頭になった四体の野良に、れいむはドヤ顔で言った 苦労の末に獲得したしあわせーな食事 れいむは夢中でむしゃぶりつき、作業着の人間さんがお兄さんのお家を尋ねてきたことに気づかない 「あ、どーもー! お待たせして申し訳ありませ~ん」 「別にいいんですよ。 あれを引き取ってもらえればいいだけなんで」 「はぁーい。 ではさっそく・・・ うわ!これはひどい・・・」 「もう手がつけられなくてどうしようもないんですよ・・・」 明るい声で挨拶をした作業着の人間さんは、れいむを見て絶句した おいしそうに同族を食べるれいむ 口の周りは餡子やカスタードでべたべた ゆっくりが饅頭とは言え見ていてあまり気持ちの良い物ではない 「ええっと・・・ じゃあ、連れて行きますね・・・」 「はい、助かります。 支払いはクレジットでも大丈夫ですか」 「あっ・・・ はい、大丈夫ですよ。 ちょっと待っててください」 「ゆーん! がんばったれいむへのごほうびさんだよ! むーしゃむーしゃ!」 「おい、れいむ!」 作業着のお兄さんが支払い用の端末を取りに行くとお兄さんはれいむを呼んだ れいむは食事を中断され不機嫌そうに膨れるが、お兄さんに呼ばれたので直ぐに笑顔になってすり寄っていく 「おにいさん! れいむがんばったよ!」 「ああ、頑張ったなれいむ。 そんなことより、れいむ。 今日でお前とはお別れだ」 「ゆーん! おうちにいれ・・・ゆぅ? おわ・・・かれ・・・?」 れいむはお兄さんの言っていることが理解できない お別れという言葉に思考がフリーズする 「そうだ、お前は加工所に連れて行って処分してもらう」 「しょ・・・ぶん・・・?」 「永遠にゆっくりさせるってことだ」 「ゆううううううううううううううう?! なんでえええええええええ!?」 「さあ、なんでだろうな。 そんなことよりれいむ、怒られた理由は分かったか?」 「ゆぅ!? ぞんなのわがらないよ!? でもでいぶがんばっだんだよ!? ぜいいざんをみぜでばんぜいじだんだよ!?」 「だろうな、お前は怒られた理由も分からないで俺に謝罪して反省したわけだ」 「ぞうでず!!! でいぶはおごられだりゆうばわがりばぜん! でぼいっじょうげんべいばんぜいじばじだ! あやばりばじだ! だがらでいぶを『・・・だよ』・・・ゆ?」 「もともと理由なんてなかったんだよ。 お前は俺のと言った通りずっといい子にしてた 勝手にむーしゃむしゃすることも、野良っとすっきりして子供を作ることもしなかった お前はゆっくりにしては聞き分けのいいやつだったよ」 「・・・じゃあ、どぼじで?」 「だから理由なんてないっていっただろ。 まぁ、早い話飽きたんだわ」 「・・・あきたさん?」 「そうだ、だからお前を家の中から閉め出した だけどお前は自分が何か悪いことをして追い出されたと勘違いした。 ただそれだけなんだわ」 「どぼじで・・・? どぼじでなのおおおおおおおおおおお!? でいぶがいいごにじでだらあんばにぼめでぐべばぼびいいいいいいいいいいい!!!」 「この数日間、理由も解らないで必死に反省してるお前を見てて十分楽しめたよ まぁ、お前の言葉を借りて言うならゆっくりできたってとこだな」 「じゃあ! じゃあ!!! でいぶをもういじどがっで『それはできない』どぼじでえええええ?!」 「言ったろ、飽きたって。 もうお前がどうなろうが知ったこっちゃない」 「ゆうううううううううううううううううううううう!!!! なまいぎなぐじをぎいでごべんばばい! ばんぜいじでばぶごべんばばい!!!」 「必死だな、おぃ」 泣いて額を地べたにこすりつけるれいむをニヤニヤと見下ろすお兄さん 「おまたせしました~」 作業着の人間さんが戻ってくるとお兄さんはニヤついた顔をキリっと引き締めた 支払いが済むと作業着の人間さんは透明な箱にれいむを入れた 加工所特性のゆっくり専用防音ケースである 「お゛に゛い゛ざあああああああああああああ『パタン』・・・・」 「じゃあ、お願いしますね」 「はい、でも本当にいいんですか? 銀バッチでとっても懐いてるみたいですけど」 「昔はいい子だったんですよ、でも今は・・・」 そう言って庭に目をやるお兄さん 庭にはれいむが食い散らかした野良の死体が散乱している 「・・・確かにこうなったら手放したくなるのも無理はないですよね」 「すみません、情が湧くといけないので・・・」 「あ、はい。 では、またご利用になる時はよろしくお願いします」 「はい。 ありがとうございました」 「いえいえ。 こちらこそ・・・では」 挨拶を終え、乗って来た軽トラックの荷台にれいむを放り込んで出発する作業着の人間さん お兄さんは無言でそれを見送った 「ばんぜいじでばずごべんばばい! でいぶばわるいごでじば! げずばゆっぐぢでじだ! あやばりばずがらゆるじでぐばばい!! おべがいじばず! だのみばず! ごでがらばごごぼをいべがべでいいごにじばず! だがらッ! だがらああああああ!!!!」 れいむは透明な箱の中で、誰に聞かれることもない謝罪を繰り返していた 終 あとがき 前回『anko2410さくのなかとそと』を投稿させていただいた者です どうやら沢山の方に読んでいただけたようで、大変ありがたいことです にとりあきさんには素敵な挿絵を書いていただき、本当にありがとうございます 皆さまにこの場を借りてお礼を申し上げさせていただきます 今回の作品はいかがでしたでしょうか 感想がございましたら感想板に書き込んでいただけると大変助かります 次回の作品の参考にさせていただきたいと考えているので 遠慮なく思ったことを書いて頂ければ幸いです では
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◇Name ◎ 名無し、ゲスト、Noname ◇Room ◎ 人の集まる場所、ちびちゃと ◇Age ◎ 秘密 ◇Charactor/Color ◎ ランダム ◇Other ◎ 喧嘩師ではない。 ◎ コテハンはまだない。 ◎ 主に雑談。
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『はんせいしてますごめんなさい』 36KB 虐待 嫉妬 誤解 日常模様 同族殺し 共食い 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 現代 独自設定 よろしくお願いします ッじめに 善良な個体の虐待です 通常種のみ登場します グロテスクな表現を含みます 以上の点に注意して読まれるようお願いします 1 「おにいざん!!! ごべんばざい!!! おでがいでずがらおうじにいれでぐだざい!!!」 街中の住宅街のとある家の玄関前 一匹のれいむが玄関のドアに向かって必死に呼びかけていた 「もうおにいざんどのやぐぞぐやぶっだりじまぜん! あやばりばず!!! はんぜいじばず!!! だがら、だがらでいぶをもういじどがっでぐだざい! おうじのながにいれでぐばさび!!! おにいいさあああああああああああああああん!!!」 必死の呼びかけが通じたのか、ドアが開き中から一人の中年男性が出てきた れいむは悲痛に歪めていた表情をパァっと明るくして中に入ろうとした 「だれもいれるなんていってねーよ」 男性はそう言うと右足を振りあげてれいむの腹を蹴りつける 「ゆぐぅ!!! ・・・・・・ゆ、ゆゆゆごおお・・・げ、げええええ ・・・・・お・・・おにい・・・・さん?」 完全に油断していたれいむは蹴りをまともに受けてしまい、その場にへたり込んでしまう 苦しそうにうねうねと芋虫のように蠢くれいむ 口からは泡だった泥のような餡子を吐きだしている 「ゆごっ! ゆごごっ・・・! でいぶ・・・あやばっだ・・・のに・・・」 「しらねーよ。 謝ったからなんだってんだよ。 謝ったらそれで全部終わりだとでも思ってんの?」 「でぼぉ・・・でぼおおおおお!」 「でもじゃねーよ。 言い訳してる時点で反省する気ゼロだっていってるようなもんじゃねーかよ」 「ゆ、ゆうううううううううう!!! どぼじでえええええ! どぼじでごんなごどにいいいいい!」 「あーうるせーうるせー。 うぜーからさっさと消えろや」 男性はそう言ってドアを閉めてしまった 後に残されたれいむはただただ泣き続け、そのままそこで一晩明かした 翌日、男性が仕事に出かけに中から出てくると、れいむは一目散に駆け寄って挨拶をした 「おにーさん! ゆっくりいってらっしゃい!」 とびっきりの笑顔で挨拶するれいむ れいむは頑張っていい子にしていればれいむの事を許してくれると考えていたのだ お兄さんはれいむに一目もくれずさっさと行ってしまった だがれいむはあきらめない あきらめてはそこで全てが終わってしまう お兄さんが許してくれるその日まで、頑張り続けるとれいむは心に誓った 「ゆううううう・・・・ おなかがぺーこぺこだよぉ・・・ べーこんごはんさんがたべたいよぉ・・・」 餌を与えられずに庭に放置されたままのれいむは、さっそく空腹に悩まされた 加工所で生まれ、ショップで育ち、外の世界を知る間もなくこの家にやって来たれいむは ゆっくりふーどや人間さんの食べ残しを食べていたので、野生のゆっくりがするような食事はしたことが無かった 背に腹は代えられずいやいやながらも庭にぼうぼうと生い茂った雑草を一口かじってみる 「・・・・・・・・・・・・・・・ゆげえええええええええええええええええええええええ!!!! にがにがでゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 草を咀嚼していくうちに草の汁が口全体に広がってゆき、苦いという感覚がじわじわとしみ込むように舌へ伝わってくる 耐えられずに吐きだしたが舌や歯茎には味の感覚が残っていた お水でうがいをしようにも水の入った皿などどこにも見当たらない れいむは仕方なく、自分の唾液で口の中が満たされるのを待った とてもこんなものは食べられない しかし、お腹はすいてしまう 何か他に食べれるものはないか辺りを見渡してみる どこを見ても草、草、草・・・・・・ れいむはため息をついて後ろにコロンと倒れた なにも考えずに空に浮かぶ雲を見つめる 「・・・これかられいむはどうすればいいの? ・・・おにいさんはゆるしてくれるのかなぁ?」 白い雲に問いかけるように、れいむは頭の中で不安に思っていることを言葉にした その問いかけに答えるものはどこにもいない 空腹に耐えきれなくなったれいむは観念してもう一度草に挑戦する 一口むーしゃむしゃする度に溢れる汁を何とか飲み込んで、また新たに草を口に入れる 何度か戻しそうになったが、草を無理やり飲み込むことで何とか耐えきった 「むーしゃむーしゃ・・・・・しあわせええええ! このランチさんはとってもとかいはだわぁ!」 向かいの家で飼われているありすがしあわせーと叫んでいる それを聞くと大粒の涙がぽろぽろとおめめから流れ落ちてきた 「ゆぐっ・・・・・・ゆぐううううう! どぼじでええええええ・・・ おにいざあああああんんんんん・・・・・」 れいむは怒られた理由が全く分からなかった 普段のように言われたことを守り、きちんとルールを守って生活していた なのに、突然あんよをぺんぺんされ外に放り投げられたのだ 怒られた理由が分からないままのれいむはただただ悲しくて仕方なかった 2 「おにいざん!? はなじをぎいでね!? でいぶをむじじないでね!?」 固く閉ざされたドアに何度も身体を叩きつけて懇願するれいむ 帰って来たお兄さんと話そうとしたが完全に無視されてしまったのだ れいむがどんなに呼びかけても、聞こえてくるのはテレビさんの音ばかり 「どぼじでっ・・・ どぼじでなんにぼいっでぐれないの!? でいぶはずっどいいごにじでだよ!? どぼじで・・・どぼじでえええええええええ!!!」 「・・・るっせえっつってんだろ!!!」 「ゆぎゃん!」 突然開いたドアが顔面に衝突して吹っ飛ぶれいむ 顔は真っ赤になり歯が何本か折れたが、それでもお兄さんが出てきてくれたことがうれしくて笑顔になる 「おにいさんきいてね! れいむはがんばったんだよ! とってもつらかったけどあきらめなかったんだよ!」 「だから、なに?」 「ゆっ・・・ こ、これからももっともっとがんばっておにいさんをゆっくりさせるよ!」 「で? 反省はどうした?」 「・・・ゆぅ? はん・・・せい・・・?」 れいむはぽかんと口を開けたまま固まってしまった 怒られた理由を思い出すことをすっかり忘れていたのだ 「その様子じゃ反省してないみたいだな。 じゃ、そゆことで・・・」 「まっ! まっでね!? でいぶはんぜいじでいいごにじでだよ!?」 「へぇ、じゃあ何をどう反省したか言ってみろよ」 「ゆぅ・・・ それは・・・」 「やっぱり反省してねーじゃねーか。 口だけの反省ならそこらへんのゲスでもできるわ」 「で、でもぉ・・・でもぉ・・・」 「また『でも』か。 まぁいい、それより飯は食ったのか?」 「ゆん!? ごはんさん!? ごはんさんくれるの!?」 ご飯という単語にもみあげを即座に反応させてピコピコ動かすれいむ 目がキラキラと輝いて、涎がたらりと滴り落ちる 「まだやるとはいってねえよ。 そこに草沢山はえてるだろ?」 「ゆん? ・・・くささんはゆっくりできないよ」 「話は最後まで聞け。 そこに生えてる草を全部食べたら飯食わしてやるよ」 「ほ、ほんとにいいいい!? うそじゃない!?」 「本当だ、まぁせいぜい頑張れや」 「ゆわぁい! れいむ、がんばってむーしゃむしゃするよ!」 お兄さんはそう言ってドアを閉めた 「さっそくむーしゃむしゃするよ! くささんはゆっくりれいむにたべられてね!」 草に向かってそう宣言したれいむはおくちを大きく開けて草にかじりついた お口の中いっぱいに広がる青臭い臭いと、じわじわとにじみ出る苦い草 ゆっくりできない臭いと味を我慢して無理やり口の中へと押し込んで行く 「むうううううじゃあああああむうううううじゃあああああああ・・・・・じばばぜえええええええええええええ!!!」 しあわぜーは本当のしあわせーではなく、無理やりひねり出した言葉だった そうでもしないと、ゆっくりできなさすぎて餡子がおかしくなりそうだった 「げええええええっぷ! ゆぅ・・・まだまだたくさんあるよ。 でも、れいむあきらめないよ!」 草を全部飲み込むと、また次の草を引っこ抜いて口の中へと押し込む ようやくお腹がいっぱいになり、次第に眠くなっていくれいむ しかし、ゆっくりできるべっともふかふかもどこを探しても見当たらない 仕方ないので引っこ抜いた草をしいて、縁の下で眠ることにする 「ゆぅぅぅ・・・ はやくおうちのなかでゆっくりすーやすやしたいよぅ・・・」 冷たい地面に敷いた青臭い草の上へ倒れこむように横になるれいむ 口の中には草の苦い味がまだ残っている 「どぼじでおにいさんはあんなにぷんぷんしてるの? れいむはいったいなにをしたの? わからないよ・・・ おにいさんおしえてよ・・・れいむはいったいなんてあやまったらいいの?」 どんなに考えても、れいむは反省すべき理由がわからない 疲れ切ったれいむは考えがまとまらない内に眠ってしまった れいむは夢の中でべーこんごはんさんをおなかいっぱいむーしゃむしゃした 夢の中でお兄さんはいつものお兄さんに戻って、れいむを優しく介抱してくれる お兄さんはれいむにしていたことを謝って、れいむのことを許してくれた (ゆふふふふ・・・ れいむはおこってたけどゆるしてあげるよ・・・ またいっしょにたっくさーんゆっくりしようね・・・・・) そんな幸せな夢は、突然中断された もみあげを引っ張られて無理やり縁の下から引きづり出されたのだ 「ゆ・・・! ゆゆゆゆううううう!? おにいざん!? でいぶになにずるの?!」 混乱したれいむは身体をぐねぐねとうねらせて必死に抵抗した 外はまだ暗く、おひさまは顔を出していない 「まぁ落ち着け。 おまえにプレゼントしてやろうとおもってな」 「ゆぅ!? プレゼントさん!?」 「そうだ、今さっきジョギングしてたらゆっくりが因縁つけてきたんだよ んで、フルボッコにしてぶっ潰してやったんだわ。 それがこいつ等な」 お兄さんはそう言うと、ビニール袋から二体のゆっくりの死体を取り出してれいむの前へ放り投げた 恐らく番であろうまりさ種とれいむ種が一体ずつ 大きく目を見開いて、口をだらしなく広げたまま絶命している 「ゆげええええええええええええ!? なにごでええええええええええええ?!」 「だからプレゼントだって。 これ中身は餡子でできてるんだからお前食えるだろ? お前の為に持って来てやったんだから遠慮しないで食べていいんだぞ」 「ごんなのだべれるわげないでしょおおおおおおおおおおおおお!? ばがなのじぬのおおおおおおお!?」 「はぁ!? 食えないわけねーだろが! それ食い終わるまでここでみてやるから早く食え。 残さず食え」 「だがらむりだっでいっでるでしょ!? れいむのはなじをぎいでね!?」 「食わなかったらもう許してやらねーぞ。 それでもいいのか?」 「ゆぅ!? なんでそうなるの!?」 「反省してるならくえるよなぁ? なぁ? 反省する気ねえのか、こら」 「・・・はん・・・せい」 反省という言葉を出されたとたん黙ってしまうれいむ まるで魔法をかけられたように従順になってしまう 「早くしろ。 じゃねーともう許してやんねーぞ」 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 一撃で踏みぬかれたのか、脳天を潰されてぺしゃんこになった二つの骸 目玉が飛び出て餡子がはみ出だして表情が読み取れないほど激しく損壊している はみ出たその餡子を恐る恐る口に含み、飲み下す 口の中には甘いゆっくりした味が広がってゆく しかし、れいむはまったくゆっくりできない 想像してみてほしい どんなにおいしそうに調理されていたとしても それが人間の肉だと知っていてあなたはそれを食べることができるだろうか 「全部残さずたべろよ。 できるだけ早くな」 お兄さんの声がこんなに恐く感じたのは初めてだった 3 「ゆ、ゆべえ・・・ ゆぎゅううう・・・ ごっくん!」 時刻は昼の十二時をまわり、れいむはようやくゲス番の死体を完食することができた 口の周りにべっとりと餡子をつけたれいむ その顔は大量のカロリーを摂取しているにもかかわらずげっそりとやつれている 「なんで・・・ でいぶが・・・ ごんなべに・・・・」 死臭が体中に染みつき、一秒たりともゆっくりできない お兄さんが打った精神強化剤が無ければとっくに餡子を吐いて永遠にゆっくりしてしまっていただろう 「よし、全部食べたな。 偉いぞ、れいむ」 「ゆぅ!? おにいさん!? れいむをゆるしてくれるの!?」 食べ終わるまでずっとそばにいたお兄さんが漸く口を開いた れいむは期待に腹を膨らませ、もみあげをピコピコさせてお兄さんにすり寄る しかしその淡い期待は一瞬で打ち砕かれた 「はぁ!? 偉いとは褒めたが許してやるとは一言も言ってねーけども」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおお!? でいぶごんなにがんばっだんだよ!?」 「まぁ、頑張り次第では許してやらんこともねーけどよ。 まだまだ頑張りが足りないってこった」 「これいじょうなにをがんばればいいのおおお!? でいぶはもうげんっがい!なんだよおおおおおお!」 「それだけ喚ければ大丈夫だ、問題ない。 れいむ、お前に新しい課題をくれてやろう」 「あたらしいかだいさん!? まだなにかしなくじゃいげないのおおおおおお!?」 「なに、難しいことじゃねーよ。 家の壁を全部なめなめして綺麗にしろ それができたらお前を許してやる」 「・・・なめなめってぺーろぺろのこと?」 「そうだ、この家の壁の汚れをすべてぺーろぺろして綺麗にするんだ」 「ぞんだごぼでぎるばずないでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「それと引き続き庭の雑草毟りもやれよ。 ある程度綺麗になったらまた飯食わしてやるから」 れいむは途方もない課題に茫然自失になった このれいむにとってあまりに巨大なお家をぺーろぺろで綺麗にしなくてはならないのだ それに草も食べ続けなければならない 「誠意をみせろよ、れいむ」 そう言ってお家の中に入って言ってしまうお兄さん 今日はお兄さんの仕事が休みの日で、本来ならお兄さんと沢山遊んで好きなだけゆっくりできる筈だった それがどうだろう いまのれいむには、ゆっくりのゆのじもない 「ゆぅ・・・ とりあえずくささんをむーしゃむしゃするよ・・・」 それでもれいむはあきらめなかった 与えられた課題を一つ一つクリアすれば、れいむは許されてまたゆっくりした毎日が戻ってくる そんな一筋の希望にすがる様に、れいむは草をむーしゃむしゃしていった それから数日後 れいむは草をある程度食べ終えると壁の清掃へと取りかかった 白く塗られた壁は薄らと塵が被っており、れいむが舌で舐めるとそこだけぴかぴかになった 草と違って極端ににがにがな味がするわけではないが、ゆっくりできる味など当然するはずがない 「ゆっくりぺーろぺろするよ・・・ ぺーろぺろ・・・・・」 少しずつ壁の汚れをなめとっていくれいむ ふと、べーこんごはんさんを食べた後のお皿をぺーろぺろした時のことを思い出した ぺーろぺろする時はいつも幸せだったのに、今しているぺーろぺろはただただ虚しい 「みゃみゃ! みちぇみちぇ! あのれいみゅかべしゃんをぺーりょぺりょしてりゅわ!」 「しっ! みちゃだめよ! あのれいむはちょっとあんこがふじゆうなのよ、かわいそうなのよ」 「どうしちぇ? いにゃかもにょなにょ?」 「そんなこといったらとかいはになれないわよ! さ、もういきましょ。 かえったら、ままがぺーろぺろしてきれいにしてあげるわ」 「ゆん! みゃみゃのぺーろぺろはとっちぇもゆっくちできりゅわぁ!」 野良のありすの親子が通りかかって話しているのが聞こえた れいむは清掃をやめて、その親子をじっと見つめていた れいむは生まれてすぐに親から引き離され、金バッチをつけた他ゆんのありすやれいむに育てられた 育ての親の言うことを素直に聞いていたのでゆっくりショップの人間さんはやさしくしてくれた だから、れいむは人間さんの言うことをきちんと守ればゆっくりできると信じている 野良が庭にやってきても無視してやりすごしたし、一緒に遊ぶようなことはなかった 野良は自分勝手でルールをわきまえないとてもゆっくりしていないもの そういう認識を加工所で刷り込まれたれいむにとって野良とはそういう存在だった だが、ありすの親子はとってもゆっくりしていた その理由をれいむは理解できない 「ゆぅ? もしかしてのらはゆっくりできるの? みんなはれいむにうそをついてたの?」 子ゆっくりのころに去勢されたれいむはぼせい(笑)の形成に至らなかった ぼせい(笑)が存在しないため、おちびちゃんはゆっくりできるという感覚も存在しない そのため、ありすの親子がゆっくりしていたのは、親子が一緒だからではなく野良だからという認識にすり替わる 加工所やショップで言われ続けていた野良はゆっくりできない存在という認識が揺らぎ始めた 極度のストレスと疲労が伴ってれいむの判断能力は劣化していたこともあり、疑念が頭をもたげる 「こんなことなられいむものらになりたいよ。 のらがあんなにゆっくりできるなんてれいむしらなかったよ・・・」 あんよがずーりずりと外の世界へと向かって無意識に動いていく 門を出ればすぐに外の世界へと出て行けるのだ 後少し、もう少しでゆっくりできる・・・ 「なにかんがえてるんだろうね・・・ れいむはおにいさんにせいいさんをみせてゆっくりするんだよ・・・」 お兄さんの存在を思い出して足を止めるれいむ もしここで外の世界に出て行ってしまったら、お兄さんはもう二度と許してくれないだろう もう一度・・・もう一度お兄さんとゆっくりするんだ! れいむは確固たる決意の元、与えられた課題へと取りかかった 「お~頑張ってるじゃねーか。 正直ここまでやるとは思わなかったぞ」 「ゆん! おにいさんじゃましないでね! れいむはがんばってるんだよ! がんばってせいいさんをみせておうちにいれてもらうんだよ!」 「そーかそーかいい心がけだな。 そんなれいむにプレゼントをもってきてやったぞぉ」 「・・・ぷれ・・・ぜんと・・・さん?」 プレゼントという単語に凍りついてしまうれいむ お兄さんが抱えている、がさごそと動く段ボールに視線が釘づけになる 「お、その様子だとプレゼントがなんなのか大体察しがついてるようだな じゃあ早速御開帳といこうか。 今日のプレゼントは元気なおちびちゃんでーす!」 お兄さんはそう言って段ボールをひっくり返して中身をぶちまけた れいむ種とまりさ種が五匹ずつ計十匹の赤ゆっくり達が地面にぼとぼとと落ちてくる 「おとおしゃあああん!? おきゃあしゃああああん!?」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい! いちゃいよおおおおおおおおおおお!」 「まりしゃのおぼうちかえちちぇえええええええ! ゆんやああああああああああ!」 「どびょじじぇごんにゃごじょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆぅ・・・ いたいのはいやなんだじぇ・・・ こわいんだじぇ・・・」 「もうやじゃあああああ! れいみゅなんにもわるいこちょしちぇないのにいいいいい!」 「かわいいれいみゅがなんでこんにゃめに・・・・」 「おきゃあしゃん・・・・ おとうしゃん・・・・・」 「ゆっ・・・ゆっ・・・」 「ゆんやあああああああああ! ゆんやあああああああああああ!」 「おちびちゃんたち!? ゆっくりしていってね!? ゆっくりゆっくり!」 突然外に放り出された赤ゆっくり達は一斉に泣き出した 中には瀕死の者もおり、れいむはどうしていいか判らず狼狽する そんな光景を見てにっこりとほほ笑むお兄さん 「それ、食え」 「・・・・・ゆ ・・・・・お兄さん? いまなんて?」 「食え。 残さず全部食え」 「これ、ゆっくりだよね? おちびちゃんだよね?」 「だからなんだ。 食え」 「で、できないよ・・・ おちびちゃんなんかむーしゃむしゃしたら・・・」 「できぬともうすか。 いま、できぬともうしたか」 「ゆぅ?」 「食わないならお前はもう許さない。 お前はそこで乾いていけ」 「そ、そんな・・・」 「どうした、はやくしろ」 「ゆう・・・・ れいむは・・・」 泣き叫ぶおちびちゃん達 じっとれいむを見つめるお兄さん ゆっくりの中での最大の禁忌である同族食い そしてもう一つの禁忌、おちびちゃん殺し れいむはその片方を既に犯している もう片方も犯せば、れいむは立派なゲスゆっくりになってしまう 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 れいむの中で、理性よりもお兄さんへの恐怖が勝った 「おちびちゃんはれいむにゆっくりたべられてね。 はーみゅはみゅ」 「ゆぴぃ!? ゆんやああああああああああ! はなしちぇええええええええ!」 れいむは一匹の赤まりさを咥える 咥えられた赤まりさはぶりんぶりんとあんよを左右に振って抵抗している なかなか踏ん切りがつかないのか咥えたまま動かないれいむ そんなれいむにお兄さんはあるものを注射器で注入した 「ゆひぃ!? ほひひはん?へいふひはひひはほ? ・・・はんはははははははふふはっへひはほ?」 注射器のラベルには『コンポストゆっくり用食欲増進剤 精神強化成分配合』と書かれている れいむは頭がぼーっとして身体が熱くなっていくのを感じると同時に今まで感じたことのない空腹感を感じた まるで三日三晩食事を取らなかったような飢え めがぐーるぐるして、舌がピクピクとひきつる 「はなしちぇええええええええ! まりしゃまじゃしにちゃく『ぐちゃ!』・・・!」 咥えていた赤まりさを噛み潰したれいむ その光景を見て、他の赤ゆっくり達は一斉に逃げ出した 「なんだかとってもおなかがすいたよ! れいむはたっくさんむーしゃむしゃするよ!」 「こっちにくりゅなあああああああ! このげすうううううううううううう!」 一匹の赤れいむに狙いをつけて飛び跳ねるれいむ すばやく回り込んで赤れいむをもみあげでつまみあげる 「はなしちぇえええええええええ! れいみゅをたべにゃ『げちょ!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 光悦の表情を浮かべるれいむ 眼下で息を切らしてお腹に体当たりをくり返す赤まりさに気づく 「きょうぢゃいをこりょしちゃげしゅはまりしゃがせいっしゃい!しゅりゅのぜえええええ! ゆっくちしにゃいでしゃっしゃちょ・・・ゆわあああああああ! はなしちぇええええええ! ゆるしちぇええええ『げしょげしょ!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 「ゆわあ、あ、あ、あ、あ・・・・ みんにゃてべられちゃうのじぇ・・・」 「きょわいよおおお・・・ れいみゅもうしんじゃうにょかなぁ・・・」 「ゆうううう・・・ おきゃあしゃん・・・ おちょうしゃん・・・」 「どびょじぢぇ・・・ どびょじぢぇごんにゃめに・・・」 壁の隅にひと塊りになって震える赤まりさと三匹の赤れいむ れいむは大きく広げた口でそれらを被うと、口を閉じて一気に噛み砕いた 「しあわせええええええええええええええ!」 「ゆっ・・・ゆげえええええええ!」 「ゆっ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 「しあわせええええええええええええええ! しあわせええええええええええええええ!」 精神的に追い詰められて餡子を吐く赤まりさと既に瀕死になっていた赤れいむ それらを食べ終え、最後の一匹になった赤まりさににじり寄っていくれいむ 「ゆわぁあわわわ・・・・ まりしゃ・・・おいしくにゃいよ? たべちぇもおいちくにゃいよ? おねがいぢゃかりゃこっちにこにゃいでにぇ? まりしゃとゆっくちしてにぇ?」 「かわいいれいむはむーしゃむしゃするよ!」 「ゆんやあああああああああああ『ぷしゃああああああああ!』あああああああああああ!」 赤まりさの下腹部から、おそろしーしーが勢いよく噴出される がたがたと震える赤まりさを前に、れいむは笑顔で宣言した 「ゆっくりいただきます!」 「やめりょおおおおおおおお! しにちゃくにゃあ『ぎっちょん!』・・・!」 「しあわせええええええええええええええ!」 全ての赤ゆっくりを完食し終えたれいむ そんなれいむにお兄さんはこう言った 「見ろよ、あのれいむゆっくりしてないだろ?」 「あんなにかわいいおちびちゃんをたべちゃうなんて・・・ このゆっくりごろし・・・」 「みゃみゃぁ・・・ ありしゅこわいわぁ・・・」 お兄さんの傍らには、先ほどのありすの親子がいた 4 「おにいさん! おにいさんにもらったぶろっくさんで ありすのおちびちゃんがとってもとかいはなこーでぃねいとをしたのよ!」 「みちぇみちぇ!おにいしゃん! ありしゅがんばっちゃわ!」 「すごいなぁ! ありすもありすのおちびちゃんもとっても都会はだな!」 お家の中からは楽しそうなお兄さんとありす親子の声 れいむはそれを聞くと惨めな気持ちになるので聞かないようにしていたが、嫌でも耳に入ってくる れいむが赤ゆっくりを食い殺したあの後、お兄さんはれいむではなくありすの親子を家に入れた お兄さんは新しくありす種が飼いたくなったのでつれてきたとのこと れいむにとってはあてつけにしか思えなかった 毎日のように聞こえるありす親子の生活音 それを聞くたびにいーらいらするれいむ れいむはただただ耐え続け、今日も壁を綺麗にする 「とってもとかいはならんちさんだわぁ! おにいさんゆっくりありがとう! ほら、とちびちゃんもおれいをいいなさい!」 「おにいしゃん! ゆっくちありがちょー!」 「いいんだぞー! いっぱいたべてゆっくり大きくなってね!」 れいむの大好きなべーこんごはんさんの臭いがする 臭いだけ嗅がされておなかが情けない音を立てた もうここ何日もまともなごはんを食べていないれいむにとっては拷問だ 「ゆうううぅぅぅぅ・・・ れいむのべーこんごはんさん・・・・」 空腹を紛らわすために、その辺に生えていた雑草を毟って口に入れるれいむ もう雑草の味には慣れたがちっともゆっくりできない 「みゃみゃ! ありしゅこーりょこりょすりゅからみちぇちぇにぇ! こーりょこりょ!」 「とってもとかいわなこーろころだわぁ! おにいさんもみてあげてぇ!」 「可愛いなぁありす! もっかいこーろころして見せてくれるか?」 「ゆっくちりかいしちゃわ! こーりょこりょ!」 楽しく遊ぶありす親子とおにいさん 前はれいむがお兄さんを一人占めして一緒に遊んでいた 「おにいしゃんしゅーりしゅりしちぇ! しゅーりしゅり!」 「だめよ、おちびちゃん! おにいさんはいまてれびさんをみてるのよ!」 「いや、かまわんぞ。 ほーらこっち来い、すーりすり」 「ゆわぁい! おにいしゃんのおちぇちぇとっちぇもあっちゃかいわぁ! ありしゅ、おにいしゃんのおちぇちぇだーいしゅき!」 お兄さんの手にすーりすりする赤ありす その手はれいむだけに優しくしてくれる温かい手だった 「ありしゅ、にゃんぢゃかにぇむいわぁ・・・」 「ちょっとおひるねにしましょうか・・・ おちびちゃんゆっくりおやすみなさい」 「ありしゅおにいしゃんとねむねむしちゃいわ・・・」 「ああ、いいぞ。 ありすもこっちに来いよ」 「ええ!? いいの!? おにいさんはほんっとう!にゆっくりしたにんげんさんね!」 「それほどでもあるよ。 さぁ、みんなでゆっくりお昼寝しようか」 「ゆぅ・・・ ありしゅ・・・ おおきくなっちゃらおにいしゃんのおよめしゃんになりゅ・・・ゆぴー」 お兄さんとお昼寝するのはれいむの特権の筈だった 今は別のゆっくりがおにいさんの手の中で眠っている 「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ゆっくりしないでかべさんはきれいになってね! ぺーろぺろ!」 れいむは早くお兄さんを取り戻そうと躍起になった しかし、れいむの小さな舌では壁を綺麗にするのには時間がかかりすぎる まだ四分の一も終わっていないのだ 「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ぺーろぺr・・・・ゆぐうううううううう!!! なんででいぶがごんなごぢじなぐじゃいげないのおおおおおおおおおおお!? おにいざんあんなにやざじがっだのにいいいいいいいいいいいいいいいい!!! なにがいげながっだの!? なにがわるがっだの!? でいぶはなにぼあやばればいいぼおおおおおおおおおおお?」 壁に額をつけて、ぽろぽろと零れ落ちる涙を見つめるれいむ 奪われてしまったしあわせ 終わらない課題 ゆっくりできない食事 変わってしまったお兄さん 何が問題で、何が悪かったのか れいむにはとうとう答えが分からなかった 永遠と続くと思われた絶望的な生活 だが、そんな日々は突如として終わりを告げる 「おにいしゃんはなしちぇええええええ! みゃみゃあああああああ! どぼしちぇたしゅけちぇくりぇにゃいにょおおおおおおおおおお!?」 「ごめんなばい! おでがいでぶがらおじびじゃんぼばなじでぐばばい!」 「うるせーよこの屑ども。 あんなに可愛がってやったのに恩をあだで返しやがって」 「どぼしちぇこんにゃこちょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおお!? ありしゅなんにもわりゅいこちょしちぇないにょにいいいいいいいいいいい!!!」 「だべえええええええええええええ! ぞんなごどいっじゃだべええええええええ!! おでがいだがらおにいざんにあやばっでええええええええええええええええええ!!」 「はー・・・ どうしようもねえクソ餓鬼だな お前死刑確定だから。 ゆっくり苦しんで死んでいってね」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいい!!! もうやじゃ! おうちかえりゅううううううううううううううう!」 お兄さんにつかまれている赤ありすと、顔をぐしゃぐしゃにして謝り続ける親ありす そんな二匹をお兄さんは汚物でも見るかのように見ていた れいむが外から家の中を覗くとカーペットの上にシミができている どうやら赤ありすが粗相をしてしまったようだ 「おい、れいむ! いるか?でてこい!」 「ゆぅ、れいむはここだよ。 おにいさん」 庭に出てれいむを呼ぶおにいさん れいむは一目散にお兄さんのところへ跳ね寄っていく 「これ、食え」 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」 「おにいざああああああああああああああん! やべべええええええええええええええ!!!」 さも当然とでも言うかのように言い放ったお兄さん 赤ありすはこのお家に来た日に、れいむがおちびちゃんを食い殺しているのを見ていたので必死に抵抗する 親ありすの方は、泣きながら懇願しつづけていた 「おでがいでずがらおちびじゃんぼごろざないでぐだざいいいいいいいいいいいい!!!」 「言ったよなぁありす。 こいつがトイレで失敗しないようにちゃんと面倒見ろって」 「ありずはじゃんどおじえだわ! でぼじょっどめをはなじだずぎにいいいいいいいいいいいい!」 「阿呆が。 今回だけじゃねーだろーが。 こいつが何回失敗したか覚えてるか?」 「ええっと・・・ いち、にい、たくさん・・・ だぐざんでずうううううううううううう!!!」 「だろぉ? トイレの場所も覚えられないゴミ屑は死んだ方がいいよね! ゆっくりりかいしてね!」 「ぞんだあああああああああああ!!! もういっがいだげじゃんずぼぐばばいいいいいいいい!」 「嫌だよ、何度もチャンスやったのにそれを不意にしたお前が悪い」 「どぼじでえええええええええええええええええええええ!!!」 「ゆんやああああああああああああああ! みゃみゃあああああああああああああああ!」 れいむは呆れた トイレの場所も覚えられないなんて、なんてバカなんだろう れいむが同じくらいの大きさだったころはトイレの場所はおろか数や文字まで覚えさせられていた その程度もできないのにれいむのお家で暮らし、お兄さんを一人いじめしていたなんて・・・ 「おにいさん! はやくそのくずをちょうだいね! れいむはおなかがすいてるんだよ!」 「お、れいむはほんとにいい子だな~! 流石は加工所産だけあるな」 「なにいってりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなああああああああ!」 れいむは子ありすを直ぐにむーしゃむしゃできるように身構えていた 憎きありす親子に自ら制裁をくわえることができるのだ 楽しくないはずがない 「いくぞ~! ほ~れ!」 「ゆぴいいいい! おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいいいいいい!?」 「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなあああああああ!」 放り投げられた子ありす、踏みつけられて身動きとれない親ありす れいむは落下予測地点に先回りして口を大きく開けた その中に子ありすがすぽりと入り、れいむは思いっきり口を閉じた 「ゆんやああああああ! ありしゅまだしにt『びちぃぐちゃ!』・・・!」 「むーしゃむーしゃ! むーしゃむーしゃ!」 子ありすが絶命しても執拗に噛み砕くれいむ まるで今までため込んできた不満を全てぶつけるかのように・・・ 「しあわせえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」 「あでぃずのおじびじゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!」 久々に心の底からゆっくりを感じたれいむ 絶望の真っ只中に叩きこまれたありす お兄さんはそんな二匹をみて満足そうにほほ笑むとお家の中に入って行った 5 「はやくしてね! れいむはおこってるんだよ!」 怒りの声を上げるれいむ 口には錆びた錆びた釘を咥えている 庭にはれいむのほかにありす、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんがいる れいむ以外のゆっくりは総出で家の壁をなめて綺麗にしている 「ごべんなべい! あやばりばずがらゆるじでぐださい!」 「もうへとへとなんだぜええええ! おねがいだからゆっくりさせてほしいのぜええええ!」 「むきゅ・・・エレエレエレ。 もっど・・ゆっぐじ・・・」 「わぎゃらないよおおおおおお! ぱちゅりーしっかりしてねええええええ?!」 ぱちゅりーが中身のクリームを吐きだして、心配そうに駆け寄る一同 れいむはそんなゆっくり達に満面の笑みを浮かべて言い放った 「ぱちゅりーはきょうのごはんさんだよ! れいむがむーしゃむしゃするからね!」 「「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」 驚愕するゆっくり達を放っておいて、れいむはぱちゅりー近寄ってほっぺをガブリと食いちぎる 「むーしゃむーしゃ・・・・しあわせええええええええええええええ!」 ぱちゅりーを食べたれいむはとてもゆっくりした表情を浮かべた 他のゆっくりは寄り添ってがたがたと震え、恐ろしーしーを漏らす 「なにしてるの!? さっさとかべさんをぺーろぺろしてね! きょうののるまさんをたっせい!するまですーやすやもきんしだからね!」 れいむは咥えた釘を振りかざし、生き残ったゆっくりを仕事へと駆り立てた あれからお兄さんは野良を拾って来て、その野良に何か不都合なことがあるとお庭に放り出した 外に出されたゆっくり達は庭に住んでいるれいむに番や姉妹を食われ、以後奴隷としてれいむの課題を手伝わされている 「よぉ、れいむ。 今日も精が出るな」 「ゆゆ? おにいさん? あたりまえだよ! れいむはがんばってるんだよ!」 「そーかそーか。 で、結局怒られた理由は分かったのか?」 「ゆぅ? りゆうさん? なにそれおいしいの?」 「ふっ・・・そんなもんか。 まあいい、今日でお前のことをゆるしてやるよ」 「ゆーん!? ほんとうなの!? れいむ、もうがんばらなくてもいいの!?」 「ああ、もう頑張らなくていいんだぞ そうなるとそいつらはもういらないよな。 全部食って処分しとけよ」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「「「どぼじでぞうなるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」 涙を流して嘆く野良達はれいむがにじり寄ると直ぐに身構え戦闘態勢に入った 沢山の野良を食らい体調良好なれいむ 僅かな食事しか与えられず貧弱な身体を酷使してきた野良 結果は比を見るより明らかだ 「いぢゃいいいいいいいい! までぃざにひど『ぶすり』ゆぎゃあああああああああああ!」 両目を刺された後まむまむに釘を突っ込まれたまりさ 「わぎゃらないよおおおお! どぼじでごんな『むしゃり』・・・!」 顔面を容赦なく噛みちぎられて断末魔も上げられず絶命するちぇん 「のろってやるううううう! ごのいながぼの『へしゃり』ごべええええええええええええ!」 身体を抑えつけられて不自然な方向へと無理やりへし折られたありす 「れいむのすーぱーむーしゃむしゃたいむはっじまっるよー☆」 物言わぬ饅頭になった四体の野良に、れいむはドヤ顔で言った 苦労の末に獲得したしあわせーな食事 れいむは夢中でむしゃぶりつき、作業着の人間さんがお兄さんのお家を尋ねてきたことに気づかない 「あ、どーもー! お待たせして申し訳ありませ~ん」 「別にいいんですよ。 あれを引き取ってもらえればいいだけなんで」 「はぁーい。 ではさっそく・・・ うわ!これはひどい・・・」 「もう手がつけられなくてどうしようもないんですよ・・・」 明るい声で挨拶をした作業着の人間さんは、れいむを見て絶句した おいしそうに同族を食べるれいむ 口の周りは餡子やカスタードでべたべた ゆっくりが饅頭とは言え見ていてあまり気持ちの良い物ではない 「ええっと・・・ じゃあ、連れて行きますね・・・」 「はい、助かります。 支払いはクレジットでも大丈夫ですか」 「あっ・・・ はい、大丈夫ですよ。 ちょっと待っててください」 「ゆーん! がんばったれいむへのごほうびさんだよ! むーしゃむーしゃ!」 「おい、れいむ!」 作業着のお兄さんが支払い用の端末を取りに行くとお兄さんはれいむを呼んだ れいむは食事を中断され不機嫌そうに膨れるが、お兄さんに呼ばれたので直ぐに笑顔になってすり寄っていく 「おにいさん! れいむがんばったよ!」 「ああ、頑張ったなれいむ。 そんなことより、れいむ。 今日でお前とはお別れだ」 「ゆーん! おうちにいれ・・・ゆぅ? おわ・・・かれ・・・?」 れいむはお兄さんの言っていることが理解できない お別れという言葉に思考がフリーズする 「そうだ、お前は加工所に連れて行って処分してもらう」 「しょ・・・ぶん・・・?」 「永遠にゆっくりさせるってことだ」 「ゆううううううううううううううう?! なんでえええええええええ!?」 「さあ、なんでだろうな。 そんなことよりれいむ、怒られた理由は分かったか?」 「ゆぅ!? ぞんなのわがらないよ!? でもでいぶがんばっだんだよ!? ぜいいざんをみぜでばんぜいじだんだよ!?」 「だろうな、お前は怒られた理由も分からないで俺に謝罪して反省したわけだ」 「ぞうでず!!! でいぶはおごられだりゆうばわがりばぜん! でぼいっじょうげんべいばんぜいじばじだ! あやばりばじだ! だがらでいぶを『・・・だよ』・・・ゆ?」 「もともと理由なんてなかったんだよ。 お前は俺のと言った通りずっといい子にしてた 勝手にむーしゃむしゃすることも、野良っとすっきりして子供を作ることもしなかった お前はゆっくりにしては聞き分けのいいやつだったよ」 「・・・じゃあ、どぼじで?」 「だから理由なんてないっていっただろ。 まぁ、早い話飽きたんだわ」 「・・・あきたさん?」 「そうだ、だからお前を家の中から閉め出した だけどお前は自分が何か悪いことをして追い出されたと勘違いした。 ただそれだけなんだわ」 「どぼじで・・・? どぼじでなのおおおおおおおおおおお!? でいぶがいいごにじでだらあんばにぼめでぐべばぼびいいいいいいいいいいい!!!」 「この数日間、理由も解らないで必死に反省してるお前を見てて十分楽しめたよ まぁ、お前の言葉を借りて言うならゆっくりできたってとこだな」 「じゃあ! じゃあ!!! でいぶをもういじどがっで『それはできない』どぼじでえええええ?!」 「言ったろ、飽きたって。 もうお前がどうなろうが知ったこっちゃない」 「ゆうううううううううううううううううううううう!!!! なまいぎなぐじをぎいでごべんばばい! ばんぜいじでばぶごべんばばい!!!」 「必死だな、おぃ」 泣いて額を地べたにこすりつけるれいむをニヤニヤと見下ろすお兄さん 「おまたせしました~」 作業着の人間さんが戻ってくるとお兄さんはニヤついた顔をキリっと引き締めた 支払いが済むと作業着の人間さんは透明な箱にれいむを入れた 加工所特性のゆっくり専用防音ケースである 「お゛に゛い゛ざあああああああああああああ『パタン』・・・・」 「じゃあ、お願いしますね」 「はい、でも本当にいいんですか? 銀バッチでとっても懐いてるみたいですけど」 「昔はいい子だったんですよ、でも今は・・・」 そう言って庭に目をやるお兄さん 庭にはれいむが食い散らかした野良の死体が散乱している 「・・・確かにこうなったら手放したくなるのも無理はないですよね」 「すみません、情が湧くといけないので・・・」 「あ、はい。 では、またご利用になる時はよろしくお願いします」 「はい。 ありがとうございました」 「いえいえ。 こちらこそ・・・では」 挨拶を終え、乗って来た軽トラックの荷台にれいむを放り込んで出発する作業着の人間さん お兄さんは無言でそれを見送った 「ばんぜいじでばずごべんばばい! でいぶばわるいごでじば! げずばゆっぐぢでじだ! あやばりばずがらゆるじでぐばばい!! おべがいじばず! だのみばず! ごでがらばごごぼをいべがべでいいごにじばず! だがらッ! だがらああああああ!!!!」 れいむは透明な箱の中で、誰に聞かれることもない謝罪を繰り返していた 終 あとがき 前回『anko2410さくのなかとそと』を投稿させていただいた者です どうやら沢山の方に読んでいただけたようで、大変ありがたいことです にとりあきさんには素敵な挿絵を書いていただき、本当にありがとうございます 皆さまにこの場を借りてお礼を申し上げさせていただきます 今回の作品はいかがでしたでしょうか 感想がございましたら感想板に書き込んでいただけると大変助かります 次回の作品の参考にさせていただきたいと考えているので 遠慮なく思ったことを書いて頂ければ幸いです では
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軍希望者の方 コメントしてねコテハンをかいてください 希望します。 -- 刹那 (2010-01-04 17 48 27) よろしくね^^ -- 創世記 (2010-01-04 17 48 59) よろしくです^^ -- カプコン (2010-01-04 17 49 31) うん -- たいつぉん (2010-01-04 17 50 19) 軍とか興味ない -- 赤ずきん (2010-01-04 17 50 58) やあ。暇だからな -- バイト喧嘩師 (2010-01-04 17 57 31) 暇だから希望しま○こ!!! -- ナマジ (2010-01-04 17 58 37) -- ファントム (2010-01-04 19 20 06) よろしくっす -- ベル坊 (2010-01-05 12 26 34) えーっと、よろしく。 -- 罵倒師カウンセラー (2010-01-06 13 22 05) 精一杯がんばりますのでよろしくお願いしまっす。(。・A・´∩ -- エルフェン (2010-01-06 15 56 38) あんまり知名度は高くないですが喧嘩には自信あります。改造ならだいたいできます。んまぁよろしく -- ガロ (2010-01-06 18 02 31) ほぼ毎日きますよろしくっ! ゆうや -- ゆうや (2010-01-06 22 43 47) どうも平和の使者です。これからよろしくお願いします。 -- 平和の使者 (2010-01-08 18 38 22) コテハンです -- コフィ (2010-01-08 18 38 48) がんばればいいんだ、、、そして雑魚を一掃 -- 輪廻を巡りし者 (2010-01-09 19 46 10) 希望です -- 真理@崩壊 (2010-01-09 19 54 23) ちびちゃと連合軍・・・入軍求む -- 幻雷斬 (2010-01-09 21 16 23) @ -- GLeGLe (2010-01-16 09 38 35) 希望します -- ガゼル (2010-01-16 17 06 00) よろしくお願いします!!! -- 南無阿弥陀仏 (2010-01-16 18 17 36) 何度もすみません!攻撃部隊に入りたいです!! -- 南無阿弥陀仏 (2010-01-16 18 22 12) 戦闘部員に入らせてください!!! -- 南無阿弥陀仏 (2010-01-17 13 26 20) 中層喧嘩師です。登録入会します、よろしく。 -- 林 (2010-01-17 16 57 04) うわーすげえ人数だなぁ -- 左近 (2010-01-19 11 45 17) あいてる所でもいいから入団希望 -- 喧嘩師賢者 (2010-01-19 12 01 30) 希望します! -- GReeeeN (2010-02-02 20 36 35) どこでもいいから入れさせて!!! -- レミリアスカーレット (2011-02-11 21 18 54) おねがいします、いれさせてください、俺は特攻隊長にはいりたいです -- 怪力男 覚醒モード (2012-04-29 12 30 37) あんまり、きょーみ ない。。。 -- ペペ (2013-04-18 19 28 27) ていうか。この軍隊、なにすんの?? -- ペペ (2013-04-18 19 31 00) 希望人数、多い!!! -- ペペ (2013-04-18 19 33 29) 初心者です 宜しくお願いします -- 名無しさん (2013-07-06 18 35 03) 名前 コメント
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』8 泣き喚き懇願する母親たちの目の前で、 子供たちの足はすべて焼かれた。 「ゆびぃぃぃぃ……ゆびぃぃぃぃ……」 「いぢゃいよぉぉ………ありゅきぇにゃいい………」 「おきゃあしゃぁぁん………しゅーりしゅーりしてぇぇ……」 「おちびちゃん……おちびちゃあああん……」 頬を涙でびしょびしょに濡らしながら、 親れいむ共は透明な壁に頬を押し当てている。 すーりすーりをしようにも壁に遮られ、歯噛みするしかない。 「おにいさん……すーりすーりさせて……」 「もういいでしょう……?」 「れいむたちがわるかったです…… あやまります……なんでもします……おちびちゃんを……」 見違えるほどしおらしくなり、懇願してくる親れいむ共。 その様子を見届け、俺は次の道具を手に取った。 ガラス箱のすぐ前に、蝋燭立てを一本ずつ並べていく。 本数は九本。それらは鉄製の太い針状をしており、 火皿から上の針はかなり長く、10cmほど突き出ている。 よくわからない。 よくわからないが、ゆっくりできない気がする。 それだけは見てとった親れいむ達が目を見開き、 震えながらおどおどと俺を見上げる。 「おにいさん……?」 「ゆぎいいいいいいいあああああぁぁぁ!!!」 一匹の赤まりさを持ち上げ、焼かれた底部を針に突き刺した。 中心部の中枢餡を慎重に避け、背中側を刺し貫く。 「いぢゃいぢゃいぢゃいいいいいいいいい!!!!」 「おぢびじゃああああああああ!!!」 「いいいいいいああああああゆっぎゅりでぎだああああああい!!」 餡子が漏れ出してしまわぬよう、ゆっくりゆっくりと深く貫いていく。 体の中を鉄製の針が貫き擦っていく激痛に、赤まりさの体が激しく痙攣する。 親れいむと赤ゆっくり共の絶叫が響く中、 赤まりさは貫通した針の根元、火皿にまで押し当てられた。 次の赤ゆっくりを手に取る。 火皿は九本。 泣き喚き逃げまどい、透明な箱に顔を押しつけて母親に助けを求める赤ゆっくり共を、 次々と蝋燭立てに突き立てる。 我が子を蹂躙される親れいむ共の悲鳴は留まることを知らない。 足りないな、と俺は思った。まだまだだ。 「いぢゃいいいいい!!!いぢゃいいいいい!!!」 「ゆああああぁーっゆわああああああーーーーっ」 蝋燭立てに貫かれて泣き叫ぶ赤ゆっくり共の前に、道具箱を置く。 まずは釘。 手早く、手近な赤れいむの左目に俺は釘を突き刺した。 中枢餡に届かないように力を抑えているので、釘は半分ほどまでしか刺さらない。 「ぱぴゅうううううううううう」 面白い悲鳴を上げて痙攣する赤れいむ。 「おぢびぢゃんのおべべがああああああああ!!?」 もう一本を取り出し、残った右目にも突き立てようと近づける。 すると、赤れいむが親れいむの方を見て呟き始めた。 「おきゃあしゃん……たしゅけちぇ……… りぇいみゅいいきょになりゅかりゃ…………」 親れいむ共が絶叫で答えた。 「おぢびぢゃああああああん!!!」 「りぇいみゅは……わりゅいきょなんだにぇ…… きょんにゃ……きょんにゃこちょ……しゃれるにょは…… わりゅいこちょしちゃんだにぇ…… ごめんなしゃい……ごめんなしゃい……」 「でいぶのあがぢゃああああんんん!!! おにいざあああああんおでがいじばずううううう!!」 「りぇいみゅ……きょわいよ…… おみぇみぇみえなきゅにゃるのいやだよ…… いいきょになりゅかりゃ……しゅききりゃいしにゃいよ…… わがみゃみゃいわにゃいよ……おてちゅだいもしゅりゅよ…… だから……たしゅけちぇ…… おきゃあしゃんたしゅけちぇ………」 泣き咽び、箱の壁にへばりつきながら、 親れいむ共は涙と涎をまき散らし、口々に赤れいむに呼びかける。 「おちびちゃああん!!わるくないのおおおお!! おちびちゃんはわるぐないんだよおおおおお!!! おちびちゃんはどっでもいいごだよおおおおお!! どっでもがわいい、ゆっぐりじだいいご!!! ぜがいでいぢばんゆっぐりじだいいごなのおおおおおおお!!!」 「びゃぎぃいいいいーーーーーーーーーーーっ」 残った右目にも釘を突き立てると、親れいむ達の悲鳴が爆発した。 「おぢびじゃああああああああああああーーーーーーっ!!!!!」 かはっ、かはっ、と荒い息をつく赤れいむ。 必死に呼びかける親の声にやがて答えた。 「おきゃあしゃん……みえにゃい……みえにゃいよ…… りぇいみゅのおみぇみぇ……みえにゃい…… まっきゅら……きょわいよ……きょわいよううう…… おきゃあしゃあああん……どこおおお……」 「ここ!!ここ!!ここにいるよおおおおおお!!! でいぶのがわいいがわいいおぢびじゃああああんん!!」 「びゅうううぐううう!!」 それからは手早く済ませる。 赤れいむの体中に、たちまち二十本の五寸釘が突き立てられた。 あまり刺しすぎると皮が裂けて餡子が漏れ出してしまうからこのあたりが限界だ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「あがっあっ、ゆぐううっおぢびぢゃっゆあああ」 母子ともにひくつき始めた。 次に赤れいむの舌を引っ張り出す。 目一杯引っ張ると、およそ5cmほどに伸びた。 その舌に、また五寸釘を五本ほど突き立てる。 「あぅがああああああ!!!」 赤れいむの何十度目かの絶叫が響く。 五寸釘の重みで、舌はだらりと垂れ下がった。 最後に、蝋燭立てを本来の用途に使う。 赤ゆっくりを貫く鉄の針に、蝋燭を縦に突き立てた。 かなり太い蝋燭で、たっぷり半日は持つだろう。 赤ゆっくりの頭上に立つ蝋燭に火をつける。 蝋が垂れるのを待つ間に、他の八匹の赤ゆっくり共にも同じ処置を行う。 両目を潰し体中を刺し舌を垂れ下がらせる。 親れいむ共のすぐ目の前に、九本のキャンドルが並べられた。 苦痛に染まった赤れいむ共の潰された目が、 恨めしげに親れいむを凝視している。 「ゆわぁぁぁぁ………ゆわぁぁぁぁ……… おぢびぢゃ……おぢびぢゃ………」 「がわいいあがぢゃん………ゆがああぁぁ……」 「いだいいい……いだいよおおおお………」 つい今しがた、腹を痛めて出産した子供たちの有り様を見て、 涙の水たまりに浸かりながら、なおも涙を流し嗚咽する親れいむ共。 感情移入して、刺されてもいないのに痛がる親もいる。 「ゆぎゃあああああ!!」 赤ゆっくりが叫びだした。蝋が垂れはじめたのだ。 釘に刺し貫かれた体中を、熱い蝋が次々に落ちてきては撫でていく。 その度にびくんと身を震わせて絶叫する赤ゆっくり共。 舌を引き出された状態での悲鳴は言語にならない。 「びぃ!!ひぃい!!あいぃいい!!」 「おぢびぢゃあああああああーーーーーっ」 「おにいざああああん!!おにいいざあああああああん!!」 餡子がなくならないかぎり、ゆっくりは死なない。 たとえ赤ゆっくりがここまでされてもだ。 ひとまず蝋がなくなるまで、苦痛に歌い続ける子供を楽しんでもらおう。 俺は部屋を後にした。 「おにいいざあああんまっでえええええええ!!」 「おでがいいいい!!おでがいだがらおぢびぢゃんだぢをおおおおお!!」 「だずげでぐだざあああああい!!だずげでええええええ!!」 「でいぶがみがわりになりばずうううううううう!!!でいぶうううううう」 翌日、俺が部屋に入ると、憎悪と懇願の入り混じった視線が集まってきた。 箱の中のれいむ四匹は一晩中子供たちの前で泣き明かしており、 目は充血ならぬ充餡で黒っぽくなっている。 「おちびちゃん……たすけてください……」 「おねがいします!!おねがいします!!まだいきてるんです!!」 九本のキャンドルを見ていくと、確かにどれも生きていた。 溶けきった蝋にほぼ全身を包まれているが、 慎重に口の部分をこそげ取ってから、 刺さっている釘をこじってやると苦痛に叫びが上がった。 「ぴびぃいい!!」 「おちびちゃああああん!!」 「ここにいるからね!!おかあさんここにいるからねえええ!!」 蝋まみれで火皿に固定されている赤ゆっくり共。 皮が破れて中の餡子が漏れないように助けるには、 全身の蝋をこそぎ取り、慎重に引き抜かなければならない。 面倒なのでもう殺してしまうことにする。 代わりはいくらでもいるのだ。 一匹の赤れいむを掴み、ぶちりと力まかせに引き抜く。 「びぎゃあっ!!」 鋭い悲鳴を上げてびくびくびくと暴れる赤れいむ。 背中側に頭頂から底面にかけて大きな裂け目ができた。 ぼたぼたと餡子を漏らす蝋と釘まみれのそれを、箱の中に投げてよこす。 「ゆあああああああ!!おぢびぢゃああああああ!!」 生みの親らしき子れいむがそれに駆け寄る。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 箱の床に叩きつけられた拍子に、刺さっていた釘が奥深く突き刺さったようだ。 まず中枢餡はぐしゃぐしゃだろう。 「あがぢゃああああん!!ゆっぐりじでいっでね!!ゆっぐりじでいっでね!! おがあざんがべーろべーろじであげるがらねええええ!!」 必死に舌を伸ばして舐めようとするが、 針刺しのように突き刺さった釘と体中を覆う蝋の隙間から覗くわずかな皮膚を、 ぺとぺととつつく程度のことしかできなかった。 「もっちょ……ゆっきゅ…り…しちゃかっ……ちゃ」 ほどなく、赤れいむはこと切れた。 「ゆぎぃいいいいいいいい!!!!」 歯を食いしばり、その子れいむはこちらを睨みつけてきた。 「じね!!じね!!ごみぐずぅうううう!! ごみぐずのぐぜにでいぶのあがぢゃんごろじだなぁあああああ!! あがぢゃんをごろじだぐぞじじいはいまずぐじねええええええ!!」 他の親れいむ共はおろおろしながらその様子を見守っていたが、 やがてキャンドルに突き刺さったわが子を見やりながら懇願してきた。 「ゆゆ、たすけてください!!たすけてください!! さけないようにゆっくりぬいてください!!おねがいします!!」 なるほど、と思い、俺は手早く残りも済ませた。 次々に引きちぎられ叩きつけられ、九匹の赤ゆっくりが息絶える。 赤ゆっくりの断末魔と親れいむの絶叫がセットで響き、 子供をなくした親は、例外なく豹変してこちらに殺意を向けてきた。 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!!」 「ごみぐずぅぅうううう!!ごみぐずぅううううう!!!」 実に明解だ。 母性の強いこのれいむ共は、子供をゆっくり質にとられれば下手に出る。 子供を救うためなら、プライドも捨てるし苦痛も耐えるのだろう。 俺を挑発すれば苦痛を与えられるだろうことは予想できるはずだが、 子供がいなくなった今、自分の危険などなにほどのこともないとばかりに、 ただただ子を殺された怒りをぶつけてきている。 やはり、俺の方針に間違いはないようだ。 改めて確信を得て、小さく満足する。 このれいむ共にはまだまだ苦しんでもらわねば。 俺の子供を殺した代償は、こいつらを何万回殺そうが埋め合わせられるものではない。 だが、精一杯頑張ってはもらおう。 「ざわるな!!ぐぞじじいいい!!」 「よぐもよぐもよぐもあがぢゃんをおおお!!」 暴れまわるれいむ共を掴み出し、再びカートに乗せる。 それからの手順は前回と同じだ。 それぞれ個室の箱に放り込み、美まりさと合わせる。 個室内の様子はカメラで確認できる。 発情させる前に、三十分ほど自由に話させる。 案の定、れいむ共はそれぞれ相手のまりさに、 自分がされた事をあらいざらい話し、慰めを求めた。 同情したまりさは、れいむに寄り添って共に泣いた。 こうした手間をかけるのは、子供への愛情を深めるためだ。 望まぬ交尾によって孕まされた子供に対して、 れいむ種であっても、ゆっくりは愛情を示さないことがままある。 それでは効果がないため、父親とはしっかり情愛を交わしてもらい、 子供への執着を持たせなくてはならない。 頃合いを見て、例によって催淫ガスを流し込み、発情させる。 愛するまりさにすがるように、れいむ共はすぐに交尾を求めた。 情欲に流されるまま、たちまちまりさのぺにぺにが突き立てられる。 終わった頃に、催眠ガス、そして成長促進剤の注入。 すべて前回と同じように行い、れいむ共は再び元の箱に戻された。 観察室かられいむ共の様子を窺う。 やがて起きだしてきたれいむ共は、 自分たちが再びにんっしんっしている事実を思い出し、狼狽した。 「ゆゆっ!?」 「あかちゃんできてるよ!?」 一時は喜びに顔をほころばせるれいむ共だったが、 前回出産した子供にされた仕打ちを思い起こすと、表情が曇った。 「おちびちゃんたちまたころされたくないよ!!」 「ゆっ!!こんどはぜったいにまもろうね!! あのごみくずがおちびちゃんをとろうとしたら、みんなでかみつこうね!!」 「みんなでいちどにきょうりょくすれば、ゆっくりころせるよ!!」 れいむ共は、今度は断固として俺に抗う決意を固めたようだった。 成長促進剤によって早められた結果、 受胎から出産までの時間は、通常の十日から二日にまで短縮されている。 この日はまだ出産予定日ではなく、 れいむ共は膨れた下顎を抱えて、ただじっと過ごしていた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆっゆ~♪ あかちゃんたちゆっくりそだっていってね~♪」 「こんどはしっかりまもって、いいこにそだてようね!」 「いろんなあそびをおしえてあげようね! おにごっこ、かくれんぼ、はやくあかちゃんとあそびたいね!!」 かつてのゆっくりプレイスから、殺風景な部屋に連れ込まれたれいむ共。 なにも楽しみがないこいつらにとって、 ひたすらに子供だけが楽しみらしかった。 その部屋に踏み込む。 とたんにれいむ共が敵意を向けてきた。 「ゆゆっ!!ごみくずはゆっくりしんでいってね!!」 「まだうまれないよ!!うまれてないからとれないよ!! ゆっくりりかいしてね!!ばぁ~か!!」 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 蔑んだ笑みを向けて罵ってくるれいむ共。 俺は箱の壁をまたぎ、箱の中に座り込んだ。 「ゆっくりできないごみくずはゆっくりしないででていってね!!」 「あかちゃんのためにあまあまをもってきてね!!」 「こんどのあかちゃんはわたさないよ!! またどれいにしてあげるから、あかちゃんのうんうんたべていってね!!」 親れいむの頭部を掴んで引き寄せる。 「ゆゆっ!!ゆっくりさわらないでね!!」 顎の表面を撫で、産道を探し当てる。 俺はその産道に指を突き入れた。 「ゆっぎぃいいいいいいい!!!?」 激痛に全身を硬直させる親れいむ。 ひどくきつく締め付けてくるその産道は、 なるほど子ゆっくりサイズのものを通らせるには痛いだろうと想像できた。 お構いなしに二本、三本と指を突き入れていき、 手首全部を突っ込んでこじ開ける。 「ゆぎがあああああ!!ゆぎゃああああがあああああ!!!」 びたんびたんと足を床に打ちつけて悶絶する親れいむ。 「おかああさあああああん!!」 「なにするううううごみくずうううう!!はなせえええええ!!」 「おかあさんをゆっくりさせろおおおおお!!」 周りの子れいむ共が怒りをあらわに叫ぶが、 胎生型にんっしんっをしているゆっくりはほとんど動けない。 何もできずに見ているしかないようだ。 左手首を突っ込んでこじ開けた産道の奥を覗き込む。 奥のほうに、ねばねばした粘液に満たされた一室が見えた。 至極単純な構造だが、これが人間でいう子宮にあたるようだ。 中には未成熟の、しかしおおむね姿は完成された赤ゆっくりが三匹ほど見えた。 赤れいむが二匹、赤まりさが一匹。 「びぎぃいいがああああああがぢゃんみるなあああああがああああ!! ぐぞごみぐずううううううじねええええええゆがあああああああーーーっ」 親れいむが歯茎を剥きだして絶叫する。 俺は腰に下げた道具を右手に持った。 トングだった。 食品を挟み込む道具で、パン屋でパンをはさむ道具としてポピュラーだ。 左手でこじ開けた参道の奥に、トングをねじ込む。 子宮の中に異物を突っ込まれる感触に、親れいむががたがたと震えだす。 「よし」 「ぐがあああああああだにじでるうううううう!!!」 胎児れいむを慎重につまみ、形が崩れないように引きずり出した。 トングの先に挟んだそれを、親れいむの前に突きつけてやる。 「ご出産おめでとう」 「ゆああああああああーーーーーーーーーっ」 ひときわ甲高い絶叫が響いた。 ばたばたと暴れながら喚き散らす親れいむ。 「もどぜもどぜもどぜもどぜいまずぐもどぜええええええーーーーっ!! あがぢゃんがじぬだろおおおおおおお!!!ばがなの!!?じねええええーーーっ」 「どうしようかね」 粘液にまみれた胎児をトングでつまんだままふらふらと揺らしてみせる。 「今すぐ戻せば助かるかもな」 「ごみぐずうううばやぐじろおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!」 喉をびりびりと震わせながら叫んでいる。 ゆっくりにこれほどの声量が出せたとは驚いた。 子れいむ共も喚いているが、やはりやられている当ゆっくりの叫びは段違いだ。 「俺はやっぱりゴミクズなのか。気分悪いな」 「おでがいじばずーーーーーーーーーーっ!! だずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいーっ!!!」 態度豹変も恐ろしく速い。 子供を助けるため、火事場の馬鹿力的に頭の回転が速くなっているようだ。 「れいむ必死すぎwww」とでも言ってやればいいのだろうか。 「ゆがぁあああああああぎがああああああーーーーーーっ」 トングに掴まれて高く差し上げられた胎児を見上げ、暴れ回る親まりさ。 俺はトングの先を開き、胎児れいむを親の元に返してやった。 親れいむの鼻先で、胎児はべちゃりと潰れた。 「ゆっ」 寄り目になり、自分の口の上、 ちょうど鼻にあたる部分であえなく餡子屑になったわが子を見つめ、 親れいむは本日最大の絶叫を轟かせた。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」 すでに文字に変換できるものではない。 涙を滂沱と流して切れ目なく叫び続ける親れいむの産道に、 俺は再び手を突っ込んだ。 「やべでえええええーーーーーーっ!! ぼうでいぶのあがぢゃんどらだいでええええええいいいいーーーっっ」 次は胎児まりさを取り出し、親れいむの目の前で潰す。 全力で床に叩きつけるとほとんど原形を留めずに液状に飛び散った。 「びぃいいいいーーばぁああああーーーーーーーっ」 なんなんだかわからない悲鳴を聞きながら、最後の胎児れいむを取り出す。 再びトングで鼻先に突きつけながら、俺は聞いた。 「戻してやろうか」 「もどじでぐだざいいいいいいい!!」 「戻してやる」 「ああああああじがどうううううううう!! ばやぐ!!ばやぐもどじでえええええええ!!!」 歪んだ笑いを浮かべ、ぐにょぐにょと暴れながら催促する親れいむ。 俺は親れいむの頭部を押さえつけると、 トングを再び親れいむの産道、奥深くまで差し入れた。 「ゆがぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいぐうううううう!!!」 凄まじい痛みのようだ。 人間で例えるには、男の俺にはどう言えばいいのかわからないが、 肛門にビール瓶を根元まで突っ込まれるようなものなのだろうか。 その苦痛を乗り越えてでも戻してほしがるとは、 期待した以上の母性愛だ。 その愛に応え、子宮内部をトングで引っかき回してやる。 「ゆっがばああああああーーーーーーーーだいいいーーーーーーーーっ!!!」 ぐじゅぐじゅとかき回し出し入れし、内部で開閉する。 当然、中の胎児れいむはぐじゃぐじゃに潰れた。 トングを引き抜くと、親れいむは子供のようにひくついて泣きじゃくった。 「あがあああ……あああああああ……ばがああああああ……うっぐ…… あだぢゃん………ゆっぐりじでだどにいいいい…… びぐっ……えぐっ……ひぃいいいいい………あうっううううぐ……ゆっぐ……」 俺を罵る気力も残っていないようだ。 床にうつ伏せに突っ伏して泣く親れいむの下から、涙の川が流れ出す。 「おがああざあああああん……」 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!」 めいめいに呻き、叫ぶ子れいむ。 さて、子れいむ相手にはトングは少々大きすぎる。 こいつらにはスプーンを使う。 「ゆびぃいいいいい……ゆびぃいいいいい……」 「あがぢゃん……あがぢゃん……あがぢゃああああ……」 「でいぶど……でいぶどばでぃざの……あいのげっじょうがああああ……」 「じねえええ……でいぶのあがぢゃんごろじだなああああ……」 れいむ共全員が胎児を掻きだされて殺され、 箱の底にはびちゃびちゃに潰れた餡子が四散している。 今回は多めで、計十一匹だった。 床に伏して泣きじゃくっているれいむ共を、 また一匹ずつ引きずり出してカートに乗せる。 「いやだぁああああ……いやぁああああ……」 「もうにんっしんっしたくないぃぃぃ……」 さすがに自分たちがされている事が掴めてきたようで、力なく抗うれいむ共だったが、 再びまりさに引き合わせられ催淫ガスを嗅がされるとあえなく交尾をはじめた。 後編へ 選択肢 投票 しあわせー! 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『風景』 29KB いじめ 観察 日常模様 妊娠 赤ゆ 独自設定 久々に。盛り上がりには欠ける話なので注意 リハビリに表現の描写を過剰気味に一発書いてみた *注 ・ヤマなしオチなしの淡々モノ ・テンプレ乙 ・ゆっくり視点 ・殆ど喋らない ・ゆっくりの性描写あり ・独自設定あり れいむの目には壁が映っていた。 いや、正確には壁『だけ』が映っていた。 れいむと壁の間には何も無く、誰もいない。ただガランと広がっているだけなのだ。 「・・・・・・・・」(ゆぅぅ・・・・・) だがしかし、れいむはその壁を見続けていた。 れいむはどこかに跳ねて行こうともしない。 ―――――――― 当然だ。れいむのあんよは真っ黒に焼き潰されており、移動することなど出来ない。 れいむは別の場所を見ようともしない。 ―――――――― 当たり前だ。れいむの周囲は前を除いてがっちりと別の壁で固められており、正面以外を向くことなどできない。 れいむは何も喋ろうとしない。 ―――――――― 出来るはずがない。れいむの口は溶かされて肌と一体化しており、話すどころか存在すらしていないのだから。 れいむはただ、目の前の風景を見続けていた。 『風景』 れいむはずっと昔から、現在の風景を見てきていた。 それはもう、ゆっくりの少ない記憶領域では思い出せないくらい昔からずっとだ。 「・・・・・・・・」(ひまだよ・・・・) れいむの日常は刺激というものが存在していない。 まず自分自身で何かする、ということが出来ない。 あんよが焼けているため動くことが出来ず、周囲を固められているので身じろぎも難しく、口が無くなっているため独り言すら言えない。 そして外部から何かされる、ということも無い。 何もなく誰も居ないこの場所では音が鳴ることなど殆ど無く、見える景色は壁ばかり。明かりも蛍光灯なため、光の変化すら乏しい。 ぽかぽか太陽も無ければ涼しい風も吹かないこの場所は、温度でさえ一定である。 「・・・・・・・・」(とっっっっても・・・・ひまだよ・・・・) れいむには食事でむ~しゃむしゃする楽しみも、うんうんを出してすっきりー!する解放感も無い。 れいむの後頭部には二本の管が刺さっており、それぞれ食事代わりの栄養補給と排泄を無くす為の吸引を行っているからだ。 「・・・・・・・・」(つまんないよ・・・ひますぎてゆっくりできないよ・・・れいむ、もっとなにかしたいよ・・・) れいむはそんな、変化という刺激が無い時間をただ延々ジッとし続けなければならない。起きてから眠るまで、ゆっくりからすれば長い時間を常にだ。 それはゆっくりすることを何よりも好むゆっくりにとっても望ましくない事だ。退屈とゆっくりは違うということである。 この生活においてれいむが出来ることは2つだけ。目の前を見続けること、胡乱な餡子脳で考えを巡らせること、それだけだ。 「・・・・・・・・・・・・・」(・・・しかたないよ・・・・きょうはもう、れいむはす~やす~やするよ) 一日中ただ目の前にある壁を見続けるだけ、それ以外は一切何も無し。ひたすら退屈なだけで、考えるようなことなど何もない。 だからいつも、れいむは早々に眠りにつく。 「・・・・・・・・・・・・・」(めがさめちゃったよ・・・でも、もうれいむす~やすやはできないよ・・・) だがその眠りは長くは続かない。 全く動いていないため疲労が少なく、体が眠りを欲していないのだ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(つまらないよ・・・つまらないよぉ・・・・) 眠ることが出来なくなると、途端に一日が長くなる。 というより起きてから寝るまでを一日としているだけで、そもそもの時間の経過が分からない。 子供が大人に成長するほどの月日が流れたのか、日が昇りそして沈む程度の時間が経ったのか、それともまだ1分もしていないのか、全く把握できていない。 れいむの日常とは、そんな退屈との戦いの日々である。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(ひまだよぉ・・・・ぴょんぴょんしたいよ・・・・こ~ろころやの~びのびがしたいよぉ・・・・) 次の日、れいむは退屈の中で叶わぬ想いを抱きながら一日を過ごした。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(だれかといっしょにゆっくりしたいよぉ・・・れいむ、ひとりぼっちはイヤだよぉ・・・) そのまた次の日、れいむは誰かが傍にいればいいのにと想いながら、一匹だけで何も無い一日を過ごした。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくりできない・・・これじゃゆっくりできないよぉぉぉ!ゆっくりしたい!ゆっくり!ゆっくりぃぃぃ!!) さらに次の日、れいむはゆっくりできないと心の中で癇癪を起しながら、しかしやっぱりそれまでと変わらぬ一日を過ごした。 次の日も何もなかった。 次の次の日も何も出来なかった。 次の次の次の日もやはり何も起きない。 次の次の次の次の日も何も出来ず何も起きない。 次の次の次の次の次の日もやっぱり何も無く、誰も居ない。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(だれかぁ・・・・ゆぅぅぅ・・・・れいむに・・・・なにか・・ れいむを・・・・ れいむが・・・) 次の日も、 その次の日も、 さらに次の日も、 そのまた次の日も、 さらにその次の日も、 さらにさらに次の日も、 ゆっくりできることも、ゆっくりできないことも、何も無かった。 「・・・ ・・・・・・ ・・・・・ ・ ・・・ ・・・」(だ…かれいむの…こ…にきて…ぉ…れみりゃ…もいい……、れ…むとい…しょに… ) 何も出来ず何も起きない時間が長く続く、それは徐々に精神を蝕んでいく遅行性の毒のようなものだ。 その毒はゆっくりと全身を巡っていき、やがて心が死ぬことになるだろう。 そうなればれいむはれいむで無くなり、ただの一匹の狂った廃ゆんと化すことになる。 「 ・・ ・ ・ ・ ・・ ・・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・・・」 (あ ? いむ、い ?うな て んだ ?れい ?だれ ? ? らない ・ ・?) れいむも次第に心が、精神が、壊れていっていた。思考が怪しくなり、自分が生きているのかすら分からなくなっていく。 れいむの現状は人ですら辛いと感じるもの、ゆっくりである身で耐えきれるようなレベルではない。 だかられいむが今まで死なずに生きてこれたのは、決して心が特別に強いからなどではない。 ガチャ 「・・・・・!!!」(ゆぴっ!!?) ただ単純に、れいむが壊れきる前にやってくる『非日常』による刺激を与えられていた、それだけだ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 音が響く。 それまで無音だった日々に、たった一つだけ音が響き始めていた。 コツ コツ コツ それは何かが固い床を叩く音。 音はまるでリズムをとっているかのように、一定の間隔をもってれいむの居る空間に響いている。 「・・・!?・・・・?」(ゆ!?ゆゆゅ!?・・・あ、あれ?れいむは・・・ゆ?・・・・このおと、は?) そしてその音という刺激に、れいむの意識は急速に回復していった。 そのまま、れいむは急に響きだした音に頭が混乱しながらも、意識を音へと向ける。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「・・・?・・・・・・・??」(ゆ?・・・・ゆゆゆゆゆ?・・・・これ・・・このおと・・・たしか・・・) 一定の間隔で聞こえてくるこの音。それにれいむは聞き覚えがあった。 精神が壊れかける日常を過ごしても尚れいむの記憶に残っているこの音、その正体は ―― コツ コツ コツ 「・・・・・・・・!?!?」(この・・・このおとは・・・!にんげんさんのっ!?) 人間が歩いてくる音である。れいむは人間の靴が床を叩く音を、それまでの度重なる経験によって記憶に刻みこんでいた。 そして同時にこの音が聞こえる時はれいむへの『行為』が迫っているのだということも、否応なくれいむは思い出していた。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「・・・・・ッ!・・・・・・ッ!」(きてるっ!にんげんさんがれいむのほうにきてるよぉぉぉ!!?) れいむの目に映っているのは相変わらず壁だけだ。 だがそこにたった一つ音という要素が加わるだけで、全く違ったものへと変化していた。 音が響く度にれいむの目に映る壁はぐにゃりぐにゃりと歪み、隆起と沈降を繰り返して生き物のように蠢きだす。 音が少しずつ大きくなる毎に壁についていた汚れや傷が大きくなっていき、まるで魔物のように恐ろしいモノへとなっていく。 れいむに見える風景は、そんなゆっくりとは程遠いものへと成り果てようとしていた。 もちろん実際にはそんな変貌を遂げているのではない。 だがそのようにれいむには見えてしまうのだ。心を締め付ける『恐怖』という感情によって。 そう、れいむはこの後の『行為』を心底から恐れていた。例えそれのお蔭で変化の無い日常を生きてこれたのだとしても。 コツ コツ コツ コツ コツ コ 「・・・・!!・・・・・・・・ッ」(ゆひっ!と、とまったよ・・・で、でも) 途中で音が止まる。だがそのことがれいむに安堵をもたらすことはない。 いつだって必ず途中で音は止まるのだ。そして少し経ったら再び聞こえ始めるようになる。 停止と再開を繰り返す音のリズムはれいむの心に多大な重圧を掛けており、じっとりとした汗がれいむの肌に浮かんでいく。 コツ コツ コツ 「・・・・・っ!」(れいむのあんよさん、うごいてよ!!にんげんさんがれいむのところにきちゃうよ!ゆんやぁぁぁぁ!うごいてよぉぉぉ!!) ここから今すぐに逃げ出したい ―――― 焦げたあんよはぴくりとも動かない コツ コツ コ 「・・・!・・・っっ!」(いやだよ!れいむ、もういやだよ!もうあんなこといやなんだよぉ!) 少しでも此方に来る人間から離れたい ―――― れいむの周りを固めている壁が身じろぎすら許さない コツ コツ コツ 「・・・・!・・・!・・・!!」(やだよ!やだよやだよやだよ!やだやだやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!) 泣き叫んでこの重圧を少しでも紛らわせたい ―――― 溶けて消えた口が音を出すことは決してない コツ コツ コ その後もれいむの焦燥など関係ないとばかりに音は停止と再開を繰り返し、そして コツ コツ コ ガタッ 「・・・・・・・・!!!!!」(あ・・・あぁ・・・・・に、にんげん、さん・・・・!!) れいむの目に、人間が映りこんだ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ カチャ カチャ 「・・・・ッ!・・・・・ッ!・・・・・ッ!」 (や、やめてね?・・・にんげんさん、そんなことしてないでゆっくりしてね?れいむといっしょにゆっくりしてね?) れいむの目に映りこんだ人間はそのまま、れいむの目の前で『行為』の準備を始めた。 これも記憶にある光景。人間はいつも見せつけるかのようにれいむによく見える位置で準備をしていく。 自分への道具を用意していく様を見せつけられるこの時間は、れいむが最も嫌いでゆっくりできないと感じるモノである。 カチッ ピッ 「ッ!!!」(ゆっ!!) だがその時間は長くは無い。すぐに準備は整い、れいむへの『行為』が始まるからだ。 人間がれいむのあんよ近くにあるスイッチを押すと同時に、れいむへの『行為』は始まる。 ヴィィィイィィィィイィィィ 「ーーー!ーーーーー!!」(ゆぁぁぁぁぁぁ!!?や、やめてぇぇぇぇぇぇ!!?) 最初の『行為』、それは強制的な発情である。 れいむの乗っている床が、身じろぎ出来ない程に密着している周囲の壁が、ブルブルととても細かく振動する。 その揺れは当然れいむへと伝わり、体を激しく揺さぶっていく。 ヴィイィィィィィイィッ 「ーーーーっ!ーーーーーーーーーーっ!!!」(ゆぅぅぅぅ!!れいむすっきりしたくないよぉぉぉぉ!!やぁぁぁぁ!!) ゆっくりは振動によって発情する。れいむも揺さぶられることによって、体内の奥底から否応なく快楽を引き出されていく。 だがその気持ちよさとは裏腹に、その行為に対して感じるものはゆっくりしたものから程遠い。 相手のことなどお構いなしに無理やり与えられる快楽は、叩きつけるかのような衝撃をれいむの精神に与えており、むしろ暴力に近しい。 ヴィィィイィィィイィィィイィィ 「ーーッ!!ーーーーーーーっ!!ーーーーーーーーーーーっ!!!!」 (ゆっぐぅぅぅ!!ぎ、ぎぼちいいげどぎぼぢわるい”ぃぃぃぃ!!やべでぇぇぇぇぇぇぇ!!) 与えられ続ける振動は温もりに欠け、れいぱーだって少しはマシだろう最悪なすっきり行為となる。 だがそれでも込み上げてくる快楽に抗うことは出来ず、れいむの体は心とは無関係に高みへと上り詰めていく。 次第に嵐のような振動に見える景色が白濁し、殴りつけるような快楽に体が散り散りになったような幻覚を覚える。すっきりへと至る前兆だ。 ヴィィイイィィィ 「 ! !!!!!!」(ずずずずっぎり”ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?) そして数瞬後、れいむの体は予想通りにすっきりへと至った。 ゆっくりでは実現不可能な凄まじい振動によってもたらされる極大の快楽と、どこまでも無機質に行われた行為に対する最低最悪な心地がない交ぜとなり、れいむの意識が飛ぶ。 そして同時に、れいむの意識が混沌と化すのを狙って人間が動いた。 プスッ 人間はいつの間にかその手に注射器を持っていた。その針先をれいむの額付近へと差し込むと、素早く中身を注いでいく。 注射器の中身、それは他のゆっくりから採取された精子餡だ。それをれいむのすっきりと同時に流し込むことで、疑似的な交尾を再現したのだ。 にょきにょきにょきっ 「・・・・・!・・・・・・!!」 (ゆぁ・・・ぁ・・・おちびちゃん・・・・しょうらい、れいむのすてきなだんなさんと・・・・いっしょにつくろうとおもってたのに・・・・) そんなことをされれば当然のようにゆっくりはにんっしんする。れいむも注射器を刺された所から植物型にんっしん特有の茎が勢いよく生えてきた。 そして茎の途中に小さな蕾が出来ていき、直ぐにちっちゃなゆっくりの形を成し、赤ゆの前身であるつぼみゆっくりとなり ―― ぶちっ 「っ!!!」(ゆぁぁぁぁぁっ!!?れいむのかわいいおちびちゃんがぁぁぁぁぁ!!!?) その段階で人間の手によってれいむの額から茎が毟り取られた。 無理やりで出来たとはいえ自分の餡子を分けた子供が顔も見ぬうちに奪われていく。それは母性の強いれいむからすれば心を引き裂かれる所業だ。 だがそのことをれいむが悲しむ暇はない。 カチッ ピッ ヴィィィィィイィィィイィィ 「~~~~~~~~っ!!~~~~~~~っっ!!!」(ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?ゆらさないでぇぇぇぇ!!?やべてぇぇぇぇぇぇぇ!!) れいむの『行為』は、一回では終わらないのだから。 再度始まった振動による快楽の強制が、れいむの意識を再び漂白していった。 ・ ・ ・ しばし後、れいむは何度目になるのか分からないほどの回数、すっきりを強制させられていた。 ヴィイイィィィィィィィイイイィィィィィ 「 !!! っ!!!! !っ!!」(かひゅっ!?すっぎりぃ!?こっ!?) プスッ 一回だけでも心身共に負担の大きいすっきりを複数回である。その意識はすでに彼方へと飛び曖昧と化している。 そんなれいむの額にはすっきりの回数だけ生えて毟られた茎の跡が痛々しく残っている。 にょきにょきにょきっ ぶちっ カチッ ピッ ヴィィイィィィイィィィィィイ 「ーーー!!!~~~~~~!!!!―――――――――――――!!!!」(ゆぎっ!!びゅっ!ゆごががががが!?) 人間はまるで機械のように同じ行為を繰り返す。れいむを発情させ、すっきりと同時に注射し、生えてきた茎を毟る。 淡々と、淡々と、繰り返し、繰り返し、リピートし続ける。人間の行為が止まるのが先か、れいむが壊れるのが先か、といった具合だ。 ヴィィィィィイィィィィィイイィィィィ 「 !!!」(っっっすずずっきぎきりりりり”ぃぃいぃぃ!!!?) プスッ そして再びれいむの体がすっきりへと至る。同時に死に際のように痙攣するれいむの額に注射器が刺さり、中身がたっぷりと注がれていく。 すぐさま刺された所から毟り取られた茎の跡をかき分けるように、今回のすっきりによって出来た茎が新しく生えてきた。 にょきにょきにょきっ ぶちっ カチッ ピッ ヴィィイィィィイィィィィィイ 「!!!?ーー!?!?!?!?―――――――――――――!!!!??」(ゆ”っ!!ゆ”ゅ”ゅ”ゅ”ゅ”ゅ”っ!ゆ”びゅぼぼぼぼっぼ!?) そしてやはり即座に茎は毟り取られ、次のすっきりが始まる。だがれいむにそのことを正確に認識する余裕はない。 あるのはただ繰り返される快楽の暴力による精神的苦痛と、着実に近寄ってくるすっきり死の予感だけだ。 ヴィィィィィイィィィィィイイィィィィ 「 !?!!?」(っす”ずっぎきり”り”り”り”ぃ”ぃ”い”ぃ”!!!?) プスッ れいむがすっきりに至ると同時に注射器が刺さり中身が注がれる。 にょきにょきにょき 「ーーーーーーーーー!!」(っ!?ゆぼっ!?びぃ!!) 刺された所から茎が急速に生え、それは同時にれいむの体力をゴッソリと削っていく。それによってより死の気配が濃厚になる。 れいむに残された体力からすればこの茎が限界だった。あと一度でも茎を生やせば、そのまま黒ずんで死ぬことになる。 ガタッ コツ コツ コツ コツ 「――――――――――――」(ゆげっ・・・げっ・・・ゆぶふぉ・・・ゆ”・・・・ゆ・・・・ゅ・・・・) だが今回、その茎は毟り取られることはなかった。ここで唐突に、人間がそれまで繰り返してきた行為を止めたのだ。 人間はれいむの額から茎がしっかりと生えたことを確認すると、そのまま立ち去っていく。 コツ コツ コツ コツ コツ コツ コツ コツ 「 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・」(ゅ・・・・ゆ”・・・・れい、む・・・まだいぎで・・・る・・・の?) 人間の歩く音が次第に遠ざかり、やがて消える。 これがれいむの『行為』が終わった合図だ。いつもいつも、こうして最後の時だけは子供はすぐには奪われない。 ボンヤリとした頭でれいむは、今回も何とか生き残ったことを理解した。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ れいむの目には壁が映っている。 いつも見ている正面の壁、だがそこには以前と異なり、壁以外に別のモノも映っている。 「・・・・・・・・」(れいむの・・・おちびちゃんたち・・・) 「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」 それは前回の『行為』によって出来たおちびちゃん達だ。 額から生えた茎に実ったおちびちゃん達は、まだつぼみゆっくりであるが故に声も出せなければ身じろぎも殆どしない。 だがその存在は確かなゆっくりを与えるものであり、れいむの殺風景な景色に彩りを加えている。 「・・・・・・・・」(おちびちゃんはかわいいのに・・・・ゆっくりできるのに・・・・) しかしれいむの表情はどこか晴れないものだ。その目は悲しみに満ちており、さらに何とも言えない複雑な感情を表している。 それはおちびちゃん達の将来を知っているが故であり、さらにおちびちゃん達が『どんなゆっくりなのか分からない』が故である。 そう、れいむは今茎に実っている我が子がどんな種のゆっくりであるのかが全く分からないでいた。 通常であれば茎に実っているゆっくりの種類はれいむ種と番の種族だ。 だが直接注射で出来た茎では、その元となる精子餡が誰のものなのかなど欠片も知ることができない。 ゆっくりできるおちびちゃん達のことを愛しく思いながらも、そのおちびちゃんが誰なのかさっぱり分からない。 その事実はれいむの心にシコリを作っており、おちびちゃん達から感じるゆっくりに影を落としていた。 「・・・・・・・・」(おちびちゃん・・・・れいむの・・かわいいおちびちゃんたち・・・) 「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」 子供を身ごもったゆっくりとしては異様な静けさのまま、れいむの日々は過ぎていく。 ・ ・ ・ すこし後、れいむの茎に実ったつぼみゆっくり達は成長し、赤ゆっくりと呼べるサイズにまで大きくなっていた。 ここまでの日々、れいむは多少影を感じていたものの以前とは比べ物にならない程のゆっくりを感じてきた。 日に日に大きくなっていくおちびちゃん達、その成長という変化を感じられる毎日の楽しさは、前の何も起きない時とは雲泥の差があった。 「・・・・・・・・」(ゆぅ・・・おちびちゃんたち、とってもゆっくりしているよぉ・・・・・・・) 「…ュッ…」「……」「…ゅ」「……(ピクッ)」「……」「ゅ…」「……」「……(プルッ)」 今ではおちびちゃん達は偶に小さな声を出したり、僅かに体をピクピクさせたりしており、自分から外界へと働きかける動きを取っている。 小さな命の揺りかご達が懸命に生まれる準備を整えていくその様子、それは何よりも尊いものだとれいむは感じていた。 だがしかし ―― 「・・・・・・・・」(おちびちゃんたちがゆっくりそだっているのに・・・れいむは・・・れいむは・・・!) それらに対してれいむが何か手伝ってやることはできない。何かするにはれいむの状態が致命的に悪い。 消された口ではおちびちゃん達に話しかけることは当然できないし、身じろぎすら殆ど出来ない状況では何か行動することは困難だ。 「・・・・っ!・・・・・・」 (れいむ、おかあさんなのに・・・おちびちゃんたちをゆっくりさせる、おかあさんなのにっ・・・おうたもうたってあげられないなんてっ!) 「……」「…ゅ…」「…ゅっ…」「……」「……(プルプル)」「ゅ…」「…ゅぅ…」「……」 お歌でおちびちゃん達をゆっくり安らかな気持ちにさせることも出来ない。 体を軽く動かして茎を揺らし、上下左右にゆ~らゆらさせて楽しませることも出来ない。 れいむに出来ることはただおちびちゃん達を見続けること、それだけなのだ。 それは母性が強く子育てが何よりも上手だと思っているれいむからすると、何とも落ち着かない歯がゆい想いを湧き立たせることだ。 「・・・・・・・・・・・っ!!っ!!」 (そもそもれいむのおちびちゃんたちはれいむとおなじれいむなのかな?それともまりさ?ありす?ぱちゅりー?みょん?ちぇん?それとも・・・・? ・・・ゆぅぅぅ・・・わからないよぉぉ・・・おかあさんなのにっ!れいむはおちびちゃんたちのおかあさんなのにぃぃぃ!!) さらに言うと、れいむは未だにおちびちゃん達の種別が分からないでいた。 何故なられいむからはおちびちゃん達の髪の毛やお飾りといった、種別を判断できるようなものが見えないためだ。 なぜ見えないのかと言うと、理由は茎の伸び方が通常とは異なっているためである。 前回の『行為』で最後の方、茎はそれまでに毟られた茎の跡をかき分けるように生えてきていた。 その影響なのか、普通なら横方向に伸びるはずの茎が、れいむの場合は縦方向へと伸びてしまったのだ。 そのためおちびちゃん達は普通よりも高い位置に実っており、れいむはおちびちゃん達を真下から見上げる形になっていた。 だかられいむから見えるのはおちびちゃんのあんよ部分のみ、それもおちびちゃんが茎の外向きに実ることから後ろ側が主になる。 あんよの後ろ側、そこはつまるところお尻である。お尻を見て種別を判断できるような特殊技術を、当然れいむは持ち合わせていなかった。 「・・・・・・・・・・!!」(ごめんねぇ!れいむダメなおかあさんでごめんねぇぇっ!ゆえぇぇぇん!) 「…ゅっ!…ゅっ!ゅゅっ!」 「・・・・・・・・・っ!!」(ゆぇぇん!ゆぅぅぅん!ゆぅぅぅぅん!ゆぇぇぇ・・・・ゆ?) 「ゅっゅっ!…ゅっ!ゅゅっ」 「・・・・・・・・・・!!」(おちびちゃん?・・・・もしかしてれいむをはげまそうと・・・?) 「ゅっ!」 「・・・・・・・・・!!!」(ゆぅぅぅ!やっぱりそうなんだね!おちびちゃんは『まえも』そうやってくれたね!!やさしいおちびちゃんだよぉぉ!!) だがしかし、れいむはおちびちゃん達の種別は分からなくても、それぞれを見分けることは出来ていた。 今も一匹のおちびちゃんがれいむを励ますかのように声を出しているのを聞いて、さらにその子が以前も同じような事をしたおちびちゃんであることを認識していた。 (余談だが、励ましの声はれいむの思い込みである。単に件のおちびちゃんが割かし声を頻繁に出す個体なだけだ。) 「…ゅっ!…」「……ゅゅ(プリンッ)」「……ゅっ」「ゅ、ゅ……」「…ゅ~…」「ゅ…」「…ゅ!」「……ゅぅ」 「・・・・・・・・・・・♪」(ほかのおちびちゃんたちも!・・・ゆふふ、そうだね、みんなゆっくりしたおちびちゃんだものね!) ゆっくりは通常、お飾りによって個体を見分ける。逆に言うと、お飾りさえついていれば唯の石ですら我が子に見える。 そんな中、れいむはお飾りが見えないにも関わらずそれぞれの個体を見分けている。それは中々に凄いことのように思えるだろう。 がしかし、それは決して『茎を通して繋がった親子の絆で分かる~』などといった感動的なものでは無い。もっと単純だ。 「・・・・・♪♪♪」 (あにゃるさんがきゅっとしまったあのおちびちゃんはきっとたくましいゆっくりになるよ! ちっちゃくてきゅうとなあにゃるさんのおちびちゃんはきっとびゆっくりになるよ! あにゃあるさんがおおきいあのおちびちゃんはドスみたいにおおきくそだつにきまってるよ! ほかのおちびちゃんたちだって、みんなとってもゆっくりしたあにゃるさんだよ!! そんなあなにゃるさんをもつおちびちゃんたちは、とってもゆっくりしたおちびちゃんだよ!!!) そう、れいむは自分のおちびちゃん達をそのお尻についているあにゃるによって見分けていた。 れいむから見えているのは一直線に並んだ尻、尻、尻。その光景はさながら尻の大名行列だ。自然、そこにある差異が目立つことになるという訳だ。 「ゅゅ……」「……っ」「……」「……ゅ、」「……」「ゅっ…」「……」「ゅ~…」 「・・・♪♪♪♪♪」 (おちびちゃんたちのあにゃるさんをみているだけで、れいむはゆっくりできるよ!おちびちゃんのあにゃるさんはれいむにとって、てんしのあにゃるさんだよぉ!) れいむにとっておちびちゃん達の顔とはあにゃるの形であり、おちびちゃん達の個性とはあにゃるの特徴である。 あにゃるから感じ取ったそれぞれのおちびちゃん達の情報(思い込み)を、れいむは餡子脳内で形にすることでこれまでゆっくりを感じてきていた。 無論、種別も分からない状況なので脳内のおちびちゃん達はどれも薄ボンヤリとした像にしかならない。 だがれいむにとってはそれだけでも十分なゆっくりだった。 「・・・♪♪♪・・・♪♪♪・・・♪♪♪」(おちびちゃんたち!ゆっくりしていってね!!) 現に今、れいむはそんな尻とあにゃるしか見えないおちびちゃん達によって、嘗てでは考えられない程に生き生きとした日々を送ることが出来ている。 おちびちゃんが小さな声を挙げる度に心が癒され、微かに体をプルプルさせるのを見る度に体の奥がほっこりと温かい気持ちになっていく。 あにゃるをヒクヒクさせるおちびちゃんを見るれいむの目からは感動の余り涙がポロポロと溢れ出しており、誰が見ても幸せそうな表情に見えるだろう。 おちびちゃんの存在はれいむの毎日を満たしてくれる、そんな掛け替えのないモノであった。 ガチャッ 「・・・・・!?!」(ゆ”っ!!?) だがそんなれいむの幸せな『非日常』に、再びあの音が響き渡った。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ コツ コツ コツ 音が響く。 れいむの所に再び人間がやってきた、その証である音が。 「・・・・・・!」(ゆぁ・・・ゆああぁぁ・・・!) そしてその音を聞いたれいむは、目の前が真っ暗になるような絶望を感じていた。 なぜなられいむは知っているからだ。かつてれいむに非日常の始まりを告げたこの音が再び聞こえる時、一体何が起こるのかを。 「・・・!・・・!!」(や、やだよ!とられたくない!れいむはもうおちびちゃんをとられたくないよぉぉ!) この音が再び聞こえる時、それはれいむの非日常の終わり。つまりおちびちゃん達が奪われるということであった。 だかられいむはおちびちゃん達が実って直ぐの頃、悲しみに満ちた目をしていたのだ。いつかこの子達も奪われるのだ、と。 だがれいむはそうと知っていながらもおちびちゃん達にしっかりと情が湧いていた。ただ苦しみが増すだけだというのに。 そうしている間も音が響く。 れいむの心情など関係無く、ただ無機質に冷たく、かつてと同じように。 コツ コツ コツ 「・・・・・っ!!」(にげないと!おちびちゃんをまもるためににげないと!にげないといけないのにぃぃぃ!!!) 逃げ隠れておちびちゃん達を守りたい ―――― 真っ黒に焼けたあんよは決して動かない コツ コツ コ 「・・・っ!・・・っ!」(にげてぇぇ!おちびちゃんんんんん!!) せめておちびちゃん達だけでも振り落すことで逃がしたい ―――― 固定された体は微動だにしない コツ コツ コツ 「・・・・!・・・っっ!・・・!!」(ゆんやぁぁぁ!!!だめだよぉぉ!!ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!) 何としてでもおちびちゃん達を守りたい ―――― 口の無いれいむではお口の中に隠すことは勿論、声で威嚇することも、ぷくーすることもできない どう足掻こうとも、れいむは何も出来ない。ただ次第に大きくなってくる音に絶望を膨らませるだけ。 そして、 コツ コツ コ ガタッ 「・・・・・・・・!!!!!」(ゆあ・・・ゆあ、あああ・・・ああぁぁぁ!!) かつてと同じように、れいむの目に人間が映りこんだ。 ・ ・ ・ カチャ カタッ カタッ 「・・・・・!・・・・・!!」(とらないでね!にんげんさん、おねがいだからとらないでね!れいむのおちびちゃんをとらないでね!) れいむは目の前の人間に必死になっておちびちゃんを奪わないように訴えかけようとしていた。 唯一自由に動く目を使い、人間とおちびちゃん達の間で視線を行き来させ、何とか伝えようとする。 だが人間はれいむの方など見ず、ただ茎の様子を確認しながら手元に持っている紙に何やら書き続けている。 「・・・・!・・・!」(ほら!おちびちゃんたちはゆっくりしてるでしょ!?かわいいでしょ!?だから、だから!!) れいむの行動はマルッと無視されているのだが、れいむは構わずその行動を続けていた。 元よりそのような事しかできないし、だからといってただ奪われるのをじっと待つこともできないのだ。 以前の行為の際のように朦朧とした意識の中で奪われるのではない上に、おちびちゃん達には大きな愛情を感じている。 放っておくなど出来なかった。 カタッ カチャ カタ 「・・・・!~~~~~!!」(とらないでねっ!!れいむのおちびちゃんたちを!あにゃるてんしさんたちをとらないでねっ!!) 「ゅ~?」「ゅっ!」「……??」「……?」「ゅっ…ゅっ…」「ゅっゅゅ!」「ゅゅゅ~!」「ゅ?ゅ?」 だがそれも無駄なこと。 れいむは涙を流しながら訴えかけ、おちびちゃん達は初めて見る人間に興味を示し、人間はれいむ達を無視して書き続ける。 誰もかれもが相手のことなど考慮せずに自分中心の行為をしているのみ。意思疎通など叶うはずがない。 故にれいむの想いが通じることも、れいむの願いが叶うことも決して無い。 スッ 「ーーーーーーーーーーー!!!!」(あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁ!!!だめっ!や”べでぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!) 「…!!」「…ゅ?」「ゅ~!」「ゅっ?」「ゅ!」「ゅゅ?」「…??」「ゅゅ~!」 書き終えた人間の手がれいむの茎へと伸びる。 非日常を終わらせる手が、れいむからおちびちゃんを奪っていく手が、しっかりと茎を握り 「ーーーーーー!!!------!!!!」(ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!!) 「ゅ♪」「ゅ?」「ゅ~♪」「ゅっ?」「??」「ゅ~」「ゅゅっ?」「ゅゅ~♪」 ブチッ れいむは結局おちびちゃん達の顔を一度も見ることなく、永遠の離別をさせられたのだった。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ れいむの目には壁が映っている。 何も無く、誰もいない、そんな壁だけが映っている。 「・・・・・・・・」(・・・・・) 以前はそこに、少しずつ大きくなっていく命の輝きが、天使のようなおちびちゃん達がいた。 だが今は居らず、そのことがれいむの心にぽっかりと穴を空けていた。 おちびちゃん達を奪われたれいむは心に大ダメージを受けており、放心状態で日々を過ごしている。 「・・・・っ!」(・・・・・おちび・・・ちゃん・・・っ!) れいむの脳内には時折おちびちゃん達と過ごした楽しい頃の記憶が過る。 だがそれはゆっくりを感じさせることなどではなく、むしろ現状との落差を、最早感じることが叶わぬ楽しき日々を痛みとして伝えてくる。 「・・・っ・・・っ・・・っ」(どうじで・・れいむがこんなめにぃぃ・・・ゆえええぇぇぇぇぇ・・・) そんな想い出が脳裏を掠める度にれいむの目から悲しみの涙が零れ落ちる。 なぜ自分がこんな目に合わなければならないのか、どうしてこんなゆっくりできない思いをしなければならないのか、と。 悲しくて苦しくて、体が張り裂けそうな想いで一杯であった。もし口さえあれば、即座に自殺のための『お食べなさい』をしていただろう。 だがしかし、れいむの悲しみの深さとは裏腹に、その想いは急速に消えていくことになる。 れいむの後頭部に刺さった二本の管、食事と排泄を肩代わりするそれが強制的にれいむの中身を循環させ、ゆっくりできる想い出も今の感情もすべて押し流していくからだ。 結果、すぐにれいむは今の記憶を忘れ、退屈な日常へと埋没していくことになる。 もし思い出すときが来るとすれば、それは次の非日常が始まるその時だ。 れいむはただ日常と非日常を繰り返し続ける。 いつか死ぬ、あるいは解放されるまでずっと。 れいむはただ、目の前の風景を見続けていた。 ~終~ 後書き ええ、そうです。ただあにゃるを連呼させたかっただけです、はい。 次は話そのものに盛り上がりを持たせたのを書こうかなぁ 過去の作品 anko2643 ある変わったれいむのお話 anko2658 もの好きなゆっくりの日常 anko2677 アグレッシブてるよ anko2682 オーソドックスなものたち anko2704 アクティブこまち anko2711 妖精たちの幻想郷 anko2716 足りないものが多いぱちゅりー anko2823 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〜ゆっくり達の生涯『冬篭り編』(前編)〜 第1話 〜ゆっくり眠れないまりさ〜 「ゆゆ〜♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ〜、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 2匹のゆっくりが入り口を塞いだ木の洞の中で仲良くゆっくりしている。 2匹は成長途中であり、将来は夫婦となるであろうが現在のところ非常に仲の良い友達同士と言ったところである。 巣の奥にはキノコや木の実などの食糧が大量に蓄えられており、万全の状態で冬篭りを始めた事がうかがえる。 「ゆぅ〜おうちのなかはせまくておもしろくないよ・・・。」 「しょうがないよれいむ、ゆっくりはるさんをまとうね! す〜り♪ すーり♪ 」 まだ子供心が残るれいむをまりさが頬ずりをしながらなだめている。 ちなみにこのやり取りは本日5回目、所詮は餡子脳なので何気ない会話などすぐに忘れてしまうのだ。 そんなやり取りが繰り返されるうちに1日が終わろうとしていた。 「ゆぅ〜なんだかねむくなってきたよ、まりさおやすみぃ〜・・・z z z z z 。」 「ねてればはるさんはすぐにくるよ、おやすみれいむぅ〜・・・z z z z z 。」 次の日、先に目を覚ましたのはれいむであった。 意識がはっきりするとれいむはすぐに異変に気が付く。 「ゆゆ!まりさどこ!?」 隣で眠っていたはずのまりさの姿は無く、れいむは慌ててまりさの姿を探す。 しかし所詮は小さな洞の中、れいむはまりさの姿をすぐに見つける事ができた。 「ゆゆ? まりさなにやってるの?」 まりさは顔を大量に溜め込んだ食糧に突っ込みスヤスヤと眠っている。 れいむの声を聞きまりさの意識はようやく覚醒する。 「ゆぅ〜おはよぉ〜れいむ。きょうもゆっくりしようねぇ〜。」 このまりさ、まりさ種に多く見られる高慢な態度、いわゆるゲスの素質は微塵も持ち合わせておらず相方思いの良い ゆっくりであるのだが、一つ厄介な癖を持っていた。 それは・・・。 「ゆぅ〜まりさ、ゆっくりねむっててよね!もぅ、ぷんぷん!」 「ゆゆ!ごめんねれいむ、ゆっくりしてるとなんでかいつもこうなっちゃうの。」 そう、このまりさは寝相がとてつもなく悪いのである。 現在は冬篭りのため入り口はがっちり塞いでいるから大丈夫であるが、過去に何度も眠ったまま転がり巣の外で朝を 迎えたことがあった。 運が良かった事もあり捕食種に食べられずに無事ここまで成長する事ができていた。 「ゆ、そういえばあさごはんがまだだよ! はやくたべようね!」 「ゆゆ! そうだったね、はやくごはんをたべたいよ!」 れいむに責められ分の悪いまりさは朝食の話題を出し話題の転換を図った。 結果は予想通り、腹ペコのれいむはコロっとまりさの寝相についての不満を忘れ思考はご飯に乗っ取られてしまった。 「「む〜しゃ♪ む〜しゃ♪ ・・・・・しあわせ〜♪ 」」 2匹は食後のゆっくりタイムを満喫している。 そして、れいむはどこか聞き覚えのある言葉を発するのであった。 「ゆゆ〜♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ〜、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 こうして昨日と同じ様なやり取りをして何気ない一日が過ぎていくのである。 しかし、そんな平和な巣穴に不幸な出来事が襲い掛かる。 「ゆぅ〜・・・ゆぅ〜・・・はるさん・・・はやくき・・・ゆぅ〜・・・。」 時刻は深夜、れいむは気持ち良さそうに眠っている。 まりさはと言うと毎度の如く巣穴の中をコロコロ転がりながら眠っている。・・・よく目が覚めないものだ。 「ゆぅ〜・・・まりさもっとゆっぐ!」 れいむは突然体に加わった圧力により目を覚ます。 そしてれいむは自らの目を疑う光景を目撃する。 「ゆぅ〜・・・だいすきだよぉれいむぅ・・・むにゃ〜・・・。」 まりさは寝ぼけたまま自らの体をれいむに押し付けており、しかもどこか気持ち良さそうな顔をしている。 「ゆゆ!まりさおきて!ゆっくりねむれないよ!」 れいむが必死に声を上げてまりさを起こそうとするが目を覚ます気配はなかった。 このまりさ、寝相が悪い事に加えて一度眠ったらなかなか起きないのである。 「ゆふふふ・・・なんだかきもちよくなって・・・。」 まりさの顔は次第に紅潮し、体を小刻みに振動させ始める。 まりさの行為の意味を知っていたれいむは血相を変えて騒ぎ出す。 「や、やめてまりさ! れいむまだこどもつくりたくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 れいむは必死にまりさから離れようとするが、きっちり押さえつけられているのに加え自らも少しずつ快楽に支配さ れ力が入らず逃れられない。 そして体をくねくねさせて抵抗するうちにれいむのリボンがほどけてしまう。 「ゆゆー! れいむのりぼん! 」 リボンがほどけ気がそれたのがいけなかった。 まりさは好機とばかりに更なる快楽を求めどんどん振動を強くしていく。・・・夢と現実の両方で。 「ゆふ・・・ゆふふふふ・・・んほぉぉおおおぉおぉおぉおお! ! ! 」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!じにだぐない! じにだぐない! もっどゆっぐりじだいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !まだずっぎりじだぐないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 「「すっきりー! 」」 まりさは満面の笑みで、れいむはこの世の終わりに遭遇したような表情で“すっきり”を迎えた。 れいむの頭から蔓が芽を出し、涙を浮かべ絶望の表情のまま黒ずんでいく。 まりさは“すっきり”して満足したのか何事もなかったかのようにスヤスヤと眠っている。 翌日、まりさは久しぶりにれいむに起こされずに目覚めた。 「ゆっふ〜〜〜! なんだかとってもすっきりしてるよ!」 軽く伸びをしてれいむの方へ目を向けるとまりさは愕然とする。 まりさの目には黒ずみ朽ちた物体が映っていた。 その物体の頭頂部からは緑の蔓が伸び先端に3つの小さな実が実っていた。 理解を超えている光景にまりさはフリーズしてしまった。 (ゆゆ? れいむはどこにいったの? なんでいないの? おうちのいりぐちはふさいでるよ? なんで? どうして?) フリーズしているまりさの目にある物が映りそれに釘付けとなる。 黒く朽ち果てた物体の横にいつも見ているれいむのかわいらしいリボンが落ちていた。 (なんでれいむのりぼんがおちてるの? ) リボンを見詰めているうちにまりさはある結論にたどり着く。 (ゆゆ!? ひょっとして・・・これって・・・) まりさの思考が間停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ ! ! ! ! ! れいむ! れいむ! でいぶう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! なんで!? どうして!? でいぶ! ゆっくりしすぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! おぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」 黒く朽ち果てている物体がれいむであると理解したまりさは大声で泣き喚きだした。 もちろん自分が寝惚けてれいむとすっきりした事に気が付いてなどいない。 その時、泣き声が木霊する巣穴の中に一つの変化が訪れる。 プチッ! プチッ! ・・・・・プチッ! 朽ちたれいむに実った3匹のプチゆっくりが蔓から切り離され落下する。 地面に着地すると3匹は満面の笑みで産声を上げる。 「「「ゆっくりちていってね!」」」 プチゆっくりの産声を聞きまりさは我に返る。 まりさの目線の先ではれいむの忘れ形見である3匹のプチれいむが笑顔で飛び跳ねていた。 「れいむの・・・あかちゃん・・・? 」 声に反応したプチれいむ達とまりさの目が合う。 「「「おか〜しゃ〜ん、おなかちゅいたよ。」」」 この瞬間、まりさの餡子脳の大部分を占めていた悲しみが一気に喜びと母性に入れ替わった。 「ゆゆ! すぐごはんをあげるよ! まっててね! 」 まりさは急いでプチれいむ達が実っていた蔓の元へ駆け寄り食べやすいサイズに食い千切る。 「おちびちゃん! これがごはんだよ! ゆっくりたべてね! 」 「「「おか〜しゃん、ありがちょ〜♪ 」」」 プチれいむ達は目の色を輝かせてパクッと蔓に食い付く。 「「「む〜ちゃ♪ む〜ちゃ♪ ・・・ちあわせ〜♪ 」」」 (ゆゆ〜♪ とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね! れいむのぶんもおちびちゃんたちとゆっくりするからね!) まりさは3匹のプチれいむを見ながらこれから始まる幸福な時間に思いをはせるのであった。 その日の夜、巣穴の中は幸福で包まれていた。 「す〜り♪ す〜り♪ さすがまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてかわいいよ! 」 自分がれいむを無理やりすっきりさせたなどと夢にも思っていないまりさは、既にれいむの事など忘れてプチれいむ 達とスキンシップをはかり幸福の絶頂にいる。 「おか〜しゃんくしゅぐっちゃいよ♪ 」 「いいにゃ〜いいにゃ〜♪ ちゅぎはれいみゅのじゅんばんだよ! 」 「ゆゆ! じゅりゅいよ! れいみゅもしゅ〜り♪ しゅ〜り♪ しちゃいよ! 」 4匹はとてもゆっくりとした時間を過ごしている。 しかし、幸せな時間というものは早く過ぎてしまうものである。 「ゆゆ! おちびちゃん、そろそろおねむのじかんだよ! 」 「「「まだねみゅくにゃいよ! もっちょゆっくりしちゃいよ! 」」」 プチれいむ達は大丈夫だと言い張るが既に目が何度も閉じかかっており、眠くて仕方がない事がうかがえる。 「ゆっくりねむらないとゆっくりしたゆっくりになれないよ。 おちびちゃんたちはゆっくりしたゆっくりになりたいでしょ?」 「「「ゆゆ! ゆっくりしちゃいよ! れいみゅはゆっくりねむりゅよ! 」」」 ゆっくりは“ゆっくり”と言う単語に非常に敏感であり、ゆっくりしたゆっくりを理想像とする。 故に賢い親はその理想像を利用して子供の躾に“ゆっくり”と言う単語をよく使用する。 「ゆ〜、やっぱりまりさのこどもはいいこだね! おちびちゃんたちのべっどはここだよ! 」 まりさの横には落ち葉のベッドが出来上がっていた。 昼間プチれいむ達のために一生懸命作った努力の賜物である。 ベッドを見るや否やプチレイム達は目をキラキラさせる。 「「「ゆゆ〜♪ とっちぇもゆっくりできしょうだよ! おか〜しゃんありがちょ〜♪ 」」」 プチれいむ達の賞賛を聞き、まりさは満更でもなさそうに照れている。 プチれいむ達は各々お気に入りポイントを決めると落ち葉を身にまとい眠る体勢に入る。 「おか〜しゃん、おうたうちゃって〜。」 「ゆゆ! れいみゅもおうたききちゃいよ〜。」 「うちゃって♪ うちゃって♪ 」 プチれいむたちの期待に応えてまりさは目を瞑るとゆっくりと子守唄を歌い始める。 「ゆ〜っく〜り〜〜ゆゆ〜ゆ〜ん〜ゆゆ〜ゆ〜ゆ〜ゆ〜♪ 」 人間が聞いていたら思わず拳が飛んできそうな歌声であるが、プチれいむ達は気持ちよさそうに夢の中へ旅立ってい った。 そしてまりさも幸福で満たされた笑顔のままゆっくりと眠りについた。 深夜・・・。 コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロ「ぴぎゃ・・・。」・・・コロコロコロン・・・ コロコロコロ・・・コロコロ「ゆぎゃ・・・。」・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 翌日、巣穴の中は絶望で埋め尽くされていた。 「なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! どうじでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! おちびちゃんがぶだりもづぶれてるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !?おねがいおぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 まりさが気持ちよく目覚めると2匹のプチれいむが無残にぺちゃんこに潰されていた。 ご想像通り、深夜まりさの寝相の悪さによって運悪く踏み潰されてしまった2匹である。 残念なことに貧弱な餡子脳では自らが踏み潰したなどと考えは及ばず、まりさは物言わぬ潰れた饅頭となった2匹を 眺めひたすら泣き喚く事しか出来ない。 また、運良く生き残った1匹のプチれいむも熟睡していたせいでまりさが姉妹を踏み潰したなどと思い浮かぶ事無く、 居もしない犯人に怯えながら潰れた2匹に対して涙を流すのであった。 「ゆあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん! ! ! おちびちゃんゆっぐりじずぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ゆっぐりできにゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 その日、2匹は片時もゆっくりする事ができないのであった。 夜、まりさは追い詰められていた。 この状況に至ってもまりさは自身の寝相で2匹を踏み潰したなどど微塵も思っておらず、どうやって生き残ったプチ れいむを護ろうか悩んでいた。 「ゆぅ・・・このおちびちゃんだけはぜったいまもらないと・・・。」 まりさは貧弱な餡子脳をフル回転させて打開策を考えている。 「ゆゆ! いいことおもいついたよ! 」 そしてある名案を思いつくのである。その名案とは・・・。 ※エンディング分岐です。 プチれいむを口の中に隠す → A プチれいむを帽子の中に隠す → B A:プチれいむを口の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのおくちのなかにはいってね! 」 「ゆゆ〜? おくちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのおくちのなかでねむればきっとあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか〜しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 大きく開けられたまりさの口の中にプチれいむは勢いよく飛び込む。 「ゆゆぅ、ちょっとくりゃくてこわいよぉ、おか〜しゃん。」 「ごめんねおちびちゃん、おかあさんがまもってあげるからがまんしててね。」 少し怖がっていたプチれいむであったが母親の口の中に居る安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは眠気と必死に戦いながらまだ起きていた。 2匹のプチれいむを潰した犯人を見つけるために徹夜する覚悟でいた。 「ゆぅ、ぜったいねむらないよ、おちびちゃんはまりさがまも・・・・・z z z z z 。」 しかし、遂に睡眠欲に負け眠ってしまった。 当然といえば当然の事である。 ゆっくりは三大欲求の誘惑に非常に弱いナマモノである。 自然界に生き、人間から特別な訓練を施されていないゆっくりがそれにあがなおうとするのは並大抵の行為ではなく、 まだ成体でもないまりさにとって到底無理な事である。 「ゆぅ〜・・・おか〜しゃんだいしゅ・・・むにゃ〜。」 まりさの口の中でプチれいむは安心しきった寝顔で眠っている。 しかし、一度下り始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に終わらないのであった。 プチれいむは異変に気が付き目を覚ました。 コロコロコロ「ゆゆ! 」・・・コロコロコロ「おか〜じゃ! 」・・・コロコロ「もっぢょ! 」・・・ コロコロコロ「ゆっぐり゛! 」・・・コロコロコロ「ゆぎゅ! 」・・・コロコロ「ぴぎゃ! 」・・・ まりさの口の中でプチれいむは何度も壁にぶつかっていた。 理由は言うまでもなくまりさが転がりながら眠っているからである。 プチれいむは必死に悲鳴を上げてまりさを起こそうとするが、目を覚ます気配は微塵もない。 コロコロコロ・・・・・「ゆゆ?」・・・・・「とまっちゃの?」 突如まりさの動きが止まり、プチれいむも悲鳴を上げるのを止める。 しかし、口の中にいるプチれいむはなぜまりさが動きを止めたかまではわからなかった。 「ゆゆ〜、やっちょゆっくりねむれりゅよ。」 プチれいむが再び眠ろうとした時異変が起こる。 「ゆぅ〜・・・ゆふふ♪ おいしそうなごはんだ・・・むにゃ〜。」 「おか〜しゃん、れいみゅねむれにゃいよぉ。」 夢の中でまりさは大量のご飯を目の前にしている。 「ゆふ・・・ゆふふ♪ いっただっきま〜す・・・むにゃむにゃ〜。」 「ゆえ〜ん! ねむれにゃ・ゆぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 夢の中で食糧にかぶりつく・・・現実でも同じ様に。 プチれいむは間一髪の所でまりさの歯をかわしていた。 しかし、口の中という足場が不安定で視界も暗い中で的確な行動が取れるはずもない。 「む〜しゃ♪ 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」む〜しゃ♪ 「たべにゃいでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」しあわせ〜♪ 」 翌日、まりさは溜め込んだ食糧に顔をうずめた形で目を覚ます。 昨夜まりさが見た夢はおそろくはこれが原因である。 「ゆ〜っふ〜ん! おちびちゃんきょうもゆっくりしようね! おくちからゆっくりでてね! 」 まりさは大きな口を開けてプチれいむに口から出るように催促する。 しかし、プチれいむが飛び出す気配はなかった。 「ゆゆ〜? おちびちゃんどうしたの? 」 しかたなくまりさは口の中に感じるプチれいむであろう異物を慎重に吐き出す。 ペッ! ベチャ! まりさの目の前には唾液でベタベタになった赤いリボンが現れる。 昨日と同様にまりさの思考が停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 〜5分経過〜 (・・・・・あのりぼん・・・・・おちびちゃんのだよね?・・・・・おちびちゃんはどこ?・・・・・) 〜10分経過〜 (・・・・・ひょっとして・・・・・まりさが・・・・・おちびちゃんを・・・・・たべちゃったの?・・・・・) 〜15分経過〜 (・・・・・あれ?・・・・・どこかで・・・・・おなじようなことが・・・・・あったよね?・・・・・) 〜20分経過〜 (・・・・・おきたら・・・・・おちびちゃんがふたり・・・・・いなくなってた・・・・・) 〜25分経過〜 (・・・・・れいむも・・・・・あさ・・・・・いなくなって・・・・・) 〜30分経過〜 貧弱ながらも餡子脳で必死に情報を整理したまりさはある結論にたどりつく。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・ぜんぶばりざのざいなのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ゆぎゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! ごべんなざいごべんなざいごべんなざい! ! ! ぱっ! ぱっ! ・・・ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ っ ! ! ! ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ お お お お お お お お お お ! ! ! 」 普段使わない餡子脳をフル回転させたことに加え自らが犯した過ちに気が付き、それらの重圧に押しつぶされまりさ の心はついに壊れてしまった。 「ゆふふふふふふふふふふ! ゆはははははははははは・・・・・! 」 その日からまりさは溜め込んだ食料に口をつける事無く、眠ることも忘れ笑い続けるのであった。 〜春〜 長い冬を乗り越える事に成功したゆっくり達が巣穴から続々と顔を見せ始める。 まりさのいた巣穴には餓死したまりさの亡骸と大量に残された食糧という矛盾した光景が広がっていた。 こうしてれいむは強制すっきりにより、プチれいむ2匹は踏み潰され、1匹はまりさに食べられ、元凶であるまりさ は何も食べずに餓死し、各々の生涯を閉じたのであった。 B:プチれいむを帽子の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのぼうしのなかにはいってね! 」 「ゆゆ〜? ぼうちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのぼうしのなかでねむればぜったいあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか〜しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 まりさは舌を出し、プチれいむはそれを踏み台にして帽子まで到達するとゆっくりと中に潜り込む。 「ゆゆ〜♪ ちょっとくりゃいけどゆっくりできしょうだよ♪ 」 「おちびちゃんはおかあさんがまもってあげるからね! またあしたいっしょにゆっくりしようね。」 プチれいむはすぐ傍に母親がいるという安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは居もしない犯人を見つけるために必死に眠気を我慢して起きていたが、結局睡眠欲に負け眠ってしま う。 「ゆぅ〜ゆぅ〜・・・だいすきだよ・・・・むにゃむにゃ〜。」 「ゆぅ〜・・・おか〜しゃんだいしゅ・・・むにゃ〜。」 プチれいむはまりさの帽子の中で幸せそうな寝顔で眠っている。 しかし、一度転落を始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に止まる事はなかった。 「ゆぐ!」 プチれいむは突如体に加わった衝撃で目を覚ます。 「ゆぅ〜ゆっくりできにゃいよ〜おか〜・・・?・・・・・ゆゆ!おか〜しゃんがいにゃいよ! 」 現在プチれいむは地面に転がった帽子の中で横向きになっている。 まりさはと言うと帽子が脱げた事になど気づかないままコロコロ転がりながら眠っている。 帽子が傾いているためプチれいむはまりさの姿を確認する事ができず少し不安そうにしている。 「おか〜しゃんをさがしゃないちょ。」 プチれいむは這うようにして傾いた帽子から脱出を図る。 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「おか〜しゃ〜ん! 」・・・コロコロコロ・・・ 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「どこにいりゅにょ〜?」・・・コロコロコロン・・・ プチれいむが帽子の入り口に到達する。 「やっちょおしょとにでられりゅよ。」 ピョンッと外に飛び出した瞬間、プチれいむの目には転がりながら接近するまりさの姿が映っていた。 コロコロコロ「ぴぎゃあぁぁ! とまっちぇぇぇぇぇぇ! 」ブチュ!・・・コロコロコロ・・・ コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 迫り来る母親の巨体、それがプチれいむの見た最後の光景であった。 翌日、まりさは帽子が脱げた状態で目を覚ます。 「ゆ〜っふ〜ん! ゆゆゆ! まりさのたいせつなぼうしがないよ! どこいったの!?」 まりさは血相を変えて巣の中を見回す。 すぐに帽子を発見し安堵するが、近くに転がっているある物を見つけ表情を凍らせる。 まりさの目線の先には押しつぶされて物言わぬ饅頭となったプチれいむが転がっていた。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! おぢびぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!?どうじでづぶれでるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ぜんぶばりざのぜいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! ごべんでえぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ばりざがねぢゃっだがらだあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 ついに独りぼっちになってしまったまりさは潰れたプチれいむの横でひたすら泣き続けた。 〜1時間後〜 「いなくなったおちびちゃんおぶんもまりさはゆっくりするからね! 」 あっさり立ち直っていた。 幸い巣穴には1匹なら余裕で春を迎えられるであろう大量の食糧が蓄えられている。 まりさはゆっくりと春を待つのであった。 〜春〜 ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ヒョコッ! 巣穴からまりさが顔を出す。 「ゆゆ〜♪ やっとはるになったよ♪ これでゆっくりできるね♪ 」 まりさは尊い犠牲(?)により無事春を迎えることができた。 今となっては相方であったれいむや潰れて死んだプチれいむの事はほとんど記憶に残ってはいない。 「ゆっゆゆ〜ん♪ ゆっゆゆ〜ん♪ 」 まりさは希望に胸膨らませて春の森へ繰り出していった。 結局、最後までまりさは自分が原因でれいむやプチれいむが死んでしまった事に気付かなかった。 そして、当然寝相の悪さは直ってなどいない。 この先、まりさは再び気の合うゆっくりを見つけてつがいになるだろう。 そしてそのつがいとなったゆっくりはゆっくりできない生涯を送る事になるのであった。 第1話 〜ゆっくり眠れないまりさ〜 END 「そこまでよ! このすぺ〜すはぱちぇがいただいたわ! 」 なにやら変なのがわきました。 番外編 〜がんばれゆっくりぱちゅりー2〜 「むきゅ〜♪ おうちがかんせいしたわ! これでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは自分で地面に掘った巣穴の中に居る。 決して広くはないが、体の弱いぱちゅりー種が巣穴を1匹で完成させるのは非常に稀なケースである。 「むきゅ〜♪ ちかくにはたくさんしょくりょうがあるしかんぺきだ・・・。」 パラッ・・・パラッ・・・パラパラパラ・・・ドッシャ〜ン 「むぎゅー! 」 突如巣穴が崩れぱちゅりーは下敷きになってあの世へ旅立った。 少し考えればわかるものだが、体の弱いぱちゅりー種が掘れる場所など柔らかく崩れやすい場所に決まっている。 完成した時はぎりぎり形状を保っていたが、中でぱちゅりーが出した声がトリガーとなり崩壊してしまったのだ。 本来ぱちゅりー種は自らの知識を活かし他のゆっくりと共生することで生き延びる種である。 自らの豊富な知識に自惚れ他のゆっくりに近づこうとしなかったこのぱちゅりーに初めから未来など無かったのだ。 (むっきゅーーー! これじゃまえとおなじじゃない! なんでぱちぇだけこんなにすこしなのーーー! けほっけほっ。) 以前にも似たような事があった気がするけどTAKE2 「むきゅ〜♪ しょくりょうもあつまったしこれでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは老木の洞の中に居る。 洞の奥には色とりどりの秋の味覚が溜め込まれている。 体の弱いぱちゅりー種がこれだけの量の食糧を1匹で集めるのは非常に稀なケースである。 「しっかりいりぐちをふさいでっと、かんぺきだわ! 」 ぱちゅりーは完璧な計画に胸躍らせながらゆっくりと眠りについた。 ガクガクガクガクガク 大寒波が到来した翌日、ぱちゅりーは寒さに震えていた。 いかに洞の中とはいえ寒さをすべて緩和する事など不可能である。 「ざ、ざむいわ・・・も・もうだめ・・・むぎゅぅ・・・・・。」 寒さに耐えられなくなったぱちゅりーは敢え無くあの世へ旅立った。 ぱちゅりー種はゆっくり一皮が薄く、また中身が生クリームという事もあり寒さにも暑さにも弱い種である。 他のゆっくりと一緒に越冬し、肌を触れ合わせて体温を上昇させ生き延びるのがぱちゅりー種である。 自らの豊富な(ry (むきゅぅ・・・。) 中篇へ続く
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『Discrimination 3 ~まりさの願い~』 53KB いたづら 差別・格差 自然界 連続ものです かすがあきです。 注意 anko4334 Discrimination 2 ~歌姫れいむ~ の続きです。 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 独自設定があります。 ぬるいです。 anko4004 初詣の帰りに に出てきたHENTAIっぽい人と胴付き れいむがでてきます。 幸せな胴付き れいむが幸せなままです。 チート気味なゆっくりがでてきます。 Discrimination3 ~まりさの願い~ れいむの世話をするようになって、まりさは以前にも増して狩りに精をだすようになった。 「いなかものの まりさ、もっと かりの せいかを むれに けんっじょう しなさい。」 長ありすが、まりさの狩りの成果の ほぼ全て献上させようとしても、それを断るようになった。 「ゆっくり ごめんだよ、おさ。 まりさは れいむに ごはんさんを たべさせないと いけないから、 これ いじょうは けんっじょう できないよ。ゆっくりりかいして ほしいよ。」 「まぁ、なんて いなかものなの。いいの?そんなことを いって?」 「おさ、まりさも れいむも むれの いちいんだよ。 ほかの みんなが けんっじょうする りょうよりも たくっさんの ごちそうを まりさは けんっじょう しているよ。 これ いじょう けんっじょう したら、まりさは うえて もう かりが できなくって、あしたから なにも けんっじょう できなくなるよ。 もし、そう なったら、おさたちも こまるでしょ?」 まりさが狩りをできなくなれば、群れに献上される蝶といった狩るのが難しいご馳走の量が減る。 そのため、長ありすは まりさの要求を飲むしかなかった。 なお、まりさが群れに献上している食料は誰よりも多い。 「よかったよ。きょうも れいむが だいすきな ちょうちょさんと みみずさんを たくっさん まもれたよ。 これで れいむも よろこんでくれるよ。れいむが うれしい かおに なってくれると、まりさも うれしくなるよ。」 笑顔で自宅へと歩く まりさ。その顔は以前のような作り笑顔ではない。 まりさは今、幸せなのだ。 守るべき者ができたことが まりさに充実した日々を与えている。 もっとも、まりさは自分が れいむに嫌われていることを自覚しており、まだ頬を合わせたことはない。 「れいむー、ただいまだよ。きょうも ごはんさんが たくっさん とれたよー。」 まりさがそう言いながら巣穴へと入る。 まりさの声を聞いた れいむが、ゆっくりと まりさの側に近寄り、無言で左揉み上げを伸ばす。 「れいむ。ゆっくり ただいまだよ。はい、きょうも ちょうちょさんや みみずさんが あるから、ゆっくり たべてね。」 「うーしゃうーしゃ……っひあはっへーー!!」 れいむの食事を介護をするまりさ。その顔はとても幸せそうだ。 愛する れいむの側にいることが、誰かの役にたつことが、ずっと1匹でいた まりさには嬉しいのだ。 例え愛されていなくても、誰かと一緒にいる。それだけで充分なのだ。 ----------------- れいむには分けがわからなかった。 なぜ可愛くて、歌姫である自分がこんな惨めな生活を送ることになったのか、理解ができなかった。 いつものように広場で歌を歌っていると、人間に突然襲われた。 『れいむの汚い歌を聞かせて すいませんでした。 れいむは世界一歌がヘタな ゆっくりです。れいむの歌を聞くぐらいなら、トイレの音のほうがまだましです。って言え。』 頭を強く踏まれ、事実無根なことを言えと強要された。 『言えないの?だったら、このまま死のうか。ありすみたいに。』 「ゆ゛!?い、いいばず!!いいばずがぁらあああああ!!! ……………れ、れぃ……れいむ、の……れいぶの ぎだない おうだを ぎがぜ、で……ず……っずいばぜんでじだぁああああ!!! れいぶはぁあああああ!!!れいぶは ぜがいいぢ うだが べだな………べだな ゆっぐりでずぅうううう!!! れいぶの おうだを ぎぐ ぐらいなら、どいれざんの おどの ほうが まだ まじでずうううううううう!!!! っゆ!!っゆっばあぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」 心にもないことを言い、れいむは泣き叫んだ。 が、れいむの悲劇はこれで終わらなかった。 人間は れいむの両目をくりぬいた。 もう何も見ることができない。永遠に暗闇の中で生きることになった。 人間は れいむの舌を切り取った。 もう上手に発音をすることができない。永遠に歌を歌うことはできない。 人間は れいむの右揉み上げを引きちぎった。(正確には違うが、れいむはそう考えている。) 2本の揉み上げでピコピコすることが永遠にできなくなった。 あまりの激痛で死にそうになった。 だが、人間に何か冷たくて甘い水(スポーツドリンク)をかけられ、痛みが引いていくのがわかった。 これで助かると れいむは確信した。 が、どんなに頑張っても、目は見えないし、揉み上げも元に戻らないし、発音も上手くできない。 「おおいええぇぇえええええええええええええええええええ!!!! えいうあ゛ぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!」 ショックで叫んでいる れいむの周りに れいむに想いを寄せる ゆっくりたちが集まった。 いや、正確には、れいむに想いを寄せていた ゆっくりたちだ。 彼女たちは れいむを見て、笑い、バカにしだす。 れいむは理解できなかった。何故自分が笑われているのか、バカにされているのか。 何故慰めてくれないのか?何故心配してくれないのか?何故助けてくれないのか? やがて れいむは知った。 自分の身体から、両目と舌と揉み上げが無くなり、そのせいでバカにされていることを。 医者を務めている幹部ぱちゅりーが れいむに冷たく言う。 「むきゅ。だめね、れいむ。あなたの けがは なおらないわ。 ぱちぇの えいちをもってしても ここまで ゆっくりしていない ゆっくりは なおせないわ。 もし あなたが ゆっくりしいれば ここまで ひどい けがには ならないし、なおせたでしょうに。 あなたが ゆっくりしていないのが いけないのよ。ゆっくりりかいしなさい。」 そして、群れの緊急集会で れいむをどうするかが議論された。 群れから追放し、野垂れ死にさせるか。 すっきり死するまで、群れの全員で嬲るか。 意見は2分されたが、どちらに転んでも れいむが死ぬことだけは確定している。 「ああぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!あうえぇえええええええええええええええええ!!! あうええぇぇええええええええええええええええええええええええ!!!!おえあいいぃいいいいいいいいいい!!!!!!!! はうへえ゛ぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」 死にたくない れいむは叫ぶ。 そして、れいむは帽子のない まりさに救われた。 「れいむの おせわは、まりさが まりさの おうちで するよ!」 あれ程バカにしていた、見下していた まりさだけが、れいむをかばったのだ。 まりさに誘導され、れいむは まりさの家へときた。 「れいむ。とりあえず、これを たべてよ。さっき、これだけは おさたちに けんっじょうせずに かくして もってきたんだ。」 まりさは れいむの左揉み上げにミミズを乗せながら言う。 左揉み上げと、短くなった舌をつかって、ミミズを口内にいれ、咀嚼する れいむ。 「うーしゃうーしゃ……っひあはっへーー!!」 「ゆ!よかったよ。れいむは みみずさんが だいっすき だもんね。ようやく れいむが すこしだけど わらってくれたよ。」 「うううあいおぉおおおおおおおおおおおおおおお!!! おあへなんはあいうはぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 見下していた まりさに慰められたことが、れいむのプライドを傷つける。 悔しさから れいむは大きく叫び、暴れる。 「れ、れいむ、ごめんだよ。まりさが へんなことを いったのなら あやまるよ。だから あばれないで ほしいよ。」 まりさが謝り、れいむの機嫌は少しだけ収まる。 「ははれはいいんはお!ほっと ひひふはんを ほうたいね!ふふへ いいよ!!」 そして、帽子のないまりさと、両目と舌と右揉み上げのない れいむの生活が始まった。 れいむにとって、新しい生活は苦痛でしかなかった。 目が見えない恐怖。意思を伝えられない もどかしさ。見下していた相手に依存する生活。 そして何より、今まで れいむのことを慕っていた ゆっくりたちからの罵声が辛かった。 まりさの おさげを残った揉み上げで掴み、外を歩いていると、あちこちから笑い声が聞こえてきた。 「ゆぷぷ。ゆっくり できない ふたりが なかよく あるいているよ。」 「げらげらげら。おにあいさんなのぜ。」 「まぁ、いなかもの かっぷるさんね。さっさと しねばいいのに。」 帽子のない まりさとの間を勘違いされるが辛かった。 「へいふあ へいふ。へいふあ へいふ♪」 広場で歌ってみるが、舌が短くて上手く歌えていないことが自分でもわかり、涙が瞼の裏の眼孔にたまる。 「げらげらげら。なんって へたくそな おうた なのぜ?」 「ゆぷぷ。ほんっとうに へただね。そんな おうたしか うたえないなら、しんだほうが いいよ!さっさと しんでね!」 自慢の歌だったのに。れいむはバカにされる悔しさで涙を流す。 「ぶっさいくな れいむが ないてるんだねー! あんまり ぶさいく だから いきているのが つらいんだねー!わかるよー!」 「もみあげさんが かたっぽしか ないなんて、いなかもの まるだしの れいむね。 おなじ むれに しょぞくしている とかいはな ありすまで はずかしく なるわ。 さっさと でていって ほしいわ。」 自慢の揉み上げを失い、不細工と言われる毎日に、れいむは涙を流す。 「ほほ いへえぇぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!! やへえぇええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! へいふを いひへないへぇえええええええええええええええええええええええええええ!!!! へいふは はわいほう はんはお!!ははひふ ひなひへはひんはほぉぉおおおおおおおおおお!!!」 れいむは大きな声で 【どうして?止めて、れいむを苛めないで、れいむは可哀想なんだよ、優しくしなくちゃいけないんだよ!】 と叫ぶが、その願いは誰も聞き入れない。正確には、れいむが何といっているか理解できる ゆっくりがいない。 だが、惨めに泣き叫ぶ れいむの姿を見て、群れの ゆっくりは、笑顔で れいむをバカにし、ゆっくりした気持ちになる。 れいむが泣けば泣くほど、叫べば叫ぶほど、れいむの惨めさは際立ち、群れの ゆっくりは れいむをよりバカにするのだ。 ついには、まりさの巣穴から外にでようとしない、引きこもり生活になる。 まりさが狩りに出かけると、巣穴の中で独りになる。 孤独を本能的に嫌う ゆっくりにとって、巣穴で独りでいる事は辛い。 だが、外にでて苛められるのも辛い。 そして、れいむが隠れても、群れの ゆっくりは れいむへの嫌がらせを止めなかった。 「きょきょりゃへんに ゆっきゅり できにゃい れいみゅが いちょうりょう ちちぇいりゅ ゆっきゅり できにゃい まりちゃの おうちぎゃ ありゅんだね!」 「ゆぷぷ。そうだよ、おちびちゃん。このあたりに、おぼうしを なくして ゆっくりしてない まりさの おうちが あるんだよ。 そして、そのなかには、おめめと したさんと もみあげさんを なくした ゆっくりしてない れいむが いそうろう してるんだよ。」 「げりゃげりゃげりゃ。おかしいのぜ。 そんな ゆっくり できない まりちゃの ちょこりょに いちょうりょうを ちゅりゅにゃんちぇ、 ちょにょ れいみゅの あちゃまは おかちいに ちぎゃいにゃいのじぇ!」 「ゆぷぷ。ほんっとうだね。ゆっくりできない やつらだね。 れいむの ほうは さいっきん おそとに でないから しんだかも しれないね。 でも あんな ゆっくり できない やつ しんだほうが いいよね?おちびちゃん!」 「ちょうだにぇ!!」×2 巣の外から聞こえてくる笑い声。 わざわざ まりさの巣の側で聞こえるように大きな声でいうあたり、下の存在をどこまでも見下すゆっくりの本質が見える。 れいむは声を殺して泣く。本当は大声で泣叫びたいのだが、それはできない。 以前、大声で泣いたところを、結界で隠されていた巣の入り口がバレ、巣の中に ゆっくりたちが入ってきたことがある。 そして、ぎりぎり死なない程度に暴行を受けた。 夜、まりさが必死に看病をしなければ、死んでいただろう。 「ぺーろぺーろ、ぺーろぺーろ。れいむ、しっかり してね。 ぺーろぺーろ、ぺーろぺーろ。れいむ、ゆっくり きいてね。 どんなに くやしくても、えがおで いないと だめだよ。 もし ないたり おこったり したら、おもしろがって もっと もっと ひどいめに あうよ。 だから くやしくもて、えがおで いるんだよ。だいじょうぶだよ。 いつも えがおで いれば、きっと いつか しあわせーに なれるよ。」 まりさの治療をうけながら、れいむは一つ理解した。 巣の外から自分がバカにされているときでも、泣いてはいけないことを。 大きな声をだせば、巣の場所を知らせ、暴行を受けることを。 どんなに悔しくても、声をだしてはいけないこと。 翌日から、れいむは声を殺して泣くようになり、被害を最小限に抑えるようになった。 だが、肉体的の痛みはなくても、れいむの心は痛む。 悔しい想いが、れいむの辛い生活をより辛く、より ゆっくりできないものにする。 そんなゆっくりできない生活を送るれいむにも、唯一の楽しみがある。 それは食事だ。 毎日、好物のミミズや蝶を満腹になるまで、いや、満腹以上に食べている。 「うーしゃうーしゃ……っひあはっへーー!!」 食べている時だけ、れいむは自分の惨めな境遇を忘れることができた。 食べることで、自分の惨めな生活を誤魔化すようになり、ストレスから れいむの食事量は増えていった。 そして、動かない生活から、ぶくぶくと太り、茄子のような醜い外見となった。 --------------- よく晴れた日、歌姫だった れいむの両親と姉であるぱちゅりーが山の頂上付近にいる。 間もなく巣立ち、独り立ちをする子ぱちゅりーのための、最後の家族水入らずのピクニックだ。 「ゆーん。とっても いい けしきさんだね。とっても ゆっくりできるよ! それに きょうは とっても ゆっくりできる おてんきさんで とっても ゆっくりできるね!」 「むきゅ。ほんとうね。 おちびちゃんと さいごの ぴくにっくに ふさわしく、とっても ゆっくりできるわ。」 「むきゅ。おとーさん、おかーさん。ほんとうに ありがとう。 ぱちぇは かぞくさいごの ぴくにっくさんの おもいでを おそらの ゆっくりぷれいすに いくまで おぼえているわ。」 間もなく訪れる別れの時を考え、3匹は寂しい気持ちになる。 「さぁ、しんきくさいのは、あの ゆっくりしてない おちびちゃんだけで じゅうっぶんだよ! ゆっくりしている れいむたちは、なかよく おべんとうさんを むーしゃむーしゃしよーね!」 目尻にたまった砂糖水の涙を揉み上げで拭い、母れいむが笑顔で言う。 子供が独り立ちをするのだ、寂しくはあっても悲しむことではない。 「むきゅ。そうね、れいむの いうとおりね。みんなで ゆっくり おべんとうさんにしましょう。」 「ゆっくりりかいしたよ。」 「むーしゃむーしゃ……しあわっせーー!!」×3 一心不乱に食事をした後、3匹は笑顔で話をする。 話題は家族であった れいむのことである。 「むきゅきゅ。それにしても いもーとの すがたったら ほんっとうに ゆっくりしてなかったわね。 いもーとが あんな ゆっくりしていない ゆっくりだった なんて ぱちぇ しらなかったわ。 このままじゃ もりの けんじゃ しっかくよ。もっともっと おべんきょうを しないと。」 「むきゅ。きに することは ないわ。 もりの けんじゃである ぱちぇも まさか じぶんの むすめが あんなに ゆっくりしていなかった なんて しらなかったもの。 れいむ、つぎは もっと ゆっくりした おちびちゃんを つくって、もっともっと ゆっくりしましょうね。」 「まっかせてね!つぎは あんな ゆっくりしてない おちびちゃん なんて うまないから あんっしんしてね!!」 怪我をしただけで、家族を必要以上に見下す3匹である。 『うるさい!目障りだぞ、お前ら。宿題の邪魔をするなよ』 そんな3匹が声高々に笑っていると、スケッチブックをもった少年が3匹の前に現れた。 「むきゅ、にんげんさんが もりの けんじゃである ぱちぇに なんの ようかしら? まどうしょを もっている ことから、もしかして、ぱちぇに おべんきょうを おそわりに きたの?」 「むきゅ。おとーさん、きっと そうよ。 にんげんさん、その まどうしょと あまあまを けんっじょう したら、 とくっべつに もりの けんじゃである おとうさんが こうぎを してくれるわ!かんしゃしなさい!」 「ゆ?あまあま??にんげんさん、あまあまを くれるの!?すぐで いいよ!とくもりで いいよ!!」 3匹は人間を見るのは初めてである。そのため、記憶餡に刻まれた、 人間は ゆっくりしていない → ゆっくりした自分たちのほうが格上 → 危険がない という誤った情報と推論しかできない。 つい先日、家族であった れいむが人間に虐待を受け、惨めな姿になったことを知っているにも関わらず、 3匹は人間に対する知識を改めることができていない。 賢者と自負しても、所詮は餡子脳ということである。(実際は賢者ですらないが。) 『誰がお前らゴミに菓子をやるかよ。僕はスケッチの宿題で忙しいんだ。いいからどっかいけ。』 右手で払う動作をしながら少年が言う。 ちなみに この少年、地元の小学生で、自然画の宿題をするためにこの山にきている。 ぱちゅりーたちは気がついていなかったが、少し離れた場所でスケッチをしていたのだが、 ゆっくりたちの声がうるさいので文句を言いにきたのだ。 「いいから あまあまを ちょうだいね!!ぜんっぶで いいよ!!」 要求量を増やして母れいむが叫ぶ。 「むきゅ!!もりの けんじゃである ぱちぇに むかっての ぼうっげん!ゆるさないわ! そのうえ きちょうな まどうしょを ひとりじめ するなんて!これは せいっさいね!!」×2 ゴミと呼ばれ、賢者としてのプライドを傷つけられた父ぱちゅりー、子ぱちゅりーが叫ぶ。 なお、魔導書とは、少年が手にしているスケッチブックのことである。 3匹はひたすら少年に向かって暴言を吐き続ける。 この少年、別に虐待派というわけではないが、害饅頭に絡まれて喜ぶほどの愛誤派でもない。 『ああ、もう、面倒だな。』 必然的に、少年は3匹を排除することになる。 「むきゅ?おそら とんでるみたい!ついに ぱちぇの えいちは てんっくうをも しはい したのね!!」 少年はスケッチブックを地面に置き、父ぱちゅりーを持ち上げる。 『ええっと、たしか………』 先日体育の授業で教わった砲丸投げの要領で父ぱちゅりーを投げる。 「!!おぞらとんでりゅうううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………」 -ッ フ゛ ッ ス !! 少し離れたところにある木の枝に父ぱちゅりーが勢いよく突き刺さる。 幸運にも(?)中枢餡を枝が貫いたため、父ぱちゅりーは絶叫をあげることもなく絶命した。 「おどうざんっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!??」 「れいぶの ぱちゅりーぎゃぁぁああああああああああああああああああああ!!!!??」 少年の足元で、2匹が騒ぐ。 次はどちらを投げ飛ばそうかと考えていると、母れいむが子ぱちゅりーに向かって叫んだ。 「おちびちゃん!!おとーさんが しんだから、これからは おちびちゃんが おかーさんを やしなってね!! ひとりだち なんて したら だめだよ!!れいむの あたらしい だーりんが みつかるまで ゆっくり たのむよ!!」 番を失ったことで、今後の生活を(食料)心配する母れいむである。 母れいむが所属している群れでは、食料の再分配が行われており、 育児中で狩りにいけないシングルマザーには食料の援助がある。 しかし、すでに子ぱちゅりーは成体になっており、独り立ちができる。 番をなくし、育児中でもない母れいむは自分で狩りをし、生計を立てなければならないが、 母れいむは狩りの腕が絶望的に悪く、そのことを自覚している。 雑草程度であれば狩ることができるが、そんな面倒なことはしたくない。 子供に寄生しなければ餓えることを本能的に察知しての発言である。 『うわぁ~、さっすが れいむ種。自分の子供に寄生する気満々かよ。 ん!?そうだ!いいこと思いついた。』 母れいむを軽蔑の名眼差しで見つめた少年が、そう言って母れいむからリボンを奪い取る。 「ゆ?っゆっがぁぁああああああ!!!かえぜえええぇぇぇええええええええ!!! おりぼんさんをかいぜぇえええええええええええええええええ!!! ざっざどがえぜぇえええええええええええ!!!おりぼんざんがないど、ゆっぐりでぎないぃいいいいいいい!!!」 醜い顔を更に歪め、母れいむが地団駄を踏みながら叫ぶ。 少年はそんな母れいむを無視しながら、子ぱちゅりーを持ち上げる。 「むきゅ?おそら とんでるみた……んぎゅ??」 持ち上げられた感想を大きな声で叫んでいる最中、子ぱちゅりーの口内にリボンが入れられた。 「んん!?んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!????」 そして、強制的に口を閉じられ、ガムテープで口を封印された。 簡単には剥がれないように、ガムテープを何重にも張ってから、少年は母れいむの側に子ぱちゅりーを置く。 『ほら、れいむ。お前の大事なリボンは ぱちゅりーの口の中だよ。 早く取り出さないと、消化されて うんうんになるよ。早く取り出したほうがいいよ?』 「おおおお おちびちゃん!!!はきだしてね!!! すぐにおかーさんの おりぼんさんを はきだしてねぇえええええええええええええ!!!」 「むんんむんんんんんんんんんんん!!!!」 母れいむに言われるまでもなく、子ぱちゅりーは異物であるリボンを口から出そうとする。 が、ガムテープのせいで、口を開けることがでいない。 「なにいっでるのぉおおおおおおおおおおおおおお!!!??? はやくださないど、だいっじな だいっじな おりぼんが うんうんに なっちゃうでしょうがぁああああああ!!!」 「むんん!!!むんんむんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!」 「ゆっがぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!! ざっざど だぜぇえええええええええええええええええ!!!! ぜいっざい じでやるぅうううううううううううう!!!げすな くそちびを ぜいっざい じでやるぅううううううう!!!」 「っむん!!!むんん!!!!っむんん!!!」 自分の要望をきかない子ぱちゅりーにイラついた母れいむが制裁として体当たりを始めるが、 ガムテープで口をあけれない子ぱちゅりーは泣叫ぶことも、リボンを吐き出すこともない。 愛する母親からの暴言と暴行に、ただ涙を流すだけだ。 なお、子ぱちゅりーが逃げ出さないように、少年は子ぱちゅりーを足で踏みつけている。 「ぜばぁ~~……ぜばぁ~~………」 制裁に疲れた母れいむに、少年が笑顔で言う。 『れいむ、早くしないとリボンがなくなるよ。どうやらこの ぱちゅりーは口を絶対にあけないみたいだね。 そうだ!頬を喰い破ればいいんじゃないかな?』 「ゆ!それは めいっあんさん だね!ほめてやるよ!とくっべつに どれいに してやるよ!かんしゃしてね! いい、げすな おちびちゃん?これは せいっさいだよ!れいむは わるくないよ!ゆっくりりかいしてね!」 「っむんん!!!!!っむんんんんん!!!!!!!!!!!!!」 大きく口をあけた母れいむに、子ぱちゅりーが涙を流しながら、命乞いをする。 が、その声は母れいむには届かない。 - カ゛ フ゛ リ !! ミチ! ミチ ミチ ミチミチ!! 「っむんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!」 「むーじゃむーじゃ……っしあっわっせーーーーーーー!!!! ゆーん、げすな おちびちゃん だけど、なかの なまくりーむさんは とっても おいしいね! もっともっと たべて、れいむの だいっじな だいっじな おりぼんさんを とりかえすよ!! かくごしてね!これは せいっさい だからね!ぜんぶ げすな おちびちゃんが わるいんだからね!ゆっくりりかいしてね!!」 子ぱちゅりーの頬からあふれ出る生クリームを食べながら、母れいむが笑顔で言う。 「っむんん!!!!!!!!っむんん!!!!!!!!!………んんっん!!!っむんんんんんんんんんんんんん!!!!」 子ぱちゅりーは激痛から、暴れるが、少年が足で押さえつけているので、動くことができない。 なお、激痛から子ぱちゅりーは口内に留めていたリボンを飲み込んでしまったがその事実に誰も気がついていない。 「むーじゃむーじゃ……っしあっわっせーーーーーーー!!!! むーじゃむーじゃ……むーっぎゃ!!っゆ??」 リボンを取り戻すことと、甘味に酔いしれていた母れいむの動きが止まる。 子ぱちゅりーの歯にぶつかったのだ。 「がーじがーじ……ゆ!げすな おちびちゃん!さっさと その じゃまな はさんを どけてね!!」 ゆっくりの歯と歯では硬度が同じため、母れいむでは歯を中々破壊できない。 「っむんんんん!!!!むんんんん!!!!」 『そうだ、れいむ。歯を壊せないなら、背中(?)から食べればいいだろ? はやくしないと、大事なリボンがなくなるよ!』 「ゆ!そうだね!それは めいっあんさんだね!! さっさと しないと、だいっじな だいっじな おりぼんさんが なくなっちゃうもんね!さっさとするよ! かわいい かわいい れいむが げすな おちびちゃんから おりぼんさんを きゅうっしゅつ するよ! むーじゃむーじゃ……がーつがーつ………」 「っむんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!」 子ぱちゅりーが絶叫をあげるが、口が完全に固定されているため、悲鳴にならない。 「っむん!!っむんむんんんむんんんん………」 やがて、出生クリーム多量で、子ぱちゅりーが死んだ。 「がーつがーつ……うっめ!これめっちゃうっめ!! ゆーん、おいしーよー!!ゆっくりーーーー!!!! げすな おちびちゃんを もっと たべて、おりぼんさんを とりもどすよ!!がーつがーつ…… っゆ!?っゆっぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 子ぱちゅりーの死骸を至福の顔で食べていた母れいむが突然絶叫をあげる。 「ぞんなぁああああああああああああああああああああああああ!!!! れ、れれれれいぶの おりぼんざん っぎゃぁああああああああああああああああああ!!!」 母れいむのリボンは子ぱちゅりー体内で殆ど溶けており、かろうじて結び目が残っているだけであった。 「おりぼんざんが ないど、ゆっぐり でぎないぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! じっね!!!!げずな おちびぢゃんは ざっざど じねぇええええええええええええええええええええええ!!!!」 母れいむは、すでに事切れている子ぱちゅりーに体当たりをする。 「ゆばぁ~~……ゆあばぁ~~…… れいむの おりぼんさんが………どうじよう………おりぼんざんが ないど、ゆっぐりでぎない………」 ゆっくりは飾りのない個体を見下し、嫌う習性がある。 このままでは、再婚できず、他者に寄生することができない = 死 という未来しかまっていない。 「っゆ!ゆぷぷ!そうだ!いいことを おもいついたよ!! ゆーん、さっすが れいむだよ!かしこ すぎるよ!!かしこくって ごーめんねー!!」 体を捻り、ウインクをしながら舌を少しだすという気持ち悪いポーズをしながら母れいむは叫ぶ。 そして、笑顔で僅かに残ったリボンの残骸と、娘の死骸から離れていく。 『まったく、自分の子供をリボンのために殺すだなんて、本当にゆっくりってのはダメな生物(なまもの)だな。 さて、静かになったし、宿題、宿題っと……』 少年は子ぱちゅりーの死骸を蹴り飛ばしてから、てきとうな岩に座り、宿題である風景画を描き始めた。 虐待派でない少年にとって、逃げていく母れいむの存在など、どうでもよいのだ。 -------------- 「うーしゃうーしゃ………ほへなひー……」 まりさの家の中で、れいむは まりさが用意したオヤツを独りで食べている。 まりさが狩りで出かけており、暇ですることがないので、空腹でなくても れいむは起きている間常に何かを食べている。 今食べているのは苦い草なので、あまりおいしくないが れいむは食べ続ける。 例え満腹であろうとも、不味いものであろうとも。 食べるという行為によって、心の隙間を埋めているのだ。 「……ん…………ゃん………」 「ゆ?ほへは ひほえる??ひふはに ひないほ………」 誰かの声がれいむの耳(?)にはいり、れいむは食べるのをやめ、静かに息をひそめる。 巣の入り口をばれないようにするためである。 「………れいむの かわいい かわいい おちびちゃん!?どこに いるの?ゆっくり でてきてね!!」 「ほはーはん??」 「おちびちゃん!おかーさんだよ!どこにいるの?でてきてね!すぐでいいよ!!」 「ほっはーっはぁあああああああ!!!ほはぁぁぁああっはぁああああああああああああああああああん!!」 息を潜めていた れいむが大きな声で叫ぶ。毎日自分を可愛がってくれた母親だ。 怪我をしたときも、家族で一番ショックをうけていた。 きっと自分を助けに来たに違いない。そう考え、れいむは自分の位置を知らせるために大きな声で叫ぶ。 「っゆ!おちびちゃんの こえがきこえるよ!!このなかだね!」 母れいむは、結界を破壊し、巣の中にはいる。 「れいむにの おちびちゃん!あいたかったよ!!」 「ほはーさん!!」 そして母れいむは、巣の結界を破壊し、巣の中へと入ってきた。 れいむは、母れいむの声を頼りに、側に近づく。 「……おちびちゃん。ひさしぶりだね。あの ゆっくりしていない まりさは いるの?」 れいむは首をふる。 「ゆ。かりに でかけているの?」 れいむは頷く。 「そうなんだ。ゆーん、よかったよ。もし あの ゆっくりしてない まりさが いたら じゃまを するかも しれないからね。」 母れいむの言葉を聞い自分を助けてに来てくれたと れいむは確信した。 きっと、怪我を直す方法を見つけてくれたに違いない。 怪我が治れば、ゆっくりしていない まりさと縁がきれる。 しかし、まりさは自分に一方的に好意を寄せている。怪我が治ることを知ったら、邪魔をするに違いない。 邪魔されないために、母はまず まりさの不在を確認したのだろう。 母の言葉から、上記のように考えた れいむの顔が自然とにやける。 これでまた毎日ゆっくりした生活が過ごせると信じているのだ。 「ゆ……ゆふふ……ふふふ……」 自然と笑いがこみ上げてくるれいむである。 怪我がなおり、一通り ゆっくりしたら、帽子をなくした まりさを これまでの仕返しに苛めようと考えている。 驚くことに、れいむは自分の惨めな境遇の元凶は全て まりさであると決めつけている。 見下している相手に依存するとう現実から目を背けるため、ここ数日の間に、 元凶である まりさが自分の世話をするのは当然であると考えるようになっているのだ。 「おちびちゃん、れいむにだけど ゆっくりしてない おちびちゃん。 おかーさんに その おりぼんさんを けんっじょう してね!すぐで いいよ!!」 「…………」 突然の母の言葉に、れいむが固まる。 「なにしているの!?さっさと けんっじょうしてね! おかーさんは どうっしても ゆっくりしてない おちびちゃんの おりぼんさんが ひつようなんだよ!」 「ゆ???????」 母れいむの再度の言葉にも、れいむは頭が追いつかない。 当然だが、母れいむはれいむの治療に来たわけではない。 新しい番を探すため、失った自分のリボンの代わりに、娘のリボンを奪いにきたのだ。 「っゆっがぁあぁああああああ!!! いいから さっさと おりぼんを よごぜぇぇええええええええええええ!!! この ゆっぐりじでない くぞちびがぁぁああああああああああああああああ!!!」 自分の言葉を理解していない れいむに苛立った母れいむが、れいむに体当たりをする。 「っ!?」 幸い(?)ぶくぶくと太っていたため、ダメージは殆どない。 攻撃を受けたことで、れいむは母れいむが自分に敵意をもっていることを理解できた。 「まったく、おめめは ないわ、もみあげは ないわ、したさんは ないわ、おまけに ぶくぶくと ふとって、 そのうえ おりぼんさんを けんっじょう しない なんて!なんて ゆっくりできない げすな くそちびなの? そんな くそちびを せいっさいするよ! かわいいかわいい れいむが ゆっくりできない げすな くそちびを せいっさいするよ!!」 母れいむは娘である れいむに体当たりを繰り返す。 ダメージはないが、れいむの心は痛かった。 ようやく助かると思った瞬間、助けにきたはずの母親が裏切ったのだ。 (正確には、母れいむは助けにきたわけではないので、れいむの単なる勘違いだが。) ゆっくりは思い込みの生物(なまもの)である。 「はべ………っげっほぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 例え身体にダメージが少なくても、精神的苦痛が大きければ、それは無視できないダメージとなる。 れいむは精神的苦痛から、吐餡をする。 「ゆぷぷ。ようやく れいむの せいっさいが きいてきだね! このまま れいむは げすな くそちびの おりぼんさんを てにいれるよ!」 母れいむは れいむのリボンを外そうとする。 「っあえへへえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 吐餡をした れいむであるが、命と同価値である大事なリボンを黙って奪われるわけにはいかない。 大声をあげて、抵抗をする。 抵抗といって、目が見えないため、正確な防御はできない。ただ大声をあげ、必死に体を揺らすだけだ。 「ゆぷぷ。なに いっているか さっぱりだよ。れいむ みたいに もっと おじょうひんに しゃべってね! さぁ、さっさと おりぼんさんを うばいとるよ!!!かんしゃしてね!!!」 母れいむは、そう言って、れいむの後ろにまわり、頭に飛び乗る。 口でれいむの後頭部にかじりつき、揉み上げでリボンを無理矢理剥がそうとしているのだ。 「っあべぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 れいむは必死に体を揺らし、母れいむを剥がそうとするが、なかなか上手くいかない。 「あきらめてね!れいむの ために げすな くそちびは りぼんさんのない ゆっくりに なって…っゆっべぇええええええええええええ!!??」 母れいむが突然の衝撃で飛ばされる。 「れいむ、だいじょうぶ?もう あんっしんして、まりさが れいむを まもるよ!!」 「ばひざぁああああああああ!!??」 「れいむの おかーさん!いったい なにを しているの!?」 れいむを襲っていた母れいむに体当たりをした まりさが大声で叫ぶ。 「うっるざぁああああああああああああああああ!!おぼうしが ないぐぜにぃいいいいいいいいいいい!!! れいぶはね、ぞの ぐぞちびの おりぼんざんが ひつようなんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! いいでしょぉおおおおお!!??おめめも したさんも もみあげさん だってないんだから おりぼんさんが なくなったってぇえええええええええええええええええええええええええええ!!」 「なにいってるの!?そんなの だめに きまっているでしょ!! おかざりごうとうは おきていはんだよ!!せいっさいされるよ!!」 「うるっざぁあああああい!!!いいがら ざっざど おりぼんざんをよごっぜぇええええええええええ!!! じゃまするなら、ゆっぐり できない まりざも いっじょに ぜいっざいだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 母れいむが まりさに体当たりを仕掛けるが、まりさはそれを難なく避ける。 「っゆっべぇええ!!??どぼじでぇえええ!!??? どぼじで よげるのぉおおおおおおおおおお!!!!ごんなの ゆっぐりでぎないぃいいいいいいい!!!」 「…………そんな おそい こうげきじゃ まりさに あてることは できないよ。」 「っゆっがぁあああああああああああ!!! なまいきだよ!!おかざりの ない ゆっくりできない ゆっくりのくせにぃいいいいいいいいいい!!! っゆっべぇぇええええええ!!??や、やべ、やべで!!いざぃいいいいいいいいいいいい!!!」 まりさは母れいむに体当たりをし、巣から追い出す。 「おかざりなしは、れいむの おかーさんだって おんなじだよ! ううん、れいむから おりぼんを うばおうだなんて、まりさよりも ゆっくり していないよ!!」 「うっるざぁあああああああああああああああああいい!!! れいぶは ゆっくりずるんだぁあああああああああああああああああああああああ!!! おりぼんを よごぜぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! げすちびの おりぼんが あればぁああああああああぁあああああああああああああああああああああ!! れいぶは!!れいぶはぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 母れいむが雄叫びをあげる。 「そこまでよ!いなかものたち!!」 長ありすの声が響き渡る。母れいむ、れいむ、まりさが大きな声をあげたため、群れの ゆっくりたちが集まってきたのだ。 「いなかものの れいむの おやは やっぱり いなかものね。おりぼんさんを なくすなんて。 それで いったい なんの さわぎなの?せつめいしなさい。」 3匹は、長と幹部、それと群れの自警団である まりさたちに事情を説明した。 「なるほど。まったく、なんて いなかものの じけんなの。 とかいはな むれの ひんいが さがるから やめてほしいわ。」 「おさ、ははれいむと ふたりとじゃ せつめいがちがうのぜ。いったい どういうことなのぜ?」 「むきゅ。それは ははれいむが うそを いっているからね。 もりの けんじゃである ぱちぇは だませないわ。」 森の賢者というのは当然間違いだが、意外にも幹部ぱちゅりーは母れいむの嘘を見抜くことができた。 「そうね。とかいはな おさである ありすも そうおもうわ。 とかいはな みんな!きいてちょうだい! この いなかものの ははれいむは、じぶんが ゆっくりしていない ばかりに ゆっくりしていない いなかものの にんげんさんに よって おりぼんさんを うしなったわ! それだけでなく、ゆっくりしていない れいむから おりぼんさんを うばおうとしたわ!! おかざりごうとうは たいっざいよ!!よって おきてに したがい、いまから この ははれいむを しけいに しょするわ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!!」×たくさん 「ふっざっげるなぁあああああああああああああああああああああああ!!!! れいぶは ゆっぐりじでるんだぁああああああああああああああああああああああ!!!! しょげいざれるのは、あいづらだぁあああああああああああああああああああああ!!!! おかざりごうっどうは あの ゆっぐりじでないれいぶだぁああああああああああああああああ!!」 「むっきゅきゅ。ははれいむ、もりの けんじゃである ぱちぇは だませないわ。 あの ゆっくりしていない ひきこもりの れいむが どうやったら さんっちょうで にんげんさんに おそわれるの?」 餡子脳であるため、母れいむは中途半端に真実を話していた。 そのため、話の矛盾が生じ、ある程度の知恵をもった ゆっくりには、母れいむが嘘をついていることがわかったのだ。 「うっるざぁあああああああああああああああああああああああああい!!! なんでぼ いいがら れいぶを ゆっぐりざぜろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「はぁ、もういいわ。こんな いなかものの あいてなんて とかいは じゃないわ。 じけいだんの みんな、さっさと やってちょうだい。」 自警団のゆっくりたちが、母れいむの足を枝で破壊した後、石吹きの的にする。 「っゆっぎゃあぁあぁあああああああああああああああああああああああああ!!!! やべやべやべでぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!! ぼぼぼぼぼうゆるじでぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 石があたる度に、母れいむは激痛に泣き、許しを乞うが誰も取り合わない。 リボン、お飾りをなくした上、お飾り強盗をはたらこうとした者の意見など誰も聞くはずが無い。 「っゆっばぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!! めめめめめええええ!!!!!めめめええええっぎゃぁああああああああああああああああああああああああ!!!」 石が母れいむの左眼に当たり、これまで以上に大声で悲鳴をあげる。 上手い具合に石が左の眼孔にはまり、失明したようだ。 「いなかものの ははれいむ。つぎので けいは さいごよ。 さいごに なにか いいのこしたことは あるかしら?とかいはな ありすたちは とくっべつに きいてあげるわ。」 「やっざぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!! れいぶは まだ じにだぐないぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!!!やべでぇえええええええええ!!!!」 「はぁ……まったく、ほんっとうに いなかものね。たすけるはずないことぐらい ゆっくりりかいしなさい。 もういいわ、とかいはな じけいだんの まりさ、おねがい。」 「まかせるのぜ………」 自警団の代表を努める まりさが咥えた長い枝を、れいむの額にあてる。 「ぁぁあぁぁあああぁぁああああああぁぁあああああ!!!やべ、やべやべやべでぇぇえええええええ!!! ええええ、えだざんを れいぶの おでござんがら ばなじでぇええええええええええぇぇええええぇええ!!!!」 - ス ゛ フ ゜ リ……ヌプ ヌプヌプ…… 母れいむの要望は無言で却下され、ゆっくりと枝が音を立てながら母れいむの体内へと入っていく。 「っゆっぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!! ぬいでぇえええええええええええええええええええ!!!!おでおでおでおでででぎゃいざいばずうぅぅううううううう!!!!! れれれいれれ れいぶは、れうぶはわるぐないんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! いっざぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! ぐぞぢびの ぜいだあぁあああああああああああああああああああああああ!!!! ぜんっぶぜんぶぜぇえええええええええんっぶ!!!! ぐぞぢびぎゃ ゆっぐり じでないぎゃらぁああああああああああああああっっざぁあああああああああああああああ!!!!!!!」 母れいむは残った左目でれいむを睨みつけながら叫ぶ。 盲目のため、凄まじい形相を見ることはできない れいむだが、母れいむからの痛いまでの敵意を感じることはできた。 敵意を感じた れいむは、醜く太った体をガタガタと震わす。 そんな れいむを、群れのゆっくりは笑いながら眺めているが、ただ1匹、帽子をなくした まりさだけは違った。 「れいむ、だいっじょうぶだよ。まりさが ついているから、こわくないよ。」 れいむの隣で、まりさが優しい声で諭す。 「ばばばっばばばっばばひさぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」 「だいっじょうぶだからね。ゆぅ………ちょっと ごめんね。すーりすーりをさせてね。………すーりすーり………」 まりさはれいむに断りを入れてから れいむの頬に自分の頬を擦り合わせる。 「っゆっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!! だだだっずげでぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!! っぎゃぁぁあああああああああっっかぁぁあぁぁぁぁぁばぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!! っゆっびいっぎゃぁぁあああああああああああああああああああああああっつあがああぁぁああああ!!!!……………」 中枢餡が枝で貫かれ、母れいむが息絶え、長ありすが大きな声で言う。 「いなかものの ふたりと、とかいはな みんな!!おきていはんの ゆっくりは こうなるのよ!ゆっくりりかいしてね!!! それじゃぁ、きょうは かいっさんよ!とかいはな じけいだんの ゆっくりは この いなかもののの したいさんを かたづけるから のこってね!!」 「れいむ、おうちにかえろうね。だいっじょうぶだよ、もう こわくないからね………」 「ばばっばばばばばああばばひささっっさぁぁあああああ!!!!!!! へへへへいっふはぁあああああああああああああああああああああ!!!」 「だいじょうぶだよ。すーりすーり………すーりすーり………」 恐怖で涙を流す れいむを、まりさは一生懸命慰める。 「ゆぷぷ、ゆっくり できない ふたりは みにくい すーりすーりを しているよ。おお、おろかおろか。」 「げらげらげらげら。あんな すーりすーりじゃ かえって きぶんさんが わるくなるのぜ!」 「へんったいなんでねーー!!わかるよーー!!」 「むっきゅきゅ。ほんっとうに おばか なふたりね。」 「ゆぷぷ。いなかものどおし、おにあいかもね。ついでに あの ふたりも しょけいすれば いいのに。」 まりさはバカにされていることに気がついているが、それを無視し れいむを慰め続ける。 母れいむからの敵意で怯えきった れいむをなんとか慰めたいからだ。 「れいむ。もう だいっじょうぶだよ。すーりすーり……すーりすーり…… まりさが れいむを まもるからね。だから あんっしん してね!すーりすーり……」 まりさは、れいむが落ち着きを取り戻すまで、れいむにすーりすーりを続けた。 --------------- 母れいむが死んでから、れいむが少しだけ変わった。 「ただいまだよ、れいむ。きょうも ごちそうさんを たくっさん とってきたよ!」 「ほはへひ…………ふーひふーひ……ふーひふーひ……」 外にでない引きこもり生活だが、まりさが狩りから帰ってくると、 まりさの側により、頬を合わせ、感謝や労いをするようになったのだ。 「れ、れいむ………う、うれしいよ……… まりさ、まりさが……まりさが れいむと すーりすーりしてるよ。う、うれしいよ……れいむ。 ありがとうだよ、れいむ。ありがとうだよ………すーりすーり。」 まりさは歓喜の涙を流しながら、すーりすーりをする。 孤独だった まりさにとって、他者と頬を合わせることは最高に嬉しいのだ。 念願の他者との触れ合いを得た まりさは、幸せを実感しながら、狩りに精をだす。 周囲から、ゆっくりしていないと言われても、帽子がないことをバカにされても気にしない。 まりさは今、幸せなのだ。 もはや まりさは孤独ではない。 まりさを必要としてくれる れいむがいるのだ。 まりさは れいむのために狩りに励み、れいむの世話をする。 「うーしゃうーしゃ……っひあはっへーー!!」 暴食と運動不足で茄子型の体型となり、右揉み上げ、両目、舌がない、醜い外見の れいむである。 それでも、まりさは れいむを愛していた。 恋は盲目というが、まさにその通りである。 周囲からは ゆっくりできないやつとバカにされるが、まりさは気にしない。 愛する れいむと一緒に生活ができ、幸せの まりさにとって、他者からの評価などどうでもいいことなのだから。 やがて、まりさは もっと幸せを願うようになった。 れいむと もっと ゆっくりしたい。結婚したい。おちびちゃんが欲しい。 幸せな家庭を築きたいという願いを まりさは持つようになった。 しかし、今のままでは その願いは叶わない。 まりさの能力では、れいむ1匹しか養えないのだ。 もしおちびちゃんができれば、盲目のれいむでは育てることができない。 自分で子育てもできればよいのだが、狩りに膨大な時間を割かなければならないので、それも難しい。 飾りと、身体に欠損のある自分たちに対して、群れからの援助はあまり期待できない。 まりさはそう考え、プロポーズを思い留まっている。 日に日に強まる願いから、まりさは何とか れいむのケガを治せないかと考えるようになった。 ----------- 週末、俺は れいむと温泉旅行にでかけた。 自宅から車で2時間程走り、山の中程にある駐車場に車を駐める。 ここからハイキングコースで山頂まで登り、弁当を食べて少し遊んでから、車まで戻り、温泉宿に向かう予定である。 「おにーさん。れいむ、おやまさんに のぼるのは はじめてだよ。 たのしみだよ。おにーさんと いっしょに はいきんぐさんに これて、ほんっとうに うれしいよ!。」 れいむは俺の腕に自分の腕を絡ませ、笑顔で言う。 『そっか、野良だったころは、山なんていけないもんな。 頂上で食べる弁当は最高においしいぞ。頑張って歩こうな。』 「ゆっくりりかいしたよ!れいむ、がんばるよ!」 俺が飼っている れいむは、胴付き金バッチの れいむだ。 初詣の帰りに、野良で死にかけていたのを気まぐれで治療したことが縁で、飼うことになった。 『ところで、れいむ、歩きにくいから離れてくれないか?』 「ゆ?ゆぅ~、ゆっくりりかいしたよ……」 れいむが名残惜しそうに俺の腕から、自分の腕を離す。 俺の体から、れいむの柔らかい体が離れ、少しだけ残念な気分になるが、それは気のせいだ。 俺はHENTAIじゃないのだから。 「ある~ひ~♪ もりのなか~♪ くまさんに~♪ であった~♪」 れいむは歩きながら、元気よく歌を歌う。 毎日人間と楽しく会話をし、テレビを見ているせいか、れいむは ゆっくりにしては歌が上手い。 歌を歌う れいむの姿は、どこか小さな子供を連想させ、微笑ましく思える。 緑溢れる自然の中で巫女装束(正確には違うが俺的に許容範囲)を着た女の子が見れるのが何よりも嬉しい。 山頂につき、れいむと一緒に弁当を食べる。 ちなみに、弁当はクマの顔型に焼いた自家製パンでつくった特製サンドイッチである。 「ゆわぁ~~くまさんの おかおをした さんどいっちさんだ~~。 ゆーん、おにーさんの とくっせい さんどいっちさんは とっても ゆっくりできるよ! ゆっくりいただきますだよ。むーしゃむーしゃ……ごっくん……しあわせーー!!」 一口食べる度に、幸せそうな顔をする れいむを見て、旅行にきてよかったと実感する。 「にんげんさん、どうつきの れいむ。ゆっくりしていってね!!!」 食後、ゆっくりしていると、野性の まりさに笑顔で声をかけられた。 帽子がなく、小綺麗で籠を咥えた成体の まりさだ。 『ゆっくりしていってね。悪いけど、まりさに あげる ごはんはないよ。 危害を与えるつもりはないけど、人間には関わらないほうがいいから どこかにいきなさい。』 世の中には、ゆっくりを見た瞬間、虐待をする人間もいる。 俺自身ちょっかいをかけてくるゲスならば即潰すこともあるが、 無関係の固体に何故そこまで虐待ができるのか個人的には理解できない。 もっとも、野良や野生のゆっくりを潰すことは法律や条令で禁止されているわけではないので、俺にとめる権利はないが。 「ゆ?ち、ちがいよ、にんげんさん。ま、まりさは にんげんさんに おねがいさんが あるんだよ。 ごはんさんじゃないよ。どうか まりさの おねがいさんを きいてほしいよ。」 そういって、まりさが土下座をしてきた。 野良と違い、野性では食料が安定しやすいことと、人間に対する知識が少なく記憶餡の情報から見下していることが多いため、 野生の ゆっくりが自発的に土下座をするのは中々珍しい。 てっきり甘味を要求されると思っていた俺は、まりさの言葉と態度に少しだけ驚いた。 そして、野生の成体であるにも関わらず、だぜ言葉で話さないまりさに、少し興味が湧き、話を聞くことにした。 ゆっくりなので、要領を得ない説明だが、大体の事情は把握できた。 これまでの人生(ゆん生?)と今後の希望を全部話してくれたが、 要するに、れいむのケガを治して欲しいとのことだ。 「ゆぅ、おにーさん、かわいそうだよ。ゆっくり できない けがを なおしてあげてよ。」 れいむが涙を流しながら言う。 金バッチの称号は伊達ではなく、他者への思いやりのある優しい ゆっくりだと思う。 『まりさ、なんで俺にれいむのケガを治してくれって頼んだんだ?治せないかもしれないだろ? それに、れいむに酷いケガを負わせた人間みたいに、お前を虐めるかもしれないだろ?』 人間の力を理解できているのならば、人間には近づかないはずだ。 事実、まりさは俺と少し距離をとり、愛想のよい作り笑顔をしながらも常に俺を恐怖に満ちた目で見ている。 「ゆ。むかし おかーさんが おしえてくれたよ。 にんげんさんは ゆっくりより ちからが つよくて、あたまも いいって。 ゆっくりでは できないことでも、にんげんさんなら できるって。 むれの みんなは にんげんさんを ばかに するかも しれないけど、それは まちがいだって。 おかーさんは むかし、にんげんさんと いっしょに くらしていた から わかるっていっていたよ。 でも、にんげんさんは ゆっくりが きらいな にんげんさんと すきな にんげんさんが いるって いっていたよ。 だから、もし どうしても にんげんさんに なにかを たのむ ときとは、 ゆっくりが すきそうな にんげんさんを さがして、そのにんげんさんに おねがいしなさいって。 にんげんさんは どうつきの れいむと たのしそうに あそんでいたよ。だから ゆっくりが すきなんでしょ? それに、れいむの けがを まりさじゃ なおせないんだよ。 にんげんさんは こわいけど、もう これしか てが ないからだよ。」 確かに俺はゆっくりが嫌いではない。 昔は まりさを飼っていたし、今は胴付き れいむと一緒暮らしている愛護派だ。 ちなみにHENTAIではない。 「そうだよ。おにーさんは いいゆっくりが だいっすきな、やさしい おにーさんだよ。 まりさ みたいな やさしい ゆっくりのことは きっと たすけてくれるよ! それに ゆっくりの けがなら すぐに なおしてくるよ! れいむも むかし かびさんで しにかけていた ところを たすけてもらったんだよ! ね?おにーさん?」 「ゆ!かびさんを?すごいよ。さっすが にんげんさんだよ。 おねがいだよ、にんげんさん!まりさのだいっすきな れいむを!れいむの けがを なおしてください。」 まりさが土下座をして俺に頼み込む。 話から推測されるケガ程度なら、簡単に治すことはできると思う。 が、俺は れいむのケガを治さないほうがいいような気がする。 『なぁ、まりさ。お前は今、幸せなんだろ? だったら、このままでいいじゃないか。れいむのケガが治ったら不幸になるかもしれないぞ。』 「ゆ?そ、そんなことないよ!! まりさは、まりさは れいむの えがおさんが みたいよ!おうたが ききたいよ! けっこんして れいむと ずっといっしょに ゆっくりしたいよ!」 『でも、プロポーズだってうまくいくかもわからないし、子育ては大変だろ?』 「そんなことないよ!どんなに つらいことでも、まいにち えがおで がんばれば、いつかしあわせーになれるんだよ! おかーさんが いっていたよ!まりさは まいにち ゆっくり できなかったけど、 まいにち えがおで がんばったから いまはしあわせーになれたよ! だから もっともっと えがおでがんばれば、れいむと ぜったいに しわせーになれるよ!!」 「おにーさん!れいむの けがさんが なおれば、まりさは もっと しあわせーに なれるにきまっているよ! れいむだって、おにーさんと おんなじ けしきさんを みれて、 おうたを おにーさんに きかせてあげれて おにーさんと しわせーになれたよ! だから、まりさの だいすきな れいむも、けがさんが なおれば もっと もっと まりさと しわせーに なれるよ!」 まりさと れいむが俺の意見を否定する。 「おねがいします。おぼうしのない まりさでは にんげんさんを ゆっくり させれません。 かってな おねがいだとは わかっているけど、おねがいします。れいむを たすけてください!!」 まりさが再び俺に土下座をする。 仮に帽子があったところで、野性の まりさに何ができるのかは不明だが、 自分が都合の良いことを言っていることは自覚しているようで、中々賢い個体のようだ。 「おにーさん!おねがいだよ。れいむは かわいそうな まりさと れいむを たすけてあげたいよ。 にんげんさんに めいわくを かけない ゆっくりで、やさしい ゆっくりだから たすけて あげてよ。 おねがいだいよ。」 れいむも俺の腕に しがみつきながら言う。 一緒に寝る以外で ここまで俺に物事を頼むのは珍しい。 よっぽど、このまりさに同情をしたのだろうか。 『はぁ、わかったよ。とりあえず、その れいむの ところまで案内してくれ。』 「ゆ!あ、ありがとうございばずぅううううう!!」 「ゆっくり ありがとうだよ!おにーさん!!」 まりさに連れられ、俺はケガを負ったれいむを診る。 「っゆあぁぁあああああああああああ!!! あうあぁぁああああああああああああああああああ!!!」 俺を人間と知ったせいか、れいむは俺に怯え、暴れるので、仕方なく、麻酔を打つ。 突然静かになった れいむに、まりさは驚くが、ただ寝ているだけだと説明をしたら信じてくれた。 ゆっくりのこういう素直なところが、俺は好きだ。 カバンから、れいむのために持ってきていた【ゆっくりれいむ専用医療セット】を取り出す。 (旅行中、何か事故にあったときに治療をするためにもっていきた。) 『まりさ、れいむ。これから この れいむの手術をする。 麻酔で痛みは感じないから叫んだりはしないけど、見た目は結構きついから、つらかったら後ろを向いてろよ。』 そう言ってから、俺はれいむへの手術を開始した。 手術といっても簡単で、眼孔にれいむ種用の眼球(葛餅)をいれ、 舌を根元から切断し、新しく れいむ種用の舌をつけ、揉み上げを移植するだけだ。 オレンジジュースを使えばすぐに組織が癒着するあたりが実に羨ましく感じる。 人間もこれぐらい簡単に移植手術ができればいいのに。 揉み上げ移植の際、残った揉み上げと髪も新しい物に交換し、 でっぷりと太った下腹部を切断し、栄養剤(オレンジジュース)も注射しておいた。 恐らく、ゆっくりからは相当の美ゆっくりにみえることだろう。 『よし、終わったぞ、まりさ。まだ麻酔で寝ているからな。 明日の朝には目を覚ますから、目を覚ましたら、この薬を飲ませろ。 そしたら、治療は完了だ。』 まりさに念のための栄養剤(オレンジ飴)を渡しながら、手術終了を告げる。 「ゆっぐり ありがどうございばじだぁあああああああ!!」 よほど嬉しいのだろう、まりさが泣きながら礼を言う。 「よかったね、まりさ。これから あの れいむと ずっと いっしょに ゆっくりしていってね!」 「ありがどうだよ、れいぶぅううう!!!う、うれじいよ。ごれで ごれで れいぶの えがおざんがみえるよ! れいぶのおうだがぎげるよ!!げっごんでぎるよ!おちびぢゃんが、か、かぞぐが もでるよ!! ぼんっどうに、ほんっどうに ありがどうございばじだぁああああああ!!!」 『…………………さ、行こうか、れいむ。」 土下座をしている まりさの頭を軽く撫でて、俺は れいむと一緒に車へと向かう。 ------- 夜、ペット同伴可の旅館で、豪勢な食事をする。 そして、食後、れいむと一緒に露天風呂に入ることにした。 この旅館にはペット可、混浴温泉があり、ガイドブックにもデカデカとそのことがうたわれていた。 (もちろん、動物が嫌いな方用に、通常の温泉もある。) 「おにーさん。どう?れいむの みずぎ かわいい??」 混浴なので当然、男女水着の着用が義務付けられており、れいむも胴付きなので、水着の着用が義務付けられている。 通販で好きに選ばせた水着で、どんなデザインか教えてくれなかったため、水着姿は始めて見る。 ピンクの生地で胸元に大きなリボンと、スカートがついたセパレートの水着だ。 可愛い水着だが、スカート付きだと、お尻がよく見えなくて少しだけ残念である。 って、俺はHENTAIじゃない!何を考えているんだ? 『ああ、可愛いぞ。』 自分の頬を数回叩き、れいむの頭を撫でながら言う。 「ゆーん、おにーさんに ほめられると、てれちゃうよ……でも、とっても ゆっくりできるよ。」 饅頭なのになぜか赤くなる れいむを可愛いと思いつつ、 俺はHENTAIじゃないと強く念じながら一緒に風呂にはいる。 「おにーさん………れいむ、もう でるね……」 しばらくして、顔を真っ赤にした れいむが苦しそうに言う。 『ああ、ロビーでジュースでも飲んでまってろ。お金はさっき渡したやつを使え。』 「ゆっくりりかいしたよ………」 ゆっくりは湯につかると溶けてしまうため、長時間風呂には入れない。 カラスの行水を済ませた れいむは、先に風呂場からでていく。 浴衣を着た れいむと一緒に部屋へ戻ると、部屋には布団が引かれていた。 布団はなぜか、一つで、枕が二つだった。 「ゆぅ……おにーさん………これは もう いっしょに ねるしか ないよね?」 なぜか頬を赤く染めた れいむが可愛い顔で言う。 どうやら、胴付き れいむを連れて来たため、宿から俺はHENTAIだと思われているようだ。 そういえば、仲居の目から軽蔑の眼差しがあったような…… やめてくれ!俺はHENTAIじゃない!! 『いや、れいむ。もう一組布団を用意してもらうから。別々の布団で寝るぞ。』 「ゆぅ………せっかくの りょうこうさんだよ。れいむ、おにーさんと いっしょに ねたいよ……だめ?」 俺の腕をつかみ、目を潤ませながら れいむが言う。 こうなったら絶対に諦めないのが れいむだ。仕方が無い。 『わかったよ。一緒に寝ような。』 「ありがとうだよ!おにーさん!!」 れいむが嬉しそうに俺に抱きつく。軟らかい感触が伝わり、甘い香りが俺の鼻腔をくすぐる。 って、当たり前だ。れいむはゆっくりだ!饅頭だ!軟らかくて当然だ!甘くて当然だ! 俺は早くなる鼓動を必死に抑える。 数時間後、俺と れいむは同じ布団に入り、灯りを消した。 「ねぇ、おにーさん。もうねた?」 『ん?いや、まだだよ。』 「おにーさん……あの まりさと れいむ、ぜったいに しわせーに なれるよね。 れいむの けがが なおって、ずっといっしょに ゆっくりできるよね。」 『………………ああ、そうだな。きっと幸せな家庭を築くよ。きっと……』 「ゆぅ……れいむ、あの れいむが ちょっとだけ うらやましいよ。 あんなに だれかから あいされるなんて……れいむも………いつか……」 俺の脳裏にヤバイ展開が浮かんだ。 このまま れいむを喋らすと、俺がHENTAIになるかもしれない。 『そんな相手が見つかるといいな。さ、もう寝るぞ。おやすみ。』 急いで会話を強制的に打ち切り、目を閉じる。 「ゆぅ………もぅ………おやすみだよ、おにーさん。」 れいむは少し頬を膨らませ、俺の腕にしがみついてきた。このまま寝るつもりなのだろう。 浴衣の隙間から微かにふれる れいむの柔らかい地肌に鼓動が早くなるが、必死に素数を数え、落ち着き取り戻す。 気持ちよさそうに寝息をたてる れいむの頭を撫でながら帽子のない まりさのことを考える。 野生だが、賢く優しい性格をした帽子のない まりさ。 れいむの言う通り、れいむと番になって幸せになれるといいが…………… 俺は不安を感じながら、眠りについた。 ------------ 青年と胴付き れいむが布団に入った頃、まりさは巣穴の中でニコニコしながら れいむを見つめる。 れいむは、麻酔の効果で気持ちよさそうに眠っている。 失った揉み上げも、目も舌も全て完治している。 その上、暴食と運動不足で茄子のように太った体も、以前のようなスマートになっている。 眼福とはこのことで、見違える程美しくなった愛する れいむを見ているだけで、まりさは幸せになる。 「ゆぷぷ。れいむが めをさましたら、この おくすりさんを のんでもらうよ。 それから まりさは れいむに ぷろぽーずを するよ。 そして、ずっと ずっと れいむと いっしょに ゆっくりするよ。 おちびちゃんも たくっさん つくって、しあわせーな かていを きずくよ。 おかーさん、まりさは しあわせーになるよ。おそらの ゆっくりぷれいすから ゆっくりみててね。」 まりさはもう少しで訪れるであろう幸せな未来を想像し、笑顔になる。 その顔は以前と違い、本当に幸せそうな顔である。 つづく あとがき 喋れないゆっくりを描写するのって難しい。 喋れても、難しいですが……… ご感想ありがとうございます。 群れのゆっくりを虐めて欲しいというもっともな意見を頂き、 急遽母れいむたちを追加しました。 当初、ゆ虐シーンが殆どない話で、どう書こうか悩んでいたので助かりました。 飾りがなくても個体認識できる設定は独自設定かもしれません。 気分を害された方、申し訳ありませんでした。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/68.html
―1― 木の根本に開いた穴は、元々は野ウサギの巣であった。 それを多少の拡張と補強を施して利用しているのは、最近つがいになったばかりの二匹のゆっくり だった。 野ウサギの巣には、ゆっくり自身が掘ったものとは比較にならないほどの奥行きがある。そのため、 奥の方で大声で騒いだところで出入り口から聞こえるのは、ほんの僅かな不明瞭な声。 そんな微かな声でも会話の雰囲気を掴むことが出来る。 大きな怒声と小さな悲鳴。 それはどう聞いても険悪な雰囲気であった。 「むきゅ……。上手くいってないのかしらね、あのふたり……」 おうちの奥から聞こえてきた声に何の気無しに耳を澄ませていた通りすがりのぱちゅりーは、溜息 を一つ吐いてその場を後にした。 一方その頃、おうちの奥ではぱちゅりーが懸念した通りの夫婦喧嘩が展開されていた。 もっとも、それはかなり一方的な展開であった。 「これはいったい何なの、まりさっ!」 「ゆひぃっ!? そ、そんなこわいおかおでどならないでね……」 「まりさがれいむをおこらせるようなことするからでしょっ!! これは! いったい! 何なのっ て! 聞いてるんだよぉっ!!」 「ゆ、ゆわぁっ!?」 野生動物が作り上げた頑丈な巣穴が、れいむがあんよを踏み鳴らす度にパラパラと砂埃を落とす。 れいむの体躯は、一般サイズのゆっくりであるまりさより一回りか二回りほど大きい。さらにまり さは気迫負けして縮こまっているので殊更大きく見える。当のまりさの視点ともなると、れいむの姿 はドスをも超える巨体に映っていた。 そんなれいむが物凄い形相で見下ろしている。 荒い呼気が頬を撫でた時点でまりさの恐怖は臨界を超えて、チョロチョロと水音と共に下から溢れ 出した。れいむの地団駄が続いていなければ、その音と振動が絶えずまりさを揺さぶっていなければ とっくに気を失っていた事だろう。 気絶できれば少しはゆっくり出来たかも知れない。 しかし現実に逃避が出来ない以上、まりさは大人しく応えるしかなかった。 「それ……それは、ごはんさん……だよ?」 まりさとれいむの丁度中間にこんもりと草が積んである。まりさが集めて持って帰ったお帽子一杯 に詰め込んできたそれが、れいむの火種となっていた。 狩りと称する野草の採取から帰り、笑顔で収穫をひけらかしたところで何故だかれいむの怒りが爆 発してしまったのである。折角ごはんをあつめてきたというのに何故れいむが怒っているのか、まり さには解らない。 解らないから鍔広の帽子の陰からこそこそとれいむの顔色を伺いながら、なるべく刺激しないよう に小さな声で返答する。 そんなまりさの顔に、れいむの蹴り飛ばした草が浴びせられた。 更に罵声まで飛んできた。 「ごはんさんは柔らかくって、にがにがの少ない草さんを集めてきてねって言ったでしょうがぁっ! どぉしてこんなに堅い草さんばっかり集めてくるのっ!」 「ゆひっ!? しらないよっ!? まりさそんなことしらないよっ!?」 「まりさがれいむのお話を聞いてないだけでしょぉっ!!」 「ゆぎゃんっ!」 聞き覚えのないことは知らないとしか言いようがない。涙を流しての訴えは、しかし軽い体当たり によって却下された。 れいむとまりさの体格差からすれば相当加減された体当たりだったが、痛みに弱く挫け易いゆっく りからすれば耐え難い激痛に感じられた。まりさは瞬く間に目に涙を溜めて大泣きの準備に入った。 「ゆびぇ……え?」 「――まりさ、ゆっくり泣いてるひまがあるなら」 そんなまりさの目前――それこそ目と目が触れ合いそうなくらい近くに、無表情に目を見開いたれ いむの貌があった。 ゆっくりにあるまじき迫力に涙も声も引っ込んでしまったまりさにできたのは、かみ合わない歯を ガチガチと鳴らしながら静かにれいむの言葉を聞くことだけだった。 そんなまりさの様子に満足したのか、れいむの黒目がついっと動いて出入り口を見やった。 「ゆっくりしないでごはんさんを集めてきてね? 柔らかくって、にがにがさんじゃない草さんで良 いんだよ? たくさんでいいよ? 今度こそ、わかった?」 「ゆ、ゆっ、ゆひぃっ!? わかりましたぁっ! まりさはかりにいくよぉおおおおお……っ!!」 無言で語られた『さっさと行け!』のアイコンタクトに従い、まりさはゆっくりらしからぬ勢いで 巣穴を飛び出していった。 外の風に当たったまりさは不意に思う。 どうしてこうなったのだろうか、と。 だが何はさておき、れいむの機嫌を治すために美味しい食べ物をかき集めなければならない。 あまあまな空気に満ちたから恋人時代から、まったく以てゆっくりできないものへと激変した新婚 生活に涙しながら、まりさは跳ねた。 ―2― 一週間前までは、まりさは幸せの絶頂期にあった。 両親によって何不自由なく育てられたまりさは、狩りの練習に出かけた先でれいむと出会った。お うちの奥で大事に大事に育てられてきた一人っ仔のまりさにとって、それは同世代のゆっくりとの初 めての出会い。 れいむはとてもゆっくりした、美しいゆっくりだった。髪の艶、肌の張り、飾りの鮮やかさ、どれ をとってもその後出会ったどのゆっくりより抜きんでいた。 一目で惚れ込んだまりさは即座にれいむにプロポーズをするのだが、その時は一言で断られた。『れ いむはまりさのことを知らないから』というのがその理由。 それでもまりさは諦めず、懸命に自分をアピールし続けた。 甘やかされてきただけに狩りの要領こそ悪いまりさだったが、頻繁に出会い、話し、そして運良く 見つけたこのおうちと、がんばって集めた食料の備蓄を見せたことで、漸くれいむはまりさを受け入 れてくれた。この時、まりさの両親の尽力があったことは、れいむには秘密である。 おうちを構えて伴侶を得、順風満帆に滑り出したまりさの新生活。これからおちびちゃんを沢山作 り、れいむと一緒に賑やかで幸せな家庭を築く。そんなまりさの薔薇色の将来設計は、一晩明けたと きには崩れ去っていた。 とても優しかったれいむの豹変。 まりさが一生懸命集めてきたごはんに、「堅い」「苦い」とケチを付ける。何とかして柔らかくて 口当たりの良いご馳走をかき集めてもまりさの口には入らない。 肌をすり合わせて一緒に眠ろうとしても、おうちの一番奥にある一番広い部屋からつまみ出される。 寄り添って眠った記憶は、正式につがいとなる前のひなたぼっこにまで戻らないと見あたらなかった。 抗議の声を上げたこともある。しかし、かつての優しかったれいむからは想像もつかないほどの迫 力で以て打ちのめされた。それ以降、まりさはただ従順にれいむに従っている。 日が昇ってから青空に朱色が混じる頃まで、ただひたすらにごはんを集めることで過ぎていく。そ して独りっきりで眠る夜。 まりさの一日にはゆっくりできる時がなかった。 こんなにゆっくりできない生活がしたいわけではなかった。 群一番のゆっくりしたお嫁さんをもらい、たくさんの子供をつくり、幸せな家庭を自らの手で築き 上げることで親の庇護の下で暮らしていた日々よりも、たくさんたくさんゆっくりする。 そんな夢を見てれいむにプロポーズしたはずなのに、現実には夢の欠片さえ視ることができないで いた。 「……ゆっくりしたいよ……」 美味しそうに見える草をむしり採りながらまりさは溜息をもらす。 そこはおうちから少し離れた所にある、背の高い草が生い茂る小さな広場。群の居住地からは少し 離れたところに住み着いているだけに、ここはまりさの狩り場として独り占めできていた。 だから狩り自体に大した労力は必要ない。 ぶちぶち草をむしりながら悩むだけの余裕が持てる。ぶちぶちと草を抜きながらぶつぶつと愚痴を 漏らす。 「なんでれいむはまりさをゆっくりさせてくれないんだろ……? いっしょにゆっくりしようねっ! て、いっしょにいったのになぁ……」 引き抜いた草がある程度の山と成ったところで帽子を下ろし、収穫を詰め込んでゆく。 詰めてみると容量に少し余裕があったので、もう少し草むしりに勤しむことにした。自然と愚痴も 続く。 まりさの中で「何故」と「どうして」が空回りしていた。 しかしながら、ぼんやりとしたまりさの疑問を、ぼんやりとしたまりさの頭で解決することなどで きはしない。 「ゆっ、まりさじゃない! おひさしぶり、ゆっくりしていってね!」 「ゆ……? ありす……?」 底なし沼に踏み込んだ者を助けるには、他者の助けが必要なのだから。 ―3― ごはんを求めてこの草むらまで遠出してきたありすは、幸いまりさの幼なじみだった。 既知の仲と言うこともあって、暗い顔をしていたまりさから遠慮なく悩みを聞き出したありすは、 その話の内容に怒りの余り憤然とここには居ないれいむをなじる。 「なんてひどいのれいむ……っ! いいえ、そんなれいむなんて、もうでいぶよ、でいぶっ! せっ かくありすがまりさからみをひいたっていうのに……っ。ゆっ、いえそれはともかく、ふたりでいっ しょにゆっくりすることもできないだなんて、とんだいなかものだったようねっ!!」 「あ、ありす、おちついてね……?」 その剣幕には暗い顔で相談したまりさも若干引き気味である。怯えて引きつった表情のまりさを見 たことで冷静さを取り戻したありすは、しばらく深呼吸をして冷静さを取り戻した。 「まりさ、おさにそうだんしましょう!」 「……ゆ?」 「ざんねんだけど、ありすがいくらかんがえてもまりさをゆっくしさせてあげられるほうほうはおも いつかないわ。だけど、おさならきっととってもゆっくりできるほうほうをかんがえてくれるはずよ っ!」 他人任せとは言え、ありすは目と目を合わせて力強く断言する。それほどまでに憔悴したまりさの 姿は見ていられなかったのだ。 ありすの記憶の中にあるまりさの姿は、何時だって見ている方も釣られて元気になってしまいそう な程に、明るく活発だった。 こんなお帽子の陰に隠れるようにして相手を窺うような、おどおどとした暗いゆっくりなどありす の知っているまりさではない。 「れいむからとりもどしましょう、まりさのゆっくりを!」 「まりさの……ゆっくり……っ!」 ありすの力強い言葉に、地面ばかりを見ていたまりさの顔が上向く。 ゆっくりしたい、という願望はゆっくりの根幹を為す命題とも言える。だが今のまりさはまるでゆ っくりできていない。 それは何故か。 考えるまでもない。まりさのゆっくりが理不尽にもれいむに踏みにじられているからだ。 そこまで思い至ったことで、れいむへの恐れから思考停止に陥っていたまりさの餡が、熱を持って 巡り始めた。 「……ゆっくりしたい。まりさだってゆっくりしたいんだよぉおおおおおっっ!!」 これまでれいむによって押さえつけられてきたまりさの思いが、叫びとなって一気に爆発する。大 声を張り上げたのは一体何時振りだろうか。 そしてありすとまりさは群の長の下へと赴き、まりさの窮状を訴えた。 まりさの涙混じりの嘆願を静かに聞き終えた群の長ぱちゅりーは、しばし瞑目した。 「……むきゅぅ。最近あなた達のおうちの近くを通ると喧嘩しているようなおこえが聞こえるから気 にしてはいたのだけど……そんなことになっていたなんて気付かなかったわ」 友達から恋人として仲良くやっていた二匹が、つがいになった途端に激しい喧嘩をするようになる ということは、ぱちゅりーが群の長を引き受けてからも数回あった。 夫婦喧嘩をすること自体は珍しいことではない。 ただ、新婚一週間で――否、話を聞くに新婚初日から不協和音を響かせたつがいは初めてのことだ った。 しかしながら、驚きはしたもののやることに変わりはない。 ぱちゅりーはありすを少し離れさせると、まりさと向き合って訊ねた。 「ね、まりさ。まりさはどうすればゆっくりできるのかしら?」 「ゆ? どうすればって……どういうこと?」 「れいむと仲直りすればゆっくりできる? それともれいむと別れたらゆっくりできる?」 「ゆ……? ゆぅぅ……」 「ちょ、ちょっとおさっ!」 「ありすはちょっと黙っていてちょうだい。ぱちぇはまりさに聞いているのよ」 目を白黒させて悩みだしたまりさをありすが庇おうとするが、ぱちゅりーは一言の下にありすを黙 らせた。 仲直りしたいと言うのであれば、れいむとまりさ、双方の話を聞きながらじっくりと解決策を練る 必要がある。時間と手間は掛かるだろうが、れいむが豹変した理由さえはっきりすれば元の鞘に納め ることも不可能ではないとぱちゅりーは考えていた。 別れたいというのであれば、話はより簡単になる。 「まりさは……まりさは、あんなれいむとはもう、おわかれしたいよ」 「むきゅ……わかったわ」 一つ一つの言葉を噛み締めるようにして告げるまりさの姿に、その覚悟は堅いと見て取れた。 一つ頷き、ぱちゅりーはおうちの外へとあんよを向ける。 突然移動を始めたぱちゅりーを慌てて追いかけてきたまりさとありすに、顔は正面を向いたままで ぱちゅりーは告げた。 「まりさ、ありす。群のみんなをまりさのおうちの前まで集めてきてちょうだい。最後にぱちぇがれ いむと話をしてみて、それから決定を下すわ」 ―4― そして日の傾いた夕暮れ時。 まりさとれいむのおうちの前には群のゆっくりたちの姿があった。幼い赤子とそれを見守る母親以 外が勢揃いしたその数は、五十に近い。 それはまりさとれいむの絶縁の立ち会いゆっくりであり、ぱちゅりーの用意した、いざというとき の用心だった。 その先頭に立つ長、ぱちゅりーがしんと静まり返った群を代表して大声で呼びかけた。 「れいむ! ご用があるから出ていらっしゃい!」 「……ぱちゅりー? こんな時間に何のご用なの?」 暫くしておうちの奥からのっそりとれいむが現れた。 おうちの出入り口に頭を軽くこする程の巨体に群れのゆっくりたちは目を剥いて驚く。一週間ほど 前までは群でも小柄な部類に入っていたれいむが、自分たちを大きく上回る巨体になっていては驚く のも無理はない。 れいむもまた、おうちを出た途端に群のみんなが大挙して取り囲んでいる状況に目を丸くした。 双方が膠着した中、ただ一匹平然としていたぱちゅりーが口を開いた。 「むきゅ、ゆっくりしていってね。お久しぶり、れいむ」 「ゆっ!? ゆっくりしていってね! ゆん、久しぶりだね、ぱちゅりー」 声をかけられたことで我に返ったれいむも、にこやかに挨拶を返す。 しかし周りの異様な状況に、にこやかな表情は瞬く間に訝しげなものに取って代わる。次いでぱち ゅりーの陰に隠れるようにしてまりさが小さくなっているのに気付くと、表情は苛立たし気なものへ 変化した。その隣で怯えるまりさを支えているありすの姿があったが、それもれいむの気分を害した。 「みんなして何のご用なの? そこでまりさは何をしてるの? 今日はお帰りが遅いから何処まで狩 りに行ったのかって思っていたけど、ごはんさんはどうしたの? ありすとなにをしていたの?」 「ゆ……ゆひッ!?」 「むっきゅん! まりさに質問する前に、ぱちゅがれいむに聞きたいことがあるの。いいかしら?」 まりさに向かいかけたれいむだったが、ぱちゅりーの咳払いで機先を制された。先刻の気勢もれい むの前に来ただけで吹き飛んでいたまりさは、それ幸いとぱちゅりーの後ろで縮こまる。 ぱちゅりーの話を聞く前に、まりさを詰問して今日の分の食料を取り立てたかったが、相手は長ら くお世話になっている群の長であるし、周囲には馴染みの顔も多い。苛立ちは収まらないが、れいむ はとりあえずまりさから視線を引き剥がした。 そうして改めてぱちゅりーと向かい合う。 「……ゆふぅ。ゆっくりわかったよ。ぱちゅりーは何が聞きたいの?」 「ありがとう、れいむ。まりさに聞いたのだけれど、まりさをゆっくりさせないで一日中狩りに行か せてるって本当?」 「本当だよ。けど、柔らかくて美味しいごはんさんを採ってこれないまりさが悪いんだよ!」 「けっこんしてからは、すーりすーりもしないし、一緒にすーやすーやする事もないって本当?」 「本当だよ。まりさとはもう二度とすーりすーりも、すーやすーやも、してあげるつもりはないよ!」 「それじゃあ最後に、そんなれいむの態度に文句を言ったまりさに暴力を振るったって、本当?」 「それがどうかしたの? れいむの言うことを聞いてくれないまりさが悪いんだよ! 何もかも、ぜ ーんぶまりさが悪いんだよっ!」 「むきゅ、解ったわ……」 ぱちゅりーは嘆息と共に目を閉じる。 そして再び目を開いたとき、その瞳には確固たる決意が宿っていた。 「れいむのゆっくりの為に、あんなにゆっくりしていたまりさをまったくゆっくりさせなかった。大 切にしなきゃいけないつがいを、こんなにボロボロになるまで扱き使うようなゆっくりは『でいぶ』 よ。でいぶはいずれ群のゆっくりにも害となるわ」 「……ゆ? なにいってるの……?」 「ぱちぇの群にでいぶはいらない。今ここに、ぱちぇはれいむを群から追放することを宣言するわ!」 突然何を言い出したのか即座に理解できずにキョトンとしているれいむを余所に、ぱちゅりーの台 詞は続く。 「まりさもれいむとお別れしたいってぱちぇに伝えているわ。だかられいむは独りで、ゆっくりしな いでぱちぇの群からでていきなさい!」 「なにを……なに言ってるのぉっ!!」 「大人しく出ていかないのなら……」 理解が追いついたれいむが激昂するのと、ぱちゅりーとれいむの間に群でも屈強なゆっくりたちが 割り込んでくるのはほぼ同時だった。れいむが暴れ出したときに巻き込まれないくらいの距離を取り ながらも、ぱちゅりーはれいむを真っ直ぐに見据えていた。 「手荒な手段を執ってでも出て行ってもらうことになるわ。例え、れいむがゆっくりできない怪我を 負うことになっても、ね。幼い頃から貴女を知っているぱちぇは、できればそんな乱暴な手段は執り たくないの。大人しく群から出て行ってちょうだい」 「……けるな、ふざけるな! ふざけるなぁあああああっ!!」 取り囲む尖った木の枝や棒をくわえたゆっくりたちの姿は、怒り狂ったれいむの目にはもはや映っ ていなかった。 視線だけでゆっくりが殺せそうな形相で、ぱちゅりーを――否、その後ろでしーしーを漏らして震 えているまりさだけを睨みつける。 「れいむの言うことをぜんっぜんッ聞きやしないまりさも、そんなまりさの言うことなんかを真に受 けるぱちゅりーも! そんなぱちゅりーに考え無しに従ってるだけのみんなもっ! みんなみんな永 遠にゆっくりしてしまえぇえええええっ!!」 「むぎゃっ!?」 間に入ったゆっくりたちを事もなく蹴散らして、れいむはまりさに向かって猛進する。 屈強なゆっくりとは言っても、それは戦い慣れしているのではなく、単に体力やあんよの早さが他 のゆっくりに比べれば優れていると言うだけの話。憤怒の形相で迫るれいむの正面に居たゆっくりた ちは、その余りの怖ろしさにぱちゅりーの命令を無視して逃げ出していた。動かないゆっくりも居た が、それらは完全に気を呑まれて竦んでおり、鎧袖一触で吹き飛ばされた。 ぱちゅりーの顔色がここに来て初めて変わる。 ぱちゅりーとれいむの間を阻むゆっくりが総て居なくなった瞬間、ぱちゅりーの餡は突進を喰らっ て容易く弾け飛ぶ自分の姿を幻視した。 だが、そうはならなかった。 れいむ正面のゆっくりたちこそ逃げ出していたが、左右と背後に陣取っていたゆっくりたちが懸命 に追いすがっていた。 体当たりをしかけて髪に噛み付き、棒を振りかざしてれいむの動きを封じようと殺到するゆっくり の群。目の前に尖った枝を突きつけたり、頬を軽く切り裂いたりしてれいむの気勢を挫こうと試みる が、激怒のれいむは歯牙にもかけない。 突き出された枝に躊躇無く飛び込み、突き刺さった枝をへし折りながらもただ前へ。瞬きを忘れた れいむの双眸は、ただひたすらにまりさだけを捉えていた。 それでも進む速度は遅くなっていた。お陰でれいむから距離を置くことができたぱちゅりーは呼吸 を整えながら、ゆっくりを蹴散らして徐々に近付いてくるれいむの姿を見据えた。 「むきゅぅ……むきゅぅ………むきゅ。できればお話で済ませたかったわ、れいむ……」 距離を置いたと言っても、愚直に突き進むれいむが肉薄するのに大して時間は掛からないだろう。 だから、ぱちゅりーは穏便な手段を諦めた。 「このままじゃ、みんなれいむに永遠にゆっくりさせられてしまうわ! その前に、れいむを倒すの よ! 手加減はもう考えなくていいわっ!!」 れいむの怒声を上回る咆哮がゆっくりたちから上がる。 途端に牽制で頬を引っかけていた程度の枝が、れいむに深々と突き立てられた。れいむの前にかざ された枝も、どれだけれいむが近付こうとも引く気配がない。 れいむには何の変化もない。痛みなど何処かに忘れ去ったかのように、髪など引き抜かれるに任せ、 頬に穴を開けた枝を噛み砕き、瞳に突き刺さった枝をくわえていたゆっくりを跳ね飛ばして突き進む。 双方、死に物狂いとなったこの戦いは、それから少しして終結した。 ―5― 「ありがとう、ありがとう! みんな、まりさのためにありがとうねっ!!」 激戦の跡から立ち去る群のゆっくりたちに、まりさが涙を流して感謝を捧げてから暫くして、まり さのおうちの周りはいつもの静寂を取り戻しつつあった。 いつもと違うのは、時折呻き声や泣き声が遠くから聞こえてくること。 たった一匹のれいむが相手だったとはいえ、激戦を終えた時、群のゆっくりたちの殆どが大小様々 な傷を負っていた。永遠のゆっくりへと旅立ったゆっくりも少なくはない。 怪我に呻くゆっくり。死者を嘆くゆっくり。その声は各自が自らのおうちへ帰った今もなお聞こえ てくるほどだった。群で被害にあっていないゆっくりは居ないから群のある森全体が悲しみに包まれ ていると言っても過言ではない。この声は数日は聞こえてくるのだろう。 そんな沈痛な空気が流れる中、数少ない無傷のゆっくりであるまりさは満面の笑顔でおうちの周囲 を飛び跳ねていた。 そして入り口でピタリと止まると、ピョンと飛び跳ね、大声で叫んだ。 「ここはっ、まりさのおうちだよっ! まりさだけのおうちだよーっ!!」 ここは元々まりさのおうちではあったが、実質はれいむに占有されていただけに自分のおうちとい う実感がまりさには乏しかった。だからこその再おうち宣言であった。 空中で全力のおうち宣言を行ったまりさは、着地して暫く静かに耳を澄ませた。 聞こえてくるのは群のゆっくりの暗い声ばかりで、おうち宣言への異議は聞こえてこない。 その結果に満足したまりさは帽子の鍔を跳ね上げて笑う。 「ゆん! それじゃ、まりさはしんっきょのおそうじをするよ!」 足取りも軽く、まりさはおうちの中へと消えてゆく。 まりさは自覚しているだろうか。 おうちの周りを跳ね回っている時も、おうち宣言をした後に周囲を見回しながら耳を澄ませていた ときも、ある一角だけは努めて見ようとしなかったことに。 そこに、れいむの姿がある。 両のもみあげは千切れ、片目は潰れ、総身どこから見ても深々と突き刺さった木の枝や大きく開い た傷が見て取れる。大口を開けた口内にすら木の枝は突き刺さっていた。 だがそんな傷を負いながらも、れいむは静かにそこに在った。 泣くことも喚くこともしない。残された片目は瞬きもせずに中空をぼうっと眺め、開いた口からボ ロボロになった舌が零れだしている。 どう見たって死んでいる。 そんなれいむの姿を、まりさは努めて意識から排除していた。 ―6― 果実や木の実を大きめの葉に包む。 中身別に分けた数個の包みを長めのツタで縛って纏め上げると、まとめて頭の上にひょいと乗せた。 ちょっと重いけれど、ありすは気にすることなく外へと飛び出した。 「さて、いままでゆっくりできなかったぶんまで、まりさをうんとゆっくりさせてあげなくっちゃ!」 あんよも軽く、頭上の荷物の重さも感じないほどに軽やかに飛び跳ねてありすは進む。ツタの端を しっかりくわえているので、うっかり落として無くす心配もない。 ありすにとって、まりさもれいむも友達であることに違いはなかった。 だから、れいむの豹変には驚いたし結局殺されてしまったことが悲しくもある。しかしそれでも、 まりさをあれほどボロボロになるまで扱き使っていたれいむの非道を思えば、罪悪感はさほど感じな かった。 今はとにかく、ゆっくりできない状況から解放されたまりさと一緒にご馳走でも食べて、あんなれ いむの事などゆっくりらしい忘却力で餡子の片隅に追いやってしまおうと考えていた。 そのための大荷物である。重いと感じるはずもない。 それなりに離れたところにあるまりさのおうちも、不思議と長い道程とは感じなかった。 同じ頃、同じようにまりさのおうちを目指しているゆっくりが居た。 長のぱちゅりーと、成体のゆっくりが数匹。 ありすが元気一杯に飛び跳ねているのに比べて、此方は雰囲気からして暗く、いかにもゆっくりし ていない様子が見て取れた。 「むきゅぅ……困ったわね。まりさはぱちぇのお願いを聞いてくれるかしら?」 「きいてくれないとこまるんだねー、わかるよー」 「そもそもまりさをたすけるために、みんなゆっくりできなくなっちゃったんだみょん。まりさがむ れをたすけるのはとうぜんみょん」 悩みの種は、群の働き手である体力に優れたゆっくりたちが軒並み傷付くか、最悪、永遠にゆっく りしてしまったことにあった。 今回の激戦で最前線に投入された精強なゆっくりたちは、みんな食料調達に優れていた。それだけ に、自分以外のゆっくりを養っているゆっくりが多かった。 つがいを永遠に失ったものや、怪我を負った大黒柱を抱え込むことになった一家など、これから先 の生活を悲観する家庭は少なくない。 ぱちゅりーは長として、彼らのこれからを考えないわけにはいかなかった。 そこで考えついたのが次の春が来るまで、群全体が集まって暮らすという案だった。 そうすれば、狩りに行けるゆっくりは憂い無く出かけられるし、重傷の怪我ゆっくりや孤児ゆっく りの面倒だって、子守で残っているゆっくりたちなどで見ることもできる。 その案を実現させるためにも、狩りのできる元気のあるゆっくりは一匹でも多く参加してもらいた かった。 特に、今回の発端でもあるまりさには是が非でも先頭に立って欲しい。 みんなが傷付いている時にぱちゅりーの陰に隠れていただけのまりさに対して、群のゆっくりたち の視線が厳しくなっている。それを鋭敏に感じ取ったぱちゅりーは、まりさがこれからも群の一員と してゆっくりしていくためにも、まりさの協力を期待していた。 しかし、一抹の不安がある。 ぱちゅりーはまりさの言動の何処かに、朧気ながらゆっくりできないものを感じていた。 それがぱちゅりーの表情に影を落とし、一行の雰囲気を暗くしていた。 「……それも確認してみないと解らないわね。むきゅ……」 自らに言い聞かせるように呟き、ぱちゅりーはあんよを進めた。 だが、何も持っていない身軽な身体は、不思議なほどに重く感じられた。 ―7― その頃、まりさのおうちの前には雑多な物が積み上げられていた。 それはれいむが寝ていた干し草であり、ありすかられいむに送られた蔦草のばっぐであり、れいむ が集めていた綺麗な小石などの宝物であった。 まりさはあれから、巣穴の奥深くかられいむが愛用していた品々を引っぱり出しては捨てていた。 まだ十分に使えそうな物ばかりなのに捨てているのは、それだけれいむが憎かったからだろうか。 そんなまりさの心情をおもんばかり、ありすはますます自分がまりさを元気付けねばと気合いを入 れ直した。 「……けど、ちょっともったいないわね。つかえるものはつかうのがとかいはなんだけど……」 などと、少なからず後ろ髪を引かれながらありすはおうちの出入り口に近付いた。 そして大きく息を吸い込むと、おうちの奥へ大声を放った。まりさのおうちは元は野生動物が作っ た巣穴だけに奥が深く少し入り組んでいるので、考え無しに踏み込むよりは出入り口で声をかけた方 が効率が良かった。 「ゆっくりしていってねーっ! まりさっ! いるかしらー!?」 「……ゅ……ゅ…………」 「ゆっくりしていってねーっ! ゆ、あんなところにかくれてたんだねっ!! ありす、ゆっくりま っててねー!」 「……ゆ?」 目を点にしたありすの頭が傾く。 聞き間違いでなければ、今ありすの挨拶に応えた声は二つあった。一つは間違いなく聞き慣れたま りさの声。しかし、もう一つの声に聞き覚えはない。 社交的な生活を送っているありすは群の殆どのゆっくりと話した覚えがある。それ故に一度会話し た相手であれば、それが誰かは解らなくても、少なくとも聞き覚えくらいはあるはずだった。 どこかから流れてきたゆっくりがまりさのおうちに迷い込んだのか? しかし、聞こえてきたのは幼い感じの声。 「まいご……かしらね?」 頭を傾げるありすだったが、答えはおうちから出てきたまりさが口にくわえていた。 黒いとんがり帽子。三つ編みは二つあるけど髪型と、ハシバミ色の瞳はまりさと良く似ている。 帽子に巻いているのと、三つ編みを束ねているリボン。そして艶やかな黒髪にはれいむの面影があ った。 れいむとまりさの面影を併せ持つその幼いゆっくりを、まりさは無造作におうちの外に投げ捨てた。 顔面から地面に叩きつけられた幼いゆっくりは痛みを堪えるかのようにしばらく平ぺったくなって 震えていたが、ぐずつきながらも身体を起こし、ぎこちなくても笑顔を作るとまりさに向けた。 「ゆぅっ!? ゆっ……ゆっく……ゆ、ゆーゆぅー?」 「うるさいよっ! おまえなんかがいるとまりさはゆっくりできないんだよ! ゆっくりりかいして ね。りかいしたらゆっくりつぶされてねっ!」 「ゆ……? ゆっ!? ま、まちなさいまりさっ!!」 躊躇無く幼いゆっくりの真上に跳躍したまりさに、我に返ったありすが大慌てで横から飛びつく。 辛うじて幼いゆっくりの横にまりさを押しのくことができたありすに、柳眉を逆立てたまりさの顔 が迫った。 「ちょっとありす! なんでまりさのじゃまをするのっ!?」 「ゆっ!? ごめんなさ……じゃないわよっ!! なんなの、このこはっ!」 「ゆ……っ!?」 一端引いたものの、まりさ以上の剣幕で詰め寄るありすにまりさの意気は一瞬で消し飛んだ。そこ にいるのはありすが良く見知った、明るく元気で、でもとっても臆病なゆっくりまりさの姿だった。 瞬く間に涙目になったまりさに少し躊躇しながらも、ありすは強い口調で問いつめた。 「このこがなにをしたかはしらないけれど、いきなりえいえんにゆっくりさせようとするだなんて、 ぜんっぜんとかいはじゃないわっ! それにこのこ、まりさやれいむににているけど、ひょっとして ……」 「ゆっ!? ちがうよ、ちがうよっ! そんなのまりさのちびちゃんなんかじゃないよ! そんなゆ っくりしてないのなんか、まりさはしらないよっ!」 「……あいかわらず、うそがへたね。まりさ……」 「しらないしらない、しらないったらしらないよぉーっ!!」 何時しか静かな口調となったありすの言葉を、まりさは顔を激しく振って否定する。 あまりにゆっくりできない勢いで顔を振るのでありすは一歩引いた。振り回されたお下げが当たり かけて、更に一歩。 下がった刹那にまりさは飛び出していた。 「あ……っ!」 「おまえなんかしらない、しらないゆっくりはつぶれちゃえぇえええええっ!!」 愕然とするありすの横をすり抜けたまりさは、再び幼いゆっくりの頭上へと舞い上がる。 着地した直後のありすは動けない。 成体のゆっくりに踏みつぶされる幼い仔の姿を想像して、ありすはギュッと堅く目を閉じた。 だから見逃した。 「そこまでよっ!!」 「ゆぎゅっ!?」 突如響き渡るぱちゅりーの声。同時に飛び出した二匹のゆっくりが正面から飛びかかり、まりさを 迎撃した。 恐る恐る目を開いたありすの視界に飛び込んできたのは、ゆーゆー泣き始めた幼いゆっくりと、頭 から墜落してじたばたと足掻くまりさの姿だった。 そこへゆっくりと、ぱちゅりーがまりさの元へと歩み寄る。 「本当はまりさにお願いがあって来たのだけど……。まりさ、ぱちぇはあの仔の事は何も聞いてない わ。改めてまりさのお話が聞きたいの。ゆっくりと詳しく、今度は正直に全部、話してくれるわね?」 「ゆ……ゆぅ……ゆっくりりかいしたよ……」 滅多に見られない群の長としての威厳を前にして、まりさはがっくりと項垂れたのだった。 ―続く―