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「うへへ、今日は奮発してケーキなんて買ってしまった!あいつ、喜ぶだろなぁ」 うちの飼いゆっくり、その喜ぶ姿を想像してたら街から家までの距離もすぐだった。 「ただいまー!」 玄関の扉を開ける。 いつもなら、おかえりなさい!と元気に出迎えてくれるはずだったが、今日はその姿がない。 「あれ?寝てんのかな?」 もしそうならかわいい寝顔を拝むチャンスだぜと思いながら靴を脱いでいたら、 なにやら居間の方から物音がしてくることに気がついた。 やっぱり起きてるのかと思ったが、それ以上は特に考えず居間への扉を開く。 「ただいま!今日はケーk…」 目の前の光景に一瞬言葉を失い、頭の回転が止まってしまった。 しかし、瞬時に活動を再開し、状況を判断する。 割れた窓ガラス、石、ぱちゅりーの死体、れいむの死体、 そして、部屋の中央でにらみ合い、互いに隙を探り合うまりさと、 「ッ!!」 そこまで考えると、あとは体が勝手に動いていた。 にらみ合っていたまりさを蹴り飛ばし、もう一方、つまりうちの飼いゆっくりに駆け寄る。 多勢に無勢で戦っていたせいか、体中ボロボロで餡子の流失が激しい。 「あ、おにー、さん…おか、えり……」 こんな状態になってまで、わざわざあいさつしてくれることに感動したが、今はそれどころではない。 「待ってろ!今オレンジジュースを!」 … なんとか一命を取り留めたゆっくり。 「なんとか助かったな…よかったぁ…」 一時はどうなる事かと思われたが、オレンジジュースで殊の外あっさりと回復した。 これでお土産のケーキでも食べれば、明日にはもう元通りだろう。 「おにぃさん、こわかったよぉ…!」 「よしよし、もう大丈夫だぞ。何があったのか話せるか?」 うんと頷くと、ぽつりぽつりと事の顛末を語り始めた。 おっとその前に、これ以上もったいぶるのはやめて…(いちいち飼いゆっくりだとか表記するのもめんd…) うちのゆっくり、左右非対称の翼、ゆっくりには珍しい装飾のない漆黒の髪、それに映える紅玉のような瞳。 そう、ぬえだ。 多くの希少種に見られるような特殊な能力もなく、これといって身体能力が高いわけではない。 しかし、空からぬえが降ってきたあの日から、俺とぬえは大事なパートナーなのだ。 (余談だが、ぬえは本当は木から落ちたのだが、男は宇宙からやってきた『宇宙ゆっくり』だとおもっている) 閑話休題。 ぬえの回想に話を戻そう。 今日は用事があるので隣町まで出かけることになっていた男。 普段なら、ぬえも連れて行くのだが、隣町までは電車に乗って行かなければならない。 近所の商店街ならいざ知らず、さすがに公共機関にゆっくりを連れ込むわけにはいかない。 「そういうわけで、昼過ぎには帰ってくるから留守番よろしくな。お土産も買ってくるから!」 「いいこでまってるから、おみやげはふんぱつしてね!いってらっしゃい!!」 男を見送ってすぐに眠気がやってきた。 いい天気で、昼寝・二度寝するにはもってこいのうららかさだ。 いいこ、いいこ、とつぶやきながら、ぬえの意識は沈んでいった。 ぬえが眠りについてからしばらくして、家の庭では… 「ねぇまりさ、やっぱりやめたほうがいいとおもうわ」 「そうだよ、もしにんげんさんにみつかったら、れいむたちゆっくりできなくなるかも…」 「でも!でも…もうこうするしか、ないのぜ…」 「まりさ、いまからでもごはんをあつめればあかちゃんがうまれてもきっとゆっくりできるよ。だから…」 「っ! もとはといえば、れいむがかんがえなしにすっきりするからわるいんだぜ! ぱちゅりーがあんなにも、あかちゃんはじゅうぶんにゆっくりできるごはんがあつまってから、っていってくれてたのに!!」 「むきゅ…ここでいいあらそってもなんにもならないわ…やるなら、やりましょ。れいむもそれでいいわよね?」 れいむたちは、確かにこの家から男が外出するのを見た。 (家族やペットがいることはまったく考えておらず、結局それが故で失敗するのだが)少なくとも、今この家に男は居ないのだ。 「ゆぅ、わかったよ…やるからには、ごはんたくさんとってかえろうね!」 ぱちゅりーがれいむとまりさに指示を出す。 直前まで反対はしていたが、やはりどこかでこうするしかないと思っていたのか、 この日の準備はしっかりと整っていた。 大きな石とそれより一回り小さな石、そして木の板。 ぱちゅりーの知恵により、簡易投石機は完成した。 上面が平らな石の上に木の板を乗せ、さらに石を乗せただけの不安定な投石機だった。 シーソーのようなそれで石を飛ばしてガラスを割ろうとしているのだ。 一方眠っているぬえ。 先程から聞こえている衝撃音で眠りから覚めてしまった。 「ゆぅ…うるさいなぁ……ぬえはまだねたりないよ…」 確か前にもこんなにうるさいことがあったな。 あの時おにぃさんに聞いたら、工事って言ってた。 また工事なのかな、でも、それにしてはあの時より音がうるさいような… まどろみの中にあったぬえだったが、先程までとは違う大きな音により完全に目を覚ます。 音のした方を見ると、割れたガラスに、3匹のゆっくり。まりさ、れいむ、ぱちゅりー。 「やっとはいれたね!やっぱりぱちゅりーもまりさもすごいね!」 「そんなこといってないでさっさとごはんをいただいてかえるのぜ!ゆ…?」 おにぃさんとぬえのゆっくりプレイスに、あろうことかガラスを割り土足で侵入してきたゆっくりたち。 「むきゅ?せんきゃくがいるわ… あなた、ここはにんげんさんのおうちよ。どうやってここにはいったの?」 「れいむはわかったよ!あのにんげんさんはそこのゆっくりのどれいなんだよ! だかr」 ぬえの怒りは頂点に達していた。 それ以上しゃべらせまいと、渾身の体当たりをれいむに食らわせる。 いきなりのことに、3匹は何の反応も取れなかった。 れいむは動かない。死んだか、気絶したか。 追撃しようとしたぬえにまりさが反撃をしたことで、 居場所と誇りを、生存と未来を賭けた戦いの火蓋は切って落とされた。 「まりさ!うしろよ!」 ぱちゅりーがまりさに的確な指示を出す。 背後に迫るぬえの攻撃をかわすと、お返しとばかりに体当たりを食らわせる。 弾き飛ばされるぬえ。床を転がり、少量の餡子を吐き出す。 圧倒的な力こそないぬえだが、通常種の野良ゆっくり程度に遅れを取るほどではない。 しかし単純な数の違いによる戦力差、そしてコンビネーション。 このまりさが、野良の中ではそこそこ強い個体であったことも、ぬえを不利とするには十分な材料であった。 「ゆ、ゆへへ。おもったよりもつよくなかったのぜ…! そのはでなはねは、みかけだおしだぜ!!」 先程のダメージが抜けきらないぬえに、追撃を加えるまりさ。 「ゆらぁ!ゆっくりしないでしぬのぜ!!」 まりさの体が、砂糖細工の歯が、ぬえの体力を確実に削っていく。 このままでは殺されてしまう。ゆっくりプレイスは奪われ、おにぃさんにも会えないままに死んでしまう。 しかし、ぬえの瞳はあるものを捉えて離さない。 戦う2匹から1歩引いたところで指示を出すぱちゅりー。 頭を潰せば、いかにまりさが強かろうとも、戦えないレベルではなくなる。 「よそみしてるとあぶないのぜ!!」 もう何度目かも分からない体当たりが、またもぬえを吹き飛ばす。 そしてこの体当たりは、大きなダメージと、最高のチャンスを運んできた。 それは位置。まりさとぱちゅりーの間へと吹き飛ばされたのだ。 ここからなら、まりさに邪魔されることなくぱちゅりーに攻撃ができる。 偶然訪れたおそらく最初で最後であろう攻撃の機会。 もちろん、これを逃すぬえではなかった。 一撃で仕留められるように、まりさが嘲笑った羽を前へと突き出す。 ぬえの羽は鋭く、ゆっくりの体などいともたやすく切り裂くことができるだろう。 傷付いた体にムチを打ち、ぱちゅりーへと最後の攻撃を仕掛ける! 「っ!!ゆぅぅぅうううぅぅうう!!」 目を覚ますと知らない場所にいた。 前後の記憶が曖昧だ。 なんでこんな所にいるんだっけ…? あ、ぱちゅりーだ。 それとあれは、うん? 知らないゆっくりだ。 あっちにはまりさもいる。 とりあえずぱちゅりーにはなしをきいてみよう。 ぱちゅりーはだれよりもかしこいからなんでもしってるんだよ。 ねぇ、ぱちゅりー… 「ぱちゅりー!!よけるのぜ!!!」 まりさは叫んだ。 その叫びを聞いて、ぱちゅりーはぬえの攻撃を避けんと横へ飛ぶ。 「む、きゅんっ!」 羽がぱちゅりーの頬を裂いたが、なんとか突進そのものは躱すことができた。 が。 「ゆ…ぅ……?」 なんだかお腹があつい。 あかちゃん、うまれるのかな? 「ま…りさ、あ…ちゃん、そ、ろ…そ…う……」 あれ?なんだか、うまく、しゃべれない。 めのまえに、あの、しらないゆっくりがいる。 ともだちに、なれるかな? まずは、やっぱり 「ゆっ…、り…して……ぃ…」 ぱちゅりーには何が起こったのか分からなかった。 なんとか理解できたのは、 部屋の隅で動かなくなっていたれいむが、目の前でまた動かなくなっていること。 左の頬が焼けるように熱いこと。 まりさが何か叫んでいたこと。 何かが頭の上に落ちてきたこと。 頬から餡子が、ものすごい勢いで吹き出したこと。 そのまま餡子と一緒に意識も流れ出ていった。 そして、満身創痍のぬえと、茫然自失のまりさの、 片や体力、片や気力的に最後になるであろう一撃を加えるための隙の探りあいが始まる。 ここでようやく冒頭部分へと繋がり、回想パートが終わったのだ。 「…そしたらおにぃさんがかえってきて、まりさのやつをけっとばしてくれて、 ぬえのことをたすけてくれたの!」 「なるほどな、よくがんばったよ、ぬえ」 念のため傷口が開かないように、優しく頭を撫でてやる。 「うし、じゃあガラスとか片付けて、終わったらケーキでも食べますか!」 「ゆふん!ケーキ!ゆーし、ぬえ、はりきっちゃうよ!!」 「ぬえはゆっくりを片付けてて。ガラスは危ないから俺がやるよ」 割れたガラスを見るとため息が漏れた。 「ったく、饅頭共ときたら…誰が修理すると思ってんだよ… まぁ、俺が修理するわけでもないけどな、というかこれって保険効くのかよ…」 そんなことをボヤきつつ、ガラス片を掃除し、割れた部分には応急処置でガムテープを貼り付ける。 ガラスはこんなところとして、ぬえの方はどうなってるのか見ようとしたら、 「おにぃさん!きて!はやく!!まりさが!」 呼ばれた。まりさがどうかしたらしい。 そういえば蹴飛ばしただけで放置してたから、まだ生きてたのかな? ゆっくりの生命力はゴキブリ並みだからな、あ、ぬえのことじゃないよ? とか考えながらぬえが呼ぶまりさの元まで行くと、案の定まりさは生きていた。 生きているといっても、死んでいないと言った方がいいような状況で、息があるというのが適切かもしれない。 意味のないうめき声を漏らしているが、なにもしなくてもそれはやがて止まるだろう。 だが、ぬえはどうやら直接とどめを刺したいらしい。 「どうする、おにぃさん?ころす?ころしてもいい?」 よほどこのゆっくりたちに怒りを感じたのだろう、その気持ちは素直にうれしい。 「そうだな、生かしておく理由も必要もないし…いや、待てよ…」 俺はあることを思い出し、思いついた。 「ぬえ、妹だ!」 「?」 ぬえはなんのことだかさっぱりといった様子だ。 そうなってはこのまりさにも価値が出てくる。 ぬえの気持ちも、俺の企みのためにも。 まりさを回復させるために、ぬえを回復させるときに使ったオレンジジュースをもう一度手に取る。 どんなに重症であろうと、とりあえずオレンジジュース。 ゆっくり相手ならこれで大丈夫なのだ。 ご多分に漏れず、すっかり回復するまりさ。 「…ゆん?いつのまにかねてたのぜ? れいむ?ぱちゅりー?どこにいったのぜ?」 餡子脳ゆえか、蹴飛ばされたショックからなのか、今日あった「いやなこと」は覚えてないみたいだ。 「おはようまりさ。調子はどう?どこか痛むところは?」 「ひっ…にんげんさん…ゆっくりしないでにげるのぜ!」 必死に跳ねて逃げようとするが、見えない壁にぶつかってしまう。 「!? なんでにげられないのぜ?」 言うまでもなく、まりさは透明な箱の中にいるからだ。 なおも逃げようと、なんども壁に体当たりをするまりさに優しく話しかける。 「れいむとぱちゅりーなら先に帰ったみたいだよ。 でも、外はもう暗いし、今から追いかけたんじゃれみりゃに食べられちゃうかも。 今日はここに泊まっていったらどうかな?」 まりさは悩む。にんげんさんも怖いけど、れみりゃも怖い。 ここにいたら危ない気がするけど、外に出ても、この人間が言うように危険だ。 返答を決めあぐねているまりさに、もう一つ提案を。 「ケーキもあるんだ。皆で食べようよ、ね?まりさ」 結局、誘惑に負け(そもそもその選択肢しか選びようが無いのだが)ケーキを食べ、一泊したまりさ。 にんげんさんが言うには、この箱の中はとても安全な場所らしいが、ずっとここにいるわけにはいかない。 そろそろれいむとのあかちゃんも産まれるはずだ。はやく皆のところに帰りたいと思っていた。 「にんげんさん!まりさはみんなのところにかえりたいのぜ!ここからだしてほしいのぜ!」 それを聞いた俺は思わず笑ってしまう。 「はははっ、皆のところってどこだよ。後追い自殺でもするつもりか?ww」 自殺?何を言っているのだこの人間は。 「まりさにはかえりをまってるかわいいれいむと、そのあかちゃんがいるのぜ! だからここからだしてほしいのぜ!」 「もー必死になっちゃって、まりさったらかわいいねー。 そんなまりさに素敵なプレゼントをあげるよ。持ってくるからちょっと待っててね」 「にんげんさん!ぷれぜんとはいいからここから…」 まりさは言葉を失う。その目は「コレ」に釘付けだ。 「おまたせー。中身がほとんど出てるから皮だけでぺらぺらだけど、まりさならこれがなんだか分かるよね?」 限界まで目を見開き、声にならない声を発するまりさ。 「あれ?せっかくあんなに会いたがってた友達に会えたってのに元気ないなぁ。 分かるよね、これぱちゅりーだよ?」 もう死んでるけどね、と付け足す。 荒い呼吸を繰り返し、目をそらそうとしても嫌でも目に映る、ぱちゅりーだったもの。 「ゅはっ…!はっ…はぁ!!はっ、ゅぐぅっ!!はっ…はぁ…っぐぅぅぅうう!!」 「ぱちゅりーとはあんまり仲が良くなかったのかな?まぁいいや。 でも次はきっと喜ぶぞぉ!なんと…」 いくらゆっくりであろうと。餡子脳であろうと。 まりさは分かっていた。 この男が次に何を取り出すのかを。それがどんな意味を持っているのかを。 そして思い出していた。自分が気を失う前のことを。 だから、れいむがどうなって、今どこに居るのかも、分かってしまった。 「ゆがああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 「れいむでーす!まりさの自慢の可愛いれいむ!叫ぶほど嬉しいんだね、喜んでもらえて何よりだよ」 こみ上げる吐き気を、溢れる絶望を、必死に耐える。 「あとさ、あかちゃんまだ生まれてないんでしょ?かわいい赤ちゃん見たいよね?」 答えを聞くつもりなどもちろんない。 ぬえに付けられ、致命傷となった腹部の裂傷、そこを手で拡げる。 中に手を突っ込み、取り出す。 そして、まりさによく見えるように、箱の中に「それ」を置いてやる。 「はいこれ、まりさとれいむの 「おいおい、何回気を失えば気が済むんだよこのまりさは」 「おにぃさんがいじめるからでしょ。このまりさはもういじめなくてもよかったのに」 「でもこいつらガラス割って、ぬえにひどいことしただろ。これくらいぬえの痛みに比べれば!」 あの時まりさに食べさせたケーキ、その中にはあるものが仕込まれていた。 それこそが、まりさを生かしておいた理由である。 あるものとは、種だ。 種とは言うが、凝縮されたゆっくりの元と言った方が分かりやすいかもしれない。 ぬえ種が生涯に一度だけ、体内で生成するそれは、ゆっくりの体内にて育つ。 やがてぬえ種は、母体となったゆっくりの餡を、内部から食べ始める。 十分に成長したら、母体の腹を突き破って、初めてこの世界に産声を上げるのだ。 余談だが、その特徴ゆえにぬえ種は数こそ少なく希少種と呼ばれるが、 捕食種に食べられても、その体内でまた新たなるぬえが、安全に成長することができる。 通常のゆっくりが、数の多さで種の保存を図ったとするなら、ぬえ種は数こそ捨てたものの、 より確実に生き残れる道を選んだのだ。 一説では、平安の頃からその姿は確認されていたとか。 このぬえは、体内で生成した種を排出し、おにぃさんに渡していた。 それがどれほどの意味を持つのか、推して知るべしである。 とにかく、その種をまりさにケーキとともに食べさせたのだ。 何日か後の事… 以前と変わらない透明な箱の中に、以前と変わらないまりさがいた。 ただ一つ違っていたのは、精神が壊れてしまったこと。 今では、自分の体内にいるぬえの子供を、れいむとの子供だと思い込み、 必死に最後の一線を越えまいと耐えている。 「あかちゃん……まりさと、れいむの… れいむ……?ゆ、ぐぐぎぎぎぎぎゅぐぎぐぎぐっぐうぐうううううう!!!」 もう何度目かも分からない、この体の内側をかき乱す痛み。 「なぁぬえ、今回のっていつもより長くない?」 「そうだね、もしかしたら…」 果たしてその予想は当たっていた。 まりさの下腹部がもぞもぞとうごめき、やがて破れる。 そして 「ゆっくりしていってぬえ!!」 あとがき まずは最後まで読んでくれてありがとうございます、です! しかしまぁ、たったの1セリフを言わせたかっただけのはずなのに、どうしてこうなった… 設定としては、ぬえ→エイリアンというなんとも安直な発想です。 そもそもタイトルからしてモロバレな感じです。 あと種ですが、ぬえの能力、その元となる「正体不明のタネ」から。 とにもかくにも楽しんでもらえたならば幸いです。
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寒風吹きすさぶ工業団地の一角にある公園の中 そのゆっくり達はいた。 「風さんぴゅーぴゅー吹かないでね!れいむは寒いんだよ!」 「ゆーどうなってるのぜ?どうしてこんなに虫さんいないんだぜ!」 「むきゅ・・・去年はこんなに寒くなかったのに」 「花さんも全然ないわ、こんなの都会派じゃないわ」 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす、4匹はブルブルと 震えながら、突然の寒波に戸惑っていた この地域は本来温暖であり、冬眠や冬篭りの習慣もなかったが今年は例年 になく、気温が下がり辛い冬となった 当然ゆっくりの餌となる虫や草は激減、寒さはお家に枯れ草を敷いたり 仲間同士かたまりスーリスーリすることでどうにか凌いできたが飢えだけ はどうしようもならない 「ぱちゅりーこのままじゃみんなお腹がすき過ぎて永遠にゆっくりしてしまうわ」 「そうだよ、ぱちゅりーれいむはあまあまが食べたいよ!なんとかしてね!!」 「むきゅ・・・そういわれてもこんな寒い冬さんはぱちゅも初めてだし・・・」 「なにが森の賢者なのぜ!!ぜんぜん役立たずなのぜ!!」 「むきょーー!ひどいわ!・・・んっ・・・あれはなにかしら・・・」 ぱちゅりーは公園の入り口の方に視線を向けた、話をはぐらかそうとしたわけではない 近くの工場の作業員であろうか男が一人、公園のベンチに腰掛けていた 時間は12時昼時である、男は手に持ったビニール袋からメロンパンの袋を取り出し、その封を開ける 「ゆわーー!!おいしそうだよ!パンさんはれいむの大好物だよ」 「あれはメロンパンさんだわ、すごく都会派な匂いよ」 その時まりさの目がキラリと光った。 「ゆっへっへっ!あのメロンパンさんを全部いただくのぜ!」 「なるほど・・・分けて貰えるようにお願いするのね。むきゅん」 「いいや、あの人間からメロンパンさんを奪うのぜ」 「無理よ・・人間さんには敵わないわ都会派じゃない事になるわよ」 「ゆふっゆふふ・・・」 その会話を遮るように不気味な笑い声が聞こえる。 「ゆふふふ・・・れいむにはまりさの考えがわかったよ。あの人間さん髪の毛は真っ白だよ お爺さんなんだよ、そして普通工場の人間さんは暖かいお部屋でみんな仲良くご飯を食べるのに あの人間さんは寒いお外で一人で食べようとしている・・・きっと嫌われ者なんだよ」 こういったゲスな事には鋭いれいむである 「なるほど、お爺さん相手だったらありす達なら楽勝ね」 「嫌われ者なら痛めつけても他の人間からの報復はないわね、むきょきょ」 「そうと決まればあのメロンパンをじじいから奪い返すのぜ!!」 そう言うが早いかゆっくり達はメロンパンにかじりつこうとする男の前に飛び出した。 「んっ・・・ゆっくりか・・・なにか用か?お前ら・・・」 「用も何もないんだぜぇ!!じじい誰に断ってここでご飯をムーシャムーシャしようと してんだぜぇ!!」 「そうよ!!ここはありす達のゆっくりプレイスよ、痛い目みたくなかったらそのメロンパンさん をよこしなさい!!」 「れいむ強いんだよ!ぷくーー!」 「むきょきょ、抵抗は無意味よ!」 普通なら問答無用で叩き潰される言動・・・セルフ死の宣告・・・ 「・・・なんだ・・・この寒さでエサが取れず苛立ってるって所か・・・いいぜ 食えよ・・・」 男はメロンパンを4つに千切るとれいむ達の前の置いてやる 「むーしゃむーしゃ、しっしあわせーー!」 「うめっこれめっちゃうめっ!がつがつ!」 「都会派な味だわ、でりーしゃすよー!」 「むきょーおいひいわー!」 メロンパンを食うゆっくり達、貪り喰う 「・・・それじゃ俺はアンパンでも食うか・・・」 男は袋からアンパンを取り出す、しかしその行動をゆっくり達は見逃さない 「待ってね!ハグハグ、そのアンパンさんもれいむ達の物だよ。ガツガツ!」 「そうなんだぜぇムシャムシャ!!白髪のクズじじいが食う位ならまりささまが食べてやるのぜ!パクパク」 「そうよこの田舎者!都会派の常識よぉ!」 「むきゅ・・・誰かお水を・・・パンさんが喉に・・・」 強欲!際限なき要求! 「おいおい・・・ずいぶんと欲張るじゃないか・・・ふーん・・・いいぜくれてやっても・・・」 にやりとほくそ笑むゆっくりたち(ぱちゅりー意外)相手が絞れると見れば絞れるだけ絞る最後の血一滴まで まるでヤクザ・・・テロリスト・・・最悪の思考! 「ゆふん!れいむに恐れをなしたね、なかなか利口な判断だよ」 「さあ白髪じじいはとっととアンパンさんをよこすのぜ」 「あら?ぱちゅりー食べてすぐ寝ると牛さんになるわよ」 「・・・きゅ・・・ちが・・・水・・・」 しかしゆっくり達は見逃していた、男の口の端がわずかに笑みを浮かべていたことに 「・・・俺一つと賭けをしようじゃないか・・・簡単なギャンブルさ・・・ 俺の投げたコインをお前らが裏か表か当てる・・・一回勝てばアンパンだけじゃなくこの 袋にあるポテチとオレンジジュースもやろう・・・嫌なら俺はもう戻るぜ・・・」 そう言うと男はベンチから腰を上げ公園を出る素振りを見せた 「ゆゆっ?まってねレイムのポテチさん返してね!」 「そうなんだぜ!白髪じじいに負けるわけないぜ、オレンジジュースさんはまりさのものなんだぜ!」 「そうよぉ!都会派にアンパンさんゲットだわ」 「む・・・・きゅお・・・・・・」 こうして勝負は開始された・・・ゆっくりの根拠のない自信と共に・・・ 「一番はれいむがやるよ、白髪ジジイを瞬殺だよ」 そういってふんぞり返りながら男の前にれいむが踊り出た 「フッ・・・れいむが一番手か・・・いいだろう・・・だがお前にはその頭の上のリボンを賭けてもらう・・・」 男の予想外の発言に唖然とするれいむ。自分は勝利しあまあまをムーシャムーシャする、それだけで頭がいっぱいだったのだ 「・・・なっ何言ってるのぉー!!おリボンさんがなくなったらゆっくりできな・・「やるのぜ!!」 れいむの抗議の声をまりさがさえぎる 「ばりざぁなに勝手な事言ってるのぉ!れいむのおリボンさんでしょぉー!」 「大丈夫なのぜれいむ、あんな白髪じじいに負けるはずないのぜ!それにここでゴネたらじじいに逃げる口実をやる だけなのぜ」 「そうよ、れいむなら都会派に完勝できるわ。ねっぱちゅりー」 「・・・・・・・」 ぱちゅりーはパンが喉につまりすでに永遠にゆっくりしかけていた。が、お昼寝を始めたと勘違いされ見事にスルーされていた 「決まりだな・・・始めるぜ・・・ピンッパシッ・・・さあ表か裏か・・・」 男は親指でコインを弾くと右手の甲で受け取り左手で挟みこむ 「さあ・・・れいむ・・・表か・・・裏か・・・」 おリボンを賭けた今れいむに当初の勢いはない、それどころかダラダラと砂糖水の汗を流している 「ゆゆぅ・・・表・・・嫌、裏のような気もするよ・・・」 「なにやってるのぜ!れいむそんなじじい相手にびびってんじゃないのぜ!!」 「そうよれいむ都会派じゃないわ!」 苛立つ外野の声、乱れるれいむの心、真綿のごとし 「ゆっ決めたよ!!表にするよ!!」 「・・・わかった・・・オープンだ・・・」 男はゆっくりと手をどかす・・・注がれる視線 コインは裏、敗北!覆る・・・れいむの絶対勝利! 「コインは・・・裏だ・・・お前の負けだれいむ・・・」 「ゆゆっ!ぞんなーどぼじでコインさん表じゃないのぉ!!」 「れいむなにやってるのぜー!そんな白髪じじいに負けるれいむはグズなんだぜ!!」 「この田舎物!制裁っしてやるわ!」 まりさとありすに挟まれ激しい暴力を受けるれいむ。まったくの加減なし 「おいおい・・・そのへんにしておけよ・・・とりあえずれいむのリボンはもらうぜ・・・」 「ゆんやぁ・・・れいむのおりぼんさんがえじでぇ・・・」 仲間にぼこぼこにされおリボンまで奪われるれいむ・・・もはや動く気力もない 「さあ・・・次は誰だ?・・・まりさかありすか・・・」 「まりさ様が勝負するのぜ!!」 勢いよくまりさが名乗りを上げる、その表情に一切の恐れはない 「いいだろう・・・ならばまりさお前にもそのとんがり帽子をかけて「まつのぜ!!」 男の話をまりさがさえぎった 「まりさが賭けるのはそこでお昼寝しているぱちゅりーのお帽子をなのぜ!」 「まりさ!何言ってるの都会派じゃないわよ!」 意外、まりさの提案。他人のお帽子を賭ける暴挙!しかも本人の承諾一切なし!! 「フッ、なるほどね・・・いるんだよな・・・自分は安全地帯で他人を危険にさらし勝負しようとする奴・・・ 今まで他人をハメることばかり考えて来た奴の思考・・・痩せた考え・・・」 実際まりさは他のゆっくりを犠牲にすることで生き延びてきたゲスである、仲間を囮にお野菜を盗んだり 口先だけで口説いたゆっくりとすっきりーをしそのまま母子共々捨てたことすらあった 「ゆっそれは違うぜじじい!ぱちゅりーはまりさの親友なのぜ!まりさのお帽子より・・・いや・・・まりさ 自身より大事なのぜ!その大切な物を賭けることでまりさは背水の陣をしいたのぜ!!」 「まりさ・・・そこまでぱちゅりーの事を・・・感動だわぁ!」 無茶苦茶な理論であるがまりさは大真面目である、無意識のゲス。罪を意識しないもっともドス黒い悪、それが まりさなのだ 「フフッ・・・アハハ・・・そう来るか・・饅頭の癖になかなかおもしろい事いうじゃないか・・・ ならば俺も少しはお前の狂気に答えなくちゃな・・・」 「じじい何を言ってるのぜ?」 「何・・・このままじゃまりさお前を鉄火場に引き込めない・・・だから掛け金を上乗せするのさ・・・ 俺は、当初のアンパン、ポテチ、オレンジジュースに加え先ほど得たれいむのおリボンを賭ける・・・ 倍プッシュだ・・まりさ・・・これでお前は自分の帽子を賭けざるをえなくなった・・・」 見る間に青ざめるまりさの顔 「なっ何言ってるのぜー!そんなこと勝手に「やるよぉ!!」 まりさの声をさえぎったのはれいむであった、その顔は腫れまるでゾンビである 「ヒィィッ!でいぶぅぅ!!」 「やるよねぇまりさぁ・・・逃げたりしないよねぇ・・・れいむに言ってたよねぇ・・・ あんな白髪じじい楽勝だってぇ・・・」 「そうよ、まりさは逃げたりしないわ!!だって自分より大事なぱちゅりーのお帽子を賭けたのよ 今更自分のお帽子なんてうんうんみたいなもんよ!!」 「ぞんなぁぁ!!」 まりさ追いつめられる、行動がすべて裏目。完全な自業自得・・・ 「決まりだな・・・いくぜ・・・ピンッパシッ・・・裏か・・表か・・・」 「ゆあー!かってに始めるなだぜー!」 ありすとれいむの応援が響く 「まりさ!!まりさ!!まりさ!!まりさ!!MARISA!!」 「ばりざぁ・・・ばりざぁ・・ばりざぁ・・・」 まりさに掛かる重圧、プレッシャー、ストレス、この状況から抜け出したい その一心でまりさは答えた 「はぁっはぁっ・・・表なのぜぇ!!」 「オープンだ・・・」 コインの向きは・・・ 「・・・裏だな・・・残念だったなまりさ・・・」 「ゆがーん!ウソなのぜぇー!」 「まりさぁ!この田舎物ぉ!」 「まりさぁ・・・まりさのお帽子素敵だよねぇ、でももう似合わないようにグシャグシャにしてあげる ねぇ・・・てめーの顔面の方をな!」 「やべでーばりざに近寄るなー!」 こうして男はまりさとぱちゅりーのお帽子を得ていびつな饅頭は二つになった 「さあ、ありす・・・次はお前だ・・・」 「来なさい、白髪じじい!ありすは負けないわ!」 ありすには秘策があった、裏・裏と連続したのだ次まで裏のはずがない。 事実コインギャンブルの確立は常に1/2である、確立的にも最善、安全な選択 「表よ!」 「・・・死ねば助かるのに・・・」 「えっ?」 「オープン・・・裏・・・」 三連続で裏はない・・・この考えはギャンブルでは通用しない・・・埋まっている・・・首まで底なし沼に! 「都会派じゃないわーーー!」 「ありずー」「制裁っ」 そのころぱちゅりーは三途の川で生死の境をさまよっていた 「むきゅ・・・ここは何処かしら大きな川さんね・・・あらなんだか光が見えるわ・・・それにあたたかい ゆっくりできるわぁー」 「おいお前、そこのぱちゅりーお前だよ!!」 声をかけたのは三途の川の渡し役、ゆっくりこまちである 「むきゅ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!じゃないよせっかく仕事さぼってすーやすーやしようと思ってたのに 悪いタイミングで死にやがって!」 「そう言われても、ぱちぇはなんだか川の向こう側へ行かなくちゃいけないような気が・・・」 「うるさい、あたしはお昼寝がしたいんだとっとと現世に帰れ!」くぱぁ! 「むきょおおー!」 川原の地面に穴が開きぱちゅりーは落ちてゆく 「・・・ぐえっ!がはっごほっ・・むきょ!」 ぱちゅりーが気が付くと背中の上にはぼろぼろのありす、自分の目の前には吐き出した餡庫にまざりぱちゅりー の喉を塞いでいたパンが落ちていた。 「みんながぱちゅの背中を押して助けてくれたのね・・・」 「まりさのせいで負けたんだよーこのゲス!」 「うるさいんだぜ!このレイパーのせいなんだぜ!」 「違うわよ、田舎者のでいぶのせいよ!」 「そこまでよ!」 「「ぱちゅりー」」 「なんだ・・・お前・・・てっきり死んだと思っていたが・・・生きていたのか・・」 どうやら男だけはぱちゅりーが死にかけていたことに気がついていたようだ 「むきゅ・・・たしかにぱちゅは一度死んだわ・・・でも地獄の鬼達を叩き伏せこの世に舞い戻ったのよ!」 「すごいのぜぱちゅりー!」「都会派よ!」「だかられいむにあまあまちょうだい!」 仲間の声援を一身に受けぱちゅりーは周りを見回すと瞬時に状況を理解した 「どうやらぱちゅ達は負けたようね・・・」 「なんだ・・・お前初めて見た時とはまるで別人だな・・・いや別餡とでも言うのかな・・・」 死線を潜り抜け、ぱちゅりーは何かを得ていた。神は困難を乗り越えた者に新たなる力を授ける事があるのだ 「むきゅむきゅむきゅー!」 ぱちゅりーの餡庫脳が唸りを上げ計算を開始する、この状況を打開するロジックそして勝利へのルート 「むきゅ!ぱちゅ達は白髪じじいに再戦を申し込むわ、ただしギャンブルの種目はぱちゅが決めるわ」 「何いってるのぉぱちゅりー!」「どうしたのぜー!」「すーやすーやzzz」 れいむ達からすれば寝耳に水である 「いいぜ・・・受けて立とう・・・ただお前らには相応の物を賭けてもらう・・・」 「当然ね・・・ぱちゅは全員のもみあげさんを賭けるわ!」 「何言ってるのぜ狂ってるのぜ!」「いやじゃぁーもみあげさんなくなったらゆっくりできないぃ!」「ぱちゅりー都会派な提案だわ!」 「ありす、あなたはもみあげさんがないからぺにぺにをかけてもらうわ」 「全然都会派じゃないー!」 阿鼻叫喚・・・当然であるゆっくりにとってもみあげを奪われる事は、人間が両腕を奪われる事に等しい 「面白い・・狂気の沙汰ほどおもしろい・・・ギャンブルらしくなってきたじゃないか・・・」 「白髪じじい・・・ぱちゅ達は作戦会議をするから少しまってちょうだい、みんなこっちに来て」 あまりの出来事の連続で混乱するばかりの仲間を落ち着かせるため、そして間を空ける事で男の勝負熱を下げ 流れを返るため、ぱちゅりーは作戦会議を始めた 「ぱじゅりーのばがーどうじでれいむのもみ上げさん賭けたのぉ!」 「勝手に人の物を賭けるなんてゲスすぎるんだぜぇ・・・」 「ありすのぺにぺに・・いやぁ!」 先ほどの敗戦が効いているのか、浮かぶのは敗北のイメージばかりである 「むきゅ作戦を説明するわ、勝率100パーセント、絶対勝利の計画をね・・・」 男はタバコをふかしていた、タダの暇つぶしのはずがここまで面白くなるとは正直思っていなかった 公園の端からはギャアギャアとゆっくり達の嘆きが響いている、しかしその声が止まったかと思うと不気味な 笑い声へとかわった・・・ 「ゆっへっへっこれは絶対勝てるのぜ、白髪じじいめ」 「白髪じじいも年貢の納め時だよ、ゆふふふ」 「田舎者の破滅する姿がみえるわぁ」 「むきゅきゅきゅ・・はじめましょうか」 ニヤニヤしながらゆっくり達は再び男の前の立つ、気持ちの悪い笑みには絶対的な自信が見え隠れしていた 「終わったか・・・ギャンブルの内容を説明してくれ・・・」 「ええ・・勝負は、れいむの左右のもみあげさんどちらかにコインを握り じじいがそれを当てる。それだけ・・・一回勝負よ」 「なるほどね・・・」 「ただし、れいむはじじいみたいにコインを弾けないから握る時にはじじいには後ろを向いて貰うわ」 「わかった・・・コインだ・・・」ピンッ・・・パシッ 「ゆふふ、たしかにれいむが受け取ったよ・・・後悔させてあげるね」 「やめるなら今なんだぜぇ白髪じじい!」 男はまりさの挑発を一切無視するかように後ろを向いた 「いいぜ・・・始めよう・・・」 「ふんっ・・・まりささまにびびってやがるのぜ」 にやりとぱちゅりーが笑いゲーム開始の合図を出す 「始めるわ!れいむはコインを握ってね!」 「わかったよぱちゅりー、コインを握るよ!」 れいむはコインを右のもみあげから左のもみあげに移し、そのままコインを 投げた、コインの行く先は大口を開けたまりさの口の中である。 そしてれいむは空になった両方のもみ上げを空のまま握りこんだ 「(むきゅきゅ、れいむ、まりさ完璧な仕事よ)」 これがぱちゅりーの作戦だった。 男が右左、どちらのもみあげを選んでも男の勝利はない、勝利を示すコイン自体 れいむのもみあげにはなく、まりさの口内にあるのだ。 あとは、男の指定した空のもみあげが開き男の負けが確定した瞬間、ありすがれいむによくやったと 飛び掛り全員で大騒ぎ、そのドサクサにコインを地面におけばいい。 完璧すぎる作戦、並の人間ではまず打破不可能な作戦とゆっくり達は思っていた しかしゆっくり達は思い知ることとなる、この男が並ではないことを・・・ 後半へ続く みなさんならどのようにぱちゅりー達の作戦を打破するでしょうか もし宜しければ推理して感想欄に書いてみて下さい。 後半はすでに出来ていますのでみんなの推理を見てから結末を変えるような ズルはしません、ご安心を。 後半は2日以内にはあげます。
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(前から) 一方みょんの巣では 「ちるの、だいようせい、何があったのか話してほしいみょん」 まずだいようせいが事情を話した。 いつものように群れの仲間と遊んでいたら、突然へんなにおいがしてきて、意識が飛び 気がついたら目の前に昔仲のよかったちるのがいた。 なぜかは分からないけどとてもムラムラしてしまい襲ってしまった。 何度かすっきりーすると頭が冴えてきて、自分のしでかした事に気付いてしまった。 目の前のちるのの頭には茎が生え、下あごのあたりは少しだけ量が増えてた。 正気には戻ったものの、周りは自分と同じようにおかしくなってしまった群れの仲間ばかり。 幸い、ちるのは仲間の死体に隠れていたから、あとは自分がこのままちるのを隠せば なんとかこの場をやり過ごせる。 意識のないちるのを守ろうと決意した瞬間 「ゆくちっ!」 ちるののくしゃみで顔が凍り、そのまま気絶した。 との事だった。 ちるのは 「あたい! れいぱーたちをやっつけてるとれいぱーのしたいをぶつけられたんだよ!」 「あたい! そらをとんでにげようとおもったら、だれかにきられたんだよ!」 「あたい! そのときにみたんだよ! ドスのこどものまりさを!」 要約すると美まりさにレイパーの死体で動きを封じられ、切られた。 との事だった。 「なるほど…察するにあのまりさがせかせかとみんなを切って れいぱー達の餌食に仕立て上げたという事になるね。」 「あのゲスがみんなにナメタ真似したことでてんこの怒りが有頂天になった この怒りはしばらくおさまる事を知らない!」 まりさの暴挙に怒り心頭のてんこ。 「おじゃまするよ!!!」 深夜なのにみょんの巣に訪問者がやってきた。 みょんは美まりさの刺客かと警戒し、木剣を咥えて入り口に向かう。 そこにいたのは死んだと思っていたちぇんと、見たことのないらんであった。 「ちぇん! いままでどこいってたみょん!? みんな心配してたんだぞ!!!」 みょんは危険はないと判断し、二匹を巣に案内した。 みょんは今までの経緯を簡単に二匹に説明し、 「そっちでは何があったのか教えてほしいみょん」 「わかったよー。あのときねー、ちぇんは誰かに切られて倒れてたんだよー そしたら、ここのらんしゃまがちぇんを連れて逃げてくれたんだよー 命拾いしたんだねー。わかるよねー」 「なるほど、らんがちぇんを助けてくれたのか。 らん感謝」 「いやそれほどでも…」 らんは照れくさそうに身をよじる。 そして、少し間を置いて話し始めた。 「あれは今日の昼間の事だったよ。 らんはいつものように長ゆかりんや幹部ゆっくり達と会議をしていたよ。 そしたらへんな臭いがしてきて、みんなの様子がおかしくなってきたの。 危ない予感がしたから長ゆかりんを避難所に匿ってから外に出たらみんなれいぱーになってて、 この群れに向かっていったんだよ。 らんも体が熱くなって、ここまで付いてきたんだけど、ちぇんがまりさに切られたのを見て 助けなきゃっておもったんだ。 それで、ちぇんを近くの洞窟に匿って、周りの様子が落ち着いた頃にちぇんと一緒に らんの群れにいったんだ。群れに戻ってみたら、群れのみんなが黒くなって死んでて、 ゆ、ゆぐ、ううぅぅぅうぅ!!!」 むせび泣くらん。 ちぇんは寄り添い、頬ずりして慰める。 「ぐすん、ありがとう、ちぇん。 それで、生き残った長ゆかりんとわずかな仲間にごはんを食べさせて、 誰か信頼できるゆっくりを探そうと思って、ここへ来たんだ。」 「わかるよー! みょんは信頼できるんだよー!」 「なるほど……、今回のれいぱー、あ、失礼」 「いいよ…、実際らんも多分誰かをれいぷして殺したかもしれないから…」 「らんしゃま…」 すっかり落ち込むらん。 「うん、とりあえず今回の突然みんなれいぱーになったんだよね?」 「こぉん…」 「…もしかしたら、"あれ"かもしれないね。明日、確かめてみるみょん」 「確かめるって、何を確かめるのさ!」 ちるのが訪ねるが、みょんは明日になったら分かるさとだけ言い、 眠りについた。 そして翌日。 広場に集まるゆっくり達。皆広場の中央に集まっているみょんの一行に釘付けとなっていた。 みょんとてんこ。この二匹だけでなく、死んだと思われてたちるのとちぇんまでいる。 それどころか、群れのゆっくりでない、だいようせいとらんまでいる。 「ゆ、着いたよ!」 ドスまりさ一行のお出ましである。 美まりさがみょん一行の顔を見たとたん 「ゆええええ! なんで生きてるのおおおお!!?」 死んだと思っていたちるのとちぇんを見て驚き、叫んだ。 二匹はキッと美まりさをにらみ続けた。 「ちるのとちぇんが生きてたよ!!! よかったね!!!」 ちるのとちぇんの生還を喜ぶドスまりさ。 その傍らにいるらんとだいようせいには気付いていないようだ。 「むきゅ! それでは今日の裁判を開廷するわ!!!」 参謀ぱちゅりーが高らかに宣言する。 「証言者は前に出てね!!!」 「ゆっ!」 証言するために前に出たのは まりさ、れいむ、ちぇん の三匹。 「むきゅ、まずはまりさよ!」 「ゆ、あのてんこはゆっくり出来ないゆっくりなんだぜ!!! この間、まりさが一緒にゆっくりしてやろうとしたら体当たりしてきたんだぜ!!!」 「次、ちぇん!」 「てんことみょんは仲良しなんだよー! きっとふたりで他の弟子ゆっくりをゆっくりできなくしたんだよ! わかるよねー?」 「次、れいむ!」 「ゆ! わかったよ! てんことみょんは悪いゆっくりだよ!!!」 実はこの三匹、美まりさにみょんを殺すように唆した連中だった。 れいむをみょんに殺されたまりさ。群れ一番の狩りの名手だったれいむ。 群れで一番けんかが強かったちぇん。 美ぱちゅりーの作戦は証人としてこの三匹にてんこが悪者になるような証言をさせ、 その上でみょんもてんこも有罪で死刑にする。というものだった。 あらかじめ「てんこ=悪」と群れのゆっくり達に植え付けておけば、 単純なゆっくりはそれを鵜呑みにするだろう。 たとえ、多少他のゆっくり達から好かれていたとしても。 「おいィ?お前らは今の言葉聞こえたか?」てんこが訪ねる。 「雑音は聞かない主義みょん」とみょん 「何か言ったのか?」とらん 「あたいの頭には何もないよ!」⑨ですからね。 みょん一行は何のことやらとへらへらと三匹をせせら笑った。 「こぉん! 次はらんが証言するよ!」 「昨日、ちぇんがそこにいるまりさに切られて倒れたかららんが ちぇんを安全な場所まで避難させたんだよ!!!」 「あたい! みたよ! まりさがにやにや笑いながらあたいを見てたんだ!!!」 二匹の証言で美まりさにも容疑がかかった。 「むきゅ! まって! らんとだいようせいはどこの群れのゆっくりなの?」 美ぱちゅりーが二匹に訪ねた。 「こぉん! らん達は向こうから来たよ!!!」 「あ、よく見たらそのだようせい、昨日のれいぱーの一匹だよ!!! みょんはれいぱーをかくまってるんだね! 悪いゆっくりだよ!!!」 「「「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅ!!?」」」」」 群れのゆっくり達がざわめく。 レイパー達は昨日ドスが全滅させたはずなのに何故? 「まりさ何言ってるの!? だいちゃんはあたいを守ってくれたんだよ!!! れいぱーなわけないでしょ!!!」 「ちるのちゃん…」 すかさずちるのが叫ぶ。 本当は数回レイプされた後でだいようせいは正気に戻ったのだが、 ちるのは親友を助けるためなのか、単に忘れているだけなのか、だいようせいを庇う。 「ゆゆゆゆ、まりさが犯人なの!? みょんが犯人なの!? どっちなのおおおぉぉぉお!!!」 一匹のありすが混乱し、喚く。 結局、群れの者達ではどちらがクロなのか判断できないのだ。 「むきゅ、このままじゃらちが開かないわ! 仕方ないわ! ここは『決闘』に判決を委ねるわ!!!」 「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅ!!?」」」 またもざわめくゆっくり達。 決闘で判決を下すなんて、早々あることでは無い。 「ゆ、分かったよ! まりさは無実だから戦うよ!!!」 「委細承知みょん」 しかも、両者とも木剣を持ち、群れの中でもドスまりさに次ぐ実力者。 勝敗はおそらく生死をもって決まるだろう。 そのような恐ろしいことが今まさに行われようとしているのだ。 両者ともに広場中央へ、そして木剣を構える。 「むきゅー! 両者、ゆっくり始めるのよ!!!」 美ぱちゅりーの合図で決闘が始まる。 美まりさは積極的にみょんに斬りかかる。 みょんは木剣を盾代わりにし、攻撃をいなす。 しかし、わずかにみょんの皮に切り傷が入る。 本来であればこの程度、取るに足らない怪我で済むはず…なのだが、 「!!!…ゆぐわあああああぁぁぁぁぁああ!!!」 突然目を見開き、苦しみ悶えるみょん。 「何でみょんが痛がってるの!? わからないよー!!!」 「あたいでも痛くないくらいのかすり傷だよ! みょん弱すぎるよ!!!」 「どう見ても破壊力ばつ牛ンには見えないのだが…」 みょんの弟子達には訳が分からなかった。 確かにかすり傷を負わされたが、それであんなに痛がるわけがない。 美まりさの木剣には粉末状にした唐辛子を水で溶いた物が塗り込まれている。 昨日、美ぱちゅりーがてんこを悪役に仕立て上げる作戦が失敗した際に 決闘で決着をつける事を提案し、さらに、美まりさが負けないように、 少しでも皮に入れば地獄のような激痛をもたらす唐辛子を木剣に塗り込んだのだ。 美まりさはそんな小細工しなくても勝てる自信があったが、 美ぱちゅりーに説得され渋々この作戦を使うことにした。 あまりの効果の高さに、美まりさ自身が驚いた。 多少、苦戦を予想していたが、それどころかこれなら楽勝ではないか。 「ゆ! まりさの強さを思い知ってね!!!」 カツン! 「ゆぃぎいいぃぃい!!!」 カツン 「ゆっぐあああぁぁぁぁあああ!!!」 カツン 「あぐううぅうぅぅう!!!」 美まりさの攻撃をぎりぎりのところでいなすが、いなし切れなかった斬撃がわずかにみょんを切り裂く。 元々傷だらけだった体にさらに赤みを帯びた切り傷が追加されていく。 「ゆひぃ、ゆひぃ…」 ちょろちょろちょろ… ついにみょんは失禁までしてしまった。 「ゆ、ゆはははは! みょんはしーしーもらしちゃったよ! だらしないね! 馬鹿だね! 恥ずかしくないの!?」 ここぞとばかりにみょんを馬鹿にする美まりさ。 憎い相手がここまで無様な姿をさらしてくれるのだ。 美まりさはすっかり有頂天になり、みょんをさらに馬鹿にする。 「ゆぅっ、ぎぎぎぎぎ…!」 歯を食いしばり美まりさの暴挙に激しい怒りを感じているのはみょんの弟子達。 みょんは絶対に手出しをするなと彼女たちに言っていたため耐えているが、 それももはや時間の問題だろう。 三匹の目は完全に見開かれ、美まりさに対する憎悪に満ちあふれている。 美まりさは攻撃をゆるめることなく、少しずつみょんを刻んでいった。 「ゆ、ぜぇ、はぁ、そろそろ止めを刺すよ!!!」 調子に乗りすぎたせいでバテてしまった美まりさは垂直に木剣を咥え、 みょんを串刺しにせんと突撃する。 (もうみょんは虫の息だよ! 最後は串刺しにして殺すよ!!!) みょんは虚ろな目で美まりさを見据え、 すっ、 「ゆっ!?」 素早く美まりさの一撃をかわし、地面に激突したまりさに木剣を突き立てた。 「ゆぎゃあああああぁぁぁああああ!!! いだい! まりざのおめめがあああぁぁぁぁ!!!」 木剣は美まりさの側頭部から目玉まで貫いていた。 みょんは「はぁ、はぁ」と息をつく。 「む、むきゅ! もう勝負ありよ!!! 止めよ! やめ!」 美ぱちゅりーはあわてて決闘の終了を告げた。 ドスまりさも参謀ぱちゅりーも美ぱちゅりーもまさかみょんが勝つなどとは予想だにしていなかった。 「まりざああああ!!! じっがりじでえええぇぇぇえ!!!」 ドスまりさはドスん! ドスん! と音を立て娘の元へ跳ねゆく。 急いで美まりさを手当てしなければ! その思いで美ぱちゅりーは決闘を終了させたのだが ずるっ 「ゆげぇっ!」 みょんは木剣を美まりさから引き抜く。 木剣には潰れた美まりさの目玉がへばりついていた。 「…」 みょんは美まりさに何かを告げ、美まりさに背を向け、てんこ達の下へ戻ろうとする。 「きだないみょんはしねえええぇえぇぇぇえ!!!」 ドスまりさが美まりさに跳ね寄ろうとしたそのとき、 美まりさはみょんに襲いかかった。 「みょん! あぶないよ!!!」 てんこが叫ぶがみょんは薄ら笑いを浮かべ、木剣を垂直に咥えた。 「じねえええぇぇええぇぇぇ!!!」 もうすぐまりさの木剣が届きそうなところでみょんはその場で一回転した。 「ゆぎぃっ!?」 群れのゆっくり達には目視できないほどの速度で繰り出された斬撃は美まりさを上下に両断した。 ずぱっ! べしゃ! 美まりさの口から上が切断され、跳ね寄るドスまりさにぶつかった。 美まりさの下の部分は力なく垂れ、綺麗に切断された髪の毛がみょんの一撃の威力を物語っていた。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆぎゃあああああああああああ!!!」 ドスまりさは愛娘の無惨な死に様についにパニックを起こし、暴れ始めた。 どんっ! ぐちゃ 「ぴぎゅ!」 「ゆげぇ!」 「もっど、ゆっぐrぶびゃ!」 ところ構わず暴れ回るドスまりさ。 不幸にも集まったゆっくり達はドスまりさの下敷きになり、 中身をぶちまけ果てた。 「やめでえええ!!!!」 「れいむのあかちゃんがああああ!!!!」 「どすのばかあああああ!!!」 泣き叫び、逃げまどうゆっくり達。 皆パニックを起こし、広場は完全にパニック状態。 「まずいみょん! ドスが暴れ出した! 一旦逃げるみょん!!!」 みょんはてんこ達の下へ行き、全員に逃げるように指示し、この場を離れることにした。 「一旦みょんのおうちに戻るみょん!!!」 逃げる途中 「ちょっと待つみょん!」 みょんは全員を呼び止める。 「みょんは用事があって行かなきゃいけない所があるみょん! らんとだいようせいは付いてくるみょん!! てんこ達はみょんのおうちで待機してるみょん!!!」 ぶーたれるてんこ達を無視し、らんとだいようせいを伴いてんこ達と別行動を開始する。 一方群れのゆっくり達は 「やべで! まりざをづぶざないでね!!!」 れいむの敵を取らんと暗躍していたまりさである。 美まりさを唆し、みょんを始末させようとしたのに美まりさは返り討ち。 ふがいないゆっくりめと考えるもつかの間、今度はドスまりさが暴れ出した。 もたもたしているうちにドスまりさにのしかかられてしまったのだ。 「ゆべべべ! ぼっど、ゆっぐ、ぶげぁ!」 ドスまりさに潰され、断末魔を最後まで言うことも出来ないままれいむの下へ旅立った。 「むきゅー! ぱちゅりー! 今は一旦逃げるのよ!!!」 参謀ぱちゅりーは錯乱し、群れのゆっくり達を潰して回っているドスまりさや 逃げまどい自滅していく群れのゆっくり達から逃れようと美ぱちゅりーと共に逃走を始めた。 「てんこ! らんしゃま無事かなー? わかるかなー?」 「だいじょうぶだよ! あたいがいれば大丈夫だよ!」 「みょんがついてるから大丈夫だと思った(リアル話)」 てんこ、ちぇん、ちるのはみょんの巣に避難していた。 みょんの巣は入り口があまり大きくない洞窟であるため、 ドスまりさが近くで暴れても被害は無いと考えられる。 そのため、みょんはドスまりさの暴走をここでやり過ごすことを提案したのだ。 「ところで、ちるのはこれからどうするの? わからないよー」 「あたいは…だいちゃんといっしょに暮らすよ!!!」 「ちぇんもらんしゃまのところに行くんだよ! 一緒だね! わかるよー!!!」 ちるのとちぇんは呑気にこれからの事を話し合っていた。 ちるのはこれからはだいようせいと一緒に暮らし、 ちぇんはらんについて行って、らんの群れの復興の手伝いをするのだという。 わいわいきゃっきゃとはしゃぐ二匹。 そわそわしながらみょんの帰りを待つてんこ。 ところ変わって、 「むきゅー! お母さん! どこにいるの!!!」 何だかんだで結局参謀ぱちゅりーとはぐれてしまった美ぱちゅりー。 「まりさ…、む、む、むきゅううぅぅううぅぅぅぅぅん!!! むきゅううぅぅぅうぅぅううん!!」 美ぱちゅりーはみょんに殺されてしまった美まりさの事を思い出し、泣き出した。 「せめてぱちぇだけでもゆっくりするわ…」 美ぱちゅりーは一匹でとぼとぼと川沿いに歩いていった。 後ろからつけられているのに気づけなかったのは、美まりさを失った悲しみからか。 美ぱちゅりーは群れのゆっくり達が決して入らない花畑に来ていた。 この花畑の花のほとんどがゆっくりにとって劇薬になる成分が含まれていて、 うかつに食べる者が出ないようにと参謀ぱちゅりーが出入りを禁止にしていた。 そして、ここはかつて美まりさと美ぱちゅりーがよく逢い引きしていた 公認の仲ではあったが、群れの中では周囲の目が気になったのであろう。 「むきゅぅ…」 美ぱちゅりーはぼろぼろとと涙を流す。 誰よりも愛したまりさがまさか自分がこの群れに入れた 傷だらけの汚いみょんに殺されるなんて思いも寄らなかった。 美まりさがみょんに色目を使われて辟易しているという愚痴を聞かされ、 美ぱちゅりーは責任を感じた。 まさか、あの汚らしいみょんが身の程知らずにも美まりさに色目を使うなんて。 汚らしいまんじゅうは使い捨てにされるべきと考えていたぱちゅりーは このときからみょんを暗殺する手だてを考え始めていた。 しかし、みょんは生意気にも強い。下手に手下を送れば返り討ち。 それどころか手下が自分を裏切って、みょんに自分の事を話すかもしれない。 毒殺も考えたが、みょんは自分で取ってきたえさしか食べない。 毒殺をもくろんだゆっくりもいたがみょんは「ではまずおまえが食べろ」と言い、 そのゆっくりに毒入りの餌を食べさせ殺した。 そんな中、まりさがついにみょんから免許皆伝を言い渡され、ある作戦を思いついた。 それがレイパー襲撃に乗じて他の弟子ゆっくり達を皆殺しにする作戦だ。 これなら合法的にみょんを亡き者に出来る。ドスまりさにみょんの処刑をさせることも出来る。 レイパーは危険だが、とても強くなった美まりさなら多少の危険も問題ないだろうと判断し、 この作戦を美まりさに話した。 さらに美まりさにレイパーがいやがる臭いがする花の花粉を付け、安全対策も施した。 しかし、まりさが死亡確認を怠り、みょんの近くに弟子ゆっくりがいることを 確認しなかったために生存者が現れてしまった。 それどころか、まりさの所業を目撃した者まで現れた。 苦肉の策であった決闘で判決を下す策も念には念を入れ、 絶対に負けないようにと木剣に唐辛子も塗り込んだし、完璧だった。 それをあざ笑うかのようにまりさは串刺しにされ、真っ二つにされてしまった。 そして、娘を失ったドスまりさの暴走。 すべて自分があのみょんを群れに引き入れようと考えたのが間違いだった。 「へぇ、こんなところがあったとは知らなかったみょん」 「むぎゅっ!?」 何故みょんはこの秘密の場所に!? 後を付けられていたとは思いも寄らなかったぱちゅりーは思考が停止した。 「一度、ぱちゅりーとはお話ししてみたいと思っていたみょん」 「むきゅ!!! あんたなんかと話すことはないわ!!!」 「まぁ、そういうなって、こんな話はどう? 昨日、この群れを襲ったれいぱー集団の話なんだけど」 「むぎぃっ!?」 ぱちゅりーはびくりと体を硬直させるがみょんは気にせず話を続ける。 「見たことのないらんとだいようせいが一緒にいたでしょ? あれ、実は昨日のれいぱーなんだよ?」 「むぎゅ!?」 ぱちゅりーはうすうす感づいてはいた。 美まりさはだいようせいがレイパーだと言っていたし、 らんともあろう者がレイパーをかき分けてちぇんを助けた話にしても不自然すぎる。 「そ、それがどうしたのよ…」 「うん、それでね、片方はたまたま襲ったのが昔の親友だから正気に戻れて、 もう一方は群れの幹部になるくらいしっかりしたゆっくりだから正気に戻れたんだよ でも、おかしいよね? れいぱーになったゆっくりが正気に戻るなんて、あり得ないのにね?」 「む、むきゅ…レイパーだって満足すればしばらくの間は正気に戻れるわ…」 「だとしたらさらにおかしいよね? ちるのは死ななかったし、らんに至ってはれいぷもしてないよ?」 優しく、まるで母親が娘に諭すように語りかけるみょん。 「でもね、みょんはこの現象を知ってるんだよ これはインスタントれいぱーだね? ぱちゅりーの後ろのお花…それをお水につけると、花粉さんを出すよね? その花粉さんをかぐと一時的にレイパーになる。 ぱちゅりーはこれを利用して、らんの群れのゆっくり達をれいぱーにしたてあげたんでしょ?」 「むきゅっ、っ! ど、どどこにそんな証拠があ、あるって言うのよ!!!」 明らかに動揺するぱちゅりー。 「そのお花さんの事は旅をしていた時にゆうかに教えてもらったから間違いないよ。 それに、ぱちゅりー昨日こういったよね『れいぱーが攻めてきた』って… そのときはほとんど何も見えなかったんだよ? なんでれいぱーが攻めてきたって分かったの?」 「む、むきゅ、むぎゅぅぅぅ…」 言葉が詰まる。 みょんはふぅと一息つき、 「…まぁ、このことを言っても誰も信用してくれないだろうけどね。」 「む、むきゅ! そうよ! 誰も信用しないわ! それが本当のことだったとしてもね!!! むきゅきゅ! いいわ教えてあげるわ! たしかにこのお花を使ってむこうの群れの連中を インスタントれいぱーにしたわ! でも、あんたが何を言っても誰も信用しないわ! ぱちぇは知らんぷりすればいいだけだもん! あんたはぱちぇをれいぷしようとしたって事にするわ! せいぜいドスに殺されるがいいわ!!!」 みょんの挑発に乗り、暴露するぱちゅりー。 「やっぱりお前が真犯人だったみょん。聞いた? らん! だいようせい!」 「なんであんなことしたんですか!? そのせいでみんな死んじゃったんですよ!?」 「よくも、よくもみんなの群れを壊したな!!! このゆっくり殺し!!!」 「むきゅ!?」 「ぱちゅりー、お前はかわいいけど、ちょっとおつむが足りないみょん この二人がいるって予想できなかったとはね。」 「だましたわね! 卑怯よ!!!」 「何とでも言うがいいみょん。 せっかくだからもうちょっとだけいいこと教えてやるみょん みょんがこの群れにいてやったのはお前を殺すためだみょん!」 「むきゅ!?」 「みょんは気に入ったかわいいゆっくりなぶり殺しにするのが大好きなんだみょん! あのまりさはみょんの"別の趣味"に使わせてもらったよ!!! 無様だったよね! 自分が勝っていると勘違いしてたら串刺しにされて! 『みょんはわざと食らってやったんだよ? それに唐辛子まで塗って、それでも勝てないなんて、 ゲスで愚図でどうしようもないゴミまりさだみょん!』って言ってやったら顔真っ赤にして 襲いかかって、みょんは笑いをこらえるのに精一杯だったみょん! ぷぶ! ゲラゲラゲラ!」 己が惨殺した美まりさをあざけ笑うみょん。 「む…ぎゅ、ぎゅぅ!」 美ぱちゅりーは怒りに打ち震えた。 自分の愛した美まりさがこんなゲスなみょんにコケにされ、惨殺されたことを。 「ま、それはさておき、お前は本当に救えないくらいのゲスだみょん!」 「あんたの方がゲスじゃないいいいぃぃぃ!!!」 怒りにまかせ叫ぶぱちゅりー。 「いやいや、みょんはいろんなゲスを見てきたけど、 嫌いなゆっくりを始末するために他の群れのゆっくりをれいぱーにして、 同じ群れの仲間まで殺すようなゲス、みょんは見たこと無いみょん ……ねぇ、お二人さん?」 歯を食いしばり、目を血走らせていたらんとだいようせいに話しかける。 今にも美ぱちゅりーを八つ裂きにせんと構えている。 「ぱ、ぱちゅは悪くないわ!!! 悪いのはそこにいるみょんよ!!!」 「黙れ!!! この薄汚いゆっくり殺しがあぁぁぁ!!!」 らんの迫力に美ぱちゅりーは縮み上がる。 「よくも! よくも群れのみんなを!!! 殺してやる! 絶対殺してやる!!!」 「まぁ、ちょっと待つみょん!」 ギロリとみょんをにらみつける。 「よく聞くみょん。こいつはただ殺すだけじゃつまらないみょん。 みょんだって、せっかくだからこのぱちゅりーですっきりーしたいし」 「な…何を言ってるんですか!?」 「それに…」 ぺろり 「きゃっ!」 「こぉん!」 まむまむをみょんに舐め上げられ、思わず声が出てしまう二匹。 「二人ともインスタントれいぱーの副作用でしばらくはすっきりーを我慢しちゃいけないみょん 下手に我慢したられいぱーになっちゃうから。ここはこのぱちゅりーに責任を取ってもらって、 ここでたっぷりとすっきりさせて貰おうみょん!!!」 にやにや笑いながらぱちゅりーをレイプしようと提案するみょん。 二匹は理性でインスタントレイパー状態を押さえ込んだため、実はかなり性欲がたまっていた。 そのため、みょんが言うとおり、これ以上性欲をためるとまたレイパー化する可能性がある。 二匹はお互いの顔を見合わせた。 言葉はいらなかった。 これ以上、ちるのに迷惑をかけないため、ちぇんを襲ったりしないようにするため。 そして、美ぱちゅりーの奸計にはめられ、レイパーとして死んでいった仲間の敵を取るため。 二匹は死ぬまでこのぱちゅりーを犯して殺すことを決意した。 「覚悟は決まったみたいみょんね」 みょんは花畑から一輪の花をむしって、それを美ぱちゅりーに無理矢理食べさせた。 「今の花は、一時的ににんっしんっ!できない体にするお花だみょん。 これで黒くなって死ぬことはないみょん。」 「そ、そんなの聞いたこと…」 「当たり前だみょん、これはゆうか位しか知らない情報だみょん。 ちなみに、人間と一緒に暮らすゆっくりはこの花を加工した食べ物を 食べて、ひっにんっ!するらしいみょん」 「さぁ、お二人さん。このぱちゅりーでたくさん楽しむみょん…」 二匹は口をだらしなく開け、焦点の合わない目で美ぱちゅりーを凝視し、 そして 「「んほおおおおおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおお!!!」」 数十分後 「ふぅ、さすがに楽しみすぎたかな」 みょんは満足げに美ぱちゅりーを見る。 クリームをはき出し、体中を精蜜で汚され、目は虚ろで何かぶつぶつ言っている。 らんとだいようせいはぐったりし、呼吸を荒げていた。 「ちょ、ちょっとがんばりすぎちゃった…」 「こ、こおぉぉぉん…」 だいようせいはちるのでそれなりに性欲を解消できていたのでそんなに消耗していなかったが、 ちぇんに手を出さなかったらんはすべての欲望を吐き出したためか、かなり消耗していた。 「さて、このぱちゅりーの具合も結構よかったけど、そろそろ潮時だみょん。 いまからみんなを連れてくるから二人はそこでゆっくり休んでるみょん。」 みょんはがぶりとぱちゅりーの底部に噛みつき、そのまま池の畔へ。 「さぁ、これでお別れみょん。最後に何か言いたいことはあるか?」 「いやぁ…じにたぐn」ぼちゃん 「まぁ、最後まで言わせる気は無いけどね」 みょんは池に沈みゆく美ぱちゅりーの姿をうっとりと眺める。 恐怖と絶望。シンプルだが今までのどの表情よりも綺麗だとみょんは思った。 「てんこ! ちるの! ちぇん! 無事か!?」 自分の巣に戻り、三匹の安否を確認する。 「てんこは天人属性のリアル饅頭属性だから一目置かれる存在。 そんなてんこをこんなに待たせた浅はかさは愚かしい」 「あたい! 無事だよ!!! だいちゃんは? どこ?」 「ちょっと遅すぎだよー! わかってねー!」 三匹の安全を確認し、ほっと一息つく。 自分が育てた連中だから大丈夫だと思ってはいても心配していたのだ。 それでも自分の欲望を優先させたあたりやはり餡子脳と言わざるを得ない。 「あっちでらんとだいようせいを待たせてる。付いてくるみょん」 「わかったよー!」 ドスまりさはみょんの巣から離れた場所で暴れているため、 一行は気が触れたドスまりさと鉢合わせにならずに移動できた。 「らんしゃまあああぁぁぁ!!!」 「ちぇええぇぇぇぇん!!!」 「だいちゃん!」 「ちるのちゃん!」 頬ずりし、お互いの無事を喜び合う四匹。 「らん達はこれからどうするんだみょん?」 「らんは群れに帰って群れの復興に尽力するよ」 「ちぇんはらんしゃまと一緒に行くよ!!!」 「あたい! だいちゃんと一緒に行くよ!」 「わたしもみんなと一緒に群れに帰ります! それで、ちるのちゃんと一緒に暮らします!」 四匹はこのまま南に向かい、らんとだいようせいの群れで暮らすと宣言し、 固まって移動を始めた。 その道中でのこと。 「あたい! 何でにんっしんっ!してるの!?」 今更自分が胎生妊娠していることに気付いたらしい。 「私たちの子供だよ! 一緒に育てようね!」 だいようせいは少しだけ困った顔をして諭す。 「うん! わかったよ!!!」 元気に返事をするちるの。 一方、みょんとてんこは 「てんこ、みょんはこれから東に向かうみょん! てんこも付いてくるみょん!」 「てんこは一緒に行くことを誘われたくて誘われるんじゃない誘われてしまう者がてんこ」 いつもの調子で返事をするてんこ。 意味を理解しきれなかったが、とりあえず肯定として受け取ろうとみょんは決め、 てんこに頬ずりする。 「さあ、いくみょん!」 みょんは高らかに宣言した所で、突然何かの衝撃を受け、意識を失った。 「…ょん! りして……みょ…」 意識を失う直前に見た物は遠ざかる地面とてんこ。 てんこは何かを叫んでいたようだが、みょんには聞き取ることが出来なかった。 続くのCar 美まりさの木剣の長さ みょんの木剣の長さ →あまりその辺のこと考えてません。 みょんの"別の趣味"とは? →次回書きます。 カンのいい方は気付いているかもしれませんね。 ○○がおかしいのだが →いつものことです。気にしてはいけません。 今まで書いたSS? ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ!
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勘違いゆっくり 44KB ※独自解釈だらけです。 ※虐待成分は頑張ってみましたが、もしかしたら薄目かも? ※馬鹿みたいに長いです。 ※前作『ふたば系ゆっくりいじめ 277 騙されゆっくり』と前々作『ふたば系ゆっくりいじめ 274 嘘つきゆっくり』をお読みいただいてからお読みください。 先代の長ぱちゅりーは、通常のぱちゅりー種と比べても非凡な才をもって群れに貢献して来た。 だが、どんなに頑張っても、母の偉業を超えたとは思えなかった。 危険な生物が居ない安全なゆっくりプレイスを発見して群れを作り、 見晴らしの良い場所に分散して巣を作らせる事で、お互いの巣を見張り、危険をいち早く察知する。 狩りの担当を分担する事で食糧の確保を容易にした上で、人口統制の為に『すっきりー!ははるだけにすること』と制限を設け、 生まれた赤ゆっくりがある程度育ったら『がっこう』に預ける事で子育ての負担を減らし、群れに教育を施して事故死を防ぎ、社会性を学ばせる。 物々交換の概念を持ち込み、狩りの成果を働きに応じて配分することで原始的な貨幣制度の先駆けを作り、 『おうた』や『おいしゃさん』のようなサービス業が成り立つように社会制度を整える。 お薬になる草の種を丘に蒔き、大量に生えさせておく事でいつでもお薬が使えるようにしておいたり、 悪い事をしたゆっくりを丘の上でお仕置きする事で、『なにがわるいことなのか』を群れに理解させたりする。 これらは全て、元飼いゆっくりだったという先々代の功績である。 年老いた飼い主さんが永遠にゆっくりしてしまった事で身寄りを無くした先々代は、 巷に溢れる野生のゆっくり達が全然ゆっくりしていない姿に一念発起し、ゆっくりを導く事を志したのだと言っていた。 多大な変革をゆっくり達にもたらした偉大な先々代は、自分の娘にもその志を継いで欲しいと願って非情に徹し、厳しく教育した。 生まれたときから長になるべく、帝王教育を受け続けた娘はその期待に見事応えてみせたのだった。 しかし幾ら非凡であったとしても、天才と秀才を比べれば前者に目が向くのが世の常である。 まして子供の頃からその天才を目の当たりにしていれば、いかに秀才とはいえ生まれる感情がある。 それは『劣等感』。 確かにこのぱちゅりーは優秀であった。否、優秀すぎた。 只でさえ人間の教育を受けたゆっくりでありながら、学者であった飼い主から様々な英知を授かり、 それでいてぱちゅりー種にありがちな、知性を鼻にかけた思い上がりの片鱗すら見せなかった。 完璧すぎる母に追い付こうとがむしゃらに突っ走った。 母の功績に縋るのではなく、それを超える何かを常に追い求めた。 気が付けば番を迎える事も無く、孫の姿を見せる事さえ出来ないまま、 偉大なる母は永遠にゆっくりしてしまった。 偉大なる先々代の死を悼み、涙に暮れる群れの嗚咽を背後にして、 母の死に顔を見ながら先代の長ぱちゅりーは思った。 ゆっくりなのに、ゆっくりする事を忘れて頑張った。 それなのに結局母には勝てなかった。 必死に頑張った日々は、徒労に終わってしまった。 ならば。 いつか生まれてくるであろう自分のおちびちゃんは、絶対ゆっくりさせてやろう。 後悔する事のない、幸せなゆん生を送らせてやろう、と。 こうして長ぱちゅりー親子の『勘違い』が始まってしまったのだ。 『勘違いゆっくり』 「……むきゅ………むきゅ……………」 山の裾野に広がる森の中心、ぽっかり開いた場所にある小高い丘を目指して一匹のぱちゅりーが這いずっていた。 何かに酷くぶつけたような打撲傷が顔中に広がる姿は痛々しい物であったが、その顔に浮かべた形相が哀れみを根こそぎ奪っていた。 (むっきゅうぅぅぅぅぅぅ!ぱちぇをゆっくりさせないむのうなむれはゆっくりしね!) 般若もかくやと言わさんばかりの憤怒の相。最も般若は嫉妬の怒りだが、このぱちゅりーが抱いていたのはもっと醜いもの。 『逆恨み』であった。 (あんなみえみえのわなにかかったむのうなまりさのせいで、ぱちぇがこんなおおけがをおったのよ! おかげでおかあさんがひとりじめしていたまりさからとりかえしたすぃーまでこわれちゃったじゃない!) 酷い責任転嫁もあったものだが、ぱちゅりー視点ではこれが事実であり、真実である。 そもそもあのスィーは、それを欲しがった娘の我侭を聞き入れた先代の長が群れの皆にある事無い事吹き込んで、 持ち主のまりさを無理矢理悪者に仕立て上げ、強引に追放する事で取り上げた物だ。 いかに長の言葉とはいえ、本来なら疑うゆっくりも現れておかしくない行為だが、この群れにおいては事情が異なる。 長の言う通りにしていれば、必ずゆっくり出来る。 先々代の優秀さが、群れのゆっくりから『長を疑う』事を忘れさせてしまったのだ。 如何に先々代が優秀であっても、その子孫まで優秀であるとは限らないのに。 (じぶんのてでしけいにできなかったのはくやしいけど、にんげんさんがかわりにまりさをおしおきしてくれるわ! にんげんさんなんかそれくらいしかやくにたたないんだから、しっかりまりさをころしておきなさい!むきゅ!) この半年間、ぱちゅりーの逆鱗に触れて殺されたゆっくりの数は両手の指に余る。 月に三人以上殺している計算だが、実際に悪事を働いたゆっくりはいない。 苛烈な恐怖政治が、皮肉にも秩序を保つ要因になったのだ。 その事が逆に長の権限を高め、更なる虐殺を呼んでしまった訳だが。 鬱蒼と茂っていた森の木々が途切れ、目の前が急に開ける。 群れが根城にしていた丘の天辺で、周囲を見張っていた子まりさが長の帰還に気付き、急いで駆け寄る。 「ゆっくりおかえりなさい、おさ!……そのけがはどうしたの!?……それに、おかーさんたちは……?」 ぱちゅりーの怪我を見て、何事かあった事を悟ったらしい。顔色を変え、詰め寄る子まりさ。 群れを見捨てた事がバレたらまずい、そう考えた長ぱちゅりーは咄嗟にひと芝居打つ事にした。 「むきゅっ!おちびちゃんたちをみんなあつめなさい!いますぐよ!」 「わ、わかったよ!ゆっくりしないで、みんなをあつめるよ!」 ぱちゅりーの血相に気圧されたのだろう、慌てて『がっこう』のある方角へ駆け去る子まりさを見送り、 ぱちゅりーは自身の身の安全を図る為の筋書きを検討し始めた。 しばらくして、丘の天辺に陣取ったぱちゅりーを囲むように沢山の赤ゆっくりと、子供達が集まっていた。 皆の不安そうな視線を浴びながら、ぱちゅりーは精一杯無念そうな表情を作り、告げた。 「……おちついて、よくきいてねみんな。……ぱちぇたちは、にんげんさんのひきょうなわなにつかまっちゃったの。 そして、…………みんな、にんげんさんにころされちゃったわ………」 長の言葉にぴたっと静まる子供達。 だが、泣き出すゆっくりはいない。余りに衝撃的な内容に、理解が追い付いていないのだ。 「……ま、まって!それじゃ、まりさのおかーさんや、おとーさんは……?」 恐る恐る長に問いかけるのは、見張りをしていた子まりさであった。 ぱちゅりーは子まりさを見やり、沈痛な面持ちで頷いた。 「……おちびちゃんたちの、おかーさんたちはね……ぱちぇだけでもにげてって…… のこされたおちびちゃんたちをおねがいって、ぱちぇをたすけてくれたの………」 その答えを聞き、血の気が引く子まりさ。 やがて長の言葉を理解したのだろう、子供達からざわめきが漏れ始め、それは段々と大きくなっていく。 「……うそだ。うそだうそだうそだ、うそだぁぁぁぁあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「ゆ゛ぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!お゛ぎゃ゛あ゛じゃ゛ん゛がじん゛じゃ゛っ゛だぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「どぼぢでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!がな゛ら゛ずがえ゛っ゛でくでるっ゛でい゛っ゛でだの゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「みゃみゃぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!ありちゅいいこになりゅがら゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!み゛ょ゛どっ゛でぎでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 「ぱちぇの、ぱちぇのぴゃぴゃとみゃみゃがぁぁぁぁ!!げほっ、ごほっ……ゆげぇっ!!!」 現実をひたすら否定するもの、戻ってこない父や母を呼び続けるもの、ショックの余り餡子を吐き出すもの……。 森を揺るがす子供達の慟哭はその日の夕刻まで続いたと言う。 しかしぱちゅりーは気付かなかった。 彼女の言葉を聞き号泣する子供達の中に、凍えるような冷たい視線を向けるグループが混じっていた事に。 季節は巡り、春。 うららかな陽気に降り積もった雪が融け、丘の周りに分散する巣が姿を現す。 結局、大人の居ない群れの中で冬籠りを成功させたゆっくりは三分の二にも満たず、そこかしこで犠牲になったゆっくりを偲ぶすすり泣きが聞こえる中、 ぱちゅりーは再び長の地位に就く事になった。 この群れで唯一の大人であり、父や母から自分達の養育を任されたと主張した事もあるが、 涙に暮れる子供達に行った演説が決定打となったのである。 『かなしいのはわかるわ、ぱちぇもくやしいもの。 ……だったらつよくなりなさい!つよくなって、ふくしゅうしなさい!そのためのほうほうはおしえてあげるわ! おかあさんたちのかたきをとりたかったら、ぱちぇについてきなさい!!』 ぱちゅりーのこの言葉で、子供達の親を慕う悲哀はどす黒い復讐の念に変わった。 だがこの演説の本当の狙いはぱちゅりーの手足となる強力な兵隊を作り、自らの屈辱を果たすこと。 あくまでもぱちゅりーにとって都合のいい群れを作る為に、人間と言う敵を利用したのだ。 こうしてぱちゅりーの指導と言う名の独裁と、子供達の特訓と言う名の地獄は始まってしまった。 「むきゅ!にんげんさんははちさんよりつよいのよ!だからはちさんのおうちをもってこれるなら、にんげんさんにかてるわ!」 「そのあまあまはぱちぇのおかげでとれたのよ!だからぱちぇのものだわ!」 「……これはみんなががんばってとってきたんだよ。おさはなにもしてないよね」 「うるさい!ぱちぇのいうとおりにしてればつよくなれるのよ!これもしゅぎょうなのよ! くちごたえはゆるさないわ!こんどなまいきなくちをきいたら『おしおき』よ!」 「…………」 「むきゅう!にんげんさんはかずがおおいわ!だからどんどんすっきりー!してこどもをふやしましょう!」 「……むれにいるのはこどもだけだよ。すっきりー!したらしんじゃうよ?」 「だったらしなないようににんっしんっすればいいのよ!」 「……どうやって?」 「むきゅぅぅぅっ!!それくらいじぶんでかんがえなさい!!」 「「…………」」 「むきゅう、ごはんがすくないわね!かりにでるにんずうをふやしましょう!」 「……かりにでられるこはみんなでてるよ。あとはがっこうのこどもたちぐらいしかいないよ?」 「なら、そのこたちもかりにだしましょう!じゅぎょうのいっかんとしてこどもたちをかりばにだすのよ!」 「……こどもたちだけじゃ、かりはできないよ?どうするの?」 「まりさたちがめんどうみればいいじゃない!もちろん、かりののるまはまもりなさい!」 「「「…………」」」 「むっきゅ!おくすりがたりないわね!まったく、そんなにけがするなんて、なんてむのうなのかしら!!」 「……それは、おさがおくすりになるおはなをたべちゃったからだよね?みんなのけがも、おさのめいれいのせいだよね?」 「おかのおはなは、ぱちぇのおかあさんのおかあさんがあつめてきたのよ!だったらぱちぇのものでしょう!!」 「……とにかく、おくすりあつめてくるね。こんどはたべないでね?」 「そうよ、そうやってどんどんぱちぇにみつぎなさい!そうすればみんなゆっくりできるわ!!」 「「「「…………」」」」 やがて季節は一巡する。 山の裾野に広がる森の中心、ぽっかり開いた場所にある小高い丘が、再び冬枯れの木々に囲まれる。 群れの大部分を占めていた赤ちゃんがバレーボール大からバスケットボール程に成長した頃。 一年前と同じ早暁の空を背景に、長は再び人間の里を襲撃しようとしていた。 「みんな、ぱちぇはにんげんさんがきらいよ! れいむを、まりさを、ありすを、ぱちぇを、ちぇんを、みょんを! あらゆるゆっくりをごみのようにころすにんげんさんが、だいっきらいよ! みんな、ぱちぇはふくしゅうをのぞんでいるわ! ぱちぇのむれのみんな、みんなはどう!? にんげんさんにふくしゅうしたい? にんげんさんがひとりじめするおやさいをとりかえし、にんげんさんをぼっこぼっこにして、 にんげんさんをどれいにしてつぐなわせる、なさけようしゃないふくしゅうをしたい!?」 「「「「「「「「「「ふくしゅう!ふくしゅう!ふくしゅう!ふくしゅう!」」」」」」」」」」 「そうよ、ならばふくしゅうよ! ぱちぇたちのむれはいちどにんげんさんにやぶれたわ。いまやかつてのいきおいもない。 でも!にんずうこそすくないけれど、みんなはいっきとうせんのふるつわものよ! だったらみんなとぱちぇで、……ええと、たくさんのぐんしゅうだんになるわ!! ぱちぇたちをわすれようとするにんげんさんたちにおもいださせましょう! かみをくわえてひきずりたおし、おめめをあけさせておもいださせましょう! おひさまとじめんさんのあいだには、にんげんさんがおもいもよらないゆっくりがあることをおもいださせましょう! ごじゅうにんのゆっくりのぐんだんで、にんげんさんのゆっくりぷれいすをうばいつくしましょう! と、いうわけで、おひさまがのぼるまえにそうこうげきをかけるわ!! こんどこそにんげんさんをやっつけて、みんなのかたきをとりましょう!!」 「「「「「「「「「「えいえいゆーっ!!!」」」」」」」」」」 ぱちゅりーの演説に鬨の声で応える群れ。 当初の半分以下、五十をいくらか下回る程度にまで減ってしまったが、その分質は以前の群れを大きく上回る。 なにしろ一対一なられみりゃとさえ戦える個体がごろごろ居るのだ。 今度こそ勝てるに違いない!! ぱちゅりーはそう確信していた。 勝てるも何も実際には畑泥棒でしかないのだが、復讐に燃える悲劇のヒロイン気取りで自己陶酔しているぱちゅりーには気付かない。 「まりさ、まりさ!」 「……ここにいるよ、おさ」 ぱちゅりーの呼び掛けに応えたのは、あの見張り役の子まりさだった。 バスケットボール大にまで成長した子まりさは、機転が効く上に群れのゆっくり達に慕われており、 それを買ったぱちゅりーに抜擢され、補佐としてその烈腕を振るっていた。 ぱちゅりーにとっても自分の言うことに従順なまりさは非常に有用であった為、今回の遠征では重要な役目をさせるつもりであった、 「まりさ、あなたにとくべつにんむをあたえるわ! せんけんたいになって、わながあるかどうかたしかめるの! でも、わながなくてもそのままとつげきしちゃだめよ! ぱちぇたちがおいつくまで、しゅういのあんぜんをかくほするのよ! ……できるわね!?」 「……わかったよ。おさがおいつくまで、まってるよ」 勿論ぱちゅりーがまりさを押さえたのは、まりさの身を思ってのことではない。 自分より先に美味しいお野菜を独り占めさせないように、抜け駆けを防ぐ為である。 「それでいいわ。……じゃあまりさ、これをわたしておくわね」 そう言って取り出したのは、先を削って鋭く尖らせた木の枝。 口で銜えるしか物を持つことが出来ないゆっくり達が使う、標準的な武器であった。 「これはぱちぇがつくったぶきよ。ふいをうてばにんげんさんにもこうかはあるわ。 これをもっていきなさい。もしもにんげんさんにみつかったら、なかまをよばれるまえにこれでやっつけるのよ!」 「……うん、ありがとう、おさ」 素直に礼を言って受け取るまりさに満足したぱちゅりーは、群れを率いるべく身を翻した。 まりさの目の前に、ぱちゅりーの背中が現れる。 「……これで、ふくしゅうができるよ」 「…………ゆ゛っ゛!?」 一瞬、ぱちゅりーには何が起こったのか理解できなかった。 体を貫く衝撃、一拍遅れて届く激痛。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ぱちゅりーの背中に枝が生えていた。 それは先程、ぱちゅりー自身がまりさに与えた武器。 ぱちゅりーが無防備な背中を晒した瞬間、まりさが渾身の力を込めて突き立てたのである。 「いぢゃい!いぢゃいぃぃぃぃ!!なんでごどじゅるのぉぉぉぉ!!ばりざぁぁぁぁぁ!!」 「だまれ」 「ゆ゛っ゛!?」 普段の従順な態度を一変させ、ぱちゅりーを汚物でも見るかのように見下すまりさに気圧され、ぱちゅりーは思わず黙り込む。 「なにがおかあさんのかたきだ!むれのみんながにんげんさんにころされたのは、みんなおまえのせいじゃないか! おまえがついたうそにだまされたせいで、みんなゆっくりできなくされたんじゃないか! そのうえまりさたちにまでうそをついて、にんげんさんとたたかわせようとするなんて、どこまでみさげはてたげすなんだ! おまえはもうおさじゃない!おまえが!おまえこそがまりさたちのおかあさんたちのかたきだ! みんな!もうこいつのいうことなんてきかなくていいよ!みんなでこいつにふくしゅうするよ!」 そう言われて気付く。全てのゆっくりが、ぱちゅりーに憎悪を込めた視線を向けていた事に。 そして口々に鋭い枝や固そうな石をくわえ、ぱちゅりーににじり寄っていた事に。 蒼白になったぱちゅりーに、まりさの無慈悲な宣告が届いた。 「さあみんな!すぐにはころさないように、でもけっしてゆっくりできないように! いちねんぶんのうらみをこめて!おとうさんとおかあさんのうけたくるしみをなんばいにもして! ゆっくりできないぱちゅりーにぶつけてあげようね!」 「「「「「「「「「「ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりしね!!!!!」」」」」」」」」」 「ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 ぱちぇりーは気付いていなかったのだ。 自分がこの群れの為にした事など何も無い事を。 群れのゆっくり達が従っていたのは、このまりさだという事を。 そして…… 今やこの群れの全てのゆっくり達が、ぱちゅりーを仇と恨み、敵を討とうと思っている事を。 必要とあらば仲間の命はおろか、自らの命さえ投げ出す覚悟を決めていた事を。 表面上はにこやかな表情の下で、仇敵に従う屈辱に心の中で血涙を流しながら、それを受け入れていた事を。 そして一年もの長い年月を掛け、用意周到に準備された復讐が、今まさに果たされようとしている事を。 自分の命令に従順な群れに満足し、堕落しきったが故に勘が鈍ったぱちゅりーには気付けなかったのだ。 話は去年の晩秋、群れが人里を目指して総出撃した朝まで遡る。 「おちびちゃんたちはここでまっててね!おやさいさんとりかえしたら、いっぱいむーしゃむーしゃしようね!」 「あかちゃんたちをよろしくなんだぜ!すぐもどってくるから、いいこにしてるんだぜ!」 「……ゆっくりわかったよ!あかちゃんたちはまりさたちがまもるよ!」 群れ全員での総攻撃を狙っていた長ぱちゅりーだが、副将のまりさから『あかちゃんたちはまだ、たくさんあるけないんだぜ!』 と進言され、赤ちゃんの同行を諦めざるを得なかった。 そうするとまた別の問題が浮上する。 赤ちゃんは基本的に手がかかるものだ。それこそ朝から晩まで親が面倒を見なければならないくらいに。 だが、赤ちゃんがいる親だけを残して行く事は出来ない。そんな事を認めたら群れの半数が脱落してしまう。 いくら長ぱちゅりーに秘策ありとはいえ、それだけの戦力を遊ばせておく訳にはいかない。 どうすれば、と頭を悩ませる長に、再び副将のまりさから進言があった。 『なら、せめてこどもたちだけはおいていくんだぜ!』と。 『がっこう』を卒業したゆっくりは親の監督の元で群れの仕事を覚えて行く。 要は半人前の扱いなのだが、今回の出征において全員動員されることが決定している。 現在『がっこう』に在籍しているゆっくりは現在六十人前後。 その内、半年間の義務教育を経て卒業寸前のゆっくりは九人いる。 片手で数えられる程度とはいえ、それだけいれば赤ちゃんの面倒くらいは見ていられるだろう。 まりさの進言にそう結論付けた長は、百人近い群れの赤ちゃんと『がっこう』の生徒達をおいて行く事を決定したのだ。 早暁の空に鬨の声を響かせながら出陣して行く親達を見送る子まりさ。 後に群れの帰還を最初に発見する事になる彼女は、明日『がっこう』を卒業する予定であった。 最年長であった為に子供達のまとめ役として抜擢され、出陣直前まで大人達からレクチャーを受けていたのだ。 遠ざかる大人と成人一歩手前の先輩達の姿を見届け、子まりさは踵を返して『がっこう』へ向かった。 『がっこう』への道すがら、思い返すのはまだ赤ちゃんだった頃に見た、丘の上で必死になって長を説得していたれいむの事。 母はれいむのことを「げす」呼ばわりしたが、子まりさにはそうは思えない。 ゲスとは、自分の為に他人をゆっくりさせない、自分本位なゆっくりの事である。 本当にゲスであるなら、あの時吐いた嘘で何の利益がれいむにあったと言うのだろう? いつも上手なお歌を聞かせてくれたれいむが、涙を浮かべて教えてくれた『おにーさん』のお話は、 まだ赤ちゃんだった子まりさにも解る程に説得力があった。 そしてれいむがぼろぼろの姿で組み敷かれ、群れの皆にゆっくりできなくされていた時、 全てを諦めたようなれいむの目に、寂しそうな、悲しそうな、そして何より悔しそうな無念の表情に、 そして最後の一瞬、痛みとは違う何かに流された涙に。 その死に様を嘲笑う姉妹達の中でただ一人、子まりさだけはれいむが正しいと直感した。 だからそれを嘘と断じ、あまつさえあんなに残酷な『おしおき』を実行した長ぱちゅりーを、子まりさは信じられなかった。 その後に繰り返された『おしおき』を目撃する度、子まりさの疑念は膨らんで行った。 食糧不足で赤ちゃんに食べさせる事が出来ず、やむなく食料庫から盗み出したれいむは殺される程悪かっただろうか? そのれいむの子供であり、親の復讐に燃えて長に襲いかかったちぇんは果たして反逆者の汚名に相応しかったのだろうか? 群れ中の狩りの名人を総動員しても捕る事が難しい蜂の巣を、たった一人で捕るように命じられたみょんは本当に臆病者だっただろうか? それらを指摘して、長を諌めようとして『おしおき』されたまりさ達はどうだろうか? そして今、群れの大人達を率いて人間の畑を襲いに行くぱちゅりーは、本当に正しいのだろうか? 先々代はおろか、先代の治世すら知らぬ子まりさには大人達が持つ長への盲信が無い。 そしてれいむの事件で群れの有り様に疑問を持った子まりさは、ゆっくりらしからぬ深い洞察力を獲得するに至ったのである。 「……やっぱり、おさのいうことはおかしいよ…………みんな、だいじょうぶかなぁ……」 とは言え、子まりさはまだ『がっこう』も卒業していない、半人前とも認められていない子供だ。 親の庇護を受け、授業以外では狩りにも同行できない子まりさが疑問を呈しても 「おちびちゃんにはまだむずかしいことだよ!それよりおへやのおかたづけしなさいね!」 「おちびがそんなむずかしいことかんがえてちゃだめだぜ!それよりみんなとあそんでくるんだぜ!」 などと返され、子まりさの疑問は大人に憧れる子供の背伸び程度にしか受け取られない。 子まりさが幾ら疑問を持ったとしても、子まりさに出来ることは無かった。 精々こうして群れの行く末を憂いることしか出来ないのである。 「……ゆっ!とにかくまわりをみはって、あかちゃんたちをまもらなきゃ!まりさ、がんばるよ!」 子まりさは気分を切り替え、丘の周囲を見回ってまわる。 この季節、越冬の準備をするのはゆっくりだけではない。 熊や猪、蛇などの森に棲息する生物も越冬のために食糧を集めているのだ。 そしてゆっくり達の中身は栄養価の高い餡子。 当然狙われる確率も高く、何時襲われるか解らないのでこうして見張りを立て、警戒しているのである。 そして半分程廻った時、子まりさは見慣れぬゆっくりが丘を見上げて佇んでいる事に気付いた。 「ゆっ!そこにいるのは、だれ!?」 「!?」 そこに居たのは黒いお帽子を被ったまりさであった。 しかし、子まりさには見覚えが無い。 群れの中のまりさのお帽子は皆ピンっと立っている。 あんなに縒れ縒れで、所々破けているようなお帽子を被っているまりさはいない。 髪の毛もあんなにボサボサで、くすんだ金髪をしたまりさもいない。 お肌もボロボロで、細かい傷だらけのまりさもいない。 大きさからすればもう大人なのだろう、この群れでこの大きさのゆっくりなら出征に参加していない筈が無い。 かなり不審ではあったが、とりあえずご挨拶しようと近付く子まりさに、見慣れぬまりさはゆっくりと振り向いた。 「ゆっ!?」 そのまりさには、片目が無かった。 左目の上からあんよに掛けて、大きく抉ったような傷跡があったのだ。 子まりさはその傷の事を知っている。 ゆっくり殺しなど、重罪を犯した罪ゆっくりに対してのみ行われていた刑罰。 『おめめえぐりのけい』。 片目を抉り、群れから永久追放する刑の痕であった。 子まりさも、実際に『おめめえぐりのけい』の受刑者に会うのは初めての事だ。 『がっこう』での授業でも教わったし、度々「わるいこはおめめをとられちゃうんだよ!」と親から叱られた事もあり、 その傷が悪いゆっくりの証である事は理解していたが、粛清の嵐が吹き荒れる今の群れではあまり意味が無い。 先代の長の頃は、この『おめめえぐりのけい』が最も重い処罰であった。 それは先々代が『たとえあいてがゆっくりごろしでも、ゆっくりがゆっくりをころしてはならない』と定めた為であったのだが、 今代の長はあっさりとその禁を破り、長を侮辱したれいむを皮切りに死に至る程過激な『おしおき』を何回も強行した。 反発もあったが、長は『ゆっくりできないゆっくりをおいだしたら、ほかのむれにめいわくがかかる』と反対派を丸め込み、 それでも反対するゆっくりを『こいつらはゆっくりできない』と無実の罪を着せ、『おしおき』で殺していったのだ。 最近生まれた赤ゆっくり達はその恐ろしい『おしおき』しか知らない。 今の群れにとって、悪いゆっくりとは死んだゆっくりの事である。 いくら知識として知っていても、経験の無い子供達にとっては実感の無い、遠い過去の出来事だ。 だから子まりさも、その傷を持ったまりさに平然と挨拶できたのだ。 「ゆっ!まりさおねーさん、ゆっくりしていってね!」 「ゆ゛っ゛!?……ゆっ、ゆっくじして……い゛っ゛……で…………ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛ん゛!!! ばりざぁ!!ゆ゛っ゛ぐじじでい゛っ゛でね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ゛!!!!!」 子まりさの無邪気な挨拶に、傷まりさは感極まったように号泣しながら挨拶を返す。 「ゆっ!?」と驚く子まりさだが、それ程この傷まりさにとっては驚天動地の出来事だった。 この『おめめえぐりのけい』の事は、この辺り一帯の群れに広く知れ渡っている。 「かたほうのおめめのないゆっくりは、とてもゆっくりできないゆっくりだよ」 どんな小さな群れであっても、この話は必ず伝えられており、それ故にどの群れも傷まりさを受け入れる事は無かった。 『おめめえぐりのけい』の受刑者の末路は、孤独な野垂れ死にが定番だったのである。 そんな受刑者の中にあって、この傷まりさは二年もの間生き延びて来た希有な例であった。 元々狩りが得意だった事に加え、皮肉にも野山の危険物を見分ける群れでの教育が功を奏した結果である。 追放されたゆっくりが群れに近づき、それが発覚したら群れ総出でゆっくり出来なくされてしまう。 これまでにも何度か試し、その度に追い払われて来たから傷まりさにはそれがよく解っていた。 それが今日、世も明けない内に総出撃していく群れの姿を目にした時、押さえていた思いが爆発した。 (あのおかに、かえりたい!) ゆっくり出来なくされた身であっても、やはり故郷は恋しいもの。 あんなに大勢でどこへ行くのかは知らないが、今ならあの丘を一目見る事くらいは出来るだろう。 それでもう心残りは無い。後はこの苦しいゆん生に、いつ幕が下りても悔いなく逝ける筈だ。 そんな決意を胸に、傷まりさは丘を目指して近付き、子まりさに発見されたのだ。 (……ああ、みつかっちゃった。せめて、さいごにちょっとだけでも、おかでかけっこしたかったなぁ……) 傷まりさの脳裏を諦めが支配する。 覚悟を決めた傷まりさの耳に、子まりさのご挨拶が飛び込んで来たのはそんな時だった。 予想外の優しい言葉に感極まり、号泣する傷まりさが泣き止んだのは、朝日が半分程昇りかけた頃であった。 嗚咽の合間合間に、断片的に挟まれる壮絶なゆん生を聞かされた子まりさは、もらい泣きしながら傷まりさを慰めていたが、 どうしても気になったそれを尋ねずにはいられなかった。 「……ねぇ、おねーさん。おねーさんはどうしておめめをとられちゃったの?」 そう、片目が無いゆっくりは大悪人の証である以上、どんなに善良そうに見えても仲良くは出来ない。 仲良くする振りをして近付き、隙を見てご飯や宝物を奪い取ったり、無理矢理すっきりー!したりするのが目的かも知れない。 今のまりさの双肩には百匹以上の子供達の命が懸かっている。どんな小さな異常でも見逃すわけにはいかなかった。 だが、それを聞いた傷まりさが再び目を潤ませた。 何かを耐えるように唇を噛み締めて涙を堪え、ぽつりぽつりと語り出す。 「……おさがまりさをわるものにしたんだよ…………まりさが……すぃーをひとりじめしてるって………、 あのすぃーは……おかーさんのかたみだったのに…………だいじなだいじな……まりさのたからものだったのに……、 ………ゆっ、ゆえぇぇぇえぇぇん!!!」 そこまで語った所で堰を切ったように泣き崩れる傷まりさの姿に、子まりさは確信した。 (やっぱり、あのおさはうそつきなんだ!れいむおねーちゃんをいじめたのも、おかーさんたちをつれてったのも! みんなうそなんだ!……おさはけんじゃなんかじゃない!おさのほうが、くずだったんだ!) 子まりさと傷まりさの出会いは、双方にとって幸運であった。 子まりさにとって傷まりさは漠然でしかない長への疑いを証明する生きた証拠であり、 傷まりさにとって子まりさは自分の言葉が嘘偽り無い事を信じてくれた恩人である。 子まりさの不信感がピークに達していたこと、傷まりさのホームシックが再燃していたこと。 まさに奇跡の確率で絶好の機会がかち合った、幸運な出会いであったのだ。 子まりさは傷まりさを連れ、赤ちゃんと子供達が集められている『がっこう』に向かった。 そこは入り口を倒木で塞がれた洞窟で、子ゆっくりサイズなら通り抜けられる狭い隙間が倒木の端に開いており、 いざと言うときは、そこを塞いで外敵の侵入を防げるようになっている。 教師役の大人ゆっくりは倒木を乗り越えなければならないが、逆に言えばそうしなければ入れない安全な場所である。 「ゆっくりただいま!」 「……あいことばをいってね!……むしさんがいないなら、あまあまをたべればいいじゃない!」 「あまあまがないなら、むしさんをさがせばいいじゃない!」 「ゆっ!せいかいだよ!……おかえり、まりさ!」 入り口を封鎖している倒木の枝が動き、そこから一人の子れいむが出てきた。 見張りの交代要員である。本来あまり運動の得意でないれいむに任せるような仕事ではないが、 卒業を目前に控えた九人の子ゆっくりは子まりさを除き子れいむと子ありす、そして子ぱちゅりーで占められていた。 ひと月遅れて入学したちぇんやみょんはまだ一人で出すには不安だったし、何より赤ちゃんの面倒を見なければならない。 百匹近い赤ちゃんの世話をしながら危険な見回りなぞできない。 仕方なく、年長組が見張りを持ち回り、残りの生徒達と年長組の子ぱちゅりーが赤ちゃんのお世話をすることにしたのだ。 そして外から聞こえて来た合い言葉に、まりさと交代する為に出て来た子れいむが見たものは、見慣れた子まりさの顔と、 「ゆ゛っ゛!?……まりさ、そのおねーさんはだれなの?」 面識の無い、片目を無くしたまりさの顔であった。 「……れいむ、よくきいて。もしかしたら、いつもまりさがいってることがほんとうかもしれないよ」 「……どういうこと?まりさ、おさのことでなにかあったの?」 「それをせつめいするんだよ。みんなのところでおはなしするから、みはりはすこしまっててね」 そして子まりさは年長組の仲間達に自分の推理を打ち明けた。 それを聞いた子れいむ達の反応は様々であった 「そんなはずないわ!おさはいつでもただしいのよ!」と長の正当性を主張するありす、 「むきゅ!かためをなくしたゆっくりのおはなしなんて、しんじられるわけないでしょう!」と授業で得た知識を元に否定するぱちゅりー、 「でも、さいきんのおさがおかしいのはほんとうだよ?ゆっくりしてなかったよ?」と長への不信感を漏らすれいむ。 喧々諤々と続いた話し合いを収めたのは、子まりさの発言であった。 「おさがただしいのか、まりさがただしいのか、みんながかえってきたらたしかめてみようよ。 まりさおねーさんはもりにかくれていて。みんなにみつからないようにちゅういしてね」 そうしてしばし時が過ぎ。 二百匹を超えた大集団は、ぱちゅりーただ一人の生還を持って全滅したのである。 長ぱちゅりーから群れの顛末を聞かされ、森を揺るがす慟哭に泣き疲れた赤ちゃんと子供達を寝かしつけ、 年長組は再び長の正当性を議論し始めた。 ありすの論調は変わらず長の擁護、最も半数の二人程は半信半疑と言った所。 逆に意見を翻したのはぱちゅりー。こちらは一人が慎重派、もう一人が完全に疑い始めた様子。 れいむは長の涙に同情したのか、片方が長を擁護し始め、片方が長への不信感を露にするも、勢いは無い。 平行線を辿りつつある議論に、まりさはある提案をする。 「じゃあ、とりあえずおさのゆうとおりにしようよ。 おさがただしいならゆっくりできるはずだし、おさがまちがってるならゆっくりできなくなるから、 これからのおさがどういうふうにむれをゆっくりさせるのか、みとどけてからはんだんしよう」 この提案を年長組は全員受け入れた。 実際、幾ら考えても解決しないのならこれからの動向で判断するしかない。 ほぼ博打のような提案ではあったが、現時点ではそれ以外に方法は無かった。 そして彼女達は、いきなりその答えを突きつけられた。 今までの群れでの冬籠りは、それぞれの家庭ごとに行っていた。 しかし今回は話が違う。 何しろ大人が全滅している上、群れの殆どはまだ赤ちゃんなのである。 ならば一カ所に食べ物と群れを集め、全員で冬籠りすべきだと言う意見に、ぱちゅりーはこう返したのである。 「いままでどおりでいいでしょ!かえるひつようはないわ!むきゅ!」 この言葉に唖然となったのは年長組だけではない。 後輩のちぇんやみょんを含む『がっこう』の生徒達の大半が、長の台詞に度肝を抜かれた。 長ぱちゅりーにしてみれば、一カ所に集まるなど言語道断である。 何かの弾みで口を滑らせ、群れを見捨てたことがバレでもしたら、即座に殺されてしまう。 そうでなくても、暗殺の危険性を考えれば皆と一緒にいるより、一人でおうちに籠っている方が安全なのだ。 しかし子供達にとってこれは死刑宣告にも同等の命令である。 長の言葉である以上は従う義務が発生する。だが、素直に従えば待っているのは、死。 年長組においても意見は分かれ、結果ありす二人とぱちゅりーとれいむが一人ずつ年長組を離脱。 群れの三分の一を率いてそれぞれの巣に別れ、冬籠りを開始した。 残されたグループはおうちの貯蔵食糧を持ち寄り、『がっこう』にて共同生活を行うことにした。 そして、春。 分散して冬籠りをしていたゆっくりは物の見事に全滅した。 初めての越冬と、赤ちゃんの食欲を考えに入れず、食糧の計算を間違えて餓死したれいむのグループ。 黒ずんだ何かが大量に茎を生やし、あたかも小さな森のような様相を醸していたありすのグループ。 強度の足りない巣が大崩落を起こし、全員生き埋めとなったぱちゅりーのクループ。 その他にも赤ちゃんだけで越冬しようとして失敗したり、食糧不足の果てに凄惨な殺し合いが起きた巣もあった。 まりさ達、共同生活グループは多少の犠牲者を出したものの、初めての越冬を成功させた。 それはまりさ達だけではなく、あの傷まりさの協力あってのものであり、傷まりさへの偏見は大幅に薄れていた。 また共同生活を提案し、そのリーターシップをとったまりさに対する信頼も大きくなり、 実質まりさは生き残ったグループの長といっても過言ではない立場に就いていた。 同時にそれは、まりさが持っていた現状の長であるぱちゅりーへの不信感を、群れが共有することを意味していた。 しかしまりさはそれを表に出すことを硬く禁じた。 「おさがどんなにあやしくても、おさはまだおさなんだよ。いま、おさにきづかれたら『おしおき』されちゃうかもしれないよ」 こう説得して廻り、はっきり長ぱちゅりーを疑っているゆっくりにも、未だ半信半疑のゆっくりにも、 とりあえず長の命令に従うよう頼み込んでいたのである。 そして長の就任演説を経て、一年間に及ぶ独裁政治が始まり。 長ぱちゅりーは己の態度で持って、まりさ達の不信感を確信に変えてしまったのである。 そして舞台は再び現在に戻る。 ぱちゅりーは今、自分が育てた屈強な兵士達に暴行されていた。 「これでもくらえ!」 「ぴぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 硬い小石を四方八方から吹き付けられ、 「に゛ゃ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「……また、つまらないものをきってしまったみょん」 尖った枝で何度も何度も斬りつけられ。 「こんなやつにおかざりなんてもったいないんだねー!!わかるよー!!」 「や゛べて゛え゛え゛え゛え゛え゛!お゛がじゃ゛り゛や゛ぶがな゛びでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 お飾りを目の前で細切れにされ、 「こんないなかもののあかちゃんなんて、ぜったいうまれないようにしましょう!」 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ぼう゛ゆ゛る゛ぢでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぺにぺにを切り取られ、それを押し込んだ上で棒切れを突き込んでまむまむを潰し、 「こんなやつがぱちぇのどうるいだなんて、なのれないようにするわ!」 「ばぢぇ゛の゛ずでぎな゛がみ゛の゛げがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! 少しずつ髪を力づくで引き抜かれて、禿げ饅頭にされ、 「ぱちゅりーのきたないおかおをきれいにするね!」 「q゛あ゛w゛せ゛d゛r゛f゛t゛g゛y゛ぶじごl゛p゛!!!!!!」 砂を撒いた木の皮に顔を押し付け、そのままおろし金のように動かしてぱちゅりーの皮を削る。 おおよそ考えつく全ての苦痛を、ぱちゅりーは味わっていた。 たまに「ゆげぇっ!!」と生クリームを吐いても「まだまだおわらないよ!」と強引に押し戻されて、死ぬことも叶わない。 最初に宣言された通り、死なないギリギリを見極めた絶妙な手加減を加えられた生き地獄が延々と続けられていた。 その様子を離れた場所で窺うゆっくりがいた。 傷まりさである。 便利な道具でしかなかった自らの群れに、ゆっくりできなくされているぱちゅりーを無表情で見つめ続ける傷まりさの元に、 クーデターに成功し、今やこの群れの長になったまりさが歩み寄る。 「……まりさおねーさんはやらないの?」 長まりさの疑問に、無表情を崩して苦笑を浮かべて答える。 「まりさのぶんはもうおわってるよ。あのすぃーが、まりさのぶんまでぱちゅりーにしかえししたんだよ。 だからまりさはもういいんだよ。いま、あいつがうけるべきはまりさたちのふくしゅう、なんだからね」 母の形見であったスィーごと罠に掛かった顛末はすでに聞いていた。 傷まりさにはそれがスィーの意志であったように思えたのだ。 ならばその意志を汚す真似はすまい。傷まりさは自然にそう思えたのである。 「……うん、わかった。じゃあ、そろそろしあげにはいるね」 その言葉に感じ入るものがあったのだろう。 一つ頷き、踵を返した長まりさは未だ醜い悲鳴を上げ続けるぱちゅりーの元へ向かう。 「みんな!いっぺんやめてね!まりさとおはなしさせてね!」 その言葉に群れが静まる。先程までの喧噪が嘘のような静寂の中、 「……ゆ゛っ゛……ゆ゛っ゛……」と痙攣するぱちゅりーの耳元へ長まりさが囁く。 「……なんでこんなめにあっているのか、わかってる?ぱちゅりー?」 その言葉に反応したのか、白目を剥いていたぱちゅりーの口から断末魔以外の言葉が漏れる。 「……ぱ……ちぇを……ゆっ………く……り………させ………な……い……げすは………し……ね………」 反省の色の欠片も無い、醜い性根を表したかのような呪詛を聞き、まりさは落胆した。 こいつは、自分が何故こんな目に遭っているのか理解できていない。 これでは、自分達の復讐が成ったとは言い難い。 自分のせいで、自分が無能だったせいで殺されることを自覚させて、より深い絶望にたたき落とさねば、 死んで行った親兄弟達に申し訳が立たないだろう。 しかし長まりさにはこれ以上のアイデアは無かった。 こいつに自分の罪を認めさせる方法が、この拷問以外に思い付かなかったのである。 (……しかたないね。そろそろれみりゃがおきるころだし、ざんねんだけど、とどめをさそう) 心の中でため息をつき、ほぼ一日中続いた拷問を終わらせる決意を固める。 「みんな、このぱちゅりーをもりのそとにたたきだすよ!」 「「「「「「「「「「わかったよ、おさ!」」」」」」」」」」 群れはもうまりさを長と認めていた。 あの過酷な一年の間、このまりさに従っていれば生き残ることが出来た。 それだけでなく、優れた洞察力からくる統率力、計画性、全てにおいて突出していたまりさは群れの憧れでもあった。 その長の言うことをどうして疑うことが出来るだろう? 「それじゃあ、ぱちゅりーをもりのそとまではこぶよ!ゆっくりてつだってね!」 「「「「「「「「「「まかせてよ、おさ!」」」」」」」」」」 虫の息のぱちゅりーを長まりさが跳ね飛ばす。 「ゆ゛っ゛!?」と転がって行く先にいたちぇんが勢いをつけて蹴り上げる。 「ゆ゛ぎっ゛!?」と跳ね飛ばされた先にいたみょんが銜えていた枝で打ち返す。 「ゆ゛びぃ゛っ゛!?」と飛んで行く先にいたれいむがぷくーっ!して跳ね返す。 「ゆ゛がぁ゛っ゛!?」とパウンドする先にあったぱちゅりー達が作った壁にぶつかり、転げ回る。 「ゆ゛ぶっ゛!?」と蹲ったぱちゅりーを、走り寄ったありすが跳ね飛ばした。 ピンボールの玉よろしく、森の木々の合間を跳ね回ったぱちゅりーが森と人里を分ける平原に放り出されたのは、すっかり夜も更けた頃であった。 ……ふああ。あー、さむっ。 また急に冷え込んできやがったな。 いくら夜明け前だっていっても、まだ秋の範疇だろうに。 これは今年の冬も厳しくなりそうだな……。 ……ん?なんだありゃ。 饅頭?……いや、ゆっくりか? あんな飾りも髪も無いゆっくりなんて見たこと無いぞ。 ……うわ、なんだこりゃ? こんなに全身ボロボロになるなんて、何があったんだ一体? ……お、意識はあるようだな。 ってか、この様で生きてるって、ゆっくりってのは随分頑丈に出来てんだな。 前に燃やした奴らはあんなにあっさり死んじまったのに。 ……『ぱちぇの群れを知ってるの?』? お前ぱちゅりーだったのか?いや、あの群れに居たって事は…… ……そうか、お前さんあの時逃げ出したぱちゅりーだな? せっかく逃げ出したってのに、何でそんな重傷負ってんだよ? ……『ゲスなまりさに追い出された』だって? いや、お前さん確か長だったんじゃないのか? ……『ゲスまりさに騙されたゲス達に乗っ取られた』ぁ? よく解らんが、世代交代でもあったのか……? しかしよく無事だったな、この辺りはれみりゃの縄張りだぞ? ……『ぱちぇの群れは、れみりゃを倒せるくらいに強いのよ』って…… なあ、それって強いのは群れであって、お前さんじゃないよな? なのに何でお前さんがれみりゃに襲われない理由になるんだよ。 ……『ぱちぇのお陰で強くなれたんだから、ぱちぇが強いに決まってるでしょう』? おいおい、何なんだそりゃ。三段論法にもなってないぞ。 ……ああ、わかった。 お前、群れでいつもそんなこと言ってたんだろ? そりゃ追い出されるわな。 あのまりさが言ってた通りだわ。とんでもない無能だな、お前。 ……『ぱちぇは長なのよ!何でも知ってる森の賢者なのよ!』って言われてもな。 実際長としては無能だぞ?お前。 そもそも長に必要なのは『古い知識を生かして、新しい何かを創り出す程度の能力』なんだよ。 知ってるだけじゃ役に立たないのさ。 古い掟の問題点を見つけてそれを改善した掟を決めたり、今までの狩りで餌が獲れないなら原因を探って狩り方を見直す。 それが出来るから、長ってのは慕われるんだよ。 何を勘違いしているんだか知らないが、お前が長の器じゃないってのはそのゆっくり達にも解ってたんだろうな。 ……なあ、ぱちゅりー。 お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか? ……暴れんなよ。全然痛くないけどな。 ああもう、生クリームが飛び散って汚れちまったじゃねえか。 ……ああ、鬱陶しい! おらよ!どこにでも飛んで行きやがれ! ……結構飛んだな。 ……おや、三軒隣の御仁井さん。こんな所でどうされました? ……れみりゃの調達ですか。そりゃご苦労様です。 ……いえ、ちょっとね…… 無能なぱちゅりーに絡まれて、野良着を汚されちまったもんで。 あんまりムカついたんで、森の方へ思いっきりぶん投げてやったんです。 ……ははは、止してくださいよ。 俺に虐待は向いてませんって。 ……それよりも例の研究は進んでるんですか? 確か、ゆっくりを使った画期的な農法だとか何とか…… 山の裾野に広がる森の中、人間に捕まって投げ飛ばされたぱちゅりーは、奇跡的に生きていた。 しかしその姿は到底無事とは言えなかった。 お飾りも髪も無くし、所々薄くなった皮からはじくじくと生クリームが滲み出している。 それでも尚、残された目には執念の炎が燃えていた。 「……ぱちぇは……おさなのよ………いだいな……もりのけんじゃなのよ………… ……ぱちぇをゆっくりさせるのは…………すべてのゆっくりの……………ぎむなのに……………」 ぱちゅりーに帰る場所なぞどこにもない。 あの丘に向かうのは論外だ。 忌々しいゲスまりさに騙された無能な群れが襲いかかってくる。 人間の里に留まれば今度こそ殺されるだろう。 他の群れに匿ってもらおうにも、お飾りはおろか、髪さえ無くした自分を迎え入れてくれる筈が無い。 行きずりのぱちゅりーを襲ってお飾りを奪おうにも、満身創痍のこの身では到底実行できまい。 まさに八方塞がりの状況。 先程から妙に体がだるい。 悪寒は治まるどころかどんどん悪化してゆく。 あんよの感覚が殆ど無い。 (……そういえば、さっきからぜんぜんいたくないわね……?) 嫌な予感が彼女の脳裏をよぎる。 強ばってなかなか言う事を聞かない体を無理矢理動かして、後ろを振り返ったぱちゅりーの目に、 「……む゛ぎゅ゛う゛ぅ゛う゛う゛ぅ゛う゛う゛っ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ゛!?!?!?!?!?」 見えては行けない筈の光景が見えてしまった。 ぱちゅりーが這いずった後を追うように、白いナニカが線を描いている。 それは、ぱちゅりーの生クリーム。 彼薄皮一枚を残して剥ぎ取られた皮から滲み出した生クリームが、少しずつ、少しずつ、 ぱちゅりーのあんよと言う絵筆によって、冬の森というキャンバスを汚していたのだ。 痛みが治まったのではなかった。最早痛みすら感じない程に、感覚が鈍り切っていたのである。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じに゛だぐな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!! だれ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!だれ゛がだずげろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 一体どこにそれだけの底力があったのか。 誰もいない森の中に、ぱちゅりーの叫び声が谺する。 そしてその谺は、届いてはいけないものに届いてしまった。 突然響き渡る羽音に、ぱちゅりーがピタっと黙る。 恐る恐る目を向けた先にいたのは、 「う~☆あまあまみつけたど~☆」 「どぼじであ゛がる゛い゛の゛に゛れ゛み゛り゛ゃ゛がい゛る゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 そう、昼間は眠っている筈のれみりゃであった。 このれみりゃが特別だった訳ではない。 森の奥地は木々が密集しており、昼間であっても尚薄暗い。 木漏れ日に気をつけさえすれば、昼間でもれみりゃが活動するには充分な暗さがある場所なのだ。 その為、ここに足を踏み入れるゆっくりは相当訳ありでもなければ存在しない。 こうしてたまに迷い込んでくるゆっくりは、れみりゃ達にとって最大のご馳走であった。 「う~☆つかまえるど~☆ふゆのでなーにするんだど~☆」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ばな゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!お゛う゛ぢがえ゛る゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 帰るべきお家なぞ何処にも無いことを忘れ、ぱちゅりーは泣き叫ぶ。 「うるさいんだど~☆しゃべれないようにするんだど~☆えいっ☆」 「ゆ゛ぶっ゛…………!!!!」 舌を引っこ抜かれ、お口に石を詰められて、ぱちゅりーは喋れなくなる。 ぱちゅりーが静かになったのを確認すると、れみりゃは満足そうに巣のある老木へ飛んで行った。 それからおよそひと月。 ぱちゅりーはまだ生きていた。 老木のうろを利用したれみりゃの巣には、同じように捕まったゆっくり達が沢山並んでいた。 れみりゃはその日の気分で啜る餡子を変えているようで、様々な種類のゆっくりが用意されている。 しかもこのれみりゃは、死ぬまで餡子を啜ろうとはしない。 死にそうなギリギリまで吸い上げ、痙攣を始める直前で止める。 その加減はまさに職人技と言えよう。 そして餡子を吸い上げたゆっくりの口に、うろに自生していたキノコを詰め込むのだ。 そんな怪しげなキノコなぞ食べたくもないが、それ以外に食糧は無いし、どのみち食べても食べなくてもれみりゃに詰め込まれる事に変わりはない。 どうやら毒キノコの一種らしいそれは、口に含んだ途端に気分が悪くなり、悪寒や幻聴が聞こえ始める。 そして酷い時には幻覚を見るようになる。それも、自分が最もトラウマにしている幻覚をだ。 (だまれえええええええ!!ぱちぇはむのうじゃないいいいい!!) ぱちゅりーを襲う幻覚、それはあのまりさでも罠に掛かったことでもない。 あの人間に言われた一言、それがいつまでもリフレインするのだ。 ………お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか?……… (なんで……なんでぱちぇが……もりのけんじゃがこんなめに……) 本当にそうだったか? 本当に自分は森の賢者として相応しかっただろうか? 母の死は本当に母が無能だった所為なのだろうか? あの時、冬籠りの食糧が尽き、実の母を無茶苦茶になじったあの時。 『ごはんもまんぞくにあつめられない、むのうなおかーさんはゆっくりしないでしね!』 『……ごめんなさい、むのうなおかーさんで。せめておかーさんをたべてゆっくりしていってね! …………さぁ、おたべなさい!』 目の前でもの言わぬ饅頭になってしまった母を見て、自分は何を思っていただろうか? 『むのうなおかーさんは、ぱちぇのごはんぐらいにしかやくにたたないわね!』 そんなことしか思ってなかった気がする。 あの時、本当に賢者と呼ばれる程賢かったのなら、食糧を得る手段を思い付けたのではないか? いや、そもそも食糧不足に陥ること自体無かったに違いない。 (……そんな……そんなはずないわ…………ぱちぇはわるくない………わるいのはみんなげすのせいにちがいないわ……) あのまりさ達は本当にゲスだったろうか? むしろ自分より有能だったのではないだろうか? (……ちがう……ぱちぇは…………いだいな……もりのけんじゃなのよ…………) 疑問が浮かぶ度に脳裏で必死に否定するぱちゅりーに、またあの声が聞こえてくる。 ………お前は、群れの為に何か新しいことをしたのか?……… (うるさい!うるさい!うるさい!うるさぁああああいいいい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!) 春はまだ遠い。 れみりゃが冬籠りを終えて、ぱちゅりーを全部食べ尽くすまで。 幻聴は毎日、ぱちゅりーを責め立て続けた。 ぱちゅりーは最後まで気付けなかった。 自分が賢者でも長でもなく、只の無能なゲスでしかない事を。 ……それを心のどこかで認めてしまっていた事を。 ※気付けば連休中盤だよ!時間懸かり過ぎだろコノヤロー!! お待ちいただいた方々には大変お待たせいたしました! 前作に感想を付けてくださった皆様のご期待に、 「(ハードルを上げるのは)もうやめて!作者の(チキンハートな)ライフはもうゼロよ!!」 状態で悶えながら書いては直し、書いては直し。 気付けば前作を遥かに超える長文になっておりました。 皆様のご期待に応えるべく、作者の筆力の限界まで絞り出しました、 本当にこれで応えられているか不安でいっぱいですが、これ以上お待たせできないだろうとうp決行。 ……どうか皆様のご期待に応えられてますように。 ※まりさについて(補足) 前作『騙されゆっくり』のまりさについて、感想にてさんざん指摘されておりました通り、 あれはまりさの脳内補完によるものです。 実際にれいむを襲っていたときはんなこと一切考えておりません。 何も知らずに死ぬよりも、罪を自覚してから死んだ方がより絶望感は凄いだろうと思い、最後に反省させる描写を入れましたが、 良い奴で終わらせるのは許すまじ!と前々作のまりさの行動を脳内補完させたのですが、 思ったより解りづらかったみたいで、反省しております。 本来作者が作品に解説を入れるのは反則だと思っているのですが、今回は作者の筆力不足によるものですので、 急遽解説を入れさせていただきました。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゆゆーん!このしょーとすとーりーさんはとってもゆっくりできるおはなしさんだね! -- 2015-10-08 03 16 52 ゆっくりできたよ! -- 2014-05-12 13 38 27 『ゆっくりできないゆっくりをおいだしたら、ほかのむれにめいわくがかかる』 当代ぱちぇは無能でゲスだが、これだけは正しいと思う。傷まりさと違って濡れ衣じゃない真正のゲスなら、他の群れに迷惑をかけるだろうし逆恨みして復讐に来るかもしれない。 畑に手を出そうものなら、群れのゆっくり全体が悪いと判断されて一斉駆除をされるかもしれない。 ゲスはきっちり殺しとかないと、何をしでかすか分かったもんじゃない。 -- 2012-09-22 20 40 08 よくやった!!いつゲスパチュが不幸になるか楽しみだった!!ゲスは結局滅びるんだよ!www -- 2012-07-11 22 27 01 ゆっくりできないくずなぱちゅりーはゆっくりしないでしんだね!おおぶざまぶざま -- 2012-05-22 09 22 30 ヒヒヒヒヒヒィィィィィィィィィィヤッッッッッッッッッッッハーーーーーーーーー ーーーーーー!!!!! れみりゃGJ!! -- 2012-03-14 22 25 53 まりさGJ! -- 2010-10-10 01 56 45 ぱちゅりーざまぁwwww 凄くすっきりしましたー! -- 2010-10-03 18 51 17 見張り子まりさも虐待してほしかった -- 2010-09-13 17 45 16 けんじゃ(笑) -- 2010-06-21 21 02 14 うーん、森の賢者(笑)に己の過ちや無能を認めさせるのって、 世界平和を実現するくらい難しいんじゃなかろうか… -- 2010-06-21 13 19 20 とてもすっきりー!できた -- 2010-04-21 01 29 49
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※fuku4998 ゆっくりになった男 の続きです ※前作読んでないと意味分からないぞ~ ※虐待要素皆無 「う~あまあまはおぜうさまのれみりゃにたべられるんだどぅ~」 「ゆっくりしね!」 「ままままりざ~~~~!!」 「ああああありすはまままりさがままもるよよよよ!!」 人里から少し遠い森の中で、番とおもわれるまりさとありすの二人組みが 捕食種であるれみりゃとふらんに今にも襲われようとしていた。 捕食被捕食の関係にあるわけだから運命は逃れられないのだが (ありすをまもれなくてゆっくりできるわけないよ) このまりさは一応勇敢にも二対の捕食種相手に立ち向かおうとしていた。 じりじりと近づく捕食種、後ずさるまりさとありす。 「ゆぐりじねええええええええ!!!」「うあ”っ!?」 戦端を開いたのはまりさだった。 予期せぬまりさの攻撃に怯むれみりゃ。 ちょうどれみりゃの目の辺りにへばりついたまりさを剥がそうともがくれみりゃ。 あっけに取られてたふらんが姉のピンチにようやく気づいた。 「ゆっくり、し「飯だあああああああああああ!!!」ね”!?」 突然空間を裂くような叫びが響き渡った。 ふらんがこの声の主がこの場にいるものの声でないと気づいたときには、 すでにふらんは縦に真っ二つになっていた。 「ゆぎゃああああ!!!」 「う~とれたど~・・・?あ”あ”あ”あ”あ”でびらのぷりじーな”いぼーとがああああああ!!」 ようやくまりさを引き剥がしたれみりゃが見たものは真っ二つになってぴくぴくしている 愛する妹の姿だった。 「でれがぶらんをごんあごどりにいいいいいいい!!ぎゃびっ!?」 怒りに震えていたれみりゃの首が落ちる。 残った頭のない身体からは肉汁が噴水の如く噴出した。 あっけにとられるぱちゅりー。 まりさが立ち向かったとおもったら 目の前の恐ろしい捕食種が次々と解体されていく というかつてないシュールな光景もあったが何より彼女の目は、 れみりゃ上に立つ番のではない小太刀を持ったまりさに釘付けとなっていた。 ゆっくりになった男2 「俺とドスとゆっくりと」 ※主人公※ 元々人里で木こりをして生きていたが 妖怪にい襲われ瀕死に。 気絶から目覚めるとゆっくりまりさになっていた。 人間時に護身用に持っていた小太刀で戦う。 一年間生き残ると人間に戻れるらしい。 生きる目的を見つけた俺は、あの後あてのない旅を始めた。 道中誰かゆっくりに逢うだろうと踏んでいたから食料も少量しか持って行かなかった。 その結果が三日間の断食生活であった。 元人間である俺はそこらの草なんか食べることはプライドが許さない。 食えるものといやあまともな果実とかゆっくりや捕食種の死骸とかだ。 何故か旅立ってから三日間の間ゆっくりっ子一人と逢わなかったのだ。 見つかったとしてもれいぱーありすあたりに襲われたのか、 萎びて黒ずんだ死骸のみだった。 こんな曰く付きのは食えない。 空腹で衰弱した俺の身体は見る見るうちに小さくなっていった。 そんな時だった、あの声を聞いたのは。 「う~あまあまはおぜうさまのれみりゃにたべられるんだどぅ~」 「ゆっくりしね!」 紛れもない食い物(捕食種)の声。 「ままままりざ~~~~!!」 「ああああありすはまままりさがままもるよよよよ!!」 どうやらゆっくりが襲われているようだがそんなことはどうでもいい。 俺は獲物を見つけた豹の如くゆっくりと死闘を演じている捕食種に 隙を見て素早く兜割りを叩き込み真っ二つにした。 「飯だあああああああああああ!!!」と叫びながら。 というわけなんだ。 驚かせてゴメン。マジで腹が減ってたんだよ君達ならわかるだろう餓死寸前の絶望感を? まりさとありすは俺におびえているようだ。 そりゃいくら捕食種といえど同属の派手なスプラッタショーをいきなり目の前で 見せ付けられたらいくら流石に俺でもびびる。 それにこんなこと言いながら俺はさっき解体したれみりゃとふらんを食べている。 行儀云々の前に死にそうだからしょうがない。 背に腹は変えられぬ。 ゆっくりに背も腹も無い気もするが気にしない。 「「むーしゃむーしゃしあわせ~」」 残った死骸を二人に分け与えたところさっきのことは忘れたのか話をしてくれた。 「まりさとありすはどすのむれのまりさだよ!」 この近くにドスまりさの群れがあるのか。 ドスの群れならよっぽどのことがない限り安心して過ごせるだろう。 「ゆぅ・・・」 ドスのところに案内してくれと言おうと思ったらなんだか二人の表情が暗くなった。 どうしたんだ? 「ゆ~・・・じつはね・・・」 ありすが説明を始めた。 その群れのドスはまだ若い部類らしく、 他のドスに比べて知識が少ないため、いざというときにドスは何もできなかった。 多くの被害を出しつつも運良く越冬はできたものの その後どうすればいいのかわからずにドスは頼りなくおろおろしているばかりだったという。 そんなときに一匹のぱちゅりー種が群れにやってきた。 彼女は有り余る多くの知識で群れを支え直し、二・三日後には群れの首脳となった。 しかしそれからだった。 首脳となったぱちゅりーは何を考えたのか 今まで狩を行っていた平和な平原ではなく捕食種の多い森へと狩場を移すと言い出した。 ぱちゅりー曰くその方が少数で多くの食料が集まるからだという。 もちろん皆は反対した。 しかし、ぱちゅりーの「だれのおかげでこのむれはよくなったのかしら?」の一言で黙り込んでしまった。 そうして駆り出されたのがこの二匹というそうだ。 「しかもさいきんはにんげんさんのたべものをぬすもうとかいいだしたんだよ~~~・・・・」 「なにがけんじゃよ!おうぼうなどくさいしゃじゃないの!」 人里が近いとなると若干・・・いやかなり厄介だな。 いくら賢いとはいえそのぱちゅりーは野良だろう。 迂闊に人間に手を出して報復ENDはゆっくりの群れではよくある話だ。 放っておいたら人間ゆっくり双方に被害が出る危険性がある。 放っておくわけにはいかない。 適当に理由をつけて二人にドスの下に案内するように頼んだ。 「でもまたしんじゃうかもしれないよ?」 まりさが言う。 前にも俺のような流れ者が何人かが話を聞き群を訪れ、 ぱちゅりーの政策に口を出そうとしたが、 そういった奴はみんな何者かに襲われ死んでいったという。 捕食種さえ倒せる俺なら大丈夫だろうと言い、 俺たちは群に向けて跳ね出した。 道中で二人から妙な噂話を聞いた。 なんでも、ゆっくりと人間のハーフ、ゆっくり人間なるものが存在するという噂だ。 水に弱い、甘味を好む、ゆっっくりしていってねに反応する等、ゆっくりの特徴が強く出ているにも関わらず、 人間の体と思考を持っているという。 ハーフ故に親の片方が人間、片方がゆっくりという特異な条件で生まれるらしいが そんな、外界のおとぎ話みたいなことあるわけないじゃないか。 つーかゆっくりのような人間がゆっくり人間なら人間の脳のゆっくりの俺は人間ゆっくりなのかねぇ? 人猿と猿人の違いみたいなもんだろう。 こんな身の上の俺としちゃあ、もし実在するとしたら一度会ってみたいという気もしなくもないがね。 そんなわけで目的のドスの群に到着したわけだが、 「むきゅ!?だれよそのゆっくりは!」 いきなりぱちゅりーに絡まれた。 「これいじょうむれのにんずうをふやせるほどのよゆうはないっていっているでしょう!?」 俺を連れてきたまりさとありすを叱り飛ばすぱちゅりー。 どうやらこいつが話に出てきたぱちゅりーらしい。 まりさとありすの二人が助けてほしそうにこちらに横目を送っている。 まあ俺のせいだし話を付けてやるか。 俺はこの二人が捕食種に襲われてたから助けただけだ。 「むきゅ?それはよけいなこt・・・ゲフンゲフンむれのなかまをたすけてくれてありがとう。で、このむれになんのようかしら?」 絶対今よけいなことをしてくれたわねみたいなことを言おうとしたなこいつ。 ムカつく奴だ。初めは人間とのトラブルを避けるようにと来たが、たとえこいつが俺に協力を申し出ても絶対してやらねーし絶対今の座から失脚させてやる。 とりあえず群に入る口実を作らねば・・・。 そうだな、これがいい。 俺は流れ者の旅ゆっくりでね、宿を貸してくれないか? 食料は自分で面倒みるからいらねーぞ。 もとよりゆっくりが普段食べてる物なんぞ口に入れるつもりは毛頭ないがな。 「むきゅ~・・・まあいいわ。どすにきょかをもらいましょ。ついてきなさい」 ぽよんぽよんとぱちゅりーが跳ね出すので後をついていく。 後ろから刺したい衝動に駆られるが我慢我慢。決着は頭脳戦で決めてやるさ。 「まりさがむれのゆっくりをたすけてくれたんだね!ドスはまりさをかんげいするよ!」 ついていった先の洞窟の中で、2メートルほどの大きさのドスまりさに事情を説明するとそういわれた。 家はぱちゅりー曰くちょうど空いてた(おそらくあの森での狩りの最中に捕食種に襲われた奴のだろう) 小さな洞穴に住むことになった。 内装はちょうどひょうたんのような部屋構造になっており、 奥の方は貯蔵庫として使えそうだ。 翌日から俺はまずは群での発言権を得るために例の捕食種の森に潜って小太刀でれみりゃやふらんを狩り、家の中でよくわからない肉団子に加工して群に振る舞う。 ゆっくりの群で上位に立つには群での知名度と評判を上げるが一番である。 他にも狩りを手伝ったりトラブルの解決など、群のためになることを頑張ったと俺は、三日も立つ頃には重要会議に出席できるまでになった。 「だからのんげんのもっているしょくりょうをとってくればむれはゆたかになのよ!」 人間の里に行くのはリスクが大きすぎる。犠牲者を出してまでやることか? 「ぎせいしゃがでないようにわたしがかんぺきなさくせんをかんがえたっていってるでしょう!?」 たとえそうだったとしてもゆっくりの仕業だと言うことはすぐにばれる 危険視されて山狩りをされたらどうするつもりだ? 群は全滅だぞ? 「そのときはどすがにんげんをころせばいいのよ!」 集団で来られたらいくらドスでも勝ち目がないぞ。 「むぎぎぎぎぎぎぎぎ!」 これまではぱちゅりーがドスに政策の許可(といってもドスがほぼ言われるままなのであまり意味がないが)を求めるだけだった会議の場に、 俺とぱちゅりーの怒声が響きわたる。 俺が発言権を得るために奮闘していたときこのぱちゅりーは人里襲撃作戦をかなり進めていたらしい。 だが、襲撃のリスク、完璧(笑)な作戦、その後の対処等 痛いところを突いていくと徐々にぱちゅりーは反論できなくなっていった。 ぱちゅりー種はゆっくりの中でも頭がいいと言われているが、 人間にしてみれば寺子屋で学ぶ子供レベルである。 一応人間の大人だった俺に勝つことはできないだろう。 俺は勝利を確信していた。 「もうおひさまもしずんじゃったよ!きょうはここまでにしよう!」 完全に空気になっていたドスがそう叫んだので、この議題は明日に持ち越して 今日はいったん解散することになった。 明日には襲撃作戦を完全に止めることができそうだ。 夜になり俺は森へと向かう。 真っ昼間には捕食種が少なく狩れる量も少ないので 夜中に足りない分を狩ると言うわけだ。 羽音がするのでれみりゃかと思い顔を上げると そこにはうーぱっくに乗ったぱちゅりーがいた。 何のようだ? 「まりさはぱちゅりーのじゃまをしないで!あすにはでてってちょうだい!さもないと・・・」 さもないと? 「きえてもらうわ!」 そう叫んだ途端周囲に異常な気配を感じた俺はあわてて周囲を見回してみると、 大量の発情ありすが俺の周りを囲んでいた。 こいつらを使ってぱちゅりーに刃向かう奴らを消していったんだろう。 何とも醜い暗殺部隊だ。 「むっきゅー!いきなさい!」 「「「「「「「「「むっほおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」」 一斉に襲いかかってくるありすの集団。 恐らくこいつらが俺が通ってきた道の上のゆっくりを全滅させた元凶だろう。 おおかたあのぱちゅりーがすてきなゆっくりとすっきりできるとかたらし込んで操っているのだろう。 確かに普通のゆっくりならいくら強くても大量のありす相手にはかなわないだろう。 そう、"普通”ならね。 俺は小太刀を引き抜くと正面に横向きに構え、体ごと高速回転を始めた。 「「「「ゆぎゃあああああああ!!!」」」」 無闇に突っ込んで来るありすがまとめてなぎ払われる。 だが発情したありす達はそんなことお構いなしに突っ込んで来る。 そしてまたなぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 来る。なぎ払われる。 「そぉれくらぁーいでぇ俺をたおせるとぉ~エレエレエレ」 ありすを全滅させ、決め台詞を言おうとしたら回りすぎで酔って吐いてしまう。 せっかくのシチュエーションが台無しだ。 ぱちゅりーを見ると若干焦っているような表情を見せたが、すぐにニヤニヤしだした。きめぇ。 「むっほおおおおおおおおおおおお!!!!」 地面が揺れるような大声に振り向くとぱちゅりーがニヤニヤし始めた理由がわかった。 俺の後方には巨大な影ークイーンありすがいた。 どっから沸いてきたんだよと突っ込みたいが、 そんなことをしてる間にぺにぺにを突っ込まれそうなのでやめておいた。 体に見合った大きさの極太のぺにぺにをむき出しにして一直線に突進してくるクイーンありす。 「ありすのとかいはなあいをわけてあげるわあああああああああああ!!!!!」とか叫んでる。 俺は全く恐怖はしなかった。 というかクイーンありすの大半はただでかくなっただけのありすであると、 人間だった頃にゆっくりを虐めて遊ぶ友人に聞かされたことがある。 まれに特殊能力を持った奴が出ても、そういう奴は絶対山奥にこもり、ゆっくりを襲うような下劣な行為はしないとか。 つまり・・・。 スパーン ドシャァッ 「ありずのべにべにがあああああああああ!!!!」 大木が倒れるような音がしてぺにぺにがありすから離れる。 叫んでいるありすを尻目に切り落としたぺにぺにを見る。 ほんの少し前、ゆっくり三代珍味としてうんうん、しーしー、ぺにぺにが大量に狩られたことがあったが 至近距離で見るととてもそんないい物には見えないな。 中身のカスタードだって一舐めしたら糖尿病になりそうな色をしている。 ここにあっても邪魔なので滅茶苦茶に切り刻んで潰す。 「あり・・・・・べに・・・・・ああ・・・・」 その声でありすの存在を思い出したが、見ると下腹部に空いた大穴から自重でカスタードがあふれだし、死に欠けていた。 「もっとすっきりっしtゆびゃ」 不快な辞世の句を述べようとしたのでとどめを刺す。 「ああああありえないわああああああ!」 ぱちゅりーが叫ぶ。 「どうして!?どうしてかてないの!?なんてたっていられるのこわがらないの!?なんで!?なんで!?」 何でといわれても。 「あんたはゆっくりじゃない!かいぶつよ!ゆっくりのかわをかぶったかいぶつよ!いつかぜったいころしてやるわ!おぼえておきなさいよ!」 うーぱっくが飛び去ろうとする。 俺は小太刀に十分な回転をつけ、上に投げ上げた。 「どうして!?どうして!?」 ぱちゅりーは思った。 自分は賢い。自分は賢者だ。なのにあのまりさにすべて論破される。何故だ。あり得ない。ありえn 貫くような痛みを感じる。 右半身と左半身がずれる。 なんで・・・・どうして・・・・・。 投げ上げられた小太刀は回転ノコギリのごとくうーぱっくごとぱちゅりーを真っ二つにした。 ぱちゅりーよ。 確かに俺はゆっくりじゃない。 そして怪物でもない。 小太刀が地面に刺さる。 人間だ。 べシャッという音とともにぱちゅりーだった物が地面に白い花を咲かせた。 翌日。群から姿を消したぱちゅりーが森で大量のありすの死骸に囲まれて死んでいたのが見つかり、村はざわめいた。 が、捕食種の多くいる森ということもありそこで死んでても不思議ではなかったのですぐに忘れられれた。 俺はあえて真実を伝えないでおくことにした。 群の首脳ゆっくりが反論者を消していたという事実はいらぬ騒ぎを起こすだけだと思ったからだ。 俺はしばらくドスの側近としてドスに群の指導の仕方を自分なりに教えた。 その間にこんなことも起こった。 「まりさぁー!たいへんだよぉー!」 俺を群に案内してくれたまりさが俺にそういった。 俺がそいつの巣を見ると、にんっしんしたありすがいた。 頭にツタを生やし、7匹ほどの赤ゆっくりが実っていた。 問題は、実っている7つのうち一つがぱちゅりー種であることだった。 話を聞くと、昨晩すっきりーすると一匹だけぱちゅりー種だったという。 これは取り替え子だな。 取り替え子。 ゆっくりは普通、親からもらった遺伝子のうち片方の親のが覚醒するため、親のうち片方の種になる。 しかし、覚醒しなかった方の遺伝子は無くなったわけではなく、 眠っているだけなので、低確率だが子に遺伝し覚醒することがある。 これが取り替え子だ。 そして取り替え子は育てた者に幸福を呼ぶという。 という友人が言っていたことをそのまま説明すると、 群は色めき立ち、この取り替え子のぱちゅりーを、将来ドスの側近にするとありすが言った。 このぱちゅりーが大きくなれば、この群も安泰だろう。 俺は群を出ることに決めた。 もう俺の役目は終わったと思ったからだ。 皆名残惜しそうな感じではあったが、最後は笑顔で送ってくれた。 そして俺はまたあてもない旅を始めた。 そして群を出て二日くらいたった頃であろうか。 「見つけたぜ・・・まりさ種か。まあいい。」 そういう声を聞いて、 ボカッ 後ろから殴られたような気がして。 そこで俺の記憶は途絶えている。 to be contenued ~後書き~ どうもアサシンの人です。 げすぱちゅりーを書きたかったのにだいぶズレた気がする。 虐待とは無関係だなこの文章。 のんびり続きを書く予定b
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「ゆっくりいじめ系1447 騎馬民族の襲来」?の続きです。 俺設定があります 他の書き手様の設定を拝借しています。 ◆ 彼らは「ゆっくり」を「ゆっくりさせない」ために生まれた。 彼らの祖先、めーりん種が受けてきた迫害の歴史、 その中で育まれた恨みと、復讐の共通無意識が、 彼らを生んだ。 それは進化なのだろうかか? 彼らは、地を素早く駆ける「足」を手に入れ、 「ゆっくりする」ことを捨てた。 ◆ 「ユラクス=メーリン」率いる部隊は、先ほどの戦闘で手に入った戦利品を 携えて、森の中を行進する。 目指すは、彼らの数少ない拠点にして、ユッティラ大王の居城のある 王都「ホン」だ。 「ゆぅぅぅぅぅぅっ・・・・」 「ゆぇっ・・・ゆぇっ・・・」 部隊の構成員の帽子の中からは、小さく短い嗚咽の様な物が漏れてくる。 奴隷として、「ホン」で働かせたり、ドゲスの群れ、人間の集落や、 ゆうかの農園に売り飛ばすために連れてきた子ゆっくり達だ。 赤ゆっくりでは脆弱すぎて使い物にならず、 大人ゆっくりは大人ゆっくりでその精神構造が 腐りきっているためにほとんどの場合使い物にならない。 精神がまだ固まっていない子ゆっくりを「ホン」で 「加工」し、「教育」することで初めて、 奴隷ゆっくりとして出荷できるのだ。 「ホン」に向かう道中、頭上を黒い影が閃いたかと思うと、 一匹のきめぇ丸が「ユラクス」の前に降り立った。 「ユラクス殿、お帰りになられましたか」 王都「ホン」の周辺を警戒する、斥候のきめぇ丸だ。 きめぇ丸は騎馬めーりんの盟友であり、 戦争時の略奪品の何%かを報酬として、 通訳、あるいは斥候とかなりの数が雇われている。 「(辺境の虫以下のクズどもの集落を3、4個潰し、また2つの村に貢納を約束させたぞ)※翻訳」 「それは、重畳。子息殿の活躍に大王もお喜びになるでしょう」 「(世辞はよせ、俺など所詮父上の第7子、王族の末も末。しかもまだ四十騎の将でしかない青二才だ)」 「いえいえ、ユラクス殿の才覚は決して御兄弟の方々には決して劣ってはおられませんよ・・・・」 偵察方のきめぇ丸がいるという事は王都ももうすぐだろう。 そんな事を思いながらきめぇ丸とのたわいのない話に花を咲かす。 「王子、配下の方々も疲れております・・・・そろそろ・・・」 通訳役のきめぇ丸が、二匹に近づいて来て、言う。 確かに、配下の者たちは長い軍旅で疲れている。 こんな所で時間を費やすのも 「(うむ、すまぬ・・・・ではなきめぇ丸。今度うまい赤ゆっくりでも奢ろう)」 「いえいえ、ユラクス殿もお気をつけて」 きめぇ丸と別れると、「ユラクス」隊は、一路王都を目指した。 森の中、何の前触れもなく、その平原は突然出現する。 まるで、森の中にコンパスで円でも描いたような 綺麗な円形の平野がそこには存在していた。 ユッティラ=メーリン=カーンの王国の都、「ホン」。 彼らの崇拝する戦の女神「紅美鈴」にちなんでつけられた名前だ。 騎馬めーりん、きめぇ丸、奴隷ゆっくりなど、おおよそ100匹近くの ゆっくりがここに常駐している。 それ以外の騎馬めーりんは、王族も含めてほとんどが戦場だ。 水に強いまりさ種の帽子などで作られた簡素なテントと、 盛り土や石を組んで作られた「かまくら」のような 簡単な構造の住居が、いくつか並んでいた。 「さあ、このれいむ、健康で頑丈な皮の持ち主で、奴隷にはぴったり!さあ、買った買った」 「ゆっ!草で3日分!」 「虫で4日分だぜ!」 「虫で5日分!」 「「「「ゆっ!!!!」」」 「虫5日分!他の方はおられませんか?」 逃亡帽子の為に飾りを奪われ、頬に刺青を入れられ、 奴隷用に「教育」されたれいむの周りを、 きめぇ丸と数匹のまりさが囲んでいる。 奴隷ゆっくりの「せり」だ。 司会を務めるのはきめぇ丸だ。 買い手は、主に奴隷商人として生計を立てる 西のゲストリート出身のゲスまりさ達だ。 騎馬めーりんは他のゆっくりを憎悪しているが、 話の通じる商売相手なら別だ。 彼らが憎むのは頭も悪く、感性も腐りきった普通のゆっくりであり、 ごく一部の頭の良いゆっくりは他種でも尊重した。 「むきゅっ!その子たちは東の第2番倉庫に移動よ」 「(解りました・・・・おい、糞饅頭ども、ゆっくりしないでこっちに来い! 引き殺されたいかぁっ!!)」 「「「どぼじでぎょんなぎょとずるにょぉおおおおお」」」 この記録係のぱちゅりーなどいい例だろう。 基本的には知能指数の非常に高い騎馬めーりんだが、 暗記力と、その持続力は優秀なぱちゅりー種には及ばない。 故に、知能が高すぎて愚鈍な普通のゆっくり達の群れから 迫害されたり追い出されたりしているぱちゅりー種を保護し、 秘書や、奴隷ゆっくりの管理、「ホン」の出納係などとして 使っているのだ。 彼女たちは「官僚ぱちゅりー」あるいは「秘書ぱちゅりー」などと呼ばれ、 騎馬めーりんの社会ではほとんど騎馬めーりんと同格の地位を与えられて おり、特に優秀な官僚ぱちゅりーは死んだ騎馬めーりんの帽子を与えられ、 王城に出入りする権利すら与えられるのだ。 騎馬めーりんは社会は、優秀な個体を異端として迫害するゆっくりと違い、 徹底した実力主義の社会なのだ。 それは王族すら例外でなく、無能な騎馬めーりんは、たとえ王の長子でも 王族の証である「メーリン」姓をはく奪され、 一兵卒の身分にに落とされることすらあった。 王族とて、その身分に安住し、「ゆっくり」することなど許されない。 それが、騎馬めーりんの社会なのだ。 「ユラクス」は、配下の兵たちと兵舎で別れると、 一人王城に向かった。 石組みで作られた大型の無骨な小屋。 これが王城である。 内部に入ると、官僚ぱちゅりーが忙しく働いている。 彼女たちには帽子が無い。 彼女たちは、騎馬めーりんの群れに加わる通過儀礼として、 帽子をその時の王に捧げるのだ。 それは、二度と普通のゆっくりの群れには戻らないという意思表示だ。 「(大王はおられるか?)」 「むきゅっ?ユラクス様、御帰還なさったのね」 官僚ぱちゅりーは、騎馬めーりんの言語を習得しており、 きめぇ丸の通訳を必要としない。 「残念ながら、陛下はここにおられないわ」 「(何処の戦場に?ここの所、ドスの群れとの大きなトラブルは無かったはずだが?)」 「『東のドス』との国境紛争よ。しばらくはお帰りになられないと思うわ」 『東のドス』 「ホン」の遥か東に存在するゆっくり達の国の主。 ゆっくりを見下す騎馬めーりんですら、その偉大さには 敬意を払わざるを得ない、一世一代の豪傑ドス。 それが『東のドス』だ。 その実態は謎に包まれており、その姿を見た者すらいない。 以前ユッティラが使者を出した時も、応対したのは 副王ににして参謀のぱちゅりーであり、 最後まで謁見することすら叶わなかったのだ。 「むきゅん。ある偵察部隊が襲った辺境の村が、 たまたま『東のドス』の支配下になってらしくて」 「(その村の支配権をめぐっての戦争か・・・・ 相手が相手だけに長引くな・・・・・・・・・・)」 支配権、という言葉が出たが、滅ぼさずに村を支配下に加える場合もあるのだ。 騎馬めーりんは、無作為にゆっくりの集落を襲っているわけではない。 貢納を受け入れた村は、襲わずに税を絞りとり、 じわじわと苦しめるやり方をする。 際限なく、ゆっくりを殺し続ければ、自分の首を絞めるはめになる。 餌を際限なく食べて、餓えるゆっくりどもと彼らは違うのだ。 「むきゅん。「ホン」の治世は、「ユゴデイ」様が執っておられるわ。 御報告なら、「王の間」へどうぞ」 「(ありがとう。では)」 「ユラクス」はぱちゅりーと別れて王の間へと向かった。 王の間は、これが強大な騎馬めーりんの王国の 国王の部屋かと疑問に思われるほどの簡素だった。 騎馬めーりんは質実剛健を好む。 それは王族とて例外ではない。 王座にはユッティラの姿はなく、 その前に仮設された簡素な椅子に、 王族の長子、「ユゴデイ=メーリン」が 座っていた。 「ユゴデイ」には左目が無く、 顔には醜い傷が幾筋も走っている。 帽子は、まりさ種の物にれいむ種のリボンを付けた物で、 髪の毛は殺したゆっくりの飾りで埋まっていた。 王国黎明期からユッティラ王のすぐ傍らで戦場に立ち、 ドスの群れを含むいくつもの群れとの闘争を生き残ってきた 歴戦の勇者。それが「ユゴデイ」だ。 ユッティラ王には子供が多いが、後継者となるのは まず彼に間違いないと、群れの間では言われていた。 所詮第七子で、体格も小さめの「ユラクス」には 雲の上のめーりんだと言っていい。 「(兄上、辺境視察の任務、完了して帰還致しました)」 「(おお、ユラクスか!ようかえった。まあ、こいつを食え)」 「(ありがたき幸せ)」 「ユゴデイ」は、傍らに転がっていたボロボロの 赤まりさを「ユラクス」に差し出した。 「ゆべ・・・もと・・・ゆく・・・・・」 うめき声を上げるまりさを気にすることなく、 「ユラクス」はまりさを貪る。 痛めつけた赤ゆっくりは、 騎馬めーりんにとっては最高の御馳走だ。 「(4つの村を滅ぼし、2つの村を隷属させました)」 「(うむ、若いながらお前はよくやってくれる。 兄としてたいそう、鼻が高いぞ)」 「(お褒めに預かり、光栄です)」 「(時にユラクス・・・・・・)」 「ユグデイ」は言葉を切ると、 ゆっくりとその話を切り出した。 「(今度、父上が帰り次第、『あの国』を再び攻めるぞ)」 「(!!!!!!)」 『あの国』 「ホン」の騎馬めーりん達の間で その言葉が意味する事は一つだ。 『のうかりん共和国』 数匹ののうかりんと、何十匹ものゆうか、 そして、群れを追い出された真面目で頭のいいゆっくり達が、 豊穣の神にして、太陽の化身「カザミ」を氏神として 団結する共和制の農業国家。 幾度となく騎馬めーりん達が支配下に置こうとして、 果たすことができなかった好敵手。 その征服はユッティラの先代の王からの、 王国の課題ともいえる物だった。 「(その時は、お主に先鋒を任せよう。準備しておけ)」 「(!!!!!!有難うございます!!)」 「ユラクス」は興奮で胸がはじけ飛びそうだった。 王家に宿願ともいえる戦いの先鋒に自分が? これからは寝られない夜がつづきそうだと、 「ユラクス」は思い、ニヤリと笑った。 続く 騎馬めーりんの設定を、他の書き手様に使っていただいて、 嬉しさでいっぱいです。 騎馬めーりんの設定は、好き勝手使ってください。 人の数だけゆっくりの設定があるのが、このスレなのです。 このSSに感想を付ける
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ゆっくり爆発していってね 後編 22KB 観察 駆除 番い 群れ 自然界 現代 5作目です、前編からお読みくださいませ 群れのゆっくりたちが再び広場に集結したが、それがかなり異常な状態であると誰もが理解できた。 通常は成体ゆっくりだけが参加するこの場に、子ゆっくりどころか巣から出る事が全くない赤ゆっくりまで 総勢200匹近い群れの全てのゆっくりが長を今か今かと待ち侘びていた。 捕食種が活動を始める時間が近い事や、無理して外に出させた赤ゆっくりが愚図り始めた事でゆっくりの中から文句の声が上がり始める。 「みんなしずかに、せいしゅくにしてね!!」 長ぱちゅりーが指定席である、割った竹の上に乗り上げると、眉を吊り上げたゆっくりたちが一斉に長を罵り始めた。 「おさっ、もうれみりゃたちがすがたをあらわすじかんだよ!ゆっくりできないよ!!」 「れいむのあかちゃんがおなかをすかせているよ!!ゆっくりしないですにかえしてね!!」 「むきゅー、いったいなにがはじまるの?なにかあったの?」 様々な反応を示すゆっくりたちに話が進めないでいると、娘ぱちゅりーが何人かの友人を引き連れて長ぱちゅりーの前に立った。 「「「「「ぜんいんしずかにしてね!!!」」」」」 張り合わせた声が広場に響き渡る、しんっと一瞬だけ静まり返ると、その期を逃さず長ぱちゅりーは言葉を発した。 「みんなごめんなさいねっ、いちぶのゆっくりはしっているとおもうけれど、きょうあまあまさんがすのちかくでおちていたわ もしかしたらそれにどくがはいっていたかもしれないの!!いまからみんなをしょうどくをするから、 あまあまさんをたべたゆっくりは、むこうのひろばにあつまってほしいの」 消毒というのは勿論嘘で言い包めるための方便だった。 毒という単語に怯えた一部のゆっくりは混乱するが、長ぱちゅりーが消毒すれば大丈夫だからと落ち着かせ、ゆっくりたちは一斉に列を作り始めた。 長ぱちゅりーは覚悟していた。どれほどのゆっくりが爆弾を抱えているのかと、 なるべく少なくあって欲しいと願いながら細めた眼をゆっくりと開くと、 そこには群れのほぼ半数、100匹近いゆっくりが列を成していた。 「……むきゅう……」 パッと見ると稼ぎ手であるまりさ種が多く、中には子ゆっくりや、極僅かであるが赤ゆっくりまで存在した。 親が取ってきた物を分け与えられたのだろうか、どちらにしてもかなりの損害であるのは明瞭だった。 娘ぱちゅりーとは既に話し合いを終えており、山の中腹にある湖畔で消毒の名目として身体を洗う、ということで決定していた。 長ぱちゅりーは、生涯の別れとなるであろうと覚悟して娘ぱちゅりーを見た。 そこには気丈に振る舞い、爆弾持ちのゆっくりを先導する彼女の姿があった。 事は順調に進むと思えたが、その時――。 一部から甲高い悲鳴があがった、見ると混乱を引き起こさせないためにみょんが持ってきたブルーシートで覆ってあった ありすとまりさの無残な死体が大衆の眼下に曝け出されていた。 暇を持余した子ゆっくりたちが誤ってブルーシートを外してしまったのだ。 「ゆゆ!!あ、あれはありすだよ!ど、どうしてあんなふうになってるの!?」 「わ、わからないよー、わからないよー!」 「むきゅー……な、なんてしにかたなの!?ひどすぎるわ!!」 混乱し始めるゆっくりたち、長ぱちゅりーが杞憂した最悪の展開が引き起こされてしまった。 直ぐに一部からあまあまを食べたせいだ、と声があがり列が崩れ始める。 こうなればもう終わりだ、暴走したゆっくりたちを納得させる事は不可能になってしまう。 「ぜんいんだまってね!!!!!」 混乱を収拾したのは、娘ぱちゅりーだった。 ぱちゅりー種とは思えない程の大きな声で一喝すると、母に代わり近くの岩場に乗り上げゆっくりたちを見下ろした。 「あまあまさんをたべたゆっくりはれいがいなくぜんいんばくはつしてしまうわ!!! ぱちゅりーのありすは……まりさのばくはつにまきこまれてしんだのよ!!」 ごくりと息を呑む一同、夜風に靡かれたありすとまりさの死骸は何も語らない。 「ゆぐうぅう!!あまあまざんをだべだがら、でいぶじんじゃうの!?いやだよぉ……いやだよぉお!!」 「いやなのぜぇ!!ばでぃざはじにだぐないのぜぇ!!!」 「おきゃーじゃあぁん、まだありずじにだぐないよぉおお!!」 自身に突然と降りかかった災いに、皆納得できない様子で騒ぎ立てる。 その不幸の渦中でも娘ぱちゅりーは叫び続けた。 「ぱちゅりーもあまあまさんをたべたわ!みんなもかぞくをまきぞいにしたくなかった…… ぱちゅりーにしたがって、ゆっくりぷれいすからはなれるのよ!!!それとも、たいせつなゆっくりたちをまきぞいにしたいの!?」 涙する者、嗚咽を漏らす者、悲しみにひれ伏す者、群れを襲った悲劇はあまりにも大き過ぎた。 だが、娘ぱちゅりーが功を奏したお陰で皆が皆現実を理解することだけはできた。 長ぱちゅりーは時間がないことを承知の上で、声を荒げ宣言する。 「いまから5ふんだけじかんをあたえるわ!!みんな、かぞくとのわかれをすますのよ!!」 5分という生々しいタイムリミットが、悲しみに身を揺らしていたゆっくりたちを立ち上がらせた。 まりさは新妻のありすと産まれたばかりの赤ゆっくりたちに囲まれて今生の別れを惜しんだ。 「まりざぁああ……どうじで……どうじでぇごんなごどにぃい……」 「ありす、なくのはやめるんだよ!まりさのおちびちゃんたちをたのむのぜ!」 現実を真摯に受け止め落ち着き払ったまりさは家族の前で決して泣く事はなかった、 変わりに涙を流したありすと赤まりさ、赤ありすと一家全員で最後のすーりすーりをし始める。 「おちょうちぁぁん……もっちょゆっきゅちしていってよぉ!!まりちゃともっちょあちょんでほちかっちゃよぉおお!!」 「ありしゅもはなれちゃくないよぉおお!!おちょうしゃん!!」 「ごめんね、おちびちゃんたち……まりさはばちがあたったんだよ……しかたがないんだよ」 まりさには負い目があった、それは自分だけがあのあまあまさんを食べて満足してしまった事で、 この理不尽な仕打ちも自身の身勝手さが産み出してしまった天罰なのだろうと思えて仕方がなかったのだ。 結果としてまりさが食べてしまった事で妻や子供たちは死なずに済んだが、ゆっくりらしからぬ達観した境地にあるまりさは せめて愛すべき家族の前では恰好良い姿のままでいようと、精一杯の笑顔を振り撒いたのだった。 ちぇんは家族との別れを済ます事も叶わず、鋭い表情を浮かべる成体ゆっくりに囲まれて身を縮ませていた。 「おまえのせいなんだよ!!れいむのおちびちゃんがこんなめにあったのはおまえのせいなんだよ!!」 「ゆっくりしないでしんでね!!せきにんをとってね!!ぐずぐずするんじゃないよ!!」 ちぇんとありすは、怒り狂った友人の親たちに取り囲まれている。 あまあまさんを自分たちだけで独占せず群れの仲間たちに分け与えたのが、最悪の形で裏目に出てしまった。 2匹は親との最期の別れも出来ず、友人の親たちが元凶はこの2匹であると決め付けて有りっ丈の罵倒を投げつけている。 友人の子れいむや子まりさも親の脇で泣きながら険しい表情を作って、ちぇんとありすを恨めしそうに睨み付ける。 「ゆあぁあああん!!おがぁあざんっ!!まりしゃはじにだぐないよ!!ぢぇんどありずのせいだよ!!!」 「でいぶだっでじにだぐないよぉおお!!しねっ!!げすのぢぇんとありずはゆっくりしないでじねぇええっ!!」 ちぇんとありすは身を寄せ合い、貴方たちだって満足そうに食べていたじゃないか、と出掛かった言葉の全てを飲み込んで 必死に必死に耐えている。長ぱちゅりーが決めたタイムリミットはもう近い、どうしてこんな事にと隠し切れない涙を流して 俯いていると2匹の親である親ちぇんと親ありすが駆け寄ってきて取り囲まれたゆっくりの壁の隙間から名を呼んだ。 「ちぇんのおちびちゃん!!おかーさんだよー!!わかってねー!!」 「ありすちゃん!?おかーさんよ!!そこにいるの!?」 円陣を組むように取り囲まれたちぇんとありす、その陣の中心に割って入ろうとした親2匹は強い体当たりを受けてよろけた。 見上げるとぎりぎりと歯軋りを立てた友人の親ゆっくりたちが凄まじい形相で立ち塞がっていた。 「どうしてそんなことするの?わからないよー……」 「お、おねがいですっ!ありすちゃんにあわせてくださいっ!!あとでなんどでもあやまりますから!!もうさいごになってしまうのよ!!」 親ちぇんと親ありすは、自分たちの娘の所為で被害が広がってしまった事実を受け止め、親ゆっくりたちの心情を察し罪悪感を感じていた。 だがそれでも、この最期の瞬間だけは母親として娘の支えになってやりたいと切実に願っていた。 しかし納得のいかない友人の親たちは、それぞれ眼を合わせると2匹に無情とも言える台詞を突っぱねた。 「だめだよ!あわせるわけにはいかないよ!!これはばつだよ!!」 「そうだよ!!だれのせいでこうなったのか、ゆっくりりかいするべきなんだよ!!」 親たちの煮えたぎる怒りは最期の時間を与えることさえ許さなかった。 口を歪め眉を吊り上げると大きく身体を膨らませてちぇんとありすを跨った肉壁をより一層強化する。 絶対に進ませない、絶対に触れ合わせない、負の感情が異様な空気を作り出す。 「おねがい……おねがいですっ!!……ありすちゃんっ!!きこえるっ!?おかーさんはありすちゃんのことが――」 「うるさいよっ!!だまってよっ!!つたえさせないよっ!!ゆっくりりかいしたらはなれるんだよ!!」 諦めた親ありすがせめて自分の思いの丈を娘に知っていて欲しいと声を張り上げるも、 その僅かな願いさせも親れいむの轟音に掻き消された、親ちぇんと親ありすはボロボロと砂糖水の涙を流して身体を震わせる。 そして各々の想いを引き離すかのように、長ぱちゅりーの号令が掛かった。 「ありずちゃんっ!!ありずちゃああん!!!!ありずちゃああああんん!!!!」 「ちぇええんっのおぢびじゃぁあああん!!!ちぇええええええええんっっ!!!!ちぇぇえぇえぇええん!!!」 1匹の親まりさに弾き飛ばされるように、娘ぱちゅりーが先導する広場へ向かわされるちぇんとありす、 背後には大好きな母親の悲痛な叫びが聞こえてくる、返事をしようにも今も睨み付けている親まりさがそれを許さない。 友人の子れいむや子まりさが2匹にぶつかってその怒りの矛先を向け、後ろ髪を引かれる思いでちぇんとありすは列に戻っていく。 しんぐるまざーのれいむはこれから文字通りの彼岸へと旅立っていく、爆弾を抱えたゆっくりたちが山を登り始める後ろ姿を見つめていた。 最初に長ぱちゅりーが消毒をすると言った時、捻くれ者のれいむは、きっと消毒というのは嘘で残ったあまあまを 群れのみんなで食べる気なんだと思い込み列には並んでいなかったので、周囲に爆弾を抱えたゆっくりではないと見られていた。 内心、怯えて小刻みに身体をぶるぶると震わせているが、れいむは持ち前の自己中心的な思考がそれを緩和させていた。 (れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!れいむだけはきっとだいじょうぶなんだよ!!) 自分を納得させるようにれいむは心の内で何度も何度も呪文のように詠唱する。 その近くで歩く死者の列を蚊帳の外といった感じにボーっと眺めているれいむの赤まりさが母の異変に気付いて尋ねた。 「おきゃーしゃん、どうしちゃの?ふるえちぇるよ!」 「な、なんでもないんだよ。だいじょうぶだよ!」 死んだような顔をして目の前を通り過ぎていく爆弾を抱えたゆっくりたちと、その家族の別れを惜しむ悲鳴が交差するその場で れいむは根拠のない自信を盾にどうにか立っていた。 直ぐ傍でご近所だった、長ぱちゅりーにれいむだけ優遇されていて不公平だと訴えたゆっくりまりさが通り過ぎる。 まりさはれいむに気付くと一度だけ冷え切った笑みを垣間見せ、列に紛れ込んで消えていった。 (れいむだけはへいきなんだよ!!あんなゆっくりたちとはちがうんだよ!!) れいむの震えは決して止まらない、その時が近付くまで――。 細長い行列を作り、100匹近いゆっくりの列が山の中腹を目指して歩き出す。 背後から泣き叫ぶ家族の声に何度も振り返りながら爆弾を腹の中に抱えたゆっくりたちは前を進む、 突然、前方の集団の方からがパンッと乾いた音が響き、遅れて悲鳴があがった、ついに始まってしまったのだ。 長ぱちゅりーがせめてもの情けとして最期の時間を割いた事が、不幸にも最愛の家族たちに間近で爆散していく凄惨な姿を見せ付ける結果になってしまった。 「ちぇんのおちびちゃんたち、みんなでなかよくくらすんだよー」 ちぇんの母親である親ちぇんは番のゆっくりらんと一度だけ視線を重ね頷くと、振り向いて走り始めた。 背後で残した子供たちの泣き声が聴こえる、しかし親ちぇんは一度も振り返らず死者の列を目指して突き進む。 「おきゃぁあしゃん、いかないでぇええ!!わがらないよぉおおお!!!」 親ちぇんは番のゆっくりらんに残された子ゆっくりの全てを託し、自身は生きて帰ってくる事はないと知りながら子ちぇんを見守り 最期まで側で寄り添っていてあげようと決め込んだのだ。 途中、同じように覚悟を決めた親ありすと合流すると、お互いに顔を見合わせて困ったような顔で小さく笑うと 死者の列に紛れて姿が見えない我が子を呼び続けた。 既に何匹かの爆発が始まっている、荒波の如く悲痛な叫びが交錯する列に2匹は潜り込んだ。 「ちぇえぇええん!!おかーさんがここにいるんだよー!!わかってねー!!」 「ありすちゃんっー!!おかーさんもいっしょにいくわ!!!どこにいるのーっ!?」 親の子を思う願いが天に通じたのか、奇跡的にも僅か前を行く娘の姿を発見し2匹は大声でそちらを呼んだ。 聞きなれた母親の声が伝わり振り返ったちぇんとありすは、その姿を見るなり言い表せないほど嬉しそうに涙を流して母の胸へと飛び込んだ。 「おがぁああざんっ!!わかるよぉおお!!わがるょよぉおお!!!」 「おかーさぁあん、ありす、どっでもあいだがっだ、あいだがっだよぉおおお!!」 自分を想い、死ぬ事すら承知の上で駆け付けてくれた母親の温かさにちぇんとありすは まるで赤ゆっくりに退化したようにわんわんと泣いて身を寄せ合い甘えた。 遠くの方でその様子を羨ましそうに見つめる子れいむと子まりさがいる、2匹の親はここに来てくれはしない。 れいむとまりさは目の前にある家族愛と自身を比較して、孤独に押し潰されそうになっている。 そんな2匹を親ちぇんと親ありすは微笑みこっちに来るように促した。 「おばざん……ま、まりざも……まりざもいっしょにいていいのぜ?……」 「ちぇんとありずにひどいごどじだ、でいぶも……いっしょでい”い”の?」 せめてもの罪滅ぼしのつもりだったのか、親ちぇんと親ありすは慈愛溢れる笑みを浮かべて頷いた。 「「「「おばざああんっ!!」」」」 「だいじょうぶよ、まりさちゃんも、みんなでいっしょにいこうね……みんなでいっしょならこわくないわ!」 「れいむもちぇんもいっしょだよー、みんなみんないっしょだよー!」 深い愛情に包まれた家族が爆発に巻き込まれたのは――ほんの一瞬だった。 ちぇんが爆ぜ、ありすも遅れて爆ぜると、そこには身体の上部を失った屍と無数の穴を開け息絶えた死骸が、物言わぬ小麦粉の塊と化した。 その家族たちが派手にば爆散した様を後ろで見ていた新妻のありすの番であるまりさは、 この断末魔が広がる悪夢の光景とも言える場所でついに押さえ付けていた精神の楔が弾け飛んでしまった。 まりさは何かに取り付かれるようにゆっくりと列を離れると、遠くからこちらの様子を見守っている残されたゆっくりたちに近付いていく。 それに気付いたれいむとみょんが、急いでまりさの足を止めさせ身動きが取れないように伸し掛かった。 「まりさっ!!そっちにいっちゃだめなんだよ!!ゆっくりしないでれつにもどるんだよ!!」 「かんけいないゆっくりがまきこまれてしまうみょん!!いっちゃだめみょん!!」 「はなぜぇえええ!!はなぜぇえええ!!!いやだぁあああっ!!まだぁああじにだぐなぃいいっ!!!」 近くで呆気なく死んでいく仲間たちの惨状に、もうまりさは耐え切れなくなっていた。 あれほど気丈に振舞っていても、つまるところがこの阿鼻叫喚の地獄絵図ではまりさが壊れてしまうのは無理もない。 かくいうまりさの身体を拘束しているれいむやみょんも既に限界は近い、こうして役割を演じる事でどうにか自我を保っている状態に過ぎない。 「いぃやぁだぁぁああ!!まりざはまだやりだいごどだっであるんだぉおおお!!たすげでぇええよぉおおお!!ありぃいいずゅうう!! おぢびじゃぁあんんっ!!いやじゃああっ!!じにだぐないっ!!まだまりざはじにじゃぁぐなぁぁぁああいよぉおおお!!!」 まるでポップコーンが作られていく工程を見ているようにパンッパンッと鈍い音が、あまあまを食べていない残されたゆっくりたちに伝わる。 一つ一つの音が響く度に最愛の者が消えていく事実に涙し、せめてもの願いを込めて名を呼んでいる。 既に見えなくなった娘の事を思い、長ぱちゅりーは群れの仲間たちが消えていく様子をジッと見つめ脳裏に焼き付けていた。 ふと長ぱちゅりーは列を脱線したゆっくりが視界に入るとそれを直視した、列を外れた3匹のゆっくりがこちらにじわじわと近付いているではないかと。 「むきゅー、あれは……まりさ……なの?ど、どうしてっ……!」 身体を封じ込めようと力で圧力を掛ける、れいむとみょんを引きずって、ゆっくりとまりさが這い寄ってくる。 長ぱちゅりーは、ともかく残った者の安全を優先するために急いで巣に避難するように訴えるも、 多くの仲間たちは気が動転しているため耳には伝わらない、雲に掛かった月が顔を覗かせ月明かりを地上が照らすと まりさが生にしがみ付こうと必死の形相でこちらに向かってくるのがよく分かった。 「まりざぁああ!!まりざぁああああっ!!!!」 「ゆわぁあああんっ!!おちょうしゃぁああんっ!!!」 一組の親子が、こちらに迫ってくるゆっくりが自分の家族の者であると気付き身を乗り出す。 ありすとその子供たちだ。 「いけないわっ!!だれか!!!だれもいいからありすたちをとめてぇええ!!!」 押さえ込んむ2匹を背負って徐々に距離を詰めていくまりさに、ありすたち一家が駆け寄ろうと走り出す。 それがどういう結果になるのか容易に想像できた長ぱちゅりーは引き止めるために叫ぶ。 正気を保っていたゆっくりみょんとゆっくりちぇんがありす一家の傍に居た事が幸いした。 まずちぇんが急いでありすたちの前に立ち塞がり、遅れてみょんが背中を押す形でありす一家の動きを封じた。 「だめだよー!!ありすたちもまきこまれちゃうよー!!」 「おねがいはなじでぇえ!!ありずはどうなっでもいいのよ!!まりざがっ!!まりさがぁあっ!!」 新妻のありすが、みょんの身体から逃れようと必死にもがく、 じりじりと這い蹲って距離を詰めるまりさに異変が起こったのは直後のこと。 「ゆがっ!?……ま、まりざ、じぬの!?い”やだぁああああ!!ごんなごどでじにだうあんあ”っ――」 一瞬、まりさの呂律が回らなくなったと思えば全身がみるみるうちに膨らんでいき、 寒天で作られた目玉が内圧に押されて今にも飛び出しそうになった。 呆気なく限界点を超えボンッと音を立てて、まりさの餡子は内部から破裂した。 まりさを抑えていたれいむとみょんは散弾を真っ向から喰らい、機能を停止するように息絶えた。 最愛の番の内臓物である固まった餡子の一部が凄まじい速さでありすの頬を掠めていくのを見て、ありすは番のまりさの凄惨な死に際を理解してしまった。 「いやぁああああぁぁああああ!!まぁありぃいさぁあああぁっ!!!」 「おちょうしゃぁああんっ!!」 ありすを押さえ付けていた、みょんとちぇんはそれらの行為が意味を成さなくなったと判断して 泣き崩れ頭を垂れた一家を背に悲しそうな顔をして離れていく。 入れ替わり、しんぐるまざーのれいむが白目を向いて一家の側に近寄ると、亡骸をれいむの大きな揉み上げで指してぶつぶつと何かを呟いた。 どうも様子がおかしいと長ぱちゅりーは恐る恐る近付くと、カッとれいむは見開いて喚き散らした。 「でいぶはがわいぞうなしんぐるまざーなんだよぉおおおぉおおお!!!!!」 平伏して嘆くありすに徐に伸し掛かり、しんぐるまざーのれいむは気が狂ったようにありすに懇願する。 「ありずはでいぶをだすげなぐっちゃいげないんだよぉおお!!でいぶはしんぐるまざーなんだよぉ!!だすげるのはどうぜんだんよぉおおおお!!!」 「なにずるのっ!?はなじでっ!!まりさぁああ、たすげでっ!!まりざぁああああ!!」 「おきゃぁしゃんをはにゃちゅんだじぇ!!」 れいむはありすを逃がさないように巨体な身体を押し付ける、ありすは突然襲い掛かり訳の分からないことを言い始めたれいむに困惑していると、 傍らで泣いていた赤まりさが親ありすを助けるべく小さく転がって、れいむに意味のない体当たりをしている。 「でいぶはばぐはづじだぐないぃいいい!!ありずだずげでぇえええよぉおお!!でいぶはじんぐるまざぁああなんだよぉおおお!!」 自分だけは大丈夫だと自己暗示を掛けるように何度も胸のうちで繰り返していたしんぐるまざーのれいむであったが まじまじと、ゆっくりたちが爆発して死んでいく現実を突きつけられ、彼女もまりさと同様にメンタルの部分を支えきれなくなった。 誰でもいいから助けて欲しい、あんな惨たらしく死んでいくのは絶対に嫌だ、憔悴しきったれいむは たった今家族を亡くし悲しみに溺れたありすに、それが無駄であるかどうかの判断さえつかずに延命を乞う。 長ぱちゅりーはれいむが『爆発』という単語を発したことと、れいむの背中の表面にゴツゴツとした丸い塊が、虫が地を這う様に移動しているのを目撃し、爆弾持ちであることを瞬時に見抜いた。 どうして爆弾持ちがここにいるのか、という疑問の一切を投げ捨て長ぱちゅりーはとにかく叫んだ。 「みんなとおくににげるのよっ!!れいむがばくはつするわ!!!」 導火線に火がついたしんぐるまざーのれいむを見る一同、れいむの異変を察知して蜘蛛の子を散らすように逃げ出すゆっくりたち。 れいむはまりさと同様に内圧で大きく膨れ始める、それでもありすを離すことはなく助けを求めている。 「だずげでよぉおおお!!でいぶをだずげでよぉおおおお!!!」 「おねがいはなじでぇっ!!はなじでよおぉおお!!!」 そして、しんぐるまざーのれいむは爆発した。 長ぱちゅりーは爆死したゆっくりの死体に下半身だけが残っている事を思い出し、 身を伏せる回避法を選択した事が命を繋ぐ結果になった。 降り注がれたれいむの餡子を寸前のところでかわし傷一つなくやり過す、 存えた長ぱちゅりーは皆の無事を願い周囲を見ると、その光景は凄まじいものだった。 「で、でいぶのあんござんが、おなかがらででるよぉおおおお!!あんござんゆっぐりじないでもどっでぇえよぉおおおお!!!」 腹を割られた子れいむが朦朧とする意識の中で、ピコピコと揉み上げを動かして外に溢れ出た餡子を腹の中に収め直そうとしている。 「まっぐらだよぉおお!!、みんなどごいっだのっ!?ありずをひどりにじないでぇえ!!!」 両目を潰されたありすが、頬からカスタードを撒き散らしながら見知ったゆっくりを探して彷徨っている。 「おちびじゃあぁあん!!おねがいだがらゆっぐりじでいっでね!!ゆっぐりっ、ゆっぐりいぃいい!!」 「ゆぴょぉっ……ゆぷぇ……」 身体を真っ二つに裂かれ、生クリームを盛大に噴出した赤ぱちゅりーにぺーろぺーろと舌を嘗め回す親まりさ、 親まりさ自身も穴の開いたこめかみの辺りから餡子が垂れている。 「お、おぎゃぁああじゃんっ!!うごいでよぉおお!!いっじょにゆっぐりじようよぉおおお!!」 子を庇って無数の大穴を開けた親れいむに反発性のないすーりすーりを繰り返している子まりさなど ほとんどのゆっくりがしんぐるまざーのれいむの爆発の煽りを受けて致命傷となる怪我をしている。 放って置けば助からない、だがどうすることもできない、長ぱちゅりーは振り返り爆心地を見ると ありすとその子供たちの骸としんぐるまざーのれいむの一部であったあんよが残されている。 「むきゅー……みんな、みん……な、いきて……る、ゆっく……り、は……あつ……ま……」 とにかく生きている者だけを集めて二次事故を防ぐ為に長ぱちゅりーは動き出そうとするが、ぺたんっとその場で転がる。 ぱちゅりー種であるが故、病弱な身体の疲労は限界に達していた。 長ぱちゅりーは避難を叫ぼうとしたところで意識が途絶えてしまった――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 依頼主の老人が提供してくれた古屋、仮設のモニタールームとして機材を詰め込んだ一室で 加工所の職員が唸り声を上げて、小さな画面に食い入っていた。 「この結果じゃ商品化は難しいな……」 モニターには昨夜の出来事が克明に写されていた。 ゆっくり爆弾を食べたゆっくりはもれなく全滅したが、残ったゆっくりもそれなりの数に昇っていた、 群れ全体の3割の生存を監視カメラが捉えた映像を見て確認できた。 それなりの成果はあげた様に見えるが、企画課の職員たちは不満気に煙草を吹かしている。 「あの群れの長っぽいゆっくりぱちゅりーの指示が的確ですね」 「野生にしちゃ賢すぎるな、元飼いゆっくりか?」 長ぱちゅりーを指差して若い男が囁く、ヘッドホンを片耳に充てて音声を拾っているもう片方の職員は長ぱちゅりーの言葉を聞いて興味深そうに頷いた。 「やっぱり分離と分断の指示はこいつが出してるな」 「へぇ、やるねぇ~」 「やるねぇ~、じゃないですよ。この企画通らなかったら主任の立ち位置やばいんじゃないんですか?」 しれーっと目を細めて若い職員は上司である課長を見て呆れた顔をしてみせた。 「まぁでも首は繋がるさ、このぱちゅりーさえ捕獲できればね」 「ん?どういうことです?」 「俺の見立てじゃこいつは間違いなくプラチナ級だよ、実験課のいい土産になるぞ」 プラチナという単語に一番下っ端の職員を除いて全員が息を呑んで目を見合す。 「プラチナだからってどうなるっすか?」 一人ピンとこない様子の若年の職員が尋ねると、課長はにぃっと不敵な笑みを作ってモニターの中の長ぱちゅりーを指差した。 「お前プラチナバッチ持ってるゆっくりの相場って知ってるか?」 「知らないっすけど……」 「外車が新車で購入できるくらいすんだよ、冗談抜きで半端ないぞあれは」 「マジっすか!?……自分の年収より上……なんすか……」 課長はパンッと手を叩くと、職員たちは全員注目した。 「Bプランから変更してCプランでぱちゅりー種だけ捕獲、残りは全処分でいこう、このぱちゅりーさえいれば巻き返しは出来るさ」 「了解っ!」 この後、長ぱちゅりーが築いたゆっくりプレイスは人間たちの手によって、ぱちゅりー種を除いて1匹残らず抹殺された。 加工所に送られるゆっくりの中に長ぱちゅりーの姿があったが、その眼にあるべき輝きは既に失われている。 長ぱちゅりーには塀の中で、幸せかどうかは別にしても貴重品として大切に扱われるゆん生が待っている。 筍の茂る山に再び平穏が戻ると、そこにゆっくりの姿はなかった――。 あとがき 元ネタは某ロボットアニメです、加工所の職員の苗字もそれだったりします 前後編とやや長くなりましたがここまで読んで頂き感謝です、お付き合いありがとう御座いました 今まで書いたもの: anko2166 ゆっくり虐殺お兄さんの休日 anko2155 いつか見た赤染め姉妹たちの憧憬 anko2125 ゆっくりおうちせんげんの末路 anko2103 ゆっくり熟年離婚 書いた人:おおかみねこあき
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『『こーまの王 「館」』』 36KB 愛で 観察 思いやり 引越し 捕食種 希少種 自然界 愛護人間 創作亜種 独自設定 ○○あき 作 待っていてくれた人にごめんなさい 『こーまの王 「館」』 ○○あき 作 前作の『こーまの王 「賢者」』の続きです。 知性や能力の高いゆっくりが登場します。それに違和感や不快感を感じられる方は回避願います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 秋風が肌に染みだすのを感じる、そろそろ野生のゆっくりは越冬の準備を進めなければならない。 飼いゆとして育ち、越冬経験の無いぱちゅりーには不安な事ばかり。 特に洞窟の岩肌は冷たく、どんなに枯草をひいても底から冷える寒さを感じる。 『ではこれよりさくやは、えっとうようのかりにいってまいります。 かえりはおそくなりそうですので、おしょくじはめーりんにごよういさせますので。』 『わかったんだどぉ!ごくろうさまなんだどぉ』 『では・・・・』 声と共にれみりゃの前からさくやの姿は消え失せる. さくやは群れの越冬用食料を集めに出た、捕食種の食料は通常種なのだが生かしておくためには多少の草や虫は必要。 その質は悪ければ悪い程、通常種は苦しみ甘味を増す。 そして良い質の物は自分達で摂り、冬の間に味覚は偏るのを調整する。 いつもならばめーりんを引き連れて荷物持ちをさせるのだが、それでもゆっくり2匹ではたいした量は運べない。 『むっきゅ?たべものをはこぶならすぃーをつかうといいわ!これならさくやだけでもたくさんはこべるわよ。』 『おかりしてかまわないの?』 『ぱちゅはこのあたりのことをよくしらないわ、とおくまでいったりしたらかえってこれないわね。 だからつかうことないから、えんりょなくつかってちょうだい。 それよりちょっとおしえてほしいことがあるの・・・・・』 『なにかしら?』 『むっきゅ!このへんに・・・・・・・』 今年はぱちゅりーの所持していたすぃーがあり、これに乗せて運べば1匹でも沢山の食料を運ぶ事が可能。 ぱちゅりの提案を受け、さくやは1匹だけで狩に出掛けて行った。 『ことしはぜんぜんはえていないわね・・・・』 昨年茸が生えていた場所に今年はまだ影も姿も見つからない、夏の猛暑が影響したらしく山菜の生育が遅れている。 しかし冬の間を通常種ばかりを食べていたら、舌が甘味に麻痺してしまいかねない。 どうしても美味しい山菜を貯め込む必要がある。 『しかたがないわね・・・あそこにいってみましょう・・・・・・』 通常種の群れは、何かしら狩場に近い場所に作られる事が多い。 秋が遅れた分、今ならまだ採り尽くしてはいないだろう。 さくやは通常種の縄張りへと向かった。 そこを避けていたのは通常種はさくや達の大事な餌故、余計な戦いで餌の数を減らしたく無い。 しかしだからと言って、美味しい山菜を譲ってやる理由も迷う必要も無かった。 『たしかあのおかのむこうにきのこさんがあったはずよね・・・・・・ん?なにかしら?』 丘上にある松林にやってくると、何やらそこから騒がしい声がする。 別に通常種から隠れて行動している訳でも無かったので、興味半分で近寄ってみた。 そこに見えたのは、紅髪に黒い羽の生えた見た事の無いゆっくり。 そしてそれを囲む通常種達の姿。 『みたこともないゆっくりだみょん!ぜんぜんゆっくりしてないやつだみょん!』 『わかるよーぜんぜんゆっくりできないんだねぇー』 『げらげらげら~まりささまにさからうからこんなめにあうんだぜ!』 その見慣れるゆっくりは、既に通常種に虐げられボロボロになっていた。 この紅髪のゆっくりとさくやは、別に知り合いでも無かったので別に無視しても良かった。 しかし通常種が調子に乗っている姿は癪に障る。 『ゆっくりしてなければいじめていいのかしら?』 『あたりまえだみょん・・・・ゆ?だれ・・・・・・・・・ゆ?』 後ろから尋ねる声にみょんが振り向いた時には、口から背中に枝が突き抜けていた。 さくやはその枝を一気に引き抜く、みょんの傷口からはホワイトチョコが流れ落ちる。 まりさとちぇんの目前に、みるみる白い水溜りは広がっていく。 『た・・・た・・す・・けて・・・・・くれだ・・・みょ・・ん』 『ゆ!ど・・どど・・どど・・・どおぢでこんなことをするんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』 『わがらないよぉーちぇんはなんにもわるいことはしてないんだよぉー』 『そのこをいじめるすがたはゆっくりしてなかったわよ。 ゆっくりしてないゆっくりは、いじめていいらしいからゆっくりりかいするといいわ。』 みょんの声で我に帰る2匹、何時の間にやられたのか理解出来ず混乱する。 理解出来ようがさくやには関係ない、ちぇんの眉間を喰いちぎる。 『ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』 『ゆわわわわわわわわわわわ!』 ちぇんの額と両目が、チョコの穴で繋がり目玉がその間を漂う。 激痛に転がり苦しむちぇん、その姿にまりさはただたじろぐだけ。 『さっきあなたはどおして?ときいたわね・・・』 『そ・・・そうなんだぜぇ!まりさだってがんばっていきてるんだぜぇ!』 『それはあなたがむだにいきているからよ、さすがにさくやもしんだゆっくりにはこんなことはしないわ。』 『どおじでそんなご・・・・・・・ゆ”!・・・ゆ”・・・ゆ”・・ゆ”・・・・・』 最後の台詞を大きく口を開けた瞬間に、まりさの半身だけが後ろに倒れる。 ゆっくりの開きとなったまりさの下半身からは、舌だけがバチバチと身体を叩いて暴れていた。 残ったのはさくやと虐められていた、見慣れぬゆっくりだけとなる。 『ほんとにくずははきけがするわね・・・・さて・・・・あら・・・けっこうやられちゃっているわね・・・・・』 『こ・・・・ぁ・・・・・・こ・・・・・・ぁ・・・・』 『みたことないけどいちおうきしょうしゅのようね・・・・ふぅ~・・・・・・ ほっておくわけにもいかないわ、まえにもこんなことしたばかりなのに・・・・・』 その見慣れぬゆっくりは、まだ生きていたがかなり衰弱している。 希少種ならば見捨てる訳にもいかない、れみりゃの群れの再興には多くの仲間が必要なのだから。 さくやはすぃーに積んでいる食料の上に、そのゆっくりを乗せると住処目指して走り出す。 かなり弱っているので急がねばならない。 『れみぃはふゆもここですごすの?』 『それをいまかんがえているんだどぉ・・・・まえのこーまかんはあったかかったんだどぉ。 でもここはさすがにさむすぎるんだどぉ・・・・・』 さくやが越冬の準備を始めだし、れみりゃもそろそろ対策を練らねばならなかった。 前に住んでいた森には、それぞれ住処とする虚や小さな穴があったのだが。 ここは岩肌剥き出しの洞窟、地面の冷たさが体温を奪う。 『むっきゅ!そこでぱちゅからていあんがあるんだけど・・・・・』 『なんだどぉ?』 『ぱちゅはおひっこしをしたらいいとおもうの。』 『それはれみぃもかんがえたんだどぉ、でもいきさきがないんだどぉ・・・・・・』 ぱちゅりーの提案はれみりゃも考えた、しかし行先がなければ引越しのしようが無い。 だがぱちゅりーには、それについても考えがあった。 『むっきゅ!だからぱちゅはやしろさんにすんだらどうかとおもうの。』 『やしろさんってなんなんだどぉ?』 『そうね・・・・やしろさんというのは、ひとさんにとってのせいいきみたいなものかしら?』 ぱちゅりーが考えたのは、どこの村にも豊作を祈願する神を祭った小さな社がある。 そしてその場所一帯は、あえて何も建てられない事が多い。 これならば住処を追われる事も無いだろう。 『ひとさんにちがづくのはあぶないんだどぉ!』 かつてれみりゃは、人によって群れと番を失いこの様な場所まで追いやられた。 人に脅威を感じた故、敵を知るべく連れて来られたのがぱちゅりーである。 『そうね・・・・ゆっくりがたたかってかてるあいてではないわ・・・・・ でもねひともむじょうけんで、ゆっくりをころしているのではないのよ。』 『う?』 人はゆっくりを憎み疎んでいるとれみりゃは思っていた、しかし人には人の事情がある。 そもそもこの国に、所有者の居ない土地は存在しない。 害がなければ問題は無いのかもしれないが、蝗の如く自然を喰らい尽くすとなれば大問題である。 『むっきゅ、とりあえずそこは、ぱちゅにまかせてもらってだいじょうぶよ!』 『でもいそがなくてもだいじょうぶなんだどぉ・・・・れみぃのこーまかんはてっぺきなんだどぉ!』 『むきゅ・・・・・れみぃ・・・・ちょっとこれをみてくれるかしら?』 れみりゃの言葉に、ぱちゅりーは表情を曇らせて話す。 そして洞窟の奥へとれみりゃを連れて行く、そこには岩の隙間からチョロチョロと滴る水が溜まっている。 これまで水の確保は、近くの川まで行くか雨水を貯めていた。 ある日、岩の隙間から水が出る様になり、容易に水が手に入る様になったとれみりゃは喜んでいた。 しかしこれは、重大な問題を抱えている事をれみりゃは知らない。 『おみずさんがわいているんだどぉ・・・・これがどうしたんだどぉ?』 『むっきゅ・・・・ゆっくりおちついてきいてね?これはここがくずれるかもしれないよちょうなのよ・・・・』 『れみぃのこーまかんがくずれるだどぉ?』 『そうよ・・・・くわしくはぱちゅもしらないけど、いままでなかったところからおみずさんがでるとあぶないのよ。』 ぱちゅりーれみりゃが話している間も、隙間から水が染み出し続ける。 この夏にTVで見た事を思い出し不安が増す。 『むっきゅ!つ・・つめたいわ!!ゆゅ?』 天井から雫が落ちてきた、よく見ると天井や他の箇所からも水が染み出してきているではないか。 ここは危ないとぱちゅりーは直感する。 『れみぃ!おねがい!ぱちゅをしんじておちびちゃんをつれてここからでるのよ!』 『う?ど・・どうしたんだどぉ?・・・・!』 急に慌てだすぱちゅりーに驚くれみりゃ、だがこれまで染み出す程度だった隙間から水の量が増えている。 何が起こっているのかは解らないが、れみりゃも何か危険な物を感じた。 『めーりん!おちびちゃんをつれてそとにでるんだどぉ!れみぃもいっしょにいくんだどぉ!』 『じゃおぉぉぉぉぉぉぉ!』 れみりゃの声に即座に反応して洞窟の奥へと駆けるめーりん、奥では2匹がお昼寝の真最中。 スヤスヤと寝息を立てて気持ち良さそうに眠っている2匹、起こさぬよう素早く咥えると急いで出口を目指す。 そしてれみりゃは、その更に奥に隠してあった大事な物を取りに行く。 だが洞窟内にピキピキ響く地鳴り、事態は急変した。 『むきゅう!れみぃ!なにをしているの!はやくにげてぇぇぇぇぇ!』 めーりんと共に洞窟の外に出たぱちゅいいーが叫ぶ、このままではれみりゃが危ない。 危険を冒してまでれみりゃが取りに行った物、それは番であった亡きふらんのお帽子。 『あったどぉ・・ふらんをおいてにげるのはもぉいやなんだどぉ・・・・』 お帽子を咥え駆けるれみりゃ、パラパラと天井から砂が降ってくる。 ここが崩れるのは時間の問題だった。 『ゆゅ・・・?ゆ!みゃみゃ!』 『むきゅ!ふ・・ふらん!あぶないわ、ちかよっちゃだめぇぇぇぇ!』 目を覚ました子ふらんが訳も分からず、母を求め洞窟に入ろうとする。 既に土煙で中の様子は見えない、だが刻一刻と事態は悪化していく。 『うぅーーーーーーーー!う?ふらん!』 土煙の中から飛び出したれみりゃと擦れ違いで、母を助けに子ふらんが入る。 そしてそれを追いかけ飛び込むぱちゅりー。 『う?いみゃのはみゃみゃ?みゃ・・・・・・ぐひぃ・・・・・・・・』 『むきゅぅぅぅぅぅ!ふらんしっかりしてぇ!いますぐぱちゅがだしてあげるから!』 崩れ落ちた小石に直撃して子ふらんは気を失う、だが幸いにも追っかけてきたぱちゅりーによって直に救出される。 すぐさま洞窟を飛び出すぱちゅりー、これで全員なんとか難を逃れる事は出来た。 だが住処を失い路頭に迷う事になってしまう。 『れみぃのこーまかんが・・・・・・・』 『れみぃ・・・・むきゅ・・・・こうなってはしかたがないわ!おひっこしよ!』 『でも・・・・ひとさんにちかづくのはあぶないんだどぉ・・・・』 『ぱちゅにまかせて・・・かんがえがあるの・・・・とりあえずここにいてもなにもかわらないわ!』 このままここに居ても何も解決しない、まずは安全な場所に移動する必要がある。 しかしれみりゃの従者であるさくやは、越冬用の狩に出ていて何時戻るか分からない。 ぱちゅりーは本来ならば、人と交渉してから社を根城として借り受けるつもりだった。 しかしそんな事は言っていられない、とりあえずめーりんを伝言に残しれみりゃ達と社へ向かう。 『むきゅぅ~おそとをすぃーもつかわずにでるのはひさしぶりだからつかれるわぁ・・・・』 『だいじょうぶだどぉ?』 社まではまだ距離があると言うのに、改めて己の体力の無さを実感させられるぱちゅりー。 れみりゃも気絶したふらんを抱えていたが、それでもぱちゅりーよりは速い。 だからと言って先にれみりゃ達を行かせると、土地勘の無いぱちゅりーには社の場所が分からない。 結果、れみりゃを待たせるしか無かった。 『ご・・・ごめんなさいね・・・すぃーさえあれば・・・・むきゅぅ・・・・・・』 こうしてれみりゃ達は、牛の歩みよりも遅く急ぐ。 その頃さくやへの伝言に残っためーりんは、元こーまかんだった場所で気持ち良さそうに寝ていた。 『な・・・な・・な・・・なにこれぇーーーーーーーーー!ど・・ど・・・どうなってるのぉぉぉぉぉぉぉ?』 故あって予定を切り上げて戻り、こーまかんがあった場所を見たさくやの絶叫が木霊する。 どう見ても洞窟崩落で、めーりんが死んでいるように見えなかったからだ。 『じゃぉ・・・じゃお?』 『え・・え?え?いきてる?』 さくやの叫びでめーりんは目を覚ます。 死んだと思い込んでいためーりんが、生きている事にさくやはビックリする。 そんなさくやにめーりんは、暢気に欠伸をしながら事情を話し出す。 『じゃおじゃおじゃおーん!じゃおじゃおじゃお!』 『なるほど!まったくわからないわ!』 普段はある程度のコミュニケーションはとれているが、流石に事の詳細となると一切分からない。 とりあえずれみりゃ達は無事らしい、ならばめーりんに案内してもうしかない。 『もういいからおぜうさまのところにはやくあんないしなさい・・・』 『じゃおじゃお?』 『ん?ああこのこはひろったの、えっとうのごはんさんじゃないわよ!』 さくやが引いていたすぃーの上には沢山の茸などの山菜が、そしてその上に置かれた紅髪のゆっくりの姿。 衰弱激しく未だ気を失ったままである。 『このこをみてもらおうとおもってね・・・かいゆだったのなら、なんとかしてくれるかもしれないでしょ?』 『じゃお!じゃおーーーーー!』 『わかったからはやくあんないしてちょうだい・・・』 弱り食事も取れなくなったゆっくりを回復させる方法は、野生のゆっくりの持つ知識の中には無かった。 しかし人の技術ならばそれも恐らく可能であろう。 さくやはめーりんに先導させてれみりゃの元へと急ぐ、この衰弱したゆっくりの為にも時間が惜しい。 『むぎゅううう~う~ぢぬわぁ~ぱちゅわぁ~ぜ~はぁ~ぜ~はぁ~』 『たいじょうぶだどぉ?そんなにしんだかっただどぉ?』 れみりゃ達が社に着いた時には、既に日も落ちかけて薄暗くなっていた。 普段出歩かないぱちゅりーにはかなり辛かったらしく、息も絶え絶えで社の床下で転がっている。 無人の小さな社は神社らしく外を朱色に塗られ、最近あったであろう神事の跡がそこかしらに残っていた。 周囲を床まで木で覆われていたが、裏側にあった隙間からなんとか床下に入る。 『う~なんだかあかくておちつくんだどぉ~』 紅い外壁がいたく気に入ったのか、れみりゃは何度も外に出ては社を眺めていた。 しかしこれは人によって建てられた物、ゆっくりが住み着くには問題がある。 ぱちゅりーの腹案がどう言う物なのか分からない以上は、話を鵜呑みにして油断する事は出来ない。 『ぱちぇにきたいするんだどぉ・・・・・』 しかしここを気に入ってしまった以上は、ぱちゅりーの策に期待するしか無かった。 今日は急遽の引越しだったため、昼からずっと食事を摂っていない。 『みゃみゃ~おにゃかちゅいただどぉ~』 『うぅ~こまったんだどぉ・・・・ごはんさんはこーまかんといっしょにうまっちゃたんだどぉ・・・』 蓄えてあった食糧は洞窟の中に置き去りとなり、さくやとめーりんは2匹とも出払っていて不在。 おまけに子ふらんは気絶したままで、迂闊に側を離れて狩に出る訳にもいかない。 だからと言ってぱちゅりーに行かせでもしたら、間違い無く何処かで野たれ死ぬだろう。 『むきゅう~ふぅ~ふぅ~れみぃ・・・・』 床下でのびていたぱちゅりーが、子れみりゃの声で起きてきた。 疲労困憊ながらもなんとか床下から這い出てくる。 『・・・・・・・・・ほんとうにだいじょうぶだどぉ?れみぃにはしにそうにみえるんだどぉ?』 『も・・・・もんだいないわ・・ぜぇ~はぁ~』 『かわりにれみぃがいくどぉ・・・』 ぱちゅりーは喘ぎながら社の階段を登ろうとしたが、体力尽きた身体では登る事ままならない。 看かねたれみりゃが代わりに社に上がった、そこにあったのは祭壇に捧げ物として置かれた供物。 供えられてから日がたっているのか、少し干からびている蜜柑やさつま芋等が並んでいた。 『うぅ~すごいごちそうなんだどぉ~!でもこれはひとさんのごはんさんなんだどぉ・・・・』 『ふぅ~むっきゅ~それはもんだいないわ・・・・・ ひとさんは、おそとにおかれたごはんさんはぜったいにたべないから・・・』 大きな寺や神社に供えられた供物ならまだしも、村の小さな社に捧げられた供物は食べる事はほとんど無い。 仮に食べるとしても、捧げたその日のうちに回収してしまう。 『あしたぱちゅがひとさんにこうしょうにいくからそのときにあやまっておくわ。 だからきょうのところは、そのごはんさんをいただきましょう・・・・・』 『うぅ~わかったんだどぉ、でもあしたはれみぃもいっしょにいくんだどぉ!』 れみりゃは供物の中から、干からびた蜜柑を頂戴すると子れみりゃの前に置いてやる。 皮は干からびているが中の実はまだ水分をたっぷり含み、酸味と甘味の調和が素晴らしかった。 『うぅ~おじぇうのしゅ~ぱ~でなぁ~たいむにゃんだどぉ~む~ちゃむ~ちゃ・・・ちあわちぇ~~~~』 『いっぱいむ~しゃむ~しゃするんだどぉ・・・・』 余程餓えていたのか子れみりゃは、一心腐乱に蜜柑を貪り食べる。 しかしれみりゃとぱちゅりーは、気になる事があり食事を摂ろうとはしなかった。 子ふらんがまだ気絶したままで目を覚まさない、いくら衝撃を受けたとは言え大分時間がたっている。 2匹は口にこそしなかったが、流石にこれはまずいと内心気が気で無い。 『うぅ!しずかにするんだどぉ!だれかくるんだどぉ!』 外で何かがやってくる音に気がつき、すぐさまに子れみりゃとぱちゅりーを床下に避難させる。 そして自分は物陰に隠れ何者かを確認、引きずるような車輪の音だがそれほど大きくはない。 『うぅ!これはゆっくりが2ひきとすぃーのおとだどぉ!このおとは・・・』 夕闇の中で音だけで判断するれみりゃ、そしてこの足音には聞き覚えがある。 そうこれはれみりゃのよく知るあの2匹の音。 『さくやーーーーーーー』 『はい?ただいまもどりました。』 社の前にはさくやとめーりんが辿り着いていた、思わず従者の名を叫ぶれみりゃ。 いくら気丈に振舞えど、抱えるその不安を拭いきる事なぞ出来無い。 その不安が爆発してしまう。 『れみぃのおちびがぁぁぁ・・・・ふらんがあぶないんだどぉ・・・・・どうしていいかわからないんだどぉ・・・・』 『お・・・お・・・・おぜうさま?どうしたのです?』 さくやの顔を見て緊張の糸が切れてしまったのか、思わずさくやに泣きつくれみりゃ。 だが事情の説明も無くただ泣き崩れるれみりゃに、さくやもただオロオロするばかり。 『むきゅ!さくやがもどってきたの?むっきゅ?れみぃ!ないてるばあいじゃないわ!』 れみりゃの声に飛び出てきたぱちゅりー、れみりゃが泣いているには驚いたがそれどころでは無い。 さくやが引張っていた自分のすぃーを確認すると、れみりゃに声をかける。 『れみぃ!ないていてもふらんはなおらないわ!いまからぱちゅがひとさんのところにいってくるわ! さくやとめーりんはこのごはんさんをすぐにおろして!』 『いまからですか?もうよるさんですしあすにされたら?』 『むっきゅ!だめよ!ふらんにはいますぐにでも、おれんじじゅーすさんがひつようなの!』 暗い夜道を進んでは狸や野犬等の獣に襲われる危険性がある、だがぱちゅりーはさくやの提案を一蹴してしまう。 オレンジージュースが何なのかはれみりゃ達は知らない、だがふらんに必要な物と言われては放ってはおけない。 『そのおれんじじゅーすさんでふらんはたすかるのかだどぉ?』 『むっきゅ!もちろんよ!おれんじじゅーすさんはゆっくりにとってばんのうなおくすりよ!だから・・・ むっきゅ?このこはだれかしら?』 めーりんが食料をすぃーから降ろすのを待ちきれず、ぱちゅりーは自ら降ろそうとすぃーに乗る。 そこで初めて、見知らぬ紅髪のゆっくりが乗っている事に気がついた。 『あぁ・・・・すみませんが、ついでにそのこもなおしてやっていただけませんか?』 『むっきゅ!わかったからはやくこれをのけてちょうだい!』 さくやは子ふらんのついでに、その紅髪のゆっくりの治療を頼む。 どうせ必要なのは同じオレンジジュース、二つ返事で了承するぱちゅりー。 紅髪のゆっくりを社の床下に移動させると、食料も次々と降ろされる。 『むきゅ?これは・・・・・さくやこのきのこさんをもらってもいいかしら?』 『ん?いいですよ、おなかでもすいたのかしら?』 『ちがうわ、このきのこさんはおかねさんのかわりにつかえるわ!』 さくやの集めた食料にあったのは茸の王様松茸、これとの交換ならば嫌がる人は少ないだろう。 もともとゆっくりと人では対等の交換は望めない、だがこれで対等以上の交換条件が揃った。 松茸を2本持つとぱちゅりーは、眼下に広がる人里へと下る。 『むきゅ・・・・いそがないと・・・・・』 すっかり陽も落ち辺りは真暗、街灯も少なく民家の明かりが目立つ。 ぱちゅりーはその中でも、目的のオレンジジュースが置いてありそうな商店を探す。 だが街暮らししかした事の無いぱちゅりーは、郊外の店舗は閉まるのが早い事を知らなかった。 『むきゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!これはいったいどうなってるのぉ~~どこのおみせやさんもあいていないわぁ!』 思いもよらぬ事態にうろたえるぱちゅりー、だからと言って何もせずに帰る事は出来ない。 今のぱちゅりーに、2匹のゆっくりの命がかかっている。 『むきゅう・・・・どうしたらいいの・・・・・』 進退窮まったぱちゅりーが立ち止まったのは自動販売機の前、サンプルの中にオレンジジュースがあるのが見える。 しかしお金を持たないぱちゅりーに買えない事は承知してた、ただ何となく明るい場所を求めて留まっただけ。 だがその判断は、意図しないところでぱちゅりーに功を成す。 「あぁ?何かと思えばゆっくりか・・・」 商店が閉まって困るのは本来はその一帯に住む住人、当然喉が渇いて飲み物を欲しても売っているのは自動販売機だけ。 晩酌用のビールを切らしてしまい、仕方がなくここに買いにきた男性に出会う。 『むっきゅ!おにいさんおねがいがあるの・・・』 「飼ってくれってのなら断る!」 『ちがうわ!ぱちゅにおれんじじゅーすさんとこむぎこさんをうってほしいの!』 「売って欲しいって・・・・お前金持ってんのか?と言うかゆっくりのくせに銭の価値を理解してやがるのか!」 『ごめんなさい・・・ぱちゅはおかねさんはもっていないわ、でもこれとこうかんでおねがいできないかしら?』 「こ・・これは!」 ぱちゅりーは男性に松茸を1本だけ差し出しす、流石に松茸だけはどんな素人が見ても一目で判る。 恐る恐る松茸を手に取ると男性は、何度も首を縦に振って了承した。 だが常時小麦粉を携帯しているのは、特異な愛で派お兄さんぐらい。 「と・・・と・・・りあえずお前うちに来い!うちにあるだけくれてやる!あと・・あぁオレンジジュースか・・・・」 男性は持っていた千円札を、自動販売機に突っ込むとボタンを連打しだす。 ガッコンガッコンと景気良く落ちてくるオレンジジュース。 安売りの販売機だったので、10本ものオレンジジュースが取り出し口に詰まる。 「あ・・・・・詰まった・・・・」 『むきゅぅぅ・・・・おにいさんいそいでぇ~』 5本でも取り出し難いと言うのに、流石に10本となると出す事が出来ない。 男性は隙間から指と枝を突っ込み、ジュースを横にずらそうと四苦八苦する。 その横でぱちゅいりーがヤキモキしていた。 「お~し!何とか出来た!さて次はうちに行かないとな・・・・よし!じゃあうちに行こう。」 自販機から取り出すのに時間がかかり、男性の家に着いた時には9時を過ぎる。 抱えられて連れて来られたぱちゅりーは、子ふらんの容態が気になってしかたがない。 だからと言ってここで男性を怒らしては、折角のチャンスを失ってしまう。 『むきゅ・・・おにいさん?』 『あ?何?小麦粉ならすぐ用意するよ。」 『ぱちゅはふらんのためにいそがないといけないの・・・・・』 「ふらんって・・・・捕食種だろうが・・・・お前はどっちかと言うならその餌に入るんじゃ?あれ?お前飼いゆ?」 そこで初めて男性はぱちゅりーの金バッチに気がつく、そして何かしら事情があるのを察した。 通常種が捕食種を守ろうとする時点でただ事では無い、しかも飼いゆの最高峰である金バッチゆっくりならば尚更である。 「わかった、巣まで送ってやっからまずは事情を話せ!」 『むきゅ・・・・わかったわ・・・ぱちゅはね・・・・・』 ぱちゅりーは男性にこれまでの経緯を話す。 飼いゆとして暮らしていたぱちゅりーが浚われてこの山へやって来て、そこで出合ったれみりゃに共感した事。 れみりゃは群れの再興を目指しているが、住処が崩落してしまい子ふらんが怪我をした等を話す。 「ふ~ん・・・なるほどねぇ~じゃあとりあえず行くか」 「むっきゅ?いくってどこに?」 男性はぱちゅりーの話を聞き終えて最初の1言がこれだった、返事も待たずにぱちゅりーを持ち上げ抱える。 その手に持った袋の中には、先程購入したオレンジジュースと小麦粉が入いっていた。 「何処も何もその社に決まってるだろが、今からお前だけで帰ってどれだけ時間がかかると思ってんだ?」 『むきゅ・・・でも・・でも・・・・・・』 「あぁ?まだ何か困ってる事でもあるのか?」 『ごめんなさい・・・ぱちゅたちはかってにそこにおいてあったごはんさんをたべちゃったの・・・・・・』 ぱちゅりーは社に住む事も供え物を食べてしまった事も、まだ誰にも許可を取れてはいない。 今日の所はとりあえず薬が欲しかっただけで、許可を取るのは後回しにしていた。 「ご飯ってあのかっさかさの蜜柑とか芋かよ?あんなもん猿も喰わねぇよ! 畑荒らさなきゃ誰も文句なんかつけないから大丈夫だって・・・とりあえず時間が無いんだろ急ぐぞ!」 『むっきゅ、おにいさん・・・・』 「あぁ?何だ黙ってないと舌噛むぞ。」 『ありがとう・・・・』 「その台詞はそのふらんが助かってから言え、ゲームや漫画じゃないんだから死んだゆっくりは蘇らないぞ!」 男性は自転車の前カゴにぱちゅりーを入れ、山の入り口にある社に向かって走り出す。 流石に運動の苦手なぱちゅりーであっても、すぃーで移動してきただけあって少し遠い。 街灯の無いあぜ道は真っ暗で、それが逆に夜空の星を鮮やかに魅せる。 20分ほど走ると暗闇の中に、薄っすらと小さな屋根が木の間に見えた。 「あそこで間違いないな?」 『むっきゅ!まちがいないわ!』 自転車のライトに鳥居が照らされ、その下に2匹のゆっくりがこちらを伺っている。 れみりゃとめーりんが、帰りの遅いぱちゅりーを心配して待っていたのだ。 だが流石に、そこに人の姿を確認すると物陰に隠れる。 『れみぃ~おくすりをもらってきたわ~』 『う~?ぱちぇのこえだどぉ!』 ぱちゅりーの声に無事帰還した事を安堵するれみりゃ、すぐに物陰からぱちゅりーを迎えに出てくる。 だがぱちゅりーの側には人に姿があったので、警戒して近づいては行かない。 「まぁ・・・・なんだ・・・とりあえずそのふらんを連れて来い、まずは兎に角も看てみるから・・・・」 『むっきゅわかったわ、れみぃふらんをこのおにいさんにみせてあげて・・・あとあのこもいっしょにおねがい。』 『う?ひとさんになおしてもらうんだどぉ?』 『そうよ!ぱちゅたちにはできないことがひとさんにはできるのよ!いそいで!』 『わ・・・わかったんだどぉ!』 ぱちゅりーの言葉に従い、れみりゃは急ぎ社の床下で伏せる2匹を連れてくる。 未だ気を失ったままの2匹、赤髪のゆっくりは衰弱が原因と思われるがふらんは原因がわからない。 「どれ?ふ~ん・・・・・まぁとりあえずこいつから・・・・・・」 『こ・・・ぁ・・・・こあ」 「お!効いた効いた!」 男性は2匹をしげしげと眺めると、赤髪のゆっくりにオレンジジュースをキャップ1杯分だけかける。 すると赤髪のゆっくりはモゾモゾと動きだした。 「こいつはこれでOKだろう、後は少しずつオレンジジュースを飲ませてやれ。 絶対に一度に沢山やるなよ!身体が吸収し過ぎて舌が肥えるうえに、記憶まで糞に混じって出ちまうぞ!」 『むっきゅ!ゆっくりりかいしたわ!』 次に男性は子ふらんを手に乗せ顔をしかめた、特にこれといった外傷が見当たらないのだ。 身動き一つしない子ふらんだったが、その体温がまだ生きている事を証明している。 「まさかな・・・・・あ!これは酷いな・・・・・・・」 『むっきゅ!』 子ふらんのお帽子を取ると、そこには大きく陥没して頭部が割れる怪我があった。 中身の餡が割れ目から見えている。 「洩れちゃいないようだがかなりヤバイな、まぁ蓋しとけばいけるかも知れん。」 男性は用意していた小麦粉を取り出すと、それをオレンジジュースで練り始める。 凹んだ頭部を少し切り開き、そこに練った物を流し入れた。 再度蓋をして、上からオレンジジュースをかけて終了。 すると子ふらんがプルプルと少し震え、ずっと閉じていたその目を見開く。 『うぅ~おじぇうのいもうちょがおめめしゃんをあけちゃんだどぉ~』 子ふらん意識を取り戻した事に喜び、子れみりゃが側へと飛んできた。 抱きつく様に擦りあう姉妹、だが何か様子がおかしい。 『ううううううううううううううううううううううぐあう!』 『うぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・い・・・・・・い・・・・・・・』 子ふらんが突然唸り咆哮を上げると、姉である子れみりゃに噛みつく。 そして姉を一心不乱に喰らう子ふらん、その姿は獣の如き殺気を帯びている。 あまりの事にあっけにとられ、れみりゃやぱちゅりーは子ふらんを止めるのが遅れてしまう。 我に帰った時には、子れみりゃ既に半身を喰われ虫の息。 「おい・・・・・あれ止めなくていいのか?」 『むっきゅ!むきゅうううううううう!ふらんなにしてるのぉぉぉぉぉぉぉ!』 『おちびちゃんがおちびちゃんをををををを?』 『だ・・・だ・・だめですいもうとさまぁぁぁ!』 さくやが中枢餡を止めて子ふらんを静止させるが、そこには既に息絶えた子れみりゃの姿。 その後も子ふらんは静止を解かれると、目に写った者相手かまわず飛び掛ってくる。 そこにはもうれみりゃもさくやさえも区別は無い、これでふらんの静止を解く訳にはいかなくなってしまう。 それを一部始終見ていた男性が、さくやのゆっくりを静止させる能力に気づく。 「おい・・そこの銀髪のゆっくり・・・・」 『ゆゅ?ぎんぱつ?それはさくやのことかしら?』 「あぁお前だよ。お前はどうやらゆっくりの動きを止めれるみたいだが、それは何匹でもいけるのか?」 『そうね・・・・ちかくにいればむれひとつぐらいならいけるとおもうわ。 でもこれでいもうとさまからはなれなくなってしまったわね・・・・』 「それは俺がなんとかしてやるから、その能力を生かして働いてみないか? ここに住むのも俺が、自治会長に話しをつけてやるから。」 男性がさくやの能力と引き換えに、住む場所の提供を申し出る。 正直いってこれはれみりゃ達にとって、喉から手が出る程欲しかった話だった。 社に住む事が出来るうえに、中枢餡を損傷して狂ってしまった子ふらんをどうにかしてくれると言うのだから。 『むきゅ・・・おにいさん・・・・ふらんをどうするつもりかしら?まさかころさないわよね?』 だがぱちゅりーは、単純に人の言葉を鵜呑みにはしない。 万が一にも最悪の事態を想定する。 人との具体性の無い約束は、後でどんな罠が待っているか分からない。 「お?流石にお前は賢いな・・・・大丈夫だちゃんと医者に診せてやるから任せておけ。」 『むっきゅ・・・それだったらおねがいしたいわ・・・・もぅぱちゅたちではふらんをたすけられないもの・・・ れみぃどうかしら?ぱちゅはこのおにいさんのていあんをのむしかないとおもうの。』 ぱちゅりーは男性から、子ふらんを医者に診せるとの言質を貰う。 元々ここまでぱちゅりーを連れてきてくれた時点で、この男性が信用出来そうな気はしていた。 欲しかった約束は貰った、後は当主の許可を得るだけ。 『うぅ・・・・さくやになにをやらすきなんだどぉ?』 喉から手が出る程の条件だったが、男性がさくやに何をさせる気か判らない。 配下の者の安全が保障されていない話に、主のれみりゃが容易に乗る訳にはいかなかった。 「ん?ああ畑の監視官をしてもらえないかと考えてる」 『むっきゅ?はたけさんのかんしかん?』 『はたけってなんだどぉ?』 野生のゆっくりに畑の概念は無く、如何なる植物も自然に生えてくる物であり栽培すると言う知識は無い。 だが人の下によって、生まれ育まれきたぱちゅりーは理解出来る。 『むきゅ・・・・そうね・・・・・』 理解しているだけに説明に困るぱちゅりー、容易に野菜は生える場所と説明すれば誤解が生じる可能性がある。 かと言って育成過程等を難しく説明しても、れみりゃ達に理解して貰えない。 「畑ってのはお前らが子供を育てるみたいに、人が野菜を大事に育ててる場所だ。」 『ひとさんがおやさいさんをそだててるんだどぉ?かってにはえてくるんじゃないんだどぉ?』 「野菜は赤ゆの様に弱い植物なんだ、誰かが面倒をみてやらんと枯れちまうんだ。」 男性はれみりゃに、野菜は面倒をみないと育たないとだけ説明した。 種だの土壌がどうだのと説明しても、ゆっくりには理解出来ない事は分かっている。 『よくわからないんだどぉ・・・でもひとさんがめんどうをみているってのはわかったどぉ』 とりあえずは人が管理している場所で、そこで植物が育てられていると言う事は理解するれみりゃ。 ここまで理解出来れば、何故さくやが監視しなければならないかは推察出来る。 『つまりはゆっくりからはたけさんをまもればいいんだどぉ?』 「おぉ~察しがいいな!御名答だ!ゆっくりが畑を荒らしに来たら、ゆっくりの動きを止めて呼んでくれればいい。 後の駆除はこっちでやるからさ・・・・それに余った野菜もお前らにやる。」 畑の監視をすれば住居どころか、売れない野菜までくれると言う破格の条件が提示される。 だがこれにれみりゃは以外に反応を示した。 『おやさいさんはいらないんだどぉ!れみぃはこーまかんのあるじなんだどぉ! ここにすませてもらうだけでじゅうぶんなんだどぉ!』 「ほぉ~ゆっくりが言うねぇ~いいねぇ~その誇り高き信念って奴は俺も嫌いじゃない。 とりあえず監視官の仕事はOKって事でいいな?後は俺に任せておけ。」 長としてのプライドかそれとも人への警戒か、れみりゃの誇りが食べ物の施しを拒む。 だがこれでさくやにやる畑の監視は認められた。 男性もれみりゃの長としての姿勢が気に入ったらしく、子ふらんを連れて暗闇の中を帰って行った。 『いもうとさまはだいじょうぶでしょうか・・・・・』 『もぅれみぃには、おにいさんにまかせるしかないんだどぉ・・・・・』 さくやとれみりゃは、その姿を見えなくなるまで見送って呟いた。 賽は投げられたのだ、後は流れに身を任すしかない。 『むっきゅ!わすれていたわ!めーりん!このこをなかにはこんでちょうだい!」 『じゃおおおおお!』 赤髪のゆっくりをめーりんに、社の床下へと運ばせるぱちゅりー。 続くように皆の床下へと入って行った。 社の床下には建築時の廃材だったのか藁や木屑が置かれ。 秋風の冷える夜でも暖かく、昼の疲れもあり皆ぐっすりと眠りにつく。 『むきゅ・・・・さぁのみなさい・・・・』 『ごくごく・・・・こぁ~』 しかしぱちゅりーは寝る事なく、紅髪のゆっくりの看病をする。 これから1晩中、少しずつオレンジジュースを与えなければならない。 量の加減の作業もあり、これはぱちゅりーにしか出来ない作業である。 ゆっくりにとって万能薬のオレンジジュースの唯一の欠点、それは大量に与え過ぎると口が肥えてしまう事。 ただでさえ体力の無いぱちゅりー種、しかも子ふらんの為に慣れない里をすぃーで走り回り疲れている。 『むきゅ・・・う・・ぅ・・・むきゅ!ねてはだめよ!このこのいのちにかかわるわ!』 必死に己を鼓舞しながら、眠気と戦い紅髪のゆっくりを看病するぱちゅりー。 混沌とし意識の焦点が合わず、ぼんやりながらもそんなぱちゅりーを見つめる紅髪のゆっくり。 『こ・・・あ・・・?』 現と幻の区別がつかぬ中、額に汗するぱちゅりーに今は亡き母の姿を思い描く。 夜がしらじむ頃には通常種にやられた腫れもひいていた。 『こぁ~こぁ?こあこあ!』 紅髪のゆっくりが目覚めた時には、怪我は癒え痛みはまったく感じられない。 そしてその横で疲れて眠るぱちゅりーの姿、夜明けまで奮闘し癒えたのを確認すると気絶するかの様に眠りにつく。 薄っすらと覚えている昨夜の情景を思い出す。 思わず感謝の気持ちを込め、眠っているぱちゅりーに頬を擦りつける。 『むにゅ・・むきゅ・・・・むっきゅ?きがついたのね・・・・・よかった・・・わ・・・・・』 その感触に目を覚ますぱちゅりー、すぐにその相手が紅髪のゆっくりである事に気がついた。 元気になった姿に安堵するが、すぐに疲労から眠気に襲われ混沌としながら眠りにつく。 それからぱちゅりーが目を覚ました時には、既に太陽は高く昇り時刻は昼を過ぎる。 『むきゅ~んん~?ぱちゅはなにをしていたのかしら?』 『こあ!こあこあ!』 紅髪のゆっくりが慌てて外に飛び出していく、そしてすぐにれみりゃを連れて戻ってきた。 れみりゃは、起きたばかりのぱちゅりーを床下の外へと連れ出す。 『ぱちぇありがとうなんだどぉ!おかげでりっぱなこーまかんができたんだどぉ!』 『むっきゅ?れみぃ?なにを・・・・・?まぶしくてみえないわ!』 寝起きのうえに徹夜だったぱちゅりーには、いきなりの光は眩しく何も見えない。 やがて目が光に慣れてくるにつれて、その目に写ったのは人影と紅い小屋の様な建物。 『むっきゅ?これは・・?』 「おー起きたか寝ぼすけ」 そこにいたのは、ぱちゅりーが昨夜出会った男性と見知らぬ男性が数人。 皆で社の裏に小屋を建て、さきほど紅く塗り終えた所である。 「ここに住めるように、自治会長から許可貰ってきてやったぞ。」 『むっきゅ?じゃあこうにんになったのね!」 「だが条件は話した通りだ、それもこいつと本ゆんの許可は出てるし問題ないな。」 男性は昨夜のうちに自治会長と話をつけてくれ、ここに住むどころか専用の家を作ってくれた。 子ふらんは昨夜のうちに、ゆっくりの餡医に預けられている。 交換条件だったさくやによる畑の監視、これはぱちゅりーが眠っている間に既に始められていた。 『さぁきょうこそはおやさいさんをひとりじめする、げすなじじぃからおやさいさんをてにいれるよ!』 『えいえいゆーーーーー!』 『はぁ・・・・・ばかばっか・・・・・』 「こ・・これは凄いな・・・・・糞饅頭共が木偶人形の様になったぞ!」 監視を始め僅か数分で初の襲撃があり、速攻でさくやの能力の有効性を見せる結果となった。 畑に侵入しようとした所をさくやによって静止され、そのまま固まる野生のゆっくり達。 男性達がそれを拾う様に集め一箇所に集める。 『ゆ?ゆゆゆ?どぼぢでこんなとこにいるのぉぉぉぉぉぉ?』 「はっはっは!馬鹿が騒いでやがる!」 『じじぃぃぃぃぃぃ!はやくここからだせぇぇぇぇぇぇぇぇ!』 「お前等は加工所送りだ!いや~良いゆっくりもいたもんだ!愉快愉快!」 さくやの能力により楽に、畑を荒らすゆっくりを集める事が可能となった。 こうして高い評価を得て、気を良くした自治会長の計らいでこの小屋を建てて貰えたのである。 「塗装をどうしようかと思ったんだが、こいつが五月蝿いから紅く塗っておいたぞ。 神社も同じ朱色だから、違和感が無くてちょうどいいしな。」 男性の指差す先に満面の笑顔のれみりゃが、建ったばかりの新こーまかんを眺めていた。 人の配下となるのはれみりゃにとっても思うところはあるが、それ以上に味方と考えるのならこれほど心強い存在は無い。 幸いにもここは山と人里を分ける場所にあり、山のゆっくりはここを通らなければ里には行けず。 畑はさくやが監視しているので隙は無いだろう。 『こーあこーあ!』 「むっきゅ・・・くすぐったいわよ・・・・あなたしゃべれないのね・・・・なまえはなんというのかしら?』 ぱちゅりーの看病により助かった紅髪のゆっくりは、話す事が出来ないようで「こぁこぁ」としか話さない。 それでもぱちゅりーに対する感謝を表そうと身体を擦り付け、親愛を込めて頬を舐めてくる。 「こあでいいじゃねぇか?さっきからこあこあ鳴いてるし。」 『むっきゅ!そうね!きょうからあなたはこあよ!こあゆっくりしていってね!』 「こーあ!こあこあ!」 こうしてれみりゃは、新たな仲間と居城となる場所を得る。 今後人との協定は、れみりゃに何をもたらす事となるのか・・・・ 力が仲間を呼ぶのか仲間が力を呼ぶのか、れみりゃの群れ再興はここから今始まる。 おわり ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー まさか続きを書こうとしてこんなに時間がかかるとは思いもしませんでした。 これも全部仕事が忙しくなったのが悪いんです・・・・・・ 申し訳ありませんが、続きはかなり時間かかると思われます。 時間が無さ過ぎて全然纏まりません。 出来るだけ頑張ってみますので、どうぞお見捨てなきよう御願い致します。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ○○あきのSS感想はこちらへ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1275503703/ 誤字・脱字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 anko1218 ゆ虐ツアー anko1232 ゆ虐ツアー お宅訪問編 anko1243 ゆヤンワーク anko1495 ゆ虐にも補助金を anko1785 ゆうかにゃんはアイドル anko2265 『てんこふみふみ』 anko1237 デスラッチ01 雪原のまりさ anko1250 デスラッチ02 まりさの思い出 anko1274 デスラッチ03 まりさとつむり anko1282 デスラッチ04 まりさとおにいさん anko1314 デスラッチ05 まりさとおちびちゃん anko1337 デスラッチ06 まりさとリボン anko1341 デスラッチ07 まりさと春 anko1711 デスラッチ08 まりさの子ぱちゅりー anko1931 デスラッチ09 まりさの写真 (終) anko1296 デスラッチ外伝01 まりさとまま anko1505 デスラッチ外伝02 まりさとめぐりあい anko2208 デスラッチ外伝03 まりさに出会うまで・・・・・ anko1276 ゆっくり種 anko1278 ゆっくり種2 anko1291 ゆっくり種3 anko1310 ゆっくり種4 anko1331 ゆっくり種5 anko1350 ゆっくり種6 anko1391 ゆっくり種7 anko1482 ゆっくり種8(終) anko1362 ケーキ anko1527 極上 anko1612 砂の世界 anko1768 永遠の命 anko1779 塗りゆ anko1863 れみりあが愛したおちびちゃん anko1872 疾風ゆっくリーガー anko1942 ゆっくりキング anko1969 ゆクライド anko2032 夏だ!プールだ!まりさと遊ぼう! anko2192 いっかのすえ anko2237 ゆ出 anko2314 『とある秋の恵みの攻防戦』 anko2355 『思えばそこは幻想郷』 anko2406 『こーまの王 「賢者」』 _・)ジ- ↓
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主に「なりきり初心者Q Aスレッド」から抜粋します。(改変含む) 【目次】 ロール関連 レスアンカーシステム 自分への質問を増やすには 「素出し」について ロール関連 41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2005/03/21(Mon) 18 40 短ロル、中ロルなどよく見るんですが、ロルって何のことですか? 42 名前:◆Pk5kLlqU 投稿日:2005/03/21(Mon) 19 08 ロルはロール(Role)の略です。 ロールとは本来の意味は「状況描写」、ようするに掲示板でいう「レス」に、 さらに現在の自分の状況を説明している書き込みといえば、 お分かりいただけるでしょうか。 例えばファンタジー系チャットで、入室する場合など・・・ いくぞ!(勢い良く扉を蹴破り、中に入った) みたいな感じの。 だから短ロル、中ロルってのは、短いロール、中くらいのロール、の意味ですね。 俺の説明で分かり辛かったら、こちらを見ていただければよろしいかと(笑 http //www.10ch.tv/narikiri/play_narikiri.html レスアンカーシステム 302 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2005/04/16(Sat) 22 13 {あの…数字が青くて、そこをクリックすると、書き込んだ文が見れるのって どぅやれば良いんでしょうか??; 「 番号」ってヤツです; この質問、前にも出ていたら御免なさい; } 303 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2005/04/16(Sat) 22 14 そのまま同じように書いてみ? 勝手にリンク貼ってくれるから 304 名前:◆Pk5kLlqU 投稿日:2005/04/16(Sat) 22 19 あなたが書いてるとおり、 番号でレスにリンクされますよ。 但し番号は必ず半角で。 これがフロート式匿名掲示板の特徴である、レスアンカーシステムです? 自分への質問を増やすには 797 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2005/11/04(Fri) 11 07 自分への質問を増やすには 日参する その作品が好きな人にとっては、キャラと会話出来るのは芸能人と会話するようなもの。 不定期にレスをするよりは、定期的にレスをしてあげた方が喜ばれる。 即ち、日参を繰り返す事によってキャラハンと名無しの距離が縮まり、ありきたりな質問以上の会話が可能となる。 さらには、定期的にレスをする事で、名無し側も定期的にスレを覗くようになり、覗いたついでの質問も期待できる。 男キャラは痺れさせて、女キャラは萌えさせてナンボ 格好良いキャラになったら、徹底的にシビれさせる。 可愛いキャラになったら、徹底的に萌えさせる。 名無しがその魅力に「はにゃーん」となればこっちのもの。 女キャラでも格好良いキャラはシビれさせ、男キャラでも可愛いキャラでは萌えさせよう。 セク質を歓迎する セク質名無しは上客。 セク質名無しさえ居れば、スレが過疎になる事はまず無くなる。 「セク質なのでスルーします」一辺倒ではなく、ネタで返す事を覚えてレスしよう。 作品絡みのまともな質問を考えて投下するというのは、意外に大変で難しい。 本能だけで書き込めるセク質なら、簡単に思いつくので名無しも楽。 そのうちセク質ばかりになるのを恐れる名無しが、まともな質問を落として軌道修正しようとしてくれるので問題はさほど無い。 ただ、ネタばかりでなく時々本気で困ったり恥ずかしがったりしないと、セク質名無しが飽きてしまうので注意。 ツッコミどころを作る レスにツッコミどころを残しておく。 「おいおい○○、それって一体何だよw」のような書き込みをしたくなるように、行動を誘導する。 ボケキャラはやりやすいし、格好良いキャラもたまにやるといいアクセントになる。 冷静に客観的に見て、自分のレスが面白いかどうか考える 遊びなのでやってる本人が楽しくなければしょうがないが、名無しも質問して遊んでいる。 自分のレスは名無しの望むものを返せているか。 自分のレスは、その質問をした名無し以外の人が読んでも楽しめると思うか。 自分のレスがキャラになりきっている自分だけが楽しんでいる、というものになってはいないか。 スレでのやりとりは多くの人が見ている。 名無しを楽しませられるだけのレスを書けているか、今一度自分のレスを読み返してみよう。 名無しになってみる 他スレに名無しとして出入りしてみよう。 自分の書き込みに、どういう反応が返ってくる嬉しいか、自分はどういう反応を期待しているのか。 そういった事を感じ、キャラハンに戻った時にそれを生かせるようにしよう。 「素出し」について 487 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/01/08(Thu) 00 32 {キャラハンの素出しについて質問です。 これらをネタにするのは素出しでしょうか? 声優、主題歌 現実の社会で起きた事 作者が同じの他作品 } 488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/01/08(Thu) 00 47 キャラが知っていると思えるなら素出しにはならないと思います。 489 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/01/08(Thu) 03 55 >>487 素出しに関しては見ている人の捉え方にもよると思うので自分の考えですが参考程度にしていただければ…。 声優、主題歌 あまりコアなネタには注意ですね。「この声(歌)好き!」を全面に押し出す形になると背後の趣味出しという意味で素出しになると思いますが、例えば…大/塚明/夫(一応検索避け)さんの声で今/日か/らマ/王のグ/ウェ/ンダ/ルとメタ/ルギ/アソ/リッドのスネ/ークは同じ声です。…で、グウ/ェン/ダルのキャラハンをしているとして、スネ/ークのネタをやるとします。 「カロリーメイトが食べた…!?私は何を言っているんだ!」 …これならネタで片付けられるかと。ただ注意すべきは、あまりやりすぎると素出し以前の問題でキャラ壊しになるという所ですね。 現実の社会で起きた事 貴方が演じているキャラの私生活を想像した上で違和感が無い程度の物であれば構わないかと。悪い例をあげるのであれば、学生のキャラを演じているとして。 「会社の上司に大目玉喰らったから自棄酒してきた」 …なんて言われたら違和感ありますよね?実生活を出すなら演じているキャラの身の回りでも十分起こり得る出来事に絞った方が良いと思います。 作者が同じの他作品 これに関しては少々難しいですね。世界感やキャラを必要以上に崩す可能性もあるので、自信が無ければやらないことをお勧めします。自分も経験あるので…。世界感が似ているのであれば問題無いかも知れませんが『現代学園物』と『ファンタジー』等の組み合わせだと、どうしてもどちらかの世界に無理が生じるかと。 どれも多少のキャラ崩しには繋がってしまうという事を理解した上でやるのが前提になると思うので、様子を見ながら少しずつやるのが良いかと思います。 ただ、キャラ崩し全部が悪い訳ではなく、時にキャラ崩しは名無しを楽しませるキャラハンの武器にもなりえると自分は思います。 長々と偉そうに失礼しました。 頑張って下さいね、良いナリライフを。 490 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2009/01/08(Thu) 22 58 >>487 基本は>>488さんの言うとおりですね。 つまり、 「キャラが知っている(はず)のこと」を話すのなら素出しにはなりません。 声優、主題歌 これについては、大抵NGです。 たとえばあなたがドラえもんのなりきりをするとします。 私達の住む「本物の日本」において、ドラえもんはテレビアニメとして放映され漫画も出版されています。 歌も声優も有名ですし、ドラえもんを知らない人はいないといっていいでしょう。 ところが、ドラえもん達が住んでいる「ドラえもんが存在する設定の日本」では、ドラえもんは有名ではないのです。 ドラえもんはのび太くんと彼の両親とともに普通の一般市民(?)と変わらぬ生活をしています。 そこではもちろん、ドラえもんのアニメは放映されていませんし、漫画が出版されてもいません。 当然、アニメが存在しないのですから、アニメの主題歌も存在しませんし、声優も存在しません。 ですから、ドラえもんに向かって、 「前の声優の大山さんの方が好きだった」と質問したとしても、ドラえもんはそれに答えることは出来ないのです。 あなたがドラえもんのなりきりをしていて、この質問を名無しからされたとします。 あなたは「本物のドラえもん」になりきらなければなりません。 ならば、あなたが、ドラえもんの歌や声優について、すらすらと答えるのは はっきり言って異常です。ありえないことなのです。 ですから、あなたは「そんなアニメはしらない」と言う意味の返答をしなければならないのです。 これが「素出し」をしないということです。 これが出来ればあなたは「リアルになりきっている」という評価を得ることができるでしょう。 しかし、「良いキャラハン」と呼ばれるためにはリアルなだけでは不足です。 「そんなアニメはしらない」と答えるのは「なりきりとしては正解」ですが、 これだけでは、「返答としては面白い」ものにはなりません。 知らない + 読む人をひきつけるネタ = リアルで、しかも面白いなりきり = 良キャラハン という事が出来るでしょう。 必ずこうだというわけではありませんが、これが良キャラハンの一典型ではあろうと思います。 ここまでお話すれば、 現実の社会で起きた事 作者が同じの他作品 はどうすればよいかわかりますね? 現実の社会で起きたかどうかより、それをドラえもんが知っているかどうかを判断基準としてください。 そうすると、社会でおきた事件、ニュース、江戸時代などの歴史的事実については、大体話してもいいのではないでしょうか。 ドラえもんは現代の日本で暮らしているのですからね。 これがドラゴンボールの孫悟空では、ほとんどNGになるでしょうけれど。 作者が同じ他の作品についてはこれをドラえもんが知っているならOKですが、 ほとんど知らないと見るべきでしょう。 ドラえもんの中にキテレツは登場しなかったと記憶しています。 まれに、ドラえもんが同じ不二子先生のキャラクターと共演した場合のみOKと見るべきです。 こうやって考えると難しく思えるかもしれませんが、このように、 「リアルなドラえもんとは何か」について設定を考えるのも、なりきりの楽しみの一つです。 頑張ってくださいね。 .
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※お兄さんが試験官です ※虐待要素がほとんど無いです ※⑨というゆっくりがで増す 「ゆっくりテストを受けてね!」 突然だがゆっくりの知能が非常に低いことは知っているであろうか。 しかし、ゆっくりでも知識が高いゆっくりもいるのだがその知識はどれほどか気になるので 知性が高くも低くも無い通常種のゆっくりも含めてテストを行うことにした。 テストは小学一年生のたしざんひきざん①と書いてあるものを使用する。 回答者は れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇんというおなじみのメンバーと あと、特別ゲストにらんも入れている。 (席順は左からありす、みょん、れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ちぇん、らんの順番) このメンバーでテストに挑戦してもらう。 ちなみに試験官はお兄さんが入る。 (ゆっくり何ぞに任せたらテストじゃなくなるため) 「おっけー、じゃテスト始めるぞー」 「「「「「「「ゆん!」」」」」」」 「あ、後逃げ出そうものならようしゃ無く叩き潰すからいいね? あと点数低いやつはお仕置きな では・・・はじめ!!」 お兄さんの合図とともにゆっくり達鉛筆を口に銜えるようにしてテストを始める。 それと同時にお兄さんはあたりを見渡す。 ぱちゅリー、らんの二匹はすらすらとテストを進めている ちぇん、みょんは少し考えひらめいたという感じの顔をすると少しずつ書いていた。 ありすは少しは知識があるのか頭(?)を捻らせがんばっている。 結構がんばっている姿はかわいらしいが 問題がひとつだけあった それはれいむとまりさだった。 れいむとまりさ種はそこらへんに生息しているゆえ 子供だのえさだのゆん生などでその他のことはまったく考えない奴らなので 頭はよほど悪いほうではないかと思った。 れいむとまりさのほうに視線を向けると わからないという顔をしてテストとにらめっこをしている。 ああ、だめだこりゃ、とお兄さんが呆れ顔でれいむとまりさを見ていると声が聞こえた。 「「おにいさん!てすとできた(わ)よ!」」 目の前に移ったのはらんとぱちゅりーだった。 おお、もうできたのかと関心し らんとぱちゅりーのテストの答案を受け取り採点を始める。 ふむふむ。 と答えと赤ペンを取り出し しゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっしゅっ・・・ と得意げに丸をふっていった。 「らん、すごいなお前。 100点満点だぞ!」 答案をらんに返す。 らんの答案の名前の隣にでかでかと100と書いてあった。 「どうする?らん。 もっと難しいのがあるが・・・」 「ぜひやらせてね!」 とらんが自身ありげに言うので今度はたしざんひきざん②というテストを渡す。 らんはテストを銜えて自分のいた場所に戻っていった。 次にぱちゅりー 「じゃあ、採点だな」 とまた得意げに赤ペンのキャップをはずし そして しゅっしゅっしゅっしゃっしゅっしゅっしゅっしゃっ・・・ 「惜しいなぱちゅりー 80点だ」 「むきゅん・・・」 「もう一回がんばってみろ・・・またできたらもってくればいい 間違えたところは俺が消しといてやる・・・ ほら」 と消しゴムでぱちゅリーの間違えたところを消す 「むきゅ、ありがとう。」 というとぱちゅりーはテストの答案用紙を銜え席に戻る。 しかし席に戻るなりまりさが声をかけた。 (ぱちゅりー・・・とうあんをみせてほしいのぜ・・・) (むきゅぅっ!? なにをいってるのまりさ!) (まりさはたすかりたいのぜ! となりのれいむはぜんっぜんだめなのぜ!!) (だからってかんにんぐはだめよ!まりさ!!) (うるさいのぜ!!ぱちゅりーはだまってとうあんをみせるのぜ!) (むきゅー!いやよ!) とこそこそと話しかけていたがついにまりさの堪忍袋の緒が切れたのか立ち上がって叫んだ。 「ゆっ!いちいちうるさいよ!ぱちゅりーはだまってとうあんをみせればいいのぜ!!」 その声を上げた後体当たりを仕掛けようとしたがすぐにそれを止めた。視線を感じる。 周りを見るとぱちゅりーを除く、すべてのゆっくりから冷たい視線が放たれた。 当然お兄さんからも。 「まりさ・・・」 「ゆっ・・・ゆゆっ!! ちがうよ! ぱちゅりーがとうあんみせろとうあんみせろっていちいちうるさかったからなんだよ! わるいのはぱちゅりーなんだよ!」 と必死の言い訳をする。 しかも他人に罪を擦り付けるとはこのまりさ・・・ゲスだなとお兄さんは呆れ顔で見ていた。 当然解答者からは 「みぐるしいよまりさ!」 「ちんぽー!!」 「しぼうふらぐなんだねー わかるよー」 「ちぇん、こんなわるいことをするとむくわれないんだよ。 わかってね」 「わかったよーらんしゃまー」 と罵声。 そして試験官がまとめに入る 「ま、まりさには罪を擦りつけようとしたし罰を与えんと。 異議は無いか?」 「「「「「「いぎなーし!」」」」」」 「ゆげげっ!」 「おっけーじゃあ、まりさにはれみりゃのえさになってもらおう!! 餡子を吸われてじわじわと死んで逝ってね!!」 「そ・・・そんなぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」 「じこうじとくね、むきゅん」 「ぶざまだね!」 「まらぺにーす」 「ばかなんだねーわかるよー」 「ちぇん、ああいうばかのことを⑨っていうらしいよ」 「そうなんだ!らんしゃまはなんでもしってるねー すごいよー」 「まりさは⑨なんかじゃないいいいいいいいいいいいい!!」 再び罵声。 と、言うよりなぜらんが⑨を知っているのかが不思議だが 「おk、じゃあおぜうさまのところに案内してやろう。」 「やだあああああああああああああああたすけてええええええええええええええええええ!!!」 まりさを断音性のあるかごに入れ放置する まりさのことはおいておいてとりあえずまりさが脱落したところでタイムアップ できたところまででいいから見せてくれといい。 答案に採点をする 答案を採点した後それぞれに返す。 結果 1位 らん 100点 2位 ぱちゅりー 80点 3位 ちぇん 60点 4位 みょん 50点 5位 アリス 40点 6位 れいむ 10点 圏外 まりさ (反則行為を行ったため) 0点 となった。 やはりぱちゅりー種はやはり群れでは欠かせない存在だなと感じた 「ぱちゅりーはよくがんばったな。偉いぞ」 「むきゅ~んほめてくれるとうれしいわ」 終わり 「おわりじゃないでしょおおおおおおおおおおおおお!!」 「ん?なんだ、まだいたのか」 「まだいたかじゃないよー ぱちゅりーだけほめてちぇんたちはほめてくれないの?」 「いや、これはあくまでもゆっくりの知性を測るためのものだから ほめても意味無いぞ」 「ち・・・ちんぽぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!」 「そうよ!ありすをほめちぎったってなにもでないんだから!!」 「お前は何が言いたい。」 「ほ・・・ほめたってなんにもでないからね!」 「はいはい、ツンデレツンデレ あ、でもらんはよかったな。 100点とか 森の中で競い合ったら一番になれるんじゃないの?」 「ゆん、ありがとう、おにいさん できたらちぇんもほめてあげてね。」 「はいはい。ちぇん よくがんばったな」 「ゆん、うれしいよー」 「おk、らん、帰るぞ」 「わかったよ」 「じゃあなお前ら。元気でやれよ」 「またね!ちぇん!」 「またあおうねーらんしゃまー ゆ、もうちぇんもかえるよー じゃあねれいむ、みょん」 「けっきょくれいむはほめてくれないのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 「まらああああああああああああああああああああ!」 「・・・ありすにもほめてほしかったな」 おまけ(まりさ その後) お兄さんの家の一室 「おーい、れみりゃ~ でてこ~ぅい」 とお兄さんはれみりゃの名を呼ぶとソファーから聞いてるだけでいやになる声がした。 「うっうー☆おにいさんのおよびだしだどぉ~ きっとかり☆しゅまなおぜうさまにいいたいことがあるんだどぉ~ よんだかだどぉ~」 「おお、きたか。 今日のご飯だ。 子供と一緒に味わって食えばいい。」 とまりさをぽいっと投げつける。 「うー☆おいしそうなあまあまだどぉ~ えんりょなくこどもたちとたべるどぉ~」 「そうするといいぞ。あ、そうだ 後、こいつもね一緒に食べな」 と無造作に投げ出されたのはテストを受けたれいむ。 「いたっ!おにいさん!もっとていねいにあつかってね! ・・・ってなんでれみりゃがいるのおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! あとなんでれいむがこんなことにいいいいいいいいいい!」 「いやお前テスト点数低かったじゃん。」 「ええええええ!?きいてないよおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「いや、最初言ってたよね『点数低いやつはお仕置きな』って そういうわけだ。 ゆっくり食べられてね!!」 とお兄さんは部屋を後にした。 「「そんなあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「こどもたち、くるどぉ~」 「う~☆おきゃ~しゃんにゃんぢゃどぉ~」 「う~☆あみゃあみゃがありゅどぉ~」 「おかあさんといっしょにたべるどぉ~」 「いただきまーすだどぉ~」 「いぢゃぢゃきまーしゅだどぉ~」 「「い・・・いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 今度こそ終わり あとがき 何日間かいろんな人のSSを見てきたけど やっぱすげー byさすらいの名無し このSSに感想をつける